-------------------------------------------------------------------------------- すみません。 No.6001 投稿日 2003年1月26日(日)04時36分 投稿者 馬宮  上の書き込みでの、URL紹介、間違えました。  こっちです。 あるライターさんのHP -------------------------------------------------------------------------------- 取り急ぎ簡単に No.6002 投稿日 2003年1月26日(日)08時08分 投稿者 天衣  え〜と、本日は少々忙しくて長い書き込みができませんが、 早くレス出しした方がよいと思われる事柄について簡単に。 >新木さん > とりあえずあの文章に対して、リライトの使用許可がもらえれば、皆への教材として活用できますので。  ああ、そうか。まだリライトの許可は出してない形なんですよね。「指摘」と「リライト」は別物だわ。  え〜と、いいですよ。許可します。  皆さんがどう料理するか興味ありますし。わたし自身にとっても、参考になるところですからね。 > きつくて、堪えるようなら、無理はしなくてもいいですよ。  まだ「無理」という段階ではないので、なるべくお付き合いしたいとは考えております。  「序における脳内イメージの図化」や「リライト二稿目以降」も、出したいとは思います。ちょっと今日中には無理っぽいですが(日付けが変わったあたりならなんとかなるか……?) -------------------------------------------------------------------------------- 「甘い」自分を再認識。 No.6003 投稿日 2003年1月26日(日)11時16分 投稿者 望乃英司(ぼうのえいじ) <新木さん >カーセックスのシーンに関して  そういえば、無駄な部分が多い、という指摘の他に、野次馬に囲まれる根拠が薄いっていう指摘がありましたね。  つい見落としてしまいました。せっかくの指摘を無駄にして申し訳ないです。  しかし、なるほど。状況証拠では弱い、物的証拠が必要ということでしたか。もっともだと思います。  新木さんが出した、おじさんが「忘れ物だぞう」と言って、使用済みコンドームを投げるという案、いいなあ。  それと女のほうが下着履いていない、というのも先に言われてしまいました。多分、僕が真っ先に思いつく物的証拠はそれだったと思います。  他に思いつく物的証拠は……、 物的証拠パターン1  男の方が、おじさんの説明を聞いて、「分かりました、すぐに車出します」と言う。  おじさんが、「ちょいと待て」と言ってポケットから、ファミレスの使い捨ておしぼりを取り出し、男に渡す。  怪訝な顔でそれを受け取る男。おじさん曰く「それで彼女の口まわり拭いてやんな」。周りのおじさんたち爆笑。  昨夜、彼女にフェラチオしてもらって、男は一回射精してしまったわけです。  で、その名残の白い汚れが、彼女の口元についていた。 *  んー、でもこれはボツだな。彼女の方は、おじさんと彼が話しているときに、サイドミラーとかで自分の顔ぐらい確認してるのが自然だろうし。  男の方が彼女の様子を確認せず、口元の汚れに気付かないってのも無理があるし。 物的証拠パターン2  男の方が、おじさんの説明を聞いて、「分かりました、すぐに車出します」と言う。  おじさん曰く「ああ、頼むよ。それと、鉄砲は使ったらしまうもんだぜ?」。周りのおじさん爆笑。  男は昨晩、息子をしまい忘れて寝てしまったのだった。 *  で、これもボツだな。普通はしまい忘れないだろうし。  単に、猟友会の鉄砲と、男の鉄砲(息子)とをかけてみたかっただけです。寒いネタですね。  うーん、難しい。 >カーセックスのシュミレーションに関して  何で親父さんに頼まないの? への返答ですが、まず真っ先に浮かんだのが「恥ずかしいから」でした。  ですが考え直しました。僕は作家志望者なのです。  多少恥ずかしかろうが、ちゃんと小説のためのシュミレーションと説明すれば、分かってもらえるだろうし。  何より、すぐに手に入る経験を欲することより、はずかしさが強いなんて、作家志望者の姿勢ではありません。  今は、色々理屈をこねて逃げようとしていた自分の方がひどく恥ずかしいです。  で、結果。  父に理由を説明して、一応車の中で脳内シュミレーションしてみました。  ポーズをとってもらうのはさすがに頼めなかったです。というより、頼みませんでした。  何故なら、僕には、まず「セックス」自体の経験がない。なのでポーズをとってもらっても、得る経験が少ないと判断したからです。(いや、これも「甘え」なんだろうな)  ともかく、車でセックスするのがどれくらい窮屈か、というのは分かりましたが、肝心の「セックス」がリアルに描けない。  まあこれは、もうすぐ二十歳になるんだし、イメクラにでも行けば手に入る経験ということで、問題ないかと思うのですが……。 >尊敬語禁止の理由について  何故プロの言葉を鵜呑みにしては問題なのか? の考察、これは考え中です。 >分室が「教室である」と、僕が思いこんでいるという件について  えーと、結論から言うと、思い込んでいないと思います。  よみかく分室説明の、   「プロ作家である新木伸は、技術を盗んでもらうためにここを主催しています。参加していれば、プロが手取り足取り教えてくれてプロになれる、なんて甘っちょろいことを考えている方は、どうぞ回り右してお帰り下さい」  も忘れていません。  ただ、「教授」、「教育」してもらいたい、とかそういう甘えは確かにあるので、100%思い込んでないと言えば嘘になります。  それと、新木さんに「分室が教室であると、僕が思っている」と思わせてしまった文は、No.5980の、 >結果出来上がる事態は、「よみかく感想掲示板」と「よみかく分室」を両方面倒見なければならない、という超面倒なものです。    という部分ではないかと推測します。  僕がこの妄想めいた文章で伝えたかったのは、「よみかく感想用掲示板」が「教室」になってしまう危険性がある、ということでして。  分室での指摘のことまでひっくるめて、「面倒を見る」なんて言い方をしてしまったのがそもそもの間違いでした。  少なくとも、今の分室が「教室」である、という考えを僕は持っていないつもりでした。  ですが「教える」と「教授」、「教育」の違いを説明している部分を読むと……やっぱり分室を「教室」と捉えていた部分はあったのかなあ、と。  この件に関してはひたすら反省して、考えを改めます。  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6004 投稿日 2003年1月26日(日)18時48分 投稿者 新木 伸 >羽矢野 >>この話題は、終わり。  うん。その話題は終わりにしていいけど。  っていうか、掲示板上で身の上相談なんてはじめられたら、こちらが困るが。  っーか、ちらりとでも見せるな。そんな話題。  気に掛けて欲くって、それで思わせぶりな態度を取っているんじゃないかって邪推するわい。30に手の届く歳のいい大人が、そんなもん、自分で片付けてきなさい。  俺も分室初めてからこちら、この2年のうちには色々あったが――。  小説に関わることしか、ここには書いてないだろ。  親父は死んだが、しかし原稿は書いてた――とか、そんな小説がらみのネタになることしか話題は振ってない。(はず) >>てか、新木さんが書いてることとそんなに違わない。(紫さんとかから聞いたのかな?)  べつに紫から聞いたわけではなく、人生にありがちな、あれやこれやを適当に書いてみただけね。ありがち度120%以上で厳選はしてみたが。  ――で、その話題は希望通り終わりにする。  相談したいなら紫あたりにでも電話してなさい。あ、みやびさんはダメだよ。アレは僕のなんだから。  ――で、それはそれとして、別の話。  前々から訊こうと思っていたのだけど。  君にとって、小説って、なんなの?  人生のほうと、小説のほうと、どっちの優先順位のほうが高いの?  つまり――。  人生のための小説なのか? ――人生をより豊かにするためのもの?  小説のための人生なのか? ――小説を書くために、そのいまの1回分の人生があるわけ?  ――ってことだが。  これ前者であれば、それは「趣味」というものなのね。本人がどう思っていようと「趣味」なの。それは。客観的にいってね。  これでプロになろうっていうのは、そもそも、間違っている。  まあよほど才能に恵まれている人ならば、人生をより良くするための「手段」として小説を書いて、売って、そして裕福で上級な文化人の生活をする――なんてことも、無きにしもあらずだろうが。  さもなきゃ、そもそも資産家だったりして、生活面でなにも心配がないとかだね。  人生に彩りを添えるために小説に傾倒する――とか、そういうことであるとか。  しかし――。  生まれて初めて書いた小説で賞を取れちゃってデビューしちゃうとか――そんな特に目立った才能もなく、また生活のために仕方なく仕事をしなくてはならないような「普通の人間」が、プロ作家を目指すってことが、どういうことだか、わかってんのかなぁ。  それは人生賭けるってことなんだよ?  小説家っていうのは、これ、芸人なの。  芸を追う人なわけ。  成功するか失敗するか、自分の望む「芸」をものにできるかできないか。  なんの保証もありゃしない。  しかし「人生」っていう、ただ1枚きりのちっぽけなチップを賭けることもなしには、「丁」も「半」も張らせてはもらえないわけ。賭場に立たせてさえもらえない。  張るべきものも張らず、ここに上がってこようとしてんじゃないよ。ばかやろうが。  まず人生ありき――で、そこにオマケとして小説がくっついてくるようであれば、作家志望は取り下げて、目標は「趣味のアマチュア活動」においておきなさい。  またいまはまだ腹をくくれてはいないんだけど、そのうち覚悟を決める「つもり」があるのなら、作家志望準備者だとかなんだとか、そういうふうにしとけ。  また、そのうちゆっくりと実力がついてきて、あわよくば賞とかを取れてしまったなら、作家になってみようか――っていうあたりなら、これ、「作家希望者」としとくこと。  どうも、「作家志望者」っていうものが念頭にあると、その言葉に惑わされてしまうんだよね。俺自身が。  つい、そういうふうに受け取って、そういうふうに考えて、そういうふうに扱ってしまうわけだ。そして激しくイラつくことになる。  「そんなんで作家志望者なのかよ? 本当に?」――ってふうに。  人生のほうに小説が「オマケ」としてくっついてくるような、そんなアマチュア志望者に、いまみたいに辛く厳しくガシガシあたったって、おたがいが不幸になるだけだろ?  こっちもイラつくし、無駄なエネルギーを使うことになるし。  そっちもただ痛くって精神に負担が掛かるだけだし。  いいことはなにもないはずだが?  諦められるようならば、諦めといたほうがいいのね。作家なんてもんは。  「自分が志望していたのは、じつは趣味としての小説だった。そのことに初めて気づいた」――って、これは立派な理由になるだろ。  言い逃れする、いい理由じゃんか。  きっと誰に対しても通用するぜ? この言いわけなら。  やるよ。その言いわけ。  プロ志望を諦めていい「立派な理由」。  いま、ここに言いわけがあるんだから、チャンスなんだぞ?  プロを諦めるための。  いま「人生」のほうが大変なんだろ? そっちに専念しろよ。悪いことは言わんから。 >羽矢野 >>でも、露(あらわ)って言葉があるから、ここは暗闇から、エロい体が徐々に(まだ書かれてない)主人公の目にうつるってのを作者はやりたいんじゃないだろうか。  そっちの意味で使うなら、「顕」になるだろ?  ここは「露骨」っていうニュアンスの「露」なのだと思ったが。  エロさが徐々に露に現れてくるニュアンスね。  じつはここ、誤字と決めつけていいかどうか、だいぶ悩んだところ。  もしここで作者が「顕わ」にするか「露わ」にするか、検討したうえでの結果なら誤字ではないのだろうけど……。  まあたぶん、作者はそんなこと、これっぽっちも考えてもいなかっただろう。だから「誤字」って決めつけちゃっていいところなんだろうけど。  ただ偶然にも、この文章におけるコンセプトの「エロっぽい」と、「あらわ」の2種類ある表記のうち「露」が変換の第一候補として出てきたってことが一致していたので、誤字にはならずにすんでいたのではないかと……。そう推測している。  もし「顕」がIMEの変換で一発目に出てきていたら、たぶん天衣さんは、間違いなくそっちを使っていたはずだ。 >馬宮さん  キャッチコピーの話。 >>でも実際はほとんどの場合が、無意識のうちに、キャッチを見てその後の本文を読むかどうかを決めている。  うん。そうそう。  こっちのライター用語における「キャッチ」っていうのは、小説でいうと「タイトル」に近いね。  まあ大抵の人が、タイトルを見て、その本を「手に取るかどうか」決めている。  小説の文中におけるキャッチっていうのは、まあ、読者の目を捉えるための仕掛け。  そのあたり一帯に書いてあることの、もっとも重要な要約――みたいなもの。  雑誌の記事で「キャッチ=見出し」だけを追いかけていっても、おおよその意味が掴めてしまうように、小説の場合にも「キャッチ行」だけを見ていっても、だいたい意味が掴めてしまうものだったりする。 >馬宮さん >美女が照らし出されるシーン  馬宮さんが思いのほか読み取ってくれていたので、嬉しくなって、袋からいっぱいエサを撒いてみることにする。 >>普段は、文章が書いてある場所の背景色(ここだったら、薄い紫ですよね)が、最初の色です。  薄い紫(っうか本当はブルーだが)の背景色は、ここを読む人が、気を落ち着かせて冷静になって、思考を明晰にしたうえで文章を読めるようにと意図して、そして決定した色なわけね。  色彩学の応用だ。  しかし馬宮さんの場合には、媒体の背景色が、脳内イメージの「原初の色」になるのか〜。そういう人もいるんだな。  僕はこれ、一般的には「黒」だと考えている。  ただし本当は、「黒」って書いちゃうと正確ではないんだよね。「黒」っていうのもひとつの色であるから。  しいて言葉にするならば「黒」だけど、やはり「黒」とも違う、色のない色。  便宜上、これを「原初の闇」とでも命名しておこう。  ――で、僕の例の美女が浮かびあがってくるシーンでは、この「原初の闇」を使おうという試みがあった。  いちばんはじめに「漆黒の闇」と書くことで、それを固着させたつもり。  読者に対して、「いま君の頭の中に見えている、そのままの色でいいんだよ」って言うわけね。  まああんまり成功しているとはいえんし、「原初の闇」を読者の脳内に固定させるにしては、表現が稚拙きわまりなくって、見返すととってもアレなのだが。  俺ってヘタだなぁ――と、本当にそう思う。  まあ「原初の闇」が出せなくても、ここでは単なる「暗闇=黒」でも用は足りるわけだ。  そっちのイメージでもそれほど間違ってはいない。  作者として本当に狙いたいところは「黒ではなく、もっと黒い原初の闇」だけど、次善の策としては、「これですくなくとも黒であることは伝わるだろう」ってなところ。最低限、こっちが伝わっていればここは成功したといえる。 >>口紅、赤いかもしれません。  もちろん、口紅は紅いよ。  「赤」ではなくて、「紅」のほうだけど。  馬宮さんには、その色までが見えていたわけだ。  はい。ここ注目。  書いてないのに、なぜか見えてますね?  赤い口紅がね。  これ描写の奥義のひとつなんで、覚えておくように。  書かずに、読者に見せるわけだ。  じつを言うと、彼女には小さめのツノが頭の左右に生えていてね。  そこも赤く塗っていたりするのだわ。できればそれも「書かず」に見せたかった。しかしいまはこれが僕の限界。  だがまあ見ていろ。もう10年か20年か修行を積んだなら、その部分まで、きっちりと「書かずに見せて」やるから。 >>「ぽうっと浮かびあがった円」というところで、いきなり文字が絵になりました。 >>ここで、具体的に女の顔がアップになって見えました。  どの時点で描きこんだ情報量が「臨界点」を迎えて、読者の脳裏に「映像」となって結ばれるのかは、計算して、計ってゆけるもの。  その方法を、ちょっと書いてみる。  ――の前に、ひとつ余談。  ここで「美人」って書いているよね。僕はいつも「美人と書いたら、それは美人の描写ではない」――と、そう口を酸っぱくして言ってはいるわけだ。  しかしこうして、「美人」と書いて、美人を描いてしまう方法もある。  本題に戻る。  どうやって、いつどこで、読者の脳裏にどんな映像を浮かばせるかをコントロールするための手管の話ね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  漆黒の闇の中に、蝋燭の灯りが、小さくともる。  美女がひとり。ぽうっと浮かびあがった円の内側に、その半身をおいている。  爪を赤く塗った手で、女は燭台を捧げ持っていた。  光は一本きりしかない蝋燭からもたらされているものだった。だがそれさえも眩しいものであるかのように、女は目を細めている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このサンプルの中で、タイミングを計って仕掛けていたり、読者が注意を向ける視点(着目点)をコントロールしていたりするのは、以下の部分。 ○工夫とコントロールの手管 ・「漆黒の闇」で「原初の闇」を読者の脳裏に固定。 ・「ぽうっと」で、読者の脳裏に丸く切りとった映像を出現させる。 ・「半身をおいている」で、女の上半身あたりを漠然と読者に見させる。 ・「爪を赤く塗った手で」のところで、女の手に読者の「視線」を移動させる。 ・ついで「燭台を持った〜光は蝋燭からもたらされ」で、燭台に「視線」を移動。 ・「女は目を細めている」で、最後は女の顔に「視線」を移動。 ○読者の視線移動(まとめ)  「上半身を漠然と」 → 「女の手と爪」 → 「手が持つ燭台」 → 「燭台で輝く蝋燭の灯り」 → 「女の顔」 ○このシーンの狙いやウリなど ・狙いとウリ。   →「暗い感じ」「女は美人」 ・これ以降への「引き(期待感)」   →「女は何者だろう? 女はこれからなにをするのだろう?」 >>本当に美人だったので、びっくりしました。 >>なんで、美女ってだけで女の人の顔が決まるのかな、と思ってもう一度読み返しました。  女が美人であることが、馬宮さんの脳裏に浮かんだことには、理由がある。  それは僕がこの部分を書くときに設計したことで、意図した通りの読者の反応。  二度読みして気づいたようだけど、「爪を赤く塗っている」ってのがあるわけね。  この情報が頭の片隅に残留したまま、「女は目を細めている」を読んだため。  「爪を赤く〜」と「女は目を細め」との文章上の距離は、2行しか離れていないでしょ。  もしこれが3行、あるいは4行くらいかな? ある一定以上前に書かれていたことだったら、こうはならなかった。  それだけの距離があると、頭の中への「イメージの残留効果」が消えてしまう。だから「美人の顔」がぱっと脳裏に浮かんでくるという効果は狙えず、ここは失敗していたところ。  科学的に説明すると、これは脳内の「超短期記憶」というものに関わってくる。  これは人間の脳が物を覚える仕組みのひとつ。  記憶にはいくつかの種類があるわけだが、「超短期記憶」っていうのは、ほんの4〜5秒間だけ覚えている種類の記憶。  2行前になにが書いてあったか――なんて記憶は、ここにしまわれる。  この記憶は、意識を集中すると、30秒間ぐらいは持つ。  たとえば電話番号を覚えるときとか。電話をかけるまでは覚えていられるよね。  しかし小説を読むぐらいの集中度だと、せいぜい、3〜4秒が限度。  それは読者が普通の速さで読んだ場合には、およそ2〜3行前まで――となるわけだ。  ――で、こうしてある「イメージ」が脳裏に残っている状態で、目が文章を追っていって「別のイメージ」を読むとする。  ここでふたつのイメージが重なるわけ。  「爪の赤い」「女」「目を細める」――のこの3つの概念が、同時に脳内に存在して、そして一つに重合すると、それは別のものに化学変化する。この場合は「美人」って概念ね。  そういう仕組みだ。  あと、プロ作家が「誤字」にこだわる理由を、ここでひとつ書いておく。  じつは、いま書いているこのことと、すごく関係のあることなのだ。  誤字なんてもんは、間違える前の元の字は、たいていはわかるものだよね。だから「内容を正確に伝える」という面では、誤字が多少あったところで、たいしたミスでもないのだな。  しかし、たとえば――。  この「爪を赤く〜」から「女は目を細め」のあいだに、もし誤字が1個でもあったとしてごらん。  そこで確実に、一度は目が止まってしまうよね。誤字って気になっちゃうものだから。  そしていちど目を止めてしまってから、気を取り直してふたたび読み始めたとする。  そうすると、「爪は赤い」っていう超短期記憶にもとづく情報は、頭の中からすっかり揮発しちゃっているわけだ。  そうすると、三つの概念が合体して「美人」に変化するという作用は起きなくなる。  ここで僕の狙う効果は出てこない。そしてこの描写は失敗する。  だから誤字は、絶対に、ゼロでなくちゃならないわけだ。  ちなみにこのサンプル。夢境学園の2巻からね。  1巻は「転校生vs影の生徒会、学園支配闘争編」だから。  2巻は「魔界からの王女編」です。 >>こういうわけで、わたしは文字情報がすぐにイメージになりません。 >>頭の中に情報が十分たまった時、映像に変換されます。 >>「爪を赤く塗った手」という言葉の記憶が、女のアップになった時に突然思い出される、というふうに。  ちがうよ。  我々プロがあらゆる手とあらゆる技術とを尽くして、心を配って、細心の注意を払って文章を設計して、こうして仕掛けているからこそ――快適にストレスなく、「頭の中に映像が浮かぶ」という現象が起きているわけ。  ラーメン屋さんがすごく手間をかけてラーメンを作っているから、お客さんがラーメンをおいしく食べられるのと、まったく同じ。  馬宮さんの頭の中で起きている「それ」は、すべて、こちらの狙ったとおりの効果なわけ。分かってるの。そうなるってことは。そうなるように、書いてるんだから。  そこまでやると、ようやくそれは、「描写」と呼べるものと成り得るわけね。  ここを目指せとはいわない。  僕の「これ」は、いわば描写の最低ラインでしかない。  だから目指すならもっと「上」を目指せ。僕も目指している。 >台詞だけで美人を描写 >>これは、美人の台詞「一つ(カギカッコ一個分)」、ということですか?  いや、それはさすがに無理。  400字すべて、会話文でだけで構成して、地の文が一切なしで、やろうっていうこと。  やるのであれば、人ができることをやっても意味がない。俺にしかできない技を見せる――とすると、そうなるかなぁ、ということ。  会話の中では、誰かが誰かの容姿について褒めたり言及したりとか、そうゆうの一切なしね。それは小手先のズルだから。  たとえば三人ぐらいの人間が学食でアイスコーヒーを飲んでいるとする。  そしてたわいない会話をやっていたりする。その会話を読んだ人間の脳裏に、登場人物のひとりの容姿をありありと浮かべさせて、それを「美人」って感じさせる――って、そういうこと。やってみないとわからないが、たぶん、可能だろう。  方法はまあ、「爪を赤く塗って〜」――で、馬宮さんが美人を連想したのと同じような原理。「美人っぽい喋りかた」をさせると、読者の脳裏には、「美人のイメージ」が発生するものなのだ。  このキーワードは、あっちでは「赤い爪」だったわけでしょう。それが口調とか話しかたとかに変わるだけのこと。  いま脳裏でシミュレーション展開してみた。(――っーか、寝ていたらなぜか浮かんでしまったので、書き留めておくことにした)  うん。できるよ。  しかし、いま修羅場中で、テンション上がっていて、神様も小人さんたちの存在も、すぐ近くに感じられるくらいだから、できるのかもしれないなぁ。  執筆と執筆の谷間でもって、ふぬけているときにはできないかもしれない。  ちなみに、シチュエーションは、こんな感じだ。 場面場所:  大学校内。  昼過ぎの学食。 登場人物:  美人のお姉さん。その後輩の女の子(可愛い系)。お姉さんと同期の青年。  三人は共に大学生。同じゼミ所属だが学年は違う。3年生、2年生、4年生。 展開: ・(ひとりでお茶を飲んでいるお姉さん)。 ・女の子がやってくる。レポートの手助けをしてくれた礼を言ってくる。 ・(お姉さんにひどくなついている女の子)。しきりに礼を言う。優しく応じるお姉さん。 ・青年が登場。有能かつハンサムで、お姉さんよりもひとつ歳上のその青年、前から頼まれていたデータをお姉さんに渡す。(無理矢理手伝わされ、しかも急がせられたことに、文句のひとつでも言いたげな顔)。だが実際には文句は言わない。 ・女の子のときとは裏腹に、素っ気ない応対をみせるお姉さん。(しかし内心では感謝している) ・(二人の仲を、それとなく悟ったふうな女の子)  この()で括ってある部分は、実際には台詞に出てこない部分。だがこれを読んだ読者にはきちんと伝わるように、そういう台詞にするということ。  表情だとかそんなものについても――。  そもそも会話文だけで、地の文もないのに、表情とかは描けるはずがない――が、描かずに、読者の脳裏に浮かべさせる。これは「美人の顔」を脳裏に送りこんだのと同じ手法で行う。  上記のように、会話文だけで、書けることは確信した。  コンセプトと取っかかりは、こんな感じ。  「優しさと冷たさの二面性を持っているキャラは、そりゃ、美人に決まってんだろ」――てなところ。  ひょっとしたら、このプロットからでも、馬宮さんあたりは「美人」を多少は感じ取れるかもしれない。  だとしたら、「筋立て」で美人を描くこともできるってことになるね。  まあ、こうして設計するところまでは、すぐなんだけど――。  実際に文章を書いて、さらに詰めてゆくほうは時間がかかりそう。一字一句やら、さらに、「間」やら「テンポ」や「リズム」まで、すべて細心の注意を払わんとならんだろう。  だから、いまはパス。仕事しなきゃだわさ。  ちなみにこんなこと、声優さんであれば、誰でもやってることね。  「声色で美人を演じわける」とか、そういうこと。  (新人だとわからん。ベテランさんなら大抵できる)  「美人のお姉さん」「普通のお姉さん」「可愛い女の子」「ナマイキな女の子」  また「美人」のなかでも、「冷たい美人」「エロい美人」「清楚な美人」「優しそうな美人」「知的な美人」――などと、さまざまに演じわけができる。このぐらいの分解能もなかったら、それはプロの俳優といえない。  録音スタジオじゃ、「もうすこし美人のお姉さんっぽくしてみてください」「ああ美人でも、冷たいほうじゃなくって、すこし愛嬌のある感じで〜」とか、そんな指示が飛び交っているもんだ。そしてそれをこなせるのがプロの声優さんというもの。  ちなみにこの挑戦課題が、「会話文で美人」でなくて、「会話文で可愛い」であったら、もっと簡単に「できる」って断言しちゃうところなんだがなぁ。  でもそれじゃ挑戦がないから、やる気を駆り立てられるほどでもないが。  声優さんの「声色で美人の演じわけ」と、小説の会話文においての「声色で美人の描きわけ」だけども。  文字媒体の小説でやるときには、ひとつ問題がある。  文字だけの会話文のなかに、いかにして「声色」を込めるのかということ。  これは以前立証して、確認してきた。  会話文で「声色」をこめることは、これは、可能なのだわ。  昔、ある仕事をした。  会話文だけによるシナリオを書いて、渡したわけだ。  その会話文だけのものを読んで、声優さんに声をあててもらった。  このとき「声優さん」「録音監督」「監修役の僕」の三者の見解が、見事に一致していたわけね。「そこはそうじゃない」「もっとこっちのほう」とか。  少なくとも録音監督と僕の意見は、たいていのケースで、おおむね一致していた。  ということはつまり、台詞だけから、「口調」や「声色」は伝えられるということだ。  しかしこれ、すごいことのように思われるが、あちらの業界では、脚本書く人間であれば「あたりまえに出来てしかるべき」ことであった模様。  「俺、できたもんねー。どうだ。えっへん」なんて得意になっていて、打ち上げのときにその話をもちだしたら、俺、ひとりで浮いてたもん。  「なにあたりまえのことを言ってるんですか」みたいな顔で見られた。べつに威張ることでもなかった模様。ごく普通のことだった模様。  キャラ立てに関しては、小説家っていうのは、かなり遅れていて、かなり「キャラ立てに不自由な人」が揃っている模様だ。  だからこそ、「あっちの業界でいえば並」でしかない俺みたいな者が、こっちの業界では「キャラ立てを武器」にして渡っていけてしまうわけだが。  世界は広いね。  井戸の中だけでまわりと比較してると、すぐ蛙になっちゃうね。  気を付けないとなぁ。 >天衣さん  「きついですか?」の質問は、感想掲示板のほうの、「3行しか読まない人から、ねちねちやられてはこたえるでしょう」を見かけて、誤解してしまったため。  あれ、別の場所で天衣さんがこぼしている愚痴だというふうに、勘違いしてしまったせいでした。ごめんなさい。  あっちは、村井さんと風輪さんの話だったのですね。  考えてみれば、こっちは3行ではなく4行なわけだし。もうすこし注意すれば、別の話だとすぐわかったはず。 >望乃君  アイデア出しのときにも、系統図を活用するんだよ。  「物的証拠系」の下に、いくつか枝分かれしてゆくわけでしょ。  たとえば「車内に証拠系」と「車外に証拠系」という枝がある。  「車内に証拠系」の下に、さらに、「男に証拠」と「女に証拠」があって、他にもなんかあるだろ? 「ダッシュボードに証拠」とか「シートに証拠」とか「フロントグラスに証拠」とか。  またべつな観点から、また別な系統樹も作れるわな。  「コンドームで証拠系」と「下着で証拠系」と「精液で証拠系」とか。  こちらは証拠品がなにかという観点にもとづく系統図だ。  アイデア出しのやりかたとしては――。  まず実際のアイデアは出さなくていい。  先に系統樹を作り、充実させてゆく。  そして系統樹のほうに「抜け」がないかどうか見る。  そうしてから、実際にアイデアを出してゆく。それぞれの分類につき、1個ずつ出していって、まずいったん、系統樹全体をひととおり埋めるわけね。  ひとつの分類――たとえば「精液で証拠系」とかで、複数のアイデアを出してゆくのは、ひととおり全部を埋めてからあとの話。  系統樹も作らんうちからアイデアを出していったって、ただ散漫になるだけだ。  集中力の無駄遣いをしているだけで、たいした効果は望めないぞ。 >望乃君 >>ポーズをとってもらうのはさすがに頼めなかったです。というより、頼みませんでした。 >>何故なら、僕には、まず「セックス」自体の経験がない。なのでポーズをとってもらっても、得る経験が少ないと判断したからです。  ばーかーだーねー。  なぜ親父さんに聞かなかったのか?  「経験者」がそこにいるのに。  親父さん。  君を「こしらえた」ことがあるんだから、もちろん経験者に決まってるだろ。  ついでにいうと、イメクラではセックスできません。射精させてもらえるだけです。  またついでにいうと、この場合、ファッションヘルスのほうが言葉的にはふさわしいのではないかと思われます。でも、こっちでもやっぱり本番はできません。  イメクラってなんだか知ってるのかな?  ファッションヘルスとの違いは?  どんなことしてくれる場所?  だいたい、そもそも風俗に行って得る「セックス」の経験ってのは、「男の側が一方的にサービスを受ける経験」であるわけで、この場合の「恋人同士のセックス」とは別物だろ?  あんま役に立たんと思うぞ。  風俗でサービスを受ける場合には、男はマグロになってりゃいいわけだが。  恋人との普通のセックスで、男はマグロにならんだろ?  まったく逆じゃん。  まったく役に立たないじゃん。  あと風俗店は、入店禁止なのは「18歳未満」だけのはずだが? (高校生だと18歳でも入店禁止だろうが)  働く側(女の子側)も18歳以上であれはOKなんだから。客だってそう。  ただし二十歳未満の場合は、保護者の監督下にあるわけで――。  保護者の同意は必要であると思われる。  ちなみに日本の法律では、二十歳越えていれば、「自己責任」においてなにやってもいいとされている。  誰も守ってはくれないかわりに、自由は得るってシステム。 >「教え授ける」と「教え育む」の違い  僕が分室では(ときどき)やっているという、「教授」と「教育」。  これは、具体的にはどんなもんかというと。  「教授」――相手が理解しているかどうか確認してみる。まだ理解していないようなら、もういちど同じことを言うか、違うアプローチで  「教育」――教えて「育む」のが教育。ケツを叩いて生課題やらなんやらをやらせて、自分で「育つ」ようにしむける。  ちなみに学校教育では。  この「授けたかどうか」の確認部分がどうなっているのかというと……。  つまり「テスト」なわけね。  なにしろひとりの先生が何十人。いや、何十人ってのは1クラスだけの人数か。  学年全体を合わせると、200〜300人くらいになるのかな?  これだけの人数に対して、いちいち、「ちゃんと覚えたかどうか」の確認なんてしていられない。物理的に無理ってもの。  ――そこでしかたなく、皆に集めて一律に「テスト」をやらせてみて、そしてその点数を見て個々の「理解度」を計測するわけだ。  「点数」の低い生徒には、ちゃんと個別に「補習」ってやって、もういちど教えてくれたりするでしょ?  きちんと「教授」してくれているよね。有り難いことだね。  学校教育っていうのは――。  なるべく少ない教師の人数で、なるべく大勢の人間に、なるべく短期間のうちに、社会生活を送るために「最低限」必要なだけの知識を詰めこむための――最前の手段でしかないのね。  妥協に妥協を重ねて、そして費用と効果のバランスを計ったうえで、いまのこの形として落ちついているわけ。  ベストじゃなくて、ベターなわけだ。  「最高」じゃなくて「現状での最良点」っていうこと。  200頭のウシにエサを食わせるには、どうすればいちばん効率がいいのか?  すべて一箇所に集めてきて、いっせいにバケツでエサを撒くんだよ。  乱暴に言ってしまえば、そんなような理屈だ。  しかしこのウシどもは、やれテストが大変だの、教師の教えかたがなってないだの、補習がウゼーだの、ぶーぶーと不平を垂れている。  字の読み書きやら、数の数えかたやら、そんな文明社会の「人間」として生きてゆくのに必要な「モノゴト」を食わせてもらっている立場なのに、よくも言えた義理だわな。  なかには目の前にエサが持ってこられて「さあ食っていいぞ」とやってくれているにもかかわらず、ぷいっと顔を背けて全然食わないアホタレなウシもいる。  まあそれでも、現代日本の場合には――字の読み書きと、お金の計算ぐらいできないとさすがに生きてゆくのも難しいからね。そのくらいは「しぶしぶ」ながら食っていっているようだが。  中学校までで、9年間も厩舎にいて、いったいなにをやっているのやら。 -------------------------------------------------------------------------------- 描写について(余談) No.6005 投稿日 2003年1月26日(日)22時03分 投稿者 鷹見一幸  また聞きなのでソースは確実ではないが、面白い話だったので。  とある声優の女の子が、作詞に挑戦して、一生懸命歌詞を書いたんだそうだ。  んでもって、自信満々で作詞家の人に見せたら、それを読んだ作詞家の人が 「あなたは、赤い花は『赤い花』って書く人なんだね」  と批評したそうです。  その声優の子は「私には作詞の才能がないということが骨身にしみてわかりました」と言ったそうだが。一応声優として職を得ている人間だけのことはある。と感心しました。 ……という話を読んだ人から聞いたのを自分なりにアレンジして書いている (おそらくは七次情報あたり)  風説と変わらんが、ネタになりそうなので(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 戻ってきました。 No.6006 投稿日 2003年1月26日(日)22時48分 投稿者 弟切 千隼 静岡より戻ってまいりました弟切です。 帰宅してメールの確認をしたら、お仕事メールが五通くらい溜まっていまして、そちらの処理を早急にしなければなりません(^^; したがいまして、今回は帰還報告とレスのみとさせていただきます。 >>距離の単位「里」について 新木さんに名指しで訊ねられましたが、鷹見さんが答えて下さったので助かりました。 さすが鷹見さん、私よりもはるかにわかりやすく説明して下さって、また深い見識を示して下さいましたね。 私も、鷹見さんほどではないにせよ、大正末期〜昭和初期くらいに生まれた人と話す機会が何十回かありました。その経験からいいますと、やはり軍隊や大学などの特殊な場所でない限り、「里」という距離単位は普通に使われていた模様です。 「里」については、十分に鷹見さんが語って下さっていますね。少しだけ、そこに説明を加えさせて下さい。 この「里」という距離単位は、もともと中国で採用されたものです。「里」の起源は極めて古く、紀元前一〇〇〇年くらいに始まったといわれている周王朝において、採用されていたことが確認されています。 それから三千年ほど経った現在の中国においても、kmと並んでいまだに「里」が用いられているようです。 古来、中国文化の影響を多大に受けてきた朝鮮半島や日本でも、距離を表わす単位として早くから「里」が採用され、つい最近まで生き残ってきました。 ところが、同じ「里」でも、時代と地域により、実際の長さが全く異なります。ですから、物語の中に「里」を使う場合は、時代と地域を厳密に見定めて使わないと、とてもおかしなことになってしまいます。 例えば、中国の周王朝時代の「一里」は、約474mと試算されています。しかし、日本の江戸時代の「一里」は、3.6km〜4.2kmといわれていますね。 日本の昭和初期において用いられていた「一里」は、明治二十四年(1891年)に、時の政府によって43.2kmを十一里と定められた長さを採用したものです。 つまり、この時代の「一里」は、約3.927kmです。 以上、御参考までに。 -------------------------------------------------------------------------------- さっぱり No.6007 投稿日 2003年1月27日(月)00時19分 投稿者 光来 唯  今日は2ヶ月くらいぶりに床屋へ行ってさっぱりしてきました。  目にかかる、首の後ろを隠すくらいの長さから、3センチくらいに一気に。  でも、これに対する周囲の反応って「さっぱりしたね」とか「こっちのほうがいいね」とかそんな感じだろう。  伸ばして一気に切るはいつものことだけど、この変化を始めて見る人でも反応は同じ。    男が髪を切って「何かあったの?」と聞かれるのは、坊主にしたときくらいですよね。  女の子は髪に何らかの変化があれば、すぐに「何かあったの」と聞かれるのに……    長かった髪を急に切ったり、髪を伸ばすことにしたり、染めてた髪を元に戻したり……こういった変化に対する「何かあったの」って「お約束」みたもののように感じるんだが、どこでもあることなんだろうか。  それとも、私の周囲だけなのかな(でも完全に同世代の仲間同士のときだったら別に気にしたりしなかったような気もするな)。 > ここは光来さんの読み取りミス? > 3つ目の文のなかで、何重にも折り重ねられた長い長い修飾部のうちの一ヶ所に、いちおう「寝室」って単語が含まれているけど? > 「寝室」という単語が、修飾語の合間に埋もれちゃって気づきにくいということを指摘したいのであれば、そのように書かなければ。 > それとも「寝室」という単語は、文章の頭のほうで、ごく早い時期に出さなければ意味がないと、そういう指摘だったのかな?  はい。これは単純な読み取りミスでした。  なぜか「寝室」と読んでいませんでした(ほんと、なぜだろう)。  書いてあることを書いていない、なんて言ってしまいまして、もうしわけありません。  この点については謝りまります。  うん、これはごちゃごちゃした文だとこんな風に誤読してしまうこともありますよ。といういい例ですね(なんて、負け惜しみ言ったり)。  天衣さん、はじめまして。  前回はまだ天衣さんは姿を見せていなかったので、あいさつはしませんでした。  立場的には私と似て非なる感じですね。  ともあれ、最近は人への指摘ほとんどしてなかったので、私のレベルアップに天衣さんを利用させてもらうことにします。  私も天衣さんの経験値になるようがんばりますので、よろしくお願いします。 >1ページ指摘  リライト版は1ページ指摘を終えた人だけ、とのことなのでそちらは目を通さず1ページ指摘を。    8>> 陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた。  ここも長いです。  これは修飾語が多すぎというより、  「陽光の下では健康的な印象が強かった」と「物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた」のふたつの文がくっついちゃってま すね。  異なる主述がひとつの文の中に入ってるんですから、おかしくなって当然です。  昼間の印象を描くので一文(一段落)。  で、その後に逆接の接続詞を使い、後半の文を書くべきですね。 10>> 知らず、男としての本能を刺激されている自身を感じる。  いきなり「男」が出てきますね。  一応、ここで私は一人称と判断しました。  私は最初、これを神の視点と判断していました。  「かすかに」や「そのまま」は一人称に使うものだと知らずに使っていたのだと。  視点的に誰かが見ているようにも感じられるんですが、単に女性を描いてるだけとも見れますので。  というか、ここで男が出てこないで、このまま女性だけを描き続けてたら、神の視点だったんだろうと思います。  それが「男」の登場で、ここまでの文は「男」の世界だったのだと読み取りました。  理由は、まず「主語の省略」、それから「かすかに、や、そのまま、の使用」。  あとは、見ているものから感覚への直結です。  「それは、真実の像か幻像か。」は「男」の思ったことですから――「見ているもの」→「心理」→「身体の反応」というカメラの動きは一人称のものでしょう。  あ、でもかなりカメラが内側まで入り込んでいる状況なら、一人称寄りでも可能か、これは。    というか、最初の4文以外、ずっと男の心理ですよね。  女性を見ての男の思ったこと。  これが心の動きであるなら、まだ一人称寄り、ともいえなくもないと思いますが、ここまで地の文で思ったことが描かれているなんて、一人称の他ないでしょう。  なので、 > 第一に、「この四文はある男性視点三人称として書かれている」のに「それを確定する文章がない」ことですね(No5993)。  確定する文章がないどころか、私は誤読してしまっているわけですよ。   12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。  一人称と判断したからここで「彼」はおかしい。  ちなみに一人称でなくとも、ここまでで主観となるものを主語として書いていないのに、ここでいきなり使うのは不自然です。  一瞬、この「彼」は3人目の登場人物かと思ってしまいました。   (この文のあとに、この場にいる(もし、の話です)3人目へと視線が動いてもなんら問題はないようにすら思えます) 17>>「――なんの用だ?」  矛盾。女性は「立っていた(一文目)」んですよね。  つまり、男が現れるよりも前にそこにいたということになります。  それなのに、女性の方から近づいてきたかのように「なんの用だ」というのは変ですよ。 >脳内イメージの色  私も「黒」です。闇っぽい黒。  で、浮かび上がってくる映像はうっすらと光ってる。  だから、その中に黒でしかないものが浮かび上がってきてもちゃんと判別できる。   >アイデア出し・その3 ・擦り傷を作ったとき「いたいのいたいの飛んでけ」のおまじないをしてくれた ・擦り傷を作ったとき、ハンカチで傷口をきれいにしてくれた ・擦り傷を作ったとき、一番に心配してくれた ・擦り傷を作ったとき、「唾つけておけば治る」といきなり傷口を舐めようとしてきた(未遂) ・擦り傷を作ったとき、「だいじょうぶか」と声をかけてくれた ・擦り傷を作ったとき、自分がやるはずだった仕事を代わりにやってくれた ・絆創膏を貼ってくれようとしたとき、いろんな種類の可愛い系の絆創膏を持っているのを見てしまった ・似合う絆創膏はどれかと、擦り傷を忘れてひとりでしばらく悩んでいた ・放っておけば治ると言ったのに対し、むりやりに絆創膏をつけてきた -------------------------------------------------------------------------------- 脳内イメージの図化、アップ No.6008 投稿日 2003年1月27日(月)01時08分 投稿者 天衣  課題部屋に、「序における脳内イメージの図化」を載せておきました。サーバースペースは持たず、スキャナも持たない(ついでに絵を描く技能もない)ので、テキスト図です。  リライト二稿目は、また後日。(二時間ほどやって、自主ボツレベルの代物しか作れないとは――て、まあ、よくあることだが) >「女性の肢体の起伏を〜露にしていった。」  作者の意図を言えば、新木さんの言う通りの狙いです。「影が表面を這う様が、なんともエロチック」という雰囲気を出そうとしました。  羽矢野さんの言う「見えなかったものを見せていく」意味も重複させてはいますが、そちらの方がおまけ。 (書いた当時は、雰囲気偏重の意識だったので。描写としては、まず「ちゃんと見せ」なきゃマズかったんでしょうけど)  課題部屋にアップしていました「改訂版」を見れば、ハッキリするはず。「〜肢体を舐めるように這い動いた。」から、前者の意図が強かったことが分かると思います。アップしたのは、こちらで本格的に論じられる前ですしね。 (しかし――「舐めるように」は、さすがにあからさま過ぎるか? 再修正の候補だが……)  「露」を使ったのも、そういう訳で意図的は意図的です。変換前から「露」にする気でしたから、確実に。  ただし――「選択した」とはちょっと言いにくいところ。狙いから、使う言葉は「露」しか思いつかず、「顕」は候補にすら浮かびませんでしたので。  まあ、IMEでの第一変換が「顕」だった場合も、そのまま選択はしなかっただろうと、自信をもって断言しますが。そこで初めて選択候補に挙がるものの、「選択」の結果「露」にしただろう、というのは間違いないところ。 >新木さん >人生賭けるってことなんだよ?  ん〜。この表現、いいのかな……?(内容に関する話でなくて恐縮ですが)  ここ、確かに続く文章は「賭ける」で繋がってますし、意味も通じるから問題はあまりない気もするのですが……定型表現として「人生かける」という場合、「人生『懸ける(〜を犠牲にする覚悟で事をする)』」にするはずなんですよね。  わたしの場合「人生賭ける」は使用を避けるようにしているのですが。「なんか誤字っぽい」と感じてしまうので。 >堪える  グウッ、わたしも直前に、感想掲示板で同様の誤字を……。違和感まったく感じてなかった分、重症だ……。 >改めて立場表明  感想掲示板でも書きましたが、現状のわたしは「作家『希望』者」です。  それでも「みずからの技術の向上をしたい(「よみかく分室説明」より引用)」ので、一応の参加資格はあるのでしょうが……。ん〜、どうしよう。問題の「最初四文リライト」は完了したいと思うのですが、それ以上やる気が出せるかどうかは……。  以降も継続的に参加するかどうかは、その時に改めて考えさせて頂きたいのですが――よろしいでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- ヤバ No.6009 投稿日 2003年1月27日(月)01時56分 投稿者 羽矢野  風邪ひいたのか、頭が痛い。  ので、内容だけ。  悩みうんたらは、失礼しました。  書き込んでない理由をちょっと書いたつもりでした。  グチるつもりはありません。  当然、この問題は自身で片づけます。(当たり前だ) ●残りの指摘 8>> 陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた。  ここで、多分みんなビックリ。  え? これって、神視点じゃないの? とか思うはず。  “陽光の下では〜”ってのは、もう明らかに誰かの主観なわけです。  今までの四行にも、主観の入ってる単語が入ってましたが、これはもう文章がそうなっている。  気付かなかった人や、ただ間違いだろうと思っていた人は、ここで神視点だと思っていた認識の方が違ってるんだと感じます。  そして、この部分って、微妙な所。  昼間の女性しか知らず、このエロさにビックリしてるっていう情報を入れたいのかな? >>物と同一の肢体  なんでこんな文章があるのかは、不明。  そして、ここでやっと女性が薄着という情報がでてきた。  でも、薄着ってどんな服やねん。  お姉ちゃんの肌が透けてみえる、シルクの夜着とか、書いてくれるなら、まだなんとか絵に反映できるけど、薄着じゃねえ。  そして、多いんだよねそんな表現。  抽象的というか、何というか。  薄着じゃ、イメージにならないのよ。  説明にすらなってない。  このように、映像の変換にはまったく役にたたない単語が、たくさんある。  そして、それが多すぎるもんだから、大切な単語を読み飛ばされる確立が高い。  そんな感じをものすごい受けます。 >>たいはい-てき [0] 【退廃的】 (形動)人心が荒れて,道徳や健全さが失われているさま  って言葉が“こそ”が相応しいの?  そうか?  本当に退廃的が、もっとも相応しい言葉なのか?  退廃的なイメージって、とっても難しい。  私が退廃的なイメージがあるのっていうと、何だろ?  いい年した若者が、部屋に閉じこもって、その中でセックスとか麻薬とかに溺れてるとか。  そんな感じになる。  お姉ちゃんのエロ見て、退廃的にはならない。  だから、これは作者が退廃的という意味を誤解してるか、知らずに使ったかのどちらかと判断しました。 >>退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏う  なんでこんなにわかりにくくするんだろう。  ってか、作者自身、意味通じてるのかな?  これも、何重にも言葉が重ねてあって、わけワカメ。 10>> 知らず、男としての本能を刺激されている自身を感じる。 >>自身を感じる。  三人称の人物より視点の、その人物がやっとでてきました。  投稿する前に見たら、ここで光来さんがなんか一人称だとか判断してるけど、何でだ?  ここは確かに人物の内面だ。  でも、この行って明らかに三人称じゃないかと思うんだけどなあ。  お姉ちゃんの裸見て、こんなこと思う人間はいないんじゃないかと。  外から見て内面書いてるよね。  知らずって、何で?  エロいお姉ちゃん見てるからじゃないの?  自分でそう思ってるじゃん。  意思に反してって意味なのかな? 11>>(今の彼女と昼の彼女――果たしてどちらが本当の姿なのか)  ここで、また“おい”とか思う。  最初の一文で“女性”だったじゃないか。  つまり、この視点保持者は、女性としか形容できないんじゃないのか。  よく知ってる人を女性なんて形容するかな? 12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。  そう思った次の文章で、前の文章はまったく意味のないものであると主人公が言う。  読者的にそれはちょっと。  それと、ここってもうかなり心の中に入り込んでいますよね主人公に。 >>そう、彼は答えを知っている。  この“彼”は、私とかそういう言葉じゃないかと思う。 15>> すなわち、どちらともが偽。  すなわち?   すなわち【即ち・則ち】スナハチ__名__その時。即座。そのころ。当時。副__即座に。ただちに。すぐに。そこで。そうして。 いいかえれば。とりもなおさず。(上の条件句の当然の帰結として下の句へつなぐ) 然るときには。そうなるときは。  繋がってないような気が。  そして、またここで、前の問いが無意味なものだと主人公が言ってしまう。  二回も連続でやられると、読者は怒ると思う。  何でかって言うと、どうでもいい文章を読まされてることになるから。 17>>「――なんの用だ?」 18>>(――下らない茶番だ)  これは、連続で読んでもらいたいのだろう。  でもここまで延々とお姉ちゃんの色っぽいショーみたいなのを見続けて、そして言葉を発したのかな。  変じゃない?  場所が寝室で、女がなんかやってて、さんざんなんか自問してから、でてくる言葉が「なんの用だ?」って。  そんなの、普通気付いた時点で声かけるのじゃないかな。  何か見るだけ見といて何をいまさらって思っちゃう。 19>> 言いながら、思う。思いながらも、言う。  うん、これはやっぱり同時なんだよって意味だね。  同じにと書くよりは、考えてると思う。   20>> それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。  ここも、まったく意味がわからない。 まず、 >>それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。  表裏一体の行為って何?  何が一見矛盾するように見えるの?  今までの文章だと、お姉ちゃんがいて、実はそれを主人公が見ていて、何かよくわかんないことを考えてる。  それだけじゃん。 >>それは  これはかな? >>この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。  ここは意味通じる。  でも、私はこのお話読んだから知ってるんだけど、これって実は最後にあたるんだよね。  プロローグで核心部分を謎っぽく書いてある。  だから、読者にとっては最初でも、主人公にとっては最後のツメなわけですよ。  んで、ここは主人公の視点で書いてあるわけですよ。  こんなこれから始まりますみたいにはならないんですよ。  とかいろいろ言ってますが、この行ってもう明らかな“灰色文章”だよね。  読者に興味持たせたいなら、こんなふうにこのシーンには謎がありますと説明するのはどうかと思う。  こんなこと何も書かずに、読者に何か謎があるんだなと思わせないと。  こんな説明は、実はかなり恥ずかしいのだ。  後、全体的な印象として、面白くない。  つーか、面白いことが始まらない。  男のわけのわかんない自問(しかも、自分でくだらないとかいう程度のもの)しか書いてないので、読みをやめてしまう確立は高し。  せめて、ナイフ持ってるとこまでいってないとね。  とこんな所で。 -------------------------------------------------------------------------------- いかん。 No.6010 投稿日 2003年1月27日(月)01時58分 投稿者 天衣  新しい書き込みチェック前に送信してしまった……(以後、気をつけねば……) >光来さん  え〜と、改めてはじめまして。こちらこそよろしくお願い致します。  とりあえず、指摘に対するレス出しは控えさせて頂きますね。まだ指摘する人はいるでしょうし、「『言い訳不能、は言わんでいい。今後直すことだけ考えろ」という事も言われてますしね。  ただ一つ確認しておきたいのは、 > ここまで地の文で思ったことが描かれているなんて、一人称の他ないでしょう。  > > なので、 > >> 第一に、「この四文はある男性視点三人称として書かれている」のに「それを確定する文章がない」ことですね(No5993)。 > > 確定する文章がないどころか、私は誤読してしまっているわけですよ。  これは要するに「(あんたの書き方が悪いから)誤読させられてしまった」という意味ですよね? 「私は誤読してしまっているわけですよ」と言われると、なんか光来さんのミスのように読み取れてしまうので一瞬混乱しましたが。  了解です。  まあ、「確定する文章がない」が「誤読を引き起こす第一原因」というのには間違いないと思いますが。他の問題(地の文が思考に寄り過ぎ)も大きい、というということですね。(――ですよね?) -------------------------------------------------------------------------------- No.6011 削除ずみ --------------------------------------------------------------------------------  指摘の日々 No.6012 投稿日 2003年1月27日(月)02時17分 投稿者 馬宮    すみません、上の削除はわたしです。推敲途中、間違えて送信してしまいました。    今、天衣さんのシークレット・ミーンの指摘を、下書きしています。  もうちょっとです。    指摘をしていると、いろんなことに気づきます。  カメラワークがうまくなかったり、修飾語が多い文章を書いていたりするのは、自分が日ごろよくやっていることですし。(課題部屋には、うまく直せないでいる自分の文章が、あっちこっちに転がっています)  文章を客観的に見る、ということがよくわかりました。    でも一番勉強になるのは、天衣さんに「伝わるように文章を書く」、ということでしょうか。  指摘は、こちらの言っていることが誤解されることが多いと思うので、普段より言葉選びや話の持っていき方が、慎重になります。    あれ?  今、なにか、ピンときた事がありました。  天衣さんの文章が、やたら難しくてわかりにくいんで、「なんでだろう」、と思ってたんですが。  どうも、「言葉の選択」や「言い回し」の問題だけではないみたいです。    以前、過去ログのどこかで、ヒントになりそうな文章を見かけた覚えがありますので、ちょっと探してみます。(検索キーワードが思い出せないんです)。    ●新木さん    >>馬宮さんが思いのほか読み取ってくれていたので、嬉しくなって、袋からいっぱいエサを撒いてみることにする。  わー! 本当に、いっぱい!  ありがとうございます。  種明かし、驚きました。そうだったんですか、ということばかりです。  特に、    >>馬宮さんの頭の中で起きている「それ」は、すべて、こちらの狙ったとおりの効果なわけ。    そんなことが、可能だなんて、と。  読み手のことを考える、というのは、そういうことも考えるということなんですね。  これが「読まされる」ということなんですね。  うわー……  生課題でやると、これだけに三時間かかりそうですが、いつかできるように、ということを目標に、意識しながらやってみます。  >>だから目指すならもっと「上」を目指せ。僕も目指している。  はい。がんばります。  まずは具体的に、本を読んだ時、その「描写」に気づかないといけません。  描写の体系図に、そのテクが「存在」しなければ、どうにもならないです。  わたしは、描写の「種類」を知らないんですから。  あと、「こういう効果は、狙ってできるものだろうか」とか考えて試行錯誤しなくてはなりません。    これは……  本を読まないと!  書かないと!    「描写」について、頭の中の濃い霧が、ちょっとだけ薄くなった気がしました。    >>ちなみにこのサンプル。夢境学園の2巻からね。  はい。一巻と二巻、二冊注文してるので大丈夫です。手に入れたら、きっとこのシーンを探すと思います。  >会話で美人を描写    >>ひょっとしたら、このプロットからでも、馬宮さんあたりは「美人」を多少は感じ取れるかもしれない。  >>だとしたら、「筋立て」で美人を描くこともできるってことになるね。  筋立てを読んで、「あ、この女の人、美人でしかもカッコイイ」と思いました。    具体的に美人だと思ったのは、恋人の男性が「有能かつハンサム」であること。  ハンサムな男性の横には、つりあいの取れる「お似合いの美人」が似合いますから。    わたしが女性をカッコイイと思ったのは、恋人の男性が「お姉さんよりもひとつ歳上」なのに、「女の子のときとは裏腹に、素っ気ない応対をみせる」というところ。  男性に対して素っ気ない、というのは、「カッコイイこと」です。  素っ気なくする理由は、「第三者(女の子)」や周囲への照れもあるんでしょう。  変にべたべたしようとしないところが、クールでカッコイイ。    でも素っ気ないのは、「いつも」というわけではありません。  「年下の女の子」には優しい。本当にカッコイイです。    あれ?   >>優しさと冷たさの二面性を持っているキャラは、そりゃ、美人に決まってんだろ  ひょっとして、「カッコイイ女性キャラ=美人」ということですか?  そうか……  男性キャラが「有能でハンサム」なのは、「補助」なんですね。  男性の設定は、「間違いなく、読み手に女性を『美人』だと思わせる、最後の一押しだと思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- <鷹見一幸さん No.6013 投稿日 2003年1月27日(月)04時26分 投稿者 望乃英司(ぼうのえいじ) >声優の女の子の作詞初挑戦の話  多分、林原めぐみさん著の「明日があるさ」からではないかと。  詩を提出した相手は、作詞家ではなくて、(作詞もやっているが)キングレコードのプロデューサーの、大月俊倫氏と思われます。  マンガとエッセイが交互に載っていて、読みやすくて面白い本です。 明日があるさ Sweet time express  学研から1996年に単行本として出たものを、最近角川書店が文庫化して出版したようです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6014 投稿日 2003年1月27日(月)13時46分 投稿者 新木 伸 >望乃君  女が下着を穿いていなくて、そしてバレてしまうアイデア。あれは僕だと自主ボツレベル。まあ条件は満たしていてオッケーではあるのだが、ありきたりすぎるので。この手のアイデア出しの話をするときにいつも言っている「はじめにすぐ出てくる10個」あたりに入っていそうな、そんな「ありきたり度」。なので自主的にボツね。  書いたときにも、すぐボツにしてるでしょ?  次の「使用済みコンドームが車外に落ちていた」のほうは、いちおう、「はじめの10個」の外にあるアイデアかな。  しかし僕なら、このレベルのアイデアを10個は出して、そこから「ただひとつ」を厳選するよ。 >赤い花  「赤い花」を「赤い花」って書いちゃったら、そりゃ、才能ないですなぁ。  「赤い花」って書いちゃうこと。そのミス自体はたいしたことじゃない。ボキャブラリーが貧困であることも改善可能なことだし。  でも「赤い花」って書いてしまって、それで「良し」と思えてしまえること。  それは才能がない。 >「里」とか  「一里」がらみの件で、ちと調べて、昭和初期の街並み――なんてものを見たのだけど。  いやあ。  街ゆく人が、みんな和服を来ているのね〜。  特に女の人。  あれなら、そりゃ、距離の単位は「里」でしょう。  「キロ」なんて使ってたら、そっちのほうが違和感がある。  昭和初期の人々の服装とかは、僕は知ってたはずだけど――しかし「知識」にはなっていなかった。  「歴史」は僕の最も弱いジャンルなのです。  二十歳前までは、ぜんぜん興味が持てなかった。古いことを知ることに、なんの意味があるのだろう――なんて、本気で思っていた。  最近は面白く感じるようになって、好奇心を持って吸収できるようになってきているけど。しかし、好奇心を持ったスタートが遅かったせいで、他の知識体系に比べると15年ぐらい遅れている。  「人並(作家平均)」に到達できるのは50歳台頃になると思われる。 >光来さん  今回の「独り言」には、5W1Hがあるね。  しかし、以下の部分がなにを言っているのか、わからない。 >>目にかかる、首の後ろを隠すくらいの長さから、3センチくらいに一気に。  「目にかかる」っていうことは、これは前髪の話なわけね。  しかし「首の後ろを隠す」くらいの長さの前髪って、いったいなんなんだ?  そんなバケモノみたいな長さの前髪を3センチ切っただけで、なにかが変わるのだろうか? たいしてかわらない気もするが。  あと、最後の部分を「問いかけ」の形にしていると、これは「読み物」とはならないよ。読者になにかの「豆知識」を与える読み物にはならない。  読者は「考えさせられること=問題提起」なんて求めてないわけだ。  求めているのは「結論」です。  ちなみに、形だけみると、「なぜなのでしょう?」なんていう疑問の形で終わっている読み物も存在する。しかしそういうものでも、じつは前のほうに「結論」は書いてあるわけね。「なぜなのでしょう?」とかいう最後の問いかけは、本当の意味での問いかけではなくて、「私には納得できないんですけどね」っていう感慨だったりするわけだ。  そういや、昔、僕が髪を切ったときにも、「なんかあったの?」とか言われたなぁ。  背中まで伸ばしていて、毛先が腰のベルトに届くぐらいの長さにしていた頃があってね。  橋本さんからは「裏切りもの〜」とか言われた。そういう自分だって、このあいだ短くしていたくせに〜。  そこまで長いと、洗うのがたいへんなのね。乾かすのもたいへんだし、寝るときは三つ編みにしないとならないし〜。  ロングヘアの女の子の「気持ち」っていうのは充分わかったから、だから切ったわけだが。 >光来さん  「寝室」の読み取り損ね。  まあ、あれだけゴチャゴチャと色々書かれていたら、うっかり読み落としてしまっても、仕方ないだろう。 >>いきなり「男」が出てきますね。 >>一応、ここで私は一人称と判断しました。  さて、光来さん二回目の誤読だな。  ここはまた視点についての誤読なわけね。  はじめは「神視点」と誤読して、つぎに「男の一人称」として誤読したわけだ。  もちろん、光来さんは悪くない。  誤読が発生した場合に、「読者」にはまったく責任はない。すべての責任は誤読させてしまった作者にあるわけだ。それが物を書くときの「常識」っていうものだ。  客が「まずい」と感じた料理は、それはまずいのだ。作ったやつが、すべて悪いのだ。決まっている。  まあそれはともかくとして。  こうして読者が、自分が誤読していたことに気づいたときには――。  たいてい「読み直し」という作業が行われることになる。(ここで投げ捨てはしないと仮定するならば)  いままで読み取ったものをいったんすべて「ちゃい」にして、頭の中を白紙に戻す。  そして誤読が始まった地点まで遡って、そこからもういちど読み直すことになる。  ここでは、「あ、これ神の視点じゃなくって、男の一人称視点だったのか!」てなことになって、頭までもどって、そして今度は「一人称視点である」という前提に基づき、もういちど読み直すことになるわけだね。  たぶん、光来さんはそうしたのだと思う。  しかし、ここでひとつ大事なことがある。  この「読み直しにかかる労力」っていうのは、じつはまったくもって不要であり、まったくの「無駄」であるわけね。  そんな労力を自分に払わせた「考えなしのアホな作者」に、読者というものは、普通は憎しみにも近い「不平」を持つものです。  あと、じつは羽矢野君が指摘していたりするが……。  この光来さんの「男視点の一人称」と思ったそれも、これまた「誤読」だったわけだね。  「一人称寄り三人称、男視点」というのが、このシーンの正解であるらしい。  そうすると光来さんは、この先で、また「前に戻って読み直し」をしなければならないことになる。(おそらくこの引用している部分の外。2ページ目あたりで、自分の誤読にふたたび気づくことになるだろう)  こんな、わずか1〜2ページのあいだに、2回も読み直しをさせられたひにゃ、どんなに忍耐強い読者といえども、たいてい、投げ出します。  作者のミスによって、都合3回も、同じ部分を読まさせられるわけですよ?  投げ出して、当然ですよね。  また僕の十八番の「食いもの屋」のたとえになりますが……  注文と違うものが、客の前に出てきたとします。客はそれを指摘して、注文通りのものを作り直してもらうことにしました。  1回間違えただけなら、まあ、いいでしょう。たまにはあるかもしれないことだし。  しかしこれが2回も続けて間違えたら?  注文と違う物が出てきて、作り直してもらって、そしたらまた注文と違う物が出てきて……。これで怒って店を出て行かない客がいたら、僕は見てみたいです。  はい。脱線から戻ります。  ここを我慢して読むことができるのは、「なにがあろうとも、絶対に感想/指摘を書く」ということを心に決め、あらゆる困難を廃してでも読み遂げる闘志を持った、超人的な人ぐらいでしょうね。  たとえば羽矢野君とか。  たとえばいま「指摘を行うという課題」で、これを読んでいる、この分室の人たちとか。 >光来さん >アイデア出し  どれもあんまり面白くないなーと眺めていたら、ふとひとつ見つけて、そして妄想超臨界。 ・傷に絆創膏を貼ってもらったのだが、諒はそれとは別の「可愛い絆創膏」を自分の持ち物の中に見つけてしまったらしく、なにかひどく悩んでいるようだった。 (これ結衣視点ね。「こっちのが似合うんだけどな〜」と悩んでいたのは男の子の側) >>・似合う絆創膏はどれかと、擦り傷を忘れてひとりでしばらく悩んでいた。  ――これが、そのままだとNGなんだよね。  傷のことを忘れてちゃいかんでしょ。まずそっちを優先させなきゃ。  ただし、ちょっとヒネると使えそうだったもんで。  どうせヒネるなら、もうすこし発展させておくか。 ・傷に絆創膏を貼ってもらったのだが、諒はそれとは別の「可愛い絆創膏」を自分の持ち物の中に見つけてしまったらしく、なにかひどく悩んでいるようだった。 ・もう一個の絆創膏を貼るまでもないくらいの傷を差しだして、その可愛い絆創膏を貼ってもらった。 ・可愛い絆創膏は「死神君」模様だった。  「死神君模様」までやると、やりすぎか?  ところで、いま出しているこれらって、「結衣が惚れた理由」→「女の子として扱ってくれた系」→「結衣が怪我した時に〜系」だっけか?  「傷口を突然舐めようとした」とか、いくつか「女の子として扱う」から外れてるものも混じっているようだけど?  「女の子だったから舐めようとした」と限定されちゃうと、これ、ただの変態なのでは?  この場合、諒は相手が女の子であるかどうかに限らず――たとえば子供が怪我していても同じように舐めたのでは? >天衣さん >>二時間ほどやって、自主ボツレベルの代物しか作れないとは  その「自主ボツレベル」のものも、すべて上げてみてはどうでしょう?  「自主ボツ群」みたいに断り書きして上げておくとか。  すでに上がっているあれも、僕が見たかぎりでは、充分に「自主ボツレベル」なんですね。それで、「あれれ? これ一個だけ?」と聞いたわけです。  いくつか書いたものを、すべて――ボツもボツでないものも、例外なく上げておけば、そのなかには、たまたまなにかの偶然で使えそうな良いものが混じっているかもしれません。 >寝室図面  見ました。  いくつか疑問点と質問が。  窓は閉じているのに、どうも、外が見えているようです。  ――ということは、窓にはガラスがはまっているということですか?  この世界の技術と産業レベルの考証は、どうなっているのでしょう?  透明な板ガラスなんて代物が、存在していて良い世界? 王都の姫君の寝室にあるのならともかく、こんな寒村の一室に板ガラスが?  あと、このときの部屋の気温は?  またこのときの季節は? これは季節の変化がある世界なら、という前提での質問ですが。  夜、窓を閉めきっているくらいだから、かなり寒い季節なのだとみましたが。  それにしては、水浴びなどのシーンがあったりして、じつは暖かかったりもするようです。  また女が誘惑のために諸肌を脱いでいる(と思われる)ときに、鳥肌が立ったりもしていないようです。  寒いのか、そうでないのか、どっちなのでしょう?  あとこの客間について。  王国からやってきた騎士様(のさらに隊長)に割り当てられた部屋ということは、村でいちばんいい部屋ということですよね。  なのに暖炉のひとつもないのでしょうか? また灯りはロウソクがたった一本きり?  「冬」という季節が存在しない世界か――あるいは、暖炉なしに過ごせるほど「冬」が温暖な世界ということ?  それとも、この村がそれほど貧乏村であるということ? 村一番の客間の寝室に暖炉も付いていないほどの? >>人生賭ける  ひょっとして、後ろをまったく見ないで、この一行だけを見て指摘してます?  後ろのほうで、「人生」を一枚ぽっきりの「チップ」に喩えているので、そこからの流れで使った表記ね。  なので誤用だけども、誤字にはあらず。(校正さんはこういうのもしっかりとチェックしてくる。それが仕事なので)  ここ、「人生懸ける」と書いちゃうと、この場合には逆に誤字ですよ。一般的な用法としては、そっちが正しいのだけどね。 >>問題の「最初四文リライト」は完了したいと思うのですが、それ以上やる気が出せるかどうかは……。  ほい。では天衣さんは4行のリライトだけってことで。  こちらでは、流れしだいで1ページ分ぐらいのリライトはやってゆくかもしれません。 >>張るべきものも張らず、ここに上がってこようとしてんじゃないよ。ばかやろうが。  あと、ひょっとして、ここ気にしているのかなと思ったので、補足説明しておきます。  上の一行は羽矢野君宛。また「ここ」っていうのは「この分室」という意味ではなくて、「プロ作家が勝負している場」ってことです。彼はプロ志望ということなので。  分室自体は「分室説明」にあるとおり、「作家希望者」や「アマチュア活動志望者」にも門戸を開いています。  天衣さんが現在はまだ「作家希望者」であることも承知してます。 >言いわけはしないでいい、について  僕が「言いわけ禁止」と書くと、説明や解説まで含めたすべてを引き込めちゃうケースがあるので、これも解説しておきます。  言いわけはしないでいいのだけど、指摘の意味をどう受け取ったのか、相手に返すことは必要です。  指摘した相手がなにを言わんとしているのか、自分が理解したか、どのように受け取ったか。それがわかるようなサインを返すってことね。  もし理解が食い違っていたら、もういちど説明が必要なわけだし。完全なだんまりは、これはお互いのためによくないです。  光来さんに対して、逆質問とかしてますよね。あんな感じで。 >馬宮さん >>今、なにか、ピンときた事がありました。  なんとなく、「あれかな〜」とは見当が付くが。  まあ横から「あれだろ?」なんて言っちゃうと、馬宮さんの記憶をねじ曲げちゃうことにもなりかねないから、馬宮さんが自分で見つけてくるまで黙っていよう。  人間の記憶や印象なんて、じつに、いいかげんなものなのね。  「あれでしょ?」なんて言われると、「そうだっけ?」→「そんな気もする」→「きっとそうだ!」――というふうに、三段スライド式で、すぐ別物になっちゃうのだな。  そして簡単に人は「確信」して安住してしまう。こういうのを「洗脳」ともいう。  ――で、なにがピンときたものなわけ?  自分で考えて、引っぱりだしてきなさい。 >馬宮さん  アップまえの見直し(馬宮さんは推敲と言っているようだが)は、エディタ上でやるもんだぞ〜。  途中で間違えてアップってことは、書きこみフォーム内で見直しをしているわけだな? >>これが「読まされる」ということなんですね。  読者に「読ませる」ことを可能としているから、僕らは文章でお金を取れているわけなのね。  相手に「読んでもらう」ことを必要とするようなものでは、とてもとても、お金なんて取れっこありません。  だって、「読んでもらっている」わけでしょ?  それじゃ逆に「読んでもらった人」のほうがお金を払わなきゃいけないよ。 >>描写とか  「描写」というのは、相手の頭の中に「あるイメージ」を描きあげて、転写すること。  「描いて写す」と書いて、そして「描写」という。  文章の中に情報を放りこめばいいってもんじゃないのね。描写によって何かを写しだす先は、あくまで読者の脳内なわけだ。  「読者の脳裏」が、作者が筆を揮うべきキャンパスなわけね。  それが判ってないか、それが出来ていないものが、「描写になっていない」と言われてしまうわけ。 (どっちも似たようなもんだが、「出来ていない」のほうが、「判ってもいない」よりは、まだ少しはマシといえるか)  プロ作家でも描写の上手い人と、そうでない人とがいる。  本を読んでいて、自分の頭の中になにかイメージが「ぱあっ」と見事に浮かんだときには、どうしてそうなったのか、前後の数行を繰り返し読み返して、分析すること。  必ず前の部分に仕掛けがある。それも超短期記憶の原理からいって、3〜5行以内だ。そこにかならず作者の工夫と仕掛けとがあるはずだから。その技を読み取れ。  そういや、馬宮さんの読んでいる本の範囲ってのは、知らないっけ。  前にまっきーが挙げたみたいに、自分の好きな作家とシリーズとを、ざっとあげてみそ。  そしてその中で「描写が上手い」人は誰でしょう?  また「描写がヘタ」な人は誰でしょう?  あとプロの場合には「描写がヘタなわけではないが、サボっている」という人もいるな。  あとその逆で、「描写にこだわっている」人もいるだろう。  プロの仕事を手本にするまえに、まずすべて区分けして、分類しておかないと。  「下手なプロ」を参考にしたって意味がない。参考にするなら「上手い人」「こだわっている人」の描写を参考にするべき。  「サボっている」のは見るな。「ヘタなの」も見るな。サボリ癖とヘタなのが伝染するから。  プロは自分の仕事をすべて見せてくれているんだから、色々と分析してかまわないのだ。500円玉の一枚も払えば、すべて合法的に盗み放題なのだ。(最近は文庫本は600円か?) >>具体的に美人だと思ったのは、恋人の男性が「有能かつハンサム」であること。  あ、残念。  プロットだけでは伝わりきらんかったか。  僕が真に狙いたかったところは、「有能かつハンサムな男性を、まだ恋人にしていない」というあたりだった。彼が恋人であると、彼女はまだ決めてないのね。  どうだ。カッコいいだろう? >>「カッコイイ女性キャラ=美人」  これは、美人の定義のうちのひとつでしかない。  400文字以内の会話文だけで描ける「美人」を、とりあえずひとつ思いついたというだけ。  他にも僕の引き出しには、「美人」の種類はたくさんしまってあるけど。でもざっと検分してみたところでは、他のは400字以内では難しそう。 >作詞に挑戦した声優の話  35歳の女性を、「女の子」……。(出版当時でも29歳のはずだが)  いや、まあ、いいのだけど。  昔、J・P・ホーガンのSFの中で、とある研究所所長の秘書の女性を「28歳の女の子」と書いてあって衝撃を受けた覚えがあったが。(40も越えたおじさま方の中にいれば、28歳でも「女の子」なのだろうが) -------------------------------------------------------------------------------- >「カッコイイ女性キャラ=美人」 No.6015 投稿日 2003年1月27日(月)14時22分 投稿者 新木 伸 >「カッコイイ女性キャラ=美人」  あ、いけね。  これでは質問の半分しか答えていないことに気づいた。  僕があの筋立てで描いてみせたのは、じつは、「カッコイイお姉さん」のほうなのね。  なのにどうしてそれが「美人」の描写となり得るのでしょう?  馬宮さん、考えてきて、答えをここに書くように。 -------------------------------------------------------------------------------- 望乃さん、どうもありがとうございます。 No.6016 投稿日 2003年1月27日(月)14時25分 投稿者 鷹見一幸 そうか、林原さんだったのか。  声優系は、演劇系を通じて個人的な知り合いもいるけど、そういったジャンルの本は、まったくノーチェックだったなあ。  林原さんのレベルなら、いわゆる「タレント本」ではない本を書けると思うので、こんど書店でチェックしてみよう。    んでもってちょっとイジワルな質問(笑)  知ってたってことは、その本を読んで、その部分の記述の記憶があったということだと思うけど。  君の中で、その言葉はどんな風にとらえられていたのかな?    読んだだけで忘れてしまうなら、それは意味がない。  読んだけど記憶に残っているのなら、それは何かの足しになる。  何かのときに、まったく別の記憶と結びついて、突然「わかる」時が来る。  だから「覚えておくと便利なこと」が世の中にはいっぱいあるんだ。    「赤い花を『赤い花』と書くこと」とはどういうことなのか「わかる」時が来る。  そして「わかる」ならば「できる」はずだ。  「赤い花を『赤い花』と書かずに描く」ことがね。    世間では「わかる」と「できる」の間にはとてつもなく大きな溝があるということになっているらしいけど、渡ってから振り返ると「なんだ」というくらいの溝だったりするよ。 >新木さんへ 「女の子」について。  私は、30過ぎている女性を「女の子」と呼ぶことは、よくあります。  35歳過ぎの三人の子持ちの雑誌編集者の人でも話していて「あ、女の子だ」と感じるときがあります。  そういう自分の中に「良き女の子」の部分を持っている人なら「女の子」と呼んでも私の中では違和感はありません。  まあ、実際に呼ぶときは、ちゃんと、そのことを相手に告げてからですけどね(笑)  別に蔑視しているわけじゃないということを説明すればわかってくれるみたいです。  面白いもので、私が「良き女の子」の部分を持っていると感じる女性は、「女の子」と呼んでも怒りませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- 追加 No.6017 投稿日 2003年1月27日(月)14時44分 投稿者 新木 伸 >天衣さん  寝室の間取りについて。  そういえば、もうひとつ質問が。  ドアが2つあるようなんですが、なぜそんな異様な作りになってるんですか? その寝室って。  寝室の外の間取りも書いてもらうとはっきりすると思うのですが……。  片方のドアは廊下に続いていて、もう片方は居間のほうに続いているのではないかと思うのです。  廊下からいきなり寝室に入ってこれるわけですか?  そして「居間」のほうが、寝室よりも奥のほうに位置している?  それとも……。  居間も寝室も、どちらも廊下に面している。廊下につづくドアを個別に持っている。そして居間と寝室とを繋ぐドアも存在している。  ――と、そういう作りなのかな。  しかし、それでもやはり異様。  ドアが二つある寝室って、それ、そもそも「あり」なのかなぁ?  まあ仮に「あり」だったとしても、それが一般的な作りなのかどうか。  もし一般的な作りではないのだとしたら、なぜ、そういう特殊な作りになっているのか?  そういう種類の質問だと思ってください。  このへんを判断するには、建築様式の知識がないとならないかなぁ。  また弟切さんの出番か? >鷹見さん  なるほど。  では鷹見さんは、「女の子を描け」というお題がきたときには、周囲の意表を突いて、「35歳の女の子」を描いてしまえるということですね。  三人の子持ちの「女の子」ってものを描くことができる。  それは武器なわけですね。  僕にはちょっと、無理かなぁ。まだちょっと……。  あと10年くらい人生経験を積んでみたら、わかんないですけど。  ましてや、二十歳そこそこでしかない、ここの参加者には、もっと無理でしょうね〜。  35歳の女の子はおろか、「等身大のリアルな35歳女性」さえ無理なはず。  あ、そういえば、僕と同い年のいまの編集さんには、「女の子」を感じるなぁ。5歳の子をもつ一児の母なのですが。 -------------------------------------------------------------------------------- ケープとショール No.6018 投稿日 2003年1月27日(月)17時10分 投稿者 新木 伸  以前、ケープとショールの話題が出ていたけど。  よもや自分がそういうものを話に出すとは思っていなかったが、そういえばいま自分の書いているのはファンタジー物なのであった。  ケープ出ましたよ。ケープが。  ただし想定読者層の高校生男子が「ケープ」と読んでイメージできるかどうか怪しいところなので、「肩を覆うケープ」というふうに、若干修飾して補足しておいたが。  ところで望乃君。  リサーチしたいんだけど、いいかな。  「ケープ」って、なに? どんなもの?  辞書も引かず、調べもせず、いま知っている範囲で答えてみてくれ。  ちなみに過去ログを見るのも禁止(笑)。  もし望乃君が知っているようなら、対象読者層の知識レベルを上方修正してもいいかな? -------------------------------------------------------------------------------- <新木さん No.6019 投稿日 2003年1月27日(月)19時46分 投稿者 望乃英司(ぼうのえいじ) ○「ケープ」リサーチ >「ケープ」って、なに? どんなもの? >辞書も引かず、調べもせず、いま知っている範囲で答えてみてくれ。 >ちなみに過去ログを見るのも禁止(笑)。  えーと、僕は現在十九歳。  遅生まれなので二十歳の世代と判断して下さい。  読書遍歴。順に、  シャーロックホームズの児童書版、スレイヤーズ、オーフェン、ブギーポップ、電撃の他ヒットシリーズと続く。    グループSNE系の本は三冊読んだだけ。  TRPGの経験は無し。  ファンタジー系RPG(テレビゲーム)経験は高校一年の「グランディア」以来なし。  同世代の奴らがどんなだったかを振り返る限り、マニアックな奴でTRPG経験あり、普通の奴でRPG好きな奴多し、という印象でした。  で、RPGをやっていないという点で、多数の人間とズレがあると思われます。   なのでリサーチ対象としては不足な点も多いということをご理解下さい。  で、ケープ、ですが、分かりません。  さっぱり。  「中世ヨーロッパのマフラーだよ」と言われれば信じますし、「南米の民族のスカートだよ」と言われれば信じます。  全くの無知。以上。    「肩を覆うケープ」で、半年前にやったギャルゲー「KANON」のキャラ、美坂栞が羽織っていたやつみたいなもんかな、と推測する程度。  で、その美坂栞ってキャラが羽織っていたのが、ショール。ショールは分かる。 -------------------------------------------------------------------------------- <新木さん No.6020 投稿日 2003年1月27日(月)20時27分 投稿者 望乃英司(ぼうのえいじ) ○「ケープ」リサーチ続き  ファンタジーRPGをよくやる、攻略本の類もよく買う友達二人に電話かけました。  二人とも僕と同年齢です。  で、一人目(そこそこにオタク)。ケープって何? と訊くと、 「魔道士がかぶっているようなやつ?」  という返答。外れ。  ケープというものがどういうものか本当に知らない様子。  で、二人目(かなりオタク。マンガ大好き)。同様に訊くと、 「女の子が肩に羽織るようなやつ」  との返答。 「女の子が着るものなの?」  と訊くと、 「いや、女の子が着ると可愛いと思う。ドラクエで"手織りのケープ”というアイテムがあって、それで知った」  という返答。 「じゃあ、美坂栞が着てたようなやつに、ケープは近い?」  と訊く 「うん、近い」  との返答。 「で、ショールとケープの違いは分かる?」  と訊くと、 「いや、それは分からない」  という返答。  まあ、僕に出来るリサーチはこのぐらいです。  しかしすぐ携帯繋がって良かった。ありがとう友よ。  ちなみに美坂栞画像、 KANONキャラクター紹介  上から四つ目のキャラです。  ショールってこれで合ってますか? 改めて考えると自分の記憶に自信が無かったり。  それと、これは余計かもしれませんが、KANONはPC18禁ゲームとして発売され、大ヒット。  ドリームキャスト版、PS2版も発売され、TVアニメはCX(フジテレビ)系列で放映されました。  まあ、ギャルゲー好きならやっている可能性がかなり高いのでは、と。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6021 投稿日 2003年1月28日(火)00時02分 投稿者 新木 伸 >ケープとか  うん。じゃ自己責任で、「ケープ」に決定。「肩を覆うケープ」って修飾語付きでいこう。  リサーチありがとう。素早くて、とても助かった。 >望乃君  それはショールだね。  前に、5594で藤極堂さんが詳しく解説してくれているけど。(まだ過去ログ読破がそこまで到達していないな?)  ちなみに、そのリンクの5番目だかにいる「川澄 舞」という娘が肩に巻いているのが、それ「ケープ」ってものね。  わしも、「一般的男性読者」の持っていないような服飾知識があったって、そもそも言葉として作品中に使えないので「無駄」であるから、そっち方面は全然弱かったりする。  いま編集さんからちょうど(進行状況確認の)電話がかかってきたので、聞いてみた。  ショールとストールはとても似ているけど、違いをあげるとすると、「長さと大きさ厚み」あたり。  ショールは正方形だったりして、大きさがたっぷりめ。  ストールは幅広のマフラーあたりで長方形。  防寒着として病弱なお嬢様の役に立ちそうなのは、これはショールのほう。  ストールは実用よりもファッション属性のほうが強いと思われる。  しかし、KANONのそのイラストレーター、画力ないなぁ。  「絵」で描いて、映像として実際に見せてなお、「どんな服なんだかよくわかんない」なんて、すっげぇ画力だ。  なんだか毛布を身にまとっているように見えるが……。 (望乃君がKANONファンならば許せ。悪気はない)  ショールを見るなら、こっちの絵のほうが良いと思われる。藤極堂さんの張ってくれたリンクより。  同級生2の元祖病弱娘。  昔はギャルゲーでもこのくらいの絵がついていなければ売れなかったものだが……。  最近のユーザーは、クリエイターを甘やかしすぎだな。 >まっきー  破壊芯の話で、面白い突っこみをしていたっけ。「あの年頃の男の子って、エッチなことで頭がいっぱいなもんじゃないんですか?」ってやつ。  みやびさんとふたりして、「まっきー、言う言う」とか言いつつ、電話口にてギャラリーをしとったが。  「主人公があたかも“性欲”を持っていないかのように扱う」っていうのは、まっきーの十八番(おはこ)だったじゃんか。ああいう突っこみができるようになったってことは、なにか吹っ切れて、意識が変わったということだろうか?  そこで思った。  例のへたれ主人公を、へたれでいてなおかつ「エロ小僧」でもある――ということにする手はないもんかね?  属性を一個付け加えると、なにか、とたんに急激に面白くなりそうな気がするのだが。  へたれなエロ小僧が、とくに気に掛けている相手は、隣の家に住む幼なじみの女の子なわけだな。いつも気にしていて、いつも考えていたりする。あんなことやこんなこと、人には言えないようなことまで考えている。  ――が、実行には移せないでいる。実行に移せないのは「えっちな妄想」のほうじゃなくって、「まず告って、脱幼馴染みをして、そしてステディな関係になり、しかるべき手順を踏んで心と愛情を通わせてゆき、そしてついには体同士の関係となって、あんなことやこんなことを色々とおおお」――って、そっちのほうね。  最初の「告白する」のところでいきなりつまずいてしまっている。なにしろへたれだから。何度か踏み切ろうとはしているのだが。しかしビビり症で、いつも実行直前に踏みとどまっている。  話の冒頭で「踏みとどまってしまう」のも、そうした何度となく繰り返してきたうちの一回なわけだ。  そして異星人に体に入りこまれてしまうわけだね。心を共有する――っていうか、半分覗かれている状態になるわけだ。そして想いを寄せていた女の子と、願ってもいない特別な関係(護衛と王女)にもなったりするわけだ。  このへん、色々と面白くなってゆきそうだな。  そして話の展開としては、二人っきりの逃避行――とくるわけだ。  異星人に体に入りこまれて、追っ手がついて生きるか死ぬかの一大事ではあるけれど――でもそれはそれとして、「大チャンス」でもあるわけだよな。ひとりの「エロ小僧」として。  あの退屈な一連の逃避行のシーンにおいて、読者の関心を繋ぎとめておくための「接着剤」として、これは使えるのではないか?  破壊芯の話に「エロに行かないのはなぜ?」みたいな指摘を出来たってことは、まっきーが「エロ」を書けるまで成長したってことか?  恥は捨てられた? もお捨ててきた?  もし書けるようであれば、それもひとつの選択肢として使えるわな。小説ってのは「最後まで読ませてなんぼ」なわけだ。  「それって卑怯じゃないですかね?」とか、そーゆー綺麗事はラストの一行まで読ませてから言おうぜ。  ちなみに――。  まだ恥ずかしいので、僕には無理っす――ってことなら、まあ、この話はなかったことにしてくれ。忘れてくれ。  どういうわけだか、小説のなかに「エロ」を持ち出そうって人は少ないんだな。  特に男性作家の場合は、そう。  頭でっかちの人間が書こうとするのが小説ってもんだから、照れでもあって避けるんじゃないか。――と僕はそう見ている。人間の持っているはずの「性欲」なんてのは、まるでないがごとく取り扱おうとする。  普通の高校生の男の子が、同級生の女の子の短いスカートと生足とを、どんな目で見ているのか――。ということを考証してゆけば、むしろ、「エロ」がないほうが不自然だと思うんだがなぁ……。  性欲抜きで女の子を見てる「高校生の男」がいる世界って、それ、どこのファンタジー世界だよ? おとぎ話の世界の住人かい? 「性欲のない世界」ってところの?  このへん、僕は実証した。  星くずまでゆくと、あれは行き過ぎで、そのために多少読者を逃がしてしまっている感もある。(「多少」でしかないのが僕も驚いているところなのだが)  しかし適度なエロは、これはウリとなるのだな。それを実証した。  そのへんの仕組みは、わかってるだろ? 自分が作者ではなく「読者」をやっているときには、エロは「まったくのゼロ」であるより、「ちょっと入っている」ほうが嬉しいだろ? そのほうが商品価値は上がるだろ? 思春期の男の子としては?  とにかく、こうして需要はあるのに供給が足りないもんだから、作品中に適度な「エロ」を入れられる作家は、もうそれだけで「大きな武器」を備えていることになる。  エロを出せるようなら、出しておけ。損はないから。  ちなみに、上に書いた、へたれでエロ小僧――っていうのは、どのくらいのサジ加減なのかというと、椎名高志の「GS美神・極楽大作戦!!』の横島忠夫あたりね。  それも作品終盤時だとカッコ良すぎだから、作品開始時のいちばんヘタレだった頃か。けっこう性欲小僧だったでしょう。あのころって。  ただ、横島忠夫だと、まだ「へたれ属性」が少ないかな。  まっきーの書く主人公の場合は、もっと内省的なへたれになるはずだ。  もっと情けなくする。もっとヘタレにした感じ。ただし性欲の持てあましかげんは、あんなもんで。  しかし、どうして小説家がエロを忌避するのだろう。その理由は僕にはわかんない。  考えてみたり、まわりの作家さんに聞いてまわったりしたのだが、さっぱりわからん。さっぱり理解不能で、説明をしてもらっても話の内容を覚えることさえできない始末だ。  僕はエロを入れずに書くことが不可能な人間だ。  夢境学園はジャンルがジャンルなので、エロは可能な限り抑えているが。でもそれでもあれだけ入ってしまう。  なんでなんだろ? なんでみんな、エロなしで書けるの?  そういえば鷹見さんが、エロを入れないか、エロを抜いても書ける人だっけ。  なんでエロが入らないんですか? -------------------------------------------------------------------------------- 露骨。露骨。露骨はイヤだよねェ、そうは思わないかィ? No.6022 投稿日 2003年1月28日(火)00時43分 投稿者 鷹見一幸  題名は、とある落語家さんが、粋と野暮の違いについて話していたときに、ふぃに漏らした一言です。  なぜかずっと私の頭の中にひっかかって、動かないんですよね。この言葉(笑)  エロは好きです(きっぱり)  フランス書院にも応募しようかと思ったくらいです。    でもね、書いてみてわかった。  他人のリビドーを刺激するってのは難しい。  物理的刺激で人間をイカせることはできても、文章で人間をイカせるのは、こりゃあ大変ですよ。 >そんなこたあない、俺はエロゲで、むらっとくるぞ  という方。  エロゲのシナリオ書きをやってる知り合いもいっぱいいますけど。エロゲのレベルではとてもとても。試しにエロゲのCGを最初から見ないで、音楽もボイスも無しで、紙に印刷したテキストだけ読んで、リビドーが刺激されてむらむらくるかどうか試してみなさいって(笑)  今の日本。「エロいもの」が、ネットの発達によって、もはや野放し状態であることは周知の事実ですよね。  リビドーを刺激する「エロいもの」のレベルは70年代の「ヌード」から80年代の「ビニ本」を経て今や「解体新書実写版」にまで行き着いてしまっています。  あとは内臓を見せるのか骨格を見せるのか、どこまで行くやら(笑)  でね、こういう時代だからこそ「露骨じゃないエロ」を書きたいと思っているんです。  「時空」なら「ピクニック」で出てきたパンチラと、かりんのセリフ 「部長が興味があるのはぱんつじゃなくて、ぱんつの中身ですものね」  あたり。  せいぜい「ぱんつが見えるシチュエーション」くらいかな (あ、時空3はおっぱい触らせていたっけ)  「新・時空1」では押し倒しちゃったし、「新・時空2」では、「俺達の間に女の子が生まれたら……」というセリフと、女の子が耳の先まで赤くなって小さく「いいよ」とつぶやく。なんて調子で「子供が出来る行為」を暗喩してますけど、なんて言うのかな、それが限界だと思うんですよね。  そこを超えると「露骨」になる。  そのギリギリのところを歩いてみたいとは思いますけど、まだまだそこの域にまで達していませんので、ライトノベル、ジュヴナイルという場所でぬくぬくしてますけど、大人向けミステリー畑からもいくつか誘いが来てますから将来的にはそっちの描写も描かなくちゃいけないとは思っています。    でも、今は「でたまか」と「時空」んでもって「仮想戦記」「ネオクーロン」で手一杯ですね(笑)   簡単に言ってしまえば、私がダイレクトな「エロ」を書かないのは  赤い花を「赤い花」と描きたくないから。というところでしょうか?(笑)  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6023 投稿日 2003年1月28日(火)00時45分 投稿者 羽矢野 ●ケープ  望乃さんのリサーチが完了しているので、訊いてもいいかな。  質問です。  ケープって、種類の差は材質やデザインとかを除くと、丈しかないはず。 ケープ【cape】肩と背を被う、袖なしのゆったりとした外衣。さまざまな丈のものがある。  と広辞苑にもありました。  「肩を覆うケープ」って、何か違和感があります。  ケープとは、そういうものなので“肩を覆う”っていう情報は“ケープ”の中に含まれてしまうと思うのですが。  髪を散髪するとか、そんなのと同じように聞こえてしまいます。  一般的に知られていないものの場合は、このような修飾して補足するということは構わないんでしょうか? ●ミーン・リライト  一読して思ったのは、ダメ。  もう一発で私はボツ判断をさせて頂きました。  何でかっていうと、前の四行よりも、読者が一番燃える部分が全然弱く感じるから。  “お姉ちゃんが、エロくないやんけ!!”  もう、これにつきる。  最初は、お姉ちゃんのエロさで読者を釘付けにする狙いじゃなかったの?  確かにこっちの方が文章的には読めるけど、エロくない時点でイヤン。 >>闇。 >>彼は、宵闇に染まった寝室の奥に立ったまま、入口の方に目を向けていた。  最初の闇は何の必要が?  二行目で“どこ”の情報として“宵闇に染まった寝室の奥”ってあるけど。  そして、リライトだから訊くんだけど、視点は“三人称の神視点”に変更をしたのかな?  奥に立つという情報と、入り口に目を向ける情報が、一文に書かれている。  ということは、この両方を、視覚できる位置にカメラがある。  つまり、主人公のそばにはないとなる。 よい-やみ ヨヒ- [0] 【宵闇】(1)夕方の薄暗さ。「―がせまる」(2)陰陽暦二〇日以降の,月が出るまでの間の暗さ。[季]秋。  それと、闇とあって、次に宵闇とあるけど、宵闇って“あんまり闇じゃない(わかりにくいけど)”んだよね。  どっちかというと、薄暗いというイメージ。  まず、これが一行目の闇と矛盾を感じて、映像が崩壊する。  “闇”で真っ暗にしてから、何で宵闇にするんだ?  後、宵闇に染まってるってことは、この部屋って、外が見えるんだよな?  窓開けっ放し?  それとも、ガラスがはまってるとか?  ???  時間も、夜這いって深夜近くにするものじゃなかろうか。  後、何で主人公ベッドに寝てるとか、座ってるとかじゃなくて、立ってるの?  それがよくわかんない。 >>入口脇の壁には燭台がかかり、その上に灯(ひ)のついたロウソクが乗っている。  これは、いらない。  これって、説明文だ。しかも部屋にはロウソクがあって、灯がついてるなんていう、重要性(面白さ)の低い文章だ。  読者を引きつけなくちゃいけない冒頭部分に、こんな説明はやめた方がいい。  灯りに照らされて、肢体が浮かぶときに、さりげなく混ぜるのだ。 >>その灯りが夜闇に浮かべる小さな世界には――、一人の女性が立っていた。  ここが、ボツ出しの大きな部分。  お姉ちゃんを一行目に出すのだー。  後、状況が掴みにくいかな。  主人公は寝室で、立っている。  そして、寝るのに部屋に灯りはついている。しかも、ベッドの側のランプじゃなくて、部屋の入り口に灯りがある。  ドアがあいてるけど、外(廊下)には灯りはない。  後、ドアに鍵がかかってない。(暗殺を警戒する人間のはずだけども)  そして、女性は何故か、灯りをもっていない。(どうやって闇の中ここまで来た?)  うまく、情報が接合できない。  ちぐはぐな印象。  あと、これも説明なんだよね。ロウソクの灯りが、丸くドアの側を照らしているという。  これも、いらないよ。  お姉ちゃんのエロに混ぜたら? >>脆弱な灯りには、影となる部分の方が多い。それでも、こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。 >>脆弱な灯りには、影となる部分の方が多い。  ロウソクのはかない灯りの感じがしない。  というか、これもいらないよ。私の目には、灰色にうつる。 >>こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。  エロくない。  前のは、意味不明だけど、ニュアンスでエロいのはわかった。  これは意味わかってエロいことを書いてあるけど、全然エロくない。  なんというか、冷めていく感じがすごくしてしまう。  これもやっぱり、説明しか書いてないからだろうなあ。  下着のお姉ちゃんが立っていました。  って書かれてたって、エロさなんて、感じないのよ。  天衣さんは、素っ裸で、ただ立っている女の子。  下着姿で、顔を真っ赤にして、手で胸とかパンティとかを、必死で隠そうとしている女の子と、どっちがエロく感じる? (例がジョボイのは勘弁)  そして、文章として読むんなら、どっちが面白いと思う? >>ユラ……。 >>ロウソクの灯(ひ)がかすかに揺れる。合わせ、彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。 >>ユラ……  擬音は、手抜き癖がつく(楽だから)ので、あんまり使わない方がいいと思う。 >>彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。 >>肢体を舐めるように這い動く。  この文章の中では、一番いい。  雰囲気がよくでている。  妖しい女のイメージがわく。  でも、書いてあるのが遅い。 ●新木さん(5994)  新木さんの文章もやってみる。  遠慮なしに好き勝手に。  後が怖いかもー。  ブルブル。(嘘) >>漆黒の闇の中に、蝋燭の灯りが、小さくともる。  この一行で、イメージが固定される。  真っ暗な中に“ポッ”とオレンジの火がつく感じ。 >>“漆黒の闇” しっ-こく [0] 【漆黒】漆のように黒く光沢のあること。また,その色。「―の髪」  なんてわざわざ書いたのだから、黒というものを強調したかったのだと思う。  でも、漆黒の闇なんてベタだから、それほど重要ってわけでもなかったとも思う。  黒の密度がちょっとでも増せばいいかー。みたいな感じだろうか。 >>蝋燭  漢字で書いてある所が、妖しい感じ。(シャレではない)  天衣さんは“ロウソク”とカタカナだった。こういう難しい漢字は、どうするかで受け取る雰囲気がまるで違う。  でも、何でここって“蝋燭”いるんだろう?  ここって、灯りが重要。  暗闇で、灯りがともるで、蝋燭が入っているのは何故だろう?  下の文章に、燭台ってある。  燭台なら、灯りのもとは蝋燭に決まってるし。(いないのかな?)  でも、それだと読者に思考させてしまうかなあ。 >>小さく  ってわざわざ言及してあるのは、次の映像イメージを半身に限定するからかな? >>美女がひとり。ぽうっと浮かびあがった円の内側に、その半身をおいている。  その灯りで、上半身だけ、女性が浮かびあがる。  イメージは、パッとわく。  円の内側って、わかりにくいと思う。  それに、半身が浮かびあがるってことは、下半身。つまり床の部分は黒いままだ。  だから、光が円だと確定してる(常識としてはそうだけど)部分がない。  上半身が浮かび上がるけど、円の内側っていうのが、イメージ変換されない。  円の内側をイメージすると、どうしても床が見えるから、半身にならない。  何か誤読があるのかなあ。 >>美女  うーん。  ここで“美女”にした理由を新木さんが説明してたけど、何かわかるようなわかんないような。  ここがもし“女”だと……。  まず女の顔は浮かばない。  爪を赤く塗ってる。目を細める。  っていう情報がある。  うーん、これでも、美人の想像になると思うんだけどなあ。  特に“赤”っていう爪は、妖しい美人の色だ。  どんな赤を想像するかというと、血のような毒々しい色になった。  “美女”だと、美女というなんとなくがその二つの情報で、確定されることになるか。  漠然としたイメージを、数行で固めてしまうという方法なのかな? >>爪を赤く塗った手で、女は燭台を捧げ持っていた。  浮かんだ半身から、燭台を持った手に視点が移動した。  全体が浮かんでからだから、すんなりといった。ここ。   >>捧げ持っていた  ここって、両腕で持って。目線の上あたりに持ってるという意味だと思いますが。  “捧げ持つ”なんて難しい単語、読者層が理解できるのかな?  それとも、想像できる範囲かな? >>光は一本きりしかない蝋燭からもたらされているものだった。だがそれさえも眩しいものであるかのように、女は目を細めている。 >>光は一本〜  で、あれ? とか思った。  蝋燭ってあって、燭台があったら、光がそこからでてることなんて、誰でもわかると思うんだけど。  誤読の確立があるかな?  何でわざわざ書いてあるんだろう。  一本っていう情報も、暗闇に光がともったことからもわかると思うし。  目を細めるのに持っていくからとか。  あっでも、燭台、蝋燭と視線を上らせないと、女の顔まで視点が移動しないか。  かなりアップになってるから、舐めるように視点を動かさないと、ちぐはぐになる。  これが理由かな? >>女は目を細めている。  この文章で、手から顔のアップまで流れるように視点が移動していきました。  とこんな感じでした。 -------------------------------------------------------------------------------- 生存報告だけ No.6024 投稿日 2003年1月28日(火)01時22分 投稿者 巻島翔史  どうも。巻島です。  よーやく試験終わったと思ったら、週末は従兄の結婚式に時間を奪われ(田舎の結婚式だから一日仕事なのね。……近所にお神酒とスルメ配るの手伝わされるとは思いませんでしたが)  まあ、教会形式の結婚式が見れたので良しとするか。式次第の紙も貰ってきたし。  で、溜まってる課題・レスは次にまわしますが、ひとつだけ気になることが。 >>「主人公があたかも“性欲”を持っていないかのように扱う」っていうのは、まっきーの十八番(おはこ)だったじゃんか。  ……えーと、性欲を持ってないかのようなキャラを出した記憶(あるいは自覚か)がないので、具体的に言ってくれるといいのですが……。見返して、どういうふうに不自然かとか見ておきたいですし。 -------------------------------------------------------------------------------- いきなり袋小路になりつつあるなぁ、最初四文改訂(汗) No.6025 投稿日 2003年1月28日(火)01時41分 投稿者 天衣  え〜と、「ボツでもアップしろ」言われましたが、前日のボツ稿、すでに原型が残っておりません(汗)  データをドンドン上書きする形でやってしまったため……。これって、ワープロの弊害でもあるが、ちゃんと意識してれば残すべきというのは当然なところか……。むう。  今後はボツ稿でも、アップしていくようにいたしますね。  本日の分も半ボツ(他の人に言わせれば全ボツか?(汗))の出来ですが、とりあえずアップ致しました。 >新木さん > 窓にはガラスがはまっているということですか? > この世界の技術と産業レベルの考証は    はぅ。無意識に窓ガラスでイメージしてましたが、確かに不自然ですね、それでは。ガラス自体は存在するものの、こんな寒村で普通に使われてるわけがない。 > あと、このときの部屋の気温は? > またこのときの季節は?    これは春半ば〜初夏のイメージでした。昼に水浴びする程度には暖かく、夜も寒くはないのですが――。  う〜ん。夜の窓って、普通は閉めてるものじゃないですかね? よほど蒸し暑くない限り。そのつもりで閉じさせてるわけですが。  しかし…… > 暖炉のひとつもないのでしょうか?  「冬」はある世界なんですが、時期が違うので「暖炉」の存在に思い至らなかった……。貧乏村なのは確かですが、仮にも賓客を泊める部屋に暖炉がないほどではないはず……。 > ドアが2つあるようなんですが、なぜそんな異様な作りになってるんですか?   これは、新木さんの言う > 居間も寝室も、どちらも廊下に面している。廊下につづくドアを個別に持っている。そして居間と寝室とを繋ぐドアも存在している。 > ――と、そういう作りなのかな。 をイメージしていました。   これ、普通に「あり(一般的な作り)」と思ってこうしたのですが、言われてみるとなんか違和感がヒシヒシと……。  いかん、考証が足りてない。なんとか調べねば。 >人生賭ける  一応、あとの文も踏まえた上でした。それで『ここ、確かに続く文章は「賭ける」で繋がってますし』とも付けたのですが。(しかし、確かにこれは抽象的で分かりにくいな。新木さんのように、『チップの喩えが使われてるし』とか具体的にするべきだった)  あの指摘は、つまり「誤用(なるほど、「誤字」でなく「誤用」とするべきだったか……)と取られる危険を考えると、『チップの喩え』ごと修正した方がいいんじゃないかな〜?」という疑問でした。  しかしまあ、『チップの喩え』の効果を強く考えてるのなら、ありなのでしょうね。わたしが「誤用と取られそうで嫌〜」と弱気すぎるのかも……。 >指摘へのレス  光来さん、羽矢野さん、詳細な指摘ありがとうございます。  とりあえず、納得いく箇所への言及は省略させて頂き(大体は「視点がよく分からん」「表現が分かりにくい」ですしね。言及しても言い訳にしかならん)、羽矢野さんの指摘で二、三、首を傾げた所がありましたので、自分がどういう考えだったか説明致します。 >すなわち、どちらともが偽。  わたしとしては「彼は答えを知っている。つまり、どちらともが偽だという事だ」というつもりだったのですが。え〜と、これなら意味は一応通じます……よね?(汗)  わたしの辞書では「すなわち」には「つまり」の意味も載ってますし、問題ないと思ったのですが。まあ、雰囲気偏重で分かりにくい表現に寄ってしまったのは確かなんですけどね。「繋がってない」かなぁ……?(悩) > 言いながら、思う。思いながらも、言う。 > それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。    え〜と、ここの「それ」は「言うこと」と「思うこと」のつもりでした。  「茶番だと思ってる」のに「言う(=茶番内の行為)」のは矛盾がある。けど、この「茶番」は最後までやり遂げないと意味がない(=茶番以下になってしまう)ので、「(それを茶番だと)思うこと」と「言うこと(茶番を続けること)」は表裏一体である、という考え。  ――まあ、分かりにくいのは確かだが……。う〜ん、ここらへん「読み解く楽しさ」を狙ったってことはあるけど、厳しいかぁ……。  「それは」は間違いなく「それは」のはずですけどね。辞書で「それ」を引くと、二番の意味で「少し前の文・ことばをさすことば」とありましたので。  あ〜、あと、誤字指摘。二箇所で「確率」が「確立」になっちゃってますよ。  書いてる間に載った、リライト版に対する指摘へのレスはまた後日……。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6026 投稿日 2003年1月28日(火)02時54分 投稿者 新木 伸 >鷹見さん  フランス書院ですか。  僕はナポレオン文庫のほうに応募したこともありますし、企画書持ちこんで打ち合わせなんかもしていましたが――星くずの企画が先に通ってしまったので、それきりとなりました。  しかし、文章でリビドーを刺激するのって、難しいもんかなぁ?  むしろ、文章がいちばん適しているんじゃないかと思うのですが。  映像や動画や、さらに進んで立体映像の3Dまで含めても、しょせん「現実」を写しているだけのメディアには、おのずと上限がきます。  しかし文章のほうでは、その上限はない。いくらでも、無限にエロくできるはずですけど。  その「露骨を嫌う感覚」っていうのが、小説家がエロを書かない理由なのかな。  感覚ではわからんのですが、理屈ではわかりました。(しかしまたすぐ忘れてしまうのではなかろうか。そういえば前に他の作家さんに説明してもらったときにも、そんなような説明を受けたような気が……)  僕はどうも、その「露骨」ってのがわからなくて。「恥」がわからないのと、たぶん根っこは同じところにあるかと。  おそらく、「露骨=恥」ってことで、クリエイターは露骨を嫌うのではないかと思います。しかしそもそも「恥」がわからないので、やっぱり「露骨」もわからない。  うーん。まあ、「露骨」の感覚がわかるようなら、「夢境学園」みたいな話は書いてないはずですが。  あれはマジで、日本でこれを書ける(書くかどうかって意味で)のは、俺だけだ。  ――とか、そう思ってましたので。  「見せてもいいパンツなんです」は、あれ、エロかったです。 >>簡単に言ってしまえば、私がダイレクトな「エロ」を書かないのは >>赤い花を「赤い花」と描きたくないから。というところでしょうか?(笑)   僕がダイレクトなエロを書くのは、赤い花が「じつは本当にものすごく赤い」ということを、皆に知らしめるためです。  みんなって、赤い花が赤いことを、「ああ、赤いな」って通り一遍のつまらない見方しかしていないんですよね。それで納得しちゃってる。  違うんですよ。あれはもっと本当に、赤いんです。そんな「赤い」なんて言葉で簡単に済ませていいような赤さじゃないんです。  エロってものは、本当は、もっともっと、とっても、すごく、エロいものなんです。  みんなそれを知らんのですね。 >天衣さん  だんだんと、「なにが足りなかったのか」に、自分でも思い至ってきましたね?  あともうひとつ指摘してよいでしょうか。  どうも、ロウソクの火が揺れているようなのですが……。  これはどうして揺れているのですか?  窓を閉め切った部屋のなかで、炎が揺れている理由は?  「人生賭ける」とか。  んーと、「人生賭ける」の誤用をそのまま鵜呑みにしちゃって、間違ったまま覚えてしまう人が出ることを懸念しているのかな?  作家っていうのは、まず基本を踏まえた上で、そこから「どうやって壊すか」ってことでオリジナリティを出してゆく商売なんで……。  けっこう、こうした言葉の用法を壊すことには無頓着であったりします。べつに国語の教科書に載るつもりもないしー。  言葉の正しい用法を学びたければ、国語の教科書を見るか、さもなきゃ辞書を見るべきです。作家の小説から得ようなんてのは、二次や三次情報に頼るようなもの。  僕らは「読者を楽しませる」ことが仕事であって、「正しい日本語を教える」のが仕事ではありませんので。  あと、ちなみに、「この分室を読んでいる作家志望者が間違って覚えたらどうする」という点についても、「そんなもん、鵜呑みにしたほうがアホ」ってことになります。  辞書を引けと、いつもくどいほど言ってあるので、「人生賭ける」と自分で書いてしまう前に、かならず辞書を引いているはずです。新木伸が使ってたから――なんてのは、なんの言いわけになりませんし、どこにも通用しませんし。  言葉とか文体とか、視点とかを――あえて「壊す」こととか。  これはアマチュアの人に対してはよく行われる指摘なのですが。  「壊れてる」と「壊している」は違うんだよ――ってのがあります。  知らなくて用法を間違えているのと、知ってて用法を違えているのとの差。  たとえば、作家の「あかほりさとる」さん。  独特の文体を持たれてますよね。  あの人の文体っていうのは、まあ「軽すぎる」とか批判を受けることも多いようですが。  あれが「壊している」の典型。  あの人は、もちろん、壊さないで書くこともできるわけです。  「サクラ大戦」の小説で、文体変えて、書かれています。いわゆる「普通」の文体のほう。「壊れてる」んじゃなくって、「壊している」わけですね。 >羽矢野 >>「肩を覆うケープ」って、何か違和感があります。 >> ケープとは、そういうものなので“肩を覆う”っていう情報は“ケープ”の中に含まれてしまうと思うのですが。  ああ。言いたいことはわかる。  情報の重複のことを言っているわけね。  しかしこれは「ケープを知らない人をおいてけぼりにしないため」の事前の策であるわけだ。  羽矢野君自身は「ケープ」がなんであるかを知っている人なわけだよね。  まずそこから発想を離そう。  自分とは違う人も、世の中にはいるのだ。この場合は「ケープを知らない人」ってことだが。  僕のこの文章は、「ケープを知っている人」と「ケープを知らない人」と、両方が読むものであるわけだ。  ケープを知っている人には、この文章は、このように見える。  「肩を覆うケープ」  そしてケープを知らない人には、この文章は、このように見える。  「肩を覆う■■■」  どっちの読者も存在している。  そして後者のほうの「■■■」に見えている読者のほうが、実際には多いと思われる。  さて、この場合、「肩を覆う」の情報重複部分は、取るべきでしょうか、残しておくべきでしょうか。 >羽矢野 >サンプル指摘  なんだ。羽矢野もエサ袋に頭を突っこんできたのか。  しかたないなぁ。ほら、やるから。そんな慌てんでも。  しかしこうして精読されるというのは、怖いもんだね。  どきどきしながら読んでいた。  馬宮さんの指摘のときにも書こうかと思ったんだけど(そして言いわけっぽくなるからやめといたのだが)、「円」っていうのは、あれは言葉の選択ミスだった。  あれでは地面に描かれた「円」のほうを連想しちゃう。  書こうとしていたものは、「蝋燭の小さな光が照らしだす範囲」ってところ。女の上半身を含む――その丸く照らしだされた小さな空間内。  しかし視点の中心がいま蝋燭にある。  この「丸く」っていう言葉は、全体を見ている視点でないと使えない言葉なのだな。使ってしまうと、「蝋燭」から「全体」に視点が飛躍してしまうことになる。  たとえば、「その光の届く範囲だけが、闇の中より、丸く切り出されている」――とか書いたとする。でもほら――こうすると、蝋燭から周囲も含む全体に視点が移動していっちゃうでしょ。  この描写の主役はあくまでも「美女」であって、「周囲の空間」ではないわけだ。  だから、こうは書けない。  なんかいい案があったら、いまからでもいいので教えてくれ。  今後の参考にするから。  蝋燭が漢字になっていること。  無論だ。  ここで「蝋燭」は漢字でなければならない。  また「ろうそく」とルビを振るかどうか迷ったんだけど、振ってしまっては雰囲気がぶち壊しになる。  また「蝋燭」の字がたとえ読めなかったとしても、灯りに使うものであることと合わせれば、なんとなく推測はつくんじゃなかろうかと判断した。  「蝋」を「ろう」くらいは読める人は多いだろう。「燭」のほうを「そく」と読むのは、漢字を知らない読者だと、ちょっときついかもしれないが……。  蝋燭と燭台は、あとで小道具として活用しているので、ここではあえて名詞を登場させてある。  そのへんは、あのあとに続く実際のシーンで、どう使ってあるのか見てくれ。「なるほど」ってうなるような使いかたになっているはずだから。  ただ、実際にこの数行を書いていたときには、蝋燭と燭台とを、あとで再利用するつもりだったかどうか……ちょっと記憶にない。  ただし、あとで実際に使っているので、こうして推敲時にも削らずに残してあるわけだが。  蝋燭のほうは、使うつもりがあったかな? プロットにもあったしね。ここで蝋燭の「実体」をはっきりと見せておく必要があった。ただ「燭台」と書いて、蝋燭込みであることを暗示するのではなくて、ちゃんと、蝋燭を蝋燭として見せないといけない。  だが燭台のほうの再利用法と演出的な使い道は、燭台を出してから、出しただけに終わらせないために、後付で考えついたのだと思う。  はじめは「火種」となるものを女に持たせなければならない必要から出したもの。しかし蝋燭をそのまま持っていたら間抜けだし、格好がつかないから、燭台が必要だった。  しかし燭台を出したからには、それはなにかで使い回さなければならない。  このへん、たとえ路傍の石ころであっても、文章として小説中に書かれたからには、後々意味を持ってこなければならない――という思想でやっている。  「美女」とか。  もちろん「女」ではどうだろうか、とか。比較検討はしてみたが。  女と書いた場合だと、2割くらいの仮想読者が、「美人でない顔」を脳裏に浮かべてしまうことが判明したのでNGとなった。感性がひねくれている読者もいるんだよね。  ここで「美人」を確定させとかないと、後々のシーンが妖しくなってくれない。そうすると、「美人ではない女の顔」を思い浮かべてしまったその2割の読者には、あとの数ページがまるまる「なにいってんの? この女、そもそもべつに美人でもないじゃん」となってしまって、意味を失ってしまう。  「美女を美女って書いちゃうのって、それどうよ?」っていう自分流のこだわりは捨てて、ここは勝ちに行ってみた。  2割程度なら切り捨ててでも、「自分のこだわり」のほうを取るべきかなとも思ったが、やっぱりねぇ。これは金を払ってもらっている小説なわけだしねぇ。そーゆーのは倫理的にどうよ、とも思う。  まあ、いざとなったら、仕方がない。  美女を美女と書いてでも、美女であることを確定させなきゃならんところわけだ。今回のこれは、その「いざというとき」に該当する。  これが趣味で書いてる小説であったら、その2割の読者は、ためらわずに切り捨てているだろうな。だって趣味だし。「読んで頂いている」わけではなくて、「読ませてやってる」わけだし。(金を取ってもいいもんを、金を取らずに読ませてやるのは、これは善意と好意だ)  「捧げ持っていた」とか。  「捧げ持つ」がわからなくても、「女は燭台を持っているようだ」ということは伝わるので、そちらでもOK。  捧げ持つがわからない読者には、こう見えているはずだ。  「爪を赤く塗った手で、女は燭台を■■持っていた」  ――これでも意味は通じるでしょ?  単に読めない単語を飛ばせばいいだけのことだから。  蝋燭が「一本」であること。  ここは、二通りの狙いがある。  まず光の小ささについて、二度目の言及をするため。  いちばん最初の行で書いた「小さく灯る」という表現で与えた「光が小さいイメージ」が、このあたりでそろそろ読者の脳裏から消えかかっている頃だ。だからここでもう一回強調しておかないとならない。  読者の超短期記憶の強度には、個人差があるだろう。  もう完全に消えちゃっている人もいるだろうし、またまだはっきりと残っている人もいるだろう。(精読をしている羽矢野の場合は、当然、まだハッキリと残っているはずだ)  しかし、「完全に消えちゃっている人」と「消えかかっている人」のために、書いておかないとならない。じゃないと、「それさえも眩しげに」が生きてこないから。  ここ、しくじってしまうと、「灯りがあって、それが強く照らしているんだから、眩しいのはあたりまえじゃん? なんか意味わかんねぇなー」ってことになってしまう。  あと、もうひとつの狙いとしては、前の「蝋燭を実体として示す必要がある」と同じことに掛かる。  蝋燭が一本であることを、確定させておかないとならないのね。後の仕掛けのために。  羽矢野君の指摘を見てみると――。  「その情報は書かなくても分かること」ということと、「強調しなくてはならないこと」との区別とが、まだはっきりとは付いていないのかな?  たいていの疑問点が、そこをとっかかりにして始まっているようだけど。  こうして細かく指摘をしてゆくときには、自分が精読をかけるもので、読者もまた自分と同じように精読するものとして、指摘しちゃっているだろ? >>一本っていう情報も、暗闇に光がともったことからもわかると思うし。  それは、たしかに確定されている。  書かなくたって、1本ってことはわかる。もし2本あるなら、灯りがともるのは2回あるはずだしね。  しかし強調の必要があるものは、強調しなくてはならないわけだ。  推理してみればわかる――あたりのことを読み取る読者は、精読をかけている読者だけなのだな。  普通に読んでいる読者は、そこまでは読み取らない。  そんな強い集中はしていない。  「読者は決して精読しない」という観点で、指摘するようにしてみそ。  そっちのほうが現実的だよ。  あ、ただし、それを通用させていいのは、エンターテイメント系小説の場合だけね。  純文は精読が基本だ。流し読みして批評なんかしてたら、そいつは単なるアホだ。  まあ純文のラベルを貼りつけておきながら、精読に耐えないような代物なんかも、世の中にはゴロゴロ転がっていたりするわけだが。 -------------------------------------------------------------------------------- レスなど。 No.6027 投稿日 2003年1月28日(火)04時04分 投稿者 望乃英司(ぼうのえいじ)  僕は郵便局の長期バイトを始めるために、ここ数週間ギア付きの原付に乗る練習をしています。  今日の昼間は雨が降っていました。当然郵便局の配達は雨で休みになることはありません。  雨の日に乗ったことはなかったので、ちょうど良い練習だと思い、古本屋、ビデオ屋、辞めた大学などを回って来ました。  それで分かったことは、まず、寒いということ。雨具を着ているので身体は何ともないのですが、雨が染みた軍手や靴などから徐々に寒さが襲って来ました。  時間にして二時間、距離にして八キロほどの行程だったのですが、家に帰った頃には身体の芯まで冷えていました。  冬場に毎日配達をすると考えると、まず一回風邪を引くことと、しもやけで苦しむことは確実だと分かりました。    梅雨などの季節は、安い靴を幾つか用意しておかないと、濡れて履ける靴がなくなってしまうということも知りました。  それと、時速30キロを出すと、小雨でもない限りは目やら顔が痛い……ということも知りました。  僕の持っているヘルメットも、郵便局のヘルメットも、フルフェイスや雨避けがついているタイプではないのです。    心配していたスリップ事故などは起こしませんでした。  ただ、二週間ほど原付に乗っていて、信号待ちの時はギアをローに戻す、ということを知りませんでした。  セカンドのまま信号待ちをして発進しようとすると、頻繁にエンストしてしまうのです。今日は五回くらいやりました。  帰宅後に出張先の父に電話で訊いて、信号待ちの時はギアチェンジをするのだ、ということを初めて知りました。 <新木さん  感想掲示板で、古本屋で「ヴァルツァーの紋章 上・下」を買ったと言ったのは、軽い嫌がらせのつもりでした。 (まあ、結局は、理路整然とした言葉で諭されて終わりでしたが。なるほど、と関心と感謝の気持ちと共に、古本屋で売っていた「星くず 9」を買って、そしてそれを言うべきだったか? とか若干思いました。まあ「9」から買うなんて絶対やらないけど)  で、なんでそんなことを考えたかという、そもそもの理由は、最初は一つだったのですが、新木さんの最新の書き込みを見て二つになりました。  いえ、一つのものがより大きくなった、というのが正しい言い方です。  で、その理由を述べつつレスを。  で、最初の理由というのが、No.6004の、 >>ポーズをとってもらうのはさすがに頼めなかったです。というより、頼みませんでした。 >>何故なら、僕には、まず「セックス」自体の経験がない。なのでポーズをとってもらっても、得る経験が少ないと判断したからです。 >ばーかーだーねー。 >なぜ親父さんに聞かなかったのか? >「経験者」がそこにいるのに。  ばーかーだーねー、の部分。どうやら僕には「ばか」という、単純なこの言葉が効くようです。  で、それが応えた、というのがまず第一の理由。  何故応えたのか? それは個人的な経験に由来します。  ただ、「効く」言葉には違いないのですが、僕、小学生時代の級友に、「バカ」と言って怒らせてしまったことがありまして。  単純な言葉一つで、相手を傷つけてしまう。僕に対する相手の態度が大きく変わってしまう。  それは当時の僕にとって衝撃で、それで軽いトラウマになりました。  で、今回初めて他人から「ばか」と言われたわけです。僕は。  思い出と、新木さんと、かつての自分と、ぐるぐる頭の中で回って、少し眠れなくなりました。  で、まあ一応は立ち直ったとは思うのですが、僕を叱るときは出来れば別の言葉でお願いしたいです。  ここまでは、小説と関係がないことなので、書き込むのは正直申し訳ないと思っています。    それでは、その第一の理由を肥大させた理由について順を追って書きます。  まず、父親にセックスの経験、について訊かなかった理由ですが、父親と母親の性行為を細かく訊くなんてしたくなかったから。  父親から母親との性行為について訊く、というのに本能的な嫌悪感を感じたのです。  もう一つは、せっかく良い関係を保っているのに、これをきっかけにぎくしゃくしてしまうのはイヤ、という理由です。    論理的な理由も、「弱い」ですが、あります。かつて、友人と、性行為の経験のある友人に、一晩かけて色々な質問をしたことがあるのですが、相手が恥ずかしがってあまり答えてもらえなかった。  その経験から、性行為について他人に話すのは嫌なものなのだ、ということが(頭では分かりますが)実感として分かりました。だから父親に訊いても得るものより失うものの方が多いと思いました。  それと、その時相手から聞き出した情報と、後になって、別の相手から聞き出した情報とが、あまり理解出来なかった。身になるものではなかったのです。(身にする努力の仕方を知らなかったのかもしれませんが)  よって、選んだ選択が、イメクラに行き、カーセックスのシュチュエーションをリアルに再現してもらうこと。  そして、本番以外の、前戯や後戯を実践することによって女体を五感で感じること、または風俗嬢から聞き出すこと。  本番の参考にするのは、ネットで検索をかけ、評判の良い官能小説を幾つか研究することで補う。という三つでした。  「経験者」の父にした質問は、「相手(女性)に脚広げてもらうの、車内だと窮屈だよね?」、と「後部座席でもやるのかな?」の二つ。  あとは僕の行った脳内シュミレーションを父親に話して、おかしなところがないか訊ねたり、といった具合。  僕のこの、一連の判断と行為は、そんなに「ばか」なものでしょうか?  僕にはどうしてもそう思えません。少なくとも「ばか」だったのは僕がまとめたこの思考を、上記引用の書き込みに入れなかったことだけだと思うのですが?  で、やっと本題ですが、第一の理由を肥大させた理由、とは新木さんのリサーチのことです。  アマチュアなりに、僕は考えて以上の結論を出したつもりでした。  ですが、プロの新木さんが僕なんかの、数人の友達のリサーチで「とても助かった」理由が分からない。  確かにそう言われてとても嬉しかったです。(感想掲示板の「語り部視点」の助言もありがたかった)でも、疑問が残る。  僕に「ばか」と言った新木さんが、冷静だったと仮定するなら、僕のやったリサーチ、なんてのは――最後の、ほんの一押し、に過ぎないと思えてしまうのです。  新木さんは、既に脳内読者と格闘し、法に触れない程度に、手段を選ばずリサーチを行い、それでサービスで僕に訊いてみた、と僕は思っています。  だから、せめて、「とても助かった」の後に、「でもこれは小説を出す努力のほんの一部、プロは何千倍もの(略)」とか続いてもらわないと納得いかないのです。  このままでは、僕の思考し、選択したことが「ばか」で、僕がリサーチに費やした、ほんの一時間程度が「価値あるもの」になってしまう。  それは納得できない、ということです。  で、次は古本屋で本を買ってしまったことを、感想用掲示板で書く、という「行動」に出てしまった動機について話します。  まず、古本屋は消費者の味方、生産者の敵、というのはニュースで繰り返し報道されていたので知っています。  生産者である作家、編集者、出版社などが、古本屋、漫画喫茶などを利用している、なんて明言する危険性も知っています。  で、書いてしまったのは、何よりも自分の意識の甘さです。古本屋、特に新古書店が本を売ることで食っている「作家」にとってどれだけ脅威であるかという点、また、「作家」を目指している自分をリアルに自覚できているか、という点。  その認識が明らかに甘かったからです。  ただ、頭の中に「言い訳」は用意していました。これを書き込んだ後、きっぱり捨てますが、  まず、作家の一条理希さんが、「H.O.P.E. 2」(集英社スーパーダッシュ文庫)のあとがきで、蔵書を捨てるくらいなら古本屋に売って再利用をしてください、ということを書いていたこと。  これは、資料とか入手困難な本が手に入らないから、仕方なく古本屋を利用していることを書いたのでしょう。多くの書物を必要とする作家にとって当然の姿勢と思います。ただ、あとがきに書いたことは愚直すぎたのではと、今では思っています。  これのせいで、「H.O.P.E.」シリーズが、数々の複線を残したまま打ち切りになったのか? とか邪推してしまうほどです。  次に、新木さんが分室の過去ログの中で、作家志望者の方に、「図書館」の棚の「あ」〜「わ」行までのライトノベルを全て読んでからここに来い、と言っていたこと。  「図書館」は確か昔の文芸春秋で「ベストセラーのただ読み機関」などと酷評されていました。図書館で何人が一冊のライトノベルを読もうと、作家に還元される利益は「一冊分」です。 (違ったら、例えば、何か、本代とは別に、国から出版側に補助が出ているとか、そういうのがあったら、もう平謝りだわな。で、再勉強だわな。)  それをプロである新木さんが勧めている! なんてことだ、という感じで印象に残っていました。  ですが、それはあくまで、大きなお金をかけずに、多くの作品をインプットするため、という理由がありました。  以上二点の、僕が用意していた「言い訳」は、その裏にある「最もな理由」に裏打ちされています。  僕が古本屋で買った、というのは、新刊書店より安く買いたい、という完全に消費者としての立場のものであり、上記の「最もな理由」とは明らかに別物です。  えーと、以上です。今後古本屋、漫画喫茶、図書館(はギリギリセーフなのか?)を例え利用したとして、それを公開するような真似は一切しません。  では、普通のレスに戻りますね。あー、終わった。 *** >先生という呼称、尊敬語を使う事、その両方を放置する事によって生じるデメリットとは? (これ、急がないと。精読に追いつかれて解明されては……ひょっとして、もう解明しちゃってたりしますか?) >カーセックスのパターンでの、物的証拠の体系図作り >過去ログ読み >お題「集団に取り囲まれる」・コンセプト「集団に取り囲まれたという理由で恥ずかしい思いをする」のパターン出し  このへんの、面倒そうなの全部、明日に回します。今日(もう昨日か)は夜中友達とチャットやっていたので、明確なサボリです。  しかし、寝ないでも、こんなに起きれるの久しぶり。  原付の運転の練習に、感想用掲示板に、分室に。人生が充実してるってことだろうか。  実際今、とても楽しい。交通事故なんかで死ぬもんか。 *** >No.6014 >作詞に挑戦した声優の話 >35歳の女性を、「女の子」……。(出版当時でも29歳のはずだが) >いや、まあ、いいのだけど。  一応、余談ですが。  確か、プロデューサーの大月氏の発案で、林原さんのCDアルバム製作が始まったと「明日があるさ」には書かれていました。  なので実際に作詞をしたのは、ファーストアルバムが出る一年前とか、そんな感じでしょう。  その辺りでは、まだ林原さんは有名になっていないし、「女の子」と言ってよい年齢だったのではないかと。  …………鷹見さんにその話をしたのは、アルバム製作の関係者だったのかな? とか、ふと頭をよぎりましたが。  その可能性は薄そうですね。 (てか「本当に」余談でした) <鷹見一幸さん >No.6016 >望乃さん、どうもありがとうございます。  これ、個人的にガッツポーズ。  何故かと言うと、やはり個人的な理由。  以前、「時空2」の感想のハガキを送っても返事が来なかったから。  で、そんなんでファンやめる僕じゃありません。「時空」は面白いのです。鷹見さんは忙しいとあとがきで分かります。だから新刊が出たら即買いです。  まあ、要するに一ファンであった僕が、こうしてダイレクトに鷹見一幸さんからレスを貰えている。  望外の幸せ…………(意識が空へと浮かぶ)…………ってなもんです。  で、こういう話題も小説に絡めてくる。さすが鷹見さん。(「先生」と呼びたい欲を必死に抑えつつ) >んでもってちょっとイジワルな質問(笑) >知ってたってことは、その本を読んで、その部分の記述の記憶があったということだと思うけど。 >君の中で、その言葉はどんな風にとらえられていたのかな?  実は、本の中で、もうちょっとヒントが出ていたのですよ。  本を開くと、右ページにはマンガパートでその当時の情景を描かれ、エッセイパートでは林原さん本人がそれを回想する。  で、エッセイパートの方、全然覚えてないのですね。  なのでマンガパートからのヒント、ということですが。  マンガを文章に直すと、こんな感じでした。  ○月×日、キングレコード事務所。 「O月さん、詩、出来ました」 「おお、めぐちゃんか」  O月さん、詩を読む。  しばしの、間。 「なんていうか、めぐちゃんは……」  少し、ためて。 「赤を赤ーって言う人なんだねえー!!」  あっはっは、とO月さんにつられて、林原さん、笑う。  そこに、O月さんの一撃。 「でも、これじゃ売り物にならない」  コマが変わって、ヒント。 「つまり赤なら、炎とかリンゴとかあるのに、と、そういうこと」  と、印象に残っているのはこの部分です。(本とは微妙に違うところがあります)  その後は、林原さんは大月氏から大量に本を渡され、「これ全部読みなさい」と言われ、必死に作詞を頑張る、というような流れだったように思います。  まあ、僕が(広い意味での)業界を目指したのは中学二年から、小説を書き始めたのは約二年前の四月、小説家になろうと決意したのが昨年の四月(同時に大学中退)。  で、林原さんの「明日があるさ」を読んだのは中学三年か、高校一年の頃だったと思います。  前置きが長すぎましたね。  どんな風に捉えていたか、というと。  まあ、軽く嘴でパクパクやって、鵜呑みです。  詩に比喩は大事だということ、比喩を思いつくには多くの知識や感動が必要だということ、それには並みならぬ努力が必要だということ、あたりでしょうか。  詩における比喩を、小説の描写に当てはめて考えた事は今までありませんでした。  ……………………。  あ! なんてバカを! (バカ、を自分で自分に言う分には平気) <新木さん  まあ、書き込みのシメに雑談を。  なんか、前半重いし、鷹見さんびいきの書き込みになってしまったかなー、と思ったので。  実は、「星くず」を全巻買う、という予定が僕にはあります。  それは、少年(青年)が主人公で、周りを女の子のキャラが取り囲んでいる、という形態の作品を徹底的に研究したいから。  何故なら、「サクラ大戦」といい、今、集英社スーパーダッシュ文庫で続いている「はっぴぃセブン」シリーズだったり、それと形態が一緒だから。  この二作品は、共通する大きな二つの魅力があります。一つは「読者を存分に楽しませてくれること」、そしてもう一つは「読者に大きな感動を与えてくれること」。僕の中ではこの二作品は、最強のエンターテイメントと思っております。  それが「星くず」シリーズにも備わっているのか? それらとも違った、独自の魅力で引き寄せてくれるのか? 文章や構成の上手さは?  徹底的に研究するのがとても楽しみです。やりますよ、僕は。  え? 買ったらOFFに本を持ってきて、本の腹と奥付けを見せろって?  いやだなあ、新木さんたら、ハハハハハ。 (シメになってねえー! まあいいか。読み返して、投稿して、寝ます……この深夜に、ハイレベルな書き込みがいっぱいされてるー!!) -------------------------------------------------------------------------------- 望乃君 No.6028 投稿日 2003年1月28日(火)07時29分 投稿者 新木 伸  徹夜でハイになっているためか、それとも色々あって壊れてきたのやら……。  明日になったら(って、もう今日か)、まず自分の書きこみを読み返して、それから、これを読むように。  まずはじめに言っておくけども……。  「ばか」「アホウ」「ガキ」「小僧」「グズ虫」「ノロマ」「未熟者」「カス」「若造め」「ゴミ」「ヘタクソ」――このほか無数の腹の立つムカツク単語を自分に向けられたくなかったら、一生、おうちに引きこもっていなさい。  男の子は、家から一歩外へ出たら、こういうことをずっと言われつづけます。  それは一人前になるまで、ずっとね。 (一人前になったって言われ続けるもんだが、まあ、黙って耐えるばかりじゃなくって、殴り返してやることぐらいはできるようになるが) (なにも男の子に限ったことでなく、働く女の人もまったく同じことだが)  鷹見さんあたりにでも聞いてごらん。俺なんかがもらったこんな言葉より、もっと受けてきた罵詈雑言のバリエーションは豊富なはずだから。 >>今回初めて他人から「ばか」と言われたわけです。僕は。  これを聞いて、唖然としたよ。  いるんだ。来年で二十歳になろうかって人間で……。そんなことを初めて言われてショックを受けるなんてのが。  いいか? まわりを見回せ。  自分で自分を食わせている「大人」の人間は、そんなこと、もう千回だって言われてきているものなのね。  誰でもだ。  ひとりも例外はない。全員、そうなの。  君はいま初めて言われてショックを受けているようだから、これまで、まったく知らなかったようだけど。  俺は君の個人的な体験なんて知らんし、君の痛みなんてものも知らん。  知るつもりもないし、知ったとしても、気にかけてやる必要もない。そのつもりもない。  いいか? そもそも俺は他人なんだぞ? 君を保護してやる必要はないし、守ってやる必要もないんだよ?  俺になにを期待しているんだ? 君は?  俺は君が小説によって一人前になるために、ここにいるのだと理解している。  ここはアマチュアをプロに鍛え上げる場所であり――そのことを了解したうえで、君はここに来ているはずだ。  よって、そのように扱う。  たとえそうでなかったとしても、俺は一切関知しない。  これからも俺は、必要に応じて、「ばか」「アホ」「マヌケ」と罵ることになる。  望乃君に対して「ばか」が効き過ぎるぐらい効くことを知ったから、ここぞというときのために取っておくことになるだろう。巻島に「アホウ」が効くので使っているのと同じことだ。  もしこの場所が、君の思っていたところと違っていて、ここでのやりかたに耐えられないようなら、いつでも、やめていい。  べつに首根っこを引っ掴んで、無理矢理繋いでいるわけでなし。ただ書きこみをしなくなれば済むだけのことだろ?  「とても助かった」と書いたのは――。  とても素早かったことと、あと、自分自身だけでも良かったところを友達にまで聞いてくれたこと。  携帯の電話料金を使ってまでやってくれたこと。  それに対しての礼だよ。  望乃君は、34歳の引きこもり同然の生活をしている専業作家の、交友範囲っていうものをわかっていないのだな。じつはすごく狭い。二十歳前の人間と話をする機会なんて、そうそうないんだよ。実際のところ。分室OFFくらいかな。ここ2年のうちで、二十歳未満の人間と行った会話っていうのは。  いま現在、僕が二十歳前の小説を読んでいそうな人間にリサーチをかける方法は、すごく限られているわけね。  ――で、結局あのリサーチはなんの役に立ったのか。  どうも、「でもこれは小説を出す努力のほんの一部、プロは何千倍もの(略)」――というのを肯定して欲しいようだ。  それは事実なんで、肯定しておこう。ただし何千倍どころの騒ぎじゃないが。  あのリサーチは、ある文中のある一行において、「ケープ」という単語を使うかどうか。たった3文字を使うかどうするかの意思決定に役立ったわけね。  本一冊の総文字数から考えて、どのくらいの貢献度なのか計算してみる、おおむね、7万2千分の1ってところだろう。1冊のね。  もうひとつ、同時期にやっていた「里」のほうのリサーチは、鷹見さんと弟切さんに、かなり手間をかけて手伝ってもらったわけだが――。1文字。300ページ×18行×39文字=21万600文字のうちの、こちらは、たった1文字だわな。  こっちのほうでは……。  弟切さんと鷹見さんには、軽く礼を言っただけね。「助かりました」って、言っただけ。  これは、「ギブ・アンド・テイク」の俺的仮借対照表から判断するに、まだまだ「ギブ」のほうが上回っていると思うから。  僕のもらったものより、僕があげてるもののほうが多いはず。  しかし望乃君は、まだここにきて日も浅いわけでしょ。僕があげているものは、まだそんなに多くない。  そして君のしてくれた、友人に携帯で電話をかけまくった――というこの苦労。  これには礼を言っておくべきことだと判断した。それだけのこと。  なんか妄想がぐるぐる巡って、へんなふうに裏の意味まで考えちゃっているようだが……。 >>このままでは、僕の思考し、選択したことが「ばか」で、僕がリサーチに費やした、ほんの一時間程度が「価値あるもの」になってしまう。  なんだか望乃君は、「自分のための苦労」と「他人のための苦労」とを、同一線上において考えていないか?  君が自分の小説のために、「悩んで苦悩して恥をかく」ことは、それは「あたりまえ」のことです。  どんなに大変でも、誰も褒めてはくれません。  なぜなら、その苦労は君が自分で決めて、自分のためにやっていることだから。  嫌なら、やめろ。  誰も君に強制はしていない。  しかし他人のためにやったことでは――些細なことに思えても、感謝されれば、礼を言われるものです。  言うよ、僕は。  君が、自分の小説のために「時間と手間と苦労」とを注ぎこんで出してきた物事に対して「話にならん」と決めつけ、あざ笑いながらリテイクを出して突っ返しつつ――。  その同じ口でもって、君が僕のためにしてくれた、その些細な苦労に対して「ありがとう」って礼をする。  両者はまったく別のことだからだ。  ――で、次は本の中古販売のことね。  これはべつに叱ることでもないか。ただ説明するだけのこと。  マスコミによって、「古本屋は生産者の敵」って思想を刷り込まれちゃっているわけかな?  古本屋っていうのは、時と場合によって、生産者の敵にもなるし、生産者の味方にもなるものなのだ。  マスコミは「生産者の敵!」と騒ぎ立てるとウケるから、そっちばっかりクローズアップして取りあげているけどね。  あと、どうも望乃君は、「新古書」と「中古書」とを、ごっちゃにしているらしい。  まずその誤認から正さないといけないな。  「新古書」……出たばかりの新刊が、定価よりも安く店頭に並ぶこと。  「中古書」……過去の本が安い価格で店頭に並ぶこと。  明らかに「生産者の敵」となっているのは、この「新古書」のほうだけ。  この新古書の場合は、普通の本屋に行けば、まったく同じ本が売っているわけだ。今月発売されたばかりの新刊とか、先月売られたくらいの本とか。まだ平積みされて売られているような本なのね。  そういう本が、「新古書」として定価よりも安く売られている。  これが問題となる。  どうして問題になるのかというと、望乃君も書いてあるとおり、著者と出版社と書店に正当な利益が入らないため。  それにくらべて「中古」の本とかは、これはもう書店の店頭から消えていることが多い。  一条さんのあとがきに、「蔵書を捨てるくらいなら中古屋に売って再利用してください」とあったそうだが。  捨てるくらいの蔵書っていうのは、これはかなり古い本ってことになるわな。  だから通常の中古書であるわけ。たいていはもう新刊の販売がストップしていて、出版社でも絶版扱いになっている本だったりする。  まあ絶版になっていなくて、まだ流通に残っている本であったとしても、店頭ではなかなか見つからないかもしれない。  インターネットで本を探す方法を知らなければ、新刊で手に入れることは難しいだろう。  そのあたりの本が「中古書」として出回ることは、これは、じつは著者のメリットとなることなのね。  新書では買えなくても、中古でなら手に入るわけでしょ?  たとえば「ヴァルツアー」は中古屋がなかったら、絶対に手に入らないってことになるわけだよ? あんな10年近い前の本。  そういうのは僕も困る。たとえば僕の本を買ってくれて、面白いと思ってくれた人が、ぼくの別の本まで探そうとする。そして中古屋で見つけて読んでくれたとする。そうしたら、もっともっとファンになってくれるわな。そして新しい本を書いたら、そっちはちゃんと新刊で買ってくれるわけだ。そしたら印税も入ってくる。  こういう「良い循環」が、中古屋があるおかげで起きるわけだ。  こうして著者である僕にもメリットがある。  通常の「中古書」であれば、こうして「持ちつ持たれつ」の関係が成り立っているわけね。  ――で、図書館のこと。  そもそも図書館っていうのは、「本を溜めておく場所」「知識の集積場所」としての役割を持った公共機関なわけね。  古い本、高価な本もたくさん置いてある場所――というのが、本来のあるべき姿なわけね。  そして問題となっている(正確には一部の作家だけが文句を言っている)のは、やはり新書の本のこと。  図書館でタダで読んでいる人の数が、売れている数の半分もある。――とか、そういう話なわけね。  図書館も作家にとってメリットはあるよ。宣伝場所だと思っておけばいいんだ。  まず図書館で読んで、そして「すげぇ面白い」と思った人は、次は自分のお金を出して買うはずだ。  また図書館で借りる場合、ベストセラー本は貸し出しが頻繁にかかるから、すぐに読めるわけじゃない。予約を入れて、自分の番が来るのは2ヶ月先なんてこともザラなのね。  待ちきれない。どうしても早く読みたい――なんて人は、自分で買ってしまうだろう。  まあ中には、図書館で借りれなきゃ絶対に読まない――って人もいるだろう。しかしそういう人たちは、しょせん、お金を払ってまでは買おうとしない人なわけ。  そんな読者、そもそもはじめから数のうちには入っていないようなもんだ。  社会人のくせに、小遣いで買えるくらいの2000円程度のハードカバーをタダ読みするために図書館を利用しているようなセコイ人間を――読者の数のうちに数えてしまっているから、文句が出るのだろうと、僕はそう思っている。  また図書館を利用せざる得ない立場の人もいる。  たとえば小中学生であるとか。お小遣いが少ないので、読みたい本を買うことができない――という人ね。  いま電撃文庫だけでも、月に8冊も出ているわけよ。  1冊600円が8冊ね。いま中学生のお小遣いがどんなもんかは知らんけど、これ全部買っていたら、なくなっちゃうだろうね。  だから図書館を利用しなくてはならない。  これもだね、作家からみればメリットはあるわけ。  彼らが大きくなって、職について、自分で稼ぐようになったら、そうしたら「買ってくれる」わけでしょう? >>僕が古本屋で買った、というのは、新刊書店より安く買いたい、という完全に消費者としての立場のものであり、上記の「最もな理由」とは明らかに別物です。  完全な消費者?  誰が? 望乃君が?  プロ志望を口にした人間が、「完全な消費者」になれると思っているのか?  もう君は片足突っこんでいるんだよ。  もう半分は、立派に「当事者」です。  ここから先は、本を読むときのスタンスを二つに分けること。  リサーチのために読む本と、「楽しみ」と「研究」のために読む本と。  自分の好きな本で、読むために買っている本とか。あと研究させてもらうために買う本とか。それらは可能なかぎり著者に印税が入る形で購入すること。ただし入手困難/不能な中古書であれば別。これはどうしようもない。  それとは別に――。  リサーチのために買う本。基礎教養を付けるための本。  現在のライトノベルの傾向を探るとか。  あと「なんでもいいので年間365冊乱読する」ための本だとかは、図書館や漫画喫茶などで読んでもよし。  まあこれだって本当なら「印税払っておけ」と言いたいところではあるが、金銭的に大変なら、タダ読みしてもよし。またどこかに書いてもよし。べつに叱らない。  しかしズルした分は、そのうち何かの形で必ず「還元」するように。自分もプロになって作品を書いて世に出すとか。プロにはならずとも、アマチュア作家となって良質の作品を世に送り出すとか。そういう形でね。 P.S.  ところでいったい、あの書きこみでは、何が一番言いたかったコトなわけ? 1.「ばか」と言われると僕キレちゃうかもしれないので、注意してください。 2.「ばか」と言われたことと、カーセックスのことを考えるための苦悩とをコケにされたことが重なって、僕はとってもムカついたのです。だから嫌がらせなんてこともしちゃったわけです。そのことを知っておいてください。 3.中古書を買ったことを叱られたけど、「だって一条さんも言ってたもん」&「だって新木さんだって言ってたもん」。プロ作家だって筋の通らないことを言っているんだから、僕だけ叱られるのは不公平です。  1? 2? それとも3?  それともここにはない他のこと? -------------------------------------------------------------------------------- のろのろ No.6029 投稿日 2003年1月28日(火)11時12分 投稿者 藤極堂 ■古書売買問題 馳星周公式サイト「Sleepless City」 Hase Seishu Official Web Site 2002/12/04  「また、図書館」 より引用。 <引用開始> 東京都下のとある図書館じゃ、ハリポタの第四巻を数百冊仕入れたらしい。それだけ仕入れたくせに、数百人単位の「貸し出し待ち」状態になっているらしい。さらにはとある図書館の館長が、予算が減らされている今、図書館を救う道は「ブックオフ」から図書を買うことだなどと放言したこともある(書いたっけ、この話?)。どうなっておるのだ、この国は。中国や東南アジアの知的所有権のコピー問題はゆるせん? 同じやん、発想が。連中と。  またある読者からは、本の出版数が多すぎてどれを読んでいいのかわからない、それで図書館で本を借りる、借りて面白ければ、その作家の本は次からは書店で買う、そういう人間もいるのだから、やっぱり図書館は必要です、というメールが来た。  その通りだろう。なにもおれたちは、おれたちの本を一切図書館に置くなといっているわけではない。新刊が出たら、せめて半年は図書館に置くのを待ってくれとお願いしている。その半年の間に、出版社と作家はそれぞれに努力して稼ぎをあげ、自分たちの食っていくぶんをなんとかしてから、図書館を利用する人たちに貸しましょう。別に無茶をいっているつもりはないんだが、図書館には耳を貸す気はほとんどないらしい。そんなことをしたら利用者が減って、図書館の予算が削られて、あげく、役人としての自分の将来に傷がつくからな。  まあ、いろいろ書いてきたが、この問題の大元は法律にある。日本人の著作権に対する認識にある。レコードやビデオは貸与権というのだが、要するに、発売されてから六ヶ月は法律で保護されている。レンタル屋や図書館に入るのは六ヶ月後だ。まあ、今はネットの問題があるけれども、それはまた別の話だ。ところ書物に関してはこの保護が適用されない。昔はね、戦争未亡人が旦那失って食い扶持稼ぐために貸本屋を初めて、その未亡人たちを保護するために書物だけ、特例として貸与権を剥奪されたのだが、もう、いつの話よ、それ。 <引用終了> 要約すると「発売されて半年くらいは、中古書店と図書館で扱うのは止めて欲しい」ということ。 ビデオやCDは保護期間があるのに本には無いまんまというのが問題の根っこなのです。 ■誰か突っ込んでやれよ……。 No.5973 投稿日 2003年1月22日(水)17時33分 投稿者 新木 伸 >1〜2年ほど、女の子のほうが、肉体的成長も精神的成長も早いわけだ。 > そうすると、もしかして、同じ小学六年生でも「中学校に上がる」っていうイベントは――。 > 女の子にとっては、「気持ちの準備ができてないのにやってきてしまう不安なこと」 > 女の子にとっては、「ようやくやってきた、待ち遠しいこと」 両方の主語が「女の子」では対比になりません。  男の子にとっては、「気持ちの準備ができてないのにやってきてしまう不安なこと」  女の子にとっては、「ようやくやってきた、待ち遠しいこと」 の打ち間違いでしょう。 No.6004 投稿日 2003年1月26日(日)18時48分 投稿者 新木 伸 >「最低限」必要なだけの知識を詰めこむための――最前の手段でしかない  × 最前 ○ 最善 ■フリーソフト 縦書きにした状態を見るのなら、テキストビュアー窓の中の物語 ver1.42……と思っていましたが、このソフトの作者はサイトを畳むそうです。残念ですね。 てゆうかビュアーだから読みながら書き直しできないし。 縦書き表示したまま書き直しできるフリーソフトでははYellow Mint Editorを紹介しておきます。 フリーソフトをインストールするとフリーズしやすくなるのではと、心配な方もおられると思います。 対策として、事前に復元ポイントを作成しておくといいかもしれません。 窓の杜 - 【矢吹拓也のいじくるレジストリ】第4回:レジストリのバックアップ(2) <引用開始> Windows Me/XPには、“システムの復元”という機能が標準で付属しています。 (中略)  レジストリが壊れてWindowsが不安定になったり、起動しなくなった場合には、この“復元ポイント”を復元することで、あたかも時間を逆戻りさせたかのようにWindowsの状態を復旧させることができるのです。 <引用終了> ■ちょっとおもろかったサイト 野浪正隆研究室 国語教育講座 大学教授の方が作ったHPです。 野浪さん本人の書いた文章表現論もおもしろいですが、修士論文の本棚も楽しく読めます。 文章中の漢字文字列の頻度表を作るJavaScript等のScriptsツールも興味深かったです。 -------------------------------------------------------------------------------- 単語が問題なわけじゃない No.6030 投稿日 2003年1月28日(火)13時56分 投稿者 はせがわみやび  ひとがどんな言葉に過剰反応するか。その単語は必ずしも特定できるもんじゃない。千差万別なんだね。  「ばか」と言われて海より深く傷つくひともいる。  ──が。  世の中には、「立派ね」と言われて、めちゃめちゃ落ち込むひとだって、たぶん、いる。「わたし、その言葉にトラウマあります」って言うひとが、いるのだ。「いいひと」と言われるのがすごくイヤとか。「正直ね」って言われるたびに腹が立つとかとか。  そんなわけだから、ある単語を使用禁止にするというのは実のところ意味がない。そんなことをしていたら、使える言葉がなくなってしまう(「トリガーワード」は、ひとりひとりちがう。ちがって当然。ひとが個性的なのは、ひとりひとりの過去の経験がちがうからなのだ)。    大事なのは、「言葉ひとつで傷つくことがある」と知っていることだ。  その痛みを知っていて、自分が言葉を使うときに気を使うようにすることだ。  そして、他人が放った言葉に対しては、寛容であろうとすることだ。  ──と思うんだな、わたしは。  そうそう。言葉ひとつで傷つく心を知っている、というのは作家的にはプラスかもしれない。そういうひとならば、単語ひとつをおろそかにしないはずだからね。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- 中退、その他 No.6031 投稿日 2003年1月28日(火)15時18分 投稿者 弟切 千隼 昨日の湘南は、朝から夜に至るまで、ずーっと冷たい雨が降りっぱなしでした。誰でも外出したくなくなるこんな日に限って用があり、弟切は震えながらコートを着て出かけました。 その帰り、すっかり暗くなった道を歩いている時に、前方より自動車が走ってきて、道の脇の水たまりへと豪快にタイヤを突っ込んでくれました。 ずわばばばばっしゃーん! という音とともに、弟切が持っている服の中でも一、二を争う高価なコートに、泥水の水玉模様が付いていました(*o*)(;_;)\(>o<)/ 寒さと心理的な衝撃のためか、弟切は体調を崩して、今日の午前中まで布団から起き上がれませんでした。 >>高校中退について No.5984の書き込みで、私は以下のとおり書きました。 >>学歴を示す場合、「高校中退」はあくまで「高校中退」であって、「中卒」とも「高卒」とも違います。私は、中卒と高校中退とを含む概念の言葉はないものかと探して、「高卒未満」という言葉に行き当たりました。 これに対して、新木さんが、No.5988において以下のとおり書きました。 >>「学歴」って、前提条件なしでただ「学歴」といった場合には、「最終学歴」を指すんじゃないっけ? >> つまり「高校中退」の最終学歴だと、それは「中卒」でしょう? >>「○○中退」って書くことは、便宜上の慣習で区別しているだけで、法的にはなんにも根拠のないものだよね? 新木さんの疑問を受けて、学歴について調べてみました。 まず、「学歴=最終学歴」という大勢の合意があるかどうかについてです。 身の回りの人十数人に訊いてみたところ、「学歴」といえば「最終学歴」を指すかどうかは、意見が割れました。「学歴」と聞いて「最終学歴」のことだと思う人のほうが少数派でした。 「最終学歴を示したいのなら、ちゃんと『最終学歴』という言葉があるのだから、そちらを使うだろう。単に『学歴』というのなら、文字どおり『学んだ履歴』という意味で、学んだ学校名を全て羅列したものを指すよ」という意見が大勢を占めました。 次に、「○○中退」という学歴に法的な根拠があるかどうか調べました。 結論を書きますと、ありません。 具体的には、高校中退者は中卒者と区別されず、大学中退者は高卒者と区別されません。 ただし、四年制大学中退者の場合は、短期大学に相当するだけの単位を取得していれば、短期大学卒業者と同等の学歴を持つと見なされることがあります。 しかし、「○○中退」という学歴に法的な根拠はなくても、事実上、公的な意味はあります。 というのは、日本の大部分の社会人が働いている会社という場において、「○○中退」という学歴は「○○卒業」という学歴とは違う意味を持つからです。 会社というところに就職しようとする人は、ほとんど例外なく履歴書の提出を求められます。その履歴書には、最終学歴のみならず、全ての学歴を書くよう求められるのが普通です。 履歴書における学歴の書き方は、義務教育である小学校と中学校は、「○○年卒業」だけ書けばよいとされています。 義務教育以降の学校については、必ず「○○年入学」(学校に入った時)と「○○年卒業」または「○○年中退」(学校から出た時)とをセットで書くことになっています。これは、高校であろうと大学であろうと専修学校であろうと各種学校であろうと、同じです。 このような履歴書の書き方は、会社というところに職を求める人間にとっては、「常識」とされています。 上記のように書くことが「常識」であるなら、「卒業」と「中退」とを区別して書かせているのですから、そこには扱い方の違いがあるはずです。 一般的には、「卒業」よりも「中退」のほうが印象が良くありませんね。 しかし、会社の人事を担当していたことがある人たちに訊ねたところ、異口同音に「中退というのは、確かにどちらかといえばマイナスの要素だが、だからといって、それだけで求職者を不採用にすることは普通はない」という答えが返ってきました。 「○○中退者」と「○○卒業者」とは、区別はするけれども、必ずどちらかが有利という区別の仕方ではないそうです。 では、なぜ会社というところは、法的には意味がない「○○中退」という履歴を書かせるのでしょう? 会社側から見ると、履歴書というのは、「その人がこれまでの人生をどうやって過ごしてきたか」を知るためのものであって、「その人に何ができるか」を知るためのものではないそうです。紙の上のデータだけでは、人間の能力など計れないということは、会社の中にいる人にはとっくに判っています。 会社が働き手として欲しいのは、「○○学士」などという肩書きを持った人ではなくて、「まともに働ける可能性−能力ではありません−を持った人」です。 最初から仕事ができる人はいませんし、人間が人間を審査する以上間違いも付き物ですから、「能力」ではなく「可能性」なのです。要するに、「今はまだ仕事を充分にこなせる能力はなくとも、そうなろうという意欲があるかどうか」を見て、会社は働き手の採用を決めます。 「まともに働けるようになろうという意欲」は、つまり「まともに生きようとする意欲」です。会社に就職しようとするくらいの年齢の人間は、働かなければ生きてゆけませんから。 日本ならば、義務教育を終えた満十五歳以上の人間は、働くか、将来働くことに備えて更なる学校教育を受けるか、どちらかを選択するはずです。 ゆえに、ある人が主体的に人生を選択できる満十五歳以上の履歴には、その人の「生きる意欲のあり方」が現われます。早くから社会に出て働こうと思ったのか、高学歴でなければ就けない専門職を狙ったのか、いったん目指した進路があったけれども何らかの理由により進路変更したのか、そういったことは、履歴書を見れば明らかですよね。 だから、会社というところは、求職者に全ての学歴を書いた履歴書を提出させるのです。 履歴書に「○○中退」とあれば、会社の人事担当の人は、「なぜ中退したのか?」と求職者に訊ねます。 それは、求職者に対して中退したことを責めているのではなくて、「この進路変更は、君の人生においてどういう展望のもとにやったのか?」を訊いています。働いて生きる意欲がどうかを問うているのですね。 ここで「自分にはここの学校の勉強は合わないと感じましたので、中退して別の学校に入り直しました」といった前向きな意欲が感じられる答えが返ってくれば、会社側の人は「こいつは採用してもいいかな」と思うでしょう。そうでなければ、会社側の人の心象は、むろん不採用に傾きます。 日本の社会人の大部分が属する会社というところには、以上のような現実があります。したがって、「○○中退という学歴は、法的には無意味でも、公的には意味がある」ことになっています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6032 投稿日 2003年1月28日(火)15時39分 投稿者 新木 伸 >人が傷つく言葉  そういえば――。  俺が「先生」と呼ばれてどれだけ傷つくかなんてことは、たぶん、多くの人にとっては理解の外なんだろうなぁ。  いちいち初対面の人に説明して回るわけにもいかんし、理解を得るのはとても難しそうなんで、もうすっかり諦めていることだけど。  「新木伸(先生と呼ばれるのは嫌です)」とでも改名しておけば、防げるかね。どうかね。  ちなみに僕の場合は、「ばか」と言われると、じつは喜んだりもする。  漫才師とかコメディアンの人にも多いんじゃないかな? 「ばか」という言葉が褒め言葉になってしまう人間って。  ただ「ばか」だと芸にはならないから、どうせやるなら、「大バカ」まで突き詰めないとならないが。「普通」よりも、「ばか」のほうが、「大バカ」には近いでしょ。だから「ばか」と言われりゃ、喜ぶわけね。  このあいだ、EBのファミ通文庫で、僕とともに「2大バカ小説」を書いてる葛西さんと話した。っていうか、飲み仲間だが。  おたがいがどれだけ「ばか」であるかということで、盛りあがっていたりしたが。  このように、千差万別なわけ。  あとね、人によっては「女性」と呼ばれるだけで傷つく人もいるのだ。  また「男は〜」だとか、男の立場による話題を始めただけで、それだけで傷つく人もいる。最近やってるセックスがらみの話題。あれを見かけただけでだいぶ傷ついている人もいるだろうね。  知ってたかい? 自分も話題に参加しているだけで、だいぶ他人を傷つけていたのだということを。  やい、共犯者。自分だけが被害者面してんじゃねぇぞ。  あと、「健康」って言葉を目にしただけで、ずーんと心が痛む人もいる。  「小学生」と聞くと痛い人もいる。「大学」と聞いただけでキリキリ痛むひともいる。  しかし、そんなもん、いちいち気にしとったらなにも言えんわ。  すべての言葉は、きっとどこかの誰かを傷つけるキーワードになっているのだろう。  そのことは知っているけど、気にしないことにしているわけ。  いいんだよ。どこかの誰かを傷つけてしまう以上に、どこかの誰かを楽しく幸せにさせたなら、帳尻は合うから。  僕は数人――あるいは数十人を傷つけても、数万人を楽しませるほうを選ぶ。 >>そうそう。言葉ひとつで傷つく心を知っている、というのは作家的にはプラスかもしれない。そういうひとならば、単語ひとつをおろそかにしないはずだからね。  いや。関心が「言葉ひとつの重さ」のほうにではなくって、「自分が傷つくこと」のほうに向いている人の場合には、その限りじゃないだろう。  たとえ「言葉で傷つけられる痛み」を知っても、あいかわらず、自分の口から出る言葉には注意を払わないはずだ。 >わしの誤字率  おお。すげぇ。  4日分のすべての書きこみのなかに、たった2個しかないのか。  するってぇと、書きこみに要する時間削減のために、まだ見直し回数は減らしてもいいかな。もう1回くらいは減らしても、掲示板上における実用充分な精度は出せそうだ。 >>東京都下のとある図書館じゃ、ハリポタの第四巻を数百冊仕入れたらしい。それだけ仕入れたくせに、数百人単位の「貸し出し待ち」状態になっているらしい。  ここ、「〜らしい」とすべて伝聞調になっていることに注目。  この文章を書いた人間が、自分で確かめてきた事実であれば、ここは「〜らしい」と書かずに「〜だ」と断定調で書くよね。  ということは、この人のもとにこの話が到着した時点で、すでに二次情報以降になっているということだね。  さらにこうやって、前後関係がわからないまま部分引用されてくることで、第三者(藤極堂さん)による「編集」の手を経ていることになる。  よってさらに「一人分」が加算される。  つまり最低でも「三次情報以降」ってことになる。もう「噂話」と大差ないわな。これでは。  これがどこの図書館であるのか? たしかに蔵書に数百冊も存在しているのか?  その事実関係を確かめて、せめて、二次情報ぐらいに精度を高めてから持ってきましょう。  こんな「噂話」の域でしかないことでは、真面目に論じるだけの価値もない。  たとえ「作家が書いていた」からといって、こんな日記の片隅に書かれた、裏も取り切れていないような「独り言」を持ちだしてくるのはどうかと思うぞ。  あとここで図書館問題を扱うときには、他で同じ話をするときとは違う「ある特殊なスタンス」でやることになると思うが。  そこはわかっている?  ここは基本的に、「作家志望者のための場所」なわけね。  しかし、まだ作家にもなっとらんやつには、「図書館と作家の関係」の話に入ってゆく権利も発生していないわけ。  そういうことは、まず筆一本で飯が食えるようになってから言え――てなもの。  すくなくとも一冊は出版して、それが図書館に置かれるようになってからだ。  業界の外にいる人間が、その業界の在り方なんてことを議論しなくていい。  ただし藤極堂さんの場合は、消費者であり読者としてのスタンスで、この話題に参加できると思う。  出版業界の行く末は、読者にとっても関心事なわけだ。本が出なくなってしまっては、消費者として困るわけだし。「図書館で新刊を貸すのはどうかと思う」と意見を述べている作家を擁護する側に回ったりして、やいのやいの騒ぐことは、これは構わない。  しかしこの場所でその話をやるときには、主要メンバーは「作家志望者」であることを前提にしないと。 >巻島 >>……えーと、性欲を持ってないかのようなキャラを出した記憶(あるいは自覚か)がないので、具体的に言ってくれるといいのですが……。  っていうか。  キャラが明確に性欲を示したシーンって、なにがあるのだ?  プロットでもあらすじでも、実際の作品からでも、どこから持ってきてくれてもいいんだけど。  「性欲を持っているキャラ」をどこかで出した覚えがあるのなら、それを示せ。  性欲もそうだが、他の三大欲求に関しても、まっきーの話の登場人物って「薄い」んだよなぁ。  たとえば「食欲」。主人公や登場人物が「腹を減らしている」シーンって、どこかにあったっけ?  あと「休息欲」。疲れ果てているとか。眠たがっているとか。そんなシーン、あったっけ?  「作業をぶっ倒れるまで続けた」とかいうのはなしだよ。あと「飯を食っているシーンがある」とかいうのもなしね。  これは単なる結果でしかないから。  「ベッドシーン」を書けばエロだろうとか、「裸」を出せばエロだろうとか、そんな甚だしい勘違いと同じね。  「ぶっ倒れたがっている」とか「腹が減っている」とか、そういう状態を書かないと「欲」を書いたとはいわん。  「大金を手にした男」を書いたところで、「金銭欲」は描けないだろ?  あくまでも男が「大金を手にしたがっている」その部分を描かないと、「欲」は描けない。  ――で、「性欲」とか、そのほかの「欲」とか、どこにあったの?  もしどこにも見あたらないようなら――それは、「まるでないかのごとく扱っている」と言われても仕方がないわな。そう思わん? >学歴の話  なるほど。僕が間違っていたわけか。  そういえば履歴書なんて書いたの、最後、いつだったかな?  たしかに「学業の歴史」って考えると、収め終えていなかったとしても、その時期、学んでいたことは確かなわけだし、書くべき事項なのか。  たとえ卒業していなくても、「学んだ」という事実は消えないわけだし。  このへんの「学業の話」とか、僕にとってはじつは「痛い」話題なんで、無意識のうちに知識吸収を避けていたきらいがある。  本当は「学校」って出るだけで、もう痛いんだよね。  ちなみに、僕は高専中退なわけだが。  「なぜ中退したのですか?」と面接で聞かれたとしよう。  そうしたら、「辛かったので、逃げ出したわけです」と、そう答えなくちゃならなくなる。  あ痛たたたた(笑)。 (この回答って、面接だとどんな心証になるのだ?) >天衣さん  課題部屋の半ボツのやつ。  前よりは良いんじゃないかな。  すくなくとも、難しいコトバを使わないで書いていこうという姿勢に好感が持てます。  無音  佇んで  空間  擦れる  視野  次は、このあたりも使わずに書いてゆくと、もっとよいかも。まだこのあたりの単語が少々難しすぎます。  難しいコトバを使いこなして趣やら雰囲気やらを出してゆくのは、平易な言葉で普通に書けるようになってからの話。  普通の言葉で、普通に書くこともできない初心者がやるようなこっちゃないです。  このへんの「普通にも書けていない」っていうことは、そろそろ認識してきたでしょう?  上級のことに挑戦するのは、まず初心者の仕事がきっちりこなせるようになってから。  自転車乗り始めの人が、曲乗りに挑戦しちゃいけません。  まずは、まっすぐ普通に走らせられるようにならないと。 -------------------------------------------------------------------------------- 望乃さんへ(半分私信) No.6033 投稿日 2003年1月28日(火)16時01分 投稿者 鷹見一幸  そういえばイタリア語で「美味しい」とか「うまい」とかを「ヴォーノ」って発音するんだよな……(余談) えーと「時空2」のお手紙くれたんですか?  すみません、今の今まで知りませんでした。  作家あての手紙は、まず編集部に届き、そこから転送されて来るのですが、 「時空」も「でたまか」も、今まで私がもらったお手紙は十通ほどです。 「でたまか」に関しては一通もありません。  アンケートカードも読ませてもらえません。  ○ドカワの編集さんに 「なんで、でたまかのアンケートカードは怒っている内容ばかりなんでしょうか?」  と言われたことがあります。  きっと編集部で「カミソリ」やら「爆発物」やら「白い乾燥有機物微粉末」あたりの入っているお手紙を除外すると一通も残らないんだと思います(笑)  作家にダイレクトに「つまんねーぞ」と言える便利な道具なのに、どうしてみんな送ってこないんだろう?  と、思っていたら、私は他の作家さんに比べると、そういったお手紙が格段に少ないみたいですね。  いわゆる「キャラ萌え」が無いからなのかもしれません。  とりあえず本を出すと増刷がかかるので「あ、売れているんだな」というのがわかるわけで、そのあと脳内で 「売れているってことは、きっと面白いんだ、そうだ、そうに違いない」 と自分に言い聞かせて次のお話を書く原動力にしています(笑)  自分が書いているものが「面白い」ことには自信があります。でも、その面白さが、読者とずれることが怖くてしかたありません。  マーケットリサーチを怠った名門ブランドが没落するのを見ていると、リサーチを怠ることは消滅を意味するということがよくわかります。  念のために申し添えますと。私は自分を「名門ブランド」だなどとはこれっぽっちも思っておりません。私は100円均一程度の「雑家」です(笑)  名門ブランドでさえ没落する昨今。私ていどの人間がリサーチを怠れば、その末路は言うまでもありません。  私には、そういった「リサーチに付き合ってくれる友人」が、何人かおりまして、毎回原稿を書き上げると、そいつらのところに一方的に送りつけます。  すると、読んだ友人は一行か二行、多いときはレポート用紙三枚分くらいの感想と、ひっかかった所を書いて送り返してくれます。  書き上げた直後はいくら冷静になっているつもりでも頭の芯が冷えていませんから。こういった「最初から冷たい連中」に読ませて、感想を聞くことが出来るのはとてもありがたく、そして運がいいことだと思います。  作家にとっては命より大事な新作のテキストファイルを、ぽんぽん配りまくっていることを知った編集さんが、真っ青になってメールを送ってきたこともありました(よみかく創成期の頃ですけど)  それいらい、気心の知れた古い友人以外にはリサーチをしなくなったんですが、最近マンネリ化しちゃってます。  そろそろ新しい「リサーチ仲間」を募集しようかと思ってますけど、やっぱり新作のテキストがどっかに漏れる危険性を考えると、勝手に募集もできませんね。  迷惑を受けるのが私だけじゃすまないですものね。  「鷹見一幸の出版前の粗粗原稿が読める」  こんな特典しかないんじゃ募集しても誰も応募しないか(笑) -------------------------------------------------------------------------------- >鷹見さん No.6034 投稿日 2003年1月28日(火)17時10分 投稿者 新木 伸 >鷹見さん >>以前、「時空2」の感想のハガキを送っても返事が来なかったから。  望乃君のこれ。  二通りに読めるんで、もうひとつの可能性も考えておいたほうがいいかと。  鷹見さんは、「望乃君はハガキによる『ファンレター』を送っていたのだが、それが作者である自分の元に届いていなかった」と読み取ったようですが。  僕はもうひとつのほうではないかと、そう読み取っています。  「読者アンケートハガキの欄外のコメント部分に感想を書いておいたのだが、待てど暮らせど、返事が返ってこなかった」――ってふうに。  時空2の「感想のハガキ」を送った。――なわけですよね。  時空2に「感想のハガキ」を送った。――なわけではなく。  ここはやっぱり、本に付属していたハガキと読むべきでは?  まあ、本人に聞くのがいちばん早いですが。  どうなの? >望乃君  もしその話の「ハガキ」がアンケートハガキだったのだとしたら、これは普通、作家のもとに届かないものだよ。  作家に届ける場合には、専用の「ファンレターの宛先」ってものがあるので、そっちに送らないと。これだって確実に届くとは言い難いが。(理由は後述)  アンケートハガキの欄外の通信欄とか。  僕もたまに編集さんが抜粋したものを送ってもらうことがあります。編集部に行けば見れますし、コピーして送ってもらったりとか。  とくに「元気が出る内容のもの」を選んでもらって。  ただ、いつも必ず目を通すわけではないです。  特に作家のほうが希望しなければ、「お叱りの言葉」のほうは見せないのが普通なんじゃないかな。  カミソリと爆発物と炭疽菌は、編集部でチェックして除外するのと同様に、否定的意見も除外するもんでしょ。  これは前に聞いた話だけど。すでに僕のところで二次か三次あたりの噂話に果てしなく近い情報だけど。そして故あって匿名にしとくけど。  ひどく酷評して罵倒しているような内容のファンレターを、うっかりノーチェックで作家にそのまま渡してしまった編集さんがいて、そのせいで人気作家がしばらく書けない状態に陥ってしまって、編集さんに責任問題が発生した――なんてことがあった。  まあ、初刷りが数万部程度の僕みたいな作家だったら、たいした損害にもならないけど。もっともっと売れている人の場合は、数千万円規模の損害が出てしまったりするわけね。  どうすんのよ? 誰がかぶるの? その損害は? っていうか、個人が補償できる額か?  だから、編集部はファンレターを検閲しないとならない。業務に差し障りがでる。  編集部にとっては、作家なんてのは、「乳を出す乳牛」みたいなもんです。  それに対して「乳の出なくなるような不協和音」を聞かせてどうする、みたいな。  そんなのは酪農家として失格でしょう。  クラシック音楽の名曲を聴かせて乳の出が良くなるのなら、どんどん聴かせるでしょうけどね。  ただし編集部では、ネガティブ意見のほうもチェックしています。  リサーチの一環としてね。  編集さんが、ちゃんと読んでいる。  その成果は作家との打ち合わせに生かされるわけです。「そっちの展開は避けるのはどうでしょう?」とか、そういう提案という形で。  ただ、ファンレター全体を見ると、「お叱り」っていうのはじつは少ない模様。  長々と「お叱り」の文面を書く人は、歪んだ形の愛を持っている人なわけね。  そもそも「どうでもいい」ような作品だったら、そんな、手紙なんて書いてきたりしないし。愛があるからこそ、長々とお叱りの言葉も書いてきたりするわけだ。  ある作品を普通に愛する人よりも、歪みつつ愛する人のほうが少ない。少数派。  これは物の道理ってものだろう。  だからお叱り系のファンレターは少ないわけです。 >出版前の原稿のリサーチ  万が一未発表原稿が流通してしまった場合の、出版社に与える損害のことを考えると……。  読ませるのなら、紙媒体にプリントアウトしたものにすべきでしょうね。  そして読ませ終わったら、必ず回収する。  可能なら相手が読んでいるあいだも、ずっと監視する。預けてしまうと、コピーを取ることもできてしまいますから。  僕は基本的に、このスタンスでやっています。  分室OFFなどに出版予定の原稿を持ってゆくこともありますが、かならず、回収してきています。(出版するつもりのない未発表原稿なら、そのまま押しつけて帰ってきちゃいますが)  ただ相手が信頼出来るのであれば、この限りではないかと。  僕もみやびさんには、毎日書き上がった分をメールで送りつけてます。  編集さんにも、そのことは告げてますし。打ち上げに呼ぶべきかどうしようか、いつも迷うくらいの関係。  ただ最近は「デスクトップ共有」をして、エディタの画面をそのまま見せて、読んでもらう方式に切り替えていますが……。  これだと、その場で修正を入れて、その修正内容も相手にダイレクトに見せることができますので、便利です。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6035 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- うまい No.6036 投稿日 2003年1月28日(火)23時43分 投稿者 とんびの羽根 >> そういえばイタリア語で「美味しい」とか「うまい」とかを「ヴォーノ」って発音するんだよな……(余談)  Buono なのですが表記としてはボーノをみかけます。ヴォーノと聞こえるかと言われると聞こえないでもないと思うけど。「ブオーノ」という感じで発音するみたい。フランス語なら「セ・ボン」 >>(よみかく創成期の頃ですけど) >> それいらい、気心の知れた古い友人以外にはリサーチをしなくなった  わたしの指摘能力がないので失格したのかと思ってた。(鳩見さんのほうだっけ)  しかし一冊分即日で読んでレポート返すってのは結構きついとは思った。  上の削除はわたしです。右向きと左向き o と o を間違えた。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6037 投稿日 2003年1月29日(水)00時20分 投稿者 光来 唯  現在、バイトの関係でじいちゃんばあちゃんと話したりする機会がちょっとはあるんだけど……  今日、下駄を履いてるばあちゃんに会った。  その場所は雪が少なめとは言え、それでも雪はちょっとは積もってるし、凍って滑りやすいとこもある。  だから、下駄で歩くのは危ないんじゃないかと思って聞いてみたら、「滑り止めがついてるから大丈夫」と言われた。  それでちょっと調べてみたら、雪国仕様の下駄には滑り止めがついてるとのこと。  よく考えれば、下駄を普段靴としていた時代もあったんだから、滑らないよう手を加えていないはずがないなんてすぐにわかったはずなんだが……(でもこれは、逆に言えばそのままの状態だと滑るということでもある)。  でもちょっと目から鱗。そんなこと考えもつかなかったわけですから。    >>目にかかる、首の後ろを隠すくらいの長さから、3センチくらいに一気に。 > 「目にかかる」っていうことは、これは前髪の話なわけね。 > しかし「首の後ろを隠す」くらいの長さの前髪って、いったいなんなんだ? > そんなバケモノみたいな長さの前髪を3センチ切っただけで、なにかが変わるのだろうか? たいしてかわらない気もするが。  うぅ、まだ普通に伝える日本語さえも書けないでいるのか、わたしゃ。    ここは、「(前髪は)目にかかる(くらい)、(後ろ髪は)首の後ろを隠すくらいの長さから、3センチくらい(の短さまで)に一気に。」とちゃんと書いていれば、こうなるはずでした。  「目にかかる」と「首の後ろを隠す」は並列させたもののはずだったんですが、そうは読み取ってもらえなかったようです。  この書き方けっこうしてるっぽい気がするので以降は、もうしない。 >シークレットミーン・指摘 >誤読  視点について誤読しまくりの模様。  ただこの点については白旗。私には無理っぽい。  ですので視点については明らかにおかしいと思う部分以外は私は指摘しないようにして(でも自分の手元ではやっておくけど)、他の人の指摘を見て勉強するようにします。 >リライト指摘 > 入口脇の壁には燭台がかかり、その上に灯(ひ)のついたロウソクが乗っている。  ここは「灯のついた」ではないといけないのか。  なんか、「ロウソクが『乗っている』」という言い方が引っかかります。  「灯る」という言葉は使えないのでしょうか。  あと、灯よりもロウソクのほうに目が行っているように読めます。  (暗闇で、火とロウソク、どちらに目が行くものなのか)   > こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。  「表情」と「格好」、このふたつは同時に目に映るものなのか。  両方とも、目を奪われるポイント(エロさを感じるもの)として大きなものです。  それでいて、違うものです。  だからふたつがひとつの文の中にあると嘘っぽくなってしまいます。  なんというか、妙に冷静に感じてしまうんです。  「〜は分かった」ってのもそうですし、客観的に眺めているというか……その「目」がドキドキしていないのに、読者にドキドキさせることは無理なんじゃなか、と。   > ロウソクの灯(ひ)がかすかに揺れる。合わせ、彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。  ここでのロウソクの灯の揺れとはどれほどのものなんでしょうか。  わずかな揺れでは、影に変化を感じることはできないんじゃないかと思うんですが(試してないんでなんともいえないですが)。   >中退者の話 >ここで「自分にはここの学校の勉強は合わないと感じましたので、中退して別の学校に入り直しました」といった前向きな意欲が感じられる答えが返ってくれば、会社側の人は「こいつは採用してもいいかな」と思うでしょう。  そうなのでしょうか。  「合わないと思ったからやめた」というのは、会社に入っても合わないと感じたらすぐやめてしまうと思われるのではないでしょうか。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6038 投稿日 2003年1月29日(水)01時17分 投稿者 新木 伸 >光来さん 「前髪は目にかかるくらい、後ろ髪は首の後ろを隠すくらいの長さから、3センチくらいの短さまでに一気に。」  ちゃんと書いても、それかい?  3センチくらいの短さって、いったいどこから3センチなの?  毛先から3センチ? それとも頭皮から3センチ?  それに、そうやって()内の補足説明を入れれば意味が通るように書き直せるのに、どうして、それが初めからできないのだ? >>「目にかかる」と「首の後ろを隠す」は並列させたもののはずだったんですが、そうは読み取ってもらえなかったようです。  読み取れるわけねーだろ。  だって書きかたが悪いんだもん。  短く、簡潔に並列させたいのなら、こう書け。 「髪を切ってきました。目にかかって、首の後ろも隠すくらいの長さ。そこから3センチばかり切ってきました。」  3センチだけ切ってきたのか、3センチ残して切ってきたのか、どっちなのかわかんねーから、まあ、3センチだけ切ってきたほうで書いてみたが。  そして「3センチ残して切ってきた」のなら、以下のように書けば間違いがない。 「髪を切ってきました。目にかかって、首の後ろも隠すくらいの長さ。そこからばっさりと、3センチほどにまで短くしてきました。」  ちなみに光来さんが()内の補足を足して書いてきたものと、長さ的にはほぼ同じ。  しかしこちらのほうが、誤読の余地は少ないでしょ。  なにをどうやって誤読を避ける工夫をしているのか、読み取ってくださいね。  あと、同じことを書くにあたって、自分の行った言葉の選択と、どう違うのか?  僕なら「くらい」なんて言葉は使わないな。  これ、どっちにだって使えてしまうもの。「毛先から3センチくらい」にも使うし、「頭皮から3センチくらい」にも使えてしまう。  それに比べて、「3センチほどに」と書けば、これは「頭皮から」のケースでしか使わない言葉でしょ?  他にも工夫はいくつかあるよ。  リライト指摘とか >>なんか、「ロウソクが『乗っている』」という言い方が引っかかります。  天衣さんの文章に見られる欠点として、「言葉の用法のいいかげんさ」ってのがあるわけですね。  たとえば「燭台にロウソクが乗る」と書いてしまう。  燭台にロウソクは乗りません。「刺さる」とか「付く」とか、そうなるはず。「固定される」とかいうのもありかもしれない。  そもそも「乗る」ではなくって、「載る」のはず。  しかし「載る」にしたって、この言葉には「固定されている」って意味が含まれていないから、やはり不適切。  違和感の正体は、これですね。  燭台に対してロウソクがどう固定されるのかを考えれば、おのずと、使える言葉と使えない言葉ってのは決まるはずですが。 >>「合わないと思ったからやめた」というのは、会社に入っても合わないと感じたらすぐやめてしまうと思われるのではないでしょうか。  面接官も人事課のプロだよ。  こういう回答をしたのなら、もちろん、「では当社は貴方に合っていると思われますか?」とか、キビシー質問を返してくるに違いない。  あと、ここで問題になっているのは、「前向きな姿勢」のほうね。  「自分の判断と意志に基づいてひとつの学校は中退したが、その後に、別なところに入り直して、そちらはきちんと卒業まで収め終えた」ということ。  そこが評価ポイント。  前の質問と合わせて、「我が社をきちんとリサーチ済み」であることが確認できたら、「こいつは辞めないだろう」と判断されるわけ。  ほら、初めの学校を中退した理由が、ちゃんと示されているわけでしょ。  それは「リサーチ不足だったために、入ってみて初めて、自分には合わないことを知った」という理由。そこがクリアされていれば、なにも懸念することはない。 >これ何語?  「ぼうのうと」(BONOTOと書くらしい)  ひょっとしてこれ、どこかの国の言葉なのかな?  ブギーポップのイラストレーターである緒方さんのハンドルネームのほうだけども。前からなにか意味があるのかなぁと、気になっていたりして。  ぼうのうとさんは、むか〜し、まだパソコン通信の16色CGの時代から、CG収集してたりして。 >起承転結の勉強法  たとえば週刊マンガ雑誌。少年ジャンプとか、そのあたり。  それぞれの漫画っていうのは、各話18〜19ページが基本なわけだ。  ここに起承転結の良いサンプルがある。漫画だと見開き単位で計れるから、小説や映画の場合よりも起承転結の区切り位置が確認しやすい。  なるべく構成がしっかりしていそうな話を選ぶ。  おおむね、見開き2枚(4ページ)ずつが、起承転結のそれぞれに割り当てられる。起承転結のそれぞれに4ページずつが基本構成ってとね。  ただしそこに、プラス2〜3ページの猶予がある。  見せ場の大コマなどの関係で、若干区切り位置がズレることもある。  4、4、4、4――が基本構成で、さらに2〜3ページがどこかに付け加えられる。  扉が扉絵になっている話は、プラス2ページ。  扉絵なしで、はじめの1ページ目から話が始まっているものは、プラス3ページ。  このプラス2〜3のページが、どこに付け加えられているのかで「いちばん膨らませている部分=話の重点位置」のチェックもできるな。  ちなみに、わしのお薦めの「アイシールド21」だが。  これは漫画単行本の2冊分――14話で、小説でいえば長編1冊分の話をやっているもよう。  ここまで理詰めで話作りをしている原作者ならば、おそらく単行本になったときのことも考えて構成しているはずだ。  だから漫画の2冊ごとに、きっちり、長編1本分のストーリーが片付いてゆくはずだ。  つまり、週間連載の1回18ページが、分室用語でいうところの「長編の16分割」のひとつに該当していることになる。  今週号現在で、「2話目」の「起部−起承転結」がちょうど終了したところ。  来週からは「承部」に入る。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6039 投稿日 2003年1月29日(水)01時25分 投稿者 羽矢野 ●天衣さん >>すなわち  すなわち、どちらともが偽(だと、彼は知っている)  って文章なのね。()の部分を省略してあるわけだ。  それなら、繋がってるんだけど。  私は、ここは主人公の独白なんだと思った。  結構な人が誤読すると思うんだけど。 >>矛盾  茶番だと思っているのに、言うことが、矛盾?  いや、それを読み解けというのは、無理じゃないかと……。  私は、一応指摘だけはまあそれなりに。  参加者の中では多分一番沢山やってるけど、これは精読しても読みとれない。  んで、普通に読んだ多くの人は、まず読みとれないんじゃないだろうか。  多分、考えもせずに“わけわからん”で瞬殺が普通の反応ではないかな。 ●望乃さん  多分、あの書き込みを読んだ社会人は“おいおい”って思うだろうなあ。  私は思った。ヤバヤバ。  子供が癇癪おこしたみたいだなあ。  今頃は、冷静になって恥ずかしくなってる頃かな?  まず、何でみんなが“おいおい”かっていうと、社会人の人は新木さんが言っているように千回(どころじゃないけどね)だって嫌な言葉を投げられてるわけです。  んで、それを乗り越えてしまってるから。  だから“バカって言葉でショックを受けました”。  なんて読むと、呆れてしまうわけですね。  でも、望乃さんの気持ちは完全じゃないけど、わかります。  私はまだ自分が甘ったれた学生から社会の厳しさに触れた時のことを憶えているし、毎年のように望乃さんみたいなこと言ってくる新入社員を見ていますから。  今度、アルバイトをするみたいですから、ちょっとくらいは言われるかもしれませんね。  社会ってそんな所だとわかったわけですから、ちょっとした予行演習になってよかったかも。  後、バイト先でそんなこと言っちゃダメよ。  私だって、社会人になってから、何度泣いたか。  寝れない夜や、何年も仕事の夢しか見れない日々が続きました。  夢の中まで仕事するのが嫌で、不眠症になったこととかもあったなあ。しみじみ。  でも、今はそんなことない。  それは社会人なら、最初に乗り越える壁です。  ちなみに、乗り越えられなかったら?  社会人になれないだけ。  いるよ。  自律神経失調症になって、会社やめて病院通ってる人。  不眠症で会社に三日連続で遅刻して、契約社員だったから解雇された人。 「お前もう、会社くんな!!」って怒鳴られて、本当にこなくなった人。(女の子だけど)  あ……。  ゴメン、脅すつもりはなかった。  何が言いたいかというと、そんなことで引っかかってちゃこの先の人生やってけないから、頑張りな。ってこと。   ●新木さん >ケープ >>さて、この場合、「肩を覆う」の情報重複部分は、取るべきでしょうか、残しておくべきでしょうか。  残しておくべきです。  ケープという言葉の意味と、含まれる内情報を知る人間がその文章の対象読者に少ないのなら、入れないと話にならない。  んで、その知っている人間と知らない人間の割合を計るために、リサーチを行うわけですね。  知らない言葉をわざわざ辞書使って調べながら小説読む人はいないだろうし。 >サンプル指摘  エサー、エサー。  バクバク。  モグモグ。  ゴクン。 >>円  円って、やっぱり二次元を想像しますね。  そして、形として想像してしまう。  この場合の意味は、蝋燭に灯った火が、そこを中心として丸くまわりを照らしていて、、その中に美女がいるから、半身がうつっている。  ってことですよね?  これで問題になるのが、丸くうつしだしているのは常識としてわかるけども、絵として見えない(暗闇で何もないから、うつる部分がない)  でも、ここって円だという情報って必要なんですか?  わかりにくいから、火を灯して、半身がうかびあがるでもいいような気がします。  円の部分は、絵としてでてこないし。  むしろ、誤読になっちゃうような。  馬宮さんも、魔法陣ですか? なんて訊いてたし。 「蝋燭の小さな光が照らしだす範囲」っていうのが、円という情報。  でも、半身がうかびあがってれば、ああ光の範囲はそこくらい(下半身まではいかない)ってわかると思うんですが。  蝋燭の光がどうなるかってのは、常識として通用しないですか? >>「その情報は書かなくても分かること」ということと、「強調しなくてはならないこと」との区別とが、まだはっきりとは付いていないのかな?  そうですね。  ついこの前、人間の超短期記憶の説明がありましたが、具体的にどれくらいなのかっていうのが、イマイチつかめていない。  今回のことで、ぐっと身近になりましたが。  二段落から、三段落くらい。  段落が繋がっていれば、別れているときよりも憶えているものが多いはずだから。 >>「光が小さいイメージ」  これがこの文では重要なのはわかります。  目を細めているのが、光がまぶしいからじゃないってのは、美女の描写にかかってくる重要なことですから、この部分は誤読されるわけにはいかない。  そのための強調ですね。 >>読者は決して精読しない。  頭に入れておきます。  気をつけるのは、その文で重要な部分がしっかりと表せる作りになっているかどうか。 ●中退  学校だと、どうしてもマイナス印象になってしまうと思います。(こっちは、思う)  会社だと三年が一応の区切りです。  三年勤めて、“前の会社(仕事)は自分にあわないので転職しました”ってのだと、納得してもらえるらしい。(また聞き)  それ以下だと、根性なしの烙印。 -------------------------------------------------------------------------------- いかんな、痛くなってきた……(汗) No.6040 投稿日 2003年1月29日(水)02時07分 投稿者 天衣  だぁぁ〜!  ボツ稿以前に、脳内シーンを一新(後述)できない! エロスを含んだ形でまとまらない! 初期稿から半年の間でこうも脳内イメージが固定されるとは!(いかんな、言い訳にしかならん……)  というわけで、今回はボツ稿すらあがってません……。あ、明日こそは……(弱) >羽矢野さん  改訂版の指摘、どうもありがとうございます。 > “お姉ちゃんが、エロくないやんけ!!” > お姉ちゃんを一行目に出すのだー。  あ〜う〜。やっぱり指摘されるかぁ……。  これまでの指摘を取り入れて文章を整えてみた結果、エロさ妖しさが落ちているのは自覚もしているところ。  う〜ん、どう並立させたものか……。(まあ、並立させなきゃ意味がないのだが) >視点の問題  うぐ、変わらず「男視点寄り三人称」です。しかし指摘はごもっとも。視点への理解がまだ到ってないなぁ……。 >闇 >宵闇  最初の「闇」、意味がないとも思わないですけど、あざとい(つーか、手抜き)感があるのは確かで、修正の必要はある。  しかし問題は、むしろ「宵闇」の選択ですな。「宵」の意味、二番に「夜」があったので安心してしまったが――あーもう、もっとちゃんと辞書引きゃあ、自分!(それに加えて、「宵」の一番の意味が「日没直後」だというのをうっちゃってしまう感覚も、問題ありあり。これは純粋に「執念が足りてない」ぞ……) >状況のチグハグさとか  ん〜、確かに改めて見直すと不自然は不自然なんですよねぇ。  一応――この男、待機は直立して行なうタイプ(騎士モード時)っつーイメージがあるので、立たせてるってのはあるんですけどね。ベッドに腰掛けてたりすると、微妙にキャラが軽くなる。(――とはいえ、「来る時間が正確に分かるわけでなし、何時間立ったまま待ち続ける気だこいつは」という突っ込みがあるのは厳しいところ)  人に見つからないようにコッソリ来る立場上、女性が灯りを持ってないのもそう変な話ではない(手探りなりなんなりで、来ようはある)と考えてのことなのですが。  う〜む、しかし鍵をかけてないのはなぁ。来るのを待ってる立場からすりゃ開けてていいかと思ったが、改めて考えると、ノックがあってから開けるのが一番自然だよなぁ(汗)  他の問題も大体納得いきますし。  どうも、シーンイメージそのものを一新する必要性を感じてきた……。 > 素っ裸で、ただ立っている女の子。 > 下着姿で、顔を真っ赤にして、手で胸とかパンティとかを、必死で隠そうとしている女の子と、どっちがエロく感じる?  ん〜。後者に「エッチさ(健康的)」は感じても、「エロさ(淫靡)」は感じないんですよなあ。 1.昼、素っ裸で立ってる女             ――あんまエロくもエッチくもない。(むしろ白ける?) 2.必死で隠そうとしてる女             ――エッチいけど、エロさは感じない。 3.夜、裸だけど、肝心な所は影で見えない。             ――エロさを感じる。 という分類ですね、わたしの感覚では。  この場合、3を狙ってるのですが。むしろ「肝心な所は影で見えない」感を出すのに失敗してる問題なのでしょう。 (ちなみに本編中の水浴びシーンでは、1と2の中間、スパイス程度のエッチさを狙った) >新木さん > これ(ロウソクの火)はどうして揺れているのですか?  あう。これ、最初に脳内であがったイメージが 「女、扉開く」→「その風でロウソクの火が揺れる」→「影が揺れて、なんともエロチック」 だったので、そのエロスイメージに固執しちゃって残ってるところなんですよね。――ダ〜メ〜だ〜(突っ伏し) (改めて考えりゃ、扉の風で揺らぐような位置のロウソクだけが光源ってのも変な話だ。消えたらどうする)  羽矢野さんへのレスでも言ったけど、どうもイメージそのものを一新する(コンセプトは変えない)必要があるってぇ事ですなぁ……。 >難しいコトバ、平易な言葉  う〜む、確かに基本を作るのが先決ですか。 「擦れる」は純粋に意味だけを考えて使った語なんですが――難しい語かな? 漢字が難しいって事で、「こすれる」にすればいい話?(悩) 「肢体」「這い動く」が挙がってないのは、この場面のコンセプトに密着に関わってるから、かろうじて許容範囲、という意味かな……?  しかし、なにが痛いかって「難しいコトバ」で「コトバ」がカタカナなところ。……ぐふっ。 (念のため確認しますが、これはつまり「君の現状では、難しい単語を使ってる箇所は『言葉』なんて言える代物じゃなく、壊れた『コトバ』に過ぎないんだよ。分かっとんのかね〜?」というニュアンスを込めてるんですよね(汗))  光来さんの指摘へのレスはまた後日……。 -------------------------------------------------------------------------------- 姿勢を改めます。(なので追い出さないで!) No.6041 投稿日 2003年1月29日(水)05時00分 投稿者 望乃英司  望乃です。  今回から「よみがな」の部分を消しました。  新ROMさんには親切でも、常連の方にはうっとおしいのでは? と思ったのです。  いや、一番うっとおしく思っているのは自分なんでしょうけどね。所詮他の人から見れば、名前の書き方なんてどうでもいいことだろうし。  新木さんのレスを見るのが恐くて、不貞寝していたら、NHKでやっていた深夜の音楽特集番組を見逃しました。ショック。  そんで、新木さんのレスを見たら、それ以上のショック。番組を見逃したことなんてどうでもよくなりました。  ある意味ショック療法? (しかし番組の再放送希望のメールはNHKに送っておこう) <新木さん(No.6028)  ここでの言葉の使い方の方針、了解です。  「ばか」は好きに使ってもらって結構です。  僕は、「ばか」以外の罵りならいくらでも受けてますが、たまたま、今回自分の嫌な思い出とクリーン・ヒットしてしまっただけで。  そういうような、ダメージを受ける事が今度またあった場合は、分室では言わないようにします。  愚痴ってます。どっかで。  ここをやめる気なんかぜんぜん無いですよ。  まあ、「出てけ」と言われたら出て行くしかないですけど。(もし言われても、噛り付いて懇願することぐらいはしますが。無駄ですかね)    それと、自分の為の苦労と他人の為の苦労、確かに混同していましたね。  これは僕の勘違いということで。申し訳ありませんでした。  自分の為の苦労を新木さんは分かってくれない〜(涙)。とも取れる文章を書いてしまい、恥ずかしい限りです。  でも、セックスのリサーチに関する僕の判断は、あれで曲げませんので。それでデメリットを僕が負った場合は、当然僕の責任ということで、問題なし。    中古書店と、新古書店の違い、及び図書館についての説明、ありがとうございました。 >ここから先は、本を読むときのスタンスを二つに分けること。 >リサーチのために読む本と、「楽しみ」と「研究」のために読む本と。  分かりました。かなりルーズにやりそうですけど、リサーチの為に買った本で「面白かった」場合は、すぐ新刊書店に走って、同作家の別の本買うだろうし。  ズルした分は、プロになって商業作品を出すことで「還元」すること、了解しました。 >ところでいったい、あの書きこみでは、何が一番言いたかったコトなわけ?  「ばか」は僕にとって特に効く言葉ですので、知っておいてくれると助かります、が一つ。  「カーセックスのリサーチ」に関する僕の判断はこうです、間違っているとは思えません、が一つ。  浅い考えで中古書を買ったことを言ってしまって反省しています、が一つ。  あとは……、ないか。この三つかな。  納得いかないことがあったらまたレス下さい。 <新木さん(No.6032 ) >やい、共犯者。自分だけが被害者面してんじゃねぇぞ。  僕宛になってないけど、覚えておきます。  言葉の使い方にもこれは当然当てはまることだったのですね。  意識が甘かったです。  <鷹見さん(No.6033)  僕のハンドルネームは、去年と一昨年連続でグラミー賞を受賞した、某ロックグループのメンバーが由来です。  そのグループはアイルランドの貧しい村が出身なので、多分イタリア語とは関係ないかと。  苗字部分のスペルは「BONO」です。 >えーと「時空2」のお手紙くれたんですか? >すみません、今の今まで知りませんでした。  ていうか言うタイミングが無かったので……。(当たり前ですが)  一応電撃編集部気付で、年賀葉書の余りの葉書を使って(「年賀」の部分をペンで消して)送りました。  イニシャルはH・Kです。  一応褒める感想のつもりだったので、編集者さんに弾かれてないといいのですが。  いや、ひょっとしたら、弾かれていたほうがいいのかな?(笑)  えーとそれで……。こう言ってくれて非常に嬉しいのですが、僕、「作家志望者の僕」へ向けての、鷹見さんのありがとう、という言葉を「ファンの姿勢の僕」で捉えてしまってますね。  不快に思われたらすみません。例えそう思われていなくても、失礼なことなので今後はあのような私信は控えるよう心がけます。  ……作家のあかほりさとるさんが、弟子の候補を初めて事務所に呼んだ時に、こういうことがあったそうです。  あかほりさんは、弟子の候補の方々に、まず自己紹介をするように言いました。 「○○です、よろしくお願いします」 「○○です、一生懸命がんばります」 「○○です、あの、私あかほりさんの大ファンなんです、握手してもらえますか?」  で、この三人目の言葉にあかほりさんは怒ったそうです。  弟子になろうとしてこの場所にいるのに、ファンの姿勢でいるとは何事だ、と。(余談) >いわゆる「キャラ萌え」が無いからなのかもしれません。  僕は「時空」だけの読者ですが、女性ヒロインの殆どに萌えましたけどねえ。  「萌え」というか、「可愛い」とか「美しい」とか「強いなあ」とか、そういう魅力は、どの作品の女性キャラにも感じています。  ん? ひょっとして、僕はあんみつ草さんのイラストに「萌え」ているのだろうか?  いや、物語で女性キャラに「可愛い」と思い、容姿を具現化されたイラストで、「萌え」ているのだろう。多分そうだ。  でも煽り文とイラストで本を選ぶ癖が抜けない僕。  しかし皆の「萌え」の感覚とはなぜかずれているらしい僕。 >「鷹見一幸の出版前の粗粗原稿が読める」 >こんな特典しかないんじゃ募集しても誰も応募しないか(笑)    「でたまか」シリーズを読んだら、応募しようかな(笑)。  でも東京在住じゃないし、紙原稿を受け渡すのは難しいかー。くっそー。   <新木さん(No.6034) >時空2の感想のハガキを送った。  の読み方ですが、「時空2の感想のハガキ」を送った――つまりアンケートハガキを送った、ではなく。  「時空2」の「感想のハガキ」を送った――つまりファンレターを送ったの方が、僕の意図したところです。  ああ、「二通りに読める」をまたやってしまった。 <羽矢野さん(No.6039) >多分、あの書き込みを読んだ社会人は“おいおい”って思うだろうなあ。  言ってくれて助かりました、より「恥ずかしいことをした」って自覚がわきますから。   >ちなみに、乗り越えられなかったら? >社会人になれないだけ。  ううむ。  少なくとも、「プロ作家」という社会人になれないのは僕は困ります。 >何が言いたいかというと、そんなことで引っかかってちゃこの先の人生やってけないから、頑張りな。ってこと。  ありがとうございます。(今回、見事に引っかかってしまいましたが)  別に、脅しとは感じませんでしたよ。  辞めてしまった社員の方には、ひたすら共感。(これは、一年間コンビニでバイトしていた経験等から)  そんで、自分の「甘さ」を再認識ってところでしょうか。(これは行動に移さないとな。分室での参加態度に、長期アルバイトに。頑張らねば)  本当に、「ばか」程度でへこんでいられません。  新木さんを見習って、いろんなアルバイトをすることも考えようかなあ。(勿論、まず今やろうとしているバイトをこなせるようになってから、ですが)  鷹見さんを見習って、音楽ライター等を、作家と平行して目指して、自分を叩きなおそうかなあ。(皮算用は意味のないことと知りつつも) -------------------------------------------------------------------------------- 学歴とかの話. No.6042 投稿日 2003年1月29日(水)05時41分 投稿者 望乃英司 <新木さん(No.6032 ) >ちなみに、僕は高専中退なわけだが。 >「なぜ中退したのですか?」と面接で聞かれたとしよう。 >そうしたら、「辛かったので、逃げ出したわけです」と、そう答えなくちゃならなくなる。 >あ痛たたたた(笑)。 >(この回答って、面接だとどんな心証になるのだ?)  僕の場合は工学部光工学科を一年で中退しています。  それで、親に言われたので、仕方なくハローワークに通っていた事があるのですが。<このへん、かなり「自分で生きよう」という意識が薄い    ハローワークで、年代が若い人を担当している人から聞いた話。  今は、18歳〜22歳あたりの就職率がとても低いらしいです。  40歳くらいの、働き盛りの年代の人よりも。  理由は、実務経験が無いから。会社は新人を教育する余裕が無く、経験者を求めているから、だそうです。  僕の場合は一年で大学を中退、ろくに単位を取っていないので、弟切さんが言っていた「短大卒」の単位数にも、とても届きません。  なので担当官の方からは、履歴書に「大学中退」は書かない方が良い、と言われました。  まあ、不景気で、どこの会社の募集も「既に決まった」「希望者が何十人もいる」というような状況で。  それで当時の僕、働きたくなかったので面接までは実際に行ったことがないのです。  仮に、面接でどうするかと考えたら、「大学中退」はアドバイスに従って書かないでしょう。  それで、「高校卒業後はどう過ごしていたのですか?」と訊かれた場合には、  「高校卒業後は、やりたい事がわからずアルバイトしていました。そのうちに社会に出て働きたくなったのです」    とか答えていたでしょう。多分。  ここで、「どれだけその会社で働きたいか」をアピール出来るか、が鍵となるのかなあ?  よって、僕のこの経験から考えると、新木さんは、 >「辛かったので、逃げ出したわけです」  と正直に答えるのはデメリットと判断出来るので、やめておいたほうが良いかと。  (質問に忠実に答えると、心証は悪い、と思われるので)  高専は、高校と短大をくっつけて、専門的なことをやる場所、と聞いていますから、「高専中退」は書いておいたほうが良いと思われます。(高卒程度の学歴に相当する、と判断される可能性があるため)  新木さんが、「もし」就職の面接を受ける場合は、高専で培った(と思われる)技術と、やる気、を武器にするしかないのでは?  でも、過去ログで、普通の仕事するくらいだったら、倍のペースで小説を書く、とかいう書き込みあったなあ……。  まあ、この話題は流しますか。  気がつけば、僕もおなかが痛くなってきたような(笑)。 -------------------------------------------------------------------------------- ちょっと追加。 No.6043 投稿日 2003年1月29日(水)07時41分 投稿者 望乃英司 >「例の書き込みで一番言いたかったこと」の追加  冷静になって、全部を通して読み通してみると、 ・「ばか」と言われた事への怒り ・新木さんへの個人的な悪意を表すための皮肉な態度  が全体からにじみ出ているように取れました。  言葉って恐いです。  しかし、「一番言いたかった事」が一つでなくて申し訳ないです。  いっぺんに言おうとしたのも悪かったのでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6044 投稿日 2003年1月29日(水)17時48分 投稿者 新木 伸 >羽矢野  「円」とか。 >>でも、ここって円だという情報って必要なんですか? >>わかりにくいから、火を灯して、半身がうかびあがるでもいいような気がします。  たしかに、そうだ。  しかし、うるせぇ。  俺は「円」とか「丸」とかにこだわりたいんだよ。  ぜったい、そこのイメージは、そうでなくちゃだめなのー!  まるいのぬきだと、それじゃつまんないのー! >>蝋燭の光がどうなるかってのは、常識として通用しないですか?  真の闇の中で、ロウソクの光が照らしだす範囲がどのくらいか、これをわかっている読者って何割だ? 1割切っているんじゃないのか?  5%も存在したら、いいほうだと思うぞ。  天衣さんが見取り図を書いてきたときに感心したもの。  ちゃんと1メートル以内に抑えてあった。てっきり数メートル四方を照らしだす範囲として書いてくるかと思ってたもの。(そこに突っこみを入れようとして待ちかまえていたのだが)  普通の読者であれば、時代劇や映画などで、ロウソク一本なんていうシーンがあるよね。――あれを思い浮かべちゃうんじゃないかな?  だとしたら、ロウソク一本の光で、部屋の隅々までが、くっきり見えてしまっているわけだよ。  映画やドラマでは、表現上の制約があるために、そのへんは「嘘」が描かれている。  ロウソク一本で部屋の中まで見えてくれないと、登場人物たちがなにを見ているのか観客にわからないでしょ? 登場人物たちの目はなにかに向けられていて、なにかを見ているようなんだけど、観客のほうからはその目線の先は真っ暗なので、なんにも見えない――なんていう「わけワカメ」なシーンになってしまう。  もし本当に「上半身しか映らない」なんてシーンを描いたら、それ、映像メディアとしては間違いなんだよ。だから嘘をつく。  本当は真っ暗なんだけど、でも、うっすらと見えてしまっているという嘘をつくわけだ。 >>ついこの前、人間の超短期記憶の説明がありましたが、具体的にどれくらいなのかっていうのが、イマイチつかめていない。 >>今回のことで、ぐっと身近になりましたが。 >>二段落から、三段落くらい。  ちがう。  物理的な文章量じゃない。  読者の体感における「経過時間」のほうだよ。ここで問題になるのは。  集中していると、時間は短く感じるでしょ。  また退屈していると、時間って長く感じる。  「体感時間」っていうのは、つまり、それ。  のめりこんで最高に集中しているときであれば、1ページくらいは記憶が持続するかもしれない。(これは羽矢野君などの指摘者が、最大限の集中力を振り絞って精読をかけるときの集中度だな)  しかし退屈しきっているときには、同じ行の前のほうのほうに書いてあったって怪しいよ。20文字前も覚えているかどうかだね。  だから一文を短くしろとか、経験則に基づく場当たり的な指摘がされたりするわけだ。  「、」によって何度も接続されて、100文字を超えてしまうような文章だと、もう前の部分なんて読者は覚えていないの。だから意味が取れなくなったりするわけ。  だから文を分割して、短くしろとか指示されることになる。  1文20文字以下であれば、この最低の集中度であっても、まあなんとか覚えていられるから。  ちなみに、この下の「集中度」ってのは、もう考えなくていい。  それ以下の集中度の場合は、読者はそもそも「読んでない」から。もう投げ捨てている。  本を読み慣れていない低年齢層(中学生あたり)向けの本で、20文字以内の文章が多くて、ページの下半分が白かったりするのは、こうした理由からだ。  読書に慣れていない読者は、高い集中力を文章に向けることに慣れていない。  だから可能なかぎり20文字以内の文章を使ってゆくわけ。  また漢字の割合が減るのも、そのため。  漢字ひとつを読むためでさえ、読者は多少の集中力を必要とするのだ。  僕の個人的な見解では、「喜多嶋隆」の文体が、ここよりも、さらに下の集中度の持ち主に挑んでいるもののような気がする。あかほりさんの文体も、そうかな。  そして他の作家が拾えない層の読者を獲得している。「あかほりさんの文章は、とても読みやすくて、おもしろくて、よかったです」みたいなファンレターが小学生から来るわけね。  小学生からファンレターが来るのって、すごいことなんだよ。  平均的な小学生が特に頑張らないでも、普通の集中を向けて、そして普通に読める本って、少ないわけだ。  ちなみに僕は星くずでは、高校生〜大学生の「普通の集中」で読めるように書いているつもり。  夢境のほうは若干落として、中学生〜高校生の「普通の集中」。 >>段落が繋がっていれば、別れているときよりも憶えているものが多いはずだから。  ばかたれ。集中力が低くなっている状態で、繋がっている段落なんて読まされてみろ。  そこで本を読むのをやめるんだよ。読者っていうのは。 >>目を細めているのが、光がまぶしいからじゃないってのは、美女の描写にかかってくる重要なことですから、この部分は誤読されるわけにはいかない。  いや、これは先に繋がる仕掛け。  ここで読者に与えたいのは、「どうしてロウソクひとつの灯りで、このお姉さんは眩しそうにしているのだろう?」というところ。  ただ明確に疑問として表層意識にまで浮かばせてしまうのではなく、底のほうに、漠然と感じているくらいの強度が望ましい。  あとで、わかる。  そしてそのときに意味を持つ。  まあ端的に説明すると、彼女が「闇の世界の住人」であることを伝えるためのエピソードなわけね。  っーか、おまえ、買ってこい。本。  師匠の本ぐらい、全巻本棚に揃えとけ。  3巻はいま書いている最中だが、2巻はもう世に出てるぞ。 >天衣さん >>>これ(ロウソクの火)はどうして揺れているのですか? >>あう。これ、最初に脳内であがったイメージが >>「女、扉開く」→「その風でロウソクの火が揺れる」→「影が揺れて、なんともエロチック」  ああ、そっちか。  てっきり「窓が開いているので、そこからの風で〜」とか答えてくるかと思っていたりして(笑)。  しかし、ドアが「開いて閉じる」のあいだは火も揺れるでしょうけど、ドアはすでに締め切っているはずです。だからもう揺れているはずはないですよね。  まさかドアを開けたまま誘惑かけているわけでもないだろうし……。  あれ、そういや図面を見ると、ドア開いてるなぁ?  どうなってるんだろ? これ?  しかしどちらにしても、火が揺れるのはドアが動いているときだけ。  開ききった状態で止めているなら、もう火は揺れないはずです。  こうして色々と考えていったときに、変なことがぽろぽろと出てきて「おかしさ大爆発」になってしまうのは、そのシーンだけしか考えていないからです。  もちろん、女がその部屋に立っているなら、女は自分の部屋からそこまで廊下を歩いてきたわけですね。肌も露わな「その姿」のままで。他の人に見つかったらどうしようかとか、ビクビクしていたのだろうか。どうだろうか。まあ知らんけど。  そしてカルメイルがいま直立して女を見ているのであるなら、カルメイルはどこかに座っていて立ち上がったのか、それともずっと「立ったまま」で待っていたのか、まあどちらかであるわけです。  この場合は、図面をみるとベッドがありますね。  なので「座っていた場所」は、「ベッド」or「床」のどちらかとなります。  天衣さんは、このシーンのことだけしか考えていなかったから、「カルメイルは立ったまま女を見つめている」と書いてしまって平気でいられるわけ。  ここ、「カルメイルはベッドから立ち上がった」場合と、「ずっと立ったまま見ていた」場合とで、このシーンに多少の変化があるはずですね。  また、部屋の中に「机と椅子」などという小道具を出しておけば、「カルメイルは勤務日誌を書いている最中で立ち上がった」なんていう選択肢もできるはず。 >>難しいコトバ  分かってないで使ってるだろ――ってな意味で、「コトバ」です。  まず作者が自分でもわからないまま、「なんか難しいもんを出しておけば箔が付くだろう」てな狙いで使っているのが見え見えっていうこと。  この「よくわからずに使っている」っていうのは、「宵闇」ではっきりしましたね。  宵が「日暮れすぐ」であることも知らず、「なんか画数多くてムズカシそーだから、これつーかおっ♪」と、使っていたわけでしょう?  「無音」「佇んで」「空間」「擦れる」「視野」  ――このあたりのコトバとかも。  天衣さん、辞書引かずに自分の口で説明できますか?  これがどういう意味を持つ言葉なのかっていうことを?  あともうひとつ。  読者にとっても「分からないだろう」っていう意味もこもっています。  天衣さんは、自分よりも「物知りな人」に向けて小説を書いているわけではないですよね?  なんだかんだいっても、天衣さんは一般の読者よりは言葉は知っているはずです。  しかしその天衣さんにとっても「よくわかっていない言葉」ものを使っているということは……。つまり、それを読む読者にとっては「まったくわからない言葉」であるわけです。  いま自分が「これも怪しいなぁ」と思っている言葉がありますね。  「肢体」「這い動く」  こっちについては、どうでしょうか?  辞書に頼らず、口頭によって、充分に楽々と説明可能ですか?  あとあの文章を読ませる想定読者は、この単語を見て、問題なく理解できると思いますか? (この場合の「想定読者」は僕らじゃないですよ。あの作品を本来読ませるはずの相手って意味です) >望乃君 >>「ばか」は好きに使ってもらって結構です。 >>愚痴ってます。どっかで。  なんだ。許可を貰わないと、僕は君に対して「ばか」と言うことさえできんのか。じゃあべつに許可はくれないでもいいよ。  あと、どっかで愚痴られるのも面倒だなぁ。  よし。わかった。  もう君のことは叱らないことにしよう。  それでいいかね?  ――で、「叱る」のなしで。  そのかわりに、優しくいたわって、褒めてあげればいいのね?  すごいねー。うまいねー。上手だねー。立派だねー。とか? >望乃君 >>よって、僕のこの経験から考えると、新木さんは、 >>>「辛かったので、逃げ出したわけです」 >> と正直に答えるのはデメリットと判断出来るので、やめておいたほうが良いかと。  うん。そうか。  君はなんでも知っているんだねー。すごいねー。ありがとう。助かったよ。面接に行ったときには、そうさせてもらうよ。 >鷹見さんへのファンレター >>一応電撃編集部気付で、年賀葉書の余りの葉書を使って(「年賀」の部分をペンで消して)送りました。  えらい失礼なことをやってるのだが……。気づいていないのかな?  つまり、「あんたに送る手紙なんぞ、余りもんのハガキ程度で充分だぜい。ヘイヘイ」って言ってるようなもんだぞ。これは。  あ、いけね。  もう叱らないことにしたんだっけ。  しかしまあ、僕のことじゃなくって、他人のことだから、一応ひとこと言っておくとしよう。  あともうひとつ、ファンレターを「ハガキ」で送ること自体、常識がないって言われるぞ。普通は。  ハガキっていうものは、簡易連絡に使われるものなのね。  「親書」(辞書引けよ)を送るつもりなら、他人が簡単に閲覧できないように、封をして送るものだ。封の中身は、べつに便箋でなくても、ハガキ状のカードになっているっていうのもアリだろう。 >あかほりさんとか >>「○○です、あの、私あかほりさんの大ファンなんです、握手してもらえますか?」 >> で、この三人目の言葉にあかほりさんは怒ったそうです。 >> 弟子になろうとしてこの場所にいるのに、ファンの姿勢でいるとは何事だ、と。(余談)  ああ。あかほりさんは、なんて大人で、なんていい人なのだろう。(しみじみ)  これ、無言でドアを指差して、冷たい眼差しで、「帰れ。ダアホ」って言ってやったって、まったく問題ない場面なのだが。  ファンであることと、師弟関係を結ぶこととは、なんの関係もないじゃんか。  よく海外の有名人にインタビューを取りに行くレポーター(女)が、「私ファンなんですぅ〜」なんて言って握手求めてたりするのを見るが。あれ、よく相手から無視されないと思って見ていたりする。  まあ芸能人なら、そんなアホの相手をするのも仕事のうちか。  あかほりさんのこの話は、何次情報なのかもわかりゃしないので、鵜呑みにしないで……。  そのうちまた一緒に飲んだときにでも聞くことにしよう。僕は幸い本人から直接1次情報を仕入れられる立場だし。(みやびさんのほうが距離的には近いか?)  これ、同じファン路線の「ひとこと自分アピール」でも、こんなふうにやっていたら、OKだろうか? 「僕はあかほりさんの大ファンです! あかほりさんからすべてを学んで、そしてきっとあかほりさんを越えてみせます!」 >あんみつ草さん  あんみつ草さんは、18禁成年漫画のほうで、2冊ほど出しているよ。知ってた? (あ、俺も2冊目のほう、まだ買ってないや) -------------------------------------------------------------------------------- <新木先生 No.6045 投稿日 2003年1月29日(水)19時12分 投稿者 望乃英司  出来ればで良いのですが、新木先生のお手を煩わせるお願いをしても宜しいでしょうか?  新木先生がご多忙であり、厳しい方だということは、僕のような卑しく、未熟な若者でも一応存じ上げているつもりで御座います。  もう少し、細やかな返答を頂けないでしょうか?   勿論、新木先生はとても賢い方、僕のような者が一連の流れを計りかねているのだとは重々承知の上でのお願いです。  僕の愚かな書き込みのせいで、新木先生に不快な思いをさせたこと、とても心苦しく思っております。  てか、ここでは雑談めいたことには真面目にレスせんでええの? 新木センセー。  こっちはクソ真面目にやってるってのに。  小説に関することを混ぜようと必死になってるってーのに。  ああ、真面目にやれば真面目に答えてくれる、だなんて考えが甘いのか。  凄いね、新木センセーは。  理解できねーわ。  新木先生は「健気な女の子は絶対助からなければならない」とかいう、僕からすれば糞なテーマに人生を注がれているようですが。  聞けば、そんな糞シリーズ執筆の為に(どうせ読者に糞なテーマを届ける為ではなく、自分の生活の為でしょうが)、父親の棺桶の上で原稿を書かれたとか。  驚嘆すべき生き方です。その真剣味の一端でも学びとう御座います。  ええと、新木先生はご存知かと推測いたしますが、雑家の鷹見一幸さんという方がいらっしゃいます。  僕にとっては、新木先生が心血を注がれた「くず英雄伝」(とか申しましたか)よりも、鷹見さんの「時空のクロスロード」シリーズの方が数億倍の価値があります。  いえ、数億倍というのは鷹見さんに失礼ですね。プラス数億と訂正させて頂きます。「くず英雄伝 1」は50円の値打ちもありませんでしたから、価値はゼロです。  そうそう、昨日、よみかく分室(仮)なる場所で、新木伸を名乗る不貞の輩の書き込みを読んだのですよ。  聞けば、その偽者は、数十人を小説で傷つけたことは、数万人を楽しませることで帳尻が合う、とかぬかしているのです。  まあ、偽者にしては人を傷つけることを知っているな、とは思ったのですが、それはそれ。  随分と思いあがった奴もいたもんだな、と思いました。  少なくとも、そのエロで科学オタクな偽者の、人生を懸けているとかいう小説には、先進国で生きることのジレンマを込めようという気が全く無いようですね。  どこかの外国の子どもが死ぬ事より、日本の子どもを笑わせて、金を巻き上げる方にご執心のようです。  まあ、真っ先にビンラディンの標的にされるべきでしょう。新木先生を騙る偽者は。  まあ、新木先生と新木先生の偽者の話は置いておくとして、  ちなみに尊敬する鷹見さんはそんなことはありません。  その膨大な知識量を持ちつつ、本業を持たれつつも、作品の内容といい、テーマといい、とてもとても面白いものです。  何より僕が惹かれたのは、恵まれた環境にいる主人公が、恵まれない環境にある世界に飛ばされる、というシリーズ一連の形式でしょうか。  読んでいていつも感じるのです。ああ、この作者は世界の状況を把握していて、それで心を痛めつつも、日本での自分の生活を大事にするしかない、というジレンマに苦しんでいるのだなあ、と。  つまり、ただ日本に生きる、ということに罪悪感を持っているのですね。しかしそれに絶望することなく闘っている。それが素晴らしい。  人生というものを深く知っている方だなあ、と思いました。先進国に生きる中でも、恵まれない国の人々への罪悪感を背負っている。それが感じられてとても素晴らしい。  ただ現実に絶望するわけでもなく、理想主義に傾倒するわけでもなく、理想を失わず、現実と闘う登場人物達の姿には、涙せずにはおれません。  まあ、新木先生は女の尻を書いていれば満足だと聞き及んでおります故、こんな話は馬の耳に念仏かと存じますが。  前述したとおり、鷹見さんは非常に尊敬すべき方ですので、僕がファンレターに年賀ハガキの余りを使ったのは、「時空のクロスロード 2」を読了したとき手元に年賀葉書しかなかったが、感動をすぐにでも文章にしたかったこと、僕が長年ラジオにハガキを書いていて、一枚のハガキに感動の全てを込めるという習慣がついていたこと、等を説明すれば、きっと無知な僕を許してくれると思います。  きっと、お仕事に忙殺されるようなことがなければ、返事の丁寧な封書でもって、葉書の使い方についても教えてくれたはずです。  というわけで、新木を怒らせる、ということがコンセプトだということがミエミエの書き込みだが、果たして成功したのだろうか。  成功してくれー。  それと、鷹見一幸さん、新木なんかと比較対象にしてしまって申し訳ありませんでした。  いえ、例え新木とはいえ、鷹見さんにとっては先輩作家であり、同じ職業で生活をする者同士でしたね。気分を害されたら、本当にごめんなさい。 >先生、尊敬語を使うという体質を放置しておくのは何故いけないか  先生という敬称がイヤ、って言っている作家さんは他にもいるしー。  感想用掲示板には「さん」と「先生」の両方が来るわけだしー。  新木が気に入らなければ「先生」の方を訂正してまわってればいいわけだしー。  「先生」と呼ばれることがすごく傷つく、とかいう新木のウソは知ったこっちゃないしー。  生活するだけがやっとのプロの言葉を鵜呑みにするほど作家志望者はバカじゃないしー。  よって新木側にしかデメリットはなーし。  続けたければ弟切さんに、頭を下げてお願いすれば? >新木  次回があれば、作品のテーマに関すること、雑談などは羽矢野さんを見習って読むだけにする。 >あかほりさんのこの話は、何次情報なのかもわかりゃしないので、鵜呑みにしないで……。  一次情報である、あかほりさんのラジオのテープは探さないと見つからないね。 >あんみつ草さんは、18禁成年漫画のほうで、2冊ほど出しているよ。知ってた?  常識でしょう?  つーわけで、ここで愚痴ってみたけど。  どう? >新木先生 -------------------------------------------------------------------------------- 文章には人格が出る。 No.6046 投稿日 2003年1月29日(水)19時39分 投稿者 鷹見一幸  なぜなら「文章」はだれからも強制されて書かされるものではないからだ。  心にどんな想いが渦巻いていようとも、それを世に出し、他人に見せるならば、そこに何かがなくてはならない。  望乃くん。  それが君の「何か」なのかい?  私の本を読んで、人生が変わったとか、優しくなれたなんて言葉は、私は信じない。  そんなのはおためごかし以外のなにものでもない。  なぜなら、本当に生きることの方が小説なんかより、はるかにドラマチックで、面白いからだ。  私の本は、対価に応じただけの充実した時間を読んだ人にすごさせるために書かれたものだ。    でも、それだけのために、私は本気で文章を書いている。  文章を書いて、人に読ませ、そして人を感動させ、そして、その対価を戴く。  この行為の基本は何だろうね?  「文章」って何なんだろうね?    それを知るつもりがないのなら、私の本を古本屋にでも叩き売って、その代金で牛丼でも食う足しにしてくれ。    きっとそのほうが、ここで愚痴を書き込むよりも、君の人生にとってはるかに有益だろう。 -------------------------------------------------------------------------------- ついでに、 No.6047 投稿日 2003年1月29日(水)19時41分 投稿者 望乃英司  掲示板の一部私物化でもしてやるか。    参加者の方、ROMの方にお願い。  1/29、1:00〜2:15にBS−11で放映された、「ブンブンサテライツ・ライブ」を録画された方、いらっしゃいましたらご一報下さい。  何かお礼はしますので、ダビングさせて欲しいです。  ちなみにこのアーティストは、ライブビデオリリースしてないし、NHKがこの番組をビデオ化することもないので、著作権がどうとかは、しょうがないこと。  新木先生がオナニーに夢中になって死んでいくサルだとしたら、鷹見さんは仲間の亡骸を埋葬し、また旅に出る象さんだと思った。  動物に例えるとしたら。  どちらも立派に動物で大人、という共通点はあるので、学ぶ事は多いとは思うけど。   私物化しちゃったよ? 追い出す?  ああ、ガキっぽい。  まるでさっきの新木先生みたい。  ちなみにここ↓で愚痴ることにするー。(あくまで私物化がコンセプト) http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/9101/index.html -------------------------------------------------------------------------------- まあいいか No.6048 投稿日 2003年1月29日(水)19時57分 投稿者 新木 伸  前にまっきーがこのように「あっちの世界」に行きかけてしまったときには、危ういところで藤極堂さんが引き戻してくれたわけだが。  今回は藤極堂さんも自分自身のほうでテンパっているようだからなぁ〜。  まあいいか。  とりあえず僕は、いまから3時間、限定的にトップスピードで15ページほど書くことにする。  「自分の小説を書くこと」以外の物事は、すべて「雑念」となって捨てられちゃう世界とか、なんかそんなところに3時間だけ行ってくるのだと思いねぇ。 -------------------------------------------------------------------------------- <鷹見さん No.6049 投稿日 2003年1月29日(水)20時14分 投稿者 望乃英司 >文章には人格が出る。  「人格」ですか。  直すとか、そういう次元じゃなさそうですね。 >それが君の「何か」なのかい?  イジメられよーが、何されよーが、支えは虚構だけでした。  イジメっ子君たちを殺さなかったのは虚構のお陰です。  それは今も変わりませんね。 >私の本を読んで、人生が変わったとか、優しくなれたなんて言葉は、私は信じない。 >そんなのはおためごかし以外のなにものでもない。  それは自分の解釈では同感です。  そんなことあったら世界変わりほうだいだと思いますんで。  しかし、僕そんなこと書いてましたか。  いやー、生きるの楽しくなかったからなー。 >なぜなら、本当に生きることの方が小説なんかより、はるかにドラマチックで、面白いからだ。  じゃあ、それを否定するために、もう一度、今度は丈夫なロープを買って、首でも括りますかね。  まだ前回のアザが消えてないのに。ああ、でも親が悲しむってことを前回で知っちゃってるんだよなあ。 >この行為の基本は何だろうね? >「文章」って何なんだろうね?  表現する事と生きる事は同義、と思っていたんですが、違うようですね。 >それを知るつもりがないのなら、私の本を古本屋にでも叩き売って、その代金で牛丼でも食う足しにしてくれ。  これ、既にやってます。一回感動させてくれれば十分なんで。 >きっとそのほうが、ここで愚痴を書き込むよりも、君の人生にとってはるかに有益だろう。  虚構の価値を否定した、先の人生……何も見えない。 -------------------------------------------------------------------------------- >望乃さん No.6050 投稿日 2003年1月29日(水)22時34分 投稿者 とんびの羽根  ここの文章を読んでるのは新木さんと鷹見さんだけじゃありません。  個人的に喧嘩をふっかけたり、自殺癖を公言したり、人生について愚痴ったり、掲示板を私物化されたりされていますが、  たの参加者やROMしているものにとって迷惑この上ないです。  この掲示板の意図に即していない発言、あなた以外の読者の利益を考慮しない発言は控えて頂けませんか。  それと仕事中の人間に対して挑発するような行為は、人倫にもとると思います。  新木さんが仕事中のウォーミングアップで発言していることは知っていますよね。  仕事のためにどれだけの努力と精神集中を必要とするかわかってますか?  今の君の態度は、他人が仕事をすることをなめきってます。作家かどうかということは抜きにして。  他の人の存在を意識して、お互いに力となり実となるような発言を心がけるようお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- >望乃さん No.6051 投稿日 2003年1月29日(水)22時57分 投稿者 光来 唯  自分も幾度となくイタイ文を書いてしまっている身としては、今の望乃さんも冷静に自分の書いた文章を見直せるかな、と思ってまたんですが……  どんどん、深みにはまってる感じですね。  ほんとはフォローしたりして落ち着かせてみようかなんて考えてたんですが(私の文章でできるかはともかく)、すでに流し読みになっていた(6045)を読んでその気も失せました。    俺の中のタブーに触れました。  いくらきつい言葉を受けて、冷静でないとは言え、自分に合わないものを『糞』と呼ぶのは許せません。  自分が言ったことの意味わかってますか。  新木さんの作品をそんな風に言うのは、同時にその作品を好きな読者すらもそう呼んでいるのと同義なんですよ。  ここの文だけで、望乃さんは読者のことを考えていない、自己満足だけで小説を書いていると俺は感じました(私は鷹見さんの「文章には人格が出る」をこう解釈した)。  それとそういう書き方って、あなたが尊敬しているはずの鷹見さんに対しても失礼だって気付いていないのかな。  噛み付くにしても言葉を選びましょう。  言葉は簡単に人の心を揺さぶれるんだから。攻撃性を持ったものは特に。  本来、こんなことも書き込むべきじゃないんだろうけど、書かずにはいられなかったもので。  たぶん私もけっこう、冷静じゃないかと。 -------------------------------------------------------------------------------- 新木先生は糞小説を書いていますが、 No.6052 投稿日 2003年1月29日(水)22時58分 投稿者 西鶴翠(みどり)  我々、作家志望者たちは糞以下の小説を書いています。  ところで、望乃くんは作家を目指しているということですが、毎日、小説を書いていますでしょうか。  糞だろうと糞以下だろうと、作品を仕上げなければ何も始まりません。  もしも、あなたが作家志望者ならば、雑文を書くことよりも、「小説」を書くことに力を入れませんか。  そちらの方がきっと有意義だと思いますので。 それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 3時間経過 No.6053 投稿日 2003年1月29日(水)23時21分 投稿者 新木 伸  3時間経過。  ひい、ふう、みいの……。ふう。13ページ書けたか。  まだ集中力は続くようなので、15分でこれ書いたら、もう3時間ほど頑張って、あと10ページは書く予定。(集中力はだんだんと落ちるので、ペースも徐々に落ちこむもの)  べつに仕事の邪魔にもならない。むしろ気合いが入る。  しかし皆、「醒める」かと思っていたら、案外と熱くなるものなんだなぁ。僕はどっちかっていうと醒めます。  もちろん、いま僕の書いているものは糞である。ただし金の取れる糞だが。  そういえば、天衣さんにひと言、断っておかなきゃいけないな。  女性が夜這いに来るシーン。  蝋燭の灯一本で女体の妖しさを描く――っていう展開になってしまいました。  例の話題が始まる前(っていうか天衣さんが投稿する前)から、プロットにはあったシーンで、もとから狙っていたことではあるのですが……。  まあ偶然とはいえ、同じコンセプトになってしまったもので。(無意識のうちに影響を受けたとも考えられますし)  僕が同じコンセプトのシーンをどんなふうに仕上げたか、発売されたら、見て確認してみてください。夢境学園の3巻は、3/20の予定。 >望乃君  べつに追い出しはしない。  この分室から追い出された人は、まだ一人もいないよ。  つばくろ先輩のときだって、追い出してないし。(彼の場合にはもうすこしで退去命令を出すところだった。榎野さんへの罵りが度を越していたので)  あと、著作権絡みの「違法行為のお願い」のものは、訂正文を書いておくように。  あれは違法なんで、社会人として座視できない。  そのヒステリーが収まって、自分の書きこみを見直ししてみて、そしてなにか反省することがあったら、その旨書けば、やり直しもできるぞ。  ここにいるのは僕だけではないから、皆との関係修復は大変だろうけど。君にそのつもりがあるなら、やり直すこともできるだろう。  喧嘩の一回や二回、やっておいたほうが、お互いを深く分かり合えるってもんだし。 -------------------------------------------------------------------------------- 雪!! No.6054 投稿日 2003年1月30日(木)00時29分 投稿者 羽矢野  降ってるよ。  十センチくらいつもってます。  これでも、名古屋では大騒ぎです。  明日は一時間くらい早く出ないと、遅刻するでしょう。  お家で仕事してる人が、こういう時うらやましい。 ●天衣さん >>3.夜、裸だけど、肝心な所は影で見えない。             ――エロさを感じる。  ちゃんとわかってるね。  あの“2”は、まあ大人のエロさはないよね。  あれは恥ずかしい女の子を見ると男は……ってなことだ。  天衣さんの目指すのは、自分で書いた奴だね。  なんか、見えそうで見えない。  これだ。(と私は思ってる)  じゃあ、後は書くだけだ。  天衣さんは、自分の書くべきものっていうのは、ちゃんと見えてるね。 ●新木さん >>っーか、おまえ、買ってこい。本。  いや、これは。  すいません、買ってはあります。  でも、読んでない。  一巻が、どうしても見つからない。  どうせなら、一巻から読もうと思って大事にずっととってあるのです。  が……。  こんなの、言い訳にもなりゃしないことはよくわかってます。  本当に手に入れるつもりなら、ネットで探して注文するとか、方法はいくらでもあるはずなので。  私はネットで買い物っていうのが、どうも踏み切れない。  信用できないとか、やったことないから不安で。  だから、本屋に行くたび探してなんとか見つからないかなと探してたのです。  アホか? と言われるので、黙ってました。  星くずは全巻平積みしてある本屋さんとかあったから、すぐに手に入ったんですが“あるある〜”はどうしても見つからない。  でも、すべて買って読むのは当然であることは、十分承知しています。  申し訳ありません。  ネット注文して、手に入れすぐに拝読します。  失礼しました。 ●望乃さん  …………。  君ねえ。  昨日の今日で。  なんか、ちょっと悲しくなったよ。  君、いくつだ?  まず、深呼吸をしなさい。  そして、心を落ち着けなさい。  無理なら、数日間頭冷やしてもいい。  君は、今自分がどんなに恐ろしいことをしているのか、わかっていない。  恐ろしいっていうのは、みんなが怒るとか、そういう意味じゃない。  大人として生活していく上で、絶対に守らなければいけない部分を、君は踏みにじっている。  そして、それが全くわかってない。  その“わかってない”ことが恐ろしい。  今きっと、心が高ぶってこれ読んでも“また否定の文章か”と思うかもしれないが、我慢して目を通しなさい。  “小説家志望”とか、そいういうこと以前に、社会人として(他人同士のコミュニケーションに参加するため)君は学ばなければいけない。  絶対だ。  君は今、とても気分が悪いね?  自分が紳士的に対応し、こういう考えで間違いない。もっと言うと、褒めてもらえるだろうと思っていたくらいの内容に、新木さんが“バカにした”ととれるような内容を送ったから。  私個人としては、新木さんのあの文はやりすぎだったと思う。  読んだとき、望乃さんが受け止められない率は私の中で50%越えてたよ。  読み進めるとやっぱりだったので“あちゃ”とか思った。  だから、話の内容はともかく、君の“気分の悪さ”はわかる。  でもね。  それと、君のあの書き込みは、まったく別のものだ。  それは自分でもわかってるだろう?  まったく事情の知らない友人や親(そう、君の味方でいいい)に、一連の書き込みを見せて自分が正しいと言ってもらえる自信があるかい?  “この新木って奴、ムカツクよなー”  とかは言ってもらえるかもしれない。  でも、君の書いたものも“あんなこと言われたら、これくらい書いちゃうよなー”とは言ってもらえないはずだ。  内容が理解、納得できなかったり、反発したくなる時ってのは、確かにある。  まだ若いことは知ってるから、受け止められないこととかもあるだろう。  でも、どんなにそう思ってもやっちゃいけないことってあるのね。  君がしたのは、それだ。  私は、君の書いた読むに耐えない罵詈雑言に怒ることはしない。  冷静になると、きっと顔が青ざめる。  それくらいは大人だと信じている。    若さ故の過ちだと思う。  どうしてもわからないなら、一言一句説明してもいい。  どうするかは自由だ。  もしも冷静になることができて、まだ作家になりたいと思うのなら“けじめ”をつけな。  どうすることが“けじめ”か?  それを考えることが、君の反省だ。  過去ログ読んでるならわかるかと思うけど、こういう“若気の至り”やったのは君が初めてでもない。  残った人、いなくなった人いろいろだけど。  ちなみに、どっちを選ぶにしても、真剣に考えな。  社会人になりたいなら。  人間として、この世界に立ちたいなら。  それじゃ。 -------------------------------------------------------------------------------- 突っ込み、薀蓄、その他 No.6055 投稿日 2003年1月30日(木)00時57分 投稿者 弟切 千隼 せっかく新木さんが餌を撒いて下さったので、天衣さんの「シークレット・ミーン」の冒頭と、No.5994に挙げられた新木さんの文例を精読してみようと思いました。 しかし、弟切は現在体調を崩していて、わずか数行の文章でも、精読して細かく突っ込みを入れるだけの集中力が続きません(;_;) そのため、No.5994の新木さんの文例について、気になった部分だけ書いておきます。 >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 漆黒の闇の中に、蝋燭の灯りが、小さくともる。 >> 美女がひとり。ぽうっと浮かびあがった円の内側に、その半身をおいている。 >> 爪を赤く塗った手で、女は燭台を捧げ持っていた。 >> 光は一本きりしかない蝋燭からもたらされているものだった。だがそれさえも眩しいものであるかのように、女は目を細めている。 >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (No.5994より、新木さんの文例です) 私は、この文章の中に出てくる「蝋燭の光による円」がとても面白い効果だと感じました。西洋の肖像画によくある、人物を縁取る「円い枠」のように感じられたのです。 近接した文の中に、「蝋燭」・「燭台」という西洋風の小道具があることによって、その効果がいっそう高まっています。 イメージされたのが肖像画ですから、あまり立体感はありません。このあたり、羽矢野さんが違和感があるとおっしゃっていたところですね。 そのかわり、この場面には、古風な西洋の肖像画に通じる荘重さが感じられます。現代ではほとんど実用には用いられない「蝋燭」と「燭台」が出てきますから、現代風の絵画ではなくて古風な絵画であるのが決定します。 ということで、この「蝋燭の光による円」は、「現代よりも少し古い西洋風の、したがって現代日本という現実から少し離れた位置にいる女性」という効果を出すことに成功しています。この女性の正体は「西洋風の魔物」なので、この効果はとても正しいわけですね。 ただし、このように感じられたのは、私が西洋絵画を見慣れているから、ということを考慮に入れたほうがいいでしょう。 弟切は博物館や美術館が好きで、よく西洋絵画の美術展などを観に行っています。しかし、日本人の誰もがそうしていると期待してはいけませんね。 上記の文例は、私のように荘重さを感じてより効果的な描写となる場合もあれば、羽矢野さんのようにちょっと違和感を持ってしまう場合もあるでしょう。 この「円」に関して、No.6000で馬宮さんが『魔方陣っぽいです』とおっしゃっていますね。これに突っ込ませていただきます。 えーと、まず、辞書で「魔方陣」を引いてみましょう。 『大辞林』では、以下のようになっています。 ま-ほうじん [2] 【魔方陣】 ⇒方陣(ホウジン)(2) ですので、「方陣」を引いてみると、以下のとおりとなっています。 ほう-じん [0] 【方陣】 (1)兵士を四角形に配置する陣立て。方形の陣。 (2)1 から n2 までの数字を n 行 n 列の正方形に並べ,縦・横・対角線の数の和を同一になるようにしたもの。魔方陣。 (3)数字や記号をある規則にしたがって正方形に並べたもの。 →ラテン方陣 上記の説明を読めばわかるとおり、魔方陣というのは、方形(=四角形)の中に数字を書いたものであって、円形のものではありません。 おそらく、馬宮さんや、馬宮さんの精読に対して指摘をなさっている羽矢野さんは、「魔法円」と「魔方陣」を混同されているのだと思います。 「魔法円」と「魔方陣」は語感が似ているため、混同している方がとても多いようです。「魔方陣」は普通の国語辞典に載っているものの、「魔法円」は載っていません。 「魔法円」については、西洋魔術の知識がないと調べるのに手間取ると思われるので、簡単に説明しておきます。 「魔法円」というのは、西洋魔術において、悪魔や精霊などの超常的存在を呼び出す際に用いられる図形です。西洋魔術の召喚術においては、基本の一つですね。 魔法円にはいくつもの種類があります。名前のとおりほとんどの場合は円形をしていて、円周に沿った部分や円形の内部に、様々な呪文や図形が描かれています。たまに三角形などの円ではない形をしたものもあり、そのような場合も、図形の辺に沿った部分や内部に呪文だの図形だのが描かれているのは同じです。 魔法円には、図形の中と外とを区切る強力な作用があり、内部にいる者を外からの攻撃から守ったり、逆に外に害をもたらさぬよう内部に誰か(何か)を閉じ込めたりするのに用います。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです。 No.6056 投稿日 2003年1月30日(木)01時11分 投稿者 馬宮  今日広島は大雪でした。  わたしがセンパイと一緒にパンを袋づめしていると、丁度、営業回りをしているおじさんが、「すごい雪だな」と言いながら帰ってきました。  そして、わたしたちを驚かそうとするかのように、こう言ったのです。 「明日、10センチだと!」  わたしとセンパイは、同時に「えー!?」と声をはりあげました。  なんと、明日は10センチも雪が積もるそうです。  仕事場でかかっているラジオでは、「大雪」という言葉が乱発されていました。  主用道路で混雑がおき、事故がおき、JRが遅れ、飛行機が遅れ。  ラジオは延々「大雪被害」の情報を流し続けます。  バス停では、バスが来なかったため、80人近い人間が列を作っていたそうです。    仕事帰り。わたしが外に出ると、目の前の道には、うっすらと雪が積もっていました。  ふと、「車で仕事に行った弟は、無事帰ってこれるだろうか」と心配になりました。    これが、瀬戸内の大雪です。  きっと、光来さんには笑われてしまうでしょう。  わたしは、光来さんの書き込みを思い出し、地方のギャップを実感して笑いました(笑)    ●新木さん(6013)    >>「有能かつハンサムな男性を、まだ恋人にしていない」というあたりだった。彼が恋人であると、彼女はまだ決めてないのね。  カッコよすぎます。惚れます。  年下の女の子に優しい、という設定があるからですね。  なければ、「ちょっとムカ(笑)」です。 >>・(二人の仲を、それとなく悟ったふうな女の子)  ここを読み取り間違えたようです。恋人かと思いました。  どちらとも書いてないんだから、「恋人じゃなければどうか」、ともう一歩深く考えればよかったんですね。そうしたら、どっちがカッコイイか比較できたんだと思います。  うう……馬宮修行不足です。       ●新木さん(6014) >>僕があの筋立てで描いてみせたのは、じつは、「カッコイイお姉さん」のほうなのね。 >>なのにどうしてそれが「美人」の描写となり得るのでしょう? >>馬宮さん、考えてきて、答えをここに書くように。  カッコイイお姉さんは、「いい女であろうとしている」からカッコイイんじゃないでしょうか。  そういう考えを持っている人は、大抵の読者は「美人」をイメージすると思います。     >>今、なにか、ピンときた事がありました。 >>なんとなく、「あれかな〜」とは見当が付くが。  はっきりしないまま、書いてしまったのはいけませんでした。  わたしがひっかかっていたのは、新木さんのこの文章(5988)だったんです。   >>皮も剥かずに、ただ野菜を放りこんだだけのそれを、シチューというのか? >>いや、シチューを作りたかったことはわかるけど。その材料で、その手順で間違ってないけど。 >> 皮も剥かずに、ただ野菜を放りこんだだけのそれを、シチューというのか? >> いや、シチューを作りたかったことはわかるけど。その材料で、その手順で間違ってないけど。 >> きちんと切れてないで、皮のところで繋がって、ずらりと数珠のようになったニンジンは、どうやって食えと? >> 中が生のまんまで赤くなっている――この半生の肉は、これ、食べていいものなのか? お腹壊さない? これへーき? >> いや、シチューに用いる食材としては、牛肉ってのは間違いでないけど。  これをヒントに天衣さんの指摘をしました。次の書き込みに書きます。   >>アップまえの見直し(馬宮さんは推敲と言っているようだが)は、エディタ上でやるもんだぞ〜。  はい。すみませんでした。  最後にもう一回、と思って読んだのがまずかったです。  以後、エディタの上で完璧にします。 ●情報ゼロの時の背景  光来さんも、黒なんですね。  ちょっと気になったので、友人たち(女性・二十代〜三十代)に聞いてみました。  5名中、灰色が二人(うち、一人は青っぽい灰色)、白が一人、無色が二人でした。    彼女たちは、一行目から頭の中でイメージをつくる、という状況になれていないことも判明。  ちなみに、「女の人が立っている」と一行目にあった場合、「白い背景に、黒い影が後ろ向きで」というのと、「逆光、女性が正面向きに立っている」という答えもありました。  こういうリサーチは、五人程度では信用に欠けますが、また誰か友人がつかまったら訊いてみようと思います。   ●弟切さん  っと、今更新おしたら、弟切さんの書き込みが!  魔方陣、魔法円……そうだったんですか!!  ありがとうございます。  わたしは、「悪魔くん」が十二使徒を呼び出す時に書く円を想像していました。  それを、魔方陣だと信じ込んでいたんです。  これは、辞書を引いて確かめて当然の言葉でした。  うわ……  二重のミスです。  本当にありがとうございました!      今日のレスはここまでにします。   -------------------------------------------------------------------------------- ●天衣さん No.6057 投稿日 2003年1月30日(木)01時12分 投稿者 馬宮 >指摘 「シークレット・ミーン」    遅くなりました。  次は一ページ分の指摘をしてみます。勉強させてやってください。   (本文)  1>> 一人の女性が立っていた。  2>> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。  5>>  6>> それは、真実の像か幻像か。  7>>  8>> 陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた。  10>> 知らず、男としての本能を刺激されている自身を感じる。  11>>(今の彼女と昼の彼女――果たしてどちらが本当の姿なのか)  12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。  14>>  15>> すなわち、どちらともが偽。  16>>  17>>「――なんの用だ?」  18>>(――下らない茶番だ)  19>> 言いながら、思う。思いながらも、言う。  20>> それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。 (四行を読んで)  今わたしの頭には、四行目までの「女性・ロウソク・暗い部屋(寝室)」という情報が入っています。  期待としては、「これからちょっと色っぽいシーンがあるのかな」です。     >全体の印象  では、この間と同じように全体の印象から。  やっぱり、小難しい印象ですね。  先日は「難しい言葉を使うから、難しい言い回しをするから」と思ったんですが、どうもそれだけではないんじゃないか、と思いなおしました。 >精読(言葉について)  天衣さんの文章が難しくなる理由を、四つ考えました。  ・言葉の選び方  ・言葉の出し方の順番  ・言葉の組み合わせ  ・言葉のつながり  まず、言葉の選び方。  これは、単純に難しい言葉を使っている、ということです。  「相矛盾」「起伏」「退廃的」等ですね。    次に、言葉の出し方の順番。  「闇」を書く前に「ロウソク」を書いてしまったため、読み手にイメージが伝わらなかった。  こういうパターンです。    そして、言葉の組み合わせ。  「夜闇に染まる」がそうですね。    夜闇の場合は、単純に造語なもんだから目が止まりますが、それに「染まる」がついてるとよくわからなくなるんです。  だって、「闇に染まる」とは書きますが。「夜に染まる」とは書きません。  たぶん「夜闇に包まれた」の方が自然だと思うんです。  そして、この「夜闇」のある文には、他に読み手を考えさせてしまう言葉がいっぱいあります。  他に考えさせられるから、こういう造語が出てくると、イヤになってくるというのもあるんです。    最後に、言葉のつながりです。    ほとんどがこれじゃないか、と思いました。  手の加えられてない言葉が、ゴロンゴロンしてるんです。  もう少し言葉を丁寧に扱ったら、読みやすくなるのにな、と思いました。    たとえば。  この前の指摘にも書きましたが、「場」ではなく「その場」にするとか。  えーと、「その場」じゃないといけないってことじゃないんです。     どういう意味かというと。  天衣さんの頭の中には、一枚の絵がありますよね。  課題部屋にあげた、脳内図です。もちろん、一枚しかありません。    読み手は、もちろん、この図を持っていませんよね。  だから、文章で脳内図を完成させようとします。  ところが。    >> 一人の女性が立っていた。  >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。    この時点で絵が二枚できてしまうんです。  女性が立ってる絵と、壁にかかったロウソク以下うんぬんの絵と。  そして、この絵をなん度か見比べて、「ああ、同じ絵なんだね」と納得する。  「見比べる」という過程が必要になるので、面倒だし、難しいんです。    これは、文レベルですが、言葉レベルでもそれが起きてしまっているんですよ。     >>場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。    「場」という絵と、「女の立っている場所」という絵が同じかどうか、考えます。  「光源」という絵と「ロウソク」という絵が同じかどうか考えます。  「揺らぎ」と、「(ロウソクの灯の)揺れ」が同じかどうか。  「寝室自体」と、「場」が同じかどうか。  「女性の肢体の起伏」と、「その表面」が同じかどうか。  「影の動き」と「(その前に出てき)揺らぎ」が同じかどうか。     難しい言葉が出てきた時、「なにこれ?」と思ってしまうというのも、これにあたると考えます。   いきなり、ゴロンと言葉だけ(特に難しい言葉)を転がされても、なんだかわからない。   こういう時、どうすればいいかというのは、過去ログ5658の新木さんの書き込みが、参考になりそうです。    >>「双眸」って、この言葉、みんな、読んで一発で意味わかる?  >>  >>いちおう、「双眸【双眸:そうぼう】」ってルビ指定いれて、読みまで書いておくつもりなんだけど。  >>  >>−−−−−−−−−−−−−−−−  >>双眸に、光が宿る。  >>−−−−−−−−−−−−−−−−  >>  >>――って文章で使う予定。  >>かなり難しめで、たとえルビを振って読みを書いておいたとしても、中高生の語彙に存在するかどうか、怪しいところなのだな。  >>  >>しかし、ここでは、どーしても使いたいのだわ。  >>まあいざとなれば、「両眼に、光が宿る。」にするのだが。  この時、新木さんは解決策として、「双眸に、光が宿る」の直後にある文章を入れたということです。 >>「両眼にともったその輝きと共に、枯れ木のようだった体躯に気力が漲【漲:みなぎ】りはじめていた」 >>とでも書いて「双眸」→「両眼」と言い換えておけば、たとえ読めなくても、すぐあとでわかる。  結局、難しい言葉を使っても、難しい言い回しをしても、読み手にちゃんと伝わればいいわけですよね。  小説はなに事も、読み手優先だと思います。  読み手が迷わないように、それとなくリードしてあげることが「いい書き手」じゃないでしょうか。  他にも、「退廃的」「それは、真実の像か幻像か」「すなわち、どちらともが偽」。    全部手つかずのまま転がってます。  同じような意味で、違う言い方ができるなら、もっと簡単な言葉、もしくは描写を使った方がいいかもしれません。  難しいけど、どうしても「譲れない」言葉を使いたいなら、それは本当に大事なところだけにして(新木さんの「双眸」のように)、後は「なるべく簡単にする」ことを考えてはどうでしょうか。  難しい言葉を、目立たせようとしたら、周囲を簡単な言葉で固めると、効果的だとも思います。    それで、どうして天衣さんがこういう難しいことをするのか、考えてみました。  そうしたら、一つ心当たりがあったので書いてみます。  もし間違ってたらすみません。    ひょっとして、ですが。  「小説を書く」ということを、意識しすぎてるんじゃないでしょうか。  「読者を意識していない」というより、「意識しすぎて」こうなってしまっているのでは?    天衣さんにとって、「うまい小説」というのは、どんな小説のことでしょうか?  わたしの個人的な意見を言いますと、「うまい小説」というのは、「クセがなく、うまく書いていることがわからない」小説だと思うんです。  もちろん作家によって「書き方の癖」はあるでしょうけれど。    なにが言いたいか、というと。  たとえ話を一つしますね。    わたし、昔、学校で合気道やってました。(半年ほどで腰を痛めてやめてしまいましたが)  その時のことで、とても印象に残っている先輩の言葉があるんです。  ご存知かもしれませんが、合気道には、演舞というのがあります。  二人一組になって、技をかける方と投げられる方を決めて、延々畳の上で技をかけるんですけれど。  投げる方も投げられる方も円を描くように動きますので、その様子は、踊ってるみたいに見えて綺麗なんです。  ある日、二年生が、入部して間もない一年生たちの前で、演舞を披露してくれました。  そして、終わった後に、こう聞いてきたんです。    「難しそうにみえた?」    一年生は、「簡単そうに見えたけど、そう答えたら、怒られるかも」と考えて、「難しそうでした」と答えました。  すると、二年生方は、少しがっかりした顔をして言ったんです。  「じゃ、まだわたしは下手なんだね」    どんな技術でも、達人は「難しそうに」仕事をしませんよね。  「こんなの誰でもできるよ」と思わせるぐらい、簡単そうにやるもんです。  でも実はとんでもなく、計算されている。    文章って、思っている以上に人にわかってもらいにくいんです。  小説ともなると、うっかり「うまく書こう」として、難しく書きがちです。     もちろん、「うまく書こう、おもしろく書こう」という姿勢は、なくしてはならないものだと思います。  ただ、その気持ちのまま、もうちょっと読み手に優しく書いてはどうでしょう。  具体的に言いますと、リライトのやり方です。  かなり苦しんでるようなんで、一つ指摘を。  「言葉や言い回しだけ簡単にする(文章の並びをあまり変えずに)」というのを、一個だけやってみるというのは、どうでしょう?  いきなり全部直そう、というのは難しいので、「絶対こうじゃないといけない言葉は変えない」「この文章が使いたいから、もうちょっと説明を加えてみる」とか。  そういうリライトがあってもいいんじゃないでしょうか?    >精読(シーンの面白さ)    この部分は、羽矢野さんあてでもあります。  なぜかというと、わたし、羽矢野さんと意見が正反対なんです(汗)。    シークレット・ミーンを一ページ読んだら、わたしは「ちょっと続き読みたい」と思いました。  理由は、この文ですね。    「この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す」 。  だから、この文のことを言った羽矢野さんのこの書き込み。  >>読者に興味持たせたいなら、こんなふうにこのシーンには謎がありますと説明するのはどうかと思う。  に、どきっとしました(笑)。  確かに、「茶番」という言葉は、数行前から唐突に出てくるので、びっくりはしましたし。  どういう「茶番」なのか、という「読み手に推測させる」記述もありませんでした。正直、読んでいてしんどいな、と思います。  でも、わたしはここ、必要だと思いました。  だってこれがないと、このシーンがなんなのか、わからないじゃないですか。    ここは、「夜、寝室で、知り合いの(ひょっとしたら『気になる』とか『好きな』かもしれませんが)女性に誘われている男。でも、男はこの誘いが女の本心からの誘いではないことを知っているし、なぜ女がそういう誘いをかけてきたのか、知っている」  というシーンですよね。  そして、「女の方は、男性に自分の目的を気づかれているとは思っていなさそう」です。    つまり、わたしは、この20行目の文には「読者の興味を引く」他に目的があると思ったんです。  それは、「茶番のもつ意味を男が知っている」、ということです。  重要じゃありませんか?  もちろん、書き方は他にもあると思います。これが最良であるとは言いません。  でも少なくとも「灰色」じゃない。わたしはそう思います。    「灰色の文」というのは、「なくてもいい文」ですよね。  意味が重複していたり、コンセプトからずれていたり。    20行目の文は、私の誤読でなければ、おそらくコンセプトからずれてはいないと思います。  意味も重複していません。「男が茶番の持つ意味を知っている」って文は、他にないと思っています。  ここは、ちゃんと、    15>>「――なんの用だ?」  17>>(――下らない茶番だ)  18>> 言いながら、思う。思いながらも、言う。  20>> それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。    この四文を受けているからです。    茶番と知って、その茶番にのる男。  そして、20行目の一文目「この言葉と内心の思いは矛盾していない」とくるんですね。  その理由が、20行目ニ文目なんです。    男は、この茶番の意味の意味をしっています。  その上で、茶番にのったということは、おそらく、茶番の意味を「認めて」います。    最後の5文全部を読んだら、男の気持ちがわかるんです。  「茶番にのってやろう、その目的を果たせるもんなら果たしてみろ」    ちょっと自分の読解力に不安は残りますが(汗)、怖がってばかりもいられないので、断言します。  20行目の二文目は、灰色じゃありません。  なかったら、シーンの意味が確定できなくなります。    後もうひとつ。    羽矢野さんの、    >>せめて、ナイフ持ってるとこまでいってないとね。  ここです。「シーンが面白くないから」ということでこの意見を書いたんだろうと思いますが。  これを入れたら、今度はシーンの意味が変わってしまうとわたしは思います。    だって「茶番」ですよ。ナイフ持ってたら、お芝居にならないじゃないですか。    今、このシーンでは、女の気持ちはわかりません。考えられるパターンは二つです。    1男が自分の茶番に気づいているということに、気づいていない。  2男にバレてるかもしれないけど、どちらかわからないので、とりあえずバレてないフリして誘っている。  3バレてるのはわかっているが、バレてても目的完遂に大した支障はないだろうと考えている。    これは別に、これはわからなくていいと思いますが、ここで重要なのは、「女に企みがあり、男はそれを知っていてその企みにのっている」ということです。  女の真意がはっきりわかってしまう小道具は、隠さないといけません。  でも、まるっきり羽矢野さんの意見に反対するわけじゃありません。  わたしの考えとしては。  もし女にナイフを持たせるならば「胸に秘めたナイフ」を持たせるべきだと思います。  「胸に秘めたナイフ」というのは、「悪意」です。  この持たせ方によったら、女の気持ちを読者に薄々伝えることができるかもしれないかな、と思ったりもしました。  この「シーンの面白さ」の部分は、羽矢野さんの書き込みに触発されて書いた部分です。  羽矢野さんのを読んでなければ、五行目までしか書いてなかったと思います。気になったので、触れてみました。  天衣さんあてと、羽矢野さんあてと、別々にしようと思ったのですが、内容が重なる部分が多かったので、一緒にしました。すみません(汗)     >精読(一行ずつ)    8>> 陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた。  これは、書きたいことはなんとなくわかるんです。  でも、よく読まないと意味がわかりません。  まず、「陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体」の絵が、「女性の肢体」という絵とつながりません。  「昼と夜の女性の身体の違い」を表現しているはずの、「健康的な印象」と「退廃的」という絵もかみあってないんですよ。  退廃的って、かなり抽象的な言葉ですよね。だったら、この言葉のイメージを読者が頭に思い描くには、その前にある「健康的」っていう言葉が頼りなんです。  でも、健康的の反対として、退廃的っていうのがすぐに浮かびません。  だから、わからなくなるんです。 (大辞林より) たいはい-てき 【退廃的】 (形動) 人心が荒れて、道徳や健全さが失われているさま。デカダン。 「―なムード」 (大辞泉より) たいはい‐てき【退廃的】 [形動]道徳的にくずれて不健全なさま。デカダン。「―な時代の風潮」  それと、女の描写が少なすぎて、「退廃的ってどんな感じ?」ってのがわからない、というのもあります。  ちなみに、わたしの「退廃的」のイメージは、「廃墟に佇む、ボロボロのスリップを着た、薄汚れた女の子」です。次に出てきたのが、「サテン生地のドレスを着くずした女性。麻薬を使って、意識半分とんでます」。  これ、大真面目です。    10>> 知らず、男としての本能を刺激されている自身を感じる。    男の人って、退廃的な印象で欲情するんですか?    11>>(今の彼女と昼の彼女――果たしてどちらが本当の姿なのか)    なんで男がこんな考えを持ったのか、ちょっとわかりにくいです。    12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。    わかりません。どうして彼が答えを知っているのか、予想つきません。なんだか、ついていけないって感じです。     15>> すなわち、どちらともが偽。    ここで、わたしは後ろのニ文を読み返しました。  読み返して、この三文をつなげようとした結果、やっと「そうか、この女は男を騙してるんだな。そして、そのことを男の人は知ってるな」ということに気づきました。気づくまで、ちょっと、時間がかかります。    17>>「――なんの用だ?」  18>>(――下らない茶番だ)  19>> 言いながら、思う。思いながらも、言う。    19行目が、上の17と18を受けていることに、すぐには気づきませんでした。    20>> それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。    ここも難しいです。よく読んで、どうにか意味をつなげて、ようやく上の方に書いた結論が出たんです。  「それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為」はなんのことかわかりませんでした。  「最後までやり遂げてこそ」は、最後ってなにを、どこまで、どうすること? と、疑問に思いました。    以上です。長くなりました。   -------------------------------------------------------------------------------- ちょっとだけ No.6058 投稿日 2003年1月30日(木)01時30分 投稿者 巻島翔史  さすがに看過できない事態になっているようなので。ひとこと。 望乃さん>  望乃さんがキレた理由はわかる。  真面目に書いたのに(6041)、それに対して茶化されたような返事(6044)を貰ったからでしょう。  確かにそうだ。こっちが真剣なのに相手はちゃらけた感じでやってたらムカツクよ。スポーツの団体競技とか、文化祭の演劇の練習なんかで、真剣にやってる子がそうでない子に怒る。ままある風景だ。  でも。  少し、読み返してみて欲しい。6041を。 >>ここでの言葉の使い方の方針、了解です。 >>「ばか」は好きに使ってもらって結構です。  こことか。  あえて書くなら、「ばか」という言葉一つに過剰反応してしまった自分を省みるような内容にすべきだった。  なぜなら、新木さんは望乃さんの意思にかかわらず、これからもきっと「ばか」って言い続けるから。  言葉の使用許可・承諾なんて誰にも必要ないものなのね。  ただ、書いた本人の責任があるだけ。 >>愚痴ってます。どっかで。  これだって、書くようなことじゃない。  あなたの書き込み内容は、自分にとって愚痴りたくなることが多々あるほど、不快なものです――って公言してることにならない?  人と付き合ってて、不満がいっさい起こらない、なんてことはないよ。  だけどせめて、読む相手を不快にさせないぐらいの気配りはあってもいいんじゃないかな。  書いた本人の責任って上で書いたけど、だからと言って別になに書いてもいいってわけじゃないよ。  掲示板も小説も、人に見せるための文章であるわけだけど、  人に見せるための文章で、絶対に気をつけなければならないことってなんだと思う?  読んだ相手を不快にさせないことだよ。  エンタメ小説の場合は、それの上にさらに、読んだ相手を楽しませるってことが必要なんだけど。  不快にさせない範囲で、書く人はすべての言葉を自己責任でもって使えるわけで。  こう言うと、たぶん望乃さんは反論すると思う。  新木さんは、「ばか」って言葉で僕を不快にさせ続けるじゃないですか――って。  だけどね。  ここってなんのための場所だろう。  作家志望者を鍛える場所、だよね。   ――作家志望者ってのは、プロになるためにはどんな努力も屈辱も惜しまない人なのね。  指摘者からどんなに酷いことを言われても、甘んじて受け入れなきゃだめなの。受け入れて、肥やしにできなきゃいけない。  新木さんがこれからも「ばか」って言い続けるだろうって書いたのは、それが望乃さんに一番効く言葉だから――お前、なんてヌルいことやってんだよ――って伝えたいときに、一番端的に意思を伝えられる言葉だから。  自分が誠心誠意込めて書いたものを茶化されたり馬鹿にされたりされてしまうのが怖いのなら、プロにはなれないよ。  生き残ってるプロは、多かれ少なかれみんな、出してる本に対してボロクソに言われてるから。  星くずだって言われてるし。時空もそう。アウトニアも三巻が出たときの反応はなかなかだった。  その覚悟が自分にはないと思うんだったら、いますぐ別の道を探した方がいい。  最後に。  必要なのは、言葉ではなく行動。  言葉を連ねただけの謝罪なんかいりません。望乃さん、あなたの行動で返事を見せてください。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 新バージョン、アップ No.6059 投稿日 2003年1月30日(木)02時29分 投稿者 天衣  シークレット・ミーン、最初四文改訂「シーンそのもの改変しちゃいましたバージョン」アップしました。  いまいち不満足な出来(自主ボツ言う程ではないが、改良の余地がまだまだありそうと感じる)ですが、とりあえず。 >光来さん  改訂版への指摘、ありがとうございました。  以下、それに関するレスとなります。(触れてない箇所は、単純に全面了解なのだ、と理解してくださいませ) >その上に灯(ひ)のついたロウソクが乗っている。  これに関する諸々の指摘は、確かに言う通りで……。 「その上にロウソクが灯っている」にするだけで、あらかた解決するところか。「灯」のイメージが強くなるし。  なんでその程度、自力で差しかえられないかな〜、と溜息をつくわたし……。 >> こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。 > なんというか、妙に冷静に感じてしまうんです。  これは、指摘されまくっていた文章の歪みを正そうと、それのみ考えていた失敗かもしれません。書いてる当人の精神状態がモロに反映されてるなぁ……。コンセプトを見失っているようでは意味がない……。 >> ロウソクの灯(ひ)がかすかに揺れる。合わせ、彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。 >  > ここでのロウソクの灯の揺れとはどれほどのものなんでしょうか。 > わずかな揺れでは、影に変化を感じることはできないんじゃないか  う〜ん。わたしの経験から言えば、確実に「変化を感じる」程度には動くはずですが、影。ロウソクしか光源がない状態では。  ただ、続く文には誇張が入ってるんですけどね。そんなに激しくは動かない。  しかしそれは、見る側の意識の問題ですので、その動きにエロスを感じての「大きく動いたような錯覚」として、充分「あり」じゃないかな〜、と判断したわけですが……(悩)  しかし別で指摘されてるように、「灯が揺れる」こと自体が厳しいからなぁ……困った。 >新木さん >燭台に「乗る」  ううむ……。確かに燭台の構造上は「刺さる」「固定する」の方が正しいのですが……。(「乗る」→「載る」のミスは問答無用)  外見からはそれ、見えませんよね。燭台の針は完全にロウソクに隠れちゃうので。  読み手が確実に燭台の構造を知っているというならともかく――大方の読み手は、せいぜいロウソクが刺さった状態の燭台しか知らないのではないでしょうか?  その場合、逆に「刺さる」「固定する」としちゃうと、読み手は「?」状態になっちゃうと思うんですよね。  いやまあ、そこまで深く考えて「乗る(載る)」を選択したかっつーと、怪しいのですが。「外見上は乗ってる(載ってる)ように見える→うん、乗る(載る)でいいや」という感じでしたか。  それでも、「載る」が「そもそも使えない言葉」というのは少し納得がいかないです。う〜ん(悩)  ……んん? ひょっとして「燭台」という言葉から発想するイメージ自体にズレがある?  わたしがイメージしてた「燭台」は、そこそこの大きさの受け皿があって、その中心から針が上に伸びている、という構造のものだったのですが。  受け皿が小さかったり、受け皿なしに直接ぶっさす構造のものなら、確かに「載る」では変ですが。  どちらにせよ、一番無難(最良、とは違うが)なのは「立つ」かも。辞書で「燭台」を引いても、「ろうそくを立てて火をともす台」とありましたし。 >「おかしさ大爆発」  ん〜、確かに。周辺事情への考証がまったく足りてないか……。  つーか、考えてても、当初イメージしたシーンに辻褄合わせる方に向いちゃってるからなぁ。シーンそのものを変化させるのを避けてるせいで、あちこちに不整合が生じてる感じ。 >難しいコトバ  ん〜。ここで狙ってるのは「箔」でなしに、「よくわからない感」そのものだったんですけどね。(いやまあ、「箔」の要素もないわけではないが、序以外の本編では、ここまであからさまにやってはいない) 「大体の意味はつかめるけど、微妙に理解しきれていない感じが残る」――が理想。それによってコンセプトでもある「妖しい雰囲気」を強めようとしている。  しかし確かにこれも、「最初からンな事やっても、読み手からは引かれるだけ〜」とか言われてしまえば、それまでですな。「まったくわからん」という反応は想定外だし……。つーか、書き手まで理解しきれてないという状況は確かにマズいわけで(汗)  以下、問題に挙げられた単語群、辞書を引かずに説明を試みた場合。(もっとも一部単語は書く際に辞書引いてるので、本当の意味で「辞書なし」とは言いきれないのだが) 『無音』――音のない状態。「客観的事実として」音のない、というニュアンスが出る。(『静寂』『静けさ』等の場合、主観が入る場合がある) 『佇んで』――立ったまま、ジッと静かにしている状態。 『空間』――「縦、横、高さ」の三次元を持つ『範囲』(て、分かりにくいなこの説明では。しかし他に説明しようを思いつかん……)。 『擦れる』――すれる事。触れた状態で、接触面に平行に動く。 『視野』――目に見える範囲。 『肢体』――手足と胴。つまり、頭部を除いた身体全体。単に『身体』というよりエロチックなニュアンスが。 『這い動く』――何かの表面に、へばりついたまま動く。モゾモゾしてる感がある。(四文や改訂で使った時は、「モゾモゾ感」無視しちゃってたけど)  ――で、辞書を引く。  う〜ん。大体正しいようだが――ニュアンスの問題は、辞書でも確認が取れないからなぁ。 『無音』が載ってない――のに、IMEでは変換される。これは、辞書が古いのか? 明日書店に行かねば……(汗) 『空間』は『空(なにもない。ポッカリしてる)』というのが説明で抜けてたか。まあそのイメージは持っていたはずだが……(物理学的な意味での『空間』は『空』である必要もないが) > 女性が夜這いに来るシーン。 > 蝋燭の灯一本で女体の妖しさを描く――っていう展開になってしまいました。  ありゃ。  まあ、シーンとして特に目新しいというものでもないですしね。その一事で「盗作だ〜」とか騒ぐ気はありませんので、御安心を。  ふっ。しかし断りしつつ、宣伝に繋げるのは技ですな。そう言われちゃうと、買わないわけにもいかないじゃないですか(苦笑) >弟切さん  改めてはじまして。まずは体調を治してくださいね。わたしの文への指摘は、それからごゆるりと……。 >馬宮さん  一ページ分指摘、ありがとうございました。それに対する詳細レスはまた後日……(なんか毎度このパターンだな) -------------------------------------------------------------------------------- 「ハイスピリッツ・ガール」あらすじ《16F》 No.6060 投稿日 2003年1月30日(木)06時24分 投稿者 紫ゆきや  あらすじを修正しました。  新木さんから頂いたサンプルを参考に、「葉月のいる理由」などを明確にしてあります。  他にも説明をわかりやすくするために言葉を少しずつ換えたりしましたが、基本的な流れは変わっていません。  「ハイスピリッツ・ガール」あらすじ《16F》  翔子はとても元気な女の子。幼い頃から武術一筋で、とっても男らしい性格をしている。しかし、翔子自身は「自分はわりと明るい性格」くらいにしか思っていない。  翔子には葉月という親友がいる。葉月は翔子と唯一「普通」に付き合うことのできる、ごく普通の女の子だった。  翔子は葉月と登校中に、下級生の女の子が、他校の男子にからまれているのを見つける。  葉月が大人を呼びに行こうとするのだが、翔子は他校の男子を、あたりまえのように腕ずくで追い払っていた。  助けた女の子は愛美といった。  翔子のカッコ良さに一目惚れしたと言う愛美が、交際を申し込んでくる。  翔子は女どうしで交際する気は無いと断るが、愛美は諦めてくれないのだった。  HRの後。翔子が困っていると、葉月が、愛美に惚れられたのは「翔子が男よりも男らしい」のが原因だと教えてくれる。  そんなふうに思われていたとは知らなかったので、とても驚く翔子。  愛美に愛想を尽かしてもらうために、「女の子らしく振る舞う」ことに決める。  葉月に教わりながら女の子らしく振る舞おうと努力をする翔子。  しかし、ことごとく失敗してしまい、ますます惚れられてしまう。  放課後。葉月と帰ろうとする翔子にベッタリくっついてくる愛美。けっきょく三人で下校することになった。  その道すがら、朝に追い払った他校の男子が、仲間を増やして仕返しに来る。  愛美に頼られる翔子。しかし、これだけの相手を追い払ってしまったら、決定的に惚れられてしまうのでは、と困ってしまう。  そんな翔子を見かねた葉月が話し合いで解決しようと前に出た。  しかし、まともに取り合わない男たち。それどころか見た目のいい葉月を気に入ったと言って、翔子を謝罪させる代わりに連れて行こうとする。  葉月のピンチにキレる翔子。  女の子らしく振る舞うとか、愛美が見ているなんてことはスッカリ忘れて、またたく間に男たちを叩きのめすのだった。  翔子は葉月にケガが無かったので安心するのだが、「愛美に愛想尽きさせるのは、絶望的になってしまった」と落胆する。  ところが、「翔子のことを諦める」と言いだす愛美。  翔子と葉月の間には誰も割り込めないから――と、さらに勘違いを深めたらしかった。  これで変なところがなければ、プロット作成に入りたいと思っています。  読んでいただければ幸いです。 -------------------------------------------------------------------------------- 他の課題にも参加です No.6061 投稿日 2003年1月30日(木)07時26分 投稿者 紫ゆきや ●天衣さん  はじめまして。  紫ゆきや(むらさきゆきや)です。  よろしくお願いします。 ●文章指摘課題その1へ参加 === >> 一人の女性が立っていた。 >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。 >> それは、真実の像か幻像か。 ===  乗車し遅れた感が強いですが……私も参加したく思います。  他の方の指摘を読む前に書きます。  指摘内容が重複していたらゴメンなさい。 >> 一人の女性が立っていた  ここは、普通に読めますね。  うすら怖い雰囲気をだすのが目的なら、私はこう書くかもしれませんけど。 ===  ひとり、女が立っていた ===  女とか、立っているとかより、「ひとり」を強調したい場合ですね。 >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。  視点が飛びましたね。  部屋の内か外か、昼か夜かも書いていない状況で「壁」はムリがありますね。  あと、「ロウソク」は「蝋燭」のほうが、雰囲気がでるのではないでしょうか。 >> 場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。  うーん、「何を書くべきか?」を、まず整理しないとダメですね。 ・ロウソクが唯一の光源である ・ロウソクの灯が揺らいだ ・場所は寝室 ・時間は夜 ・寝室は夜闇に染まっている ・灯の揺らぎによって、寝室までが揺らいだかのように見えた ・女性の肢体に起伏がある ・起伏によって影ができている ・灯の揺らぎによって、影も揺らぐ  こんなカンジでしょうか?  ここから「書く必要のない情報」を抜いて、1情報につき1行つかえば、もう少し読みやすくなるんじゃないでしょうか。 >> それは、真実の像か幻像か。  あらら。  かなり読み手を置いてきぼりですね。  読み手が「真実の像ではないのでは?」と考える余地のないタイミングですから共感してもらえないでしょう。  ちゃんと真実とは思えない描写が入っていれば、目を引く一行になったかもしれません。  もったいないですね。  ――以上です。それでは、みなさんの指摘を読ませていただきます。 >5W1H  けっこう「5W1Hが無い」という指摘がありますね。  あるていど舞台装置の説明は書けてると思ってたんですが。  精読してすら、「悪文は読まなかったことにされる」ということでしょうか(^^; >名詞全部に、飾りがついてるんです。  たしかに、面白い表現ですね。  私も気を付けようと思いました。 >情報ゼロの状態  私は白みたいです。白紙の状態ですね。  絵を描くことに慣れているとか、小説が白地に黒文字だからではないかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 再参加表明。 No.6062 投稿日 2003年1月30日(木)10時27分 投稿者 望乃英司 <新木さん(No.6053 ) >この分室から追い出された人は、まだ一人もいないよ。  僕は、三枝さんと、ひろさんのやりとりを「追い出し」だと勘違いしていたようです。  これは大変失礼な勘違いでした。  ひろさん、ごめんなさい。  三枝さん、ごめんなさい。 >あと、著作権絡みの「違法行為のお願い」のものは、訂正文を書いておくように。 >あれは違法なんで、社会人として座視できない。  ビデオやCDには、個人的に楽しむ以外の複製を禁じる、という文章があったのを思い出しました。  以前にも、他人に本を貸すこと、がいけないことであるという話題がありました。  No.6047の僕の個人的なお願い、は「個人的に楽しむ」の範囲を越えています。  明らかな違法行為と考えられますので、あの部分は訂正します。  あの個人的なお願いを読まれて、僕にダビングして送ろうと考えさせてしまった方、いらっしゃいましたら、すぐにやめてください。  僕の認識不足な行為によって、著作権法に触れて、罰せられます。  勿論全ての責任は僕自身にあります。  メールは今チェックしました。この個人的お願いに関する返答は、ゼロです。  個人サイト、アーティストオフィシャルサイトにも同様の書き込みをしたので、これらも訂正に回りました。  アーティストオフィシャルサイトの、BBSの部分にそれがあります。   ブンブンサテライツ・オフィシャルサイト     僕の個人サイトの掲示板も、同様です。 個人サイト掲示板 >喧嘩の一回や二回、やっておいたほうが、お互いを深く分かり合えるってもんだし。  この一言で、「あくまで新木さんの謝罪を求めます。それがかなわない場合は、退室させていただきます」という意見を飲み込めました。  改めて、よみかく分室に参加を表明します。 <新木さん、参加者の皆さん、ROMの皆さんへ  今は、ここ数日どのような指摘を頂いたかもよく思い出せないような状況です。  僕は、書き込みで「考えを改めます」「分かりました」「申し訳ありません」などの言葉を使いすぎました。  よってこんな安っぽい僕の言葉を、幾ら並べたところで、謝罪にはならないと判断しました。  巻島さんのアドバイスを参考にさせてもらい、行動で謝罪を表そうと思います。  その方法ですが、僕自身の、一連の「明らかに、不愉快な・不適切な書き込み」への、自分自身での酷評指摘をやろうと思うのです。  ただ、僕自身の行動を全て否定出来るか、と訊かれれば、絶対に出来ないです。  しかし、最低限、明らかに礼儀、常識を欠いている場所についての反省はするつもりです。  この場所の管理者の、新木さん、引用部分は限りなく少なくするつもりです。  個人的なことで恐縮ですが、そのためにこの場所を使わせて頂けるでしょうか?  参加者の皆さん、ROMの皆さん、この行動で全てが償えるとは思っていません。  ですが、新木さんのお許しが出た場合は、お願いします。やらせてください。  以上です。失礼しました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6063 投稿日 2003年1月30日(木)14時41分 投稿者 新木 伸 >馬宮さん  「カッコイイ」と「美人」の関係。  もうすこし単純なことかな。  カッコイイ女で、美人でないものを思い浮かべることは困難ってことが、まずある。  漫画、アニメ、映画、ドラマ、まあなんでもいいんだけど、カッコイイ女が登場してくる話で、それが「美人」でないということは、ほぼあり得ないわけだ。  よってカッコイイ女を描けば、「自動的に」美人であることも決定する。  その仕組みを利用したわけね。 >天衣さん  そういえば……。  「ロウソク立て」って、それ、壁に固定されているんですよね?  いままで読み落としてましたけど。  なら、それ「燭台」ではなくて、「燭架」では?  燭台っていったら、それは「台」ですので、もちろん自立して立っているやつのことをいいます。テーブルの上とか机の上とか、そういう場所に置かれる台。  ロウソクも1本だけだと暗いので、3本くらい立てられるようになっていたりします。  あと、のらりくらりとかわして――。  もともと狙いが違うんだよーん。ダメージ受けてないよーん。ぜんぜん平気だよーん。  ――とやっているいつもの態度ですが。読み手からは不真面目な態度に受け取られることもあるので注意のこと。  まあやりとりの回数も多いので、だんだんと、わかってきましたが。  どれが実際にこたえていて、どれはこたえていないのか、とか。  その微妙な差違っていうか、なんかそんなのを。(笑)  でも「あ痛っ」――ってなったときには、オーバーアクション気味に相手に伝えるぐらいで、ちょうどいいかもしれません。  ところでこの「燭台→燭架」の指摘は痛かったですか?  ――で。  単語解説のほうとか。  はい。説明できましたね。  ――で、そうやって平易な言葉で説明できちゃえるようなら、そっちで書いてしまったほうがいいです。置き換え可能なら、なるべく、簡単なほうで。  たとえば「佇んでいた」って書くかわりに、「静かに立っていた」と書くとか。  必ず簡単なほうで書けっていうことではなくって、「一度は比較対象にしてみる」ということです。  この場合、意味的に置き換え不能なのって、「無音」と「空間」ぐらいなのではないですか?  「他の単語で置き換えちゃうと、どーしても自分の狙っているものと違うんだよおお!」――てなふうに、じたばた暴れたくなってしまうような場合だけ、難しめの言葉は使うように。 >魔法陣  「魔方陣」「魔法陣」「魔法円」  この3つの言葉があるわけね。  しかし、これはねぇ……。  本当の「魔方陣」を知っている人って、ほぼいないと思うよ。数学用語だし。  あとファンタジー系でいうところの円形の「アレ」は――「魔法陣」と「魔法円」のどっちの言葉であっても、おおむね同じ「モノ」を意味している。現在のところは。  しかし「ほぼ同じようなモノ」に対して二つの言葉が割り当てられている状態は、これはとても不自然で不安定な状態なんで、そのうちどっちかが淘汰されて消えてゆくはずなのだな。  たぶん10年くらいかなぁ。そのくらい経ったときに残るであろう言葉は、これは「魔法陣」のほうだろうなぁ。  魔法円の場合には円形のもののみを示すわけだけど、魔法陣では円形以外の「魔法的範囲紋様」すべてを含む。わざわざ使い分けするほどよく使われる言葉じゃない。こうした場合「範囲の広いほう」が生き残ると思われる。  いや、「魔法円のが残る」と思う人は、自己責任で「魔法円」を使えばよい。  10年経ったときに、その作品が読み直されたときに、「なんじゃこりゃ? 誤字なんじゃねーの?」と思われるリスクも自分で背負うべし。  ということで、僕は「魔法陣」を取った。  まあ夢境学園の場合は、あるある的展開を狙ってゆく以上、そっちを使わざる得ないという話もある。  「魔法陣グルグル」ってタイトルの作品があったりするもんで。 >紫  基本的には面白い。  あとなにをやりたいのかも、これ読むだけでわかる。  ただ、翔子がキレるところの山場が、イマイチ盛りあがらないねぇ。  キレる理由が不足。またキレるまでの展開上の「溜め」もない。  いきなりキレてるんで、読者がついてこれない。  「翔子がキレるまで」が、この話の山場なわけでしょう? じっくり描き込まないで、どーする。  この際、もう安っぽい「お約束」でもいいから、もうちょっと盛りあがる展開にしないかね?  たとえば葉月が人質に取られて、翔子が呼び出しを食らうとか。  ほうら、お約束で使い古されている手ではあるが、いまのよか、ぜんぜん面白くなるぞっ。(笑)  その見せ場の盛り上がり問題をクリアしたら、プロットに入ってよし。 >望乃君  えらい早い立ち直りだなぁ。  立ち直ってくるにせよ、ばっくれるにせよ、あっちの世界に旅立っていっちゃうにせよ、数日は掛かると思ったんだが。  バイタリティがあるってことで、そこは見直した。  まあ僕は、君にやるつもりがあるのであれば、べつにぜんぜん構わない。  謝罪とかもいらん。  また自分の文章の酷評なんかも、やらなくていい。  そんな無駄なことにエネルギー使うぐらいなら、課題やるなり、アイデア出しするなり、建設的な方向に時間とエネルギーとを向けること。  僕は君とやりあっていながらも、昨日は23ページ書いたし、今日もこれから同じぐらい書く予定だ。  翠が言っていたけど、君は何をどれだけ書いているのだ?  ちょうどよい機会だから、いままで書いたものをすべて申告してみよう。「よみかく」に投稿したもので、あれですべて?  個人ページを持っているようだから、掲載できるものはしておいてくれ。そのうち見に行くかもしれない。  僕に対しては、そんなことでいい。  謝罪はいらない、謝っている暇があったら一歩でも前に進め――ってなスタンスで、ずっとやってきているし。  ただ他の人に対しても、同じ態度でOKだと思っていちゃだめだよ。他の人は他の人で、他の考え方を持っているはずだから。  納得いかない人もいるだろう。なにか言われたら、誠意を持って対応すること。  とりあえず鷹見さんだよな。あと君に対してなにか直接言葉をかけてくれた人も全員含む。  レスをしていないROMのギャラリーさんも200人ぐらいはいるはずだが、まあ、そっちのほうまでは、いちいち気にしなくてもいい。  君はいま、化けの皮が完全に剥がれて、その本性が「あんなの」であったことを皆に示しちゃったんだから。もう猫かぶりで騙し通せるとは思わないように。誠意がなかったら一発でバレるぞ。  また、昨日の今日で、まるで別人みたいにくるくると変化する対応に、皆は不信感を保っているはずだ。「こいつ、なに考えてるの。薄気味悪いやつ」みたいな。  いっぺん出来てしまった認識は、急には変わらないだろうが、時間を掛ければそのうち変わる。その点では、ここにはまっきーという先輩もいる。  あと、僕のほうも謝っておくことがある。  自制が利かず、からかうような書きこみがあった。  みやびさんと羽矢野君と、さらにまっきーにまで叱られてしまった。  具体的には6044で、2点ほど。  「今度から褒めてあげればいいのね?」というものと、「面接に行ったときにはそうさせてもらう」の二つ。  あれは申しわけなかった。反省している。  あと、著作権に関しては、訂正文と謝罪文はそれでOK。  ただ著作権法に関しての理解が足りていないようなのが気になった。なにがまずいのか、よくわかっていないで書いているようす。  CDやビデオなどは、一般販売されているものは貸し借り禁止のものが多い。  しかしこれは許諾条件によって変わる。ビデオ屋やレンタル店に並んでいるものは、あれは一般販売用とは別で、レンタル店用の特殊なパッケージなわけね。  「個人視聴用途」のものと、「業務使用用途」のものとがあるということ。  まあ個人が普通に入手できるものは、「個人使用用途」だから、これは友人への貸し借りは違法。  自分一人で観る。――のはまったく問題なし。  家庭内で、家族と一緒に観るのも、これもOK。  家庭内に、友人を連れ込んで一緒に観る――のは、これはだいぶグレーゾーン。  友人の家に持ちこんで、友人達と一緒に観る――だと、もう完全にNG。  ダビングして貸す。友人に貸す。――だと、もう完全にNG。貸すのではなく譲るのでも、もちろんNG。  あとそれとは別に、「コピーガード」がかかっているビデオタイトルの「コピーガード」を外してダビングするのは、これは著作権法とは別のところで違法行為となる。  所有しているCDから、自分自身で個人視聴するためにテープやMDにダビングするのは、これは問題ない。  ちなみに本に関しては、これ、中古販売もレンタルも、禁止する法律がいまのところ存在していないのね。法整備が追いついていない。貸本屋も古本屋も、昔からあるものだし。  だから法律的には問題ないといえる。ここで話題に上るのは、この場所が、印税を収入源としている作家と、作家になろうという作家志望との場所だから。  「本を友人から借りました」ってのは、法的にはOKの話題なんだけど、それで食っている人間の前で話すのはどうよ――って倫理面の問題。  今回の問題はテレビ放送だっけ。  民放、有線問わず、テレビ放送を自分自身のために録画するのは問題ない。  ただし他人のために録画してやったり、録画したテープなどを貸したりするのは、これは違法となる。  ここの理屈は、まあCDやビデオタイトルのダビングと同じかな。  テレビ放送を録画した時点で、手元に一本のビデオテープができるわけだ。  それを購入したビデオタイトルの「マスター」だと思って適用していけばいい。自分のためにダビングしたり、家族と観たりするのはOKだけど、「他人」に貸すのはNG。  もともと、どうしてこういう法律があるかっていうと、番組を作った者の「権利」を守るためなのね。  番組を作った者には、公開したり、放送したり、販売したり――する権利がある。  当然だが。  またその逆に、公開しなかったり、放送しなかったり、販売しなかったりする権利もある。  この「許可する権利」「許可しない権利」――どちらも含めて、著作権という。  たとえば君の書いた小説。  誰かが勝手にコピーして、勝手に配布していたら、どうよ?  君は自分のホームページなどで、自分の作品を公開する権利を持っている。またその逆に公開を停止する権利もあるよね。  ある放送を取り逃したので、再放送しろ。もしくは販売しろ。それがかなわないなら、俺が誰かからダビングすることに対して文句は言わせないぞ。――これは番組制作者の権利を無視した子供の理屈なので、通用しない。  君だって、自分が公開を停止しようと思った作品を、勝手にコピーされて、勝手に配布されることは望まないはずだが。  興味があるなら著作権法を直接調べるように。WEBで調べればすぐ出てくる。  所詮ここに書いてあるこれは、えーと、たぶん3次情報あたりか。  法律の原文読んでも、ちんぷんかんぷんなんだよね。わしも現代日本語に翻訳かましてくれた二次情報を参照している。  よく噛み砕いてあって、普通に解説してくれている良いページが、どこかにあればいいのだが。(こういうときは藤極堂さん頼み?)  ――で、自身の書きこみの酷評なんかより、そろそろ課題のほうに取りかかるべきだと思うのだが。  生課題。  天衣さんの文章指摘。  いまんとこ、この二つが動いているか。  どっちかやろうぜ。  「野次馬に囲まれるプロット」をやっていたわけだが、あれは本格的にやるまえのウォーミングアップということで、あれで終わりにしよう。  腹くくってきたようだから、難易度をひとつ上げよう。皆がやっているのと同じものをやる。  当然、負荷もあがる。  それで壊れるか潰れるか、僕の知ったこっちゃないが――。  まあ頑張れ。見ててやるから。  または、とりあえず短編をひとつ書くってのでもいいかな。  これは短編蟻地獄とかではなくて、30〜50枚ぐらいで、なんか書いてみるっていう形。まあ現在の力を見るって名目で、初参加の人によくやってもらっている。投稿先は「よみかく」のほうか課題部屋か、どちらかになるか。  また生課題に挑戦する場合、「3時間5ページ勝負」と、「30分間400字勝負」とがある。  3時間のほうだと、お題は皆がやっているようなもの。これは馬宮さんに聞くように。他人のものをリライトするのでも、自分で挑戦するのでも、どちらでもいいだろう。  30分400字勝負だと、お題は「魅力的な異性を描け」ってあたりかな。こっちはこれからやろうと思っていたやつだから、お題のストックがまだ少ない。  こちらの400字勝負の雰囲気としては、ちょうど、天衣さんがやっているようなもの。あっちはお題にするとしたら、「お姉さんがエロく現れる」みたいなところか。  いくつか選択肢があるわけだけど、やりたいものを選んでいいぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題開始 No.6064 投稿日 2003年1月30日(木)20時53分 投稿者 馬宮 ●新木さん(5988)  生課題ご指摘、ありがとうございました。  レスが遅くなりました。もうしわけありません。 >生課題「小学生さいごの夏休み」 >>そもそも、馬宮さん自身は、そういう「感覚」には納得しているの? >>この「最後がわからない」っていう、その感覚ね。  納得できていると思います。  小学生は、「最後」というのが「実感できない」、という風にわたしは受け止めました。  実感できないことは、「簡単に忘れてしまう」んだと思いました。  すみません。考えたのですが、うまく説明できていないようです。  とにかく、課題を書いてみます。  それで、自分がわかっていないようだと思ったら、別のやり方でチャレンジしてみます。   >プロット >>で、こうしたシーンを書くときのひとつの解決法は、プロットを立てるってこととか。 >>いま望乃君がやってるでしょう。 >>ああいうふうに、「大事な場面」の箇条書きを作るわけね。まず先に。 >>迷ったときには、箇条書きに戻る。  はい。最初にプロットをたてる時間を決めて、プロットをたてたらとにかくそのとおりに書いてみる、という練習をしてみます。 >集中力 >>体力がないと、集中力を維持することができないのね。3時間の集中、ちゃんと続けられている? せいぜい前半1時間が限界でない?  わたしは、体力に自信がありません。  大体一時間ごとに、集中力が途切れます。  一時間×3で三時間ですが、時間切れが怖くて、「三時間全部集中しなくちゃ」と休憩をとらずにやっていました。随分、効率が悪かったんですね(汗)。  効率よく集中するために、休憩を取り入れて、やってみたいとおもいます。    今度こそクリアを目指します。  お題「小学校さいごの夏休み」 -------------------------------------------------------------------------------- 魔法円と魔方陣と魔法陣 No.6065 投稿日 2003年1月31日(金)00時25分 投稿者 弟切 千隼 新木さんが指摘されたとおり、現在の漫画やゲームや小説の中では、悪魔や精霊の召喚などに用いる魔術図形に対して、「魔法陣」という言葉を当てるのが普通になってきています。本来の「魔法円」という言葉は忘れられがちですね(^^; 『あるある!夢境学園』のような作品では、もちろん「魔法陣」を用いなければいけないでしょう。 「魔法円」と「魔方陣」と「魔法陣」の混同が始まったのは、馬宮さんも言及してらっしゃる水木しげるさんの漫画『悪魔くん』がきっかけだと思います。 TVアニメ化された『悪魔くん』の主題歌に「回れ魔方陣♪」という歌詞が登場するうえに、アニメの各話のタイトルの中に「魔方陣」と「魔法陣」が混在しています。そして、漫画でもアニメでも実際の絵を見ると、主人公の悪魔くんが悪魔を召喚するのに用いているのは、紛れもない「魔法円」です(^^; 『悪魔くん』の漫画のほうはかなり古い作品で、西洋魔術の情報がろくに日本に入ってこなかった時代に作られたものですから、原作者の水木さん御自身がやや混同している部分があったのかも知れません。 しかし、私はこれは半ば確信犯だろうと推定しています。 『悪魔くん』の主人公が用いている魔法円は、何重にもなった円周にたくさんの数字が描かれていて、この円周ごとの数字の組み合わせによって、召喚できる相手が異なる、というものです。ダイヤルを回すように、円周の数字の描かれた部分をずらしてゆくわけですね。 このような設定の魔法円は、私の知る限り、『悪魔くん』以前にはありませんでした。水木しげるさんの独創です。魔方陣の発想を魔法円に取り入れた、たいへん面白い魔法円ですね。 この独創的な魔法円に対して、魔法円と魔方陣を合わせた「魔法陣」という名が付けられたのは、ごく自然な成り行きでしょう。 この「魔法陣」がよくできた面白い設定だったために、後に『魔法陣グルグル』といった作品が生まれて、またヒットしたのでしょう。 この作者の衛藤ヒロユキさんは、むろん本来の魔法円と魔方陣のことを知っていて、『悪魔くん』の「魔法陣」が水木さんの独創であることも踏まえつつ、「魔法陣」という名を用いたことは間違いありません。それが作品に最もふさわしい名前だったからですね。 『悪魔くん』や『魔法陣グルグル』の後に何らかの作品を生み出そうとしている私たちは、当然ながら、無自覚・無批判にこれらの言葉を使ってはいけませんよね。 「本来の魔法円とはこういうもの」・「本来の魔方陣とはこういうもの」といったことはちゃんと知ったうえで、「自分が描きたいものは何か」もきちんと把握し、どの言葉を用いるか決めなければなりません。 >>文章指摘課題 作家志望者でないにもかかわらず、この分室に叩き材料を提供して下さった天衣さん、ありがとうございます。 天衣さんの「シークレット・ミーン」の冒頭部分に対する指摘をさせていただきます。 >> 一人の女性が立っていた。 >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。 >> それは、真実の像か幻像か。 上記の文章に対する指摘です。 まず一行目の >> 一人の女性が立っていた。 については、違和感はなく普通に読めました。 弟切の場合、情報が何もない状態での視界は灰色です。夕方、日が薄れてきた時間帯に、周囲を霧に包まれているようなぼうっとした感じです。 そのため、この一行目では、灰色の霧の中から一人の女性の体の輪郭が浮かび上がってきます。顔も服装もまだわかりません。 ただ、「女性」というからには、十代以下の「少女」ではありませんね。また、おおよそ六十代以上の「老女」でもありません。二十代から五十代の成熟した女性です。 >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。 皆さんがおっしゃっているとおり、私もここでいきなり目が止まりました。女性の描写が何もないままに「壁」などというものが出てきたからです。 ここで私の視界には、灰色の霧の中から、同じく灰色の壁がぬうっと現われます。 壁自体の描写も何もないので、その壁はどこからどこへ続いているのか、どんな色なのか、材質が何なのかもわかりません。まさしく正体不明の妖怪「塗り壁」みたいなものが、視界に立ちふさがります(笑) 「壁にかかるロウソクの」というところも、抽象的すぎてどんな状態なのか不明です。新木さんが指摘されたように、壁に「燭架」が付いていてそこにロウソクが立っているのか、あるいは壁に棚が付いていてそこに「燭台」が立っているのか、または壁に物を吊るすための鉤が付いていてそこから「燭台」が下がっているのか、どうとでも解釈できますよね。 状態が確定しないため、ここで私の視界にあるのは、「灰色の霧の中にぼんやりと浮かぶ成熟した女性の輪郭」・「霧と区別が付けがたい妖怪塗り壁」・「塗り壁の前に浮かぶ(どうやって壁にくっついているのかわからない)ロウソク」という、はなはだ曖昧な光景です。 「一体ここはどこ? この女性って誰?」という心の叫びを抑えつつ、次へ進めばわかるかも知れないと思って、私は読み進みました。 >> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。 ……女性の描写も壁の描写もロウソクの描写も、具体的なものはありませんね。 わかったのは、「この場にロウソク以外の光源がないこと」・「少し空気の流れがあること」・「時刻が夜であること」・「場所が寝室であること」です。 まあとにかく、ここに至って、時間帯と場所が確定しました。「灰色の塗り壁」は、寝室の壁の一部に一応組み込まれたものの、居心地が悪そうです。 ここでは、皆さんがおっしゃっているように、私も「夜闇」という単語で引っかかりました。こんな単語は一般的な日本語には存在しません。わざわざ造語してまで表わしたい「新しい物事」がこの中にあるとは見えませんのに……。 ここでまた「夜闇ってどんな闇?」という謎が増えました。 「この女性ってどんな女性?」や「この壁ってどんな壁?」や「このロウソクってどんなふうに壁に付いているの? 唯一ってあるけど、一本しかないの?」に続き、どんどん謎が増えてゆきます。「室内なのに、この空気の動きはどうやって作られているの?」という謎もありますね。 謎は増える一方で、なぜかちっとも解決される気配がありません(^^; 働きの良くない弟切の脳味噌は、疑問を納めきれずにそろそろパンクしそうです。 そのため、「女性の肢体の起伏を」以降は、目が滑っていってうまく意味が取れません。相変わらず灰色の霧に包まれた女性の輪郭だけが、視界の中にあります。 >> それは、真実の像か幻像か。 ここでは、「いや、全くそのとおりです」と膝を打ちそうになってしまいました。 なぜなら、ここまでの描写が曖昧すぎて、女性も壁もロウソクも何もかもが、『真実の像か幻像か』わからないからです。ここまでに書かれていたものは、すべて灰色の霧の中に埋もれるようにあるだけで、霧が晴れることはありませんでした。 と、精読は以上です。やはり勉強になりますね。 -------------------------------------------------------------------------------- ため息 No.6066 投稿日 2003年1月31日(金)00時42分 投稿者 馬宮  生課題、「小学生さいごの夏休み」書けませんでした。  最初の十五分ぐらいで、シーンを決めたんです。 −−−−−−−−−−−  お父さんから「中学校にあがったら、もう小学校に勉強を教わりに行ってはいけない」と聞かされた女の子。いくら説明されても理由がわからない。 −−−−−−−−−−− 夏休み初日 午後  ・お父さんに、遊園地の喫茶店でジュースをおごってもらう、女の子。  ・お父さんから、「中学生になるのになにか心配なことはないか」と訊かれ、「ない」と答える女の子。  ・理由を訊かれると、わからないことがあったら、なんでも小学校の先生に教えてもらうと答える女の子。  ・驚くお父さんに気づかず、平気でジュースを飲む女の子。  ・お父さんからいくら説明されても、中学校に入学した後、小学校の先生を頼ってはいけないことがわからない女の子。無理やり話題を変えて、お父さんに、次、遊びに行く約束をとりつけようとする。  「最後がわからないから楽しい」という方で書こうとしたんですが。  一行目から、どう書いていいかわからなくなったんです。  でも、書くしかありません。  -------------------------------------------------------------------------------- No.6067 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- ●馬宮さん No.6068 投稿日 2003年1月31日(金)00時59分 投稿者 羽矢野 >>合気道  このエピソードは、すばらしい。  そのまま小説に使えるくらいだ。 >>ミーン指摘  馬宮さんとの意見の違いは、私が全文目を通していて、馬宮さんがあの部分しか読んでないってのが、あるかもしれない。  ってか、それが原因。  本当なら、天衣さんにフォローしてもらうのがいいんだけど。  どうも、馬宮さんの書き込みの後の天衣さんの書き込みに何もないから、そのつもりはないみたいだ。  いーんだ、いいんだ。(←これは、完全な冗談だからね。念のため)  というわけで、あらすじ  一応、自分の言葉であらすじ書いてみる。  天衣さんのそのままだと、余分な部分が多くて、ちょっとわかりにくいかと思ったので。 (いや、そんなに違いのあるもの書けるとは思わないけど)  カルメイルは、ある辺境の村を訪れる。  敵国の侵攻に備え、砦を建設するために、村自体を徴発するのがその任務だ。  しかし村人の説得はうまくいかない。  それは、サリーシャという女性のせいだった。  数年前から村に住んでいるという彼女は、騎士隊長であるカルメイルすら打ち負かす程の弁論術を持っていた。  決着のつかない日々が続く。  しかしそれは、ある夜突然に終わりを告げる。  サリーシャがカルメイルを暗殺しようとし、逆に捕えられたのだ。  実は彼女は、敵国のスパイだった。  砦の建設を邪魔するために、村に潜入していたのだ。  村人はその負い目から徴発に応じ、任務を終えたカルメイルはサリーシャを護送しながら王都へと帰還する。  …………。  しかし、真相はこうだ。  実はサリーシャは、敵国ではなく自国のスパイだった。  つまりこの一連の騒動は、すべてが芝居。  村人に敵国のスパイに踊らされたという負い目をもたせ、村を徴発するために、二人が仕組んだものだったのだ。  時間にして、十五分。  かかりすぎだな。  天衣さん、どう?  これで問題ないかな?  ちなみに、サリーシャ自分がうまくいってるのに、暗殺なんてしたら、不自然じゃんとか、そういった内容については、天衣さんにお願いします。(おい)  そして、分室の課題になっているプロローグは、この暗殺しようとしている部分です。  つまり話の全体が、どうしてそうなったかを説明するような形になるわけですね。  ミステリーなんかで、よくある形です。  ちなみに、あのシーンは二人しかでてきませんが、見えない部分で村人が隠れて見ています。(本文読み直して確認した) >>茶番とナイフ  では、これを踏まえて。  まず間違ってることがあるから、それから。  これで考えを修正してから、言い合いしましょう。 >>そして、「女の方は、男性に自分の目的を気づかれているとは思っていなさそう」です  これは、違う。  男と女は知ってます。(お芝居してるのね)  このシーンを覗いてる、村人だけが知りません(いや、でてこないから、関係ないけどさ)  ちなみに、茶番がどうしてダメか。  簡単に言うと、それが重要だから。  茶番って説明だから、描写しろというのが私の意見。 >>だって「茶番」ですよ。ナイフ持ってたら、お芝居にならないじゃないですか  んで、これもね。  ナイフが、この後にでてくるんだな、これが。  理由は、あらすじ読んでね。  ってことで、お返事待ってます。  ふふふ。(←?)  上の削除は私です。 -------------------------------------------------------------------------------- 入稿明けのお茶は美味しい。 No.6069 投稿日 2003年1月31日(金)03時56分 投稿者 鷹見一幸  ……されど〆切直前のコーヒーは臓腑を焼く。  〆切ばっかりだったら長生きしないだろうなあ(笑)  昨年9月末〆切だった「新・時空3」の〆切が11月末に延び、12月中ということで1月6日に編集部に送る予定でしたが29日に出来上がりました。(さて、どれだけ延びたでしょう)  実を言うと昨年の秋から暮れにかけて身体を壊しまして、しばらく入院しておりました。  本業の時間外労働時間が月に100時間を越える状態が続きまして、もうどうにもならなくなって倒れたんですけどね。 私の本業は労働基準法の保護対象になっておりませんので文句の言いようが無いんです。  枕元に大きな鎌を持って黒い服を着た神様が実に優しい声で「いくらでも休ませてあげるよ」とささやくのを、何度も聞きました。  ついふらふらと、ついていきそうな実に甘い声なんだこれが。 「でたまか6」のページ数が少なかったのはそのせいだったりします(笑)  なんとか復活して、やっと原稿を書き終えたとこなんですけど、実際に医者から「このままじゃ死ぬぞ」と真剣な目で言われました。  その言葉を聞きながら。私だったら。 「君の生命保険金を私が出しましょう。受取人は当然私です。今日の星占いに『あなたの投資は大きな利益を生むでしょう』と書いてありました。きっとそれはあなたのことだと思いますから」  なんて書くだろうな……とぼんやり考えている自分に気が付いてちょっと鬱になってしまいましたが。  教訓……無理せず休まず行きましょう。      無理して休むと後がありません(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 行動表明及び自戒の文。 No.6070 投稿日 2003年1月31日(金)10時00分 投稿者 望乃英司 <新木さん(No.6063 ) >立ち直れたこと  僕が立ち直れたのは、新木さんと、僕に意見をしてくれた参加者の方々のおかげだと思っています。 >僕の書いている小説について  今まで書いてきた小説で、手元に残っているものは、近日中に僕のサイトに全てアップしておきます。  小説を書いているのか、という問いの答えは、ここ二ヶ月ほど全く書いていません、という答えになります。 >自制が利かず、からかうような書きこみがあった。 >あれは申しわけなかった。反省している。  本当にありがとうございます。  僕のほうが、逆上してはるかに「申し訳ないこと」をしているのに。  これを聞いてさらに、申し訳なく感じました。  本当なら実際にお会いして土下座したいところですが、パソコンに向けて土下座することしか出来ませんでした。 >著作権について  検索をして、自分で調べてみます。 >課題選びに関して  最も自由度の高いと思われる、何か30〜50枚の短編を書く、を選択します。  天衣さんの文章の指摘は、他の人の指摘が既に上がっています。  僕が書いても、ズルしたものかどうか、判断がつかないと思います。皆さんの心証を著しく損ねている今ですし。  そして、個人的な理由として、この課題をやるには天衣さんとコミュニケーションを取らなければなりません。  それは恐らく、天衣さんにとっても困ることでしょうし、僕にとっても辛いことです。  生課題に関しては、現時点の実力、心理状況から考えても、コンセプトワーク、ネタ選びで詰まる可能性があります。  よって、僕がやる課題は上に書いたとおりです。 >新木さんへの反省について  これは、やらなくていい、という事でしたが、やらせて下さい。  別にレスは求めません。逆上して、自分としても許せないことを書いた、という覚えがあるので、反省はしたいのです。  それと、新木さんは、羅門さんが開いていたパソコン通信を使った道場からの出身と聞きました。  それで、その恩返しとして、また様々な理由から、ここを開いたと聞いています。  新木さんは羅門さんを、ヴァルツァーの紋章のあとがきで、「師匠」と呼んでいました。  「よみかく分室」と羅門さんの道場が同じ目的で開かれたものだとすれば、分室に参加している僕は、新木さんに弟子入りを表明したことになります。  僕は、新木さんの作品と人格をこき下ろしました、それを反省せず「弟子」でいることは難しいと思います。  以上の理由から、新木さんにも反省文を書かせて頂きます。 ○僕・望乃英司の書き込みについての自戒(No.6045 )  これを書き込んだ時、新木さんの書き込みを読んで、フッと頭の中が冷たい怒りで満たされたのを覚えています。  この文章は、「逆上すれば、どんな酷い個人攻撃も厭わない」という僕の人格を端的に表したものと言えます。  それと、分室の流儀、新木さんのやり方以前に、話の流れを掴めなかった僕の愚かさも表しています。  まず、新木さんに対して「先生(センセー)」という呼称を多用した事、及び呼び捨てにしたことが、人として間違っています。  先生と呼ばれることは、新木さんが傷つく、と知っていながらの陰湿な個人攻撃です。  それと、新木さんの作品のテーマ、作品を「糞」と呼んだこと、謝罪のしようもありません。  ただ、再参加するということは、僕は新木さんに教えを請うということです。  それを許してくれた新木さんには、例え嘘だと思われても、「星くず英雄伝 1」の、冷静になった場合の僕の感想を書きたいと思います。  まず、「星くず英雄伝 1」は近所の新刊書店で見つかりませんでした。  よって、楽をするため、金銭的理由のため、ブックオフの五冊百円のライトノベルコーナーで買いました。  読むときの態度は、「分室」を開いている新木さんはどんな作品を書くのだろう? という興味が一番でした。  三時間くらいで読み終わりました。どこにもつっかかることなく、普通に楽しめました。  作品のテーマは、僕にとって自分にとって合わないことでした。「王道だよな」と思った程度です。  構成は、素人目ですが、良く出来ていると思いました。キャラクターも立っていたように思います。  個人的な感想としては、「この年齢で自立しているキャラクター達はすごい」というもの。  一番面白かったシーンは「冒頭の、ジークが宇宙に投げ出された仲間を助ける」ところです。  SF的要素も絡んでいて、今まで見たことの無いシーンを、頭の中に再現させてくれた場面でもあります。  ただ、次巻も買おうとは思わなかった、というのが現時点での感想になります。  続いて、僕は、新木さんが作品を何万人の読者に届けること、小説で生活をしていること、を無価値と言っています。  当然、それを読むファンの方々の行為さえ、無価値と言っていることになります。  「父親の葬式の日も原稿を書いていた」という、新木さんにとってはとても辛いことだと分かる事実さえ、個人攻撃のネタにしています。  僕がその部分の過去ログを読んだ衝撃、というものを、「理解できない無駄な事」と言い切ったのです。  ここは恨まれてもどうしようもない部分だと思っています。  続いて、新木さんの小説で、数十人が傷ついても数万人を楽しませることを選ぶ、ということに攻撃を加えた部分。  これは、分室では、僕一人が傷ついても、数百人の分室参加者、ROMがログを活用してくれればいい、という風に僕は解釈しました。  新木さんのこの言葉は、作家が一人で生きていくことの矜持を表した部分でしょう。  望乃ちゃん、と呼ばれてもいいくらい甘い僕は、この言葉に恐怖しました。  多数決が嫌いな僕としては、多数決を支持する意見にも取れましたので、それにも恐怖しました。  思いあがりだとこき下ろしていますが、本当に「思いあがり」なのか、自分には全く判断がつかないところなのです。  同じ文章中に、「新木さんの偽者」という、人格を無視した個人攻撃があります。  そして、「テロの標的にされるべき」という、「死んで当然」と同義の、最悪の言葉も僕は吐きました。  そして、勝手に鷹見さんを引き合いに出して比較し、新木さんに攻撃を加えた部分。  これは新木さんはもちろんのこと、鷹見さんにとって非常に不愉快な思いをさせた部分だと思っています。  鷹見さんを引き合いに出した理由は二つ。  「鷹見さんなら僕の見方をしてくれるだろう」という思い込みと、「小説家は合法ペテン師、小説のテーマは、真実と錯覚させる嘘」という鷹見さんの以前の書き込みへの反発の感情を持っていたことです。  前者はファン心理としての希望、そして後者はファン心理を鷹見さんに裏切られた、と感じたことへの怒り。その二つがごっちゃになっています。  これは鷹見さんのレス「文章は人格を表す。」への質問でもあるのですが、  作品の向こうにいる作者の姿を、勝手に考えて、それを真実と信じるのはいけないことなのでしょうか?  作品のテーマを、真実でなく嘘、と言われましたが、そのことに罪悪感は感じないのでしょうか?  作品のテーマを真実と嘘の区別がつかずに受け取った読者の感想は、おためごかしでしかないのでしょうか?  ならば、嘘である小説にどれほどの価値があるのでしょうか?  おためごかしでしかない読者の感想に、どれほどの価値があるのでしょうか?  読者は、作家の何を信じ、作品の何に感動すればいいのでしょうか?  これは自分でも考えてみます。  考えるだけでなく、小説を書いて、ネット発表していく事で学んでいきます。  今考えている答えは、人は誰でも自分を騙さなければ生きていけない。  しかし、騙されただけで生きるのは危険が伴う。  そこで小説の出番になる。例え嘘でも、良い嘘ならその本は、その人の生きていくパートナーに成り得るかもしれない。  そして、嘘だと見抜かれても、そこから真実が推測できる。真実は、その人の人生のプラスとなり得るかもしれない。  だが、真実だけを持って生きていくのも危険が伴う。  このような感じです。 *** ■[おためごかし]の大辞林第二版からの検索結果   おため-ごかし 【御為倒し】 〔「ごかし」は接尾語〕表面はいかにも相手のためであるかのようにいつわって、実際は自分の利益をはかること。「―を言う」 ***  遅れましたが、勝手に鷹見さんを引き合いに出し、最悪な書き込みの一部としたこと、謝罪します。  申し訳ありませんでした。  葉書の使い方に関しては、新木さんが教えてくれたことをこれからは守ります。  ファンレターの返事が葉書で来ることもあるので、今まで全く気がつかなかった常識でした。 >先生、尊敬語を使うという体質を放置しておくのは何故いけないか  新木さん側のデメリット、というものは、新木さんの書き込みのスタンスを見ることで知る事が出来ると思うのですが。  不特定多数のよみかく参加者側のデメリットというのは特定できませんでした。  参加者をタイプ別に分類しても混乱しますし、ひとまとめに考えようとするとなお分からない。  よって、このことも新木さんへの個人攻撃の方法にしてしまいました。  怒りに流されて、「新木さん側のデメリット」ばかりが頭をぐるぐる回り、「参加者側のデメリット」が全く分からない。  そのことから逃げ出したい一心で、新木さんから出された課題をほっぽってしまいました。   >続けたければ弟切さんに、頭を下げてお願いすれば? >新木  この部分は、弟切さんと、新木さん両方に失礼なことでした。  弟切さんには、大変不快な思いをさせてしまったと思います。 >No.6047  新木さんと鷹見さんを動物に見立てて比較する文章があります。  とても失礼なことでした。 >掲示板の私物化について  もう二度としません。 ○僕の書き込みに対する参加者の方々への返答 <とんびの羽根さん  喧嘩は冷静でない時、これからもやってしまうかもしれません。  出来る限り冷静になる、人として許せない行為は控える、なるべくメールを使う、といった消極的な案しか思い浮かびません。  とにかく、今回の喧嘩の件はご迷惑おかけしました。  自殺癖を公言したり、人生について愚痴ったりすること、ここでは二度とやりません。  僕の個人サイトでも、なるべく控えるようにします。  それと、新木さんへの仕事の妨害になる、という意見ですが、僕は正直、新木さんを「小説の怪物」だと思っていました。  もう、僕とは別次元の生き物だと。  だからといって、思いつく限りの罵詈雑言を浴びせる、というのは絶対に間違っている行動でした。 <光来 唯さん >望乃さんは読者のことを考えていない、自己満足だけで小説を書いていると俺は感じました(私は鷹見さんの「文章には人格が出る」をこう解釈した)。  そう思っていただいて結構です。自己表現に固執するあまり、今でも自己満足のままでいると自分でも思っています。  鷹見さんの「文章には人格が出る」は、申し訳ないのですが、僕にはまだ理解が及ばないところです。 <西鶴翠さん >我々、作家志望者たちは糞以下の小説を書いています。  その通りでした。  これからは小説の方を書くことも習慣化していきます。 <羽矢野さん >まったく事情の知らない友人や親(そう、君の味方でいいい)に、一連の書き込みを見せて自分が正しいと言ってもらえる自信があるかい?  ありません。 <巻島翔史さん >>「ばか」は好きに使ってもらって結構です。  この部分、どんな罵詈雑言にも耐えてみせます、ならOKでしょうか? >言葉の使用許可・承諾なんて誰にも必要ないものなのね。  許可、承諾なんて大それたこと考えていませんでしたけど、そう読めましたか。   >ただ、書いた本人の責任があるだけ。  これを最初読んだとき、全然冷静じゃなくなりました。  新木さんは、僕一人が傷ついても数百人の参加者(ROM含む)を優先すると思ったのです。  つまり、書いた本人の責任があっても、絶対僕には謝罪しないだろうという推測が立ちました。  それは間違いだったのですが。 >>愚痴ってます。どっかで。 >あなたの書き込み内容は、自分にとって愚痴りたくなることが多々あるほど、不快なものです――って公言してることにならない?  多々、ではありませんがそういうことになりますね。 >だけどせめて、読む相手を不快にさせないぐらいの気配りはあってもいいんじゃないかな。  これ、新木さんは適応外なのかと思いました。それが分室のスタンスなのかと。 >自分が誠心誠意込めて書いたものを茶化されたり馬鹿にされたりされてしまうのが怖いのなら、プロにはなれないよ。  結局流れてしまった僕の「グリーンズ」という作品の感想を、を皆で、感想レベル「AAA」とか「DDD」とかで指摘してみる、というのはどうでしょう。  やってくれていいですよ。巻島さんが個人的に僕にメールを送る、という形でもいいです。  反省を行動で示す、というのはこれからもずっと続くことでしょう。  覚悟はしました。 >ROMの方々へ  これが今の僕に出来る自戒です。  不満などありましたら、メールにて送って下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 文章を「額面どおりに」受け取る人に向けて。 No.6071 投稿日 2003年1月31日(金)12時00分 投稿者 鷹見一幸  まあ、主に望乃くん向けなんだけどね。  君も一応「小説」書いてるよね。  それ全部「本当のこと」なわけ?  実際に君が見て、聞いて、体験したことを書いているわけ?  もしそうだとしたらそれは「小説」じゃなくてドキュメンタリーだよ(笑)  小説ってのは「フィクション」だろ? この世に無いことだ。大雑把に言えば「嘘」なわけだ。違うかい?  小説家ってのはだ、その「嘘」を書いて読んだ人間を感動させ、んでもって読んだ人から「お金」をもらう職業だ。  ペテン師ってのは「嘘」をついて相手から「お金」をもらう職業だ。 この二つの相違点は「相手を感動させるかさせないか」という点だけであり、その行為における基本的な構造は、まったく同じだ。  つまり。  マンガもアニメも小説も映画もゲームも「嘘ついて金をもらう」という点において「ペテン師」なわけだ。しかし金を取られた人間が怒り狂うかそれとも「ありがとう」と言うかで、その社会的立場が大きく違うということだな。  だから俺は    「小説家は合法ペテン師、小説のテーマは、真実と錯覚させる嘘」 と書いたわけだ。  さて、この言葉の後段である「小説のテーマは、真実と錯覚させる嘘」という部分だが。  前段がわかれば、後段も当然のことを言っているとは思わないか?  分解しよう。   1・小説とは「嘘を書くこと」だ、本当のことを書くのは小説ではない。 2・小説とは嘘を書いて読んだ人からお金をもらうことだ。 3・基本的な構造は「嘘をついて人を騙してお金を取る」行為と同じだ。 4・しかしお金を出した人を満足させればそれは犯罪でもなんでもない。  だから俺は「小説家は合法的ペテン師」と書いた。  ここまではわかったかな?  では後段の部分だ。 5・では「読んだ人を満足させる嘘」とはどんなものだろう? 6・それは、読んだ人を作品世界に引き込み、充実した時間を過ごさせるだけのクォリティを持った嘘でなくてはならない。 7・だとしたら、てきとーな、いいかげんな、甘い「嘘」をつくことは許されない。読んだ人に真実と感じさせるほどの嘘をつかねばならない。 8・結論   小説を書くということの永遠のテーマは、いかに作品世界を作り上げ、読者に真実と錯覚させる嘘をつくか。ということである。    以上(笑)  俺が「小説」と書くときは、広い意味での「小説」だよ。  自分の書いたもののテーマについて論じるとしたら「俺の本」と書くよ。  それに。  自分の書いた本のテーマについてぐだぐだ後で書くような恥ずかしいことができるもんか(笑)  読み取ってもらえなければ、それは書いた俺の責任だ。  ノーエクスキューズ。一切の言い訳も解説も不要。  俺の書いた本。特に「時空」の、小説として追求したテーマではなくて、物語として追求したテーマが「真実と錯覚させる嘘」だと思ったってことは。しょせん俺もそれだけの人間と言うことなんだなあ。  反省反省(苦笑)   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6072 投稿日 2003年1月31日(金)13時14分 投稿者 新木 伸  さすがに本当にマジでしゃれにならんようになってきたので、ここのレスは必要なもの以外は、なるべくサボることにする。  まあたぶん、あと三日かそこらぐらいのことだろうと思うけど。  ただし終わったあとで燃料タンクがカラになったまま人事不省に陥る可能性もあり。いつものことだが。  心臓止まっていることに気づかず走り続け、ゴールしてから倒れる。っていうのが、僕のいつものパターンらしい。 >望乃君 >>僕が立ち直れたのは、新木さんと、僕に意見をしてくれた参加者の方々のおかげだと思っています。  いや、それはちがうよ。  人間が立ち直るのは、それは「自分の足」によってだよ。  誰も手など貸してくれない。よって立ち上がったのは、自分の力のみによるものだ。  そんなもん決まってる。とっくに証明済み。  知らなかったのか。ばかだなぁ。  反省文について。  「やりますよ。やっていいですか?」というふうに書いてきていたら、「だめ」と言うつもりだったが。  まあ、あがってきたものを読むかぎり、たしかに自己満足のために書いているものではあるけれど、読み手にとっても多少の価値があるものになっているので、良しとする。  とりあえず、望乃君の誤解と曲解の仕組みと、怒りの沸き起こる仕組みっていうものが解明されているので、「人間観察の一環」として他の人のためになる。  「小説は嘘」について。  鷹見さんが解説してくれているので、あれでもう誤解はなくなると思うけど。  いちおう僕も書いておく。 >>多数決が嫌いな僕としては、多数決を支持する意見にも取れましたので、それにも恐怖しました。  たとえば、望乃君はそうおもっているわけだよね。  しかし現実はどうなっているのかも、さすがに知っているだろう。現実は多数決で動いちゃっているわけだ。 (僕はそのことは小学四年生の学級会議で吊し上げをくらって思い知ったりしたが)  で、多数決嫌いな望乃君は、多数決に反抗する主人公の話を書いたとするよね。たとえば体制に反抗するとか、そんなテーマだったりするわけだが。  「体制に反抗するが、しかし、最後にはやはり敗北してしまう」――これが現実。本当。  「体制に反抗して、そして、勝利を収める」――これは現実にあらず。したがって いってしまえばこれは「嘘」。  小説では、嘘を書かなきゃいかんわけだよ。現実なんぞ書いたって、そんなもん、誰も読みたがらない。  ただし自分の信じ込んでいる「嘘」でなくてはならない。自分が心底「そうでなくてはならない」と思っていないことには、他人を騙す力もない。  それがこの現実世界では嘘と知りつつ――。  しかし、作品世界の中では、「それが嘘ではない世界」ってのは作りあげられるはずだわな。  「嘘」を作品の中で「ホント」にしてしまうのが、作家のおしごとです。 >>読者は、作家の何を信じ、作品の何に感動すればいいのでしょうか?  作品の中でホントになってしまった嘘に対して、感動してください。  作者なんぞ、どうだっていいの。  そこに「作品」があるだけなの。  君はうまいパンを食って感動したときに、そのパンを作った職人の人格やら人間性やらを気にするのか。べつにパンじゃなくって、他のなんでもいいわけだが。ラーメンでもいいし、なんか他の食いものでもいいし。べつに食いものでなくてもいいし。  ただその「パン」がうまいかどうか。その一点のみに感動するもんじゃないのかな。  パン屋さんはきっとこう考えて作っていたに違いない――なんて、いくら考えたって、すべては想像でしかない。君の単なる幻想だ。  ただし、実体として、そこに「パン」は存在する。  そのパンがうまいことは、それは揺るぎない事実だ。 >>続いて、新木さんの小説で、数十人が傷ついても数万人を楽しませることを選ぶ、ということに攻撃を加えた部分。 >>これは、分室では、僕一人が傷ついても、数百人の分室参加者、ROMがログを活用してくれればいい、という風に僕は解釈しました。  うん。そう。その通り。  たとえ君が傷ついて、暴言吐いて立ち去っても、他の人の役に立つなら、僕はそれでもいい。「ああはなりたくねぇなぁ」と他の人が思ってくれればね。役に立つ。  ――で、僕が自分の非だと思ったことを謝ったのは、望乃君が戻ってきたから。  望乃君が続けるつもりなら、謝っとくべきだと思った。不要なしこりを残しておくのはなんの得にもならないから。 >>つまり、書いた本人の責任があっても、絶対僕には謝罪しないだろうという推測が立ちました。それは間違いだったのですが。  つまりあながち、間違いでもない。君が立ち去っていたら、僕は謝らなかった。 >>それと、新木さんへの仕事の妨害になる、という意見ですが、僕は正直、新木さんを「小説の怪物」だと思っていました。 >>もう、僕とは別次元の生き物だと。  これがじつは、「先生と呼ぶの禁止」のヒントになっているわけだが。  作家を別次元の怪物ではなく、等身大の人間であり、自分にも手の届く延長線上の存在として見るために、まず呼称から改めるべきなのではないかな? >反省を「身」にする行動  あ。そうだ。  いますぐにやると痛すぎるだろうから、しばらく経ってからでいいんだけど……。  例の6045だが。  「新木を怒らせる」「新木に精神的苦痛を与える」とかいうコンセプトに基づくものとしては、少々ヌルすぎる。  相手を怒らせるにしても、痛めつけるにしても、やりかたが稚拙すぎるでしょ。  相手を激昂させるような言葉というのは、これ、小説の中に生かすこともできるものなのね。誰かから罵倒されてやりこめられて、登場人物が怒りを燃やすなんていうのは、かなりオーソドックスな展開だ。  そのうち、あの6045に手を付けて、「さらに過激な罵り文」としてリライトしてくるのこと。課題部屋に提出ね。反省するというなら、それも身にしてくれ。 (さらに細かくいうと、「怒らせる」と「苦痛を与える」は別物なのだが。苦痛を与えつつ怒らせないやりかたと、すぐに火を付けて怒らせてしまうやりかたとがある。弁論術では技術のうち。作家はこういうのも修めておかないと、「弁の立つ人」っていうのを話に登場させられない) -------------------------------------------------------------------------------- 妙に眠い…… No.6073 投稿日 2003年1月31日(金)20時48分 投稿者 天衣  一日空いちゃったので、早めにレス出しします。  リライトは、夕飯食べたあと仮眠してから(なんか妙に頭が重い……)挑戦するつもりなので遅れそうですが、深夜中には新しくあげたいですね。(いや、なんか今の状態だと翌朝まで寝ちゃうかも……その時は失礼) >馬宮さん  一ページ分指摘、ありがとうございました。  まずは総評に対してレス。 > やっぱり、小難しい印象ですね。 > それで、どうして天衣さんがこういう難しいことをするのか、考えてみました。 > 「小説を書く」ということを、意識しすぎてるんじゃないでしょうか。 > 「読者を意識していない」というより、「意識しすぎて」こうなってしまっているのでは?  ――ビンゴです。新木さん言う所の「箔が付くだろうと思ってるのが見え見え」問題ですね。ぐう、痛たた……。  新木さんへのレスではほとんど否定してる形になっちゃってますが、実際には「雰囲気を出そうとした」「箔を付けようとした」の両方が重なって、ここまでとんでもない文章になってしまってる――という所でしょうか。  困った事に、わたしは「難解な文章を読み解く」というのが好きだったりするので、その悪影響も大きいでしょうね。 ま〜、やるにしてもピンポイントでやるべきだわ……。  合気道の演舞の話は、非常に納得いくものでした。自戒せねば……。  リライトへのアドバイス(「言葉や言い回しだけ簡単にする」)もありがとうございます。早速試してみようかと思います。 > 天衣さんの頭の中には、一枚の絵がありますよね。 > 課題部屋にあげた、脳内図です。もちろん、一枚しかありません。 > > 読み手は、もちろん、この図を持っていませんよね。    こちらに関する認識が甘かったのも確か……う〜……。「分かる文章を書く」をちゃんと基本に抑えておかないとなぁ……。 >退廃的  これはちょっと(……いや、相当か。――ゴフッ)対比を強くしようとし過ぎての選択ミスですね。  この場合は、「サテン生地のドレスを着くずした女性。麻薬を使って、意識半分とんでます」で解釈の「方向性」はわたしの狙ったものです。あらかじめ「エロっぽい」のイメージを出してあるので、そっち側によるのを期待していたわけですが。  「方向性はそっちで、程度はもう少し弱め」が作者の狙いでしたが――『退廃的』といえば、そのレベルでイメージして当然です。なにやってんだか、わたし……。  せいぜい、『淫靡』とかその程度だよなぁ。まあそれも直接的過ぎるので、もうちょっと別の語を選びたい所だが――つーか、ここでイメージそのままの形容詞を使って表現すること自体が反則? あ〜もう、どう改良すりゃいいのか、……ハァ。 > 男の人って、退廃的な印象で欲情するんですか?  ん〜。これは、するはずですが。  ――いや、それをここで延々説明しても意味がない。小説内の文章で納得させられなかった時点でわたしの敗北である。突発的に出し過ぎというのが大きな問題だしねぇ……。 > 11>>(今の彼女と昼の彼女――果たしてどちらが本当の姿なのか) >  > なんで男がこんな考えを持ったのか、ちょっとわかりにくいです。 >  > 12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。 >  > わかりません。どうして彼が答えを知っているのか、予想つきません。なんだか、ついていけないって感じです。  >  > 15>> すなわち、どちらともが偽。 >  > ここで、わたしは後ろのニ文を読み返しました。 > 読み返して、この三文をつなげようとした結果、やっと「そうか、この女は男を騙してるんだな。そして、そのことを男の人は知ってるな」ということに気づきました。  そこらへんは、ほぼ狙い通り。わたし個人はそういう流れの文が好きなので、ドンピシャリという感じなのですが――それで > 気づくまで、ちょっと、時間がかかります。 とだけくるのが普通の反応だというのが、わたしの感覚がズレているらしい所。  ここらへんのズレをなんとか矯正せんと、どうにもならん……あ〜う〜、もう、なんつーか……頑張ろう。 (ピンポイントでならありだと思うが――、全編そういう趣味に満ち満ちているってのは、問題なんだろうな……) >シーンの面白さ  基本は羽矢野さんあてになってますので、わたしからはちょっと補足だけ(ちなみに続く「羽矢野さん作あらすじ」に間違いはありません)  ここでの馬宮さんの反応は狙い通りのものと言えるので、ホッと一息(いやほんと、たまにはそういうのがないと、痛さで死ねる……)  羽矢野さんが >>>そして、「女の方は、男性に自分の目的を気づかれているとは思っていなさそう」です > これは、違う。 > 男と女は知ってます。(お芝居してるのね)    と言ってますけど、ここは「女は、気付かれてると思ってなさそう」の理解でいいんです。最良です。  つーか、この時点で「女も知ってるに違いない」なんて理解されたら困ります。「最後にそれが明らかになる」というのがこの作品の肝、「どんでん返し(実は全て芝居だった)」なのですから。  これは、ミステリと同じ理屈。一番最初に真相以外の方向へ誤誘導しているのに、いきなり真相を悟られても困る。台無しじゃん。 >紫さん  改めてはじめまして。こちらこそよろしくお願いします。 > うすら怖い雰囲気をだすのが目的なら、私はこう書くかもしれませんけど。 > >=== > ひとり、女が立っていた >=== > > 女とか、立っているとかより、「ひとり」を強調したい場合ですね。  なるほど。  ここで狙ってるのは「うすら怖い雰囲気」でなく「エロチックに妖しい雰囲気」でしたので、今の形でいいとは思いますが、別の機会の参考になりそうです。  「ひとり」が平仮名なのが「うすら怖い」の表現に良さげですね。 >>> 壁にかかるロウソクの灯が、かすかに揺れる。 > > 視点が飛びましたね。 > 部屋の内か外か、昼か夜かも書いていない状況で「壁」はムリがありますね。  うう……皆から指摘されますな、その問題。それだけ致命的いう事か……。 > あと、「ロウソク」は「蝋燭」のほうが、雰囲気がでるのではないでしょうか。  確かにそうです。実際そう思って、初めは「蝋燭」にしておりました。  が、それで見ると「さすがに、濃すぎる」と感じてしまってカタカナに変更したという……。  ……しかしこれは「雰囲気出したい」としてたのに首尾一貫してない、というか……「読みやすく」を心がけるなら、まず「文章そのもの」を読みやすくする方にベクトル向けないとなぁ。それで「ロウソク→蝋燭」にしとく。それが基本? なにやってっかな、わたし…… >>> 場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。 > > うーん、「何を書くべきか?」を、まず整理しないとダメですね。  確かにこれは一文に情報込め過ぎですね。  情報を出す順番がデタラメだったというのも、問題を大きくしている模様。 >・ロウソクが唯一の光源である >・ロウソクの灯が揺らいだ >・場所は寝室 >・時間は夜 >・寝室は夜闇に染まっている あたりは、真っ先に出すべき情報なんだよなぁ……ふぅ。 >>> それは、真実の像か幻像か。 > かなり読み手を置いてきぼりですね。 > もったいないですね。  うむぅ。書いた時は、「女性の肢体を影が這う」というので、必要な妖しさを確保したつもり、だったのですが……まあ、無理ですわねぁ、それだけじゃ……。   > けっこう「5W1Hが無い」という指摘がありますね。 > あるていど舞台装置の説明は書けてると思ってたんですが。 > > 精読してすら、「悪文は読まなかったことにされる」ということでしょうか(^^;  今回一番こたえたの、これ。『精読してすら、「悪文は読まなかったことにされる」ということでしょうか(^^;』。臓腑に響きましたわ……。  ……ふ、ふふ、ふふふふふ……。あ〜、くそ、ええい、次は「速読でも読んだことになる良文」にしちゃるわぁっ! >新木さん > のらりくらりとかわして――。 > もともと狙いが違うんだよーん。ダメージ受けてないよーん。ぜんぜん平気だよーん。 > ――とやっているいつもの態度ですが。読み手からは不真面目な態度に受け取られることもあるので注意のこと。  ん〜、なるほど。それはマズイですね。  もろにダメージ受けてる様を文章にすると凄く見苦しい文になりそうで、避けちゃう癖がついてるんですよねぇ、わたし。――というか、「痛がってる自分」と「そういう自分を冷静に見てる自分」がいて、後者が前者を代筆する形、になってしまってる、というべきか? ダメージを受けてるところでは、一応「ダメージ受けてますシグナル」は出すようにしてるのですが……足りないか。  とにかく本気で癖になってるんで、すぐに直すの難しいですが……なんとか修正していきます。  というわけで、今回は指摘通り、少々ダメージを受けてることをシッカリ表現するよう試みてみましたが――なんか、こっちの方が不真面目な態度に受け取られる危険が高いような箇所があるような……「オーバーアクション」の解釈を間違えてる?(汗)  「嘘」はついてないんですけどね、どっちにしても……。 >燭台、燭架  え〜と。この指摘を受けた時、まず違和感を覚えました。何故ならわたしの知識では「燭台」と「燭架」どちらも、机に置くタイプと壁掛けタイプ、両方を指せる語でしたから。微妙なニュアンスの差(後述)を除いて、同意語だと思っていました。  で、色々調べて、改めて出した結論――同意語なんですが(汗)  まず百科辞典――「燭台」の項。置くタイプ、掛けるタイプ、手に持つタイプ全てが紹介されていました。「燭架」という表現は見つからず。  広辞苑――燭台の項で「手に持つものや、壁にかけるものもある」とあり「燭架」と同意語であるとされていました。(「燭架」の項あり)  他国語辞典――単に「ロウソクを立てる台」とだけ説明されるものが多いが「燭架」と同意語とされているもの多し。(なぜか「燭架」の項はない)  類語辞典――「燭架」なし。燭台の説明は「他国語辞典」と同じ。  角川新国語辞典より抜粋 【架】1.物を載せる台。たな。「担架、書架など」    2.物をもたせかける台。「画架、銃架など」    3.かけわたす。かける。かかる。「架橋、電線を架ける、など」  かかる−【架(か)る】(鉄道や橋などが)高所に渡すようにつくられる。  以上より、「燭架」の「架」は、純粋に「台」の意味であり、「かかる」の意味はないと結論できる。(壁掛けのロウソク立ては「渡すようにはつくられていない」)  まあ確かに、字面の「かかる」のイメージから「掛け=燭架」「置き=燭台」と使い分けるのは、一つの合理的な立場だとは思いますが――絶対とは言えないようです。  一般の国語辞典に載ってないところからして、明らかにマイナーな語である「燭架」を避けるのもありでしょう。(試しにGoogleで検索すると、三件しかヒットしないよ、「燭架」……)  なお、わたしの脳内で(のみ)のニュアンス差は「燭架=三つ又以上」「燭台=一つ用」となっていました。だから、最初四文では「燭台」にしている。(絶対的な差でなく、「使い分けるならそうする」程度の違い。――ところで、二つ用のロウソク立てってある?)  これは単に、「燭架 → マイナー語 → 難しい →「箔がある」→ 三つ又以上の凄い奴」という、無意識の連想のようです。  客観的根拠はまったくないらしいのが分かったのは、ちょっと痛い。ここでも「箔がある」の考え方が付き纏ってたのが分かって、さらに痛い。  ――けどまあ、そこまで痛くない(とか言ってて、実はやはり「燭台≠燭架」だ、とかいうことになったら、とんでもなく痛い予感。一般的イメージがどうなってるか、という問題はあるからなぁ……) >「他の単語で置き換えちゃうと、どーしても自分の狙っているものと違うんだよおお!」――てなふうに、じたばた暴れたくなってしまうような場合だけ、難しめの言葉は使うように。  了解です。確かにやり過ぎですからねぇ、現状は。ふぅ……。  問題四文では「肢体」だけかな。ジタバタ暴れたくなるのは。  いかん、ここまで書いた時点で、脳が限界状態になりました。頭が回らないっつーか――眠くてたまらない。  他の方へのレスはまた後ほど――(一日空けただけでドンドンくるなぁ――つ、辛いぃぃ……。まあ明日明後日は休日だし、それでなんとかしよう……) -------------------------------------------------------------------------------- 吟醸酒は水のように飲めるという……。 No.6074 投稿日 2003年1月31日(金)23時14分 投稿者 鷹見一幸  ならば、普通の酒に水を入れれば吟醸酒になるのだろうか?  えーと「新時空3」が終わったらもう「でたまか7」の締め切りが目の前です。 「二月の末」と言われて、はっと気がつくと、あと28日。31日のつもりでいたら、またえらいことになりそうなので、本格的に書き始めないと。  題名は「文章を酒にたとえたら」という話題が、先日カド○ワの若手の作家さんと話をしたときに出たからです。  吟醸酒を作るときは米の精米をとことんやります。  米を削って削って本当に米の芯だけにして、それで酒を造ります。  だから、一切の雑味の無い、すっきりとした酒ができるわけです。  どこにもひっかからないで、すいすい飲めてしまう。  んでもっていい気持ちに酔っ払うわけですな。  これって、文章を書くときと同じじゃないかと思うんだよね。  ヤマ場じゃない部分の地の文なんかは削りに削って、いつどこで誰が話しているのか、その情報だけを読者に与えるだけにしておく。  さらさらと水のように読者の頭に入っていく程度で押さえて。  んでもって、一番ヤマになっているときに、その舞台をきっちりと描き込めばいいと思うんだよね。  描写の濃淡が必要ってのは、物語全体を見ての濃淡もあるんじゃないかと思う。  全部が全部事細かに描写されると、読者は飽きる。  そんなドロドロの酒は飲むのも一苦労だろうし(笑)    でも、全部が全部水のような酒じゃあ味気なさ過ぎるから、どっかに一本酒の芯を通しておく。そうすると飲んで気持ちよく酔っ払って……んでもってちゃんと残るんだなこれが(笑)  ちゃんと残すくらいにしっかりした酒を造らないと、飲んだ人が「迎え酒」をやってくれないし、しっかり酔わせるくらいに強くないとダメなんだよね。  飲みすぎて依存症にさせるくらい強くないと商売にならない。  今、療養を兼ねて越後湯沢のリゾートマンションに来ていますが。  米どころだけあって、越後湯沢駅の構内に「ぽんしゅ館」なる日本酒の専門コーナーがあったりします。  身体壊してからは、酒どころじゃありませんけど、越後湯沢ってのは、水が良くて酒が良くて米が美味くて温泉がある。という人間をダメにする四大要素が全部ある場所ですので、早く家に帰らないと、本当に廃人になりそうです(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 今日は天衣さんだけか No.6075 投稿日 2003年1月31日(金)23時44分 投稿者 新木 伸 >天衣さん >>イメージそのままの形容詞を使って表現すること自体が反則?  反則っていうか、ひどい手抜きです。  それは描写ではないです。そもそも小説でもない。  どのくらい手抜きかというと、ラーメンを注文してきた客に「ラーメン」と書いた紙を出すようなもんです。客はラーメンを実際に食べたいわけです。「ラーメン」って書かれた紙を眺めたいわけじゃない。  それ料理ちがう。  同様に、ここで読者は「淫靡」を体感したいわけです。「淫靡」と書いてもらいたいわけじゃない。  このあたりで発想を入れ替えないと、いつまでも思考の無限ループですよ。  淫靡を使わずに淫靡を描くにはどうしたら良いのか。  そっちに思考のリソースを振り向けましょう。  描写の仕方。書くべきものの整理のしかた。 >>・ロウソクが唯一の光源である >>・ロウソクの灯が揺らいだ >>・場所は寝室 >>・時間は夜 >>・寝室は夜闇に染まっている  ここで書いておくべき情報。書こうと思っている情報。  それらをまず抜き出します。  箇条書きで。  このほかにも、もっとたくさんあるはずです。はじめの段階では何十項目になってもいいです。  そうしたら、並べ替えます。  重要である順番に。  また読者の脳内に投影されるべき順番も、このときに計算します。  並べ替えをしつつ、どんどん削ってゆきます。  このシーンを4行にするのなら、最終的に10くらいまで減らすことになるのかな。  また8行にするのなら、20くらいまではいけますね。  そもそも何十個もある「書きたいもの/必要なもの」から、絶対に必要な10個、ないしは20個を厳選するわけです。  書くものがすべて決まってから、書きます。実際に使う語句を選んで、文章を整える。  こんな感じの作業でやってみたら、「どうにもこうにも収拾つかない」の状態から抜け出せるんじゃないかな?  書くべき情報の選別段階と、言葉を選択して文章を書いてゆく段階とを、分けるわけですね。  そうすることで「いちどに全部やろうとする」負担を、すこしでも軽くしようという、そういう狙いです。  小説を書く前にプロットを立てるのと、原理は同じなんですけどね。これって。  あれも、「書く内容を決める」と「実際に書く」とを分けることで、負担を軽くするというテクニックですから。(つまりプロットが必要な人間は、まだまだ未熟であるということ) >>なんか、こっちの方が不真面目な態度に受け取られる危険が高いような箇所があるような……「オーバーアクション」の解釈を間違えてる?(汗)  僕の受け取った印象では、こちらのほうが真面目にみえますが。  皆はどうだろう? 皆の感想も聞いてみないとわからないですね。  僕の場合、いままでさんざん、「わかってるの? いないの? どっちなのよ?」と苛立っていたからってのがあるかもしれない。  初対面の人に、いきなりこの口調でやっていたら、どうでしょうね。今回のほうのが不真面目に取られるかもしれません。  しかしものにはTPOってものがあるわけです。そのときそのときで「真面目に受け取られるほう」を選択しておけばいいんじゃないでしょうか。いつも一律の応対をする必要はないと思いますが。 >燭架  同意語って、それ、「同じような意味の語」って意味ですよ。 (ちなみに同意語→同義語ね)  まったく同じ意味の言葉――ってものを示す言葉は、日本語にはありません。  それは必要ないので。  言葉が違う以上、それは違うものを示しているのです。適用範囲が微妙に違うってことです。  たとえば「椅子」と「チェアー」とがあったとします。  これ同義語ですね。しかし「チェアー」は西洋式の椅子のみに限定されますね。和式のものを「チェアー」とはいいません。  「ドア」「扉」「戸」なども同じ。同義語だけど適用範囲は違うもの。  「燭架」と「燭台」の区別が付かないんですか?  それ分解能低すぎですよ。  「架」――の意味。  漢字辞典で調べれば、一発で出るのになぁ。  しかし「角川新国語辞典より抜粋」とやっていて、正解まで引っぱりだしていて、なぜ気づかない?  複数の辞書でクロスチェックしていないからかな?  自説を補強するために辞書を引いていません? 都合のいい記述があったら、そこでもう引くのをストップさせてしまっているとか?  辞書は、持っているものをすべて引くんです。徹底的に。そして多数決を取る。じゃないと意味がない。辞書は何冊持っていますか? 1冊じゃ話にならないので、小説を書くのなら、数冊は手元に置いておいてください。WEB辞書でもよいですが。 >>形声。「木」+音符「加」。支柱の上に横木をのせ加える意。  「架」の字には、横木を掛け渡すという意味があります。  これはある程度高い場所に掛け渡すという意味です。  よって、「燭架」と書いたなら、人間の目よりも上の高さにある蝋燭立てであるのだと、そう限定されます。  対して燭台は「台」であるので、どこに置かれてもいいです。  しかし目よりも高いところに固定されている燭台であれば、それは燭架と呼ばれます。  あれ?  ――っていうか、この燭台って、どの高さにあるんですか?  もしかして、とても低いところに置かれているとか? もしかして床の上に直接置かれていたりします?  それなら「燭台」で正解ですが……。  お姉ちゃんの体を照らしだしているのだから、床の上はなかろう――と頭から思いこんでいましたが、考えてみれば、まだどこにあるのかはっきり告げてもらってないしなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- >天衣さん No.6076 投稿日 2003年1月31日(金)23時55分 投稿者 新木 伸 >天衣さん  そういえば、言葉の分解能で、もうひとつ訊いておきたいんだけど。  「台」と「棚」と、天衣さん的には、これどちらもおんなじものを指している言葉なわけですか?  「架」の同義語が、つまり「棚」なわけですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 罪と罰 No.6077 投稿日 2003年2月1日(土)02時11分 投稿者 弟切 千隼 今回はレスのみで失礼します。 望乃さんへ > とりあえず、冷静になられたようで良かったです。 No.6045で私の名前が出されていたことに関しては、私は気にしていません。 人間は、誰でも過ちをするものです。そして、容易なことではないにせよ、それを償うこともできます。 菊池寛の短編小説に「恩讐の彼方に」というのがあります。これは、今から二百五十年ほど前の日本史に題材を取った小説で、主人公は人を殺して逃げた人物です。 警察機構などない時代であっても、殺人の罪が許されるはずはなく、殺された人物の息子が主人公を探し当てて、仇討ちにやってきます。その時、主人公は罪の償いに何をしたか……ぜひ読んでみて下さい。 この作品は、新潮社の文庫に入っています。『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』という題名の短編集です。 馬宮さんへ > No.6057で、合気道をやっていたと書かれていますね。 中にちょっと引っかかった部分があったので、質問させて下さい。 一般的に、武道において、武芸を演じて人に見せることは「演武」と呼ばれますよね。しかし、No.6057で、馬宮さんは「演舞」と書いてらっしゃいます。 これは、合気道においては「舞うように武芸を演じる」から「演舞」と書くのでしょうか?  それとも、これは単に「演武」の書き誤りですか? 私の出身大学には合気道部があって、学園祭の時などに「演武」を披露しているのを、私は何回か見ました。うちの大学の合気道部では、必ず「演武」と表記していて、「演舞」というのは見たことがありません。 そのため、No.6057の馬宮さんの書き込みを読んだ時に「あれっ?」と思いました。 もしかして、同じ合気道でも、流派によって表記が異なるのでしょうか? ちなみに、弟切は馬術をやっていたので、馬術に置き換えると、馬宮さんが書かれたこの合気道のエピソードは、感覚的にとてもよく理解できます。 馬術においても、達人は、非常に難しい技を何気なくすっとこなしてしまいます。 ついでにもう一つ訊かせて下さい。こちらは純粋に好奇心からで、小説には関係ありませんので、私的なことを訊かれて不愉快になられたらお許し下さい。 馬宮さんは広島県在住で、パン屋さんにお勤めだそうですね。広島県でパン屋さんといいますと、ひょっとしてアンデルセンですか? 食い意地の張っている弟切は、ちょっと気になってしまいました(^^; -------------------------------------------------------------------------------- >相手を不快にさせないこと No.6078 投稿日 2003年2月1日(土)03時45分 投稿者 新木 伸 >相手を不快にさせないこと >>>>だけどせめて、読む相手を不快にさせないぐらいの気配りはあってもいいんじゃないかな。 >>これ、新木さんは適応外なのかと思いました。それが分室のスタンスなのかと。  もともとは、このやりとり。  流してしまうには、大きな話題と思った。  望乃君の疑問に答える形だけど、いまいちど、この分室のスタンスを明確にしておく。  これは皆宛ね。  ここは鍛える場所なわけね。  人を不快にさせずに鍛えることは、僕は不可能だと思っている。  「つらい」「苦しい」「痛い」――こういうのだって不快感のうちだ。  痛みと成長は不可分ってのが、僕の信ずるところなわけ。  不快なことが、必ずしも成長に結びつくわけではない。  ただし成長するってことは、痛くて不快なことなわけだ。  無論、必要以上に人を不快にさせる必要はない。しかし必要な分は、きっちり不快になってもらう。  それがここの趣旨。  この思想を納得しろとは言わんし、同意しろとも言わない。  ただここに来る人には、選択の自由がある。  もし不快にならずに上達したいのであれば、どこか他の場所を探すべきだ。  僕のやりかたがすべてではないわけだし、どこかよそには、気持ちよく鍛えてくれる場所もあるかもしれない。  ――で、この分室で、他人を不快にさせていいのは、なにも僕に限った話ではないよ。  誰でも、それが必要であることなら、やってよい。  ただしそれが「適切かどうか」は、僕が計ることになる。  誰かが誰かに与えた「苦痛」が不適切なものだと判断したら、僕は注意することになる。それにはもちろん従ってもらう。僕がいないときにはみやびさんが代理だ。  ――で、僕のその判断が正しいかどうか。それについても、なんにも保証はない。  僕は間違うかもしれない。  またそのときの気分でやりすぎることがあるかもしれない。  さらに、そもそも負荷と不快感とを与えるというこの方法が、人を鍛えるという目的のためには、はなはだしく間違っている――なんていう可能性もある。  これはやりすぎだ。――とか。  それは気分で叩いているだけだろう。――とか。  それは有効な訓練ではない。――とか。  そういうことは、参加者が自分自身で判断すればよい。  そのために来るのも自由、去るのも自由としているわけね。  課題をやるのも自由。やらないのも自由。自分が「有意義だ」と感じた課題だけやるのも自由。新しい課題を考案するのも自由――なのだが、これはまだ誰もやってないなぁ。  参加者は誰でも、ここでやっていることには価値がないと思えば、いつだってやめられるわけだ。 (ROMの人も、ここに書かれていることに価値はないと思えば、いつだって読むのをやめられる)  ここへの参加に対しては、べつに「金」も取っていないわけだしね。  もし授業料なんてものを払っていたら、回収して元を取らなきゃ損だと感じて、理不尽に感じたとしても、続けてしまうようなこともあるだろう。  金は取っていない。出入りも自由。したがって、なにも強制力はない。  ここの有効性と、正当性とを判断するのは、完全に参加者自身なわけだ。  僕の与える痛みと不快感との正当性を決めるのは、それは君だ。  君が決めろ。  それは正当なのか? どうなのだ? -------------------------------------------------------------------------------- 質問など。 No.6079 投稿日 2003年2月1日(土)09時57分 投稿者 望乃英司 <鷹見さん  文章の解釈が「額面どおり」なのか、そうでないのか判断するコツというものは無いでしょうか?   <新木さん  個人的なことですが、6044で、新木さんが「自制が利かず、からかうような書き込みをした」理由を教えてください。  僕にとって、現在でも身になる理由があるなら、改めたいと思っているので。  それと、個人的に新木さんの人格をより理解するためにも、答えて下さると助かります。 -------------------------------------------------------------------------------- 読者に想像力が皆無だとしたら…… No.6080 投稿日 2003年2月1日(土)11時33分 投稿者 鷹見一幸  文章を書く人間は、暗喩とか比喩とか言い回しとかが、一切通じなくなる。  だとしたら 「赤い花は『赤い花』」  と書かなくてはならない。    それを文章を書く人間に求めるのなら、文字の存在理由がなくなるだろうね。  レイ・ブラッドベリの「華氏451」の世界のように、目で見た映像と耳で聞いたリアルタイムの情報だけが存在を許されることになる。  文章を額面どおりに取るかどうかは、読者に任されているから、そんなものにコツなんてものは存在していない。  その文章を書いた人間が文章に込めた意図を読み取れるか読み取れないか、それは読む人間の知識、経験、想像力、環境などのバックグラウンドに任されているということだ。  俺の場合、書き手の経験より読み手の経験の方がはるかに長い。  その経験から言わせてもらうと。 「これは、どういう意味かな?」 「この言葉は、前にも出てきたぞ、そうか、こういう意味で使っているんだ」 「わあ、前のほうのエピソードで使った小道具がこんな風に生きるんだ」  なんて考えながら読むことは実に楽しかった。  だから、俺は「考えながら読む」人向けに文章を書いているつもりだ。  「考えながら読む」ことは楽しいことだと思うからね。  だから、もし「考えながら読む」ことができないとしても、それは仕方がないと思っている。  読み取れなかった人は、俺の本に「つまんないよくある話、ダメ作家決定!」という烙印を押して、次からは手に取りすらしないだろう。  そういうのは「縁が無かった」と言う(笑)  読み取れないからといって、読者が、文章を書いた人間を責めるのも間違いだし  読み取れない読者を書いた人間が責めるのも間違いだ。  話す言葉も書いた文章も「額面どおり」なんてことはあるわけがない。  人間の精神構造なんかタマネギみたいなもので何重にもなっているのが当たり前。   物語を書くということは。  その、読者のタマネギのような精神構造の何枚目まで貫くことが出来るかを競うことだと俺は思っている。  言っておくがタマネギには芯が無い。  全部タマネギで出来ている。  つまり、物語の目的とは芯に達することじゃない。  何枚の皮を貫いたかで決まると思うんだよね。    ……こういった比喩を「物語でタマネギを貫く?本でタマネギを切ることかな?」と思っていたとしたら、そりゃあわけわかんないだろうなあ(笑) -------------------------------------------------------------------------------- <鷹見さん No.6081 投稿日 2003年2月1日(土)11時50分 投稿者 望乃英司  質問に答えていただき、ありがとうございます。  勿論僕宛てだけではないということは分かっています。  コツ、「あえて」言うなら、    本の内容を鵜呑みにしないこと。  頭を使って本を読むこと。    自分の都合の良い方向にばかり内容を解釈しないこと。  本に流されない強い自己を保つこと。    以上のことを踏まえて、読書経験を積んでいく事、となるでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- >望乃君 No.6082 投稿日 2003年2月1日(土)14時51分 投稿者 新木 伸 >読書量調査  ひょっとして、読み手としての経験が圧倒的に足りていないことから来るのかな?  その「真意」を読まずに、言葉を額面道理に受けとめてしまう癖っていうのは。  そういえば、読書量は聞いてなかったっけ。書いたものの量は聞いたけども。  いままでの読書量は?  小説はジャンルごとに何百冊ずつあるのか。  ライトノベル、SF、ミステリ、とか、そういうジャンルごとね。  またそれとは別枠で、漫画コミックス相当で何巻か。あと映画やアニメドラマなどは何本、もしく何時間分あるのか。 >質問と、確認とか  あとこうして、「読み取ったがこれで間違いないでしょうか?」――という質問をするとき、まあケースによって変わるんだけど。その態度には注意すること。 1.相手がそもそもワケワカメなものを書いてきているとき。  説明しろよ、おら――でケリくれてやってOK。(例:光来さんの独りごと) 2.別件で議論などを重ねていてコミュニケーション中。ここで誤読してしまうと相互の時間の無駄になるとき。  こう読み取ったけど、間違っていないか――という確認。もちろん議論には必要なことなので礼も謝罪も必要はなし。 3.教えてもらっているとき。  こう読み取ったけど、それで間違っていないか、お手数ですが確認していただけないでしょうか――という二重手間への配慮。  訊けば、相手は答えてくれる。  それがあたりまえ――なのは、それが学校という場所だからなのね。  なぜなら相手には「教える義務」があるから。金を取っているので、教える義務がある。よって質問には答える義務がある。 (学校の学費は、親もしくは親の払った税金を通じて地方自治体から支払われている)  何度も言っているように、ここは学校じゃない。  しかも鷹見さんはゲストとしてここにいてもらっている作家さんだ。  よって君に教えてやる義務は「まったく」ない。ちなみに君が鷹見さんのファンであるかどうかなんてことも、ここでは「まったく」関係ない。  その善意にあんまり甘えてやがると、ケリくれてやるから、気を付けろよ。  ちなみにきちんと「礼を述べてるじゃないか〜」と、君は思うかもしれない。  しかし額面通りに6081の言葉を受けとめてしまうと、上記の「2」のケースにおける対応に見えちゃうわけね。  鷹見さんに掛けた二重の手間に対する配慮が見えない。見えるようには「書いていない」わけだ。  言葉を額面通り受け取らずに、あれを書いたときの君の「真意」を汲み取ってあげるようにすれば……。  まあひょっとしたら、「3」の誠意ある対応をしようと思っていて、しかしそれが言葉足らずに終わってしまったのだろうか……と読めないこともない。かなり好意的に読んであげればね。  ああ、そうそう。僕の人格理解の件については、ちょっと待て。  いま確認中。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6083 投稿日 2003年2月1日(土)21時02分 投稿者 新木 伸 >長い文章とか、簡単にやってみせる「難しいこと」とか  昔、山本弘さんの妖魔夜行シリーズの小説の一節だったかな。  3行以上にも渡る長々とした文章なのに、すんなりと頭に入ってきて、ずいぶんと驚いた覚えがある。「すげぇ!」と戦慄が走った。  なんでこんなすごいことを、こんな簡単そうに普通にやれてしまうのだろうかこの人は。俺と同じ人間のはずなのに――とね。  当時の自分は、細切れの文章しか書けずにいたから。  相手に読んで理解させることを考えると、どうしても、一定以上に長くすることができなかった。  3行なんて文章の長さは、それこそ、永遠にも近い長さに思えた。  徹底的に分析した。  どうしてこれがすんなりと頭にはいるのか、ということは、理屈では理解できた。しかし自分でやれるかどうかってことは、まったくの別問題。  やってみたけど、できなかった。  そしていつか自分も、そんな難しいことを、なんでもないようにやってみせようと、そう心に決めた。 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018882717  んーと、これだな。  たぶん冒頭あたり。たぶん朝のシーン。人が駅からぞろぞろ吐き出されてくる――っていう内容の描写。もしかしたら4〜5行の長さだったかもしれない。本は実家にあるので調べられない。誰か手元にあったら、該当部分を引用しておくれ。  ――で、10年経った。  最近だと、このくらいのことは普通にできるようになった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 黒水晶の伝導球に両手を置き、その無限の魔力を魔法装置に注ぎこみ続けていた魔王は、不意に襲ってきた揺れのために、よろけて尻餅をついてしまった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし、まだ2行。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こんなうちの学校にいるようなオリジナリティのない連中が戦う、いかにもありがちで、いかにもチープな、なにかのパロディのようなこんな映像では、低予算のB級映画と片づけられることは間違いのないところだろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  お、これ3行だ。  しかしこれは重複部分の言い換えが多くて、情報密度としては上の2行のやつにも劣るな。ただ長いだけだな。  で、天衣さんのはこれだね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露にしていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな長いものを書こうとすること。  10年早いって、そう言ってしまっていい? >言葉の本質  鷹見さんは、言葉を文系的な捉えかたで考えているのですね。  僕は理系の人間なんで、そもそもの「言葉の発明」ってあたりから考えてしまったりします。  もともと、なんのために言葉が生まれ、文字が生まれ、そして文章が発達したのか。  ちなみに「言葉」と「文字」は別物です。  言葉はコミュニケートのために発明され、発達し――。  対して文字というものは、「知識と情報」を後世に残すために、発明されました。言葉の発生よりも、優に数万年は時代が下ります。  さらに時代が下り――。  ここ数百年ぐらいになって、ようやく「文章」やら文芸やらが生まれて発達してきたわけです。  うーん。物語の文章による記述を聖書にまで遡るなら、二千年は経っているのかな? まあすくなくとも、「文字の誕生」よりかは、遙かにあとです。  比喩とか暗喩とか。  これって、そもそもの文字の「本来の用途」から考えると、邪道なんですよね。  読み手によっていかようにも読みとれてしまえるような使い方なんていうのは。  法律文書とか、科学の世界の論文などは、こうした比喩や暗喩を可能な限り廃して、いまでも文字というものの本来の用途を忠実に守って、正しく文字を運用しています。  そういう原初の言葉や文字の意義――って観点から考えると、望乃君の苦情は、ある意味正当であるわけです。  赤い花って書いてあったら、赤い花って、そう思うじゃないか〜。――ってこの苦情は。  しかし、一応は文芸のうちである小説家(その志望者)が集う場所では、文面を額面通りに受け取ってしまうのはたしかにアレですが。  裏を読め――って、そりゃ言いたくもなる。  そういえば藤極堂さんも、たまに鷹見さんの言葉を額面通りに受け取ってダメージ食らっているようですが。(もしくは裏を読むのだが、思いこみで違う裏を読んでしまうケースも)  僕などは、どんな些細なことであっても、決して直接的な物言いをしない鷹見さんの、その首尾一貫した姿勢に「すげぇなぁ」と感心してたりしますが。(首尾一貫した照れ屋ぶりとも言いますか)  僕は面倒くさくなってくると、すぐに手を抜いて、「ぶっちゃけ〜」と前置きをして本当のコトを喋っちゃいますから。  鷹見さんは人に目撃されるときには、絶対に正面を向かないんですよね。かならず斜めからの顔を見せる。自分がいちばん面白く見える角度を知っていて、絶対にそこを見せる。  女優とか俳優とかみたいに。  または、結婚しても、旦那に対して死ぬまで「化粧してない素顔」を見せない奥さんとか。そんな感じ? >こんな課題とか?  言葉の「額面通り」の意味と、裏の意味との使い分けが、読みとれるようになったり、身につけたりするための訓練。  女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみること。  台詞一個だけね。  これは女の子が、誰かに対して喋っている台詞なわけだ。  その台詞たった一個で、その女の子が、相手のことを好きであることを、ばっちりと伝えられる(もちろん読者にだよ)ような、そんな一言を考えてくること。  制限時間は、5秒――とか言いたいところだが。(笑)  まあ時間制限はなし。 -------------------------------------------------------------------------------- 文章、整ってきた気はするが―― No.6084 投稿日 2003年2月1日(土)22時24分 投稿者 天衣  「シークレット・ミーン」最初四文改訂、またアップ。主に馬宮さんのアドバイスを受け、前回の「不満足バージョン」を改良してみましたが……。 >弟切さん  詳細な指摘、どうもありがとうございました。  うう、全編通してすっごく痛い……。  シーンの特性上、女性(及び他諸々)の細かい外見イメージは、ある程度「闇の中」に置いておきたくはあるんですが、それ以前の問題ですからね。光源であるロウソクまで見えないのは単にダメダメだし。  「灰色の霧の中」では話にならん……。あ〜う〜う〜……。 > 私も「夜闇」という単語で引っかかりました。こんな単語は一般的な日本語には存在しません。わざわざ造語してまで表わしたい「新しい物事」がこの中にあるとは見えませんのに……。  これは、わたしの感覚がズレてるところなんでしょうねぇ……クフゥ。 「夜闇」と見れば、パッと「=夜の闇」に意味が脳内変換されると思ったんですがね。「夜」で「闇」で「単に『闇』言うより暗い感じ」が伝わるかと使ったわけですが。「夜の闇」と直接書くと、くどい感じがあるし。……う〜む、ダメなのか……。う〜う〜う〜……。 >>> それは、真実の像か幻像か。 >ここでは、「いや、全くそのとおりです」と膝を打ちそうになってしまいました。 なぜなら、ここまでの描写が曖昧すぎて、女性も壁もロウソクも何もかもが、『真実の像か幻像か』わからないからです。ここまでに書かれていたものは、すべて灰色の霧の中に埋もれるようにあるだけで、霧が晴れることはありませんでした。  ブスブス……(←突っ伏して頭から煙をふいている)  きっつぅ……。最後の一文が「ここまでに書かれていたものは、すべて『闇の中に包まれているようで』〜」だったら、狙い通りと言えるんですがの。しかし実態は全然違うというのが……。  問題点は、「描写の甘さ」、「闇の表現が遅れすぎ」、の二点にまとめられるかねぇ……。(何度か言ってきた内容だが、これだけ辛辣な言われ方するとさすがにこたえるわ……) >羽矢野さん > 馬宮さんとの意見の違い > 本当なら、天衣さんにフォローしてもらうのがいいんだけど。 > どうも、馬宮さんの書き込みの後の天衣さんの書き込みに何もないから、そのつもりはないみたいだ。 > いーんだ、いいんだ。(←これは、完全な冗談だからね。念のため)  こちらも念のため言っておきますけど。  わたし(天衣)いったんレス書き終わり → リロードして馬宮さんの最新書き込み発見 → けどその時点で改めてレス書く気力が残ってなかった――というだけのことですからねー。  さておき――あらすじ、ありがとうございました。内容にも問題ないです。  ん〜。しかし、ここの羽矢野さんと馬宮さんのの食い違い、わたしとしては口出ししにくい所ではあります。 (大体において馬宮さんの言ってくれたのが作者としての狙いだが、それだけに、ひいき目なしでの口出しができない……)  ただ、先日の馬宮さんへのレスでも言いましたが、 >>>そして、「女の方は、男性に自分の目的を気づかれているとは思っていなさそう」です > これは、違う。 > 男と女は知ってます。(お芝居してるのね)  というのは、この一ページでは分からないようにしてるわけですから、それは踏まえておいてくださいね。 (作者としての理想は「女は、気付かれてるとは思ってなさそう」。少し悪いのが「女は、気付かれてるとは思ってないに違いない」。最悪なのが「女も知ってるようだ」) >新木さん >>>イメージそのままの形容詞を使って表現すること自体が反則? > > 反則っていうか、ひどい手抜きです。 > それは描写ではないです。そもそも小説でもない。  ――イダッ!  まあ自分でも薄々気付きかけていた所ですので「イダッ!」で済みましたが、「シークレット・ミーン」送った直後に受けてたら、死亡ものの指摘ですな……。クフゥ……。  「ラーメン」と書いた紙を売り物にしたりせぬよう、肝に銘じます。 > 描写の仕方。書くべきものの整理のしかた。 > 書いておくべき情報。書こうと思っている情報。 > それらをまず抜き出します。 > はじめの段階では何十項目になってもいいです。 > そうしたら、並べ替えます。 > 重要である順番に。 > また読者の脳内に投影されるべき順番も、このときに計算します。 > 並べ替えをしつつ、どんどん削ってゆきます。  ――なるほど!  文章レベルで、そういう風にキチンと整理して考えたことはないですね、わたし。順番替えと削りが半端にしかなされていない。  ん〜、自分がどれだけいい加減に文章を取り扱ってきたかが、如実に知らされますわ――アッツツツゥゥ……。  とにかく、これは大変参考になりました。以後、実践します。 >燭架  う〜ん、う〜ん、う〜ん……。納得できるような、できないような……。  え〜と、申し訳ありません。確認したいのですが、「目よりも高いところに固定されている燭台であれば、それは燭架と呼ばれます」ということは、 「壁の、目より高いところにかかっている燭台」と「床から、目より高い位置まで細長い柱が伸びて直立している燭台」は、ともに「燭架」なのでしょうか?  そうなら、納得いくところではあるんですけどね。――というか、そうでないと納得がいかない。 「画架」等の存在で引っかかってたんですよね。「自説補強のための辞書引き」とかじゃなしに。  最初に「壁に固定されてるってことは、燭架だ」と言われて、「いやしかし画架の場合は、固定されてなくて、しかも床に置くよな……」という風に。  ちなみに問題箇所でのイメージは、灯が丁度目の高さにくる、という感じだったのですが(これは、説明がないのに分かれというのが無理な話だが……イタタ) >棚、台  う〜ん。確かに「棚」には、黙っていれば「高いところ」のイメージはありますが――腰ぐらいの高さで壁にかかってる板でも「棚」と言っちゃうな、わたしは……。  むしろ「棚」は「横倒しの板の上に物を載せるもの」で、台は「横倒し板以外でも、とにかく上に物を載せるもの」、という分類でしたが――。  ううむ、辞書引いても、「その分類は間違い」と認識できるような記述が見つからない――(汗) >−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >場を照らす唯一の光源の揺らぎはそのまま夜闇に染まった寝室自体を揺らめかせ、女性の肢体の起伏を、その表面を這う影の動きで露に>していった。 >−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− > > こんな長いものを書こうとすること。 > 10年早いって、そう言ってしまっていい?  あ〜う〜……ゴボッゴボッ(←何故か溺れている)  ――あ〜、ええ、もう、意識改革はします、しております、したはずです(こんちきしょう。ちゃんと整った短めの文で次回作書いちゃろうじゃねぇか(弱) > 言葉の「額面通り」の意味と、裏の意味との使い分け > 女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみること。  え〜と、わたしもやっていいんですかね? 『あんたなんか――大っ嫌いよっ!』 とかですかな。  ――しかしこれは、「考えた」というより、「良くある例を出してみた」だけという感じだな(汗)  う〜ん、ちゃんと考えてみると――  ――ダメだ。そろそろ眠くて思考が回らん。『○○ちゃんが好きだって噂、本当なの?』とか『モテるのね、アンタ……フン』とか、ベタすぎるネタしか思いつかん(いや、単なる実力不足かもしれんが) -------------------------------------------------------------------------------- No.6085 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- >天衣さん No.6086 投稿日 2003年2月1日(土)23時34分 投稿者 新木 伸 >天衣さん  うーん。  課題部屋の341は、やはりだいぶダメダメではありますが……。  しかし基準点を「最初のもの」に置いたなら、かなり良くなってきてますよ。  しかし、これでは「エロいお姉ちゃん」になりませんが?  それでよいの?  妖しさ――みたいなものはそれなりに伝わってきます。  唇のお化けのような妖怪女が部屋にやってきたわけで、これから男は食われてしまうのだろうか――というドキドキ感だとか。そういうのはあります。  持ってきているのはナイフではなくって、これ絶対、肉切り包丁ですよね?  一夜の宿を提供してくれた女は、じつは人食い妖怪だった――とかいう話の出だしなら、ここから、もうちょっと手直していけばOKでしょう。  まず代名詞が最初に出てくるところで、ひっかかります。「彼」とか、いきなり出てくるところとか。「彼ってだれよ?」って感じです。  あと闇に唇が浮かんでくるわけですが、それを見ている「彼」がどういう状態でいたのか、まるで見えてきません。  なにか小一時間も、ずーっと暗闇に目を向けていて、そしてようやく「唇」がそこに浮かんだので、ベッドから立ちあがったように見えますが。 >>(何度か言ってきた内容だが、これだけ辛辣な言われ方するとさすがにこたえるわ……)  ん? 弟切さんの指摘、べつにぜんぜん辛辣でもなんでもないのでは?  単に本人が精読したときの認識段階を、事実として、淡々と書いているだけですが。  もういちど、弟切さんの指摘を読んでみるとわかると思うのだけど……。  弟切さんが読んだときに感じた心理の動き。その「事実」を、なるべく脚色しないで、なるべく誇張しないで、正確に書いているだけですよね?  まあ、えてして「事実」ってのが、突きつけられるといちばん痛かったりするものですが。  ちなみに「辛辣」っていうのは、誇張も含めて、インパクトを高める演出的な手法をしているときに使う言葉かと。  「淡々と辛辣に指摘を行う」――って、これ、用法として変だし。 >>>>イメージそのままの形容詞を使って表現すること自体が反則? >>まあ自分でも薄々気付きかけていた所ですので「イダッ!」で済みましたが、「シークレット・ミーン」送った直後に受けてたら、死亡ものの指摘ですな……。クフゥ……。  いえ。  あの頃に同じ指摘をしていても、たぶん素通りしてます。  なんのことかわからないままで、ちんぷんかんぷんのまま、「ふーん」で流しちゃってますよ。たぶんね。  もしくは、自分で適当に理解可能な形に解釈して、そしてわかったふうになっているとか。  自分でも薄々気づきかけていたところだから、いま、この言葉が胸に届いたわけです。 >>「壁の、目より高いところにかかっている燭台」と「床から、目より高い位置まで細長い柱が伸びて直立している燭台」は、ともに「燭架」なのでしょうか?  んー。ずいぶんと特殊例を持ちだしてきましたね。  そういえば儀式用のものなどで、こうした2メートル近い高さの燭台もありますね。  この場合はまあ燭架と書いてしまってもよいでしょうが……。ただ補足は必要でしょう。じゃないと「どこに壁があんのよ?」とか思われちゃうから。  「燭架の列が左右に出来上がっていた。床の上から垂直に二メートルも伸びた黄銅の柱の上で、蝋燭が燃えている。そのあいだを二人は進んでいった」  ――とか、補足を入れつつ使えば、燭架でいいでしょう。  この場合は「高いところで火が燃えている」を強調するための「燭架」。  基本的には、固定位置が問題となります。  支持している部位の「根本」がどこにあるのかってことですね。  そこが壁にあるなら、それは燭架。  たとえロウソク部分が目の高さより上にあったとしても、台の根本が床にあるなら、それはやはり燭台。二メートルもあるようなものは特殊例であって、「通常」はせいぜい、数十センチでしょう?  その「俺ルール」ではなくって、「通常」とか「一般的」とか、そっちのほうを優先させてください。  言葉ってものは、天衣さんのものではなくって、みんなの共有物なんですから。  あと、言葉の適用範囲の関係ですが。「燭台」>「燭架」となっているわけです。  燭台のほうが適用範囲が広い。燭架は「燭台」に含まれているもの。そして壁に固定されているもの。  「椅子」と「チェアー」の関係と同じですね。  「チェアー」は椅子の一種であり、西洋式であり、おもに木製であるもののことをいいます。 >>ちなみに問題箇所でのイメージは、灯が丁度目の高さにくる、という感じだったのですが(これは、説明がないのに分かれというのが無理な話だが……イタタ)  それを説明不要で一発で分からせるためのバッチリな言葉が――「燭架」なわけですが。  壁に固定されている燭台で、しかも、火の高さは目の位置あたりにきているわけでしょ?  うーん。  この説明でも、まだ、天衣さんに膝を叩かせる自信はないなぁ。  この手の「一発で説明不要になるばっちりな言葉」の例を、もう一個出してみるかなぁ。  たとえば椅子がありますよね。  バーなんかのカウンター席にあるような、座るところが丸くなってていて、床に直接固定されていたりして、しかも「足」っていうか、床まで伸びている支柱が一本しかないような、そんな椅子。  あれを、こんな説明なしに確定させる言葉、それは「スツール」です。  ただし、そのまんま「スツール」だと、背もたれのない椅子全般を指してしまうので……。  完璧にするなら、「バーのスツール」ですね。  ――で、こんなような「スツール」と言ってしまえばいい場面で、なにをこだわって、「女は背もたれのない椅子に座っていた」とか書いているだろう――と、そんな感じなのですが。  「壁の燭台」=「背もたれのない椅子」です。この場合の相関関係は。  なぜ「燭架」と、「スツール」ではいけないのか? >>「画架」等の存在で引っかかってたんですよね。「自説補強のための辞書引き」とかじゃなしに。  頼みますから、「漢字事典」を引いてください。  「架」の言葉の意味は、「横木を渡す」「高いところに支える」という意味です。  画架の場合は「絵を木製の構造物で高いところに支える」という意味で、「架」という文字は使われています。  燭架の場合には、「ロウソクを高いところに支える」で「架」です。  そして「一般的」には、蝋燭を高いところに支える燭台は、壁に固定されているわけです。それを通例として「燭架」と呼んでいるわけです。 >>う〜ん。確かに「棚」には、黙っていれば「高いところ」のイメージはありますが――腰ぐらいの高さで壁にかかってる板でも「棚」と言っちゃうな、わたしは……。  地面にべったりとついているものを、「棚」と呼びますか?  それが何センチであっても、地面より浮いていれば、それは「高い」わけですよね。  あと、ただ単に「棚」と一文字だけ書かれたときに、どういうものを連想するかを考えてみるべきです。  高い棚もあるし、低い棚もあるけど。どちらも存在するけど――。  ただ「棚」ときたら、それはどういう棚ですか?  まあ、普通は胸よりも高い位置にある「棚」になるのでは?  腰くらいに作られている棚を明示するときには、「彼女は腰のあたりにある低い棚から、本を取り出してきた。」とか、書きませんか?  「彼女は棚から本を取り出してきた。」と、ただそれだけを書いて、これで「腰のあたりの棚」っていうことが明示されると思います? >好きのひとこと >>『あんたなんか――大っ嫌いよっ!』  これ、いい路線ですね。  もっともっともっと短くできるけど。  あと、「かんじ」と「平仮名」。  ある文字を漢字にするのかひらがなにするのか。そういうことにも気を払うべきだけど。  あと、言ってなかったけど「好き」は禁止ですよ。  これは「好き」って書いた紙を出してこないで、好きを描く課題なので。 -------------------------------------------------------------------------------- 面白いから参加(笑) No.6087 投稿日 2003年2月1日(土)23時38分 投稿者 鷹見一幸  女の子のセリフ。  学園モノ系、ちょっと意地っ張り属性の女の子の場合。 「名前で呼んで……いいよ」  ミリタリー系、戦闘系属性の女の子の場合。 「私……前に出る! バックアップよろしく!」  オタク系、小生意気属性の女の子の場合。 「フラグ立てた……責任取れよな」  あと五つぐらい浮かんだけど、どこかで使えそうだから仕舞っておきます(笑) >比喩暗喩言い回しばっかり書いている。  えーと、おそらく本業の反動以外のなにものでもないと思います。  本音を見せないんじゃなくて、それが「本音」なんですよ俺の場合、きっと。  露骨、モロ、まんま、エゴ丸出し。  大人がガキのように泣きわめいて小便漏らすような醜態。  そんなものばっかり見てきましたから(笑)  本音ってのは抜き身の刃物みたいなものです。  扱い方を間違えるとえらいことになります。  私は今までに何度もそれで苦い思いをしています。  血の匂いってのは斬られた者にとっては死の匂いかもしれませんが、斬った方にとっては勝利の匂いなんですよね。    実に甘い匂いなんだこれが。    若い頃は「人斬り鷹見」と異名を取って……ませんけど(笑)  本音の切れ味に酔ってずいぶん無益な殺生をしてきたような気がします。  だから切れ味の良い「本音」を捨てて、見た目ではわからないけど確実に内出血させる「鈍器」を装備したわけです。  これなら軽く小突くこともできますし、いざとなれば一撃で相手を屠ることもできますし、なおかつ血が出ないので、相手を倒しても周りで見ている人間から「なんて危険な人間だ」なんて目で見られないですみます。  倒れた相手を介抱するふりをしていれば善人にすら見てくれます(笑)  ……なんてことを書くと、また深読みする人がいるかもしれない。  だから「鈍器」は手放せないんです(笑)   -------------------------------------------------------------------------------- あはは No.6088 投稿日 2003年2月1日(土)23時46分 投稿者 新木 伸  鷹見さん、かならず出てくると思っていました(笑)。  これ、プロ作家が集まったときに、ゲームでやると面白いかも。  五秒に一個ずつ。どこまで続けられるか。――とか。  あと上の管理者削除は私です。  みやびさんが、なにを血迷ったか天衣さんの直し案を書いていたので、消しておきました。  このお題。  僕なら2文字でやるかなぁ。2文字で「好き」を表現するのを、いくつ出せるかが勝負だろうけど。二桁はいけるかな? -------------------------------------------------------------------------------- 春節 No.6089 投稿日 2003年2月2日(日)02時36分 投稿者 弟切 千隼 今日は旧暦の元日でした。 中国では旧暦のお正月のことを「春節」といい、新暦のお正月よりもこちらを主に祝います。きっと横浜中華街では、今日は爆竹が鳴り響いたり獅子舞が出たりして、賑やかに春節の祝いがされていたことでしょう。 >>文章指摘課題 前回の書き込みNo.6077で、天衣さんの「シークレット・ミーン」の冒頭四行の指摘をさせていただきました。今回は、次の段階である冒頭一ページの指摘をさせていただきます。 まず、冒頭の四行までで、わかった情報を挙げてみます。 1.時間帯が夜である。(When=いつ) 2.場所は寝室である。(Where=どこで)   ただし、そこがどんな建物なのか、どんな寝室なのかについては、一切情報がない。 3.女性が一人いる。(Who=誰が)   ただし、その女性の年齢も容貌も服装も全く不明。 4.ロウソクがある。(What=何を)   ただし、そのロウソクがどこにどのように付いているのか、一本なのか複数なのか、具体的なことが判然としない。 5.この場にはロウソク以外に光源がなく、暗い。(How=どのように) 6.この場には、少し空気の流れがある。(How=どのように) こうしてみますと、5W1Hのうち、「Why=なぜ」以外は一応揃っていますね。 物語の冒頭四行くらいのうちは、とりあえず「なぜ」がなくても、残りの4W1Hが揃っていれば最低限の状況はわかると思いますので、まあそれは置いておきます。 けれども、前回指摘したとおり、その「4W1H」がはなはだ不完全にしか与えられていないために、読者にとっては具体的な状況がほとんど何も思い浮かべられなくなっています。 ここまでの段階で、読者である私の頭の中にあるのは、 1)灰色の霧の中にある、「寝室」と名札の付いた(笑)部屋。   霧と区別が付けがたい灰色の壁でできている。 2)灰色の壁の前に浮かんだロウソク。   燭台らしきものも燭架らしきものも、描写がないために見当たらない。「唯一」という言葉から湧いたイメージにより、一本である。 3)灰色の霧の中に埋もれて、体の輪郭しか見えない女性が一人。 と、これだけです。 しかも、この光景が現実なのか、それとも誰かが見ている夢や幻覚なのかもわかりません。 しかしながら、 >> それは、真実の像か幻像か。 という一行により、この文章は完全三人称ではなく、どうやら誰かの視点に沿っているらしいことがわかりました。 ということは、この場には、輪郭しか見えない女性以外に、誰か人がいそうだと感じます。 これだけの情報を持ったうえで、私は読み進みました。 以下に、冒頭の四行を抜いた次の行からの文章を示します。 8>> 陽光の下では健康的な印象が強かった物と同一の肢体が、今は薄着という事もあり、退廃的という言葉こそが相応しい印象を纏っていた。 10>> 知らず、男としての本能を刺激されている自身を感じる。 11>>(今の彼女と昼の彼女――果たしてどちらが本当の姿なのか) 12>> 惑いを誤魔化すために適当な疑問を脳裏に浮かべたりもするが、それは答えの知れた問いに過ぎなかった。そう、彼は答えを知っている。 14>> 15>> すなわち、どちらともが偽。 16>> 17>>「――なんの用だ?」 18>>(――下らない茶番だ) 19>> 言いながら、思う。思いながらも、言う。 20>> それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。 夜であることが明示されており、ロウソク以外に光源がないこともわかっている状況ですのに、いきなり『陽光の下では』と出てきて、面食らいました。 「え? え? なに、どうして?」と思いながら目で文を追ってゆくと、『肢体』という単語が目に入りました。「そういえば、前のどこかにこの単語があったぞ」と思って目を戻し、読み返して、この単語がどうやらこの場に立っている女性を指しているらしいことがわかりました。 「あれえ? やっぱり、これって、『夜の寝室』に立っている女性のことだよね?」と不思議に思いつつ、読み進みます。 混乱しながら、もう一度『陽光の下では』以下の文を読み返すと、『今は薄着という事もあり』という部分に気が付きました。 「『今』? 今ってことは、ひょっとして、『陽光の下では』云々というのは過去の回想シーンなのかな? でも、ここにはこの女性以外の人のことは何にも書いてないよなあ。誰がどうやってこの様子を見て、回想までしちゃっているのかしら?」と、さらに謎が増殖しました。 ここまでで、十分過ぎるほど謎が増殖しているため、弟切は続く単語の意味を考えつつ読むのが不可能になってきました。食べ物を詰め込まれ過ぎた胃が、消化不良を起こしているような状態です。 したがって、これ以降の文章は、読んでいるとはいえほとんど目が上滑りしてゆくだけで、まともに意味が取れません。比較的印象の強い単語だけが、断続的に目に飛び込んできて、その単語の印象だけで意味を判断しています。 この後すぐに『退廃的』という単語が出てきて、その後に『纏っていた』という単語が目に入ります。弟切は、前に『薄着』という単語があったことを覚えており、それに加えて『纏っていた』という服装に関係がありそうな単語が登場したので、この女性は退廃的な衣装を着ているらしいと判断しました。 退廃的な衣装といっても、いろいろありますよね。例えば、豪華な金襴[きんらん]の振袖を花魁[おいらん]が着崩している、などというのは、とても退廃的に見えるでしょう。 しかし、ここまでの文章で、『壁にかかるロウソク』というものが登場しています。この表現により、ここは壁という物がある部屋の中で、そのうえどういう仕組みでか、その壁にはロウソクが取り付けられる装置があることがわかっています。 ゆえに、ここは、壁という物があまりなくて、ましてや壁にロウソクを取り付ける装置などほとんど発達しなかった和風の建物ではないことが決定しています。 ですから、ここでは、花魁のような和風の衣装を着た女性の姿は思い浮かびません。 弟切の脳裏には、ペルシャかトルコのような、中近東風の衣装を着崩した女性の姿が浮かびました。こういったイメージは人により異なるところでしょう。 ここまで来て、やっと少し女性の姿が具体的になりました。ところが、この女性を見ているはずの人のことがちっとも出てきません。 ここまでの文章から察するに、その視点保持者は冒頭からこの女性と一緒にいるはずです。でなければ、不完全とはいえ女性のことや室内のことを描写できませんよね。 なのに、その視点保持者は、年齢も性別も容貌も名前も服装も、どこにどういう姿勢でいるのかも、全く不明です。そろそろ、正体不明のものを押し付けられるいらいらが募ってきます。 と思ったら、次の行に『男』という単語がありました。 でも、それだけしかありません。具体的な『男』の描写が一切ありません。 よって、弟切の脳裏には、灰色の霧の中にぼんやりした男性の輪郭が浮かび上がっただけです。相変わらず『寝室』全体が霧に包まれていて、女性と男性の位置関係すら定かではありません。 ただ、『女性』・『寝室』・『退廃的』・『男』と来たので、どうもここは色っぽい場面らしいと判断しました。 さらに次の行に『今の彼女と昼の彼女』という言葉があるのを見て、やはりこの『男』は、現在の様子を見ながら回想もしているらしいという判断もつきました。 その次の行には、頭から『惑い』という少し堅苦しい単語が登場します。加えて、そのすぐ後に、『誤魔化す』というムズカシイ漢字の言葉が出てくるので、「ここって、頭の悪い私にはよくわからないことが書いてあるらしいわ」と判断した弟切の脳味噌がサボタージュを起こし、まるまる二行、読み取れませんでした。 したがって、上記の二行はなかったことにされ、弟切の目は『すなわち、どちらともが偽。』へと飛びます。 この一行も、非常に判断に苦しみました。『どちらとも』が、何を指すのか不明だからです。 『どちらとも』というからには、対比できるような物が二つあるはずですね。 これまで弟切の頭の中に残っている単語の中で、対比できそうな意味があるものといえば……『女性』と『男』しかありません。 「でも待てよ? 『どちら』という単語は、この前にもどこかで見た記憶があるぞ?」と思った弟切は、再び前の文章を読み返しました。すると、『果たしてどちらが本当の姿なのか』という文が目に入り、さらにその前にさかのぼって読み返してみました。 それでやっと、『男』が現在見ている女性と、『男』が回想している過去の同じ女性と、両方を指していることがわかりました。 次へ行くと、「――なんの用だ?」という台詞です。これは、口調からいってこの『男』のものだとわかり、すんなりと読めました。 ところが、また次の(――下らない茶番だ)が、何を指した文なのかわかりません。 で、とりあえず考えるのを止めて次へ行き、『言う』と『思う』という単語があるのを見て、どうやらこれは先の台詞を言った『男』の考えらしいとわかりました。 けれども、『茶番』が何を指すのかはさっぱり不明なままです。意味不明な単語の山に恐れをなした弟切の脳味噌は、考えることを放棄して次の行へと視線をすっ飛ばしました。 が、次の行がまた読めません(^^; 『相矛盾』やら『表裏一体』やら『茶番』やらといった単語が目に飛び込んでくるだけで、意味がうまく取れません。 この時、弟切の脳味噌には『女性』・『男』・『どちらともが偽』くらいの単語しか残っていません。これらの単語をつなげてみると、かろうじて、「何だか、ここにいる女と男が騙し合いをしているみたい?? 場所が寝室だから、女のほうが色仕掛けをしているのだろうな」ということがわかりました。 こうして、最低限の状況はわかりました。 けれども、その最低限の状況を読み取るのに、ものすごく苦労した気がします。しかも、本当に最低限の状況がわかっただけで、頭の中に残った光景といえば、全てが灰色の霧に覆われたままです。 色っぽい場面のはずなのに、女性の美しさとか妖艶さといった魅力が感じられません。相対する男のほうも、全く描写がないために魅力もへったくれもありません。 これで、女性と男性の魅力が感じられるならば、とても惹きつけられる場面になったでしょうに、惜しいですよね。物語の冒頭に、こういう色っぽい場面を持ってくること自体は、大正解だと思うのですが。 こうやって精読するのは、とても勉強になります。しかし、やっていると自分の頭の悪さを改めて痛感します(^^; 「もっと脳味噌の筋トレしなきゃ」と思います(笑) -------------------------------------------------------------------------------- レスなど。 No.6090 投稿日 2003年2月2日(日)06時55分 投稿者 望乃英司 >6045の反省文について  あれ、反省文じゃありません。  以前新木さんが、感想用掲示板に「人が冷静になるには最低三日はかかる」と書いていた覚えがあるのですが、それは本当でした。  僕は、自分のどれが本心で、どれが嘘なのか、その区別をどこでつけていいのか分かりません。  ただ少なくとも、僕の考えていることは本心でも、書いていることは嘘である可能性が高いように思います。  あの「反省文」と名のついた文章は、ただ、分室参加者の方々の信用を回復したいということを第一目的で書いた、偽善に塗れた文章です。 <新木さん >読書量調査について  僕は本の読み返しを殆どせず、本を手元にずっと置いておくこともありませんでした。  読書量の記憶は非常におぼろげなので、なるべく過小評価した量を申告します。  ライトノベル:250冊  純文学:20冊  大衆文学:30冊  ミステリー:10冊  SF:3冊  ホラー:10冊  歴史小説・アダルト・伝奇:各0冊  映画:30本  TVアニメ、OVAのシリーズ数:100作品  RPGなど、シナリオのあるゲーム:30本  >質問と、確認とか(No.6081のリライト) <鷹見さん  No.6081では、気遣いが足らず、不快な思いをさせてしまったことと思います。申し訳ありませんでした。  しかし、とても忙しい中、僕の個人的な質問に答えていただき、ありがとうございました。  きっと、僕宛てだけにならないように努力されたことと思います。  これからは、個人的な質問を鷹見さんにすることは、極力控えるようにします。  やむを得ず、鷹見さんに質問させていただく時は、鷹見さんの善意に甘える行為でないかどうか、判断してから書くように心がけます。    鷹見さんは、いつものような独特の切り口で、分室参加者、ROM全員にとって有用な文章を書いて下さい。  それを僕が読み取れなかったなら、「僕のミス」ということで納得するのが当然だと思いなおしました。  今回は、僕の身勝手につきあっていただき、心から感謝します。そして、非常に申し訳ありませんでした。  それでは、恐縮ですが、鷹見さんの返答に答えようと思います。  文章を額面どおり読んでいるか、読んでいないか、への返答は「存在しない」ということでしたね。  僕の考えた「コツ」というものを、あえて考えるならどうだろう? と思い、それを以下に書いてみました。 ・本の内容を鵜呑みにしないこと。 ・頭を使って本を読むこと。 ・自分の都合の良い方向にばかり内容を解釈しないこと。 ・本に流されない強い自己を保つこと。 ・そして、以上のことを踏まえて、読書経験を積んでいく事  これは「コツ」というより姿勢だと思いますが、今の僕にはこれぐらいしか思いつきません。  文章の「表面」だけでなく、「真意」が読み取れるよう、努力していきます。勿論レスは不要です。  改めて、僕の個人的な疑問に答えていただき、ありがとうございました。 <弟切さん  「恩讐の彼方に」を図書館で借りてきました。  僕の参考になりそうな本をわざわざ紹介していただき、ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- ごめんなさい。 No.6091 投稿日 2003年2月2日(日)07時19分 投稿者 望乃英司 <新木さん  マンガの量の申告が抜けていました。  マンガ:500冊  数え方は小説等と同じです。 >新木さんの言い回しについて >ああ、そうそう。僕の人格理解の件については、ちょっと待て。  この、「ああ、そうそう。」の部分ですが、これは先に書くレスを優先させた為に、あやうく忘れそうになった、という意味にとっていいのでしょうか?  それとも、新木さんの独特の慣用句なのでしょうか? >僕の書き込みの有用性ついて  分室参加者の方々、ROMにとって、あまりに内容の薄い、役に立ちそうもない書き込みばかり続けて、申し訳ないと思っています。  早く課題を仕上げます。この状況を抜けるにはそれしかないと思うので。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ。 No.6092 投稿日 2003年2月2日(日)09時42分 投稿者 望乃英司  足が冷えて、徹夜明けなのに寝れません。  今日は、既に訳の分からない文章を一回書いているので、今回はそれを無くしたいなあ。 >僕が考える、文章を「額面どおり捉えてしまう理由」について  ちなみに、昨日今日で、自覚している分で二回ほど、額面どおり文章を捉えること、をしています。 ・弟切さんが「恩讐の彼方に」を紹介してくれたとき  ああ、僕の書き込みは「殺人に等しい行為」と弟切さんに捉えられていたのか、という思いが浮かびました。  超バカです。弟切さんごめんなさい。 ・新木さんに「ケリ入れるぞ」と言われたとき  現実でやられたら、絶対ケリ返すだろうな、とか思いました。  かつて空手部に所属していた大人に敵うはずないだろうけど、とか。  これもかなりバカです。    前者は、僕の「被害妄想的な性格」、後者は僕の「短絡的にキレる性格」を表しています。  これからそれらの性格がどのように出来上がっていったか、自己分析したものを書きます。  分室を読む方々の「人間観察の一環」に役立てば幸いです。  僕、露出狂ですし。ネット弁慶ですし。 ○短絡的にキレる性格について  さっきと順番が逆転していますが、こちらから書いていったほうが分かりやすいので、そうしました。  僕は、まあ天衣さんに、感想用掲示板で『LIFE』という駄作を指摘してもらったときに、「望乃さんには肉体的コンプレックスがあるのでは?」と推測されましたが。  当たりです。  日本人男子の、はっきりした体格差が現われるのは、小学校高学年あたりからだと思いますが、その頃からスポーツの得意な子には苛められたりからかわれたりしていました。  体力に加えて、勇気も無かった僕は、それに対して、健全な「喧嘩」という手段で対抗する事が出来ませんでした。  そんな状況が高校を卒業するまで続きました。僕を苛めた子たちとは、連絡手段なし。住所分からず。  よって、その行き場の無いフラストレーションから、「短絡的にキレる」性格が出来たと思われます。  脱線しますが、「時空」の感想で書いた、僕の「理想主義まがい」や「虚無主義まがい」は、苛めのフラストレーションから逃れる為に、どんどん内向的になっていったことから発生しました。  僕が身体が弱いのは、親が僕を幼児期におぶってばかりいたせいだ。苛めっ子の身体が強いのは、幼児期から運動をしているからだ。  なら、苛めっ子を責めればいいのか? いや違う。人格が環境によって作り上げられるものなら、恨むべきはその子の親だ。  なら、その親を作ったのは? その親だ。以下延々続く。  で、発想を変えてみました。もし、僕が丈夫な身体の子に育っていたら、他の身体の弱い子を苛めていたかもしれない。  ここから妄想が始まります。「こんな皮肉な世界を作った神様は許せない」とか「こんな世界に生きる価値はない」とか。  そんな感じ。 ○被害妄想的な性格について  まあ、前述したとおり、スポーツの得意な子に苛められるわけです。体育の授業中とか特に。  当然、周りに僕の友達や、男子のクラスメートやら、女子のクラスメートやら、いますよね。  で、僕が彼、彼女らの目の前で苛められていても助けてくれないわけです。  僕は自分の運動神経の無さを恨みます。そこから、「周りの皆は僕の事をバカにしているのではないか」「僕には価値がないのではないか」「女子に陰で笑われているのではないか」という被害妄想が生まれます。  大学にまで進めば、それはしぼんでいくわけで、一応人との交流も出来るようになります。ですが根っことして、その被害妄想だけは残ってしまったわけですね。  で、ふとした時にそれが出て、鬱みたいになったり、キレたりする、という。  以上です。  では、ズルをしてNo.6090の訂正を。 >文章を額面どおり読んでいるか、読んでいないか、への返答は「存在しない」ということでしたね。    正しくは、  文章を額面どおり読んでいるか、読んでいないか、それを知るコツは無いですか? という僕の質問への返答は、「存在しない」ということでしたね。  でした。 >僕の連続書き込みについて  僕もレジュメを作って書き込みをすべきでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6093 投稿日 2003年2月2日(日)18時03分 投稿者 新木 伸 >天衣さん  どこかで質疑応答済みの用件かもしれませんが。  「相矛盾」って、これ、なんですか?  これは天衣さんの造語? それとも「そう矛盾」の誤字? それとも何かの業界か学会における専門用語?  言葉の問題とか。  相互理解がうまくいかない理由のひとつに、言葉の狭義と広義の解釈とかもあるのかな?  たとえば「高い」って言葉がありますよね。  これ狭義では「人の目線よりも高い位置関係」という意味になります。  しかし広義では「比較対象よりも高い」という意味です。  広義で「燭台」と書けば、燭台と燭架とが含まれます。  しかし燭架という言葉が別に存在している以上、狭義の「燭台」は、「燭架」を除外した残りのものを指すわけです。  他の例。  「剣」って言葉がありますね。  これ狭義では西洋風の剣のことです。なぜなら東洋風の剣には「刀」という専用の言葉が割り当てられていますので。  しかし広義では、「剣」は刃がついているもの全般を指します。この場合には東洋風の「刀」まで含めて「剣」と呼びます。  よって刀を振るう技のことを「剣技」と呼んでも差し支えありません。  言葉に狭義と広義があることは、理解されてますか?  また、いま自分と相手が話しているのは、狭義と広義と、どちらなのかは常に意識していますか? >天衣さん >弟切さんからの指摘  読んでいて思った。  そういえば、この1ページ全体まで読み進めても、この女性が「美人」であることとか、「プロポーションが良い」ってことは、ぜんぜん確定してないのね。  文章の中に書かれてもいない。また文章と文章の「間」にも書かれていない。読んでも伝わってこない。  えー。天衣さんに指示をひとつ。  リライトをしていて、もしどうしても、「美人感」とか「スタイル良い感」とかが出せないようであれば……。  いっそ、ベタに書いちゃってもいいです。  無理なようであれば、こだわりは捨てて勝ちに行くこと。  ここでの最大重要要項は、「エロっぽい」ですから、最低限、そこだけが描写できていればいいです。  そのためであれば、「美人」やら「類い希なプロポージョン」とかの表現は、ベタに使ってしまってもいいです。  「闇の中に美女が立っていた」とか、そんなふうに書き出しても、この際OK。  描写が上手い人であれば、美人であることも、プロポーションの素晴らしさも、すべて妥協しないでベタに書いてしまうことなく、その上でさらに「エロっぽさ」まで描写しきれてしまうのかもしれませんが。  我々のような凡人の「ヘタクソ」は、最低限、なにかが1個でも描写できれば上出来ってもんです。  身の程というものを、わきまえましょう。  もうそろそろ、自分の「ヘタさ加減」がわかってきている頃合いだと思いますので。 (ちなみに私も文章に関しては「ヘタクソ」に分類されてます。お仲間です) >鷹見さん  うーん。本音によって無益な殺生か……。  しかも切れ味に酔って「山ほど」ですか。  すげぇ修羅道ですなぁ。(笑)  だから鷹見さんはいま贖罪で小説なんて書いているのかなぁ。洞窟をノミ一本でくり抜くがごとく。  あ。僕もつい最近、望乃君相手に、やりかけてしまったところでしたっけ。「無益な殺生」というものを。  ほんと、「本音」っていうのは抜き身の刃物ですね。  自分の本音さえもわかっていない人間が振り回す「刃の付いてないオモチャ」でいくら斬りつけられても痛くもなんともないですが、刃の付いている本物で斬りつけたら、一太刀で重傷になっちゃうものだし。 (おお。鈍器って便利だ。なるほどたしかに)  ところで、僕は有益な殺生のほうも、少しは経験あります。(有益であると僕がそう思いこんでいるだけのことですが)  作家志望者(希望者)に、自分の手で引導を渡したことが、自覚しているところで2回ほどあります。本当はもっと渡しているのかもしれないけど、はっきり自覚があるので2回ほど。片方からは感謝されまして、もう片方は心の病院行きです。  作家なんて、諦められるようなら、諦めといたほうがいいです。  「やめちまえ」「なれやしねーよ」――あたりの言葉で斬り捨てられて死ねるくらいなら、その作家志望者は、作家としては「死んで」おいたほうがいい。  べつに作家なんてやらなくたって、他に生きる道はいくらでもあるわけで。  無駄なことに時間を使ってないで、早いとこ見切りを付けて、もっと他のことをやったほうが有益ってもんでしょう。  ……とか、こんなことを書くと。作家二人が人斬り自慢をしあっているとか。  さもなければ「殺人計画」を練り上げているとか。警察に通報されちゃったり〜。(笑) >望乃君 >>あの「反省文」と名のついた文章は、ただ、分室参加者の方々の信用を回復したいということを第一目的で書いた、偽善に塗れた文章です。  だいじょうぶ。文章からにじみ出るオーラで、みんなわかっていたから。  んで、今回はまた文章の雰囲気が変わった。  反省しているのかどうかは、やはりまだはっきりとはわからないけども、でも前とは違うことは、それはわかる。  読書量とか。  それなりには読んでいるわけね。  分室の参加者の中だと、どのくらいかな。これだと。真ん中よりちょいと下あたりか?  僕が19才か20才かで、作家志望者として立ったときも、だいたいそんなものだった。(ちなみに当時まわりにいた作家志望者のなかでは、それで最下位だった)  そういえば、この分室から追い出された人はいないと書いたけども。  もしこの3〜4分の1も読んでいないようだったら、追い出していたかも。  追い出すっていうか、門前払いっていうか。  読書量がそのくらい(今回申告した量)に到達してから、もういちどおいでと、そう言うところだった。  たぶん、そのくらいの読書量が、物を書こうとする人間の最低必要量だと思う(作家によっては、そんなんじゃ全然足りんと片付けるだろうが)。  インプットが致命的に足りない状態では、どんなものも書けやしないのだ。  物を充分に食べていなけりゃ、うんこは出せないでしょ? それと同じ理屈ね。 >>僕もレジュメを作って書き込みをすべきでしょうか?  そういえば、書きこむ前にレジュメ作れと言い渡したのは、みやびさんと、あと、他にも何人かいたような気も……。(もう覚えてない)  いまのところ、書いていることは筋通っているから、レジュメは作らんでもいいかと。  まあ自分で心配なら、作るようにしてもいいし。  しかしなぜ判断を人に委ねようとする?  そういえば例のみやびさんの、僕に管理者削除された書きこみ。「好きのひと言」の課題のほうだけど。  「なぜどんなつもりで天衣さんから直しの機会を奪うのだ」と問いつめてみたら、やっぱり、レジュメ作ってねーでやんの。そして言いたいことも未整理のまま、うっかり書きこんでしまったんだと。  前に「これからは必ずレジュメ作る」と、そう言ったくせに言ったくせに〜。  あっれェ〜、おかしいにょ? 必ずレジュメ作るって、そう聞いたにょ? みやびさんは嘘をついたのかにょ? 約束が守れないのは脳に欠陥がある人間だにょ。こんどやったら脳改造だにょ。>みやび  ――で、早いところ短編を仕上げてくるように。  前に鷹見さんに「一応君も作家」とか、横で見ていても「痛たたっ」となるような鈍器での一撃を受けていたけど。  あれ本当のことなんだからね。  これまで400枚ぽっきりしか書いたことのない人間なんてのは、本当に「一応」でしかないわけだよ。作家としても。 >望乃君 >>ああ、そうそう。  これは、「P.S.(追伸)」みたいな意味ね。  書きこみのいちばん最後に書いてあることも踏まえて、優先順位はそんなに高くなく、ついうっかり忘れてしまいそうでいる――という、読み取ったそのニュアンスで間違いない。  そういうことを言外に含めるとき、僕がよく使う慣用句だね。 >>ここから妄想が始まります。「こんな皮肉な世界を作った神様は許せない」とか「こんな世界に生きる価値はない」とか。  まあ、いまでも本当にそう思っているのなら、こうは書かないだろうから、あまり突っこまないけども。  この「世界」を作っているのは、それは「大人たち」なわけだ。  それは間違いない。  しかし、たぶん君は失念しているのだろうから、指摘しておくが……。  もう君もその「大人」の一人に含まれちゃっているんだぞ? だって、もう二十歳なんだろ? つまり大人だろ? よって、もう人事ではないわけね。  この世界がいまの形で存在していることには、君にも責任があるのだ。  君のせいでもあるのだ。  君は、「世界がこんななのは、僕のせいじゃない! そんなの、前の大人たちがやったことじゃないか!」と叫びたいかもしれない。  しかし待て。  ある会社の社長が、「それは先代の社長のやったことです」と言えば責任逃れができると思うかい?  できないんだな。これが。 -------------------------------------------------------------------------------- 作家が作品にこめるもの No.6094 投稿日 2003年2月2日(日)19時06分 投稿者 新木 伸 >作家が作品にこめるもの  作家が、自分の作品になにを込めたのか――とか。  鷹見さんだと死んでも語ってくれないだろうが、僕はそのへん、敷居値が低いみたいなので語れてしまう。  たとえば僕の「星くず英雄伝」とか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  世界を変えるほどの力を持っていて、そして決して間違わない「理想の大人」が、どっかにいてくれたらいいなぁ。なんでいないんだろうなぁ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――そんな願いを込めて、あの話を書いてもいる。  それがあの話の中に出てくる《ヒーロー》って存在。  彼らはあの作品の中で、文字通り額面通りの意味で、本当に正真正銘「世界を変えるだけの力」を持っている。  そして決して「間違わない」。  あの作品のメインは「女の子のために頑張る男の子」だから、これはサブテーマとしてだけどね。  君はそれを読み取っていないようだが、それは僕が未熟なだけ。なんの申し開きもない。言いわけもしない。  僕は小説に人生を懸けている。だからそのうち自分でなんとかする。伝えられるようになる。なるったらなる。  吠えてる暇があったら、書け。  言いたいことは作品に込めろ。作家なら。 P.S.  たとえばここのOB(っていうとメチャ語弊があるが)の、むにさんとか。  「シンフォニアグリーン」っていう電撃文庫から出ている作品で、「強い者が弱い者を食いものにしない、そんな世界があったらいいなぁ」とかいう願いを込めて、植物と人間が穏やかな共生関係を結んでいて、人間以外の獣や肉食獣などの捕食者が、一切出てこない世界を描いている。そして「こういう世界、どうよ?」と読者に突きつけている。 (と、これは僕がそう読み取っただけのことだが)  吠えるかわりに、血の涙を流しつつ作品を書きあげるのが、それが作家っていうものなの。  君は作家なのか? どうなのか? -------------------------------------------------------------------------------- 燭台問題 No.6095 投稿日 2003年2月2日(日)22時10分 投稿者 弟切 千隼 天衣さんの「シークレット・ミーン」の指摘の関連で、燭台・燭架の話題が出ていますね。 天衣さんの描写が正しいかどうかということとは別に、西洋の燭台・燭架について、弟切が知っているところを書いておきます。 本来は、こういうことは作品を書く本人が調べるべきだ、というのはわかっています。しかし、何も知識がない状態から何かについて調べるのは非常に大変ですから、とっかかりになる知識くらいなら、お手軽に誰かに訊いてもいいでしょう。 西洋の伝統的な建物では、壁に作りつけの燭架というのは少ないものでした。そういう燭架があるのは、貴族のお屋敷や王宮や劇場といった豪勢な建物である場合がほとんどです。 西洋の伝統的な普通の建物では、明かりとして最も平凡だったのは、手持ちのできる小型の燭台です。 昔の西洋では、部屋に作りつけの明かりというのは珍しく、使う部屋に燭台を持っていって明るくするのが普通でした。手持ちの燭台は、卓上に置かれることもあれば、物置き場として作られた壁の棚や壁龕[へきがん]=壁の窪みに置かれることもありました。 貧しい庶民の家では、夜の明かりといえば手持ちの燭台しかないという家が多かったと推定されます。 手持ちの燭台の次に平凡だったのは、人の背の高さくらいある大型の燭台です。 そのような大型の燭台は、日本人の感覚からしますと、ずいぶん豪華な物に感じられますね。確かに、貴族のお屋敷や王宮であれば、人物や動植物の彫刻が付いていたりする豪華な大型燭台が用いられていました。 しかし、何の飾りもない実用一本槍の物であれば、普通の家に大型燭台があってもおかしくはなかったでしょう。 燭架と同じように、貴族のお屋敷や王宮や劇場であれば、天井から吊るすシャンデリア型の吊り燭台がありました。 >>女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみる 弟切は、こういうことに関してセンスがないと自認しています(;_;) ですので、練習としてちょっと考えてみました。 1. (風邪をひいたか何かで具合が悪そうな相手に対して) 「御飯、作りに行ってあげようか?」 2. (学校の部活動か何かで帰りが遅くなってしまった時に) 「送っていってよ」 3. (占いの話題が出た時に) 「○○座と××座って相性いいんだよ」 この場合、もちろん○○座と××座には、この台詞を言った女の子の生まれ星座と、相手の男の子の生まれ星座が入ります。 うむむ、やはり弟切にはセンスがないかも知れません……。精進あるのみですね。 -------------------------------------------------------------------------------- おなかすいた…… No.6096 投稿日 2003年2月2日(日)22時18分 投稿者 新木 伸  ああ。  何も作れず修羅場中に、電話一本で食べ物を持ってきてくれる世の中って、いいよなぁ。  ピザ屋さん本当にありがとう。ぼくそのぶんも小説かくねっ。 >>「御飯、作りに行ってあげようか?」  直してしまいたいところだが……。(みやびさんの気持ちがわかるぞわかる)  これだと、気遣いと区別が付かんぞ。  「好き」であることを確定させるには、どう直せばいいのかな? >>「送っていってよ」 >>「○○座と××座って相性いいんだよ」  もっと「好き」って気持ちを強化して、溢れんばかりにするには、どう変えればいいかな?  もし弟切さんが降参したら、わし、直しちゃうぞ〜。  うずうず。(笑) -------------------------------------------------------------------------------- あれこれと No.6097 投稿日 2003年2月3日(月)00時22分 投稿者 光来 唯  ちょうど他の地域で10センチの雪に驚いていたときには、こっちも相応の雪の量だったわけです。  そんな木曜日。固まりかけの雪と、まだ積もって間もないさらさらとした雪、歩くのでさえも困難な道で、私は車でちょっくら事故ってしまいました。  雪にタイヤをとられ、車が車道に対し斜めになった、と感じた瞬間、頭の中がクリアになり何かしなければと妙にゆったりとした時間の中で考えたんですが、雪道一年目の私の身体がそれに対応できるわけもなく、壁にズガガと逝ってしまいました。  幸い、自爆だけですんだわけですが、車は日中を走るだけならば問題ないと思われるようなそんな状況に。  というか、それ以来、事故ったのと近い状況の路面を走ろうとすると両腕の毛が逆立ちます。  ほんの少しだけトラウマになったぽい。    ちなみに、凍った道路でブレーキをロックさせた場合、「すべる匣に乗っている」気分というのを味わえます。  慣れても怖いんでお勧めできないですけど(汗) >天衣さん >ミーン改訂版・指摘  不満足版のではなく(341)の方の指摘です。  それと、改訂には番号をつけてくれた方がうれしいかも。  不満足だったりするのなら、その手直しの方は1.5とかでもいいから。  どのバージョンを指し示しているから、あとから言いやすいというのもありますから。 > 闇に、紅い唇が浮かんだ。 > 彼はそれを正面に見据えたまま、腰掛けていた寝台から立ち上がる。 >「――なんの用だ?」 > 彼の問いかけを受け、唇の端が上がった。 >「昨日に――約束したでしょう?」 > 彼はチラと目を横に向け、そこの机の上にあるランプを掴んだ。そして正面にかざす。 > 紅い唇を中心に光が広がり、目を細めた女性の顔が現われた。  「絵」として、真っ暗な中に唇だけが浮かんでいたら怖いですよ。  それから、男は唇だけで女性だったと気付いたわけなんでしょうか。  「紅い唇=女性」というわけでもないですし、「唇」を「それ」といっていることからも、人の身体の一部としてではなく、「闇に浮かび上がったモノ」と見ているように思えるので。  あ、でも。ランプで顔がわからないのにその人が誰かわかったって、「それだけ待ち望んでいた人」か「気配で誰かわかった」という印象も少しは感じたかも。    今度も映像がちゃんと浮かんでこないです。  最初に「闇に、」と書かれていることでそこがどんな場所かはともかくとして、真っ暗な空間が頭に浮かんできます。  そして、「彼は〜」の文で男と寝台が出てきます。  それから6行目、いきなりランプが出てきて脳内映像に修正がかかります。  最初の文まで戻って、男の周囲はうっすらと照らされているということを前提に読み直します。  この問題はやはり、最初の一文だと思います。  このせいで光のない完全な闇が浮かんできてしまいますので。  男ではなく「彼」とした理由も不明です。  何か「男」だとまずいわけでもあったんでしょうか。  私の場合、こんな風に「彼」と書かれていると、男と書かれているよりも、もう一歩距離を置いたところからこの映像を見てしまいます。。 >女の子の台詞ひとつで「好き」の表現 「え、あ……うん。お、おはよ……」 「別に……キライじゃない」 「ううん、別に……何でも、ない」  試しにやってみましたが。  うーん、どうも、同時にシチュエーションが浮かんでいるっぽいな。  「台詞だけ」で考えられてないかも。 >望乃さん  とりあえず冷静になってくれて安心。  私ももう冷静になってますので(ただマイナス化した評価がプラスになるにはもう少しかかると思いますが)。  課題をあげてきたら、ちゃんと指摘する。私的にはそこからだとおもっています。 >アイデア出し  「女の子として扱ってくれた系」としてアイデアを出していた、わけですがどうもおかしなのが混じる模 様。  結衣にとっての女の子とは? となって結衣が「女の子として扱ってくれた」と感じてくれさえすればい い、というように方向が歪んでしまっていたようです。   >アイデア出し・その4 >「人形(ぬいぐるみ)をくれた系」  結衣は自分からは人形やぬいぐるみを買ったりしないため(けど女の子なんだからひとつくらいは欲しいとは思っている)、それをくれるということは女の子として扱ってくれたと感じることになります。  ですので、今回のは人形(ぬいぐるみ※)をくれる状況で考えてみました。 ※以下、人形としか書きませんが、そこには動物系のぬいぐるみも含んでいるとしてください  さらに、今回はさらに状況を限定してやってみます。  前提状況を作り、どうやって人形をもらったかというところだけに変化をもたせました。 ○死神の仕事の下調べでゲーセンへ行くと、「人形を取る」系の機会の前でうなっている諒を見つける  諒は結衣に気付くとお金を貸してくれるよう頼んでくる  押しに負け、お金を貸すと諒は一発で人形をゲットする ここからがアイデア出し ・それは2つでひとつになっている人形で、諒はその片割れを結衣にくれた ・物欲しそうに見ていたら、諒はその人形を結衣にくれた ・可愛いだろ、といって見せてくれた人形は死神っぽく見える人形だった ・その人形(死神くん)と結衣を見比べ、諒は「なんか似てるな」と呟き、そして人形をくれた ・じっと人形の山を結衣が見つめていると、とってやると言って、諒は結衣のために人形を取ってくれた(結衣のお金で) ・諒は取った人形で腹話術のように結衣に(お金の)お礼を言ってきた ・取った人形は諒の欲しいものではなかったため(けど結衣的には可愛いと思っていた)、結衣にくれた ・諒を見て、試しにやってみるがうまくいかない。諒はそれを見てやり方を教えてくれ、最終的に取るのに成功する ○夕飯の買い物でスーパーに行った  そこのお菓子コーナーで諒を発見  諒はおまけ(可愛い系の人形)付きのお菓子の箱を見ていたが、結衣の姿に気付いた ・誰にも言わないでくれ、と口封じに人形付きのをひとつ買ってくれた ・「女の子」のセンスでどれがいいと思う? と自分では決められないからと聞いてきた ・男一人でこういうのを見てるのはやっぱり恥ずかしいからちょっとだけ一緒にいてくれと頼んできた(後から買ったののひとつをお礼としてくれた) ・女の子はこういうの付けたほうがいいよ、と何もついていない結衣のかばんに小さな人形のキーホルダーをかばんにつけてくれた ・可愛いだろと、自慢してきたが結衣があまりにそれをじっと見ているので、諒はため息とともにそれをくれた ・諒の買い物かごには大量のおまけ付きお菓子。諒は(結衣を仲間に引き込むつもりで)、そのいくつかを「おまけ付きお菓子に関するうんちく」と一緒にくれた  こちらのパターンでスーパーである理由は、まず一般的なおもちゃ売り場の人形コーナーや、ぬいぐるみ専門の店だと、そもそも結衣が近づきません。  ゲーセンは、死神の仕事の関係上近づくこともありますが、そういった店は結衣が行く可能性は低いです。  ですが、スーパーで買い物時ならば、結衣がそこにいてもそんなにおかしくないですし、結衣の両親が普段はいなく、ひとりで食事をしているということを描くこともできます。 -------------------------------------------------------------------------------- さむがりに厳しい季節 No.6098 投稿日 2003年2月3日(月)00時54分 投稿者 巻島翔史  今年は、ここ数年で一番寒い一月だったそうです。  そういや、最低気温が氷点下とか、久々に見たしなぁ。  そういうのを天気予報で見ると、む、と身構えてしまいます。  ……東北以北には絶対住めんな、俺(笑)    新しい話題からレスをば。 作中における性欲とか、欲求のこと> >>もしどこにも見あたらないようなら――それは、「まるでないかのごとく扱っている」と言われても仕方がないわな。 (6032)  む。  自分は、そのキャラがどう考えてもエッチな思考しかしそうにないシチュエーションにおいて、しかしもう、まったく不自然に、全然エッチでない思考をしている――ということを指して言われたのかな、と考えていましたから……  確かに、それ以前の話として、そうした生理的な欲求をキャラに要求するようなシチュエーション自体が、俺の書いてるもののなかにない、というのはありますね。  だから、俺の作中のキャラは、『人間』が薄いのかもしれない。  それから、エロについての個人的見解なんですが。 >>性欲抜きで女の子を見てる「高校生の男」がいる世界って、それ、どこのファンタジー世界だよ? おとぎ話の世界の住人かい? 「性欲のない世界」ってところの? (6021)  こうしたファンタジー世界に、あこがれるところは多少あります。  別に自分の性欲を無くしたいとかそうではなくて、純粋なフィクションとしての(もしくは表現世界としての)あこがれであるわけなんですが。  性的な視線を女の子に送らず、むしろ内的な心理、性格、そうしたものへの恋愛感情でもって男の子の『惚れている』という状態を描きだしたり。  あるいは、まだそうした性的なこととは無縁で、ほとんど頭に上ってこない――せいぜい、ずっと一緒にいたいとか、その程度の性感覚――そういう、純粋無垢の少年少女の恋愛とか。 (およそ恋愛と呼べるかどうか怪しいのですが、少年少女のそうした心の交差における淡い感じに胸が締めつけられる――という方なら、これを俺が恋愛と書いた気持ちがわかると思う)  俺が少女だけでなく少年も好きだってことは(性的趣向のことでなくて、対象としての、そこにいるキャラクタとしての興味ですよ)――言ってませんでしたっけ?  いまさら隠すことでもないんですけど。  とはいえ。  ここまで語っておいてなんですが。  別に、性欲全開な思考の男の子の話も嫌いではないのですね。  ようは、どっちも好きだしどっちのよさも認めているという。そういうことです。  ただ片方だけしたいとか、片方の価値だけ認めているとかでなく。  いまの段階でそんなに表現の幅を狭めてしまっていいものか、という考えもありますし。  それから、例の宇宙人話の主人公をスケベ小僧にする提案についてですが。  彼のキャラクタを考えると、難しいです。  だって、彼が告白できないでいるのは、関係の悪化をビビっているということでもあるんですから。  例えば、 >>異星人に体に入りこまれて、追っ手がついて生きるか死ぬかの一大事ではあるけれど――でもそれはそれとして、「大チャンス」でもあるわけだよな。ひとりの「エロ小僧」として。  チャンスというか、まあ、そういうタイミングのときもあるでしょう。  ですが、そこで行動に移して――もしばれたら。  ……悪化どころの騒ぎではない、と、彼は考えるでしょう。  けれども、内面において、彼がそういうことを意識しているというのは、これ充分にアリです。  実行には絶対移せないんだけど、心のなかでは――という。  むしろ自然な男子高校生として、意識してないほうがおかしい。  例えば、宇宙人が移動のとき体にあんまり気を使わないので服が破けたりして、そこから覗く素肌を思わずじっと見てしまい、彼女に睨まれそうになったら「ここ、ゴミがついてるよ」とベタな嘘でごまかすとか。 「男の子は、女の子の前では、いついかなるときでもナイトでなければいけない」という言葉を彼女が思っていると考えて、自分のなかの性的欲求とそれとのせめぎあいで悶えるとか。ひとりで赤面してみたり。  そういうビビリさみたいのなら充分出せますし、俺としてもやりがいがあります。  というか、今回こうした性的興味の話を持ち出したおかげで、男子高校生としての人物的リアリティを出す手法に一つの光明が見えてきました。自分のなかで、彼の存在が一際くっきりしてきたというか。  意識している、という状態に関する考察が足りなかった証拠でもあるんですが(汗) ウリの話> >>だって「ウリ」なんて、プロにでもなるのでなかったら、必要ないものだもの。 (5937)  あ、その、俺は、ウリを考えるということは、作品を面白く読んでもらうための技法であると考えていたので……いわゆる、作品に対して読み手を入りこませやすくする、あるいは親しみやすくする。そのための手法だと思っていたんですね。  けれど、まあ、確かに、プロ志望でなければいらないわけで…… 例のプロットの話> >>>>>>この宇宙人の二人は、助けを待っているのか? >>>>>>それとも、助けは期待せず自力で生き延びようとしているのか? >>>>助け待ち、です。 >>ここって、どこのエピソードで書かれるのだ? >>その「助けを待っている」っていうのは、どんなエピソードで示すのだ? (5885)  確かに、エピソードでは書いてませんね。  プロットを見返すと、 >>護衛は、王家に近しい者だけが知る秘匿コードで救難要請を出していることを明らかにし、自分たちは助けを待っている状態だと言う。  こういう説明しかないわけで。  説明というのは、要するに単なる言葉でしかなくて、言葉は出来事よりも確実に印象に残らないんですよね。天衣さんへの一連の指摘をみていてわかったんですが。    ここはエピソードで表すべきなんでしょうか。  しかし、それはイコール、いまの案でエピソードでやってるところを説明に直す必要性が出てくるわけで…………悩ましいなぁ。 >>そうそう。「リバーズ・エンド」のプロット(というかシーン構成)を写し取ってきたわけだな。 >>――で、どうよ? >>書き取ってみて、そして自分のと比較してみた感想は? (5958)  リバーズは日常を徹底的に構築することで、それを崩す段階にきたとき、劇的な効果をもたらしています。  あと、敵の提示がうまい。チラリズム的というか、飽きないリズムで敵の側のことを書いている。  それから、主人公とヒロインの関係の段階の踏ませ方。徐々に進んでいく感じがよく出ています。  総じて言えば、展開的演出がうまい。  対して、自分のは――  そういう、展開的な演出の力が弱い、というか、転がないもんだからどこに向かって演出していけばいいのか、その指針さえない。  あとは、やはり主人公とヒロインの関係の進ませ方だよなぁ。ここももうちょっと構成的に演出できないものか。  呼称変化というのはいま考えていますが、それとは別にもうひとつ。構成的にできることでなにか。 起承転結分け> >>「転」に関する区切り位置が、若干違っている模様。 (5885)  やり直してみました。 【帰路〜亮介の家の前】   ・宇宙人同士の戦闘に巻きこまれる。 【家の中】   ・心の中に入りこんできた宇宙人からのコンタクト。(宇宙人との接触) 【戦闘現場】   ・二人の宇宙人の捨てられた肉体を確認している追っ手たち。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【山中での休憩】   ・宇宙人から、事情の説明。(宇宙人に対する理解) 【山を抜けたところ】   ・「体」に対する感覚の違い。「肉体の損傷=怪我」を気にしない宇宙人の戦いかた。(理解2) 【自転車置き場。夜中の戦闘】   ・初めての戦闘。肉体の運動能力を完全に引き出しての戦闘。(実地的な理解) 【街中。午後の昼下がり】   ・逃げ続るばかりではなく、攻勢に出る。   ・戦闘の途中で女湯に飛び込んでしまう。宇宙人の意識の違いをさらに思い知る。(理解3) 【夜。線路上】   ・電車への飛び乗り。心の中の宇宙人との間で、肉体の制御に対して齟齬が生じる。主人公のビビりが戦闘能力を落としている。(信頼関係の揺らぎ) ―――――――――――――――――――――――――――――― 【移動中】   ・追っ手との邂逅。指揮官と護衛との因縁。戦闘となるが、なぜか逃がしてもらえる。 【公園。夜】   ・主人公と有希。逃亡開始以降、はじめてのふたりだけの会話(宇宙人は抜きで)。主人公が昔、有希を守るために自分よりも強い相手に立ち向かっていったことを告げ、主人公を励ます有希。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【採石場。夜】   ・指定された邂逅ポイントにて救援を持つ二人。だが裏切りにあい、ピンチになる。   ・護衛は消え、ひとりで戦う主人公。   ・「逃げること」をやめる王女。   ・勝利。  一マス移動しただけですけど。  えーとですね、この話。宇宙人がバトルして最終目的に至る話として捉えた場合。  ラスボスにあたる存在が薄いんです。このままだと。  こいつをやっつけたら問題解決〜という、その指標性に薄い。  まあそれは今後、展開的演出を考えていくなかで解消していきたいんですが。  こういう戦闘がらみの話ですと、たいてい、「最後の敵」が用意されているものです。  この問題は解決できました、というのを、わかりやすい形で示すための存在(=象徴)なわけですが。    この話は。助け待ちの話ではあります。  しかし、構成をうまくしてやれば、ラスボス的存在の彼を倒すことによって迎えが来られるようになった、と読ませることも可能なわけでして。流れさえうまくしてやれば。  そういうわけで、「人類コンビである亮介&有希が、ラスボス的存在に気づく」という、そこが転になるのではないかと考えたのです。  うねうねなんかやってたけど、そこで問題解消の方向性が見えた、という。その瞬間。 >>あと、はっきり転をつけるには、エピソードを「足す」か、あるものを別なものと「差し替える」か、すでにあるものを「強化する」か――の、そのうちのどれかのアプローチを取ることになる。 >>どれにする?  いろいろ考えたんですが、枚数的に「足す」は難しいし、「差し替える」は、脳内で展開が固まってる現段階ではどうかと……  それで、方向性を変えずに内容を「強化」していくことにしました。  そういうわけで、次回はプロット第二稿です。  あ、それから、市販小説のプロット化第二弾(BLOODLINK/山下卓/ファミ通文庫)を課題部屋にあげておきます。 馬宮さん> >>プロット課題ですが、わたしもやりたいので(といってもペース遅いですが)根っこ新しくつくりませんか? (5969)  返事が遅くてすいません。  俺の返事がなくてプロット課題ができなかったというのなら、さらに申しわけありません。  で、根っこですが。  うーん。  参加者が三人以上になってからにしませんか?  現状だと、課題としてシリーズ化される気配がないですし。 >>女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみること。 ・転校していく彼に彼女が。 「さよなら、は言わないから」 ・クラスで誰が一番可愛いか、の話で盛り上がる男の子たち(好きな彼含む)に向かって。 「……ばっかみたい」 ・野球好きの彼女が彼に。 「あたし、誰にもスチール許さなかったんだけどなー」  なかなか、脳みそが女の子モードになってくれませんね。  しかもシチュエーションとセットで出るし。むう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6099 投稿日 2003年2月3日(月)01時12分 投稿者 新木 伸 >光来さん >>車は日中を走るだけならば問題ないと思われるようなそんな状況に。  意味わからん。  車の壊れ具合の「ひどさ」を書いているのか、損害の「軽微さ」を書いているのか。  どっちなん?  オフロードで車やバイクを走らせるときには、そこから先の領域でコントロールしてゆくのが「技術」ってもんです。  常にどこかのタイヤ(もしくは全部)がすべっている状態。それが前提条件。  そのうえでなお、車を向かわせたい方向に向けるわけ。そして2車線程度の道幅しかないところを、時速百キロ以上でぶっ飛ばしてゆく。  ああ、プロっていうのは凄いところで勝負してるんだなぁ。  スーパーとか。  ところでこの結衣と諒の話だけど、舞台はどこにするつもり?  関東圏で、私鉄沿線とかを舞台にするのであれば、駅ビルのデパートってのが、スーパーと本屋とゲーセンと、ぜんぶ合体したようなものになっているよ。一般的に。  東急とか京王とか。  私鉄は線路を引くと同時に、そこに駅ビルも建ててデパートを作って、そして便利にしてから人を呼ぶ。そういう戦略でやってるのね。  ごく普通に、学校帰りの生徒が通りがかって、顔を合わせてもおかしくないだろうし。 >巻島 >>あるいは、まだそうした性的なこととは無縁で、ほとんど頭に上ってこない――せいぜい、ずっと一緒にいたいとか、その程度の性感覚――そういう、純粋無垢の少年少女の恋愛とか。 >>俺が少女だけでなく少年も好きだってことは(性的趣向のことでなくて、対象としての、そこにいるキャラクタとしての興味ですよ)――言ってませんでしたっけ?  知らんぞ。  だって俺、まっきーの書いた小説で、そういうの読んだ覚えないもん。  んで、性欲全開と、性欲無関係の恋愛と、どっちもOKであるならば、なぜそれをひとつの作品にどっちも投入しないのだ?  せっかく二組のカップルが出てくるわけだ。しかも片方は都合の良いことに宇宙人なんだから、「宇宙人の恋愛は性欲なし」とか、設定次第でどうとでもなるだろう? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ。 No.6100 投稿日 2003年2月3日(月)08時20分 投稿者 望乃英司 >女の子の一言で「好き」を表す課題 自殺志向の性格の女の子 「私より先に死んだら、許さないから」 おしゃれな女の子 「私と並ぶときは、私の選んだ服を着ないとダメ」 キャリアウーマンを目指す女の子 「不味い朝飯作ったら、クビだからな」 短距離走の実力者の女の子 「ゴールが二つになっちゃったけど、一緒に目指してくれる?」 推理小説好きな女の子 「私は君の事をどう思っているのか、推理してみて」  これ、句点がつくとルール違反なんですよね。  しかし長いのばっかりだなあ。 >鈍器とか (余談)  これは、NHKテレビの番組、「トップランナー」からの二次情報です。  僕の脳からのアウトプットなので、サビた二次情報ですが。  林原めぐみさんが、大先輩の千葉繁さんに、このようなアドバイスされたことがあったそうです。  「恐さ」を表す演技をするとき。ヤクザの幹部が家に乗り込んできたとします。  その時に、  派手なシャツを着て、筋骨粒々な大男が、 「俺の可愛い子分をコケにした奴はどこのどいつじゃあ!」  と、大声で怒鳴るのが恐いか。  白いスーツをきっちりと着込んだ男が、 「私の子分を可愛がってくれたのは、どちらの方ですか?」  と、静かに言われるのが恐いか。  どっちなのか、と。  林原さんは、「後者の方が、恐い。ああー、恐さを表現する方法っていっぱいあるんだー」と思われたそうです。  山寺宏一さん曰く、林原さんは「一から十を学ぶ人」だとか。 >読書量  セーフですか、良かった。  ちなみに申告漏れが見つかったので、一応。  TVドラマシリーズ:5本  絵本:30冊 >レジュメとか >いまのところ、書いていることは筋通っているから、レジュメは作らんでもいいかと。 >しかしなぜ判断を人に委ねようとする?  言葉が足りませんでした。  僕が数回に渡って書き込みをするのは問題でしょうか?  もし問題なら、レジュメを作ることはそれを防ぐのに有効でしょうか?  が言いたいことでした。 >一応作家、について  ええ、効きましたよ、効きましたとも。  新木さんの「君の人格があんなの」と言われた時以上に。  ちなみに、どれだけ「一応小説を書いている」かと言うと。  今年の四月で小説らしきものを書き始めてから丸二年になります。  現時点での単純計算では、一日に四百字詰め原稿用紙半分、のペースになります。 >僕が大人、について  国民年金のお知らせが届いたりしました。  まあ、それはいいとして。  「世界がこんなの」な責任が大人にある、ということですが。世界の一部、という点では、大人より薄いにせよ、子どもにも責任があると思っています。  だって、その大人に養われて生きているわけだし、消費税は払っているし、政治運動も、やろうと思えばやれるし。(参政権・被参政権はないけど)  子供同士の環境、を作ることに関しては子どもの責任な訳だし。  ええと、レスになっていませんね。  「世界がこんなの」なのは勿論僕のせいでもあります。しかも、生まれた時から。  それをより自覚せねばなりません。ああ、大人なのですね。 >僕の自殺志向への余談  まあ、「辛い世界から逃げたい」と「理想の世界が欲しい」が理由です。  参考になる本としては、田口ランディさんの「田口ランディの人生相談 神様はいますか?」の最終章あたりが良いです。  しかし、ほんの六十年前くらい前は日本も戦争でボロ負けしてたわけで、神様の意思とやらは分からんものです。  多数決で動いて、先進国は安定を保ってはいるけど、数百年すればそれは逆転するのかな?  それが「長い目で見た平等」ってやつなのかな? まあいいか。 -------------------------------------------------------------------------------- ちょいレス。 No.6101 投稿日 2003年2月3日(月)13時46分 投稿者 望乃英司 >レジュメについて  これについてレスは不要です。本当にごめんなさい。  レジュメは、自分の書いていることに誤りがないか、忘れものがないか、確認する為に有効なものなので、「訂正」や「話題忘れ」を防ぐことになり、結果として連続書き込みを防げます。 >僕が冷静になったかどうか  よく、冷静になられて何よりです、と言われますけど。  これ、「冷静にならないと、何も始まりませんからね。あ、望乃。これと反省と謝罪は別物だかんな、勘違いすんなよ」ならOKなんですけど。    僕が反省している、と捉えられたなら、それは間違いじゃないかと思っています。勿論そんなことを思った人は、僕以外ゼロだと信じていますけど。  6045について、僕は逆上した、と書いていますが、一応僕が怒った理由について序盤で触れているわけだし。  掲示板の私物化についても、「見逃した番組を観たい」欲をしっかり把握しているわけだし。  自殺癖(辞書引いても見つからなかった言葉なので、自殺志向に変えさせてもらいます)について書いたときも、それを知って欲しいという欲が裏にあったわけだし。    つまり、ある程度冷静でありながら一連の行動をしたのですよ、僕は。  だからもっと罪は重い。  最近の本心についても書いておきます。  新木さんが、6045等で、それほど怒らず、傷つかなかったと言われたのを、僕は一応ではありますが鵜呑みにしています。  なので、「もっと丁寧なレスをお願いします」だけにしておけばよかった、という後悔よりも、大失敗してもここを続けられて良かった、の方が大きいです。  ただ、最近分室参加者の方々の書き込みが少ないのが気になります。  あの件について言われたことで、主に問題なのは、 ・僕の人格が明らかに問題のあるものであると取られたこと ・僕の文章表現に対する姿勢が不純なものであると取られたこと ・僕が社会に出るということをナメていると取られたこと  だと思っていますが、それに対しての参加者の方々の罰、というのが。 「望乃の人格は最低だ。文章表現に対しても真剣でない。社会のことを全く分かっていない」 「よって、無視しよう。こんな奴にこれ以上、人生についての教えや、小説に関する指摘を行ってやるものか」  であった場合、とても困ります。現実的に困ります。半分追放する行為のようなものですから。  ですが。例え、皆さんの「罰」が僕の予想したとおり「無視」であったとしても、子どものような癇癪を起こさないように心がけます。  いつか「それ」が回復できる、その日を信じて過ごします。  それと、「小説に対しての姿勢」を損ねている中、レスを下さっている新木さんと、レスを下さった鷹見さんには感謝のしようもありません。 >読書量報告とか  抜けているのがまだありました。  これ、書いても全然意味が無いものですけど。  ファンタジー小説:0冊。  以上です。 >これ読んだ? について  ハヤカワ文庫の「星界の紋章」、未読です。モグリです。  アニメも未視聴です。  勿論続編、「星界の戦旗」も同様。  久美沙織「新人賞の獲り方おしえます・全三巻」は三巻以外読みました。  多分ろくに頭入っていないでしょうが。  課題をやって、過去ログ読んで、それから読み返す予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6102 投稿日 2003年2月3日(月)15時31分 投稿者 新木 伸 >好きの台詞  なぜ、皆が3つ単位でしか出してこないのか。理解に苦しむ。  なぜ、シチュエーション付きで「ズル」してくるのか。理解に苦しむ。  お題の内容をクリアするのには、そもそも、2文字もあれば充分なのだな。  そしたら残りの数文字を使って、シチュエーションとキャラの関係を暗示させりゃ済む話じゃんか。  台詞一個で、5W1Hだって描けるだろうに。  とりあえず、シチュエーション付きでやっててもいいけど。  ただし()内のシチュエーションを読まずにチェックしてみて、それでもいちおう、キャラの人間関係と、会話しているときの立ち位置(場所の関係)と、あとどんなシチュエーションであるのか――とか。  そういうのが「ある程度」はイメージできるものになっているか、確認してごらん。はっきりと確定できなくてもいいから、うっすらとわかるようなら、まあOK。  予備知識のない人を捕まえて、「この台詞が出た二人の関係はどんなものだと思う? 二人はそれぞれどんな人間だと思う? これはどんなシチュエーションで出てきた台詞だと思う?」みたいに質問したら、おおむね、自分の意図した路線の答えが返ってくればOKね。  ()内のシチュエーションを外したらまったく「わけわからん」ようなのは、出してくんなよ〜。そんなヌルいことやってても、経験値にならないぞ〜。  僕のやつ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「臭いわよ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「このヘンタイ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「私はお前が嫌いだ。これは真か偽か?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あんたってちっちゃい頃は、お姉ちゃんお姉ちゃんってくっついてきてたんだけどねぇ……いまは?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >執筆ペース >>現時点での単純計算では、一日に四百字詰め原稿用紙半分、のペースになります。  本当に「一応」だったんだな。  僕はアマ時代も含めて執筆歴15年で、原稿枚数のトータルは1万枚ってところ。  換算すると、それでも1日2枚は書いてるぞ。  ちなみに中里さんあたりだと「月刊中里」だから、年間4000〜5000枚。  毎日13枚換算ね。  鷹見さんだと、隔月「鷹見」だから、年間2000〜3000枚で、毎日6.5枚計算だ。  トータルの原稿枚数の量は、これ、書いている年数が掛かってくるから、敵わないのはしかたがないとして……。  1日平均のほうでも、余裕で負けてるってのは、それ、どういうこと?  じゃあ、今日から再計測しよう。今日から。  今日から数日間。いまやっている短編を書きあげるまで、1日何枚書いたかで計ってみよう。よーい、ドンだ。 (わしはこれから3時間で、25枚ぐらい書く予定だ) >望乃君  まぁた文章から「腐った色のオーラ」が滲みだしてきているぞ〜。  君の神様観だとか、君の自殺癖だとか、君が皆から無視されているのではないかという怯えだとか、そんな他人にとってはどうでもいいことを、いちいち人に読ませにくるのではない。  壁に向かって独り言として言っていればよろしい。  もしどうしても聞かせたいのであれば、せめて6070のように、自分の曲がりかげんを客観的に観察して、ネタとなるところまで持っていった「変なイキモノ観察レポート」として出してくること。  そうすれば皆にも人間観察の一環として役に立つから。  ――で、他の人の書きこみが少ないのは、いつものこと。  僕もいま修羅場中でテンパっているところで、体感時間が他の人と食い違っていたりする。  1時間ごとにブラウザの「更新」ボタンを押してリロードかけて、「誰か書かないかな〜。天衣さんでも光来さんでも弟切さんでもいいんだがなぁ。もうこの際、望乃のやつでもいいんだがな〜」  ――と、君がなんか書いてくるのもすげぇ間延びして感じるぐらいだから、たぶん君よりも体感時間の流れかたは速い。  あと、他の人は君が思っているほど、君のことを「重要人物」と考えてはいないよ。  「無視しよう」とか「罰を与えねば」とか、そんなわざわざ心に決めなきゃならんほど、重大なことでもない。  べつにこの分室に限ったことではなくて、日常生活を送るうえでどこにでもいるうちのひとりなわけだ。ウニみたいに自衛して、まわりに毒を撒きまくっている人物っていうのは。  「ああここにもいるのね」てな感じで、視野の隅っこで捉えているだけってところかな。  まあ、いうならば――電車の中の「酔っぱらい」みたいなもんかな。自分や他の人に絡んでこないかぎりは、放置しておくでしょ?  誰かに手をあげたりするのならともかく、ただぐでんぐでんに酔っぱらっているだけなら、「あなた。そんな酔った姿で人前に出るのはどうかと思います」なんて説教しにいく人はいない。また酔っぱらいをわざわざ殴りに行くやつもいない。また泡を噴いたり痙攣していたりするのでもなければ、介抱してあげる人もいない。  ――で、レジュメを書くよりも、もっと良い方法を思いついた。  それを指示しておく。  まず、今後一生、自分の書いた物を人目につく場所に書きこむ前には、最低3回は、読み直しをすること。どんなに忙しくて時間がなくても、3回ね。それより少ない回数しかできないときは、書きこみするな。  読み直しの回数は、多ければ多いほどいい。5回でも6回でもよし。  あと、君の場合、可能であれば、次のこともやったほうがいい。  これは任意。  とはいえ、理由もなく「やってない」――とか聞いたら、「ふーん」と冷たい反応を返すのでそのつもりで。  1<2<3の順で、困難となるだろう。3まで実行しろとはいわんが。  またこれは「今後一生」とはいわない。  まあ1ヶ月とか、数週間とか、そのくらいの期間はやったほうがいいだろうね。 1.ただ文面の上だけで読み直しをするのではなく、毎回、声に出して朗読する。 2.ラジカセか録音可能なMDを持っているのであれば、最後の1回の読み直しのときに、それを録音する。さらに自分でその録音物を再生して、通して聞く。書きこみ前の最終確認をそれで行う。 3.身近な人で協力者が得られる場合。その録音物を聞いてもらう。聞いてもらう相手は同年齢の友達よりは、自分を立派に見てもらいたい相手――であることが望ましい。たとえば「親」とか「好意を持っている女の子」とか「尊敬している先輩」とか。もし誰もいなければ、尊敬している人物のポスターでもなんでもいいから、そこに向けて再生するというのも可。 -------------------------------------------------------------------------------- あ〜、なんか色々グラグラする…… No.6103 投稿日 2003年2月3日(月)17時22分 投稿者 天衣 >新木さん > うーん。 > 課題部屋の341は、やはりだいぶダメダメではありますが……。 > これでは「エロいお姉ちゃん」になりませんが? > 持ってきているのはナイフではなくって、これ絶対、肉切り包丁ですよね?  ウッギュウウゥゥゥ……(突っ伏し)  確かに光来さんの指摘で、その原因が詳細に説明されてますからね。なんとか直しますです……。 > まず代名詞が最初に出てくるところで、ひっかかります。  そ、そうなんですか?(汗)  序(プロローグ)でいきなり「彼」を使う、というのは、謎めいた雰囲気を出すのと、「彼」がその場面の主体者だと早々に確定させるのに有効な手法だと思ってたのですが……。  ――まあこの場合、先に唇を出してしまっているのが、その手法としても問題だとは考えられるが……。指摘の内容を見る限り、そういう問題で言ってるんじゃなさそうだし……。  光来さんにも、(多少内容は違えど)同様の箇所で指摘されてるし……。  わ、分からん……(←頭を押さえる) >辛辣  これは表現が間違っていましたね、確かに。自分が受けた「痛さ」から、そのままイメージされる表現をしてしまいました。アタタ……。  しかし「単に淡々としてる」だけでもないと思いますけど。もって回った皮肉を交えられてるように、わたしには見えるのですが。  う〜ん。主観を除けるだけ除いても、確実にそう見える。「鈍器の一撃」じゃないかな〜、と思うわけですが……。  いやまあ、別にそれが悪いと言ってるわけじゃないんですけど……、うん、いいんですけど……、……ゲフッ。 >燭架 >棚  大体のところ、了解致しました。  「棚」に関して、「単に『棚』と言ったら、目の高さ以上のものになるでしょう?」は完全了解です。(つか、最初から、『「棚」には、黙っていれば「高いところ」のイメージはありますが』と言って、それ自体は肯定している)  また、「燭架」で「目の高さ以上の、壁にかかった燭台」と、読み手に対して確定できるなら、「燭架」と書かない手はありません。単に、わたしが「燭架」の語の持つイメージを取り違えていたせい、で済む話です。  ――まあ、「壁にかかる」なりの形容はちゃんと「燭架」に付けておかねばならないだろうけど。「燭架」だけで「目の高さ以上の、壁にかかった燭台」が完全確定できるかは怪しいから。(ここらへん、新木さんがNO.6026で言った「肩を覆うケープ」と同様の理屈)  自分が取り違えていたこともあるけど、google検索で3件しか引っかからなかったからねぇ、「燭架」(ちなみに「燭台」は23000件強) >広義と狭義  ん〜。「言葉には広義と狭義がある」ということは理解しておりますが。  「燭台、燭架」の問題で引っかかっていたのは、最初から最後まで通して、「『燭架』で、本当に『目の高さ以上の、壁にかかった燭台(広義)』の意味になるんやろか?」だけでしたし。  「常に意識しているか」と言われると少々怪しいですが、やりとりで食い違いを感じた際には、まず「広義、狭義」でズレてないかを考える程度には意識しています。  実際、よくあるパターンですしね。「宇宙」と言った時「地球(大気圏内)」を含むか否か、とか、「自然」と言った時に「人間」を含むか否かとか。「動物」で「人間」を含むか否かというパターンもあるな。  感想掲示板で一度「テーマの広義、狭義」でズレたりもしましたが、それは「テーマ」で「『どんでん返し』を含むような広義」の取り方を普通するか? という疑問がどうしてもぬぐえなかったからですし。 >相矛盾(する)  え〜と。これは「相矛盾」ではなく「相矛盾する(あいむじゅんする)」です。「相‐矛盾する」=「互いに矛盾する」。  比較する両者(「言う、思う」)の同格を強調するため、使いました。(単に「矛盾する」では「Aが正しくBが間違っているだけ」等の状況も含んでしまう)  辞書に直接項目があるわけではないですが……それで造語というなら、「相‐語らう」「相‐親しい」「相‐許す」等、全て造語という事になってしまうのですが。  実際、わたしが造った語ではなく、特にある一定のジャンルでのみ使われる言葉ということもないはずです。わたし自身「あちこちで見かけた気がする」から使った表現ですし、googleで検索しましたら、多少は哲学関連に多い傾向はあるものの、色々に使われておりました。(ちなみに3000件強のヒット) 「全文検索」のできるWeb辞書でも、説明で「相矛盾(する)」の表現を使う項は見つかります。  まあ、「小難しい表現」であることは確かです。それを考えて、「互いに矛盾する」に置きかえればいいじゃん、と言うなら、それ自体は必ずしも納得いかないことではないのですが……  しっかしなぁ……。「表裏一体の」に対応するのが「互いに矛盾する」じゃ変だということもあって、「相矛盾する」という一まとめの表現にしたんだけど……。単に「矛盾する」にするのもなんだかねぇ……(悩)  ところで、 > それとも「そう矛盾」の誤字? の、「そう矛盾」って、なんなんでしょう? 「そう、矛盾」? > リライトをしていて、もしどうしても、「美人感」とか「スタイル良い感」とかが出せないようであれば……。 > > いっそ、ベタに書いちゃってもいいです。 > 無理なようであれば、こだわりは捨てて勝ちに行くこと。  うぐぅ……、了解です。  言われてすぐに拘り除くの、ちょっと難しいですが、なんとか除いてみます。 > 弟切さん  一ページ分指摘と、「燭台、燭架」に関する情報、どうもありがとうございました。 > 燭台、燭架  これは本当、ありがとうございます、タメになりました。  しかし――う〜ん、わたしの漠然としたレベルの知識では、だいぶ欠けているところがあったようですね。  中でも、 >昔の西洋では、部屋に作りつけの明かりというのは珍しく、 >手持ちの燭台の次に平凡だったのは、人の背の高さくらいある大型の燭台です。 あたりは、完全に知識範囲外でした。  問題の箇所にも深く関わる場所だからなぁ、これは……。  自分でも別情報になんとか当たって、知識強化致します。 > 一ページ指摘  なんつーか、凄くレスが出しづらい……。  いや、各箇所で言ってること、つまり批判の内容は把握できてると思うのですが……(汗)  とりあえず、色々痛いのは確かだが……。――ゲッフゥ。いかん、くじけそうだ……。  ――とりあえず、要約すると「わけ分からん」の一言ということですな。  う〜ん、う〜ん、う〜ん、う〜ん、う〜ん……確かに……。  総合力の問題と言えるのでしょうが、「ややこしい表現が多い」「難解な単語が多い」「情報が漠然としすぎ」あたりにまとめられるか。  あ〜う〜……。「わけ分からん」さを狙ってる部分もあるわけだが、大半はただの表現力不足だからなぁ……。 「退廃的」の使い方なんかは、問答無用ですからねぇ……。  特に >色っぽい場面のはずなのに、女性の美しさとか妖艶さといった魅力が感じられません。相対する男のほうも、全く描写がないために魅力もへったくれもありません。 は、痛い指摘ですね。  男の描写がないのは意図的(視点保持者、場の謎めいた雰囲気強化、本編に繋がる関係上、など諸々の理由)ながら、女性の魅力が感じられないというのは論外か。  グッウウウウウゥゥゥッ――、心の、臓がっ……! >光来さん  改訂版への指摘、ありがとうございました。 > それと、改訂には番号をつけてくれた方がうれしいかも。 > 不満足だったりするのなら、その手直しの方は1.5とかでもいいから。  ……ああ、なるほど。(←ポン、と手を打つ)  手直し版と全書き直し版が混在すること考えると番号付けづらかったというのがあるのですが、1.5等に発想が到ってませんでした。では、以後そうしますね。  ありがとうございました。 > 「絵」として、真っ暗な中に唇だけが浮かんでいたら怖いですよ。 >「唇」を「それ」といっていることからも、人の身体の一部としてではなく、「闇に浮かび上がったモノ」と見ているように思えるので。  確かに――。うぐぐ……。  無理があるか、「唇だけ」っつーのは。――新木さんには「お化け」言われるし。  素直に初めから闇に全身浮かばせといて、ランプを当てて初めて細かい描写がされる、つー形の方が良かったかな……。グゥ。 > 問題はやはり、最初の一文だと思います。 > このせいで光のない完全な闇が浮かんできてしまいますので。  そうか……。女性の立つ場所は実際「完全な闇」のイメージなのですが、問題の一文目から入ったわけですが――確かにそのままだと男の周囲まで含めて全面真っ暗になるわな。ウグフゥ……。   しかし―― > 私の場合、こんな風に「彼」と書かれていると、男と書かれているよりも、もう一歩距離を置いたところからこの映像を見てしまいます。  ――え゛? そ、そういうものなのですか?(汗)  それが普通なのだとしたら、わたしの感覚のズレは相当になってることになるのだが――新木さんにも同様箇所で指摘されてるしなぁ……。  わたしの場合、「男」と表現された方が、もう一歩距離を置いた感が生じてしまうのですが。「彼」の方が一歩近い感があって。だから、この場面の主体者だと早々に確定させる意味も込めての「彼」使用なわけでして……。  わ、分からん……!(←頭を抱える) -------------------------------------------------------------------------------- 「台詞一つで『好き』を表現」 No.6104 投稿日 2003年2月3日(月)17時27分 投稿者 天衣  合わせると相当長くなるし、話題がうまく分かれるので、書き込みを分けましたが――いらない気遣い? であるなら、次回からは気にせず一つにまとめるようにしますが。  さておき、以降は「台詞一つで『好き』を表現」の課題関連の書き込み。 >>>『あんたなんか――大っ嫌いよっ!』 > > これ、いい路線ですね。 > もっともっともっと短くできるけど。  むむぅ、もっと(×3)――ですか(汗)  え〜と、考えます。  まず、『あんたなんか――』は省略可能。これは、対象を話し相手に確定するために入れたわけですが、後半の言い回し次第でそれは出せるはず。  「大」もただの強調なので、これはそのまま削除可。  途中経過『嫌いよっ!』  現状のように「嫌い」が漢字になってると、本来の意味に引っ張られてしまう(漢字は表意文字)。ので、平仮名か片仮名(表音文字)にかえるのが吉。  しかし片仮名だと、怒ってる(に違いない)シチュエーションには、鋭く怒ってるか、深く静かに怒ってるか、というニュアンスを含んでしまう。よって、平仮名の方がよいはず。「素直になれない女の子」って感じも出るし。  途中経過『きらいよっ!』  「よ」は女性なので入れてみたが、まあ、無しで問題ない。  反射的に(意志に反したことを)言ってしまった、という感じを出すためには、最後の「っ」「!」は残した方が良いか? ――いや、一方なら削っていいはず。  削るならば「!」の方。「!」は少々鋭すぎる。  最終形――『きらいっ』  うん。「っ」まで削っちゃうと、(話し相手とは)別のことに対して言ってるような感じになるし、これでいいかな。  ――まあ、現状でも『きみ、おとうさんは好きかい?』『きらいっ』という流れでの台詞の可能性は残る。それがネックか。  しかし対象を「話し相手に確定」するには――結構字数加える必要がありそうだよなぁ……。う〜む、この最終形が、とりあえず限界。 >「好き」は禁止  あ〜、そうか。「本人に対して直接『好き』と言ってるわけではない」と自分的にOKしてしまいましたが、確かにそのルールはあった方が良いですね。  ――んん? しかし、「嫌い」は「好き」のカードの裏側と考えれば、「嫌い」も禁止にすべきルール付けなのでは。  それとも、すでにその意味まで含んで、わたしの最初例「あんたなんか――大っ嫌いよっ!」へのダメ出しにしているのだろうか……? そうだとすると、上で延々やった改良作業は一体……(汗)  さておき、「好き、は禁止」を踏まえて、第二弾〜第四弾。 『懐かしいね』  この場合は、漢字でいいはず。  ――しかし、シチュエーションによっちゃ、「今好き」でなく「昔好きだった」の意味になりそうなのがネックか。 (まあ、「昔好き」で「今は全然なんとも思ってない」というパターン、そうはないので、大丈夫か?) 『またあそぼっ』『また遊ぼうねっ』  とりあえずシチュエーションは脳内で数パターンあがってるが、あえて伏せておく。この台詞で確定するイメージだけで充分なはず(でなきゃ失敗)  前者は『あそぼうよぉ』も考えたが、それだと単に「ひとりで遊ぶのは寂しい」というだけかも知れないので、こっち選択。  ――しかし前者も後者も、「好き」と言うには弱い「気に入った」というレベルなのがネックか。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6105 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- ○○一年分って、どれくらい?(雑談) No.6106 投稿日 2003年2月3日(月)23時38分 投稿者 鷹見一幸  よく懸賞の賞品にあるよね「ラーメン一年分」とか「ビール一年分」とかいうのが。  あの「一年分」ってのは、どんな基準を基にして「一年分」と決めているのか調べたら、特に基準はなくて「統計上の国民一人当たりの消費量」をおおよその基準にしているみたいだね。  でも、俺の友人が「ビール一年分」を当てた時は「缶ビール356本」が届いたそうだから、一概に言えないんだろうな。  面白い話では「ガソリン一年分」が当たった。と聞いたときに、一瞬 『自分の家の前にドラム缶を積み上げられる光景』を想像した。というエピソードですね。実際にはプリペイドカードでガソリン10万円ぶんだったそうですけど。  もし「豆腐一年分」だとか「生クリーム一年分」が当たって、その場で現物お持ち帰りだったら、さぞかし困るだろうな。  はちゃめちゃな女の子が家に転がり込んできた。というシチュエーションだったら、こういったネタを使えるんだけどな。 「シュークリーム一年分全部もらってきた」とか(笑)  今、書いているのが、帝国第三軍の300万人の兵士が一週間で消費するであろう食料と飲料水その他モロモロの生活必需品が山積みになっているシーンなんだけど。そういった「兵站」とか「補給」の必要性とか、物量の概念として「○○一年分」という切り口から説明するつもりなんだけどね。  第二次世界大戦の時のノルマンディ上陸作戦で米軍が集積した物資の写真を見たことあるけど 「人間の背の高さの三倍に積み上げられたガソリン缶が地平線まで並んでいる光景」  なんてものは、一枚の写真のインパクトに勝てないのかもしれない。  でも、書き様によっちゃあ、勝てるかもしれない。  ってゆーか勝たなくちゃならないんだけどね。  人間は一枚の写真に感動することがある。  その写真から広がる世界を創造する能力があるから人は一枚の写真に感動する。 だとしたら小説ののセリフだってそうだと思うんだよね。  その一行のセリフから、どんなシチュエーションが想像できるか。その限界は読んだ人間の中にある。  対になった以下のセリフにどんなシチュエーションとどんな光景を想像するか、それはすべて読者の想像力に任される。  「だめ……」  「いいよ……」    「そんなことない!」  「そうなんだ……」  「来い!」  「行け!」    「待ってるよ……」  「待ってないよ! 待ってなんかいないからね!」    「おんなじだね」  「ちがうよ」    「生きて……」  「死んで!」  作家は、このセリフのすべてに「好き」の意味を持たせることができる。  ドラマさえ書くことができれば、どんな言葉だって愛の告白にすることができる。  登場人物の女の子に、主人公に向かって、外見性格家柄特癖などについての罵詈雑言を三行以上並べ立てたっていい。 『あんたなんか、デブでチビで短足で、陰険で嫉妬深くて底意地が悪くて、貧乏人の小倅で、将来性なんかカケラもなくて、口臭がひどいし、いつも同じ服着てるし、一度使った割り箸を使えるからって言って洗って仕舞っておくぐらいケチだし、誰に聞いてもいい評判なんか一言も返ってこないし、はっきり言って死んだってだれも泣かないし、いてもいなくても同じその他大勢の一人にもなれない人間よ!』  そして、その最後に。  この女の子に、ぽろっと涙をこぼして、たった一言、言わせればいいだけのことだ。    「帰ってこい!」 という肯定する言葉でも  「死んじゃえ!」 という否定の言葉でも、その真意は伝わるだろう。  セリフとは、それを生かすシチュエーションを描ききったときにはじめてその真価を発揮すると俺は思っている。    だから「セリフ」は怖い。  地の文よりもはるかに怖い。  キャラクターにバカなセリフを不用意に言わせれば、作品世界が根底から崩れ、読者は一発で醒めるんだよね。 (上の削除は私です、また不用意に送信してしまいました、すんません) -------------------------------------------------------------------------------- >大好き No.6107 投稿日 2003年2月4日(火)00時17分 投稿者 とんびの羽根  シチュエーションを書かなくてもいいならわたしでも参加可能ですね。  ああ久しぶりにまともな書き込みだ。 「帰ってきてね」 「送りおおかみに、なってもいいよ」 「かってに、帰るな」 「かぜ、うつしてほしい」 「かぜ、うつさせて」 「このコップ、きみ専用なの」 「またすっぽかしてもいいよ」 「遅れて来たら許さない」 「どうしよう、なにをしゃべっていいかわかんない……!」 「いつも足が速すぎだってば」 「髪の毛乾かすの手伝って」 「これまで生きてきて、あなたがいちばんばかだったわ」 「みんな、あなたがワルいの」 「キライって言ったのに笑ってるってひどいよ」 「嫉妬してよ!」 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれと No.6108 投稿日 2003年2月4日(火)00時28分 投稿者 光来 唯 >>車は日中を走るだけならば問題ないと思われるようなそんな状況に。 > 意味わからん。 > 車の壊れ具合の「ひどさ」を書いているのか、損害の「軽微さ」を書いているのか。 > どっちなん?  両方。走るだけならば問題ないけど、実際走るとなると整備不良でつかまるかな、というところ。  尾灯点かなくなってるんで、日中はともかく夜は追突される危険があるんで走れないんですよ、って言いたかったんです。  というか、その状況でも走ってましたんで、自分的に何か後ろめたい気持ちがあり、わざとわかりにくく書いたんですよ、その一文は。 > ところでこの結衣と諒の話だけど、舞台はどこにするつもり?  ああ、そういえば舞台について、どのあたりにするかちゃんと決めてなかったです。  まずいなぁ。季節ネタにも関わることだし、ちゃんと決めなきゃならないんだろうな。  (でも、これはどう決めるべきか……な) > 関東圏で、私鉄沿線とかを舞台にするのであれば、駅ビルのデパートってのが、スーパーと本屋とゲーセンと、ぜんぶ合体したようなものになっているよ。一般的に。 > 東急とか京王とか。 > 私鉄は線路を引くと同時に、そこに駅ビルも建ててデパートを作って、そして便利にしてから人を呼ぶ。そういう戦略でやってるのね。  データとしてはわかってましたが、それが頭に浮かんできてませんでした。  こちらでの私鉄は片田舎に通っているようなもので、くっついてるスーパーもこじんまりとしている小さなものだったりしますんで。  ちなみにそういうとこだと周囲に何もないんで、帰宅途中の学生が普通にスーパーに寄ったりしてます。  ま。それはともかく、スーパーに関しては舞台がそうであればいいだけなので、駅ビル内だろうと一店舗だろうと違いはないです。 >「好き」の台詞 「世界中の誰よりも、あなたのことがっ!」 「あなたじゃなきゃ、ダメ……」 「あんたなんかっ!」 「誰にも渡さない」 「死にたいんだったらいいよ、他の子に見惚れても」 「一緒に歩いて誤解されるとイヤだから」  うーん、「好き」を表現するどころか、ストレートに「好き」って言ってるのも同義だなぁ、これらは。 >アイデア出し  今回は、「ほんのちょっとだけエッチなシチュエーション(着替え見られたり、胸触られたり〜)。そこでの諒の反応から、自分を女の子として見ていることに気付いた」な状況を考えていたんですが、結衣自身のそういうことに対する気持ちが定まらないので、なんだかうまくいかない。  「死神であることを意識しているあまり、女の子としての羞恥心が薄く、諒の過剰な反応によって初めてそれを意識するようになる」  「普通の女の子と変わらない反応を示す。が異性にそういう目で見られたことがないので、そこにいやらしさが混じっていたとしても、女の子として見てくれていると思うようになる」  結衣の性格設定だとどちらもありえるので考えていたらそれが混在してしまってました。  「ものすごくウブ」か「まったく無関心」か。結衣の反応をどちらにすべきか。  まぁ、こういう場合は両方で考えるべきなので、落ち着いて二つを完全に切り分けてから、もう一度考えます。 >望乃さん  見ててイタイですよ。  ちなみに反応がないのは、望乃さんが何もしていないから。  独りでしゃべってばかりの人間に何をしろというんですか。 -------------------------------------------------------------------------------- ふええ No.6109 投稿日 2003年2月4日(火)00時41分 投稿者 羽矢野  週末、ネットのない世界に行ってました。 ●馬宮さんと、天衣さん >>男と女は知ってます。(お芝居してるのね)  ゴメン。  言葉が足りなかった。 1.読者には、一回目は男が女の真意を知っているが、女はそれに気付いていないと読ませる。 2.しかし、最後まで読んで読み返すと、男と女はお芝居していて、知らないのはこの文章では書かれていない村人である。とも読めるじゃないかと思わせる。  つまり一読すると“1.”として読め最後まで読んで読み返すと“2.”として読めなきゃいけないということです。  ややこしい。  あれは、馬宮さんが片方の意味しか知らないと、使えない言葉を選択する可能性がでてくると思ったので。  けど……。  今回の課題って、そこまでやるのかな?  縛りが増えることになるけど。 ●天衣さん  一番新しいやつを、ちょっと指摘します。  もう、みんながやって出遅れた感があるけど。    一読すると、何だろ?  怖い?  ホラー系小説みたい。  でも、余分な部分がなくなって、よくなってきた感じはします。  ただ……  エロは?  エロ……  エロはどおしたぁぁぁ!! >>闇に、紅い唇が浮かんだ。  ここが、やっぱり変かなあ。  イメージ変換だと、唇だけがでちゃうんだよね。  女の顔の輪郭があって、暗闇に紅い色だけが際だって見えたって意味なんだと思うけど。  口避け女みたいな想像になっちゃうよ。 >>彼はそれを正面に見据えたまま、腰掛けていた寝台から立ち上がる。  唇から、一気に“彼”になったので、ちょっと戸惑いがありました。  唇っていう一つのものの後に、全然違うものが、しかも動作つきだったので、視点がくるくる。  そして、浮かんだ。  ってあるから、暗闇に唇だけがいきなりっていうことですよね?  “彼”は何でいきなりそれに気付いたとかなして、最初から正面に見据えてるの?  それが、不明です。 >>「――なんの用だ?」 >>彼の問いかけを受け、唇の端が上がった。  彼が見据えているっていう絵から、また最初の唇だけに戻ってしまう。  ここでも、視点がぶれるね。 >>「昨日に――約束したでしょう?」 >> 彼はチラと目を横に向け、そこの机の上にあるランプを掴んだ。そして正面にかざす。  そして、また彼に視点がうつってしまうね。  そして横にランプがあるって……。  見え方が、ちょっとわからない。 >>紅い唇を中心に光が広がり、目を細めた女性の顔が現われた。  また唇になった。  これ、精読してくと唇の正面に彼がいるっていうのはわかるんだけど、流し読みしていくと、位置関係って忘れられちゃわないだろうか。  と簡単ですが。 ●好きのセリフ  自分ルールで五分間集中で毎日やっていきます。 「バカ……」 「いいよ」 「無理っていうな」 「どこで間違ったかなあ」 「ずっと、待っています」 「あたしがいるじゃない」 「言わなくても、ちゃんとわかってるよ」 「小学校いらいだね、こうやって一緒に帰るの」 「そんなこと、関係ありません」  九個。  でてこない。  この分室でセリフ不自由人の名前をほしいままにしてるし。  そのせいか?  せめて普通に十個はでないと。   -------------------------------------------------------------------------------- 節分ですね。 No.6110 投稿日 2003年2月4日(火)00時46分 投稿者 弟切 千隼 今夜は威勢よく豆撒きをして、福を呼び込みたいところですね。 しかし、面倒くさがり屋の弟切は「豆の散らばった部屋を後で掃除するのが嫌だ」という理由で豆撒きをサボりました(^^; かわりに、今夜の夕食は納豆と鰯[いわし]を焼いたものにしました。 鰯の頭を戸口に挿すという古来の風習は、さすがに現代日本のアパートでやると臭くて近所迷惑になりますので、やめました。 >>好きを一言で表現する 前回の書き込みNo.6095で提出した台詞を改訂しました。 今度は、状況説明に頼らなくてもわかるようにしたつもりです。 1.「私の手料理食べたい?」 2.「あなたに送ってって欲しいの」 3.「○○座と××座が相性良くて、よかったぁ」 追加の台詞も提出しておきます。 4.「生きて帰れ。これは命令だ」 5.「私をかっさらって行け」 6.「あなたのいない世界なんかにいたくない」 べたべたですね(;_;)  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6111 投稿日 2003年2月4日(火)05時19分 投稿者 新木 伸 >光来さん >>>>車は日中を走るだけならば問題ないと思われるようなそんな状況に。 >>というか、その状況でも走ってましたんで、自分的に何か後ろめたい気持ちがあり、わざとわかりにくく書いたんですよ、その一文は。  ならば、失敗してるよ。  わざとわかりにくく書いたというのなら、そうと伝わるように書くこと。  わかりにくく書いたのか、わかりにくく書くことしかできなかったのか、どちらとも判別つかん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そして車は、日中走るだけなら問題ないかな〜、どうかな〜、と悩むような、そんなふうな状況になってしまいました。(察してください) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このくらいまで書いて、読み手にはようやく伝わります。 >>ちなみにそういうとこだと周囲に何もないんで、帰宅途中の学生が普通にスーパーに寄ったりしてます。  まぁた、「俺的普通」で話をしてる〜。  日本人口の6割は、都市もしくは都市近郊に住んでるわけよ。  日本全国の隅から隅まで。あらゆる読者にその常識を説明不要で「納得」してもらえるつもりか?  帰宅途中の学生がスーパーに寄るって、母親がわりに家事でもしてる女子高生だろ。それは一般的に言って。 >>ま。それはともかく、スーパーに関しては舞台がそうであればいいだけなので、駅ビル内だろうと一店舗だろうと違いはないです。  その場所で「出会う」ことの必然性の話をしているのだけど。  スーパーで出会うのと、いろいろと複合した機能を持っていてほとんどひとつの「街」となっている駅ビルで出会うのと、どっちが自然? どっちが不自然?  その場所で出会うことに特に意味がないのであれば、より無理のない自然なシチュエーションで出会わせたほうがいいんじゃないの……ということなのだが。  「無理」が増えていって、ある臨界値を越えると、話っていうのはとたんに「嘘くさく」なるものなのね。読者に「嘘くせぇ」という拒絶反応を出させないために、作者はどれだけ心を配るものなのか。もうちょっと考えましょう。 >>結衣の性格設定だとどちらもありえるので考えていたらそれが混在してしまってました。 >>「ものすごくウブ」か「まったく無関心」か。結衣の反応をどちらにすべきか。  うーん……。  どっちもあり得るっていうのが、これ、よくわかんない。  無関心とウブって、これ、まったく別じゃないですか。  綾波とアリエルじゃないですか。(ってそこで自分のキャラを持ち出すか)  じゃあ、綾波とおキヌちゃん。(by GS美神)  どっちもあり得るじゃなくって、どっちなのか決めてないってだけなのでは?  キャラも決まってないそんな状態じゃ、エピソードなんて、決まるはずないですけど。  ひょっとして、最近モタついているのは、そのせい? >好きのひと言  弟切さん。わかってますね。  とんびさん、光来さん、羽矢野。わかってませんね。  なぜ、台詞を繋げて出してくる? 「にゃあ」 「絶交」 「ばか」 「この馬鹿弟子がっ!」 「わたし死神なんだけど、それでもいいの?」 「いいよ……」  2文字と3文字シリーズ、他にもいくつか思いついてたけど、忘れちったい。2文字のほうは、たしか6個まで出したのだが……。 (あ、いま見たら羽矢野君と2個ほどダブったか。しかし俺のほーが、濃いもーん。へへーんだ) >弟切さん  直してきてそれだと、もう出ないとみた。よって降参とみなす。うずうず。 >>「御飯、作りに行ってあげようか?」  「ごはん、作りに行っていい?」 >>「送っていってよ」  「送んなさいよ」 >>「○○座と××座って相性いいんだよ」  「なんで○○座じゃないのよぅ?」 >天衣さん  羽矢野君の解説を参考にしてください。  僕と同じことを言葉を変えて言ってますので。  それでも「?」のときは、もういちどよろしく。  弟切さんの言葉が辛辣かどうか。  んー。皮肉は入っているかな。どうかな。僕の脳内仮想読者の数人の意見を聞いてみると、「入ってない気がする」となりましたが。  暇ができたら、もういちど見てみます。  あと皆はどう思う? >皆  また、若干の皮肉が込められていたと仮定して――。  「皮肉=辛辣」となるのかな? どうかな?  これはべつに天衣さんをいじめているわけではなくて、もしここで、「皮肉=辛辣」という構図が成り立つのだとわかると、それは小説に応用できるから。  「知っている」か「コツを会得する」ことができれば、誰にでも行えるようなものがそれが「ノウハウ」といいます。  「皮肉=辛辣」が証明できると、読者に「このキャラ辛辣だぁ」と思わせるには、台詞に皮肉を織り交ぜればいいってことになります。それはノウハウになります。  そういえばサリーシャというキャラは、設定的には「伝説的に弁が立つ」というキャラのはずなのですが……。  普通に弁が立つようにしか見えない。  辛辣属性の謎が解明されれば、なにか生かせるのでは? >>相矛盾  額面通り受け取って、まんま答えてこないように。  リサーチしてみてください。  自分の身の回りの人に「『あいむじゅん』ってなんだかわかる?」と聞いてみて、説明できるかどうかチェックしてみること。なんなら紙に漢字で「相矛盾」と書いて、字面を示してもいいですけど。  「矛盾ってどんなこと?」と聞かれて説明できない人は、それはちょっと「とほほ」ですが、「相矛盾」が説明できない人は、これはかなりの割合にのぼると思うんですが。 (ついでにいうと、「相矛盾」の意味を逆に説明してあげたときに、「じゃあ矛盾でいいじゃん!」と怒り出す人も) >>それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。  しかし、いったいなにが相矛盾するのかと思ったら、「思う、言う」だったわけですか。  それならば、「それは一見〜」ではなくて、「それらは一見〜」になりませんか?  単数系の指示語ではなくて、複数形の指示語ね。  単数形だったもので、てっきりここの「それは」って指示語は、ずーっと後ろのほうの「表裏一体の行為」にかかる指示語かと思っていました。文頭の指示語が文末の言葉に掛かる。無茶で壊れた文章構造だなぁ……とか。  また、「一見」ってくるものだから、なにか実際に見えるもの(しかも単数系で)に掛かっている指示語かと思いました。  「思う、言う」って、これ、どのようにして視覚で捉えるのでしょうか? こうして文章として書かれているのならともかくとして……。  そういえば、ずーっと後ろのほうに、一応は「見える」ものとして通用しそうな「茶番」って言葉があったので、そこに掛かるのかな、とも思いました。  Googleって出てくる検索結果は、あれは素人の書いた文章にヒットしていることが多いです。インターネットコンテンツの99%は文章の素人です。(このへん数字に根拠なし)  人は自分のわからない単語に出くわしたときに、文脈が掴めているあいだは、その単語を無視して読み続けます。したがってすこしぐらい意味不明のトーフ「■」が文章に混ざっていても、あまり問題とはされません。  天衣さんの目指しているところがどのへんにあるのかわかりませんが、「素人の書く普通の文章レベル」あたりでいいのでしたら、あんまりうるさいことは言いませんけど?  燭台と燭架をひと括りにしちゃっていてもかまわないだろうし、もし使うときも「燭台」だけでいいだろうし。  「矛盾」「相矛盾」「おたがいに矛盾」あたりの使い分けなども、気にしないでいいでしょうし。  同じようなケースでは、いつも同じ単語を使えばいいわけです。  ある意味の言葉は、ひとつだけ知っていればもう充分。  まあ、料理のたとえで――。  「砂糖」「グラニュー糖」「三温糖」「蜂蜜」「ザラメ」  「精製塩」「岩塩」「天塩」「味塩」「カリウム塩」  ――このあたりの使い分けをする必要などなく、「塩」と「砂糖」とを用意しておけばいいわけです。  それでもたいていの料理が、なんの問題もなく作れますので。  燭台と燭架にはこだわらず、矛盾と相矛盾には逆にこだわっているように見える。  なんか方針が一貫してないんですよね。  砂糖にこだわるのなら、塩にもこだわるものなんじゃないですか? あと小麦粉や片栗粉や醤油などにも。 -------------------------------------------------------------------------------- >辛辣の研究 No.6112 投稿日 2003年2月4日(火)06時24分 投稿者 新木 伸 >辛辣の研究  僕が「うっわぁ、辛辣ぅ〜」と思ったキャラは、最近だと、「エクセル・サーガ」の美咲ですね。漫画。  ――と書いても、知らない人には意味がない。  本来ならここで解説する必要があるんですが。  こうして実例を持ち出すのは、我田引水で楽をするのがコンセプトですので、知らん人は作品を読んでください。  皆も実例をどうぞ。  可能なら、なるべくメジャーな作品からのほうが、「ああ、あれね」率が高くなるので良いかと。 -------------------------------------------------------------------------------- >巻島 No.6113 投稿日 2003年2月4日(火)06時56分 投稿者 新木 伸 >巻島 >>【自転車置き場。夜中の戦闘】  ここまでが「承」で。 >>【街中。午後の昼下がり】  ここからが「転」の始まりではないの? >>・戦闘の途中で女湯に飛び込んでしまう。宇宙人の意識の違いをさらに思い知る。(理解3)  ここを「理解3」としているから、間違えているのかな?  これは単なるサブイベントであって、本筋に必要ではないものでしょ?  削ろうと思えば削ってしまえるようなもの。  実際にも、「意識の違いを“さらに”思い知る」って書いてあるわけだ。もうすでに1回描きこんであることを、「さらに」もういちどやることで補強しているわけね。そのついでに読者サービスもしているわけだが。  ――で、「攻勢に出る」〜「追っ手との邂逅」との因果関係だけど。  敵の指揮官と遭遇することになるよね。  これは、主人公たちが「攻勢に出る」ことにしたことと、なんらかの因果関係で結ばれているものなの?  つまり、「指揮官と出会う」ことの原因が、「攻勢に出る」ことにあったのかどうか。  たとえば攻勢に出ないまま、ずっと逃げ続ける選択肢もあるわけだよね。そうしたときにもやはり「指揮官と出会う」というイベントが起きているようなら、これは無関係。  しかし「攻勢に出た」ために「指揮官と出会った」のであれば、これは因果関係で結ばれていることなので、起承転結の同じパートに入っていなくてはならない。  つまりこの場合は「転」だ。  この因果関係の有無で、区切り位置が変わる。  今回僕が【街中。午後の昼下がり】が「転」だろうと指摘したのは、この因果関係が「有る」と見たから。  もし「無い」のであれば、この「攻勢に出る」ってエピソードは、紛らわしいから消しちゃっておきなさい。それ重要でないから。  ――で、そろそろ自分の中で冷却時間も置くことができて、整理できて、客観的に見れるようになってきたろう。  頃合いなので、以前書いてあった指摘を公開することにする。  いきなり色々なことを書くと混乱するし、読み飛ばしてそれっきりにされかねないので、前の時には書きこみしなかった。  あまり寝かしておくと、プロットが変わっていってしまうから意味なくなるし。  ただし、ひとつふたつ古いバージョンに対しての指摘なので、すでに消滅しているシーンに対しての指摘があったりするが、それはご愛敬ってことで。 >問題点など ・主人公が「自分はだめだ」と落ちこむ過程が足りない。落ちこんでいて、由希に励まされる部分が「見せ場」として出てくるが、読み手としては、「いつ落ちこんでいたんだ?」みたいなくらいなもの。印象が薄い。  具体的には、なにとなにとで「落ちこみ」を示しているのか、自分で確認すること。 ・「主人公と護衛」の組み合わせと同様に、「由希と王女」のほうでも、「体に入られた/入った」の騒動があるわけだが。それが全然見えてこない。なにかエピソードとして現れてくるはず。 ・全体的に逃亡ムードの展開なのだが、そのあいだに「ほっと息をつける」シーンがひとつもない。これでは息が詰まりすぎ。なにか買い物シーンだとか、短くていいので、逃亡途中で息のつけるシーンが欲しいところ。日常が一瞬戻ってくるような、そんなほっとするシーンとか。だいたい食料やら、衣服やら、あと(女の子もいるのだから)入浴とかは、どうしていたのか? ・逃亡途中のシーンはいくつか出てきているが、みな「移動」か「休息」か「戦闘」ばかり。「逃亡」の中には、上記のように「食料調達」「衣服の調達」「入浴はどうするか」みたいな要素もあるはず。それらの「衣食住」の要素も少しはみせないと「逃亡」にリアリティが出てこない。「逃亡生活」というように、逃亡をしていてもそこには「生活」があるわけだから。 ・最後の戦いにおいて、主人公の体が「オーバーヒート」して倒れてしまうようだが。ぜんぜん伏線がない。体の「故障」を押して逃避行を続ける主人公――なんていうシーンが、どこかに必要なはず。 ・由希が殴られて気絶して、強制分離をされているようだが。気絶するほど殴られた場合、脳挫傷とかの心配をしなくてはならないはず。話のリアリティレベルとして、「殴られても気絶するだけ」というアニメやゲームでよく使われる「現実よりも1段低いお約束系」のものを採用するなら、その旨、言っておくこと。 (ちなみにこのとき、敵の側は由希の体などどうなってもいいはずなので、うまく「気絶」させるような手加減をするはずがない。肉体を壊すぐらいのつもりで殴っているはず。――であるのに、「ちょうどいい具合に敵は殴った」とするのは、これは作者の側のご都合主義というもの) ・主人公が勝てた理由が不在。王女が「逃げることをやめた」ことと因果関係がなければおかしいはずなのだが、全然関係なく、理由不明のまま勝ってしまっている。  「王女が諦めない姿勢を示した」→「自分も諦めないことにした」→「勝った」  ――というのが現在の展開。これでは「転」がない。  「王女が諦めない姿勢を示した」→「自分も諦めないことにした」→「諦めないために○○が起きた」→「勝った」  ――となるのが、あり得る形。この「○○」にはまる意外なことというのは、いったいなにか? ・「大将がやられた」というだけで逃げてゆく部下たちの行動が変。ご都合主義すぎる。これが成立するためには、そもそも大将ひとりの「ワンマン部隊」であり、大将がいなくなって、部下たちには戦闘を続ける理由がなくなった――とするか。「部下たちが、自分たちではとても勝てない」と確実に思うほど、絶対的な力の差を主人公が見せるか。  そのどちらかのはず。 >細かい指摘 【戦闘現場】  完全三人称ではなくて、追っ手視点にしたほうが面白くならないか? 追っ手の隊長の視点とか。 【緊急脱出用ポッド乗込口付近。過去の出来事】  不要。  ここでは読者の関心は、「逃げ出した二人のその後は?」というほうに向かっている。この時点でこんなシーンを見せられても、「二人のその後」のほうが気になるので頭に入らない。また読者としては、宇宙人の二人に関しても「よく知らない」ままであるので、そんな相手の話を聞かされても、「知ったこっちゃない」となる。  また「追っ手のシーン」と、「王女の過去」のシーンと、ふたつはさまれるというのは、主人公から視点の離れる時間が長すぎ。どちらか一つ。  このシーンをもし入れるにしても、王女のキャラが充分に立った後ろでなくてはならない。しかしこのシーン自体、ぜんぜん面白い部分がない。はっきりいって「つまらん」し、エピソードがなにも説明していない。なんの説明にもなっていない。  いっそ削ってしまったほうが良いだろう。 【山中での休憩】  逃げてる場面をまだ見ていないのに、「逃げつづけて落ち着いた」場面が来るのは変。このシーンの前に、短くてもいいから、逃げている場面が必要なはず。入れるとしたら、「逃亡を続けていて、疲れて、休憩することになる」あたりのシーンか。  また読者は「逃亡の具体的な様子」を見たいのに、「逃亡行為が一段落した場面」をいきなり見せられては、ストレスも溜まる。冒頭30ページをたとえ読ませられても、ここで期待と違うものが出てきては、「なんだよ」と本を投げ出す読者も出るだろう。  あとこのシーンおいて、心の中の「護衛」と主人公の対話を通して、「読者に対して」と「主人公に対して」の状況説明を、一気に行うこと。  情報は整理して与えるべし。「なにがどうなっているのか?」と混乱しているのは、読者も主人公も一緒。「混乱した人間」を前提として、それに対して「順を追って説明する」要領で会話を進めること。  ここで「なにがどうなっているのか?」がわからないと、やはり読者は本を投げ出す。「よくわかんねーから、こんなもん、もういらんわ」とポイ捨てだ。  あとこのシーンでは、足りないものがある。  異常な状況に巻きこまれた主人公の、心の中での折り合いの付けかた。それが読者にわかるエピソードが足りていない。  なんらかの覚悟を決めるのか、それとも覚悟を決めないまま「うだうだ」言うばかりなのか? また覚悟を決めるのなら、いかなる理由によって覚悟が決められたのか?  どのような方向性でもいいが、どれかひとつには確定させること。 【山を抜けたところ】 【自転車置き場。夜中の戦闘】 【街中。午後の昼下がり】 【夜。線路上】 【移動中】 【雑木林。移動中】 【公園。夜】 【宇宙船のなか。地球付近】 【採石場。夜】 【奪取した宇宙船の内部】 【学校から帰る道の途中。夕刻】  以下、めんどうなのと力尽きたので、細かい指摘は省略。  上にあげた「問題点など」でもって、どうせ変化があるだろうし。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6114 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- 上 No.6115 投稿日 2003年2月4日(火)09時52分 投稿者 新木 伸  書きこみ者と用件は、望乃君の退室宣言でした。  まともに退室の言葉も告げられないようなので、消しておきました。 -------------------------------------------------------------------------------- 「あの、食べてください」 No.6116 投稿日 2003年2月4日(火)22時44分 投稿者 かねやん >好きのひと言 「だめ?」 「みみ、冷たいでしょ」 「ね、おいしい?」 「お、おもいだろ?」 「待ってないんだからねっ」 「お姉さんで、いいの?」 「どこ見てるのよっ」 「ベッド借りるね」 「なんとなく叩いただけだ」 「まーきんぐっ!」 「おふぁよ…ふぁ」  女性経験が無いせいか、男のファンタジー入ってますねぃ。 -------------------------------------------------------------------------------- 退室表明リライト。 No.6117 投稿日 2003年2月4日(火)23時05分 投稿者 望乃英司  少し冷静を取り戻しました。  不適切であれば削除してください。  馬宮さん、生課題の指摘ありがとうございました。  光来さん、人混みリサーチの指摘ありがとうございました。  新木さん、鷹見さん、何度も僕の無価値な書き込みを有用なほうに活用してくれてありがとうございました。  そして、参加者の皆さん、ROMの皆さん、短い間でしたがお世話になりました。  大変なご迷惑もおかけしました。この機会に最後の謝罪をさせて頂きます。  僕は作家を諦め、社会人として新たな道を模索していくつもりです。  分室参加者の皆さんはより自分の目標を確固たるものにし、きっとそれを実現させてください。  それでは失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- 台詞だけ……難しいです。  No.6118 投稿日 2003年2月4日(火)23時44分 投稿者 馬宮    遅ればせながらわたしも台詞課題やってみます。    >>好きを一言で表現する  「ちょっとはやるじゃん」  「適当じゃヤダ」  「……ううん、なんでもない」  「キミは、例外」  「あたしたち、似てるかもね」  「このルージュ、似合うって言ってたよね?」  「ひきょうもの〜」  「ずるいよぉ……」  「えっち」  「かぷかぷ」  「ギリギリ合格にしといてあげる」  「だって、ほっとけないんだもん」  「しらない!」  「あいつ、悪いやつじゃないよ、たぶん」  「前にこれ飲んでたよね」  すみません。  他のレスがうまくまとまらないので、たちまちひとつだけレスを。      ●巻島さん(6098)   >プロット課題根っこ  >>俺の返事がなくてプロット課題ができなかったというのなら、さらに申しわけありません。  あわわ!  すみません。  違います、プロット課題はつまってるだけなんです(汗)    >>参加者が三人以上になってからにしませんか?  >>現状だと、課題としてシリーズ化される気配がないですし。  わかりました。じゃあ、そうしましょう。   -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6119 投稿日 2003年2月4日(火)23時56分 投稿者 光来 唯 > その場所で「出会う」ことの必然性の話をしているのだけど。 > スーパーで出会うのと、いろいろと複合した機能を持っていてほとんどひとつの「街」となっている駅ビルで出会うのと、どっちが自然? どっちが不自然? > その場所で出会うことに特に意味がないのであれば、より無理のない自然なシチュエーションで出会わせたほうがいいんじゃないの……ということなのだが。  結衣がその場にいたのは、自分で夕飯の買い物をしているんですから自然です。  ですから諒の側で考えた場合、スーパーと複合店の食料品売り場とでは不自然さは同等だと思います。  一般的な男子学生がそういった場所にいくということはまずないですから。  となると、ここで「出会う」必然性というのは、その「不自然さ」なのです。  結衣は夕飯の買い物なんかでよくスーパーなんかへ行くわけですが、そこでクラスメイトとあったりしたことはそれまでなかったんです。  それが、その日は諒と出会った。結衣にとっては学校外でクラスメイトと出会うことにどう反応すればいいかわからないわけで――気付かないふりをすべきか、あいさつくらいはすべきか――そんなときに「人形云々」の話題が……ってな感じで結衣は諒に興味を覚えた、というわけなんです。  ただ、諒の食玩集めの趣味が他の部分でどれだけ使えるかというそもそもの問題があるわけなんですが…… >「ものすごくウブ」か「まったく無関心」か  結衣のキャラはちゃんと決まっていたんですけどね。  「基本的に他者に対し無関心を装おうとしている」ですから。  なので、そういった状況でも無関心でいられるのか、それとも地が出てしまうのか、その部分がはっきりしていないのです。  見られることには無関心でいられるけど、触れられることには慣れていない――ってな風に対応が行為に応じて違うので混乱しかけていたのでした。 >「好き」の台詞 > なぜ、台詞を繋げて出してくる?  んー? 繋げてってどういうことなんでしょうか? >「わたし死神なんだけど、それでもいいの?」  あー、何で出てこなかったんだろ。  おもいきし自分で出していたものだというのに〜(汗 「さよならは言わない」 「ゃ……」 「いや、だぁ……」 「わたしのために、死んで……」 「ううん、なんでもない」 「べー、だ!」 「はなさないで」 「手。にぎっていいよ」 「……ダメ」 「……おやすみ」 「また今度、ね」 -------------------------------------------------------------------------------- はてさて No.6120 投稿日 2003年2月5日(水)00時27分 投稿者 羽矢野 ●繋げて出すと? 新木さんNo.6111 >>とんびさん、光来さん、羽矢野。わかってませんね。 >>なぜ、台詞を繋げて出してくる?  これで、止まった。  理由がわかんにゃい。 「そおかあ、何ておバカさんなんだぁぁ」  じゃなくて、 「え? ダメなの? どして?」  状態でした。  しかも、新木さんの書き方を見ると、これは考えるまでもなく自明のことであるような感じ。  なのに、それがわかんないって……。  というわけで、考えました。  どうして繋げて出すと「わかってない」のか。  とりあえず、わかんないから、二つを比べつつ、声に出して読んでみて。  …………  ああ、わかった。  これ、ちゃんと離してないと、読むの止まらないんだ。  この課題の目的はセリフ一つで好きを表すこと。  だから、一つセリフを読んだら、そこで読むのを止めさせないといけない。  でも繋げてあると、どんどん流れていってしまう。  つまり、余韻というか、書いたセリフが読んだ人に響かない。  だから離さなければいけない。  そういや、繋げて書いてあると“わかってない”と明示されてるのに、何でみんな繋げて出してるの?  あれ?  そもそも私、最初から勘違いしてるのかな? ●「好き」課題 「ん……」 「や」 「んべ」 「うん」 「あったかぁ」 「ほっとする」 「鈍感」 「なんとなーく」 「ちゃんと決めろ」 「護ってやる」 「ふたりで、逃げよう」 「死なないで……おねがい」 「後悔はしない」 「お前は、あたしの言うことだけ聴いてればいいんだ」  五分で、十四個吐き出せた。  まだまだ。 ●望乃さん  最後だから、あいさつくらいはしておきます。  私は個人的にだが、君の毒は為になった。  あの恥死量の毒を見るたびに、同じように過去に痛い奴であった自分を思いだした。  以前、新木さんが大人は痛みを知らないと言っていたけれど、私も忘れかけていたから。  社会人になるってことは、耐えることだ。  キレたら、会社では居場所がなくなる。  リアルな世界は、君がいままで浸かっていたぬるま湯なんかよりも、ずっと熱く、厳しい場所だ。  そして逃げたら、あとには逃げた自分しか残らない。  大人になるにも覚悟がいるのだ。  月並みだけど、それだけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 立春大吉 No.6121 投稿日 2003年2月5日(水)00時33分 投稿者 弟切 千隼 節分の翌日は立春ですね。 この日、禅寺では、「立春大吉」と書いた札を門前に掲げる風習があります。この四文字を縦書きにすると、左右対称となって裏から読んでも表から読んでも「立春大吉」となるのをめでたいとするそうです。 一年のうちで最も寒さが厳しいこの時期に、「立春大吉」と掲げるのは、昔の人々が春を待ち望んだ心の現われでしょう。 >>好きのひとこと 新木さんがとても美味しそうな餌を投げて下さったので、食いついてみます(^o^) 最初に私がNo.6095で書いた台詞と、No.6110で提出した改訂版と、新木さんがNo.6111で修正して下さった台詞と、三つの版を比較してみました。 これで、どこがどう違って、どんな効果が現われているのかわかれば、弟切は一つノウハウを手に入れたことになります。 まず、1です。 「御飯、作りに行ってあげようか?」 (No.6095) 「私の手料理食べたい?」 (No.6110) 「ごはん、作りに行っていい?」 (No.6111) 新木さんが指摘されたとおり、最初の版では、単純に相手のことを気遣った台詞なのか、相手に好意を持って言った台詞なのか、全く判別できません。これは論外ですね(;_;) 次の改訂版では、一応相手に好意を持っていることは伝わりますよね。好意を持っていない相手に、この台詞を言う女の子はいないでしょう。 そういう点ではストライクゾーンを外れてはいないとはいえ、何の芸もない直球なので、普通の打者にはあっさり打たれそうな球です(^^; 新木さんの修正版は、私の最初の版とよく似た単語が並んでいます。なのに、ちゃんと「この台詞を言った女の子は、相手に好意を持っているのだな」と確信させる要素を含んでいます。 新木さんの版では、「御飯」が「ごはん」に開かれています。こうすると文字の印象が柔らかくなり、女の子の台詞らしくなりますね。 加えて、「御」の字が表わす丁寧語という意味が薄れて、この台詞を言った相手とは堅苦しい関係ではなく、親しみのある関係であることが確定します。 「行ってあげようか?」と「行っていい?」という語尾の違いも、「御飯」と「ごはん」の違いを強調しています。 「あげようか?」ですと、相手を尊重した言い方ですから、相手とはやや距離がある関係であることを示します。対して、「いい?」という語尾はくだけた言い方ですから、かなり親しみを持った相手でなければ使わない表現です。 しかも、「〜していい?」という訊き方には、子供が親に甘えながら許可を求める時のような響きが含まれています。女の子が甘えた調子で男の子に語りかけるのには、ふさわしい言い方でしょう。 上目遣いで男の子の表情をうかがいながら、この台詞を言う女の子の様子が目に浮かびますね。 普通の打者では手を出しかねるストライクゾーンぎりぎりに、すぱっと投げ込むプロの技は、さすがです。 次に2です。 「送っていってよ」 (No.6095) 「あなたに送ってって欲しいの」 (No.6110) 「送んなさいよ」 (No.6111) 最初の版では、とりあえず相手が嫌いでないことしか伝わりません。 嫌いな相手にこんなことを言う人はいないでしょうが、夜遅くなってしまったとか、痴漢が出ると評判の道を通らなければならないとかいう事情があれば、それほど好意を持っていない相手にも、この台詞を言う女の子はいるでしょう。 次の改訂版では、言った相手に好意を持っていることは確定します。わざわざ「あなたに」と相手自身を意識させる単語を入れて、「欲しいの」で、自分の意志をはっきりと示していますから。 しかし、これも直球過ぎますね(^^;  それに、最近の女の子は積極的になったとはいえ、男の子に対して、これほど自分の意志を明確にした言い方をする女の子は少ないでしょう。ここまで言う女の子でしたら、持って回った言い方などせず、あっさり「好き」と言ってしまいそうです。 新木さんの修正版は、一見ぞんざいな命令形です。けれども、その中にちゃんと親しみを示す要素が含まれています。 「〜しなさい」という命令形は、「〜しろ」という命令形よりも丁寧な言い方で、女性がよく使いますね。よって、この台詞を言ったのが女性であることがほぼ確定します。 女性が女性に対して「送ってくれ」と依頼することはあまり考えられないため、この台詞は女性が男性に対して言ったものであることもほぼ確定します。 ここで、丁寧であるとはいえ命令形の台詞であることが、絶妙な効果を表わしています。というのは、女性が男性に対して命令形で話すというのは、少なくとも現代日本の文化においては、稀なことだからです。これは文化の中に含まれる暗黙の了解です。 女性が男性に対して命令形で話すのは、 1)女性のほうが男性よりも目上である。 2)女性が男性にかなり親しみを抱いている。 のどちらかの場合です。 もし、女性が男性に対して「送りなさい」と言ったのなら、これは普通の丁寧な命令形ですから、1)の可能性が大です。 けれども新木さんが挙げた台詞は、「送んなさいよ」と少し訛った言い方になっており、1)の可能性を排除して、2)の状況を確定しています。 最後に3です。 「○○座と××座って相性いいんだよ」 (No.6095) 「○○座と××座が相性良くて、よかったぁ」 (No.6110) 「なんで○○座じゃないのよぅ?」 (No.6111) この台詞も、最初の版では、単に星座占いの説明をしていると取られても仕方ありませんね(;_;) 次の改訂版では、「よかったぁ」という言った本人の感情を表わす言葉が入っているため、言った相手に好意を持っていることは伝わります。 しかし、これでは「好き」という感情が薄いですね。恋愛感情といえるところまで行っているかどうか、このままでは確定しません。女の子が仲の良い女の子の友人に対して言ったとしても、違和感のない台詞です。 新木さんの修正版では、語尾が疑問形になっています。とはいっても、これは単純に質問しているのではなく、相手を少し責めている感じが出ています。 なぜなら、疑問符の前に「じゃないの」だけではなく、「よぅ」が付いているからです。 この「よぅ」の効果は絶大ですね。こういう語尾を付けてしゃべる男はまずいませんから、これで話し手が女の子であることが確定します。そのうえ、女の子が示す甘えた口調をよく表わしていて、甘えながら拗ねてみせる女の子の表情が浮かんできます。 女の子が甘えながら拗ねてみせる相手といえば、普通は好きな男の子でしょう。これで、この台詞は「女の子が好きな男の子に向かって言った台詞」であることが確定します。 知れば知るほど奥が深いプロの技を見せていただきました。細かい技の積み重ねが大切なのですね。 「おとぎりは、れべるあっぷした!」か?  (東スポみたいな書き方をするんじゃありません > 私(^^;) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6122 投稿日 2003年2月5日(水)04時26分 投稿者 新木 伸 >望乃君  もう読んでないかもしれないけども。  前回の退室表明。  あれを管理者削除したのは、投稿者名がなんの告知もなく変更されていたため。あと内容のほうにも、ここの参加者に対する一方的な「捨て台詞」的なものが含まれていて、やはり退室する人間が書くべきものではなかったため。  削除して、僕が用件のみ代筆しておいたほうが良いと判断したため。  今回のはちゃんとした退室の言葉になっているので、削除したりはしません。  作家を諦めるということだけど。  まあ、諦められるようなら諦めておいたほうがいい商売なんで、そのほうがいい思う。  十人の作家に聞けば、十人が口を揃えて、同じことを言うと思う。「作家になるべきかどうかで迷っている? 絶対に諦めちゃだめだよ」なんて無責任なことを言う人は、たぶんいないでしょう。  それが言えるとしたら、他人の人生を棒に振らせても平気な人。ひどい人。作家を目指させて、そして作家になれなかったら、どうする?  もしも、またそのうち作家への思いが再燃するなりして。  その時にもまだこの分室が残っていて。  そしてこの場所でなにか得る物がありそうだと判断したなら、またいつでも来てください。  ここの門は、誰に対してでも、いつでも、開いてあります。 >天衣さん  なんか天衣さんも、最近どんどん負荷が増していって、「痛たたっ」てな感じですが。ここといわず、あちこちでもって。  頑張ってください。もし折れちゃいそうなら、折れる前に自己申告を。すこし休憩しましょう。  あと例のアンケートなんですが、僕も書いていいですか?  たぶん誰よりも痛い内容になると思うんですが〜。(本音ってのは、痛いもの) >好きの言葉、リライト  天衣さんのやつ。 「だいっきらい」 >光来さん >>結衣がその場にいたのは、自分で夕飯の買い物をしているんですから自然です。 >>ですから諒の側で考えた場合、スーパーと複合店の食料品売り場とでは不自然さは同等だと思います。 >>一般的な男子学生がそういった場所にいくということはまずないですから。  えーと、駅前のミニデパートの構造を書いてなかったっけ。  1F、食料品売り場。  2F、日用雑貨、家電、メガネ  3F、衣類。  4F〜6F、CD、ゲーム、本、ゲーセン、ビデオレンタル、喫茶店  7F、スポーツクラブ  おおむね、こんな感じになっているもんです。  4〜6Fの配置には変化があるけど、1〜3Fはほぼ固定。特に1Fに食料品がないケースは「絶対にありません」。  結衣はいつも1階に用があるわけですね。  諒はその日たまたま4階あたりに用があったわけですね。  両者はエスカレーターで出会う可能性がありますね。  これが普通のスーパーであったら、諒がそもそもそんな場所に行くことが、まず不自然です。  しかしミニデパートだと、そんなに不自然でもないわけです。  結衣には食料品の詰まった袋を、そして諒のほうには小脇にCDでも持たせておけばよろしい。 -------------------------------------------------------------------------------- 仮眠ばっかして凌いでいる。そろそろ神のドリンクの出番か…… No.6123 投稿日 2003年2月5日(水)10時16分 投稿者 新木 伸 >天衣さん >矛盾とか >>「――なんの用だ?」 >>(――下らない茶番だ) >>言いながら、思う。思いながらも、言う。 >>それは一見相矛盾するようで、表裏一体の行為。この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。  あ、そうそう。もうひとつ、書き忘れていた。  ここって、いったい何と何が矛盾しているのでしょうか?  「思う」と「言う」であると言われていますけど、まず「矛盾」を辞書で引いてみてください。  そうしたら、「なんの用だと問いかけつつ、心の中では茶番だと考えている」――というこの状態が、その辞書で引いてきた「矛盾」と呼べる状態であるのかどうか。  それ検証ね。 >天衣さん  感想掲示板のほうですが。(まあ僕がなにか言うのも、余計なお節介なんですが)  「天衣さんは自分のことを低く見ている」「天衣さんは自分を馬鹿にしている」と相手が感じてしまうこと。  これって、のらりくらりかわしている(ように見えていた)これまでの姿勢と関係あるんじゃないかな? >>もともと狙いが違うんだよーん。ダメージ受けてないよーん。ぜんぜん平気だよーん。  というこの態度。僕は不真面目と書きました。  「あなたの言うことを僕は狙っていないので的外れです」「あなたの言うことはぜんぜん痛くありません」と――こういうふうに見えるってことですね。  これは「天衣さんが自分のことを軽く見ている」とも受け取れるのでは?  ささ。リカバーしないと。  誤解であれば、それは解けばすむことですし。 >羽矢野 >>そういや、繋げて書いてあると“わかってない”と明示されてるのに、何でみんな繋げて出してるの?  君とほんの半歩ぐらいしか違わないよ。  はじめは言われたことの意味がわからず、そこで足を止めて考えてみたわけでしょ?  しかし人間っていうのは、普通は、「わけわかんない」ことがあったら、それはなかったことにして読み進めてゆくものなのね。それが普通。  なにが「わかってない」って言われてるのかわかんない。だからそれは「なかったこと」になっているわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 休養宣言 No.6124 投稿日 2003年2月5日(水)18時26分 投稿者 天衣  申し訳ありません。ちょっと感想掲示板の方で、色々とこたえました。  折れちゃいそう、というか、丁度折れちゃった、というか。きっつぃ……。  分室でも指摘等だけでもひそかにキツかった中、あれは耐えられなかった……。(いや、本当キツかったんです。見えなかったかもしれませんけど)  とにかく、そういう次第でして。新木さんの御言葉に甘えて、(自粛の意味も込め)しばし休養に入らせて頂きたいと思います。  ここまでの分へのレスだけでも、礼儀として出しておきたいところですが……今受けている精神ダメージ、少々深刻でして。ちょっと、まともな文章が書けそうもありません。  ちゃんと読んで、こたえ、自分なりに考え、かつ出来るだけ消化しておりますので、とりあえずのところは、それだけで勘弁してください。うう……。  ――あ、一つだけレス出しとこ…… >新木さん > あと例のアンケートなんですが、僕も書いていいですか?  すいません、ごめんなさい、わたしが悪かったです、やめてくださいませぇ、今の精神状態で受けたらシャレになりませぬぅ――  いつ復活できるか、それとも死んだままでいるか――それは現時点では、なんとも言えません。  拙作「シークレット・ミーン」最初一ページ分を教材にしての、指摘、分析、リライト等は、変わらず続けて頂いて結構です。ただ、わたしからのレスは(少なくともしばらくは)なくなりますので、それは御容赦ください。  それでは皆さん。短い間でしたが、色々とタメになる指摘等、ありがとうございました。  一度、これにて失礼致します。――できれば、またいつか……。 -------------------------------------------------------------------------------- 「本気」と「本音」は紙一重(雑談) No.6125 投稿日 2003年2月5日(水)20時42分 投稿者 鷹見一幸  この前の書き込みは、頭蓋骨の中身が煮えてる最中に書き込んだものですので、趣旨が飛びまくり、言葉も足りないものでした。  ネタにもならない低レベルなものでした、ここにお詫びさせていただきます。  平行して三つの話書きながら、ライター仕事して、さらに書き込むというのは、キャパシティを越えるのだと、認識しました。  いま、ザ・スニー○ーの次号の巻頭特集記事の構成とライターをやっています。 「鷹見一幸とポリスストーリィの魅力」というタイトルですが、後半のポリスストーリィの特集記事を書いています。(と、いうかこれから書く) 「鷹見一幸特集」の記事も書かせてくれと頼んだのですが、絶対にまともなことを書かないに決まっている。と言う理由で断られました(笑)  さすがに自分の特集記事を自分で書くわけにはいかないらしい。  ライター名は「榎野英彦」でいくつもりです(笑)  その昔、水野良さんも、ロードス島の特集で、同じように自分の特集の構成とライティングをやったそうですが、考えて見れば造物主なんだから作品世界のことは誰よりも知ってるわけですよね。  さて、本題。  「本音」やら「本気」がどんなものなのか、初めて知った人間が何人かいたようだけど。  「本音」も「本気」も痛いものなんだよ。  一生懸命抱えて守ってきた自分の自我やら自尊心やらそういったものに、ダイレクトに刺さって、ぐりぐりとえぐるように回転する鋭利な刃物みたいなものだ。    文章には人格が出る。と書いたのには理由がある。  「本気」じゃない文章ってのはわかるんだよね。同じように書かれていても「逃げている」文章はわかるし「甘えている」文章もわかる。  サバイバルゲームで、BB弾を撃ち合って「当たってないもん」とか「痛くないもん」と言って言い逃れても許してくれるようなチーム同士でゲームやってきた人間が、いきなり実弾(かなり減装薬だけどね)撃ち込まれたようなものかな。と思って見ていました。  実弾を撃っている人間は「本気」です。 「当たってないもん」「痛くないもん」は通用しません。 「本気」には「本気」で立ち向かわなければなりません。  泣きながら文章を書いたことがあるのだろうか?  何が何でも「面白い」と言わせてやる! と、涙を流しながら文章を書いたことがあるのだろうか?    不思議なもので「本気」で書いた文章は、その「本気」が伝わるものなんだな読んだ人に。  自分の価値は自分で決める。 「自分は無価値で何もできない」と決めたのならそれに他人が文句をつける筋合いは無い。  無価値な、何も出来ない道端の石ころや空き缶のような人生を送ればいいだけのことだ。    書かないと決めたのなら書かなければいい。  書きたいと思えば書けばいい。  誰も懇願も強制もしない。  書いたものに自分以外の人間が価値を見出すかどうかは別の話だ。  これは作家に限ったことじゃないけど    世の中は「本気」で満ちている。  その世の中で、自分がどんな評価を得ることができるのか。  それは、どれだけ「本気」を出せるかで決まる。    君は「本気」かい? -------------------------------------------------------------------------------- 死して屍[しかばね]拾う者あり(ハイエナ談(笑)) No.6126 投稿日 2003年2月6日(木)00時56分 投稿者 弟切 千隼 いろいろなお店に、バレンタイン特別コーナーが目立つ季節になってきましたね。 この時期は、普段見かけない珍しいチョコレートがたくさん売られるため、食いしん坊の弟切にとっては楽しい季節です。たとえ誰もあげる相手がいなくても(笑) >>駅前の店 首都圏の私鉄の駅前ですと、確かに新木さんがおっしゃるようなミニデパートがあることが多いですね。 こういうのは、地方の特性が出るところでしょう。 例えば私の故郷の静岡ですと、鉄道といえばほとんどがJRで、そのJRの駅の建物自体が、通称「駅ビル」と呼ばれるミニデパートになっていることが多いです。 この「駅ビル」の場合は、ほぼ間違いなく地下が食料品売り場となっていて、一階は婦人物のファッション売り場となっています。一階に食料品売り場がある場合でも、一階全部が食料品売り場ということはまずありません。必ず、婦人物ファッション売り場とフロアを二分するような形になっています。 建物の規模にもよるものの、二階以上の構造は、首都圏にあるミニデパートとほぼ同じです。 天衣さんへ > 「本音」が痛いものであることに関しては、私も新木さんや鷹見さんの御意見に賛成です。 けれども、それは別にして、私は天衣さんにはとても感謝しています。作家「志望者」ではないにも関わらず、半ば要請される形でここへ足を踏み入れて、私たちに恰好の教材を提供して下さいましたから。 これまで二年以上に渡るこの分室の歴史の中で、このような参加の仕方をした方が他に皆無だったことを見れば、天衣さんがいかに貴重な存在であったかがおわかりでしょう。 どうぞ今は休まれて、後でぜひ復活してきて下さい。 天衣さんの資産を無駄にしないように、天衣さんの「好きのひとこと」と、それを新木さんが修正したものとを比較してみます。 >>『あんたなんか――大っ嫌いよっ!』 (天衣さん原版) >>『きらいっ』 (天衣さん改訂版) >>『だいっきらい』 (新木さん版) 原版から『あんたなんか――』を除いた経緯と、『嫌い』の漢字を開いた経緯と、語尾の『よ』を除いた経緯は、No.6104で天衣さん御自身が説明しているとおりでしょう。 しかし、天衣さんが「要らない」と考えて、改訂版で削った「大」を、新木さんは復活させています。ただし、漢字を開いて、小さな「っ」を付けています。 漢字を開いているのは、ひらがなのほうが女性らしさが出るからですね。 しかも、この台詞を言った女の子は、相手の男の子が本当に「大嫌い」なのではなく、実は好きなわけです。「本当は嫌いじゃない」ことを表わすには、「嫌い」の意味を強調してしまう「大」の字は開くしかありません。 新木さん版を天衣さんの改訂版と比べると、語尾の「っ」がないかわりに、語の真中に「っ」が入っていますね。これはなぜでしょう? 天衣さんも考察しているとおり、語尾に「っ」や「!」が来ると、その言葉は誰かが叫んでいるように見えます。 「きらい」のようにひらがなで書かれた女性らしい台詞を叫んでいるとなると、ヒステリックな感じが強くなってしまい、その台詞が含んでいる裏の意味や微妙なニュアンスを、読者さまが読み取りにくくなってしまいます。 したがって、語尾の「っ」や「!」は、なくて正解です。 だからといって、「だいきらい」では、少し幼い女の子が、本当に嫌っている相手に対して言った台詞のように見えてしまいますね。 ここでこの語の真中に「っ」を入れるだけで、たちまち素直になれない女の子の愛の告白になるのが不思議です。逆強調とでも言うべき効果でしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 少し No.6127 投稿日 2003年2月6日(木)01時34分 投稿者 羽矢野  いろいろと、改めて考えさせられることが多い。  文章のやりとりって、真剣での斬り合いだ。  そんなのみんな知ってることだと思うけど、最近痛感させられる。 ●好き 「こいよ」 「ま、いいんじゃない?」 「やれやれ」 「いーだ」 「一緒に、死んで」 「あきらめらんない」 「へへへ」 「側にいっても、いいですか?」 「きらいに、ならないで……」 「言わせんな、バカ!」 「……伝わる?」 「はやく大人になりたい」 「もうちょっとだけ」  今日は十三個吐き出しました。  これぐらいが、私の五分間での今のところの限界か。  プロは五秒だから、何十分の一だ? ●繋げてだす。  誤読じゃないようだ。よかった。  「わからない」ことは「なかったこと」になる。  同じように「気に入らないこと」や「嫌いな相手」の文章も「なかったこと」とか「悪意の文」とかになってしまう。  だから、相手がどう感じるのかを意識して書かないといけないのだが、それって難しい。 ●馬宮さん  ミーンで馬宮さんからあった話題は、どうします?  やります?  やりません?  茶番という言葉が必要かどうか。  ナイフとか。 -------------------------------------------------------------------------------- リアルでの精神的負荷ちょっと上昇中…… No.6128 投稿日 2003年2月6日(木)23時43分 投稿者 光来 唯  「本音」とか「痛い」とか、私には何も言えることはない。  だって、その辺私はまだまだ、アマちゃんだろうから。 >駅前のミニデパートの構造  私は普通のデパートを思い浮かべ、食品売り場は地下と想像してました。  別に一階に食品売り場があることを知らないわけでもないですし、地下食品売り場を使うということは“不自然さ”の強調にしかならないですから一階が食品売り場の方が問題ないですね。    ただ、このことに関して新木さんは『特に1Fに食料品がないケースは「絶対にありません」』と言っているので、地下食料品売り場はまた「俺的普通」なんて言われるかとも思ったけども、弟切さんの故郷でもそうなっているので、「俺的普通」ではないようです。    でも。全体で言ったらどっちが認識として普通なんだろうか。  これは調べにくいな。自分の周りだと同じ答えしか得られないし……  それはそれとして、今は結衣が諒に興味を持つためのエピソードの考えているわけでして、そのスーパーかどうかってのは、「出会いの場所」が不自然かどうかというより、アイデアのひとつの状況設定にすぎなかったのです。  だから、「ミニデパートでの出会い」というのであれば、その状況下用のイベントを考える必要があることになります。 >好きの台詞 「せなか、あったかだね」 「だいじょうぶ、あなたがいるから」 「わたしが死んでも、わたしのこと忘れないで」 「わたしの分まで生きて……」 「ずっと、そばにいてね」 「あなたが望むなら、わたしは何だってしてあげる」 「あなたのこと予約したんだから、わたし以外のものになっちゃだめだよ」 「ここが、あなたの家なんだ……」 「いいよ、ずっとそばにいてあげる」 「また会いたいから、さよならは言わないよ」 「ずっと。ずっと、あなたが欲しかった」 >アイデア出し・その5   今回は「諒によってちょっとエッチなこととなった」ために、それを結衣が自分を女の子として見てくれていると感じるようになるというものです。  ちゃんと言いますと、「諒にとっては異性に向けられるちょっとエッチな視線を、だが結衣はしの視線すらも自分を女の子として見てくれているのだと思い込み、諒に対し興味を持つようになった」というものです。  結衣は「基本的に他者に対し無関心を装おうとしている」少女です。  けど、あくまで装おうとしているだけで、実際に無関心でいられられるか、それとも地が出てしまうかは時と場合によります。  だから、今回の「ちょっとエッチなこととなる状況」に対する結衣の反応としては、 A:結衣・無関心(フリ)、諒・反応。   結衣は自分が女の子として意識されている(見られている)のだと気付く。同時に、気付かせてくれた諒に興味を持つ(異性的な)。 B:結衣・普通の女の子的な反応、諒・反応。   自分を意識してくれている(女の子に対しての反応を示す)異性の存在に自分を女の子として見てくれていると感じる。  の2通りになるわけです。  一応、結衣の反応の仕方としてはこの2パターン。だからアイデア出しをするとすれば、この反応を示すための状況のアイデアを出すということになります。   >アイデア出し ・階段から落ちそうになったのを支えられたとき、胸を鷲掴みにされた ・もつれあって転んだとき、胸に顔を押し付けられた ・体育祭、二人三脚で諒と一緒に走ったとき、抱き合うように転んでしまった ・風でスカートがめくれ上がる現場を見られた ・高いところにある荷物を取ろうとしたとき、下からスカートの中をのぞかれた ・雨宿りをしている際、下着が透けているのを見られた ・プール掃除でふざけてて男女ともに全身ずぶぬれになったとき、体操着がはりつき身体のラインがはっきりしてたのを諒にじっと見つめられた ・車に泥水をはねられ、スカートが汚れてしまった際、拭いてくれようとした諒に尻を触られた ・膝をすりむいたのに絆創膏を張ってもらうとき、諒の視線が太腿に向いていた ・転んだとき、スカートがめくれているのに気付かず、手を貸してくれようとしている諒の視線がスカートの中に向けられていた ・身体測定を休んで、保健室で別の日に行われる際、服を脱いでいるときに、それを知らずに諒が保健室に入ってきた。他にも同様に身体測定のため下着姿の少女がいたが、結衣は諒の目が自分に向けられていることに気付いた ・体育の時間、教室で着替えていると、諒が突然入ってきた  これらの状況に対し、結衣が上記の2パターンどちらかの反応を示し、結果諒に興味を持つようになったということになります。 -------------------------------------------------------------------------------- レスいろいろ No.6129 投稿日 2003年2月7日(金)00時04分 投稿者 馬宮 ●羽矢野さん    >シークレットミーン 茶番など >>ミーンで馬宮さんからあった話題は、どうします? >>やります? >>やりません?  やります、やります!  わたしは本当に一ページ部分のみで発言していました。  羽矢野さんが全文読んでいる、と書いているんだから、そこを指摘するにはわたしも全文読んだ上で書かないといけませんでした。もうしわけありません。  あらすじ、ご指摘、ありがとうございました。    で、全文読んでみました。  羽矢野さんのあらすじがなかったら、読破はきつかったです(汗)。プロローグと第一章のつながりがすぐにわかりませんでした。    ところで、羽矢野さんとわたしの指摘は、かなりすれ違ってるみたいですが。わたしが本文を知らないってだけじゃないかもしれません。  まず、ナイフに関して    >>後、全体的な印象として、面白くない。  >>つーか、面白いことが始まらない。  >>男のわけのわかんない自問(しかも、自分でくだらないとかいう程度のもの)しか書いてないので、読みをやめてしまう確立は高し。  >>せめて、ナイフ持ってるとこまでいってないとね。(羽矢野さん)  >>だって「茶番」ですよ。ナイフ持ってたら、お芝居にならないじゃないですか。(馬宮)    >>ナイフが、この後にでてくるんだな、これが。(羽矢野さん)  まずここなんですが。羽矢野さんの書き込みに対するわたしの誤解がありました。  わたし、「ナイフを持ってるところまでいってないと」というのを、最初からナイフを持たせておくのか、と思ったんです(汗)。  サリーシャが最初からナイフを持っていたら、誘惑にもならないし、芝居にもならないじゃないか、と。  だから、「シーンの意味が変わってしまう」だの「女の真意がはっきりわかってしまう小道具は、隠さないといけません」だのと書いたんです。  だから、暗殺がばれる、という意味でナイフが後から出てくるのはいいと思うんです。    ここまでで、確認させてください。  羽矢野さんは、「ナイフが出てくるところまで読まないと、おもしろくない」とそういう意味で書いたんですよね?  次に茶番です。   >>ちなみに、茶番がどうしてダメか。 >>簡単に言うと、それが重要だから。 >>茶番って説明だから、描写しろというのが私の意見。  なるほど。そういう意味だったんですか。茶番が重要というのは、同感です。  わたしは、あの文ごとこの茶番が必要ない言葉だと言われているのか、と誤解していたようです。  では、ここをさらにつっこみます。  >>この茶番は、最後までやり遂げてこそ初めて一つの意味を成す。  ここが問題の一文ですが。  6009で、羽矢野さんはこう書いています。   >>とかいろいろ言ってますが、この行ってもう明らかな“灰色文章”だよね。 >>読者に興味持たせたいなら、こんなふうにこのシーンには謎がありますと説明するのはどうかと思う。 >>こんなこと何も書かずに、読者に何か謎があるんだなと思わせないと。 >>こんな説明は、実はかなり恥ずかしいのだ。  かっこつけてもしょうがないので、もう正直に、ぶっちゃけた話。  「茶番を説明せずに読者にわかってもらう……どうやってやるんだろう」と思いました。  このノウハウは、まだわたしの頭の中にありません。    わたしが自分でこのシーンを書いたら、間違いなく「説明」すると思います。  だから、わたしの中でこの文章は灰色じゃないんです。    でも、このままじゃわたしのレベルがあがらないので、羽矢野さんの胸をお借りして勉強したいと思います。      というわけで、まずは、問題の整理と誤解や間違いの修正を書いてみました。  最初の四行リライトの部分と、話がずれてしまうのですが、もしよろしければお付き合いください。     ●藤極堂さん(6029) 参考サイトを読み終えるまで時間がかかってしまいました。 お礼が遅くなりまして、本当にもうしわけありません。 >>縦書き表示したまま書き直しできるフリーソフトでははYellow Mint Editorを紹介しておきます。  とても便利です。  分室ログもそうですが、よみかくの作品群を読むのがものすごく楽になりました。  前に紹介していただいた、エディタ「紙」と一緒に修行に役立てています。  ありがとうございました。 >参考サイト  >>窓の杜 - 【矢吹拓也のいじくるレジストリ】第4回:レジストリのバックアップ(2)  >>野浪正隆研究室  読みました。なんとか読みました。ニサイトとも、かなり難しかったです。  「矢吹拓也のいじくるレジストリ」は、とっつきにくかったんですが、わかるところだけでもと読みました。消化できるまで、少しかかりそうですが、これも勉強です。  野浪正隆研究室の方は、文章表現論の因果関係図や構成分析図など、創作するときに書いてみたらいいかもしれない、というのがありました。 ●魔方陣・魔法円・魔法陣(6063・6065)  新木さん、弟切さん、ありがとうございました。  とても勉強になりました。  魔法陣が造語だということは、驚きました。  そして、それを知った上でどちらを選ぶか考えること。  知識はこういうところでも必要だと感じました。  悪魔とか魔術等の本を読むとっかかりになります。  こういうところから、少しずつ知識を広げていこうと思います。   ●弟切さん(6077) >>馬宮さんは広島県在住で、パン屋さんにお勤めだそうですね。広島県でパン屋さんといいますと、ひょっとしてアンデルセンですか?  いえ、ボローニャといいます。本社は京都にあるんです。  主力商品は、ディニッシュ生地の食パンで、ずっしり重く、甘みがあります。    それにしても、「広島」、「パン屋」ときたら、アンデルセンが出てくるんですね。  アンデルセンという名前は、有名なんだなぁ、と驚きました。  わたしは、広島のパン屋というと、タカキベーカリーがすぐに出てきます。  ネットで調べてみたら、アンデルセンも、タカキベーカリーも、リトルマーメードも、全部一緒の系列なんですね(汗) >合気道  演舞ではありませんでした。演武でした。合気道のサイトをあっちこっちあたって、確認しました。  ああ、魔方陣といい、同じような間違いばかり(涙)  ご指摘、ありがとうございました。  今回もかなり、ショックです。間違えたという事実と、誤った情報を広げてしまったこと。そして、例がみなさんにうけただけに、カッコ悪さのトリプルパンチです。  弟切さん本当にありがとうございました。  そして、みなさん、演舞は間違いです。もうしわけありませんでした。  このままでは、書き込みの信用度が下がってしまいます。  馬宮、気合いを入れなおします。 -------------------------------------------------------------------------------- >駅前のミニデパートの構造 No.6130 投稿日 2003年2月7日(金)00時15分 投稿者 藤極堂 デパート フロアガイド でGoogle検索した結果を見ると食料品は地階に配置されている場合が多いようですね。 私の住んでいるところでは、地階の無い場合は一階にある場合が多いです。 食料品というのは、回転率が多く、なおかつ水分を含んでいて重いものが多いので搬入の手間を考えると一階もしくは地階に設定するのが妥当でしょう。 しかし駅前という立地条件で地階が無いというのが、一般的なのかどうなのか田舎者の私にはわかりません。 -------------------------------------------------------------------------------- パンも米飯も好きです(^_^) No.6131 投稿日 2003年2月7日(金)02時18分 投稿者 弟切 千隼 馬宮さんへ > お勤めはボローニャですか。私、ボローニャのパンも好きですよ(^o^) ボローニャが京都に本社のあるパン屋さんだというのは知っていました。 最近、ボローニャは首都圏にも進出していて、私が知っている範囲だけでも、恒常的にボローニャのパンを売っているお店が何軒かあります。弟切は、そういうお店で何回かあのデニッシュパンを買って食べました。 ちなみに、アンデルセンやリトルマーメイドは、静岡県内にも何軒もお店があり、首都圏でも結構見かけるので、こちらの人もお店自体は知っている率が高いと思います。しかし、本社が広島県にあることを知っている人は少ないでしょう。 >>文章指摘課題 天衣さんが休養中でも、その資産を生かすべく、弟切は課題に取り組みます。 今回は、課題部屋にある「シークレット・ミーン」の冒頭四行改訂版(No.341のもの)を指摘してみます。 >> 闇に、紅い唇が浮かんだ。 一行目のこの文自体は、色っぽい雰囲気を出そうとしているのが伝わって、良いと思います。「紅い唇」と言われれば、まず普通は「色っぽい女性」を思い浮かべますよね。 >> 彼はそれを正面に見据えたまま、腰掛けていた寝台から立ち上がる。 けれども、この二行目で早くもちょっとつまずきました。 前の行の「紅い唇」でもって、色っぽいおねえさんが闇の中にいるらしいことを読み手は知っています。闇の中であるため、そのおねえさんの姿は見えておらず、その姿はどんなふうに色っぽいのか描写されていません。 でしたら、読み手としては、「どんな魅力的なおねえさんが出てくるのだろう?」と期待しながら次の行を読むでしょう。なのに、読み手が知りたいおねえさんの情報は何もなくて、いきなり「彼」と来ます。 これでは、読み手は「彼って誰よおお?」と言いたくなります。 ここは、「彼」ではなくて「男」にしておけば、もう少し良かったのではないでしょうか。 「紅い唇」の女性に対して「男」なら、闇の中で色っぽい女性と男性が向かい合っていることになります。それなら、細かい描写がなくても、「次に色っぽい展開になるのは確実」と読者さまに期待を持たせることができます。 しかし、ここではまだ二行目です。まだまだこの後に、色っぽい女性や「彼」の描写が出てくる可能性はありますから、たいがいの読者さまは次の行へと読み進んでくれるでしょう。 >>「――なんの用だ?」 >> 彼の問いかけを受け、唇の端が上がった。 >>「昨日に――約束したでしょう?」 ここの台詞に関しては、ベストではないにしても、いい線行っていると思います。少なくとも雰囲気ぶち壊しということはありません。 問題は、二つの台詞に挟まれた真中の文です。 相変わらず、女性は「唇」しか登場しません。他の部分の描写が何もないまま、唇だけが動いています。 皆さんが指摘されているとおり、これでは唇だけが闇の中に浮かんでいる「唇お化け」みたいなものを想像してしまい、色っぽいどころか不気味な雰囲気になってしまいます。 私の場合、この部分で、実際に唇が宙に浮いている場面を描いたシュールレアリスムの絵画を思い浮かべてしまいました(^^; シュールレアリスムとは、超現実主義とも呼ばれ、サルヴァドール・ダリやマン・レイといった芸術家が属していた芸術の一流派です。 >> 彼はチラと目を横に向け、そこの机の上にあるランプを掴んだ。そして正面にかざす。 >> 紅い唇を中心に光が広がり、目を細めた女性の顔が現われた。 これ、ここの描写がもうちょっと前の行に欲しいですね。 ここでやっと「色っぽいおねえさん」の顔が出てきます。顔でなくても、体の線でも何でもいいですから、唇以外の部分を描写して、「五体が揃った人間」としての色っぽいおねえさんがここにいることを、読者さまに提示しなければいけないでしょう。 お姉さんがきちんと魅力的に描写されていれば、冒頭の四行や五行といった範囲では、「彼=男」の具体的な描写がなくても、読者さまは付いてきてくれると思います。 ここで、「彼」にランプをつかんでかざすという行動をさせたのはよいですね。この描写を入れることによって、この世界がランプというものを普通に使っている世界だろうということが、読者さまにわかります。 加えて、台詞を言っているだけでほとんど男が動かなかった−というより、何をしているのかわからなかった−改訂前のものよりも、具体的な動きがある分、この男性が普通のまともな人間に見えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 「ハイスピリッツ・ガール」あらすじ《17B》 No.6132 投稿日 2003年2月7日(金)04時10分 投稿者 紫ゆきや  翔子が激発するまでの「溜め」として、小さなエピソードを追加してみました。  前回のを読み返しますと、翔子が「キレたがっている」ようなカンジでしたね。失敗していました。  今回は「考えるより先に体が動いた」くらいに見えればいいなと思っています。  お時間があきましたら、読んでいただけると幸いです。  よろしくお願いします。 ●「ハイスピリッツ・ガール」あらすじ《17B》  翔子はとても元気な女の子。幼い頃から武術一筋で、とっても男らしい性格をしている。しかし、翔子自身は「自分はわりと明るい性格」くらいにしか思っていない。  翔子には葉月という親友がいる。葉月は翔子と唯一「普通」に付き合うことのできる、ごく普通の女の子だった。  翔子は葉月と登校中に、下級生の女の子が、他の学校の男子にからまれているのを見つける。  葉月が大人を呼びに行こうとするが、翔子はその男子を、あたりまえのように腕ずくで追い払っていた。  助けた女の子は愛美といった。  翔子のカッコ良さに一目惚れしたという愛美が、交際を申し込んでくる。  翔子は女どうしで交際する気は無いと断るが、愛美は諦めてくれないのだった。  HRの後。愛美に惚れられた理由が分からず、翔子が困っていると、葉月が「翔子が男よりも男らしい」せいだと教えてくれる。そんなふうに思われていたとは知らなかったので、とても驚く翔子。  愛美に愛想を尽かしてもらうために、「女の子らしい振る舞い」というモノを葉月に教わることに決めるのだった。  ことあるごとに翔子に会いに来る愛美。  翔子は、愛美が見ているときには、女の子らしく振る舞おうとする。  しかし、ことごとく失敗してしまい、ますます惚れられてしまう。  放課後。葉月と帰ろうとする翔子にベッタリくっついてくる愛美。けっきょく三人で下校することになった。  その途中、朝に追い払った他校の男子が、仲間を増やして仕返しに来る。  愛美に頼られる翔子。しかし、これだけの相手を追い払ってしまったら、決定的に惚れられてしまうのでは、と困ってしまう。  数を揃えて強気になった男たちに凄まれる翔子。  まったく動じていない翔子だったが、「女の子らしく振る舞う」ために、葉月をマネて、怯えたフリをする。  脅しが効いたと思い勢いづいた男たちに、小突き回されるが、それでも女の子らしくしようとする翔子。  そんな状況を見かねた葉月が、話し合いで解決しようと前に出る。  しかし、まともに取り合わない男たち。それどころか見た目のいい葉月を気に入ったと言いだした。  男たちが、翔子を許す代わりにと葉月を連れて行こうとする。  葉月のピンチに、キレる翔子。  女の子らしく振る舞うとか、愛美が見ているなんてことはスッカリ忘れて、またたく間に男たちを叩きのめすのだった。  葉月にケガが無かったので安心する翔子。しかし、愛美に愛想尽きさせるのは、絶望的になってしまったと落胆する。  ところが愛美が、翔子のことを諦める、と言いだす。  翔子と葉月の間には誰も割り込めないから――と、さらに勘違いを深めたらしかった。 ●天衣さん  ありがとうございました。 (ROMはしてもらえているんでしょうか。挨拶がおそくなって、すみません)  あまり指摘も雑談もできませんでしたが、素早いリライトや返信は見習わなくてはと思いながら読んでいました。  やり方は人それぞれなんで、充電できたら、また一緒にやりましょう(^^) ●光来さん  車ネタに反応しました。  雪の日の自爆、わたしも経験アリです。  1.5tの鉄の塊が、「上り坂でも滑りつづける」という貴重な体験をしました。  雪道を走るといえば、コンビニとかでも売ってる「WRC」という競技のビデオとか、面白いですよ。  雪に覆われた山道を全開で走ってきて、ブレーキと同時に雪壁へ車体を擦りつけて減速。そして、四輪とも横滑りさせて車体を内側に向けたままコーナーへ入っていくんです。  そうそう、「まだ分からない文が混じってる」との指摘もありましたね。  でも内容としては、このくらい具体的であれば、私は楽しめます(^^) ●好きの一言  妄想暴走です。 「そのときは、あなたを殺してあげます」 「このまま……では、いけませんか」 「はい、約束ですよ」 「ごいっしょできるのであれば」 「キミはボクと同じだね」 「あなたの血を見せて」  ……自分の趣味は歪んでると思いました。  今更ですけど。 >> 「わたし死神なんだけど、それでもいいの?」 「好きと言わないで、好きを表わす一言」という課題を見て、最初に浮かんだのがコレでした。  ほんと「カッコイイ一言」ですね。 ●「アナタの悩み、解決します」/縛炎まゆみ  読ませて頂きました。  やっぱり、「自転車をこぐ女子高生の、スカートからのぞくフトモモは基本」だと思いました。  他にも「元気のよさ」を示す描写で、参考になる点が多いです。「狭いところをスリ抜ける」なんてのは、猫っぽくてイイナと思いましたし。  なにより私の場合より、ずっと少ない文章量で目的を果たしてありますね。Hシーンの前にアクションシーンが2つも3つもあっても困ってしまいますから、これは重要です。  紹介していただいて、ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6133 投稿日 2003年2月7日(金)05時24分 投稿者 新木 伸 >BB弾とか  BB弾ってのは、あれ、あたるとけっこう痛いもんですよ。  肌に直接当たれば皮膚が裂けて血も出るし、頭にあたればタンコブぐらいはできるし。ゴーグルなしだと目が潰れて失明ぐらいするし。  しかしまあ、なにがどうなったところで、おそらく本当に死んでしまうようなことにはならないでしょうが。失明したって、それは「死ぬ」のとは違うわけだし。  自分は本気です。――と言ってここの門を叩いてくる人には、こちらもまた自分の思うところの「本気」を見せるのが礼儀と思っています。適当にあしらって調子をあわせるほうが、むしろ失礼なことだと。  そもそも、ここの存在意義は「新兵訓練所」だし。  容赦なく実弾打ちこむのが、戦場経験者の努めってもんだし。  しかし我々の撃ちこんでいるこれ、本当に「実弾」なんでしょうか?  実弾を身に食らった経験からいうと、どうも実弾ではないような気が……。  鷹見さんほど満身創痍じゃないでしょうが、僕も2〜3発なら食らっているはず。  鷹見さんは「減装薬」と言っていますけどね。  銃器ではなくって、ちと、刀剣でたとえてみますか――。  これ、「竹刀=BB弾」とはいわないけども、せいぜい木刀じゃないのかな?  骨折くらいするけども、しかし本当に「斬れる」わけじゃない。  骨折なら、治ります。  しかし真剣で斬られると、治る前に、すでに死んでます。 >紫 >>まったく動じていない翔子だったが、「女の子らしく振る舞う」ために、葉月をマネて、怯えたフリをする。 >>脅しが効いたと思い勢いづいた男たちに、小突き回されるが、それでも女の子らしくしようとする翔子。 >>そんな状況を見かねた葉月が、話し合いで解決しようと前に出る。  つまり葉月がまず先に「怯えたフリ」をしているわけね。それを翔子がマネてみたわけだね。  そして翔子は葉月ともども、こづき回されるわけね。こづき回されている二人の反応は、葉月のほうは書いてないからわからないけど、翔子のほうは「女の子らしくしている」わけね。しかし女の子らしくこづき回されるって、いったい、どんなんだ?  しかし変だにょ?  翔子と一緒にこづき回されているはずの葉月が、なんだか突然前に出ているにょ? こづき回されているのに、なんで急にそんなことができるのかにょ?  それともひょっとしてもしかして、葉月はふたりいるのかにょ?  ワケわかんないから、ここは読まなかったことにしようかにょ〜?  そうすると困ることになるにょ?  この話、ヤマがないにょー!  あらすじで芸を見せろとまでは言わないが。  なんで普通のことを普通に書くことさえできんのだ?  なにがどうなっているのか、誰がどう動いたのか。それを書くだけのことだろう?  内容については、問題ない。  これでプロット立ててよし。――というか、べつにこのまま書き出してしまってもいいと思うが。  いっぺん書きあげてみて、そしてなんだか変なことになってしまうようなら、そこからもういちど仕切り直して、「プロット立てる→もういちど書き直す」ぐらいのことをする気はある?  これは二度手間になってもかまわない覚悟があるのかどうかってことね。まあ二度手間の書き直しったって、70枚かそこらだろうが。(3日分ぐらい?)  もしそのつもりがあるなら、このまま書き出してよし。  また――。  もし二度手間を避けたいのなら、プロットからやりなさい。  しかし紫の場合、どれだけの「本気」があるのか分からんからなぁ。  プロットに取りかかっていると、それが終わった時点で「満足」しちゃうか、さもなければ「飽き」ちゃうかして、本編を書かずに終わってしまう可能性も大なわけだ。  だからどっちかってーと、このまま書き始めちゃったほうがいいんじゃないかね?  前者の「いきなり書く」のパターンであれば、とりあえず初稿だけは上がるわけでしょう?  それがリライトを要する出来であって、とんだ未完成品でしかなく、さらに手を付けるつもりもなくて、そのまま放置されるのであったとしても……。  いちおう、作品は形になるわけだ。たとえば羽矢野の「イントゥ・マイセルフ」みたいに。  僕はたとえ1ページであっても、「書き直し」をすることが死ぬほど嫌いな人間なんで、プロットを立てることにしている。  しかし、そのやりかたが合うかどうかは、人による。  全面書き直しが嫌ではない人は、書き直しを前提で執筆するというスタイルもある。  三雲さんとか、このスタイルらしい。 -------------------------------------------------------------------------------- レス、課題 No.6134 投稿日 2003年2月8日(土)01時04分 投稿者 馬宮 ●新木さん(6014) >>そういや、馬宮さんの読んでいる本の範囲ってのは、知らないっけ。 >>前にまっきーが挙げたみたいに、自分の好きな作家とシリーズとを、ざっとあげてみそ。  読んでいるのが多い文庫名別にあげて見ました。作者名は敬称略です。  思いつくかぎり、ざっと書いてみました。  シリーズ名がよくわからないのがあり、描写等いろいろ調べていたら遅くなってしまいました。もうしわけありません。    コバルト文庫  「殺人切符はハート色」(星子シリーズ) 山浦弘靖  「星へ行く船」(星へ行く船シリーズ) 新井素子  「ブラックキャット」 新井素子  「東方の魔女」(リダーロイスシリーズ)榎木洋子  「丘の家のミッキー」 久美沙織  「こちら幽霊探偵局」 団龍彦  「ザ・学園超女隊」(超女隊シリーズ) 団龍彦  「なんて素敵にジャパネスク」 氷室冴子  「まんが家マリナ最初の事件」(マリナシリーズ) 藤本ひとみ  「破妖の剣 漆黒の魔性」 前田珠子  「聖獣覚醒秘譚 まどろみの守護者」 前田珠子  「ヴィシュバ・ノール変異譚」  水杜明珠  「アレキサンドリア物語 薔薇と剣」 山崎晴哉  「<ユウマとユリ>サハラの涙」 山崎晴哉     X文庫  「悪霊がいっぱい」(悪霊シリーズ)小野不由美  「都市戦記 妖魔アルディーン」 井上ほのか  「アイドルは名探偵」 井上ほのか  「パラドックスティーパーティー」(ティーパーティーシリーズ) 皆川ゆか  「<<魔法使い>>にお願い?」(運命のタロット) 皆川ゆか    電撃文庫  「星くず英雄伝」 新木伸  「新フォーチュンクエスト」 深沢美潮  「デュアンサーク」 深沢美潮    富士見ファンタジア文庫  「無責任艦長タイラー」(宇宙一の無責任男シリーズ)吉岡平  「卵王子 カイルロッドの苦難」 冴木忍  「道士リジィオ」 冴木忍  「メルヴィ&カシム」 冴木忍    中央公論社   「ミラクル・アイ」 六道慧  「デルフィニア戦記」茅田砂子  「桐原家の人々」茅田砂子    角川文庫―スニーカー文庫  「アウトニア王国奮戦記 でたまか」鷹見一幸  「大熱血。」(未来放浪ガルディーン) 火浦功     ウィングスノベル  「妖魔の里」(天界樹夢語りシリーズ)麻城 ゆう  「特捜司法官S-A」 麻城 ゆう    ホワイトハート  「十二国記」小野不由美    ソノラマ文庫   「大神伝」六道慧    徳間書店  「銀河英雄伝説」 田中芳樹    大陸書房ノベルズ  「界渡りの魔導師」(界渡りの魔道者) 麻城 ゆう    その他  「黒猫サンゴロウ」竹下文子  「鬼平犯科長」 池波正太郎  「プリズンホテル」浅田次郎  「天切り松 闇がたり」浅田次郎  「覆面作家は二人いる」(覆面作家シリーズ)北村薫      >>そしてその中で「描写が上手い」人は誰でしょう?  >>また「描写がヘタ」な人は誰でしょう?  >>あとプロの場合には「描写がヘタなわけではないが、サボっている」という人もいるな。  >>あとその逆で、「描写にこだわっている」人もいるだろう。  >>プロの仕事を手本にするまえに、まずすべて区分けして、分類しておかないと。  それが……  区分けがうまくいきません。  自分が夢中になった本ばかり、というのもあるんだと思うのですが、どれも上手く見えてしまいます。  特に影響を受けていたりすると、ひいきめなしに判断するのが難しいです。   これはもう、わたしの描写へのこだわりが、そのまま結果になったんだと思います。    「描写」を意識して、上にあげた作家の本を読みなおしてみます。  同じような場面があったら、そこを比較すると、区分けができるかもしれません。    ああ、でも!  浅田次郎の「天切り松 闇がたり」は、一話につきどこかのシーンが必ず頭の中で、映像化されるんです。映画になってしまうんです。すごく綺麗な映像なので、どうなってるんだろう、と思った記憶がありました。    >>本を読んでいて、自分の頭の中になにかイメージが「ぱあっ」と見事に浮かんだときには、どうしてそうなったのか、前後の数行を繰り返し読み返して、分析すること。  >>必ず前の部分に仕掛けがある。それも超短期記憶の原理からいって、3〜5行以内だ。そこにかならず作者の工夫と仕掛けとがあるはずだから。その技を読み取れ。  はい。まずは、「とても鮮明な映像になった」とはっきりわかる部分から勉強していきたいと思います。  どの本にも、そういうところは、必ずあったんです。    >>「描写」というのは、相手の頭の中に「あるイメージ」を描きあげて、転写すること。  >>「読者の脳裏」が、作者が筆を揮うべきキャンパスなわけね。  今さらのことで、とても恥ずかしいのですが。  描写は、読者のイメージを膨らませるためにあるんだと思いました。  その時に使う言葉は、書き手の言葉ではなく、読者の言葉。  書き手のイメージを優先するんじゃなくて、読み手のイメージを優先する。年齢や性別によって、イメージが変わることもありますから。  例えば、「カッコイイ女性」=「美人」、「赤い爪」=「紅い唇」のように、言葉がもつ一般的なイメージを知って、使えるようになることが大事だと思いました。       ●天衣さん  車の急ブレーキと同じで、スピードが出ている時にいきなり止まったために、衝撃がきてしまっているんじゃないでしょうか。  リライト指摘等続けていますので、落ち着かれましたらまた顔を出してみてください。  課題へのご協力、本当にありがとうございます。 >シークレット・ミーン リライト指摘  では、課題部屋336の冒頭リライトの指摘をします。    >>闇。  >>彼は、宵闇に染まった寝室の奥に立ったまま、入口の方に目を向けていた。  >>入口脇の壁には燭台がかかり、その上に灯(ひ)のついたロウソクが乗っている。  >>その灯りが夜闇に浮かべる小さな世界には――、一人の女性が立っていた。  >>脆弱な灯りには、影となる部分の方が多い。それでも、こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。  >>ユラ……。  >>ロウソクの灯(ひ)がかすかに揺れる。合わせ、彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。 >全体の印象  今度は文章が短くなっているため、読みやすくなっています。そのせいか、「夜闇」も前ほど気になりません。  それにしても、「闇」の文字が目立ちます。三回も出てきています。  「闇」「宵闇」「夜闇」。  三回も出す理由がわかりません。  それから、リライト前と比べると、女性の影が薄いです。  全体的に、淡々と情景を「説明」しているだけですね。  リライト前の方が「書くぞ!」という勢いがありました。   >精読  >>闇。    闇、というのは本当に真っ暗なイメージです。目の前がなにも見えないという印象があります。    >>彼は、宵闇に染まった寝室の奥に立ったまま、入口の方に目を向けていた。    ここは、他の方からもかなり指摘を受けているようですが、「宵闇」は前の「闇」というイメージを打ち消してしまうと思います。いっそ、とってしまったらどうでしょうか。    >>彼は、寝室の奥に立ったまま、入口の方に目を向けていた。    こうすると、今度は前の「闇」が濃いすぎて、「寝室」と「入り口の方」が浮いてしまいます。  でも、この情報は必要ですので削ることはできません。  だから、最初の一文「闇。」が余分だと思いました。    >>彼は、宵闇に染まった寝室の奥に立ったまま、入口の方に目を向けていた。    これが一行目に来たほうがいいと思います。    >>入口脇の壁には燭台がかかり、その上に灯(ひ)のついたロウソクが乗っている。    男性が入り口に目を向けているから、男性の目に見える風景が次にきています。  ですが、ロウソクよりも、この後に出てくる女性の方が先に目に入るんじゃないでしょうか。  ロウソクに一文使うことはないと思います。女性の「ついでに」こっそりロウソク、という優先順位でいいんじゃないでしょうか。    >>その灯りが夜闇に浮かべる小さな世界には――、一人の女性が立っていた。    女性登場が遅いです。もったいぶってる感じがします。    >>脆弱な灯りには、影となる部分の方が多い。それでも、こちらを向く女性の口元に浮かぶ笑みと、下着同然の薄着姿は分かった。  とてもわかりにくいです。   >>脆弱な灯りには、影となる部分の方が多い。  これですね。どこに影があるのかわかりません。というか、なにと比較して「〜の方が」とやっているのかわかりません。  室内は全体的に暗いんですよね。  「暗かったのでよく見えなかったが、女はなんか笑っているし下着みたいな服を着ているようだ」  というだけのことだと思うんです。ここは描写ポイントですね。  さて、ここでわたしは自分の書き込みを引用します。以下の文章は、同じ書き込みの新木さんあてからとってきました。    >>描写は、読者のイメージを膨らませるためにあるんだと思いました。  >>その時に使う言葉は、書き手の言葉ではなく、読者の言葉。  >>書き手のイメージを優先するんじゃなくて、読み手のイメージを優先する。    これが今のところの、わたしの描写理解です。  これをもとに考えると、マズイ言葉がいっぱいあるんですよ。    ・脆弱な灯り  ・影となる部分  ・多い  ・口元に浮かぶ笑み  ・下着同然の薄着姿    続いて、新木さんの言葉の引用です(6014)。  >>「描写」というのは、相手の頭の中に「あるイメージ」を描きあげて、転写すること。  >>「読者の脳裏」が、作者が筆を揮うべきキャンパスなわけね。    描写をする時は、読み手の頭の中に、言葉という色を使って絵を描いていくんですが。  使えない色があるんです。  それが、「読者が知らない色」。つまり、なんの意味も感じられない言葉です。    ・脆弱な灯り  ・影となる部分  ・多い     これは、どう考えても意味ありません。    「口元に浮かぶ笑み」は描写になっていると思います。  「下着同然の薄着姿」は、もうちょっと言い回しを変えた方がいいか、これも描写してしまった方がいいと思います。エロティックになりますから。    >>ユラ……。    すぐにロウソクの灯が揺れた、とわかりません。女性が揺れたような気がします。    >>ロウソクの灯(ひ)がかすかに揺れる。合わせ、彼女に張り付いた影も、その肢体を舐めるように這い動いた。    なぜロウソクが揺れたのかがわかりません。「張り付いた」はなんか硬いです。女性の身体の起伏は柔らかいですし、もうちょい軽い感じの言葉に変えた方がいいと思います。  ただ、最後は、ちょっといい感じです。    「その肢体を舐めるように這い動いた」    これは、読者の頭に絵を描ける色だと思います。  男性視点ですし、エロティックですね。    以上で天衣さんの336リライト指摘を終わります。   ●弟切さん    >>私、ボローニャのパンも好きですよ(^o^)  >>弟切は、そういうお店で何回かあのデニッシュパンを買って食べました。  そうなんですか! あのパンを、何回か……  >>ボローニャが京都に本社のあるパン屋さんだというのは知っていました。  >>ちなみに、アンデルセンやリトルマーメイドは、静岡県内にも何軒もお店があり、首都圏でも結構見かけるので、こちらの人もお店自体は知っている率が高いと思います。しかし、本社が広島県にあることを知っている人は少ないでしょう。  すごい……  前の弟切さんのヤキイモ談義(5706)を思い出しました。  わたし、あれからヤキイモ屋を見かけるたびに、味の違いを確かめようと買いに走っていたんですよ。(いまだほくほくタイプしか食べたことがありません。ねっとりタイプはいずこ……)。  あの、もし差し支えなければどうしてアンデルセンが広島だとご存知なのか、教えていただけませんか?  こういう身近なネタ、引き出しになるような気がします。  このまま使うんじゃなくて、なんていうか、他のネタと組み合わせて、  「主人公の女の子が、憧れていた伝説のパン屋さんの正体に気づく瞬間」(例えはすごく変なんですが)。そういう「秘密がばれるパターン」の引き出しになるかも、とか思ったんです。    ●台詞課題    これも、描写なんですよね。「赤い花」と書かずに、「赤い花」を想像させる練習……  「言葉で直接好きだとは言わないけど、この子絶対この男の子のことが好きなんじゃない」と読者に思わせる……  と……とにかく、がんばろう(握り拳)    「隣に座ってあげるわ」  「逃げて!」  「あの子の方がいいんでしょっ」  「待ってたわけじゃないんだからね」  「たまには、ね」  「いやらしー」    ●紫さん(6132)    >「ハイスピリッツ・ガール」あらすじ《17B》  指摘ではないんですが、あらすじを読んで「楽しみだな」と思ったことがあったので。    男っぽい翔子が、キレる直前まで、ずーっと女の子らしく振る舞うところです。  きっと苦労するんだろうな、と(笑)。  わたしも女の子らしくするの、苦手なんで(汗)。(かといって、男みたいだと言われたこともありません。だから、わたしの言う、女の子らしいというのは「ぶりっ子」ですね。もちろん、ぶりっ子じゃなくても女の子らしくてカワイイ子はいっぱいいます、ああ羨ましい)。  例えば、女の子がびっくりした時、「キャッ!」とかよく言いますよね。あれ、わたしは言えないんですよ(笑)  「うわっ!」とか「うおっ!」になります。  なんどか女の子のフリをして可愛らしく「キャッ!」って言おうとしたことがあるんですが、「ぎゃっ」になったり、どれぐらいの声の高さで言ったらいいかわからなくて、練習しようとしても、最初の一声がなかなか出なかったり。  結局自分でも気持ち悪くなって、やめてしまいました(というか、笑ってしまって練習にもなりませんでした。友人には変な目で見られるし)。  えーと。  馬宮には最近、勝手に妄想爆発させるクセがあるのがわかったので。  もし、見当違いのところを楽しみにしていたら、スミマセン(汗)。 -------------------------------------------------------------------------------- 筋肉痛いたた No.6135 投稿日 2003年2月8日(土)01時46分 投稿者 羽矢野 ●馬宮さん  では、ミーンのリライトをやっていきましょう。  お互い指摘で遠慮はなしに。 >>「ナイフが出てくるところまで読まないと、おもしろくない」とそういう意味で書いたんですよね?  そうです。  あの書き方だと、誤読されてしまうか。  もっとはっきり伝わるように、気をつけます。 >>茶番  これ、もっとよく考えました。  このプロローグって、茶番なんだという情報が本当に必要なんだろうか?  仕事の合間とか使って一日考えて…………。  ゴメン。  前を撤回して、やっぱり茶番ごと、全部いらない。  あった場合となかった場合を考えたけど、あっても読者忘れてる。  憶えていても、特に面白さって増えない。 (これって伏線に属するものだ)  「茶番ってこういうことだったのか」  って最後に思わせるのが、多分天衣さんの狙いだけど。  でもそれはせいぜい、気付いても気付かなくても、どっちでも良い程度のもので十分じゃないだろうか。  あんなグチみたいなの行数使って書かなくても。  流し読みだと、飛ばすんじゃないかな、あそこ。  男のグチで、しかも心理なのに説明文だ。もう一回読んだけど、やっぱり灰色だ。 >>「茶番を説明せずに読者にわかってもらう……どうやってやるんだろう」  例えば、あの部分って、溜め息一つ(やれやれって感じの)でも伝わらないだろうか。  エロい姉ちゃんが誘ってるのに、溜め息なんかついたら、あれ? って思わない?  主人公はこれがお芝居だと知っていて、悪ノリしてるような彼女に溜め息をついたんだと後から(憶えていたり、読み返せば)わかる。  それって茶番だと説明するのと、情報はどれだけ違う?  それに説明よりも描写の方が、憶えていてもらえる確率も高い。  事実私はそんな説明があったことすっかり忘れていた。  天衣さんが、あの部分のことのほか重要視していたので、読み返して気付いたくらいだ。  エロい姉ちゃんがナイフを振り上げたに比べたら、あの主人公のくだらないとか茶番だとかのグチは、記憶に残るわけがない。  エロいお姉ちゃんの殺人未遂と、男のグチ。  どっちが記憶に残るか、比べる必要もないよな。 >>視点  天衣さんは、三人称の人物視点でやってたけど。  これは三人称の神視点の方がいいんじゃないかと思う。  人物よりの視点だと、三人称でも主観が入ってしまう。  ここの文章は読者を騙すわけだから、なるべくフェアな視点じゃないと、読者は怒るだろう。  だって、心の中ではお芝居であることを隠す必要がないわけだ。  それなのに、そんなこと全然思ってなかったり、さっきの茶番みたいな歪曲したような書き方してあったら、読者は自分が誤解したんじゃなくて、作者が誤解させたんだと思う。  そう思われたら、作者の負け。  もう一つは、これはうまく言えないけど、このプロローグってクールに決めるところじゃないだろうか。  だから。  抽象的で申し訳ないが。  これで一通りはいいのかな?  天衣さんがお休みなので、一度リライトやってみます。  それを見てつっこんで下さい。  馬宮さんも、書いてね。  お互いに指摘しましょう。 ●紫さん  どうでもいい部分につっこむ。  君の車だと、そりゃ滑るって……。  よく雪道コントロールできるね。ある意味スゴイ。  私はすでにおちさん車だから、雪道での危険な経験はあまりないや。  でも、みんなも安全運転でね。 ●好き 「いわなきゃ、わからない?」 「ほらここ、こんなに暖かい」 「他人の目なんて、気にしないよ?」 「クスッ」 「信じて……」 「わかってるよ」 「安心する」 「えへへ」 「うー、いちわる」 「もう、しらない!」 「なあ、わかるだろ?」 「ほんとに、ほんとに、ほんとにありがとう」  五分で十二個  そろそろ、思いつかなくなってきた。    では。 -------------------------------------------------------------------------------- ある雪の日に No.6136 投稿日 2003年2月8日(土)04時00分 投稿者 弟切 千隼 これは、私の知人のUさんから聞いた話です。 ある日、Uさんは、東北地方に住む友人のところへ遊びに行きました。その友人の車に乗って一緒に出かけたUさんは、雪の降りしきる中、バイクの後部に竹竿を立てて走っているおにいさんを目撃しました。 「今どき、バイクに竹竿立てて走っている暴走族なんているんだなあ……しかもこんな雪の日に」と、ある意味で感心しながら、Uさんは接近したそのバイクをよく見てみました。その竹竿には「Rossignol」(※注)と書いてありました。 ※注:「ロシニョール」と読みます。スポーツ用品メーカーの名前です。特にスキー板のメーカーとして著名です。 竹竿だと思ったそれは、スキー板でした。 世の中には、雪の降る中バイクに乗ってスキーへ行こうというツワモノもいるのですね(*o*) >>話作り 文章指摘課題のほうが一区切りつきましたので、自分の話作りのほうを見直してみました。 鳥頭の弟切は、自分が前に何をやっていたのか忘れているため(^^;、とりあえずこれまでに出した「助け合いを嫌う主人公の起承転結」をまとめて課題部屋に上げておきました。 少し時間を置いたおかげで、自分の案を冷静に見られるようになっていると思います。今の弟切は睡眠不足でてんぱり気味のため、次回、課題部屋に上げた中から、最善のものを選びます。 でも、弟切も文章が下手だと自覚しているので、もう少し文章指摘課題を続けて、文章力を上げたいという気持もあります。 羽矢野さんと馬宮さんがやっている「シークレット・ミーン」書き直し課題に、私も参加(乱入?)していいでしょうか? > 羽矢野さん&馬宮さん。 馬宮さんへ > >>パン屋さん談義 静岡県出身で神奈川県在住の弟切が、なぜボローニャやアンデルセンのことを知っていたかという秘密−は、大げさですね(笑)−は、次回に答えさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6137 投稿日 2003年2月8日(土)08時19分 投稿者 新木 伸 >著作権法のやさしい解説  ふと、ひょんなことから、日本における著作権法の良い解説ページがあったので、リンクを張っておく。 ・著作権Q&A http://www.cric.or.jp/qa/qa.html >リンクを張る人へのお願い  なるべく、上のような形に張ってくれると助かる。  リンクを張ると同時に、URLの文字列も見えるようにするということね。  今後、「過去ログ倉庫」には「html形式」と「プレーンテキスト形式」と、両方を置くようにしとこうと思っている。  プレーンテキスト形式にしちゃうと、リンク文字列も表示させておかないと、リンク内容が消えちゃうのね。  ちなみに、Targetタグは、まあどっちでもいいや。あまり重要でない。  topにしておいたほうが親切だろうけど、なくてもよいでしょう。ドラッグドロップでリンクをIEのタイトルバーのところに持っていって落とすとか、リンク上で右クリックして、「新しいウインドウで開く」とやれば、強制的に別ウィンドウで開くこともできるし。 >食品売り場が地下一階のデパート  これって、地下街があるってことなんじゃないの?  地下街があるなら、そりゃ、食品は地下1階でしょう。  地下街がないなら、食品は1Fでしょう。  地下街があるような街並みって、それ、一般的なのか? >馬宮さん  読んでる本、それだけ?  だいたいこれで終わりなのか。それとも、ほかにもまだまだあるのか。  なんか乱読しているっていうか、とりとめがないっていうか。  ある一系統に傾倒していたり、そういうのが見えない。  ひとりの作家の全シリーズを読み倒していたりするわけでもないし。  ジャンル読むも、作家読みもしてないってことかな。  不思議な読み方をしているなぁ。  ものすごい読書量がある人が、「面白かった本」を思いつくまま上げてゆくと、こういうふうに散漫な感じのリストができるのだけど。 >羽矢野  っーか、おまえ、なんのために時間制限付けて数出しやってるわけ?  「好きの言葉」の話だけど。  乳酸溜めて充実感に浸るため?  たとえば仮に――。  5秒で1個出したなら、1分で12個。10分で120個。1時間でなら720個出せる。そのなかから厳選すれば、まあ俺でもそれなりのものが出せるだろう。  ――とか明確な狙いがあって、数出しに専念しているなら、わかる。  5分ばかり集中して、なんかの役に立つのか?  あと、前に教えたはずのことを、すっかり忘れているようだなぁ。  「どう考えてもそれは無理」ということを、自分のものとするための方法。  ひとつひとつのネタ出しの時間を、少しずつ短縮してゆくアプローチでは、絶対に「不可能」に到達することはできないの。それはそもそも、不可能なんだから。  おまえ、そんな5分に12個だとかノロくさいことやってて、そのうち本当に「5秒で1個」に到達できると、自分で本気で信じているのか?  不可能は不可能だから、不可能っていうの。  不可能をモノにするには、それなりのノウハウってのがあるの。  いっぺんやらせて、ちゃんと出来てたはずなのに、もう忘れたのか。  まず、「できるかな? どうかな?」なんて思ってちゃいけない。  「いまは50秒に1個。それを40秒に1個に短縮して、そしたら30秒に1個にして……」なんて考えで、できるようになるはず、ねーだろ。そのうちどっか途中で諦めるに決まってる。  「やる」という前提で、そこから考えるわけだよ。  「5秒に1個出すには、どうしたらいいのか?」と、そのように頭を使う。「それが不可能である理由」なんてことを捏造するために頭を使う余地を、一切残しておくな。  前も同じノウハウでやらせたろ。  5分であらすじ1個ずつ出すには、どうしたらいいのか。  「出せるかどうか?」ではなくって、「出す」という前提で考える。  そうすると、意外となんとかなったりするもんだ。  出すんだよ。  さぁ、どうやって5秒に1個出すのだ? >俺的中間ランキング  俺(他人のリライト分)>馬宮>俺(自分のネタ)>弟切>鷹見 −−−−−−−−−(深い溝)−−−−−−−−−  光来>とんび>巻島>紫>天衣>羽矢野 −−−−−−−−−(深い溝)−−−−−−−−−  かねやん  「深い溝」の上と下とでは、比べる対象となりません。そのくらい違う。  つい直したくなっちゃうような出来なのが、溝の1段目の台詞。コンセプトはいいけど、まだ完全じゃない。文字単位でだけど、直せるところがある。  溝の2段目は、あまりにレベルが低いので、もはやヒエラルキーはようわからん。だいたいこんなカンジー。  かねやんのは、出来の悪いギャルゲーの台詞だなぁ。  これ、そのうち夢境学園でやるかも〜。「ギャルゲー時空」とかいう不思議空間の中で、登場人物全員がそのノリで喋るのだ。ギャグなのだ。  馬宮2位なのは、「前にこれ飲んでたよね」があったから。  これ、僕でも直しようがありません。――っていうか、そもそも僕でも出せるかどうか。  「いつもこれ飲んでるよね」なら、確実に出せる。しかし「前に」のほうは出せるかなぁ。どうかなぁ。  ちなみになぜこれが凄いのか、わかる人は解説してみるのこと。  っていうか、わかる人いる?  1段目にいる人なら、わかるし、解説もできるかな?  弟切さんとか、解説待ってね。  2段目の連中に、わかるかどうか試すから。  あ、しかし馬宮は、ぜんぶ台詞を喋っているキャラが同じじゃんか。一人しかいないね。一人に一ダースも言わせたら、次はキャラをチェンジして、また別のキャラに一ダースほど言わせるのだ。  ところで他のキャラはいるの? >>「言葉で直接好きだとは言わないけど、この子絶対この男の子のことが好きなんじゃない」と読者に思わせる……  馬宮がこれに気づいたのは、勘のいい証拠。  2段目の人は、たぶん、なんだかよくわかっていません。  この部分を自覚化できているか、できていないかで、違いが出てくる。  ちなみに僕とみやびさんと鷹見さんは、こんなこと、「自明の理」として遙か昔から知っています。なにをいまさら――てな感じ。  しかし、台詞だけ検索かけて見てみるんだけど。  不思議なことに、まず台詞だけ見て、「あ、これ○○だな」とか思うと、まず合ってる。 -------------------------------------------------------------------------------- >正規表現わかるひと No.6138 投稿日 2003年2月8日(土)09時36分 投稿者 新木 伸 >正規表現わかるひと  正規表現。  紫とか、みやびさんとかなら、わかるかな?  perlの正規表現で、httpで始まるurlアドレスを発見したら、自動的にリンクしちゃうようにしたいのだが。  なんかいい置換方法、ないかしらん?  そんなに精度高くなくても、適当でいいんだが。 -------------------------------------------------------------------------------- 食いしん坊万歳 No.6139 投稿日 2003年2月8日(土)18時41分 投稿者 弟切 千隼 >>パン談義 No.6134の馬宮さんの書き込みに対する答えです。 私がなぜ、ボロニヤ−調べてみたらこれが正式な社名でした−とアンデルセンというパン屋さんの本社所在地まで知っているのか、ということですね。 パンは、弟切が好きな食べ物の一つです(^_^) 弟切は、朝食にはたいがいパンを食べています。 で、いつも同じ種類のパンだと飽きるので、なるべくあちこちのお店へ行って、違う種類のパンを買うようにしています。遠出した時には、出先で近所とは違うパン屋さんに出会える確率が高いため、出張先などでわざわざパンを買ってくることがよくあります。 ボロニヤのパンとは、何かの用があって東京に出かけた時に出会いました。 ちょうどボロニヤが首都圏進出を狙っていた時期で、あるデパートの地下食品街で、ボロニヤのパンを紹介しながら売るキャンペーンをやっていたのですね。試食させてもらって美味しかったので、買って帰りました。 ボロニヤの本社が京都にあることは、その時の売り子さんから聞きました。 アンデルセンとリトルマーメイドについては、No.6131で書いたとおり、静岡県内にも何軒かお店がありますので、実家にいる頃からお店の存在自体は知っていました。アンデルセンのパンも好きで、静岡でも時々食べていましたね(^_^) けれども、本社が広島県にあると知ったのは割と最近です。ある食べ物関係の雑誌のパン屋さん特集に、アンデルセン本店の紹介記事があったのを読んで、知りました。 「すげー、一つのビルがまるごと同じパン屋さんのベーカリーやレストランだなんて」と思いました。 >>好きのひとこと もう少しがんばって、いくつか出してみました。 7.「一緒にいてやっても、よいぞ」 8.「行かないで……」 9.「Forget-me-not!」 10.「わたし以外に、守りたい人がいるの?」 11.「はい、お手」 12.「ねこぱーんち!」 私が実際に使ったことのある言葉が混じっている(かも知れない)のは内緒です(爆) -------------------------------------------------------------------------------- No.6140 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 上の書き込みを消したのは私です。(リンクミス) No.6141 投稿日 2003年2月8日(土)22時48分 投稿者 藤極堂 よくよく考えてみれば「デパ地下」という流行語があるのだが。 デパ地下リンクガイド http://members.jcom.home.ne.jp/depachika/44 天下のNHK番組 世紀ビジネス塾 の一部コンテンツ http://www.nhk.or.jp/business21/4421 デパ地下に学べ〜小売店業再生のヒント〜からの引用。 http://www.nhk.or.jp/business21/bangumi/0109/09_29/1.html44 <引用開始> 食料品売場は普通デパートの地下にあるものですから人呼んでこれをデパ地下などと呼んでいますが、そのデパ地下が大変最近元気でありましてある種のブームになっているようです。 <引用終了> こんなんもあるよ。 デパ地下リンクガイド http://members.jcom.home.ne.jp/depachika/44 ちなみに私が利用するデパートで地下に売り場がある物は、地下街に面していないものばかりです。 (てゆーか田舎だから地下街も地下鉄もありません) ただし郊外にある、一階や二階建てのデパート(つーかスーパーマーケット)なら地下は無いのが普通です。 ※デパート(百貨店)とスーパーマーケットの違い「社団法人全国スーパーマーケット協会」より http://www.super.or.jp/44 <引用開始> 「商業統計」上の分類からしますと専門スーパーの内、「食料品スーパー」がスーパーマーケットにあたると思われます。分類上では、(1)食料品の扱いが全体の70%以上(2)売場面積が250平方メートル(平成11年より改正)以上(3)セルフ販売方式と定義されておりますが、売場面積が250平方メートル未満の店舗も多くあり、その場合は「その他スーパー」に分類されます。 <引用終了> あれぇ? 新木さんは以前、主夫をやっていたはずなのではなかったかにょ? それとも食品の買い出しは奥様まかせだったかにょ? デパ地下について奥様に訊いてみるにょ。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです。 No.6142 投稿日 2003年2月9日(日)01時36分 投稿者 馬宮    ●羽矢野さん    >>では、ミーンのリライトをやっていきましょう。  >>お互い指摘で遠慮はなしに。  はい。よろしくお願いします。    >茶番    >>仕事の合間とか使って一日考えて…………。  >>ゴメン。  >>前を撤回して、やっぱり茶番ごと、全部いらない。  わたしもこれ、いらないと思います。  同じように一日考えて(汗)結論出しました。  羽矢野さんの方が早かった……    スミマセン。  前は、この話の仕掛けをしらなかったんで「いる」と言ったんです。    わたしは、この伏線をどうやって読者の印象に残すのか、と考えていて気づきました。  あの冒頭部分は、情報量が多すぎます。    ・女性が誘惑している  ・女性の誘惑には意味がある1(女性が男性を殺そうと企んでいる)。  女性が男性を殺そうとする。(女性と男性は実は味方同士で、暗殺未遂もすべて芝居)。  ・女性の誘惑の意味(1と2の両方)を男性は知っている  ・女性の誘惑にのろうとしている  ・女性が男性を殺そうとする。    いまのままでは、女性の誘惑に、意味がふたつもあるんですよ。すごくややこしいです。  だから、全部をあの冒頭部分で読者に印象づけることなんて、すくなくとも、わたしにはできません。    ウリの「女性の誘惑(エロティック)」は必要です。  だとすると、後、もう一つぐらいがせいぜいじゃないでしょうか。  「女性の誘惑には意味がある1」というのは、この後の「女性が男性を殺そうとする」へかかる伏線ですから残しておいてもいいでしょう。二つで一つになりますから。  でも、「女性が男性を殺そうとする2」と「女性の誘惑の意味を男性は知っている」と「女性の誘惑にのろうとしている」。  これは、いらないです。    最後のドンデンに向ける伏線なら、本文中に何箇所かさりげなく混ぜることはできると思います。  その方が、読者が忘れないし、忘れていても思い出しやすいでしょう。    そういうわけで……  「茶番はいらない」という部分は、羽矢野さんと意見があいました。  ですが!  「視点」まで同じ意見ではおもしろくありません。  だから馬宮は、「三人称男性視点」をおします。  羽矢野さんが書いた「神視点の方がいい理由」を読んだ時、納得してしまったんですけどね。    実は馬宮、「茶番はいらない」までは考えついたのですが、「だから視点を変えよう」までは考えつきませんでした。  ここで「なるほど、そうかもしれない」と羽矢野さんの書き込みに乗ったのでは、勉強になりません。  「三人称男性視点がどうしてもダメ」な理由がわかったら、「神視点派」にいきます。    理由はあと二つあります。  ウリの、「女性をエロティックに」を書く時、男性視点の方が書きやすいんじゃないか、とも思ったんです。  それから、完全三人称は、馬宮にはまだ難しいんです。  ちょうどいいので、三人称男性視点と、三人称神視点の違いも勉強します。      >>「茶番を説明せずに読者にわかってもらう……どうやってやるんだろう」  >>例えば、あの部分って、溜め息一つ(やれやれって感じの)でも伝わらないだろうか。  ああ! なるほど!  女がとてもシリアスでノリノリになってやっている時に、男がため息を一つついたらバッチリ伝わりそうです。  でも、あのシーンの雰囲気では難しいですね。  最後の「ナイフを振り上げる」時の緊張感が薄れてしまわないでしょうか。    だって、それ、ギャグですよ。    たぶん、ため息をつくといっても、「気づかれないように」だとは思います。  でも、あのシーンを見ている村人たちに気づかれなくても、読者に気づかれます(もちろんそれが狙いのため息ですけど)。  ここで緊張感がなくなったら、ナイフが目立ちません。  それにこのシーンは、カルメイルの計画が成功するか成功しないかという、大勝負のシーンですし。  「ため息」は不自然じゃないでしょうか。    実は、プロローグを全部読んで思ったんですけど。    >>(そこまでするか……!)    サリーシャに唇を奪われたカルメイルがこう思うんですよね。  これって、ため息と同じ気がします。  「笑うところなんだろうか」一瞬思った記憶があるんです。    >>それって茶番だと説明するのと、情報はどれだけ違う?  >>それに説明よりも描写の方が、憶えていてもらえる確率も高い。  たしかに、「ため息」は「茶番」だと説明するのと同じです。  でも、羽矢野さん、上のカルメイルの頭の中の台詞、憶えてましたか?  これもため息と、情報量かわらないと思います(ため息の方がまだカッコイイですけど)。  それでも、わたしは記憶にあまりありませんでした。  もちろん、なにも知らずに読んだ場合の「茶番」もあまり記憶に残ってなかったでしょう。  こういうときは、描写と説明、両方使ってもいいんじゃないでしょうか。  「茶番」という言葉を使って説明をし、男性が「ため息」ついて、さらに女性にキスされて「そこまでするか……!」と思う。  もちろん、サリーシャがナイフを振り上げるシーンでシーンをカットするのは、まずいでしょう。  その場合は、カルメイルがサリーシャの殺人未遂を防いで、彼女を捕まえるまでやるんです。  そして、カルメイルは「うまくいったな」とばかりにサリーシャと目を合わせて、こっそり笑うとか。    最後のどんでん返しが面白くない、と思われそうですが。  これぐらいやらないと、プロローグの意味がなくなりそうです。  もちろん、この後の本文ではサリーシャとカルメイルが、プロローグが嘘のような敵同士を演じます。  そして、読み手に「あれ? このふたりつるんでたんじゃなかったの?」と思わせる方向に話をすすめるんです。  そして、本文の最後の方、冒頭部分とだぶるサリーシャ視点で、読み手に冒頭を思い出してもらって、ラストのどんでん返しに突入、と……  どんでん返しにならないですか……ね(汗)。 >>エロい姉ちゃんがナイフを振り上げたに比べたら、あの主人公のくだらないとか茶番だとかのグチは、記憶に残るわけがない。 >>エロいお姉ちゃんの殺人未遂と、男のグチ。 >>どっちが記憶に残るか、比べる必要もないよな  これはまったく同感です。    >>馬宮さんも、書いてね。  >>お互いに指摘しましょう。  はい。書きます!  そして、羽矢野さんの指摘と文章と他いろいろ、しっかり吸収します。      ●新木さん(6137)    >>読んでる本、それだけ?  >>だいたいこれで終わりなのか。それとも、ほかにもまだまだあるのか。  「読んでいる本」というなら、もう少しあります。  「好きな本」というのと、「シリーズ」をあげるように、とのことだったので、本当に「お気に入りシリーズ」をあげました。わたしの読書範囲、ということだったのに指示を取り違えていました。もうしわけありません。  前にあげた作家の本は、違う出版社の違うシリーズ等にも手を出していることが多いです。  後は……   ・コバルト文庫、X文庫は好きなので、面白そうなのは作者問わず読んでいました。  若木未生、日向章一郎、折原みと、赤羽建美、今野緒雪、小松由加子、小沼まり子、深谷晶子、ゆうきみすず、鳴海丈。  後、「作家に傾倒してだいたい全巻読んだ(いまだ手に入らない本があるんです)」のは四人だけです。    新井素子、小野不由美、つかこうへい、火浦功   ・おもしろかったんですが、「ものすごく好き」まではいかなかったり、難しかったり肌に合わなかったり、シリーズじゃなかったり、シリーズがあってもまだ読んでいなかったり。    SF: 半村良、小松左京、平井正和、筒井康隆、星新一、阿刀田高、大原まりこ、アイザック・アシモフ、レイ・ブラッドベリ  ミステリー: 夢野久作、綾辻行人、横溝正史、江戸川乱歩、都築道夫、折原一、東野圭吾、赤川次郎、アガサクリスティ  ファンタジー:タニス・リー、JK・ローリング、アン・ライス、ピアズ・アンソニー、ミヒャエル・エンデ  ホラー: ブラムストーカー    時代物: 陣手達郎、平岩弓枝、宮部みゆき、市川森一。    ライトノベル: はせがわみやび、菊地秀行、津守時生、竹河聖、神坂一、雑賀礼史、高千穂遥、神江京、あかほりさとる    いろいろ: 井上ひさし、宗田修、椎名誠、三浦綾子    児童書: 福永令三、佐藤さとる、宮沢賢治、    ポルノ: 縛炎まゆみ 横溝美晶   ・純文は、難しいのであまり読んではいません(汗)。  梶井基次郎は、作品数が少ないので全作品読んでいます。  以上、思いつくかぎりの作者名をあげてみました。   >>ジャンル読みも、作家読みもしてないってことかな。 >>不思議な読み方をしているなぁ。  高校まではコバルト、X文庫、角川スニーカー文庫を集中して読んでいました。あと、その頃流行っていた小説を友人に紹介してもらったりです。  その後、読書家の友人に出会いまして(小学生中学年の頃からひたすら本ばっかり読んでいたそうです)、自分の読書量のなさに、とてつもなく恥かしい思いをしました。  以来とにかく「有名どころをおさえよう」とか、「傾倒できる作家を探そう」とやっきになってあっちこっち手を出したんです。そういう読み方をしたため、読んだ本にまとまりがありません。 >>ものすごい読書量がある人が、「面白かった本」を思いつくまま上げてゆくと、こういうふうに散漫な感じのリストができるのだけど。  ……もっと読みます(涙)。    >台詞課題  ご指摘ありがとうございます。   >>あ、しかし馬宮は、ぜんぶ台詞を喋っているキャラが同じじゃんか。  読み返しました。ああ……本当に……同じです。時々違うのを混ぜたつもりだったのに、同じに読めます。    >>一人に一ダースも言わせたら、次はキャラをチェンジして、また別のキャラに一ダースほど言わせるのだ。  はい。了解しました。  >>ところで他のキャラはいるの?    います。何人いるか、この際洗い出して全員に言わせてみます。  考え方があっていたので、いままで出したところのリライトもふくめて、次からやっていきます。  オーケーの出た、「前にこれ飲んでたよね」が目標です。    この課題、片思いが得意だった女性は、少しだけやりやすいかもしれません(汗)。    ●弟切さん(6139)   >パン談義 >>ちょうどボロニヤが首都圏進出を狙っていた時期で、あるデパートの地下食品街で、ボロニヤのパンを紹介しながら売るキャンペーンをやっていたのですね。試食させてもらって美味しかったので、買って帰りました。 >>ボロニヤの本社が京都にあることは、その時の売り子さんから聞きました。 >>ある食べ物関係の雑誌のパン屋さん特集に、アンデルセン本店の紹介記事があったのを読んで、知りました。  ボロニヤの方は、売り子さんに聞いたんですか。  アンデルセンは食べ物雑誌のパン屋さん特集の記事。  なるほど、両方ともパン好きな方の経路ですね。    これは勉強になりました。  わたしの中に、「朝食をパンにする習慣をもつ人」の引き出しが増えました。  わたしが考えていた「朝食をパンにする習慣をもつ人」は、    ・ジャムやバター等トッピングにこだわる  ・こだわりのパン屋がある  ・近所にあるいろいろなパン屋を知っている  ・自分でパンを焼く  ・家族、友人、恋人がパンを焼く  ・スーパーにあるパンの種類にやたら詳しい。  ・サンドイッチの具にこだわる  ・パンが好き    これぐらいでした。    ・出張先などでわざわざパンを買ってくる    これはなかったんです。おそらく、「旅行先」にも置き換えられるでしょう。  つまり、こういう方は「日本のどこにどんなおいしいパンがあるのか」をちゃんとチェックしているわけですね。当たり前といえば、当たり前なのですが、ものがパンだけに驚きました。  コーヒーやお酒等、お土産屋に売っているものなら、思いついたと思うんです。 (パンも売っているところはありますが、少ないです)  わたしは毎食ほとんどがご飯です。  だから、毎朝パンを主食にする人というのが、なかなかわかりません。     >>「すげー、一つのビルがまるごと同じパン屋さんのベーカリーやレストランだなんて」と思いました。  これわたし、知らなかったんです(笑)。そんなすごいところがあるんですか……  今度行ってみたいと思います。  それから、「主人公の女の子が、憧れていた伝説のパン屋さんの正体に気づく瞬間」。  それは、パン好きの執念だった、と(汗)。  でも、「なにかが好き」というエネルギーは、「なにかの秘密を暴く」のに使えそうです。  これも引き出しにしまっときます。 >>羽矢野さんと馬宮さんがやっている「シークレット・ミーン」書き直し課題に、私も参加(乱入?)していいでしょうか? > 羽矢野さん&馬宮さん。  うわーい!   捕まえました(こら)。馬宮、弟切さんからいろいろ吸収するまで離しません。  どうかよろしくお願いします。   -------------------------------------------------------------------------------- 東海道沿線駅前案内(笑) No.6143 投稿日 2003年2月9日(日)20時12分 投稿者 弟切 千隼 えー、光来さんのお話関連で、駅前の商店のことが話題になっているので、弟切が身近に知っている神奈川県と静岡県の状況をお伝えします。光来さんの御参考になれば幸いです。 弟切はJRの東海道本線沿いに動く人ゆえ、神奈川県と静岡県のJR東海道本線の駅前事情について述べることになります。 神奈川県内の東海道本線の駅周辺で、地下街と呼べそうなものを持っている駅は、私の知る限り六駅あります。川崎駅・横浜駅・大船[おおふな]駅・藤沢駅・平塚駅・小田原駅です。 JRの川崎駅と横浜駅は、日本有数の大都市である川崎市と横浜市の玄関口に当たる駅だけあって、大きな地下街を持っています。どちらの駅にも、地階を持っている駅ビルがあり、駅ビルの地下から他のデパートなどの地階へと地下道がつながって、大地下街を形成しています。 大船駅と平塚駅は、駅ビルに地階があります。しかし、多数の店の集合体である地下街と呼べるほどのものは発達してはいません。 藤沢駅には、駅ビルはあるものの駅ビル自体に地階はありません。駅前に建っている複数のデパートがみな地階を持っていて、相互に地下道でつながっています。 小田原駅の場合は、駅ビルといえるほどのショッピングセンターはありません。そのかわり多数の店の集合体である地下商店街があります。 静岡県内で、周辺に地下街といえるものを持っている東海道本線の駅は、沼津駅・富士駅・静岡駅・浜松駅です。 沼津駅の状況は藤沢駅に似ていて、駅ビルはあるものの駅ビル自体に地階はありません。駅周辺のデパートの地階が地下道でつながっています。 富士駅の場合は、正確には「地下街」と呼べるほどのものはありません。駅の近くに大型のスーパーがあって、そこに地階があります。 静岡駅には、非常に大きな駅ビルがそびえ立っていて、この駅ビルには地階があります。この地階から長い地下道が続いて地下商店街になっており、駅周辺のデパートの地階へもつながっています。 静岡駅の駅ビルは、私の知る限り、地階で一切食品を扱っていない唯一の駅ビルです。静岡の駅ビルの場合は、一階の一角を区切って「食品館」とし、食品はそこでまとめて扱われています。 浜松駅にも、地階を持った巨大な駅ビルがそびえ立っています。この地階から地下道が伸びていて、周辺のデパートやショッピングセンターの地階へと通じています。ただし、静岡駅と違って、細かい商店がずらずらと並ぶ地下商店街はありません。 こうしてみますと、駅前に「地下街」がある駅には、明らかに条件があります。 県庁所在地の駅であるか(横浜駅・静岡駅)、数十万の人口を抱えて栄えている都市の駅であるか(川崎駅・浜松駅など)、交通の分岐点を抱える乗換駅であるか(大船駅・小田原駅・沼津駅など)、どれかの条件に当てはまります。 逆にいえば、上記の条件に当てはまらない駅には、「地下街」はありません。 上記の駅の所在地のうち、小田原駅のある小田原市が最も人口が少なくて、ぎりぎり二十万人に達しません。おおよその目安として、人口二十万人以上の都市にある駅ならば、「地下街」があっても不自然ではないでしょう。 駅前の「地下街」について改めて調べてみて、勉強になりました(^o^) 光来さんに感謝します。 馬宮さんへ > >>パン談義 お役に立てたようでよかったです。 >>好きのひとこと >>この課題、片思いが得意だった女性は、少しだけやりやすいかもしれません(汗)。 (馬宮さんのNo.6142の書き込みより) これ、私も思いました……お互いにがんばりましょうね(^^; >>「シークレット・ミーン」書き直し課題 羽矢野さんの許可が得られていませんが、たぶん断られることはないと信じて、参加表明させていただきます。 課題に取りかかる前に、確認させて下さい。 書き直しを行なうのは、「シークレット・ミーン」のプロローグまるごとですか? それとも、冒頭一ページとか、別の区切りまでですか? -------------------------------------------------------------------------------- 24時間寝た No.6144 投稿日 2003年2月9日(日)23時30分 投稿者 新木 伸 >お題  新課題。  男の「好きの言葉」。  女or女性or女の子or少女――からの好きの言葉は、いまやっているほうね。  こちらも引き続き、やっててよし。  男の子or少年――からは「好き」の言葉が出るだろう。  しかし、「男性or男」――からだと、逆に「好き」の言葉が出ないだろう。  ガキと小僧と少年とは「好き」としか言えないものなのだ。そして男は「愛してる」としか言えないものなのだ。  まあどっちを出してきても良し。本当は分けろというべきところだが。出すほうで分類しろというのは無理なことだろうから、読者側で勝手に分類する。  今度は苦しむのは、馬宮と弟切の二人だろうな。ふっふっふ。(笑)  僕は女の側だと、20人ぐらいのキャラごとに、好きの言葉を一群ずつ出してゆくことができる。ひと言でキャラが特定できる台詞で、一人につき、数十個ずつ。必要があればいくらでも多くできる。  男の側だとこれが数人ぐらいに減ってしまう――が。キャラの人数が減るだけで、とくに困ることはない。 >シークレットミーン分析  ん?  羽矢野と馬宮とで、リライトの打ち合わせにでも入っているのか?  羽矢野が神視点で書いてみて、馬宮が三人称男性視点で書いてみるとか、そういう話?  よし、やれ。  どっちの視点がこのシーンに向いているかってこと。そんなこと、二つともやってみて、比べてみれば一目瞭然なことなのだな。  机上で空論を練りあげているのは、それは時間の無駄ってもの。  プロなら常にやっていること。頭の中で実際にふたつの視点で書き起こしてみて、検討の末に、良かったほうを実際に原稿として書いている。  じゃあそっちのほう、二人とも、締め切りは1週間後ね。  来週の日曜の、深夜もしくは早朝まで。いちおう目安は日曜夜の24:00にしとくけど、何時間かはこぼれてもいいや。  シークレットミーンのあの「序」の部分(3ページ弱ぐらいあるよね)をもとにリライトしてくること。出来上がりがもとより増えてしまっていても、それは構わない。  1週間後に完成版をどかんとアップしてもいいし、明日あたりにすぐ完成版をアップしちゃっていてもいいし、いったん「仮」でアップしておいて、皆の指摘を受けて何度も手直しを繰り返して、1週間後に完成版に仕上げるのでもいい。  あ、そうそう。  自分の完成版を上げるまでは、相手のは見ないこと。引きずられちゃうからね。  課題部屋へのアップであれば、クリックしなければ見ないで済むよね。  あと弟切さんも参加するの?  羽矢野――神視点。  馬宮――三人称男性視点。  ――ってなっているから、あと「完全三人称客観」てのが空いているぞ。  それとも羽矢野の言う「三人称神視点」っていうのは、完全客観のことかな? その場合には今度は神視点のが空いていることになるよね。  まあどっちにしても、空いていることは間違いない。  男一人称。  女一人称。  三人称女視点。  三人称、家具視点。  三人称、部屋の隅の蜘蛛視点。  まあ最後の二つは検討するまでもないとして、あと3人分くらいは参加の余地があるわな。  誰かやってみるかい?  僕もやろうかな。暇だったら。締め切り直前の最後の1時間くらい使えば、書けちゃうだろうし。 >神視点と客観視点  どうも羽矢野が混同しているようだが。  このふたつは別物ね。  神視点っていったら、全知の神による視点なわけ。神の主観による視点が、神視点。  すると読者に隠しごとっていうのはできないわけだ。  本人が自覚していないことまで、神は知ってしまっている。  本人が自覚していることなど、知らないはずがない。  よって書かないことはフェアではない。 「○○は××に怒りの言葉を叩きつけた。だがその怒りは自分の劣等感がもたらしているものであることに、○○自身は気づいていなかった。」  ――とか、そう書いてしまうのが、これが神視点っていうもの。  羽矢野の話の中で、「神視点」という言葉は、読者に対して隠しごとをするのが許容される視点っていう流れで出てきているよね。  ならそれは、完全客観視点のことなのでは?  人物を外側からのみ観察して、心の中に一切立ち入らない視点。映画などの映像メディアでは「デフォルト」になっている視点ね。  それなら、「おねーちゃんが男を誘惑しようとして、しかしキスした直後にナイフを振りかざして男に押さえられ、実は暗殺に来たことが明らかになる。――がしかし、ここで男はなぜだかため息をもらしている」――なんてシーンも書ける。  二人の心中は触れることなく、「動機」はまるで隠しておけるわけね。 >シーン構成とか  馬宮、羽矢野。  ひとつのシーンにどれだけの物が入るのか。入れられるのか。  そこを考えるようになってきたのは、それはよいこと。  生課題やってりゃ、嫌でも身に付くことなわけだが。  あ、そうそう。  リライトするときに、なにも真正直に、元と同じシーン構成にしなくたっていいんだよ。  あのシーンで伝えるべきことの要点を押さえたなら、変えて行っちゃってもかまわない。  たとえば、元バージョンでは、突き立てられようとした銀のナイフを押さえたところで終わっているが……。改訂版のほうでは、その後に声を荒げて家人を呼び、女を引き渡すところまで書いてしまったっていい。  必要ならね。 >>だって、それ、ギャグですよ。 >>たぶん、ため息をつくといっても、「気づかれないように」だとは思います。 >>でも、あのシーンを見ている村人たちに気づかれなくても、読者に気づかれます(もちろんそれが狙いのため息ですけど)。  あのシーンの最中に「ため息」をつかせるとギャグになってしまうなら、こうして、その後のシーンも少し出して、そこでため息をつかせる手もあるわな。  村人に捕らえられ、連れて行かれる女の後ろ姿を見ながら、カルメイルにこっそりため息をつかせてもいいわけだ。  これだと、「誘惑→暗殺→失敗」――と一連の見せ場が終わったあとで、ぽかっと出てきた空白部分に「ため息」が入るわけだから、読者も覚えておける。  っーか、このシーンの起承転結を考えれば、どこになにを入れるのかで思いつきそうなものだが。  ひとつの枠に入れられることは、一度に一個なわけね。そして「ため息」というのは、1個分の重みがあるネタなわけだ。  いま二人が論じているのは、「ここにため息までは入らない」ということなわけだ。  「誘惑→ため息→暗殺→失敗」――と、こうなるのはおかしいと、そう二人で論じているわけ。  しかし構成を若干変えて、こうならどうだろう――と、僕は言っている。  「誘惑→暗殺→失敗→ため息」 (あ、いまログ読んでたら、馬宮が似たようなこと書いてたか。これは読む前に書いたもんで) >馬宮さん  あら。ずいぶん読んでるじゃんか。っていうか、わしより多いし〜。  SFを読んでいるのが意外。ただ日本SFの場合は、エンターテイメントとしても通用する(SFファン以外に読者を獲得できる)ものだね。  あと純文学は、精読を掛けられる「読書レベル」に到達してから読み直すと、読めたりしちゃうもんだよ。  いま、もういちど読んでごらん。  あれは読者にも「資格」を要求するジャンルだから。  少女小説と推理物との合体技とか。 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030746959 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030820714 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030965527  このへんお薦め。  主人公は12歳の女の子で、大人の美形の男も出てくる。  富士見ミステリー文庫というラインがある。中高生にアピールする推理物っていうジャンルだが。両方いけるならば、そういうのも書けるか。  しかしこれ、デビューもしてないアマチュアには仕事の口があったっけかな? 前にオファー来たけど「推理小説は書けないんです〜」と言ったりしたが。  ……調べてみたら、最近は「ヤングミステリー大賞」なるものがあるのね。  ここで賞を取ると、富士見ミステリー文庫行き確定だな。  この文庫、「魅力あるキャラが活躍する」というライトノベル的要素が大きくて、ミステリー的要素は副次的なもの。――なので、じつは「おざなり」でもOK。  ミステリーとしては成立してなくても、「サスペンス感」があるくらいでOKのもよう。  そっちのネタならあるから、わしも今度プロット書いて仕事の口もらいに行ってこようかしらん。 >パンとか  日本中を出張で飛び回っている有能なOL――の描写に使えるよね。このネタ。  どこにどんなパンがあって、どこのパンがどのようにおいしいか。それをすべて知っている。  そのひとつを書くだけで、彼女が有能であって朝食をパンにしていてこだわりを持っているイカす女性であって、なおかつ「美人」であることまで確定してしまう。(イカす女性が美人でないはずがない) >デパ地下  うちの近辺のデパートは、地下はあるけど、B1FからB3Fまで、すべて「駐車場」になっているよ。無論、1階は食料品売り場ね。  ああ、ダイエーが一件、地下に棚や工具類や自転車など、重たい物をB1Fで売っておったか。(半分が駐車場で、半分が売り場。買った物をそのまま駐車場に持ち出せる)  適度に閑散としていて、駅前だけは適度に栄えている。そのあたりの街が舞台になるんじゃないの? この光来さんの話って?  銀座でもなく、静岡の田舎町でもなく、関東近県だが私鉄が走っているあたり――が最適とみたのだが?  駐車場を自前で備えるのか、それとも余所に頼るのか。  また客層はどうか。  デパートに「食料品」を求める客が多いのか、「それ以外」を求める客が多いのか。それによって、1階で売られる物というのは決まるはず。その店における「いちばんの主力商品」が1階に並ぶわけね。食料品がB1Fに追いやられているのは、それは主力ではないってことだ。  人間が生きるために最も「必要なもの」は食料であって、衣服ではない。よって人間が生きるために必要なあらゆるものを集めたデパートの1階には「食料品」がくるものである。それがデパートの基本形である。  以上証明終わり。  どうも藤極堂さんの指摘してくる内容で、「デパート」って言葉の狭義と広義ですれ違いがあるように思えるんだよなぁ。  難癖付けるときの常套テクでしょ。相手の使った言葉を狭義に取ったり、広義に解釈したりするのって。  僕は光来さんの作品の中のワンシーンに使う場所として、「1階が食料品売り場で、上階にCDや本などを売っている建物」を使えば良いのでは? ――と提案しているのであるわけね。  世界のすべてが「青森」になっていると思いこんでいる光来さんに、「都市近郊ではこんなのもあるよ。むしろそっちのが多いよ」――と、そう言っているだけのこと。  デパートはすべて例外なくそうなっているのかいないのか――なんてことを論じることに、なにか意味でもあるのか。 >cgi改造  ようやく暇が出来たので、掲示板cgiの改良に励むことにする。  何回か募集しとるのに、誰も現れてくれないから、しかたなく自分でやる。(300〜400人のROMさんの中にはCGI使いの一人くらい、いそうなものだが)  まあプログラムは趣味だし、いじってると楽しいからいいんだけど。  いまのところ、以下の機能を予定してます。優先順位は上にあるものから。 ・URL文字列には自動でリンクを張る機能。 ・書きこみ時のプレビュー機能。 ・過去ログの集積を自動でやってくれる機能(100単位とか500単位のやつとか)。さらに不要になった20単位のものを削除する機能。  なにかこのほかにも欲しい機能があったら、早めに言うこと〜。 -------------------------------------------------------------------------------- ほぼ雑談 No.6145 投稿日 2003年2月9日(日)23時35分 投稿者 光来 唯 >地下街  弟切さん、駅前地下事情情報ありがとうございます。    実は地下街といわれてちゃんとしたイメージがわかなかったり。  青森県内には地下街と呼べるところがないですし。  弟切さんの解説でこんな感じかな、くらいの想像しかできてないです。 >紫さん > 雪道を走るといえば、コンビニとかでも売ってる「WRC」という競技のビデオとか、面白いですよ。 > 雪に覆われた山道を全開で走ってきて、ブレーキと同時に雪壁へ車体を擦りつけて減速。そして、四輪とも横滑りさせて車体を内側に向けたままコーナーへ入っていくんです。  その種のビデオ、たしか弟も持っていたと思うけど、私はあんまり好きくなかったり。    なにせ、普通の道路の雪道で「四輪とも横滑りさせて車体を内側に向けたままコーナーへ入っていく」というのなら、いやというほど体験したりしていますんで。  「走り屋」の人だったりするバイト先の社員の人とか、仕事中社用車で、そういうの普通にやったりしてます。  仕事の内容上、県内至る所に移動するんですが、移動で山道やそれに近いところを通るとき、高速&そういった動きを普通にしてますから。  見ている分にはおもしろいみたいですけど(私にはわからないですが)、実際乗っていると慣れてない人はかなり酔うみたいですよ、あれは。 >馬宮さん > わたしの中に、「朝食をパンにする習慣をもつ人」の引き出しが増えました。  馬宮さんの「朝食をパンにする習慣をもつ人」の引き出しってのは、「朝食にパンを食べる人にはパンを食べるだけの理由がある、だからパンを食べる人はこういった人だろう」って、そういうことなんでしょうか。  ちなみに私も朝食にパンを食べてますが(確か中学生くらいからパン食になったんだったかな)、馬宮さんの出している「朝食をパンにする習慣をもつ人」のどれにも当てはまらないです。  私が朝食にしているのは、メロンパンとかジャムパンとかの菓子パンひとつと牛乳一杯。  で、パン食の理由はすぐ食べられるから。朝食にはだいたい5分くらいしかかけませんから。  私は朝食は食べずにいられない人間なんですが、時間をかけたくないのです。それでパン食ということになります(ちなみに時間をかけないのは家を出るぎりぎりに起きているからということではないです。起床は家を出る最低1時間は前ですから)。    ちなみに昼食も菓子パン(+お菓子やその他)だったりします。  白米、っていうかちゃんとした食事は夜だけだったり……       >好きの台詞  最近じゃほぼ乱発状態になっていたわけですが、話になるレベルのものがまったく出ていなかったとは。  でも、それも当然なわけですか、深い溝があって、しかもわかってないことがあるわけですから。   >「前にこれ飲んでたよね」がどうしてすごいのか  パッと見、何がすごいのかわからない。なので考える。  「前にこれ飲んでたよね」>「いつもこれ飲んでるよね」なわけですよね。  このふたつの違いは、以前飲んでいたのを見てそれを覚えている、か、毎日飲んでいるところを見ている、ということです。  「いつもこれ飲んでるよね」なら、相手のことをずっと見続けていることを含んでいます。「好き」ならば見ていて当然、何を飲んでいるか覚えていて当然ということになるんでしょうか。  ただ、この場合、いつもつるんでいる友達同士の会話でも出てくる可能性のある言葉でもあります。  ですが、「前にこれ飲んでたよね」は以前見たのをしっかりと覚えている。  もしかしたら一度しか見てないかもしれない、けどそのことをちゃんと心に刻み付けていたことになるでしょう。  これは「好き」でなくてはありえないこと、ありえない言葉ではないでしょうか。  この台詞からは「あ、好きなんだな」以外ほぼ思い浮かばない。のではないかと思う。 >>「言葉で直接好きだとは言わないけど、この子絶対この男の子のことが好きなんじゃない」と読者に思わせる……  うーん、こういうことなんだとすると、私のは全然なのばかりということになるんでしょう。  だって、どの言葉も、言葉を変えて「好き」って言わせているだけですから。  この課題は「女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみること。」なのに、私は好きという言葉を使わず好きと言わせていました。  馬宮さんはこれを描写といっていますが、とすると私は描写ができないでごまかしていたということになりましょうか。  けど。それを意識したからといって(自覚化できてるわけじゃない)、溝の上に立てるというわけでもなさそうです。 「泣いて、いいんだよ」 「これがかわいい、って言ってたから」 「プチトマト好きなんだ。ちょうだいっ」 「あっち、行って!」 -------------------------------------------------------------------------------- >好きの言葉 No.6146 投稿日 2003年2月9日(日)23時44分 投稿者 新木 伸 >好きの言葉 >>「言葉で直接好きだとは言わないけど、この子絶対この男の子のことが好きなんじゃない」と読者に思わせる…… >>だって、どの言葉も、言葉を変えて「好き」って言わせているだけですから。 >>この課題は「女の子の台詞ひとつで、「好き」を表現してみること。」なのに、私は好きという言葉を使わず好きと言わせていました。  僕の出したお題は、「好きを使わずに好きを表現してみよ」なわけね。  溝の下にいる連中は、お題の指示の「額面通り」のことしかやってきていない。  単に言葉をかえて好きを「表現」してみただけ。  馬宮さんの出してきたものの一部には、好きを「確定」させられるだけの重みがある。  それが「まぐれ」であっても出せたのは、「このお題は好きを確定させるものだ」ということに気づいて、自分の中のOKルールを、一段高いところに置いていたため。  それが、溝の上と、溝の下にいる人との違いです。  溝の下のひとたちは、言われたとおりのことしかしてこない。  だからお前らは、アマチュアなんだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 試験運用開始 No.6147 投稿日 2003年2月10日(月)07時32分 投稿者 新木 伸  掲示板cgi、さくっと改良してきました。  とりあえず優先順位の高い2機能のみ。  現在、以下の機能が使用可能になっています。 ・URLの自動リンク化。 ・プレビュー機能。  自動リンク張り機能は、文中のどこでも、httpで始まる文字列があると、自動でリンク化してくれます。以前のようにタグを手書きする必要はありません(手書きすると二重にリンク処理されるので変なことになります)。  プレビュー機能は、そのまんまです。  必ずプレビューする必要があります。いきなり書き込みはできなくなりました。  ただし、プレビュー→直し→プレビュー→直し……と何度も繰り返していると、時代の波に乗り遅れて、誰かのレス後に書き込みしたりする事故も予想されます。  なるべく、エディタ上で見直しをかける癖をつけましょう。  現在、改良版の試験運用中です。  なにかバグってとんでもないことになるかもしれないので、いちおう、この書き込み時点でバックアップは取っておきました。最悪、すべて吹き飛んでも、現在の時点に復旧は可能です。  皆もこれからしばらくの間は、自分の書き込みの元原稿は残しておきましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 過去ログ倉庫作りました No.6148 投稿日 2003年2月10日(月)08時32分 投稿者 新木 伸  htmlファイル、テキストファイル。  それぞれ圧縮版と、否圧縮版の両方。  左のメニュー部分から行けます。 -------------------------------------------------------------------------------- テスト書き込み No.6149 投稿日 2003年2月10日(月)21時05分 投稿者 新木 伸  テスト書き込み。  ちゃんと書けるよね? -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6150 投稿日 2003年2月10日(月)21時28分 投稿者 羽矢野  とり急ぎ、返事だけ。 >>神視点と客観視点  すいません、この違いに気付かず、混在して書き込みしてます。  これだと、どっちやるかがわかんないです。  ええと、私がこの部分の正解だと思ってるのは客観視点の方です。  ので私のリライトは客観視点でさせてください。  とりあえず、弟切さんが書き込みを見てリライトを始める前に。  これだけ。  もしもう書いちゃってたら、言って下さい。  詳しくは、また後で書き込みします。  では。  失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- 神視点の話 No.6151 投稿日 2003年2月10日(月)22時39分 投稿者 新木 伸  神視点であっても、読者をミスリード(誤誘導)させることはできる。  隠しごとがなにもできないわけではない。ちと高度になるけど。  たとえば、こう書く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「昼間……約束したでしょう?」  サリーシャはそう言って、肌着を肩からずらしつつ、カルメイルの前に立った。  相手の視線が、頂まで露出した乳房に向けられていることを認め、唇に薄く笑いを浮かべる。これほどの男であっても、やはり女に対して情欲を覚えるのか。そのことがサリーシャには滑稽に感じられた。  カルメイルは混乱していた。サリーシャの豊かな膨らみから目を離すことができずにいた。そこまでする必要があるのか。たしかにこの茶番は、演じきることに意味がある。だが相手はまるで本気で自分を誘惑しているように、カルメイルにはそう思えた。 「なんのつもりだ? 色仕掛けで堕ちる騎士など……むぐっ」  カルメイルがその言葉を言い終えることは許されなかった。サリーシャの唇が、彼の唇を塞いだからだ。  部屋の灯りが、かすかに揺らめく。しばらくのあいだ二人は、唇だけで触れ合ったまま、その場に立っていた。  サリーシャは唇を離した。相手は体を固くして、女の体を抱き締めることもできずにいた。この男が美しい妻を持っていることを、彼女は知っている。なにしろ騎士にまで成り上がった男だ。妻以外の女性とも、それなりに経験を積んできているだろうに。それがまるで十代の少年のような反応を見せるのだ。  このまま本当に手玉に取ってしまえそうであり、取ってみたいと――そうも思う。だが茶番は茶番だ。続行しなくてはならない。  サリーシャは後ろ手に隠し持っていたナイフを、高々と――差しあげた。蝋燭の灯りを跳ね返して、その刀身がぎらりと輝きを放つ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  えーと、こんなもんかな?  書くのにざっと15分。  これでだいたい「神視点っぽい」ものになっている――と思う。  じつは僕も神視点はよくわかってない。  あんまり使わない視点なもんで。 (添削できる人がいたら、添削してください。この際神視点を習得しときたいので) (どっかにプロに対して教えてくれるような場所、ねーかなー?)  心理への立ち入りが頻繁に起きているよね。あらゆる登場人物の心理に平均して立ち入るのが神の視点の神の視点たる部分なわけだが。(片方のキャラの心理に立ち入るだけであれば、三人称キャラ寄りとなんら変わりがない)  これ、視点移行に失敗すると、「ダブルブリッド」の1巻とかのように、非常に読みにくいものになる。僕のこれも失敗しているかもしれない。(ちなみにシリーズの最新刊では読みにくさはなくなっていた)  僕のこれも、成功してるかどうか、ちと自信がない。読みにくくなかったなら、それは成功しているということだろう。すべては結果と読者とが決める。  で、視点がきちんとしているかは、この際問題ではなくて――。  こういう神視点でもって、どうやってミスリードに導くのか、の話なわけね。  ポイントは、神という存在は、全知全能であるが故に、不要な説明を行わないということ。神は知りすぎていて、理解しすぎている。――ゆえに本のこちら側にいる「読者」が、ある物事を理解できないということを、理解できない。  神は、「これは茶番」というキャラクターの考えていることは書いてはくれる。  しかしそれがどうして「茶番」なのかということは、説明してくれない。神にとっては自明の理であり、説明が必要なことではないからだ。  ここにミスリードに導く余地が残る。  説明しないことで、読者が勝手に誤解してしまうようにし向けるのね。  っーか、これ。  神視点そのものも高度だし、神視点でミスリードに導くことも高度だし。  二重に高度なことだぞ。 (どの視点が難易度が高いかということには、個人差がある。客観視点が楽な人もいれば難しい人もいる。一人称の主観視点が苦手な人がいれば、得意な人もいる。10年以上やっているベテランのプロ作家でも、一人称とか、完全客観視点とか、ある視点がまったくダメ――って人もいるぐらい) -------------------------------------------------------------------------------- チョコレート革命 No.6152 投稿日 2003年2月10日(月)22時49分 投稿者 弟切 千隼 今日、弟切は街へ出かけて、2.14に向けて溢れかえる製菓材料の中から、小麦粉やココアパウダーや乾燥ナッツを選んで買い求めました。 明後日あたりには、チョコレートクッキーを作れるくらいのちょっとした暇ができるはずなので、とっておきのウェッジウッド(※注)の紅茶を淹れて、焼きたてのクッキーを独占して食べられるわあ、と楽しみです♪ どこかが激しく間違っている気がしないでもありませんが、気にしないことにします(爆) ※注: ウェッジウッド Wedgwood…英国の著名な陶磁器メーカーで、紅茶のメーカーとしても有名です。たった25gで600円くらいするお高い紅茶を売っています(^^; >>「シークレット・ミーン」書き直し課題 羽矢野さんよりお返事がありましたね。 羽矢野さんが「完全三人称客観視点」でやりたいと先におっしゃったので、それは羽矢野さんに譲ります。 うー、しかし、三人称神視点は弟切には荷が重いです(^^; 新木さんも「二重に高度」とおっしゃっていますし、へたれな弟切には、いきなり難易度の高いものは無理だと思います。「三人称女視点」にさせて下さい。 >>好きの言葉、男性版 「君の瞳に乾杯」……は、思いっきりパクりなのでNGですね(笑) ちょっと考えてみました。 1.「待てよ……送ってく」 2.「そんな格好してると、風邪ひくぞ」 3.「今日、誕生日だよね?」 4.「女の子にそんなことさせられるか」 5.「わん」 6.「降参降参」 -------------------------------------------------------------------------------- 眠い No.6153 投稿日 2003年2月11日(火)00時39分 投稿者 羽矢野  なんて書くと、アホか?  ってことをみんな思うだろうなあ。  でも私(サラリーマン)にとって、普段眠くならない時に眠くなるってのは、体がおかしいってことなのだ。  ちゃんと一週間毎日同じ精度で仕事ができるように、睡眠や栄養補給してるわけだからね。(頑張りどころに力を使い切るってことは、あんまりない)  週の始めの月曜日にパターンにない不調はとってもよくない。  半分すぎてれば、栄養ドリンク使うんだけど。  風邪じゃないといいなあ。 ●セリフ >>さぁ、どうやって5秒に1個出すのだ?  時間をはかりながら、5秒で一つずつ出していきます。  もしもできなくても、書きかけでやめて頭を切り換えます。  それを、1分なり2分なり区切って行います。  前にあらすじでやりました。  次からは、こっちでやります。  ちなみにやらなかった理由は……。  始めにそれで1分やったら、一個もでなくて、情けなくて甘い方法に逃げたのでした。  ……弱。 ●リライト  というわけで、三人称の完全客観視点でやります。  理由は前に書いたように、心情が入ると意図して“不自然に書かない”ことになり、それに気付いた読者は絶対に怒ると考えるからです。  ただ、私のこの意見は“ミーン”の面白さが最後のどんでん返しにあるのを前提としてます。  とか書いてたら、新木さんの書き込みが。  例題。指摘まではできないので、感想だけ。  視点のずれは、その最初にカルメイル、サリーシャとしっかり明記してあるので混乱しませんでした。  でもこの数行でここまでころころ変わってると、やっぱり読みにくいですね。  茶番。  二人共が、茶番という単語を思ってる部分が面白い。  この茶番が同じ意味なのか、違う意味なのか読者にはわからない。  それがすごく想像をかき立てる。  先を読みたくなるプロローグでした。  後、確認です。  この例題は茶番を強調して、エロを薄くしたんですよね?  ようは残るのは茶番の方。 ●馬宮さん&弟切さん  では、一週間後に。 >>三人称人物より視点。  推理小説などを読むと、こういったプロローグで客観視点と人物より視点はどちらもあります。  その違いは?  と考えると、私はこう感じてます。簡単ですが。  客観視点は、プロローグにでてくる登場人物が名前を明かしている場合。  人物より視点は、プロローグにでてくる登場人物が誰かわからない場合。  ってわかんないですね。  すいません、うまく説明できない。  書けば一週間後にわかる。  その時までにこの考えもまとめておきます。 ●どこまで書くのか?  これは考えました。  まだ考えが足りてませんが。とりあえず検討したのは五つ。  エロいおねーちゃんが近づくところで終わる。  ナイフを出した(男が気付いてない)所で終わる。  ナイフを出した(男がそれに気付く)所で終わる。  ナイフを出して、手首を掴んで「尻尾だしたな〜」で終わる。  村人に引き渡される所までやる。  他にはあるかな?  これも馬宮さんや弟切さんと違うかもしれないので、どこに決めたかは一週間後に。   -------------------------------------------------------------------------------- チョコレート記念日 No.6154 投稿日 2003年2月11日(火)00時43分 投稿者 馬宮  大丈夫です、弟切さんはなにも間違えていないと思います(笑)。    二月は、女の子にとって年に一度、「自分で食べるチョコレートに、どれだけお金をかけてもいい」月です。  バレンタインデーというのは『チョコレートが安くなる前の日』であり、お店のチョコレート売り場は聖域で、男性はなぜか入ってこれません(爆)。  馬宮は、お菓子作りが苦手なので、毎年できあがりを買います。  今日はデパートでとても可愛いアフリカ像と、ゾウ亀の形をしたチョコレートを買ってきました(同じシリーズで、ワニやゴリラやチンパンジーもありました。形は安っぽくなく、彫刻のように綺麗なんです。全部買って動物園のイメージで部屋に飾ったら可愛いだろうな、と思いました)。  店員さんがとても綺麗に包装してくれたので、包みを解くのがもったいなかったです。    ちなみに、三月はまた別のお菓子にお金をかけていい月ですね(目がキラキラ)。  ●新木さん   >好きのひとこと >>新課題。 >>男の「好きの言葉」。    「男」キャラの引き出しを増やすチャンスです。  まず馬宮は、女キャラの引き出し整理からやり、その間を、「男」キャラをつくる準備期間にします。 >>ガキと小僧と少年とは「好き」としか言えないものなのだ。そして男は「愛してる」としか言えないものなのだ。  これは、新木さんの5979の書き込み、「年齢とか認識の違い」に関係がありそうです。   >>・小学生の4年生ぐらいまでは「恋」を知らない。 >>人によっては中学生はじめぐらいまで知らないでしょう。特に遅いのは男の子に多い。  ガキと小僧と少年の「好き」と、男の「愛してる」は、どちらも、「特定の女性への特別な思い」です。  ただ、ガキと小僧と少年は、「好き」が好意の最上級。「愛」を知らないから、「好き」という言葉を使い分けます。特別な女性だけでなく、同性の友人に好意(友情)をもっていたとしても、それは「好き」になる、というように。    そして、男は「好き」より上の「愛」を知っているから「好き」と「愛している」を使い分けます。  だから、「特定の女性への特別な思い」は、「愛している」しかなくなるんでしょう。    それが具体的にどういうことか、というのは今はちょっと考えつきません。  準備期間、実際に台詞をつくりながら、考えていきたいと思います。  そういえば、女性はどうか、と考えました。  大人でも子どもでも、「好き」は言ってると思います。  「好き」「すき」「スキ」。  口に出した時、軽くて可愛いです。  だからたぶん、大人の女性でも、「愛している」をこめて好んで使う人はいるでしょう。    「愛してる」は、言葉が重いですね。  「アイシテル」「あいしてるよっ」と口にする女の子もいるかもしれませんが。  たぶん、「好き」が多いでしょう。  これも「ガキと小僧と少年」と同じで、「愛」を知らないからです。    >シークレットミーン分析    >>あのシーンの最中に「ため息」をつかせるとギャグになってしまうなら、こうして、その後のシーンも少し出して、そこでため息をつかせる手もあるわな。  ありがとうございます。  うっかり、ため息をつく場所を、ナイフを振り上げる前ひとつと考えてしまいました。  途中で「ため息をつく」より、最後についた方が流れが変わらなくていいと思いました。    >>ひとつの枠に入れられることは、一度に一個なわけね。そして「ため息」というのは、1個分の重みがあるネタなわけだ。  >>「誘惑→暗殺→失敗→ため息」  わたしは、「ネタの重み」を理解できていません。  とっかかりがつかめたので、リライトをする時に意識してやってみます。  わたしが生課題や、プロット分解で手間取っているのも、きっとここら辺がわかっていないからだと思いました。ありがとうございます。 >読書  >>あら。ずいぶん読んでるじゃんか。    範囲、ということなので作家名をあげましたが、「読んだ本」にあげた作家、一人あたりの作品数は少ないと思います。   また昔ほど「なんとか読めた」という本が多いです。  とにかく地の文を読むのがとても辛かったので、会話文でどうにか意味をとって読んだ本もかなりあります。とても「ちゃんと読んだ」とは言えないのかもしれませんが、読んだ後は簡単なあらすじと感想を人に話すことができたので、「読んだ」としました。    でもありがとうございます。  読書量はずっとコンプレックスだったんです。  少し気持ちが軽くなりました。この作家範囲をもっと深く読むことである程度の読書量になることもわかりましたし、分室に来てからライトノベルでまだ手を出していない作家、出版社も知ることができました。  これからも、どんどん読んでいきます。    >>SFを読んでいるのが意外。    新井素子に傾倒したのと、竹下恵子の「わたしを月に連れてって」という、有名SFのパロディを多用したマンガを読んだからです(どうしても、元ネタが知りたくて読みました)。  もしよろしければ、どうして意外だったのか教えていただけますか?  「女性はSFをあまり読まない」ということなんでしょうか。それとも、SFを読む人には特徴があるということなのでしょうか。  この質問も、もちろんキャラクターや描写の引き出しになるネタかもしれない、と思っています。    >>あと純文学は、精読を掛けられる「読書レベル」に到達してから読み直すと、読めたりしちゃうもんだよ。  >>いま、もういちど読んでごらん。  >>あれは読者にも「資格」を要求するジャンルだから。  はい!  読んでみます。   >お薦めの本    ありがとうございます。  さっそく注文しました。   >ヤングミステリー大賞  ありがとうございます。  富士見ミステリー文庫の作品をいろいろ読んで、傾向を研究してみます。  自分の書くものがどんなものであるか、武器はなにか、ちゃんと十二歳に向けて書けるかどうか。まだはっきりわかっていません。  応募する場所の知識は、多い方がいいと思います。 >パン  なるほど。ただ、単に「パンを朝食にする人のパターン」として引き出しに入れるのではなく。  具体的に、どんな人物を描写できるか考えて引き出しにしまえばいいんですね。    >>どこにどんなパンがあって、どこのパンがどのようにおいしいか。それをすべて知っている。  こういう女性は仕事ができて有能で、イカす他にも、読者にとって、親しみやすそうです。  こだわっているのが、ワインとかフランス料理ならまたちょっと違って、とっつきにくそうです。    >>(イカす女性が美人でないはずがない)  カッコイイ女性、イカす女性。  これは、男性キャラを作る時にもあてはまるはずです。  あてはまるはずなんですが、まだよくわかっていません。  これも、男性の台詞を考える時に一緒に意識してみようと思います。  ●光来さん    >>馬宮さんの「朝食をパンにする習慣をもつ人」の引き出しってのは、「朝食にパンを食べる人にはパンを食べるだけの理由がある、だからパンを食べる人はこういった人だろう」って、そういうことなんでしょうか。  いえ、ちょっと違います。  「理由」のほかに、「特徴」や「習慣」もあります。  それは、パンを食べる人なら、「絶対こうする」というものですね。  こういうのは、「パンを朝食にする人というのが、どういう人なのか」だけでなく。  「そういう人を書く時、リアリティを出すためのネタはなにか」。  「パンを朝食にする、ということ自体がなにかを描写する言葉になるのか」。  そういうことを考えるのに使えるようです。    >>私が朝食にしているのは、メロンパンとかジャムパンとかの菓子パンひとつと牛乳一杯。  わー、そうですね……菓子パンも朝食になりますよね。  わたし、菓子パンはオヤツとか昼ご飯のイメージが強かったんです。  朝食のパンっていったら、食パン、ロールパン、クロワッサン等、味の薄いパンだと思っていました。  うっかりしていました。これもひとつ収穫です。ありがとうございます。    >>で、パン食の理由はすぐ食べられるから。朝食にはだいたい5分くらいしかかけませんから。  ありがとうございます。  朝食を早く済ませたい人には、パンは確かに早いですね。特に菓子パンは袋をやぶったらすぐに食べられますから。    すみません、さしつかえなければ、どうして「朝食に時間をかけたくない」か教えていただけますか?    女性なら、「髪のセットや化粧に時間をかけたいから」。とかいう理由が考えられるんですけど。男性はよくわからないんです。   --------------------------------------------------------------------------------  一週間後、ですね。 No.6155 投稿日 2003年2月11日(火)02時01分 投稿者 馬宮    >神視点    馬宮、新木さんのえさ袋に首をつっこみます。  神視点とは、どんなものか考えるのに、具体的な例ですので、逃がしてはいけません。    まず、このシーンは。  「サリーシャがカルメイルを誘惑し、カルメイルに近づいたところでその命を奪おうとする」シーンです。  ウリは、「エロティック」です。  トッピングとして、「茶番の謎」というのがあります。  「茶番・茶番」となんども出てくるのですが、読み手がひっかかることはありません。  さっと読んで、「なにかこの二人には関係があって、それぞれ思うところがあるんだな」とうっすらわかる程度です。      プロットに分解。    ・誘惑するサリーシャ、自分を見て欲情するカルメイルを滑稽に思う。  ・サリーシャの誘惑が、芝居なのか本当なのか判断に困るカルメイル。  ・サリーシャにキスされ、動けなくなるカルメイル。  ・キスを終えたサリーシャ、カルメイルの反応を観察し、面白がる。  ・予定通り、カルメイルを殺そうとナイフを振り上げるサリーシャ。    「サリーシャ→カルメイル→カルメイル→サリーシャ→サリーシャ」  という順番で、神様がキャラクターの中に入ってますね。  よくよく読むと、神様がキャラクターの出入りをするタイミング、というのを見つけました。    >>サリーシャはそう言って、肌着を肩からずらしつつ、カルメイルの前に立った。    >>しばらくのあいだ二人は、唇だけで触れ合ったまま、その場に立っていた。    この後に、神様が移動しています。  つまり、行動の後に、神様が移動し、その行動をキャラクターがどう思ったか説明してくれているんですね。  「肌着をずらしながら、カルメイルの前に立って誘惑するサリーシャ」  この行動に、まずサリーシャがカルメイルの反応を見、次にカルメイルがサリーシャの行動をいろいろ思う。  「キスをしたふたり」    この時、神様はカルメイルの思考を読んではいませんが「カルメイルの頭の中は真っ白」というのは、その後の「相手は体を固くして、女の体を抱き締めることもできずにいた」でわかります。だから、カルメイルの思考を読まずに、神様はサリーシャの方に入りました。  そして、神様は、サリーシャがカルメイルの反応で思ったことを読んでいます。    なるほど。  神視点は、ひとつの事柄に対して、「このキャラはこう思った」「このキャラはこう思った」と書けるんですね。    わたしは、視点の意識が足りないので、神視点を書こうとしても、頭が混乱してしまいそうです。  でも神視点だと、それぞれのキャラクターの考え方の違いが、はっきりわかるなぁと思いました。     >台詞課題  リライトをあげます。    「ちょっとはやるじゃん」→「頼りにしてあげても……いいよ」  「適当じゃヤダ」→「もっとあたしに優しくしてよ……」  「あたしたち、似てるかもね」→「あたしと同じことしてるねっ」  「ギリギリ合格にしといてあげる」→「ふふ、合格ってことにしといたげる」  「あいつ、悪いやつじゃないよ、たぶん」→「アイツ、みんなが言うほど嫌なやつじゃないよ!」 -------------------------------------------------------------------------------- 男の子の「好き」のセリフは…… No.6156 投稿日 2003年2月11日(火)02時40分 投稿者 鷹見一幸  浮かんできませんねえ、私の持ってる手持ちの男の子キャラはみんな黙って行動しちゃいます。  「むっ」って言って花束突き出すようなのとか。  女の子が髪型変えてたのを知っているけど何も言わなかったり。  塩と砂糖、そしてシナモンとコショウを間違えたクッキーでも笑って食うようなのばっかり(笑)  女の子の方なら 「牛丼でもいいよ」 「右から三番目の引き出しよ」 「ほんとにそれ好きねぇ」 「こうなると思ってた」 「逃げちゃおうか?」  なんてのが浮かびますけどね。  ライター仕事が終わったら目の前には「でたまか7」の〆切が……  艦隊戦は書くのがめんどくさいんだよなあ。  黒澤監督の「影武者」みたいに「合戦始まりのシーン」→「累々と横たわる馬と人の死骸のシーン」を描くだけで「この間に筆舌に尽くしがたい苛烈な戦いがあったんだよ」ってのを描写するってのも手だけど。ライトノベルでそれをやると絶対に怒られるだろうなあ(笑)     -------------------------------------------------------------------------------- 生課題開始 No.6157 投稿日 2003年2月11日(火)19時19分 投稿者 馬宮  「小学生さいごの夏休み」は、お休みして、「シークレット・ミーン冒頭部リライト一回目」をやります。  同じ話のリライトなので、天衣さんのツリーにくっつけてアップした方が見やすそうですね。  天衣さん、ツリーを使わせていただきます。     -------------------------------------------------------------------------------- devil's food cake No.6158 投稿日 2003年2月11日(火)22時15分 投稿者 弟切 千隼 弟切の大学の後輩のうち、独身男性にして女性に縁のない人々が、2.14の夜に世を呪うサバト(※注)を開きたいというので、「ヒトの頭蓋骨とコウモリの死体と黒猫の頭と黒山羊の角を用意すれば、魔法円の描き方は教えてあげるよ」と言っておきました。 いまだ連絡がないところをみますと、どうやら道具立ての入手に苦労している模様です。開催するなら、ぜひ、弟切は濃厚なチョコレートケーキを焼いて持参しようと思いましたのに(爆) ※注: サバト Sabbat…ヨーロッパの俗信で、悪魔崇拝者たちが悪魔を囲んで開くといわれていた秘密集会のことです。 >>「シークレット・ミーン」書き直し課題 課題部屋の、天衣さんのツリーにくっつけて提出すればよいのですね? 弟切は土曜日か日曜日にまとめて提出するつもりです。 >>好きの言葉、男性版 弟切も男性キャラクターがちゃんと書けるかどうか、甚だ怪しいので(^^;、この機会にもう少しがんばって考えてみました。 7.「ダイエットなんて、よせよ」 8.「前の髪型のほうがよかったな」 9.「ごめん……俺、行くよ」 10.「ここのケーキ、美味しいんだぜ」 11.「あのさ……俺、その、あんまりこういうの、経験ないから……」 12.「なんで、こんなに小さい手なんだ?」 -------------------------------------------------------------------------------- ●リライト No.6159 投稿日 2003年2月11日(火)23時21分 投稿者 羽矢野  なかなか難しい。  完全客観視をちゃんと考えて書くのは初めてです。  手元にある推理小説なんかのプロローグを見て勉強してますが、なかなか。  というわけで、やっていて、悩んでいるところなんかを、つらつらと書いていきます。  つっこめる方いましたら、お願いします。  馬宮さんも、弟切さんも苦しんでるみたいだなあ。  負けんよ。 ●完全客観視点 >>扉の軋む音が聞こえ、カルメイルは視線をそちらへと向けた。  ってのは、この視点だとありなのだろうか。  まず一つが、音を“扉の軋む音”だと確定させていいのか。  そしてもう一つが、カルメイルがその音を“聞いた”と確定させてよいのか。  音がしても、それは何の音なのか。  そして音を人物が聞いたかどうかの情報って完全には確定しない。  音がして扉が開いたら、それは扉の軋む音なんだし。  それで目を覚まして起きたら、その音を聞いたことになる。  映像だと、そうやって見る人に伝えている。  客観視は、そうして表さなくてはいけないのだろうか? >>何かが軋む音がする。 >>その音にあわせ、ゆっくりを扉が開いていった。 >>カイルメイルは瞼をあけ、扉へと視線を向けた。  こんなふうに。 ●小道具  中世の映画などでは、夜ちょっと出歩く時に片手で持てる小さな蝋燭立て持ってますが、あれは正式名称あるのかな?  少し調べたけど、わかんなかった。  この場合は、一応サリーシャは外をうろついたんだから、カンテラとかランプとか持ってるのかな。  それだと、何か雰囲気がエロくならないけど。  寝室でエロだと、やっぱり蝋燭の火だ。  それと外で歩くなら、薄い夜着だと寒いから、何か羽織ってるだろうなあ。  うーん。   -------------------------------------------------------------------------------- 生課題終了  No.6160 投稿日 2003年2月12日(水)01時17分 投稿者 馬宮    男性がサバトを開く、というのは切実ですが。  逆はどうでしょう。    男性に縁のない独身女性が、2/14を呪って集会を開きます。  チョコレートやらケーキやらをいっぱい持ち寄って、一晩中一人身の素晴らしさを語り合ったら……    間違いなく太りますね(爆)。    ああ……恐ろしい(ぶるぶる)。   ●弟切さん >>課題部屋の、天衣さんのツリーにくっつけて提出すればよいのですね?  勝手に天衣さんのを、根っこにしてしまいました(汗)。  見る方が読みやすくていいかな、と思ったんです。  問題がないなら、そうしちゃいましょう!   ●羽矢野さん  わたしだって、がんばりますっ。    >台詞課題  最初にアップしたのを、「女の子タイプA」とします。  今日は、「女の子タイプB」です。    1.「ついて行くのはわたしの勝手です!」  2.「ケーキ、一番大きいところとっておきますね」  3.「また会えるようにお祈りしたんです」  4.「もう少し……次の電柱まで……」  5.「……だれにでも優しいんですね」  6.「ナイショでいっぱいオマケしておきました」  7.「本当は優しいの知ってます」  8.「もう黙っていなくならないでください!」  9.「ずっと信じてます」  10.「うれしい……です」  11.「もうしりません!」  12.「手伝いたいんです!」     >誤字訂正  6154の書き込み、間違いが一つありました。   >>竹下恵子の「わたしを月に連れてって」   ↓  竹宮恵子の「私を月まで連れてって」    でした。もうしわけありません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6161 投稿日 2003年2月12日(水)05時39分 投稿者 新木 伸 >ミーン序リライト分担  羽矢野、完全客観。  馬宮、三人称男寄り。  弟切、三人称女寄り。  ――という、分担でいいんだっけか? >馬宮  ええと。  締め切り日まで、何度も自分自身でリライトする方式でやってゆくわけかな?  課題部屋にあるのは、とりあえずあげただけのものであって……。見直しも手直しも、すべては二日目以降の作業として、とりあえず3時間頑張って、初稿をあげてきたって、そういうことね?  あれはまだ、叩かなくていいのね? >>351 馬宮「シークレット・ミーンリライト(茶番なし)1」  ――の、この現状としては。  「人称」がどうなっているのかさえわからんような出来であるが。  男寄り三人称? 女寄り三人称? それとも神視点?  ちなみにわし、天衣さんの元バージョンと、あのリライトと、どっちか良いほうを選べと言われたら……。  天衣さんの元バージョンのほうを取るぞ。  それほど、いまヒドいぞ。  頑張って直してくるように〜。  この課題の方法は参加者に一任してあるから、それについてはなにも問題ない。  締め切り日にマトモなもんが最終バージョンとして存在していれば、ぜんぜんOK。  ただ、自分のやりかたを書いておいてくれんと、見ていて心配になる。「マジか? あれマジで出してきたのか馬宮はっ!?」――みたいな。 >羽矢野 >>まず一つが、音を“扉の軋む音”だと確定させていいのか。  以前、鷹見さんが書いてくれていた「調書を取る技術」ってのが、活用できるよ。  聞き込みをしている警官役にでもなって、目撃者に調書でも取ってゆく要領ね。  「あなたは『扉が軋む音がした』といま言われましたが、どうしてその音が扉の軋む音であるかわかったのですか?」とか、やってゆくわけ。  羽矢野。ずーっと前にも、同じようなことを、やられているだろ?  「それが死体であることが、どうしてわかったのですか?」  「それが女生徒であることが、どうしてわかったのですか?」  「それが血溜まりであることが、どうしてわかったのですか?」  「どうしてわかったか?」の部分を掘り出せば、理由が出てくることもある。そうしたら、その理由のほうを書けばいい。  またじつは掘り返してみたら理由がない場合もある。「そうですね。どうして扉の音だとわかったのでしょう? 私はそう思いこんでいただけのようです」なんて答えが返ってくるようなものは、完全客観では使えないわけだよ。  そんなあやふやなものを調書に書いたら、警察署の上司にどやされる。(笑) >>扉の軋む音が聞こえ、カルメイルは視線をそちらへと向けた。 >>何かが軋む音がする。 >>その音にあわせ、ゆっくりを扉が開いていった。 >>カイルメイルは瞼をあけ、扉へと視線を向けた。  どっちも完全客観としてはNGだろ。  上のは自分で気づいているので省略。  下のは、「どうしてそれが軋む音であると分かったのですか?」って質問の余地が残る。  また「音に合わせて扉が開いた」かどうかは、どうして確定できるの? たまたま音と扉が開いたのが同時だっただけかもしれないじゃん?  また「ゆっくり」って、なにを基準にしての「ゆっくり」なの?  「ゆっくり」と言うからには、どこかに主観の持ち主が必要だよね。おそろしくせっかちな人の「ゆっくり」と、おそろしく気長な人の「ゆっくり」は、えらく違うかもしれない。片方は0.5秒で扉が開くことを「ゆっくり」と表現するかもしれないし、もう片方は10年くらいかけて扉が開くことを「ゆっくり」と表現するかもしれない。  宇宙の始まりから終わりまでの寿命を持つ存在から見た「ゆっくり」は、数億年の長さに渡るかもしれない。「地球という惑星に生まれた生物は、単細胞生物からゆっくりと進化していって、そして知性を持つに至った」とか、書くでしょ?  どれも「ゆっくり」であるのだが?  つまり。  たいていの「副詞」っていうものは、主観を定めないと使用不能となるわけだね。  また「視線」とあるけど、ここは「見た」で良いところ。  「見た」かどうかも、外からの観察でわかる。(ここでいう「見た」は、「目を向けて、視覚で捉えて、認識した」――という3段階のすべてを含む行為ね)  なお、「目を向けた」ことと「視線を向けた」ことも、もちろん外側からの観察でわかることではある。  しかしここでは「見た」のほうが、意味が強くなるのね。認識まで含んでの「見た」だから。ただ視線を向けただけでなく、認識も同時に行ったらしい――と、補強されるから。  視線は向けても目は映像を捉えていないってケースもあり得るでしょ。たとえば、ぼうっとしているとかで。  しかし「見ていた」けど「見ていなかった」っていうのは、これはあり得ないわけだ。言葉的に。  主人公がたしかにそれを「見ている」のであれば、意味もなくなにか匂わせるような「視線を向けた」なんて言い回しを使わずに、ベタに「見た」と書いてしまえばよい。  「視線を向けた」と書くときは、そこになんらかの意味を持たせなきゃ。「ここでは『見た』ではなくて、『視線を向けた』でなければならないのです。なぜならば〜」と主張できるような意味が必要。 >>中世の映画などでは、夜ちょっと出歩く時に片手で持てる小さな蝋燭立て持ってますが、あれは正式名称あるのかな?  前に弟切さんが書いてくれてるだろ。  あれがあの時代の「一般的」にいうところの「燭台」ってものです。  しかし現代人に対して物を書くのであれば、「燭台」って書くと、固定式の台のことをしめすよね。  なら、「手持ちの燭台」とでもしておけばいいわけだ。そう書けば読者の脳裏では、ほぼ間違いなく、作者の想定した通りのイメージが確定するでしょう。  あと「夜着」は注意ね。  これだと、ハンテンのでっかいやつになってしまうから。昔田舎に行ったとき、おばあちゃんに布団のうえから掛けてもらったっけなぁ。  ――っーか、おまえ辞書引いたのかよ? (しかし他にいい言葉もないもので、僕も次に出る作品のなかでは「夜着」と使った。例の夜這いシーンにて) >馬宮 >好きの言葉 △ >> 「ちょっとはやるじゃん」 >>→「頼りにしてあげても……いいよ」 ? >> 「適当じゃヤダ」 >>→「もっとあたしに優しくしてよ……」 × >> 「あたしたち、似てるかもね」 >>→「あたしと同じことしてるねっ」 × >> 「ギリギリ合格にしといてあげる」 >>→「ふふ、合格ってことにしといたげる」 × >> 「あいつ、悪いやつじゃないよ、たぶん」 >>→「アイツ、みんなが言うほど嫌なやつじゃないよ!」  △は、良くも悪くもなっていない。しいていうなら、文字数の短いほうが良い。  ?は、そもそも内容が別の物にかわっている。  ×は、リライト後のほうが悪くなってる。っーか、同じことを言うのに文字数を増やしてどうする。あと「!」とか、記号やら「……」やらに頼るのは逃げてるようなもん。どっちも言葉遣いだけで充分に表現できる。 >>1.「ついて行くのはわたしの勝手です!」  気弱属性の女の子が、「わたしの勝手」って言葉使っていいのか? あとビックリマークはどうか?  ちなみに「勝手」って言葉は、たとえば子供が親に対して反抗するときに使う。「なにしようと私の勝手じゃない! 干渉しないでよ! 産んでくれって頼んだわけじゃないわ!」――みたいな。  「私の勝手です」と「あなたは勝手です」とは、まるきり意味もニュアンスも違う。馬宮はもしかして混同しているのかもしれないが。  ちなみに「うちのあの子」は、好きな相手に対して「勝手です!」と抗議したことは2度ほどあるが、「私の勝手です」と叫んだことは一度もない。今後も永久に言ったりしない。  あと、テンパって叫んでいる台詞にしちゃ、「ついて行く」とか「わたしの勝手」とか、妙に客観的な言葉が多いよね。  「一番」  「大きい」  「少し」  「次の」  「優しい」  「本当」  「知って」  「黙って」  漢字の開く開かないに注意も払わないなら、もうやめちまえよ。  そんなんでやってたところで、経験値なんて、たまんねーぞ?  これは半分遊びの課題だけど、遊ぶなら「本気」で遊べ。 >好きの台詞男性版 >弟切  はっはっは。出来の悪いギャルゲーの会話文レベルだな。  このあいだのかねやんのより、すごいぞ。  「男言葉」で喋る男が、どこにいるかってーの。男言葉で喋らせれば男の台詞になると思っているあたりが、とほほすぎ。あと「俺」とか言わせれば男の台詞になると思っているあたりも、とほほすぎ。  あまりにも「とほほ」すぎて哀れを誘うので、ちと直してみる。  「好き」の台詞になっているかはおいといて、「男言葉」を、男の口から出た言葉に直してみただけね。 1.「ダイエットなんてしたら、別れる」 2.「その髪型はきらいだなぁ」 3.「ここのケーキってうまいんだぜー」 4.「ごめん。オレ経験ないけど」 5.「なんだ。ちいせぇ手」  1、2、4、5、は、これ「好き」の強度ならあるだろう。ただし「愛してる」まではない。  1と2は、付き合ってもいない相手(友人以上恋人未満)に言った台詞であると、シチュエーションを限定すれば、ばっちりだな。そしてこのあとは、もちろん喧嘩になる。  3は、なんだかわからん。単にケーキがうまいことを言っているだけとも取れる。男の口から出た言葉に直してみただけ。 >馬宮 >>もしよろしければ、どうして意外だったのか教えていただけますか? >>「女性はSFをあまり読まない」ということなんでしょうか。それとも、SFを読む人には特徴があるということなのでしょうか。  あ、これ勘違いだった。  ブラッドベリを「ブラッド・ミュージック」となぜか読んでしまって、「そうかグレッグ・ベアを読んでいるのか」と思ったから。ちなみにグレッグ・ベアは、SF作家のなかではまあだいぶ左翼。バリバリ理系のハードSF作家で「アイデア暴走型」と分類されている人。ちなみにここより過激に左翼な人も、SF界には数人はいる。  ブラッド・ミュージックというのは、ある科学者が自分自身に行った人体実験のせいで、人間の体内の血液細胞一個一個が知性を獲得してしまうようになるという話。  人間の体内に、数兆もの数の「人間以上」の知性体が住み着くようになってしまうわけね。そして都市を作ってしまってたりなんかする。  地球に住む人類全体数よりも、ひとりの人間の体内にある知性体のほうが、遙かに多くなってしまうわけだ。  ――とまあ、こんなふうにアイデアだけを聞かされて、それで「ごはん三杯はいける」といえるかどうかってこと。  この話を聞いて、「よしさっそく買ってこよう。それはぜひ読まねば!」とか、馬宮さん思う?  これを聞いて、すぐ本屋に走るのが、SF者というモノです。 -------------------------------------------------------------------------------- 雄鹿と雌鶏のパーティ No.6162 投稿日 2003年2月12日(水)23時35分 投稿者 弟切 千隼 今回は半ば雑談です。 >>男性のみのパーティ 英語では、独身男性ばかりのパーティを指す言葉として、stag partyという熟語が存在します。直訳すると「雄鹿のパーティ」という意味です。 独身男性の友人仲間のうち、誰かが結婚するという場合に、やっかみ半分?でその男性を祝うため、結婚式の前に開くことが多いそうです。 また、男性ばかりでエッチな映画などを観る催しを、stag partyと称することもあるそうです。 対語として、女性ばかりのパーティを指すhen partyという熟語もあります。直訳すれば「雌鶏のパーティ」ですね。 「雌鶏のパーティ」の場合は、なぜか独身女性とは限らず、既婚女性を含めた集まりに対しても用います。 hen partyという熟語には、やや侮蔑的な意味が含まれる場合もあるため、自分たちの集まりを称してhen partyというのはかまいませんが、他者の集まりを指すのにこの熟語を用いるのはやめたほうがいいそうです。 女性たちがわいわい集まっている様子を「雌鶏みたいだ」と表現するのは、何となくわかる気がします。 けれども、独身男性がわいわいと集まっている様子を「雄鹿みたいだ」と表現するのはなぜでしょうね? 若い雄鹿同士が集まって、角を突き合わせてじゃれている様子に譬えているのでしょうか? >>燭台問題 「手に持って歩く蝋燭立て」という意味の言葉としては、そのものずばり「手燭[てしょく]」という言葉があります。 ただし、この言葉は読み手を選びますよね。ちゃんと「てしょく」と読んでくれて、なおかつ「手燭」という字を見て「ああ、手に持って歩く燭台のことだろうな」と見当をつけてくれる人々が読む文章でなければ、この言葉は使えませんよね。 よりわかりやすい表現を目指すなら、やはり新木さんが示されたとおり、「手持ちの燭台」とするのが適当だと思います。 ついでですので、西洋の蝋燭事情について少し説明しておきましょう。 昔、西洋では、蝋燭というのは贅沢品でした。 というのも、西洋の蝋燭は、材料の蝋[ろう]を採取するのがとても大変だったからです。 西洋の蝋燭を作る材料は、蜜蜂の巣から採った蜜蝋[みつろう]でした。 扱いが難しい生物である蜜蜂を飼って、その巣から蜜蝋を採取する手間を考えれば、たった一本の蝋燭でもずいぶん高価な物についたことは想像できるでしょう。 そのため、中世までの西洋で普段から蝋燭を使えたのは、教会か、王宮か、貴族の館だけでした。庶民の家では、燭台そのものがない家も多かったといいます。 壁に作りつけの燭架どころか、手持ちの燭台でさえ、そんな物を複数備えている家というのは、それだけで裕福な家であることが決定です。 では庶民の家では、普段の夜の明かりはどうしていたかといいますと……そんな物は使わずにさっさと寝ていました(^_^) というのはあながち間違いではありません。 洋の東西を問わず、昔の庶民は貧しくて、余計なところに使うお金などありませんでしたから、灯火に用いる灯油もなるべく節約したのです。 それでも、夜に明かりが欲しい時はありますよね。そういう時、庶民は蝋燭ではなく、ランプを用いました。ランプなら、高価な蜜蝋は必要としないからです。 ランプというと、おそらく大部分の日本人は、『アラジンと魔法のランプ』に出てくる金属製のランプを思い浮かべるでしょう。しかし、西洋の一般庶民が持っていたランプは、あんな立派な物ではありません。 庶民のランプは、陶器か貝殻でできた灯油を入れる皿に、草の髄[ずい]から作った灯芯を挿しただけの物です。これが中世西洋で最も普通だった夜の明かりです。 少し裕福な家なら、持ちやすいように取っ手の付いた陶製のランプを使っていたと思われます。『アラジンと魔法のランプ』の金属製のランプを陶製にしたような形の物です。 何か行事がある時か、極めて裕福な家でない限り、中世西洋の夜の明かりとしては、蝋燭よりもランプを用いているとしたほうが自然ですね。 今回、課題にされている「シークレット・ミーン」の冒頭シーンは、仮にも都の貴族を泊めるだけの格式がある家という設定ですので、蝋燭を用いていてもおかしくはないと思います。 >>好きの言葉、男性版 ああ、やはり弟切は男性の台詞に関しては「とほほ」レベルなのですね(;_;) 弟切が男性に縁のないことがばれてしまいました……って、とっくにばればれですね(泣笑) これより下に落ちたくはありませんので、弟切は新木さんの撒いて下さった餌を食べてみます。 えーと、まず、なぜこうなるのか理解不能なのが、以下の台詞です。(番号は弟切が付けたものに合わせてあります) 7.「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版)       ↓   「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) これは、友達以上恋人未満の、付き合ってもいない相手に対する言葉なのですよね? まだ付き合ってもいないのに、なぜ「別れる」などという表現が出てくるのでしょう? 他の台詞に関しては、言われれば「そういうものなのか」と理解できなくもありません。 しかし、 「その髪型はきらいだなぁ」(弟切版の8) 「なんだ。ちいせぇ手」(弟切版の12) 上記の台詞を言われた女の子は、これを言った男の子が自分に好意を持っているとは、決して思わないでしょうね。 むしろ悪口を言われたと思って、喧嘩になるでしょう。 「男の人」はともかく、「男の子」というのは、好きな女の子に対して、こういう悪口めいたことを普遍的に言うものなのでしょうか? >>『ブラッド・ミュージック』 だいぶ昔に、弟切はこの作品を買って読みました。 ごはん三杯とまではいいませんが、一杯半くらいは行けたかな、と思います(^^; -------------------------------------------------------------------------------- ごろごろ(←転がってる) No.6163 投稿日 2003年2月13日(木)00時31分 投稿者 羽矢野  書き直し、予定より進んでない。  今自分の思考はこれ一色なんだけど。 ●分担  羽矢野、完全客観。  馬宮、三人称男寄り。  弟切、三人称女寄り。  この分担であってます。 ●夜着 >>――っーか、おまえ辞書引いたのかよ? >>よ-ぎ [1] 【夜着】夜,寝るとき上に掛けるもの。特に,綿を入れて掛け蒲団とする大形の着物をいう。かいまき。小夜着。[季]  引いてますよ。  さすがに。  じゃあ、何で使ったんだよ! ってことですが。  このシーンに大切なのは、エロです。  そうして考えた時、サリーシャが着ているものをどう表記すればいいのかは、重要です。  ここでイメージが変わってくる。  私はなんとか、服が透けていてダイナマイツバデーが脱がなくても視覚で見える文にならないかといろいろ。(今の所は……)  まず、パジャマ、ナイトガウン、ネグリジェのような現在の言葉は使えません。  この世界にはあるのだって後説明とかは、もちろん不可です。  そうした固有名詞が使えないので、候補としてあげたのが夜着と肌着でした。  しかし肌着は、下着というイメージが固定しています。  そして、これは私だけかもしれないですが、肌着だとお子さまの白い木綿のとか、おばちゃんの肌色でおへそまであるのとか、そういうエロとは遠い想像になってます。  (だから、新木さんの三人称神視点の例文が“肌着”だったので私は一瞬止まりました)  夜着は、辞書で引くと上の通りですが、対象となる読者にこれを想像する人はあまりいないだろうと思いました。  知っていても、日本的なものなので、ベッドや燭台がでてくる所に、これを着ているとはならないだろうとも。  なので、サリーシャが着ているものは夜着で決定してます。  夜着という名前は同じの、まったく別のものとして書きます。  これを補足する為に“肌が透けて見える夜着”とか、そういう情報を入れるつもりでいます。 >>燭台  これ、私の固定されてるイメージが変なのか。  新木さんの“あるある”からの例で持ってた燭台は、あれって大きめのテーブル用の灯りのやつですよね?  私“燭台”という言葉だけだと、三つ又にわかれてる大きなやつをイメージします。  「手持ちの燭台」だと、自分のイメージになりました。  中高生でもこれは、大丈夫なのかな。  ”台”という文字が想像の邪魔をしている。 >>扉の軋む音  これは、人が来たという気配を伝えるのが目的です。    でも、人の気配を感じるなんて、客観視点だと書けない。  だから、扉の軋む音か、灯りが漏れたか、風を感じたか、何かないといけない。  それがあれば、カルメイルは寝たふりをやめて、扉を見る。  サリーシャが暗殺にくることを知っていて、それを待ってるから。  それとも、ノックさせてしまえばいいのか。  夜這いのフリをするんだから。 >>軋む音  ちょっと考えたのですが。  キィィィィって音。  金属がこすれる音だけど、それだと伝わらないだろうし。  “ような”って言葉で代名するのは主観だから使えないし。  客観視点は、難しい。  今日も、何かまともな書き込みになってない。 ●弟切さん  手燭……そのままな言葉があるのですね。  漢字変換でもでてきました。  弟切さんも言ってましたが、一般的には知られていないですね。  でもこれって、そのままな言葉だから、使えるかも。  “女性は手燭を持っていた”  “その灯りは、彼女の半身をまるで肖像画のように浮かび上がらせていた”  とかダメかな?  蜜蝋って確か、蜂蜜と同じ甘い匂いがするんですよね。  リライトに使えるかも。   -------------------------------------------------------------------------------- なるほど No.6164 投稿日 2003年2月13日(木)01時13分 投稿者 馬宮  弟切さん、パーティーについての知識、ありがとうございます。なるほど、女性のパーティーが雌鳥で、男性が男鹿ですか。  ……ずるいですね(笑)。     ●新木さん  ご指摘、ありがとうございます。 >ミーンリライト >>締め切り日まで、何度も自分自身でリライトする方式でやってゆくわけかな?  はい、そうです。  ひとりで一週間、ひとつの文章をこねくりまわすより、分室でみなさんの目のあるところでリライトを重ねる方がいいと判断しました。  馬宮は、この方法で、最終日にまともなものを出します。    >>天衣さんの元バージョンのほうを取るぞ。  >>それほど、いまヒドいぞ。  >>頑張って直してくるように〜。  はい!    とは言うものの、羽矢野さんあての「完全客観」の説明を理解するのにかなり手こずっています。  男視点であれ、三人称ですので「客観」はどうしても理解しておかなくてはいけません。  今日一日考えてまだつかめません。過去ログひっくりかえして、この一晩で、自分の文章のどこが客観になってないのか、確認します。    >>ただ、自分のやりかたを書いておいてくれんと、見ていて心配になる。「マジか? あれマジで出してきたのか馬宮はっ!?」――みたいな。  ほんとうに、もうしわけありませんでした。   >台詞課題 >>ちなみに「うちのあの子」は、好きな相手に対して「勝手です!」と抗議したことは2度ほどあるが、「私の勝手です」と叫んだことは一度もない。今後も永久に言ったりしない。  ありがとうございます。馬宮、全然わかっていませんでした。  >>これは半分遊びの課題だけど、遊ぶなら「本気」で遊べ。  はい!   今、リライトがどうしてだめになっているのか、わかっていません。  もう一日考えます。 >ブラッド・ミュージック  ありがとうございます。  ご飯三杯はいけませんが、想像してドキドキしました。   >>この話を聞いて、「よしさっそく買ってこよう。それはぜひ読まねば!」とか、馬宮さん思う?  ここまでではありません。読みたいとは思いますし、買いたいとも思いますが、「うずうずして買わずにはいられない」ほどではないと思います。  でも、購入して読んでみます。細胞が人体にどんな都市をつくってるのか、すごく興味あります。    SFモノについての、引き出しをトンカチ片手に作りはじめました。  「SF小説のすごい設定を聞いて、いてもたってもいられなくなって、本屋をハシゴする人。当然ネット通販は時間がかかるので、最後の手段」 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6165 投稿日 2003年2月13日(木)08時08分 投稿者 新木 伸 >人称とか  慣れない人称を使うことが、どうして難しいのか。  ――っていうか、皆の場合は、それ以前のところでつまずいているのかな。  そもそも「使い慣れている人称」っていうのもないとみた。  いま苦労しているのは、人称を徹底させようとして、うまくできないでいるためだよね。  君らの頭の中の分解能って、「私/俺」が一人称で、「名前/彼/彼女」と書くのが三人称――ぐらいのことだったわけだ。これまでは。  人称を徹底させようとすると、どうして難しくなるのか。  それは人称によって、書けないことが出てくるから。  いままで君たちは、視点の統一なんて考えたこともなくて、まあ適当に「○人称っぽい」ものを書いていればそれで良かったわけだ。しかし厳密にやっていると、こんなふうに、きついことになる。  うーん。また料理にたとえてみるか。  視点を統一してなにかを書くということは、「和食だけ/中華だけ/洋食だけ」で夕食を揃えるようなものなのね。  つまり料理の統一を取るということ。  しかし君らはそもそも作れる料理のレパートリーが少ないものだから、「和食だけ」とか言われると、「えーとえーと、肉じゃがと、あとなにができたっけ私?」となってしまうわけだ。いまがまさに、そんな状態。  ――で、この「書けるもの/書けないもの」っていうのは、経験と学習で身につけていかないとならないわけだ。  ようするに、何度もその視点を練習することで、体に覚えさせないとならない。そうでないと、とっさに言葉が出てこないから。  キャラ寄り三人称では、視点キャラの主観に基づくものと、客観に基づくものしか書けない。また一度どちらかを書いたら、しばらくは同じものしか書けない。  客観で書けるものを書いていて、次にキャラの主観で書けるものを書くためには、いったん、キャラの中に入らなくてはならない。そして入ったらそうすぐには出てこれない。あまりに頻繁に出入りが行われると、読者が酔う。  また完全客観で書くときは、ずっと客観で通さなくてはならない。  羽矢野が詰まっていたように、完全客観では「扉の軋む音」とは書けないわけだ。ぎりぎりズルして書いたとして、「なにかが軋む音」ってところか。  普通に書くのであれば、「金属が軋む音」とか、「木が軋む音」とかになるはず。  たとえば映画などを観ている観客が、耳にしたとたんに、それが何の音であるかわかるあたりまでなら書くことができる。金属と木では、軋むときの音は違うでしょう。普通の人でも、聞けば一発で判別するだろうし。 >羽矢野 >>これは、人が来たという気配を伝えるのが目的です。 >>だから、扉の軋む音か、灯りが漏れたか、風を感じたか、何かないといけない。  なに? この「人が来た」ということを読者とカルメイルに伝えるための方法って、たったこれだけしかないの?  廊下の床が鳴るとかは?  ドアが開いた空気の動きを感じるとかは? 蝋燭が揺れるくらいは空気も動くだろうし、集中していれば普通の人でも感じ取れるよ。ましてやこのカルメイルという騎士は腕のたつ人物なわけだろ?  または、カルメイルと読者にとっては音も気配もなにも感じ取れなくても、部屋の隅にいたネズミが逃げ出すとかは? ネズミさんは扉が開く前に反応するわけね。  または、読者にとってはなにも感じられなくても、ベッドに寝ていたカルメイルが急に目を開いて扉の向こうにむかって「誰だ」と誰何の声をかけるとかは? サリーシャの到来に気づくカルメイルっていう構図が欲しいだけなら、理由なんてべつに読者に見せる必要はないだろ?  または、カルメイルは本当に熟睡していたんだけど、不意に目が覚めたので、それでサリーシャの到来に気づいた、なんてことも使えるわな。  または、廊下かドアのところにロープ張って、足を引っかける罠を作っておいて、サリーシャがそれに引っかかって「ずべし」と転ぶ音が聞こえてきたとかは?  出そうと思えば、まだまだ100くらい出るだろ?  しかし文章で金取りたいと思うんなら、最初に出てきた10個くらいは捨てろってーの。それ面白くもなんともなくて、誰でも考えつくようなものなんだからさ。  ノックがした? なにそれ?  そんな普通の展開だったら、べつにドアが開く前からやらないで、ドア開いてからスタートさせたっていいじゃんか。 >>これを補足する為に“肌が透けて見える夜着”とか、そういう情報を入れるつもりでいます。  おいおい。  安キャバレーのお水のお姉さんじゃないんだから。色気を出すのにスケスケスリップ1枚っていうのは、それはあまりにも安直なんじゃないの?  だいたい、村娘に偽装している潜入工作員が、そんな色っぽい服をどこから手に入れたのだ? 彼女は普段からそんなもんを着て寝ているのか? 中世的世界観なのに?  もしそんなものを彼女に着させて登場させるつもりなら、彼女がどうやってそれを用意したのか、そこまで考えておかないといけないよ。  たかが服一枚。さりとて服一枚。  なんの脈絡もなくポンと出現してくるはずがないんだ。作った人がいて、運んできた人がいて、そして買った人がいるわけ。  サリーシャは、いつどのようにして、そんなスケスケランジェリーを入手したのだ?  まあ村中探せば、エロいオバさんか、エロいお姉さんあたりが持っているかもしれない。カルメイルを誘惑して暗殺するから貸してちょうだいと、そうやって頼みに行って借りてきたのかな?  またそういう色っぽい服を必要とするような職業(娼婦)の女性が、村の外れあたりに、一人くらいは住んでいるかもしれない。そこから調達するとかね。  蜜蝋は、精製具合によって、匂いなしにもできるし、匂いつきにもできるだろう。  これも入手方法を検討しておけよ。  近くに養蜂屋でもいるなら、そこから買ったのだろうし(だとしたら精製具合が低いから匂いは取れない)。  都から買ったのであれば、灯り用に高純度に精製してあるわけだし。  蜜蝋は化粧品として、口紅の材料に使われる。また防水剤として、家具や食器に塗ったりすることもある。  灯り専用の蝋燭として、わざわざ都から購入されていたものなのか。他の用途用として取り置きしてあったものを、騎士(無論、貴族)の客人がやってきたために、急遽出してきたのか。  そういう経緯によっても、匂いが出るかどうかは変わるわけだ。  まあ、カルメイルの泊まっている家の主の経済状況にもよるだろうね。 >弟切さん  男キャラの言葉が使えないのは、男と縁があったかないかは、関係ない。  観察してきたかどうか。べつに実物の男でなくたって、物語に出てくる男でも構わない。むしろ物語に出てくる男のほうが、男要素のエッセンスを濃縮して「男っぽく」していることが多いので、参考になるはず。  ちなみに僕のリライトしたのは、断り書きにもあるように、「男の口から出る言葉に直した」というだけ。  分析するなら、そこを見ないと。  そしてリライトしたほうを見て、好き属性がなくなっていると思えたのなら、それはそもそものネタの段階からNGだったってことね。  「ダイエットよせ」と命令するのも、「したら別れる」と宣言するのも、同じことだろ? 若干言葉が変わってるくらいのこと。  元ネタを出してきているのは、弟切さんなわけだぞ?  ちなみに、弟切さん版の元台詞。  みやびさんが爆笑したと、そう言っておった。さっき電話したら。 >>>>「ダイエットなんてしたら、別れる」 >>>>「その髪型はきらいだなぁ」 >>「男の人」はともかく、「男の子」というのは、好きな女の子に対して、こういう悪口めいたことを普遍的に言うものなのでしょうか?  なにを怒っておるのだ?  男の子ってのは、そーゆーもんだよ。  弟切さんも観察して見抜いていたから、ああいう台詞を出してきたんじゃないのかな?  この台詞は、そもそも「所有物宣言=好意の証」という、たいへん間違った認識にもとづいて出されている「好き」の台詞であるわけね。  ついでに言うと、我が儘を向けたりするのも、それ「好き」の証。  もしこのお題が「台詞ひとつで好きを表現」でなくて、「男の子の好きの行動」であったなら、スカートめくりや、カエルを押しつけて怖がらせるとかいうのも「好きの行動」になるところだろう。  ちなみに、「所有物宣言」がどうして「好きの言葉」になるのか。そのプロセスを解説すると、こういうことになる。 1.「自分が好きになった女の子」 2.「相手もオレに好意を持っているらしい」 3.「ということはオレのモノ決定」 4.「自分の所有物なので、当然、オレの趣味を押しつけてもよし」  ちなみに2のプロセスは、確認を必要としないことが多い。  自分が好意を持っているのであるから、相手ももちろん好意を持っているのである。――と、そうなることが多い。  男の子っていうのは、女の子と女の人と――すべての女性を自分の母親かなにかだと思いこんでいる節がある。  もうはじめから自分の味方なわけね。そう決まっているのね。  デフォルトで女性の側は自分に好意を持っている。なので――もし自分の側から「所有物宣言」などで明確に好意を示したなら、愛情数倍返しとなるのは、これは基本――と、そう考えているわけだ。  こういう話、知らないかなぁ?  仕掛け人のお姉ちゃんが、男に言い寄ってゆくわけね。まあドッキリカメラ系だと思いねぇ。  するとたいていの男は、お姉ちゃんの見せる「ニセモノの好意」を、まず絶対に疑わない。それまでの人生でどんなにモテなかった男であっても、「ようやく俺の良さを分かる賢い女が現れたか」というふうに都合良く解釈してしまうもの。  そういや、もうすぐ例のイベントだっけか。  「男」ならいいけど、「男の子」に義理チョコ配るのはやめといたほうがいいよ。  義理と思わないで、本命だと勘違いしちゃう子がいるから。  っていうか、そういう「事故」起こした経験はないのか? 「ダイエットなんてしたら、別れる」 「その髪型はきらいだなぁ」 「こんど、スカートはいてこいよ」 「もっとオレの言うこと聞けよな」  この4つ、同系統。 「なんだ。ちいせぇ手」 「チビだなぁ」 「力ねぇなぁ」 「筋肉、ないのな」  この4つも、同系統。  こっちは台詞の前にアクションがひとつ存在しないと成立しないね。たとえば手を握ってみて、そして「ちいせぇ手」と言ってみるとか。  重いものを持ってフラフラしているところを、交代してやって言うとか。  二の腕あたりを掴んで、それで感慨をもらすとか。 >馬宮 1.>> 夜にまぎれて、女が一人しのんで来た。 2.>> 女は濡れた唇で薄く笑いながら、目の前のカルメイルに向かって、挑戦的に前髪をかきあげて見せた。 3.>> 薄地の服を大きく突き上げた胸が、カルメイルを惑わせる。 4.>> 男は内心の動揺を押し隠して、彼女を睨みつけた。 5.>> 「なんの用だ」  これ、はじめ「神視点」かと思った。  なぜそう思ったのか。  2行目に「カルメイル」ってあるよね。3行目でも「カルメイル」って出てくる。  それが4行目では「男」ってなってる。  キャラ寄り三人称の始まりかたとして、これはあり得ない形なわけね。  もしあり得るとしたら、神視点のみ。  「男」→「カルメイル」ってのは、キャラ寄り三人称なら有りなわけだ。  しかし「カルメイル」→「男」ってなるのは、これはあり得ない。  「男」のかわりに「彼」となっていたなら、それは有りだが。  しかし1行目だけでも、神視点であることは、ほぼ確定しちゃうんだよなぁ。  「忍んできた」って、これ説明だよね。忍んできた経緯ってのが色々とあるわけなんだが、それをすべて省略してしまって、「忍んできた」とひと言のもとに説明しきっている。これが許される人称は、神視点か語り部視点のどちらかだろう。  だってこの「忍んだ」って言葉、これ、「客観」で使えないNGワードなんだもの。  誰か主観を持っている人間がいないと、出てこない言葉。こっそり足音を立てずにやってきた人を、その「主観の持ち主」が観察していて、そして「忍んできたようだ」と感想を洩らす。――そういうプロセスがないと、出てこない言葉だ。これは。 -------------------------------------------------------------------------------- >人称の研究 No.6166 投稿日 2003年2月13日(木)08時29分 投稿者 新木 伸 >人称の研究  みやびさんと話していて――。  三人称と一人称のそれぞれに、「語り部視点」なるものがあることが判明。  「三人称、キャラ寄り、キャラ語り部視点」  「一人称、語り部視点」  ――というようなもの。  一人称語り部視点は、たとえば「フォーチュン・クエスト」とか、「エイリアンシリーズ/菊地秀之」とか、「スレイヤーズ」とか。  っていうか、一人称のほとんどが、この形式。  純粋な一人称というのは、僕は見たことない。少女小説ならありそうかな?  「三人称キャラ寄り語り部視点」というのは、一作品ずっと通してやるわけではなく、部分部分でやることになる。ずっと「キャラ寄り語り部視点」でやるのなら、「一人称語り部視点」でやってしまえばいいわけだし。  三人称で、キャラに入りこんでいるときには、だいたいキャラ自身が語り部になっている。  これで人称は二つ増えた。  僕の人称の分解能は、現在、7種類あることになっている。きっとまだあるだろう。  うーん。こんど文学部卒の人に聞いてみるか。文学的には、視点って何種類あるのかー、とか。 ・純粋一人称視点。 ・一人称語り部視点 ・語り部視点 ・神視点。 ・作者視点。 ・三人称完全客観。 ・三人称キャラ寄り。  そういえば友野詳さんが、「ティルト・ワールド」っていうソードワールド系のシリーズで、おもしろい視点を使っていたなぁ。  神視点の一種なんだけど、ファンタジー世界において実在している神本人の、その視点。実体を持たない精神体みたいなもので、主人公たちを観察している。  たしか、誰も人がいなくなった部屋だかのシーンで、ネズミが一匹だけその場面に残っていて。  そのネズミが、野生動物で勘が鋭いということもあり、そこに存在している「視点保持者」の気配に気づいて頭を上げてくる――なんてシーンがあったような、ないような。  登場人物(この場合はネズミだけど)から観察されちゃう「神視点」っていうのは、あのシリーズで見たきりだなぁ。  そういう限定的な能力を持った神と人との中間存在のことを、ファンタジーでは一般的に「イモータル」と言う。いわば「イモータル視点」ってやつか。 -------------------------------------------------------------------------------- ミニデパート No.6167 投稿日 2003年2月13日(木)13時32分 投稿者 藤極堂 >デパ地下 狭義と広義。 「駅前のミニデパート」として想定している物が食い違いっているのではないか。 そういう懸念は私も感じていました。 ■デパート(Yahoo! JAPANのカテゴリー検索より) 伊勢丹  高島屋 西武百貨店 三越 井筒屋 東急百貨店 松坂屋 岩田屋 阪急百貨店 阪神百貨店 大丸 東武百貨店 京王百貨店 小田急百貨店 松屋 十字屋 そごう 丸栄 名鉄百貨店 近鉄百貨店 ■東京近郊(東京休日案内より) 吉祥寺(地図) 立川(地図) 国分寺 府中 多摩 町田 相模大野 川崎 溝口 横浜 郊外 横浜  みなとみらい 川口 浦和 大宮東口 西口 浦安 船橋 津田沼 柏 松戸 千葉都心 幕張 市内 上記の認識で相違ありませんでしょうか? ……デパートとミニデパートの認識が違うのかな? ミニデパート=スーパー系列の会社が経営している、4階建て以上の店舗。なのかな? 地下駐車場のある巨大店舗はひとつしか見たことないし、それは地階は無い郊外型の店舗だったから参考にはならない。 東京近郊の駅前に構えているミニデパート(高層建築物を店舗とする日用品を扱う大規模小売店)は、地階が駐車場になっており、一階が食料品売り場になっているという形式が一般的である。 ということなのかなあ? 榎野さん、これであってる? 地階が駐車場というのが東京近郊のミニデパの一般常識? -------------------------------------------------------------------------------- >生課題失敗したとき No.6168 投稿日 2003年2月13日(木)13時33分 投稿者 新木 伸 >生課題失敗したとき  おもに馬宮宛だが。  他の人もやってよし。  生課題をやったとする。  しかし、その日の3時間で、なにも書けなかったとする。  毎日こなすことが目標の生課題で、やったけど書けませんでした――では、これは経験値が得られない。  「なんでもいいから、とにかく書く」――というのが、この練習の趣旨でもあったりするわけだし。  ――なので、失敗した場合はこんなことをやってみるのはどうだろうか?  もう1時間ほど、余分に時間を使う。  その1時間で、なにかかわりに模写でもやる。  市販の小説で、自分が書きたい(モノにしたい)文体があったとしよう。こんなふうな文章を書いてみたい、と、そう思えるような文章ね。  それを数ページ分模写してみるわけだ。  ただし、見て書き写したんじゃ、あまり意味がない。それでは単なる模写にしかならない。  その数ページ分のワンシーンを、まず数回読んで、頭に叩き込む。  そうしたら、その同じ文章を記憶に頼って再現してみる。  文章を再現するときには、べつに無理して自分の言葉で直さなくてもいい。覚えているかぎりは、もとの文章のままでいい。  記憶の欠落部分を埋めるために、自然と自分の文章が加えられていったりもするだろう。自分の文章で、「まあだいたい同じこと」が書けて、欠落部分を埋められる限りは、そのまま書いていってしまっていい。  「だいたいこんな感じだった〜」で良いわけね。  また途中で「なにが書いてあって、どう書いてあったか」ということが、どうしてもわからなくなってしまったら――そしたら、途中でもう一度原本を見てもいい。  でも見ながら書くのは、それはなしね。  あと、ズルの回数は少なければ少ないほどいい。はじめに読んだきりで、書きあげられるのがベストだな。  この練習なら、文章を自分で考え出さないで良いので、1時間もあれば数ページが可能だろう?  まあ1時間きっちりやって、出来たとこまででいい。  この練習のメソッド。  その模写しようとする数ページに――。  なにが書いてあるのか。  どんなふうに書いてあったのか。  それをギュッと集中して覚えこむこと。  単なる模写行為でしかないわけだが、しかし、書いているうちにどんどん頭から抜けていってしまうわけだな。  ただ小説を読むときよりも、数倍も集中して読み、なおかつ覚えこもうとすることになる。それが期待できる。  なにが書いてあるか。  どういう順番で書いてあるか。  どのように書いてあるか。  それらすべてが、自分の中にコピーできるわけね。最大限の効率でもって。  ちなみに、集中しないでやっても意味がないから――。  時間はせいぜい1時間ぐらいに決めておいたほうがいいだろう。  あと3時間生課題が失敗した直後だと、頭が加熱してるわけだな。その疲れを取ってから行うこと。まあ軽く休憩挟むとか。  また、ここでやった「補習の模写」の内容は、アップせんでいいぞ。――っていうか、著作権者の承諾を得ないで改変して、それを公開してしまうことは違法行為となるので、アップは禁止。 (ただし自分の手元だけで模写してるぶんには、これはぜんぜんOKだ)  まあそのうち見せてもらうかもしれないから、消さずにハードディスクの中には残しておくこと。  分室に書くのは、報告だけでよい。  何という作品の何ページ目から、何ページ目までやりました。――で、OK。  まあ「何のシーンでした」とかもあったほうがいいな。 (著作権者のOKが取れてさえいれば、課題部屋へのアップも問題ないはずだが……。まあ出版社との絡みもあるから、この「補習」課題に関しては、アップはしない方針でいこう) >僕の作品  僕は文章は全然うまくないので、どうせ模写するなら、もっと上手い人の作品をやりましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- デパ地下について。 No.6169 投稿日 2003年2月13日(木)20時14分 投稿者 鷹見一幸  えーと、デパ地下についてですが、大規模小売店には、建築の際に駐車場を作ることが義務付けられていることが多いのです(地方条例なので、一概には言えませんが)地下が駐車場となるか、食品売り場になるか。  これは一言で言うと立地条件によるわけです。  建ぺい率とか、日照権とか、土地代の問題で、地下に駐車場を作ることが多いのですが、街外れに建てられるいわゆる郊外型大規模店舗の場合は、立体駐車場を並立して建てたり、屋上を駐車場にしたりすることが多いのです。  立地条件としては、その場所がいわゆる低湿地の場合や、近くに河川があるような場所では地下に店舗や売り場を設けることはしません。  駅前やら駅に隣接して建てられたいわゆる駅ビルの場合は、客の大多数が車ではなく駅を利用する人間なので、地下や一階を食料品売り場にすることが多かったのです。  「ミニデパート」とは、いわゆる食品と日用品だけを扱うスーパーマーケットに対し、衣料品などのファッション用品も扱う店舗を言います(テナントとして入っているものも含む)  このような「ミニデパート」が建設された時期にもよりますが、既存の小売店を圧迫しないために、80年代半ばまで、大規模小売店を建設する際に、売り場の総面積などにかなり細かい規制が加えられていました。  市街地以外の郊外に建てられるものでも、地元の商店をテナントとして収容しなければならなかったりしたのです。  いわゆる一流デパートは、ブランドイメージを大切にしますから、こういった地方都市に作られたミニデパートは、主にスーパーマーケット資本の店がほとんどでした。 スーパー系と百貨店系の主な違いは、資本系統(銀行系)が戦前のいわゆる旧財閥系から来ているものかどうか。という違いがあります。    ライフスタイルの移り変わりで、人口密度が都心から郊外に広がるにつれて、デパートの部分を補う形でスーパーマーケットが衣料品などを扱うようになりました。もともと洋品店から始まった「長崎屋」とか「忠実屋」などは、逆に洋品店が食料品を扱うようになったものです(どっちも今は吸収合併されてしまいましたが)    駅前にある、もしくは駅に併設されているとしたら、それはおそらくスーパー系のミニデパートでしょう。  駅から降りた客が最初に入る一階は、食料品というのはセオリーではありません、地階があれば、そこに食料品が入るのがセオリーでしょう。  客の流れを噴水の水にたとえた「噴水効果」という言葉がありますので、検索してみるといいかもしれません。     -------------------------------------------------------------------------------- 参加表明 No.6170 投稿日 2003年2月13日(木)20時44分 投稿者 風輪 玲  初めまして。風輪 玲(かざわ れい)と申します。  商業水準の文章を書くためのノウハウを盗みに来ました。  まず、自己紹介を。  三十路手前の社会人です。業種は建築で、請負住宅の施工に携わっています。  中学生の頃から活字中毒で、図書館で借りた本と蔵書をあわせたトータル読書量はおよそ一万冊。毎月、三万円は書籍代に費やしています。  過去一年間に執筆した作品は「よみかく」本棚で埋もれています。  今回、新木さんのご指名により、参上した次第です。  皆さん、よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 所有欲が強いのに浮気性な男性とは、不思議ですね。 No.6171 投稿日 2003年2月13日(木)23時00分 投稿者 弟切 千隼 雄鹿や雄鶏のことがよくわからない雌鶏の弟切です。無精卵しか産んだことがありません(爆) とりあえず投げられた餌をつついてみます。こっこっこ。 新木さんへ > >>好きの台詞、男性版 解説ありがとうございました。「所有物宣言=好意の証」という説明はよくわかりました。 弟切は、男性が女性を所有したがることには気づいていました。けれども、「特定の人に対する好意の言葉」と、「所有したがる=自分の趣味を押しつける」というのがうまく結びつきませんでした。 >> 男の子っていうのは、女の子と女の人と――すべての女性を自分の母親かなにかだと思いこんでいる節がある。 >> もうはじめから自分の味方なわけね。そう決まっているのね。 (No.6165の新木さんの書き込みより) これにはとても驚きました。いや、上記のように思いこんでいる男性も、中にはいるだろうとは思っていましたが。 若い頃の弟切は、身の回りの男性に以下のようなタイプが多くて、「世の中の男ってこういう人が多い」と、妙な刷り込みをされてしまった気がします。 1)女性のほとんどはバカか無能なので、付き合う価値がないと思っている男尊女卑主義者。 2)やらせてくれれば誰でもいいエロガキ。 3)女性というのは何をするか判らない妖怪変化なので、遠巻きにして見ている「触らぬ神に祟りなし」主義者。 思いっきり認識が歪んでいますね(爆) 1)の男性は、家事労働者か性的サービス提供者か子供を産んで育てる道具としてしか女性を見ていませんから、女性を対等な人間として認めて、好意を示すことはまずありません。 2)の男性は、好意を示すという段階をすっ飛ばして「やらせろ」ですから、これも論外ですね(^^; 3)の男性は、そもそも女性を敬遠して近づきませんから、やはり女性に対して好意を示すことはほとんど起こり得ません。 男性の皆さんごめんなさい。こんな人ばかりではありませんよね? 弟切が誤解していました。 あ、ちなみに、バレンタインデーに義理チョコを渡した相手と「事故」を起こした経験はありません。 弟切は、義理チョコを渡す相手には、にっこり笑ってはっきりくっきり「義理だよ」と告げますので。 めげずに、以下に「好きの台詞、男性版」を挙げてみます。 13.「太ったろ」 14.「行かせない」 15.「ほら、これやる」 16.「しょうがねえなぁ」 17.「幸せにするから」 18.「僕のパンツ洗って下さい」 -------------------------------------------------------------------------------- ふうー。 No.6172 投稿日 2003年2月14日(金)00時49分 投稿者 羽矢野  今日はギリギリその日のうちに帰ってこれました。 ●男女のセックスに対する考え方  弟切さんあてということではないけれど。  (多分、常識として知っていそうだし) >>好意を示すという段階をすっ飛ばして「やらせろ」ですから、これも論外ですね(^^;  これ見て、とても女性らしい意見だと思いました。  これは付き合っている男が「好意」を十分に示さないと女性はセックスをしないということです。  疑う余地なく男も女も当然と思ってるように読めますね。  女性はセックスを愛の営みと考えるので「愛」のないセックスはしない。  それは満たされる行為です。  イクかどうかはあまり関係がない。  逆に男が自分がイクかどうかを気にするので、感じているフリする女性も多いという。  男は愛とセックスは別のものとして切り離して考える。  だから「やらせて」くれるんなら、誰とでもセックスをする。  これは“遊び”で相手を好きでもなんでもなくても可能だ。  風俗店や浮気をする回数が男性の方が多いのは、これが理由。  男の目的は一つ。  イッて射精する。女性と逆で放出する行為だ。  男は女性も当然そうだと思っているので、相手をイカせることにこだわったりします。  男はそのあとに愛を感じる。  つまりセックスが先にあり、愛があとからついてくる。  でもこれは、女性は理解ができない。  好きでない相手とセックスをするということが女性はできないから。  と両者は全然違う考え方なんですよね。  自分の性の側からしか相手を見ないと、いろんな誤解が生まれてしまう。  あと、まわりにいたという男性諸子は……。  すべて女性から見てますね。  弟切さんっていつも冷静で客観的に見てるような印象があったけど、男性に関しては違いますね。  100%女性視点。  ちなみに。  何かを批判しているわけではないですよ。  念のため。 -------------------------------------------------------------------------------- 人称はなれないと難しいと思いました。 No.6173 投稿日 2003年2月14日(金)03時23分 投稿者 馬宮  ミーンリライトは、シーンをさらに細かくして少しずつなおしていきます。  今日は、天衣さんの四行リライトと同じ部分です。  課題部屋にあげました。 ●新木さん >人称  ありがとうございます。   >>視点を統一してなにかを書くということは、「和食だけ/中華だけ/洋食だけ」で夕食を揃えるようなものなのね。 >>つまり料理の統一を取るということ。    できる料理と、できない料理をちゃんと意識してわけられるようになることを、目標にします。    すみません。いくつか言葉の候補を考えていて、主観か客観かわからないものがありました。  どう考えてこれらの言葉をチェックしたらいいか、ヒントをいただけないでしょうか?    ・サリーシャの胸がカルメイル惑わせる。(の「惑わせる」)  ・「サリーシャの薄笑い」と「カルメイルは薄笑いを浮かべた」(の「薄笑い」)  ・静かに歩み寄ってきた。(という文の「静か」)    >生課題に失敗した時・模写    ご指示、ありがとうございます。やります!    ・生課題に失敗したら、補修として市販されている作品の数ページ(一時間でできたところまで)を模写する。  ・ただし、見ながらではなく、「なにがどういう順番でどんな風に書いてあるのか」を覚え、なにも見ずに模写をすること。  ・分室には著作権の関係上、アップはなし。そのかわり、どの作品の何ページから何ページまで、なんのシーンであったかを報告すること。  ・念のため、模写したものは、ハードディスクに保存しておくこと。    本を読んでいる時、勉強したいシーンをチェックしておいて、勉強する本のストックを作ります。   >一人称語り部視点と純粋一人称  わたしはこの違いがよくわかりません。  語り部にならない一人称、というのが想像つかないんです。  一人称は、「わたし」が物語りの視点者になってその世界を見、説明する、描写するというものだと思っています。  考えてみたのですが、一人称語り部視点というのは、「読者を意識して語りかけるタイプ」のものことでしょうか。   そして、「読者にむかって話す」という形をとらない文章が純粋一人称なのでしょうか。  たとえば、日記です。  読み手が自分ひとりだと知っている日記なら、一人称で書かれていてもそれは「語りかけ」にはならず、「つぶやき」になるんだと思いました。 −−−  今日、○○さんとケーキバイキングに行った。  準備のため、昨日からなにも食べていなかったのでお腹がぺこぺこ。目標は10個で、一ヶ月分の食いだめをするつもりだった。  でも、食べるぞ! と腕まくりをしてケーキの取り皿を、カウンターに持っていったらびっくり。厨房から出てきた××先輩と鉢合わせしちゃった。  なんとそこは憧れの××先輩がウェイターのバイトをしているお店だったんだ、知らなかった!  結局××先輩に見られているのが気になって、ふたつしか食べられなかった。うわ〜ん! −−−  はっきりとした違いが、よくわからないのですが「こんな感じかな」と思いました。  難しい……です。 ●風輪 玲さん  はじめまして。馬宮 恭(まみや きょう)ともうします。  活字中毒者という言葉を初めて知って以来、そういう人間になることに憧れていました。  なろうと思ったらきっとなれるだろう、とがんばって読書にはげんでいます。  それにしても、一万冊はすごいです! 見習います。  どうかよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 海外ライトノベル事情(雑談) No.6174 投稿日 2003年2月14日(金)09時01分 投稿者 鷹見一幸  課題とかには直接関係無い話ですけど、ライトノベル業界の話なので  ちょいと書き込みます。  先日「時空のクロス・ロード1」の韓国版が自宅に届きました。  メディア○ークスと提携した韓国の出版社(ニュータイプの韓国版を出している会社)が出版しているものです。  ハングルは横書きですので、左綴じになり、サイズは新書版より一回り大きなサイズでした。  韓国では日本のマンガだけでなくライトノベルもかなり出版されているみたいで、二年ほど前にワールドカップの準備の関係で韓国に行ったときは、書店にボーイズラヴ系の本が大量に置かれておりまして「YAOI BOOKS」というコーナーが作られているのには笑いました。  巻末に「時空のクロス・ロード2」の広告が載っているところを見ると、シリーズ化するのかもしれません。  日本に比べればマーケットも小さくて、出版部数もはるかに少ないのですが、自分の書いた物語が、韓国の人々にどんな風に受け取られているのか興味がありますね。  印税はウォン立てだから、日本円にしたら数万円程度でしょう。  韓国の銀行に積み立てておいて、旅行に行った時に使おうかと思ったんですけど、韓国では外国人名義の口座は作ってくれないそうです。  韓国の銀行の方が利回りがいいのに(笑) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6175 投稿日 2003年2月14日(金)14時21分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  いらっしゃいませ〜。  しばらくお待ちください。  黒い子山羊登場の部分を、こちらでも削ってみようとか思っています。結果が同じになるかどうか。  とりあえず、削ったものを直して増量してゆく作業にでも入っていてください。  僕のほう、仕事の原稿の削り作業の締め切りが、15日なもんで。  313ページのものを、301ページにまで削らねばならないのですが、これがもう大変で〜。  僕も初めの仕事をやったときには、50枚書いて25枚まで削って、そして出していたのですよ。しかし最近は、5%がもう限界。それ以上削るとなると、シーン単位で落としていかないと。  今回は限界近いので、ひーひー言ってます。  1万冊だと、ここではそう多い方でもないので、もっと精進してください。「1万冊より先は数えちゃいないや」って人がごろごろしておりますので。  毎月3万円が本代になるというのは、職業作家ではそんなもんでしょう。それとも少ないほうかしらん。  仮に毎年百万円が本代になる人がいるとすると、毎月8万円ぐらいか。  ところでクトゥルフ関係のものは、すべて当然読破済みなわけですか? ダーレスのほうとかも?  またぜんぶ追いかけるとなると、邦訳されていないものを原書で読むことになりますが(しかも雑誌で古書扱いでプレミア付き)、そっちも当然OKですか?  クトゥルフ物を書こうというぐらいなのだから、当然そうなのだろうなぁ。  邦訳されているものだと、ラブクラフト全集とダーレスの著作あたりがあるわけですが。  どちらも蔵書として自己所有済み?  クトゥルフと言っているからには、風輪さんは純粋派のほう? >ミニデパート  うーん。  「駅ビル」と強調していたからいけなかったのかなぁ。  駅前やら駅近郊やらに、ダイエーとかマイカルとかの、スーパーマーケットの大型店が何店かビルを建てていたりするでしょう。CDショップやマクドナルドなどテナントも入っていたりする。  この手のビルで、1階が食料品でないものを、僕は見たことないんだけども?  食料品が1階以外に置いてあるダイエーの店舗って、見たことある人、います?  伝統のある昔ながらの百貨店でもなく、かといってスーパーマーケットというには、ビルの階数もあって(4階以上)、取り扱う商品点数もデパート並に豊富で……と、そんなものをさして「ミニデパート」と呼びましたが。  ミニデパートの言葉の定義が、微妙にすれ違っているっぽい?  僕のいっているのは、23区内のことじゃないよ。すくなくとも山手線の外側で、東京23区より外側。  埼玉、千葉、茨城、神奈川とかね。  東京の市部のほうは、あれ京王が占めてるから、百貨店系列の駅ビルだろうなぁ。まあその場合は駅近くのダイエーあたり。 >弟切さん >>弟切は、義理チョコを渡す相手には、にっこり笑ってはっきりくっきり「義理だよ」と告げますので。  ああ、わかってないんだな。  自分はちゃんと言っているのだから当然相手には伝わっていると、そう思っているでしょ?  その相手が、もし「言葉の裏」を読んでしまっていたら、どうするの?  たとえば「義理だよ」という言葉の裏を読んで、「ああ、照れ隠しでそう言っているのだな」と思ったりしちゃうとか。  だって渡すときに「にっこり」笑っているわけでしょ? 「微笑み=好意の証」なわけだよね?  もう間違いないじゃん。俺に惚れてるんだよこの女は。  僕の感覚でいうと、1割――とまではいわないけど、20〜30人に1人ぐらいは、そーゆー「アホ」が存在します。  なにをどう言われても、自分に都合の良いふうにしか解釈しない人種。  ということは、いままで事故が起きていなかったということは……。  たまたま弟切さんがチョコを配る交友範囲には、そういう人間がいなかったってことなのかな? 単なる幸運? >羽矢野  6172。  なに言ってるのか、何が言いたいのか、わからない。  書き直し。  書き込みの「主題」と、いちばん量を書いている話題との関係が、めちゃくちゃ。  話の組み立てを間違えてる。  なんか男のセックス観のことをダラダラ延々と書き連ねているけど、それは主題を補強するための補助でしかない話題だろ。そんなものが書き込み量の半分以上を占めているようだが……。  はじめ、書き込みの主題が掴めず、なにを言いたいのかわからんもんで、そこだけが目立って、なに下品な話題をいきなりはじめたのかコイツは――とか思っていた。  まず最初に主題を書いておけ。自分で把握しているなら。  また「なにを書こうとしているのか」という主題を自分で把握していないなら、書くな。レジュメにでもまとめて、整理してから書けよな。 >馬宮  ある言葉が主観か客観かチェックするのは、それは構わないけども。  いったいどの部分をチェックしてもらいたいのか、もうすこし詳しく書かないとわかんないよ。  あと、せめて周辺3行ぐらいまで引用してくれないと、チェックできんが。  っーか、6173のそれ、自分で読み返して、読んだ相手が理解できる文章になっていると思う?  あと、最近、書き込みが見にくくなってる。  こんなふうなことを気を付けるとよい。 ・話題を切りかえるときには、空行(改行)を充分に入れること。(僕の場合、空行4行以上ほど入れている) ・引用文と、自分の書く本文との間も、必要に応じて2行ほど取る。 ・箇条書きの「・」の前には空白「スペース」を入れない。  あと、空行のはずが、なぜか空白一個が必ず書かれているんだけど。これはなぜ? >> できる料理と、できない料理をちゃんと意識してわけられるようになることを、目標にします。|(←行末位置) >> |(←ここに1個空白がある。) >> すみません。いくつか言葉の候補を考えていて、主観か客観かわからないものがありました。|  こんな感じに。  ブラウザで見ていると空白文字は見えないから問題ないけど、エディタで見るとこれのおかげでだいぶ見にくくなるんだよね。  エディタの「紙」だと、自動インデントの設定が、初期デフォルト値でONになっているのかな?  ごちゃごちゃして見えるものを書いていると、知性が低いように思われるから。注意すること。見やすさの面からも、人に与える印象の点からも、整頓して書く癖を付けること。  あと、誤字もっと減らせ。誤字があると、やはり「馬鹿」に見える。 >純粋一人称と、一人称語り部  うん。違いはそれ。  主人公が読者のほうを向いて語りかけているか、それとも、ずっと主人公のつぶやきを聞かされているかの、どちらになるか。  ちなみに純粋一人称では、「自己紹介」なんてのは、ぜったい入らない。  たぶん純粋一人称のほうが難しい。  ――で、サンプルで出してきたそれは、どっちのつもりで書いたもの?(はっきり書いてないからわからないぞ)  で、どっちのつもりなのかはわからないけど、それは日記です。  純粋一人称でも、一人称語り部でもありません。  っていうか、そもそも小説でもない。  日記は日記だ。  リアルタイムに時間を流してこそ、小説。  ちなみに、そうやって「すでに起きた出来事」を誰かに語って聞かせるふうのものは、「一人称語り部」なら可能ではある。  また純粋一人称でそれをやるなら、本当に、ある時点で主人公がそのことについて思い出して考えこんでいたりしなければならない。「誰が」「いつ」「どこで」の3つを確定させてなら、思考の流れとして書けるかも。  たとえば、夜、ベッドの中で、ひとりできょうの出来事を思い返している主人公――とか、そこまで確定させたなら有りかなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日はデートでした。 No.6176 投稿日 2003年2月14日(金)23時12分 投稿者 弟切 千隼 もちろん女友達とです(笑) 賑わうチョコレート売り場を横目に、女性三人で餃子三昧[ギョーザざんまい]してきました。色気より食い気の雌鶏パーティでした(^_^) 今回はレスのみです。 風輪さんへ > こちらでは初めまして。弟切千隼です。 確か、風輪さんとは、「よみかく」の感想掲示板か、交流掲示板で会話をしたことがありましたよね。 新しい仲間が加わると、新しく勉強になることが多いので、参入して下さって嬉しいです。よろしくお願いします。 新木さんへ > >>バレンタインデーの「事故」 推定するに、弟切の場合は、男性から見て恋愛対象としては敬遠したい要素がいくつも揃っているために、「事故」が起こる確率が低いのでしょう。 多くの男性にとって、弟切は友人としてはよくても、恋愛の相手にはなりません。言い換えれば、女性という意識では見られていません。 したがって、弟切がバレンタインデーに義理チョコを渡した時、多くの男性は以下のような意識の流れをたどるものと思われます。 「そういえば、こいつって生物学的には女だっけな」       ↓ 「こんな女に惚れられたら困るな」       ↓ 「たとえこいつが俺に惚れていようと無視無視」       ↓ 「でも、くれるという物はもらっておこう」 となるために、これまで「事故」は起こらなかったのでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- ミーンリライト No.6177 投稿日 2003年2月15日(土)03時35分 投稿者 馬宮  課題部屋に、ミーンリライトの続きをアップしました。    馬宮、書き込み内容について、頭の整理がついていないようです。  頭を冷やします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6178 投稿日 2003年2月15日(土)06時09分 投稿者 新木 伸 >馬宮  羽矢野へのエサなどを食べて身にしようとする姿勢はいいのだが……。  消化不良を起こして、胃もたれを起こしてないか?  たとえば、完全客観への指摘だとか。  「扉が軋む音がした」が完全客観でOKかNGかとか、あのあたりの話題。  一読して、全然ちんぷんかんぷんであった場合には、それ無理して食べなくていいぞ。  付箋でも貼りつけておくとか、書き込み番号と内容と、わからなかった部分とを記したメモを作るとかしておいて……。  いったん忘れて、目の前の出来ることをやれ。  まあ少しは理解しようと努力してみるべきだろうけど、難しすぎることに挑戦しても効率悪いぞ。  この教室には、1年生も3年生も6年生もいるわけだ。そしてみんな一緒にやっているわけだ。生徒数の少ない山奥の分校みたいなもんなのね。  6年生に向けて言った分数の計算方法を、1年生が必死に理解しようとしても、無理なのね。  ミカンとリンゴは合わせて幾つ?――という足し算とか、九九の計算とか、まずそれからやっていかないと。  ちなみに、付箋でも貼って印をつけておけば、しばらく経ってから、また見直すこともできるだろう。  1ヶ月か3ヶ月か6ヶ月かわからないが、しばらく経ってから見直せば、そのときには楽々理解できるようになっているだろう。 >生課題補習  これ、じつは2段階あったりする。  2段階あるうちの、どちらに挑戦するのか、はっきり意識しつつ、やるように。  あとどちらをやったのかも、申告するように。  1段階目は「模倣」の段階。  せいぜい3〜5行程度かな。いちどに覚えきれる文章量は。  それを暗記して、書き写してゆく。その繰り返し。  見ながら普通に模写してゆくより、暗記しようとする試みの分だけ、集中力が増す。よって「模写」で得られる効果は、より効率的となる。  これは似ている練習法としては、囲碁や将棋で、プロの対局の棋譜を並べてゆくようなものね。リアルタイムにプロの文章と同じものを自分でも書いてゆくことで、追体験するようなものか。  つぎに2段階目。  もうすこし上達して、自分の文章がそれなりに書ける人の場合。  単なる「模写」ではなくて、もう一段階上を狙うと良い。  それは「再構築」ね。  まず市販の小説の5ページ分とか、あるひとまとまりのシーンをすべて読み、プロットとして書き取っておくわけね。  僕らなら、たかが5ページ程度、頭の中だけでもプロットを保持しておける。5ページどころか、小説の一冊分程度程度なら、一度読めばそれで充分。ほぼ同じものを書くことができる。細部は若干違うかもしれないけど、大筋やシーン構成が変わることはない。  囲碁のプロあたりともなると、いっぺん見ただけで、対局の棋譜をすべて覚えて、最初の手から最後の手まで、順に並べてゆくことができるらしいね。それも特殊な人だけが可能なわけでなくて、プロを目指している院生あたりから上なら、誰でもあたりまえのようにできるらしい。無論、プロなら全員できるのだろう。  それと同じこと。  小説のプロも、一度読んだり見たりした話は、楽々と再構築ができる。  あたりまえだ。  脱線したが。  もし5ページ分のプロットを、頭の中だけで写し取れない場合には、紙やエディタに書きとめておけば良い。(このへん、実際にやらせてみないと、皆ができるのかできないのかさえ、僕らにはわからない)  まずこの作業に、5〜10分程度か?  そして残りの50〜55分で、そのプロットを元に再構成する。  この2段階目の作業では、元の原稿を見るのは初めの数分だけ。書いている段階では絶対に見ない。そのためのプロットだ。  同じ構成で書くのなら、自分ならどう書くか――というのを、実地にやってみるわけね。  そして書き上がったら、元のプロの原稿と並べて比較してみる。  元と同じか、それよりも良くなっていれば合格。  まあはじめのうちは、元よりも明らかに悪いものしか書けないだろうね。劣化コピーにしかなっていないはずだ。その場合には、元のクオリティにどこまで迫れたか――で、現在の自分の力を計るとよい。  ちなみに「元と同じ質」のものが書ければたいしたものだ。プロと同等の「文章力」があることになる。  さらに「越える」のは並大抵のことではないよ。  そもそもプロの原稿っていうのは、そのシーンをその構成で書くにあたって、理論値限界に近いところまで突き詰めてあるものだから。 >羽矢野  6172の書き直しの、お手伝い。  まず書いていることが、3つあるわけね。 ・弟切さんは女性の視点からしか、今回の件を見ていない。 ・男は性欲を満たしてから、愛を感じる。愛→性欲となる女とは順序が逆。 ・弟切さんは常に客観的に物事を見ている――という印象があったが、今回ばかりは偏見があった模様。 (偏見の意味は「偏った見方」。この場合は女性の側だけから見ているという意味で、偏見)  この3つのことを、きっちりと切り離して書いていないために、「わけわからん」ものとなっている。  あともうひとつ、この書き込み自体が、そもそもの話題から脱線しているわけなのだが、その断り書きがない。  そのために「わけわからん度」が増している。 >>弟切さんあてということではないけれど。  本人的には、この1行をもって「脱線の断り書き」をきちんと書いたつもりなんだろうなぁ。  しかし、わかんねーよ。 >弟切さん >>18.「僕のパンツ洗って下さい」  僕は笑った。  みやびさんは、これもう、笑いを通り越して「白くなった」と言っておった。「読んだ途端に、頭の中が真っ白」だそうだ。  ――で、それはそうと。  みやびさんとの話のなかで、言葉の分解能の話になっていったのだけど。  僕が行った台詞のリライトについて、弟切さんが釈然としない理由が、なんかわかった気がする。 >>「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版) >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版)  このリライトについて、僕のリライトのほうが「悪口」になっていると、そう弟切さんは感じているわけだね。  もともとの自分のほうは悪口になっていないのに、僕のほうでは、なぜかそれが悪口に変更されている。そこが理解不能。そういうことなわけだな。  そうだとしたら、それは弟切さんの分解能のほうが低すぎるのだよ。  同じ「ダイエット指摘ネタ」で、言葉の強さの強度順に並べてみる。 (弱)  ↑ 「そんなスタイルとか気にしなくていいと思うけど」 「体重とか気にしなくてもいいんじゃない?」 −−−−−−−−−−−−−「溝」−−−−−−−− 「ダイエットとか、いらないと思うけど」 「ダイエットはよくないと思うよ」 「ダイエットなんて、やめといたら」 「ダイエットなんて、やめときなよ」 −−−−−−−−−−−−−「溝」−−−−−−−− 「ダイエットなんて、よせよ」 「ダイエットなんてしたら、別れる」 「ダイエットなんてしたら、別れるぞ」  ↓ (強)  この「溝」の上と下とで、はっきり違いがあるわけね。  まず最初は、「ダイエット」という言葉を使うか否か。  そして2つ目の溝は、個人の生活スタイルへの「干渉」の有無。  まず、「ダイエット」という言葉を使うだけで、かなり台詞の意味は強くなる。  「ダイエット」って言葉が男の口から出てくるということは、二通りのケースが考えられるわけね。 1.「私ダイエットしてるんだー」と、女の口から直に聞かされている。 2.なにも聞かされてはいないが、相手を観察していて、その結果、ダイエットしていると結論付けている。  1にしても、2にしても、これ、それなりに特別な関係なわけね。  単なる友達でしかない相手に、ぺらぺらと「私ダイエットしてるのー」と話して回る女というのは、そうはいないだろう。  また2であれば、それは男の側がかなりの関心を持っているということになるよね。食事を常に一緒に採っていて、しかも相手が「いつも」食事量を減らしているということに気づいていることになる。  次に、相手の生活スタイルに干渉するか否か。  溝の前までは、「感想」とか「提案」に留まっているわけだ。  しかし溝の向こうからは、はっきりと「干渉」になっている。こうして並べてみると、分解能の低い弟切さんにも、わかると思うのだけど……。どうだろう?  ――で、一目見た瞬間に、僕にはそういうふうに読み取れているわけね。もう一発で「干渉」とわかる。  なので、はじめから「相手に干渉する間柄」という前提で、リライトに取りかかるわけだ。  ここで誤解が生じる。  弟切さんは、ただなんとなくこういうふうなものを書いてしまっただけであり、意図して「干渉」のニュアンスを込めたわけではないわけね。  しかし僕のほうは、こうして「干渉」のニュアンスがあるわけだから、それは当然意図して込められたものであり――と、そのように受け取って、そのように考えてしまうわけだ。  そうして「相手に干渉する間柄」という前提でリライトをかます。  この場合には、コンセプトを強化してゆく形のリライトね。  この微弱なニュアンスの「干渉」を、さらに強度を増す方向でゆく。  一般読者が読んだときにも、はっきりと「干渉」がわかるようにするには、どうしたらよいか――とか考えると、ああいう形になる。  男の側から干渉するにあたり、最大強度の言葉が、「○○したら別れる」という言葉になったわけだね。  誤解の仕組みの分析。  弟切さんは、この台詞に「干渉」のニュアンスはないと思っている。しかし僕は「ある」と読み取った。  ここがそもそも、誤解の始まり。  弟切さんが「干渉」がないと思っていることは、それは「まだ付き合ってもいない相手なのに」と書いていることでも明らかなのだな。  付き合っていないのに「干渉」するのって、そもそも変なわけだ。  しかし僕は、自分の読み取った「干渉のニュアンス」に固執する。だってそれは、たしかにそこに「実在」しているのだもの。よもや「なんとなく入っちゃったもの」であるとは考えない。  弟切さんが「付き合っていない」と言い張ることが、わからない。  それは明らかに矛盾しているように思える――。  そこで僕は考える。  客観的に見れば「付き合っていない」けども、でも男が干渉するという特殊ケースは存在するのか。  男が「干渉」するケースとして、考えられるものは、三通りほどある。 1.きっちり交際している。 2.きっちりと交際していないが、ふたりは特別な雰囲気。 3.男のほうは付き合っていると思いこんでいる。  この3だね。これならあり得る。男の側の勝手な思いこみ。  ああ、なるほど。弟切さんは3のケースを見落としているわけね――と、僕は間違った解釈をしたわけだ。  そして6165の「男の所有欲」あたりの話になっていったわけね。見落としがあることを指摘する内容の書き込みに。  そもそも、根本からして、違ったわけね。  弟切さんの想定では、この二人は「本当に付き合っていなかった」わけなのね。  みやびさんに指摘してもらって、ようやくわかった。  二人は付き合っていないにもかかわらず、台詞のなかでは、「付き合っている」と確定されちゃうような言葉を、ただうかつに使ってしまっただけなのね。  そこまで分解能が低かったのね。了解。了解。 >弟切さん >>1)女性のほとんどはバカか無能なので、付き合う価値がないと思っている男尊女卑主義者。 >>2)やらせてくれれば誰でもいいエロガキ。 >>3)女性というのは何をするか判らない妖怪変化なので、遠巻きにして見ている「触らぬ神に祟りなし」主義者。  そういえば……。  この三者って、これ、「彼女ができないワーストスリー」の男の子なんじゃないの?  3はオタク。1は自我肥大。  2に行動力が伴えば、比較的有望そうではあるが……。しかしこれでできるのは「セックスフレンド」であって「彼女」にはあらず。  ところで――。  いま対象としているのは、「好きの言葉を相手に告げる男」なわけだよね?  そういう男キャラを出さなければならないときに、なんだって、「好きの言葉を告げる相手のいないワーストスリー」を持ち出してくるかね?  出すのであれば、ステディな関係の女性ができるタイプの男キャラを出してきなさい。  それポイしなさい。ポイ。  だいたい、そのワーストスリーのキャラって、話にもそうそう使えないんじゃないの?  普通は、「嫌なヤツ」として登場させることになるでしょう。その手のキャラっていうのは。しかしエンターテイメント作品ではあまり出番がないよね。読者は好きこのんで嫌なヤツの言動なんて見たくないはず。まあ稀なケースで、主人公に対する「やられ役」として出てくることは、無きにしもあらずだろうけど。  「男性キャラ」とラベルのついた弟切さんの引き出しの中には、そんなもんしか入ってないのか?  それじゃ話が書けやしないぞ。  もっといい男とか、いい青年とか、いい少年とか、そういうものを観察してきなさい。読者はそういうものを読みたがっているんだから。  「ダメ男」のキャラパターンのストックなんざ、いくら増やしたって意味がないぞ。  ちなみに、身近な「現実世界」から観察しなくともよい。  映画なり、漫画なり、小説なり、フィクションのお話のなかには、いくらだって「いい男」の見本が転がっているでしょう。そこから頂いてしまいなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮 No.6179 投稿日 2003年2月15日(土)06時26分 投稿者 新木 伸 >馬宮  あ、回答忘れ。  いまひとつ聞きたい部分がどこかわからないが、なんとか汲み取って、答えてみることにする。そういや締め切り、日曜にしたんだっけ。  僕はのんびりしたものだが、当人たちは焦っているのだろう。 >>・サリーシャの胸がカルメイル惑わせる。(の「惑わせる」)  主語、述語の関係からすると、「胸が〜惑わせる」となっている。  すると、主語は「胸」だな。  このままでは、「胸」がこの文の主役ということになってしまうな。  だとすると、この文が成立するのは、「神視点」以外にはないということになる。  カルメイル視点にするのなら、こうだろう。  「サリーシャの胸にカルメイルは惑わせられる。」(三人称、カルメイル寄り)  「サリーシャの胸がカルメイルを惑わせてくる。」(神視点、カルメイル注目)  または、質問の意図が違うのかもしれない。  「惑わせる」という言い回しが有りかどうかを聞きたかったのかもしれない。  惑わせられている当人が、いま現在、自分が惑わせられていることを認識するのは、それは無理です。  よって「○○は惑わせられた」と書くときには、その人物を外側から観察している主観の持ち主が必要です。別な視点保持者から見たときに、カルメイルは「胸によって惑わせられていた」となるわけね。  三人称キャラ寄りでは、この言葉を使うことは、いちおうは可能。  しかしキャラの内面に入りこんでいるときには使えない。  一般的には、三人称キャラ寄りでは、キャラの内面を描くときにはキャラの心理に入りこむ形になるものなので……。あんまり使えないことがおおい。  ――で、いまその文章が、キャラの内面に入っているのかいないのかの判断は、周辺数行を見てみないと判断できないわけね。 >>・「サリーシャの薄笑い」と「カルメイルは薄笑いを浮かべた」(の「薄笑い」)  カルメイルよりの視点から、サリーシャの「薄笑い」は視認できます。よって書けます。  しかしカルメイル自身の浮かべる「薄笑い」に関しては、本人が「いま俺、薄笑いを浮かべている」という自覚がなければ、書けません。意識して浮かべた薄笑いであれば、「カルメイルは薄笑いを浮かべた」とは書ける。  しかしそのへんが確定されないと気持ち悪さが残るし、視点フラつきによる酔いの原因にもなるので、僕ならこう書いて確定させておくかなぁ。  「カルメイルは薄笑いを浮かべてみせた。」 >>・静かに歩み寄ってきた。(という文の「静か」)  歩み寄ってきた「人物」がサリーシャであれば、カルメイルからは観察可能なので、「歩み酔ってくる」は書ける。  ん?  違うのか。「静か」という表現が有りかどうかって質問か?  なら「静か」はアリです。しかしうまくない。  「どんなふうに静かなの?」と追求が入るから。  「静か」というのは具体的には、どんなことなの?  どうせ書くなら、そっちを書け。しかもカルメイルに観察可能な物事でね。なるべく具体的に。 -------------------------------------------------------------------------------- 人称チャレンジ大作戦 No.6180 投稿日 2003年2月15日(土)16時09分 投稿者 馬宮  わたしは、人称について、風の魔法をやった時(12月)に一度ぶつかっていました。  あの時は、主観客観の理解ができず、「そういうことは普段から意識するよう心がけた上で、もう少ししてからまた復習する」ということにしていました。  あれから二ヶ月。  もう一度チャレンジです。 ●新木さん >主観客観チェック  ありがとうございます。  これは全部、「この表現は有りかどうか」という質問だったんです。  うまく質問ができない、ということはわたしは質問すらできる段階じゃなかったんだと思いました。 まだちょっと言われていることがはっきり理解できないので、もうすこし、理解を進めてからもう一度読み返します。 >完全客観 >>「扉が軋む音がした」が完全客観でOKかNGかとか、あのあたりの話題。 >>一読して、全然ちんぷんかんぷんであった場合には、それ無理して食べなくていいぞ。  実はぱっと読んだ時に、羽矢野さんがどうして、そこにこだわっているのか、わかりませんでした。  それでも完全客観の餌を食べようとしたのは、「三人称男寄り視点」でも、男性の内面に入るまでは、完全客観で書かないといけないのでは、と思ったからなんです。  ひょっとして……そこがまず違っていたのでしょうか。  主観客観チェックの解答を読んで、わたしは、なにかとてつもない勘違いをしているような気がしました。  確認させてください。 ・三人称男性寄り視点では、視点は男性の目に近い場所にあって、なにかの拍子に、その男性の内面に入ったり出たりするんだと思うんですが、この考え方は大丈夫でしょうか。 ・そして、男性の近くに視点があるときは、男性の主観を使ってはいけない。 ・男性の内面に入った時だけ、男性の主観を使う。この時客観は使ってはいけない。 ・「完全客観」と、「客観」というのは違う。 >生課題補習段階  手もとの生課題補習メモに、段階わけをつけ加えました。  はやく二段階にあがれるよう、がんばります。 >誤字・空白・読みやすさ  ご指摘ありがとうございます。さっそく直します。  馬宮は、なんでもかんでもまだ指さし確認の段階でした。  最悪テキスト上の最終チェックで気づかなくても、プレビュー画面で気づけば間に合います。  馬宮、焦ってはいけません。        それから、少し話がそれるのですが。  分室のテキスト形式のログが、とても便利です。  他のエディタに読み込みすることができて、縦書き表示をさせたり、印刷用のテキストを作ったりする作業が以前より簡単になりました。ありがとうございます。 (つい昨日、他のエディタに読み込みできることに気づきました……遅いです) -------------------------------------------------------------------------------- 視点とか No.6181 投稿日 2003年2月15日(土)17時16分 投稿者 新木 伸  削り作業中。  くぅ〜。  まったく直す必要のないものを、短く切りつめてゆくのは厳しいなぁ。  削り作業なんて、ひさしぶりだなぁ。  しかし、人称や視点が壊れることを知りつつ、1文字でも短くなるなら、語句を変えてゆくこの苦しさよ。  「前巻のあらすじ」は目次の裏に追いこむことにしたから、合計10P削ればいいのか。3%がこんなにつらいとは。どこも削るとこ、ないじゃん! (まあしかし僕の冷静な部分とアストラルヨシワラは、5%までなら可能と判断している。実際にそうなのだが) >馬宮  いまなら風の魔法の生課題くらいなら、そう苦労せず書けるんでないの?  しばらく一人称を集中的にやっていたから、一人称で書くほうが楽だろうが。  あと、箇条書きで書くときには、「そして」とか接続詞を使わないのが原則ね。各項目は独立しているのが基本。 >>・三人称男性寄り視点では、視点は男性の目に近い場所にあって、なにかの拍子に、その男性の内面に入ったり出たりするんだと思うんですが、この考え方は大丈夫でしょうか。  近い場所――というよりは、男性と紐で繋がっていて、一定以上離れることができないって感じかな。ただし紐の長さ以内であれば自由に動ける。また実際、勝手気ままに動いていたりする。かならずしも男性=主人公の見ている(注目している)ものを、「視点」は見ている必要はない。  たとえるなら、主人公の連れている「飼い犬」の視点みたいなもんかな。  だいたいのケースにおいて、飼い犬は主人公の注目している物を見ているけど、時折、自分の気になったものを追いかけることもある。  でも紐で繋がれているもんだから、飼い主が移動したら、視点も一緒に移動していかなければならない。  あと、視点が出入りするきっかけを、「なにかの拍子」なんて言ってるうちは、視点がよくわかっていない証拠。  視点が内面に出入りするきっかけは、視点が興味を惹かれるものがどこにあるかによる。  それが外界にあるのか、男性の内面にあるのか、それによって出たり入ったりするわけだ。 >>・そして、男性の近くに視点があるときは、男性の主観を使ってはいけない。  質問の意味不明。よって回答不能。 >>・男性の内面に入った時だけ、男性の主観を使う。この時客観は使ってはいけない。  もちろん、そう。  統一しなきゃ。  ふたたび客観を使っていいのは、いっぺん外に出てからね。 >>・「完全客観」と、「客観」というのは違う。  とくに区別が必要なときに、「完全客観」と使っている。  完全客観の視点とは、徹頭徹尾、客観のみで書かれる視点のこと。誰も、何者の主観も混じらない。  三人称キャラ寄り視点では、客観と主観とが織りまぜられることになる。段落単位で客観だったり主観だったりする。こういうケースで使うときには、普通に「客観」と言っている。 >>「三人称男寄り視点」でも、男性の内面に入るまでは、完全客観で書かないといけないのでは、と思ったからなんです。  どっちの入りかたもあるよ。  はじめ客観で書きつつ、しばらくしてキャラと読者の感性とが馴染んできてから、キャラの内面に入ってゆく方法もある。  またはじめの一行からキャラの内面に入りこんでしまう方法もある。  これは、キャラとの距離の置きかたによるのね。  僕の「星くず」や「夢境」みたいに、ほとんどキャラの内面に入りっぱなしになる場合は、はじめからキャラの内面に入っておくもの。  また、あまり内面に入らないで書いてゆく場合には、はじめは入らないでおく。  いちばん最初に内面に入っておくか入らないでおくかで、キャラとの距離が決まると考えておけばよい。  ちなみに、星くずのほうで、たまに主人公のジークが出てこないシーンを書いたりしているけど。そういうシーンでは、はじめ客観描写から入っている。キャラの内面に立ち入るにしても、しばらくしてからね。書きわけはやっている。  一行目から内面に入るのは、これは、主人公の時だけ。  視点の使い分けでもって、「このキャラが主人公ですよ〜」と読者にサインを出しているわけだ。  ――っーか、考えるのはいいけども、もうちょっと試行錯誤してみろよ。  そんな頭でっかちで小説が書けるんか?  違和感が消えるまで書きまくってみるとかさ。  質問ばっかして全然進まないよりも、山ほど書いたものを課題部屋にあげて、「これはどうでしょう?」と訊いたほうがスマートなのでは? -------------------------------------------------------------------------------- 笑っていただけたのなら、書いた価値はありましたね。 No.6182 投稿日 2003年2月15日(土)17時38分 投稿者 弟切 千隼 新木さんへ > >>18.「僕のパンツ洗って下さい」 すみません。実は、この台詞は反則です。 ある実在の人物が実際に言ったプロポーズの言葉をパクりました。 弟切は、あまりにも男性の気持がわからないため、「好きの台詞・男性版」をどうやって出したらいいか悩みました。 で、実際に男性が言って、女性に受け入れてもらえた言葉を出してみて、男性がどういうふうに感じるかを知ろうと考え、上記の台詞を挙げてみました。 たとえピントが外れていたとしても、この台詞なら、たぶん、かなりの人には読んで笑っていただけるだろうと思いまして、これを選びました。 ちょっと受け狙いに走り過ぎましたか?(^^; >>「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版) >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) この台詞について。 「ダイエット」という言葉は、普通の男性にはほとんど縁のないものでしょう。また、女性が男性と話す場合に、気軽に出る言葉でもありません。 ゆえに、男性が女性に面と向かってこの言葉を言うのは、新木さんがおっしゃるとおり、恋人同士ではないにしても、だいぶ親密な間柄でなければあり得ません。 加えて、「よせよ」(弟切版)と命令しているのですから、新木さんの御指摘どおり、ばりばりに干渉要素は入っています。 弟切もこれには気づいていたため、上記の台詞(弟切版)も、恋人同士か、それに近い間柄の二人の間で出た台詞と想定していました。 ここまではいいです。 しかし、ここから先は、女性一般の感性ではなく、私個人の偏った感性に基づく考えかも知れません。そのつもりで読んで下さい。 この先に書く弟切の考えについては、馬宮さんか藤極堂さんあたりの他の女性陣にフォローをいただけるとありがたいです。 >>「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版) こちらの台詞についても、弟切は、「男性が女性の生活に干渉している要素 」は入れたつもりでした。その点では、量の多少はあるにせよ、新木さんとベクトルは同じだったわけです。 では、なぜ、 >>「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版) は「好きの台詞」としてOKで、 >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) は「悪口」に聞こえる、と弟切は感じたのでしょう? 実は、弟切版のほうには、ちょっぴり「思いやり」要素を入れたつもりでした。もう少し正確に言えば、少なくとも言われた女性のほうは「思いやり」を感じる要素を入れたつもりでした。 恋人同士か、それに近い親密な間柄の男女であれば、命令形の言葉というのは、「思いやり」の言葉となり得ますよね? 実際に言った当人がどう思っているかはともかく、言われた側は、「言い方は乱暴だけど、これは私のことを思いやって言ってくれているのだな」と感じる(勘違いする?(^^;)ことができます。 したがって、 >>「ダイエットなんて、よせよ」(弟切版) と、恋人またはそれに近い男性に言われた女性は、その場では怒ったとしても、少し落ち着けば、「これは、私のことを心配してくれている『好きの台詞』だ」と考えることができるでしょう。 しかし、 >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) という台詞は、言われた側からすると、取りつく島がないように感じられます。 「よせよ」という命令形ならば、まだ「相手に対して呼びかけている」という感じがするのですが、「別れる」というのは、言った当人がしようとしている行動でしかありません。言われた相手がどうこうできることではありませんよね。 むろん、「別れる」の前に「ダイエットなんてしたら」という言葉が付いていますから、言われた側が相手の「別れる」という行動を止めることはできるぞ、実際には止めて欲しいんだぞ、と、言った側は伝えているわけです。 けれども、この「別れる」という台詞は、言われた側にとっては極めて衝撃の強い言葉です。こちらの行動を全否定して、有無を言わさず「別れてやる」と言われているように聞こえます。 いくら恋人同士、またはそれに近い間柄でも、いえ、だからこそ、「ここまで強烈なことを言うかなあ?」と弟切は思ったのですね。 しかし、やはりこれは男性に対して甘い見方だったようです。勉強になりました。 >>彼女ができないワーストスリーの男性タイプ これは、新木さんがおっしゃるとおりですよね。 「どんな男性が、どんな状況で女性に『好きの言葉』を言うんだろう?」と考えていて、私の中にいる「男性の原型」をさらってみたら、「こんなの」が出てきてしまいました(;o;) 「あああ、これって全員、最も『好きの言葉』を言いそうにないタイプじゃないかあ! 私、いい男のストックがないぞ」と愕然としました。 ……これからいい男のストックを作ります。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6183 投稿日 2003年2月15日(土)19時18分 投稿者 新木 伸 >弟切さん >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) >>という台詞は、言われた側からすると、取りつく島がないように感じられます。  この「言われた側」というのは、誰のこと?  弟切さん、なんか自分を重ね合わせて、それで考えていないかい?  この台詞を言われるのは、女キャラなわけね。この台詞を言った男性キャラといい仲になってきている、そういう相手。  たとえば、こういうふうに所有欲をバリバリと発揮する男とうまくやっていける女性としては、「所有されたがる女性」っていうのも考えられるわな。  僕はこの台詞が出たときには、その台詞をぶつけられた相手として、すげぇ気弱で、主体性がなくって、周囲の人の評価ばかり気にしている女の子――なんてのが出てきていたけども。  弟切さんと、ちょうど対極だわな。  弟切さんは、どんな相手(女性)を想定していた?  自分――って答えは、それ、なしだよ。  これは小説中での話なのだから。  ちなみにこの台詞の男は、「ぽっちゃり系」が好きな男です。  あと、思いやり要素を入れたかったのなら、もうちょっと言葉選びを考えたほうが良かったろう。いまは台詞単体でやっているわけだから、「思いやりを入れたつもり」と言い張るのなら、単体で入っていることを確定させるように書かないとならない。  「入れたつもり」ではなくて、きちんと入れるの。 「ダイエットなんて、やめなよ」  このあたりなら、思いやり要素は間違いなく伝わると思うのだけど。どうだろう? >>18.「僕のパンツ洗って下さい」 >>ある実在の人物が実際に言ったプロポーズの言葉をパクりました。  また分解能の低さが露呈したなぁ。  プロポーズの言葉が、どうして「好き」or「愛してる」の言葉になるのさ?  それは求婚の言葉でしょうが。  プロポーズの言葉であれば、「パンツ洗ってくれ」も、そりゃありだろうさ。  ――んじゃ、「好きの言葉」として、こういうのも有りなのかい? 「俺にみそ汁を作ってください」  好きの言葉を出そうとしているときに、「プロポーズの言葉」を持ち出してきたら、それはズレかげんから、たいていネタになるよ。人を笑わせられる力がある。  まあこの話題はどうやら弟切さんの地雷だったようだが。  地雷踏まれて、それだけ冷静なのは、たいしたものだと思うが。  しかしもうちょい冷静になって、考えましょうよ〜。 -------------------------------------------------------------------------------- >好きの台詞 No.6184 投稿日 2003年2月15日(土)19時23分 投稿者 新木 伸 >好きの台詞  ひとつ、気になった。  みんな、「好きの台詞」を出してきたときに、台詞を言ったほうのキャラしか存在していないのかな?  たとえば、女の子の「好きの台詞」なら、それを言った女の子だけ。  また男の台詞を言ったときには、やはり男の側だけ。  その台詞を聞かされているはずの相手の側は、まったく想定していないとか?  僕は台詞が会話である以上、自動的に、話し手と聞き手と両方想定してやるものだと思いこんでいたけども……。  もしかして、片方だけしか出してない?  だから変なもんばっか出てきたりするのかなぁ?  そりゃ、相手が決まっていなかったら、台詞は変になるわさ。  だってそれ会話文じゃないしー。  会話文じゃなければ、台詞でもないしー。 -------------------------------------------------------------------------------- 増量、やってみました No.6185 投稿日 2003年2月15日(土)22時56分 投稿者 風輪 玲 >新木さん  「VS黒い仔羊」削り後、増量を課題部屋にアップしておきました。  不要な文章をつけ加えたような不安を拭えず、コツがつかめません。  手探り状態なので、改良されているかどうかの判断だけでもお願いします。  神話関連作品は入手できる限り、リストの大半を読破しました。入手困難な作品は定期的に古本屋めぐりをして、探している状況です。  また、小説だけでなく、映画・コミック・アニメ・ゲーム・TVドラマ等の他メディア作品もチェック・コレクションの対象としています。 (東雅夫『新訂 クトゥルー神話事典』学研M文庫 および、朝松健・編『秘神界 歴史編』創元推理文庫 のリストが詳しいです)   ただ、原書まで手が及びません。  どうにかしたいとは思っていますが、邦訳待ちです。 >馬宮 恭さん、弟切 千隼さん  先輩がた、どうぞよしなに。  -------------------------------------------------------------------------------- 書いてます No.6186 投稿日 2003年2月15日(土)23時00分 投稿者 紫ゆきや  レスが遅くなって申し訳ありません。  生存証明と近況報告です。 ●新木さん(6133)  本文を書きます――書いております。  プロットやって飽きるかどうかは自分でも分かりませんが、今はともかく本文を書きたいです。 ●馬宮さん  自分、けっこーいろいろ作ってきたんですが、作る前に「楽しみ」なんて言ってもらったのは初めてです。  がんばります。  クライマックスの部分も、明るく楽しい雰囲気にできたらいいなあと思っております。  馬宮さんの体験談は、とても参考になりました。  ありがとうございました。 ●風輪さん  はじめまして、紫ゆきやです。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 人の死はいつも突然 No.6187 投稿日 2003年2月15日(土)23時05分 投稿者 弟切 千隼 お知らせです。 先ほど母方の祖母が亡くなったという連絡が入りまして、弟切は急遽実家へ帰らなければならなくなりました。私は外孫なのですが、事情があって事実上内孫のように扱われており、最も近しい孫でしたので、お葬式その他に出ないわけにはゆきません。 「シークレット・ミーン」書き直し課題を課題部屋に上げておきました。 明日・明後日はここへ来られないと思いますので、レスその他は戻ってきた時にまとめてします。 -------------------------------------------------------------------------------- ねむねむ No.6188 投稿日 2003年2月15日(土)23時10分 投稿者 藤極堂 >榎野さん 駅前のデパートについての情報、ありがとうございました。 本当は自分で一次資料を確認すべきなのでしょう。 ですが、スーパー系列のサイトはフロアマップを掲載していないので、ネット上で統計を取ることは無理みたいです。 新木さんの考えでは駅前以外に建設された、スーパー系列の高層ビル店舗は食料品は一階が普通なのですね。 でも、市街地以外の大型スーパーなら、高層化する必要性はあまりないようにも私は感じてしまうのですが。 う〜ん。 私は新木さんとは逆に、四階層以上で地階のあるタイプで一階が食料品という店舗を見たことがありません。 それに、一階が衣料品・地階が食料品という構成は主婦向けの店舗として非常に効果的な配置のようにも感じます。 (食料の買い出しという名目で入店して、ウィンドウショッピングで気に入った洋服を買うという流れ) 店舗が一階層しかない大型スーパでも、入り口すぐの場所が衣料品で奧に食料品という配置の店舗もあります。 それと、同系列の店舗であるならばお客様が違和感を感じないように、売り場の配置はあまり変化させないのが一般的だと思います。 東京郊外のミニデパに、一度も足を運んだことのない私が食い下がっているのは ・食料品目当てのお客に衣料品を見せるという構成が一般的なのではないか? ・同系列の店舗の商品配置は統一化された物ではないか? の2点が気にかかるからみたいです。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6189 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 雑談です。 No.6190 投稿日 2003年2月16日(日)00時23分 投稿者 馬宮  すみません。上の削除はわたしです。  投稿した後、リサーチ対象になってくれた友人から誤りを指摘されましたので、削除しました。もうしわけありません。  「ダイエットなんてしたら、別れる」という台詞について。  馬宮の意見と簡単なリサーチ結果をのべます。 >「ダイエットなんてしたら、別れる」        実はわたしも最初は、「これが本当に好きな相手に言う言葉だろうか」疑問に思ったんです。  でも、この台詞、裏返したら意味がわかりました。      「おまえは今のままのスタイルでいいんだよ、すっげぇ俺の好みなんだよ、それ以上やせるんじゃねーよ」  もっと深くとると。  「こいつ俺のもん、俺の好みじゃないとやだ、勝手にダイエットなんてしたら絶対許さん、髪も勝手に切るな、服も背中の開いてるやつとかへその見えるやつは俺の前だけで着ろ、できることなら外出禁止」  ということですね。  でもこれ、男性読者にわかっても女性読者にわかるでしょうか(汗)。  ちょっと不思議に思ったので、連絡をとれた限りの女性(四名)の友人に訊いてみました。  Q.「ダイエットなんてしたら、別れる」という男性の台詞を読んでどう思いますか? 台詞の出てくるシーンとか、男性の気持ちとか、思ったことを教えてください。  「理解ある彼じゃん」(女性A 三十代前半)  「心配してくれてるんだね」(女性B 二十代前半)  「好きの裏返しは理解できるけど……」(女性C 三十代後半)  四名中、三名からは「『好き』はわかる」という答えは確かにかえってきました。  ですが、みな口をそろえて……  「勝手にさせてほしいって感じするけどね」(女性A 三十代前半)  「ダイエットするのはおマエのためだ! とも思いました」(女性B 二十代前半)  「(男性のことを)『あほー』って思った」(女性C 三十代後半)  とも言っていました。  なにやらこの台詞は、女性読者の反感を買うようです(笑)。  ちなみに、この台詞で男性の独占欲が理解できたかどうかを訊いたところ。  三名中、二人は独占欲を理解できましたが、一人は(上で「心配してくれてるんだね」と言った二十代前半です)  この台詞を「ダイエットで健康を害することへの心配」ととってしまったようです。  ダイエットが切実な日常の問題となっている、若い女の子にはこういう勘違いは起きそうですね。  一つ勉強になりました。    そして、四人目の女の子(彼女も二十代前半)は、反応がすごかったです。  「ダイエットくらいで別れるなんて、いい加減なやつだなあ」とか「ムカつきます。ダイエットを止める必要が、ましてや別れる必要があるのかって思っちゃう」。と散々でした。  念のためもう一度書きますが。  「自分が言われたら」とはわたしは訊いていません。あくまで、「この台詞で想像できるシーンや、男の子の気持ちや、読んだあなたの気持ち」です。  とにかく、四人中、三人にまで「好き」が確定した台詞ですので、この「ダイエットなんてしたら別れる」はすごい台詞だと思いました。  もうひとつ、この台詞がすごいな、と思った理由があります。  これを言われた女性が、男性の気持ちに気づかない上に(おそらく)怒り出す(もしくは落ち込む)だろうと想像できたからです。  シーンが浮かびます。  男性の台詞に反発して、本当に別れ話をし始めてしまった女性。  でも、男性は女性のことが好きだから、「なんで俺の気持ちがわからないんだー」と、思ってしまう。  女性読者は、この男性が彼女のことを好きだと、たぶん気づくと思います。でも同時に「ひどい言い方する!」とも思うんでしょう。  ちょっと話はそれましたが。  結論です。  女性の立場から言うと、弟切さんが「ダイエットしないと、別れる」という言葉を「悪口」と思ってしまったのは、特別なことではないと思います。  ちなみに、「ダイエットなんて、よせよ」なら。  「ぶっきらぼうだけど、(好きってのは)まぁわかるかな」と、みな『少しだけ』好意的でした。  どちらにしても、「反感はある」とのことです。    馬宮はこの台詞、両方とも引き出しに入れて、使いわけようと思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- ふいー。 No.6191 投稿日 2003年2月16日(日)00時35分 投稿者 羽矢野  リライトの締め切りが近くなると、仕事が忙しくて帰れなくなる。  一昔前にはやったマーフィの法則。  羽矢野です。  私も課題部屋に一つめを上げます。  明日用事がありまして、帰ってきてから指摘等を参考に、もう一度書き直します。  一度頭冷やさないと。 ●6172の書き直し  もう少し、内容を調べて、ちゃんと書き直します。  リライト優先しますので、終わってから取りかかります。 -------------------------------------------------------------------------------- ミーンリライト No.6192 投稿日 2003年2月16日(日)02時29分 投稿者 馬宮 ●新木さん  昨日の続き完成バージョン(357)、それから違うバージョン(358)のふたつをアップしました。  これは、三人称キャラより視点になっていますでしょうか。指摘をよろしくお願いします。  たった二つなので山ほどというのは全然足りません。迷っている言葉もあります。かなり混乱しています。   >いまなら風の魔法の生課題くらいなら、そう苦労せず書けるんでないの?  「小学生さいごの夏休み」をクリアしたら、再チャレンジします。   >人称確認  ありがとうございます。    >>・そして、男性の近くに視点があるときは、男性の主観を使ってはいけない。  質問の意味不明になったこれを書き直します。 ・男性の近くに視点がある(紐でつながっている)時は、客観の言葉だけしか使えない(主観をまじえてはいけない)。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6193 投稿日 2003年2月16日(日)17時32分 投稿者 新木 伸 >馬宮  管理者権限で、削除された書きこみを眺めてみる。  なるほど。改行の数だけ直してきたのね。  工夫しただけあって、書き直したもののほうが読みやすい。  ――が、まだまだ工夫できるはず。  ただ全体的に改行を増やすのでは、行数が増えるだけで、全体の印象は変わらないでしょう。増やすところと増やさないところとか。たくさん増やすところと、ちょっとだけ増やすところとか。そういうメリハリを付ける。  改行の使いかたひとつで、文章を目立たせることもできるし、強調させることもできる。その逆に目立たせないでおくこともできる。  このノウハウは「段落の使いかた」として小説にも応用できるよ。段落の使いかたひとつで、文章は読みやすくも読みにくくもなったりする。また目を止めさせたり流したりもできる。  改行と段落の使いかたは、読者の読みかたをコントロールさせるための技法なのね。  僕は個人的には、ここでいちばん読みやすい書きこみをしているのは自分だと思っているが……。まあ、馬宮さんが「読みやすい」と思う人の書きこみを参考にして、改行と段落の使いかたを研究するように。 ○正 >>「ダイエットなんてしたら、別れる」 ×誤 >>「ダイエットしないと、別れる」 >>「ダイエットなんてしたら別れる」  ちーがーうーー!  暴れちゃうぞ。  読点のあるなしで、この台詞は、ぜんぜん意味が変わっちゃうのだ。  読点というのは、溜めるためにある。そして溜めがあるかないかで、「別れる」の言葉の強度が2倍は変わってくる。  あとリサーチしてきたのはいいのだが、ちゃんと紙に打ちだして、それを読ませた?  口頭で台詞を告げてのリサーチだと、声色で余計な情報が混じっちゃうから、うまくないよ。プロの声優さんなら、この同じ台詞から百通りのニュアンスを持つ台詞を繰り出すことができる。その中にはとても優しいものもあれば、とてもきついものもある。  僕らは文章で勝負するのだから、見せるときも文章で見せなければ。  ――で、その台詞を目にした人の脳内に、その百通りのニュアンスのなかから、正しく正確に伝いたいニュアンスの台詞が再生されるように、言葉と文字とを選ぶわけね。  まあこの台詞の場合、一意に定まるように語句を選んでいるので、馬宮が口頭で伝えたときも、そうそう違ったニュアンスにはなっていないだろうけど。 (声優さんにこの台詞だけを見せて演じてもらうと、まあ10人中9人が、同じように演じる。だから僕は読点一個にこだわるの。あの読点のあるなしで、演じかたが変わっちゃうの) >ミーンリライト  あれ? 日曜夜の24:00と言っておいたのに。  みんな土曜の24時、日曜の0時にアップしちゃったのね。  まあいいか。早いぶんにはべつに。  ちなみに印刷業界では「7時」とか言うと朝のことだか夜のことだかわからないので、24時間制で時間を告げるのが習わしです。(ホントか?)  ではお互いに他の人のやつの指摘をはじめるように。あと他の人もどんどん指摘したってください。内容のことと視点のことと、両方ね。ちゃんとお題の「エロさ」とかクリアされているかどうかとかも。天衣さんも休憩済んでたら戻っておいで〜。  僕も気が向いたらやります。 >馬宮のカリキュラム  ミーンリライトやったら、次、なにやらせようかと思っているのだが……。 1.生課題に戻る。 2.短編を書いてみる。 3.視点のお勉強。誰か(もしくは自分)の文章をサンプルとして、色々な視点で書き直す練習。 4.プロ作品の模写再構築。  まあ、どれやってもいいんだけど。  いま視点のことに意識が向いているうちに、3かなぁとか。  または2。  たとえば紫の出してきたあらすじでもって、「ハイスピリッツ・ガール」の同じ話を同時に後追いで書かせる形で、紫にはプレッシャーを与えつつ、馬宮にはあらすじ段階をはしょらせて、とりあえず短編を書かせるかなぁ――とか。(翔子は空手でなく合気道を使うことに変更で)  4の模写再構築は1の補習用の課題だし。  1の生課題は、長いこと続けてきてるんで、最近少々気持ちがダレぎみで、たぶんまた進まなくなるだろうから時間もったいないし。  あとは2の短編作成をやるとして、自分でひとつあらすじを立ててから書くってのもあるよね。ただ紫の場合を見ればわかるように、とりあえずのOKが取れるまでに、えーと……半年だっけか? そのくらいかかることもある。  なんであらすじ1個まとめるのに、そんなに時間がかかるのか理解不能なのだが。  まあ紫のときの反省も踏まえて、あらすじ作成は期限付きでやる。もしくは別のやりかたでやることになる。  期限付きの場合には、たとえば一週間とか区切るわけね。その中で直しきれなかったら、タイムリミットで没とする。  別のやりかたっていうのは、もっとシビアで……。  基本的にはワンチャンス。いちど上げてきて、ダメなら即ボツ。また次のあらすじを出してくることになる。ただし惜しい場合には、1〜2回くらい直しのチャンスは与えられる。  これはひとつの話を延々と半年もこねくりまわしているのではなくて、回転を良くすることで、「話を作った経験回数」を増やそうっていう狙いもあるわけね。八神さんが前にやっていた、3行あらすじを山ほど作る修行とも似ている。  馬宮の希望も聞く。  どんなことをやりたいか。いま現在のやりたいことを申告のこと。  そろそろ、色々と覚えて身につけたことを試してみたくなってきたところなんじゃないかとも思うが。  あと、そうそう。短編をやるのであれば、あれもネタに使えるよね。  最初の一行が、「ダイエットなんてしたら、別れる」で始まる小説。 >>シーンが浮かびます。 >>男性の台詞に反発して、本当に別れ話をし始めてしまった女性。 >>でも、男性は女性のことが好きだから、「なんで俺の気持ちがわからないんだー」と、思ってしまう。  あの台詞には、馬宮の脳裏にひとつのシーンを浮かばせるだけの力があったみたいだ。  つまりあの台詞には、それひとつで、一個の話を作るだけの力があるってことね。  その思い浮かんだシーンに、起承転結をきちんと与えて、ひとつの話にしてみないか? >風輪さん  黒い子山羊のシーンのほうは、こっちも同じシーンを削ってみてから見てみます。  前にやってあった冒頭シーンのほうも増量作業よろしく。  「追いかけられている感」はありましたが、「ジャングル感」がたいへん乏しかったので、そのへん気を付けつつ増量してみてください。  あとクトゥルフ神話の原書ですが。  なぜ英語を勉強して身につけて、原書を読もうとしないのですか?  「ラブクラフトの後継者」にならんとする人って、そのくらいやってるのが普通だと思うのですが? -------------------------------------------------------------------------------- まだやります。 No.6194 投稿日 2003年2月16日(日)19時38分 投稿者 馬宮  ミーンリライト、馬宮、まだやってます!  「茶番」を入れたのを最終的にアップしたいと思っています。指摘はもう少しお待ちください。 ●新木さん  >台詞リサーチ >>あとリサーチしてきたのはいいのだが、ちゃんと紙に打ちだして、それを読ませた?  紙に打ち出してはいませんが、リサーチ対象者にはあの台詞をちゃんと「読んで」もらいました。  ヤフーメッセンジャーを使い、ちょうど昨日の夜、ネットにあがっていた友人にチャットで訊いたんです。  こういうチャットだと、相手の声と表情がわからないので、「反感」がどの程度のものなのか細かいところまではわかりません。  ですから、結果報告には、友人たちが書いてくれた台詞をそのまま使用しました。  このリサーチを口頭でしたのか、それとも文字のみでやったのか。  それによって結果が変わることをしっかり意識してしていれば、リサーチ方法を読み手にもっと親切に書けたと思います。  反省、です。 >読点 >>読点のあるなしで、この台詞は、ぜんぜん意味が変わっちゃうのだ。  馬宮は、言葉ひとつひとつへのこだわりが足りていませんでした。もうしわけありません。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6195 投稿日 2003年2月16日(日)22時45分 投稿者 光来 唯  亀よりも進み具合が悪いですね、最近の私は。  ミーンリライトとか、他の人たちが確実にレベルアップしようとしているのも見てるだけですし(指摘はしますが実際やったほうが経験値いっぱい入るでしょうに)。   >アイデア出し・その5 ・授業が終わっても寝ていたのを、髪をくしゃくしゃに撫でられて起こされた ・授業が終わっても寝ていたのを、耳たぶで遊ばれて起こされた ・授業が終わっても寝ていたのを、頬をつつかれて起こされた ・階段から落ちそうになったのを抱きとめられ、「ちっちゃいな」or「軽いね」or「いいにおいだな」or「やーらかいね」と呟かれた ・髪を切ったとき、「その髪型似合っているね」と言われた ・何もないところでつまづき「女の子って何もないところで転ぶんだね」と言われた ・美術の時間、互いの肖像画を書いていたとき、「目きれいだな」or「気付かなかったけど、可愛かったんだ」or「見つめあってるみたいで、照れるな」と言われた ・美術の時間、互いの肖像画を書いていたとき、唇or瞳or顔or髪、に見とれられ、なぜか諒の絵はその部分だけがリアルに描かれていた ・美術の時間、自画像を書いていたとき、諒が結衣の絵に可愛くなるよう手を加えてくれた ・美術の時間、(「女の子」という題材で)粘土像を作ったとき諒は結衣そっくりの像を作ってくれた。クラスメイトにそのことでひやかされると諒は自分の女の子のイメージなんだから、とそれが結衣であることを否定するどころか、肯定するようなことを言った。 ・美術の時間、17才の自分というテーマで抽象画を描く課題が出た。  結衣は死神の絵を描く。それを見た諒は「女の子に死神は似合わないんじゃないか」と言いつつ、死神を可愛くデフォルメする案を出してくる。  完成された絵は「かわいい死神的な少女」となった。結衣は諒に自分の死神の姿を見せたら、この絵のように見てもらえるのでと思うようになる。 ・美術室の奥から出てきたおどろおどろしい死神の絵。それを見て自分なりにアレンジして描くという課題のとき、諒の絵は死神の女の子だった。そしてなぜかそれは結衣に似ていた。 ・調理実習で結衣のつくった料理を諒がおいしいと言ってくれた。さらには「料理が上手な女の子っていいね」と。  諒はクラスの一部女子から女性差別とひんしゅくを買うが、結衣だけは顔を真っ赤にしてうつむいていた。 ・家庭科室で自習することになったとき、準備室から演劇部の衣装が見つかり、皆で仮装大会の真似事を。  結衣も強引に参加することになり、最初魔女っぽい(死神の衣装とも取れる)黒いローブのようなものを選ぶ。だが、諒は結衣にはこっちが似合うとドレスのようなものを選ぶ。それを着た結衣を見て、諒は可愛いと言ってくれた。 >馬宮さん  返信遅れましたが。 > すみません、さしつかえなければ、どうして「朝食に時間をかけたくない」か教えていただけますか? > 女性なら、「髪のセットや化粧に時間をかけたいから」。とかいう理由が考えられるんですけど。男性はよくわからないんです。  これはあくまで私の場合ですが――。  面倒だからです。  習慣上、朝食を食べないとその日一日調子が悪い、なにより昼間までもたない。  だから、朝食は食べなければならない。  けど、面倒だから朝食に時間なんてかけたくない。  面倒なことって、ぱっぱと終わらせたいと思うでしょう? そういう理由です。  特殊例なんで参考にはならないと思いますが。    ちなみに昼食も同様、食べないともたないから食べるのであって、面倒だったり食べなくてももちそうだったりしたら食べない。  つーか、私『食べる』ことにあまり関心ないですから。  『味』や『におい』には関心あるから好き嫌いはあるけど、『食べる』行為は面倒だと思う気持ちのほうが強い。  だから味がついてて、少量で実際に満腹になる、固形食糧のようなものがあればいいなぁ、と常々思ってます。 >デパート関連 > 食料品が1階以外に置いてあるダイエーの店舗って、見たことある人、います?  いちお、ダイエー弘前店は地下に食料品売り場がありますよ。   >弟切さん >8.「前の髪型のほうがよかったな」  あらら、それとほぼ同じ台詞言ったことありますよ、私。  正確には「前の髪形のほうがよかったかな」ですが。  なので新木さんに直されてるの見て、「むぅ」と唸ってました。 >女の子の台詞 「いいよ。信じてるわけじゃ、ないから」 「心配しないで。だいじょうぶだから」 「気に入ったの、どれ?」 「義理だからね、義理っ」 >男の子の台詞  女の子バージョンよりムズイ。  ストレートに言うか、言葉を変えて言うか、言わずにいるか、のタイプの男キャラしかいないですからね、私の中には。 「勝手にしろ」 「これ、やるよ」 「あー、一緒に来るか?」 「それ、もーらいっ」 「髪色戻したほうがいいな。惚れちまいそうだから」 -------------------------------------------------------------------------------- 報告です。 No.6196 投稿日 2003年2月17日(月)00時09分 投稿者 馬宮  ミーンリライトアップしました。「359」です。  みなさん、どうかよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです No.6197 投稿日 2003年2月17日(月)02時33分 投稿者 馬宮  弟切さんと羽矢野さんのリライト指摘は、一眠りして頭を冷やし、それからやります。 ●新木さん >馬宮のカリキュラム >>どんなことをやりたいか。いま現在のやりたいことを申告のこと。  希望を訊いてくださり、ありがとうございます。  最初に候補を見て、一番「やりたい」と思ったのは、短編です。  次が「生課題続行」。  ですが、わたしは視点が、かなりごちゃごちゃしている状態です。  抽象的な言い方ですが、「なにか根本的なことがわかっていない」ような気がしています。「信じられる基準」がない状態なんだと思うんです。  正直なところ、3の視点のお勉強は一番楽しくなさそうだな〜、と思いました。  でも、視点や人称がばらばらのものを(それも自分で気づけないという現状で)、これ以上書き散らしたくありません。  なので、希望は自分の実力を考えて。 >>3.視点のお勉強。誰か(もしくは自分)の文章をサンプルとして、色々な視点で書き直す練習  これです。 >他の課題について  短編の、紫さんの胸をお借りする方法、最初の一行が、「ダイエットなんてしたら、別れる」で始まる小説を書く。  これらはとても魅力的です。  「あらすじ期限つき(シビアふくめて)」は、読んだとたん「これ、できるようになりたい」と思わず希望してしまいそうになり、自分の無謀さに恐怖を感じました。  プロ作品の模写再構築は、視点の勉強と同じぐらい今のわたしに必要な修行かもしれないと思いました。  生課題は、「毎日集中して小説の文章を、狙い通りに書く」ということができるようになりたいので、続けたい気持ちがあります。  希望を申告せよ、と言われたのに最後に課題への感想を書いてしまったのは、第一希望を選ぶのにかなり迷ったからです。  どれをするよう言われても、やりたくないと思うものはありません。  ご指示、お願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6198 投稿日 2003年2月17日(月)07時54分 投稿者 新木 伸  仮眠終了。  っていうか、5時間も寝ていて仮眠もないもんだが。  昨日は編集さんは自宅でスタンばっていて、削り作業が完了次第、出社してメールで原稿受け取って入稿作業を進める手筈になっていたのだけど。上がらなかったので、今日の昼一にもつれこむことが決定。出版業界の人の出社時間は、だいたい昼頃だったりする。  昼までに、あと3ページ削らねば〜。  なんかすでに、1冊単位でなくて、章単位でやっている。  章が切り替わる時点で、改ページが行われるために、章単位でやっていないと、あんまり意味がない。もうそんな「領域」にまで突入してるる〜。  いまこんな感じ。 4章     93(14) 5章     64(17) 6章     81(6) 7章     57(5) エピローグ  9(7) エンディング 2(7)  目次他4P  イラスト8P  イラストレーター後書き1P  エンディング扉1P  奥付+自社広告、2P  ()内は、これ最終ページの行数。1ページ=18行取り。  たとえば4章を1ページ減らすには、14行削らねばならない。  だが6章と7章であれば、それぞれ6行と5行ずつで平気。  しかしアクションシーンが多い場面は、なかなか、削りにくい。  説明文が多用されている場面は削りやすいんだけど……。(説明内容を短く簡潔に言い換えればいいだけなので、わりと楽)  しかしそもそも俺、説明文なんてほとんど書かないしなぁ。  あと章よりも小さな文章の区切りで、「項」って単位がある。いわゆる「*」とかで区切られるシーンの切れ目ね。  削っている最中って、あれも厄介なんだよな〜。  前後の空白行も含めると3行取りになっているんだけど、その3行がページ間をまたぐことは許されていない。またいでしまいそうな場合にはどういう処理になるのかというと、3行とも、まとめて次ページに送られてしまう。  つまり「*」がページ間をまたぐような削りかたをしても、それは結局、意味がないということになる。  つまりいま現在は、レイアウトを考えながら削っていることになる。  これすでに作家の仕事と違う〜。作家は原稿書いてポンと渡せば、本にしてもらえるものなんだい!  行数やレイアウトまで考慮しつつ書くのなんて、これはライターの仕事だ〜。台割り(ページ構成リスト)までチェックしてる――っーか、台割りにまで関与してるし〜。  いや、余裕を持って削れるなら、丸ごと編集さんに渡してしまえばいいんだけど。  こんなギリギリのことをやってるから、レイアウトまで考えて削らねばならないハメになるのだな。  今回は、交渉の結果320Pでの出版が決まった。これはあそこの文庫としては、ほぼ最大ページ数。これより多いページ数で出された本は僕は1冊しか知らない。このページ数で出されている本も、夢境の1巻のほかは、あんまり知らない。なぜ僕はどこに行っても「厚さのパイオニア」となってしまうのだろう。  原価率とのかねあいで、このページ数では利益率が落ちてしまうので、本来なら歓迎されないページ数。  本は「折」という単位でページ数が増減される。1折は32P。これは1枚の大判の紙を4回折り畳んで文庫本のサイズにしていることから決まるもの。印刷機で刷るときには、大きな紙に16ページ分、両面印刷かけるのね。  なのでページ増減の単位は1折ずつとなる。  ちなみに、320Pでの出版が決まるまでには、「1折減らして288Pになる危機」と「分冊の危機」と、様々な危機があったわけだ。――が、なんとか乗り越えた。  1折減らすとなると、32P削ることになるから、もう、シーン単位でばっさばっさと落としていかないとならない。合計で6シーンぐらいかな。  また分冊するとなると、イラストレーターさんの作業時間の兼ね合いもあるので、おそらく同時刊行はない。話が山場にさしかかり、いちばん盛りあがってきたところで「おあずけ」では、読者は暴動を起こすだろう。やはりそれもマズい。  まあ「削らなきゃ出せない」となれば、削るが。  そしてもし削るとなったら、あそことあそこか――と、目星も付けてはいたが。  だが「320ページで決定しました」と連絡を受けたときの、嬉しかったこと。連絡をもらうまでの、長かったこと。  先に、「320Pなら、あと14P削ればいいので、可能です」と言っておいたことが功を奏したか。  しかし……。  いや、僕はもちろん知っているのだけど。  内容を削らず、14Pまでなら落とすことが可能だってことは、わかっているんだけど……。しかしやっぱり、きっついなぁ。  あと2Pだ……。 >ミーンリライト指摘  細かな指摘に入るまえに。  感想みたいなもんを、みんなで書いてやるか。  頑張った人へのご褒美だ。  あと、皆でランキング付けてやろうぜ。  個人的な主観で、ぜんぜんかまわない。 ・どれがいちばん面白かったか。 ・どれがいちばん目が離れずに読めたか。(投げ出したくなって、その先義理で読むことになった地点が、遅かったのはどれか?) ・どれがいちばん「エロ」かったか。 ・どれがいちばん突っかからずに読めたか。(読書の視線が止まって、読み直しが入った、という意味ね) ・あとなんか自由感想。  わしはまだ読んでないけど。  3つとも読んだひとから、お先にどうぞ〜。 >風輪さん >>不要な文章をつけ加えたような不安を拭えず、コツがつかめません。 >>手探り状態なので、改良されているかどうかの判断だけでもお願いします。  手探り状態で、いま不安ですか?  この文章が不要かどうか、判断できずに不安ですか?  それが「正常」です。  これまでの、思いついたモノをすぐ作品中に放りこんで平然としていられた執筆姿勢のほうが「異常」だったわけです。  その「不安」は、物を書いてゆくにあたっては、今後一生、つきまとってゆくことなので、早めに慣れるようにしてください。  ずっとその状態が続くのに慣れることができそうにないなら、いまのうちにやめておいたほうが懸命です。小説を書くことを。もしくは、ちゃとした物を書くことは諦めて、闇鍋みたいなものを書いて遊ぶだけにするとか。  まあそのうち体が正しい文章を覚えてくると、不安感は多少は和らぎます。普段はあまり迷わずに書けるようになります。でも不安感は絶対に消えはしませんよ。  小説に対する「これでいいのか?」という迷いと不安感が消えてしまったら、その作家はすでに終わっています。もう駄作しか書きません。それまでどんなに名声を誇っていたプロであっても、まあ1〜2年、まあ2〜3作のうちには、あっさりと消えてゆきますので。  あと、判断は自分で下さねばならないものです。  不安なあまり、楽になろうとして判断を投げてしまって、人任せになる姿勢には陥らないように、常に意識しておいてください。  ただ、お手伝いはします。  他人の目を通した客観視っていうモノサシは貸します。  でもそのまえに、自分で充分見直して、考え抜いて、書き直して、吟味しつくしましたか? >光来さん  なにか、だいぶ男の側からの「好きの言葉」が混じっているような気がするけども。  結衣にフラグが立った時点では、諒は結衣のことを、もう好きになっていたの?  もしそうじゃないのなら、「好きの言葉」と受け取れるようなものはすべてまとめてNGでしょう。  あと死神関係のものは、本当に「偶然」と思えるものでないと、やはりNGでしょう。  たとえば結衣の絵を描いて死神のイメージを見た諒――なんてのは、これ偶然の域を越えていますよね。諒がなにか敏感な感性か本能かで、結衣の正体を感じ取っていた――ってことになってしまうから。  あと、いくら回想話でのネタになるとはいえ、スタートに手間や仕掛けが必要なものは、やはりボツをかけておいたほうがいいでしょう。たとえば「偶然自習をすることになり、偶然衣装が出てきて、偶然皆で仮装大会の真似事をすることになって――」なんていう、3段階も「偶然」が必要なことは、これ無理無理っす。  例のミニデパ1階での偶然の出会いっていうのも、この「偶然度」を減らすためのものだったわけね。  「たまたま」食料品を買うことになった諒が「偶然」スーパーの食料品売り場に行って、「必然的に」夕食の買い物をしていた結衣と「たまたま」出会うというよりは――。  「必然的」にミニデパの上階店舗に用があった諒が、「必然的に」夕食の買い物をしていた結衣と「たまたま」出会った――。のほうが、偶然の出てくる回数が減るでしょ? 2個ほど。  まあ僕の勘違いがあって、ミニデパの食品売り場は、どうも地下にある模様なのだけど――。それにしたって、そのミニデパートが「たまたま」1階が食品売り場であったという偶然を入れたとしても、また偶然登場回数は1個少ないよね。出会いの場所の偶然性としては。  さらにそのあとで、「たまたま」クレーンゲームをやっていた諒が、「偶然」取れた死神の人形を「たまたま」結衣にあげる気になり、それは「偶然」結衣の正体である死神にヒットしてフラグが立った――と続くわけだ。  あとのほうで山ほど「偶然」が連発されるのだから、出会いの場所での「偶然性」は、なるたけ、ゼロに近づけておいたほうがいいよね。 >>・美術の時間、互いの肖像画を書いていたとき、「目きれいだな」or「気付かなかったけど、可愛かったんだ」or「見つめあってるみたいで、照れるな」と言われた >>・美術の時間、互いの肖像画を書いていたとき、唇or瞳or顔or髪、に見とれられ、なぜか諒の絵はその部分だけがリアルに描かれていた  美術の時間で、お互いの肖像画を書くことになった。  これ、良さそうです。偶然度もかなり低い。  しかしその先が良くない。  高校生が美術の時間で肖像画を描くことは、ごく普通に起きること。ここの偶然度は完璧にゼロだよね。絶対にありそうだ。  そして諒と結衣とが、たまたまコンビを組むことになった。ここ偶然としては「小」が1回ってところかな。まだぜんぜん気にならないぞ。ここまでなら。  しかし、偶然はここまでにしておきましょう。  諒が「偶然」なにか気の利いた言葉を言って、そして「偶然」結衣が頬を赤らめた――とかになると、いきなり偶然度が跳ね上がってしまう。  また諒が「偶然」結衣の顔パーツのどこかに見とれて、そこだけを上手く書いた――というのも、やはり偶然度がひとつほど上がってしまう。 (ちなみにこの場合、諒がどこかに見とれるまでは「偶然」だけども、その部分を上手く描き、結衣が絵を見て、そして気に入るということに関しては「必然」なわけですね)  偶然度は、上がれば上がるだけ「嘘くさく」なるわけです。説得力は減ってゆく。  偶然の出来事は、美術の時間で「たまたま」コンビを組んで、おたがいの肖像画を描くことになった――ということだけにしましょう。  そのあとを「必然」のみで構築して、なにかネタを出せませんか?  僕ならこの厳しい縛り条件でも10個ぐらいは出せますが、まあとりあえず、2〜3個よろしく。 >馬宮  ああ、言い忘れていた。  視点を身につけるまでは、君、一人称だけで書くように。  視点の徹底をするのは、たぶん一人称がいちばん楽だ。(個人差がある。三人称のほうが楽な人もいるけど、馬宮は一人称の人とみた)  よくプロが「一人称の小説は難しい」というけど、じつは一人称がいちばん易しいのだな。  プロの「難しい」というのは、完成された話として、売り物になるクオリティに仕上げることまで考えての発言なのね。だって一人称だと、話の裏で敵側がなにか企んでいるなんていうシーンは、一切書けなくなる。構成の自由度が減るために難しくなる。そういう理屈だ。  プロはプロであるが故に、小説の話をするときには「商業作品を書く場合」でしか考えられないわけね。初心者が初めて書く場合――なんてものを想定して、物を言わない。  ちなみに紫のあれは、一人称で書くこともできる話。(紫はキャラ寄り三人称で書くみたいだが)  あと「別れる」発言から始まる話も、女の子視点の一人称で書けるよね。――っていうか、これはそっちのほうが面白くなる話だな。男の側の心理を最後まで隠しておいたほうが盛りあがるだろう。  短編やりたい気持ちがあるのなら、それやったほうがいいだろう。  あと、1日にやることは、なにもひとつだけでなくともいいはずだ。  1日6時間を小説に費やせるのだよね?  なら時間割りを作って、3時間は短編にあてて、残り3時間はなにか他のことにあてるとかもできるでしょう?  それだとログ読んでレスを書く時間が残らないか。  まあその3時間のうち、1時間だけなにかやって、2時間はログ読むとレス書きに向けるとか、そんなのがいいかな。  でも短編書きに3時間確保するとなると、残りはもうちょっと楽なやつがいいよね。生課題は避けたほうがいいかな。やることがダブってしまうから。  ――となると、視点研究か、制限回数付きあらすじ作成か、文体模写再構築か、どれかになるわな。  3時間使って短編を書くのだから、小説を書くことと、違う部分の脳味噌を使ったほうがいいね。  となると、あらすじ作成だな。  では、決めよう。  今回もまた、課題に取り組む時間をきっちり決めて、その時間のあいだは全力集中するというメソッドでやろう。  まず毎日3時間。  短編を書く。その日書いた部分を課題部屋にアップ。みやびさんがやっていたみたいに。その日の分が多くとも少なくとも、とりあえずアップ。  ちなみにプロの平均だと3時間×3〜4回でもって、40枚の短編を書くのが普通だぞ〜。やれとは言わないが、そこを目指せ。  僕なら紫のアレは、6時間あれば、まあ書けるかな。  そして休憩はさんで、毎日さらに1時間。  あらすじを書く。  これは主人公の一人称で書くことを想定した短編小説のあらすじ。20〜40枚くらい。起承転結が一揃いあるだけの小さなお話で良い。長すぎるもの、凝りすぎているものはNG。ここでOKの出たあらすじは、短編書き終わったら次のお題となるのでそのつもりで。  1時間以内に、必ず1個はあげること。  参考のために。  もし僕が、「1時間をきっちり使い切って、800字のあらすじを一つ提出する」という課題(というか僕の場合は実戦になるが)を前提に作業することになったら、僕ならこうする。  はじめは3行(120文字)くらいであらすじを書く。1個2〜3分で4〜5個ほど出してみる。ここに15分程度使う。  そのうちの有望そうなものを2つか3つ、すこし膨らまして、7行(200〜300文字)くらいにしてみる。1個に5分をかけて、ここでは15分。  まだ残り30分ほどある。  このときに最有望なもの1個に絞る。その1個を800字バージョンとして完成させるのに、その30分を使いきる。  こうやって作業しておけば、最後の800字版が途中であったりしても、7行版のほうはできているから、そっちを提出できる。またネタはそれなりに厳選されているので、ネタのほうで間違うことはない。  これは僕の場合。  馬宮の場合。  はじめから、1時間で「OK」をもぎ取れる800字あらすじが出てくるとは思っていない。(それが出来たらプロレベルだ)  だがすくなくとも、幾つかの候補の中から厳選してきた「3行あらすじ」ぐらいは出してこいよ〜。  今日はなんにも出ませんでした、とか、1個しか浮かばなかったのでその1個を出します、とかいうのはカンベンな。  ちなみに捨ててきた他のやつは、見せなくていい。見せるのは厳選した1個だけでいい。  もしその「3行あらすじ」が面白そうだったら、特別に、次の日1時間かけて800字に膨らませて良いことにしよう。つまらなかったら、即ボツだが。  ちなみにはじめた当初は、ボツの山が築かれることになると思われる。まあすくなくともボツの理由を簡単に言うぐらいはしてやる。たぶん「山がねぇ」とか「頭と終わりがバラバラ」とか「落ちてねぇじゃん」とか「意味わかんねー」とか、そんなもんになるだろうが。  この3時間の短編書きと、1時間のあらすじ作成。  順番を逆にして、あらすじのほうを先にしたほうがいいのかな?  僕が自分でやる場合には、あらすじ作成で頭の体操とウォーミングアップをして、それから短編書くか〜、てな順番になるが。  まあ馬宮のやりやすいほうでやって良し。  これ読んだら、その日からさっそく掛かるように。  レスやらミーンの指摘やらは、後回しでいい。時間が余ったときや休憩時間のときにでもね。  ところで短編のお題だけど。  紫の話は、馬宮さん、面白いと感じているの?  面白いと思えるのなら、あれ、そのまんま書いていいよ。  あんまり面白く感じないなら、モチベーションに影響するから、なにか他の話にしないとならないなぁ。  その場合はまずあらすじを先にやらなきゃならないね。あの「別れる」の台詞で始まる話も、いきなり書くわけにもいかんだろうし。 -------------------------------------------------------------------------------- 短編課題とか No.6199 投稿日 2003年2月17日(月)10時11分 投稿者 新木 伸 >短編課題「紫杯」  そうそう。  紫の完成させた「ハイスピリッツ・ガール」のあらすじで、自分も短編の一本を書いてみようと思っている人は、早めに名乗りをあげるように〜。  競作させると、皆の執筆ペースがはかどることを発見したので、さっそく利用することにする。  どうせ紫のやつは、まだ一行も書いていないに決まっているので、いまから参加でも、まだ遅れは取っていないぞ〜。  暇ならわしも参加するかな。  皆がそろそろ終わりそう――ってな頃に、追い込みで。  あと1ページ削ったら、基本的に暇になるし〜。  ちなみに証拠は空手使いのようだが、あらすじをチェックした限りでは、空手の知識は「適当」でもなんとかなると思われる。あんまりアクションないし。練習風景とかもそんなにないみたいだし。  他の格闘技経験者は、自分の経験種目に入れ替えも可能だ。  ちなみにプロの人でも参加OKです。 -------------------------------------------------------------------------------- 喪服だ数珠だ黒い鞄だ靴だ袱紗[ふくさ]だ不祝儀袋だ No.6200 投稿日 2003年2月17日(月)23時28分 投稿者 弟切 千隼 抹香[まっこう]臭い題名ですみません。お葬式より戻ってまいりました弟切です。 弟切は、年齢の割に法事に出る機会が多いため、題名にある喪服や数珠や鞄や袱紗はすぐに出せるところに用意してあるのですが、今度のお葬式では火葬場に行った日に雨が降りまして、「しまった、黒い傘を用意していない!」と焦りました。通常、女性用の傘には明るい色の物が多いので、喪服の時には使えません。 弟切は実家の父から黒い傘をもらって、乗り切りました。 まだいろいろと片付いていないことが多いため、今回は帰還報告のみとさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6201 投稿日 2003年2月18日(火)00時54分 投稿者 光来 唯 >ミーンリライト  御三方、お疲れ様です。  指摘はひとまず明日にして。 ・どれがいちばん面白かったか。  判断不能です。  最初に視点を意識しながら読んでしまったもので、おもしろいかどうかで見れなくなっちゃってるから。 ・どれがいちばん目が離れずに読めたか。(投げ出したくなって、その先義理で読むことになった地点が、遅かったのはどれか?)  離れずに読めたのはというと特に選べないけど、目が離れたのは弟切さんの(なんと任務に忠実な。しかも優秀ね)から「お忘れですか。〜〜」の前のところまでかな。  ここはなんか読み返してると流しちゃう。  他の人のは特にそういうとこはなかった。 ・どれがいちばん「エロ」かったか。  これは弟切さん。  「サリーシャはわずかに唇を開いて、とろける蜜蝋を味わい、ねっとりと粘るそれを男の唇にからみつけた。」  この文に特にエロさを感じました。  なんていうか、官能的だなぁ、と。  「ねっとりと粘るそれ」ってのが、何か想像力をかきたれられました。 ・どれがいちばん突っかからずに読めたか。(読書の視線が止まって、読み直しが入った、という意味ね)  たぶん、みんな同じくらい。  それぞれ2箇所か3箇所くらいで止まりました。 ・あとなんか自由感想。  なんだか普通に「視点について私に指摘は無理じゃないだろうか」って感じました。  まだちゃんと精読してないからなんとも言えないけど、私じゃ手が出せないんじゃないかな、って。    しかし感想って意外に書きにくいですね。  指摘ならまだ書きやすいのに。  エロさを描くのに女性寄り視点の弟切さんは有利だろうな、とか、羽矢野さんまだ完全客観慣れてないようでぎこちなさを感じるな、とか、馬宮さん少しずつやってたけど、そっちのほうに何も言ってあげられなかったな、とかちょっと思うくらい。    ここだとどうしても読んでて指摘モードに入ろうとしちゃうからねぇ。  経験上、馴れ合いのような褒めるばかりの感想なら書けるんですが、それじゃ失礼になってしまいますし。    あと、馬宮さん。やっぱり漢字の開く開かないの意識足りないような。  「緊張がたかまって行く」とか。  こういうのって、一瞬読んでいる流れが止まってしまうんですよね。   >死神〜 > なにか、だいぶ男の側からの「好きの言葉」が混じっているような気がするけども。 > 結衣にフラグが立った時点では、諒は結衣のことを、もう好きになっていたの? > もしそうじゃないのなら、「好きの言葉」と受け取れるようなものはすべてまとめてNGでしょう。  結衣のフラグが立ったとき、まだ諒のほうは好きにはなっていません。  「好きの言葉」と受け取れるようなものは、諒の何気ない一言が……ってつもりだったんですが、この時点ですでに諒が結衣のことを好きだったと示唆させるのは確かにまずいです。 > そのあとを「必然」のみで構築して、なにかネタを出せませんか? > 僕ならこの厳しい縛り条件でも10個ぐらいは出せますが、まあとりあえず、2〜3個よろしく。  ほんとに厳しいです、これは。  必然とか偶然とかをあまり意識しないでやってたので(というより偶然を使いたがっていたっぽい)、必然のみというのは難しいです。  なんだか、どれもが「偶然」に見えてしまって。  例えば「諒が結衣の絵をそっくりに描いた」というのも、そのままじゃ「たまたま」なんでしょうね。  「たまたま諒は絵がうまかった」ということになるんだろうな、とか。  それから今回、「女の子として扱ってくれた」という条件はとりあえずはずします。  単に、「諒に興味を持つようになるきっかけ」という形式にしておきます。  「女の子として扱う」を入れると、縛りが一つ増えて、どうしようもなくなっちゃいますので。 >アイデア出し ・結衣は静止している状態でないとうまく描けないため諒に何度も動きを止めてもらっていた。だが、諒はそれをせずに(結衣が動いているのを見ながらも)絵を描き上げた。結衣はそのことに素直に感心した。 ・絵は時間内に描き終えられなかった。終わらなかった者は放課後残って描くように言われたが、実際に残っていたのは結衣と諒だけだった。(諒も他のクラスメイト同様残らずに帰ろうとしていたのだが、ペアとなった結衣が帰る様子がなかったので仕方なしに付き合うことにした) ふたりきりで美術室での時間を過ごすことになり、結衣はわずかながら諒を意識していた。 ・男の子の顔を正面から見ることができず、結衣の絵は時間内に完成しなかった。それを見た諒は、絵を完成させるために、と一緒に残ってくれた。 ・他のコンビは話しながら楽しく書いているのに、結衣と諒は無言で黙々と描いていた(話題がないから必然的に絵を描くことに集中してしまっている。結衣は他のクラスメイトに目を向けながら、自分とペアになって、諒は楽しくないだろうと、ちょっとだけ罪悪感のようなものを感じる)。  結果、時間内にちゃんと完成し、評価を得られたのは結衣と諒だけだった。 授業が終わると、諒は結衣に、こんな高評価を得られたのははじめてで、それは結衣のおかげだとお礼を言ってくる。  結衣はどう反応してよいかわからずただ顔を赤らめていた。 ・互いの顔を見ながら絵を描いていると自然と目が会う機会が増えていく。はじめこそ、恥ずかしさですぐに目を逸らしていた結衣だが、慣れていくとそのことに妙な心地よさを感じるようになった(他人との距離が近づいたような錯覚を覚えたため)。 ・諒はただ真剣に結衣の顔を見、黙々と描き続け、そして絵を完成させた。  結衣は自分を見ている諒の瞳の真剣さ、そして絵の完成度に諒というクラスメイトをすごいと思った。 ・結衣は諒をなかなか正面から見られず、描きあがるまでに時間がかかってしまう。 その間に諒の絵はできてしまい、暇を持て余す。諒は完成した結衣の絵に適当にいろいろなものを書き加えては消すのを繰り返していた。  その中のひとつに、結衣の頭に大きなリボンをつけたのがものがあり、結衣はそれが気に入っていた。 ※この互いに肖像画を描くというのは、どちらか一方がモデルになってもうひとりが描き、終わると交代と形ではなく、同時に描き、必要に応じて動きを止めてもらうという形式です。  これが普通かはわかりませんが(モデルという形ならば、グループにして一人を数人で描くほうが効率がよいという話になってしまうと思う)、一応交代で描いていく場合でも成り立つようなパターンにはしたつもりです。 >短編課題「紫杯」  これは参加するか思案中。  なんかうまく書き上げられる自信あまりない気がするし〜。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題・レス No.6202 投稿日 2003年2月18日(火)02時45分 投稿者 馬宮  あらすじ作成課題、今日の分をアップします。 −−−−−−  喧嘩友達からラブレターをもらった女の子。実は前から彼のことが好きだったので大喜び。だがそれは彼が友人から預かったものだった。女の子は彼の無神経さを責めたてるが、しばらくして彼が悩んだ末に書いたらしい直筆のラブレターをもらって感激した。   −−−−−−  ●新木さん  課題ありがとうございます。がんばります。  短編課題は、「紫杯」に参加させてください。  「ハイスピリッツ・ガール」は、あらすじを読んで、本当に「おもしろそうだなぁ」と思ったんです。    競作は、天衣さんのリライトの時に、「ひとりで書くより勉強になる」ことがわかりました。ぜひ、やりたいです。  さっそく今日から、と思ったのですが。三時間でいきなり本文を書き始めることができませんでした。  今まで小さなシーンを書いてきたので、少し長くなると戸惑ってしまったようです。起承転結がとか、どんなシーンが何個あって等、考えているうちに時間が過ぎてしまいました。  反省しました。  書かないことには、修行にならないので明日から「とにかく文章を書く」というのを最優先にやっていきます。 ●光来さん >朝食 >>つーか、私『食べる』ことにあまり関心ないですから。 >>『味』や『におい』には関心あるから好き嫌いはあるけど、『食べる』行為は面倒だと思う気持ちのほうが強い。 >>だから味がついてて、少量で実際に満腹になる、固形食糧のようなものがあればいいなぁ、と常々思ってます。  なるほど。面倒だから、ですか。  わたしは食べることが好きなので、この感覚はあまりよくわかりません。  でも、わたしの母が若いころそうだったと、聞きいたことがありました。  これは、特に「男性だから」というわけではなさそうですね。以前、同じような女性の話を人から聞いたことがあります。  その方は、「食事なんて必要ないなら、したくないのに」と言っていたそうです。  考えてみたんですが、これがどういうキャラクターの描写に使えるのかちょっと思い浮かびません。  これは、このまま引き出しにしまっておきます。  キャラクターができたら、短編課題でさっそく使ってみたいと思っています。  ありがとうございました。 >ミーンリライト  ご指摘ありがとうございます。 >>あと、馬宮さん。やっぱり漢字の開く開かないの意識足りないような。  本当にそうです(汗)。自分が思っている以上にひどい癖になっているようです。この無神経さは、どうにかして直していかなくてはいけません。 -------------------------------------------------------------------------------- 「紫杯」出馬エントリー No.6203 投稿日 2003年2月18日(火)21時09分 投稿者 風輪 玲 >短編課題「紫杯」  ぜひ参加させてください。  削りを実践してみる、ちょうど良い機会なので。  自作の冒頭シーン増量作業を終えてから、着手します。  スケジュール的に、今月末までに完成といった感じ。  遅すぎでしょうか? >紫ゆきやさん  そういうわけで、ひとつ、よろしくお願いします。 >ミーンリライト競作感想  あくまでも主観で、と断りを入れて。  総合してポイント高かったのは、弟切さんの作品。  どれが一番面白かったか、目が離れずに読めたか、「エロ」かったか、突っかからずに読めたか──の四項目でダントツ一位でした。  特に、   >>カルメイルの首筋は〜  ってところで、カルメイルの「股間」は、と読み間違えそうになったことを白状しておきます。ごめんなさい。 >新木さん  注意していただき、ありがとうございました。  試行錯誤を重ねた上で、自分では越えられない壁にぶち当たった時にだけ、手助けをお願いしたいと思います。  今後、安易に頼ることのないよう、気をつけます。  なるほど、この「不安」は作家になるなら一生つきまとうものと覚悟しなければならないのですね。  うまく折り合いをつける方法を模索してみます。  あと、「ラヴクラフトの後継者」になるというレベルまでの意欲は持っていませんでした。  思い返してみると、「クトゥルー・ジャパネスク」を盛り上げたいという程度でした。  そのへん、心構えがなってないのは恥ずかしい限りです。 -------------------------------------------------------------------------------- 昨日も今日も折詰料理 No.6204 投稿日 2003年2月18日(火)23時35分 投稿者 弟切 千隼 食いしん坊かつ貧乏な弟切は、祖母の葬儀に出席した後、精進落としの料理が余ったと聞いて、折詰をもらって帰ってきました。 「最近の仕出し料理は美味しいねえ。これで食費も浮いて、助かるわあ」と、折詰の煮物や茶飯[ちゃめし]をぱくついています。 以下、レスです。 >>好きの台詞 弟切は、この台詞を言う側のことは考えていたものの、言われる側についてはあまり考えていませんでした。分解能も低すぎです(^^; >>「ダイエットなんてしたら、別れる」(新木版) という台詞については、言う側は「ぽっちゃり系」の女性を好む男性だろうと考えていました。けれども、言われる側は、「ごく普通の女の子」だろうと漠然と考えていただけでした。 「ごく普通の女の子」がこの台詞を言われたら、反発を感じて「なんでそんなこと言うのよっ!」と男性に言い返し、喧嘩になるだろうと弟切は推定しました。 しかし、新木さんが指摘されたとおり、世の中には「所有されたがる女性」というのも存在しますね。そういう女性なら、この台詞を「好きの台詞」であると過たず認識し、好きな男性に所有される喜びを感じるでしょう。 「台詞」であるからには「会話」であって、「会話」であるからには「言う側」と「言われる側」が存在します。 こんな当たり前のことに、弟切は気づきませんでした。おばか過ぎですよ > 私(;_;) ちなみに、弟切千隼というキャラクターがこの台詞を言われたら、相手とは喧嘩をする価値もないと判断し、「あっそう。じゃあね」と手を振って、回れ右をして立ち去ります(^_^) あ、それから、「好きの台詞」に関する調査、ありがとうございました > 馬宮さん。 質問者が意図した正確な結果は得られなかったとはいえ、他の女性が男性のその手の台詞にどう反応するのか、実際に知ることができたのは収穫でした。 >>18.「僕のパンツ洗って下さい」 参考までに、この台詞を言ったのは、元競輪選手の中野浩一さんです。 >>「シークレット・ミーン」リライト 感想を下さった方々、ありがとうございます。 光来さんと風輪さんのお二人に揃って、「エロさがあった」と指摘していただいたのは、嬉しい驚きでした。 書き上がったものを読み返して、自分では「うわーエロが足りないよ……でも今の私じゃこれが限界かもぉ」と泣きが入っていましたから。 お暇があればぜひ精読して、びしばし叩いてやって下さい。 馬宮さんと羽矢野さんの労をねぎらって、私も簡単な感想を書いてみます。 まず、馬宮さんの作品(三人称男性寄り視点)について。 光来さんが指摘されているとおり、「漢字を開く/開かない」が不自然に感じられるところがいくつかあって、気になりました。それと、誤字もありますよね? それから、サリーシャが着ている「喪に使う、首まで布に覆われた黒いドレス」という描写を読んで、ちょっと混乱しました。 というのは、西洋の女性が喪に使う黒いドレスといいますと、頭にかぶる黒いヴェールがセットになっているものだからです。弟切はそれが頭にあったため、「首まで布に覆われた」という部分を読んで、はじめ「首まで黒いヴェールが垂れている」という意味かと誤解しました。 サリーシャは、黒いヴェール越しにカルメイルを口説いているわけではありませんよね? 次に、羽矢野さんの作品(完全三人称)について。 すみません、のっけからきついことを書いてしまいます。 ……弟切はこの作品の第一行を読んで脱力しました。 いえ、台詞から始まるのが悪いと言っているのではありませんよ。 ただ、「誰だーー!!」というこの台詞が、この場面においてはあまりにもふさわしくなく、間が抜けて見えてしまいます。 ここで詳しい理由を書くと精読になってしまうので、それは後回しにさせて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 6172書き直し No.6205 投稿日 2003年2月19日(水)00時25分 投稿者 羽矢野  まずこのレスを書こうと思ったのは、ちょっと意外だったから。  いつも弟切さんって客観的に物事を見て、豊富な知識に裏打ちされた理論で話す人だと思っていたけど6171の書き込みはどう見ても偏見。(私の中で)  あの意見は、女性の側から見たもので、平等の視点からは書かれてません。  なので、私がそう思った理由と、男の側からの愛の考え方(半分自分の経験と、半分仕入れた知識から)を書いて“どう?”って問いかけたかったのが目的。  後、他の人は異性のことをどう思っているのだろうってのもある。  もちろんこれは、小説を書く上で。 ●弟切さんへ >>1)女性のほとんどはバカか無能なので、付き合う価値がないと思っている男尊女卑主義者。 >>2)やらせてくれれば誰でもいいエロガキ。 >>3)女性というのは何をするか判らない妖怪変化なので、遠巻きにして見ている「触らぬ神に祟りなし」主義者。  というのが、弟切さんの男性像らしい。  この男性像は、ある意味正しい。  一側面としては、多かれ少なかれ男なら誰でも持ってるだろう。  ちなみに私だと、女性と男性は違う生命だと思っている。  性的欲求も人並みにある。  女性のことはよくわからない。(経験少ないってのもあるけど。それ以前に、男にとっては永遠に謎だとも言われてるけど)  ほら、当てはまってる。  それが側面でなくて全部になってる人って、物語の世界以外では正直あまり(全然じゃないとこがまあ、アレだけど)見ないなあ。  第一、こんな男性が世の中の主流だったら、家庭なんてつくれません。  普通に結婚して、家族養っている人とかはどうなるんだろう? ●愛の発生。  下品な話かもしれないが。(なるべくならないようにしよう)  これは、両者に決定的な違いがある。  愛っていうのは、脳内で起こる化学変化がもたらす、精神と身体に発生する反応の集まりだ。(みんな知ってると思うけど)  男性と女性では、その発生が違っている。  それに大きく関係してくるのはセックスで、これを認識しないと、変な誤解を生むことになる。 >>女性の場合。  女性は、愛が十分に高まらないと、異性と性的関係を持とうと思わない。  これは女性にとって愛を発生させるのに、セックスが絶対に必要ではないから。  愛が発生するとそれを高める行為としてセックスがある。  これは“自分と子供を養える能力のある男かどうか”ってのが判断つかないと、子供つくらせるわけにはいかないから。  その判断=愛ですね。 >>男性の場合。  男性がセックスするのは簡単で、射精するのが目的。  ので、やらせてくれれば基本的には誰でもいい。  男性にとって愛を発生させるのに、セックスは必要不可欠。  “自分の子供を身籠もる可能性”これが、男性の愛の基本だ。  だから、セックスすると“相手を愛する”感情が一気に高くなる。  こんな違いがあるから、女性の側からすると、男は“女性をセックスの相手”としか見ていないなんてなってしまう。(いや、間違ってはいないけどさ)  女性は愛が十分じゃないとセックスしたいと思わないので、同じ頃から愛が発生しても、男性の方が求めるのは早い。  これが誤解の原因なのだろうな。  ちなみに、これが女性よりも男性の方が浮気が多かったり、風俗に行くのが頻繁だったりする理由ですが、これを容認しろとは言わないからね。  そういう本能をおさえて、相手の女性との関係を保つのは、男性の義務だ。  法律にも“結婚した場合は他の異性と性的関係を持ってはいけない”とあるし。 ●ミーンのリライト  みなさん、意見をありがとうございます。  どうも私のがデキが一番よろしくなかったようです。  ちょっとヘコむ。  精読は、明日かけます。 -------------------------------------------------------------------------------- たちまちあらすじ課題だけアップします。 No.6206 投稿日 2003年2月19日(水)01時35分 投稿者 馬宮 >あらすじ課題  「三行あらすじ」しか出せなかった昨日の要領の悪さを反省して、今日は800字あらすじです。  けれど、実際「三行あらすじ」をふくらませてみると、800字に届きませんでした。これ以上書き加えられなかったので、このまま提出します。  ・コンセプト「生まれて初めてのデートで気まずい思いをした女の子」 −−−−  森野えみりは中学生になったばかりの、引っこみ思案な女の子。  生まれて初めて男の子からデートに誘われ、断りきれず一緒に映画を見に行くこととなった。  男の子は清水龍太郎といって、同じクラスのにぎやか担当。えみりの苦手なタイプだ。      デートの日、龍太郎が選んだのは、派手なアクションシーンがウリの人気映画だった。えみりはタイトルも主演俳優の名前も聞いたことがない。  強引な龍太郎に、えみりはポップコーンとジュースを持たされて、気がつくと彼の隣に座っていた。  龍太郎が気になって、映画の内容がまったく頭に入らないえみり。  緊張が限界点に達した時、彼女はなんとちっちゃな「おなら」をしてしまう。間の悪いことに、乱闘シーンの大音響が静まった直後だった。      龍太郎が「おなら」に気がついた。  頭の中が真っ白になったえみりは、残りの上映時間を、震えながら過ごすことになる。      映画が終わって、町を一緒に歩くえみりと龍太郎。  いつもうるさいぐらいに喋る龍太郎が、黙りこんでいる。  あまりの気まずさに、死んでしまいたいと思うえみり。    するといきなり龍太郎が立ち止まり、盛大な音をたてて「おなら」をした。  びっくりするえみり。  彼は、えみりが「おなら」をしてからずっと、「もっと派手にぶっぱなそう」とリキんでいたという。  映画の内容を全然覚えていない龍太郎。  えみりは彼の優しさに気づき、好意を寄せる −−−− -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6207 投稿日 2003年2月19日(水)11時11分 投稿者 新木 伸  27時間ぐらい寝た  起きると日付が飛んでいると、おおっと思う。  寝てるあいだ、奥さんが何回か指先でつつきにきて「死体になっていないかチェック」をしていた気がする。  メシを食わんでレス書いていると、なんか目の前が暗くなる。なにか食おう。書きながらでも食えるもの〜。  さて夢境3巻の原稿は入稿済みだから(結局11P削った)、次は「前巻のあらすじ」書いて、それで最後だな。  今回は続き巻なので、「上巻のあらすじ」を書くことになった。編集さんに任せてもいいのだけど、僕はこだわり症だから、どうせ自分でチェックしたくなるだろうから……。なら初めから自分で書いてしまおうということになった。 >光来さん >>なんだか、どれもが「偶然」に見えてしまって。  うん。まあたいていのことは、大なり小なりの偶然性を持っています。  だから「大」「中」「小」と区別を付けておくわけね。  たとえば、「諒は絵がわりとうまかった」なら偶然性「小」になるけど、「諒は絵がとてもうまかった」なら「中」になってしまうわけだ。  しかしここで、「諒は美術部員だった」ということにすれば、偶然性(小)で、「諒は絵がとてもうまかった」とできるわな。  同じことをやるための「偶然性のコスト」ってものを考えましょう。  あと、「自分をひとりの女の子として見てくれた」ということをやめにして、「諒に興味を持つようになるきっかけ」でやっているようだけど。  これだとフラグは立たないのだけど、それでOK?  あとでもう一回、「興味を持つようになる」→「好きフラグが立つ」と変化するイベントを入れるわけ?  しかしどこに書くつもり? 回想シーンが2回あるわけ? あの短編の中に?  その絵に絡んだイベントならば、2回続けることもできるかなぁ。  回想シーンも2回発生せずに、ひとつでまとめられるだろうし。  たとえば絵の描き始めに、そうして「興味を持つ」のフラグを立てておいて、絵が描き上がってから起きるなにかのイベントで、そのフラグを「好きになる」に転ばせるとか。 >>なんかうまく書き上げられる自信あまりない気がするし〜。  これ、客観的に見てみると、参加しない理由にはなっていないような気が(笑)。  成功させられる自信がないから――っていうのは、チャレンジしない理由にはなるまい?  仮に失敗したとして、「自尊心が傷つく」以外のどんなデメリットが生じるのかしらん? >食事をしたくなくなる  気のせいか、これって長距離移動をしている人に多い気がする。通勤通学で片道2時間ぐらい使っている人に多い感じ?  時間が足りないって意識があると、メシの時間を省こうとするのは、人間の本能に根ざした行動なのかしらん?  ――という観察を昔行った覚えがあるので、僕は移動中&旅行中のシーンを書くときには、食事を簡易化するということで「移動中感」を出すことにしている。 >馬宮 >>「緊張がたかまって行く」  すぐハイハイ謝ってるんじゃない。  ここで問題になっているのは、「開く開かないの意識」なわけだろう。  つまり「選択を行ったのか、行わずにやってしまったのか」ってことなわけだ。  ハイハイ謝っていたのでは、以下のどっちなのか、他人からわからなくなる。  謝ってないで、自分がなにを間違ったのか。その間違った原因はどこにあるのか。そのことを説明せい。 1.そもそも選択をしていなかった。 2.選択はしていたのだが、その結果がよろしくなかった。  開く開かないを意識し始める頃って、へんな選択をしちゃうことがあるのね。  僕も経験あるけど。  もし1であるなら、「たわけ」だが。  2である場合は、気を付けていても仕方がないことだよ。 >>喧嘩友達からラブレターをもらった女の子。実は前から彼のことが好きだったので大喜び。だがそれは彼が友人から預かったものだった。女の子は彼の無神経さを責めたてるが、しばらくして彼が悩んだ末に書いたらしい直筆のラブレターをもらって感激した。  ボツ。  男の子側から見てみる。自分が好きな相手へのラブレターの配達を、ほいほい簡単に引き受けるやつはいない。そこの理由を強化する必要があるわけだな。たとえば親友の頼みであったとか、自分が女の子のことを好きだということを自覚していなかったとか。なにかそんなようなことで。  しかしこれは女の子視点の話なわけだ。  だが肝心の主役である女の子のほうは、心の動きがすごく単純。  「ぬか喜びした」→「怒った」→「かわりに直筆ブラレターが来た」→「大ハッピー」  悩んでいない。この女、ハムスター並の思考しかしていない。  すこしは悩めよ、おい。  この話では、主人公の女の子よりも、相手の男の子の側で、たくさんのドラマが動いている。いちばん悩んでいる人物を主役に持ってきていないのは、すでに話としては奇形なわけだ。もちろんそういう特異な話を意図的に書くこともあるわけだが、初心者が習作でやるこっちゃない。よってボツ。  ちなみにこの話、男の子と女の子の立場を逆に入れ替えると、きちんとした普通の話になる。女の子が友人からラブレターの配達を託されてしまうわけね。  ただし上記のように、渡す理由を強化する必要はあるわな。  そっちバージョンでなら、1回だけリテイクにトライしてみてもいい。  しかし3行あらすじだけで、しかもこのレベルってことは……じつはこれ1個しか出てこなかったってことかな? (それとも数個は出していて、厳選してきた1個ってことかな?)  なんかこうして、真面目に読んで、しっかり考えて分析して、山ほどレスを書いてやっているわしって……ひょっとしてアホ?  まあ読んでレスするまでの時間、5分やそこらなわけだが。  おい馬宮。君は僕の時間を5分ほど削り取るに足りるだけの、真剣味を捻り出して課題に向かっているのかい? >紫杯  馬宮がさっそく詰まっているようだけど。  あらすじのプロット化は、やったのかい?  いきなり書きだすなんて、プロでもしない(っていうかプロでもできない)。5秒でも5分でもいいから、それなりに粗々でもいいから構成を考えてからでないと、書き出すのは無理っしょ。  まず始めは何のシーンになるのか、そのシーンの狙いとウリはなんになるのか……。  そういうのを考えておかないと、書き出せないだろう。  はじめの1シーン(初日に書く分)は、なんになるわけ?  そこの狙いは? そしてウリは? どんなことで読者の目を惹くつもりでいるの?  そういうのは生課題で練習してきたろ。  そういうのをまだ決めていないなら……。  話の最後まで、「1日分」ずつに割って、決めておきなさい。それがそのまんま、プロットになるから。  書いたらいちおう、アップのこと。 >風輪さん  紫杯、参加どうぞ〜。  人称の選択と、翔子の習得流派はご自由に。  あと、風輪さんには課題をもうひとつ。(勝手に出しますが)  弟切さんの「ミーンリライト」ですが、あれ、ざっと数秒かけて眺めたところ3分の2に削れるはずなので、ちと削ってみてください。  半分までは無理かな? 半分も可能かな? もし2分の1まで可能であるなら、それもよろしく。 (ちゃんと見てみて、自分で削り作業のシミュレーションぐらいしてみないと、僕も正確な値は出せない) >>試行錯誤を重ねた上で、自分では越えられない壁にぶち当たった時にだけ、手助けをお願いしたいと思います。  「壁」って点に関していえば、ずいぶんと書き直した邪神戦線(改)が出てきて、それを見たときに、そろそろ壁だろうなぁと思っていました。  「文章とは、2分の1に削ってしまえるものである」ということが、これ、ひとつの壁なわけです。他人から指摘されないと、たぶん永久に気づけない。  ひとりでそのことに気づける(もしく2分の1に削れてしまうようなものを初めから書いてこない)ような人は、それ天才です。凡人はかならず、ここで引っかかります。  ――で、それを指摘するためには、どこまで削れるかを一見して判断できる人が指摘するしかないわけです。そして必要があれば(口で言って納得しない相手に対しては)、僕がやってみせたように、実際に削って示すわけです。  「それが可能であり、しかも削ったほうが遙かに良くなる」――ということを実際に一度は示して見せないと、なかなか納得できないでしょう。  「半分にしたほうが絶対に良くなるよ」なんて、口で言っていただけでは、納得してくれっこないですし。風輪さんも、僕が一回削って見せなかったら、納得しなかったでしょう?  それが出来る人って、たいてい「現場」にいたりします。アマチュアがアマチュア活動をしてゆくにあたっては縁がない場所です。  同じ文筆業でも、たとえばライター仕事なら、見習いの時に先輩あたりから仕込まれるわけですが……。(雑用やってたアルバイトから、先輩の監督付きで、初めてライター仕事をやらせてもらうあたり)  小説って、丁稚とか見習いの制度って、なかなかないですしねぇ。  ――で、文章の適正量に削りあげて、自分一人でそこまで持っていけるかどうか。このスキル。これを持っているか否か。  これは小説賞でいうと、最終選考に行けるか行けないかってあたりなのかな?  たとえばよみかくに投稿されて、消えてしまった杉田さんとか。あの人もそのあたりなんですよね。(ROMしているかもしれないと思いつつ、書いてみたり)  文章的には、「削りの重要性」を知る前の風輪さんと同じぐらいなわけです。あの人に関しても、この削りの話をしようと思っていたのですが。(そのまえに折れて消えてしまわれましたけど)  あちらの「フィア・イレイサー」では、特にアクションシーンが顕著でした。冗長なわけです。やはり半分以下にできます。(そして増量して元の量に戻さなければ、アクションシーンとしては使い物にならない)  たとえば「序章/敵意」の部分。あれ半分になりますから。やってみるとわかります。(あ、本人の承諾ないですから、アップはしないでくださいね)  またアクション以外の日常のシーンにおいては、もっと減らせるのかな。5分の2から、3分の1くらいまで減らせそう。(こちらは削ったら削ったままで良い。増量の必要はなし)  350枚の3分の1としたら、116枚なわけです。枚数的には中編ですね。  そんな中編を水増しして枚数だけ350枚にしたものなんか、いくら送りつけたって、無駄なわけです。 >>思い返してみると、「クトゥルー・ジャパネスク」を盛り上げたいという程度でした。 >>そのへん、心構えがなってないのは恥ずかしい限りです。  「クトゥルフ」の名を冠した話で、「つまんない/面白くない」ものが書かれて発表されると、逆に「盛り下げる」ことになってしまうのですが……。  「な〜んだ。“く”の付くなんちゃらってやつ、安っぽくてつまんないのねー。こんどからもう、“く”の付くなんとかは、見ないようにしよーっと」  ――とか。  そういうことは、考えたことありますか?  だから本気でクトゥルフものを書いている人たちは、よってたかって叩くわけですよ。ヌルいものが出てきたときには。そしてヌルいことを作者本人か気づいてもいないときには。  盛り上げたいと本気で思っている人は、質が基準に満たないものは、排除しないとならない。  ちなみに僕はクトゥルフ系には、あまり思い入れのない人です。  僕が一家言持っているのは、宇宙物とSF物かなぁ。あとエンターテイメント全般。僕の地雷はそのへんにありますんで(笑)。まっきーが宇宙人モノで踏んじゃってますね(笑)。 >紫杯参加者各位  根っこ立てておいたので、毎日、書いた分アップしてゆくのこと。  もちろん書きあげてから手直しを入れてもいい。翌日になってまるきり書き直すことになってもいい。  とりあえずの「初稿」ってことで、誤字脱字なんかが入ったままでいいから、進行状況の報告って意味合いね。 >弟切さん  あれは?  弟切さんの中で、「好きの言葉」と「プロポーズの言葉」がイコールで結ばれているのかどうかってことの回答は?  あと、羽矢野の「誰だ〜〜!!」については、僕も萎えた。  ビックリマーク二つっていうのがねぇ、もうそこでダメだわ。あと長音符やら波線やら、それともダーシのつもりだったのか、なんやかわからんが。それが2個続いているっていうのも、なんだかなぁ。  もし予備知識ゼロであれを読んだのなら、ギャグ小説かと思って、もうすこし読み続けるかもしれないけど。ミーンのリライトって知っちゃってると、やはりそこで萎えるねぇ。  長音符二つだぜーー?? ふたっちゅーー。  ビックリマークも、ダブルだぜーー。だぶりゅーー!! >馬宮  課題部屋にあげておきなさい。  あと通しナンバーかなにかをつけて、指摘しやすいようにすること。  んで、その「オナラの話」。  それOK。起承転結もちゃんとあるし。  ただしオナラはやめておくこと。読者が引くって。  女の子読者はどうかわからんが、男の子読者は引くぞ。きっと。  そういやあらすじは、20〜30枚の短編のものなら、400字でも書けるなぁ。800字だと、たしかに文字数が余ってしまう。  こちらでちと削ってみた。25行だね。この内容なら。  頑張って気合い入れて削れば、20行にすることは可能だが。  次は500〜600字で書いてくるように。  あと、男の子がでっかいオナラをした理由が、このあらすじからだと、いまひとつ不明。  というのは、「にぎやか担当」の男の子っていうのは、別な理由からも、この同じ事をすることがあるため。「ウケる」ことが存在意義であり至上命題である男の子は、「ウケ狙い」で、でっかいオナラをぶっ放すこともあるだろう。  女の子の失敗をフォローするためだったのかどうか、確定しない。  このポケットの潰しかただけども。逆に、男の子の口から言わせることで潰せるわな。「ウケようとしてやった」と本人に言わせれば、逆に、その誤読の可能性を潰せるわけだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  森野えみりは中学生になったばかりの引っ こみ思案な女の子。生まれて初めて男の子か らデートに誘われ、断りきれず一緒に映画を 見に行くことになる。  男の子は清水龍太郎といって、同じクラス のにぎやか担当。えみりの苦手なタイプ。  デートの日、龍太郎が選んだのは、派手な アクションシーンがウリの人気映画だった。 えみりはタイトルも主演俳優の名前も聞いた ことがない。  龍太郎が気になって、映画の内容がまった く頭に入らないえみり。緊張が限界点に達し た時、彼女は小さな「おなら」をしてしまう。  頭の中が真っ白になったえみりは、残りの 上映時間を、震えながら過ごすことになる。  映画が終わって、町を一緒に歩くえみりと 龍太郎。いつもうるさいぐらいに喋る龍太郎 が、黙りこんでいる。あまりの気まずさに、 死んでしまいたいと思うえみり。  いきなり龍太郎は立ち止まり、盛大な音を −−−−−(ここまでで20行)−−−−− たてて「おなら」をした。  彼は、えみりが「おなら」をしてからずっ と「もっと派手にぶっぱなそう」とリキんで いたという。  えみりは彼の優しさに気づき好意を寄せる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− -------------------------------------------------------------------------------- 温泉OFFのお知らせ No.6208 投稿日 2003年2月19日(水)11時18分 投稿者 新木 伸  今年の温泉OFFは4/4(金)〜4/6(日)です。  なお詳しい内容は、こちら参照のこと。今回は幹事が完璧なお知らせを作ってくれたので、手抜きして、そっちにお任せです。  参加表明などもそちらから。  参加表明締め切りは3/9です。 http://ariake.zive.net/~k_yagami/onsen/  なお、一度参加した人にはメールでの連絡が来ているはず。  初参加の人は、ここ分室にも一筆書いておくこと。  あと参加表明のほうのコメント欄に、「よみかく分室からです」と一言書いておくこと。 -------------------------------------------------------------------------------- 温泉OFFに行きたいけど……。 No.6209 投稿日 2003年2月19日(水)18時12分 投稿者 鷹見一幸  4月ですよね。  残念なことにそんな先のことはわからないんですよ。  はっきり言うと五分先のこともわからないという実に刹那的な仕事ですので(笑)  身体を壊してから、本業のほうは少し余裕を持たせてくれるようになりまして、月に一回、平日に休んで病院に通うことができるようになりましたがそれでも実にハードです。  んでもってモノカキ業の方も負けず劣らずハードなわけでして……。 (今年のスケジュールを全部入れたら書き下ろし8冊&連載1本になってしまった)    今度入院したら後がありませんので無理しないようにしなければならないのですがこのままでは近いうちに再入院でしょうね。  専業作家になろうかと本気で考えている毎日です(笑)  決断したら温泉OFFに参加させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- もらったのは折詰だけではありませんでした。 No.6210 投稿日 2003年2月19日(水)23時06分 投稿者 弟切 千隼 昨日から体がだるいと思っていたら、今日の午後から熱が出て、頭がくらくらしている弟切です。 お葬式で風邪ももらってきてしまったようです。 >>「好きの言葉」と「プロポーズの言葉」 お間抜けな弟切は、最初、「プロポーズの言葉」は、「好きの言葉」のちょっと特殊な形態かと思っていました(^^; しかし、考えてみれば、政略結婚でもない限り、好きでもない相手と結婚しようとは誰も思いませんよね。通常、「プロポーズの言葉」を言う相手は、「好き」であることが大前提です。 よって、「プロポーズの言葉」は、「好きの言葉」の延長線上にあるとはいえるかも知れませんが、別種のものです。 ただし、好きでもない相手と結婚する場合にも、「プロポーズの言葉」を言う場合はあるでしょう。この場合は、形式としてのプロポーズの言葉ですね。 >>「シークレット・ミーン」リライト削り わあ、ありがとうございます(^o^)  弟切は文章力もへたれだと自覚しているものの、自力ではどこをどう直していいかわからないため、この機会に、風輪さんの力を借りて勉強させていただきます。 風輪さん、遠慮せずにがりがり削ってやって下さいませ。 >>食事をしたくなくなる時 弟切が食いしん坊であることは、ここを読んでいる皆さんにはもうおわかりでしょう(^_^) けれども、そんな弟切でも食事をしたくなくなる時があります。それは仕事が忙しい時です。 これは、「食べるのが好きな人が、食事をする時間を惜しむほど忙しい」という形で、忙しさを表現する時に使えますね。 ちなみに、この点、弟切はかなり極端です。食べ歩きを喜んでするくせに、食べないとなると十時間以上食べずに働いていることがあります。 忙しさが高じてくると、自分が空腹であることも感じなくなって、血糖値が下がりすぎて目まいがしてきてから、「そういえば、私ってしばらく食事してないっけ?」と気づきます(笑) >>好きの言葉・男性版 苦手ならよけい修練を積まなければなりませんから、出します。 19.「期待させやがって」 20.「いつも何か食ってるよな」 21.「いい加減な男でごめん」 22.「いいから貸せ」 -------------------------------------------------------------------------------- あぐぐ。 No.6211 投稿日 2003年2月20日(木)01時06分 投稿者 羽矢野 ●ミーンのリライト  何か、自分の読み返すのが怖い。  今日は馬宮さんの一読した感想を。 1.漢字のひらきと句読点の位置がおかしい部分が多い。 2.サリーシャ、彼女、女と三つの表記があるのだが、その使い方がおかしい。   女 → サリーシャ → 彼女 ならわかるんだけど。   サリーシャ → 女 ってのは。   カルメイルは女がサリーシャだと知ってるので、女という表記はおかしい。 3.灯りがサリーシャの持ってきたもの一つにしては、カルメイルははっきりと見えすぎているみたいに見える。   途中でその灯りの所在が不明になるので、余計。 ●視点 >>寝台の上の蝋燭立てが、床に転がり落ちた。 >>その後を追うようにサリーシャの手から落ちたものが、消える寸前の炎に照らされる  まだちゃんと見てないけど、ここが一番視点でおかしく感じました。  引っかかった。 ●紫杯  こっちで挽回しよう。  とりあえず、四分割と十六分割したのであげときます。 -------------------------------------------------------------------------------- 書いてます No.6212 投稿日 2003年2月20日(木)03時31分 投稿者 紫ゆきや  小説を書いているときは楽しいです。  なかなか進まないんですけどね(^^; ●ミーンリライト ◎どれがいちばん面白かったか。  弟切さんの「三人称女性寄り視点」ですね。  ただ、361番「リライト削り」は、急かされているような印象を受けました。「溜め」が無いっていうか。  355番は余分な言葉は多いんですが、じんわりと楽しめました。 ◎どれがいちばん目が離れずに読めたか。(投げ出したくなって、その先義理で読むことになった地点が、遅かったのはどれか?)  弟切さんの「リライト削り」ですね。  馬宮さんのは、「鍛えあげた五感」で目が離れました。  どんなふうに鍛えあげたのか、想像つきません。  羽矢野さんのは、「彼女はカルメイルに微笑むと、自分の体が通る最小限だけ扉を開け、部屋へと滑り込んだ。」で目が離れました。  複数の情報を一行に詰め込むのは、羽矢野さんの悪い癖だと思います。 ◎どれがいちばん「エロ」かったか。  弟切さんの「三人称女性寄り視点」です。 >> サリーシャはぐいと左腕に力をこめて、ふくよかな胸をカルメイルに押しつけた。何か言いかけた彼の唇は、熱くうごめく唇でふさがれた。  この部分。ふくよかな胸ですよ。イイカンジですね、とか思いました。 ◎どれがいちばん突っかからずに読めたか。(読書の視線が止まって、読み直しが入った、という意味ね)  弟切さんの「三人称女性寄り視点」……と言いたいとこですが、羽矢野さんの「完全客観視点」です。  弟切さんのは、難しい漢字が多いもので(^^;  羽矢野さんのは、私くらい本を読み慣れてない人にも優しい漢字率です。 ◎あとなんか自由感想。 >馬宮さん  1行目なんですが、 >> カルメイルは床がきしむ音に気づいて、枕元の剣に手をのばした。  一番目の離れやすい1行目に情報が多すぎではないでしょうか。 ・床がきしむ音 ・音に気付いたカルメイル ・枕元に剣 ・剣に手をのばした  こんだけありますと、私などは「目で追ってるだけで頭に入らない」状態になってしまいます。 >開く、開かない  やはり指摘されていますね。私も気になりました。  私も以前に、同じ指摘を受けたんですよ。  これについては、たくさん書けば、そのうち慣れると思いますよ。  馬宮さんのペースなら、すぐでしょう。  書き終わってから見直すときに、「誤字が無いかな〜」ではなく、「この言葉は開こうかな〜。むしろカタカナかな〜」とか見ていくといいと思います。誤字も減ります……たぶん。  がんばってくださいませ。 ●紫杯  なんだか大変なことになっていますね。  私のほうは……えーっと、面白いものを書けるよう、がんばります(^^;  競作用のツリーに、「あらすじ」をUPしておきました。  これまでに書いたぶんも、今夜中にUPしておきます。  むろん最後まで書いたらリライトします。  みなさんの書く短編も楽しみです。  あらすじが、どんなふうに解釈されるのか、とっても興味ありますし。  そうそう、キャラの名前ですが。  いちお、フルネームを書いておきます。 ・鬼怒川 翔子(きぬがわ しょうこ) ・若宮 葉月(わかみや はづき) ・姫路 愛美(ひめじ まなみ)  ――ただ、あくまでも今回の課題は、「あらすじ」だけがレギュレーションですから。  キャラクターの性格が違えば名前も変わるのが、当然かなとも思うのですね。  しかし、キャラクターの名前が違ったら別の話なのかもしれません。  「キャラ名変更の可否」は、新木さんに判断をお願いしたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題 No.6213 投稿日 2003年2月20日(木)08時36分 投稿者 馬宮 >あらすじ課題  リテイク可のあらすじ「親友から預かったラブレター500字あらすじ」と、「オナラ」のあらすじの削って500字にしたのを課題部屋にあげました。   >紫杯  起承転結の四分割と十六分割を課題部屋にあげました。プロットは今作成中です。  すみません、364〜367を作った後、課題部屋で更新ボタンを押したら368に「馬宮あらすじ」がもう一つできてしまいましたので削除しました。  頭の中がまとまっていないので、レスは次回にまわします。 -------------------------------------------------------------------------------- 七転八倒 No.6214 投稿日 2003年2月20日(木)20時56分 投稿者 風輪 玲 >弟切さん  事後承諾となりましたが、削ったものを課題部屋にアップしておきました。  こちらこそ、勉強させてもらいました。  お礼というか、指摘をひとつ。  本文中の「蜜蝋」。  これ、読者の知らない単語と思われます。知名度が低い、というか。  漢字を読めば、なんとなく理解できますけど。  実物がどういうものであるか、知っている読者は限られるのではないでしょうか? >新木さん  本当にすみません。  遅まきながら、気付きました。  削りカス=灰色の文章、ってコトに。  弟切さんのリライトを削っているとき、既視感を覚えました。  そこで、記憶をたぐっていって気付きました。  過去ログのNo.3864〜3865で、ちゃんと解説されていました!  削りカスをアップしろ、との意図はそこにあったわけですね。  ログを読んでおきながら理解できなかったのは、私の責任です。  自作で削りの実演をしてもらって、初めて納得できる「下地」ができた──との状況は情けないです。  エサを消化してから、冒頭シーン増量作業にかかります。  ログを読破するとき、重要な部分についてはメモを取りながら読みました。  が、「重要だと理解できなかった部分」については素通りしてしまった模様。  ……不覚です。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6215 投稿日 2003年2月21日(金)00時21分 投稿者 光来 唯  ミーンリライト指摘、バイトのわずかな合間にできるようにと印刷したはいいけど、持ってくの忘れた。  気付いたのが家を出て5分後だから戻れなかったし……電車に遅れちまうから。  で、こういうときに限ってけっこう多めに余裕ができたりする……うまくいかないものです(汗) > あと、「自分をひとりの女の子として見てくれた」ということをやめにして、「諒に興味を持つようになるきっかけ」でやっているようだけど。 > これだとフラグは立たないのだけど、それでOK? > あとでもう一回、「興味を持つようになる」→「好きフラグが立つ」と変化するイベントを入れるわけ?  OKとは言い切れないけど、でもダメとも言いきれない。  もともとこのアイデア出しは、『諒でなければならない理由』なわけですから、「興味を持ったから」でもそれほどの問題はないわけです(その場合、別の場所で好きフラグを立たせる必要があるのはわかっています)。  アイデア出しの初期のパターンもそっちだったですから。  ですが、この回想シーンで「好きフラグ」を立たせられるのであれば、そうしておいた方がいいのは間違いありません。  ですから今回は、「女の子として扱う」を含めたパターンを出してみます。 > しかしどこに書くつもり? 回想シーンが2回あるわけ? あの短編の中に?  長いことかかっているんで仕方ないですけど、短編じゃないですよ。  もう長編ということでやってきてます。  >「女の子として扱う」を含めたパターン  前回のアイデアでは「女の子として扱う」を含んでいないものばかりですが、その中でこれだけは少し手を加えれば「女の子として」のパターンにも変化可能かと。 >・結衣は諒をなかなか正面から見られず、描きあがるまでに時間がかかってしまう。 >その間に諒の絵はできてしまい、暇を持て余す。諒は完成した結衣の絵に適当にいろいろなものを書き加えては消すのを繰り返していた。 > その中のひとつに、結衣の頭に大きなリボンをつけたものがあり、結衣はそれが気に入っていた。  ここで、諒の書き加えていたものがすべて「女の子をイメージできるもの(リボンの他、花やアクセサリーなど)」であったことにします。  すると、結衣の目からは諒は自分を女の子として見ている、と見て取れるわけです。 >追加 ・男の子を正視することになれてない結衣はなかなか描き終えられない。その間に諒は終えてしまったのだが、結衣が終えていない以上、席を立つことができずにいた。 暇になった諒は美術の教科書を眺め、何かに気付いたかのように別の絵を描き始める。 それは、ドレスの絵で、描き終えた結衣の絵に組み合わせることで結衣を『ドレスを着た結衣』に変えられるものだった。 ・絵を描き終えた諒は、同様に終わった友人達と話し始める。 そのうち友人の一人が自分の描いた絵にひげを描き加える。まねをして手を加え始める友人達。諒も「結衣の絵」に何か付け加える。彼もふざけて何か変なことをするのだろうと、結衣は見ていた。 その絵を見て結衣は驚く。「結衣の絵」の唇に薄く赤く塗られ、口紅が塗られたかのようになっていた。 ・授業中に描き終えられなかった結衣は宿題にされる。だがスケッチブックは簡単に家に持って帰ったりできるものでもないため、残って描くことにする。  ひとり教室で描いている結衣だが、諒の顔をちゃんと思い出せずになか手がすすまない。そこへ部活を終えて教室に諒が一度戻ってくる。  諒は結衣の姿を見つけると、女の子があまり遅くなってもいけないから(本心では自分がモデルなのだかで結衣が残っていることにちょっと後ろめたさを感じ)、と結衣を手伝う(普通にモデルとしての他、わずかながらのアドバイスも含めて)。 ・時間内に描き終わらなかった生徒は描き終わるまで残ることに。結衣と諒も残っていたが、結衣のほうがなかなか描き終わらず遅くまでかかってしまう。学校を出たときにはすでに外は暗くなっていた。 さよならだけを言って帰ろうとした結衣に、「女の子をひとりで返すわけにもいかないから途中まで送っていく」と諒は言い、途中までついてきたのだった。 >>なんかうまく書き上げられる自信あまりない気がするし〜。 > これ、客観的に見てみると、参加しない理由にはなっていないような気が(笑)。 > 成功させられる自信がないから――っていうのは、チャレンジしない理由にはなるまい? > 仮に失敗したとして、「自尊心が傷つく」以外のどんなデメリットが生じるのかしらん?  失敗するのは別に恐れてないです。  ただ他の人が皆終わってしまうまでに書き終えられるか自信ないだけ。  時間的というより精神的余裕が出てくるまでもうちょいかかるから。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日はもう少しできるな No.6216 投稿日 2003年2月21日(金)00時45分 投稿者 羽矢野 ●弟切さん  では、自分のを棚上げして、人様の感想を。  読んで、みんながこれが一番だというのが納得。  一番気になるのが、やっぱり薄いことかなあ。  余分な部分が多い。  どこが?  ってのは、ちゃんと削ってみないと言えないけど。  あと、漢字比率がかなり多いですね。 >>振りかけてきた香水のなまめかしい効果を、彼女が計算しなかったはずがない。  内面に近づいてから、いきなり外からになって、ちょっとビックリしたり。  こういう部分が何カ所か。  詳しくは、また次に。 ●紫杯  プロットあげます。  ただ、どこまで進んでいるかの報告の意味ということなので、自分語いっぱいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 杉花粉襲来 No.6217 投稿日 2003年2月21日(金)01時17分 投稿者 弟切 千隼 毎年恒例、杉花粉の季節がやってまいりました。弟切の花粉症の症状も順調に始まっています(;_;) 杉花粉なんて無害な物に、いちいち反応しているんじゃありません > 私の免疫系。 >>「シークレット・ミーン」リライト削り 風輪さんが削って下さったものを読みました。 なるほど、これだけ削っても意味はきちんと通じていますね。紫さんがおっしゃっていたとおり、さらさらと読みやすくなって、いい感じです。灰色の文がない文章とは、こういうものなのですね。 ただ、紫さんが「溜めがない」と指摘されていたとおり、元の文章に比べると「じっくり感」がありませんね。それを入れるには、ここからまた増量しなければならないのでしょう。 うーん、しかし、ここから増量するにはどうしたらいいのか、今の弟切には見当がつきません(^^; 削り後の文章を初めて読んだ時、「おお、文章が引き締まってて格好いい、このまま行けるじゃないの」と思ったくらいです。 風輪さんへ > リライト削りと御指摘、ありがとうございました。 蜜蝋については、私も使うべきかどうか迷いました。おっしゃるとおり、多くの日本人にとって、蜜蝋は馴染みがないと思われる物だからです。 結局使うことにしたのは、「蜜蝋」という漢字から意味が推定できそうだという理由と、現代日本ではない異世界の雰囲気を出せる単語だという理由からです。「みつろう」という言葉の響きもなまめかしい感じがして、エロティックさを出すにはいいかな、と思いました。 羽矢野さんへ > 「シークレット・ミーン」リライトの、少し詳しい指摘をさせていただきます。 「少し詳しい」指摘としたのは、第一行で脱力して以降、ずっと違和感が付きまとってしまって、精読ができなかったからです。 まず、大ざっぱな印象として、小説というより、脚本を読んでいるような気がしました。 完全客観に徹しようとするあまり、カルメイルとサリーシャの行動を「説明」しているト書きのような文が多くなってしまっていて、「描写」がほとんどありません。そのため、全体的に味気ない雰囲気になってしまっています。 それから、台詞と地の文とが合っていないとも感じられました。 第一行からして「これってギャグ小説かしら?」と思わせる台詞ですよね。それ以外にも、例えば、 >>「サリーシャ? ……何のようだ」 という台詞のすぐ後に >>カルメイルは鋭く眼で睨みながら、訪ねた。 という文が来るのは、おかしいです。 台詞で「?」を使っているということは、この台詞を発したカルメイルは、サリーシャがここに来たことを、多少なりとも不思議に思っているということですよね?  なのに、そのすぐ後に書かれているカルメイルには、不思議そうな様子が微塵もありません。彼女がやってきたのは当然のこととして、まるで尋問しているかのようです。これは明らかに台詞と食い違っていますよね? さらにいえば、上に挙げた文にもあるとおり、「漢字を開く/開かない」や、漢字の使い方が誤っている部分も見受けられます。 「何のようだ」は「何の用だ」としなければ、「〜のようだ」という比喩表現と紛らわしいですし、「訪ねた」では「訪問した」という意味になってしまいますから、「訊ねた」にすべきです。 馬宮さんへ > 今は短編課題のほうに力を注いでいるようですから、「シークレット・ミーン」リライトの指摘は後回しにして、課題のあらすじに突っ込みます。 えーと、弟切も趣味が偏っているほうですので、これは私の個人的な好みによる感覚かも知れませんが……「親友から預かったラブレター」のほう、どこが面白ポイントなのかがよくわかりません。 「三角関係」が売りになるのはわかります。三角関係のごたごたって、傍から見ている分には面白いですものね。 「この二人っていい組み合わせだと思うけれど、こっちのこの人もいい人だから幸せにしてあげたいしなあ……うーん、この先はどうなるんだ?」と、どきどきしながら読み進められるのが、「三角関係もの」の売りでしょう。 結果として、一組のカップルが成立して、一人が泣く泣く諦めるけれどもその人もそれなりに幸せになるか、カップルはできないけれども三人とも友達としていい関係になるか、どちらかですよね。 でも、現在のこのお話ですと、カップルは成立せず、しかも二人の女の子に挟まれた男の子が嫌なやつに見えてしまって、後味が悪いです。 だって、心をこめて書かれたであろうラブレターを、破り捨てるんですよ? 友達思いの女の子でしたら、この時点で怒り狂いませんか? 丸美は、自分でラブレターを渡せずに友達に頼むくらいですから、おとなしくて引っ込み思案の女の子ですよね。で、恋の仲介を頼まれる夏樹は、活発で姐御肌というキャラクターのはずです。 そういう姐御肌の女の子が、目の前で親友のラブレターを破られて、黙って逃げ出すとはとても思えません。また、おとなしいはずの丸美が、急に夏樹を守るようになるほどのきっかけがあるようにも見えません。キャラクター造形的にも矛盾していると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 文章を削って足すということは…… No.6218 投稿日 2003年2月21日(金)17時40分 投稿者 鷹見一幸  盆栽って知ってるよね。  やったことはないだろうけど、盆栽師の作り上げた盆栽くらいは見たことがあると思う。  余談だけど「植木職人」と「盆栽師」の違いは知っているよね(ちょっと不安だ)その違いは、「あれ?」と疑問に思った人に自分で調べてもらうことにして先に進むけど。  植木ってのは、ほったらかしておくと野放図に枝を伸ばす生き物だ。  それこそ自然の生き物なんだからそれが当然なんだけどね。  そういった自然にまかせて野放図に枝を伸ばした植木が、いわゆる初心者の書く文章ってヤツだな。  書きたいこと全部書いてる。いや、書かなきゃいけないものだと思い込んでいる。  たった一言で済む、枝葉末節(まさにこの枝葉末節ってヤツだよな。これ、実に的を得ている)の部分まで、事細かに言葉をひねくりまわして書こうとする。  それが「描写すること」であり、より精密に書き込むことが「写実的な描写」だと信じている人が多い。  ときたま、本当にときたまだが、こうやって野放図に伸ばした枝が偶然にも見栄えがいいという木があったりするから、世の中には野放図に自然のままに枝を伸ばした方が伸び伸びとした木になる、そっちのほうが価値がある。何て思い込んでいる人もいるみたいだけど、そういうのは本当に偶然だよな。    話は突然変わるが「柘植」(ツゲ)という植木を見たことがあると思う。  生垣や庭園には必ず植わっているポピュラーな木だ。  こいつは、実に細かな枝と葉を持っていて、ほったらかしておくと樹形もわからないぐらいに密生する木で、年に何回か剪定する必要がある。    でも、庭園に植わっているツゲの木はすっきりとして、枝の先に丸く葉を茂らせただけの実に姿のいい木になっている。  野放図に枝を伸ばして、もじゃもじゃに葉を茂らせたツゲの木に商品価値は無い。  しかしすっきりと枝を伸ばし、枝の先にだけしっかりと葉を茂らせたツゲの木は数万数十万の値が付く。  文章を削るというのは、この「もじゃもじゃに葉を伸ばした枝」を刈り込む作業のようなものだと思うんだ。  メインとなるストーリィは木の幹だ。  幹から伸びる枝がエピソードだ。  そのエピソードの枝の先に文章と言う葉が付いている。    これら全体を「小説」として捉えるなら、やはりメインはストーリィという幹と、エピソードという枝になる。  幹と枝だけの枯れ木で、たとえ葉がついていなくてもそれが「木」であることはわかるだろう。  しかし「葉っぱ」だけや、幹の無い「草」のようなものを見せて「これは木です」と言っても納得はしてくれないよな。  木を見せたければ余分な枝葉を切り落とさなけりゃならない。    ここから文章の話になる(前置きが長いのは年寄りの証拠)(笑)  つまり、一つのシーンを書こうとするのなら、まず目標を決める。  一番描きたいこと、いや、書かねばならないことだな。  たとえば 『邪神戦線2062(序)』だとしたら主人公の置かれたシチュエーションだろうね。「ここはどこ?私は誰?」ってヤツだ(笑)  あくまで序章に過ぎないのなら、この二つだけを説明するだけで充分なんだよね。  あれもこれも言いたいだろう。  書きたいことは一杯あるはずだ。  なんせ作者の頭の中には、書こうとしている世界は一つ丸ごと入っているんだからね。  でも、がまんする。(笑)   なぜなら、それは不可能なことだからだ。  今、俺たちが生きているこの世界。地球全体なんて範囲じゃなくていい。  自分が住んでいる街や通っている学校や職場のことを説明しろと言われたとしよう、事細かに説明したらどれほどの情報量になると思う?(笑)  文章を削ると言うのは「なくてもいい部分」をすべてそぎ落とすことを言う。つまり「書いてなくとも意味がわかる」のなら、それはいらないと言うことだ。  そういった、いわば文章というものの基本。つまり「そこで何が起き、どうなっているのか」という情報を読み手に伝えることができる文章を書くことが、まず初心者に必要なのは言うまでも無い。     なぜなら文章書きの初心者には基本的に「情報の取捨選択能力」という能力が欠けているからだ。  絶対に落としてはならないもの。(いるもの)  絶対に書かなくてもいいもの。(いらないもの)  この判別がつかない人間が書いた文章は実に読みにくい、何が言いたいのかわからない文章が多いからだ。  だからまず、削るだけ削って「いるもの」だけで文章を組み立てることを勉強する必要がある。  ライター仕事の基本はまずこれから始まる。  こういったことを書くと「ライター文章」と言ってライターの文章を蔑むヤツが必ずいる。でも、そういうヤツにかぎってライター程度の文章も書けないんだよな。  そもそも文章で金をもらった事も無いしもらえそうもないようなヤツに限ってライターを蔑むのはなぜなんだろう?    話がそれた(笑)  さて「いるもの」だけで文章を組み立てることができるようになると、ここに、「いるもの」でも「いらないもの」でもない「どうでもいいもの」という部分が出てくる。  こいつの扱いは実に難しい。これのさじ加減一つでその文章の位置が決まる。  こいつがいわゆる文章の「個性」という部分だからだ。  多すぎると「クセ」の強い文章になる。  その「しつこさ」を好む人間もいるから一概に「捨てろ」とは言えない。  こればかりは自分で決めていくしかない。    そうやって削りに削った文章によって作られた「物語」は、実に淡白な物語になってしまう。  だからここで「濃い物質」を投下しなくちゃいけない。  その「濃い物質」というのは作者の想いだ。  その物語で一番言いたいこと、一番の見せ場。  そこにこそ「書きたいことをぐつぐつ煮込んで蒸留させたエッセンス」である作者の想いを投下する。   作者の想いが込められた文章と言うのは人を選ぶ。  少女小説というジャンルを読めばわかる。  あれは作者の想いだけを並べて書いたようなものだ。  だから実に濃い。でも熱狂的なファンが付いていることが多い 「特定少数」の中の「不特定多数」を対象に書いているのだから当然だがね。  まあ、そういえばライトノベルも似たようなもので、読者は若年層に偏っているが、それでもエリアは広い方だろう。  俺の読者は上は50代、下は小学生くらいだ(どっちもごく少数でイレギュラーの範囲だとは思うが)    話がそれた。 「作者の想いを込めた文章」というのは実に「濃い」と言う話だよな。  たとえ改行だらけでも、その部分は濃い。  逆に言うなら濃いがゆえに短いセンテンスで改行しなくちゃならないのかもしれない。  そして投下されたその「濃さ」と削った文章の「薄さ」があって、初めて一枚の絵が出来るわけだ。「物語」という絵が。     茂った葉とすっきり伸びる枝があって初めて盆栽になるのと同じだよ。 (ほら、ちゃんと前置きに戻ってきた)(笑) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6219 投稿日 2003年2月21日(金)22時58分 投稿者 新木 伸 >紫杯 >>「キャラ名変更の可否」は、新木さんに判断をお願いしたいと思います。  だから、あの「あらすじ」でもって、話を書くんだってば。  キャラ名は出てきてるんでしょ? あらすじの中に。  ならそれも固定でしょう。  それに名前が変わるってことは、それは性格も変わるってことで……。つまり別人になるっていうことだぞ。 >馬宮  「親友から預かったラブレター(リテイク)」  ボツ。  これリテイク条件満たしてないじゃんか。  ……と言いたいところだか、もう一回だけチャンスを出すか。  男女を入れ替えろって言ったわけだな。  悩まない側と悩んでいる側。その役割を交換して、悩んでいる側を主人公に持ってこいってことね。  違う話にしろとは言ってない。  いまの話って、まんま、「自分が守ってあげていた親友から、逆に守られるようになる女の子」の話じゃんか。  友人からのラブレターの配達を頼まれた女の子が、渡した相手がじつは自分のことが好きだったと知って、そして色々悩んだあげくに、心のこもった直筆ラブレターを書くことになるわけだろ?  その部分の展開はどうした?  なぜラストシーンが、「直筆ラブレターを渡す夏樹」ではなく、「脇坂を怖がっている夏樹」なんてものにすり替わっているのだ? どこをどう間違えたら、こうなった?  いや、答えんでいいから、ラストが「直筆ラブレターを渡す夏樹」にしてあらすじを書いてこい。現物で示せ現物で。言いわけも理由の説明も原因の解明もいらん。現物があればいい現物が。  次。ラストチャンスだぞ〜。  つぎでちゃんとなっていなかったら、これはボツで、すっぱり忘れて、また新しく他のやることになるぞ〜。  せっかく面白そうな話なんだから、きちんと仕上げて、形にしてやれっての。  それができるのは作者であるお前だけだ。こんな半端なままじゃ、この話が可哀想だわ。  しかし馬宮、お前に与えられているのは次の「1時間」だけだぞ。 >風輪さん  弟切さんのアレは、まだまだ削れそうな具合でしたか?  それとも、あそこまで削るのはかなり苦しかったりして……。もう数行ほど増量して良いなら、趣を出せたりして、良い具合になるような感じでしたか?  もしどちらかであるなら、さらに削るか増やすかして、「適正量削り版」ってのをよろしく。  自分の物だと、削るのは痛くて大変でしょうが……。  人のモノだと、ひどく冷静に削れるものでしょう?  プロっていうのは、皆、それが出来るわけです。  あたかも他人の文章であるかのように、自分の文章を見ることができるわけです。  天性で出来てしまえる人もいれば、修練で出来るようになった人もいます。でもアウトプットはどっちだって同じことです。 >灰色の文章とか  これ、灰色の文章って言葉でなら、3回くらい話題に出ているかな。  はじめが魚住君の時。(このとき僕とみやびさんとは、皆が、不要な文章が灰色に見えていないということを初めて知った。皆に「必要な文章」と「不要な文章」との見分けが付いていないということ。杉井光の家に行って、目の前で削りの実演をしてやったときに、初めて知った)  そして羽矢野君には、詳細にやっている。  これ、課題部屋のほうに、「イントゥ・マイセルフ」の初稿から順に、一段階ずつ削っていったサンプルがあったりしたんだけど……。残念なことに、当時のログは飛んじゃっているのね。FTPソフトの操作ミスで僕が吹っ飛ばしてしまいました。ごめんなさい。(まあ課題部屋のものは、いつ吹っ飛んでも問題ないものばかりなんだけど) (誰か保存して持っている人、いない?)  4539あたりには、色付きで出てます。  また4545あたりで、「灰色の文章の見分け方」が書かれていたりします。  しかし、やはり過去ログで読んだだけでは、皆、自分とは関係のない話題として素通りしちゃうのだなぁ。  自分の書いているものはもちろん無駄のないものであって、なにか新木が削りのことについて書いているようだけど、それは自分とは関係のないことであるわけであって、だから気にしなくてよい……とか。  自分に対して行われていない指摘は、なかったものとして扱われる。そういう仕組みがあることは、最近、学習してきました。それが「現実」であるなら、受け入れることはやぶさかではないです。  いい機会なので、ひとつ、書いておきますか。  この分室をROMしている貴方。  ――そう、そこの貴方のことです。  貴方がアマチュア作家ですか? はいそうですねアマチュアなわけですね。  ちなみにここでいう「アマチュア」というのは、「プロ作家」ではない、すべての作家のことを指します。「僕は投稿歴長くて、しかも最終選考まで行ったこともあるから、ただのアマチュアとは格が違うんだよ〜ん」と、思っている貴方。――そう、そこの貴方もです。  貴方も「アマチュア」です。それ以外の何者でもありません。よって貴方も当然ここでいう「アマチュア」に含まれています。  貴方の書かれている小説は、半分以上、無駄なものが混ざっています。それは削ってしまったほうが良くなる類のものです。  貴方がアマチュアであるがゆえに、それは確実なことなのです。  試す気があるのなら、削ってみましょう。15分やそこらで出来るはずです。もしかしたら一生が変わるきっかけになるかもしれません。そう思えば15分の手間はたいした苦労ではないはずです。  自分の書いた作品から、「いちばん無駄が少なくて完璧」であると思っている箇所を、数ページ分ぐらい抜き出してきます。  それを、とにかく半分になるまで削ってみましょう。  そして見比べてみます。  削る前と、削った後とでは、どちらが良いのか?  ここでもし、自分の目で「削る前のほうが良い」なんて結果が出たとしましょう。  しかしそこで終わらないように。  貴方の「自分の目」は、とても信頼に足りるものではありません(それは貴方がアマチュアであるが故に)ので、誰か他人の目を借りてみたほうがいいでしょう。自分と同程度の腕を持つ人間に、黙って両者を差しだして、そして検分してもらいます。  ここでもし、「削った後のほうが良い」ということになったのであれば――。  貴方はアホタレでした。――これまでは。  そしてこれから書く小説は、すべて「半分に削る」という段階を踏まえることになるでしょうから、見違えるようなものを書くことができるはずです。――実行するなら。  以上です。推定300人はいるはずのROMさんに向けてのメッセージでした。  まあこのくらい書けば……。  ROMさんのうちで、「15分の手間」を惜しまなかった――まあ1人か、良くて2〜3人ぐらいは、試しに実行してみて、その効果に「おおっ」とのけぞり、今後もずっと完全に身に付くまで、「削り」の習慣を持つことになる……のかもしれない。どうなるかまで、僕は知らん。  まあ分室に来たなら、これについては一応は「教授」するつもりなんで、実行したかどうかまで、責任もって見てあげられるけど。 (いっぺん教えた後に、再び灰色の文章が混入しているようなら、「バカ野郎が」と言って尻を蹴飛ばしてやるだけ。実際にやっているかどうか気に掛けてチェックする。それをもって「教授」するという) >光来さん  あ、そっか。いま長編だっけ。  あと「諒でなければならない」で最低条件クリアっていうのは、了解。好きになるのは本編中でもいいわけだし。(むしろそっちのがいいのか?)  しかし「女の子として扱う」というネタを出すにあたって……。  まず「女の子ってなによ?」という部分を定義しないとならないんじゃないの?  大きなリボンを付けてるのが、女の子なの? または花やらアクセサリーを付けていたり、ドレスを着ていたり口紅を塗っていたりするのが、それ、女の子っていうもの?  なんっーか、それ、浅薄です。  発想が非常に浅くて薄い。  女の子って、なによ? その本質は?  あと、結衣は「○○として扱ってくれた」ということに感激して、諒を自分にとって特別な人間として認識することになるわけだよね。  この「○○」に入る部分は、おそらくは結衣のコンプレックスになっている部分だと思われる。  それは「女の子」でいいのかな?  自分は「女の子じゃない。女の子っぽくない」ということに、結衣はコンプレックスを持っているわけ?  なんか、微妙にズレている気がするんだよね。  ズレたまんまネタ出しをやっていても、出てきたものもズレているから、使い物にならないよ。  結衣のコンプレックスの正体は、いったい、なによ?  あと、もうひとつ。  肖像画を描くことから外れて、「女の子として扱ってくれた」ということをやるのであれば、なにも絵を描かせる必要はありません。「遅くなったから送ってゆく」とかは、それ、絵を描かせるネタでやることじゃないです。(それ単体で使えるはず)  絵のネタでやっているのなら、あくまで、絵が必須のネタにしないと。 >弟切さん  蜜蝋のことが話題にのぼっていたので、その部分だけ検索してみてみたけど。  ダメじゃん。  わざわざ「蜜蝋」という言葉を使う意味がない。  いちばん締めの部分で「蜜蝋の罠」という使いかたをしているわけで、エロさの結びに使用していると思われるが……。  まず「蜜蝋」を知らない人間には、「○蝋」と読めていることを念頭に置いて物を書いていない。何度も何度も「蜜蝋」と繰り返して使っているけど、あれ、ぜんぶ「○蝋」と読めているわけだよ。単なる「蝋」と書いてあるに過ぎないわけ。  あれだけ回数を使っているなら、蜜蝋を知らない人間に、蜜蝋がなにかをイメージさせることもできるはずだ。  蜜蝋に付属して、性質を説明している語句を抜粋してみる。  蜜蝋とは……。  上質の口紅に混ぜるもの――らしい。  体温で溶けるもの――らしい。  甘い香を放つもの――らしい。  とろけてねっとりと粘るもの――らしい。(ねっとりと粘るは同義語だ。繰り返しの意味がない)  ナゾナゾかよ?  蜜蝋がなんなのか、さっぱりわからん。  4行も書いておいて、説明しきれていないわけだ。  弟切さんのことだから、まさか勘違いしているはずはないと思うが……。  蜜蝋って、なんだか、知ってて使っているよね?  融点60度なんだけど、わかってる? -------------------------------------------------------------------------------- 刃物と文章は研いで使え No.6220 投稿日 2003年2月22日(土)01時05分 投稿者 弟切 千隼 鷹見さんへ > 植木と盆栽の譬えは、弟切にはとても解りやすいものでした。どうもありがとうございます。 父親が植物栽培を趣味としているため、弟切の実家には鉢植えの植木や盆栽がたくさんあります。そういう環境で、小さい頃から植木にも盆栽にも馴染んでいるために、弟切にはすんなり理解できたのだと思います。 蛇足ながら、植木と盆栽の譬えに追加させていただきましょう。 盆栽の形を整えるために、人間が枝を切り詰めることはできても、人間が枝を生やすことはできません。枝を生やすこと自体は、植物任せです。 人間にできるのは、植物が生やした「いい枝」をうまく生かすように、余分な枝を切ることだけです。 文章もこれと同じですね。他人が余分な文を切り詰めることはできても、その作者ならではの持ち味は、他人が付加できるものではありません。 長所を伸ばして自分の持ち味とするのは、作者自身にしかできないことです。 父が言うには、「いい枝」が伸びる前には、その枝が伸びる方向に必ず太い「いい根」が伸びるのだそうです。「いい枝」を生やして支えるには、「いい根」がなければいけません。 何事も、土台がしっかりしていなければ大成はできないことになっているようです。 弟切はとても修練が足りないので、まず根っこから作ります。 しばらくは、「書いてから半分に削る」作業が必要でしょう。 ちなみに、ツゲは「柘植」という漢字名で書かれることが多いものの、本来は「黄楊」という漢字名のほうが正しいそうです。 >>蜜蝋問題 これは、確かに私の使い方が安易でした m(-_-)m 中途半端な使い方をして読者さまを混乱させるくらいなら、最初から使わずに済ませるべきですね。 風輪さんが削ってくれた版を改良して、「蜜蝋を使わない版」と、「蜜蝋が何なのか最低限わかる版」を書いてみようと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6221 投稿日 2003年2月22日(土)16時59分 投稿者 新木 伸 >文章の削りとか  鷹見さんの話は、とてもためになるのだけど。  また例によって、「下」を見ていない部分があるので、皆のために補足しておきます〜。  僕は昔、「文章のレベル」として、ひとつの指標を書いたことがある。そこに改訂して、今回、こんなものを書いてみる。 0.削ると無くなってしまうもの。(論外) 1.半分もしくはそれ以上、削らねばならないもの。(大幅に足す必要がある) 2.若干削る必要のあるもの。(削った分ぐらいを足す必要がある) 3.削る必要はないが、足すことはできるもの。 4.削ることも足すこともできず、その形で完成しているもの。  鷹見さんの植木の話、剪定の話――などは、この「2」より上での話をしているわけね。  まだ自分が0と1の段階にいる人は、おそらく、話はちんぷんかんぷんに聞こえているはずだ。  弟切さんの文章は、削っただけでおおねね使えそうなのかな? まだ見てないからよくわかんないけど。  たぶん、2あたりなのだろうね。削っただけだと、まだちょっと足りない。かといって大幅に足すほどでもない。多少増量する必要がある――くらいのあたりか。  鷹見さんは2より下での話ができないのだ。  削ったらなくなってしまうものがあることを、想定できない。  可能なかぎり最大限の歩み寄りをして、レベルの低いところでの話をして、それでも「2」のレベルより上での話になってしまうわけね。  弟切さんが理解できたのは、「2」に近いところにいたため。  あと風輪さんも、1よりは上にいるはずなので、頑張れば理解可能であると思われる。  風輪さんは、「臥竜、天を舞う」とか「乳粥(スジャータ)」の頃は、間違いなく「0」相当のものを書いていた。で、今回の「邪神戦線」ではようやく「1」には届いたわけ。だから削ってみたわけです。  「0」のものに手を付けてしまうと、すべて削って捨てることになる。そうするとなにも残りません。  ちなみにプロは、初稿の段階で、だいたい「3」の原稿をまず上げている。人によっては「4」を上げてくる人もいる。  書いた文章が、初めからいきなり「3」以上として出てくるわけね。  そして商品として世に出すときには、まあたいてい「4」にはしてくるわけだ。  いったん書きあげた初稿に対して、大幅に手を入れるプロはいないよ。  そんなことしていたら、時間が絶対的に足りなくなる。  たいていのプロは、「手直しはしたほうがいいけれど、いざとなればこのままでも出版可能」なレベルの物をはじめから書いている。  僕も鷹見さんもみやびさんも、中里さんも、たまに仕事状況の話をぽろっとこの場所で洩らしているけど。  書いた後に、「さあ次は見直しをしなきゃ」なんて言っている人、ひとりもいないだろう? いきなり「脱稿しました。入稿しました」とやっているよね? >弟切さん  蜜蝋。  萎縮しちゃってる?  蜜蝋の使いかたがダメダメだ――とは言ったが。  使うなとは言ってないのだが。  蜜蝋を使うなら、生かして使えとそう言っている。そのエロさを引き立てるための小道具の使いかたがなっとらんと、そう言っているわけね。 >馬宮  そうそう。いま書きこみの書きかたの改造をしているところだっけか。  自分の書きかたを直してゆくときに、元の書きかたの欠点を、しっかりと覚えておいたほうがいいぞ。  心の引き出しにしまっておけば、そのうち使う機会もあるだろう。  「知性が低そうで馬鹿っぽい感じ」というのを出すときに使う。  話が整理されていない。話題の切り替えが唐突。相手がどう受けとめるのかの意識が足りない。  ――このあたりの雰囲気を匂わせるわけだ。  たとえば会話文などに応用できる。  他にも、この分室では以下のようなサンプルが得られる。皆の書きこみの特徴を見抜いて、引き出しにしまっておくこと。(誰が誰とは、あえて言わない(笑)) ・考えが狭くて、意固地なやつ。 ・理屈っぽいやつ。 ・理路整然としすぎていて、そのことに酔っているやつ。 ・言い訳魔人。 ・こっち向いて話さない愉快なやつ。 ・自分の主張と自我を守るのにいっぱいいっぱいのやつ。  ちなみにわし、誰かの書きこみの「模写」をやろうとしたら、すぐできるよ。分析して引き出しにストック済みだから。  無論、会話文にも応用可能だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 蜜蝋について考えていたら No.6222 投稿日 2003年2月22日(土)19時35分 投稿者 弟切 千隼 蜂蜜が食べたくなってしまった弟切です。 もちろん我が家には蜂蜜が常備されているので(^o^)、早速パンに塗って食べました。 現在我が家にあるのは、ニュージーランド特産植物の花蜜から作られたという、ちょっとお高い蜂蜜です。食いしん坊の弟切は、蜂蜜の味にもちょっとうるさかったりします。 とりあえず、削り後の「シークレット・ミーン」リライトから、蜜蝋を除いた版を課題部屋に上げておきました。 蜜蝋を使わずに書いたものを読み返して、「やっぱり、蜜蝋って、なくても意味は通じるよな」と思いました(爆) 次に蜜蝋の説明を入れた版を書こうとして、詰まりました。 さらさらと読める削り後の文章に蜜蝋の説明を入れると、そこだけ妙に「濃い」感じがして、おかしいのです。 蜜蝋の説明を入れつつ、全体的な文章の濃淡がバランス良くなるようにするには、文章全体をもう少し増量して、グラデーションのように滑らかに文章の濃淡を出さなければならないでしょう。 と、考えているうちに、はたと思い当たりました。 No.6218で鷹見さんがおっしゃっていた「文章を削って足す」という作業は、こういうことを指すのだな、と。 「シークレット・ミーン」の冒頭で書くべきことは、 「村娘(に扮したスパイ)が騎士を色仕掛けで暗殺しようとする(ふりをする)」 ですね。とにかく、これだけは読者さまに伝わるように書かなければなりません。 最低限のこの情報を伝えられるように書いた文章が、鷹見さんのおっしゃる「幹と枝だけの枯れ木」状態の文章ですね。それは草でも竹でもなく、とりあえず木であることはわかる状態です。 けれども、「枯れ木」文章では味気なさ過ぎるので、ここに「濃い物質」を投下するわけですね。 「シークレット・ミーン」冒頭の場合ですと、読者さまが楽しんでこの場面を読んでもらえるように、色仕掛けの「エロティックさ」を「濃い物質」として利用することになります。 蜜蝋という言葉は、漢字の意味からしても音の響きからしても、エロティックさを出す道具としてはとてもふさわしいと思います。 読者さまに「蜜蝋とは何か」が伝えられて、かつ、エロティックさを楽しんでもらえるように、「増量した蜜蝋入り版」を書いて課題部屋に上げます。 -------------------------------------------------------------------------------- いつでもお腹がすいています。 No.6223 投稿日 2003年2月22日(土)21時00分 投稿者 馬宮 ●新木さん  あらすじ書き直しのチャンス、ありがとうございます。  キャラクターの引き出し作りについての、餌も撒いていただきました。残さず食べます。  ちなみに、「知性が低そうで馬鹿っぽい感じ」という引き出しの中身は、馬宮、未整理ですが、かなりあると思います。  後、「単純で騙されやすそうな感じ」とか、「のろまで鈍い感じ」とか「臆病ですぐ慌てそうな感じ」とか、「お調子者で物事をいいようにしか取らなさそうな感じ」とか。  他にも、たくさんあると思うので、そこら辺まとめて発掘し、引き出しにしてしまいます。  こういう性格は、もう少し、読者が好感を持てるような部分や、すっごい特技等をプラスすれば、物語の主人公になりそうですが、それでは全然面白くありません。  徹底的に、憎まれ役や嫌われ役、笑われ役にするのがいいと思いました(一番オイシイので・笑)。  今、わたしの「キャラクター」の引き出しは、数えるほどしかありません。  「モノカキとして周囲を見る」ということが、できてないからだと思いました。自分も家族も友人も、分室の参加者も全員サンプルだと考え、もっとガツガツ食っていきたいと思います。  まずは生存報告まで。 -------------------------------------------------------------------------------- 過負荷の小説 No.6224 投稿日 2003年2月22日(土)23時20分 投稿者 風輪 玲  朝、目覚めたら、一人前のプロ作家になっていた──。  むう。まさに妄想です。  盆栽界に「針金三千鉢」との格言があるように、  何事もその道を極めようとするなら、基本を怠っていては無理です。   キツくても、まずは一歩ずつ頑張ってみます。 >新木さん  指示された過去ログを再読しました。 (ダウンロードしたNo.4000までしか検索してませんでした)  確かに「まともな日本語の文章を書けない」当時の私には、読んだとしても消化不能の内容です。  今、読んでみて、削りについて「なんとなくわかったつもり」から「ちょっとわかった」に変化しました。   理解できたことを整理してみます。 ○削りについて >>0.削ると無くなってしまうもの。 >>1.半分もしくはそれ以上、削らねばならないもの。  この両者の違いは、削った後に残るもの──つまり、描写の有無です。  コンセプトに沿って「どのような状況・状態」であるのか、書くことができれば自動的に文章レベル1です。    同様に、次レベルとの比較検討を行えばレベルアップの指針が得られます。 >>2.若干削る必要のあるもの。  1との違いは、描写の純度です。  同じようにコンセプトから派生した描写であろうと、より簡潔に構成されているほうが優れた文章です。  さて、ここから先は怪しくなります。 >>3.削る必要はないが、足すことはできるもの。  2との違いは、高純度であるかどうか。  文章の不純物はこの段階で、きれいさっぱりなくなります。 >>4.削ることも足すこともできず、その形で完成しているもの。  3との違いは、文章の付加価値です。  足さなくても通用するが、味気ない──作家の個性に欠けるので、それをつけ足し商品として完成させるわけです。  以上を、黄金のたとえで言い換えると、こうなります。 0.ただの石ころ(無価値) 1.金が少量、含まれている(大半を占める不純物の除去が必要) 2.金が多量、含まれている(それでも不純物の除去は必要) 3.純金の塊(そのままでも価値がある) 4.黄金製の装飾品(付加価値をつけた商品)   ○弟切さんのリライト削り  もうちょっと削れそうな感覚です。  ただ、そこまで削ると文章の接続がおかしくなるので、ためらいました。  意味が通じる程度しか削っていない、というか。  「ため」とか「つなぎ」の増量を考えつつ、「適正量削り版」に挑戦します。 ○ためについて  うやむやになっているので、自分で考えてみました。 ……  一体何してるんだろう? わたし。  せっかくのチャンスだったのに、何かますます話しかけづらくなってしまった。 ※なんか一行。 「ほんとに、何やってるんだろ?」  呟いたら涙がこぼれそうになって、慌てて家に入った。 ……  この「なんか一行」の部分。  「ため」とは、動き以前の内的衝動がある「閾値」に迫りつつある状態を指す、とのこと。  わかったような、わかってないような……。  とりあえず、主人公が次の動作に移る前に、読者に予告準備させる文章と了解してみます。  そこで、周囲の状況+主人公のマイナス思考を暗示させる文章として、考えました。  夕闇がすぐそこまで迫っており、足もとさえ見えなかった。(冗長な文章)   ↓  気がつくとあたり一面、夕闇が迫っていた。(まだ、削れる)   ↓  夕闇が迫っていた。(削りの限界・説明してる)   ↓  夕闇に足もとがかすんだ。(暗さ+感情が発露する前段階の描写)    これを実際に、あてはめてみます。 ……  一体何してるんだろう? わたし。  せっかくのチャンスだったのに、何かますます話しかけづらくなってしまった。  夕闇に足もとがかすんだ。 「ほんとに、何やってるんだろ?」  呟いたら涙がこぼれそうになって、慌てて家に入った。 …… ○冒頭シーン増量作業  課題部屋にアップしておきましたけど、理解の進んだ現状では自主リテイク対象です。  ともあれ、増量する部分は「ジャングル感」とのヒントをもらってます。  これは、舞台が密林であることの必然性をエピソードで描写しろ、との指示だと了解しました。  ちと、試しにいじってみる。 ……  歌舞伎町の夜を騒がす、サイレンの音が迫っていた。  密集した雑居ビルに反響して、ジェイドを包んで放さない。高低するサイレンは鼓動を急かし、どこまで駆けても鳴り続けた。  警察だけではない。  華僑マフィアに追いつかれたら、殺される。 ……  細部を入れ替えただけですが、違和感ないです。  上のような置き換え不可能な、密林を演出するエピソードが必要なわけです。  ふう。  これではエントリーした「紫杯」を出走できるのは先になりそう。  短編で実践する前に、深みに沈んでます。あぷあぷ。  削りって奥が深いです。 >弟切さん  課題部屋362番リライト削りについて、一応、断っておきます。  1 風輪はヘタレなので、必要な文章まで削ってしまう可能性がある  2 風輪はヘタレなので、不必要な文章を削らなかった可能性がある  以上の2点を踏まえた上で、蜜蝋版の比較検討をなさってください。  ……って、今、更新して見たら、遅かったかも。 -------------------------------------------------------------------------------- ジャングル感とか No.6225 投稿日 2003年2月23日(日)00時21分 投稿者 新木 伸 >風輪さん >>これは、舞台が密林であることの必然性をエピソードで描写しろ、との指示だと了解しました。  ここで風輪さんの言っている「必然性」っていうものが、いまひとつ意味不明なのですが。  とりあえず補足説明しておきます。  たぶん風輪さんは勘違いしてるっぽいので。  僕は増量する箇所の指示で、「ジャングル感」というのを出しました。  このジャングル感の説明をする前に、まず現状確認をしておいたほうがいいかな。  何が起きて、いまどうなっているのか。それが最低限伝わるものが文章の基本なわけですね。いらないものを削っていって、ポイポイと捨てていって残ったものがあります。  課題部屋にある削り完了のもの。僕が削ったもののほうだと、346番のやつですね。  あの文章に書かれていて、読めば理解できるのは、主人公が追われているらしいということです。  そして――。  本来あのシーンで書いておかねばならないことは、「ジャングルで追われている兵士」ということです。  「追われている感」は、すでにあります。  そうすると足りないものは、場所がジャングルであることと、主人公が兵士であるということです。  主人公が雇われ兵なのか正規軍の兵士なのか、どっちなのかは、いまひとつわからないのですが……。まあ兵隊であるわけですよね。しかも凄腕の兵隊である(と思われる)。  しかし、傭兵なのか正規兵であるか。凄腕なのか普通の腕前なのか。まあそのへんは、この冒頭シーンではあまり重要ではありません。とりあえず、兵隊さんであることがわかりさえすれば、当面は問題ないですし。(なので今回の増量指示には出てなかったわけです)  それよりもいま重要なのは、主人公がいったいどこで追われているのかということ。  そっちのほうです。  場所が「ジャングル」であることが、ぜんぜん、わからないわけです。  原生林とか密林とか、そのように言葉では書いてあります。  でもそれっきりです。  たぶん風輪さんとしては、「原生林」と書いてあるので、もうジャングルであることは確定していると考えているのでしょう。しかしあれを読んだ読者が感じるのは、「どこかで追われている」ということです。その「どこか」という場所が、ジャングルであるとは思わない。  うーん。わかるかなぁ?  すこしアプローチを変えてみますか。  346の削り済みバージョンのほうから、ちと、ジャングル絡みの語句を洗い出してみました。   アマゾンの夜   原生林   うごめく密林   濃い闇   先を見通せないほど密集した熱帯樹   奇妙にねじれ、たわめられ、歪んだ植生   狂った密林   星空をさえぎる樹冠   密林が貪欲な顎を開き、喰らいついてくる  ――これだけです。  これだけで、いったいどうやって「ジャングル」をイメージしろというのでしょうか?  「ジャングルって、いったいどんな場所?」――って質問が出てきてしまう小学生にも、イメージさせなきゃいかんわけですよ。  実際に描いて見せなきゃならないわけですね。これはプロットやシナリオではなくて、「小説」なのですから。(シナリオや脚本でなら、「舞台:ジャングル」と書いておけばそれで済みます)  ――なのにここにある言葉といったら、「密林」とか「アマゾン」とか「原生林」とか、単なる単語の羅列ばかり。  描写らしきものは、「先を見通せないほど密集した」と「星空をさえぎる樹冠」くらいなものかなぁ。  「濃い闇」と「ねじれ、たわめられ」とか「顎を開き、食らいついて」とかは、それぞれ、夜の暗さと、汚染されて歪んだ密林の描写と、追われている心境――のそれぞれの描写ですから、ジャングルの描写とは関係ないですね。  では実質的に、ジャングルについてどのような記述が存在しているのか。  ちょっとまとめてみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ジャングルというのは、先が見通せないほど樹々が密集していて、星空がさえぎられるくらいの場所である。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうしてまとめてみると「ジャングル感」がいかに欠乏しているのか、わかりますか? -------------------------------------------------------------------------------- >風輪さん No.6226 投稿日 2003年2月23日(日)01時16分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  「ジャングル」についての描写に役立つ情報。  過去ログの3227あたりからはじまる、エアダクトがらみの描写における情報量展開の話題。  あれが読んで理解できるなら、いまちょうど役に立つかも。  発端が3227で、課題を出したのが3251、そして回答が3325ね。  テキスト版の過去ログのほうで、「うす紫」「エアダクト」あたりで検索すると、だいたい関連項目にヒットすると思う。 (過去ログ倉庫が新しくなりました。6000まで、テキスト版とHTML版と両方あります) -------------------------------------------------------------------------------- ジャングル感……って言葉は面白いなあ。 No.6227 投稿日 2003年2月23日(日)01時21分 投稿者 鷹見一幸  同じように 「繁華街裏通り感」とか 「昼下がりの公園感」とか 「夜の公園感」とか(これやったの誰だっけ)  いろいろあるんだよね。でもね、その「○○感」を出すために、言葉をたくさん使うのは反則。  言葉をたくさん使ってもいいのなら、そこにあるものをそのまま書いていけばいいわけだ。  でも、それじゃ意味が無い。  地図って見たことあるよね。縮尺何分の一ってヤツだ。  一番正確な地図ってのは1分の1の地図かもしれないね、2キロ四方あるくらいのでーっかい紙を広げて、そこにあるものをそのまま書き込んでいく。石ころ、空き缶、雑草、電柱、看板、ぜーんぶ(笑)  でも、これは不便だな絶対に使い物にならない。  だから縮尺する。    石ころや空き缶は当然。電柱も看板も家だって省略する。  後に残るのは目立つ建物と。川や橋や、道路といったものだけだ。    でも、そうやって作られた地図を見たとき、たった30センチ四方の紙の上に描かれた情報だけでも、その街の様子は一目でわかるよね。    この街の中心部には今でも○○街道と、江戸時代の呼称で呼ばれる幹線道路が南北に走り、街の中心部を東西に横切るように大きな川が流れている。  その川にかかる国道の橋の脇には市役所と警察署などがある。  ここがこの街の中心部にあたるのだろう。  中心部から東の少し山手のあたりにはJRの駅が、そして西側の開けた場所には国道のバイパスが通っている。  そこにはファミレスや、レンタルビデオ屋や洋服の量販店などが建ち並ぶという日本全国どこに行っても変わらない地方都市の光景が広がっている。    なんて風に書ける(これ実際の地図を見て書いたわけじゃないよ、頭に浮かんだ言葉を並べただけ)  言葉を少なくするということは、地図の縮尺を上げるということなんだ。  「ジャングル感」と聞いたときに頭に浮かぶ様々な単語と描写。 「湿気」「虫」「踏み潰した肉厚の熱帯性植物の葉がぬるりと滑る」「青臭い匂いが立ち上る」「堆肥のような植物が腐敗した匂い」「蛇と見間違う樹にまきついたツタ」「ぐねぐねと足元を這う根」「明暗」    こういった言葉の列から、最も君の頭の中にあるジャングル感にマッチした言葉を探し出す。そしてそれを並べる。  描写ってのは、無数の言葉の中から「これだ!」という言葉を見つけて書くことを言う。  もう一度言っとくけど「これだ!」……だよ。 「これもこれもあれも」じゃないからね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- リアルであることとリアルっぽいこと(雑談) No.6228 投稿日 2003年2月23日(日)03時31分 投稿者 鷹見一幸  この間、テレビで1995年に日本であったハイジャック事件についての再現ドラマをやっていたけど、見た人はいるだろうか?  オ○ム信者を名乗る男が全日空機を乗っ取って、警察の特殊部隊が突入した事件だが、あの再現ドラマを見ていて、思わず笑った部分があった。  ハイジャックされた機長が、所沢にある航空管制室にハイジャック信号を送るシーンだ。    受けた方(管制官)が「え?ハイジャック?」と大声をあげる。  「なんだと?」と言って仲間の管制官たちが駆け寄る。  確かこういったシーンだったと思う。  これ、わかりやすいよね。  画面の中で何が起こっているのか、テレビを見ている人には一目で状況がわかる。  でもさ、本当の航空管制官がハイジャック信号を受けたとしたら、こんなこと言うと思うかい?    スペースシャトルの墜落のときに、NASAの管制室の中で、叫んだ人間や「なんだって?」なんて言って駆け寄る人間がいたかい?  いるわけがない。  だから、あの再現ドラマは大嘘を描いている。  じゃあ、その大嘘は許されないのか。そんなことはない。  許されるどころか、あれは大嘘をつかなくちゃならない。 「わかりやすくするための大嘘」だからだ。  シリアスなドラマの中には、こういった部分のリアリズムを追求するドラマもあるだろう。リアルさを積み重ねて描くドラマもあるからね。  でも、そういった細かな部分のリアルさを犠牲にしても「わかりやすくておもしろい」ものができるなら、そっちの方がいい。と言う価値観だってあるってことなんだ。  心の中の葛藤を口に出す登場人物。  仕掛けた罠をべらべらしゃべる悪役。  わかりきっているはずのことをわざわざ聞く人間。    こんなものは実際には存在しない。みんなご都合主義のかたまりだ。  でも、そういった登場人物が存在することによって、読者の感情移入を助け、物語の構造を読みやすくできるのなら、そういった嘘っぽい人間を出すことは許される。  つーか、ライトノベルでは出す義務がある(笑)  リアルなこととリアルっぽいことは違う。  そして物語の世界の中でリアルなことと、現実世界でリアルなことは違う 物語世界が現実の中にある以上、同じ部分も当然ある。でも同一じゃないんだよね。  刑事ドラマで刑事が出す手帳に「警察手帳」と書いてあったら、そのドラマはそれだけで見る価値も無い駄作になるわけじゃないよね。 (警察手帳って廃止されちゃったからこのたとえ話も、もう使えないけどね)(笑)    -------------------------------------------------------------------------------- 報告 No.6229 投稿日 2003年2月23日(日)04時14分 投稿者 馬宮  374 「親友から預かったラブレター500字あらすじ 2」アップしました。 -------------------------------------------------------------------------------- まるでタマネギみたいだ No.6230 投稿日 2003年2月23日(日)11時15分 投稿者 風輪 玲  次から次へと理解することがあって、涙が出てくるよう。 >新木さん、鷹見さん  補足説明、ありがとうございます。  さっそく訂正しておきます。  舞台が密林であるとズバリ確定できる描写をする、との指示ですね。  んで、描写とは「美雪の病室」関連の話題で出てきた、  頭の中に調書をつくる→脳内セットを構築すれば良い、と。  密林と直接書かないで、読者に密林と誤解なく読み取らせる説明をするのが、描写だと。  理解と実践の間には、深くて広いへだたりがあります。  ヌルイって、ちゃんと自覚しないと上達できないです。うん。  とりあえず今日は「適正量削り版」に集中します。 -------------------------------------------------------------------------------- >風輪さん No.6231 投稿日 2003年2月23日(日)14時04分 投稿者 新木 伸 >>舞台が密林であるとズバリ確定できる描写をする、との指示ですね。  うーん。  わかっているのか。いないのか。いまひとつ判断に苦しむなぁ。  まあエサ撒きおじさんとしては、エサは撒きさえすれはいいのであって、ハトポッポがきちんと食べたかどうかまで責任は持たなくていいものではあるのだけど……。  まあ風輪さんに関しては拉致ってきた責任もあることだし、もうちょっと、やってみますか。  風輪さん。  わかったつもりになって、そこで終わらせてしまわないでください。  「文章は削れるものである」のときと同じように、これは自分が初めて触れる新種の概念であると、そういう前提でもって、理解しようと努めてください。  その気になれば、風輪さんに食えない大きさではないはずです。このエサは。  僕は密林であることがわかるように書け――と、そんなことを言っているのではないのですね。  僕は――。  「密林に俺を連れて行け」と、そう言っているわけです。  密林に行った気分にさせてくれ、と、そういうことです。  それが「物語」というものの存在価値ですので。  映画であれば、ジャングルにロケに行って生の映像を撮ってくるのでしょうし。  漫画であれば「密林感」を絵で見せるために苦心惨憺するのでしょうし。  では小説では、どのように苦労すればいいのでしょう?  そういえば、以前感想掲示板のほうで、僕が「戦車感」の解説をした人って、あれも風輪さんでしたっけ? (ちょうどいい機会なので、あとで僕の書きこみをこちらの分室に再収録しておきます)  あれも今回のことと、まったく同じことなわけですね。  どうやら風輪さんの次の壁は、ここいらへんにありそうですね。  削りきるまでは来たけども、増量するほうが、そう簡単にはいかないのかもしれない。  あの戦車の話題では、読者に戦車を見た気分にさせるような文章を書く、それが必要だったわけです。  そして「必要」であるなら、作者は実物の戦車を見に行くなり、「戦車のすべて」なんていう名のビデオソフトでも買ってきて研究するなり、色々とやってみるわけです。  また「夜の公園感」を作中に描かねばならず、そして必要であるなら、メモを片手に夜の公園に出かけていって、実際に体験してきたりするわけです。  「黒い子山羊」なんていう実在しないものを「見た気分にさせる」ことは、これはかなり難易度の高いことですが……。  しかし「単なる普通のジャングル感」とか「単なる普通の戦車感」とかであれば、なにしろお手本が「実在」しているわけですから、そうは難しくないはずです。  プロ作家であればすでに過去に行った「観察と研究の成果」が引き出しのどこかに入っていますから、それを引っぱりだしてきて使うだけ。  また「引き出し」が空っぽなアマチュアであっても、資料でもなんでもあたってゆくことで、充分な生情報は得られるはずです。  「ジャングル」も「戦車」もなんら特別なものではありませんから、資料はいくらでも世の中に出回っているはず。  まあ、本来であれば、自分でジャングルまで行って来るべきところですが。そして数日ほどジャングル生活をしてきて、生の密林の感覚というものを、しっかりと脳裏に刻み込んでくるべきでしょうが。  手っ取り早く済ませるのであれば、ジャングルにロケに行って撮影された本格的なジャングル物の映画を2〜3本見てみるとか。密林の写真集を見るとか。密林をさまよった人の体験記でも読んでみるとか。そういう二次情報も利用できます。  メモを片手にジャングルまで行ってこい――とまでは言いませんが、せめて二次情報くらいあたってみては?  その頭の中に入っている「なんとなく持っている漠然とした貧弱な知識」だけで、僕をジャングルに連れて行けるようなものが描けるのですか?  このあたりが、おそらく、風輪さんの「発想の外」にあることだと思います。  きちんとしたものを描くためには、そこまでする必要があるんです。  プロはそれを「わざわざ言うまでもない当然のこと」として物を書いているわけですが。 >鷹見さん >>「ジャングル感」と聞いたときに頭に浮かぶ様々な単語と描写。 >>「湿気」「虫」「踏み潰した肉厚の熱帯性植物の葉がぬるりと滑る」「青臭い匂いが立ち上る」「堆肥のような植物が腐敗した匂い」「蛇と見間違う樹にまきついたツタ」「ぐねぐねと足元を這う根」「明暗」  それだけすぐにぱっと浮かぶのは、鷹見さんがプロだからですよ〜。  ここの連中は「アマチュア」なんですってば。「最低限、いくらなんでも、このくらいは出来るだろう」てな「見込み」による希望的観測は外していかないと。  プロを基準にして考えちゃいかんです。相手は「アマチュア」なんですから、その姿勢はそもそも間違っています。  風輪さんに限らず、アマチュアはたいてい「描写に不自由な人」なわけですが。  そういう人に決まって見られる傾向として……。  「○○感」を描写しようとするときに連想単語の山を築きあげるということが、まず発想の外。そしてそこから吟味を行うということが、やはり発想の外。  ――というよりも、僕が風輪さんに指摘したように、連想単語を引っぱりだしてくる以前の問題であることが多いわけです。そもそも生情報として、対象物の「○○」を知らない。  さらには(ここがいちばん重大なんですが)自分が知らないことを知りもしない。なんで知りもしないで書けると思っちゃうかな〜?  風輪さんの場合、「ジャングル感」でもって連想できたのは、「先が見通せないほど樹々が密集している」と「星空がさえぎられる」のたった二つであって、その思いついたものをすべて投入したのが、あの文章なんですってば。  それほど「とほほ」なところにあるわけですよ。  そんなに低いんです。レベルが。  選ぶときの選択ミスであるとか、そういう次元の話じゃないんです。  そもそも「2個」しか出てこなかっただけなんですってば。  このへん、僕もこの2年でようやく理解できてきました。そして経験によって学習しました。  本当に――もう本当に、僕らの想像できる限界を超えて、「発想の外」にあるくらい低いところにあるのだと考えないと、いかんわけです。  相手は一年生なんです。  「自分の文章に不要なものが混じっている」ということを知ったのが、たったの数日前なんですよ?  まだ一桁の足し算もうまくできないわけです。いまやっている最中。ミカンとリンゴと合わせて何個でしょう? ――みたいな。  なのにいきなり九九を教えちゃいけないし、分数の計算も、Xという変数を使っての代入式も教えちゃいかんわけです。  その「低さ」が鷹見さんにも実感できるように、ちょっと試してみましょうか?  実際に、皆がどのくらい出してこれるのかを (企画立てますね) >ジャングル感の単語  ちと、課題――っていうか、これはテストかな。  「ジャングル感」と聞いたときに出てくる単語。  皆も出してみるように。  制限時間10分。そのなかで出せたものを、すべて羅列して書いてくること。  前の人と重複してもOK。気にせずどんどん書きだすように。  どうせはじめの数個なんて、ほとんど全員が共通しているようなものが出るはずだ。  風輪さんはデフォルトでやること。他の人は任意。 -------------------------------------------------------------------------------- うーん、想像できなかった。すみません。 No.6232 投稿日 2003年2月23日(日)15時30分 投稿者 鷹見一幸  風輪さんは、書くものの方向性が俺に似ている部分があるから、よけい思い込んでしまうのだろうな。(特に銃とかミリタリー系の部分)  考えてみればリライトした「邪神戦線(序)」の方でも、読んだ時、俺の頭の中では転換機というかフィルターが働いていたような気がする。  あの邪神戦線(序)は俺が文章を書くとき、意識に文章が浮かびだす前の混沌とした煮えたぎる精錬釜の中身みたいなものに、とてもよく似ている。  あんまり違和感が無かった。情報の並び方とか、視点の動き方とか。  ある種の親近感を持ったことは間違いない。  だから第一段階の精錬は終わってしまっていると勘違いをしたんだな。  あれはまだ、炉の中に原鉱石を放り込んで溶かしている状態だったんだな。  その中から二段か三段精錬して、溶けた形の文章ができる。  溶けてるってことは、イメージは出来上がっているんだが、まだ文章になっていないってことだな。  んでもって鋳型に流し込んだり射出成型して文章が組み立てられてゆくわけだが、俺はその一番最初の、原鉱石を溶かしただけの精錬釜を覗いたときに。 「ああ、これなら俺と同じだ、あと二段か三段精錬すれば、溶けた形の文章になる」  と思い込んで、その「二段か三段の精錬」についてすっとばして話をしてしまったんだろう。  俺にとってその「二段、三段目の精錬」と言う行為は無意識にやっている行為だから自覚が無かったのかもしれない。    この宇宙には無数の銀河市民かいる。そしてその中の志を立てたものが宇宙パトロール隊員になれる。  そして、その宇宙パトロール隊員の中でも資質に優れたものがレンズマン候補となる。  レンズマンとなるには、洞察力と想像力と知性を兼ね備えていなくてはならない。そして当然自制心も。  なんとなく、こんな文章を思い出してしまった。    道端に落ちていたレンズを偶然拾っただけの「なりゆきレンズマン」として、レンズマンになってしまった俺には、勉強しなくちゃならないことがいっぱいあります。 -------------------------------------------------------------------------------- ちがいます(きっぱり) No.6233 投稿日 2003年2月23日(日)15時43分 投稿者 新木 伸 >鷹見さん  ふふふ。なんだか楽しくなってきました。  きっと、理解したときの鷹見さんは驚くわけです。  そして理解したとき、数秒間、呼吸が止まるのか。それとも「えっ? えっ? でも? だけどさ? しかしそれって? ええっ!」とか、混乱して動揺して、思わずなにか奇行に走ってしまうのでしょうか。それとも「アンビリーバボー」とムンクの叫びをするのでしょうか。  いわゆるひとつのセンスオブワンダーというものなのですね。未知との遭遇。  そして人を驚かせることに無上の喜びを感じるのが作家という人種。  アマチュアの意識がいかに低いのかということを、語って説明して(苦労の末に)理解させると、たいていのプロの人は驚愕するもんです。最近の僕の趣味になってきてます。  風輪さんの場合。  「逃げている感」に関しては、それなりに鉱石は揃っていて、炉に放りこまれて混然とした段階まで行っていました。だから「削り」をすると、それなりにまともな文章になるわけですね。  しかし「ジャングル感」に関しては、そもそも「鉱石がない」わけです。  つまり僕の言っていることは――。  「鉄を得るためには、まず鉱石を集めてきて、炉の中に入れましょう」  ――ということなわけです。  このたとえなら、理解できますか?  ジャングル感を出すためには、まず、ジャングルを知らなければならない。「ジャングル物の映画でも見ましょうねー」と、いま、そういうことを言っているわけですね。 -------------------------------------------------------------------------------- ジャングル感の単語 No.6234 投稿日 2003年2月23日(日)17時02分 投稿者 とんびの羽根  最近は餌に食いつく力が足りないの、人称、描写、客観性、灰色の文章とか胃で消化してない。  分室で読んで知識を持っただけで、簡単に突っ込みを入れられるほど、ここは甘くはないです。  それでも食いつける話題はときどき食いましょう。 >ジャングル感の単語 ・頭上に響く小動物、猿、鳥の警戒音 ・落ちてくる糞、木の実、濡れた枯れ枝 ・たちこもる水蒸気、もや、霞 ・光を帯びる白いあるいは極彩色のきのこ ・遙か頭上を飛び回る陰 ・遙か頭上からもれてくる樹冠の擦れる音 ・耳が聞こえなくなったかのような閉塞感 ・残響率の低さ ・堆積した濡れた落ち葉に沈む足 ・落ち葉の層が足下でずれて滑る ・落ち葉の下に感じる大木の根 ・鼻を刺すきな臭い匂い  以上4:40から10分間  それではちょっと本読みに戻ります。 -------------------------------------------------------------------------------- じゃんぐるくるーず No.6235 投稿日 2003年2月23日(日)17時10分 投稿者 弟切 千隼 >>ジャングル感10分勝負 やってみました。 「空は見えないけど意外に明るい」・「ツタが行く手を遮る」・「ヤマビル(注1)が吸いついてくる」・「発酵した果物の匂いがする」・「毒蛇」・「毒々しい色のキノコ」・「鳥か獣か正体不明の声がする」・「板根(注2)がある」・「時々激しいにわか雨が降ってくる」・「空気が湿っぽい」・「風が通らない」・「淀んだ沼がある」・「ワニ」・「土が赤っぽい(注3)」・「地面は腐葉土が少なく、意外に固い」・「ムカデやヤスデが多い」・「時々にわか雨のように木の実が降ってくる」・「苔が木の枝から垂れ下がっている」・「蛇も木の枝から垂れ下がっている」・「木の幹の途中から別種の草が生えている」・「倒木」・「ブヨのような小昆虫がまつわりついてくる」・「木の葉の上に大きなカエル」・「やたら背の高い木がある」 注1:ヤマビル…森林に住む陸生のヒルで、ヒトやその他の動物の血を吸います。日本の森林にもいます。 注2:板根…熱帯の樹木独特の根っこで、板のような形を土の中から突き出して、高木を支えています。 注3:土が赤っぽい…熱帯雨林の土壌は、ラテライトと呼ばれる赤っぽい土壌です。 えーと、弟切は実際に南の島のジャングルを歩いたことがあるので、そういう経験のない人に比べれば有利だと思います。 ただし、弟切が体験した南洋諸島のジャングルと、アマゾンや中央アフリカにあるような大陸性のジャングルとはまた違うでしょうから、上記の印象のうちいくつかは、大陸性のジャングルには当てはまらないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 鉱石が無いってことが信じられないのですが。 No.6236 投稿日 2003年2月23日(日)17時47分 投稿者 鷹見一幸  おそらく「書きたいもの」のイメージとして「密林を逃げる傭兵」というものがあって、あのシチュエーションが生まれたのだと思う。  これは密林でなくてはならない。  理由はいろいろあるだろうが、おそらく 「文明社会から途絶している」 「主人公が孤立することが不自然ではない」 「従って国家や組織ではなく『個人のレベル』で話を進ませることができる」 「人間が作り出した文明の利器の通用しない何かが棲む」 「その存在が明らかになったとしても、世界全体に影響は及ばない」  ということから「ジャングル」という舞台を選んだのだろうと判断していました。  この選択の方法は正しいものです。  だとしたらですよ。 「ジャングル」というものはこのお話に必要不可欠のもののはずです。  なにより世界全体を支える基盤です。  どんな銃を持つのか、とか、主人公の性格や価値観なんかよりずっと大切なものでなくてはなりません。    学園モノを書くときに、校舎の構造とか、そういったハード面の知識は当然。学校には学年と言うものがあって上級生と下級生がいて、クラスという単位で区分けされている。  という基本的なことを理解して書かねば学園モノが書けないのと同じことだと思うのですよ。  学校と言うものは日本で暮らしている人間に共通の経験がありますから、「放課後」とか「教室」という「単語」を組み合わせた「放課後の教室はがらんとしていた」という文章でも、その光景を読んだ人にイメージさせることができます。  でも「ジャングル」には共通の経験がありません。  だとした「薄暗いジャングル」と言う単語だけを並べても、読者にその光景をイメージさせることはできません。    ……はっ!  ……ひょっとしたら。  ……もしかして。  そんな基本的なこともわかっていなかったのでしょうか。    「うす暗いジャングル」と書けば、書いた人間がイメージして脳裏に浮かべている「薄暗いジャングルの光景」が、そのままキレイに読者の脳裏に浮かぶと思っていたとか……。  それって極端に言えば 「その男は山田さんに似ていた」  と書けば、作者の知っている「山田さん」の顔を読んだ読者すべてが思い浮かべて「うんうん、あんな顔ね」と納得してくれる。と思ってるのと同じことですよ。  確かに「ジャングル」と言う言葉から読者が連想するものの中には作者の想像しているものと共通する認識があることは確かです。  でも、その「共通認識」の部分ってのはめちゃくちゃ薄いわけです。 「植物がいっぱいあるところ」程度じゃないですか、おそらく。  ってことはですよ。  それだけの「鉱石」で、その世界を作ろうとしていたってわけですか?  知らないものを書く。  知らなくてもいいや、とあっさり書く。  書けると言うことが恐ろしい。いやホント  これは確かにアマチュアの特権です(笑) -------------------------------------------------------------------------------- だって、ですよ No.6237 投稿日 2003年2月23日(日)19時53分 投稿者 新木 伸  鷹見さんは以前、パリジャンヌを知らずにパリジェンヌの出てくる話を書こうとしていた人を、実際に見て知っているじゃないですか。  そして風輪さんには前歴があるわけです。  中国を舞台にした武侠物を書こうとして、「臥竜、天を舞う」という話をよみかくに上げたことがあります。  そのときに、「浙江省龍泉は破雲峰」という地名をあげて、いわゆる中国の奥地にあるような切り立った「とんがり山」をイメージさせようとしていたことがあります。(仙人が住んでいるような山ですね)  本棚にありますので、見てみると、すごいです。  本当に、正真正銘――「地名ひとつ」だけで、描写としているわけです。  中国のことも、格闘技のことも、そして武侠物のことさえも――どれひとつの鉱石もなしに、中国武侠小説を書こうとしていたわけです。  ちなみに当時の感想ツリーはこのあたり。 http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=1490&mid=1021  僕らは鉄を作るつもりで、鉱石をどかどかと炉のなかに投入してゆきます。  またもし手持ちに鉱石がないのなら、どこかから調達できそうかとか、まずそういうことを考えますよね? たとえば資料をあたれば調べられそうか――とか。身近に詳しい人がいるなら、その人に聞くことで活用できそうか――とか。  そういうことを考慮して、書く書かないを決めるもんじゃないですか。  たとえば僕は以前、鷹見さんに「鉄っちゃん」としての協力を仰ぎました。  あのとき、書こうと思っていたシーンは、「主人公が部活巡りをしている最中に、理解不能なオタク系同好会に立ち寄る」というコンセプトに基づくものだったわけです。  「鉄っちゃん」という鉱石は僕の手持ちにはありませんでしたが、身近なところで採掘可能かもしれないと思って、協力を要請したわけです。――で、「本物」の鉱石が見つかったので、作品に投入しました。  もしあのとき、「鉄っちゃん」の鉱石が見つからなければ、なにか他の鉱石を探しました。あのシーンのコンセプトは「オタク系同好会」なので、なにか別のものでもかまわないわけです。(あの場合「鉄っちゃん」が最適だったのですけどね)  僕らは製鉄業を生業としていますので、本物の「鉄」をこしらえなければならないわけです。だから鉱石がなければ、話にもならない。  しかし――ですよ。  たとえば、このように考えてみましょう。  もしも、やろうとしていることが「製鉄」ではなく、「製鉄ごっこ」であったらどうでしょうか?  「ごっこ遊び」であれば、本物の鉱石は必要ないわけです。  そのへんの石ころを適当に見繕って、「これ鉱石ね〜」とやって、「ここ溶鉱炉なのね〜」とやった場所に放りこんでしまえばいいわけです。  ごっこ遊びなんだから、本物の鉱石なんて持ってこなくたっていいわけです。  ついでにいえば火を焚いて溶かす必要もないです。葉っぱを適当に入れて「高熱で溶かしているつもり〜」でいいわけですね。 -------------------------------------------------------------------------------- ぎゃふん No.6238 投稿日 2003年2月24日(月)20時27分 投稿者 風輪 玲  瀕死の状態です(精神的に)。もお、よれよれ……。  凶器を提出しますと、 >>「密林に俺を連れて行け」と、そう言っているわけです。  この新木さんの言葉で、サクっと心臓を一刺しされました。  認識の「次元の違い」をようやく理解しました。  そうなんです、鷹見さん。  私は「そんな基本的なこと」さえ、わかっていなかったんです。  作品世界に案内するツアーガイドである作者が、目的地についてこれっぽっちも知らないまま、出発してたんです。まるでミステリーツアーに参加したお客と同様の感覚で、書いていたんです。  金返せと罵倒されて当然のことを、私はしたわけです。  猛烈に恥ずかしいし、悔しい。  今まで自覚がなかったこと、覚悟がまったく足りなかったこと、新木さんに何度も指摘されるまで気が付きもしなかったこと、そして臨場感を出す方法とか……頭の中をぐるぐると回ってます。  冷静になってから書き込みすべきなのでしょうが、指摘は無駄にしていないと伝えておきたくて、あえて書き込むことにします。 ○ジャングル感パターン出し  トホホな結果が目に見えているのに挑戦するのは、ヘコんで、その分、伸びるためです。 ……  問 あなたは今、ジャングルにいます。感じたものをすべて挙げてください。制限時間10分。  答 頭の上を樹冠が覆っていて、日中でも薄暗い。    熱帯樹が密集して生えている。    猿の鳴き声が響いて聞こえる。    たれさがるツタに混じって、蛇が舌を出してる。    青臭い空気で息苦しい。湿気のせいか、肌がべたべたする。    足もとに転がる動物の糞。軍隊アリがうじゃうじゃ這ってる。    極彩色の鳥が羽ばたいて視界を横切る。    甘い匂いがする。探すと食虫植物の発する匂いと判明する。    原色の花が鮮やかに咲いている。    ガザガザと背後で枝葉のすれる音がする。風はない。視線だけ、感じる。    地面に露出した根っこがのたくっている。    その隙間に毒々しいキノコが生えている。    近くに水源があるのか、水の匂いがする。余計に喉が渇く。    腐葉土のむせかえる匂い。    下生えをかきわけると、動物の足跡が ……  うー。ダメじゃん。  鷹見さんがミリタリー知識の指摘をしてくれた時、下調べの重要性を認識したはずなのに。  読者の日常生活から離れた舞台を描こうとするなら、絶対に欠かすことのできない工程です。  勉強になりました。  言われたことは身につけますので、今後ともよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日、スーパーで変な物を発見しました。 No.6239 投稿日 2003年2月24日(月)22時28分 投稿者 弟切 千隼 それは魚介類のコーナーで売られていました。 「子持ちシシャモ(オス)」(*o*) 「シシャモってタツノオトシゴの仲間とちゃうやろ!」(注)と、心の中で突っ込みを入れてしまった弟切でした。 注:タツノオトシゴの仲間は、雄のおなかに卵を入れて保護するための袋があって、雌がその中に卵を産みつけます。卵が孵化するまで、雄は「子持ちタツノオトシゴ」状態で卵を守り続けます。 >>「シークレット・ミーン」リライト 風輪さんが削ってくれたものに、蜜蝋の説明を入れた版を課題部屋に上げました。 自分でも、うまく書けたとは思っていません(;_;) もう少し増量して、エロティックさを出そうと思ったにもかかわらず、できませんでした。 明らかに力不足です。 現時点のへたれ具合は認識できましたので、これから上を目指します。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6240 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- あれ? No.6241 投稿日 2003年2月25日(火)00時53分 投稿者 巻島翔史  なんか表示がおかしい。  6240の書き込みも消せないし。  んん? -------------------------------------------------------------------------------- ああ、なんかおかしい No.6242 投稿日 2003年2月25日(火)00時58分 投稿者 巻島翔史  なんかどうやっても消せない。  タイトルだけ表示されてそれっぽっちだ。  すいません、6240は管理者削除してください。  とにもかくにも、自分が「元作家志望」でないことを証明する手段はたったひとつ。  書いて、見せること。それだけです。  少しばかり――いや、少しとは言えないほど、時間をかけすぎていたようです。  それでも、俺のなかで、作品に対する意欲が消えたことはまったくありませんでした。  ただ、あまりにもスピードが鈍すぎて……こんなことだから、そういうふうに思われても仕方がなかったのです。  他人は、その人の行動を見ることでしか、その人のなかを予想することができないのですから。 (ただ……以前、新木さんが言っていたように、小説を書く上で分室という場所に関わっていくことは「必須」ではないわけで、杉井さんのスタイルのように分室とはノータッチで作品を書いていくというスタイルもあると言えます。  また、これは俺個人の考え方ですが、分室というのは恒常的にいればそれでいいというものではなくて、作品を上げたごとに、つまりその期間ごとに参加するというやり方もありえると思います。そのほうが目的意識がより明確になってかえって良い場合もあるのではないかと思うのです。  恒常的にここにい続けることにこだわりすぎると、ここがまるで義務教育の学校であるかのような感覚――つまり参加の目的意識などなくて、ただい続けているだけという――そういう感覚に陥る可能性も、人によっては確実に存在すると思えるのです)  なにやら長くなりましたが、ともかく俺の言いたかったことは、 『分室』から一時的に離れることがあっても、俺は作家志望をやめていることはない、ということです。 (あれだけ一般論めいたことを書いておいて、結局個人的な問題に落ち着くんかい(笑))  ……もちろん、そのことを証明していくのは、定期的な作品のアップでしかないわけで。  とにかく書いてきます。はい。  あ――ただ、これまでここでやってきた長編に関しては、ここ(分室)でもってケリをつけたいと思います。  やっぱり、あの話は分室という場所無くして、ここまで到達しえなかったものですから。  前置きが長くなりましたが、それでは本題。 プロット第二稿>  提出します。  ――ですが、ちょっと量が多いので課題部屋にあげるだけにしておきます。  一応直リンしておきますが↓ (http://www4.pos.to/~araki/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=378&e=res&lp=378&st=)  おおまかな流れを記した簡易版はこちら。 【夕方、帰宅途中。駅前】   ・亮介のビビリ性格表明&有希への感情表明 【帰路〜亮介の家の前】   ・宇宙人同士の戦闘に巻きこまれる。 【家のなか→街頭】   ・心のなかに入りこんできた宇宙人からのコンタクト。(宇宙人との接触)   ・逃亡の様子。(これからどういう感じの話が進んでいくのかの提示)<亮介、「変な自信」を持つ>   ・事情の説明。(設定情報の提示) 【戦闘現場】   ・二人の宇宙人の捨てられた肉体を確認している追っ手たち。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【山中。夜】   ・亮介覚悟を決める。    宇宙人に対する親しみ(宇宙人に対する理解) 【山を抜けたところ】   ・「体」に対する感覚の違い。「肉体の損傷=怪我」を気にしない宇宙人の戦いかた。(理解2) 【自転車置き場。夜中の戦闘】   ・初めての戦闘。肉体の運動能力を完全に引き出しての戦闘。(実地的な理解)<落ち込み1=「変な自信」破壊される> 【スーパー→銭湯】   ・ちょっとした日常回帰。(息抜き) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【夜。線路上】   ・電車への飛び乗り。心の中の宇宙人との間で、肉体の制御に対して齟齬が生じる。主人公のビビりが戦闘能力を落としている。(信頼関係の揺らぎ)  <落ち込み2> 【移動中】   ・追っ手との邂逅。指揮官と護衛との因縁。戦闘となるが、なぜか逃がしてもらえる。   ・王女の悩みが明らかになり、同時に王女の「逃亡性」が示される。 (オーバーヒートの伏線をここで。王女を助けて叱ったあとグラっと)  <王女の逃亡性を見て、自分の行く先を思う→マイナス思考スパイラル=落ち込み3> 【公園。夜】   ・主人公と有希。逃亡開始以降、はじめてのふたりだけの会話(宇宙人は抜きで)。主人公が昔、有希を守るために自分よりも強い相手に立ち向かっていったことを告げ、主人公を励ます有希。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【宇宙船のなか。地球付近】   ・なんか味方来そうな雰囲気。 【採石場。夜】   ・指定された邂逅ポイントにて救援を持つ二人。だが裏切りにあい、おまけにピンチ(オーバーヒート)になる。   ・護衛は消え、ひとりで戦う主人公。   ・「逃げること」をやめる王女。諦めない主人公。   ・新発想→勝利。   ・自分を守るために消滅した護衛への愛を、自覚する王女。   ・護衛復活。 【後日談。夕刻】   ・告白。ビビリ解消の幕引き。  線はもちろん起承転結分割線です。  まずこの起承転結の話から。  ええと、以前新木さんは  >>しかし「攻勢に出た」ために「指揮官と出会った」のであれば、これは因果関係で結ばれていることなので、起承転結の同じパートに入っていなくてはならない。 >>つまりこの場合は「転」だ。 >>この因果関係の有無で、区切り位置が変わる。 >>今回僕が【街中。午後の昼下がり】が「転」だろうと指摘したのは、この因果関係が「有る」と見たから。  と言っていたのですが、ええと、実は(自分的には)因果関係のないことでした。  ――ので、この「攻勢に出る」は消しました。  上の起承転結は「宇宙人との関係性」についての見地から割っています。  それから、6113で指摘してもらった数々の問題点の解消についてですが、 >>主人公が「自分はだめだ」と落ちこむ過程が足りない。落ちこんでいて、有希に励まされる部分が「見せ場」として出てくるが、読み手としては、「いつ落ちこんでいたんだ?」みたいなくらいなもの。印象が薄い。 >>具体的には、なにとなにとで「落ちこみ」を示しているのか、自分で確認すること。  簡易版にも<落ち込み1、2、3>として示してありますが、この<落ち込み>は前回のバーションにも存在していたものですので、実質的には大きく変わっていません。  ただ、<落ち込み2>のところを少し意味合いとして強くしました。具体的には、護衛の口から有希(王女)の死というものをちらつかせるということによって。 >>「主人公と護衛」の組み合わせと同様に、「有希と王女」のほうでも、「体に入られた/入った」の騒動があるわけだが。それが全然見えてこない。  キャラクタの行動がどうでるか、という観点で考えて見た結果 亮介・護衛のような「入った/入られた」は彼女らには起こらないだろうという結論に達しました。  いわゆる、「入られた」から「文句を言う」とか、攻撃に障害が生じるとか。そういうのは起こらないだろう、と。  有希って、聡明で飲み込みが早い、というキャラクタとして考えているんですよ。というか、亮介視点から見て欠点がないような感じに見えるように(意図的に)しています。そうあるほうが、亮介が告白できないでいたということの理由の補強になるからです。 (むろん、欠点がないように見えるというだけで、彼女にも短所はあります。ありますが、それは「入った/入られた」では関係ないだろうということ)  ですから、彼女たちの「入った/入られた」は、自分の家にいるときか、逃げてる場面のときとか、そのあたりであらかた終わっているんです。  亮介たちがそのあと、攻撃面での齟齬をしていくことで「入った/入られた」のエピソードを積み上げていくのとは対照的に。  けれど、確かにそのままだとキャラクタとして立たない。  違う文化、違う思考の者同士が入り込んでいるのだから、そこになんらかのぶつかりというか、そういうものがなければならないはずです。  で、まあ、ここはサーヴィシズムを発揮して(笑)、王女は走るとき、気を抜くと服を脱ぎたくなる、というのをぽつぽつと入れてみました。 >>全体的に逃亡ムードの展開なのだが、そのあいだに「ほっと息をつける」シーンがひとつもない。これでは息が詰まりすぎ。なにか買い物シーンだとか、短くていいので、逃亡途中で息のつけるシーンが欲しいところ。  これは実は前バーションをあげたときにちょっと気になってました。  あまりにも逃げ・戦闘だけで、一本調子すぎやしないかということです。  そういうわけで、この指摘はすぐに納得できました。  今回、エピソードとして足させてもらいました。 >>最後の戦いにおいて、主人公の体が「オーバーヒート」して倒れてしまうようだが。ぜんぜん伏線がない。体の「故障」を押して逃避行を続ける主人公――なんていうシーンが、どこかに必要なはず。  これはちょっと悩みました。  というのは、俺は、いきなりそれが起こるからこそ『ピンチ性』が増幅されるのではないか、と思っていたのですね。  ただ、それだと、『御都合主義的ピンチ』というか、オーバーヒートってのがぽっと出てきたみたいで……それが変だという指摘も納得できるんですよね。そう考えたので、今回はそのあたり直してみました。  もちろん、伏線であるのだから、その伏線を見て「ああ、このあとオーバーヒートして止まるんだな」と思わせないような表現にとどめておかなきゃいけないわけですが。  あれです、新撰組をなにも知らない人が、沖田がひとつふたつ咳をしている場面を見たからと言って、そのあとの喀血を予想することがないように。 >>有希が殴られて気絶して、強制分離をされているようだが。気絶するほど殴られた場合、脳挫傷とかの心配をしなくてはならないはず。 >>話のリアリティレベルとして、「殴られても気絶するだけ」というアニメやゲームでよく使われる「現実よりも1段低いお約束系」のものを採用するなら、その旨、言っておくこと。  了解しました。そのように申告させていただきます。 >>主人公が勝てた理由が不在。王女が「逃げることをやめた」ことと因果関係がなければおかしいはずなのだが、全然関係なく、理由不明のまま勝ってしまっている。 >>「王女が諦めない姿勢を示した」→「自分も諦めないことにした」→「諦めないために○○が起きた」→「勝った」 >>――となるのが、あり得る形。この「○○」にはまる意外なことというのは、いったいなにか?  ここはかなり悩みました。  というのも、そもそもこの話、ビビリをやめる=逃げない=諦めない、ということに価値の重きを置いている話だったので……  ビビリをやめた。だから、勝てた。→ビビっててもなんにもできないんだよ。  というメッセージというかテーマというか、そこを書こうというところが出発点なんです。  ただ、そのテーマが、例えば上にあるようにもう一段階なにか挟んだからといって、霞むということはない。  勝った、ということの大きな出発点は、やっぱり諦めない=ビビリをやめるというところでなにも変わらないんですから。  それに、諦めないという姿勢に至ってからスルっと勝ってしまったんじゃつまらない、という指摘なら確かに納得できますしね。 (一応、前バーションでも、『諦めないために、相手に生じた油断をつけた』というのが○○の部分としてあるんですが――「意外」という点で薄かったことは否めません。割と素直な展開)  で、今回はどのようにしたかと言いますと――簡易版に『新発想』と書いてありますが、つまり、宇宙人に思いつかないような攻撃を亮介が繰り出した、ということにしています。 >>「大将がやられた」というだけで逃げてゆく部下たちの行動が変。ご都合主義すぎる。これが成立するためには、そもそも大将ひとりの「ワンマン部隊」であり、大将がいなくなって、部下たちには戦闘を続ける理由がなくなった――とするか。  これは書いてなかったんですが――このラスボスにあたる敵さんは良いとこの家の出ということになっています。  で、そういうわけなので、おこぼれに預からんとしていろいろ人が寄ってくるわけでして。  そういう人たちが集まって出来た部隊。それがここで出てきている部隊なんです。  彼らの部隊としての結びつきは、隊長である男のもたらす利益関係での結びつきであるので、大将が死ぬと結束を保つ意味がなくなるんです。 (ご都合主義性に気づいていれば、このあたりは前に補足できてたんでしょうけど…………) >>【緊急脱出用ポッド乗込口付近。過去の出来事】 >>不要。 >>このシーン自体、ぜんぜん面白い部分がない。はっきりいって「つまらん」し、エピソードがなにも説明していない。なんの説明にもなっていない。  一応、宇宙人二人のなぜ逃亡者なのかの背景、および、どういう星であるか、彼らが星に対してどんな思いでいるか、ということを示すために入れたんですが――展開的にはなくてもいいですね。 枚数配分>  単位は『枚』です 【夕方、帰宅途中。駅前】(10)   ・亮介のビビリ性格表明&有希への感情表明 【帰路〜亮介の家の前】(8)   ・宇宙人同士の戦闘に巻きこまれる。 【家のなか→街頭】(33)   ・心のなかに入りこんできた宇宙人からのコンタクト。   ・逃亡の様子。   ・事情の説明。 【戦闘現場】(3)   ・二人の宇宙人の捨てられた肉体を確認している追っ手たち。 【山中。夜】(14)   ・亮介覚悟を決める。    宇宙人に対する親しみ。 【山を抜けたところ】(7)   ・「体」に対する感覚の違い。「肉体の損傷=怪我」を気にしない宇宙人の戦いかた。 【自転車置き場。夜中の戦闘】(29)   ・初めての戦闘。肉体の運動能力を完全に引き出しての戦闘。 【スーパー→銭湯】(18)   ・ちょっとした日常回帰。 【夜。線路上】(30)   ・電車への飛び乗り。心の中の宇宙人との間で、肉体の制御に対して齟齬が生じる。主人公のビビりが戦闘能力を落としている。 【移動中】(52)   ・追っ手との邂逅。指揮官と護衛との因縁。戦闘となるが、なぜか逃がしてもらえる。   ・王女の悩みが明らかになり、同時に王女の「逃亡性」が示される。 【公園。夜】(29)   ・主人公と有希。逃亡開始以降、はじめてのふたりだけの会話(宇宙人は抜きで)。主人公が昔、有希を守るために自分よりも強い相手に立ち向かっていったことを告げ、主人公を励ます有希。 【宇宙船のなか。地球付近】(3)   ・なんか味方来そうな雰囲気。 【採石場。夜】(70)   ・指定された邂逅ポイントにて救援を持つ二人。だが裏切りにあい、おまけにピンチ(オーバーヒート)になる。   ・護衛は消え、ひとりで戦う主人公。   ・「逃げること」をやめる王女。諦めない主人公。   ・新発想→勝利。 【奪取した宇宙船の内部】(23)   ・自分を守るために消滅した護衛への愛を、自覚する王女。   ・護衛復活。 【後日談。夕刻】(10)   ・告白。ビビリ解消の幕引き  計339枚。  まあ、このさい、枚数はさして重要ではありません。書く上での目安です。  灰色文章がまだまだあるオイラは、リテイク前提で書こうとしているわけなので。  その段階で、枚数がいくつか上下動することはあることでしょう。  それで――おもいきって言ってみますが。  新木さんから――いや、新木さんに限らずどなたからでも同じことなんですが――どうしてもここ、絶対直せ、という意見がなければこのまま本文に移行したいのですが。  書いた分を課題部屋にアップしていく方式で。  絶対直せ、というところがあるのであれば、プロット第3稿をあげてから本文にいきますけれども。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6243 投稿日 2003年2月25日(火)20時33分 投稿者 新木 伸 >子持ちシシャモ(オス)  ん? べつにおかしくないのでは? (ちなみに「子」には「卵」という意味がある)  魚の精巣は白子っていうくらいだから、まあ「子」のうちでしょう。  それともべつに白子を持っているわけでもないのかな?(それならばおかしい)  弟切さん、そういうときには、買ってきて確かめないと〜。 >風輪さん  理解しましたね。  なぜクトゥルフ物であることを、僕が叩いたのか。  そのへんの理由も、そこにあります。  いまなら理解可能でしょうから、書いておきます。  このあいだまでの風輪さんは、「いあ! いあ! ねやいえるほすてぃーぷ!」と作中で誰かに叫ばせれば、おどろおどろしい「あのイメージ」が、読者の脳裏に魔法のようにパッと出現すると、そう思っていたわけですよ。  だから僕は叩いたわけです。ナメてんじゃねーぞ、って。 >「○○感出し。10分間トライ」  これ、もっと身近なところで、誰かやってみませんか?  たとえば「学校の教室感」――をお題にして、やってみるとか。  会社勤めの社会人でしたら、「会社のオフィス感」でもいいです。学校から離れて数年も経った人であれば、こっちのほうが記憶が新鮮なはず。  これらのネタでやった場合――。  おそらく「ジャングル感」よりも、もっとはるかに楽に、はるかにたくさん、はるかに詳細に、はるかに具体的に――出てくるはずです。  たぶん連想してくる物があまりにも多いために、タイピングする指が追いつかないんじゃないかなぁ? 「そんなん、いくらでも無限に思いつくじゃん」――とか、そんなことになるんじゃないかなぁ?  読者を「そこ」に連れてゆくためには、まあ少なくとも、そういう「連想するもの」でもって、原稿用紙数十枚分くらいを埋め尽くせることが必要なわけです。  それが「鉱石がある」という状態。  そこが出発点。  その先も長いですが。(ここから先が、ようやく鷹見さんの話に出てくる「厳選する」とかしないとか、そういう話になるわけですね)  ちなみに僕の方針としては、読者もよく知っているはずの「教室」を書くときにさえ、ただ「教室」と済ませるのではなく「きちんと教室を描写しろ」と迫ります。  読者を教室に連れてゆけ――と、そう言います。 >巻島  なんだ。まだやってたのか。  てっきりもうやめていたのかと思っていた。  しっかし、読みにくいプロットだなー。  怒りを覚えるほどでの読みにくさであったので、再整形して、アップし直しておいた。  あんなん上げるの、それ、人に読んでもらおうっていう態度かよ。 http://www4.pos.to/~araki/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=380&e=res&lp=380&st=0  378のほうは自分で削除しておくこと。(管理者削除はできないのよ。課題部屋の掲示板って) ・誤字脱字ぐらい取ってこいバカタレ。 ・右方向にだらだらと長く伸びすぎ。もっと簡潔に説明できる内容も多い。プロットっていうのは、1項目、1行40文字以内に収めるつもりで書くものだ。 ・どうしても長くなってしまう時でも、エディタに落として読む人のことを考えて、全角38文字目あたりで折り返すこと。 ・箇条書きの途中で改行すんな。なんのための箇条書きなのか。「段落一個=一項目」となるのが箇条書きであるわけ。改行するくらいであれば「・」を新たに立てること。 ・注釈の「※」マークで始まる備考は、通常の項目「・」から2文字は下げろ。1文字しか下げないままで区別が付くのは、書いた当人であるお前自身だけだ。 ・通常項目「・」の開始位置が、4文字目だったり2文字目だったりいいかげん。ひとつのプロットファイルのなかでは統一を取れ。  ――んで、プロットの表示形態のことはともかく。  内容のほう。  まあ、いいんじゃないの。  このくらいまで練ったあとでなら、とりあえず書いてしまうという選択肢もあるだろう。どのみち1回書きあげたくらいでまともなものにはなりゃしないんだから、リライト前提で書くことになるわけだし。  いくつか変更すべきところはあるのだけど、固まってきちゃっていて、この時点ではもううまく直せなくなっていると見た。いっぺん書きあげてみれば、その呪縛も解けて、また客観的に眺めて直せるようにもなるだろう。  ひとつ安心させるために書くけど。  「絶対NG。そこを直さなければ書くだけ無駄」となるほどの大きな問題は、もうないよ。(リライトで直せないような設計ミスはないってことね)  だけど、「とりあえず書いちまえば?」って、前にも1回言ったような気もしないでもないのだが……。(わしの気のせい?) -------------------------------------------------------------------------------- 川口浩探検隊 No.6244 投稿日 2003年2月25日(火)21時41分 投稿者 風輪 玲  暗黒の魔境アマゾン奥地3000キロに幻の原始裸族を見た!!  ──というTV番組をふと、思い出した。  懐かしいなあ。  再放送もビデオ化もされてないようなので、「鉱石」にできないのが残念。  今日、立ち寄った書店で探してみたものの、色褪せした「地球の歩き方」ブラジル編しか見つけられなかったです。  アマゾンって、観光地としてはマイナーなんですね。  週末は図書館に出かけ、アマゾンの密林(セルバ)について「鉱石」を仕入れてくることにします。  ネット検索で「アマゾン自然館」という、密林をジオラマ展示している博物館を発見したものの、遠隔地なのが難点。日本国内なので、現地まで渡航するより手軽ではあるんですが、そこまでコストをかけられないです。 ▼いかに低コストで、純度の高い「鉱石」を短期間で入手するか?  知識獲得のノウハウを確立しておいて、損はないです。 >新木さん  はい。指摘された通り、無自覚でした。  必要な手間を惜しんだという、意識さえなかったところがヘタレです。  「紫杯」後に予定している次回作は、自分の器に合った設定で書くことにします。   「適正量削り版・補完つき」を課題部屋にアップしておきました。  361番と比べ、思ったよりも削れませんでした。  ( )で補完したのは、原文にない・書き直したほうが良いと思った部分です。 >弟切さん  381番を見る前に、355番を自分で削ってみてはどうでしょうか?  私と違って弟切さんはどう削るのか、興味があります。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6245 投稿日 2003年2月25日(火)22時07分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  んで、いま死にかけですかどうですか?  そろそろ「削り」「鉱石」あたりのことは消化されてきたんじゃないかと思いますので、例の「その一点のみで読み捨て決定」の話題にでも入ろうかと思っていますが。  精神的に準備OKであれば、はじめますけど。  ――っていうか、これ、自分では見当はつきません?  ヒントは課題部屋にある「削りカス」の中、です。  あのなかに「読み捨て絶対確実」の理由があります。  人から教えてもらって「ああそうか」とうなずいているよりも、自分で見つけ出して「発見」したほうが、何倍も経験値になりますけど。  教えてもらったことは一週間もすれば忘れてしまいます。しかし自分で発見したことであれば、これは一生忘れません。  ちなみに鉱石の種類による「難易度」の関連話題。  過去ログの5165です。 >>難易度1:普通の感性の持ち主。普通のシチュエーション。 >>難易度2:普通の感性の持ち主。異質なシチュエーション。 >>難易度3:異質な感性の持ち主。普通のシチュエーション。 >>難易度4:異質な感性の持ち主。異質なシチュエーション。  この「異質なシチュエーション」を書くためには、レアで稀な鉱石が必要なのですね。  「夜の密林」なんてのは、まあ「異質なシチュエーション」と言ってもよいかと思います。  しかし「夜の部屋」なんてものは、これ、「普通のシチュエーション」でしかありません。よって鉱石は鉱石でも、ありきたりな普通の鉱石なわけです。  「学校感」なんてのも、これ、普通の鉱石に分類されます。  まあ誰でも持っていそうなものですね。  ミーンリライトの難易度は、だいたい、1と2の中間。  「難易度1.5」というあたり。  そして「邪神戦線2062冒頭」の難易度は、2と3の中間。  「夜」「ジャングル」「逃走中」が、すべて異質なシチュエーション。  また主人公の感性も、普通の人間――っていうには、ちょっと異質。  ジェイドは「歴戦の兵士」なわけですよね。「異質な感性」の持ち主とまではいいませんが、しかし、「普通」ともいえない。普通と異質の中間あたり――で。  総合すると、「難易度2.5」となります。 >>難易度2は、プロでも本腰を入れて書きます。 >>難易度3は、プロでも本気モードになります。 >>難易度4は、プロでも尻込みします。なるべく書かずに済ませられないか、方策を練ります。  この対策表に照らし合わせますと「難易度2.5」というのは、プロでも本気に近いものを出さないと書けないもの――ということになりますね。  ちなみにミーンリライトの「難易度1.5」くらいであれば、プロならば本腰を入れずに書けます。つまり「朝飯前」ってこと。前に僕は神視点でちょっとだけ書いてみましたが、あんなふうに、気楽にちょちょいと書けてしまえるわけです。  ちなみに「難易度4」あたりは、「異常者の戦闘シーン」なんてのが相当します。  古橋さんがブラックロッドの中でやっていたりしますよね。異能者スレイマンの戦闘シーンだとか。黒き威圧者ブラックロッドの戦闘シーンだとか。超絶神父の戦闘シーンだとか。 >ミーンリライトがちょうど良い題材である理由  あっちを書くのに必要な「鉱石」っていうのは、以下の三つだけです。  「夜感」  「中世自体の館(のうちの部屋ひとつ)感」  「エロい感」  一般的には、これ、「ジャングル感」よりは「ありがち」な鉱石です。ジャングルに比べると簡単です。  「中世の館感」が、多少難しいかも。あと「エロい感」もちょっとだけ。  しかし「夜感」ぐらいであれば、まあ誰でも普通に知っているものかと。少なくとも日常生活を送っている限りは、毎日1回は「夜」を経験しているわけですし。 (とか思っているとアマチュア君は「夜の公園」さえ書けなかったりするので、油断はできないのですが) -------------------------------------------------------------------------------- 業務連絡 No.6246 投稿日 2003年2月25日(火)22時07分 投稿者 新木 伸  3/11移行、この分室にアクセスできなくなる可能性があるので、先に書いておきます。  僕が――ってことじゃなくって、ここを見ている全員がってことね。  サーバー移転につき、ちょっとしたトラブルが発生しているもので。  上記日以降に、もしブラウザの「ブックマーク」などから、この分室へアクセスできなくなった場合には「よみかく」のほうを見てください。  「よみかく」からのリンクを移転先に直してもらうと思います。  もしくは「交流掲示板」あたりを参照のこと。そこに移転先を書くことがあるかもしれません。  この分室が置かれているサーバーのほうで、設備変更のために、サーバー移転が予定されているのだけど……。  どうも用意された新サーバースペースのほうで、掲示板cgi(というかcgiの類がすべて)が動作してくれないのだわ。  3/11の強制移行日以前に動作確認を取ってくれ――と連絡があったのだが、こっちの責任ではない部分で動作確認が取れないっぽい。  こちらでは色々と原因究明の努力はしているのだけど、どうもサーバー側の設定に問題があるっぽい。しかし問い合わせのメールを送っても、いっこうに返事が返ってこんし〜。(まあ月650円20MBの廉価サーバーなもんで、フットワークが悪いのは当然なのだが)  もし3/11までに原因究明されなければ、やむを得ず、現在のサーバー契約を打ち切ることになります。よって他のサーバーへの乗り換え期間の間は、分室へのアクセスができなくなる可能性があります。  とりあえず、うちは常時接続環境にあることだし、急場を凌ぐあいだは、ダイナミックDNSと組みあわせて、自宅にサーバーを立てることも可能ではあるけれど……。 (セキュリティ対策が面倒くさいから、なるべく自宅サーバーは立てたくないのだよなぁ) -------------------------------------------------------------------------------- 鉱石探しなら…… No.6247 投稿日 2003年2月25日(火)22時49分 投稿者 鷹見一幸 手っ取り早くビデオレンタル屋に行って「プレデター」を借りてしまう。  という手もあるな。  シチュエーションは、そのまんまだし(笑)  まあ、シュワちゃんのタフネスぶりはどうでもいいとして。あれのロケは確かフロリダでやってるはずだから、背景に広がるのは中米あたりの植物相で、アマゾンの密林とは違うけど「濃密な植物に囲まれた感」はあると思う。  あとは、映像の外に広がるものをどれだけ想像できるかだね。  山歩きってやったことないかなあ。キャンプとかハイキングとか。  今は冬だけど、初夏から真夏の山は、本当にジャングル感もかくやと言わんばかりの湿気と、藪と虫の攻撃にさらされます。    普通の人はジャングルを歩いたことは無くとも、そういった山で体験したことをフィードバックして、それを下敷きにして、想像するわけだ。    落ち葉で滑って尻餅ついたこと。  草を踏むと青臭い匂いがすること。  汗をかくと虫除けが効かなくて虫がたかること。    これくらいのことは思い出すだろう。  だから、それを、いかにもジャングルっぽく書いて投入すると、読んだ人に「あ、あるある、そういうことって」という感覚が生まれる。  それが想像力のカタパルトになって、読者をジャングルに連れて行きやすくなるわけだ。  想像力といえば、今公開中の「ロード・オブ・リング2」の話になるが、あれはこの世のものではない映像なわけだ。  人間や馬や道具はCGじゃないが、そういったマテリアルの話じゃなくて、世界の話ね。  大は大平原と、雪を頂いた峰々から、小はエルフの弓兵たちが身につけている明らかに人間とはメンタリティの異なる文化形態による精緻な装飾に至るまで全部作ってるわけよ、あの世界を。  その、元になったものは、物語であって、映像じゃないんだよね。  確かエルフの武具の描写は英語で「スフィステーケッド・エングローヴ」だったっけ。たしか一言で終わらせているはずだ。記憶があいまいなので、スペルも浮かば無い、すみません。  ああいった風景や、衣装や、飾りがどっかにあって、それを模倣しているわけじゃないんだよね。  確かに北欧の民族衣装とかいろいろ参考にはしてるけどさ。    あれが世界を作るってことなんだよな。と考えてしまった。    ラルフ・バクシは、きっとあんなのを作りたかったのかもしれない(笑) 以下余談 >ししゃものオス  そうか、やっと、ちゃんと表示するようになったんだな。  えーとね、ししゃものオスに、魚卵を注入して、無理やり子持ちししゃもにして売るということは、ずいぶん前からやられていたことです。  ししゃもの値段はメスとオスで段違いなのに、漁獲高は同じなわけです。ですので、水揚げされたオスの内臓を吸引して、かわりに漏れたメスのタマゴや他の魚類の卵を、結着剤で混ぜたものを注入したものが、結構売られていたりします。  捨てられるはずオスと、同じくあまり商品価値の無いマグロなどの卵巣を組み合わせて作られた魚卵の価値の高い日本ならではの水産加工物です。  性転換したニューハーフししゃもじゃありません。安心してお召し上がり下さい。  さらに余談。  先日100円ショップ(ダイソー)をのぞいていたら、100円アニメビデオってのあったので手にとって驚いた。  フライシャー兄弟が作ったアニメのスーパーマンやポパイが100円で売られてる!    この二つは戦前に作られた短編アニメ(アニメカトゥーン)で、フライシャー兄弟ってのは、ディズニーが出てくる前のアメリカを代表するアニメ作家だったんだよね。  宮崎さんが新ルパン三世の最終話「さらば愛しのルパンよ」の演出、作画監督をやったときに、このスーパーマンのオマージュをロボット兵のラムダにやらせてるので有名なんだけどね(作中でルパンが扮した銭形警部に『まるでスーパーマンですなあ』とか言わせてる)(笑)  トムとジェリーなんかも古いのは全部この種の戦前に作られた映画用短編で、実に質が高い。  戦後になってテレビ放映するようになってからフェイマスプロというテレビアニメ専門の制作会社が乱造したものとは絵柄を見るだけでわかる。  一度見て損は無いと思う。  ってゆーか、この機会がないと見られなくなりそうだから今のうちに買っておくといいかも(どーせ100円だし)  それにしても、バグスバニーはワーナー。トムとジェリーはMGM。と、ちゃんとした会社が著作権にからんでいたから、今でも散逸しない。  それに比べてフライシャーは可哀想だな。  昔、ホームムービーの時代にこれが8ミリフィルムで売られていて、アメリカから高い金出して買った覚えがあるんだよね。ダイジェスト版(15分)のスターウォーズとかと一緒に。  安く手に入るのはうれしいけど複雑な気分だな(笑) -------------------------------------------------------------------------------- ゆけ!ゆけ!川口浩 No.6248 投稿日 2003年2月25日(火)23時50分 投稿者 弟切 千隼 という歌が昔あったことを思い出した弟切です。コミックソングの王者、嘉門達夫さんの歌でしたね。 今回はレスのみです。 >>子持ちシシャモ(オス) 解説ありがとうございます > 鷹見さん(^_^) 食品業界では、この手のごまかしはよくあるそうですね。 ついでに書いておきますと、子持ちの雌シシャモより雄シシャモのほうが、肉自体の質は良くて美味しいのですよね。子持ちの場合は、肉の栄養が卵に取られてしまうため、どうしても肉質が落ちます。 卵のぷちぷち感より、肉のうまみを選びたいという方は、ぜひ一度雄シシャモをお試し下さい。雄シシャモは、デパートなどで開催される北海道物産展で手に入ることが多いです。 >>ジャングル感 生き物が好きな弟切は、おそらく平均的な日本人よりは、熱帯の植生や動物などに関して詳しいです。そのため、ジャングルにまつわる言葉を連想している時には、指のタイピングが追いつきませんでした(^^; この連想をしている時に困ったのは、「板根」・「着生植物」・「気根」・「ラテライト」・「多足類」などの、普通の人が知らない単語がぼろぼろ出てきてしまうことでした。私には解っても、おそらく大部分の日本人にとっては、これらの単語は馴染みがないものです。 したがって、これらの単語をそのまま書くわけにはゆきません。頭の中で変換をかけて、普通の人に理解できる言葉で書かなければならず、この作業に手間取ってしまいました。 ジャングル感を身に付けるには、植物園へ行ってみるのも一助になると思います。たいがいの植物園には熱帯の植物を集めて展示している温室がありますから、そこへ行って熱帯植物の実物を観察してくると、得られるものがあるでしょう。 もちろん、植物園の環境は、人工的にとてもきれいに整えられていて、野生の状態とはだいぶ異なります。それでも、実物に接することができる点では、ありがたい施設です。 風輪さんがどちらにお住まいかは存じませんが、どこの都道府県にも、一つや二つ熱帯植物を展示している植物園があるものです。一度、最寄りの植物園へ行ってみることをお勧めします > 風輪さん。 >>「シークレット・ミーン」リライト削り 風輪さんのおっしゃるとおり、課題部屋の355番を自分で削ってみます。 今日は時間的に余裕がありませんので、後ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 著者校が届いた No.6249 投稿日 2003年2月26日(水)03時48分 投稿者 新木 伸  戻しが27日昼なので、それまで何も書けないっぽい。  メールの返事なども、一時棚上げ〜。 -------------------------------------------------------------------------------- 初めて「よみかく」にきたときの感想とか No.6250 投稿日 2003年2月26日(水)13時38分 投稿者 月白  初めまして、月白と申します。  分室は、以前からROMしていました。  新木さんに召還されて、一つだけ、僕の感想を書きにきました。  聞いてください。    正直に言います。  僕は、「よみかく」にくる前に、新木さんの「星くず英雄伝」を読んでいました。そのときには、既に小説を書くことに手を出しており、 「ライトノベルでは、どの程度のエロが許されるのか?」 を知りたくて、エロいとどこかの掲示板に書かれていた「星くず」を読んでみたわけです。  1巻は売ってなかったので、2・3・4巻をまとめ買いして、読みました。  面白いというほどではなく、最後は、流し読みになりました。  で、「よみかく」に来たわけです。  衝撃でした。  僕にとって「あの程度の作品」の作者さんが、これほどまでに、情熱と体系的知識を持って作品に取り組んでいたということが。それはもう、「適当に」、「なんというか感性のままに」書いているんだろうな、としか思ってなかったわけです。  普通の読者、あるいは創作小説アマチュアの作者感なんて、そんなものです。  普段何気なく読んでいる本、ああつまらないな、そんな風に読み捨てる本が、精密な分析と、知識と、一字一句に至るまでの計算に裏打ちされて書かれている、なんてことは、存外なのです。  これが、僕の、「よみかく」を初めて訪れたときの感想です。  正直なものです。  僕にとっては、衝撃だったです。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てることができるものを書くということは。 No.6251 投稿日 2003年2月26日(水)15時09分 投稿者 鷹見一幸  少なくとも「読んで」から「捨てる」ということであって。  「読まずに」「捨てる」ものとは違う。  この「読んで」もらうために、どんな努力をしているか。  そこのスタンスがプロとアマチュアの基本的な違いだろうね。  プロ、と名が付くということは、少なくとも数万の単位の人が読むということを前提にしなくちゃならないわけだ。  ましてや、その数万の人がだ、わざわざお金を出して、自分の大切な時間を本を読むことに使ってくれるわけだよ。  数百人を相手にしている同人誌じゃない。  数万という単位の人向けに書くということは、気心知れた仲間内に向けて書くということじゃないんだな。  価値観も、経験も、知識もまったく違う数万人の人に「面白い」と言ってもらうためにする努力というのはね。    小学生、中学生にも。  30過ぎの大人にも。  同じように「面白い」と思わせるための努力なんだよね。  いわゆる「最大公約数の面白さ」というやつだね。  何でも知っていて、深読みのできる読者を相手にするレベルで  何も知らない、そのまんま読み込む小中学生を相手にしても、  小中学生を白けさせない。    これができるかどうか、それが結局はプロになれるかどうかという基本的なスタンスのような気がするんだな。  書き飛ばしたように見える小説。  事実、書くほうも書き飛ばしているのかもしれない。  読み捨てにされるような小説。  事実書くほうも読み捨てにされてもいいと思って書いているのかもしれない。  でも、それでいいの 「読んで」からなら捨てようと燃やそうと、徹底的に叩こうと。  それは「読めるものを書いた」という証拠なんだ。  何も考えないで適当に書いたように見えるとしたら  それこそがプロの証明だよね。   -------------------------------------------------------------------------------- ういっす No.6252 投稿日 2003年2月26日(水)17時28分 投稿者 新木 伸  著者校中〜。  なぜこぼれる。あれほどきっちり計算したのに。また5行詰めなきゃ〜。きゃー。  月白さんには、僕かお願いして、僕とのメールのなかにあった文面のひとつを、わざわざアップしてもらいました。  あとで、その話を触媒にしてエサ撒きますです。 -------------------------------------------------------------------------------- 忙しい時ほど余計なことをしたくなる No.6253 投稿日 2003年2月27日(木)00時19分 投稿者 弟切 千隼 という経験は、おそらく多くの方にあるでしょう。 弟切も、今日、この罠にはまってしまいまして、今時分まで仕事に追われる羽目に陥っています(^^; 課題部屋に、「シークレット・ミーン」リライトの自力削り版を上げておきました。 私はまだ「灰色の文章」と「灰色でない文章」を見分ける力が未発達らしく、自分でもまだ削り足りない気がしています。とりあえず目標への一里塚ということで、課題部屋に上げてみました。 -------------------------------------------------------------------------------- たったいま、朝刊が届いた No.6254 投稿日 2003年2月27日(木)03時12分 投稿者 巻島翔史  レスのみです。 新木さん> >>・どうしても長くなってしまう時でも、エディタに落として読む人のことを考えて、全角38文字目あたりで折り返すこと。  これは……オイラはエディタに落として読むということは一切したことがなかったので、盲点でした。  ブラウザで読むぶんには、改行しないで伸ばしていった方が(自分として)読みやすいかな、とも考えていましたし。 (ただ、スクロールがウザいといえば、それはまったくその通りでした。これは注意力が足りなかったと言わざるを得ません) >>・注釈の「※」マークで始まる備考は、通常の項目「・」から2文字は下げろ。1文字しか下げないままで区別が付くのは、書いた当人であるお前自身だけだ。  ブラウザ(IE)上では「・」から2文字以上下がってるように見えるじゃん、と思って、一応確認作業としてエディタで改めて見たところ……  むぅ。確かに1文字しか下がっていない。  実はこれ、上にある起承転結分割のほうはスペースキーで段落を下げているのですが、下にあるプロットのほうはタブキーでもって段落下げているんで…………メモ帳やブラウザだとタブキー下げは、4文字下がっているようにちゃんと見えるのですが、エディタだとモノによっては1文字しか下がってない表示になっている……  タブキーの特質をオイラが知らなさすぎたということです。はい。  いやまあそれ以前に、注釈が※だったり()だったり<>だったり、しっちゃかめっちゃかで統一が取れてないことの方が問題だと思いますが…… >>・通常項目「・」の開始位置が、4文字目だったり2文字目だったりいいかげん。  起承転結分割とプロットでの下げ文字数が違うのは、これは、二つは別々のものだろうと考えていたので、あえて統一は取りませんでした。 (だったら、プロットというタイトルの同じ書き込みのなかに入れるなよという話ですね。ケチらず使い分けるようにします)  それ以外でいいかげんな箇所があるのだとしたら、上記のスペースキーとタブキーの問題です。  視覚的に見分けつかない場合とかありますから……。メモ帳だと。  ……ほんとに、不勉強を露呈して申しわけないです。  生存報告兼ねて、これからしばらく長編を課題部屋にアップしていきます。では。 -------------------------------------------------------------------------------- 夜がもっと長かったらいいのに No.6255 投稿日 2003年2月27日(木)10時14分 投稿者 紫ゆきや ●ハイスピ  今日までのぶん、UPしておきました。  古い部分もけっこう修正したので、いっしょにUPしておきます。  明日は、続きだけになると思います。 ●「河原でけっとうの日」比較  本文にはいりましたので、この時のために溜め込んでいた課題をやっていきます。  OFF会で、新木さんに書いていただいたリライトとの比較です。  文章は課題部屋のほうにUPしてあります。 ===紫の文  小さな女の子が泣いていた。 {省略}  * * * === ↓↓↓ ===新木さんの文 {無し} ===  いきなり全カットされてますね。  つまり「まるごと、いらない」ということです。  OFF会のとき、「冒頭は、看板のようなもの」と教えていただきました。  だとすると、「翔子」を主人公にした話で、コレが冒頭にくるのは明らかに違うとわかります。  今、思い返すと、かなり恥ずかしいのですが……  この文を入れた理由は、「一人称」で誰かに語りかけるような文体を使う場合、誰かに話しかけるようなシーンを入れておいたほうがスムーズだと思ったからでした。  それは間違いではなかったかもしれませんが、そもそも選んだエピソードが失敗しています。  ――今日はここまで。  ぜんぶ終わったら、まとめ直して課題部屋の「比較の根っこ」に追加するつもりです。 ●ジャングル感  私も「ジャングル感」のテストに参加してみます。  以下は、制限時間10分のなかで出せたものの羅列です。 ・緑色のコケ。 ・でっかい木。 ・でっかくて、ぶ厚い葉。 ・極彩色の、でかい花。 ・くさい花。 ・緑の蔓。 ・蔓のような茶色の木。 ・湿った空気。 ・蒸し暑い。 ・やたらと近くに感じる太陽。 ・ぬかるんだ地面。 ・でかい虫。 ・毒をもった生き物。 ・蛇、カエル、あぶ(?) ・ゴリラ。 ・臭いの強い果物。 ・沼のような川。 ・視界のなくなるような土砂降り、スコール。  ……植物と生物ばっかりですね。  終わってから考えてみると、汗とか体臭もありますし。視覚と嗅覚ばかりで、味覚・聴覚・触覚についての情報がサッパリですし。  ジャングルを書くのであれば、もっともっと具体的に出せなくてはダメだなと思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- じゃんぐりずむ No.6256 投稿日 2003年2月27日(木)20時12分 投稿者 弟切 千隼 >>「シークレット・ミーン」リライト 自力による削り第二版を課題部屋に上げておきました。 第一版とはほんのちょっとの違いしかありません。現時点では、自力での削りはこれが限界ではないかと感じています。 >>ジャングル感 これに関して思い出したことがあったので、少し書いておきます。 ジャングルが「動植物がいっぱいいるところ」であることは、おそらく普通の人々の共通認識でしょう。けれども、同じジャングルでも、地域によって生息する動植物にかなり違いがあります。 例えば、ジャングルのおどろおどろしさを現わすのに恰好の食虫植物、ウツボカズラは、南アジアにしか分布しません。よって、風輪さんの「邪神戦線2062」の舞台となっている南米のアマゾンに、ウツボカズラを登場させることはできません。 また、紫さんが「ジャングル感」で連想したというゴリラは、アフリカにしか棲んでいません。したがって、これもアマゾンなどのアフリカ以外の地域に登場させるとおかしなことになります。 アマゾンに生息している動植物で有名どころといいますと、肉食魚として悪名高いピラニア、世界最大の葉をもつ植物オオオニバス、果樹として栽培されるパパイア、最近ではペットとして人気のあるリスザル、空飛ぶ宝石と呼ばれるほど華麗なハチドリ、鮮やかな緑色をした大蛇エメラルドツリーボアなどですね。 お知らせ; 弟切は明日から出張に出かけなければなりません。明日から日曜の夜まではここに書き込めないと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 90日間世界一周の船旅 No.6257 投稿日 2003年2月27日(木)20時36分 投稿者 風輪 玲  に、誘われました。  大海原に白い航跡を描く豪華客船が頭に浮かび、一気に妄想モードへ突入。  いいな〜、行きたいな〜と、心がぐらぐら揺れました。  今なら五感をフル活用して世界各地の写生文を書き、引き出しをいっぱいにすることができそうです。  イヤなこと、みーんな忘れて。  ──あ。  ただの現実逃避じゃん。 >新木さん  「その一点のみで読み捨て決定」の指摘は、勝手を言うようですが、3日の月曜日まで延期してもらえないでしょうか。  まだ精神的ダメージが残っていますし、自力で発見したいです。  「削りカス」の中に、読者が吐き出してしまう「異物」が混入している。  それならば、製造者である私は原因を究明し、二度と同じ不祥事を繰り返さない企業努力をする必要があります。  実は……「二次創作」がそれだと思い込んでしまい、「削りカス」を分析するのを忘れていました。  面目ない。 >鷹見さん  指摘のとおり、映画「プレデター」は元ネタのひとつです。  「アメリカ人兵士が、ベトナムの密林で、光学迷彩の異星人に、追い詰められる」     ↓  「兵士が、密林で、未知の敵に、追い詰められる」     ↓  「EUの傭兵が、アマゾンの密林で、邪神の眷属に、追い詰められる」  といった感じで、シチュエーションを一度、抽象化して自作に取り入れています。  話のパターンとして盗むのは、OKですよね? >弟切さん  ジャングル感のアドバイス、ありがとうございました。  アマゾンにこだわりすぎていたようです。コストをかけられないなら、代用のもので間に合わせるしか、ありませんよね。  そういえば、拳銃についての「鉱石」を得るときも困りました。  実弾射撃することができれば「拳銃感」を獲得できるものの、日本国内では免許もなしに銃を所持すると、法律で罰せられます。  そこでエアガンではなく、モデルガン組立キットで代用しました。  拳銃の内部機構を一から学び、そのシンプルさには驚きました。鷹見さんの言われたとおり、工作機械さえあれば自力で造れそうなぐらいです。  また、火薬を使って発火させることもでき、射撃後の分解手入れの重要性も認識できます。  実際にグリップを握った感触、各部品の可動チェックなど、文字情報だけでは得られない「鉱石」を収穫できたのは大助かりでした。  参考までに。  「M92FS製作記」  http://homepage2.nifty.com/k-hp/GUN/92.html  自力削り第二版、拝見しました。  細かい違いはありますが、私の削ったものとほぼ同じ印象を受けました。  削ってみた感触として、もう一ランク上の削りがあるような気がするのですが……私にはまだ、手が届きません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6258 投稿日 2003年2月27日(木)21時21分 投稿者 新木 伸 >弟切さん  削りはもう限界か。  なら僕もそろそろ、削ってみるかね〜。  あと、風輪さんの削ってくれたほうなんだけど、あっちには「増量指示」なるものも付いている。それを見ていないのなら、ちょうどよいから、自分でも「増量指示版」っていうのを作ってみるように。  もし見てしまっていたら、頭からは消えてくれないだろうなぁ。そのときは、まあやらんでもいいけど。  僕も僕で、「削り+増量指示」版をやってみよう。 >巻島  プロットの書き方とか。  教えたのに、やってこねーから、あれは怒っても良いところだったよね?(笑)  ちなみにどこで「教えて」いたのかというと、過去ログの762ね。  しかしエディタで読まれることを想定していないなんて、情けないなぁ。  プロットなんて、エディタ以外のなんで読むのだ?(紙媒体で読むこともあるか)  WEB上で見る場合しか想定していないとすると、OFF会の現場とかで、急遽、誰かのノートパソコンのHDDに入っている「プロット」を引っぱりだしてきて叩いてもらうときとか、どーするのだ?  それから……。  なぜに新ツリーを立てる?  おまいは課題部屋を自分の書きこみだけで占領するつもりか。  いちばん上のツリーに毎日書いた分をアップしてゆくってことは、皆の書きこみを次々と下に追いやってゆくことになるよね。30日かかるか60日かかるかわからないが。1日=1個なのだから、それだけの数の書きこみができるわけだよね。  毎日書いた分は、下の方の「あらすじツリー」の下に付けること。  新ツリーのほうには、章単位でまとまってからアップするように。それならたいした数にならないから。  それはそうと。  冒頭部分、ちゃんと小説になってるじゃん。 >>夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。 >>ロータリーのバス停はほどほどに列を伸ばし、その列の合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体なんかが通り抜けていく。  一行目は5W1Hのおまじないとして。  二行目は描写になっている。ちゃんと「夕方の駅前感」ってのが出てるよな。  そうそう。これが小説。こーゆーのが小説。  ただし、文章としては、あんまり良くはないかな。  単純なルールを適用するだけで、すこしはマシになるノウハウを教えておく。 1.一文の中に同じ語句か複数回使われる場合には、なんとしてでも、言い換えて他の語句にすること。 2.文頭が同じ書き出しで始まる文が続く場合には、かならず、変えること。 3.複数文に分かち書きが可能な場合には、とりあえず、文を分割しておくこと。(接続したほうが良くなることも稀にあるが、そんなものは、推敲段階で繋げてしまえばよい) ※注:上記のどれも、意図してやる場合は除く。  たとえば、「1」とか。 >>ロータリーのバス停はほどほどに列を伸ばし、その列の合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体なんかが通り抜けていく。  「列」と「列」。2回出てくるわな。  こーゆーのは、よくない。どっちかを変えること。もしくは行を分けてもクリアされる。  ちなみに「列」と「行列」とか、幹事は重複していても、語句自体は違っている場合にはこの限りではない。  また、「2」とか。  今回の分には出てこないけど、たとえば、「亮介は〜」という書き出しで始まっている行があったとして、その次行も「亮介は〜」なんてまた同じ始まりになるような場合ね。これは意地でも変えること。  この「1」と「2」。プロの文章で「手抜き度」をチェックするときの指針になる。  「手抜きだなぁ」と思ったプロの文章で、ちょっと、チェックしてごらん。  ちなみに僕はそんなのを見かけたら、まず読まないが。  そうそう。あと灰色の文章割合のチェックもしてやろう。  数字は出しておくけど、とりあえず、直さなくていい。「削り」とかは、全部書き上がってからやればいい。  いまやるのは禁止ね。書き上がってから。 >>夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。  ↓↓↓ >>稲瀬のにやけ面が、頭のなかをかすめた。  灰色の文章率30%。(生存率70%) >>昼休み。亮介はいつものように、購買のパンを教室で口に詰めこんでいた。  ↓↓↓ >>あとは延々、稲瀬の自慢話を聞かされただけだった。  不要。  すべて削除。  かわりに悪友にカノジョができてその自慢話を聞かされた旨の説明文を3行ほど入れる。 >>あとは延々、稲瀬の自慢話を聞かされただけだった。   ↓↓↓ >>そりゃあそうだ。家が隣同士なんだから。特に断らなければ、自然と、一緒に帰るかたちになる。  灰色の文章率40〜50%。  後ろのほうに行くにしたがって、気が抜けたせいか、余計なもんが多くなってきている。  だがまあ、初稿としてなら、灰色の文章率が50%までならOKだろう。書きあげてから、削ればいいだけの話だ。  この調子で書いてゆくように。  枚数は、たいていの小説賞が250〜350枚だっけ?  なら、この調子で500枚くらいは書くこと。  じゃないと、2分の1削除後に残るのが、規定枚数以下のものになってしまう。(増量作業でだいぶ戻るけどね)  500枚書いて、250枚に削って、それをまた350枚に増やして――とやれば、ちょうど良い感じでないかなぁ。  ただし、このままの灰色率で書き続けてゆけばって前提だ。  これより灰色率が悪化した場合には、どうしようか。いったんストップかけたほうがいい? それともいちおう最後までは書く?  自分で決めるように。 >紫  直しなんぞ、後でいいんだってば。  とりあえず書きあげろ。  また、すでに書いた分を手直しすることもあるだろうが、そーゆーのは、いちいち上げんでいい。小さな手直しが入るたびに上げ直されてたんじゃ、かなわん。  あくまでも、その日、新たに書いた分だけをアップすること。 >風輪さん  紹介されているモデルガンのHPって、これ、風輪さんの個人ページ?  それともどこかの人のページ?  ちなみにこのページの持ち主の人くらいの知識や経験があって、ようやく「本物の鉱石」を持っていると言っていいレベルですよ。  本物を持っていない僕らは、まあ代用鉱石で済ませるわけです。  エアガンやモデルガンを手にしての研究は、僕も、遙か昔にやりました。  たぶん銃を作中に登場させている作家はすべてやっていることでしょう。そのうちハワイあたりで実銃射撃をしてきたいと思っているのですが。そもそも海外旅行もしたことなくって。  そこ(銃のこと)こそが「核心」である作品の場合には、代用鉱石では話になりませんが……。  まあ、銃が小道具のひとつとして出てくる程度の作品であれば、代用鉱石でもなんとか用が足りるわけです。  たとえば僕は「拳銃アクション小説」なんてものは、現状では到底書けません(要本物の鉱石)。しかし主人公が銃を扱う小説――くらいであれば書けるわけです(要代用鉱石)。  まあ、「本物の鉱石」なんてのは、プロ作家でも数種類も持っていたら、良いほうです。  そのかわり「代用鉱石」であれば、各種一通り取りそろえているものです。  うーん。  しかし「密林」で「兵士」が「追われる」――って話だと、どれかひとつは、本物の鉱石か、代用鉱石であっても質の高いものが欲しいところですね。商業レベルの小説を書くためには。  「密林」経験があるか、「兵士」経験があるか、それとも「追われる」経験があるか。  「追われる感」はそれなりに出ていましたから、風輪さんの場合は、なにかそういう種類の鉱石を持っていたわけですか? -------------------------------------------------------------------------------- 本文書き始めていきなり体調崩すとは、 No.6259 投稿日 2003年2月28日(金)02時14分 投稿者 巻島翔史  いったいどういうことなのか。  関節の節だるさと腹痛と腰痛と咳をかかえています。というかこりゃ風邪か。  いやだなあ。作業効率が落ちるし。  ――以上、ペースが減ったいいわけでした。 (まあ、実際問題、書くのに半年とかかかっちゃったとしても困るのはオイラだけだから、遅いことはさほど問題じゃないのかもしれませんが……端で見てる人間にはモチベーションとか心配になるかもしれませんけど) >>WEB上で見る場合しか想定していないとすると、OFF会の現場とかで、急遽、誰かのノートパソコンのHDDに入っている「プロット」を引っぱりだしてきて叩いてもらうときとか、どーするのだ?  いや、そのオフ会感覚っていうか、現場感覚ってのが自分にはないので……  リアルで叩かれた経験が二回しか(府中の二回ね)ないし。  だから発想として出てこなかったんだと思います。 >>毎日書いた分は、下の方の「あらすじツリー」の下に付けること。  了解しました。  ――と、コメントがあると根っこの書き込みって消せないのか。むぅ。 >>これより灰色率が悪化した場合には、どうしようか。いったんストップかけたほうがいい? それともいちおう最後までは書く? 自分で決めるように。  最後まで書きます。最後までいってから灰色のことをやったほうが、オイラもやりやすいと思いますし。 (それよか、もう本文に対する反応があるとは思わなんだ……紫さんは放置だったから……) -------------------------------------------------------------------------------- No.6260 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- あ、いけね No.6261 投稿日 2003年2月28日(金)22時57分 投稿者 新木 伸  課題部屋にまっきーの作った新ツリー。  消そうとしてFTP操作してたら、変なことしちゃったかも。  現在、363−364が空き番となってます。  これ以降に書きこみをした覚えのある人は、いちおう、自分の書きこみがちゃんと残っているかどうか、確認のこと。(消えちゃっている可能性もある)  -------------------------------------------------------------------------------- しばらくの期間 No.6262 投稿日 2003年3月1日(土)04時33分 投稿者 新木 伸  事情があって、過去ログ倉庫が使えなくなっています。  おそらく3/3日あたりまでには復旧する模様です。それまでの間に、過去ログが必要な人は、僕のところまでメールをください。 -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.6263 投稿日 2003年3月1日(土)22時53分 投稿者 風輪 玲  昨夜、読み捨ての理由を探して「削りカス」とにらめっこしました。  けど、わかりませんでした。くすん。  そこで、今晩はアプローチを変えてみました。  自分だったら、どこで読み捨てするのか?  思いつくままに挙げてみます。 …… ▼読み捨ての理由  ・悪文、誤読できる文章  ・不自然なカメラワーク  ・5W1Hが不明  ・ありふれた冒頭、キャラ  ・事件のない冒頭  ・既存作品のパクリ  ・統一されていない視点  ・リズムのない文章  ・無駄な会話、説明  ・共感できない主人公  ・考察の足りない設定  ・設定のベタ書き ……  やはり「設定のベタ書き」ですね。  「削りカス」を見直してみると、該当する文章ばかりです。  他の項目はきちんと回避できているか? と問われると、怪しいですが。  むう。  設定をまんまで書かないよう、注意したつもりが、「まだまだヌルい」のか。  うーん、うーん(と、頭を抱える)。  これで「違う」って言われたら、お手上げです。白旗振ります。  あと、モデルガン製作のページは、私が検索した範囲で一番詳しかったので紹介しました。  いっぱいいっぱいの私には、とてもサイト運営する余裕がありません。  「追われる感」については、エンターテイメント作品の普遍的なパターンとして吸収した「代用鉱石」が私の内部に貯蔵されていたせいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 削りカスのなかの宝 No.6264 投稿日 2003年3月1日(土)23時25分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  んー、もひとつヒント。  その自分のあげた「読み捨てポイント」は、すべて忘れていいです。  「その一点」に比べたら、すべて、些細な問題です。  それらはすべて「違う」という前提で眺めてみて、なにか見つかりませんか?  ていうか、さすがにもう本当に白旗でもいいですが。  そういえばもう2回くらい、自分からは白旗宣言してましたっけ。  次、白旗宣言出してもらったら、白旗受理します。  分室の他の参加者に解禁して、探してもらいます。 -------------------------------------------------------------------------------- >風輪さん No.6265 投稿日 2003年3月2日(日)00時11分 投稿者 新木 伸  既知の問題ばかり、あげつらってみたところで、たぶん進展はないですよ。  これだけやって見つからないってことは、それは風輪さんの「発想の外」にあるということです。  自分の発想の外にある「問題」を発見するには、どうしたらいいのか。  やっぱ、そのへんのノウハウが足りないのかなぁ?  自分の限界と殻とを破るための方法ってのが、何通りもあるわけですね。  たとえば、「もうダメ」って思うその先を経験してみて、「じつは限界の先があったんだ」とやる方法とか。まあ色々。  ――んで、ここでは、こうしてみてはどうでしょうか?  削りカスのどこかに、絶対に「問題」があるわけです。それは風輪さんが現時点では「問題である」と認識できない種類の問題なわけですね。  まず頭から「問題はあるのだ」と疑ってかかること。  「問題はないはずだ」なんて心理でいくら眺めていたところで、見つかりっこありません。「やっぱりなかったじゃん」――というふうに、自説が証明されるだけなのがオチです。それは時間の無駄っていうもの。  一段落ごとに、仮定を立てます。  そして時間と頭を使って、厳密に思考します。  「もしこの一段落が“問題点”であるとするなら、それはどのような種類の問題であると仮定できるか?」――という感じに。  ポイントは、「問題はあるのだ」――と、頭から疑って掛かること。  はい。ではどうぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- 補足 No.6266 投稿日 2003年3月2日(日)01時09分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  あれ段落っていうか、削ったあとのものですので、ブロックの寄せ集めになってますよね。  元の文章のどこにあったのか、ということで、実質、区切り位置がある。  「段落=ブロック」という意味です。  ひとつひとつのブロックごとに、「仮定するなら、このような問題」というものを、上位3つくらいつつ、出してみてください。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨女ではないはずなのに No.6267 投稿日 2003年3月2日(日)22時05分 投稿者 弟切 千隼 出張先でざんざか雨に降られた弟切です。 今年の春先は、どうしてこう一日おきに「晴れてぽかぽか」・「雨でぶるぶる」と極端な天気になるのでしょう? 一仕事を終えて帰宅したら、例によって複数のお仕事メールが溜まっていたため(^^;、弟切はこれからその処理をしなければなりません。今回は生存証明のみとさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 再開 No.6268 投稿日 2003年3月3日(月)00時03分 投稿者 光来 唯  いつもながら時間があいてしまったけど、ようやく余裕ができて復活。  とりあえず、自分の分のレスだけ。 >新木さん(No.6219) >結衣にとっての女の子の定義 > しかし「女の子として扱う」というネタを出すにあたって……。 > まず「女の子ってなによ?」という部分を定義しないとならないんじゃないの? > 大きなリボンを付けてるのが、女の子なの? または花やらアクセサリーを付けていたり、ドレスを着ていたり口紅を塗っていたりするのが、それ、女の子っていうもの?  この場合、女の子といってもあくまで「結衣にとっての女の子」です。  「一般的な女の子」というよりは、「結衣にとっての女の子」という意味合いを持っていました。  そして、結衣にとっての女の子とは。  設定上、結衣は小さい頃はごく普通のどこにでもいる女の子だったわけです。  それが、死神としての記憶の覚醒(7,8歳くらいから少しずつ)により、徐々に死神としての自分を――自分は人とは違ってしまっていると――意識した少女として育っていきます。  だから結衣の「女の子」は小学校低学年で止まっています。  アクセサリーとか、ドレスとか、口紅とかを、「女の子」として感じてしまうのはそのせいなわけです。  自分では未経験だった、あるいは止まってしまった年代で求めていたもの――それそのものが結衣の「女の子像」なわけです。   > あと、結衣は「○○として扱ってくれた」ということに感激して、諒を自分にとって特別な人間として認識することになるわけだよね。 > この「○○」に入る部分は、おそらくは結衣のコンプレックスになっている部分だと思われる。 > それは「女の子」でいいのかな? > 自分は「女の子じゃない。女の子っぽくない」ということに、結衣はコンプレックスを持っているわけ?  「○○」に入るのは「女の子」で問題はないかと。  ただ、むしろコンプレックスになっているのは「死神であること」です。  死神であるからこそ、その対比となる「女の子」を求めているのです。    だから「女の子じゃない。女の子っぽくない」ことにコンプレックスを持っているというよりは「女の子」に理想を持っている、と言ったほうが近いです。  (結衣にとって)普通の女の子になりたいと思っているからこそ、実際にそういう風に見てくれた諒に興味を持ったというわけなんです。 -------------------------------------------------------------------------------- >光来さん No.6269 投稿日 2003年3月3日(月)00時53分 投稿者 新木 伸 >光来さん  わかりにくい構図は、そこにあったわけか。  ええと、ですね。  普通はその手の構図をやる場合には、たとえば「暗殺者として育てられた」とか、そういうふうにするわけです。暗殺者組織の鉄の掟があるとか、彼女を「縛りつけて」女を捨てさせているモノの正体を、わかりやすいところに持ってゆきます。  そもそも「女の子なのに女の子に憧れている」――なんていう、ややこしい構図なんですから、せめて「女を捨てさせているモノの正体」くらいは、わかりやすくしておかないと。  じゃないと「わかりにくい」の二乗で、もはや収拾付かなくなります。  またそういうキャラを話に登場させるときにも、女性の格好なんてさせませんって。男装の麗人だとか、戦闘服だとか、そんな服をいつも着させておきます。  女性に憧れているキャラが、女性の格好をして出てきて、「だけど私は女性に憧れているの!」とか言ったところで、なにがなんやら。  読者としては、「あなた、ちゃんと女じゃないですか」とコメントするしかありません。  ようするに、僕らって、「結衣が女の子に憧れている」っていうことがどういうことか、いままで、ぜんぜんわかんなかったってことですね。  光来さんひとりは、わかっていたのかもしれないけど。  だって、結衣って、学校通っているわけですよね?  なら制服はスカートなのでしょう?  充分に女の子っぽい格好をしている女の子が、いったい、どんな女の子らしさに憧れているのだろうか――と、まったくわけわからん状態だったわけです。  大きなリボンとか、花とかアクセサリーとか、ドレスとか口紅だとか。  なぜゆえに結衣は、そういうものに手を出せないでいるわけですか?  誰が(もしくはどんなことが)、結衣をそういうものから遠ざけているの?  求めているのに近づけない理由は?  女の子の格好やら、女の子のやるようなことに憧れているのなら、やればいいじゃないですか。死神の任務の合間にだって、ちゃんとプライベートの時間は持てているようです。そもそも学校なんか行ってますし、だいぶ暇だと思われます。(高校生なら義務教育ではないので、学校行かなくてもいいはず)  だったら、仕事の合間におしゃれすれば良いのでは?  いままでのやりとりから、なんとなく漠然と感じるところでは、死神の仕事は週に1回くらいなもんじゃないかと思われます。  なら他の6日は、おしゃれして街に繰り出していればOKなのでは? -------------------------------------------------------------------------------- 誰かほめて欲しい(笑) No.6270 投稿日 2003年3月3日(月)00時58分 投稿者 鷹見一幸  たった今「でたまか7」脱稿して編集さんにメールで送りました。  400字詰め換算342枚。  5月1日発売予定です(ホントの〆切は2月21日でした)    実を言うと今週の月曜日に「胃にポリープがある」とかで精密検査をやりました。検査の結果は出てませんが、そんなこんなでバタバタしていたので、結局実質的に執筆にとりかかったのは金曜の夜からで、今さっきまでの実質72時間ずっと原稿書いていました。  この72時間で原稿用紙300枚ほど書きました。    右手の人差し指の第二関節が痛くて痛くて……キーボードの叩きすぎによる一種の腱鞘炎だと思われます。    これで5月は電撃とカドカワの両方から本が出ることになります。  ネオクーロンの3回目もかかなくちゃいけないんだけど  今日は、もう寝ます。  明日、目が覚めるだろーか(笑) -------------------------------------------------------------------------------- あ、鷹見さん No.6271 投稿日 2003年3月3日(月)01時33分 投稿者 新木 伸  前に出ていた、スロットルとアクセルの話題。  あれ、紫に話題を振ってリサーチを命じておりましたが、彼はお手上げなようですので、ひとつご教授ください。  なぜゆえ、車ではアクセルっていうのですか?  構造的にはスロットルなのに。  じつは僕も知りませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- あ、いけね No.6272 投稿日 2003年3月3日(月)01時46分 投稿者 新木 伸  お疲れさま、の一言も言わない、わし(笑)。  あらためて、お疲れさまでした。  うーん。まあしかし、自分の場合でもって考えると……。  作家が小説を書くのはあたりまえであるし、べつに書きあげたところで、お疲れさまもなにもないもんだ――とかも思うし。  ラーメン屋が「ラーメン一丁へいまいどっ」とか、ラーメン一個作りあげて、一仕事終えたとしても、べつにお疲れさまとか言われるもんじゃないしー。  だからつい、「脱稿〜」とか聞いても、そのまま流してしまうんだろうなぁ。  しかし鷹見さん、いつもながら命を縮めるようなことやってますねー。  7日で一冊っていうのはよく聞く話ですが、72時間でほぼ一冊っていうのは、初耳……でもないか。そういえば他でも1回だけ聞いたことありました。  ちなみに人間の限界は、おそらく24時間で300枚あたりにあると思われます。(指がキーを打ち、変換確定してゆく速度の上限がそのあたり)  しかし、その「人間の限界」の3分の1でしかない、72時間で300枚とはいえ……。  これ、この分室の「生課題」の「3時間で7〜8枚程度」というものの、約2倍のペースですね。  さらに生課題を24本、連続ぶっ通しでやるようなもの。  これに比べると、3時間でたかが7〜8枚で、ひーひー言っている人間は、いったいナニモノにあたるのでしょう? -------------------------------------------------------------------------------- とっても単純な違いなんです。 No.6273 投稿日 2003年3月3日(月)11時53分 投稿者 鷹見一幸 アクセルとスロットルの違いについて。 意味というか概念は同じなのになぜ違うのか。おなじ英語なのに。  実を言うとこの「英語」というところに理由があります。「スロットル」は英語ですが「アクセル」という言い方は「アメリカ英語」なのです。  今はこのあたりの境界線はかなりあいまいになっていますが、50年ほど前までは、明確に違っていました。  私が持っているイギリスやオーストラリアなどの「ウィリスジープのマニュアル」には「スロットル」という言葉しか出てきません。(スロットル・ペダルという名詞があります)  では、なぜアメリカでは「スロットルぺダル」ではなく「アクセルペダル」と呼ばれるようになったのか、それは、そのものを動かす方法にありました、アクセルはペダルとして基本的に「足」で動かします。  足で操作して前に進むもの。んでもってアメリカ。何を思い出しますか?  そう「馬」です。  イギリスでは自動車は、輸送手段の一つ、つまり業務用の物として発展し、また高価な品物でした。とても一般家庭の人々が所有するものではなかったのです。 当然整備も、それなりの資格を持った特定の人間が行います。  ところが、アメリカはそうではなかったのです。広い国土を持ち、移動手段として自動車は生活必需品だったのです。そしてT型フォードの大量生産により、自動車は一気に「限られた人が扱うもの」ではなく「誰でも扱うもの」に変わりました。  自動車は「馬」になったのです。  馬を加速するとき、どうします?  足のかかとで馬の横腹を、ぽん、と蹴ってやれば馬は加速を開始します。  実際に、1920年代のアメリカの自動車マニュアルには、アクセルのことを馬を加速する「拍車」(SPUR)と同じであると書いたものもあり、アクセルペダルではなくスピアペダルという言い方もあったそうです。  しかし、拍車とペダルは似ても似つかないものですから、次第に「拍車」ではなく「加速」を意味する「アクセル」という言い方に変わっていったのだと思われます。  自動車が、ごく普通の品物として家庭に入り込み、自動車の部品の名称が、専門家だけが扱う技術用語としての言葉ではなく、ごく普通の家庭で交わされる普通の言葉となったとき、「スロットル」という狭い意味を示す言葉ではなく、大きく「加速」を意味する「アクセル」が、それに取って代わったのだと思います。  同じようにガソリンの呼び名もイギリスとアメリカでは違います。  イギリスは「燃料」を意味する「フューエル」ですが、アメリカでは「GAS」(ギャスと発音します)と呼びます。  これも、アメリカならではの呼び名です。  豊富な石油があり、ガソリンが水より安くて、誰もディーゼルエンジンなんてものに見向きもしなかったアメリカならではの呼び名です。  アメリカでは「燃料」といえば「ガソリン」に決まっていたのですから(笑)  あと、助手席の呼び名ですが、この場所を「ナビゲーターシート」と呼ぶのはイギリスです。アメリカでは基本的に「ガンナーズシート」と呼びます。 「ガンナーズシート」つまり「銃手席」ですね。  なぜ、こんな呼び方をするのか。西部劇を思い出してください。駅馬車ってのがありますよね、あの駅馬車の屋根の上には「御者」と、もう一人誰か乗ってませんでしたか?  そう、ショットガンを持った護衛の銃手が脇に座っているのです。  ですから、アメリカでは助手席を「ガンナーズシート」と呼ぶのです。  アメリカの映画などでも、この種の会話は出てきます。カーチェイスのシーンなどで、ハンドル握った主人公が、助手席に座った女の子に「ほらよ」とピストル渡して。 「義務を果たせ」(お前の仕事だ) なんて会話が出てくるのも、実を言うとこういった理由があるからなんです。 そういえば何かの映画で銃を渡された女の子が 「私はナビゲーターなのよ!」 と叫ぶと主人公が 「悪いな、この車はアメリカ製なんだ」 と言い返すシーンがあったような気がしますが、ひょっとしたら私の思い付きかもしれません(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 白旗宣言 No.6274 投稿日 2003年3月3日(月)19時55分 投稿者 風輪 玲 >読み捨てのポイント  さっぱりです。  恥ずかしながら、発想外の「問題」を自覚するためのノウハウは、「他人に訊く」しかないです。  そういや、私。そのエサにつられて分室に来たのでした。  言われた通り、ブロックごとの検討をしたものの、No.6263で挙げた読み捨てポイントを言い換えたようなものしかでてこないです。  それよりも大きな「問題」と言うなら、 ・エンターテイメントになってない  という、抽象的なものしか見つからないです。  まさか、「密林なのに野生動物がいないのはおかしい」とか、言わないだろうし……。  むう。  以上をもちまして、白旗宣言とさせていただきます。  新木さん、ほか、分室に参加している皆さんの指摘を心よりお待ちします。  どうぞ、よろしくお願いします。 >アマゾンの資料  図書館に足を運んでみたものの、「これだ!」といった資料が見つからず。  統計の数字より、写真集系の本を目当てに探したのだけど。  仕方ないので、映画「アナコンダ」のビデオを借りて、観ました。多少はアマゾンのイメージを掴めました。  あと見つけたのは、西原理恵子「鳥頭紀行・ジャングル編」だったりする。  -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイントとか No.6275 投稿日 2003年3月3日(月)23時10分 投稿者 新木 伸 >読み捨てポイント  んじゃ、誰か有志の者、やってよし。  ちなみに「一目で分かった」場合を除いて、詳細検討をしていった場合には、ブロックごとの分析結果をあげてくること。  このブロックがもし読み捨てポイントであるとしたら、その原因はこういうものであると仮定できる――と、そういうやつね。  皆がどんな現状にあるのか、僕にはまったくわからん。  「そんなの、一目でわかるじゃん」――てな人が、いるのか、いないのか。  また詳細検討をすれば答えに辿り着ける者がいるのか、いないのか。  まったく予想できない。これホント。  ちなみに「一目でわかった」人は、答えを書いちゃわないようにね。わかったということだけを申告すること。詳細検討する人の経験値を取っちゃいかんよ。彼らが白旗振るまで待っているように。  あ、そうそう。  もしその「一目でわかった理由」が間違っていたらアホすぎるから、僕にメールしてくること。もし「不正解」だったら、その旨伝えて、思考を再開させるから。 >スロットルとアクセル  おお。なるほど〜。  米語だったとは。そっち方面はノーチェックでした。  慣用上の誤用から来るものだろうと見当はつけていたんですが、機械機構上に理由があるかと、そっち方面ばかり調べてました。  はじめて自動車を製作して売りつけようとしたセールスマンが、「これは加速するためのペダルです」とか言って、それが広まったのではないかとか。  そんな仮説をいくつも立てて、裏を取って検証しようと思っていましたが、ぜんぜんヒットしなくて。  うーん。惜しかったなぁ。  20世紀初頭のイギリスが舞台の映画なんかで、そこで原始的な「自動車」の加速機構をアクセルと言わずに「スロットル」と呼んでいることを一度でも耳にしていたら、そこをとっかかりにして自力で答えを引き出してくることも出来たのですが。  見ている映画の本数が、僕の場合、決定的に足りないもので。たぶん300〜500本くらいしか観ていませんし。それっぽっちのインプット量では、記憶中引っかき回しても、そういう場面は出てきませんでした。  ガンナーズシートとか。  教養がないと、映画ひとつ観ても、わからない台詞が出てくるってことですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント探査 No.6276 投稿日 2003年3月4日(火)00時07分 投稿者 弟切 千隼 風輪さんより白旗宣言が出されましたので、早速「邪神戦線2062」の読み捨てポイントを探してみました。 とりあえず結論を書きますと、弟切は読み捨てポイントには気づいたものの、「一目でわかった」とは言えません。削り版と削りかすを何度か読み比べているうちに気づきました。 こういう場合は、ここに答えを書いてしまってよろしいのでしょうか? > 新木さん。 -------------------------------------------------------------------------------- んじゃ No.6277 投稿日 2003年3月4日(火)03時01分 投稿者 新木 伸  正解である自信があるなら、僕にメールってことで。 -------------------------------------------------------------------------------- 映画といえば……。 No.6278 投稿日 2003年3月4日(火)21時54分 投稿者 鷹見一幸 「指輪物語2」と前後して見たものに 「バンド・オブ・ブラザース」  があります。実を言うとこれは映画ではなく、アメリカのテレビシリーズ。と、言っても全10話完結のショートシリーズです。  日本でも一回だけBSで放映されました。 「プライベート・ライアン」を製作したスピルバーグが、同じように映像化した第二次世界大戦を舞台にした物語です。  一言で言うならば「戦争映画」なんですけど、10時間にも及ぶこのシリーズを全部見終わった後に。感じるものは、プライベートライアンの比ではありませんでした。    市販されていますが、DVD6枚組というとんでもないしろもので、手軽に買えるお値段ではありません。でも、もし、なにかで見る機会があれば、一度、見ていただきたいと思います。 「指輪物語2」が、「この世にないもの」の映像化だとしたら 「バンド・オブ・ブラザース」は「この世にあるもの」を映像化したものです。  しかし、過去のどこかにあった光景を映像化するということは、この世に無いものを映像化することと同じでしょうね。  映像と小説の違いはあるにしても、そこに共通する「物語を語る」ということは、どういうものなのか、それを感じることができると思います。  私は、今までに本を読んで、映画を見て、マンガを読んできました。  誰かが「面白い」「名作だ」と言う作品は、必ず見ようと心がけてきました。  私は他人を信用せず、実に猜疑心が強く、性格が悪いため自分の目で確かめないと信用できないのです(笑)  つまんないな、と感じたのもありましたし、すげえ!と思ったものもありました。  今、過去において、私が受け取ってきたすべてのものが、再び私の手から物語となって世に出てゆくのを見るのは不思議な気分です。  受け取った物語の数だけ引き出しが増えるのだとすれば、私は物語を書くたびに、引き出しの数の少なさに、泣くような思いばかりしています。     もっといろんなものを見てくれば良かった。  もっといろんな人と話せば良かった。  もっといろんな所に行けば良かった。  この書き込みを読んでいる方に言いたいことは。  これだけです。  「もっといろんなものを見よう、映画も。本も、マンガも、何もかも。でないと、俺みたいに泣くことになるよ」(笑) -------------------------------------------------------------------------------- あなたにエール No.6279 投稿日 2003年3月4日(火)23時40分 投稿者 弟切 千隼 「用事は用事を呼んでどんどん忙しくなる」という法則があるような気がする弟切です。 出かける用がある時に限って体調が悪くなり、重い体を引きずってようよう出かけてくると、仕事メールが溜まっていたり会社のマシンがウィルスに感染していたりするものですから(^^; 新木さんへ > 読み捨てポイントに関するメールを送りました。御査証下さい。 鷹見さんへ > 遅ればせながら脱稿おめでとうございます。いつもながら、プロの気概というものを見せていただきました。 でも、無理はし過ぎないで下さいね。 巻島さんへ > 課題部屋に日々上げられている作品を読みました。 まだ書いている途中ですから、細かい指摘はしません。しかし、ざっと読んだところでは、ちゃんと描写になっているところが何箇所か見受けられました。 No.395の中の『遠くのほうで、みみずくの低い鳴き声がした。』なんていう表現は、結構好みです(^_^) がんばって書き続けて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 生存証明 No.6280 投稿日 2003年3月5日(水)02時01分 投稿者 馬宮 ●新木さん(6207) >ミーン・リライト 「緊張がたかまって行く」 >>ここで問題になっているのは、「開く開かないの意識」なわけだろう。  「これが正しい」と思いこんで使いました。  「高まっていく」と「たかまっていく」「たかまって行く」「高まって行く」の四つを考えて選びました。 >>1.そもそも選択をしていなかった。 >>2.選択はしていたのだが、その結果がよろしくなかった。  2の方です。でも、これがどうして「よろしくない」のかが、いくら考えてもわかりません。  ヒントをいただけないでしょうか。 >食事をしたくなくなる  移動中感を出すために使う……  そうか、そういう風に使えるんですね。  ありがとうございます。引き出しに入れました。 >あらすじ課題 >>しかし3行あらすじだけで、しかもこのレベルってことは……じつはこれ1個しか出てこなかったってことかな?  いえ、出しました。四つ出して、一番いいと思ったのをアップしました。 >>おい馬宮。君は僕の時間を5分ほど削り取るに足りるだけの、真剣味を捻り出して課題に向かっているのかい?  新木さんの5分をいただけるものを作っています。そうならないなら、5分がいただけるまで、書きます。 >紫杯 >>馬宮がさっそく詰まっているようだけど。 >>あらすじのプロット化は、やったのかい?  まだ途中です。  生課題でやったことや、これまえ餌を食べて理解できたと思っていることを、全部一気に詰め込もうと思ったため、煮詰まったようです。 >>話の最後まで、「1日分」ずつに割って、決めておきなさい。それがそのまんま、プロットになるから。 >>書いたらいちおう、アップのこと。  はい。焦らず着実にやっていきます。 >「邪神戦線2062」読み捨てポイント >>んじゃ、誰か有志の者、やってよし。  馬宮、やりました。  メールしましたので、よろしくお願いします。 ●シークレットミーンリライト  みなさん、感想・ご指摘ありがとうございました。  なるほど、弟切さんのが一番人気ですね。  ふふ……これからじっくり勉強させてもらうのです(どきどき)。  まずはレスです。 >弟切さん  ありがとうございます。   >>サリーシャは、黒いヴェール越しにカルメイルを口説いているわけではありませんよね?  馬宮、偽鉱石で書いていました。これはもう、言い訳しようがありません。  もう……恥ずかしいどころの騒ぎじゃありません。 >紫さん >> カルメイルは床がきしむ音に気づいて、枕元の剣に手をのばした。 >>一番目の離れやすい1行目に情報が多すぎではないでしょうか。  ありがとうございます。こういう一行はわたしの癖です。  指摘いただいて、痛かったぶん、身になりました。 >>書き終わってから見直すときに、「誤字が無いかな〜」ではなく、「この言葉は開こうかな〜。むしろカタカナかな〜」とか見ていくといいと思います。  やります。そういう単純なことで読者の目を止めてしまいたくないです。  今少しずつ自分のを削ってリライトしています。  かなり痛いです、痛いですが、文章がちょっとでもよくなった時の嬉しさが、痛さの上を行くと思うのでがんばります。  今日はここまでです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6281 投稿日 2003年3月5日(水)03時02分 投稿者 新木 伸 >邪神戦線2062、読み捨てポイント  弟切。正解。ただし「場所」のみ。その「理由」についてはリテイク。  馬宮。不正解。 >描写とか >>遠くのほうで、みみずくの低い鳴き声がした。  これは「山の夜」の描写になっているね。  描写っていうのは、ある物事の一面を切り取ることで、端的に概念を伝達することです。  メスを振るう場所が肝心です。  どの一面を切り取れば、言葉少なく、「○○感」が伝えられるか。  描写の腕の悪い人は、複数回メスを振るって、何回も側面を切り出してきて、そしてようやく「○○感」を描写することができます。  普通の作家はそのくらいの腕です。僕も「夜の山」感を出すには、都合、5〜6行ほどの文章が必要かなぁ。一行=1メスね。  しかし描写の巧い作家は、ここを、1回で済ませてしまえます。  また描写というものがわかっていないシロウトは、そもそも、物事の一面を切り取ろうとしません。夜の山を書くときに、「夜の山は〜」とか、書いちゃいます。 >ガンナーズシート、右ハンドル、左ハンドル  ふと思いましたが。  するとアメ車のハンドルが左側についているのは、もしかして……それが理由?  銃を持つ人間が身を乗りだしてぶっ放すとき、まず右利きが多いだろうから、銃は右に構えるわけです。するとガンナーズシートは、右側になくてはならない。  ん〜。でも前方にぶっ放すならそうなるけども、後ろから追いかけられていて後方にぶっ放すときには、右利きの人は構えにくいだろうしなぁ。  まあ銃を撃つ専門職なら、利き腕にかかわらず、べつに左でも右でもどちらでも構えられるだろうしなぁ。ショットガンなんて、狙いなんて適当でいいわけだし。  世界の国々で、運転席が左側と右側に別れている理由としては、「その国の通行規則の習慣」であると思っていました。  一本の通路や階段を、二方向の流れ(行き、戻り)で使わねばならないときに、左側通行となるか、右側通行となるか、その慣例。  それに従ったものと思っていました。  イギリスは左側通行で、右ハンドル。  日本も同様。  アメリカ、ドイツ、フランスあたりは、慣例が右側通行で左ハンドル。  しかしアメリカの場合だけは、「左ハンドル」の理由が別にあったってことなのかしらん? >ファンタジー、戦争もの、SF  僕は宇宙物なんかを書いています。  「宇宙」という場所を、僕は…… 「この世にあるが、まだ人類が到達していないもの」  ……のつもりで、書いています。 >鷹見さん >>映像と小説の違いはあるにしても、そこに共通する「物語を語る」ということは、どういうものなのか、それを感じることができると思います。  僕が最近自覚したことのひとつに、「作り手の視点で物を見ろ」というのは、これはじつは、たいへん難易度の高い要求なのだということがありまして。  無理なんです。基本的に。  できるようになるためには、訓練が必要なのです。  よってもし仮に、鷹見さんの進言を受けて10時間ほど掛けて見たとしても、「ああ、すごかったー」で終わっちゃうわけです。もう一歩踏みこんだとしても、せいぜいが「リアルだったー」かな?  受け取ってないんです。  引き出しにしまいこんでない。  よって10時間掛けて観たところで、それは「無駄な時間」ってことです。  以前、分室OFFの一次会で、皆で「ジュラシックパーク3」を観にいったことがあるわけですが。  ちなみにその時、僕はメモを取りながら観てました。  腕時計をチェックしつつ、何分時点でどんなエピソードがあったのか、プロットを起こしながら観てました。  映画館の暗がりのなかで何も見えなくとも、手の感触だけで文字を書くことは出来ます。あとで清書しておけばいいだけのことです。  だけども――自称作家志望者の「やつら」は、なに変なコトしてるんだろう新木さんは――という顔で、きょんと、僕のしていることを眺めておりました。  僕のしていることを「ただ眺めている」だけなんですよ。なにをしているのか、理解していないんです。虚ろな目つきで、うすらぼんやりと、「あれぇ? なにしてんのー」てな具合です。  そのとき僕は思いました。  自称作家志望者などと、二度と映画なんて一緒に見るもんじゃねーな、って。  見終わったあとに作品の構成について話をしようにも、やつらの頭にゃ、なにひとつインプットされてないんですよ。  そんなこと、信じられます?  2時間も掛けて、やつら、なにをしているのかといえば、ただ「楽しむ」だけしかしていないんですよ?  よく作家連中と映画を見に行くわけですが、見終わったあとには、無論のこと、全員の頭の中に「詳細プロット」として写し取られているわけです。そしてその後は居酒屋で、雑談を交えつつも、いま見てきた作品の討論研究に移るわけです。  まあ、たまに「語るのも嫌。すぐに忘れてしまいたい」なんていう映画もあったりしますけど。(笑)  ちなみにわざわざ実際にメモを取ってみせたのは、「作り手の立場で観ている」ことを、誰の目からも、客観的に見えるようにしておくためでした。  僕は昔はメモを実際に手で取っていましたが、最近は、メモは頭の中だけで取ることができます。だから実際に手を動かす必要はなかったわけですが――。  しかし「まわり」からは、僕の頭の中だけで動いていることは、わからないじゃないですか。だから実際に「メモを取ってみせる」ことが必要だったわけですが……。  まあそれはそれとして。  仮に「作り手の視点」で物を見ていたとしても、絶対的なインプット量が少なかったら、話にもなりませんよね。  「受け取ったものしか、吐き出せない」――この原則を、自称作家志望者たちが、どれだけ理解していることやら。  もはや「物理法則」の範疇ですよね。  食った食物の量を越えるウンコは、ひり出せないわけです。  そんなこと、物理法則で決まっていることです。  かつて自分が「読み/観て」いないものは、書けないわけです。  作品として。  しかし自称作家志望者どもは、いかなる理由でか、僕のあずかり知らぬところで「直感」していて、激しい勘違いしているわけです。  自分の心はどこか「神秘的な領域」と結合している。  自分はそういう「特別な存在」であるので、インプット量が「たいしたことなくても」、そんなことは一切問題にもならず、素晴らしい作品を次々と書くことのできる「無限の可能性」を秘めているわけです。  若いってことは、それすなわち「可能性」ってことなのですね。  はい。その通りです。  「たくさん作品を読み/観て、吸収することできる」可能性ではあります。  なにしろ時間がありますから。35歳の人間よりも、20歳の人間は15年分ほど、余計に時間を所有しています。  「書くこと」を職業とした作家は、目先の仕事をせねばならず、吸収する時間もままならないわけです。また「老いた」作家ともなると、もはや残された時間さえ残り少なく、吸収する時間さえも、もう存在しないわけですね。  しかし、そもそも「吸収するつもりもないヤツ」に、可能性なんざ、ねーっつーの。  「若さ」だけだよ、オマエらにあるのは。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮 No.6282 投稿日 2003年3月5日(水)03時28分 投稿者 新木 伸 >開く開かないの意識  んーと。  自分の中に、「開く度合い/開かない度合い」のリストみたいなもんが、ちゃんとできあがっている?  自分の基準みたいなものね。  それに照らし合わせて、開くか開かないか決めるわけだよね。  また対象読者なんかも考えるわけだよね。  これは大人向けだから、「開かない、漢字多め」にしよう。これは小学生向けだから、「開きぎみ」にしよう――とか。  で、いま問題となっているのは、「高い」と「行く」のこの2つ。  開く度合いでいえば、これは、「高い」<「行く」となる。  つまり、「行く」→「いく/ゆく」とすることのほうが、「高い→たかい」とすることよりも多いぞ――と、そう言っているわけだな。僕は。  開く開かないの基準をどこに置いているにせよ、「たかい」が開かれているのに、「行く」が漢字のままというのは、まず有り得ないのね。  ここのところ、指標としては……。 ・その漢字は、小学校何年で習うものか。 ・その漢字の画数はいくつか。(画数の多いものが漢字になる度合いが強い) ・同音異義語の数はいくつか? ・その文字は、用言か体言か。(動詞か名詞か。活用があるかないか。「下記の開くと意味が通じなくなるにも掛かる。活用される言葉は、ひらがなでも誤読されにくい)) ・その漢字を開いた場合に、意味が通じなくなってしまう度合いはどのくらいか? ・その漢字はどれだけ一般的なものであるか。(読めない人の割合。読めない漢字はルビを振るか開くしかないため) ・一般的に(世の出版物の中で)その漢字は開かれることが多いか、漢字になることが多いのか。  ……こんなものがあげられる。  このうちの上の4つは、完全に客観的な指標として使えるよね。年数も画数も、数字として出てくる。誰に対しても示せる客観的な数値として出るわな。  下の3つは、やや主観が混じってくるけども……。まあリサーチすれば、ある程度の客観性を持つことは可能だ。  ちなみに「行」「高」は、これ、どちらも小学校2年生で習う漢字だ。(漢字源で調べれば学習年数も出てくる)  ということは、それだけから判断しても、「行く」が漢字なのに「たかい」がひらがなってのは、これ、変だよね。  どっちも開くか、どっちも漢字にするか、どちらかしかなさそう。  しかし、あえて「片方は開く」としたのだとしよう。まあ「たかまってゆく」は間抜けっぽいし、「高まって行く」だと漢字が多すぎるから、どちらかをひらがなに開いてしまいたい。――ならば、どちらを開くのか?  2番目の指標で考えてみる。画数チェック。  するとやはり、漢字で残すほうは「高い」のほうだろうと、そうならんか?  また3番目の指標で考えてみる。同音異義語の数をみる。  「たかい」……「高い」「他界」「高居」「高井」  「いく」……「行く」「幾」 -------------------------------------------------------------------------------- サーバー移転について No.6283 投稿日 2003年3月5日(水)04時05分 投稿者 新木 伸  じつは以前から、現在このBBSがあるサーバーが移転期間中に入っていて、こちらの承諾しだいで「2営業日以内」で新サーバーに移転することになっている。  その移転を本日申請したので、おそらく金曜中には移転が済むはず。  URLアドレスには自動転送がかかるそうなので、ブックマーク等、変更の必要はないかと思う。  新サーバーのほうにも、旧サーバーのデータのコピーが置いてあるので、掲示板の閲覧と書きこみができなくなることはない……はず。  ただし移転のタイミングによっては、書きこみの巻き戻し(書かれたはずの物が消えている)があるかもしれない。その場合にはあとで直すけど。  なんだか、「〜と思う」という不確定なことが多いのだけど、サーバー管理会社から寄せられたメールの内容が、いまひとつわからないもので、そんなふうになっている。  まあおおむね、大丈夫だろう。 -------------------------------------------------------------------------------- 補足 No.6284 投稿日 2003年3月5日(水)04時32分 投稿者 新木 伸  サーバー移転はDNSサーバーの切り替えも含む。 (といってもネットワーク知識のない人にはちんぷんかんぷんだろうが)  つまり、24時間ずっとパソコンの電源を入れっぱなしでいる人は、なにか不都合が出ることも考えられるということ。  なんかあったら、パソコン立ち上げ直しをしてみてください。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮 No.6285 投稿日 2003年3月5日(水)12時47分 投稿者 新木 伸 >馬宮 >ミーンリライトとか  あー、待てマテ。  あやうく見逃すところだったが。  ――なんだって? >>今少しずつ自分のを削ってリライトしています。 >>かなり痛いです、痛いですが、文章がちょっとでもよくなった時の嬉しさが、痛さの上を行くと思うのでがんばります。  ――ていうことは、なにか?  自分の書いたものが、「灰色率50%くらいには届いている」とでも思っているってことか?  んなわけ、ねーだろ。  客観的に見ろ。定量的に計れ。  このへんを見てみろ。 ┣【359】 馬宮「三人称男性寄り視点」 2003/2/17(月)00:06 馬宮 恭 (2585) ┣【355】 弟切「シークレット・ミーン」リライト三人称女性寄り視点 2003/2/15(土)22:54 弟切 千隼 (5837) ┣【361】 弟切「シークレット・ミーン」リライト削り 2003/2/19(水)19:24 風輪 玲 (3053) ┣【381】 弟切「シークレット・ミーン」リライト適正量削り版・補完つき 2003/2/25(火)20:11 風輪 玲 (2950) ┣【390】 弟切「シークレット・ミーン」リライト削り 2003/2/28(金)13:07 藤極堂 (2586) ┣【356】 羽矢野 完全客観視点 2003/2/16(日)00:37 羽矢野 (1679)  このいちばん後ろの部分の()内の数字。  ここがバイト数となっている。文字数の2倍が、バイト数というものだが。  もっとも削り度が高く、いちばんシェイプアップされている藤極堂削り版でも、弟切さんの書いたものは2586バイトほどあるわけね。  それに比べてお前の書いたのは、初めのものでさえ、たったの2585バイトしかないじゃんか。  まだ削ってもいないお前のものが、限界まで削ったあとの弟切さんのものと、まったく同じ文字数だということだ。  つまり、お前の書いたものには、削る箇所なんて、存在しないの。  削ったら、なくなっちゃうの。  そんな出来でしかないものなの。小説じゃないの。プロットに毛の生えたようなものでしかないの。  「灰色の文章率50%の小説文章を自分も書いている」――などと、なに錯覚してるかね。まったくコイツは。ふんとにもうっ。  ちなみに羽矢野のほうは、もっとひどいな。  馬宮のよりも、さらにバイト数が少ないじゃないか。  なんだ、この1679っていうのは? なにかの冗談か、シャレか? そこ笑うところ?  こんな箸にも棒にもかからんようなものを上げてくるくらいだったら、わざわざ時間使って競作に参加することもなかったのに。  削ることもできやしない――こんなクソみたいな文章をシコシコ書いてたその同じ時間に、たっぷりとぐっすりとベッドで眠って、足りない睡眠時間の足しにでもしていたほうが、なんぼかマシでなんぼか有意義だったろうに。  二人とも、もし「削り作業の有効性」というものを自分でも体験してみたかったら、弟切さんの書いてきた最初のやつ(5873バイトのやつね)と同じくらいの分量で、まず書いてきなさい。  そうしたら、それはたぶん、削るべき「灰色の文章」なんかも混じっているものになって、そして「削ってみる」こともできるだろうから。 -------------------------------------------------------------------------------- 北へ海へ道へ No.6286 投稿日 2003年3月5日(水)21時20分 投稿者 弟切 千隼 新木さんへ > 読み捨てポイント再考察のメールを送りました。御査証下さい。 それから、お知らせです。 弟切はまた明日から出かけなければならず、3月9日(日)の夜までここにアクセスできません。今度の行き先は北海道と遠いため、ちょっと長く留守をすることになります。 ニセコで吹雪かれて遭難しないように気をつけます(^^;  それよりも、最近は航空ダイヤが乱れることが多いですから、往復の飛行機のことを心配したほうがいいかしら? -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイントとか No.6287 投稿日 2003年3月6日(木)05時09分 投稿者 新木 伸 >弟切  メール受けた。  おまえそれ、最初に出してきた理由と同じじゃんか。  ただ焼き直して、別の言葉で言い換えてきただけじゃん。  それでOKになるなら、はじめの理由でOKになってるって。 >邪神戦線、読み捨てポイント  どうも、このままやってても、らちが明かないっぽい。  皆の発想の転換を図らないと、たぶん永久に出ないと思われる。  ――ていうか、みんな、舌、だいじょうぶかい?  舌が壊れていて、それでまともな料理が作れるのか?  あれ読んで、一発NGじゃないのだとすると……。  それはつまり、「まあ読めるよね」と言っていることになるぞ?  あ、そうか。つまりそうなんだな?  じつは皆は、そもそもあれを「一発NG」とは思っていないってことか。自分でNGだと感じていたなら、その理由をあげるだけで済むわけなのに、ぜんぜん出てこないってことは、そういうことなんだな?  じつは「どこが悪いのさ?」――と、首をひねっているわけなんだな?  それじゃあ、だめだよ。  いくら考えたってわかるわけない。見えない幽霊がそこにいることを立証しようとしているようなもんだ。  「考えるんじゃない、感じるんだ」――とか、ここで言ってみたりする。  うっすらとでいいから、「なんか幽霊の影が見える」とか感じてみましょう。  まず「感じる」。  そしてその「感じた」ものを他人に説明するために、理由付けしてゆく。それが正しいアプローチってもんでしょう。感じていないものを考えようとしたって、それは無理というものです。  しっかし、いったい俺は、いつになったら学習するというのだろう?  どーして、こういうふうに過大評価しちまう癖が抜けないのかなぁ?  「わかった人はメールで〜」なんて、する必要、なかったじゃんかよ。誰ひとり、わかそうにもないじゃんかよ。だめじゃん。  今日、作家連中と飲みに行くから、プリントアウト持っていって見せてくるかな。  「これ一発でNGだよねー。わかるよね?」みたいな。  なんか心配になってきたよ。まあプロの人たちなら、「あったりまえじゃん」とか言って安心させてくれるだろう。そして「どうしてこれがわからないのだろうか?」ということを酒の肴にして、盛りあがってこよう。 >ハンスさん  ハンスさん。あなたからのメールには、じつはすごいヒントが隠されています。  あなたへの返信には、そのヒントに気づくための仕掛けを折り込んで、紛れ込ませてあります。  ……が、リアクションがないところを見ると、気づいていないようだなぁ。  あなたからいただいたメールと、僕からの返信。  その内容を、ここに転載してもかまわないでしょうか?  分室をROMされていたそうですので、還元する意味で、ご協力ください。  お返事待ってます。(メールでもここへの書きこみでも) (メールの内容をそのまま載せるのではなく、「これこれこんなメールが来たのだが」と短く要約して載せるのであれば承諾なしでも構わないかと思いましたが、原文そのままのほうがインパクトがあるもので。) (ハンスさんが何者なのかということは、いまは問うな。>皆) -------------------------------------------------------------------------------- 米語だったんですね No.6288 投稿日 2003年3月6日(木)07時12分 投稿者 紫ゆきや ●アクセルとスロットル >鷹見さん(6273)  おお、なるほど!  「英語」と「米語」の違いだったんですね。  まったく想像すらできていませんでした。  本物の鉱石というものが、いかに深いところにあるか思い知りました。だからこそ価値があるのだということも。  今は、その奥深さに気の遠くなるような気持ちが半分。いつかは本物を手にするぞという気持ちが半分です。  勉強になりました。  ありがとうございました。 ●邪神戦線2062、読み捨てポイント >新木さん  メールしました。  よろしくお願いします。 ●ハイスピ  日にちが開いてしまいましたが……UPしました。  あらすじに沿って書くのは、意外と難しいです。  今までは思いつくままにダラーと書いていって、無理やりっぽく終わっていましたから。ぜんぜん勝手が違います。  UPしているものが小説になっているかは分かりませんけども、今までのが“違う”ということは、理解できるようになりました。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント No.6289 投稿日 2003年3月6日(木)08時29分 投稿者 新木 伸 >読み捨てポイント  紫。場所は合ってる。しかし理由は不正解〜。  ていうか、これ弟切さんと、まんま同じ理由をあげてきてるな。――なので、二人でメールで相談しててもよし。まあ弟切さんはしばらく出張のようだけど。 >紫 >>本物の鉱石というものが、いかに深いところにあるか思い知りました。だからこそ価値があるのだということも。  だから〜。意識が違うんだってばさ。  いいかい。あれを教えてもらったときの僕の意識というのは、「なんでそんな浅いところにある鉱石を掘り出せないかな俺」ってものなわけね。  一般教養の範囲内だろ?  あのことは、世界中でも「鷹見一幸」というその「一人」しか知らないようなこっちゃないだろ?  そんな特殊なことであれば、それは僕らが知らなくてもしかたがないことだ。そして知ってる鷹見さんは、「凄い」と手放しで賞賛するしかないよな。  しかし、あれは一般教養の範囲内だろ?  あのことは、世界で何百万人、知っている人がいるのよ? なのにどうしてお前は(そして俺は)知らなかったのよ?  もしあれが「深い」とか本気で思っちゃっているようなら、やめちまえやめちまえ。職業作家になるのは、そんな程度じゃどうせ無理だよ。  どうせ、たいしたこともない浅薄なところで立ち止まって、「ああ俺はいまなんと深い造詣を持っているのだろう。なんと偉大なのだろう」なんて思いこんで、自画自賛の罠にはまるのがオチなんだから。人生と時間とを無駄にするな。小説に懸ける時間のかわりにギャルゲーでもやってろ。  知らないことが「恥」であって、知ってることが「凄い」わけじゃない。  調べれば出てきそうな、そんな簡単なことでさえ、俺たちは知らなかったわけだろ? しかも調べてもやりかたがマズくて調べきれなかったわけだろ?  そんなヘタレでしかないやつらが、なんだ? 思い知ったときの反応が「恥」じゃなくって、「賞賛」なのか?  アホかお前は?  プライドはないのか? 負けて喜ぶお前のその性根ってのは、いったいどんな色をしているんだ? 「負け犬」色ってやつか?  自分の「未熟さ」をなぜそうも簡単に「赦して」しまえる? なぜ自分の未熟さに怒りが向かない? 俺にはまったくもって理解不能だ。知りたくもねーや。  「そのくらい誰でも知ってるよバーカ。常識だ常識。博識ぶって得意げに披露してるんじゃじゃねーぞ。この老いぼれが」とか、鷹見さんに向かって、嘘でも見栄でも意地でも強がりでもいいから、言っとけっての。 (だがそのうちそれを、本当に「常識」とせねばならぬ。言った限りは)  そのくらいの気の利いた台詞のひとつも言えないようなヤツが、俺らプロを椅子から引きずり下ろして引退させ――そのかわりに自分が席に着こうとか、そんなことを考えちゃっているわけ?  なに? 俺らを椅子から引きずり下ろす気迫もなしに、君は俺らと口をきいているわけ?  自分の未熟さを知らされたとき、すぐ腹を向けて「降参降参〜」とやるような「負け犬」ごときが、俺らの「同類」を気取っているわけ?  作家志望者?  ふーん。つまり作家になってない作家予備軍ってことだよな。立場の違いはあれど志は同じで――つまり「同類」って言ってるわけだよな?  笑止。  そんなヌルいやつらが、「作家志望者です」とか口にするだけで、俺はひどく傷つくんだよ。俺とお前らは同類か。そうか。  そんなヌルいやつらに「先生」呼ばわれされると、俺はひどく傷つくんだよ。俺はおまえらの先を行っている人なのかい。そうかい。俺はお前らの延長線上にいるのかい。  ふざけろ。  絶対に認めんぞ俺は。そんなヌルいお前らと俺が「同じ」だなどと。 (これだけ長いこと引っぱって、伏線まで張ってきたネタなのだから、なにか「デッカイ爆弾」を落とすべく待ちかまえているのだろうと、すこしは警戒しろよな) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6290 投稿日 2003年3月6日(木)13時07分 投稿者 馬宮 ●ジャングル感10分間トライ  後ればせながら、わたしもチャレンジです。 ・スコール ・濃い緑の樹木に覆われた ・ハエが顔の周りを飛び回る ・茶色くにごった河に浮かぶ灌木 ・ワニ ・シダ植物 ・湿気 ・蒸し暑い ・泥 >新木さん  あまりにも酷すぎるので、図書館で本を借り、ジャングルが舞台のビデオをレンタルしてきました。  これらを見た上でもう一度チャレンジしてもいいでしょうか?  解禁を待ちます。 ●学校の教室感10分間トライ ・黒板消しクリーナーの吸引音 ・黒板の右端に書いてある日付と日直の名前 ・戸棚の上に先生の名前入りの灰皿、紙粘土とビーズで作ったいびつな形。 ・紐で綴じられた黒い学級日誌。 ・チョークの粉が落ちた床。 ・隅っこに置いてある青いバケツに、白く3−Bと書いてある。 ・横六列、縦七列に並んでいる机の上ひとつひとつに、逆さまにした椅子をのせている。 ・壁に画鋲ではりつけた水彩画や習字。 ・大きな模造紙に手書きの時間割表。 ・朝から机を囲んでいる女の子たち、話題は昨日のトレンディドラマ。 ・机に積み上げた教科書の間から見える、マンガの背表紙。 ・黒板に数式を書いていく先生の焦げ茶色の背中。 ・隣の席の子に宿題を写させてもらっている男の子。 ・教科書を読みながら机の間を歩く先生 ・教科書を立てた影で、居眠りをする男の子。 ・社会の教科書に、落書きをしている男の子。 ・掃除道具入れの前で、T字型のほうきの取り合いをしている男の子たち。 ・机の上にのぼって、みんなの絵を外していく先生。 ・机の影でこっそり編み物をする女の子。 ・窓を拭いている女の子が脱いだシューズ  ハイスピリッツ・ガールで教室描写があるので、アイディア出しをかねてまた明日もやってみます。 ●あらすじ課題  今日のあらすじをあげます。120字です。  ワルな女の子が生徒会長に一目惚れ。悩んだ末、真面目な女の子の変装をして告白するがバレてしまう。  嫌われたと思っていたら生徒会長は女の子が更生したがっていると勘違い。  以来、生徒会長から真面目な生活をたたき込まれ逃げようにも逃げられなくなる女の子。  課題部屋にアップします。 ●新木さん >開く開かないの意識  ありがとうございます。教えていただかないと気づかないなんてもう、情けなくてしょうがありません。でも、本当に、本当にありがとうございます。 >シークレットミーンリライト >>二人とも、もし「削り作業の有効性」というものを自分でも体験してみたかったら、弟切さんの書いてきた最初のやつ(5873バイトのやつね)と同じくらいの分量で、まず書いてきなさい。  はい。考え違いしていました。リライト、方向修正します。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント No.6291 投稿日 2003年3月6日(木)13時23分 投稿者 馬宮  削りカスのブロックごとに仮定を立てていく作業は、「なぜ削られているのか」を考えていくことだ、と思いました。  削りカスだけとにらめっこしていても、埒があきませんので冒頭シーン(全体)をプロット分解して、なにが削られているのか構成から考えていこうと思います。 −−−−−−−−−  アマゾンの夜を騒がす、単調な太鼓の音が迫っていた。  原生林にタムタムと響く通奏低音は、ジェイドを包んで放さない。まるでうごめく密林が発する心音のように、どこまで駆けても鳴り続けた。  ゲリラに追いつかれたら、殺される。  共鳴する鼓動が死のリズムを刻み、血管は破裂しそうだ。首筋の毛が逆立ったまま、戻らない。肌をチリチリと焦がす火花のように不快な感覚は、久しぶりだった。  コンセプト「ゲリラから逃げてアマゾンの密林を駆けるジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。オールドアークはスラム街出身の少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルをすべて吐いた。一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。  あれから四年が過ぎた。生きてさえいれば、誰だって歴戦の兵士になれる年月だ。  コンセプト「恐怖から初めて銃撃にあった日を思い出すジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  なのに今夜は追いこまれ、死神の吐息を身近に感じていた。  簡単な潜入作戦だったはずだ。  合衆国から要請されたゲリラ掃討任務──それを罠だと、ジェイドら傭兵五名で構成された分隊が知った時には遅すぎた。黒い脅威を前に応戦すらままならず、戦友たちは次々と倒れていった。  分隊長の断末魔をかき消す大声で、ジェイドは相棒に「逃げろ」と叫んだ。  突撃銃を派手にフルオート斉射させ、ゲリラの注意を引きつけた。死すら招きかねない囮役を即行したのは、ジェイドの意地だ。  砲撃と銃弾の雨降るハイデラバードで朝日を迎えて以来、何があっても必ず相棒を援護すると決めていた。  後悔はしていない。幾度となく相棒に助けられた命だ。積み重なった借りを利子を含めて返済するまで、死ぬに死にきれない。 コンセプト「仲間を助けるために囮となったことを思い出すジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  ジェイドは頭を振り、死神の吐息を払いのけた。 (言えなかった言葉があるんだ、俺は生き残ってみせる!)  駆り立てる想いが胸を熱くさせる。深呼吸のついでに、電脳内でカウントダウンを刻む作戦時間を確認する。  武装ヘリによる回収時刻まで、残り三○分。  回収地点に先行した相棒は、ジェイドを心待ちにしているはずだ。分隊長の犠牲を無駄にしないためにも、ふたりそろって密林から脱出しなければならない。 コンセプト「相棒に合流するため生き延びることを決意しているジェイド」 −−−−−−−−−  そんなジェイドを挫くかのように、行く手は濃い闇に閉ざされていた。  暗視ゴーグルで補正された深緑色の光景は、緑藻にとろりと濁った湖底を思わせた。  先を見通せないほど密集した熱帯樹はどれも奇妙にねじれ、たわめられ、歪んだ植生をしていた。まるでクレヨンを手渡された猟奇殺人犯が描いた、超現実的なスケッチの世界に迷いこんだみたいだ。いびつに曲がった幹や枝葉に宿っているのは、誰もが心の奥底に潜ませている、狂気そのものだった。 コンセプト「どこまでも続いてジェイドを苦しめる密林1」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  狂った密林にジェイドは溺れていた。それも被害妄想患者を夜ごと悩ます、とびきりの悪夢に溺死寸前だった。  駆け続け、酷使された手足は水の抵抗を受けたように、緩慢な動きしかできない。冷汗で濡れた迷彩色の野戦服がべったりと素肌にはりつき、体力を奪う。焼けつく肺は新鮮な酸素を求め、ただ喘鳴を繰り返すばかり。 コンセプト「体力がなくなっていくのを自覚するジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  身軽になりたい誘惑が脳裏を占める。背中のバックパックを、手にした突撃銃ステアーAUGを投げ捨てたかった。肩に食いこむ重みは、疲労した身体と精神を容赦なく痛めつける。生き延びるために手放せない装備が逆に、生還を遠ざけていた。  こんな時は決まって、全身のサイバーギミック化手術を前向きに検討したくなる。相棒のように自前の部分は脳殻ただひとつ、身体機能を完全に制御できる有機義体なら、多少の運動にも不平を訴えたりしない。数種のカタログから好みの義体を選び、予約を入れる間だけでも待ってもらえないだろうか? コンセプト「捨てられない重い荷物に苦しめられるジェイド、生身の限界を呪う」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  ジェイドは蒼氷色の瞳を細め、天を仰いだ。  星空をさえぎる樹冠がみっしり頭上を覆っており、威圧感を増してのしかかってくる。  磁場に乱れがあるらしく、電脳にときおり走るノイズで座標を見失いかけた。回収地点に遅刻すれば、自力帰還しか道はない。広大な樹海の踏破は、大盛りパスタを鼻から食べる難題に等しかった。ジェイドは過酷な冒険に挑むほど、人生に退屈を感じていない。 コンセプト「どこまでも続いてジェイドを苦しめる密林2」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  目前では、群れなす爪がジェイドの逃亡を阻んでいた。現地でウニヤ・デ・ガトと呼ばれる、キャッツクロウの枝に生えた突起だ。猫の爪ほどに小さいが、隙間なく展開された自然の検問に回れ右をしたくなった。  迂回する時間が惜しい。駆け足をゆるめることなく、枝をかきわけ強引に突き抜ける。 コンセプト「時間に追われて、障害物を強行突破するジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  短く刈った金髪にからみついた蔓草を払うついでに、脂汗でぬめる頬をぬぐった。ざらりとした感触は、前日から剃っていないヒゲのせいだ。返り血と焦燥で汚れた顔を想像したとたん、熱いシャワーが恋しくなった。  シャワーどころか、ブーツの中で蒸れた靴下を洗濯する水源もない。猛追するゲリラが清潔さに理解を示すとは思えなかった。 コンセプト「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  焦燥は黄昏に似て、一瞬ごとに色濃さを増す。  密林が貪欲な顎を開き、喰らいついてくる──そんな強迫観念めいた妄想が、臨界稼動を続ける心臓をさらに急かした。なのに走る速度はスローダウンしてゆく。  限界が近づいていた。 コンセプト「焦るが、体力がなくなっていくのを自覚するジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  ジェイドはベルトのマガジンポーチから、小瓶を取り出した。複合ビタミン剤を示すラベルがついているものの、中身は違う。最前線の兵士向けに配給される、軍用強化薬だ。  走りながらフタを開け、数錠を口に投げこもうとした。ミント・キャンデーのように白い錠剤をガリガリと噛み砕き、あとは飲み下すだけ。その即効性から『エクスプレス』と呼ばれ、服用者は制限時間付きの超人へと変身する。  新陳代謝を促進させ、筋肉にたまった乳酸を分解するだけではない。痛覚は遮断され、トカゲより優れた再生能力が文字通りの不死身を約束する。さらに、生まれ変わったような至福の境地を味わえると聞けば、良いことづくめだ。 コンセプト「エクスプレスの効果に頼ろうとするジェイド」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  けれど、ジェイドは口にする直前で投げ捨てた。  絶大な効果と快楽に比例し、副作用もまた大きい。強化薬に依存し、中毒患者となった兵士の末路は悲惨だ。禁断症状に中毒患者は命を削り、正気をすり減らしてゆく。幻覚に悩まされ、末期では満月夜の狼男さながら、理性と訣別した獣と化す。 コンセプト「エクスプレスの副作用を知っているため、薬を飲まずに捨てる」 −−−−−−−−− −−−−−−−−−  ジェイドは知っていた。  かつて肩を並べた戦友が『エクスプレス』中毒となり、軍の施設に収容されていた。病みやつれ、変貌した戦友の底光りする瞳は、なおも生に執着していた。拘束衣に包まれた鬼気迫る姿は、とても見てはいられなかった。  見舞いの後、しばらくしてジェイド宛の遺書が届いた。乱れた筆跡ながら、戦場の思い出を整然とつづり、最後にこう警告していた。  ──決して手を出すな。この麻薬は超特急で夢の国へと誘う。オレみたいに魅惑の森で永遠にさまよい続けたいか? 忘れるな。未知なるカダスから逃れるすべは、ない。  忍び寄る死神の足音でも、聞いたのだろうか。  ジェイドとて、死ぬのは恐い。恐いが、魂を売り払ってまで明日を生きたくはない。不器用な生きかただと悔いるのは、とりあえずビールの一杯でも傾けてからだ。 コンセプト「エクスプレス中毒に侵された仲間のことを思い出すジェイド」 −−−−−−−−−  14個あるコンセプトの中で、丸ごと削られているものは以下です。 「恐怖から初めて銃撃に会った日を思い出すジェイド」 「仲間を助けるために囮となったことを思い出すジェイド」 「どこまでも続いてジェイドを苦しめる密林2」 「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」 「エクスプレス中毒に侵された仲間のことを思い出すジェイド」  この中で、「どこまでも続いてジェイドを苦しめる密林2」は、前に同じものがあるので削られているんだと思います。  次、「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」これがどうして削られているのか今すぐにはわかりません。保留にしておきます。  最後に。  「恐怖から初めて銃撃に会った日を思い出すジェイド」  「仲間を助けるために囮となったことを思い出すジェイド」  「エクスプレス中毒に侵された仲間のことを思い出すジェイド」  この三つ。これは、全部回想です。全体のコンセプト「密林をゲリラから必死になって逃走するジェイド」を薄めてしまいます。必要のないエピソードの混入ということで削られています。  ですが、「同じコンセプトの文章が重なっている」「違う話が混入している」では既存の読み捨てポイントだと思います。  自分が知っているポイントを全部排除していって、見つけたものが今回の解答だと思います。  手探りですが、もっと考えてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6292 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- まな板の上で No.6293 投稿日 2003年3月6日(木)20時39分 投稿者 風輪 玲  「新木さんにメールしました〜」だと、反応できないです。  せめて、その「場所」とやらを情報公開してください。  皆さん、お願いします。 >ハンスさん  どこのどなたか存じませんが、ぜひご協力を願います。  欠点を自覚しなければ上達できないので、喉から手が出るほど「ヒント」が欲しいです。  指摘が痛ければ痛いほど、克服すれば伸びます。  私の精神的ダメージを配慮してのことなら、遠慮は無用です。逆に生殺しのほうがこたえます。  お手数ですが、よろしくお願いします。 >馬宮さん  指摘、ありがとうございます。  さっそく、読み捨てポイントの検討をしてみます。 「コンセプトの重複」  削られる理由としては妥当です。  取捨選択の判断がヌルイので、質の高いモノをひとつ、選び出すことができないせいです。  しかし、「一発NG」とする緊急度は感じられません。 「違う話が混入している」  「麻薬中毒の戦友」のブロックに関しては納得できます。ラヴクラフトの「ドリームランド」に関連付けしたかったせいで、話が横にそれました。  けど、「仲間を助けるために囮となる」は、主人公の逃げる理由なので「違う話」と言うには違和感を感じます。囮という目的なしで、障害を持つゲリラの冷兵器を相手に、火器を装備してる主人公が逃走してるだけだと、読者の共感を得られません。ヘタレ属性を回避するため、書きました。  「回想シーンが入っている」=「時系列が乱れている」というのであれば、すでに新木さんから、ささいな欠陥として却下されています。  むー。  他力本願で情けないです。  あと、   >「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」  このブロックを削った理由を私なりに考えてみます。  作者の狙いとしては、主人公の外見を提示し、読者のイメージを補強する文章。  同時に、死に物狂いで逃走していて身なりを整えている余裕すらない、という描写です。  けど、似たような「駆け続け、酷使された手足は〜」というブロックに比べれば重要度(質)が低いので、ばっさりと切られてしまうということです。  -------------------------------------------------------------------------------- 参加表明 No.6294 投稿日 2003年3月6日(木)22時49分 投稿者 甘夏  一ヶ月で主観語と客観語を区別する  と、いう訓練をこちらでやらせていただくことになりました。  甘夏といいます。  よろしくお願いします。  訓練の形式としてこういうのを考えてみました。  数人の人物が登場する場面を登場人物それぞれの視点で書いてみる。  新木さんの例で言うなら 「登校中のいじめられっこが挨拶される」場面を  いじめられっこの視点。  挨拶した側の視点。  たまたま、現場にいた他の生徒の視点。  と、書き分けてみる。  キャラクタが感じたことが主観語、と言うお話でしたので  様々なシーンで様々な性格の人物の視点に入ってみる、と。  課題は、新木さんや他の皆さんに出していただく、か自分で考える。  何か、よさそうな訓練法を思いついた方は教えていただきたいです。  それでは短い間ですが、よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6295 投稿日 2003年3月7日(金)01時40分 投稿者 光来 唯 >結衣にとっての女の子とか > そもそも「女の子なのに女の子に憧れている」――なんていう、ややこしい構図なんですから、せめて「女を捨てさせているモノの正体」くらいは、わかりやすくしておかないと。 > じゃないと「わかりにくい」の二乗で、もはや収拾付かなくなります。  「女の子を捨てさせているモノ」=「死神」って、音と仕事内容だけで判断すればそんなわかりにくいものでもないだろうと思ってます。  けれど、それを私は自分からおかしな方へと捻じ曲げているんだろうな。  死神の衣装はミニスカートだったり、実際に女の子に見えないようなことさせてないし。    言ってしまえば、「普通の女の子に憧れている」のは本人の気持ちの問題なんです。結衣自身が自分は女の子らしくない、死神のために普通の女の子であることは捨ててしまっているのだ、と思ってます。  なので、表面的には女の子に見えていても当然――コンプレックスってのはそういうものだろう、と考えてました。  しかし、この「普通の女の子として扱ってくれた」というのは、「諒でなくてはならない理由」→「過去の諒に興味を持ったエピソード」のための、その理由のために使っているものです。  でもこれ、諒視点である以上、それを読者に示すことは不可能なような気がします。  つまり、   > 読者としては、「あなた、ちゃんと女じゃないですか」とコメントするしかありません。  これは諒からも言えることでしょう。  例えば、地味で暗くて目立たないクラスメートの女の子。でもそれは同じクラスの男の子から見ればやっぱり女の子です。  これは諒の場合にも言えます。いや、諒の場合、結衣に惚れている以上、結衣を女の子として見ているわけです。  それなのに、自分の告白をとりあえずでも受けた理由が「女の子として扱ってくれたから」って。  これは同じ場面で、「結衣が自分を女の子だと思ってない理由」をちょ直接本人の口から語らせでもしないと、「はぁ?」な感じになってしまいます。 > だって、結衣って、学校通っているわけですよね? > なら制服はスカートなのでしょう? > 充分に女の子っぽい格好をしている女の子が、いったい、どんな女の子らしさに憧れているのだろうか――と、まったくわけわからん状態だったわけです。  気持ちの問題ですので、結衣からすれば制服も「着ているというよりは服に着られているようなもの」、自分の意思が何も入っていないので、それは女の子やっているわけじゃないわけなんです(制服も校則そのまま1ミリの狂いなし状態なため、他の子のようには自分は制服を着ても可愛く見えないだろうと思っている)。  でも、そんな制服を着こなしているのと服に着られているのなんて、書き分けられるわけないし。  それ以前に周りから見て女の子として見え、そうでないというのに説明が必要という点ですでに破綻してしまっている気がします。  というか、この「女の子として云々」についてこれだけ説明しなくてはならないということは、それだけわかりにくいということの証明にもなってますね。 > 大きなリボンとか、花とかアクセサリーとか、ドレスとか口紅だとか。 > なぜゆえに結衣は、そういうものに手を出せないでいるわけですか? > 誰が(もしくはどんなことが)、結衣をそういうものから遠ざけているの? > 求めているのに近づけない理由は?  自分は死神だから、もう普通の人とは違うという、そういう意識。  もしかしたらいつかは死神の仕事で死ぬかもしれない、自分は死神なんだからそんなことに気を向けていいはずがない、とかそんな気持ち。    う〜ん、自分の殻に閉じこもってるタイプだな、これは。 > いままでのやりとりから、なんとなく漠然と感じるところでは、死神の仕事は週に1回くらいなもんじゃないかと思われます。 > なら他の6日は、おしゃれして街に繰り出していればOKなのでは?  実際に死神の仕事があるのは週1だとしても(実際には明確じゃない、初期のあらすじだと数日で3回もあることになってたし)、気持ちはいつも死神入ってます。  穢れは感じることでどこにいるか漠然と知るわけですから、常に周囲に気を配っているわけです。  だから遊んでいたとしてもそれだけに集中することができないです。  それも要領のいい人間ならば両立可能なことです。  ただ、結衣に関して言えば不器用なんで、どちらか一方しかできない。  諒に近寄ろうとしたのは、ある種、自分を変えようという気持ちもあったから。  結論として、「○○として扱ってくれた」に「女の子」はきついだろうな、と。  ここまでした場合、結衣の「死神へのコンプレックス=自分は普通の女の子ではないという意識」は全編通して掛かるものである必要がでてくるでしょう。  これは「女の子」というのが大きすぎているせいではないかと思います。  「結衣にとっての女の子」=「女の子そのもの」みたいな感じにしているからわけわからなくなっているのだと。  ……と、なんだか混乱している模様。  「女の子」というのを変えるか、もう少し具体的に単純なものにするか、少し頭を冷やして考えます。 >読み捨てポイント  困った。   > あ、そうか。つまりそうなんだな? > じつは皆は、そもそもあれを「一発NG」とは思っていないってことか。自分でNGだと感じていたなら、その理由をあげるだけで済むわけなのに、ぜんぜん出てこないってことは、そういうことなんだな?  まさにそんな感じ。  言われてみるとそうかも、てな状況です。  これはほんとにまずい、自分のにフィードバック不可能ということになってしまう。 > いくら考えたってわかるわけない。見えない幽霊がそこにいることを立証しようとしているようなもんだ。 > 「考えるんじゃない、感じるんだ」――とか、ここで言ってみたりする。 > うっすらとでいいから、「なんか幽霊の影が見える」とか感じてみましょう。  幽霊がいるんじゃと感じるのならば、「まるでクレヨンを〜狂気そのものだった。」のあたりが一番あやしい。  他の部分はここで語るべき事柄ではない、あるいは重要度が低い、一度言ったことの重複だと思うんですが、ここだけなんか空気が違って見える。  だから、ここら辺だとは思うんだけど……なんだか根本的な部分で間違っているような気もするんだよなぁ。 >「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」 > > 同時に、死に物狂いで逃走していて身なりを整えている余裕すらない、という描写です。  ここは身なりのことに気を配る余裕はある、ともとれてしまうと思います。  だから、「必死で逃げていること」を描くところで、反した内容だから削られたんじゃないかと感じました。 -------------------------------------------------------------------------------- 深いところにある鉱石って……(笑) No.6296 投稿日 2003年3月7日(金)17時33分 投稿者 鷹見一幸  たとえば 「立て籠もり犯に対する説得方法のマニュアル」 とかが、それになるのかな(笑)  人質を取って犯人が立て籠もったとき、その犯人を説得する警察官は、普通の刑事じゃないんだよね。  彼らは、各県警から選抜されて、管区学校などで、数ヶ月に及ぶそれ専門の講習を受けてから捜査一課などに配属されている。  彼らは、いわゆる(ネゴシエィーター)と呼ばれる専門の警察官である。  ……なんてことを知っている人はあんまりいないだろうし。 そこで、どんなことを教わるか。  なんてことは、もっと知らないだろうな(笑)  説得交渉というのは、まさに心理学以外のなにものでもないよね。 「相手の警戒心を解くために、名前を間違えて呼ぶ」  なんて方法もある。    相手が「間違えるな!」と怒ったら、こっちのミスであることを告げて誠心誠意謝ってみせるわけだ。  一歩引いてみせる……というやつだ。     警察官が頭を下げて謝るという構図を見せて、相手の警戒心を解き、自分が交渉相手として、信じるに足りる誠実な人間であるという印象を与える技術の一つだな。  同じように、二人いれば、どっちか一人が悪役になるという手もある。  取調べなんかは、この手を使うよね。  人間の心理の動きを知り、分析することは、物語を作る時に、実にためになる。  キャラクターが、今、どんなシチュエーションの中にいて、何を思い、どんな判断を下すのか。  それこそが大切なんだと思う。  キャラクターは作者の都合どおりに物語を進めてゆくために怒ったり泣いたり、人を好きになったりするわけじゃないよね。  その選択肢しかないから、決断して動き、そしてストーリィが進んでいくんだと思うんだよな。  怒らせるなら怒る理由。人を好きになるならなる理由。  納得するなら納得する理由。  これがない、もしくは薄かったりすると、読んだ人は納得しない。  作者がいくら「これで充分」と思っても、その理由はひょっとすると他人から見るとまったく説得力がなかったりするから要注意。 (自分にも言い聞かせてる部分が多分にあるけど)(笑)     -------------------------------------------------------------------------------- 訊けるうちに No.6297 投稿日 2003年3月7日(金)19時52分 投稿者 藤極堂 >榎野さん 小説の基本的なルールについてのページを作りたいなあ。 などと半年くらい前から考えています。 しかし、高卒でブルーカラーのド素人に本当の意味での「小説の基本的ルール」などわかるわけがありません。 いろいろ検索して探したのですが、きちんとしたサイトは私には見つけられませんでした。 最後の手段として 講談社 日本語大辞典 に記載されている「原稿の書き方」の2頁分をパク……引用しようかな、などと思っています。 著作権は親告罪なので、著作者が嫌がっていないのならOKというのは教わりました。 しかし、辞典の巻末特集を丸ごとそのままWeb上に引用表示するのがOKなのかNGなのか微妙すぎて私にはわかりません。 (というか、研究目的でないから完璧にアウトか) えーと、つまり訊ねたいのは 「辞典の特集は引用元を明記していれば、訴えられるなんてことは無いですか有りですか?」 です。 -------------------------------------------------------------------------------- 引用について。 No.6298 投稿日 2003年3月7日(金)21時06分 投稿者 鷹見一幸  えーとね。大雑把に言うと 「ケース・バイ・ケース」(笑)    著作権者が、自分の著作権が侵害されていると判断する基本的な部分に 「それが営利かどうか」という点があるね。  つまり、他人が書いたものを使って金儲けしているかどうか。ということだよね。  誰かが書いた著作物を、一言一句変えることなくそのまま引用する行為が明確に許されるのは、基本的には「研究」「教育」などの「非営利」で「公共性が高い」場合だけだね。  国語の教科書なんかに小説の一部分が、載ってるけど、あれは基本的に著者の許諾は必要ないとされている。  さて、では、他人の著作物を、まるまる2ページ自分のHPに掲載することについてだけど。この場合引用先を明記すれば免責されるかどうかというと、そんなことはない。しかし引用先を明記するという最低限の礼儀は果たしているのなら「ま、いいか」となるかもしれない。  ……という「魔よけのおふだ」ぐらいの意味しかない。  印刷、出版物の場合は、個人ではなく出版社が権利を持つ。  企業の倫理は個人のそれよりもはるかにシビアだということは良く知ってると思うけど、たとえば君が企業の著作権に関する部門にいるとしよう。  君の仕事は自社の出版物について著作権を侵害している様々なメディアに対し警告を与え、訴状を送りつけるという仕事だ。  さて、あなたは、非営利で、あくまで個人のレベルで公開しているHPで、自社の出版物を2Pに渡って引用しているのを見つけたとする。  そのHPを作成し運営しているのは著名人ではないし、どこかの企業でもない。  この場合、企業は、どんな対応を取ると思う?  明確に言えば著作権法違反だよね。  でも、世の中には、もっとエグイ違反を平気でやっているメディアもゴロゴロしているわけだ。他人のフンドシで相撲を取って、その売り上げを全部自分のポケットに入れちまうような連中が。  そういった連中をほったらかして、たかが個人のサイトを狙い撃ちする理由は無いよね。どっちのほうが企業としての出版社に悪いかと言えば言うまでも無いわけだから。  今のところ電子出版物における著作権法違反に関しての訴訟については、過去における出版物に対する判例が適用されることになると思う。  一番最近のマンガなどに関する判例で、参考になるのは「ゴーマニズム本」に関する著作権侵害における判例だな。  あれをそのまま適用するならば 「研究、評論目的」であるならば、マンガのコマをそのまま引用しても著作権侵害とはならない。という判例が出ている(下級審だから、確定しているわけじゃないけど)    だから、もし、どうしても引用したいのなら、引用先を明記し、できれば丸ごと引用せずに少し文体などを変えて、HPに「これは小説技法における私の研究結果です」ぐらいのことを書いておく。という姑息な手段を薦める(笑)  何年か前に「アニメの中の名セリフ」というムックの仕事をした時は、営利目的だから、一応「日本脚本家協会」に話を通したんだけど、明確に著作権を適用するならば、アニメの中でそのセリフをしゃべった声優さんにも著作権は生じるらしい。    どこに線を引くか。そこに明確な基準は無い。  線を押したり引いたりしながら「なんとなくこのへん」という感じで決まってゆくものだと思う。 「裁判で白黒つけよう」と言うセリフがあるが、裁判で決まるのは勝ち負けであって善悪じゃない。  何かをするときに、それが罪となるかどうか調べるのは当然だが、法が求めるものが何なのか(保護法益というがね)それとの関係を考えて、判断するのは自分だ。    人間はすべからく「確信犯」であるべきだと俺は思うよ(笑)   -------------------------------------------------------------------------------- おなかぺっこぺっこだおう No.6299 投稿日 2003年3月7日(金)21時50分 投稿者 風輪 玲 「ふーん、お兄さんはエサをまくのに飽きちゃったのか」  一匹のハトポッポは思いました。  残念ですが、仕方ありません。  もともとお兄さんの好意で、エサまきは始まったのですから。  エサのない場所に留まるつもりは、そのハトポッポにはありません。  これまで通り不器用ながらも、ひとりぼっちでエサを探すだけです。  大丈夫。  時間はかかるでしょうが、なんとかなりますって。  ──気休め?  そうかもしれませんけど、ね。  それにしても、目の前にまかれたエサのおいしかったこと!  そのハトポッポは忘れられません。  今日も未練がましく、お兄さんがエサまきに来ないか待っています。 「ねえねえ? 本当にもう、エサはくれないの?」 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント No.6300 投稿日 2003年3月7日(金)22時31分 投稿者 甘夏  私もどこが一発NGなのか、わかりませんでした。  一発NG=書いてはいけないことを書いている。  と、いう図式であるとするならば。  削りカスの中で一番書いてはいけなそうなことは 「追われている感、もしくは必死で逃げている感」  を阻害する文章ではないかと。  と、なると私が引っかかった段落はこのあたりです。 > 短く刈った金髪にからみついた蔓草を払うついでに、脂汗でぬめる頬をぬぐった。ざらりとした感触は、前日から剃っていないヒゲのせいだ。返り血と焦燥で汚れた顔を想像したとたん、熱いシャワーが恋しくなった。  必死なわりには余裕だなぁと、感じてしまいました。  いつ敵が来るか、何処から来るか、回収予定時間には間に合うのか、  絡み付くジャングル、披露も限界に達している、  生き延びることに全神経を集中させている中で  不潔さまでに気が回るとは私には思えませんでした。  追われている、というリアリティを出す中では不要な文章かなと。  サイバーギミックがどうのこうと、という場面も同じかな。  私はとにかく小説の基礎能力をつけるために一ヶ月頑張らせていただきます。  と、いうわけで10分間トライ。  洋館編。  壁にはツタが絡まっている。  玄関のノッカーがライオン。  紅いふかふかの絨毯。  木製の階段、4段目が軋む。  玄関に続く道の左右に不気味な像。  廊下に飾られた名画の数々。  廊下の突き当たりには大きな肖像画。  緑色のプール。  大きな暖炉の上には鹿の剥製。  書斎の隠し扉。  地下室へと続く石造りの階段。  天井の端のシミ。  手かせがついた鎖が垂れ下がる地下室。  地下室の天井から垂れ落ちる水滴の音。  蝋燭を持った執事。  雷による停電と、雷によって浮かび上がる怪しい影。  やたらと長いディナーテーブル。  七面鳥の丸焼き。  高い塔。  夜中に響き渡る悲鳴。  夜中に動き回る真っ白なシーツ。  キングサイズのベッド。  天蓋つきのベッド。  メイド。  庭にある大きな噴水。  屋根裏部屋。  開かない机の上から2番目の引き出し。  謎のカギ。    以上、洋館といえば、で思いついたものでした。  次は……ジャングル感にチャレンジしてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6301 投稿日 2003年3月7日(金)23時50分 投稿者 馬宮 ●紫杯  報告、遅れました。「ハイスピリッツ・ガール」本文1(3/6分)と本文2(3/7分)アップしました。 ●読み捨てポイント >風輪さん  まず、わたしが新木さんにメールした「読み捨てポイント」の場所を書きます。  わたしの場合、思いっきり的はずれだったのですが(汗)。  わたしが思った読み捨てポイントは。 >>一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。 >>こんな時は決まって、全身のサイバーギミック化手術を前向きに検討したくなる。 >>数種のカタログから好みの義体を選び、予約を入れる間だけでも待ってもらえないだろうか?  こういうジョークの部分だと思ったんです。最初読んだ時は、とてもカッコよくて印象に残っていたのですが、軒並み削られていましたから。  「目立ちすぎ」て鼻につくのか、と思ったんです。  本来、冒頭部分で読者の印象に残さなくてはいけない「ジャングル感」や「逃走感」を消してしまっているのでは、と。  で、これに対する新木さんの返信を下に要約します。 −−−−  不正解。  ジョークを削った理由は、「キャラが違う為」。  あのシーンのコンセプトは、「追い回されてヒーヒー言っている男」だと思った。  だから、「したたかな台詞」は、コンセプトに合わせて文章を削った。  これがもし、「追い回されているが、しかしこたえていないタフな男ジェイド」であれば、あれは気が利いた一言であり、したたかでカッコイイ台詞だから残した。  ちなみに、そこは、減点対象にはなるが、読み捨てポイントにはならない。 −−−−  これでまた一つ、場所の候補が消えました。 >「汗をぬぐうジェイド、体の不潔さに気づく」  風輪さん、光来さん、ありがとうございます。  と、今みたら甘夏さんも同じところ考えてますね!  ここが削られているのは、風輪さんの言う通りだと思いました。 >>冷汗で濡れた迷彩色の野戦服がべったりと素肌にはりつき、体力を奪う。  こういう一文が「駆け続け、酷使された手足」のところにありますよね。  それから、光来さんと甘夏さんの「逃げている割には余裕がある」の書き込みですが。  この指摘は、おそらく、下の文章の存在からだ来るんじゃないでしょうか? −−−−− >>返り血と焦燥で汚れた顔を想像したとたん、熱いシャワーが恋しくなった。 >>シャワーどころか、ブーツの中で蒸れた靴下を洗濯する水源もない。猛追するゲリラが清潔さに理解を示すとは思えなかった。 −−−−−  確かに余裕です。ここもジェイドのキャラが違う、というものに当てはまりそうですね。 >馬宮書き込み(6291)読み捨てポイント候補「違う話が混入している」について。  風輪さんから指摘が入りました。   >>「仲間を助けるために囮となる」は、主人公の逃げる理由なので「違う話」と言うには違和感を感じます。  わたしは、違う話だと思います。  「主人公が逃げている話」と「逃げる理由(仲間を助けるために囮となる)話」ですから。わたしはそう思いました。  でもですね。  白状しますと。わたしだったら、削っていません。  時系列がうんぬんは、わたしはあまり気になりませんでしたから。  ただ、急に話が変わって、しかもそれが長いな、と。思った記憶があるだけです。  もうちょっと別の書き方ができるなら、そっちの方がいいかな、と。  ……と思って読んだら、逃げる理由、削り後にもありました。 >> 回収地点に先行した相棒は、ジェイドを心待ちにしているはずだ。分隊長の犠牲を無駄にしないためにも、ふたりそろって密林から脱出しなければならない。  これだけで、十分逃げる理由になりそうじゃないですか?  おそらく、時系列を乱して長い文章を入れるより、こっちを残す方が読者が混乱しないだろう、ということで。それで、こっちが残ってるんじゃないでしょうか。  でもこれも、読み捨てポイントではないのは同感です。 ●甘夏さん  洋館編10分チャレンジ課題、突っ込みます。 >>玄関に続く道の左右に不気味な像。  これちょっと想像つきませんでした。  不気味な像って、どんな像でしょう。 >>緑色のプール。  って、この洋館、人住んでないですよ! >>手かせがついた鎖が垂れ下がる地下室。  これは、絶対拷問部屋の描写です。 >>地下室の天井から垂れ落ちる水滴の音。 「地下室」をなくしたら、そのまま「地下室」とか「洞窟」とか「風呂場」の描写になりそうです。 >>雷による停電と、雷によって浮かび上がる怪しい影。 >>夜中に響き渡る悲鳴。 >>夜中に動き回る真っ白なシーツ。  お化け屋敷の描写ですね。廃屋ですか? >>屋根裏部屋。  洋館……には弱いと思います。 >>謎のカギ。  これは、抽象的すぎて描写にならないと思います。 ・全体的な感想・指摘  もうちょっと、具体的な方がいいな、と思いました。  なにか、参考資料を見てチャレンジされましたか?  それとも、実際洋館に行ったことのある記憶からですか?  「洋館といえば、で思いついたもの」ではなく。  これは、実際洋館を描写する時の、候補をあげていく課題だと思います。 >>壁にはツタが絡まっている。 >>玄関のノッカーがライオン。 >>紅いふかふかの絨毯。 >>大きな暖炉の上には鹿の剥製。 >>蝋燭を持った執事。 >>天蓋つきのベッド。 >>メイド。 >>庭にある大きな噴水。  これなら、まだなんとなくわかるんですが。  全体的に、洋館感をあまり感じませんでした。  視覚と聴覚だけでなく、触覚や嗅覚でも描写はできそうですよね。  それから、なんていいますか。ホラーですね。スーパーファミコンの「弟切草」を思い出しました。  洋館と言っても、実際に人間がちゃんと住んでいて綺麗で、豪華なものもあると思います。  そういうのも、試してみたらどうでしょう? >人称訓練 >>数人の人物が登場する場面を登場人物それぞれの視点で書いてみる。  わたしはオッケーです。  後は、新木さんの許可・指示待ちですね。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6302 投稿日 2003年3月8日(土)00時31分 投稿者 光来 唯 >「普通の女の子として扱う」ということ  「普通の女の子として扱ってくれた」としたのは、結衣が心を開くための三段階『「死神を受け入れる」「支える」「普通の女の子として扱う」』のうち、ここで「普通の女の子として扱う」のフラグを立ててしまおうとしていたからでした。  で、以前この三段階を込めたあらすじを作っていたときには、この「普通の女の子」はそれこそ読んで字のごとく、他のこと区別しない――自然な態度で接する、的なこととして考えていました  で、今回はそれをもう少し掘り進めて、「死神に対するコンプレックスから自分を普通の女の子として見れない結衣」というものが出てきました。  が、これはずれたものを掘り出してしまったようです。    この「諒でなくてはならない理由」のコンセプトとして「普通の女の子として扱ってくれた」からというのはおかしくないです。  ただ、その「普通の女の子」というのがどういうものかがおかしかったんです。  結衣は「自分が死神だということをコンプレックスにしている」として、別のパターンも考えることができます。  結衣自信の気持ちの問題のような目に見えないものではなく、誰が見てもわかりやすいものにするとすれば――   結衣は「死神へのコンプレックス」のせいで他人と打ち解けようとしなかった。  それは結衣も自覚していることだから、誰も友達がいなくても、目を見て話しかけてくる人さえいなくても、気にも留めていなかった。  けど、諒がなんでもないことかのように自然に、自分に近づいてきて――それを心地よいと感じたことで、そういうことを自分に感じさせた諒に興味を持った。  と、すればそれほど不自然ではないかと。  (心を開かない者が、ちょっとしたきっかけで心を開き始める、というやつです)  ここで、諒が自然に結衣に接してきたというのならもっと早くに、結衣が諒に興味持つようになったんじゃないかという問題が出てきますが、これは諒自身が特に意識していなかったということで問題ないかと。  つまり、諒は特に自分から誰にでも近づいていこうとしているわけではない。  けど、近くにいたのなら、遠ざけたりせずに自然に接しようとするということです。  今回でいいますと、美術の時間、互いの肖像画を描くという状況になったから、結衣に話しかけた。  それが結衣のフラグを立てることになった、と感じです。    まぁ、王道パターンですが、「興味を持った理由」なんですから、あまり仰々しい必要もないでしょうし。  要は肖像画を描いているときに起こした諒の行動が、何か結衣の気持ちに触れる(心に入り込む)ようなものであれば、いいと思います。  と、これを踏まえたうえで、「女の子として扱う」の中で使えるものがないかと見ていきます(方向性的にはそれほど大きな違いはないと思いますから)。 >甘夏さん  はじめまして。短い時間でしょうがよろしくお願いします。 >訓練法  別にいろいろなキャラクターの書き分けをする必要はないと思います。  客観語、主観語の区別をするというのなら、キャラ寄りの三人称あたりでひとつ書けばいいんだと思います。  そしてそこで使われた言葉ひとつひとつをとって、客観語か主観語か考えていけばいいと思います。  感想掲示板で月白さんがやってたみたいに。  でも、よく考えてみれば別に自分で書いたものでなければいけないということもないですよね。  自分で書いたものの方がいいんだろうけど、その前に一回練習的に――例えば生課題の文章なんかを使って、客観語、主観語の判断をしてみればいいんじゃないかと。  自分で書くのは、それで少し感覚掴んでからでもいいかと思います。    なんて書いてる私自身、よくわかってないんですけどね。 >風輪さん  一日で必ず反応が返ってくるわけじゃないですよ。  何か書いてあるのに、風輪さんへの返答だけなかったというのなら、 >「ふーん、お兄さんはエサをまくのに飽きちゃったのか」  って思っても仕方ないですけど、今はただ書く時間がないということでしょうから。  も少し待ってみてもいいでしょう -------------------------------------------------------------------------------- 狙い撃ち No.6303 投稿日 2003年3月8日(土)02時20分 投稿者 藤極堂 >そういった連中をほったらかして、たかが個人のサイトを狙い撃ちする理由は無いよね。 ルール無用の引用ルール http://tatuya.niu.ne.jp/copyright/column/06.html こことか見ると、とてもそうとは思えないYO! <引用開始> >「利益を上げられそうな相手に声をかけているだけで始めのほうで折れてくれれば儲けもの、あやふやな理屈をふっかけるものの、後になるほど言い訳に終始」という印象。  正直、著作権ビジネスはどこもそんな感じなんだと思う。何故そう言えるかと言えば、自分も実は編集者であり、駆け出しながらも著作権ビジネスの一端を担っているからだ。職場で、編集長が明らかに素人と思わしき人間相手に、かなり無茶苦茶な法解釈をふっかけているのを何度か見て、吐き気がした覚えがある。 <引用終了> (((( ;゜Д゜)))ヒィー まあ、いきなり裁判なんてことはなくて個人サイト宛てに http://slashdot.jp/comments.pl?sid=76605&op=&threshold=-1&commentsort=0&mode=nested&startat=&cid=266957 <引用開始> JASRAC管理楽曲の利用に関して通達。下記から二者択一を迫る。 ・許諾を得て使用料を支払う手続きをする ・掲載を停止して過去の使用料を清算する <引用終了> 事前にこんなふうな通知が送られてくるそうだから、イザという時はサイトを畳んで逃げ出せばいいか。 て、JASRACは月額五千円だけど、著作権侵害は十万円単位ダヨ! しかも前科者になっちゃうよ。 どうすればいいんだ。 お金はともかく前科は……。 -------------------------------------------------------------------------------- 刑事告訴されなきゃ前科はつかない No.6304 投稿日 2003年3月8日(土)03時15分 投稿者 鷹見一幸  著作権ビジネスなわけよ。わかる? ビジネス。  「刑事告訴すると前科が付くよ、嫌ならお金ちょうだい」というシステムになってるんだよね。    民事と刑事の違いわかるかな?    俺が言っている「狙い撃ち」ってのは刑事事件として告訴することを言っているわけだ。  こういった事件を告訴するのには、とんでもない手間がかかる。  著作権法違反事件ってのは、刑法犯じゃないでしょ。  悪質性やら、社会的な影響力を考えると、緊急性があるわけでもない。  もし、これで不法な利益を得ている事実があれば、話は別だけどね。  そういった、いわば「不法を業として営んでいる」存在ではない、いわゆる個人の表現のレベルの段階のものをだ「著作権を侵害されている」という事実のみをもって告訴したとする。  この個人を警察が検挙するだろうか? まあ、検挙するとしても、書類が送られた検察庁が略式なりなんなりで起訴して、有罪判決が確定した時点で「犯歴一件」となるわけだ。  でも、これを立証するには、被害を受けた側にも、著作権侵害の事実の証明が必要なわけで、告訴する側にも多大な負担が生じるわけ。  こんなことにお金と労力を使う企業は、あんまりない。 (まったく無いとは言わない)    たとえば「エロパロ同人誌」なんてものをだ、金を取って売る行為。  パロディにされたモトネタが「エロゲー」ならたいした違いは無いが、これが幼児向けのアニメとか、どっかの企業がキャラクターとして使っていたとしたら話は別だ。  著作物のイメージ、企業のイメージを守る行為として告訴に踏み切ることだってあるし、それによって令状が出れば逮捕だってされるだろう。  金取って売ってたなら、それはいわゆる「ヴイトンのニセモノを売る行為」と変わらんわけだ。  でもね、それはキャラクターの場合。  文章のほうは、またちょっと違う。  だから「一言一句おんなじ」ではなく著述の順番を変えるとか、そういった小細工を弄して、さらに引用元の明記(○○を参考にしています)という部分でトラブルを避けることができる。  一次著作物をそっくりそのまま引用。ってのは、避けたほうがいいだろうね。   「それを参考にして、作り直しましたこれは俺のものです」  と言えるものなら、それは、その人の著作物となる。  シェークスピアをはじめとする過去におけるすべての作家に対してそれを言うために必死になってるんだよ、俺なんか(笑) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6305 投稿日 2003年3月8日(土)07時48分 投稿者 新木 伸  最近、すこし体を動かすと、とたんに疲れる。単なる運動不足。  飲み会から返ってきたら、疲れて24時間ほど寝てました。いまさっき起きたところ。  そういえばまともに外出したのって、去年の暮れのクリスマスイブに、予約してあったケーキと鶏さんを取りに行ったときくらいかなぁ。  ああ引きこもりって素敵。 >藤極堂さん >著作権とか >>そういった連中をほったらかして、たかが個人のサイトを狙い撃ちする理由は無いよね。  誰もお墨付きなんて、与えてくれるはずないじゃん。  藤極堂さんは、鷹見さんの見解を聞いたわけでしょ?  そして鷹見さんは自分の見解を書いたわけだよね。  つまり鷹見さんは、自分で「やる」際には、その見解にもとづいて「やる」わけだよ。「非営利の個人サイトをわざわざ狙い撃ちしてくるほど暇な著作権対策部門の人間はいない」という仮定に基づいて、行動する。  その結果、もし狙い撃ちされて戦死したって、それはそれ。べつにいいじゃん。アホな戦士がひとり戦死するだけのことだし。  それが自己責任てものだろう。  この場合、まわりに迷惑がかかるわけではなく、自分で責任取れる問題なんだから、それでいいんじゃないの? 何十万円請求されようが、それで破産しようが。  鷹見さんの指針に疑いがあるなら、自分でもっと安全に「著作権違反」をする方法を模索すればいいわけだ。  もし絶対安全に著作権違反をする方法とかいうものを求めているなら、そんなものはない。その場合には著作権違反しないようにしなさい。  それならそれで、質問の方法を変えること。  「○○ということをしようとしてますが、これは著作権違反とはみなされないでしょうか?」とかね。  著作権法では、「原文そのまま」であることが問題となるのだな。  たとえばその「講談社 日本語大辞典」の一節をまるまる引用するのではなく、いったん自分の中で消化吸収して、そののちに、自分が新たに書き下ろせばいいじゃんか。  書いてある概念は同じでも、自分の言葉で、章立てなどの構成もすべて自分のやりかたで、そのうえで同じようなことを書く。そうすりゃ著作権には引っかからないよ。  たとえば、あるソフトウエアの解説書とか。  資料として製品に付属している「マニュアル」を使うよね。しかし、わかりやすくかみ砕いて説明し直した「解説本」なんかには、べつに著作権問題は発生しないよね。「誰にでもわかる○○」とか、そんなタイトルの著作物。  あれ、書いてあることはすべて「マニュアル」に載っていることだけど、ぜんぜん、問題ないでしょ? それどころか、その「わかる○○」の作者には、こんどはまた自分自身の独自の「著作権」が発生するでしょ。  そういう「著作権」の回避方法もあるわけだよ。 >風輪さん  生殺し状態で、いま苦しいですか?  苦しくさせるためにわざわざ生殺し状態にしているのですから、もっともっと苦しんでもらわないと。  ちなみに苦しみから逃れる方法は、一つだけあります。  「自力で理解する」――です。  あと苦しんでいると風輪さんは言いますし、その苦しい状態が苦しいことは僕も否定しませんが、でもそれだけじゃただ「苦しんでいるだけ」ですよね。ただ無駄に苦しんでいるだけ。  成果に繋がらない苦しい努力は、単なる無駄な努力だったりします。  たとえば――苦しみから逃れるために、「苦しいことから逃れようとする」人間本来の生存本能の助けまで借りて、必死に頭を回転させて、そして自身の限界を越える思考力と推察力を発揮して、ついに理解に至るとか。  たとえばそんな筋書きとか。  そういう形で成果に結びつけば、その苦しみは無駄になりませんね。 >風輪さん >ハンスさんとか  メールで返事が返ってきました。  なにか誤解しているようす。  僕は「他の人の理解のためにハンスさんのメールを公開させてください」と頼んだつもりだったのですが、ハンスさんからは、「メール公開は自分のためにはならないと思うので辞退させてください」と返ってきました。  もういちど、その誤解を告げて頼み直してみます。  風輪さん。もう少々お待ちください。 >>「ふーん、お兄さんはエサをまくのに飽きちゃったのか」 >>一匹のハトポッポは思いました。  逆です。  「ハトポッポたちは、もうエサを食べるのは飽きちゃったのかなぁ」とエサ撒きおじさんは思っています。エサ袋に首をつっこんでまで、一心不乱に食べているハトポッポは、いま2〜3匹だけです。名前は――エサ撒きおじさんはハトポッポの名前なんて普段あまり気にもしないし覚えもしないんですが、いまそこにいるハトポッポたちには、注意して見ると、どうやら馬宮弟切紫と名前が付いているようです。  いつもいるハトポッポではなくて、いまだけ臨時でここにいるハトポッポには、光来風輪甘夏という名前のハトポッポもいるようです。  しかし、ですね。  僕は毎日原稿用紙30枚くらいのエサを、撒きたいわけです。そのつもりで一抱えくらいあるような大きなエサ袋を持ってきてますんで。しかしハトポッポがいない。  最近じゃここに書くことなくって、個人宛のメールで絨毯爆撃してるくらいです。月白さん。連日30枚のメールを送りつけちゃってごめんなさい。  それでも、いまのように2、3匹でもハトポッポが来ているうちは、まあいいんですけどね。  しかし本当にハトポッポがいなくなっちゃったら、どうしようかな〜とか、そんな先のことも考えるわけです。  エサ撒きはエサ撒きで楽しいけど、しかしハトポッポいないとエサ撒きもできないわけだし。ハトポッポ待ってぼーっとしてるのも、なんだかとてもアホっぽいしー。  エサ撒きおじさんとしては、エサ撒きは趣味のひとつなわけです。ほかにも楽しいこともいっぱいあるわけです。  たとえば小説書くとか。  もう公園に来てハトポッポ待つのはやめて、そっちのほうやろうかなー、とか、考えるかもしんない。展開次第では。  そういうことを、ちらりと書いてみたわけです。 >>今日も未練がましく、お兄さんがエサまきに来ないか待っています。 >>「ねえねえ? 本当にもう、エサはくれないの?」  食おうとしてないじゃないですか。風輪ハトポッポは。  「生殺しは苦しいです」とか言っちゃって、思考停止状態に自分から入り込んじゃって、苦しんでいるポーズを取ることで休憩しちゃってるじゃないですか。  そこに安住できちゃえるってことは、まだ苦しみが足りないってことですね。頭使って考えることのほうが「もっともっと苦しい」ので、いまそこの「生殺し」の苦しさに安住しちゃっている。  うーん。どうしたらその安住場所から風輪さんを追い立てて、きちんと頭を使わせることができるのかなぁ。 >邪神戦線2062冒頭部  冒頭から、「ビールの一杯」が出てくるところまで。  このあいだの飲み会に持って行って、作家連中の間で回覧しました。  なんつうか、作家という人種はやはり小説のことが大好きなのですね。「ロクに読めもしないアマチュアの作品ですけど」と断ってあるのに、1部しかないプリントアウトを順番待ちまでして、奪うように見てました。複数部ほど打ち出していけばよかったかなぁ。  持って行ったのは、「元バージョン」「削り新木版」「削りカス」「削り後、風輪本人増量版」の4つでした。  ええと、僕を入れて、7人だったかな。8人いたかな?  で、結果としては、同じ「一発NGライン」を指摘してきた人は、7人中4人。そういえば中里さんのは聞いてなかったっけ。  残りの2名は、「私、プロの書く商業作品でも読めないものが大多数に上っちまう人間なので、意見なんて参考にならないですよ」と言っていました。つまり「ほかのプロの書く作品と同程度に読めない(読める)」と、そういうことです。  まあいちおう、なんだかんだ言いながらも、流し読みとはいえ、最後まで目は通していましたっけ。全員。  目にしたとたんに放り投げている人はいなかった。  で、ここは、はっきりと確認してみたんですが。  「初めの4行目までは、ぜんぜんOKで、ぜんぜん読めるでしょう?」という質問。  これにはおおむね、全員がうなずいていました。ただし一人だったか、二人だったか意を唱える人もいました。「私は4行目でもうNG」という人。タムタムと太鼓叩いて追いかけてくる「ゲリラ」はなかろう――てな意見。  なるほどたしかに。「これはいわゆるひとつの“クトゥルフもの”でしてぇ、これ、追いかけてくる連中っていうのは、いわゆる“邪神信仰”をしているような“あの連中”なんですよ〜」と説明すると、「ああ」とうなずきます。しかし「それゲリラじゃないのでは?」とつっこみ。  なるほどたしかに。そこで会話に一花咲いて、結果、「原住民」もしくは「狂信者」とでも書いておけばOKだったのにねー、てなことになりました。  結論。  3行目までで、NGを出したプロ作家は一人もいなかった。  あともうひとつ、いくつかの版を見比べて、コメントがでてました。  「この「削り後本人増量(354)」っていうの、せっかく削って良くなったのに、また変なもん混じってきてるねー。だめじゃん」てな意見。  ――で、どうですか?  こういうの聞かされて、「生殺しは苦しくて、自分的にはもう限界まで考え抜いたので、このへんで思考停止です。もう手も足もでないのです」――とか言っちゃっている場合ですかどうですか?  その「居心地の良い苦しさ」から、風輪さんを追い立てるためのアプローチ。  またべつなの考えてみましたが。  鼻面にニンジンをぶら下げられたら、どうですか、もう一歩くらいは進めますか? >甘夏さん  いらっしゃいませ〜。 >馬宮  主観語と客観語の研究。  うん。いいんじゃないの。  べつになにを優先してやらなきゃならんこともないし、どのみちいま積まれている宿題は、おいおい片付けなきゃならんものではなるし。  大事なのは「とりあえず前に進むこと」であるので、いま一番やりたいものを優先してやってて良いと思う。  なんにもやっていない状態とか、「やっている気分になっているだけの状態」とか、「いま自分は苦しんでいる(つもりの)状態」とかよりは、実際になにかやっているほうが、はるかに役に立つ。  で、僕も眺めていて、なにか思ったことがあれば横から口を出すけど。  基本的に二人で相談してやること〜。  練習方法も自分たちで考案すること。課題部屋は自由に使って良し。いちいち許可を取る必要なんてない。  訓練法については、「こういう訓練法で、こういうお題でやるつもり。なにか修正したほうがいいなら言ってくれ」てな意見を求められたときだけ、言うつもりでいる。  好きにやるように。 (ちなみにこれ、練習法まで考案させたほうが、練習の役になるのではないか――という仮説に基づく実験の一貫だと思いねぇ。君らほとんど実験動物です。練習法まで初めから与えたケースでは、いままであんまり効果が上がってないから、ちとここらで一発別なことをやってみるかー、てなことね)  最初のとっかかりとしては、「主観語」「客観語」のどちらがより「わかんない」のか、話しておいたほうがいいよね。自分の得意不得意の確認ね。  ざっと見るかぎり、馬宮は「客観語」のほうが苦手なのではないかと見た。甘夏さんはその逆で、「主観語」のほうがわからないのではないかと見ている。  まあ一見してのものなんで、観察しているうちに、僕の見方も変わるかもしれないけど。 >ジャングル感10分勝負  弟切さんが「ジャングル感」のほうで、それなりの分量を出してきていたよね。  あと馬宮もジャングル感はさっぱりだが、「教室感」であればそれなりの分量を出せてきていたもよう。  それぞれ、40文字にベタ詰めすると、9行と、11行くらいか。  んで、ひとつ確認しておきたいんだけど。  これって入力速度の限界なの?  それとも思考速度のほうが先に限界に到達しているの?  ふたりとも、あれって10分間、ずっとタイプしつづけての結果なわけかい?  つまり考えこむことで手を止めることなど一度もなく、ずっと手を動かし続けていたのかどうか――ってことだけど。  僕は10分間タイピングしたなら、あの数倍くらいは余裕で書けるだろうと、そう思っていた。  はじめ、「なんであれっぽっちしか思いつかないのだろう?」と思っていたのだけど、そうではなくって、「手が動かなくてあれしか書けなかった」というほうが正解なのかな?  そうだよなぁ。  弟切さんがジャングル感のお題で、あれしか出せないわけがないしなぁ……。  まあタイピング速度には個人差があるし。そもそもブラインドタッチできない人なら、できる人の半分以下になってしまうし。親指シフターとローマ字入力の人では、またそこで2倍ほどの格差が出てきてしまうし。  んだって、プロ作家は1時間に10ページぐらいは書くことあるのだよ。瞬間最大風速として、そのくらい。  そうすると40文字詰めで30行くらいはいく計算だよね。(弟切さんのジャングル感は40文字詰めでわずか9行だった)  また小説でない単なる雑文であれば、もうちょっと上げられる。僕は1時間で40文字詰めで300行ほど書ける。10分ならちょうど6分の1だから、50行だわな。  ちなみに台詞だけで構成されるゲーム用のシナリオであれば、原稿用紙100枚分を毎日の絶対達成ノルマとして、1日8時間で、それを30日ほど続けて、1ヶ月で原稿用紙3000枚に相当するメッセージを書いたことがある。  台詞なんて、キャラが喋るものを書き留めるだけでいいんで……。あれは非常に楽な仕事であった。書き留める手のほうが、かなりきつくて、何度も腱鞘炎になりかけたけども。(毎日手のほうの具合を計りつつ、8時間あたりでストップしていた。手がOKなら、もう3倍くらいペースを上げられた) >馬宮 >ジャングル感  あれではお話にならんので、補習して再チャレンジしてよし。  発想法の基本ができてないのかなぁ?  たとえば「ワニ」ってひとつ出したなら、おなじ「生物」って括りでもって、他にも山ほど出るだろうに。それだけで数十項目は稼げない?  なんで「ワニ」って、ぽつんとひとつだけ置いてあるの?  同じように「触覚」「嗅覚」「視覚」「聴覚」「味覚」という括りで、それぞれまたイモヅル式に連想できるだろう。  ジャングルにあるもので――手に触れるもの、肌で触れるもの、匂いで感じるもの、目で見えるもの、耳に聞こえるもの、味で感じるもの――とか、それぞれごとに、数十個はでてくるじゃんか。  上の「生き物」とあわせたら、ほら、もう数百個にもなる。  僕のタイピングスピードでも、10分で書ききれる量なんて、とっくに越えてる。  200〜300個くらいなら10分で書けるかもしれないが、数百個は、わしでも無理だよ。  また「泥」って出したら、こんどはそこから、「足下にあるもの」でまた数十個は容易に出せるでしょう?  または同じ「泥」から、「水っぽくネバネバしてるもの」という括りで、「木を覆う粘菌」とか「固まりかけた樹液」とか、そんなものも出せるし。これまた数十個でるよな。 >邪神戦線削り分析 >>削りカスのブロックごとに仮定を立てていく作業は、「なぜ削られているのか」を考えていくことだ、と思いました。  あうー。そうか。そうなのか。  つまり、「なぜ削られているのか」が、見て一発でわからんわけなのね。  僕は「いる部分」と「いらない部分」に切り分けてみせて、「こっちはいりません」と分けた時点で、「なぜいらないのか」ということを――。仮に一発でわからなかったとしても、わかるまで(自動的に)考え抜くものだと思っていたのだが……。  その見通しは、甘かったってわけね?  「普通そうするだろう」とか思うのは、僕の思いこみだったわけね。  なるほど。またひとつ学んだぞ。  だからみんな、あんなトンチンカンな答えを返してくるのか。  そうか。そうなのか。  いや、僕が理解していたところは、「なぜ削られているのかは、皆ももちろんわかっている。しかし答えにたどりつかないということは、自分の考えたその理由が間違っているせいだ」とか、そんなふうなところだったわけよ。  いちおうは考えているのだけど、それが誤っている――ということね。  だから「もしその段落が絶対NGポイントであると仮定したなら〜」とか、そういう風に誘導してみたわけだが。いま持っている答えを一度捨てて、べつの答えをもういっぺん探してみそ――と、そうサジェスチョンしたつもりだったのだ。  まさか、そんな。  「そこが削られている理由」を考えもしないで、ぽかんとアホ面さらして眺めているだけだったなんて。  なんにも頭を働かせないで、「削りカス」をただ眺めていただけだなんて。  それが君たちの言うところの「考えている」だとすると、それは僕の言っている「考えている」とは違うものです。  そっかー。  つまり僕が「考えろ」と言うと、君たちには「眺めてみろ」とか、そういうふうに伝わっていたんだね。  それじゃ無理だよ。  眺めてたって、答えはわかりっこないよ。 >光来さん >>けれど、それを私は自分からおかしな方へと捻じ曲げているんだろうな。 >>死神の衣装はミニスカートだったり、実際に女の子に見えないようなことさせてないし。  はい。その通りです。ようやく自覚してくれましたね。  読者的には、たとえば、こんなふうに聞こえているわけです。  ミニスカートを穿いている女の子が――ですよ。  「わたしは女の子に憧れているのっ! たとえば女の子っていうのは、ミニスカートを穿いていたりするもんなのよっ!」  ――とか、そう叫んでしまっているわけです。  それでいったい、どのように理解しろと? (まあこれはこれで、いざ本気で本当にやらせれば、すげぇ上等のギャグになりますが。いわゆるひとつの「不条理ギャグ」っていうやつ?) >>言ってしまえば、「普通の女の子に憧れている」のは本人の気持ちの問題なんです。  「本人の気持ちの問題」でしかないものを、いったい、外から見てどのように客観的に理解しろというのですか? その「気持ちの問題」というのは、どのようにして外から観察可能となるわけですか?  昔、光来さんは「死に神の名を持つ少女」のプロトタイプの冒頭で、あるシーンを書きましたよね。好きな女の子に告って、理解不能なことを逆質問されて逃げ帰ってきた男の子が、自分の部屋のベッドの上で身悶えするシーンとか。  あれは、「悩んでいる主人公」が視覚的に見えるわけです。  たとえば悩んでいる主人公の「悩みかた」には、幾通りものパターンがありますよね。そのパターンのひとつには、まったく外見には現れないけど、でも心の中でひどく悩んでいるとか、そういうのもあるわけです。  しかし、具体的行動やら外見に現れないものって、外部からは観察不可能なわけです。  なので「物語」では、悩んでいる人物がいるのなら、悩んでいることが外から観察可能なリアクションを取らせるわけです。「心の中だけで〜」というのは、それは初めから避けて通ります。だって読者に伝えようもありませんから。  女の子に憧れてコンプレックスを持っているヒロインは、外から見て、そうだとわかる言動を取らなきゃいけないわけです。  上の「悩んでいる男の子」の例で出します。  悩んでいるはずの男の子が、飯はいつものように大食いして、そして夜中はぐーぐーと熟睡して、そしてすっきりと目を覚まして、朝のトイレでは何十センチもある立派なウンコを出して、「でも俺は悩んでいるんだ」なんて言ったって、説得力皆無ではないでしょうか?  そりゃ、そういう「悩みかた」というのが、そのキャラの悩みかたなのかもしれないけどー。でもそれで納得してくれる読者が、どれだけいるのでしょう?  つまり、いまそれをやっちゃってるんですよ。  ミニスカートを穿いた女の子キャラに、「でも私はスカートを穿きたいの。女の子に憧れているの」とか言わせちゃってます。光来さんは。 >>しかし、この「普通の女の子として扱ってくれた」というのは、「諒でなくてはならない理由」→「過去の諒に興味を持ったエピソード」のための、その理由のために使っているものです。  そうです。つまり「すべての物事の始まり」です。  このラブストーリーが成り立つための、もっとも最初の、もっとも大事な物事の、そこのところの理由です。なぜ結衣は諒でなくてはダメなのか――そこのところの理由です。  だからこそ、こうしてこだわっているわけなんですが。  ここ、「べつにそんなん適当でいいです」ってことなら、これ以上は追求しないでそのままにしておきますけど。これは光来さんの話であるわけだし。作者ではない僕のこだわりなんて、どうだっていいことだし。 >>気持ちの問題ですので、結衣からすれば制服も「着ているというよりは服に着られているようなもの」、  じゃあ、その「制服なので着ているのではなく、着せられている」――ということを示すためのエピソードとしては、どんなものを出してこれるわけですか?  たとえば「綾波」でしたら、制服以外の服は一着も持っていない――とか、そういう「具体的エピソード」になるわけですよね。なんか男物のワイシャツ1枚きりで、私室のなかをうろつくシーンがあったりしましたが。実際にそーゆーシーンを、僕らは「客」として観せてもらっているわけですが。  あれは自分から起こす能動的な行動として「服を着ている」のではなく、受動的に「ただ着せられている」ということを示すエピソードでしたね。  しかし、結衣は学校の制服でも「女の子の服」を着ているわけだし、光来さんの口ぶりでは、たぶん私服のほうでもスカートなんかをちゃんと持っているんじゃないのかなぁ。  それとも私服のほうは、実用一辺倒のものばかりなんですか?  でも、彼女自身が自分で選んだ一張羅――いわば一番の私服とでもいうべきものが、「死神の衣装」であって、それはもうミニスカートであることが確定なんですよね?  なら、普段の私服も、たぶん女の子っぽい服を着ているのでしょうね。  ――で、いったいどのへんが、「女の子っぽいことに憧れている」となるわけですか? >>自分は死神だから、もう普通の人とは違うという、そういう意識。 >>もしかしたらいつかは死神の仕事で死ぬかもしれない、自分は死神なんだからそんなことに気を向けていいはずがない、とかそんな気持ち。  なに言ってんだか、わかりません。  人に語って聞かせて納得させようとするまえに、まず自分が納得してから、話すようにしてください。  僕が聞いているのは、おしゃれから遠ざかっているのか、遠ざけられているのか、どっちなのか――ということですが。  求めているのに近づけない理由を説明しろと言っているのですけど、これではぜんぜん、説明にもなっていないことが……わからないのかな? >>それも要領のいい人間ならば両立可能なことです。 >>ただ、結衣に関して言えば不器用なんで、どちらか一方しかできない。 >>諒に近寄ろうとしたのは、ある種、自分を変えようという気持ちもあったから。  なら、諒は要領のいい人間の代表格だと、そういうことですか?  僕は、「諒は不器用」「結衣は超不器用」――そのあたりだと思ってましたけど。 >>気持ちはいつも死神入ってます。  なら、その気持ちはいつも死神である人物が、いったいいつ、女の子に憧れていたりするわけですか?  僕はてっきり、結衣という人物は、週に一回くらいのアルバイト感覚で、気楽に死神やってるんだと思ったのですが。死神の衣装ひとつとってみても、そこに自分の趣味を持ち込んでミニスカにしてるし。仕事と趣味とごっちゃにしているあたりの、職業意識の希薄さが、アルバイト感覚だなぁと、そうみていたわけですが。  なのに「私は全然女の子っぽくない。普通の女の子になりたい」などと、なんかいっぱしの職業死神っぽい悩みを出してきている。そのへんのミスマッチ感が、「おや?」と首をかしげる原因になっているわけですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨ての理由 など No.6306 投稿日 2003年3月8日(土)10時41分 投稿者 とんびの羽根  会社で査定のための面談が終わって一息ついてます。書き込みも久しぶりですね。 >月白さん、甘夏さん  月白さんはだめっぽくて残念です。甘夏さんようこそ。感想掲示板興味深く読ませて頂きました。 >望野さん  復帰するならとりあえず他人の「文章」の突っ込みに参加することからにしたらどうですか。  まだ自分に対する指摘への耐性が足りないんじゃないかと思うんです。  ひとに傷つけられるのはいやなのに、自分を傷をつけるのはできる、他人を傷つけるのもできる、という状態ははやく脱して欲しいです。  またきれるところ見たくないし。  コックになるなら、「ナイフの傷」と「包丁の傷」のどっちが本当の恥かわかりますよね。「包丁の傷」だって恥ずかしいには違いないだろうけど。  「包丁の傷」なら耐えられるけど「ナイフの傷」は恥ずかしくて言えない、そうでないならコック「志望」と名乗っちゃいけないです。  今の望野さんは「包丁の傷」で切れて「ナイフの傷」を公言しちゃう人なんですよ。 >読み捨てポイント  削りかすすべてが読み捨てポイントなんじゃないのでしょうか。  ピンポイントできないのは、わたしの精度が低いのかもしれませんけど。  削りかすを読んで思ったのは、死の緊迫感がみじんも感じられないと言うことです。  夢想するたびに意識は恐ろしい現実から離れて、全く日常意識のレベルにダウンしてしまいますね。  ハラハラどきどきさせて欲しいのに、これではどっちらけでした。  風輪さんて、「死にそう」感とそうでない感じと、区別が付かないんでしょうか?  ちょうど馬宮さんがプロットに落としてたので、わたしも自分の言葉でコンセプトを抜き出してみます。(馬宮さんの書き込み参考にしてます、馬宮さんありがとう) −−−−−−−−− ・「密林を必死で逃げるジェイド」<死の恐怖を高める具体的な状況描写 ・「4年前の初陣を回想するジェイド」<緊迫感のない回想 ・「罠に落ち壊滅するジェイドたち」<死が描写されていない ・「ジェイドが囮役を勤める私的な理由」<緊迫感のない理由 ・「生き残って相棒と再会する私的な理由」<不明瞭な理由 ・「回収時刻までのカウントダウン」<切迫した時間的制約 ・「ジェイドの心身を追いつめていく熱帯樹林」<心身を追いつめる歪曲した描写 ・「装備が手放せないジェイドの苦境」<新たな制約条件 ・「疲労困憊して義体手術を夢想するジェイド」<緊迫感のない夢想 ・「威圧感を増す密林」<心理的に圧倒されつつある状況描写 ・「樹海を自力脱出する困難さ」<的がはずれた滑稽な喩え ・「障害物を強行突破するジェイドの焦燥」<突っ切っている最中の描写がない ・「身体を清潔にしたいジェイド」<緊迫感ゼロの感想 ・「体力が限界に近づいたジェイド」<限界を自覚する具体的な変化 ・「強化薬の効能と副作用の間で揺れるが、薬を思いとどまるジェイド」<素晴らしい効能と危険な副作用の説明 ・「中毒患者を回想するジェイド」<妙に落ち着いた回想 ・「死の恐怖をふるい落とし、ビールを夢想するジェイド」<価値観がつかめない空想 −−−−−−−−−  こうしてみると精度が高くないのですが、生きるか死ぬかのときにサスペンス要素とギャグ要素が混ざっているような印象でした。  削りかすだけ読むと喩えもおかしいけど、なんで今ここで、こういうこと回想したり夢想したりするのかな、というおかしさが満載です。 -------------------------------------------------------------------------------- 苦手。 No.6307 投稿日 2003年3月8日(土)21時26分 投稿者 甘夏 >馬宮さん。  私の苦手は、主観語ですね。  語り部としてはそこそこ書けてそうな雰囲気が自分ではあって (まったくあてにはなりませんが)  客観語なら、いちおうわかる感じがします。  ただ、主観語で書け。と言われると  一生懸命、そのキャラになりきって書いてみても  語り部としての視点みたいなのが入ってしまうんですね。  他所から一歩置いて見てるような。  そのキャラがリアルタイムでどう感じているのか。  と、いう訓練をしたいなぁと。そう思ってるわけです。  主観語と客観語を見分ける訓練から始めないとダメですかね。  とりあえず、シーンを探しておきます。   洋館感  については、ちょっとアレでしたね。  やっぱり、いっぺん行ってみないとダメですかね。  洋館といえば、ホラーだ。と先入観があったみたいです。  アダムスファミリーだとか、弟切草、ボルネオホテル、バイオハザード、  みたいな。  ちょこっと、考えを改めて再挑戦してみます。  洋館らしさ、と言うことですね。  ジャングルらしさであるなら、  たとえば、  ブーツが泥にはまって抜けない。  とか、  濡れタオルで口を覆われるような湿気。  とか、  樹上高く響き渡る鳥の鳴き声。  とか、  体中にたかってくるでかいハエ。  とか、そういう、ジャングルにあるもの。  ジャングルに行けば感じられそうなものを書け。と。  ちょっと勘違いしてたと思いました。  申し訳ないです。 -------------------------------------------------------------------------------- はだかの王様 No.6308 投稿日 2003年3月8日(土)23時49分 投稿者 風輪 玲 >新木さん  「この読み捨てポイントはプロ作家にしか見えません」  というのなら、見えたフリでなく、真実見えるように「なる」しかないでしょう。作家志望を自称するのなら。  現状はまったく見えません。トホホです。  今まで私は、文章指南本のノウハウを丸呑みして孵るのを待つ、  といったやり方で小説の理解を深めてきました。  でも、それじゃダメなんですね。  自分から卵の殻を割って中身を取り出せ、と言われるのですね。  うーん、そうか……。  これも「そもそもの発想」が違うわけか。ためになるなあ。    風輪ハトポッポはエサ袋に突撃します。  ともかくこの問題を片づけないことには「紫杯」にも参加できないです。  課題部屋に「邪神戦線2062」本編から抽出したシーンを3つ、サンプルにアップしました。  この3シーンにも冒頭と同じ「読み捨てポイント」が存在するのでしょうか?  「ある」「ない」だけで結構ですから、教えていただけないでしょうか。  なんというか、自力で理解するための「足場」がない状況です。  手も足もでないけど、もがいてみます。  偶然、何かをつかむかもしれませんから。 >ハンスさんのメール  でっかいニンジンみたいです。鼻面にぶら下げられるのを期待して待ちます。  どうか、よしなに。 >甘夏さん、馬宮さん、とんびの羽根さん  甘夏さん、はじめまして。  指摘、ありがとうございます。   重複する内容ですので、まとめてレスつけます。  要約すると、「ユーモアの部分が緊張感を削いでいる」です。  シリアス一辺倒では重いので、読者が楽しんで読めるようにユーモアをいれてみた──というのが、作者の言い訳。  小ネタというか、ニヤリポイントを投入してみた、と。  手に入れた道具に遊ばれていて、有効に使えていないのは図星です。  このシーンにおける主人公の演出は、  「追い回されてヒーヒー言っている情けない男」でも、  「人殺しに毛ほども動揺しない冷酷な殺人マシーン」でもなく、  「惚れた女にいいとこ見せようと奮戦する二枚目半」といった路線を狙っていました。  そう読み取れない、という観点からなら、NGに値します。 -------------------------------------------------------------------------------- キャラクターの行動と思考について。 No.6309 投稿日 2003年3月9日(日)01時17分 投稿者 鷹見一幸  人間はいつでも頭の中でいろんなことを考えているよね。  選択肢は無数にある。  たとえば駅前に立って時計を見て、時間に余裕があることを知る。  このとき、頭にどんなことが浮かぶかというと。 「この街を火の海にしてやりたい」  なんて破壊衝動から。 「目の前にいるミニスカの女子高生を押し倒す」  なんて性的衝動から。 「ずっと前にもこんなことがあったよな」  なんて追憶から。 「腹減ったなあ」  なんてのから  ずらずらずら〜っと並ぶわけだ。そして、その中の一つを選択するわけだ。 「そこのコンビニで立ち読みでもするか」 てな感じの「無難で実現可能な行動」をね(笑)  どんな極限状態でも人間というのはそれをやっている。  様々なことが意識の奥に浮かんでいるわけだよ。  でも、それはあくまでも意識の奥だ。  表面には浮かばない。  特に何か行動を選択して、それをやろうとしている時はそれだけを考えるようにできている。  たとえばバイクで渋滞中の車の隙間を走りぬけるようなとき。  意識の半分以上は「いかにバイクを操るか」ということに傾けられているはずだろ?  「あ、あの車のリヤウィンドウに置かれてるパワーパフガールズの縫いぐるみ、ゲーセンに出てないんだよな、ワーナーが商標持ってるからかな?」  なんてことは、意識に浮かんだとしても、あんまり意識の表面には浮かんでこないはずだ。  意識の奥で浮かぶ連想とか記憶とか、必ずそこにフィルターが作動しているはずだ。  だとしたら、小説のキャラクターが、何か行動を起こしている時。  特に自分の命がかかわっているような時にだ。  いろんなことを考えるものだろうか?  考えたっていい。  でも、それは今現在の自分の置かれている状況をどうするか。ということが優先するものだと思うんだよね。  それ以外の意識は、その場では浮かばないはずだ。  追憶は別だけどね。  でも、追憶を断片的によみがえらせる、という手法はむずかしい。  なぜならその時点でまったく違うお話を、読者の前に提示することになるからだ。  一章ぐらい使って 「ここから先は追憶シーンですよ」くらいのはっきりした切り替えを示さずに、三行四行の追憶を切り混ぜていって、それで読者を混乱させないだけの技量があるならば、傑作になるだろうけどね(笑)    だから、ここにも描写と同じ「濃淡・メリハリ」というものが必要になる。  これは要するに「読者に与える情報の順番」というやつだな。  意識の中に浮かんでいた過去の思い出とか、今の状況とは関係ない部分。つまり情報提供順位の低いものを読者に与えるとしたら、忙しい時じゃなくて、ほっと気を抜ける状況になったとき、とか、想像を絶するものを見たときとか、そういった意識に「ウロ(空洞)」が来た時に、ひょこっとまったく別のものが意識に浮いた、という描写でキャラクターの意識にメリハリをつける、という方法がある。  たとえば、山の中に逃げ込んだ犯人を捜索していて、ボロボロの鉱山住宅の廃屋を見つけたとする。  犯人が潜んでいるかもしれない、その廃屋の中を確認するわけだ。  このときは緊張しているわけだよ、他の事なんか目に入らない。  でも、どこにも犯人の姿は無かった。  そして、ほっとして、あらためてその廃屋の中を何気なく見回したときに  朽ちた柱の一箇所に、色あせた鉄腕アトムのシールが貼ってあるのを見つけたりする。    このときに初めて考えるわけだよ  ……この家には俺と同じくらいの……そう昭和30年代生まれの子供が住んでいたに違いない。  きっと、その子供は未来を信じていたのだろう。  アトムが俺たちに見せてくれた未来を、信じていたのだろう。  ……俺のように。  なんて風にね(笑)   文章の視点が変転すると、読んでいる人間は気持ち悪い。  キャラクターの思考が変転すると、読んでいる人間はイライラする。  よーするに 「大衆には、わかりやすい敵を一つだけ与えよ」             (アドルフ・ヒトラー著「わが闘争」より引用)    これをもじって言うならば 「読者には、わかりやすい情報を順番に与えよ」             というところかな(笑)     -------------------------------------------------------------------------------- >405 サンプル1 少女 No.6310 投稿日 2003年3月9日(日)03時20分 投稿者 とんびの羽根 >風輪さん  とりあえず「少女」だけやってみます。  以下 グレー部分すべてわたしには読めない所です。私の場合ポイントじゃないんでわかりにくいと思いますけど、ご容赦ください。 −−−−−−−−−  ……  これだから子どもは嫌いだ。ぴいぴい騒いで、聞く者を落ち着かない気分にさせる。  …… (ったく、こんな場面を誰かに見られたら、思いっきり誤解されるじゃないか)  未成熟の真白い裸身をあらわにした少女の涙に、同室した男がいくら無罪を主張しようと陪審員たちは有罪の票を投じるだろう。  少女を泣き止ませるには、どうしたらいい?  横流しされた神州軍の重火器で武装した凶悪犯グループとひとり素手で対決するより、何倍も困難な任務だった。凶悪犯相手なら、傭兵稼業で身につけた殺人技術がたやすく解決手段となってくれる。だからといって事件の重要参考人である少女の息の根を止めてしまっては本末転倒だ。  大声で制止したところで無駄なのは、ジェイドにもなんとなく察せられた。  それなら、頭を下げて「泣き止んでください」と頼みこむか? (バカな。いくら俺でも──いや、ひょっとしたら)  数瞬、大真面目に検討してしまった考えをジェイドは鼻先で笑い飛ばした。そのおかげか、眉間の深いしわが消えた。  …… まるで拉致監禁され、虐待を受けているかのようにおびえる少女のしぐさに、理由のない罪悪感を覚えたジェイドの声は自然と優しくなった。  ……  銃の扱いしか知らない手で触ると壊れたりしないだろうか。鼓動を早くしながらジェイドがおそるおそる  ……  手を放すと、ぱっちり目を開けたリルシェが言った。  ……後略  ……  後略 −−−−−−−−−  今、ここで、こいつ/この子が、こういうこと言うか、こう考えるかということで違和感が強烈です。  おもわず読むのをやめたくなるのですが。  これを全部とっぱらってもジェイドが手を焼いているおかしさ、振り回されてるおかしさは伝わってきます。  もう一度自分で削ってみてはどうでしょう。やっぱりわかりませんか。  たとえば最初の部分ですが >> 泣き声にジェイドは頬を歪めた。 >>「泣くな。静かにしないと外に放り出すぞ」  この2行のあいだになぜに「これだから子どもは嫌いだ。……」などと考えている「余裕」があるんでしょう。  ジェイドに「余裕」がないからいきなり配慮の足りないせりふが出てくるんじゃないでしょうか。  主人公は子どもが泣くのが苦手なので余裕のない対応をしているだとすぐわかることです。  「これだから子どもは嫌いだ。ぴいぴい騒いで、聞く者を落ち着かない気分にさせる。」としっかり考えてから「泣くな。……」なんて言わないですよ。  緊張というものは一度切ったら、もとに戻すのは大変なんです。簡単に緊張・ユーモア・緊張・ユーモアと切り替えることなんて、読者にはできません。  でもね、緊張させたままユーモアを漂わせることは可能ですよ。必要以上にぶっきらぼうな、まごまごした言動、行動をみると、それだけでけっこう笑える状態になるのです。 >> 泣き声にジェイドは頬を歪めた。 >>「泣くな。静かにしないと外に放り出すぞ」  これだけで充分おかしいんです。ひどいやつだったら、いきなり放り出すか、どやしつける、あるいは完璧に無視する。  現実ではわからないのは本人だけだったりするわけですが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6311 投稿日 2003年3月9日(日)05時42分 投稿者 新木 伸 >風輪さん >>今まで私は、文章指南本のノウハウを丸呑みして孵るのを待つ、 >>といったやり方で小説の理解を深めてきました。  お笑いです。  そんなんで身に付くはずないじゃないですか。  せいぜい「理解が深まったつもり」になって、「上達ごっこ」を楽しむことができるのが関の山じゃないでしょうか。  なるほど。  本とか読んでも、そんな読み方をしてたわけですね。  「読めば身に付く」と考えていたわけかぁ。もしくは「読んで時間が経てば身に付いているはず」とか?  文章指南本にノウハウが書かれていることは、これは間違いないです。  意地でもそれを「理解」するんです。そのとき、その場で。  自動的に身に付くのではなくって、意志と精神の働きによって理解して、吸収する。  読んだその瞬間に身に付けなかったことには、もう一生、触れる機会はないと思っていたほうがいいですよ。  その「文章指南ノウハウ本」って、何回ほど読みました?  おそらく買ってきて1回きりしか読んでないんじゃないですか?  読んだ内容を記憶にとどめているから平気――とか、反論きそうなので先に潰しておきます。じゃ読んだ内容を思い返すことは、何回ありましたか?  ないでしょ? ゼロでしょ?  丸呑みしたものは、消化できずに丸ごと排出されてしまうのです。  消化吸収という活動は自動的になされるものではなくって、胃袋やら消化器官やらがフル回転して行っている行為わけです。食べたものを消化しているあいだ、人間は体や頭の働きが鈍りますよね。血液が消化管に集まるためです。  体力の衰えている病人に、なにを食わせても消化できずに吐いてしまいますよね。  消化吸収にエネルギーが必要ということの証明です。  ああ、なるほど。  「分室の過去ログ読みました!」なんて得意げに言ってくる連中に限って、ぜんぜんわかってないし、身に付いてもいないのは、そのせいか。  文字通り「読めと言われたから読んだ」ということを、彼らは言ってきているのか。  僕としては、「読んだのだから当然理解しているだろう」と思っているわけですが。 >>でも、それじゃダメなんですね。 >>自分から卵の殻を割って中身を取り出せ、と言われるのですね。 >>うーん、そうか……。 >>これも「そもそもの発想」が違うわけか。ためになるなあ。  なに感心してるんですか。  これじゃまるで、僕が凄いことを言ってるみたいじゃないですか。  普通のことですよ。  この「物事を覚える仕組み」をわかっていなかったのなら、もっと深刻になってくださいよ。  自分で卵の殻を割ろうとしないで、なにひとつ身に付くはずがないじゃないですか。  ということは、風輪さんはいままでなにひとつ学んできてないってことになるわけですよ? 小説のことに関わらず、他のあらゆることすべてに対して。  「ためになるなぁ」なんて、へらへら笑っていていい場面ですか、ここは? >>課題部屋に「邪神戦線2062」本編から抽出したシーンを3つ、サンプルにアップしました。 >>この3シーンにも冒頭と同じ「読み捨てポイント」が存在するのでしょうか? >>「ある」「ない」だけで結構ですから、教えていただけないでしょうか。  僕は見ません。  ――が、ひとつ言えるのは、あの冒頭シーンを書いてしまった人間なら、おそらく同じ間違いをまた「やっちまって」いることでしょうね。  まあ確実です。見ないでもわかります。  作品中に平気で誤字を出すような低い意識で作品を書いている人間は、冒頭にも誤字があるし、中盤にも終盤にも、おなじように誤字が出てくるわけです。  それと同じです。  あと、削りの重要性をいちど知ったはずなのに、削りもしていないものを人様に見せようっていうのは、いったいどういう了見ですか?  削りと元版と、両方をあげてきて、削り過ぎがないかチェックしてもらおうとか、そういうことで元版も比較対象としてアップしてくるならわかりますよ。元版を見せる意味も出てきます。  しかし、おそらく灰色の文章率50%を越えていると思われる文章を、そのまんま、見せようとするのって? >鷹見さん >>たとえばバイクで渋滞中の車の隙間を走りぬけるようなとき。 >>意識の半分以上は「いかにバイクを操るか」ということに傾けられているはずだろ? >>意識の奥で浮かぶ連想とか記憶とか、必ずそこにフィルターが作動しているはずだ。  熟練者は、そうです。  ていうか、僕の分解能では、この領域に達しただけでは「熟練者」とは呼びたくないんですけどね。まあ「上級者」あたり。  論外<初心者<初級者<中級者<上級者<熟練者<達人<伝説の人  物事の習得段階に、こうして7段階+1の階梯があるとすると、この「上級者」より上は、だいたいそうなってます。何かをするときに、フィルターがかかります。意識活動の大半がそこに振り向けられます。  そういうもんです。  でも、その下の「ヘボ」は違うんですね。  雑念が混じってしまって、どうしても集中が出来ないわけです。  集中という概念をそもそも知らない。集中はできるが一瞬しか持続しない。常時集中状態でいられない。自由にスイッチを入れたり切ったりできない。  だからこそ「ヘボ」であるわけです。  たとえばジャングルで追いかけられている「兵士」を書くときに、我々はまず、その兵士の実力設定をするわけです。  たとえば、素人から徴兵されてきて、まだたったの2ヶ月しか訓練をされていない「新兵」であれば、追いかけられて逃げるときに、雑念混じりの思考を書くのが「リアル」ってもんです。命からがら逃げてる最中に「ああビール一杯飲みてぇ」なんて思っていたって、いいわけです。  しかしそれが歴戦のベテラン兵士であるのなら、雑念を混じえるのはおかしい。エリート部隊の人間であればなおのこと。  人間の経験というのは、応用が利きます。  なんでもいいですから、なにかひとつのことで「上級者」以上に達していれば、「では他のことでも上級者とはこのような心境で物事にあたるに違いない」となるわけです。  で、邪神戦線2062では、このようなシーンが多々見受けられます。ベテラン兵士の思考ではない部分がいくつかあります。  しかし僕は今回、それは問題にしていません。まあすべて「削り対象」にはなっていますけど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6312 投稿日 2003年3月9日(日)08時33分 投稿者 新木 伸 >光来さん  6302は、意味不明だったので、理解せず、頭を素通しさせてあります。  何か伝えたいことがあのなかに含まれていたのなら、書き直しのこと。  べつに聞かなくてもいいことでしたら、そのままでいいです。 >とんびさん  とんびさんって、お仕事は人事課とかですか?  査定の面談って、なんの話?  もし人事課なら、話を聞きたいなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- >キャラの主観に入れるかどうか No.6313 投稿日 2003年3月9日(日)10時01分 投稿者 新木 伸 >キャラの主観に入れるかどうか  甘夏さんの「入れない」という状態も、わかるんだけどね〜。  たとえば現状として「自転車に乗れる人」が、自転車に乗れない人の感覚がわかり、なおかつ同時に「乗れる感覚もわかる」ようなものかなぁ。  いま自分が自転車に乗れているのは、それは確かなんだけど……。  しかしどうやって乗っているのかなんてことは、意識に上らないわけです。説明しようとしても難しい。  とりあえず伝えられることとしては、「自転車に乗れないと買い物に行けない(もしくはとても不便)」ということ。  そして人は自転車に乗ることが可能であるということ。  ちなみに「自転車の乗りかた」であれば、教えるプロってのがいるみたいですね。 1.まず自転車にまたがる。 2.またがったまま、両足を浮かせて、はじめは1秒。慣れてきたら数秒は保持するような練習をさせる。数分〜15分。 3.数秒ほど保持できるようになってきたら、倒れようとする方向にハンドルを切る練習をさせる。反射的にできるようになるまで行う。数分〜15分。 4.自分でペダルを漕がせず、補助の人間が後ろを押さえて自転車を前に押してゆく。上記の「足を浮かせる」の練習の要領で足を浮かせる。倒れようとする方向にハンドルを切る反射運動ももう身に付いているので、それも行わせる。→すると倒れることなく、進むことができる。もし倒れそうになっても補助の人間がついているので、いらぬ恐怖感を与えずにすむ。 5.4ができるようになったら、次は自分の足でペダルを漕ぐようにする。  ……と、このようなステップで、「誰でも」1時間ほどで、自転車が乗れるようになるそうです。  ひとつひとつの階段を小さくする工夫が見られますよね。またいらない恐怖感を植え付けないような工夫も見られます。できないことを無理強いして、いらぬ苦手意識を植え付けない工夫も見られます。  本当に洗練されたやり方ですね。この方法は。  ――で、いまやっている「視点に入りこむ」ということ。  人間には「感情移入能力」が先天的に備わっているものですので、誰でも身につけられることであることは、間違いありません。  人間に「バランスを取って二足歩行する能力」が備わっているために誰でも自転車に乗れるようになるのと、まったく同じことです。  この自転車に乗れるようになる方法と同じように、「視点に入り込む」ための訓練法にも、同様に、理にかなった方法があるのかもしれません。誰でも1時間で身に付く方法があるのかもしれません。  しかし、残念ながら僕は知りません。  ――で、出来ることといえば、甘夏さんと馬宮とを実験台にして、観察することくらい。  ということで、頑張ってください。  甘夏さんが一ヶ月で身につけられても、身につけられなくても――。その観察結果は無駄にしません。次に同じように「視点がわからない人」に教えるときには、かならず役立てますので。 -------------------------------------------------------------------------------- ブリキの人形 No.6314 投稿日 2003年3月9日(日)14時29分 投稿者 風輪 玲  ブリキの人形には「ハート」が欠けている     ↓  だから「ハート」を得るため旅にでなくてはならない  その旅がどんなに困難を極め、過酷であるか、想像するだけで尻込みしそうになります。いや、してました。  これ、「乳粥」の頃からずっと、自縛霊のように憑いてます。  なんとなーく肩が重いな、とか、サインはたびたびありました。けど、私は気のせいだと正面から向き合うことなく、逃げていました。  この際ですから、お祓いしましょう。  憑き物どころでない、大きな読み捨てポイントと一緒に。 >とんびの羽根さん  お手数、おかけしました。  削りもせずアップしたのは、読み捨てポイントが特定の部分にのみ存在するか、普遍的に存在するものか、判断がつかなかったからです。  新木さんの言葉で「誤字と同じように存在する」と疑問は氷解しました。   >新木さん  文章指南本でノウハウを身につける方法。  私が実行して、理解したと思っていたのを、以下にまとめました。 1 とりあえず一読 ノウハウの質を確かめる 2 再読 流し読みしながら、箇条書きしたノウハウを紙に書く 3 紙をよく見える場所に張り、適宜、眺める 4 ひっかかりを感じたら、本と照らし合わせる   (3〜4を繰り返す) 5 なにかの拍子に、ぽんと理解する 6 自分の言葉での説明が正しいか、本で確認する 7 自作で理解したことを実践してみる 8 他人に読んでもらい、意見を聞く 9 修正を加え、理解を深める  理解だけで、実践できなければ無意味です。体で覚えてこそ、「ノウハウを身につけた」といえるのではないでしょうか。  この方法は、分室の過去ログにも適用してます。  うーん。エサを食べにいく、必死さが足りないのですね。  「今すぐ理解しなくても死なないもん」って意識が理解を妨げてます。  了解しました。  もうしばらくお付き合い願います。 >鷹見さん  せっかくのエサなのに消化不良を起こしています。  と、いうよりも、新木さんのエサより高い場所に置いてあり、「ここまで飛んできたハトポッポだけ食べてもいいよ」という感じ。  さらに「飛べないハトポッポは、ハトポッポじゃないよ」とまで言っているんだろうな、多分。    「視点と思考には流れ(リズム)がある」  No.6309 を上記のように私は理解しました。  「邪神戦線」の場合、浮かんだキャラの意識を選択することなしに書いてしまっている、そういうことなのですね。  言い換えると、キャラの無意識に語り手の照準が合わせられている。  だから、読者が混乱し、気持ち悪いので読み捨てたくなる、と。   なるほど。  コーチングの初歩は「本人の欠点を本人に自覚できるよう、誘導する」にあります。  この痛みを忘れないうちに、肝に銘じておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- アイヌモシリより戻りました。 No.6315 投稿日 2003年3月9日(日)21時20分 投稿者 弟切 千隼 弟切です。 アイヌモシリとは、アイヌ語で「人間の国」という意味です。昔、北海道は、そこに住む先住民族のアイヌの人たちによってこう呼ばれていました。 新木さんへ > 出かける前に書いていった「邪神戦線2062」の読み捨てポイントの理由は、またも間違いでした。弟切はいまだに「読み捨てポイント」を理解していないということですね。 私も、風輪さんともどももう少し考えてみます。ハンスさんより、分室へのメール転載許可が出るとありがたいですね。 甘夏さんへ > いらっしゃいませ(^_^) 期間限定でも、一緒に餌を食べてくれるハト仲間が増えるのは嬉しく思います。 主観語と客観語については、私も区別できている自信はありません。ちょうどここのところ、文章を削ってもらうなどして重点的に文章力を上げようとしているので、その一環として、「主観語と客観語」について学ぼうと思います。 私も仲間に入れて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 困った。 No.6316 投稿日 2003年3月9日(日)22時10分 投稿者 甘夏 >馬宮さん  視点が介在しない『脚本』を用意して  そのシーンをそれぞれのキャラの視点に立って小説化してみる。  と、いう方法を考えてみました。  このキャラはいったい何を感じ考えこの台詞を発しているのか。と。  そのキャラの主観に立って書いてみる。と。  馬宮さんの場合は三人称を駆使して客観的に小説化してみる。と。  語り部視点でも、神の視点でも、キャラ寄り視点でも。  そういう形でいかがでしょうか?  小説化については、  私は一人称で書いてみようかなと思っています。  一人称で書けば主観語しか使えないわけですし。  馬宮さんは一人称で小説が書ける方とお聞きしましたので、  それは主観語じゃないだろ、とか指摘していただけるかなぁと。  でも、それだと三人称の練習にはならないか……  とりあえず、脚本はどっかの脚本サイトからパク……じゃなくて  頭の中にお借りして、アレンジを加えたものを使おうかな、と思っています。  他の参加者の方や、鷹見さん、新木さんに、  お題提出をしていただければすごく助かりますが(遠回しに要望しています)  馬宮さんの意見を待ってから  とりあえず一発、課題部屋に上げてみようかなと思っています。  案ずるより産むが易し。の精神でとにかくやってみようかなと。  以上、甘夏の業務連絡でした。 -------------------------------------------------------------------------------- 死神少女 No.6317 投稿日 2003年3月10日(月)00時12分 投稿者 光来 唯  なんだか、他の方の課題にゆっくり手を出してられる余裕がない…… > そうです。つまり「すべての物事の始まり」です。 > ↓↓↓ > だからこそ、こうしてこだわっているわけなんですが。 > ここ、「べつにそんなん適当でいいです」ってことなら、これ以上は追求しないでそのままにしておきますけど。これは光来さんの話であるわけだし。作者ではない僕のこだわりなんて、どうだっていいことだし。  「適当でいい」なんて思ってませんよ。  第一、初期バージョンでもその出会いの部分叩かれてたわけですから(しかも自覚していたわけですし)。  それを適当でいいなんて言えるわけないですよ。   >>気持ちの問題ですので、結衣からすれば制服も「着ているというよりは服に着られているようなもの」、 > じゃあ、その「制服なので着ているのではなく、着せられている」――ということを示すためのエピソードとしては、どんなものを出してこれるわけですか?  それについては前の書き込みで白旗あげちゃってます。  いろいろなパターンを考えても、どれも矛盾しちゃってますので。  それと、結衣の制服姿はいつまでたっても違和感がある、制服をちゃんときこなせているという感じがしない、と言う意味合いで「着ているというよりは服に着られているようなもの」って書いたんです。  どちらにしろ、女の子な格好を制服以外でもしたりしてるのに、制服だけを使って女の子じゃない的な意味合いを持つエピソードは出せないです。  > しかし、結衣は学校の制服でも「女の子の服」を着ているわけだし、光来さんの口ぶりでは、たぶん私服のほうでもスカートなんかをちゃんと持っているんじゃないのかなぁ。 > それとも私服のほうは、実用一辺倒のものばかりなんですか? > でも、彼女自身が自分で選んだ一張羅――いわば一番の私服とでもいうべきものが、「死神の衣装」であって、それはもうミニスカートであることが確定なんですよね? > なら、普段の私服も、たぶん女の子っぽい服を着ているのでしょうね。 > ――で、いったいどのへんが、「女の子っぽいことに憧れている」となるわけですか?  死神の衣装は特別なものなので、ある種勝負服的な意味合いを持っていることになります。  ですから、そこに憧れている「女の子」な服装を持ってきても不自然ではないかと。    けど、普段の私服のほうもスカートはないにしろ、女の子っぽい服だったりしますので。  つまり、もはや女の子に憧れていたとは、言えないわけでして。  本人が自分は普通の女の子じゃないと思い込んでいるだけ、ってことになってしまいます。  (というか、気持ちの問題ってことはそういうことになってしまいます)  「自分は死神。だから普通の女の子にはなれない」って思い込みが、実際は女の子の格好をしていながら自分を普通の女の子だと見ていない=女の子に憧れる、という状況に至ってしまっているわけです。  って、まぁこれはもはや言い訳ですけど。  でもこれだと、諒が結衣と話してるときに言った「じゅうぶん、女の子してるだろ」とかっていう気軽な言葉が彼女に興味を持たれる理由になった。とかもできたりしますね。  結衣は外から見れば誰がどう見ても女の子してる。だから周りはそんなこと言ってきたりしなかった。  けど、結衣自身はずっと自分は普通の女の子ではないと思い込んでいた。  それが諒の一言で、結衣は自分も他のクラスメイトの女の子と違わないことに気付く。  そしてそれを気付かせてくれた諒に興味を持ち始めた。  ってな具合に。  世間ずれしているというか、かなり思い込みレベルが高いってことになりますけどね、この場合。 >>自分は死神だから、もう普通の人とは違うという、そういう意識。 >>もしかしたらいつかは死神の仕事で死ぬかもしれない、自分は死神なんだからそんなことに気を向けていいはずがない、とかそんな気持ち。 > 僕が聞いているのは、おしゃれから遠ざかっているのか、遠ざけられているのか、どっちなのか――ということですが。 > 求めているのに近づけない理由を説明しろと言っているのですけど、これではぜんぜん、説明にもなっていないことが……わからないのかな?  えと、結衣は自分から遠ざかっているのです。  それは、自分は死神だからそういうことをしてはいけないんだ、という思い込みからきているものです。  死神なんだから普通の女の子のように遊んでなんていられない、普通の女の子みたいなことしたいけど自分は死神だからどうせ似合わない、という死神の仕事に対する歪んだ使命感が彼女を、おしゃれからとおざけさせているのです。 > なら、諒は要領のいい人間の代表格だと、そういうことですか? > 僕は、「諒は不器用」「結衣は超不器用」――そのあたりだと思ってましたけど  うーん、ここから「諒は要領の言い人間」と読みら取れてしまうんですか……  えと、結衣が諒を頼ろうとしたということは、諒は要領のいい人間と見られたから、ってそういうことなるのかな。  じゃんければ、自分を変えようとして近づいたというのなら、それは自分とは対照的――つまり「要領のいい人間」というわけかな。  と、それはともかく、考えているとおり諒は要領のいい人間ではないですね。  ま、元ヘタレなんですから(初期のあらすじで言うところの)、要領のいいにんげんであるわけがないですね。  でも、だからと言って、二人が両方とも「不器用」ってのだとまずいわけで。  諒は不器用だけど、不器用なりに一生懸命がんばっている。結衣は不器用なのをそのままに、自分はそういうものだと受け入れていた。と、そういう風に区別していました。 > なら、その気持ちはいつも死神である人物が、いったいいつ、女の子に憧れていたりするわけですか? > 僕はてっきり、結衣という人物は、週に一回くらいのアルバイト感覚で、気楽に死神やってるんだと思ったのですが。死神の衣装ひとつとってみても、そこに自分の趣味を持ち込んでミニスカにしてるし。仕事と趣味とごっちゃにしているあたりの、職業意識の希薄さが、アルバイト感覚だなぁと、そうみていたわけですが。 > なのに「私は全然女の子っぽくない。普通の女の子になりたい」などと、なんかいっぱしの職業死神っぽい悩みを出してきている。そのへんのミスマッチ感が、「おや?」と首をかしげる原因になっているわけですが。  いつ女の子に憧れているのか――それは時には学校、授業の合間の気が緩んだときだったり、街を徘徊していてふと、気が抜けた瞬間だったり、そういうときなぜか自分以外の少女に目が行き、自分もそういう普通でいたかったなんて思うわけです。  で、最初は何気なく思ってても、何年も死神やってると、気持ちに少し余裕ができる=普通の女の子憧れる、という感じになってしまったのです。  死神の衣装――趣味といえば趣味ですけど、そこが結衣にとっての拠り所、というか全てなわけです。  だからそこに、スカート姿を持ち込むことで、自分は普通の少女になりたいのだとささやかな主張をしているのです。  というか、もともとの設定では「変身ヒロイン」なわけです、死神の衣装は。  結衣が小さい頃憧れていたテレビの変身ヒロイン。それを真似ているわけです。  彼女は変身ヒロインとはこういうものだと、思い込んでいるものですから、衣装もこういうのでなくてはならない、と考えているわけです(ある種刷り込みに近いレベルでの思い込みです)。  で、死神というのは結衣のなかでは変身ヒロインに近いものという分類がされているのですね。  だから、それがスカートであっても、女の子というよりは(その衣装は)変身ヒロインの象徴なんです。  うーん、なんだかいろいろと説明しているけれど、すでに穴だらけってことが証明されてしまっています。  少なくとも、結衣が普段から女の子っぽくみえないようにするか、求めているものを「女の子」でなくするか、どちらかに修正しなくてはなりません。   > 6302は、意味不明だったので、理解せず、頭を素通しさせてあります  素通しさせたままでいいです。  いや、自分で読み返してよくわからなかった。  とりあえず、あそこで言おうとしたことは、ひとまず置いといてというか、流れに寄っちゃ必要ないことになってしまいなので、あれはなかったことにしておいてください。 >甘夏さん、馬宮さん  とりあえず、6302は読み飛ばしてくれていて助かりです。  私、なんだか思い切り勘違いしていたようなので。  あれはなかったことにしといてください。 -------------------------------------------------------------------------------- レスとか No.6318 投稿日 2003年3月10日(月)00時53分 投稿者 とんびの羽根 >甘夏さん、そのほか >主観語、客観語  残念ながらまだ手が出ません、実際に始まってから、突っ込めたら突っ込んでみます。  感想掲示板にくらべて分室では、同時多数突っ込みを受けやすいので、意見の客観性を判断する手がかりを得やすいという利点があります。  でもその利点も分室参加者がさぼっていては活かすことができませんので、みんなで突っ込んであげたいですね。  何かを身につけようと思うときは、とにかく手を動かすこと、人に見てもらうこと(もしくは客観的に自分で見れること)必要です。  それは突っ込みでも同じですね。突っ込みすらも他人の目で、見てもらえなければ上達するのは、困難です。  主観語、客観語の感覚を身につけるために、この機会を利用しなけりゃもったいないですよね。 >新木さん >査定  人事課じゃないですよ。  ボーナスの成果比例分配分と、昇進、昇給の査定をこの時期に行ってるのです。  上司とのミーティングを一回やって、その次にマネジャーとのミーティングを一回やります。  面談が終わったのであとは成果または学習結果のレポート発表が残ってます。  ここ数年はうちの会社ではバランスト・スコアカード(BSC)導入を前提とした査定を行ってますので、普通の会社とかなり違うんじゃないかと思います。 >バランスト・スコアカード  学習と成長の視点、社内ビジネス・プロセス 、顧客の視点、財務の視点という4っつの指標を使って業績の評価を行う手法  ライトノベルスの場合なら、「学習修行、執筆プロセス、読者満足、販売利益」をすべて数値化して評価するということでしょう。  数値化するのは、「数値化できないものは管理できない」とされているからです。  普通の日本企業でもやってるところは増えてるようで、関連書籍がよく売れてますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日は映画に行く予定。 No.6319 投稿日 2003年3月10日(月)06時49分 投稿者 新木 伸  「ロード・オブ・ザ・リング2」は、劇場で観なければなんの意味があるものか。  ストーリー展開はタルそうだけど、あの映画の見所はそんなところにはないわけで、「ディテールの緻密さ」なのだな。それがすべてだな。しっかり観察してこなければ。ファンタジー系作品の「鉱石」になるじゃん。まあしょせんは代用鉱石だが。ていうか、ファンタジー世界なんて実際に行けるわけないしー。  しかし、本来の予定なら木更津に泊まりに行ってたんだよな〜。日曜から。  どーも生活時間が夜型になっていて、朝、起きられなさそうだったので予約しなかったのだが。  朝から起きられてるじゃん。いま俺って。(しかし奥さんのほうが寝ている)  木更津行って、ホテル泊まってー、バイキング料理の夕飯で「素敵肉食べ放題」(※注:俺語で「ステーキ」のこと)したりー。  マザー牧場行って、可愛い生まれたての子ヒツジさんたちを愛でて、そしてその「可愛いね〜」と言った同じ口で、ジンギスカン焼き肉でラム肉を食べてくるのだ。  そして帰りは、東京湾を縦断している橋を渡りつつ、海ほたるによって、そして渋谷あたりで映画を観る――と、そんな予定だったのだが。  まあ今月末あたりに変更するか。その頃なら潮干狩りもやってるし。 >風輪さん >>なんとなーく肩が重いな、とか、サインはたびたびありました。けど、私は気のせいだと正面から向き合うことなく、逃げていました。  そんな大層に考えることかなぁ?  もっと気楽にいきましょうよ。気楽に。  どれだけ悩もうとなにしようと、しょせん、やることっていったら「二者択一」でしかないんですから。  やるのか、やらないのか。  本当に読めるものを書くために苦難の道を歩むのか。  いまいる場所に安住するのか。  この二者択一です。大変シンプルです。  なんならコイン投げて決めちゃうとか〜。  決断した後に「どれだけ歩くのか」ということが、重大事項なわけです。  決断前というのは、いわば歩き始めてもいない時間です。つまりここにかけている時間には、まったく意味がないわけです。  決断に時間がかかるようなら、コインでも投げて決めちゃったほうが、効率的ってもんですよ。それで「表」が出たら、小説ではなくって、なんか他のことに向けて歩きだすことにするとか〜。 (いいな。このエピソード、いつかそのうち小説で使おう。決断に迷う主人公に、横から「俺が決めてやる。コインを投げろ。そして表が出たら〜」とか言い出してくる男(オッサン役)とか。) >>と、いうよりも、新木さんのエサより高い場所に置いてあり、「ここまで飛んできたハトポッポだけ食べてもいいよ」という感じ。 >>さらに「飛べないハトポッポは、ハトポッポじゃないよ」とまで言っているんだろうな、多分。  鷹見さんのアレは、可能なかぎり低いところに置いてくれてるんですってば。  鷹見さんにおける最大限の労力を払って、そして低いところまで下りてきてくれてます。  しかし僕とみやびさんあたりで、ようやく、「何言っているのか理解できる」というところ。  もっと低いところに置けるようなら、置いてくれてますって。けっして意地悪しているわけじゃない。  ちなみに、あの話は論旨が三つあります。  それは個別に切り分けないと、混乱します。  ぜんぜん読めてないようなので、解説してみます。 ・キャラには無意識下でざわめく「雑念」が常にある。それが人間というもの。 ・極限状態に置かれたキャラにも「雑念」は当然ある。しかしその「雑念」まで書いてしまっては、受け手(読者)にはリアルに感じられなくなってしまう。 ・またキャラクターが熟練者であればあるほど、その心理というものには、余分なことを考えないためのフィルターがかかる(集中した心の状態になってゆく)。雑念を持たない精神状態のキャラも存在する。そういう「熟練者の境地」を出すことでリアルを出すこともできる。 ・「雑念」は書かない――これが原則。しかしその原則を破る方法が、ないこともない。キャラの心理が緩む一瞬を設定する。その緩んだときに、一気に「雑念」を噴出させる。これもまた人間のリアルな精神活動であるので、リアルティを持って読者には受け入れられる。  ――とまあ、このように「雑念」繋がりで、三つのリアルな人間描写の手法の話をしているわけですね。 >甘夏さん −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・怒っている女。 ・なぐさめるor謝ろうとしている男。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  んじゃ、脚本、こんなんで。  登場人物は二人。  場所はどこでも可。  男女の会話の内容やら、なぜ怒っているのやら、このあとどうなるのかとか。  最終的に女が男を許すことになるのか、すべてアドリブでよろしく。 >光来さん  ああ、なるほど。  自分でもボロボロと思いつつ、とりあえず説明を試みているわけね。  僕はてっきり、僕を説得しようとしているかと、そう思っちゃったよ。  ちなみに僕のほうは、「おかしな部分は指摘しているのだから、解決してこい」とそう要求しているつもりだったのね。  光来さんがゴネておるから、「なんだ。まだおかしいということを自覚できないないのかな?」とそう思って、言葉を変えて何度も言い直してみたりしていたわけだ。  結衣の学校だけど。  制服なしで、私服の学校だったってことにしちゃえば、問題解決なのでは?  そして結衣の私服は、男の子と見まがうばかりに実用一辺倒なものとか。  そうすりゃ、「女の子に憧れるのは気持ちの上での問題だけ」なんていう、ややこしい仕組みから脱却できるけど。  結衣が私服でまで「女の子の格好」をしていなきゃならない必然性って、よく考えてみたら、ぜんぜんないじゃん。なんかあったっけ?  で、死神の仕事をするときだけ、スカート穿いて化粧まで決めて「勝負状態」になって、文字通り変身して戦うとか。(変身の意味が違うけど)  おお。カッコいいじゃん。  化粧って、そもそも戦いやら儀式やらのために気持ちをもり立てるためのものだったわけだし。このへん弟切さんが詳しいはずだ。  スカートのほうは、どうしてもビジュアル的に「セーラー服」にさせたいなら、「中学の時の制服」ってことにすればクリアでしょう。結衣はスカートは中学の時の制服しか持っていなかった、とか。 >>諒は不器用だけど、不器用なりに一生懸命がんばっている。結衣は不器用なのをそのままに、自分はそういうものだと受け入れていた。と、そういう風に区別していました。  そういうことなら、結衣が近づいていった理由が違うじゃん。  つまり諒は頑張っていて、自分は頑張れていないからでしょ。諒に惹かれている理由はそっちのほうになる。  つまり深層意識のほうでは、結衣も頑張りたいと考えているわけだ。  なら、そう言え。 -------------------------------------------------------------------------------- サーバー移転完了のもよう No.6320 投稿日 2003年3月10日(月)07時46分 投稿者 新木 伸 (旧) http://www4.pos.to/~araki/yomikaku_oth/open.cgi ↓ (新) http://www21.pos.to/~araki/yomikaku_oth/open.cgi  ただし、3/10の07:00以降、古いWWW4のほうにアクセスすると、自動的にWWW21のほうに転送される模様。  ブックマークから分室に来ているひとは、いま「アドレスバー」の部分にWWW21と見えているはずだ。  ブックマークからアクセスしてきている人は、直しておいたほうがいいかしれない。たしか3/15日で、旧アドレスにアクセスできなくなるはず。 (あいかわらずサーバー管理会社のメール内容がよくわからんので、その日が来てみないとどういうことになるのか不明のまま) -------------------------------------------------------------------------------- 訓練所 No.6321 投稿日 2003年3月10日(月)21時34分 投稿者 甘夏  設置いたしました。  できるだけ早くしておいたほうがいいかなぁと思いまして。  コインを投げて表が出たので設置してしまいました。  馬宮さん、勝手なことしてごめんなさい。  課題部屋の 『主観語、客観語、人称訓練ー根っこ』  に、いちおうの注意書きをつけておきました。  脚本(お題)を提出してくださる方募集中。  その1のように抽象的なものでも構いませんし、  具体的に台詞も全部決まっているようなものでも構いません。  最初は二人劇の方がいいかもしれません。  よろしくお願いします。  それでは、頑張ります。  -------------------------------------------------------------------------------- たちまち生存報告。 No.6322 投稿日 2003年3月10日(月)21時59分 投稿者 馬宮  すみません、遅くなりました。  甘夏さん、根っこ作って下さり、ありがとうございます。  おそらく、コインの裏が出ていたら時間差でわたしが作っていました。 ●新木さん  主観語客観語の研究許可、ジャングル感の再チャレンジ許可ありがとうございます。 ●主観語客観語研究  弟切さんも参加ですか? とんびの羽根さんも突っ込みしてくださるんですか? うわ、嬉しいです。 >弟切さん  またご一緒できるんだー! と馬宮、大張りきりです。  よろしくお願いします。 >とんびの羽根さん  生課題「集団に囲まれる」の時は、せっかくの突っ込みに返す言葉を見つけられず、本当にもうしわけありませんでした。今でも、何が何だかわからない状態で、メチャクチャ情けないです。  今度は、そんな事絶対しません。よろしくお願いします。 ●甘夏さん >洋館感・ジャングル感 >>ブーツが泥にはまって抜けない。 >>濡れタオルで口を覆われるような湿気。 >>樹上高く響き渡る鳥の鳴き声。 >>体中にたかってくるでかいハエ。  それです。そういうのです(ちゃっかり吸収)。  ジャングルでここまで出るんですから、この間の洋館感をリベンジしてみませんか。  せっかく分室に参加されたんですし。記念に、描写もやっときましょうよ。  わたしもやりますし。  脚本を小説にするのに、描写は必要ですから。  (馬宮、甘夏さんが相手になってくれるのがとっても嬉しいらしいです)  あ、「ような」を使うの卑怯です。  それを使ってしまうと、課題が簡単になってしまいます。 >馬宮さんの場合は三人称を駆使して客観的に小説化してみる。と。  これなんですが。  わたし、両方(一人称と三人称)で書いてみたいと思います。  わたし、新木さんから、「視点を徹底させる為」に、 >>視点を身につけるまでは、君、一人称だけで書くように。(6198)  という指示を受けているんです。  だから一人称は外せません。  ただ、同じものを後から考えて「三人称にしたらこの部分はどうなるだろう」と考えるのは大丈夫だと思うんです。 「一人称中心、その後三人称に考え直してみる」でいきたいと思います。 >新木さん  このやり方を、許可いただけますでしょうか。  とりあえず、考えるより先にやってみます。  生課題ではありませんが、「書くこと最優先」。人称がわからなければ、紫杯、紫さんに勝てません。シークレット・ミーンに関しては書き直して弟切さんと羽矢野さんに再勝負を挑む事すらできません。  今から三時間やります。新木さんの許可・指示待ちで、まずは「一人称」。 -------------------------------------------------------------------------------- 夜は長く、われ暁までしきりにまろぶ No.6323 投稿日 2003年3月10日(月)22時12分 投稿者 風輪 冷  なんだ、立ち止まってる場合じゃないじゃん。 >>やるのか、やらないのか。  問われるまでもなく、やるに決まってます。  書かずにはいられないから、書いてます。誰かにやめろと言われたって、やめることができるなら、とっくの昔にそうしてます。  うーん。実にシンプル。  つい、失念してしまうけど。  新木さんが噛み砕いてくれたおかげで、とんびの羽根さんと鷹見さんの発言が少しずつ、身にしみてきました。 1 私が考えている心理描写は、ただの雑念であること 2 キャラの行動・生理反応で、キャラの心情を推し量ることができる   (正確には、読者に想像させるように書くこと) 3 集中時の主観的な時間の遅滞や、選択的知覚を用いることでリアリティを増すことができる  内向的な少年(アムロ・レイとか、碇シンジとか)ならともかく。  「隻眼の一匹狼」的なジェイドが主人公で、だらだらと内心のセリフを連ねていてはイメージが台無しです。  私に必要なのはキャラを駒として動かすのではなく、人物として観察することなのかもしれない。  吹っ切ったところで、手を動かします。  以下、「削り」の分解 ……  削りとは、不要な部分を切り取り、作品の質を高める作業である。  削る量を基準にして、4つのランクにわけられる。  ランク1 葉をちぎる   一文字から一文まで、余分な文章を削る。   筆が滑って書いてしまった、蛇足をなくす。  ランク2 小枝を手折る   段落(ブロック)単位で削る。   シーンコンセプトに外れる・無関係な段落の見極め。  ランク3 大枝を切る   シーン(エピソード)単位で削る。   物語のコンセプトにそぐわないシーンを追放する。  ランク4 幹を切り倒す   ストーリー展開そのものを削る。   論外。プロットの練りこみ不足。 ……  続いて、削りカスのピンポイント分析 …… >>少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルをすべて吐いた。  回想ながら、主人公を共感に値しない、情けない男と印象づける。  致命的な不完全さ。 >>合衆国から要請されたゲリラ掃討任務──それを罠だと、ジェイドら傭兵五名で構成された分隊が知った時には遅すぎた。  設定の飽和。情報の詰め込みすぎ。 >>砲撃と銃弾の雨降るハイデラバードで朝日を迎えて以来、何があっても必ず相棒を援護すると決めていた。  主人公のドラマ(動機・行動原理)が伝わりにくい。 >>まるでクレヨンを手渡された猟奇殺人犯が描いた、超現実的なスケッチの世界に迷いこんだみたいだ。  キャラが連想する比喩表現にズレがある。 >>こんな時は決まって、全身のサイバーギミック化手術を前向きに検討したくなる。  逃げている切迫感が損なわれる。 >>現地でウニヤ・デ・ガトと呼ばれる、キャッツクロウの枝に生えた突起だ。  読者にない知識そのままでは、イメージが伝わらない。 >>かつて肩を並べた戦友が『エクスプレス』中毒となり、軍の施設に収容されていた。  コンセプトに外れるエピソードが混入してる。 …… >読み捨てポイント  活字ならなんでもOKな「悪食」読者の目では見えません。  そこで、舌の敏感な「美食」読者を想定して「邪神戦線」を読んでみます。 >>ゲリラに追いつかれたら、殺される。  4行目のここで、吐き出しました。  理由は「性急すぎる・唐突すぎる」とだけ。  それ以上の解説を要求しても「とにかくマズイ」としか言ってくれません。  そこで背中に銃口をおしつけ、さらに読めと恫喝してみます。 >>あれから四年が過ぎた。生きてさえいれば、誰だって歴戦の兵士になれる年月だ。  このへんから涙を流しながら、「これを読むぐらいなら、いっそのこと殺してくれ」とか言って拒絶されました。  仕方ないので解放したけど……。  仮想の「美食」読者を常駐させ、逐一、文章チェックさせるいい方法はないものかしらん。 -------------------------------------------------------------------------------- 本州の暖かさを再認識しました。 No.6324 投稿日 2003年3月10日(月)22時30分 投稿者 弟切 千隼 昨日、北海道から本州へと帰ってきた弟切は、羽田空港に降り立った途端、暑さに参りました。 誇張ではなく、最高気温が10℃に達するか達しないかという早春の東京が、異常に暑く感じられました。 たった四日ほど北海道にいただけで、温暖な静岡県育ちの弟切の体は、あちらの気候に慣れてしまったようです。北海道の倶知安[くっちゃん]は、連日昼間でも零下3℃くらいの気温でした。 しかし、この現象は一日だけで、今日にはもう元の「寒さに弱い弟切」に戻ってしまいました。 ヒトの体の適応力ってすごいなあ、と改めて感じました。 新木さんへ > >>読み捨てポイント 「邪神戦線2062」の読み捨て理由の再々考察メールを送りました。 皆さんが考察を披露してくださったおかげで、今度は何とかなりそうです。 >>ジャングル感の言葉 弟切の場合、普通の人には意味がわからない言葉を脳内で翻訳するのに時間がかかり、その間に手が止まってしまったため、あれだけしか書けませんでした。 甘夏さんへ > 早速課題部屋に根っこを作って下さり、ありがとうございます。 主観語と客観語の区別さえよくわかっていない弟切は、どちらが苦手なのかの判断もつきません(^^; 最も正しい答えは、「どちらも苦手」でしょう(^^;; それでもあえてどちらかを選ぶとすれば、自分では、主観語のほうが苦手ではないかと思います。 ということで、主観語/客観語課題をやるに際しては、一人称と、完全客観三人称と両方を書いてみるのが最も効果的ではないかと考えまして、両方やることにします。 馬宮さんへ > また御一緒できますね。私も嬉しいです(^_^)  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです。 No.6325 投稿日 2003年3月11日(火)02時24分 投稿者 馬宮 ●甘夏さん  主観語客観語訓練、一つ目アップしました。  それから、書いていく人称についてですが。  上(6322)で書いた新木さんの指示がなくても、わたしは一人称を書いてからでないと三人称は書けないようです。  なんて言いますか。  今、ごっちゃになってるんです。頭の中が。三人称で書こうとすると、何から始めていいかわからないぐらいなんです。 >主観と客観の得手不得手  新木さんの書き込み(6305)の通り、わたしは客観が苦手です。  自分の思考が主観的なんだと思います。    おそらく、ですが。  一つのことを見た場合、「ああ思う」「こう思う」「こんな感じ」「あんな感じ」はあっても、それを第三者的に見るとどうなるか、がないんだ、と思います。 ●新木さん >>練習方法も自分たちで考案すること。課題部屋は自由に使って良し。いちいち許可を取る必要なんてない。  すみません。ここを読み間違えていました。6322では以前の指示を違えると思い、許可を求めてしまいました。人称については、甘夏さんと相談します。 >ジャングル感10分勝負  教室感が20個しか出なかったのは、入力速度ではなく、「あれだけしか思いつかなかった」の方です。  それから、ジャングル感ですが。   >>なんで「ワニ」って、ぽつんとひとつだけ置いてあるの?  ワニから他の動物を引っ張り出そうとしたんですが、思いつきませんでした。  焦りました。  自分の中にジャングルがなかったんです。  それから。  イモづる式が可能だったのは、教室感の方です。  五感のうち味覚以外で、引きずり出しました。  それでも制限時間内であれだけだったのは、悔しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず No.6326 投稿日 2003年3月11日(火)16時35分 投稿者 新木 伸  とりあえず、読み捨てポイントのことのみ。  残りはあとで。 >読み捨てポイント再考察  なにか弟切から、メールが来た。  読み捨て理由が「自分の発想の外」にあると仮定してみたのだそうだ。そしてこれまでの思考の流れにリセットをかけて、また新たに考え直してみたのだそうだ。  そしてたどり着いた結論は、また、これまでと同じものだったわけだ。 「歴戦の兵士が、緊迫しきったあの状況で、そんなことを意識に上らせるはずがない」  ――こんな理由を、また出してきおった。  こんなん、これまで出てきたものと同じじゃんか。  誰かが出してるだろ、そんなことすでに。  なんていったらいいのかなぁ〜。もっとぜんぜん違う方向にあるんだってば。  もうひとつヒントを出すか。  本当ならハンスさんのメールを公開できれば、それが一番のヒントになるのだけど。  僕はハンスさんから来たメールを、読みゃしなかったわけだよ。  メールを読まなかったその理由と、邪神戦線2062の冒頭部分を読まない理由とは、まったく同じものなのね。 (実際には読んだんだけどね。何を書いてあるか確認しなきゃならなかったし、返事も書かなきゃならなかったから)  いいの。あの小説は読まなくても、ぜんぜんかまわないの。読まなくても俺の人生になんら損を与えないの。でかでかとそういう「烙印」がついちゃっているわけ。第一印象で決めちゃっていいの。それで間違いないの。  ジェイドという男が何者か不明のままだったとしても、いまこの場面がジャングルであって追われているという状況が不明のままだったとしても、そんなこととはいっさい関係ないことなのね。  これらの情報っていうのは、ある程度読まないと伝わらないことでしょ?  そうではなくて、そもそも読まないわけだから――。そこに何が書いてあるかなんて、関係ないことなわけ。みんなの考え方のアプローチって、あくまで内容についてやっているよね。内容についてのことだとか、書きかたについてのことだとか。そんな分析を行っている。  でもそれって――「読んだ」からこそ言えることだよね?  そうじゃないんだってば。  読みかけて、もう捨ててるわけ。「烙印」を見つけちゃったから、もう思考停止で捨てちゃっていいわけ。  ただその一点だけをもってして、内容以前に、「読む必要なし」が確定してしまうような理由なんだってば。  たとえば、冒頭の一行に誤字が数個もあったとか。  たとえば、日本語以外の言語で書かれていたとか。  そんなようなことに匹敵するくらいの、巨大な理由だ。  自分自身の日常生活の中から、読まずに一瞬で捨てている文章って、どんなものがあるのか、まずいくつか実例を出してごらん。  ぱっと見て、「あ、これ読まなくていいやつ」と捨ててるモノ。  具体的には、どんなものがある?  そしてそういう「読み捨てされるモノ」に共通していることっていうのは、いったいどういうようなこと? -------------------------------------------------------------------------------- 笑われちゃった No.6327 投稿日 2003年3月11日(火)21時09分 投稿者 紫ゆきや ●新木さん(6289)  いっぱい書いてもらって、ようやく「自分の意識が読者のまま」だと気付きました。  今ようやく、恥ずかしく感じているところです。  鈍感な自分でも、さすがにヘコみましたが、こんなにも言ってもらえる自分は幸せ者です。  ありがとうございました。 ●読み捨てポイント >> 紫。場所は合ってる。しかし理由は不正解〜。  あらら?  かなり自信あったのですが……。  これは怖いですね。  NGの理由がわからないということは、自分も同じ失敗をしている可能性があるということです。  今書いている小説が、実は一目で読み飛ばされるようなシロモノかもしれないわけです。  怖ッ!  そんなわけで再度メールしました。  よろしくお願いします。 >風輪さん >> せめて、その「場所」とやらを情報公開してください。  公開しちゃうと、「自力で辿り着く」というエサが失われてしまうんですよ。  新木さんが必要だと判断されれば、ヒントとして提示されると思いますし。  そんなわけで、がんばってくださいませ。 ●甘夏さん  はじめまして。紫ゆきやです。  「主観」と「客観」は、私も学習中です。  よろしくお願いします。 ●ハイスピ  昨日までのぶんUPしました。  今日中に《起》くらいは終われそうです。いや、終わらせます。 -------------------------------------------------------------------------------- コペルニクス的「展開」 No.6328 投稿日 2003年3月11日(火)21時35分 投稿者 風輪 冷 >新木さん  さっそく、ぱくっと。 ○「読み捨てするモノ」具体例  新聞──株価 穴埋め記事 広告  雑誌──読者投稿欄 編集後記  ダイレクトメール  ブ厚い取扱説明書  電波系のホームページ 内輪ネタの掲示板  とっさに思いつくのはこれだけ。  で、共通するモノといったら、 「関心がない」  の一言に尽きます。  さわりだけ目に止めた時点で、「こんな情報、持っていても容量を潰すだけで有効に使えないから、読まなくていいや」と読み捨てます。 (ただし、小説のネタに結びつきそうだと直感した時には、拾い読む)  と、なると。  「邪神戦線」では冒頭最初の四文字、「アマゾン」が出た時点で、 「はあ? 地球の裏側のことなんて興味ないね」  と、読み捨てられてしまう……のですか?  「悪食」読者の私には、盲点です。  さらに、読み捨てポイントを挙げてみます。 ・すでに読んだことがある ・ぎっしりと字が詰まって、見てるだけで眠くなる(頭が痛くなる) ・読むに費やすコストに相応の、メリットが得られそうにない  読み捨てる、というより、読まない理由と言われたほうがピンときます。  とにかく「読者を惹きつけておくだけの魅力がない」わけです、「読み捨てにされるモノ」には。 -------------------------------------------------------------------------------- だめだぁ。 No.6329 投稿日 2003年3月11日(火)22時48分 投稿者 甘夏  主観、客観の訓練。  いちおうひとつだけあげておきました。  なぁんか違う気がしますねぇ。  怒っている女となぐさめようとする男。が主題のはずなのに……  う〜ん。長いからかなぁ。  とりあえず主観で書いたつもりでいます。  視点以外でもツッコミ希望。  明日は男役、か、語り部視点で書きます。 >馬宮さん  読ませていただきました。  なるほどぉ。あれが一人称小説なんですね。  ちょこっとお手本にさせていただきました。  ひとなつっこい目、という表現がちょこっと引っかかりましたが  素敵だなぁと思いました。  フクザツな乙女心が出てたと思います。  なるほど……私の一人称に突っ込み希望。 >読み捨てポイント  読み捨てる文章ですか…… ・意味がわからない(電波系、日本語じゃない等々) ・興味がない(自分に関係がない) ・文字が詰まっている(読みにくいから) ・明らかに読んだことがある(読む必要がない) ・自分の思想に反する(理解不能)  これくらいでしょうか。 「邪神〜」で、上の5つのうち関係がなさそうなのが ・興味がない(自分に関係がない) ・明らかに読んだことがある(読む必要がない) ・自分の思想に反する(理解不能)  の、3つで ・文字が詰まっている(読みにくいから)  である可能性も低そうです。  となると残ったのは ・意味がわからない(電波系、日本語じゃない等々)  でしょうか(失礼)  削られている一文目 >>ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。  意味がわからない。  なんでジェイドは砲火のことを思い出したんだろう。  撃たれた様子もないのに。太鼓の音を聞いて思い出したとか?  って、前に書いたやつと一緒だぁ。  読まないとわからないことですね。  う〜ん、言い方を変えると。  前後の文章の脈絡がない。  と、なるのか?  引き続き検討してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず、あれこれ No.6330 投稿日 2003年3月12日(水)00時24分 投稿者 光来 唯 > 制服なしで、私服の学校だったってことにしちゃえば、問題解決なのでは?  私服学校ですか。それは考えもしなかったです。  普段から、制服を着ているから高校生、制服着てなきゃ17,8歳の少年少女、って見方してるせいだな、きっと。  まぁ、それはどうでもいいとして。  私服学校はいいですね。たしかにそれで問題はなくなります。  でも、中学校じゃ制服でスカートはいてただろう、ということもいえますけど。  それは、まぁ、直接見えている部分ではないのだから、結衣自身の口から「違和感、とか自分じゃない感じだった」とか言わせておけば、あくまで女の子っぽいことへの憧れは本人の気持ちの問題である、ということを示唆することも可能でしょう。   > そして結衣の私服は、男の子と見まがうばかりに実用一辺倒なものとか。  実用一辺倒な服装……ジャージとかつなぎとか。  ジャージ系の服を普段着にしてる高校生って最近多いっぽいので、ジャージでも問題はないですけど、つなぎはキャラに合わないから使えないですね。  となると、普通にパンツにシャツという素っ気のないものということになりますか。  しかも、バリエーションも乏しく、単に色、柄が違うだけ、形も大して変わらないものばかりということになります(1週間もあれば同じ服装の日が出てくるくらい持ってる数も少ないとか)。  実用的で選ぶときもサイズ合わせ以外考えなくてもいいふくとかってなると、このあたりってことになるのではと。 > で、死神の仕事をするときだけ、スカート穿いて化粧まで決めて「勝負状態」になって、文字通り変身して戦うとか。(変身の意味が違うけど) > 化粧って、そもそも戦いやら儀式やらのために気持ちをもり立てるためのものだったわけだし。このへん弟切さんが詳しいはずだ。  変身に関しては、ビジュアル的に変身ポーズを通したものであれば、じゅうぶん変身だろうとと考えていました。  初期設定から衣装は自前、けど変身ポーズによって衣装チェンジが行われる。とするつもりでいましたので(根っこには変身ヒロインものとあるので、変身シーンは入れておきたい)。  だからまぁ、勝負状態になるのも、『変身』によって衣装チェンジおよび化粧化されるということになります。   > スカートのほうは、どうしてもビジュアル的に「セーラー服」にさせたいなら、「中学の時の制服」ってことにすればクリアでしょう。結衣はスカートは中学の時の制服しか持っていなかった、とか。  ビジュアル的のためだけに中学の制服を持ち出すのは、結局問題解決になってないです。  わざわざ中学のときの制服を持ち出してくるのなら、そこにそれだけの意味が必要になってしまいます。  使うのだとしたら、あえてスカートを穿く必要が出てきたときに、中学の制服を着てきた、ってことになりますか。  ……って、新木さんはそういうことを言ってるのか。 >>諒は不器用だけど、不器用なりに一生懸命がんばっている。結衣は不器用なのをそのままに、自分はそういうものだと受け入れていた。と、そういう風に区別していました。 > そういうことなら、結衣が近づいていった理由が違うじゃん。 > つまり諒は頑張っていて、自分は頑張れていないからでしょ。諒に惹かれている理由はそっちのほうになる。 > つまり深層意識のほうでは、結衣も頑張りたいと考えているわけだ。  いや、でも最初、興味を持ったのは、「女の子として扱ってくれた」からには違いはないわけで。  そういった自分とは違う諒の部分は、興味→より強い想い、へと変化させるためのものということになります。  興味を持った→女の子として扱って(見て)くれたから  惹かれていく→自分は頑張れていないのに、諒は頑張っているから  この惹かれていくという部分はちゃんと意識してはいなかったところです。  はじめ、この「諒でなくてはならない」条件は、結衣が諒に「惹かれたから」という意味合いも持っていました。  それが途中から「興味を持った」に下げられたので、「惹かれる」部分は放置されていました。  だから、ほんとは「結衣が諒に惹かれる理由」のほうもアイデア出しする必要があるはずでした。 >整理  ということで、一度整理します。  結衣が普通の女の子に憧れている、ということがおかしくならないようにちゃんと周りを固めます。 >結衣はなぜ普通の女の子に憧れているか  結衣は、自分は死神だから普通の女の子みたいなことはしてはいけない、と考えている。  それは、穢れた魂はどこにいるかわからないので、常に周囲に気を配ってないといけないから(設定上、死神モードよりも、人間状態のときのほうが魂感知の力が弱い、ということもあるから)。  自分で女の子から遠ざかっているので、女の子をイメージさせることには触れないようにしている。  なかば自戒であり、自分は普通の女の子ではないのだ、と自分に言い聞かせている部分もある。  (ただし、諒によって実は自分が普通の女の子と変わらない、ってなことに気付かされてしまうわけです)  もし、結衣が生まれたときから死神であったならこんな問題はなかったかもしれないが、死神の記憶は徐々に目覚めるものであったため、普通の女の子としての生活はなかば「捨てられたもの」であるともいえる。  そのため、死神として常に周囲に気を配っている結衣だが、時々その緊張が緩んだときなど、周囲にいる普通の女の子へと視線が行ってしまう。  最初は自分は死神だから、と割り切れていても、時間が経つにつれてその思いは大きくなってきてしまう。  (死神をやめてしまえばいいということもあるが、もともと結衣は死神であり、それを拒絶することは彼女にはできなかった) >結衣が諒に求めているもの  これは基本的には「女の子的な扱い」です。  結衣が諒に興味を持ったのは、はじめてそんな風に扱ってくれたから、なので。  これをもう少し具体的にいうと「女の子として見て、それとわかる行動をしてくれた」からということになります。  そして、結衣は女の子として見てくれた諒に興味を覚え、知らず諒のほうを見ていることになります。  これはあくまで、気持ちが緩んだとき――死神意識で常にある緊張状態が解けたとき――のことです。  それまでは、周りの少女に目が行き、憧れを持っていたわけですが、その憧れが達成――女の子として扱われたことで、周囲に対する憧れは少し弱まり、代わりにそういう扱いをしてくれた諒へと視線は向けられるようになりました。  そして見ているうちに、諒も自分と似て不器用、けどそれなりにがんばっているということがわかり、その興味が強くなっていくのでした……  ただし、諒ががんばっているということに気付く部分は過去ではなく、現在とするかもしれない。   直接不器用ながらもがんばる諒、を描くことでそこに結衣が惹かれているのだと、表現できるから。 >学校、結衣の服装  私服の学校。校則もそんなにきつくないため、薄い化粧や目立たないよう装飾品を身に着けているものもいる(当然結衣はそういうのはナシ)。  ジャージは学校指定のため、体育のある日は結衣は着替えるのが面倒だからと、ジャージ姿で登校する。  結衣自身の服装は、質素な色や柄のシャツにパンツという姿。  ある程度動きやすくて、その格好でいることであまり目立たないもの。  ただし、ときには運動着姿でいることもある。  しゃれっけのある服もほとんどなく、どちらかというと汚れてもあまり問題ないといった感じが強いため、特に女の子が着るという印象のある服は持っていない。    とりあえず、こんな感じ。  まだ穴があるかもしればいから、一日たって見直したら、女の子として扱うのアイデア出しへと戻ります。  その前に、一度今まで出したのの見直しをすることになりますか。 >主観語客観語訓練  馬宮さんのは軽く読んだところ、私にはつっこめそうもないかな、と感じました。  でも私も主観語わかってないので、精読しても誤読してしまいそうな気も……  甘夏さんのは、なんか違うってのは私も感じました。  でもこっちも精読するのは明日に。   >読み捨てる理由 ・内容がむずかしくて理解できない ・読んで疲れる ・興味がわかない ・その文を理解するのに、読み返す必要があった(読んだ瞬間あれ? と感じもう一度読む)箇所が連続して出てくる ・ぱっと見、すぐ意味のわからない単語が続く  「邪神戦線」に当てはめられそうなものは……ないかな、この中には。  うん、もうちょっと考えてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- 悩み中 No.6331 投稿日 2003年3月12日(水)02時36分 投稿者 馬宮 ●読み捨てポイント >> ぱっと見て、「あ、これ読まなくていいやつ」と捨ててるモノ。  これを具体的にあげてみます。 >読まないもの  雑誌の広告コーナー(特に商品を使用した人の体験談)  お経  シリーズ物のゲームの説明書  電化製品の取り扱い説明書  食品の裏面表示  新聞広告  目次  ダイレクトメール  メールマガジン  賞状  掛け軸  電化製品の保証書  問題集や参考書  学校や企業が発行している小冊子の挨拶文  見出しだけ見た時、内容に興味がわかなかった新聞記事  (アパートの)以前の住人宛に届いた郵便物  雑誌漫画のあらすじ  推理小説などの登場人物紹介文  美容院や呉服屋からの年賀状  次にその理由。 1.内容がわかりきっている文章 2.形式だけの文章 3.読んでも意味がわからない文章 4.自分にとって必要な情報がかかれていない文章 5.自分に向けられていない文章 6.自分に向けられていても、関係ないと思われる文章 7.読み飛ばしても後で得られる情報が書いてある文章 8.興味がわかない文章  では、これを「邪神戦線」の削りカスと見比べて、違うものを消去法で消していってみます。  まず、「読み捨て」ということは、これ以上読まないということですので。 7.読み飛ばしても後で得られる情報が書いてある文章  これが消えます。  それから、文章を読んだ時、意味はわかるので、 3.読んでも意味がわからない文章  これも消えます。  次、読む前から、内容がわかってしまう小説でもありませんでした。 1.内容がわかりきっている文章  これも消えます。  興味というのは好みの問題ですから、「人によっては好みかもしれない」というものは、一発NGにはならないと思います。 8.興味がわかない文章  これが消えます。 4.自分にとって必要な情報がかかれていない文章  必要な情報というのは、6326でNGポイントからは却下されています。 >>ジェイドという男が何者か不明のままだったとしても、いまこの場面がジャングルであって追われているという状況が不明のままだったとしても、そんなこととはいっさい関係ないことなのね。 >>これらの情報っていうのは、ある程度読まないと伝わらないことでしょ?  だから、消えます。 5.自分に向けられていない文章  これは、特定の読者のみに向けられた文章だとか、読者をを無視した文章。二次創作や、独りよがりの文章です。でもこれも「既存作品のパクリ」として風輪さんが最初に候補としてあげ、新木さんに却下されています。  それに、「邪神戦線」では読者を無視してるという印象はあまりないように思えます。「オールドアーク」とか「ハイデラバード」ってどこ? ってのは思いましたが。どこかの戦場だろうぐらいで、読み捨てにするほどではなかったと思います。  そういう訳で、二つ残りました。 2.形式だけの文章 6.自分に向けられていても、関係ないと思われる文章  形式だけの文章というのは、「賞状」に書かれている「決まり文句」のことです。手あかのついた言葉だらけ。「邪神戦線」に決まり文句が一杯あったらこれになるでしょう。  でも、です。  これも、「ありふれた冒頭、キャラ」と風輪さんが候補としてあげたことがあります。ここに含まれているとみていいでしょう。  となると、残りは。 6.自分に向けられていても、関係ないと思われる文章  これなんですが。ものすごく抽象的です。たとえば、「ダイレクトメール」「メールマガジン」「美容院や呉服屋からの年賀状」です。  これが、「邪神戦線」の中にあるかと考えました。いえ、絶対あると仮定して読み直したんですが、どうしても「これ」というところがありません。  もっと考えないとだめです。 >風輪さん  風輪さんの読み捨てポイントの書き込みに、突っ込みを入れます。 >>「関心がない」  これは違うと思います。理由は、「既存の読み捨てポイントではない」と新木さんの書き込みにあるからです。そして、既存の読み捨てポイントがどういう物かというと。  過去ログ(5992)にあります。  天衣さんの「シークレット・ミーン」リライト指摘の時の、新木さんのお話です。  以下、引用です。 −−−−−−−−− >>読み始めた人が、読むのをやめてしまう時。 >>それはどんなときか。 >>だいたい、以下のような法則があったりする。 >>○1項目目 >>・1行目、3行目、5行目。 >> 誤字がひとつでもあったとき。 >> この部分の日本語がそもそも意味不明だったとき。 >> 5行目までに5W1Hが確定しないとき。 >> シーンが脳裏に浮かばないとき。 >>○2項目目 >>・1ページ、3ページ、5ページ。 >> なにか興味の引かれることが書かれていないとき。 >> なにかおもしろい出来事が始まらないとき。(話がスタートしないという意味) >>○3項目目 >>・30ページ、50ページ、100ページ。 >> 話が、おもしろい展開になってゆかないとき。この先、展開がおもしろくなってゆく期待がないとき。 >>○4項目目 >>・50P〜ラストまで >> なんらかの理由で読むのを中断したとき。(そのまま再開しないままになる) −−−−−−−−−  ここの二項目目に、「なにか興味の引かれることが書かれていないとき」がありますから。  これが既存の読み捨てポイントです。しかも、一ページ以上読んだ時に発生します。  読まずに「ダメだ、もう」となっているのですから。 >新木さん  ここまでヒントがあって、わからない状態というのは、怖くて怖くてたまりません。  ハンスさんのメールが公開できないということであれば、馬宮の文章はヒントとして使えませんでしょうか。読み捨てポイント盛りだくさんの馬宮文章ですが、風輪さんと同じ欠点を持った文章が、これまでにありましたでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- >412 馬宮「プールサイドで怒る女の子と謝ろうとする男の子」 No.6332 投稿日 2003年3月12日(水)02時49分 投稿者 とんびの羽根 >馬宮さん  馬宮さんの場合は主観語はほぼ使いこなせていると思います。  ということはむしろ、主観語を主観語として意識するだけで一段上の意識レベルに行くはずです。  というわけなので、早速練習です。主観語だと思う部分を全部 [ ] で囲ってみました。  自信があまりないのですがとっかかりということで。  ポイントはふたつあって、 1.[ ] がないところは客観的な表現ということになるはず 2.[ ] を客観語に置き換えれば客観的な文章になるはず  ……のはずなんですが、はっきり言ってわたし自身が非常に頼りないので自己責任でチェックしてください(お詫びモード)。 −−−−−−−−−  プールサイドで[突っ立ってる]泉[クン]の[真ん前]を、[わたし]は[わざと][知らんぷりして][横切ってやった]。 「あ、桜」  [なにか][聞こえた][ような気がする]けど、[きっと][気のせい][だよな]。  水着を着た彼女を前に、第一声が「名前」[なんて]男がいる[わけない]。[ああ]、[それにしても][熱いな]。バスタオルを羽織って[来たんだ][けど]、[取っちまえ]。 「桜ってば、さーくらちゃーん」  コンクリートは、照りつける日射しによく焼けていた。シャワーを[浴びた][ばかり]なのに、足の裏が[火傷しそうだ]。 「なんだよ、聞こえてんだろっ」  [後ろから]腕を[つかまれて]、[振り返る]。[見上げる]と、[人なつっこい]目をした泉が[笑っていた]。 「遅かったな、腹でも痛くなったんじゃないかって心配してたんだからな」  [ふーん]。  [さっき]、白い水着の女の人と喋ってた[ろ]。  [綺麗な][お姉さん]に[鼻の下のばし]ながら、[わたし]の心配[なんか]してた[んだ]、[器用だよな][男って]。[知らない][とでも][思って][んのか]? [向こう]から[丸見え]だった[んだぞ]。  [反省の色が全然ない]泉を[じっと][見つめている]と、[わたし]の[すぐ側]を[チビども]が[雄叫び]を上げながら走って行った。  夏休みの遊園地[っての]は、家族連れが[多く]てデートには[向かない]って泉が言ってた[けど]。「デートに向かない」[だけ]は[賛成]だ。 「離してよ」 「なに怒ってんだ?」  [眉をひそめる]泉の顔に、[わたし]はバスタオルを[投げつける]。 「今度からあんたとデートする時は、前人未踏の宇宙の果てか老人ホームだってことだよ!」 「はぁ?」  [間抜けな]顔した泉、頭をかきまわして[大きく][息をついた]。 「どうしたんだよ、ここに来たいって言ったのお前だろ。何があったんだよ、言ってみ」 「自分の胸に訊いてみやがれ」 「あ……えーと、ごめん」  [やっと][気づいた]か。 「レストランの席、とっときゃよかったんだよな。時間ずらした方がいいかと思って」 「ちっがーう!」[  [わたし]は[あんた]に[そこまで][期待]してないよ。[大体]、[わたし]が[お弁当]作ってきてること[すら]、[頭にない]んだろうが。  このプール、水着のままで食べられるオープンカフェがある。[あれ]をレストラン[って]言う[あたり]が[もう]泉[なんだ][けど]。 「えーと、じゃあ」  腕組みをする泉。[早く][答えろ]、[熱い][んだから]。 「あ、似合うよ」 「なにが」 「水着」 「それだけ?」  [わたし]はふんぞり返って[見せる]。泉[クン]の[解答]は、[外れてる]けど、[着眼点]は[悪くない]。 「いや、その。可愛い、色っぽい、見直した、惚れ直した。いよっ、ナイスバディ!」  [なんか][ほっとした]顔の泉。[おそらく][思いつく限り]の[褒め]言葉[なんだろうな]。[わたし]は泉からバスタオルを取り[返した]。肩に羽織って、[できるだけ][事もなげ]に[言ってみる]。  「さっきの白い水着の人の方が、よっぽどナイスバディだったよね」 「あーゆーのと比べたってしょうがないだろ、桜は桜の魅力ってもんがあるんだからな」  [罠とも知らず]、泉はうなずく。[こいつ]、[まだ][気づかない][んだ]。  女の子が彼氏をプールに誘うってことは、「水着を見せたい」ってことじゃない[ってのに]。  「水着を着たわたしを見て!」ってことだ[ってのに]。  更衣室の鏡で[最終]チェックを「[誰の為に]」、「[何回]やった」と[思ってるんだ]、[こら]。  [待たせて][悪いな]、とは[思ったさ]。  [でも][信じてたんだ]。  [きっと][わたし]が[出てくる]のを、[今か今か]と[待ってて][くれてるんだろうって]。  [なのに……] 「帰る」  [他の女がいい]なら、[ナンパしてろ]。  泉を[押しのけて]、[わたし]は更衣室に[向かった]。  [これで][追いかけて][来なかったら]、[もう絶対][別れてやる]。[目頭が熱くなってきて]、[わたし]は[歯を食いしばった]。 −−−−−−−−−  申し訳ないのですが結構いい加減でかっこをつけましたので、わたしの「[](かっこ)づけ」に対する疑問点は深く考えず、自分で見直すようにしてください。 >因果関係  因果関係についてはわたしが理解しているかもあやふやなので、またの折りにやりましょう。  因果関係は、「ある」と思えば「ある」ことになってしまうような「心理・世界・システム」、を仮定しているみたいなので、機が熟すのを待ちたいと思います。あの当時はもっと単純に考えていたのが、実際はもっと深そうな感じがして、手が出せなくなってしまったんです。 -------------------------------------------------------------------------------- >読み捨てポイント考察 No.6333 投稿日 2003年3月12日(水)05時23分 投稿者 新木 伸  紫、正解。  ただ理由を二つも出してきやがったから、そのどっちが正解なのか、教えてやんねー。てめぇで考えろ。 (考えりゃ、すぐにどっちが正解だったのかわかるだろうけどね。しかしなぜ考えればわかることを、はじめからやってこない? そんなに思考停止に陥りたいのか? なら考えようとすんなよ、はじめからさ)  あと、もっと洗練して強調した言いかたで、なんかないか?  「○○は××だから」とか、そんなふうに簡潔に。  物事というのは短く言いまとめると、説得力が増すのだ。 >他の人  きちんと考えましょう。  思考のしかたってものを、知らないのかなぁ。  しかたないから、そこのところの世話まですることにします。  「思考のしかた」をレクチャーしますので、ようく聞いてください。  まず、具体的に考える。  そしたら、次に、抽象的に考える。  まあ順番逆でもいいけど。普通はこの順番のほうが、思考しやすいです。  中途半端に具体的で、中途半端に抽象的っていう、どっちつかずのがいちばん「楽」です。なので考えることに慣れていない皆は、考えようとすると、ついそういう「楽」なことをしようとしてしまうようですね。それ「夢想」っていいますが。 >>自分自身の日常生活の中から、読まずに一瞬で捨てている文章って、どんなものがあるのか、まずいくつか実例を出してごらん。  僕はまず「実例」を出せと言っているので、ちゃんと「実例」を出してください。  サンプル数は、多ければ多いほどいいです。  読まなくていいサインが認められて、ポイ捨てしている文章を、なんでもいいので、山のように「実例」としてあげてください。  日常生活のなかで、この手のことはほとんど無意識的に行っているはずです。目にした文章をすべて読んでいたら、人の一日はそれだけで終わってしまいますので。  目にした文章の99%ぐらいは、だいたい読み捨てしているはずです。  どんなものがありますか? 無意識から拾ってきてください。もしくは一日、自分の生活を観察して、記録してください。  抽象的に考えはじめるのは、充分なサンプル数が集まってからのことです。  抽象的、概念的に考えるときには、その具体例から共通項を抽出してゆきます。系統分けするわけですね。  いくつかの系統が出てきたら、さらに次の段階に移ります。  この場合は消去法が適切でしょうね。あてはめていって、いちばん有力な候補を探し出すわけです  次からは――。  実例も出してこないでいきなり「結論」に飛びつくアホウが出たら、「もうアンタは考えなくていいです」とか言い渡しますので、そのつもりで。 (誰とは言わないけど、光来、甘夏) (あと風輪さん。実例のサンプル数が足りません。その10倍くらいは出るんじゃないの? (お、いまこれ書いているうちに、馬宮が書いている。そしてちゃんと「思考」しているじゃないか。偉いぞ馬宮。しかしサンプル数がやはり足りないせいか、出してきた理由のなかに正解はなかった。よって消去法によっても到達できないのは自明。もっとサンプル出せ。消去するまえの理由群のなかに正解があれば、その方法で到達できるぞ。僕がハンスさんから貰ったメールが、まさしくばっちり「それ」なんだけどなぁ。馬宮はひょっとしたらそういうメールは貰ったことがないかもしれない。ストーキング経験のある女の子だったら、貰ったことがあるかなぁ。そうした手紙やメールとか) >馬宮 >>このやり方を、許可いただけますでしょうか。  いちいち聞くな。  OKとか言うのがめんどうくさい。  どうせなら、「○○とやりますけどいいですね。なにもなければOKとみなしてやっちゃいます」とかのほうが楽ちんだから、そう聞いてくれ。  俺はお前のパパかなんかか? 外泊するのに許可がいるのか?  成人した人間というものは、外泊するときにも、「外泊するから」で断りの一報を入れればいいだけなんじゃないのか?  あと「しばらく一人称」とかは、そういやそんなこと言ってたっけ。すっかり忘れておった。でもまあ、その条項を無視することなく、要点は押さえつつ独自解釈を加えることで運用面にて回避してゆくその姿勢はいいんじゃないかね。 >作家になること  コイン投げて決めたら? ――とか書いたけども。  そういえば、たいていの物事って、はじめのきっかけなんてのは、ごく些細なものだったりするわけだよな。  たとえばノートの片端に書いた物語を、誰かに「おもしろい」と言われたりしたとか。そんな些細なこと。  そこからどれだけ歩いたかが、問題。  歩いたやつは作家になれるし、歩かなかったやつはなれないし、歩いていたけどやめちゃったやつもなれないし。  僕の場合、きっかけはなんだったかなぁ。  まあ根っこは小学六年生〜中学2年生の頃あたりに、角川文庫から出ていた「ジュブナイル」に分類されるものを読み耽っていたあたりにあるのだろうけど。そこでまず「物語を読むことはおもしろい」とインプットされていた。  なんかそのあたりに、担任の先生との交換ノートに、なんかショートショートみたいなものを書いた覚えがする。おもしろいと言われたが社交辞令のお世辞だと感じた記憶がある。しかしどんな話を書いたのか、さっぱり思い出せない。  するとやはり「物語を作るのは読むよりもっとおもしろい」とインプットされたきっかけとなったのは、18歳くらいの頃のあの出来事かな。  ある掲示板のBBSで、参加者が適当に書き散らすリレー風の物語があって、そこに書いていた。  各自、自分の分身みたいな持ちキャラが一人あって、それにしゃべらせる会話文だけで進行してゆくという、変な物語。展開は各自の行動によって流動的に決まってゆく。当時はPBM(プレイ・バイ・メール。参加者が自分の行動指針を決めた手紙を送り、その結果によって全体の流れも変化する形式のマルチプレイゲーム)が流行っておったらしく、そこの参加者の過半数もなんらかのPBMをやっていた模様。僕はPBMなんて存在さえも知らなかったけど。  ちなみに掲示板はもともと「トップを狙え」という昔のロボットアニメの企画掲示板。そこを乗っ取って、参加者たちでそんなことをやっとった。各自が教官役をやるか訓練生のほうをやるかは自由。  ここでやっていたことを他人から「おもしろいね」と言われた覚えはないのだけど、自分がやってておもしろかったということになる。  小説を書き始めるのは、それからまだ2年先のことだけど。  物語を作り始めたのは、ここがスタート。  僕はそこから歩き始めました。  ここまでざっと16年。人生の半分は歩き続けてます。  このあと2年間、TRPG(会話型RPG)にみっちりとハマる。ストーリーを作ってプレイヤーに提示するゲームマスターの役ばかりやってて、そこで物語作りの基本を覚えた。小説を書き始めたときに、あまりつまづかなかったのも、そこでの修業時代があるせい。なにしろTRPGというのは、目の前に仮想でない現実の「読者」が6人もいるようなもので……。  つまらない展開になると、すぐにダイスを積み上げて遊ぶわ、お絵かきするわ、席を立って歩き回り始めるわ、寝るわ――と、「文章から目が離れた」ことをリアクションで告げてくれるから。  読者(プレーヤー)が離れるタイミングってもんを、体に叩き込まれました。  ちなみに離れかけたプレイヤーをプレイに引き戻すには―― ・なんでもいいので色っぽい展開にする。 ・なんでもいいのでとにかく戦闘を起こす。 ・なんでもいいので、なにか謎解きや推理など、頭を使わせる展開にする。  ――と、三つの方法があることも発見。そしてこの三つだけで良いことを発見。  ただし読者にはそれぞれ「タイプ」がある。だいたいの人は、どれか1つか2つにしか反応しない。  この三つを一定時間ごとに織り交ぜるように話を作らないといけないことも発見。またプレイヤーが飽き始めていたなら、予定していたストーリー展開を急遽その場で変更してでも、この三つのシーンのどれかを出さなくてはならないことも知る。  瞬時にストーリー展開を組み立て直す構成力も、この実戦を通じて鍛えられる。  僕の場合、「語り口」とか「ストーリー構成力」とか「キャラ造形力」とか、そういった小説に必要とされる色々なものは、初めからすべて「プレイヤー(他人)を楽しませるため」に発達させたものなのね。  皆のように遠回りはしていない。  普通の作家志望者というのは、まず「自分が満足するため」に物語を書くわけだ。そのうちそこから転向していって、「他人を楽しませる」ために書くようになるわけだが。結局は「読者を楽しませるため」に書かれたものしか世には出ない。そういうものを書かないとプロにはなれない。 (まあ「自分のため」に書く話でも、ひどくレベルが高ければ商品になるから、そっちでプロになる道がないこともないのだが……。まあ、わざわざ好んで遠回りをする必要もないので、分室では「他人のため」に書くことでプロになる道を推奨している。「自分のため」に書いている人はまず矯正されると思え。それが嫌なら分室から離れて自分で自分の道を模索すること) >風輪さん >>私に必要なのはキャラを駒として動かすのではなく、人物として観察することなのかもしれない。  いま別のほうで主観語/客観語のことなどをやってますが。  そこにも通じることかな。これって。  駒として動かされているキャラには、「主観」ってものは存在しないでしょう。  だって「駒」なんだし。主観があるとしたら、それは指し手の「主観」ですね。  だからなのかな。  キャラが駒として動かされている話は、ひどくリアリティがなく、ひどく感情移入しがたいものになるのは。  リアルティの源は「感情移入」なわけです。キャラの心理に入り込むと、読者はその場所に連れていかれます。そして主人公の感覚や思考を通じて、物事を疑似体験するようになる。  そのとき読者が感情移入を行うとっかかりとなるのが「キャラの主観」であるわけですが……。その「キャラの主観」というものが存在しないわけです。  よって感情移入不能。  感情移入ができないために、臨場感もなく、リアリティも出ない。  「邪神戦線2062」では、読者はジェイドに感情移入ができないんですよね。  風輪さんが「心理描写」と称した雑念が書かれていることが、まずひとつの大きな理由。  あれ「雑念」と識別して、フィルターをかけて切り捨てちゃえばいいところなんですが、読者っていうのはまともに読んじゃうわけです。そして「ジェイド」という人物を理解するために、書かれているすべての「雑念」を繋げようとします。  命からがら追われている最中に、ああしたいろいろなことを考える人間の人物像を描き出そうとする。――が、当然失敗します。雑念はランダムだからこそ雑念なわけで、それをもとにして統合した人物像を出そうとしたところで筋が通せるはずがない。  たとえば駅前に立って、待ち合わせまでの時間を余らせてしまった男がいて、「この街を火の海にしてやりたい」と考えつつ、「目の前にいるミニスカの女子高生を押し倒したい」なんていう性的衝動を覚えつつ、「腹減ったなあ」なんて考えている人間の人物像なんて、描き出せるわけないですよね。  もし、無理矢理にでも描き出せと迫られたら、僕は「狂人」と答えます。  この人間、狂ってますよね?  狂っているとすれば、こうしたランダムな思考にも納得がゆきます。筋も通ります。 >風輪さん >削りの分析  ランク1からランク4まで。  うん。そんなところです。  ただし他人から強制されない状態で、一般の作家志望者がやれるのはランク1まで。ランク2以上の削りに関しては、ほぼ全員が「もったいない病」に感染していますので、自力では行えません。まず病気のほうを治療しないと。  段落を削れる人なんて、そうそういません。  しかし皆はそれで「推敲しました」とか言うんだよなー。誤字脱字の見直しと、ランク1の削りとを行うことを、「推敲」と思いこんでいるわけで。  ――で、ごくまれに、ランク4の削りまでできちゃえる人がいます。  ダメなら頭から書き直す。ランク3の削りもびしびしやれる。  そういう人は、生まれて初めて書いた小説でプロデビューしちゃったりします。ていうか、電撃大賞あたりの出身者は「初めて書いた長編でプロデビュー」率が5割を越えてますので、だいたいそんなもんです。  もったいなくて削ることもできない人間は、端から、勝負にもならんわけです。  さあわかったら、びしびし削りましょう。もう「そういう人たち」と同じところに立ってますんで、大丈夫です。  あと、世の読者はすべて「美食家」と思っておいたほうがいいです。  まあ実際には悪食の人もかなりいるんですけど。しかし合わせるのであれば、「美食家」のほうに合わせておいたほうが確実です。美食家の食えるものなら、無論のこと悪食家も食えますから。 >馬宮 >>今、ごっちゃになってるんです。頭の中が。三人称で書こうとすると、何から始めていいかわからないぐらいなんです。  ああ、それ、俺も昔、なった覚えがある。  はじめて三人称を書こうとしたとき。  三人称を書くためには、視点が一個増える必要がある。つまり登場人物が一人増えるようなものなのね。自分からはそれほど動かないけど、しかし、しっかりと観察を続ける人物がその場に一人現れるようなもの。  仕方ないので、頭の中だけでまず一人称を書いて(というかキャラの主観に入り込んで)、それから、「では別視点からどう見えるか」と考え直して、そして三人称の文章を起こしていった。  三人称を書くときの「観察者の視点」ってのを、まだ持ってなかったんだよね。  TRPGとかで積んでいた訓練では、そこはやれなかった。  「このキャラがまわりからどう見えるか」というのは、その見ている他プレイヤーの視点が、それすなわち「観察視点」となるのだな。つまり人に任せてしまえた。  キャラを動かし、その主観に入りつつ、同時に外側からの客観視もする――なんていう器用なことはできなかった。  これすべて同時にやろうとすると、頭の中で同時に動くタスク(作業)が3本になるわな。  だから「同時」にやらずに、時間差を置いたわけだ。まず主観を考えて、それから客観に変換する。そうすれば同時ではなくなるから、負担も減る。  ただいまでは、いきなりやれるようになっている。  キャラは動かすのではなくて、動いてくれる。ここのタスクは必要なくなった。  また「キャラの主観」もキャラに任せてしまえるようになった。僕は考えない。  よって僕のやることは、観察視点を置いて、そこからどう見えるか考えるだけ。タスクは1本のみ。  扱えるタスクも昔は3本でさえ「不可能」だったけど、いまでは5〜6本ならいけるようになっている。このへん、慣れと訓練。  では余ったタスクで、いまはなにをやっているのかというと――。  他のキャラを出す。  いまの馬宮だと、おそらく、場に同時に出せるキャラは2人までが限度なのね。  やってみればわかると思うけど、3人出したら、そのうちのだれか1人は「お休み」しちゃっていて、凍り付いたまま、なんにも動いていないことになるはず。だから今回のお題はキャラ2人と限定した。  僕の場合は余ったタスクを利用して、場に6人ぐらいまでなら同時に動かすことができる。たとえば神の視点や語り部の視点でなら、その6人全員のなかから、「いまいちばん面白いことを考えているやつ」の意識を次々ピックアップしてゆけたりする。  このへん、「自分は同時に何人まで動かせるか」の認識は、プロなら常識です。意識化してる人は少なくかもしれないけど、しかし、「自分の限界人数」ってものは全員が把握しています。  アマチュアは気にしていない人が多い。  だから自分の処理能力を超えるシーンを感がえなしにやったりする。場に4人も出してみたりして、破綻させる。ていうか破綻してることに気づいてないしー。  馬宮の場合、まだ練習段階だからきちんとした話は作らないみたいだが、もしやるとしても、なるべく「その場の登場人物」は少なく抑えておいたほうがいいよ。2人か、せいぜい3人。  プロットやあらすじの構成段階で、だいたいわかるでしょ。もしそれ以上の人数が一度に登場するシーンがあったら、増えた1人のかわりに、誰か一人を早めに退出させるとかね。  ちなみにこのへんの話、たしか、久美さんの「新人賞の獲り方教えます」のどこかの巻に書いてあった気がする。僕もそれ読んで、「ああ。普通は知らんものなのか」と理解したわけだし。  馬宮も前に読んだとか言っておったが。  たぶん頭を素通りしているはずだから、もういちど読み直してみるべし。いまなら理解できるだろう。 >馬宮 >>ワニから他の動物を引っ張り出そうとしたんですが、思いつきませんでした。  あの〜。  いま俺、とっても「アンビリーバボー」なんだけど。  聞いていい?  ひょっとして、もしかして、本当に――。  ジャングルにいる「生き物」で、「ワニ」しか出てこないわけ?  幼稚園の子供にクレヨン持たせて「ジャングルの絵を描いて」としても、ワニとサルと、あとなんか極彩色の鳥くらい――描いてきそうなものだが。  もし本当に「ワニ」しか出なかったのだとすると、それは幼稚園以下ってことになるが?  このあいだ紫に、「やめちまえやめちまえ」とか言ったばかりだけど、お前にも言っていい?  いや、この場合はやめちまえ――じゃないな。  せめて中学校卒業してから、作家は目指そうね――とか、そう言っておくかな。声には哀れみを込めて。  しかし……。砂漠に生きる生き物を数十種あげろ――とか言われたら、泣きが入るのはわかるけど(俺でも泣く。弟切さんなら出るかもしれない)。  まあ知識系が大の苦手な馬宮のような人間なら、「ラクダさん」とか、1種類しか出せなくたって、まあ仕方がないとは思うけど。  しかし生物に満ちあふれているジャングルで、なぜ、「ワニ」だけ? >光来 >>私服学校ですか。それは考えもしなかったです。  をいをい。 >>使うのだとしたら、あえてスカートを穿く必要が出てきたときに、中学の制服を着てきた、ってことになりますか。 >>……って、新木さんはそういうことを言ってるのか。  上の私服学校を考えていない、ということにも繋がるけども。  あまりにも「考えなし」の浅薄な思考が目立ちます。なんとかしてください。  なぜゆえに、こんな僕みたいに、結衣の死神の話にたいして関心も払ってなくて、ただ作者に付き合っているだけの人間の思考のほうが、作者自身よりも広範囲で、より深く、検討を重ねていちゃったりするわけですか?  こんな思いつき程度で言ったことを、なぜ作者は「考えもしていなかった」わけですか?  なんだって僕のほうが、光来さんよりも、この話について深く理解しているのですか?  まあそれはそれとして。  結衣の衣装。  以前、「服を持っていない貧乏な女の子」の出るアニメで、普段着がオーバーオールorどてら、一張羅が「私立小学校の可愛い制服」なんてのがありました。「あしながおじさん」に連れられてレストランにお食事に行くときなんか、制服着てました。  そのオーバーオールを見て、実用一辺倒ってものを端的に示す、いい衣装設定だと感じた覚えがあります。  ジャージもいいけど、いまひとつありきたり。なにより可愛くないでしょ。  実用一辺倒ということを示しつつ、可愛げのあるものって、なんかないですか? >>変身に関しては、ビジュアル的に変身ポーズを通したものであれば、じゅうぶん変身だろうとと考えていました。  本気で美少女変身モノにするつもりなんですか?  時間を置けばいいかげん頭さめるだろうと思って放置してましたけど。  それマジでやったら、読者引きますよ。  現在のリアル系のストーリー展開と、どう考えたって合わないでしょう?  ブギーポップだって、着替えの衣装はバッグに詰めて持ち運んでますが。  この話が、街に出没する怪人を退治して回る美少女戦士もの――っていうジャンルであり、なんで変身するの? てなところに突っ込むのは無粋――とか、そういう「お約束系」のところまで話のリアリティレベルを落としてゆくならありだと思いますが。  しかし、この話でいちばん大事なのは、ラストの「私死神なんだけど、それでもいいの」という台詞なわけでしょう?  そこでオチがついちゃいますよ。「悪と戦う立派な仕事じゃないかっ! もっと自信もてよ!」とか諒が言っちゃうとか。  作品自身が「美少女戦士系変身シーン」を拒絶しているように感じるのですけど。  それでも作者の我を通してまでやりたいもの?  作者の我と、作品自体って、どっちがより大事なもの? >>でも、中学校じゃ制服でスカートはいてただろう、ということもいえますけど。 >>それは、まぁ、直接見えている部分ではないのだから、結衣自身の口から「違和感、とか自分じゃない感じだった」とか言わせておけば、あくまで女の子っぽいことへの憧れは本人の気持ちの問題である、ということを示唆することも可能でしょう。  作中で見えない部分なので、平気です。  また結衣の言いわけは、これはうまくない。この台詞はなんの説明にもなってない――ていうか、死んでます。生きているキャラの口から出る内容じゃないです。  「結衣の気持ちの問題」ってことを、エピソードで示すいい機会なのに。  「高校に入って私服になって、それでスカート穿けなくなったから、がっかりした」――とか、結衣に言わせるとか。  そこで諒と読者が一緒になって突っ込む。「穿けばいいじゃん!」って。  中学校は制服で、スカート穿けて、そしてうれしかった。  高校に入って私服になって、スカート穿けなくなって、がっかりしている。私服でスカートを穿けばよかったなんて、結衣は思いもしなかった。  気持ちの問題でしかないことなのだけど、それに捕らわれている人間っていうのは、それが気持ちの問題だってことに気づいてもいないわけです。それを実際にエピソードで示せばいいんです。  そうすりゃ読者は納得します。  するでしょ? 上の台詞でもって、一発で。  僕が、納得できん――って何度も言っているのは、光来さんが理屈ばっかりこねて、実際のエピソードをちっとも見せてくれないからです。どういう路線で読者を納得させる予定でいるのか、ちっとも語らないからです。  理屈なんてどうだっていいんですよ。筋が通っていても、いなくても。  どれだけ説得力のある理屈だろうが、読者が納得しなけりゃ意味はない。  説得力があったほうが、より納得させやすい――って、ただそれだけのことです。  必要なのは説得力ではなくて、「納得力」のほうです。  人間が生身で大気圏突入を行えてしまえる理由が、「わしが男塾塾長、江田島平八である!」で、いいんです。たとえ説得力皆無でも、納得させちまえば勝ちなんです。  理屈こねただけで人を納得させられるくらいなら、小説なんていらんわけです。  人を納得させるためにエピソードが必要だから――だから物語ってものがあるんです。  結衣が諒に興味を持ち、好きになってゆく課程。  こっちは理屈は通っていると思います。  はじめのきっかけが、「心の底で望む自分を肯定してくれた」で、その後は「自分と異なる部分を見つけてゆく」という路線なわけですね。  なら、あとのアイデア出しは、諒の持つ自分と違う部分を、いくつ出すか。どんなものを出すか、ってところか。  ひとつめは、「諦めないで頑張れる諒」で、あとほかは? -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず報告 No.6334 投稿日 2003年3月12日(水)17時23分 投稿者 弟切 千隼 課題部屋に、主観語/客観語の課題を上げました。これは女性の一人称で書いたものです。 訓練のために、同じ場面を完全客観三人称でも書いてみます。 今日はこれから出かけなければなりませんので、これだけです。帰宅して余裕があればまた書き込みます。 -------------------------------------------------------------------------------- 答えのでない永遠の連鎖 No.6335 投稿日 2003年3月12日(水)20時00分 投稿者 風輪 冷 >読み捨て実例  日常生活で目にする文字媒体といえば、  新聞、雑誌、広告、教科書、仕事上の書類、資料、郵便、本、回覧板、ホームページ、メールぐらいか。  テレビやコミックは映像が主で、文章は二次的なので省くとします。  思いついた6系統でサンプル出しです。 新聞系 ・「東証終値××円」(記事見出し) ・きょうの紙面(目次) ・小泉首相の一日(総理大臣の日程表) ・「改革遅れへの警告だ」(社説) ・「私が首長だったら」(読者投稿発言) ・「11日評決を断念」(夕刊ダイジェスト) ・「○○社(4月1日)××部長を解く、個人名」(企業の人事異動) ・銘柄○○ 終値422 前比▼38 出来高1.68(株価表) ・公立高校入試、設問と解答 ・「○○ドームにて世界の花博覧会を開催」(自社主催イベントの特集記事) ・「後手銀得。7六歩、3四銀。後手が手を変えると……」(将棋譜面解説) ・「○○さん 相続時清算課税制度ができるそうですね。   税理士 はい。65歳以上の親が……」(税金等、暮らしの情報) ・県還暦軟式野球連盟春季リーグ結果(ローカルニュース) ・大相撲春場所星取表(スポーツ結果) ・「○○地裁で11日開かれた××事件初公判で……」(検察側冒頭陳述要旨) ・本日のみどころ(テレビ番組解説) ・第190回数字選択式全国自治宝くじ ミニロト(宝くじ当選番号発表) ・「ね年 過去の歴史より将来の道を教わりて諸難突破……」(運勢、占い) 雑誌系 ・「○○プレミアグッズプレゼント (個人名)北海道 (個人名) 山形県」(読者プレゼント当選者発表) ・「本誌の購入状況を教えて下さい。……」(読者アンケート) ・「C2003 メーカー名」(コピーライト表記) ・「第一位 初登場 ○○」(売り上げランキングベスト10) ・「創刊44周年記念月間 巻頭カラーは……」(次号特集予告) ・「○月○日(月)発売」(次号発売日予告) ・編集長、デスク、編集、ライター、アシスタント、デザイナー、カメラマン、進行(雑誌編集スタッフ名) ・「超お手軽な読者参加RPGが普通のハガキでプレイ可……」(読者参加ゲーム) ・「5年ぶりにパソコンを買い換えたのですが……」(穴埋めコラム) ・「いつも楽しみに拝読しております……」(読者投稿) 広告系 ・「○○キャンペーン、締め切り迫る!」(キャンペーン告知) ・今春発売予定/好評発売中(商品の発売予告、告知) ・「今ならご自宅で……」  「どうする? ア……」  「悩み解消 これ……」(キャッチコピー各種) ・謹啓 弊社商品を日頃よりご愛顧頂き誠に……(定型文広告) ・「お気づきの点がありましたら、以下の……」  「お問い合わせ、ご相談は月〜金(除く祝日)の……」(アフターサービス) ・「当社比120%増量の……」(比較広告) ・全長×全幅×全高、エンジン、最大出力(商品の仕様表記) ・メーカー希望小売価格××円(商品の値段) ・営業時間AM10:00〜PM8:00 ・「スピードはひかえめに。シードベルトや……」(標語) ・「地球に優しい……」(メーカーの標語) ・「ロト6一筋で一年半。待ちに待った高額賞金をついに……」(商品体験談) 取扱説明書系 ・「箱の中身を確認しよう」(添付品のチェック) ・「この製品は当社の万全な品質管理のもと、厳密な製品検査に合格したものです……」(保証書の表記) ・「保証期間は、お買い上げ日より6ヶ月とします。……」(保証規定) ・「○○は安全性を十分配慮して設計されております。しかし……」  「引火性の液体である。有機溶剤中毒の恐れがある」(安全上の注意書き) ・「疲れた状態での使用、連続して長時間にわたる使用は、健康上好ましくありませんので避けてください。……」(健康上の注意書き) ・基本操作、使用できる周辺機器の説明 ・「故障かな?と思ったら 修理サービスを依頼される前に、下表の順番に従ってもう一度確認してください。……」(トラブル対処法) ・型名、サイズ、重量、使用時間など(仕様表) 難解系 ・「道可道、非常道。名可名、非常名」  「独在異郷為異客 毎逢佳節倍思親……」(漢文、漢詩) ・「臣安万侶言さく、夫れ混元既に凝りて、気象未だ効れず。」(古文) ・外国文(エジプトやマヤ等の表意文字で記された碑文を含む) ・「トラ!トラ!トラ!」(暗号文) ・ノーベル物理学賞受賞の論文(各種専門分野の最先端論文) ・「会稽の恥」(故事成語) ・「般若心経」(経文)  「ひふみよいむなや こともちろらね しきるゆゐつ……」  「諸々の禍事罪穢を 祓い給い清め給えと白す事の由を……」(祝詞)  「しあわせなかたマリア/恵みあふれるマリア/主はあなたとともにおられ……」(宗教に関する文書) ・「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」(憲法、法律、条例) ・「熟々帝国の現状を見るに(略)邦家のためまことに寒心に堪へざる事象の堆積なり。然るにこれを正道に導くべき事責を負う政権に何等之を解決すべき政策の見るべきものなく……」(決起書、スローガン) ・「一 決起の趣旨については天聴に達せられあり……」  「諸子ノ行動ハ国体顕現ノ至情ニ基クモノト認ム」(陸軍大臣告示) ・教科書、教本、辞書、事典、医学書、歴史資料、自費出版自伝 電波系(イタいので、例文を出すのはパス) ・狂人、人外の生物(?)が記した文章 ・「〜にょ」「〜りん」「〜だおう」などが語尾につく文章 ・被害妄想、自殺・破滅願望、性的欲望が色濃い文章 ・片想いの脅迫ラブレター ・多重人格、仮想人物が登場する日記 ・事実に基づかない暴露文書(捏造スキャンダル) ・予言、お告げ ・チェーンメール  うーん。まだ系統がありそうだけど、今は出てこない。  見落としがあったら補足お願いします。>馬宮さん、光来さん、甘夏さん。 >読み捨てポイント抽出  重複しないよう、馬宮さんのリストを引用します。  …… 1.内容がわかりきっている文章 2.形式だけの文章 3.読んでも意味がわからない文章 4.自分にとって必要な情報がかかれていない文章 5.自分に向けられていない文章 6.自分に向けられていても、関係ないと思われる文章 7.読み飛ばしても後で得られる情報が書いてある文章 8.興味がわかない文章 …… 9.事実と異なる虚偽の文章 10.主義・主張を受け入れられない文章 11.実用的でない文章(4とは微妙に違う) 12.不愉快になる文章 13.論理の破綻してる文章 14.抽象的すぎる文章 15.何かを強制する文章 >読み捨てポイント比較検討 9.事実と異なる虚偽の文章   虚構の作品世界における物理法則は、現実に準拠している。 10.主義・主張を受け入れられない文章   内容を読まなければ、主義・主張を理解できない。  11.実用的でない文章   そもそも娯楽であって、実用書ではない。 12.不愉快になる文章   排尿、嘔吐について言及されている。   が、「一発NG」ほどの緊急性は認められない。 13.論理の破綻してる文章   雑念というか、意識の統制が取れていない。   が、「一発NG」ほどの緊急性は認められない。 14.抽象的すぎる文章   具体的な地名、行動、生理描写が書かれている。 15.何かを強制する文章   読者に「〜するな」「〜しろ」等の強制は行っていない。  う……。候補がみんな消えてしまった。  敗者復活で、10.主義・主張を受け入れられない文章、これが今回の中で一番くさい。  けど、感情移入できない問題は却下だし。  正解は未だつかめず。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨て文章 No.6336 投稿日 2003年3月12日(水)22時55分 投稿者 甘夏  実例を挙げまくります。  新木さんゴメンナサイ。 ・新聞編  1、与党野党関連。  2、皇室関連。  3、下についてる広告。  4、文字が小さいやつ。  5、献金疑惑等の議員汚職関連。  6、株式市場。  7、記者の言葉。  8、野球以外のスポーツ記事。  9、連載小説。 10、野鳥を救え、等。自然保護を訴える記事。 11、連載童話。 12、主婦の暮らしのコーナー。 13、法善寺横町関連。 14、裁判の質疑応答全文。 15、天下り。 16、釣り場情報。 17、将棋、囲碁関連。 18、川柳短歌のページ。 19、アフガニスタンの子供達。 20、放映映画情報。 21、栄養学関連(豆腐の栄養価等々) 22、国際情勢(イラク、北朝鮮以外) 23、大学教授のありがたそうな言葉。 24、読者投稿の70歳以上の方の投稿文。 25、タマちゃん。 ・週刊誌月刊誌等々 26、当選者発表のページ。 27、表紙裏の広告。 28、ページ横の作者の言葉。 29、嫁姑問題。 30、読者投稿(ネタページ除く) 31、整形関連。 32、新事実発覚!!とモザイク入りの写真がついてる記事。 33、芸能人のコラム。 34、独占告白!! 35、読者アンケート。 ・取説編。 36、付属品の確認 37、不具合の原因と解決。 38、使い方に関する注意(1時間につき15分等々) 39、安全上の注意。 40、注意警告マークの説明。 41、基本操作(電源の入れ方等) 42、周辺機器の紹介。 43、規格にかんする説明(アメリカでは使えない等々) 44、保障期間にかんする説明 45、目次 ・広告編  具体例を挙げようにも、読んでいるほうを挙げたほうが早いような…… 46、特売情報。 47、神秘のパワー関連。 48、通信教育口座。 49、右脳関連。 50、塾、英会話関連。 51、不動産、賃貸関連。 52、雛人形、武者人形等々。 53、洋服関連。 54、ゴルフ商品関連。 ・その他(ネット関連) 55、とにかく字が詰まっている文章。 56、とにかく読点が多い文章。 57、平仮名ばっかりの文章。 58、日本語以外の文章。 59、漢字ばっかりの文章。 60、一文目から内容が破綻している文章。 61、いきなりエロ。 62、絵文字を多用している文章。 63、方言。 64、今週の講義 65、日記。 66、掲示板下の注意書き。 67、宇宙からの交信関連。 68、頭の中の小人さん関連。 69、アイドルに向けた文章。 70、知らない固有名詞(主に名前)が多数登場する文章。 71、オタク関連 72、下に長く長く長く続いている文章。 73、妄想。 74、チェーンメール。 75、題字からテンパってるメール。 76、自作詩。 77、横に長く長く長く続いている文章。  まだまだ出てくるのですがこの辺で止めておきます。  分析(馬宮さんのリスト参照)  1.内容がわかりきっている文章  2.形式だけの文章  3.読んでも意味がわからない文章  4.自分にとって必要な情報がかかれていない文章  5.自分に向けられていない文章  6.自分に向けられていても、関係ないと思われる文章  7.読み飛ばしても後で得られる情報が書いてある文章  8.興味がわかない文章  9.ぱっと見、読みにくい文章。 10.自分の理解を超えた文章。 11.不快感をもたらすであろう文章。 12.文章とは何かがわかっていない文章。 13.ぱっと見、理解できない言語でかかれている文章。 14.完結していないとわかっている文章。 15.事実に反する文章。 16.書き手の魂胆がミエミエのいやらしい文章。 17.内容がない文章。 18.抽象的過ぎる文章。  9.ぱっと見、読みにくい意文章。  単純に読むのがダルそうな文章や、見にくい文章。  個人差があると思うが、  一発NGになるほどの読みにくさではないと感じた。 10.自分の理解を超えた文章。  自分の持つ常識では対応できない文章。  自分の中の小人が話し掛けてくるだの、  宇宙人と交信してその宇宙人がお告げをしてくれただの。  クトゥルフ物という時点で、ちょっと厳しいかと思ったが、  これも個人差があるので一発NGの対象外。 11.不快感をもたらすであろう文章  読んでいて不快になるような文章。  たとえば、スカトロとか、妄想爆発のメールとか。  ちょっと読んだ感じでは、不快感にたどり着きそうにない。  失禁、嘔吐はNGワードではないだろう。 12.文章とは何かがわかっていない文章。  とにかく単語を文章にするルールがわかっていない文章。  文章内で意味が取れなかったり、  あきらかに単語を並べる順番が違っていたり。  そこまで酷くはないと思う。保留。 13.ぱっと見、理解できない言語でかかれている文章。  見た感じ英語だとかインド語だとか、日本語以外の言語でかかれているもの。  これは、どう見ても日本語なので却下。 14.完結していないとわかっている文章。  完結していない文章は消化不良を起こすので嫌いだから。  今作では読まないとわかりません。却下。 15.事実に反する文章。  明らかにでっち上げていたり、妄想で書かれた文章。  が、フィクションである以上、これが一発NGになる可能性は限りなく低い。  却下。 16.書き手の魂胆がミエミエのいやらしい文章。  書き手がこう思ってください、等の思惑を持って書いたことが  文章からにじみ出ている場合。  動物愛護だの難民カワイソウだの。  いやらしいと思うほどの思惑が伝わってはこなかった。  却下。 17.内容がない文章。  内容がない文章。もじの羅列。  きちんとした意思を持って書かれた文章であり、  それなりにシーンなどが伝わってくるので却下。 18.抽象的過ぎる文章。  まったく具体例のない文章。読めません。  具体例アリ。却下。  いちおう保留としてあげたのが 12.文章とは何かがわかっていない文章。  削られていた文章、ところどころ接続助詞がおかしかったり、  読点の位置がおかしかったり、と気になるところがありますが  一発NGの対象か? と考えるとどうも違いそうな気がします。    具体例をもう一度見直して共通項を洗い出して見ます。  たくさん出した割には内容が薄い。  再考。 -------------------------------------------------------------------------------- こんなものを発見 No.6337 投稿日 2003年3月12日(水)23時02分 投稿者 甘夏 >>5行で読むのをやめてしまった作品っていうのは、日本語がおかしい場合がほとんどです。 >>なにか直すところを言うにしたって、「日本語をちゃんとしてきましょう」ぐらいしかないですし。  以前の新木さんの発言です。  と、なると 12.文章とは何かがわかっていない文章。  の可能性が残ります。   が、再考。 -------------------------------------------------------------------------------- 口角炎が治りません。 No.6338 投稿日 2003年3月13日(木)00時15分 投稿者 弟切 千隼 弟切は毎日牛乳を飲んでいるのに、ビタミンB2(注)が欠乏しているのでしょうか? それとも、ひょっとして花粉症の薬の副作用でしょうか? 注: 口角炎は、ビタミンB2が欠乏すると起こる症状の一つです。ビタミンB2は、牛乳・卵黄・肉類などに多く含まれています。 >>読み捨てポイント考察 私も、読み捨てる物の実例を挙げて考えてみました。 読み捨てる物の実例として、まず私が思いついたのは、「電話帳」です。 まさかあれを全部読む人はいませんよね? 知りたい電話番号のところだけ読んだら、あとはポイするはずです。 同じように、「知りたい部分だけ読んだらポイするもの」の例を挙げてみました。 ・辞書や事典のたぐい ・歴史年表 ・機械や電気製品の取扱説明書 ・法律 ・教科書とその参考書(特にテスト前(爆)) ・中学生などが持っている生徒手帳 ・保険などの規約書 ・会計報告 ・通販カタログ 上記は、「どうしても知りたいことがあるから読むけれど、それは全体の中の一部分だけなので、そこだけ読んだら放置するもの」です。知りたくない情報の海の中に、知りたい情報がぽつんと浮かんでいる感じですね。 これはつまり、人間は、自分にとって必要と思われる文だけを抽出して読んでいる証拠です。必要でないと判断された文は、そもそも読まれもしません。 風輪さんの「邪神戦線2062」は、「読み捨てたくなる部分の中に、読める部分もある」という点で、上記の例に近いものがあるかも知れません。 「読み捨てポイント」は、読者さまにとって「必要ない」と判断されたからこそ読み捨てポイントになり得ます。 では、なぜ人はそこが「必要ない」と思うのでしょうか? うーん、振り出しに戻ってしまいましたね(^^;  「読む必要はない」と判断されそうな文の条件を挙げてみました。 1)読まなくても、自分の生存や地位に危害が及ばない。 2)難解だったり稚拙だったりして読みにくい。 3)知らない言語で書かれている。 4)意味の通じない文である。 5)既知のことが書かれている。 6)不快なことが書かれている。 うむむ、この辺も皆さんが出しているのと同じものばかりですね(^^;; もう少し数を出して、それから原因を絞り込みます。 新木さんが、「読んで初めてわかる内容についてのことではない」と明言されているため、ぱっと見てすぐに「読み捨て決定」と思わせる要素であるのは確実ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- とにかく前進 No.6339 投稿日 2003年3月13日(木)05時47分 投稿者 馬宮  これまでできていなかった、「主観語」「客観語」。  考えているうちに、「なにがわからないのか、わからなくなってくる」という沼にはまってしまいそうです。  そうならない為には、手を動かすしかありません。少しでも。 >とんびの羽根さん  ありがとうございます。  なるほど、こうやれば文章中の主観語の割合がよくわかります。    自分でもやってみたのですが、太字のところがわたしが新たに「主観語じゃないかなぁ」と思ったところです。 −−−−−−  プールサイドで[突っ立ってる]泉[クン]の[真ん前]を、[わたし]は[わざと][知らんぷりして][横切ってやった]。 「あ、桜」  [なにか][聞こえた][ような気がする]けど、[きっと][気のせい][だよな]。  水着を着た彼女を前に、第一声が「名前」[なんて]男がいる[わけない]。[ああ]、[それにしても][熱いな]。バスタオルを羽織って[来たんだ][けど]、[取っちまえ]。 「桜ってば、さーくらちゃーん」  コンクリートは、照りつける日射しによく焼けていた。シャワーを[浴びた][ばかり]なのに、足の裏が[火傷しそうだ]。 「なんだよ、聞こえてんだろっ」  [後ろから]腕を[つかまれて]、[振り返る]。[見上げる]と、[人なつっこい]目をした泉が[笑っていた]。 「遅かったな、腹でも痛くなったんじゃないかって心配してたんだからな」  [ふーん]。  [さっき]、白い水着の女の人と喋ってた[ろ]。  [綺麗な][お姉さん]に[鼻の下のばし]ながら、[わたし]の心配[なんか]してた[んだ]、[器用だよな][男って]。[知らない][とでも][思って][んのか]? [向こう]から[丸見え]だった[んだぞ]。  [反省の色が全然ない]泉を[じっと][見つめている]と、[わたし]の[すぐ側]を[チビども]が[雄叫び]を上げながら走って行った。  夏休みの遊園地[っての]は、家族連れが[多く]てデートには[向かない]って泉が言ってた[けど]。「デートに向かない」[だけ]は[賛成]だ。 「離してよ」 「なに怒ってんだ?」  [眉をひそめる]泉の顔に、[わたし]はバスタオルを[投げつける]。 「今度からあんたとデートする時は、前人未踏の宇宙の果てか老人ホームだってことだよ!」 「はぁ?」  [間抜けな]顔した泉、頭をかきまわして[大きく][息をついた]。 「どうしたんだよ、ここに来たいって言ったのお前だろ。何があったんだよ、言ってみ」 「自分の胸に訊いてみやがれ」 「あ……えーと、ごめん」  [やっと][気づいた]か。 「レストランの席、とっときゃよかったんだよな。時間ずらした方がいいかと思って」 「ちっがーう!」[  [わたし]は[あんた]に[そこまで][期待]してないよ。[大体]、[わたし]が[お弁当]作ってきてること[すら]、[頭にない]んだろうが。  このプール、水着のままで食べられるオープンカフェがある。[あれ]をレストラン[って]言う[あたり]が[もう]泉[なんだ][けど]。 「えーと、じゃあ」  腕組みをする泉。[早く][答えろ]、[熱い][んだから]。 「あ、似合うよ」 「なにが」 「水着」 「それだけ?」  [わたし]はふんぞり返って[見せる]。泉[クン]の[解答]は、[外れてる]けど、[着眼点]は[悪くない]。 「いや、その。可愛い、色っぽい、見直した、惚れ直した。いよっ、ナイスバディ!」  [なんか][ほっとした]顔の泉。[おそらく][思いつく限り]の[褒め]言葉[なんだろうな]。[わたし]は泉からバスタオルを取り[返した]。肩に羽織って、[できるだけ][事もなげ]に[言ってみる]。  「さっきの白い水着の人の方が、よっぽどナイスバディだったよね」 「あーゆーのと比べたってしょうがないだろ、桜は桜の魅力ってもんがあるんだからな」  [罠とも知らず]、泉はうなずく。[こいつ]、[まだ][気づかない][んだ]。  女の子が彼氏をプールに誘うってことは、「水着を見せたい」ってことじゃない[ってのに]。  「水着を着たわたしを見て!」ってことだ[ってのに]。  更衣室の鏡で[最終]チェックを「[誰の為に]」、「[何回]やった」と[思ってるんだ]、[こら]。  [待たせて][悪いな]、とは[思ったさ]。  [でも][信じてたんだ]。  [きっと][わたし]が[出てくる]のを、[今か今か]と[待ってて][くれてるんだろうって]。  [なのに……] 「帰る」  [他の女がいい]なら、[ナンパしてろ]。  泉を[押しのけて]、[わたし]は更衣室に[向かった]。  [これで][追いかけて][来なかったら]、[もう絶対][別れてやる]。[目頭が熱くなってきて]、[わたし]は[歯を食いしばった]。 −−−−−− >甘夏さん  とんびの羽根さんと同じやり方で、甘夏さんの一人称をチェックしてみます。 −−−−−−  「冗っ談じゃないわ」  足元の本を[ひと]蹴り。[がたっ]、額縁がずれる。  [あぁっ]、割れなくて[よかった]。[ジグソー]が散らばっちゃ……  [って違う]。私は怒っているのだ。額縁なんてどうでもいい。 「お、お嬢様。危ないです。おやめください」  執事の源五郎が[うろたえた]声で止めにかかる。 「だってそうじゃない、源五郎? どうして私があんな馬面と結婚しなきゃなんないの?」  思い出しただけでも[気分が悪くなる]。  [あんの]顔の長いこと長いこと。唇[だって][タラコみたい]だし。  [あぁ]、[また]思い出し[ちゃった][じゃない]。[気分悪っ]。  [もう][少し][マシ]な写真はなかったのかしら、見合い写真でしょ? [もう][少し]選べって[いうの]。  あれなら、源五郎のほうが[よっぽど][男前][じゃない]? 「そ、それは。その……」  歯切れが悪い。 「そりゃね。どこぞの名家の男と私が結婚すれば、この小田家は安泰かもしれないけど」  [わざと]乱暴にイスに腰掛ける。[ぎしぃっ]とイスが軋む。  「でもでもね、なんで私が馬と結婚しないといけないのよ? そんなことってある、源五郎?」  [がったんがったん]。イスを揺らす。源五郎の[不安そう]な顔がいい。  [確かに]白馬の王子様は女の子の憧れ[よ]。でも、馬は王子様の乗り物であるべきで、馬が王子様であって[いいわけがない]。 「ですから、それは……」 「馬はおとなしく人参でも食べてればいいのよ。なぁんで人間と結婚しようなんて思うかしら」  それに、結婚する相手くらい自分で決め[たい]。  お稽古事は[それなりに]付き合って[あげている]のだから、[それくらい]は許して[欲しい]。 「お嬢様、旦那様のことも考えて、その」 「そう、そうよ。お父様よ」  [くるり]、イスを回す。源五郎がしまった、というような表情を浮かべた。 「父親なら、かわいい娘をわざわざ馬と結婚させようとするかしら? ねぇ」 「はぁ」  [はっきりしない]。 「あぁ、そうよ。お父様が悪いんだわ」  [だんだん]と怒りが再燃してきた。  [そうよ]、どこの世界に馬と娘を結婚させようとする親がいるだろう、[いや、いない]。 「ねぇ、源五郎。あなたもそう思うでしょ?」  [ばんばんばん]。机を叩く。 「そうよ、よりにもよって馬なんて。お父様って娘の人生より家が大事なの?」  [あぁっもう]。[イライラ]する。 「お嬢様、落ち着いて……」  [こんな]に[イライラ]するのも、手の平が[ジンジン]するのも全部お父様のせいだ。  [あんな][馬]との結婚話を持って[きた]お父様が悪いに[違いない]。 「文句言ってくる」  勢いよく立ち上がる。  [がったん]、イスが倒れた。[と思ったら]、 「きゃっ」  お尻を何かが押した。膝の裏にも衝撃。  [かっくん]。 「痛っ」  [ふかふか]の絨毯。[別に][痛くないや]。[って]、何。いったい何が起こった[の]? 「お、お嬢様!?」  源五郎の[うろたえた]声が[少し]震えている。 「源五郎、助けなさいよぉ」 「も、もうしわけありません」  [のしかかってきていた]重みが消える。[がた][っと]音がした。 「お嬢様」  源五郎の大きな手。つかむ。[ぐいっ]と体が浮いた。 「一体、なんだったの?」  乱れたスカートをなおし、[ぱたぱたと]はたく。  [あぁ]、びっくりした。 「それはですね、お嬢様」  イスに片手をかける。イス? 「イスが……こう……」  源五郎がイスを少し倒してみせる。倒れるイスが、机の角に当たって。跳ね返って[きて]…… 「あぁ、なるほど」  背もたれの部分がお尻に当たって、座るところが膝の裏に当たった[と]。 「よくできてるわね」  [つい]感心してしまった。ってあれ? 「お嬢様? どうかなされましたか?」  ううん、別に[何処]が痛いとか[そういう]訳じゃないんだ[けど]。 「大丈夫、だけど……」  [なぁんか]、[忘れてるような]。 「ねぇ、源五郎?」 「は、はい?」  [そんな][不安そう]な声、出さなくても。 「私、何をしようとしてたのかしら?」 「は?」  イスが倒れた[ってこと]は、[どこか]に行こうとしてたってこと[でしょ]?  [どこ]に……? 「えぇと、どこかに行こうとしてたのよね」 「いいえ、めっそうもございません。このずれた額縁を直そうとお立ちになっただけで……」  ずれた……[そう]、額縁がずれたんだった。[私]が本を[蹴っ飛ばした]から…… 「って。ああっ」   [思い出した]。源五郎、[私]を[騙そう]とした[な]。 「文句言ってくる」 「お、お嬢様ぁ?」  [うるさい]、この[ウソツキ]め。[がん]、ドアを蹴り開ける。  振り返り源五郎をにらめつける。 「お待ちください。……あ」 「『あ』って何よ。源五郎。また何かウソをつこうとしてるの?」  [もう騙されないんだから]。  [くるっと][後ろ]を向き、[今度こそ]部屋を出ようとして…… 「あ」  [がつぅん]。最後に猛然と閉まって[くる]ドアを、[見たような気がする]  。  −−−−−−  だんだんこんがらがってきました。  弟切さんのチェックをする前に一眠りして、頭を落ち着けます。まずはここまでです。 ●読み捨てポイント >新木さん  メールしました。よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント抽出漏れ No.6340 投稿日 2003年3月13日(木)08時25分 投稿者 風輪 冷 風輪16.関心を惹きながら、好奇心を満たしてくれない文章  「読者のことを想定していない」というグループに属する、読み捨てポイントです。 >>ゲリラに追いつかれたら、殺される。  とありながら、ゲリラがどういう脅威なのか、具体的に記述されていません。  主人公の生理反応や回想に文脈が流れてしまっています。  あれ?  そういえば以前、同様の指摘されませんでしたっけ、私?  確か、みやびさんに……    ……  >> 暗視ゴーグルで補正された深緑色の光景は異質すぎた。  これは、まあ、理解できる文章でした。  でも、当然ながら、この文章があったら、その直後に、「異質すぎる光景」が描かれていると思うものです。読者としては。  見てみると……。 >> 恨みがましく隻眼でにらむ男の死体を確認して、ジェイドは弾薬の尽きた突撃銃ステアーAUGを投げ捨てた。これで追手は最後のはずだが、油断はできない。腰のホルスターから拳銃を抜き、周囲を見渡す。  どこらへんが、どう異質すぎるのだか、さっぱりわからないんですけどー(^^;。いったい、なにが、どう、異質だったんでしょう。いや、異質だったんじゃないですよね。異質すぎた、んですよね? すぎた、ですよ。いったいどれくらい異質すぎたんだろう。  気になる気になる気になる気になる気になるよお。  でも、書いてない。  ──ので、ここで挫折しましたです。 ……  ほら、証拠はあります。これだけで有罪確定、一発NGです。  そっか、これが私の中の美食家読者が騒いだ理由なのか……。  ごめんなさい、みやびさん。  鳥頭の風輪は三歩で指摘を忘れてしまいました。  指摘を消化した「つもり」になっていました。  もう一度、改めて食べます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6341 投稿日 2003年3月13日(木)13時08分 投稿者 新木 伸 >甘夏さん  なぜ僕に謝る?  憎むべきは自分のアホさ加減であって、それは甘夏さん自身の問題であって、僕は単に指摘しただけ。  甘夏さんが「ゴメンナサイ」と謝ったとする。  そして僕が許すか許さないか、まあなんかリアクションを返したとする。  しかしそうしたところで、思考するつもりで夢想していた貴方のアホさが直るわけではないでしょ?  僕が「うん。いいですよ」とか許したら、貴方のアホは直るのですか?  つまり、謝ってみたところで、ぜんぜん意味がない。なんの問題解決にもなってません。 >読み捨て理由(メールの返事) >馬宮 >>「書き手が自己完結してしまい、頭の中の世界を、読み手になんの説明もなく押しつけているから」 >>読み手には、「熱帯夜の行軍」がなにか、「オールドアークはスラム街出身」というのがなにか、「ハイデラバード」がなにか全然わかりません。  んー。惜しいけど違う。  ていうか、これもこれで、かなり大きな読み捨てNGポイントではあるけどね。「読者のほうを向いて書かれていない小説」という種類ね。  杉井光の書く小説が、だいたい全部、こんな感じだな。 >読み捨て理由の考察とか  まあ答えにたどりついても、たどりつけなくても、思考した人には各自の収穫がきているはずです。  たとえば、世の中の文章の99%くらいを自分は読み捨てていることを再発見して自覚したとか。  どういう文章が読み捨て対象となるのか、系統分けして研究したとか。  ちなみに小説を書く場合、それらすべての「読み捨てポイント」を避けていかなきゃならないわけです。まあ軽いやつであれば、一個二個なら踏んでしまっても平気でしょうが。しかし数個も踏んじゃったら、貴方が普段読み捨てしている文章と同様に、「ポイ捨て」されてしまうわけですね。  読まれる小説を書くなんてことは、じつは簡単なことなわけです。  自分が普段読み捨てしているポイントとその理由。  それらをまず洗い出し、すべてをクリアするように書けばいいだけのことです。  読み捨てる理由のない文章というのは、人は読んでしまいますから。 >読み捨てポイント参加者各位  そろそろ、メールでなくて、掲示板に書いちゃっていいですよ。  正解が出たとしても、それはそれ。  また今夜か明日あたりに最終ヒントを。また週明けくらいをめどに、解答の公開を予定してます。  とりあえず正解者が出てますので、解説してもらいます。 (どうやって説明するか考えておくように。>紫)  説明にあたって言葉が足りないようなら、僕が補足しますし、必要充分ならそのままだし。 -------------------------------------------------------------------------------- 地雷発掘作業は続く No.6342 投稿日 2003年3月13日(木)20時02分 投稿者 風輪 冷 >読み捨てポイント採集 創作系 ・純文学、私小説、エッセイ、ポエム ・児童書、絵本 ・カストリ、エログロ ・タレント本 ・やおい ・TVドラマ、ゲームのノベルズ ・実験小説 >読み捨てポイント抽出 風輪17.趣味・嗜好に著しく反する文章 風輪18.読み応えのない文章 風輪19.自己中心的な文章 風輪20.生理的に受け付けない文章 風輪21.楽しませてくれない文章 風輪22.テーマ・意図が読み取れない文章 風輪23.不条理・無意味な文章  なんか、言い換えが混じってきたような……。 >読み捨てポイント検討 風輪17.趣味・嗜好に著しく反する文章 風輪20.生理的に受け付けない文章  そんな拒絶反応が出るほど、エグい文章ではないはず。  18禁に値する残酷描写は冒頭にはない。 風輪18.読み応えのない文章  逆に、説明不足で歯応えがありすぎる。 風輪19.自己中心的な文章  認めたくないが、一発NG候補。  具体的にどう自己中なのか、客観視できない。 風輪21.楽しませてくれない文章  サスペンス・ホラーを楽しめるよう意図しているが、未熟。  一発NGと判断するほどではない。 風輪22.テーマ・意図が読み取れない文章  少なくとも「追われる感」は読み取れる。 風輪23.不条理・無意味な文章  文章からコンセプトを抽出できる程度には、意味がある。 >紫さん  解説、お願いしますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 世間では……(雑談) No.6343 投稿日 2003年3月13日(木)20時59分 投稿者 鷹見一幸  まったく関係ない雑談をちょっと書きます。  先日、作家志望の人からメールで相談受けました。  似たような悩み持ってる人がいるかもしれないので。この場をお借りします。  この春に学校を卒業して就職する人もいるだろう。  今、会社員として働いている人もいるだろう。  そういった人は、心のどこかで作家になることをあきらめてしまっていないだろうか?  そんなことはない。と私は思う。  人間の可能性というのは、一つの職業を選択したら、それで終わり。なほど小さくて狭いものじゃないはずだ。  月の時間外労働時間が百時間越えていても、物語は書ける、本だって出せる。  本業のための勉強はやった。専門の学校だって入った。  でも、私は小説の勉強なんかやったことはない。  今でもぶっつけ本番で、一行目から書き出して最後まで書いている。    私はどこにでもいるごく普通の中年男だ。  妻と二人の息子がいるごく普通の男だ。  だから、きみにだってなれる。  作家になれる可能性がある。  あとは、その可能性をどう生かすか。それだけの違いだ。  この「よみかく&分室」に参加している人、ROMしている人で、今年の電撃大賞にチャレンジする人が何人いるのか知らないけど、きっと今年も2000作を越える応募数があるような気がする。  ちょっと軽く調べてみたんだけど、応募数が2000作を超える小説大賞ってのは、あんまり無いみたいだね。    電撃は、俺みたいなライトノベルをほとんど読んだことが無い人間の書いたものも、本にして出版してくれるような、懐の深さというか、自由さ、というか、いいんじゃない? 面白けりゃ、という放任主義的な部分がある。   同じカドカ○グループでもスニー○ーの編集部なんかとは違う、ある種の若さを感じる部分があると言ったほうがいいかもしれない。  なんというか「ノリ」がいい(笑)  この「ノリ」はパワーに通じる部分がある。  このパワーの基本となるのは作家であり作品であることは言うまでも無い。  どんどん新しい作家が出てきて。  どんどん面白い作品を書かないと、このパワーは維持できない。  だから、もし、これをROMしている人の中に電撃大賞を目指している人がいるのなら、私は応援する(あくまでも心理的にだが)  たかだか二年半しか書いていない駆け出し作家の身であることを自覚しつつあえて言わせてもらうなら。  「停滞した業界は滅びる」  私なんかより、もっと面白くて、もっと新しくて、もっといっぱい書ける作家が出てきてくれないと困る。  読者としての私が困る(笑)  私の作家としての価値はあと五年持つか持たないかだと思う。  五年後、私は五十歳になる。  少年の感性と、あまりにもかけ離れた年齢となっては、とてもライトノベルなど書けるはずもない。  きっと私はサラリーマンに戻っているだろう。  くたびれた背広を着て、背中を丸めて通勤電車のつり革につかまっている、どこにでもいる初老のサラリーマンだ。  でも、その手に持つ文庫本は、きっとライトノベルだろうね(笑)  その本を書いているのは誰だろう?  私は、これを今読んでいるあなたであって欲しいと心から願う。  物語を書く楽しみと、それを多くの人に読んでもらえる喜びを、あなたにも味わって欲しいと心から願う。    電撃大賞の締め切りまで、あと少し。  さあ、推敲の時間だよ(笑)   -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず結論 No.6344 投稿日 2003年3月13日(木)21時24分 投稿者 風輪 玲  読み捨てる理由が20以上でたので、さらに抽出してみます。 A 他人が読むことを前提に書かれていない文章 B 書き手が想定した読者層から外れる文章 C 読者の興味をそそらない文章  読者の読解力を超える文章というのも浮かびましたが、Bに組み込まれます。  と、いうことで、この3つが大きな読み捨てる概念となります。  「邪神戦線」と照らし合わせてみますと、  他人でも意味が汲み取れるので、Aは消えます。  また、文中の雑念が読者の興味をそらすので該当しますが、  このCについては却下されています。  で、残ったBが正解になります。  確かに、二十歳以上の人物が主人公となる物語は、ライトノベルでは「例外」です。  アマゾンの密林という舞台も、日常生活から遠く離れています。  内容も高校生以下の読者には、おそらく読み取れないだろうと思われます。    結論。  「ライトノベルじゃない」  うーん。納得できる答えが出たけど、新木さんの用意した答えと一緒かどうかは不明。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント No.6345 投稿日 2003年3月13日(木)22時18分 投稿者 甘夏  再検討の必要がありそうなもの。  ……  新聞、取説、広告はそれぞれ  使用目的が決まっていて  その目的に添わない人には最初から向けられていない文章です。  情報を必要としている人に必要な情報を、といったところでしょうか。  これは、小説にはあまり当てはまらないと感じました。  知りたい情報を求めて小説を読む。  ということをする人はあまり多くないと思うからです。  となると、小説、ネット関連で読み捨てている文章について再検討します。  問題外なのは。  55、56、57、59、72、77  に当てはまるような、掲載状況から読みにくい文章ですね。  小説では一回も改行がないまま見開き1ページくらいぶっ通している作品。  ないとは思いますが読む気すら起こりません。  あとは、58、に当たる日本語以外の文章。  理解できないのは見た瞬間にわかるのでこれも読む気すら起こりません。  次、ちょっとは読むかもしれない。  62、63、65、69、70、76、(64)  に共通する、読者(自分)に向いていない文章はすぐに読み捨てます。  ただ、読者を楽しませようとしている文章も稀にあります。  しかし、そういう文章は少し読めばわかります。  61は、それを求めている場合には読みます。  求めていない場合には読み捨てます。  66はあまり興味がないので読み捨てます。  次、文章として問題がある場合。 (64)、69、73、67、68、71、75  に当てはまるのが、いったい何を考えて書いたのかがわからない文章。  マスターベーションのような文章が多い。  書いた人の意識が完全に閉じてしまっていて、  なぜこんなものを発信しよう思ったのかすらわからない。  筆者がその文章を書いた時点で満足してしまっている。  文章を書くことだけが目的のようで読ますことを考えていない。  自己アピールだけを延々と続けている文章。  頭の中やノートの中だけに留めておいてくださいとお願いしたくなる文章。  74は、単純に読む必要がないので読まない。  60は、読むのがやはり辛い。  日本語の文章のルールに則ってかかれていない場合 (誤字脱字、文法上の間違い等々)  が多く、人に読ませようとする文章ではないと感じるので。  以上のような読み捨てポイントが私のサンプルの中にはあるようです。    う〜ん。でも、どれが今回の読み捨てポイントなのかがわからない。  かろうじてかすっていそうなのが  文章(小説)を書くことが目的で読ますことを考えていない。  求めている文章ではない。  あたりだろうか(失礼)  頭の中のイメージを文章化することだけに意識が行ってしまい  それを受け取る側に対する配慮が足りていない部分が見受けられました。  が、これは馬宮さんの不正解に該当するようです。  似たようなところでは 『思い込みの激しい文章』と言うのがあります。  ストーカーメールという新木さんの発言から来ていますが……  邪神〜がそれにあたるのかは(?)です。  あとは、ライトノベル(電撃系)を求めて読んだ場合、  求めているような内容の文章ではない。と感じました。  硬派なホラーらアクション小説などを読もうと思っている場合は  問題ないのですが。ライトかどうか。    正解がないにしても >>文章(小説)を書くことが目的で読ますことを考えていない。  に関しては自分でやってしまっていそうな気がします。  と、いうかきっとやってしまっているでしょう。  今後、気をつけないといけないですね。 -------------------------------------------------------------------------------- わにわに動物らんど No.6346 投稿日 2003年3月14日(金)01時22分 投稿者 弟切 千隼 >>ジャングル感 読み捨てポイントを探るために「邪神戦線2062」を読み返していて、ふと思い出したことがあったので書いておきます。 ジャングル感10分勝負の時、「ワニ」を挙げた方が何人かいましたよね。多くの日本人にとって、ワニが熱帯の密林を想起させる存在なのは確かでしょう。 小説などのフィクションにおいては、「ワニ」は密林を表わすのに普通に使える便利な道具だということですね。 あまり知られていませんが、世界には二十種を越えるワニがいて、種ごとにその性質や分布域や生息環境が違います。どんなワニも熱帯に棲んで、大型で凶暴でヒトを襲うわけではありません。 こういったワニの種ごとの差異を把握して、書き分けることができれば、より精密に「ジャングル感」を出すことができます。 以下に、分布域別に代表的なワニの種を挙げてみました。熱帯の森林地帯に生息する種だけを集めてあります。 (熱帯の森林地帯にしか生息しない種ばかりではありません) 南米: クロカイマン コビトカイマン メガネカイマン アフリカ: アフリカクチナガワニ ナイルワニ ニシアフリカコビトワニ アジア: イリエワニ インドガビアル シャムワニ オセアニア: イリエワニ オーストラリアワニ ニューギニアワニ 上記の種の中で、ヒトにとって脅威となる種は限られています。 体が小さすぎたり(ニシアフリカコビトワニなど)、魚食に特化して口が細長く大型の動物をくわえられなかったり(インドガビアルなど)して、襲いたくてもヒトを襲えない種が多いのです。 南米のアマゾンに分布するワニは、意外なことに体が小さく、ヒトを殺すほどの力がない種が大部分です。上にあげた中では、ヒトを殺せる力を持っているのは、大型(全長4〜4.5m)のクロカイマンだけだろうといわれています。 ただし、南米に分布するカイマン類と呼ばれるワニの仲間は、割と気が強く、殺して食べようというのではなくて、単に排除するためにヒトを襲うことはあり得ます。ゆえに、「アマゾンの恐怖」の一つとしてワニを使うのはありです。 アフリカでヒトを襲って食べる可能性があるのは、事実上ナイルワニだけですね。 ナイルワニは全長5mを越えることもある大型のワニで、見た目も迫力があるワニらしいワニです。同じアフリカの水辺に棲むカバや、水鳥の一種のクロトキと一緒に並べておくと、それだけでとてもアフリカらしさを出せる便利なワニさんです(^_^) しかも、「アフリカの恐怖」の演出にも使えます。 アジアとオセアニアに生息するワニたちは、ヒトの姿を見ると逃げてしまうおとなしい種がほとんどです。シャムワニなどは、この種がいるすぐ近くで現地の人たちが平気で水浴びをしているそうです。 シャムワニは、「のどかな密林」の描写に使えそうですね。 アジア・オセアニアで真にヒトの脅威となるのはイリエワニです。この種は全長が7mにも達するうえに、性質が荒く、積極的にヒトを食事のメニューに加えることがあります(^^;  「人喰いワニ」を小説に出したければ、イリエワニが分布するアジアかオセアニアの海岸地域を舞台にするのがよろしいかと思います。 今回はこんなところで。 次回こそ読み捨てポイントの理由を探り当てるべく、がんばります。 -------------------------------------------------------------------------------- 起が終わりました No.6347 投稿日 2003年3月14日(金)06時42分 投稿者 紫ゆきや ●ハイスピ  いろいろあって、先ほどUPしました。  ようやく“起”が終わりました。 ●読み捨てポイント考察 >新木さん(6333)  採点ありがとうございました。 >> ただ理由を二つも出してきやがったから、そのどっちが正解なのか、教えてやんねー。てめぇで考えろ。  うぅ、すみません。  ついつい、「読み捨てにする、これだけの理由」て感覚で出してしまいました。  前に新木さんの書かれていた「第一印象で決めちゃっていい」というのを勘案すれば、自明でしたね。  もう一方は、すでに他の方も提示している理由と同ですし。 >> あと、もっと洗練して強調した言いかたで、なんかないか? >> 「○○は××だから」とか、そんなふうに簡潔に。  わかりました。言いかたについても考えてみます。 >> (どうやって説明するか考えておくように。>紫)  あ、はい。  たぶん他の方も、もう少しヒントがもらえれば大丈夫だとは思いますが、考えておきます。  本当は、何かしらお手伝いをしたいところなのですが……。  下手な助言は、かえってエサ袋を閉じてしまう可能性があるので、難しいですね。 ●主観語・客観語  私も別のエサ袋に顔をつっこみます。  現状負荷が大きいので、横からつつくていどですが。 ◎馬宮さん「プールサイドで怒る女の子と謝ろうとする男の子」  だいたい主観語で書かれていると思いました。  前回のリライトに比べて、ずっと読みやすかったですし。  なにより面白かったです。  しかし、小説というより日記のように感じました。  会話を「」で、思考を()でくくったとすると、地の文がほとんどないかなと。  一人称の小説では、思考の比率が高いですが、この場合、描写がないほうが問題でしょうか。  シーンの絵が、ほとんどイメージできませんでした。 >> このプール、水着のままで食べられるオープンカフェがある。  例えばここですね。  私は女の子とプールへ行った経験なぞ無いと仮定します。「プールって学校のプールと違うの? オープンカフェってどんなの?」てな状態だと――仮定します。  そんな恋愛不全でデートコース未踏な私を、馬宮さんがプールとオープンカフェに連れて行っていってくれるわけですね。小説でもって。  主人公が訪れたプールや、意識を向けたオープンカフェを描写して、私がヲタク仲間に知ったかぶりできるくらいの知識をくれるわけです。  むしろ下さい。お願いします。  ところで、今回のには、ちょっと反則っぽいところがあるなあと思いました。  思考に混ぜて、客観語や、他者の主観語を、主人公の主観として使っちゃってる部分とか、ありませんか? >> 大体、わたしがお弁当作ってきてることすら、頭にないんだろうが。  例えばここです。  これは思考ですよね。  これを思考でなく書くとしたら、『わたしがお弁当を作ってきてることすら、泉クンの頭にはない。』てカンジでしょうか。  『泉クンの頭にはない』という文は、桜の一人称では書けませんよね? 泉クンの主観ですから。  弁当を作ってきていると考えていないことを示す、泉クンの言動は書けても、内面を直接は書けないわけです。  今回の作品では、その泉クンの言動を書くかわりに、『――と、あたしは感じた。』を付け加えています。  『わたしがお弁当を作ってきてることすら、泉クンの頭にはないと、あたしは感じた。』まあ、こんな感じで。  これを読める文章に直すと、元の文章になるかと思うのですが、どうでしょうか?  「読めるからオッケー」という考え方もアリかもしれません。しかし、弊害として絵がイメージできないという問題が発生するんですよね(^^;  さらに、もう少し。 >> プールサイドで突っ立ってる泉クンの真ん前を、わたしはわざと知らんぷりして横切ってやった。  一行目の情報が多いです。 ・プールサイド ・突っ立ってる泉クン ・真ん前を、横切ってやった。 ・わたしはわざと知らんぷりして >> 罠とも知らず、泉はうなずく。  桜の一人称だと、泉が「とぼけているだけ」か、「罠とも知らず」なのか確定できないですね。  思考のなかで、『罠とも知らずに、うなずきやがってー』とかなら書けそうですが。  誤字誤用?  熱い→暑い  離して→放して  解釈しだいですが……たぶん誤用ですよね?  呼称は統一したほうがいいですね。  「泉」と「泉クン」  規則性があるのかもしれませんが、わかりませんでした。 ◎弟切さん「待ち合わせに遅れたことを怒る女と、謝る男」 >> 辰樹の声が後ろから追いかける。  『追いかける』のは辰樹側からの言葉ですね。  『追いかけてくる。』だと思いました。 >> 辰樹の手がわたしの肩にかかる。  背後からなので、辰樹の手とは確定しません。  ひょっとしたら、2人のやりとりに割り込んできた第三者かもしれませんから。  『後ろから肩をつかまれた』とかでしょうか。  読みやすくなりました。  漢字率が落ちたせいか、難関な漢字がなくなったせいだと思います。  もう少し一文一文が短くなると、もっといいかもしれませんね。  一番気になったのは、重複情報です。  ちょっと試しに重複情報だけを削ってみました。 ===  お昼の十二時を告げるサイレンが、霞がかった青空に響き渡った。  わたしは溜め息をついて、手に持った携帯電話の画面を見つめる。そこに表示されている時刻が「12:05」なのは、わたしがわざと五分時計を進めてあるせいだ。  時間に遅れるのが嫌だから、時計を進めてあるのに。 ===  十二時を告げるサイレンが、霞がかった青空に響き渡った。  わたしは溜め息をついて、携帯電話を見つめる。  12:05  遅れるのが嫌だから、時計を進めてあるのに。 ===  以下、削り理由です。 ・お昼の(十二時で霞がかった青空なら、お昼は確定できますので。     夜はサイレン鳴りませんし) ・手に持った(携帯を見たなら、それは手に持っているのが普通かと) ・の画面(携帯を見て時刻を知ったなら、画面を見たのは明確かと) ・そこに表示されている時刻が(12:05という表記フォーマットは時刻かと) ・「」(趣味です。削りサンプルなので極端にやってみました) ・なのは、わたしがわざと五分時計を進めてあるせいだ。     (次の行が同じ情報を含んでいますので) ・時間に(ここまでずっと「時間」を話題にしていますから)  ――とりあえず、重複情報だけ削ってみました。  情報の要不要を吟味していくと、もう少し変わってくるかもしれません。  どうでしょうか? ●「河原でけっとうの日」比較  OFF会で、新木さんに書いていただいたリライトとの比較です。  文章は課題部屋のほうにUPしてあります。 ===紫の文  うすく目を開くと、見慣れた木目の天井が、滲んで見えた。  あの夢、ひさびさに見たな――あたしが六歳の頃の記憶。  もう十年にもなるんだね。お母さんが、この家からいなくなって……。  左手で目元をぬぐう。  視界の滲みは消えていた。障子ごしに差し込む光で、部屋はすっかり明るくなっている。  今日も暑くなりそうだね。 === ↓↓↓ ===新木さんの文 {無し} ===  前半は、なくなったシーンを受けていますので、消えて当然ですね。  もう半分は、部屋の描写(?)なんですが――。  後述できるのと、つまらないという理由から削除したと思われます。  なにより、起きた直後の思考が、「時間」ではなく「気温」というのも妙です。 ===紫の文  枕もとのペットボトルに右手を伸ばし、しかし、そこに奇妙な物体を見つけて、手が止まった。  それはソフトボールくらいの大きさの目覚まし時計だった。半球状のベルを、小さな金槌で打ち鳴らすタイプで、べつに珍しい物ではない。デパートの時計売り場で三千円てとこだろう。  問題は、この金属ボディの目覚し時計の状態だった。  白い文字板も、オシャレな針も、ベルを打つ銀色の金槌も、折れ、ひしゃげ、潰れていた。背面からは、電池やら歯車やらといった“身”が、こぼれ出ている。 「……また、やっちゃったよ」  止めた右手を再び伸ばし、ため息混じりに、圧壊した目覚まし時計を掴む。潰れた部分は、指にジャストフィットした。  ――お母さんが言ってた、“強い子になってね”っていうのはさ……アレは、“丈夫に育ってね”って意味だったんだろ〜な。  あたし小さかったから、よくわからなかったよ、お母さん。 === ↓↓↓ ===新木さんの文  目覚めた時には、時計はもうすでに、用をなさないスクラップと化していた。またやってしまった。今月もう3個目だ。 ===  ようやく「新木さん版」の一行目です。  原稿用紙で2枚ぶんくらい「いらない文章」でした。  この部分のポイントは、「目覚まし時計の圧壊を削除」ですね。  今なら、わかります。ダメである理由が。  たとえば――美人でもブスでもない年齢もわからない女の子と、食事で相席になったとして。  彼女が、「ところで今朝ね、」と話しかけてきたとします。  むろん私(仮想読者モード)は、あるていどの期待を持ちつつ聞いてあげるわけですが。  彼女がいきなり「目覚まし時計の圧壊」を、細かく話しはじめたら……引きます。むしろ逃げます。つまらないですし。  それと、「冒頭数行を使うほどのネタではない」という理由もありますね。  さらに、『今月もう3個目だ。』が追加されているのは、笑いを取るネタとして元のままだと弱いことを示しています。  すこし話がそれますが――この3個目というのは、実に適切だと思いました。  4個目や5個目だと、嘘っぽいだけでなく、個数に意味があるように見えてしまうんですね。  『また(2個目)』の上だから『もう3個目』なんです。  ――今日はここまで。  ぜんぶ終わったら、まとめ直して課題部屋にUPしておこうと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6348 投稿日 2003年3月14日(金)14時19分 投稿者 新木 伸 >小説大賞  電撃の去年の応募総数は、小説部門だけだと2080本。  そのうち長編は1269本。短編811本。  実質的に、本が出て作家デビューすることになるのは長編を書いてきている人だけですので(ごく一部の連作短編で応募した人を除く)、応募総数を考えるときには、長編のみで1200作あたりと認識しておいたほうが正確かと。  富士見ファンタジア長編小説大賞が、去年1083作ですから、まあ同規模ということになりますね。 >僕の考え  鷹見さんの考えや主義を否定するつもりはないんですが。(主義は人それぞれなわけだし)  鷹見さんが考えを書いたので、たぶん正反対にある僕としては、いちおう、書いておかないとならないわけです。  両極端が揃うというのが、バランスというもの。  鷹見さんは、作家への夢を諦めかけている人に対して、「諦めるな、可能性はある」と言うのですね。  僕は逆で、「そのまま諦めちゃいなさい」と言います。もしくは「そのまま夢にしとけ」とも言います。諦められるようなら、諦めておいたほうが良いと、僕はどこでも言ってますので。  誰にでも可能性があることは否定しませんが、それは目的に向かって歩いてこその可能性です。まだ歩き出してもいないやつは、可能性以前の問題なわけです。長編小説の一遍もあげたことのないやつが、作家になれるなれない以前の問題であるのと同じです。  「自分に可能性がある」ことを信じたいだけで、実際に歩くつもりはまったくない人とか。「夢に向かっている」という安心感を得るために「歩いているごっこ」をしている人とか。「夢を持っているごっこ」をしているだけの人とか。  そういう連中が、いかに多いことか。  自分の足で歩くつもりはないのに、作家になるつもりもないのに――歩いているふりをすることは罪悪です。本人はそれで良いとしても、周囲の迷惑であると僕は考えます。  「ヌルさ」っていうのは、伝染するものなんです。  上記のような「ごっこ」で遊んでいるだけの腐った性根の持ち主と接していると、まともなやつまで腐ることがあるわけです。  まあ、それはそれ、周囲のヌルさが感染するようなやつは、はじめからそれまででしかなかった――という冷たい見方もありますけど。  分室は「実際に歩いている人のための場所」と、そう設定しています。  歩き出す決意をするまでのことは、ここのサポート外。歩くことを決めて、歩いている人の背中をほんのすこし後押しするための場所です。  また、「夢に向かっているごっこ」と「歩いているごっこ」であることを本人が気づいていない場合には、メッキを剥がす手伝いをすることもあります。「ごっこ」であることを気づかせるということですね。しかしその先は本人の問題。ちゃんと歩くことにするか、それとも、そこで辞めてしまうか。  「ごっこ」を続けて楽しんでいたかった人には、まあ迷惑な話でしょうが。 >>「停滞した業界は滅びる」  これは業界について言えるだけでなく、作家個人についても言えますね。  立ち止まった人間は、そこで終わるわけです。  それが作家志望者であっても、プロ作家であっても、同じこと。  立ち止まった時点で進歩は終わり、停滞がはじまります。そしてしばらくすると例外なく終わりがきます。  常に前に向かって歩いていないと。立ち止まらず、倒れるときにも必ず前のめりで。  鷹見さんは大丈夫ですか? >風輪さん  なにやら答えが出たようですが。  そんなに思考停止したいもんかなぁ。  横で見ていると、まるで、考えるのをやめるために頑張って考えて答えを出してきたように見えますが。  たとえば「僕がそれ違う」と言えば、風輪さんがまた考え始めるわけですよね。  しかし僕が裁定を下すまでは、思考停止して休憩しているわけですよね。  なんなら僕、裁定しないでおきましょうか? ずっと保留にしとくとか。そうしたらずっと休憩していられますけど?  いままで本当に「考える」ってことをしてきてないのだなぁ。 >弟切のやつ >>手に持った携帯電話の画面を見つめる。そこに表示されている時刻が「12:05」なのは、わたしがわざと五分時計を進めてあるせいだ。  時間を確認するのに携帯電話を見るというアイデアは、自分で出したものか、他の作品から仕入れてきたものかわからないけど……。  マンガなどで「絵」で見せられるのならともかく、小説の場合には、もうちょっと詳しく書いておかないならないでしょう。  「手に持った携帯で時間を確認」というのが、説明不要で通用するのは、以下の条件を満たした読者だけだ。 ・携帯電話を所有している人。 ・携帯の待ち受け画面に時計を表示させている人。 ・フリップの付いていないタイプの携帯を、現在使っている人。  これだけ制約条件があると、もう全読者の10%ぐらいになっちゃう。  あと紫は「重複情報だから不要」と削ってしまっていたけど、「手に持った」と書いてあるのは、ずっと手に持ったままで、もう何度も時間を確認していることを書こうとしたわけだよね? つまりこのシーンの開始以前のことまで、書かずに書いてしまおうとしている試みなわけだな。  また青空と書いてから、携帯のことを書いてゆくのは、視線移動を表しているわけだよね。空を見上げていて、手元に目を落とすという動き。  あと「霞がかった」としている理由が不明。気持ちの沈み具合を書くためか? しかし「沈んでいる私」の登場以前に何書いたって意味ないよ。読者の脳裏に定着しないから。  また、「私」の沈み具合を書くにしたって、「待ち人来たらずで私はこんなに沈んでいるのに、どうして空はこんなに青いのか」というふうに、むしろ、青空にしてしまったほうが対比がついていいと思うが。  色々と考え合わせてリライトすると、こういうことになる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  正午を告げるサイレンが青空に響き渡る。  わたしはため息を落とした。手に持ったままの携帯電話の画面を見つめて、また時間を確認してみる。  12:05――。  遅れるのが嫌だったから、時間を進めてあるのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  文章にリズム感を出すためと、空白を多くして見た目を軽くするために、文の長さを変えてある。前、杉井光に伝授した「一文の長さによるリズム付け」ね。  このブロック、文の長さでソートして並べてみると、以下のようになる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  12:05――。  わたしはため息を落とした。  正午を告げるサイレンが青空に響き渡る。  遅れるのが嫌だったから、時間を進めてあるのに。  手に持ったままの携帯電話の画面を見つめて、また時間を確認してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうして並べてみると、綺麗なもんでしょ。 -------------------------------------------------------------------------------- 私のスタンスは…… No.6349 投稿日 2003年3月14日(金)20時19分 投稿者 鷹見一幸  なんというか私自身の経験でしか語れない人間ですので(笑)  もし、自分が22,3歳のときに、「物語を作る」ことをやめていたら、どうなっただろう? とか35、6歳のときに、「物語を作る」ことをやめていたら、どうなっただろう? とか、考えてみると。    やっぱり、あきらめないでいたことが、作家への道につながったのではないかと思うのですよ。  私は高校生の頃からずっと、物語を作りたくて仕方がありませんでした。だからマンガの同人にも入っていましたし、その関係で、いろいろなマンガ家さんにもお会いしてきました。  高校卒業から電撃大賞に送る「ピクニック」を書くまでの二十二年間、私は、ライターの真似事や編集の真似事(一応お金がもらえるレベルですからただの真似事とは次元が違いますが、本業というわけではない、という意味を込めての真似事です)をやってきましたが、小説は一本も書いてはいませんでした。    でも、何か書きたいと、ずっと考えてきたわけです。  シナリオかもしれない。と思ってシナリオの勉強もちょっとやってみたり、マンガの原作をかじってみたりしながら、そのどれも身に付かず、ただもんもんと自分の中に抱えている「物語」を、もてあましていたと言ってもいいでしょう。    その間に私は就職し、結婚し、子供が二人生まれ、中間管理職になりました。  25年ローンでマイホームを建て、反抗期の息子に手を焼く中年のオヤジになりました。  それでも自分の中にあった「物語」をあきらめることができなかった人間です。    誰もが、私のように40歳過ぎてから作家になれるというわけではないということはわかっています。  でも、私のような人間もいるということもまた事実だと思うのです。  あきらめない執念。  自分の持つ「物語」を磨き続ける執念。  その「物語」を、いかに他人にとって価値あるものにするのかを考え続ける執念。    これを持ち続けていれば、いつかその「物語」は本になって世に出る。  作家になれる。    私は自分の経験からそう思います。    その「執念」を持ち続けることができるかどうか。  自分の中にある「物語」を磨くことができるかどうか  その「物語」を、他人にとって価値あるものにできるのかどうか。  それは、その人の意思にかかっています。  それができるかどうか、その判定は私にはできません。  それを決めるのは、その人です。    私が、あっさりと「あきらめろ」と言えない理由は、そういった自分の経験から来ているのだと思います。  >停滞について。  一応5ヵ年計画でやっていくつもりです。  この5年間、やれるだけやってみて、ダメなら消えるだけのことです。    私は、ひょんなことで作家になってしまった中年オヤジでしかありません。  ダメだったら、ただの中年オヤジに戻るだけのことです(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイントその他 No.6350 投稿日 2003年3月14日(金)20時44分 投稿者 弟切 千隼 >>主観語/客観語課題 紫さんへ > 私の文章を削って下さってありがとうございます。 以前よりは読みやすくなったとおっしゃっていただけたのは、励みになりました。 少なくとも灰色率が50%を越えてはいなかったようで、ほっとしました(^^; 新木さんへ > 携帯電話の画面で時刻を確認するというのは、自分で出したアイディアです。私の身の回りに、携帯を時計代わりにしている人が多いことから思いつきました。 わざわざ「携帯の画面を見つめる」・「そこに表示されている時刻が」と書いたのは、携帯電話に馴染みのない人にとっても理解できるように、と考えたからです。 しかし、新木さんが指摘されたとおり、これだけでは情報不足で、多くの読者さまに親切な書き方とはいえませんでした。 また、「手に持った」というのも、「来ない人を待って、ずっと手に持ったまま時間を気にしていた」ことを表わそうとしたつもりでした。 これも、実際には読者さまに伝わっていないわけですから、書いていないのと同じです。 「霞がかった」は、春らしさを表わす演出の一つとして書きました。 春の空というのは塵が多くて、抜けるような青空であることが少なく、ぼんやりと霞がかっていることが多いものです。とろーんとした平和な春の情景という雰囲気を出したくて書いてみました。 が、やはりこれだけでは説明不足で、逆に余計なものと感じられてしまいますね(^^; 新木さんが書き直して下さったものを読んで、まだまだ私はヌルいと痛感しました。精進します。 >>「邪神戦線2062」読み捨てポイントの理由 事件捜査における「現場百回」(=事件現場に百回くらい通いつめて捜査しろ。事件捜査は現場が基本)と同じつもりで、風輪さんの元の文章と、新木さんが書き直したものとを読み比べてみました。 風輪さんの元文章の七行目、「ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた」から、二十二行目の「死ぬに死にきれない」までが、リライト版ではそっくり削られていますね。 ここは、作者としては書きたかった−でなければ書きませんよね−ものの、読者としては読みたくないと判断される部分だったために、削られたのでしょう。 こんなふうに読みたくない部分が十行以上も続いたら、そこは読み捨てポイントとなり得るはずです。ということは、ここに読み捨てポイントの理由を探るヒントがあるはずです。 上記のように考えた弟切は、削られていない箇所と、削られた箇所とを何回も読み比べてみました。 削られていない六行目までの部分は、主人公の周囲と、主人公自身の状態の描写ですよね。 対して、七行目から二十二行目は、主人公の回想です。これまでの人生でどれだけ苦労して、またこの密林に入ってからもどれだけ苦労したか、自らの苦労話を延々と主人公が語ってくれています。 人が自分の苦労話をする理由には、三つほどあると思います。 1)単に愚痴として言いたい。 2)「俺はこれだけ苦労したんだぞ、どうだ偉いだろう」と自慢したい。 3)「昔、俺もこれだけ苦労したけれど、そのおかげで後に成功した。だから、今苦しくてもお前もがんばれ」と話相手を励ましたい。 他人の愚痴や自慢話を喜んで聞きたがる人はいません。喜んで聞いてもらえる可能性がある苦労話は、3)だけです。 しかし、「邪神戦線2062」の主人公の場合は、3)ではありませんよね。たぶん1)でしょう。 物語の冒頭から誰かの愚痴を読まされたら、それは立派な読み捨て理由になりますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題部屋 No.6351 投稿日 2003年3月14日(金)22時27分 投稿者 甘夏  返信しようとして削除してしまいました。  で、少し考えていたのですが。  どうやら、私にはいきなりキャラを動かすことができないようです。  上から物語を覗き込んでキャラが動くのを観察する。  というのが私の書き方だったようです。  と、いうわけで  最初に三人称でキャラの動きを見てから  それぞれの中に入り込む方法に切り替えることにしました。  何度、一人称から入ろうとしても、キャラが思うように動かないんですね。  前文も馬宮さんが括弧くくりしてくれた文章を読みなおして  キャラがきちんと動いていないような感じをうけました。  酷く不自然です。  きちんと物語を書けるような手順を踏んで  書き直してみたいと思います。  しかし、同じ内容で書こうとすると、  どうしても前作の不自然な言動を引きずってしまいそうな気がするので  ちょっと違う話を挙げてみます。  新木さん。  問題があるようなら指摘してください。  指摘がないようならそのまま続けます。  勝手な話で申し訳ありませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.6352 投稿日 2003年3月14日(金)22時49分 投稿者 風輪 玲 >そんなに思考停止したいもんかなぁ。  はい。テンパってます。  早急に問題解決したいです。  食いついたニンジンが本物かどうか、わからなくなってます。 -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず No.6353 投稿日 2003年3月15日(土)07時32分 投稿者 光来 唯  時間がないので自分のだけ。  >変身ヒロインものということ  実のところ、変身ヒロインものというのは、私の中でもあまり意味がなくなってきていたいます。  そこ書くときに、思い出したようなものですから。  変身ヒロインものといえるのは『変身』の部分でしかありませんし、なくてもいい。  それに、話を壊してしまうというのなら、なくていいかに関わらずとも削らなければなりません。  ということで、『変身ヒロインもの』というのはなかったことにします。 > また結衣の言いわけは、これはうまくない。この台詞はなんの説明にもなってない――ていうか、死んでます。生きているキャラの口から出る内容じゃないです。  それは、別にそのまま言わせるわけじゃなくて、そんな感じの意味合いのを言わせるってことだったんですが。  結衣はスカート姿を変に思ってるけど、実際は好きとしか見えない。というもの。  例えば、次みたいな感じで。 ・「スカートなんて女の子らしいもの穿けない」「穿いても変な感じする」とか結衣が言います。  それに対し諒は結衣に中学の制服はスカートだったろ、と聞くわけです。  そこで結衣は、  「制服は可愛くなかったから穿いたうちに入らない」って。  そこに、自分で可愛いと思ってるの穿けばいいだろ、との突っ込みが入る。   ・中学では制服のスカートを穿いていた。けど結衣はスカート姿の自分に違和感を感じていた。  だから、「やっぱり変……」とか思って、部屋には何枚か制服姿の写真が飾ってあります。  結衣はいつもその写真を見て、「変……」とか呟いていたわけです。  けど、それは諒から(というか普通の視線で見れば)気に入って飾っているようにしか見えなかったり……  結衣自身は至ってまじめに、スカート姿を変って思ってて、自分にスカート姿は似合わないと言い聞かせるために、飾っているんです。  ですが、ちゃんと写真立てに入れられるなど、「ほんとは好きなんだろ、スカート姿」とか、とか思われてしまうわけです。 > ジャージもいいけど、いまひとつありきたり。なにより可愛くないでしょ。 > 実用一辺倒ということを示しつつ、可愛げのあるものって、なんかないですか?  こういうとき、服飾辞典とかあれば、もう少し探しやすいのかな。    実用一辺倒ということで、安易ですがポケットが多ければ実用的と感じるんじゃないかと。  ということで、下はカーゴパンツというやつ(両ももの脇にもポケットがついてるズボン。名前ははじめて知ったんだけど……実際にはポケットの多いズボンと書くことになるんだろうけど)。  ポケットが6つもあれば、いろんなもの入れられて実用的って考えるだろうと。  男女ともに穿く普通のズボンでもありますので、可愛くないなんてこともないでしょう。  それで上は、完全に実用のみならTシャツなんでしょう。  値段、サイズだけで適当に買うことも可能とかを考えれば。  でもこれだと、実用一辺倒って見れないかもしれないです。  あと、普通の女の子ならバッグとかかばんとか持ち歩いているだろうけど、結衣はそういうのもないということです。 > はじめのきっかけが、「心の底で望む自分を肯定してくれた」で、その後は「自分と異なる部分を見つけてゆく」という路線なわけですね。 > なら、あとのアイデア出しは、諒の持つ自分と違う部分を、いくつ出すか。どんなものを出すか、ってところか。 > ひとつめは、「諦めないで頑張れる諒」で、あとほかは?  これは以前、というかこのアイデア出しの最初の頃に「諒への憧れ」という観点ですでに少しやってました。  以下がそれです(多少補足を加えてます)。 ・誰とでもすぐ打ち解けることのできる ・いつも笑顔でいる ・何事にもくじけない ・誰にでもはっきりものを言う ・イナゴの佃煮を食べることのできた  ――イナゴでなくとも自分では食べられないものを食べられるということで ・誰にでも優しい  ――けど、諒に興味を持ち始めた結衣は、自分に対して優しくしてくれる、と感じている ・ナマケモノを好きな  ――このままだと変なので、「苦手とする動物でも平気な」と修正。 ・どんな動物にも好かれる  ――結衣は死神のせいか、動物に嫌われやすいとすればいいかと。さらに諒と一緒にいることで結衣も動物に好かれていくようになる、とか ・いつも自分を貫いている  ――死神を貫いているはずが、普通の女の子に憧れてしまっているため、一本の芯を持っている諒に惹かれていくわけです ・誰からも信頼されている ・昔の遊びの上手な  というような感じで。  これにさらに付け足して、   ・運動神経に優れた ・歌のうまい ・大きな夢を持っている  ――死神に自己を完結させている結衣は夢を持っていないため ・情熱をかけられる何かを持っている  ――夢、と似ているが、こちらは趣味や部活。今現在一生懸命になれる何かをもっているということ ・子供や、小動物など、弱いものに優しくできる ・他人のために本気で怒ることのできる -------------------------------------------------------------------------------- >>思考停止 No.6354 投稿日 2003年3月15日(土)11時31分 投稿者 とんびの羽根  余程の明晰な頭脳の持ち主でない限り複数のことを同時に考えることはできません。  問題点を限定することと、問題点の原因を追及することは同時にはできないわけです。  問題点の限定ができていないのに、さらにその理由まで考えさせようとすれば、複数の問題点らしきものに対して、それぞれに応じて合理的な原因を考えなければなりません。  こういったことを同時に行うことは普通の人間には無理です。  しかし問題の解決にはこの両方を行わなければならないのは当然なわけで、ここで思考プロセスというものが必要になってきます。新木さんが思考法を教授しなければならなかった理由もここにあるわけですね。 しかし思考法を教えただけでは、それを受け取った人間はそれをすべて同時にしようとして立ち往生してしまうわけです。  理由を解明できた紫さんはすでに場所は合っていると新木さんから請け合ってもらっていたので、原因追及に集中出来たわけです。この意味から言うと紫さんも思考法を身につけたかどうかはまだ怪しいわけです。  そういうわけで、風輪さんが思考停止から抜けるためには、理由を考えつつ場所を限定させようとする癖自体をやめさせる必要があります。こういうときにヒントだけを出す方法をとると、この癖を直すことは出来なくなるのではないでしょうか?このままでは結局ヒントを手がかりに場所と理由を同時に探そうとするに決まっていますので。  つまり思考法のステップを風輪さんは理解する必要があるのです。  事例をたくさん出す、事例を分析する、事例を関連づける、事例を問題点に当てはめる  こうしたことは実際に問題解決に必要なことですし、実際に誰もがやっていることですが、問題点がどこかがわかっていない状況でやるとさきにのべた状況に陥ります。  事例出し訓練はほぼ終わっている(合っているかどうかは別として)のですから、次に(本来なら最初にすべき)問題の場所を特定する(この場合は理由が間違っていてもよい)ことに集中させた方が良いのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み捨てポイント No.6355 投稿日 2003年3月15日(土)12時12分 投稿者 新木 伸 >とんびさん >思考のしかた  なるほど。  人は一度に二つのことは同時にできない。  問題点の特定と、理由の解明とは同時にやれない。  これについては納得。  しかし、なぁ……。  そのアプローチなら、すでに一度伝授しているような……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・理由は削りカスの中にある。 ・削りカスのブロックごとに、「ここが原因」と特定するつもりで解明にかかること。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ほら。  場所の特定と、理由の解明とを別にやるアプローチ、すでに示してます。  ただこれだと、ブロックごとに「思考」してみなきゃならないけど。  削りカス中のブロックの数は7つか8つか、まあそのくらい。  そのすべてに対して、7回やら8回やら、思考を重ねればいいわけです。  僕から見ると、7回か8回か考え抜くのが面倒なんで、ただ手抜きして夢想して遊んでいるようにしか見えないんだけどなぁ。8回考えれば、そのうちの7回は無駄になるけど1回はヒットすることが「保証」されてる。しかし、皆はもっと楽したがってるみたい。  そもそも、みんな、「削りカス」をちゃんと見てるのかな? 眺めてるだけなんじゃないのかな?  「削り版」と「削りカス」が両方提示されてる時点で、もう必要充分な手がかりがあるじゃん。両方を見比べりゃ、おのずと答えなんて見えてくるだろうに。  思考法については、各自でなんとかせいや。  とりあえず、今回のこれで、自分がいかに思考ができない「間抜け」であるか自覚できたと思うので、改善の努力を要求する。 >場所の特定とか、最終ヒントとか  まあ、今日明日は出かけているので、ヒントというか、もうほとんど解答そのまんまじゃないかと思うんだけど、丸投げしときます。  該当箇所は、ここ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1−1)  ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。オールドアークはスラム街出身の少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルをすべて吐いた。一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2)  あれから四年が過ぎた。生きてさえいれば、誰だって歴戦の兵士になれる年月だ。  なのに今夜は追いこまれ、死神の吐息を身近に感じていた。  簡単な潜入作戦だったはずだ。  合衆国から要請されたゲリラ掃討任務──それを罠だと、ジェイドら傭兵五名で構成された分隊が知った時には遅すぎた。黒い脅威を前に応戦すらままならず、戦友たちは次々と倒れていった。  分隊長の断末魔をかき消す大声で、ジェイドは相棒に「逃げろ」と叫んだ。  突撃銃を派手にフルオート斉射させ、ゲリラの注意を引きつけた。死すら招きかねない囮役を即行したのは、ジェイドの意地だ。  砲撃と銃弾の雨降るハイデラバードで朝日を迎えて以来、何があっても必ず相棒を援護すると決めていた。  後悔はしていない。幾度となく相棒に助けられた命だ。積み重なった借りを利子を含めて返済するまで、死ぬに死にきれない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1−2)  ジェイドは知っていた。  かつて肩を並べた戦友が『エクスプレス』中毒となり、軍の施設に収容されていた。病みやつれ、変貌した戦友の底光りする瞳は、なおも生に執着していた。拘束衣に包まれた鬼気迫る姿は、とても見てはいられなかった。  見舞いの後、しばらくしてジェイド宛の遺書が届いた。乱れた筆跡ながら、戦場の思い出を整然とつづり、最後にこう警告していた。  ──決して手を出すな。この麻薬は超特急で夢の国へと誘う。オレみたいに魅惑の森で永遠にさまよい続けたいか? 忘れるな。未知なるカダスから逃れるすべは、ない。  忍び寄る死神の足音でも、聞いたのだろうか。  ジェイドとて、死ぬのは恐い。恐いが、魂を売り払ってまで明日を生きたくはない。不器用な生きかただと悔いるのは、とりあえずビールの一杯でも傾けてからだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まず(1−1)。ここだけで充分です。もう投げ捨て。  (2)は理由については若干違って、別種の読み捨てポイントかな。まあ(1−1)と陸続きの同じブロック内にあるので出してきました。本当なら(1−1)だけで充分だけど。  (1−2)も(1−1)とまったく同様の理由です。(1−1)の理由の推察のための資料として持ち出してきました。  ただしこの(1−2)の存在自体は、読み捨てするかどうかには影響してきません。  なぜなら、小説はシーケンシャル(順次)に頭から読んでゆくものだからです。  この(1−2)に到達するまえに、(1−1)や(2)で読者の大半は逃げ出してしまっていますので、問題とはならないわけです。どうせ読まれないので、どんな欠点があったって、もはや減点対象とはなりません。  んで、最終ヒントもついでに出しときます。  皆は「読み捨て」の理由を、いくつか出してきているけど。  その中には、「関心が持てない」とか「欲求不満が溜まる」とか「呆れる」とか「怒りさえ覚える」とか、まあいろいろな系統があるわけですね。  ただ、上記のような種類のものは、「一発NG」というほどでもないわけです。  そこに「裸足で逃げ出す」ほどの理由になるものって、ないかな?  逃げるんです。もう逃げちゃうの。  そういう方面を探すべき。  ただ、いくらなんでも、本当の意味で「読まないで捨てる」ことは不可能なんですね。普通は読まないと何を書いてあるのかは識別できませんから。 (例外あり。文章を扱う仕事を10〜20年くらいやっていると、読まずに識別できるようになってくるみたいです。文章の形とか文字の配列とか、漢字とひらがなの配分とか、そういうレイアウト的なものを一瞥しただけで、「あ、これ読まなくていいやつ」と識別できています。まあ比喩的表現になりますが、文章に様々な色の「オーラ」が見えているわけですね。悪い色のオーラを出していたり、オーラが薄かったりする文章は、読まなくていいやつなわけです)  普通の人は読まないと文章の内容がわからないとして、ある程度読んでいったときのことを想定して、僕は設問しています。  読んでいって、あるところで「そういう種類」であることを理解したとたん、「うわぁ」てな感じに身を引いて逃げ出すような内容ってことです。全部読んで理解していなくても、一部分だけ理解して、「あの系統ね!」とわかったとたんに、もうNG。 -------------------------------------------------------------------------------- いきなりの乱入ですいませんが…… No.6356 投稿日 2003年3月15日(土)14時04分 投稿者 哀原 友 はじめまして。哀原 友(あいはら ゆう)という小説家志望のものです。宜しくお願いいたします。 ルール違反を承知ですが、ちょっと書き込ませてください。 少し前からROMしておりましたが、「読み捨てポイント」の件で ほとんどの人が答えられていないらしいという事が気になり、 よみかきで当該の小説を読んで見たところ、一目で、 「この小説、『読み捨て』と言われてもしょうがないだろう」 と思ってしまいました。 その私の印象が、答えかどうかは分かりませんが、感想というか、回答と思われる 説明を提示してみます。 答え:「作者(文章)が「電波」(意味不明)だから」 説明:この該当小説「邪神戦線2062」を始めて読んだ時、 例えば、章タイトルが >序奏曲 魔宴へ、黒き碑に踊れ という名前だったりしますが、これをはじめて見たとき、 「私」という読者は、思わず「ハァ?」と思ってしまいました。 タイトルから内容が想像できない、「意味不明」なタイトルだったからです。 また、該当箇所の(1−1) >(1−1) > ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。オール >ドアークはスラム街出身の少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルを >すべて吐いた。一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。 というのも、作者にとっては理解できると思われる内容も、私(読者)には一目では理解できない「意味不明」な内容でした。 ここの皆様と比べると、あまり本を読んでいないし、 文章をあまり書いたことのないと思う私でも、この文章を読んだ時、 「この文章では、まったく理解できない!」 と「単純に」思ったのです。 新木氏のヒント(ハンスさんのメールの件、「烙印」、「読まずに一瞬で捨てている文章」、そして最終ヒント)と、 私の印象を元に考えると、多分この答えではないか、と思いますが。 (「読まずに捨てている文章」で少し迷いますけど、私の場合、新聞などは、自分に関係ない、興味のない記事はタイトルや欄などの時点で読み捨てる、家に来たはがきなどは、自分宛でない名前のものはその人宛の手紙を置くところにおく、とかしていますので、どちらかというと、「章タイトルの時点で駄目」という方が正解でしょうか)   ……というか、問題の小説の章タイトルを見たとたん、 「これって、一体……」という匂いがぷんぷんしていたしなあ……。 今、電撃大賞用に長編小説を書いていますが、今のところ誰にも見せていないので、 他人に読まれたときに、こう思われてしまわないか、大変不安になりました(笑) 新木氏も、書いておられましたが、「作者が読む」のではなく、 「読者が読む」という視点が改めて大切なことが分かりました。 突然の書き込み、どうもすいませんでした。 それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 三人称 No.6357 投稿日 2003年3月15日(土)21時43分 投稿者 甘夏  課題部屋にあげておきました。  私、本来のスタイルで書いてみました。  何度も見直しはしたのですが、所々視点が混在しているかもしれません。  ガンガン叩いてやってください。  視点、主観語、客観語以外でもなんでも構いません。  限られた時間で、吸収できるものはなんでも吸収するつもりですので。  30字改行は私の趣味です。  秀丸で書くさいに、他所に持っていくとヘンなところで改行がかかったり  やたらと横に長くなるために改行してあります。  読みにくいようでしたら言ってください。  書き直してあげなおします。 -------------------------------------------------------------------------------- 春雨 No.6358 投稿日 2003年3月16日(日)01時33分 投稿者 弟切 千隼 今日の湘南には、春らしい柔らかい雨が降りました。 この時期に雨が降ると、杉花粉が飛びにくくなるため、杉花粉症の弟切にとっては症状が緩和されてありがたいです(^_^) 甘夏さんへ > 課題部屋のNo.422を読みました。 心に棚を作って、指摘させていただきます。 えーと、まず言いたいのは、主観語/客観語以前に、 「誤字脱字を減らしましょう」 ということです。 『それなりに賑わっている終末の商店街』 で、私はずっこけました。 それと、甘夏さんは、「漢字を開く/開かない」という判断が、うまくできていないようですね。 例えば、 『お好み焼きを売るお兄さんも横目で事の顛末を伺っている』 という部分は、『横目』・『事』・『顛末』・『伺』と、画数が多かったり、あまり漢字表記されなかったりする漢字が連続するため、文が堅苦しく、重く感じます。 若い男女−ですよね?−の痴話げんかを書いている文章としては、重すぎるのではないでしょうか。 さて、主題の主観語/客観語について指摘する前に、甘夏さんにお訊ねしたいことがあります。 この文章は、三人称なのですよね? 同じ三人称でも、「神視点」・「完全客観視点」・「キャラ寄り視点」など、いくつかの視点があり得ます。甘夏さんは、どの視点のつもりで書かれたのでしょうか? 簡単に、各視点について説明しておきます。 神視点:全能の神さまの視点なので、その場に起こっていることを全て把握できる。誰かが頭の中で考えていることも全て筒抜けで、書くことができる。 完全客観視点:「完全客観」なので、誰かの心の中に入り込んでその思考を書くことはできない。映画のカメラのように、その場に起こっていることを外から映している感じ。 キャラ寄り視点:ある特定のキャラクターのそばに、常に視点が固定されている。そのキャラクターの肩の上に映画のカメラが乗っかっていて、周囲を映していると思えばよい。そのキャラクターの心の中に入り、思考を書くこともできる。 甘夏さんがどの視点で書かれたかにより、指摘の内容が違ってきます。上記の質問に答えていただけなければ、甘夏さんがどこまでわかっているかが私にはわかりませんので、指摘のしようがありません。 限られた期間しかここにいられないということですから、できるだけ甘夏さんの身になる指摘をしたいです。 -------------------------------------------------------------------------------- まぬけ一号 No.6359 投稿日 2003年3月16日(日)13時40分 投稿者 風輪 玲 >思考のしかた  とんびの羽根さんが的確に言語化してくれたので、少し冷静になれました。  ありがとうございました。  何を探せばいいのか、どこを探せばいいのか──と、手探り状態でしたから。 >読み捨てポイント >>「裸足で逃げ出す」ほどの理由になるものって、ないかな?  読者に災いをもたらす文章──と、連想しました。 ・読むと必ず死ぬ ・読むと発狂する  ……おいおい。  そんな、ある意味「すごい」文章は、私には書けません。  レベルダウンさせると、 ・読むと精神的ダメージを受ける  読むこと自体が、拷問というか。  安眠できなくなる、食事が喉を通らない、気分が悪くなる──。  つまり、読者にストレスを与える文章です。     該当する場所は回想のため、マイナスイメージを逆転する余地がありません。  通常、同じく共感したくない「追われる」という極限状態のほうは、現在形のため、主人公がプラスへと変える可能性が残されています。  違いといえば、その一点が挙げられます。  しかし。  すっかり自信喪失して、これを正解だと言えなくなってます。  私、「限界を超える」とか「盲点を発見する」といった経験をまったく積んでいないんですね。  いまさらながら、気がつきました。  -------------------------------------------------------------------------------- 雨がやめば春が来るそうです。 No.6360 投稿日 2003年3月16日(日)20時32分 投稿者 甘夏 >弟切さん  誤字脱字、については完全に私の不注意です。  申し訳ないです。  わざわざ時間を割いて読んでいただくのに……  漢字の開き方についても、意識していませんでした。  画数、同音異義語、何年生で習う漢字か、等々  を検討して開く開かないの判断をする必要があります。  が、このシーンは非常に重苦しいシーンです。  逆に、商店街を抜けてからはふっと緩んだ感じになります。  視点については、三つのうちで選べと言われると困ってしまいますが……  陽子寄りの語り部視点、と言ったところだと思います。 (新木さんに言うと『そんなのない』と切り捨てられそう)  まず、陽子寄りです。かなり陽子を中心に描いています。  が、弟切さんの言うように >>キャラクターの肩の上に映画のカメラが乗っかって  は、いないです。  カメラは少し引いた場所にあります。  キャラ寄り視点のカメラ同様、陽子の内部に入り込みます。  そのカメラは意思を持っています。思考します。  カメラというよりは、やはり語り部に近いと思います。  と、こういうつもりで書きました。  自伝とかを書くときの書き方に似ていると思います。 >さあ、やるぞ。 >エジソンははりきって発明にとりかかりました。  のような感じです。  おわかりいただけましたでしょうか?  もしかしたら、視点が激しく壊れているだけかもしれません。 ◎待ち合わせに遅れたことを怒る女と、謝る男 >そこに表示されている時刻が「12:05」なのは、わたしがわざと五分時計を進めてあるせいだ。  一人称、ということは完全主観ですよね?  携帯の画面に表示されている時刻が「12:05」だなぁ、と主人公は感じたのか?  やはり主人公の中に読者を突っ込むなら、  新木さんや紫さんのおっしゃるように  12:05 と主人公の視覚をすぱっと出したほうがいいと思いました。 >約束の十一時半を過ぎても、あいつは一向に来る気配がない。  現在の時刻が12:00(05)ですよね。  約束の時間をもう三十分も過ぎてるわけじゃないですか?  それなのに、主人公は  あぁ、約束の十一時半過ぎたのにまだ来ない。と思っているのでしょうか?  少し不自然だと思います。 ===  約束は十一時半。  もう三十分もたってるっていうのに、あいつは一向に来る気配がない。 ===  くらいのほうが自然じゃないかと思いました。  約束の時間に三十分遅れるっていうのはけっこう大きいと思いますよ。  他には……  紫さんの言うように >辰樹の声が後ろから追いかける。  は、視点が辰樹に移ってますし、 >辰樹の手がわたしの肩にかかる。  は、主人公が知らない情報が書かれてしまっています。  あとは、細かい突っ込みですが。 >あんたの謝罪って当てにならないから。  大学生の女の子が謝罪って普通、言いますかね。  ちょっと堅苦しすぎる気がします。  ごめんごめんと、二度も言っているのですから、 >あんたの『ごめん』って当てにならないから。  くらいのほうが自然かなぁと。 >子供を抱いたお父さん、その後を小走りに追うもう一人の子供  は、以前新木さんがおっしゃっていたように、  子供子供と二度も繰り返すのは避けたほうがいいかな、と。  さらに、この『子供』が『お父さん』の『実子』であると、取られてしまうと、  主人公が知るはずのない情報を書いてしまっていることになります。  他所のお子さんを預かっているだけかもしれませんし。  性別で表記(少女、少年等)するだけでも、かなり違うと思います。  自分ができてもないくせに、他人の文章に突っ込むな。  と、言われてしまえばかえす言葉もありませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- 削りカスと思考法、主観語客観語と思考法 No.6361 投稿日 2003年3月17日(月)00時08分 投稿者 とんびの羽根 >No.6355 新木さん >> 削りカス中のブロックの数は7つか8つか、まあそのくらい。 >> そのすべてに対して、7回やら8回やら、思考を重ねればいいわけです。  これは要するに8x8=64回思考しろということです。  ところがこれを読んだ場合、たった2行に濃縮された指示から、これくらい同時にできるだろうと甘く見てしまうのですね。  7つや8っつのブロックをみるくらい1回でできるだろう。  それ一つごとに7つや8っつ考えるくらい1回でできるだろう。  なんだ2回考えれば答えが出るはずだ、おかしいな、なんで答えが見つからないんだろう(悩み)  ちなみに読んだ瞬間に一発で「ここ駄目だ、読めん」と思ったひとは、思考は8回で済みます。それもうまくいきゃ一発ですね。 (わたしの場合はまだ一発なんてのは無理ですが、悪食だし) >>思考法については、各自でなんとかせいや  風輪さんも、なんとかするでしょう。まあ今回失敗したとしても、なぜ失敗したかを納得できれば充分だし。 >No.6357 甘夏さん >>30字改行は私の趣味です  引用するとき、改行位置を直すのがちょっと面倒でした。 >No.6360 甘夏さん >> 自伝とかを書くときの書き方に似ていると思います。 >>>さあ、やるぞ。 >>>エジソンははりきって発明にとりかかりました。  これはどうみても「自伝」の文体ではないですよ。  子供向けの「エジソン物語」ならわかりますが。  他人に説明するときに言葉をよく考えずに使えば、伝える意志そのものがあやしく感じられてしまいます。 >>自分ができてもないくせに、他人の文章に突っ込むな  これは、ここでは通用しません  自分が出来るかどうかは別として、どんどん書き込んでください。  ただ、いまは主観語客観語の指摘に集中したほうがいいですよ。  なぜかというと、脱線するおそれがあるからです。  それに現状ではまだ、みんな主観語客観語の特定はできないですよね。  こういう状況で主観客観について考察することと、主観語客観語がどれかを特定することを同時にしようとすると、混乱します。  上にも書きましたが、問題点の特定と理由を同時に考えようとすると、ちゃんと思考出来なくなります。  たとえ自分がわかっていても、わかっていない別の参加者が読んだらわからない、ということも知っておいてほしい。  ですから主観語客観語の特定をする思考プロセスと、理由を示す思考プロセスを、同じ段落の中でしない方がいいですよ。  段落の分け方は「特定 理由、 特定 理由、 特定 理由」でも「特定、特定、特定 理由、理由、理由」でもかまいません。  言葉の特定と理由を分けるのは、理由の分析、理由の関連づけ、理由の体系化、理由の実証、および参加者どうしでコミュニケーションをしやすくするのにも役立ちます。 -------------------------------------------------------------------------------- >読み捨てポイントと思考法について風輪さんへ No.6362 投稿日 2003年3月17日(月)01時05分 投稿者 とんびの羽根 >No.6344 風輪さん >> 読み捨てる理由が20以上でたので、さらに抽出してみます。 >>A 他人が読むことを前提に書かれていない文章 >>B 書き手が想定した読者層から外れる文章 >>C 読者の興味をそそらない文章  これ全然抽出したことになってないですよ。  自分がすでにもっている認識に当てはまるものに、まとめただけ  こんなことしたら、自分の盲点になっているもの、発想の外にあるものは抜け落ちてしまうに決まってますよ? >No.6359 風輪さん >>>>「裸足で逃げ出す」ほどの理由になるものって、ないかな? >> 読者に災いをもたらす文章──と、連想しました。 >>・読むと必ず死ぬ >>・読むと発狂する >> レベルダウンさせると、 >>・読むと精神的ダメージを受ける >> つまり、読者にストレスを与える文章です  ヒントを与えられると思考しなくなるのではないかと危惧してましたが、想像通りというか。  せっかく80個以上も理由候補が出てるのですからその中から上位10個を抜き出してくる(一つ上の段落みたいな「抽出」は無効です)そのうえで一個ずつ検証していきましょう。もちろん今考えついたものもその中に加えてかまいません。  また(1−1)についても上位10個、(2)についても上位10個抜き出してみましょう。  そのうち確実に違いそうなものを2−3個理由を明確にしたうえではずし、残り7個について検証していくわけです。  これくらいはしないと、話にならないんじゃないかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 春先は、一雨ごとに暖かくなる No.6363 投稿日 2003年3月17日(月)01時48分 投稿者 弟切 千隼 と、昔からいわれていますね。 昨日に続いて、湘南は今日も雨降りです。しとしとと降る春雨は、春の足音を伝えているようで、朝晩の冷え込みがゆるんできました。 >>主観語/客観語課題 以前、上げたもの(課題部屋のNo.417)の三人称版を、課題部屋に上げておきました。 完全客観視点で書いたつもりです。 甘夏さんへ > 一人称版(課題部屋のNo.417)への突っ込みありがとうございます(^_^) とんびの羽根さんがおっしゃるとおり、「自分ができていないのに他人に突っ込むのは……」という遠慮は、ここでは無用です。「他人のことなら冷静に見られる」という多くの人間に共通する資質を利用して、大いに突っ込んで下さい。 甘夏さんやその他の方々に指摘されたように、課題部屋のNo.417では、視点保持者が知りようのない情報まで書いてしまっている部分がいくつかあります(^^; 一人称としては、これは明らかに失敗ですね。 精進あるのみです。 『12:05』という時刻表示の出し方や、『約束の十一時半を過ぎても、あいつは一向に来る気配がない』という部分についても、甘夏さんが指摘されたように修正したほうがわかりやすいな、と思いました。 ただ、『あんたの謝罪って当てにならないから』については、意識して「謝罪」という堅苦しい単語を用いました。 理由は二つあります。 一つは、この台詞の後ろのほうで『わたしばっかり、振り回されるのはもうごめんだわ』と、「ごめん」という言葉を使っているため、同じ言葉を一つながりの台詞に入れることを避けたかったからです。 もう一つは、普段使わない堅苦しい単語を主人公に使わせて、彼女が甚だしく怒っていることを示したかったからです。 それでも、多くの読者さまが、上記の効果より違和感のほうを強く感じてしまったならば、それは私の失敗ですね。 課題部屋のNo.422への指摘−主に視点に関して−は、次回に回させて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 読み逃げポイント No.6364 投稿日 2003年3月17日(月)21時25分 投稿者 風輪 玲 >とんびの羽根さん >>こんなことしたら、自分の盲点になっているもの、発想の外にあるものは抜け落ちてしまうに決まってますよ?  うーん。  その盲点をどうやって見えるようにするか、それが問題で悩んでいます。  新木さんが提示した思考のしかたというのを、   傍証を積み重ねて、実地検証をしてみる──と、私は理解しました。  その方向性で傍証となりそうなサンプルを出してきました。  が。  ようやく間違いに気付きました。  「読み捨てポイント」を「読むのを止める」「読み飛ばす」といった系統と誤解していたのです。  サンプルを探す方向性が違っているため、いくら数を出したところで「一発NG」を見つけることはできません。  偶然に頼らず正解を導き出すには、読み捨てのさらに上位の「読み逃げポイント」をサンプル出しする必要があったのです。  勢い込んで「読み逃げポイント」のサンプル出しをしようとして──はた、と気付きました。  サンプルが引き出せないのです。  悪食読者の私には「読み逃げ」した経験がありません。  「読むのを止める」「読み飛ばす」なら経験があるのでサンプル出しできました。けれど「裸足で逃げ出す」ほどの「読み逃げ」経験がないのです。  そう、私は「読み逃げ」に不自由な人だったのです。  そういうわけで。  お手数ですが、どなたか、「読み逃げ」を経験できるオススメ本を紹介してもらえないでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- >No.6364 風輪さん No.6365 投稿日 2003年3月17日(月)23時24分 投稿者 とんびの羽根 >>その盲点をどうやって見えるようにするか、それが問題で悩んでいます  「盲点が見えるようになったら、思考ができるようになる」ということを考えてるのでしょうか?  わたしが考えていたのは、盲点は見えないということです。  見えないものは、見えないまま処理して、あらゆる候補を出し、比較検討し、当てはめてみて順番に解答とならないものを外していくわけです。この過程を思考するというのではないのでしょうか。盲点の部分が認識できるようになることが、思考するための理由であり、目的なんじゃないでしょうか。  あらゆる可能性を検討して、最後に自分でも理解できなかったものが残って、「あああっ!これが盲点だったのか!?」という発見をすること。自分の視野と認識が結果として広く深くなること、それが思考の目的、結果だと思うのですが。  ひょっとしてわたしのほうがまちがってるのでしょうか……。  自分でわからない感覚をみつけるためには、自分だけで考えずに、他人が読めなかったという経験、事例を比較検討しなければならないはずです。  ここで他の参加者がいろいろと例を出してきたでしょう? 80個以上も。  それをそのままで比較検討していくという作業をしましたか?  それとも他人の意見を一切参考にせず、自力で自分の見えないものを見つけようとしてる? というか、見つけられる方法があると思ってる?  急いでアップします。  わたし自身考えが、まとまってないかもしれませんが、風輪さんのやろうしてることが根本的に違ってるような気がしますので。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6366 投稿日 2003年3月17日(月)23時33分 投稿者 新木 伸 >甘夏さん  30字改行。  普通、小説というのは、一行の想定文字数を決めて書くものなんですけど。  書いているときに30文字ならば、30文字でアップしていいと思います。  僕は文庫本のレイアウトが染みついてますので、1行は40文字で書いています。  また仕事の小説を書くときには、39文字か、42文字で書いています。(ファミ通文庫は39文字、電撃は42文字)  秀丸を使っているなら、フォントサイズを調整すれば、画面の横幅に42文字くらいまで、余裕で収められるはず。(だいぶ小さくなってしまうけど)  通常、1024×768ドットの画面サイズで、18ポイントのフォントサイズで全角40文字が可能です。  一般的には、1行は40文字となります。これが普通。  会社や教育機関などでも、これが一般的じゃないかな。A4横書きで、10ポイントの文字サイズで、横一行は40文字。縦50行にて1ページ。紙の書類がそんなもんですから。  この1行40文字が「変に長い」と感じる場合は、自分の感覚を「普通」に慣らしておいたほうがいいです。 >主観語客観語課題  三人称の中で、いちばんナチュラルなのは、「作者視点」ってやつかなぁ。  「作者=書いている人」なわけで、書いている人が知っていること、理解していること、注目していること、そういうことを、そのまま書いてしまえます。  客観視点だと、作者以外の別の視点を持っている「客観視点の持ち主」を想定しなきゃならない。  神視点や語り部視点でも同様。「神様」とか「語り部」とかを、別に想定しなきゃならない。作者から見える物事を、その視点保持者からではどう見えるかコンバート(変換)する手間が1段階ほど入ります。  「キャラ寄り視点」にしても、「キャラの肩の上あたりに浮かびつつ、心理にも片足を突っ込んでいる視点保持者」を意識しないとならないし。  んで、誤字脱字に関しては、べつにあったところでたいした問題でもないんだけど、ここの住人は僕にみっちり仕込まれてるせいで、「誤字脱字があるとそれだけでやる気をなくす」――あたりにきています。もう条件反射的に「誤字脱字がある→読まない」となってます。  精読しようとするモチベーションに大きく影響しますから、まあ、誤字脱字はゼロにしておいたほうがいいでしょう。きちんとチェックしてもらいたいなら。 >視点とか >>見渡せば、駅前広場には多くの人がいた。子供を抱いたお父さん、その後を小走りに追うもう一人の子供、買物カートを引きながらゆるゆると歩くおばあさん、腕を組んだ男女の二人連れ。 >>この『子供』が『お父さん』の『実子』であると、取られてしまうと、 >>主人公が知るはずのない情報を書いてしまっていることになります。  甘夏さんがいい突っ込みをしているので、これをケースわけして補足してみます。 ○男性の抱っこしている子供が実子であると「知っている」視点 ・神、作者、(語り部) ○男性の抱っこしている子供が実子であると「知らない」視点 ・一人称「わたし」、三人称キャラ寄り視点、三人称客観、完全客観、語り部  このように、すっぱり、はっきり分けられます。  まず神視点。  神様はなんでも知っているので、もちろん、男性と子供が「親子」であることを知らないはずはありませんね。  そして作者視点。  その二人を登場させたのは作者なのですから、男性と子供の関係が「親子」なのか「預かっているだけ」なのかは、当然知っているはずです。  作者視点というのは、神視点よりもレンジが狭いですが、まあ限定的に全知であるといえます。(神視点っていうのは、作者の知らないようなことまで知っている視点のこと)  「語り部」はどちらの側にもなれます。知っていることにもできるし、知らないことにもできるからです。まあ普通は「知らない」ほうになることが多いかな。  そして、「胸にいる男の子は、彼の子供なのでしょう。2歳くらいの男の子が抱っこされて笑顔を浮かべています」とか、そのように語られるわけです。この語り部視点は知らないので「推測」しているだけ。  一人称視点では、無論、知りません。  しかし「親子」と第一印象として決めつけてしまうことは可能です。  三人称キャラ寄り視点でも、主人公が知らないことは、やはり知りようがありません。  三人称客観。これも知りません。  三人称客観というのは、6360で甘夏さんが書いているような、「少し引いたところにあるカメラ」に相当する視点です。まあ同じ場所にいる幽霊みたいなものですね。  その場面に出てくる登場人物は、この視点保持者の存在に気づきません。認識しません。視点保持者が、ただ一方的に観察するだけの視点です。まあだいたい、主人公と同じ部屋や場所にいます。  この視点保持者は推測をまじえることもできます。「たぶん親子だろう」と推測できます。  また決めつけることも可能です。「親子だ」と決めつけてしまえます。たとえその「断定」が間違いであろうとも、決めつけることは可能です。時に間違うこともあるのが主観というものですので。  また感慨をいだくこともできます。「可愛い」という感慨も、その視点保持者の主観として書くこともできます。  そして「完全客観」というのは「あらゆることを認識しない視点」なので、もうデフォルトで知っていません。この視点では「親子だろう」という推測さえ行えません。推測するというのは、考えるということです。思考する主体があるということです。完全客観視点では「主体」を設定しません。  視点を考えるときに、「幽霊」って概念を使うと理解が早いかも。  幽霊には色々ありますよね。  浮遊霊とか、人物に取り憑いている霊とか。  三人称キャラ寄り視点というのは、キャラに取り憑いている幽霊ってことです。  キャラクターから離れることができません。また取り憑いている関係上、キャラクターの思考まで覗きこむこともできます。  また浮遊霊というのが、いわゆる一般的な三人称にあたります。  ここでは「三人称客観」としてます。  そして幽霊は思考する存在です。感慨を抱くこともできるし、主観語も持てます。勝手気ままにあちこち漂っていけますが、まあいちばん関心を抱いている人物(主人公)がいて、だいたいそこにいます。しかし時には「敵役」が悪だくみしている場面なんかに、ぽっといたりします。  そして、ここで「完全客観」と言っている視点は、それらの幽霊さえも存在しない視点のことです。したがって、かなり特殊です。ピンとこない場合には、考えないほうがいいです。混乱するだけですから。  普通の三人称を自在に使いこなせるようになってからだと、たぶん理解できます。  ――で、色々と視点について書いてきてますが。  市販小説でさえ、その80%は、「作者視点」で書かれています。  とりあえず、オーソドックスでナチュラルな三人称を身につけるつもりなら、それからやるべきでしょう。 >思考法 >とんびさん >>これは要するに8x8=64回思考しろということです。 >>ところがこれを読んだ場合、たった2行に濃縮された指示から、これくらい同時にできるだろうと甘く見てしまうのですね。  できますよ。  プロは。  僕らは、それは普通に出来ることだろうと感じて、アマチュアがどうして出来ないのか悩みます。  そしてアマチュアは、それが自分に出来ていると考えて、どうして答えが見つからないのかで悩むわけです。  実際にできていないのに、どうしてできると思いこんでしまうのでしょうか。  この自分の実力の見込み違いは、どうしたらいいもんでしょうか?  プロの場合は、一瞬でできるかどうかは問題にはなりません。一瞬でできないのであれば、8×8の回数を行えばいいわけです。多少の時間がかかってもかまわない。  重要なのは、答えを出すこと。  そこに至る方法は、どうだっていいんです。一瞬で判明する楽ちんな方法であっても、しらみつぶしの苦労する方法であっても、どっちだってかまわない。必要ならばどんな手間だってかけます。手間の大小なんて、はなから問題にしてません。  アマチュアの場合は、「手間」の大小が問題となるのかな?  楽ちんな方法以外は、はじめから念頭にないとか? 一瞬でわかる楽ちんな方法以外は、取りたくもないとか?  楽な方法で達成できないようなら、答えはいらない? >読み捨てポイント  おお。風輪さんが、いいところに気づいている。  「読み捨て→読み逃げ」の概念転換を、自分で行いましたね。僕の仕掛けた「誤誘導トラップ」を、ひとつクリアしたことになります。  この課題、自分で思考して、自力で正解を導き出せるようになることが目的となっていますので、色々と仕掛けてあります。  いくつかの袋小路に迷い込みやすくなる仕掛け。思考の袋小路に入り込んでから出てくると、次にその袋小路に入りそうになったときには本能的にわかるようになりますので。  もうひとつふたつ、誤誘導の袋小路は仕掛けてありますので、できればもっと思考して前進して、全部のトラップに引っかかってくれると嬉しいなぁ。  週明けが来ましたが、風輪さんはまだリタイアしないようなので、正解を出す期限は伸ばします。  ちなみに、それなりの量の思考を行っても前進できない場合には、かならず、なんらかの袋小路に入っているのです。  「思考」のなんたるかが分かってもいないってのでは話にもなりませんが……。  「思考」のなんたるかが分かっている人は、一定量の「思考」を行っても成果が出ないときには、袋小路にいるのだと仮定して、盲点を探すことを始めるものです。 >ナイスなヒント  以前、ハンスさんから送られてきたメールが「良いヒント」になるという話をしました。「ぜひアップさせてください」というお願いをしていましたが、結局返信はなし。  しかしここにきて、掲示板状にばっちりのヒントが書き込まれました。  哀原友さん。それです、それ。  あなたの書き込み、それがもう、ばっちりのヒント。ハンスさんのメールとばっちり同じ。  さて……。  多くの人は、6356の哀原さんの書き込みを見かけて、もう一瞬にして、「逃げ出したくてたまらない心境」になったかと思います。  実際、皆って無反応だし。  実際に「読み捨て」を行っていて、内容を読んでない人も多いんじゃないかな?  それは、なぜ?  どのあたりのことが理由となって、「読むまでもなく一瞬にして」、読み捨てることが決定されてしまったわけですか? -------------------------------------------------------------------------------- 今日の月は丸いけど小さい。 No.6367 投稿日 2003年3月17日(月)23時44分 投稿者 甘夏 >とんびの羽根さん  改行位置については、面倒をおかけしました。  申し訳ないです。  あと、『自伝』に関しましては、私の勘違いです。  物語。という、とんびの羽根さんの表現がぴったりです。  思考プロセスの書き方については  おそらく私の読解力不足だと思うのですが  いまひとつ理解できませんでした。  たぶん、  それが客観語であると特定する段落。  と  それが客観語である理由の段落。  を分けたほうがいい。というような話だと思うのですが。  もう少し、説明をいただけますか?  お手数をおかけします。 >弟切さん  一人称のところでこれは? というところ発見。 >>わたしはくるりと回れ右をして、すたすたと歩き始めた。 『すたすたと』は客観語なのでは? ◎主観語→キャラが思ったり感じたりしたこと。      キャラが意識して取った行動。  というように私は認識しています。  主人公は【意識して】すたすたと歩き始めたのでしょうか? 『すたすたと』歩き始めたと思ったのは、作者である弟切さんでは?  ちなみに、私の客観語の定義は ◎客観語→作者が意識したり思ったりしたこと。  となっています。  と、いうわけで『すたすたと』は客観語じゃないかなぁと。  あ、同じ理由で『くるり』も客観語になるんじゃないかなぁと。 >>辰樹の手をぴしゃりと払いのけて、わたしは彼に向き直った。  の『ぴしゃり』も同様。  視点を持つキャラが取った行動にくっつく擬音語擬態語等の状態副詞は  主観語、客観語の書き分けの際、かなり注意するべき語ではないかと。  勉強になります。 >馬宮さん。 >>コンクリートは、照りつける日射しによく焼けていた。  この文章以外は主観語、客観語に関しては気になるところはなかったと。  この文章の気になりどころ。  コンクリートはよく焼けていた、  なら、そう主人公が感じたのでしょうから主観語でOKだと思います。  が、その理由を『照りつける日射し』のせいだと主人公は思ったのでしょうか?  この辺が主観語、客観語のネックだそうです(新木さん談)  時間切れなので、続きは明日へ。 -------------------------------------------------------------------------------- 梅は咲いたか桜はまだか No.6368 投稿日 2003年3月18日(火)01時16分 投稿者 弟切 千隼 各地の梅便りが本格化して、早咲きの梅はもう散っている頃ですね。 もうじき、日本人の大好きな桜の季節がやってきます。 実は、弟切は多くの人に好まれる染井吉野−青森県以南・鹿児島県以北で、一般的にお花見の対象となる桜の品種−よりも、少し遅れて咲く八重桜のほうが好みです。けれども、お花見にかこつけて飲み食いするのは大好きです(笑) 甘夏さんへ > 課題部屋のNo.422について指摘させていただきます。 えーと、これの視点は……三人称陽子寄り語り部視点ですか? ちょっと確認させて下さい。 甘夏さんが『意思を持ったカメラ』と表現しておられる視点保持者は、陽子に取り憑いている背後霊のようなものと考えればよいのですね? その背後霊は、常に陽子の周囲をうろうろしていて、基本的には周囲を客観的に観察しています。陽子の中には入ることができるものの、他の人の中には入ることができません。普段は、周囲のことも陽子の内部のことも客観的に描写し、時々自分の意見や判断を加えて描写します。 とりあえず、視点保持者が上記のように設定されているという前提で、話を進めます。 以下に、No.422から実例を挙げて、おかしいと感じた部分を指摘してみます。 冒頭から二行目に、『陽子は〜』とあるので、ここで三人称なのは決定します。 続いて『嫌味に聞こえるように語調を選んで』と、陽子の心の動きが書かれているため、読者さまは「(キャラクターの内部に入れる)キャラ寄り三人称か、または(何でも筒抜けの)神視点三人称か、神視点よりは限定されている作者視点か、語り部視点だな」と判断するはずです。 ここまでは、特におかしいとはいえません。 次の行の『当然、陽子は怒っている』で、早くも私は引っかかりました。 一つは、すぐ前に「陽子」という名前が示されているため、同じ名が連続して出てきてうざったく感じたからです。ここは「彼女」にすべきでしょう。 違和感の原因としては、もう一つのほうがもっと重要です。 『当然、陽子は怒っている』というのは、説明ですよね。描写とはいえません。 小説ならば、説明ではなく、どんなふうに怒っているのか描写しなければなりません。 一人称ならば、「あたし、怒ってるんだから!」といったそのまんまの表現はありでしょう。けれども、これは三人称ですから、そうはいきません。 外から見て陽子が怒っていることがわかる描写をするか、一時的に陽子の中に入って彼女の心理を描写するか、どちらかしかありません。 『陽子は怒っている』というのは、明らかに外から彼女を見た時にしか出ない書き方です。しかも、何ら具体的な描写を伴わない「説明」です。 このままでは、怒っている人をそのまま「怒っている」としか表現できない小学生並みの「背後霊」視点になってしまいます(^^; これは、そんな珍奇な視点保持者を出さなければならない作品ではありませんよね? 三行目の違和感を引きずったまま読んでゆくと、八行目に『浩太にもそれは十分伝わっているらしい』という文が登場します。 私はここでまた引っかかりました。 『らしい』というのは、誰かの判断に基づいた表現のはずです。この『らしい』は誰の判断でしょう?  浩太でないことは確かです。残りの登場人物は陽子しかいません。 しかし、先ほど『陽子は怒っている』とわざわざ外から「説明」してくれた視点保持者もいるはずです。 この『らしい』はどちらの人物の視点なのか、まったく手がかりがないために、読み手は混乱します。理解できないものを読むのは苦痛なので、そろそろ読むのをやめたくなってきます。 というところへ、『終末の商店街』がとどめを刺してくれました(笑) 以上、簡単な指摘でした。少しでも甘夏さんの糧になれば、と思います。 -------------------------------------------------------------------------------- >主観語、客観語 No.6369 投稿日 2003年3月18日(火)01時41分 投稿者 新木 伸 >主観語、客観語  見方を知って、気を付けて見るようにするだけで、けっこう甘夏さんも分解能があがってきましたね。 >>コンクリートは、照りつける日射しによく焼けていた。  「コンクリートがよく焼けている理由」が「照りつける日差し」であると思考しているのは、たしかにNGですね。  これは「作者の主観」から出てくる言葉。  つまり主人公以外の別な人間の「主観」に基づく表現。  「客観」の定義は、「別な人間の主観に基づく判断」ですから、これぞまさしく、「客観語」というものです。  ただし、場合による。  というか、キャラによる。  たとえばこれが理系眼鏡っ子、科学部部長――とかいうキャラであれば、これ「主観語」としても問題ないです。「頭の中の思考まで理屈っぽいキャラ」とかいうなら、それはOK。  まあ馬宮さんのサンプルで出てくる主人公の女の子は、そういうのではなさそうなので、これはうっかり混じってしまった客観語として判断するべきでしょう。  ここをNGを出ないように直すとすると、こんな感じ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  照りつける日差しの下。コンクリートはよく焼けていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  プールサイドにいる人物ならば、「照りつける日差し」が意識に上っていてもいいでしょう。だって、いま、まぶしいしー。  またそこを歩いてきた人物であれば、コンクリートがよく焼けていたことを意識していて当然です。だって、いま、足が熱いしー。  この場合も、まず、キャラが感じていて然るべき一時情報としては、「まぶしくて肌がじりじりする」「足が熱い」ということがあるわけです。  そこから一段階だけ、思考させていますよね。「なぜ、まぶしくて肌がじりじりしているのか?→日差しが照りつけているからだ」とか。「なぜ、足が熱いのか?→コンクリが焼けているからだ」  そして文章として書いているのは、その思考結果のほう。  「日差しが照りつけている」「コンクリが焼けている」  ここで一時情報のほうを書いてしまってもいいです。  「肌がじりじりとした」「足の裏が熱かった」  ただしこれだと、読者に不親切です。  読者はなぜ肌がじりじりするのか、足の裏が熱いのか、瞬時には理解できないからです。  そこで主人公が考えていてもおかしくないような「理由」が書かれていると、すごく簡単に胸に落ちるようになります。いわく、「日差しが照りつけているから」「コンクリが焼けているから」  しかしここで、「なぜ、足が熱いのか→コンクリが焼けているからだ。なぜ、コンクリが焼けているのか→日差しが照りつけているからだ」と、三段論法まで行ってしまうのは、常人の思考とはいえません。  人は無意識的には、そこまで物を考えない。  そこまで考えているというのは、大変、嘘くさい。  ところで――。  一人称の中に混じっている客観語を見つけ出したときには、僕がやってみたように、どのように直せば(最低限の修正で)主観語にできるかまで考えるようにすると、自分の文章を直す際にも応用が利くので良いですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 思考法関連 No.6370 投稿日 2003年3月18日(火)01時45分 投稿者 とんびの羽根 >No.6366 新木さん >> できますよ。 >> プロは  そりゃそうです。でなけりゃ現実の問題解決なんてできるわけありません。  二段階で考えるということを2回の思考ですむと錯覚してしまうのが問題なのです(いや風輪さんの場合1回で済むと錯覚してる段階だった、またなんかの本を教えてもらえれば済むみたいなこと書いてたし) >>この自分の実力の見込み違いは、どうしたらいいもんでしょうか?  単にプロセスを体で覚えてないだけでしょう  学校の授業じゃ問題点を見つけ出すというプロセスを教えてないし、テストはマークシートで三択から五択を一回するだけですから、思考することが何かわからないまま大学生になってしまえる(今はどうなのか現場を知りませんけど)  しかし本当どうしたらいいもんでしょう、義務教育中になんとかならんのかな、思考というのは「よみかく」をささえるものなんですけど。 >No.6367 甘夏さん >> それが客観語であると特定する段落。 >> と >> それが客観語である理由の段落。 >> を分けたほうがいい。というような話だと思うのですが。  その通りです。わかりにくくて申し訳ないです。わたしはかなり説明下手なんで、これまでにも何度もリテイクさせられてますが、なかなか上達しないですね。  たとえば下記の例は視点の移動について書いておられますけど、視点の移動を書く定位させている言葉の場所の特定、理由がぱっと見で、非常にわかりにくいんです。 >>>辰樹の声が後ろから追いかける。 >> は、視点が辰樹に移ってますし、 >>>辰樹の手がわたしの肩にかかる。 >> は、主人公が知らない情報が書かれてしまっています。  後の説明を読んでから、その前のどの部分のことを指しているのか読者はもう一段考えないといけないのです。問題点の位置と理由の対応関係がわからないため一読しても、すっと頭に入ってきません。  それだけでなく、あとから似た理由をさがしたり、別の人の指摘と比較したいとき、検索がしにくいという問題もあります。  引用: >>辰樹の声が後ろから追いかける。  問題のある言葉の特定:「追いかける」  問題となる理由: ひとつの文章の途中で視点が移動している   書き方は甘夏さんのご自由ですけど、上のように引用文と、問題の場所の特定と、理由とを視覚的に離れてくっきりと見えるように書いて頂けたらありがたいな、ということです。 >>>>わたしはくるりと回れ右をして、すたすたと歩き始めた。 >>『すたすたと』は客観語なのでは? >>◎主観語→キャラが思ったり感じたりしたこと。 >>     キャラが意識して取った行動。  上記の例では、わたしは格段に読みやすく、かつ理解しやすかったです。  []()などで括っておいてもいいし、タグを使って太くしたり色を変えたりしてもいいです。そして理由説明の部分とは一行開けてあるほうがいい。  こうして理由が分けてあると  「カメラが主観をもって意識したことは客観語なのか、主人公の肩の上でも、主人公の心の中にあってもそうなのか」といった問題点を出しやすくなるわけです。(あくまでも例ね) -------------------------------------------------------------------------------- 生存証明 No.6371 投稿日 2003年3月18日(火)01時50分 投稿者 馬宮  課題もレスも、うまく考えがまとまらない状態なので、今日は生存証明のみです。……悔しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- と、へこみそうになったら…… No.6372 投稿日 2003年3月18日(火)02時21分 投稿者 馬宮  おバカな馬宮にも消化できそうな情報がありました。  ありがとうございます、新木さん甘夏さん。 ●主観客観 >(新木さん6369より) >>しかしここで、「なぜ、足が熱いのか→コンクリが焼けているからだ。なぜ、コンクリが焼けているのか→日差しが照りつけているからだ」と、三段論法まで行ってしまうのは、常人の思考とはいえません。  わたしこれを「誰にでも共通する主観」だと信じて書いていました。  ああ、そんな馬鹿なことはないです(大恥)。  客観語っていうのは誰にでも共通する言葉だけれど、誰にでも共通する主観語なんであるわけがない。  馬宮最低です。こんなの当たり前のことです。  甘夏さんの書き込み(6367)を見た時点で、それに気づかなかった事が信じられないです。    「照りつける日差しの下」を意識するだけの女の子と、「コンクリが焼けている理由が日差しのためだ」と意識する女の子は違います。  わたしは、「キャラクター」を作りきれてなかったから、こういう文章を書いてしまったんですね。 ・キャラによって、主観となる文章とならない文章がある。  ありがとうございました。  恥だろうがなんだろうが、とにかく一歩前進です。 -------------------------------------------------------------------------------- 手に持った携帯 No.6373 投稿日 2003年3月18日(火)09時36分 投稿者 紫ゆきや ●「待ち合わせに遅れたことを怒る女と、謝る男」について >新木さん(6348) ・手に持った携帯  なるほど。  たしかに、自分の削りあとだと、「視線移動」が失われていますね。  視線が飛んでしまっています。  「手に持った」は、あったほうがいいですね。  削りすぎました。ごめんなさい>弟切さん  新木さんの書かれた、「手に持ったままの」は、過去の姿までを示していますから、より「情報密度が高い」ですね。 ・文の長さ  自分の削り後の文は、長さの同じような文が2つあります。  そんな文が並ぶと、退屈な感じになりますね。  逆に、長さの違う文を並べると、リズミカルで目が離れにくい、と感じました。  参考にします。  ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- 春の足音と共に No.6374 投稿日 2003年3月18日(火)22時11分 投稿者 弟切 千隼 戦争の足音まで聞こえてくる昨今ですね。 今、私たちが立ち会っている歴史の瞬間が、第三次世界大戦の始まりでないことを祈ります。 甘夏さんへ > たびたびの御指摘、ありがとうございます(^o^)  『くるりと』・『すたすたと』・『ぴしゃりと』といった擬態語は、基本的に客観語であるという御意見に、なるほどとうなずきました。 意識しないと、こういうことはわからないものですね。勉強になりました。 ただ、課題部屋のNo.417に限っていえば、『すたすたと』だけは残したいですね。 ここは、主人公が意識して『すたすたと』辰樹から離れようとしているからです。 哀原さんへ > 御挨拶が遅れました。 間抜けすぎる私たちの様子を見かねてのわざわざのお越し、ありがとうございます。 頭の働きが鈍い弟切は、いっぺんに多くのことを考えられませんので、哀原さんの御指摘はたいへんためになったものの、すぐには消化できずに反応が遅れてしまいました。 今さらこんなことを書くと、言い訳めいてしまいますが、弟切は、哀原さんの御指摘の中で、「やっぱりそうだったのか」と思えた部分が一箇所ありました。 ↓ここです。 >>例えば、章タイトルが >>>序奏曲 魔宴へ、黒き碑に踊れ >>という名前だったりしますが、これをはじめて見たとき、 >>「私」という読者は、思わず「ハァ?」と思ってしまいました。 >>タイトルから内容が想像できない、「意味不明」なタイトルだったからです。 最初に、この分室で「邪神戦線2062」が課題として取り上げられた時、私はこの作品を読んでみて、やはりこの章タイトルに違和感を持ちました。人によっては、ここで読み捨ててしまうのではないかと感じました。 しかし、弟切の勘やひらめきがほとんどの場合役に立たないことは、分室でのこれまでの履歴で証明されています(;_;) そのうえ、哀原さんが言及するまで、誰も一言もこの章タイトルについて言及しませんでした。 そのため、弟切は、「偏った私の感性がまた変なことを言っている」と解釈して、無視してしまいました(^^; それは置いておきまして。 せっかくの哀原さんの御指摘を生かすべく、読み手が「意味不明」と感じる文章の例を挙げてみます。 1)外国語で書かれている。 2)文法が壊れている。 3)暗号で書かれている。 4)専門用語が多出する。 5)情報量が少なすぎてイメージが湧かない。 6)情報量が多すぎて脳の処理が追いつかない。(子供が大人向けの小説を読んだ場合など) 7)矛盾した内容が書かれている。 8)作者が作った造語が説明もなく出てくる。 9)使われている単語や熟語のイメージに統一性がない。(舞台がヨーロッパなのに登場人物がすべて日本名であるなど) 10)曖昧すぎる表現ばかりで、確定したイメージが浮かばない。 哀原さんが「意味不明」と指摘された章タイトルは、上記のどれかに当てはまるでしょうか? 焦点となっている章タイトルは、「序奏曲 魔宴へ、黒き碑に踊れ」です。 辞書(大辞林)を引いてみますと、最初の単語「序奏曲」は載っていません。 「序奏」なら載っています。 『楽曲で,主要部分に入る前に,導入的に演奏される部分。イントロダクション。導入部。』となっています。 似たような単語としては、「序曲」というのが辞書(同じく大辞林)に載っています。 じょ-きょく [1] 【序曲】 (1)オペラなどの開幕に先立って演奏される管弦楽曲の一種。オペラ以外の声楽曲や組曲などの器楽曲でも,冒頭に付される。独立した演奏会用序曲もある。オーバチュア。シンフォニア。 (2)(比喩的に)物事のはじまったばかりの最初の部分。 だそうです。 おそらく、風輪さんは、「序奏」と「序曲」とを混同して、「プロローグ」や「序」のつもりで「序奏曲」という単語を使ってしまったのでしょう。それが自分の造語であることも気づかずに。 この時点で、早くもこの章タイトルは、 8)作者が作った造語が説明もなく出てくる。 という「意味不明条件」に引っかかっています(^^; それでも、「序奏曲」という単語は、何となく意味が想像できます。「序奏」というのは学校で習う音楽の中で教わる単語ですから、それに「曲」が付けば、「きっと、長い楽曲の冒頭に演奏する曲のことだな。それではこれは長い物語の序に当たるという意味だろう」と、たいがいの読者さまにはわかっていただけるでしょう。 しかし、次の「魔宴」も、辞書に載っていない造語ですね。 この単語も、漢字から何となく意味は推察できるとはいえ、いく通りもの解釈が可能な単語です。 魔物が集う宴会なのか? 魔物以外の何かが集って、魔物を召喚する宴会なのか? 逆に、魔物が魔物以外の何かを呼び寄せる宴会なのか? 魔物に似ているが魔物ではない何かが集まる宴会なのか? 魔物以外の何かが魔物に変身する宴会なのか? 逆に魔物が別のものに化ける宴会なのか? 魔物が料理されて饗される宴会なのか? ぱっと思いついただけでも、上記の七通りくらいの解釈があり得ます。 これでは、「意味不明条件」の8)だけでなく、 10)曖昧すぎる表現ばかりで、確定したイメージが浮かばない。 にも引っかかってしまいますね。 ここまでで、「意味不明条件」を満たした単語が二連続していますから、読者さまは逃げ出したくなっているでしょう。 そこへ、残る「黒き碑に踊れ」が駄目押しをしてくれるわけです(^^; 「黒き」で、やっと造語でない単語が出てきたと思うと、次が「碑」です。 この漢字は、「いしぶみ」または「ひ」と読みますね。普段あまり使う言葉ではありませんから、瞬間的にこの字を正しく読めて、意味も理解できる人はそれほど多くないでしょう。 ましてや、ここに来るまでに、読者さまは「意味不明語」を二つも読まされてうんざりしているはずです。もはや、頭を使ってムズカシイ単語を読み取ろうという気力を失っているのではないでしょうか。 「踊れ」は、普通の単語です。 けれども、多くの読者さまにとっては、その前にいくつもの意味不明語が連続しているため、これだけ解っても文としての意味をなしません。 さて、このように「意味不明語」が並んだ章タイトルは、多くの読者さまには、以下のように見えているのではないでしょうか。 「序●● ●●へ 黒き●に踊れ」 章タイトルからしてこれでは、内容の意味がわかると考える読者さまはいないでしょう。ゆえに、裸足で逃げ出すわけですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 主観・客観チェック No.6375 投稿日 2003年3月18日(火)23時17分 投稿者 とんびの羽根 >422 甘夏「約束を忘れられて怒っている少女と謝る男」→三人称 >甘夏さん  三人称主人公よりの場合カメラが主人公の内部に入ったり出たりすることがあるということがすでに明らかになっていますので、カメラ位置に気をつけながら主観語客観語のチェックをしたいと思います。 >> 陽子は[きちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで]言い放った。  ここは陽子でなければわかりませんからカメラが内部にあることがわかります。  []内の陽子の主観を、カメラが内部から客観的にとらえようとしているのだと思います。 >> [当然]、陽子は怒っている。それも、すごく。  [当然]という意識は陽子のものではないので、カメラが注釈を加えているのですね。つまりカメラの主観が入っています。 >> [だから]、駅前から[ここまで]一度も横を見ないで[猛烈な速さで]歩いている。  同じく[だから]はカメラの主観です。陽子本人はだからなんて考えてない。  次に[ここまで][猛烈な早さ]は周囲の情報がないとわからないことですね。場所の説明と猛烈な早さを示す描写がないと読者には伝わりません。  つまりカメラは外部に移動しなければならない。移動した。ということですよね。 >> 猛烈な勢いで歩いている[陽子の横]に、少し早足くらいの歩調で[ついてくる]浩太にもそれは十分伝わっているらしい。  これまで見えなかった浩太が視野に入りますのでカメラの方向が横にずれたことがわかります。  [ついてくる]のだから陽子の方からの視点になりますが、陽子本人は横を見てないので、カメラだけが回転している。 >>[いつも明るい]浩太の声が[今日ばかりは沈んでいる]。  [いつも明るい]は陽子の思いこみ、[今日ばかりは]はカメラの主観です。陽子の意識をカメラから客観的にとらえると[いまは]でしょうね。  これが陽子の主観なら[いつもは明るいだけ][自業自得で]くらいでしょうか。 >> [それなりに賑わっている]終末の商店街。その中を足早に[突っ切っていく]二人に[好奇の視線]。ベビーカーを押すおばさんも、お好み焼きを売るお兄さんも[横目で事の顛末を伺っている]。  いきなりカメラ位置が遠くに移動しました。  段落を変えた方がいいと思う。  []内はカメラ、作者の主観による説明で、二人の意識とはずれていますよね。 >> 文節文節切って話すのは陽子の感情が高ぶっているときの[くせ]だ。  [くせ]なので陽子本人はあまり自覚してない、親密な人間の位置からのカメラの説明。  もしかすると浩太の意識、分析がはいっているんじゃないでしょうか。 >>怒涛のように溢れてきそうになる言葉を[抑えるために]、ひとつひとつの言葉に感情を[しっかりこめる]。  カメラが内部に戻ってきて本人に無断で勝手に説明しているようです。  無意識的な理由の心理分析ですね。カメラによる客観的な説明。  ただしこれが自分の心理を把握しているようなキャラならば、主人公の主観でもおかしくはない。 >> 陽子は[まだ]、横についてくる浩太を[見ようとはしない]。  [まだ]はカメラの補足説明。  [見ようとしない]は陽子の意識内部の客観的な説明。  同時に浩太から見た主観的な推測・断定ともとらえることができる部分(もちろんここでは、その視点ではない) >>[きっと、今、]浩太の顔を見てしまうと[抑えていた感情]が[爆発しそうな気がする]から。  [きっと、今、]陽子の主観だと思います。カメラによる客観でも、カメラによる主観でもない。  [抑えていた感情]が[爆発しそうな気がする]陽子の主観をカメラが客観視しようとしている。  ここらで止めます。  止める理由の一つはわたし自身が主観客観について全然自信がないからです。  勘違いしたまま突っ走っていっても恥な上に無意味ですね。  それに自信がない思考をしているためにもうくたくたー。  ええーっと、甘夏さんのほうがわかってるっぽいんです。  わたしのほうがよっぽどあやしいよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 天馬橋では桜が咲いた。 No.6376 投稿日 2003年3月18日(火)23時26分 投稿者 甘夏 >とんびの羽根さん。  涼解しました。  読み返してみると、確かに読みにくかったですね。  できるだけ、わかりやすく論点を整理して書くよう努力します。 >弟切さん。 ◎視点のこと  に、ついては弟切さんの理解してくださった通りです。   >>同じ名が連続して出てきてうざったく感じた >>ここは「彼女」にすべきでしょう。  その通りです。固有名詞を連続して使うのは避けるべきでした。  と、思い読み返してみると、どうやら私は陽子のことを彼女とは  一度も書いていないようです。  意識して書いたようですが、意図がわかりません。  何故そんなことをしたのか考えてみるので少し時間をください。 >>『当然、陽子は怒っている』というのは、説明ですよね。描写とはいえません。 >>一時的に陽子の中に入って彼女の心理を描写する ====== 「別に、怒ってなんかないよ」  陽子はきちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで言い放った。  当然、陽子は怒っている。それも、すごく。 ======  以上が該当個所に当たると思います。  順番に考えていけば特に問題のある文章ではないと思います。 @陽子は怒ってなんかない、と言った。 Aでも、その口調はわざと嫌味に聞こえるように意識していた。 B当然、『怒ってなんかない』はずはなく、陽子は怒っている。  と、このようなプロセスを踏んでいます。 >>陽子はきちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで言い放った。  が、陽子は本当は怒ってますよ。という描写になっていると思います。 (描写に関しては、そう詳しいわけでもないので微妙ですが) >>誰かの判断に基づいた表現のはずです。この『らしい』は誰の判断でしょう? =====  猛烈な勢いで歩いている陽子の横に、少し早足くらいの歩調でつ いてくる浩太にもそれは十分伝わっているらしい。いつも明るい浩 太の声が今日ばかりは沈んでいる。 =====  以上の個所ですね。  さっきと同じように検討してみます。 A浩太に陽子が(すごく)怒っていることが伝わっているらしい。 @いつも明るい浩太の声が沈んでいるから  と、このようなプロセスを踏んでいます。 『らしい』の判断材料は@です。  が、この判断材料。陽子、作者のどちらからも使えます。  で、どちらの判断かというのを考えるには 『らしい』を含む文章を見て判断するしかないですよね。  どうやら、 >>猛烈な勢いで歩いている陽子の横に、少し早足くらいの歩調でついてくる浩太  から、(説明幽霊)の視点であるように思われます。  と、私は(無意識に)考えられました。  が、そんな面倒くさいことやってられるかい。  と、言うような読者さんが多いようなら考え直す必要がありそうです。  どうも、視点が混線しているような感じがしてきました。  明日までにまとめてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6377 投稿日 2003年3月19日(水)04時24分 投稿者 馬宮 たまっているレスと、課題への突っ込みをします。 ●新木さん(6333) >三人称が書けないについて  ありがとうございます。  脱出口への方向が間違っていないことがわかって落ち着きました。 >登場人物の数 >>ちなみにこのへんの話、たしか、久美さんの「新人賞の獲り方教えます」のどこかの巻に書いてあった気がする。  はい。この本を今読み返すと、以前勘違いしていたところや、わかったつもりになっていたところが、わかるようになっているところがありました。  この本については、まだ未消化のところがありますので、分室と平行して文章修行に役立てたいと思っています。 >ジャングル感10分勝負 >>しかし生物に満ちあふれているジャングルで、なぜ、「ワニ」だけ?  馬宮、頭に引っかかった他の生物は、全部自主没をかけました。  本当ならば、ワニも没にするところでした。書いてしまったのは、わたしの没基準が甘かったからです。  実在するジャングルの鉱石を取り出す課題で、自分で創作した偽鉱石を書くことはできません。  弟切さんが(6346)で紹介してくださっているように、ワニにしてもサルにしてもいろんな種類がいるはずだと、思ったんです。  アマゾンの密林にいるサルってどんなサルだろう。そう思った時、サルの顔や姿が鮮明に浮かんで来ませんでした。  余計恥をさらすようですが。  アイアイってアマゾンのジャングルにいたっけ? オランウータンって?  とか考えるような馬宮は、この課題で「サル」なんて書く資格はありません。  (調べたところ、両方ともアマゾンにはいませんでした)  極彩色の鳥、と書こうにも。  その鳥の正体ぐらいちゃんと知ってないと、書くことはできません。頭が何色で、羽が何色で、胴体が……ぐらいはもちろん知ってないといけないと思いました。  ただ、ワニだけは。  茶色のワニが、河に丸太のように寝そべっている様子を思いつけたんです。  甘い、と思いましたが数があまりにもないので、書いてしまいました。  けど実は、6256の弟切さんの書き込み、   >>けれども、同じジャングルでも、地域によって生息する動植物にかなり違いがあります。 >>アマゾンに生息している動植物で有名どころといいますと、肉食魚として悪名高いピラニア、世界最大の葉をもつ植物オオオニバス、果樹として栽培されるパパイア、最近ではペットとして人気のあるリスザル、空飛ぶ宝石と呼ばれるほど華麗なハチドリ、鮮やかな緑色をした大蛇エメラルドツリーボアなどですね。  ここを読む前なら、数をそろえるために「サル」「へび」「カエル」とか色々書いていたと思います。  わたしは、ピラニアやリスザルの姿をちゃんと思い浮かべられませんでした。パパイアの木をわたしは知りません。オオオニバスだの、ハチドリだの、エメラルドツリーボアなどからっきしです。 >砂漠に生きる生き物 >>まあ知識系が大の苦手な馬宮のような人間なら、「ラクダさん」とか、1種類しか出せなくたって、まあ仕方がないとは思うけど。  ラクダに「さん」がついています。悔しいです。  わたしは知識体系が「大」がつくほど苦手ですが、それを自分でつくる意欲はあります。 ●紫さん(6347)  感想・ご指摘ありがとうございます。 >>だいたい主観語で書かれていると思いました。 >>前回のリライトに比べて、ずっと読みやすかったですし。 >>なにより面白かったです。  前よりよくなっていると言っていただけたのは、嬉しかったです。  もしよろしければ、参考までにどこが面白かったか教えていただけませんでしょうか。  わたしが狙ったところは、「男の子と女の子の考え方のギャップ」なんです。  ここですか? それとも、別でしたか? お願いします。 >>しかし、小説というより日記のように感じました。 >>シーンの絵が、ほとんどイメージできませんでした。  描写を入れることで、日記のような文章から脱出できる、ということですね。  この部分は、シークレット・ミーンリライトの時の、「削ったらなくなる文章」から進歩がなかったようです。反省です。 −−−−  >> このプール、水着のままで食べられるオープンカフェがある。 −−−− >> 例えばここですね。 >>私は女の子とプールへ行った経験なぞ無いと仮定します。「プールって学校のプールと違うの? オープンカフェってどんなの?」てな状態だと――仮定します。 >>そんな恋愛不全でデートコース未踏な私を、馬宮さんがプールとオープンカフェに連れて行っていってくれるわけですね。小説でもって。 >>主人公が訪れたプールや、意識を向けたオープンカフェを描写して、私がヲタク仲間に知ったかぶりできるくらいの知識をくれるわけです。 >> むしろ下さい。お願いします。  この例え、よくわかりました。「水着のままで食べられるオープンカフェ」は確かに描写しないといけません。そういうオープンカフェ感、プール感を出さないと小説じゃありませんでした。  えーと、それから、この後、指摘がよくわからない部分がありました。 >指摘がわからなかった部分 >> ところで、今回のには、ちょっと反則っぽいところがあるなあと思いました。 >> 思考に混ぜて、客観語や、他者の主観語を、主人公の主観として使っちゃってる部分とか、ありませんか?  紫さんがここで問題にされてるのは「思考に混ぜて、客観語や、他者の主観語を、主人公の主観として使っちゃってる部分」ですよね。  でも、この部分、最後は問題点が「弊害として絵がイメージできないという問題が発生」という事になってます。  問題点のつながりがよくわかりませんので、どうレスしたらいいか迷ってしまいました。わたしの思い込みだと、見当違いのレスをしそうなので、説明をしていただけたら嬉しいです。  それから、 >>『泉クンの頭にはない』という文は、桜の一人称では書けませんよね?   ここですが。『泉クンの頭にはない』というのは、確かに桜の一人称では書けません。  でも、「頭にないんだろうが」という推定(ほとんど決めつけですが)であれば、一人称でも書けるのではないでしょうか?  泉クンの主観に、「だろうが」はないと思うんです。 >一行目の情報が多いです。  前回のシークレット・ミーンリライト同様、「これなら冒頭の文章として耐えられる」と信じた文章が指摘対象になりました。ありがとうございます。  馬宮、根本的に意識が間違っていました。次こそ、絶対情報量を抑えます。 >その他 >>桜の一人称だと、泉が「とぼけているだけ」か、「罠とも知らず」なのか確定できないですね。  ありがとうございます。泉の描写が決定的に足りないんですね。 >>誤字・誤用  これは……「たわけ」と言われてもしょうがない誤用です。  馬宮のチェック、穴だらけでした。最低です。 >>呼称は統一したほうがいいですね。 >>「泉」と「泉クン」  使い分けはした「つもり」になっていました。確かに、ここは統一すべきだと思います。 ●指摘(主観・客観) >甘夏さんの主観客観チェック  主観語と客観語だけに注目して考えました。    チェック方法:   1.視点の場所を確認。 2.言葉ひとつひとつを取って、主観語か客観語かを検討します。 3.文章全体が客観的になっているかどうか検討します。 (台詞は後回しにして、地の文だけでチェックします) −−−−− >>陽子はきちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで言い放った。 1.視点の場所確認  まずこの視点は、陽子の内部にあります。「嫌味に聞こえるように」という陽子の内面が書いてあるからです。 2.言葉レベルでの主観・客観わけ  主観……選んで  客観……嫌味、語調、言い放った。  保留……きちんと ・「きちんと」というのは、副詞です。物事が正確なさまを示します。  これは文章中、「聞こえる」にかかっていて、この言葉を強調しています。  言葉が「正確」に聞こえるものになっているかどうか。  これを判断するのは視点者自身であるので、これは「主観」という事になります。  ……と思ったのですが。甘夏さんの擬態語が客観である、との説明を思い出して迷いはじめました。  視点者の行動に使われている擬態語が客観だ、という書き込みをわたし、納得できたんです。  でも、再度よく考え直しました。「きちんと」は視点者が意識できそうだと思ったんです。  いえ、少なくとも「きちんと」は誰かの「主観」であるはずなんです。  また混乱しはじめました。  というわけで、「きちんと」は保留にします。もう少し考えてみます。 ・「嫌味」は、名詞です。  「人をいやがらせる言葉」で、わざと相手を困らせる時に使います。言葉が嫌味になっているかどうかというのは、視点者や言われた方の主観でわかります。  ですが、それは誰かに何かを言われたり、誰かが何かを言ってるのを聞いた場合、視点者がその「何か」を嫌味かどうか判断するわけです。だから主観にもなりますが。  ここでは単純に相手への言い方の種類として「嫌味」と使われていますので、客観でいいと思います。 ・「選ぶ」というのは、動詞。  「いくつかのもののうちで、条件にかなうものを決める。また、決めて抜き出す」という意味です。選んでいるかどうかは、視点者の主観じゃないとわかりません。 ・「語調」は名詞。  「1.言葉を口に出す時の調子。また、文章の調子」「2.話す時の抑揚。イントネーション。また、アクセント」という意味です。  普通、人は語調を意識しないのでこれは客観です。 ・「言い放った」は動詞。「思ったままをはっきり言う。きっぱりと言う」という意味です。  これは、視点者が主観で意識するには固い言葉ですから、客観です。 3.文章レベルでの主観・客観わけ  主観が入ってますが、視点が陽子の内部にあるのでこの文章は大丈夫だと思います。 −−−−− >弟切さんの主観・客観チェック >> 正午を告げるサイレンが、青空に響きわたる。(三人称) 1.視点の場所確認  弟切さんの文章は一人称(新木さんリライト冒頭)と三人称の冒頭が同じです。  だから、こえれは「女」の中に視点が入ってるのか、と最初思いました。  でもそうではないようです。  少し後に、   >>少女たちの向かう先に、独り、若い女が立っていた。  とあります。  だから、これは視点が女の外に出ている、と考えます。 2.言葉レベルでの主観・客観わけ  客観語=サイレン・青空・正午・響きわたった  主観語=告げる ・正午は名詞。言うまでもなく、「昼の十二時」です。  誰が見ても正午は正午。だから、客観です。 ・サイレンは名詞。  これも誰が聞いてもサイレンです。だから、客観。 ・「告げる」は動詞。「時刻・季節などの到来を知らせる」という意味で使われています。  サイレンが何かを告げている、と判断するのは視点者の頭ですから。これは主観です。 ・「響きわったった」は動詞。「音があたり一面にくまなく行きわたって鳴りひびく」という意味です。  誰が聞いても「響きわたった」と思うでしょうから、これは客観語です。 3.文章レベルでの主観・客観わけ  正直に言うと、わたしは混乱しています。  この一行の主観客観判断、難しいです。  一人称と三人称両方に使われている、ということを一旦忘れて判断してみようと思ったのですが。  それでも、わかりません。  一人称の文章内にあれば、一人称だと思ってしまうし。  三人称の文章内にあれば、三人称だと思ってしまいます。  そこで、もうしわけありません。弟切さんに逆に質問します。  この一文を、「客観」だと判断された理由はなんでしょうか?  悩めば悩むほどわからなくなる、主観客観です。 -------------------------------------------------------------------------------- 食わず逃げ ポイント No.6378 投稿日 2003年3月19日(水)07時38分 投稿者 とんびの羽根  思考したわけではなく、ちょっと思ったことだけど、読まずに捨てるという行為は、食わずに逃げて帰る行為に似てる。  例えば小さいけどこぎれいな建物ができて、新しいレストランができている。エスニック料理らしいどんな国の料理なんだろう。メニューを見るとナシゴレンだとかフォーだとか、なんだろう味がすごそうだけどどうしようかな……あれ、たこ焼きもおいてあるぞ。なんなんだこの店は?!(?!←これ西鶴さんが考えついたやつだっけ)  食わずに帰ります。わたしは、もう逃げちゃいますね、この店からは。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6379 投稿日 2003年3月19日(水)08時09分 投稿者 新木 伸 >読み捨てポイント  ところで……。  6356の哀原さんのやつ。  あれ読みかけて、裸足で逃げ出したくなった人、手を挙げるように。  もしくは、ぜんぜん平気で普通に読めちゃった人は、それはそれで報告のこと。  よくよく考えてみたら、「邪神戦線2062」のほうでも見つけられていないんだから、気づかない可能性も大きなわけだな。 >弟切版、主観客観課題 >>正午を告げるサイレンが、青空に響きわたる。  まずこれ、読点打ってあるのはなんで?  明確な考えあってのことなら、それを書くこと。  まあたぶん、「なんとなく」てなことだと思うが……。  日本語にうるさい人だと、これだけで「この日本語は壊れている」と片づけられてしまうよ〜。  説明文での読点は、概念の区切り位置や、読みやすくするためのものでしかない。  しかし描写文の中では、読点は物事の不連続性を示すものとして使われるわけね。  つまりこの場合、この位置に読点が打ってあるということは、サイレンが鳴って、そしてそのあと、青空に響きわたったことになる。  ひとつひとつの段階(プロセス)が不連続であり、区切られていることを示してしまう。  しかし、それ変でしょ?  音が鳴るのと、響き渡るのとは同時のはずなんだから。 >>正午を告げるサイレンが青空に響き渡る。  こちらは僕の元のもの。6348のリライトのやつ。  こちらでは「青空に響き渡るサイレンをいま感じている私」という描写になっている。  馬宮が主観語と客観語の仕分けをしていた。  僕が6348で書いた元のものは、これは一人称の文章だった。  主観語と客観語の区分けだけど、書いているときに意識していたものでは、以下のようになっていた。(実際には書いている最中に考えたりはしないが、無意識で行っていた判断を掘り返してみると、そうなっていたということ) ○主観語  告げる、青空、響き渡る ○客観語  サイレン、正午、  主観語と客観語との違い。  何度か説明してきているけど、またもういちど、言葉を換えて説明してみる。  「感じた」ものが主観語であり、「理解した」ものが客観語なのね。  サイレンはどんな音なのかわからないけど、まあ一般的には「ウーウー」というやつだろう。  この「私」のキャラは一瞬驚いて、「なんだなんだ?」と思いはしたものの、すぐに「ああサイレンね。お昼のやつね。てことはいま正午か」と、そう理解したわけだ。  この「サイレン」と「正午」に関して、彼女は他人に説明するときにも、この言葉で説明を行うという点が、これ重要。まさかサイレンのことを、「12時になるとうーうーってなるやつ」とか説明はしない。  自分語では彼女はサイレンのことを「うーうー」とか呼称しているのかもしれない。彼女が感じたのは確かに「うーうー」なんだけど、感じたものをそのまんま話してたら、人様に通じない。それ自分語だしー。  説明するときに自分語を使う人はいないでしょ?(いやこの分室には、いっぱいいるんだけどさ、そーゆーやつ)  「12時にうーうーって鳴るやつ」が、彼女にとっての主観語というもの。  「サイレン」は客観語。人に説明するときには、人がわかるような言葉を使う。よって彼女にとっての客観的表現はこっちになる。  「青空」は、「ああ、青いなぁ」と彼女が感じていたので、主観語。  空はこんなに青いのに、なんであたしゃ、男に待ちぼうけ食らわされてなきゃならないのかねー、と、すこしばかり嘆きも入っている。  人に伝えるときにも、「青空」で通じるんだけどね。  しかしこのときの彼女は、他人に対して現在の空模様の説明をするときには、別の言葉を使うはずだ。決して「青空」とは言わない。だって恥ずかしいもん。青い空を見たときに感じた感動と待ちぼうけ食わされてる嘆きとを、告白しちゃうようなもんだから。  よって、単に「空」とか、「快晴」とか言うだろう。←これが客観語。  「告げる」と「響き渡る」も同様。  「告げている」と感じたのは彼女。本当に告げてきているわけではない。サイレンはただ鳴っているだけ。告げられたと感じたのは彼女の感性によるもの。  それ、そのまんま他人に話したら乙女チックすぎ。いい大人の女がやるこっちゃないね。(しかも弟切さんの書くような知性的な女性が)  ――で、僕の元の文章では、そういう区分けになっている。  弟切版の区分けは、弟切さんに任せよう。 -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.6380 投稿日 2003年3月19日(水)21時19分 投稿者 風輪 玲 >6356読み捨て報告  読めました。  読み捨てポイントという語句があったので、ヒントになるかと思い、目を通しました。  しかし、馬宮さんがすでに提出し、却下されている理由と重複するので、反応はしませんでした。 >私が「読み逃げ」できない原因  まだ漠然としているのですが。  ものすごいマイナス要因を含んだ文章であろうと、それを相殺しうるプラス要因を読者が持っていれば「読めてしまう」のではないでしょうか。  そのプラス要因とは、何かを知ろうとする「好奇心」です。  この好奇心が目をくもらせ、通常の感性の持ち主なら読み逃げてしまう文章を読めるようにしてしまいます。  トンデモ本に対する、と学会の姿勢と呼べばいいのか──読み逃げ文章を能動的に娯楽として楽しんでしまいます。  そういう、偏った読み方をする私であるため、「邪神戦線」にはチェックをすり抜けてしまった「一発NG」が存在すると思われます。  ……で、この好奇心を発動させずに、新木さんがサンプルとして出してくれた6356を読めば「読み逃げ」が経験できるという寸法です。  が。  そんな器用なことは即座にできません。  どうすれば好奇心を発動させずにすむか、考えてみます。 >弟切さん  言い訳させてください。  「魔宴」はラヴクラフト作品の、「黒の碑」はハワード作品の邦訳題名です。  つまり、神話マニアならここだけで「わかる」ようにしかけてあるのです。  知らない読者を無視したネタではありますが。 -------------------------------------------------------------------------------- >挙手 No.6381 投稿日 2003年3月19日(水)21時47分 投稿者 とんびの羽根  手を挙げときます。 >No.6356 哀原さん >>「作者(文章)が「電波」(意味不明)だから」  先の書き込み(>No.6378)で料理店のたとえを使ったので、ここでも料理店のたとえで行きます。  この文章の直前までは自力でしかも瞬断できるといってるし、もしかしたら参考になるおいしい意見が聞けるかなと思ってました。でもこの答えを目にした瞬間、腰掛けていた腰が浮き上がりました。  レストランのきれいなテーブルの上に、いきなり生のジャガイモをぽんと置かれた気分でした。 >>例えば、章タイトルが  ここで素直に(1−1)のポイント解説に移っていれば座り直していたことでしょう。  なぜに章タイトル?  目の前のジャガイモを料理すると称していきなり皮を剥き始め、その皮の方を皿に盛りつけはじめたのを見るような気分。  結局ジャガイモは皮をむいただけで料理されることはなく生のままでした。<(1−1)の説明  逃げたかったけど逃げ遅れた……。  でも弟切さんは食べちゃったような。 -------------------------------------------------------------------------------- 再検討。甘夏の視点はいったいどうなっているのか!? No.6382 投稿日 2003年3月19日(水)22時48分 投稿者 甘夏  今日、1日考えていたのですが、どうもおかしい。  そして、大変なことを発見いたしました。  視点保持者は陽子ではない。  陽子であったこともない。  と、言うことです。  では、視点保持者は誰なのか?  視点幽霊で言うならば、守護霊に近い背後霊、ということになります。  この視点さんは、陽子のことなら何でも知っています。  陽子の心も読めます。  陽子が何を思ってそういう行動を起こしたのかも知っています。  ええと、親友の取った行動を見て、その意図がわかることってないですか? (ない、と言われてしまうと説明に困りますが)  あぁ、引っ込みつかんようになってるわ。  とか。  あいつのことやから嫌味に聞こえるように言葉選んでんで。  とか。  そんな感じで、この視点には陽子のことは完全に筒抜けなわけです。  はい。↑の視点に関してルール違反があった場合は言ってください。  ないと仮定して話しを進めます。 >>陽子はきちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで言い放った。  の視点保持者は幽霊さんです。  陽子が、嫌味に聞こえるように語調を選らんだんだ、ということを  この視点保持者の幽霊さんは知っているわけです。  知っていることを読者に語っているわけです。  陽子は言い放ったんでっせ。  しかも、嫌味に聞こえるように計算して言い放ったんでっせ。と。  私の中では視点は外にあります。  これがどうやら、おかしさの原因だったようです。  以下も同じような文章が連続します。  と、言うことは私の視点がルール違反だった場合、  私の文章は間違った文章ということになります。  ここの判断は私にはつきません。  誰か説明をいただければ幸いです。 ◎描写について。  圧倒的に不足していると感じました。 『猛烈な速さ』は説明文ですね。  小説であるならば、それなりの描写が必要です。  すごい速さを、すごい速さ。とズバリ言ってしまうのはマズイ。  と、私も思います。    が、今回の文章を書くにあたって意識したことは 『視点は語る』  ですので。描写のことは意識の外にありました。  まだ、二つのことは同時にはできないので。 >新木さん。 ◎6356の哀原さんのやつ。  私は読み逃げしたくなりました。最後まで読んでません。  今日は挙手だけです。  理由は明日にでも書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- 悪食なら負けません(笑) No.6383 投稿日 2003年3月20日(木)00時16分 投稿者 弟切 千隼 食べ物に関しても文章に関しても、弟切は相当の悪食です。 納豆でも腐乳でも青かびチーズでもイナゴでもイルカ肉でも何でも食べるのは、弟切が食い意地が張っているせいです。 読みにくい文章でも読んでしまうのは、仕事で学術論文やら専門書やらの「素人にはわからなくて当然」の文章を読み解かざるを得ないことが多いからでしょう。 >>主観語/客観語課題 課題部屋のNo.423に突っ込んで下さった方々、ありがとうございます。 弟切は頭が鈍いため、少しずつ答えさせていただきます。 >> 正午を告げるサイレンが、青空に響きわたる。 冒頭のこの一文からして、主観語と客観語を混同していますね、弟切は(;_;) この文中の「告げる」は明らかに主観語です。 一人称なら、主人公の主観語ということで全くOKですが、完全客観三人称では問題ありですね(^^; ここは、「正午のサイレン」とすべきでした。 「正午」と「サイレン」は、誰もがすぐに客観語だとわかるでしょう。 「青空」と「響きわたる」も客観語のつもりでした。どちらも、完全客観三人称の情景描写の一つとして使える言葉だろうと思い込んでいました。 考え直してみます。 「響きわたる」のほうは、主観語としても客観語としても使える言葉ではないかと思います。 サイレンというのは誰が聞いても「響きわたる」と表現しておかしくないくらいの音を出すものでしょう。でなければサイレンの用をなしません。 しかし、「青空」のほうは……すぐ前に「正午」という単語がありますから、ここでわざわざ「青空」を出して、昼間であることを知らせる必要はありませんよね。 一人称ではないため、主人公の感慨を含めて「青空」という単語を用いるという手も反則です。 それ以外の用途があって、「空」に「青」を付ける必要があるかといえば、それもありません。 やはり私はまだまだ言葉の使い方が甘いですね。修業します。 >> 正午を告げるサイレンが、青空に響きわたる。 という文の途中に読点を入れたのも、私の勘違いによるものです。 弟切は、「描写」する文よりも「説明」する文を書くことに慣れています。 そのため、 >>説明文での読点は、概念の区切り位置や、読みやすくするためのものでしかない。 (No.6379の新木さんの書き込みより) と新木さんがおっしゃっているとおり、ある程度の長さの文には、どこかに読点を入れて読みやすくしようとします。 あくまで「説明」する文で使うべきであって、「描写」する文で使うべきでないこのやり方を、弟切はうっかり適用してしまいました(;_;) 弟切は、「意識して文章を書く」という意識のレベルがとても低いがゆえに、こういうものを書いてしまうのですね。これはもう、何回も「意識」することを繰り返して、無意識でできるようにするしかありません。 とりあえず、課題部屋のNo.423の冒頭一文をすべて客観語にして書き直せば、 「正午のサイレンが空に響きわたる」 でしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 内容よりも、書き方でした。 No.6384 投稿日 2003年3月20日(木)02時26分 投稿者 馬宮 >哀原さんの書き込み  逃げてしまいましたので、挙手します。  でも……わたしの理由っていうのは「感情的」なものなんです(汗)。 >>少し前からROMしておりましたが、「読み捨てポイント」の件でほとんどの人が答えられていないらしいという事が気になり、よみかきで当該の小説を読んで見たところ、一目で、「この小説、『読み捨て』と言われてもしょうがないだろう」と思ってしまいました。  具体的には、太字の部分なんですが。  この前置きの部分で馬宮、読めなくなりました。  ロムの方が突っ込みして下さったことは、この課題に行き詰まっている参加者として純粋に嬉しかったです。  でも、書き方にあまり優しさを感じませんね。  乱入はともかく、掲示板への最初の書き込みですから、もうちょと言葉を選んでいただければ、わたしは途中で読むのをやめようと思ったりはしなかったと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 悪食(文章的)の人間は作家には向かない No.6385 投稿日 2003年3月20日(木)04時43分 投稿者 新木 伸  音痴が歌手に向かないのと同じ理由です。  たいていの読者は、あなたより美食家です。  自分を基準に考えてしまうと、たいていの読者からはNGとなってしまいます。  音痴も直せるものです。  悪食も矯正可能です。よって矯正しましょう。まずは脳改造から。味覚の感度と分解能を100倍くらいに向上させた改造人間になれば、どんな悪食だって矯正可能です。  ああ、ふと思ったけど。  「ジャイアン」って、本当に、「自分は歌がうまい」と思っていたんだ。そうかそうか。彼は究極的に音痴だったんだっけ。だから自分の歌が「下手を通り越してもはや殺人的」であることに気づかなかったのか。  小説も同じね。  アマチュア作家は究極悪食なもんだから、自分の書いているものとプロの書いているものとの見分けが付かないのか。だから「どうして俺がデビューできんのだ」と不思議がっているわけか。  前から不思議だったんだよな〜。  なんで「あんなの」を送って、どうにかなると思えるのだろう?  あんな日本語壊れているものを送りつけて、一次選考を通れるつもりだったのか?  ――とか。  賞に送るということは、もちろん、受賞できるつもりで送っているはずだし。すくなくとも「受賞の可能性はある」と思っているはずだし。  なんでだろう? ――と思っていたのだが、それはつまり、「悪食だったから」で片づくわけか。  殺人的なんだよ。  君らの書いてる小説は。  気付けよ。 >弟切さん >>正午のサイレンが空に響きわたる。  厳密にいえば、まだ日本語がおかしい。  ここは「正午のサイレンが空に響き渡った。」とすべき。  どうして「〜わたる」と現在形ではNGで、「〜わたった」と過去形でないとならないのか……。  現在の弟切さんのレベルで理解できるかどうかは分からないし、僕がうまく説明できるかわからないけども、いちおう解説を試みてみる。  まず、並べてみる。 1.正午のサイレンが空に響きわたる。 2.正午のサイレンが空に響き渡った。 3.正午のサイレンが、空に響き渡った。  1がもっとも「同時性」が高い。3がもっとも低い。  「サイレン」と「響き渡る」という二つの物事の関係のことね。  1では完全に一致。  2ではまず「サイレンである」と認識、その後に「響き渡っている」と認識。  3では前回説明したように、読点のせいで完全に別れている。  1のように、二つの物事が完全に同時な文章というのは、人間の思考じゃないのね。人の意識というのは、二つの物事を同時に考えられないのだな。「うーうーって音がサイレンである」と、「サイレンが空に響き渡っている」と、この二つを同時に認識しちゃえる並列思考は、人間には無理。人間はかならず直列で思考する。シーケンシャルに、逐次的に物を考える。  また逆に、3のように別れすぎているのも変。  うーん。説明しづらい。  この文の時制をどこに置くのかって問題なのだが……。  「文の時制」っていうのは、たぶん新木語。「その文の時間的中心」といった意味。  この文では、「サイレン」の位置にある。  「この音はサイレンだ」と、誰かが認識した瞬間。そこを中心にして組み立てられている。  「正午」はサイレンに掛かる。「響き渡る」もまた、サイレンに掛かる。文章のすべては中心の一点に掛かるもの。  サイレンと認識したところに「時間的中心」が置かれているわけだから、響き渡るは過去形にならざるを得ない。  「正午の」〜〜「サイレンが」〜〜「響き渡る」  ――と、文章を読んでゆく間にも時間は流れているでしょう?  読んでいる人間の意識の側でね。  「サイレン」が鳴った瞬間を「現在」とした場合、「響き渡る」を読んだ瞬間は時間経過している「未来」なわけだ。まあ0.1秒か0.2秒かそこらだけど。(文章を読むのに慣れていない人間。つまりアマチュアの君たち――の場合には0.5秒くらいか?)  読者の目線が「響き渡る」の上にきているときには、「サイレンが鳴った」瞬間は過去に相当している。だからここでは、「響き渡った」と過去形にしなきゃならない。  もしここが「響き渡る」と現在形であると、その読者の意識内の時間経過(0.5秒)を無視していることになる。  ちなみに、「響き渡る」と現在形で書くこともできる。  以下のように書けばOK。 「甲高い音が空に響き渡る。正午のサイレンだ。」  「甲高い音」を感じるのが先。「サイレン」と認識するのが後。文を切り分けてしまえば、まったく問題ない。  文章のなかで「客観語」を使う場合は、「現象をいつ客観概念として認識したのか」という「瞬間」を、つねに念頭に置かないとならない。  じゃないと文中の時間の流れがおかしくなる。  しかしこうしてみると、これすべて「視点」の話なのね。  説明文には「視点」など存在しない。  そもそも人称だって存在しないでしょう。説明文というものには。「私」も「僕」も出てこない。誰がいつ感じて考えたのか――なんてことは、説明文では明らかにしなくていい。  しかし小説の文章には人称が置かれて「視点」が存在する。  着目した順番やら、認識した順番やら、その時制やらにひどくこだわる。極限までこだわり倒す。  文中から「視点保持者が着目した順番。認識した順番」が読み取れないものは、視点のある文章としては、すべて「壊れている」ことになる。 >甘夏さん  「@AB」は、これ機種依存文字です。  WINDOWSマシンを使っている人には丸数字として見えますが、MACを使っている人には見えません。  「(1)(2)(3)」と表記すること。  機種依存文字については、分室過去ログに「機種依存文字」で検索かけて参照のこと。  他にも色々あります。 >馬宮  ジャングルにいる動物。  仮に馬宮が山ほど種類を知っていたとする。しかしその固有名を出してきたって、読者がわからなきゃ意味なかろう?  「アイアイ」っていきなり出して、それがサルの一種だって分かる人って、どれくらい?  読者の分解能で考えれば、「サル」「ワニ」「鳥」で充分なんじゃないの?  同じジャングルのシーンを書くにしても、どんな視点キャラを出すかによって、必要な知識の分解能は異なってくる。  女子高生がジャングルに行くのと、生物学者がジャングルに行くのと、歴戦の兵士がジャングルに行くのとでは、当然違ってくるでしょう。  生物学者に視点を持ち込んで「ワニ」とか言わせてたら「とほほ」だが、女子高生なら、いいじゃん、「ワニさん」と言わせておけば。  また歴戦の兵士であれば、それが人を襲うワニかどうかだけに注目しているべきだろう。つまり彼の頭の中には、「人食いワニ」と「安全なワニ」の分解能しかない。女子高生よりちょっぴりマシな程度。  前に、キャラを描くってことは、そのキャラのもつ「知識体系」を決めることだって言ったろ。  作者の知識体系の量が、キャラの必要量を超えていればいいわけ。  自分以下の知識量のキャラであれば、作中に登場させ、その視点に入って書くことができる。自分以上の知識量を持つキャラは、登場させられるかもしれないが、その視点に入り込むのは不可能。  そこだけ、きっちり踏まえておけばいいわけだ。  ちなみに現在の馬宮の知識量なら、「馬鹿コギャル。ジャングルに行く」のシーンは描けるはずだ。 >風輪さん >>「魔宴」はラヴクラフト作品の、「黒の碑」はハワード作品の邦訳題名です。 >>つまり、神話マニアならここだけで「わかる」ようにしかけてあるのです。  うん? 自覚ないのかな?  神話マニア向けに書いてあるってことは、つまり、それ以外の人は読むなと、そう断言していることになってしまうのだけど。  ええと、よく見かける章タイトルなんかで、有名SF作品のタイトルをもじったものとかありますよね。作者の独りよがりがプンプン漂ってくるやつ。あれなども「SFファン以外お断り」な看板なわけです。  まあしかし、章タイトルとか、作品のサブタイトルとか、そんな部分は読者はまず見ませんので、作者が独りよがりで遊んでいたって、いいところではありますが。  つまり章タイトルが仮に、本当に文字通りそのまま「序■■ ■■へ 黒き■に踊れ」と「■」がいっぱい並ぶようなものであっても、たいした問題ではないということです。  そもそも章タイトルなんて、なくたって問題ないでしょ?  ただ「序」となっていたところで問題ないし。  あってもなくても、どっちでもいいようなものなんだから、そこが意味不明でも、そこに「お前は読むな!」と書かれていたとしても、たいした問題じゃないです。  問題は内容のほうです。  まあ章タイトルだけ見て、「読むか?」と訊かれたら遠慮する読者は多いでしょうが……。そのすぐ下に本文も付いているんだから、とりあえずそっちを見ますって。  たとえ話。  レストランのメニューに、料理の名前と写真とがあったとして。その料理名がワケワカラン意味不明なものであっても、写真のほうでうまそうに見えたなら、お客さんは注文しますって。「この……、なんとかって名前の、変なやつ、ひとつお願いします」みたいに。  またその逆で、いかにエレガントな名前がついていても、写真がマズそうだったら、絶対に注文しませんって。  そういや関係ないけど。  その昔、「スカイラーク・ガーデン」のメニューが、何考えてたのか「料理名のみ」なんていう、コジャレてふざけたものになっていたけど……。  そして「こんなとこ二度と来るか」とか思っていたけど、このあいだたまたま入ってみたら、メニューは図入りになっていた。やっぱ不評だったんだろうなぁ。  「料理名のみ」じゃ、どんな料理かわからんしなぁ。怖いよなぁ。  しかし図入りってのも、すかしてるよなぁ。やっぱ写真だろ、写真。 >>トンデモ本に対する、と学会の姿勢と呼べばいいのか──読み逃げ文章を能動的に娯楽として楽しんでしまいます。  トンデモ本に対する反応は、3種類あります。 ・普通に読んでしまう。(一般) ・逃げる。(普通) ・積極的に近づいてゆく。(と学会)  んで、僕は、風輪さんの作品に限らず、アマチュアの書いている小説のほとんどは、いわば一種の「トンデモ本」だと片づけているわけですね。  本人的には大真面目に書いている。そして読者を楽しませられると本気で思いこんでいるらしい。  しかし見る人が見れば「ネタ」でしかなく、大笑いさせてくれるものであり――。  また普通の読者は裸足で逃げ出すものであり――。  まあたまに、トンデモ本であることに気づかずにマトモに読めちゃう変な人がいて、「読めました。感動しました」なんて感想を書いたりしてますが。  最近の研究では、アマチュア作家の9割以上が、自分でもトンデモ本を書いているので、他のトンデモ本も普通に読めてしまうみたいです。  このあいだやった杉井邸OFFでも、そのまえの作家で集まった飲み会でも、風輪さんの小説は立派な「トンデモ本」として、皆を楽しませてくれていました。その場を沸かせてくれました。  トンデモ本に対して、能動的に近づいてゆく風輪さんなら、この心境はわかるはずです。  わかりますよね?  ――で。  風輪さんのあれが、「トンデモ本である」なんてことは、僕は初めから言い続けていることです。  問題はどの場所で「トンデモ本」であると「断定」できるのかということです。  トンデモ本であるという烙印が見つかれば、そこだけ外せばいいわけです。そしたら普通の読者も逃げずに読んでくれるわけです。  風輪さん、あなたべつに「トンデモ本」を書いたつもりじゃないわけでしょう?  トンデモ本を書きたいわけではないんですよね?  トンデモ本の定義に含まれているので、そのはずです。  トンデモ本を書こうとして書かれたものは、それはトンデモ本ではないです。あくまで「素」でやってこそのトンデモ本なわけです。  トンデモ本は、書いている人間は大真面目なんです。本人はきちんとしたものを書いているつもりなんです。そのギャップがあるからネタとなって笑えるのであり、そのギャップに気づいていないからこそ、普通の人を「怯えさせる」わけです。 >哀原さんの読み捨てポイント >>乱入はともかく、掲示板への最初の書き込みですから、もうちょと言葉を選んでいただければ、わたしは途中で読むのをやめようと思ったりはしなかったと思います。  馬宮と同じところまで、僕も読んだかな。  そして同じところで、たぶん同じ種類の理由から、読むのをやめた。  その時の心理を思い出してみる。  そして馬宮よりももっと詳しく、自分の心理を分析してみる。  はじめ、知らない投稿者名があって、タイトルに「乱入」とあったので、ROMさんが書きにきてくれことが分かったわけだ。  このときには、「有り難い」という気持ちになった。  ここで僕の中に「好意的フラグ」が立った。  で、わずか2行ほどの、短く簡潔な自己紹介があった。まあ手早く用件に入ろうとする心理からのことだと思った。この時点ではまだ好意的に解釈している。 >>少し前からROMしておりましたが、「読み捨てポイント」の件でほとんどの人が答えられていないらしいという事が気になり、よみかきで当該の小説を読んで見たところ、一目で、「この小説、『読み捨て』と言われてもしょうがないだろう」と思ってしまいました。  ……で、問題はここね。  ここでフラグ反転。好意フラグが「嫌いフラグ」に変わった。  ちなみに馬宮はせっかく太字にして強調してあるのに、その「説明」をしていないので、いまいち強調になっていないが……。  ここ解説すると、強調部分が僕の「カチン」ときた語句。  ここで僕は好意的印象を覆した。  なんだ。風輪さんや参加者のために、ヒントとなるような「自分の見解」を善意で書きにきてくれたわけじゃ、ないじゃん。  「俺は気づいたけど、お前ら気づかねーのかよ。馬ッ鹿じゃねーの?」と言いにきただけじゃん。優越感と悪意ゆえの行動じゃん。  まあ……。  いちおう、印象だけで決めつけるのもなんなんで、その先2〜3行も見てみる。  そしたら僕の印象が「正しかった」ことの裏付けが取れた。 >>答え:「作者(文章)が「電波」(意味不明)だから」  「文章」ではなく、作者(人)を見下すようなことを書いている。  悪意の存在はもはや確定。  まあたとえ僕の印象が「間違い」であったとしても、べつにいいや。  この人の書く文章は、僕は読まなくてもいい。これは読まなくても、僕の人生に一切の損失をもたらさない。へーきへーき。  ていうか、「相手を見下して悦に浸ろう」なんていう薄汚れた性根の人間の言い分なんて、耳を傾けてしまったら自分まで「汚れそう」だから、むしろ読まないほうがいいわな。  ――と、こんなところ。  まあ「読まない」と決めたあとでも、実際には、目を通していたけどね。僕の個人的な感情はともかく、書いてあることの理屈は読み取って、ストックしておかないと。  もちろん、ちゃんと心構えを行って、心に「手袋」をしたうえでだ。「汚れ物」に触れるときには、直に手で触れるものではない。  ちなみに、ここで話しているのは、あくまでも僕の受け取った「印象」の話。  哀原さんの動機が悪意にあると受け取ったのは、あくまでも僕の「印象」。本当にそうだったのかどうかは、無論、わからない。  ただしあの文面からは、僕は何度読み直してみてもやはり「悪意」を感じる。  感じるっていったら、感じる。  感じるものは、これ、しかたがない。  これが普通のコミュニケーションであれば、自分の印象だけで相手の真意を決めつけず、「内容に見下している雰囲気があって、悪意感じるんだけど、僕の気のせい?」とか、訊いてみることもできるのだが……。  しかし、掲示板に一回書きに来て、それきりの人とか……。  あと一回メール出してきて、それきりの人とか……。(返事出してもなしのつぶてだしー)  そういう、一言居士の人って、どうしようもないじゃん。確かめようがないし。  一方通行だし。  こちらの問いかけに答えてくれないだろうし。  ちなみに、小説っていうのも、こうした一方通行のメディアなわけですね。読者の印象を覆す手段はないわけです。  さて、そろそろ風輪さん、答えにたどり着いてください〜。  哀原さんの書き込みと、ハンスさんの公開できなかったメールとが、「大ヒント」になるという話もしましたし、その解説もしましたし。  はじめに、「殺人的な小説の話」をしましたが。  僕の言っていることは、すごく単純なことなわけです。  「凶器をちらつかせていては、誰からも読んでもらえない」ってこと。  そりゃ逃げますよ。  凶器を持って近づいてくる人を笑顔で迎えるのは、そりゃ単なるアホウです。危険察知能力がゼロの人です。自然淘汰されてしまう人です。  普通は逃げます。  僕はこう言っています。  「凶器をしまえば、とりあえず読んでもらえるから、その凶器はしまいなさい」って。  ――で、どの部分が、どのように、凶器なの? -------------------------------------------------------------------------------- 補足説明 No.6386 投稿日 2003年3月20日(木)04時51分 投稿者 新木 伸  凶器といっても、種類があるよね。  ギラリと光るナイフであれば、子供でも凶器だと分かる。  しかし棍棒とか、鈍器であればどうだろう? それを凶器であると察知する人は、そうは多くないんじゃなかろうか。  哀原さんの書き込みは、あれは「ギラリと光るナイフ」だった。とても良いサンプルだった。  しかし風輪さんの小説に見られる凶器は、「棍棒」くらいのもの。すぐに凶器とは見分けづらい。  しかし凶器は凶器だ。相手を傷つける目的で手に持つものだ。  ちなみに「読者」っていう存在は、かなり敏感な「危険察知能力」を持っているわけだ。  野生動物並みに、「危険」に対しては敏感だ。  だって、痛い目をいっぱい見ているもん。  「この話は面白そうだ」なんて思って、600円も出して買ってみたら、ぜんぜん面白くなくて「金返せ!」と思ったりして……。  そんな経験を、まあ数十回から数百回も経てきているのが、普通の「読者」っていうものなのね。だから相当に警戒している。鍛えられている。  そういう相手であれば、「鈍器」なんて、もう一瞬で見破られてしまうわけ。  「あ、凶器持ってるよ。こいつ」――てなことで、すぐに読み逃げされてしまう。 -------------------------------------------------------------------------------- 主観/客観 No.6387 投稿日 2003年3月20日(木)09時38分 投稿者 紫ゆきや  最近の解説などを読んでいて――ぜんぜんわかってなかった、と気付きました。  精進あるのみです。 ◎「すたすた」「くるり」  この言葉を意識しているキャラクターの内面をイメージしてみました。……というのは難しかったので、自分で使ってみました。  「すたすた、くるり」これを考えながら歩き回ったとき、イメージしたのは、「外から見えているであろう自分」でした。  美化120パーセントで、モデル歩きしている自分です。  ――現実には寝不足でヨタついているわけですが。  この言葉、相手の視線を意識しているときなら一人称で自身へ使うのも、アリかもしれませんね。  一人称において視点保持者が、他人の行動について「感じた」場合は、むろんアリです。  三人称主観アリにおいては、一人称の視点保持者が幽霊であるだけなので、同上です。  完全客観(三人称主観ナシ)では使えないと思います。登場人物の歩き方が「すたすた」なのか「どすどす」なのかは、受け取る側の主観に応じるからです。 ◎陽子はきちんと嫌味に聞こえるように語調を選んで言い放った。 「きちんと」  私にとって、自分の部屋は「きちんと」片づいています。  しかし、友人たちに言わせると、私の部屋はぜんぜん片づいていないらしいです。  彼らの根拠は、「座る場所もない」からだそうです。「座る場所もない」のは事実なので認めます。しかし、私にとっては「きちんと」片づいているわけです。  ――「きちんと」は主観語だと思いました。 「嫌味」  言葉の種類における「嫌味」だとして。それが嫌味だと判断するのは、やっぱり視点保持者ですよね。  視点保持者が、何を言われても嫌味と感じない性格だとしたら、その言葉を嫌味と確定できるでしょうか?  ――「嫌味」は主観語だと思いました。 「言い放った」  私は「言い放つ」を、発話者の意識を示した言葉だと考えています。だから、誰の意識にも入らない客観視点では使えない、主観語だと判断しました。  しかし、馬宮さんは客観語だと区別したようですね。  うーん、言葉の区別は、漢字の開く開かないみたいに、「作品によって統一されていればOK」なんでしょうか。  主観語・客観語というのものを、ようやく意識化できたくらいですから。これからいっぱい本を読んでみないと、言葉の分類をするうえでの「絶対的なサンプル数」が足りませんね。  たとえば本日発売の、夢境学園3巻を読んでみるとかでしょう(^^) ●馬宮さん >> もしよろしければ、参考までにどこが面白かったか教えていただけませんでしょうか。  先が気になったから、「面白かった」です。  「どうなるんだろう?」みたいなドキドキ感がありました。  男の子が「意外なくらいフォローなし」でしたからね。  「男の子と女の子の考え方のギャップ」を楽しむには、ちょっと男の子がニブすぎるかもしれません。  男の子の考えに同意できたうえで、女の子が予想外の行動をとったなら、「ああ、そんなふうに考えるのかー」という楽しみ方もあると思うのですけどね。 >指摘がわからなかった部分  客観語をキャラクターの思考として使っちゃうと、描写が減るって話ですね。  …………すいません。忘れてください。  スゲエ勘違いをしていたっぽいので。  自分のなかで改めて客観語と主観語について整理して、何が参考になることがあったら、そのときは再度報告します。 >ソレとは別に >> ここですが。『泉クンの頭にはない』というのは、確かに桜の一人称では書けません。 >> でも、「頭にないんだろうが」という推定(ほとんど決めつけですが)であれば、一人称でも書けるのではないでしょうか?  どうも説明が下手でもうしわけないです。  前回の書き込みだと、わかり難かったので言い換えます。  「キャラクターが決めつけたとしても、読み手は同意できない」これが問題かなと。  「(弁当をもってきてるなんて)泉クンの頭にはないんだろうが」と桜が決めつけるわけですが――読者はそれを確定する情報をもらっていないので、同意できないんですね。  ……それとも、レストランの話が、その「同意してもらうためのエピソード」なんでしょうか。  だとすると自分の読解力の問題かもしれません。  ん〜、なんか自信なくなってきたぞ。 「なんか納得できなかったらしい」くらいに受け取っておいてください(^^;  追加検討しときます。 >誤字誤用  あんまり卑下しないほうがいいですよ。  これから辞書を引くようにすればいいだけですから。 -------------------------------------------------------------------------------- >甘夏さん No.6388 投稿日 2003年3月20日(木)18時21分 投稿者 新木 伸 >甘夏さん  えーと。  甘夏さんの視点では、「陽子に親友並の理解度のある幽霊」から見た文章として書かれていると、そういうわけですか。  そして陽子の心には入っていないわけですね。  あくまで外から見て観察しただけで、陽子の心の中の動きをかなり正確に言い当てているだけと、そういうことですね。  んじゃ、その視点で書き直してみましょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「別に、怒ってなんかないよ」  そう言った陽子は――怒っているらしい。それも、すごく。  きちんと語調を選びつつ、嫌味に聞こえるように言っている。  陽子は駅前からここまで、一度も横を見ようとはしなかった。しかも猛烈な速さで歩きつづけている。 「ごめん」  早足で隣を歩きつつ、浩太が何度目かの謝罪を口にする。陽子の怒りのボルテージは彼にも十分伝わっているようだ。普段は明るいその声も、今日ばかりは沈んでいる。  週末の商店街はそれなりに賑わっていた。  通りの中央を早足で突っ切ってゆく二人に、好奇の視線が集まっている。  ベビーカーを押していた若い母親。お好み焼きを売るお兄さん。誰も彼もが、目で二人のことを追っている。二人が通り過ぎてしまってから、ベビーカーを押す手と、コテが鉄板に押しつける手が、ようやく動きを再開する。 「なんで、謝るの? 怒ってないって、そう――言ったでしょ」  文節文節切って話すのは、感情が昂っているときの陽子の癖だ。 「誕生日を忘れるなんて、失礼だったよ。俺のほうはちゃんと祝ってもらったのに」  陽子はまだ浩太を見ようとしない。 「なぁ、悪かったって」  そう言いつつも、浩太は周囲のを気にする素振りを見せていた。恋人を怒らせ、必死に謝る情けない男。まわりからそう見られているとでも思っているのだろう。ベビーカーの母親も、お好み焼きのお兄さんも、二人のことなど、もうきっと忘れているに違いないのだが。  そんな浩太の態度が、陽子には我慢ならないようだった。 「なあ機嫌直して――」 「怒ってないって言ってるでしょ!!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――と、こんな感じ。  だいぶアレンジしちゃいましたが。  まず説明幽霊は、陽子のほうを見ています。  嫌味を言っていることと、語調を選んでいることは、こうしておけば観察の結果として書くことができます。親友並の観察力があっても、まあ、ここまででしょう。これより「わかっちゃう」書きかただと、テレパシーでも持っているように見えてしまいます。  また、駅前からここまで陽子が横を見ていないことと、猛烈な速さで歩いていることは、幽霊の回想による説明です。  そして「説明幽霊」は、浩太の「ごめん」という発言によって、今度は浩太のほうを向くわけです。  謝罪している浩太の観察。  説明幽霊は、浩太の普段の口調が明るいことを知っています。  さてここで、陽子→浩太と視点を移した説明幽霊は、次に通りの周囲をぐるりと見回します。そして二人を見つめて唖然としているギャラリーに目をとめます。ここではベビーカーを押している母親と、お好み焼きのあんちゃんです。  彼らの様子がおもしろかったので、つい、幽霊は足を止めてしまっていました。  二人が通り過ぎてしまって、彼らの行動が普通に戻って、おもしろくなくなってから、その場を離れて二人の後を急いで追いかけます。  すると二人のほうにも、進展がありました。  陽子がなにやら「いつもの癖」を発揮して、言葉を句切り区切り発しています。  ――が、わかったのはそれだけ。説明幽霊さんは、いま追いついたばかりなので、陽子の様子は細かく観察はできませんでした。  なにしろさっきまで、後方で立ち止まっていて、ベビーカーの母親とお好み焼きのあんちゃんとを観察していたものですから。  ちなみにじっくり観察していたとしても、陽子の心の中の細かい機微まではとても読み取れません。たとえ親友でも限界はありますので。なので、元バージョンからばっさり削除しました。削っても充分通じるしー。  で、とりあえずおもしろそうなのは浩太のほうなので、そっちを観察します。  すると周囲を気にしている素振りが見えます。これまた細かい機微のところは削除しました。  そして浩太の素振りが、陽子の感情を逆撫でしていることはわかりました。しかしまわりを気にしている浩太は説明幽霊から見れば滑稽であったりします。誰も通り過ぎた人のことなど、思い出しもしてません。  そしてそんな態度のせいで、ついに陽子が癇癪を起こします。  さぁ面白くなってきましたっ。  てなとこで。  これは説明幽霊の視点で書きました。  実際には、登場人物がひとり増えているようなものです。  この「説明幽霊」の役を、たとえば「陽子の親友の女の子」にやらせることもできます。  ほとんど変更なしで、人物を一人登場させることができますけど。  たぶん20〜30文字ぐらい付け加える程度の修正でできます。  甘夏さん、やってみますか?  三人称の視点を使うということは、つまり、登場人物の人数+1人分のキャラを出すことなんですね。「幽霊」っていうその場に存在しないキャラを増やすようなもの。  甘夏さんの元バージョンが変だった理由は、そこにあるかと。  あの場面には、本当に二人しかキャラがいないんですよ。  幽霊はいません。  幽霊があの場に存在しているのなら、幽霊がいま興味を向けているものとか、幽霊の持っている知識とか、幽霊の感じかたとか、そういった「幽霊の視点フィルター」がかかるわけです。  幽霊がいまなにを「面白がっているか」は、上の解説で書きましたよね。  また幽霊がなにを「知っている」かも、書いてあります。  さらに幽霊がなにを「感じているか」も、書いてある。浩太に対して、「おまえの態度を気にしてる人なんて、いやしねーよ」って突っ込んでいるのが、その「幽霊の感慨」の部分ですね。  つまり甘夏さんの元バージョンは、「視点が存在しない」から、変なわけです。  幽霊なら幽霊の視点を出しましょう。  とりあえず、幽霊でなくて、実在の第三者――実在する女の子(陽子と浩太、共通の親友)を登場させて、その娘の視点でもってあのシーンを書き直してみましょう。  僕のリライトから20〜30文字だけいじるだけでいいです。 >甘夏さんが視点に不自由なわけ  キャラの心理に入れないってことも、ひとつ判明していますが……。  もうひとつの理由として、一度に動かせるキャラの人数の問題もあるのかな?  たとえば、甘夏さんはキャラをまず動かして、それを観察するということを言っています。これは「お人形遊び」に近いのことかなと、そう考えました。  まずお人形を動かしてみる。  そしてそのあとで、お人形が何を考えているのかを推察する。  しかし人間の手というのは2本しかないわけで……。一度に動かせるお人形さんは、2体まで。  しかし視点を操るには、もう一体の「幽霊」もその場に出さなくてはならないわけです。  3本目の手がないおかげで、視点が操れない。  ――とか、そういう理由も考えられますね。  これ、試して確認してみる方法があります。  お題その2。 「喫茶店で別れ話をしているカップル+店の人」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・喫茶店。別れ話をしているカップル。 ・それを観察しているだけの店の人。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  別れ話は、男女どちらから持ち出していてもかまいません。  片方が別れようと言い出していて、もう片方が未練があるという会話ですね。  別れ話のケリまでは付けないでいいです。あくまで練習なんで、適当なところで尻切れトンボのまま切り上げてもOK。  描写もなくてもOK。  その修羅場だか愁嘆場だかを、怖々と見ている店の人の視点。それで書いてみてください。ウエイターでもウエイトレスでも、マスターでも、どれでもやりやすいように。  視点保持者はあまり行動させないでいいです。  まあ上記リライトの幽霊ぐらいは動いてもいいかも。あれも立ち止まったり、二人のあとを追いかけたりとかはしています。「店の人」も、店の中くらいなら動いてもいいでしょう。べつに動かさなくてもいいんですけど。  さあ、甘夏さんは、三人目の登場人物を扱いきれるかな? どうかな? -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.6389 投稿日 2003年3月20日(木)21時22分 投稿者 風輪 玲 >>そろそろ風輪さん、答えにたどり着いてください〜。  はい。  実は、正解だと思われる「読み捨て理由」にたどり着いてました。  けれど心情的に認めたくないので、否定できる論拠を探して悪戦苦闘していました。  書かなかった答えを新木さんに告げて、「それ違うよ」といってもらえたらなあ、とか夢想してました。  いよいよ追い詰められ、罪を認めるしかないようです。  認めますから、罪状の読み上げは勘弁してください。 >>風輪さんの小説に見られる凶器は、「棍棒」くらいのもの。すぐに凶器とは見分けづらい。  その棍棒には「ペダンチック」と銘が入ってます。  十分に注意して隠したはずなんだけど……バレバレだった、と。 >>あなたべつに「トンデモ本」を書いたつもりじゃないわけでしょう?  トンデモ本的な楽しみ方をしてくれる読者が「ひょっとしたら」いるかもしれない。  それでも楽しんで読んでもらえるなら、書いた価値がある。  ──という認識でした。    すべては──私が悪食読者であるということに起因する、罪悪なのですね。  武装解除して、ゲテモノ食いで味覚異常になった「鈍感な舌」を矯正することにします。  一連の試行錯誤で「まともな舌」を理解する糸口をつかんだので、さらに進めて「敏感な舌」をぜひとも獲得したいです。  トンデモ本でなく、ちゃんとした伝奇エンターテイメントを書くために。  あ、賞に送る〜うんぬんでひとつ思い出した。  私が小説を書き続けようと思った、理由のひとつを書いておきます。  それは、初めて規定枚数をそろえて投稿した小説が一次予選を通過してしまったから。  私もビギナーズラックだと思いました。  で、次の年も挑戦してみたら二次予選を通過してしまいました。  「勘違いするな」と言われたって、若造には通用しません。  そりゃもう、都合よく解釈してしまいましたとも。  ……で。後戻りできない今の私がいます。(自虐オチ) -------------------------------------------------------------------------------- ペダンチックであることについて。 No.6390 投稿日 2003年3月20日(木)22時49分 投稿者 鷹見一幸  ウンチクというのは、語りたくなるものなんだよね。  うちの下の息子(9歳)が、よく私のところに来て自慢そうに言います。 「ねえねえ、こんなこと知ってる? 僕知ってるよ!」  んでもって、それがドラクエの裏技だったりするわけです(笑)  そして、ゲームなんかやってるのを見たことが無い父親が、自分より知っているのに驚いて、んでもって少し傷ついて、首をひねりながら去っていくわけですよ。    ……お父さんの古い友人はエニックスで開発部長やってるし、堀井雄二さんとも知り合いなんだよ。  なんて言ってもわからないでしょうね、彼には(笑)  ウンチクってのが、毒になるか珍味となるかは「書き方一つ」なんだよね。私も時々失敗します。  ウンチクってのは、絶対に生で出しちゃいけない素材の一つだと思うな。  一度、完全に自分の中で消化して、自分のものにしてから料理して出さないと、絶対に客が離れる。  これは、肝に銘じておかないと、ひどい目にあう。  フグみたいなもので、ちゃんと料理できれば、美味だが、料理の仕方を間違えると、一発で毒に変わる。  毒を食わされた客は二度と来てくれない。(当たり前だよな)  たとえば今書いているネオクーロンには、いろんな銃が出てくるけど、実を言うと私は、あの中に登場するほとんどの実銃を持ったことがあるし、そのうちのいくつかは撃ったこともある。  次の回には旧ドイツ軍の機関銃でMG34なんてのが登場するが、この実物も我が家に転がっていたりする。 (当然無可動だけどね)    知っていて書けることと、知らなくちゃ書けないことがある。というのはわかると思うけど。さらにもう一つ。  知ってるからこそ書かないこと。  というものだってあるんだよ。そして、その域に達して、初めて書けるものもあると思うんだ。  私は、銃について、おそらくあのザ・○ニーカーを読んでいるすべての読者よりも経験値が高いだろう。    だからこそ、細心の注意を持って書いているつもりだ。  なぜならば、あれはエンタティメントだからだ。  銃器マニア向けの雑誌では無い、普通の小説誌だからね。     ネオクーロンは、美少女警察アクション物であって、それ以下でもそれ以上でも無い。いや、それ以上やそれ以下になってはならない。ということだと思うんだ。  まず最初にお客さんを楽しませる。  自分が楽しむのは、一番最後。  それも、作品のことについてではなく、楽しそうなお客さんの笑顔を見ることを楽しみにしなくちゃいけない。  遊園地の経営者や従業員が、お客さんほったらかして、一番最初にアトラクションに乗って歓声上げてたら、客は怒ると思うよ(笑) -------------------------------------------------------------------------------- なるほど No.6391 投稿日 2003年3月20日(木)23時05分 投稿者 甘夏  視点がない。  それはおかしくなるはずですね。  納得しました。  別の視点を設定=個性がひとつ増える  ということですね。  で、リライト指令ですが。  実際に、二人の共通の親友、がその場に居合わせた、と  その視点を仮定して新木リライトをいじればいいんですよね?  共通の親友『ならでは』の要素を加えればいいんですよね?  ちょっと整理してから書きます。  明日には上げられると思います。  課題その2、も現在構想中です。  すぐに上げます。 >風鈴さん >>実は、正解だと思われる「読み捨て理由」にたどり着いてました。 >>けれど心情的に認めたくないので、否定できる論拠を探して悪戦苦闘していました。 >>書かなかった答えを新木さんに告げて、「それ違うよ」といってもらえたらなあ、とか夢想してました。  どうして告げなかったんですか?  否定してくれたかもしれないのに。  今更、そんなことを言うのはずるいですよ。  答えは最初からわかってたけど、認めたくなかったんだ。なんて。  それはナシ。  答えがわかってたなら、最初に書くべきです。  書かなかったこと、言わなかったことは  最初からなかったのと同じです。  答えを書かなければ0点です。  テストの解説中に 『あぁ、やっぱりな。間違ってるかもしれんと思って書かんかったけど。 オレが最初思ってた答えが正解やってんやんけ』  とか言うのフェアじゃないでしょ?  で、答えがわかったならそれを書き込みましょう。  凶器を持ってると認めるなら  それはどんな凶器で、どこに隠し持ってて、何が悪いのか  をきちんと述べるべきです。  本当にわかってるのか怪しいもんだ、と思われてもしかたありません。  風鈴さんの書き込みって言い訳が多くないですか?  悪食だからわからない、とか。  今回の書き込みにも凶器が隠されてるの気づいてますか?  読み捨てたくなりました。 -------------------------------------------------------------------------------- あ、凶器発見 No.6392 投稿日 2003年3月20日(木)23時45分 投稿者 馬宮  課題と他の方のレスを書く前に。  6389の風輪さんの書き込みについて。  今度は馬宮、風輪さんの文章の凶器が一発でわかりました。 >> 実は、正解だと思われる「読み捨て理由」にたどり着いてました。 >> けれど心情的に認めたくないので、否定できる論拠を探して悪戦苦闘していました。 >> 書かなかった答えを新木さんに告げて、「それ違うよ」といってもらえたらなあ、とか夢想してました。 >> いよいよ追い詰められ、罪を認めるしかないようです。 >> 認めますから、罪状の読み上げは勘弁してください。  全文凶器ですが、特に太文字のところがギラギラ光ってます。  この課題にかかわっていた全ての人間を見おろしてますね。  「なんだ、わたし、振り回されちゃったんだ」って感じです。  風輪さん、これが凶器なんですよ。  今このタイミングで、こういう事を平気で書かれた。  ということは、ここがどうして凶器になっているのかお判りになってないということですよね。  それでは、せっかく正解にたどり着いても、風輪さんの身についてないじゃないですか。  いえ。  そもそも、本当に自分が間違っている部分をなおす気があったんでしょうか?  例え、今回の読み捨てポイントの解答が「どうしても認めたくない」部分であったとしても。  どうか、他の人のことも考えて文章を書いてください。  新木さんは、わたしたちが「わからない」と泣いてるのを見てお忙しい中、時間を使って下さいました。色々餌やらヒントやらを用意してくださったんです。  とんびの羽根さんは、思考方法まで分析して指摘してくださいました。   この課題にかかわっていた人たちは一杯います。ロムの方たちだって、一緒に考えてくれていたかもしれないじゃないですか。  この課題は最初から、風輪さんが正解にたどり着いた時点で終了だったんですよ。  客観的に見ても、あの書き込みは「感じ悪いな」ととられて仕方のない文章でした。  もう一度、冷静になってご自分の書き込みを読み直してみませんか? -------------------------------------------------------------------------------- どんぐりの背比べ No.6393 投稿日 2003年3月21日(金)00時37分 投稿者 弟切 千隼 食べ物についてはともかく、文章について悪食なのは、もの書きとしてはたいへんまずいですね。弟切、矯正します。 世の中には、トンデモない文章というのはたくさんありますよね。自分が書くものを含めて(^^;  自分を見つめる鏡として用いるために、時たまトンデモ文章を目に入れてみるのはいいかも知れません。 新木さんへ > >>正午のサイレンが空に響きわたる。 に対する御指摘、ありがとうございました。 現在の弟切のレベルでは、新木さんの解説がどれだけ理解できたかはわかりません。しかし、全く理解できなかったわけではないと思います。 説明文には「視点」がなく、小説の文章には「視点」があるということを、改めて認識しました。 御指摘を生かすために、課題部屋のNo.423「完全客観視点三人称版」を書き直してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- ココロのナイフ No.6394 投稿日 2003年3月21日(金)09時02分 投稿者 哀原 友 どうも、哀原 友です。 今、どのような書き込みスタイルで書き込めばいいのか、少し戸惑いがちです。 (匿名掲示板のスタイルに少し慣れすぎたのかもしれません。) あの書き込みには、たしかに、悪意というか、 「どうしてこんなのわかんないんだろうなあ……」 という、優越感が心の片隅にあったことは確かです。 それが文章に明確に表れ、新木氏や他の読者に嫌悪を感じさせた。 これは確かに、反省すべき事だと思います。 しかし、その書き込みが読み捨てポイントの正解につながったので、 ある意味であの書き込みが、無駄にはならなかった。自分は、役に立ったんだなと、個人的にはホッとしております。 >ナイフ 元々、ナイフを心に隠し持った性格なのかもしれません。 匿名掲示板での生活を続けるうちに、そのナイフがどんどん研ぎ澄まされて鋭くなっていったような気がします。 >「凶器をちらつかせていては、誰からも読んでもらえない」ってこと。 その凶器がナイフだったりすると、なおさら、ですね。 今、こういう風に普通の掲示板で書き込んでいると、どの様に書き込めばいいのか、不安です。 前回の書き込みは心のナイフを持ったまま勢いで書き込みましたので、ある意味迷いはなかったのですが、 今、新木氏の書き込みの指摘を受けた上で書き込んでいると、迷いを感じます。 電撃大賞用に小説をつい最近書き上げたばかりなのですが、 それも凶器を隠し持っていないか、その点に注意しながら読み返してみる事にします。 -------------------------------------------------------------------------------- お詫び No.6395 投稿日 2003年3月21日(金)19時12分 投稿者 風輪 玲  読み手への配慮が十分でない書き込みをしてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。  二度と同じ過ちを繰り返さないよう、肝に銘じます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6396 投稿日 2003年3月21日(金)19時39分 投稿者 新木 伸 >三人称ってなにか  三人称の三人称たるゆえんは、第三者から見た人称になるってことなのですね。  つまり、登場人物の誰でもない「第三者」がその場にいるってこと。  その視点から観察した文体で文章が書かれてゆくということ。  陽子のことを「陽子」と呼び、浩太のことを「浩太」と呼ぶ。  けっして「私」とか「俺」とか呼びはしない。  本人ではない他人からの視点なのだから。どうしたって「陽子」とか「彼女」とか、そういう呼称になってしまう。 >甘夏さん >>実際に、二人の共通の親友、がその場に居合わせた、と >>その視点を仮定して新木リライトをいじればいいんですよね? >>共通の親友『ならでは』の要素を加えればいいんですよね?  ちがうちがう。  ほんのちょっと変更するだけで、幽霊視点で書かれている地の文を、すべて「その場にいる実在の人物」のものに変えられるので、試してみましょう、てなことです。  リライト(書き直し)までいきません。単なる部分修正です。  話は飛びますけど。  一人称と三人称との違いを、「主語が違うだけ」と勘違いしている人とかいますよね。  文中にある「わたし」を「○○は」と名前に置換するだけで、一人称は三人称になる。その逆も可能。――とか、そんな思い違いをしている人。  変更するのはごく一部で、相互にコンバートが可能。  これは、「勘違いの例」ですが……。  しかし今回のケースでは、僕はそういうことが可能って言っているわけですね。  ――で、自分の手で確かめてみましょう、ということ。  「幽霊」を「実在の女の子」に変えることは、ほぼ、語句を置換したり追加したりする程度の変更で可能なわけです。  この場合、その実在の女の子に名前を付けてしまうと、またその女の子を外から観察する視点が一つ増えてしまいます。だからここは「わたし」として、一人称にします。ふたりを観察している視点保持者を「幽霊」から「わたし」にするわけです。  たとえば一番簡単なコンバート法は、すべての行に「と私は思った」とか「私は見た」とか「私は考えた」とか、付けてしまうことです。  しかしそれじゃ日本語として妙になってしまうから、省略可能な「私は〜」はどんどん削ってゆく。また日本語を整えるために最低限の修正を施す。  いろいろ考え合わせると、たぶん、変更は20〜30文字程度となるでしょう。 >風輪さん >>その棍棒には「ペダンチック」と銘が入ってます。  ペダンチック?  「ペダンチック」って、なんじゃらほい?  知らない言葉があったなら、すぐに辞書で引いてみる。 (岩波国語辞典) ペダンチック [pedantic<イpedante (校長)]  衒学(げんがく)的,学識をひけらかすさま,知ったかぶりをするさま,学者ぶるさま. (現代用語の基礎知識) ペダンチック  衒(げん)学的。わざと難しい表現や,おおげさな体系,方法などを用いて自分の学識を誇るような態度をとること。そういう人をペダントと呼ぶ。  ……次、「衒学」を引く。 (広辞苑) げん-がく【衒学】  学識を誇り,ことさらにひけらかすこと。ペダントリー。・  ……次、漢字の「衒」の意味を引く。 (漢字源) 「衒」 《意味》  てらう。たぶらかす。学問・才能や外見をみせびらかす。学問・才能があるかのようにごまかして、みせびらかす。「誇衒コゲン」「衒売ゲンバイ」 《解字》  会意兼形声。玄ゲンは、細くて見えにくい糸をあらわす。よく見えない、あいまいであるの意を含む。衒は「行(おこなう)+音符玄」で、相手の目をごまかして、真相がよく見えないようにする行いのこと。・  ええと、つまり凶器は「ひけらかすこと」であったということですか?  ああ、なるほど。  「ひけらかす」とか「博識ぶる」とか、そう書けばいいところを、わざわざ「ペダンチック」なんていう難しいコトバを使おうとするそういう姿勢こそが、つまり「ペダンチックな態度」というやつ?  違います。  それは凶器とは成り得ません。  せいぜい「ビニール製のバット」てなもの。それじゃ人は殺せませんって。ビニールのバット持って近づいていっても、誰も脅威を覚えないでしょ? それが凶器に成りうるとは、普通、思わないから。  まあ「毒」であるのは確かだけど、せいぜい「鼻につく」程度じゃないかなぁ。  ていうか、これは質問なんですけど……。  なにかひけらかすようなこと、書いてありましたっけ?  あの邪神戦線2062の冒頭シーンで。  風輪さんがどのへんを「ペダンチック」と言っているのか、その該当部分が見あたらないんですけど。  「ジャングル感」とかそのへんのことだったら、すでに「偽鉱石」であることが判明してるじゃないですか。偽鉱石ひけらかしてペダンチックもなにもないわけです。とりあえず「博識ぶる」ためにも、まず本物の鉱石を持ちだしてこないと。偽鉱石振りかざしてできることといえば、せいぜい「ペダンチックごっこ」なのでは?  そういう意味で、風輪さんの言う「ペダンチックな部分」が凶器なのだとしたら、それは「ビニール製のバット」です。本物の凶器とは成り得ないもの。  本当の凶器は、風輪さんが手にしているビニール製のバットではなく、別のもののほうです。  風輪さんは、たぶんアクセサリーの一種と思っているのでしょう。  首からシルバーのチェーンで吊しているその短刀。そっちのほうこそ、本物の凶器です。  ヘビメタの人が怖いのは、トゲトゲいっぱいのブレスレットを「武器」ではなくて「アクセサリー」と考えているところなんだよな〜。あと手の中には「ファッション」でもって、「メリケンサック」なんて握りこんでるし〜。  それ武器だってば。 >読み捨てポイント  うーん。  哀原さんの書き込みはすごいヒントになるんだけど、かえって誤誘導しちゃったかな?  感情的反発とかは、本題じゃないのね。  要点は、「俺(私)が大変望まないことを、この人は実行しようとしている」のが見えてしまっていたという点。  それを「凶器をちらつかせて近づいてくる=殺害の意志あり」というネタに掛けて、話したりしたわけだ。  みなさん、いったん頭をリセットしてください。  感情的反発は、このさい関係ありません。  ようは、その凶器に「本物の威力」があるかどうかです。  凶器というのは、感情面抜きで、理性的に考えても、相手が逃げるようなもののことをいいます。 >風輪さん >>ものすごいマイナス要因を含んだ文章であろうと、それを相殺しうるプラス要因を読者が持っていれば「読めてしまう」のではないでしょうか。  この話、もともとは「なぜ風輪さんは読み捨てできないのか」ということから出てきたものですね。そこをとっかかりにして、発展演繹させてゆくとよいのかも。  まず上の命題ですが、「肯定」です。  読者になんらかの「読みたい動機」が存在すれば、どんなものでも読めてしまいます。それは好奇心でもいいし、その他の理由でもいいし。  たとえば学術論文であるとか。難読な文章で書かれたものとか。  またいかに「読み逃げ的文章」であったとしても……。たとえば序文に「この天才の私が愚民で凡庸で救いがたいアホウの貴方がたに教えて差し上げます」と煽るような文章が書かれていたとしても、そこに「自分に必要なものが書かれている」と思うなら、読むでしょう。  たとえば風輪さんは、哀原さんに「貴方は電波だ」と言われています。でもなんらかのヒントがあるかと思ったから、腹立ちを押し殺して、全文きちんと読みましたよね?  これが普通のときなら、「貴方は電波だ」なんて言われたら、その先は読まないはず。(まあ、なにか言い返してやるために読むのでしょうが)  また風輪さんは僕から何度も「アホウ」呼ばわれされていても、でも、読んでますよね?  「お前の小説には重大な欠陥が存在する」なんて断言されたら、そりゃ、気になって気になって読むでしょうとも。  つまり、このように、人は「必要があれば読む」わけです。  これは「読みたい動機がある」場合のケース。  ではここで、180度ほど見方を変えて、完璧に「逆のパターン」を想定してみます。  読者の側になんらかの「読まずに済ませたい動機」=「逃げ出したい動機」があった場合には、いったい、どんなことになるのでしょうか?  たとえば、ですね……。  街角で、誰かから、不意に呼び止められたとしましょう。「もしもし。すいません」――みたいな感じに。  無論、その相手は自分の知らない人です。  相手はなにかを話したがっているようです。キャッチセールスなのか宗教の勧誘なのかアンケートなのか、わかりませんが、まあ「なにか」を話したがっています。  こういう場合、風輪さんの対応としては、どんなもんでしょうか?  こういう状態になったときの人間心理――その初期状態ってことですけど。 1.好奇心をもって相手の話を聞きたがっている。 2.逃げたがっている。相手の発言を逆手に取って、逃げる理由を待ちかまえている。  1になりますか? それとも2ですか?  ていうか、現実2だと思うんですけど。  もし1だったりすると、繁華街の街中は、まっすぐに歩くことさえできないと思うのですね。話しかけてくる人の話を、いちいち、すべて聞かなきゃならない。そんなことをしていたら、何時間経っても目的地に到着できないっぽいです。  よって、2であると仮定します。  そのとき風輪さんは、相手の次の言葉に耳を澄ましているわけです。相手がたとえば「じつはとっても儲かるお話が――」とでも言いかけたら、「いえ、結構です」と手で遮って、逃げ出そうとして、待ちかまえています。  いわば、「逃げるタイミングを計っている」姿勢なわけです。  しかし風輪さんは、もし相手の話が、キャッチセールスでも、宗教の勧誘でも、アンケートでもないなら、もうすこし話を聞いてみるかもしれませんね。まあ予想した「3パターン」のうちのどれかでないなら、いったいどんな新手の勧誘なのかと、そこに興味を惹かれて話を聞くことはあるかもしれません。  しかし――。 「とっても儲かるお話が――」 「心の平穏を欲しくはないですか――」 「じつはアンケートに答えていただくととってもお得な――  この3パターンのどれかであると断定できたとしましょう。うかつなことに、相手はシッポを掴ませてくれたわけです。こちらに逃げる理由を与えてくれた。  そうして断定できてなお、話を聞くことってあります? 「あ、わかったからもういいや」ってなりませんか? なりますよね?  「読者は好奇心に満ちあふれている」と、風輪さんはなぜか断定してしまっているようです。  僕にしてみれば、それは「現実が見えていない」としか言いようがない。  現実はまるで逆です。  ある小説とのファーストコンタクトにおいて、読者はまるで読みたがっていないんです。  その小説を、なるべく早く見限ってしまいたい。そのための理由を、常に探しているわけです。  街頭セールスに捕まってしまった通行人のごとく、一刻でも早く、「逃げ出し」たがっているわけです。  小説において、この状態は、「超人気作家」にでもならないかぎり覆りません。「ああ、あの人の新作なら即買いだよ」と、中身も確かめられずに買っていってもらえるようになるまでは――。  デビュー以前、デビュー直後、中堅プロ作家――このあたりまでは、すくなくとも読者は、「逃げていい理由」を探しつつ、自分の書いた作品に接するものだと考えてください。  それが、現実です。  風輪さんが、もし違う現実を見ていたいのなら――たとえば「自分の作品を熱烈に読みたがっている読者が山ほどいる世界」に自分が住んでいると思っているなら、話はここまで。  たぶん永久に平行線です。  これ以上、この分室でなにかを考えることは、すべて無駄です。いますぐ話を終わらせて、ここを立ち去られたほうがいいです。  長いこと苦労して思考させてしまいました。無駄なことに付き合わせてしまいました。申しわけありません。  ――で。  風輪さんがそういう人種ではないのでしたら、いますぐ、認識を切り替えてください。  世の中の全員は、貴方の作品を読みたくないんです。一秒一刻でも早く見限ってしまいたくて、うずうずしながら――貴方の作品の一行目から順に眺めてゆくわけです。  貴方はいわば、街頭セールスの人間なんです。そっちの側に立ってます。  道行く人を捕まえて、逃げたくてたまらず、タイミングを計っている相手に、話を聞いてもらわなければならない立場なわけです。  それが現実であると、認識してください。  認識の切り替えはOKですか?  もし納得できなかったら、質問してください。  また認識の切り替えが済みましたら、話を先に進めましょう。  なぜ読者は一刻でも早く見限りたいのか?  その理由について説明します。  それは他にもっと「面白い作品」があるからです。  いきなりそう言われても、きっと、わからないでしょう。  ですから、ここでひとつ、具体的なシミュレーションをしてみます。  たとえば風輪さんの本が、新人賞を通過して、出版されて店頭に並んでいたとします。  大きめの書店なら、その店頭に、だいたい30冊程度の本が平積みにされてますよね。「今月の新刊」ってやつです。  電撃、富士見、スニーカー、ファミ通、この手の大手のところだけでも、まあ各文庫につき、毎月8冊は出てますね。合計すると30冊ほどになります。  さて――。  その平積みの30冊の前に、本を買いにきた読者がやって来ました。  普段からライトノベルを読んでいるような読者です。毎月3〜4冊は買ってゆき、お小遣いのうちの5分の2――2000円ほども、本代に注ぎ込んでいるような、かなりの「本好き」の人種です。 (いま高校生のお小遣いが五千円ってのは、少なすぎかな? まあいいか)  ――で、その高校生の彼もしくは彼女は、一冊目の本を手に取りました。  風輪さん、貴方の本です。  そして本の冒頭部分から、ちょっとだけ読み始めています。  しかし――、ですね。  ここで重大な点があるわけです。  まず「彼」は、風輪さんの本に対して、なんの期待もしていないという点です。  それは「どこかの誰」が書いた本なわけです。どこの馬の骨ともわからないような「新人作家」の出した本なわけです。――なので、たいした期待は持っていないわけです。  「きっとありきたりで、どうせ、つまんねーんだろうなぁ」という根拠のない「偏見」を持ちつつ、手に取っているわけです。まあ根拠がないからこそ「偏見」なんですけど。  また、重大な点は、もうひとつあります。  彼の「今月買う4冊」の枠のうち、すでに3冊が、「ずっと買い続けているシリーズの新刊」のために埋まってしまっているという点です。彼は残りの1冊を選ぶために、いま立ち読みをしているわけですね。  この二つは、重要です。  この前提条件を忘れないでください。  さて、いまこの瞬間には、彼は風輪さんの本を手にしているわけですが――。  しかしまだ残り29冊の本が、平積みされて並んでいるわけですね。  彼はそれも見なくちゃならないわけです。彼が探しているのは、「この30冊の中でいちばん面白そうな本」なわけですから。  はじめの1冊になんて、そうそう時間はかけていられない。  彼はつまり、いま手にしている「この本」に対して、「読み捨てていい理由」を探す姿勢でもって接しているわけです。  なんか「ダメっぽ」というサインが、ほんのちょっとでも見受けられたら、すぐに次の本に行けるわけです。  一分一秒でも、この作品を検分するのにかける時間を減らしたいわけです。  さて――。  そういう仮定で、「この本を戻して、次に移っていい理由」を探している読者に読まれるものだと仮定して――。  「邪神戦線2062」のいったいどこが、「読み捨てポイント」になるわけですか?  「ダメっぽサイン」は、いったいどこ?  街頭で捕まえられた通行人の話をしましたが。  あのとき通行人は、「3パターンのどれか」をまず想定して逃げる準備をしていますよね。  書店の店頭で本を読む読者も、「○個のパターンのどれか」を想定して、本を戻す準備をしていると考えてください。  読者が想定する「○個のパターン」のうち、風輪さんの小説に含まれているものは、いったいどれ?  どれが「凶器」ですか?  それは風輪さんが「凶器」と認識できていないものです。すくなくとも風輪さんは、それで人が殺せるとは思っていない。 -------------------------------------------------------------------------------- あ、レス忘れ No.6397 投稿日 2003年3月21日(金)20時45分 投稿者 新木 伸 >哀原さん  小説家目指すのなら、ナイフは「隠し持つ」ようにしないと。  隠していれば、いいんです。なにも武装解除しろとまでは言いませんので。  今回問題となったのは、読者から丸わかりだということを、作者が気づいていなかったという点です。  優越感の押し売りにきていることがバレバレ。  読者にとって、それは「ノーサンキュー」なもの。  しかし本人は、自分が押し売りであることがバレていることに、ぜんぜん気づいていないわけです。  あまりに「とほほ」すぎます。  自分が優越感にまみれている人間だということを自覚していれば、書き込みを客観的に見つめることも出来て、読者に感づかれないようにすることも可能だったわけでしょう?  人間、誰だって、清い部分と汚い部分とは、併せ持っているわけです。  哀原さんのあの書き込みには、「俺はわかっちゃったぜい」と誇る「小汚い成分」も入っていますが、しかし、それとは別に、「自分の見解が皆の役に立つかもしれない」という「清い成分」だってあったわけです。  もし汚いものを隠し通せたなら、あの書き込みは「清い物」だけになっていたわけです。汚いものは、ほんの少しでも混入していると、もうダメなわけです。清いものを容易に汚してしまいますから。  作家となって、小説を書くということは、自分の中の汚い物を押し隠して、清い物だけを作品に込めるということです。人に喜ばれるものというのは、そういうものです。  ――で、その「分離作業」ですが、本来は「小説」の中でだけやっていればいいことなのですね。こんなネット上の書き込みなんかで、わざわざ清濁分離しなくたっていいはず。  まあしかし、この分室は練習場/訓練所」なんで、普段の書き込みでも自覚してコントロールしろと言っています。  だいたい、自分の心根が「汚れていた」ことにさえ気づいていないくらいなんですから、作品の中にだって、同じようなこと、びしばしやっているに決まってます。 >>今、こういう風に普通の掲示板で書き込んでいると、どの様に書き込めばいいのか、不安です。  匿名掲示板というと、あそこかな?  遮蔽物の陰に身を隠して、安全な場所から相手に石を投げつけるようなことをやって楽しんでいるあそこ。  相手が決して言い返してこないと知っているから、石を投げつける。  もし仮に相手から反撃があったとしても、自分は匿名なので絶対に安全。  そういうところに慣れている人が、普通に名前を出して物を書くことをどのように感じるものなのか……。  不安になるものなのか。そうなのか〜。  ひとつ理解しました。  作家になるってことは、その「遮蔽物の陰から石を投げてくる相手」の矢面に立たされることですよ。  名前を出すということは、好ましいものも嫌なものも、どちらも自分の取り分とするってことです。  名前を出さないことは、どちらも自分のものにできないということです。  ところで哀原さんは、次の電撃大賞に応募するときには、その「哀原友」の名前で応募するわけですか?  そしてもし受賞したなら、その「哀原友」の名前でデビューして作家になるのですか?  自分が作家になったときの別の名前を、すでに用意してあるのなら、今後はそちらの名前でここに書き込んでください。  また応募時のペンネームが別にあるなら、やはりそちらで統一してください。  正式な参加者でないとはいえ、「小説を書いている」と言っている人間が、筆名を明らかにしないというスタンスは、ここでは認められませんので。  特別な理由があれば考慮します。  たとえば応募用の名前は本名だったので、公開は避けたいとか。  プロになるまでは作家用の名前を名乗らないと自身で誓いを立てているとか。  で、この際、こうして「縁」ができましたので、分室に参加しませんか?  べつに課題をやるということではなく、指摘者としてでもいいですし。 -------------------------------------------------------------------------------- 立っているものは悪魔でも使え No.6398 投稿日 2003年3月21日(金)23時59分 投稿者 弟切 千隼 今回は雑談です。 以前より懸念されていたとおり、米英によるイラクへの武力攻撃が始まりました。新聞もTVも、そのニュースで持ちきりですね。 普段、ほとんどTVを見ない弟切も、この戦争のニュースを見るためにTVを見ました。理由は二つあります。 一つは、現在のこの世界に生きている者の義務として、世界で起きていることを知らなければならないと考えたからです。 もう一つは、日本人の心象風景の中に最も欠けているといわれる「砂漠感」を得るためです。 日本は多雨の国で、本当の意味での砂漠地帯が存在しません。そのため、日本で生まれ育った人には、世界のあらゆる気候の中でも、「砂漠感」が最も欠けているといわれます。 小説を書く人間にとっては、これは一つの大きな弱点として自覚しなければなりません。また、身に付けられれば大きな利点ともなることを自覚すべきですね。 これが身に付けられれば、大部分の日本人が体験したことのない「砂漠」を、作品の中で体験させてあげられるのですから(^_^) 幸運なことに、弟切は米国のアリゾナの砂漠を歩いたことがあります。ですから、一般的な日本人よりは、「砂漠感」を持っているといえるでしょう。 その私の目から見て、TVの中のイラクやクウェートやカタールの砂漠は、アリゾナの砂漠とは全く違います。森林にも熱帯雨林や亜寒帯林など多様な種類があるように、砂漠にも多様な種類があるのだなあ、と感心しながら見入っています。 断っておきますと、弟切は戦争を喜んでいるわけではありません。こんな悪いニュースではなく、良いニュースで「砂漠感」の勉強をしたいとつくづく思います。 日本は中東の国々に石油を依存していながら、こんな酷いことでも起こらない限り、日本のTVに中東の砂漠が映される機会は多くありません。「なぜそうなのか?」もしっかり考えて、得られる経験値を増やすつもりです。 -------------------------------------------------------------------------------- re:あ、レス忘れ No.6399 投稿日 2003年3月22日(土)10時28分 投稿者 桜庭 優(哀原 友) >ところで哀原さんは、次の電撃大賞に応募するときには、その「哀原友」の名前で応募するわけですか? >そしてもし受賞したなら、その「哀原友」の名前でデビューして作家になるのですか? >自分が作家になったときの別の名前を、すでに用意してあるのなら、今後はそちらの名前でここに書き込んでください。 >また応募時のペンネームが別にあるなら、やはりそちらで統一してください。 >正式な参加者でないとはいえ、「小説を書いている」と言っている人間が、筆名を明らかにしないというスタンスは、ここでは認められませんので。 というわけで、今後は、上記の名前を名乗る事にします。 これは電撃大賞用のペンネームです。作家名といってもいいでしょう。 これからよろしくお願いいたします。 >で、この際、こうして「縁」ができましたので、分室に参加しませんか? >べつに課題をやるということではなく、指摘者としてでもいいですし 個人的には参加したいと思っています。 しかし、その前に自分の小説家としてのレベルが、指摘者としてのレベルに達しているかが気になりますし、 それに今は、電撃大賞用の作品に注力したいので、本格的な参加は、応募してから後、という事にしたいです。 それでもよろしいでしょうか? というわけで、宜しくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 幽霊使い? No.6400 投稿日 2003年3月22日(土)20時20分 投稿者 弟切 千隼 今は春のお彼岸なので、あちこちで大々的に牡丹餅を売っていますね。 梅見に始まる春の行楽期でもあるため、鶯餅[うぐいすもち]や桜餅といった和菓子も店頭を賑わしています。 おかげで、食いしん坊の弟切にとってはおやつの誘惑に勝つのが難しい季節です。先日も、たまたま行ったデパートの地下に美味しそうな牡丹餅が並んでいて、誘惑に負けてしまいました(^^; >>主観語/客観語課題 課題部屋に、三人称客観視点のリライトを上げておきました。 話の舞台である駅前広場の中空に浮かんでいる「浮遊霊」がいると仮定して、その浮遊霊の視点で書いてみました。 この浮遊霊には、特定の人や物に対する執着・好意・悪意といったものを持たせていません。通りすがりの人のように、淡々とその場のことを描写させているつもりです。 といっても、全体的にリライト前とあまり変わっていませんね。 哀原さん改め桜庭さんへ > これを機会に分室に参加なさるそうで、よろしくお願いします。 「桜庭」というのは、「さくらば」という読み方でよいのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 報告のみ。 No.6401 投稿日 2003年3月23日(日)00時03分 投稿者 甘夏  新木リライトを実在親友にする作業、いったいん終わりました。  査定、お願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 視点 No.6402 投稿日 2003年3月23日(日)00時53分 投稿者 紫ゆきや ●正午のサイレンが空に響きわたる。  この一文、なにかが変だと感じて、小一時間こねくりまわしてみました。  それで、ひとつ思ったのですが――「サイレン」て「音」とは確定しない言葉なんですよね。  「サイレン」は「装置」を示して使われることもあります。  「電話」とか「目覚まし」と同じですね。  そんなわけで、「サイレンの音が」と付け加えるか、「サイレン」の直後に「響きわたる」をもってきて、音であることを可能なかぎり早くに確定しておいたほうが良いかと思いました。  見れば、リライトではそうなっていますね。弟切さんも同じように考えたということかもしれません。 ●課題部屋423弟切さんのリライト  主観語・客観語の使い分けについては、違和感を感じませんでした。  やはり、弟切さんの使い慣れているのは、こちらの視点のようですね。  ただ、このカメラ(あるいは幽霊?)は、どうして私の見たい場所を見ないのだろう、という感想をもちました。  パステルカラーの服の裾をひるがえして歩きながら、とても楽しそうに笑う少女たちを差し置いて、Gぱん姿の眉間に皺をよせた若い女性を注視するのは……なんででしょうね。  いや、若いほうが良いと言っているのではなくってですね(^^; 「どうせ覗き見るなら、楽しそうなほうを見ませんか?」 てことが言いたいんです。  少女たち(二人で会話/歩いている/笑っている)  若い女性(一人で無言/立っている/眉間に皺)  会話も動きもないネガティブな人を見せたいときに、会話と動きがあるポジティブな人を出すのは、どうかと思うわけですよ。  しかし、「対比」としては出したいですよね。  であれば、別の「視点が興味をもつ理由」を用意すべきでしょう。  たとえば、「(視点にとって)ある程度の知り合い」とするとかですね。  初登場のとき、「若い女」とせず、名前を出していたなら、「知っている人物が機嫌を悪くしている」のですから、「知らない少女たちが楽しげにしている」よりも、目を引くだろうと思いました。  ところで、少女たちなんですが、女性の横にきて笑い始めてから、再度笑い声が聞こえてくるまでが長すぎませんか?  女性が――仲良さげな男女を見て、溜め息ついて、携帯に何か入力し、中断して、眉間に皺をよせる――最速でも20秒くらいでしょうか?  少女たちは正午の繁華街を、それなりの早さで歩いていたはずなので、人混みに消えるには十分な時間だと思います。  視点とは、全く関係ないんですが――  女の子の書く「謝る男」って、ほんとうにダメ男なんですね。  なんででしょうね。ダメ男に謝られるというのは、女の子にとっては娯楽性が高いんでしょうか。 ●甘夏さん(親友実在版)  なるほど、ほとんど変更なしで、実在のキャラクターに置き換わりましたね。  二人が会話に熱中しているから余計に違和感ないです。  唯一違和感を感じたのは、親友が足を止めていたところから、慌てて追いついた部分ですね。  動作が明記されていないので、よくわかりませんでした。  幽霊な視点のときにはなかった違和感ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6403 投稿日 2003年3月23日(日)03時33分 投稿者 新木 伸 >桜庭さん  改名の件、了解です。  しかし投稿名が決まっていたなら、なんだって「哀原」だったんです?  電撃の締め切りは、たしか4/10でしたっけ。  応募完了されましたら、これは「よみかく」に投稿かな。応募作を上げるのは、よみかく常連の恒例のようです。電撃なら掲載サイトを明記しておけば未発表作扱いとなりますし。 (しかしよみかく、止まったまま数日経過。どうしたんだろうか?) >弟切さん  紫の言うとおり、若い娘たちを差し置いて、視点が「彼女」に注目するための理由が弱い。まずそこをどうにかすること。  あともうひとつ、全体的に「灰色」すぎる。  冒頭から、最初の会話文の前の行まで。  これと同じ展開、同じ内容でもって、3分の2、ないしは、2分の1にしてこい。  同じ内容の重複が多すぎ。  また、「今、何時だと思ってる?」以降の台詞パート。  台詞の間の「合いの手」の地の文を、すべて削って捨てろ。あとでいくつかは復活させるにしても、まずいったん全部捨てろ。  いらん。  台詞があればわかる。  で、台詞のみにしたら、こんどは、台詞の個数を3分の2にしろ。  台詞単位で重複がある。  いま台詞は合計で13個か。3個か4個は減らすこと。  台詞の個数を減らしたら、つぎに、台詞ひとつひとつの内容にも重複がみられるから、台詞の長さを、3分の2から2分の1にすること。  以上。リライトすること。  ちなみに「できません」とか音をあげたら、僕が指示内容を実践して、リライト可能であることを証明してやってもいいが、まず自分でやってみるように。 >甘夏、弟切、馬宮  ところで、いまなにをやっているところだったっけか?  目の前に文章が出されると、つい細かいところに目がいっちゃうのだけど。  弟切さんの上記のリライトは別件でやるとして――。  本筋は、なんだっけ?  あるシーンを、それぞれ、自分の得意な人称で書いてみたり、その逆に不得意な人称で書いてみたりして、指摘をもらって切磋琢磨してゆくコンセプトだったっけか。  するとひとつのものを直しているより、人称が正しいかどうかだけチェックして、次々と別の「視点」で何パターンも書いていったほうがいいのかな。  だとしたら、弟切さんは、上のリライト指示はタスクに積んどいて後回しってことで。別パターンも出しつつリライトする余力があるならいいけど。  そういや馬宮は、またナチュラルにサボっとるなぁ。  まあ本人的には努力しようとして空回りしているんだろうけど、こちらから見ると、なんもあがってこないしレスも書いてないから、サボっているようにしか見えないわけだ。  努力と成果とを噛み合わせる方法を、なんとか自分で編み出すべし。  評価されるのはあくまでも「成果」のほうであって、「努力」に関しては誰も評価してくれないんだからね。  ていうか、いま実際に本当に「1日6時間小説に振り向ける」ができているの? 家のことでゴタゴタしていて時間が取れないのなら、そう書いておけ。こちらとしては、「毎日6時間かけてるわりには、なんもあがってこんなぁ」と思っているわけだ。 >まっきー  まっきーは頑張っておるようだな。  ツリー表示にしていると目立たないけど「最新の一覧」にすると、ほとんど課題部屋を占領しておる。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&mc=n  きちんと成果が出てる。  まあ長編小説を書き上げたところで、それが賞を通らなければ、やはり「成果ゼロ」であるわけだが……。それはまた別の話だ。 >甘夏さん  うん。ほとんど、ばっちりです。  ひとつだけ、紫も指摘している部分が飛躍していますので、こう直すといいでしょう。 (あ、これやると20〜30字を超えちゃうのか) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ベビーカーを押していた若いお母さん。お好み焼きを売るお兄さん。誰も彼もが、目で二人のことを追っている。二人が通り過ぎてしまってから、ベビーカーを押す手と、コテを鉄板に押しつける手が、ようやく、動きを再開する。  つい立ち止まってしまっていたわたしは、急いで二人のところに戻った。 「なんで、謝るの? 怒ってないって、そう――言ったでしょ」  私は知ってる。文節文節切って話すのは、感情が昂っているときの陽子の癖だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ということで、一応は証明されました。  いわゆる「普通の三人称」の文章というのは――。  まずその場に「仮想の友人」を登場させて、その人物の一人称で書いたのちに、「私は〜」という主語をすべて削り落としていったものと、等価なわけです。  とすると、一人称でいきなり書きだすことのできない甘夏さんは、「普通の三人称」も書けないってことになるのかな?  まあ「店の人視点」で描く「男女の別れ話」の課題を見たあとで判断するとしますか。 >ナチュラルな一人称 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=432&e=res&lp=432&st=  僕はこれが「ナチュラルな一人称」であると書いています。  しかしあれは、いわゆる世間一般的に言うところの「一人称小説」とは違っています。そこで混乱しちゃう人がいるといけないから、解説しておきます。  一般的に、「一人称小説」として世に出回っているものの多くは、じつは、「語り部視点」のものなんですね。  「語り部=私」の小説。  しかしあれは、一人称としては、じつはたいへん不自然な部分があるのです。  すこし考えればわかることですが、どこの世界に、「自分が何者であるか親切に説明してくれる私」がいるというのでしょうか。  たとえば自分の通っている学校のこととか、自分自身のこととか。  本人にとって「あたりまえ」なことは、いちいち念頭に浮かんだりしないものなんですね。  ナチュラルな一人称で小説を書くことは、じつは非常に難しい。  いや書くのはたやすいんだけども、「読者が読んで分かるもの」にするのは、非常に難しい。  なので、一人称で書かれる小説では、色々と工夫をします。 1.「私」を「語り部」としてみる手法。 2.「私」を非常に理屈っぽく説明好きな性格にしてみる手法。 3.説明を要することは、「私」がそういうことを考えてもおかしくないシチュエーションに持ってゆく手法。(これが一番難しい)  普通は「1」。  ていうか、僕は「1」以外の一人称小説を読んだためしがありません。  5ページや10ページなら、「3」の手法でもどうにかなるのね。でも一冊丸ごとってのは、かなりキビシイ。 -------------------------------------------------------------------------------- 退室宣言 No.6404 投稿日 2003年3月23日(日)11時18分 投稿者 風輪 玲  短い間でしたが、お世話になりました。  これをもちまして、分室から去ります。  新木さんの貴重なアドバイスには、本当に感謝しています。  読み逃げ文章を実演してもらわなければ、認識を改めることができなかったのですから。  今回得た教訓をもとに、より一層の精進を重ねてプロを目指します。  それでは、ごきげんよう。   -------------------------------------------------------------------------------- あう? No.6405 投稿日 2003年3月23日(日)11時57分 投稿者 新木 伸 >風輪さん  おーい、お待ちなさいってー。  まだ答え言ってないんですけどー。  この次あたりで、そろそろ書こうと思っていた矢先に……。  タイミング見誤ったかなぁ。まだ平気だと思ったのだけど。  しかし、まず「読者はじつは逃げたがっている」という認識を植え込んでからでないと、答えは、言われてもピンとこないものなのですね。  とりあえず、私、これから寝るので、起きたら書きます。  ROMしててください。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前の事 No.6406 投稿日 2003年3月23日(日)14時27分 投稿者 桜庭 優 >弟切 千隼さん >哀原さん改め桜庭さんへ > >これを機会に分室に参加なさるそうで、よろしくお願いします。 >「桜庭」というのは、「さくらば」という読み方でよいのでしょうか? そうです。「さくらば」でオッケーです。 あと、名前のほうの読みは、「ゆう」でなく「すぐる」でよろしくお願いいたします。 >新木氏 >改名の件、了解です。 >しかし投稿名が決まっていたなら、なんだって「哀原」だったんです? これを説明するにはちょっと長くなります。 まず、以前とあるWebTV番組に投稿していたハンドルネームがありまして、 それが「藍原 優」(あいはら ゆう)でした。 それで、わたしとは別に、某模型雑誌で作例の製作をしている 模型の原型製作者がいて、その方のペンネームの苗字が哀原(仮名)だったんです。 で、あのナイフな投稿をする際に、「一応仮名的な名前で行くか」と思ったときに、上記の方の名前が浮かび、それを使用してみたのでした。 決して某子供な名探偵の登場人物から来ているのではありません(笑 しかしまた、この「藍原 優」は、昔いた「相原 勇」というタレントや、 上記の原型師の方のイメージがわたしの中では強くて、 「あいはら ゆう」という名前を変えたかったのです。 そこで、わたしの好きな女性声優関連の名前から、「桜庭 優」(さくらば すぐる)という名前にした。そういうことなんです。 >(しかしよみかく、止まったまま数日経過。どうしたんだろうか?) 分室からのリンクで跳ぶと、403エラーですね。 少し変則的ですがgoogleで「よみかく ミラー」と入力して検索し、 その結果の二番目の結果で跳んでみると、「よみかく」の小説ページに 跳びますので、ページの一番下のリンクから「よみかく」のトップページへ 飛ぶことが出来ます。 分室のリンクを張りなおしてみては如何でしょうか? 今、戦争が続いて嫌な気分。だから、今はスポーツ中継を主に見る事に しています。 特に大相撲中継(NHKBS)を1時からぶっ通しで、ほぼ毎日見ていたりすると、 いつの間にか、色々な相撲の動きが分かってきて面白い。 Jリーグも始まったけど、上位二強がプレシーズンの試合で不安要素を抱えての開幕だけに、どこが優勝しても可笑しくないような状況で、 興味があったりします。 こういうスポーツを見るのも、小説を書くいい勉強ですよね。 とくに描写の部分においては。そういうことを念等において TVを見ていたりすると、また違った面白さが出てきたりします。 それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 戦争はフィクションの中だけにしたいです。 No.6407 投稿日 2003年3月24日(月)01時25分 投稿者 弟切 千隼 米英軍が、イラクの首都バグダッドに本格的な空爆を行なったというニュースを新聞で読みました。 戦争を体験したことのない弟切は、現代人としての義務を果たすためのみでなく、「爆撃感」や「ミサイル感」を知るためにもイラク関連のニュースを追っています。「夜の公園感」くらいなら自分で体験して身につけることができますが、さすがに戦争関連の感覚は、下手に体験しようとすると死んでしまうので「擬似鉱石」でやめておこうと思います。 イラク関連のニュースの中で、今まさにトマホーク・ミサイルが降り注いでいる土地にとどまって、記事を送信している日本人ジャーナリストの言葉が胸を打ちました。頭上を飛ぶトマホークの音を実際に聞いた者しか書けない言葉がそこにあります。 >>主観語/客観語課題 えーと、弟切の場合、課題部屋のNo.431−怒る女性と謝る男性−の書き直しは後回しでよいのですね? 弟切は、同時に二つのことをできるほど頭が良くありませんので、優先順位が高いほうから順番にやることにします。 ということで、次は、主観語/客観語課題のお題その2「別れ話をしているカップルと観察している店の人」を書きます。 これは、店の人の一人称「語り部」視点で、別れ話をしているカップルを書けばよいのですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 桜前線北上中 No.6408 投稿日 2003年3月24日(月)21時50分 投稿者 弟切 千隼 故郷の静岡に住む友人から、「こちらでは染井吉野の開花宣言が出た」と聞いて驚いている弟切です。 染井吉野は、開花からおよそ一週間で満開になるそうですから、少なくとも静岡の平地では、三月中に満開を迎えてしまう計算になります。 異常に早かった昨年ほどではないにしろ、お彼岸の最中に−今年は今日まで春のお彼岸です−彼岸桜ではなく染井吉野が開花するなんて、少し前までは考えられなかった気がします。 関東以西では、「四月に咲く染井吉野」というのは、やがて幻になってしまうのでしょうか? >>主観語/客観語課題 お題その2「喫茶店で別れ話をしているカップル+店の人」を課題部屋に上げておきました。 皆さんの突っ込みをお待ちします。 -------------------------------------------------------------------------------- 不気味な静けさ No.6409 投稿日 2003年3月25日(火)13時57分 投稿者 弟切 千隼 弟切が住んでいる神奈川県は、日本では沖縄県に次いで米軍基地が多い県です。 弟切の自宅の上空も、横須賀基地と厚木基地とを往来する米軍機の航路になっているらしく、爆音をたてる米軍機が、しょっちゅう頭上を通過してゆきます。 しかし、イラクとの戦争のために空母キティホークが横須賀を出港して以来、ほとんど米軍機は飛んでいません。この静けさにやりきれなさを掻き立てられます。 空はつながっています。とても静かなこの春の空が、ミサイルの降り注ぐイラクの空へとつながっているのです。 >>主観語/客観語課題 課題部屋のNo.431「待ち合わせに遅れたことを怒る女と謝る男」を削ったもの(No.440)を上げておきました。 削ったら、量が半分以下になってしまったことに我ながら呆れました。それだけ灰色率が高かったということですよね(^^; -------------------------------------------------------------------------------- 染井吉野 No.6410 投稿日 2003年3月25日(火)23時17分 投稿者 甘夏  は、江戸時代に染井村の植木屋さんが  桜の名所『吉野山』の桜と同じくらい素晴らしい、  という意味合いを込めて名づけたそうな。  突然変異種だそうです。 >弟切:「喫茶店で別れ話をしているカップル+店の人」      突っ込みアリ。 >> もちろん、どんなに変なやつでも、金を払ってくれるなら大事なお客さまだ。俺は怪訝そうな態度はおくびにも出さず、席についた二人に水とメニューを運んでいった。  で、前後の文章が食い違っています。  前の文章での『金さえ払えば客は客』と  次の文章冒頭の『怪訝そうな態度』がかみ合ってないんです。  おそらく『怪訝そうな態度』は、  不釣合いなカップルに対するものだとは思うのですが  直前の文章で違う思考をしているので不自然に感じました。  段落をわけるか、もう一度、その二人を観察させたほうが自然だと思います。  あと、怪訝そうな態度、って主観語でしょうか?  あぁ、俺、怪訝そうな態度してるわ。って思うものでしょうか?  客観語っぽいですね。  まず、自分のことを表すのに『態度』って言葉を使うかどうか。 『〜な態度』ってだけで客観語っぽいです。 >>俺はメニューを持って二人のテーブルを去り、マスターに注文を伝えた。このテーブルに長居はしたくない。なんだかいやな予感がした。  思考の順番がバラバラ?  もうテーブルを去ったのに、長居はしたくないと思ってるあたり。  あとは、去った後であれば『あのテーブル』とするのが普通。  >>隣の市では、商店街の飾りつけが豪華なことで有名な七夕祭りが行なわれる。確か今日からだ。  隣の市では、毎年、商店街の飾りつけが〜  と、毎年、を挟んでおかないと思考としておかしくなりませんか?  うまいこと言えないのがもどかしいのですが……  そう言えば、去年も、そんなんやってたっけなぁ、  みたいに思うのが普通だと思うんです。  そう言えば、隣町ではそんなことをやっている。とは思わないような。  わかりにくければそう言ってください。 ◎主観的な、と言うことにおいて。  最初に入ってきた二人を見たあとの『俺』の反応が希薄すぎます。  もう少し、なにか思いませんか?  不釣合いだなぁ、終わり。ですか?  清楚なお姉さんを軟派してきたナンパ男、とか。  そういうような感想を『俺』はもたなかったのでしょうか?  必要以上に客観的に見ようとしすぎているような気がしました。  後の文章では女の子に対する主観がたくさん出ているので。 >>その表情の変化に不穏なものを感じて、俺はすかさず口を挟んだ。  これはしょうもないツッコミですが。 『すかさず』って変じゃないですか?  すかさず (副)機会を逃さず。間をおかず。すぐに。  チャンス(機会)だ、と思って口を挟んだんでしょうか?  不穏なものを感じて「思わず」口を挟んだ、の方が自然じゃないかなぁと。    あと、気になったのが↓   >> うわ、こいつコーヒーマニアか、さもなきゃハワイかぶれだ。  と、『俺』にせっかく思わせたのですから、 >>ま、ハワイの波にゃ負けるだろうけど  と、男が言った後で、なんらかの反応を示させるべきだと思いました。  やっぱり、そうか。とか思うのが普通では?  ネタを投げっぱなしではもったいないですよ。  あと、甘夏:「喫茶店で別れ話をするカップルに圧倒されるウエイター」  を、あげておきました。  ツッコミよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 三月は去る No.6411 投稿日 2003年3月26日(水)00時49分 投稿者 馬宮  馬宮、混乱してました。  整理がついたので、今書き込みと課題をまとめています。 ●新木さん  レスが遅れました。もうしわけありません。 >>努力と成果とを噛み合わせる方法を、なんとか自分で編み出すべし。  はい。編み出すために必要な材料は、今までにたくさん頂いているはずです。  考えたことを毎日少しずつでも、形にしていくことから始めます。 >>こちらとしては、「毎日6時間かけてるわりには、なんもあがってこんなぁ」と思っているわけだ。  言い訳はありません。  進行状況が報告できないような、要領の悪い時間の使い方をしていました。 >>家のことでゴタゴタしていて時間が取れないのなら、そう書いておけ。  ありがとうございます。こちらいついては、大丈夫です。  遅れた分は、今夜中になんとかするつもりでいます。  時間が少しかかりそうですので、まずは報告のみで失礼します。 ●桜庭 優さん  ご挨拶遅れました。馬宮 恭(うまみやきょう)と申します。  6394の書き込みは、前回と違う印象ですね。仲間が増えるのはとても嬉しいです。  どうかよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6412 投稿日 2003年3月26日(水)06時37分 投稿者 新木 伸 >甘夏さん  うーん。  三人目のウエイターを出したら、別れ話をしている二人のほうが、とたんに動かなくなりましたねー。  これウエイターを消して、「男と女」で登場人物二人だけの三人称視点で書くとどうなりますか?  二人のやりとりに関しては、まったく変更なしで。  それを書いてみると、僕の言うところの「動いていない」の意味が実感できると思いますが。 >馬宮  馬宮って、「うまみや」って読むんだ。初めて知った。  ずっと「まみや」って読んでいた。ていうか、辞書登録も「まみや」になってるしー。  これ、どうしたらいい?  西鶴君も、いまだに「さいかく」って呼んでるしなぁ。または「みどり」だし。 >桜庭さん  いま検索サイトから行ける「よみかく」は、あれミラーのほうです。(更新が11月で止まっている)  あと、戦争に関する話題は、「嫌な気分になるから避けてる」とか言っちゃうのは、それどうかと〜。まあ弟切さんのように、戦争ネタばかりになるのもどうかと思いますが。  まあ作家っていうのは、たとえ戦争が始まってしまっても、自分にできることといえば「小説を書く」しかない人種ですから。  最終戦争が始まろうがなんだろうが、とりあえず小説の話をしましょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです No.6413 投稿日 2003年3月26日(水)07時29分 投稿者 馬宮 ●馬宮の読み方  すみません(泣)  自分で読み方間違えてました。  馬鹿です寝ぼけてますわたし。    馬宮 恭(まみや きょう)なんです。  失礼いたしました。 ●新木さん >弟切さんリライト・6379  >>正午を告げるサイレンが青空に響き渡る。  一人称の区分け、ありがとうございました。  一人称のカメラでは、なにを写すにも視点者の脚色が入るのだと思いました。  この脚色がないものが、完全三人称だと考えました。 >ジャングルの動物 >> 仮に馬宮が山ほど種類を知っていたとする。しかしその固有名を出してきたって、読者がわからなきゃ意味なかろう?  そういう意味ではなかったんです。  わたしの書き方がとてもまずかったと思います。もうしわけありません。  必要なのは、固有名詞ではないんです。もちろん、固有名詞も知っていた方がいいと思います。  情けない話ですが、わたしの頭の中のジャングルは、それこそ幼稚園児が画用紙に書いたものすごく抽象的なジャングルだったんです。  そこになにか生物はいるのかもしれないのですが、生きていません。植物はあっても、なんかでたらめで作り物っぽいです。 >> 読者の分解能で考えれば、「サル」「ワニ」「鳥」で充分なんじゃないの?  読者の分解能はそれでもいいと思います。ただ、書き手の分解能はそれではまずいと思いました。  極論ですが、ジャングルの中に、ニホンザルをイメージして「サルがいる」と言ったのでは鉱石の課題になりません。でも実際わたしはこの極論に近い状態にあったんです。  わたしがサルを考えた時、「ニホンザル」「ヒヒ」「アイアイ」などが浮かびました。もちろん「ニホンザル」は即却下です。  「ヒヒ」は姿形は知っていますが、生息場所がわかりません。「チンパンジー」やら「ゴリラ」もわかりますが、既にアマゾンにはいない、と情報をいただいています。  「アイアイ」は、歌の歌詞で知っているだけで、生息場所がどころか、どんなサルかわからなかったんです。  ましてやアマゾンのジャングル限定のサル。  どんなサルだろう。首をひねりました。 (動物園にアマゾンのサルがいなかったので、図鑑で調べようと思っています)  イメージがはっきりないものを、描写として使うのは怖いです。  それに、イメージがはっきりしていたら、描写文だって違ってくるのでできるだけ、知りたいです。  極彩色の鳥。鳴き声は、ギャーギャーってイメージはあります。  でも、どんな鳥がそんなうるさい鳴き声を出すんだろう、と思いました。  正体は極彩色のインコでした。実際、本物を見て、鳴き声を聞いてきました。  他にもいるのかもしれませんが、とりあえずインコはギャーギャー鳴いてました。  赤と黄色と青色をしていました。  後、カエルとか蛇、亀などの爬虫類。鳥も図鑑で調べました。まだ全部目を通しきれてないので、これからじっくり見ようと思っています。  後は植物園に行って、ちゃんと植物を見てこようと思ってます。以前行った時、熱帯の植物があった記憶があります。  そうしたら、わたしの中に少しはジャングルができてくると思います。  描写をするのは、それからになります。  わたしは、今までこの分室で、思い込みや覚え間違いで色々間違いを重ねてきています。  「間違いない」と思ったことですら、そうだったのですから。(落ち着いて調べれば間違えなかったことが色々ありました)  だから、ここまで不確かだと思ってしまったことは、怖くて書けませんでした。  わたしはこれまで、描写を知らなさすぎました。引き出しの詰め込み作業が緊急に必要です。 >> 前に、キャラを描くってことは、そのキャラのもつ「知識体系」を決めることだって言ったろ。 >> 作者の知識体系の量が、キャラの必要量を超えていればいいわけ。  はい。もう一度、頭にたたき込みます。でも、「馬鹿コギャル。ジャングルに行く」だけでは芸がないので、がんばって知識を増やします。  今回もかなり、ガツンときました。  でも、描写の引き出しの増やし方が少しわかってきたように思えます。 ●紫さん(6387)  ご指摘、お返事ありがとうございます。 >主観客観 >>「すたすた」「くるり」  わたしも、実際「すたすた」「くるり」をやってみました。  なるほど、よくわかりました。  やはり、頭の中だけではだめですね(汗) >>言い放った  これは、かなり悩みました。  でも、主観語として一人称で使うには固いと思うんです。  でも、確かに意識の必要な言葉なので、完全客観では使えないと思います。 >馬宮412のどこが面白かったか >>先が気になったから、「面白かった」です。 >>「男の子と女の子の考え方のギャップ」を楽しむには、ちょっと男の子がニブすぎるかもしれません。  ありがとうございます。参考になりました。狙いを外してしまったのは、男の子のキャラクターに問題があったんですね。 >「キャラクターが決めつけたとしても、読み手は同意できない」ことについて  いえ、わかりました。これも男性キャラの描写不足だと思いました。  女の子がお弁当を持って来たことに気づかない男の子。これを確定させるものが必要だったんですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 無題 No.6414 投稿日 2003年3月26日(水)07時46分 投稿者 馬宮 ●弟切さん >(6383)のレス  三人称の区分けありがとうございました。  新木さんの区分けと弟切さんの区分けを参考に、もう一度客観を最初から考え直してみました。  課題部屋(440)の三人称削り版で、完全三人称を勉強させてください。  完全客観になっているかどうかの確認の仕方を、考えました。 −−− (方法)  これから、映画を撮ると考えます。  カメラに写せるのは、「景色(絵)」だけです。  絵を撮るだけで、物語のコンセプトを全て表現しなくてはいけません。  そして、撮った絵を、そのままの状態で文章に起こしたものが、完全客観。  そう考えることにします。  ということは、文章が完全客観になっているかどうかをチェックする時は、今の手順の逆をやればいいと思うんです。  一文が一枚の絵と考えた時、それがカメラで撮ったままの絵になるかどうかを考え、ならなかったら、主観が入っているとします。  また、主観が入っていると判断した場合は、「ではどう撮ればいいか」「どう文章に起こせばいいのか」を考えていきます。 −−− 1. 駅前広場に、正午のサイレンが響き渡った。  最初の一文は、5W1Hの、「いつ、どこで」になっています。  ・場所は駅前広場。時間は正午。  でも、1は、一枚の絵にならないと思うんです。  駅前広場を写せば、駅前広場がわかります。同じ絵の中で、サイレンを鳴らせば、サイレンはわかります。  でも、「正午」はどうでしょうか。    これを表すには、なにか別の絵を撮らなくてはいけないような気がします。  例えば、時計。  十二時を示す時計をこの前後どちらかに写せば、「正午」がわかると思います。  だから、ここは、二文に分けるべきだと思います。  ・駅前広場に響き渡るサイレン  ・十二時になった時計等、「正午」がわかるもの。  それから、「響き渡る」ですが。これは「鳴った」になるんじゃないかと思うんです。  「鳴った」ことを意識して、「響き渡った」を認識するんだと思います。  前に、この「響き渡る」は客観だとわたし自分で書いたのですが。  考えが変わりました。これを客観と考えると、他の言葉を考えた時に迷うんです。  だから、まず「主観」だと考えてみたいと思います。 2. ざわめく広場の隅に、独り、若い女が立っていた。  次は、5W1Hの続きです。  ここから先は数行を使って、一つのコンセプト、  ・約束の時間に遅れた男を、イライラしながら待つ女  を表しているようです。  まず遠くから駅前広場を写していたカメラが、広場のざわめきを拾いながら、隅っこにいる女に近づきます。絵に不自然さはないのですが。これが文章になった時、「独り」でひっかかりました。  「独り」っていうのは、「ひとりだけで」という意味で副詞として使われることがあります。もし、弟切さんが「独り」を副詞として使われたのなら、ここは客観の文章にはならないのではないでしょうか。  カメラは、「一人」は写しても、「独り(ひとりだけで)」は写さないと思うんです。それを認識するのは、その絵を後から見た人間だけだと思います。  だから、この一文は完全客観ではないでしょう。  ここは、「独り」を「一人」にすれば、いいのでは、と思います。 3.その視線は、片手に持ったままの携帯電話の画面に注がれている。  カメラが、女にさらに近づきます。ここのコンセプトは「時間を気にしている女」だと思います。「時間が気になる」ということを表現するのに、「携帯電話に視線を注いでいる」という行為の絵を写しています。でも、文章に起こす時の言葉に不自然なものがあります。  「注がれている」です。  「注ぐ」を大辞林で調べると、「心・力などをそのほうに向ける。集中する」という意味がありました。  でも、実際カメラで映像を撮ったら「見下ろしている」と写りそうな気がするんです。注ぐも、主観語ではないでしょうか。  次にいきます。 4.ひとつ、彼女は溜め息をついた。 5.目を上げた彼女の視線が広場をさまよう。 6.腕を組んで歩く男女に、その視線が吸い寄せられた。 7.彼女の視線が、再び携帯電話に落ちる。 8.携帯のキーの上を、彼女の親指だけがすばやく動いた。 9.あるキーを押そうとしたところで、その動きが凍りつく。 10.彼女は片脚を振り上げて、足もとの石畳を蹴りつけた。  ここまでが、「男に待たされている女」です。  それぞれの文章の狙いを書き出します。 4.気分を害している女 5.待ち人を捜している女。 6.待ち人は恋人。 7.時間を気にする女。 8.男が気になっている女。 9.男を気にしている自分に気づいて、カチンときた女。 10.男に対して、腹を立てた女。  うまく絵になっていると思います。  でも、絵を文章に起こした時、6と9が少しおかしい気がします。 6.「吸い寄せられた」  「吸い寄せる」は、「注目・関心を集めてひきつける」という意味です。  でもこれ、実際、絵になる事実は「見た」だけなんじゃないでしょうか。  もちろん、「見た」では、「吸い寄せられる」のニュアンスが足りません。  待ち人を捜していて、つい幸せそうに歩いている恋人同士に目が行ってしまったんですから。  ここを変えようと思ったんですが。言葉が見あたらず、うまくいきません(汗)。 9.「凍りつく」  9の「凍りつく」は本当に冷えて凍ったわけではないですよね。だから、正確には、「その動きが凍りついたように止まった」のはずです。  「凍りつく」の意味は「(1)凍って、他の物にくっつく。 (2)完全に凍って固くなる。いてつく。凍結する(大辞林)」です。  使えそうにない気がします。  では、「固まった」ではどうでしょうか。  「固まる」の意味は、 (1)やわらかいものや液状・粉状のものが、変形しにくいものに変わる。固くなる。凝固する。 (2)ばらばらであったものが、ひとまとまりになる。寄り集まる。 (3)不安定であったものが安定する。しっかりする。確実になる。 (4)一つのことを深く信じ込む。またそうして、他を顧みなくなる。 (5)身持ちがよくなる  動いていたものが静止する、という意味はなさそうです。  「動かなくなる」「静止する」「止まる」は使えそうですが。 ・あるキーを押そうとしたところで、その指が動かなくなる。 ・あるキーを押そうとしたところで、その指が静止する。 ・あるキーを押そうとしたところで、その動きが止まる。  「あるキーを押そうとしたところで、その動きが止まる」これが、一番自然でしょうか。  ここで、もう一つ気づきました。  「押そうとして」これはどうでしょう?  たぶん、この時の絵は、「あるキーの上で、親指の動きが止まった」って感じではないでしょうか。  それを見た人間が「キーを押そうとしたんだけど、押せなかったんだな」と認識すると思うんです。 11. 肩にかけた鞄に乱暴に携帯を放り込み、二三歩歩いたところで、彼女は歩みを止めた。  ここは、絵はちゃんと撮れてますし、文章にもなっていると思います。 12. 一人の男に、その視線が貼りつく。  「貼りつく」がひっかかります。  ここも、主観だと思います。理由は、「注ぐ」「凍りつく」と同じです。  事実だけなら、「一人の男がいた」のようになるのではないでしょうか。 13.その男も彼女を認めた様子で、笑顔を作って手を振った。  「認めた」「様子」「作って」の三つがひっかかります。  「男は女に向かって笑顔で手を振った」だけが絵なんだと思うんです。  ここも、文章に起こす時の問題のようです。 14.ズボンの上に出したシャツの裾がびろびろと揺れる。  「出した」「びろびろ」がひっかかります。  裾は絵にした時、「出ている」だけだと思うんです。で、それを見た人が「出してるんだな」と認識するんじゃないでしょうか。  「びろびろ」。これはシャツの裾が揺れる様子を表した、擬態語だと思います。 15.彼女は、両足を踏まえて仁王立ちした格好になった。  「仁王立ちした格好」を疑いました。「両足を踏まえて」までが、事実だけを写した絵になるのではないか、と思うんです。  以下、台詞はとばします。 21.女は回れ右をして、すたすたと歩き始めた。 23.肩に伸ばされた男の手を、彼女はぴしゃりと払いのけた。  「すたすた」「ぴしゃり」がやはり気にかかります。  歩き方と払いのけ方の様子ですから。擬態語は絵を見た人によって、変わりそうです。  それから、「肩に伸ばされた男の手」ですが。  これは、女側から見ているような気がします。 25.男の口から、低い声が漏れ出した。  ここ、一番悩みました。  事実は「言った」で、「低い声が漏れ出した」のはその後の認識じゃないかと思ったんです。 26.彼女は少し首を傾げて、彼の瞳を見つめ返した。  「少し」が副詞なんです。事実は「首を傾げた」だけで、その程度は後から絵を見た人が認識することだと思いました。 28.彼女は再び回れ右をして、男のいない方へと歩き始めた。  ここは完全客観になっていると思いました。  これだけ指摘して、結局どうなるかリライトしてみました。  課題部屋にあげておきます。言葉が変えられなかった部分は、文章を変えたりしました。  結果、すごく無味乾燥というか、おもしろくない文章になりました。  完全客観をつくるには。  一度絵にして、それをそのまま何の脚色もせずに文章に起こす。  考えた末、これがひとつの考え方じゃないか、と思ったんですが、まずこれが間違っているのかどうなのかわからないと、先に進むことができないようです。  みなさま、ご指摘よろしくお願いします。  一人称の指摘は、今晩します。 ●甘夏さん441「喫茶店で別れ話をするカップルに圧倒されるウエイター」  これは、最初に読んだ時すぐに気づかなかったんですが。  男性の独白ですね。  これは、男性からカップルが見えていないんでしょうか?  音だけ聞いて、その状況に対して色々考えている、ということですか? -------------------------------------------------------------------------------- ジャングルの動物 No.6415 投稿日 2003年3月26日(水)10時11分 投稿者 桜庭 優 >馬宮さん こちらこそ、どうぞ宜しくお願いいたします。 >ジャングルの動物 ジャングルにどのような動物がいるとかは、動物図鑑だけではなく、 web上でもある程度は調べる事が出来るかと思います。 例えば動物園のHPとか、ワニやサルなどの生態に関して記述されたHPなど。 また、英語などが苦でなければ、 日本語のページだけではなく、外国語のページを調べてみるのも良いと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 鶯[うぐいす]の身をさかさまに初音かな No.6416 投稿日 2003年3月26日(水)17時20分 投稿者 弟切 千隼 今日、弟切は家の近くで鶯がさえずるのを聞きました。鶉[うずら]に似た小綬鶏[こじゅけい]という鳥のさえずりも、近所の藪から聞こえてきます。 気温や陽光ばかりでなく、音も春めいてきました(^_^) 甘夏さんへ > 課題部屋のNo.437への突っ込み、ありがとうございます。 御指摘を受けて読み返してみると、なるほどとうなずけるものばかりでした(^^; 早速、書き直したもの(No.444)を課題部屋に上げておきました。 以下に、御指摘を受けて気が付いたことを挙げておきます。 >>怪訝そうな態度 これは、特殊な場合を除けば客観語ですね。「〜そう」というのは「〜のように見える」という意味ですから、外から見ているのでなければ使えないはずです。 例えば、「俺はさっき怪訝そうな態度を取ったか?」と自問自答するといった場合以外は、主観語では使えないでしょう。 >>俺はメニューを持って二人のテーブルを去り、マスターに注文を伝えた。このテーブルに長居はしたくない。なんだかいやな予感がした。 この部分については、自分でもなにかしっくりこないと感じていました。 しかし、一つ一つの言葉自体には違和感を感じず、どこがどうおかしいのかわからなかったので、このままにしてしまいました(-_-) おかしいのは文の順番だったのですね。甘夏さんの御指摘どおり、普通の人間の思考過程と文の順番が食い違っているために、違和感がありました。 甘夏さんの作品、課題部屋のNo.441への突っ込みは、後ほど。 馬宮さんへ > 課題部屋のNo.440の分析、ありがとうございました。私もとても勉強になりました(^o^) 馬宮さんがおっしゃるとおり、完全客観にすると乾いた感じの文章になりますね。これって、いわゆる「ハードボイルド」と呼ばれる分野の小説に多い文体ですよね? 視点保持者の感覚を交えた描写や心理描写が少なく、だからあのような乾いた雰囲気が出るのだ、と改めて気づきました。 >>ジャングルの動植物 実際に極彩色のインコを見てきたそうですから、もう実行されているのかも知れませんが、異国の動植物を調べるには、ペットショップへ行ってみるという手もありますよ。 特に大きなペットショップなら、「こんなものまで!?」という珍しい動物が見られる可能性が高いです。 あまり知られていないことながら、日本はペット輸入大国でして、南米やアフリカや東南アジアから、毎年たくさんの動物を輸入しています。 単なる楽しみのために野生動物を捕獲して飼育するのは、決して誉められることではありません。しかし、あるものは利用したほうが得です。 愛嬌のある外見とは裏腹に、オウムやインコの仲間は声がうるさいのが多くて、ほとんどの種がギャーとかキエーというような叫び声を出します。 アマゾンに分布していて、羽の色が赤と黄と青で、ギャーギャー鳴き、日本でもよく見られるインコといいますと、馬宮さんが見たのは、おそらくコンゴウインコという種でしょう。 ↓こういうのではありませんでしたか? http://members.tripod.co.jp/tarepannya/inko00.html -------------------------------------------------------------------------------- 課題部屋>444 弟切「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」書き直し No.6417 投稿日 2003年3月26日(水)22時33分 投稿者 とんびの羽根  最近書き込みが安定しなくて自分でも落ち着きません。なんとなく自信がなくて書き込みにくいんですね。  桜は神戸ではまだです。きょうもまだ寒いし。花芽は膨らんできてるし、紅葉は葉が芽吹きはじめましたが、なぜか開花しないんですね。燕は例年通り先週やってきました。  今回は弟切さんの課題をちょっと見てみますね。 >>そのカップルは、店に入ってきた時から、あまりにも不釣合いなために目立っていた。  不釣り合いな様子がこの時点ではわからないので、落ち着かないですね。  まず男の描写、次に女の子の描写かと思うと、その前に思いこみの似合いの女のを語り手が想像してます。具体的なので読んでると実際イメージしてしまうのですが、それは違うわけです。  不釣り合いなのをイメージしようとしていたら、無理矢理釣り合ったイメージが刷り込まれてしまうので、読んでいるとこの時点で大混乱を来します。  語り手の視点移動と思考の流れが変です。多分実際は次のように流れていくのではないでしょうか? 「男が入ってきた、 →サーファー風の若者だった、→その後に女がくっついてきた、→浴衣姿が印象的な古風な女の子だった、→不釣り合いなことこの上ない、→カップルだろうか?」  弟切さんは女性読者のことを考えてこの順番なんでしょうか?男性読者であるとんびは順番が逆のほうがいいです。少なくともさきに花のある主人公を見たいわけです。  男が先に来るということは、男は粗野で女は古風であることを説明しているかもしれませんね。  しかし読者に男を優先してみせる以上は、それが魅力的な男であって、女の子は脇役決定なわけです。  ストーリーの展開も男がいい男でないともったいないですね。実際にはつまらない男なんですから、読者ががっかりすることは間違いなしです。 >> こういう今風の男に、こんな古風な女の子がくっつくもんかねえ。 >> もちろん、どんなに風変わりでも、金を払ってくれるなら大事なお客さまだ。失礼な態度を取らないよう注意しながら、俺は二人の席に水とメニューを運んでいった。 >>「御注文がお決まりでしたらお呼び下さい」 >> そう言った俺の言葉が終わらないうちに、男のほうがしゃべりだした。 >>「あ、俺、ハワイ・コナをホットで。サヤもコーヒーでいいな」  セリフの前までまるまるグレーでした(つうか目がそむいていく)。描写がすんだところで、いきなり男が注文してなにかまずいんでしょうか? >> うわ、こいつコーヒーマニアか、さもなきゃハワイかぶれだ。ハワイで栽培されるハワイ・コナというコーヒー豆は、生産量が少なくて日本にはあまり入ってこない。  コーヒーに自信をもって出している店のウェイターがこんな意識だと引いてしまいます。自分はきっちりと蘊蓄をたれながら、他人がマニアだと馬鹿にするなんて、語り手がいやな奴であることがここで決定です。  読みたいメインキャラがいなくなってしまったので、ここでギブアップです。 -------------------------------------------------------------------------------- 本日も報告のみ。 No.6418 投稿日 2003年3月26日(水)23時11分 投稿者 甘夏 甘夏:「喫茶店で別れ話をするカップルに圧倒されるウエイター」三人称リライト  を、UPしておきました。  新木さんの言われたことがなんとなくわかった気がします。  再検討は明日にまわします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6419 投稿日 2003年3月27日(木)02時55分 投稿者 新木 伸 >馬宮 >>カメラに写せるのは、「景色(絵)」だけです。 >>絵を撮るだけで、物語のコンセプトを全て表現しなくてはいけません。  完全客観の理解。  そう。それ。  ていうか、「カメラで撮れるものしか書かないのが完全客観」ということは、すでにどこかで言っているような気もする。  調べてみたら、やっぱり過去ログにあった。  4957あたりが初出。  まっきーの「教室で叱られて服透け」がらみのネタ。  そこから「カメラ」で検索してゆくと、関連書き込みにもヒットする模様。  んでもって、それはいいとする。  べつに何回言うのもかまわないし。身に付くまで言うだけだし。  ただ同じことを別の側面から説明しているから、いま読み直すと得るものがあるよということね。  いまようやく、馬宮は現在の「カメラ位置」を気にしつつ、文章を精読してゆくようになったわけね。  「どこから見ているか。誰が見ているか」ということは「視点」の基本だから、それは体に染みつくまでやるように。他人の文章を分析するときにも、自分の文書を書くときにも。  そのうち意識しないでもできるようになる。 >「乾かす」ということ >>馬宮さんがおっしゃるとおり、完全客観にすると乾いた感じの文章になりますね。これって、いわゆる「ハードボイルド」と呼ばれる分野の小説に多い文体ですよね? >>視点保持者の感覚を交えた描写や心理描写が少なく、だからあのような乾いた雰囲気が出るのだ、と改めて気づきました。  うん。そう。  ここで大事なのは、乾いた文体を書くときには、ただ描写をはしょればいいわけではないということ。  文章の「情報密度」の話とも関係するんだけど……。    「あるキーの上で、その動きが止まる。」  ――と、このように乾かした文章は、読者が読んで咀嚼を行うと、いくつもの意味が出てくるわけだ。フリーズドライされたものを、唾液で戻すような感じ?  この場合には、「ああ、キーを押そうとしたんだけど、押せなかったんだな」と展開されて出てくるのね。  これ、「生」のままだと、こうなる。     「彼女の親指はあるキーを押そうとしたが、押す寸前に迷って、けっきょく押せなかった。」  そして「乾かす」と、こうなる。     「彼女の親指は、あるキーの上で止まった。」  どっちが上等なのかは――言うまでもないと、そう言いきりたいところだが。  じつはこれ、読み手によって価値判断が違ってくる。  本を読み慣れている人は、乾かしたほうを良いと感じる。フリーズドライされたものを自分の唾液で戻せる人は、そこに「彼女の迷い」を読み取れるから、この乾かしたもののほうが味が濃いと感じるわけだ。  しかし本を読み慣れていない人の場合は、乾かしたほうの文章では、本当に「額面通り」の意味しか伝わらないのね。つまり「指が止まった」という、ただそれだけの情報量しか持たないことになる。「だから、なに?」となってしまう。それが彼女の「迷い」を示していることが伝わらない。  弟切さんは、大人向けの小説を書くはずなので、乾かした文体のほうを目指すべき。  しかし馬宮のほうは、12歳の小学生の女の子に向けて本を書くようだから……。  いったん「乾かしたもの」も書けるようになっておくべきだが、しかし実際の作品を書くときには、あえて「補足説明」を入れるようにするべきだろう。  たとえば、このように書く。     「彼女の親指は、あるキーの上で止まった。押すかどうか、彼女は迷っていた。」  まあ、増やすのは簡単だ。  ほんの短い説明を加えるだけだし。  「乾かす」のは大変なのだが。 >馬宮 >完全客観とか >>完全客観をつくるには。 >>一度絵にして、それをそのまま何の脚色もせずに文章に起こす。  それで完全客観の文章にはなるが……。  しかし「読めるもの」にはならないぞ?  演出は入るわけだよ。「何を映すか」を決めるのも演出のうちだし。  たとえば「あるキーの上で止まる指」というのを映すことに決めるわけだ。なぜかというと、それが彼女の「迷い」を端的に表している動作だから。  そして読者が噛みしめて咀嚼したときに、正しく、その「迷い」が伝達されるように設計しつつ文章を起こしてゆくわけだ。 >甘夏さん >>445 甘夏:「喫茶店で別れ話をするカップルに圧倒されるウエイター」三人称リライト  動いてない、というか。  読んでいても感情移入できないですね。男にも、もちろん女のほうにも。  二人がなにを考えて行動しているのかが、わからない。台詞と行動に一貫性が見られないです。  タイムリミット、何日まででしたっけ?  このサイコな女が出てくるのはやめにして、なにか別のを書いたほうがいいのかな。  あんまりネタに走らず、ウケは取らないでいいですから、もっと感情移入できそうな二人にしてみるとか。今回のこれは、視点と、主観/客観語と、あと視点にまつわる感情移入のための練習素材なんですから、サイコな登場人物は妨げにしかなりませんし。  次は、ウエイター視点版と、ウエイターなし版を同時に書くといいかも〜。 -------------------------------------------------------------------------------- 木花開耶姫[このはなさくやひめ]降臨 No.6420 投稿日 2003年3月27日(木)22時28分 投稿者 弟切 千隼 本日、横浜と東京にも染井吉野の開花宣言が出ました。これが出るといよいよ春本番という気になりますね。 桜と同じく春の使者として知られるツバメは、まだ我が家の近所では見られません。関東地方にツバメが来るのは、関西よりもおおよそ二週間ほど遅れて四月の初旬になってからです。 私の故郷静岡では、毎年三月中にツバメの姿を見ていました。 とんびの羽根さんへ(No.6417へのレス) > 課題部屋のNo.444への突っ込み、ありがとうございます。 冒頭部分の視点移動の流れと思考の流れが一致しないので、いきなりそこでつまずいてしまいましたか。 甘夏さんにも、No.6410の書き込みで、別の部分の「思考の流れがおかしい」と指摘されましたよね(^^; たぶん、これは弟切の悪い癖なのでしょう。情報を出す順番を間違ってしまうという癖ですね。 どんな癖でも、どこがどう悪いのかがわかれば直せるはずですから、努力します。 きちんと書き直せるように、冒頭部分の視点移動の流れと視点保持者=ウェイターくんの思考の流れを整理してみます。 これについては、基本的にとんびの羽根さんが書いて下さったとおりです。とんびの羽根さんのものに少し補足して書き直したものを以下に挙げます。 男が入ってきた(ウェイターの視線が男をとらえる)    ↓ サーファー風の若者だった(ウェイターの思考による描写)    ↓ その後に女がくっついてきた(ウェイターの視線が女に移る)    ↓ 浴衣姿が印象的な古風な女の子だった(ウェイターの思考による描写)    ↓ 不釣り合いなことこの上ない(ウェイターの思考)    ↓ カップルだろうか?(ウェイターの思考) まず男性の描写から入っているのは、とんびの羽根さんがおっしゃるとおり、この男性が常に女性より先にさっさと歩いて行っちゃうタイプだからです。こういう男性なら、当然店に入る時も女性より先に入るので、ウェイターの目にも先にとまることになります。 しかし、最初に描写される人物が主役であるはずで、その主役が魅力的でないとなれば、読み捨てしたくなるのはもっともですね。 これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、何とかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。 それから、視点保持者であるウェイターくんが「いやな奴」に見えてしまうのも大きな欠点ですね。 一人称小説の場合、視点保持者がいやな奴と思われるのは致命的です。何しろ全編にわたってその「いやな奴」と付き合わなければなりませんから、普通は読み捨てどころか読み逃げされるでしょう。 マニアックな少数の読者を狙っているのでもない限り、一人称小説の視点保持者は、一般的に好感を持たれそうな人物にしておくのが鉄則ですね。 ということで、ウェイターくんももっと「いい人」に見えるようにします。 上記の欠点を直すよう気を配りながら書き直せば、自然に文章の灰色率も下がるでしょう。 新木さんへ > 「乾かす」の解説、ありがとうございます。 目指すは「噛めば噛むほど味が出る乾いた文体」ですね。(目標はあくまで高く) -------------------------------------------------------------------------------- レスです。 No.6421 投稿日 2003年3月28日(金)02時14分 投稿者 馬宮  最近、テンパっているようで書き込みが感情的になっています。反省します。  指摘、課題が難航していてアップにもう少し時間がかかりそうなので、先にレスを書き込みます。 ●新木さん >完全客観  ありがとうございます。  「乾かす」というのは、まだわたしには「灰色の文章」と同じぐらい難しいことだと思います。  わかったつもりになるより、素直に「まだわかっていない」として、これからの課題にしたいと思います。 >> いまようやく、馬宮は現在の「カメラ位置」を気にしつつ、文章を精読してゆくようになったわけね。 >> 「どこから見ているか。誰が見ているか」ということは「視点」の基本だから、それは体に染みつくまでやるように。他人の文章を分析するときにも、自分の文書を書くときにも。  はい、やるようにします。  この「カメラ位置」のこと、わたしは「わかったつもり」になっていました。  今までのわたしの文章を読み返し、カメラワークがなかったことを確認しました。  わたしの書くものには、「カメラ自体が存在していない」。だから、分析しようにも「書き手が何を書こうとしているのかがわからないから、分析できない」。そういう印象です。  描写がないとか、骨ばかりとか。  どういう意味なのか、わかってきたような気がします。  ●桜庭さん >ジャングル感  ありがとうございます。  ネット検索は苦手なのでつい、敬遠していました。  色々探してみます。  ●弟切さん >ジャングル感  ありがとうございます。  はい、そのインコです。  ペットショップはまだ行っていません。普段あまり縁がないせいか、思いつきませんでした。(汗)。  近所ではないのですが、少し大きなペットショップがあると人から聴きました。  行ってみたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6422 投稿日 2003年3月28日(金)04時18分 投稿者 新木 伸 >弟切さん >>これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、何とかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。 >>それから、視点保持者であるウェイターくんが「いやな奴」に見えてしまうのも大きな欠点ですね。  こうして繋げられてしまうと、繋げて読んでしまうぞ。  すると「サーファー風の男」の性格を魅力的に(性格を良く)するということだと、そう読めてしまう。  あるべきはずの結論がないから、誤読される。  「サーファー風の男」を魅力的にするのか、女性の描写を持ってくるようにするのか、具体的な解決策が書いていないのね。  ちなみに「サーファー風の男」を魅力的にするのは、このシーンのコンセプトからいって、考えてみるまでもなく即ボツだわな。こいつは軽薄浅薄なクズでないと、女の子のほうが引き立たない。  で、女の子を先に描写する方法。  ウエイターが男なのだから、「男と女」とが一緒に視界に入ったなら、自然と「女」のほうを注目するわけでしょ。  なら「二人を同時に視野に収める」ということをクリアすればいいだけの話だ。  つまり、二人が店に入ってきたところからスタートさせなければいいだけ。  視点保持者はウエイターだから、これは簡単にできる。  ウエイターが目を離しているとか、別な仕事に気を向けているとかで、店に入ってきた二人にすぐ気が付かなければいいだけ。  二人とも店に入ってきたそのあとで、ウエイターに気づかせればいい。 -------------------------------------------------------------------------------- 白木蓮[はくもくれん]は白玉の如し No.6423 投稿日 2003年3月28日(金)19時25分 投稿者 弟切 千隼 ここ数日、急激に気温が上がったために、桜のみならず各種の花が咲き始めました。 我が家の近所では、白木蓮の花がちょうど満開です。沈丁花[じんちょうげ]も甘い香りを放っています。木瓜[ぼけ]も賑やかに咲いています。 桜の中でも気の早いもの(?)は、五分咲きくらいになりました。 新木さんへ > >>これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、何とかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。 >>それから、視点保持者であるウェイターくんが「いやな奴」に見えてしまうのも大きな欠点ですね。 (No.6420の弟切の書き込みより) このまま読めば、確かに、「サーファー風の男」とウェイターくんと、二人をともに魅力的にするように読み取れてしまいますね(^^; 新木さんのおっしゃるとおり、「サーファー風の男」を魅力的にするという選択肢は、この場合はなしです。コンセプトが違ってしまいますから。 正しく意味が読み取られるように、上記の文章を以下に書き直します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、何とかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。 このシーンのコンセプトからいって、男性を魅力的にするという選択肢はありません。魅力的な人でしたら、女性が別れようと言いだすはずはありませんよね。 よって、女性の描写を先に持ってくることにします。 それから、視点保持者であるウェイターくんが「いやな奴」に見えてしまうのも大きな欠点ですね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ↑ここまで 課題部屋のNo.444を書き直すにあたっては、「浴衣の女性の描写を最初に持ってくる」ことと、「ウェイターくんをいい人にする」ことに主眼を置きました。 書き直したNo.447は、課題部屋に上げておきました。 お知らせ: 弟切は、また明日から実家へ帰る用ができました。 次にここに書き込みできるのは、日曜日の夜か、もしかすると月曜日の夜になります。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6424 投稿日 2003年3月29日(土)00時47分 投稿者 新木 伸 >弟切さん  直したつもりなのだろうが、それじゃたいして変わってないってば。 (旧) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、何とかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。 このシーンのコンセプトからいって、男性を魅力的にするという選択肢はありません。魅力的な人でしたら、女性が別れようと言いだすはずはありませんよね。 よって、女性の描写を先に持ってくることにします。 それから、視点保持者であるウェイターくんが「いやな奴」に見えてしまうのも大きな欠点ですね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (リライト) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これを避けるためには、この男性をもっと魅力的にするか、なんとかして先に女性の描写を持ってくるか、どちらかの対策を取るべきでしょう。  このシーンのコンセプトからいって、男性を魅力的にするという選択肢はありません。魅力的な人でしたら、女性が別れようと言いだすはずはありませんよね。  よって、女性の描写を先に持ってくることにします。  それから、視点保持者であるウェイターくんのほう。  彼も充分に「いやな奴」に見えてしまっています。こちらのほうは大きな欠点ですから、改善すべきですね。もっと好感の持てるようにしてみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書き直してみた。  同じ内容でも、こちらのほうがずいぶん理解しやすくなっていると思うのだが。  そのかわり、だいぶ文章が太っている。しかしこれは必要な「贅肉」だ。  読んでいる人間の脳内で、ある物事が理解されて収まるためには、ある程度の時間が必要なのね。文章を読み慣れた人の場合で、人間は一行をおよそ1〜2秒で読んでいる。  話題切り替えのときには、まず「はい。話題を切り替えますからねー」てなサインを、単独で一行、ポンと置く。  本題を始めるのは、その次の行から。  このへん、話術からの応用なんだけど。  話し慣れてる人は、話題を切り替えるときには、一拍置くものでしょ。  文章ではその「一拍」というのは、一行にあたるわけだ。  話術で「声を出さない」一拍にあたるものが、文章では「贅肉的な」一行にあたるわけね。  こうしてみると、弟切さんの行頭一文字下げないクセって、やはり、良くないね。  見比べてみればわかると思うけど、文章のブロックの区切り位置がわかりにくい。  僕のほうでは、1行空きの前と後ろとで、視覚的にも、明確に「話が切り替わった」ということがわかるでしょ?  しかし弟切さんのほうは、毎段落ごとにデフォルトで1行空きを多用しているものだから、「話題換え」のときに「2行空き」を使っても、ぜんぜん目立たない。  メリハリがないのね。  同じ欠点は、弟切さんの小説文体のほうにも見受けられる。どこに注目すればいいのかわからないまま、淡々と進んでゆく。  まあそういう文体もあることはあって、ないこともないのだが……。  しかしそれは文章がとても巧い人の話。  書いたものに灰色の文章が混入してしまうような人間は、ヘタの代表格なんだから、メリハリを付けて、読者を退屈させない方向で文章を磨いてゆくしかないぞ。  文章から灰色の部分を削るっていうことは、余分なディテールをはぎ取って、物事の骨格を露わにしていって、そうしてメリハリを付けてゆくってことなんだから。 >>447 弟切「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」書き直し2  んで、リライトのやつ。  もうちょい削れ。  おもに台詞。  台詞の個数としては、こんなもんだろう。(もう2〜3個は削れるかもしれない)  ただ台詞の内容が、意味薄すぎて冗長すぎ。とても読めんわ。  もっと意味的に濃縮せい。気を配ってアタマを働かせれば、同じ内容を、もっとびしっと簡潔に言い表せるはずだ。  キャラが人間になってないんだよね。この台詞を喋っているキャラは、まだお人形さんでしかないのだな。  人間っていうのは、基本的に、口を開くのが億劫な生き物なの。  だから口を開いて言うことは、なるべく短くしようとするものなの。  そのときに、どのように内容をはしょるかで、そのキャラの個性っていうのが出るものなの。  ただ発言内容を伝達するだけのものでしかないなら、台詞なんて不要なの。  キャラを立てるための台詞なわけね。台詞に「口調」を込めろ「口調」の情報を。  たとえば一例。 「ここ、紅茶もありますよね? 私、ホット・ティーがいいんですけど」 「ございますよ。紅茶はダージリンとアッサムとウバがございます」  ↓ 「紅茶……、ありますか? 私、ホット・ティーが」 「ダージリンとアッサム。あとウバもありますが」 (女の子の側。彼がコーヒーを頼んでいたので気にしつつ、しかし自分は紅茶が好きなので、思わず口から「紅茶」と出てしまった。そのあとで気づいて小声になって、遠慮しながらも、しかし意見はきちんと言う。なお「遠慮」の部分は、彼への遠慮と、あとウエイター君への遠慮もある。コーヒー専門店に紅茶があるかどうか配慮する気遣いがあるということ。) (ウエイターの側。ダージリンとアッサムの2銘柄がお勧めらしい。しかしメニューにはウバも置いてある)  あと、リライトしていて、気が付いた。  敬語が変。  いい社会人が、ヘンテコな敬語使わせてるんじゃないよー。  それともこれってワザと? ウエイター君はこういうキャラってこと?  あと僕のウエイター経験から言うと、ウエイターが会話するにあたって前置きなんぞしてたら、お客さんは見るからにイラつき始める。  つまり聞かれたことへの返答は、第一声から「用件に入る」のが基本。 -------------------------------------------------------------------------------- >447 弟切「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」書き直し2 No.6425 投稿日 2003年3月29日(土)09時20分 投稿者 とんびの羽根 >弟切さん   前回中途半端な指摘で弟切さんを誤誘導してしまったのではないかと、申し訳なく思ってます。  今回はどっちつかずの指摘はしないように気をつけます。  もちろん断言しているからといってそれが正しいとは限らないということは言うまでもありません。  念のために眉につばをつけてご一読願いますね。  今回タグを使いまくったので説明しておきます。 ・グレーの部分はまあグレーっぽく感じると言った程度のものから、あるだけでうっとうしいと感じるほど邪魔なものまであります。  説明は省略します。人によったらグレーに見えるかもしれないし、見えないものも混入しているかもしれません。 ・太字の部分は多少不自然だけど、読者への説明上あえて入れてあるだろう部分です。 ・[]は主観語と思うところです。語り手の主観がはいっているのは当たり前なので、単にわたしが確認練習しているだけです。 ・下線部はおかしな部分です。絶対こうは言わないだろうとか、変だとか感じた部分です。  変だと感じたことについてだけは文の後で理由を挙げておきます。  今回は全文やりますので一応覚悟してください。 >「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」書き直し2 >> 最初に目に入ったのは、白地に青く染め抜かれた朝顔だった。 >> ――浴衣の柄だ。 >> それを着た若い女は、ログハウス風の店内と[不思議に合っていた]。[きれいに]まとめて結い上げた黒髪が、純和風の柄に映える。  ログハウスは北米地方などのような森林地帯のカントリーハウスをイメージします。そこに浴衣姿は妙です。それが不思議に合っているとするなら、その不思議さを説明する必要があるように思います。しかしここでは、本当は合っていなくて、それが妙に新鮮で印象的な美しさを感じさせたのではないかと思うんですね。 >> [ところが、]その横に立っている男は、[およそ彼女にふさわしいとは思えなかった。]パツキンに近いくらいの茶髪に染めて、[よく]日焼けした肌に「サングラスをかけた鮫」というポップな柄のTシャツを着ている。  ここで完全に二人が立っていて、静止している印象を与えてしまいます。次の段落ではすでに席に着いているのですから、そのシーンにつながるような動きが必要だと思います。また時間の経過があるのですから一行空けるべきです。 >> まあ、喫茶店というところには、いろんなお客さまがやってくる。俺は洗い物の手を止めて、着席した二人に水とメニューを運んでいった。  洗っている場面から始めてしまうと、必然的に手をふき、盆の上にグラスを二つ用意し、冷水を注ぎ、盆を持ち上げ、メニューを手に取るという動作が付随しています。情報の圧縮にはなっているけど、そもそもその情報は必要がないですよね。不必要な情報を圧縮するのは無駄だと思いました。 >>「御注文がお決まりでしたらお呼び下さい」 >> そう言った俺の言葉が終わらないうちに、男のほうがしゃべりだした。 >>「あ、俺、ハワイ・コナをホットで。サヤもコーヒーでいいな」  自分がハワイ・コナ(銘柄)といって連れにコーヒー(一般名詞)はないです。  それとハワイ・コナはホットといわないとアイスが来るのが常識なんでしょうか、それともホットでというのが常識なんでしょうか。 >> この男、見かけによらず趣味のいいコーヒー好きかも知れないと俺は思った。  後でもでてくる「こいつ」に統一するほうがいいでしょう。地の部分は「男」でいいと思います。 >> ハワイで栽培されるハワイ・コナというコーヒー豆は、生産量が少なくて日本にはあまり入ってこない。だが、味は悪くない。  量が少ないことと、味が悪くないこととは逆接の接続詞では結べません。 >>「申し訳ございません。ハワイ・コナは以前置いていたのですが、今は置いておりませんで」 >>「ええーっ、ないのぉ!? 前に来た時に、日本でハワイ・コナを置いてある喫茶店って珍しいから喜んだのに」  うまくいえませんがキャラに合ってません。「前に来たときに、オーダーしたぜ!?」とかじゃないでしょうか。 >>「ええ、この辺りではハワイ・コナは好まれないようで、お客さまの御注文が少ないんですよ。それでやめてしまいまして……申し訳ございません」 >> こういう時には、あくまでも低姿勢で客に接するのがこつだ。 >>「んだよ。これだから日本人はセンスないって言われるんだよな。豆を深煎りにした、ああいう濃〜いコーヒーがうまいのに……んじゃ、俺、モカね。サヤは?」 >> 男は手に持ったメニューをテーブルの上に放り出した。 >>「あの……」 >> サヤと呼ばれた女の子は言いよどんで、[叱られる前の子供のように]首をすくめて俺を見た。 >>「ここ、紅茶もありますよね? 私、ホット・ティーがいいんですけど」 >>「ございますよ。紅茶はダージリンとアッサムとウバがございます」 >> サヤが答える前に、男が割り込んだ。 >>「なんだよ、サヤ、コーヒーじゃないのかよ。コーヒーがうまいからここの店にしたのに。ここ、紅茶も種類置いてあったんだな。俺にゃ関係ないけど」 >> 薄桃色をしたサヤの唇の端が、かすかに吊り上がった。その表情の変化に不穏なものを感じて、俺は口を挟んだ。  語り手は客の名前がわかった瞬間から、心の中で名前呼び捨てるひとなんだ、と読者は受け取ってしまいますよ。  このあと何度も「サヤ」「カズノリ」に下線を引いてますがすべて同じ理由です。 >>「ありがとうございます。当店では、コーヒーがお好きな方も紅茶がお好きな方も楽しんでいただけるよう、どちらも常に三種類以上の銘柄を御用意してございます」 >> サヤは表情を緩めて俺を見た。[上品な微笑み]が[なまめかしく]て、俺はちょっぴりどきどきした。 >>「じゃあ、ウバでお願いします」 >>「かしこまりました」  これは観察が足りない。ウェイターはここでオーダーを復唱しなくてはいけません。  そして語り手の移動に対応してここで一行空けるべきです。 >> [なんだかいやな]予感がした。このテーブルに長居はしたくない。 >> 俺はメニューを持って二人のテーブルを去り、マスターに注文を伝えた。 >>「あ〜あ、つっかれたよなぁ。七夕祭りってすげえ人ごみだな。あんなもんを観に、なんであんなに人が集まるんだか」 >> 椅子にもたれて伸びをした男の台詞で思い出した。隣の市では、毎年、商店街の飾りつけが[豪華な]ことで有名な七夕祭りが行なわれる。今年は[確か]今日からだ。 >>「やっぱ海へ行ったほうがよかったよ。梅雨明け前だから空いてるしさ。今、南の方に台風があってうねりが出てて、[いい]波が来てるんだ。ま、ハワイの波にゃ[負ける][だろう]けど」 >> こいつはコーヒー好きじゃない、と俺は判断した。ハワイに[かぶれている][だけ]だ。  男が始終サーフのことを考えていることと、ハワイと比較で勝ち負けにこだわってることから、なぜコーヒー好きじゃないとわかるのか理解不能でした。ハワイかぶれかどうかもかなり聞き手の主観によるわけで、普通はハワイかぶれ疑惑発生という程度のレベルです。語り手の思考が飛躍しているようです。 >> しゃべり続ける男に対し、サヤはうつむき加減で黙っていた。 >>「ハワイはいいぜぇ。さすがサーフィン発祥の地だと思ったね。ああ、波に乗りてえ。サヤがそんな格好さえしてなきゃ、今日も海に行けたのに」 >> おいおい、その言い草はないだろう、と俺が心中で突っ込みを入れると同時に、サヤが[きっと]顔を上げた。色白の頬に赤みが差している。 >>「ひどい、カズノリ。せっかくのお祭りだから、私、浴衣姿を見せようと思って……。私が悪いの?」  もしかすると前回のリライトで古風とあったのが先入観になってるかもしれません。  今回のリライトでは古風とは書かれてないんだけど、なんだかキャラに合わないです。突き合っていても簡単には呼び捨てにできないキャラだと感じるのだけど。  もしかするとサヤは無理矢理ファーストネームで呼ぶよう言われてるのかもしれません、でもそうなら無理して呼んでる感じを入れるべきだし。  それとここではサヤのキャラクタでは「ひどい」はまだ早いと思う。相手を攻めるのに態勢を転じる前に、まず自分にも非がないか確認する段階があるんじゃないでしょうか。 その後のステップとして、自分は間違ってないはずだ、間違ってるのどっちだろう、「わたしが悪いの?」と進むんじゃないだろうか。  どうもキャラに関してポイントを的確に言えなくて申し訳ありません。今回一番歯切れ悪い指摘ですね(笑) >>「悪いっていうか、なんでお前、サーフィンやりたがらないんだよ? 教えてやるって言ってるじゃん」 >>「だから、私、スポーツ苦手なの」 >>「苦手だと思ってやらないから、よけい苦手になるんだよ。部屋の中でちんとんしゃんなんてお琴弾いてばっかりいるから、体がなまるんだぜ」 >> サヤのこめかみがびくりと震えた。刷毛でさっと一塗りしたように頬の赤みが増した。 >>「ひどい、ひどい……。カズノリがサーフィンを大事にしてるのと同じように、私は筝曲[そうきょく]を大事にしてるの。わかってくれないんだったら、別れる」  「あなた」のほうがいいんじゃないでしょうか。複文後半の「私」ときっちり対比するために2人称を使った方が真剣みが出ると思います。 >> いきなり出ちまった、この台詞。 >> 俺は顔をそらしているふりをしながら二人を見ていた。背中じゅうに耳を生やしたつもりで会話を聴いていた。 >>「ちょ、待てよ、なんでそうなるんだよ?」 >> カズノリと呼ばれた男は[目を剥いて]、テーブルに身を乗り出した。 >>「だって、そうでしょ。私がすごく筝曲が好きなこと、カズノリはわかってくれてると思ってた。カズノリが一生懸命サーフィンのこと話すのを見て、『この人も私と同じように、すごく大事な趣味を持ってるんだ』って思った。そういう人なら、相手の趣味も大事にしてくれると思ったのに、カズノリは、自分の趣味のことしか考えてないんだもの」 >> カズノリは押し黙った。 >> ことり、という音がして、俺は我に返った。マスターがカウンターに紅茶とコーヒーのカップを置いた音だった。 >> 今、あの二人にこれを持ってゆくのか?  ここは一行前で切った方がはっきりと切れていて、余韻も出ると思います。  形としては結のあとにオチを無理につけた感があります。  指摘作業はここまで。  これから朝ご飯です……(パンだけど) -------------------------------------------------------------------------------- 報告 No.6426 投稿日 2003年3月29日(土)23時54分 投稿者 馬宮  失礼します。  今日、仕事中に、左の手の平を怪我してしまいました。  骨に異常がなかったのは不幸中の幸いですが、一週間ほど左手にギプスをつけたままになります。  キーボードを打つ速度がかなり落ちています。これまで以上に、レス課題等、時間差がでてしまうかもしれません。でもできる速度で頑張りたいと思います  たちまち、今夜は報告のみで失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮 No.6427 投稿日 2003年3月30日(日)01時15分 投稿者 新木 伸 >馬宮 >>骨に異常がなかったのは不幸中の幸いですが、一週間ほど左手にギプスをつけたままになります。  うわぁ。そりゃけっこうひどい怪我だな。  片手が使えないことよりも、痛みで思考に集中できないほうが問題になりそう。  なにでどのように怪我したの?  あとそのくらいの怪我だと、バイトの仕事はお休みかな?  わしも昔、手首に包丁ぶっ刺したことがあったけど。(キャベツの芯をえぐろうとして手を滑らした)。  あと千切りしていて、指を落としかけたこともあったけど。  しかし包帯ぐるぐる巻きしつつも、仕事はしてたっけ。  衛生面の問題から、調理のほうではなくって、接客のほうに回っていたけど。(手指を怪我しているときには、普通、調理はさせてもらえない)  んで、作家であれば、もちろん怪我したときには「怪我している状態」の観察をすること〜。  どのように痛いとか、傷口はどのように見えるとか、どのような治療を行うのだとか、どのように不自由であって、なにができてなにができなくなるとか。片手が使えない状態っていうの、なかなか経験できないもんだし。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮さん No.6428 投稿日 2003年3月31日(月)00時52分 投稿者 とんびの羽根  大変でしたね、お大事に。  それだけ書くのも何なので、以前書きさしでアップしてなかった文をあげときます。 >No.6392 馬宮さん  遅ればせながら凶器を視認しました。 >>全文凶器ですが、特に太文字のところがギラギラ光ってます。  馬宮さんありがとう。おかげでやっと目の中の梁が落っこちました。  確かにNo.6389 風輪さんのは鋭い凶器ですね。  それが認識できたことで、なぜ風輪さんの読み捨てポイントが凶器(鈍器)であるのかも一緒にわかりました。  わたしはなぜ風輪さんが本格的な道具立てを用意したコース料理の最中に、いきなり手料理やらたこ焼きやらを混ぜてくるのか悩んでました。  料理に喩える前には、生きるか死ぬかのスリルとサスペンスの最中に、どうして気の抜けた回想やらギャグじみた思いつきが主人公からでてくるのか不思議でしようがなかった。  風輪さんはなぜこんな入らぬお世話なサービスをしようとするのか。  じつはこの書き込みちゃんと結論まで書いてません、なんとなくタイミングをのがしてしまってたんですね。 ・凶器は、読者を見くびっていること、そのために不要に読者に媚びたサービスが混ざってしまうこと。  というのが一応当時のわたしの結論です。馬宮さんの書き込みのおかげで認識が一歩前進しましたのでお礼をかねて報告しておきますね。  なにかと不自由でしょうが、焦らないように、いろいろと観察したり、思考、ネタだしとかしておいてください。 -------------------------------------------------------------------------------- 春爛漫 No.6429 投稿日 2003年3月31日(月)01時48分 投稿者 弟切 千隼  既に染井吉野が満開状態の静岡より戻りました。弟切です。  列車に乗って神奈川から静岡へ向かうと、車窓越しに桜の開花具合が移り変わって行くのがわかり、面白かったです。 馬宮さんへ >  お大事にして下さい。ヒトの手はとても精密にできているため、ちょっとした不具合が起こっても、ずいぶん不自由になってしまいます。  弟切も、昔スキーで滑っている最中にスノーボーダーのおにいさんに激突され、左手を傷めたことがあります。やはり骨に異常はなかったとはいえ、痛みが結構激しくて、往生しました。  その時、「本当に早くきれいに治したいなら、ギプスをはめて肘から先を全部固定したほうがいい」と医者に言われました。しかし、そんなことをしては日常生活に著しく不具合が生じるため、ギプスをはめずに治しました。  今日のところは、とりあえず生存報告だけしておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- >馬宮さん No.6430 投稿日 2003年3月31日(月)14時11分 投稿者 桜庭 優 >手の怪我 大変でしたね。御身体を大切にしてください。 そう言えば、昔幼稚園の頃に足を骨折したり、 小学校に上がる直前、道路に飛び出して車に撥ね飛ばされたり(でも軽傷)、 高校の頃、全速力で駆け抜けていた自転車で自動車に正面衝突(これも軽傷)など、 僕も結構怪我をした経歴があります。 それでいて今生きているのは何故だろうかとふと、思ったり。 ところで今、電撃用の最終調整に入っています。 もう少し煮詰めれば完成、といったところでしょうか。 その段階が苦しくて、また、書いているときとは違った楽しさが ありますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 退室届 No.6431 投稿日 2003年3月31日(月)23時11分 投稿者 甘夏  本日3月31日をもって『よみかく分室』を退室させていただきます。  約3週間ほどでしたが学ぶべきことがたくさんあって  有意義に過ごさせていただきました。  どれだけのことを学べたかと聞かれると、  口ごももらずにはいられないところもありますが。  そうですね。  少なくともポケットの数はかなり増えました。  鉱石、灰色、削り。  実戦段階ではないにしても一応ポケットにはねじ込ませていただきました。 『読み捨て』に関してはけっきょく見抜くことができませんでした。  そのうち、余裕ができたときに分室ログを覗かせていただいて 『あぁ、そんなことだったのか!!』  と、悔しがらせていただくことにします。  それでは、私の課題、書き込みに時間を割いてくださった多くの皆さん。  本当にありがとうございました。  いつか、出版界でお会いできる日が来るように  日々、精進を積み重ねたいと思っています。  それでは。ありがとうざいました。  甘夏。 -------------------------------------------------------------------------------- 饅頭[まんじゅう]こわい No.6432 投稿日 2003年3月31日(月)23時24分 投稿者 弟切 千隼  帰省した際に、親戚に持たされたお饅頭の始末に困った弟切です。  今日明日のうちに食べろと言われて渡されたお饅頭は四個。すべて小豆餡[あずきあん]入りです。  自宅に戻ってきたのはかなり夜遅くだったので、近所におすそ分けしようにもはばかられる時間でした。かといって月曜日は皆さんお仕事で、アパートにいる人なんていません。そして弟切は、今日は自宅で仕事を片付けなければならない日でした。  弟切は、今朝の朝食にお饅頭を食べましたとも(;_;) 濃いお茶つきで。  おかげで夕方まで胸焼けがしていました。 >>主観語/客観語課題  新木さんやとんびの羽根さんに指摘されたことに留意しながら、「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」をさらに書き直しました。課題部屋に上げてあります。No.450です。 -------------------------------------------------------------------------------- レス No.6433 投稿日 2003年4月1日(火)00時52分 投稿者 馬宮  みなさん、お言葉ありがとうございます。 ●新木さん >> なにでどのように怪我したの? >> あとそのくらいの怪我だと、バイトの仕事はお休みかな?  パン生地をのばす機械(ローラー)に、手のひらを巻きこみました。  手の甲がパンパンに腫れあがっているようです。  (今は、薬が効いているのか痛みはあまりありません。  なので、痛みは課題等の支障にはならないと思います)  それから、バイトですが。こちらはずっと休みになります。 >>んで、作家であれば、もちろん怪我したときには「怪我している状態」の観察をすること〜。  はい。  経験はなんでも糧にするどん欲さで、引き出しを増やしたいと思います。 ●とんびの羽根さん >凶器  なるほど、「過剰なサービス」。  それはまだ思いついていませんでした。  具体例を出すことに行き詰まっていたので、最初のやり方(読み捨てポイントの仮定出し)に戻って考えていたところです。ありがとうございます。 >>料理に喩える前には、生きるか死ぬかのスリルとサスペンスの最中に、どうして気の抜けた回想やらギャグじみた思いつきが主人公からでてくるのか不思議でしようがなかった。 >>風輪さんはなぜこんな入らぬお世話なサービスをしようとするのか。  このジョークが削られてある理由は、「キャラが違う(6301より)」からということなのですが、これを「過剰なサービス」とい考えると、ちょっと違った見方ができますね。  過剰なサービスというのは、「自分では面白い」と思っていることの押しつけだと思います。  「作者が自分で面白いと思いこんでいる」。  この仮定はまだ出てなかったと思うので、次回詳しく検証してみます。 ●甘夏さん  ありがとうございました。  また、お時間できましたらこちらを覗いて、突っ込み等してやってください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6434 投稿日 2003年4月1日(火)02時37分 投稿者 とんびの羽根 >No.6433 馬宮さん >> 過剰なサービスというのは、「自分では面白い」と思っていることの押しつけだと思います。 >> 「作者が自分で面白いと思いこんでいる」。  ちょっと誤解が有るようです。  単なる過剰サービスなら凶器にはならないんですよ。  わたしが書き込んだのは「要らぬお世話なサービス」です。  作者本人が「自分では面白くない」のです。  なのに作者は、本格料理に慣れてない素人には「普段お子様が食べ慣れてる、お子様メニュー」が必要だと、自分勝手に思いこんでいるんです。  そこで、話の腰を折ってまで挟んでくるのが「子供だましサービス」。   たとえばコーヒー専門店の子供用あめ玉のような。  一見過剰サービス(過剰包装のような)に見えて実は非なるものなのね。  自分ではサービスしているつもりで、読者から見ても一見サービスに見えるところが「鈍器」たる所以(ゆえん)です。  自分が面白くもない、コースから外れたものをなぜ頻繁に挟み込んでくるかというと、理由は二つあります。  ひとつはコース料理だけでは満足させる自信がないこと。  もうひとつが凶器なのですが、読者には本物の味などわかるわけがないと決めつけている思い上がりがあること。  だから作者が本来すべき理解を助ける努力(本当のサービス)をする代わりに、紛い物をあてがって機嫌をとろうと(偽りのサービス)してしまうのです。  「本当のサービス」をしない理由の方は風輪さん本人が自覚しているとおり「ペダンチック」でしょう。濃い食通にだけわかる食材をまきちらしておいて、説明一切なしというところがそれ。  ただし「ペダンチック」は、マニアにはそれ自体がサービスなので、べつに凶器というものではないと思います。  そして「ペダンチック」は、非マニアには存在そのものがみえません。  なぜなら読み飛ばしてしまうから。読み飛ばした意味不明の言葉は、読み捨てポイントと違って存在そのものが意識されないので、凶器にはならないんです。 >弟切さん  まんじゅう責めとは大変な目に遭いましたね。(笑い)  こちら(神戸市長田区)では燕たちが盛大に通りを飛び交ってます。桜は昨日当たりからやっと開花し始めました。ここは甘いものの名所でもあるので一度お持ちしたいですね(例:大西のいちご大福、みたらし団子、さくらもち、安倍川餅、キンカン餅、おはぎ、ほうらく堂のほうらくまんじゅう、ういろうやのながたのういろう、茶五商店のオレンジ片栗、おしるこ 等々) 鬼か、>とんび  削りの方はようやく目が慣れてきたところだと思います。(わたしも自分の文章のどこが灰色かなんて、他人から言われなければ一生気づかずに終わってるでしょう)  削った後は増量するんだったっけ?…… >甘夏さん  ご苦労様でした。  ここでの苦労はけっして無駄にはならないと思いますよ。  わたし自身はあまりお役に立てなかったですが、またお目にかかれるのを期待してます。 >まっきー >449 3/30 >>先に死ぬ不幸を  先立つ不孝を  じゃないの?  とりあえず毎日読んでます。ちゃんと先が読みたくなるし。 -------------------------------------------------------------------------------- ナイフと棍棒 No.6435 投稿日 2003年4月1日(火)22時40分 投稿者 弟切 千隼  遅ればせながら、風輪さんの「邪神戦線2062」が読み逃げされる原因に、やっと思い当たった弟切です。  分室に書かれた皆さんの御意見を何回も読み、新木さんが投げて下さった餌を反芻し、風輪さんの元原稿や削りかすも再三吟味し、哀原さん改め桜庭さんの書き込みとも比較し直してみて、ようやく気づきました。 >> 哀原さんの書き込みは、あれは「ギラリと光るナイフ」だった。とても良いサンプルだった。 >> しかし風輪さんの小説に見られる凶器は、「棍棒」くらいのもの。すぐに凶器とは見分けづらい。 (No.6386の新木さんの書き込みより)  最終的に、上記の新木さんの説明が気づきの決定打になりました。  まず、哀原さん改め桜庭さんのNo.6356の書き込みに含まれていたナイフの正体についてです。  そのナイフとは、「優越感」です。  「優越感」を辞書(大辞林)で引いてみますと、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ゆうえつ-かん 【優越感】 自分が他人よりすぐれているという感情。 ⇔劣等感 「―に浸る」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− となっています。  このような感情をもって書かれた文章には、他人を見下した調子が現われるに違いありません。簡単にいえば、傲慢な文章になってしまうわけです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ごう-まん【傲慢】 (名・形動)[文]ナリ 思い上がって横柄なこと。人を見下して礼を欠くこと。また,そのさま。不遜。「―な態度」「―にうそぶく」 [派生] ――さ(名) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (大辞林より)  読者さまは、傲慢な文章の匂いにとても敏感なのですね。すたこらさっさと逃げ出してしまいます。  No.6385で、新木さんが >> 「俺は気づいたけど、お前ら気づかねーのかよ。馬ッ鹿じゃねーの?」と言いにきただけじゃん。優越感と悪意ゆえの行動じゃん。 と書いてらっしゃるとおりですね。  次に、風輪さんの「邪神戦線2062」に含まれていた棍棒の正体についてです。  その棍棒とは、「自己陶酔」です。  「自己陶酔」を大辞林で引いてみたところ、そのものずばりの項目はありませんでした。そこで、「自己」と「陶酔」を引いてみました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− じ-こ【自己】 (1)おのれ。自分自身。「―批判」「―流」 (2)〔哲・心〕(必ずしも人格に限らず)何らかの同一性・統一性をもった存在自身。 ⇔他者 (3)〔心〕 客体としてとらえられた自分自身。「―像」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− とう-すい【陶酔】 (名)スル (1)気持ちよく酔うこと。 (2)うっとりとして,その境地にひたること。「名演奏に―する」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上記の二つを合体させると、「自己陶酔」とは、「自分自身に気持ちよく酔うこと」となりますね。  こういう状態の人は、本人は気持ちがよくて幸せでも、傍から見ている人はちっとも気持ちよくありません。なぜなら、その人は他人を全く無視して、自分だけの世界にひたって気持ちよくなっているからです。  自己陶酔した書き手の文章を読まされるのは、自分だけで納得して盛り上がっている酔っぱらいの自慢話を聞かされるようなものでしょう。裸足で逃げ出したくもなりますよね。  「邪神戦線2062」のどこがどのように自己陶酔しているのか、例を挙げてみます。 >> ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。オールドアークはスラム街出身の少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルをすべて吐いた。一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。 >> あれから四年が過ぎた。生きてさえいれば、誰だって歴戦の兵士になれる年月だ。 >> なのに今夜は追いこまれ、死神の吐息を身近に感じていた。 (課題部屋のNo.347 「邪神戦線2062」削りカスより)  上記の文章中には、「砲火の洗礼」や「実弾のプレゼント」や「死神の吐息」といった、ちょっと気取った表現が見受けられますよね。こういう表現は格好いいですが、よほど気をつけて使わないと、気取りすぎていやみに感じられます。「ここぞ」という所にのみ使うべきで、決して使いすぎてはいけない表現ですね。  ところが、上記の文章では、五行の中に三つもそういう表現があります。これは使いすぎでしょう。  しかし、書き手は「なんて格好いい表現なんだ」と自己陶酔しているために、気づかないのですね。  また、上記の文章からは、「俺(ジェイド)はこんなに苦労して歴戦の兵士になったんだぞ、どうだすごいだろう」という「自慢オーラ」が感じられます。酔っぱらいの自慢話によく出ているオーラですね(笑)  これまた聞き手(読み手)を逃げ腰にさせる要素です。  以上、「邪神戦線2062」の読み逃げ理由について、ちょっと長めに説明してみました。たぶんこれで正しいと思います(弱気(^^;) 甘夏さんへ >  短い間ながら、お世話になりました。甘夏さんと一緒にやれたことは、私にとって非常にためになりました。  いつかまた、お会いできることを願っています。 とんびの羽根さんへ >  弟切は、決して甘い物が嫌いではありません。今回は量が多すぎて辟易しただけです。いつか神戸へ行って甘い物食べ歩きをしてみたいです(^_^)  あ、でも、安倍川餅は私の故郷静岡が本場ですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6436 投稿日 2003年4月2日(水)00時01分 投稿者 新木 伸 >邪神戦線の読み捨てポイント  いまのところ、いくつかの仮説が出てきているわけね。  僕は僕なりの「答え」を持っているわけだが、出てきている新しいもののなかで、考えるべきものもある。  なので、とんびさんのやっているほうにも参加してみる。  とんびさんの言っている、「読者を見くびっていて、不要な媚びたサービスが混ざってしまう」ということだけど。  これ、どのように証明するの?  不要なものが混じっているところまでは、それ事実なので良いとする。  「読者を見くびっている」というのは、その「不要なもの」が混じってしまった理由となるものだよね。  そんな深いところにあるものって、読者は一発で見分けられるものなのかな?  No.6389の風輪さんの書き込みは、たしかに憤怒ものだろう。  しかしそれは、皆の側に、これまでずっとやってきていたという前提があってのことなのね。  皆は一緒に考えていたわけだ。  そのうちの一人であり、しかも一番の当事者である風輪さんが、「僕はじつはわかっていました」なんて言った日にゃ、そりゃ、一発で怒りだしてしまうだろう。  ちなみに僕は、じつはぜんぜん怒りを感じなかった。  なんか違うもの見つけ出してきたなぁと、そのように思っただけ。ただ「これで確実」なんて出してきているものだから、「それ違う」と手厳しく指摘してやらんと思いはしたけど。  僕は「一緒に考えてきた」という条件に該当していないのね。だから怒りは沸かない。  そして一般ROMさんの立場で考えてみても、たぶん怒らない。せいぜい「なんか負け惜しみっぽいこと言ってる」くらいだろう。  なんていうか、とんびさんのこの説って……。  風輪さんの6389に対する義憤を正当化するために、「読み捨てポイント」にでっち上げてるんじゃない?  なんだか……。  「腹の立つヤツが書いたから、だからダメ」と言っているように聞こえる。  いつも言っているけど。  書かれた作品と、それを書いた人格とは別なのね。  切り離して考えましょう。  邪神戦線の読み捨て理由は、あくまでも、あの作品の冒頭部分の文章の中にあるんです。  作者の人となりとか、価値観やらは、読み捨てポイントを作ってしまった原因となることはあっても、直接の理由にはなりません。  料理のたとえでやろう。  ある料理が「食えない料理」になってしまった理由は、料理人の人格にはないわけ。  あくまで調理技術やら調理手順やらに素材の選び方やら、そういう部分にあるわけ。  ただし理由の原因にはなる。  ずぼらな性格だからイモの皮を剥かなかったとか。  ケチだったからフライ用の油を取り替えないまま揚げ物をしたとか。  どうせ「味なんてわからないのだろう」と見くびっていたから、手抜きをしたとか。  ただ、僕も「原因」に関しては、すこし不明なところもあるんだよね。  僕は僕で、作者が読者に「悪意」を向けていたというのは発想の外にあった。 (優越感を持ったり、見くびっていたりするのは、潜在的な悪意だろう。明確に自覚していなくとも悪意は悪意だ)  「悪意」を想定できなかった僕としては、「読み捨てポイント」ができてしまった理由に関して、「不注意」とか「表現手法不足」とか「じつは善意のつもり」とか、そういうものを想定していた。  その「原因」に関しては、答えを明らかにしてから、風輪さんに訊ねてみようと思っていたのだが……。  しかし風輪さん、退室しちゃったしなぁ。  いまさらなにを論じていても仮説にしかならない。  本当はその原因究明までやらないと、改善のための対策にはならないのだけど。 >弟切  おいこら。  まーた、良く考えもせず「それだっ!そうに違いない!」と飛びついているわけだが……。  どうして君はいつもそうなのだ?  飛びつく前に、よく考えてみること。  ひょっとして弟切さんって、新興宗教とかにハマる人? 「貴女がこれまで不遇であったのは、じつは悪霊が取り憑いているせいなのです」 「そうだったのですか!」 「お払いの壺を床の間に置いておけば、悪霊は逃げ出してゆきます」 「そうですか!」 「いまなら特別に300万円でお譲りできますが……」 -------------------------------------------------------------------------------- 下手な考え休むに似たり No.6437 投稿日 2003年4月2日(水)21時29分 投稿者 弟切 千隼 新木さんへ >  弟切はまたビョーキが出てしまいました(^^; 桜庭さんの表現を借りれば、弟切も「電波な人」ですね。  とにかく、No.6435で書いた読み逃げ原因は捨て去って、地道に考え続けます。  ちなみに、弟切は自分の電波を信じても他人の電波を信じないため、新興宗教にはまったことはありません。  どうせなら、お祓いの壷だの宝塔だのを買わされるほうではなく、売りつけるほうに回って儲けたいです(爆) 馬宮さんへ >  小説の話からは外れますが、気になったことを少し書きます。  パン生地を伸ばす機械に手を巻き込んだということは、仕事中に怪我をしたということですよね? これは「業務上の事由又は通勤による災害」に相当しますから、労働災害です。通常、略して労災と呼ばれるものですね。  労災に遭ったら、労災保険でもって災害補償を受けることができます。アルバイトといえどもこれは同じです。  ただ、実際問題として、アルバイトの身分で労災を言い立てると職場にいづらくなるとか、手続きがややこしくてやってられないとかいうことが大いにあり得ますので、災害補償を受けたほうがいいかどうかは微妙なところです。  それでも、知っていれば損をしないで済む情報だろうと考え、書いてみました。  労働災害については、以下のサイトに詳しく載っています。  話の性質上、ふだん馴染みのない概念や法律用語が頻出して、読んでいると頭が痛くなるかも知れません。しかし、労働災害の項だけでも目を通しておくと、勉強になると思います。 労務安全情報センター http://www.campus.ne.jp/~labor/ -------------------------------------------------------------------------------- >No.6436 新木さん No.6438 投稿日 2003年4月3日(木)02時21分 投稿者 とんびの羽根 >>優越感を持ったり、見くびっていたりするのは、潜在的な悪意だろう。明確に自覚していなくとも悪意は悪意だ  読者をみくびるというのは悪意じゃないですよ、手抜きの一種です。  相手が投手だとみくびって三球連続ど真ん中ストレートとか。  で、なぜ悪意がないのに凶器かというと、見くびられたと感じると、みんな怒るんですよね。    でも誤った対象認識や思いこみから起きている「オコチャマ扱い」は、揶揄のように意識している「オコチャマ扱い」と違って悪意はないんです。  しかし風輪さんの例がそうなのか、証明できるのか、ということですが、いつもどおり自信がないので、もう少し頭を冷やして考えてみます。  それと、すくなくとも義憤は感じてません。わたしはよみかくおよび分室でのスタンスとして、手伝ってやるとか、教えてやる、はないんです。指摘作業を通じて、自分の中に発見するものがあれば、それはいただく、ということで、風輪さんのケースは充分においしいのです。  風輪さんという人は、読者リサーチ(認識)が充分でないために誤ったメニュー選択をしているけど、サービス精神そのものはないどころか、痛切に感じている人だと思います。すでにきっちりと叩かれていて、それでもさらに叩かれるのを覚悟で分室に参加までして本当によく頑張っていたと思います。 >> 作者の人となりとか、価値観やらは、読み捨てポイントを作ってしまった原因となることはあっても、直接の理由にはなりません。  なるほど、たとえもしかして見くびってるが原因だとしても、直接の理由でないのですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 明日から温泉OFFです。 No.6439 投稿日 2003年4月4日(金)00時39分 投稿者 弟切 千隼  弟切は今回の温泉OFFも参加します。今回はこの分室から紫さんも参加されるそうなので、楽しみです(^_^) >>「邪神戦線2062」読み捨て原因探索  課題部屋にある削りかすNo.347を逐一読んで、これを初めて読んだ読者さまがどう感じるかシミュレートしてみました。  「読み捨てポイント」である削りかすの冒頭に来るまでに、読者さまにわかっている情報は以下のとおりです。 1.舞台がアマゾンの密林である。(5W1HのWhere) 2.時間帯が夜である。(5W1HのWhen) 3.主人公はジェイドと呼ばれる人間らしい。(5W1HのWho) 4.ジェイドの周囲では太鼓が鳴っている。(5W1HのHow) 5.ジェイドはゲリラに追われている。(5W1HのHow)  5W1Hのうち、「いつ、どこで、誰が、どうした」まではわかっています。物語の導入部分としては、これだけわかれば不足とはいえないでしょう。  ここまで読んだ時点で、読者さまの頭の中には、「夜のアマゾンの密林の中で追われている人間らしきもの」の姿があるはずです。読者さまが人間である以上、ジェイドが人間であると何も示されていなくとも、主人公は普通の人間だと仮定して読み進むものでしょう。  そのジェイドと呼ばれる人間らしきものは、男なのか女なのか年寄りなのか子供なのか、具体的な姿はまだわかりません。状況が緊迫していることはわかります。  さて、ここまでこの作品を読んで上記の情報を得た読者さまは、次に何が書いてあると期待するでしょうか? 1)ジェイドの正体が何か。   人間なのかそうでないのか、人間ならばどんな人間か、人間でないなら何なのか。 2)なぜ、ジェイドがゲリラに追われているのか。 3)ジェイドはどこへ行こうとしているのか。   これは、2)がわかれば必然的にわかる可能性が高い。 4)ジェイドはどんなふうに追われているのか。  人により差はあるでしょうが、読者さまは、おおむね上記のような情報を早く知りたいと思うのではないでしょうか。  そして、ここからいよいよ問題の「読み捨てポイント」へと進んでゆきます。課題部屋にある削りかすを見てみましょう。 >> ジェイドは初めて砲火の洗礼を浴びた、熱帯夜の行軍を思い出す。  最初の一文がこれです。いきなり主人公の回想になっています。  現在の状況を早く、詳しく知りたい読者さまは面食らうかも知れません。けれども、この回想は主人公の正体を知るための重要な情報を提供するのだろうと予測して読み進むでしょう。そうでなければ、こんな物語の冒頭部分に、回想シーンなど持ってくるはずがないからです。  ここで読者さまは、主人公が戦闘に遭遇するのが初めてでないことと、熱帯夜に遭遇するのも初めてではないことを知ります。「行軍」という単語が登場しますから、かつてジェイドが兵士だったことも決定します。  これは、「ジェイドって誰?」という読者さまの大きな疑問に、一つ答えを提供している文ですね。しかし、この時点では、ジェイドが現在も兵士であるかどうかはわかりません。  次の文を見てみます。 >>オールドアークはスラム街出身の少年は三滴ほど小便をちびり、夜食のヌードルをすべて吐いた。  何やら地名らしい単語が登場しました。ジェイドの出身地情報です。「少年」とありますから、ここでジェイドの性別が男であることと、ジェイドが人間であることがほぼ決定します。また、ジェイドが初めて戦闘に遭遇した頃は、それほど勇敢ではなかったことも知らされます。  「ジェイドって誰?」という読者さまの疑問に対し、ジェイドが人間の男であるという答えが示されました。これは真っ当な答えですね。  けれども、ジェイドの出身地だの、昔は勇敢でなかっただのという、現在のジェイドにあまり関係なさそうな情報が混じっているために、真っ当な答えが埋もれてしまってわかりにくいです。  これらは、「ジェイドが人間の男である」という情報を差し置いてまで、書かなければならない情報だったのでしょうか? ゲリラに追われている緊迫した場の雰囲気を中断してまで、書かなければならないものだったのでしょうか?  次の文に行きます。 >>一六歳の誕生日にふさわしい、実弾のプレゼントだった。  ジェイドが初めて戦闘に遭遇したのが、一六歳の時だったとわかりました。前の二文と合わせると、一六歳の頃のジェイドが兵士だったことがわかりますね。  でも、それがわかったからとて、現在のジェイドがどうなのかはわかりません。かつては兵士だったとしても現在もそうだと確定はできませんし、かつて勇敢でなかったからといって現在もそうだとは限りません。出身地がわかっても、一六歳の時の戦闘体験が明らかになっても、それらは「アマゾンでゲリラに追われている」現在の状況に何か関係があるのでしょうか?  読者さまは「現在のジェイド」が何者なのかを知りたくてうずうずしているのに、過去のことばかりで現在のジェイドのことがほとんど出てこないため、そろそろいらいらし始めるでしょう。短気な読者さまですと、この時点で読むのをやめてしまうかも知れません。  ここで一つの段落が終わっています。「ここまででジェイドの過去話は終わりで、次の段落からジェイドの現在が語られるに違いない」と読者さまが期待するのは当然でしょう。  ということで次の文です。 >> あれから四年が過ぎた。  ちゃんと現在に戻ってきているようです。この文のおかげで、ジェイドが現在二十歳だということがわかりました。  次の文へ進んでみましょう。 >>生きてさえいれば、誰だって歴戦の兵士になれる年月だ。  これは説明文ですね。「四年間闘い続けて生き残れば、誰でも歴戦の兵士になれる」という事実を説明しています。  それはよいとして、この事実とジェイドとがどう結びつくのかわかりません。推定するに、この後に来る文は「ジェイドも闘いの中を生き抜いて歴戦の兵士になった」か、「ジェイドは途中で闘いを投げ出して非戦闘員として生き残った」か、どちらかでしょう。  ところが、ここでまた段落が変わり、次の文はこうなっています。 >> なのに今夜は追いこまれ、死神の吐息を身近に感じていた。  現在のジェイドが兵士なのかそうでないのか、全く情報がありません。  この一文の意味は、前に書いてあったことの繰り返しです。つまり、「ゲリラに追われて危機一髪」という、読者さまにとっては既にわかりきったことが書かれています。  これでは、読者さまは退屈に感じるでしょう。  ここまででおよそ五行を費やしているにもかかわらず、削りかすの中には、現在のジェイドに関する情報がほとんどありません。ジェイドがどこの国の人間なのか、戦闘員なのか非戦闘員なのか、なぜゲリラに追われているのか、何もわかりません。  知りたいことがなくて、知りたくもない情報が並べられている文章を読むのは誰でも苦痛のはずです。知りたい言葉が載っていない辞書や、知りたい電話番号が載っていない電話帳を読んでいるようなものでしょうか。  今回の解析はここまでとします。これから明日に備えて支度をしなければなりません(^^; -------------------------------------------------------------------------------- 温泉OFFより戻りました。 No.6440 投稿日 2003年4月6日(日)23時37分 投稿者 弟切 千隼  今回は常にも増して温泉に入りまくって、お肌がつるつるすべすべになり、二割増しくらい美人になった(気がする)弟切です(^_^)  新木さん、みやびさん、中里さん、紫さんなどの参加者の方々、お世話になりました。今回もとても有意義で楽しかったです。  今回は何が有意義だったといって、なにしろよく眠りました(爆) 生活時間の乱れ具合はいつもと変わらないつもりでしたのに、なぜか真昼に異常に眠くなり、布団にくるまって爆睡してしまいました。  また、お会いするのは二回目だった紫さんの顔を覚えられたのも収穫でした。物覚えが悪い弟切は、最初、初めてお会いした時よりだいぶ髪の毛が伸びていた紫さんに気づきませんでした(^^;  次にお会いする時には、すぐに気づくと思います……きっと……たぶん……。  えーと、一応小説の話もしました(笑)   これに関しては、紫さんが作家の方々と熱心に話しておられましたので、私よりも紫さんのほうが得られたものが多かったでしょう。  弟切の場合は、温泉OFFの参加者の方に課題部屋にあるNo.450を読んでいただきました。「余分なところを削ったのはよいけれど、削りすぎでこのままでは意味が通らない」という御批判をいただきましたので、「余分な言葉がなくて、意味が通って、かつ味わいがある文章」を目指して増量してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6441 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 花嵐 No.6442 投稿日 2003年4月8日(火)21時34分 投稿者 弟切 千隼  温泉OFFでたっぷり英気を養ったはずなのに、なぜか昨日熱を出した弟切です。  遅れてきた湯あたりか、春風邪をひいたか、まさか最近中国大陸で蔓延しつつある新型肺炎のSARSか(そんな訳はありませんって(^^;)、と首をひねっていました。  雪の信州→白銀のふすまの岡辺 日に溶けて淡雪流る(島崎藤村より借用)→桜吹雪、と激変する環境に身を置いたために、体調を崩したようです。  やはり、雪の降りしきる露天風呂で、牡丹雪を髪に積もらせながら半身浴(注)していたのがいけなかったのでしょうか(おばか過ぎです > 私) 注: 半身浴…ぬるめのお湯に下半身だけ長時間浸かる入浴方法です。体が芯から温まって良いといわれています。しかし、この方法ですと上半身は長時間お湯の外に出ていることになり、雪中の入浴には甚だ向いていませんね(爆) >>主観語/客観語課題 「喫茶店で別れ話を始めたカップルと観察しているウェイター」を書き直して課題部屋に上げておきました。No.456です。 -------------------------------------------------------------------------------- どうもどうも No.6443 投稿日 2003年4月9日(水)13時19分 投稿者 巻島翔史  お久しぶりです&はじめましての巻島です。  こっちに出てこないうちにイラク戦争は勃発し、オイラはひとつ歳をとって、謎の肺炎が蔓延し、鉄腕アトムが誕生してしまいました。  ついでに阪神はそれなりにはやれそうで、マッキーマックスはダービートライアルの青葉賞にいくとか。(しかし、冠名も冠名以外もこんなにワシとかぶった馬がいるというのが、いまだに信じられない)  そしてよみかくはいまだ復旧せず……心配です。  前置きはさておき、本題。  原稿、ようやく脱稿いたしました。  自己記録を150枚ほど更新したことになります。 (そうか、書いても書いても終わりに至らないような気がしてたのは、新記録だったからなのか)  ですが、その……自宅のネット環境がちょっとおかしなことになってまして。  早い話が、ケーブルか内装モデムがぶっ壊れてしまったという。 (どっちかは自己調査中です)  そんなわけで、もちろん指摘は解禁なわけですが、巻島本人の対応が遅れることが予想されます。 (土日は学校来ないからネット触れないし)  ので、そのあたりはご容赦ください。 甘夏さん>  そのうちどこかでこれを目にすることもあると思われるので書いておきます。  結局一度もコンタクトを取らぬままでしたが……書き込みを拝見していると、甘夏さん、関西方面の方ですよね?  分室では関西勢力がちょっと東のやつらに押されぎみなので――もしまた復帰されるようなことがありましたら、個人的にうれしいです。はい。 桜庭さん>  どうもはじめまして。巻島といいます。上記にもあるように、関西方面の男です。  電撃の締め切りも明日で終わり、ということは――近々、本格参加なさるということですね?  それはそれでかまわないのですが……えぇと、これは新木さんに対する一応の確認の意味もこめて書くんですが……桜庭さん、分室の自己紹介フォーマットにのっとった自己紹介というのは、やってませんよね?  ついでに、過去ログは読まれました? 全部。  過去ログ全読破というのは、だんだん年数を経過していくごとに厳しい条件になっていくんですが……基本的には宝の山なので読んでください。読んでないのに読んだとごまかして参加するのも不可能ではないと思いますけど……もったいないですし、新木さんをはじめとしたここの人間が使う「分室用語」について知っておかなければ困ると思いますので。 とんびさん(6434)> >>先立つ不孝を じゃないの?  「ふこう」違いですね。これは素で覚え間違えてました。恥。 (でもよく考えると、「先に死ぬ親不孝」と「先立つ不幸」がごっちゃになって「先に死ぬ不幸」になったんだから――その時点で間違いに気づけよ俺)  それから、 >>ちゃんと先が読みたくなるし。  純粋に、この言葉がうれしかったです。  自分にはほんとにエンタメ気質があるんだろうか、って猜疑がちょっとあったんで……  ほんの少しだけ、自信になりました。 -------------------------------------------------------------------------------- 脱稿おめでとうございます No.6444 投稿日 2003年4月9日(水)23時45分 投稿者 弟切 千隼 > 巻島さん。  まずは、これだけ長い話をプロットから作って、ちゃんと作品として書き終えた御苦労をねぎらいたいです(^_^) プロ作家(志望者)なら当然とはいえ、ここに至るまでに多くの人々が挫折する現実を見れば、決して楽なことではないとわかります。  ところで、この作品は四月十日−つまり明日−締め切りの電撃大賞に応募するつもりですか? > 巻島さん。  そうだとしますと、残された時間は非常に少ないですね。締め切りまでに直せるのは、誤字脱字や一、二シーンの書き変えなど、ほんのわずかな部分だけでしょう。とりあえずは、誤字脱字と日本語としておかしな言い回しの撲滅に全力を挙げるべきですね。  ある程度量のある書き直しをする余裕があるなら、私としては以下の二箇所を直して欲しいと思いました。 1.採石場での闘いのシーン。  主人公ががんばっている様子が感じられたので、基本的には今の雰囲気でよいと思います。ただ、もう少し危機的な状況を演出するために、主人公に血を流す怪我をさせて欲しいですね。  赤い血が流れ出す様子や、血なまぐさい匂いや、ぬるりとした血の感触などを描写すると、「本当に殺されるかも知れない」という絶体絶命の状況が、もっと生々しく感じられると思います。そこまで追い詰められてこそ、へたれだった主人公が開き直って最後まで闘おうとする変化が(読者さまにとって)納得できるものになるでしょう。 2.王女が護衛を復活させる能力を使うシーン。  ここは、宇宙人の異質さと王女の特別さを示せるいい場面だと思います。けれども、復活の儀式の具体的な描写がほとんどないために、シーン全体に締まりがなく、ぼやけた印象になってしまっています。  もっと具体的に、王女が苦しみながらも護衛くんを復活させようとがんばる様子を描写しましょう。能力が不完全でも、本来彼女が持っている高貴さや護衛くんに対する思いの深さが示せれば、読者さまに「確かにこの人は王女にふさわしく、彼女を守りきった護衛くんを復活させて二人で母星へ凱旋して欲しい」と感情移入してもらえるのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 巻島くんへ。 No.6445 投稿日 2003年4月10日(木)02時20分 投稿者 鷹見一幸  ずっと読んでた。最後の方までテンションが下がっていない。読めた。  構成はしっかりしている。  でも、予定調和とまでは行かない。予定はできているけど調和していない。  ……言っておくけど、俺の言うところの『予定調和』はホメ言葉だからね(笑)  粗は目立つ。悪いが俺が審査員なら二次通過するかどうかと言うところだろう。  でも、それはいわゆる小さな「バグ」みたいなもので、物語の全体を揺るがすような欠陥じゃないと思う。  これを叩き台にして、さらに改稿を重ねることができれば、グレードはまだ上がるだろう。それだけの厚みがある。  叩き台に乗せて叩けるだけの厚みがあるということだよ、鉄だってがんがん叩いて鍛えることができるだけの厚さがあれば日本刀だって作れる。  トタン板じゃあ叩いたってモノにはならんだろ?(笑)    ……楽しかったかい? それともつらかったかい? おそらくその両方だろうな。  さあ、次は何を書く?(笑) -------------------------------------------------------------------------------- まっきー、おめでとう No.6446 投稿日 2003年4月10日(木)07時41分 投稿者 とんびの羽根  この一ヶ月間、課題部屋をのぞくのが楽しみでした。ご苦労様でした。  実際、誤字が気になって読めない、というようなことはほとんどなかったし。  ストーリーの流れや、登場人物の性格付けというような部分でも引っかかることがなく読めた。  というか、ぶっちゃけ面白かった。  これで鍛えるいうことがどういうことか、本当の意味で理解し体験できる場所に、初めて立つわけだ。  さあ、たたかれるべし、たたくべし。  グンバレ、マッキー(松井ネタ)。 -------------------------------------------------------------------------------- >巻島さん No.6447 投稿日 2003年4月10日(木)10時18分 投稿者 桜庭 優 はじめまして。桜庭 優と申します。 こちらこそ宜しくお願いいたします。 >過去ログ 巻島さんの指摘に従って、過去ログをダウンロードして、 読んでいるところ、なんですが……。 分量が凄く多いです。 HTML版を印刷しようとしても何故か印刷できないわ、 テキストファイル版を印刷しても途中までしか印刷できないわ。 ……ということで、テキスト版を100レスごとに切り取り&新しいテキストファイルに貼り付けをして、それから印刷しようと思っています。 ですから、自己紹介や、本格的な参加などは、過去ログを全て読み終わってからにします。申し訳ありません。 今のところは昨日の夕方から読み始め、夕食になるまで読み、それから今日の朝から再開して、No0162の新木氏の書き込みまで読みました。 今は、テキストの切り取り&貼り付け作業に集中するために中断していますが、 早めに終わらせて再開したいところです。 それにしてもなんて分量なんだ(笑い -------------------------------------------------------------------------------- X-Day? No.6448 投稿日 2003年4月10日(木)23時41分 投稿者 弟切 千隼  「バグダッド陥落」のニュースを見ながら、その陰にある千人を越える死者の存在に思いを馳せている弟切です。  その「千人」には、一人一人にみな家族があり、友達があり、かけがえなく思う人がいるはずです。一人の人生は、一つのドラマになり得るはずです。  もの書き志望者としては、現実の悲劇をきっちりと踏まえつつ、少しの明るさを付け加えて、人々を励ませるようなものを書きたいですね。  本日は四月十日で、電撃ゲーム小説大賞の締切日でした。巻島さんは、結局、課題部屋にある作品を投稿されたのでしょうか?   個人的には、あの作品はもっと鍛えてから投稿したほうがいいと思います。まだ磨く余地があって、面白さが足りない作品を投稿しても、いいことはないでしょう。 桜庭さんへ >  ここの過去ログを読むには、一晩やそこらでは無理だと思います。何しろ二年間以上の記録ですから。年月の重さは軽んじられません。  たとえ読めたとしても、それは「目を通した」だけで、ほとんど身にはならないでしょう。こんな宝の山を読み飛ばすなんて、もったいなさ過ぎますよ。何週間かかけるつもりで、じっくり読んで下さい。  過去ログを読んでゆくと、弟切のおばかさ加減に笑いたくなる場面がたびたびあることと予想します。もう、思いっきり笑ってやって下さい(^_^)  桜庭さんは、電撃大賞には投稿されましたか?   もし投稿されて、これから分室へ参加されるおつもりなら、どこかのサイトにその投稿作品を上げていただいて、ここの参加者が勉強する材料にさせていただけると嬉しいです。  本当ならば、「よみかく」本体に投稿していただくのが一番なのですが……「よみかく」本体が原因不明のままアクセスできない状態になっているため、それができません。もう二週間以上もこんな状態なので、これはいよいよ純さんに何かあったのではないか、と心配です。 -------------------------------------------------------------------------------- おつかれさまでした >巻島さん No.6449 投稿日 2003年4月11日(金)23時42分 投稿者 はせがわみやび  おひさしぶりです、みなみなさま。 >巻島さん  まずは、おつかれさまでした。  この週末にまとめて読む予定です。  できれば、細切れじゃなくて、一括してまとめたバージョンもアップしておいて欲しいかなあ。とりあえず、切り貼りしてプリントアウトしてみます。 >みやびの近況  ファイナル・ファンタジー小説の2巻目が今月20日に出ます。  で、今は3巻目にとりかかっているところ。次の発売は、……6月予定だったりする。なんだか、どんどん刊行ペースが短くなってるんですけどー(^^; みやび -------------------------------------------------------------------------------- はじめまして No.6450 投稿日 2003年4月12日(土)01時09分 投稿者 青葉桂都  はじめまして、青葉桂都と申します。  もしよろしければ、こちらに参加させていただけないだろうかと考え、書き込ませていただきました。  まずは自己紹介をいたします。  先月、大学を一浪一留で卒業したばかりの24歳です。現在は無職で、アルバイトを探しているところです。  小説家希望です。志望と言えるだけの覚悟は決まっておりません。  読書量は小説が800冊、マンガが2500冊程度でしょう。年齢のわりに少ないですね。インプットされている量はその一割か二割……といったところだと思います。  800冊のうち、少なく見積もっても500冊くらいはライトノベルですので、今のところはライトノベルの賞を取ることを目指そうと考えています。  当面の目標は、こちらに参加させていただけるならば、電撃かえんためになります。  理由は、ふざけていると思われそうですが、ここしばらく新刊で買った記憶があるのがこれらと富士見ファンタジア文庫の作品だけだからです。  小説はこれまで、ほとんど書いていません。特に、完成したのは先日の第10回電撃ゲーム大賞に送ったものだけです。  そのほかは、大学に入ったころから毎年一、二度ずつ書こうと思いたちはするものの、どれも100枚にも届かずに廃棄する、という感じでした。  完成したものも、どちらかと言えばはずみをつける意味で二、三週間くらいで書いた代物で……まぁ、一次通れば嬉しいかな、程度にしか考えていません。  小説以外では、高校時代は身内でやったTRPGのリプレイ、大学に入ってからはPBMのリアクションを書いていました。PBMのほうは一応、会社主催のものが主です。  小説家にはならないかもしれませんし、書くものは小説ではなくなる可能性はあります。しかし、私は今後もなにかは書いているだろうと思います。  そして、どうせ書くなら他人に見せられるようなものが書きたいと考えております。  ですから、よみかくさんのほうは先月末からNotFoundになっているようですが、こちらの分室を今後も継続されるのであれば最初に書きましたとおり参加させてください。  よろしくお願いいたします。  なお、過去ログは、三月中に一週間ほどかけて一通りは読破いたしました。  身になっているかどうかは、自分ではよくわかりませんが……なっていないと感じたら、そのときにはまた読み返してみるつもりでいます。  それでは、今回はこのあたりにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 月の輝く夜に No.6451 投稿日 2003年4月12日(土)01時16分 投稿者 弟切 千隼  温泉OFFで「一シーンだけ書いてみる課題より、そろそろ一本の作品を書いたほうがいいよ」と勧められたり、巻島さんの長編を読んだりしているうちに、やはりそろそろ作品を書こうと思い始めた弟切です。  で、短編のあらすじを作りました。仮題は「弦月[げんげつ]の夜」です。  ジャンルとしては、ホラーですね。読者さまに怖がって楽しんでもらおうと思って作りました。  以下に一行コンセプトと八百字あらすじを書いておきます。話の筋が通っているかどうか、設定に穴がないかどうか、読んで怖がってもらえそうかどうか、などを皆さんにチェックしていただけると嬉しいです。 「弦月の夜」一行コンセプト:「悪事は身に返る」 「弦月の夜」八百字あらすじ: −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  舞台は中世ヨーロッパのどこかの国か、あるいは中世ヨーロッパ風の異世界である。  ある村娘が領主の息子と恋に落ちる。身分違いのため結婚が許されず、二人は駆け落ちを企てる。その決行の夜、待ち合わせ場所である領主の館へこっそり向かうために、人目につかない墓地を通り抜けようとした娘は、そこで自分の親友が怪しげな儀式を行なっているのを目撃する。娘は止めようと思ったものの、親友の恐ろしい形相に恐れをなし、駆け落ちのほうを優先させようと考えて断念する。  娘が領主の館に着くと、そこには領主の息子と彼のお抱えの魔術師がいる。しかし目に視えない障害物があって、娘はどうしても二人に近づけない。折から昇ってきた下弦の月に照らされ、水鏡に映った自分の姿を見た娘は、自分が死んで幽霊になっていることに気づく。娘は、彼女をうとましく思うようになった領主の息子によって殺されていたにもかかわらず、それを忘れて、駆け落ちするはずだった下弦の夜になると、霊だけの姿で元恋人のもとへ行っていた。  幽霊になった彼女に呪われないように、領主の息子はお抱えの魔術師に自分を守らせており、そのために娘は元恋人に手を出せない。娘が悔しがっていると、突然魔術師のかけた呪い避けの術が解け、彼女は元恋人にとり憑くことに成功する。それは、彼女が領主の息子に殺されて、しかもそのことがうやむやにされたのを怒った彼女の親友が、墓地でかけていた対抗魔術が効いたためであった。  親友は、事前にただ一人彼女から駆け落ちのことを聞いており、ゆえにただ一人彼女が殺された真相を知っていた。一介の村娘が領主の息子に復讐するには魔術に頼るしかなく、親友は命がけで呪い避けを破る術をかけたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上記の一行コンセプトと八百字あらすじは、課題部屋にも上げておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- シンクロニティの扱いはどうしたものだろう?(雑談半分) No.6452 投稿日 2003年4月12日(土)02時23分 投稿者 鷹見一幸  今、電撃の「時空のクロス・ロード」(新・じゃないほう)の外伝、というかなんというか、機構とかこっちの世界の人間が一人も出てこない、ウィルスにやられた世界の話だけの話を書いているんですけどね。  ウィルスが蔓延し始めて、就労人口の半数が倒れ、社会構造が崩壊するところから書き始めたのが、今年の二月頃で、そのあとネオクーロンとかでたまかとかがあったので、ちょっと置いたままにしておいたら……。    SARS、という現実が追いついてしまった(苦笑)    感染者の家族に対する差別のエピソードとか、現実に発生した事実と被る被る……仕方ないから片っ端から削ったら、150p書いてあったのに90pしか残らなかった。  今、必死に戦闘シーンとかを書き足してるけど、果たして〆切に間に合うかなあ。今月末までにネオクーロンの書き下ろしも書かなきゃならないんだけど、こっちは20pで止まったままだし。  自分の書いていたものと現実が同調するシンクロニティが生じたときは、どうするのが一番良いのだろう?  私の場合は「時空」の世界を書いた時がSRASの流行より四年ほど早いので「パクリ」とか「時事の流用」とか言われても、言い逃れできるけど、それでもやっぱり「あ、これ今の出来事をネタにしたんだな」と思われるのも、少し悔しいしね(笑)    時事ネタと被ったら、あっさり捨ててしまったほうがいいのだろうか?  それとも、まさしく「俺の方が古い」と開き直って書き進めるべきなのか?  今のところ判断がつかないので、あまりにも、あとから生じた事実と重なる部分は削るだけで書き進めてます。  「もしも……」という一つの仮説を立てて、それに沿って世界を構築してゆくという手法で設定を作りそこでお話を動かすのは「擬似イベント」と呼ばれる手法の一つですが、自分の立てたシミュレーションが、現実と一致するのを見るのは、少々怖い気もしますね。  ……自分が、そこそこ売れる作家になる。というシミュレーションは、しっかり外れていたりするのにね(苦笑)   -------------------------------------------------------------------------------- >461 弟切短編「弦月の夜」八百字あらすじ No.6453 投稿日 2003年4月12日(土)12時05分 投稿者 とんびの羽根  実は神戸では桜がまだ咲いてます。例年より遅くまで残っていますね。まだけっこうはだ寒いです。  一方多くの木々が一斉に芽吹いてきて、街中が幾分華やいできました。燕たちも第二陣がやってきて先週の1.5倍くらいに増え、ペアを組み始めました。来週当たり第三陣(まだペアをつくらない若手燕たち)がやってくるでしょう。  そういえば本場の安倍川餅ってどんなのだろう。神戸長田という土地はなんでもかんでも自分たち流にアレンジしちゃうんで、まず確実に本場のものと違うですよ。  長田本通りの大西の安倍川餅は透明のプラスチックパックにぎゅうぎゅう詰めに砂糖きなこが詰められていて、それを掘り起こすととろけるようなつきたてのもちが5つくらい重なって出てきます。想像つくかな。  甘い話はこれくらいにしておいて、そろそろあらすじの指摘の方に進みます。 >461 弟切短編「弦月の夜」八百字あらすじ >>舞台は中世ヨーロッパのどこかの国か、あるいは中世ヨーロッパ風の異世界である。  魔術が実際に使えるなら異世界に確定でしょう。中世ヨーロッパ風魔術ファンタジー。 >>親友の恐ろしい形相  月の出前の墓地の暗闇でどうして親友だとわかり、形相が判別できるのか不明。 >>水鏡に映った自分の姿を見た娘は、  水鏡の位置関係が不明。三人の間に池でもあるのか。  それとも「水鏡」というアイテムが存在しているのか。 >>自分が死んで幽霊になっていることに気づく  なぜわかるのか (どういう姿で映っているのか、映っていないのか)  気づいたことがストーリーにどういう影響を与えるのか (影響がないならあらすじに必要ではないので) >>彼女をうとましく思うようになった領主の息子  いつから、なぜ、うとましく思うようになったのか不明  くわしく分けてみますのでチェックしてください。  A.駆け落ちを決意した時期  B.駆け落ちの待ち合わせ場所と時間を決めた時期  C.うとましく思うようになった時期  D.殺意に変わった時期  E.殺した時期  F.駆け落ち予定日(下弦月21日深夜)  の時間関係が不明、(順番と経過した時間)  またどういうことがあって、なぜ、そんなに急に心変わりするのか?(原因、理由) >>待ち合わせ場所である領主の館  歓迎されてない客が領主の館の敷地内に入ることは非常に難しい。  門番、守衛などは身分違いの娘が夜に忍び入ってくるのを全力で阻止するはず。  誰でも入ってこれるなら領主を暗殺者などから守ることができないから。  なぜ待ち合わせ場所が(元々侵入が困難な)領主の館なのか。  A.娘の方の意思で決めたのか  B.男の方の意思で決めたのか   B1.うとましく思う前に決めたのか、B2.うとましく思ってから決めたのか、B3.殺そうと思ってから決めたのか  どの時点で誰が決めたかによって、理由は違ってくる >>一介の村娘が領主の息子に復讐するには魔術に頼るしかなく、親友は命がけで呪い避けを破る術をかけたのだった。  なんで一介の村娘が本職の魔術師の魔術を破れるのか不明。 >>彼女は元恋人にとり憑くことに成功する。  コンセプト「悪事は身に返る」がイマイチ感じ取れません。とり憑いてどうなったのか不明。  視点が娘の方にあり、その娘の方が男の悪事を忘れている以上、コンセプトが成立しないのではないか。  以下はあらすじを読んでいて思ったことです。 ・駆け落ちの決意について疑問  男は一度家を捨てる覚悟をしたわけで、そういう決断をくだせる人物が簡単に意思と行動を曲げるということは考えられなかった。  駆け落ちをする気が元々なかったのではないか。 ・殺害の計画性はどうか  たとえば「男は途中からうとましく思っていた、駆け落ちという餌を与えて娘を人気のない場所におびき出して、殺害する計画を立ててそれを実行した」ということなら「復讐」まですべて矛盾はなくなる。 ・殺害の動機はどうか  領主の息子が娘と関係を切ることは非常に簡単です。  身分違いの娘と密会するために必要な労力を思えば、会わないでいるための労力なんて些細なものでしょう。  結婚するためには駆け落ちの必要があるけれど、遊びなら男は会いたいときだけ会いに行けば良いわけで、会いたくなければ、出かけなければよいだけ。  つまり男の側の殺意と動機が「彼女をうとましく思うようになった」だけでは不足している。  「ひどくうとましくて殺したくなる」ためには娘がストーカーであったとか、男が殺人鬼であったとか、精神をあやつられていたとか、人格そのものに関わる理由が必要になる。 -------------------------------------------------------------------------------- 自己紹介とか No.6454 投稿日 2003年4月12日(土)13時28分 投稿者 桜庭 優 一応、過去ログのNo0001からNo0600までを読みました。(まだまだ十分の一か) 感想とかはまた後にしたいと思います。 >自己紹介 巻島さんに、「自己紹介」と言われ、過去ログを読みながら 「自己紹介って、もしかして挨拶代わりに課題をやるのか?」 とか思っていましたが、「説明」のページを読んで、何のことは無い、 普通に自己紹介をしなさい、というわけだったのですね(笑い ということで自己紹介を。 大学→コンピューター系の専門学校を卒業して、今は某ゲーム会社のアルバイトをやっている、 今年の6月で29歳になる者です。 (でもアルバイトは現在干され中……笑い) 専門学校行っていたいた頃はゲーム会社志望だったのですが、今は完全な小説家志望です。 その覚悟は十分出来ています。 きっかけは、アルバイトが一休みして休みが長くなった、去年の12月。 「アルバイトじゃなあ……。早く何らかの仕事につきたい」と思っていたところ、ふと、電撃大賞の募集要項に目がとまり、 「そう言えば大学生の頃、小説家を目指していたなあ……。今なら、やれるかもしれない」 と思い、小説を書き始めた。それがきっかけです。 読書暦は昔は小学校、中学校と図書室に頻繁に行ったりしていましたが、今はさほど読んでいないと思います。 ライトノベル系志望と言う事もあり、今回の電撃大賞に作品を応募してきました。これがはじめての長編です。自信は……あるのか無いのか(笑い ここに来るきっかけは、作品を書いている途中に、自分の掲示板に訪れた名無しの人に、ここを薦められて、ROMしていましたが、 例の読み捨てポイントの件で思わず書き込み。 それからいくらかやりとりがあって、新木氏のお誘いを受け(笑、 ここに住み着く事となりました。 繰り返しますが、皆様宜しくお願いいたします。 ところで作品をWeb上に載せる件ですけど、 本来なら「よみかく」に載せるのが筋なんですが……。 さて、どうしたものでしょうか。 応募データには、Webに載せてある事は結局明記しなかったのですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 生存証明 No.6455 投稿日 2003年4月12日(土)19時44分 投稿者 馬宮  家の方の事情で、しばらくネットにあがるのが難しくなっていました。  報告だけでもと思ったのですが、ばたばたしていて時間が過ぎてしまいました。  明日と明後日の二日はネットができません。  小説にかける時間も、四月いっぱい、一日三時間ほどになってしまいます。  こんな報告ばかりで、本当に心苦しいです。 ○巻島さん  本当におつかれさまでした。  他に言葉が見つかりません。  毎日書いて長編を仕上げるというのを、目の前で見せていただきました。  それがモノカキにとって当たり前のことでも、書きあがりの報告を読んだ時はワクワクしました。  外から見ていたわたしがそう思ったんですから、書き上げた巻島さんの達成感はもっと大きかったんだと思います。  これからこのお話がどれだけ変わっていくか、本当に楽しみです。  一読していますが、これから通してじっくり読みますね。 ○弟切さん >労務安全情報センター  ご紹介ありがとうございます。ちょうど勉強しなくてはいけなくなって、四苦八苦していました。  今までなじみがなかったことなので、頭が痛くなっているところです。  とても助かりました。 >「弦月の夜」八百字あらすじ  あらすじ読みました。二回ぐらい読んでもちょっと内容がわかりづらいかな、と思いました。  なぜかというと、キャラクターがよくわからないからなんです。  まず主人公。  最初に親友の儀式を目撃しますよね。  一度は止めようとするんですが、親友の表情に恐れをなして「駆け落ち優先」と考えその場を離れてしまう。  あれ? っと思いました。  「親友」という言葉の持つイメージと、「駆け落ち優先」という娘の判断がかみあってないように思えたんです。  だって駆け落ちしちゃったら、もう親友とは会えません。いくら親友が恐ろしいことをやっていても、二度と止められないんです。  なのにその場を離れたということは、つまり、「逃げた」んですよね。  さっと読んだ時、「親友が悪いことに手を染めてるのに、自分ひとりの幸せ追って逃げちゃうの? どうして?」と思ってびっくりしました。  それから、  娘はこの親友に駆け落ちすることを知らせてるんですよね。たぶん、日付も知らせてるんじゃないでしょうか。  もし日付を知らせているとしたら、娘が恋する人と駆け落ちをしようというめでたい日(最初の娘は自分が死んだことを知らないのでそう思ってますよね)に、それを知っているはずの親友が、ひとり怖い顔で魔術の儀式なんかやってるんです。  しかも墓地で。  これは、不気味じゃないですか?  主人公、どう思ったんでしょうか。    先に進みます。  自分が死んでいると知らなかった時の娘はおそらく、息子恋しさから領主の屋敷に通っていたのでしょう。  では、自分が殺されたと知った時、娘はどう変わったんでしょうか。  具体的には、最後の方、娘が息子に近づけないことを悔しがってるところです。  彼女は、その時どうして息子に近づきたがったんでしょうか。  娘の心境によって、彼女が「息子に取りつく」という行為を望む意味が変わってきますよね。  恨みなのか、それでもやはり恋しいからなのか。    弟切さんはこの娘をどういう女性と考えておられるのでしょうか。  領主の息子のキャラクターもよくわかりません。  彼が娘をうとましく思ったのは、どうしてでしょうか。  とんびの羽根さんも指摘されてますが、そこが不思議なんです。  彼には彼なりの理由があるはずです。  うとましいというだけでは、娘がストーカーしたの? とわたしも一瞬思ってしまいました。  後、文章のつながりが気になりました。 >>娘が領主の館に着くと、そこには領主の息子と彼のお抱えの魔術師がいる。  ここと、 >>しかし目に視えない障害物があって、娘はどうしても二人に近づけない。  ここが、つながってないと思うんです。  「娘が駆け落ちに来た」というのに、いきなり息子の傍に魔術師がいるとわたしは「なんでいきなり魔術師?」とびっくりしました。  で、たぶん弟切さんの頭の中では魔術師とこの後の、「目に視えない障害物」とがつながっているんだと思うんですが、初めて読むわたしにはこの二行がすぐにつながらないんです。  で、さらにその後、 >>折から昇ってきた下弦の月に照らされ、水鏡に映った自分の姿を見た娘は、自分が死んで幽霊になっていることに気づく。  とあります。  なぜ、娘は水鏡を見たんですか?  わからないことが増えてきて、話の筋が追えなくなってしまいました。 -------------------------------------------------------------------------------- 本場の安倍川餅 No.6456 投稿日 2003年4月12日(土)23時27分 投稿者 弟切 千隼  とんびの羽根さんが安倍川餅の話題を振って下さったのをきっかけに、私も安倍川餅のことを知りたくなって、少し調べてみました。  静岡県で生まれ育った弟切にとって、最も親しみのある安倍川餅は、「やまだいち」という会社が作っている製品です。おそらく、ほとんどの静岡県人が思い浮かべる「安倍川餅」とは、この会社の物でしょう。東海道新幹線の中で「静岡名産」といって売られている安倍川餅も、ここの製品です。  「やまだいち」のサイトを探して行ってみましたら、やはりありました、自社製品の安倍川餅と、安倍川餅の由来を紹介したコーナーが。  以下にURLを書いておきますので、「静岡県人が正しいと思う安倍川餅」が知りたい方は、覗いてみて下さい(^_^) http://www.siz-sba.or.jp/meibutu/kumiaiin/yamada1/yamadaichi.htm >>「弦月の夜」あらすじ指摘  とんびの羽根さん、馬宮さん、早速の御指摘ありがとうございます(^o^)  頭の回転が鈍い弟切は、すべての御指摘にすぐに応えられるとは限りませんが、貴重な御指摘はできるだけ生かすつもりでいます。気長に見守ってやって下さいませ。 >>>>舞台は中世ヨーロッパのどこかの国か、あるいは中世ヨーロッパ風の異世界である。 >> 魔術が実際に使えるなら異世界に確定でしょう。中世ヨーロッパ風魔術ファンタジー。 (とんびの羽根さんのNo.6453の書き込みより)  これは、異世界とは限らないでしょう。実際に効力がある魔術があったかどうかは別として、中世ヨーロッパでは「魔術は実在する」と信じられ、魔術に関する伝承がたくさん伝えられていました。  この話の舞台は、「魔術が実在しても不自然でない社会」であればよいわけですから、中世ヨーロッパそのものであっても問題はないと思います。  実在した中世ヨーロッパにするのか、異世界にするのかはまだ決めていません。読者さまがより楽しめるかどうかを基準に決定します。 >>>>親友の恐ろしい形相 >> 月の出前の墓地の暗闇でどうして親友だとわかり、形相が判別できるのか不明。 (とんびの羽根さんのNo.6453の書き込みより) >> さっと読んだ時、「親友が悪いことに手を染めてるのに、自分ひとりの幸せ追って逃げちゃうの? どうして?」と思ってびっくりしました。 (馬宮さんのNo.6455の書き込みより)  これに関しては、お二人の御指摘はごもっともです。考えてみれば、何もここで主人公に、「その怪しい儀式を行なっているのは自分の親友だ」と気づかせる必要はありませんね(^^;  星明かりしかない夜の墓地では、たとえランプや蝋燭を持っていたとしても、そこにいる人物の顔まで見分けるのは困難でしょう。おそらく、男か女かくらいしか判別できないと推測できます。  夜の墓地で一人、怪しげな儀式を行なっている女がいれば、それだけで怖すぎるくらい怖いです。むしろ正体がわからないほうが、怖さは増すものでしょう。  ここは、「怖さのあまり主人公は、彼女の正体を確かめずにその場を逃げ出し、待ち合わせ場所に向かった」と修正します。 >>>>水鏡に映った自分の姿を見た娘は、 >> 水鏡の位置関係が不明。三人の間に池でもあるのか。 >> それとも「水鏡」というアイテムが存在しているのか。 >>>>自分が死んで幽霊になっていることに気づく >> なぜわかるのか >>(どういう姿で映っているのか、映っていないのか) (とんびの羽根さんのNo.6453の書き込みより) >> なぜ、娘は水鏡を見たんですか? (馬宮さんのNo.6455の書き込みより)  ここは、また私の説明不足&独り善がりのために話をわからなくしてしまいましたね m(-_-)m  私の脳内では、待ち合わせ場所に池があって、その水面に映った弦月の美しさに惹かれた娘が池を覗き込み、骸骨になった自分の姿を見たことになっています。が、そんなことはあらすじのどこにも書いてありません(;_;)  この場面については、一時保留とします。要するに、ここには「自分が幽霊である」と主人公が気づくきっかけがあればいいわけです。アイディア出しをすべきところですね。 >>【幽霊であると】気づいたことがストーリーにどういう影響を与えるのか >>(影響がないならあらすじに必要ではないので) (とんびの羽根さんのNo.6453の書き込みより。【】内は弟切の補足) >> 自分が死んでいると知らなかった時の娘はおそらく、息子恋しさから領主の屋敷に通っていたのでしょう。 >> では、自分が殺されたと知った時、娘はどう変わったんでしょうか。 (馬宮さんのNo.6455の書き込みより)  ここは、弟切の考慮が足りませんでした。「自分が死んでいる、それは恋人だったはずの領主の息子に殺されたからだ」と気づく前と気づいた後では、当然主人公の思いと行動は変わるはずです。  気づく前については、「主人公は駆け落ちするつもりで恋しい人に会いに行っていた」で、問題ありませんね。  気づいた後にどう変わるかは、以下の二つの選択肢があると思います。(本当はもっとありますが、「読者さまに怖がっていただかなくてはならない」という大目的の前に、脳内で却下されました)。 1.主人公は可愛さ余って憎さ百倍となり、領主の息子を呪い殺すために取り憑く。 2.主人公が領主の息子を恋しく思う気持ちは変わらず、とにかく一緒にいたいがために取り憑く。しかし、死霊に取り憑かれた生者は生気や運気を吸い取られて、どんどん体が弱ったり不幸ばかりが起こったりするようになるため、結果として最後には呪い殺される形になるだろう。  これも、どちらがより怖いかによってどちらを採用するか決定します。私としては、2のほうが怖いと思いますが、いかがでしょうか?  とりあえず、主人公の思いと行動に関する疑問点に応えたところで、今回はここまでとします。領主の息子と魔術師と主人公の親友に関する疑問点には、次回以降に応えます。 桜庭さんへ >  No.6454の書き込みを読んで、びっくりしました。  どこにびっくりしたかといいますと、↓ここです。 >>巻島さんに、「自己紹介」と言われ、過去ログを読みながら 「自己紹介って、もしかして挨拶代わりに課題をやるのか?」 とか思っていましたが、「説明」のページを読んで、何のことは無い、 普通に自己紹介をしなさい、というわけだったのですね(笑い  桜庭さん、「説明」を読まずにいきなり書き込みされていたのですね(*o*)  ROMの人でしたら、「説明」を読まずにいるのは、まあわかります。  けれども、活発な発言が長く続いている掲示板があって、そこに新参者が書き込もうという場合には、「説明」や「過去ログ」など、その掲示板を知る手がかりになるものをある程度読んでから書き込むものではありませんか?  長く続いている掲示板には、独特の用語があったり、複雑な経緯があったりして、独自の「文化」があるものです。そういった「文化」を知らずに書き込みをしても、的外れな発言になってしまったり、大多数の参加者にとってはとっくに終わった議題を蒸し返されることになったりして、参加者のためになる書き込みができない可能性が大です。  もの書き志望者としては、これはまずい態度だと思いますよ。自分の話を聴いてもらおうと思ったら、まず他人の話に耳を傾けてからでないと、ちゃんと聴いてもらえないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- re:弟切さん No.6457 投稿日 2003年4月13日(日)10時21分 投稿者 桜庭 優 >桜庭さん、「説明」を読まずにいきなり書き込みされていたのですね(*o*) >ROMの人でしたら、「説明」を読まずにいるのは、まあわかります。 >けれども、活発な発言が長く続いている掲示板があって、そこに新参者が書き込もうという場合には、「説明」や「過去ログ」など、その掲示板を知る手がかりになるものをある程度読んでから書き込むものではありませんか? >長く続いている掲示板には、独特の用語があったり、複雑な経緯があったりして、独自の「文化」があるものです。そういった「文化」を知らずに書き込みをしても、的外れな発言になってしまったり、大多数の参加者にとってはとっくに終わった議題を蒸し返されることになったりして、参加者のためになる書き込みができない可能性が大です。 >もの書き志望者としては、これはまずい態度だと思いますよ。自分の話を聴いてもらおうと思ったら、まず他人の話に耳を傾けてからでないと、ちゃんと聴いてもらえないでしょう。 すいません。心よりお詫びいたします。 たしかに「何かを伝えよう」とする「物書き」としての態度としては、これはまずい態度ですよね。 そのためにも、過去ログを全てきちんと読んでいきたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 安倍川餅とか No.6458 投稿日 2003年4月13日(日)22時32分 投稿者 とんびの羽根  弟切さん本場の情報ありがとう、やはりというか、こちらの安倍川餅と明らかに違うですよ。  こちらの安倍川餅もきなこ餅であることは確かなんだけど、きなこの海の底でつきたて角餅が泳いでるさまは完全に別物だった。  さて選挙の後投票所を出ると、そこは桜の名所観音山公園なのです。葉も出始め、かなり散り始めた桜の下で、最後の花見客がにぎわってました。 >馬宮さん  焦らないように、頑張ってください。集中することが大切なのです。PCにさわれなくてもできることをやってください。  はやく課題に戻って来てくださいね。 >桜庭さん >>すいません。心よりお詫びいたします。  あまり大仰な謝罪は言葉が減るですよ。  弟切さんが謝罪を求めているのではないこと、読みとれてないのかと思った。  それと引用は控えめに……、というか不必要な引用をしていること、気づいてないですか。   >No.6456 弟切さん >>「自分が死んでいる、それは恋人だったはずの領主の息子に殺されたからだ」と気づく  これは飛躍です。    今生きている判断力ある自分が幽霊であることを認めるのは、非常に難しいことです。すくなくともひとつのエピソードが必要です。  さらに殺されたこと、それもこの男に殺されたのだということを認めるためにもひとつのエピソードが必須。  一応殺された本人ですから、客観的証拠は必要ないけど、最低相手の手で殺された場面を思い出す必要がある。  また自分が幽霊であることを認めさせるのは、除霊の一段階でもあるので、このままだと魔術師に簡単に引導を渡されるはずです。  魔術師が敗れたのは呪い避け(退魔)の術だけで、なぜ本業の除霊術が使えないのか理由が欲しいところ。  呪い避けなら破るというのは分かる、しかし除霊を破るというのはちょっと違うと思うのですよね。  そして娘が自分の死を認めても、なおかつこの世に止まり続ける理由。  もちろん娘の気持ちが愛情から憎悪に転換したということがはっきり示されるなら、充分に理由になるけど。 -------------------------------------------------------------------------------- 人には我慢の限界というものがあり、 No.6459 投稿日 2003年4月13日(日)23時33分 投稿者 巻島翔史  結局、パソコンを買うことで解決してしまいました<接続不調問題  家に引きこもってしか小説化書いてないので、三代目はすなおにデスクトップ。  二代目のノートには役目を終えてもらいました。 (ひょっとしたら、親父が修理に出すのかもしれませんが。一日一回必ずフリーズしてたしなぁ)  ノートの良さもよーく身にしみてわかったので、将来的には併用したいですが……そこまで贅沢できるようになりたいなぁ。 弟切さん> >>ところで、この作品は電撃大賞に応募するつもりですか?  今回はしませんでした。というより、初めからする気はなかったです。来年目標でやってました。  その理由は、書きあがってから二日しか経ってない(直しも充分でない)ものを送っても見込みがないということを自覚しているからです。今年を狙うのであれば、02年のうちから違う話を書いてたでしょう。 (もっともそれ以前に、あの話、規定枚数超えてるんで、削りの作業も要るわけなんですけどね。そういう、さらに時間のない状況で、慌てて送るわけにはいきませんて) >>1.採石場での闘いのシーン。 >>2.王女が護衛を復活させる能力を使うシーン。  この二つの指摘はもっともです。ありがとうございます。  血に関しては、完全にオイラのミスです。脳内場面構築が足りませんでした。  護衛復活シーンですが、あそこは最初説明から入ったために、説明と描写の切り替えがパッパラパーになってしまった感じです。基本的な実力不足です。 鷹見さん> >>最後の方までテンションが下がっていない。  このあたりは、(テンションが落ちてるんじゃないかと)自分自身、少し危惧していたところなので、鷹見さんにそう言われるとちょっと自信になります。はい。 >>でも、予定調和とまでは行かない。予定はできているけど調和していない。  このくだり、具体的にどういうことでしょうか。  構成(プロット)段階で、すでに調和していないということでしょうか。  この場合の調和とは、エピソードが調和していないという意味でいいんでしょうか。 はせがわさん> >>できれば、細切れじゃなくて、一括してまとめたバージョンもアップしておいて欲しいかなあ。  というわけで、作っておきました。  ただし、若干細部が異なっている箇所もあります。  ――って、よく見ると週末に読むと書いてある。遅かったか……? 弟切さん>弦月の夜>  とんびさんと馬宮さんがおおかた言ってくださったので、ワシはここを。 >>>>魔術が実際に使えるなら異世界に確定でしょう。 >>実際に効力がある魔術があったかどうかは別として、中世ヨーロッパでは「魔術は実在する」と信じられ、魔術に関する伝承がたくさん伝えられていました。 >>この話の舞台は、「魔術が実在しても不自然でない社会」であればよいわけですから、中世ヨーロッパそのものであっても問題はないと思います。  いや、弟切さん。なんでとんびさんが異世界で決まりだと言ったか――わかってます?  弟切さんは、確かに中世ヨーロッパに詳しい。だから、中世ヨーロッパが「魔術が実在すると当時の人に信じられていた世界」であると、知っています。  でも果たして、普通の読者の人はどうでしょうか。  この地球上の歴史のなかで、魔術が実在したことがある――と信じている人はあまりいないはずです。 (広義に考えて、シャーマニズムや儀式宗教を魔術と言うことはできましょうが、人を呪い殺せるほどの実効性を持った魔術が実在していた、と信じている人はまれでしょう)  だから、これは異世界決定なんです。  ……まあ、実在した国名・地名を出しても、魔術が存在することによって、人は「パラレル世界もの」だと認識すると俺は考えているので――あんまり異世界かそのものかにこだわることもないかもしれませんね。  あとそもそも、 >>悪事は身に返る  この「悪事」とは具体的になんですか?  彼氏が主人公の彼女を殺したことでしょうか。  しかしそれにしたって――痴情のもつれの末の殺害は、どうも「悪事」と言うには適さないと思うんですが。  殺人は問答無用で「悪い行い」ではあります。しかしこの場合、彼女のうちに殺される原因があったかどうかも書かれていないので、わからないんですよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 統一地方選挙 No.6460 投稿日 2003年4月14日(月)00時35分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切が住んでいる神奈川県では、県知事選と県議会議員選がありました。もちろん、弟切は国民の義務を果たし権利を行使するために、選挙へと行ってまいりました(^_^) >>「弦月の夜」あらすじ指摘  今回は、領主の息子に対する御指摘に応えます。  まず、「駆け落ちの待ち合わせ場所がなぜ領主の館なのか?」についてです。  これは、領主の息子がはなから駆け落ちするつもりなどなく、主人公を殺すつもりだったからですね。殺人をするなら、他人の目につきにくい自分の屋敷というのはいい場所です。したがって、この待ち合わせ場所を決めたのは男のほうです。  しかし、とんびの羽根さんが指摘されたとおり、駆け落ちの待ち合わせ場所として領主の館というのはいろいろと不都合が多くて、不自然ですよね。これも考え直します。  主人公が待ち合わせ場所へ行って、何かのきっかけで自分が死んでいると気づいて、男に取り憑くために領主の館へ行く、という流れに変えれば不自然ではないでしょう。こうすれば、領主の息子とお抱え魔術師が一緒にいてもおかしくありませんね。  次に、「領主の息子がなぜ、いつ主人公をうとましく思うようになったのか?」についてです。  「いつ」については、上に書いたとおり、駆け落ちを言い出す前ですね。男は、主人公を殺すために駆け落ちしようと持ちかけました。  「なぜ」については、脳内でいくつか候補を挙げていたものの、確定させていませんでした。以下にその候補を書いてみます。 1.主人公がストーカーだった。 2.領主の息子は、若い娘をもてあそんでは殺す殺人鬼だったため、主人公と遊び飽きてうとましく思うようになった。 3.領主の息子は黒魔術に凝っていて、最初から悪魔の生贄にするつもりで主人公と付き合っていた。 4.主人公が妊娠したと聞いた領主の息子は、その子が生まれて後々財産分与などでもめることを恐れた。 5.良い家柄の娘と縁談が持ち上がった領主の息子は、醜聞を恐れた。 6.領主の息子は、主人公と付き合っている過程で知られてはならない秘密を知られてしまい、それをばらされることを恐れた。  1・2・3に関しては、即座に却下しました。  1ですと主人公の側にだいぶ非があることになりますから、「悪事は身に返る」というコンセプトと合いません。2と3は特殊すぎる設定です。  残りの4・5・6のうちどれにするかは、まだ決めていません。他にもっと良い案があるかも知れませんから、もう少し考えます。これもアイディア出しの対象ですね。  領主の息子に関する疑問点については、こんなものでしょうか。  その他の大きな疑問点としては、「なぜ一介の村娘である主人公の親友が、プロの魔術師の術を破れたのか?」というのがありますね。  これは、客観的に見て、明らかに殺された主人公に非はなく、殺した男の側に非があったことに関連します。主人公の親友が用いたのは、神や精霊などの超常的な存在に「正義の裁き」をしてくれるようお願いするという術で、この場合は殺された主人公の側に正義があったため、男の側に「天罰が下される」ような形になったわけです。  しかし、あらすじにはこんなことを一言も書いていませんので、読者さまにはわかるはずがありません(;_;) これはあらすじにきちんと書くことにします。 -------------------------------------------------------------------------------- あれこれ No.6461 投稿日 2003年4月14日(月)04時58分 投稿者 はせがわみやび >弟切さん >「弦月の夜」あらすじ  ネタと展開は、まあ、面白そうだから良いとして(驚きもあるし)。  無理に短いあらすじにしようとしないで、実際に書くときのことを考えながら、ざっと、どの部分をどうやって書くのか、まとめてごらん。場合によっては、プロットもどきにしてもいいから。  もうちょっと、どんな風に描くつもりなのか、説明しちゃっていい。  そうしないと、無用な質問がくるばっかりで、時間がもったいないです。 (執筆前に力尽きちゃ、本末転倒なんだから) >> この話の舞台は、「魔術が実在しても不自然でない社会」であればよいわけですから、中世ヨーロッパそのものであっても問題はないと思います。  ようするに、魔法が実在したということだけが例外の、中世ってことだね。  ほんとに魔法が存在したら、社会のあちこちが変わるはずだ──というところは、目をつぶる、と。もしくは、「実は魔法は実在したのです。誰ひとり今では覚えていませんが」みたいな。  コバルト文庫の「魔女の結婚」のシリーズが、そんな感じじゃなかったかなぁ。   >巻島さん  半分、読み終わったところだったので、ちょうど良かったです。 (あ、前半部分は最初の第一校でコメントしちゃうことになりますケド)  緩急がうまく交互にやってくるので、飽きずに読めてます。  ところどころ「いいな」という描写もあって読んでて楽しいです。  でも、戦闘場面はぜんぶ書き直しかなあ(^^;  なにが起きてるんだか、よくわかんないんだもん(^^; みやび -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6462 投稿日 2003年4月14日(月)07時04分 投稿者 とんびの羽根 >「弦月の夜」あらすじ  たしかにみやびさんの言うとおりです。  800字に無理にまとめないで、充分な説明を加え、必要だと思われる展開と場面をすべて書き出した方がいい。  すでに脳内にあって書いてないだけの部分まで、返答と検討に時間を掛けるのはもったいないです。  ひとつ懸念してるのは、殺されたことに気づいてからの主人公の「憎悪」に振り回されずに書けるかどうかですね。  前回「憎悪」を封印してましたっけ。  今回はホラーということですので、うまく暴走させてやれば(つまり多少論理的に飛躍していても)面白く(怖く)なるんじゃないでしょうか。  とりあえず返答を中止して、文字数無制限版を作ってください。何回かにわけてもかまわないと思うので、できたところまで課題部屋においてはどうでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 桜の次はつつじに牡丹に藤の花 No.6463 投稿日 2003年4月14日(月)21時49分 投稿者 弟切 千隼  染井吉野が終わる頃には、多種多様な花が一斉に咲き始めて見事ですね。アパート住まいの弟切は、他人の家の庭に咲く花を眺めて楽しんでいます(^_^) >>「弦月の夜」あらすじ  字数制限など考えずに、とにかく説明できるだけ説明したあらすじを書いたほうがよいのでは、という助言をいただきましたので、「プロットもどき」のあらすじを書いてみます。  その前に、自分の頭の中を整理するために、実際に書く順番ではなく、時系列順に起こったことを並べた一覧を作ってみました。 1.主人公の身に起こったできごと   領主の息子と付き合い始める。         ↓   駆け落ちしようと言われる。         ↓   駆け落ちするつもりで領主の息子と落ち合って、殺される。         ↓   殺されたことを忘れて、幽霊になって現世へ蘇る。         ↓   自分が殺されたことを思い出す。         ↓   幽霊のまま領主の息子に会いに行って、取り憑く。 2.領主の息子に起こったできごと   主人公と付き合い始める。         ↓   何らかの原因で、主人公のことが邪魔になる。         ↓   主人公と駆け落ちすると見せかけて、やってきた主人公を殺す。         ↓   主人公に呪われないよう、呪い避けの術をかけてもらう。         ↓   呪い避けの術が解けて、主人公の霊に取り憑かれる。 3.主人公の親友に起こったできごと   主人公が領主の息子と付き合っていることを聞く。         ↓   主人公が領主の息子と駆け落ちすることを聞く。         ↓   主人公が殺されたことを知り、領主の息子に殺されたことを察する。         ↓   主人公の復讐のため、超常的な存在に正義の裁きを嘆願する。         ↓   嘆願が聞き届けられ、正義の裁きが実行される。  上記の一覧は、課題部屋にも上げておきます。 >> ようするに、魔法が実在したということだけが例外の、中世ってことだね。 >> ほんとに魔法が存在したら、社会のあちこちが変わるはずだ──というところは、目をつぶる、と。もしくは、「実は魔法は実在したのです。誰ひとり今では覚えていませんが」みたいな。 (みやびさんのNo.6461の書き込みより)  おっしゃるとおりです。  例えば、内容について何の情報もなくある小説を読み始めたら、中世のイタリアとかフランスとかイギリスとかの地名が登場して、実在した中世ヨーロッパが舞台であることがわかったとします。そのお話の中に実効性のある魔術が出てきたとして、「何だこれは!? 魔術なんて実在したわけないだろう! こんな小説読めるかぁっ」といって投げ捨てる人は……百万人に一人くらいはいるかも知れませんが、普通はそれだけでは読み捨てポイントにはなりませんよね? フィクションとしては、むしろ面白くなりそうだと思ってもらえるのではないでしょうか? >> ひとつ懸念してるのは、殺されたことに気づいてからの主人公の「憎悪」に振り回されずに書けるかどうかですね。 >> 前回「憎悪」を封印してましたっけ。 (とんびの羽根さんのNo.6462の書き込みより)  これはたぶん大丈夫だと思います。弟切が制御できないのは「怒り」でして、「憎悪」ではありません。 -------------------------------------------------------------------------------- おひさしぶりです No.6464 投稿日 2003年4月15日(火)00時58分 投稿者 紫ゆきや  プライベートでいろいろありまして、ちょっと間があいてしまいました。 ●温泉オフ  自分なんかが行って邪魔にならないかと思っていましたが、ゲームをやったり小説について話したり、楽しく過ごしました。  作家さんとやる「Once Upon A Time」というカードゲームは面白かったです。  手札を使って御伽噺を作っていくゲームなのですが、話がどんどん奇想天外な方向へ突き進んでいって(笑)  小説については、主に「読み手の気持ちを考える」てことについて、話していました。  他にもいろいろ教えていただきましたので、自分のなかでまとめてからフィードバックしていきたいと思います。  すぐに実践できることとして、句点の打ち方についてとかは、ハイスピの4/9ぶんあたりから、意識して変えています。  あらすじの書き方についても指導していただきました。あらすじだけでも、作家さんによって、ぜんぜん別の書き方をされるので、とても驚きました。 ●弟切さん  温泉オフでは、おつかれさまでした。  雪の降りしきる夜に、弟切さんが部屋に来て「半身浴してきました」と言ったときには、「罰ゲームですか?」と訊きそうになりました(^^; >弦月の夜 >途中で魔法が出てきたら  うーん、リアル中世だと思っていたところに、後半で魔法が出てきたら――  私はダメかな。  「離れて人を殺せるほどの力」が存在していたら、絶対に世界観に影響がでているはずです。しかも、「魔法によってヒロインが殺されていた」なんて納得するのは、かなり難しそう。  面白ポイントではあるけど、納得できることと、面白いことは別ですし。  まあ、簡単な話で、魔法のある世界だと前半で出しておけばいいだけでしょう。  例えば、親友が魔法を勉強しているとか。領主の息子の監視役に魔法使いが着いているとか。 ●巻島さん  おつかれさまです。  同時にはじめたのに、自分のほうはまだ短編が仕上がってないんですね。我ながら、驚くほど遅いです。なんとか今週中には終わらせたい方向です。  ハイスピが書き上がったら、巻島さんのクロッシング・マインドの指摘もやらせていただきますね。  余談みたいなものですが――クロッシング・マインドって、人格交換ネタっぽいイメージだなあと思いました。 ●青葉さん  はじめまして、紫ゆきやです。  新木さんのレスを待ってから、挨拶しようかと思っていましたが――お仕事モードのようなので。  いらっしゃいませ。一緒にがんばりましょう。  とりあえず、電撃大賞へ送ったものを、UPしてみてはいかがでしょうか。  よみかくが不調みたいなので、たとえば分室の課題部屋へUPするとか、自前のHPを用意するとかですね。 (過去ログを読まれているそうなので、蛇足かもしれませんが。UPするときは、あらすじとプロットも付けておいてくださいませ)  あるいは、生課題を1本やってみるとか。  それを読んでから、何が必要なのか判断してもらうのが、今までのパターンですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 補足 No.6465 投稿日 2003年4月15日(火)04時57分 投稿者 紫ゆきや  すいません。  電撃大賞のレギュレーションに、WEB上で公開していたらURLを書くようにと、ありましたね。  投稿作品をUPするのは、選考結果が出てからのほうが良さそうです。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6466 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- レス二つ No.6467 投稿日 2003年4月15日(火)10時28分 投稿者 桜庭 優  すいません、上の削除は私です。  表示上おかしな部分があったので。  でもこういう誤りは、削除して、書き直すほうが良いのか、それとも単に、修正の書き込みを独立したレスとして、書き込む方が良いのか、迷いますねえ。  まだこういう削除機能を持つ掲示板に、慣れていないだけなのかもしれませんけど。 それでは本来の書き込み。 >とんびの羽根さん >あまり大仰な謝罪は言葉が減るですよ。  はい、わかりましたですよ。  でもやはり、丁寧に謝った方がいいかな、と個人的に思いまして。 >それと引用は控えめに……、というか不必要な引用をしていること、気づいてないですか。  私もコピーしたときに長いかな、と考えましたが。 (なら何故その時に短くしなかったのか、という自己突っ込みと反省) >鷹見一幸さん  はじめまして。桜庭優(さくらばすぐる)と申します。これからよろしくお願いいたします。 >自分の書いていたものと現実が同調するシンクロニティが生じたときは、どうするのが一番良いのだろう?  私個人がそうなったとしたら、「開き直ってそのまま書き進めてしまう」方を選択します。  それは自分が前々から考えていたネタであって、現実にそんな事件がすぐに起きるとは想像していなかったわけですし。  それに、そのような理由で、せっかく書いている(いた)物語自体やプロットを捨てるのも、もったいないと個人的には思いますので。  ……でもたしかに、自分で書こうと思ったネタが現実化すると、頭抱えますよねえ。 -------------------------------------------------------------------------------- 魔術にもいろいろありますね No.6468 投稿日 2003年4月16日(水)00時15分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南では、春雨というにはずいぶん冷たい雨が降りました。出先で雨に降られた弟切は、小雨なのにわざわざ傘を差すのが面倒くさくて、濡れて帰りました。  温泉OFFの雪中露天風呂で体を鍛えましたから、風邪を引かないで済むでしょうか(笑) 紫さんへ >  真冬に零下20℃になるモスクワで、屋外の温水プールに入るというロシア人の向こうを張って、雪の露天風呂で半身浴してみました。  ……弟切はロシア人にはなれないことを悟りました(爆) >>「弦月の夜」あらすじ指摘  皆さんからの御指摘を読みながら、「魔術が実在するパラレル中世ヨーロッパって、そんなに違和感あるかなあ?」と不思議に感じていた弟切は、ふと気づきました。  弟切が考えていた「魔術」と、皆さんが思い浮かべていた「魔術」の間には、ちょっと隔たりがありました。  普通の人は、「魔術」や「魔法」といえば、ちょいと呪文を唱えたり「魔法の杖」を振ったりしただけで、空を飛ぶことも動物に変身することも自由自在、という万能の術を思い浮かべるのでしょう。  しかし、弟切は、そういう物理法則を無視するような、大げさな「魔法」は考えていませんでした。  神や死霊という超常的なものが実在して、それらと話をするくらいはできるものの、「呪殺」などの物理的な力を行使する術は、よほどの意志力と幸運に恵まれなければ不可能な世界というのを想定していたのです。  敵方に「魔術師」を出したせいか、「弦月の夜」のあらすじを読んで下さった方々は、主人公は魔術師に呪い殺されたのだと思われたようですね。私は一言もそんなことを書いていませんのに。  弟切は、全く自然に、「主人公は刺殺か絞殺か毒殺か、とにかく普通のやり方で殺された」と考えていました。  こういうことは、ちゃんと書かなければ読者さまにはわかりようがありませんよね(;_;) 自分の脳内だけでわかっていてどうする、と自己突っ込みをしてしまいました。  次回には、読者さまにわかるあらすじを提出したいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 二度目の書き込みです No.6469 投稿日 2003年4月16日(水)10時30分 投稿者 青葉桂都  自己紹介において性別を書き忘れておりました。まことに申しわけありません。  男です。 >紫さん  はじめまして。どうぞよろしくお願いいたします。  レスポンスがなかったので、なにか失礼なことを書いてしまったのではないかと心配しておりました。  そういえば、新木さんの書き込みはここしばらくありませんね。もう少しタイミングを考えたほうがよかったかもしれません。  電撃に送った作品は、いちおう自分のHPにUPしてあります。もちろん、応募する際にそのように明記した上でです。  ですので、こちらにそのURLを書き込むことは可能です。  それならば問題ありませんでしょうか?  ただ、あらすじはついているのですが、プロットは付け忘れておりまして。こちらにURLをのせるには(いえ、のせないにしても)これから書く必要があるのですが。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷たい雨に打たれるのは、体に良くありません。 No.6470 投稿日 2003年4月16日(水)22時42分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南はとても暖かくて爽やかな気候だったというのに、昨日雨に打たれたせいか、体調を崩した弟切です。  我ながらばかすぎると思いました(;_;) >>「弦月の夜」あらすじ  字数無制限版を作りましたので、ここに上げておきます。今回のあらすじは、実際にシーンを書く順番を無視して、時系列順に起こったことを並べてみました。  今回のあらすじには、領主の息子が恋人を殺すに至る理由や、その犯行が息子のせいだとばれなかった理由などを考えて、加えてみました。あらすじを補足するものとして、舞台設定やキャラクター設定も付けました。  これでは納得できないという方がいましたら突っ込みをお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 舞台:  魔術が実在するパラレル中世ヨーロッパ、または中世ヨーロッパ風異世界。  この世界で使える「魔術」は、神や妖精や死霊などの超常的存在とコミュニケーションを取ったり、天候の予測をしたりする程度で、人間が空を飛んだり動物に変身したりする物理的な作用はほとんどない。ただし、神などの超常的な存在に頼めば、人間に代わってそのような力を発揮してくれる場合もある。 時系列順あらすじ:  ある平民の村娘が、領主の息子と恋に落ちる。それは身分違いで許されぬ恋なので、娘は自分の親友にだけ恋を打ち明ける。娘は恋人と密会するために、領主の館の離れへと通じる秘密の地下道のことを教えてもらい、その道をたびたび通って逢瀬を重ねる。  そのうちに、二人が住む領地では治安が悪化する。そこの領主と隣の領主とは、互いに相手の土地を併合しようと狙っており、相手の土地に私兵を繰り出して狼藉を働いているのが原因である。  隣の領主と本格的な戦になるかも知れないと考えた領主は、息子に戦の準備を進めさせる。その過程で、息子は敵に知られてはならない秘密の地下道を恋人に教えてしまったことを後悔する。  地下道が敵に知られることを恐れた息子は、口封じのために娘を殺そうと決意する。駆け落ちしようと娘に持ちかけ、恋人を信じてやってきた娘を、領主の息子は殺害する。  治安が悪化していることが悪用されて、娘は隣の領主の私兵に殺されたことにされる。娘の親友だけは、彼女が領主の息子と駆け落ちしようとしていたことを知っており、彼女がその息子に殺されたのではという疑惑を抱く。  その息子は、恋人の死霊に呪われることを恐れて、お抱えの魔術師に呪い避けの術をかけてもらう。  恋人に思いを残した娘は、幽霊となって現世へ蘇る。殺害された時の衝撃が大きすぎて、彼女は領主の息子に殺されたことを忘れ、駆け落ちするはずだった弦月の夜になると、恋人と約束した待ち合わせ場所へ向かうようになる。  そんな娘の復讐を果たすために、ある弦月の夜、娘の親友は、彼女を殺した者に相応の報いを与えるよう、神に嘆願する魔術を行なう。その魔術が功を奏して、死霊の娘は恋人に殺されたことを思い出し、呪い避けの術も破って、領主の息子に取り憑く。 キャラクター設定:  主人公の娘…田舎の農家の娘らしく、純朴な人間。身分違いの領主の息子とは結婚できないと覚悟しているが、恋人の愛情は疑っていない。  領主の息子…恵まれた自分の地位を守ることに執心しており、自分の弱点を他人にさらすことを恐れている小心者。いざとなれば、自分より身分が低い人間は切り捨ててもよいと思っている。  主人公の親友…田舎住まいだが、主人公よりは裕福な家に育ったため、主人公より教養があって利発である。しかしそれを誇ることなく、主人公の純朴さに惹かれて友情を育んでいる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上記のあらすじは、課題部屋にも上げておきます。  こうやって書いてみると、実際に書く部分は、あらすじの中のほんの一部分ですね(^^; 『恋人に思いを残した娘は〜』以降です。  このくらい作りこまないと、読者さまに楽しんでいただけるお話はできないということでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6471 投稿日 2003年4月17日(木)18時55分 投稿者 紫ゆきや ●弟切さん  ちょっと不明瞭に感じる部分もありますが、見せ方しだいかもしれませんね。  とりあえず、プロットまで書いてみてはどうかと思いました。  個人的に一番気になったのは、「取り憑いて……それからどうなったのか?」て部分です。 ●青葉さん  URLを書いてもらえればOKかと。  たしかに、ネット小説ではプロットまではUPしてないのが普通ですね。ぜったい必要というわけではないです。 (私なんか、まだプロット書けないくらいのショボショボですし)  シーンの目的がわかっていたほうが、指摘しやすいかなと思いまして。 ●「河原でけっとうの日」比較  OFF会で、新木さんに書いていただいたリライトとの比較です。  文章は課題部屋のほうにUPしてあります。 ===紫の文  目覚まし時計だったモノから、視線を移し、壁掛け時計を見る。 === ↓↓↓ ===新木さんの文  その目覚まし時計だったモノから視線をはずし、あたしは壁掛け時計を見た。 ===  「その」を付けているのは、前の文を言い直しているからですね。  無くても通る文だけど、誤読を避けるために追加したんじゃないかと思います。  「あたしは」というのは、直前の1行目で主語を省略しているので、今回の2行目で明記する必要があったということかと。  「移し」という言葉は、移動の元と先が明確な場合は良いけども、今回のように不明瞭な場合は、一瞬、どうなったのか落ち着かない瞬間が生まれます。  「移し」を使うのであれば、「その目覚まし時計だったモノから、壁掛け時計へ、あたしは視線を移した。」みたいにしなくてはいけませんね。 ===紫の文  和風の部屋に似合わない白色のデジタル時計には、8:15と表示されていた。 「……うあ?」 === ↓↓↓ ===新木さんの文  文字盤の上の短針は――ゾウさんの鼻の先。長針が、にゃんこ……。  ――八時一五分! 「ぎにゃーー!」 ===  小道具から変わっていますね。  ここで私のほうの文章に足りないのは、キャラクターを引き立たせる小道具を用意することです。  ゾウさんに、にゃんこは、「新木さんにとっての翔子」のイメージなわけですね。  私は、「私なりの翔子」らしい小道具を用意しなくてはいけません。  あと、ここでは時間の表記方法が変えられています。  たしかに、「8:15」は、ちょっとどうかというカンジですね。  縦書き文章を、もっと意識しなくてはいけないでしょう。  ――今日はここまで。  ぜんぶ終わったら、まとめ直して課題部屋にUPしておこうと思います。 ・指示代名詞は、言い換えのときに、誤読させないためにも使う。 ・主語は早いうちに明記しておく。 ・動詞には、先に情報を出しておかなくてはならないものがある。 ・キャラクターを特徴づける小道具を用意する。 ・縦書きを意識した表記を選ぶ。 -------------------------------------------------------------------------------- 風光る No.6472 投稿日 2003年4月18日(金)00時12分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は昨日にも増して暖かく、家の近所の原っぱで日向ぼっこでもしたい気分でした。  しかし、どうやら本格的に風邪をひいたらしい弟切は、節々の痛みを抱えて家の中で呻吟していました(;_;) 青葉さんへ >  御挨拶が遅れましてすみません。弟切千隼と申します。長らくここに居着いていますのに、なかなか進歩せず、自分の面倒を見るのに手一杯なやつです(^^;  作家「志望者」ではなくても、自分の技術を向上させたいというお気持ちはわかります。とりあえずは、文章力とか構成力とか、特に自分で気になる部分に焦点を絞って技術向上を狙ってみてはいかがでしょうか。 >>「弦月の夜」  早速の御指摘ありがとうございます(^o^) > 紫さん。  取り憑いてからどうなるのかが気になるという御感想はもっともですね。  最終的に、取り憑いた主人公と取り憑かれた領主の息子がどうなるのか、私ははっきり決めていませんでした。  それが、時系列順あらすじを書いているうちに見えてきました。  主人公は恋人の愛情を疑わなかった純朴な娘です。領主の奥方に成り上がろうなどという野心はさらさらなく、領主の息子がその身分にふさわしい女性と結婚したとしても、全く彼を恨まなかったでしょう。秘密の地下道のことも、一生、誰にも口外するつもりはありませんでした。  いつかは捨てられることを覚悟していた恋人に、駆け落ちして一緒になろうと言われたのですから、彼女は天にも昇る心地を味わったに違いありません。それが一転して恋人に騙され、殺されたと知った時の衝撃は、想像するに余りあります。  自分が恋人に殺されて幽霊になったと知った時、主人公はどんな感情を抱いたでしょう?  「そんなことは嘘だ」と否定する気持ちがまず起こります。しかし、事実を突きつけられて否定しきれなくなると、主人公の内に湧き上がったのは、「怒り」でも「恨み」でも「憎悪」でもなく、「悲しみ」でした。自分が心から愛し、信じた相手が、自分を信じても愛してもくれなかったという悲しみです。  それでもなお、主人公は元恋人に一片の誠意があることを信じたくて、彼に会いに行きます。そこで見たのは、誠意を示すどころか、彼女の呪いに怯えて呪い避けの術をかけてもらった男の姿でした。  ここに至って主人公は、元恋人の情けなさに哀れみさえ覚えます。領主の跡取り息子ならば、いずれは領民の命を預かり、その安寧に心を砕く立場になるはずなのに、自らの保身にばかり汲々として、怯えながら生きているからです。  主人公は、何かに怯える小さい子供を抱き締めるように、領主の息子に取り憑きます。死霊である自分が取り憑けば、彼は弱って死ぬかも知れないと彼女は気づいています。しかし、恵まれた地位で生きていても誰も信じることができず、ゆえに誰からも信じられない人生に、どれほどの価値があるでしょうか?  哀れなその男のそばに、自分だけはついていてあげようと彼女は思います。  主人公の親友がかけた魔術により、呪い避けの術は破られて、主人公の死霊は領主の息子に取り憑きます。同時にその魔術の作用によって、男の目には、自分に取り憑いた死霊の姿が見えるようになります。  上記のとおり、娘のほうは男を恨んでも憎んでもおらず、呪い殺そうとは思っていません。けれども男のほうは、自分の恐怖を娘の死霊に投影して、自分を呪い殺しにきたのだろうと恐れおののきます。  その恐怖は彼が衰弱死するまで続き、彼を苦しめます。これこそが罪を犯した者に対する「正義の裁き」というわけです。  以上、納得していただけたでしょうか?  次回には、もう少し物語の世界観を詰めて、登場人物の名前なども決めたいですね。 -------------------------------------------------------------------------------- それでは、URLを書かせていただきます No.6473 投稿日 2003年4月18日(金)04時46分 投稿者 青葉桂都 >紫さん  どうもありがとうございます。  いちおう、プロット……になっているかどうかわかりませんが(おそらくなっていないのではないかと思います)、頭の中で考えていた話の流れを文章にまとめてUPいたしました。  URLはリンクのところに書き込んでおきましたので、なにかお気づきの点など教えていただければ幸いです。 >弟切さん  はじめまして。  他の方への指摘など積極的にされておられますし、ご自身のことで手一杯などということは決してないと思います。  最初のころからいらっしゃる弟切さんに追いつけるよう、できる限り努力したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  実のところ、構成力や文章力などのうちなにが一番自分に足りていないのか、ということすらわかっていないのですね。  ですから、まずはそれがわかる程度の眼力を養うのが第一になるでしょうか。悠長な話ではありますけれど。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/9344/novel/ -------------------------------------------------------------------------------- ルネサンスの光と闇 No.6474 投稿日 2003年4月19日(土)00時04分 投稿者 弟切 千隼  少し体調が良くなったので外出して用を済ませたら、夕方になって熱が出た弟切です(^^; >>「弦月の夜」設定  とりあえず、舞台をルネサンス期のイタリア、またはルネサンス期のイタリアをモデルにした異世界と決めました。ラファエロやミケランジェロが活躍した時代ですね(^_^)  なぜそう決めたのか、理由を以下に挙げます。 1.当時のイタリアはいくつもの都市国家が並立していて、それぞれ同盟を結んだり対立したりしており、都市国家を治める領主同士のいざこざを持ち出しても不自然ではない。 2.当時の都市国家を治める領主たちは、芸術や学術の保護者でもあり、優秀な学者や芸術家−当時は「魔術師」も学者や芸術家の類だった−を抱えていた。 3.ルネサンス期はキリスト教会の絶対的な権威が弱まって、古代ギリシャやローマの文化が見直され、そういった古代文化に基づく芸術や学術−もちろん「魔術」を含む−の知識が入手しやすくなっていた。  ということで、登場人物の名前はイタリア風にしました。以下のとおりです。 主人公:ルチアLucia…短くて覚えやすく親しみやすく、純朴な平民の娘にふさわしい。 領主の息子:ロレンツォLorenzo…起源は古代ローマに遡る由緒ある名前で、貴族の名前にふさわしい。 主人公の親友:カテリーナCaterina…わりと平凡な名前だが、ややお高い雰囲気で、教養ある女性にふさわしい。 領主お抱えの魔術師:フランチェスコFrancesco…長くて知性を感じさせる名前で、学識に優れた魔術師にふさわしい。  今回は体調がすぐれないのでこのくらいにしておきます。上記の設定で突っ込みたいところがある方は突っ込んで下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 書き込むのに抵抗ある。 No.6475 投稿日 2003年4月19日(土)02時09分 投稿者 羽矢野  お久しぶりです。  ようやく個人的事情が一段落して書き込む余裕ができました。  といっても、仕事も忙しく時間がなくて、会社の昼休みに書いてるんですけどね、これ。  今年に入ってから、暇な休みの日が一日もないです。  とほほ。  去年の末から書き込みが減ってましたが、何があったかというと、まあぶっちゃけると結婚をすることになり、いろいろしてました。(現在進行形)  今までの人生の中で、一番大きな覚悟です。  まだ準備とかいろいろあって前よりさらに時間的余裕がないのが現状ですが、なるべく書き込みします。 ●弟切さん  まだ、ちゃんとしたあらすじでてないので、指摘するのは早いかなと思うのですが。  いくつか。 1.秘密の地下道を知られたために、殺す。  秘密の情報を重要性が低い時に教えたら、重要性が増してしまって、しかたないので教えた人間を殺わけですね。  パターンとしては悪くないかなと思うのですが。  秘密が“秘密の地下道”で、理由が“戦争”が引き金になっていることがちょっと。  なぜなら、戦争と秘密の地下道というのは、話の必然になっていないからです。  別に今回の話は、戦争なんて関係ありません。  ただの“殺される”理由にのみ使われています。  戦争っていうのは、それには大きすぎる。  そういうシーンがまったく描かれないのに、ただ殺される理由としてのみそれが存在してます。多分読者にも理由付けのため“だけ”に戦争がおこるんだなってばれる。  小説に登場させた小道具はちゃんと使うのが原則ですので、話に直接からんでこないなら、もっと自然な別の理由に置き換えた方がいいんじゃないでしょうか。  あと読者に“秘密の地下道の重要性”について納得しにくいものがあるんじゃないかと。  上にも書きましたが、これは戦争物語じゃありません。  読者は秘密の地下道の“重要性”がわかりません。(わかる人が対象になってない)  この時代の戦争がどういうもので、それを知られる危険があることがいかにマズイことなのかってのは一般常識じゃないと思います。  なので、これが理由だと納得してもらえないかもしれません。 2.逢い引きや、待ち合わせが何故領主の館なのかわからない。  この話で、何故領主の館まで主人公が逢瀬に通うのかわかりません。  例えば、これが逆で女性の方が身分が高く、また館から自由にでれない状況にあるならわかります。  ロミオとジュリエットみたいに、男(運動能力が優れている方や、恋のリードをとっている方)が逢いに行くでしょう。  また、主人公がその屋敷で働いているとかだったら、こっそりと部屋で……ってのもあるかもしれないですが、この場合はそういうわけでもない。  別に男が女性の家に忍んでいってもいいし、知られるのがマズイなら月明かりが照らす森にある湖(ベタ)とかでもいい。  女性の方が屋敷に通っているのは、必然的にそうなる理由があるはずなのですが、それは何でしょう?  それに弟切さん自身が主人公の女性は純朴で慎み深いようなこと書いてるので、よけいに彼女の方が足繁く通うっていうのに違和感を感じます。  でているあらすじを読むと、こういう書かれてないことを補完しようとするとうまく繋がらない部分が沢山ある。  たぶん、みんなが言ってるのはこういうことなんじゃないかと思います。 3.弟切さん、テンパってる? 疑惑。  6472の書き込みを読むと、なんと主人公の女性は騙して殺した相手を恨みもせず、慈悲をもって接するという。  その結果で相手は死んでしまうのだと。  これ自体が何かというわけではないです。  こういう話もありだと思います。(それだと骨格全部変えなきゃいけないとは思うけど)  でも……。  これって、ホラーちゃうやん。  娘が、自分は殺されており、しかも男に遊ばれただけだと知って祟り殺そうとする……とかなら、ホラーです。  でも、殺された娘は哀れみだけを感じ、男を許し、そして……とかいうのは、ホラーとはいいません。  怖さを楽しむのがホラーですが、弟切さんの話だと娘の“いい人さ”を楽しむ話になっている。ホラーじゃなくて、恋愛小説ですね。これだと。 >>これこそが罪を犯した者に対する「正義の裁き」というわけです。  これも読んだ人はそうは思わないんじゃないかと。  完全客観視点で、幽霊となった娘の(生者とはずれた)善人ぶりで殺したなら、その限りじゃないと思いますが(それはそれで怖いので)  このまま進むとマズイかな? と思った部分を少しだけ。  ちなみに確認ですが。  この話で一番やりたいのって“主人公は実は殺されてたんです”ってところですよね? 純粋な、驚き。  こういう話で有名なのだと“シックスセンス”ですが、あれと同じような効果を読者に与えたいということですよね?  と簡単に。  久しぶりなのに、(相変わらず)偉そうですね。私。 ●桜庭さん、青葉さん  はじめまして。  最近はあまり書き込みできてませんが、羽矢野といいます。  よろしくお願いします。  桜庭さんとは、同い年ですね。 ●青葉さん  あらすじだけ、ちょこっと目を通しました。  簡単なアドバイス。 1.文章は一つ。 >>彼の現れた世界についた沙倉は、危険だといさめる守矢を振りきって彼の元に向かうが、世界の破滅を目論む者たち守矢たちとの戦闘に巻き込まれて果たせない。  佐倉は彼の世界にたどりつく。危険だ反対する守矢を降りきって彼のもとへ向かおうとする。  しかし守矢と『世界の破滅を目論む者』たちとの戦いに巻き込まれてしまう。  どっちが読みやすいですか?  理由がない限り、つなげない方がいいです。  なるべく一つの文章で一つのことを表す練習を書き込みとかでするといいと思います。 2.ちゃんと推敲(文章を読み返して大丈夫か確かめる)する。 >>彼の現れた世界  前後の文章からではこれはわからない。前までの文章には異世界とだけあるのにこの書き方だと、いくつもの世界を渡ったりしてる? >>いさ・める [3] 【諫める・禁める】 (動マ下一)[文]マ下二 いさ・む(1)目上の人に不正や欠点を改めるよう忠告する。諫言(カンゲン)する。《諫》「国王に政治を正すように―・める」(2)禁止する。制止する。「神の―・むる道ならなくに/伊勢 71」・  この場面にこの言葉は適切かな?  “いさめる”とは、目下の人間が目上に使うのが基本だと思うけれど。  危険だと“とめる”“反対する”等の言葉じゃいけない理由ってあるのかな? >>世界の破滅を目論む者たち(と)守矢たち  脱字。あと、者“たち”と守矢“たち”と言葉がかぶるのは読みにくい。 >>果たせない。  意味不明。  果たせないって、何を?  これにかかる言葉を省略してあるのかな?  意味がとれないです。  果たせないだと“再会”かと思ったけど、前までの文章を見ると出会って離ればなれになったとかじゃないし。  これをちょっとづつでもやってくと、読みやすくなります。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- げげげ。 No.6476 投稿日 2003年4月19日(土)07時59分 投稿者 羽矢野  仕事前にのぞいたら、書き込みしたのがおかしい。 >>佐倉は彼の世界にたどりつく。危険だ反対する守矢を降りきって彼のもとへ向かおうとする。 >>しかし守矢と『世界の破滅を目論む者』たちとの戦いに巻き込まれてしまう。  どうも修正する前のファイルで送ってしまったみたいで、誤字脱字がなおってなかったです。  沙倉は彼の世界にたどりつく。危険だと反対する守矢をふりきって彼のもとへ向かおうとする。  しかし守矢と『世界の破滅を目論む者』たちとの戦いに巻き込まれてしまう。  ですね。  人に偉そうに言ってるのに、こんなことしてちゃだめですね。  気をつけます。 -------------------------------------------------------------------------------- あ、羽矢野さんだ No.6477 投稿日 2003年4月19日(土)21時11分 投稿者 紫ゆきや ●羽矢野さん  おひさしぶりです。  ご結婚おめでとうございます。 >戦争は大きすぎる  いや、これって「世界観」みたいなもんじゃないですか?  戦争を出したら戦争を書かなきゃいけないってことはないでしょう。  たしかに、必須条件じゃないわりに、説明が大変だなあとは思いますけど(^^;  地下道の重要性が納得できるかは、見せ方しだいですかね。  いや、書いてあるからには、納得させてくれるでしょう。たぶん、きっと。 >女性のほうが通うのは  この話では、「領主の館の離れ」で会ってるんですよね?  「離れ」って森のなかとか、人気のないところにあるんじゃないでしょうか。なんせ敗戦時に、逃げ込む場所みたいですし。  ワケ分かんないのは、「秘密の地下道」が、どう繋がっているか書かれていないからでしょうね。  弟切さんに訊いてみましょう。 ●弟切さん >Q  この話には、だいたい、以下の場所がでてきそうです。 ・町(主人公の住んでいる場所) ・墓地(親友が呪ってた場所) ・領主の館(息子の住んでいる場所) ・領主の館の離れ(密会場所)  秘密の地下道って、どこからどこに繋がっているんでしょうか? >取り憑いた結果  だいたい分かりました。  見せ方しだいで、怖い話になると思います。  とりあえず、プロット書いちゃいませんか?  設定については、あまり気にしないほうがいいでしょう。  話の調整しだいで、キャラクターが消えるなんてのは、プロの現場でも、よくあることみたいですから(^^;  むしろ、話を作っているときには、「主人公」「親友」「恋人」みたいにしておいたほうが、いいと思いますよ。  あと、個人的に気になったこと――  弟切さんは、主人公をどう評価されたいですか?  優しい女性? 愚かな女性? 怖い女性?  領主の息子はどうですか?  親友は? ●青葉さん  冒頭部分だけ読みました。  全体の感想は、ハイスピ終わってからということで(^^;  とりあえず、私も羽矢野さんと同じ感想を持ちました。  ちょっと複文が多いかなと。 -------------------------------------------------------------------------------- ローマの栄光 No.6478 投稿日 2003年4月20日(日)02時37分 投稿者 弟切 千隼  今日は午前中ずっとごろごろして休養していた弟切です。おかげで熱は引いたようです。 羽矢野さんへ >  御結婚を決められたそうで、おめでとうございます(^o^)   生活環境が激変して、しばらくは落ち着かない日が続かれるでしょうが、これからもよろしくお願いしますね。  「弦月の夜」に対する御指摘ありがとうございます。貴重な御意見を無視するつもりはもちろんありません。  しかし、掲示板でのやりとりを続けるよりは、プロットを書いてしまって、そのプロットに御意見を反映させるようにしたいと考えています。要するに、読んで納得していただけるプロットが書ければよいのですよね?  それでも、いくつかの御質問にはここで答えておきましょう。 一、秘密の地下道について  これについては説明不足の点がありました。前回の私の書き込みNo.6474で、舞台をルネサンス期のイタリアにした理由を書いた時、一つ書き忘れていた理由がありました(^^; 以下に補足します。 4.イタリアは古代ローマに遡る歴史の長い国で、そこらじゅうに遺跡がある。古代ローマは建築技術が優れていたことが知られており、当時の建築物や水道(!)などの一部は現在に至るまで用いられている。よって、もはや何のために作られたのか目的はわからないものの、何百年か経っても使える「地下道」などの遺跡があってもおかしくない。  上記の理由で、もともと地下道があった場所に領主が自分の館を建て、その地下道を敵に襲われた時などに使える逃げ道として温存していた、という設定にしました。 二、「弦月の夜」はホラーではない疑惑について  これは痛いですね。  「弦月の夜」は、読者さまに怖さを楽しんでいただこうと考えて作っている作品ですから、「こんなの全然怖くない」と言われたら、それはまずいです。失敗作です。作り直さなければいけません。  ただ、ホラー小説だからといって、怖さ以外の要素が作品の中に混じってはいけないことはありませんよね。全体としてはおどろおどろしい雰囲気に満ちていながら、最後は爽やかだった、とかいうのはありでしょう。  とにかく、何らかの形で怖さを楽しんでいただける作品を作るべく努力します。 三、「正義の裁き」について >> これも読んだ人はそうは思わないんじゃないかと。 >> 完全客観視点で、幽霊となった娘の(生者とはずれた)善人ぶりで殺したなら、その限りじゃないと思いますが(それはそれで怖いので) (羽矢野さんのNo.6475の書き込みより)  すみません、この部分、私には意味が取れませんでした。  この文章を読んでも、なぜ読者さまが「弦月の夜」の結末を読んで「正義の裁き」と感じないのかがさっぱりわかりません。これは私の読解力が足りないせいでしょうか?(^^;  もう一度書き直していただけると助かります。 四、一番やりたかったことの確認  これはおっしゃるとおりです。読者さまに「主人公は実は殺されていました」という驚きを与えたいと思いました。『シックス・センス』と同じですね。  うーむ、しかし、『シックス・センス』についていいますと、私はあの映画を観て「驚き」は感じたものの、「怖さ」はほとんど感じませんでした。あの作品と同じことをやろうとしているなら、確かに「弦月の夜」もホラーとは言いがたいですね(^^;  あの映画は、ジャンル分けすれば「ホラー」になるのでしょうか? 紫さんへ >  「秘密の地下道がどこからどこへつながっているか」という御質問に答えます。  この地下道には、地上に出られるようになっている場所が三ヶ所あります。領主の館の本館(領主その人が住んでいる場所)と、領主の館の離れ(領主の息子が住んでいる場所)と、墓地の外れです。領主の館→館の離れ→墓地の外れ、という順番で一本道がつながっていると考えて下さい。  「主人公や領主の息子や主人公の親友をどう評価されたいか」という御質問にも答えます。  今回の場合は、とにかく読者さまに怖がって楽しんでもらおうというのが主眼で、「この登場人物はこういう人でなければいけない」という思い入れはありませんでした。物語の都合上、具合が悪いとわかれば、登場人物たちの性格や気質は百八十度変えてしまって構わないと思っています。  今の段階では、以下のような評価ですね。 主人公…ひどい人間に騙されても許してしまう純朴な女性 領主の息子…自己保身しか考えない小心者 主人公の親友…友達思いで、かつ義理堅い女性 -------------------------------------------------------------------------------- たまたま No.6479 投稿日 2003年4月20日(日)15時17分 投稿者 甘夏  3週間ぶりに家に帰ってきました。  家っていいものですね。 >巻島さん  はい。東大阪在住です。  父の実家は神戸で、祖父の実家は和歌山。  母の姉が京都。  と、なにかと近畿に関係がある人生を送ってまいりました。  まだ、本格参戦とまではいきませんが。  参戦する際にはよろしくお願いします。 >弟切さん  弦月の夜。  ホラーかどうか。  これをホラーにしようと思えば主人公を  死霊娘。領主息子。の両方にすればいいと思います。  ホラーにすることだけを考えれば。  死霊娘の愚かなまでの純真さ。  が、領主息子にしてみれば死ぬほど恐ろしい。  愛を伝えようとすればすると  それは不幸になり領主息子に襲い掛かる。  怯える領主息子。  それを癒してあげようとさらに近づく死霊娘。  その結果、さらに衰弱する領主息子。  まったく交わらない二つの世界ってそれなりに怖いと思います。  が、死霊娘を主人公でその心情や背景を追っていくと  これはラヴストーリーだなぁと感じます。  ホラーの要素をふくんだラヴストーリーです。  娘は純朴で優しくて爽やか。  その人間を中心に据えておどろおどろしい作品を書くのは……?  これを読んで四谷怪談を思い出しました。  なんとなくそんな気、しません?  このカキコに対するレスは必要ありません。  今度、いつ帰宅するかわかりませんし。  ただ、こう思った人がいるってことを考えておいてくださいな。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6480 投稿日 2003年4月20日(日)23時30分 投稿者 羽矢野   ●紫さん  久しぶりに紫さんと議論をしてみよう。 >>弟切さん。  これは弟切さんの課題だから、思考の阻害となりそうなら言って下さい。 ●戦争を出したら戦争を書かなきゃいけないってことはないでしょう。  これは、多分勘違いが入ってる。  ええっと、戦争を描け(誤字じゃないからね。念のため)と言ってるわけじゃなくて“戦争”という小道具を使うなら、それをちゃんと生かす必要があるんじゃなかろうかということ。  今時点だと“戦争が始まるので、秘密の地下道を知っている主人公を殺す”という部分にしか使われてない。  ようは動機ですね。  それ以外は何もないわけです。  例えばこれが“戦争を勝利する為”に殺して、しかしそのせいで“戦争に負ける”という話だったら、わかります。  例えば『最終兵器彼女』という漫画があります。多分読んだことあると思う。  あれは主人公の恋愛を描く小道具として“戦争”扱ってます。  もしも、ヒロインが最終兵器でも何でもなくて、戦争も一切描かれなくて、二人が森の中に逃げてひっそりと暮らすだけの話だったら?  二人の恋のエピソードが、まったく戦争とは関係ないものばっかりだったら?  ただ、二人だけの状態を作るために戦争という設定があったら?、  “戦争って設定つかったんなら、それをちゃんと生かせよ”  って思わない……かなあ?  物語は、必然で構成されるはず。  殺される理由に戦争という設定を使うなら、そこは戦争で“なければならない”はずだ。  今だと、王都の上級貴族から婿養子の縁組がきて、村娘と遊んでいたのがばれると大変なので殺した。  とかでも話は一緒です。  逆にこっちの方が愛憎劇には似合ってるくらい。  だから、今のままのお話で、戦争が始まるから秘密の地下道を知ってる主人公が殺されるっていうのは、あってないんじゃないかと思ってます。 >>「世界観」みたいなもん  あと、紫さんになら言ってもいいと思うけど。  これって、どういう意味?  舞台となる中世の頃は、小さな国同士の小競り合いはよくあったはずなので“戦争”は現代の“交通事故”程度。  だから戦争という小道具は蝋燭やドアみたいに使ってあっても、読者は疑問には思わない。  こんなようなこと?  ちゃんと、どうしてそう思ったのか読みとれる言葉で書いてほしい。  意味を読んだ方に一生懸命くみとらせる文章はよくないよ。  「世界観」なんて単語一つで“自分”が楽をしちゃダメです。  >>女性のほうが通う  別館って、本館とは全く別の場所にあるの?  女性が通ってるわけではなくて、二人はそこで待ち合わせているわけですね。  じゃあ、そもそも人気がないんだから、秘密の地下道使う必要なんて、どこにもないのでは? ●弟切さん >>「正義の裁き」について  これは、弟切さんに問題があるわけじゃなくて、私の書き方がまずいです。  自分でも伝わらないだろうなあと思いつつ、他にうまく言えなくて、あんな妙な書き方になってしまいました。  私の方こそすいません。  ええと甘夏さんの書き込み(6479)。  私の言いたかったことも、似たようなことです。  弟切さんの“主人公がどうして殺したのか(6472)”って二つの意味にとれます。  一つは、ホラー。  救いだと考え、純粋な気持ちで癒しとして取り憑こうとする主人公。(私は領主の側からではなくても恐怖を演出するのは可能だと思います)  これを読者が異常だと感じればいいわけです。(ストーカーに恐怖を感じるのと同じかな?)  患者を苦しみから解放したいという思いで次々と患者を安楽死させてゆく医者。とか。気持ちは純粋でも、外から見ると異常者である。  そんな感じに書くのなら、ホラーだと思う。  もう一つは、恋愛。  こっちは逆に主人公の気持ちが読者に共感できる形にする。  すると、領主の息子を呪い殺しても、それは愛の行動として好意的に肯定されてしまう。  ようは、そっちの恋愛になってしまうと“正義の裁き”にならないねと言いたかったのでした。 >>「こんなの全然怖くない」  だから怖くないっていうか、そもそも恐怖を感じる作りにならないんじゃないかと感じたのでした。 >>シックスセンス  私はジャンルでわけるというのは、結構無意味なことだと思っているのですが。(面白ければなんでもいいので)  ホラーじゃないっていうのは、単純に“恐怖”を楽しむ話になっていないという意味で使っています。  一応答えると、私もシックスセンスはホラーじゃないと思います。じゃあ何かっていうと絶対の自信がないので、回答は控えます。  そして、シックスセンスがホラーじゃないからといって、弟切さんの話がホラーにならないかというと、それも違うと思います。  手法が同じというだけです。  ただ、この話はその部分で恐怖を感じるわけじゃないですよね。  “死んでいたのだった”っていう事実が発覚したから、物語が終演を迎えた訳じゃない。  しかし以前、シークレットミーンの時に問題になったように、この部分が大きすぎて、やりたかったことが埋もれてしまう結果に終わる危険が大きいのも事実だと思います。  この部分で恐怖が最高潮になると“ぐっ”とくるんですけどね。  話自体は結構よさそうな感じがしていますし。   -------------------------------------------------------------------------------- 友人に酷評されました。 No.6481 投稿日 2003年4月20日(日)23時55分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切は会社員をやっているある友人−「よみかく」関係者ではありません−と会って食事をしました。その時にたまたま「弦月の夜」のあらすじを話したところ、「何それ? 全然怖くないじゃん。どこがホラー?」と言われました。  この友人は小説をたくさん読んでいる人なので、小説を評価する能力はかなり高いだろうと私は見ています。その後もいろいろと友人と話していて、やっと自分でも「そういえばこの話って怖くない」と気づきました(^^;  怖い話を書こうとして、全然怖くない話を作ってしまうあたり、弟切の話を作る能力の無さは大したものです(爆)  「弦月の夜」はいったん保留にしておいて、当初の目的どおり怖い話を一から作り直そうかとも考えました。しかし、弟切はこれまで何度もそうやって話を作りかけては放り出し、を繰り返しています。ホラーでない点は置いておいて、とにかくこの話を仕上げてしまおうと思い直しました。  羽矢野さんや甘夏さんがおっしゃるとおり、「弦月の夜」は怖さが主体のホラー小説ではなく、ちょっぴりホラー風味の入っている恋愛小説になりますね。    次の話を作る時には、当初の目的に沿った話をきちんと作れるよう練習します。  ところで、友人と「怖さ」について話していて、気になることが出てきました。今後、怖い話を書く時の参考にするため、皆さんにお訊きしたいことがあります。  古来の怪談と呼ばれるもののなかには、男女の恋愛のもつれから、男女どちらかの亡霊が生きているもう片方に取り憑いて殺してしまう、という話が多いですよね。この手の怪談は、大きく分けると以下の二通りの型があります。 1)片方の愛情が冷めて、冷めていないもう片方を殺してしまう。殺された方は「可愛さ余って憎さ百倍」となり、生きている相方を呪い殺す。   これを『四谷怪談』型とします。 2)恋人同士の片方がふいに死んでしまうか、あるいは、片方が幽霊だったことが発覚して、生きているほうは愛情が冷める。死んだほうは恋しさのあまり相手に取り憑いて、結果として取り憑かれたほうは殺される。   これを『牡丹灯籠』型とします。  上記の1と2と、どちらがより怖いと思いますか? -------------------------------------------------------------------------------- 絶景かな絶景かな No.6482 投稿日 2003年4月21日(月)23時44分 投稿者 弟切 千隼  弟切の自宅の近くには、たくさんの八重桜の木が植えられている桜並木があります。今、そこの八重桜は満開を過ぎて落花しきりで、その通りを歩くと桜吹雪の中を歩くことになります。  「これが本当の花道〜♪」と一人で駄洒落を飛ばしながら、何となく御機嫌でその道を歩く弟切でした。傍から見れば不気味なおばさんでしょうねえ(笑) >>「弦月の夜」あらすじ  前回の書き込みNo.6481で、弟切は『四谷怪談』と『牡丹灯籠』の話を出しました。  それで思い立ったことがあります。「弦月の夜」の舞台、つまりルネサンス期のイタリアでもって『四谷怪談』と『牡丹灯籠』をやってみたらどうなるだろうということです。  甘夏さんがNo.6479の書き込みで示唆されたとおり、どちらもうまく換骨奪胎すれば、ちゃんと怖くて楽しめる話になるでしょう。何しろこの二つの話は、百年以上に渡って人々に親しまれてきた人気作品ですから、磨き抜かれた面白い筋立てであることは証明されています。  話作りの練習のために、実際に書くかどうかは置いておいて、あらすじを作ってみました。とりあえず字数は気にせずに作っています。 「弦月の夜」『四谷怪談』風 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ある下級貴族の領主の息子が、上級貴族の娘と結婚して出世しようと企む。しかし、彼には既に同じ下級貴族の娘である妻がいる。領主の息子は邪魔者の妻に毒を飲ませ、病死に見せかけて殺す。  領主の息子は思惑どおり上級貴族の娘と結婚するものの、元妻が恨みを抱いた亡霊となって蘇り、彼と彼の妻となった上級貴族の娘とを呪い殺す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『四谷怪談』は、政略結婚によって身分が変わり、それによって暮らし向きが大きく変わる身分制度が厳しい社会でなければ成り立たない話です。また、科学が未発達で、毒殺と病死の区別がほとんどできない社会という条件も必要です。  ルネサンス期のイタリアという舞台は、これらの条件を満たしているため、『四谷怪談』の筋立てはそっくりそのまま生かすことができますね。  けれども、単に『四谷怪談』の舞台をルネサンス期のイタリアに移しただけの話を書いたのでは、どうにも能がなさ過ぎます(^^; せめて一ひねりしませんと。  長年磨かれてきただけあって、上記の筋立てはすっきりしており、つけ入る隙はほとんどありません。しかし、現代人の目から見れば、いくら野心があっても、普通は妻を毒殺してまで他の女と結婚しようとはしないのではないか、という点に突っ込めそうです。  原作の『四谷怪談』では、「夫はそういうことのできる極悪人だった」ということでここをクリアしています。『四谷怪談』を脚色するなら、夫はもとより極悪人ではなくて、どうしてもそうせざるを得なかった理由があったのだとすると、面白くなりそうです。 「弦月の夜」『牡丹灯籠』風 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ある領主の息子が、ある娘と知り合って恋仲になる。ところがその娘が恋人を慕うあまりの恋煩いで死んでしまう。恋人への慕情やみがたく、娘は亡霊になって恋人のもとへ通うようになる。  ある魔術師が、領主の息子に死霊が憑いているのに気づき、このままだと死霊に取り殺されると忠告して、死霊避けの術をかける。術は成功して死んだ娘は恋人に近寄れなくなる。しかし、領主の息子が誤って自ら術を破ってしまい、彼は死霊に取り殺される。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『牡丹灯籠』は、『四谷怪談』ほど縛りがきつくない話ですね。魔術師とか僧侶とか呼び名は違っても、どこの世界にもこの手のお祓いをする人はいるものですから、それは縛りにはならないでしょう。  縛りが少ないだけに、ルネサンス期イタリアに舞台を移しても全く違和感のない『牡丹灯籠』です。  けれども、この話もまた、舞台を変えてそのままやったのでは面白くありませんよね。どのあたりを脚色すると面白くなるでしょうか?  原作の中の突っ込みどころを探しますと、「普通、恋煩いなんぞで人は死ぬものか?」という点と、「死霊に恋われた男は、なぜ死霊避けの術を自ら破る間抜けなことをしたのか?」という点と、この二つが突っ込みどころでしょう。  原作が作られた時代には、「恋煩いというもので人は死ぬことがある」と信じられていたとしても、現代人から見ればずいぶん苦しい説明です。ヒロインの死因は工夫のしどころですね。  死霊避けの術を男が破った理由も、工夫のしがいがありそうです。ヒロインの死因とこれとをうまく結び付けられれば、読者さまをあっと言わせて楽しませることができますね。    こうして見てみますと、「死んでからもなおヒロインは恋人を慕い続け、死霊避けの術をかけられても相手を恨まず、最後には愛する男に取り憑いて死を招く」という点で、「弦月の夜」と『牡丹灯籠』はたいへん似ています。  こうなったら、「弦月の夜」は弟切版『牡丹灯籠』だと開き直って(^^;、プロットを作ってみようかと考えています。 -------------------------------------------------------------------------------- 遅くなりました No.6483 投稿日 2003年4月22日(火)00時00分 投稿者 青葉桂都 >羽矢野さん  はじめまして。どうもありがとうございます。 1.文章は一つ  ざっと見返しただけでも、結構な割合でそのようになっているようですね。  あらすじだけではなく本文でも分けられそうな文章は多いです。直すように心がけながら書き込むようにいたします。 2.推敲  そうですね、今回は誤字脱字のチェックしかしておりません。そちらはそちらでまだまだ見落としがあったようですけれど。 >> 前後の文章からではこれはわからない。前までの文章には異世界とだけあるのにこの書き方 >>だと、いくつもの世界を渡ったりしてる?  いちおう、そのとおりです。  最低でも九つの異世界が存在しております。そして、名称不明『青年』を含む登場人物たちはそこを飛び回っています。  不必要な説明は書くまいとして、必要な説明を省いてしまったようです。 >> この場面にこの言葉は適切かな? >> “いさめる”とは、目下の人間が目上に使うのが基本だと思うけれど。 >> 危険だと“とめる”“反対する”等の言葉じゃいけない理由ってあるのかな?  考えてみましたが、思いつきません。  つまり、他の単語が出てこなかっただけで理由はなかったのでしょう。プロットのほうでは『止める』になっていることがなによりの証拠ですね。 >> 脱字。あと、者“たち”と守矢“たち”と言葉がかぶるのは読みにくい。  たしかに、読みにくいですね……。  かぶらないように心がけていたつもりでしたが、まさに『つもり』だったようです。 >> 意味不明。 >> 果たせないって、何を? >> これにかかる言葉を省略してあるのかな?  ええと、再会を、のつもりでした。  ただ、前の文を読む限りでは確かに会ってないですね。  わずかな時間だけ会って、一言二言かわしていますから……『ようやく出会えたというのに、彼の〜』とすればよかったでしょうか。 >> どうも修正する前のファイルで送ってしまったみたいで、誤字脱字がなおってなかったです。  いえ、そもそも、私が変な名前を付けていたのが原因でしょう。気になさらないでください。 >紫さん >> 冒頭部分だけ読みました。 >> 全体の感想は、ハイスピ終わってからということで(^^; >> >> とりあえず、私も羽矢野さんと同じ感想を持ちました。 >> ちょっと複文が多いかなと。  どうもありがとうございます。  上でも書きましたが、複文については気を付けるようにいたします。どうやら、すでに癖になっているようなのですけれど。  ハイスピリッツ・ガールの執筆、頑張ってくださいませ。 >弟切さん >どちらがより怖いか  考えてみたのですが、よくわかりません。  ホラーというのは、怖がる登場人物に感情移入するから怖いのだと思います。  そうでないホラー作品というのは思いつきません。単に、知識が足りていないだけかもしれませんけれど。  そして、主人公が恐怖を感じる理由というのは、どちらのパターンでも『幽霊が自分をとり殺しにくる』という点じゃないでしょうか。  幽霊がなにを考えているにせよ、その部分は特に変わりありません。たとえ理由なく襲って来るにしても、やっぱり怖いのではないかと思います。  ですので、幽霊の動機の差は、どれだけ怖いかにはあまり関係ないのでは、と考えました。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日も会社の昼休みに書いてます。 No.6484 投稿日 2003年4月22日(火)07時55分 投稿者 羽矢野 ●弟切さん >>ホラーでない点は置いておいて、とにかくこの話を仕上げてしまおう  つまり、あの『実は死んでいたのだった』って部分にすべてを持っていくわけですね。 >>『四谷怪談』と『牡丹灯籠』のどちらが怖いのか。  これは、全然別のものだと思います。  恐怖の種類が違う。  『どっちの料理の味が濃いですか?』って全然別の料理の名前を出してるみたい。  味の濃い薄いではなくて、味そのものが違う。  この二つはそういうものだと思います。  四谷怪談の方。  こっちは、理解する恐怖です。  人間誰しも多かれ少なかれ人から恨みの一つくらいは買っていますから、呪われる人と自分を照らしたり、自分がもしその立場だったらと想像して怖くなる。  ゾンビや殺人鬼のでてくるホラー映画もこっちですね。  こっちは、恐ろしさが“わかっている”から、怖い。  牡丹灯籠の方。  こっちは、理解できない恐怖です。  まったく理解不能の思考によって、次々とダブーを犯す。その未知なるものに恐怖します。  つまり“わからない”から怖い。  粗々な分け方ですが。  だから、どっちがより怖いというものではないと思います。   -------------------------------------------------------------------------------- 「弦月の夜」 No.6485 投稿日 2003年4月22日(火)23時17分 投稿者 とんびの羽根 >羽矢野さん  お久しぶりです。  ご結婚おめでとう。これからが大変でしょう、頑張ってください。 >No.6481 弟切さん >>やっと自分でも「そういえばこの話って怖くない」と気づきました(^^;  そうでしょうね。  わたしも全然怖くありません。  投げ出さなかったのは良かったのですけど、なぜ怖くなかったのかを分析しとかなくちゃいけません。  それは書き終えた後でしていただくことにしましょう。  「弦月の夜」は男の方から見れば充分に怪談です。殺したはずの女に取り憑かれ、非業の最期を迎えるかもしれない恐ろしさがあります。  逆に女の方から見ると、自分はすでに死んでいるのだから、恐怖を感じようがない。死んでいることを自覚するまでは、恐怖を感じるでしょうが、読者が結局「なんだ最初から死んでたんだ」と種明かしされたらがっかりです。  男の立場から書くことができるならこれはそのままホラーになります。(1)  この場合は四谷怪談か牡丹灯籠かそれとも……ということになりそうですね。  しかし女性の心理のほうがよくわかる作者としては女性の立場から書きたいところだと思います。  それなら女が殺人者で、男に取り殺されそうになる、という筋立てにすることが考えられます。(2)  それから筋で怖いというのをあきらめるという手もありますね。  あらすじでは怖くないけど細部(ディーテール)が怖い。お話は怖くないんだけど読んでいると怖い。(3)  わかりにくいと思うんで説明しましょう  弦月の夜は基本は復讐譚です。主人公本人が意図していないけど、最後に悪人が悪事をはたらいた相手に殺される。  例をあげると無敵のガンマンが新妻を殺した相手に復讐を誓い、自慢の早撃ちでならず者を撃ち殺しておしまい。  ぜんぜん面白くありません。幽霊が主人公の復讐も同じようなものだと思います。  こうした場合主人公にはハンディーをつけるものです。下半身麻痺で車椅子(鬼警部アイアンサイドだったかな)とか。  あるいは妹か身よりのない男の子とかがついてきて、足手まといになって実力が発揮できないとかですね。  弦月の夜でなら  友人が魔術を見つかって、村人か、魔術師側の手のものに殺されそうになるとか、殺されるとか。  新月になると魔術が完成し主人公の霊が消滅するとか。  魔術師の術がかかって主人公の姿が老いさらばえていくとか。  魔術師側の幻術や使い魔が次々に襲いかかってくるとか。    アクション小説のアクションのように、怖い状況、怖い出来事、怖い存在をだしまくるわけです。  それから実は死んでいなかった、という手もありかな。(4)  生き霊というのもありますから、殺されたと思っていたら実は本体は生きていた。ただし仮死しているか、植物状態でいつ本当に死んでもおかしくない。男も本当は悪じゃなくて、娘との交際を良く思わない家族の陰謀で、倒れた娘を死なせてしまったと思いこんでいる。  新月までに男が真相に気づいて娘を助けに行かないと、娘は本当に死んでしまい悪鬼と変わるとすると、本当の悲劇を回避できるかどうかは主人公の行動にかかってくるということになるかもしれません。  最低二人以上の登場人物が動かないと、読めるストーリーにはならないと思います。  キャラを動かしてください。  場所を移動させたり、重要な手がかりを見つけたり、忘れていたり見落としたりしたものを思い出させたりですね。  魔法円があまり狭くて動くに動けないというのは、現実問題としてもあんまりよくないと思います、食事にもトイレにもいけない呪い避けじゃ、実用的とはいえません。  とんびはロマンホラーが好きですし、とくに最後で男の子が頑張る余地のある(4)がおすすめです。  (1)か(3)にするとしても、男が動きがないと、話としては退屈になってきますので、男を行動させるエピソードを入れた方がよいと思います。  ロマンホラーというと少女漫画ではけっこうありますね。「封妖魔夜刀伝」SALADA、「すっくと狐」吉川うたた、「死と彼女とぼく」川口まどか、どれも妖怪や死人がたくさん出てきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 『牡丹灯籠』の幽霊には足がある No.6486 投稿日 2003年4月22日(火)23時18分 投稿者 弟切 千隼  『牡丹灯籠』の話を読んでいて、そういえば今は牡丹の花の季節だった、と思い出した弟切です。近隣の牡丹園を探して、散策してみるのも風流でいいなあ、と考えています(^_^) >>『四谷怪談』と『牡丹灯籠』  前々回の書き込みNo.6481で、弟切は上記の二つの話の「どちらがより怖いと思いますか?」と問いました。青葉さんと羽矢野さんが早速答えてくださったものの、弟切の説明が足りなかったために、質問の趣旨が正しく伝えられなかったようです。  説明不足でごめんなさい。上記の質問は、以下のような趣旨でなされたものです。  羽矢野さんがおっしゃるとおり、『四谷怪談』と『牡丹灯籠』の怖さは質が違います。本来なら、単純に「どちらがより怖いか?」など比較することはできません。それは私も心得ています。  それをあえて訊いたのは、私の感性が世の一般の人々からずれていて、そのために変な話を作ってしまうことを避けるためです。  弟切は、『四谷怪談』も『牡丹灯籠』もそれなりに怖い話だと認識しています。けれども、世の多くの人々にとっては、これらの話のどちらか、あるいは両方とも、古臭すぎて怖いと認識できない話かも知れません。  もしもそんなふうに弟切の感性がずれているとしたら、怖い話を書くのに『四谷怪談』や『牡丹灯籠』を持ち出して練習台にするのは、大きな間違いですよね。弟切は、もっと一般的な人々の感性に合う「怖さ」を追求しなければいけません。  こういうことは、自分以外の何人かの人に訊いてみないとわかりません。そこで、この分室の場を借りて、皆さんに訊いてみました。  したがって、個人の好みが入っても構わず、皆さんには自分の感性で「どちらがより怖いか?」を答えていただけるとありがたいです。 >>「弦月の夜」あらすじ  何人もの方々に、「戦争という舞台装置は大げさだ」・「秘密の地下道がどんなものかわからない」などの突っ込みをいただきましたので、あらすじを作り直しました。  以前のあらすじと同じように、実際に書く順番は無視して、時系列順に起こったことを並べたあらすじです。  今回のあらすじでは、戦争も地下道も消えています。主人公の親友も必要がなくなったために消えてもらいました。これでよりわかりやすくなった……と思います(弱気(^^;) 「弦月の夜」時系列順あらすじ その2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  舞台はルネサンス期のイタリア、またはルネサンス期のイタリアをモデルとした異世界である。  ある領主の息子がある農家の娘と知り合い、仲良くなる。しかし、その息子は勉強好きの堅物で、将来は結婚せずに聖職者になるつもりのため、女性と付き合うことに罪の意識を抱く。彼女にのめりこんで勉強ができなくなることを恐れながらも、息子は彼女と会うことをやめられない。恋愛体験に乏しい息子は、自分が彼女を愛したことに気づかない。どうしたらよいのかわからず、息子は自分の家庭教師である修道会士に相談する。  息子以上に堅物である修道会士は、娘の様子を聞いて、聖職に就こうとする者を誘惑する魔女に違いないと決めつけ、彼女を異端審問にかける。息子は彼女を救ってやりたいと思うものの、自分も魔女の仲間だと告発されることを恐れて、彼女に有利な証言をしてやれない。結果、娘は魔女という濡れ衣を着せられて処刑される。  娘は、自分が愛した男が自分を信じて守ってくれなかったことを悲しく思い、亡霊となって蘇る。娘の亡霊は、息子恋しさと謝罪の言葉欲しさゆえに、夜な夜な息子のもとへ通う。息子は娘が自分を恨んで呪い殺しにくるのだと信じ、恐れおののく。  そんな彼を守るために、家庭教師の修道会士が死霊避けの術をかけ、娘の亡霊は息子に近づけなくなる。死者の霊は、ある区切りの日を境に死後の世界へ連れ去られることが決まっているため、息子はその日まで術に頼って切り抜けようとする。  だが、娘がこの世にとどまれる最後の夜、息子は自分も娘を愛していたと気づく。娘の亡霊が消え去る寸前、息子は、謝罪と愛の言葉を彼女に伝えるために自ら死霊避けの術を破る。息子の言葉を受け取った娘の死霊は、満足して死後の世界へと去って行く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上記のあらすじは、課題部屋へも上げておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 昼休みに、全力で打ってます。 No.6487 投稿日 2003年4月23日(水)02時03分 投稿者 羽矢野  今日は帰ってきてからも少し余裕があったので、ちょっと長く。  時間ほしいなあ。 ●青葉さん ちょっとだけ読んでみた。 >>秋の夕日が、だいぶ寂しくなってきた枝の合間から差し込んでいる。  一行目が、“いつ”から……なんだけど、情報としては季節が秋であるということと、それも冬にだいぶ近づいた頃であるということ。  そして、時刻が夕暮れであるということ。  風景として、頭にでてくるのは、  森みたいなところで、木々の枝の隙間から、赤い光が射し込んでいて、それをまだでてきていない“だれ”見つめている。  そんな感じ。 >>あい-ま アヒ- [0][3] 【合間】物事のとぎれた短い時間。ひま。「勉強の―」・  ちなみに、合間とはこういう意味です。  “隙間”の間違い? >>竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。高校の制服である、くすんだ緑のブレザーの胸元が激しく上下している。  二行目が、登場人物がでてきて、場所の説明。あと、ちょっとだけ主人公の様子が入っている。  ここで、つまずく。  一行目は枝の合間“から”とわざわざ情報を限定してあるので、それを見上げている人物とか、森の中を歩いているとか、そんなのを予想するのに、いきなり坂道をのぼっている。  あと  高校の制服である“、”  ここにしか句読点打ってないけど。  何か意味がある? >>胸元が激しく上下  息があがっているという描写。  だいぶ長い坂をのぼってきたこと。そして、自転車をこぎながら坂道をのぼっているので、体力に自信のある活発な少女であること。そして、胸元が見えるということで、視点が三人称の神視点のように“外”からの視点であることなんかがわかります。  情報密度としては高いです。 >>周囲に目を配る。道の脇の木々ではなくその向こうに。  ここで、またつまずく。  まず、周囲に目を配ると断定するには、少女の内面に入らないとわからない。  しかしこの前の文章で“外”からの視点と確定しているので、それはおかしい。  そして“配る”という現在形なのはおかしい。  坂道はのぼって“いた”となっているから、この文章が書かれる前から、主人公はのぼっている。そして今現在も、坂を上っている途中のはず。ということは、ここで目を配りだしたのは、何か理由があるはずだ。でもそれが何も書かれてない。  周囲に目を配って“いた”ならわかるけど、それだと“道の脇〜”っていうのがおかしい。  それに、倒置法である意味がない。  何を強調したいのか、よくわからない。 >>しかし、なにもない。  後からすると、これは人を捜しているのだけれど。  まず、人物視点だとここは“誰もいない”になる。  でもこの時、彼女は特定の人物を捜しているのでさらに“彼はいない”とかにしなければならない。  彼女の視点じゃないとしても、それもおかしい。  この文章の“何もない”っていうのは、主観だ。  誰かにとって“なかった”わけだ。  人によって“何もない”と“何かある”は見る(探す)ものによって違う。 >>坂を上りきると道が分かれていた。自転車を止めた彼女は二本の道と後方を素早く見回し、大きくため息をついた。  前の文章までだと、息をはずませてのぼりながら周りをきょろきょろしてたなんてふうには読めない。  だから、ここで混乱しました。  と細かくはここまで。  あんまり難しいことは言わないようにしたつもりだけれど、わからない部分があったらごめんなさい。  軽く、聞き流すくらいがいいです。  この後、彼女は銃声を耳にして、何やらきな臭い場面にでくわします。  そしてなんと、銃口を突きつけられても躊躇せず、男達に素手で飛びかかっていきます。  って、本当に普通の女子高生なの?  いくらなんでも、それはないだろう。  ジェームズ・ボンド顔負けですが……。 ●弟切さん >>『四谷怪談』と『牡丹灯籠』  ああ、個人的趣味で答えればいいのですね。  私は牡丹灯籠の方。  多分、少数派だと思います。  理由は、弟切さんがやろうとしていたこと逆で、主人公に落ち度があまりないからです。  不条理な死。  これが、自分の身に降りかかるかもという思いを強くして、怖い。  四谷怪談は、まあ殺されて当然ですからね。  怖いけど、後味すっきり。  という、変な理由からでした。 >>新しいあらすじ  また、ずいぶんと変わってますね。  ええと、まだちゃんと決まっていないようなので、指摘は避けますが……。  一言。  正直、全然面白そうじゃないんですが……。  まあ、練習だからいいといえばいいんですけど。  前の方が、ずっと面白そうだったです。  それとも、あらすじちゃんとすると面白くなってるのかな。 ●とんびの羽根さん  お久しぶりです。  私もついに……ですよ。(……は想像におまかせ)  んで、書き込み何が言いたいのか、よくわからないんですが。  ええと、書いてあることって。 1.男の側ならホラーになるが、女の側だとホラーにならない。  この理由が女がすでに死んでいるからって、何で?  女が恐怖を感じる必要はどこにもないのでは?  ホラーで恐怖を味わって楽しむのは読者なので、読者さえ怖ければ登場人物がまったく怖がってなくてもいいような。  快楽殺人者が、次々と人を惨殺していくのを殺人者視点で書いたら? 殺人者は楽しんでるだろうけど、読んでる方が怖いと思う。 >>あらすじでは怖くないけど細部(ディーテール)が怖い。  これに書かれているいくつかの理由は、これはとんびさんが自分でいってるように、ハンデを与えることによって、目的達成を困難にする。  それはそうすることによってハラハラドキドキ感が増し、お話が面白くなるからです。  でも、それは怖さとは“全く”関係がないと思います。。  例にあるタイムリミットをもうけるとか、幽霊自身は消えてしまうから怖いだろうけど、読んでる方が怖いかな?  聖戦士星矢とかが代表する少年マンガはよくタイムリミット決まってますが。  あれは怖い?  細部が怖いというのは、例えば“皿屋敷”とかの 「いちまーい、にまーい」みたいなのでは? >>無敵のガンマンが新妻を殺した相手に復讐を誓い、自慢の早撃ちでならず者を撃ち殺しておしまい。  ええと、ガンマンと幽霊では決定的に違う所があります。  それは幽霊は無敵でも許されるということです。  エイリアンや、ジェイソンだって無敵ですよね。  逆に、幽霊は無敵だから怖いといえます。  でもこれは、とんびさんが“女が復讐を遂げる話”として考えたらってのが前提なのかな。  だったらその限りじゃない。  ただし、それだとホラー(恐怖を楽しむ)というものではなくなりますね。  今日はここまで。 -------------------------------------------------------------------------------- ハイスピもうすぐ No.6488 投稿日 2003年4月23日(水)03時55分 投稿者 紫ゆきや  ハイスピ、ようやくラスト近くになりました。  それにしても、ペースが遅いです。 ●弟切さん >怖い話し  私が、怖いと思った作品には、怖さの対象となる存在がありました。  でも、「弦月の夜」には、怖いと思わせる存在が出てきません。  弟切さん自身が、以下のように書かれていますしね。 >> 主人公…ひどい人間に騙されても許してしまう純朴な女性 >> 領主の息子…自己保身しか考えない小心者 >> 主人公の親友…友達思いで、かつ義理堅い女性  ――このへんが、「怖くない」の、理由かなあと思っています。 >新しいあらすじ  個人的には、娘が死ぬところまでは普通に面白いと思いました。  亡霊になる伏線があれば、それ以降も楽しめるかと。  そういうわけで、プロット作りましょうよ。 ●羽矢野さん >小道具としての戦争  うーんと、指摘の方針の違いですかねえ。  私は「戦争を背景とした設定でも書けるから、問題なし」と判断しました。  プロット書いたあと、不都合あったら変えればいいだけですし。  「現時点で、絶対に変更が必要でなければ、そのままで」と考えています。 >世界観  魔法のある世界・幽霊のいる世界・戦争やってる世界。  「戦争」ってのは、そういう大きな事象であり、設定なんじゃないかなと思いました。  だから、「なんで魔法が実在する世界はOKなのに、そこで戦争やってたらダメなの?」てくらいの意味です。  ――わかりにくい文章だったのは、反省です。 >館の離れ >> じゃあ、そもそも人気がないんだから、秘密の地下道使う必要なんて、どこにもないのでは?  使ってるからには、必用があるんですよ。  プロットでは、わかるように説明されるはずです。  ――と、私は思っていました。 ●青葉さん  現在は、別タイトルを執筆中でしょうか?  そうであれば、今、弟切さんがやられているように、ここであらすじからやってみませんか?  そうでなければ、羽矢野さんの指摘などを受けての、「世界最後のラブストーリー」のリライトをしてみては、いかがでしょうか。  冒頭だけでも、やってみる価値あると思いますよ。 -------------------------------------------------------------------------------- >羽矢野さん No.6489 投稿日 2003年4月23日(水)22時54分 投稿者 とんびの羽根  疑問に回答しましょう。  あいかわらず説明がたこで申し訳ありません。  アストラル新木さんが、なにかを言いたげなんだけど、良く聞き取れない。駄目駄目なわたし。 >> この理由が女がすでに死んでいるからって、何で?  女の側が視点保持者だとすると、彼女は死人なのだから、もはや死ぬおそれがないんです。  自由に行動でき、意志を持ち、判断力がある状態で、唯一ないのは記憶だけ、絶対安全という立場に視点保持者がいる。  スリルとサスペンスはあるけど、筋としてはホラーではないと思います。  この絶対安全な立場に立っていて、感情も行動も普通の生きてるときのままだとしたら、一体何が怖いのでしょうか。  対して男の側は現在生きてます。取り憑かれたらすべてのものを失って、あの世へ連れて行かれるかもしれません。  しかも目の前に殺した女が、幽霊として存在している。魔術師の呪い返しをも破って、取り憑こうとしている。  男の側に視点が有れば、怖いですよ。  そしてそれが成立するのは男が生きているからです。  男も死んでいるという筋の話は実際にはあるけど、リアリティーを感じない。  その話をしてるあんた誰よって自動突っ込みがはいるのね。 >> 女が恐怖を感じる必要はどこにもないのでは?  これは読者に何を怖がってもらいたいかによるのではないですか?  ストーリーやコンセプトで怖がってもらいたいのか  主人公への共感で怖がってもらいたいのか  登場してくる妖怪、怪奇現象、超常的感覚を怖がってもらいたいのか  陰謀、狂気、普通の人間の隠された裏側といったもので怖がってもらいたいのか  もしも主人公が怖いと思っていないなら、主人公への共感で怖いという線を捨てなければならないですよ。  主人公への共感抜きで怖さを出すのは、難易度がかなり高いのじゃないかと思うのですが。 >>それは怖さとは“全く”関係がないと思います。  これは喩えがまずかったのかな。 >> 友人が魔術を見つかって、村人か、魔術師側の手のものに殺されそうになるとか、殺されるとか。  これは大切な友人が足手まといになったり、支援がなくなるといったハンディです。  そして友人を殺そうとする、村人や魔術師たちの行動、思考の怖さもある。 >> 新月になると魔術が完成し主人公の霊が消滅するとか。  これは2回殺されるという不条理ではあるのだけど、  霊魂が存在する世界で、霊魂が永遠に消滅するのは恐怖です。  もっとも現代の日本人は死んだらそれでおしまいと思っているひとが多いので、理解できなくなってるかもしれませんね。 >> 魔術師の術がかかって主人公の姿が老いさらばえていくとか。  これは自分の姿が醜く崩れていく恐怖。  女性の読者だと共感させやすいのではないでしょうか。 >> 魔術師側の幻術や使い魔が次々に襲いかかってくるとか。  これは幻術や使い魔の描写によって主人公と読者を怖がらせるしかけ。  弟切さんの知識があればかなりのものが期待できるのではないでしょうか。  タイムリミット自体は怖くないでしょうね。でもタイムリミットがないとしたら急ぐ必然性もなくなりますし、なりより「弦月の夜」ではなくなってしまいます。タイトルに意味がなくなってしまうのでタイムリミットは必然だろうと思いました。  でもたしかに怖さ自体とは関係ないかもしれないですね。のんびりとしたホラーというのがあれば、ですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 英語で言えば、魅力と魔力は同じcharm No.6490 投稿日 2003年4月24日(木)00時16分 投稿者 弟切 千隼  道を歩いていると、お散歩途中の犬に御挨拶されることが多い弟切です。  犬には犬好きの人が判る能力があるようで、犬好きの人には積極的に寄ってきて「こんにちは、遊んで♪」というポーズを取ります。弟切のような犬好き人間は、その可愛さにたまらず、ひとしきり犬を撫でてあげることになります。  おかげで、お散歩中の犬に遭遇する確率が高い朝や夕方に出歩くと、弟切は目的地に着くのに時間がかかります(笑) >>「弦月の夜」プロット  とりあえず大ざっぱな起承転結を作ってみましたので、以下に書いておきます。同じものを課題部屋にも上げておきます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 起 ● 領主の息子に会うために、娘が夜道を行く。領主の館では領主の息子がおびえており、その側に彼の家庭教師である修道会士がいて彼を励ます。 ※ この段階では、娘が死霊であることは明らかにされない。「今夜が恋人に会える最後の機会」と思いつめて館に向かう娘の様子と、恋人の出現を待つにしては不自然すぎる息子の様子とを対比する。 承 ● 娘が領主の館に現れる。しかし、死霊避けの術に阻まれて息子に近づけないのを嘆き、娘は、「かつて自分に優しくしてくれた気持ちを忘れてしまったのか」と息子に呼びかける。彼女の言葉により、息子は娘と出会い、楽しかった日々を思い出す。 ※ ここで娘が死霊であることが明かされる。回想シーンで、領主の息子と農家の娘の出会い、および二人が惹かれ合ってゆく様子を描く。 転 ● 娘との幸福な日々を思い返した息子に対し、修道会士が「魔女のたぶらかしに乗ってはいけない」と責めたてる。息子は、修道会士に相談したことをきっかけに娘を魔女だと思い込むようになり、自分の告発により彼女が魔女として処刑されたことを思い出す。 ※ 娘は悪魔崇拝者ではなかったが、キリスト教以前の古代の知識を受け継いでおり、異端者と見なされやすかったことを示す。女性の自然な魅力を理解できず、彼女が魔力を持っていると思い込んでしまった息子の未熟さも描く。 結 ● 夜明けが近づいて、娘は最後に息子への愛の言葉を残して消えそうになる。彼女が自分を恨んでいると思っていた息子は驚き、自分も彼女を愛していたと気づく。息子は自ら死霊避けの術を破り、死後の世界へ向かう彼女に謝罪と愛の言葉を伝える。 ※ ここは単なる愛の言葉だけでは弱いので、息子と娘の大切な思い出につながる小道具が欲しいところ。その小道具が愛の絆の証となる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  結で重大な役割を果たす小道具を、早急に考えなければいけませんね。これはもちろんアイディア出しを行ないます。  起承転結を書いてみて気が付いたのは、回想シーンがずいぶん多くなることです。「こんなトリッキーな話、書けるのだろうか?」と、今さらながらとても不安になりました。が、やるしかありませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日は少し。 No.6491 投稿日 2003年4月24日(木)02時27分 投稿者 羽矢野 ●紫さん >>「戦争を背景とした設定でも書けるから、問題なし」  紫さんのハイスピリッツガールの今のあらすじを出した時、新木さんに指摘されたこと憶えてる?  親友が必要ない。  親友が担う役割は、主人公に惚れる女の子で代役がきくのに、わざわざだすのはなぜか?  これは親友が主人公の破天荒さを示すための“普通”の物差しであるということがわかって納得してもらえましたが。  それと同じじゃないかと思います。  “書けるから”という理由だったら、設定を一個増やす必要なんてありません。  “そうじゃないと書けないから”だったら、それは意味があります。  人物や設定が多くなれば、書く方も大変だし、読む方も大変です。  それがどうしても必要のないものなら、書かないのが原則だと私は思います。  違うのかなあ。  私は結構指摘するときには普通のことだと思うんだけど。 ●とんびの羽根さん  返答で、大体わかりました。  共感という部分で恐怖を感じるのなら、確かに絶対に安全であるという条件は、ダメですね。 >>この絶対安全な立場に立っていて、感情も行動も普通の生きてるときのままだとしたら、一体何が怖いのでしょうか。  これは、その人物そのものが怖い。  共感ではなくて、理解不能な存在として客観的に怖い。  これは幽霊に限らず、理解できない思考回路で動いているなら、怖いと思う。  あれ? でも、恐怖の対象(ジェイソンや、ゾンビ)の視点からの話ってあったかな。 そういうものは、ホラーでは視点対象にはならないのかな。  うーん。  ってことは、共感とは必須になるのかな?  でもこれだと、やっぱり女性は怖がる役にしかならないですね。  恨みを晴らす役でなおかつ恐怖を共感するというのは、難しいのかな。  ああ、やばい。もう寝ないと。  今日はここまでですーー。 -------------------------------------------------------------------------------- 甘酸っぱかった No.6492 投稿日 2003年4月24日(木)18時12分 投稿者 紫ゆきや  弟切さんの書いていた、ハワイコナを飲んでみました。  小さなカップで、一杯700円でした。  なんか酸っぱいような、甘いような。いや、たしかにハワイッて感じでしたね。行ったことないですけど。 ●羽矢野さん  ところで、羽矢野さんは、いつごろ書くのを再開できそうですか? >戦争  最初の「弦月の夜」から、「戦争」をなくしたら、代案が必要になりますよね。  領主の息子の動機とか、娘を殺した犯人とか、地下道の用意されている理由とか……。  不要であることと、最適でないことは、同じじゃないと思います。  より最適な設定を考える努力は必要だと思います。しかし、代案を考える時間があったら、そのぶん書いたほうが良いと、私は判断しました。  ――まあ、同じ指摘ばかりじゃ、多人数に見てもらう意味もないですし。私と羽矢野さんの考え方が異なっているのは、むしろ良いことかもしれません。  必要なのは、相互理解であって、意見統一ではないでしょうし。 ●弟切さん(6490) >プロット(というよりは、あらすじ詳細版?)  この話の転は、「自分が処刑されたことを思い出す」でしょうか。  それは、ちょっとどうかと思いました。  すくなくとも、「実は死んでいた」の部分のほうが、より話の転機のように思います。  弟切さん的に、一番見せたいのは、どのシーンでしょう? あるいは、やりたいことは?  優先順位を書き出してみるといいかもしれませんね。  死霊避けの術が用意されていたことで、領主の息子の心変わりを、娘は理解するんですよね? だとすると、嫌われたと知っても身を引かないキャラクターは、読者に嫌われるか、怖がられる可能性があります。このエピソードで書きたいことは、何でしょうか?  それと、死霊になっても愛される自信があるなんて、主人公は、ずいぶんな自信家だと思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- コーヒーの香りは好きなのに No.6493 投稿日 2003年4月25日(金)00時22分 投稿者 弟切 千隼  なぜかコーヒーは体質に合わず、飲めない弟切です。ただし、牛乳成分50%くらいのカフェオレなら飲めます(爆)  最近は、日本でもコーヒー豆の種類を揃えた喫茶店が増えて、ちょっと探せばハワイ・コナなどの変わった種類のコーヒーも飲めるようになりましたね。いろいろ選べて楽しめるのは良いことです(^_^) >>「弦月の夜」  No.6492で紫さんが「この話でやりたいことの優先順位をつけてみては?」というヒントを下さったので、優先順位をつけてみました。 1.読者さまを怖がらせたり驚かせたりして楽しんでもらうこと。  圧倒的にこれが一位ですね。これの前には他のすべてが霞んでしまいます。  この話に含まれる怖さは、「死」にまつわる怖さです。死霊も墓場も戦争も魔女裁判も、みな「死」を連想させますよね。「死」に対する恐怖は人類に根強く普遍的なものなので、その効果を狙いました。  一方、この話における「驚き」には、いくつかの種類を含ませたいと考えました。話の展開の意外性による驚き、隠されていた秘密が露わになる驚き、一般の人が知らない知識を提供することによる驚きなどです。何回も同じ種類の驚きを出すと、読者さまに「またかい」と見切られてしまうのではないかと考え、多様な驚きを提供したいと思いました。  上記の理由により、「恐怖」と「驚き」を合体させて読者さまを楽しませる最も単純なものとして、「実は主人公は死んでいましたぁ」というのができあがりました。  「生きていると思われた主人公が死んでいた」というのは衝撃が大きいできごとゆえに、物語の「転」となり得るだろうと考えました。これを核に最初の「弦月の夜」ができてきました。  けれども、その後に皆さんの御意見を受けながら話を作り直してゆくうち、これを「転」にするとうまく落ちがつけられないことに気づきました。 「実は主人公は死んでいましたぁ!」 「だからどうしたの?」 と冷めている感じで、弟切は「結」にうまくつなげられませんでした。  そのため、新しいあらすじ−魔女裁判版−では、別のところに「転」を持ってきています。これについては後で説明します。  やりたいことの一位、「読者さまを怖がらせたり驚かせたりして楽しんでもらうこと」は、最初から一貫して変わりません。逆に言えば、これ以外の部分は変えるのに抵抗ありません。よって、舞台装置や登場人物の性格がころころ変わってしまいます(^^;  新しいあらすじを書いてみて気づいたのは、主人公が娘のほうではなく、領主の息子のほうになってしまったことです(*o*)   とんびの羽根さんや羽矢野さんが指摘されているとおり、死んだことを自覚している娘の視点から見ると、怖さがなくなってしまいます。これでは、読者さまを怖がらせて楽しませることができません。  何をするかわからない死霊に迫られる息子の視点のほうが、怖さを味わうことができます。したがって、一時的に娘が視点を保持することがあっても、主役を張るのは息子のほうになりました。  皆さんからいただいた疑問のうち、まだいくつか積み残したものがありますが、今回はここまでとさせていただきます。続きは次回に。 -------------------------------------------------------------------------------- コーヒー No.6494 投稿日 2003年4月25日(金)02時05分 投稿者 羽矢野  私も豆知識。  エスプレッソは、駅で列車の待ち時間にコーヒーを飲みたい人の為につくられました。  その為、すぱやく飲めるように量が少なく、それでもコーヒーを飲んだ満足感を与えるために濃く入れます。  コーヒーの種類の一つ一つでも、ちゃんとそれができるに至った背景が存在するというお話でした。 ●紫さん >>ところで、羽矢野さんは、いつごろ書くのを再開できそうですか?  いや、今でも時間作ってコソコソとやっているよ。(と思ってたんだけど、言えるほどやってないや)  以前と比べると、使える時間がさらに減ってしまっている。  今年は小説大賞に送るつもりなので、長編を書くつもり。  まだプロットつくってるだけだけど。 >>「戦争」をなくしたら、代案が必要になりますよね。  なりません。  例えば、自分より格が上の貴族の娘との結婚の話が持ち上がったので、邪魔になった。  とかにしとけば、理由はいりません。  設定もなんにも必要がない。  この部分って、実はありきたりな理由で構わないはずなのだ。  領主の息子は娘を本当に愛していたわけではないので、富や権力と天秤にかければ、そっちに傾いてしまう。  そのもっともらしい理由があれば、何も問題はない。  だから「代案」なんで大層なものは必要ないと思います。  それと、質問と答えが微妙にかみ合っていないんだけど……。  私は物語は必要なものしか入れちゃいけないと思っている。  戦争は最適じゃないから、変えた方がいいと言ってるのではなくて、戦争という設定が必須じゃないなら、使ってはいけないと言ってます。  理由は、今までにずっと書いてきてる。  それに対しては、紫さんはどう思う? ●弟切さん >>1.読者さまを怖がらせたり驚かせたりして楽しんでもらうこと。  どっち?  怖がらせることと、驚かせることは、全く違うことです。  自分でもわけてるから、別のものだとはわかっているみたいですが。  怖がらせるなら“主人公はすでに死んでいた”なんてのは、変だし。  驚かせるならそれはとってもすごい仕掛けです。  十分に転となるでしょう。  死んでいたという仕掛けは、私は「だからどうしたの?」なんて思わないけど。  シックスセンスは主人公が“死んでいた”ことがわかってから、物語は見事に終演に向かいますよね。  あの話は生きているように見せていた主人公が実は“死んでいた”という仕掛けは絶対になくてはならないものです。  弟切さんの話も、そうなるように組み立てていけば、問題ないと思います。  今の所は、二つに一つのつもりかな?  呪われる領主の息子を主人公に持ってくるホラー。  恋人と駆け落ちするつもりの村娘は……というサスペンス(か?)  二つを満たすことは難しいと思いますが、一つなら十分に可能だと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 私もカフェオレのが好きです No.6495 投稿日 2003年4月25日(金)07時24分 投稿者 紫ゆきや  どうもミルクが多くないと胃に重たいんですよね。 ●弟切さん  羽矢野さんも書かれていますが、2つの意味があったら、ちょっと困りますね。決めちゃってください。  あと、もうすこし具体的なほうがいいかもしれませんね。  「怖がらせる」として……では、どうやって怖がらせるのでしょうか?  本を友達に紹介するときとか―― 「この本、面白かったよ」 「どんな話?」 「怖い話」 「へー、どんなところが?」  ――なんて、会話があると思います。  この、「どんなところ」の部分が、作る側にとっての「どうやって怖がらせるのか」の部分かなと。 >主人公が領主の息子に  視点を領主の息子に持っていって、読者を怖がらせるということは、読者に「娘が怖い」と思わせるわけですね。 ●羽矢野さん  長編ですか。いいかんじですね。  まとまったら、また見せてください(^^) >戦争 >> 例えば、自分より格が上の貴族の娘との結婚の話が持ち上がったので、邪魔になった。  それが代案では?  削ったことで、なにか必要になったら、それが代案だと思いますよ。  しかも、その案だと、娘を殺した犯人についても考えなくてはいけませんし。 >> もっともらしい理由があれば、何も問題はない  もっともらしい理由が必要なんですよね?  だったら、そのもっともらしい理由が、「戦争」でもいいじゃないですか。 -------------------------------------------------------------------------------- 部分否定は伝わりにくい No.6496 投稿日 2003年4月25日(金)11時08分 投稿者 とんびの羽根  全否定の方が受け入れやすいのは、そのほうがあまり考えなくて済むからだけど。 >弟切さん  新しいあらすじに突っ込みを入れる前に、前のあらすじを捨てた過程が納得できなかったので、補足を入れます。  前のあらすじはこわくない、という理由を前回の書き込みで指摘したわけですが、  その理由を納得して頂いた上で、その怖くない理由を回避する方法を考えるつもりでした。  怖くない部分を否定して、怖い部分に置き換えればすみそうだったので。  でも弟切さんは知り合いのかたに怖さを全否定されて、全否定をそのまま受け入れてしまったようですね。これは、ちょっと指摘する立場としては困ってしまいました。    怖がっていない娘を主人公にホラーを書くのは考え物だ、というのが(怖がっていない)娘を主人公にするとまずい、というように全否定で受け取られてしまいました。  しかし  恐がりの娘を主人公にホラーを書くのは、全然問題ないんですよ。  生前から恐がりだったら幽霊になっても恐がりでもいいのです。  でも「弦月の夜」の前のあらすじでは、娘が夜の墓地を平気で歩くような性格だったので、この上に「すでに死んでいる」という絶対安全属性が加わるとどうにも「死の怖さ」は感じ取りようがなかったんです。  「主人公の娘は生前から恐がりだった」、という設定  そして「現在生きているときのままの姿の霊体になってるけどその存在は保証されていない」、という設定 (例: 霊的に死ぬ、仮死状態の本体が死ぬ、姿や人間性が崩壊するなど)  というふたつの設定を加えれば、主人公が恐れる理由は充分になるでしょう。  そのあたりのことを思考して欲しい。  あと小悪党の臆病小僧が怖がってるのなんて共感できないんだけど。 -------------------------------------------------------------------------------- >No.6493 弟切さん No.6497 投稿日 2003年4月25日(金)11時14分 投稿者 とんびの羽根 >>1.読者さまを怖がらせたり驚かせたりして楽しんでもらうこと。 >> 圧倒的にこれが一位ですね。これの前には他のすべてが霞んでしまいます。  これが「あなたが本を書く理由はなんですか」ときかれたときに答える言葉だとしたら  ……  違和感がないですね。  ……  なんというか、この回答からは「弦月の夜」という作品でなければならない部分が見えてこない、です。  この作品の核となる部分、心臓となる部分はどこなのでしょうか。  読者に最高のサプライズを提供する場面、心理的に最大の興奮をあじわせてくれる場面はどこでしょう。  その最高のシーンを、最大限に生かすためにあとのすべての物語が存在するといいきれるような部分、  それが物語の核であり心臓だと思います。  怖さがメインだとすれば、その怖さがクライマックスに達するのはどういう場面なのか。  驚きがメインだとすれば、その最大の驚きの場面はなんなのか。  せっかく「弦月の夜」というタイトルをつけたのだから、そのタイトルが生かせる場面を見せ場にするべきですよね。  最初のあらすじをみたときもっとも印象にのこった場面は、おりから上ってきた弦月の光に、娘の霊が照らし出される瞬間でした。  こんな印象的な場面を生かさない手はないと思いましたが、弟切さんはどうお考えですか? -------------------------------------------------------------------------------- つまりは、文章が意図通りに書けていない No.6498 投稿日 2003年4月25日(金)22時42分 投稿者 青葉桂都 >羽矢野さん  どうもありがとうございます。  ご指摘の内容からして、意図通りに書けているのは二行目だけだったようですね。  視点の推移としては、 1.上空から山を見下ろしている 2.下りて行って沙倉を見つけ、その行動をながめはじめる 3.ため息を付いた時点で沙倉の内面(つまりは、ため息を付いた理由)に興味を持ち、その内部に入り込む  と想定していました。  ですから、内面に入らなければわからないような文章は、ぜんぜん書こうとしていたものから外れた文章であったということです。 >合間・隙間  調べておりませんでした。どこかの文章で物と物の間の意味で使っていたような記憶があったので、それでです。  なんで、ちゃんと自分でも調べてみました。  Lycosディクショナリでの検索結果です。 ―――――――― あい‐ま【合間】 1 物事のとぎれる間の時間。あいだ。ひま。絶え間。「勉強の―に仕事を手伝う」 2 物と物との間。 ――――――――  また、本棚にあった岩波書店の国語辞典の内容です。 ―――――――― あいま あひ―【合間】ある事や物と他の事や物とのあいだ。ひま。「仕事の―に一服する」▽時間的な意味に多く使う。 ――――――――  いちおう、時間的でない意味もあるのではないかと思います。  ただ、もしそうだとしてもあまり一般的に使われる意味ではないようですし、『隙間』とするのが正しかったでしょう。 >二行目の句読点  特に意味はありません。  ただ、自分で読んでいて、そこで一度切れるのが自然な気がいたしましたので。  おかしかったでしょうか? >三行目の倒置法  この行は、意図としては外から見ているつもりで書いています。  周りを見回しているのをまず認識して、それからそれがなにを見ようとしているのかを認識する、という順番で書こうとしたためにそのようになってます。  つまりは、外部に視点がある文章を書けていないことが問題になります。『目を配る』ではなく『視線を左右に向ける』になるでしょうか。  現在形も誤りで、進行形になるのが正しかったですね。登りながら、ずっと続けていたことですので。  四、五行目がおかしいのも、ここが原因になっているのだと思います。 >その後の展開  そのあたりのシーンの目的は『勢いで無謀な行動を取る』という性格を示すことです。(なお、最初から考えていたのではなく、あらためて思い返してそうだったのだろうと考えているだけです)  ですから、無茶な行動を取らせるのは必要なことでした。  また、飛びかかっていっているのではなく、銃撃戦の中をつっきっただけのつもりでした。  大の男を倒せると考えるのは無茶にしても、自転車のスピードを当てにしてつっきるくらいなら、小説やマンガのキャラクターとしてはありではないかなと考えているわけです。  そういった内容が伝わるような文章になっていないことが、おかしなシーンに見える原因でしょう。 >紫さん  見せられる段階になるまではもうしばらくかかると思います。  ですので、羽矢野さんのご指摘をふまえて、まずリライトをやってみようかと思います。 >弟切さん  いまさらですので、書いていいものか迷いますが。  趣味としては四谷怪談型のほうが怖いです。 『相手にふられて、それでもなお愛している』というのは、実のところ怖い話より悲しい話を想像してしまいますので。  悪意をもって襲ってくるほうが怖いと感じます。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 二兎を追う者は一兎をも得ず No.6499 投稿日 2003年4月26日(土)00時14分 投稿者 弟切 千隼  混乱している頭の中を整理している弟切です。  紫さん、羽矢野さん、とんびの羽根さん、御助言ありがとうございます。皆さんのおかげで、やっと自分のどこに問題があるのか見えてきました。  前々から気づいていた欠点なのに、今回もまたやってしまいました。 「自分の書きたいものがはっきりしていない」 というやつです(^^;;;  そもそも、短編小説では、二つの要素を入れ込もうなどというのは不可能に近いことです。経験を積んだプロ作家ならともかく、へたれたアマチュアができることではありません。  なのに、弟切は「怖さ」と「驚き」という全く別の要素を、二つとも詰め込もうとしていました(;_;)  二つは無理なので、一つだけ選びました。  今回は、「怖さ」を追求することにします。  ということで、これまでの「弦月の夜」のあらすじはまたまた御破算にします。どっちつかずの話はだめですから。舞台も登場人物も、初めから考え直します。  ただし、話の題名がないと何かと不便なため、「弦月の夜」という仮題は当面そのままにしておきます。  実は、最初に「弦月の夜」のあらすじを考えている時、ストーカー娘が死んで幽霊になってなお男にストーカーする、という筋を考えたにもかかわらず、脳内で却下した、ということがありました。  理由は、後味が悪い話になりそうだったからです。確かにこの筋なら文句なしに怖いだろうとはいえ、読んだ後味が悪いのは読者さまに嫌がられるだろうと考えました。  しかし、世の中には、後味が悪いけれども面白い、という話が存在します。いえ、むしろ面白ければ、後味が悪かろうが何だろうが許されるものでしょう。  弟切はおばかなので、一度にいくつものことを考えようとすると思考が混乱します。この際、後味のことなど考えずに、ちゃんと怖い話を書くことだけに集中しようと思います。  短編小説を読んでいる5分か10分の間、読者さまを怖がらせて楽しませることができるのならば、それで十分ですよね。  怖い話といいながら、きちんと怖いものが書けるかどうかもわからないへたれアマチュアが、後味のことまで考えるなぞ五年早い、といったところでしょうか(笑)  新「弦月の夜」のあらすじはこれから考えるとして、どんな話なのかを一行で書いてみましょう。  「幽霊娘が男にストーカーする話」  と、こういう具合にある小説を紹介したら、およそ誰にでも「怖い話」と認識してもらえますよね? -------------------------------------------------------------------------------- ネコが。 No.6500 投稿日 2003年4月27日(日)01時01分 投稿者 羽矢野  キーボードタッチする指にじゃれて、邪魔だ。  ってゆーか、本体と机の隙間に寝にくるな。 ●青葉さん ○句読点 >>高校の制服である、くすんだ緑のブレザーの胸元が激しく上下している。  まず、前回は難しいかと思ったのでやらなかったけど。  これって、厳密にはおかしいです。  関係のない文章が、あたかも一つのことのように繋がっている。  一つは着ている服の説明。もうひとつは、息を切らしているという描写。  この文章で大事なのは、彼女が息を切らしているという方です。  高校の制服だとか、それがくすんだ緑のブレザーとかは別の部分に持っていかないといけません。  そもそも、前までに学校帰りだと情報を確定しておけば、とりあえずは制服だと読者には思ってもらえるので、情報を出すにしてもブレザーくらいにしておいた方がいい。  ……んだけど、今回は句読点と説明するので、この文章がおかしくないということで進めます。 “高校の制服である” “くすんだ緑のブレザーの” “胸元が激しく上下している”  まず、句読点がつくであろう文節は、この三つです。  今回は制服の部分で打たれてます。  ということは“くすんだ〜している”までが、一つの続きの文章ということになる。  おかしくないですか?  高校の制服。  緑のブレザー。  胸元が、上下している。  さて、この三つのうち一番最初に句読点を打つ場所は?  ブレザーの後ですね。  ここまでが、服装の説明。この次が、状態の描写ですから。  二番目が、制服であるの後。  ここで句読点を打つ意味は、その制服が“くすんだ緑のブレザー”だということを、読者に強調しておきたい場合。  句読点を打って一瞬の間をつくると、その部分の印象が強まります。  ただ、今回の場合は別に強調する必要はまったくない。  逆にここで句読点を打ってしまうと、次の“胸元〜”の強調が薄くなってしまう。  それに“高校の制服であるくすんだ緑のブレザー”っていうのは、これは一呼吸で読んでもらった方が、読者がすんなりと映像に変換される。  なので、ブレザーに句読点を打ってないのに、制服に打ってあるのは何故なんだろうと思ったわけです。 ●弟切さん ○新しいあらすじ  ああ、また捨てられている。  なんというか、大前提がおかしいように思うんだけど。 >>「幽霊娘が男にストーカーする話」 >>およそ誰にでも「怖い話」と認識してもらえますよね?  そもそも、一行のコンセプトで怖い話を確定することは不可能だと思います。  例えばこれも。  まず“幽霊娘”で怖いと思う人の方が多分少ない。  理由はお話では幽霊が怖い存在であるとは限らないし、陽気な明るい幽霊もいっぱいいます。  蛇足だけど。  幽霊娘って言葉は、怖くないですよって言ってるみたいなもの。  “怨霊”や”悪霊”など、怖い存在と確定する言葉がいっぱいあるのに、わざわざ幽霊なんて表記してある時点で、怖い話じゃないと逆に決まるようなもの。  そして“ストーカー”  これが怖いのは、書かれる話がリアリティーのあるものの場合だけです。  幽霊がストーカーって、コメディを思い浮かべる人の方が多い。  だって、ただ付きまとうだけでしょ?  幽霊だったら、もっと怖い目。ラップ現象や、うらめしやーや、呪い殺しや、いっぱいある。ストーキングなんて、一番害のないものじゃない?  あと“男”とストーカー対象をぼかしたのは何故?  恋人とか自分を殺害した犯人とか、具体的な方が意味としては伝わるはずなのに。  だから印象って、病気や事故で死んだ女の子が死にきれずに、恋人のもとへ押し掛けててんやわんやするって感じにとれますね。 >>「怨霊となった娘が、生前の恋人に取り憑こうとする話」  とかまで情報が確定してれば、怖い話なんだろうなあくらいには、思ってもらえるでしょう。  まあこれは言葉の選びが足りないんじゃないかってだけです。  だから、あらすじを作って怖いですか? って訊くのは後にして、まず読者にどんな種類の怖さを味わってもらうのかを確定させるのがいいと思います。  怖いってのも、いろいろあります。  弟切さんは、どんな種類の怖さをもとめているのですか? ○後味 >>面白ければ、後味が悪かろうが何だろうが許されるものでしょう  これは、逆でしょう。  “面白かったら後味が悪くてもいい”わけではなくて、“後味が悪かったから面白い話”だった。  ってことでしょう。  後味の善し悪しは、どっちでもいいわけではなくて、ちゃんと面白くなるように意味があってそうなっているんだと思います。  個人的には好きじゃないですけどね。ホラーで絶望感に浸るラストって。 ●紫さん  弟切さんの戦争を引きずると申し訳ないので、話題を普通にしましょう。  と言っても、これだとそのまま“うん”になっちゃいそうだから、もっと別の切り口にしたいところだけど……。  『小説の中ででてきた設定、人物、小物にいたるまで、すべてには意味がなければならない。ないなら、使ってはいけない』  議論していたのは、こういうことですが。  これについては、どうですか? -------------------------------------------------------------------------------- 怖さは細部に宿る No.6501 投稿日 2003年4月27日(日)02時51分 投稿者 弟切 千隼  今回はほぼ雑談です。  「幽霊娘が男にストーカーする話」を考えながら、「怖さって、どうやったら出せるのだろう?」と考えてみました。  実は、弟切は、小説や映画や漫画というフィクションを読んだり観たりして、心の底から「怖い」と感じたことがあまりありません。それなりに怖さは感じるものの、心底怖くて夜も眠れそうになくなるというほど怖い作品には、ほとんどお目にかかったことがありません。  弟切が心底怖いと思った作品には、楳図かずおさんの漫画が多いです。『わたしは真吾』など、本気で眠れなくなるかと思うほど怖かったです。  ところが、楳図さんの作品は、あらすじだけ追うとどこが怖いのかさっぱりわからないものが大部分です。『わたしは真吾』はその典型で、この作品を読んだことのない人にあらすじを話すと、まず間違いなく「その作品のどこがホラー? SFじゃないの?」と言われます。  試しに、『わたしは真吾』の最初のほうだけ筋を紹介してみましょう。  舞台は現代日本です。といっても、この作品自体が二十年くらい前の作品ですから、二十年前の日本です。  さとる君という十二歳の男子小学生と、その同級生のまりんちゃんという女子小学生が登場します。具体的に何がきっかけだったかは忘れましたが、この二人がある工場で働いている産業用ロボットを見つけ、そのロボットに「真吾」という名前を付けて、自分たちの「子供」にします。ロボットといっても、ASIMOのような人間型ロボットを思い浮かべてはいけません。外見は人間と似ても似つかないただの工作機械です。  二人の愛情により、本来意識や知性など持たないはずのこの工作機械が、自我を持って動き始めます。  と、こういう具合に筋だけ書くと、どう読んでもSFに読めますよね? それも、映画の『A.I.』のような感動的なロボットネタのSFになりそうで、どこをどうやったら怖くなるんだという感じですよね?  でも、実際に読んでみると、この作品はとっても怖いのです。これは私だけの感覚ではなく、読んだことのあるという人に何人も訊いてみて、誰もが「怖かった」と言うのを確認しています。ネットでちょっと書評を探してみれば、この作品はSFとしてよりもホラーとして捉えられていることがわかるでしょう。  ということは、『わたしは真吾』の怖さの源は、あらすじにあるのではありませんね。思い返してみるに、あの作品の怖さの源は、細部の描写にあります。  「怖さ」を演出するには、通常の作品以上に細部に気を配って、綿密に描写をしなければいけないのでしょう。  ……文章力も演出力も全然足りていない弟切は、精進するしかありませんね(;_;)  『わたしは真吾』は、もはや日本の漫画家の巨匠と呼ぶに値する楳図かずおさんの作品の中でも傑作と呼ばれています。最近は文庫版が小学館から出ているので、未読の方はぜひ一読することをお勧めします(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- >「弦月の夜(仮)」 No.6502 投稿日 2003年4月27日(日)06時43分 投稿者 とんびの羽根 >>「怖さって、どうやったら出せるのだろう?」と考えてみました。  読者を怖がらそうとか、どうやって怖さをだそうとか、話がずれてませんか。このタイミングで雑談してる場合なのかな。  基本的には主人公に怖さを感じさせて共感させるのが第一だと思います。  共感を基本とするとしたら、主人公はどういう目にあったら怖い思いをするのかを考えていればよいのですから、かなり難易度は低くなりますね。  読者をより怖がらすにはどうするかという問題はそのあとです。主人公が怖がってない対象を読者に怖がらせるのは、どだい無理。  それに対し、共感によらないで怖さを出すつもりなら、行動や考え方や感情の表し方の異常さを描写することになるでしょう。  このような異常な行動や性格は当然コンセプトの中にいれるべきでしょう。  今回の場合だと幽霊とストーカーというふたつの属性があるので、みんなから突っ込まれるのです。 >>どっちつかずの話はだめですから。舞台も登場人物も、初めから考え直します。  また話を捨てるんですね。  こうして突き合ってはいますけど、わたしはいまだに慣れることができません。  あるコンセプトを達成する上で、おかしな部分を差し替えていくのならわかる。  しかしコンセプトそのものがごろごろ変わるとなると、弟切さんが一体何を書きたいのかさえ分からない。 >>「幽霊娘が男にストーカーする話」  今回のコンセプトですが、これはコンセプトそのものが不充分。完結してません。  「幽霊娘が男にストーカーして、読者が怖くなる話」なんですか?  それとも「幽霊娘が男にストーカーして、男が恐怖の末、取り殺される話」なんですか?  それとも「幽霊娘が男にストーカーして、幽霊娘本人が怖い目に遭う話」なんですか?  いったいだれが怖がる話なんでしょう。コンセプトをたてるならちゃんと結まで書いてください。   >>「幽霊娘が男にストーカーする話」 >>およそ誰にでも「怖い話」と認識してもらえますよね?  羽矢野さんがかいてますけど幽霊娘のストーカーっていうだけじゃ、やっぱりコメディっぽいです。  コメディ属性をなくすためには幽霊娘の性格設定が重要になってくると思います。  電撃の最近の作品だと、「吸血鬼のおしごと4」鈴木鈴 で雪村舞という少女の幽霊がストーカーっぽいですね。  雪村舞の場合は感情が喜怒哀楽、嫉妬ともに強烈なのでかなり怖かった。  ただし怖い思いをするのはつきまとわれる男ではなく、幽霊の雪村舞に嫉妬されて脅される別の女の子。 >>怖さは細部に宿る  これについては、すでに書き込んでありますので、もう一度読んでみてください。  弟切さんが細部でのみ怖さを実感する人だとすると、雑談でなく、ここからもう一段掘り下げた方が良いでしょう。 >No.6485 とんびの羽根 「弦月の夜」 (3)の部分 >> あらすじでは怖くないけど細部(ディーテール)が怖い。お話は怖くないんだけど読んでいると怖い。(3)  羽矢野さんからわかりにくいと言われて補足したのが次の部分 >No.6489 とんびの羽根 >羽矢野さん >>女が恐怖を感じる必要はどこにもないのでは? への回答の部分 >>それは怖さとは“全く”関係がないと思います。 への回答の部分 -------------------------------------------------------------------------------- 脳内神経混線中? No.6503 投稿日 2003年4月28日(月)00時48分 投稿者 弟切 千隼  皆さんからの御意見を受けていろいろ考えていましたら、ますます混乱してきてしまった頭の悪い弟切です(^^;  えーと、弟切は頭の回転が鈍くて理解が遅い人ですので、ゆっくりしか考えられず、皆さんの御指摘に素早い反応を返すことは難しいです。御指摘を下さった方やROMしている方には歯がゆい限りでしょうが、どうか気長にお付き合い下さい。 とんびの羽根さんへ > >>読者を怖がらそうとか、どうやって怖さをだそうとか、話がずれてませんか。 (No.6502の書き込みより)  これに関しては反論させていただきます。  弟切にとって、今回の話を作るにあたって最も大切なことは、 「読者さまが怖がって楽しめる話であること」 です。極端にいえば、作者である弟切自身が全く怖くないと感じる話であっても、世の中の大部分の人が怖いと感じてくれる話が作れれば良しとします。  そうはいっても、作者自身がまったく怖くないのに読者さまが怖いと感じてくれる話は書けないでしょうから、実際には弟切が怖いと感じる話を書くつもりです(^_^)  しかし、弟切の怖さに対する感性が、世の中の多くの人とずれている可能性は大いにあります。そこで、世の中の人々の感性とずれた「怖い話」を作ってしまわないように、「読者さまはどうしたら怖がってくれるか」を考えることは最重要課題です。  弟切自身の「怖さに対する感性」がずれていないかどうか確かめるために、弟切が心底怖いと感じた『わたしは真吾』や『洗礼』−どちらも楳図かずおさんの漫画作品です−を例にとって調べてみました。これらの作品を読んだことがあるという弟切の周囲の人々に訊いてみたところ、ほとんどの人が「怖かった」と答えてくれました。ということは、弟切の怖さに対する感性はそれほどずれておらず、私が怖いと思う話を書いても誰も怖がってくれないという事態は避けられそうだとわかりました。  ところが、これらの作品をあらすじにしてみると、前回の書き込みNo.6501に書いたとおり、必ずしも怖さを感じるあらすじだとは限りません。特に『わたしは真吾』の場合は、どうしてこれが怖い話になるのかほぼ理解不能といってよいあらすじです。  むろん、すべてのあらすじがそうだというわけではありません。同じ楳図さんの作品でも、『洗礼』のほうは、あらすじだけで十分怖いです。  上記の調査の結果、わかったことは、 「あらすじや一行コンセプトだけでは、怖い話であるかどうかを確定することはできない」 ということでした。  もっとも、どちらかといえば、あらすじや一行コンセプトだけで「怖い話になりそうだ」と思わせる作品のほうが多い気はします。「夫にいじめ殺された女性が怨霊となり、夫を呪い殺す話」=『四谷怪談』などは、どう聞いても怖い話ですよね。  こういったことがわかっただけでも、調査をした甲斐はありました(^o^) >>「幽霊娘が男にストーカーする話」  この一行コンセプトに関しては、不十分なものであることを認めます。羽矢野さんが指摘されたとおり言葉の使い方が不適切ですし、とんびの羽根さんが指摘されたとおり完結していません(;_;)  「幽霊娘」という言葉は、どちらかといえば陽気な幽霊を想像させるため、コメディのように聞こえてしまいます。「男」も、これだけでは幽霊娘とどういう関係があるのかわかりません。「ストーカー」も、通常は実体がある生きた人間に対して使う言葉で、幽霊に対しては素直に「取り憑く」という言葉を使えば済むところでしょう。  上記の一行コンセプトは、むろん完結しているものに修正するつもりです。しかし現在は頭の中身が整理できていないので、もう少し待って下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 怖い話しってのはね…… No.6504 投稿日 2003年4月28日(月)01時50分 投稿者 鷹見一幸 >幽霊娘が男にストーカーする話し じゃなくて。 「娘が死んでもストーカーを止めない話し」 の方ではなかろうか? ……これ、男の身にすれば、かなり怖いと思うんだが(笑) -------------------------------------------------------------------------------- すいません、難しいです No.6505 投稿日 2003年4月28日(月)21時49分 投稿者 青葉桂都 >羽矢野さん  息を切らしてることの方が重要……なのですか?  私としては、服装などを説明しておくためにその文を書いたつもりだったのですが。  ただ、いきなりなんの関係もなくそれを出すのはおかしいですから、視点が服に向く理由として『胸元が』云々という説明を付け加えました。  どこを強調したいかといえば、『登場人物がブレザーを着ている』ということです。そして、それがどんなブレザーなのかということです。  なので、もしよろしければ、息を切らしていることのほうが重要な理由を教えていただけないでしょうか。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- たらいの水と一緒に赤ん坊を捨てる No.6506 投稿日 2003年4月28日(月)23時08分 投稿者 弟切 千隼  昨日、近所のスーパーマーケットに弟切が買物に行ったところ、入り口の前に柴犬らしき犬が二頭つながれていました。「あら、御主人さまお買物中なの? おとなしく待てて、偉いねえ」とひとしきり一緒に遊んでいたら、何を買いに来たのか忘れました(爆)  先日、「弦月の夜」最初期版を酷評してくれた友人と再び会って、話をしました。その友人と話したおかげで、なぜ弟切が「話を作っては捨て」を繰り返すのか、原因の一端が明らかにできました。  原因の一つは、だいぶ前から自分でわかっていました。No.6499で私自身が書いたとおり、 「自分の書きたいものがはっきりしていない」 というものです。もっと正確に書けば、 「自分の書きたいものをはっきりさせることがなかなかできない」 となります。これを原因αとします。  今回、上記の原因に加えて、もう一つ原因が明らかにされました。 「一部手直しすれば行ける話なのか、全面的に作り直さなければだめな話なのかの区別が付かない」 というものです。これを原因βとします。  原因αについては、だいぶ前から自覚していただけあって、最近はちょっと指摘されれば自分で気がつけるようになりました。けれども、原因βについてはこんにちまで自覚していなかったため、一部手直しすれば行けたはずの数多くの話を葬ってしまったのですね(;_;)  「弦月の夜」最初期版の場合はどうだったか、振り返ってみます。  友人が「全然怖くない」と指摘してくれた時、弟切は冒頭の夜の墓場のシーンから、最後の領主の館のシーンに至るまで、全シーンに怖さが感じられず、しかも、怖さを付加する余地も全くないのかと思いました。その時には、友人がそのように全否定している、と弟切には聞こえたのですね。  だとすれば、「読者さまに怖がって楽しんでもらえる話」という最終目的にはまったくそぐいませんから、全面作り直しするのは正しい措置です。  ところが、今回もう一度友人に会って訊いてみると、友人−仮にMさんとしましょう−はそんなつもりではなかったそうです。中世ヨーロッパ(風の異世界)の夜の墓場のシーンは、十分に怖くできるだろうと言いました。  「そんなこと前回は言わなかったじゃんよ〜」と弟切は文句を言いつつさらに突っ込んで話を聴いたところ、Mさんは、主人公の娘がえらく豪胆な人だと勘違いしていたことが判明しました。  これは、とんびの羽根さんがNo.6496で書かれていたのと同じ勘違いをしていたということですね。  弟切は、主人公は武芸に通じているわけでも霊能力があるわけでもなく、よって普通に幽霊や墓場を恐れる村娘のつもりであらすじを書きました。通常なら決して夜の墓場など歩くタイプではありません。恋人と駆け落ちしたい一心で、恐怖を克服してやっと何とか墓場を通り抜けようとしている娘です。  そもそも、普段から夜の墓場を平気で歩くような豪胆さを持った娘でしたら、それはあらすじに書くべき特記事項でしょう。あらすじの段階では、特に書いていなければ、登場人物は平均的な気質や性格の持ち主であるというのが暗黙の了解ではないでしょうか。  と、弟切は思っていたのですが、どうやらこれは独り善がりの思い込みだったようです(;_;) 現に複数の人間に通じなかったのですから。  最初期版「弦月の夜」のあらすじにおいて、弟切は、主人公の娘がひどく怖がって、ガクガクブルブルしながら墓場を通り抜けようとしていることを明記すべきでした。  で、Mさんもとんびの羽根さんも、共感すべき主人公がまったく怖がっていないと思っていたため、冒頭の夜の墓場のシーンは怖くないと考えたわけです。  ところが弟切は、お二人の反応を見て、「夜の墓場が怖いなんて感じるのは、私だけなのかな? 墓場というのは、もはや怖さを感じさせるにはアナクロな道具で、現代の大部分の人にとっては現実味がないのかしら」と誤解してしまいました(^^;;  この二重誤解がなければ、弟切は、「少なくとも前半の墓場のシーンは残して、手直しすればこの話は使えるはずだ」と気がついたでしょう。すべてはあらすじの書き方が下手で、かつ話を見切る能力がない弟切自身の責任です(-_-)  とりあえず、話を途中で放り出す原因の一端が探れただけでも収穫でした。遅々とした歩みでも、少しずつ進んで行こうと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- うーん。 No.6507 投稿日 2003年4月29日(火)10時35分 投稿者 羽矢野  私は同年代の中では、無駄遣いをせずにお金をちゃんと貯めてると思っていたけど。  全然足りないや。  本当にみんな、自分の稼ぎだけで結婚費用出してるんだろうか?  車一台分じゃ全然きかないや。 ●青葉さん  句読点の方には何も触れてないけど、よかったかな? >>息を切らしてることの方が重要……なのですか?  うーん。  これを決めるのは、青葉さんしかいないです。  一文ずつの重要な部分を決めるのは、作者でしょ?  ただ、読み手にはそう伝わらなかったというだけ。  じゃあ、何故、息を切らしているという方が重要だと私が思ったのか? っていうのを、説明します。 >>高校の制服である、くすんだ緑のブレザーの胸元が激しく上下している。  青葉さんはこの文章で重要なのは彼女が高校の制服であること。そしてそれが、くすんだ緑のブレザーであること。この二つを書きたかった。  でも、それだと文章が繋がらないので“坂道をのぼっていることだし、息を切らしているのを付け加えておけばいいだろ”ってことで、それを付け加えたって感じですか? >>胸元が激しく上下している。  これはおまけなわけですね。  私が読んだ部分で一番感心したのは、実はここだったのですが。  わからないものです。 1.この部分が描写だから  ここは私が読んだ中で唯一描写でした。  描写と説明の違いってわかりますか? >>彼女の胸元が激しく上下している。 >>彼女は息を切らしていた。  上が描写で、下が説明です。  これはちょっと難しいので、わからなくても気にしないでください。 2.服装の説明をする必要がわからない。  えっと、彼女がどんな服装だったのかを一文で説明する必要ってあるのかな?  ここまでの文章で夕方に坂道を上っていますね。  あと放課後とか、通学路とかいう情報を付加すれば、彼女が着ているものは制服に決まります。  平日で、夕方だったら少女の着ているものなんて特殊な事情がないかぎり、通っている学校の制服です。    それがブレザーで、くすんだ緑色をしていることは、別に後の文章の端にでも、上と同じような方法でくっつけていけばいいと思います。  まあ、上のような理由です。  小説の最初って大事です。  青葉さんの文章が面白いのかどうか。読者はそれを見ています。  読むという行為は労力がいるので、読者は読まなくてもいい理由(面白くないと決定できるもの)を探しながら読んでいます。  自転車で坂道を上っているところから始まって、読者は“何故”かを早くしりたい。それなのに、制服の説明なんて入っていたら、もう。読者は喜んでポイですよ。   -------------------------------------------------------------------------------- 世間は黄金週間らしいですね No.6508 投稿日 2003年4月30日(水)00時30分 投稿者 弟切 千隼  まだ連休に突入しておらず、今日も仕事だった弟切です。  用があって街中に出て、「今日はずいぶん人通りが多いなあ?」と思っていましたら、今日は祝日でしたっけね。自分が休みではないので忘れていました(笑)  友人Mさんから指摘されたことを基に、「弦月の夜」最初期版に戻って話を考えてみました。  Mさん曰く、「怖くさせたいんだよね? 夜の墓場が怖いなら、そこから主人公を出さなきゃいいじゃん」ということで、最初から最後まで夜の墓場が舞台の話を作ってみました。仮題で「遠い夜明け」としておきます。  以下にあらすじを上げておきます。字数は考えずに書きました。 「遠い夜明け(仮題)」あらすじ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  舞台はルネサンス期ヨーロッパ、またはルネサンス期ヨーロッパ風異世界である。  一人の若い村娘が、夜、自分が村の墓場にいることに気づく。彼女は自分がなぜこんなところにいるのかわからない。星明りしかない墓場に独りでいるのはたいへん怖いので、早く抜け出そうと墓場の中を歩き回る。しかし、なぜかどうしても抜け出せない。  そうしているうちに明かりが見えたので、娘がそちらへ行ってみると、灯火を手にした一人の男がいる。それは彼女が顔見知りの僧侶―ヨーロッパ風社会なのでキリスト教か、それに近い雰囲気の宗教の僧侶である―だった。  彼女は助かったと喜び、僧侶に駆け寄るが、僧侶は厳しい様子で娘を拒絶する。愕然とする娘に対して、僧侶は一つの墓石を示す。そこに刻まれた名前が自分のものであることに気づき、娘は自分が既に死んでいることを思い出す。  僧侶は、若いまま死んだ娘がこの世に執着しており、幽霊となっているのを知って、鎮魂の儀式を行なうためにやってきていた。娘が墓地から出られなかったのは、彼女のような死霊が生きている人間の領域を侵さないように、墓地の周囲に結界が張られているからだった。  娘の幽霊は、僧侶の鎮魂の儀式に従って姿を消す。しかし、彼女はこの世への執着が断ち切れず、翌日の夜もまた幽霊となって墓場をさまようのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6509 投稿日 2003年4月30日(水)01時40分 投稿者 羽矢野 >>「遠い夜明け(仮題)」  また最初に戻ってるけど。(あらすじじゃなくて、問題が)  怖がらせたいんですよね?  それなのに、転で『実は彼女は死んでいたのだった』とするのは、何故?  それによって、読者の恐怖が何か増したりするのかな?  そんなことをしたら、そっちが中心になって、話がホラーにならないと思うのですが。  お話は、面白そうだと思います。  でも、恐怖を楽しむ作りにはなっていないですね。  これは“驚き”を楽しむ作りです。  その前に、そもそも何がしたいの?  やっぱりわからないです。  弟切さんがやりたいのは『墓場でビクビクする女の子』なの?  それに共感した読者は、同じように恐怖を感じてくれるはずだから、それでいいの?(実はそれに対しては反論があったりするのだけれど)  恐怖映画に墓場や幽霊といったものが多いのは、何故だろう?  例えばそこに肝試しとかにいった怯えた女の子を見て、こっちも怖くなるのは何故だろう?  それは自分が墓場に夜に出かけていった思い出が蘇って、共感するから?  『そうだよ、夜の墓地って、怖いんだよなー。わかるわかる』  ……本当に、そうなのだろうか?  私が怖いのは、怯えている女の子が見ている闇の中から、何か出てくるかもしれないから怖いのだ。  女の子が感じている恐怖と同じものを自分も感じているから怖いのだ。  共感とは、気持ちがわかるからという事ではなくて、同じ気持ちになるから怖いのだ。 その辺が、なんかずれてる。  子供の頃、恐怖映画を見たあとは、夜トイレに行けなかった。(実家は田舎で、トイレが外にあった)  それは一体、何故なんだろうね?  どうしていつも行けていたものが、その日は行けなくなってしまったんだろうね?  まず“女の子は夜の墓場に行けば、怖がって当然だ”なんていうヌルイ考えを捨てた方がいいです。(なんか、そういう安易な思考で作ってるように見える)  どうして怖いのか?  それをちゃんとしましょう。  幽霊は、なぜ怖いの?  それはライオンや熊が目の前に現れたときとは、違う怖さなの?  殺人鬼だったらどうなの?  天災だったら?  まだ、弟切さん自身が混乱しているようなので、簡単に。 >>星明りしかない墓場に独りでいるのはたいへん怖いので、早く抜け出そうと墓場の中を歩き回る。  あらすじ、一個だけつっこむと。  恐怖を扱う話にするんだと自分で言ってるのに、例えあらすじでも“怖い”なんて書いてしまうのはどうかと。  正直、そこまでいうのは早いかと思うのですが。  弟切さんは自分の書いたあらすじだと伝わらないと悩んでいるようなので、ちょっと指摘してみました。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 読者の記憶に残るのは何か No.6510 投稿日 2003年4月30日(水)06時09分 投稿者 はせがわみやび  ども、おひさしぶりです、みやびです。 >読者の印象に残るのは何か  ううむ。  「説明(データの羅列)は記憶に残らない、描写しましょう」  とゆーのは、口をすっぱくして言ってきたつもりだったのだが……。そーか、みんなその意味するところは頭に入ってないんだなあ。    羽矢野さんの言っていることは、ようするに──    ・説明よりも描写のほうが印象に残るものだ。  だから、  ・説明と描写があったら、描写していることのほうが重要だと読者は認識するものだ。  とゆーことなんだけど。  登場人物が「くすんだ緑のブレザーを着ている」ことが一番重要だったら、そっちを描写しなさい、ということです。  さらに、息を切らしていることは重要ではないのだから、描写してはいけない。とゆーか、重要でないのだったら、書かないほうがいいかもしれないですね。  えーと。  読者の記憶に残したいって思うときは、ですね。  1)重要で読者の記憶に残したいことは、説明しないで描写すること。  あんど、  2)1)の近くで、重要でないことは描写「しない」(もしくは書かない)こと。  印象ってのは、あとから上書きされるものなんですね。  この場合は、「胸元が激しく上下する」なんていう印象的な描写が、制服の説明の後に来ている。  制服の説明は、その次の胸元の描写の鮮烈な印象に打ち消されてしまって、誰も覚えてない(^^;  最低限の修正で直すのだったら、せめて順番をひっくり返すことかなあ。   1)原文 ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。高校の制服である、くすんだ緑のブレザーの胸元が激しく上下している。 ----------------  これを、こうする。 2)印象が打ち消されないように順番をひっくり返す。 ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。胸元が激しく上下している。豊かな胸がはじけないよう押さえているのは、高校の制服である、くすんだ緑のブレザーだった。 ------------------  以下、こんな風にもできるかな。 3)印象が打ち消されないよう、描写を説明に置き換える。 ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。高校の制服である、くすんだ緑のブレザーを着て息を切らしている。 ---------------- 4)印象が打ち消されないよう、描写を説明に置き換える。&順番をひっくり返す。 ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。息を切らしている。上下する胸を押さえているのは、高校の制服である、くすんだ緑のブレザーだった。 ---------------- (うーん、「高校の制服である」は、いらないかなあ) ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。息を切らしている。上下する胸を押さえているのは、くすんだ緑のブレザーだった。 ---------------- 5)重要でないほうは描写しない。重要なほうは、もうちょっと印象に残るようにしてみる ----------------  竹宮沙倉は自転車で坂道をのぼっていた。羽織ったブレザーが夕焼けの中で黒一色のスーツに見える。ほんとは、くすんだ緑という渋い色合いなのだけれど。 ----------------    うー、夕焼けの中のくすんだ緑のブレザーを印象に残せって? これは泣ける課題だなあ。  描写ねえ、描写。ううむ。くすんだ緑のブレザーを描写しろと……、くすんだ緑って、真夏の沼の色、とかしか思いつかないー。  ★  ちなみに、ですね。  息を切らしていることと、くすんだ緑のブレザーを両方描写したとしましょう。  どちらのほうが印象に残るかといいますと、「息を切らしていること」だと思われます。  「動きがあるから」。  つまり、印象に残るっていうのを順位付けすると、   印象が弱い←              →印象が強い  「説明」……「静的なものの描写」……「動的なものの描写」  となる。  ようするに、変化があるもののほうが印象が強い(注、個人ごとの経験や嗜好の差は考慮していない)。 1)単なる説明よりも、描写のほうが印象に残りやすい。 2)描写の中でも、動いているものの描写のほうが印象に残りやすい。  それは、そうだろう。  動いているもののほうが危険だからね。     人間を生物として考えてみて、じゃあ、ヒトにとって重要なのは(注意しなきゃいけないものは)なにか、って考えてみればわかる。  変化って、生物にとっては、気を配らなきゃいけないことなんですね。  だから、注意をひきつけたいときは、なんでもいいから動かせ、と(笑) (注:静的なものの描写のほうが得意、とかの作家ごとの個人的な資質は脇に置いてあります)    で、さらに。   3)動いているもののなかでも、一定の動きのものよりも、どこかに「転」がある動きのほうが印象に残りやすい。めりめりめりめり、ばきん! みたいな。  自転車がひとつあったとしますね。  その自転車を記憶に残したければ──、  スペックをだらだら書くより、走らせましょう。  走らせることに成功したら、走らせるだけでなく、転ばせるなり、パンクさせるなり、宙を飛ばせるなり(笑)、しましょう。  いやまあ、せめて、カーブを曲がらせてハンドルを切るとか、前に立ちふさがったひとを慌ててよけるとか(^^; でも、いいですけど。  そのほうが、印象に残ります。  ──とゆーことです。 みやび@弟切さんや巻島さん宛てを書く余裕がないー。しくしくしくだよー。 -------------------------------------------------------------------------------- つけたし No.6511 投稿日 2003年4月30日(水)06時31分 投稿者 はせがわみやび  むむ? >>世界最後のラブストーリー >青葉さん  最初の数行を読んでみたんだけど。  自転車でもって全力で坂をかけのぼった(胸が激しく上下するほど)場合、到着直後に、ふつうに大きくため息って付けるもんかなあ?  なんか、こう、自転車を止めた直後に、「全力疾走がたった今、終わりました感」がないぞ?  呼吸が荒れているわけでも、胸がどきどきしているわけでも、汗が滴り落ちているわけでもないしなあ。  うむむ。「胸が激しく上下」を、ブレザーを書くためって書いちゃうのは、だからかあ(^^; 今のままだと、主人公の女の子、鋼鉄の心臓に見えちゃいますよ?(^^; みやび -------------------------------------------------------------------------------- おわったー No.6512 投稿日 2003年4月30日(水)17時35分 投稿者 紫ゆきや  ハイスピ、一回目書き終わりました。これから自主リライトします。  改めて冒頭部分を読み返すと……いや、つまんないですねー(^^;  なんで、こんなに要らないことをダラダラ書くのかと、数ヶ月前の自分を問いつめたい気持ちでいっぱいです。 ●羽矢野さん  貯金ありませんねー。車一台ぶんの借金ならあります(^^;  結婚資金は、親か銀行に借りるひとが多いみたいですね。 >小説の中ででてきた設定、人物、小物にいたるまで、すべてには意味がなければならない。ないなら、使ってはいけない  肯定です。そのとおりだと思います。  ――ただし、「意味はあるけど、代替はできる設定・人物・小物もある」というのはOKですよね?  要するに、マクガフィンなわけですが。 ●青葉さん  やはり電子辞書はもっておいたほうが、何かと便利かと思います。  ――羽矢野さんや、みやびさんの指摘は、簡単そうに難しいことを書いています(^^;  いきなり理解するのは、大変かもしれません。  まずは、複文をなくしたバージョンを作ってみてはいかがでしょうか?  冒頭2ページぶんくらいで充分でしょう。  その2回目に書いたものに指摘をもらって3回目を書くほうが、効率がいいと思いますよ。  重要なのは、「納得いくまで書き直しつづけること」です(アマチュアならでは、ですねー)。  長編一本書くと、冒頭より結末部分のほうが読める文章になっている――なんてのは、よくあることらしいです。  今、ふつうにリライトするだけでも、ずっと良いものが書けると思いますよ。  がんばってください。  ――できれば、リライトぶんは、課題部屋にUPしてもらえると見やすくてイイカンジです。 ●遠い夜明け  羽矢野さんに反論してみる >このあらすじでは、怖い話にならない?  そんなことはないでしょう。  「墓場に迷いこんだ女の子」は、じゅうぶんに怖いシーンにできるはずです。 >恐怖を楽しむ作りになってない?  実は死んでいた――というのは、書き方しだいでホラーになると思いますよ。  むろん、驚きも強いでしょうけども。  それと、転の部分で「驚き」のほうが強くなっちゃったとしても――だからといって「恐怖を楽しむ作りになっていない」と言うのはどうでしょうか?  羽矢野さんは、起承転結のうち、転だけが作品の面白さの全てだと思いますか? >怖いと書いてはいけない?  私は良いと思いますよ。わかりやすいですし。  むしろ、なぜダメなのかがわかりません。  怖い話ならば、「――を怖がる主人公」みたいに明確に書いておくべきだと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 伝言 No.6513 投稿日 2003年4月30日(水)17時42分 投稿者 紫ゆきや  温泉OFFのときに、新木さんがハイスピのあらすじをリライトして下さり、今朝、それを送っていただきました。  そのときの会話で、巻島さんと、弟切さんへの伝言を預かりました。 ●巻島さん  夏くらいの完成を目標にして、2本目の長編を書いてみてください。  その2本目が完成したら、1本目を直して。  1本目を直したら、2本目を直してみてください。  仕事のほうが忙しいので、すぐには無理ですが、ちゃんと読んでおきます――とのことです。 ●弟切さん  話を錬ることはできるようになっているので、次は本文を書いてください――とのことです。 -------------------------------------------------------------------------------- ●紫さん No.6514 投稿日 2003年4月30日(水)23時36分 投稿者 羽矢野 >>要するに、マクガフィンなわけですが。  これこれ。  電話じゃないんだから、特定の人しか読めないように書いちゃ駄目だってば。  “マクガフィン”は小説を書く人からすると一般的な用語になるかもしれないけれど、書き始めの人だとわかんないよ、きっと。  青葉さん宛にも“複文”とか書いてるし。(前から意味通じてるのか気になってた)  一応、専門用語出すときは、解説しておいた方が親切です。  確かに分室の過去ログ全部読めばわかるけど、それを理由にするのはいけないよ。 >>Mc・Guf・fin, Mac- /m_g_f_n/_n マ(ク)ガフィン《映画や小説などでプロットに真実味やスリルを与えるために取り入れた, それ自体はたいした意味のない(思わせぶりな)しかけ・小道具・設定》.[Alfred Hitchcock の造語; この名前が出てくるスコットランドの小噺から]  ちなみに、こんなの。  例を出すのが難しいなあ。  正義の味方が、悪者に盗まれた品物を取り返しにいく話があったとします。  その品物自体は、何でもいいですよね。  重要機密文章、特殊な鉱石、博士の娘、必殺武器の設計図。  どれでも、奪還するという話の本筋は変わらない。つまりそれ自体には、大した意味はありません。  ただこれをしっかりと決めると、リアリティが増したりします。  詳しくは、『久美沙織著の新人賞の獲り方おしえます』に載ってます。確か。(今手元にない)  意見については、肯定。  一番良いものを選ぶ努力が必要だとは思うけれど。 >>「墓場に迷いこんだ女の子」は、じゅうぶんに怖いシーンにできるはずです。  だーかーらー。  な・ん・で、できるはずなのかを書いてくれ。  または、私の意見のこの部分がおかしいとか言ってくれ。  前も言ったが、これだと議論にならないです。  ちなみに、ここが怖くないというか……。  怖い話だと言っておきながら、怖い部分がここしかないけど、いいの?  しかも、その怖さってメインになるくらい怖いわけでもないし。  ってのに近いかも。 >>羽矢野さんは、起承転結のうち、転だけが作品の面白さの全てだと思いますか?  んにゃ。  これに対しては、反論。  言いたかったことは「実は主人公は死んでいた」なんてのは、仕掛けとしては大きすぎるということ。  こんなの使ったら、墓場でビクビクなんてのは、吹っ飛びます。  読者が欠片も憶えているとは思えない。  映画『シックスセンス』は見ました?  あれを人と話すとき、何から入ります? 「主人公が、幽霊だったなんて、ビックリ」  じゃない?  私は、実はテレビ放送された後に友人や同僚相手に実験した。(シークレット・ミーンで同じように問題になったときからやろうと思ってた)  結果は「あの主人公が幽霊なのって、いつ気づいた?」でした。  率は、そんなに映画オタクがいないこともあってか、何と100%。  全員、そこから話した。(まあ、10人たらずだけれど)  つまり、余りにインパクトのある部分があった場合、他のことなんて記憶に残りません。  だから、怖がらせるのが目的なら、あんな仕掛けはよくないと思う。 >>怖いと書いてはいけない?  言葉を濁しすぎたかな。  「たとえあらすじでも、物語の最重要部は、描写しなくてはならない」  ってことが言いたかったんだけど。 >>むしろ、なぜダメなのかがわかりません。  読者に恐怖を感じてもらうと作者が言ってるあらすじで“ここで主人公は恐がりました”なんて書いてあったらダメでしょう。  怖いなんて書いてあったら、それは怖いと説明できてしまうくらいの怖さしかないという意味だ。  ってか、私は怖いって書いてあった時点で怖くないと判断したけど。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 高く泳ぐや鯉のぼり No.6515 投稿日 2003年4月30日(水)23時55分 投稿者 弟切 千隼  もうじき端午の節句ですね。我が家の近所でも、いくつもの鯉のぼりが風に泳いでいます。  最近は一戸建ての家が少なくなり、大きな鯉のぼりを上げるための柱を立てられる家は珍しくなってしまいました。それでも子供の健やかな成長を願う親心は変わらないと見えて、マンションのベランダに小型の鯉のぼりが上がっているのをよく見かけます。 >>「遠い夜明け」(仮題)あらすじ  羽矢野さん、紫さん、御指摘ありがとうございます。  話の筋や基本的な設定には壊れたところがなく、やっとまともなあらすじになったようですね。基本の「き」であるたったこれだけのことができるようになるまで、弟切はずいぶん時間がかかってしまいました(;_;)  No.6501とNo.6503の書き込みで『わたしは真吾』の分析をした時に述べたように、あらすじだけでは、必ずしも怖い話になるかどうかは確定できません。「怖い話にすることができそう」という程度の感触があれば、あらすじとしては充分だと思います。 >あらすじで「怖がっている」と書くのはベタすぎ?  主人公が夜の墓場で怖がっていることを、あらすじではっきり書いてしまったのは、そうしないと通じないことを身をもって知ったからです。  No.6496のとんびの羽根さんの書き込みを読み返していただければわかるとおり、主人公が怖がっていることを書いていない「弦月の夜」最初期版を読んで、「夜の墓場を独りで歩くなんて、主人公は豪胆な娘に違いない」と誤解してしまった方が現にいらっしゃいます。No.6506で私が書いた >>あらすじの段階では、特に書いていなければ、登場人物は平均的な気質や性格の持ち主であるというのが暗黙の了解ではないでしょうか。 というのが「一般に通じない個人的常識」であることが証明されましたので、弟切は主人公が夜の墓場を怖がっていることを明確に書きました。  小説の本文でしたら、怖がっている娘を「怖がっている」とそのまま書くのはベタすぎです。ほとんどの場合はNGです。  けれども、あらすじは小説の本文ではありません。あらすじで怖がっていることを「描写」なんてしたら、それはあらすじにはならないでしょう。話の筋を簡潔に「説明」するのがあらすじですから。 >恐怖よりも驚きを楽しむ作りになっている?  驚きにも、嬉しい驚き、悲しい驚き、腹立たしい驚きなど、いろいろな種類がありますよね。  例えば、仲のいい友人から突然「結婚する」と聞かされた時の驚きは、嬉しい驚きでしょう。仲のいい友人が突然死んだと聞かされれば、悲しい驚きを感じるでしょう。自分が留守をしている間に家に泥棒が入ったと知れば、腹立たしい驚きを感じるに違いありません。  多種多様な驚きの中には、「恐怖を感じる驚き」というのもあると思います。これから先もずっと人生は続いていると信じ、あれをやろう、これもやろうと思っていたのに、実は自分は死んでいて、そういう未来が断ち切られていると知った時の驚きは、「恐怖を感じる驚き」ではないでしょうか。  弟切は、「遠い夜明け」において、このような「恐怖を感じる驚き」によって読者さまを楽しませたいと考えました。こういう作品は、読者さまに恐怖を楽しんでもらう作品のうちには入らないでしょうか?  これが実現できるかどうかは、あらすじを組み上げる能力があるかどうかによるのではなく、演出力や描写力があるかどうかによるでしょう。ここまで来たら、本文を書いてみて検証するしかないと思います。 >夜の墓場はなぜ怖いか?  発想の発端は、「ホラーだったら定番の一つとして墓場だろう」というところにありました。けれども、実際に採用するに当たっては、なぜ夜の墓場なのかはちゃんと考えています。  まず、夜であることがなぜ怖いかといいますと、夜は暗いからですね。視覚的動物である人間は、視覚が利かなくなる暗闇を本能的に恐れます。  暗闇、ひいては夜を恐れるというのは、ほぼ全人類に共通の感情のはずですから、人々を怖がらせて楽しませようという作品にこれを利用しない手はありません。  舞台を現代日本ではなく、ルネサンス期ヨーロッパもしくは異世界とした理由の一つも、暗闇を確保することにあります。現代日本では、夜でも本当に真っ暗な墓場というのは珍しくて、「闇の怖さ」を使いにくいのです。  次に、墓場がなぜ怖いかといいますと、そこには死体が埋まっているからです。なぜ死体があると怖いかといいますと、ヒトを死体にした原因が近くにあることを感じさせるからです。  闇と同じように、ヒトはヒトの死体を本能的に恐れます。けれども、実はこれは死体そのものを恐れているのではなくて、死体を作った原因を感じて恐れています。  例えば、肉食獣に襲われて死んだヒトの死体だとしたら、当然その近くにヒトを殺した肉食獣がいるはずです。そこに別のヒトがいれば、そのヒトも肉食獣に襲われる確率が非常に高いです。  また、疫病で死んだヒトの死体があれば、当然その場所は疫病の流行地帯ということになります。そこに別のヒトがいれば、そのヒトも疫病に罹る率が高いです。  このように、死体の近くにいると自分も死んでしまう確率が高いことを、人類は人類でなかった頃から学んできました。よって、死体を恐れて遠ざかるという本能を発達させて、生き残ってきたわけです。  では、幽霊はなぜ怖いのでしょう?  一つには、幽霊が死体を連想させ、ひいては死体を作った原因を感じさせるために怖いのでしょう。  もう一つは、幽霊が正体不明なものであるから怖いということがあります。実体がないのに姿が見え、現われたり消えたりし、通常の人間ではあり得ない速度で移動したり、空中に浮かんだりします。なぜそんなことができるのか、誰も説明できません。  正体不明であるということは、何をするかわからないということで、そういう存在からは恐れて遠ざかろうとするのが普通の人の態度でしょう。  新木さんから「本文を書いてください」という伝言をいただきましたので(紫さん、伝言ありがとうございます)、「遠い夜明け」のあらすじにこれ以上特に問題がなければ、プロット作りに進みます。 個人的に、羽矢野さんへ >  ちょきんってなんですか〜? それってたべられますか〜?  というのは置いておきまして(笑)、結婚にお金がかかるのは、ひょっとして、羽矢野さんがお住まいの地方にも原因があるのではないでしょうか?   羽矢野さんがお住まいの愛知県は、冠婚葬祭が派手なことで有名ですよね。弟切も愛知県内に親戚がいるので、実感しています。もしかしたら、羽矢野さんや羽矢野さんのお相手の方が「このくらいが普通」と思っていることが、他の地方では全然普通ではないということがあり得ます。  もし、OFFでお会いする機会がありましたら、その辺りの実態をこっそり聴かせて下さい(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- >No.6515 弟切さん No.6516 投稿日 2003年5月1日(木)02時01分 投稿者 とんびの羽根 >>これから先もずっと人生は続いていると信じ、あれをやろう、これもやろうと思っていたのに、実は自分は死んでいて、そういう未来が断ち切られていると知った時の驚きは、「恐怖を感じる驚き」ではないでしょうか。  これは怖くないんですが。  生きていると思っているから、死ぬのが怖いのであって、  すでに死んでいるという認識があったらもう怖いものなしです。  逆に言うと幽霊が自分で恐ろしいと感じるのは、自分はまだ生きていると思っているからです。  刺し殺された時の痛み、毒を盛られてたときの苦しみ、火あぶりにされたときの苦痛、首を絞められたときの激痛から逃れることができないまま、いつまでも現世に止まっているのが幽霊の典型です。  これに対して浄化する、成仏させるというのは、死者がすでに死んでいることを納得させ、死んでいるからにはすでに苦しみはもう存在しないことをつげて、安楽の地である天国、楽土へ向かうようし向けるわけです。  仏教であれ、キリスト教であれ、苦しく恐ろしいのは現世であって、神仏に帰依して死ねば永遠の安楽を約束しています。  中世なんですから、庶民には楽しみは少なく、苦しみは多いのです。生きている今は苦しいけど、死ねば愛しい人たちと永遠を生きることができるというのが、唯一の希望です。  一方あらすじからボツになってしまった領主の息子ですが、彼の方は庶民の犠牲の上で、あるいは策謀をはりめぐらせて、楽しいことを知り贅沢をして生きているわけで、死ねば地獄に落とされるおそれが強く、死への恐怖もはるかに強いでしょうね。  中世の庶民の娘が 「これから先もずっと人生は続いていると信じ、あれをやろう、これもやろうと思っていた」 というのは残念ながらリアリティが有りません。  彼女は幼なじみやら、幼い弟などが次々と死んでいくのを見てきたはずです。「明日は自分が死んでるかもしれない」というのが日常なんです。死なんてありふれているわけです。  でもやはり死ぬのは怖いでしょう。  苦しみながら、死にたくはないでしょうし。地獄には落とされたくないし。死神や悪鬼には取り憑かれたくない。  それが、もう自分は死んでいるとわかってしまったら……  こんな状態でなにが怖いのか、わたしには皆目分からないんですけどね。  僧侶が現れてさあ天国へ行きなさい、って引導を渡してくれてるんです。  彼女はなにを恐れているのでしょう。 >>「弦月の夜」最初期版を読んで、「夜の墓場を独りで歩くなんて、主人公は豪胆な娘に違いない」と誤解  うんにゃ、わたしは誤解なんてしてません。  駆け落ちするために夜の墓場を独りで歩き、怪しげな儀式をおこなう友人を冷静に認識でき、男が来るのを待たずに自分から男の館に忍び込むような娘は剛胆です。誤解してるのは弟切さんの方ですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6517 投稿日 2003年5月1日(木)04時42分 投稿者 はせがわみやび  ども、みやびです。  わたしは、ルネッサンス期ヨーロッパの墓場で娘がうろうろなのは、とても見たいです。本文を書いて、見せて欲しいなあ。  このまま書いてみましょう。   ★  みんな、「ホラーは、ネタより語り口」っていう一面を知らないんだなあ★ みやび -------------------------------------------------------------------------------- レス不要 >弟切さん No.6518 投稿日 2003年5月1日(木)08時12分 投稿者 とんびの羽根  反論もあるかと思いますが、とりあえず先に進みましょう。  僧侶との対決も興味深いし、  除霊されてるのに、また復活しているあたりも面白そうです。  書いて、描いて、怖くしていきましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- お知らせ No.6519 投稿日 2003年5月1日(木)10時37分 投稿者 弟切 千隼  弟切は本日より静岡の実家へ帰省します。神奈川に戻るのは四日の夜になる予定です。今回はノートPCを持ってゆく予定なので、ここを読むことは可能でしょうが、諸般の事情により書き込みをする余裕はほとんどないと思います。  「遠い夜明け」(仮題)のあらすじは課題部屋にも上げておきました。これ以上あらすじをこねくり回すより、先へ進んだほうがよいという御指摘を受けましたので、プロットへと進みます。  では、静岡へ帰ってお気に入りの粽[ちまき]と柏餅を食べてきます(結局食い気ですかい > 私(^^;) -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず状況報告など No.6520 投稿日 2003年5月2日(金)01時57分 投稿者 巻島翔史  こんちは。  関西方面の黄色いチームが春の珍事モード全開のなか、みなさまいかがお過ごしでしょうか。  ……まあ挨拶もそこそこにして、本題入ります。 はせがわさん(6461)> >>でも、戦闘場面はぜんぶ書き直しかなあ(^^; >>なにが起きてるんだか、よくわかんないんだもん(^^;  ……うん。  実は書きながら、「俺はなんてアクションがヘタクソなんだ!」と叫んでました。  ただ、当時はどうしたらうまく書けるかがわからなかったので、結局、力で押し切ってしまいましたが。  とりあえず、カメラワークが直す余地だらけなのはわかっています。俺はアクションはまず俯瞰視点で全体を把握しないと書けないらしく、しかし実際に読ませるときには俯瞰のアクションなど見せてもどうしようもないわけで。そこの修正ですね。あとは動きのなかでどこに注目していくかという意味の、視点移動。  それ以外に、そりゃまずいぜって点があればお願いします。 紫さん>  新木さんの伝言どうもです。  で、その指令に対する返事ですが。(新木さん、ここ、見てはいるんですよね?)  言われるまでもなく次の執筆にかかっております。というか、ひと月も恒常的に書き続けると、なかば強迫観念めいて書かんならん気が起きてきてしまって、筆が止まらなかったのです。  ただ、今回は習作ということを意識して書きたいので、応募規定の範囲に入るような形の長編は避けました。理由は、枚数が応募規定範囲に入ると、くじ引き感覚的なしょうもない欲が出そうだから(苦笑)一種の自律行為ですね。  まあ新木さんの二作目書けとの言葉は、おそらくクロッシングから意識をいったん離す必要性がある、という意味で言われているのだと思うので……意図としてはけっして間違ってはいないと思います。長編でなくても。  ただ、いま書いてるの。当初の予定では100枚前後ぐらいになるかなと考えていたんですが、どっこい最初の章で約20枚予定のところ43枚もいきまして。最終的には200枚弱になるんじゃないかと思います。  ちなみに一応言っておきますが、これリライトする気はちゃんとありますからね。習作というのは俺の場合、リライトの習練も含めた意味での『習作』です。 羽矢野さん>    お久しぶりです。それから、ご結婚おめでとうございます。  まさかこの掲示板で結婚報告をする方が出るとは思いませんでした。 (でも、考えて見れば、みんなべつにそういう報告があってもおかしい年齢じゃないんだよな……)  指摘の調子もブランクを感じさせず鈍ってませんし、これからまた豪腕を発揮すること期待してます。  ……なんか軽い偏頭痛がします。俺の頭痛はいつもきまって左側に起きるんですが、これってなんで偏るんでしょうね。 -------------------------------------------------------------------------------- 結婚って No.6521 投稿日 2003年5月2日(金)11時16分 投稿者 羽矢野  式は、今年の11月になりそう。  分室の参加者の人だとほとんど謎な儀式である、結婚。  ネタと、今度の参考? のために。  いや、洒落にならないくらい、お金がかかる。  弟切さんが言うように、地域ってのが関係する部分もいろいろあったり、あと長男ってのが関係する部分がいろいろあったり。  私と同じように結婚考えてる方がいるかもしれないので、ちょっと脅しておこうか。 1.結納 2.指輪(婚約指輪・結婚指輪) 3.結婚式(挙式+披露宴) 4.新居(アパート代。敷金、礼金等) 5.家具、電化製品(新居に入れる生活用品)  大きく分けると、これだけいる。(具体的な数字は、OFF会へ参加できたときにでも。聞きたいならだけど)  全部足すと、もう泣けてきます。  働きだして十年以上、一生懸命貯めたお金をすべて出しても足りない。  人の世界で通常に生きるのは、それだけで大変だということでした。 ●みやびさん >>みんな、「ホラーは、ネタより語り口」っていう一面を知らないんだなあ  紫さんと話していて、やっぱりそういう話になったのですが。  弟切さんも言われているように、あらすじで怖くなくても、読むと“ものすげーこえー”って作品は多い。というより、そっちの方が多いのか。  これは、やはり“語り”にあるものなのでしょう。  ということは、ホラーを書く場合に必要なのは、作者の明確なビジョンということになる。  ということは、怖いかどうかという部分で指摘をするというものではないのだろうか。 外部から明確にわかる部分(指摘可能な部分)はどういう部分になるのでしょう。 ●弟切さん  本文頑張ってください。 >>一つには、幽霊が死体を連想させ、ひいては死体を作った原因を感じさせるために怖いのでしょう。 >>もう一つは、幽霊が正体不明なものであるから怖いということがあります。  これは雑談なんですが。  上の理由はよくわかりません。  これは、中世とか限定かな? 現代だと幽霊を見て『あの幽霊はどうして死んだんだろう? 近くにいたら、その死と同じ原因で自分も死んでしまうかもしれない』なんて思いませんよね。  私は幽霊って怖いです。  その理由は正体不明だから。もっというと取り憑かれたり、呪われたり何かしら自分に害や、ひどい時には死をもたらす“かもしれない”存在だから。  その恐怖って、銃やライオンとどこが違うのか?  それは“かもしれない”ってところ。幽霊とはまだ存在が何か確定していない。  昔の人がウイルス知らなくて疫病を恐れるのと同じ恐怖。  もしも幽霊の存在が科学的に証明され、それが信じるに値するもの(それこそ、ウイルスみたいに)だったら、また別の恐怖になると思います。(ひょっとすると、恐怖の対象じゃなくなるかも)  とかわかりにくいことを延々と書きましたが。  ようは、同じ幽霊でもなぜ怖いのかってのは、時代背景、個人、思想等によっても違う。  それをちゃんと書いてあると、面白いだろうなと難しい注文をしてみたのでした。 ●巻島さん  おひさしぶりです。  そうそう。訊こうと思ってたんだけど。  みんなOFF会とかで指摘やってるみたいなので、誰もここに具体的に書いてないんだけど。  長編の指摘って、やった方がいいのかな? -------------------------------------------------------------------------------- 書き込みのペースが追いつきません…… No.6522 投稿日 2003年5月4日(日)19時05分 投稿者 青葉桂都  アルバイトに慣れたら(もしくは、試用期間のうちにやめさせられたなら)もう少しマシになるかと思うのですけれど。  バイトをはじめる前はわかっていなかったのですが、働きながら毎日確実に書き込みされている皆さんはすごいと思いました。 >羽矢野さん >> 句読点の方には何も触れてないけど、よかったかな?  句読点は強調したいものの前に付ける……と認識したのですが、それで問題ないでしょうか?  それでよろしければ。 >>1.この部分が描写だから  ええと、この30行の間に、一つしか描写になっているものがないんですよね? そんな状態の人間が、描写と説明を使い分けられるはずがないのではないでしょうか。自分で言うのは少々情けないですが。  描写がぜんぜんダメで、その一文だけ偶然にも描写になっていた……と、それだけの話であると考えるのが順当ではないかと私は思うのですけれど。  そして実際にその通りです。 >>2.服装の説明をする必要がわからない。  ええと、通学路でもなんでもないので書いているのです。  それにこのシーンが現実の世界であるという説明は出てきていません。また、異世界に移動する話ですから、以降のストーリーで最初のこの世界は登場しません。  その後ほとんど必要のない情報に行を割くよりも、人物の説明をするほうがいいと思うのですが……。 >> 自転車で坂道を上っているところから始まって、読者は“何故”かを早くしりたい。それなのに、制服の説明なんて入っていたら、もう。読者は喜んでポイですよ。  この部分がよくわからないので質問です。  つまり、読者はキャラクターが登場しても、それがどんなキャラクターであるかは特に知りたくないと、そういうわけでしょうか?  もしそうなのでしたら、このシーン一つまったく不要なのですが……。  ただ、彼女の人物像を把握してもらえないことには話が始まらないので、説明しないわけにもいかないです。 >はせがわみやびさん  ……だいたい、おっしゃられていることは理解はできたと思うのですが……動きのある部分で重要なことは一つもないので、ちょっと困りました。  紫さんのおっしゃるとおり、まずはリライトしてみることにいたしますので、その際に考えてみようかと考えています。  全力疾走の後に見えないのは、ええと、私があんまり全力疾走しないからだと思います。  学校から帰る際に、バスに遅れそうなときにたまにしていたくらいでしたので……。そうですね、ため息つくとしたら深呼吸を数回してから、ですね。 >紫さん  電子辞書は、アルバイトが順調に続くようならそれで買おうと思っております。  今すぐ買うにはちょっとお金がありません。  まずは休みの日にでもリライトをやってみようと思います。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- ●青葉さん No.6523 投稿日 2003年5月4日(日)22時11分 投稿者 羽矢野 >>働きながら毎日確実に書き込みされている皆さんはすごいと思いました。  時間は、まだ何とかなります。  私はまだ未熟者なので、精神的重圧がかかってる状態だと、人様に見せる文章は書けなくなってしまうけど。(とほほ)  馴れると結構できるものですよ。  7:00に家出て0:00に帰って来る生活しても。(胃に穴くらいはあくけど。まあ、サラリーマンなら誰でもそうだし) >>句読点は強調したいものの前に付ける……と認識したのですが、それで問題ないでしょうか?  そういうことだけではないのだけれど。  違うよー。  そんな憶えかたをしちゃうと、困ったことになってしまう。  ではどういうことなのかと言うと。  ……。  上手に説明できる自信がないなあ。  私自身、完璧にわかってるなんて、とても言えないし。  誰か、わかりやすく説明できる人いますでしょうか。  だんだんニュアンス的にわかってくると思うので、焦らずここへの“書き込み”とかで意識してみるといいですよ。  とだけ。 >>順当ではないかと私は思うのですけれど。  ???  どういう意味なのかな? と疑問だったんだけど。  ええと、書いてある文章から、力量を見極めてほしいと。そういうことかな?  これは、難しいです。  読みとることがじゃなくて、どうやって書くかの方になってしまうけど。  知らないと判断して書くと『バカにしてる』ってとられてしまう可能性がでてきてしまう。  だから知っているという前提で書いて、それに対してわからないと返答や質問が返ってきたら説明するという形をとっています。  多分、私は好き勝手に書いてる印象をみんな(青葉さんがってわけじゃなくて)持ってると思うけど、結構気を使ってます。(ホントだよ) >>読者はキャラクターが登場しても、それがどんなキャラクターであるかは特に知りたくないと、そういうわけでしょうか?  他の質問(みやびさんのも含めて)を見て、基本的に小説って何を書くのかがよくわかってないのかなっていう印象を持ちました。  これは、わかっていれば書けるものではありません。  でも、心の隅にいつも置いておかなくてはいけないこと。  小説で書くことってなんでしょうか?  作者が書きたいこと?  必要だと思った情報?  違います。  小説に書いていいのは“読者が読んで面白いこと”だけです。  私の意見は『制服の“説明”なんて、つまらないから消した方がいい』  みやびさんの意見は『どんな制服かを書きたいなら、こう“描写”すれば面白くなる』  そういう意味です。  と言っても、多分わからないと思います。  バカにしてるわけじゃなくて、過去ログ読めば確かに書いてあるけれど、頭動かしてなければ身に付くはずがないから。(経験則)  毎日考えてると、ある日何かがキッカケで突然理解できます。  “そうかー”って。 >>彼女の人物像を把握  一個だけアドバイス。  これで、ちょっとでもわかったつもりになってもらえると、嬉しい。  把握はしてもらってる。  “主人公は坂道を自転車をこぎながらのぼる”  こういう少女です。  元気なんですよね?  性格も、明るくて積極的でしょう。大ざっばな属性もあるかな?  体力にも自信があるでしょう?  ほらほら。  自転車で坂道をのぼるあのシーンだけで、書かれてないことがこんなにも読みとれます。  あのシーンを読んだ人は、まさか病弱で、お淑やかとかいわないでしょう。  もしも主人公が、自転車をおりて、ゆっくりと坂道をのぼっていたら? それなのに、はあはあと息を乱し、何度も休憩してたら? 異常なくらい、汗がでてたら?  全然違う印象になるはずですよね。  これが、小説の面白さです。  つまり青葉さんは、主人公の性格を表す描写として、あのエピソードを書いているのです。(意識したしないは別) >>主人公は明るくて積極的な性格をしており、いつも元気で体力にも自信がある。  という説明を、主人公が自転車をこぎながら坂道をのぼるというエピソードで描写しているわけですね。  ただ残念なのは、それを一つの文章単位から見ていくと面白くないということです。  問題にしてたのは、そっちです。 >>彼女はドジでおっちょこちょいだった。  こう書きたいなら、 >>彼女は忘れた鞄をとりに家に走った。  こうしてみる。  鞄を忘れる = ドジ  ってことです。  他にも、ドブに片足がはまるとか。今度は鞄に教科書が入っていなかったとか。弁当を忘れたとか。    そうすれば、説明にすぎなかったものが、どんどん“動き”に変わっていく。  今度はこれをさらに細かく描写に変えていく。  これは、私がやっている方法だけれど(効率は悪いし、私が自分で考えただけのものなので、マネするのはオススメしない)。  動きににする方法なんて、いくらでも考えつく。  それを意識してリライトしてみるといいんじゃないかと思います。  当然、説明だと一行ですむことも、描写だと何行も必要です。  だから一番書きたいことを描写して、その他を説明にするとかします。(いや、ここまでは無理だけど)  頑張れ。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 粽を食べ忘れました(爆) No.6524 投稿日 2003年5月4日(日)22時38分 投稿者 弟切 千隼  故郷の静岡より戻ってきました弟切です。  帰省してすぐ、お気に入りの和菓子屋へ柏餅を買いに行こうと思ったものの、いろいろ用があって果たせませんでした。通りすがりに知らない和菓子屋を見つけ、そこで柏餅を買って食べたところが、まずくて不機嫌になりました(>o<)   しかし、翌日見つけた別の和菓子屋で買って食べた柏餅は、とても美味しくて幸せになりました。 >>幽霊を恐れる理由  今回は半ば雑談です。  人が幽霊を恐れる最も大きな理由は、羽矢野さんのおっしゃるとおり「正体不明だから」でしょう。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という句があるのを見ればわかるように、正体がわかってしまうと大概のものは怖くなくなります。  例えば、映画『十三日の金曜日』に登場する殺人鬼ジェイソンは、マスクをかぶっていて顔が見えず、台詞もなく、闇の中から鉈[なた]やチェーンソーを振りかざして人を襲います。一応ジェイソンは人間という設定になっているとはいえ、あのマスクのために人間離れした雰囲気になっていて、言葉も話しませんから普通に会話することもできません。人間の形をしているというだけで、正体不明の存在です。  あのジェイソンが、マスクをかぶっておらず、普通に会話もできる存在だったら、『十三日の金曜日』はあんなに怖い映画にならなかったでしょう。  『十三日の金曜日』と同じ頃に公開された『エルム街の悪夢』にもフレディという殺人鬼が登場しますが、こちらは顔を明らかにしていて、台詞もあり、会話による意思疎通ができる存在です。その分、フレディはあまり怖くないと弟切は感じました。  次回には、「遠い夜明け」(仮題)の簡単なプロットを出します。 -------------------------------------------------------------------------------- 結婚前に死んだ娘は、妖精や鬼神となってこの世をさまよう No.6525 投稿日 2003年5月5日(月)22時05分 投稿者 弟切 千隼 という伝説が、世界の各地に伝えられています。  例えばスラヴ民族の間には、結婚前に死んだ娘はウィリまたはヴィリと呼ばれる妖精になるという伝承があり、ウィリとなった娘は、夜ごと墓から現われて朝まで踊り狂うといいます。生きた人間がウィリに見つかると、死ぬまで一緒に踊らされることになるそうです。  この伝承は、古典バレエの傑作『ジゼルGiselle』の題材とされたことで有名になりました。ただし『ジゼルGiselle』の場合は、直接の題材はドイツの詩人ハイネが取り上げたオーストリアの伝説に因っています。  アジアでは、朝鮮半島に似た伝承があります。結婚前に死んだ娘は、「処女鬼神[チョニョクィシン]」となって一族の者に祟りをなすという伝承です。  「遠い夜明け」(仮題)のあらすじを作るに当たっては、これらの伝承が弟切の頭にありました。当初からヨーロッパ風世界を舞台にしようと考えていたこともあり、ウィリの伝承をそのまま流用しようとも思いましたが、妖精の呪い云々といった筋を持ち出すとまた話が複雑になりそうでしたので、断念しました。  以下に、「遠い夜明け」の起承転結を書いておきます。 起 ● 主人公の娘は、自分が村の墓場にいることに気づく。 承 ● 主人公は墓場を抜け出そうと歩き回る。しかし、抜け出せない。 転 ● 主人公は顔見知りの僧侶と出遭い、自分が死んでいることに気づかされる。 結 ● 主人公は姿を消す。だが、次の夜もまた幽霊となって現われる。  上記の起承転結は、課題部屋にも上げておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- ルネサンスの天才の実像 No.6526 投稿日 2003年5月7日(水)01時57分 投稿者 弟切 千隼  今回は雑談です。  ルネサンスのイタリアに輝かしい名を轟かせる天才といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチですよね。彼は建築学・医学・美術・工学など、あらゆる分野に傑出した才能を顕した「万能の天才」として有名です。中世の暗黒を打ち破るルネサンスを代表する人物として、最もふさわしい人物と見なされているのが彼でしょう。  弟切は、レオナルド・ダ・ヴィンチが人体の構造を知るために描いたという人体解剖図の展覧会を観に行ったことがあります。極めて精緻に描かれた膨大な量の解剖図は、現代人の目から見ても医学的に正確で、美術品としても一級品でした。  さて、ここで問題です。ダ・ヴィンチは、人体解剖をするのに必要な死体を、どうやって手に入れていたのでしょう?  現代の医学生が学ぶために行なう人体解剖に用いられるのは、善意で献体された死体です。つまり、死んだ本人が「医学の発展のために」という善意に基づいて提供した人体であるわけです。  しかしながら、ルネサンス期のヨーロッパには、そんな制度はありませんでした。  上記の問題の答えは、「墓場から盗んでくる」です(*o*)  これはブラックジョークではなく本当です。当時は、そうしなければ人体解剖用の死体など手に入らない時代でした。そのため、ルネサンス期ヨーロッパには死体盗みが横行したといいます。  ヨーロッパは日本と違ってほとんどが土葬ですから、当時の医学生には、墓場が貴重な教材が並ぶ宝の山に見えたかも知れません(^^;  偉大な先人たちが、夜の闇に紛れた死体盗みに精を出したからこそ、現代に生きる私たちは、優れた医学の恩恵をこうむっているのでありました。 -------------------------------------------------------------------------------- 十六分割 No.6527 投稿日 2003年5月7日(水)22時24分 投稿者 弟切 千隼  今の季節、外を歩くと青葉が目に染みますね。今日、用があって列車に乗りながら窓の外を眺めた時、「日本はなんと緑が豊かな国だろう」と改めて感じました。 >>「遠い夜明け」(仮題)  十六分割のプロットができたので上げておきます。  プロット中の*の部分は自分用のメモという感じで、その部分で何を書くべきか、読者さまにどんなサービスをするのかを書いてあります。弟切はおばかなため、こういうものを書いておかないと忘れそうですから(^^; 「遠い夜明け」(仮題)十六分割プロット −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 起:  起  ○ 自分が夜の墓場にいることに気づく主人公。    * 夜の墓場の描写。ひどく戸惑う主人公の描写。      お約束の5W1Hを入れる。  承  ○ なぜ、どうやってここに来たのか必死に思い出そうとする主人公。    * 主人公の身分や生きている時代・地域を明らかにする。      読者さまを話の舞台へ連れて行く。  転  ○ 墓場から抜け出すために歩き始める主人公。    * 恐れながらも行動を起こす主人公の描写。      遅くともここまでのうちに読者さまを主人公に共感させる。  結  ○ 初めにいた所に戻ってしまう主人公。    * 主人公の混乱と恐怖を描写。      主人公と共感している読者さまにも恐怖を味わってもらう。 承:  起  ○ 落ち着きを取り戻して、再び歩き始める主人公。    * 前向きな主人公を描写。      話に緩急をつけるために、読者さまを少しほっとさせる。  承  ○ 再び元の場所に戻ってしまう主人公。    * 再び恐怖を盛り上げる。  転  ○ やみくもに動き回っても駄目だと気づいて、やり方を工夫する主人公。    * ここでまた読者さまの気を緩める。  結  ○ 墓地と外との境界付近に来て、どうしても出られないと気づく主人公。    * 絶望感と恐怖を盛り上げる。 転:  起  ○ 墓地の外から近づく明かりを発見する主人公。    * 絶望感と恐怖のあまり、妖異の仕業かと思う主人公を描写。      主人公を心理的に追いつめて、恐怖を煮つめる。  承  ○ 明かりが人間の持っている灯火と気づき、駆け寄る主人公。    * 絶望から希望への変転を描写。      煮つめられた恐怖を一時解放する。  転  ○ 灯火を持つ知り合いの僧侶に拒絶される主人公。    * 主人公の衝撃と混乱を描写。      読者さまにも驚いてもらう。  結  ○ 僧侶に自分が死んでいることを示される主人公。    * 希望から絶望への変転を描写。      一度希望が見えただけに、より深まった主人公の絶望を感じてもらう。 結:  起  ○ 僧侶に鎮魂の儀式を施される主人公。    * 深い絶望のため、取り乱す主人公を描写。      生前やりたかったことの回想など入れて、無念さを感じてもらう。  承  ○ 鎮魂の儀式に従い、姿を消す主人公。    * 主人公の深い絶望が静かな悲しみに変わる様子を描写。      主人公に共感している読者さまの恐怖や混乱を静める。  転  ○ 夜が明け、主人公の眠る墓を日が照らす。    * 何事もなかったかのような平和な様子を描写。      主人公が死を受容して永眠したと読者さまに思ってもらう。  結  ○ 夜の訪れと共に、再び主人公の幽霊が現われる。    * 冒頭とほぼ同じ主人公の様子を描写。      主人公の無念さと哀れさを感じてもらう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上記の十六分割は、課題部屋にも上げておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 和菓子の季節感 No.6528 投稿日 2003年5月9日(金)00時55分 投稿者 弟切 千隼  今日、買物に出かけた時に和菓子屋の店先を覗いたら、葛桜[くずざくら]を売っていました。  和菓子の世界では、端午の節句が過ぎるとがらりと夏物商品に入れ替えるようで、鶯餅[うぐいすもち]や桜餅が姿を消し、替わりに葛桜や水羊羹[みずようかん]が棚を占拠するようになります。透明感溢れる夏の菓子が並ぶ店先は、見るからに涼しげで好もしく感じます(^_^)  御存知ない方のために説明しますと、葛桜とは、普通の桜餅の皮の部分が餅でなく、葛粉[くずこ]を水で溶いて練った葛練りで作られている和菓子です。中にはもちろん小豆餡が入っています。  普通の桜餅と同じく、葛桜も本来は本物の桜の葉で包まれているものでしょう。しかし、現代では、私の知る限りほとんどの葛桜がビニール製のにせ桜葉に包まれています。桜葉の生産量には、葛桜に回すほど余裕がないからでしょうか? >>「遠い夜明け」  本文を書き始めました。第一回目を課題部屋に上げてあります。  ほんの短い文章を書くのにも非常に時間がかかってしまい、「こんなんで本当に書き上げられるのかしら?」と不安に陥っている弟切でした。 -------------------------------------------------------------------------------- 遅レスすんません No.6529 投稿日 2003年5月9日(金)18時16分 投稿者 紫ゆきや ●羽矢野さん(6514) >用語 >> “マクガフィン”は小説を書く人からすると一般的な用語になるかもしれないけれど、書き始めの人だとわかんないよ、きっと。  分室を読んでいる人なら大丈夫だろうと思ったんですが。書き始めの人だと、そうかもしれませんね。 >ホラー >>「墓場に迷いこんだ女の子」は、じゅうぶんに怖いシーンにできるはずです。 >> だーかーらー。 >> な・ん・で、できるはずなのかを書いてくれ。 >> または、私の意見のこの部分がおかしいとか言ってくれ。  怖いも笑えるも人それぞれですからね。大多数が怖いと思っても、羽矢野さんが怖いと思うかは別かもしれません。  わたしは、5人ほどリサーチして、「怖いシーンにできると思う」と回答を得られました。「そのシチュエーションで怖くない作品てあるの?」という疑問すら貰いました。 >> 怖い話だと言っておきながら、怖い部分がここしかないけど、いいの?  いいんじゃないですか?  短編ですし。  起で、はじめから事件性がある。  承で、おおむね怖い。  転で、じゅうぶんに驚ける。  結で、ちゃんと話しが終わってる。  ――いいと思いますよ。 >> つまり、余りにインパクトのある部分があった場合、他のことなんて記憶に残りません。 >> だから、怖がらせるのが目的なら、あんな仕掛けはよくないと思う。  たしかに、感想で「とっても驚きました」と貰ってヘコむなら、止めておいたほうが良いかもしれません。  私は「自分の墓をみつける主人公」も、怖いシーンにできると思っていますけども。  本文しだいかなとも思いますし。 >あらすじ >> 「たとえあらすじでも、物語の最重要部は、描写しなくてはならない」  見せる相手しだいだと思いますよ。  話のスジが通っているかを検討したいときには、必要ないでしょう。 >> 怖いなんて書いてあったら、それは怖いと説明できてしまうくらいの怖さしかないという意味だ。  そーいうことは、本文でやればいいではないですか。  つーか、それなら、なんでテーマに「怖い話」て書くですか。 ●巻島さん(6520) >> 新木さん、ここ、見てはいるんですよね?  えーっと……。  どうしても訊きたいことがありましたら、メールのほうが確実かと思われます。 -------------------------------------------------------------------------------- 伝統芸能はやはり素晴らしいですね No.6530 投稿日 2003年5月10日(土)18時15分 投稿者 弟切 千隼  ひいこら言いながら「遠い夜明け」(仮題)の本文を書いている弟切です。自分のだめさ加減を改めて思い知っています(;_;)  課題部屋に「本文2」を上げておきました。  ところで、どこかで見たような−要するにありがちな(^^;−「遠い夜明け」のプロットを眺めていて、ある日本の伝統芸能の筋立てと似ていることに気づきました。  この作品のプロットは、「能」に見られる多くの筋立てに似ています。  能には、僧侶や山伏が旅先で人に遭い、最初は普通の人だと思っていたのが実は亡霊だと判明し、その亡霊の回向を弔う、という筋立ての作品が多くあります。  平家物語に題材を取った『敦盛』や『巴』、小野小町伝説に取材した『通小町[かよいこまち]』や『卒塔婆小町』など、有名な曲の多くが同様の筋立てです。大掛かりな鐘の作り物が登場し、難曲の一つといわれる『道成寺』もこの類例の一つでしょう。  極めて類例が多いことからすれば、このような筋立ては日本人の好むところなのだと思われます。  弟切はさほど能に詳しいわけではありません。生で通して観た能は、『道成寺』だけです。  しかし、知らず知らずこのような筋立てを作っていたところを見ると、どこかで入力された「日本人プログラム」が発動したのかも知れませんね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 能、続き No.6531 投稿日 2003年5月11日(日)22時28分 投稿者 弟切 千隼  前回の書き込みNo.6530で、「遠い夜明け」(仮題)の筋立てが、日本の伝統芸能「能」のそれと似ているものが多いと書きました。  付け加えますと、能の場合は「生きている人間だと思ったものが実は亡霊だった」というパターン以外に、「生きている人間だと思ったものが実は神さま(または植物などの精)だった」というパターンも非常に多くあります。このパターンでは、神さまあるいは精霊が「仏教に帰依したいから回向してくれ」と頼む場合と、仏教とは全く関係なく美しい踊りなどを見せて去って行く場合と、二通りの結末があります。  具体例を挙げれば、結婚式で謡われることで有名な『高砂』や在原業平[ありわらのなりひら]伝説に取材した『杜若[かきつばた]』や金毛九尾の狐が登場する『殺生石』などがそうです。  『高砂』の場合は最初に現われた老夫婦が松の精だと判明し、そのまま姿を消します。『杜若』の場合は最初に登場した若い女が杜若という花の精だとわかり、美しい舞を舞うのが見せ場となっています。『殺生石』ではやはり最初に登場した女がかつて鳥羽天皇に寵愛された玉藻の前こと九尾の狐であると判明し、旅の僧侶に供養されます。この場合は、神さまや精霊というより妖怪ですね。  こうして見てみると、能には亡霊・神・精霊・妖怪などをシテ(能の用語で、主役のこと)とする幻想的な話が多いです。日本のファンタジーの原点といえるかも知れません。  興味深いのが、これらの「人外のもの」をシテとする能には、必ず普通の生きた人間であるワキ(能の用語で、直接シテの相手をする脇役のこと)が登場して、シテを呼び出す役割を果たすことです。能の観客はむろん普通の生身の人間ですから、同じ生身の人間であるワキの視点を介して見せることにより、シテの異質さを際立たせているようです。  「遠い夜明け」では、最初からシテが登場し、ワキはだいぶ後にならないと登場しません。この点では能の最も重要な約束事を破っていて、近代以降の「小説」の手法を使わせてもらっています。  「遠い夜明け」の本文3を課題部屋に上げておきました。 -------------------------------------------------------------------------------- 豊饒の鳥 No.6532 投稿日 2003年5月13日(火)01時01分 投稿者 弟切 千隼  ツバメの飛来が遅い関東地方でも、今はツバメたちの子育ての真っ最中です。弟切の家の近所でも、よく電線に止まったツバメがさえずっているのが聞かれます。  ツバメは住宅地でよく見られる身近な鳥なのに、そのさえずりがどんなものか、気が付いていない人が多いですね。  ツバメのさえずりは、「グジグジグジ」といった感じの、幼児が口の中でもごもご言っているような音で始まり、その後に「ギィー」という感じの長く伸ばす音が付いて終わります。  昔の人はこのさえずりを、「土食って虫食ってしぶーい」と聞きなしました。土をくわえてきて巣を作り、虫を獲って食べるツバメの生態を織り込んでいるのが素晴らしいですね。  昔の人の自然を観察する力と、それを表現するセンスの良さには感心します。見習わなくては。  と、歴史ものを書いているととみに感じます。  「遠い夜明け」の本文4を課題部屋に上げておきました。 -------------------------------------------------------------------------------- ツバメ No.6533 投稿日 2003年5月14日(水)00時03分 投稿者 羽矢野  毎年実家にツバメが巣を作るのですが、今年はいつも作る場所と違っていました。  何か異常気象が起きるのではないかと、ちょっと心配です。  会社では、今現実問題として関東・中部の大震災が取り上げられています。  マニュアルが作成され、いざという時に備えています。  こういう会議にでると、とってもリアルに感じます。 ●紫さん  これは話している内容とは全く関係がないんだけれど。  ある“話し合う事柄”があったとする。  私は、これこれこういう理由で、Aという解答に達した。と誰かが発言したとしよう。  それに対して紫さんは、わたしはBだと思います。理由は他人にリサーチしたら同じだったからです。と回答した。  ……それじゃあ、議論にならないって。 “ 私がBという解答に達した理由はこれこれこうです。とか、   あなたがAという解答を出した理由のこの部分は間違っています。 ”  とかの意見がないと。  自分と同じ考えの人間が複数人いるというのは、それが一般的な考え方であることを示しています。  それは補強材料ではありますが、紫さん自身の考えにはなりません。  それとも、紫さんは自分の頭で考えることはせずに、常に多数決の結果によって物事の正否を決めてるの?  とか、意地悪く言ってみる。  もしくは、議論をしたくないという事を遠回しに伝えてるのかな?  それならちゃんと言ってもらった方がいい。 >>「そのシチュエーションで怖くない作品てあるの?」という疑問すら貰いました。  これとか。  考えて、どうでした?  私は「墓場に迷いこんだ女の子」で怖くない話なんて、いっぱいあると思いますが。  例えばラブコメとかで、恐がりな女の子が肝試しで怯える話ってよくありますね。  あのシーンは、女の子を見て同じように怖くなります?  意地悪っぽく、怯える女の子を見るのが楽しくないですか? ○とか言いながら。  恐怖についてずっと考えてましたが、実は墓場が怖いか怖くないかなんてことは無意味だという結論になってます。今は。  恐怖って何か?  って考えたら(課程は省きますが)とりあえず出た答えは“想像力”です。  つまり一番重要なのは怖い舞台やシチュエーションじゃなくて、いかに想像力が働きやすい文章になっているか。  墓場のシーンでまったく恐怖を感じないようにもできるし、また恋人との甘い一時でも恐怖を感じさせることもできるんだと思います。  人間が夜の闇を恐れるのは“見えない”からです。  その闇から“何”が飛び出してくるか“わからない”からです。  わからないと怖いのは、いろいろと“想像”して自分自身を追い込んでしまうからです。  ジェイソンが怖いのは正体を隠していて“わからない”からじゃない。  わからないから、正体を想像してしまう。その想像が怖い。  弟切さんの小説が書き上がったら、判断は簡単。  夜に読んで、すぐ後にトイレに行くのが躊躇われたらよし。 ○起承転結 >>起で、はじめから事件性がある。 >>承で、おおむね怖い。 >>転で、じゅうぶんに驚ける。 >>結で、ちゃんと話しが終わってる  なんじゃこれ?  意味が不明だ。  短編として起承転結がこうなっているから話の筋が問題ないという意味?  承におおむね怖いと感じる部分が入っているから、この短編は“怖い話”だと言えるという意味?  どっちにしても、よくわかりません。  第一、ひとつも繋がってないじゃん。  承の“おおむね怖い”と転の“じゅうぶんに驚ける”って、何がどう関連しているの? だから、 >>――いいと思いますよ。  って書いてあっても、何が? とか思いました。 >> 怖い話だと言っておきながら、怖い部分がここしかない  これについては書き方次第だと思いますので、意見は撤回します。 ●弟切さん  誰も何も言わないから、ちょっと不安かもしれませんが。  ちゃんと毎日かかさず読んでいます。   -------------------------------------------------------------------------------- 怖さの基準 No.6534 投稿日 2003年5月14日(水)01時33分 投稿者 弟切 千隼  「遠い夜明け」(仮題)を書いていて、全然怖い話じゃないような気がしてきた弟切です(弱気(^^;)  情けないことに、弟切はたったあれだけの短編を書くので手一杯なので、以下は半分雑談だと思って読んで下さい。  怖さの基準というのは、人によりずいぶん違いますよね。私の知人の中にも、極端な怖がり屋という人もいれば、「この人、世の中に怖いものってあるのかしら?」と考えたくなる人もいます。  例えば、世の中の多くの人は、タランチュラのような大型のクモを恐れますね。大型のクモの中にはヒトにも効く毒を持った種がいますから、これに対する恐怖は的外れとはいえません。この恐怖を利用して、大型の毒グモがたくさん登場するホラー映画があるくらいです。  ところが、世の中には逆にこの手のクモを愛好して、ペットとして飼っている人もいます。最近は日本でもそういう濃いマニアが増えたようで、両生爬虫類を扱っている大型のペットショップへ行くと、ついでにペット用のクモを扱っているのを見ることがあります。  たいがいの動物が好きな弟切は、もちろんクモも好きです。タランチュラの仲間など、モールでできているようにほわほわした毛がいっぱい生えていて可愛いとさえ思います(^o^)V   できれば飼ってみたいと思っているものの、万が一逃がしてしまった時のことを考えると、今住んでいるアパートを追い出されそうなので自粛しています(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 巨大生物の島 No.6535 投稿日 2003年5月15日(木)01時35分 投稿者 弟切 千隼  「玄関にタランチュラを飼っている水槽を置いておけば、要らない訪問販売員避けになっていいかも」と友人に話したら、「そしたら二度とあんたのうちへ行かない」と言われた弟切です(^^;  生きている大型のクモを飼うのは問題がありすぎるため、自粛している弟切は、先日ある雑貨屋で巨大なクモのビニール製模型を見つけました。精巧にできていて大きさ以外は本物そっくりなのが気に入り、買って帰ろうかと思ったものの、その時は荷物が多かったため諦めました。  もしこの模型を買ったなら、玄関に吊るして訪問販売員避けにしようかと画策中です(笑)  No.6534に書いたとおり、弟切はたいがいの動物が好きでして、小鳥を獲って食べるという大型クモも、全長が6mを越えるという大蛇アナコンダも可愛いと思います。ただ、アナコンダなどは真剣に危険な生物なので、あまりお近づきにはなりたくありませんけれど(^_^)  その昔、この地球上に実在したという全長2mの海サソリや、翅を広げた長さが70cmに達したという古代トンボのメガネウラなど、ぜひ実物を見てみたかったですね。  そういえば、海サソリやメガネウラは恐竜と同じ古代生物なのに、恐竜と違って小説や映画にはほとんど登場しませんね。主役を張れるくらい印象が強い生物だと思いますのに。  ……これは私にそういう作品を書けということでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- リライトちゅう No.6536 投稿日 2003年5月15日(木)04時35分 投稿者 紫ゆきや  思ったより時間かかりますね。  ほとんど書き直しになってしまっています。 ●羽矢野さん >なんにせよ  「本文しだいで怖いシーンにできる」という点については、考えが一致したみたいで、なによりです。 >前回リサーチを書いたのは  「怖い・怖くない」が主観的なものだと思ったからです。  私と羽矢野さんの「怖い」が、異なっている可能性があるなと考えたんですね。  だから、「一般的な意見」というのを集めてみました。  羽矢野さんの意見は、「墓場に迷い込んだだけじゃ怖い話にならない」というものでした。  ですから、「それは一般的な感覚じゃないみたいですよ」というつもりで、出したんですね。  ……うまくいきませんでしたけど。 >私の考えは  「本文しだいで怖いシーンにできる」というものです。  怖いだけじゃなく、笑えるシーンにも、悲しいシーンにも、できるはずだと思っています。  今の自分ができるかは、ともかくとして……。 >起承転結  だいたい、羽矢野さんの書かれているとおりです。  「短編で、承に怖いエピソードがはいっているから、それはホラーになるはず」という意見と。  「短編で、転に驚けるエピソードがはいっているから、スジとしては問題ない」という意見です。  ぜんぜん説明不足だったですね。すいませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- BGMはグレゴリオ聖歌 No.6537 投稿日 2003年5月15日(木)23時38分 投稿者 弟切 千隼  弟切が今書いている「遠い夜明け」(仮題)の舞台はルネサンス期イタリア−のつもり(^^;−です。この時代のイタリアの雰囲気を作品に込めるために、BGMにグレゴリオ聖歌を流しつつ書いています。  グレゴリオ聖歌の起源は古く、九世紀くらいには現在のものとほぼ同じ歌詞の聖歌ができていたそうです。現代よりずっとローマカトリック教会の勢力が強かったルネサンス期イタリアにおいても、盛んに歌われていたことでしょう。  ところが、時々、せっかくのグレゴリオ聖歌が聞こえやしない事態に陥ります(>o<)  なぜかといえば、米軍横須賀基地に空母キティホークが帰投し、ついでに空母カールビンソンまで連れてきてくれたために、上空を飛ぶ戦闘機が増えて爆音がうるさくなったからです。弟切が住んでいる神奈川県には米軍基地が多くて、こういうことがよくあります。  ニュースを見なくても、上空を飛ぶ戦闘機のうるささで、キティホークが横須賀にいるかどうか、おおよそわかってしまいます。 お知らせ:  弟切は明日からまた遠出をするために、分室に書き込みができなくなります。帰宅は18日の夜になる予定です。それまでは「遠い夜明け」の続きも一時中断します。 -------------------------------------------------------------------------------- 怖い文章 No.6538 投稿日 2003年5月16日(金)01時14分 投稿者 羽矢野  いろいろと言い合いをしてみたのですが。  口だけというのも、やっぱりアレなので、挑戦してみました。  まあ怖い怖くない以前に“読めるか!”って言われちゃうかもしれませんが、その時はそっちの指摘でお願いします。  課題部屋に置いておきます。  これは、怖いでしょうか?  紫さんへの返答は、また明日。 (書くので精一杯だったよ) -------------------------------------------------------------------------------- 削ってみた。 No.6539 投稿日 2003年5月16日(金)20時58分 投稿者 藤極堂 >羽矢野っち -------------------------------------------------------------------------------- 納税 No.6540 投稿日 2003年5月17日(土)00時30分 投稿者 羽矢野  高額納税者か……。  私も一億円とかお国に払ってみたいよ。  サラリーマンだから、源泉徴収されてるのでそもそも税金を払っているという感覚が薄いのがすでに問題なのですが。 ●紫さん ○「怖い・怖くない」は主観によるものなのか  怖い・怖くないって、好き嫌いと同じような、自分に“怖い存在”と認識されたものを対象としていると思うので、それは間違いないと思います。  ちなみに、恐怖関係を辞書で引くと。 >>きょう-ふ [1][0] 【恐怖】 (名)スル恐れること。恐れ。 >>きょうふ-しょう -シヤウ [3][0] 【恐怖症】神経症の一。不合理だとわかりながらも特定の対象・状況についての強い不安に苦しむ症状。対人恐怖症・高所恐怖症・閉所恐怖症など。 >>おそれ【恐れ・畏れ・虞】_おそれること。恐怖。「―を抱く」_よくないことが起こるのではないかという心配。 >>こわ・い【怖い・恐い】コハイ_形__こは・し(ク)(「強こわい」と同源) _おそろしい。悪い結果が予想され、近寄りたくない。狂、花子「すれば山の神は―・し、身共は―・うないか」。「雷が―・い」「株は―・い」_人知でははかりがたい、すぐれた力がある。驚くべきである。「追い詰められた者の力は―・い」_ >>おび・える [0][3] 【怯える・脅える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 おび・ゆ怖がってびくびくする。また,恐ろしくて声をたてる。  誰も触れないのは、こういうあんまり役に立ちそうにないことしか書いてないからですかね。  私も引いてなんじゃこりゃ、とか思ったし。 >>私と羽矢野さんの「怖い」が、異なっている可能性  これは、異なっているわけじゃないと思う。  墓場を恐れるのは、死を避けようとする人間の本能だ。  だから基本的に墓場が怖くない人はいない。  というと、勘違いがあるので訂正。  死を理解している人で、墓場を恐れない人はいない。  としておこう。  毒蜘蛛が怖くない人っていうのも、実は私は同じことだと思う。  好き嫌いで嫌いフラグがたってない人だ。(好きフラグがたってる人もいる)  だから、これは簡単にひっくりかえる。  毒蜘蛛に噛まれて死にかけたとかね。  そんな目に合えば、フラグがたって蜘蛛を見れば怖がるようになるだろう。  じゃあ、私が墓場で女の子がいるだけで怖くないのは?  これは多分、想像力の問題。  私は墓場に行ったくらいじゃ、想像力が働かない。  事前にその墓場の恐怖体験を聞くとか、入り口に猫の死体があったとか、ぼおっと明るい何かが飛んでるのを見たとか、想像させられる何かがあると怖くなる。  その想像させる何かを描写することが、怖さを表すことじゃないだろうか。 ○起承転結  私が考える怖さはとりあえず書いてみたので読んでもらうとして。 >>だいたい、羽矢野さんの書かれているとおりです。  って、言ってることが無茶苦茶だぞ?  私は“恐怖”を表す話だという前提で話をしているんだけど、そこが違ってる?  紫さんは、どういう話として捉えているの? ●藤極堂さん  久しぶりッス。  削りサンクスです。 (ずいぶん手間のかかる作業のはずなのに、帰ってきたら削りの文章なんてものがすでに課題部屋にあがってて、ビックリでした)  …………。  ずいぶんとすっきりになってます。  読み比べると、かなり違ってますね。(全文書き直してあるので、当然なんですが)  私の文章はかなりくどい。  最初から削ることを前提にしていたこともありますが、それでも大分感じが違うのが面白いです。  とりあえず、読んだ第一印象を。  一人称が“私”になってますね。  私の中では あたし>わたし>私 でした。  後ろにいくほど、大人しく固い印象になっていきます。  大人しい属性と元気属性だと、元気属性(あたしの方が強いはず)の方が怖さを表すのに適当かと思ったのですが。  (わたしと自分を形容する人間だと、大人しく怖がりという印象が最初からあるので、その属性がないほうが、落差が増して怖いと感じてもらえるんじゃないかと思った) >>同時に黒い闇の中にブレザー姿の女の子が浮かぶ。上目遣いに私を見る彼女の表情は恐れと拒絶に彩られていた。  ここへ来た理由がばっさりと切られてるのと、服装がブレザーになってる。  きもだめしって、やっぱり夏なので、ブレザーにわざわざしたのは理由が?(最後に制服の違いがあるから、ここで描写するとよかったかも)  クジで負けて云々(ここにいたるいきさつ)書くか書かないかは、私も迷った。  あるのとないのと比べて、ちょっとわかりにくいかと思ってつけました。  だから、あの部分は最低限のことがわかる説明文になってます。  逆にウザイかな。 >>恐れと拒絶に彩られていた。  ガラスにうつった自分というのは、一人称で自分を出す手法でいい感じなのですが。  そこまでしたのに、何で主人公の顔や髪型を描写してないのでしょうか。  それと恐れを描写するのが目的なので、恐れという単語を使うのはNGでは? >>リノリウムの縁  木の床の方が雰囲気や視覚の面で怖いと思ったのですが、今風のリノリウムにしたのは何か意味があるのでしょうか?  ちなみに、私が床をリノリウムにしなかった一番大きい理由は、校舎の印象が、病院っぽくなってしまいそうだったからです。 >>怪談の内容  リアリティを増してある。  これも、実はリアルにしようかウソっぽくしようか迷いました。  私は最後に本物がでてくるので、でてこない印象を強めた方がいいかと思ってウソっぽくしました。 >>ドアを足で押さえながら、  これ、リアルさが増してとてもいいなと思いました。  最初はここだけ洋式(内開きだから閉まっている)とかにしようかとか、いろいろ考えました。 >>「………て……」 >>後ろから、何か聞こえたような気がした。立ち止まりゆっくりと振り返る。  これは正直ないと思う。  心が恐怖の向きに傾いているときに、何が物音が聞こえたら、必ず“ビクッ”てなる。  ならない奴は、人間じゃない。(とまで言う) >>後頭部に  後頭部に限定すると、仰向けに倒れたことにならない?  それだと、すでに後ろが見えるから、振り返れない。 >>「こっちを向け」  ここだけ、行開けにしてある。  比べてみて、こっちの方が断然よかった。  私のは幽霊の言葉を全部行開けにしてある。  ここは、幽霊が本性をむき出す部分。  読者には絶対にぞっとしてほしい。  でも、正直うまくいった気がしなかった。  でもここだけ開けてあると、インパクトが強くなって、いい感じ。 >>最後。  厚みがかなり増して、怖さも増してます。  制服が違っているとか、幽霊だと主人公が認識する部分は、私も書き足す必要があると感じていました。  くらべると、最後は藤極堂さんの方がずっと怖い。  一読した印象は、こんな感じ。  みなさんの意見を伺ってから、私も削ってみます。 ●弟切さん >>雑貨屋で巨大なクモのビニール製模型を見つけ、買って帰ろうかと  ホント?  何が訊きたいかというと、生物を飼いたいと思ったが無理な時、それを玩具(非生物)で代用になるかということ。  私はそういう考えにならない。  本物飼えないんだったら、諦める。  ちょっと訪ねてみたい。 ●雑談。  今回の短編(という程のものではないが)を書いている時、私はとにかく怖かった。  夜にお墓まで散歩に行って、目一杯怖いことを想像して書きました。  だから、携帯電話が鳴ったり、外で猫が鳴いたりしたときは、もう。心臓どきーんでした。  読んだ人がそういう状況になっていれば、成功なのですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 思い切りお久しぶりになってしまいました。 No.6541 投稿日 2003年5月17日(土)05時15分 投稿者 青葉桂都  およそ、二週間ぶりの書き込みでしょうか。  遅くなりましたが冒頭部分をライトをしてみました。課題部屋を使わせてもらっています。  羽矢野さんにいただいた返信を理解できているかどうかは、そちらを見て判断していただければと思います。  ……おそらくはまだまだ理解できていないでしょうが。そう簡単に理解できるなら苦労はないでしょうし。  とりあえず、複文くらいはなくなったのではないかなと。なくなってるといいなぁ、かもしれませんが。 >羽矢野さん  読ませていただきましたが、怖くありませんでした。藤極堂さんが削られたほうもです。  ただ、その怖くない理由は、自分でもよくわからないです。私は肝試しとかほとんどやった覚えがないので、そのせいでしょうか。  あまり役に立てそうにない発言で申しわけありません。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- ●青葉さん No.6542 投稿日 2003年5月17日(土)23時08分 投稿者 羽矢野  ちょっとだけ。  くらべると、だいぶ読みやすくなっている。  最後の“意中の彼”が撃たれた(のかな?)部分が読めないし、主人公の行動がさすがにちょっとありえないだろうと思ったけど、あとは大体伝わってきました。  しかし、首が舞って、血が噴水みたいに飛び出てる死体を踏み越えてく普通の高校生ってスゴイね。  では少し見てみます。 ○精読 >>だいぶ寂しくなってきた枝葉の合間から夕日がさしこんでくる。  意味は通じます。  秋で夕方だといういことです。  でもこれって、止まってる文章です。  主人公が立ち止まって、手でひさしをつくったりしながら、枝の間から差し込む夕日を眺めている。そんな場面になります。  自転車を必死でこいでるなら、動いているはず。  この文章は主人公よりの三人称なので、動いていないと次の文章がへんになる。 >>小山は街のすぐ近くにあったが、彼女の耳に聞こえてくるのは風の音ばかりだった。  小山が街のすぐ近くにあることと、彼女の耳が風の音しか聞こえてないのは、何が関係がありますか?  この文章は全然繋がってないので、二つにわけましょう。  あと秋の夕方で、しかも山だと結構いろんな音がするはずです。  そして、動きのある場面で風の音しか聞こえないってすると、ものすごい速度で移動しているというふうに読めちゃいますよ。  違うよね?  えっちらおっちらのぼってるよね? >>ペダルを踏むたびにすべりそうになる自転車を彼女は必死で押さえ込む。落ち葉の敷きつめられた登り坂はでこぼこが激しかった。  落ち葉ですべりそうになるから、押さえ込むということかな?  今は登り坂ですよね。  ペダルは重く、おそらく元気のいい主人公は尻を上げて全体重で踏み込んでるはず。(書いてないけど)  つまり坂道をのぼるのは自転車を押さえ込む(体重をかける)動作が必ず入っている。  あと、落ち葉ででこぼこってないかなあ。  落ち葉で滑らかに見えてても、実際は石が下に隠れててでこぼこってのはあるかも。 >>もう涼しい時期だというのに、制服のブラウスは汗で背中に張りついていた。その上に着ているブレザーのボタンは外されていたが、体温を下げる役にはまるで立っていない。  これ、外から見てるけど。  つい数行前に“彼女の耳が”って書いちゃってるから、彼女の視点からの文章にしないとダメだよ? >>頬にあたる風は冷いくらいなのに、制服のブラウスが汗で背中に張りついていた。ブレザーのボタンを外してみたが、ちっとも涼しくならなかった。  とか。  細かく見てくとね。  まあいろいろ思うんだけど、でもそれでも何を伝えたいかっていうのはちゃんとわかりました。  書き直しっていうのは、読める文章を書く上で必須の練習ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 頭痛の種を拾う? No.6543 投稿日 2003年5月18日(日)23時15分 投稿者 弟切 千隼  湘南に戻ってまいりました弟切です。なぜか帰りの列車の中から頭痛に悩まされ始め、家に帰って真っ先にしたのは「鎮痛剤を飲むこと」でした。  頭以外にも喉が痛かったり脚がだるかったりと体調が優れませんので、今回は帰還報告のみとさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 電気羊は生物羊の代わりになるか? No.6544 投稿日 2003年5月19日(月)23時50分 投稿者 弟切 千隼  体内リズムが変調をきたしているらしく、一日のうち昼でも夜でも関係なく突発的な眠気に襲われている弟切です。  課題部屋に、中断していた「遠い夜明け」の本文8を上げておきました。 羽矢野さんへ >  ぬいぐるみや模型などの玩具が生き物の代わりになるかという御質問に対する答えは、 「なりません」 です。少なくとも、私の場合は。  ではなぜクモの模型を飼って帰ろうかと考えたかといいますと、二つの理由があります。  一つは、その模型がとてもよくできていたので、ペットとしてではなく、純粋にその精巧さと形の面白さを楽しみたいと思ったからです。  もう一つは、受け狙いですね(笑) 誰かが家に来た時に驚かせてみたいという気持ちがあったからです。これも一種のエンタメ精神でしょうか(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- 削ってみた。 No.6545 投稿日 2003年5月20日(火)09時25分 投稿者 藤極堂 >青葉 -------------------------------------------------------------------------------- 怖いはなし No.6546 投稿日 2003年5月21日(水)11時55分 投稿者 紫ゆきや  ハイスピは、とりあえずリライトは終わったんですが――最後の見直しの前に寝かせています。  ここへの書き込みも同じようにしてるんですが、未だに時間置かないと冷静に見れないので(^^; ●【481】 怖い文章 2003/5/16(金)01:17 羽矢野さん  私は、あまり怖い話を読まないもので、ちょっと指摘しかねるんですけども。  こうしたら、もっと怖くなるんじゃないかというのを教えて頂きましたので、書き込んでおきます。 ・先に首つりの話を出しておく  読者には、これが怖い話であることが、最初はわかりません。  女の子が怖がっている理由がわからなければ、女の子に感情移入して怖がることができません。 >> 『これからあんたの行く旧校舎のトイレでさ、首をつった娘がいるんだよ』  この行を先頭にもってきたほうが、よかったかもしれませんね。 ・もっと女の子を怖がらせる  主人公の女の子が、学校に来た理由を回想してみたり、構内を見て安心してみたり、軽口を叩いてみたりと、あまり怖がってないように見えるんですね。  このシーンは、読者を「夜の学校を歩く女の子の気分」にさせて、怖がってもらう話なので、もっと女の子が怖がっていたほうがいいだろうなってことです。  以下に、「怖がっている感じ」を出すための手段を挙げてみます。  やりようは、いっぱいあると思いますが、こんな感じでやってみたら怖くなるかもしれないということで。 ・正確に描写しない  例えば下駄箱。  冷静であれば、「正方形に区切られた下駄箱」「光を巡らせると、等間隔にならんでいるのがわかった。」と書いてもいいのですけど。  怖がっているのであれば、「今にも倒れてきそう」「影になった部分に何かいそう」とか書いたほうが、怖がっている感じが出そうです。 ・冷静に思考しない  例えば靴。  冷静であれば、「上履きでいつも歩いているところへ土足であがるのは少し抵抗があったが、足の裏を汚したくはない。」みたいな思考があってもいいのですけど。  そういうことは考えないほうが、怖がっている感じが出るのではないでしょうか。  あと、これは怖さとは関係ないんですが。  回想シーンは無いほうがいいようです。  臨場感が損なわれるし、時系列がひっくり返ると、読者を混乱させることがあるからです。 ●【482】 削り 2003/5/16(金)21:00 藤極堂さん  削り……というよりは、リライトかな。  やっぱり、文章的に削ったり、すこし変えただけだと、「怖さ」は増さないですね。  読みやすくはなってる印象を受けました。  最後の所は、こちらのバージョンのほうが具体的になっており、量も十分で面白くなってると感じました。  怖いと思うには至らないのですが、ちゃんと最後まで書かれているな、という感じですね。 ●【483】「世界最後のラブストーリー」リライト 2003/5/17(土)05:15 青葉桂都さん  ずっと良くなってると思います。青葉さん自身の感想はどうでしょうか?  藤極堂さんの削りバージョン(これも、リライトに近いですが)を読むとわかりますが、けっこう削っても、だいたい同じ内容が伝わってますよね。  どの文章が必要で、どの文章がいらないかを判断するのは、まず慣れが必要みたいです。  とりあえず、迷ったら書いておいて、後で削っていくのが良いみたいですよ。  文章や描写の話ばかりでも飽きそうですね。ちょっと別の話題を振ってみましょうか。  キャラについてです。  主人公、ちょっと普通じゃない振る舞いをしますよね。  自分の頭の中で、自分をフルネームで呼んでみたり。その考えに対し、「うるさい!」と叫んでみたり。  遠くの銃声を「銃声」と理解したり。  銃声のしたほうへ「危険」と承知で向かったり。  私は、この主人公は一般的じゃない行動をとっていると思うのです。  青葉さん的には、どうでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 植物療法 No.6547 投稿日 2003年5月21日(水)19時36分 投稿者 弟切 千隼  異常な眠気と倦怠感に襲われて、昨日ほぼ一日を無為に過ごした弟切です(^^;  熱はないものの、風邪かも知れないと思い、とりあえずビタミンCを摂取しようとローズヒップ(バラの実)の入ったハーブティーを飲んでいます。「ビタミンCが豊富なローズヒップなどが入って、美肌効果がある」という謳い文句につられて買ったハーブティーです(笑)  羽矢野さんの文章を藤極堂さんが削ったものと、青葉さんの文章を同じく藤極堂さんが削ったものを読みました。  紫さんが指摘されているとおり、どちらも削り後のほうがすっきりして読みやすくなっていますね。むろん、きちんと元と同じ意味が通じる、というより、より意味が通じやすい文章になっています。  正直なところ、弟切は、青葉さんの文章の一部について意味がうまく取れませんでした。以下の部分です。 >>地面を蹴って、ペダルを踏む。男たちと木の間を交互に見る。 >>……違う。彼の服の色は白ではない。 (課題部屋のNo.483より)  この場面に登場するのは、主人公を除けば、銃を撃っている男二人と主人公が探している男一人ですよね? 主人公以外は全員黒服と書いてあるのに、『服の色は白』と出てきたので、「誰かこの場に白い服を着た人がいたっけ?」と読み返してしまいました。  「遠い夜明け」を書きながら、無駄な文のないすっきりした文章にしようと弟切も心がけています。しかし、自分で書くとなるとなかなか難しくて実現できず、情けない限りです(;_;)  「遠い夜明け」の本文9を課題部屋に上げておきました。 -------------------------------------------------------------------------------- おーわったーい! No.6548 投稿日 2003年5月22日(木)17時21分 投稿者 はせがわみやび  ども、おひさしぶりです、みやびです。  あうう。FF11の3巻が、とりあえずいちおうなんとか、終わったので、書いてます。まだ、直しがあるのだけど。  とりあえず、生存証明をしておかないとー。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- 谺[こだま]して山ほととぎすほしいまゝ No.6549 投稿日 2003年5月23日(金)00時12分 投稿者 弟切 千隼  今日、もう暗くなってから、弟切はホトトギスの鳴き声を聞きました。今年の初音でした(^_^)  昼間に鳴く鳥が圧倒的に多い中で、ホトトギスは昼夜を分かたず鳴きます。その性質が珍しがられて、黄昏鳥[たそがれどり]・夕影鳥[ゆうかげどり]・夜直鳥[よただどり]などの別名があります。  弟切が今書いている「遠い夜明け」の中に登場させたゴイサギも、昼夜を分かたず鳴く鳥です。ゴイサギは分布域が広く、ユーラシア大陸の多くの地域で見られる上に、鳴き声が不気味なので、ルネサンス期イタリアを舞台にしたホラー小説の小道具にはちょうどいいと思い、登場させてみました。  ヨーロッパでもゴイサギが夜によく活動することが知られており、ゴイサギの仲間の英名をnight heron(夜の鷺)といいます。  ヨーロッパに生息する鳥で、夜に鳴く種といえば小夜啼鳥[さよなきどり]が有名です。ナイチンゲールnightingaleという英名でも知られていますね。  何を隠そう、ルネサンス期イタリアを舞台にしたあまりにも著名な悲劇『ロミオとジュリエット』に小夜啼鳥が登場します。変化に富んだ美しいさえずりを聞かせてくれる小夜啼鳥は、夜に鳴くという習性とあいまって、ロマンティックな雰囲気を出す小道具として恋愛小説などによく用いられます。  ホラー小説の小道具としては不適切なため、「遠い夜明け」においては小夜啼鳥に遠慮していただきました(笑)  以上、「遠い夜明け」にまつわる細かい薀蓄[うんちく]でした。おそらくこの程度のことは、鳥に詳しいとんびの羽根さんなら御存知でしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 夏の星座 No.6550 投稿日 2003年5月24日(土)03時29分 投稿者 弟切 千隼  前回の書き込みNo.6549で、弟切は「遠い夜明け」に関する薀蓄を語りました。本筋とは関係の薄い小道具について皆さんに少し知ってもらって、より楽しんでいただこうと思いまして(^_^)  続いて、今回も本筋とはあまり関係のない薀蓄を語らせていただきます。今回は星座についてです。  「遠い夜明け」の中に「夏の十字架」という星座が登場しますね。星座に詳しい方なら、この名前だけでぴんと来たでしょう。これは白鳥座−ラテン語名キュグヌスCygnus、英語名は同じ綴りでシグナスと発音−のことです。  白鳥座は夏の代表的な星座です。デネブやアルビレオなどの明るくて美しい星々により、大きな十字形を形作っているので目立ちます。  その星の並び具合から、英語で白鳥座を指す別名に"Northern Cross"(北の十字)というのがあります。この別名は、南半球でよく視える星座として有名な「南十字」"Southern Cross"に対して、北の空にある十字という意味で名づけられました。  ルネサンス期イタリアの農民が、この「北の十字」を農作業の目安にしていたかどうかは、本当はわかりません(^^;   しかし、星座を農作業の目安にするのは、古来、世界各地で普通に行なわれていた風習です。白鳥座のような目立つ星座ならば、農作業の目安として用いられていても不自然ではないと考えました。  ヨーロッパ人の主食である麦は初夏に収穫期を迎えます。ちょうどその頃に夜空に視え始める白鳥座は、良い目安になったのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 何も変わらないのだね。皆。 No.6551 投稿日 2003年5月24日(土)15時22分 投稿者 藤極堂 >大人しい属性と元気属性だと、元気属性(あたしの方が強いはず)の方が怖さを 表すのに適当かと思ったのですが。 理解不能。 キャラが不必要なまでに元気である必然性は? 話の最後で気弱になっているのならわかるが、短編でそこまでの変化を描けるはずがない。(少なくとも羽矢野には) 実際、この話の最後になっても主人公の本質は強気のままだ。 ならばこの冒頭の「主人公が強気」という初期状態描写は余分であり余計であり、読者に不必要な文章を押しつけるだけの作者の自己満足に過ぎない。 回収されない伏線は切って捨てろ。 少なくとも私はそう思う。 >ここへ来た理由がばっさりと切られてるのと、服装がブレザーになってる。 >きもだめしって、やっぱり夏なので、ブレザーにわざわざしたのは理由が?(最後に制服の違いがあるから、ここで描写するとよかったかも) >クジで負けて云々(ここにいたるいきさつ)書くか書かないかは、私も迷った。 冒頭で必要な情報は「主人公は好きで校舎に入ったわけではない」ということだ。 クジで負けようが、バツゲームだろうが、スクープ取材だろうが、読者にとってはどうでもいい。 というか、そういうのは引っ張りながら明かすのが本当だろう。 それと、宿泊施設のある高校(中学?)というのが理解できなかったので夏属性をザックリ切り落とした。 旧校舎を残したまま、新しく別に校内に宿泊施設を建設する高校――あるのか、そんな高校。 というか、ヤンキーのたまり場になりそうなだな。宿泊施設。 学校で宿泊なら体育館で雑魚寝か、ミニバスで郊外にが定番だと思うが。 金があるのか無いのかよくわからんが、土地は余ってそうな学校だな。 それと、お出かけ前でもないのに服装チェックする女も不自然だろ。 >恐れを描写するのが目的なので、恐れという単語を使うのはNGでは? 恐れという単語を使うのがNGなのではなく「私は怖かった」「彼女は怖がっていた」という文章で読者を納得させることはできないというだけだ。 >木の床の方が雰囲気や視覚の面で怖いと思ったのですが、今風のリノリウムにしたのは何か意味があるのでしょうか? トイレが水洗だったから。 木造校舎というのはhttp://www.naxnet.or.jp/~isi-jh/mokuzou.htmlこういうものだろう? なら、トイレはくみ取り式か増設されたものがあるのがふつうだろう。 というか、くみ取り式の場合は一度外に出てからすのこ板の上を通ってトイレの中に入る形式が一般的だ。 しかし水洗トイレ、なおかつ校内。 デザインも、丸いドアノブくらいしか古臭いものがない。 結論、羽矢野の思い描いている旧校舎はコンクリート校舎の壁面に板を打ち付けて木造風に見せかけたエセ旧校舎。 なんでそんなもんがあるのかはよくわからんが、きっと前の校長がエコロかレトロ趣味で改装したのだろう。 閉鎖された真の理由はホルムアルデヒドだ。多分。 シックハウス:新設校に通えない 滋賀の児童、通学困難にhttp://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200211/07/20021107k0000m040168000c.html                      (毎日新聞より引用)                                             >心が恐怖の向きに傾いているときに、何が物音が聞こえたら、必ず“ビクッ”てなる。 いや、幽霊いないとわかったから安心してる? この辺の削りは甘かった。反省。 >後頭部に限定すると、仰向けに倒れたことにならない? >それだと、すでに後ろが見えるから、振り返れない。 仰向けで見えるのは天井(上)だと思うのだが。羽矢野は目も動かさずに後ろが見えるのか。すごいな。 ……書き直していた途中思いついていた展開。 倒れた直後に金縛り。  ↓ 何か後ろのトイレからズルズルと物音が近づいてくる。  ↓ 必死で目を閉じる主人公。  ↓ 頬になま暖かい息が。  ↓ まぶたを探る指。  ↓ 指が眼球を突き破る。  ↓ 悲鳴をあげて目を開ける。  ↓ 実は幻覚。しかし誰かと目が合ってしまう。 ……なんか、全面書き直しになってまうデスネ。没。 カナシバリが解ける前に半身起こしてるよ……変だよ自分。 >トイレットペーパーのロールスタンド >初詣に行った神社でやった階段巡り ペーパーホルダーと寺院の戒壇巡りの間違いだろう。 空白を埋めるためだけに自分語を書くな。 わからないならネット検索しろ。 私の確認手順を書いておこう。 Googleで「階段巡り」と検索すると善光寺という具体的な名称が書かれた個人の日記が検索された。 そこから「善光寺 暗闇」で検索すると「戒壇巡り」という単語に行き当たる。 「戒壇巡り」で検索。約492件。 http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200104/12/0413m110-400.html 毎日新聞での記事も「戒壇巡り」。 おそらく、羽矢野の記憶違いなのだろう。 言っておくが別に私だってそんなに物知りってわけじゃない。 ただ、自分の知らないであろう事や、よくわからない事はなるべく調べるようにしているだけだ。 「?」と思ったことを調べるようにしていればおのずと知識は増える。 ただそれだけだ。 しかし、羽矢野は調べるということをしない。 自分の想像の基盤となる資料を探さない。 あるいはすでに持っている知識を生かす舞台や話を考えない。 私と羽矢野の違いはおそらくそれだけだろう。 電波が電波である由縁はそれだ。 自分の想像――妄想を『すなわち事実』だと思い込む。 そして、それを『他のわかっていない人に教えてあげよう』と押しつける。 そこに自身の考察に対する懐疑はない。 そこに自身の行動に対する迷いはない。 そこに自身の優位に対する不審はない。 あるのは絶大なる自身の判断へ妄信と、全能感だけだ。 羽矢野、羽矢野は前に私に警察関係の資料のあるサイトを探してくれと冗談交じりに書き込んだことがあったな。 私がその時感じたものを教えよう。 それは怒りだ。 ネットに落ちている情報はひどく浅いものだ。そして古い。 警察官の出てくる話をちゃんと書こうと思うなら、ネットを流し読みするくらいではとても追いつかない。 テレビの特集や専門的な事を書いている――娯楽以外の本を読み込まなければ、映画やドラマの演出のどれが誇張されたものかさえ判別がつかないだろう。 どのくらいの本を読めば一応のものが書けるのか私にはわからない。 しかし、おそらくは刑事物の小説を数冊、特番を数本見たくらいではとても追いつかないということだけはわかる。 だけど羽矢野は「刑事物の小説を数冊、特番を数本見る」ことさえしないのだろう。 羽矢野の想像の基盤にあるのは、漫画やドラマにある現実にはありえない刑事であり。 それが誇張されたものであることさえ気づきもしないのだろう。 青葉が「本物の銃声と映画で使用される銃声が同じものだと思っていた」ように。 大抵の人間は、本物(に近い)銃声をドキュメンタリーやニュースで耳にしたことがあるはずだ。 だけど、気づかない。 気づこうともしない。 何も知らないまま、調べないまま、想像だけで書かれたもの。 一瞥しただけで間違いだと理解できるもの。 そんなものを押しつけられても迷惑なだけだ。 だから見ない。 読まない。 その続きは。 ふつうのひとは。 それだけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず終了 No.6552 投稿日 2003年5月24日(土)21時47分 投稿者 弟切 千隼  「遠い夜明け」(仮題)をようやく書き終えた弟切です。といいましても、初稿に何も直すところがなく、そのまま通用するほど自分に実力があるとはもちろん思っていません。これからまた書き直すことになるでしょう。  初稿が提出されましたので、皆さんからの御指摘は解禁です。ばりばり指摘してやって下さいませ。 藤極堂さんへ >  藤極堂さんが削った羽矢野さんの文章(元の文章は課題部屋のNo.481、削ったものはNo.482)について、一つだけ指摘させていただきます。  藤極堂さんは、『宿泊施設のある高校(中学?)というのが理解できなかった』とおっしゃっていますが、少なくとも高校においては、私の知る限り、宿泊施設がある学校はかなりあります。私の出身高校にもありました。  高校の宿泊施設は、主に運動部の合宿に用いられるもののようです。少なくとも私の知っている範囲では、そういう使われ方をしている例がほとんどでした。ですから、バレー部の合宿で主人公たちが学校に泊り込んでいるという羽矢野さんの設定は、私にはごく自然だと感じられました。 -------------------------------------------------------------------------------- ●藤極堂さん No.6553 投稿日 2003年5月24日(土)22時43分 投稿者 羽矢野  まあ、言い訳というわけではないけど。 >>キャラが不必要なまでに元気である必然性は?  最後に気弱方向へ持っていって、変化を描こうと思った。  まあ、できてないのは認めます。  できてないなら捨てろという意見は、確かにその通り。  完成した小説を書くには当然そうしなきゃならない。  書かれてないのでもう一つだけ訊きたいのは、何故“私”を選んだのか。  様々な一人称がある中で、わざわざ“私”にしたのはどうして?  この書き方だと、一人称のデフォルトが“私”だからという理由になっちゃうけど。  そういうこと? >>ここへ来た理由  これについては、今書いてるリライトではバッサリと切ってます。  理由は単純で、今回の怖いを書くのにそれは必要ないから。 >>夏属性をザックリ  これが制服にした理由ですか?  私のはこっちの理由の方がよくわかんないですが。  夜の学校へ肝試しにくるのにわざわざ制服を着てくる方が想像しにくい。(それにこの段階で制服を着てるのはおかしい) >>学校の不自然さ  これは実は私の田舎に似たような学校があったのだ。(もうないが)  当然都会じゃないよ。  旧校舎なんて余分なもの残しておく都会の学校はない。  そこは、床が板張りで水洗トイレだった。  もともと外にあったのか、後から改装して中にトイレを追加したのかまでは知らないですが。  くみ取り式の方が自然であるし、最初はそうしようかと思いました。  でも校舎の中にくみ取りってのは不自然な気がしたし、これは校舎の中で話しが展開しないといけないので水洗に。  それとくみ取り式だと嫌悪感がでてしまう人がいるかと思ったので、余分なものが入らないように。  宿泊施設ってのが余分だったのは認めます。  単純に体育館で雑魚寝すればよかった。  私の学校は部室棟に簡単なそういう施設があった。  あと、少し山の方の学校には冬に雪で帰れなくなるので、学校に宿泊する施設があたりまえのように建ってました。  その影響かな。  まあこれは単純に言い訳ですが。  実際にあるかどうかではなく、不自然に見える選択をしたのはミスです。 >>仰向けで見えるのは天井(上)だと思うのだが  いや、振り返るとか動作がいらないという意味です。  眼を後ろに向けられるということですが。  というか、ここを読んで悪意があるのかと思いましたが。  あの書き方で“仰向けになると、目線すら動かさずに後ろを見ることが出来る”と私が言ってるとおっしゃいますか……。  いや、そう読めたのなら、もちろん書いた側の私が悪いです。 >>ペーパーホルダーと寺院の戒壇巡りの間違いだろう。 >>空白を埋めるためだけに自分語を書くな。  ペーパーホルダーは、これは自分語でした。  ネットやトイレに行ってそれに名前ついてないかと少し調べたけど見つからなかったので、練習だしニュアンスで誤読されなければいいかと。  怖さを表す練習だったので少し調べてでてこなかった単語は似たもので代用しました。 ここだけですが。  ばれるとこんな感じに指摘されるのも覚悟してました。  今は、調べがついて知ってます。  リライトしてるのでは直ってます。が、そんなの関係ないですね。  怠慢だったのはその通りです。 >>戒壇巡り  こっちは、実はわざと。  ネットだと両方でてきた。  正式名称は戒壇だと知ってましたが、間違いが別名かで階段巡りで検索してもいくつかでてきた。  これは間違っているとしても音の響きでそう思いこんでるんだなと思った。  この主人公は高校生。  普通の学生で戒壇巡りをちゃんとした漢字で憶えてる人なんて、むしろ少数だろうと思った。  実は長い間、私も単純に階段と思ってたということもあったし。  なので、この話は一人称であったので、階段という漢字にしました。  まあ、混乱するだけだといえばその通りです。  間違って憶えていることが必要というわけでもないし。 ●知識を調べない  これは反論はできません。  素人の素人たる甘えで。  今回やったのは、ネットでいくつかの事を調べるのと、実際に夜のお墓に行ってみたのと、いくつか本やドラマ、映画なんかを見たくらい。  図書館に何回も通ったり、本屋さんを渡り歩いたりはしてません。 >>「刑事物の小説を数冊、特番を数本見る」ことさえしないのだろう。  まあ、そこまで酷くはないけど。五十歩百歩です。 >>青葉が「本物の銃声と映画で使用される銃声が同じものだと思っていた」ように。  ただ、青葉さんにそれを言うのはどうかと思います。 >>気づこうともしない。  じゃなくて、そういう頭の回路にまだなっていないのではないでしょうか。(自分がそうなっているとは、とても言えませんが)  分室の参加条件にログを全部読むことというのがあるので、知っていなきゃいけないってならその通りです。  でもいきなりその指摘だと混乱するだけではないでしょうか。  実際の銃声と、ドラマの銃声は違うと指摘することはいいと思います。  しかしそれを資料を調べないことまで持っていくのはちょっと行き過ぎでは。  というと怒られるかな。  ただ今の青葉さんに  “こんなわかって当然のことも間違っている君の話は読むに値しない。二度と読むか”  なんてとれることを言うのはマイナスにしかならないと感じましたので。  私に言うのはいいです。  でも青葉さんにも向けてありますよね。この文章。 -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6554 投稿日 2003年5月24日(土)22時52分 投稿者 羽矢野  まずは、おめでとうございます。  一つお願い。  全部つなげたものを課題部屋にあげておいて下さい。  全部読んでみて、最初に言ってしまうと怖くはないですね。  ゾクッって感じもしない。  一つ確認ですが。  これは怖い話として指摘をしてもいいのでしょうか。  それとも書いている間に“私は本当は怖い話をやりたかったんじゃないんだ”とか気づきました?  それによって内容が変わってきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 全文上げておきました。 No.6555 投稿日 2003年5月26日(月)00時23分 投稿者 弟切 千隼  課題部屋に、「遠い夜明け」(仮題)の本文全てを上げておきました弟切です。  まとめて上げるに当たって、これまでに少しずつ書いて上げていた文章を全て見直し、修正したほうがよいと思った部分は修正しました。したがって、分割して上げてある分とは違う箇所がままあります。まとめて上げたほうを最新版として下さい。 羽矢野さんへ >  弟切は、最初は確かに「読者さまに怖がってもらう話」を書くつもりでした。けれども、そう考えて書いていながら、どうしても怖い−と自分で感じられる−文章になりませんでした(^^; 今、「遠い夜明け」を読み返してみても、弟切にはちっとも怖いと感じられません。  これに関してはまったく弁解の余地なく、弟切の実力不足です(;o;)  怖い文章にはできなくとも、何らかの形で読者さまには楽しんでいただきたいと思ったため、弟切は途中で方針を変更して、「読者さまに悲しんでもらう話」にしようと企てました。まだ若くてたくさんやりたいことがあったのに、突然命を絶たれてしまった主人公を描いて、悲しんでもらおうと考えたのですね。  この企てが成功したかどうかは、現在のへたれな弟切には判断がつきません(^^; この作品を読んでくださった皆さんの御指摘を待ちます。 -------------------------------------------------------------------------------- 怖い話 No.6556 投稿日 2003年5月26日(月)12時10分 投稿者 はせがわみやび  こんにちは、みやびです。  初稿のチェックをしつつ、空いた時間で羽矢野くんの「旧校舎」を見てみました。  で、ふたつばかり、削った文章を作ってみた。  いわゆる灰色の文章を削る──ではなくて。  ちょっと基準を変えて、「怖いか」「怖くないか」でチェックしてみましたですよ。「この文章が入ると怖くなくなっちゃうなあ」っていうものを削ってみたです。  ひとつめは、本当にただざくざくっと削ったもの。  ふたつめは、削りと、あとは文章の入れ替えを行って推敲してみたもの。  読めばわかりますが、何ひとつ新しいものは付け加えていませんです。  素材は、最初に羽矢野くんが作ったもの、そのまんま。  それを削った&入れ替えただけです。  削るだけで、1時間。入れ替えでちょっと苦労して3時間くらい?  書きあげてから、あと4時間くらいをかけていれば、このあたりには落としこめたはず、ということで(^^;。  多少は、怖くなっていると思う。たぶん(^^;。 はせがわみやび@削り後の文章がおかしいところは自分で直すよーに(笑) -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6557 投稿日 2003年5月27日(火)00時28分 投稿者 羽矢野  では「遠い夜明け」の指摘に入ります。  最初は読みながらちょこちょこ感想なんかを書いていきます。  ようは主観でやってます。 >>彼女は身震いした。誰もいない。ここがどこなのかわからない。今は何月何日なのかもわからない。  最初で引っかかる部分がここかな。  いきなりすぎなんですよね。  人間の行動って、多分こういう時は順番があると思います。  ここがどこだかわからないとなって、次にいきなり今日はいつかなんて思考にはいかないんじゃないかと。  うまく言えないですが。  そして季節がいつかもわからないのに、それを疑問に思わなかったり。  もしも夢のように気にしないってことなら、最初からここはどこ? ってあるのが変だし。  どっちの立場で書いてあるのかな? 「クリムゾンの迷宮」って小説の始まりが同じですから一度読んでみるといいかもしれません。 >>ルチアは首をめぐらせて辺りを見回した。周囲を遮るものはなく、星明かりがうっすらと地平線を浮かび上がらせていた。  これがよくわかんないんですが。  なんで最初目を閉じていたのに、夜目が効いてないんでしょうか。 >>闇夜に目が慣れてきたらしい。彼女の目は「夏の十字架」と同時にもっと重大な物を捉えていた。  って後の文にあります。 >>Q.暗闇で目をならすにはどうすればよいでしょうか 明るいところから急に暗いところに入ると1分間ほど何も見えなくなります。そうして,およそ4〜5分するとまわりが見えるようになります。これは,瞳が小さいまま暗いところに入ると光の量がたりなくなるためで,暗やみに慣れてくると,瞳が開いてきて少しずつまわりが見えるようになるためです。そうして,暗やみの中で目が完全に働き出すのには1時間くらいかかります。このように,明順応から暗順応に移る方が時間がかかります。暗やみで目をならすには,自然に目をならすよりも,両目をグッとつぶって,それから開いた方が早くなれるといわれています  ちなみに弟切さんはもちろん知ってると思いますが、知らない人のために。  目の仕組み。  それとも、私の解釈か知識のどっちかが違ってるのでしょうか。  今日は簡単にこれくらいで。 -------------------------------------------------------------------------------- 鎮魂歌 No.6558 投稿日 2003年5月27日(火)01時16分 投稿者 弟切 千隼  キリスト教徒ではないのにキリスト教の聖歌はわりと好きな弟切です。  「遠い夜明け」(仮題)を読んで指摘して下さる(予定の)皆さんのために、作品中の小道具の元ネタをばらしておきます。この作品を読んでみて全然面白くなかったとしても、ちょっとした知識を得て少しは元を取って下さい(笑)  この作品中で用いられている祈祷の文句は、すべて実在するグレゴリオ聖歌から取っています。ただし、グレゴリオ聖歌は本当はラテン語で歌われるものです。ラテン語の歌詞をそのまま書いてもおそらく誰もわかりませんので(^^;、日本語訳した歌詞を用いています。  グレゴリオ聖歌は、歌であると同時に祈祷でもあります。ローマカトリック教会で、降誕祭や復活祭や聖霊降臨祭といった重要な行事が行なわれる時には、必ずグレゴリオ聖歌が歌われます。  グレゴリオ聖歌が成立したと推測される九世紀頃から現在に至るまで、聖歌の歌詞はほとんど変わることなく、ラテン語で歌われ続けているそうです。  ところで、ルネサンス期イタリアで一般庶民がしゃべっていた言葉は、ラテン語の直系の子孫であるイタリア語でした。むろん、現在のイタリア語よりはずっと古風なイタリア語ですが、基本は現在のイタリア語とほとんど変わらなかったようです。  ラテン語は、当時の知識階級の公用語として用いられていました。  と、ここまで書くと、「はてな?」と思われる方が多いでしょう。知識階級である司祭のフランチェスコはともかく、一介の農家の娘であるルチアが、ラテン語の祈祷文を唱えるなんておかしいですよね?  これの種明かしは、「門前の小僧、習わぬ経を読む」です。  知識階級ではないルチアは、むちろん普段はイタリア語をしゃべっています。しかし、日曜日−キリスト教の聖なる安息日−や宗教的行事のたびに教会へ行って、グレゴリオ聖歌を聴かされ、歌わされているために、ラテン語の祈祷文を耳で覚えてしまったのですね。  ルチアは無教養で、イタリア語の文章さえまともに読むことはできず、ましてやラテン語の歌詞の意味をすべて正確に把握することなどできません。それでも、司祭などから「この歌詞はだいたいこういう意味」というのを教わっていますから、オウムのようにまったく意味がわからぬまま祈祷文を唱えているわけではありません。  ちなみに、ルチアが墓地を歩きながら唱えている祈祷文は、『いと高きところに……』で始まるのが「栄光の賛歌 第九番 Gloria 9」、『聖なるかな……』で始まるのが「感謝の賛歌 第九番 Sanctus 9」、『世の罪を除きたもう……』で始まるのが「平和の賛歌 第九番 Agnus Dei 9」です。この三曲は、原則として一年中全てのキリスト教の祭日のミサの際に歌われますので、おそらくルチアのような一般信者にとって最も馴染みのある祈祷文です。  ルチアが髪をつなぎながら唱えているのは、「憐れみの賛歌 第九番 Kyrie 9」です。前の三曲と同様に、一年中全てのミサに際して歌われます。  フランチェスコが最初に登場する場面で唱えているのは、死者のためのミサの冒頭で歌われる「入祭唱:主よ、永遠の安息を Introitus:Requiem」です。  その後、ルチアを鎮める場面で長々と唱えているのは、同じく死者のためのミサで歌われる「続唱:怒りの日 Sequentia:Dies Irae」から取った祈祷文です。  モーツァルトなどの著名な音楽家が何人も作曲している「鎮魂曲(レクイエム Requiem)」は、実はグレゴリオ聖歌の「本歌取り」です。 -------------------------------------------------------------------------------- 恐怖 No.6559 投稿日 2003年5月27日(火)01時22分 投稿者 羽矢野  みやびさん、ありがとうございます。  みなさんの指摘をいろいろ受けて、削って書き直してみました。  課題部屋にあげておきます。  引き続き推敲はしていきます。   -------------------------------------------------------------------------------- 色気より食い気? No.6560 投稿日 2003年5月27日(火)23時06分 投稿者 弟切 千隼  弟切は今日、用があって出かけた先で大きなペットショップを見つけて入ってみました。熱帯魚から亀から小鳥から犬・猫まで、たくさんの生き物に会えて幸せな気分になりました。  けれども、ドジョウの群れを見て「柳川鍋[やながわなべ]が食べたいなあ」と思い、スッポンを見て「すっぽん鍋もいいなあ」と思い、名古屋コーチン(鶏の一品種)の雛を見て「もうちょっと大きくなってからつぶすと、肉が柔らかくて美味しい若鶏だよなあ」と思ってしまったのは、我ながらやや問題があるかも知れないと感じました(笑) 羽矢野さんへ >  「遠い夜明け」(仮題)に対する早速の御指摘、ありがとうございます(^o^) >>>>彼女は身震いした。誰もいない。ここがどこなのかわからない。今は何月何日なのかもわからない。 >> 最初で引っかかる部分がここかな。 >> いきなりすぎなんですよね。 (No.6557の羽矢野さんの書き込みより)  ここはまったく御指摘のとおりだと思います。実力不足がばればれですね(^^; この部分は、書き直しの際にはもっとましなものに修正します。  羽矢野さんが紹介して下さった『クリムゾンの迷宮』とは、貴志祐介さんが著者で、角川書店から出ている本ですね。探して読んでみます。 >>>>ルチアは首をめぐらせて辺りを見回した。周囲を遮るものはなく、星明かりがうっすらと地平線を浮かび上がらせていた。 >> これがよくわかんないんですが。 >> なんで最初目を閉じていたのに、夜目が効いてないんでしょうか。 (同じくNo.6557の羽矢野さんの書き込みより)  ここは、実は確信犯です。一般の読者さまならともかく、分室に出入りしている方々の読解力をもってすれば、ここが変であることに気づかれないことはないだろうと予測していました。  羽矢野さんの知識や解釈が誤っているわけではありませんので、御安心を。  ここで意識を取り戻したルチアは、もちろん自分は普通に生きていると思っています。ですから最初に周囲がよく視えず、だんだん視えてきて闇夜の中にいると気づいた時に、普通に生きていた頃の体験に基づき、「暗さに目が慣れるまでよく視えなかった」と解釈します。  ところが、実際には彼女は死んで霊体だけの存在になっています。最初によく視えなかったのは、死の眠りから起きてきたばかりの彼女の霊体がまだ固まっておらず、その機能を十分に発揮していなかったからです。起きぬけの人の頭がぼんやりしているのと同じですね。  つまり、霊体の能力が十分に発揮されていないがためによく視えないのを、ルチアは暗さのためによく視えないと誤解したわけです。  上記のとおり、ここの部分は、注意深い読者さまならおかしいと気づくでしょう。一応、ここは「生きていると思っていたルチアが死んでいた」という転の伏線のつもりです(^^;  しかし、この伏線は明らかに生かしきれていませんね。あまりにもあからさまな伏線を引くと、早い段階から仕掛けがばれてしまって興ざめとはいえ、全く気づかれずに読者さまに違和感だけ残してしまう伏線もまずいです。  伏線は、最後まで読んだ読者さまに「なるほど!」と思ってもらえなければ意味がありません。書き直しの際には、もう少し書き方を工夫します。 -------------------------------------------------------------------------------- ハイスピUP No.6561 投稿日 2003年5月28日(水)09時26分 投稿者 紫ゆきや  ハイスピ全文を課題部屋にUPしました。  短編なのに、まるまる一年かかってしまいました。  自分一人では、これ以上よくなりそうにありません。気付いた所などありましたら、ご指摘いただければ幸いです。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6562 投稿日 2003年5月28日(水)23時08分 投稿者 羽矢野 ●自分の記憶が曖昧であるルチアから。  ずーっと読んでいくとルチアがいろいろと推理を巡らせてます。  が、彼女自身がそんな状況なのにも関わらず、焦ってないので読んでいてイマイチ恐怖や不安といった感情になりません。  たまにあるウンチクとかに感心しながら読んでます。  ここで、一つ。  私も怖いのをちょこっとやってますので、何で弟切さんの全然読んでいて感情が動かないのかわかります。  プロセスが遅いです。  思考が、冷静に分析した上でなりたってます。  だから焦りとか恐怖とかいう感情の動きがない。  例えば、墓地だと認識する部分。  木がある → イチイの木だ → 落雷の後がある → それは墓地の中にある  彼女が墓地だと思うまでにこんなにプロセスを経てます。  冷静ですね。落ち着いてますね。  物事が順序よく整然と書いてあると、そういうことになります。  見覚えのある木 → 墓地  焦ってたら、こんな感じ。  自分でも焦ってるときって、理路整然とは考えないでしょ。 ●最初の恐怖地点 >>足を止め、息を落ち着かせながら周囲を見渡す。 >>ここはどこ?  ここが最初の恐怖ポイントなんだけど。  上と同じで、のんびりしてるので何とも思わない。  あとループしてるってわかりにくいです。  何で墓地から一刻も早くでたい人間が、息を落ち着けてから確認するのよ。  そしてここはどこ? っていうのも変ですね。  視覚情報が繋がらないんだから、おかしいとは思うはず。  ここで一呼吸置いてるのがとっても変に感じます。  とつっこみは今日はここまで。 ●悲しい話  ええとみやびさん、紫さんと少し話をしたのですが。  この話は悲しい話じゃないだろうと。 「楽しい」が書いてないのに「悲しい」が書けているはずがない。  と言っておりました。  そうですよね。  彼女の楽しかった思い出や生への執着がエピソードとして書いてない。  悲しい話には見えないですね。 ●指摘とか  最近みんなこないので、わかんないけど。  弟切さんの小説は指摘がものすごくしづらい。  文章的にすごくおかしな所があるわけじゃないし、変な表現があるわけじゃない。  リズムが一定で単調なので、読み手に心の変動や臨場感が全然伝わらないのと、文章の密度が均一なので何を伝えたいのかわからない。それが一番大きいのかなと思います。  でもそれって、伝えるのが難しい。  自分ができてるわけでもないし。  みんなが二の足を踏んでるのは、それが原因なのか。  単に、参加者が四人くらいになったのか。  どっちでもいいけど。 ●紫さん  少し待っててね。 -------------------------------------------------------------------------------- 教会暦 No.6563 投稿日 2003年5月29日(木)00時04分 投稿者 弟切 千隼  今回も、「遠い夜明け」(仮題)の設定について薀蓄を語らせていただきます弟切です。今回は降誕祭や復活祭や聖霊降臨祭といったヨーロッパの行事に関することです。  ルネサンス期イタリアは、キリスト教の影響が隅々まで行き渡っていた世界です。年中行事といえばほとんどキリスト教の祭事だといってよいでしょう。  日本人が桃の節句や端午の節句や七夕といった行事で季節感を感じるように、ルネサンス期イタリアの人々は降誕祭や復活祭や聖霊降臨祭でもって季節感を感じ、また時を計っていました。  降誕祭はクリスマスのことです。クリスマスという呼び名は英語なので、ルネサンス期イタリアの話にはふさわしくないと考え、古風な降誕祭という名を使いました。救世主イエズスが天界から人類を救うために降誕したことを祝う祭事ゆえ、降誕祭といいます。  降誕祭は言わずと知れた十二月二十五日ですね。現在ではメインイベントのようになっている十二月二十四日は、本来降誕祭の前夜祭です。  復活祭は英語のイースターという呼び名で知られています。これもルネサンス期イタリアにはふさわしくない呼び名なので、復活祭の名を採用しました。イエズス・キリストが一度死んだ後復活したことを祝う祭事です。  復活祭は、年により日付が異なります。春分の日の後、初めて巡ってきた満月の、そのすぐ次の日曜日と決められています。春分の日が三月の二十一日ごろですから、だいたい三月の終わりから四月の半ばに復活祭が行なわれます。  聖霊降臨祭は、日本では馴染みがない行事ですね。イエズスが復活した五十日後に、天から聖霊が降りてきたという故事を祝う祭事です。  この故事にちなみ、聖霊降臨祭は復活祭の後の第七日曜日に行なわれると決められています。年により復活祭の日付が変わりますから、聖霊降臨祭の日付も年により変わります。おおよそ五月の終わりから六月半ばくらいが聖霊降臨祭の季節です。  聖母被昇天祭というのは、イエズスを産んだ聖母マリアが死んで天に召されたことを祝う祭事です。聖バルトロマイの祭日は、イエズス・キリストの十二使徒の一人である聖バルトロマイを祝う日です。ミカエル祭は神に仕える大天使ミカエルを祝う祭日です。  キリスト教においては、信仰を固く保ち、人々にキリストの教えを広めることに功があった人々を聖人として認定するシステムがあり、一人一人の聖人に対してその人を記念する祭日が設けられています。キリスト教会の暦には日ごとに「誰々の祭日」というのが書き込まれていて、昔のヨーロッパの人々はこういった祭日のうち主なものを季節の区切りにしていました。 -------------------------------------------------------------------------------- 『ホラーを書く!』 No.6564 投稿日 2003年5月29日(木)17時43分 投稿者 弟切 千隼 という本を見つけて買い、現在読んでいる弟切です。怖い話を書く参考になるかと思いまして(^_^)  この本は、ホラー小説を書いている小説家の方々へのインタビュー集です。インタビュアーは東雅夫さんで、インタビューされている小説家は、朝松健さん・飯田譲治さん・井上雅彦さん・小野不由美さん・菊池秀行さん・小池真理子さん・篠田節子さん・瀬名秀明さん・皆川博子さん・森真沙子さん(以上五十音順)です。  読んでみると、小説のことを離れても非常に興味深い話が載っていて、とても面白く読ませていただいています。ホラー小説を書く気がなくても、オカルト的なことに興味がある方や、マスコミに興味がある方は大いに読む価値がありますね。  もちろん、ホラー小説を書きたいと思っている方には、素晴らしい参考書となるでしょう。弟切はホラーというジャンルに格別なこだわりはないものの、偏見をもって見られることが多いこの分野で、第一線を張り続けている方々の言葉には、やはり心打たれるものがあります。  『ホラーを書く!』は小学館文庫から出ています。 >>「遠い夜明け」(仮題)指摘  羽矢野さんがおっしゃるとおり、弟切自身が自分の文章からは恐怖や不安を感じにくいです(だめ過ぎですね(^^;;)  きっちりと段階を踏みすぎた思考のためにそうなっているという羽矢野さんの御指摘は、なるほどと思いました。要するに、弟切の文章は「とろい」のですね。  推定するに、弟切は、読者さまに誤読されないようにする文章を書くのが精一杯という段階なのでしょう。まともに意味が通じる文章を書くのがやっとで、「怖さ」や「悲しみ」といった感情を演出できる文章を書ける段階にまでは至っていないのだと推定されます。  「解説」ではなく「小説」を書くには、もう一段−あるいは数段?−上のレベルの文章を書けるようになることが必須条件ですね。  「怖さを演出する文章」を学ぶために、羽矢野さんが習作として課題部屋に上げたNo.481と、みやびさんがそれを削ったNo.491とを読み比べてみました。  No.491のほうが明らかに一文が短く、改行が多く、すっきりしていますね。  例外はあるとはいえ、怖さを演出するには、一般的に「一文を短くする」という手法が有効なようです。  上記を参考に自分の書いた「遠い夜明け」を改めて読み返してみますと、灰色率が高いことに愕然としました(;_;) とろい上にくどいです。だいぶ削れそうです。 >>>>足を止め、息を落ち着かせながら周囲を見渡す。 >>>>ここはどこ?   <中略> >> 何で墓地から一刻も早くでたい人間が、息を落ち着けてから確認するのよ。   <中略> >> ここで一呼吸置いてるのがとっても変に感じます。 (No.6562の羽矢野さんの書き込みより)  ここはお間抜けでした。怖くて錯乱しそうな状態の人間がどういうものか、もっとよく考えなければいけませんね。 >>リズムが一定で単調なので、読み手に心の変動や臨場感が全然伝わらないのと、文章の密度が均一なので何を伝えたいのかわからない。それが一番大きいのかなと思います。 (同じくNo.6562の羽矢野さんの書き込みより)  文章のリズムの単調さも、改めて読み返してみて気がつきました。これは、上に書いた「とろさ」と「くどさ」に関係があるでしょう。  読者さまを物語の結末まで引っ張ってゆくためには、文章の単調さはたいへんな障害となってしまうので、これも何とかしなくてはならない欠点ですね。  弟切の文章は、一文の長さが同じようなのが多いため、単調になってしまう気がしています。書き直す際には、もう少し一文の長さに変異をつけるよう心がけます。 お知らせ:  弟切は明日から仕事の出張のため、ここへアクセスできなくなります。帰宅するのは日曜日−6月1日−の予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- ●紫さん No.6565 投稿日 2003年5月30日(金)00時36分 投稿者 羽矢野  最初を少し読んだけども。  鞄を持ったまま、自分の身長より高い柵を越えるなんてナンセンスです。  なんで最初に鞄を柵の向こうに放り投げないわけ?  スカートなんて格好してる時点で、かなりハンデがあるし。  失敗すれば大怪我どころじゃすみません。  後。  主人公の身体能力だけど。  見あげるなんて書いてあるから、かなり高い柵だと思われる。  小柄で155pくらいだと考えても、2m以下ってことはないだろう。  その柵を、見あげてるような間近から、数歩さがっただけの距離から助走する。格好は動きが制限されるブレザーとスカート。そして鞄を持っている。  なのに、悠々と柵を越えて、なおかつ両足で着地する。(背面跳びって、首とか背中からモロ着地だ普通)  って。  オリンピックの選手だって無理だよー。  それ以前に、背面跳びして両足で着地って物理的に可能なのだろうか。  これは運動神経がいいとか、そういう問題ではないような。  走り高跳びの世界記録って、いいかげんに調べただけだけど、2m45pだよ。  これはそういうリアルを追求しないことかもしれないけど。  でもだいぶ嘘臭く感じました。 >>跳び上がりざまに柵のほうへと背中を向ける。背面跳びのように胸を反らせたまま舞い上がってゆく。 >>背中が柵を越えた。 >>ふとももが、くんっと空へ振り上げられた。 >>革靴の先が半円を描いたときには、白ぱんつに包まれたお尻も、鉄柵を越えていた。 >>両足をそろえ地面に降り立つ。  動きですが。  まず、跳び上がる。そして体をひねる。  背中で柵を越える。  ふとももが空へ……はよくわからない。足を空へ向けたってことかな?   >>革靴の先が半円を描いたときには、白ぱんつに包まれたお尻も、鉄柵を越えていた。  靴の先が半円を描くってのは、まったく意味がわからない。(足が上へ行き、さらに半回転した。つまりは空中で宙返りしたということかな?)  んで、次のお尻が鉄柵を越えていただけど。  背中が柵を越えて“から”、足にそれだけ動きがあったら、越えてるに決まってます。っていうか、もう着地寸前です。脳内映像。  逆に混乱します。  あとここはスローモーションで映像が展開しますが。  それでいいのね? -------------------------------------------------------------------------------- >羽矢野さん No.6566 投稿日 2003年5月31日(土)22時13分 投稿者 紫ゆきや  指摘ありがとうございます。 >> 鞄を持ったまま、自分の身長より高い柵を越えるなんてナンセンスです。 >> なんで最初に鞄を柵の向こうに放り投げないわけ?  この小説がワイヤーアクションモノだからです。  作者の脳みそが沸いていないことの証明が、不足していたようですね。  たとえば、語部視点として、「あろうことか、少女はそのままジャンプした。」とやる。  そうすれば、「ああ、この小説はリアリティレベル低いんだなあ」と受け取ってもらえると思います。  ――読み手の趣味に合うかどうかは、別問題ですけども(^^; >> 見あげるなんて書いてあるから、かなり高い柵だと思われる。 >> 小柄で155pくらいだと考えても、2m以下ってことはないだろう。  はい。設定では、1.8mほどです。 >> その柵を、見あげてるような間近から、数歩さがっただけの距離から助走する。格好は動きが制限されるブレザーとスカート。そして鞄を持っている。 >> なのに、悠々と柵を越えて、なおかつ両足で着地する。(背面跳びって、首とか背中からモロ着地だ普通) >> って。 >> オリンピックの選手だって無理だよー。  作品のリアリティレベルや方向性を、示すエピソードを、冒頭に入れたつもりでした。  「この小説は、ここまでリアリティレベル落としてますよ」というサインですね。  異能力モノとかで、冒頭で異能力シーンを見せておくのって、定番じゃないですか。  リアリティレベルを下げているんじゃなく、作者のレベルが低いんだ――と受け取られてしまったことに問題があるわけですが(^^; >> ふとももが空へ……はよくわからない。足を空へ向けたってことかな? >> 靴の先が半円を描くってのは、まったく意味がわからない。(足が上へ行き、さらに半回転した。つまりは空中で宙返りしたということかな?)  描写が、わかり難い――という指摘だと思っておけばいいんでしょうか?  想像してもらっている通りのイメージです。  このアクション、実は単なる「バク転宙返り」だったりするわけですね(高さは、すごいありますけど) >> んで、次のお尻が鉄柵を越えていただけど。 >> 背中が柵を越えて“から”、足にそれだけ動きがあったら、越えてるに決まってます。っていうか、もう着地寸前です。脳内映像。 >> 逆に混乱します。  逆に混乱しますか? そのために、「越えた」ではなく、「越えていた」にしてあるんですけども。  あと、分かり切ったことならば書く必要がない、と言われるかもしれません。  しかし、ここは「わからない人のための一文」だと考えています。 >> あとここはスローモーションで映像が展開しますが。 >> それでいいのね?  スローモーションでイメージしてもらえれば、大成功です。  注目させたいアクションシーンでスローモーションを使うのは、ワイヤーアクションモノの基本ですからね。  最近だと、マトリクスとかも、同じ手法を使っていますけど。  今回は、語部視点の勉強が不足していたので、あえて外から見た描写だけにとどめました。  そのほうが自信があったのですけども、誤解されてしまいましたね。  語部視点についても、勉強してみようと思います。  ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- 五月台風 No.6567 投稿日 2003年6月1日(日)22時37分 投稿者 弟切 千隼  出張に行って、台風に巻き込まれて帰ってきた弟切です。幸いにして、私の身には大した被害はありませんでした。  ただ、本来屋外でやるはずだった仕事の一部が、大雨のためできなくなりました。  出張先がたまたま故郷の静岡県内だったため、故郷に住んでいる友人たちと会って、いろいろ話をしました。  友人に聞いたところでは、「仕事に行くために外に出て、傘を差していたにもかかわらず歩き始めて五分で下半身と靴の中がずぶ濡れになった」とか、「会社の雨水槽が溢れて工場の中が水浸しになったため、休日返上で出勤してポンプで水を汲み上げていた」とかいった台風の被害があったようです。  皆さんのところではいかがでしたか?  今回はとりあえず台風からの生還報告(笑)のみとさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 夜烏[よがらす] No.6568 投稿日 2003年6月2日(月)22時50分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、お風呂上りに少し涼もうとベランダに出たら、頭上から思いがけず大きなゴイサギの声が降ってきてぎょっとしました。ゴイサギの声と知っていても、夜中に「ごあぁ、ごあぁ」と響く大きな声はやはりちょっとびっくりします。  ゴイサギの声はややカラスの声に似ているため、ゴイサギの別名として「夜烏」というのがあります。こんな別名があっても、ゴイサギとカラスは近縁な鳥ではありません。 紫さんへ >  せっかく「ハイスピリッツ・ガール」のリライトが終わりましたから、私も少し指摘をさせていただきます。  冒頭に荒唐無稽なエピソードを持ってきて、「この話はリアリティレベルが低いですよ」と読者さまに示そうとしたのは、企画自体は良いと思います。それが伝わらなかったのが失敗ですね。  読者さまに意図が伝わらなかった原因は、語り口にあるのではないでしょうか?   弟切が怖い話にするつもりだった「遠い夜明け」において、語り口を失敗したために全然怖くない話になってしまったのと同じです(^^;  弟切も修行中の身であるため、うまく表現できませんが、今の「ハイスピリッツ・ガール」の語り口は、きっちりスーツを着た人が真面目な顔をしてしゃべっているような雰囲気なのですよね。そのため、リアリティレベルの低い、笑って読める話だという気がしません。  これが、着物を着たおじさんが高座に上がって話しているような語り口でしたら、落語家の噺なのだから笑える話だろうと誰もが思うでしょう。  抽象的な書き方で申し訳ありません(^^; 要するに、書いている内容と語り口が一致しないために、違和感があるのだと思います。  今の「ハイスピリッツ・ガール」は、三人称キャラ寄り視点−翔子寄り視点−で書かれていますよね? この視点は、リアリティレベルの低い話を書くにはあまり向いていない視点ではないでしょうか?  これはあくまで比較論であって、不可能というつもりは全くありません。ただ、一人称−翔子または香月の視点−や三人称語り部視点のほうがより向いているような気がします。堅苦しい感じを与える書き言葉より、くだけた感じの話し言葉を使いやすいこれらの視点のほうが、一種の荒唐無稽さを読者さまに楽しんでいただくリアリティレベルの低い話だと気づいてもらいやすいでしょう。  「ハイスピリッツ・ガール」の冒頭、翔子が柵を跳び越える場面を読んでみますと、翔子の内面に立ち入った描写は一切ありませんね。ここの場面に限っていえば、完全三人称です。これが堅苦しく、真面目な印象を与えている大きな原因ではないでしょうか?  ここに翔子の内面に立ち入った描写を入れれば、読者さまの受ける印象が変わるのではないかと思います。試しに、ここだけ全部翔子の一人称にしたバージョンを書いてみてはいかがでしょう? -------------------------------------------------------------------------------- 指輪 No.6569 投稿日 2003年6月2日(月)23時56分 投稿者 羽矢野  を買いました。婚約指輪と結婚指輪。  なんてゆーか、男はこういうとき蚊帳の外なんだとつくづく思いました。(いや、どう? とか聞かれるのですが、わかりません)  指輪を買うプロセス書こうかと思ったのですが、小説でそんなシーンはあんまりないかなと思ったのでヤメときます。惚気に見えてもやだし。  ただ、結婚指輪に彫る文字ってのは知ってるといいかな? と思ったのでこれだけ。  一般的に、結婚指輪に彫る文字は結婚式の日と、相手のイニシャル to 自分のイニシャルになります。  または、イニシャルtoイニシャル の変わりに相手の名前(最近はこっちも多いとか)  例えば今年の6月2日に式をした新郎“TARO”と新婦“HANAKO”の場合 新郎 2003 6 2 H to T(HANAKO) 新婦 2003 6 2 T to H(TARO)  となります。  一般的に14〜16文字打てるそうです。  なので指の小さい人だと文字が入らないこともあるそうな。  (その場合は2003を03にして入れる)  ちなみに、固定であるtoの文字以外は全部大文字しか駄目だそうです。  婚約指輪の方は、入れてもイニシャルtoイニシャルだとか。  これは婚約指輪にはダイヤモンドの鑑定番号を打つのであまり文字を入れる余裕がないためです。 ●リアリティ・レベル  なぜ、伝わらないか。  女子高生が、鞄を持ったまま二メートル近くを背面飛びして足から着地できるのを、なぜ“そういう話”ではなく“考えてない話”ととられてしまうのか。  これは私が感じた所は二つある。  細かく考えるともっと沢山あるのだろうけど、一読して大きいのはこれ。 1.文章が堅い。  というと、意味が通じにくいかな?  たとえばギャグ漫画。  主人公が全力で走ると、周りの景色はかすみ、足下から砂埃がたち、わきにいるおねーちゃんのスカートがめくれる。  ストーリー漫画は、違うよね?  危篤状態の恋人の元へ急ぐ主人公がどんなに急いでも、そんなことにはならない。  紫さんの話はストーリー漫画の書き方でギャグ漫画書いてるから、おかしく見える。 2.書いてあることが、中途半端。  もう一つは、1.8mの柵を飛び越えるなんて、そういう話にしたら“ぬるい”。  例えば開かずの踏切を止まっていたトラックとかの上から電車飛び越えるとか、近道するために民家の屋根を渡り歩くとか。  もう絶対に普通じゃないってことが書いてあれば、ああそういう話だなとわかる。 ●視点  私はこれは別にいいんじゃないかと思ったけど。  アクションなんだし。  動きってのは、外から見るものだから。  第一、派手なアクションがコンセプトの部分を内面のみの一人称でどうやって書くんだろう。  (漫画や映画でも、大体外から見てると思うが)  そして、書いても面白い文章になるのだろうか?  といろいろ疑問を持ちました。    話の書き方は、視点に左右されるものではないと思う。  心情が全く入っていない文章は確かにクールなの多いけど。  それはクールな文章にしようという作者の意図があるのであって、とってもライトな文章にだってできるはず。 ●続き >>公園の広場に着いた。 >>「あれー?」 >>翔子は木造りのベンチを見おろし、首をかしげる。  祥子は葉月と待ち合わせをしていました。  そして遅れていました。  当然、視線は走っている途中からベンチに向いてます。  なんで“見おろし”首を傾げるのでしょうか。  ベンチが見えた時点でいないのはわかります。だからその時あれっと思い、ベンチについてからきょろきょろするのではないですか? >>誰もいない。  彼女が待ち合わせているのは、葉月という友人一人です。  主人公よりの文章なのに“誰”なんてなってるのは変です。 >>後ろを振り返って、大きな丸時計を見あげた。  遅れそうだったのなら、走っている途中に当然確認するはずですが。 >>コンクリート壁の公衆トイレ。ジュースの自販機と、ガラス張りの電話ボックスにも人影はなかった。広場を囲む木々の葉っぱが日射しを浴びてキラキラ光っている。 >>五メートルほど離れた茂みから、紺のスカートがお尻を向けていた。  公園を見回す前に、見つかりそうなものですが。五メートルだよ?  例えばこれがお尻が見えなくて、がさがさという音だけだったらわかります。  視覚で探して次に聴覚ってなら人間の感覚器官の順番なので。 >>「あれ、かな?」  とか疑問に思ってるわりに、彼女は友人かどうかを一切確認することなく声かけてますが……。  普通は疑問に思ってるのなら、何かしら確信がとれなければ声はかけません。 >>ふわりとした明るい色の長髪に  わからん。  ふわりとした明るい色って、何色だ?  想像がつかない。  今日はここまで。 -------------------------------------------------------------------------------- 金色夜叉[こんじきやしゃ] No.6570 投稿日 2003年6月4日(水)01時18分 投稿者 弟切 千隼  宝石を観るのは好きでも、貧乏なのであまり持っていない弟切です。  羽矢野さんが婚約指輪と結婚指輪の話をされていたので、私の知っていることも少し書いておきましょう。  現在の日本では、婚約指輪といえばダイヤモンド一点張りのようですね。しかし、婚約指輪はダイヤモンドでなければならないという決まりはありません。  例えば、日本でも二十年くらい前までは、誕生石を婚約指輪にすることが一般的に行なわれていました。誕生石やダイヤモンドでなくとも、婚約指輪には本人が気に入った宝石を付ければよいのだそうです。  近年結婚した私の友人は、ダイヤモンドではなく自分の誕生石とも違う真珠を婚約指輪に選びました。  婚約指輪にダイヤモンドを用いなかった場合は、当然ダイヤモンドの鑑定番号が指輪に刻まれることはありませんよね。  こういう場合、指輪には鑑定番号の類いは何も刻まれないのでしょうか? 安物ならともかく、ちゃんとした宝石が付いた指輪には、やはりその宝石の鑑定番号が付いていた記憶があります。  貧乏人の弟切は、その手の指輪を持っていないため知りません(爆) 今度ダイヤモンド以外の婚約指輪を作った友人に訊いてみます。  「婚約指輪にダイヤモンド」という風潮がこれほど広まったのは、国際ダイヤモンド・シンジケートの陰謀によります。  と書くと、まるで国際謀略小説のネタのようですね。けれども、ダイヤモンドの国際的な流通や供給を操る国際ダイヤモンド・シンジケートという組織は実在します。  この組織がダイヤモンドの供給量を一定以下に抑えているために、ダイヤモンドの希少価値は下がらず、その価格は決して一定以下に安くなりません。そして、この組織がダイヤモンドの需要を高めるために「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチコピーを生み出し、「婚約指輪にダイヤモンドを」というキャンペーンを行ない、それが成功したというわけです。  個々の宝石店にとっても、決して値崩れしないダイヤモンドが売れるのはオイシイことですから、喜んでこのキャンペーンに乗りました。そのために普通の宝石店の店頭では、婚約指輪を買いに来たお客にはすべからくダイヤモンドを勧めるのでしょう。  夢いっぱいの婚約生活中でしょうに、夢を壊す話をしてしまってごめんなさい(-_-) > 羽矢野さん。 >>「遠い夜明け」(仮題)  リライト中です。灰色の文を削っています(^^;  書き上がりましたら課題部屋に上げます。 -------------------------------------------------------------------------------- 指輪 No.6571 投稿日 2003年6月4日(水)23時10分 投稿者 羽矢野  婚約指輪買いにいくと“ダイヤ”でよろしいですか? とは訊かれません。  それに、ダイヤ以外の石のストックもなかったです。  それくらい、一般的なんですね。  誕生石の指輪というのは一応考えたのですが、相手が一月“ガーネット”でそんなに高い石じゃないんですよ。  確かに値段ではないのですが、ねえ?  それに結婚というのはやっぱり“永遠”を表すものの方が、あとあと喧嘩したときにも言い訳に使えてよかろうと思い、ダイヤにしました。 >>夢いっぱいの婚約生活中でしょうに  と言うわけで、すでに打算ばりばりの私は夢なんてカケラも持ってません。  つか、男は相手を食べさせなきゃいけないので、プロポーズすると“覚悟”した瞬間から、現実で動きます。  でも女性は違うみたいですね。 ●弟切さん  今日は、転の部分を少し。 >>「やはり気づいておらぬのか、ルチアよ。そなたはもう、この世の者ではない」  一応衝撃のシーンですが……  ここまで“ため”がないんですよ。  引っ張ってない。ここで読者は“ああ、そうだったのかあ”ってならなきゃいけないけど、ならない。 >>彼女は呼吸する動きすら止めた。フランチェスコの顔を凝視した。闇に慣れた目には蝋燭の光が強烈すぎて、彼の表情はよく見えない。  呼吸する“動き”すらってのは、実際には息をしてないよってことかな?  呼吸してないから、息をのんだとか、そういう表現が使えないので、その変わりかな? でも“すら”って、他に対象となることが書いてないですが?  あとロウソクの炎は淡いので、光が強烈すぎるというのはあるのでしょうか。 (それとも、聖なる存在である司祭は悪霊のルチアは見れないとかいうこと?) >>火影から、みたびフランチェスコの声が響いた。  書いてなくても、次の会話は司祭のものだと確実にわかるので、いりません。 >>「わしの言っていることがわからぬか? もう、理性をなくした悪霊になってしもうたのか? そなたは今、死んで肉体が滅び、霊のみの存在となっておるのだよ」  言ってることが難しすぎる気がします。  理性や、霊という存在をルチアは知っているのでしょうか。  ここは彼女の教養の源である、日曜日の説法から引用すると思います。 >>ルチアは全身の血が引いてゆく気がした。 >>「う、そ、です」  ここで、何で言葉だけで、あっさり信じるかなあ。  嘘とか言ってるけど、反応がもう信じてるもの。  ここまで、ひょっとしてってカケラも思ってないので、ちょっと。 >>がくがくと動きが定まらない顎を動かして、やっと彼女はしゃべった。同時に両腕で固く自身を抱き締めた。  言うとかしゃべるとか動作を示している箇所が、多いですね。  誤読する可能性のないから、あんまり必要ないですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 削り中 No.6572 投稿日 2003年6月5日(木)00時15分 投稿者 弟切 千隼  「遠い夜明け」(仮題)を削っている弟切です。  いやあ、もう、削れて削れて、削るというより、鉈[なた]でばっさばっさと切り落としている感じです(^^; 自分がいかに無駄な文を書いているか、よくわかります。  弟切は、全文削り終えてから課題部屋に上げようと思っていました。しかし、意外に手間取りそうなので、できた分を少しずつ上げてゆくことにしました。  こうしたほうが、自分に「ちゃんと書け」というプレッシャーをかけることもできますから。  ということで、とりあえずの削り版を課題部屋に上げておきました。まだ最後までできていませんので、途中までのものです。全文削れましたら、まとめたものを上げます。 -------------------------------------------------------------------------------- 婚約生活の理想と現実(笑) No.6573 投稿日 2003年6月6日(金)00時28分 投稿者 弟切 千隼 >> つか、男は相手を食べさせなきゃいけないので、プロポーズすると“覚悟”した瞬間から、現実で動きます。 >> でも女性は違うみたいですね。 (No.6571の羽矢野さんの書き込みより)  弟切の知る限り、多くの男性は、羽矢野さんとほぼ同じ考えのようですね。  中には例外もありまして、私の知り合いのある男性は、相手のことがよほど好きだったのか、婚約中浮かれっぱなしでした。地面から常時10cmくらい浮いて、足が地に付いていない状態でしたね(笑)  多くの女性も、プロポーズを承諾したら、理想よりも現実を見始めるようです。ただ、男性と違う面の現実を見ているだけだと思います。  具体的にどこがどう違うのかは、考察すると大変なことになりそうですので、ここでは詳しく触れないことにします。  一つだけ、婚約指輪などの宝石類に対する女性の思いについて言及しておきましょう。  世の中の多くの女性は、宝石に対して熱い思いを抱いているようです。某シンジケートの宣伝が効いたためか、とりわけダイヤモンドに寄せる思いは格別ですね。  婚約指輪の費用節約のため、素人目にも判るほどダイヤモンドの質を落とそうものなら、その男性は、一生どころか墓場に入ってなお奥さんに恨み言を言われるでしょう(^^;  むろん例外はあります。例えば弟切は、ダイヤモンドにこだわりを持ちません。きれいだとは思うものの、宝石の中ではあまり好きではないほうです。  婚約指輪に限らず、男性にダイヤモンドの指輪をくれると言われたとしたら、弟切は、「ダイヤモンドは要らないから、かわりにアレクサンドライト(※注)ちょうだい♪」と応えるでしょう。 ※注: アレクサンドライト……クリソベリル−日本語名は金緑石−という鉱物の一種で、極めて稀少な宝石です。一般的に価格がダイヤモンドより高く、指輪にすると一個で一千万円を越えるのが普通です。  ……弟切が人一倍根性が悪いのがおわかりですね(爆) >>「遠い夜明け」指摘  いつも御指摘ありがとうございます(^_^) > 羽矢野さん。 >>>>「やはり気づいておらぬのか、ルチアよ。そなたはもう、この世の者ではない」 >> 一応衝撃のシーンですが…… >> ここまで“ため”がないんですよ。 (No.6571の書き込みより。以下の引用も全て同じです)  ここはおっしゃるとおりですね。これはかなり致命的な欠点です(^^;;;  この欠点のために、読者さまに以下のような疑問を抱かせてしまうことにもなります↓ >>>>ルチアは全身の血が引いてゆく気がした。 >>>>「う、そ、です」 >> ここで、何で言葉だけで、あっさり信じるかなあ。 >> 嘘とか言ってるけど、反応がもう信じてるもの。 >> ここまで、ひょっとしてってカケラも思ってないので、ちょっと。  ここに至るまでに「ため」−あるいは「前ふり」とも呼ばれますね−があれば、ルチアのこの反応は読者さまにとって納得が行くはずです。ここは読者さまに「なるほど!」と思っていただくお楽しみポイントのはずなのに、できていません(;_;)  ここは何としても、「ため」あるいは「前ふり」を作って読者さまに「なるほど!」と思ってもらわなければなりませんね。現在進行中の削り版ができましたら、「削り後増量版」を書いてその中で対応するつもりです。 >>>>彼女は呼吸する動きすら止めた。 >> 呼吸してないから、息をのんだとか、そういう表現が使えないので、その変わりかな? でも“すら”って、他に対象となることが書いてないですが?  ここも御指摘どおりおかしな表現ですね。ここは削り版で対応します。 >>>>闇に慣れた目には蝋燭の光が強烈すぎて、彼の表情はよく見えない。 >> あとロウソクの炎は淡いので、光が強烈すぎるというのはあるのでしょうか。  ここは、それまで星明かりしかない中にいたルチアが蝋燭を持った司祭と遭う場面ですね。今までがあまりにも暗い中にいたために、ルチアにはこのように見えたことを表現したつもりでした。  もっとわかりやすくできないか検討します。 >>>>「わしの言っていることがわからぬか? もう、理性をなくした悪霊になってしもうたのか? そなたは今、死んで肉体が滅び、霊のみの存在となっておるのだよ」 >> 言ってることが難しすぎる気がします。 >> 理性や、霊という存在をルチアは知っているのでしょうか。  「理性」という言葉をルチアが理解できるかどうかに関しては、私の考えが足りませんでした。検討します。  「霊」に関しては、ルチアには確実に通じることを見越して用いました。なぜなら、「霊」という言葉はキリスト教の説教において頻繁に用いられるからです。  キリスト教における重要な概念の中に「霊(体)」と「肉(体)」があり、この二つを理解させることなしに説教は成り立ちません。  その他の御指摘については、削り版において対応します。 -------------------------------------------------------------------------------- 破壊神降臨 No.6574 投稿日 2003年6月7日(土)18時13分 投稿者 弟切 千隼  昨日、弟切のPCのハードディスクが、何の前触れもなく壊れました(泣)  前日の夜中まで快調に動いていたのに、昨日、スイッチを入れたら黒い画面に「Insert the system disk and press any key」という文字が現れ、そのまま機械も弟切も固まってしまいました(^^;;;  その後の阿鼻叫喚の騒ぎについては、ここに書くことは遠慮しておきます。結局ディスク自身は救えなかったものの、ディスクの中身のデータはかなり救済することができました。  仕事優先のため、「よみかく」関連のデータについてはまだ確認できていません。今回は事故処理に時間がかかるかも知れませんので、とりあえず生存証明をしておこうと書き込みに来ました。  弟切の仕事にはPCが欠かせませんから、ウィルスチェッカーなども入れて気を使っているはずですのに、どうも最近PC関連の事故が多いです。ちょっと真剣にお祓いしようかと考えてしまいますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 塩を撒いてみました。 No.6575 投稿日 2003年6月8日(日)16時00分 投稿者 弟切 千隼  昨日、壊れたPC環境を暫定的に復旧した弟切がここへ書き込みましたら、何回再読み込みをかけても私の投稿が表示されませんでした。てっきり書き込みに失敗したものと思い込んでいて、今日、ここへ来てみますと、昨日の投稿がちゃんとあるではありませんか。  昨日、読み込みができなかった原因は不明です。  PC環境がまだ完全に復旧せず、ちゃんと書き込めるかどうか不安を感じながら書き込んでいます。とりあえず、「遠い夜明け」(仮題)の削り版2を課題部屋に上げておきました。  ここのところ弟切は不運が続いているため、気分だけでもお祓いをしようと、家の中の水回りに粗塩[あらじお]を撒いてみました。体調もすぐれないので、粗塩を舐めて体内に取り入れておきました。  ついでに、塩をお浄めに用いる際の注意点を書いておきましょう。  お浄めに用いる塩は、普通に調理に使われるきれいに精製された塩ではいけません。精製されていない粗塩を用いて下さい。  塩をお浄めに用いる考えは、神道的思想から来ています。一般的に神道では、過度に人手の関わったものや機械によって作成されたものを嫌いますので、精製されすぎた塩はお浄めの作用がないと考えられているようです。 -------------------------------------------------------------------------------- >遠い夜明け No.6576 投稿日 2003年6月9日(月)04時19分 投稿者 はせがわみやび  ただいま8月発売の文庫のプロットを作成中──って、こら、間に合うのか?(^^;  というわけで、こんにちは、みやびです。  弟切さんのを読んだのだけど。なるほど、これは指摘が難しいなあ、とわたしも思う。  で、冒頭の部分から、ふたつばかり、問題点がわかるようなサンプルを作ってみた。  その1)は、羽矢野さんに対して行ったのと、同じ。  怖くなるようにだけを考えて削ったもの。  例によって削っただけなので、日本語のおかしいところは無視すること(どうしても、通じない部分には、括弧でくくって言葉を足してある)  こんな感じになる。 その1)─────────────────────────────  頬に当たる冷たい風を感じて、ルチアは目を開けた。  闇の中、ちらちらとまたたく光の粒が見えた。星だ。  星明かりがうっすらと地平線を浮かび上がらせ(ている。)あとはただ、闇。  ここはどこ?  両腕で体を抱え、さすり、柔らかい服の感触に驚いた。  ……ドレスだ。祭の時にしか着ない、彼女の大好きな青いドレスだ。  お祭り?  つい最近、このドレスを着て聖霊降臨祭【聖霊降臨祭:それらしい口語なルビ】に参加したことを思い出した。五月のこと。  頭がぼんやりしてうまく考えられない。  闇夜に目が慣れてきた。  視界の端に、空の一部を黒々と食むいびつな形をしている樹木のシルエット(が見えた)。村で一番大きなイチイの木だ。  ということは、ここは村の  墓地。  背中に汗が噴き出した。ひやりとした滴が、つつー、と背筋を伝う。  そんなばかな。  闇に目を凝らした。闇の中から滲み出るように、周囲の地面にいくつも盛り上がりが見えた。  墓石の  群れ。  司祭から聞いた話を思い出した。夜の墓地には、妖術に用いるために死体を盗む者が出るという。  嫌だ、こんな時にこんな話を思い出すなんて!  ぞっとして、再び自分の体を抱いた。  しじまの中から、ざくざくと土を掘り返す音が聞こえる気がした。  ─────────────────────────────  と、まあ、「いわゆる怪談話」だったら、こうなると思うんだけど。    では、これが弟切さんにとって正しい方向(より作者が満足できる方向)なのか、というと──疑問が残る。  というのも、実は、削った文章が妙なことになっているからだ。  ちょっと目を通してみて欲しい。  以下の文章が削り取ったものだ。 (ただし、重要な情報が抜けちゃっているのと、主語だけだったり助詞だけだったりするので、文意が通るように最低限の補修はした) その2)─────────────────────────────  二、三回まばたきしてから、夜空にちりばめられた星だ、と彼女は気づいた  ルチアは首をめぐらせて辺りを見回した。周囲を遮るものはなくなっていた  彼女は身震いした。誰もいない。ここがどこなのかわからない。今は何月何日なのかもわからない。  この風の冷たさは真夏ではなさそうだ。かといって、真冬にしては暖かすぎる。  体を見下ろすと、日ごろ付けているエプロンがないのが見える。手を伸ばして胸もとやスカートに触ってみると、上質の羊毛織りの感触があった。  これは彼女がただ一着しか持っていないよそゆきのドレスだ。降誕祭や復活祭や聖霊降臨祭のときだけ着る。  ルチアは自分の頭にも手をやり、いつも三つ編みのお下げにしている髪が、左右に分けてきれいに結われていることを認めた。この髪型と服装からすれば、今日は何かお祭りの日に違いない。  何のだったろう  あれは五月末だったから、今は六月以降のはずだ。  彼女は空を仰いだ。星座と月の形を見れば、月日は見当がつく。  月はなかった。今夜は新月だろうか? 頭上をよぎる銀河の中に、人々が「夏の十字架」と呼ぶ星座が輝いていた。  ならばやはり夏だろう。  彼女の目は「夏の十字架」と同時にもっと重大な物を捉えていた。  それを見極めるべく、そうっと首を戻す。彼女が見たものは、村はずれの老木だった。  見間違えようがない。以前、落雷に遭ったために、半分焼け焦げていびつな形をしている。  あの樹があの形で見える。墓地の中だ。  ルチアは頭の中が真っ白になった。  墓地にいる? しかも夜に、たった独りで?  否定する証拠を求めてあたりを見回して、それが見えた。  あれはただの土の塊、地面がでこぼこしているだけ。  自分に言い聞かせたくとも、これほど揃って並ぶ土くれはないとルチアにはわかっていた。墓石だ。  墓地の中にいる  ルチアは胸に手を置いて、早鐘を打つ心臓を鎮めようとした。  落ち着いて、私。何をしにこんなところに来たのかしら?  考えても思い出せなかった。昼の農作業に忙しい農家の娘には、そもそも夜に出歩く用などほとんどありはしない。  彼女は村の司祭フランチェスコの言葉を思い出した。  そのような行為は死者と神に対する冒涜であり、決してしてはならない、と戒める司祭の表情がありありと浮かんだ。願いが叶うなどという甘言に騙されて、死者の歯を抜いたり手を切り取ったりする妖術使いどもに加担せぬように、と訴える顔は、日頃にこやかなフランチェスコとは別人のようだった。  ─────────────────────────────  どう? 不思議と読めると思うんだけど。  実は、その1)は、もとの文章から、キャラの感覚に入ってきたダイレクトな情報と、それに対する情緒的な反応だけを抜きだしたものだ(最低限の説明部分は入れざるを得なかったケド)。  おびえて怖がっている村娘が、冷静沈着に理路整然としてちゃ──いわゆる怪談話としては、怖くないよね?  だから、削った。  結果、墓地で目覚めた村娘に見えると思うのだけど、どうだろう?  で、その2)には、冷静沈着で理路整然としている部分が残ったわけだ。  読むとわかる。その2)は神官娘か学者か名探偵か。なんだか、そんなようなキャラクターに見える(^^;。  夜の闇の中で目覚めたのに、冷静に時刻と位置を素早く割り出しているあたり。情緒を排してクールに進んでいるから、テンポよく読めると思うのだけど、どうかな?  つまり、弟切さんの原文は、削ればいい、という問題ではない気がするわけですね。  その1)を目指すのか、その2)を目指すのか、あるいは、村娘と神官娘のふたりが夜の墓地で目覚める話にするのか(^^;   推敲の方向性が複数ありえるような気がする。  では、弟切さんの明日はどっちだ? ということを、弟切さんが決めないとなあ。 はせがわみやび -------------------------------------------------------------------------------- 指摘ありがとうございます No.6577 投稿日 2003年6月9日(月)23時15分 投稿者 紫ゆきや  転職しました。  新しい職場に慣れてないせいか、けっこう疲れちゃってて(^^;  今週はがんばりたいです。 ●弟切さんへ  指摘ありがとうございます。  返事が遅れてすみません。  おっしゃるとおり、ハイスピは語り口で失敗していますね。  もうすこし柔らかいもののほうがあっているみたいです。  「遠い夜明け」も、やはり同じような問題があるようですが……。  えーっと、ハイスピが書き上がってから、ずっと考えていたんですけども。  ぶっちゃけ、弟切さんが書きたいものが分からないんですね。  文章の長さにメリハリがあったほうがいいとか、村娘とは思えないくらい頭の回転が早い……といった指摘をしてもいいんですけど。そういった点を変えたら良くなるのかというと、かなり疑問なんですね。  そういった変更では、弟切さんらしい文章には、ならない気がするんですよ。蘊蓄たんまりで、すごく知的なキャラクターというのが、弟切さんの文章の特徴のように思えたもので。  弟切さん的に、この話を書いていて楽しかったのは、どのへんでしょうか?  ルチアの「怖いよ〜」という心情を書いているところでしょうか?  それとも、星から季節を見て取ったり、いびつな木の形から場所を特定したりするところでしょうか?  それとも、祭りや服装など当時の生活の蘊蓄を語っている部分でしょうか?  むろん、どれも楽しいのかもしれませんが、ひとつのエピソードで語れることはひとつです。  羽矢野さんの怪談ネタが、そうであったように、冷静な思考をしているキャラクターに感情移入して怖がることは出来ません。  むしろ冷静な思考のキャラクターは、カッコイイわけです。  しかし、せっかくカッコイイのに、心の声で怖がってたら台無しです。  これが「どう考えても、冷静っぽい思考が混じっちゃってるダケ」なら、削ったほうが良いと指摘します。  ――しかし、弟切さんの書くキャラは知的でカッコイイ。  最大の悩みどころです。  はっきり言って、ルチアは村娘としてはダメダメだと思いました。ぜんぜん怖がってるように見えないし、知的すぎてリアリティも親近感も感じません。  しかし、あれが女性考古学者か民俗学者、あるいは女性探険家とか……そーいう類のモノなら、もう惚れますね。  頭イイ〜、カッコイイ〜てカンジで。  弟切さんの文章は、名探偵の推理を披露されているかのような読み応えなんです。それを捨てるなんて、とんでもないっ!  でも弟切さんが、そうした名探偵みたいなキャラクターを書くのが好きなのか、私はわからないんですね。  だから訊くわけです。  弟切さんが一番書きたいのは、どこですか? -------------------------------------------------------------------------------- 春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山 No.6578 投稿日 2003年6月9日(月)23時45分 投稿者 弟切 千隼  弟切のハードディスクが壊れた原因が判明しました。  原因はカビでした。  壊れたハードディスクを外して裏返してみましたら、裏の板の色が不自然にくすんでいる気がして、ティッシュでそっとぬぐってみました。黒っぽい粉がティッシュにびっしり付いてきました(*o*)  今度、ハードディスクを虫干ししてから再度使ってみます。 >>「遠い夜明け」(仮題)指摘  とりあえず、「遠い夜明け」(仮題)の削り版全文をまとめて課題部屋に置いておきました。  削り版より前の原文への御指摘ですが、みやびさん、ありがとうございます。  みやびさんが示して下さった二種類の文章を読み比べて、「そういうことだったのか!」と目から鱗が落ちました。自分で書いた文章でありながら、いかに自覚的に文章を書いていないかわかります(;_;)  弟切としては、みやびさんが示して下さった文章の1)、いわゆる普通の怪談調を目指したつもりでした。ところが、そこに妙に冷静沈着で理路整然とした文章−みやびさんが示して下さった文章の2)−が混ざってしまって、おかしなことになっています(^^;   これは、主人公の性格付けが混乱していることによるのですね。  このままでは、明らかにまずいです。主人公を、夜の墓地で目覚めて普通におびえる村娘にするのか、冷静に論理的に自分の状況を分析する知識階級の娘にするのか、決めなければなりません。  それならここは、普通の村娘と学者娘と二つの顔を持つ二重人格娘に……というのは冗談です(笑) そもそもそんな難しい主人公は、現時点の弟切には書けないでしょう。  本作品はもともと習作として書いていますから、普通の人が感情移入しやすい「普通の人」を書きたいですね。ということで、主人公は普通の村娘にします。  そのつもりで御指摘下さい > 皆さん。 -------------------------------------------------------------------------------- ●弟切さん No.6579 投稿日 2003年6月10日(火)22時04分 投稿者 羽矢野  6578の書き込み。 >>主人公を、夜の墓地で目覚めて普通におびえる村娘にするのか、冷静に論理的に自分の状況を分析する知識階級の娘にするのか、決めなければなりません。  気付いていないのか、気付かないフリをしているのか、わからないんだけども。  何か歯がゆいので、ちょっと直接的に書いちゃいます。  言い方が失礼になっちゃうかもしれないのは、勘弁してください。  多分、私もみやびさんも紫さんも、同じようなことを感じてるんだと思う。 「遠い夜明け」  恐怖を描くと言っていて、できあがったのは怖い話じゃありませんでした。  じゃあ失敗だったのかと恐怖を残して削ってみると。その残りがおかしなことに、ちゃんと読める。  削りカスなのに面白い。  推敲は面白くない部分を削って、面白い部分を残すのが鉄則です。  ってことは今の面白い部分を削るしかない恐怖への推敲は……あれ?  冷静沈着な探偵や科学者のような文章は、紫さんはこっちの方が面白いんじゃないかとまで言ってますね。  ちなみに。  私がこの作品で一番楽しかったのは“うんちく”でした。  これもやっぱり、恐怖だと削りの対象になってしまいます。  そんなことから、みんな思ったわけです。  ひょっとして、弟切さんがやりたかったのは、自分でも気付いていない“別のもの”なんじゃないかって。  みやびさんも紫さんも、  この話は“怖がる村娘”と“冷静な科学者”の二つの面があるけど、どっちをとるの?  って言ってるわけじゃなくて、  本当に“自分が書きたかったのは何なのか”自分の心と向き合って答えを出してみたら?  と言ってるんだと思います。  ただ、そんな作者の心情がどうとかは、はっきり言って余計なお世話です。  あんまり口を出す事じゃないかもしれません。  ので、そう思われたらすいません。 -------------------------------------------------------------------------------- 聖霊降臨節−祭にあらず−終了 No.6580 投稿日 2003年6月11日(水)00時44分 投稿者 弟切 千隼  今年の聖霊降臨祭は、一昨日の日曜日、6月8日でした。  正式には、聖霊降臨祭の儀式はその当日だけでなく、翌日の月曜日と翌々日の火曜日まで続きます。この三日間をまとめて聖霊降臨節と呼びます。  したがって、今年は今日が聖霊降臨節の火曜日、最終日でした。 >>「遠い夜明け」指摘  紫さん、御指摘ありがとうございます。  今回の話に関しては、「普通の人」を書く練習をするために、「蘊蓄を語る知的な学者娘」を書くという方向は目指さないことにしました。  しかし、紫さんが指摘して下さったことは、今後の弟切が目指すべき方向に関する重要な示唆となりました(^_^)  紫さんの御指摘を受け、自分の書いた作品を読み返して思ったのは、「普通の人はこの程度で『蘊蓄いっぱい』と感じてしまうのかあ(*o*)」ということでした。  このように書くと、自分の知識量を自慢しているように読めてしまうかも知れませんね(^^; 弟切が意図しているのは逆の意味です。  「遠い夜明け」を書きながら、弟切は自分の知識の貧弱さに冷や汗を流していました。ルネサンス期イタリアの生活について、この程度しか書けないのか、とはなはだ情けない思いをしました。  あることに関して、少なくとも半日くらい語れるだけの知識量がなければ、それに関して蘊蓄を持っているとは言えないだろうと弟切は思っています。ある時代のある地域の人々の生活を描写するなら、本来は、衣装・食事・住居・政治形態・年中行事・産業・冠婚葬祭などのそれぞれについて、半日以上語れるくらいの知識量=蘊蓄がなければいけないでしょう。  現在の弟切には、ルネサンス期イタリアについてそこまでの知識はありません。自分の得意分野の知識を無理やり持ってきて、それらの断片をつなげてやっと体裁を保ったというのが本当のところです(^^;;  ところが、紫さんの御指摘を読むと、 >> 弟切さんの文章は、名探偵の推理を披露されているかのような読み応えなんです。それを捨てるなんて、とんでもないっ! (No.6577の紫さんの書き込みより) という、弟切にとっては過分な褒め言葉と感じられるお言葉があります。  これが普通の反応だとするならば、今回の作品はともかく、今後の弟切はもっと読みやすく楽しい蘊蓄をたくさん書く方向に走って、読者さまを惹きつけるべきですね。たぶんそれが、弟切の長所なのでしょうから。  「遠い夜明け」を書いている最中は、ルチアの恐怖をどうやって表現するかで最も苦しみました。結局これはうまく行かず、全く怖くない作品に仕上がってしまいました(;_;)  書いていて最も楽しかったのは、孤立無援で墓地に放り出されている状況から、何とか工夫して抜け出そうとルチアが奮闘するところです。そのために彼女は、自分の持っている知識や勇気を総動員してがんばります。  当時の生活の「蘊蓄」を書くのも楽しく感じましたが、ここでの「蘊蓄」はあくまでルチアやフランチェスコががんばるための道具という位置づけでした。  紫さんがおっしゃるところの『名探偵みたいなキャラクター』を書くのは、私は好きです。  もしも「遠い夜明け」が怖さではなく、蘊蓄を追求した作品であって、主人公もそれにふさわしい「学者娘」だったとしたら、この作品は一応成功していたのでしょうか?  以下は余談です。 >> しかし、あれが女性考古学者か民俗学者、あるいは女性探険家とか……そーいう類のモノなら、もう惚れますね。 >> 頭イイ〜、カッコイイ〜てカンジで。 (No.6577の紫さんの書き込みより) という紫さんの御指摘を読んで、「墓場を歩く女性考古学者や女性探検家って……ハリウッド映画の『トゥームレイダー』ではありませんか」と思ってしまいました(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 生存報告 No.6581 投稿日 2003年6月11日(水)02時10分 投稿者 鷹見一幸 えー生きてます。鷹見一幸です。 「でたまか」と「ネオクーロン」と「電撃の新シリーズ」の三つの〆切が仲良く並んでますから、もうすぐ死ぬかもしれません(ついでに連載が入ってたりする)  弟切さんの書いたものを読んで、いつも思うことなんだけど。  世の中には。 「書くことによって描く」ことと「書かないことによって描く」 この二種類があると思うんだよ。  ひょっとして『書かないことによって描かない』というのがあるのかもしれない(笑)  もしそれでも印税がもらえるとしたら俺はそのスキルを何としてでも身につけたいなあ  ……話がそれたので戻す。  作品世界に登場するキャラクターは、作者の分身だよね。だから作者の知っていることは当然キャラクターも知っている。  もし、作者の知らないことをキャラクターが知っていたら「自分は多重人格かも」と疑った方がいい(笑)。  つまり作者の知識量の上限イコールキャラの知識量の上限。ということだよな。  だとしたら、キャラクターが持ってる知識量は、作者よりはるか下に設定しなくちゃならない。  勘違いしないでもらいたいのだが、これは別に読者が馬鹿だから馬鹿に合わせろ、と言っているわけじゃない。キャラを動かすときに、作者の臭いを出さないために必要なことなんだ。 作者の「匂い」ならいくらでも出していい。それは個性だからね。  でも「臭い」を出しちゃいけない。  読者に「あ、これ作者が語りたがっていることだな」と思わせたら、その時点で作品世界から一気に現実が見えちゃう。  東京ディズ○ーランドのぬいぐるみ俳優は、絶対に観客に見えるおそれのある場所でぬいぐるみを脱がないように契約書に書いてある、というウワサをきいたことがあるが、それと似たようなものだな。  余談だが、もし、ぬいぐるみを着てステージで踊っていて、電飾やらアトラクションの花火の火が引火して燃え上がったらどうするんだろう? ミ○キーのぬいぐるみを着ている人間は、ぬいぐるみを脱ぐことなく、最後までミ○キーとして立派にステージで死ぬこと。と契約書に書いてあったらイヤだなあ。  またまた話が逸れたので戻す。  手前味噌でなんだが、俺が「ピクニック」を書いたとき、主人公が向こうの世界で初めて路上に放置されている白骨死体を見るシーンで、俺は最初こんな風に書いた。 「それは、人間の死体だった。死んでどれくらい経つのだろう。白骨の頭部には、ところどころ茶色く変色した表皮が張り付いており、そこにはまだ長い髪の毛が残されていた。  ……この髪の長さは……きっと女の人だ。  女の人の死体が路上に打ち捨てられ、白骨になるまで放置される。  ここは、そういう世界なんだ!」  んでもってうちの奥様に読ませたら爆笑された。 「人間の白骨死体を生まれて初めて見た人間が、こんなに冷静に見ているもんか」  ……とね。  「死体を見たら細かく観察する」俺の中ではそれが「常識」だった、だから何の抵抗感も無くするっと書いてしまった。  一人称の小説を書くときのキャラクターの立て方の難しさを俺はそのとき実感した。  作者とキャラは違う人間でなけりゃけない。  でも、これは今でもときどきやってしまう。無意識に出る。だからよほど注意していないと「作者臭」が出てしまう。  まあ、逆に最初から思いっきり「作者」を前面に出すって方法もあるけど。それはコメディ以外は成立させるのが難しいだろうね。  一番良いのは、やっぱり「他人」に見てもらうことだろうな。    自分の中にある「書きたいこと」知識、ウンチク、情報。その中で、キャラクターに話させたり地の文で書けるのは、ライトノベルならせいぜい三行、多くて五行。  だから、その部分でも、情報の取捨選択の能力が必要になる。    描写ってのは「ぴったりのひとこと」を捜し出して書くこと。 という名言があるが、実を言うと地の文も同じことなんだよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷静と情熱の間 No.6582 投稿日 2003年6月12日(木)00時42分 投稿者 弟切 千隼  今日の夕方、弟切は米国が火星探査機の打ち上げに成功したというニュースを聞きました。米国東部時間で6月10日午後1時58分(日本時間6月11日午前2時58分)に、火星探査機を載せたロケットがフロリダ州から打ち上げられました。  打ち上げ後、今回の火星探査機が「スピリットSpirit」と名付けられたと聞いて、弟切は「さては」と思いました。  前回の書き込みNo.6580に書いたとおり、今年の6月10日は聖霊降臨節の最中です。この名はおそらく「聖霊」の英語名であるHoly Spiritから取られたのでしょう。米国はキリスト教の影響力が強い国ですから。 >>「遠い夜明け」(仮題)指摘  羽矢野さん、鷹見さん、示唆に富んだ御意見ありがとうございます(^_^)  そもそもの最初、弟切は単純に「怖い話」を書くつもりで「遠い夜明け」の話作りを始めました。今回に限って言えば、「どうしてもこの話が書きたい」というほどの情熱や執着はなく、娯楽小説の一つのジャンルとして人気のあるものを書く練習をしようと考えただけでした。  実際に書き始めるまでは、「蘊蓄」で読者さまを楽しませる話にしようなどとは、まったく考えていませんでした。  紆余曲折の末なんとか怖くなりそうな話を作り、実際に書いてみたら……全然怖くない話になっていました(^^;   その代わり、恐怖とはまったく関係のない「蘊蓄」の部分で面白かったという御意見をいただきました。  おそらく、弟切は無意識のうちに、「いわゆる普通の怖い話というのでは面白くない」と思っていたのでしょう。  そのために自分の好みに走って、ルネサンス期イタリアの知識を必要以上に書いてしまい、恐怖小説ならぬ「蘊蓄」小説になってしまいました(笑)  鷹見さんが指摘されたとおり、弟切は文章を書くことにおいて、情報の取捨選択の能力が身に付いていないのでしょう。「ぴったりのひとこと」を捜し出して書くことができません。  台詞であろうと地の文であろうと、「ぴったりのひとこと」を捜し出せるように鍛えることが急務ですね。  さて、そうしますと、「遠い夜明け」(仮題)はどうしましょう……。  現時点で自分が書きたいもの、および面白いと評価をいただいた部分を優先させるとすれば、怖さを追求するのは止めて「蘊蓄」を追求しなければなりません。  しかし、それには設定の大幅な変更が必要です。ルチアは決して普通の村娘であってはなりませんし、フランチェスコの対応も別のものになるでしょう。  今はまだどうすべきか悩んでいます。もう少し時間を下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- むしむしべたべた No.6583 投稿日 2003年6月13日(金)00時30分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は湿度が高く、蒸し暑い梅雨時らしい気候でした。蒸し暑さに弱い弟切は早速体調を崩しています(^^;  「遠い夜明け」(仮題)について。  最初の版と削り版とはそのまま置いておくとして、怖さではなく、「蘊蓄」を追求した版を書いてみようと思います。  むろん、そのためには主人公の設定をかなり変えなければなりません。それ以外のフランチェスコの設定や、ルネサンス期イタリアという舞台の設定はこのままで行きます。そこまで変えたら意味がありませんよね。  けれども、怖さを追求した−つもり(^^;−の版と区別するために、題名は変えたほうがいい気がしています。新しい題名は考え中です。 -------------------------------------------------------------------------------- 女大学 No.6584 投稿日 2003年6月14日(土)00時53分 投稿者 弟切 千隼  「遠い夜明け」の蘊蓄追求版の仮題を決めました。グレゴリオ聖歌の一節から取って「涙の日」とします。  主人公の名前も変えようと考えています。知識階級の女性としては、「ルチア」でも不自然ではありませんが、もう少し重さを感じさせる名前のほうがそれらしい気がします。  名前よりも問題なのが、ルネサンス期イタリアにおいては、知識階級の女性というものがほとんど存在しなかったということです(^^;  この時代のヨーロッパでは、女性に門戸を開いた高等教育機関はほぼ皆無でした。女性の識字率は20%くらいだったのではないでしょうか。  このような状況で知識階級の女性といえば、貴族に生まれた女性しかあり得ません。貴族階級の女性ならば、当代有名な学者を家庭教師として雇い、最先端の知識を身につけることもできたでしょう。庶民とはかけ離れた、まさに特権階級の女性です。  そこまでの特権階級ではない女性が、直接家業に関係のない知識を学ぼうとしたなら、考えられる道は二つです。  一つは女子修道院に入る道です。修道院ではキリスト教を学ぶために聖書を読ませますから、少なくとも字は読めるようにさせられます。修道院の運営のために経理などを学ばされることもあるでしょう。  当時としてはこれが最もありそうで、また穏当な道ですね。  もう一つは、女子修道院のような一般に認められた教育機関に属さない道です。  キリスト教の勢力が圧倒的だったルネサンス期のイタリアにおいても、キリスト教以前の知識は細々と伝えられていました。キリスト教徒が「異教時代」とさげすんだギリシャ・ローマ時代の知識です。  村の片隅で、そういった知識を伝える老人たちがひっそりと活躍していました。その多くは老婆でした。  と書けば、ぴんと来る方もいらっしゃるでしょう。キリスト教的でない知識をたくさん持っているというだけで悪魔の使いとされ、迫害された「魔女」たちの多くは、こういう老婆だったと思われます。  古代の知識を伝える「魔女」たちには「学校」はなく、内弟子を取るような形でその知識を伝えてゆきました。  ルネサンス期イタリアを舞台に、ある程度高等な知識を身につけた女性を活躍させようとすれば、上記三つの境遇のどれかに属する女性であるのが自然でしょう。  この三つは、互いにひどく異なる境遇です。どの境遇に育った主人公を選ぶかにより、話の内容がまったく変わってしまいますね。  慎重に選びたいので、まだもう少し考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 紫陽花[あじさい]と花菖蒲の候 No.6585 投稿日 2003年6月14日(土)22時43分 投稿者 弟切 千隼  一昨日から体調がすぐれない弟切です。でも少し痩せて嬉しかったりします(^^; >>「涙の日」(仮題)  主人公は貴族階級ではないことにしました。貴族とすると、「村の墓場を、夜、若い娘が一人でうろうろする」という基本設定に重大な変更が必要になるからです。  不都合な点その一。  貴族でしたら、死後は村の墓場になど葬られません。家ごとに広大な墓地を持っているはずで、そこに葬られます。  不都合な点その二。  夜であろうとなかろうと、結婚前の貴族階級の娘が、家の外の一人歩きを許されることはまずありません。墓地でなくとも、夜、屋外に一人でいるというだけで、貴族の娘にとっては気も狂わんばかりに恐ろしいことでしょう。  貴族階級の娘というのが除外されたので、残るは女子修道院の人か、「魔女」の弟子という設定ですね。  これについてはもう少し考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 蘊蓄 No.6586 投稿日 2003年6月15日(日)13時37分 投稿者 甘夏 >>「普通の人はこの程度で『蘊蓄いっぱい』と感じてしまうのかあ(*o*)」  プロの作家さんは取材の大切さをよく説かれます。  とにかく、バレバレのウソは出来るだけ書かないようにすること。  リアリティを出すこと。  そのためには取材――知識の修得が必要になってきます。  弟切さんは知識を非常に持ってらっしゃる人だと思います。  わからないことはきちんと調べるようにも感じます。  私はすごいテキトーなので見習わなければいけないと思う。  話がそれました。  この作品。蘊蓄の比率が多すぎます。  絶対量ではなく、比率が多すぎるんです。  よくプロの作家さんは取材の大切さを説いた後にこう言われます。  取材で得た知識を100とすれば、使うのは10くらい(か、もっと少ない)  つまり、知識は小説を書く上の下地でしかない、と言うことです。  蘊蓄を語る小説を書くのは無理だと思うのです。  ストーリー上の必要性から語るのはいいと思うのですが(探偵モノとか探検モノとか)蘊蓄を語りたいために小説を書くのは違うんじゃないかなぁと思います。  蘊蓄なんてモノは基本的に読者にとっては五月蝿いものです。  ストーリーの流れをちょん切っちゃうし。  切ない場面や燃えるアクションシーンで蘊蓄が出てきたらとたんにテンションが下がってしまって、とても哀しくなります。  怖い作品に蘊蓄をどっさり詰め込むと怖くなくなります。  知識欲がある程度満たされるからかなぁ。  理解できない怖さ、わからない怖さ  わかる楽しさ、知る楽しさ      相殺。  私はこう感じました。  なんだか、まとまりがなくなってしまいましたね。  とにかく。一読者として。  蘊蓄を読まされるのは我慢ならない。  ということです。  それは、つまり。 >>自分の知識量を自慢しているように読めてしまうかも知れませんね  と、いうことです。 -------------------------------------------------------------------------------- すぱいす・がーる No.6587 投稿日 2003年6月15日(日)23時23分 投稿者 弟切 千隼  胃腸の調子を整えるために、香味料たっぷりのカレーを食べた弟切です。  カレーに含まれる香味料には、胃腸薬の成分となるものがたくさん含まれています。そのために、胃腸の調子が悪くて食欲がない時でも、カレーなら食べられてしまうことが多いですね。 甘夏さんへ >  お久しぶりです。御指摘ありがとうございます(^_^)  甘夏さんは >> 蘊蓄を語る小説を書くのは無理だと思うのです。 (No.6586の甘夏さんの書き込みより) とおっしゃっていますね。  現時点の弟切にできるかどうかは別として、一般論としてなら、蘊蓄を語る小説を書くことは不可能ではないと思います。  今、たいへん人気のある京極夏彦さんの作品など、ずいぶん蘊蓄を語っていると弟切は感じます。それでいてあれだけ売れていることからすれば、世の中の人全員が「(小説において、書き手の)蘊蓄を読まされるのは我慢ならない」と感じるわけではないでしょう。  むろん、蘊蓄を語りつつ面白い作品とするには、いくつもの条件をクリアしなければなりません。  小説の基本として、筋が破綻していないこと。アクションや恋愛などの場面の流れを断ち切らないこと。読者さまを見下した文章を書かないこと。  おおよそ上記のような条件をクリアした作品のみが、蘊蓄を語る小説として商業ルートに乗っています。  さて、では現時点の弟切が蘊蓄を語る小説を書いて商業水準の作品となるかといえば、これは未知数です。しかし、弟切としてはそこを目指すしかありません。  私には、商業レベルで戦える自分の武器が何なのか、まだよくわかっていません。したがって、とにかく何でもやってみなければわからないと考え、とりあえず思いついた「怖さを売り物とする作品」を書いてみました。  ところが、書き上げてみたらそれは全然怖くない作品でした(^^; 「怖さ」よりも「蘊蓄」を書いた部分のほうが面白いと、複数の方々より指摘されました。  それならば、「怖さ」よりは「蘊蓄」のほうが私の武器として使えるかも知れない、と私は考えました。それを実証するには、実際に書いてみて面白い作品ができるかどうか、読者さまの判断を仰ぐしかないでしょう。  ということで、基本的な筋は同じで、蘊蓄を語る版を書いてみることにしました。  ただ蘊蓄を垂れ流すだけでは読者さまはついてきてくれませんから、工夫が必要です。冒頭で「なぜか、若い娘が夜たった一人で墓地にいる」という状況を示し、読者さまに謎を提供します。読者さまに謎解きの興味を持っていただいて引っ張るという、ミステリーの手法を使わせていただこうと考えています。 -------------------------------------------------------------------------------- 梅子黄[うめのみきばむ] No.6588 投稿日 2003年6月16日(月)22時04分 投稿者 弟切 千隼  本日は、七十二候の一つ「梅子黄」です。「梅の実が熟して黄色くなる」という意味だそうです。  七十二候は、二十四節気と並んで季節の区切りを表す言葉です。名のとおり一年間の季節の移り変わりを、七十二種の言葉で表しています。  二十四節気ほど有名ではなくとも、調べてみると、七十二候のほうが数が多いだけあって具体的な表現が多く、興味深いです。「梅子黄」も、まさにこの頃梅の実が熟すことを表していて季節感ぴったりですよね。  ただし、七十二候の中には、「腐草為蛍」[ふそうほたるとなる]=枯れ草が蛍に変じる、などの迷信めいたものもあり、必ずしも季節感をうまく表しているとは限りません。 >>「涙の日」(仮題)  主人公は女子修道院の人としました。名前も「エミリア」と決めました。  なぜ主人公を「魔女の弟子」ではなく女子修道院の人にしたかといいますと、この時代に「魔女」を登場させれば、どうしても「魔女狩り」の要素が入ってしまうからです。構造的に単純な話にしたかったため、余分な要素を入れないようにしました。  そもそも、短編小説にいくつもの要素を詰め込むのは無理がありますよね。  「涙の日」の筋は、「遠い夜明け」と全く同じです。起承転結を書けば以下のとおりです。 起 ・夜、一人で墓地にいることに気づく主人公。 承 ・墓地から抜け出そうとして、抜け出せない主人公。 転 ・司祭に会い、自分が死んでいることを知らされる主人公。 結 ・死を受容できず、墓地をさまよい続ける主人公。  大筋はこれでいいとして、主人公を教養のある人にして蘊蓄を語らせるなら、それなりの仕掛けが必要です。言い換えれば、主人公が女子修道院で学ぶ教養ある人ならば、そういう人である必然性が物語になければなりません。  でなければ、単に蘊蓄を垂れ流すつまらない話になってしまいます(^^;  話の構造からしますと、主人公が若くして死んだ原因か、死後に亡霊となってさまよわなければならない原因か、どちらかあるいは両方に主人公の教養がからんでくるのが自然でしょう。  ここがうまくできるかどうかで、「蘊蓄を語りつつ面白い小説」になるか、「蘊蓄ばかり垂れ流されるつまらない小説」になるかが決まります。慎重に考えませんと(._.; -------------------------------------------------------------------------------- ●甘夏さん No.6589 投稿日 2003年6月16日(月)22時50分 投稿者 羽矢野 ○蘊蓄(うんちく) >>蘊蓄を“語る”小説を書くのは無理だと思うのです。  語るだけなら無理だ(というか、面白くない)と私も思うけど……  でも“蘊蓄が楽しい小説”っていうのは、ありだと思うのですが。  蘊蓄っていうのは、作者の蓄えた知識をひけらかすって意味じゃなくて、何と言うかな。読者をその場所に連れて行ってくれるというか……。  弟切さんの場合だと“ルネサンス期イタリア”っていう雰囲気。  それはどういう時代で、当時の人々はどんな生活をして、どんな考え方をしていたのか。  それは面白さになるんじゃないかな。  だって、私は知らないんだもの。  知らない時代、知らない場所に連れて行ってくれる文章は、やっぱり面白いと思うのです。  小説には、いろんな時代、場所、職業、そして自分と異なる考え方の人がでてきます。  そういう読者の“知識外のことや別の価値観”が読めることも、小説の楽しさの一部ではないでしょうか。 >>切ない場面や燃えるアクションシーンで蘊蓄が出てきたらとたんにテンションが下がってしまって、とても哀しくなります  甘夏さんの意見を読んでると、どうも蘊蓄をひけらかすだけの小説を弟切さんが書こうとしてると思ってるみたいに見えたので。  そうじゃないんじゃないかな。とだけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 死者の代弁者 No.6590 投稿日 2003年6月18日(水)00時10分 投稿者 弟切 千隼  「喉と頭が痛くて、鼻水が止まらなくて、全身がだるいんだよ」と友人に電話で愚痴ったら、「それは立派な風邪だから早く寝なさい」と言われた弟切です。 >>「涙の日」  主人公の死因を、主人公が教養を持っていることにからめる方法を考えてみました。  主人公は若くして死んでいるため、死因は病気か事故か他殺か自殺ですね。知識を持っていれば病気や事故は避けられる可能性が高いですから、他殺か自殺で死んでいるとするのが自然でしょう。  他殺ならば、死後にまで恨みを残して亡霊となる可能性は高いですね。ただし、それならばなぜ亡霊となって蘇った時にそのことを忘れているのか、という問題を解決しなければなりません。  また、誰がなぜ彼女を殺したかを物語中ではっきりさせる必要もあります。それこそ物語の鍵となるはずです。  自殺の場合は、死にたくて死んだのになぜ亡霊となって蘇るのか、という問題を解決しなければなりません。また、他殺の場合と同じように、亡霊となって蘇った時に自分が死んだことを忘れている理由も必要です。  彼女がなぜ自殺したのか、その理由こそが物語の鍵となることは間違いありませんね。  キリスト教の教義に従えば、自殺したのに亡霊となって蘇る理由を簡単に作ることができます。キリスト教では自殺はたいへん重い罪とされており、自殺者の霊は決して天国へは入れないと言われているからです。  主人公はキリスト教徒なのに自殺という大罪を犯したため、天国へ行くことができずにこの世をさまよい続けるとすれば、理屈は付けられます。毎晩記憶を失って蘇るのも、罰の一環とすることができますね。  しかし、この理由を採用すると、ならばなぜ主人公が自殺したのかという問題が大きくなってしまいます(^^; 女子修道院でキリスト教の教義をきっちりと学んでいるはずの主人公が、そんな大罪を犯すとは考えにくいですよね。  こうしてみると、他殺と自殺では一長一短で、どちらが理由としてふさわしいかはすぐに判断できません。さらに考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- はじめまして、鐸碑と申します。 No.6591 投稿日 2003年6月18日(水)18時28分 投稿者 鐸碑  新木さんのファンという事で、以前からこのよみかく分室を読んで参考にさせていただいておりました。  鐸碑は、PBM(プレイバイメイル)という文章でお客さんを楽しませるゲームを運営する会社に勤めています。仕事上役に立つので、よみかく分室の課題やプロ作家さんの考え方をROMとして参考にさせていただいておりました。  本題に入る前に、私の職業であるPBMについて少しだけ説明させていただきます。  PBMは、数百から数千人の参加者を集め、お客さんが自分の分進となるキャラクター(物語の登場人物)を登録し、そのキャラクターにさせたい事を行動宣言として提出してきます。お客さんが行った複数の行動宣言をマスターという審判兼執筆担当者が判断し、文章で結果を返すというスタイルのRPG(ロールプレイングゲーム)です。  小説家及び志望者の方々に通じやすい表現にするなら、複数の作家が分担し他人が作ったキャラクターをそれらしく動かして、物語を綴る様な感じです。  世界設定を作る人、登場人物を作る人、登場人物の行動を決定する人等が執筆を行う人間と別に居る為、話作りや重要視するポイントなど小説と大きく異なる部分もありますが、お客さんが読み取れる文章を書くなど、共通する点の比較的多いメディアです。  そういった関係で、このよみかく分室を参考にさせていただいていました。  自己紹介とスタンスを示せていただいたところで、本題に入ります。  弟切さんが、「涙の日」と「遠い夜明け」という中世ヨーロッパを舞台にした小説を書く為に色々悩んでいるようなので、一つアドバイスできればと思い書き込みさせていただきました。  「遠い夜明け」にせよ「涙の日」にせよ、基本的に習作として書くんですよね。ならば、教養ある薀蓄を語れる主人公と普通に怖がる教養と縁のない主人公それぞれを、同じ境遇において書き比べてみては如何でしょう?  同じ境遇の異なる主人公を書き比べるという事を主として、それぞれの主人公に対して最適なシチュエーションである事には引いてもらい、両主人公に共有できるシチュエーションを設定し、同じ場面を異なる主人公でそれぞれ書いてみるというのは、どうでしょう?  主人公のキャラクターを掴むという目的に対して、同じ境遇に置かれた異なる人物の反応を実際に比較するというのは効果的な手法だと思います。同じ状況でキャラクターだけが異なるという事は、キャラクターを受け手であるお客さんが作り、行動を指定するPBMでは頻繁に発生する事ですが、キャラクターを掴む上では効果的ではないでしょうか?  上手く書き上げれば、中世ヨーロッパの薀蓄を楽しむ小説と中世ヨーロッパに生きる平凡な女性が感じた恐怖を伝える小説両方が出来上がるでしょうし。そこまでに至らなくても、キャラクターの違いをはっきり意識する訓練にはなるんじゃないでしょうか?  このアイデアには、平行して二つの話を書かなければならないという欠点はありますが、一度書き上げてから、もう一度再構築する場合には得られない収穫があるのではないかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 体が欲する栄養分 No.6592 投稿日 2003年6月18日(水)22時50分 投稿者 弟切 千隼  昨日から夏風邪の熱が下がらない弟切です。  普通の食物はまったく食べたくないのに、なぜか突然ヨーグルトと果物が猛烈に食べたくなり、熱でだるい体を引きずってそれらを買ってきました。帰宅して買ってきた物をむさぼりながら、はたと気づきました。 「ヨーグルトと果物って、消化が良くて手軽に蛋白質とビタミンが摂れる食物じゃないの」  ヒトの体は、必要な栄養分をちゃんとわかっているようです。 鐸碑さんへ >  はじめまして。御助言ありがとうございます。  PBMという種のゲームがあるのは、やっている友人からちょこっと聞いて知っていました。  実は、弟切も鐸碑さんと同じことを考えていました。主人公だけ違う人物にして、舞台装置などのその他の部分をまったく同じに揃えた話を二つ書いてみてはどうかしら? と。  ただ、こうすると、鐸碑さんのおっしゃるとおり人物に最適な舞台装置などの設定が犠牲になります。例えば主人公の死因は、教養の有無に関係のない病死や災害による事故死としなければならないでしょう。  しかし、キャラクターの描き分けを練習するという点に主眼を置くならば、これはこれで正しく、とても効果的なやり方だと私も思います。  「主人公だけ変えた話を二つ書く」という方法を採用するかどうかは、何に主眼を置いて練習するかによりますね。  上記のように、キャラクターの描き分けを練習するなら、おそらくこれが最適に近い方法でしょう。そうではなくて、「怖さ」や「中世ヨーロッパの知識」といったテーマを明確に伝える練習をするなら、さまざまな設定をきっちりとテーマに整合させた話を書かなければなりません。  あらゆる面で圧倒的に実力が足りない弟切としては、どれもこれも練習しなければならないことばかりです(^^; けれども、一度にいくつもの技能を身に付ける練習ができるほど器用なタイプではありませんから、どれか一つに絞って練習しなければ効果が薄いでしょう。  実力が足りないのはどの分野も同じにせよ、とりあえず優先させるべきところはといえば、「伝えるべきことをきちんと伝えられる話を書く」能力ではないかと思います。  したがって今回は、「ルネサンス期イタリアで、若い娘が夜の墓地をうろうろする」というホラー仕立ての形を取りつつ、「教養ある女性の口を借りてルネサンス期イタリアの生活ぶりを伝える」話に的を絞るつもりです。  鐸碑さんのせっかくの御助言を無にするつもりはありません。この話を書き終えたら、「同じ舞台装置で主人公だけ違う話を書き比べる」という練習もぜひやってみたいです。  舞台を現代日本にして、「なぜか気づいたら夜の墓地に一人でいた」女性を主人公にした話を二つ書いてみる、などというのがいいかも知れませんね。主人公を夜遊び好きのコギャルと、夜に出歩くことなどほとんどない専業主婦と、という具合に変えれば、キャラクターの対比がしやすくてよさそうです。 -------------------------------------------------------------------------------- 浮上 No.6593 投稿日 2003年6月18日(水)23時48分 投稿者 望月京路  そんなわけで、みなさま、お久しぶりです。  望月京路、一人称は小生、愛称はきょろちゃんでございます。  最後に出没してからおよそ一年、のらりくらりと作品を書いてきましたが、「去るもの追わず、来るもの拒まず」という言葉を頼りに、またこの場に戻ってまいりました。  戻ってきた理由は色々ありますが…… ・文章が酷いようだから。 ・演出力を『使える』レベルにまでしたいから。 ・「よみかく」から作品が発表できなくなって、欲求不満が募ってきたから。 ・電撃の一次選考にも引っかからなかった現状を、なんかヤバいと感じたから。  といったところでしょうか。  具体的な技術目標としては「文章力と演出力をつける」ということですかね。  文章力とは、「物事を正確にわかりやすくスムーズに書き出す力」、そして演出力は「より目的にあった、かつ面白い見せ方にできる力」と心得ております。  これがここでは達成できそうになかったり、できたりしたらまた沈むことにするかもしれませんが。とりあえず、それまでよろしくお願いします。  そんなわけで、生課題なんか勝手にやってみます。  えっと。たしかこれは、「制限時間を決めて、ワンシーンを書く」ということでしたな。  それで、できたら課題部屋に提出、と。  それじゃ、早速やってみます。  あ。どれにしよ。  んー。そんじゃ、「治癒魔法Lv1」とかやってみます。まあ、試しに三時間ほどで。  それでは、三時間後。 -------------------------------------------------------------------------------- おーい…… >望月さん No.6594 投稿日 2003年6月19日(木)03時09分 投稿者 はせがわみやび  生課題みたですけど。  1行目で挫折しました(^^;  ねえ、この1行目をしゃべってるの、だれ?  発話者不明の台詞は勘弁して欲しいと思うの(^^; みやび@最初の数行を読んでも、周りの状況わかりませんですよ? -------------------------------------------------------------------------------- 続き No.6595 投稿日 2003年6月19日(木)03時12分 投稿者 はせがわみやび  LV2も見た。 >>「腕を……」  だから、誰がしゃべってるか、わからないってばさ(^^; みやび -------------------------------------------------------------------------------- 終わったけれど No.6596 投稿日 2003年6月19日(木)03時16分 投稿者 望月京路  失敗したこと。  三時間もいらない。  というか、過去ログを読みなおしてみたら、「魔法シリーズ」はせいぜい一時間の課題とのことだし。  そんなわけで、「治癒魔法Lv2」とかやってしまっいました。ちょっと、こっちは慌て気味になってしまったけど。  時間配分としては、Lv1二時間、Lv2一時間ですね。  あとは。雑談というか――。 >羽矢野さん  ご結婚なされるそうで。  遅れましたが、おめでとうございます。  しかし、いいですねえ。  以前ある話で、新婚の幸せな日々が描かれていたものがありまして。そのとき、「ああ。これは今の小生じゃ書けない」と痛感したものですが。  それが、書けるのですねえ。  いやはや。 -------------------------------------------------------------------------------- 京路さんへ > No.6597 投稿日 2003年6月19日(木)19時38分 投稿者 弟切 千隼  こちらではお久しぶりですね。弟切です。  せっかく京路さんが生課題を上げてくれたので、私も自分の練習を兼ねて指摘させていただきます。 >>「治癒魔法Lv1」  私もみやびさんと同様に、一行目からつまずきました。  冒頭の台詞である >>「――あいた――」 を、弟切は「開いた」という意味だと解釈してしまい、「何が開いたのだろう? そういう描写が出てこないなあ?」と読み進みながら不思議に思っていました。  九行目の >>でこぼこした石畳に削られ、白い皮がめくれている。土ぼこりが湿った傷口にこびりついて、赤黒くなっていた。 まで読んだところで、「も、もしかしてこれは『あ痛』の意味だったのか(*o*)」とやっと気づきました。  場面が台詞から始まること自体は、悪くないと思います。ただ、みやびさんも指摘されているとおり、この台詞を発したのが誰で、それはどこで、どういう状況なのかがまったく見えません。そのためにこのような誤読が起こりやすいのでしょう。  台詞が誤読された原因を、もう少し追いかけてみます。  「――あいた――」の台詞の後すぐに >> 私は、ふっと目を覚ます。 という文が来ますよね。これでは、どう読んでも、この「私」がこの台詞を発したようにしか読めません。  けれども、京路さんが意図したのは違うのですよね? 「私」ではなくて「ビアンカ」という女の子の台詞なのですね、これは?  ビアンカが登場するのは冒頭から五行目で、彼女が発した台詞から四行も離れています。台詞のすぐ後に「私」が登場して、その「私」に関する描写がまるまる三行も続いたら、読み手の脳内では「私=『あいた』の人」という図式が出来上がっているでしょう。  そこへ >> ドアを開くと、外の石畳の上に女の子が倒れていた。さっきの声の主だろう。 と来ては、読み手は混乱します。  何か都合があって、台詞とそれを発した人の描写とを離さなければならないのなら、例えば「……という声が聞こえた」みたいな描写を入れておけば、誤読されずに済むと思います。  上記の場合でしたら、 >> 私は、ふっと目を覚ます。 を ● 聞き覚えのある声がして、私はふっと目を覚ます。 という具合にすれば、誤読される可能性はずいぶん減ったでしょう。  周囲の状況が見えないことについて、もう少し突っ込んでみます。  冒頭の一行目が台詞で、二行目に主人公らしい「私」が登場して、誤読とはいえとりあえず5W1HのうちのWho(=誰)は読み手に紹介されますね。  三行目から残りの4W1Hを紹介する周囲の描写になります。↓ >> 窓から春の陽が差してきている。朝の礼拝のあと、ちょっと休むだけだったのに。  「春の陽」と「朝の礼拝」とあるので、季節と時刻がいつか(=When)はわかります。しかし、これでは、「私」がどこに(=Where)どういう状態で(=How)いるのかがわかりません。  「窓」とありますから、室内であることだけはわかります。せめてこの窓がどんな窓なのか描写があれば、ここがどんな世界なのか伝わったでしょう。  例えばアルミサッシの窓ならば、日本かどうかはわからなくても、現代だというのは伝わりますよね。障子だったら、日本の田舎か、もしくは昭和四十年代以前の日本という可能性が高いでしょう。煉瓦を積み上げて作られた窓ならば西洋の話だろうと想像がつきますし、「窓の外に真空の空間が広がっている」などとあれば宇宙を舞台にしたSFだなと理解できます。  「私」の状態についても、「ちょっと休む」とあるものの、これだけでは椅子に座っているのか、畳などに横になっているのか、あるいはベッドや蒲団にもぐりこんでいるのか不明です。完全に眠っていたのか、本でも読んでくつろいでいたのか、ただぼーっとしていたのかもわかりません。  このすぐ後に >> 胸の十字架を確認して、椅子から立ちあがった。 とあって、椅子に座っていたことがわかります。でも、この「椅子」の描写はこれより前に欲しいですね。読み手は一行でも早く5W1Hを知って、作品世界に入りたいものですから。  例えば >> 窓から春の陽が差してきている。朝の礼拝のあと、ちょっと休むだけだったのに。 を、 ● 煉瓦造りの窓から春の陽が差していた。朝の礼拝のあと、ちょっと休むだけのつもりだったのに、椅子に掛けたまま眠っていたようだ。 という具合にすれば、この世界がどんなところで、「私」がどういう状態にあったのか、だいぶ明確になるでしょう。  弟切も文章は下手なので、文例がうまくないのは御容赦下さい m(-_-)m  今回はこんなところで。 お知らせ:  弟切は明日から実家に帰らなければなりません。自宅に戻るのは日曜日(6/22)の予定です。帰省中はおそらくここに書き込むことはできなくなります。 -------------------------------------------------------------------------------- 望月さん No.6598 投稿日 2003年6月19日(木)20時44分 投稿者 羽矢野  お久しぶりですね。  私は“あちら”はROMだけなので、こうしてやりとりするのは一年ぶりくらいですか。  元気そうで、何より。 >>ご結婚なされるそうで。 >>遅れましたが、おめでとうございます。  ありがとう。  ただ、新婚は幸せばかりとは限らないよ。(ってか、苦労の方が大いに決まってるよ) もうちょっと若いと、無邪気に喜べたんだけど。  年はとりたくないものだ。  とか爺臭く言ってみる。 ●治癒魔法LV.1  …………。 >>「――あいた――」  まず第一声。  これ、何でダーシの中にあるんだろう。  寝てたから、主人公がそれだけ聴き取ったという意味かな?  弟切さんも言ってるけど、“あいた”って、ひらがなだけだと意味が通じないよね。  発したのが小さな女の子だから全部ひらがなにしたんだろうけど。  ドアが“開いた”かもしれないし、席が“空いた”かもしれない。探していた人が見つかって、「あ、いた」かもしれない。  実際は「あ痛」ですが。  セリフから入るという手法はよくありますが、これはちょっと失敗ですね。  人の会話というのは、理路整然と言葉が主語から全部並んでいるわけではないので、それから始める場合は次の行にフォローがないといけないのですが。  それをしてない。  あと“痛い”というのは、転んだ後におこるので、転んだ瞬間に痛いとは普通言わないんじゃないかな。  子供で、転びそうな時に反射的に痛いを思い出して言う場合ってのはあると思いますが。  それでも短く「いたっ」「あたっ」「つっ」とかでしょう。 「あいた」なんて三文字も叫びません。  三文字もあると、マヌケだ。  ちなみに。  転んだ子供見てると、普通は転ぶとき声なんてあげない。  泣くのも、親が駆け寄って心配してから泣き出す。  まあ、そんなもんだ。 >>私は、ふっと目を覚ます。  これで、人称が確定するんだけど。 >>窓から春の陽が差してきている。朝の礼拝のあと、ちょっと休むだけだったのに。 >>胸の十字架を確認して、椅子から立ちあがった。  なんで、人が痛がっている(危機)声で目が覚めたのに、その声の確認するより先に、窓から陽が差しているのや自分の今の状況を把握するんだ?  しかも胸の十字架まで確認して、やっと立ち上がるって。  いったいどんな性格してるんだ(笑)。 >>ドアを開くと、外の石畳の上に女の子が倒れていた。さっきの声の主だろう。  んで、女の子が倒れているというのに、なんで慌てた様子がまったくなく、のんびりと「ああ、これが声の主か」なんて考えてるんだ?  変だろ?  脳の配線がずれてるだろ? この主人公。  とか思いました。  一人称は、視点保持者のフィルターがかかるんだから。  痛いという声で起きたんなら、まっさきにその声の出を確認するでしょう。  見慣れた風景や、いつも下げてる十字架なんて普通は意識しないものです。 「きゃっ」  小さな叫び声にわたしは目を覚ました。  椅子から立ち上がり扉を開くと、石畳に女の子が倒れていた。 「大丈夫?」  わたしは慌てて駆けより、抱きおこす。ウィリアムさんのところのビアンカだった。  最初だとこうかなあ。  私も文章上手じゃないからいかんけど。  これって、非日常から始まるから、周りを描写する余裕がないんだよね。一人称だから、とくに。  日常から始めて、非日常へ移行させる方がいいと思う。 >>傷口が熱くなってきた。  他人の傷口なのだから、熱くなってきたかどうかはわかりません。  どうして、熱くなってきたのがわかったのか。 >>黒くなりかけていた血は、すぐに透明になった。傷口が光りはじめる。近くを触れている指に熱を感じだす。  とかなら、わかります。  と簡単ですが。 -------------------------------------------------------------------------------- やっぱり文章は酷いらしい No.6599 投稿日 2003年6月20日(金)00時34分 投稿者 望月京路  まあ、腰を据えてどうにかしていきます。  それはそれとして。  早速の指摘、ありがとうございます。  なんというか、懐かしいなあ。この、文章単位で直される、という方法。  普通の人たちに作品を見せても、感想は言ってくれるけど、もっと大きな範囲で答えるので。(このシーンは○○でいいとか、このキャラがここで○○と考えるのはおかしいだろう、とか)  で、これを書き直すわけですが。  その前に、本文を解説したほうがいいのだろうか。あまりにも「伝えようとしていたこと」と「伝わったこと」の溝が深いし。  ……まあ、いいか。  ちゃんと伝わるように書きなおせば。  「答えはすべて文章の中に詰めたぜ」と言えるだけの自信はもはやありませんが、できるだけそこに近づけるようにします。  とにかく。  今度は一時間。「治癒魔法Lv1」リライト。  いきます。 --------------------------------------------------------------------------------  一時間、短い。 No.6600 投稿日 2003年6月20日(金)02時25分 投稿者 望月京路  どうにか終わらせることはできましたが。最後は急ぎ気味になって、読み返すのもままならなかった。  迷いがあるなあ。視点の移り変わりに、情景の表現に、文字の選択に。  とにかく。上げておきました。  それにしても。前回も思ったことですが、何で小生は中世ヨーロッパ的な世界観を選んでしまったのか。  どうやら苦手らしい。最初の数行で示すべき、「中世ヨーロッパであることを示せるアイテム」が出てこなくて困った。どんな調度品があるのかとか。窓にガラスは存在するのかとか。  結局、「燭台」と「ロウソク」と、そして姉御さんのコメントからいただいた「煉瓦の窓」にしました(苦笑)。  前回は「胸に十字架」「教会」というのを使いましたが、世界観を特定するには微妙に違ったらしい。  はあ。  あとは、雑談を。 >羽矢野さん  あらためて、お久しぶりです。  多分、半年ぶりくらいでしょう。去年の末くらいに、『テレポーターの作り方』の感想もらった覚えがあるので。  まだ半年というか、もう半年というか……微妙な感じですが。  で、結婚に関して。  苦しいことが多いと言いますが、でも幸せであることには変わりないのでしょう?  でなければ、結婚なんてするはずですし。  その幸せをリアルに体感できる。ならば、それを描くことは可能ではないでしょうか。  小生は何も知らないゆえに、多分ステレオタイプでしか書けない。  羽矢野さんは新婚生活の幸せさを、そしてリアルな新婚生活(苦労が多いということ)も書ける。  もちろん年を取ると(失礼)書けなくなるものは出てきますが、その分書けるものも増えるのでしょう。  それは、単純に、すごいと思うのですが。  とか。書いて送ろうとしたらサーバートラブル? 送れない。三十分くらいなのに。  ああ。生課題、ギリギリだったんだなあ。  お。直った。  んじゃ、それでは。おやすみなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- 望月くん、お久しぶり。 No.6601 投稿日 2003年6月20日(金)08時41分 投稿者 鷹見一幸  実は48時間後が最終締め切りだったりする、寝とらん。  得体の知れないこの書き込みは、理性は「やめとけ」と言っているのだが、感情が「やってまえ」言っているので書き込んでしまう。  たとえば、まさに魂を引き込まれるかのごときすばらしき光景と、感動に心打ち震え滂沱の涙を流すほどの物語を、まざまざと思い浮かべることができる天性の能力を得てこの世に生まれ出たとしても。その脳内に浮かぶ精緻な総天然色の世界を、他人に伝える能力を得ていなければ、それは無に等しい。  すれば、無を有とするために必要なものは表現者としての能力であり、創造者としてのそれではない。  光、と書く。  ならばその光はどんなものだ。  まぶしいのか、きらめくのか、闇夜にうかびあがるのか、風のようにとおりすぎてゆくのかどうなんだ?  微笑みと書く。  ならばその微笑とはどういうものだ。  満面に浮かべるのか、唇の端に浮かべるのか、ふわっと笑うのか、さみしさの陰影とともに浮かぶのか、両の手を握り締め、頬を流れる涙をぬぐおうともせずに浮かべるのかどうなんだ?  人に、ものを伝えるということは、簡単なことではない。  言葉は、ひとつじゃない。  でも、そこに持ってくることのできる言葉は、ひとつしかない。  その、ぴったりの一言を、自分の中から探し出し、そこにはめ込むことができて、はじめて人は表現者になることができる。   俺は、ずっとその「表現者」になりたくて、使えそうな言葉を拾い集めながら歩いてきたんだけどさ。  最近になって、やっと遠くの方に、その入り口らしきものがちらちら見えて来たような気がするんだよな。  ひょっとしたらそれは入り口じゃなくて非常口で、俺はそこから追い出されてしまうのかもしれないけどね(笑)  望月くんは、まだ歩き始めたとこだろ?  使えそうな言葉を拾ってる最中だから仕方ないけど、拾った言葉は磨かなくちゃダメだよ。 磨いて、使えるようにしなくちゃ。    電撃ニ応募スレドモ、望ミ潰エシ者ニ告グ。  捲土重来セヨ。  汝、我ガ後二続クヲ信ズ。 -------------------------------------------------------------------------------- ああ、 No.6602 投稿日 2003年6月20日(金)10時33分 投稿者 はせがわみやび  まさにそんなことを、望月くんの生課題を読んで考えていたところでした。 >> 光、と書く。 >> ならばその光はどんなものだ。  そーなんだよなあ。  そこがクリアに想像できていないから、石畳なのに、泥と土ぼこりがこびりついたりするんだなぁ(^^;  「どんな」石畳だったら、そーなるのだ?  石が風化して、ぼろぼろだったのか?  まわりの畑の土が流れ込んでしまっているのか?  雨上がりで、まだ湿っていたのか?  きれいな石畳だったら、目だった汚れはつかないで擦り傷だけにならないかなあ。試しに、アスファルトの上で転んで膝をすりむいてきてごらん? (しかし、泥と土で汚れていたら、とりあえず水かなんかぶっかけて汚れを取るとか、ハンカチで押さえてぬぐってやるとか……しないもんかなあ(^^; この女の子って、あんまし気にしないのか? それとも、治癒魔法に清潔化の効果もあるのかしらん(^^;)  望月くんが書くのが早いのは、言葉の選択に時間をかけてないからだなあ。  LV1治癒魔法に、3時間「費やすことができない」でしょう?   たぶん、1時間くらいで打ち止めになってしまって、そこで、もうこれ以上直せない、直すところを見つけられない、っていう状態になっちゃってるはずだ。そこから打破しないと(^^;。  最初にまず1時間じゃとても足りない、っていう状態がくるはずなんだけどなあ(^^; みやび -------------------------------------------------------------------------------- そろそろ復帰しようかと思う No.6603 投稿日 2003年6月21日(土)12時44分 投稿者 新木 伸  過去ログは……。  ええと、どのあたりから読んでなかったんだっけか。  まあぼちぼち読んでゆくとして、いまホットな話題は望月君の生課題か?  まず最初に、新人さんが一名来ているようなので、挨拶から。  青葉さん、いらっしゃいませ〜。 >望月君  なんか皆にボロボロに指摘されているようだが。  生課題の中でも、治療魔法とか風の魔法とかの魔法シリーズは、ビジュアルイメージを脳内にどれだけ構築できるかってのを計るためのものなわけね。  爆発を「爆発」とすませてしまわないで、どれだけ豊富なイメージを持つことができるのか。  そして書き上がったものを確認してみて、どれだけ自分が貧しいイメージしか持っていないのかを認識する。そのための課題なわけだ。  んで、望月の場合には、まだそこまで行き着いてないっぽい。  治療魔法のイメージがどうのという以前に、なんでもない普通のシーンのほうで皆からのチェックが入っているわけだし。  目の前の道路で女の子が転んで、その声で眠っていた主人公が目を覚まして、そして手当をしてあげるというごく普通のシーン――。それなのに、「そこで何が起きているのか分からない」ということになっちゃっているわけね。  ということで、当面は、治療シーンのイメージなんかは考えなくていい。  「女の子の転んだ声で目を覚ます主人公」  ここだけに集中して、それがわかるように書くように。 >時間を掛けることができない、という症状  「インスタントラーメン」という料理がある。  この料理は、誰が作っても3分間で出来上がる。  言い換えるなら――調理に3分以上かけることができない。誰が作ろうと、3分間以上の手間をかけることはできないわけだな。  それに対して「本格ラーメン」は、スープを採るのに6時間も8時間もかける。  しかし工夫次第では、時間短縮をして、同じ味のスープを3時間で採れるようにできるかもしれない。  プロが頑張って工夫して、勝負しているのはそのあたりの領域。  本格なものを、どれだけ短期間で仕上げるかってところね。  いまの望月君の文章の状態っていうのは、前者のインスタントラーメンであるわけね。  自分の作っているそれが「料理」だと思っちゃっている。  それは違う。  店に出してお金を取れるものじゃない。  とりあえず小腹を満たすだけならインスタントラーメンでもいいかもしれない。インスタントといっても、いちおう食い物であるわけだし。  しかしお客さんはわざわざ店まで食べにきて、しかもお金を払ってゆくわけだ。そういう店で出す「料理」というのは、何時間も手間をかけたものでないとならないわけだな。  つまり、何を言っているのかというと……。  金払ってラーメン食いにくる客に、インスタントラーメンを出すなっていうこと。  望月のどのへんが手抜きなのかというと……。  たとえば。  街の街路の状況だとか。街の大きさはどんなだとか。はては国や大陸はどんなふうになっているのかと。  転んだ女の子の服装とか、生い立ちとか。この女の子の名前はウイリアムさんとこのビアンカちゃんだそうだが、家はどんな仕事をしていて、家族は何人で、兄弟の性格はどんなだとか。  また傷を治してあげるお姉さん(?、性別不明)のほうも、どんな宗教なのか。その宗教はどんなふうに民衆と関わっているのか。また彼女(?)はどんな服装をしているのか。一日の生活パターンは?  また使用する魔法の原理やら体系やらは、どんなものなのか。  そういう考えておくべき背景部分について、ま〜ったく、なんにも考えてないでしょ?  「中世ヨーロッパ的」とか、なんとなく、そんなふうに漠然と考えているわけだな?  胸に銀の十字架をぶら下げておいて、建物を煉瓦で作ればヨーロッパ的になるという考えが、これが果てしなく甘い。甘すぎる。  麺を3分煮込んで、そこに味噌味のスープを投入すれば、「味噌ラーメン」ができあがると思っているくらいに甘い。 >リライトに関して  なんか眠りにつく前のシーンなんかを書き足しているようだが。  それは方向を間違えている。まったくの蛇足だ。  女の子が転んだ時の声で視点キャラを目覚めさせるのなら、あくまで、声がした瞬間からスタートさせること。  んで、魔法を使うシーンは、とりあえずいらない。  普通に手当してやるシーンに変更して書いてみること。  普通に声によって目を覚まして、普通に助け起こして、普通に手当てして……。  まず普通のことを普通に書けるようになろう。 -------------------------------------------------------------------------------- どうもです No.6604 投稿日 2003年6月22日(日)00時32分 投稿者 望月京路  言われたことの何パーセント理解できているか、自分でもはなはだ疑問ですが。  書きつづけて、だんだんとわかっていくつもりです。はい。 >手抜き  うーん。  本人的には、さすがに「ま〜ったく、なんにも」考えていなかったわけじゃないのですが。  しかし。伝わっていなければ、たしかに無いと同じかあ。  で。  思ったことがあるので、いくつか。  手抜きと言いますが。課題の目標を重視して他の要素を押さえた、とはならないでしょうか?  つまり、「文章力を見る課題であり、世界観構築は最低限に抑えた」と。  素材も作り方もインスタントでいい。盛り付け(とか、とにかく文章力に相当する場所)を鍛えるのであるから。  小生の世界観構築が最低限以下にあるとしても。国家体系や家族構成が、治癒魔法の過程に反映してくるとはどうしても信じられないんですが。  以前、「そういう細かいところをきっちり決めておかないとハリボテになり、ばれてしまう」という意味の言葉を聞きました。  たしかに。きちんとした作品として読者に見せる――見せられるものにするなら、おざなりは許されないでしょう。  ですが訓練なら、ハリボテでもいいのではないでしょうか。作品全体としてでなく、文章力を見るのだから。役者の演技力を見るのに、完璧に整ったセットで行う必要がないように。 >生課題  で、普通のシーンすか。  わかりました。  それでは、「治癒魔法Lv1」普通に手当て版。  とりあえず、二時間で。 -------------------------------------------------------------------------------- >きょろ No.6605 投稿日 2003年6月22日(日)02時04分 投稿者 とんびの羽根 >>ですが訓練なら、ハリボテでもいいのではないでしょうか。  せめてハリボテにしておくれ  ビアンカ・ウィリアムって、イタリア人なの?イギリス人なの?  満開の桜から薔薇の花びらが落ちてくるようで、そっちが気になって魔法の描写に集中できないから  ほかにも前夜綿貫をしてるけど4月1日だったのかとか  中世ヨーロッパの春の朝にしてはやたら暖かそうなとこととか  礼拝をしたあとで居眠りしようとする聖職者の倫理観とか  突っ込みどころが多すぎるのはやっぱ問題だろ -------------------------------------------------------------------------------- 回復魔法と国家体系 No.6606 投稿日 2003年6月22日(日)02時37分 投稿者 三田 誠  はじめまして。三田誠(さんだ まこと)と申します。  グループSNEという創作者集団に所属しており、角川スニーカーと富士見ファンタジア文庫でぽちぽちと書いております。一年ほど前から、この掲示板と過去ログを読ませていただいてました。  ROMだけのつもりだったのですが、今回、少し気にかかったこと(また自分の分野・作品にも関わること)がありましたので、書き込みさせていただきました。どうぞご寛恕ください。 >国家体系や家族構成が、治癒魔法の過程に反映してくるとはどうしても信じられないんですが。  これはまったく考え方が逆です!  治癒魔法なんて代物が、国家体系や家族構成に関わらないわけがありません!  少々の傷を負っても回復してしまうのですよ?  戦争では負傷を前提にした行動が前提になります。軍の構成は大きく変わるでしょう。戦場においては、現実よりもずっと野蛮な戦闘が行われることになるでしょう。致命傷を負わせなければ、相手は明日にも回復してくるかもしれないのです!  また治癒魔法があるなら、お産なんかを補助する魔法だってあるはずです。子供を産んで死んでしまう母がぐっと減りますし、家族構成に異変が起こらないはずがありません。  拙作「スプラッシュ!」(富士見ファンタジア文庫)にも回復魔法が存在します。  この世界の魔法は、水神の名のもとに特殊な巫女が水を操るものです。  そのため、下位においては単なる止血どまり、上位になってくると血液そのものを作り出し、擬似的な筋肉や細胞をも水でつくりだして傷をふさぎます(やや理に勝ちすぎているため作品中では後の方は詳しく描写してません)。  これらの魔法があるために、巫女のいる国クレーネーは科学が発達しませんでした。同時に、かなりの長期間巫女が首長として国を治めています。魔法のあるなしは貧富以上に絶対的なため、革命が起きる余地がなかったのです。  また「スプラッシュ!」の作品世界では、魔法のない国ヴァイツハイトというのがありますが、こちらは魔法がなかったために第二次世界大戦ドイツレベルまで科学が発達しています(最近まで両者に交流はなかったのです。このへんは作品の特徴を生かすためにデフォルメしてます)。  魔法があるかないか。  単にその切り口だけでも、これだけの違いができる(可能性がある)ということです。ちなみに「スプラッシュ!」世界において回復魔法が使える人間はわずか五百人に満ちません。人数が増えるならば、国家への影響度、生活の変化はもっと大きくなるはずです。  ……以上です。すみません。つい興奮してしまいました。  ここを見ている方に、なにかの参考になりましたら幸いです。 -------------------------------------------------------------------------------- なんとも No.6607 投稿日 2003年6月22日(日)04時09分 投稿者 望月京路  書けば書くほどダメな自分を再発見と言うか。  たまった膿が流れ出てる、という感じがします。いつまで流れ出ているんだかわかりませんが。  そして、流すだけでなく、直さねばいけないのだし。はあ。 >とんびさん  はい、きょろです。  突っ込まれてます。  うーん。まあ、応えます。  ビアンカって、イタリア系でしたか?  だとしたら、ごめんなさいなんですが。  で。四月一日に布団の綿を抜くって、海外の風習でしたっけ。実は春に夜なべをする理由がなくて、苦肉の策として出したのですが。日本でなくても、寒くなくなったら綿は抜くだろう、と。 >三田さん  どうも、はじめまして。  小生の意見にわざわざ反論いただき、ありがとうございます。  で。すいません。書き方が足らなかったようです。  ええっと。治癒魔法に限らず。ひとつの世界の上に存在する以上、それには必ず歴史的背景がある、というのは認めています。魔法、武器、思想、宗教、生活習慣……とまあ、きりがありませんが。大小問わず、そのすべてが相互に関係しあっているわけですよね。  それが、世界観を作るということなんでしょう。  しかし、ここでの小生の意見は「訓練に使うためだけならば、世界観設定は必要最低限でいいのではないか。主要以外は曖昧にしてもいいのではないか」ということです。  実は、半分くらい「必要だ」と納得はしているのですが。つまり、ひとつの事象が世界観を反映するのであれば、全体の世界観なくしてひとつの事象を描くことはできない、と。  まあ、それはそれとして。  世界観の具体例は、非常に参考になりました。  なんだかんだで、こっちも満足にできていない人間なので……。  ありがとうございます。 >訓練の種類  もしかしたら。世界観に関して小生が納得しきれていないのは、生課題という企画の意図がつかみきれてないのかもしれません。  「純粋に文章力だけを見て鍛える」のか。もしくは「総合力のうちのひとつとして、文章力として鍛える」のか。  小生は前者だと思っていました。  でも、よく考えたら後者じゃないか、と気づき始めてもいます。文章力だけ見るよりも効率がいいから。そもそも、分室の目標である「プロになる」というのには、総合力が問われるわけだから。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題 No.6608 投稿日 2003年6月22日(日)06時46分 投稿者 魚住 雅則 >生課題の意図 僕も課題の意図を見誤っていたのかもしれません。 「これはこういうことだろう」と考えていた訓練法の目的が全く違うものであっては困るので、確認のため話題に参加させてもらいます。 >魔法が登場する世界や背景を作りこまずに描く。 下地のできていないラーメンは粗だらけで、食べる前の段階でもう既に食欲をなくす。 納得しました。 しかし世界観の「構築」にはきちんと手間をかけるとしても、その「描写」は最低限にする必要があるのだと思っています。 魔法生課題に限っては、あらゆる要素は「魔法」を見せるためだけに存在していて登場人物や展開など、世界観も含めて全て「従」である。「主」である魔法を立たせるためにある。 だから削れる、削ぎ落とせる部分はギリギリまで徹底的にダイエットして、「魔法効果をどう見せるか」に集中するのだと。 もちろん文章の訓練というのはありますが、それ以上に「コンセプトを実現するために必要なものと不要なものを選択する」というのが目的なのではないかと。 以前の三枝さんの魔法例で、以下のようなことを読み取りました。 ・魔法を使う人間の名前、性別、年齢すらわからない(描く必要がない、むしろごちゃごちゃした他要素は邪魔) ・「炎」の魔法を見せるために甲虫が存在した。具体的には、「甲虫の羽が炎に包まれる(紙を燃やすような炎の描写)」「外骨格(燃えにくい箇所)でも焼き尽くしてしまう魔法の炎(の凄さ)」の二点が必要だからこその甲虫であった。そして羽を広げる必要があった。 ・地下の空洞であること(炎が映えるには暗闇の方が都合がよい。風が吹き抜ける場所だから炎の魔法で熱風に変わる) 必要なものと不要なものを選択したらこうなったのだと思いました。 世界観はその魔法がどういう理由で発生しているのかという根本に関係するので、練りこみすぎるということはないですが、その描写は最低限に抑える必要があるのだと。 だから今回の「まず魔法以前の普通の展開を書けるようになろう」というので少し混乱しました。 「えっ、それはシチュエーション系生課題の領分では?」という感じです。 もちろん「目的が違うのだから展開云々はやらなくていいのでは?」と言っているわけではありません。 知りたいのは、 「魔法系生課題で練習する(習得できる技能)のは、コンセプト実現に必要な素材とその料理法の見分け」 だという考えが違っていたのかどうかです。 ぜんぜん見当違いのことを考えていたなら、修正したいのです。 微妙に関係しているのですが、 しじみの味噌汁を作ってると、ダシの取り方とかで考えることが多いです。 しじみの旨みを活かすためにどうすれば良いか。 単純に鰹のダシを取って、適当に味噌を加えてもあんまり美味しくないので、普通の味噌汁よりダシ濃度は薄めに、味噌も少量に抑えてシジミの薄味を活かすようにする。いつもなら大根とかニンジンを入れると美味いけど、シジミの場合は味が相殺してしまうから却下。 とか。 あー、それにしても近頃料理たのしーてしょうがない。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題関連 No.6609 投稿日 2003年6月22日(日)11時12分 投稿者 とんびの羽根 >まずはきょろ >ビアンカ  Bianca イタリアでは伊和辞典に当たり前に載る程度に一般的な女性名  bianco 白い(形容詞)の女性形なのでイタメシ好きなくらいの普通の日本人でもイタリア語だろうとあたりがつく……だろ、ふつう >四月一日  ヤングマガジンでクランプの連載に四月一日(わたぬき)くんが登場するから思わずそういう連想が起きてしまう、ということ  そんな風習どこでもあるかい >綿貫  翌朝居眠りしていて、誰も起こしにも来ないくらい暇な人間がなぜ夜中にとか  綿を抜くようなほこりっぽい作業を気密度の高い室内でするかとか  基本的に分厚い石造り・煉瓦造りのヨーロッパの建物で春に暑いなどということがありうるのかとか  寝具の整備を夜するかとか  狭い部屋にひとりで寝泊まりしてるような聖職者が布団を使っているのかとか  綿貫をする習慣なんてあるのかとか  ひょっとしてここは日本かとか  こうして雲のようにはてしなく疑問がわいてくるので、作者の都合だけで特殊なことをさせるな、ということ >課題の目標を重視して他の要素を押さえた、とはならないでしょうか?  質問のポイントがずれてる  「他の要素を簡素化するためには何をそぎ落とさなければならないのか」を聞かなければならないはず  「他の要素についてよく知らないし、重要性が低いから深く考えなくてもいいですよね」と言ってるように響くところが変だろ  質問する以上は、自分の抱えている問題の解決に向かう方向で出すように  この質問って、返答がイエスなら何もする必要がなく、ノーなら結局すでに言われたとおりのことをするしかないでしょ  だとすると、質問する側にとってもされる側にとっても無益で時間の浪費だと言うことを認識すること >魚住はん (突然関西弁に変更) >>だから削れる、削ぎ落とせる部分はギリギリまで徹底的にダイエットして、「魔法効果をどう見せるか」に集中するのだと。  これもきょろちゃんと本質的に同じこと  どうそぎ落としたかが問われる以上(いやほんま)、そぎ落とす部分について最初から考えてないのは論外やなかろうか  「他の要素をぎりぎりまで簡素化するためには何をそぎ落とさなければならないのか、残すべきところはどこか」を聞かなければならないはず  やせこけた人間がアブトロニクつけて筋トレをしているみたいなんやね  無駄肉部分をシェイプアップしないですむからラッキーみたいな  零さんの分析きちんとしてるし、問題点の認識はできてる  けど、その結果に飛びつかんと、どのように要不要を選択していくのかを思考(実践)するプロセスが多分抜けてる >料理  素材をいかすこと、素材のとりあわせ……  たしかに通じるものがありそう  思いつきで、より分け済みの食材使って料理の練習したって、うまくなるわけないあたり -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6610 投稿日 2003年6月22日(日)13時10分 投稿者 新木 伸 >魔法系生課題とか  魔法系の生課題のポイントは、「どんな魔法を」「どう見せるのか」――というところにある。  片方は想像力ね。その魔法はどういうものなのか。どのようにして傷が治り、どのようにして炎で攻撃するのか。そういうアイデア発想力。  そしてもう片方は演出力。魚住君が三枝さんのものを分析したように、炎の魔法を見せるのに、暗い洞窟というシチュエーションにしたり、魔法の攻撃対象として甲虫を選んだり――とか。  んで、望月君にはダメ出しをした。「もっと普通のシーンを書け」と、そう言った。  こういう難しいことじゃなくって、もっと初歩的なことをやらなきゃいかんということね。この「初歩的なこと」を、望月語では「文章力」というようだが……。  ここで僕のいう「文章力」と、望月のいう「文章力」では、ひょっとしてもしかして、意味が違っているかもしれないので、いちおう定義しておく。  僕のいう文章力というのは、「読んで分からせる力」という意味ね。  伝えようとしたことを、きちんと伝えられる力。  これには言葉の選択能力なんかも大事だけど、上記の演出なんかも関わってくる。たとえば「すごい火力」を描くためには、暗い洞窟と甲虫とが必要だったりするわけだ。  これ全部ひっくるめて、文章力という。  より大切なことを伝えるためには、強調してみせたり、枝葉を刈り取ったりすることも必要。最近はよくリライト段階で半分に削らせたりしているけど、あれも文章力の一環。  そういう意味では、生課題は文章力修行のためにある。それは間違いない。  しかし、まず文章力を鍛える前に、決めておかなきゃならんことがある。  「なにを伝えるのか」――というコンセプト。  普通は、あるワンシーン。起承転結の最低限揃ったワンセンテンス。そういったものを書こうとしたなら、「伝えるべきもの」はおのずとひとつに定まる……はずなのだが。特に魔法系はコンセプトなんて考える必要もないはずなのだが。  望月のは、いったい何を伝えたいのかようわからん。  「転んだ少女の声で目を覚ます主人公」が書きたい部分なのか、それとも治療魔法が発動している最中のほうなのか。  ……で、今回の「501 :京路「治癒魔法Lv1」普通に手当て版」なのだけど。  読みどころは、どこよ?  女の子の声によって目を覚ますところも、駆け寄るところも、女の子の様子や傷の具合も、手当てしようと連れてくるところも、手当してやるところも、手当しおわったところも、どこも同じ調子で淡々と書かれているのだが。  メインイベントは、どこよ?  どのへんを、僕らは刮目して読めばいいわけ? (※注:刮目する → 目を見開いて、注意してよく見ること) >起きて、転んでて、助ける  ちなみに僕も書いてみたので、課題部屋にあげておく。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=502&e=res&lp=502&st=  読みどころは「私と彼女の間柄」あたりか。  ちなみに書くのに要した設定類は、前に指摘した以下のもの。 ・街の街路の状況。 ・街の大きさ。 ・国や大陸はどんなふうか。 ・転んだ女の子の服装。生い立ちとか。家はどんな仕事をしているか。家族は何人か。兄弟の性格はどんなのか。 ・主人公の職業。その職業はどんなふうに民衆と関わっているか。彼女はどんな服装か。一日の生活パターンは? 家の様子は? ・魔法の原理やら体系やら。  これ、ワンセットすべて必要とした。  文中に書いてあるものもあるし、書いていないものもある。  書く書かないは、その時々の選択になるわけだが、考えていないのでは話にならない。  この設定の分量が、あのワンシーンを書くための必要最小限。  あれは単なる習作だし、練習なわけだし。これ以上は必要ではない。単なるハリボテの世界観で十分なわけだ。  しかしハリボテを作るにしたって、これくらいは必要になってくる。そういう意味での「必要最小限」。 >ハリボテの出来  望月には、たぶん発想の外にあるのだと思うが。  同じハリボテでも「出来」ってものがあるわけだ。  あのくらい手を掛けて作ったものが、僕のいうところの「ハリボテ」なわけね。  前にインスタントラーメンの例を出してみたが、あれでは伝わらんかったかな?  つまり、「こんなもん料理じゃねーぞ」と、僕はそう言ってるわけ。  インスタントラーメンは、あれは「料理」にあらず。たしかに食い物ではあるけれど。  つまり僕は、望月の書いてきたものに対しても、こんなもん小説じゃねーぞ、って、そう言ってるわけだ。  ハリボテだと思って、そういう了解で読んでゆくにしたって、いきおい限度ってモノがあるわけ。小学校の学芸会だって、もうちょっとまともなハリボテを作りそうなもんだぞ。  法王が使うような(高価な)薬を、転んで擦りむいただけの(面識があるというだけの間柄でしかない)町娘に使ってやる聖職者ってな、ナニモンだそりゃ?  たしかに練習なんだから、設定なんかは適当でいいわけだよ。  なにも本番と同じ最高の材料を使えとは言わない。  しかし、いくらなんでも、ダシを採るのに「ほんだし」を使うってのはないだろ。(ほんだし=化学調味料ね)  適当でも安物でもいいから、ちゃんとした「鰹節」を使ってダシを採れ。  望月はいままで鰹節でダシを採ったこと、一度もないだろ?  だから「ほんだし」をブチこんで作った料理が、「こんなもん料理じゃない」と皆からコキおろされても、釈然としないわけだな。どうにもピンと来ないわけだろ? >最近一時的に重くなる理由  サーバーのCPU負荷グラフ―― http://tra.yukaido.ne.jp/process.cgi?server=cpu_sv21.pos.to  ――を見てみると、どうも同じサーバー内の別ユーザーのところで、CPUリソースを馬鹿食いするCGIかなにかが動作して、悪さをしている模様。  ここ数日、定期的に動き出して、しばらくすると沈静化――というのを繰り返している。  おそらく管理者がスレッドをKILLするかなんかして処置するまで、一時的に重くなっている模様。  閲覧に問題が出るほどではないみたいだけど、書き込みできなくなることはある模様。  そういうときはしばらく時間を置いて書き込むとか。グラフによると、CPU負荷率の異常は、通常1時間程度で収まっている模様。  この状態がしばらく続くようなら、管理者側にメールしてみるので。 -------------------------------------------------------------------------------- 梅雨の晴れ間に No.6611 投稿日 2003年6月22日(日)21時38分 投稿者 弟切 千隼  実家へ行って戻ってきた弟切です。  留守にしていたわずかの間に、ここが賑わっているのを見て驚きました。自分以外の人が作品に対する指摘をされて、それに応えている様子を読むのもとても勉強になりますね。  そういうわけで、これからしばらく勉強させていただきます > 京路さん。  もちろん、自分の課題もこなしてゆくつもりです。 三田 誠さんへ >  初めまして。弟切千隼と申します。  回復魔法に関する御説明ありがとうございました。やはり第一線で活躍してらっしゃる方のお言葉は大いに参考になります。  ここの主宰者は新木さんですが、作家さんにはそれぞれ得意な分野があります。今後も三田さんが得意な分野の話が出た場合、御助言がいただければたいへん嬉しく思います。 京路さんへ >  いっぺんに皆さんから指摘をされて、混乱してらっしゃるのではないかと思いますので、今回、私からは一つだけ指摘させていただきましょう。  課題部屋のNo.501「普通に手当て版」の中に「法王」という単語が出てきますね。この単語は、ちゃんと辞書を引いて使いましたか?   辞書を引いたのなら、中世ヨーロッパ風社会の聖職者に使わせることをためらう単語だと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6612 投稿日 2003年6月23日(月)07時15分 投稿者 新木 伸 >法王とか  弟切さん。  これたぶん、もっと深く解説してやらんと、なぜ中世ヨーロッパ的世界観で「法王」がNGワードなのか、きょろちゃんにはわからないと思うぞ。  辞書を引き慣れていない人間だと、ただ「法王」だけをキーワードにして引いちゃうだろう。そんなやりかただと、たぶん見つからないっぽい。それにきょろちゃんの場合は、「辞書引け」と言われて引いてみる辞書は、たぶん1冊きりだろうし。 >手抜きに関して  僕の「手抜きである」という指摘にたいして、きょろちゃんは釈然としていないようなので、もうちょっと解説してみる。  ていうか、ラーメンのくだり、読み返してみたら、自分でもなに言っているのかわからんかったし(笑)。  僕はきょろちゃんに対して、「じつはなにも考えていないだろ」と言ったわけだ。  それに対して、きょろちゃんは「それなりに考えてます」と、そう返してきた。  ここのところ、理解させるために、もっと良い別の表現を思いついた。  きょろちゃんは考えていないわけではないが、考えたものを、ぜんぶ文中に書いちゃっているわけだな。  つまり「余分に考えている部分」が存在しない。  それを指して、僕は「手抜き」って言っているわけだ。そして「(余分に)考えていない」と、そう言っていたわけね。  いいか。  本格的なものを作る手順は、こうなわけ。 ・まず10の分量を考える。 ・そこから1を抽出する。 ・作中には1だけ書く。残りの9は捨てる。  料理の場合だが。  鰹節でダシを採るときにも、鍋に張った湯のなかに、湯の分量よりも多いくらいの鰹節をどっさりと投入する。鰹節はすぐ取り出してしまう。これでできるのが「一番だし」というもの。  この取り出した後の鰹節は「二番だし」を採るために再利用したりもするが、基本的にはもう使わない。捨ててしまうわけだね。  ダシを採りきったあとの鰹節だって、べつに食べられないわけじゃないんだけど。  また「豆腐」って料理がある。  これも1の分量の豆腐を作るために、その2〜3倍の分量の「おから」が出てしまうわけ。おからもまた、食べられないわけじゃないんけど。基本的には廃棄処分。捨ててしまう。  戦後あたりでは食べられていたけども、最近ではほとんどが捨てられている。家畜でさえも食べない。  ――で、プロの仕事では、売り物になるものを作るために、捨てるものを大量に出しているわけだ。  それが「あたりまえ」である感覚からすると、考えたモノをすべて書いてしまっているきょろちゃんの課題を見ると、ひどい「手抜き」に思えるわけ。  いくら「もったいない」からといって、オカラを客に食わせるなよ。  ちなみに、考えたけど書いていない「背景」というものが存在するなら、それはかならず文中に匂い出るもの。しかしきょろちゃんの書いたものからは、そういうものは感じ取れない。よって、書いてあるものが、考えたもののすべてであると僕はみなしている。  書かれていない「背景」というものが存在しないから、たいへん薄っぺらい。  そして「練習」だと思って高をくくってるもんだから、本来の実力をさらに下回ったものしか書き上がらなくって、さらに薄っぺらくなる。  読者は、君が想定しているよりも、ずっと鋭敏な舌を持っている。  一口食えば、それがオカラなのか、豆腐なのか、すぐにわかる。  自分だって客の立場で食っているときには、すぐに見分ける舌を持っているだろうに……。  どうして自分の作った料理のときには、採点が甘くなるのかなぁ? >台詞の問題  あいかわらず一行目が台詞で始まっているのだが……。  これは、おかしい。  そういう始まりかたは、確かにある。  しかしそれは、主人公の意識がはっきりしている場合ね。  いまのシーンでは、主人公は最初眠っているわけでしょ。それなのに台詞がはっきり聞き取れるわけがない。  眠っていながら声をしっかり聞き取っている意識ってのは、どんな意識だ?  あとここの台詞がらみで、もうひとつ別方面の指摘がある。  羽矢野がすでに書いているけど、転んだときに声をあげる人間はいない。  「きゃっ」とか、「ひゃっ」とかなら、まだわからないでもないが……。  「いっ」っていうこの声は、「痛い」の省略形なわけでしょ?  転んだ瞬間に「痛い」って声をあげる人間がどこにいる?  痛みが神経を伝達して脳まで伝わるには一秒かかるわけ。転んだ人間が「痛い」と言うためには、最低一秒はかかる。  ちょっと立ってみて、タンスの角にでも、足の小指をぶつけてみろ。「痛い」と感じるのは一秒経ってからだから。  転んだ人間はとっさに「痛い」と口にするものだとか、聖職者は銀の十字架を胸に下げているものだとか、まぶし日差しを受けた者は手をかざしてしまうものだとか、転んで擦りむいた傷口には泥がこびりつくものだとか、よく効く軟膏は法王様御用達だとか、この手のなにも考えていなくて、脊髄反射でステレオタイプなことを書いてしまう底の浅さっていうのは、きょろちゃんの書くすべての作品に共通している欠点なわけね。 >演出とか  きょろちゃんには、上記の「考えてない」という欠点のほかにも、もうひとつ欠点がある。  人に食わせるつもりで料理を作っていないのね。  自分の作ったものが、誰かが楽しんで味わうものであると想定していない。  ただ書きゃいいと、そう思っている。  文章力っていうのは、何が書いてあるのかわからせる力だと前に書いた。  たとえばこの課題の冒頭部分だと、「声がして、居眠りをしている状態から目を覚ました」ということなわけだが。  きょろちゃんの場合には、このへんから、もうだいぶ怪しいわけだが……。(最初のバージョンでは何が起きているのかわからない、という指摘も多かったし)  まあ。  なんとか、かんとか、こちらが努力して汲み取ろうとしてあげれば、なにを書こうとしていたのかは、わからないでもない。  それよりも演出力のほうがボロボロ。  こちらのほうは、どっちを目指せばいいのか、まるでわかってないっぽい。  そもそも演出ってなにか、よくわかってないでしょ?  演出力っていうのは、人を面白がらせるためのものなわけ。興味を持たせると言い換えてもいい。  なんでもない普通のシーンが、ほんの演出の仕方ひとつで、面白く読めるものに変えられるわけ。  たとえば、河原で拾ってきた石ころを、人に見せるのだとする。  石ころをそのまんま「はい」と見せちゃったら、面白くもなんともないでしょ?  だけど、はじめ石を手の中に隠しておいて、相手に「なんだろう?」と思わせておいてから見せたりすれば、面白くなるわけ。  たとえば、「朝起きて顔を洗って歯磨きをする」――そんな退屈そうなシーンであっても、面白く読ませるものは書けるわけ。    「声がして目覚める → 表に出てみる」  いまやらせているのは、こんなふうな、なんでもないシーンなわけだ。「朝起きて顔を洗って歯磨きをする」に近い、だいぶ退屈そうなシーンだ。  ここをどのように書けば、面白く読ませられるのか?  後半部分の「女の子が転んでいた → 家に入れて手当をしてやる」のほうは、筋だけでもそれなりに面白くなりそうな部分だ。しかし前半部分の「目が覚めて、表に出る」の部分は、筋だけでは面白くもなんともない。演出力がなければ読めるものにはならない。  目が覚めるって現象は、いったい、どういうことだ?  そこにはなにか、読者の興味を引くような面白いことはないのか?  ドアを開けるってことは、どういうことだ?  そこには面白いことはないのか?  室内から表に出るってことは、どういうことだ?  そこに面白いことは?  徹底的に、貪欲に、考え抜くように。  3時間もあるんだから、本気で頭を働かせれば、なんか知恵のひとつぐらい出るだろ。  手本は見せたぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- 『ハイスプラッタ・ガール』があがりました。 No.6613 投稿日 2003年6月23日(月)19時22分 投稿者 杉井光  はいみなさんお久しぶりです。杉井です。  急に書きたくなったので、思いっきり期限過ぎていますが『紫杯・ハイスピリッツ・ガール競作』に参加します。うちの掲示板でものすごーく昔に話が出ていたやつですね。まあイレギュラーですが。課題部屋にあげておきました。ご感想、ご指摘、お願いします。 >新木さん  あんな下の方に書き込んでもだれも見つけられないと思うのですが……って、僕はなぜか見つけてしまったんですけどね(笑)。  それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 法王はキリスト教徒にあらず No.6614 投稿日 2003年6月23日(月)22時10分 投稿者 弟切 千隼  前回の弟切の書き込みNo.6611で、京路さんが作品の中で使った「法王」という単語が作品にふさわしくない、と弟切は示唆しました。  すると、No.6612の書き込みで新木さんに、その書き方では京路さんに伝わらないと指摘されました。  そこで、京路さんに、また他の皆さんにもわかりやすいように、もう一度書き直します。  まず、問題の「法王」という単語を国語辞典(大辞林)で引いてみましょう。 ほう-おう 【法王】 (1)仏法の王,すなわち釈迦のこと。法皇。 (2)766年,称徳天皇が僧道鏡のために作り与えた官職。法皇。 (3)「法皇{(1)}」に同じ。 (4)「教皇(キョウコウ)」に同じ。  あらら、キリスト教の「キ」の字もありませんね?  おそらく、このままでは意味不明の(3)と(4)の項目に秘密が隠されているのでしょう。ということで、「法皇」と「教皇」も引いてみました。 ほう-おう 【法皇】 (1)出家した上皇の称。太上法皇の略。上皇の出家は,聖武上皇・孝謙上皇・清和上皇の例もあるが,法皇を称したのは,寛平法皇と呼ばれた宇多上皇が初例。 きょう-こう 【教皇】 ローマ-カトリック教会の最高位の聖職者。使徒ペテロの後継者として全教会を統率する。バチカン市国元首。枢機卿(スウキキョウ)の互選により選出される。ローマ教皇。法王。きょうおう。  上記を読めばおわかりでしょう。キリスト教のローマカトリック教会の頂点に君臨するあの方は、正式には教皇またはローマ教皇と呼ばれます。  教皇が日本で法王と呼ばれるようになったのは、キリスト教に馴染みがない日本人に、どうやったらその「偉さ」が伝わるだろうと考えた先人が、元来は仏教の概念である「法王」を持ち出したからです。キリスト教よりはるかに古く渡来した仏教の概念のほうが、多くの日本人には理解しやすかったからですね。  法王とは、あくまでキリスト教より仏教に馴染みのある人々のための通称ですから、キリスト教会内部の人間である聖職者を登場させて「法王」と言わせるのはなしでしょう。  以上、「法王」に関する指摘を書き直しました。これでわかっていただけるでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- それにしても No.6615 投稿日 2003年6月24日(火)04時34分 投稿者 望月京路  分室に戻ることを決めていなかったら、こんな山積みの問題に気づかなかったのか。  そう考えると、怖いなあ。  と、混乱しながらそんなことを思う今日この頃。 >新木さん  「10考えて1だけ書く」こと、「小生の文章にコンセプトがないこと」、さらに「ただ書いているだけ」なこと、よくわかりました。  わが身を振り返ってみると。たしかに「ただ書いているだけ」だったなあ。ああ。そりゃいかんよなあ。  ただ、コンセプトに関して。  例えば、「起きて、転んでて、助ける」の場合、それそのものをコンセプトにすることはできないのでしょうか。  「起きて、転んでて、助ける」ことを伝えるための文章。  たしか以前、病室での描写の例を書いたとき、「コンセプトがないと書けない体になってしまってる」とか言っていたのを覚えていますが。 (って、やってみるか) >台詞 >>普通に声によって目を覚まして、普通に助け起こして、普通に手当てして……。  というのは、いわゆるミスリードだったんですね……。  たしかに。普通じゃ、声で目が覚めるわけはない。というか、聞こえるかすら怪しい。  ええ、おかしいとは思っていました。しっかり乗ってしまってから何言ってるんだ、って感じですが。  で、おかしいと思っていたなら、なんでそういう展開にしたか。  実はこれ、最初「心の声が聞こえた」という設定だったですよ。(この時点で生課題のコンセプトが見えていないのは明らかですが)  何も考えてなかったわけでなく、余計なことを考えていたわけですね。  こういう、その場限りの粗悪なアイディアは、ほとんどが突っ込みどころとしてノイズとなってしまったようです。綿を抜いたりとか。法王御用達とか。全部、実際に書く一秒前に出てきたアイディアばかり。なんとなく面白そう、とそれだけで。  はあ……。 >演出  ああ、これは大体想定していたとおりです。  「ありふれた題材でも、演出を加えれば面白くなる」と。逆にいえば、「ありふれた題材こそ、真に演出力を問われる」とも。  で。概念としては理解していても、具体的にどうすればいいかはよく分からなかったのですが。面白くするのが演出。しかし、どうすれば面白くなるのか。  そんなところに、新木さんの手本です。  参考にさせてもらいます。  最初に考えたのが、「驚き」。エンターテイメントの主要素ですな。  例えば、 >>石畳の上に――女の子が寝ていた。  この『――』の辺りに、演出を感じました。  ため、ですね。石畳の上に、なぜか女の子が寝ているという驚きポイントを強調するための。  次に考えたのが、「深さ」。  しかも、これには複数あるようです。まず、世界観の深さ。それとは別に何かあるようですが、どうもわからない。  とりあえず世界観の深さとして。羊皮紙やかんぬき、闇市など。  で、演出について発見したこと。  今まで演出は「加えるもの」だとばかり思っていたわけです。  が、どうやら「引き出すもの」もあるらしい、と。  加える演出とは、例えば「主人公の腕の中で、傷ついたヒロインが息を引き取るシーン」。このとき、「雪が降ってくる」とか。雪が、悲しみを強調する演出となっています。この雪は外的に、作者から加えられたものです。  で、引き出す演出。もともとあるものから面白い個所を発見する。新木さんの例だと、太陽の下に出て目頭を押さえる、という部分ですね。恐らく、こっちのほうが加えるのより大変でしょう。その証拠に、例が出てきません(苦笑)。  で、理解増進のために。  加える演出と引き出す演出で、それぞれ書いてみたのですが。  「朝起きて顔を洗って歯磨きをする」というシーンを。  サンプルとして、課題部屋に置いておきます。  あ。ちなみに、コンセプトを「朝起きて顔を洗って歯磨きする」そのものに置きました。が、どうも定まらない。結局、定まらないまま、行ったり来たりした感じになってしまった。夏の暑さだったり、少年のニキビの悩みだったり、虫歯がないことだったり。  あと、加える演出と引き出す演出の差も、自分で言いながらよくわかってない様子。歯みがき粉のチューブを、しつこいくらいにしぼりだすっていうのはどっちだろう、とか。引き出すほう、かなあ。歯みがき粉はみがくときに必要となるもので、加えたものでないから。 >法王  あぅ。  日本語になる際に、歪んでしまったのですか。  そりゃたしかに、ふさわしくないですね……。  どうもでした。  と。今回はこれまで。  新木さんの手本の、コンセプトと文章の関係についての考察とか、また次回に。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6616 投稿日 2003年6月24日(火)15時43分 投稿者 新木 伸 >法王とか  うーん。きょろちゃん、やっぱりわかってない。  弟切さんもなにが問題なのか、気づいていないっぽい。  法王でも教皇でも、まあどっちでもいいのだが。  僕の言わんとしていたのは、法王が出てきていいの? ――てなことだったのだが。  中世ヨーロッパ的な世界観として、法王を出していいのか、ってことね。  二つ、問題点がある。  まず一点は、キリスト教といっても、カトリックとプロテスタントとがあること。  教皇がいるのはカトリックだけ。プロテスタントにはいない。  中世ヨーロッパといっても、カトリックの国とプロテスタントの国があるわけで、そのどっちなのか決めてから、「教皇」を出したのかってこと。  つぎ。二点目。  ひと口に「中世ヨーロッパ的」と言っても、まあいろいろあるわけだ。  史実に基づいていて、比較的現代に近い世界観もあれば、中世といってもファンタジー的なものもある。  いわゆる和製ファンタジーといわれる世界観ね。ライトノベルで書かれるのは、ほとんどこっち。物語を展開するのに都合のいいように再構築された世界観ね。文明水準の設定に史実を参照している程度。  弟切さんの場合は、「中世ヨーロッパ」と聞くと、ホンマもんの史実に基づくほうの世界観を思い浮かべるのだろう。でっちあげの「架空中世ヨーロッパ的世界観」のほうが、かえって想像しづらいだろう。  しかし、きょろちゃんの書くのは、果たしてどちらだろうか?  大学で西洋史でも攻めていればべつだろうが、おそらくきょろちゃんは、史実に基づくほうを書くには蘊蓄が足りないはず。  ――で、きょろちゃんは和製ファンタジーのつもりで書いていたのだとする。「適当」で済んじゃう楽なほうを選択していたのだとする。  そこで「教皇」が出てきていいのか? ――ってことなわけね。  教皇っていうと、カトリック限定になってしまうわけだ。  架空世界のなかに、突然現実世界の概念が入り込むと、架空世界としての「架空のリアリティ」が崩れてしまう。架空世界には架空世界なりのルールがあるのだ。  和製ファンタジーで使われる宗教というのは、案外漠然としているものなのね。キリスト教がモチーフになってはいても、キリスト本人は登場しない。ただ漠然とした「一神教」として出てくることが多い。あまり現実のものそっくりにしてしまうと、現実っぽくなっちゃって、架空世界感が薄れてしまうから。  その一神教で祀られているイエス・キリストみたいな聖人は出てくるかもしれない。しかしイエス・キリスト本人は出てこないだろう。名前くらいは別にするはず。  ――で、「教皇」は出てきていいのか?  カトリック限定にしちゃっていいのか?  架空世界でやるとしても、それはルール違反ではないのか?  ――と、そういうことなわけだが。 >演出について >きょろちゃん  なにやら理解に至ったようだが。  しかし、「引く演出」とか「足す演出」とか……。  なにを言ってるのか、ぜんぜんわからん。  だからたぶん、きょろちゃんは、なんか間違った理解をしているのだろう。  「演出」って言葉を辞書で引いてみる。  ――すると、「意図を達成するための手法」というような内容のものが出てくる。  つまり、まずはじめに意図ありき。コンセプトありきなのね。 >>で。概念としては理解していても、具体的にどうすればいいかはよく分からなかったのですが。面白くするのが演出。しかし、どうすれば面白くなるのか。  どうすれば面白くなるのか、てなノウハウは存在しない。  発想が違う。  面白くないもんは、どうやったって面白くならん。  面白いものであれば、よほど変なことをしないかぎり、それなりに面白くはなる。また良い腕前で調理すれば、すごく面白くなったりするだろう。  食べ物の場合だって――。  食えないものは、どう調理しても食えるようにならんだろ。調理法しだいで、靴は食えるようになるのか? 椅子やテーブルは圧力釜で煮たら食えるようになるのか?  そもそも食えるものであれば、生でごろんと転がしてあっても、まあ食える。生肉だって生野菜だって、まあ食えるだろ?  さらに適切な調理をすれば、おいしくいただけるものになる。ステーキとサラダって名前の立派な料理だ。  演出力っていうのは、この「適切な調理法」みたいなもんなんだって。  しかしきょろちゃんの場合、演出力のあるなしを問う以前のレベルなわけ。  このあいだから、ずっとそう言っているわけだが……。  いいかげん現状認識しろっての。  食えるものと、食えないものとを見分けられるようになろう――ってあたりね。いまのきょろちゃんのレベルっていうのは。  「食えるもん=面白いもん」を、知恵を絞って探しだす訓練をせい。  「朝起きる」という行為のなかに、なにか面白いことはないのか?  「顔を洗う」と「歯を磨く」という行為のなかには?  この「面白いもん」を見つけるのが先。この「面白いもん」が意図であり、コンセプトである。  そして「食えるもん」をよりうまく調理するのが、演出力。  ――で、ちょうど良いことに、ダメなサンプルと良いサンプルとが揃ったわけだから、ちと三つを分析してみそ。  君の書いてきた「足す/引く」の二つと、あと僕のやつ。  それぞれの内容を文章のブロックごとに見てゆくわけだ。  各ブロックごとに書かれている(もしくは書こうとしている)「面白いもん」は、それぞれなんなのか。  たぶん,段落ひとつふたつ(2〜5行程度)くらいごとに、書いている内容は違うはずだ。それを箇条書きとしてまとめてゆけば一覧にできる。  箇条書きの一覧にしてみると、どれだけ「面白くもない=食えそうにない」もんが紛れ込んでいるか、ひと目でわかると思うから。  自分でも言っていたけども、「揺れている」わけ。  書こうとしている内容に統一感がなく、あっちにフラフラこっちにヨタヨタと落ち着きがない。  どうしてそうなるのかというと、書いている内容に自信がないから。  いま書こうとしているそれが果たして「食えるもの」なのか自信が持てない。とても不安。だからあれもこれもと――思いついたものをなんでも入れてしまおうとする。  数打てば当たる式の考えなんだろうね。アホだね。  そうやって入れてみたものは、ほとんど食えないものだったりする。  中には食えるものも混じっているのかもしれないけど、しかし、全体として見ると料理ではない。  「靴」と「机の破片」と「物差し」と「牛肉」の寄せ鍋なんて、これ、料理とはいわない。  だから僕は、そんなん小説じゃねぇぞって、そう言うわけ。 >杉井光 >>目覚まし時計がベルを鳴らす寸前の殺気をかぎとって、布団の中から正拳突きを繰り出して止める。 >>ベッドから這い出る。パジャマを脱ぎ、成長期まっただ中の胸をさらしで締めあげて道着を羽織った。 >>肉塊だった。 >>数十人の男の、なま温かい屍体。原型をとどめぬほどに引きちぎられ、すり潰され、押し固められ、高く練り上げられた血みどろの柱。そこかしこから砕けた骨の切っ先が飛び出ていて、真新しい血と尿と脳漿とがじくじくとしみ出し、表面の凹凸に沿って流れ落ちている。  このへん、もっと詳細に書ける?  たとえば「目覚まし時計がベルを鳴らす寸前の殺気」というのは、もっと言葉を費やすとどういうことになるのか。  またパジャマを脱ぎ、さらしで胸を締めあげてゆくプロセスだとか。  また肉塊の山の具体的描写だとか。  杉井光は、このようなものを、このようにしか書けないのか。  肉塊を「肉塊」としか書けないのか。屍体を「屍体」としか書けないか。成長途上の胸を「成長途上の胸」としか書けないか。胸が締めあげられる様を、「締めあげられる」としか書けないのか。  それとも必要に応じて、詳細度を自在に変えて書くこともできるのか。  つまり、描写しようと思えば描写することもできるのか。  判断つかんので、やってみてくれ。 (この作品のこの文体としてなら、現在のままでいいんだけどね。これ以上の詳細度はむしろ邪魔。ギャグなわけだし)  ちなみに、これ以上詳細にイメージすることができないのなら、どうにもならん。作家向きじゃなかったということ。  しかし脳内イメージに文章表現が追いついていないだけなら、まだ直しようもある。ボキャブラリーの貧困と執念の不足が原因というだけだから。 -------------------------------------------------------------------------------- ども。 No.6617 投稿日 2003年6月24日(火)21時51分 投稿者 魚住 雅則 少年ジャンプに水着の扉絵が載ると「ああ、そろそろ梅雨も終わりだな……」と夏の到来を実感します。ああ。オレの季節感なんてそんなもんだよ、そんなかわいそうなモノを見る目で僕を見ないでよ兄さん。魚住です。こんな自分が大好きです。 >きょろちゃん と僕も呼ばしてもらったり。きゃっ。 横から失礼します。 >例えば、「起きて、転んでて、助ける」の場合、それそのものをコンセプトにすることはできないのでしょうか。 >「起きて、転んでて、助ける」ことを伝えるための文章 もちろんできます。もはやそれはエンタテイメントではありませんが。 起きて、転んでて、助けることを「伝える」ために、もっとも分かりやすくコンセプトを実現するならば、 「物音がして私は起きた。外に出てみると転んで怪我をしている人がいたので助けた」 と書けば済みます。一行で伝えられました。 しかも誰に対しても「なるほど、起きて、転んでて、助けたんだなあ」と伝えることができます。 ごちゃごちゃと数ページにわたって描写することなく、「伝える」ことを100%実現できました。 「伝える」をコンセプトにするということはこういうことです。 (報告書などが、起きたことを「正確に分かりやすく簡潔に伝える」ということで、まさに伝えるための文章です) >新木さん >演出 まずは現時点での僕の認識が間違っているかどうか確認を。 カッコの中には具体例を入れます。 ・舞台(場所、時間、天気) ・役者(登場人物、その振る舞い方) ・小道具(服装や身に付けるもの、朝の目覚めなら目覚まし時計など) ・展開(いったん隠してから見せる、逆の方向を見せておいて驚かす) ・カメラ(文章。文体) この5つをシーンのコンセプトにそって、「シーンが最も面白くなるように(映えるように)選択していく」ということでしょうか。 (ワンシーンに限った話として、全体から見た伏線とかは省略しています) >とんびの羽根さん 関西弁うれし。 おおきに。 -------------------------------------------------------------------------------- 気になる点。 No.6618 投稿日 2003年6月24日(火)22時16分 投稿者 魚住 雅則 >人は転んだときに「いっ」というか。 >「きゃっ」とか、「ひゃっ」とかなら、まだわからないでもないが……。 >「いっ」っていうこの声は、「痛い」の省略形なわけでしょ。 これに関してはちょっと。いや、かなり疑問です。 どう考えても「きゃっ」なんて言う人の方が少ないです。少なくとも僕は見たことも聞いたこともありません。 実際に見たとしてどう思うかとなれば、「ああ、(リアクションを)作ってるなぁ」と感じて、引きます。 これがまさに「よく見るステレオタイプのリアクションをそのまま使い回す」の典型的な悪例だと思うのですが。 リアリティを追求するのではなく、「女の子が転んだときは「きゃっ」「ひゃっ」と叫ぶ世界(フィクションを強調)」というのを演出するためならわかりますが、今回の話題の中で出すのは見当違いではないでしょうか。 >転んだ瞬間に「痛い」って声をあげる人間がどこにいる? >痛みが神経を伝達して脳まで伝わるには一秒かかるわけ。転んだ人間が「痛い」と言うためには、最低一秒はかかる。 >ちょっと立ってみて、タンスの角にでも、足の小指をぶつけてみろ。「痛い」と感じるのは一秒経ってからだから。 今日、タンスではありませんが机の脚に小指をぶつけたときに「いてっ」と言いました。 はい。言います。リアルで言います。 で、新木さんの論で一番わからないのは、以下の点です。 「痛いと感じるのは1秒たってからだ」 なぜ「痛い」と感じてから言うのでしょうか。 間違いなく痛いと感じてから言いますか? 本当ですか? 実際に「痛い」や、「いてっ」「いっ」と言ってしまうのは条件反射です 転んでも大して痛くないとき、「いたっ……くもないな。あれ」なんてこともあります。 以前に転んで痛い思いをしたときの記憶があり、転んだ瞬間にそれが出てしまう。 結果、転んだ瞬間に「いっ」という叫びが反射的に出ます。 自然であり、別におかしくもなんともない。 今回の場合「きゃっ」の方がまずいと思います。どう考えても。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷静に考えてみる。 No.6619 投稿日 2003年6月24日(火)23時20分 投稿者 魚住 雅則 >「きゃっ」「ひゃっ」「いっ」「いてっ」 上の4つのうち、どれが一番自然に出る「声(意味のある言葉ではなく、音)」かと言えば、やっぱり「いっ」か、「いてっ」です。 しかしコンセプトを踏まえるなら、「いっ」はナシですね。 一行目のコンセプト、「何かが起こった(ことを読者に伝える)」 という点で「きゃっ」というのが一番わかりやすいです。 「きゃっ → 驚いたときに発する声」 という図式が一般的にあるから。 (驚き以外にも使いますが、よく目に付くのは驚き) (「いっ」はパッと見、何かよくわからない。「いてっ」「いたっ」は雰囲気に合わない) 「この声を発している誰かは驚いている」 「驚くような何事かがあった」 を、わかりやすく伝えるために、「きゃっ」でなくてはならなかった。 ということなら、納得です。 しかし、リアリティの話題で出てくるならば、もっとも「ナシ」です。 -------------------------------------------------------------------------------- 出張帰り No.6620 投稿日 2003年6月25日(水)00時27分 投稿者 とんびの羽根  横浜にある子会社のトラブル調整のために日帰り出張してきた  なぜか目覚ましが止まっていて、マンガみたいに寝過ごし、新幹線に乗り遅れたりしたけど、仕事は順調に終わり、シューマイを買って帰りました >きゃっ  一月前のことだけど、中学生娘がわたしの目の前、つうか目の下でいきなりすっころんだのだが  無言……「いつー」  すねの辺りをすりむいて、流血状態  そのとき「きゃっ」とか言わん?と、まさにそのまま聞いたわけです  「きゃっ」なんかいうやついるかと即座に言い返されました (言葉遣いの悪い娘ですみません) >SAFARI  MacOSX専用のAPPLE純正ブラウザが発表されたの早速使ってみました  β版のときは分室のcgiとの相性が悪いのかどうにも表示できなかったのですがしつこくバグ報告を送った成果か、正式版では問題なく読むことができました  MicrosoftがMacOSX対応のIE開発をやめてしまったので、今後SAFARIを使う人も増えてくるかな -------------------------------------------------------------------------------- 出張帰り No.6621 投稿日 2003年6月25日(水)00時49分 投稿者 とんびの羽根  子会社でトラブルがあって、その調整で横浜まで日帰り出張してきました  なぜか今日に限って目覚ましが止まっていて、マンガみたいに寝過ごし、新幹線に乗り遅れる……  まあ、仕事は無事かたづきシューマイとともに帰還しました >きゃっ  一月ほど前のこと、中学生娘がわたしの目の前、つうか目の下でいきなりすっころんだ  無言……「いつー」  すねの辺りをすりむいて、流血  そのとき「きゃっ」とか言わん?と、まさにそのまま聞いたわけです  「きゃっ」なんかいうやついるか、と即座に言い返されました (言葉遣いの悪い娘ですみません) >SAFARI  MacOSX専用のAPPLE純正ブラウザが発表されたの早速使ってみました  β版のときは分室のcgiとの相性が悪いのかどうにも表示できなかったのですが、しつこくバグ報告を送った成果か、正式版では問題なく読むことができました  MicrosoftがMacOSX対応のIE開発をやめてしまったので、今後SAFARIを使う人も増えてくるかな  前の削除はわたしです  なんか文頭の空白が吹っ飛んだ気がしたんだけど、気のせいかな -------------------------------------------------------------------------------- 聖ヨハネ祭 No.6622 投稿日 2003年6月25日(水)01時13分 投稿者 弟切 千隼  今日−日付上はもう昨日ですね−六月二十四日は聖ヨハネ祭でした。英語ではMidsummer Dayといいます。直訳すれば「真夏の日」ですね。  六月を真夏と呼ぶのは、一般的な日本人の感覚には合いません。沖縄と北海道を除く日本で六月といえば、梅雨の真っ最中ですものね。  しかし、日の長さを基準に「真夏」を決めるとすれば、夏至のある六月はまさしく「真夏」でしょう。聖ヨハネ祭はもとはキリスト教とは関係なく、梅雨のないヨーロッパで夏至を祝うお祭りでした。ヨーロッパがキリスト教化されるにつれ、古来の「夏至祭」がキリスト教の聖人である聖ヨハネを祝う祭りに変化しました。 >>法王  すみません。これに関しては弟切の考えが足りませんでした。  京路さんがどういう世界を想定して書いていたのか、本当のところは京路さんに訊いてみなければわかりません。けれども、作品の中に「十字架」を登場させておいて、その後に「法王」と出してきたのですから、当然、ローマカトリック教会の支配する史実に近い中世ヨーロッパ風世界だと思っていました。  ここで、「当然」と考えてはいけなかったのですね(^^;   そういえば、普通の日本の人は、ヨーロッパのどの国がカトリックの勢力が強くて、どの国がプロテスタント勢力の下にあって、どの国が東方正教会の影響下にあるかといったことに詳しくありませんでしたっけ。  弟切の場合、近年人気のあるライトノベルのファンタジーにほとんどはまりませんでしたので、そちらの世界観のほうがぴんと来ません。しかし、現在二十代以下の若い人の間では、むしろそういう世界観のほうが馴染みがあるでしょう。  「何事も自分を基準にして考えてはいけない」という教訓は、わかっていたつもりで身に付いていませんでした(-_-)  ここでちょっと、自分の課題に立ち返ってみます。  弟切が先日提出した「遠い夜明け」の場合、舞台はほぼ史実に基づいた−完全に、と言い切れないところが弱いです(;_;)−ルネサンス期イタリアです。思いっきりローマ教皇のお膝もとで、ローマカトリック教会にがっちりと支配された地域です。  ルネサンス期イタリアといえばすぐに「ローマカトリック教会の庇護の下で、ミケランジェロだのラファエロだのの芸術家が活躍してルネサンス美術が花開いた時代だな」と、弟切は思い浮かびます。しかし、誰もがそういう知識を持っているわけではありませんね。  ということは、上記のような知識も「売り」になり得ますね。目新しい知識を楽しく伝えることができれば、それは立派な娯楽でしょうから。  ふむ、勉強になりました。この成果を自分の作品に生かすべく努力します。 -------------------------------------------------------------------------------- Safari 1.0 for MacOSX (10.2以降)に関する不具合 No.6623 投稿日 2003年6月25日(水)01時28分 投稿者 とんびの羽根  なぜか冒頭の空白が無視される現象が発生していました  とりあえずアップルにバグレポートを送っときましたけど、しばらく待たないといけないでしょう -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6624 投稿日 2003年6月25日(水)15時51分 投稿者 新木 伸 >とんびさん  その「冒頭の空白」ってのが、なにを指しているのか意味不明。  とりあえず削除書き込みを復活させてみた。スクリーンショットを撮ってみたけど、IE6ではこんなふうに表示されている。 http://www21.pos.to/~araki/else/sample.png (PNG画像だけど見れるかな?)  その「なにか」ってのは、認識できているとんびさんにとっては自明であって、説明不要に感じられるのかもしれないけど……。  しかしその「なにか」を認識できない僕らにとっては、「あれ」とか「それ」とか言われても、まるでわからないんだよね。何重にも言葉を重ねて、「それ」を見ることができない人にも伝わるように書かないと。 >キリスト教とか  弟切さん。まだわかっていないっぽい。  普通の人の知識レベルでは、そもそもカトリックとプロテスタントの違いがわからないんだってば。キリスト教っていうのは、ただひとつのものなわけね。  こういうのはよくあること。  同好の士にとってはその違いは明確で、まるで別物だったりするのだけど、門外漢の人には見分けがつかないことって、いっぱいある。  たとえばバイクには2ストと4ストがあって、まるで別物だったりするんだけど、弟切さん、その違いわかる? 一目で見分けられる? (ていうか、詳しい人間なら見る必要さえない。音だけでわかる)  あと上記の「2スト」と「4スト」の違い以外に、レプリカにツアラーにクラシカルにデュアルパーパスにオフロードって区分なんかもあるんだけど、もっとわからんでしょ。  この手の知識レベルをはかるときには、その知識が体系図の枝のうちの、いくつめあたりにあるものなのかを考えればいい。  まず体系図の樹状構造のなかで、いちばん根本にあるのが「宗教」って大分類でしょ。  その下に「一神教」「多神教」って枝がある。もしくは西洋宗教と東洋宗教って枝かな?  さらにその下に、「仏教」「イスラム教」「キリスト教」なんて枝があるわけだ。  「カトリック」と「プロテスタント」って、さらにもう一個下の枝でしょ。  たとえば「乗り物」って分類のなかだと、「自動車/バイク」の区別ぐらいが限度だろうし。  生物分類なんかだと、「目」ぐらいまでの認識が限度だろうし。  パソコンの分類だと、WINDOWSかMACかってところが限度だろうし。 >転ぶときの音  なにムキになってるかね。  基本的に「声なし」であって、無理矢理書くとしても「きゃっ」だろうっていうのが、僕の意見だったわけだが。  ところで転ぶときの音にも、地方による方言ってあるのかな?  バランスを崩して、転倒してゆく最中にあげる声。  リアルに考えると(自分が転んだときの声を思い出すと)、「わたっ」とか「わわっ」とか「ひゃっ」とかだろう。  ちなみにこの瞬間に、息を吸っている最中だったか、吐いている最中だったかで、声が出るかどうかが変わる。  吸っている最中ならたいてい無言になる。声を出すのは物理的に無理。  「きゃっ」っていうのは、まあ物語であるという前提のうえで、俺的にぎりぎり許せる叫び声ね。  あともうひとつ考慮しないとならないのは、どういう声を上げさせるのかっていうことが、まさにいま話題になっている「演出」に関わる点なのだな。  脚本的に決まっているのは、とにかく、女の子が家の外で転ぶのだということ。  その「転んだ」という事実を、どのように表現するのか。読者に伝えるのか。  まず転ばせかたが問題。派手に転ぶのか。地味に転ぶのか。  ここは、怪我を手当てしてやるという後の流れにつなげるために、それなりに強く転んでもらわないとならない。しかし「病院行き」になってしまうほど強くても困る。  また転んだときのようすで、女の子の性格が描けるよな。泣き喚く子もいれば、じっと耐えてしまう子もいる。  盛大に泣き出す子と、我慢して耐えちゃう子と、どっちのほうが「手当てしてあげたい」という気になるだろうか。  そのへんも考えつつ、どんな声をあげさせるか決めることになる。  ――で、僕の場合は、「我慢して耐えちゃう子」ってほうを選んだわけね。なので声はあげない。かわりに音だけを響かせた。「どべしっ」の次候補として、「びったん」って音も考えたりした。  こうして選択の早い段階で「転んで声を出す路線はなし」って決めちゃっていたけど……。  もし声を言わせるのだとしたら、どんな声にしていたかなぁ?  しかし、家の外から響く声だけで、その人物が転んだことを明確に伝えるなんて、どだい無理がある。無理を承知で声を上げさせるなら、インパクトを狙って「はわわ〜〜っ」とでもするかなぁ。  転倒時の音を「どべしっ」と聞かせるにしろ、「きゃぁ」と叫ばせるにしろ、「はわわ〜」とするにせよ、読者に伝えられるのは「何かが起きた」ということだけだよね。転んだときの音だと分かろうはずもない。  ああ。  「いった〜〜い……」とでも言わせるのはありか。これだと転んだ瞬間の声ではなくて、転んだ後で痛がっている人間の声になるが。  しかし「痛い」と周囲にアピールしてるような人間を、手当したくはないなぁ。これもボツだな。 >「起きて、転んでて、助ける」そのものをコンセプトに >>例えば、「起きて、転んでて、助ける」の場合、それそのものをコンセプトにすることはできないのでしょうか。  ああ。魚住君の実例があって、ここの意味がようやくわかった。 >>「物音がして私は起きた。外に出てみると転んで怪我をしている人がいたので助けた」  これ、小説じゃないやん。  ただの作文。  小学校の2年生あたりに、こういう文章を書く訓練をするよね。  何が起きたのかを、順序立てて筋道を通しつつ、人に伝えるような文章を書く訓練。  こういう文章は物事の「記録」であり、情報伝達の手段であるが、「物語」ではない。  この手の文章をもっと洗練させてゆくと、ライターの文章になる。  ――で、物語的文章っていうのはどういうものなのか。  ようは具体的描写の有無。 「(どんな)物音がして、(どんなふうに寝ていた)私は(どのように)起きた。(どうやって)外に出てみると(どんな)人が(どんなふうに)転んでいたので(どうして私は)(どのように)助けた」  こういうふうに、たくさんある「どんな」を補足してゆくと、それは物語となるわけだ。  「起きて、転んでて、助けた」ってことは、書こうと思えば、一行で事足りること。  僕が書いたものの場合、この「どんな」を補足していったコンセプトは、こんな感じになっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「どべしっ」って音がした。  昨夜研究をしていて、そのまま机に突っ伏して寝てしまっていた私は目を覚ました。  顔についた木目のあとをさすりながら、錆びたドアを苦労してあけて、表に出てみた。  石畳の上で見事にすっころんでいたのは、街で唯一の友人である少女だった。  路上の人々が遠巻きに見守ってくるなか、私は、たまたましかたなく助けるのだ――というポーズを取りながらも、少女を家に迎え入れてやった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――で、魚住君の「演出とは?」の質問のほうだけど。  上記のものと、実際の文章との間にあるものが「演出」です。  脚本やらプロットやらと、実際にできあがる作品の間にあるもの。  調理でいえば、食材がすでに決まっていて、それで何を作るかも決まっているとする。その残りの、調理法と盛りつけに相当する部分かなぁ。  食材は「しじみ」。料理は「汁物」。  みそ汁にするとしても、味噌は赤なのか白なのか合わせなのか。ダシはどうするか。ほかの具はどうするか。  器は磁器なのか陶器なのか。椀にするにしても、木目の見えるような木の椀にするのか、漆塗りの椀にするのか。  小ネギは散らすのか、入れないのか。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6625 投稿日 2003年6月25日(水)18時30分 投稿者 新木 伸 >青葉さん  さて。青葉さんの場合は、なにから始めましょうか。  なにか希望はありますか?  とりあえず課題部屋のほうにリライトがあがっているようですが。  そっちのほうをやるなら、まずあのシーンがどんなシーンなのか、ざっと説明してみてください。  主人公である女の子はなにをしようとしていて、そしてどうなってゆくシーンなのか。――てな感じで。  またその女の子はどんな子であるのか。なにかをしようとしているわけだが、理由はなんなのか。そういったことも補足事項として説明がいるでしょう。  自身の口で内容を説明してもらうと……。たぶん、突っ込みどころが満載となるはず。  青葉さんの欠点としては、他人に向けて物を語る心構えができていないこと。  小説を書いているときに、それを読む相手ってものが想定できていないのですね。どこか宙に向けて物語を語っているようなもので、それを受け取るべき人間のことが充分にイメージできていない。充分に――っていうか、そういう程度問題の話じゃなくて、じつはまったくできていなかったりしますが。  で、こうして自分の口で作品の内容を説明してもらうと、いかに読み手を想定できていなかったかを自分で再確認できるわけです。  今回はこうして、聞き手がいるわけで――。  会話のなかで、自分が書いたはずのものを語ってゆくと、ひとりで書いているときよりも気が回るわけです。話しながら「これじゃ足りないな」と感じれば、付け加えて説明したりとかするわけですね。  それが足りなかった部分。  また聞き役から「それ変じゃん」とか突っ込まれる部分があったら、それはひとりよがりだった部分ということです。 >生課題の新お題  みやびさんと話していて……。  「朝起きて、顔を洗って、歯を磨く」――では、あまりに自由度が高すぎて、かえって難しいのではないかという話がでた。  そこで演出の練習をしてみるのに、ふさわしいお題を考えてみた。 ・昼休みのパン争奪戦。人をかき分けかき分け、憧れのパンをゲットする主人公。  よく見かけるシーンだから、意図っていうか、狙いっていうか、コンセプトっていうか、そういうものは理解しやすいだろう。  で、このシーンをどう演出してどう料理するのか。  さぁ。やってみそ。  あ、べつにきょろちゃん限定ってわけでもないよ。  べつに誰でもやってよし。  挑戦者の人数がいたほうが、それぞれのやり方の違いがわかっていいかもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題 No.6626 投稿日 2003年6月25日(水)22時33分 投稿者 魚住 雅則 >なにムキになってるかね なぜムキになっていたか。 それはもちろん生課題にとりかかる前に疑問点やおかしいと思う点をきっちり洗いだしておきたかったからです。 >演出 >「朝起きて、顔を洗って、歯を磨く」を面白く これが実はピンと来ていません。 朝起きて、顔を洗って、歯を磨く。毎日普通にやってることの面白さ見つけて、それを伸ばしてやるということでしょうか。 正直、わかるようなわからないような状況です。 わからないときは実践あるのみ。 ということで生課題に挑戦します。 コンセプトは「朝起きて、顔を洗って、歯を磨くことでキャラを立たせる」。 「日常生活を面白く読ませるために、まずその面白さを探す」ではなく、 「日常生活をキャラクターを立たせるための演出とする。キャラクターに魅力があれば何でもない日常に面白さが生まれるから」という方向を目指します。 これが全く意図を外しているものだったら、 「昼休みのパン争奪戦。人をかき分けかき分け、憧れのパンをゲットする主人公」に挑戦しようと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.6624 No.6627 投稿日 2003年6月25日(水)22時50分 投稿者 とんびの羽根 >>その「冒頭の空白」  <とんび No.6621  しまった、何も考えずにただ慌てて書き込んでたけど冒頭じゃなくて文頭です。 正>文頭に挿入した全角の空白文字  ですが、それがアップル純正の最新ブラウザで「Safari」で表示するとすべてなくなっているということです  その後ほかのホームページで書き込んだ空白文字も全部「Safari」で表示されていないことを確認しました  ブラウザをとっかえひっかえで見てますが、IE5.2 for MacOSXでもNetscape7.0 for MacOSXでも正しく表示されてます  Safariで表示された妙に違和感のある画像もあげときます  http://homepage.mac.com/tonbi/bunshitsu_safari.jpg -------------------------------------------------------------------------------- あげておきました。 No.6628 投稿日 2003年6月25日(水)23時55分 投稿者 魚住 雅則 というわけで、上げておきました。 朝起きて顔を洗い、歯を磨き、リビングに向かうまでを姉妹両方の視点から書きました。 視点を二人にしたのはもちろん演出上の狙いを踏まえてのことです。 そのあたりの考えがズレていないかも確認させてもらいたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- ジーザス・クライスト、スーパースター No.6629 投稿日 2003年6月26日(木)01時31分 投稿者 弟切 千隼  信心深くないくせに、なぜか宗教に詳しい弟切です。 >>キリスト教  またやってしまいました(^^; 「自分基準」から脱するのはなかなか難しいですね。  年齢も学歴も住んでいる地域も職業もばらばらな不特定多数の日本人を相手にするなら、それらの人々に共通して理解してもらえるのは「西洋ではキリスト教という宗教が栄えていて、それはイエス・キリストという偉い人を祭っている宗教である」という程度でしょう。ここ分室は、原理的に不特定多数の日本語が読める人が参加できるようになっていますから、それを前提に説明しなければなりませんでした。  これがもし、個人的に京路さんにだけ説明しているのだとしたら、カトリックとプロテスタントの基本的な違いは認識しているとして話を進めてもよいはずです。なぜなら、京路さんが現役の文系大学生だからです。  大学の文系学部を受験して合格するのには、この程度の知識は必要です。現役の文系大学生でキリスト教にカトリックとプロテスタントがあることを知らない人がいたら、その人は殴っていいと思います(笑)  文章を書く時には、「誰に読ませるのか」を常に考えて、読ませる相手に応じてわかりやすいように書かなければいけませんね。当たり前のことながら、その当たり前ができないために、弟切はこんなところでもがき続けています(;_;) -------------------------------------------------------------------------------- えー No.6630 投稿日 2003年6月26日(木)03時45分 投稿者 望月京路 >新木さん >面白くないものは面白くならない  今まで。  どんなものでもやり方次第で面白くできる。今の自分じゃ無理だが、きっとそういう領域はある――と信じていたのですけど。  うむむ……。  どっかにいそうな気もしますが。「オレに、料理にできない素材はない!」とか豪語するシェフ。今日も食べやすく砕かれたF15戦闘機がデミグラスソースの中に消えていく……。(いや、無理か?)  あ。題材とコンセプトの違いかな。  つまらない題材だったら、コンセプトと演出で面白くなる。  が、つまらないコンセプトだと、演出しても面白くならない。  ……本当かな? ちょっと、試してみます。  すげぇつまらなそうな例として「広辞苑の重さ」というコンセプトで文を作る場合を考えてみます。(なぜって、そこの広辞苑が目についたから)  まあ、広辞苑の重さを伝えるためにいろいろ書くわけですね。子供に持たせたり、ダンベルがわりにしたり、漬物石にしたり、二階から人の頭に落としてみたり……「ああ、広辞苑は重いんだなあ」と読者に思わせるためだけの文章を。  「なるほど、つまらなそうだな」と結論をつけようとしたのですが、なんだか、ギャグとして面白そうなんですが。  なんでだろ。「広辞苑の重さ」が面白いのではなく、広辞苑を二階から人の頭に落とすという「意外性」が面白いのだろうか。  つまりこのコンセプト下だと、意外性のほうが際立ってしまう案はボツ、ということになるのかな。んー。  じゃあ、子供に苦しい表情をさせながら持たせたほうがいいか。がんばる子供の健気さとか、そういう要素を省いて。  ああ。そりゃ、つまらねぇ。  題材を広辞苑にした場合、「広辞苑の重さ」で攻めるのは間違っている。「広辞苑の重さに付随する意外性」ならよい。  つまり、「広辞苑の重さ」の中に、面白い要素はない。「広辞苑の重さ」を他の面白さ(意外性)に使うことはできるけど。 >「起きて、助けて、助ける」そのものをコンセプト  なるほど。  魚住さんと新木さんのやりとりで、わかったような。  魚住さんの書きこみだけを読んで、「じゃあこれをコンセプトにしてエンターテイメントにはできないか」とか思っていたわけですが。  新木さんが「描写」という言葉を使ったので。その辺が解決しました。  描写するとなると、次に問題になるのは何を描写するか選ぶこと。  選ぶ基準となるのは、「何を伝えようとするか」のコンセプト。  ゆえに、コンセプトは必要。  って、前回書いた時点で、指のほうがコンセプトを求めてしまっていたのですが。  小生は「朝起きて、顔を洗って、歯を磨く」過程でなるべくその行為のみで面白さを伝えようとしました。が、どうもそうすればするたびに、無意識的にコンセプトを求めてさまよってしまっていた。(だから、揺れているように見える) >法王  ああ。例えば、日本の歴史的な世界観での話――いわゆる和風ファンタジーで、国を治める人を「天皇」とか出してしまうようなものですかね。耳になじみのある単語と混同するので、イメージが崩れる。「帝」や「天朝様」と表記しておけば無難なところを。 >姉御さん >カトリックとプロテスタント (どきどき。うちの学校、入試科目に世界史なかったんだよなぁ……)  でもまあ、さすがに。基本的なところは。  宗教改革の辺りに分かれたわけですよね。免罪符という、罪を金で拭えるとした堕落した教えに嘆いた人たち(ルターとか)が、プロテスタントを起こした。プロテスタントはキリスト教の原点に立ち返り、例えば偶像は崇拝せず、聖書のみに教えを求めた。  日本に来たのはカトリックで、アメリカに広まったのがプロテスタント。神父がカトリックで、牧師がプロテスタント。自殺率が多いのが、プロテスタントのほう。  だあ。もうこんな時間。なんでレスをつけるのに三時間以上かかってるんだ……。  そんなわけで、分析や新生課題はまた次回に。(こればっかやん) -------------------------------------------------------------------------------- 分析が進まない…… No.6631 投稿日 2003年6月26日(木)21時20分 投稿者 望月京路  小生の面白さの尺度は「意外性」以外にないのか、と思うほどそればかりしか見出せない。  面白いというのはすなわちエンターテイメントなものでしょう。驚きやスリルを感じさせたり、喜怒哀楽を引き起こさせたり。  新木さんのやつ、主人公とビアンカの関係を示す辺りに、なんとなく面白さらしきものを感じるのだけど、それをなんと表現すればよいものか。  これはどうエンターテイメントなのか。  うーん。考えよう。  とまあ。とりあえず今回は、生課題のほうをやってみます。  『昼休みのパン争奪戦。人をかき分けかき分け、憧れのパンをゲットする主人公』。  今回はコンセプトを念頭に。面白いコンセプトを見つけて、わき道にそれず、そこに向かう。  世界観もちゃんと構築する。  それでは。三時間で。 -------------------------------------------------------------------------------- 終わったけれど No.6632 投稿日 2003年6月27日(金)00時36分 投稿者 望月京路  前半、いらない。  長い。  まあ、三十分くらいでコンセプトの設定と舞台設定をしたわけですが。  ふう。成長してるのかなあ?  で、分析をしてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6633 投稿日 2003年6月27日(金)19時40分 投稿者 新木 伸 >生課題、新お題  「パンの争奪戦」と同様で、だいぶ面白さを引き出しやすいお題。その2。  告るシーン。  シチュエーションを限定するために、校舎裏に呼び出して告る。――としておこうか。  基本としては、主人公は告る側。  ただし別バージョンとして、告られる側をやってもいい。 >演出の話とか  すこし整理してみる。  もともとこの話……。  二つの話があって、それが一緒になってしまっているから、ややこしいことになってくるのだな。 1.調理の腕前次第で、なんでもないものも、おいしくなる。 2.食えないものは、どうやっても食べられるものにはならない。  これらは一見矛盾しているように見えるのだが……。じつは矛盾していない。  話の次元が違っているものを、同列であるかのように話しているから混乱するのね。  それが「食えるもの」であれば調理のやりかたは絶対ある。  しかし食えないものなら、調理の方法は絶対に存在しない。ただそういうことを言っているだけ。  「オレに料理できない素材はない!」と豪語するシェフだって、さすがにF15戦闘機は調理できないだろう。F15戦闘機は食い物ではないからだ。シェフが料理の話をするときには、暗黙の前提として「食べられるもの」を対象にしているわけだから。  ――で、みやびさんと話していたら、この「食えるもの」と「食えないもの」という概念が伝わっていないのだろうと言われた。そのせいできょろちゃんには話が通じないのだろうと。  なにが食えるもので、なにが食えないものかというのは、僕らにとっては自明の理なのだが……。しかしその定義をあらためて考えると、たしかに困る。あたりまえすぎて考えたこともなかった。  ところて君たち。  石ころは食えなくて、パンは食えるっていうことを、いったいどうやって見分けている? 人に説明できる?  あまりまえすぎて、逆に難しくない?  牛肉は食えるけど牛革のハンドバックは食えないのはなぜ?  食えるものって、なに? >小説ってなにか  ここでちょっと概念的な話にしてみる。  小説=物語っていうのは、そもそも、どんなものだろうか?  つまらない小説。面白い小説。ヘタな小説。うまい小説。  ――まあいろいろあるが。うまいヘタを論じる以前に、まず「小説であるかないか」の線引きがどこかにあるはずだ。  小説の話をするときには、僕らは暗黙の前提として、「小説であるもの」を対象にしている。  たぶん、ここに食い違いがあるのね。それぞれに「小説」とみなすものが違っているから、話がおかしなことになるのだろう。  小説とはなにかを考える前に、ちょっとばかり、「絵」とはなにかということを考えてみる。  絵というのは、3次元の形ある物体を「2次元平面=紙」の上に落とし込んだものなわけね。物体を、ある一方向から見た面を描き写したもの。それが「絵」。  定義は、このように簡潔にして明快。  その「一面を写し取った」という「絵」の最低条件を満たした上で、良し悪しの評価ってものがついてくる。構図がどうとか、テーマに最適かどうかとか。同じ物体の一面を写し取るのであっても、もっと別な角度から描くべきだったとか、いろいろ評論もできる。  しかし、良し悪しを論じる以前に、「これは絵じゃない」と断定されるケースがある。  絵の最低基準さえも満たしていないようなものね。  それはどんなものかというと、もとの「立体」に戻せないような絵だ。  正しく描かれた絵であれば、だいたい3面からの絵があれば、もとの立体を復元できるわけだ。  しかし、この手のケースの「絵もどき」は、そうはならない。どう復元しても立体に戻せないような、2次元上でしか成立していないような絵だったりする。  そういうものは、もはや論評する以前の問題。  それは絵ではない。――という評を下すしかないわけだ。論じてもらえないから、すなわち「論外」。  ――で、「絵」と「絵もどき」の話をしてきたわけだが。  これはそのまま「小説=物語」にもあてはまる。  「小説=物語」っていうのもまた、3次元の立体物を、2次元の平面に落としたようなものなのね。  物語というのは、時間的空間的に連続した長い長いストーリーのなかから、ある場面だけを切り出してきて、読者に見せるものなわけだ。  その切り出してこれるシーンは、長編でも50シーン程度。  しかし元々の「ストーリー」には、切り出してきたものの何十倍、何百倍ものボリュームがあるわけだ。  小説のなかのワンシーンというのは、どれひとつとっても、ある同一の世界、ある同一のストーリーの一面であるわけね。  もともと「ひとつのもの」を違う角度(時間的空間的に)から見たものでしかないんだから、あたりまえだ。  絵の話のほうで、ある立体物の絵を3枚も見せられれば、その全体像がイメージできると書いた。それと同じように、物語のほうでも、あるストーリーの一側面を50シーンも見せられれば、ストーリーの全体像は読者に伝わるわけだ。  小説っていうのは、そういうものなわけね。 >きょろちゃんがわかってないこと  僕やらみやびさんやらが、きょろちゃんに何度も言っているのだけど、本人はぜんぜんわかっていないことがある。  それはかなり重要なことであり、勘違いを直しておかないと、いつまでたってもモノにはなれないようなことなわけだが……。  その重要性に、本人はぜんぜん気づいちゃいない。  三田さんが、思わず乱入してきたりしたよね。  つまりあのとき、三田さんの地雷を踏んでしまっているわけだが……。しかしきょろちゃんにはその自覚がないらしい。  あの地雷は、ROMを続けてきた人が思わず乱入せずにはいられなかったような、それほど大層なことだったわけだよ。そんな「とんでもない一言」を自分が発したのだと、ぜんぜん気づいていない。  ちなみにあれは俺の地雷でもあった。みやびさんの地雷でもあった。およそすべてのプロ作家の地雷であるに違いない。  あれこそが、すなわち、小説=物語ってものの根幹だからだ。そこをおろそかにしては、もうそれは小説とは呼べないものになってしまうわけ。  前にOFFのときにも、まったく同じことをさんざん叩かれているはずなのだが。  あのとき叩かれた話のタイトルは、「花炎の箱庭」だったっけか。  地方の農村の田舎娘が、都を守る御子役に突然抜擢されて、都に昇ることになる――というような、そんな感じの冒頭部分だったわけだが。  そのとき、僕は訊いたはずだぞ。  「その娘は、突然迎えがやってくるその日の朝は、なにをしていたのかい?」――てなふうに。  そうしたらきょろちゃんは、「普段と同じように〜」としか答えられない。ではその「普段」がどんなふうなのか話してみろと言ったら、もう答えに詰まっていた。  娘の「普段」を、まるで考えていなかったわけね。  つまり、その主人公の娘の「人生」っていうのは、「お迎えが来た朝」の、その一瞬しか存在していなかったのだ。生まれてからこれまで育ってきた「人生」はどこにも存在していない。小説のなかに書かれている一瞬を除いて、残りのすべてが「空白」のまま。  で、つい最近書いた「501 :京路「治癒魔法Lv1」普通に手当て版」あたりでも、まったくおんなじことをやっている。  そこに書かれていることは、ほとんどが、書く一秒前になって決められたこと。  たとえば後ろのほうで、薬を塗ってやるときに、「この薬は法王様御用達の〜」と言わせているよね。  一秒前まで、「その世界」には法王様はいなかったはずだ。  だがその台詞を言わせた瞬間に、法王様は存在することになってしまった。  もうその瞬間に、「世界」が化けちゃっているわけだよ。その台詞以前の「世界」と、その台詞以降の「世界」とは、もう別物なのね。  そんな連続性のないものは、小説とは呼ばない。  これについて望月は、「これは文章だけを練習するための習作だから、不要だと思った」などと言いわけをしておるわけだが……。  習作であろうと、なかろうと。  練習であろうと、本番であろうと。  たった数枚の掌編だろうと、数十冊の大長編だろうと。  それが「小説」であるかぎり、世界の連続性っていうのは、押さえておくべき最低の「基準」なのね。  どんな練習用のスケッチであっても、それが「絵」であるかぎりは、「物体の一側面を写し取ったもの」という定義から外れない。それと同じこと。 >>新木さんのやつ、主人公とビアンカの関係を示す辺りに、なんとなく面白さらしきものを感じるのだけど、それをなんと表現すればよいものか。  だからそれが、「連続性を備えた背景世界」の感覚なんだってば。  主人公とビアンカの生きている世界がたしかに実在していて、その「予感」が読者に伝わるわけ。  書かれてないけど存在しているものは、その後ろになにかが連なっているという「匂い」がするわけ。  その匂いを感じると、人は読んでみたい見てみたいと感じるわけ。自分の目で実際に確かめてみたいと思うわけ。  どう主人公が「魔女」と怖れられているのか。ビアンカはどう怖れずに主人公と接するのか。どうお駄賃をぶんどってゆくのか。お駄賃をぶんどられた主人公はどんな顔をするのか。  この「匂い」というもの、言い換えるなら、「リアルっぽさ」とか、そんな表現になるだろうか。 >魚住君  見た。――が、なんか話題になっていることからズレてる。  「朝起きて、顔を洗って、歯を磨く」ことを、キャラを立たせることに使っているわけだな。しかしそれだと、そのシーンのメインは「○○な主人公」てなことにならんか。  そのシーンが面白いものになったとしても、「面白いキャラはなにをやっても面白い」――ていうことの証明にしかならないが。  あくまで「起きる」という行為、「顔を洗う」という行為、「歯を磨く」という行為のなかに面白さを見つけ出すんだってば。  特殊キャラが特殊なことをするのではなくて、一般的な人物が一般的なケースで一般的に行うようなことでも、あらためて取り上げてみると、面白いことはあるはずだが。  じつは、魚住がなにを練習しようとしているのか不明なのだな。  いまきょろちゃんにやっているのは、「ちゃんと食えるものを揃えてこい」っていうところ。  魚住のほうは魚住のほうで、同じ課題を使いつつも、どうも違うことにチャレンジしているように思うのだが。  一般的な演出の腕を磨くのであれば、素材はありきたりのものにしなきゃだめだよ。  普通の食材を普通に食えるように調理してみるわけね。  とびきりの素材っていうのは、調理しないでもそのまま食べられるかもしれない。なにしろ素材がとびきりだから、ナマのままでも結構いけちゃったりする。  しかしそれでは、「面白いもの」が書き上がったとしても、それが調理の腕によるものなのか、素材の出来によるものなのか、見分けがつかんでしょう?  ――なので、調理の腕を磨くなら、素材はありきたりなものにするわけだ。   ・とびきりの素材を見つけてくる練習。目利きの修行。   ・普通の素材で、普通に仕上げる練習。演出の修行。  このどちらも大事。  両方ともそれなりにこなせるようになると、ようやく次のことにチャレンジできるようになる。    ・とびきりの素材で、とびきりの料理を作る。  腕がなかったら、素材だけあっても宝の持ち腐れ。 >普通のお題を普通にネタにする  ちと、お笑いの世界の話にしてみるか。  「起床」「洗顔」「歯磨き」――と、それぞれのタイトルでもって、芸人がコントを作ったら、どんなふうになる?  よくわからんけど、おそらく、そのお題である「起床」のなかから、面白くて笑えることを発掘してきて、それでコントを作り上げるはずだ。  決して、「面白いヤツが面白い起きかたをする」ってネタではやらないはずだ。それはお題の趣旨からいえば奇をてらったものだし、正面から勝負してないし、ぶっちゃけズルだし〜。  このとき腕のいい芸人と、そうでない芸人とでは、どう変わってくる?  あるいは、同じ3つのタイトルで、腕のいいエッセイストがエッセイを書いたら、どんなことになりそう?  しかし、もともとこの「起床、洗顔、歯磨き」の三つは、「声で目を覚まして、表に出てゆく」ということの引き合いとして出してきたものなのね。  「声がして目覚めて、表に出て行く」というなんでもないシーンは、「起床/洗顔/歯磨き」に匹敵するような退屈そうなシーンだが、やり方によっては読めるものになるぞ――てな流れで出てきた話題だ。  実際には、「声がして目覚めて、表に出て行く」のほうが、「起床/洗顔/歯磨き」よりは楽。「普段聞かない声がする」という、日常性から一歩踏み出す出来事が起きているから、それだけ楽になる。  ちなみに「起床/洗顔/歯磨き」のお題で笑いの取れるコントをやったり、読めるエッセイを書けたりするのは、もうすでにプロのレベルなのね。  だから「難易度が高いだろう」ということで、お題を変更したわけ。 >弟切さん  だから、なぜそこで大卒の人間を基準にする。  そういう自分基準はやめなさいって言っているのだが、まだわからないのかなぁ。  大学進学率って、平成が始まったころで、25%どまりだよ。  「大学+短大」をあわせても、36%ほど。  少子化が進んだせいか、平成11年度あたりでは率が向上していて、「大学+短大」をあわせて49%になってきているが。  それでもまだ「半分」なのね。残りの半分の人は大学行ってません。  まあ「小説の読者」と限定してサンプリングすれば、大学の進学率はもう少し高くなるだろうけど。  んで、望月から返答があったわけだが。  カトリックとプロテスタントの違いは「知って」いたとのこと。  しかし、前に言ったことがあるけど……。  ただ「知っている」だけでは意味がない。身に付いていない知識は、知識とは言わない。  知っているかどうかなんて、どうだっていい。  意識できていなかったら、知らないのと一緒だ。  ようは、きょろちゃんがあそこで「法王」と出したときに、その「知っていたはず」のことを活用していたのかどうかってこと。  きちんと意識して、そして「法王」を出したのかどうか。 >とんびさん  文頭の空白が消される件。  文頭の半角空白が消去されてしまうのはブラウザの仕様みたいね。  よみかくにアップされた小説で、よく文頭空白が消えていたけど、あの原因は投稿者がエディタなどで書いている時に、全角空白を使わずに半角空白2個で代用してしまっていたからだったけど。  全角空白の場合にも半角空白と同じ処理をされて、消されてしまっているのでしょう。日本語の文章では文頭の空白が大事な意味を持っているということを、外人さんに説明してあげないと。 >>その後ほかのホームページで書き込んだ空白文字も全部「Safari」で表示されていないことを確認しました  この文章の意味って、文頭の空白ばかりでなく、文中に出てくる全角空白も表示されないってこと?  「全部」ってこの言葉は、どこにかかってくるわけ? 1.全部の空白文字。(行頭以外の場所にある空白まで、すべて) 2.行頭にある全部の空白文字。 3.ほかのホームページでも全部のケースで。 4.全部の「Safari」で。  1から4まで、どの意味にも読み取れちゃうけども。  あともうひとつ。  行末の句点「。」が消えている行がいくつかあるようだけど、これもSafariの影響? >望月:パン争奪戦:「509 京路」  上に「リアルっぽさ」の話を書いたわけだが。  その観点で眺めてみると、やはり嘘くさいんだよね。  あちこち、山ほど。  嘘くさいところ、考えていなかったと思われるところを列挙してみる。 ・ステーキパンは限定何食? 具体的には? ・冷めたステーキっておいしいもの? 冷めてるステーキなのに、なんで「あつあつステーキパン」なの? 仮に学食で受け取ってその場で食えば「あつあつ」だったのだとしても、持ち帰ってオークションにかけてりゃ、もうとっくに冷めてるわな。 ・オークションで4桁の値が付くって、それホントの話? 嘘くせぇ〜。 ・パン食人口は200人というが、この学校の全校生徒は何人? 各学年は何クラス? パン食率は何パーセント? お弁当率は何パーセント? ・この4時間目にちょうど「体育」だったのはいったい何クラス? ・体育教師はなぜ都合良く階段下に立っていたの? 授業なかったの? ・チャイムが鳴って、授業が終わった瞬間からいくらも経っていないのに、なぜ更衣室では大勢の女子が着替えをしていたの? 授業が終わって更衣室が女子の裸でいっぱいになるまでには、数分かかりそうなものだが。 ・主人公はチャイムが鳴ってから飛び出す組だが。話によればフライング組もいるそうだが、そうした連中が先だって廊下を走る気配とか物音とかがしなかったのはなぜ? ・廊下を走っているときに、主人公ひとりで独走しているのはなぜ? 通り過ぎる教室から続々と飛び出して、男子どもが争奪戦に加わるのではないのか? ・主人公はなぜ女子更衣室の間取りを知っていたの。(小窓が最短距離であるということをなぜ知っていたのか) ・なぜそんなところに小窓があるの。外から覗かれるだろうに。 ・毎日争奪戦に付き合わされているのなら、おばちゃんは無言でステーキパンを出してくるはず。買うパンの種類をわざわざ訊いてくるのはなんで? ・この学校の間取りって、どうなってんの? なんで食堂がそんな遠いところにあるの? 不便でない?  まだまだほかにもたくさん出てきそうだけど、まあとりあえずこんなところで。  次、「告白」――いってみようかぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6634 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 誤送信 No.6635 投稿日 2003年6月28日(土)00時44分 投稿者 とんびの羽根  上の削除はわたしです。  プレビューで実験してたら、間違えて送信してしまいました。 >AppleのブラウザであるSaffariの表示では、空白文字はすべてなくなるのか  確認していないことまで「すべて」に含まれてしまうとはおそろしい。  さらに曖昧に逃げようとしたのがバレバレ。  とはいえ文頭以外に空白をいれる習慣がないので、これは実際に実験するしかありません。  でやってみました、Saffariの実験結果は次の通りです。  例文: 半角空白 1個 半角空白 2個  全角空白 1個   全角空白  2個     全角空白    4個 上の例文はSafariでは下記のように表示されます。 半角空白 1個 半角空白 2個 全角空白 1個 全角空白 2個 全角空白 4個  にもかかわらずソースで見ると 半角空白 1個 半角空白 2個  全角空白 1個   全角空白  2個     全角空白    4個  になっているので、コピーペーストすると正しくペーストできてしまいます。  結論:  外観上は文頭の空白(半角、全角)は単数複数問わず非表示になる。  同じく文中の空白(半角、全角)は単数複数問わず一文字として表示する。  しかしどちらの場合もブラウザー上からコピーするときは空白の個数は正しくカウントされる。 >文末の「。」  ここ数日「。」を省略する実験をしていました。  わたしは違和感がなかったのですが、見る人には違和感があるようですね。  申し訳ありませんでした。 >きょろちゃんの地雷  今回はむしろ地雷によって召還されたかも  電撃掲示板のほうでウォーミングアップしてたのでテンションもアップしてたし。  わたしは作家でも、作家志望でもないんだけど、やっぱりわたしにとってもあれ(あれだけじゃない)は地雷です。 >藤極堂さん  ちょっと私信ですみません。  今年の一月に感想掲示板で藤極堂さんが調べてくれた、エディタ関連ですが、内容を簡単にまとめて電撃掲示板のフリーBBSで紹介させていただきました。事後の承諾伺いとなってしまいましたが、お許し下さい。直接リンクが不許可なので名称と内容の簡単な紹介だけになっています。 -------------------------------------------------------------------------------- 怪奇?ログ消滅事件 No.6636 投稿日 2003年6月28日(土)01時05分 投稿者 弟切 千隼  昨日の夜、午前零時過ぎに、弟切はここ「よみかく分室」に書き込みました。したはずです。私はそう記憶しています。  おそらく、No.6632の京路さんの書き込みの直前か直後くらいの時間帯に書き込んでいます。  ところが、今日ここに来てみると、昨夜の弟切の書き込みがどこにも見当たりません。確かに書いて、プレビューして、Yesのボタンを押して書き込みを確認した記憶がありますのに? あれは夢だったのでしょうか??  もしかしたら、単に弟切が呆けていて、プレビューしただけで書き込むのを忘れたのかも知れません。昨夜の弟切は異常な眠気と戦いながら書いていたため、その可能性は大です。  けれども、私のミスではなくサーバーのエラーなどのせいという可能性がなくはありません。私以外の目撃者がおらず、確証ができないのが残念です。  考えた末、何らかの対策を取る必要が生じるかも知れませんので、報告しておくことにしました。なお、課題部屋への書き込みは、昨夜も正常にできました。 >>自分基準  弟切の場合、職業がら周囲に高学歴の人が多いために、世間からものすごくずれた基準が染み付いてしまっているようです。とにかく、意識して自分基準を撤廃してゆくしかありませんね。 >> 知っているかどうかなんて、どうだっていい。 >> 意識できていなかったら、知らないのと一緒だ。 (No.6633の新木さんの書き込みより)  まったくおっしゃるとおりです(^^; 読者さまが「知っているか」よりも「意識しているか」を考えてものを書くよう心がけます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6637 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 上の削除は僕です。 No.6638 投稿日 2003年6月28日(土)17時18分 投稿者 魚住 雅則 すみません。 「芸人」という単語に過剰に反応してしまい、 話題の本筋からズレまくったことを延々と書いてしまいました。 一旦熱を冷ましてからレスを整理して生課題に挑戦します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6639 投稿日 2003年6月28日(土)18時16分 投稿者 新木 伸 >とんびさん  僕はバグの内容を質問していたのではなくて、とんびさんの日本語がおかしいことを指摘していただけなのだけど。  "safari バグ 空白"  このあたりで検索すると、その空白の取り扱いに関する不具合は、既知のバグであることがわかります。  safariのバグリスト  http://members.tripod.co.jp/cssbug/misc/safari.html  ここ(分室)でsafariのバグについて騒いでも仕方ないので、以後はどこかしかるべき場所にて報告活動をしてください。  ――で、safariがまともになるまでは、分室を読むときにはIEなりNNなりOperaなり、普通のページを普通に表示できるブラウザを使うようにしてください。  なお、分室の表示がうまく行われない原因が、分室のcgiなり、html表記なりに原因があるのなら受け付けます。  以上。  ちなみに分室cgiの動作だけど、まずopen.cgiが呼び出されると、左側のメニュー部分と本文部分とを構成するフレーム指定が行われます。  その内容はこんな感じ。 ------------------------------------------------ <HTML><HEAD><TITLE>よみかく分室</TITLE></HEAD> <FRAMESET COLS=160,*> <FRAME SRC="open.cgi?menu"> <FRAME SRC="bbs6621-6640.htm#20030627003627" NAME="honbun"> </FRAMESET> </HTML> -------------------------------------------------  左側のメニュー部分は、もういちどopen.cgiを自己呼び出しすることで表示されています。  で、メニュー部分に関しては、その時点でのデータディレクトリの内容を検索して現状に即したリスト表示がされます。右側のほうは、各人のブラウザのクッキーに記録されている最終既読位置が表示されます。  このメニューと本文部分のソースを見たい場合には、ブラウザ上で右クリックして、「ソースの表示」で見えるはず。  ここでやっていることは単なる普通のフレーム指定だし。  書いている内容も、htmlの文法としては完璧じゃないけど、そんなに変なことはやっていないはず。  まあIEとNNで正常に見えているのだから、正しく見えないのはそのブラウザのほうの不備ってことで。 >弟切さん  プレビューしてから、「yes」を押して確定して、その後の「書き込み完了画面」の最後を見るまで待った?  いちばん最後に「2秒後に自動リロードします」と出てくるはず。  そこまで待たずに他のページに移ってしまうと、タイミングによっては書き込み自体がキャンセルされてしまうことがある。  なぜかというと、ブラウザで他のページに移動すると、その瞬間に、現在表示しようとしているページへのキャンセル指令がサーバーに送られてしまうのね。  分室cgiのあるサーバーでは、書き込みを行うためにcgiが動いているのだけど、そのプロセスが途中で終了させられてしまう。  最近、たまに重たいことがある。  「yes」を押したあとなかなか画面が切り替わらないので、焦れて他のページにいってしまうと、書き込みは失敗する。  いちばん確実なのは、「2秒後にリロード……」を見た後で、自分の書き込みがちゃんと書き込まれていることを確認すること。  ちなみに、「書き込みをした」と、そう書いただけでは、当人以外の人間には、弟切さんのした行為の内容は伝わらないので注意のこと。  「書き込みをした」というそのことが、書き込みボタンを押した(プレビュー確認の後にyesを押した)ということを意味しているのか……。  それとも自分の書き込みが確かに書き込まれ、「○○番」の書き込みとして見えていたにもかかわらず、一日経って見てみたら消失していたのか。  どっちなのか、わからない。 >魚住  削除したやつ、復活させて読んでみた。  うむ。自主規制しなければ、叱ってたところだわな。  ひとつコメントするなら、小説においては、笑いは「面白さ」の一要素でしかないこと。  そしてどちらかというと、小説というのは笑いを苦手とするジャンルである。間を外してしまうと、たいていの笑いは滑ってしまうわけだが、読者がどういう速度で読むか、書いている側から干渉することができない。  読者の読む速度――「間」をコントロールしにくいメディアであるわけね。早い人と遅い人とで、読む速度は数倍の開きがある。  1倍速から5倍速くらいまで、それぞれの速度で読んでいる人をすべて同時に笑わせることが、いかに難しいか。  この「間」については、漫画のほうが、まだコントロールしやすいかな。漫画のほうは、読む速度の個人差はせいぜい2倍くらいなもんだし。大ゴマ小ゴマといった視覚的なアプローチができるし。  で、いまやっている話は、いかに笑いを引き出すかではなくて、いかに面白さを引き出すかというほう。  「起床」で笑わせろ、とは言ってない。  「起床」で興味を引け、とそう言っている。  興味を引くってことは、人の注意力を喚起するってこと。  それはなんでもいいわけ。  「不思議」でもいいし、「怖い」でもいいし、「悲しい」でもいい。「きれい」でも、「素早い」でも、「激しい」でも、「のろい」でもいい。  「未知」でも、「身近」や「共感」といったものでもいい。  なにも考えず課題に体当たりしていって玉砕するのもいいが、すこし分析してから取りかかってもいいんじゃないか。  人が興味を持つ事柄って、どれだけある?  上記のようなキーワードが、いくつあるかってことね。  「起床」という行為のなかに、上記のようなものがあるかどうか、考えるわけだ。  起床の不思議は?  起床の悲しいは? もっと寝ていたいのに、起きなきゃならなくて悲しいってのはあるだろうか。  のろくさく起床するってのは、誰にでもありそうなことで身近で共感が持てるなぁ、とか。  いま自分はどういうアプローチで興味を持たせようとしているのか。そのへんを自覚化しながらやっていないと、課題をやる意味がない。 -------------------------------------------------------------------------------- >じつは、魚住がなにを練習しようとしているのか不明なのだな。 No.6640 投稿日 2003年6月29日(日)21時01分 投稿者 魚住 雅則 >あくまで「起きる」という行為、「顔を洗う」という行為、「歯を磨く」という行為のなかに面白さを見つけ出すんだってば。 正直に言うと、 「起床・洗顔・歯磨き」の中に面白さが見つけられなかったので「キャラクターの面白さ」を追求することで逃げようとしました。 「キャラクター」「戦闘(格闘)シーン」「コメディ」のように、面白さを見つけやすい方面は書いていても楽なので。 どうにもスープのダシがうまく取れないもんで、味の濃い具をぶちこんで体裁を保とうとしてました。 で、その方向で腕を上げてもファーストフードしか作れないと思います。 バンズの上にミートパティ乗っけてケチャップとオニオンを適量パラパラ、ピクルス置いてバンズで挟んで出来上がり。 レンジで温めて、はい出来ましたと。 しまいに「どうよ、俺の調理スピードは」とか言い出しそうだ。「味は濃けりゃいいだろう」とか。 反省終了。 では課題に戻ります。 第一歩として「興味を引きそう」で、思いついたものをざっと出してみました。 とにかく思いついたこと、浮かんだことを上げます。 人の注意を喚起するもの 「おどろき」 「ざわつき」 「あせり」 「腹立たしい」 「強い」 「弱い」 「儚い」 「楽しい」 「謎」 「笑い」 以下、新木さんの例 「不思議」 「怖い」 「悲しい」 「きれい」 「素早い」 「激しい」 「のろい」 「未知」 「身近」 「共感」 次回もアイデア出しを続け、 そのあと系統ごとに切り分けて、足りない要素の補足と食えない要素を取り除いていきます。 -------------------------------------------------------------------------------- ログ消滅事件続き No.6641 投稿日 2003年6月30日(月)00時14分 投稿者 弟切 千隼  前回の書き込みNo.6636で、ログ消滅事件に関する弟切の説明が不明瞭でしたので、説明し直します。  文章を書いた後プレビューして、Yesのボタンを押したところまでははっきりと覚えています。「2秒後に自動リロードします」の表記を見て、その後リロードされた画面も見た記憶があります。何番の書き込みだったのか、その番号までは覚えていません。  しかし、前に書いたとおり、この時の弟切は異常な眠気に襲われていまして、Yesのボタンを押した以降のことには、自分の記憶に確信が持てません(^^; キーボードを打ちながらも、何度もがくんと頭を垂れて眠ってしまいそうになり、「書けたぁ」と思った瞬間にネットから抜けてPCの電源を切って、そのまま倒れて居間で眠り込みました。  こんな状態でしたから、Yesのボタンを押したつもりで実際は押していなかったり、押しはしたものの書き込みが完了するのを待たずにネットから抜けてしまったり、そもそも最初から夢の中で書いていたりという可能性は高いです(^^;;  そんな眠い時に書き込まなければ、こんな問題は起こらなかっただろうという御意見はごもっともです。けれども、眠たがり屋の弟切の場合、眠い時を避けて書き込もうとすると、永久に書き込めなくなる可能性があります。  とりあえずの対策として、あまりにも眠い時には、思い切って一眠りしてから書き込むことにします。  で、早速昨夜実行してみたところ、十時間くらい爆睡して、目覚めたら日付が変わっていました(駄目人間) >>「涙の日」  だいぶ時間が経ってしまいました。主人公の死因を他殺か自殺に絞ったところで止まっていますね。  主人公の死因は、この物語の根幹となる重要な部分ですから、慎重に決めたいです。他殺と自殺、それぞれの利点と欠点を洗い出して、よく比較してみます。  他殺にしろ自殺にしろ、この主人公の死因は、以下の理由付けができるものでなければなりません。 1)死後、亡霊となる理由。 2)自分が死んだことを忘れている理由。 3)他殺ならば、殺された理由。自殺ならば、自ら死んだ理由。  上記のそれぞれの理由を考えて、それを他殺および自殺という死因に当てはめ、不自然でないかどうか検証します。より不自然さの少ないほうが、採用すべき死因ですね。  弟切はひらめきが全くあてにならない人間ですので(;_;)、時間はかかってもこのように地道に進むしかないと考えます。具体的な検証は次回以降に行ないます。 -------------------------------------------------------------------------------- 昨日考えられなかったことを今できるということ No.6642 投稿日 2003年6月30日(月)00時58分 投稿者 望月京路  これを、成長だと信じたい。 >分析  新木さんの「起きて、転んでて、助ける」と、小生の「朝起きて顔洗って歯を磨く」の「加える演出版」と「引き出す演出版」の分析です。  ブロックに分けて、何を書こうとしているか、何が面白いかを視るのが目的。(課題部屋に置いたほうがいい代物かな?)  まず、ブロック分け ○新木さんの ・謎の音に目覚める。 ・確かめるために外に出る。 ・蝶番に油を差すことをぼんやりと考える。 ・外の光に目をくらませる。 ・倒れていた女の子を発見。 ・泣きそうだが、泣かない女の子。膝をすりむいている。 ・知っている子だった。 ・たまにお遣いを頼むビアンカだった。彼女は、魔女と呼ばれる主人公の家にも平然と入ってくる。 ・仕方なくといった風を装いながら、家に招き入れる主人公。 ・結局、ビアンカは最後まで泣かなかった。 ○加える演出 ・鳴っている目覚し時計をたぐりよせる。 ・現在時刻に驚き起きる。 ・今日は朝練がなかったことを思い出し、起きたことを後悔。 ・寝るのを諦め、ベッドから離れる。 ・トイレに行く。 ・顔を洗い、疲れた目に冷たい水を感じる。 ・パジャマの裾で顔を拭き、歯ブラシを確認してから取る。 ・安心しながら歯みがきつける。 ・それは洗顔料だった。 ○引き出す演出 ・鳴っている目覚し時計を取ろうとして、他のものに手をぶつける。 ・時刻を確認。今日は朝練は試験休みだと思う。 ・起きようと思う。 ・ベッドから抜け出すのに苦労する。 ・フローリングの冷たさを感じる。 ・トイレに行ってから洗面台に向かう。 ・顔を洗い、水の冷たさに心地よさを感じる。 ・ニキビを気にする。 ・しっかりブラッシングする。 ・朝ご飯を食べる前に歯をみがくことを思う。  ブロックごとに書かれている面白そうなものを、箇条書きで書いていきます。 ○新木さんのやつ >>どべしっ。 >>なにか、そんなような音がした。 >>――と、思う。  ・音がして、何かが起こった、という提示。  ・目覚めたばかりの意識の曖昧さ。 >>私はテーブルから顔を起こした。張り付いていた羊皮紙が、はらりと落下していった。顔には羊皮紙越しに木目の跡がついていた。その跡をさすりながら、私はかんぬきを外してドアを開けにかかった。 >>いつもながら、ひと苦労だ。  ・羊皮紙、かんぬきで戸締りというリアルっぽさ。  ・主人公のうっかりキャラ。  ・寝ているときに跡がつくというあるある感。  ・いちいち外に出るのも大変という意外性。 >>きしみをあげる蝶番に、手が焼ける。 >.そろそろ油差さなきゃ、でも最近品切れ続きで、闇市だと馬鹿高いのよね――などと、起き抜けの寝ぼけ頭の中では、世帯じみた思考が流れ飛んでいる。  ・蝶番に油を差す、闇市で買い物しているというリアルっぽさ。  ・闇市で普通に買い物をしているという意外性。 >>「うわ」 >>部屋の中の暗がりから、真っ昼間の太陽の下に、いきなり出るもんじゃない。私はまるまる数秒ほど、目頭を押さえて立ちつくしていた。  >>ようやく目が慣れてくる。  ・部屋が暗いという意外性。  ・目がくらんで動けなくなる、という意外性。 >>石畳の上に――女の子が寝ていた。 >>いや。いま起きた。 >>むくりと身を起こしたその子は、泣き出す寸前の顔をしていた。だが――。 >>かろうじて、まだ耐えている。  ・倒れていたとは書かないこと。  ・なぜ泣きそうであるか、という疑問点の提示。  ・泣くのを耐えている女の子の芯の強いキャラクター。 >>その膝小僧は盛大に擦りむけていた。見ているこちらの背中がむずむずしてくるほどだ。  ・先の疑問点の答え。  ・痛い感の共感性? >>街路を行き交う人々のうち、何人かが足を止めて見守っていた。――しかし、私がいちばん近かった。距離的にも、また別の意味でも。 >>あの子と私とは、知らない仲でもないのだ。  ・知らない仲とは何か、という疑問点の提示。 >>よく取引のあるマッケンリー商店の末っ子。名前はビアンカという。たまにお遣いを頼むことがあるのだが、しっかりとお駄賃もぶんどっていかれる。魔女と呼ばれる私の家に平然と入ってこれるのは、彼女くらいなものだった。  ・リアルっぽさ。  ・ビアンカのちゃっかりしてるキャラクター。  ・主人公の一抹の寂しさと、物怖じせずに接してきてくれるビアンカへの悪くない思い。 >>「やれやれ。――お入り」 >>私は戸口を大きく開けて、呼びかけた。 >>「余りもののポーションでよかったら、使ってやるよ」  ・まんざら悪く思っているわけでもないがそれを表に出さない、主人公のほほ笑ましさ。  ・主人公のひねた優しさ。 >>歳の割にはしっかりした彼女は、結局、涙はこぼしても泣くことはなかった。  ・ビアンカの芯の強いキャラクター。 ○加える演出 >>ジリリリリ…… >>けたたましい音。目覚ましのアラームを止め、僕は時計をたぐりよせた。 >>「う、うーん」 >>目をこすりながら見てみる。 >>――七時十五分! >>「うそ!」 >>思わず叫ぶ。 >>完璧に遅刻だ。 >>ベッドから跳ね起き、そして気づいた。  ・遅刻危機の慌てっぷり。 >>「――って、今日はないんだった」 >>部活は今日から試験休みになっていた。もちろん、朝練もない。思い出したら、悔しくなってきた。あと十分は寝ていられるはずだった。目覚ましを止めたあとの、あのひとときがたまらないのに。  ・朝練がないのに習慣で慌ててしまうという共感性。  ・まどろみを楽しむという人類共通の幸福の共感性。 >>さすがに寝直すには時間が足りない。まぶたが重いが、僕はベッドから離れることにした。 >>トイレで用をたしてから、洗面所の蛇口をひねる。 >>軽く手を洗ってから、手にためた水を顔にうちつける。冷たい水が、目の奥まで染みた。そういえば、昨日はゲームで寝るのが遅かったんだ。  ・ゲームやった翌日は目が痛い、という共感性。 >>パジャマの裾で顔を拭く。次に、一番右の青い歯ブラシを確認してからとった。昨日は姉ちゃんの歯ブラシ使っちゃって、ぶん殴られたんだ。  ・パジャマの裾で顔を拭く、というあるある感。  ・姉ちゃんのキャラクター。 >>よし、今日は大丈夫。 >>「ふう」 >>チューブから歯みがきをたっぷりつけて、口にくわえた。  ・このあと、間違える伏線。歯ブラシに安心して、あとの注意がおろそかになる、という類の。 >>……あれ? >>妙にザラザラする。泡立ちも悪いし、しょっぱいし。この歯みがき粉って、こんな感じだっけ? >>手に持っていたチューブを確かめて、あ然とする。 >>――姉ちゃんの洗顔料じゃん!  ・歯みがき粉のチューブと洗顔料のチューブの間違いやすさの共感性。 >>慌てて水ですすぐが、口の中の妙な爽快感は朝ご飯を食べるまでとれなかった。  ・ちゃんちゃん。 ○引き出す演出 >>ジリリリリ…… >>けたたましい音。それに向かって、布団の中から手を伸ばす。 >>ぽん。何かが落ちる音がした。 >>ごん。何かを殴りつけてしまった。 >>「……んんっ」 >>三度目のトライでようやく目覚ましを止めることに成功する。  ・朝のぼんやり感。 >>僕は手にしたままの時計に目をやる。 >>七時十五分。 >>いつもなら朝練のため学校についていなきゃいけない時間だ。だが、今日から試験休みなので、その心配もない。 >>まだ時間はあったが、起きることにする。 >>まず、指先から。……よし、動く。次は膝を曲げて……。 >>たっぷり三分、金縛りから抜け出すようにして、僕はベッドから這い出した。夏の朝なんて寝苦しいだけなのに、どうしてすぐに起きあがれないのだろう。  ・目覚めの共感性。  ・夏の朝のだるさのリアルっぽさ。 >>フローリングが、裸足の足に心地いい。床に落ちていたティッシュボックスを元に戻し、僕は部屋を出る。  ・夏の朝の共感性。 >>トイレで用をたしてから、洗面台に向かった。 >>手を洗っていると、ぬるかった水が冷たくなっていく。 >>その水を手のひらにため、一気に顔にうちつけた。 >>冷たさが、背筋までつきぬける。寝汗の気持ち悪さを、一瞬だけ忘れることができた。  ・夏の朝の共感性。 >>と同時に、手のひらから伝わる感触に、あることを思い出した。 >>(洗顔料、買っておこうかなぁ) >>最近、ニキビが出てきた。今までは水だけで顔を洗っていたけど、「洗顔料で洗ったほうがいい」って三喜男も言ってたし。母ちゃんにこづかい頼まなきゃ。姉ちゃんの勝手に使ったら、殴られたし。  ・青少年の悩みという共感性。もしくは、あるある感。 >>タオルで顔を拭いてから、歯ブラシをとった。 >>チューブから歯みがき粉をたっぷり出す。 >>そして、小学校の歯みがき講習で習った方法で、一本ずつ優しくなでるようにみがく。二十数えて、次の歯に。奥歯の裏側や、八重歯のところは丹念に。おかげで、虫歯になったことは一度もない。小学校のころはそれで、六年生でひとりだけ賞状をもらったっけ。  ・リアルっぽさ。 >>そういえば、三喜男のやつが変なこと言ってたっけ。なんで朝飯食べる前に歯をみがくんだって。そんなこと言ったって、みがかないと気持ち悪いだろ。だから三喜男は虫歯が六本も見つかるんだ。 >>コップに水をとり、軽くうがいして吐き出す。 >>さて、と。ご飯を食べるか。  ・朝、歯をみがくことに対してのなるほど感。 >終わってみて  いかに、自分が狙ってないかがわかるなあ。  狙っていないというか、漠然としすぎているというか。  まあ、小生のがばらばらであることは一目瞭然。  とくに、引き出すほうはひどいですね。  「夏の朝」→「ニキビの悩み」→「歯をみがくことへの思い」  少なくとも、三つも変化している。  新木さんのも変化しているといえばしていますが、それは「ビアンカと出会う」前の、言わば準備段階として世界を見せているわけで。そこには、狙いがある。  小生のはない。ただ、指がおもむくままに変わっていってしまう。  で、食えるものと食えないものかぁ。  あむーん。  わからん。  というか、食う食えないが何のこっちゃよくわからないのが要因か。  「面白くないもの」が食えないものだとするならば、「おもしろ部分」が何も書かれていないブロックがまさにそれなのだけど。  ……多いな。  説明一行だけのブロックもあるし。説明したのはわざとだけど、むしろ省いたほうがよかっただろうか。(でも、顔洗う前ってトイレ行くよなぁ……) >新木さん  食えるものと食えないもの。  牛肉は食えるけど、ハンドバックが食えないのは。  それは、牛肉は食べるように加工されたもので、ハンドバックは食べるように作られていないから。  と。最初は思ったけれど。  食べるという行為が純粋に「口に入れてかんで飲みこむ」という意味だけならば、世の中に食べられないものはない。戦闘機だって、切って砕いて口に入るサイズにすれば、食える。  だけど、そうではない。やっぱり、人間が消化吸収できるものは決まっているんだし。  では、消化吸収できるものなら、すべて食べることは可能か?  ……まあ、可能だろう。ドイツで虫料理の店が繁盛していると前にニュースでやっていたし。靴は靴でもフィラガモの靴は食えるらしいし(他は合成革なので無理とか)。  そもそも、「食いもの」と「食えるもの」は厳密には違うけど、ここでは「どうしても食べることができないもの」の話だから、あえて分けないでおくとして。  消化吸収できるものが、食えるもの。できないのが、食えないもの。  で。これを小説に直すと、どうなるか。  「食う」とは「面白いこと」。  じゃあ、消化吸収って――なんだ?  消化吸収ができるっていうのは、つまり栄養がある、ということで。そもそも栄養をとるのが「食う」という行為の最終目的であるわけだし。  あ。おいしくても、いいのかなあ。例えば、食べ物でもなくても。  もしもノートがおいしかったら。ガラスがおいしかったら。消しゴムがおいしかったら。  それは食べ物と呼べるか?  「おいしい消しゴム」を売る店とか、ありえるか。ありえるとしても、それは「飲食店」と呼んでいいのか。(あ、食品衛生法とかに引っかかるか。って、そういう問題でもないか)  あーうー。  ちと考えます。 >わかってなかったこと  ……ああ。  オフのときでわかったつもりになっていたけれど。  で、三田さんに指摘されて、理解していたはずだけど。  なるほど。  どうやら小生は、それでもなお「ハリボテに見えないすげえハリボテ」を作ろうとしていたようです。  でも、違う。すなわち、「ていうかホンモノ創れよ」。  そうか。根本から違ったのだ。  紙の上に世界を作るのでなく、世界を紙の上に書く、ということだったんだ。  どかーん。(今、爆発)  多分、この辺が違っていたから、色々とあらぬ意見を飛ばしてしまったのだなぁ。  はあ。何だったんだろ。この激しい勘違いは。  っていうか、それを踏まえて今読み返してみると、すげえこと言ってるな。多分、当時はそこまで考えてはなかったはずだけど、考えていないという意味で同罪。  なんというか。  地雷を踏んでしまっても、小生にできることは「これをもとに更なる精進をする」ことだけなんですよね。  結果に出せるよう、励みます。  それでは。  生課題は、次に。(なんでレスに四時間かかるんだろう……) -------------------------------------------------------------------------------- そんなわけで No.6643 投稿日 2003年6月30日(月)21時57分 投稿者 望月京路  生課題、「校舎の裏で告白」、開始します。  では、三時間後。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠れる森の不美女(笑) No.6644 投稿日 2003年6月30日(月)23時07分 投稿者 弟切 千隼  最近、異常な眠気に襲われることが多くて、不思議に思っていた弟切です。  今日、その謎が解けました。原因はヤク切れでした(爆)  ヤクといっても合法的なものです。普通のお茶やコーヒーに含まれているカフェインですから。  弟切は自分がカフェイン依存症であることを忘れていました。慢性的な睡眠不足のため眠りこけそうになる脳みそを叩き起こすよう、弟切はお茶の類いを常用しています。たまたま最近暑い日が続いたので、お茶ではなくジュースばかり飲んでいたところ、カフェインが切れて睡魔に負けてしまいました。  原因がわかれば対策は簡単です。今日からはばりばりとカフェインをドーピングして、しゃっきりすっきり仕事を進めました(^o^) >>「涙の日」の主人公の死因  前回の書き込みNo.6641で書いたとおり、主人公の死因を他殺にすべきか自殺にすべきか考察します。  まずは、主人公が亡霊となる理由の候補をざっと挙げて、現実味があるかどうか、他の理由と矛盾しないかどうか、などを検証します。 1)死後、亡霊となる理由付けができるか? 他殺の場合: A.殺された恨みを晴らすため亡霊になる。 B.この世でやり残したことをやろうとして亡霊になる。 C.殺された衝撃が大き過ぎて、自分が死んだことを忘れて亡霊になる。 自殺の場合: a.自殺した罰として亡霊にされる。 b.死んだ時の衝撃が大き過ぎて、死んだことを忘れて亡霊になる。 c.死んでからやり残したことがあることに気づいて亡霊になる。 d.亡霊にならなければ実現できないことを実現するために自殺する。  他殺の場合のAとBでは、自分が死んだことをはっきり自覚していなければおかしいですよね。この主人公は自分が死んだことに気づいていないはずですから、このままではAとBの理由は使えません。特にAは論外といってよいでしょう。  Bに関していえば、「何かやらなければならない」という思いだけが残っていて、自分が死んだことは忘れている、とも考えられなくはありません。しかし、これはあまりにも作者の御都合主義的な手だという気がします(^^;  他殺の場合のCと、自殺の場合のbは通じるところがありますね。「死」という人生最大の衝撃を受けた人が、その前後の記憶をなくしてしまうのは、多くの人にとって自然な設定だと受け入れられると思います。ですよね?  この二つの案では、主人公は普通に生きていると思い込んでいますから、やり残したことに固執するといった特別な行動は取らず、生きている時の普段の行動を続ける−少なくとも転までは−ことになります。  自殺の場合のaは、亡霊になる理由と死んだことを忘れている理由を一挙にすっきりと解決できる案です。ただし、「なぜ自殺したのか?」という理由の解決が困難になる可能性がある案でもあります。この案に関しては、後ほどさらなる考察をします。  自殺の場合のcとdは、他殺の場合のAとBと同じく、主人公が死んだことを自覚していなければおかしい案ですね。特にdはそのためにこそ自殺したのですから、それを忘れるのは論外でしょう。  cに関しては、他殺の場合のBと同じ御都合主義を使えば使えないことはありません。が、やはりそういうものは使いたくありませんね。  実は、主人公が亡霊となる理由として非常に簡単な案があります。 「死んだ人間は、もれなく全員亡霊になる」としてしまえばよいのですね(笑)  けれども、この案は使えません。なぜかといえば、そうすると夜の墓場にはうじゃうじゃと亡霊がいることになってしまって、「若い娘が一人で夜の墓場に放り出されている」状態にならないからです。  次回も「涙の日」の主人公の死因考察を続けます。 -------------------------------------------------------------------------------- ふぃ No.6645 投稿日 2003年7月1日(火)01時05分 投稿者 望月京路  生課題終了。あげておきました。  あと、お題の根っこを設置する場所を間違えて、削除してしまいました。あれは小生です。  では、今日はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6646 投稿日 2003年7月1日(火)19時45分 投稿者 新木 伸 >弟切さん >「涙の日」  主人公の死因なんだけども。  いま「自殺」と「他殺」の二つのセンが出てきているよね。  ざっと過去ログを追ってみたんだけど、自殺と他殺の二つだけに絞った理由が見あたらないのだが。  この話の中で、「死因」というのは主人公が亡霊になる理由に関係しているわけだ。  「自殺/他殺」以外の死因としては、「病死」「事故死」「突然死」なんてのがあるわけだ。  さらに細かくあげてゆくと、「生け贄/人柱」とか、「祟り/呪い」とか、「拷問死」とか「獄中死」とか、そういうものも出てきたりするわけだが。  なのに「自殺/他殺」の二つだけに絞ってしまう理由が見あたらない。  ――っていうか、僕のセンサーによると、他の死因のほうが未練を残すのに都合がいいんじゃないかって、そういう反応が出てくるのだが。 >魚住  例の自主削除した「お笑い界の現状」に関する書き込みだけど、結論不在なのが気になった。  なので、ちと復活させておくこと。  一字一句変えずに、投稿時そのまんまで、新規書き込みしておくように。  そうして、足りなかった「結論」ってものを付け加えておくこと。  もともとあの話題っていうのは、こんな流れになっていたわけだな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (僕)「基本」というのはすべからく大切なこと。たとえばお笑いの世界でも「基本」の「技術」は大切にされているのではないのか? (魚住)(削除分)現在のお笑い界は、そうはなっていない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じね。  魚住の6637の書き込みの趣旨をまとめると、「お笑い界の現状報告」ということになる。事実を単に指摘しているだけで、そこに当人の考えとかは含まれていない。  話の「結論」としては、ざっと以下のようなパターンが考えられるけど、そのうちのどれにあたるわけ? つまり魚住の言いたかったことはなに? ・お笑いの世界では基本は必要とされていない。 ・お笑いの世界でも基本は大事であるが、当節は軽視される風潮にある。(→自分はそれを是としている。or 自分は否としている) ・お笑いの世界と、小説の世界とは無関係なものであるから、比較対象とするのは不適切である。 >魚住 >>「起床・洗顔・歯磨き」の中に面白さが見つけられなかったので「キャラクターの面白さ」を追求することで逃げようとしました。 >>「キャラクター」「戦闘(格闘)シーン」「コメディ」のように、面白さを見つけやすい方面は書いていても楽なので。  ええと……。  自分がなにやっているのかわかっているのやら、いないのやら。  書いてあることをそのまま読んでしまうと、けっこう大変なことよ。これって。  課題部屋の505の課題に取りかかるときに、メソッドの内容を理解しつつ、しかしそれは難しいので容易な方向に逃げたのです――と、そのように読める。  だとしたら、「ばかったれ」ということになるのだが。  スープのダシをうまく取るための練習と知っていて、でも実行したのは味の濃い具をいれることでゴマかすこと。  自覚してやってたなら、ばかったれだ。  まあ、好意的に解釈するなら、「起床。洗顔。歯磨き」という行為の中に面白いものを見いだせなかったので、とりあえず自分に出来ることをやるしかなかった――となるけど。  で、人の注意を喚起するもの数出しのほう。  出てきたものを見てみると、ひどい偏りがあるのがわかる。引き出しの中身が少ないと、こういうことになる。  これ「アイデア出し」とか、そういうものじゃないのだが。ひねり出してくるようなものじゃない。  すでにあるものを、種類ごとに挙げてゆくだけの話だ。  僕が出したほうは、いろいろな方面からまんべんなく出てきているでしょう。「感情面」「情緒面」「動作面」「知識面」とか、そんなふうに。体系だって分類された山ほどのストックの中から、バランスよくサンプルを選ぶとこういう出しかたになる。  つまり魚住は、人が着目するものに対して「引き出し」が少ないわけね。ストック量がそもそもゼロなわけ。だからこれが「アイデア出し」に思えてくるのだろ。  これ、創造者として、表現者として、致命的なことだぞ。  人が何に注意を向けるのか、いままでまったく観察してきてなかったってことだ。  じつは僕なんかも、「人がなにに対して注意を向けるか」ってことを、正確に把握しているわけじゃない。僕が知っていて、常に観察を続けているのは、「自分が何に注意を向けたか/興味を向けたか/自分がなにを面白いと思ったか」と、そっちのほう。  自分にとっての関心事が、他人にとっても関心事であるかどうか――。それはわからない。  だがまあ、いちおう自分も他人も同じ人間であるので、だいたいのところは共通しているだろう。――と、そういう仮定のもとでやっている。  みやびさんとも話したんだけど、僕らからみると、とても考えにくいことなんだよね。  自分がなにを面白いと感じたか――とか、その手のことを意識していない精神状態ってのは。  だって、君らもいちおうは創作者を目指しているわけでしょ?  自分がなにに興味を持ったかとか、常に意識しているものでない?  それとも何かを見たり聞いたり、感動したり面白がったり、観たり聴いたりしたときに、まんべんだらりと、ただ見聞きしていただけなのか? これまでの一生、ずっと?  ここでひとつ質問なのだけど。  そういう意識の姿勢(条件反射といってもよい)が身に付いているの? いないの?  もしいないようであれば、技術だのなんだのは、すべて後回しだぞ。  まずその意識の姿勢を身につけるのが最優先課題だ。それがなくちゃ、なにも始まらない。  「引き出しの少なさ」なんて問題は、常に自分の心の動きを観察する姿勢さえ身に付いていれば、すぐに埋まる問題だ。  引き出しにインプットしつづける心の状態さえ身に付けば、何ヶ月かで、いちおうの成果がでてくる。プロで通用させるなら、最低でも数年ぐらいのインプット量は欲しいところだけどね。 >望月 >6642  分析がヌルい。精度が低すぎ。  俺が10書いたもんの、7も読み取れてねぇよ、バカ。  やり直してこい。  書いたものが色々と読み取られてないので、思わず心配になって、「俺ちゃんと書いてあるよね」とみやびさんに電話して尋ねてみたら、やはりちゃんと読み取られていた。  なので、たぶん望月がきちんと読んでいないだけなのだろう。きっと。  食えるものと食えないものの見極め、について。  「消化吸収できないもの=栄養がないもの」という観点は興味深かった。  この点に関しては、僕も君らと同じ場所からスタートしてる。つまり「まったくわからない」というところからスタートしてるってことね。  ある文章が読めるものであるか、そうでないかは、一目で判別がつくのだが、その理由に関しては全然知らなかった。考えたこともなかった。  ――が、僕のほうでは、上記の「栄養がないもの」というキーワードがヒントになって、いちおうの理屈付けができた。  もうすこし考えるそうなので、こっちがたどり着いた結論は書かないでおく。 >>どうやら小生は、それでもなお「ハリボテに見えないすげえハリボテ」を作ろうとしていたようです。 >>紙の上に世界を作るのでなく、世界を紙の上に書く、ということだったんだ。  ここのとこ。  なにを言っているのか、意味不明。  わかるように書くべし。  それからあと、僕らが言っているのは、「せめてハリボテを作れ」ということ。  君が今現在作りあげているものと、さらに実現できてはいないけれどイメージ可能な領域にあるものは、僕らの基準では「ハリボテ未満」になっているの。  君に想像不能な領域にあるようなもので、ようやく「ハリボテ」なのだって、最近そう言い続けているわけだが――。  わかるかな? >書いていること自体はまとも >>・鳴っている目覚し時計をたぐりよせる。 >>・現在時刻に驚き起きる。  たとえば、書いてある内容を箇条書きにしてみると、上記のようなものになるわけね。  この内容自体は、食べられるものにできる。そう思った。  たとえば、読者が読みたいところは、こんな部分なわけだ。 ・(どのように)鳴っている目覚し時計を(どう)たぐりよせる。 ・(どのくらいの)現在時刻に(どう)驚き(どう)起きる。  これに対して、君が「小説モドキ」で書かれていたのは、こんなものだ。 >>ジリリリリ…… >>けたたましい音。目覚ましのアラームを止め、僕は時計をたぐりよせた。 >>「う、うーん」 >>目をこすりながら見てみる。 >>――七時十五分! >>「うそ!」 >>思わず叫ぶ。 >>完璧に遅刻だ。 >>ベッドから跳ね起き、そして気づいた。 ・どんなふうに鳴っているか? → 「ジリリリリ」とけたたましく。 ・どうたぐりよせたのか? → 「たぐりよせた」としか書いてない。 ・どれほどのヤバい時間なのか? → 7時15分。(ってそんなにヤバい時間なの?) ・どう驚いたのか?  → 「うそ」と無意識に叫びつつ、「完璧に遅刻」と心で思う。 ・どう起きたのか? → 「跳ね起きた」としか書いてない。  ――と、このように、肝心のところが、ぜんぜん書いちゃいないのね。  どのようにけたたましいのか。  どのようにたぐりよせたのか。  どれほどヤバい時間なのか。  どう驚いたのか。  どう起きたのか。  目覚まし時計が鳴り響いて、起きて、止めて、そして時間にびっくりする――なんてことは、筋だけでいったら、ありきたりすぎて、わざわざあらためて読むようなこっちゃないのね。  だれだって毎日やっているようなことだし。いまさら読まされなくたって、普通に目覚ましがなって普通に起きて、普通にびっくりするぐらいのことなら、よく知ってるしー。  ただし、そこになにか「具体的な描写」が付いてくるなら、それは読むべきものになるわけね。 >告白する課題 >「512 京路」  細かいところは次回に回すとして。  とりあえずひとつだけ。 >>『ちょっと、ホームルーム終わったら校舎の裏に来てくれない?』  携帯メールで送られてきた内容を、こうして出してきているわけだが。  おまえ、これ、実際に携帯で打ち込んでみたのか?  あり得ないんだよ。この文面は。  ここでよく話題に出る「あり得ない台詞(死んでいる台詞)」と同様の意味で、あり得ない「ショートメールの文面」なわけね。これって。  同じ内容を、実際に携帯で打ってみれば、僕の言わんとしていることがわかるかなぁ。どうかなぁ。  あとついでに、男の言葉が、女の言葉に見えてしまう。  はじめ、主人公が女だと勘違いしたまま読み進めてしまったよ。  そういや前の「加える演出」のときも、主人公が女の子だと思ってたんだよな。  望月は台詞が変。台詞の性別が変。 -------------------------------------------------------------------------------- 考えがまとまらない No.6647 投稿日 2003年7月1日(火)23時02分 投稿者 魚住 雅則 >自主削除した書き込み 掲示板に書き込みを確認したあと、テキストエディタ上の元文章は保存せずに消してしまうので手元に残っていません。 よければ復活したものをあげていただけないでしょうか。 僕の結論は、 ・お笑いの世界でも基本は大事であるが、当節は軽視される風潮にある。自分はそれを是としている。 となりますが、詳しくは書き込みを改めて。 >つまり魚住は、人が着目するものに対して「引き出し」が少ないわけね。ストック量がそもそもゼロなわけ。だからこれが「アイデア出し」に思えてくるのだろ。 >これ、創造者として、表現者として、致命的なことだぞ。 >人が何に注意を向けるのか、いままでまったく観察してきてなかったってことだ。 くわ。久しぶりに突き抜けるようなダメージ。 はい。漠然と、おもしろいなぁ。なんでかなぁ。ぐらいにしか思っていませんでした。 プロット化が習慣になり始めてようやく「自分が面白いと感じたところはココか? つまりココが核なのか? その他は全部この核のためにあるとして、どうしてこの核は面白いのだ?」と多少追求して考えるようになりましたが、前まで「なぜ面白いと感じるのか」を突き詰めて考えたことがありませんでした。 で、追求するようになっても、「わかるようなわからないような」というレベルで止まっていることが多いです。 >そういう意識の姿勢(条件反射といってもよい)が身に付いているの? いないの? 何とかして「いえ、僕だって多少は身につけてますよ」と言いたかったのですが、 現状を省みて、身についているとはとても言えません。くっ。 -------------------------------------------------------------------------------- 死因追求 No.6648 投稿日 2003年7月2日(水)01時21分 投稿者 弟切 千隼  カフェインで脳みそブースト中の弟切です。 >>自殺と他殺  「弟切、またしても自分基準でものを書いていた疑惑」が発生しました(^^;  これまで弟切は、「他殺」を「どんな形であれ他人に殺されること」とし、「自殺」を「どんな形であれ自分で自分を殺すこと」として使ってきました。けれども、新木さんのNo.6646の書き込みを読んで、この弟切の定義が世間とはずれている可能性があると気づきました。  例えば生贄として殺されたり、呪いによって殺されたり、拷問によって殺されたりするのは、他人に殺されているという点では「他殺」に違いありません。しかし、そのような殺され方は、普通の人が思い浮かべる「他殺」に入らないかも知れません。  「自分で自分を殺す」自殺にしても、例えば無実の罪で投獄されて、ハンガーストライキを行なって抗議していたら衰弱して死んでしまったなどという場合は、一般的に考えられる「自殺」の範疇に入れられるかどうか怪しいですね。  こういう時には、まずは辞書を引いて一般的な意味を確認するに限ります。早速『大辞林』を引いてみました。 た-さつ【他殺】 他人に殺されること。 ⇔自殺 「―死体」 じ-さつ 【自殺】 (名)スル 自分自身の命を絶つこと。 ⇔他殺  たいへん簡潔ですね。一般的には、「他殺」は「他人に殺されること」以上の意味を担っておらず、「自殺」は「自分自身の命を絶つこと」以上の意味を負っていません。  今回に限っては、弟切の定義は間違っていなかったようです。  他殺と自殺の定義を確認できたところで、以下から死因の追求という本題に戻ります。  弟切は、ここ分室のNo.6590の書き込みで一度死因の追求を行ない、そこで主人公の死因を、上記の定義による「他殺」と「自殺」に絞りました。  しかし、大部分の人に伝わっていなければ、書いてあっても書いたことにはなりませんね(涙) 再度書きます。  細かい状況はともあれ、人間が死ぬ原因を大きく分ければ、 「寿命が尽きる」 「病気」 「崖から落ちたり猛獣に襲われたりといった事故」 「他人に殺される」 「自分で死ぬ」 のどれかに当てはまるでしょう。これらのうちの後ろから二番目のものを「他殺」、一番後ろのものを「自殺」として間違いはありませんね。  「寿命が尽きる」のはいわゆる老衰死です。「涙の日」の主人公は若くして死ぬことが決定しているため、この死因ははなから考慮していません。「病気」と「事故」については、知識が豊富な主人公ゆえ、どちらも避けられる可能性が高いと考えて排除しました。  残った死因が「他殺」と「自殺」というわけです。  新木さんが指摘して下さったおかげで、「他殺」と「自殺」に関してより細かく、より深く分類ができて、主人公によりふさわしい死因が選べそうです。  次回以降に、この辺りのことを考察します。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんに質問 No.6649 投稿日 2003年7月2日(水)02時56分 投稿者 鐸碑 以下は自殺ですか、他殺ですか?  あるいは、事故又は病死に含めますか? ・不治の病に陥り、延命治療を拒否した結果、まだ生きられる所で死んだ病人。 ・不治の病に陥り、苦しむのを嫌い安楽死を望んで、処置を受けた病人。 ・武術の修行として望んで人食い熊と戦い破れてなくなった人。 ・武術の修行として周囲に課せられて、断りきれずに、人食い熊と戦い破れてなくなった人。 ・ある村の伝統で、竜神の生贄を捧げる事になっており、その事を承知して竜神の滝に身を投げる生贄として娘。 ・ある村の伝統で、竜神の生贄を捧げる事になっており、その事に反対しながらも強制され竜神の滝に身を投げる生贄として娘。 ・凶器を持った襲撃者に追われ、交通量の多く事故が予想される道路に飛び出し、車に引かれてなくなった人。 ・武術大会において戦い、敗者の血を勝者に捧げる慣わしがある国で、敗者が進んで勝者に首を討たれようとした時。 ・法令により姥捨て山に捨てられる事を望み、息子に背負われて過酷な環境の山の中に入り残され、程なく死を迎える老婆。 ・他人を殺めるまで暴れつづける呪いの掛かった人を救う為に、望んで手に掛かった人。 ・周囲の目から避ける事ができずに、望まず特攻隊に参加させられ亡くなった人。 ・99%自分も助からないと分かっている火事の中取り残された人を助け様と飛び込みなくなった人。 ・マインドコントロールされ、正常な判断力を失った結果、自殺的行為を行い亡くなった人。 ・事故で漂流している2名が1人しか助からない船板を巡って争い、結果殺害された人。 ・第3者の手により、相手を殺害しなければ両者が殺されると言う状況におかれ、望まず殺された人。 ・第3者の手により、相手を殺害しなければ両者が殺されると言う状況におかれ、望んで殺された人。 ・誤った治療方法が万人に正しいと信じられている状態で、本人も納得の上でその誤った治療法が施され結果死亡した人。  パッと思いついた、自殺と他殺とその他の区別が曖昧そうな事例。  辞書的な意味で、自殺と他殺を分けて多くの人が納得できる物が全てなんでしょうか?  偶発的でない死には、行為者とその行為を望んだ者が存在するはずです。  そしてその両者は必ずしも一致しないでしょう。そうした場合他殺と断定するのが難しいケースもあるんじゃないでしょうか?  それらを、単純に自殺と他殺に分けるという解像度で一般的な人は納得するのでしょうか?  また、教養があるのでという理由で、事故と病気を外していますが、本当に検証せず外して良いのでしょうか?  ルネッサンス期以前の中世ヨーロッパでは正しい医療知識が発達していなかったと思いますが、知識人だから病気は回避できたとして良いのでしょうか?  中世暗黒時代には、キリスト教の権威を保護する為、それに反する科学知識については否定され、ギリシャ時代には知られていた科学常識(地球が丸い等)が否定されていたという側面もあったりします。  この主人公が持つ教養は事故回避に役に立つ物なんでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- >6637(本人削除)を復活させたもの No.6650 投稿日 2003年7月2日(水)10時40分 投稿者 新木 伸 -------------------------------------------------------------------------------- 書き込み者:魚住 雅則 タイトル :芸人の話。 -------------------------------------------------------------------------------- 「芸人を例にすれば理解しやすいだろう」というのはわかるのですが、現実の芸人がその通りかと言えば、まるで逆です。 大きな誤解があるようなので、それについて説明させてください。 僕が「SFってだいたいこんな感じでしょ?」って言うのと同じくらい、 地雷です。 >「起床」「洗顔」「歯磨き」――と、それぞれのタイトルでもって、芸人がコントを作ったら、どんなふうになる? 仮に10組のコンビを集めたら、正面から勝負するコンビは多くても2,3組です。 「起床」がお題だとして。 最近は「ボケが演じる面白いキャラクター」がおかしな起きかたをして、相方がツッコミを入れるパターンが主流です。もともと芸人になろうと考える、または一緒に芸人になろうよと誘われるタイプの人は素の個性がイカレた(褒めてます)人が多く、自然とそれを活かしたキャラクター主導型が多くなっていきます。ネタを作る方向もボケの個性を活かすことに向いています。半数はこのタイプ。 オーストラリ人の「チャド(ボケ)」と、日本人の「加藤(ツッコミ)」が結成した「ジパング上陸作戦」などがわかりやすい典型。「変な外人、日本について語る。それに加藤突っ込む」がネタの基本。 >よくわからんけど、おそらく、そのお題である「起床」のなかから、面白くて笑えることを発掘してきて、それでコントを作り上げるはずだ 確かに「日常にある素材を活かす」ことを得意とする正統派の芸人もいます。 M−1グランプリ優勝をキッカケに売れてきた「中川家」がその代表で、 もともと若手NO.1の実力と言われ続けてきただけあり、「日常の面白さ」を取り出す天才です。 「飼い主に怒られる飼い犬」 「電車に乗り遅れた人」 「硬いビンのフタをあける近所のオッサン」 「食事中に客が来たときのオカン」 とか。 本当に普通のこと、よくあること。日常生活の面白さで確実に笑いを取ります。日常のあらゆることから題材を持ってくるのでネタの種類も多いです。コントというより、一瞬芸。(コントほどの長い時間をとってしまうと切れ味が鈍る) (注)M−1グランプリ 毎年年末に行われる「コンビ結成10年目までの漫才師(プロアマ問わず)」を参加資格とした漫才コンテスト。 その手のお笑いコンテストはたくさんあるが(関西では特に多く、ABCお笑い新人グランプリが有名)、プロアマ問わず同じ扱いで予選を行う点と、優勝賞金が1000万円と破格であること(他のコンテストは多くて100万円)、番組放送がゴールデンタイムであることからもっとも注目度が高い。 ちなみに厳密に「漫才」のみを参加対象としているわけではなく、コントや楽器を使った芸も可。「コンビで、笑える」が条件。 初代優勝:  中川家 二代目優勝: ますだおかだ 残りの組はいわゆる「何でもアリ派」。 そもそもお題の「起床」に絡まずひたすら突っ走り、「いや、お題に絡めよっ」と客に突っ込ませる方向に走る。または放送禁止用語連発する。シモネタしか言わない。チンコ出そうとしたりする(さすがに周りに止められますが、実際に出しちゃって、たまにニュースになったりしてます)。 とにかくウケることが至上で、「ウケること以外なんざクソだ。お題なんか知らん。何でもやってやる!」という派。 比率はキャラクター派が半分以上。残りを正統派と過激派で半分ずつ、という感じです(若干正統派の方が多いか)。 >決して、「面白いヤツが面白い起きかたをする」ってネタではやらないはずだ。それはお題の趣旨からいえば奇をてらったものだし、正面から勝負してないし、ぶっちゃけズルだし〜。 で、新木さんの書きこみをみると、「そういう正面勝負をしない、ズルをして笑いを取ろうとする芸人はダメだ」という風に読めるのですが。 正面から勝負しようと主張したら、「はいはい。わかったからさっさと(舞台を)降りろ」となるだけのことです。 芸人は「笑わせるためなら反則だろうが、凶器だろうが何でもやってやる」というのが基本なので。 面白いヤツが一番偉い。反則OK。邪道OK。ズル大歓迎。 これは「最近のお笑い芸人(漫才師)」で特に目立つことで、 「小説やエンタテイメンと全般が全く同じだ」とは思っていません。 面白いヤツが一番偉いというのはエンタテイメント共通でも、ほかの分野には少なくともルールはある。 芸人といってもいろいろありますが、僕にとっての芸人は漫才師です。 そして漫才師は物語を語らず、表現者の側面を持ちません。 漫才は知識も教養も与えない、後に何も残らない代わりに、まじりっけなしの純粋な娯楽を提供します。 ズルとか正面からとか、そういうことを言っても「だってそのほうが面白いやんか」って返されて、通用しません。 実に身体に悪い、でも止められない駄菓子。 食っても、身にも何にもなりません。 新鮮な魚が入ったよと言っておきながら平気な顔してステーキを出します。 「びっくりした分、楽しかったでしょ?」とか言って。 撮影でも番組でも何でもなく、単にプライベートで友人に会いに行くとき、 全裸の上にガムテープをグルグルに巻きつけ、友人の家の玄関前に転がって「助けて……」とかやるような芸人がたくさん。 その理由は当然「オモロイから。ウケそうだから」だったりする。 またしても暴走しているような気がします。 次回は冷静になって、演出の話題を。 -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6651 投稿日 2003年7月2日(水)10時45分 投稿者 新木 伸 >魚住  というわけで、アップしておいた。 >>・お笑いの世界でも基本は大事であるが、当節は軽視される風潮にある。自分はそれを是としている。  これだと言ってることが変だぞ。  基本は大事。  →しかし軽視されるようになっている。  →それは良いことである。  ということだと、つまり自分は「基本は大事じゃない」と言っていることになるのだが……。  ここで「お笑いの世界でも基本は大事」と考えているのは、いったい誰?  魚住本人? それともお笑い業界のお偉いさん? それとも若手も含む、いまお笑い界を実際に支えている芸人たち? それともお客さんたち?  主語が不明。いったい誰なの? そう考えている主体となるのは?  次の書き込みでは、そこんとこも解説よろしく。 >引き出しの中身の話  この手の話。  分室が始まってから、何回かやってるはずだが。  ひょっとして、魚住的には初耳的な話題?  だとしたら、これまで聞いたときには理解できなかったのだな。そして頭を素通りしてしまっていた。もう何回も。  しかし今回は頭に引っかかって理解できたわけだ。  なら、これから実行するようにすればよろしい。  ちなみに過去ログに対して全文検索で「冷蔵庫」とか、「ヤキイモ」とかやってみると、出てくるはずだ。 >弟切さん  ああ。考察はしてあったのか。どうやらログを見たときに見落としていた模様。  んで、よく考えてみたら、僕のアンテナに引っかかったのは、ちょっと違うものだった。  もともと、なんのためにこの「死因」を考えていたのか。  この話の主人公は、話のスタート時点では、自分が死んだことに気づいていないわけだよね。気づいていないのか、忘れているのか、それとも忘れようとしている無意識の働きによって思い出せずにいるのか、それは定かではないが、まあとにかく自分の死を自覚していない。  そんな状態から話はスタートするわけだ。  そのための理由付けに、死因が使えないかということだったと思う。(だったよね?)  だとすると、分類の順番が違うのでは?  まず最初に行うべきことは、「死の瞬間に自分の死を意識できた死にかた」と、そうでないものとに分類することなんじゃないの?  僕のアンテナに引っかかってきたのは、「突然死」とか「事故死」とかの死にかたなんだよね。自殺や他殺よりも、そっちのほうが遥かに「自分が死んだことに気がつかない」という状態に持っていきやすいもの。  ちなみに分けかたなんてのは、いくつもあるのだよ。 ・他者(動物含む)によって殺されたのか、どうか。 ・その人物の死を望んだ者がいたか、いないか。 ・本人が死を自覚していたか、いないか。 ・偶然だったか、必然だったか。 ・その死のことを知っていた人がいたか、いないか。(人に知られて死んだかどうか) ・死際に看取られたかどうか。 >>「寿命が尽きる」のはいわゆる老衰死です。「涙の日」の主人公は若くして死ぬことが決定しているため、この死因ははなから考慮していません。「病気」と「事故」については、知識が豊富な主人公ゆえ、どちらも避けられる可能性が高いと考えて排除しました。  老衰死が除外されるのは、バアさんより若い娘のほうが読者も楽しいだろうから、そのまんまでよいとして……。  主人公の設定面の制約から、病気と事故死を避けてしまうってのはどうだろうか?  ここでいちばん重要なのは、「死を気づかない理由に使えるかどうか」ってことだったはず。主人公の設定などより、物語の仕掛けのほうが大事なはずだ。ならば道を譲るのは設定のほう。もし考えたうえで、病気と事故死が最適な理由となるようなら、多少の無理は通してしまえばいい。  こういうのは、許される「ご都合主義」ってやつ。  話のすべては、話の「主」のためにある。主のためなら設定なんか曲げちまえ。  「涙の日」というタイトルからすると、この話の「主」は、「死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇」という部分にあるらしい。(そうだよね?) -------------------------------------------------------------------------------- なんとなくデジャビュ No.6652 投稿日 2003年7月2日(水)11時50分 投稿者 新木 伸  どうも最近話している話題、前にもやった気がするので探ってみたら、やっぱりやっていたらしい。 ・食えるものと食えないものとの話。  分室過去ログ、4516。  羊の首の鐘の話。カネを取れる一行というものに関して。 ・「引き出し」関すること。  常に興味を持ったものを探して、自分の引き出しにしまうこととか。 http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=1490&mid=600  よみかく感想掲示板の、このあたりのページの「インテグレーションオーダー」関係のツリーの中とか。  さて紫は、この1年前の時点において、「これまでの一生は無駄に生きてきていた」ことが判明したわけだが、その後の1年間はどうだったのか?  このとき紫は、「クイズ番組の驚かせる手法」が小説にも生かせることを知ったわけだが。その後の1年で、「小説に生かせる手法」の引き出しはいくつ増えた?  ていうか、紫はいまもういちどこのツリーを読め。  あのときは頭を素通りして取りこぼしてしまったもので、いまなら理解して吸収可能なものが、いくつかあるはずだから。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6653 投稿日 2003年7月3日(木)00時13分 投稿者 新木 伸 >魚住 >お笑いの話  そういやM−1グランプリって、まだ2回しか開催されていないのだよね。  そしてその第1回と、第2回の優勝者は、ともに「お題で勝負」する正当派なわけだよね。  ということは、やっぱ正当派じゃないとダメじゃん。――てことになるんじゃないの?  2回とも、その手のコンビが優勝取ってるわけだし。  あとネタの種類が多くないと、大会みたいな一回ぽっきりの勝負ならどうにかなっても、お笑い芸人として長くは続かないと思うのだが。  たとえばテレビに出るにしたって、あまりトンガッてる芸人だと、キテレツな生き物としてスポット的に単発で扱われるだけで、レギュラーにはならないみたいだし。視聴者を広く長く笑わせてゆくには、キャラで勝負ってのは、無理があるのではないかしらん。まあ芸人は舞台の上が仕事場であって、テレビのほうは本来の仕事じゃないという見方もあるかもしれないが。  そのあたりは、どうなのだろう?  あと、なんでもアリ派のほうなのだけど。  この手の人たちは、正当とされるお笑い芸をやろうと思えば、やれるわけ? 「正当的な」というのは、日常のあらゆることからネタを拾ってきてコントにするってことね。  まあ自分の得意な方法のほうが、より多くのお客を笑わせられるのだろう。それは確かなのだろう。  しかし普通にやっても、そこそこは笑わせられるものなのかな?  それとも普通にやったらぜんぜん笑ってもらえないから、得意系のネタで勝負するしかないのかな?  たとえばいまの魚住のように。  普通にやったらまるで読めないもんだから、キャラで攻めるしかない。キャラで攻めれば、まだすこしは読めるものになる。――とか、それと同じこと? >>M−1グランプリ優勝をキッカケに売れてきた「中川家」がその代表で、もともと若手NO.1の実力と言われ続けてきただけあり、「日常の面白さ」を取り出す天才です。  あ、そうそう。ここんとこにも突っ込んでおくか。  正当派の人は、「天才」なわけね。  ふーん。「天才」か。  いいね。なんでもかんでも「天才」で片づけちゃえば簡単で。  アホたれ。  そうやって自分の持ってないものをすべて「天才」とか「素質」だとか、神秘のベールの向こうに追いやって思考停止するのはやめろ。  それは「技術」であって、習得可能なもののはずだ。  オマエが「天才」と称しているその人たちだって、なんらかの耐えざる訓練のもとに、その才能を獲得していったはずだ。そこにはかならず道があるはずだ。あることを理由もなく「出来てしまえる」人間なんて、いるはずがないのだ。  ただどういう方法で訓練すればそこに至れるのか、そのやりかたがわからないものだから、オマエは「天才」という言葉で片づけて「どうせ無理なんだ」とはじめから逃げてるわけだ。  で、今後「天才」とか、その手の話題を持ち出すの禁止ね。  もし「天才」なんて存在を認めるなら、凡人が努力する必要なんてないもの。  お笑い芸人は、「天才」がなればいいのである。凡人が目指すなんてムダ。  同じように小説家も「天才」がなればいいものである。凡人が努力と訓練とで目指そうとするのなんて、ムダムダムダ。  ――そういうことになっちゃうぞ。  この場所の存在意義が、なくなるじゃんか。 >>で、新木さんの書きこみをみると、「そういう正面勝負をしない、ズルをして笑いを取ろうとする芸人はダメだ」という風に読めるのですが。 >>正面から勝負しようと主張したら、「はいはい。わかったからさっさと(舞台を)降りろ」となるだけのことです。  そうそう。ここも突っ込んでおく。  舞台に立つ芸人さんたちと、自分とを、みょうなふうに同一化しているところが見受けられるもんで。  プロの芸人さんたちのスタイルはこうだから、自分も同じスタイルでいいんだー、みたいな。  プロの芸人と自分とを同列に扱って、自己弁護のダシに使っているっていうか。  アホが。  プロの芸人とオマエとが、同列なわけないだろ。  向こうは若手といえどもプロ。10年選手まで含む、全員がプロ。  そしてオマエは単なるアマチュアの小僧。プロにあらず。  舞台の怖さを知らないやつが、舞台の怖さを引き合いに出すかね。ちゃんちゃらおかしい。  舞台のうえの人間が、「笑いを取るためにはなんでもやる」というのは、それはそれで正しい姿勢だろう。ここについては同意する。  正当派の手法で笑いを取る訓練が足りないまま舞台にあがってしまったのであれば、そのときにできる最善を尽くすだけ。他の武器で勝負する。どんな手段を使ってでも笑いを取りにゆく。――そういうものでしょ。プロなんだし。  しかしその同じことを、舞台に立つことも出来ないコンビが言ってたら、どうだろうか? 「四の五の言わずに基本を磨け」とケツを蹴っ飛ばされるだけなんじゃないの?  この場合、「舞台に立つ=小説家としてデビューする」ってことね。  自分の作品を世に出すにあたり、「俺、なんでもないシーンを面白く読ませるのは苦手なんで、どうしてもキャラに走ったシーン構成になっちゃうんですよね」とか言うなら、それはアリだろう。他の誰がとやかく言うことじゃない。  しかしいまは、練習中なわけだ。  とりあえず基本を磨いとけ。それで得することはあっても、損することはないから。 >あり得ないメール文面  6646で書いた、望月の生課題の「あり得ないメール文面」の話。  これ、どういうことか、わかる人いる?  つまり、あれだけでピンときた人。  僕がなにを問題にしているのか、解説できる人。  皆に解説できる人がいたら、ちょっとやってみてくれ。  「そんなん自明じゃんか」とピンと来た人は、いるのかなぁ。  あとピンと来なかった人でも、なんとなくわかったのであれば、解説にチャレンジしてもいいよ。その場合は、その旨を書いておくこと。 >望月 >「512 京路」  課題部屋の「告白」のやつ。  読んだ。  ――というか、読めなかった。  前述の「あり得ないメール文面」の問題もあるが。  そもそもこれ、小説じゃない。  まず、どんな人物が、なにをどうして、そしてどうなる話なのか、ざっと平易な文章で説明してくれ。「これってどんな話なの?」てなことを聞かれたとして、口頭で説明するような感じね。  そしたら、6642の自分でやった「加える演出/足す演出」の分析でやったみたいに、ブロックごとに書いてあるものを箇条書きにして抽出してみる。  そしたら、その箇条書きの各項目に対して、僕が6646でやってみせたように、具体的にはどのようなことを書いたのかを列挙してみる。  そこまでやれば、僕が「読めない」と言う理由がわかるかなぁ。どうかなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- む? No.6654 投稿日 2003年7月3日(木)01時29分 投稿者 魚住 雅則 朝に書いておいた下書きでは、まさに >お笑い芸人は、「天才」がなればいいのである。凡人が目指すなんてムダ。 ということを書いておったのですが。 続いて、「前提条件として「天才」が求められる点で小説家と(現在の)漫才師には大きな違いがある」と話を持っていこうとしていました。 そうか。前回までの書き込みでは「自分が出来ないことを弁護するために芸人のスタンスを利用して、逃げている」と読まれていたのですね。 書き方が悪く、申し訳ないです。 そういう意図は全くありません。。 「芸人がこうだから自分もこれでいい」ということでなく、 「現在の漫才師をとりまく環境は特殊であり、他のエンタテイメントと同一視するものではない」というものです。 >お笑いの世界と、小説の世界とは無関係なものであるから、比較対象とするのは不適切である。 前回の書き込みで上の結論を出さなかったのは、全く無関係ではないと思ったからです。関係はあるだろうと。 ですが主旨としてはこれが一番近いです。 「お笑い」全体ではなく、漫才師の環境が奇形になりつつあります(基本を軽視し、才能に拠る芸が大半を占めているという点で)。 僕はこの奇形である環境を是としてます。 しかしそれが自分に(小説家を目指す人間に)当てはまるとは思っていません。 「才能がある人間しか小説家になれない」なんてことを信じていたら、そもそもココ(分室)にいません。 以上のことを踏まえて、新木さんの書き込みに答えるとかなり「小説」の話からズレますがいいですか? 「一風変わった業界を紹介」となってしまうのですが。 というか、「ほとんど関係ない話になってしまうよコレ」と思ったので、前回の書き込みを自主削除したのですが。 それでも構わないのでしたら、以下の点について詳しいレスをします。 (要点を勘違いしているか、足りない話題がありましたら指摘してください) ・発言した本人の結論が不在である。 ・「基本は大事」と考えている主体は誰? ・M−1グランプリで優勝している二組はいずれも正統派である。やはり正統派でないとダメということではないのか? (トンガっている芸人、キャラクターで勝負する芸人は一時的に売れるかもしれないが、すぐに飽きられて消えていくのでは?) ・なんでもアリ派は正当派の漫才を行えるけどあえて変わったことをするのか? それともそれしかできないのか? ・正当派で勝負する人間が自分にとって想像不可の領域だからといって、天才という一言で片付けるな。日常からネタを拾いあげて笑わせるのは技術である。素質や才能という言葉を逃げ道にするな。 ・プロの芸人とタダのど素人である自分を「同一化」して、自分が基本をサボるいい訳に使うな。 -------------------------------------------------------------------------------- 死者は忘れ川の水を飲む No.6655 投稿日 2003年7月3日(木)01時32分 投稿者 弟切 千隼  だいぶ前に、弟切はこの分室にギリシャ神話の冥界の説明を書きました。その中に、レーテーLetheという川の説明がありましたね。  この川はギリシャの冥界を流れる川の一つで、その名は「忘却」という意味です。名のとおりその水は、飲んだ者に過去をすべて忘れさせます。ギリシャの死者は、すべからくこの川の水を飲んでからでなければ冥界へ入れないことになっていました。  この設定を無理やり持ち出せば、「涙の日」の主人公に自分の死を忘れさせるのは簡単ですのに(爆) >>「涙の日」死因追求  鐸碑さんと新木さんより突っ込みをいただいて、考えました。やはり、弟切の死因の分類は粗過ぎました(;_;) もっといろいろな角度から考えませんと。 >> ここでいちばん重要なのは、「死を気づかない理由に使えるかどうか」ってことだったはず。主人公の設定などより、物語の仕掛けのほうが大事なはずだ。ならば道を譲るのは設定のほう。もし考えたうえで、病気と事故死が最適な理由となるようなら、多少の無理は通してしまえばいい。 (新木さんのNo.6651の書き込みより)  という御指摘をいただきましたので、まずはこの線で死因を追求することにします。  「涙の日」という物語の「主」は、新木さんがおっしゃるとおり『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』……だと思います。断定しないのは、弟切の潜在意識が「それで正しいけれどそれだけじゃない」とつぶやいているのが聞こえるからです(^^;  今はまだこのつぶやきをうまく言語化できません。もう少し自分の潜在意識に耳を傾けて、考えをまとめてから分室に書きます。  主人公の死因にせよ何にせよ、物語に登場する道具は、すべて物語の「主」を引き立てるためにあります。現実味があって、「主」ができるだけ引き立つ道具を選びたいですね。 -------------------------------------------------------------------------------- それはそれとして。 No.6656 投稿日 2003年7月3日(木)02時16分 投稿者 魚住 雅則 #6653より >しかしいまは、練習中なわけだ。 >とりあえず基本を磨いとけ。それで得することはあっても、損することはないから。 削除した書きこみが「サボるためのいい訳」と読めるように書いたのは僕の非ですが、基本を磨かないでいいと書いた覚えはありませんよ? まず自主削除の直後に「話題の本筋からズレまくったことを書いてしまった」と書いています。 そして#6640で基本を磨こうとして、それ以前の段階だったということが分かり、ストックや根本的な意識の話になっていきました。 徹底的に基本を磨いていくつもりですし、そういう意味で「生課題をやった時点での自分の考え」も書いています。これでは全くダメであると。絶対になおしていくと。 その時点で、削除したものを復活して「オマエは基本をやる気がないのか! とにかく基本からやっておけ!」と言われても、「えぇー!?」という感じなのですが。 一旦書いたものをなかったことに出来ないというのは理解しているつもりです。 しかし改善を試みている段階で、「以前こんなことを書いておったではないか!」というのはおかしくないですか? -------------------------------------------------------------------------------- しかし No.6657 投稿日 2003年7月3日(木)03時40分 投稿者 望月京路  いろいろ、身になっているのか、不安。  考えられることは多くなったけど。指に伝わらなきゃ意味ないし。  んがー。 >食う食えない  なんで牛肉が食べられて、バッグが食べられないか。それはバッグは消化吸収できないからですが。  さらに、なんで食べようとしないかは、おいしくない、もしくはおいしくなさそうだから。もしバッグがめちゃめちゃ(少なくとも、消化できないものを食べるというリスク以上に)おいしかったら、食べるだろう。  タバコがいい例です。喫煙者は、金を払って毒にしかならない煙を吸っている。なぜか。おいしいから。  基本的に、栄養にもならず、おいしくもないものは人間は食べない。まあ、栄養は二の次かな。日本では食事、特に金を払ってまで食べるものは、生命維持というより嗜好品という意味合いが強いですし。  文章も同じ。小説は面白いから、教養書はためになるから読む。  で、もとの話は、食える文章と食えない文章の見極めでしたが。  というか、面白くなるかならないか、の見極めか。現状ではつまらなくても、加工次第でどうにかなるか否か。  これは、対象の「情報量」ではないかな。  面白い要素が、書かれている情報のなかにどれだけ含まれているかが問題。が、それ以前に、対象の情報の絶対量がどれだけあるかが、問題である。  書こうとしている対象の情報密度が高いと食える文章。低い、薄いと食えない文章。  ……しかし、なんとなく、問題のすりかえじゃないか、とか思ったり。つまり、「食える情報」と「食えない情報」に問題がかわっただけで。  しかし、ある程度の情報量なら、大体何か「おもしろ要素」が隠れているんじゃなかろうか。広辞苑という対象のなかに、重さからの意外性とか。 >新木さんの分析しなおし  精度、上げてみました。 >>どべしっ。 >>なにか、そんなような音がした。 >>――と、思う。  ・どべし、というコミカルな音。  ・何かが起こったという提示。  ・主人公の意識の曖昧さ。 >>私はテーブルから顔を起こした。張り付いていた羊皮紙が、はらりと落下していった。顔には羊皮紙越しに木目の跡がついていた。その跡をさすりながら、私はかんぬきを外してドアを開けにかかった。 >>いつもながら、ひと苦労だ。  ・今まで寝ていたことの描写。  ・昨晩は書き物をしていた?  ・主人公のうっかりキャラ。  ・羊皮紙やかんぬきという小道具によるリアルっぽさ(世界観の提示)。  ・いちいちドアを開けるのも面倒だという意外性。  ・治安の悪さ。 >>きしみをあげる蝶番に、手が焼ける。 >.そろそろ油差さなきゃ、でも最近品切れ続きで、闇市だと馬鹿高いのよね――などと、起き抜けの寝ぼけ頭の中では、世帯じみた思考が流れ飛んでいる。  ・きしみをあげる蝶番の臨場感。  ・闇市で普通に買い物をしているという意外性。  ・商品流通の不安定さという、リアルっぽさ。  ・自分の思考を分析する冷静さ?(ここ、実は違和感があったのですが、わざとでしょうか? なんか、主人公の視点が一歩外れている感じがする。寝ぼけながら、寝ぼけた自分を分析できるのかな、と。小生なら、『馬鹿高いのよね――』よりあとは削ります) >>「うわ」 >>部屋の中の暗がりから、真っ昼間の太陽の下に、いきなり出るもんじゃない。私はまるまる数秒ほど、目頭を押さえて立ちつくしていた。  ・部屋の中は暗い、という意外性。  ・目がくらんで動けないというリアルっぽさ。  ・真っ昼間まで寝ていた主人公のうっかりキャラ。 >>ようやく目が慣れてくる。 >>石畳の上に――女の子が寝ていた。 >>いや。いま起きた。  ・石畳の上に寝ている、という意外性。  ・倒れていた、と書かないこと。 >>むくりと身を起こしたその子は、泣き出す寸前の顔をしていた。だが――。 >>かろうじて、まだ耐えている。 >>その膝小僧は盛大に擦りむけていた。見ているこちらの背中がむずむずしてくるほどだ。  ・ぎりぎりで泣くのを耐えている、女の子の健気さ。  ・背中がむずむず、の辺り。(痛さの描写、となるのかな。むしろ、傷を見た主人公の心情の描写、か) >>街路を行き交う人々のうち、何人かが足を止めて見守っていた。――しかし、私がいちばん近かった。距離的にも、また別の意味でも。 >>あの子と私とは、知らない仲でもないのだ。  ・見守るだけの世間の冷たさ。(主人公との対比)  ・言い回しから、特別な仲であることを匂わせる。  ・知らない仲とはどんな仲か、という疑問の提示。 >>よく取引のあるマッケンリー商店の末っ子。名前はビアンカという。たまにお遣いを頼むことがあるのだが、しっかりとお駄賃もぶんどっていかれる。魔女と呼ばれる私の家に平然と入ってこれるのは、彼女くらいなものだった。  ・『ぶんどっていかれる』から、二人の親密さ。  ・ビアンカのおてんばなキャラクター。  ・主人公の一抹の寂しさと、ビアンカへの安堵感。 >>「やれやれ。――お入り」 >>私は戸口を大きく開けて、呼びかけた。 >>「余りもののポーションでよかったら、使ってやるよ」  ・主人公のひねた優しさ。  ・主人公の、ビアンカへのまんざらでもない想い。  ・戸口の開け具合から、主人公の心理の描写。 >>歳の割にはしっかりした彼女は、結局、涙はこぼしても泣くことはなかった。  ・ビアンカの芯の強いキャラ。 >解説 >>どうやら小生は、それでもなお「ハリボテに見えないすげえハリボテ」を作ろうとしていたようです。 >>紙の上に世界を作るのでなく、世界を紙の上に書く、ということだったんだ。  この前の、新木さんの絵の例で、根本的な勘違いに気づいたわけです。  絵とは、三次元のものを二次元に描くものである、と。  小生は今まで、絵を二次元のものとしてのみ描いていたのです。もとは三次元であること、そしていずれ三次元に戻すことは、考えていなかった。そもそも、想定外だったと言ってもいい。  で、想定外のまま、「世界観をしっかり構築しろ」と指摘された。  本来これは、「本物の世界を作って、それを表現しろ」という意味のはず。つまり絵に例えれば、まず被写体を作ることからはじめろ、と。  でも、小生は被写体を描き写すことなんか想定外だから、とにかく絵だけを詳細に描くように心がけた。二次元の上だけ、とりあえず色むらがないように目指した。  けれど、目標地点は違った。  それは、被写体を作って、それを紙に描くことだったのだ、と。  まあ、色むらなく描くことが今の目標だというのは、わかります。  しかし、目標地点がそこだと思うことと、さらに向こうにあると思うことは、やっぱり違うと思います。  小生が思っている地点が違うのだとしても、それはそれで今は仕方ないでしょう。今より進めば見えるはず。 >生課題「告白」  台詞がおかしいというのは、なるほどたしかに。女だと思えば、女に見える。  ――ああ。これは気をつけたほうがいいな。無自覚だった。  で、内容のおかしいところ。ありえないところ。  書きすぎている、というやつでしょうか。  携帯電話でメールを打つのは、とてつもなく面倒くさい作業です。キーボードの数倍、あるいは数十倍面倒くさい。なにせ母音がOの字を入力するのに、五回も押さなきゃならないし。  なので、なるべく簡潔に情報を伝えたがる。だから、余分な文字が入ったこのメールの文章はおかしい、と。 >>『ちょっと、ホームルーム終わったら校舎の裏に来てくれない?』  これが、『放課後、校舎の裏に来てほしい。』とか、もっと短くなるはず、ということですよね。きっと。  でも。  これから告白する人間が、はたして文字入力を面倒くさがるでしょうか。  失敗があってはならないと神経質になって、普段なら書かない余剰な情報もいれて、正確に間違いなく伝えようとするはず.  少し弱気な部分を、『ちょっと、』という部分に込めて。  今思うと『校舎の裏』とせずに『特別棟の裏、家庭科室の横の街が見下ろせる場所』ともっと正確性を増しておけばよかったかも。さすがに、これは少しくどいかもしれないけど。  で、読めませんでしたか。うーん。  まず、主人公は文化祭の実行委員にクラスで選ばれます。同じく、若松あゆという女の子も選ばれます。主人公はじゃんけんで負けただけだけど、彼女は立候補。で、主人公は彼女のひたむきにがんばる姿に恋をします。でも彼女は文化祭直前で、がんばりすぎて、熱を出して倒れてしまいます。文化祭当日は病院で過ごしてしまった彼女。  で、文化祭も終わり、彼女も学校に戻って。主人公は想いを伝えようと、彼女を呼び出します。主人公は緊張しながらどうにか彼女のところに向かい、そして緊張で頭真っ白になりながら、告白します。彼女も、告白されることを期待していたようでした。  と、いう流れの話でした。 (いかんな。この流れだと「文化祭に出れなかった彼女の傷心を慰める」的な展開になるのが自然じゃないのか。これじゃ、告白するタイミングを勝手に見誤ってるアホな主人公、じゃん。本当にアホなのは妙に設定を凝って未消化にしてる小生だが)  ああ。寝ねば。  分析は次回に。 -------------------------------------------------------------------------------- お久しぶりです No.6658 投稿日 2003年7月3日(木)15時42分 投稿者 紫ゆきや  転職して一ヶ月。英語のマニュアルやら、微積や力学の教科書を読んだりして物理エンジンとか作ってます――なんか学生の頃より勉強してますねえ(^^;  なんにせよ、ようやく落ち着いてきた感じです。 ●新木さん  この1年、長かったような短かったような――。  いろいろ新しいことを覚えたとは思いますが、しかし、手元にあるのはハイスピだけです。1年かけて短編1本は少なすぎるわけで、しょんぼり。  読書の量は圧倒的に増えましたね。より愉しんで読めるようになった気がします(^^)  インテグに頂いた感想は、(それ以外もですが)ぜんぶローカルに落としてあります。ハイスピを書いてる途中にも何度か読み返していました。  当時は、愛も技術も足りていませんでしたね。  「羊を面白く書ける」と言われ、途方に暮れていた記憶があります(^^;  ハイスピは、あのときの指摘を活かして書いたつもりです。  うまくいっていれば嬉しいのですけども(^^; -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6659 投稿日 2003年7月4日(金)08時16分 投稿者 新木 伸 >魚住 >>しかし改善を試みている段階で、「以前こんなことを書いておったではないか!」というのはおかしくないですか?  知らん。  魚住が改善を試みている最中なのかどうかは、僕には確認のしようがない。  だって課題部屋の505以降、なんも上がってねーじゃん。  こうして漫才師の話をしているばかりで……。小説のほうはなんかやってる? なら見せてみ。  で、芸人の話のほうは、芸人の世界のことについていくつか知りたいこともあるので、そっちはそっちで書いてくれると助かる。  あと、質問項目にひとつ追加。  漫才師予備軍って、どのくらいいるの?  どのくらいの層の厚みがあるのかってことね。  たとえば小説だと、ライトノベル限定で、業界全体で、毎年2000〜4000作くらいの応募があると思われる。ひとりで複数作を書いている人もいるだろうが、まあひとり1作だろうから、層の厚みはおよそ4000人ということになる。  このくらいの人数であれば、天賦の才なんて持ち出さなくても、凡人が修練や環境によって食い込む余地は充分にあるのね。  しかし層の厚みが数万人なんてことになってくると、天賦の才でも持ち出さないと這い上がれないだろう。  っていうか、「天才であること」なんて前提条件であって、それより先の血みどろの努力が物を言う――なんて空恐ろしい世界もある。  競争率っていうのは、業界が支えられる人数にもよる。  いま小説家は、ライトノベル限定だと、何人くらいいるのかなぁ。300〜400人ってところかな。(現役のみの人数。廃業した人は除く)  漫才師のほうは何人くらい?  予備軍の層の厚みと、その業界に存在していられるプロの人数との比率によって、競争率の激しさが決まるわけね。  小説だと、現状、10対1ってところか。  漫才の場合は、この比率はどのくらい?  もしこの比率が100とか1000とかに到達しているようなら、「凡人が目指してもムダ」という意見に賛成するかも。  あ、しかし考えてみたら、単純比較にはならないかも。  芸人を目指すっていうことは、訓練所に入るにせよなんにせよ、普通の進学ルートを断念して芸の道に踏み込もうとしているのだろう。訓練所に入ると、大学に行けなくなる。  そういう人生の選択を行った人間と、年に一作ばかり、ひょいと書き上げてダメもとで小説賞に応募する人間とを同じ重さで計るわけにはいかないか。  そのへん、補正するとなると――。  芸人予備軍はより重くなり、競争が厳しくなる。  小説予備軍はより軽くなり、競争は楽になる。  んー。  やっぱ小説のほうは、天才でなくてもなんとかなるだろう。  しかし電撃文庫あたりだと、「生まれて初めて書いた長編で賞を取ってデビューしちゃった率」が50%近くに達しているのもまた事実。 >弟切  この話の「主」について。  僕も「死んでいることに気づいた悲劇」と書きながら、これでいいのかなぁと思っていたりする。だから「だよね?」と訊いてみたわけだが。  課題部屋にあるものをみると、「若く教養ある娘がルネサンス期イタリアの生活ぶりを語る」というものもある。  しかしそれがメインなのだとすると、主人公はべつに死んでしまう必要もないわけだし。  これが「ルネサンス期イタリアの(豪華な)生活ぶりを語る」とかだったら、死とからめる手もあるかなぁ。  「あの豪華な生活」を忘れられないでいる娘が、自分が死んでいることに気づこうとしないで、墓場で生前の生活を続けている――とかいう話にできないこともない。  ――で、なにが書きたいところなの? >書き込みしたはずなのに書かれていない件  おろろ。  僕も遭遇。出かける前に書いたはずの書き込みが、帰ってきて読んだらなくなっていた。  ちなみにここより上のものが、出かける前に書こうとしていた分。  うーむ。プレビュー後に、たしかにリロードされるのを確認したのだがなぁ。  しかし書き込みしたというのは気のせいかもしれない。絶対確実かというと、自信はない。出かける前だったので急いでいたし。  例のサーバーの一時的な過負荷現象は収まっているので、そっちの影響ではないもよう。  しばらく様子を見よう。書いたはずのものが消えていた人は、気のせいかもしれなくても、いちおう報告よろしく。  とりあえず対策としては、書き込みの原版にあたるテキストを、各自で保存しておくこと。  僕なんかは、分室への書き込みはすべてひとつのテキストファイルとしてまとめてある。書いたはずのものがなくなっていても、書き込みし直せば済むだけ。問題ない。 >望月 >食えるもの食えないもの  人はなぜダイエットコーラを飲むのか。カロリーゼロなのに。水分補給という意味以外では、役に立たないのに。  答え。おいしいから。甘い味がするから。  で、読める文章と読めない文章との違いだけど。  一般化すると、こういうことになると思う。  「読むとなにかしら得をする文章は読める。読んでも得にならん文章は、どうしたって読めやしない」  こうして法則を一般化すると、小説に限らず、教科書でもパンフレットでも、どんな文章にだってあてはめられるぞ。  この読める読めないの区別は、情報密度の高低とは関係しない。  情報密度がいかに高くとも、得にならないことは読めない。また情報密度がいかに低くとも、得になることが書いてあれば読めるもの。  情報には二通りあって、得をする情報と得をしない情報とがあるわけだよ。  たとえば今日の昼食に望月が何を食べたかなんて情報は、僕にとっては無益な情報なのね。  しかし「大学生男子の食生活」を調査している人にとっては有益かもしれない。「ぼくはきょうのひるごはんにやさいいためをたべました」なんていう作文的文章でも、とても意味を持つかもしれない。  さて――。  この「得をすること」だけども。  食べ物の場合は単純で、基本的には「栄養がある」と「味が良い」の二つしかない。  他には「体に良い」とか、「珍しい」とか、「高価」とか、「話のタネになりそう」とか、そんな形の「得」もあるだろうか。  文章の場合には、もっと多くの形の「得」があるもよう。  「知識系」だけで、ざっと分類してみたら、こんなふうになった。 1.知らないことが書いてある。 2.知っていることだが、より詳細に書いてある。 3.知っていたことだが、普段知らなかった別の側面が書いてある。 4.自分だけが知っていると思っていたことが書いてある。(あるある感)  たとえば雨の振るシーンがあったとする。  そこで雨が降り始めたときのアスファルトの匂いとかを描写したとする。そういうのは2〜4のどれかに該当する。  誰だって、雨がどういうものかは知っているはずだ。しかし普段はそれほど深く意識して観察していないわけだな。――で、「雨」なるものをしっかりと観察してきた小説家が、かわりに書くわけだ。読者があたりまえのように通り過ぎてしまって観察しそこねたものを、描写する。すると読者は得をする。  人によっては、「雨をそういうふうに感じる人がいるのか」と思う人もいれば、「あの匂いはアスファルトの匂いだったのか」と気づく人もいれば、「そうそう。雨ってそんな感じ。やっぱり知ってる人、いたんだ」と膝を叩く人もいる。  まあ2〜3のどれにしたって、その雨のシーンを読んだ読者に「得」をさせていることになる。  ――で、読める文章とは「得をする文章」ということが定義できたところで。  望月に問う。  課題で書いた「起床洗顔歯磨き」と「パン争奪戦」と「告白」の四つを、自己分析すること。  それを読んだ読者に、どんな形の「得」があるのか。  基本的に1文単位で分析のこと。  つまり「。」で終わるまでが一文とする。会話文はカッコひとつ。  まあ一段落単位でもいいか。一段落でひとつのセンテンスとなるわけだから、それ未満の単位でも面白みをもたせろというのは、厳しい注文かもしれないから。  ――で、自分の分が終わったら、こんどは僕のものも分析してみるのこと。  僕のほうは、1文単位でやっていい。  一行ごとに、どんな種類の「得」を読者に与えるか意識して書いてるから、最低でも一つの文につき、なにか一個以上は「得」をすることが入っているはずだ。ついでに、それぞれの行につき、何個ずつ入っているか数えてみるのもいいかも。 >僕のの読解  うーん。  精度あげてきて、これかい。  まあしかし、前のときのように見て分かる手抜きをしているわけでもなくて、精一杯丁寧に読もうとしているのはわかる。  とすると、読解の基本スペックが低いってことか。  手抜きはしてなくても読み取れないのだから、そういうことになるわな。  誰か他の人〜、やってみる〜?  やるならやっていいよ〜。 >女台詞 >>台詞がおかしいというのは、なるほどたしかに。女だと思えば、女に見える。 >>――ああ。これは気をつけたほうがいいな。無自覚だった。  ちがうちがう。  女だと思えば女に見える――ではなくって。  まるで予備知識のない読者が、読み始めの何も知らない状態でああいう台詞を読んだなら、なにをどうしようが、「女としか思わない」と、そう指摘しているわけ。  登場人物の人となりどころか、性別さえ確定していない初期の段階では、細心の注意を払って台詞を書いていかなきゃならないわけ。  つまり、その台詞を発した人間が男なのか女なのか、完璧に、誰がどう読んでも100%確実に識別できるように書け――と、そういうことだ。  男語、もしくは、女語を使え。  あれは現実ではあり得ない言葉回しだけど、物語の中では大変便利だ。はじめの第一声ぐらいは、便利な道具に頼っておけ。  ただし、ずっと男語や女語でしゃべらせてると気持ち悪いしダサいから、二言三言喋らせたら、性別判定不能の普通の喋りかたにしてゆくべきだが。  ところで、言っていること、わかる?  わからなかったら、その旨、言うべし。もっと詳しく解説するから。 >>『ちょっと、ホームルーム終わったら校舎の裏に来てくれない?』  それと、この一文だけを、プリントアウトしていろいろな人に見せて回るべし。  そして訊いてみること。この台詞を発した人物は男か女か、どっちだと思うか?――って。  10人中10人が、「女」と答えるに決まってる。絶対だ。 >メールの文面の件  メールを打つのは面倒くさい――ということがわかっているのに、なぜそんなミスをしている? アホかおまいは。  ちなみに、男のほうはいいの。これから呼び出して告ろうとしている人間なんだから、送ろうかどうしようかためらいながら、何度も読み返しているはずだから、文面がちゃんとしていたって。  僕が問題にしているのは女のほう。 >>『今日は掃除もないから大丈夫だよ。今から行くね。』  これが、今から行く人間が打ち込む文面か? これ打ってるあいだに、何メートル、移動できるんだ? >>『ついたよ』  ついたよ、なんて知らせる人間がどこにいる?  「もうつくよ」なら、わかるが。 >>『でも、上村君いないね。まだかな?』  これも、呼びつけた相手が、その場所にいないことを知った人間が、思うことか。  「いないじゃん。どこにいるの?」なら、わかるが。  あと、句点と読点。  「、」と「。」とは、それぞれ記号キーの何回目で出てくる文字だ?  行末の「。」は、普通、省くもんじゃないのか? また読点は打ち込むのが面倒だから、スペースで代用するとかはしないのか? >内容解説  ちがうよ。  それじゃあ、あらすじだ。  だいたい、書いてあることの3分の2は、そのシーンが始まる以前に起きたことじゃないか。話の背景に当たる部分。  話の背景にあるものを説明しろといっているのではなくて、実際に書かれるシーンの流れを説明しろと言ってるわけ。  彼女を呼び出すメールを送って、10分経過したところからスタートするわけでしょ。その次は? 何が起きんの?  ――で、やはり読めない。  なぜかというと、僕の得にならない行が、だいぶ混じっているんだもの。割合でいうと、半分から3分の2ほど。  その割合にあたる文章には、僕の得になることがなんにも書かれていない。  この小説は栄養にもならんし、おいしい味もしないわけだから――つまり食べ物じゃないわけだ。  もし割合が逆になっていたら、話は違ってくる。得になるものが3分の2を越えていれば、なんとか読めただろう。しかしできれば10割以上かな。  また1行につき複数個「得になること」を含めていれば、20割とか30割とかも達成できるぞ。 >ハリボテの話  そうそう。  被写体を頭の中に作れって、そう言ってるわけ。  ――で、被写体さえちゃんと頭の中に存在させているのなら、実際の絵のほうは、ラフスケッチでもなんでもいいわけ。  しかし、見る人が見れば一発でわかるわけ。  それがちゃんと「立体を写し取った絵」になっているか、「二次元だけで成立する絵モドキ」であるのかってことは。  僕の書いたほうは、あれはラフもいいところ。  でも大枠は決まっている。  主人公のいる国は、大陸のどのあたりに位置する国なのか。周囲の国との関係はどうなっているのか。武力や国力のバランスは?  主人公のいる街の作りはどうなっているのか。そこでの生活は? 国の歴史はどんなものか。  世界の文化レベルはどうなっているのか。宗教はどうなっているのか。  細かいことは決めてなくて、大枠だけしか決めてない。設定としてはラフスケッチもいいところ。しかし粗いなりにも、矛盾は出ないように作ってある。  たとえば、あの国のある場所は、砂漠と森の境界にある小国。  たとえば最近油が品切れってことが出てくるが、近くにある二国がいがみ合ってて、やや緊張ムードになっていたりする。そこを交易ルートが通っているものだから、いろいろと商業に支障が出てきている。  あれっぽっちを書くのにも、そのくらいのことは決めるわけね。じゃないと最低限の格好もつきゃしない。  ラフでおおざっぱだけど、ちゃんと「世界」は作ってあるのよ。頭の中に。  それをもとに書いているものだから、読んだ読者は、「なにか人が生きている世界の気配がする」と感じてくれるわけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 地球は命がいっぱい No.6660 投稿日 2003年7月4日(金)09時23分 投稿者 弟切 千隼  昨日、弟切が食事の支度をしている最中に、春菊の束をほどいて洗っていると、葉の上に茶色くてごく小さい粒粒があるのに気づきました。  具体的な種名は判らないものの、どうやらそれは昆虫の卵のようでした。春菊を食べるチョウかガかハバチかハムシかカメムシか、きっとその辺りの種でしょう。  弟切は「成仏してね」と手を合わせたあと卵を葉から剥がして捨て、春菊はおひたしにして美味しくいただきました。虫が付いている野菜は、生き物が食べられる健全な食物という気がして安心できます(^_^) >>「涙の日」主人公の死因追及  人間が死を意識せずに死ぬ場合、どのような死因が考えられるでしょうか?  長く病気で寝付いてから死んだ場合は、かなりの確率で本人に死の覚悟ができているでしょう。こういう人は自分が死んでも驚かず、死をすぐに受容できるはずです。  また、飢饉などで食べ物が手に入らず餓死するとか、戦場で戦死するとかいった場合も、そういう状況に置かれた人は死を身近に感じるため、死の受容は早いでしょう。自殺の場合はまさに本人の意思で選んだ死ですから、死んだことを意識しているほうが普通と考えられますね。(発作的な自殺は除きます)。  こうしてみると、突然の予測されない死を迎えた人が、死を自覚できない可能性が高いですね。  とすれば、新木さんが指摘されたとおり、事故死や心臓発作のような急性の病死、あるいは通り魔殺人のような突発的な犯罪に巻き込まれての死が、自覚されない可能性が高いことになります。恨みによる殺人などの計画的な犯罪であっても、殺される本人にとって予測されにくいものであれば、突発的で自覚されない死を迎えることになるでしょう。  いくら突然の予測されない死が都合よいからといって、「理由もなく発作的に主人公が自殺した」とか「突然発狂した人が通り魔となって主人公を殺した」とかでは、御都合主義が目立ちすぎて論外ですね。読者さまがそれなりに納得できる死因でなければなりません。  主人公は「突然で予測されにくい死」を迎えたはずということまでわかったところで、主人公が教養ある女性であることも考え合わせたほうがいいでしょう。  「涙の日」は、『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』であると同時に、ルネサンス期イタリアに生きた教養ある女性の物語でもありますから、それに関連した死因であるほうが良いはずです。 -------------------------------------------------------------------------------- 明日早いので No.6661 投稿日 2003年7月5日(土)00時23分 投稿者 望月京路  今日は手短に。 >新木さん  台詞に関して。  まあ、大体わかります。  つまり――。  『なあ、ホームルーム終わったら校舎の裏で待っていてくれないか?』  『ちょっと、ホームルーム終わったら校舎の裏で待っていてくれないかしら?』  こんな感じなら、まず間違いないでしょう。  ちなみに、あの一文、男女どちらが言ったと思うか、尋ねてみました。 ・女だ。 5人。 ・女だと思うが、男かもしれない。 5人。 ・男だ。 1人。  こんな感じ。  男6人、女5人に尋ねましたが。男6人のうち、4人は女だと断言した人でした。  また、男だとしても小心野郎だな、という意見もありました。『ちょっと〜』の辺りが、どうやら女的らしい。  で、上の質問はメールでやったんですが。  ついでに句点読点もチェックしてみたり。  そのうち、句点読点をつけてないのは3人ほど。あとは、こうやってキーボードでやりあう程度には使ってました。ああ、絵文字で代用している人も、2、3人いたかな。(絵文字のほうが入力は面倒なんだけど……どう解釈したものか)  で。句点読点つけてない人は、全員男でした。  なるほどなあ。  まあ、どっちみちあの台詞は、男だと断定できなけりゃ使えねえってことですが。 >内容解説 >>彼女を呼び出すメールを送って、10分経過したところからスタートするわけでしょ。その次は? 何が起きんの?  主人公は緊張してなかなか彼女のところへ行けない。そこで、彼女からのメールが来る。それで勢いがついて、彼女のところへ向かう。  彼女のところについたが、まともな会話すらうまくいかない。ぎくしゃくしたまま、話は文化祭のことに移る。彼女は、主人公が文化祭を楽しめたかを尋ねてきた。  主人公は迷う。そして、楽しかったと答えた。  彼女は喜んだ。ずっと気にかけていた文化祭が、成功したと思ったから。  しかし主人公は、そんな彼女を見て、本当は自分はつまらなかったと言った。彼女がいなかったから、と。  そして、告白する。  が、彼女はいきなり笑い出す。戸惑う主人公。  彼女は、なんとなく告白されるのではないかと予想していた。そして、「まさかありえまい」と思いながらもひそかに期待していた通りの展開になってしまった。それで、思わず吹き出してしまったらしい。  ……と、こんな感じの流れでした。  ちなみに。  喜んでいる彼女を前に、主人公が文化祭の感想を悪いほうに修正する、という辺りがかなり「食える」はずなんですが。  一度組み立て、あえて崩して、また収めてるから。 ・彼女を喜ばすことに成功。(読者に「このまま成功か?」と思わせる) ・喜んでいる彼女に対し、「実はつまらなかった」と言いなおす。(読者に「なんで!?」と思わせる) ・それは、文化祭に彼女がいなかったから。(読者に「なるほど」と思わせる)  さらに言えば、「告白を受けて彼女が笑い出す」というのもそれなりに「食える」はずだとは考えました。「なんで告白受けて笑ってんだ?」、と思わせることができる。  あ。やべ、寝なきゃ。  然らば。また次回。 -------------------------------------------------------------------------------- 朝[あした]には紅顔ありて夕べには白骨となる No.6662 投稿日 2003年7月5日(土)01時35分 投稿者 弟切 千隼  商店街の飾り付けを見て、「そういえばもうじき七夕だったな」と思い出した弟切です。 >>「涙の日」  この話の「主」となるのは、やはり『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』だと思います。読者さまの側から見れば、「生きていると思っていたのに、この人は死んでしまっていたのか」という驚きですね。  以下に、この物語のこれまでの軌跡を追ってみます。  この話の前身である「遠い夜明け」は、まず怖い話を書こうというところから発想されました。発想の順番は以下のとおりです。 ・夜の墓場を一人で歩いていたら怖いだろう。    ↓ ・普通、人はそんなことをしないから何か理由がなくてはならない。    ↓ ・幽霊だったら墓場にいて当然だ。    ↓ ・自分が幽霊だと気づいていなければ、幽霊自身が墓場を怖がるだろうし、死んでいると気づいた時に大きな衝撃や恐怖を味わうだろう。  ということで書いてみましたら、怖い話ではなくなっていました(;_;)  書き上げた「遠い夜明け」に対し、怖さよりもルネサンス期イタリアの知識のほうが面白いという批評を複数の方よりいただきまして、方向を転換したのが「涙の日」です。  とはいえ、単に知識を垂れ流すだけでは退屈極まりないものになってしまいますから、元の話の枠組みを受け継ぐことにしました。元の話には、「生きていると思われた主人公が死んでいた」という驚きや衝撃を感じさせる要素が十分にあるからです。これを使わない手はないと考えました。  加えて、元の話には、冒頭に「若い娘が一人で夜の墓地にいる」という普通ではあり得なさそうな場面があります。これは読者さまに明らかな謎を提示して、「この謎の解答は?」と、読者さまを引っ張る効果があります。この効果も非常に重要ですから、使えるものなら使ったほうがいいと考えました。  かくして、『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』という「涙の日」の枠組みができました。「遠い夜明け」と変わりませんね。生き物に例えれば、骨格が変わらないといってよいでしょう。  「遠い夜明け」と「涙の日」とでは、枠組みではない部分が違います。生き物に例えれば骨格に付く筋肉の部分でしょうか。料理に例えれば肉や野菜などの原材料ではない調味料だと思われます。  「遠い夜明け」では「怖さ」だったものが「涙の日」では「知識」に変わりました。  『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』を引き立てるのに、最もふさわしいのが「知識」かといえば、それには迷いがあります(^^; この辺りは、弟切の潜在意識のつぶやきと関係がありそうです。  弟切には、「自分が本当は何を書きたいのか」をつかむのに時間がかかるという致命的な欠点がありますので、焦らずもう少し考えてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6663 投稿日 2003年7月5日(土)03時14分 投稿者 新木 伸 >望月 >男語、女語  「かしら」って女語は、僕はよう使わんなぁ。  そういう特殊な喋りかたをするキャラということなら使うけど、普通の女の子で「かしら」なんて使わない。 >「告白」の話の筋 >>主人公は緊張してなかなか彼女のところへ行けない。  わけがわからない。  緊張していることと、なかなか彼女のところへ行けないこととは、どう関係するのだ?  人って、緊張すると足が動かなくなるものなの? そんなことないだろ。緊張してたって足は動くものだろ。  また彼女からのメールが来ると、なんで勢いがつくの?  待ち合わせの場所に行けなかった理由が「緊張」であるのだとしたら、メールで緊張が解けたってことか? しかし、どのように? なにをメールで言われると緊張は解けるのだ? >>喜んでいる彼女を前に、主人公が文化祭の感想を悪いほうに修正する、という辺りがかなり「食える」はずなんですが。  知らんよ。  だって俺、そこまで読んでないもの。  君はあの文章を読むお客さんの全員に、こう説明するつもりか?  「この作品は、一口目は食えたものじゃないですが、我慢して食べ続けてゆけば、途中からおいしくなりますから」――って?  ちなみにここでいう「一口目」っていうのは、彼女が登場しない部分のことね。一人で悶々としている部分。  ここがつまらなくなっている理由は、作者が適当に作ってるから。なにをどんなふうに味わってもらうか決めてない。だからこうして「説明してみろ」と言われると、「緊張してたので行けない」とか、とんちんかんな答えが返ってくるわけだ。  よく考えていなかった証拠だわな。  ここの部分、なにが起きているのか、一口でまとめてみろと言われても、たぶんできないだろう。実際に書いてあるものも、ごちゃごちゃといろいろな要素が混じりあっている。これを一口で説明するのは無理だ。 ・待ち合わせの場所に行く前の緊張感。 ・告白の文面を一度は書いたが、それを出せずに終わっていたということ。 ・告白の文面に対する恥ずかしさ。 ・待ち合わせの場所に行く前の緊張感。 ・いきなり走り出す主人公。  見てみたら、おおよそ、こんなふうになった。  はじめと終わりに、なぜ同じことが二度も繰り返されているのだろうか。無意味に思える。  また震えていた主人公が、突然、行動を起こしているわけだが、そのきっかけとなることが存在していない。作者的には「彼女からのメール」をきっかけにしたつもりなのだろう。だが「彼女からのメールが届くと震えが止まる」ことの仕組みが、読者にはまったく理解できない。  ここの一口目の部分。  きちんと筋を通して、このエピソードがどのように「美味しい」のか、自信を持って読者にお勧めできるようにならないといかんよ。  この一口目のところでコケてしまうと、残りなんて、見向きもされないから。  「一口目がまずかったから、たぶん残りも全部まずいのだろう」――と、読まれることなくポイ捨てされちゃうからね。  ――で?  この一口目の部分は、いったいどのへんがウリになるわけ?  なにがどのように美味しいところなの? >弟切 >>この話の「主」となるのは、やはり『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』だと思います。  本当にそれでいいのか?  この話は、なにやら「ルネサンス期イタリアに生きた教養ある女性の物語」でもあるそうだが、いったいどっちが、より重要なことになるのだ?  それとも、この二つにはなにかうまく噛み合わせる方法があって、分かちがたい要素となって、この話の骨となるわけ?  また「じつは娘は死んでいたこと」を利用するにしても、使い方はいろいろとあるだろ。  本人が死んでいることに気づかず、気づいたときに悲しみを味わう悲劇とか。  または、気づいたときの反応が違って、死んでいることに気づいて、安堵して納得して成仏してゆく話だとか。「私が死んでいることを教えてくれてありがとう」と、ちょっぴりハッピーエンド系だな。このパターンは。  または、じつはこの人は死んでいたのです――と、読者の側にびっくりしてもらう話だとか。  ちなみに――。  いまのこの現状っていうのは、ようするに、これまで弟切が何度も繰り返してきたパターンなわけね。  書きたいことが定まっていない。誰かから「これが書きたいものなんじゃないの?」と言われると、すぐにそれに飛びつく。だがしばらくすると飽きてしまって、また別のものに飛びつく。その繰り返しで、作品はいつまで経っても上がらない。  この「悲劇」っていうのは、僕が出したものでしょ。本当に、それでいいのか? それが書きたいものなのか?  いいかげん、打破する方法を見つけてくれよ。  自分の興味を持続させる方法を編み出すとか。  または興味が失せちゃう前に書き上げる方法を編み出すとか。  興味が失せても作品を書き上げる方法を編み出すとか。 -------------------------------------------------------------------------------- 夏カレーに挑戦。 No.6664 投稿日 2003年7月5日(土)10時53分 投稿者 魚住 雅則 これから出かけないといけなくなったので、なるべく手短に。 >興味を持ったことを引き出しに 過去ログ検索と、感想掲示板読みました。 今までログ全体を読み返すことは何度もありましたが、全く身についていませんでした。 「全文読み返し」ではいたるところに取りこぼしていた内容を見つけて、小さく欠けていた部分が埋まるような感覚があります。 それに対して今回のように「焦点をしぼって読み返し」をすると、「欠けていた部分が大きすぎて、足りないことすら気づいていなかった内容」が埋まるような感覚でした。 これからは二つを使いわけるようにします。 ○引きだし検索用単語 → 「冷蔵庫」「ヤキイモ」(+感想掲示板) 一旦取り込んだ内容を整理して、次回の書き込みでわからなかったところを質問します。 >漫才師の話 >なぜ天才であることが前提条件であるか 調子にのってエディタ上にバカみたいな勢いで書いてしまったので、整理しています。少し待ってください。 その前に意識に入れておいて欲しいことを。 というのも、新木さんの書き込みをみるとなんというか、根本的なところで認識の食い違いがあるような気がするのです。 新木さんの言うように「層の厚さ」という問題もありますが、 それに加えて「漫才」と「小説」では基本構成が違います。そこに大きな要因があります。 基本的に単行本形式である「小説」に対し、「漫才」はアンソロジーと雑誌に近い形式を取っているということです。 小説にも漫画にも雑誌はありますし、アンソロジーも発売されています。 しかし、一人の作家が一冊の本を書くのが基本です。 対して漫才は一組の演じる時間がだいたい3分から5分と非常に短いので、10組程度(もしくはそれ以上)が連続してネタを行います。これが基本となっています。 もちろん、というか当たり前ですがテーマは「笑い」です。 常に「笑い」をテーマにした競作アンソロジーを出し続けるのだと考えてください。 加えて、雑誌に近い点では人気重視であることがあげられます。 厳密には雑誌よりも更に厳しく、一位以外は上位だろうが最下位だろうが一緒くたというレベルです。 (若手の漫才師がまとめて出演する小屋というのはプロでも基本的に2軍と見られる。1軍に上がろうとすれば1位を取るしかない) アンソロジー、雑誌以上に厳しい点がもう一つ。 基本的に客はネタを連続してみることになります。 一組が終わったあとは即座に次の組が舞台に上がってきます。 雑誌のように好きなモノだけ見る、好きな順番で見るということが出来ません。 これにより、競争原理がより強く働きます。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんの「悲劇(仮称)」 No.6665 投稿日 2003年7月5日(土)12時26分 投稿者 とんびの羽根 >「自分が本当は何を書きたいのか」  怒りじゃないんですか >『死んでいたことにいまさら気づいてしまった恐怖』 >『死んでいたことにいまさら気づいてしまった悲劇』  で弟切さんは最初から自分はホラーものを読んでも怖さを感じないといってたので、怪しいなと感じてたのです。なにか書きたい本体があって、それを隠蔽しているのではないかという疑惑ですが。  新木さんの言うように書きたいモノが定まらず、ただ飽きっぽいというのが原因かもしれませんが、書きたいものが書けないからほかのものを代わりに持ってきて、置き換えている、という可能性も捨てがたいわけです。  書きたいのに書けない物といったら、以前弟切さんが自分の当時の力量では制御できないからと封印してしまった「怒り」が筆頭に浮かぶのです。  で上の主題に当てはめてみると、実はすでに死んでいることに気づいてしまった娘に生じる最初の感情は「なんでわたしが死んでなくちゃいけないのよー!!」っていう怒りになるわけですね。実に弟切さんらしいと思いませんか。 -------------------------------------------------------------------------------- オフ会帰り No.6666 投稿日 2003年7月6日(日)23時34分 投稿者 弟切 千隼  東京都内某所での某オフ会に参加してきた弟切です。今回は、弟切にしてはあまり眠りませんでした(^o^)V  このオフ会は、必ずしもこの分室のオフというわけではないものの、分室を読んでいる方が多い集まりです。ゆえに、参加者の皆さんは、少なくとも読み手としては目が肥えています。その方々に、弟切が書いた「遠い夜明け」を読んでいただいて、助言をいただきました。  読んだ方々の反響は、おおむね「『怖さ』にしろ『薀蓄』にしろ『悲劇』にしろ、あらゆる点において中途半端で、このままでは面白くない。どれかに特化しなさい」というものでした。  中で、ある方が「筋をこのままにしてどれかに特化するなら、一番まともになりそうなのは『悲劇』だろう。こういう筋のホラー小説は、もはや嫌になるほど出ているので、『怖さ』に行こうとしても陳腐すぎてぜんぜん怖くない」とおっしゃいました。習作といえども、陳腐すぎて読んでももらえないのでは練習になりませんね(^^;  期せずして、弟切が現在書き直そうかと考えている方向と、いただいた助言の方向が一致しました。しかし、ここですぐに飛びついてしまわずにもう少し考えてみます。  とんびの羽根さんが指摘されたとおり、おそらく弟切が本当に書きたいものは「怒り」でしょう。  ところが、困ったことに、弟切は内部に抱えている怒りが大き過ぎて、怒り系の作品を書こうとすると制御が利かなくなるという欠点があります。この欠点ゆえに、最初にこの分室で書こうとした怒り系の作品を捨て、当分は怒り系の作品を禁じ手にしました。  この禁じ手を解いてまともな怒り系の作品を書ける自信は、今もありません。  「自分が本当に書きたいものは、思い入れが強すぎて話がまとまらない」という経験を踏まえて、今度はそれほど思い入れが強くない話を書こうと考え、生まれたのが「遠い夜明け」です。習作ですから、何もそんなに思い入れたっぷりの話でなくてもよかろうと考えたものの、ある程度の強さの「書きたい」という思いがないと、やはり面白い話は書けないようですね(^^;  ふむむ、この加減が難しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6667 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.6668 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- 前回の書き込みはNo.6666でした。 No.6669 投稿日 2003年7月8日(火)00時15分 投稿者 弟切 千隼  たったこれだけのことが何となく嬉しい弟切です。こういう風に数字が揃うのって嬉しくなりませんか?  古今東西を問わず、人間は数字にいろいろな意味を持たせ、同じ数字同士や特定の数字の並びを、めでたいものや不吉なものとしました。本日、七月七日が「七夕」という古い祭日なのも、七という数字が揃うことをめでたいとしたからですね。 >>「涙の日」  考えた結果、これまでの筋を残して、「悲劇」として書くことにしました。ただし、この悲劇は「いまさら死んでしまったことに気づいた悲劇」ではなくて、「あたら若い才能を散らしてしまった悲劇」です。「知性と教養に秀でた人が、それゆえに夭折した悲劇」とも言えます。  これなら、主人公を死なせる意味がありますし、主人公が教養ある女性である意味もあります。才能に恵まれた女性がそれを生かす機会が少なかった舞台として、ルネサンス期イタリアというのも間違っていないでしょう。  この話ですと、主人公は、心の底では自分が死んだことに気づいています。けれどもそれを認めたくなくて、自分は生きていると思い込み、夜な夜な亡霊となって生者のごとき行動を繰り返します。そこへ司祭が現れて、無理やり記憶を掘り起こされ、死を認めざるを得なくなります。  結末は、やはり主人公を鎮まらせないことにするつもりです。  次回以降、話の内容を詰めてゆきます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6670 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.6671 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.6672 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.6673 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- 書き込みテスト No.6674 投稿日 2003年7月8日(火)01時46分 投稿者 新木 伸  荒らしがやってきたので、書き込み者のIPアドレスを一時的に公開するようにしました。  その変更のテストと、あと警告。  いま現在、投稿者名の後ろにホストアドレスが表示されるようになっています。  このアドレスがあると、どこの誰が書いたのか特定できてしまうので、該当する人は気をつけるように。 (調べようと思えば、このアドレスと書き込み時間から、住所や氏名まで判明しますので)  あと、言うまでもないことですが、すぐ上で僕に連続で管理者削除を食らった人は出入り禁止なので、今後の書き込みは一切ご遠慮ください。また投稿者名を変更しての書き込みも同じことなので、やめてください。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.6675 投稿日 2003年7月8日(火)02時54分 投稿者 新木 伸  OFF会。  ホント、「読み手の集まり」だったんだなぁ。  書き手の集まりじゃなかったんだ。それ意味ないから、もう行くのやめたら?  そんなんだったら、わざわざ貴重な時間を割いて出かけるだけの意味はないと思うぞ。  1日なり、半日なり、12時間なりを空けることができたなら、その同じ時間を使って短編の一つでも書いてたほうが、ずっと実になると思うぞ。 >>こういう筋のホラー小説は、もはや嫌になるほど出ているので、『怖さ』に行こうとしても陳腐すぎてぜんぜん怖くない  んなアホなこと言ってたのは、誰だ?  まあ訊くまでもないな。翠に決まってる。  「遠い夜明け」についての分析で、どの要素も中途半端――というところまではいい。  しかしそのあとの意見が、書き手のものではない。完全に読み手としての意見だな。  「陳腐」っていうのは、それはいったい誰からみての意見なわけだ?  「目の肥えた人」なわけだね。その人から見て、「陳腐」に見えるってことなわけね。若い女が墓場でうろつくことで怖さを出そうなんていう系統の話は。  小学校低学年の子が言うのか? 「陳腐だね」とか?  たとえば「音楽室のピアノが夜ひとりでに鳴る」――なんて話を、大人の僕らが聞かされても、陳腐すぎて怖がることなんて不可能だけど、当の小学生なら怖がるもんでしょ?  それが生まれて初めて聞かされる怪談ネタだったらさ。  世の中には、怖い話を初めて読む人間という人もいるわけだよ。そういう人にとっては、「新鮮な怖さ」になるんじゃないか? 若い女が墓場をうろつく怖い話を、それまでの人生で一度も読んだことのない人なら、怖がってくれるんじゃないの?  陳腐でありきたりな話なりにも、押さえるべきところをしっかりと押さえて、ちゃんと書かれてある話ならば――。  怖い話にするなら、具体的にどうするのか。  悲しい話なら、どうするか。  蘊蓄の話なら、どうか。  ――そういうことを話すのが、書き手の集まりってもんだろう。  そしてひとつ忘れちゃならんことがある。  そもそもあの話が、なんの話として書かれたのかって経緯。  怖い話の練習として書かれた話が、ぜんぜん怖くなかった。そもそもネタとして陳腐なので、完成させたとしても、たいした作品にはならないだろう。だから怖い路線はやめて悲劇の話にしよう――なんていうのは、本末転倒という。 (本末転倒=大事なことと些細なこととを取り違えること)  「たとえ完成させてもたいした作品にならない」なんてことを、机上の空論としてコネてないで、実際に完成させてみせんか。そのあとで「ネタ的に描ける怖さはこんなところだったね」とか言ってみろ。  そもそも練習だろうが。これは。  若い女が夜中に墓場をウロつく――。  それなりに怖さを引き出せるシチュエーションだろうが。これは。せめてその「臨界値」までは到達せい。なんのための練習なんだよ?  だいたい「陳腐」なんて言葉は、腐れ評論家モドキが使う言葉だ。  ネタの良し悪しなんてことは、本来は二の次にある問題なわけね。  ありきたりな話をきちんとまとめあげる実力があったうえで、はじめて問われるものなんだ。ネタが良い、ネタが悪い、ネタがありきたり――だからダメ、ということは。  プロレベルの作品を論じるときなら(基本が出来ているのは当然なので)第一声からネタの鮮度についての言及があったりもするだろう。  そのマネをしているだけなのね。  腐れ評論家モドキっていうのは。物事の上辺だけマネてる。  しかしアマチュアレベルで、そんなわけあるかい。  しっかり書けば怖くなるはずの話を、腕が悪いせいでダメにして、ぜんぜん怖くなくしてしまっているのが、アマチュアレベルの作品ってもんだ。  本来、指摘するべきは、怖くなるはずの話を怖くできなかった「技術の低さ」。  しかし技術について指摘するのは実力が伴わないと出来ないことなので、腐れ評論家モドキは「陳腐だからダメ」とか、感性だけで指摘できることで片づけようとする。  最近――。  基本技術の練習の話をしているのに、ネタの良し悪しの方向に話を持っていかれることに飽き飽きしている。  次は魚住だ。 -------------------------------------------------------------------------------- >望月 No.6676 投稿日 2003年7月8日(火)03時32分 投稿者 新木 伸  すこしヒントを出す。  あの生課題の一口目の部分。  彼女と出会う以前の部分には、なにが描かれるべきなのかっていうと、「告白直前の心境」というものなのね。  これには色々な種類があるはずなのだ。  一度でも、「告白しようか?」と考えたことのある人なら、思い当たる節があるはずだ。  告白前の人間の心理というものは、まさに七変化するわけね。  ざっと数え上げても、10や20の心理状態はあるはずだ。いまみやびさんと話しつつ数えてたら、1分間考えただけで、9種類は実際に出てきたぞ。  そのうちのどの心理状態に対して、自分がスポットをあてて拾い上げようとしているのか。それをハッキリ意識しなくちゃならない。じゃないと、決して面白くはならない。コンセプトの立っていないものは、なに書いてあるのかわかんないから、食えたものにならない。  望月は、実際に告白したことはないかもしれない。  しかし片思いくらいはしたことがあるはずで、一度ならずとも、「告白に踏み切ろうか」と考えたことくらいはあるはずだ。そのときどういう心境になった? 告白しようかと考えただけで、ふつう人は苦しくなるもんだが。その苦しさには、どんな種類があるの? また苦しい以外にはどんな心境があるものなの?  または自分の経験でなくとも、ドラマやら小説やら漫画やら少女漫画やらで、そういう「告白前の主人公」なんてシーンを観たことがあるはずだ。そういう引き出しをあたってみろ。  ――で、あの一口目のシーンは、なにがどう「美味しい」わけ? -------------------------------------------------------------------------------- 参加したいでーーーーーす No.6677 投稿日 2003年7月8日(火)05時22分 投稿者  月見 みかん さんかしたいです。 とりあえず 自己紹介  京都にすむ作家志望の女の子です。 新木先生 どうか私も 生徒にしてくださいませ。 -------------------------------------------------------------------------------- >月見さん No.6678 投稿日 2003年7月8日(火)05時40分 投稿者 新木 伸 >月見さん  いらっしゃいませ。  ただ、タイミング的にアレだったもんで、ひとつ確認させてください。  見て分かるとおり、すぐ上(前)のほうで、僕に連続管理者削除を食らっている人がいまして……。内容的には、参加希望者なのか、それとも単なる「荒らし行為」なのか判断しかねるものでしたが、僕は荒らしだと判断しました。  その方とは、同一人物じゃないですよね?  ――で、ここに参加してともに小説技術を磨こうという人には、はじめに同じ案内を出しています。  ひとつは、この左側のメニューのところにある「よみかく分室説明」にもありますが、過去ログをすべて読破すること。これは参加しつつ、並行して読破してゆくのでもかまいません。  あと他の参加者の皆に向けて、きっちりとした自己紹介をすること。自分はいま何者であって、いままでどんなことをしてきたのかが、皆に伝わるように。  また、だいたいいつも、最初に現在の実力を計る腕試し的な意味合いで、なにか書いてもらうことにしています。  ちょうどここ(↓)に「生課題」なるものがありますので、ひとつ、書いてみてください。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=195&e=msg&lp=195&st=  時間は3時間。お題は「校舎裏で告白」。  細かなルールそのほかは「よみかく分室説明」を読んでください。――と思ったら、最近更新してなかったので、「生課題」についての説明は書いてありませんでした。  まず一日のうちのどこか3時間だけ、集中できる時間を確保します。  その時間はきっちり使って、最大限の集中力を使って、ワンシーンを書きます。  長さ的には原稿用紙で数枚分くらい。まあ他の人のものを見れば、だいたい感じがつかめるかと思います。  3時間は、どう使ってもかまいません。いきなり書き出さないで、はじめ構想を練るのに何十分か使ってもいいですし。また一度書き上げたあとで見直しをしたいのなら、その分の時間も確保しておかないとならないだろうし。  書くものの内容としては、男の子なり、女の子なりの主人公が、後者の裏で好きな人に告白するシーンです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=511&e=res&lp=195&st=0  ↑  書いたものはこの511番にレスを付ける形で投稿してください。 -------------------------------------------------------------------------------- 学校の七不思議 No.6679 投稿日 2003年7月8日(火)22時25分 投稿者 弟切 千隼  怖い話について考えていて、学校の七不思議というものを思い出しました。だいたいどこの学校にも、こう呼ばれる「怖い話」が語り伝えられているものですよね。  私が通っていた小学校では、確か「音楽室に掛けてある音楽家の肖像画が夜に動く」というのと、「ある校舎のトイレの特定の個室にお化けが出る」というのがありました。他にも二つ三つ聞いた覚えがあります。でも七つ全部は知りませんでした。「七不思議を全部知ってしまうと呪いがかかる」というお約束の(^_^)言い伝えがあったからです。  今、思い返すとたわいもない話でも、当時は結構怖いものでした。 >>オフ会 >>こういう筋のホラー小説は、もはや嫌になるほど出ているので、『怖さ』に行こうとしても陳腐すぎてぜんぜん怖くない  と発言したのは、西鶴翠さんではありません。分室には関係していない方です。その方は完全に読み手であると自覚して、こういう発言をされたようです。  西鶴さんからは、文章面での指摘をいただきました。その内容は、以前、みやびさんから指摘されたこととほぼ同じです。ごく簡単に言えば、「視点が二重になっている」とのことです。  もっと詳しくいえば、 「主人公が知覚したことをそのまま書いている視点と、それを冷静に判断して書いている視点とが混在している。怖がっている人間がこんなふうに冷静な視点を持つのはおかしいし、これが話を怖くなくしている大きな原因だ」 ということです。  これは具体的で、書き手として役立つ意見ですね。怖い話を書くに当たっては、この点を考慮しようと思いました。  弟切が何を書くか、なかなか軸足が定まらないのは、読者さまの顔が具体的に見えていないからだとやっと気づきました。  新木さんが指摘されたとおり、「目の肥えた人」に読んでもらう話でしたら、相当凝ったものを書かなくてはならないでしょう。文章面でも話の構成でもネタの新鮮さでも、練りに練ったものを用意しなければなりません。  しかし、物語を読み始めたばかりの小学生に読んでもらう話でしたら、凝りすぎては理解してもらえず、面白くないと思われてしまうでしょう。ネタは身近なものにして、筋は簡潔に、文章も子供に理解できるレベルで、と、「目の肥えた人」対象の作品とは違う面で気を使わなければなりません。  どういう読者さまに読んでもらうのか、それをしっかり想定して、「涙の日」を考え直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 今夜は涼しい。 No.6680 投稿日 2003年7月8日(火)23時04分 投稿者 魚住 雅則 >生課題 >起床 これから日々の生活で「面白い」「興味深い」と感じたことについて、常に意識する習慣を身につけていきます。 で、やはり身近な生活の中の面白さから考えたいので、もう一度「起床の面白さ」生課題を書きます。 その前に自分の中での縛り条件を明確に(でないと無意識に逃げそうになるので)。 ○他のことでごまかさない。 ・キャラクターを立ててごまかさない ・特別なイベント(誕生日や始業式の日など)でごまかさない。 ○起床にある「面白さ」を探し、それをハッキリさせて書く ・これに関しては生課題本文の上部に「自分が込めようと決めた面白さ」を書いておくこととする。 とりあえず書き始めようとしたのですが、基本をきっちり身につけるためには、「人が興味を持つこと」の数を出すことが優先でしょうか?  (以前「アイデア出し」と書いてしまったのが気になっています) >漫才師の話 >で、芸人の話のほうは、芸人の世界のことについていくつか知りたいこともあるので、そっちはそっちで書いてくれると助かる。 >基本技術の練習の話をしているのに、ネタの良し悪しの方向に話を持っていかれることに飽き飽きしている。次は魚住だ。 新木さんの言わんとしていることがよくわかりません。結局どちらなのでしょうか。 漫才師についてですが、(分室で)必要があれば書こうと思います。必要なければこれ以上は書きません。 「お笑いの世界と、小説の世界とは構造がかなり異なるので比較対象とするのは不適切である」 僕の考えは上の通りなので、今、小説のネタの良し悪しについての話をするつもりはないのですが。 (どちらにしても、現在の漫才師と彼らを取り巻く世界はとても面白いので小説にします) -------------------------------------------------------------------------------- 識閾下の味覚問題 No.6681 投稿日 2003年7月9日(水)01時50分 投稿者 望月京路  オフに行ってきまして。  どうも小生は味覚がないらしい。という意見が出ました。激辛とか強い味はわかるけど、微細なものは区別がついていない。というか、感じ取れてない。  あー。なるほどなあ。  新木さんの例のやつ、一文レベルでどう面白いか一向に見えてこないのはそれなのかなあ、とか。身に覚えが結構あったり。  例えば、「アスファルトの匂い」というくらいわかりやすい得情報なら、見分けがつきます。  けれど、もっと小さい情報が、得をするものか否か、まったく見分けがつかない。  「面白い文である」と提示してくれば、論理でなんとか見えるとはできると思うけど、直感的に判別することができない。  さて。どうしたもんか。  まあ、さしあたり、目の前にあるものをやってみるわけですが。 >新木さん >一口目のウリ  主人公の緊張、で攻めました。  少なくとも、書く前はそれでいこうと決めていました。  告白前は、いやあ面白いほど手が震えるもんです。で、妙にテンションが高くなる。一種の決闘ですね。  で。それにもう少し恐怖のテイストをつけてみようとしました。恐らく、普通の告白の場合、一番付きまとうものだろうから。(恐怖心を文章に含んでいたことは、今気づいた。っていうか、混じりモノだ。書いているときに、無意識に混ぜてしまった)  それが、足が動かない、と言うやつ。  その辺が、ウリですな。緊張して手が震え、膝が震え、恐怖心から立てなくなる。  混じりモノがウリのひとつ、という時点でかなり行き当たりばったりだ……。  で、なんで彼女のメールで立ちあがったか。  「彼女からメールがきたことにより、今までの彼女に対する思い出を喚起させ、想いを再燃させることに成功したから」という感じなのです。  あ。デジャビュ。  これは、オフのときにも別の作品で言われたパターンと同じだ。  すなわち、「わかんねーよ」。  作者は伝えたつもりでも、読者にはまったく伝わっていなかった文章。  なんだろ。結局、読者を意識できていないということなんだろうけど。  書いたときに、「伝わるだろう」と思っていたのは覚えている。実際は、伝わっていなかった。  なら、思うのをやめるだけ。  でも、やりすぎると今度はくどくなるから、難しいなあ。  さらに、コンセプトの設置という問題もあるわけだし。  とりあえず、今日はこれだけ。 -------------------------------------------------------------------------------- すいません No.6682 投稿日 2003年7月9日(水)21時42分 投稿者  月見 みかん  とりあえず 土曜の昼に 課題はさせてください。バイトが忙しいので。  わかってもらえますよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 顔の見える関係 No.6683 投稿日 2003年7月10日(木)00時52分 投稿者 弟切 千隼  「涙の日」を書くに当たって、どのような読者さまに読んでいただこうかと考えている弟切です。  小説でも何でも、一般の人を対象に文章を書く場合には、十五歳の人が理解できるように書けばおおむね大丈夫だ、と聞いたことがあります。  十五歳とは、中学を卒業する年齢ですね。義務教育を終え、人によっては実社会に出てゆく年齢です。  なぜこの年齢で実社会に出られるようになっているかといえば、この年齢になれば、最低限実社会でやってゆけるだけの知識や分別や経験があるはず、と社会的に判断されているからですね。つまり、子供時代を脱して大人になったと見なされるわけです。  出版の世界でも、中学生以下の人向けの小説はおおむね「児童文学」と見なされ、普通の「小説」とは区別されているようです。一般的に「小説」といえば、十五歳以上の人間が読むことを想定している作品と言って間違いではなさそうです。  児童文学と呼ばれる小説は、普通の小説を書くのとは違った難しさがあります。特にそちらの方面を目指しているのでない限り、その手の作品を書く練習をするのは非効率的でしょう。  弟切はそちらを目指してはいませんので、十五歳以上の人を対象とした作品を書くべきですね。  年齢の下限は十五歳として、上限はどうでしょう?  内容を理解するに当たっては、十五歳の人でも百歳の人でも問題なく理解できるように書けるはずです。老年性痴呆症に罹っている人などはもちろん除きます(^^;  しかし、「理解できるかどうか」と「面白いと思えるかどうか」は別です。例えば、登場人物が全員七十歳以上という小説があったとすれば、十五歳の人がこの小説を面白いと感じるのは難しいでしょう。なぜなら、十五歳の人間にとって七十歳の人間というのは、あまりにも自分からかけ離れた想像を絶する存在だからです。  登場人物の中に一人くらい身近さを感じさせる人間がいないと共感できず、面白いとは感じにくいのではないでしょうか?   若い人が老いた人を理解し、共感するのは極めて困難です。それよりは、老いた人が若い人を理解し、共感するほうが楽です。  その理由は、若い人は誰も老いた経験がなく、老いた人はすべからく若かったことがあるからです。普段は忘れているとはいえ、実際に若かった頃の記憶がある老いた人と、老いた記憶を持たない若い人とでは、明らかに異なる年齢層に対する理解度が違うでしょう。  とすれば、十代後半〜二十代前半の若い娘が主人公で、三十代〜四十代の司祭が登場する「涙の日」は、百歳まで読んで楽しんでいただけるはずですね。まともに書けさえすれば(;_;)  読者さまの「顔」を表わすものには、年齢以外に様々な要素があります。それらの要素についてもおいおい考えてゆきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6684 投稿日 2003年7月10日(木)05時53分 投稿者 新木 伸 >月見さん >>バイトが忙しいので。わかってもらえますよね。  わかりません。  なにかを「志望」するということを、甘くみていませんか?  アルバイトと小説のことと、どっちを優先するのかという問題に、月見さんは「もちろんアルバイトを優先します」という答えを出したことになるのですけど。 >魚住 >>とりあえず書き始めようとしたのですが、基本をきっちり身につけるためには、「人が興味を持つこと」の数を出すことが優先でしょうか?   これは「自分の引き出しの中身は空っぽ」ということを自覚させるためのものだから、自覚した以上、やる必要はない。時間の無駄。同じ時間があったら、他のことをやるように。 >>新木さんの言わんとしていることがよくわかりません。結局どちらなのでしょうか。  僕は僕で、魚住の言わんとしていることがわからない。  芸人の世界の話をしてもらうことと、ネタの良し悪しの話は飽き飽きということと、まったく関係がないじゃないか。別個のことでは? だから別々にやってくれればいいのでは?  あとお笑いと小説とは構造が違うから――と言うのだが、そこについては納得できない。  もし違いがあったとしても、取るに足らない些細なことでは?  どちらも人を楽しませるということで共通している。エンターテイメントという括りに含まれる。しかも「言葉と話術」で客を楽しませるという点でも共通している。  小説は独立長編であって、お笑いはオムニバスだから――なに?  オムニバスだから、連続してネタを観ることになるから、競争原理が強く働くから――だから、なに?  それらのことが、基本よりもネタ重視になる理由であると説明されても、納得できんのだが。  魚住の説明のしかたが変なのか、持ち出してきた「たとえ」が不適切なせいなのか、そもそも魚住の思いこみが変なのか、それは僕には判断つかんが。  とりあえず言えることは、「オマエの言ってることは変だよ」ってことだな。  ――で、僕としては、問題にしているのはこの一点。  僕にとっては、お笑いも小説も「たいして変わらん」ことなわけね。言葉と語り口によって人を楽しませること、という大きな共通項がある。  音声によってリアルタイムで行うか、時間をかけて文章を書いてそれで行うか、一回の分量が長いか短いか、同時に出る競争相手がいるのかいないのか、そんなことはすべて「些細なこと」でしかない。  そして魚住は、お笑いに関しては、「基本はおろそかにしてよい」という思想を持っている。  しかし小説のほうでは、「基本は大事」とも言っている。  僕にとっては、この両者は矛盾しているように思えるわけだ。  とても一貫した意見に見えない。  お笑いに関することのほうはどうも本音っぽい。――ってことは、「小説では基本が大事です」と言っているほうが、僕に調子をあわせて適当に追従しているように聞こえる。  エンターテイメントの括りに含まれるすべてのジャンルにおいて、「基本が大事じゃない」ものなんて、あるかってーの。 >お笑いと小説との比較  一点、気がついたこと。  お笑いと小説とを比較するときの食い違いの件。  魚住が話題にしている芸人は「一流」である模様。テレビに出るなり、舞台で「一位」であるコンビの話だったり、そうした有名どころの話しかしていないようだ。  対して、僕が小説の話をするときには、「プロ」って言葉を使っている。  区分けは、プロであるか、そうでないか。ただそれだけ。売れているかどうかは問題にしていない。  これ、魚住の区分でいうのなら、「二流」か「三流」に相当しているわけね。  二流でもプロだ。三流でもプロだ。「小説でカネがもらえる人」はすべてプロ。  スポーツでいえば、国際的に通用するような一流選手の話だけをしているのが魚住。  しかし僕のしている話では、一軍も二軍も関係ない。野球なりサッカーなりで、カネがもらえている人。最低限の生活ができるぐらいの収入を得ている人。年収200万程度のスポーツ選手って、どのくらいいるものかね。月給にすると15万程度だが。  まあ芸人の場合には、それだけの収入がある人は、すでに一流といっていいのかもしれないが。  この分室でやっている話は、すべて、「カネが取れる小説を書けるようになる」ための話であって、「一流になるための話」ではないことに注意すること。 >お笑いと小説に関する魚住のスタンス  魚住は、お笑いに関しては、自分がプロになるつもりはないわけだよね?  つまり自分が芸人になり、漫才師なりコメディアンなり、そうしたものになるつもりはまったくないわけだな。  しかし「お笑いに詳しい」ことに対しては、執着があるように思われる。  いわゆる「お笑い通」であることに、自負があるってことだと思う。  そのこと自体はべつに構わないのだな。  誰しも、そうした趣味があるわけだし。深入りしているジャンルはあるものだし。自分が「通」だと自負のあるジャンルでもって、誰かがヌルいことを言いだせば、なにか一家言持ち出したくもなるだろう。  ――で、ここで魚住に訊いておきたいのだが。  小説ってのは、君にとってなんなわけ?  ずーっと古いログを探ってゆくと、初登場のときに「作家志望」と言っている。  まああの頃は、僕も「志望」の定義に突っ込んでなかった。しかしその後に「志望する」ということがどういうことか、何度も話題にのぼったよね。  軽い気持ちで「志望」と口にすると、僕がどれだけ憤慨するかも分かっているはずだ。  で、いま君は、何者であるわけ?  小説っていうのは、君にとってなんなの?  たとえば君の小説に対するそれが、お笑いに対するものと同じなのだと仮定する。  君がなりたいのは「漫才師」ではなくて「お笑い通」。「小説家」ではなくて「小説通」――そういうことだったとする。  もしそうなのだとしたら、ここにいる理由はないわけよ。  ここは「小説通」を養成する場所ではなくって、「小説家」に鍛える場所なんだから。  ――ていうか、いずれ小説家になるはずの小魚が、世に出た瞬間に荒波で溺れちゃわないように、「少しだけ鍛えておいてやる」場所あたりかなぁ。  感性で書いてきただけの新人が、プロになったときに、編集さんから「では次回作のプロットを出してください」なんて言われて、「プロットってなんですか?」なんて訊いているようじゃ困るでしょ。  打ち合わせの現場で、「このシーンがダメです」とNGを出されたとして、その瞬間に「ではこう直します」と代案を出せないようじゃ、困るでしょ。  君は小説家になりたいのか?  それとも小説通になりたくてここにいるのか?  そのへんを、いまいちど問う。  この場所は、作家志望者と、指摘者の場所なのね。  指摘者っていうのは、藤極堂さんとか、とんびさんとか、自分が指摘専門であることを自覚している人のこと。  これはわしが最近学習したことなんだけど。  じつは「小説通」になりたいだけなのに、作家志望者のフリをしているヤツが、ことのほか多い。そういうヤツほど、たちの悪いものはない。なにしろ自分でも「作家志望者」であると、本気で信じ込んでいるしね。 >魚住 >>これから日々の生活で「面白い」「興味深い」と感じたことについて、常に意識する習慣を身につけていきます。  2年前の1867あたりに、こんな書きこみがある。 >>今日放映のワンピース、「ドリーとブロギーの決闘」。 >>これって気高い(戦士の誇り)だよなあとか思いながら見てました。 >>かっこえー。かっこえー。  この時、教えたはずだよな。  かっこえー、かっこえー、と言ってるだけじゃ単なる読者。どこがどのように、どういう仕組みで「カッコイイ」のか分析して、心の引き出しにしまうように、と。  勘違いしないように。2年間、なにもやってこなかったことを責めてるわけじゃない。  ただ以前、同じ決意を心に浮かべたはずの人間が、この2年間、なんもしてこなかったわけだよ。なら、これから先の2年間だって、同じことの繰り返しになると見るのが妥当だろうねと、そう言いたいわけだ。  つまり君は2年後に、また僕に同じことを言われるわけだよ。「2年前はあんなことを言っていたけど、引き出しの中身はやっぱり全然増えてないじゃないか」と。  ――で、「そんなことはない」と反論するなら、この1日か2日のあいだに引き出しにたまったものを見せてごらん。たぶん、なにもないから。きっとゼロだから。  心がすべて小説のことに向いているなら、1日のあいだに10や20は溜まっているはずだが。 >生課題のお題 「有能そうな美人」  これは有能そうに見えるということ。まあ実際に有能でもあるだろうけどね。  有能であることをエピソードを駆使して描くのではなく、実際に能力を示していない状態で「有能そうに見える」というのをやってみる。  実際に有能である人は、有能さを発揮していない普段の段階でも、その有能さの片鱗はまわりににじみ出しているはず。それを描けということ。  「有能な人物とはいかなるものか」を普段から観察していないとできないお題。ある人物がまだ有能さを発揮していないにもかかわらず、「あ、この人とてもデキる人だ」と直感する瞬間ってのは、普通に生きていても何回かあったはずだ。そういうことをいくつ捉えて、引き出しにしまいこんでいたかが勝負になる。  はっきりいって難しい。まあ挑戦するやつは、あたって玉砕するつもりでやってみろ。  ちなみに「美人」がついているのは、わしの趣味。  まあ「美人」は外しちゃってもいい。性別も変えてもいい。 >受験と作家志望との関係  ふと思ったのだが。  「受験生」って、1日のかなりの時間を勉強に振り向けているもんだよね。  わし自身は受験勉強をしたことがないのでよくわからんのだが、すくなくとも毎日4時間くらいは、受験勉強に振り向けるものではなかろうか?  高校なり中学なり、3年生の夏以降の追い込み時期ってのは、そんなものだと思う。7月〜2月で、約六ヶ月間くらい続くのかな。この苦しい時期が。  このへん、受験を体験した人間が、レポートなんかしてくれると助かるところだが。(この話題に役に立つというだけでなく、高校三年生のリアルな生活というものを知る意味においても)  ――で、毎日4時間は勉強に振り向けているのが、「受験生」なのだとする。  まあ世間的にも、そのくらいはやってなかったら、「遊んでる」とみなされるだろう。そして「私は受験生です」と主張しても認められないだろう。  たとえば一週間のうち、たったの3時間しか勉強していない人間が「受験生です」と言い張ったって、周囲は認めてくれんだろう。  その年度の2月に受験が待ち受けているから受験生なのではなく、受験に向けての体勢を整えているからこそ、「受験生」なわけだな。  ――で、この話の本題だ。  その当時と同じだけの、時間的精神的コスト(労力)を、ちゃんと小説に払ってる?  最低でもそのくらいはしてなかったら、作家志望者だなんて、認められんぞ?  なにしろ学校に入れるかどうかなんて、そんな些細なことを決める受験とはわけが違うんだ。  作家になるっていうことは、職を選ぶってことなのね。  一生、修行なのよ。  つまり受験期間のあの労力に匹敵する(もしくはそれ以上)のことを、今後一生、作家をやめるまでずっと継続させるってことだ。  言っておくが、現状ですでにプロである僕だって、毎日小説に労力を傾けているわけだよ。たぶん自称作家志望者である君ら以上に、小説のことをやっているはずだ。つまり、「修行」している。  週に一回、生課題をやるために3時間だけ小説に取り組んでいるだけなのに、自分が作家志望者だと言い張っている。  君らの現状は、そんなものなわけね。  せめて受験に費やしたのと同じくらいのことはやれよな。  受験のときは出来たんだから、小説のときだって同じことは出来るだろ。 >望月 >>どうも小生は味覚がないらしい。という意見が出ました。激辛とか強い味はわかるけど、微細なものは区別がついていない。というか、感じ取れてない。  結論だけ話されたって、なんのことやら、ようわからんぞ。  どういう経緯で「文章にたいする味音痴」が判明したわけ?  たとえば皆で僕のサンプルの詳細分析をやってみたのだけど、皆が「この文は面白いよね」とうなずいていた時に、自分だけ、ちんぷんかんぷんだったとかさ。  ちなみに、「味」っていうのは不適切だぞ。  「味」以前の話をしているわけ。  ある文章が消化可能であり、なんらかの栄養を持っているのか。どんな「得」があるものなのかという話をしている。  それは味以前の問題。そもそも「食べ物」なのかどうかってレベルなのだが。  「味」のたとえだと、不適切だろ。  ぽそぽそのパンだって、美味しいパンだって、どっちだって食べものには違いがないし、栄養的には変わりないわけだし。 >>一文レベルでどう面白いか一向に見えてこないのはそれなのかなあ、とか。身に覚えが結構あったり。  一文レベルでしか見ていないから、ダメなんじゃないの?  ある文章を読んで「得」するかどうかってことは、もっと細かな部分から発生しているのよ。  単語レベルで「食える/食えない」の見分けをするんだって。  そうすると望月は、「推敲」っていう言葉の真の意味を、いまだに理解していないってことになるなぁ。  単語レベルで「敲くか推すか」を選択するのが、推敲の真の意味なのね。  つまり、望月は単語レベルで文章を見たことがないってことだな。  それじゃ一文レベルでも、わかるはずないよ。  僕のやつ、一文レベルで分析するのではなくて、単語レベルで分析してみろ。一文レベルどころか、単語レベルでも「食える/食えない」は判別可能だから。  なるほど。  単語レベルで大事にしろと、ず〜〜っと教えてきたはずだが。ぜんぜんわかってなかったわけね。  望月って、作中のある1個きりの単語に対して、3時間ぐらい悩んでみたこととか、ぜんぜんないだろ?  想像つくかい?  あるひとつきりの単語に対して、3時間も悩み続けるっていう状態を?  しかも僕がだよ。プロの思考密度においての「3時間分」だよ。  一回でも、そういう経験があったとしたら、単語一つの重みに対しての認識が劇的に変わるんだけどなぁ。  本人の感覚が変わるのね。  本人の感じる「普通」というものが、何段階か上の領域にシフトする。  いちどそれを経験してしまうと、単語一個に3時間かけることが、「普通」になってしまうのよ。すべてそれを基準に考えはじめるようになる。  しかし、生課題の掌編ひとつに対して、3時間分のコストを掛けることもできない人間が、単語一つに3時間も執着し続けるなんて無理な話か。  3時間振り向けろと言ってるのに、1時間で上げてきて、あげくのはては、「三時間もいらない」とか言いやがるし。(過去ログ6596)  望月の場合は、まず生課題に3時間きっちり集中できるようになるのが先だね。  「単語ひとつに3時間」の領域は、まず生課題に3時間が出来てからのことだ。  その領域を、昔、羽矢野のやつに体験させようとしたんだけど……。  あいつは途中で投げ出しやがったっけ。あれは「イントゥ・マイセルフ」のリライトの時だったか。 >>書いたときに、「伝わるだろう」と思っていたのは覚えている。実際は、伝わっていなかった。  なにがだよ?  なにが「伝わる」と思ったわけ?  わかってねーんだな、ホントに、オマエは。  書いているそのときに感じたその感覚は、すべてオマエの「錯覚」なんだよ。オマエはそのことにまるで気づいていない。  「伝わるだろう」と思っていたということは、伝えるべき「なにか」が、確として存在しているってことになるわな。  ここでオマエは問題点として、「伝わっていたか/いないか」ということを挙げている。  自分には伝わるだろうと思いこみがあり、しかし、実際には伝わっていなかった。その認識の相違が問題なので、そこを改善すれば良い――と、そんなふうな結論を出している。  その方面で自己改革に励めば、問題は改善されるだろうと考えている。  ぜんぜん、的ハズレ。  その方面で努力したって、全然ムダだよ、バーカ。  いいか?  考えろ。  いったい、なにが「伝わる」と思ったわけ?  オマエの書きこみから読み取ってみると、手が震えたり、妙にテンション高くなったりする「アレ」――らしいな。  「三つあわせたような、なにかそんなようなもの」――と、そんなあたりか?  ひとことで言い表せないってことは、それが緊張なのか、高揚感なのか、恐怖なのか、このうちのどれなのか――作者自身もよくわかってないってことだろ?  作者にも分からんものが、読者にわかるはずねーだろ。  これは僕が何度も言っていることだけど。  読者になにかを伝えようとするなら、まず伝えるべき「なにか」を用意するところから始めろ。  伝えるべきもののイメージを、しっかりと持つ。  伝わるか伝わらないか、なんて話は、モノがあってからの話だろ。  つまり、前のほうで書いたオマエの「重大な錯覚」とは、「伝えるべきものを自分はすでに用意している」という思いこみだったわけだ。  あの「告白前の心境」を書くにあたって、まずやるべきことは、「告白前ってどんな感じだろう」と考え抜くことだったわけだ。  オマエはそこをサボっていた。  そして自分がサボっていることに気づいてもいなかった。  さらに悪いことには、「自分はきちんと考えていた」と自分をごまかしてもいた。  そんなサボり癖と誤魔化し癖――そんな手抜き癖が染みついてるヤツが書いた小説だから、食えるものにならないんだよ。  問題点、認識したか? -------------------------------------------------------------------------------- 溺れる魚 No.6685 投稿日 2003年7月11日(金)00時34分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南はひどく湿度が高く、空気中にいながら水中にいるような気分でした。「肺呼吸より鰓呼吸したほうが効率良さそう」と思いながら、弟切はあっぷあっぷしていました。  ちなみに、水中で鰓呼吸をしている魚は、泳ぎが下手なことはあっても溺死することはありません。ヒトのような陸上生物が溺死するのは、水中で呼吸ができないからです。溺死は一種の窒息死なのですね。  ただし、魚の中にもごく一部に例外がいます。肺魚[ハイギョ]と呼ばれる魚たちは、名前のとおり肺を持っていて、鰓呼吸と肺呼吸を併用しています。肺魚は肺が発達している分鰓が貧弱なため、水面から空気が吸えないようにしてしまうと、溺死するそうです(*o*) >>受験生  弟切は大学まで進学しましたから、大学受験は経験しています。しかし、以前分室に書いたとおり、弟切は全く受験勉強をしない「えせ受験生」でした(^^; そのため、弟切の体験談はほとんど参考にならないでしょう。  それでも少し思い出したことを書いてみますと……受験勉強をしない「えせ受験生」はとても暇でした(爆)  現代の日本では、えせであろうとなかろうと、受験を控えた生徒は受験勉強だけをしていられるように環境が整えられます。高校の授業に出なくても、せっかく続けたクラブ活動をやめても、家の手伝いをしなくても、「受験勉強をしているから」という理由ですべて許されてしまいます。  だいたいにおいて、高校三年生の十一月くらいから「受験のため」という理由で学校を休む生徒が現われ始め、それを見越して授業も自習が多くなります。十二月早々には「自宅学習」という名目で早めの冬休みに入ります。高校三年生の三学期は「あってなきが如し」で、一月の初旬に学校に顔を出したと思ったら、二月に入るか入らないかのうちに再び「自宅学習」期間に入ってしまいます。あとは二月の終わりか三月初めの卒業式の時だけ学校に来て−人によっては「受験のため」に卒業式さえ来ません−、はいさようなら、という状況です。  貧しさゆえ若いうちから働かなければならず、進学できない人がいまだ多いこの世界で、これ以上ないほど恵まれた環境ですね。  そのような環境にあるにもかかわらず、弟切のように受験勉強をしなければ、それはもう暇になります。思い返すに、「えせ受験生」時代は、弟切の生涯のうちで最も暇な時代だった気がします(^^;;  では弟切は「えせ受験生」時代に何をしていたかといいますと、食っちゃ寝していました。究極に近い駄目人間ですね(-_-)   若い時代の貴重な時間をこのように無駄遣いすると、歳を取ってからばたばたと勉強する羽目になります(;_;) 現在二十代前半以下の若い方々、頭の冴えがいい今のうちに勉強しておきましょう。一生得をしますよ。 >>読者さまの顔  読者さまの年齢を考える上で、一つ重要なことを忘れていました。  一般的に、歳を取れば取るほど人間は知識や経験が増えるため、ごまかしが利きにくくなるということです。つまり、嘘を見抜かれる可能性が高くなります。  例えば、普通の中学生や高校生は、社会人の生活がどんなものか、実際には体験していません。ですから、小説の中で普通のサラリーマンの生活について嘘が書かれていても、気づく可能性は少ないです。  とすれば、読者さまを中学生や高校生だけに限ってしまうならば、作品の中に登場するサラリーマンを「ハリボテ」にして、そこへ振り向ける分の労力を他に回し、普通の中高生が面白いと感じる部分を強化する、という手はありですよね。  これが広い年齢層の人を対象にした小説でしたら、そうは行きません。現代日本ではサラリーマンが最も平凡な社会人ですから、作品中にサラリーマンが登場するとしたら、そこは決して手抜きができない部分です。なおかつ、日本人の大部分が体験しているはずの中学生や高校生を登場させるとしたら、少なくともそちらも「相当できの良いハリボテ」でなければなりませんね。  弟切のように、歳を取れば取るほどおばかになってゆく気がする人間も中にはいます(爆)が、まあそれは例外でしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- >受験勉強とか No.6686 投稿日 2003年7月11日(金)05時34分 投稿者 新木 伸 >弟切さん  勉強のための時間を作るということに対して――。  学生のときには、そうして周りじゅうが甘やかしてくれて、協力してくれているわけだよ。  しかし、ある人間が作家になるための修行ってもんは、周囲はまったく期待や望みを持っていないわけよ。  ある人間が作家にならなくても、まわりはまったく困らない。まあ当然だな。  そうして周囲からの協力が得られない状態で、孤立無援で、自分だけで受験勉強並の努力をしなきゃならないわけだ。  なんとかかんとか時間を捻りだして作ってやらなきゃいかん。  まあこの分室でも多少のサポートはしているが。  たとえば自己管理が弱い人には、「課題」って形で圧力を掛けることで、小説に取り組む時間を作りだすことの手伝いをするとかね。 >新しい練習法とか  これは望月に限らず、分室参加者の全員に言えることなのだが。  頭のクロック(回転)が遅すぎる。その原因についてみやびさんと考えていたのだが、ひとつの仮説が浮上してきた。  君らの場合は、常日頃から小説のことを考える習慣ってのができてないわけね。  たとえばボクシングの練習法なんかに「シャドウ・ボクシング」なるものがある。実際に相手を用意してスパーリングしなくとも、頭の中に描いた仮想の相手に対して拳を振るうことで、一人で練習するという方法ね。  こうした「イメージトレーニング」という手法は、他のいろいろなジャンルでも使われている。ゴルフでも野球でもテニスでも。実際に体を動かさずに、頭の中だけでそれを行うことで、いつでもどこでも練習できる。  で、それは小説にも応用できる。――ていうか、僕らは常日頃からやっている。  いわば「シャドウ執筆」ってものだな。  実際には書かないシーンを、頭の中だけで書いてみる。  実際には書かない話を、頭の中だけであらすじだけを作ってみる。  僕が常日頃からそういうことをしているという話題は、過去ログを探せばいくらでも見つかるはずだ。何度か書いているはずだし。  僕やみやびさんは、そういうことを日常的にやっているわけだな。  会話の最中に、それが話に上ってきた。あたりまえすぎることなので、べつに特別なことをしているという自覚がなかったわけだが……。  しかし「僕ら」にとってはあたりまえのことでも、「君ら」にとってはあたりまえではないのではないかと、みやびさんと話をしていて気づいたわけだな。  前から不思議だったんだよなぁ。  たとえばOFF会でもって、誰かの作品を叩いている時とか。  「ここはお前ならどう書くか?」と他の人に話を振ると、すぐには答えられないんだ。  どうも、僕に話を振られて、その瞬間から考え始めているようなのだな。  それがずっと不思議だった。どうしてこいつらはこれほど頭の回転が鈍いのだろうと、ずっと理解不能だった。  なるほど。  誰かの作品が叩かれているときに、「自分ならこう書く」というシミュレーションを展開する習慣が付いていなかったわけだな。  いざ自分に話を振られた段になって、はじめて頭を使い始める。前もって答えを用意していない。だから即座に答えることができない。だから僕らから見ると、死ぬほどノロくさく感じるわけだな。  なるほど。  ――で、もう一段階突っ込んで考えてみた。  なぜ「自分ならこう書く」ということを頭の中でやれないのだろうか?  ここは「やっていない」のではなく、「やれない」のだと判断した。やれるけどやっていないのではなく、そもそもやれないから、やりようがない――ってことだと考えてみた。  なぜ頭の中でシャドウ執筆が行えないのか。  原因は二つ考えられる。  ひとつは、シャドウ執筆という概念自体を知らないというもの。  もうひとつは、シャドウ執筆をやったことがないというもの。  どちらにせよ、これは改善可能なこと。  頭の中だけで小説を書くということが可能であることは、いまこれを読んでいる者はすでに「知った」わけだし、あとは実践してコツをつかめばいいだけだ。  さらにコツをつかんだあとには、それを「習慣」にまで持ってゆく必要があるが……。まあそのへんは各自がやれば良いことであって、僕の関知するところじゃない。  僕にできることは、ある概念が存在することと、それを身につけるための練習法を考案するところまで。  ――で、とりあえずコツをつかむところまでは教えることにする。  ていうか、練習法を考案してみたのだが、その実験をしたい。  実験台として、望月を指名する。  他にやりたいヤツがいたら一緒にやってもいいが、とりあえず望月は、1回につき3時間の集中時間が取れる日を申告のこと。  とりあえず3回分。3時間×3回ね。  基本的に、やることは「生課題」と似たようなこと。  お題に沿った形で、ワンシーンを時間内に書きあげる。その時間内は最高の集中力を発揮して課題に取り組む。  ただし設定時間3時間のうち、2時間45分はキーボードに触るな。  本文を書くことは禁止。メモを取ることも禁止。すべて頭の中だけで組み上げること。  そして最後の15分を使って、頭の中に書き上げた文面をエディタ上に書き写す。  原稿用紙数枚をタイピングしてゆくだけだから、15分もあれば足りるはずだ。もし足りなかったら、書き写せた分だけアップすればいい。  とりあえずこれで3回くらいは試してみろ。  様子を見て練習法を改善するなり、やっぱ意味ないようなら、このメソッドはヤメにするし。なんか判断するから。  ちなみに、プロ作家はこんなこと、誰でもできるのね。  あまりにあたりまえすぎることなので、こんなことが「練習法」になるってこと自体が、新鮮な驚きとなるはずだ。  普通、「あるワンシーンを一定時間で書け」と言われたなら、まず考え、それから描き写してゆくもんなんだよ。  まあ描き写してゆく段階で、推敲面はエディタ上で行っているかもしれない。推敲とかは、たしかに頭の中だけでやるよりも、字面で確認しながらのほうが楽なわけだし。  ああ、そっか。  いまの望月は「推敲」の本当の意味も知らないんだっけか。  僕らの言うところの「推敲」は、単語レベルで時間を掛けるってことだけど……。おそらく望月の理解するところの「推敲」は、「文章の見直しをする」ってことだろう。文法チェックや誤字脱字のチェックまでもが、「推敲」に含まれちゃうんだもんなぁ。  まあそれはそれとして。どうしてこうしたことがプロでは「あたりまえ」のことなのか。  こういう方法でやっていないと、そもそもまともなモノなんて書けやしないわけね。  ある空間なり、あるシーンなりを、「立体」として頭の中に構築するわけよ。それを文章に描き起こしていくわけよ。そういうことを行うためには、頭の中だけで一定量のイメージを処理できるようになっていないとならない。すくなくともいま書いている分に関することは、頭の中に保持していないとならない。  じゃないと望月のように、被写体を前にデッサンしているにも関わらず、手元のスケッチブックだけを見て、細かい線をちょこちょこ描き加えているだけ――といった症状になってしまう。立体を見ることなく、平面上でしか成立しない絵を描いてしまうことになる。  絵の話となるけど。この手の「スケッチ」という作業を行うときには、まず被写体を観察して、そのイメージを脳裏に焼き付けるわけだよね。そして、そのイメージをスケッチブックに書き写すまでの短い時間の間は、頭の中で覚えておかないとならない。  この「時間」というのは、スケッチするときには、数秒か数十秒程度だろう。  そして小説を書くときには、これはだいたい、生課題で書いているワンシーンの分量くらいが相当する。  原稿用紙数枚程度のシーンは、頭の中だけで書き上げられないと、話にならない。  じゃないと「立体」を描くなんて無理。  空間把握とか、シーンの把握とか、キャラクターの把握とか、本質的なところに到達できない。  いつまでも、その場しのぎで小手先で、文面にある字面だけで構築された「小説モドキ」を書いてゆくことになる。  プロ同士の会話で、こんな話がでたことがある。  無人島で一人きりになってしまったらどうやって暇つぶしをするかという設問だ。  紙とペンがあれば、小説を書いて、自分で読んで楽しめばいいが……。紙もペンもなかった場合にはどうするか?  まず全員が、こう答える。  「頭の中だけで書き上げて、それを読み直して楽しみます」――って。  ここには若干の誇張が入っている。  プロといえども、そう容易にできることじゃない。  一冊分、まるごとそっくり、一字一句まで頭の中だけで構築するのは、かなり大変。(しかし不可能でもない)  ちなみに昭和初期の文豪には、これを日常的にやっていた作家もいたらしい。○○枚という原稿を依頼されて、原稿用紙の最後の行までぴったり使って、書き上げて渡したという逸話ね。  そこまでやれとはいわんが、せめて生課題程度の分量は、頭の中だけで書けるようになること。  それができるようになると、いつでもどこでも小説が書けるから、練習時間がいまよりずっと取れるようになる。電車の中でも、街を歩いていても、いつでも小説の練習ができるようになる。  おまえらは練習量が足りないんだよ。圧倒的に。  パソコンに向かわなきゃ小説が書けないなんていうんじゃ、そりゃ、練習時間も取れないだろうさ。あたりまえだろ。 >新課題用のお題 ・「告白」「パン争奪戦」「起床」――復活お題。 ・「キノコ」「桜」「おつかい」「満員電車」「雨上がり」「梅雨明け宣言」「鍋」「深夜のコンビニ」「浴衣」「夏祭り」「自転車」「待ち合わせ」――新規お題。 ・初日は、望月がコケたお題から復活させてみる。この中から1個を選んでやるべし。「校舎裏」の属性を取ってみたり、「洗顔、歯磨き」を取ってみたり、若干変更してある。ちなみにパン争奪戦は、前回のは「パン争奪競争」になっていたので、やるのであれば、今度は「パン争奪戦」でやってみること。競争にすると競争のほうにメインが移ってしまう。メインは昼休みの「混雑混乱」感ね。 ・2日目以降は、新規のお題のほうから選んで1個をやるべし。 --------------------------------------------------------------------------------  再度 すいません  No.6687 投稿日 2003年7月11日(金)18時29分 投稿者 月見 みかん  課題は 必ず提出しますので、温かい目で見守ってください。 新木さん、どうも親身になってくれてありがとうございます。うれしいです。 新木さんの 愛のムチにひしひしと感じてます。 約束します。 課題は 絶対に提出しますので、 私の身辺のほとぼりが 治まるまでまってくださいね   では、、、、、     月見 みかん        -------------------------------------------------------------------------------- 月見さんって No.6688 投稿日 2003年7月11日(金)21時02分 投稿者 とんびの羽根  なんか、話かみ合ってないね……  とりあえず人の話を普通に読んで、書き込みは自分の伝えたいことを、普通の日本語で書くこと。  返答その他は、課題ができあがったときにどうぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- そのヒグラシ No.6689 投稿日 2003年7月12日(土)02時15分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切は今年に入って初めてヒグラシの声を聞きました。夕方や朝方に「カナカナカナ」と鳴くあのセミです。  今日の湘南は夏本番を感じさせる暑さでしたから、セミも鳴く元気が出てきたのでしょう。七月に入ってもずいぶん涼しい日が続き、「これではセミにとっては寒すぎて、鳴けないうちに寿命が尽きてしまうかも」とちょっと心配していたので、ほっとしました。 >>読者さまの顔  多種多様な人々のことを、一くくりに「老若男女」ということがありますね。この言葉に示されるとおり、年齢と性別というのは、どんな人間かを判断する上で重要な要素とされています。年齢については前回までの書き込みである程度考察しましたから、次は性別について考察してみます。  男の子でも女の子でも、小さい子供はおとなに「お話」をしてもらうのが大好きですね。この「お話」は、話者の直接の体験談である場合もあり、童話である場合もあります。最も多いのは、童話というより、近代になって童話やら小説やらが成立する以前からある民話やお伽話でしょう。  ところが、同じお伽話でも、男の子と女の子とでは、明らかに好む「お話」の種類が違います。  男の子が好きなのは、日本民話の桃太郎やアラビアの船乗りシンドバッドのように、男性の主人公が遠くへ出かける冒険譚で、かつ間違いなく「戦い」の要素が入るものです。そのような物語には、女性が登場しても影が薄く、恋愛的要素はほとんど無視されています。  対して女の子が好むのは、日本の竹取物語や西洋のシンデレラのように、美しく高貴な「お姫さま」が主人公であり、そのお姫さまに釣り合う素敵な男性が登場するものです。このような物語には、男の子が好む「戦い」の要素はほとんど含まれず、代わりに恋愛の要素が占める割合がとても高くなっています。  この傾向は大きくなっても維持されます。漫画の世界を見ればわかりやすいですね。少年漫画で戦いの要素がないものはほぼ皆無でしょうし、少女漫画で恋愛の要素がないものを探すのは難しいでしょう。  これだけ趣味が多様化し、男女平等が浸透した現代日本においても、なお「戦いが主の少年漫画」・「恋愛が主の少女漫画」という区分が残っていることからすれば、この傾向が極めて根強いものであることがわかりますね。  ここで、「なぜそうなのか」を突き詰めようとすると、小説の方法論ではなくて社会学か心理学あたりの論文になってしまいます(^^; 理由をある程度考えることは必要でも、突き詰めすぎない程度に考えることにします。  小説を書いて人々に娯楽を提供する者として考えるならば、この根強い傾向は決して無視してはいけませんね。男性または女性が普遍的に「気持ちいい」と感じる要素を利用しない手はありません。  ごく単純に考えて、男性の読者さまを惹きつけたいなら、作品中に戦いの要素を多めに入れるべきです。女性の読者さまを得たいなら、戦いよりは恋愛の要素を多めにすべきですね。  上に挙げたのは、非常に大ざっぱな男性と女性の好みです。次回はもう少し細かいところを見てゆきます。 -------------------------------------------------------------------------------- その1。 No.6690 投稿日 2003年7月12日(土)17時06分 投稿者 魚住 雅則 >僕は僕で、魚住の言わんとしていることがわからない。 >芸人の世界の話をしてもらうことと、ネタの良し悪しの話は飽き飽きということと、まったく関係がないじゃないか。別個のことでは?  芸人の話(NO.6664)を書きこんだすぐ後に以下の書きこみがありました。 >基本技術の練習の話をしているのに、ネタの良し悪しの方向に話を持っていかれることに飽き飽きしている。次は魚住だ。 (NO.6775より) 話の流れからして、 新木さんの発言内容は『魚住は芸人の話をすることで、またネタがよければ基本は疎かにして構わないと言いはっている。いい加減飽き飽きしているのだが』と解釈したのですが。違っていたのでしょうか?  違っていたようなので話を進めます。 >新木さんの意見に追従しているのか 追従しているように見えましたか。 僕としては反論すべきところは反論し、オカシイと思うことがあればムキになって噛みついているつもりなのですが。 ここで「そんなことないですよ。追従なんかしてませんよ」とだけ言っても意味がないので、きちんと書きます。 漫才と小説で食い違いが起きるのは、今話題になっているスタンスの問題です。 スタンス――漫才に関しては以下の通り。 ・僕は漫才師になるつもりがなく、あくまで客である。 ・最近、漫才では基本がおろそかにされていて、才能を前提とする風潮がある。しかしその漫才を僕は大いに面白いと感じている。 ・僕は客なので笑わせてくれれば満足である。それが基本に支えられていようと、才能に拠っていようとどちらでも構わない。 (加えて言うなら、才能に拠っている最近の芸人の方が面白いと感じている) 小説に対してはこちら。 ・僕は小説家になるつもりである。 ・才能に拠らなければ面白い小説が書けないのでは非常に困る。 ・「基本、技術」を学ぶことで「自分が面白いと思うコト」が120%伝えられるであれば(他人を面白がらせることができるなら)真剣に基本を学びたい。 これは「小説と漫才は別」の思想を基にしたスタンスです。 新木さんに追従しているわけではありません。 >魚住が話題にしている芸人は「一流」である模様。テレビに出るなり、舞台で「一位」であるコンビの話だったり、そうした有名どころの話しかしていないようだ。 >この分室でやっている話は、すべて、「カネが取れる小説を書けるようになる」ための話であって、「一流になるための話」ではないことに注意すること。 拒否します。 理由は2つ。 その1。話の性質上必要だから。 僕は漫才と小説は別であると主張してきました。 比較例としても適切ではない、これ以上は一風変わった業界レポートになる――と。 現在の変わってしまった漫才界をレポートする上で「一流になるための話」をすることは不可分な要素であり、必須事項です。 そしてこの「一流」というキーワードは、現在の漫才界が奇形化した(一気に基本を軽視するという風潮が進んだ)ことに深く関わる問題でもあります。 「一流」の重要度の違いが、小説と漫才を別のものにしています。 その2。そもそも考慮に値する要求ではないから。 と、その前にいったん話題を原点にもどしましょう。 新木さんの言うとおり「誰かがヌルいことを言いだせば、なにか一家言持ち出したくもなるだろう」というのが僕にとって話題の原点でした。 直後、ただの暴走であると感じたので自主削除を行いました。 自主削除しても「いまの発言ナシね」とはなりません。 ですから、「いまの発言は分室にとって、残しておく意義がない」という意思表示であります。 その内容について「気になる点があるから」と、書き込みを復活するように指示したのは新木さんです(実際の書き込み復活は僕がお願いしましたが)。 その後も僕の主張は書きました。「小説と漫才は別である。比較例としてはふさわしくない」と。 その根拠については、ここで書くと煩雑になるので書き込みを改めます。 ともかく僕のスタンスは明言してきました。 >で、芸人の話のほうは、芸人の世界のことについていくつか知りたいこともあるので、そっちはそっちで書いてくれると助かる。 僕にとって今ココに漫才のことを書く理由は、新木さんからの情報提供依頼によるものです。この話題に限っては分室参加者として書いているわけではありません。 新木さんは「小説と漫才は別である」という意見に納得していない。OK。それは了解しました。 しかし僕はここで新木さんの意見を変えたいとは思っていません。 No.6680で、「どちらにしても小説にする」と書いたように、説明ではなくエンタメとして納得させるつもりです。 それでも分室の原則に則った書き込みを要求するならば、「今、分室で漫才の話題を続けることは、作家志望者にとって有益である」という新木さんの意見を僕に納得させてから言ってください。 納得すれば注意します。小説を書く上で役に立つのであれば、よみかく分室のルールに則れという新木さんの発言は正当だから。 ここは作家志望者の集まる「よみかく分室」ですが、 「僕が小説(分室)に関係ないと思っている話題」を書くように依頼したのは新木さんです。 現状で新木さんの上の要求は、「漫才と小説は比較例として適切である=分室で話すべき内容である」という共通認識を持つのに必要なステップをすっ飛ばしており、 ただ自分の勝手な都合を押しつけているだけに過ぎません。 以上のことから、 上の発言は考慮に値しないと判断しました。 >魚住の説明のしかたが変なのか、持ち出してきた「たとえ」が不適切なせいなのか、そもそも魚住の思いこみが変なのか、それは僕には判断つかんが。 >とりあえず言えることは、「オマエの言ってることは変だよ」ってことだな。 否定します。 「新木さんの態度が変」なのです。 >調子にのってエディタ上にバカみたいな勢いで書いてしまったので、整理しています。少し待ってください。 >その前に意識に入れておいて欲しいことを。 >というのも、新木さんの書き込みをみるとなんというか、根本的なところで認識の食い違いがあるような気がするのです。 僕は事前に断っていますね。本来の説明に入るまえに、まず前段階として頭に入れておいて欲しいと。 まず根本的な認識の違いをハッキリさせる。それから説明する方がより解りやすいのではないかと判断したため上のように書きました。 で、新木さんはこう言っています。 >あとお笑いと小説とは構造が違うから――と言うのだが、そこについては納得できない。 あたりまえなのですよ。 「本来の説明に入る前に、とりあえず意識に入れておいて欲しいこと」を読んで納得できるわけがないでしょう。 それに、どこにも「これが結論です」とは書いていません。 話の途中で「だから――なに?」と聞かれても。 「人の話は最後まで聞きなさい」としか答えようがありません。 もう一つ。そもそも新木さんが何をしたいのかがわかりません。 スタンスがあっちこっちフラフラしているからです。 ○単純に好奇心から(または他に情報が必要なことがあって)漫才の世界の現状が知りたいのですか? ○「漫才と小説は別である。比較例として適切ではない」という僕の主張を否定したいのですか? そのための材料として現状がどうなっているか知りたいのですか? ○現状を知った上で改めて考えてみて、それから反論するなり納得するなりして結論を出したいのですか? >エンターテイメントの括りに含まれるすべてのジャンルにおいて、「基本が大事じゃない」ものなんて、あるかってーの。 これを見ると、何よりも否定したいという意思が感じられます。それなら最初から否定する姿勢を貫いてください。僕もそれに合わせて考えます。否定意見についてもきちんと向かい合って、相応の書き方をします。(攻撃的になるという意味ではありません) しかし質問者のフリをして否定するのは止めてください。 ついでに言っておくと、新木さんが問題にしている点はあまり意味がありません。 漫才と小説、確かに言葉のエンタテイメントとして共通点は多いです。ゆえに以前の漫才は基本を大切にしてきました。 奇形化を始めたのは昨今のことです(その理由を説明するために構造の違いも意識に入れておいてください)。 純粋に現在の状況を知りたいのだったら、そう言ってください。漫才の状況説明に専念します。その場合、説明の「途中」で半端な否定意見を挟まないでください。邪魔です。 改めて考えるという場合も同じです。最後まで読んでからにしてください。 新木さんの目的が上のどれであっても構いません。最後まで話しましょう。 また、「もういいよ」ということでしたら、それでも構いません。説明ではなくエンタメとして小説にしますので読んでください。 上記のどれでもないのでしたら、今はっきりと明示してください。 そして途中でいきなりスタンスを変えるのは止めてください。 僕のスタンスは以下のとおり。 「漫才と小説は別であり、比較例として適切ではない。よって分室で延々と書くべき話題ではない。新木さんが情報を必要とするならば、または、比較例として適切であると納得すれば書く」 さて、新木さんは何がしたいのですか? まずそこを明確にしてください。 それがハッキリしてから、話を漫才に戻しましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- その2。 No.6691 投稿日 2003年7月12日(土)17時49分 投稿者 魚住 雅則 >小説通になりたいのか、小説家になりたいのか 小説家になりたいです。 ここに戻ってきた理由は、分室と別で書こうとしている 「誘拐した少女に弱みを握られて、逆にいいように利用される二人組の話」 の面白みを100%引き出せるようになりたいからです。 そのために分室でプロット、演出、文章を磨きたいと思っています。 >新生課題 参加します。 スケジュールが不定で、明確にいつ時間が取れるというのが解らないので、「2時間45分は一切キーボードに触れない。残り15分で一息に書く」という方法を利用させてもらい、事後報告の形で課題部屋にあげようと思います。 取りかかる前に質問いいでしょうか。 2時間45分の間に文章まで考えるというのはどういう意味があるのでしょうか。 書く前に脳内イメージを完全に構築するというのは分かりました。 今まで自分がやっていたような「ハリボテ未満」ではなく、完全な世界セットを構築してからキーボードに触れると。 ですが、脳内で世界が出来上がって、展開やカメラワーク、その他が完成した時点では内容は映像としてあります。 (オマエは完成した領域まで達していないだろう、というのは一旦おいておいてください。今後の指針を確認したいのです) その状態(映像)で書き始めるのと、完全に文章化してからキーボードに触れるのとではどういう差があるのでしょうか。 誤解しないでもらいたいのですが、「文章まで考える必要はない」と言っているわけではありません。 「文章化が完了してから書き始める」ことにどんなメリットがあるのかきちんと把握している方が吸収率があがるから、というのが質問の動機です。 -------------------------------------------------------------------------------- 魚住 雅則さんへ No.6692 投稿日 2003年7月13日(日)00時43分 投稿者 鐸碑 >「文章化が完了してから書き始める」ことにどんなメリットがあるのかきちんと把握している方が吸収率があがるから、というのが質問の動機です。  新木さんの説明から気付きませんでしたか? これは、実際に文字として書き出さないで頭の中だけで文章化する『シャドゥ執筆』の練習ですよね。  頭の中でイメージした物を文章としてエディタ上に書き出す練習ではなく。頭の中だけで文章化する練習です。  頭の中で文章化するのは、至極当然のことで、逆に最後の15分で書き出す事にどう言う意味があるのかと考えれば気付けると思います。  頭の中だけで、文章化してもなれないうちはちゃんと文章化したつもりで、文章になっていないかもしれません。それを確認するために実際に文字として確認できる状態に外部出力する作業が最後の15分の書き出し作業でしょう。  15分でエディタ上にだすのは、シャドゥボクシングでいうと、鏡に映った動作を見る部分であって鏡の前で身体を動かす部分じゃないって事でしょう。  書きながらでないと文章化できない状態を脱却しないなら、この訓練には意味がなく普通に書きながら思考するやり方で十分でしょ。  常に紙やパソコンに向かってられる作業環境を手に入れるならそれでもOKなんですから。 -------------------------------------------------------------------------------- 中性化する物語 No.6693 投稿日 2003年7月13日(日)02時16分 投稿者 弟切 千隼  ヒグラシと前後して、弟切の家の周辺でキリギリスが鳴き始めました。春に生まれた小さなキリギリスの幼虫たちが、鳴けるくらいに大きくなったのですね。  「ちょんぎーす」というキリギリスの声は、大概むせるように濃い草いきれの中から聞こえます。この声を聞くと、弟切は夏本番が近いなあと感じます。 >>読者さまの顔  前回の書き込みNo.6689で、ごく大ざっぱに考察したところ、男性は戦いの物語を好み、女性は恋愛の物語を好むことがわかりました。  もちろん現実には、それほどかっちりと分かれているわけではありません。男性にも恋愛願望があって、それを満たす物語の需要があります。ばったばったと敵をなぎ倒す痛快さは女性も好むところですから、戦いの要素が濃い物語の需要があります。  でなければ、少年漫画の世界に「ラブコメ」などというジャンルがあるはずはなく、超能力を持った少女たちが敵と戦う『美少女戦士セーラームーン』などという作品が少女漫画誌に載るはずはありませんよね。  少年漫画誌にはだいぶ昔から「ラブコメ」というジャンルの作品が載っており、少女漫画誌にも「戦う少女」の作品が載っていました。それでも、時代を経るごとに「男性向けの物語」と「女性向けの物語」の差が小さくなってきた気がします。  例えば、二十年以上前に発表された柳沢きみおさんの『翔んだカップル』−『週刊少年マガジン』に連載されていました−は、主人公の少年が二人の女性の間で悩む羨ましい展開の(^_^)ラブコメで、当時の少年漫画としては画期的といわれました。「二人の異性の間で悩む主人公の恋愛もの」は、少女漫画にはよくあったものの、少年漫画では目新しかったのです。  けれども、現在ではこういう展開の少年漫画は、特に珍しくはありませんよね。ラブコメの一つの形として、安定した人気があるのではないでしょうか。  『翔んだカップル』は、それまで「男性には向かない」とされていた「女性向け物語」の骨組みをわざと持ち込むことで、男性向け作品の中に新たな面白さを作り出しました。これは、「男性向けだから」・「女性向けだから」と硬直した考えで作品を作ると、読者さまに新たな楽しみを提供する可能性を逃すかも知れないことを示します。  重要なのは、市場調査は十分にしつつも、柔軟な考え方を失わないことですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 虫も鳴かない千葉の夜 No.6694 投稿日 2003年7月13日(日)03時19分 投稿者 望月京路  でも昼間、うぐいすが鳴いてました。春の鳥だと思っていたけど、この暑いなかでも鳴くもんですね。 >味覚(見分ける能力)  まあ、そうですね。  言われるまでに、自分でも思い当たるふしは色々あったわけです。みんな面白いと言っている作品・文章が、いまひとつピンと来なかったり。  これはもしかして、味覚ないんじゃないか、と思っていたさなか。  この間のオフ会で言われたわけです。「京路ちゃん、味覚ないね。狂ってるならまだいいけど、本当にない。麻痺してる」  小生が首を傾げた、新木さんの「一文レベルで面白い部分がある」というのを確かめてみたら、「わかるよ」とのこと。「当たり前じゃないか」みたいなニュアンスをかなり含んで。  で、そのあと別の人と、新木さんのを少し分析してみたんですが、やっぱり他の人はわかっていたらしい。  多分、これが新木さんの文だと言われずに出されたら、「面白い」とは感じなかったでしょう。今でも首を傾げているくらいですし、  「読みやすい」とは思ったでしょうけど。 >単語レベルで見分ける  ひとつ、確認を。  単語だけ、で面白さは判断できるものではないですよね?  単語そのものに絶対的な価値があるわけでなく。連続性のなかで単語の価値が決まる、ということですよね。  つまり、「この状況なら○○という単語は食えるが、こっちの状況では食えなくなる」といった具合に。  使いどころに応じて、使える単語と使えない単語が出てくる。 >シャドウ執筆  実験台すか。  そして、時間が三時間、取れる日ですか。  うーん。一週間後なら「実家に帰る」ことしかやることがなくなるので、いつでもいいんですが……。  そうですねえ。明日かな。日曜日。  あと二日……じゃあ、月曜と、火曜。  って。申告して、どうするんだろう。  生課題のように直前申告じゃいかんのかな。魚住さんの事後報告とかでも、ちゃんと当人がやっているならいい気もするけど……。 >魚住さん  課題の意味。  もちろん、空で訓練できるようになる、という意味もあるとは思いますが。  ただ、さらに小生は思うのです。  記憶することそのものが重要でなくて、結果として記憶できるようになることが重要なのでないかな、と。  プロはワンシーンくらいなら普通に記憶できるらしい。しかしそれは、はじめから「記憶しよう」として会得した能力じゃないと思うのです。  なにか。例えば、単語一つにおけるまでしっかり考えれば、自然と覚えてしまっている。  逆にいえば、覚えられないのなら、まだ文章に対する執着が足りない、と。そういう意味もあるんじゃないでしょうか。  ……深読みですが。  ま、小生は指だけで書いてしまう傾向があるので、ちょうどいいです。ちょっと、頭で書くのを覚えないと。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6695 投稿日 2003年7月13日(日)07時57分 投稿者 新木 伸 >魚住  ところで、そんなにエラそうなのは、なぜ?  一時期の翠なみにエラそうだぞ。いまの魚住って。  それはそれとして、現在の論点は以下の二つなわけね。 ・いまの漫才界はどうなっているのか。――のレポートの必要性は? ・漫才と小説は別物なのか陸続きなのか。  前者は、僕が知的好奇心から訊きたいと思っていることね。  ――とこう書くと、魚住的には「じゃあやっぱり小説と関係ないじゃないですか」とくるのだろうなぁ。  なんであれ、好奇心を持つことは小説を書くことと密接な関係がある。  すくなくとも僕は、この話題で掘り出されることは、そのうちなにかしらの形で小説の役に立つだろうと考えている。他の参加者にとっても同様であるかどうかは知ったこっちゃないが、ある人間が小説を書くために役に立つ物事は、他の人間にとってもそうであろうから、たぶん役に立つだろう。  そして後者のほう。  こっちは「漫才界の現状」を聞きだしたときに、まず出てきた疑問なわけね。  聞き手である僕の立場としては、人の話を頭から鵜呑みにするのではなく、当然ながら批判精神を持ちつつ聞いているわけだな。魚住が「奇形化している」と言っても、「本当にそうなのかね、どうかね」と、話半分で聞いている。  僕にとって今回の話は、「漫才通を自称するある人物の個人的主観に基づく話」――としか、受け止めようがない。魚住がどのくらい漫才に詳しいのか、僕には判断材料がないわけだし。  そもそも魚住が漫才で飯を食っている人間(プロ漫才師)だったとしても、批判精神を完全に捨てることはない。話に対しての信頼度はおのずと高くなるけどね。  漫才の話をするにあたっては、君は自分が思っているほど高い評価を受けていないのだと心に留めておくこと。  ――で、魚住は。  漫才と小説とは別物だ――と、はじめに認識の違いを語っておいてから、その根拠について後付けで解説してゆく手法を取ろうとしたわけだね。  しかし前提を話しはじめた瞬間に、僕から「そんなわけあるかい」と横槍が入って、それでふてくされているわけだな。  これは「胡散臭さの度を超えた」のだと思ってくれ。  前のところで、僕の聞き手としてのスタンスは説明したよね。「現在の漫才界は奇形化している」あたりなら、「ふむふむ、そんなこともあるかもしれない」と聞いていられる。  だけど「漫才と小説は別物なのです」ともなると、「んなわけあるかい」と突っ込みを入れたくもなる。  漫才についてはともかくとして――。  「小説」について、君はいったいなにをどれだけ知っているというのだ?  まともな小説、書けるの?  なんか書いたの?  それどこにあるの?  わしはこれでもプロの端くれだから、「現物」を見さえすれば、ある人物が小説に対してどれだけの造詣を持っているのか、分かるつもりだよ。  しかし、どこにないじゃんか。その「現物」さえ。  君の小説に関する造詣は、僕の中では、いまのところ「口先小僧」なわけだよ。  初めて出会ってから3年間近くになるが、そのあいだたったの一回も、評価はそこから更新されたことがない。  分室に長いこと出入りしているから、自分の株が上がっているとでも思ったか? 錯覚だよ、それは。  あるとき、あるところで、だれかが「小説と○○とが別物」と言ったなら、その人物は、小説と「○○」との両方に対して、深い造詣を持っていなくちゃならないわけだ。  もしくは、せめて片方については詳しいとか。  その場合には、「私は○○については詳しいのですけど、××についてはそれほどでもありません。でもその限定された経験からいっても、両者が別物であることはわかります」――とか、控えめな意見にならん?  魚住の漫才についての造詣は未知数だが、すくなくとも小説についてはハッキリしてる。  片方について明らかに詳しくないはずの人間が、「別物です」と言い切っちゃっている乱暴な論は、明らかに胡散臭さの度を超えてやしないか? どうだ?  漫才界の現状レポートのほうだけど。  根拠のない断定をしちゃわないで、間違っているかもしれない個人的観測をまじえないで、現状のみを伝えることはできないもんなの?  漫才と小説とは別物であるかどうか。構造が違うのかどうか。そういうことは聞き手の判断に任せるようなレポートのやりかたってのは、ないもんなのか? >>芸人の世界の話をしてもらうことと、ネタの良し悪しの話は飽き飽きということと、まったく関係がないじゃないか。別個のことでは? だから別々にやってくれればいいのでは?  僕のこれは、そういうことを言ってたわけ。  僕は君の「結論」は聞きたかないが、漫才界の現状は知りたいわけ。  「事実」と「自分の見方」とを別物として話せないのかって、そう言ってるわけ。 >男女の好む話のパターン >弟切  未知(冒険)。戦い(競争)。力(権力)。富。栄誉。  男の子の好むパターンは、こんなところじゃないかね。  女の子の好むパターンはというと……。  恋愛。生活。  ……うーん。  あんまり数が出てこない。これは僕のストックが少ないってことだな。男の子のほうと同じぐらいの数が出てきても良さそうだけど。  ちなみに「王子様」とかいうのは、これ、「安定した豪華な生活」の象徴みたいなもんだから、そっちに含まれる。  王子様と恋に落ちるって展開の話でも、案外と恋愛プロセスはすっ飛ばされているもので、「そして二人は幸せに暮らしました」なんて話も多い。それは「恋」がメインっていうより、「生活」のほうに分類されるのだろうね。「幸せで豊かな生活」ってほう。  あとみやびさんと話していて見つけたのだが、「恋」のなかにもサブジャンルがあるもよう。  人魚姫のように自分から求める「恋」もあれば、シンデレラのように「求められる恋」もある。そして考えてゆくと、この「求められる恋」というもののほうが、圧倒的多数に上る模様だ。  どうも女の子というものは、「異性から求められる」というお話が好きな模様だ。しかもその恋の相手としては、貧乏小僧なんかじゃなくて、家柄があり地位と財産もある「王子様」なんかを所望の模様だ。  この女の子好みの話のパターン。すぐに出てくるストックが少ないってのは、現役作家として問題だなぁ。俺。研究しとかないとならないな。  最近は男読者の女性化が進んできているからか、女の子の好むはずの展開が男の子にウケたりもする(しかも大受け)。  「求める恋」よか「求められる恋」のほうが好まれるという傾向ね。  あと棚ぼたのパターン。「実力」と「豊かな生活」とが、女の子付きで向こうからやってきちゃうなんてパターンとか。なんの取り柄もない主人公が、女の子がやってきてからすべてが変わって、努力もしないで実力を身につけていってしまう――なんてやつ。 >望月 >>多分、これが新木さんの文だと言われずに出されたら、「面白い」とは感じなかったでしょう。今でも首を傾げているくらいですし、 >>「読みやすい」とは思ったでしょうけど。  おーい、だいじょうぶか〜。  読み取れたのは、「読みやすい」だけかよ。  僕の書いたアレは、「読みやすさ」がスポイルされたものなんだぞ。(スポイル= 損なう。だめにする)  面白さを取るために、読みやすさをある程度犠牲にしている。  もっと読みやすくすることもできる。どの一行をとってもそれが行える。しかしそうはしなかった。  必要とする分だけの読みやすさを確保したうえで、より面白くなるように書いているわけね。  ちなみにここでいう「読みやすさ」っていうのは、いま何が起きていて、どうなっているのかが理解できるって意味ね。まあ「読みやすさ」っていったら、この一種類しかないから、勘違いしようがないだろうけど。  課題部屋502のアレでは、この読みやすさを犠牲にしている。 >>申告して、どうするんだろう。 >>生課題のように直前申告じゃいかんのかな。魚住さんの事後報告とかでも、ちゃんと当人がやっているならいい気もするけど……。  アホか。  事前申告しておくのも、メソッドのうちだ。  つまり、課題が予定されているその日までのあいだ、一日中、課題のことが念頭に張り付いているようにするためだ。  まえに受験生の話をしたけど、それと照らし合わせて、わからんもんかな?  「この練習にはなんで事前申告が必要なのだろう」と、いちおう考えはしたのだろう?  それとも考えもしないで、こうして訊いているわけ?  テストには、二種類があるよね。  試験日があらかじめ公表されているテストと、抜き打ちで行われるテストの二つ。  片方は事前に準備万端整えさせるものであり、片方はいきなり実施されるものである。  両者の違いは?  たとえば受験生の話でいえば、受験への体勢を整えているからこその「受験生」なわけだな。常に受験のことを考えているから、受験生と呼ぶ。  それと同じ状態を作るのも、メソッドのうち。  予定した日時に小説を書くと決めることで、その日までのあいだは、常に念頭に小説のことが張り付くようになるだろ。受験生が常に受験のことを頭に貼り付けているのと同じように。  オマエら作家志望者なんだから、常に小説のことを頭に張り付かせてなきゃダメなわけ。  それがゼンゼンできていないわけ。書いているときしか、小説のことを考えていないわけ。それじゃハナシにならんわけ。指を動かして腕の筋肉に乳酸を溜めることを、小説を書くことだと勘違いしちゃってるから、ダメダメなわけ。あんなくだらんものしか上がってこないわけ。  だから、せめてその「小説のことを一日中考えている状態」というのが如何なるものか、一時的に体験できるような仕組みを考えてみたわけ。  そういうことを踏まえての実験台なの。  まあ人によっては、「月曜日にテストするぞ〜」と言っておいたって、テストの瞬間まできれいさっぱり忘れてるヤツもいるだろうしー。  このメソッドが有効かどうかは、やってみなけりゃわからんが。だから実験台がいるのね。  君はダメの標本みたいな存在だけど、素直な標本なので実験台には最適なわけね。  了解? >魚住 ・脳内イメージを構築済みにして、そして書き出す。 ・文章まで起こして、すべて構築済みにしてから、単に描き写す。  この二つの方法の違いを質問しているわけだね?  やりかたを変えつつトライして――それぞれ3時間ずつ、合計6時間を掛けてみることもなく、その「違い」について質問してくるのかおまいは。  僕に言われたやりかたと、自分で言ったやりかたとを両方試してみれば、違いなんて、おのずとわかるもんじゃないのか?  両方試してみて、それでも自分でわからないようなら、もういちど質問してこい。  それから、「時間」について。  社会人になってみて、まだわからんのか?  「時間」ってのは、「取れる」ものじゃなくって、「作る」ものなんだってば。  俺は「いつ時間が取れるんだ」なんて、訊いちゃいないの。  「いつ時間を作るんだ」って、そう訊いてるわけ。  これ以降、「取れる」時間だけを普通に使っていたのでは、いつまで経ったって作家になんてなれやしねーよ。  無理矢理時間を捻りだして、そうして小説に取り組んでゆくつもりがないのだったら、どうせ何年掛けたってムダなんだから、作家目指すのなんて、いますぐやめちまえやめちまえ。そのチマチマしたコマ切れの時間でゲームでもやって、RPGのレベル上げでもしてたほうが、よっぽど有意義な時間の使い道ってもんだ。  まあ30年計画ぐらいだったら、「取れる時間」だけを使っても、なれないこともないかな。「30年後に作家になります」って予定変更するのなら、いまのままでもいいけどね。  弟切さんなんかがそれに近いスタンスだし。30年とは言わないまでも、たしか10年20年は計画のうちでやってるはずだ。  あともうひとつ。  最近の話題のなかで、「お笑いの基本」って言葉がよく飛び交っているよね。「基本を軽視」とか、「基本を外した」とか、そういう用法でもって。  お笑いの基本って、いったいなんなのだ?  今回の話題でみやびさんと話しているときに、「基本」ってものに対する概念が、両者のあいだで食い違っているのではないかと、そういう話題が出た。  ――で、そっちが思うところの「基本」って、どんなものなの? -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず No.6696 投稿日 2003年7月13日(日)20時55分 投稿者 望月京路  シャドウ執筆、はじめます。  一回目は「起床」にします。  んでは、三時間後。 -------------------------------------------------------------------------------- 戦うお姫さまたち No.6697 投稿日 2003年7月13日(日)23時48分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は、季節が一ヶ月以上後退したのではないかと思うくらい涼しい日でした。涼しさを通り越して肌寒いくらいです。  さすがに、これだけ寒いと今日はキリギリスの声が全く聞こえませんでした。ところが、我が家の近所のヒグラシは気合の入り方が違うのか、夕方には鳴き声が聞こえました。セミは寿命が短い分必死なのかも知れません。 >>男女の好む話のパターン  新木さんによれば、男の子が好む話のパターンは、 >>未知(冒険)。戦い(競争)。力(権力)。富。栄誉。 で、女の子が好む話のパターンは、 >>恋愛。生活。 というところですか。  私が考えるに、女の子が好む話の中にも「栄誉」はあると思います。最初は弱かった主人公が修練を積んで強くなってゆき、栄誉を勝ち取る、いわゆる「スポ根もの」などがそうではないでしょうか。  少女漫画の中にも、既に二十年以上前から『エースをねらえ!』などのスポ根ものがありました。知らない方のために解説しますと、『エースをねらえ!』はテニスのスポ根ものです。名作の例に漏れず、この作品も題名が中身をそのまま表わしています。最初は高校のテニス部でゆるいラリーが少し続けば嬉しかった主人公は、様々な試練を乗り越えてついには国際大会で優勝するまでになります。  ただし、『エースをねらえ!』には、栄誉以外に恋愛の要素も非常に多く含まれています。これは女性向けの物語のほとんどに見られる特徴で、恋愛以外のものが主題になっていても、それに恋愛の要素もからんでくる作品が多いです。  同じスポ根ものでも、男性向けの物語では、恋愛の要素が入っている作品は少ないですね。入っていたとしても付け足し程度です。  例えば、『エースをねらえ!』から恋愛の要素を取ってしまったら、あの物語は成り立ちません。けれども、『巨人の星』から恋愛の要素を取っても、物語にはほとんど影響しませんね。(あの『巨人の星』にも、一応恋愛のエピソードは出てきます)。  それ以外に、女の子が好む話の要素として重要なものの一つに「美」があると考えます。  「美」は、それ自体が物語の主題になることは少ないです。しかし、女性が好む物語の中には、必ずといってよいほど「美」の要素が入っています。  「戦う少女」が主人公の『美少女戦士セーラームーン』が良い例ですね。題名に「美少女戦士」とあるとおり、戦士といえども美しくなければなりません。  アニメ版の『美少女戦士セーラームーン』を観ると、主人公が普通の中学生から「美少女戦士セーラームーン」に変身する場面が、たいへん美しく、念入りに描かれていることに気づきます。なぜなら、ここがまさしく見せ場だからです。  女の子が変身する場合には、強いだけでなく美しくもならなければいけません。というより、美しさが強さのバロメーターになっていて、強くなればなるほど美しくなってゆくようです。「美少女戦士セーラームーン」が、「美少女戦士セーラームーンSuper」になると、衣装が豪華になってより念入りに変身場面が描かれるのがその証拠です。 >>「恋愛」の中のサブジャンル  一般的に女性が「求める恋愛」よりも「求められる恋愛」の物語を好むのは、新木さんの分析どおりだと思います。  しかし、最近ではこの傾向に明らかな変化が見られます。これは、先日、分室に関係していない友人と、たまたまディズニーのアニメ映画の話をしていてはっきりと気づきました。  一九九〇年代以降のディズニーのアニメ映画と、それより前のディズニーの作品とでは、登場するヒロインの性質がずいぶん違います。  例えば、あまりにも有名な『シンデレラ』のヒロインは、善良ではあるものの、自分では前向きな努力はあまりしませんね。親切な魔法使いのお婆さんと、優しい王子さまの力によって幸せになっています。  『眠れる森の美女』のヒロインときたら、もっと何もしません。眠っているだけなのに、優しくて強くてお金持ちの王子さまがやってきて、彼女を呪いから解放し、結婚までしてくれます(*o*)  余談ながら、弟切は子供の頃に『眠り姫』の童話を初めて読んだ時、「この話のどこが面白いのだろう?」と本気で思いました。「自分で何もしていないのに、素敵な男性が現れて全ての問題を解決してくれるなんて、いくらお伽話でも都合よすぎ」と感じたものです。  たぶん、弟切と同じように感じていた世の女性は多いのでしょう。一九九一年に、時代を画するディズニーのアニメ映画が現れます。  それが『美女と野獣』です。この映画のヒロインは、呪いにより恐ろしい野獣の姿に変えられた男性に心を開き、森の中のお城で一緒に暮らします。彼女の愛の力により、呪いは解けて野獣は人間に戻ります。  『美女と野獣』は、『眠れる森の美女』の男女の役回りを引っくり返していますね。呪いをかけられ、自分の運命を変える術を知らないのは男性のほうで、女性はそんな相手を積極的に愛し、呪いを解いて幸せを手に入れます。  翌一九九二年公開の『アラジン』は、『シンデレラ』の男女逆転版ですね。  『シンデレラ』では、女性のほうが身分が低く、貧しかったのが、「王子さま」に愛されて玉の輿に乗ります。『アラジン』では、身分が低く貧しいのは男性のほうで、ヒロインは「お姫さま」です。彼女は様々な困難を乗り越えて積極的にアラジンを愛し、アラジンはいわゆる「逆玉の輿」に乗ることになります。『シンデレラ』で魔法使いのお婆さんがヒロインを助けたように、『アラジン』ではランプの精が男性の主人公を助けます。  世の中の流れを見るに、上記のような「積極的なヒロイン」の勢いは、今後も止まることはないでしょう。昔ながらの「消極的なヒロイン」の系譜も消えてしまうことはないにせよ、あまりにも消極的過ぎるヒロインは、世の女性の共感を得られそうにありません。  新木さんが言及された「棚ぼた式に実力と豊かな生活が女の子付きでやってくるパターン」について、弟切は考察したいことがあります。一応、文化人類学を学んだ者としては、これははなはだ興味深いパターンだからです。  今日はこれ以上時間が取れませんので、次回に書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- パターンの追加 No.6698 投稿日 2003年7月13日(日)23時57分 投稿者 とんびの羽根 >男の子の好むパターン  蒐集(コレクションと狩り)  ポケモンとか遊戯王のようにビジュアル要素がからむものがヒットしている。 >女の子が好むパターン  運命(に弄ばれる、に抗う、に耐えて幸福をつかむ)。  高貴な血筋(現代の設定だとアイドル)(だが世を忍んでいる、時の権力者に刃向う)と友として、あるいは恋人として結ばれる。  両手に花(片方は金と権力とエンタテインメント能力といたれりつくせり、片方は自由わがままワイルド失うものなどなく、まったく思い通りにならないタイプ)。  とりあえず思いついたものだけです。 -------------------------------------------------------------------------------- 素直って…… No.6699 投稿日 2003年7月14日(月)00時45分 投稿者 望月京路  一般には美徳とされている言葉だけど、ここで使われるとものすごく引っかかる……。  まあ、そんなわけでシャドウ執筆一回目、課題部屋にあげておきました。  頭の中で文章作りながら思ったこと。雑念が多すぎ。対抗策として、部屋を真っ暗にして集中しました。明かりを消しても目が慣れてくれば結構よく見えるんだね――とか、さらなる雑念と闘いながら。  白状しますと、後半の半分くらいは、15分で文字化した部分です。脳内でイメージはしていたんですが、文字にまでできませんでした。  最初の一行は、少なくともあと一ヶ月は忘れない自信はありますけど。 >申告すること  たしかに、抜き打ちテストと定期テスト(公表されたテスト)じゃ、気構えは違います。  でも、分室の課題と学校のテストとは決定的に違う部分があります。  それは、「課題は自分でやるときを決められる」ことです。  「よし、次は課題をやろう」と自分で決めた瞬間から、「○○に課題をやります」とみんなに申告したときと、同じ気構えになると思うのですが。  ちなみに、小生が考えた事前申告の意味は「逃がさないため」。  どうやら三回続けてやる想定らしいので、途中で時間を開けたりされたら結果がよくわからなくなるから。  では、そんなわけでまた明日。 -------------------------------------------------------------------------------- ちょこっと No.6700 投稿日 2003年7月14日(月)01時01分 投稿者 鐸碑 >弟切 千隼さんへ  美少女戦士セーラームーンを例で使っていますが、この作品は研究課題としてはアニメ版と原作版見比べる事をお奨めします。  アニメ版は多くのスタッフが関わり、監督や脚本といった視聴者に見せる部分の要点を握っている人が男性の作品であり、かなり男性の視点も意識した作りになっています。  原作版は女性作者による少女誌掲載の少女漫画である為、(ほぼ)同じ登場人物や事件を扱いながらも全く別のものを見せる作品になっています。  後、エースを狙えやアタックNo.1が描かれた時代は、未曾有のスポ魂ブーム時代でした、その後も継続的に同様の作品が愛されてきたかどうかで、一時的に外部から取り入れられたムーブメントなのか、長く愛される基本テーマなのかが分かると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6701 投稿日 2003年7月14日(月)02時05分 投稿者 新木 伸 >荒らし対策とか  どうやら荒らしは来なくなったようなので、ホスト表示は以前の「表示しない」に戻しました。しかし表示をしなくなったというだけであって、投稿者のホストアドレスの記録自体は行われていますんで。 >男女の好むパターン  これは大昔から使われていて、普遍的であって、そして「ありがち」なものじゃないとダメよ。あと細かすぎるものも、この場合適切ではない。  いまやっているのは、書こうとしている話にその「要素」をただ放り込むだけで、キャッチ度が容易にアップする――っていう、お手軽でありながら効果絶大なノウハウの話なんだから。  つまり、どんな話にだって入れられるような要素でないとならないわけだ。  「蒐集」って、これ特殊系でしょ。  どんな作品にも投入するわけにはいかんでしょう。  それにくらべて、「戦い」やら「成長」やら「栄誉」やら、その手のものは万能選手であって、どんな作品に対しても使うことができるわけね。  ちなみにこの手の話、やはり僕は以前から言っているわけだけどね。  お前の話は「バトルがないからダメ」とか。  お前の話は「恋愛がないからダメ」とか。  お前の話は「遠くや未知の場所に行かないでご町内だけで話が終わっているからダメ」とか。  まっきーが前の話を書くときに、さんざん言ってた覚えがある。  どんな話にだって「戦闘要素」なんて入れようと思えば入れられるんだから、とりあえず入れておいて損はないのだ。短編じゃ難しいかもしれないけど、長編ならば、どこかの片隅になら入るだろうし。  本来ならば、話の本筋から絡めていって、戦闘と恋愛と成長と冒険とが大きく取り扱われるような話が、一番なんだけどね。  ちなみにプロの商業作品では、この4つくらいは、普通、すべて入っているもんだよ。じゃないと市場において競争力を持ち得ない。  「男の子や女の子が好むパターンを入れればいいんだ」と、いまさらながらに弟切が気づいたことに関しては、「もうすでにじゅっぺんくらい言ってるぞ〜」てなところだが。  ただ「好むパターン」のサブジャンルがどれだけあるかを、いま新たに考えてみるのは意義があるかと。  僕にしてみても、女の子読者に向けて話を書くことを本気で考えたことはなかったもんで、女の子方面のキャッチ要素は考えたことがなかった。  そのせいで「美」ってのは、最初の一発目に出てこなかったもんな。 >望月  内容についてのコメントは、3日終わってから。  感触とかも訊くことになるし。  ちなみにこのシャドウ執筆のルール。 ・2時間45分はキーボードに触らない。 ・最後の15分で書き上げる。  押さえるべきポイントは、この2点なわけね。  一字一句に至るまで完璧に頭の中で考えろ、とは、じつは言っていない。  15分で書けるように事前に考え抜いておけ、と、そう言っている。  ただ条件はより厳しく感じてくれていたほうが、プレッシャーは掛かるだろうから、誰かが1回やってみるまでは黙っていたわけだが。  「一字一句まで本当に完璧に」のつもりで、そう誤解して取り組んでくれていたほうが、じつは良いわけだ。  まあ望月が、「ああ俺ってやっぱダメじゃん。結局15分で文章も考えちゃってるしー」なんて、ぐるぐると自己嫌悪スパイラル状態に踏み込んでいってしまわないように、いちおう種明かしをしておくけど。  まあ、残り15分で書き上げられるところまで練り込むことと、一字一句まで考え抜くこととは、じつはほとんど等価だったりするんだけどね。  だって、そこまで練り込んであれば、書き上がったものは忘れっこないもの。  課題終了直後に、もう5分だけ使って、いま書いたのと同じ文章をもういちど書いてみろといったら、出来るはずだよ。  だとしたら、「2時間45分で考える→15分で書く→5分でもういちど書く」ということになるから、「3時間と5分で一字一句まで完璧に考え抜く」ってことになる。  「3時間で一字一句まで考える」≒「3時間と5分で一字一句まで考え抜く」  ――という関係だな。  ちなみに、この課題が、なんの練習にもならない領域にいる人は、当然、そういうことが出来ています。なんらかのアクシデントで書いたばかりの原稿が吹っ飛んでしまった直後に、「まったく同じもの」をもういちど書きあげるなんてことは、全然可能なことです。(全然やりたかないけどね)  そんなことで内容が変わっちゃうようなものを書いていたなら、それはヌルいわけ。まだ執筆に踏み切れる段階になかっただけってこと。  ちなみにこの練習を身とするには、おそらく、最後の15分間になんの作業も残さないつもりで取り組まないとだめです。文章を考えることもしない。本当にただ書き写すのみ。そこまで練る。執筆の前段階で、そこまで持ってゆく。  最後の15分になにか残してもいいや、なんて心構えだと、やるだけ時間のムダです。  「最後の15分間は書き写すのみ」という厳しい気構えでやってないと、「充分な練り込み」っていう領域がどんなところにあるのか、決して会得できんだろう。 >>最初の一行は、少なくともあと一ヶ月は忘れない自信はありますけど。  いま僕が教えんとしていることは、その延長線上にある感覚なわけね。  そこは単なる入口。  しかしその方向で間違ってはいない。  最初の一行のみならず、すべての行に関して、その「一ヶ月は忘れない」という自信が持てるようになれと、僕はそう言ってるわけ。  とりあえず望月の場合には、そこを当面の努力目標としておくか。  「作品中のすべての行を1ヶ月覚えておける文章に仕上げる」ってところね。  まあ、いきなりあんまり高いところに目標設定してもアレだし。  厳しいことを言うなら、「一ヶ月は忘れない」=「一ヶ月したら忘れる」ような文章では、まだまだプロで食ってゆくのは難しいのね。  ある文章が作者の印象に残るということは、その同じ文章が、読者の印象にも残っているということなんだな。  その余韻が「1ヶ月間」しか持続しないのだとする。  すると君が当面の努力目標を達成して、「すべての文章を1ヶ月間覚えておける」レベルに到達したとしても、プロで食ってゆくには、毎月1冊本を出していなければならないってことになる。書けるか?  じゃないと読者から忘れられてしまう。  読者の余韻が残っているうちに次の本を出さなきゃ買ってもらえんのよ。作家ってものは。  プロで食ってゆくための現実的な目標ラインは、「6ヶ月は覚えている」あたりだろうか。これは半年に1冊出すペースね。  さらに究極的な目標としては、無論のことながら、「一生覚えている文章」によって作品のすべてを構築することってなる。  全作品の全行を、「一生覚えている出来」に仕上げるってことね。  そんなの、僕でもとうてい無理だ。  それができたら間違いなく名作だ。  ただし、「一生覚えている文章」とはいかなるものかって感覚なら、僕は知っているぞ。  自分が一生覚えている自信のある文章を、これにまでに十や二十は、出したことがある。  そして読者の全員――ってのは無理があるが、少なくとも数パーセントの割合の読者に対しては、その一行を「一生忘れなくさせた」という感触があるぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- はじめまして No.6702 投稿日 2003年7月14日(月)03時59分 投稿者 盆梅絵  盆梅絵ともうします。男、27歳、金融業、経理担当でしたが、現在入院中ですので、多分クビになると思います。半年入院しまして、今は外泊も出来る状態。あと一、二ヶ月で退院できそうな気はしますが、どうなるのかはいまだ不明。  小説については、短編、掌編ばっかり十編ほど。プロットというか、覚え書きレベルのものを書いてから小説を書き始めたのは、ごく最近、三編だけです。  入院してると書きましたが、今は治療らしい治療もしていないので、一週間に一度は外泊、外出ならば毎日できる状態です。前述した通り、仕事がクビになりそうなので、いい機会だ、小説家を目指そうと。  もちろん現状で参加は無理ですので、参加は退院してからになります。それまでに過去ログ、全部読もうと思っています。二日いっぱいかけて、現在2000まで読みました。斜め読みしながらですが。  で、参加するその前に一つ。  カリオストロの城のテーマについて。  今、誰も手をかけておられないようなので。  もっともカリオストロの城、大部うろ覚えで書いてますので(そんな覚悟で書くな、といわれそうですが)大筋では合ってると思いますが……。  カリオストロの城ですが、一見すると「泥棒が少女の心を盗む話」に見えます。  違います。  正確には「泥棒が少女を、悪人の手から盗む話」です。訂正。だと思います。  ルパンにとって盗むという行為は何なのか。  「あるものを、それに相応しい姿に戻す」ことです。これは後述。  なぜルパンは、最後、クラリスを抱きしめなかったのか?  少女の心を盗むのならば、そこは抱きしめなきゃ。  まず冒頭。ルパンは銀行強盗します。そこで手に入れた金が「ゴート札」だと知り、ルパンは捨てます。  ここ重要。なんでルパンは「ゴート札」を捨てたのか。ルパンがケチなこそ泥ならば、別にそのまま満足したっていい訳です。だって、銀行にあったということは、普通に使用できる金ってことですから。じゃあなぜ捨てたのか。  ルパンは盗むという行為に、金銭的なものを求めている訳ではないのか?  それとも、偽札を使うのは己の誇りが許さないのか?  そしてルパンはカリオストロ公国へ向かいます。さて、なんででしょう? 偽札の存在を許せないから? それはなぜ? ここでは、本人の口からは明かされません、確か。  で、道中、逃げるクラリスに出会います。助けようとするルパン。  結果。助けられません。失神し、指輪を託されます。  その晩、城下町に宿泊するルパンを、いきなりカリオストロ城の手の者が襲います。これで、ルパンは指輪の重要性を知ります。  カリオストロ城に忍び込むルパン。その目的、現時点でこちらがわかるのは、 ・ゴート札(発券できないようにするのか、原盤を自分のものにして、金を作り出したいのかは不明) ・指輪に関する秘密を探る。 ・クラリスを助ける。  この三つのはずです。  で、侵入。クラリスと出会い、語る。指輪を持ったまま、地下室に落とされる。銭形と合流。  「銭形と一緒に」ゴート札の製版所、発見。  その後いろいろあって、クラリスを助けようとして、失敗。指輪を奪われ、撃たれるルパン。こうして見ると失敗ばかりですね。  包帯巻きのルパン、クラリスのことを思い出す。かつてかけだしだった頃、ゴート札の為、城に侵入しようとして失敗、彼女に助けられたことを。  ここで、ルパンがカリオストロ公国に来た、その理由の一つがわかります。己の汚点を消し去る為。クラリスは関係ないです。いままで忘れていたし。今の今までゴート札をほっといたのは、それほどルパンにとっては、かつての失敗がトラウマだったということでしょうか。  クラリスと伯爵の結婚式、ルパン邪魔する。同時期に、銭形、ゴート札の製版所を世界放送。ICPOを動かす。  ここも重要ですね。ルパンは「ゴート札」よりも「クラリス」を選んだ訳です。銭形がこういう行動を取るであろうことは(同時期かどうかともかく)、ゴート札の製版所を一緒に発見した段階で、ルパンにはわかっていたはずです。ここでわかる事実。  ルパンは「ゴート札」を使って金持ちになろうとしていない。  もしそう思っていたなら、ゴート札の製版所を銭形と一緒に発見した段階で、何か行動を起こしたはずです。銭形に見られないようにするとか。その時、ルパンは慌てることなく、全然落ち着いていたはす。そこでゴート札の原盤を入手して、クラリスを助けることだって、できたはずなんですよ。でもしていない。ここでルパンがこの国に来た、もう一つの理由がわかります。ゴート札を発券させないため。偽物は、いらない。  クラリスを助けるために目的を変えた訳ではありません。クラリスに助けられたという借りがあることを思い出すのは、ゴート札の製版所を発見した後ですから。  ルパンと伯爵の決闘。そこでカリオストロ城の宝について知る……この時だったかな。もっと前だったからかも知れない。まあいいや。そこで、ルパンは「宝」より、またも「クラリス」を選び、一緒に時計台から落下します。結果、伯爵死亡、水没遺跡、発見される。  ラストシーン。一緒に連れていってくれ、泥棒も一生懸命覚えるから、そういって抱きつくクラリスを、ルパンは我慢、我慢、我慢して、抱きしめません。  それはなぜか。  ルパンは最初から、クラリスを助けに来た訳ではありません。最初はゴート札のためです。そこでクラリスと出会う。確かにこの時点で、助けてやろうとは思っていたでしょうが、それが完全に主目的「クラリスを盗む」になるのは、過去の借りを思い出した時のはず。  ルパンにとって盗むという行為は何なのか。お金持ちになる為だけではありません。だったら、冒頭でゴート札を気にもしないで使いますし、カリオストロ城に侵入した際、ゴート札の原盤を盗みます。盗んだのは不二子だ。スリル? それもあるかもわからない。ただ、今回のルパンの行動の結果を、今思いつく限りあげるならば、 ・ゴート札が発券されなくなった。 ・カリオストロ城が、本当の姿を取り戻し、水没遺跡が現れた。 ・クラリスが、伯爵と無理矢理に結婚しなくてもすみ、不幸にならずにすんだ。 ・伯爵が消えた。死んだのは自業自得ですが、ゴート札が発券されなくなれば、伯爵は破滅するはず……多分。  すべて、あるものを、それに相応しい姿に戻しています。偽物は消え、城は本当の姿になり、善人は救われ、悪人は破滅する。  つまりルパンにとって盗みとは「あるものを、それに相応しい姿に戻す」ことです。価値のわからない者に持たれている可哀相な宝石を、盗み、それに相応しい姿、本当の価値がわかる者(ルパン本人)のものにする。  なぜルパンは、最後、クラリスを抱きしめなかったのか?  少女の心を盗むのならば、そこは抱きしめなきゃ。  違う。ルパンはクラリスを手に入れたい訳じゃないんです。クラリスをそれに相応しい姿にする為には、ルパンの物になっちゃいけない。泥棒の物になんかなっちゃいけない。だから抱きしめない。汚れなく、元のお城のお嬢様に戻る。  本当の価値がわからない伯爵(クラリスの価値を指輪、それによる城の宝にしか求めない)から、クラリスを盗む。ただし、彼女に相応しい姿は、泥棒の相棒なんかでは、決してない。  クラリスの本当の価値。汚れなき清らかさでしょうか。少なくとも、それは城に伝わる「宝」なんていうものより、よほど価値がある。少なくともルパンはそう思っている。ルパンはお金の為だけに盗みをやってる訳じゃないのは、冒頭、ゴート札を捨てたので提示されてるはず。お金は大好きでしょうが、それよりも己の誇り、信条が大切なんです。  結論。  カリオストロの城のテーマ。  「すべては、それに相応しい姿になるべきだ。いや、ならなくてはいけない」  正解ではないでしょう。それでも、現時点で覚えている限りでは、これが限界です。あと三回ぐらいしっかりと見れば、どうにかなりそうですが。いまいち覚えていないシーンにも、重要な点は多々あると思います。  これだけを、風呂に入った30分で思いつき、書くのには途中でK−1休憩をはさみ、4時間かかりました。全然シャドウ執筆出来てないってことですね。  現状における私の力量の参考になりますか。課題に関しては過去ログすべて読んでから、退院してから、とりかかります。それまではROMです。 -------------------------------------------------------------------------------- それでは No.6703 投稿日 2003年7月14日(月)21時50分 投稿者 望月京路  シャドウ執筆の二回目いきます。  新課題から、「鍋」で。 -------------------------------------------------------------------------------- 終了 No.6704 投稿日 2003年7月15日(火)01時13分 投稿者 望月京路  終わんなかった……。  あと、課題部屋に書きこむときに「パスワードの暗号化がうんぬん」とかいう表示が出て書き込めなかったのですが……こっちの問題でしょうか。まあ、クッキーでなく、新たに自分で書きなおしたらちゃんと書き込めましたが。  あと、プレビューから戻るときに文字が消えたり、「ページの有効期限切れ」とか表示されるのも、パソコンが悪いのかなぁ。この間ウィルスにかかって、ファイルの隔離を行ってからだし。  うーん。 -------------------------------------------------------------------------------- 強きものは美しきかな No.6705 投稿日 2003年7月15日(火)01時33分 投稿者 弟切 千隼  天候不順のせいか、頭が痛い弟切です。いくら梅雨時でも、今日の湘南は寒すぎると感じました。 鐸碑さんへ >  御助言ありがとうございます(^_^)  弟切は、シリーズ全部ではないものの、『美少女戦士セーラームーン』の原作版もテレビアニメ版も目を通しています。この二つはだいぶ見せ場が違っていると私も感じていました。  もしもこの作品について詳しく分析するなら、当然その違いを考慮しなければいけません。しかし、今回ここで分析している程度なら、それほど神経質にならなくても、あまり間違った結果にはなっていないと思います。ですよね?(ちょっと弱気(^^;)  『エースをねらえ!』が描かれたのが、未曾有のスポ根ブームの頃だったのは確かです。昔の少女漫画には、『アタックNo.1』(バレーボール)や『銀色の閃光[フラッシュ]』(フィギュアスケート)などのスポ根ものが多かったですね。  スポーツは上達ぶりが目に見えてわかりやすいので、下手だった人物が上手になってゆく成長を描きやすいです。加えて勝ち負けがはっきりしている分野ですから、ある人が努力した結果、どれくらいの栄誉を得たかもわかりやすいですね。そのために、「栄誉」を得るパターンの話の題材として、スポーツが選ばれることが多いのでしょう。  「栄誉」は、何もスポーツでなければ得られないわけではありません。少女漫画を調べてみると、スポーツだけでなく、様々な分野で栄誉を得るパターンの物語が、昔も今も変わらずに存在します。  中で最も有名なのは、演劇を題材に取った『ガラスの仮面』でしょう。二十年以上前から連載されていて、いまだ完結していない超大河ロマンです。  この作品の主人公は、最初から演劇の天才とはいえ、いろいろな面で未熟です。もちろん女優としては全く無名です。それが次第に成長してゆき、演劇関係の賞などを取って、「名女優」の栄誉を得てゆきます。  『ガラスの仮面』がいかに根強い支持を受け続けているかを考えれば、女の子たちも、主人公が苦労して栄誉を得る話を好むことは明らかですね。  「女の子が好む話のパターン」のうちの「栄誉を得る話」を調べますと、興味深いことに気づきます。  少女漫画においても、スポーツで栄誉を得る話が多いのは少年漫画と同じです。ただ、そのスポーツの種類が少年漫画とは違って、フィギュアスケートや新体操など、「美」を競う競技が多いです。  この流れを汲んで、昔から途切れずにある少女漫画の系譜に「舞踊もの」とでも呼ぶべき分野があります。スポーツの代わりに、バレエや日本舞踊やフラメンコなどの舞踊を題材にして栄誉を得る物語ですね。特にバレエものは伝統があります。  「舞踊もの」は少年漫画にはほとんど見られず、少女漫画を特徴付ける分野といってよいでしょう。ここには、「美」を尊ぶ女性の好みがよく表われていると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- サラサラと、砂時計が落ちる音が聞こえた。 No.6706 投稿日 2003年7月15日(火)04時08分 投稿者 魚住 雅則 >これ以降、「取れる」時間だけを普通に使っていたのでは、いつまで経ったって作家になんてなれやしねーよ クリティカルヒットでした。 というか、ここ最近で一番大きな衝撃でした。 「その年齢でしか書けないこと」が一秒単位で減っていく。 改めて考えると、こめかみの奥が痛くなりました。怖くなってクラクラきた。 明後日に時間をとります。 >武装錬金 いずれやろうと考えていたのですが、そんなこと言ってたら一生やらないのでたった今から始めます。 まず概略を。 現在、武装錬金(ブソウレンキン)という漫画が少年ジャンプ誌上で連載されています。今週の発売号で第4話まで。 この漫画、NO.5607で鷹見さんが言っていた『ボーイミーツガール(女の子に、ちょっとワケあり)』として非常に面白い題材です。 漫画が面白いという意味ではなくて(いや、めちゃくちゃ面白いんですが)、習作の題材として面白いということです。 「まっすぐな正義感を持つ主人公がワケあり少女と出会うことで闘う力を得る。そして一緒に悪い敵と闘っていく」 直球ど真ん中の王道です。 これ、初期のブリーチ(死神の方)とモチーフがほとんど同じなんですよね。微妙には違いますが、骨格が同じ。 同じモチーフを使いながら、全く違うものに仕上げてる(しかも同じ掲載誌が同じ)。 さすがに時間がやばくなってきたので分析と習作用コンセプトは次回にしますが、ともかく。 武装錬金を換骨奪胎して一本話を書き上げます。 >漫才の話 こちらの話題はしばらく待ってください。 >課題の意味 >鐸碑さん >きょろちゃん 指摘ありがとうございます。 >きょろちゃん >例えば、単語一つにおけるまでしっかり考えれば、自然と覚えてしまっている。 >逆にいえば、覚えられないのなら、まだ文章に対する執着が足りない、と。そういう意味もあるんじゃないでしょうか。 面白い(興味深い)意見だったので、有難くいただきます。 課題の意味として「どこでも練習できるようになる(イメージだけでなく、文章までの練習が可能)」は言うまでもありませんが、 方法の違いが「描く内容」にどんな影響を与えるかという点で、僕ときょろちゃんの考えは反対の位置にあるのですね。 ・脳内イメージを構築済みにして、そして書き出す。 ・文章まで起こして、すべて構築済みにしてから、単に描き写す。 きょろちゃんは「脳内で文章(単語一語まで)を徹底的に考えて、決定してから書き写すことで、必然的に選び抜かれた文章になる」 という考え(あってますか?)。 対して僕の考えは、 「イメージまでは脳内で完璧に構築するが、文章に関してはキーボードで打ちながら考えたほうがより選び抜かれた文章になる」 というものです。 *ちなみに「2時間45分」「15分」などの時間配分は考慮していません。 前回の質問は単純に二つの手法の違い(メリット、デメリット)についてです。 主な理由は「視覚的に確認しながら書けるから」。 サブ理由として「指を動かしながら考えるほうが頭が働く」ということです。 (サブ理由の方は本当にそうなのかどうか自信がないですが) ディスプレイ上で実際に打ち込んだ文章を他の単語候補にすげ換えたり文節ごと交換したりする。その結果を実際に目で見ながら比較が行える。頭の中で文章を練りたければ目をつぶることもできます。その分、脳内で文章を考えるより集中できるのではないかと。 一行や単語に対する執着度と脳内だけで文章まで考えること、この二つに関連はないように思えるわけです。 で、当然ですが、「脳内で文章を考える必要はない」と言いたい訳ではなくて、 「負荷」ではないかと思ったのです。 脳内文章構築はキーボードに触れながら文章を考えるより大変です。 なのでそれが出来るようになった状態――基礎体力を身につけた上でキーボードに触れながら書くと、今までより単語や文章の精度が上がるのではないかと。 と、いうようなことを考えておりました。しかし新木さんのNO.6701を読むとどうも違っていたようです。 ともかく、今の考えをここに書いておいた上で、後でそれがどう変わったかを見てみます。 両方の方法を試してみて己がどういう結果を出したのか、ということで。 -------------------------------------------------------------------------------- なんかもうアレ。 No.6707 投稿日 2003年7月15日(火)04時25分 投稿者 魚住 雅則 >明後日に時間をとります。 散々考えた上で、何で「とります」とか書いてしまうかな俺わ。アポか。 すません、訂正です。 「明後日に3時間作ります」 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6708 投稿日 2003年7月15日(火)05時15分 投稿者 新木 伸 >望月  そりゃ、どうみてもWINDOWSが怪しいだろ。  メーカー製パソコンなら「リカバリーCD」とかがあるだろうから、購入時の初期状態に戻すとか。  自作パソコンならWINDOWS再インストールコースだろうなぁ。 >魚住 >>対して僕の考えは、 >>「イメージまでは脳内で完璧に構築するが、文章に関してはキーボードで打ちながら考えたほうがより選び抜かれた文章になる」 >>というものです。  アホウが。  なんか「お互いの考えの相違」がどーのこーのと書いとるようだが。  オマエ、きょろちゃんと対等の立場にでも立ってるつもりなのか?  この件に関して、オマエは「やってない人間」。きょろちゃんは「やった人間」。  それでなんで対等なのだ? なんで対等に意見を言えちゃうわけ? 思い上がりはたいがいにしとけよ。  まあきょろちゃんもあの意見を書いたときには、実際にはまだ課題をやっていなかったけどね。「明日やる」とそう決めていただけだが。 >>ディスプレイ上で実際に打ち込んだ文章を他の単語候補にすげ換えたり文節ごと交換したりする。その結果を実際に目で見ながら比較が行える。  これなんだけど。  このことって、本当にメリットなの?  単に、君がそうした執筆の方法しか取れないってだけでは?  手を動かしてでしか、君は文章を作れないんだよね。  君にできる唯一の方法のほかに、他にも「文章の作りかた」があるとする。  そっちの方法との優劣が、どうしてわかるのだ? ひとつしか知らない君に。  だって試してみたことはないんでしょ? 頭の中だけで文章を組み立ててみたことっていうのは。  だったらなぜ、「手を動かして文章を書いたほうが○○である。それ以外の方法は××である」とか言えちゃうわけ?  主張の根拠が、なんにもないじゃん。 >>で、当然ですが、「脳内で文章を考える必要はない」と言いたい訳ではなくて、「負荷」ではないかと思ったのです。  そりゃ、負荷だろうね。  いままでやったことがないことに取り組ませるんだし、できないことをできるようにさせようっていうんだから、そりゃ本人にとっては「負荷」だろうね。  だがそれがなにか?  なんのための「練習」で、なんのための「修行」なわけだ?  「負荷」であることを、「負荷」でなくするためだろう。楽々とやれるようにするためだろう。  まあ、やってみることにしたようなので、残りの話は両方試してから聞く。  ちなみに「手を動かして書く」のほうでやるときは、時間配分を変える必要があるだろう。いままでの生課題どおり、時間配分の制限は自主性にまかせるってことで、好きにしてよし。たぶんスタート直後から手を動かして書いていってるのだろうから、いつも通りそれでやるように。  いつも通りでないと、比較にならんし。  そしてもう一方の「手を動かさずに書く」のほうは、2時間45分は考えるだけね。  手を動かさないっていっても、辞書とかは引いていいよ。電子辞書ならキーボードに触らないと引けないし。 >盆梅絵さん  いらっしゃいませ。  いきなりで、なんですけど。  限りなく「捨てハン」っぽいそのハンドル、どうにかしませんか。  「ボンバイエ」と読むのですよね。たぶん。  作家志望ということなので、デビュー時には筆名を付けることになると思います。  まあ、この「盆梅絵」という名前のままデビューするつもりであれば、もはやなにも言いませんが……。  個人的には、この変な当て字の名前をキーボードから打ち込むたびに、がっくりと脱力するのですが。IMEに単語登録するのも、なんか嫌だし。  で、ハンドル名のことはさておいて。  新規参加だと大変だと思いますが、過去ログ読破はきっちりやっておくと、あとあと効いてくるかと思います。とりあえず1回読んでおいて、ある程度の期間が経ったら(3ヶ月とか半年とか)もういちど読んでみるとよいでしょう。  分室でやっていることは、この2年以上で積み上げてきた概念をベースにしてます。  こちらもなるべく配慮するようにしていますが、新規参加だと、どうしても1年生が3年生にいきなり編入してしまったかのような状況になってしまいます。  カリオストロの城について。  そういえば、途中でうっちゃってしまってましたっけ。  誰ひとりまともに分析を試みようとしていなかったわけで。分析と呼べる分析もせずに、「じゃあ答えはなんなんですか?」――てな流れになったきたので、「クイズ番組じゃねぇんだぞ」とうっちゃってました。  5分思考したらクジを一回引くことができて、もし見事的中していたら「ラッキー」――みたいな。なんのゲームだそりゃ、みたいな。  過去のあの時点で、皆にやらせようというのが早すぎたってのもあるかもしれません。(分析のしかたってものを、まず教えなければいけなかった)  盆梅絵さんは、きちんと分析されてますね。  ――で。この手のことには、じつは「正解」ってものはないのですね。  本人がどれだけきちんと思考したのか。それがすべてです。  どれだけ思考して分析したとしても、根本的に間違っているのかもしれないし。  たとえ作品からあらゆることを読み取って、「正解」と思われるものを導き出せたとしても、作者(この場合は宮崎駿)がそれを聞いたら「違うよ」とコメントするのかもしれないし。  そして「ちがうよ」とコメントをした作者本人だって、書こうとしたものと実際に書いたものとが食い違っていたのかもしれないし。  で、盆梅絵さんの分析で――。  作品から読み取れるもののみに注目して分析していますよね。  じつはもうひとつ別のアプローチがありまして。  作者はなにを考えて、これを書いたのだろう――と、作者の立場になって考えてゆくやりかたです。  たとえば、作者というのは、各シーンのエピソードを考えはじめる前に、「ルパンとは何者であるのか」とか、その手のことから考え始めるわけです。  あの話はルパン三世の話ですから、「カリオストロの城」とか「ゴート札」とか「クラリス」とかが存在をはじめるまえに、まず「ルパン」が先に存在していたわけです。  あと、ルパンっていうのは、基本的に泥棒なわけです。泥棒ってのは、普通、悪です。  しかし「悪だけどヒーロー」っていうのをやらなきゃいかんわけです。子供向けの映画なわけだし。  作者のもとに「ルパンで映画」という企画が転がり込んできたとき、その矛盾にどう折りあいを付けるのか、まず最初に考えたはずです。ちなみに作者にとっては、この映画が初監督作品です。作品の設定や雰囲気を、そうそう自由には変えられないって制約もあります。  そのへんを考えつつやってゆくと、作者がルパンを何者にしようとしていたのか、ってことが、もっとはっきり見えてくると思います。  作品に実際に描かれてあることのほうは、それでだいたい読み取ってると思います。あと何回繰り返し観たところで、そちらで新しい発見はもうないかと。  あ、一個あったか。  「水没遺跡」です。  盆梅絵さんは着目してませんが、あれも「宝」の一種ですよね。 -------------------------------------------------------------------------------- >魚住 No.6709 投稿日 2003年7月15日(火)06時32分 投稿者 新木 伸 >魚住  やってみてから聞く、と言ったけども。  もう一個だけ。  この話、プロットを練るということに例えることもできるなぁと、ふと思ったりした。  「小説を書く=話を作る」ということに関しては、やっていることの段階が違うといえば違うけど。 ・話というものは、キーボードを打ち始めるまえに考えておくもの。 ・話というものは、キーボードを打ちながら考えたほうが良い。  後者のたわけた理論は、分室が始まった直後にぶっ潰したわけだな。  そういうことを言っていた者は、若干名――いた。  しかしいまでは全員が、それは「間違い」であったと納得しているだろう。  また納得していない者は、分室を離れて、どこか新天地に向けて旅立っていったに違いない。  しかし文章面でもって、同じことを言いだされるとは思わなかった。 ・文章というものは、キーボードを打つ前に考えておくものである。 ・文章というものは、キーボードを打ちながら考えたほうが良い。 -------------------------------------------------------------------------------- >文章を覚え込む話 No.6710 投稿日 2003年7月15日(火)10時32分 投稿者 新木 伸  文章を覚え込む話。  そういやこの話。  どっかで似たような話があるって感じが、頭のどこかで引っかかっていたが。  それは囲碁の話だった。  プロ、もしくはプロに準ずる者(院生)であれば、それが他人の対局であっても、一度見た棋譜は忘れないし、一手目から最終手まで並べてゆくことなど造作もないという。  無論、自分がやった対局であれば、なおのこと忘れるはずがない。  その世界にいる者は、それが特別なことだなんて思っていない。  たとえばある対局を観戦している一団がいて、途中からやってきた人間がその中に入ってきたとき、「これまでどうなってたの?」と聞けば、周りの者は「じゃあ並べてみようか」と簡単に言って、並べていってしまう。  そしてその場にいる誰一人として、「一手目からここまで並べてみせた」ことに対して「すごい」なんて驚いたりしていない。そこからも、それが「あたりまえ」であることが示唆されている。  ちなみに情報ソースは「ヒカルの碁」だけど。  他のところで裏付けもなんも取ってないから、「話を盛り上げるための作り話」である可能性もないわけではないが……。  しかし、「さもありなん」と思うわけね。  文章だってそんなもんだから。他のどんなことだって、プロレベルってのは、そんなものだから。  ちなみに上記のことができる人間っていうのは、碁盤と碁石なしで、囲碁が打てるのね。当然のことながら。面と向かった二人が腕組みをしつつ、延々と口だけで手を言い合って、延々と勝負が付くまでにらめっこをしている――なんてこともできるわけだ。  なぜ、そうしたことができるのか。  しかも「あたりまえ」なのか。とりたてて騒ぐことでもないのか。  考えてみよう。  それから、たとえば囲碁の対局のとき。  碁盤も石も本来は必要ないものなのに、どうしてわざわざ使用しているのか。それはどうしてなのか考えてみよう。  原稿用紙もエディタも、本来は必要ないものなのに、どうして使うのか。――ということの答えに繋がるはずだ。 -------------------------------------------------------------------------------- >魚住 No.6711 投稿日 2003年7月15日(火)14時19分 投稿者 新木 伸 >「武装練金」のパターン  「話の冒頭で、主人公は女の子に出会うが、彼女の戦いに巻きこまれていきなり死ぬ。二度目の命を与えられると同時に、戦う力も備わってしまう。そして彼女の持ち込んできた戦いに身を投じることになる主人公」  こういう筋の話は、たくさんあるよ。  いま週間少年ジャンプには、同じ筋の話が2本ある。同時期に複数っていうのは、けっこうめずらしいことだね。  王道すぎるから、かえってやられないもんだけど。  三雲さんが「レベリオン」をやったとき、おおっと思った。王道ってのは、じつは難しいものなのね。真っ向勝負となるから、ごまかしがきかない。作家としての地力が問われるところ。  まあここでいう「難しい」っていうのは、あくまでプロのレベルで――ってことだが。  初心者には逆に、「王道でやれ」と言うところだが。  ちなみに「女の子と出会う」という部分を除くと、これ「ウルトラマン・コンセプト」というものになる。「巻きこまれて死んで、力を得て生き返る」てなパターンね。  これを遡ると、古くは海外SFで宇宙人刑事が少年の体に融合合体するなんて話に行き着くのではないかと思われる。まあ原型は神話あたりにあるのだろうけど。神の血肉か魂を分け与えられて生き返り、神の力を得た人間の話とか、なんとか。  このパターンに分類される話は、ざっと思いあたるだけでも、両手で足りないくらいはある。  最近の作品では、「ブリーチ(初期)」「武装練金」「レベリオン」。  日本の作品で、僕が知っている限り古いものでは「鉄腕バーディ」というところか。  女の子なしならば、最古は「ウルトラマン」。「デビルマン」もテレビアニメ版はこのパターンだった。漫画版はまた別だけど。あと「新造人間キャシャーン」もそうだな。  最近作だが、「円盤皇女ワルキューレ」なんかもそうだ。あれは男の子が戦っていないで守られていたりするのだが。  あと吸血鬼系でも、だいぶあったりする。そちらでも何個か出てくる。  話の筋の分析だけど。  魚住の分析では、肝心なところが脱落してるぞ。  主人公が「一度死ぬ」ってところ。  こことっても大事。これがあるとないとじゃ、大違いだ。肝心要の部分だ。  「換骨奪胎した」とか言いつつ、主人公が死んでない話なんか作ってくるんじゃねーぞ。  あと――。  君の場合は、ぽーっとしてるから、言われないと自分からは決してやらんだろうから、先に言っておくが。  俺からこうした指摘を受けたからには、「主人公が死ぬ」という展開があるとないとでは、どこがどう違ってくるのか、考察して報告するのこと。  なぜ「主人公が死ぬ」ことが大切であるのか。  ないのでは、なぜダメなのか。 >魚住  課題とか。  魚住には、もう1日分、追加することにした。  これも同様に3時間ほど作り出して、取り組むこと。  時間配分は自由式。3時間をどう振り分けてもいい。はじめから書き出してしまってもいい。  用意するもの。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・原稿用紙。(たくさん) ・万年筆。(ボールペン可。書きやすいもの) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  原稿用紙は、普通の縦書きのものでもいいし、縦書きで文章を書くことに慣れていないなら横書きのものもある。縦書きの原稿用紙なら、この時期、コンビニで取り扱っているはずだ。(小学校の宿題で使うため)  横書きの原稿用紙は、ちと特殊なものだが、ちょっと大きめの文具店なら扱っているはず。1枚400字詰めではなくて、1枚200文字詰めになっている。  原稿用紙が入手できないなら、レポート用紙でも、新聞チラシの裏側でも、べつになんだっていい。適当に升目を切って、200〜400字が1枚に書けるようにしておけ。  消しゴムは不要。ていうか、一切使うな。  書いている最中に文字や文章を修正する必要が生じたなら、その原稿用紙はまるまる1枚破棄すること。訂正線なんかで修正してしまうのは、不可だ。  この課題の目的。  「キーボードがないとぼくしょうせつがかけないんです」などと泣きごとを言っとるようだから、キーボードがなくとも小説は書けるのだということを実地に体験させるため。  また、「手を動かして書いたばかりの文字を視覚的に捉えていないと僕小説が書けないんです」などと泣きごとを言っとるようだから、手を動かして、かつ、書いた文字を視覚的に捉えつつ、同程度の訓練効果が狙えるように方法を調整してみた。  このやりかただと、「完全に空で小説を書く」より、若干効果は劣るのだが。まあだいたい同じようなもん。  前の2種の練習法と合わせて、どれをどんな順番でやってもよし。 -------------------------------------------------------------------------------- しかしびっくらこいた No.6712 投稿日 2003年7月15日(火)16時01分 投稿者 新木 伸  最近、立て続けに書きこみしている件。  すこし冷静さを失っているということもあった。  キーボードに向かわないと原稿が書けないという、今回のこの件。  みやびさんと話したのだが、これ、ここ最近では最大級の「下方修正」となったわけね。  しかしびっくらこいた。  素人って、本当に、キーボードに向かわないと小説が書けないものだったのね。  それじゃあ、君らって……。  風呂入っているときとか、道を歩いているときとか、飯食っているときとか、ビデオ観てるときとか、映画行ったときとか、トイレ入っているときとか。  あと、もちろん寝てる最中とか。  そういった日常のすべての時間は、まったく小説を書いていなかったわけなのね。 (ここでいう「書く」は、なにかの概念を「文字化/文章化」するということね。頭の中で)  書こうとしているか、いないのか、そういった意識の問題ではなくって、そもそもキーボードに向かわずに書くことが、もう不可能だったわけね。  だとしたら、あれか。  本当に文字通りの意味において、「キーボードに向かっている時間しか書いていなかった」わけか。  だから、そうなのか。  だからこれほどまでに上達がノロいわけなのか。  君ら自称作家志望者が、週に何時間キーボードに向かっているのか知らないけど、1時間とか、2時間とか、3時間とか。せいぜいそんなもんだろう。さもなきゃ6時間くらいか?  本当にその時間だけしか書いていなかったのなら、そりゃ、進歩なんてせんよ。目に見えるような進歩は、すくなくとも観測されたりしないだろう。  学校の部活だって、毎日2時間はやってるんだぞ?  まったくの素人からスタートして、たかが学校の部活の中で、レギュラー選手の座を獲得するためだけに、毎日2時間を、3年間みっちり続けないとならないんだぞ?  これまで僕は、この分室において、「小説を書く」とか、「何時間やったか」とかいう話をするときには、文字通りの意味でキーボードに向かって打ちこんでいる状態のことを言っていた。最終アウトプットである「執筆」に、何時間取ったのかということを質問していた。それがすべての思考量を計る目安になると考えていたから、そこだけを訊いていた。  それ以外の時間も、常に頭の中でイメージトレーニングとして「書いている」ということは、もはや暗黙のうちに織り込み済みの事項であって、いちいち尋ねるようなことではなかったからだ。  今後は、下方修正して、その認識を改めることにする。  君らが「○時間やりました」と言ったなら、まず本当にその時間しか小説に取り組んでいないのだと、そのように受け取ることにする。 -------------------------------------------------------------------------------- よいしょ No.6713 投稿日 2003年7月15日(火)21時27分 投稿者 望月京路  シャドウ執筆、三回目です。  「夏祭り」いってみます。  ではー。 -------------------------------------------------------------------------------- 白鳥処女説話 No.6714 投稿日 2003年7月16日(水)01時29分 投稿者 弟切 千隼 >>棚ぼたで豊かな生活(実力と女の子付き)  男の子が好む恋愛ものの中に、上記のパターンがあるという話題が出ていましたね(No.6695の新木さんの書き込みより)。これについて考察します。  上記のパターンをもう少し詳しく書きますと、 「平凡で特に取り柄のない男の子のもとに、ある日超能力を持った可愛い女の子がやってきて、彼に惚れてくれて、一緒に暮らすことになって、女の子の能力のおかげで男の子は豊かな生活を手に入れて、めでたしめでたし」 という感じでしょう。男の子の願望をとってもよく充足する物語ですね(^_^)  実例としては、『うる星やつら』(女の子が異星人)・『ああっ女神さま』(女の子が女神)・『守護月天』(同じく女の子が女神)あたりが少年漫画にあります。『アウトランダーズ』(女の子が異星の皇女さま)もこの要素が濃いですね。  小説ですと、『星界の紋章』がこのパターンと一致していると言えるでしょう。主役の男の子が普通の人間なのに対して、ヒロインがアーヴという宇宙空間での生活に適応した特殊な人間で、しかも皇女さまですから。  少年漫画や男性向け小説でこのパターンが流行したのは、近年になってからかも知れません。けれども、このパターンの物語は、昔々の神話の時代から存在します。  昔話の『天女の羽衣』は皆さん御存知ですよね。ある日天から地上へと降りてきた天女が、羽衣を脱いで水浴している間に人間の男に羽衣を奪われてしまう話です。  現在、流布している物語では、天女が泣いて頼むのを見て、かわいそうに思った男が羽衣を返し、天女は喜びの舞を舞いながら天に帰っていったことになっています。しかし、原型の話では、男は羽衣を返さずに、天女を自分の妻にしてしまいます。しばらく夫婦は幸せに暮らすものの、やがて天女は夫が隠していた羽衣を見つけ、天に帰ってしまいます。  これはまさしく、普通の男性が棚ぼた式に、才色兼備の女性と豊かな生活とを手に入れている物語ですよね。  『天女の羽衣』に似た伝承は、ほぼ汎世界的に分布しており、世界で最も平凡な形の神話の一つです。天女もしくは女神が白鳥の姿で舞い降りてきたという話が多いことから、この手の物語は「白鳥処女説話」と呼ばれます。  日本の昔話の中では、『鶴女房』もこれの類ですね。人間の男に助けられた鶴が、恩返しのため美しい女性に変身してやってきて男の妻になります。鶴の女房が織る見事な布のおかげで、男は裕福になったのに、妻との約束を破って彼女と別れることになってしまいます。  大昔から汎世界的にこの手の物語が伝えられているところをみれば、男性の願望は古今東西を通じて変わらないのでしょう。近年になって少年漫画などでこのパターンがはやったのは、新しい傾向ではなくて古代への回帰なのかも知れません。  ただ、古来の白鳥処女説話では、必ず結末で女性に去られてしまいます。この結末に、「人生、そう甘くないのだよ」といういにしえの人々のささやきが聞こえる気がします。  現代の物語ですと、特に少年漫画の場合は、結末がうまくぼかされていることが多いですね。「少年の願望充足」を目的とするならば、それで正しいのでしょう。  以下は余談です。  大学で文化人類学を学んだ弟切は、大学の講義で白鳥処女説話に関する解説を受けました。その時、講義を受け持っていた大学の先生(男性)が、「男たるもの、目の前に裸の美女がいて、その衣を自分が握っているというのに、返すやつがいるわけがない」と力説していたのが印象に残っています(笑)  古来の白鳥処女説話と、現代の『うる星やつら』などの少年漫画との関係については、まじめにやれば社会学や心理学の論文が三本くらい書けそうです。弟切は学者ではありませんので書くつもりはありません。どこかのおたくな大学の先生が書いていないでしょうか?   まともな論文でなくても、ネット内を探せばこの関連に気づいて書かれた文章がありそうです。弟切程度の頭で思いつくことなど、日本中では一千万人くらい思いついているでしょう。  あ、神話で思い出しました。  新木さんがNo.6711で書いている「巻きこまれて死んで、力を得て生き返る」という「ウルトラマン・コンセプト」の原型は、新木さんがおっしゃるとおり神話にあります。  これに関しては、魚住さんが考える邪魔をしてはいけませんから、魚住さんのレスを待ってから書き込みます。 -------------------------------------------------------------------------------- しゅーりょー No.6715 投稿日 2003年7月16日(水)01時47分 投稿者 望月京路  「夏祭り」を考えていたら、実家に帰りたくなってしまった。  この切なさ――懐かしさも、エンターテイメントなんだよなあ。 >ウィンドウズ不具合  あー、やっぱり再インストールしかないのですか。  ま、ちょっと不都合があるだけだから我慢してみますが。 >半年覚えている文章  そういえば、あれは半年前くらいでしたか。紫さんの『ハイスピリッツ・ガール』の冒頭シーンで、不良の描写を書き比べたのは。  そこで書いた『ボディブロウ二発で落とせる』という一文、まだ覚えてます。前後にもなんか外見的なことを書いたはずなんですが、そっちはさっぱり。  まあ、あれは「考え抜いた」というより、数十回書きまくったのが大きいですけど。 >魚住さん  まあ、肝心なのは「考えること」で「覚えること」はおのずとついてくる、といった感じでしょうか。覚えることよりも、考えることを考えたほうがいい、と。そういうことです。  ……覚えてられなかった小生は、まだ考えが足りてないってことなんだろうなあ。まさしく。  んでは。 -------------------------------------------------------------------------------- すみませんでした。 No.6716 投稿日 2003年7月16日(水)17時46分 投稿者 盆梅絵改め、平凡人  旧「盆梅絵」です。  ハンドル名、確かに二秒で考えついたような酷いものでした。実際は結構考えこんだのですが。  重要なのは「ぼん」という言葉だけですので、以後は自戒も込め、「平凡人」でお願いします。これで「たいら ぼんど」。大木凡人と一緒ですねえ。  病院から外出許可貰って、ただいま掲示板、拝見させて頂きました。  病室の、やけにくすんだ白さの天井を眺めつつ、「カリオストロ」について、つらつらと考えるに。  「誇りを貫くということ」  それがテーマじゃなかろうかと。法律、倫理、利益、命を引き替えにしたとしても、貫き通さなければならないものがある。あの作品の登場人物、ルパン、次元、五右衛門、銭形、クラリス、あと敵の執事もですか、みんな己の誇りの為に行動していると思います。  あ、あともう一つ、「目に見えるものだけが真実じゃない」  本物と見分けのつかないゴート札、悪事を見て見ぬ振りをするICPO、伯爵は対外的には善人、それと「水没遺跡」……。  鉄腕パーディー、ヤングサンデーで連載してますね、今。  あとは囲碁の話ですが。将棋だったら、国営放送で、プロが盤面を見ずに将棋さしてるのを見たことがあります。持ち時間が毎回10秒で、大きなモニターに現在の盤面が映し出され、プロ二人はそれを背にして、将棋を指す。プロは駒の位置を勘違いしたりなんかしないのを、凄いなと思った記憶があります……それが出来るようにならなくちゃいけないんですよねえ。  今週のジャンプに載ってる「ヒカルの碁」の読み切り、二本目の話を、少年二人の立場を小説家志望に置き換えて作ってみたりして……。 「プロは凄い。そんなこと……ボクもオマエもはじめっからわかってるさ」  なんか打ちのめされる所が、この掲示板と似てるかなと。私はまだ入り口にも入ってませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- 指摘>きょろちゃん No.6717 投稿日 2003年7月16日(水)23時30分 投稿者 とんびの羽根  このところ指摘作業をさぼってるのでなんだか不安だけど、3っつ読んだところで突っ込みをいれておきます。 >「起床」きょろ  起承転結として、起はやはり目が覚めるところだと思うのですが、いきなり耳が冴えてる、でいいのでしょうか。眠りとの境目の、夢と現実が混然となったような状態はないんでしょうか。  このままだと、ただ朝の状況を耳で聞いてスケッチしている変な人になってるんじゃないかな。  やっぱり降ってる、の部分は描写になってない。  お母さん、おどろくだろうなあ。の部分も驚いてるところまで描写しないと。 >「鍋」きょろ  主将は半そでだとしたら汗かいてるんじゃないですか、ちょっと描写が中途半端。  河村先輩がうすっぺらです、数合わせで置いてあるだけ。  こうばしい匂いってなんでしょうか、芋とにんじんは匂わないから出し汁の匂いですよね。  二ヶ月前の肉は実体験ですか?  アパート住まいしていて食べる気があるのなら、とっくに手を出してるのが普通だと思うけど。  これ主将およびその仲間が手を出さなかった理由がいるんじゃないかな。 >「夏祭り」きょろ  起の部分で、なぜ夏祭りにきてるのか?  ひとりみたいだけど、ひとりで来ることへの自分への突っ込みとかないの?  十年前と比較しているけど、視点の高さ(背の高さ)が変わらないのが変。  レトロなデザイン、ってどんなデザイン?  いやもちろん知ってるけど。うちのあたりは神社町なので正月や夏祭り、盆踊り以外でもしょっちゅう屋台が並ぶから。  祭りの匂いだと信じていたもの、って排ガスではない思い出があるんだよね、それをなんで描かないの?  ヒゲ面のおっさん、うすい。どんな服着て、どんなヒゲで、どんな声で、どんな表情してるんだろう。  一等を引かれてしまったおっさんの感情と表情の変化が数段ふっ飛んでるんじゃなかろうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 夏祭り No.6718 投稿日 2003年7月17日(木)00時06分 投稿者 羽矢野 ●望月さん >>夏祭り  簡単ですが、感想を。  読みました。  面白かったです。  久しぶりに行った夏祭りで、ノスタルジーに浸る主人公。  私も同じような経験がありますから、結構共感できました。 >>列をなす屋台は、レトロなデザインをしていて  ただ、こことか。  レトロなデザインって何?  それを描写してよー。  望月さんの文章だと、私を夏祭りにはつれていってくれなかった。  レトロなデザインという看板が両脇に並んでるだけだった。   ●とんびの羽根さん  >>ヒゲ面のおっさん、うすい。どんな服着て、どんなヒゲで、どんな声で、どんな表情してるんだろう  この文章って、一人称です。  私は屋台でものを買ったりゲームをしたりするとき、おっさんがどんな顔でどんな服着てるかなんで、全然注目しませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- 羽矢野さん No.6719 投稿日 2003年7月17日(木)00時39分 投稿者 とんびの羽根  おひさしりです。  >>  私は屋台でものを買ったりゲームをしたりするとき、おっさんがどんな顔でどんな服着てるかなんで、全然注目しませんが  わたしもですよ。ふつうのひとは注目しないということは重要な要素です。  注目はしてない、でも、ちゃんと見てるはずです。なのに見えてない。これはふつうに起きることで、見てるにも関わらず、記憶領域がその記憶を保持しようとしない。  そういうグレー領域の描写をどうするかをここで問うているわけです。  作家志望の人間はくっきりと観察し記憶しておかなければならない部分でもあるわけです。  おっさんがどう声をかけ、受け取った金をどこに放り込み、客がいないときはどういう行動をとってひまをつぶしてるのか。こういうものをふつうの通行人は、見えてないけど、やっぱり無意識でしっかり見てるので、やっぱり嘘を描くとわかっちゃうんですよね。    で、注目していないからといって描いていないと、やぱりうすっぺらく感じるのだけど。  それまでをまったく描いていないで、いきなりうれしそうな笑顔で、その笑顔は十分に効果的に伝わるのかということ。一等でびっくりして、おっさんはなんかうれしくて、って本当にそんな単純な世界なんでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- ●とんびの羽根さん No.6720 投稿日 2003年7月17日(木)00時55分 投稿者 羽矢野  お久しぶりです。 >>おっさんの描写  いや、そういうことを言ってるのではなくて。  というか、根本的に変じゃないですか?  望月さんの夏祭りは一人称ですよね?  ということは、主人公の視点からものを見ているんですよね。  ってことは、主人公のフィルターを通して世界を見ています。  つまり書いてあることは、全部主人公が見たり聞いたり感じたり考えたりしたものに限定されるわけです。 >>わたしもですよ。ふつうのひとは注目しない  ってことは、当然この主人公も注目しないはず。  だから書いちゃだめなのでは? -------------------------------------------------------------------------------- 女の子はお姫さまが好き No.6721 投稿日 2003年7月17日(木)02時49分 投稿者 弟切 千隼  「女の子が好む話のパターン」を考えている弟切です。  とんびの羽根さんがNo.6698で指摘されているとおり、女の子は「高貴な血筋」が好きですね。噛み砕いていえば、「お姫さま」が登場する話が大好きです。  伝統的な『白雪姫』・『シンデレラ』はもちろん、現代の少女漫画にも「お姫さまもの」は連綿と受け継がれていますよね。日本の少女漫画史上最高にヒットしたのではないかと思われる『ベルサイユのばら』は、フランスのブルボン王朝を描いています。少女小説においても、コバルト文庫の人気シリーズ『なんて素敵にジャパネスク』は、平安時代のお姫さまが主人公です。  平安時代の女房たちを熱狂させたという『源氏物語』からして、日本の貴族社会を描いていますよね。作者名のわかっている物語としては日本最古の『源氏物語』は、現代にいたるまでおよそ千年(!)ほども売れ続けている驚異のロングセラーです。  現代の日本の現実生活においては、「お姫さま」は遠い存在なので、物語に登場させるには工夫が要ります。これには大きく分けて二つの手があります。  一つは、『ベルサイユのばら』や『なんて素敵にジャパネスク』のように、素直に歴史物語にすることですね。もう一つは、SFやファンタジーの要素を取り入れて、「前世でお姫さまだった」−『美少女戦士セーラームーン』など−とか、「異世界の王位継承者だった」−『十二国記』など−とかいう設定にすることです。  ちなみに、『十二国記』は、講談社のX文庫ホワイトハートから出ている小説のシリーズです。このシリーズは男性にも人気があるものの、ホワイトハートは明らかに少女向けのレーベルなので、少女小説の範疇に入れていいでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 試しに No.6722 投稿日 2003年7月17日(木)03時11分 投稿者 望月京路  三日前に脳内で組み立てた「起床」のを、また書き写してみたんですが。  単語レベルで見ると、ほとんどの行が変わってる。完璧なのは最初の一、二行くらい。 >とんびさん  突っ込み、どうもです。  まあ、全体を通して問題なのは、描写ということですか。  ただ、今回気をつけたのは、コンセプトを揺らさないこと。全体のコンセプトはもちろん、一文のコンセプトも。  例えば羽矢野さんと話している「屋台のおっさん」のことですが。  とりあえず、この一行で伝えようとしたかったのは、数字あわせ屋のうさんくささです。で、ヒゲ面だろう、と。  逆にいえば、それ以外の情報を書けばコンセプトが揺れる要因になる、と判断しました。  もちろん、羽矢野さんの言うとおり、「一人称ゆえに深くおっさんのこと見たりしない」というのもあります。  それでも、とんびさんのいう「それで薄っぺらく感じる」というのも、やっぱり問題部分なわけで。  一人称フィルターを通しつつ、うすっぺらく感じさせない(さらにコンセプトから逸脱しない)文章、をやれればいいんですが。というか、やらねばならない。  で。 >>一等を引かれてしまったおっさんの感情と表情の変化が数段ふっ飛んでるんじゃなかろうか。 ここは、まさにごめんなさい。書きながら「んなわけあるかい」と自分で突っ込んだ場所です。  「じゃあなんで直さなかったの?」と問われたら、「指と思考が届かなかったからです」と答えるしかないですが。  15分間で苦労してしまった場所なんですね。ここら。 >羽矢野さん  感想、指摘、どうもです。  しかし、「面白い」といわれて、申し訳ない気持ちになってしまいました。  もっとうまくやれたはずなのに!  今読み返してみると、まだ書ける余地が残っているのがわかるわけです。「ここ、もうちょっと書き加えればよかった」みたいな部分。それがわかっているだけに、悔しい。  例えば。  三行目までは、「昔と同じ風景」というのを書いています。  で、四行目からは、「かき氷の値段の違いから昔の自分と今の自分が違うと感じる」ことに文章が向かっています。  この間が、ぶつりと切れているように見える。  なんか、橋渡しをする文章があればよかったなあ、とか。思うわけです。  「すると、それに気づいた」みたいな一文。一番安易な例ですが。 (それとも、気にしているのは小生だけだろうか? こういうの、人の意見を聞かないと全くわからないですが)  ああ。とりあえず、そんなとこで。おやすみなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6723 投稿日 2003年7月17日(木)04時50分 投稿者 新木 伸 >平凡人さん  ハンドルネーム。  読んだ人から「ふざけてる」と受け取られないようなものにしましょうよと、そういうことなんですが。  お笑い芸人とか、ギャグ漫画家のペンネームならこれでよいかもしれませんが。TPOってものがあるでしょう?  基準としては、デビューしてもそのままの名前が使えるのかどうかということ。  この名前でデビューできるのですか? するんですか?  カリオストロの城のテーマ考察。  これまではきちんと思考していたのに、急に夢想に変わってしまったようですね。  「誇りを貫く」ということなら、どんな話だってできるはず。べつにあの話でなくたって、各キャラが誇りを貫いてさえいれば、いいわけですから。キャラの行動原理といったものでしかないです。  同じ監督の話に出てくる登場人物は、作品が違っても行動原理は同じことが多いです。宮崎駿なら、作品が変わっても、やっぱり「誇り」やら「信念」やらで動くキャラが多数をしめます。 >書いたものを覚えているかどうか  そういや、ふと思ったんだけど。  プロはもちろん、自分がなにを書いたのか覚えている。  しかしアマチュアは自分の書いたものを覚えていないのだとする。  自分が書いたものを、自分で覚えていないのだとしたら……。  いったいどうやって、いま書いている部分と前に書いた部分との整合性を取っているのだろうか?  いったいどうやってるの?  いちいち前に戻って、読み直して確認しているのかな? (そんな時間の掛かる)  それとも「自分はこういうものを書いてきた」という思いこみによっているのかな? (ありそう)  それとも、そもそも前後との整合性なんて、気にしてもいないのかな? (もっとありそう)  そういや、以前翠の「闇の中で振り向けば」の指摘をしたとき。  「電車がホームに滑り込んでくるシーンが、ばっさり抜け落ちているよね。これは主人公が電車が入ってくるところに注目していなかったということ? それとも実際に、電車がコマ落とししたように、いきなり停止状態で出現したということ?」――みたいなことを訊いたわけだが。  ここで翠はどうしたのかというと……。  「うそ」とか言いつつ、プリントアウトした小説をひっくり返して、そして本当に「電車がすべりこんでくるシーンが書いていない」ということを自分で確認しておった。  結局この話には、こんなオチがついた。べつに深い作劇意図なんてありゃしなかった。  「電車が停車する前には、当然のことながらホームに滑り込んでくるシーンがある」ということを翠が失念していただけ――なんて、そんなオチがついていた。  まあ、この話でのポイントはそこじゃない。  自分で書いた小説なのに、なぜ、書いたか書いていないか、原稿を確認しなけりゃ分からないのか――。  僕とみやびさんには、それは激しく不思議なことだった。  この手の話って、けっこうよく感じることなのね。  自分らで書いた作品を前にして、僕たちと君たちで討論しているときとか――。  「あのシーンってああだったよね」とか話を振ると、君らはよく自分の原稿を確認している。  他人の作品であればともかく、本人の作品の話をしているのに、なんで原稿を当たらなきゃいかんのか? 10年前に書いた作品とかいうならともかく、つい最近書いたものなのに? まずそのことが激しく不思議なんだけども――、まあ、プリントアウトをめくっていって、本人が探しあてるまで待っていてやるわけだ。  しかし、なかなか探し出せなかったりするんだよね。  本当に一から探しちゃっているわけよ。そのシーンがどのへんにあるのかわかっていれば、プリントアウトの何分の一あたり――って目星をつけて、ばっと開いたら該当箇所であった――なんてことになるはずなのだが。  または正確な位置を覚えてなくたって、まず1回目は適当に開いてみて、そこが何のシーンであるか確認して、「あのシーンはここから、このくらい前」と目星を付けて、次の2回目でばっちり的中させるとかさ。  該当箇所を探し出してくるのが、激しくノロい。僕の忍耐の限界に迫るほどノロい。  まるで他人の作品からワンシーンを探しだすほどの時間をかけている。  いや、他人の作品から探し出すんだって、一度読んでいるなら、もうちょい早いだろ。  一度も読んでいない他人の作品から、ワンシーンを探し出してくるほどの時間が掛かっている。  しかしある意味納得したかも。  自分で書いたものを(まるで)覚えていないのだとすると、自分の作品っていうのは、「一度も読んだことのない他人の作品」とたいして変わらないのだろうなぁ。 >望月  「起床」と「夏祭り」は読める。  「鍋」は読めない。  なぜ読めるのかというと、「起床」は音で通しているし、「夏祭り」はノスタルジーで筋を通しているから。話が脇道にそれていないから。言い換えると、雑念が書かれてないから。  雑念ってのは文字通り雑多な思考なわけだから、覚えこむなんて無理な話なのね。思いついたその瞬間に書いておかなければ、そのうち雲散霧消してしまうわけ。  こうして2時間45分のあいだ覚え続けていられて、生き延びることのできたものだけを書くようにすると、雑念なんて入り込む余地はないのだ。  頭の中に保持していられる記憶容量なんて、ほんのちょっぴりしかわけだ。筋の通ったものを覚えている余地しかないわけね。  鍋のほうは、「先輩たち」なのか「鍋の魅力」なのか「二ヶ月前の肉」なのか、わけがわからん。だから読めない。  これすべてやろうとするなら、3シーンほど必要なところ。  きょろちゃんの記憶保持容量だと、3回分。まず「先輩たち」で3時間。次に「鍋の魅力」で3時間。そして「二ヶ月前の肉」で3時間というところ。  だいたい、このお題だけ、他と比べて分量が多い。  これ本当に文章化まで行って覚えていたものなのか? 最後の15分で書いちゃっている部分が、かなりないか?  んじゃ、「鍋」はとりあえず捨てて。  「起床」と「夏祭り」の二つに関して、「推敲」してみそ。  いまもういちど書き直すと、語句が揺れてくるだろ? 揺れない部分はもちろんそのままにしておく。揺れる語句に関して、そのうちのどれが最適か吟味するのよ。それが「推敲」ってもの。  推敲段階であれば、エディタ上で文字と文章を眺めながらやってよし。  あと3回やってみての感想などもレポートするのこと。  また、「鍋」は捨てろと言ったけども。どうしてあんな失敗をしてしまったのか、その原因を考察してレポートするのこと。  ところで200円のかき氷って、なに?  札が100円ってあるんだから、100円なんじゃないの? なのに200円取られてしまっているのは、どういうこった? >女の子の好む話  「高貴」っていうことと、「質の高い生活」っていうこととは、イコールなんじゃないのかな?  「高貴」には自動的に生活が安定している属性がくっついてくるもんだし。  ファンタジーものや時代ものならともかくとして、現代物では、「高貴」というものを描くときには「お金持ちのお嬢様」って形になっちゃうよね。  たとえば学校に運転手付きの車が送り迎えに来るとか。プラチナ色のクレジットカードを持ってて、ブランド物の服を着ているとか。そういうのが現代の「お姫様像」。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題1。 No.6724 投稿日 2003年7月17日(木)21時06分 投稿者 魚住 雅則 今回は2時間45分で文章まで作成、15分で書き写しでいきます。 お題は「告白」。 ではこれより一回目を始めます。 -------------------------------------------------------------------------------- 一人称とか No.6725 投稿日 2003年7月18日(金)00時38分 投稿者 とんびの羽根  人称については、なかなか確信がもてません。  羽矢野さんと、きょろちゃんは一人称を明確に意識してレスをしていますね。要するにこの分室で人称に対する感度が一番鈍いのがわたしらしい。  という状態ではあるけれど、#6717や#6719でわたしの意図が伝わらなかった理由が見えてきました。  解像度が低くて、本来ふたつの問題をひとつと勘違いしていたのがひとつの原因。 <注目していないけど、見えているグレー領域>  一つの問題は、注目はしなくても、あとで思い出せなくても、いざ面と向かっている相手の服装の趣味とか、表情だとか、意外と見ているものだということです。今現在見えていて、感じているなら、それをふつうあとから思い出せないというだけで、描写しない理由にはならない。臨場感をだすために描写が過ぎれば不自然だろうけど、実際見た通りにさらっと、平凡に描くのは問題がない。印象に残らないように描くというのはむしろ高等技術のように思うんですけどね。  ここで描くものの優先順位から見て、スペースが足りないので省略する、というのも当然ありえる選択肢と思う。   本人があとで覚えていないようなグレー領域であるから、描写をしなくても問題がない、という判断も許容できる。  でも書いちゃだめって、変ですよ。主人公の視点にどんなフィルターがかかっていようが、実際に見えているものなんですから。  例えば、漫画の背景などで、ファーストフード店のレイアウトとかふつうまじめに見てないからといって手抜きの背景にするとすぐばれる。  例えば「ヒカルの碁」で主人公が子供のときから、おっさんのキャラクターを非常に細かく描いてあることは、作品の世界を深めている。 <注目しない感性、意識や記憶にとどめない習慣>  もうひとつは、普通注目しないというのは、非常に個人差があるので、状況と視点保持者の感性に依存するということです。画学生が夏祭りに来ているという設定ならおやじの耳あかから歯のやにまで見ていてもおかしくはない。おやじではなく母親と手伝いの娘が浴衣姿で店にいたらがんがんに注目してたりもするし。ということは一人称だから描写しない、わたしは注目しないから描写しないという結論がいきなりでてくるのはおかしいじゃない。  だからわたしは注目しない、ふつうのひとは注目しないという常識から、一足飛びに当然この主人公も注目しないはずという結論はだせないんです。  たとえば羽矢野さんのネクタイをわたしは注目しないけど、職場の女性はきっちり注目してるというようなことですか。  普通の人があまり意識していない領域を、一人称で実際に描写してみせるということは、言い換えると主人公の感性を描写しているのだと思います。  だからきょろちゃんが、おっさんの服装や髪型とか一切気にしない、おっさんの顔色をうかがうこともしないキャラクターに設定している、ということが「夏祭り」で描写しない理由でもいいと思う。  これが「起床」だと、その朝は耳が冴えて、ふつうなら全然耳にとまらないことまで描写できてしまうキャラクターに設定している、ということが描写をするほうの理由になっているのだし。 >パターンとか >高貴  高貴というのは血筋でしょうね。とくに女性の血に対する感覚は深い。 >雅び  こちらは古くから洗練されて、その極致に達しているもの。 >金持ちで安定した生活  これは女の子に嫌われてます。敵役の属性。特に金持ちで退屈しているパターンは敵役か、主人公なら出会いの前の初期状態で頻繁に使われている。 >質の高い生活  これ微妙ですね、上のどちらに位置するのか、ちょっと判断に苦しむ。どの分野で質の高いのか解像度が低いのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 終了。 No.6726 投稿日 2003年7月18日(金)00時58分 投稿者 魚住 雅則 途中、急な用事が入って中断したため、40分ほど時間を延長しました。 結果ですが、一行しか書けませんでした。 情けないです。 色々思うところはありますが、原因考察はシャドウ執筆が全て終わってから行います。 明日は「原稿用紙版」です。 -------------------------------------------------------------------------------- 貴種の系譜 No.6727 投稿日 2003年7月18日(金)01時53分 投稿者 弟切 千隼  仕事が立て込んで生活時間帯がめちゃくちゃな弟切です。ここ数日、蒲団で眠っている時間と、居間に転がってそのまま眠っている時間が同じくらいです(^^; >>「高貴さ」と「豊かな生活」  当初、これは同じものではないかと私も思いました。しかし、考えているうちにこの二つは違うものだという結論に達しました。以下にそれを論証します。  実際の歴史においては、「高貴さ」と「豊かな生活」は同じものに違いありません。高貴だから裕福であるというより、権勢を得て裕福になったからこそ高貴だと見なされるようになるのが本当のところでしょう。  平安時代末期に、身分の低い武家と軽んじられていた平家が、後に権勢を得ると公家の一端に名を連ね、高貴な家柄と見なされるようになったのが良い例ですね。日本の各地に平家の落人集落というものがあり、そこに住まう平家の末裔が、近年まで近隣の村人から「高貴な家柄」と尊重されている例が多いことを見れば明らかです。  フィクションの世界においても、歴史物語の場合は上記のような現実を踏まえて、高貴さ=豊かな生活となります。けれども、「高貴さ」は、歴史物語にしか使われないわけではありませんよね。  前回の書き込みNo.6721に弟切が書いたとおり、少女向け物語において、歴史もの以外で「高貴な方」を登場させる場合には、おおよそ以下の二つの手が用いられます。  一つは「前世で高貴な方だった」とする方法です。『美少女戦士セーラームーン』を始めとして、少女漫画にはこのパターンがものすごく多いですね。少女漫画の主要な類型の一つと言ってよいでしょう。  ざっと例を挙げてみれば、古いところで高階良子さんの『はるかなるレムリアより』、少し新しいところであもい潤さんの『風霊王[かぜおう]』、最近ではTVアニメ化された『神風怪盗ジャンヌ』もこの類ですね。  これらの「前世で高貴な方」は、現世ではみな特に裕福ではなく、普通の人です。月世界の王女さまだったセーラームーンは、現世ではゲーセン通いが好きな庶民的な中学生ですし、『はるかなるレムリアより』の主人公は、人類全体を統べる超古代文明の女王でありながら現世ではただの女の子です。『風霊王[かぜおう]』は『はるかなるレムリアより』と設定が似ていて、主人公は現世では平凡な女子高校生、実は超古代ムー大陸の高位な巫女の生まれ変わりです。『神風怪盗ジャンヌ』の主人公は、かのジャンヌ・ダルクの生まれ変わりですね。ジャンヌ・ダルクは魔女として処刑されたものの、後に名誉回復されて聖女とされています。  上記のとおり、「前世で高貴な方」は、現世では取り立てて豊かな生活を享受してはいません。むしろ前世での因縁ゆえに戦いに巻き込まれ、苦労の多い人生を歩むことになります。  この場合の「高貴さ」は、豊かな生活とイコールではなく、主人公がなぜ超人的な能力を持っているかの説明に使われています。「高貴な魂」はそのような能力を持っているとするわけですね。  加えて、「高貴さ」は、なぜ主人公をつけ狙う敵がいて、戦わなければならないのかの説明としても使われます。王族などの高貴な人は人々の上に立つ存在であり、それゆえに、人々を脅かす悪があれば進んでそれと戦わなければなりません。  少女向け物語によくあるもう一つのパターンは、「異世界で高貴な方」というものですね。前回の書き込みで弟切が挙げた『十二国記』や、多くのいわゆる「魔法少女もの」アニメがこのパターンを使っています。  とりわけ魔法少女ものアニメでは、このパターンを踏襲していない作品のほうが少ないですね。この分野の元祖と言われる『魔法使いサリー』からして「魔法の国のお姫さま」です。魔法の国の女王候補が、人間界で腕を競いつつ修行する『魔女っ子メグちゃん』という作品もありましたね。  最近の魔法少女ものアニメは、「大きなお友達」狙いで作られている場合も多いようですが(^^;、昔の作品は明らかに少女向けでしたから、やはり「女の子はお姫さまが好き」と意識してこのように作られたのでしょう。  「異世界で高貴な方」の場合も、決して普段豊かな生活をしているわけではありません。  例えば『十二国記』の主人公の一人である陽子は、平凡な女子高校生だったのが突然理由もわからないまま異世界へと拉致され、勝手のわからない世界でひどく苦労します。また、多くのアニメの「魔法少女」たちは、普通の人間にはその正体を知られてはならないという制約が課せられており、正体を隠すために平凡な人間の生活をしています。魔法を使えるがゆえにトラブルに巻き込まれることも多く、あまり楽な生活には見えません。  「前世で高貴な方」パターンと同様に、この場合も、主人公が超能力を持っている理由として「高貴さ」が使われています。  しかし、考えてみればこれは不思議です。魔法少女ものを見ればわかりやすいですね。魔法の国の住人は基本的にみな魔法を使えるはずですから、わざわざ「高貴さ」を持ち出す必要はありません。現に『魔女っ子チックル』のように、異世界から来たけれどもお姫さまでない魔法少女も存在します。なのになぜ、高貴な身分の魔法少女が多いのでしょう?  「女の子は、豊かな生活や魔法とは別に、高貴さそのものが好きだから」と弟切は考えます。  ここまで書いてきたことを読んでいただければ、必ずしも「高貴さ」=「豊かな生活」ではないことがわかっていただけるでしょう。この二つは一致することはあっても、別のものです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6728 投稿日 2003年7月18日(金)05時07分 投稿者 新木 伸 >高貴さに付属してくる特典  弟切の分析を見てみると、ひとつの傾向があることがわかる。  高貴さに「豊かな生活」が付属してこない場合には、なにかべつのものが特典として付いてくるらしい。  それは特殊な「能力」だったりするらしい。  そういった「特典」なしに、ただ「高貴」なだけ――ってパターンの話ってのはないものなの?  主人公は高貴なんだけど、だからといって、べつになんにも特典はない。――そういう話。  そのあたりを考えてゆけば、女の子が好むパターンのひとつの正体がはっきりするのかも。高貴が好きなのか、それに伴う「特典」が好きなのか。 >魚住  一行しか上がらんかったことは、べつにどうでもいいのだが。  しかしあいかわらず、メソッド理解しとらんのう。  中断したら、すべてぶち壊しになるのだから、はじめからやり直しになるものなのね。  これは人生最高の集中力を振り絞ろうというメソッドだろ? 助走をつけて走り幅跳びに挑むようなものなのね。いままで飛んだことのない高さを飛んでみようとしているわけ。  その助走の途中で邪魔が入ってしまったわけだ。  そういう場合って、普通、スタートラインまで戻って、助走の最初からもういちどやり直しにするもんだろ?  助走を中断されたのに、そのまんま続行して、飛んじゃってしまっているあたりが、メソッドをまったく理解していない証拠。それでバーを引っかけて落としちゃっているしー。いやべつに練習なんだから、何回バーを落としてしまってもいいんだけどさ。  瞬間的に、自分の集中力をトップギアに入れることができるなら、中断しようがしまいが関係ないが。  それが出来ないうちは、中断したら、やり直しと思っておくように。  今日の分、ノーカウントってことで、別の日に時間を取ってやり直しね。  また「急な用事」というのがどれほど急な用事かはわからないが、次からは、後回しにすることが可能なら後回しにすること。  その用件の緊急度が、せっかく作りあげた3時間を無駄にせざるを得ないほどなら、それはそれで仕方ない。しかしそのときは「課題をやった」というカウントには含めない。 >望月 >うさんくさいおっさん  なにやら視点のことが話題にのぼっているようだが。  いまやっているのは「立体構築」であるから、僕はそっちのほうを問題にしてみる。  その「うさんくさいおっさん」だけど、「ヒゲ面」以外の面は、きちんと構築してあったのか?  つまり、「ヒゲ面」ということだけがあって、その他の面はまったくなかったのか?  それとも、体の各パーツがすべて「うさんくささ」を体現しているような、そんなおっさんが立体的に存在していて、そこからあえて「ヒゲ面」だけをピックアップしたのか?  ヒゲ面以外には、どんなふうにうさんくさいの? そのおっさんは?  考えていた? 考えていなかった?  視点フィルターを通すか通さないか。書く書かないか。――そういうこと以前に、「書かないようなことまで考え抜け」というのが、いまやっているメソッドだよな。 -------------------------------------------------------------------------------- 貴種流離譚[きしゅりゅうりたん] No.6729 投稿日 2003年7月18日(金)17時02分 投稿者 弟切 千隼  昨日あたりから、我が家の近所ではヒグラシに加えてニイニイゼミも鳴き始めました。でもまだ湘南では梅雨は明けませんねえ。  南九州でさえ明けていないようですから、関東地方の梅雨明けにはもうしばらくかかるでしょう。暑さが苦手の弟切にとっては、涼しい日が続くのはありがたいです。 >>「特典」を伴わない高貴さ  特典が全くないとは言い切れぬものの、それに非常に近い物語のパターンは存在します。ただし、それは女性向け物語ではなく、古来の神話や伝説の中に見出されることが多いです。国文学者の折口信夫[おりくち しのぶ]が「貴種流離譚」と名づけた物語のパターンです。  貴種流離譚とは、 「高貴な人が、本来なら故郷で安泰な生活ができるはずなのに、何らかの理由で故郷を離れ、苦難を伴う流浪の身となる」 物語です。この物語の結末は、ハッピーエンドもデッドエンドも両方あります。どちらかといえばデッドエンドのほうが多い感じですね。  貴種流離譚の例としては、まず日本の倭建[やまとたける]の物語が有名です。倭建は大和朝廷の大王[おおきみ]の息子で、武力に優れた武人です。大王の息子は他にも大勢いるのに、なぜ彼だけが突出した武力を持っているのかの説明はありません。彼はその武力を恐れた父により、日本の各地へと異民族の征伐に派遣されます。苦しい征伐の旅を続けた末に、彼は故郷に戻ることなく死んでしまいます。  外国の例では、ギリシャ神話のオデュッセウスの話がこの典型ですね。オデュッセウスは、古代ギリシャのイタケーという国の王で、兵を率いてトロイア戦争に参戦します。十年間も続いたトロイア戦争を戦い抜き、やっと故郷へ帰れるという段になって、彼は海神ポセイドンの恨みを買います。ために様々な災厄に遭い、故郷に帰るまでにさらに十年間も放浪します。彼は最後には帰郷して王位を回復するので、この伝説はハッピーエンドですね。  女性に好まれそうな物語としては、小野小町[おののこまち]伝説があります。小野小町は平安時代に実在した人物で、和歌の名手にして絶世の美女として知られています。彼女の生涯には謎が多く、わかっているのは貴族階級だったことくらいで、生没年も両親の名も知られていません。そのためか彼女にはたくさんの伝説が付きまとっています。  中でも有名なのは、晩年老い衰えた小野小町が各地を放浪して歩き、旅先で客死したという伝説です。小野小町の墓と称するものが日本各地に存在し、衰えたりとはいえ京風の雅な文化を伝えた女性の墓として、今も尊崇の念を受けています。  女性が主役の物語では、『竹取物語』も貴種流離譚の一種とされていますね。ヒロインのかぐや姫は月世界の天人(=地上人とは比ぶべくもない高貴な人)で、何らかの罪を得たために、月世界より汚れが多い地上へ落とされます。彼女は最後に月世界へ帰るので、彼女の視点から見ればこの物語はハッピーエンドです。にもかかわらず、『竹取物語』は地上の人寄りの視点で書かれているために、かぐや姫に去られた人々の悲しみが心に残り、デッドエンドのように見えます。  上記の例を見てみますと、倭建は武力、オデュッセウスは知謀−彼はギリシャ軍随一の知将でした−、小野小町は和歌の才と美貌、かぐや姫は美貌という具合に、みな常人の域を越えた「特典」を持っています。けれども、それらの特典には説明がないことが多く、必ずしも高貴さが基になっているわけではありません。  例えばかぐや姫の美貌は、「高貴な天人だから」で説明がつきます。しかし、上に書いたとおり倭建の武力は「高貴だから」では説明がつきません。  加えて、貴種流離譚では、主人公たちは高貴さゆえに豊かな生活どころか、人並み以上に苦難を受けます。結末がハッピーなら、途中に苦難があってもより大きなカタルシスを得るためと納得できますのに、こういった物語はアンハッピーな結末も多いのですよね。  「貴種流離譚」という名が付くほど多くの例があるところを見れば、このような物語は、少なくとも日本人には人気があるのでしょう。特に女性向けということはなく、男女どちらにも受けているようです。  女性に限って言えば、高貴さそのものよりも、それに伴う特典のほうを好むようですね。けれども、「豊かな生活」や「超能力」の理由として「高貴さ」を好むという傾向は看過すべきではないでしょう。 お知らせ:  弟切は明日から遠出します。栃木県で開催される日本SF大会に行く……つもりでしたのに、都合により行けなくなりました(号泣) 別の用で別の場所へと出かけてきます。  したがって、明日から三日間ほどここへ書き込みできません。次にここへ書き込めるのは、早くて月曜日(21日)の夜になる予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- 高貴の特典 No.6730 投稿日 2003年7月18日(金)21時31分 投稿者 とんびの羽根  高貴にはまあ必ず特典がついてきますね。そしてその特典が、かならずしもそのひとの幸せにつながらないという特徴もあります。  これはなぜなんでしょう。  それは高貴故の特典というものが、普通の人に簡単に手に入らぬものであるということとともに、その特典を自分のために使うことが想定されていないからではないかと思われるのです。  高貴であることと、高貴の血を受け継いでいるということは、本来は神の血族であるとか、神から祝福を受けたものの末裔であるかということだと考えれば、ある程度説明はつくのですが。  つまり高貴であることの特典は基本的に神の力であり、神の血によってなされる能力であり、あるいは神から贈られた能力であると考えられます。  ということはその力は、一に神の力の行使であり、二に神のための力の行使でなければならないのです。  神から贈られた力であるなら、たとえ自分の幸せのために行使したとしても、それは力を与えた神を喜ばせるものでなければならない。私利私欲のために使うことはもってのほかです。  ですから、神の力を持ってしまった貴人は、神のために天地を治め、神のために神を騙る人々を罰し、神に反逆するものたちを滅ぼさなければならない、そういう義務を負うわけですね。義務を果たさなければ哀れな末路をたどらねばならないのも、それは神の意志に反したからだということになります。  そして神ならぬ身でその力をもらったものはそれなりに代価を払わなければならないようです。たとえばギリシャ神話に出てくるオデュッセウスはトロイアを打ち破ってから故国へ帰還するまでにすべての財貨と仲間を失って筆舌に尽くしがたい苦しみを与えられていますね。アテネの恩寵を受けたかわりに、サイクロプスを殺したことでポセイドンの怒りを買ってしまったからで、受け取るものも大きいかわり、失うものも大きいのです。  ゆえに高貴の特典は普通人が御するには、大きすぎ、かつ重すぎるものなので、なかなか豊かで安定した楽しい生活とはほど遠いものになってしまうのでしょう。  それじゃなんで、女の子はそういう物語が、パターンが好きなのかということに戻ってくるかな。それはこの仮説が検証されてからでないと意味がないので、ここで止めましょう。 >> 高貴であることと、高貴の血を受け継いでいるということは、本来は神の血族であるとか、神から祝福を受けたものの末裔である  とりあえず暴走する前に、ここのところ弟切さんチェックしてもらえるとありがたいです。  以上。 -------------------------------------------------------------------------------- 原稿用紙版生課題。 No.6731 投稿日 2003年7月18日(金)21時47分 投稿者 魚住 雅則 これより「原稿用紙版生課題」を開始します。 お題は「雨上がり」。 ではスタート。 -------------------------------------------------------------------------------- ●とんびの羽根さん No.6732 投稿日 2003年7月18日(金)22時07分 投稿者 羽矢野 ○一人称だと、世界はどう見えるのか? >>主人公の視点にどんなフィルターがかかっていようが、実際に見えているものなんですから。  私たちは生活していく上で、五感から情報を得ています。  例えば街を歩くという行為。  目で街の様子や、行き交う人々を見ます。  耳で人の靴音や車の音なんかを。  鼻でアスファルトや、汗や香水の臭いを。  舌で、噛んでいるガムの味を。  皮膚で、踏みしめている地面の感触、風、横で肩が触れあう他人の体温を感じます。  作者は当然すべてを知っています。  街がどんな様子かも、噛んでいるガムが何味かも、肩が触れ合っているサラリーマンの趣味がゴルフだってのも知ってます。  世界を作っているのは作者ですから、当たり前です。  それを本当にちゃんと作ってるのか?  っていうのが、望月さんが現在問われていることですね。  私ととんびの羽根さんとの間で交わされているのは、純粋に視点の話です。  それとは、別の話。  そこから、何を取り出してどう描くのか?  という部分です。  一人称。  これは視点保持者という存在が見たり聞いたりした情報しか、書いてはいけません。  だから自分の顔が赤くなったり、自分が歩いている路の脇になる路地裏でカツアゲが行われていたりすることはわかりません。  ここまでは、とんびの羽根さんもわかっていると思います。  そしてもう一つ、一人称はその視点保持者から見た世界で書かなければいけないというのがあります。  例えば、主人公が街を歩くとします。  彼は毎日同じように街が見えているでしょうか。  会社に遅刻しそうなとき。  酔っぱらっているとき。  デートに向かうとき。  彼女に振られたとき。  大事な商談へ向かうとき。  落とし物を探しているとき。  入ってくる情報は、同じです。  でも主人公は注意している部分は違いますよね?  遅刻しそうなときなら、信号やら時計をみるし。  落とし物を捜しているなら、足下を見てるし。  デートに向かうなら、映画の広告に注目するだろうし。  振られたなら、それで頭いっぱいになって、周りなんて見えていないだろうし。  街は同じ。  でも主人公の状態によって、彼が注目しているものは違う。  人間は一つのものに集中すると、それ以外の情報は得ていても脳が処理しません。 「手品師の左手を見る」  という言葉がありますね。  手品師は右手に注目させておいて、左手に種を仕込みます。  観客は実はそれをちゃんと見ています。  でも、誰も気付かない。  手品のタネをばらすような番組の解説などで実際に、どうどうと左手をポケットに入れてボールを掴んでる場面なんか見せられて、驚いたことがありませんか?  気にしていないことは、見えていないことと同じなのです。  つまり、一人称では視点保持者がどんな状態で何に注目しているかで、描く情報の密度に差をつけなければいけないのです。  情報はすべて平等に入ってきます。  しかし、密度は当然変わってきますよね。  逆にいうと、すべてを書いてしまうと、伝えたいことが埋もれてしまいます。  つき合っていた彼女にフラれて茫然自失な主人公が街を歩いていたとします。  そのシーンで、街のようすや行き交う人々が実に詳細に描いてあったら、どうですか? 「彼は今、茫然自失です」  そんなの、嘘だーって思いません? >>例えば、漫画の背景などで、ファーストフード店のレイアウトとかふつうまじめに見てないからといって手抜きの背景にするとすぐばれる。  これは今話していることとは別のことだと思います。  とんびの羽根さんは、すべてのコマにきっちりと背景が描いてある漫画って、面白いですか?  漫画では、背景の変わりに感情を表す表現になっている部分が沢山ありますね。  驚きや、悲しみ、主人公の動きなんかを表すには、実際の背景ではなくそのような感情を表す背景になっています。  今話しているのは、そっちに近いと思うのですが。   とこんな所で。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 羽矢野さん (途中) No.6733 投稿日 2003年7月18日(金)22時44分 投稿者 とんびの羽根 >> 私ととんびの羽根さんとの間で交わされているのは、純粋に視点の話です。  はい、はりぼて世界の構築ができているかについては、いま新木さんがきょろちゃんに教授している最中なので、とりあえず傍観することにして、視点の話をつづけましょう。  視点の話をするにしても、その世界がきちんとできていないことには、フィルターをかけようもない。  でもその世界の構築がクリアされたとしたら、次は、その中からどれを残すのかということになります。  すみません、ここで用事ができたのでつづきはあとで。内容の検討はちょっと待って下さい。(汗) -------------------------------------------------------------------------------- 終了。 No.6734 投稿日 2003年7月19日(土)00時58分 投稿者 魚住 雅則 終了です。 次回は明後日に「2時間45分で文章まで作成、15分で書き写し」をやり直します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6735 投稿日 2003年7月19日(土)05時50分 投稿者 新木 伸 >スーパーの販売促進員  「販売促進員」――と、この呼びかたで正しいのかどうかわからないのだが。  その職の内情に詳しい人、いないかな?  よくスーパーで試食させつつ、販売促進に努めているオバちゃんとかいるよね。  ホットプレートでソーセージ焼いて、試食させつつ、買っていかせようとする人。  あれって、そのスーパーの従業員なのだろうか?  それともメーカー側から派遣されてきた人なのだろうか?  おそらくメーカーから派遣されてきた人であり、おそらくノルマやらなんやらで縛られており、給料にも歩合が絡んできたりするのではないかと思われるが……。  経験者、もしくは、このへんの内情に詳しい人とか、いないかな?  スーパーやデパ地下でアルバイト経験でもあれば、一発なのだろうが……。  ざっとネットで調べたところでは、人材派遣会社から送られるプロフェッショナルもいるようだが。  スーパー何件か回ってみたけど、こういうときに限って、試食コーナーが立っていないのよね。楊子の立っている漬け物が、「ご自由にどうぞ」と置かれているだけだった。  ちなみに今度書く予定の話のネタになったりする。 >羽矢野 >>例えば、主人公が街を歩くとします。 >>彼は毎日同じように街が見えているでしょうか。 >>入ってくる情報は、同じです。 >>でも主人公は注意している部分は違いますよね?  ああ。それ面白そう。  んじゃ、「街を歩いている主人公」で、何パターンかやってみるのこと。  主人公がいまどんな状態かの説明をすることなく、主人公の見聞きするものの調整だけで、「ああ主人公はいまデートに向かっているのだな」とか、「ああいま酔っぱらっているのだな」とか、読者がわかるようなものを書いてみる。 ・会社に遅刻しそうなとき。 ・酔っぱらっているとき。 ・デートに向かうとき。 ・彼女に振られたとき。 ・大事な商談へ向かうとき。 ・落とし物を探しているとき。  例を出したこの6つ、ぜんぶやってみるか。  1個につき3時間必要? 3時間で3個ぐらいまとめてやれそう?  提出場所は、通常の生課題のほうのツリーにて。  やることが別だから、シャドウ執筆のメソッドなどは意識しなくてよい。普通に時間を使って、エディタとにらめっこしながらでいい。 >>つまり、一人称では視点保持者がどんな状態で何に注目しているかで、描く情報の密度に差をつけなければいけないのです。  んじゃ、そゆことで。  「描く情報の密度に差をつけて」みせてもらおうかなっ。  ――で、いつ時間を作る?  この手の理屈っていうのは、「小説通」を目指すのであれば、いっぱい知っていると得になるのだろうけど……。  しかし「小説家」を目指すのであれば、知っていたところで実践できなきゃ、なんの意味もないのだぞ?  理屈なんて知らなくたって、実践できるならそれでいいわけだし。  こういうものは、最初から楽々と、ぱぱっと実践しちゃうことが不可能な、我々凡人のための理屈なわけだよ。練習のための指針を見いだすための理屈付けなわけね。  理屈だけ振り回しているのって、みっともないし、本末転倒ってもんだし。 >高貴とか  女の子は「高貴」に惹かれるのではなくって、「特別」であることに惹かれるのではないのかなぁ?  「特別」という大きなジャンルの中の、小さなサブジャンルのひとつとして「高貴」ってのがあるのでは?  高貴と特別と、どっちが先だ?  そのへんの検証のために、「高貴であるだけで特典はなにも持たない」という話のパターンが存在するか考えてみようというわけね。  そして考えてみると、この手の存在っていうのは、ギャグやコメディの中にしか出てこないように思える。本人は自分が「高貴」であることを主張しているのだけど、金があるわけでもなく、豪華な家に住んでいるでもなく、特殊な技術や能力があるわけでもなく、さりとて美貌を持っているわけでもない。  本来、「高貴」に付属するはずの「特典」を、まったく持たない存在っていうのは、もうそれだけでどこかミスマッチなのね。だからコメディの登場人物になりうる。  発想を変えてみる。  以下のうちのどちらか片方に、なれるのだとする。(もしくはじつは自分は○○であったことが判明したりするのだとする)  その場合、女の子はどちらを選ぶか? 1.高貴だが、なんの特典も持たない存在。 2.高貴でないが、特別な存在。  ――ていうか、この「1」のほうって、ありがたいものなのかな? -------------------------------------------------------------------------------- あれはマネキンというらしい No.6736 投稿日 2003年7月19日(土)16時32分 投稿者 新木 伸  親切なROMさんからメールが届いて、必要なデータがおおむね揃った。  スーパーの販売員。  あれは業界用語では「マネキン」というらしい。  デパートなどで、商品知識を豊富に持っていて、話しかけてきて売りつけてきたりする人たちと、じつは同種の仕事らしい。  もちろん人によって専門分野はあるのだろうけど――。  たとえばあの日漬け物を売っていたお姉さんが、その翌日はブランドのカバンを売っていたりするようなこともあるわけか。  そのあたりがわかったことで、急に展望が開けた。イメージがわいたというか、急に理解したというか。  ようは、デパートの販売員とさしたる違いはないわけだな。  売り上げのノルマというものは、計測されてしかるべき場所に報告されたりるわけだが……。それよりもやはり本人のプロ意識が、仕事に向かわせる動機となるのだろう。そういうことにしておこう。  このあたりのことって……。  会社にでも勤めて、外回りの営業にでもついていたなら、きっと常識なのだろうなぁ。  とほほ。知らないことが情けない。  しかし会社なんぞ入っていたら、わし、小説書く時間なんて取れなかったろうしなぁ。  ちなみにこのへん、派遣会社のHPとか。 http://www.takou-m.co.jp/index.htm -------------------------------------------------------------------------------- はじめまして。 No.6737 投稿日 2003年7月19日(土)16時33分 投稿者 ROM  はじめまして。当方、試食試飲販売の経験者です。学生時代に二年間ほど、おもに三つの人材派遣会社をはしごしておりました。  三年くらい前の古い話ではありますが、何かのお役に立てればと思い、私の体験から少しだけ書き込ませていただきます。 >スーパーの販売促進員  求人広告では「デモンストレーター」で募集しています。  試食・試飲のみならず、何かのキャンペーンでくじ引きなどを行うこともあります。私たちアルバイトは「デモンストレーション」と呼んでいましたが、業界用語では「推奨販売」と言うようです。マニュアルに書いてありました。  新木さん(先生とお呼びしたいところですが)のご推察どおり、デモンストレーターはメーカー側から人材派遣会社を通してスーパー等へ送られてきます。  ただし、プロフェッショナルと呼べるかどうかは不明です。デモンストレーターのほとんどは、ろくに研修も受けていない短期契約のアルバイトだからです。  私が初めに契約したA社では研修(発声練習と研修ビデオの鑑賞)がありましたが、それも1時間くらいで終わってしまうような簡単なものでしかありませんでした。  二度目に勤めたB社はマニュアルとビデオを配って終わり。自宅で自主学習です。  しかしB社はまだマシな方で、C社などは研修どころかマニュアルもありませんでした。現地(派遣先店舗)に到着するまでは具体的に何をするのか知らされなかったり……現地まではアルバイト数名とともにタクシーで連行されたので、めちゃくちゃ怖かったです。  ノルマや給料については、会社によって異なります。  例えばA社はノルマなしで日給8000円。交通費全額支給でした。  B社は、最初の2回は研修期間とみなされて日給7000円。3回目以降は8000円。交通費は1000円まで支給されました。  C社は時給900円。ノルマはありませんが、売り上げが悪いと途中で帰されてしまいます。おまけに交通費が出ないので、遠方へ飛ばされた子は交通費ぶんしか稼げなかったり……なんてこともありました。本当に酷い会社です。  また、友人が契約していたD社ではノルマはないものの、1時間おきくらいに携帯が鳴り、どのくらい売れているかを逐一聞いてきたそうです。これではノルマがあるのと同じようなものですね。  なお、給料に歩合が絡んでいる、という話は聞いたことがありません。  少なくとも人材派遣のアルバイトの話ではなさそうです。おそらく、メーカー側から直接送られてくる社員の話でしょう。  おおざっぱな説明ですが、こんな感じです。多少、余談が入ってしまいましたが(汗)  何か具体的にお知りになりたいことがございましたが、ご質問ください。  私に答えられる範囲内でしたら、いくらでもお答えいたします。  それでは、失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- すいません。 No.6738 投稿日 2003年7月19日(土)16時36分 投稿者 ROM  前回の書き込みですが、すれ違ってしまったようです。(プレビュー画面をいったりきたりして確認している間に)  掲示板を汚してしまい、申し訳ありませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- 「デモンストレィター」も広告代理店の仕事だったりします。 No.6739 投稿日 2003年7月19日(土)17時41分 投稿者 鷹見一幸 、 どうも、お久しぶりです。(幸か不幸か)まだ生きています鷹見一幸です。   「販売員」の件ですが、補足説明を少し書き込みます。  スーパーなどの店頭販売をやっている人のほとんどは、人材派遣業の業者から送られてくる人です。  七割以上がそれだと考えて構わないと思います。  ですが、その売り込みの方法や、ディスプレイを考えるのは、実は広告代理店の仕事なのです。  仕事の流れから説明しますと、まず店頭販売の業務はメーカーの営業部が計画し立案して、決済を得てから、予算がついて業務となります。  ほとんどのメーカーは、この業務を外部の広告代理店などの業者に委託します。  広告代理店は販促用の幟やポスターとともに、その商品をどうやって売るのか、その方法、説明のツボ、売り込みの仕方、狙うべき客層。  などについてマニュアルを作成します。  ROMさんが見せられた「講習ビデオ」とは、おそらくこのマニュアルビデオだと思われます。    こうやって広告代理店が計画した販促キャンペーンは、中央の広告代理店から、お金と共に中小の代理店に流れます。  そこから人材派遣業者に話が行き、そこで人集め。となるわけですが、中小の人材派遣業者の中には「形だけやればいいや」てな人も結構いまして、説明も何もせずに素人の主婦や学生に商品だけを渡して、現場の店舗に放り出すような業者もいます。  人材派遣業者は、人材を出すだけで金がもらえますので、その辺は実にいい加減だったりします。  こんな業者にひっかかった営業マンや、広告代理店はたまったものではありませんが、実を言うと営業マンや広告代理店の中にも「形だけやればいいや」という考えの人間もいまして、持ちつ持たれつの部分もあります。 (こういうことをやってると、どんどん仕事が無くなっていくのですけど、大企業の社員にかぎって、この辺の考えは甘いですね)  さて、こういった「販売促進デモンストレィター」の中には、半分プロのような人も多数存在します。  こういった人は、いわゆる「秘密兵器」でして、やる気のある人材派遣業者の間では、特別扱いされており、秘蔵っ子として契約されています。  有名デパートなどで販促をするときなど、いわゆる「メーカー側の視察」があるときは、こういった人材を投入するわけです。  どんなものでも売ってしまう人は「プロ中のプロ」でして、こういった人は個人で契約していたりします。  デモンストレィターのプロの中には、学生のバイトではじまって、才能を見込まれ、プロになってしまった人とか、主婦のパートで始めたら、才能を見込まれて、年収ン百万と言う人もいます。  こういう人に特有の点は「実に好奇心旺盛」だということでしょうね。  どんな人が「お客さん」になるのかわからない。  そのとき、その「お客さん」と話が合わなければ、商品は売れません。  客を選ぶなんてことが許されるほど、世間は甘くない。ということを、この人たちは皮膚感覚で知っています。  バドワイザーの販促で、デパートに店頭で、ぴっちりデザインの服を着てビールの試飲を呼びかけるキャンペーンガール。なんてのも、このデモンストレィターになるそうですが。以前、この現場に出ていた広告代理店の友人に 「キレイなねーちゃんと、ビールに囲まれて、天国だろう」と言ったら。 「馬鹿、それは全部、武器と商品だ。キレイなねーちゃんは武器だからメンテナンスをしっかりやらなきゃならんし、商品はベストコンディションを維持しなきゃならんのだ。シェアを奪われれば銃殺刑だ」  と、言い返されましたっけ。  小説のカバーのイラストの女の子もまた「武器」なのでしょうな。  ならば我々は中身をベストコンディションに保つための最大の努力を払うといたしましょう。   シェアを奪われば「銃殺刑」ならぬ「飢餓刑」ですから(笑 -------------------------------------------------------------------------------- >皮膚感覚の話 No.6740 投稿日 2003年7月19日(土)21時08分 投稿者 新木 伸 >皮膚感覚の話  皮膚感覚――で、ふと思った話。  現場の空気を皮膚感覚で感じているかどうかって、これ意識の持ちようにだいぶ影響を及ぼすものなのね。  てっとり早く一人前になる秘訣として、「現場の空気を吸え」というものがある。  小説でいうなら、なんでもいいから「文章でお金をもらう」ということ。それはプロに混じって、プロの中で仕事をするということ。  その経験自体が、直接なにかプラスになるわけではない。  ただ「現場の空気」を皮膚感覚として知ることで、意識が改変される。そこが重要。その改変された意識で物事に取り組むと、経験値の入りかたが何倍も変わってくる。  ていうか、ぶっちゃけ、現場の空気を知らないでプロになるのは、なにかの幸運でも期待しなけりゃ無理な話だ。  意識が変わらないと、アマからプロには脱皮できない。  といってもなぁ……。  金を取れる仕事ができないから、プロ志望者はプロ志望者でいるのであって――。  悪循環っていやぁ、悪循環なのだけど。  べつに小説でなくとも、文章の仕事が目の前にあったなら、飛びついとけよオマエら。決して損はないんだから。 -------------------------------------------------------------------------------- 羽矢野さんへ (つづき) No.6741 投稿日 2003年7月20日(日)01時06分 投稿者 とんびの羽根 >>一人称はその視点保持者から見た世界で書かなければいけない <一人称視点の制約> ●視点保持者本人の視野にあるもの以外は、全く見えない。真っ黒、真っ暗。ゆえに書くことはできない。 ●視点保持者が注目している部分、意識を向けていて、認識記憶している部分は描写ができる。  しかし視点保持者の視界に入ったものは、ものによって注目度、注意度がさまざまです。  ここまでは羽矢野さんと、とくに意見の食い違いがあるわけではありません。  そこでここから、注目度、注意度の違いを詳しく見ます。 ●見ていても脳がまともに機能していないときは処理できない(ブラック1) ●見ていても意識にのぼらず、無意識でも注目されず、明確な記憶に残らない(ブラック2) ●意識にはのぼらないが無意識下で認知判断している(グレー1)  (服の色、髪型、目の色、順番待ちの行列の人数。まったく意識していないのに、直後に聞かれたら答えることができる) ●見ていて意識にものぼっているけど、短期記憶に格納され、そのまま次の情報がくると消えてしまう部分(グレー2)  (2等以下の景品、ボール、はずれだと勘違いしなかったら思い出すことなく忘れてしまう) ●短期記憶から長期記憶に転写されるが、短期記憶ではすでに次の情報でうまって、すぐに思い出せない部分。ただし手がかりがあると芋づる式に思い出されてくる。(グレー3)  これは探偵が目撃者に確かに見ていたはずだとうながすと思い出すようなこと。  縁側で洗濯物を干している時、被害者の焼芋売りが通るのを見たのに、その後雨が降ってきたために忘れてしまっただけだということを思い出させたりする。  ミステリではそういう場面をさりげなく書き込んでおいて伏線に使ったりする。 >>すべてのコマにきっちりと背景が描いてある漫画って、面白いですか?  ちょっと記憶に頼ってますが、紡木たく「ホットロード」ではきっちり背景が描いてあるコマがほとんどないんです。駅の階段を駆け上がってたら段の一段一段やとおりすがりのひとは省略されるかラフな線で描かれます。そのくせ心臓の音だとか、息切れだとか、画面の外の通りすがりの女学生の笑い声だとか、普通の人が気に留めない、すぐに忘れてしまうことが画面上に書き込まれている。それは主人公の現在を現在のまま伝えるために、感じていることを感じているまま伝えるために、どうしても必要なものです。描かれているのは本人の意識したものがすべて。ただし普通の人も視点保持者も決して注目はしていない部分(グレー2、グレー3)  おそらく今回(#6732)羽矢野さんのいう一人称ってそういうものだと思うんですよ。  前回(#6720)の書き込みでは普通の人の注目しない部分は主人公も注目しないという論旨(グレー2、グレー3も不可)だったので反論するしかありませんけど。  しかしそうした例外をのぞくと多くの漫画では、画面が転換するとかならず背景をきっちり描き込むことになっています。もちろんすべてのコマに背景を入れたりはしません。(ブラック2)  登場人物も話に絡んでくる以上は一度は大ゴマで表情まできっちり描き込まれます。そしてどんな服を着ているのかわかる、上半身のバストショットか、全身が描き込まれます。(グレー1)  わたしもすべての場面で背景やら相手の服装やらを詳細に文章化したら、ストーリーに没入できないのはわかっているんです。でも主人公が注目していないものをいっさい描かないとなると、現実としてのリアリティーがかなり損なわれると思います。  なるほど、ブラック2まで描写してしまうと周囲に注目し過ぎの描写か、客観的な文章になってしまって、一人称の主観的な世界を描くのには不適当ですね。これが欧米の小説だと視点保持者がものすごい現実観察力と描写力を発揮するのが普通なんです。いま羽矢野さんとわたしのあいだで議論している部分、欧米の小説なら描写するの当たり前のことで問題にすらならない。  で日本のライトのベルに戻りますが、それに対しストーリー上必要であるなら、グレー1くらいまで触れられていても一人称として嘘ではないと思うわけです。場面の転換時、登場人物との出会いの時点とかですね。あくまでも一目で無意識的に見えてしまう範囲内でという制限はもちろん存在します。(グレー1)  それから相手の態度雰囲気にあとで重要な変更がある時は、変化の前までさかのぼって記憶に残ったりします。そのときは注目対象でなくても、あとで注目すると、注目していなかった時点まで思い出してしまうわけです。あとであらためて注目する対象というものは当然描写されるべきでしょう。(グレー2) -------------------------------------------------------------------------------- しかし No.6742 投稿日 2003年7月20日(日)01時47分 投稿者 望月京路  推敲して思ったこと。  単語単位で存在理由を確かめるというこれだけど。  むしろ、文字を見てやったほうが頭に残らない。  ま、そりゃそうか。脳ミソの作業量は、空でやったほうが確実に大きいし。  ふむ。すると、文字を書きながら書いた文章を覚えていたら、本物ということか。 >感想  初日はとにかく、雑念との戦いでした。空で考えるわけで、すぐに別のものに思考が阻害される。集中力がない、といえばそれまでですが。  その対抗策として、「部屋を暗くする」ことと「ひとり言で思考確認」と、ふたつの方法をとりました。結構、効きました。部屋を暗くするのは「暗い部屋の面白さ探し」という新しい雑念を生み出すことにもなりましたが。  三日目には、雑念はだいぶ殺せるようになりましたが、今度は開いた脳容量をうまく使えずに困りました。真っ白で、何を考えればいいかわからない状態。例えば、最初の一行、を考えようとします。しかし「最初の一行」というフレーズばかり繰り返すばかりで、続かない。ここで「早めに5W1Hは書くこと」という指針を思い出すと、ようやく思考の方向が定まります。  この、真っ白状態から思考の方向付けまでが遅い。実は若年性健忘症なんじゃないか、と思うくらい。ときどき、さっきまで考えていたのを、ふとしたことでど忘れして、30秒近く思い出せなかったりするし。  そうそう。次にどんな文章を書くか、というのにも困りました。反射で書いていたころはなんとなくわかったんですが、考えて書くと、その辺が見えなくなってしまう。  流れができているか心配でしたが、案外できていました。  一文字の重さを知る、という意味においては成功でした。「なんであんな考えなしに書いていれたのだろう」と自分で不思議になりましたから。  まあ、慣れないことをするのは大変でしたけど、話を作るのはやっぱり楽しいですねえ。 >鍋の失敗  とりあえず、コンセプトとしたのは「鍋の魅力」。失敗だというのなら、原因はあれでしょうか。  コンセプトの絞り込みが甘い。  鍋の魅力と言っても色々あるわけです。「暖かさ」とか「仲間との団欒」とか「よくわからんものも受け入れる幅の広さ」とか。  それらを、一緒にやろうとした。  それが、間違いだったんでしょう。  多分、今までの「ふらふらして何が書きたいコンセプトかわからない」というのと、根っこは同じだと思います。  小生は「とりあえず、面白そうなものは詰めこんだほうが面白くなる」と思っていたわけです。けど、どうやらそれだと面白さが殺し合って逆にわけがわからなくなるらしい。  だから、コンセプトは絞るべきである。  ――と理解はしても、実践はまだしきれていない、というところでしょうか。  しかし、この三つをワンシーンで伝えることは不可能なのだろうか?  小生は書き方を間違えただけで、うまくやれば全部伝わるのではないか?  そう、思うのですが。 >200円のかき氷  これは、あれですな。  書きなおすと、「200円で買ったかき氷を食べながら、別の店で100円で売っているのを見つけた」。  同じ物でも値段が店によってまちまちなのが、祭りの出店。その「あるある感」を込めたつもりでしたが。 >おっさんのうさんくささ  ヒゲの他に。  もちろん、考えて(ビジョンにして)あります。  ピンクのタオル頭に巻いてて、長めの髪は縮れてて、タバコくわえてて、ランニング姿で、肌は浅黒くて、そこそこ筋肉質で、お金は蚊取り線香の空き缶にまとめて入れてます。  で、視点の話をするならば。  主人公は、確実にヒゲよりもピンクのタオルに目がいくはずです。  けれど、あえてヒゲにした。ピンクのタオルでは、うさんくささが今ひとつ伝わりきらないから。  『頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん』と、両方書いたら一番効果的なんですが、そうすると今度はシーンのコンセプトがぶれる。「夏祭り」でなく「おっさん」のほうが面白くなってしまう。  だから、ヒゲだけ。  とりあえず、そんなところで。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6743 投稿日 2003年7月20日(日)11時26分 投稿者 新木 伸 >一人称とか  厳密な意味における「一人称」では、本人が意識しているもの以外は一切書けないのね。  とんびさんの分類でいえば、グレー領域もブラック領域も、どちらもひっくるめて一切書けない。  ただ世に出てる小説では、そこまで厳密な一人称はないだろう。一冊まるごと完全な一人称で書くというのはたいへん難しい。  たしかにワンシーンごとに見てゆけば、「ここからここまでは完全一人称」と線引きできるだろう。臨場感が特に必要なシーンはそうしているはずだ。しかしそれ以外のところでは、厳密さを外していたりする。  ここで「完全一人称」という言葉を定義する。本人が意識していないものは一切書かないというのが、これだとする。  しかし男性主人公の出会った女性が美人でグラマーだったからといって、その顔やら乳やら尻やらしか見ていないのでは、ストーリーが進められない。  服も髪も、手にしたバッグも書かなきゃならないこともある。  そういうときには、ふた通りのやりかたがある。  ひとつは完全一人称から外れてしまうもの。  その瞬間だけ「エセ一人称」に切り替えてしまう。主人公が注目していないけど視界には入っている「グレー領域」あたりまで書いてしまうわけだ。こっそりやれば、案外読者は気がつかない。玄人はごまかしに気づくけど、「まあここはちょっとズルしました」とか言えば大抵は許してもらえる。  もうひとつは、完全一人称を貫き通す方法。  バッグを書いておく必要があるなら、主人公がバッグに着目するシチュエーションをなんとかして作り出す。頭をひねって考え出す。そしてそうした流れに自然に持ってゆく方法。  手品師の話が出ていたけど……。  手品師は、見せたい物を観客に見せることができるのね。右手を見させて、左手は見させない。視線は誘導することができる。  一人称における主人公の視線も、作者には誘導可能なのだな。女性の美貌よりもバッグのほうに注目を集めたければ、そうする方法はある。  どっちの方法を選択するかってことは、まあ、作家それぞれのポリシーとかスタイルとかの問題。  ちなみに僕は個人的に後者の方法を取るようにしている。(一人称はほとんど使わないから、キャラ寄り三人称のときの話と読みかえること)  もちろん、これ、どちらも出来るようでないといけないものなのね。  片方の方法しか使えないからそっちでやるっていうのは、ポリシーやスタイルを云々する以前の問題だ。  ちなみにこの「視線のコントロール」の方法。  映像メディアがいちばん進歩しているから、そこから技を盗み取るように。  特に映画ね。  スクリーンには色々なものが映っているわけだ。実写映画であれば、ほとんど現実の映像だから、スクリーンの中には雑多なものが映っている。  そのなかのどの物体を観客が見るか――ってことを、作り手の意図通りコントロールできないのであれば、映画ってものは、そもそも成立しないのね。  映画館で映画が上映されているとき、何百人がひとつのスクリーンを見つめているわけだが……。そのほとんどの人の見ているものは一緒なんだよ。同じ物を見ている。――というか、作り手の意図によって、同じ物を見せられている。  そのことは隣の人の視線を観察していてもわかる。  アニメ作品や、漫画なんかも参考にはなるが……。  こっちのメディアは、「見せたいものしか描かない」というズルができてしまう。見せようとしている「それ」だけしか画面に登場させなければ、観客はいやおうなくそれを見ることになる。その便利な手法に頼りっきりで、他にまったく引き出しを持たないケースもあったりする。  その点では、研究材料としては、やはり映画がいちばんかな。実写映画ではズルのしようがない。  どうやれば、見せたい物に注目させることができるのか。  映画の数本でも観て、各自、研究するように。  あるシーンにおいて、自分がなにを見たか。そこに注目してしまったのはどうしてか。すべて理由と原因がある。  自分が自分の意志で見ているのではなく、すべてコントロールされて「見させられている」のだという前提で見ること。これまで持ったことのない「新しい観点」から映画を見てゆくと、いくつも発見があると思う。  プロのクリエイターにとっては、映画を「見る」っていう行為は、つまりそういうことなんだがなぁ。「いまどうやったのか」を常に分析しながら見るのでなければ、それは「見る」といわない。ただ「観てる」だけだ。  手品師が同業者の手品を見るとき、タネを見抜こうとせずただ見ているだけでは、「見る」とはいわず、「観ている」だけとなる。それと同じことだ。  だから俺、もうオマエらと一緒に映画見に行くの絶対嫌とか、前にそう言ったわけよ。わかる? >望月 >>すると、文字を書きながら書いた文章を覚えていたら、本物ということか。  「本物」じゃなくて、それが「普通」だと、そう言っとるのだが……。  課題をやってみた感想。  なにか、文字を見ながらエディタを使って書いてゆくときのほうが、雑念が出ないで集中して書くことができる――みたいなニュアンスがあるんだけど。  それ、本当にそうなのか?  人って、やりかたを多少変えた程度のことで、雑念がゼロだったり、雑念まみれになったり、そんなに大きく変わるものなのか?  僕はむしろ、その「雑念まみれ」の状態が、きょろちゃんのデフォルトなんじゃないかと思うのだが。  文字を見つめてエディタを使って書いているときには、終わったあとで、自分がどれほど雑念を生み出していたか、覚えてないだけなんだよ。きっと。  「考えなしで書いてた」って、自分でも言ってるよね。  それ、違うのだと思う。「雑念」がぎっしりと詰まった状態で書いてたのだよ。きっと。  雑念を全力回転させることに頭がほとんど使われてしまっていた。だから有益なことを考えることのほうには、ほんのちょっぴりしか頭を使えずにいた。「頭を使えなかった」=「考えなし」ってことなのではないのか?  そうでないというのなら、以前は、なぜ「考えなし」で書いていたのだ?  なにか理由があって、わざわざ「考えなし」でやっていたということになるのだが。  書いている時間のほとんどをぼーっとしていて、ちょっぴりだけ考える。残りの時間はずーっと頭を休ませていた。――そういうことになってしまうが。それってあからさまに、ヘンだろう?  だって生課題では、まがりなりにも3時間集中しようって試みでやっていたわけだし。  「考えようとしていたが、しかし、考えることができなかったのだ。なぜなら雑念をフル回転させていたからだ」――という説明のほうが、シンプルで合理的な説明であると思わないか? >鍋の魅力 >>鍋の魅力と言っても色々あるわけです。「暖かさ」とか「仲間との団欒」とか「よくわからんものも受け入れる幅の広さ」とか。 >>この三つをワンシーンで伝えることは不可能なのだろうか?  さぁなぁ。俺にもわからん。  いまの俺なら、3つを伝えるなら3シーン使う。  10年20年、小説の研鑽を続けていけば、なにか答えがでるんでないの? きょろちゃん、自分で答えを出してくれ。  それはワンシーンでやれるものなのか、どうか。 >200円のかき氷 >>同じ物でも値段が店によってまちまちなのが、祭りの出店。  ああ、そのことを書こうとしていたわけか。  ここでひとつ質問なのだが。  僕がなにを問題にしていたのか。僕はなにをわからずにいたのか。なにを訊いていたのか。そのへんきちんと理解してるか?  もうひとつ質問。  やりたかったことは、そういうことなのだとわかった。  しかし、そうだったのであれば、なぜ――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『かき氷100円』という値札をにらみつつ、別の店で買ってしまった200円のかき氷を口に運ぶ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――とか、こんなふうに書かなかったのだ?  もし「恨めしい」ニュアンスを入れたくなかったら、こんな感じか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『かき氷100円』という値札をそこに見ながら、別の店で買ってしまった200円のかき氷を口に運ぶ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなのもあるな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『かき氷100円』という値札を見なかったことにして、別の店で買ってしまった200円のかき氷を口に運ぶ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >ヒゲづらのおっさん >>『頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん』と、両方書いたら一番効果的なんですが、そうすると今度はシーンのコンセプトがぶれる。「夏祭り」でなく「おっさん」のほうが面白くなってしまう。  うさんくさいおっさんは、夏祭りの一属性なわけだな? そしておっさんを主役にしちゃわないで、「うさんくささ」を主役にすればいいいんだな? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ヒゲ面のおっさんは、頭にタオルを巻き付けていた。汗を吸ったそのタオルはピンク色のはずなのだが、どうしてもピンク色には見えなかった。ちゃりんと、おっさんが投げた小銭が缶の中に落ちる。蚊取り線香の缶は重たそうで、中には十円玉と百円玉と、あとタバコの吸い殻まで混ざっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなんで、どうよ?  きょろちゃんのどのあたりが「ヌルい」のか。  「タバコくわえてるおっさん」というところまではイメージ化できても、その吸い殻がどこに落ちているかまでは考えてない。  「ピンクのタオルを頭に巻いている」ところまでは考えても、そのタオルが汗を吸っていることと、汚れているというところと、使い古されているというところまで踏み込んでいない。  「お金は蚊取り線香の缶に入れてる」というところまでアイデアが出せても、その実際の映像までは浮かべていない。  これは小説なんだからさ。エンターテイメントなんだからさ。君がひとりで楽しんでいるいつもの自慰行為じゃないんだからさ。  誰もが経験した「あの夏祭りの一夜」に、読者を連れていかなきゃならんのだぞ?  そうしないと金がもらえないのだぞ? 作家の収入ってのは、いわば「ガイド料」みたいなものなんだからさ。  そのへん、きっちり、わかってんのか? >視点の話がらみ >>主人公は、確実にヒゲよりもピンクのタオルに目がいくはずです。 >>けれど、あえてヒゲにした。ピンクのタオルでは、うさんくささが今ひとつ伝わりきらないから。  視点の理解はできているのに、その運用を間違えている。  上でも書いたけど。視点運用の原則を作者の都合で曲げることはできないの。ピンクのタオルに目が行ってしまうとわかっているのなら、作者のできることは、ピンクのタオルを出さないことにするか、さもなきゃ正面からピンクのタオルを描くこと。この二つしかない。  ちなみにここで言う「タオルを出さない」というのは、脳内映像のおっさんからタオルを外すっていうことね。  脳内映像ではタオルを付けているのに、実際に書くときにはなかったことにするというのは、それはない。  オマエの取ったのは、「目立つはずのタオルを描かないで、注目されるはずのないヒゲを描く」――という方法だが。  そんなのは、あり得ないの。  また正面からピンクのタオルを描く場合には、おっさんを主役にしないようにするしかない。たとえば、僕がやったようにするとか。 -------------------------------------------------------------------------------- >望月 No.6744 投稿日 2003年7月20日(日)18時22分 投稿者 新木 伸 >望月 >ピンクのタオルのおっさん  きょろちゃんの、なにがヌルいのか。  みやびさんと話していたら、「あれでわかるかなぁ」てな話になったので、補足説明をしてみる。  きょろちゃんは「ピンクのタオル」のイメージを入れた場合の文章として、実例を挙げていたよね。  それがこれなわけだ(↓)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そして僕が実例として出したのが、こっちだ(↓)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ヒゲ面のおっさんは、頭にタオルを巻き付けていた。汗を吸ったそのタオルはピンク色のはずなのだが、どうしてもピンク色には見えなかった。ちゃりんと、おっさんが投げた小銭が缶の中に落ちる。蚊取り線香の缶は重たそうで、中には十円玉と百円玉と、あとタバコの吸い殻まで混ざっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こっちの僕のほうには、「ピンクのタオル」というイメージ以外にも、「お金を入れた蚊取り線香の缶」と「タバコをくわえている」と、ふたつの余分なイメージが入ってしまっている。  そのへんは差し引いて、「ピンクのタオル」の部分だけに着目すること。  きょろちゃんの書いてきた実例文のほうは、あれ、小説とは言わんのだよ。  おっさんがピンクのタオルを巻いているわけだな。――「まんま」じゃんか。そのまんま、ありのままを書いてるだけ。  「おじさんはピンクいろのタオルをあたまにまいていました」と、小学生だって書けてしまう。  誰でも書けるようなことしか、書いてないわけ。  作家が小説を書いて金をもらえるのは、誰でも――とはいかないようなことを書くからなのね。誰でも書けてしまうような文章に、どこの誰が金を払ってくれるというのだ。  普通の人と同じだけの観察では、普通の人と同じだけのことしか書けない。  普通の人が書けないようなものを書くには、常人より深く観察しなきゃならん。  この場合では「ピンクのタオル」。  「ピンクのタオル」に対する観察とイメージ化が、いかに足りないのか。  いかに執念が足りないのか。  自分のと俺のと、ふたつを見比べたらわかるか? どうだ?  ――ふう。  これだけ書いときゃ、伝わるかしらん。 -------------------------------------------------------------------------------- 武装錬金 No.6745 投稿日 2003年7月20日(日)18時40分 投稿者 魚住 雅則 「武装錬金」第一話のプロット化に集中しているうちに生課題を行う時間を使い果たしてしまいました。 生課題は明日行います。 第一話プロットを以下に。 取りあえず抜き出した粗プロットなので、主人公死亡や各シーンのコンセプト抜き出し、プロットの整理も含めて明日行います。それまでレス等は待ってください。 色々勉強になりますが、何よりも強く印象に残ったのがシーン展開の速さ。 テンポの良さです。とにかくスゴイと思いました。(新木さんから「プロがスゴイのは当たり前だアホ」と言われることは承知の上で書いています) これも明日詳しく分析して、換骨奪胎版にどう活かしていくか考えます。 「武装錬金 第一話」 プロット (学校裏の廃墟=オバケ工場:主人公視点) ・見たこともない化け物から隠れている主人公。 ・見知らぬ少女の背後に化け物が迫っているのを発見する。 ・少女の危機に、思わず化け物と少女の間に割って入る。 ・化け物に胸を貫かれて絶命する。 少女視点 ・突然現れた少年を巻き込んでしまったことに驚く (自室:主人公視点) ・ベッドから飛び起きる主人公。 ・自分が死んだ夢と現実の区別がつかず混乱して暴れる。 客観視点 ・主人公の携帯にメール一通受信 (廊下:妹=まひろ) ・兄の暴走に頭を痛める。 (主人公の寮、玄関前:謎の少女) ・外まで聞こえてくる主人公の声で無事を確かめる。 翌日 (通学路:主人公) ・昨夜見た夢(と思い込んでいる)の内容を友人に話す。 ・遅刻しそうになり、校門まで走りだす。 ・途中でまひろを見つけて一緒に校門まで行く。 ・先を歩かせていたまひろがギリギリセーフで校門に入りかける。 ・まひろが居るにも関わらず、無理やりに校門が閉められそうになる。 ・まひろをかばい、校門を止める。 ・冷酷な様子の教師から遅刻の罰を言い渡される。 ・セーフだった妹まで罰を与えようとする教師に、自分が二人分を引き受けることを宣言する。 ・さらに学校指定のカバンを持っていないことを咎められ、昨日拠った場所を詰問される。(どこで失なくしたのか) ・その頃の記憶がすっぽり欠けていて何も答えられない主人公。 ・何事かありそうな雰囲気の教師だが、それ以上は何も言ってこない。 ・追加罰として放課後の草むしりを言い渡される。 ・予鈴が鳴り、急いで教室へ向かう主人公たち。 教師=巳田 ・うつろな瞳で主人公の後姿を見つめる巳田。 ○昼休み(校舎の屋上) ・最近の巳田(教師)の不気味な変貌について噂する主人公のクラスメート。 ・まひろが兄を訪ねてやってくる。 ・主人公の友人から新しい制服が似合っていると褒められて上機嫌になる。 ・買出しに出ていた主人公が屋上に戻ってくる。 ・妹の様子を見て嬉しそうな主人公。 ・自分の携帯にメールがきていることを発見する主人公。 ・友人達から今朝のことを心配される主人公(無茶しすぎること) ・それが性分であり、妹さえ無事なら特に自分の身は気にしない主人公。 ・主人公に今朝の礼を言い、草むしりを手伝うと提案してくる妹。 ・気を使わなくてよいと断る主人公。 ・一息ついた所でメールを確認する。 ・昨日主人公が死んだことを示唆するようなメールを見て驚く主人公。 謎の少女 (給水搭) ・平和な街を見渡しながら、余計に警戒を深める謎の少女。 巳田 (誰もいない職員室)  ・何ごとか、計画をはじめる決意をする巳田。 放課後:焼却炉前 ・草むしりを終え、帰ろうとする主人公。 ・昨日夢で見たオバケ工場を見かけて、一刻も早くその場を去ろうとする。 ・誰かから声をかけられる。 寮:まひろ ・兄が心配で迎えに行こうとするまひろ 焼却炉前:主人公 ・声のした方を振り向くと巳田が立っている。 ・なぜか主人公のカバンを持っている巳田(に驚く主人公)。 ・正体を現し、昨日の化け物へと変身しはじめる巳田。 ・心臓の痛みで、昨日自分が殺されたことを再確認する主人公。 ・今も夢の続きを見ていると思い込もうとする。 ・変身を完了し、確実に主人公を殺そうと襲いかかってくる巳田。 ・必死で逃げながら、自分の置かれている状況が現実であることを実感する。 ・昼間のメールが少女からのものだったと思い当たった瞬間、当の少女から電話が入る。 ・電話ごしに少女から現状を聞かされる主人公。(その間も巳田は襲ってくる) ・敵の名称と正体、自分が巻き込まれたことを知る主人公。 ・少女から得た力で戦うように指示される。 ・ワケがわからず逃げようとするが、(主人公を迎えにきていた)妹と鉢合わせしてしまう。 ・妹まで巻き込んでしまったことを激しく後悔する。 ・自分が囮になることで妹を逃がそうとする。 ・しかしまひろが巳田に喰われてしまう。 ・激昂し、手に持っていたパイプで巳田に襲いかかる。 ・ほとんどダメージを与えられずに逆に追い詰められる主人公。 ・ギリギリの状況に反応するように心臓が大きく脈動する。 (昨夜の回想シーン) ・死体となっている主人公に呆れながらも興味を抱く少女。 ・核鉄と呼ばれる金属を心臓に埋め込まれる主人公。 ・再生と同時に戦う力を得ていたことを思い出す主人公。 ・心に浮かんだ言葉を叫び、武器を呼び出そうとする主人公。 ・叫んだ直後にあっさりと食べられてしまう。 ・主人公を殺し終えた巳田、次は謎の少女を追おうとする。 ・急に苦しみだす。 ・生み出した槍によって巳田の腹を突き破って脱出する主人公。(まひろを脇に抱えている) ・ただの高校生である主人公が武装錬金を使うことに驚く巳田。 ・脱出した主人公を追撃してくる。 ・謎の少女が唐突に現れ、一撃で巳田を破壊しつくす。 (校庭) ・全て思い出したことを話す主人公。 ・少女を助けたつもりでいたが、単に邪魔をしただけだったと知り、落ち込む。 ・妹が目を覚ます。 ・妹にかけ寄ろうとするが極度の疲労のためその場で倒れそうになる。 ・自分より他人を優先してしまう主人公に呆れつつも好意(の前段階)を持つ少女。 ・改めて錬金術とは何かすら知らないことに気づく主人公。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6746 投稿日 2003年7月20日(日)22時41分 投稿者 新木 伸 >望月  そういや昔に書いたこれ。  いま、ちょっと書き直してみそ。  いまならどのように書くことができる? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  カヤは暗視視覚に移行したまま、通路を歩いていた。隣りにはアルマが、アンテナをバックパックから伸ばし、レーダー探査している。  カヤは、聴覚の感度を五割くらい上げてみた。  ところがい、くら上げてみても自分たちのモーター音の他に、空気の流れ程度しか聞こえない。 「気をつけなさいよ」  アルマが注意してきた。レーダーに意識を向けているせいか、その声には抑揚がない。  最初は何のことだか分からなかった。だが、空気流動の音が、足の下から聞こえてくることに気付く。  今度は視覚の感度を上げてみて、やっと分かった。床や内壁がいたるところで崩れ落ちているのだ。  試しに足元の穴の奥を凝視するが、いくらカヤが観察しても虚無の色以外に見えるものは何もない。 「こりゃ下の階層まで続いてるんじゃないか?」  創世記時代の遺跡は、確実にその身に時を刻んでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  きょろちゃんのダメな部分の典型パターンが、ここに詰まっている。  小説じゃない文章ってものね。  説明にもなっていない説明文しか書けなかったわけだな。  このロボット二名の、人間と違う感覚内容。そこに書くべきものはいくらでもあるはずだ。  暗視視覚って、どんなふうに見えるの?  聴覚の感度を引き上げたときの感覚は? レーダー探査って、ロボットの意識にはどう映るもんなの?  モーター音って、どんなもんなのよ? 聴覚が空気の流れを検知するってのは、当人の感覚としてはどんなふうなものなのよ? >魚住  新連載の第一話ってのは、練りこむもんだからね。  時間もあるし準備期間もある。週に18ページ描くなんて超人的なことをしなくても済む。  絵のほうも、ストーリーのほうも、その漫画家の最高の技量を見れるはず。  しかしいかに「スゴイ」とはいえ……。時間をかけて、最高に練りこんだ上でのものなわけだし。どう「スゴイ」のか分析すれば理解できる範囲にあるわけだし。  手の届かないほどの高みにあるわけでもなかろう。  でも言っとくけど、そうやってプロット分析を1回したくらいで、経験値が溜まったつもりになってちゃいかんぞ。  プロット写し取るのにも、だいぶ時間もかかっているようだし……。  それは「普通」は読んでいる最中にやるようなことなのね。つまり1回読んだ作品であれば、空でそれと同じプロットが作れなくちゃいけないってことだ。  目にする作品のすべてで、常にその作業を行っているのが、プロの「普通」であり日常なわけね。  たとえば週に3冊、週刊漫画雑誌を読んだなら、プロットは「十数本×3」を取ってるわけ。プロットを取るためにかける時間は、読むのにかける時間と同じ。それ以上かけていたら、とてもやっていられない。  自分で訓練して、早々に「読む速度で写し取る」ことができるようになっとけよ。  まるで負担なく、ぼんやり見てても無意識でプロット取ってるぐらいまで、条件反射的に自分を訓練しておけ。  それが出来るようになってから、その先が大事なんだ。実際に「何年」やったのかが――。  プロットを写し取った本数でもって、引き出しの中身の量は決まるんだから。  あと、それはそうと。  このあいだやったっていう生課題は? 課題部屋にあがってないようだが。  最後にあがっているやつは、あの例の1行きりのやつだし。 -------------------------------------------------------------------------------- 留守番時計 No.6747 投稿日 2003年7月21日(月)23時26分 投稿者 弟切 千隼  出先より戻りました弟切です。  夜、住んでいるアパートの前にたどり着いたら、どこかからかすかにじりじりと目覚まし時計らしき音が聞こえました。「どこかの家で目覚まし時計が鳴りっぱなしだよ、迷惑だなあ」と思いながら自宅に入ったところ、弟切の家の目覚まし時計が鳴っていました(*o*)(-_-)  御近所の皆さんごめんなさい。我が家は安アパートの割に防音機能はよくできているので、あまり迷惑にはならなかったものと……信じたいですね(^^;  「ふむ、『いつまでも鳴り止まない目覚まし時計』というこの状態は、『ある家に、少なくとも意識があって自力で動ける人がいない』ことの描写に使えるな。ついでにそれが誰もいない家でのできごとなら、『その家に住んでいて、今留守にしているやつはうっかり者である』ことを示すエピソードに使えるぞ」と弟切は考えました。  幸も不幸も何でも食べて、弟切は脳みその栄養にします。でないと弟切の貧相な脳みそは働けません。  今回はこれだけです。とりあえず生存報告でした。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん No.6748 投稿日 2003年7月22日(火)00時20分 投稿者 とんびの羽根  お疲れ様でした。  #6730で高貴の特典について素人仮説を立てたんですけど、ちょっと検討する余地があるが教えていただけませんか? >> 高貴であることと、高貴の血を受け継いでいるということは、本来は神の血族であるとか、神から祝福を受けたものの末裔である  という部分です。  勝手なお願いで申し訳ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- 記号としての人物描写について。 No.6749 投稿日 2003年7月22日(火)06時29分 投稿者 鷹見一幸  なんとか「でたまか8」と「ネオクーロン連載&書き下ろし」が一息ついたので、ちょっと書き込みします。(電撃の新シリーズの〆切が、あと一ヶ月切っているんだけどね)  「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」  という一言だけで、読者の脳裏に「うさんくさいおっさん」というイメージを浮かばせることができるかどうか。ということについてなんだけど、確かにこの単語から、イメージできないこともない。  人間には単語を「記号化された情報」として読む能力がそなわっている。 だから「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」と読めば、頭の中に過去に経験したメモリーバンクの中から、それに該当する人物の顔を思い浮かべることのできる人もいるだろう。  でも、思い浮かばない人間はどうする?  ほったらかしにすると、読者は拗ねちゃうよ。 「いいもん、もう読まないもん、ラグナロクオンラインでもやろーっと」とか言って本を放り出して終わりだな、きっと。  刑事が窃盗の被害現場付近で聞き込みをするとき、テレビとかに出てくる刑事は必ず 「怪しい人を見ませんでしたか?」と聞くけど、これなんかまさに「記号化されたセリフと人物描写」だよな、こんな聞き込みやってたら、どやされるに決まってる(笑)   だって「怪しい人」って、誰にとって「怪しい」のか決まっていないからだ。  「怪しい人」という「記号」を聞いて、その人が思い浮かべた人物が、唐草模様の風呂敷包みを背負って、地下足袋をはいて、手ぬぐいで頬かむりをしている男の映像だったら、その人は「怪しい人は見ませんでした」と答えるに決まっている。(いまどきそんな人はいないと思うだろう、大きな間違いだ。本当に泥棒とはそういう格好をしているものだと信じている人間は驚くほど多い)    だから、そういうときは、こっちから情報を与えるのだ。 「最近の空き巣はスーツを着たセールスマン風の格好をしている」とか 「リフォームの業者を装っていることもある」とか  そういった情報を相手に与えてから 「見慣れない人を見かけませんでしたか?」と聞くわけだ。  そうすると「ああ、そういえば……」と話してくれる。   「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」  この情報だけで「うさんくさい」という答えを読者が引き出せるだろうか?  読者が確実に「うさんくさい」という答えを引き出せるように、情報を与えなくちゃならない。  でも、その与えるべき情報の量は限られている。一ページにわたって描写したって答えが出るとは限らない。  与える情報の質で勝負するしかない  与える情報と言うのは外見の描写だけじゃない。  モノローグとかで、うさんくささを出すこともできる。  主人公の内面的記憶から情報を読者に与えると言う方法だ。  たとえば小学校のころ、なけなしの小遣いをにぎりしめて縁日に行き、そこでニセモノをつかまされた経験を語ってもいい。  そして、最後につけ加える。 「そのとき夜店で俺にニセモノを売りつけたおっさんと、目の前にいるこのおっさんは実によく似ていた、もしかしたら一族なのかもしれない」  なんてモノローグをね  読者に「うさんくさいおっさん」という情報を与えることができれば、それは成功なわけだ。  うさんくさいおっさんの実物を思い浮かべることができれば簡単なんだけど、難しいと思うなら、既存のタレントを思い浮かべてみてもいい。  テレビドラマとか映画を見た方がいい、というのは、実はこういうときにモデルとして思い浮かべることの出来る人物の記憶を増やすと言う意味もある。街で他人の顔をじろじろ見るとトラブルになるけど、ドラマや映画の中のタレントは見られるのが仕事だからね(笑)  実証と言う言葉がある。  百聞は一見にしかず、そして実体験は一見にしかず。  バンジージャンプを本で読むのと、やってる姿を見るのと、実際に飛び降りるのとでは、どれが一番経験値を積めると思う?  俺の家には実銃が転がっている、無可動の実銃だから銃の剥製みたいなものだけど、機関銃とか、実際に持って見なければわからない部分は絶対にある。  皮膚感覚で知る。  これは本当に大事なことだと思う。  手で触れてその場にいて「ああ、これがそうか」と思うことはいっぱいある。  だから、小説を書くつもりならば、いろんなことを調べるだけでなく、いろんなことを体験したほうがいいと思う。  夜の公園に行って、その場に見えるものを確認した経験があるのは羽矢野くんだっけ?  最近行った事ある? 今行ってみると、また違うものがわかるかもしれないよ。    今度の電撃の新シリーズには先込め式パーカッションライフルなんて品物が出てきます。  古式銃は持っていますが、実際に火薬を装填して撃ったことはありません。  アメリカに行って撃ってこようかと本気で考えています(笑)  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6750 投稿日 2003年7月22日(火)17時50分 投稿者 新木 伸 >生課題、お題 ・外人の女の子(男の子)。 ・田舎育ちの女の子(男の子)。(書き手が都市部出身の場合) ・都会育ちの女の子(男の子)。(書き手が地方出身の場合)  思いついた新お題。 >夜の公園取材  あれは唯野でしたね。  しかしあれ以降、特になんもやっていないようなので、いまもういちど夜の公園に出かけていっても、以前と変わらないことしか読み取れないと思われます。 >うさんくさいおっさん  「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」  さんざん叩かれている望月であるが。  じつはこれはこれで、偉大なる進歩だったりする。  なんにせよ、きょろちゃんは自分が書こうとしているのが「うさんくさいおっさん」であると自覚しているのであり、それを実現するための方法を模索しているわけであり……。  そのアウトプットの結果が、たとえ、「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」というお話にならない低レベルのものであっても、これまでとは質的に明らかに違っていて、新しい段階に立っているのであり……。  しかし、まあ、ようやくここまで来たかという感じでもある。  ここまで来れば、ようやく、「ではその表現によって、うさんくささが充分に伝わるのか?」とか、そういう段階の話ができるわけね。  ――で、ここが大事なところなのだけど。  この「うさんくさいおっさん」っていうのは、このシーンにおいては、単なるひとつの構成要素にしか過ぎないわけね。決して重要ではない。メインコンセプトでもない。  このシーンのメインとなるのは、「夏祭り」というもの。  その味付けは「ノスタルジー」という色合い。  おっさんのうさんくささは、ノスタルジーの引き金を引くための小道具のひとつ。  そういう順序づけがなされている。  いま僕や鷹見さんが大量に書いて、あらゆる方面から「うさんくささ出すにはどうするか」を検討しているわけだが……。  これらはすべて、ほんの「小道具ひとつ」のために払っている労力なのね。  そんな些細なところに、なぜそんなにこだわるのか。――そう思うかもしれない。  しかしそれは発想が逆だ。  たかだか「小道具ひとつ」――そんな些細なことでしかないから、我々はこれっぽっちしかこだわっていないわけだよ。執念をこれだけしか出していない。  僕や鷹見さんは色々書いてるけど、たぶん考えるのに5分もかけてはいないだろう。実際にはほぼ瞬間的にプランを立てているはずだ。  雑念に思考リソースを無駄遣いさせられずに、きちんと考えるべきことに頭を向けられていれば、それは充分に可能なことなのね。考えるべきことにロックオンする思考の条件反射っていうか、なにかそんなようなものによって。  3時間あるなら、小道具ひとつに対して、5分くらいはかけてもいいだろう。  そして書き上げるのに15分使うとして、残りは2時間40分となるわけだが。  ではその時間は、なにに使うのだ? 「おっさんのうさんくささ」よりも重要なことは? -------------------------------------------------------------------------------- 下手なりにレベルが上がったらしい No.6751 投稿日 2003年7月22日(火)20時59分 投稿者 望月京路  って。まだ感触がつかめませんが。  とりあえず、書くしかないか。 >過去のリライト  しかし、懐かしい文章が……。  どうでもいいですが、別の場所でもたまたまこれが引き合いに出されたばかりなんですよね。偶然だ。祟られてるのかな。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ー ― ―  ダークグリーンの映像の中に、ちりが舞うのが白く見える。  暗視視覚に切り替えたカヤは、足を止めてしまった。  強化合金でできているはずの壁や床は蝕まれ、いくつもの黒い空間が顔を覗かせていた。とても、自重200キロを越える体を支えてくれるとは思えない。  だが、横のアルマは歩調を変えずに進んでいく。バックパックを背負い、携帯用グレネードランチャーまで搭載しており、重さだけならカヤよりもあるはずなのに。  と、アルマのバックパックの両脇に二枚羽の金属板が生えていることに気づいた。  カヤは、聴覚の感度を上げる。すぐに、自分のジェネレータ内の爆発する音で聴覚は埋め尽くされ、痛覚信号まで発生した。頭を振って、今度は聴覚の指向を外に向ける。  すると、アルマのバックパックから甲高い音を発しているのがわかった。電気系統の駆動音だ。  レーダーで、強度の残っている床を探して進んでいるのだろう。  カヤはアルマのあとについて、その足跡を正確に踏んでいった。それでも、床がきしむ音に、ジェネレータの出力も低下する思いだった。  ちらりと床の穴を見る。一片の光すら確認できないそこに、認識野が距離測定のエラーを起こし、倒れこみそうになった。 「気をつけなさいよ」  アルマが、ゆっくりした口調で注意してくる。レーダーの処理に、言語機関への容量まで割いているのだろう。 「ああ。落ちたら、下の階層まで真っ逆さまだしな」 「なら、もっと緊張感を持ちなさい」 ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  ってなところで。  すでにあるものを直すほうが、なんか苦手。 >かき氷  問題は、誤読させてしまったということですか。  多分新木さんは「100円騙し取られた」と読み取ったんだと思います。(もしくは、意味不明のまま処理されたか)  さらにつっこむと、誤読するような書き方をしたことが問題なのかな。  誤読させる余地がある文章を書いてしまったこと。  告白のときの一行目と同じようなことですかね。あれは、主人公が女だと誤読してしまう文章だったわけですから。  で。これは、『別の店で買ってしまった』と書かなくても伝わるだろう、と思ったのでした。  まず思ったのが、『かき氷』という言葉を二回使いたくない、ということ。100円(目の前の店の)か200円(手の中にあるの)か、どっちかは省略できるだろう、と。  その上で、『値段が違う・祭りの屋台』というところから、「祭りの屋台は店によって値段が違う」という答えに読み手がたどり着くことを予測したわけです。  結果。NG。 >おっさん  うーん。  踏み込みが甘い、ってことかなあ。イメージ化の。  もっとよく見ろ、と。  逆にいえば、普通の人以上によく見た視点ならば、面白い、ということか。  記号化された人物描写、ということで。  すると、「頭にピンクのタオルを巻いた、ヒゲ面のおっさん」と書くだけなのは、「うさんくさいおっさん」と直接書くのと、大して変わらない、ということかな。  ああ、そうか。  例えば「美人のお姉さん」を伝えるに、「足が長くてグラマーで、サラサラの髪をしたお姉さんだった」とか書くようなもの。  なるほど。  問題点は、理解。  で、次が対策。  結局のところ、書く際によくイメージするしかない、のか。  そのためには、日ごろからよく観察し、普通の人の無意識に流してしまう情報にも目を止めろ、と。 -------------------------------------------------------------------------------- >望月 No.6752 投稿日 2003年7月22日(火)22時46分 投稿者 新木 伸 >望月 >過去のリライト  それ、何分でやった?  前のは小説じゃないけど、直したほうは、小説の文章にはなってる。  プロの書くものと比べても、「レベル」はたしかに違うけど、「次元」まで違うことはなくなった。描写してるって意味ね。  ただ3分の2まで削りあげないと使い物にならん。半分までいっちゃうと削りすぎかな。  あ……。でも後半のほう、力尽きたのか、まだこんな文章が残ってら。 >>認識野が距離測定のエラーを起こし  認識野がエラーを起こすと、どうなるの?  そっちを書くべき。こっちはいらん。  まあこうやって説明のための文章を書いてもいいけど、最低限、描写とセットにすること。説明文が先でも描写が先でも、どっちでもいい。  かき氷の話。  そう。僕は「100円って書いてあったのに、注文して出てきてから、200円取られてしまった」と、そう読んだ。だって、いま食べているかき氷が「別の店」で買ったものだなんて、ひと言も書いてないじゃん。  僕が誤読したんじゃないよ。  君が言うところの「正解」を読み取ることは、まったく不可能なことなの。  あの文章からでは。なにかテレパシーに近いニュータイプ的な洞察力でもないかぎり、「ああ。祭りでよくある、値段が違うってあれか」と気づくはずがないのね。 >>「祭りの屋台は店によって値段が違う」という答えに読み手がたどり着くことを予測したわけです。  ひとつ質問だが。  祭りに行ったことがない人でも、その答えにたどり着けるもんなのか?  祭りに行ったことがない人もあの文書を読むのだという可能性を、まったく考えてなかっただろ。  鷹見さんもちらりと書いているが。それを知らない人は、どうするのよ?  ――で、ここに関しては、「かき氷」を2回使いたくないという、くそくだらない美意識のために、読者をおざなりにしたってことだな。他の手を考えるわずかな苦労も面倒だったもんで、ただ容易に省略しちゃうことで、読者(に苦労して)読み取ってもらうことを期待したと、そういうわけだな。  ただ「ダメ」を通り越して、むしろ犯罪に近いものがあると、そうは思わないか?  自分が楽したいがために読者に苦労を強いるっていうこの心根。それで金を取ろうっていうのは、それ立派に詐欺だろう? 詐欺は犯罪なんだぞ。  いいんだよ。「かき氷」って2回使おうが3回使おうが。「汚い文章」と「わからない文章」と、どっちがマシだと思うか。  「汚いけど理解できる文章」ほうが、数千倍マシなの。だってそっちは理解できるんだもの。  「かき氷」を2回使っているけど、理解可能な文章。それなら「へたれ」であっても、まだ誠実ってもんだ。すくなくとも犯罪じゃない。 -------------------------------------------------------------------------------- 高貴さの幻想 No.6753 投稿日 2003年7月23日(水)01時06分 投稿者 弟切 千隼  出先から帰ってきた途端、仕事メールの波に襲われて防戦一方の弟切です。いつものことですね(;_;) とんびの羽根さんへ > >> 高貴であることと、高貴の血を受け継いでいるということは、本来は神の血族であるとか、神から祝福を受けたものの末裔である (No.6730のとんびの羽根さんの書き込みより)  この仮説については、おおむね正しいと思います。なぜ「おおむね」なのかを以下に説明します。  日本においても他の国においても、「高貴」とされる家系の人々は、先祖を遡ると神に行き着くのが普通です。神でなければ、神に近い英雄や精霊やヒト以外の生き物です。時には生物ですらなく、石や枯れ木などの無生物であることもあります。  この場合の英雄や精霊やヒト以外の生物は、異常な力を持つ存在と語り伝えられるものです。英雄ならば人並外れた腕力を持っているとか、極端に成長が早いあるいは遅いとか語られることが多いですね。精霊ならば不老長寿であったり翼もないのに空を飛んだりします。ヒト以外の生物ならば、人語を解したり甚だしく大きな体を持っていたりします。  要するに、高貴な人々の先祖は、神と表現したくなるような、超自然的で人間を超えた力を持った存在とされていることがほとんどです。無生物から産まれた高貴な人の場合は、「無生物から生物が生まれる」こと自体が奇跡ですから、その点において超自然的で人間を超えた力を発揮しています。  実例を挙げますと、日本の飛鳥時代から平安時代にかけて大いに栄え、高貴な氏族とされた藤原氏(もと中臣氏)の先祖は、日本神話に登場する天児屋命[あまのこやねのみこと]とされています。フランスには、精霊というより妖怪に近い半人半魚の水妖メリュジーヌを先祖とする貴族がいました。日本の陰陽道の本家である土御門家−もと安倍家−の地位と名声を高めた安倍晴明は、その母が妖力ある狐だったという伝承があることで有名です。  普通の人間ではあり得ない、異常な力を受け継いでいる−と見なされる−からこそ、高貴な人々は高貴だと信じられます。こう考えると、「高貴」という概念は、発生からして「特典が付いてこその高貴」であることがわかりますね。  上記のとおり、とんびの羽根さんの仮説はおおむね正しいです。しかし、実はこの仮説は、前提と結論とを取り違えています。  神の血−あるいはそれに類する超自然的なもの−を受け継いでいるから高貴なのではなく、高貴であることの証拠として神の血が使われます。  言い換えれば、自分たちを高貴に見せたい一族が、「私たちは神につながる家系だから高貴だ」と主張し、自分たちが人々の上に立って指導する立場であることを正当化するのに使われます。  今回はこれ以上時間を作れませんので、この続きは次回に回します。 -------------------------------------------------------------------------------- 生課題と換骨奪胎。 No.6754 投稿日 2003年7月23日(水)23時29分 投稿者 魚住 雅則 >生課題 すみません。予定が狂っています。 とりあえず原稿用紙版をあげておきました。 >換骨奪胎 武装錬金プロットを整理する前に、ブリーチについても分析します。 ブリーチ第一話では主人公(一護)は死んでいないのですが、 ブソウレンキンと比較してみて「なぜ主人公が死ぬ必要があるか」を考える上で役に立ちました。(ブリーチは「主人公が死ぬことによって起こる状況」を、主人公を殺さないでクリアしているのだと思います) 以下にブリーチ第一話プロットをアップしておきます。 自分の中ではおおよその結論は出たと思います。 詳細は次の書き込みにて。 「ブリーチ 第一話」 プロット (午前2時、街中、客観視点) ・何かを探している普通ではない様子の少女。(遥か高くまで跳躍している) (同日午後7時、公園前、チンピラボーダー視点) ・いきなり現れたオレンジ髪の高校生(主人公)に倒される ・お供えの花瓶を倒したことで高校生が怒っているらしいことを聞く。 ・高校生が指差す先に血まみれ幽霊が現れて、あまりの恐怖に逃げ出す。 (主人公視点) ○一護の ・幽霊からチンピラを追い払った礼を言われる。 ・早く成仏するように言って家に帰る。 (自宅) ○主人公を取り巻く環境説明 ・帰った早々父親と喧嘩(本当の喧嘩ではなく、コミュニケーションのようなもの) ・妹からまたも幽霊に憑かれていることを指摘される。 ※家族の中で幽霊が見えないのは父親だけであること、妹二人のうち姉のほうが霊力が強く、妹の方はあまりハッキリと幽霊が確認できないこと (自分の部屋) ○死神と遭遇する一護 ・何の前触れもなく壁から少女が現れる。 ・泥棒だと思いこみ捕まえようとする。 ・騒ぎを聞きつけた父親が部屋にくるが、父親にはなにも見えない ・不思議がる一護に少女が自分の正体が死神であることを名乗る(常人には見えないということ) (場所不明) ○敵(この時点では名称不明)が動き出す。 ・不気味な「何か」が、さきほど一護が庇った幽霊を貪り喰らう (一護の部屋) ○ ・少女の説明(死神の詳細)を聞くが全く信じようとしない一護 ・怒った少女に束縛の術をかけられ、身動きできなくされる。 ・そのまま一護に憑いていた幽霊を成仏させる少女。 ・死神の仕事で現世に現れたことを説明する少女。 (通常霊の成仏と悪霊の滅却の二つがあり、今回は滅却のためにこちら来たこと) ・ちかくに悪霊がいることを心配する一護。 ・一護だけが悪霊(=虚)の声を聞く (死神視点に変更) ・死神である自分よりも先に虚の声を聞いた少年に戦慄する (一護視点) ・一階から妹の悲鳴が聞こえる。 ・死神の少女が助けに向かおうとする。 ・家族の危機に、自分が助けに行こうとするが束縛されたままなので動けない。 (死神視点) ・一般人を巻き込むわけにはいかないので少年をそのままにして助けに向かう。 ・凄まじい霊圧(気のようなもの)を感じ、なぜ今までそれに気づかなかったのかと愕然とする(疑問) (一護視点) ・上の妹(夏梨)が大怪我を負いながらも一護を逃がそうとして危機を知らせにくる。 ・その姿を見て、絶対に解けないはずの束縛術を強引に解く一護。 (死神視点) ・人間が自力で術(鬼道)を解くというありえない事態に呆然とする。 ・姉妹を助けるために一階に下りていく少年をただ見つめる。 (一護視点) ・一階の惨状(血まみれの父親)を確認する ・虚を発見し、あまりの恐ろしさに動けなくなる。 ・下の妹(遊子)が虚に捕まっていることに気づき、迷わず助けに向かう。 ・圧倒的な虚の力に殺されそうになる。 ・危ないところで死神に助けられる(遊子も同時に助けてもらう)。 ・虚のおかしな行動(人の魂を取ろうとしていない)に疑問を持つ一護 ・虚の狙いが尋常ではない霊的濃度を持つ一護自身(ごちそう)であるらしいと聞き、愕然とする。 ・自分の言葉が少年を傷つけたと思い、同様する死神。 ・隙をつかれて攻撃を受ける。 ・それを見てブチ切れ、自分を攻撃するように虚を挑発する一護(犠牲になるつもりで) ・死神が一護を庇い、致命傷を負う。 ・戦う力を持つ者がいなくなってしまうと、もう誰も助からない。自分を責める一護。 (元々の原因が自分であること、自分の行動が元で死神が死にかけていること) ・一か八か、命を掛けて一護が死神になれば、虚と戦うことができると提案される(死神になれなければ死ぬ。成功率も高くない) ・躊躇する一護 ・意識のない遊子が、うなされた夢の中でまで一護を逃がそうとする(のを見る一護) ・自分の臆病さをふっきり、提案にのることを決意する。 ・死神と一護、お互いの自己紹介をする。 ・死神になるための儀式を行う(一護の心臓を斬魄刀で貫く) ・死神装束となった一護が虚を圧倒する。 (ルキア視点) ・能力の半分を譲るつもりが全ての力を奪われる。 ※一護と虚の戦闘シーンに被るモノローグ ・尋常ではない一護の霊力にあらためて戦慄する。 ・虚を真っ二つに切り裂く一護。 -------------------------------------------------------------------------------- 神聖王 No.6755 投稿日 2003年7月24日(木)01時36分 投稿者 弟切 千隼  前回の書き込みNo.6753の続きで、「高貴さ」を考察します。  前回の考察の結果、ある人が高貴と見なされるきっかけは、普通の人間にあり得ない異常な能力を持っていることであるとわかりました。そのような能力が血のつながりによって継承されるのは、「子は親に似る」という自然の法則に照らして当然のことと考えられたでしょう。かくして「高貴な家系」というものが誕生します。  ここで重要なのは、「普通の人間にあり得ない異常な能力」を本当に持っているかどうかは問題ではないことです。真実がどうあれ、そのような能力を持っていると周囲の人々に信じられることが、何よりも大事です。  信じられさえすれば高貴と見なされるということは、「高貴さ」は実体を伴わなくてもよい概念であることを示していますね。たとえ貧しい身なりをして、家もなく路上で生活していたとしても、周囲の人々がある人を「高貴だ」と見なせば、高貴な人の一丁上がりです。  しかし、明らかに貧しい生活をしている人や能力のなさそうな人が、「自分は高貴だ」と主張しても、通常は誰にも信じてもらえないでしょう。ほとんどの場合、高貴さは何らかの実利的な特典−財産や超人的な能力など−との組み合わせで認知されます。  高貴さとは、往々にして実体が伴わない観念ながら、多くの場合に実利が伴うと推測されるからこそ、一般的に女の子に好まれるのでしょう。女性とは現金なものです(^^;  高貴な家系の人々が、神やそれに近い英雄や精霊や聖なる生き物の血を引いていると主張するのは、それが「超人的な能力」の裏づけとなるためでしょう。実際にはそんな能力を持っていなくても、「神(のようなもの)の血を引いている」と言えば、持っているようにはったりを利かせることができます。  人間より上位の存在の能力を受け継いでいると人々に思い込ませれば、そういう「高貴な人々」がその他大勢の人々を治めるのは自然なことだ、とさらに人々を誘導するのは簡単でしょう。統治者が既得権を守るのに、これほど都合の良い理屈はありませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6756 投稿日 2003年7月24日(木)15時16分 投稿者 新木 伸 >魚住  プロット全アップの件。  「ちゃんとやってます」のアピールのつもりなんだろうけど。  2回連続であげてきたから、ひとつ注意しておくことにする。  数週間から数年前の作品で、1話分だけだとはいえ、売り物である市販作品(金が絡むという意味で)のネタバレをするのだから、すこしは配慮しろっての。  これ、上げてきたのが、もし「今週のプロット」だったら、速攻で削除ものだぞ。  課題部屋だけに上げるようにして、分室には上げないでおくとか。そのリンクを分室のほうに書くだけにしとくとか。  最近は分室のCGIが改良されて、リンクがたいへん張りやすくなった。  課題部屋にアップしてから、リンクの上で右クリックして、メニューから「ショートカットのコピー」を行う。そうして取得したURLアドレスの文字列を、分室への書きこみの中に書いておくだけでいい。特別な細工をしなくても(自分でタグを書くとか)、あとは自動でリンク化してくれるから。  プロットやあらすじには著作権は発生しないから、著作権がらみということではない。単なる金銭がらみの話。ハリーポッターの新刊も、発売前にあらすじを載せちゃった新聞が訴えられて、「新刊の売れ行きに損害を与えた」と多額の損害賠償請求をされていたけど。それと同種ってことね。(あれは訴えとしては著作権のほうだったかな? 公開する時期を決める権利が著者にはあると、そっちだったかも。調べたのだけど、見つけられなかった)  まあそこまで大きなことじゃないけど、まったく配慮が欠けているところが、ちと心配。  ほうっておいたら、そのうち調子に乗って今週分までアップしてくるんじゃないかとか。  今回のはそのままでいい(作者本人もしくは出版社からクレームが付かない限り)ので、次回からは配慮すること。  ちなみに、前に唯野が「サムライレンズマン」のプロット写し取りをしたけど、あれは課題部屋にアップされ、しかも僕の知り合いの作家だったからOKだったわけね。  んで、内容に関して。  整理するするとか言ってて、いつまでもやってこないので、先に言っておくことにする。  まず前回のも今回のも、「プロット」ではないので、そのつもりでいること。  あれをプロットと呼称すると、「そうかこれがプロットか」と誤解する人が出てしまうかもしれない。そうならないように、はっきり言っておく。  ではあれはなんと呼べばいいのか。  「エピソードメモ」といったところか。  現状では、あれは単なるメモに過ぎない。忘れないための覚え書き。その後の作業を机上で行うための材料集め。――そういうもの。  あのメモ書きを材料にして、分析に取りかかるわけだな。  分室で話作りをするときには、まず一行コンセプトを定めて、そこから4分割を行い、16分割、64分割と進んでゆく。  その作業を末端から逆に辿ってゆくのが、これから行う作業。  64分割にはちょっと足りないかもしれないが、それに近い数の項目はメモしているわけだ。そこから16分割を割り出して、4分割を構築して、最後には1行コンセプトまで再構成してみる。  そうすることで、作者がその作品を作り出したときの思考の流れが完璧にトレース(追跡)できる。  あれだけの出来の作品が、感性だけで書かれているはずがないのだ。計算とノウハウで作り上げられているに決まっている。  ――そうして、作者の思考の全トレースが完了したら、はじめて「プロット」と呼べるもの写し取れたことになる。  1行コンセプトから始まって、4分割、16分割、64分割の具体的エピソード――それらすべて、ワンセット揃ったものが、「プロット」と呼ばれるものなわけ。  仕事の現場では、「プロットください」と言われて提出するものは、最後の64分割のものだけだったりすることもある。相手の能力が高くて、こちらの能力も信頼されているときには、そうなることが多い。  1と4と16は、64を見りゃわかるからだ。  だから64分割を指して「プロット」と呼ぶのも間違いではないのだが……。しかし魚住がエピソードをメモっただけのものを「プロット」と呼称していると、ちゃんとわかってんのか心配になってくるわけね。 >>ブリーチは「主人公が死ぬことによって起こる状況」を、主人公を殺さないでクリアしているのだと思います  このあたりから、またひとつ心配になってくる。  僕が「やれ」と言ったことを、きっと勘違いしているんだろうなぁ。  魚住はいま、「死ぬ」とか「死なない」とか、そんな些末なことばかりに注意を向けているよね。  「死ぬ」ってことが重要なんじゃない。  あれらの話の構造のなかで、なにかの「必要」があり、それを達成するための手法として「主人公を死なす」というエピソードが選択されたっていうだけ。  シンデレラの無欲を表現するために、無数のアプローチがあるのと一緒。「主人公を死なす」というのは、その「なにか」を達成するための、無数のアプローチのうちの、選択肢のひとつに過ぎない。  ただし、だいぶナイスな選択である。「主人公を死なす」というエピソードを選択している作品も多いことから、その有用性の程はわかる。  しかし他にも選択肢がないわけじゃない。  「換骨奪胎」するというなら、別のアプローチでもやれるようでないといけない。そうでなければ「換骨奪胎」とはいわない。  なにも考えず主人公を殺すパターンでやってしまうのは、ただデッドコピーを生産しただけだ。換骨奪胎とは呼ばない。  別のアプローチも充分に考慮したうえで、それでもなお、やはり「死なす」パターンを取ったのであれば、それは換骨奪胎したといえるだろうが。  「換骨奪胎」――辞書で引いてみたことがあるか?  きっと引いたことがないだろうから、俺がかわりに引いてやる。  広辞苑第5版より。 >>かんこつ‐だったい【換骨奪胎】クワン‥[冷斎夜話1](骨を取り換え、胎を取って使う意) 詩文を作る際に、古人の作品の趣意は変えず語句だけを換え、または古人の作品の趣意に沿いながら新しいものを加えて表現すること。俗に、「焼き直し」の意に誤用。・  この「焼き直し」の意のほうと、誤解してるだろ? 魚住って。  写し取るのは、話の「構造」のほう。  「無欲ゆえに見初められるシンデレラ」って構図のほう。  「どのように無欲を表現するか」ってアイデアのほうを写し取ったら、それ単なるパクリであって焼き直し。いまお前が「やっちゃおう」としているのは、そっちのほう。  注意しろよ。  ――で、「主人公を死なせなければならない構造」っていうのは、いったい、なに? >高貴の話  聞いてて、おやと思った。  「高貴」の定義が若干違うのかな?  それとも狭義と広義の違い?  「高貴な身分」っていうと、僕は王族だけでなく貴族まで含めてしまうのだけど。  そうしておかないと、日本では「皇族」以外に高貴な血筋は存在しないことになるし。  ぎりぎりの許容範囲として、「金持ち」まで含まれる。  ただし単なる金持ちではなくて、もう何代にも渡って金持ちの家柄とかね。「財閥令嬢」とかは、高貴と言ってよいよね。  この場合、特典は「金」と「育ち」かな。生まれたときから教育されないと身に付かない「物腰」とかってあるだろう。 >生課題新お題  幼なじみの異性。  元気な女の子。おとなしい女の子。勝ち気な女の子。内気な女の子。(それぞれ男の子でも可) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6757 投稿日 2003年7月24日(木)20時17分 投稿者 新木 伸 >望月  祭りのかき氷屋の話。  リライトした僕の文では、「別の店」ってところがポイントなわけね。  もうひとつ質問だが。  望月は、祭りに「かき氷屋」が2軒以上存在することを、もうデフォルトとして疑ってもいないようだけど……。それは説明不要であって、前提条件として解説を省略してしまっても、誰もが納得して了承するような「常識」なのかな?  祭りにかき氷屋が1軒しかないケースと、2軒以上あるケースとは、どのぐらいの比率になると思う?  読者の「祭り」という共通体験に、どこまで依存して説明を省けるかってことね。  もし9割以上の読者が「祭りっていえば同じ店が2軒以上あるもんだよな」と思いこんでいるようなら、それは説明不要として処理してしまっていい。  そうでないなら、説明が必要だ。 >望月 >> 強化合金でできているはずの壁や床は蝕まれ、いくつもの黒い空間が顔を覗かせていた。とても、自重200キロを越える体を支えてくれるとは思えない。 >> だが、横のアルマは歩調を変えずに進んでいく。バックパックを背負い、携帯用グレネードランチャーまで搭載しており、重さだけならカヤよりもあるはずなのに。  ここんとこ、全然ダメ。  日本語としてぶっ壊れてる。もう論外。こんなん日本語じゃねぇや、ふざけんな金返せってカンジ。  ここの他にも、あちこちダメなところはあるのだが、この3〜4段落目の部分だけ、特に集中的に直してみよう。  ちなみに、全然ダメとは言っているが、あくまで「次元までは違わない」という前提のもとでのダメ出しね。  描写しようとする節はある。そこは評価できる。  ……あ、ちなみにここで目を止めること。  この先を読む前に、まず自分で、上の文章のどこが「ぶっ壊れている」のか考え抜くこと。この先は、それから読め。 (望月に限らず、これを読んだ全員も同じことをやること。どうぶっ壊れているのか一目で見抜けた人のみ、やらなくていい。ちなみに一目見て、その瞬間にのけぞって悲鳴を上げるのが、あの文章を見た人間の正しい反応というもの。僕とみやびさんはそうなった)  まず日本語として、どうぶっ壊れているのか。  ひとつのブロックのなかで、言っていることがちぐはぐなのね。場合によっては正反対の内容を書いてしまっていたりする。  そのせいで、意味を正しく取ることがまったく不可能になっている。  たとえば、最初の段落のほう。  ここは「壁や床が腐食している」ということを書いているわけだな。  しかしその腐食度合いについてが、確定できないのだ。どう読んだって無理。これではわかるはずがない。  まず第一の文の記述。  「強化合金」 → 壁や床が強靱だということ  「蝕まれ」 → 弱っているということ  「いくつも穴が開いている」→ 弱っているということ  「強い」ということと、「弱い」ということと、両方書いてある。「強いけど、弱い」――では、わけがわからない。  強化合金製だから、腐食してもなお強度を保っているということなのか。  それともボロボロであると言いたいのか。どっちとも取れるし、どっちとも確定できない。  そして第二の文。  ここはこういう構文になっている。    「とても 〜〜 くれるとは思えない。」  この「とても」という語は、「非常に/たいへん」という程度を表す副詞だよな。これがどこにかかっているのかというと、「思えない」にかかっているわけだ。  つまり「非常に思えない」とか「たいへん思えない」とか、そういうことを言っていることになるな。  そして、なにが「とても思えない」のかというと、それは「二百キロの体を支える」ことなわけね。  しかしここで、「二百キロ」って数字が問題になってくる。  これは重いのか、軽いのか?  一般的な感性で判断すれば、二百キロの体重っていえば、めちゃくちゃ重い。  二百キロという重量は重いということで、いいのだろうか? それでいいのだろうか。「重いので、とても思えない」だと意味が通らない。重いので支えきれないというのは、あたりまえのことだ。わざわざ強調する必要もない。  「とても思えない」と、思えないという感慨に強調が付けられるのであれば、それは床の弱々しさに対しての感慨であるはずだ。「この床が支えきれるとは、とても思えない」――なら、日本語として成立する。  この場合、200キロっていうのは普通の体重でなければいけない。「普通の体重であっても、この弱々しい床では「とても」支えられないだろう」――ならOKだ。  しかし、前述したように、200キロが「普通」だということは、一般的には通用しない。  ところで、この文章で書かれていること。壊れている部分を、だいぶ強調して書いてみる。舌が致命的に鈍い人でも、おかしな味であることがハッキリわかるように、大幅に強調してみた。  「この強くて弱っている床が、二百キロもあるめちゃくちゃに重い体を支えてくれるとは、非常に思えない。」  これが、僕やみやびさんの目に見えている文章。  見た瞬間に、思わずのけぞってしまうわけだよ。――わかるか?  ちなみにこれを見ても「?」となってしまう人は、その旨申告するのこと。もっと強調してみる手はないか、考慮してみる。  ところで――。  もともとは、なにを書こうとしていたのだ?  床は弱いのか、強いのか?  200キロは重いと書くつもりだったのか? それとも軽いと書くつもりだったのか?  文章内の矛盾を解消して、もともと書こうとしていた方向性で統一してくること。  矛盾解消して、書き直してくること。  また後半の段落も、同様の問題を抱えている。  やはり日本語としてぶっ壊れている。  こちらは解説しない。自分でどこが問題なのか見つけ、直してくること。  てか、お前さ。  こんな日本語で書いてたら、次もまた一次で落ちるぞ。  例の今回送ったやつ、内容以前の問題で落ちてるんだって、自覚あるか?  読めないもの、意味をとれないものは、そもそも評価の対象外なの。  一次の審査員なんて、全員、僕やみやびさん程度の目は持ってるんだから。ぶっ壊れた文章なんて、読む必要さえなく、眺めるだけでオーラでもって判別できちゃうんだからさ。壊れたオーラってやつ? >お風呂場のガラス  ふとした疑問。  風呂場のガラスって、曇りガラスっていうか、凹凸がついて中がよく見えないようなガラス(日本語には正しく言い表す言葉がない)になっているもんだけど。  あれは、なぜだろう?  中に人が入っていることを分からせて、うっかり開けてしまう「事故」を防ぐためかな? しかしそのためなら、部分的にガラスを張っておいて、灯りが点いているかどうか見えるようにするだけでいいのに(トイレではそういうのがある)。  なぜ扉の全面が、ガラス張りになっているのだろう。  風呂場というのは、狭い場所だから、閉塞感を軽減するためかな?  ホテルの風呂で、トイレと一体になっているバスルームのドアが一枚板だったりするけど、たしかに圧迫感があって嫌だよなぁ。  ちなみにラブホのバスルームは、四面ガラス張りになっていて、完全に素通しで中が丸見えだったりするものだが……。あれはまた意図が別だな。  しかし「ガラス張り」と書いてはいるけど、普通の風呂の扉って、じつはガラスじゃないんだよね。あの手の凹凸のついたガラスはもう生産されていないらしく、現在ではすべてがプラスチック製となっている。  風呂場は湿度が100%になるから、結露しないように、プラスチックになっているのかしらん。木だと腐るし、アルミだと結露して困るし。  しかし材質はプラスチックの必要があったとしても、やはり不透明なプラスチックでもいいわけだし。  仮説ばかりで、決定打が出ないなぁ。  風呂を売っている業種の人なら、答えを持っているだろうか。 >生課題のお題出し  おーい。  そろそろエサ運んでくるの、やめてもいいかね?  1日1個より多くの新お題は、出してはいないつもりだが――。  運んできたエサが、ほとんど手を付けられないまま積み上げられている、この現状。  誰もやらないんだったら、お題考えるのも、数文字ぶんキーボード打って書き出してゆくのも、そして書きこみするのも、すべて無駄だし無意味だし。  この一見無為に思われる僕の行為に、多少なりとも有益性があるってことなら、お題出し、まだ続けてみるけど?  そのうち誰かが「やりますのでお題ください」と言いだすまで、新規のお題出しは、無期限に停止しとく?  どうするよ? -------------------------------------------------------------------------------- ●街を歩く主人公 No.6758 投稿日 2003年7月24日(木)23時58分 投稿者 羽矢野  一つにつき一時間使い、そこから推敲したものを出します。  今回は落とし物を探している場合です。 -------------------------------------------------------------------------------- ↑ No.6759 投稿日 2003年7月25日(金)00時38分 投稿者 羽矢野  すいません、不親切すぎました。  これは新木さんの書き込み(No.6735) >> んじゃ、「街を歩いている主人公」で、何パターンかやってみるのこと。 >> 主人公がいまどんな状態かの説明をすることなく、主人公の見聞きするものの調整だけで、「ああ主人公はいまデートに向かっているのだな」とか、「ああいま酔っぱらっているのだな」とか、読者がわかるようなものを書いてみる。 >>・会社に遅刻しそうなとき。 >>・酔っぱらっているとき。 >>・デートに向かうとき。 >>・彼女に振られたとき。 >>・大事な商談へ向かうとき。 >>・落とし物を探しているとき。 >>例を出したこの6つ、ぜんぶやってみるか。  この課題です。 -------------------------------------------------------------------------------- ノーブレス・オブリージュnoblesse oblige No.6760 投稿日 2003年7月25日(金)01時51分 投稿者 弟切 千隼 >>高貴さの定義  あれ、新木さんと弟切とでは、高貴さの定義が食い違っていましたか?   弟切も「高貴な身分」の中に「王族ではない貴族」を含めているつもりでした。そう読み取れなかったとしたら、読み取れるように書けなかった弟切の失敗ですね(-_-)  王族と貴族との間には、本質的な差異はありませんよね? 貴族の中で最も偉いとされているのが王族という程度の差でしょう。  王族に国を治めるだけの力がないと判断された場合、その国の有力な貴族がとって代わって新たな王族になる例は、歴史上枚挙にいとまがありません。入れ替わり可能であることは、本質的な差異がないことを示します。  王族ではない貴族といえども、いくらかの領地を持って領民を統治しています。王の下での制限された統治とはいえ、普通の貴族もミニ王族といってよい特典や責任を保持していると見ることができます。  弟切は、前回の書き込みNo.6755で、貴族ではない平民以下の身分の人々を「その他大勢の人々」と表現しました。この言葉の定義が曖昧だったために、誤解されやすい文章になってしまっていたのでしょう(^^;  平民以下の身分の人々を統治する権利と義務を持つのが「高貴な人々」であるとすれば、王族ではない貴族も「高貴な人々」に含まれます。数代に渡って事業を行ない、その事業に携わる人々の生活を左右する権利と義務を持つ財閥も、「高貴な人々」に含めてよいでしょう。  上で、弟切は、高貴な人々がその他大勢の人々を統治する「権利と義務」を持つと書きました。ここが権利のみではないことに注目して下さい。  人々を統治するからには、人々の生活を安泰にする義務を負います。これは楽なことではありません。  何千人、あるいは何万人もの人々の衣食住を満たし、治安にも気を配り、医療も充実させ、といった具合にまじめにこの義務を果たそうとするならば、それこそ眠る時間もなくなるでしょう。このような義務を果たす代わりに、高貴な人々は様々な特典が享受できることになっています。  「高貴さ」は生まれによって決まってしまうため、高貴な家系に生まれた人は、否応なく「未来の統治者」としての義務を負います。ヨーロッパでは、この高貴な人々の義務のことをノーブレス・オブリージュnoblesse obligeと呼びます。  ヨーロッパの貴族階級−むろん王族を含みます−では、早い時代からこの考えが発達していました。貴族の子供たちは幼いうちから「未来の統治者」としての教育を叩き込まれます。そうして「高貴な」思想や物腰が身に付くわけですね。  「女の子の夢」として物語の中で描かれる貴族社会では、ノーブレス・オブリージュに触れられることは少ないです。「夢」であることを考えれば当然ですね。義務は通常苦しいものですから、そんなものを描いたら、楽しい夢をぶち壊してしまう可能性が大です。  ゆえに、女の子の永遠の夢『シンデレラ』は、ヒロインが王子さまと結婚(または婚約)してお城に迎えられる場面で終わっています。その後のシンデレラは、王妃としての義務に忙殺され、ひょっとしたら継母や義理の姉たちにいじめられていた当時よりも働きづめになることが目に見えているからです。 -------------------------------------------------------------------------------- ニホンゴ、ムズカシイネ No.6761 投稿日 2003年7月25日(金)03時24分 投稿者 望月京路  とか、ふざけてる場合じゃないよ!  ああ、やばい。こら、やばい。  今まで、「バカな英和翻訳ソフトの出した翻訳結果」以上にひどい日本語は存在しないと思っていたけど、あったよ。っていうか、自分が生産してるよ!  あー。びっくりした。  びっくりしすぎて、ちょっと興奮してしまった……。  初めて、自分の文章がどんな有り様かわかりましたよ。  しかしこれは……どうすれば根本から直るんだろう。  原文、指摘された今でも、気をつけないと普通に読めてしまう……。  とにかく、書きなおします。 ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ーー  壁や床は強化合金でできていたはずだが、蝕まれた今では穴だらけになっている。とても渡れそうにない。ただでさえ、カヤの自重は200キロ以上はあるというのに。  だが、横にいたアルマは平然と進んでいった。アルマは、予備弾倉の詰まったバックパックを背負い、装甲車も一撃で吹き飛ばせるグレネードランチャーも搭載している。重さだけならカヤを上回っているのだ。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  二段落目のほう。  一文目は、とりあえずわかりやすくしてみました。(問題点がわからなかった)  二文目。「重さ」から考えると、『バックパック』『携帯用』という言葉が怪しいので、強化・削除しました。グレネードランチャーで強化したのは「威力」ですが、威力を上げればおのずと「重量感」も増すでしょう。  ただ、片方削ってもいいかもしれない。バックパックか、グレネードランチャーか、どっちかだけでも十分かもしれない。  で、三文目。前の文章の二文目では、「○○で、××しており、△△なはずなのに」と、いまいちつかみ所がない感じになっていました。ゆえに、分けました。結果的に、説明的な一文となってしまいましたが。  とまあ、とりあえずそれだけ。  他のレスなどは、また起床後。 -------------------------------------------------------------------------------- というわけで No.6762 投稿日 2003年7月25日(金)12時16分 投稿者 望月京路  起きました。眠いです。カフェインでだましだましやってます。 >リライトの所要時間  計ってないのでよくわかりませんが、恐らく四時間ほどかかと。  五時くらいから初めて、メシ食べたのが九時くらいだから。(あ、でも書きこんだのが九時だから、他のレス込みの四時間か) >認識野が〜〜  ……ああ。  描写がないって言われ、「『倒れこみそうになった』、は違うの?」と思いましたが。  なんで倒れこみそうになったか、なのかな。問題は。  「認識野がエラー」→「バランスを崩す」→「穴に倒れそうになる」  この倒れそうになるプロセスの、まんなかが抜けていたわけで。 >祭りに行ったことのない人間  ああ、たしかにそうだ。  知らない人のことまで、考えてなかった。完全に、意識の外。  そりゃ、いかんわ。  むしろ、知らない人に向けて書くもんだなあ。  で、かき氷。  生意気を言いますが。くそくだらない美意識であるにせよ、「かき氷」を二回使わないほうが上等で、かつ小生はそっちが上等だとわかっているので、そこを目指します。  もちろん、それ以前の部分をクリアした上で。  ただ、優先順位という意味では、了解しました。  わかりやすくいくなら、 『「かき氷100円」の値札の前を通りながら、他の店で買ってしまった200円のかき氷を口に運ぶ。』  で、これの「かき氷」をひとつにできるように工夫すると、 『100円と書かれた値札の前を通りながら、他の店で買ってしまった200円のかき氷を口に運ぶ。』  とか。  ……やっぱ、ダメじゃん。100円であるものが、かき氷だと特定しきれない。 『「かき氷100円」の値札の前を通りながら、他の店で買ってしまった200円のものを口に運ぶ。』  とすれば、さっきよりはいいけれど、「かき氷」を素直に二度使ったほうがやっぱりわかりやすい。  うむむ……。  考えること、かれこれ三時間。出てこない。  100円のかき氷と200円のかき氷、これらはたまたま同じ名詞で表現されてしまうだけで、実は別個のものであり、すると主語を省略することは無理で、得策でないのだろうか。  書き方を変えてみる。 『屋台のかき氷を見ながら、他の店で買ったものを食べる。ただしこれは200円で、目の前でで売られているものには「100円」の札がついていた。』  文をふたつに分けた時点で、負けか。 >羽矢野さん  まあ、突っ込めるところを発見したので、突っ込んでみます。  最後から二行目にならないと、何を探しているかわからないっす。  やっぱり、探している姿を書くんだから、何を探しているかは最初に明示したほうがいいと思うのです。(少なくとも、これはそのせいで「宙ぶらりん」な感じがしました)  最初の公衆電話のくだりは、「落とした携帯電話に電話をかけた」ということなんでしょう。  しかし、「自分の携帯に電話をした」と特定する情報が何もないので、伝わりきってません。  あまつさえ、テレホンカードを使ってます。そりゃ、携帯電話とテレカを両方持っている人もいるでしょうが、ここは硬貨を使わせたほうが「携帯電話を落とした感」がよく伝わるでしょう。  それも、演出のひとつですね。 -------------------------------------------------------------------------------- さて No.6763 投稿日 2003年7月25日(金)14時29分 投稿者 望月京路  生課題、「都会の女の子」やります。  最初は男の子やろうとしたんですが。ただでさえ「都会の人」ってだけで未知数なのに、女の子なんてサッパリ。でもまあ、モノは試しということで。  三時間。  然らば。 -------------------------------------------------------------------------------- 浴室ドアのガラス No.6764 投稿日 2003年7月25日(金)22時35分 投稿者 通りすがり  疑問にお答えします。  浴室ドアに使用されるガラス素材がプラスチック系に移行したのは、お客様の安全に配慮したためです。  浴室で過ごす際、着衣を脱ぐのでどうしても無防備になります。  転倒事故を起こされた場合、はずみでガラスが割れてしまうと鋭利なナイフに等しく、たいへん危険です。  現行のユニットバスでは、まずその心配はいりません。  また浴室内でお年寄りなど、心臓の弱い方が発作を起こす事例があります。(冬場、浴室内外の気温差が激しいとき)  一刻も早い救助が必要で、ドアがロックされ外側から開かない場合、ガラス部分を破り、進入経路とすることがあるそうです。(先輩から聞いた話です)  なお、不透明のガラスは「磨りガラス」と呼んでいます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6765 投稿日 2003年7月26日(土)00時27分 投稿者 新木 伸 >浴室のガラス  ありがとうございます。納得いきました。  ああ、なるほど。  救助のためでしたか。  プラスチックの板やら、アルミの板では割ることができませんね。あと不透明では、中で倒れているのも見えない。  きっとあのプラスチックの凸凹した半透明板には、割れやすい仕掛けと、割れても安全な仕掛けと、両方施されているのでしょう。  あの手の表面が凸凹したガラス/プラスチックを専門に指し示す名詞は、やっぱり日本語にはないようですね。  磨りガラスというと、浴室に使われるのとは違うものを呼ぶときにも使われますし。(そっちの磨りガラスは水を掛けると中が見えてしまう) >望月 >>今まで、「バカな英和翻訳ソフトの出した翻訳結果」以上にひどい日本語は存在しないと思っていたけど、あったよ。っていうか、自分が生産してるよ!  ああ、そうそう。  俺から見りゃ、翻訳ソフトの吐き出してくる文章と、いまのオマエの文章は、まったく一緒。  意味が取れない。なに言いたいのか、わかりゃしない。どっちも等しく同じぐらい、ぶっ壊れている。  それで小説賞に応募して、受かるつもりでいることが、どれほど滑稽なことかわかるか?  自分がなにを書こうとしているのか完全に把握し、格好を付けず奇異にも走らず、普通の文章でごく普通に書く。誰が読んでも意味がひとつにしか取れないように書く。  まずはそこから。  てか、それってライターに要求される最低限の能力なんだけどね。  「小説家を目指してる」なんて言っちゃう前に、クリアしておかなきゃならないところなのだが……。  まあ、幸い小説賞ってものは、文章力はさほど重視されない。(なくてもなんとかなる能力の筆頭だ)  しかしそれだって限度がある。ライターに要求される日本語能力くらいは、必要なんだぞ。  つまり――。  なにを、いいたいのか、わかるように、かけ。 >望月 >>壁や床は強化合金でできていたはずだが、蝕まれた今では穴だらけになっている。とても渡れそうにない  つまり――。  もともとは非常に強靱だったのだが、いまでは渡れないほどに劣化してしまっている――ということを書こうとしていたわけね。  劣化の度合いのことを、書きたかったのか。  いま知ったよ。 >>アルマは、予備弾倉の詰まったバックパックを背負い、装甲車も一撃で吹き飛ばせるグレネードランチャーも搭載している。  ――で、こっちなんだけど。  アルマが「武装している」ってことを書きたいの?  それとも「重たい」ってことを書きたいの?  さっぱりわからん。  グレネードランチャーやら、予備弾倉でいっぱいのバックパックやら、そーゆー重さとは直接関係してこない今この時点ではどーでもいいコト、どーしても書きたいっていうなら、書いてもいいから。  しかし、それなら死ぬ気で工夫してこい。  この部分を、誰がどう見ても間違いなく、重さのことを言っているのだ――と、そう100パーセント誤読しないようにするには、どう工夫すればいい? >リライト時間とか  旧作冒頭のリライト時間。  四時間〜〜?  4分じゃなくて? 四時間?  で、かき氷のほう。  三時間〜〜〜?  3分じゃなくて? 三時間? そしてそれだけ考えても、なんも出てこないの?  本当に三時間ずっと考えてたのか? 2時間57分ぐらい、居眠りしてたんじゃないのか?  かき氷について結論が出ないのは、オマエの思考が足りないからだ。  三時間でリタイア?  バカタレ。わかるまでエンドレスで考えるもんなんだよ。それが執念ってもんだ。 >>100円のかき氷と200円のかき氷、これらはたまたま同じ名詞で表現されてしまうだけで、実は別個のものであり、すると主語を省略することは無理で、得策でないのだろうか。  さて、ここは考えどころだ。  かき氷は「同じ」なのか「違う」のか。  すくなくとも主人公の主観では、「同じ」とされているはずだ。  そうでなければ悔しがるはずがない。「同じ」なのに値段だけが違うから、悔しがっているわけだ。  たとえば「盛り」が2倍違うとか、シロップが二色かかっているとか、そうした違いがあるなら、悔しがったりしないはずだ。  さて、主人公の主観では「違いをまったく見分けていない」ということはわかった。  では作者だけが知ることのできる「真実」のほうではどうだろうか? 本当に「盛り」も「器」も「シロップ」も、なにもかも大差ないのだろうか?  氷の質なんて違いもあるわな。氷を作るもととなった水質。刃の調整具合による氷の固さ柔らかさの違い。シロップの量が氷の量に対して適正であるか、なんて違いもある。  さらに目の前で氷を削って作ってくれたのか、それとも作り置きされてたのかとか。買うときにはすぐ買えたのか、行列して買わなきゃならなかったのか。差しだしてくるときにアンちゃんが指を突っ込んでいたのか、いないのか。  それらは、100円の店と200円の店とで、どうなのよ?  同じだったのか、違うのか?  このへんの「かき氷の違い」についてのイメージが、本当にプアーなのね。  望月は「かき氷」を「かき氷」としか見ていない。ほかに言い表しようがないから、言い換えが利かない。  脳内に具体的イメージを持っていなくて、ただ「かき氷」と書かれた札が一枚、存在しているだけ。  そんな「札」であれば、2枚並べて違いを見いだそうとしたって、なにも出るはずねーだろ。  ――で、だな。  仮に作者視点で観察すれば、かき氷に差異は出るのかもしれない。またはそうしたところで、たいしたものは出ないのかもしれない。やはり同じなのかもしれない。  しかし、ここのブロックのコンセプトは、「悔しがっている主人公」なわけだろ?  ならその悔しさを表現するためには、「かき氷」を二回使うことには、意味があるんじゃないのか?  僕のサンプルを見てるはずだが。  ――本当に、ただ見てるだけなんだなぁ。  僕が6743で比較検討した三つでは、どれも「かき氷」は2回繰り返されているよな。  そこに意味があったとは考えないのか?  僕は「かき氷」の差異を見分けるにあたって、上で書いたように、盛りの量からはじまって、ありとあらゆる要素で違いをイメージできるわけだよ。無論のことながら。なんだかきょろちゃんは、あなどってくれているようだが。僕も君とおなじぐらいのプアーな「かき氷と書かれた札」のイメージしか出せないと思われているようだが。  あそこでは、コンセプトは「悔しがる主人公」であり、「違いはないと思いこんでいる主人公」を描くために、わざわざ2回、繰り返しているわけ。  まあ、アプローチは色々あるだろうさ。  僕は「悔しい感」を表現して演出するために、わざわざ、「かき氷」を2回ほど並べてみた。人によってはこれは美しくないと思うかもしれない。作家によっては「こんな汚い文章」とこき下ろす対象となるかもしれない。しかしここでのコンセプトをより適切に表現するためには、僕はこの表現を取るわけだ。美しさなんざクソ食らえ。文章とはコンセプトを伝えてなんぼ――というのが僕の文章に対する理念だからだ。  きょろちゃんがどうしても「かき氷を2回使いたくない」というのなら、僕のやったのとは違うアプローチでもって、「悔しがる主人公」を表現してみろ。  とにかくオマエは、一行に対してコストをかけなさすぎるの。  考えなしにやりすぎるの。小説ってものをナメてるの。これだけやればいいんだ、とか、タカをくくってるの。無意識的に。なるべくサボりながら小説を書きたいとそう思っているの。  一度くらい、徹底的に1行にこだわってみる経験をするべきだ。  一回経験すりゃ、その後はそれが「デフォルト」となるから。自己基準が変わってしまえば、以降は、それ以下の手間しかかけないときには、すべて「手抜き」と感じられるようになるから。  3時間だと?  ぬるいわ。投げだす前にせめて3日は考えろ。 >「認識野」と「搭載」  認識野については、問題点が認識できていないようだなぁ。  んじゃ、アプローチを変えてみるか。  ぼくが小学3年生ぐらいだとおもって、「認識野がエラーを起こす」ってどういうことか、せつめいしてください。  ぼくは小学3年生なので、脳についてはなにもしりません。理科はきらいです。  あと「エラー」っていうのは、これは野球でボールをおとすことでしょうか?  ぼくは体育はとくいなので、たぶんそうなんだとおもうんですけど、でもちょっとじしんがありません。英語はちゅうがくせいになってから習うので、もし英語だったら、ぼくにはわからないです。  「エラー」ってどういうことなんですか?  あとついでに、「搭載」って、これもどういうことですか? この漢字、まだがっこうで習ってないんですけど……。  勘違いしないように。  「言葉が難しすぎる」なんてことを言ってるんじゃないよ。  小学三年生にもわかるように説明できたら、問題点は理解できるはずだ。――たぶん。 -------------------------------------------------------------------------------- 王朝絵巻 No.6766 投稿日 2003年7月26日(土)01時36分 投稿者 弟切 千隼  「女の子の夢」に現われる大きな要素の一つとして、弟切は高貴さについて考察してきました。  これまでの考察によれば、女性は高貴さそのものより、高貴さに伴う特典のほうを好むことがわかりました。その特典とは、多くの場合、「豊かな生活」です。それ以外の特典では、「(人々の上に立つという)栄誉」や「(高価な衣服や装身具を身に付けられるという)美」などが女性に好まれるところです。  「高貴さ」は、女性が好むこれらの特典を一挙に提供できる便利な要素です。ゆえに、女性向けの物語によく用いられるのでしょう。  考えてみれば、女の子向けの童話のうち、王道中の王道である『シンデレラ』は、高貴さの特典を使えるだけ使っていますね。  継母と義理の姉たちにいじめられて惨めな生活を送っていたシンデレラは、結末でお城へ行き、豊かな生活ができるようになります。それに付随して「王子の妻」=「将来の王妃」というこの上なく高い栄誉もシンデレラに与えられます。豊かな生活と栄誉は、前半のシンデレラがずっといじめられっぱなしであるからこそ引き立ちます。  シンデレラの語源が「灰かぶり」であることからわかるとおり、物語の前半のシンデレラは、灰まみれで決して美しいとは言えません。それが、魔法使いのお婆さんが協力してくれて、お城の舞踏会へ行けることになった時から、シンデレラはどんどん美しくなってゆきます。これも、物語の前半でシンデレラがいじめられ、おしゃれなどできなかった状態があるために、後半の美が際立ちます。  そして、夢をぶち壊すノーブレス・オブリージュの要素を注意深く取り除けば、女の子が憧れる王朝絵巻の出来上がりというわけですね。  もっとも、高貴さに伴う義務=苦い部分を必ず取り除かなければ、女の子が憧れる物語ができないわけではありません。優れた作品は、甘い部分と苦い部分と両方を含んで、人に感動を与えます。  池田理代子さんの描いた少女漫画『ベルサイユのばら』が良い例ですね。この物語は、フランスの十八世紀、ブルボン王朝末期を舞台にした王朝絵巻です。  この物語の主人公の一人であるオスカルは、ジャルジェ家という貴族の家の娘として生まれます。ところが、ジャルジェ家は武人の家系なのに男の子が生まれなかったため、オスカルは男として育てられて、武芸をみっちり仕込まれます。成長したオスカルは、ジャルジェ家のノーブレス・オブリージュを果たすべく近衛隊長になり、のちに貴族の娘であることと武人であることの矛盾に悩むようになります。  また、もう一人の主人公であるフランス王妃マリー・アントワネットも、ノーブレス・オブリージュと自分の望みとの板ばさみになって苦しみます。  一国の王妃であるからには、何よりも国民のためを思って行動しなければなりません。しかし彼女は、異国の風習(マリー・アントワネットはオーストリアから嫁入りしました)や愛情を表わすのに不器用な夫に不満を感じ、王室の財産を浪費したり愛人を作ったりすることで不満を紛らわしてしまいます。ノーブレス・オブリージュへの配慮が足りなかった彼女の行動が、のちのフランス革命を呼ぶことになります。  これほど重厚な内容なのに、『ベルサイユのばら』は日本の少女漫画史上空前のヒットを記録しました。甘いだけの王朝絵巻にしなくても、女性に受けるという証明ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- おひさしぶりです No.6767 投稿日 2003年7月26日(土)04時23分 投稿者 平凡人  入院している男、平凡人、久しぶりの外泊です。私の住んでいるところは、世界初の覆面議員で有名な――少し嫌な有名のなりかたですが――岩手県なんですが、この覆面問題、県内でも賛否両論だったりします。  病院で患者用に購読している新聞が二紙ありまして、ひとつは全国紙。読売新聞、朝日新聞、毎日新聞を、一ヶ月ごとにローテーションを組んで、替わりばんこに購読していました。  もうひとつは地方新聞で、こちらは岩手日報という新聞です。  で、岩手日報のほうは、地方新聞ですから、読者の投稿欄は、県内の人間しか投稿しません――他県のかたも、もしかしたら投稿しているのかもしれませんが。するかな?  その投稿欄に、すでに県議会で覆面着用が承認されたにもかかわらず、いまだに覆面脱ぐべし、という投稿が寄せられています。そのほとんどは50代以上のかたですが、たまに10代もいたような。覆面問題が盛り上がっていたころのアンケート結果では、やはり若年層は賛成、中高年は反対が多かったと記憶しています。  私は別に、どちらでもよかったりしますが。どちらかにしろといわれれば賛成。特に深く考えず。 >ハンドルネーム >>基準としては、デビューしてもそのままの名前が使えるのかどうかということ。  この名前でデビューできるのですか? するんですか?  この名前でデビューできます。します。  ただ、この名前ではふざけてると思うよ、別の名前にしなよ――ということでしたら、ここでのハンドルネームは別なものを考えます。 >カリオストロの城 >>これまではきちんと思考していたのに、急に夢想に変わってしまったようですね。  うが。やっぱり私は、「カリオストロの城」をきちんと見なきゃ駄目ですね。別にクイズじゃないから、あてる必要はないかもしれませんが、どうにも収まらず。レンタルビデオ屋から借りるなり、テレビで放送――そんな都合よく放送しないか。うん、しないな。今は入院してるし金ないし、なのでこれは後日ということでお願いします。  もうちょっとで、とりあえず仮退院、というところまでいけそうです。それまでただROMしてるだけなのもなんなので、みなさんが小説書くうえで参考になりそうな、病院のこと等々、書き込んでいけたらと思います。  まずは病室。  私の病室は大部屋でしたが、そこはベッド数が七。ベッド奥の壁には、ナースコールのボタン、酸素吸入用のジャックと、バキューム用のジャック、それにコンセントがついてました。ベッドサイドにはキャビネット、その上には有料テレビ。これはテレビカードというものを買わねばならず、1000円一枚で、1000分使用できます。  今日はこれまで。それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6768 投稿日 2003年7月26日(土)20時15分 投稿者 新木 伸  今日は、完全に別件の仕事のテキストファイルを、3つ同時に開いて仕事をしていた。  これって案外、効率がいいのかも。  皆には「集中しろ」と言っているわけだが、自分の心を完全にひとつのことに振り向けるというのは、やはりなかなか難しいことで――。  あるひとつのことをやっているときに、集中力が途切れると、ふと別なことを考えてしまっていたりする。しかし三つ開いて仕事していると、そういうときに考えているのは、残り二つの仕事のうちのどちらかであったりする。  しかし近所のファミレス。あいかわらずだ。禁煙席に座っているというのに、他人のタバコの煙が流れてきて、吸わせられてしまう。健康増進法とやらは、どーした?  すべての飲食店において受動喫煙を禁止させるっていう、あのナイスな法律。千葉県柏市だけのことなのかなぁ。松戸市は関係ないのかしらん。こんど調べてみるか。  しばらく行かないうちに、店長が変わっておった。今度の店長で、たぶん3人目。  初代店長は、店中の誰よりも目を配っていたデキる人。新規オープンした店舗に配属されてきた店長なのだから、精鋭なのはあたりまえなのだが。  2代目店長は、客席にしゃがみこんで知り合いと話し込んでいるようなアホ店長。そのため従業員もダレきってた。もう通うのはやめようかと思った。  3代目は、初代ほどではないものの、目が光っている。そして店も正常化しておった。また通うことにする。 >平凡人さん  そっか。そうそう自由に外泊はできなかったのですね。  しばらくレスが返ってこないので、どうしちゃったのかと思っていました。  週に2回くらいとか、定期的に外泊日が取れるのかと思っていたもので。  正式に退院できるまでは、気長に待つことにします。  ――で、ハンドルの話なのですが。  僕の書きかたがまずかったですね。  誤読のないように正確を期するなら、「その筆名じゃデビューできないのですが」と訊くべきでした。  まず編集サイドに止められます。  一顧だにせずNOと言う編集者。作家がどうしてもと泣いて頼めば考えてくれかもしれない人。まあ様々でしょうが。  まず最初に止められます。「考え直しませんか」と。  しかし編集者ひとりが通したとしても、上の人から、また再び止められてしまうでしょう。  ただ例外はありまして、すでにデビュー済みの作家であれば別です。それがその作家の屋号なのですから、変えろというのはナンセンス。  しかし新人作家というのは、その出版社から「デビューさせてもらう」わけですね。立場が弱いというのはわかりますよね?  出版社のほうは、なにひとつ実績のない人間に仕事を振るわけですね。一方的にリスクを抱えこんでいるのは、この場合出版社の側。よって立場が強いのも出版社の側。  なんも実績のない作家のデビュー作で、変な名前を付けられて、そのせいで売り上げが落ちる――なんて事態は勘弁してほしいわけです。  よって名前ぐらい、変えさせます。それが嫌ならうちで出さんでいい、てなわけです。  ちなみに、「筆名なんてどうでもいい。この作品は絶対に売れる」――と、相手がそう確信できるような作品を書き上げるなら、また話は別です。    とはいえ、ジャンルにもよります。  エロ漫画でしたら、ぜんぜんOKです。なにも問題はありません。その手の名前の人はたくさんいます。ていうか、普通の名前を付けている人のほうが、むしろ少数派なくらいでして。  しかし同じエロでも、ポルノ小説は文芸の流れを受けてますので、NGとなります。文芸っぽい筆名でないとだめなのです。  そして同じポルノ小説で、旧ナポレオン文庫に代表される「エロゲー世代の青少年向けポルノ」であれば、これはエロ漫画と陸続きですので、ぜんぜんOKとなります。  そういえば、よく考えてみたら、平凡人さんの志望をまだ聞いていなかったですね。僕の場合、なにも付けずに「小説」と聞くと、デフォルトとして「ライトノベル」が頭に思い浮かべてしまうものですが……。よくよく考えてみれば、平凡人さんはただ「小説」としか書いてないわけで。  小説家志望とのことですが、ジャンルはなんですか?  ライトノベルなのか、大人向けの大衆向けなのか、それとも純文系なのか。  上記のように、「青少年向けポルノ」であれば、その筆名でもOKです。 -------------------------------------------------------------------------------- 換骨奪胎 No.6769 投稿日 2003年7月26日(土)23時40分 投稿者 魚住 雅則 >数週間から数年前の作品で、1話分だけだとはいえ、売り物である市販作品(金が絡むという意味で)のネタバレをするのだから、すこしは配慮しろっての。 言われるまで気がつきませんでした。すみません。 以後の過程は課題部屋に上げます。 >プロット化 とりあえず「エピソードメモ」を元に16分割を作ってみたのですが、どうもうまくいきません。 何かおかしいという感覚はあるのですが、具体的に何がおかしいのかがわかりません。 ともかく課題部屋にあげておきます。 あと、一番最後の「結」の部分が不在であるような気がするのですが、単に僕が読み取れていないのでしょうか。 来週の話に続く引きなのかなとも思うのですが。 もう一つ。 1・エピソードメモ 2・64分割 3・16分割 4・4分割 5・1行コンセプト 目標としては、 「作品に触れているときと同時進行で、上の5つを吸収できるようになる」 ということだと思うのですが、そのための訓練は今やっていることを繰りかえすということでしょうか。 質問というより確認なのですが、 最終的に頭の中だけで吸収できるようにするため、1〜5を順番に作っていく。それを作品に触れるときは常に繰り返す。 反復によって徐々にテキスト化することなくリアルタイムで可能となっていく。 この認識でいいですか? よければこれでいきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 続き。 No.6770 投稿日 2003年7月27日(日)00時21分 投稿者 魚住 雅則 >主人公を死なせなければならない構造 前提として主人公は平凡な生活を送る一般人です。 それが事件に巻きこまれた場合、普通に考えれば「逃げる、避ける、回避する」といった反応がまっさきに浮かびます。 事件(トラブル)を運んでくる人間が美少女であり、ノーマルな高校生男子が主人公ならば 「そりゃ可愛い女の子が危険な目にあっていたら助けるだろ」という線で利用できます(逆も可)。 ですが、それでも主人公が事件に関わっていく動機としてはかなり弱いです。むりに押し通せば、 「普通の生活を送っていたはずの高校生が、ある事件が起こった途端に勇敢になり、どんな困難でも立ち向かっていくようになる」というなんだかよく分からない(もしくは作者の都合が丸見えの)話になってしまいます。 ここから、平凡な高校生男子と特別な事情のあるヒロインという例で話を進めます。 事件の発端で主人公が死んでいれば、まず主人公側に協力する動機として相当強いものが生まれます。 ヒロインがそのまんま命の恩人であるという事実。 さらに新たな命を与えるという場合、新しい命を支えている「何か」がヒロインと主人公を結ぶ理由として使えます。 おおざっぱに言えば、「融合してしまった二人が元にもどると、仮の命を持っているにすぎない主人公は死んでしまう(この問題は時間がたてば解決する)」などです。 ヒロインにしても、関係ない人間を事件に巻き込んでおいて協力を要請するというのは舐めた話です。 治したらさっさとどっか行けよとか言われるだろうし。 しかし、主人公の命を保たせるためには一緒にいるしかないという状況ならば比較的自然な流れになります。 ブリーチの主人公が死んでいませんが、 「巻きこまれた後も事件にかかわり続ける(かかわり続けなければならない)主人公」で発生する問題点は全てクリアしています。 ・二人は虚に追い詰められ、協力せざるを得ない状況だったこと ・最初は一護が巻きこまれたように見えたが、実際には彼の性質(強力な霊力を持つ)が事件の発端になっていること。 ・これによりルキアは(巻きこむのではなく)一護を助ける立場となったこと ・ルキアが事件を解決するのに必要な「死神の力」を一護に吸収されてしまったこと ・これによりルキアは一護に協力を依頼せざるを得ない状況になったこと(最初に巻きこんだわけではないので、ヒロインから依頼するのもおかしくない) 主人公が死に、そして再生する構成は、「巻きこまれた後も事件にかかわり続ける(かかわり続けなければならない)状況」を作るうえで有力です。 しかし逆に、上の状況さえ演出できるならば別に主人公が死ぬ必要はない、とも言えます。(ブリーチをいい例として) 以上のような結論になりました。 -------------------------------------------------------------------------------- やんごとなき女性たちの争い No.6771 投稿日 2003年7月27日(日)01時48分 投稿者 弟切 千隼  東海地方から西の日本は、本日梅雨明けしたそうですね。弟切が住む関東地方ではまだ梅雨明けしていません。今日も曇りがちで、七月下旬とは思えない涼しさでした。  今年の春先に気象庁が出した「今夏は猛暑」という予報を信じている人は、もはやほとんどいないでしょう。実は、弟切は今年の五月くらいには「今年は涼しい夏になりそうだ」と予感していました。  なぜそう予感していたのかについては、またの機会に(^_^) >>女の子が好む物語の要素  前回までの考察で、女性が「高貴さ」を好むのは、「豊かな生活」・「栄誉」・「美」といった特典がまとめて付いてくるからと判明しました。これら以外に、「高貴さ」に付随する女性が好きな特典はないのでしょうか?  と考えていて、弟切は思い当たりました。  高貴な人々の生活には、華やかな社交の裏での権力争いや陰謀が付きものです。女性は、この手のどろどろした人間関係が好きなのではないでしょうか?    ちょうど今、TVで『大奥』というドラマを放映していますね。このドラマは、まさに江戸時代の大奥の華やかさと、どろどろした人間関係を売りものにしています。特に女性向けと銘打ってはいないものの、このドラマは明らかに女性を狙って作られたものでしょう。現に弟切の女性の知り合いが何人かはまっています。  二十年ほど前にも『大奥』という大人気TVドラマがあり、今回のはそのリメイク版だそうです。二十年も経ってリメイクされたのは、このネタはそれだけ根強く人を惹きつけると判断されたということでしょう。  前回の書き込みNo.6766で例に挙げた『ベルサイユのばら』にも、いくつものどろどろした人間関係が登場します。フランス国王ルイ十五世−マリー・アントワネットの舅に当たります−の愛妾デュ・バリー伯爵夫人とマリー・アントワネットとの確執や、マリー・アントワネットに取り入って権勢を振るったポリニャック伯爵夫人や、王室を揺るがした大詐欺事件の主役ジャンヌ・ヴァロワなどが描かれています。  日本の文学史上最長のロングセラーにして、王朝絵巻である『源氏物語』にも、どろどろ人間関係がたくさん出てきますね。光源氏の愛人である六条御息所[ろくじょうのみやすどころ]が他の愛人たちに嫉妬する様子や、光源氏とその義母である藤壺との不倫や、光源氏を憎む弘徽殿[こきでん]の女御[にょうご]が彼を左遷に追い込む様子など、『源氏物語』はほぼ全編に渡ってどろどろした人間関係が描かれていると言って過言ではないほどです。そして、『源氏物語』も圧倒的に女性に支持されている物語です。  普通に考えれば、どろどろした人間関係など体験するのはまっぴらですね。なのに物語では読みたがるのはなぜでしょう?  次回以降、ここを詰めて考察します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6772 投稿日 2003年7月28日(月)00時46分 投稿者 新木 伸 >望月 >「都会から来た女の子」  視点キャラを本人に持ってきて「都会から来た女の子」を描こうとするとは、これまたいきなり難しいことにチャレンジするもんだなぁ。  次は、男の子出してごらん。  その田舎のおばあちゃんの家のままで、隣家の男の子でも出してみるとか。  ああ。男の子の年齢が「子供」だと、これまた本人視点と同じぐらい難易度があがっちゃうか。  女の子と同い年くらいの男の子がいいはず。従兄でもいいし、血のつながりがなくてもいいし。  とにかく男の子の目から、「都会から来た女の子」を眺めさせるわけ。  そっちのが簡単だから。 >魚住  武装練金のエピソードメモのほう。  あれも課題部屋に上げとくように。  16分割の割りかたが正しいか見てほしいということなので、照らし合わせてみようとして……。過去ログ掘り返して思わず探しちまったい。  まるで無駄となった俺の47秒を返せ。(笑)  16分割を見る時間のほうは無駄ではないが、エピソードメモを探していた時間は、これはまるきりの無駄だろ?  で、どこが変なのか見るよりも、一から自分で切り直してみたほうが早いかと思って、魚住のエピソードメモを利用しようとしたが……。  いらんところまで、すべて写し取っちゃっているので、使い勝手が悪い。  まだノイズが多いんだな。必要なことと不要なことと、両方がごっちゃになってメモされている。  あそここから16分割を探そうというのは、苦しかろう。  直すより自分で書き直したほうが早いので、ひさしぶりに、脳内にではなく、実際にエディタ上でメモを取ってみた。  数週間以内の作品は配慮しろ――と言った手前、課題部屋のほうにあげておくことにする。こっちね。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=525&e=res&lp=525&st=0  僕が取ると、はじめからこんな形で取ることになる。展開やパターンはだいたい予想がつくので、初読のときから「ノイズ」のほうはメモしないで済む。  ちなみに脳内でやっているときも、まったく同じ形となる。  エピソードがいつも必ず4つセットになっているのは、常に最小構成の起承転結をセットにしてエピソード写し取りをやっているため。  それよりも大きな部分にある構造は、あとで分析にかけるつもりで、エピソード取りのときには気にせず取っている。  物語はかならずしも奇麗に16分割されるわけではない。  エピローグやプロローグがついたり、「起結」や「起承結」や「起転結」や、一部が省略されることもある。  どこが省略されているか考えるのは、エピソード取りをした後の段階。  エピソードの中には、話の本筋に結びつかないものもある。  それはキャラ立てのためのものであったり、設定の説明のためのものであったり、舞台やらの雰囲気作りのためのものだったりする。  そういうものを、ここでは「ノイズ」と言っている。書き取ってしまうと、それによって混乱してしまう。  たとえば「通信空手」がどうのというエピソードは、本筋とは関係ない。  主人公の「力」となるのは、「妹を守りたい」という想いによって発動する武装練金の槍であり、通信空手ではない。  こうして除外されているエピソードの中には、「妹が可愛い」というものもある。これはサブキャラのキャラ立てのためのものであって、本筋とは関係ない。  ただし「妹を愛でる」というエピソードは、主人公の妹への愛情の深さを表すためのものなので、本筋の中に残してある。  ――で、僕が取ったものと、自分が取ったものとを比べてみること。  僕はどこを拾って、どこを拾わなかったのか。  そして魚住が拾ったものと、拾わなかったもの。  両方で共通しているものもあれば、食い違っているものもあるわけだ。  同じ部分を確認する。同じ部分は、僕と魚住とで同じ認識によって取られたものなのかも考える。  違う部分を確認する。そしてどうして違いが出てしまったのかも考える。  これはエピソードメモ同士を比べて行うこと。  んで、16分割なんだけど。  なんじゃこりゃ? このへんてこりんなのは。  まず頭のところから、いきなりおかしい。  冒頭の主人公が死んで目を覚ますところまで――。ここが魚住の16分割では「起部」となっていて、プロット全体の4分の1も使っていることになってるけど。  実際にはあれ、たったの4ページだよ?  そしてあの作品は、51Pあるわけだ。(扉絵2Pはストーリーと無関係なので除外)  実際には51分の4しかないものが、16分割では4分の1もの分量として扱われていたら、そりゃあちこち比率が狂って、おかしなことになってしまうだろう。  一回、51Pを正確に16等分してみてはどうだ?  てか、そのまえに、51Pのそれぞれに、いったいなにが書かれているのか、その台割りを作るのが先だな。台割りっていうのは、ページ数とそこに書かれる内容とを対比させたリストのこと。  まず51Pぶんの台割りを作ってみなさい。  そしたら約3Pという分量を目安にして、16等分してみることができる。  51÷16=3.1875  ……って計算ね。16等分の約3Pっていう数字は。 >>この認識でいいですか? >>よければこれでいきます。  ――上記のように、やるべきことをやってないところがあるので、このまま1〜5を繰り返していてもだめね。  「3」の作業の16分割のところで、いきなりこけてるし。  マンガの場合、台割りが物理的に目に見えるから間違えようがないと思っていたのだけど。 (映画のプロット取りなら、タイムチェックもしておけと、そう指示していたところだったが。過去ログ掘り返せば、僕が時計見ながらメモを取っているって話が、どこかに出てくるはず。)  はじめは手を動かして、メモを取りつつタイムテーブルやら台割りやらを、実際に作って確認しつつ……。  そのうちに作業に慣れてきたら、「やらなくてもわかる」部分はどんどん省略してゆくわけね。いちいち台割り表を作らなくても済むようになるし、カットごとのタイムテーブル作らなくても済むようになるし。  そうして、省略できる部分がどんどん増えてゆくと、最終的には、「観ながらプロット取り」ができるようになる。  まあ、3桁や4桁くらいの数をこなせば、そのうち誰でもそのくらいまで習熟するんでないの? 具体的に自分が何本くらいやってきたのか、数えてないのでよくわからん。いまでも毎週ごとに40〜50本ずつ増えてるし。  僕の場合は、たぶん5桁は行っていると思われる。4桁目くらいからは、いまとほとんど負担が変わらなくなっていた気がする。  はじめの10〜20本くらいまでは、大変きついので、覚悟しておくこと。  あるところで急に能率アップしてくるから、そこからは突然、楽になってくる。  ――で、僕はこの「観ながらプロット取り」のできない作家は一人も知らない。一度観た作品の話をして、筋を言えない作家は存在しない。どのエピソードがなんのために存在していたかわからない作家はいない。  ――なので、きっとこれは作家になるのには、必須の能力なのだろう。  現実が証明している。 >主人公を死なせなければならない構造  なんだ? 1個しか出てこないの?  じつは3個あるのだが、その残りは? ・事件に巻きこまれた主人公が、その後も関わり続けなくてはならない必然性となる。  ――これで1個ね。  あと2個あるのだが。  主人公が「死ぬ」っていうのは、この3個の構図を一挙に満たす「ベター」なエピソードなので、よく使われるわけだよ。  一石二鳥ならぬ、一石三鳥ってことね。  だいたい、「関わり続けなくてはならない必然性」だけだったら、べつに死なさなくたって、ほかにいくらでも方法があるだろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 大奥、後宮、嫁姑戦争 No.6773 投稿日 2003年7月28日(月)02時46分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は晴れ間が出たものの、やはり涼しい一日でした。昨夏の猛暑が嘘のようです。  そういえば、昨年の春先には「今夏はそれほど暑くならない」という予想を気象庁が出していたにもかかわらず、猛暑になりましたね。この予想に反して、弟切も昨年の五月ごろの段階で、「今夏は猛暑になりそうだ」と予感していました。 >>どろどろした人間関係  前回の書き込みNo.6771で、弟切は、女性が好む物語要素の一つに「どろどろした人間関係」があるのではないかと考察しました。ただし、前回の考察では、「高貴さ」に伴うそのような人間関係しか例に挙げませんでした。  これでは、「どろどろした人間関係」は、「豊かな生活」や「栄誉」などと同じく単独でも女性に好まれる要素なのか、それとも「高貴さ」に伴う特典の場合にのみ好まれる要素なのか判断できません。そこで、「高貴さ」なしでのどろどろした人間関係が描かれた物語はないものかと探してみました。  すぐに弟切が思いついたのは、平日のお昼のワイドショーやTVドラマでよく扱われている「嫁姑戦争」です。  以前、病気で仕事を休んだ弟切は、なにげなくTVをつけて、平日の昼間のTVにこの話題があふれていることを知り、驚きました。芸能人でもなんでもない普通の人の嫁姑問題、それも美談ではなく醜い争いごとを取り上げて、視聴率が稼げるのが信じられませんでした。  平日の昼間という時間帯を考えれば、これらの番組は主婦を標的にしているのが明確です。主婦の皆さんは、こういうどろどろした人間関係が好きなのでしょう。  書店やコンビニの漫画雑誌コーナーを見ても、この傾向はわかります。女性向け漫画雑誌のコーナーには「嫁姑問題」ばかりを扱った雑誌が複数置いてあり、どれも結構厚いです。中をめくってみますと、本当に嫁姑問題をテーマにした作品ばかりで、「これだけで、こんなに厚い雑誌が成り立ってしまうのかあ(*o*)」とまた弟切は驚きます。  貴族社会というものがほとんど存在しない現代日本では、目に見えやすい「どろどろ人間関係」といえば嫁姑問題になるのでしょう。現代版貴族といえる芸能人に限らず、普通の人の嫁姑問題が盛んに漫画やドラマにされていることからすれば、「高貴さ」にかかわらず女性は「どろどろした人間関係」そのものを好んでいるとしか思えません。  何だか、書いていて気が滅入ってくる要素ですね、少なくとも弟切にとっては。  それでも、話作りに役立つならしっかり考えなければいけません。普通なら気が滅入りそうな「どろどろした人間関係」を女性はなぜ好むのか、こんな陰性の要素を実際に物語の中ではどう使うのか、次回以降に考察します。 -------------------------------------------------------------------------------- それじゃあ No.6774 投稿日 2003年7月28日(月)21時54分 投稿者 望月京路  生課題「都会育ちの女の子」を、男の子視点から書いてみます。  では、三時間後。 -------------------------------------------------------------------------------- うなぎ力 No.6775 投稿日 2003年7月29日(火)01時11分 投稿者 弟切 千隼  昨日は土用の丑の日でしたね。故郷より浜名湖産の鰻を送ってもらった弟切は、夏を乗り切るスタミナを付けるべく鰻を食べました\(^o^)/ >>女性が好む物語の要素  「どろどろした人間関係」とは、具体的にどんなものなのか考えてみました。 嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  ぱっと思いつくのは、こんなところです。やはり書いていて気が滅入ってきますね(^^;  なにゆえ、女性はこんなものが入った物語を好むのでしょうか?  一つの理由としては、「怖いもの見たさ」があるでしょう。誰だって怖い思いをするのは嫌なはずなのに、人を怖がらせる小説や映画の需要があるのはこのためですね。  実際に頭上に爆弾を落とされるのはまっぴらでも、フィクションの戦争ものを好む人がいるのと同じです。自分の身は安全なところに置いておいて、でも、恐怖や残酷さをちょっと疑似体験してみたいという気持ちを人間は持っているのでしょう。  実行できないことを疑似体験して楽しませるのは、フィクションの存在意義そのものですよね(^o^)  でなければ、隔離された女の園である大奥で、取締役女中や将軍の生母が新米女中や若奥方をいびりまくるなどという怖い−少なくとも、弟切にとっては幽霊の五十倍くらい怖いです(>o<)−ドラマが受けるはずがありません。  もう一つの理由としては、「共感できるから」というのがあるでしょう。おそらく女性であれば誰でも、女性同士の嫉妬や意地の張り合いやいびりといった経験をしているはずなので(^^;、こういう要素を入れると物語に共感しやすいのです。  読者さまの共感が得られれば、物語を面白いと思ってもらえる可能性が高いですから、「共感度」を上げやすい要素を入れない手はありません。  考えてみれば、『シンデレラ』がこの手を使っていますね。物語の前半で、シンデレラは継母と義姉たちにさんざんいびられます。女性ならではのいびりにさらされるシンデレラに、女性の読み手は共感できるわけですね。その耐えがたいいびりに耐え抜いて幸せをつかむからこそ、読み手はすかっとして、「良かったねえ、シンデレラ」と思えるようになっています。  「怖いもの見たさ」のところで、戦争もののフィクションを例に出しましたね。一般的に男性が好む戦争もののフィクションと、女性が好むどろどろ人間関係もののフィクションとは、一対の関係にあるのではないでしょうか。どろどろ人間関係ものに負けず劣らず、戦争ものも、人を爆撃したり拷問したりといった嫌な場面がたくさん登場します。  男性が戦う場合は、単純に腕力や武力での戦いに走ることが多いですね。そのため、そういった腕力や武力で戦う高揚感や恐怖感を楽しみたがる傾向があります。  女性が戦う場合は、単純な力比べではなく、意地の張り合いやいやみの応酬といった精神的戦いに走ることが多いです。したがって、精神的な戦いにおける高揚感や恐怖感を楽しみたがる傾向があります。  女性同士の精神的な戦いを売りにした作品の例として、宮尾登美子さんの小説『陽暉楼[ようきろう]』があります。映画化もされたので、そちらで知っている方もいるでしょう。  この作品の舞台は、大正から昭和初期にかけて、土佐に実在した陽暉楼という娼館です。この長い物語の見せ場の一つは、土佐一番の繁栄を誇った陽暉楼で、二人の売れっ子芸妓が競う部分です。映画化された時の「女は競ってこそ華、負けて落ちれば地獄」というキャッチコピーが、ずばりこの内容を表しています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6776 投稿日 2003年7月29日(火)01時24分 投稿者 新木 伸 >嫁姑問題  僕も以前、コンビニで「嫁姑オンリー本」を見つけたとき、「僕の知らない世界があるよぅ」と怯えていたりしたものだが。  大奥も同じジャンル。  またテレビの人気ドラマで、「渡る世間は鬼ばかり」というものもある。  それらがウケている理由の分析をしたことは、いままでなかったことに気がついた。  いま10分ぐらい考えてみて、いちおうの結論にはたどり着いた。  弟切も自分で考えるということなので、いまは書かないでおく。 >望月 >「都会から来た女の子」  質問。  前の、女の子ひとりだけを出してきたパターンを書いたときだけど。  あれは、「都会から来た女の子をどう描こうか」と考え、いくつかある書きかたのうちから、ベストのひとつを選択した結果として、出てきたものだったの?  ここでいう「ベスト」の意味としては、有効な手法であるかという判断のほかに、自分にとって書きやすいとか難易度が低いとか、そういうことまでを含む。  それとも思いついた最初の一パターンを、いきなり書きはじめてしまっていたわけ?  僕の出したような、「男の子の目から眺めさせてみる」とか、そういうアプローチを一度は考えたのか、まるで考えなかったのか、そういうことを訊いているわけだが。 -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず終了 No.6777 投稿日 2003年7月29日(火)03時23分 投稿者 望月京路  コンセプトを「都会娘、田舎の暑さに溶ける」から、「野球少年、久しぶりに会った都会娘に戸惑う」に変えてしまったけれど。  ああ、でも。戸惑った理由が「久しぶりに会うから」なのか「都会の色に染まっているから」なのか、はっきりしてない……というか、前者のほうが強いかも。 >かき氷  自分のかき氷より安いかき氷を見つけるということで、「そこそこの悔しさ」を表現。で、「かき氷」の使用一回だけという自主縛りつき。  で、チェックすべきは、 ・正確に状況は伝わっているか。 ・コンセプト(そこそこの悔しさ)は効果的に伝わっているか。 ・正しい日本語か。  のみっつ。 『買ったかき氷を食べながら、同じものを売っている店を見つけた。100円……俺のの半額で。』  あえて「同じもの」とすることで、「半額」の威力を高めました。  悔しさが表現されているものと思います。 >重さ >>アルマは、予備弾倉の詰まったバックパックを背負い、装甲車も一撃で吹き飛ばせるグレネードランチャーも搭載している。  うーん。たしかに、これは武装の紹介だ。  こっちは、伝えることの優先順位の問題ですか。  他の何よりまず、「重さ」を感じさせること。 『アルマは、バックパックという鉄のカタマリを背負っている。』  とか。 >「都会から来た女の子」 >アプローチとして  とりあえず、「都会から来た女の子を書くのなら、その子視点で書いたほうが一番わかりやすかろう」と考えてました。対象(この場合は、都会から来た女の子、というそれ)に対する距離がゼロですから。  夏祭りなら「夏祭りに参加している人」で、治癒魔法なら「治癒魔法をしている人(もしくはされる人)」に視点を持っていく要領で。そりゃあ、近ければ近いほどわかりやすいだろう、と当然のように。  とにかくそこが出発点であり、そういう意味では「男の子の目から眺めさせてみる」というのは考えてなかったことになりますか。  考えてみれば、それなりの距離があるから見えるものもある、か。  さて、明日から実家に帰ります。  ネット環境はあるはずで、ここにくるのに問題はないはずですが。一応報告を。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.6778 投稿日 2003年7月29日(火)09時46分 投稿者 鐸碑  嫁姑問題を始めとした「どろどろした人間関係」話に行った所で、もう一つ関連したテーマ。  女性向にはオカルトホラーものが定番としてありますが、男性向けにはオカルトホラー系(伝奇アクションはありますが)が滅多にありません。  先の高貴さの話と絡めて行けば、男女の好む傾向の差が見えるんじゃないでしょうか? 補足:ここではオカルトホラーとは、霊や超常現象といった怪奇現象が発生し基本的に人間はそれに対して決定的な対抗力を持たないもの。  伝奇アクションは、妖怪や悪霊といった超自然の存在相手に魔術や霊力を持った超人的なヒーローが戦って倒すもの。 -------------------------------------------------------------------------------- あなたの知らない世界 No.6779 投稿日 2003年7月29日(火)22時14分 投稿者 弟切 千隼 >>どろどろ人間関係もの  これは、大部分の男性にとっては未知の恐ろしい世界でしょうね(^^; 男性の多くは、そもそもこういった作品には手を出さないでしょう。手を出してみたところで、「こんなものどこが面白いんだ」と思うか、「女は怖いよう」と怯えてしまう人が多いのではないでしょうか。  前回の書き込みNo.6775で、弟切は、女性に「どろどろ人間関係」が受ける理由を二つ考えました。一つは「怖いもの見たさ」、もう一つは「共感のしやすさ」です。  これらに加えて、もう一つ、重大な理由を忘れていたことに気づきました。昔の人の言い回しを借りれば、「他人の不幸は蜜の味」ということです。  人間は、自分が不幸になるのは誰でも嫌がります。しかし、他人の不幸話を聞くのは結構好きなものです(^^; おそらく、「自分はこの人よりはましだ」と思えるからでしょう。  他人の不幸話を聞いても、聞いた人の状況が好転するはずはありません。けれども、自分より惨めな状況にある人がいると知ることで、相対的に自分のいる位置が高くなったと感じられるため、鬱憤晴らしになります。  女性の場合、女性の多い職場や学校での軋轢や、嫁姑問題に悩んでいる人が大勢います。どろどろした人間関係は、女性にとって最も身近な不幸の種です。  そのため、そういう問題で他にも悩んでいる人がいるとなれば心強く感じますし、その人が自分よりも不幸ならば、「私はまだ大丈夫」と安心できます。自ら努力して状況を好転させるより、何もせずにいるほうが楽ですから、人は楽なほうに流れて−この場合は「自分より不幸な人の物語を読む」だけでよいのです−幸福になろうとします。  何だか嫌な感じの後ろ向き思考ですね(^^; まあ、これも人間の心理の自然な動きなら、知っておかなくてはいけません。 鐸碑さんへ >  いつも御助言ありがとうございます(^_^)  実は、弟切も鐸碑さんと同じことに気づいていました。女性向けの漫画雑誌にはオカルトホラー系と呼ばれるものが複数あるのに、男性向けの雑誌ではそういうものを見たことがありません。「これはなぜだろう?」と、弟切は以前から不思議に感じていました。  良い機会なので、「どろどろ人間関係」に関する考察が一段落つきましたら、これを考察してみるつもりです。  鐸碑さんがおっしゃるとおり、オカルトホラー系とは、霊や超常現象といった怪奇現象が発生する話で、心霊ものとも言い換えられます。霊能者や祈祷師などが登場する場合もあるものの、基本的には普通の人が霊に遭うなどの怖い体験をして、それに対抗することなく「ああ怖かった」で終わる話です。 -------------------------------------------------------------------------------- 人間関係とオカルトと魔法 No.6780 投稿日 2003年7月30日(水)00時35分 投稿者 鐸碑  『ドロドロした人間関係』と『オカルト』及び『魔法』っていう男性にあまり好まれず、女性に好まれる話。  一見違う様に見えるものだけど、表裏一体の関係にあるのではないかと思います。前者は余りないけれど、後者の『オカルト』及び『魔法』は児童誌では男女問わずそれなりの人気と需要があるジャンルでしょう。  男性は成長し、小学校高学年から中学位になると『オカルト』や『魔法』余り興味を示さなくなると思われます。  これは男女の創作物を見る目の違いで、女性が『オカルト』や『魔法』を好む傾向の裏側に、『ドロドロした人間関係』があるんではないかと想像しています。  この持論(?)のキーワードは、『夢』なんですが。男性(小さな子供を除く)の考える『夢』と女性の考える『夢』は大きく違っており、その違いが好む物語の傾向に影響しているのではないかと考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6781 投稿日 2003年7月30日(水)00時53分 投稿者 新木 伸 >弟切  どろどろした人間関係ものを、「どろどろした人間関係」としか言い表せないのであれば、それはまるでわかっていないってことだから、もっともっと考え抜くように。  同様に「オカルトホラー」っていうのも、正体はなんなのか考えなくちゃならない。  クリエイターは、自分の作ったものに「○○もの」とわかりやすいラベルを貼ることがあるけど。  自分がこしらえた「瓶詰め」の中身がなんであるか、きっちり把握しているものなのね。ラベルを貼るのは消費者のため。買う人のためにわかりやすいレッテルを貼って分類しているに過ぎない。 >望月 >>とりあえず、「都会から来た女の子を書くのなら、その子視点で書いたほうが一番わかりやすかろう」と考えてました。  ここで、「一番わかりやすい」てのは本当のことか?  それが一番だとわかっているのか? そうなんだな?  なら二番と三番も、もちろんわかるってことだな?  ではその二番と三番のプランを言ってみろ。  また四番と五番もあるのなら、見せてみろ。本当にあれが「一番」だったのか、すべて見たうえで、俺が判定してやるから。 >>『アルマは、バックパックという鉄のカタマリを背負っている。』  「バックパック=鉄のカタマリ」と書いてある部分。ここでまず混乱する。  バックパックは布製が標準なのね。鉄製なのは異常であって異様。  たとえばここで、「アルマの背負っているバックパックは布ではなくて、総鋼鉄製の特別なものだった」とでも書いてくれたら理解することも可能だけど。  それとも、ここではなにか他のことを言いたいのか?  バックパック自体が鉄でできているわけではなくて、バックパックの中身が鉄製品で埋め尽くされているってことを言いたいの?  ここのところ、ずっと――。  「お前の日本語は翻訳ソフト以下」と言い続けているわけだが。まだわかってないのか。うっかりこんな文章を書いて出してくるもんなぁ。  どっちであるのか確定することさえ不可能なくらい、お前の「意味伝達能力」は低いんだよ。それでも注意すればもうすこしまともになるんだから。自分が低能であることを自覚して、もっと丁寧に文章を書くようにしろ。 >アルマが重いということ  アルマは重い。200キロよりも遥かに重いわけね。  なるほど。それが書きたいわけだな。  ではアルマはなぜ重いのか?  小説の文章として書く前に、まず普通の文章でもって俺に説明してくれ。  アルマの大きさはどのくらいなのだ? 形状は人間形なのか四足歩行形なのか?  人間形なのだとしたら、カヤよりも大きいのか小さいのか。たとえば「重い」という理由が、「サイズが大きいから」なのであればそれを書いてしまえば済むことだ。「大きい=重い」と書けば、誰にでも一発で理解可能となるだろう。  また大きさ以外にも「重い」理由となることはあるはず。たとえば「密度」が違うので、同じ大きさでも重いのだとか。  または、アルマ本体は普通の大きさだが、荷物をたくさん背負っているので重いのだとか。  いったいどういう理由でアルマは重いのよ?  そこが読者である俺らにはわかんねーんだよ。そしてたぶん作者であるお前にもわかってないんだよ。  アルマがなぜ重いのかってことを考え抜いていけば、他人に説明可能な理屈が見つかるはずだ。しかし作者であるお前が、「アルマは重い」ってだけで思考停止に陥っているから、それが読者に伝わらないわけ。わかるように説明できないわけ。 >かき氷のリライト  やろうとしていることはわかる。路線としては悪くない。  だがその路線で出せるはずの「悔しさ感」の半分も出せてない。  理論値上限まで出すのなら、こうだろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  買ったかき氷を食べながら、同じものを売っている店を見つけた。100円……俺のの半額で。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ↓ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  よそで買ったかき氷を食べていたら、同じのを売っている店を見つけてしまった。  百円。なんと半額。  ……二つも買えていたのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  俺のが10割だとしたら、お前のはせいぜい3〜4割。  「悔しさ感」で計量した数値ね。  望月のほうで、ダメなとこ。その理由。 ・改行を利用していない。(→後述。間を取っていない、に関連) ・食べていた最中に見つけてしまった「呆気にとられた感」が出せていない。 ・半額であることを主人公が認識するまでの「間」を取っていない。「間」がゼロなので、悔しさがこみ上げてくる感が出てこない。「こみ上げてくる」というのは時間経過を必要とする現象なので、「間」を作る文章を書けないと表現不能。僕のほうでは改行と体言止めと「……」とで「間」を表現している。 ・半額であることを知ったあとの「呆然としている感」が出せていない。 ・望月のものは、半額であることを認識したところで終わってしまってる。そこがまるでダメ。その後に「こみ上げてくる」感慨こそ、「悔しさ」の本質だろうに。  僕の文章なんてのは、けっして美しいものじゃないよ。純文系の人から見たら、のけぞるような汚さだろう。  ただ、「悔しさ感」というコンセプトを十二分に表現できてはいる。そこだけはクリアしている。  お前のはそこさえもクリアしていない。  だから金が取れないのね。その文章では。  俺のこれが10割だとしたら、最低限、8割は超えろ。そのあたりがプロとアマチュアの境界だ。 >望月  生課題への取り組みかたについて。  いまはどうやって書いているのだ?  またぞろ、クソ余計な灰色の部分を山ほど書いてきているから、いままでと同じ、普通の方法でエディタを見つめながら書いているのだと思われる。  頭で覚えこもうとしていたら、絶対に消えてしまっているような「どうでもいいこと」が、「526 京路「都会育ちの女の子」男の子視点バージョン」から、いっぱい発見されているわけだし。  その「頭では覚えきれないから、とりあえず書いちゃえ」みたいな、場当たり的で、脊髄反射だけで小説を書いてしまう珍妙なクセとは、いいかげん縁を切れってーの。  全部を頭の中で構築して書こうという試みは、すでに何回かやったわけだよな。  そこまでやれとは言わないが、そこで得たことを普通に書くときにも応用するように。  具体的には、段落一つ分(3〜5行)程度は、頭の中で考えてから、エディタに書き写すようにする。  そうすりゃ、いらんことまで書いてしまうクセは矯正できるはずだ。  僕とみやびさんが、ここしばらく、自分たちがどうやって文章を書いているのか自己観察してみてわかったことなんだけど。  僕らもそうやっているのね。  段落ひとつか、ブロックひとつ、手を止めて考え抜いてから、そのくらいの分量を一気に書き写している。その繰り返しで文章を書いている。  次では、それを意識してやるように。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6782 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 初めまして No.6783 投稿日 2003年7月30日(水)19時36分 投稿者 石龍馬(せき りょうま) 皆さん初めまして、石龍馬といいます。  人生を作家として費やすべく、ただいまプロ目指して修行中の、17歳、男です。以後よろしくお願いします。  とりあえず、「よみかく分室説明」と過去ログ6001〜6006、6781までを、読ませていただきました。  私は親の反対により、ネットへパソコンを接続していないため、ネカフェからアクセスしておりますので、返信などが遅れたりした場合は、ごめんなさい。  それでは、皆さん、また会いましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いらっしゃいませ No.6784 投稿日 2003年7月30日(水)23時26分 投稿者 新木 伸 >石さん  いらっしゃいませ。  自己紹介なのですが、すこし足りません。  執筆歴。じっさいに上げた作品。  どういうジャンルの作家を目指しているのか、など。  あと作家志望ということなら、投稿歴もあるはずなので、その回数や結果など。  この分室の方針なのですが、投稿経験がない人には、「まず1回投稿してみよう」と薦めることにしています。  小説のなかでも特にライトノベルでは、初めて書いた長編でデビューしてしまう例も多く(5割あるかないかくらい)、そういう天才肌の人に無駄な練習をさせて、変な型をつけてしまうことは良くないことだと、道場の主催者としては考えています。  あと、長編小説の一本も書き上げることができなければ、その人間が作家になる見込みはまったくの「ゼロ」ですので、それを計る意味合いもあります。  長編の一本以上を書いている。  もしくは短編を複数(山ほどが望ましい)書いている。  投稿して、なお玉砕。  この条件を満たしているかどうか、お答えください。 -------------------------------------------------------------------------------- 長梅雨 No.6785 投稿日 2003年7月31日(木)00時10分 投稿者 弟切 千隼  昨日の湘南は久しぶりに暑くて晴れ間が見え、「やっと梅雨明けか?」と思いましたのに、今日はまた梅雨空に戻ってしまいました。  天候がすっきりしないためか、弟切の体調もすっきりしません。天候以上に、仕事で徹夜したのが良くないようです(^^; >>どろどろした人間関係  No.6775の書き込みで、どろどろした人間関係とは具体的にどんなものか、例を挙げました。以下にそれを再録します。 >>嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  これらをもっと詳しく分析してみると、どういうことになるでしょう? これらの何をもって、「どろどろした人間関係」と人は認識するのでしょうか?  まず、「嫉妬」は、恋愛がらみの場合とそうでない場合がありますね。  『大辞林』で「嫉妬」を引いてみると、以下のように載っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− しっ-と [0][1] 【嫉妬】 (名)スル (1)人の愛情が他に向けられるのを憎むこと。また,その気持ち。特に,男女間の感情についていう。やきもち。悋気(リンキ)。「―心」「夫の愛人に―する」 (2)すぐれた者に対して抱くねたみの気持ち。ねたみ。そねみ。「友の才能に―をおぼえる」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  恋愛がらみの嫉妬の場合は、恋愛に関心の深い女性が、いやでも関心を持つ感情であることは理解できます。どうしても、恋愛に嫉妬は付きものですからね。  恋愛がらみでない嫉妬の場合は、成功した人、自分が持っていないものを持っている人に対して、別の誰かが抱く感情ですね。この場合、全く縁のない人に嫉妬することはほとんどありません。例えばオリンピックのメダリストなどは、いくら自分が持っていないメダルを持っていても、普通の人からは縁遠すぎて嫉妬の対象にはならないでしょう。  恋愛がらみの嫉妬が、自分の恋愛に関わっている人にのみ向けられるのと同様に、恋愛がからまない嫉妬も自分の身近な人に対して向けられます。見知らぬ町に住む見ず知らずの人が豪邸を建てたと聞いても誰も嫉妬しないでしょうが、それまで自分と同じような小さな家に住んでいた隣人が豪邸を建てたとなれば、たいがいの人は嫉妬するでしょう。  「嫉妬」は、身近な人の間でのみ成立する感情です。  「意地の張り合い」の意味を正確に把握するために、「意地を張る」を『大辞林』で引いてみると、以下のようになっています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 意地を張・る 自分の考えをあくまでも通そうとする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「意地の張り合い」というからには、二人以上の人がお互いに「自分の考えをあくまで通そうとする」ことですよね。嫉妬と同様、このような行為も、縁の薄い人同士で行なわれることはありません。例えば同じ学校の同じクラスの生徒同士とか、同じ会社で地位も同じ課長同士とかいう具合に、身近な人同士だからこそ意地を張り合います。  「媚びへつらい」の原形「媚びへつらう」を『大辞林』で引いてみた結果は、以下のとおりです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こび-へつら・う -ヘツラフ [1][5] 【媚び諂う】 (動ワ五[ハ四]) お世辞を言ったり機嫌をとったりして,相手に気に入られるように振る舞う。追従(ツイシヨウ)する。「上司には―・い,部下には威張り散らす」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「媚びへつらい」は、身近な人というより、直接利害関係のある人に対して行なわれます。なぜなら、そうでなければ媚びへつらう意味がないからです。人が誰かに媚びへつらうのは、その見返りを期待してのことで、媚びへつらっても何も良いことがないと思っている相手に対しては、誰も媚びへつらいません。  「媚びへつらい」は、関係の深い人の間で行なわれるといってよいでしょう。  「二枚舌」は、媚びへつらいの手段としてもよく用いられますね。『大辞林』で二枚舌を引いてみると、以下のとおりです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− にまい-じた [2] 【二枚舌】 前と食い違うことを平気で言うこと。うそを言うこと。「―を使う」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  人が「前と食い違うことを平気で言う」のは、前に言ったことが嘘か、今言っていることが嘘か、両方とも嘘か、どれかである証拠ですね。  世の中には、「知ると衝撃が大きいから」といった理由で、相手を思いやって嘘をつく場合もあります。しかし、こういう場合は普通「二枚舌」とは言いませんね。  二枚舌という言葉には、不誠実な意味合いがあります。人は、相手を不利にしてでも自分が利を得ようとする場合に「二枚舌を使い」ます。ですから、身近な人というより、直接利害関係がある人の間で使われます。何らかの利が得られるのでなければ、人はわざわざ二枚舌を使ったりしないでしょう。  二枚舌も、やはり関係が深い人の間でのみ使われるといえます。  今回はここまでとします。考察の続きは次回以降に。 -------------------------------------------------------------------------------- クマゼミとミンミンゼミ No.6786 投稿日 2003年7月31日(木)17時45分 投稿者 弟切 千隼  今、我が家の周囲でミンミンゼミが鳴いています。関東の人はこの声を聞くと「暑苦しい、本格的な夏が来た」と感じるようですね。  東海地方で育った弟切には、ミンミンゼミの鳴き声は穏やかに感じられます。東海地方での真夏のセミの主力は、ミンミンゼミよりずっとうるさいクマゼミだからです。  クマゼミの鳴き声を聞けば、「ミンミンゼミの声はまだ甘い」と実感できるでしょう。クマゼミは日本一体が大きいセミで、鳴き声もそれに比して大きいです。「しゃあしゃあしゃあしゃあ」とクマゼミが鳴く木の下に立っていると、この声のためにまともに会話ができません。 >>どろどろした人間関係  前回の書き込みNo.6785で挙げた具体的な例を、さらに検証してゆきます。 >>嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  前回「二枚舌」まで検証しましたから、「不倫」から行きます。  「不倫」を『大辞林』で引くと以下のように載っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ふ-りん [0] 【不倫】 (名・形動)[文]ナリ 道徳に反すること。特に,男女の関係が人の道にはずれること。また,そのさま。「―の恋」「―な関係」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ずいぶん漠然としていますね。  現在では、「不倫」の意味はもっと狭くなっていて、主に「既婚者が配偶者以外の人と恋愛すること」を指すようです。話を簡単にするために、ここでは最近の狭いほうの定義を取ります。  この「不倫」は、嫉妬や意地の張り合いや媚びへつらいとはだいぶ性質が違いますね。嫉妬も意地の張り合いも媚びへつらいも、時代や地域を問わずおよそ醜いものとされています。これらに基づく言動をする者は、法に違反せずとも共同体の中では軽く見られます。  ところが「不倫」は、何をもって不倫とするかの基準が、社会により著しく異なります。ある社会では死刑に値する行為が、ある社会では奨励される行為といったことがあり得ます。  例えば、江戸時代の日本では、不義密通(=現在の不倫)は男女ともに死罪ということになっていました。しかし、それは江戸などの都会だけのことで、農村などの田舎では、人妻のもとへ夫以外の男が通う「夜這い」が、最も一般的な娯楽として公認されていました。  現代では、基準は緩くなっているものの、「既婚者が配偶者以外の人と恋愛すること」は、社会的に許されないこととされています。それでも、恋愛する気持ちは止められるものではありませんから、「不倫」は他の世と変わらずにありますね。  だいたいにおいて、禁止されると余計に人は熱中するものです。障害があったほうが恋は燃えるといいますね。恋愛が大好きな女性が、そんな燃え上がる恋に惹かれるのは当然といえましょう。  上記の定義によれば、「不倫」は恋愛の一種です。恋愛は、言うまでもなく最も親密な人間関係の一種ですね。ということは、「不倫」は、嫉妬や意地の張り合いや媚びへつらい以上に、身近で深い人間関係を表わしています。  今日はあまり時間が作れませんのでここまでとします。  なお、弟切は明日から仕事の出張に出かけます。帰宅するのは二日後の日曜日となります。出張から戻るまでおそらくここにはアクセスできません。 -------------------------------------------------------------------------------- 再び自己紹介 No.6787 投稿日 2003年8月1日(金)12時51分 投稿者 石 龍馬  自分が書こうとしているジャンルは、現代文学、ファンタジー、アクションですが、今はとにかくファンタジーにのみ力を入れています。  執筆歴は、一週間ほど前に、四ヶ月を迎えたばかりですので、皆様からしましては、恐らく素人に毛が生えた程度のものだと思います。  仕上げた作品ですが、執筆歴の短さに加え、そのほとんどの時間を、二次創作に費やしておりましたので、オリジナルの短編などは一切書いておりません。ただ、アクションファンタジーの長編でしたら、今書いている途中です。(現時点でワード五万字ほど)  と、上記で分かる通り、投稿何てまだ一度もした事がありません。  新木先生が上げられた条件は、何一つ満たしておりませんので、せめて今書いている途中の長編を、書き上げてからもう一度来させていただこうと思います。  それでは、また会いましょうw -------------------------------------------------------------------------------- クマゼミの威力 No.6788 投稿日 2003年8月3日(日)19時57分 投稿者 弟切 千隼  出張より戻りました弟切です。  弟切が出張に出かけている間に、ちょうど梅雨明けしたようですね。出張先の静岡でも晴れて、暑かったです。頭上から暴力的な圧力で降り注ぐクマゼミの鳴き声に打たれて、「ああ、静岡だなあ」と実感しました。  これから出張先で得られたデータをまとめて報告書を書きます。今度の出張は内容盛りだくさんで有意義だった分、後の作業も時間がかかりそうです。  とりあえず生存報告まで。 -------------------------------------------------------------------------------- 星合の夜 No.6789 投稿日 2003年8月5日(火)01時56分 投稿者 弟切 千隼  今日、いえもう昨日は、旧暦の七月七日、七夕でした。今宵の湘南は少々雲がかかっていたものの、牽牛も織女も視えていました。  日本の伝統行事の中でも、七夕は特に旧暦でないと雰囲気が出ませんね。新暦では梅雨の真っ最中で、星空が視える確率がひどく低いですから。 >>女性が好む物語要素  前々回の書き込みNo.6786の続きで、女性が好む「どろどろした人間関係」の正体を探ります。  前々回も書いた「どろどろした人間関係」の具体例は、以下のとおりですね。 >>嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  前回の書き込みNo.6788までで、「不倫」まで分析しました。今回は「いびり」を分析します。  「いびり」の原形である「いびる」を『大辞林』で引くと、以下のように載っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− いび・る [2] (動ラ五[四]) (1)弱い立場の者を陰湿にいじめる。「新入社員を―・る」 (2)無理を言って困らせる。「又おとつさんを―・るだらうから/人情本・娘節用」 (3)時間をかけてじわじわ熱する。[節用集(文明本)] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここで扱う「いびる」は、(1)の意味ですね。「いびり」は、「弱い立場の者を陰湿にいじめること」です。  この定義の中に、この行為がどのような人間関係において行なわれるかが、端的に現われていますね。いびりはより強い立場の者が行なう行為であって、その逆はいびりとは言いません。より強い者が、その立場を利用して行なういじめが「いびり」と言えます。  ついでに「いじめる」も『大辞林』で引いてみました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− いじ・める イヂメル [0] 【苛める・虐める】 (動マ下一) (1)弱いものを苦しめる。さいなむ。「動物を―・めるな」「級友に―・められる」 (2)ことさらきびしい扱いをする。「シーズン前に体を―・めておく」 (3)いじる。「紙巻莨(シガレツト)ばかりを―・めて居る/はやり唄(天外)」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「いじめる」の意味にも「弱いものを苦しめる」というのが含まれていますね。「いびる」は「いじめる」の、「より強い立場を利用した」点を強調した言い方でしょう。  人間関係において、かなり力の差がある状況でなければ、「いびり」はあり得ません。ほぼ同い年で、学力も体力も近しい人間が集まっている学校のクラスメイト同士では、「いじめ」はあっても通常「いびり」はありませんね。しかし、同じ学校内でも、学年が違い、知力や体力にも差がある人間が集まる部活動では、「先輩の後輩いびり」があり得ます。    人間関係において圧倒的な力の差があっても、必ずいびりが発生するとは限りません。いびりが発生する原因は、いびられる側よりもいびる側にあります。  私のこれまでの経験によれば、誰かをいびる人間は、何らかの強いストレスにさらされています。多くの場合、いびる人自身が別の誰かにいびられていたり、何らかの迫害を受けていたり、人間関係における強いストレスを感じています。そういったストレスを発散するために、人はいびりを行なうようです。  人間関係の中に強いストレスがあるのは、緊密な人間関係がある証拠ですね。付き合いの薄い関係では、ストレスの発生しようがありません。  嫉妬や媚びへつらいや不倫と同じように、いびりも深い人間関係の中でこそ生まれます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6790 投稿日 2003年8月5日(火)08時44分 投稿者 新木 伸 >弟切  いびりの考察。 >>私のこれまでの経験によれば、誰かをいびる人間は、何らかの強いストレスにさらされています。多くの場合、いびる人自身が別の誰かにいびられていたり、何らかの迫害を受けていたり、人間関係における強いストレスを感じています。そういったストレスを発散するために、人はいびりを行なうようです。  ここに並んでいる「ストレス」の例は、これは「いびられる側」と直接関係のないことだよね。  こういうものは「いびり」とは呼ばず、単なる八つ当たりというのでは?  いまの弟切の論を、そのまま読んでゆくと、いびりの定義がおかしなことになってしまうが。  なにか外部からストレスを受けた人間が、緊密な人間関係を持つ格下の相手に対して、八つ当たり的に発散することが「いびり」の定義になってしまうけど。  いびる側がストレスを受ける原因が、いびられる側になければ、「いびり」とは言わないのでは?  もしくは――。  ここで一般的な分解能よりも、さらに細かいものを定義するとか。  一般的にいう「いびり」という概念には、いびる側のストレスの原因がどこにあるかということは問わない。  しかし物語的に「いびり」を考察して生かすためには、いびる側のストレスの原因が、「いびられる側にある」ものと「無関係なところにある」ものとを区別するとか。  たとえば、姑が「自分の事業」でうまくいかないことの腹いせに、ぜんぜん悪くない嫁をいびる展開とかがあったりする。  姑の側を完全に「悪役」にする狙いなら、そういうのもアリだろう。  しかしそれだと、このドラマを観ている人間には、姑の側に感情移入することができないよね。  テレビドラマの脚本は、「嫁の世代」と「姑の世代」と、両方の世代を両取りするために書かれるものなのね。嫁には嫁の言い分があり、姑には姑の言い分があり、どちらの世代の観客にも観てもらえるように作られている。  ドラマの時間帯には、20〜30代の奥様も、50〜60代の奥様も、どっちもテレビの前にいて、その同じ番組を観ているんだから。  したがって、姑が嫁をいびるにしても、その理由は、一理あるものになるはず。  たとえば掃除の仕方がなってないとか、いつまで経っても我が家の料理の味付けを覚えないとか。この場合、姑がくどくどと言い立てることは、姑が自分でも出来ることでなければならない。  掃除とかなら、いまは体力が落ちたので出来なくても、姑が若い頃にはきっちりやっていたとか。 ・いびる側のストレスの原因が、いびられる側にあるかないか。 ・いびる側が、言っていることを自分自身で実行可能かどうか。  チェックポイントが2つあるから、合計では、4パターンのいびりパターンが存在することになる。  ところで。  これは本筋とは関係のない質問なんだけど。  弟切さんが見てきたなかで……。  緊密な関係を結んでいて、力の差が明確な二者がいて、片方が強いストレスにさらされていて、その原因が相手側に存在することが明確であり、それでもなお、いびらずに済んでいたりする例って、あったりする?  たとえば、無能な部下を抱えた上司が、微塵たりとも、部下をいびったりしないパターンとか。実例を目にしたことがあるかどうかってことね。  この場合、上司が気楽な性格とかで、部下の無能さが全然ストレスになっていなかった――てのはなしね。ストレスを抱えていなければ、いびる理由もないわけだし。  ストレスがある状態で、人は、相手をいびらずに済むものなのだろうか? ――というのが、僕の素朴な疑問。  弟切さんなら僕が何を言っているのかわかるだろうし、別に答えをもらって免罪符を手に入れようってつもりじゃないけどさ。  ただ、そっちの道があるのかどうか、知っておきたいだけ。  ストレスっていうのは、気の持ちようひとつでゼロになってしまったりするものだから、そっちで解決するのが早い気もする。 -------------------------------------------------------------------------------- 質問 No.6791 投稿日 2003年8月5日(火)10時22分 投稿者 新木 伸  現役高校生――でなくてもいいんだけど、つい最近まで高校生だった人たちに質問。  例によってROMさんでも回答可能な人がいたらよろしく。  ある立場の人間(この場合は現役高校生)には「知識」とさえ呼べないものが、ある人間には知りようのないことって、よくあること。 ・普通の公立の共学の高校で、家庭科の授業てな、週何時間あるもの? ・学校にある家庭科室の数は、何個? ・家庭科の授業は、各クラス個別で行われる? それとも2クラス合同だったりする? ・男子は家庭科の授業を受けるもの? ・「家庭科部」とか「料理研究会」とか「お菓子倶楽部」とか、なにかそんなような、家庭科室を使う部活なんてあった?  以上、質問は4点。  しかし家庭科の授業が2単位(毎週2時間)あったとして。  1学年5クラスまでなら、家庭科室はひとつで足りる計算なのだが。  それ以上のクラス数を持つ学校では、家庭科室の数を増やすか、複数クラスを合同でやるかしないと、部屋が足りなくなる模様。  そのへん、どうなっているのだろうか。  ちなみにこの情報は、女子に連れられて、家庭科室に入ってゆく男子生徒の心境を構築するのに必要。見知った学校の中でも、家庭科室と女子トイレとは、男子は一度も入ったことのない場所のはず。  ただし家庭科の授業を男子も受けているのなら、きょろきょろしたりはしないはず。  ちなみに僕の時代の話。  家庭科好きだったんだけどなぁ。  小学校では家庭科があって色々やれたけど、中学校からは、男子は「技術」、女子は「家庭科」と、強制的に決められていた。  まあ技術も好きだったから、それはそれでいいのだが。実家が工場やってたもんで、ノコギリとカナヅチで椅子や本棚作るのも、半田付けしてラジオ作るのも、ヤスリで鉄板削るのもボール盤(ドリル)で穴開けるのも、旋盤――までは使わせてもらえなかったけど。そのへんとか、「なにをいまさら」てなことで、教わることは何一つなかったけど。でも材料全部一式セットでもらえるのはありがたかった。  女子のほうの家庭科は、材料は自前で持ち込みだったようで、その点得した気分だったが。  そういうわけで、中学校の家庭科室は、ついに一度も足を踏み入れたことがなかった。ここ10年ぐらいから、こちら、中学校では男女ともに「家庭科/技術」の両方をやることは知っている。高校ではどうなのだろう?  まあ、いま書いている話の舞台は私立高校(しかも特殊学校)だから、独自カリキュラムになっていて、男子は家庭科をやらない――としてしまってもいいんだけど。その線で書いてしまうけど。回答待ちで執筆止めるわけにもいかないし。  しかし、いちおう「現実」ではどうなっているのか、知っておきたい。  あ、「全然やらない」ってしとくより、「2年生の2学期からは家庭科がはじまる」とでもしておくほうが、逃げ道も作れるしそれっぽいな。そうしておこう。 -------------------------------------------------------------------------------- いびりのパターン No.6792 投稿日 2003年8月6日(水)00時06分 投稿者 弟切 千隼  梅雨明けした途端の酷暑に、熱中症になりそうな弟切です。  夏の間だけは、日本は熱帯だと思います。実際、熱帯の国タイから来た人が、「日本の関東以西の夏はタイに匹敵するくらい暑い」と言うのを聞いたことがあります。 >>いびりの分析  弟切の前回の書き込みNo.6789を受けて、No.6790で新木さんがいびりのチェックポイントを挙げて下さいましたね。 >>・いびる側のストレスの原因が、いびられる側にあるかないか。 >>・いびる側が、言っていることを自分自身で実行可能かどうか。 >> >> チェックポイントが2つあるから、合計では、4パターンのいびりパターンが存在することになる。  確かに、チェックポイントが2つなら、普通に考えれば組み合わせからいって、パターンの数は合計4つであるはずです。しかし、この場合、弟切は単純に4つのパターンには割り切れないと考えます。  まず、ストレスの原因について見てみますと、いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にある場合も考えられますよね。したがって、ストレスの原因のありかだけで、以下の3つのパターンがあり得ます。 1)いびられる側にだけストレスの原因がある。 2)いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因がある。 3)いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因がある。  「言っていることを実行可能かどうか」については、「可能/不可能」にきれいに分けられそうですね。けれども、例えば、「今は体調を崩してできなくても、昔は完璧にこなしていた」などという場合は、単純に不可能に入れてしまってよいものかどうか悩みます。  この「過去にはできた」というパターンを1つとして数えれば、「実行可能かどうか」も、以下の3つのパターンに分かれます。 1)いびる側が言っていることを実行できる。 2)いびる側が言っていることを実行できない。 3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。  仮に上記の3パターンずつを認めると、3×3で合計9つの「いびりパターン」があることになります。このくらいの数なら、一つ一つ検証していってもそれほど時間はかからないでしょう。  次回以降、これらのパターンを検証します。 >>緊密な関係を結んでいて、力の差が明確な二者がいて、片方が強いストレスにさらされていて、その原因が相手側に存在することが明確であり、それでもなお、いびらずに済んでいたりする例って、あったりする? (新木さんのNo.6790の書き込みより)  うーん……このような具体例には、お目にかかったことはありませんね。  最もこれに近い例として、 「緊密な関係を結んでいて、力の差が明確な二者がいて、普通に考えれば片方が強いストレスにさらされているはずであり、その原因が相手側に存在することが明確であり、それでもなお、いびらずに済んでいる」 というのでしたら、お目にかかったことがあります。  普通の人なら切れそうなくらいとろい部下がいるのに、「彼には彼のペースがある」と信じて、ストレスを溜めず、その部下を見守り続けた上司でした。この上司はできた人だったと思います。  新木さんがおっしゃるとおり、ストレスは気の持ちようで現われたり消えたりします。傍からはつらそうに見えても本人はストレスを溜めておらず、「どうしてあれであいつをいびらずにいられるのだろう?」と周囲から不思議がられる人もいます。  こういう芸当ができるのは、やはり「できた人」だけですね。普通の人が上記のような状況に陥ったら、どうしても何らかのストレスを溜めてしまい、それを解消するために「いびり」に走ると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- おひさしぶりです。 No.6793 投稿日 2003年8月7日(木)02時13分 投稿者 平凡人あらため、凡野一二三  どうもこんばんわ。元平凡人、凡野一二三です。新しいハンドルネームについては後述します。  まずは報告です。  とりあえず仮退院しました。  理由はこれ以上病院にいても、することがなにもない、というもの。自然に体調(正確には血液の赤血球、白血球、血小板の数値)が回復するまで自宅療養、その後再入院して手術する。そういったスケジュールにあいなりました。  再入院までは一ヶ月ないし二ヶ月かかるだろう、ということですので、それまでは基本的に毎日参加できると思います。どうぞよしなに。  ――で、ハンドルの話なのですが。  どうも、名前というものを軽く考えていたようです。過去ログ中にも、“名前はもっとも短い呪文”という言葉がでてきたように記憶しているのに。  私は、自分の小説にでてくる人物名を考えるのもあまり得意ではなく、ひるがえるに自身の名前となると、いったいどうしたものやら。あまり仰々しい名前もどうか、華麗な名前もいかがなものか。なんとかしぼりだしてみたのが、凡野一二三(ぼんの ひふみ)です。  前の二件とくらべれば大部まともだと思いますが、どうでしょうか?  みなさんはどうやって、自分のハンドル名、およびペンネームを考えているのでしょうか。新木さんの場合、ハンドル名“あんらっきい”から三文字ぬいた、という話は過去ログで読ませていただきましたが。 >小説家志望とのことですが、ジャンルはなんですか?  ライトノベルです。  かなりどうしようもない理由をあげると、小説を書くうえで、ファンタジーならば資料がすくなくてもよさそうだ、というのがあります。ファンタジーを書くならライトノベルしかなかろうと。  もっとも、ありふれたファンタジーでは厳しいと思いますが。  過去ログを読んでいると、いったい何冊ぐらい小説を読んだことがあるのか、という話題がありました。  みなさん数多く読まれていて――小説家を目指しているからあたりまえなのでしょうが――すごいものだ、と思いました。  私の場合、一〇〇冊ちょいぐらいしか読んでないようです。その内、ライトノベルに属するであろう小説は、えーと、“ロードス島戦記”、朝日ソノラマの“聖刻1092”、それと、うーん、富士見文庫の“グラマリエの魔法家族”は違うような気がする……ぐらいしかない。全部古いのばかり。あとは時代小説が多いです。  かわりに漫画がうじゃうじゃと。“マップス”も全巻もってたり。  まずは小説を数多く読んだほうがいいんでしょうねえ。  さて、これからの私なのですが、とりあえずどうしたらよいのでしょう。  過去ログを参考にしながら、テーマ、あらすじ、プロットの順番で書いた短編(原稿用紙三七枚のものと、九〇枚ほどのもの)があります。  私の現在の力量をはかるうえで、これらを新木さんにメールで送るのがよろしいのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 世にいびりの種は尽きまじ No.6794 投稿日 2003年8月7日(木)02時45分 投稿者 弟切 千隼  昼間の暑さに負けて、夜行性になりつつある弟切です。しかし一応会社員なので、ある程度は周囲に合わせなければならず、完全な昼夜逆転生活にはなれません。 >>いびりのパターン  前回の書き込みNo.6792で、いびる側のストレスの原因のありかと、言っていることが実行可能かどうかにより、いびりのパターンが9つあることを見出しました。今回は、 >>1)いびられる側にだけストレスの原因がある。 場合の3つのパターンについて検証します。  「言っていることが実行可能かどうか」は、以下の3つの場合があり得ると前回検証しましたね。 1)いびる側が言っていることを実行できる。 2)いびる側が言っていることを実行できない。 3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。  まず、1)−1)、「いびられる側にだけストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できる」パターンです。  これはとてもよくあるいびりの構図ですね。家事の達人である姑が、家事が不得手な嫁をいびるとか、十年以上も勤め続けたベテラン社員が、仕事の手が遅い新入社員をいびるとか、体育系の部活動でレギュラーに定着している上級生が、競技ルールもよくわかっていない下級生をいびるとかいった例が挙げられます。  よくあるということは、小説の中にこういう場面を出せば、読者さまに理解したり共感したりしてもらいやすいはずですね。例えば、「家事の達人である姑が家事が不得手な嫁をいびる」場面を出すと、姑と同世代の読者さまには「そうよね、嫁のやり方を見ているといちいち注意したくなるのよね」と共感してもらえるでしょうし、嫁と同世代の読者さまには「そうよね、そう簡単にできるようになるはずはないのに、お義母さんってば口うるさいのよね」と共感してもらえるでしょう。同時に、「家事が得意で口うるさい姑」・「家事が不得手で黙って耐える嫁」という具合に、読者さまにキャラクターを把握してもらうこともできます。  おそらく、この1)−1)のパターンが、最も普遍的で誰にでもそれと認めてもらえる「いびり」でしょう。  次に、1)−2)、「いびられる側にだけストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できない」パターンです。  このパターンは、普通は考えにくいですよね。普通の人間は、自分ができないことを相手もできないからといって責めません。自分ができないことを同じようにできない相手に対しては、ストレスを溜めるどころか共感するものでしょう。  にもかかわらず、このパターンのいびりは存在します。なぜ存在するのかという理由には、以下のものが考えられます。 1.いびる側が、自分が言っていることを自分でできると勘違いしている。 2.いびる側が性格が悪い。理由などどうでもよくて、とにかく相手をいびりたいだけ。 3.いびる側が、実はいびられる側でなく、別のことでストレスを溜めていることに気づかない。  上記の1は、いびる側のそそっかしさや思い込みの激しさを表現したい場合に使えますね。また、途中で勘違いに気づいたいびり役が、いびられ役に素直に謝罪する、などという場面を描いて、いびられ役に共感していた読者さまをほっとさせたり、思い込みだけで物事を見るのは良くないと認識させたりすることもできます。  2を小説で使うとしたら、徹底した悪役の演出に使うしかありませんね。せっぱ詰まった理由もないのに、自分ができもしないことを相手に強要し、できないと言っていびるなんて、どう考えても悪人です。  3は、1)−2)ではなく、別のいびりのパターンですね。このパターンに関しては、後ほど詳しく検討しましょう。  ただ、最初に1)−2)だと思わせて、実は別のパターンでした、という演出には、それなりの利があります。いびり役を悪人だと読者さまに思わせておいて、実はひどいストレスを受けている気の毒な人だった、といった逆転に使えますね。  最後に1)−3)、「いびられる側にだけストレスの原因があ」って、「現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた」パターンです。  これは、ちょっと上記の1)−2)に似ていますね。いびる側の過去が最初から明らかになっているのでなければ、外見上1)−3)は1)−2)に見えます。  いびる側の過去を明らかにしていない場合は、最初にいびり役を悪人と思わせておき、実は理由があってできないことが増えた気の毒な人、と逆転させる演出に使えます。  いびる側の過去が最初から明らかなら、このパターンはやや複雑な演出に使えますね。いびる側の「昔はできたのに」という鬱屈した感情や、いびられる側の「過去の栄光にしがみつくな」という反発を表わせますから。  今回検討した3つのパターンは、どれもいびられる側にいびる側のストレスの原因があるため、「なぜその人をいびるのか」という理由は明白です。単なる八つ当たりとは言えない「いびり」ですね。  次回からは、そうとは言えない「いびりのパターン」を検証します。 -------------------------------------------------------------------------------- カリオストロについて。 No.6795 投稿日 2003年8月7日(木)03時34分 投稿者 凡野一二三  前々回の書きこみで、カリオストロのテーマを調べることについては、もう一度「カリオストロの城」を見てからにします、といっておいてなんなんですが。  今の世には、インターネットという便利なものがあることを失念していました。  わからない部分は検索すればいいじゃない。  というわけで、さっそく調べてみました。ちなみにまだビデオは見ていません。すみません。  まずは疑問点がひとつ。  新木さんから指摘された点、“最後に出てきた水没遺跡も、宝の一種”。  そもそもあの遺跡ってなんなんだっけ?  さっそく調べると、ローマの遺跡でした。  ルパンが遺跡を見て、クラリスに話したセリフです。 「ローマ人がこの地を追われる時、水門を築いて沈めたのを、あんたのご先祖様が密かに受け継いだんだ」  さらに中盤、ルパンがカリオストロ城に侵入する際、 「侵入路はこれしかない。ローマの水道でこっちの湖から城内まで水を引いてるんだ」  カリオストロ公国のご先祖様は、ローマの遺跡があるところに、わざわざ城を建てたようです。  ……なんで?  そもそもこの遺跡の、カリオストロ家から見た価値とはなんでしょうか。  一六世紀から大公家(クラリス側)と伯爵家(カリオストロ伯爵側)の対立が続いています。そんな大公家と伯爵家が一つになるとき、その子孫の前に莫大な財宝が現れるという伝説がある……。  莫大な財宝らしいです。  ローマの遺跡が、莫大な財宝? カリオストロ家が誕生したのは、一六世紀より前のようです。まさかその当時に、観光資源としての価値を見いだしていたわけではないと思いますが。  そもそも、大公家、伯爵家って何だ。  伯爵のクラリスに対するセリフを引用します。 「そうとも、俺の手は血まみれだ。が、おまえもそうさ。我が伯爵家は代々おまえ達大公家の影として謀略と暗殺を司り国を支えてきたのだ」 「それを知らんとは言わさんぞ! おまえもカリオストロの人間だ。その体には俺と同じ古いゴートの血が流れている」  ……ゴートの血? なんだそりゃ。偽札の名前がゴート札ですよね。  ヨーロッパ ゴートで検索すると、ゴート族ってのがいたようです。  西ゴート族は、ローマ帝国を蹂躙していたようです。あげく、ローマを略奪したときに西ローマ皇帝の妹を人質としてさらってます。  ところが、この女性が西ゴート王の妃となります。  彼女は夫の西ゴート王に、ローマ帝国を守ることを説いて、結果、西ゴート王はローマ帝国をゴート人の武力で再興するという演説をするほどになった。  もしかして、再興するために遺跡を守っていた? でもこのゴート族、五世紀ごろの民族なんですよね。ちょっと厳しくはないか?  伯爵のセリフでもうひとつ重要な点。 「謀略と暗殺を司り国を支えてきた」  カリオストロ家は小さい国家です。それでも現代まで、他国に侵略されることもなく生き残り(公王家の人間はクラリスしか生き残っていないようだが……公爵の仕業か?)、いまでは国連にも加盟している。  それは公爵がいったとおり、“謀略と暗殺”で勝ちとったものでしょう。  暗殺はともかく、謀略の件。  ルパンの、ゴート札に対するセリフです。 「中世以来、ヨーロッパの動乱の影に必ずうごめいていた謎の偽金、ブルボン王朝を破滅させ、ナポレオンの資金源となり、1927年には世界恐慌の引き金ともなった……」  金を制する者は世界を制す。各国政府も、敵対する国の偽札づくりを、カリオストロ家に依頼していたようですし。  そこまでして守らねばならない遺跡だった? 己の手を血で汚してまで? 他国に侵略され、国が滅べば、遺跡もあらわにされてしまうから?  実はカリオストロ家の人間がおこなった悪行は、理由があったということ?  伯爵家は、公王家から見れば、捨て駒です。もしも事があらわになるときは、すべての罪は伯爵家がひっかぶる。  そんな両家がひとつになるときとは、暗殺と謀略が必要じゃなくなったということ。暗黒の中世が終わり、世の中が平和になったということ。そのときにこそ、ローマの遺跡はよみがえる……。  悪には悪の理由がある。  ここで結論。再度テーマ提出。 「目に見えることだけが真実ではない」  これならば、ルパンが泥棒であることの説明もできると思います。  普通ならば悪であるはずの職業、泥棒。  そんな泥棒の主人公が、逆に正義を為す。テーマを伝えるのに、これ以上の適役があろうか。  本物とみまごうゴート札、そのゴート札を利用していた国々、政治的配慮を理由に動こうとしない、ICPO。  そんな正義の面をかぶった悪を、ルパンの行動がすべて変えていきます――泥棒の行動が。  しかし……ゴートはやっぱり西ゴートなのだろうか。たぶん、そうだと思いますが。  おまけ。  検索の途中で拾った情報をすこしばかり。  冒頭、ルパンと次元が、公営カジノからお金を盗み出すシーン。  実は五右衛門もフィアットの後部座席に座っていた。もっともお札に埋もれているので、後頭部と斬鉄険しか見えない。  中盤、ルパンが指輪をクラリスに返すシーン。  指輪を、ルパンはクラリスの“中指”に返す。結婚指輪なら本来は“薬指”……事実、クラリスは最初、指輪を薬指にはめていた。つまり「結婚なんてさせねーぜ」という意志のあらわれ。  おそまつでした。しかし宮崎監督、細かい。すばらしい。 -------------------------------------------------------------------------------- いびりとか No.6796 投稿日 2003年8月7日(木)05時52分 投稿者 新木 伸 >弟切 >いびりの分類  分類項目は、もうひとつあるかもしれない。  作品中で使われる「いびり」を分類するには、大きな項目だろう。  いびる側が自分の「いびり行為」を自覚しているか否か。  つまり、「いびっている」と知っていていびっているかどうかね。  嫁姑の関係でも、「いびり出す」つもりで行われるいびりと、自覚なしにやっちゃってしまっている「いびり」とがあったりするわけだ。  後者の「自覚なし」のほうなら、それを自覚させることで、和解に繋げられたりもする。  しかし前者の「自覚あり」のほうだと、別な大きなイベントを起こさないかぎり解決されない。シンデレラが王子様の后になって、「養い子」の立場から抜け出すとか、そういう解決法ね。  物語のなかの「いびり」では、比較的、「自覚あり」パターンが多いのかな? >いびりとエンターテイメント  「いびり」が陰湿にならず、根明なエンターテイメントとして成り立つ場合もある。  いびられる側が、ぜんぜん、こたえていない場合。  自分がいびられているという認識が欠如していたり、いびられていると分かっても、あっけらかんとしているとか。  なぜこれがエンターテイメントとして人を楽しませることができるのか、僕も考察中。  自分の作品中でもよく使っているんだけど、いままで考えたことがなかった。答えを導き出せても教えてやんないかもしれない。興味のある人間は、各自、自分でも考えてみること。 >いびりの科学  両者が緊密な関係で結ばれており、両者の力の差は明確で、片方にストレスがかかっており、その原因がもう片方に存在しているが、いびりそうにないパターンをいくつか発見。 1.夜泣きする赤ん坊。 2.粗相をしたハムスター。 3.粗相をしてしまった犬猫。  「1」の場合、母親は赤ん坊をいびったりしない。いびってしまうとそれは「虐待」といって、まず精神の異常を疑われることになる。  「2」の場合も、ハムスターを虐待する人はいない。  「3」の場合は……、ちと微妙。犬猫あたりは叱るとどうにかなると思われることが多い。叱っているうちに必要以上に叱ることになって、結果、いびってしまう人もいるだろう。  ただこれは、「緊密な関係」に該当しないかもしれない。  両者の立場があまりに違いすぎている。「親と子」とか「飼い主とペット」とか、そこまで関係が離れてしまうと、むしろ緊密さは失われるのかも。  また、相手に「それをする能力がある」かどうかの見極めも関係してくるのかも。  赤ん坊は自分でミルクを作って飲む能力はないし、自分のおしめを取り替えることもできない。よって夜泣きするしかない。  ハムスターも同様。  犬猫の場合は、ペット用のトイレで用を足す能力はあると飼い主が期待しているために、そそうをしたときにストレスが発生してしまうわけだな。 >>普通の人なら切れそうなくらいとろい部下がいるのに、「彼には彼のペースがある」と信じて、ストレスを溜めず、その部下を見守り続けた上司でした。この上司はできた人だったと思います。  これって、「彼にはすぐに仕事をこなせるようになる能力はない」と、上司が見極めを付けたということだよね。いますぐに人並みの速度で上達してはいかないが、必要な時間を掛ければ出来るようになる。そう判断してのことだと思われる。  そして「部下の能力値を個別に見極めることができる」ということをもって、弟切さんは「できる人」と評しているわけかな。  この上司の例においてさらに質問なのだけど。  この上司は、他の部下に対しては、どういうふうに接していたの?  たとえば、この「とろい部下」のほかにも、「できる部下」もいるわけじゃん。できる部下のほうには、適度にビシビシやって負荷をかけていたのだろうか。  それとも全般的に「マイペースでいいよ」という方針だったのだろうか。 >いびりの効用  いびりっていうのは、必要悪の潤滑油、ではないかという考え。  このあいだ紫と音声チャットで話していて……。  「集中力のスイッチを入れる」という感覚を、紫が一向に身につけられないことに対して、いびり抜いていたりした。  プログラマーの仕事では「スイッチを入れる」ということができているのに、どうしてそれを小説に応用できないのか、とか。  そのとき紫にひとつ質問をした。  「こうやっていびられることで適度にガス抜きしつつ関係を持続させてゆくのと、ぜんぜんいびられないけど、そのうちドカンと爆発して関係が終了しちゃうのと、どっちがいい?」てな質問。  無論、紫は、前者の「いびられるけど続く」ほうを選択したわけだけど。  嫁姑問題なんかでも、思い詰めた余り凶行にはしる――なんてことになるよりも、まだ適度に「いびり合い」でもやりながら、最悪の結果を回避していたほうがいいわけだな。  もちろん、ストレスが溜まらず、そもそもいびる必要もない状態というのが理想であるのはいうまでもないが。 >掲示板上でのいびり  掲示板上だと、日常生活の中とは、若干条件が変わってくる。  日常生活のなかで普通に行われる「いびり」という行為は、相手の「降参」サインによって終了する。そのサインを受け取ることで、いびる側のストレスは発散され、いびられる側も、そのサインを送ることでいびりが終了するので安息を得られる。  いわゆる「降伏の儀式」っていうもの。犬なら鳴くか腹を見せるか。サルならマウンティング。人間でも似たようなものがある。他の哺乳類とは違って、明確なひとつの行動様式ではないが。  しかし掲示板だと、そのサインのやりとりがうまく行われないことがある。  理由は2点。  ひとつめは、ログが永久に残るということ。  ふたつめは、いびる側といびられる側、その片方――もしくは両方が、文章によるコミュニケート能力に不足していること。  記憶は時間経過によって薄らいでゆく。「いびられた」記憶は、数分もするとすっかり忘れてしまうこともある。  だがログはいつまでも残る。時間経過によって薄まらない。数時間経とうが、数日経とうが、いつまでも「そこ」に存在する。「いびられる」側が読み直すことで、毎回、「いびられた」体験は上書きされて更新されて、新鮮なものに戻る。  降伏のサインの受領がうまく行われないと、「いびり」はいつまでも終了しない。  これはどちらの意識にも悪影響を与える。  「いびる側」は、「いびる」ことでストレス解消がされない。相手が「降伏のサイン」を出してこない。  「いびられる側」では、自分は降伏のサインを出したつもりなのに、相手が「いびり行為」をやめないことに反発する。そして不信感さえ抱く。  「降伏のサイン」を出したなら、相手はいびりをやめなければならない。それは人間の持つ動物的本能に組み込まれた「ルール」だからだ。よって相手が重大なルール違反をしているように感じる。  コミュニケーション能力の不足の原因も、やはり2点。  サインを受け取る側と、送り出す側、双方の問題。  「いびる側」の読解力が不足している場合には、相手がサインを正しく発信していても受け取ることができない。  また「いびられる側」の能力が不足している場合もある。  文章を書き慣れない初心者の多くは、「自分の思ったことは伝わるはず」という思いこみを持っている。  自分はたしかに「降伏のサイン」を心に浮かべた。よって、たとえ書いていなくとも、それは相手に伝わっているはずだ――という誤った先入観から抜け出せないことがある。 -------------------------------------------------------------------------------- そのほか No.6797 投稿日 2003年8月7日(木)05時58分 投稿者 新木 伸 >盆梅会さん >ハンドルについて  「凡野一二三」  このハンドル、ボツです。  理由は自分で考えてみること。  そしてその考察を、ここに発表すること。  それから、他に出してきて、そちらで正式決定するまでは、「盆梅会(ぼんばいえ)」っていう、最初に出してきたハンドルを便宜的に用いること。 >読書量について  小説を読まずに小説を書く小説家は、じつはけっこういたりします。  ライトノベルを読まないライトノベル作家とか。べつにめずらしくはないですし。  また小説自体を読まない作家もいるでしょう。  ただ、本当にまったく一冊も読まない――だと、小説作法さえ身につけることができませんから、ここでいう「読まない」っていうのは、まあ100冊以下とか、そんな数ってことで。  ただその場合には、他のメディアのものを、山ほど読んでいたりします。  ようはどれだけ「物語」というものに触れているか。そこが肝心なのですね。  「物語」を摂取したものの大半が漫画でもかまいません。たとえば漫画喫茶に行ってとき、そこにある漫画の半分は読んでいるとか、そんなことであれば、ぜんぜんOK。  または「映画」が主要な「物語源」であるなら、小さめのビデオ屋なら全部観ちゃっているとか。  同じ時間を費やすとして、いちばん多くの「物語」に触れようというなら、漫画が一番でしょう。  単位時間当たりに吸収できる「物語量」の関係でいえば、以下のようになります。      漫画 > 小説 > 映画、アニメ > ゲーム  漫画がトップで、ゲームがいちばん「時間 対 物語量」の効率が悪いです。 >作品について  作品は、メールだと他の人が見ることができないですね。  以前なら「よみかく」に上げてもらっていたところですが、最近は停止状態なので、「課題部屋」のほうによろしく。  また、そのプロット付きの短編が、ここ最近に書いたものならいいのですが。  しばらく前に書いたものなら、いま新たにひとつ書き起こしてきて、そっちのほうを上げてください。  「最近」と「しばらく前」の基準の目安は、二十代後半という年齢を考え合わせて、「ここ数ヶ月以内」ってところでしょうか。  ちなみにこの目安、十代あたりだと「ここ1ヶ月以内」とかになります。  また四十代あたりだと、「ここ数年」とかになったりします。  鉄は熱いうちに打て――と言いますが。  二十代後半という年齢は、もう下り坂の真っ最中なのだと自戒すること。 >カリオストロの城の考察  なんだって、そう、近視眼的な状態のまま、作品全体の結論を出しちゃうのかな。  結論を出すことに、飛びつこうとするのか。  それはゴートって設定「だけ」を掘り下げていったときに出てきたものでしょう?  作品のほかの部分にあるものを無視しちゃって、そこだけで、「これがこの作品のすべてなのです」と言い切っちゃうのは、それ、どうですか? >タイトルとか  自分のハンドルを決められない件。  ああ、そっか。  すると盆梅会さんの場合、自分の作品のタイトルも決められないわけですね。  ハンドルネームだろうが、作品名だろうが、商品名だろうが、すべからく名前を付けるという行為は、「ラベルを貼る」ってことなわけです。  中身が、なんであるのかを端的に表すということ。  ピクルスの瓶に「ピクルス。2001年物」と貼ってみたりするわけです。  自分の筆名を自分で決めるということは、自分で、自分の中身を客観的に観察して、それに相応しいラベルを貼るってことです。自分の中に詰まっているのは、ピクルスなのかジャムなのか、それとも海苔の佃煮なのか。  この場合は作家としての名前なわけですから、どういう作品を書いてゆくのかで、名前が決まります。  僕の場合は、自分の惚れこんだ「ライトノベル」というジャンルに骨を埋める覚悟でしたから、「新木伸」としたわけです。  「あんらっきぃ伸」から3文字抜いたというのは、単なる発想のきっかけです。  SFに惚れこんでSFに骨を埋めるつもりの作家は、SF作家っぽい名前を付けますし。ミステリー作家は、ミステリーっぽい名前を付けます。  同様に、ギャグ作家はギャグ作家っぽい名前を。  恋愛小説家は恋愛小説家っぽい名前を。  作家のペンネームっていうのは、「屋号」なんですね。  ラーメン屋がラーメン屋だと分かる名前をつける。  焼肉屋が焼肉屋の名前をつける。  それとまったく同じこと。  ――で、なぜ「盆梅絵」〜「平凡人」〜「凡野一二三」では、NGでボツなのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 高校生の「家庭家」について No.6798 投稿日 2003年8月7日(木)14時51分 投稿者 新木 伸  2名のROMさんから、メールにて、情報提供を受けました。  お二人とも現役高校生。しかも願ってもない公立校。  ありがたくて涙が出ます。  とりあえず、その2名からの情報で足りそうなので、もう大丈夫です。  いまはまだ、質疑応答中。  まとまったら、皆のために、ここにも要約をアップするつもり。 -------------------------------------------------------------------------------- 一週間か No.6799 投稿日 2003年8月7日(木)17時28分 投稿者 望月京路  なんだかんだで、やっぱり遠ざかるなあ。  エディタにレスは書いても、ノートパソコンに書いたものなので、ネット環境のあるパソコンにデータを移さねばならず。ネットにつなぐのも、一日に一度あるかないかだし。  まあ、ぼちぼちいきます。 >一番わかりやすいということ >>ここで、「一番わかりやすい」てのは本当のことか?  本当のことじゃないです。  というのも、比較の結果ではないからです。  なんかよくわかりませんが、それが一番であるという謎めいた確信を持っていたのです。  恐らく、それはくだんの手抜き心から生まれたものでしょう。  でもまあ、プランなら、今出してみます。 1、女の子一人称 2、女の子三人称 3、  ……ああ。改めて考え出そうとして、わかった。結局のところ「他者から見る」というアプローチは、まったくもって考えていなくて、考えようとすらしてなかったことに。  つまり、「無意識に切り捨てた」のでなく、まったく考えていなかった。本当に、この二つしかそのころは考えてなかった。  で、一人称と三人称のうち、三人称を選んだ。  近ければ近いほどよく見れる、という考え方からすれば「一人称」のほうがいいのですが。以前書いたように、都会の女の子を書く自信がなかった。ゆえに、三人称を選んだわけです。  しかし、いい機会なので、ある対象を描くアプローチにどんなものがあるか、考えてみるか。  例えば今回の「都会からきた女の子」を描くのであれば、見せるべきは「女の子の都会色」である。なんか、都会っぽさ。  で、それを出せる舞台はとりあえず田舎だろう。都会と対極にある場所だから。  もちろん、都会の中で都会っぽさを出す手法もあれど、それだと「都会っぽさ」に埋没してしまう。主人公(話の中心)は「都会っぽい女の子」にあり、都会っぽさそのものではない。都会の都会っぽさの中では、女の子の都会っぽさは映えない。  でも、田舎でなくてもよかったと言えば、そうかも。山登りでもいいし、アフリカのサバンナでも、江戸市中でも。とりあえず、都会外で、都会とは離れた環境であれば。  あ、でもアフリカや江戸にすると、都会以前に文化や時代の違いが現れてしまって逆に都会っぽさが出ないか。  で、視点。  女の子視点、というのが最初に出てきた候補ですな。都会の生活に慣れきった女の子から、田舎の生活のギャップを語らせるという手法。  で、他の人視点。今回小生が書いたのは同世代の男の子ですが。すなわち、田舎側から都会の女の子を観察する手法。上のが「内側から見る」というのに対し、「外側から見る」というアプローチです。  他にも、色々あるなあ。内であり外、という位置として、女の子の親視点とか。女の子の友達視点(都会でありながら田舎肯定派)とか。  あ、そもそも女の子を田舎肯定派にする、という手法もあるか。いや、でもツッコミがいなきゃつまんないかも。  で、何をメインに書くか。  何のシーンか、ということ。何をさせれば、どんな状況におけば、何を通せばより都会っぽさが出るか。  そもそもの都会っぽさとは何か、という部分でありますが。最初のやつでは「暑さ・冷房器具のなさ」を通じて「クーラー生活に慣れすぎ」という女の子の都会っぽさを出そうとしました。他にも、虫が多いとか、星が綺麗とか、携帯が圏外とかでも表現できます。  田舎属性に触れた女の子の反応で都会っぽさを見る。いわば逆説的手法ですな。これ。  それじゃあ、正統的な手法とはなんだろう。  やっぱ、都会の中で都会っぽさを描く、という方法なのだろうか。  「常にクーラーがある生活」を描くのであれば、常にクーラーを浴びている姿を書けばいい。  なんか、普通のことのような気がする。そして、普通のことを書くのは難しい気がする。先に「埋没してしまう」と書いたけれど。  ふむ。次は、都会を舞台にして書いてみますか。かなり自信ないですけど。 >アルマが重いこと  いやまあ、なんでアルマが重いか、作者として一応わかっているつもりではありますが。  今までのこともあり自信なさげ。  カヤもアルマも二足歩行型で、大きさはほとんど人間と変わらず。身長はカヤが180センチほどで、アルマが160ちょいくらい。  自重のみならむしろアルマのほうが軽いです。150キロくらいかな。近距離戦闘を想定したカヤと異なり、支援機なので装甲がそんな厚くない。  でも、バックパック(約100キロ)とグレネードランチャー(約40キロ)を担いでいるので、結果としてカヤよりもかなり重くなるわけです。  ……で、こういうことを伝えるだけなのか。  うーむ。 ― ― ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  だが、アルマは平然と穴の横を進んでいく。  グレネードランチャーや中味の詰まったバックパックを装備しているので、今はカヤよりも重くなっているはずだ。 ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  とか。  一行目が、アルマは(腐食した床に)平気で向かっている、ということ。  二行目が、装備したアルマはカヤよりも重いということ。(逆にいえば、装備を外せば軽い)  さすがに、「カヤより重いから、床が崩れてしまう可能性が高い」までは書かなくてもわかるだろう。  ……わかるかな?  せめて、匂わせたほうがいいかな。 『アルマが足を踏み出すたびに、床が悲鳴をあげている。』  とかを、加えたり。  すなわち…… ― ― ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  だが、アルマは平然と穴の横を進んでいく。  グレネードランチャーや中味の詰まったバックパックを装備しているので、今は重くなっているはずだ。アルマが足を踏み出すたびに、カヤでは大丈夫だった床が悲鳴をあげている。 ― ― ー ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―  と。  カヤとの比較のための文章なので、「カヤでは大丈夫だった」と加えました。  ただ、そうすると「カヤより重い」という情報が重複するので、「今はカヤよりも重くなっている」を、一部削除。結果的に、二つあわせてみればカヤよりも重い、ということは伝わります。 -------------------------------------------------------------------------------- 主人公が死ぬ効用(逮捕されそうなタイトル)。 No.6800 投稿日 2003年8月7日(木)22時38分 投稿者 魚住 雅則 だいぶ間をあけてしまいました。すみません。 いい訳はなしで、とにかく課題を進めていきます。 >主人公が「死→再生」を経験する意味 ●もともと力を持たない人間に戦闘力を与える理由(必然)となる (主人公を再生するためのエネルギーと戦闘力がセットになっている) 前提となる条件は「生き返った主人公は敵と戦わなければならない」。 バトルをメインにしたエンタテイメントならば、主人公が何らかの戦闘能力を持っていなくてはなりません。 ですが、元々一般人である主人公は何かのキッカケがなければ力を持つことが出来ません。 巻き込まれるというパターンにおいては「死→再生」という過程を挟むことで主人公に自然に力を与えることができます。 人を再生させるには何がしかのエネルギーが必要です。 その正体が錬金技術の結晶、宇宙人の進歩した科学の成果、魔術の力、それ以外でも―― 一向に構いません。 共通している点、そして話の流れとして必要なことは「すごいエネルギー」であるということです。 再生するのに強力なエネルギーを使う。 一つの例として、「そのエネルギーは本来再生のためのものではなくて、他の目的のためのものであった」という場合。 再生以外の目的が何かと言えば、これはもう「戦うための力(戦いに活かしやすい力でも可)」です。 武装錬金は「本来戦う力をもたらす武器を応用して再生させる」という方向ですが、これならごく自然に力を得ることが出来ます。 本来の使用方法(武器)が再生とセットでついてくるのはこれ当然。 「一般人が死に、宇宙人との融合によって再生する」の場合。 再生に使用するエネルギーは本来その宇宙人が持っていて、自分のために使う力なわけです。 それを応用して人を助けるためには融合しかない。そうしないと主人公を助けられない。となれば宇宙人が元々持っている力だってセットでついてきます。 吸血鬼が主人公を助けるため、血を吸って不死の身体にするという場合。 これは特にエネルギーは使いません。 (別に「人間を吸血鬼にするためには牙から魔力を流し込む必要がある」とかにしてもいいんですが) しかし「再生と戦闘力がセットになっている」という点においては同じであると考えます。本来は人間を吸血鬼にして仲間を増やす(吸血鬼にする→戦闘力も与える)ための方法ですから、助けるためであっても必然的に力はついてきます。これもどうしようもないことです。 このように「死亡→再生」というパターンは、 「助けるために行う行為が、必然的に力も与えてしまう」という流れを非常に作りやすい。 特に理由もなく、世界を揺るがす敵とも対等に戦える力を与えるわけにはいきませんから大事なことです。 (別に死→再生でなくて、大怪我→全快でもいいような気もしますが、普通に考えて怪我を直すより生き返らせる方が大変なので「セットで強い力を与えてしまう」という説得力も増します) ●「死→再生」の過程を経ることで、ルール(ペナルティ)を自然に作ることができる。 前提の条件は「不完全な再生」。条件付き復活というか。 不完全な再生という縛りがあるので「死→再生」のパターン全てに当てはまるわけではありませんが、物語を面白くするために利用できます。 たとえば、 「生き返った人間は不死身となる。しかし主(再生させてくれた人)が死ぬと自分も死んでしまう」 というようなルールを作れます。3×3EYESです。 武装錬金なら、 「核鉄は強力な武器ともなるが、壊れてしまうと主人公も死ぬ」というルールがあります。 融合は簡単。一言で済みます。 「離れると死んじゃう」 3つとも自然な流れでルールが作れます。 これは「今は生き返っているが、再生を支えるものがなくなれば元の死人にもどる」というのが非常にわかりやすいためだと思います。 命の元になるものを他から調達するか依存するかしている以上、それが無くなれば死人にもどるのも道理です。 ゲームはルールがなくては面白くなりません。 同様に、無尽蔵に力を使えて、簡単に復活し、どんな敵でもあっさり倒せるような話は全く面白くありません。 様々な制限があり、それゆえ頭をつかって行動するから面白くなります。 (ハンターハンターがまさにそれだと思います。「強力な力(念)を使うためには相応の代償(過程)を必要とする」) 「死→再生」のパターンならば、 掛ける代償は「仮の再生」で、ルールから外れれば元の死人にもどる。そういう制限をつけることができます。 ペナルティが命であれば緊迫感も高まりますから、制限内で知恵を絞るような戦いを描ける。 別に死んでなくても、「監視員がいて、世間に正体がバレたら殺される」といったパターンもできますが、 「元々死んでいるがルール上にいる間は生きていられる→ルールを外れれば元の死人に」という方がシンプルですし、すんなり納得できます。 まだいくつかありそうな感触なので、もう少し考えさせてください。 -------------------------------------------------------------------------------- 暑さを避けて夏眠したいです。 No.6801 投稿日 2003年8月8日(金)02時06分 投稿者 弟切 千隼  生き物の中には、冬の寒さを避ける冬眠という現象があることが知られていますね。同じように、夏の暑さや乾燥を避ける夏眠という現象があります。熱帯に生息するカエルやカタツムリや魚類の一部などに見られます。  酷暑の続く今日この頃、暑さに弱い弟切は、心の底から夏眠したいと思います。さもなければ海へ還りたいですね。きっとホモ・サピエンスに生まれたのが間違いなのでしょう(笑) >>いびりの分析  No.6796の書き込みで、新木さんが、「いびり」の新たな分類項目を挙げて下さいましたね。 >>いびる側が自分の「いびり行為」を自覚しているか否か。 です。これは、新木さんの御指摘どおり重要な項目ですね。  物語の中では、比較的自覚があるいびりが多いという御指摘も注目に値します。これは、おそらく物語の要素を少なく、簡素にして、読者さまのわかりやすさを優先させているためでしょう。  自覚がないいびりの場合は、物語の中に、「自分自身の行動を客観的に見直して、自分が何をしているかに気づく」という「気づき」のテーマが入ってきます。「気づき」が重要な要素となる物語ではないのにこの要素を入れてしまうと、余分なものを入れたことにより読者さまが混乱しやすくなりますよね。  特に『シンデレラ』のような童話では、相手はまだ理解力に乏しい子供ですから、わかりやすさが何よりも優先されます。『シンデレラ』の継母と義姉たちが、どう見ても自覚を持って主人公をいびっているように描かれているのはこのためでしょう。 >>いびりとエンターテイメント >> なぜこれがエンターテイメントとして人を楽しませることができるのか、僕も考察中。 (新木さんのNo.6796の書き込みより)  弟切も考えます。いびりについて考察中だといいますのに、これを考えずにおられましょうか。 >> 両者が緊密な関係で結ばれており、両者の力の差は明確で、片方にストレスがかかっており、その原因がもう片方に存在しているが、いびりそうにないパターンをいくつか発見。 (新木さんのNo.6796の書き込みより)  これについて、新木さんが挙げられた3つのパターンのうち、 >>1.夜泣きする赤ん坊。 については、私も思いついていました。ちょうど「なぜだろう?」と考えていたところです。  新木さんが挙げられた他の例、 >>2.粗相をしたハムスター。 >>3.粗相をしてしまった犬猫。 と合わせて考えてみますと、「いびりとは何か」が少しずつ見えてきますね。  いかに緊密な関係であり、力の差があっても、差があり過ぎると「いびり」は発生しません。力の弱いほう(=いびられる側)が言われたことを実行する能力があるか、少なくとも反論できるくらいの能力がないと、力の強いほうはいびろうという気が起きないようです。いびる側は、ある程度相手からの反撃がないと面白くないと感じるのでしょう。  それでも、力の強いほうがストレスを溜めてしまって、弱いほうを傷つけてしまったりすると、それは「いびり」ではなく「虐待」と呼ばれます。大人に対して圧倒的に弱い幼児に対する「幼児虐待」や、飼い主に対して圧倒的に弱いウサギやネコに対する「動物虐待」という言葉はあっても、姑が弱い立場の嫁に対して行なうのは「嫁いびり」であって、「嫁虐待」とは呼ばれませんね。弱い立場とはいえ嫁も大人で、少なくとも姑に反論できる能力を持っているからです。  「虐待」は相手からの反撃が想定されず−あるいは許されず−、一方的に暴力を揮う行為です。反論する言語能力も、自力でトイレに行ったり食事を作ったりする能力もなく、養育者から逃げることも叶わない赤ん坊に対して大人が暴力を揮えば、それはどうしても「虐待」になりますよね。 >>普通の人なら切れそうなくらいとろい部下がいるのに、「彼には彼のペースがある」と信じて、ストレスを溜めず、その部下を見守り続けた上司でした。この上司はできた人だったと思います。  私が書いたこの例に、新木さんよりさらに質問が寄せられました。 >> この上司は、他の部下に対しては、どういうふうに接していたの? >> たとえば、この「とろい部下」のほかにも、「できる部下」もいるわけじゃん。できる部下のほうには、適度にビシビシやって負荷をかけていたのだろうか。 (新木さんのNo.6796の書き込みより)  お答えします。  私がこの上司を「できた人」と評価したのは、以下の三点が根拠です。 1.部下の能力や性格の見極めが的確で、個別に見極めることができた。 2.見極めるだけでなく、その能力や性格に応じて、適度な負荷をかけて部下の能力を伸ばすことができた。 3.とろい部下に対してもいらいらせず、温厚に接して、能力開花を待つことができた。  これだけのことができる人はなかなかいません。一つだけでもできるようになるのは難しいのに、三つともなんて……尊敬に値します。 >>いびりの効用  実は、文化人類学的に見ますと、これは興味深い命題です。これに関しては次回以降に書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6802 投稿日 2003年8月8日(金)04時45分 投稿者 新木 伸 >望月 >>でも、バックパック(約100キロ)とグレネードランチャー(約40キロ)を担いでいるので、結果としてカヤよりもかなり重くなるわけです。  アホタレ。  ようやく俺にもわかったよ。  アルマが重いんじゃ、ねーじゃん。  それはアルマの「荷物」が重いんだよ。 >>だが、アルマは平然と穴の横を進んでいく。 >>グレネードランチャーや中味の詰まったバックパックを装備しているので、今はカヤよりも重くなっているはずだ。  なに言いたいのか、まるで、わけわかんねー。  「平気で向かっている」って書いたら、本当に、平気で向かっていることになっちゃうだろ。  この一行目にはまったく意味がない。アルマが普通に穴の横を進んでいったということしか、書かれていない。  ここはカヤ視点なんだし、その前の部分で穴の腐食具合について言及しているわけだから、カヤとしてはヒヤヒヤして見ているわけだろ。そういう感じを出さないのなら、「ただ普通に穴の横を通った」なんて意味の一行は、まったく不要だ。  二行目はアルマが重いわけではないのに、「アルマは重い」なんて変な結論に持って行っちゃっているから、おかしくなるんだよ。  重いのは、アルマの「荷物」なんだよ。  書き直してこい。  ――と思ったら、もう書き直してきているわけか。 >>だが、アルマは平然と穴の横を進んでいく。 >>グレネードランチャーや中味の詰まったバックパックを装備しているので、今は重くなっているはずだ。アルマが足を踏み出すたびに、カヤでは大丈夫だった床が悲鳴をあげている。  「荷物が重い」という路線で書き直そうとしているのは、わかるけど……。  これもダメ。  なぜなら、「アルマは荷物をたくさん担いでいる→よって床に与える負荷は大きい」という、無駄な思考と理解とを、読者に要求してしまうから。  これを読むときに読者は考えなくてはならない。この部分の文章を読むときに目を止めてしまう。  こんな駄文が1ページに2つも存在したら、もうそこで読んでもらえないよ。ポイっと投げ捨てられるに決まってる。 >>カヤとの比較のための文章なので、「カヤでは大丈夫だった」と加えました。  アホかい。  ここは三人称とはいえ、カヤ寄りの視点だろうが。カヤから見ているのに、「カヤでは大丈夫だった」なんて書けないだろ。カヤがひやひや、ハラハラしているように書かなきゃならないの。  しかし……、これ以上は、やらせてもまだ無理かなぁ。  たぶん出ない。  まあOFFとかの現場でだったら、これ以上のものが出せそうか出せなさそうか、計りながらやれたりするのだが。  とりあえず、手本を示しておく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  だが、アルマは平然と穴の近くを踏んでゆく。  中身がぎっしりと詰まったバックパックを担ぎ、さらに弾頭を五つも備えたグレネードランチャーまで下げているというのに、ぜんぜん危なげがなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  あくまで「荷物が重い」の路線で書いてある。  そしてここでのポイントは「重い」ということなので、「重い」という言葉は使わずに、「重い」を描写している。  カヤから見たヒヤヒヤ感、ハラハラ感も、若干込めてある。あんまり入れるとそっちに焦点が移っちゃうから、さじ加減としては全体の成分の1〜2割程度。 >魚住  主人公が死ぬ理由。 >>もともと力を持たない人間に戦闘力を与える理由(必然)となる  そんな説明で納得できるか。  なら死んで生き返ったら、かならず戦闘力が身に付くのか。絶対か? 絶対なんだな? ヒャクマンエン賭けるか?  「理由」とは言い切れないだろ。この場合。  まず作品の要求として、「普通の人間だった主人公に、力を与えたい」というものがあるわけ。  普通の人間じゃ戦えない。主人公は(はじめは)普通の人間にしておかないと、読者が感情移入してくれない。戦い要素を入れないと、少年誌の作品として盛り上がらない。  ――なので、主人公に力を与えなければならない。それが作品としての要求。  そのへんの仕組みは、魚住にもわかっていると思う。 >>人を再生させるには何がしかのエネルギーが必要です。  じゃあ、その「すごいエネルギー」とやらを、そのまんま、主人公に与えちゃえばいいじゃんか。本来は再生のためのエネルギーではなく、戦うための力だったわけだろ?  それ、そのまんま、貰えばいいじゃん。  主人公は、ある日突然、すごい力を授かってしまいました。  そういうことでは、なぜダメなのだ?  よくよく考えてみれば、そっちのほうが設定としては合理的なんだよ。  本来は戦うための力であって、それをそのまま貰って、戦う力を身につけるわけね。死にもしないし、生き返りもしない。そっちのほうが遥かにシンプルってものだ。  なんだって、わざわざ主人公をいっぺん殺して、再生させてるの? そんなまわりくどいことをしているのは、なぜ?  しかも無理矢理設定を付け加えて、「戦うためのものだけど、じつは再生させる力もあったのだ!」とかいうことにしてまで?  なぜいっぺん「死なせる」ほうが、都合が良いのだ? >弟切さん >>3.とろい部下に対してもいらいらせず、温厚に接して、能力開花を待つことができた。  おお。  その上司の人、ちゃんと結果に繋げていたのね。  ただ温厚に接するだけで、良い結果をなにも出せずにいたのなら、その上司の人は「管理職」としては無能だよなぁ、とか考えていたのだけど。  その上司の人が、個別に対応を計れるということは――。  まあ仮定の話として、もし「いびられると伸びるタイプの部下」というのがいたとしたら、彼はその部下のことはいびるわけか。そうして伸ばす、と。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前について考察、その他もろもろ No.6803 投稿日 2003年8月8日(金)05時15分 投稿者 盆梅絵  岩手の地は、三日前から暑いです。夕方、半年ぶりにビールを一缶飲んだら、そのまま眠りにつきました。目が覚めたら真夜中、午前三時。  ひさしぶりの酒は効きすぎました。 >ハンドルについて  ハンドルといいますか、名前について。  人の親は自分の子供に、どんな思いをこめて名前をつけるのか。  そんな人間に育ってほしいから。将来、不幸がないように祈りをこめて。  光とか、明とか、陽介とか、これらは文字どおり「明るい」人間になってもらいたいから。  歴史上の偉人とか、漫画のキャラクターとか、アイドルとか、誰かの名前をつけるのなら、そんな人物になってほしいから。  画数での判断なども、同様です。幸福になってほしいから、幸せになる、お金持ちになる、長生きする、そんな画数にする。  ひるがえって考えるに、自分で自分自身につける名前はどうなのか。  そうなりたい、そうでありたい自分。そのままの自分。  筆名ならばどうか。  自分はどんな作品を書きたいのか。どんな作家になっていきたいのか。  それすら把握していないのに、どうして小説が書けるのか。  どうして作家になれるのか。  ハンドルもおなじこと。  この場“よみかく分室”に書きこむということは、作家を志望するということで、ならばそれなりの覚悟をしめさなくてはならない。  なのに「盆梅絵」って。「平凡人」って。「凡野一二三」って。  ようするに新木さんのいいたいことは、 「おまえは何になりたいのか? 何をやりたいのか? 何を書きたいのか?」  ということだと認識しました。  ここまで考察して、ようやく“名前はもっとも短い呪文”の意味を理解しました。  新しい名前なのですが、ここまで考えると、さらに「ようわからん」という状態です。思いつきません。まずは自分は何を書きたいのか――“本当は”何を書きたいのか――をつきつめて考えないと……です。  もうすこし時間をください。 >カリオストロの城について >なんだって、そう、近視眼的な状態のまま、作品全体の結論を出しちゃうのかな。  まったくおっしゃるとおりです。  といいますか、私のなかではもう、カリオストロのテーマは 「目に見えるものだけが真実ではない」  でかたまっちゃってたようです。  今回の場合だと、ゴート札のゴートが、“西ゴート族”だとわかった段階で暴走してしまったようです。そのまま突き進んでしまったわけです。  こちらも時間をください。  ただ、テーマはこれであってると思っちゃってるんですよね……もう一度、最初から見なおしてみます。リセットだなー。 >作品について  それでは、課題部屋のほうに上げさせていただきます。これは一週間前に書いたものなので、最近“一ヶ月以内”に入ります。  原稿用紙三七枚、プロットたてるのに四時間ほど、原稿を書くのには九時間ほどかかりました――遅い。  タイトルは「おそいよ」です。 >鉄は熱いうちに打て――と言いますが。 >二十代後半という年齢は、もう下り坂の真っ最中なのだと自戒すること。  二十代後半は下り坂の真っ最中ですか。 (しばらく目を閉じる)  ――頑張ります。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6804 投稿日 2003年8月8日(金)10時34分 投稿者 新木 伸  今日はこれからエンターブレイン、エンタメ大賞の授賞パーティ。  ああ、床屋行ってこなきゃ。名刺も刷っとかなきゃ。現場で打ち合わせするから、このあいだ書き上げた短編、プリントアウトして持っていかなきゃ。あたふた。 >望月  書き忘れ、ひとつ発見。 >>なんかよくわかりませんが、それが一番であるという謎めいた確信を持っていたのです。 >>恐らく、それはくだんの手抜き心から生まれたものでしょう。  違うよ。  手抜き心とは違うだろう。  それはたしかに「一番」だったことは間違いない。  お前の錯覚には根拠がないこともない。  「一番最初に出てきたから」というのが、その根拠ね。――な? 「一番」は一番だろ。  ちなみに、考えられる視点を、すべて洗いざらい出してみたあとで、そこに順位付けをしてゆくと、以下のようになる。  他者視点から観察 > 複数人物、三人称視点 > 女の子のみ、三人称視点 > 女の子のみ、一人称視点  「女の子の都会っぽさ」を書きやすい順ね。  こうした順位付けを考慮しつつ、自分の文体の特性やら、それぞれの視点の得意不得意さやら、キャラクターが得意か苦手かとか、いろいろな要素を考え合わせて、どのアプローチで書くか決定するわけ。  それが正しい筋道というもの。  そうした「やるべきこと」を、まったくやってないわけ。  つまり書く前から、もう「お話にならん」ことが決定しちゃってるわけ。  ――んで、思考開示を読んでみる。  なんだよ。  こっちでも「お話になっていない」点を、また発見してしまった。  「都会っぽさ」ってなんなんのか、わかってないのか。  それで書けるつもりでいたのか。  話にならんな。  都会っぽさの正体を掴まないで、書けるわけ、ねーだろ。 >盆梅会さん  「盆梅絵」でなくて、「盆梅会」と名乗るように指示しましたが。  なんなら「名無し君2号」とかでもいいですが。  それらが嫌なら、早く名前決めましょう。  また名前を決めるまでに猶予期間を作るということでもいいです。  たとえば「プロデビューするまで」とか、具体的な期間を決めて、それまでは暫定的になにかハンドルを付けておくとか。  僕の場合は「あんらっきぃ伸」というのがそれにあたっていました。プロになるまでは自分はそんな変ちくりんな生物でいいや、って。(その名前を付けたときには、プロになるつもりなんてぜんぜんなかったんですね。たしか当時17歳くらいでしたし。シャレで付けたハンドルですし)  カリ城のテーマのほうは、それ、いわゆる「エウレカのトラップ」に引っ掛かっちゃってる状態です。  「ゴート」という設定を調べていったところで辿り着いたものは、いままで見つけていなかったものだったわけですね。なにか素晴らしいもの。  そのとき、「これだーっ!(キュピーン)」と思ってしまった。  思考することに慣れていない「思考貧乏」の人が、よくなります。  弟切さんが、よくやっちゃってますよね。  最近はだんだん慣れてきて、僕に指摘されるまえに自分で気づいていたりしますが。  「エウレカ!(わかったぞ)」と思ったときの知的快感ってのは、すごく大きなものなんですね。いままで苦しい思考を続けてきたわけです。たいへんたいへん苦労してきました。そろそろこのへんで、その労力の埋め合わせが欲しいと思っちゃうわけです。それが人情というものです。  座りこんで安堵しちゃっているその状態から、「でもこれは違う」とか、「これはこれで一時棚上げにしておいて、別も探してみるか」と再び腰を上げるためには、いま「現実」として手にしているその「快感」を、手放さなきゃならないわけです。  砂漠を放浪してきた人間が、小さなオアシスを見つけて、そこから離れられなくなるようなものです。本当は探しつづけてきたのは無限の水をたたえた「大河」であって、そんな小さな干上がりかけたオアシスじゃなかったはずなんですけと。  そんな一時的な快感や安堵感なんかより、真実のほうが遥かに重要なはずです。  初志貫徹しないで書かれた小説なんぞ、ただの駄作です。そんなことばかりやっていても、まともな小説は書けません。よってその癖は、この分室では矯正されます。  とりあえずその悪い癖を直してゆくための方法としては、「思考することに慣れる」という路線が見つかっています。  思考の体力(新木語)がなくて、砂漠を歩くのがつらいから、オアシスにしがみついちゃうわけですね。  超人的な思考の体力と、暑さへの耐性を身につけさえすれば、砂漠を歩くのは苦になりませんので、オアシスにしがみつく理由もなくなります。  作品について。  帰ってきてから見ます。ただ実力を計るために見るのであって、読むわけではないので、感想やら指摘やらは期待しないこと。  ただ、37枚を9時間で書いたとなると、それ、「遅い」のではなくて、たぶん「早すぎ」ですね。  やるべきことをやらず、ちゃんとしたやりかたで書いていないために、早くなってしまっているだけなのでしょう。  んで、あらすじですが。  800字、200字、100字、50字も、それぞれ1個ずつよろしく。  あと、400字のほうも、あれではあらすじになっていないので、全面書き直し。  それぞれの字数版のあらすじを書かなければならない理由と、400字版のどこがだめだったのかということは、考えることも練習のうちなので、いちど考えてみてください。  考えて、それぞれの字数版を作って、400字版も書き直したうえで、それでもわからない場合には教えますので。 >>二十代後半は下り坂の真っ最中ですか。  下り坂です。  ここから一人前になろうとしたら、十代後半の人たちの、数倍の努力が必要です。  二十代前半の人とくらべても2倍くらい。  んで、小説修行なんですが、半分、体力勝負ってところもありますが。  そちらのほうは大丈夫ですか?  前のほうで「思考の体力」ってありますけど。ひとつのことを考え、筋道だった思考を続ける持続力という意味合いです。これを支えるのは、半分は、体力です。  また3時間程度の時間は、全身全霊を込めた全力の集中状態(新木語で「スイッチが入る」)に入れないと、ろくなものが書けません。  僕は生課題では3時間の完全集中を要求しています。  終了後には、へろへろになって、その日の残り一日、他のことは手につかないくらいに疲労困憊するぐらいの「集中」です。  マラソンで10キロ走るくらいでしょうか。  脳という器官の酸素消費量は、全身の25%もあります。3時間の集中は、全身運動1時間ぐらいの負荷を、実際に肉体に与えます。  僕も執筆した日は、とても腹が減ります。  基本的に、僕はそれを「毎日やれ」と言っています。  体力的な問題で、できそうにないのでしたら、早めに言っておいてください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6805 投稿日 2003年8月8日(金)13時58分 投稿者 新木 伸 >望月  言わないとやってこないかもしれないから、言っておく。  僕の書いたサンプルを分析すること。  「カヤのヒヤヒヤ感」が、どこにどのように込められているのか。  あの二行から、アルマを見ているカヤの心理の動きは読み取れるはずだ。カヤの視線はどう動いていて、なにをどのような順番で見ていったのか。そしてそのときカヤは、何を考え、なにを思ったのか、それを述べよ。  またあの文章で最重要であるはずの「荷物が重い感」は、どのように込められているのか。  こんな質問。中学生の国語レベルだよな。  やい、中学生以下。それでも本当に大学生なのか? >盆梅会さん  そうそう。  6767の書きこみで、ひとつ指摘しようと思っていたことがあったのだけど。 >>私は別に、どちらでもよかったりしますが。どちらかにしろといわれれば賛成。特に深く考えず。  これはいったいなにに「賛成」しているの?  「覆面問題」に賛成――じゃ、これは日本語として意味が通らないし。  「覆面を付ける」に賛成?  「覆面を外させる」ほうに賛成?  あと、理由を書かずに意見だけ述べる無責任な姿勢は、ここじゃ認められませんのでそのつもりで。「深く考えず」なんて書くことで、考えることを放棄しちゃう宣言なんてのは、もってのほか。  同様に、「○○という話はとても面白い」とか、それだけ書いても叩かれますので注意すること。面白いということを、面白いと書くだけでは他人にはなにも伝えられません。どこがどのように面白いのか、その理由を誰にでもわかるように説明しなければならないわけです。  理由はきちんと考えてくること。考えないのなら、いっそ、口を閉ざしていること。  また考えようとして、考えきれない場合にはその旨を書くこと。自分一人で手に負えそうにないなら、答えを見つけ出すために他人の手を借りるという姿勢も、ここではOKですから。 -------------------------------------------------------------------------------- >望月 No.6806 投稿日 2003年8月8日(金)14時29分 投稿者 新木 伸 >望月  そうそう。  また書き忘れ。  あちこち出歩いてると、いろいろ思いつくけど、メモしてないとすぐ忘れちゃうなぁ。  思いだしたので、いま書いておく。  ええと、作品タイトルなんてったっけ。カヤとアルマの出てくるその話。  たしか電撃大賞に送って、一次にもかすらないで落選したんだよね。  かすりもしないようなものなので、いままでまったく問題にしていなかったけど……。  電撃からは、「鉄コミュニケイション」なる作品が出ている。漫画版と小説版とでストーリーが全然違うんだけどね。  その漫画版のほうに、ストーリー的にそっくりなのだが。  人間の少女が冷凍睡眠から戻って、ロボットたちに受け入れられて仲間となり、そしてもうひとり残っていた人間の少年が、世界を破壊するための鍵として少女を利用しようとする。  ――てな部分。  これは意図的にパクったの? それとも偶然?  もしパクったのだったとしたら、論外だわな。  偶然だったのだとしたら、調査不足。自分が送ろうとする出版社の全作品ぐらい、リサーチしておけ。  すでにその出版社で似たようなものがあるということは、すくなくともそれを越えなければならないってこと。越えられるのか? 越えているのか? あんなので?  越えていないのなら、送るだけムダってもの。  また、漫画版と小説版(こちらは秋山瑞人が書いている)だけど、ロボットとはいかなるものかとか、色々と参考になる部分もあるから、ふたつとも読んでおけ。  あそこまでやって、それが商業水準なのね。  あそこまではいかないと、商品にならんということだ。  望月の書いた話のなかの「ロボット」って、すべて2足歩行の人型なんだよね。もうそのへんからして、えらくチャチい。だいたいロボット同士の会話で、音声やら言語やら、そんなへんなもん使っているしー。 -------------------------------------------------------------------------------- 野分立つ No.6807 投稿日 2003年8月9日(土)00時35分 投稿者 弟切 千隼  台風10号が日本列島に上陸しようとしていますね。もう上陸したでしょうか?  今、西日本はきっと嵐で大変でしょう。関西方面にお住まいのとんびの羽根さんや巻島さんや魚住さん、大丈夫ですか〜? >>いびりの分析  No.6794の書き込みの続きで、いびりのパターンを分析します。  今回は、No.6792に書いたいびる側のストレスの原因のありかのうち、 >>2)いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因がある。 場合の3つのパターンについて考察します。3つのパターンとは、 >>1)いびる側が言っていることを実行できる。 >>2)いびる側が言っていることを実行できない。 >>3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。 によって分けられるパターンのことですね。  ストレスの原因がいびられる側とは関係ないとすれば、「なぜその人をいびるのか?」という疑問が生まれます。何の手落ちもない人が、なぜいびりの対象にされてしまうのでしょう?  その理由には、以下のものが考えられます。 1.いびる側が、いびられる側にストレスの原因があると勘違いした。 2.ストレスを発散したいがために、たまたまいびる側の身近にいた人を対象にしただけ。いびる相手は誰でもよかった。  1の場合は誤解に基づいたいびりですから、いびる側が真のストレス原因のありかに気づけば、あっさりいびりをやめる可能性が高いですね。  ただし、ストレス原因のありかに気づいても、それを取り除ける見込みがなければ、ストレスを発散するためにいびりを続けることもあり得ます。この場合は、いびられる側に落ち度がないことを承知のうえでいびることになり、上記の1から2へと変化したことになります。  2の場合は、いびられる側にとってはたまったものではありませんね。自分に落ち度があるなら「ある程度はいびられても仕方ない」と思えても、全く関係ないことでいびられるのはどうにも納得できないはずです。  2の場合、いびる側が「いびっている」という自覚があるかどうかで、キャラクターがずいぶん違ってきますね。自覚がなければ、自覚した時点で素直に反省していびりをやめる可能性があり、それほど悪人にしなくても済む方法があります。ところが、自覚していびっているとなれば、これはひどく性格が悪い人としか言いようがありません。 「ある人に全く落ち度がないのに、それを承知のうえで、たまたま身近にいたからという理由だけで、明確な自分の意志でもってその人をいびる」 人なんて、性格極悪人と言ってよいでしょう。  いびられる側に落ち度がないのに、なぜいびられるかという問題が片付いたところで、3つのパターンを検証します。  まず、2)−1)、「いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できる」パターンです。  これは、例えば「ベテラン社員が新入社員をいびる」場合にありがちです。  新入社員が仕事ができないのは当然ですね。いずれはなるにしても、いきなりベテラン社員と同じ仕事をこなせると期待する人は、通常はいないでしょう。したがって、通常はベテラン社員も新入社員に対してストレスを溜めることはなく、いびりは発生しません。  ところがベテラン社員が、やたら忙しい仕事に就いていたり、上司からプレッシャーをかけられていたりといったことにより、ストレスを溜めていたとします。すると、いらいらしてきたベテラン社員は、いちいち手が遅い新入社員のやることなすことが気にさわるようになります。  ここで「あいつがすべてのストレスの源だ」と思い込んだベテラン社員が新入社員をいびれば、上記の1(=勘違いバージョン)となりますね。「実はあいつは何も悪くないけれども、俺がストレスを発散して平穏に過ごすためにはあいつの犠牲が必要だ」といびる側が思えば、上記の2となります。  と、ここまで書いたところで用ができてしまいました。中途半端ながら今回はここまでとします。次回、上記の説明を補足しつつ先へ進みます。 -------------------------------------------------------------------------------- ハンドルネーム他。 No.6808 投稿日 2003年8月9日(土)04時01分 投稿者 盆梅会あらため、名無し君2号  しばらくは名無し君2号でお願いします。こういうハンドルネームをつける機会もないでしょうから。自分じゃつけませんし、自戒の意味をこめて。  ハンドルネームはデビューするまで、暫定的に適当なものをつけたいと思います。それを考えつくまでもうすこし時間を。 >エウレカのトラップ  知らない言葉でしたので、さっそく調べてみました。そのまま検索しても出てこなかったので、エウレカで検索。  「eureka」エウレカ、またはユリイカ  ギリシャ語で“我、発見せり”という意味を持つ言葉  かの有名なアルキメデスが、王様より王冠が純金かどうか、形を変えずに(つまり鋳つぶしたりせずに)調べてほしい、との依頼をうけたときのこと。  考えても考えてもわからず、気分転換に風呂にはいったそのとき。  風呂からあふれた水を見て回答を発見し、興奮のあまり「エウレカ!」と叫びながら、素っ裸のまま街を走り回った、という故事から。  みなさん知ってらっしゃると思いますが、一応、アルキメデスの回答を以下に。  まず王冠と同じ重さの純金と純銀を用意する。  それらを水がいっぱいにはられた桶に沈め、あふれた水の量をはかる。結果、純銀のほうが多くあふれた。  次に、王冠を同様に桶に沈め、その量を、さきほどの純金であふれた水とくらべる。王冠が純金であれば、水の量は同じになるはず。はたして王冠の水のほうが多かった。  結果、王冠は銀の混ぜものがしてあると判明した。  ちなみにここでアルキメデスが発見したのは「浮力の原理」と呼ばれるもの。  「浮力の大きさは、そのものがおしのけた体積の水の重さぶんの力に等しい」  ということです。  ……これって学校で習いましたっけ。私は高卒ですが、アルキメデスの故事は知ってました。浮力の原理も習ったような……。でもエウレカは知らなんだ。  閑話休題。 >>そのとき、「これだーっ!(キュピーン)」と思ってしまった。  そのとおりでした。すっぽんぽんで走り回ったあげく、それが間違いだったわけで。  たしかに思考するより直感で生きてきたような気がします。直感というより、「なんとなく」で生きてきたような。  カリオストロはいい教材になりそうです。よもや宮崎監督も、こんな使われかたをしようとは思ってなかったでしょうが。 >作品について。 >>帰ってきてから見ます。ただ実力を計るために見るのであって、読むわけではないので、感想やら指摘やらは期待しないこと。  承知しました。 >>んで、あらすじですが。 >>800字、200字、100字、50字も、それぞれ1個ずつよろしく。 >>あと、400字のほうも、あれではあらすじになっていないので、全面書き直し。 >>それぞれの字数版のあらすじを書かなければならない理由と、400字版のどこがだめだったのかということは、考えることも練習のうちなので、いちど考えてみてください。  承知しました。これは明日中にやります。時間がかかりそうなので。 >体力に関して  体力についてはあまり自信がない、というのが本音ですが。  ただ、いまは別に仕事しているわけでもなし、完全休養状態なので、なんとかついていけると思います。 >「覆面問題」の賛否  これは覆面を“着用することに”賛成です。  ここで“深く考えず”と書いたのは、恥ずかしかったからです。それと深く考える必要もなかったから。  理由。  私はプロレスファンだからです。だからレスラーのやることはだいたいオッケー。  なにが恥ずかしいのか?  プロレスが好きだって知られることがですよ!  プロレスにたいして興味がない人間に、こちらがプロレス好きだと知られた瞬間。  まるで地面にへばりつき、ぴくぴくと体を震わす死にかけの蛾を見つめるような視線と、野球の試合でただひとり、サッカーのスパイクを履いている者を見つけたときのような半笑いで、 「へー、そうなんだー」  とのたまい、  その後の、 「長州ってまだやってんの?」(まだ現役です) 「八百長でしょ?」(うるさいな) 「PRIDEのほうが面白いだろ」(そうですか?)  等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。  無意識の悪意ほどタチの悪いものはないよ! 本当は意識しているくせに! 透けて見えるんだよ!  ……そういう事態がおきないかぎりは、そういう人たちは善良な方々ですので、ならば私は貝になろう、けして秘密は漏らすまいぞ、という具合に暮らしてきました。  だからそこで“深く考えず”などと書いたわけです。  結論:だったらそんな話題ださなきゃいいじゃん。  おそまつ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6809 投稿日 2003年8月9日(土)10時03分 投稿者 新木 伸 >カリ城とか >>そのとおりでした。すっぽんぽんで走り回ったあげく、それが間違いだったわけで。  ああ、なるほど。  こんどは「あれは間違いだったのだっ!(きゅぴーん)」とエウレカしちゃったわけね。  だからいいかげん、その癖は治しましょう。 >名無し君2号 >>等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。  この言葉の羅列っていうのは、どちら側が口にしているもの?  「言いたくなっている」のはどちら?  「プロレスに詳しくない相手」が「名無し君2号」に対して言いたがっているということなのか。「名無し君2号」が「プロレスに詳しくない相手」に言いたがっているのか、どっちなのかってことだけど。 >>ここで“深く考えず”と書いたのは、恥ずかしかったからです。それと深く考える必要もなかったから。 >>理由。 >>私はプロレスファンだからです。だからレスラーのやることはだいたいオッケー。  だからここでは思考停止は禁止だって、そう言っているでしょう。  「だいたいオッケー」ということは、OKラインとNGラインとがあるってことだよね。たとえレスラーでも婦女暴行しちゃったらNGだけど、覆面着用を貫き通すことはOK。どのへんに自分の中の線引きラインがあるのか。どうして自分の中の線引きラインはその場所にあるのか。  プロレス好きだということを知られると、なぜ恥ずかしいのか。  その分析は?  プロレスファンが、そのことを知られると恥ずかしがる理由を知っていていれば、作品中で使うことができるでしょ。プロレスファンの登場人物を出して、恥ずかしがらせることができる。  また、プロレスファンが蔑まれている(のだとして)、相手はどうしてプロレスファンを蔑んでくるのか。それを知っておけば、作品中に出せるわな。 >>「八百長でしょ?」(うるさいな)  本当に八百長であるのかないのか。  なぜ自分は「うるさいな」と思ったのか。  もし八百長であるのだとしたら、それはイケナイことなのか。八百長であるということにメリットはなにもないのか?  ここにも色々考えるべきポイントはある。  名無し君2号の思考って、まだまだぜんぜん、物を創る人間の思考になっていないのね。  ぜんぜん一般人の思考だ。  どんなことでも小説に使えるわけ。繋がるわけ。自分のコンプレックスであろうとなんだろうと、すべては「ネタ」になる。  だいたい、「悪意やらいじめ」やらって、向ける側にしてみれば「娯楽」なわけでしょう? それは立派なエンターテイメントだよ。ピエロは笑われることが仕事なんだ。  悪意を持って憎しみを向けられ、そして嘲笑されることが仕事の人もいる。悪役レスラーなんて、憎しみを向けられることが仕事でしょーが。WWFの悪のオーナー「ビンス・マクマホン」とか、いい味だしてるよなぁホント。  いいじゃん、それで。なんか問題あるの?  こちらは娯楽を提供して、お客さんから金をいただく立場なんだよ?  そこんとこ、わかってる?  プロレスファンだとかほざきながら、名無し君2号は、悪役レスラーの「背中」からなんにも学んでないのね。  うーむ……。しかし、やっぱ名前って重要だなぁ。  「名無し君2号」になったとたんに、なにか敬語もさん付けする気もなくなってしまった。  しかし、プロレスファンであること――。  なにをそんなに気にしているのか、まったくわからん。  「マイナー」なことに詳しいというのは、一般的には「いじめ」の対象になることなのかもしれないけど、作家としては「武器」になることなのだけど。  あと、名無し君2号は、ライトノベルというジャンル、ちゃんとリサーチしているのかなぁ。リサーチもしてないで、作家になるつもりなのかなぁ。  アニヲタの歴史に「タイガーマスク」って名作があるので、ライトノベルや少年漫画というジャンルでは、プロレスラーは愛されているものなのだが。  ヲタ繋がりで、ヲタは別のヲタに敬意を払うものだよ。  物語のなかで、プロレスラー系の人物というのは、「どこか変で可笑しいんだけど、でも凄いやつら」てな扱いで出てくることが多い。  プロレスラーそのもの、もしくはプロレスラーをモデルにしたと思われる変人(ファンタジー世界にプロレスはない)が出てくる話、いくつ挙げられる?  ライトノベル、アニメ、漫画、この3つのジャンル内で。 -------------------------------------------------------------------------------- 横から失礼いたしますが、大事な問題なので。 No.6810 投稿日 2003年8月9日(土)17時31分 投稿者 シャニークワ はじめまして、一介のプロレスファンです。 こちら様の本題とは関係ないことですが―― >WWFの悪のオーナー「ビンス・マクマホン」とか、いい味だしてるよなぁホント。 旧・ワールド・レスリング・フェデレイションは、WWF……世界野生生物保護基金……ワールド・ワイルドライフ・フェデレイション(現総裁は大英王国連邦元首たるエリザベス二世のプリンス・オブ・コンソート、つまり配偶者殿下たるエジンバラ公)から類似商標の件で訴えられて敗訴し、現在はWWE(ワールド・レスリング・エンタテイメント)と改称しております。 改称にあたって、WWEチェアマンのヴィンセント・ケネディ・マクマーンとWWEは何億ドルもかけて「GET F OUT」キャンペーンを行いました。 まだキャンペーン不足なようですが、どうかみなさま、娯楽スポーツ業界NO.1団体である彼等のことはWWEとご記憶ください。 よろしくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- WWEでした No.6811 投稿日 2003年8月9日(土)18時08分 投稿者 新木 伸  昔の呼称のほうを使ってしまったとか、そういう深い意図はなくて、たんに覚え違いと、書きこむ前の確認ミスでした。  悪のオーナーがいるのは、WWE。 -------------------------------------------------------------------------------- 家庭科について。 No.6812 投稿日 2003年8月9日(土)20時01分 投稿者 ROM 現役高校生ではありませんが、No.6791 の新木さんのご質問にお答えします。 文部科学省の資料によると、日本の高等学校の家庭科教育は以下の様に変遷しています。 ● 昭和22年新教科「家庭」の創設。 ●23年(24年〜30年実施)「一般家庭」14単位:被服、家庭経済、家庭管理、家族、  食物、衛生、育児、住居の7分野で構成。選択履修。 ●31年改訂(31年〜37年実施)「一般家庭」を「家庭一般」に改め被服、家庭経営、  食物、保育・家族の4分野構成。女子は4単位履修が望ましい。 ●35年改訂(38年〜47年実施)では、普通科女子は「家庭一般」4単位必修。 ●45年改訂(48年〜56年実施)、53年改訂(57年〜平成5年実施)では、すべての女子は  「家庭一般」4単位必修。 ●平成元年改訂(平成6年〜14年実施)で、家庭科は男女とも必修となり、「家庭一般」  「生活技術」「生活一般」から1科目4単位必修となった。 なお、単位制高等学校の増加により、選択科目としての「家庭科」は更に多様化しつつあります。 それに伴い、設備関係も一様ではありませんし、女子だけの科目でもありません。 詳しくは文部科学省のホームぺージか、公刊資料を参照して下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- ふっき No.6813 投稿日 2003年8月10日(日)01時29分 投稿者 巻島翔史  えー、怖いから数えませんが、自分の分室における書きこみの一割ぐらいは、書き出しが「お久しぶりです」になってるような気がするんですが……  とにかく、お久しぶりです(笑)  さて、春先から書いてた中編が一応書きあがりました。結局200枚。思ってたよりふくれたのはなんでだろう?  これ、課題部屋に置いといていいんですかね? まあ邪魔になるなら消しておいてください。  ……あらすじもつけたほうがいいんでしょうか? ないよりあったほうがいいかもしれないので一応つけときましたけど。  ちなみに。どういう意味を持ってこの話を書いたのかというと、以前挫折した田舎と都会の話のリベンジ&『月園』で得た教訓を生かす一人称の再チャレンジ――ということになっております。  私的なリベンジだから、習作(=章に送る気がない)と言ったわけなんです。(参照ログ:6520) (さらにどうでもいいことに、この話、一度書きあげてから二割ぐらい直していたりする。おかげで九枚減った)  それで、話は飛びますが、いいかげん春に書いた『クロッシング〜』の改稿作業にかからなきゃならんわけです。  そこで、その手順ですが。  大きく分類して、以下の二つに分かれると思われます。 ・灰色をざくざく削ることに専念。 ・灰色を削りつつ、ブロック単位で削りを中断し、足りない部分の増量を行う。  まあ400枚超あるので、目標350以下とするなら削りの量のほうが当然多くなるわけですが、おそらく描写の焦点ズレを起こしているところはあるでしょう。増量作業は避けられないと思います。(それに、戦闘場面はオールリテイクしなきゃならんし)  で、ようはどっちが作業しやすいかという話なわけです。  ――自分の性格を考えてみると、割とダレやすい性格なので、中期目標があったほうがいいと思うんですよね。それに、一度で完璧に灰色を全部削れるとも思えないし。(そこまで自分の力を過信できない)  そこで、ブロック単位で進めようかと結論を出しました。 (なお、ここで言うブロックとは段落とは関係なくて、話の区切り、章の区切りみたいなもののことだと考えてください)  幸い、6258において新木さんから灰色率についての書き込みがありますし、まずはこれを指標に取りかかろうと思います。  あ、当然削ったものは課題部屋に上げます。これはもちろん、自分が一発で完璧に灰色を削れる自信がないためなんですが。  以上のことでなにも問題がなければ、このまま進めていきますが、よろしいでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 嵐の後の静寂 No.6814 投稿日 2003年8月10日(日)01時49分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は一日中大荒れの天気でした。雨よりも風が強烈で、外を歩くと吹き飛ばされそうなので、今日は一日自宅に閉じこもっていました。  台風10号は東北方面へ向かったようですね。岩手在住の名無し2号さん、そちらはいかがですか? >>いびりの分析  前回の書き込みNo.6807の続きです。 >>2)いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因がある。 場合の、3つのパターンについて考察します。  前回の書き込みで、 >>1)いびる側が言っていることを実行できる。 パターンについては考察しました。今回は、 >>2)いびる側が言っていることを実行できない。 >>3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。 という残りの2つのパターンについて考察します。  2)−2)、「いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できない」パターンはどうでしょうか?  このパターンでは、いびる側の性格が悪いことがかなり確定的ですね。いびる側が「ストレスの原因はいびられる側にある」と誤解しているか、「自分は言っていることを実行できる」と誤解しているのでない限り、いびり役は悪人決定です。以下に、このパターンをもう少し詳しく見てみましょう。  いびる側が、ストレス原因のありかと自分の能力の両方について誤解している場合は、悪人とは言いきれませんね。ものすごくそそっかしいか、非常に思い込みが激しいか、どちらかのキャラクターです。こういうキャラクターは、悪人ではなくとも、周囲の人々はさぞかし扱いに困るでしょう。  そそっかしいキャラクターなら、こういう人はギャグに使えそうです。思い込みが激しいキャラクターなら……こういう人はどういうところに使えるでしょう? ここまで思い込みが激しいと、本人に悪気はなくても周囲からは鼻つまみ者にされそうです。悪役というより、嫌われ役にするのがふさわしいでしょう。  いびる側がストレス原因のありかだけ誤解している場合は、自分の能力は正しく見積もっているわけですから、かなり性格が悪いといえます。No.6794の書き込みで考察したとおり、自分ができもしないことを相手に押しつけていびるなんて、ひどい人ですよね。そのうえストレス原因のありかを誤解しているのでは、そそっかしいか思い込みが激しい上に意地悪ということになります。  こういう人は決して自分のそばにはいて欲しくないタイプ(^^;で、物語に使うならやはり嫌われ役でしょう。ここまで来れば悪役といってもよいですね。  いびる側が自分の能力についてだけ誤解している場合も、いびる側の性格の悪さが明白です。いびられる側に何の落ち度もないのに、自分のストレス解消のためにいびるわけですから。  こういう人を別の言い方で表現すれば、「自分の能力を過大評価して、何の責任もない他人をいびる人」となります。こうやって書くと性格の悪さがはっきりしますね。おそらく、こういう人を「尊大」な人というのでしょう。このパターンは、「尊大さ」を表現するのに使えますね。  いびる側がストレス原因のありかも、自分の能力も誤解していない場合は、要するに「何の落ち度もない人に対し、それとわかっていて、自分ができもしないことを押しつけ、できないと非難する」ということになります。性格の悪さここに極まれり、という感じですね。  悪役でも、ここまで性格が悪い人を出す機会はあまりなさそうです。ここまで悪人ですと、たいていの読者さまは「なぜこの人はこんなに捻じ曲がった性格になってしまったのだろう?」と思うでしょうから、それなりの理由を用意しなければなりません。情け容赦のない徹底した悪人を出したい場合にのみ使うべきですね。  では、2)−3)、「いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因があ」って、「現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある」場合はどうでしょうか?    いびる側がストレス原因のありかを誤解しているなら、これは外見上1)−3)と同じですね(No.6794の書き込みを参照して下さい)。  このパターンでは、いびる側に鬱屈した思いがあることはほぼ確実ですから、それをストレスや誤解の原因とする説明が付けやすいです。また、いびられる側が反発しても「考えてみれば気の毒な人なんだよね」と同情する余地があります。これを利用すれば、「悪人だと思った人が実はそうではなかった」演出に使えますね。  いびる側の過去を最初に隠しておけば、「他人を勝手に誤解したうえに、自分ができもしないことを押しつけていびる」人に見えます。上の2)−2)のところで書いた「そそっかしいか思い込みが激しい上に意地悪」な人ですね。で、ひどい人だと思わせておいて、いびる側の過去−できるだけ悲惨なものが望ましいですね−を開示すれば、いびられる側と読者さまと、両方の驚きと同情を買い、劇的に印象をひっくり返すことができます。  いびる側がストレス原因のありかを誤解していない場合は、確信犯でいびっていると見て間違いないでしょう。この場合のストレス原因は、「昔できたことができなくなったこと」そのものでしょうね。よほどの理由がなければ、わざわざ他のストレス原因を設定する利点がありません。いびる側は、昔できたことができなくなった自分の代わりに、誰かにそれをさせたくていびるのでしょう。  ここまで考えたところで、「ん? このパターンって、複数の少女漫画で見たような気がするなあ?」と思いました。考えて、思い出したのが『エースをねらえ!』と『ガラスの仮面』です。どちらも少女漫画中の大傑作ですね。  『エースをねらえ!』では、主人公の岡ひろみを、コーチの宗方仁[むなかた じん]がしごきまくります。スポーツ(テニス)の話なので「しごき」という表現になりますが、これはほぼ「いびり」と同義と見てよいでしょう。宗方コーチはもと優秀なテニス選手だったものの、病気のため選手は続けられなくなったという設定です。彼は自分が果たせなかった夢を岡ひろみなら果たせると見抜いて、彼女をしごくことになります。  『ガラスの仮面』では、もと名女優の月影千草が主人公北島マヤの演技の才能を見抜き、彼女をしごきます。月影千草は、歳をとって容貌が衰えたためと、病気のために事実上女優を引退しています。彼女には若い頃に演じた『紅天女[くれないてんにょ]』という当たり役があり、彼女に続いてこれを演じられる逸材を探していました。そこに北島マヤが現われ、月影千草はいびりと言って過言ではないほど厳しくマヤを指導します。  少女漫画の大傑作二つがこのパターンを踏襲しているとなると、これは特に女性に好まれるパターンなのかも知れませんね。覚えておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 台風が来て、行ってしまった。 No.6815 投稿日 2003年8月10日(日)03時35分 投稿者 名無し君2号  一日中パソコンに向かってました。外は台風だからいいのさ。でもなぜか台風が来るとわくわくするんだな。なんでだろ。 >弟切さん  はじめまして。どうぞよろしく。  こちらも一日中強い雨と風でした。すこしは止んできたかな、と思ったらまた降る、のくりかえし。11時ぐらいには通りすぎていってしまったようですが。 >カリ城 >>こんどは「あれは間違いだったのだっ!(きゅぴーん)」とエウレカしちゃったわけね。 >>だからいいかげん、その癖は治しましょう。  な、なぬ? どういうこと? 間違いじゃないの?  ……あー、なーんとなくわかったよーな。  でもいいです。カリ城については、前に導き出した結論ふくめ、まず一から考え直します。  前に新木さんからいわれたこと、 「その作品をつくった人間の立場になって考えてみる」  でやってみます。 >等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。 >>この言葉の羅列っていうのは、どちら側が口にしているもの? >>「言いたくなっている」のはどちら?  言葉を羅列しているのは相手さん。プロレスに詳しくない相手さんですね。  いいたくなってるのはこっち……名無し君2号です――自分で書くとやっぱりいやだなあ、このハンドル。でもまだ新しいのが思いつかないー。 >だからレスラーのやることはだいたいオッケー。 >>「だいたいオッケー」ということは、OKラインとNGラインとがあるってことだよね。 >>どのへんに自分の中の線引きラインがあるのか。どうして自分の中の線引きラインはその場所にあるのか。  NGライン――。  あるレスラーはホモビデオに出演してました。窃盗で捕まったレスラーもいます。別れ話のもつれで背中を刺された人、何億円も借金してる人、試合中にわざと相手の眼球に目をつっこんで失明させた人も……います。  私のなかでは最後の人以外はOKラインです。犯罪者については、早く罪を償えよーです。別に嫌悪感はないです。 >>プロレス好きだということを知られると、なぜ恥ずかしいのか。  プロレスが蔑まれているものだと“自分が”認識していて、だからそんな蔑まれているものを“自分が”好きだなんて知られると非常に恥ずかしい。  ……のようです。いたた。  つまり自意識過剰なんですけどー。 >>本当に八百長であるのかないのか。  結論からいえば“多分”八百長です。多分っていうのは、私はプロレス業界の人じゃないので、真実はわからないですから。  元レフリーの方の暴露本にはっきりと、八百長はある、と書かれてまして。  実際に見ていても、あやしいのはあやしいですしー。なんで放送時間内に試合終わるのよー。  別に悪くはないんです。面白ければ、真剣勝負(ガチンコとかいいますが)でも八百長でも、なんでもいいんです。  でも“八百長”という言葉は、決していい意味では使われないですよね、普通。  八百長ってだけで罪悪。相撲しかり、ボクシングしかり、野球しかり、サッカーしかり。  だから、プロレスに興味のない人がその言葉をつかう場合は、悪意を持っているわけですよ、プロレスに。 「どうせ八百長なんだろ?」  バカにしてるわけです。だから蔑まれている、と感じてしまうんだなあ。 >>プロレスラーそのもの、もしくはプロレスラーをモデルにしたと思われる変人(ファンタジー世界にプロレスはない)が出てくる話、いくつ挙げられる? >>ライトノベル、アニメ、漫画、この3つのジャンル内で。  ライトノベルは一冊だけ。  アニメは……キン肉マンぐらいか。  漫画は、プロレスそのものを題材にしたものなら、一昔前は多数存在。  キン肉マン、プロレススーパースター列伝、プロレス・スターウォーズ、あー、昔のはタイトルが思い浮かばない、コンタロウ先生のは何だっけ? 最近だとアグネス仮面、ガチ。  プロレスラーが脇役ならば、バキ、エアマスター、餓狼伝。  ……格闘ものばっかりですな。あいたたた。  あとプロレスラーって、やっぱりザコの役で出てくるのが多いと思うのですが。ただ力だけが強いやつで、主人公にあっさりやられるようなの。グッヒェッヒェッとか笑って。  なんだか、プロレスの話ばかりしているような。 >>あと、名無し君2号は、ライトノベルというジャンル、ちゃんとリサーチしているのかなぁ。リサーチもしてないで、作家になるつもりなのかなぁ。  あいたたた。  ……調べてきます。  確かに最近のライトノベルは、まったくといっていいほど読んでません。どうする気だ、それで。 -------------------------------------------------------------------------------- あらすじ No.6816 投稿日 2003年8月10日(日)03時45分 投稿者 名無し君2号 「おそいよ」のあらすじ、過去ログ用にこちらにも上げておきます。 50字  夏祭りの日に淡い恋を育てた龍助と歩美は、別離に再会を誓い、数年後の夏祭りに出会う。 100字  小学生の森田龍助は百原歩美と夏祭りにいった。龍助は歩美に惹かれてゆく。転校するから思い出がほしかったとの歩美の言葉に、必ず再会しようと誓う龍助。数年後、龍助と歩美は再会を果たす。 200字  夏休みの日、小学生の森田龍助は百原歩美と夏祭りにいった。龍助にとってはただのクラスメートだった歩美。だが、普段は気が強い歩美が祭りのなかでみせた女の子らしさに、龍助はだんだんと惹かれてゆく。そこをクラスの男子にデートだとからかわれる。そのことで怒る龍助に、歩美は転校するから思い出がほしかったと告げる。淡い恋心に、必ず再会すると誓う龍助。二人はくちづけをかわした。数年後、龍助と歩美は再会を果たす。 400字  夏休み。小学校六年生の森田龍助は、同じクラスの百原歩美と一緒に夏祭りにいくことになった。百原歩美はかわいいが気が強く、男子にも怖れられる少女。別に龍助と歩美はつきあってはいない。龍助はいきなり前日に歩美から誘われたのだった。  祭りのなかで、歩美が普段決して見せない女の子らしさに惹かれてゆく龍助。  そこを同じクラスの少年たちに見られ、デートだとからかわれる。歩美は元の気が強い少女に戻り、少年たちを黙らせる。龍助の手をとり、走りだした。  人気のない場所にきた龍助と歩美。からかわれたことで怒る龍助に、歩美は謝り、自分が転校すること、思い出がほしかったことをつげる。花火があがるなか、龍助は精一杯の思いで、必ず再会することを誓う。歩美はあふれる思いに、龍助にくちづけをした。  数年後、龍助と歩美はかつて花火を見た場所で再会した。 800字  夏休み。小学校六年生の森田龍助は、同じクラスの百原歩美と一緒に夏祭りにいくことになった。百原歩美はかわいいが気が強く、男子にも怖れられる少女。別に龍助と歩美はつきあってはいない。龍助はいきなり前日に歩美から誘われたのだった。  待ちあわせの時間に遅れてしまった龍助は、歩美の怒りを覚悟する。ところが、浴衣姿の歩美はただ「おそいよ」とだけいって龍助を許した。龍助はとまどいながらも、一緒に祭りがおこなわれている神社へと向かう。  神社の境内は、多くの人々と夜店で賑わっていた。祭りを楽しむ龍助と歩美。歩美が普段は決して見せない女の子らしさに、龍助はだんだんと惹かれてゆく。  そこを同じクラスの少年たちに見つかり、デートだとからかわれてしまう。歩美は普段の気が強い少女に戻り、少年たちをどやしつける。そのまま龍助の手を握り、走りだした。  歩美に手をひかれるまま、人気のない場所にきた龍助。  二人きりになって、龍助は歩美に妙に女を感じ、思わず、少年たちにからかわれたことで歩美を問いつめる。歩美は謝る。そして自分が明日転校すること、だから思い出がほしかったことを告げる。その言葉と歩美の涙に、龍助は激しく動揺した。龍助はなにか喋らなくては思うが、うちに芽生えた恋心をうまく把握できず、言葉にならない。  そんなとき、花火があがった。  二人は花火を見つめる。龍助は精一杯の気持ちで、必ず再会することを約束する。歩美は返事のかわりにくちづけをした。  数年後、少年から青年になった龍助は、かつて花火をみた場所で、歩美と再会する。待ちあわせに遅れた龍助に、歩美は「おそいよ」と笑った。  これだけ書くのに、六時間ぐらいかかりました。  とっかかりをつかむのに、時間がかかる、かかる。  過去ログ読み返したりして、とりあえず800字のあらすじを書いて、そこから削ってゆく……という方法でなんとか。  その800字を書くのにも……つかれた。もう寝る……。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6817 投稿日 2003年8月10日(日)10時11分 投稿者 新木 伸 >家庭家 >>●45年改訂(48年〜56年実施)、53年改訂(57年〜平成5年実施)では、すべての女子は >> 「家庭一般」4単位必修。 >>●平成元年改訂(平成6年〜14年実施)で、家庭科は男女とも必修となり、「家庭一般」 >> 「生活技術」「生活一般」から1科目4単位必修となった。  ふむふむ。  すると、26〜27歳あたりに区切りラインがあって、それより下の年代では、高校生活のあいだに男子も家庭家をやっていて、それより上の年代では、やっていない人がいてもおかしくないわけですね。(やっている人もいる)  うちの奥さん、静岡県の普通科ですが、もうそのころには男子も家庭家をやっていたそうな。ケーキ作りで卵白泡立てたりとか、力が必要な調理は男子のほうがデキがよかったりしたそうな。  僕と同い年なんで、昭和60年あたりに高校生活を送っていたわけですが。 >巻島  おお。名無し君1号。ひさしぶり〜。(笑)  そっか。  8月あたりに書き直すから、そのまえには見てやるって話になってたっけか。  うーん。面倒くせぇなぁ。  どうせアレだろ? 灰色の文章が5割ぐらいは混入してるんだろ?  読んで得られる精神的快感よりも、読むことで受けとる精神的苦痛のほうが、上回っちゃっているような、そんな程度のデキなんだろ? まだ初稿なわけだし。  自分が編集だとか、下読み委員だとか、そういう仕事でもなけりゃ、ホント、二の足を踏むよなぁ。そーゆーの。  まあ、仕方ないから読むか。言ったことは守らんと。  ただ、課題部屋から拾って読むのは面倒なんで、テキスト一式、メールで送れ。  ところで、このあいだファミ通文庫の「えんため大賞」の授賞式に行って、受賞者の人たちと話してきたのだが。  大賞を取った作品は、赤が山ほど入って直させられるそうだけど、しかし、「直し」のレベルで出版されるそうな。これは確定。  ただ佳作の2作品については、今月いっぱいに書き直しだとか。出版されるかどうかは、書き直ししたあとの「デキ」次第だそうだ。まあ半々ってところか。そもそも今月内に書き直しとか、できるかどうかもわからんわけだし。  こっちの「書き直し」っていうのは、本当に、全面改稿なわけね。応募した原稿はそのまま捨てて、もういちど、同じテーマで書き直す。設定やプロットやストーリーやキャラにさえ、手を入れるのかもしれない。  で、まっきーの場合、書き直しも考慮したほうがいいのでは?  佳作に引っかかった作品でさえそれなんだから、佳作以下が「直し」で済むなんてのは、単なる傲慢だろう。  とりあえず、冒頭の30枚ぐらい。  主人公と幼なじみが歩いていて、巨人の戦闘を見かけて、それぞれの家に引きこもって、頭の中の宇宙人が話しかけてきて――て、そのくらいか? 30枚っていうと。  うーん。欲を言えば、宇宙人に体を乗っ取られて、家から飛び出してゆくところくらいまでは詰め込みたいところだなぁ。じゃないと展開タルすぎ。  初稿の区分けでいえば、2/26〜3/2分まで。  ここを書き直すこと。  まあ30枚に入り切らなくてもいいや。  プロットと照らし合わせてみると、全体でポチ105個分のうちの、15個分に相当するから。本来であれば50枚になっちゃうはずか。  旧版をまったく見ないで、一から書いてみそ。  プロットも見ない。もう必要ないだろ。どんな展開だったのかなんて、なにも見なくたって、覚えているはずだ。  もし忘れているようなら、それはきっと不要なものだから、忘れたままにしてしまっていい。  30枚を、一から新たに書き起こしてみたら、それと旧版を照らし合わせてみよう。  もしたいした差異がないようなら、残りは「直し」でやろう。  ぜんぜん変わっていて、いま書き直したほうが遥かに良くなっているようなら、残りの270枚も全面的に「書き直し」をする。  あ、そうそう。  冒頭30枚の書き直し、2日ね。  この書きこみを見た時点で、カウント開始。  実家の農作業が〜とか、なんか言いわけがあるなら、いちおう聞く。 ・初版の原稿を、メールで新木に送ること。 ・冒頭の指示された部分を完全リライトすること。 ・プロットも初版の原稿も、一切見ないこと。 ・30枚に到達したら、一度アップ。指示範囲をすべてリライトし終わったら、それもアップ。(50枚には収めること) ・締め切りは「30枚アップ」までで、2日。(締め切り過ぎたら、もう見てやらん。――そう思っとけ) >名無し君2号  「ノロいよ」  あれっぽっちに6時間もかけてちゃ話になりません。  800+200+100+50で、たったの1150字……。原稿用紙3枚分しかないんだから。  せめて60分くらいで片づけちゃわないと。  たぶん、6時間もやったらヒーヒー言ってて、疲れちゃってて、その日はほかになにも出来なくなっちゃうのでしょうね。  日速はたったの3枚。  しかもそれ、最高速度。  毎日確実に行える巡航速度にあらず。  それを小説の執筆速度に換算したら、350枚の長編小説を一冊書き上げるのに、最短で120日もかかってしまう計算ですね。  おそらく「巡航速度=平均ペース」はもっと落ちこむから、1冊書くのに1年かかるか、2年かかるのか、わかりゃしない。  そんなんで、いったいどうやって食ってくつもり?  あれっぽっち、60分以内に余裕で片づけられるようにならないと、「遅筆作家」にさえなれやしませんよ。  この場所では、このように、物事はすべて「プロのものさし」で計られますんで。今後もそのつもりで。  で、上がってきた各文字数のバージョンだけど。  ちゃんと書けてるじゃないですか。  なのに、なんではじめについてきた「400字あらすじ」は、あんな変なものだったの?  ちと、両者を比べてみます。 (旧) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祭りの待ちあわせに遅刻する小学生六年生の龍助。「おそいよ」とだけいって、普段は気の強い同級生の歩美が怒らないことを不審に思う。二人は夜店をみて歩く。そこで歩美がみせた意外な女の子らしさに龍助はときめきながらも、そんな自分の心の動きにとまどう。そこをクラスメートの男子たちにみられ、からかわれる。歩美は普段の気の強さをみせ、さんざん言い返してから、龍助の手をとって人気のない場所まで逃げる。恥ずかしさから龍助はつないだ手をはずし、歩美に文句をいった。歩美は素直に謝り、転校することを告白する。龍助がなにかいおうと口を開いた瞬間、花火が打ち上げられた。二人、しばしみとれる。最後の思い出だという歩美に、龍助はまたこの場所で再開することを誓う。くちづけする二人。数年後、約束の場所にかけてゆく龍助。たどりついたとき、花火の光が女性のシルエットを浮かび上がらせた。微笑みながら彼女はいう。「おそいよ」と。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夏休み。小学校六年生の森田龍助は、同じクラスの百原歩美と一緒に夏祭りにいくことになった。百原歩美はかわいいが気が強く、男子にも怖れられる少女。別に龍助と歩美はつきあってはいない。龍助はいきなり前日に歩美から誘われたのだった。  祭りのなかで、歩美が普段決して見せない女の子らしさに惹かれてゆく龍助。  そこを同じクラスの少年たちに見られ、デートだとからかわれる。歩美は元の気が強い少女に戻り、少年たちを黙らせる。龍助の手をとり、走りだした。  人気のない場所にきた龍助と歩美。からかわれたことで怒る龍助に、歩美は謝り、自分が転校すること、思い出がほしかったことをつげる。花火があがるなか、龍助は精一杯の思いで、必ず再会することを誓う。歩美はあふれる思いに、龍助にくちづけをした。  数年後、龍助と歩美はかつて花火を見た場所で再会した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうして並べてみると、その違いがよくわかる。  「旧」のほうは、まったくなってない。あらすじでもなんでもない。  ――んで、旧版があらすじになっていない理由は考察した?  なんだったの? (いま、うっかり「理由」をここに書いちゃってしまっていたけど、アップ前に消しておいた)  この400字版がいちばんまとまりがいいので、他は捨てることにする。  今後は、この400字版だけで話を進めてゆく。もう二度と見ない。ご苦労さま。  転校する少女がいて、夏祭りで彼女のこれまで知らなかった一面を見て淡い恋心を覚えて、同級生たちに発見されてからかわれて、いつもの強気な彼女に戻ってしまうところが転で、そして主人公が彼女の転校を知るのが結となるわけね。  ひとつ質問なのだけど。  これ「再会」にはなんの意味があるの?  話の最後のところで「二人は再会した」って結んであるんだけど、読者としては、「だから、なに?」と首を傾げるしかないのだが。  なんで再会しなくちゃならんのか、まったくわからん。  もし作者自身はわかっているのなら、説明してくれ。  なぜ再会させなくちゃならないのか、作者自身も分かっていないのなら、いま考えて、どうにかしよう。  もうひとつ質問なのだけど。  この話のタイトル、なんで「おそいよ」なの?  わけわからん。この物語に貼ったラベルに「おそいよ」って書かれている理由が、まるで見当もつかない。  「彼女の強気」とか、なにかそんなタイトルなら、わからないでもないけど……。  なんだってまた、「おそいよ」なの?  ひょっとして、理由なし? 単なる思いつき? 瓶の中身を見ないで、適当にラベル貼ってた?  あと作品としての問題点が、ひとつある。  あいかわらず本編のほうは、まだまったく見ていないのだが。  この内容で37枚ってのは、明らかに長すぎるよ。20枚あたりが適正じゃないかな。これはどういうことかっていうと、余分な文章が山ほど入っていることが予想されるわけね。つまり物語を水で薄めちゃってる。  普通は、このあらすじを見て、37枚って聞かされた時点で、「読む価値なし」って断定されるからね。編集者も作家も、プロであればそのくらいはわかる。見るまでもない。 >あらすじを書いた苦労 >>過去ログ読み返したりして、とりあえず800字のあらすじを書いて、そこから削ってゆく……という方法でなんとか。 >>その800字を書くのにも……つかれた。もう寝る……。  作者がどれだけ苦労したかなんて、どーだっていいのね。  同じものを書くのに、6時間かけようが、9時間かけようが、一週間かけようが。  それとも鼻歌まじりで5分でやろうが。  読者には、まったく、なんにも、関係ありません。  あなたの苦労なんて、知ったこっちゃないです。  誰ひとりとして、気にもかけません。  ただし、「結果」として出してきたあの400字のあらすじだけは、あれは「イキ」です。もらいましょう。  話の内容も、充分にわかります。  ちなみに――。  僕がやったら、あれ、5種セットで、15分くらいかな。  僕は雑文なら1時間で30枚ほど書ける。あのあらすじは5種セットで、たったの3枚しかないから、単純計算だと6分でできることになる。まあ余裕を取って15分。  てか、初めから400字だけ書いて、2分ぐらいで終わらせちゃうかもしれない。他の2枚分は、書くだけムダだし。  ただ、作業に掛かった時間は判断材料になるので、これからも書いてゆくこと。  毎回「ノロい」とけなされると思うけど。でも書くこと。 >カリ城 >>な、なぬ? どういうこと? 間違いじゃないの?  「この水場は、この砂漠最大の水場である」と確信しちゃうことも。  「この水場は、この砂漠最大の水場ではない」と確信しちゃうことも。  砂漠全体を探索していない段階では、どちらも同様に誤りでしょ――と、そう言っているのだけど。  砂漠全体、もう探索済みなのですか?  やるべきことは、もうなんにも残っていないの? >>等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。  これ、典型的な悪文ですので。  書き直してくること。  この言い分を、誰が読んでも誤読しないように書くためには、どうする? >レスラーのNGライン  ただ羅列されただけじゃ、よくわからんですねー。  「窃盗」がOKなら、じゃあそれに近い「強盗」でもOKになるのかな。なら「強盗殺人」もOKなのかな。罪を償いさえすれば、なにやってもOKなのかな。  ホモビデオへの出演がOKなら、じゃあ「AVビデオ」で女優さんとパコパコやってるのもOKなのかな。アングラな「モノホン強姦ビデオ」の男優をやっちゃっていてもOKなのかな。  別れ話のもつれで刺されるのがOKなら、じゃあ、その逆に相手を刺し殺しちゃうのもOKなのかな。  何億円も借金するのがOKなら、借金踏み倒したり、詐欺で何億円もまきあげたり、何億円も脱税したりするのもOKなのかな。  試合中に相手の眼球を潰すのがOKなら、街の喧嘩でサラリーマンのおじさんの頸骨へし折っちゃうのもOKなのかな。そういや「眼球を潰す」はなぜかNGだって言ってるのだけど、なんでそれがNGなのかよくわかんないなぁ。レスラーは力がとっても強いわけだし、戦っているわけだし、なんかのはずみで「やっちゃう」ことなんてこと、よくあるだろうに。どうしていけないのかなぁ。  僕は線引きの「基準」を示せといっているのであって、具体例を列挙せよと言っているのではないのね。 >プロレス好きが「恥」となること >>プロレスが蔑まれているものだと“自分が”認識していて、だからそんな蔑まれているものを“自分が”好きだなんて知られると非常に恥ずかしい。  なんだ。じつは自分の問題でしかないじゃん。  なら周囲に責任転嫁するなよ。  なんか、普通の人がプロレスに悪意を持っていると書かれているんだけど。  自分が恥ずかしく思う気持ちは、プロレスに興味がなくて悪意を向けてくる人たちに原因があるのであって、自分はまったく悪くないのだ。――とか、そう言っているように見えるのだけど。 >>だから、プロレスに興味のない人がその言葉をつかう場合は、悪意を持っているわけですよ、プロレスに。  この場合、悪意を向けているのは、名無し君2号なんじゃないの?  相手に悪意があるっていうけど、それ「本物」なのかな?  自分が悪意を持っていると、その相手も自分に悪意を向けているように感じられるものだよね。悪意ってのは鏡写しになって、自分に返ってくるもの。  この場合、相手が考えていることで、明確に立証できるのは、「プロレスにさして興味がない」ってことだけだよね。  これは確かなこと。  もしかしたら、「八百長なんじゃないの?」って、これは質問だったのでは?  プロレスに興味がない人間がいるとする。  その目の前にプロレスに詳しい人間が現れたとする。なら、かねてからの疑問を訊いてみたくなるわな。  あれは八百長なのかどうか、訊こうとする。  そしたら、名無し君2号は、こう反応を返したわけだ。    「うるせぇな」  質問をしたその人は、こんな印象を受けたわけだ。「プロレスファンは粗暴なヤツだ。質問にも答えない。にらみつけてきて、凄んで、ごまかそうとする」  そう思うわな。そしてこんな人間がファンについているくらいなのだから、プロレスってのは、たいしたことないのだろうと、そう結論するわな。  ファンの間でも「八百長」疑惑がぬぐえないくらいなんだから、外部の人が八百長だと疑っていたって、それは仕方ないことでは?  そもそもの原因はどっちにあるのよ?  説明する努力を放棄していて、それで「わかってもらえない」なんて、子供みたいな理屈こねてスネてるんじゃないです。  この八百長の話。  僕だったら、「シナリオがある」と言い換えるけどなぁ。  昔からプロレスの面白さってのはわかんなくて、上記のようにプロレスファンに質問をしてみていたのだが、やはり上記のように、たいてい「うるせぇな」てな返事が返ってきてしまっていたわけだ。  やっぱり、ぜんぜんわからんかった。  そして最近、深夜にやってる「スマックダウン」を見て、面白さがわかった。 (はじめはディーバたちのお色気に惹かれて見始めたんだけど)  あれはシナリオがあって、ドラマがあるわけね。つまり「物語」なわけだ。  紙の上でペンと文字とを使って行うか、リングの上で肉体とマイクを使って演じるかの違いでしかない。エンターテイメントという点では、やっていることは同じ。  客は楽しんでいる。  悪役がノサれればスカッとするし、善玉レスラーがピンチになったら精一杯応援する。善玉レスラーがやられることもあるけど、あとでかならず「リベンジ」が行われる。一時の敗北は、後の勝利を盛り上げるためのスパイスとなる。  小説や映画や演劇に対して、「シナリオがある」という非難をする人はいない。悪役が主人公に倒されることを「八百長」という人はいない。  それと同じで、プロレスに対しても「シナリオがある」という非難は的はずれだろう。  物語にシナリオがあるのは、それはあたりまえのこと。 >>あとプロレスラーって、やっぱりザコの役で出てくるのが多いと思うのですが。ただ力だけが強いやつで、主人公にあっさりやられるようなの。グッヒェッヒェッとか笑って。  どこよ?  なんの作品の、何ページめ?  「多い」ってからには、該当するものを、複数出してこれるはずだよね? >プロレスが蔑まれているかどうか  「キン肉マン」とか、あの手の作品がウケているって現実があるよね。  プロレスが蔑まれている――というのが、被害妄想ではなく、事実であると証明するには、その現実に説明を付けなきゃならないが。  蔑まれているなら、それは大きなマイナス要素でしょ。すると「キン肉マン」という作品は、そんな大きなハンデを背負っていても、余りあるプラス面のおかげで売れていることになる。  「キン肉マン」が売れている理由の分析とかって、したことある?  あの作品は、なにがウケている要素なのだ?  ちなみに「キン肉マン」って、連載当初のギャグ漫画路線では全然人気が出なくて、打ち切りが決まってしまって、「どうせあと数回。もう書きたいものを書くぜい!」と作家が開き直って、打ち切りまでの数話を「超人プロレス路線」にしてみたら、それが大ウケして、打ち切りの決定が撤回されたっていう経緯がある。 -------------------------------------------------------------------------------- 暑気払いに怪談を No.6818 投稿日 2003年8月11日(月)02時53分 投稿者 弟切 千隼  台風10号は日本列島に大きな爪跡を残して、温帯低気圧に変わりましたね。ここに出入りしている方々には、被害がなかったようで何よりです。むろん、それ以外の方々なら被害にあっても構わなかったとは、決して思っていません。  今回は半ば雑談です。  日本では、夏になるとTVや雑誌などで「怖い話特集」が組まれますね。それらの「怖い話」の多くは、視聴者や読者が実際に体験した(と称する)ものを募り、映像化したり文字化したりしています。  こういった実話ものは、たいがい一つ一つは小さなネタで、小説で書けばショートショートくらいの長さに収まってしまうものがほとんどです。短いだけに、そこには多くの人が「怖い」と感じる要素が、単体でわかりやすく表われているだろうと弟切は考えました。そこで、いつかまた怖い話を書く時のために、弟切はそういう実話集を読んで分析しています。  心霊ネタを集めた実話集を読んでいて、一つ、気が付きました。  幽霊の目撃談の場合、全身が現われた−つまり、普通の人間型をした−幽霊よりも、手首だけ、とか、膝下だけ、とかいった具合に、部分だけの幽霊のほうが怖いと感じます。少なくとも、弟切は。  例えば、話の筋自体はほぼ同じで、目撃されたものが全身幽霊か部分幽霊かだけが違う、という二つの話がありました。両方とも、近くを走っている自動車に幽霊がしがみついているのを目撃した、という話です。片方は「自動車の屋根に普通の人間型をした幽霊がしがみついていた」というもので、もう片方は「自動車のサイドミラーに手首だけがしがみついていた」というものでした。  弟切は、後者の話のほうが怖いと感じました。前者も、実際に目撃したら怖いだろうなとは思うものの、後者のほうが余韻の残る怖さがある気がします。  しかし、これが弟切だけに感じられる怖さでないという自信がありません。参考までに、皆さんの御意見を聴かせていただければと思います。  皆さんは、全身幽霊と部分幽霊と、どちらのほうがより怖いと感じられますか? -------------------------------------------------------------------------------- なにかが抜けおちたような、そんな喪失感 No.6819 投稿日 2003年8月11日(月)03時37分 投稿者 名無し君2号  応援していた選手、もしくはチームが負けたときに感じる喪失感、哀しみはなんなのだろうか。この場合“悲しみ”よりも“哀しみ”なんだな。静かなる悲しさというか、じわじわと染みだしてくる悲しさというか。あーあ、という感じ。  応援した選手、チームが負けるとなんだって哀しい(悲しい)のか。  その対象に、自分を投影していたから。だから負ければ哀しい。自分が負けた気がするから。  それと、相手の悲しさを想像してしまうから。想像して、我がことのように感じてしまうから。  以上。  もう一点。  なんで“悲しい”じゃなくて“哀しい”のか。  “悲しい”ことは辛いから、だと思う。だからなるべく弱くする。弱くしようとする。  でも本当は、悲しいときは素直に悲しんだほうがいいのだけれど。へたに押さえようとすると、かえって長く悲しむことになるし。  うーん、悲しみをすべて受け止めることができないから、なのかも知れないなあ。  だから小出しに悲しもうとする? それが“哀しい”ということか?  えー、漢和辞書を調べる。  “悲”の逆は“喜”、“哀”の逆は“楽”だそうな。  心の動きが強いのは“悲”だけど、つらいのは“哀”。  だって“喜”が無くなるより、“楽”が無くなるほうがつらいでしょう?  ああ、つまりそれだけその選手に思い入れがあったのね。  桜庭……。 ※桜庭という選手が、本日(10日)おこなわれたPRIDEという競技で、敗北してしまったのが哀しいらしいです、名無し君2号は。  ところで、“駆ける”と“駈ける”って、どう違うのでしょう。調べてもわからなかったです。とりあえず“駆ける”を使えば間違いないようですが。  前書き終わり。 >「おそいよ」あらすじ、および本文について。 >>「ノロいよ」  あいたたた。  一度コツをつかんだから、次はそんなにかからないです。 >>――んで、旧版があらすじになっていない理由は考察した?  えー、まずはひとつ。  読むのとやるのとじゃ大違いだった。  過去ログ読んだだけでできると思ったら駄目なわけで。実際にやってみなきゃできるようにはならないわけで。  次に技術的な面を考察。 ・登場するキャラクターがどういう人物なのか、最低限の情報すら入っていない。 ・そのストーリーにおいて何が重要で、何が重要でないのか判断がついていない。だから余計な説明が入っている。  以上です。 >>これ「再会」にはなんの意味があるの?  この話の結として、次の三つ、候補がありました。 (1)別れて終わり。別離。 (2)大人になった主人公が、いまの彼女に昔の淡い恋を語っていたという場面。 (3)別れた二人が再会する。  もうひとつ、 (4)数年後、二人は再会したが、すでに別々の恋人ができていた。  でもこれだと、テーマ「甘酸っぱい夏の思い出」とずれるし……あ。  何かに私は気づいてしまった……とりあえず話を進める。  で、このまま終わるのは嫌だな、という作者の意向が働き(1)はボツ。  あとは(2)か(3)だけど、(2)は“しょせん現実はこんなもんよ”なので、ボツ。  で、未来への希望輝く(3)。  はい。ここで何に気づいたのか公表。  これだとテーマが「少年の日の誓いを忘れない」じゃん。  駄目じゃんよ……以上。 >>この話のタイトル、なんで「おそいよ」なの?  タイトルに不自由な人だからです。  語のなかで、一番印象に残るのが「おそいよ」という単語(のはず)なので、そのまんま使ってしまいました。  「花火、彼女に涙と、約束」なんつうタイトルじゃ、やっぱりセンス皆無でしょーか。 >>普通は、このあらすじを見て、37枚って聞かされた時点で、「読む価値なし」って断定されるからね。  いでででで。  読む価値なしかあ、無駄かあー。 (深くため息)  まだまだまだ。  作品が作者の排泄物なら、もっと無駄のないウンコします。 >>ただ、作業に掛かった時間は判断材料になるので、これからも書いてゆくこと。 >>毎回「ノロい」とけなされると思うけど。でも書くこと。  承知しました。 >カリ城について >>やるべきことは、もうなんにも残っていないの?  まだあります。やりますよ。 >悪文について >>等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。 >>これ、典型的な悪文ですので。 >>書き直してくること。  書き直しです。 「等々等々、そんな言葉の羅列。私は思わず、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなる」  悪口なら、意味がとおるように使わないといけませんなあ。 >プロレス関連 >レスラーのNGライン >>僕は線引きの「基準」を示せといっているのであって、具体例を列挙せよと言っているのではないのね。  了解。  “好きなプロレスラー”で、“自分に降りかかってくる災難”でなければ、何やったってかまわんです。  例えば恋人ならば、たとえ殺人者であろうとかばおうとするでしょう――愛の質、深さによっては。  だからプロレスラー全般で線を引け、といわれても、引けないです。  相手によります。それは恋人だって友達だって一緒でしょう。 >>そういや「眼球を潰す」はなぜかNGだって言ってるのだけど、なんでそれがNGなのかよくわかんないなぁ。  「眼球にわざと目を入れて失明させた」は、“わざと”がポイント。  わざと失明させるのは、もう“プロ”レスラーではないのです。わざとじゃなく、事故であるなら問題なし――それもレスラーによるけれど。  PRIDEなんて、いつ事故がおこるかわからない競技じゃないですか。  あ。これはプロレスじゃないや。 >>相手に悪意があるっていうけど、それ「本物」なのかな? >>自分が悪意を持っていると、その相手も自分に悪意を向けているように感じられるものだよね。悪意ってのは鏡写しになって、自分に返ってくるもの。  たしかにこれは正しいです。でも……なんというのかな、プロレスがスイッチなんですよ。だから、些細な言動やなんかでも、悪意を勝手に感じてしまってるのだと思います。 >>昔からプロレスの面白さってのはわかんなくて、上記のようにプロレスファンに質問をしてみていたのだが、やはり上記のように、たいてい「うるせぇな」てな返事が返ってきてしまっていたわけだ。 >>やっぱり、ぜんぜんわからんかった。 >>そして最近、深夜にやってる「スマックダウン」を見て、面白さがわかった。  これはですね、WWEと日本のプロレスを一緒にしてはいけないのです。  WWEは“八百長である”と名言しています。  アメリカではスポーツ団体とエンターテイメント団体では、かかる税金が違うのですね。エンタメ団体のほうが税金が安い。  だからWWEは「私たちのやっていることはスポーツでなく、エンタメです。なぜなら、勝敗はあらかじめ決まっているから」といったのです――細かい部分は違うかも。そうして、税金を安くしたのです。ビンス社長は。  日本のプロレス団体で、“八百長である”と公言している団体はひとつもありません。グレーゾーンな団体で、“エンターテイメントである”ぐらいです。  それどころか、日本のプロレス団体は“真剣勝負である”といっています。  しかし現実にやっているのは“八百長”。  そして日本において“八百長”とは悪なる言葉。  肩身が狭いのですよ、プロレスファンは。  それでも信じたいのです。  プロレスは“真剣勝負”だって。  でもうっすらと気づいているんですよ、“八百長”だって。  だから感情的にならざるを得ないのです。その話題は非常に痛いのです。たのむからそっとしておいてくれって感じなのです。  恋人がもしかしたら犯罪者かも知れない、そう思いねえ。でもそうじゃない、そう信じたいと思いねえ。  そこに恋人をたいして知らない人から、「お前の恋人は犯罪者でしょ?」とか聞かれてみねえ。  「うるさいよ」としかいえないって!  ……それでも一昔前であれば“本気を出せばレスラーは強い”という最後の砦があったのですが……PRIDEの登場です。  一番最初のPRIDEで、最強の一人だと思われていたレスラーが、柔術家にあっさり負けました。本当にあっさり。  もう駄目ぽ。  それ以降も、レスラーが出ては負け、出ては負け……もう出るなよう。勘弁してくれよう。  でも好きなの。彼には私がいなきゃ駄目なの。  ……えー、わかっていただけたでしょうか。プロレスファンのアンビバレンツな感情を。 >>あとプロレスラーって、やっぱりザコの役で出てくるのが多いと思うのですが。ただ力だけが強いやつで、主人公にあっさりやられるようなの。グッヒェッヒェッとか笑って。 >>どこよ? >>なんの作品の、何ページめ? >>「多い」ってからには、該当するものを、複数出してこれるはずだよね?  多すぎて覚えてないなあ……。たいがいの格闘技系漫画では、そんなやつが主人公の敵として出てきます。えーと、そうだ。「ろくでなしブルース」……古いな、いまジャンプで「ルーキー」という野球漫画書いてる人の漫画ですが、それに出てきたですよ。レスラーくずれとかで。  あ。いまわかった。  昔の漫画にしかでてこないです。その「グッヒェッヒェッ」な人は。  あれ? あう、“多すぎて”と“古すぎて”覚えていないでした。  あと覚えていたくない、というのもあるかもしれません。悪意もった描写されていると、それだけでなんか……。  あとは梶原一騎先生の漫画、あの人「タイガーマスク」の原作者のくせに、「空手バカ一代」以降の空手漫画では、確実にレスラーをやられ役に出します。それは「タイガーマスク」の版権関係で、プロレス団体と揉めたのと無関係ではないらしく……余計な話だな。 >>「キン肉マン」が売れている理由の分析とかって、したことある? >>あの作品は、なにがウケている要素なのだ?  そりゃプロレスだからです。  ただ、その「キン肉マン」が売れていたころというのは、プロレスが爆発的ブームだったころです。毎週ゴールデンタイムにやってたんですよ、プロレス。  ちびっこたちは大喜びですよ。キン消しとかも流行りましたよ。あれ、実はちっとも文字が消えないから、消しゴムじゃないですよ。  その反動だと思うんですよね。熱狂していたものが、実は“八百長”だった……悪いことだった――よくもぼくを騙したな!  「いつまでサンタクロースを信じてるの?」かな? そんなものにいつまでも熱狂するんじゃないって……。  うーん。そんなに悪意を持たれてないのかなあ……。自意識過剰だったのかなあ……。  ここまでで三時間かかりました。悩みつつ、考えつつ。おそまつ。 -------------------------------------------------------------------------------- カリ城、作者になってみるの旅。 No.6820 投稿日 2003年8月11日(月)04時47分 投稿者 名無し君2号  以下は、「カリオストロの城」の各シーンを作り手はどういう意図で作ったのか、という分析です。  カリオストロの城を知らない人(いないと思うけど)だと、なんのこっちゃかわからないと思います。  なお、映画を見ている観客は、“ルパンを知らない、いままで見たことがない”ものだと仮定しています。  ちなみに、  ■……は、そのシーンがどういうシーンなのか。  (1)……はそのシーンの作り手の意図。  ・……はその意図を伝えるために、作り手はどんな描写をしたのか。  を説明しています。  では、始まりから。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★  ■公営カジノから金を盗みだすルパン一味。 (1)主人公たちの紹介。 ・お金を盗んでいることで、主人公たちが泥棒だということを説明。  (銀行だったら銀行強盗なので、多分わざと公営カジノ) ・二人の息がぴったりなことを、同時に障害物を飛び越えるアクションで説明。 ・ルパンが盗んだ金を偽札だと判断する。次元が見分けがつかないことで、その判断の凄さ、ルパンの能力の高さを説明。 ・ルパンの指示で偽札を捨てる。どちらが主導権を握っているのかを説明。 ・偽札を捨てることで、ルパンのこだわりを説明。ただの泥棒ではないこと。 ・余計な説明をはぶくため、あえて五右衛門はカットしている(本当は出てるんだけど)。 (2)観客の心をつかむ。 ・テンポのいいアクション(ルパンと次元の息のあった動き)。 ・緊迫感。いきなり主人公たちが追われているという状況。 (3)謎の提示。話へ導入させる。観客をわくわくさせること。先を見たいと思わせること。 ・せっかく入手した金が偽札だった。起承転結の起。 ・“ゴート札”という謎。 ・“偽札”ではなく、“ゴート札”というありきたりじゃないネーミング。 ■オープニングロール  スタッフロールの後ろに流れる映像。普通の観客はスタッフロールなんて見ないもんだ。だから大事。でもスタッフロール見ちゃう人のために、重要な情報は入れられない。 (1)ルパンと次元の関係を説明。 ・クルマを運転するルパン、料理する次元。 ・二人の密接度をしめす。 (2)移動していることを説明。 ・車での移動シーン。何日か過ぎていること。 ■クラリス登場までドライブ。 (1)冒頭のシーンとの対比。次のアクションシーンへの溜め。 ・夜と昼。闇から光さす場所へ。 ・のどかな景色。 ・ルパン、次元の行動に緊迫感がない。 (2)ルパン、次元の説明。 ・ところどころ笑いをまぜつつ、会話でキャラクターを描写。 (3)さりげなく作品背景を解説。観客が投げださない程度に。 ・ある程度の状況の説明。 ・先に提示した謎、“ゴート札”の説明。だから観客も知りたいはず、我慢してくれるはず。 ■クラリス登場! (1)ヒロイン紹介。すこし謎めかせる。 ・かわいい少女にする。 ・なぜかウェディングドレスを着ている(伏線ではあるが)。 ・なぜか追われている。車で逃げている。 (2)アクションシーン。観客どきどき。 ・明確な敵の存在。 ・追われる少女。緊迫感。 ・カーチェイス。 ・銃撃戦。 (3)ルパン、次元の能力説明。主人公を格好いいと思わせること。 ・次元は拳銃使いである。普通の弾じゃ通用しない相手用の弾(鉄鋼弾だっけ?)を持つ。 ・ルパンのクルマの改造ぶり。ルパンのドライビングテクニックの凄さ。 ・危険を恐れない二人。結構余裕がある。 ・追われる少女を助けさせることで、ルパンがただの泥棒ではないと説明。 ■クラリス連れ去られる。 (1)ルパンの説明。 ・身の危険も省みず、少女を助ける姿。 ・ワイヤーロープ登場(この後多用する道具)。 ・意外と間の抜けたところもある。格好いいばかりではない。 (2)クラリスの説明。 ・ルパンを介抱する。優しさの提示。追っ手の登場に“後ろ髪をひかれながら”逃げる。 (3)謎の提示。さらに物語へと引き込む。 ・謎の指輪を出す。 ・謎の少女。少女は追われているらしい。しかも可愛い。  ここまでで観客の心に印象づけられるのは、以下のとおり。 ・ルパンは泥棒である。しかしただの泥棒ではない。 ・ルパンは高い能力を持つ。緊迫感のあるシーンでも余裕がある。 ・ゴート札、謎の指輪、謎の少女。カリオストロ城。いろんな謎。 ・ヒロイン(らしき少女)は可愛い。優しい。しかしおしとやかなだけではないようだ。 ・次元とルパンは信頼しあっている相棒同士だ。 ・アクションシーンが多い話である。 ・コメディー要素もあるっぽい。  本日はこんなところでおそまつ。 >弟切さん >全体幽霊と部分幽霊、どちらが恐いか。  部分幽霊のほうが恐いです。  人間は未知のものに恐怖を感じます。  全身より部分だけのほうが、よりわけわからんから、部分幽霊が恐いんじゃないでしょーか。  折り返して質問です。  “恐い”と“怖い”、使い分けしてますか。しているのならばその理由もできれば教えていただければ。  私は“恐い”で統一してます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6821 投稿日 2003年8月11日(月)09時03分 投稿者 新木 伸 >名無し君2号  前書き、あちこち話が脱線してて散漫だし、なにを言ってるんだかわかんねーし。  ゼンゼンダメ。 >「駆ける」と「駈ける」、「怖い」と「恐い」  辞書を引け。アホ。  漢字源とか、その手の漢字辞典。  それから、他人はおまえに物を教えてやる義理なんぞ、まったくないんだから、物を訊くときにはそれなりの姿勢を示せ。  たとえば、自分ではどこまで考えていて、どのあたりからわからないのかとか。そういうことね。  「怖い」と「恐い」の違いを考えるにあたって、なにで調べたのか。自分ではどう考察したのか。そのへんをまったく書かずに、ただ頭だけ下げれば、なにからなにまですべて教えてもらえるなどと思うな。 >>読むのとやるのとじゃ大違いだった。 >>過去ログ読んだだけでできると思ったら駄目なわけで。実際にやってみなきゃできるようにはならないわけで。  うん。実際そのとおりなんだけど、まずほとんどの人が、読んだだけでできるようになったと錯覚しちゃってるよね。それがわかるのは、いざ自分でやってみたとき。  聞いただけで「わかった気になって」しまって、もう身に付いていると錯覚している人の率は、100%にのぼるんじゃないのかな。 >旧版のあらすじがダメだった理由の考察 >>・登場するキャラクターがどういう人物なのか、最低限の情報すら入っていない。 >>・そのストーリーにおいて何が重要で、何が重要でないのか判断がついていない。だから余計な説明が入っている。  ぜんぜん手ぬるい。  ちっとも具体的ではないし、かといって総括的でもない。  この現状はつまり、例の「わかった気になっている」だけなわけね。  ということは、次にあらすじを書くときにも、また同じことを繰りかえすってことだ。  いまここで身につけておくか、次の時とか、次の次の時とか、次の次の次の時にも同じミスをしでかして、身につけるのはその「次以降」に回すのか。  どちらか選ぶように。 >「おそいよ」の結の候補 >>この話の結として、次の三つ、候補がありました。 >>(1)別れて終わり。別離。 >>(2)大人になった主人公が、いまの彼女に昔の淡い恋を語っていたという場面。 >>(3)別れた二人が再会する。 >>(4)数年後、二人は再会したが、すでに別々の恋人ができていた。  ええと。  僕の読みかたが間違っていなければ、これら4つのエンディングを持つ話は、すべて同一の「物語」であると、そう言っていることになるのだが。  分かれて終わった話と。  現在の彼女に昔の思い出を語っている話と。  二人が再開を果たす話と。  再開したけど、もう二人には別々の恋人ができていた話と。  ――なんでこれらが「同じ話」になるわけ?  そりゃ、「少年期の恋の話」という括りでは「同じ」だけど。  1は「現在の恋」の話だよね。別れて、そこで終わるわけだし。小学生の主人公たちが「現在」において体験する恋の話。  2は「過去の恋」の話だよね。大人になってから振り返った話なわけだ。  3は「過去の恋から、現在の瞬間まで」の話だよね。ずーっと長い歳月の中を引っぱってきた想いに、「現在」で決着が付く話なわけだ。  4も3と同様。  3と4が「決着の付けかたは違うが、同じ話」というなら、まあわかるけど。(それだってテーマが違ってきちゃうから別物なのだが)  しかし、1と2と3は、もう明らかに別の話でしょう?  これが「同じ話」に見えてしまっているなら、分解能、低すぎ。  もうハナシにならんくらい、低い。  オレンジとミカンと夏みかんとライムの区別ぐらい付けろよ。――ってな感じ。みんなフルーツであり果物であり、「柑橘系」であることは間違いないけどさ。  それで、1から4。  それぞれ、すべて、テーマが違ってくるわけだけど。  ぜんぶ正しく言える?  あと、予定していたテーマが「甘酸っぱい夏の思い出」とか言っちゃっているわけだけど……。  この4種のなかに、テーマが「甘酸っぱい夏の思い出」となる話って、そもそもあるのか? >タイトルとか >>「花火、彼女に涙と、約束」なんつうタイトルじゃ、やっぱりセンス皆無でしょーか。  はぁ? それタイトルのつもり?  センスを云々する以前の問題なんだけど。タイトルってなんなのか、まるでわかっていないことになるのだけど。  どれだけ「とほほ」かわかってもらうために、ひとつ、例を出してみよう。  「海苔の佃煮」があったとする。あの黒い半固形のノリが詰まっているガラス瓶ね。ご飯にかけるとうまいやつ。  そこに貼るラベルとして、こんなタイトルを付けたとする。     「岩海苔、醤油、砂糖、水」  または、「オレンジジュース」のタイトルとして、「オレンジ果汁(濃縮還元)、水、香料、保存料」とか書いてあるのも一緒だな。  タイトルっていうのは――。  海苔の佃煮には、「江戸むらさき」とか付けるわけだよ。  オレンジジュースには、「トロピカーナ100」とか付けるんだよ。 >ハンドル名  そうそう。早めに自分で考えつかないと、しばらくしたら改名させちゃうかもしれないので、そのつもりで。  次のハンドルは……。  「人間」っての、どう?  それとも「作家希望者」とか、どう?  これだって間違ったラベルじゃないよな。「成分表示」としては正しいわけだし。 >>普通は、このあらすじを見て、37枚って聞かされた時点で、「読む価値なし」って断定されるからね。  あ、すまん。  じつは枚数を聞く必要さえなかった。  何枚で書きあげてこようと、そもそもムダ。  あのあらすじを見た時点で、テーマ不在なのが丸わかりなので、あらすじを読んだだけで、もう読む必要はない。  テーマっぽいものはいくつか見いだせるんだけどね。それらが一本の同じ方向に向いていないから。つまりないのと一緒。 >悪文修正 >>「等々等々、そんな言葉の羅列。私は思わず、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなる」  やり直し。  「裁縫」って、なによ?  裁縫っていうのは、手でちくちく布を縫ってゆくその行為のことを指している言葉なのだが。  ジーンズって、手縫いでちくちく縫っているものなのか? あんな分厚い布地、強力なミシンでもなけりゃ針が貫通せんぞ。家庭用ミシンだと針が折れて飛んでくるのだ。危ないのだ。  「言い」を「いい」と開いているのは、なぜだ?  しかし問題点は、そんな細かいところにあるのではなくて……。  そもそも「書き直し」と言われたとききに、受け取る概念が違うのかなぁ?  名無し君2号は、「書き直す=部分的に修正する」と思っているでしょう?  ちがうの。  「書き直せ」と言われたら、それは、少々直したぐらいじゃ使い物にならないから、ぜんぶ取り替えて再構成してこいっていうことなの。  これが料理であったら、「作り直せ」と言われていることになるわけ。「盛りつけを直せ」と言っているのとは、ちがうの。  一から組み立て直しなわけね。了解? >レスラーのNGライン  ちゃんと線引き、してるじゃん。  自分の好きなレスラーであり、自分に直接降りかかってくる災難でなければ、なにやったっていいわけね。  まあ、「すごく好きなレスラー」と「少し好きなレスラー」でどう違いが出るのかとか、そういう部分に突っこめないこともないけど、たいへんわかりやすい。 >>例えば恋人ならば、たとえ殺人者であろうとかばおうとするでしょう――愛の質、深さによっては。  ところで、恋人の例を出してくるのは正しくないよ。  だって名無し君2号、かばってないじゃん。レスラーのこと。  そこは痛いから触れてくれるなと、自分の傷の痛みのことでいっぱいいっぱいで、自分の保身に必死になってるだけじゃんか。  なにか、レスラーを擁護するようなこと、してたっけ?  たとえば――。  わざと失明させるのはNGで、事故で不可抗力なら仕方ないのだ――とか、そういう説明を、誰かに対して行った? 「恋人」をかばってみせた?  日本のプロレスは「真剣勝負」と言っているが、その実体は八百長なのだという現実があったのだとする。  その「現状」の正当性について、人に弁明を行った? 八百長で構わないのだ。言っていることとやっていることが矛盾していてもいいのだと、そう声高に主張した?  もしくは正当ではなかったとしても、不可抗力でしかたのないことなのだと、弁明を行った? たしかに八百長はいけないことであるが、そうせざる得なかった歴史とかがプロレスにはあったのだとか――そう説明した?  「恋人」が殺人を犯してしまった原因について訴えかけ、相手に理解してもらおうと努力した? もしくは弁明不能であっても、「恋人」を批判して、傷つけようとする相手の前に立ちふさがって、自分がダメージを引き受けることで「恋人」を守った?  「プロレスって八百長なんじゃないの?(ニヤニヤ)」    ――と言う人に。  「うるせぇな」    ――と言っただけだよね。  これは「かばった」ことになるの? どうなの?  自分の「触れてもらいたくない傷口」をかばうために、ガードを固めただけなんじゃないの?  「恋人」が殺人者であったことで、自分はひどく傷ついたのだよね。その傷口に触れて貰いたくないわけだよね?  「恋人」のことなんかどうでもよくって、自分のことだけしか考えてないじゃんかよ。どこが「かばってる」んだよ? 錯覚で自分を美化するのもたいがいにしとけ。 >>だから感情的にならざるを得ないのです。その話題は非常に痛いのです。たのむからそっとしておいてくれって感じなのです。  つまり、なんにもしないで、布団をひっかぶって現実逃避していたいから、そっとしておいてくれっていうことだね。  腰抜けが。  そんな腰抜けがファンを名乗っているくらいでは、その「プロレス」とやらも、たいしたことないし、先も長くないだろうなぁ。  PRIDEに出ては負け、出ては負けするレスラーを、応援するぐらいの覇気はないのか? 負けてこいとか、言ってやらんのか?  負けるとわかっていて、なお勝負におもむくのって――「漢」だと思うがなぁ。 >グッヒェッヒェッと笑うプロレスラー  つまり、2つってことね。  該当例2つというのは、それは「多い」ってことなのか?  もし本当に2つしか見つからなかったなら、その「多い」という言葉は撤回しろ。  それは「気のせい」ってことになる。事実とは混同するな。 >ひとりごと  なんだか最近、名無し君2号にばかり書いているなぁ。  しかも、これ半分は、人生相談だよなぁ。  まあなにかの困難に立ち向かう姿勢っていうのは、小説に向かう姿勢とは、共通の基盤に載っているから……。  小説のことをやるときに、ちょっと困難があって、ちょっと心が傷ついたぐらいで、布団ひっかぶって「触らないでください」なんて引きこもられても困るわけだし。  アマチュアとプロの境界をまたいで越えるっていうのは、口で言うほど簡単なものじゃないのね。  両生類が陸にあがるようなもの。爬虫類が空を飛べるようになるようなもの。  常識的に考えれば、ほぼ「不可能」に分類されるようなこと。  どうしてサカナが陸で生きていけるようになるんだよ?  どうしてトカゲが空を飛べるようになるんだよ?  不可能だろ。そんなこたぁ。  どうしてアマチュアがカネを取れる小説を書けるようになるんだよ?  不可能だろ。そんなこたぁ。  不可能とわかっていて、なお挑むぐらいの気概を持ってくれなきゃ、そもそも達成不可能なわけね。だって不可能なんだし。  技術じゃないんだ。  プロとアマチュアとの違いは、「気迫」――ただそれだけ。  技術なんぞ、どうとでもなる。それはここでも教えている。てか、市販の作品を分析して読み取れるだけで、もう充分すぎるほどだ。  なによりも必要なのは、気迫なの、気迫。  絶対に陸にあがって生活するぞー、とか、絶対に空を飛んでみせるぞー、とか。両生類も爬虫類も、きっとそう思ったに違いない。何億年か昔に。  ――てか、生活の場所を追われて、陸にあがるか空を飛ぶかしなけりゃ「絶滅」するしかなかったから、そんなところに行ったのだろうけど。  陸上生物になった種族とか、鳥類になった種族とか、いちど、絶滅寸前まで追いやられているはずだ。  プロになりたきゃ、死ぬ気でやれ。  てか、まず先に死ね。95%ぐらい死ね。気持ち的に。  死んだつもりにならなければ、見つけられないものもある。  死中に活を見いだす以外に、道はないと知れ。 -------------------------------------------------------------------------------- 再度、WWEについて。そしてプロレス=八百長論について。 No.6822 投稿日 2003年8月11日(月)13時41分 投稿者 シャニークワ WWEのプロレス番組は、スカパーもしくはJ.comで視聴できます。PPVという有料視聴特別番組(「レッスルマニア」など)は、レンタルDVD&ヴィデオになっているようです。 関東方面ではフジ系列が「スマックダウン」のダイジェストを放映しているようですが、それらの番組では、おそらくWWEの本当の魅力を味わうことはできないのではないかと私は思います。 もしみなさんが、『娯楽』というものをどうやって構築し消費者に差し出すべきか24時間体制で365日真剣に考えておいでなら、是非上記の方法でWWEに触れてみてください。 『プロレス=八百長論』については村松友視氏が「私、プロレスの味方です」をはじめとする諸作品で語(私に言わせると上手くスモールパッケージホールドで丸めて3カウント取ってしまって)っておいでです。 そこに付け加えるべきものはほとんどありません。 ただ、あくまでも私という一プロレスファンの私見を述べさせていただくと、消費者が格闘技番組に求めるものは、必ずしも勝利ではない。 パンクラスやPRIDEに代表される総合格闘技は、その「本物らしさ」で観客を魅了しています。腫れ上がる瞼、流血、試合後報道される骨折や網膜はく離といった怪我、そういった「リアルさ」「本物らしさ」が魅力であって、マウントポジションを取ってタコ殴った方が勝ち、あるいはハズカシ固めやアームバーでタップを取って勝ち、という「勝敗の過程」そのものは少し単調です。 WWEはその対極に位置しています。 彼等は観客に勝敗を提供するのではなく、優れたアスリートが繰り広げるドラマで観客を「エンターテイン」しているのです。 どちらが好みかはひとそれぞれですが、私はファンとして、WWEスーパースターズの内もっとも優れたアスリートは、一流の総合格闘家でもあると断言いたします。 嘘だとお思いでしたら、是非DVDあるいはヴィデオをご覧ください。 私が特にレスリングにおいて優れていると思うのは、 カート・アングル エディ・ゲレロ クリス・ベノワ チャーリー・ハース シェルトン・ベンジャミン ブロック・レズナー です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6823 投稿日 2003年8月11日(月)15時19分 投稿者 新木 伸 >シャニークワさん  僕がWWEをWWFと間違えていたことへの指摘は、ありがたく受けとらせていただきました。またショーとしてのプロレスの魅力について、僕が語るのをサボっているところを、かわりにやっていただいて助かりました。  しかし、シャニークワさんは自己紹介もされていませんし、乱入は、そろそろ自粛ください。  作家を志す者は、他のエンターテイメントを見て学ぶべし――というのは、僕も常日頃からここの連中に言っています。  僕の認識でも、ショーとしてのプロレスは、良質のエンターテイメントであるという位置づけになっています。  しかしここは小説のことをやる場所です。  最良のエンターテイメントは「小説」であると信じるからこそ、作家は小説を書わけです。そこのところは譲れません。  プロレスというエンターテイメントを、小説にどう生かすか――そこを外れてのプロレス談義は、単なる脱線となりますので。  「小説が一番」とだけ言って、理由を述べないわけにはいかないので、なぜ小説が一番なのかということについて、すこしだけ解説します。  時間対効果でいうのならば、小説は全エンターテイメント中、漫画についで二番目となります。同じ時間を費やして、どれだけ楽しめるかというモノサシで計ってみた結果。そういう意味で。  プロレス中継はすべて追いかけていると、やたらと長くなります。あるレスラーのドラマを追いかけるのにも、数ヶ月単位の時間がかかります。  しかし小説なら、ひとりの登場人物の生涯が、長編を読むわずか二時間のあいだに再現可能です。  また同じ二時間をかけて、30分間のドラマを語り尽くすこともできたりします。  このように小説というメディアは、「手軽さ」という面において、他のエンターテイメントの追随を許さない高いレベルにあるわけです。  また費用対効果――つまり「値段」も、小説がいちばん安いです。  小説の1冊は、漫画本でいうと3冊くらいに相当します。一冊の小説を漫画化すると、だいたい3冊必要です。  漫画本は、いま400〜500円くらいですね。  これ3冊だと、1200〜1500円。  小説なら600円。  ただ、「手軽さ」ではじつは漫画が一番なのですけどね。  読むことにかかる負担もいちばん軽い。これがいちばん大きい。  また時間スケールのダイナミズムでも、小説の上をいっています。野球の1試合=2時間を、1年も2年もかけて、単行本数冊分にも渡って連載することが可能なのは漫画だけです。  ちなみにここに上げた理由だけでは、小説は漫画の下にあることになります。  小説のほうが上回っている点は、登場人物の内面心理に踏みこんでゆける点。  他のあらゆるメディアで「不可能」なことを、唯一、小説だけが可能としています。(漫画が限定的に行えるが、やはり不十分) >テキスト原稿の体裁とか  巻島。  原稿受け取った。  しかし体裁がなっとらんので、教えてやることにする。  以前、望月には教えたのだが。 ・作品の題名。 ・作者名。 ・作成日時。(脱稿した日付) ・初稿なのか、二稿なのか、バージョン番号に相当するもの。その他の備考など。  これらすべてを、「ファイル名」と「作品冒頭」の両方に付けておくこと。  ファイル名の拡張子は「.TXT」とすること。  以上、2点。  原稿送付の鉄則ね。  なぜこれが必要なのかというと、受け取った相手が整理しやすくするため。  相手のところには、たいてい、あちこちから寄せられたファイルが山ほど存在しているわけだ。HDD中の同じひとつのフォルダ内に、あらゆる著者から送られてきた原稿が、ごちゃっと混在している状況を想定しろ。  想像できたか?  そうしたら、ファイル名に4項目をすべて書く必要は理解できると思うが。  お前のマシンHDDのなかには、自分の小説しかないのだろうけど。  編集さんのHDDのなかには、何十人から送られてきた小説が、どさっと入っているわけだよ。  俺のところも、そうなっているわけだ。  巻島のもきょろのも、光のも翠のも紫のも、みやびさんのも、ぜんぶひとつのフォルダに入っている。いちいち個人別にフォルダなんて切ってやるかよ。面倒くさい。どこの馬の骨ともわからんやつの書いた小説のためなんかに。  ちなみに俺のHDDの中なんて、まだマシなほうだ。みやびさんのHDDの中なんて、もっとすごいぞ。整理ヘタクソだから。  そして世の中の「編集さん」のマシンの中も、だいたい、そんなもんだ。  プロ作家のテキストなら、作家別にフォルダぐらい掘ってあるかもしれない。しかしプロ未満のやつの原稿なんぞ、「アマチュア」って名前のフォルダのなかにまとめて入れられてるに決まってる。  そんな中に、「クロッシングマインド第一稿 一括版.txt」なんて名前のテキストファイルを放りこんでみろ。数日もしたら、誰が書いた作品なのか、忘れられるに決まっている。  あとで分類するのに必要なのは、上記の4項目なわけだ。  そうしたデータを相手が自分で書き込んで、ファイル名も変えて――とやってもいいわけだが。整理上手な人は、たいていそうやっているわけだが。  しかしそれよりも、送り側が気を付けておくべきだよな。  面倒をかけさせないという意味でも、自衛の意味でも。(相手がデータを記入するときに間違えないとも限らない。「作者:巻島」と書くかわりに、「作者:望月」と書いてしまわないとも限らないわけだよ)  また、なぜファイル名と作品冒頭の両方に同じデータが必要なのかというと、相手がファイル名を変えてしまう可能性があるからね。  相手が、自分が送ったときと同じ名前で保存してくれるとは限らない。 -------------------------------------------------------------------------------- 主人公が不憫な話。 No.6824 投稿日 2003年8月11日(月)21時41分 投稿者 魚住 雅則 ●主人公が一度『死ぬ』ことによって、展開上で必要な弱さを描く >なぜいっぺん「死なせる」ほうが、都合が良いのだ? 敵に殺される。事故に巻き込まれる。などと、割とあっさり死んでしまう主人公です。 この時点では普通の高校生なのだから負けるのは当たり前ですが、冒頭でサクっとやられてしまうことは重要なポイントとなります。 今回は敵に殺された場合を基本にして話を進めます。 まず最初の死因、敵の攻撃は弱攻撃(手加減した攻撃のこと)の方が良いかと。これは主人公の弱さを不足なく描くためです。 武装錬金では主人公が少女を助けようと飛び出して、逆に心臓を貫かれて絶命します。 敵に対して歯が立たないどころか流れ弾的に死んでしまう(相手にもされていない)。本気を出したわけでもない攻撃で終わり。 それほどまでに「弱い」 高校生―― 普通の人間としてはおかしくないですが、戦闘要員としては明らかに「弱い」。早い段階でここをハッキリさせておきます。 そして終盤で主人公はもう一度殺される経験(2回目は「喰われる」)をします。 しかし戦う力を得た主人公がその程度で死ぬはずはなく、その状況から反撃して敵を倒します。同じシチュエーションでも結果は大違いになっている。 これにより、「主人公は強くなった」という点を非常に強調することができます。(「以前は全く歯が立たなかった相手をバッサリ倒す」という気持ち良さもある) 上の要素は「殺されていなければ成立しない」というものではありません。 「窮地に陥ったときに力を与えられる」でも近いことはできます。 ただし普通に戦う力を手に入れた場合、描ける「弱さ度」が減少します。 『敵に(あっさりと)殺され、復活と同時に手に入れた力で戦う。そして勝つ > 敵に倒されそうになったときに、緊急で与えられた力で戦う。そして勝つ』 必要となる「弱さ」を描く上で「主人公が死ぬパターン」はとても都合が良い。 負けるどころではなく手加減された上で瞬殺されるわけだから、「弱さ」を伝える点でベター。 わざわざ設定がややこしくなるように手を加えて、 「戦うためのものだけど、じつは再生させる力もあったのだ!」とするのは、 「主人公の変化(ありていに言うとパワーアップ)をより印象強くするために都合がよい」 こういう結論になりました。 (事故に巻き込まれた場合も、復活後の戦闘で「強くなった主人公」を描くことができます) ●「敵の残虐さ」を登場人物を安易に死なせることなく表現できる(ただし事故で死ぬパターンは除く) 必要なコンセプトは「敵は殺人など何とも思っていない、残虐な性質である」ことと、 バトルがメインである以上「普通の人間では敵わない存在である」こと。 敵の性質を描くことは主人公を描くことに匹敵する重要事項です。 そして、これらを表現するために一番簡単で、もっともストレートに伝えることができる手段は「誰かが殺されること」。 では誰が死ぬか。 主人公に関係ない一般人というパターンも、もちろんアリです。しかしそのために「襲われている人の描写」で別ページを割く必要があります。 また何処の誰かわからない人間が殺されても印象に残りにくいという弱点もあります(市場に出ている物語の中で、登場人物Aはしょっちゅう殺されるから)。 では主人公の友人知人など、近しい間柄の人物というパターン。 印象度はぐっと上がりますが、友人が襲われるシーンまでに必要なページ数は相当なものになります。 ただの登場人物Aではない代わりに、説明や描写も大量に必要になってくる(この『タメ』がないなら、わざわざ友人知人を出す意味もない)。 さらに主人公に「友人、知人が殺された」という復讐要素が混じってしまってうまくない。というか話のテーマが変わるからアウト。 最後に「主人公殺害パターン」です。 1・余計な人物説明が不要で(主人公の説明、描写はいずれにしろ必要)、 2・印象度も強く(主人公こそ物語で最重要人物だから)、 3・安易に登場人物を殺す必要もない。 4・その上巻き込まれ方としても申し分ない(本人が死ぬという巻き込まれ方。完全に事件の当事者になれる) 役に立つなあ主人公。 ここでは「合理的に敵の性質を描く上でも適任」という結論です。 ●序盤の展開をダレさせない 序盤数ページで客の関心を引く。ツカむ。「おっ、この漫画(小説)面白そう、もうちょと読んでみるか」と思わせるためにすべきこと。 そのうちの一つとして――インパクトある展開を持ってくる。 唐突に戦う力を得られるよりも、「主人公が殺された」という方がインパクトある展開である。 さらに「え、主人公が死んだの? これからどうなる?」というヒキとしても使えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 戦神[アレース]が敗走[ポボス]と恐怖[デイモス]を率いてやって来る No.6825 投稿日 2003年8月12日(火)01時06分 投稿者 弟切 千隼  今年は火星大接近の年だと騒がれていますね。今、夜空を仰ぐと、ちょっと不気味な赤い色をした星が、異様に明るく輝くのが見られます。  ある天文学者の試算によれば、今回の火星大接近は約六万年ぶりだそうです。皆さんぜひ見ておきましょう。あの際立った輝きを実際に目にすれば、古代の人が火星を戦乱の星として恐れた気持ちが、少しは理解できると思います。 名無し2号さんへ >  「全身幽霊と部分幽霊」について、答えて下さってありがとうございます(^_^)  お礼に、名無し2号さんの考える余地をなくさない程度に、「怖い」と「恐い」について答えておきます。  弟切は、恐怖を表わす「こわい」という言葉を漢字表記する時には、「怖い」を用います。別の人が書いた文章を引用するなどの特殊な場合でない限り、「恐い」は用いません。  なぜならば、「恐い」と表記すると、「恐ろしい」と混同されやすいからです。両方とも恐怖を表わす言葉とはいえ、意味と語感が微妙に異なる「こわい」と「おそろしい」を混同されたくありません。  漢字の意味からしても、恐怖を表わす「こわい」は「怖い」であって、「恐」の字を用いるべきではないと弟切は考えます。  これ以上の説明は、名無し2号さんの考える余地を奪わないよう、弟切はここに書きません。  ちょっと脱線しますが、以下に、「恐怖」を表わす言葉について少し薀蓄を垂れさせて下さい(笑)  今、地球に大接近している火星は、英語でマーズMarsといいますね。この名はローマ神話の戦神マルスMarsに由来しており、さらに由来を遡ると、ギリシャ神話の戦神アレースAresに行き着きます。  戦神アレースには、常に二人の息子が従者として付き従いました。その息子たちの名は、ポボスPhobosとデイモスDeimosといいます。  この二人の名は、どちらも「恐怖」を表わすギリシャ語だそうです。けれども、日本語で恐怖を表わす「怖い」と「恐ろしい」とが微妙に異なるように、ギリシャ語でもPhobosとDeimosの間には微妙な差があるようです。  残念ながら、弟切はギリシャ語には造詣が深くありませんので、この微妙な差を詳しく解説することはできません。ただ、弟切が調べた範囲では、Phobosの元来の意味は「恐慌に陥った兵士が敗走すること」らしいとわかりました。一方、Deimosのほうはごく一般的な意味の「恐怖」を表わすようです。  したがって、この二つの区別を明確にするために、ポボスPhobosを「敗走」、デイモスDeimosを「恐怖」と訳してみました。  今、天を翔っている火星Aresにも、ポボスPhobosとデイモスDeimosは忠実に従い続けています。火星の二つの衛星に、この二人の名が付けられています。  天文学の世界では、ポボスPhobosはフォボス、デイモスDeimosはダイモスという英語読みで呼ばれることが多いですね。 >>いびりの分析  No.6814の書き込みの続きで、いびりの分析を続けます。全九パターンのうち、残るは三パターンですね。  今回は、 >>3)いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因がある。 場合について考察します。  上記3)の場合は、いびられる側とそれとは関係ない部分と、どちらか片方だけから受けるストレスでは、いびりは発生しません。両方が合わさって、いわば「臨界点」を越えていびりが発生します。  このようないびりは、物語の中ではどのように使えるでしょうか?  考えられるのは、どちらか片方由来のストレスを「スイッチ」に使うやり方です。例えば、新しく開店した支店の店長を命じられた社員が、店がなかなか軌道に乗らなくてストレスを溜めていたとします。そこへ新しく配属されてきた部下が問題児で、店長はその人に対してもストレスを溜め、「臨界点」を越えていびりが始まった、という具合に使えますね。  二つのストレス原因をうまく組み合わせることにより、いびりの発生タイミングを細かく調整することができます。これは、物語の流れを円滑にするのに良い方法ですよね。  今日はどうも考えがまとまりませんので、これ以上の分析は次回以降に回させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 今年は梅雨明け宣言はないそうだ。 No.6826 投稿日 2003年8月12日(火)04時44分 投稿者 名無し君2号 >弟切さんへ  “恐い”と“怖い”について、回答ありがとうございます。  確かに新木さんの言うとおり、ただ教えてくれでは失礼でした。  なので“恐い”と“恐い”、私がどこまで調べていたのか書きます。  国語辞典を調べると、どちらでもいいような表記がされてました。明確な区別はないです。  で、漢和辞典を調べます。ちなみに新明解漢和辞典。  漢和辞典では、“恐”は音訓がオソれる、オソれ、オソろしい等々、“オソ”。  “怖”は音訓がコワがる、コワい、で“コワ”。  意味を調べても同じような意味に思えたので、とりあえず音訓に従おう。  なので“こわい”なら“怖い”でいいのではないか、と思っていたのですが。  “恐”“怖”を調べたあと、小説なりを読むにつれ、プロの小説家でも“恐い”を使っている人がいるのに気がつきました。  どういうことだ? 何か違いでもあるのか?  不安になったのですが、さて、どう調べればいいのだ?  とりあえず“恐”と“怖”、これが含まれる単語を調べてみました。  “恐”……恐悦、恐喝、恐慌、恐惶、恐妻、恐察、恐縮、恐怖、恐竜。  “怖”……恐震ふ、怖気。  “怖”が少なくてよくわからん。  んー、んー?  とりあえず、“恐”のほうが意味が広く使えるってことでいいか?  んー。わからない。  ここまでしか調べてませんでした。とりあえず“恐い”にしとけ、という感じです。  だから、教えてもらえるなら、教えてもらいたいな、というスケベ心が働いたのは事実です。だって弟切さん、物知りなんですもの。  私が楽をしようとするあまり、お手数おかけしました。すみません。 >“駆ける”と“駈ける”の違いについて  こちらはお手上げです。  漢和辞典調べても、  “駈”→“駆”としか書いてないんですもの。どうすればいいのだ。 >旧版のあらすじがダメだった理由の考察 >>ぜんぜん手ぬるい。 >>ちっとも具体的ではないし、かといって総括的でもない。  了解。  こちらはちょっと時間ください。過去ログひきつつ、考えてみます。 >「おそいよ」の結の候補 >タイトルとか >ハンドル名 >悪文修正 >プロレスの話題  えーと、こちらも時間ください。  以下、理由。 >>普通は、このあらすじを見て、37枚って聞かされた時点で、「読む価値なし」って断定されるからね。  これを読んで、 「じゃあ、読めるようにしよう」  と意気こんで書き直したのです。原稿用紙18枚。ちなみに所用時間、あらすじ、プロット、本文こみで九時間。  で、次の文。 >>あ、すまん。 >>じつは枚数を聞く必要さえなかった。 >>何枚で書きあげてこようと、そもそもムダ。 >>あのあらすじを見た時点で、テーマ不在なのが丸わかりなので、あらすじを読んだだけで、もう読む必要はない。 >>テーマっぽいものはいくつか見いだせるんだけどね。それらが一本の同じ方向に向いていないから。つまりないのと一緒。  ぎゃふん。  テーマ、あらすじからやり直します……が。  時間が無駄になったのが少々堪えたので、布団ひっかぶって寝ます。  自分勝手な理由なんですが。  一晩寝れば大丈夫です。一日だけ時間をください。 >>プロになりたきゃ、死ぬ気でやれ。 >>てか、まず先に死ね。95%ぐらい死ね。気持ち的に。 >>死んだつもりにならなければ、見つけられないものもある。 >>死中に活を見いだす以外に、道はないと知れ。  知るだけではなく、理解するようにしますよ。  実際にやらなきゃ、やったことにはなりませんで。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6827 投稿日 2003年8月12日(火)11時58分 投稿者 新木 伸 >名無し君  あんまりいじめ続けてもアレなんで、すこしはいたわってみるか。  罵倒しないで、優しく訊いてみるテスト。  人によっては、罵倒されるよりも優しくいたわられてしまうほうが効く場合があるし。  辞書の引きかたについて。  まず、質問なのだけど。  名無し君は、辞書って何冊持ってるの?  なにか話を聞く限りでは、2〜3冊程度しか手元になさそうなんだけど。  最低でも、国語辞典で3〜4冊。漢字辞典で2冊。その他にも、現代用語知識系(イミダス)やら、カタカナ語時点やら、類語辞典やら、英和と和英。――そのくらいなかったら、話にならないよ?  辞書を引いて調べものをしていったところで、辞書の数がそもそも足りなかったら、見つけられるはずもないのだ。  アマチュアでちょろちょろ書いているなら、高校の時に使っていた辞書が一冊あれば足りるだろうけど、名無し君はプロ目指してるんでしょ?  あと過去ログは、いまどこまで読んでいるの?  辞書の必要数やら、辞書の引きかたやらの話は、過去ログのどこかでやっているのだが……。  どうも話が通じないので、まだそこまで過去ログを読破してないってことかな?  ――で、辞書の引きかた、物の調べかたについてだけど。  ここで解答を訊いちゃうのは簡単だし、僕も弟切さんも教えられるけど。  そういうことをしていると、次に似たようなことが起きたときに、また同じように教えてやらなきゃならなくなる。  それをやっていると、僕らはいつまでも君に教えてやらなきゃならないわけね。ずっと永遠に。君がプロになっても尋ねられて教えることになるのだろうか?  ということで、「答え」ではなくて、「調べかた」のほうを、いま身につけてしまおう。  そうすれば、次にまた「この言葉とこの言葉はどう違うのだ?」という疑問が出たときに、自分で調べあげることができる。  具体的には、自分の手だけで、答えを見つけ出すまでやってみること。執念で。  ただし「解答」ではなくて「調べかた」についてなら、尋ねてみてもいい。 (皆も「調べかた」についてなら、教えていい)  あと「時間が無駄になった」とかいう件。  なにか書いてきているわけだが……。  名無し君の身になにが起きて、なぜゆえに、なにがどう無駄になったのか。なにを言わんとしているのか、まったくわからない。  あらすじ書き直して、プロット立て直して、本文も書き直して18枚で書き直して――それぜんぶを9時間かけて行ったということ?  そうしてから、僕の次の一行を読んでみたら、そこで「なにやっても無駄」と言い切られてしまっていて、ショックを受けちゃったってこと?  べつに無駄にはならんと思うが。とりあえず課題部屋にあげておきなさい。  どう変わったのか見たいので。――てか、たぶん別の話になっちゃっているだろうから、その指摘も行おうと思うから。  これは名無し君に限ったことではなく、弟切も、望月も巻島あたりにも通ずる「作家としての巨大な欠陥」なのだけど。  ややもすると、書き直すたびに、どんどん別の話になっていってしまうわけね。  自分の「書きたいもの」の中核を捉えきらずに書いている人間は、だいたいそうなってしまう。  名無し君も、あの「おそいよ」という話の中で、なにが「自分のいちばん書きたいところ」だったのか、きちんと人にわかるように言えないでしょ?  ひとつ、ためしに、言ってごらん。  たぶん自分でもよくわかっていなくて、言えないはずだから。  ちなみに上のほうで書いた「無駄ではない」というのは――。  名無し君の場合は、そもそも執筆量が恐ろしいほどに足りないわけだ。だからなにを書いても、執筆すること自体に意味がある。そういうことね。 >魚住  主人公を死なせる理由。  何日も何日も、長々と考えてきて、それか。  話にならん。  下手な考え休むに似たりってやつか?  それとも数打ちゃ当たるとか思ってる?  考えてきたもの、間違いとまでは言わんが、ぜんぶその回その1話限りの効用しかないようなことじゃん。小さいんだよ。  ほんとうに目先のことしか見てないんだな、お前さんは。  話を長く続けてゆくにあたって、どう有利な面があるのかって、そう訊いてるの。  あと、俺の訊いたもうひとつの理由は?  主人公がただ力を授かってしまったのでは、なぜだめなのか。  ――てか、ここで俺の訊いていること、ちゃんとわかってる?  ひょっとして、「主人公はいきなり力を授かって超人になりました」っていうのは、魚住的にはアリなんか?  さすがにそれはないよな。……ないよね? いくらなんでも、そんなご都合主義が許されるわけがない。  色々含めて、考え直してこい。  あと思考のクロックをもうちょい上げろ。  たかだか連載漫画の1話分の分析に、お前は何週間かけるつもりだ? -------------------------------------------------------------------------------- 曇り空の下で。 No.6828 投稿日 2003年8月13日(水)00時29分 投稿者 名無し君2号  実にうっとうしい天気でした。空が重くて狭くて。落ちてきそうで。  まずは前日の話題から。 >旧版のあらすじがダメだった理由の考察 >>ぜんぜん手ぬるい。 >>ちっとも具体的ではないし、かといって総括的でもない。  了解。  まず、“あらすじ”はなぜ必要なのか、を考える。  相手にどういう話なのかを、簡単に教えるため。  で、原稿用紙何十枚〜何百枚分の話を400字(50字〜800字)に納めるのですから、どうしたって“話”に含まれる情報の、取捨選択をしなくてはならないわけです。  どれが必要で、どれが必要じゃないのか。  最低限必要なのは、話の筋。  「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ(どんな理由で)、どうした」です。5W1H。  そもそも“あらすじ”とは荒筋と書いて……ちょっとまて。本当にそうか?  辞書を調べる……正解だった。「粗筋。荒筋とも書く」。  つまり粗い筋。おおまかな筋の運びです。  いつの話なのか、舞台はどこか、登場人物は誰で、それはどんな人なのか、その人物たちの行動は、どこから始まって、どんな道を通って、どういう結末を迎えるのか。  で、先にあげたように、書くことのできる字数は限定されてます。なので、それぞれの情報は簡潔に、そして的確に記さなくてはなりません。  私の書いた話、「おそいよ」のあらすじの場合。  最初に書いたあらすじを見ると、 ・いつの話なのか不明。 ・主人公とヒロインの関係が不明。 ・主人公とヒロインの初期関係が不明のため、結果として物語の初期状態がどうなのか不明。 ・物語の初期状態が不明のため、結果として物語の過程も不明。 ・終了状態こそ書いてはあるが、初期、過程が不明じゃ意味わからん。  どこにどれだけの字数を使えばいいのか、それがわかっていなかったのです。  なぜか。  私が“あらすじ”とはなんなのかを理解していなかったこと。  私がこの話がどういう話なのか、理解していなかったこと。筋ではなくエピソードを見てた。  こんなところかと。 >「おそいよ」の結の候補 >>分かれて終わった話と。 >>現在の彼女に昔の思い出を語っている話と。 >>二人が再開を果たす話と。 >>再開したけど、もう二人には別々の恋人ができていた話と。 >>――なんでこれらが「同じ話」になるわけ?  これは、 >>それで、1から4。 >>それぞれ、すべて、テーマが違ってくるわけだけど。 >>ぜんぶ正しく言える?  にもかかってくるのですが。  私のあげたテーマ「甘酸っぱい夏の思い出」。  これがそもそもテーマじゃないし。  これはテーマというよりは、「あー、なんか甘酸っぺー話書きてー」という作者の欲求……覚え書きかな? 程度のもので、えー、あー、つまり……。  この話には最初から「テーマ」がなかった(作者が認識していない)。  だから“結”の候補があんなことになった。  だから、 >>あのあらすじを見た時点で、テーマ不在なのが丸わかりなので、あらすじを読んだだけで、もう読む必要はない。 >>テーマっぽいものはいくつか見いだせるんだけどね。それらが一本の同じ方向に向いていないから。つまりないのと一緒。  ――ということになったと。  各テーマ。 >>(1)別れて終わり。別離。  少年と少女がつむぐ、儚い恋。 >>(2)大人になった主人公が、いまの彼女に昔の淡い恋を語っていたという場面。  少年時代の淡い恋の思い出。 >>(3)別れた二人が再会する。  愛は強い。 >>(4)数年後、二人は再会したが、すでに別々の恋人ができていた。  これが現実である。だけどあの日の恋は無駄ではない。 >タイトルとか >>タイトルっていうのは――。 >>海苔の佃煮には、「江戸むらさき」とか付けるわけだよ。 >>オレンジジュースには、「トロピカーナ100」とか付けるんだよ。  わかった、ような気がします。  タイトルとはその商品(小説)を、お客さん(読者)にどういうものなのか、説明するものである。  同時に、それを買おう(読もう)と思わせるものでなくてはならない。  かといってあまりにも外れた名前をつけたら変である。例えば、海苔の佃煮に「トロピカーナ100」と名付けたりとか。 >ハンドル名  暫定(作家になるまで)のハンドル名だから、適当でもいいっちゃあ、いいんですけども。  いまいちいいのが思いつかないのです。  なんとかひねくり出します。 >悪文修正 >>やり直し。 >>一から組み立て直しなわけね。了解?  了解。  等々等々、そんな言葉の羅列。  そんな相手に、私は思わず口走ってしまいそうになる。 「とりあえずその口を閉じろ! そして二度と開けないよう、しっかりと溶接しろ!」  以上。 >>「裁縫」って、なによ?  そこはちょびっとだけ悩んだのですけども。  辞書を引いたら、  裁縫:布地を断ちきって衣服などに縫いあげること。  だったので、うーん、意味は通じるか? と使いました。 >>「言い」を「いい」と開いているのは、なぜだ?  私のなかで漢字を開くキャンペーン実施中なので、そこらへんの塩梅がうまくつかめてません。見苦しいのはすみません。 >プロレスの話題。  ええと、まずは、 >>日本のプロレスは「真剣勝負」と言っているが、その実体は八百長なのだという現実があったのだとする。 >>その「現状」の正当性について、人に弁明を行った? 八百長で構わないのだ。言っていることとやっていることが矛盾していてもいいのだと、そう声高に主張した?  プロレス自体が、そんな弁明を求めていません。  あくまでもプロレス団体の言い分は“真剣勝負”なのであって、“八百長”ではないのです。 ※日本のプロレスに限定。ただし一口に日本のプロレスといっても、 ・純プロレス……力道山、猪木や馬場がやっていたもの、といえばわかりやすいだろうか。一般の人がイメージするのはこれだと思われる。 ・格闘プロレス……わかりやすく言うならば、“PRIDE”。前田日明や、高田伸彦なんかを思い浮かべていただきたい。  ――の二種類に分けられる。ここで私が言いたいのは、あくまで“純プロレス”のこと。  “八百長”であることをプロレスが認めていない以上、 「確かに“八百長”だけどさ……」  という主張は、逆にプロレス団体にとっては迷惑です。  つまり、明らかに犯罪を犯した“恋人”が、それでも「おれは無実だ」と主張しているとする。「信じてくれ」と。  それでも「確かにあの人は罪を犯したわ。でもね……」  と弁解するのは、恋人に対して迷惑ではないでしょうか。  そして――。  私もプロレスが90%“八百長”だと思っていますが、それでも残り10%、“真剣勝負”だと信じたいのです。  だから「確かに八百長だよ、でもね……」とは言いたくないのです。  逆に「真剣勝負に決まってるだろ!」とも言えません。  だって、90%“八百長”だって思っちゃってますし。現実そうですし。 「どうしてロープに振られた相手は、律儀に戻ってくるの?」 「コブラツイストってどこが痛いの?」 「馬場の十六文キックは、何が痛いの? あれ、相手から当たりにいってない?」  ――以上の質問に答えるためには、どうしたって“八百長”であることを前提に説明せざるを得ません。そして“八百長”であることは、プロレス――弁護すべき対象は、認めていません。  逆に“真剣勝負”である、という前提だと、説明しようもありません。理屈にならない理屈で丸め込むしかありません。  ちなみに故ジャイアント馬場選手は、「どうしてロープに〜」と質問された際、 「ロープの勢いで、どうしたって跳ね返ってくるの」  と答えたりしてます。なんじゃそりゃ。  “八百長”であることを前提に説明できない以上、黙るしかないです。  “八百長”が“シナリオがある”でも同じことです。  絶対にプロレス団体は認めません。  そして認めてしまったなら、プロレスは間違いなく衰退します。  日本において“八百長”は悪だからです。だいたいにして“真剣勝負”と力道山時代から言い切ってしまっているのに、いまさら「実は八百長でした、でへへ……」なんて言えるわけもないし。  WWEを説明するなら、“シナリオ”があって……と言えますけど。  日本のプロレスを説明するのに、“シナリオ”は使えません。 >>そんな腰抜けがファンを名乗っているくらいでは、その「プロレス」とやらも、たいしたことないし、先も長くないだろうなぁ。  事実“プロレス”は滅びに向かっていると思います。何度も言いますけど、WWEは私がいま言っているプロレスじゃないですよ。あれはあれで面白いですけども。  力道山時代が第一次黄金時代。タイガーマスクブームで第二次。UWF(従来のプロレスを否定した団体)ブームが第三次。その後、新日本プロレスがドーム興業したあたりが第四次かな?  いまは底に向かっています。これから先、ゴールデンタイムにプロレスが放映されることはまずないでしょう。  その現状を打破するためには、WWEと同様、 「エンターテイメント宣言」=「八百長でした宣言」をするしかない、と言う人もいます。  でも私が好きなのは、WWEじゃなくて日本のプロレスなのです。限りなくグレーゾーンな、スポーツと格闘技と演劇の混血――は差別用語か。えーと、じゃあ、ミックス? つまり混ざりあってなきゃ嫌なんです。  だから、プロレスの先には、たとえ滅びしかないとしても――。  それはそれでいい、と私は思っています。 >>PRIDEに出ては負け、出ては負けするレスラーを、応援するぐらいの覇気はないのか? 負けてこいとか、言ってやらんのか? >>負けるとわかっていて、なお勝負におもむくのって――「漢」だと思うがなぁ  これは“負けるとわかっていて”なお勝負におもむくのなら、「漢」でしょうけど。  なんにも考えずに(勝てると思って)出ていってあっさり負けるのでは、「漢」というより「阿呆」です。  「阿呆」でも愛おしいのが困りものなんですが。  レスラーは応援しています。でも“負けてこい”なんて言いません。そりゃレスラーに失礼なだけです。 >グッヒェッヒェッと笑うプロレスラー >>もし本当に2つしか見つからなかったなら、その「多い」という言葉は撤回しろ。 >>それは「気のせい」ってことになる。事実とは混同するな。  これは私の被害妄想だったようです。撤回します。  確かに最近の作品にはそういうキャラは出てきませんし。  で、ここからが今日の話題。 >辞書の引きかたについて。 >>名無し君は、辞書って何冊持ってるの? >>なにか話を聞く限りでは、2〜3冊程度しか手元になさそうなんだけど。  そのとおりです。すんません。  さしあたり、適当な電子辞書を買いたいのですが、先立つものがまったくないので、先送り状態です。  働ければなんとかー。でもまた一ヶ月後あたりには入院しなくちゃならないしー。 >>あと過去ログは、いまどこまで読んでいるの? >>辞書の必要数やら、辞書の引きかたやらの話は、過去ログのどこかでやっているのだが……。 >>どうも話が通じないので、まだそこまで過去ログを読破してないってことかな?  一応は全部読んでいたのですが、頭に残ってなかったです。もう一度読み直します。 >>具体的には、自分の手だけで、答えを見つけ出すまでやってみること。執念で。  わかりました。その前に辞書買わなきゃならないのですが。 >書き直しの件 >>べつに無駄にはならんと思うが。とりあえず課題部屋にあげておきなさい。  承知しました。 >>名無し君も、あの「おそいよ」という話の中で、なにが「自分のいちばん書きたいところ」だったのか、きちんと人にわかるように言えないでしょ? >>ひとつ、ためしに、言ってごらん。  いまわかりました。 「普段女の子らしくない少女が、垣間見せる女らしさ」  でした。  ここまでで三時間かかりました。おそまつ。  追伸。 >>あんまりいじめ続けてもアレなんで、すこしはいたわってみるか。 >>罵倒しないで、優しく訊いてみるテスト。 >>人によっては、罵倒されるよりも優しくいたわられてしまうほうが効く場合があるし。  慣れなくて気持ち悪いので、前のように罵倒してもらったほうがいいのですけどー。  そっちの方が気合いが入るし。「ちくしょう! 今に見てろ!」、それと「バカバカバカ、おれのバカー!」って。  でもこう言うと、わざと優しくするんだろうなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- オーバークロック。 No.6829 投稿日 2003年8月13日(水)01時35分 投稿者 魚住 雅則 >話を長く続けてゆくにあたって、どう有利な面があるのかって、そう訊いてるの。 1・事件に巻きこまれた主人公が、その後も関わり続けなくてはならない必然性となる。 2・ルールを設定することができる(原則として今後起こるであろう全ての戦闘シーンに適用可なルール) 上のように話を運ぶ上で根っこになるような、もしくはゲームシステムのように全般に影響する利点があるということでしょうか。 ふむ。今までは方向自体ズレていたわけですね。 これに関していま少し時間をください。考え直します。 と、その前に確認させてください。 新木さんが考える、「主人公を死なせることによって満たせる三つの構図」の中に上記の2番は入っていたのでしょうか。 今のところ―― 1は入っていた。 2は特にコメントなし。 その他は全て一話のみで通用する効用で対象が小さすぎる。 >主人公がただ力を授かってしまったのでは、なぜだめなのか。 「主人公が力を手に入れる理由が存在しない、または理由が到底納得できないようなものだった場合、作者の都合が丸見えになるから」 作者は物語からの要請により『主人公に』力を与える必要があります。しかし一般人である主人公には特に選ばれる理由がない。ここで言う理由は資格と言い換えてもいいと思います。 逆に最初から選ばれる要素があるなら、それは既に「どこにでもいそうなフツーの高校生」ではなくなってしまう。これでは感情移入させる目的から外れることになります。 以上を無視して、一般人である主人公が「何故か」力を授かり、死ぬことも再生することもなく強くなってしまうと、 「おいおい、都合のいいハナシだなこれ」と読者に思われてしまいます。これは致命傷となります。 必要なのは「作者の都合だと読者に感づかれないようにして力を与えること」。 事故に巻き込まれる(敵とヒロインとの戦いに巻き込まれる)というパターンならば、いくらかこの「都合のよさ」を和らげることができます。 もちろん「主人公が事故、戦いに巻き込まれる偶然」というのも作為的なものであります。 が、「数いる人間のなかで何故か主人公が力を得る者として選ばれる」というワザとらしさに比べれば、まだ納得のいくレベルです。 (「事故に巻き込まれる」ことには「偶然その場にいた」という以外の資格は必要ない。そして事故に遭うのはあり得ないことではない) またトラブルに遭った主人公が死ぬことは、更に「作者の都合」から読者の目を逸らせる効果があります。 危機に陥るも「死→再生」の手順を踏まないパターンでは以下の流れです。 ・危機に陥る→脱出、生存のために戦う力を与えられる このままでは「危機状況」が「力を得る過程」と直結しているため、 ああ、力を与えるために主人公を危機に陥らせたのだなという「都合臭」が今ひとつ拭いきれていません。 次は「死亡、再生」という過程を挟んでみます。 ・危機に陥る→死亡→再生→後に再生と同時に力を与えられていたことを発見する 危機に陥ることに繋がるのは主人公の死。流れとしても自然なので違和感を持たせることなく誘導することができます。 読者の意識は「危機状況→主人公の身の行方」に集中し、裏にある「力を与えるための都合」は気づかれにくい。 話としてはステップが増えますが、結果的にベターということになります。 >ひょっとして、「主人公はいきなり力を授かって超人になりました」っていうのは、魚住的にはアリなんか? >さすがにそれはないよな。……ないよね? いくらなんでも、そんなご都合主義が許されるわけがない。 「初めましてお嬢さん、いきなりですがアナタにすごいパワァを授けるので闘ってください。超人パワァです。今思ったんですけど超人パワァって何かギリギリっぽくないですか。主に響きとか」 「いや、その前に誰ですかあなたは」 「わたしの正体なぞどうでもよろしい。それよか早く闘わないと。ほ、ほら敵も出る頃だし」 「ぜったいムリです」 「そんなことはありませんて。だ、大丈夫ですて。万が一負けてもほら。復活とか。再生とか……ね?」 「ね? とか言われても。イヤです」 「な、なぜですか。華麗に変身もできるのですよ」 「えっ」 「お、食いつきましたね。そう、乙女の夢の変身です。 ちなみにターミネーターばりにムキムキになれま」 「死んでもイヤ」 ……どっちかって言うとアリ。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日はすこし、いやだいぶ気分が良い。 No.6830 投稿日 2003年8月13日(水)01時58分 投稿者 巻島翔史  理由は――アレです。西のほうの、とある縦縞の連敗が止まったから。  まーこのへんのどーでもいい話題はさらっと流してですね(苦笑)、件の書き直しの30枚、課題部屋にあげときました。  三人称の書き方の感覚をかなり忘れていたので苦労したんですが……(ずっと三ヶ月、一人称ものを書いていた)  どうでしょうね。 名無し2号さん作、「おそいよ」あらすじ問題>  ちょっと思い出したことがあったので、口出させてください。  あ、名無し2号さん初めまして。巻島というものです。飛び込める川のある西方の某地域に住んでいます。  歳のほうは22です。  で、なにを思い出したのかと言いますと、結の候補が四つあったという話しを聞きまして、ピンと来たんですね。  ずばり、名無し2号さんは『シチュ萌え』を起こしている、と。  シチュとは、シチュエーションのことです。萌えは――そうですね、この場合は、「そのシチュエーションを書きたくてたまらなかった気持ち」と解釈してください。  で、いままで一連の名無し2号さんの話を聞いてまして、俺はこう思ったんです。 「これはたぶん、転校で別れる二人が告白して想いが通じ合って別れていくところを書きたかったんだろう」と。  だから、そこから先の展開は名無し2号さんにとってはオマケで、どうでもいいものになった、と。  しかし……「あー、なんか甘酸っぺー話書きてー」という認識があるなら、結はひとつに決まると思うんですけどね。  ある程度、どういう系統の甘酸っぱい話であるかまで決めてしまえれば。  そのシチュエーションに、テーマをこめることもできるでしょうし。  もちろん、その書きたかったシチュエーションのあとにさらに文章(展開)を続けるなら、当然テーマ(そのシチューション)に沿った展開を書かなければなりませんけど。  あ、それから業務連絡ですが、明日から俺は田舎に行かなきゃいけなくなったので、50枚のオールリライトのアップは18日ぐらいになると思います。(向こうにネット環境などないから、アップできないのね)  どうでもいいですけど、作家希望者でも人間でも東北2号でもなんでもいいので、早く名無し2号さんの名前を強制的に変えてしまってください。  俺への精神攻撃としか思えません(笑) (こんなこと書くと、面白がって新木さんまだ続けるんだろうなぁ。ちきしょー) -------------------------------------------------------------------------------- お節介かとおもいますが No.6831 投稿日 2003年8月13日(水)02時23分 投稿者 鐸碑 名無し君2号さんへ  2つほどお話があります。 1.辞書について  入院が控えていて仕事が出来ず金銭的余裕がないという事象は分かりましたが、仕事がない場合、一般の社会人と比べた場合時間というリソースには余裕があるんじゃないですか?  それなら、平日昼間に図書館で辞書を引きながら色々と思考するという方法もとれるんじゃないでしょうか? 2.プロレスについて  あんまり実際のプロレスを見たりしていないものの意見で恐縮ですが。  プロレスにはプロレスラー同士の暗黙の了解として、表面にみえないルールがありそれを守った上での真剣勝負をしているんじゃないんですか?  例えば、枠の狭さ的に目立つ格闘技としてボクシングがありますが、あれは明確なルールで拳以外での攻撃や背面への攻撃、倒れている者への攻撃等が禁止されて、お互いルールに則って試合をしています。  このルールに則った勝負をみて、グローブを外さないから、蹴りを出さないから、投げや関節技を使わないから真剣勝負じゃないという人はまずいないでしょう。  つまり、なりふり構わずなんでもする事だけが真剣勝負の要件ではないことは理解されています。  ロープに振られたレスラーは相手の所へ戻らないと行けない、相手の技を変に潰しては行けないなど、ショーマンシップに則った『ルール』があっても、相手の身体を壊し(大怪我させて次の興行に出られなくし)てはいけないなどの『ルール』があっても、そのルールの中で全力の勝負をしているならそれは十分真剣勝負足り得るんじゃないんでしょうか?  私が夢想するプロレスというものは、鍛えられた体と華麗な技を見せるエンターテイメント的な格闘技であり、技を技術で封じることなく鍛えぬいた体で耐えるべく受け止めて、互いの技を出し合い鍛えぬいた体を示しあう戦い。その上で、技と体に優れていた者が勝ち名乗りを上げる真剣勝負だと思っています。  明文化したルールではないけど、相手の技を途中で潰さない(高度な技で切り返すのは別)、相手の体を壊す事を狙わないという不文律を守りながら技と体を競う真剣勝負をしていると思います。  端から見ていて、名無し君2号さんの方がプロレスを信じてないように見えます。  恋人を庇う例でいうならば、恋人が罪を犯していると自分でそう感じていながら、恋人がやっていないという言葉を信じたいと縋っているだけ。そういう風に見えます。  なぜなら、ちっとも庇っていないんですから。恋人は罪を犯していると思いますが、本人がやっていないというならやっていないんです。って口先で言ってるだけ。  本当に恋人を信じているならば、恋人が自分に嘘を言う筈はない。自分にやっていないと言うんだから絶対に罪を犯していない。恋人が罪を犯していないことを疑うことなく、それを周囲にも証明して見せようという態度が庇う態度なんじゃないんですか?  本人が否定していようがしていまいが、恋人が容疑者として周囲に罪を犯したと思われている事実は変わりません。他人に容疑者扱いされるのから目を瞑っているだけでそれと戦う意思が見えない、だから庇っていないと言われるんです。  他人に言われる事から逃げているという証拠として、新木さんは『八百長』だったと仮定した話しをしているだけ、プロレスを庇う姿勢は『八百長』だが理由がある。罪を犯した恋人でいえば『人を殺したけど、殺さなければならない理由がある』という論点だけではなく。『恋人は人を殺していません』という論点、プロレス団体の主張だからなんて理由じゃなく『八百長はない』という論点で戦ってもいいんです。  過程で八百長だと言われただけで、八百長9割だという当りですでに、プロレスファンじゃない私よりもプロレスという物を信じてない(現実を知っているだけかもしれませんが)事がわかります。  名無し君2号の弁明は、明確な犯罪者の弁護を引き受けた国選弁護人みたいなものです。君の犯罪は事実だ、なるべく減刑を受けられるようにがんばりましょうレベル。絶対に恋人は犯罪なんて犯していないと魂をかけて庇う恋人のそれじゃない。  名無し君2号さんの態度は、端から見てプロレスは八百長だと思っているけどそれを許して楽しんでいられる大人な僕はクレバーだなって見下している様にも見えます。  もし、小説にかける姿勢がプロレスに対する姿勢と同レベルだと、新木さんのいうような魚が陸に上がる並の奇跡なんて起せないでしょう。  魚は陸に上がる過程で古い種の大半が死滅し、骨を作り、肺を作り、ヒレを足に変えるという肉体大改造を1億年かけてやってます。  これを一世代自分が生きているうちにやらなきゃいけないんですから、『僕は恋人のいうことを信じていたいんだ、そっとしておいてくれ』なんて脆弱なメンタリティでは乗りきれないでしょう。  提示された一つの方法論が駄目だとそこで思考停止では、砂漠の中で一番大きな水場かどうか確かめずに一番だと『エウレカ』したり、一番じゃないと『エウレカ』してるのと同じ状態を一歩も出ていません。  相手の話を聞き、有益な事は受け入れつつ、自分の境遇の中で上に行く道を自分の頭で考えて導きださなければ、進歩は望めないんじゃないですか?  もちろんこれも、一意見の提示であり回答ではないので、短絡せずに思考の糧としてくれることを望みます。 -------------------------------------------------------------------------------- 精霊会[しょうりょうえ] No.6832 投稿日 2003年8月13日(水)02時41分 投稿者 弟切 千隼  明日から月遅れお盆ですね。この伝統行事に向けて、首都圏では一時的にどんどん人口が減っています。弟切の住んでいるアパートも、先週末あたりからずいぶん静かです。  お盆には、死者の霊があの世からこの世に戻ってくるといわれます。死んだ御先祖さまが帰ってくるのに合わせて、生者も故郷に帰って一族が集うわけですね。こういう一見古くさい行事が、現代の都会人の間にも生きていることに弟切はほっとします。  と言いつつ、今年のお盆に帰省しない弟切は罰当たりです(^^; >>いびりの分析  No.6825の書き込みの続きです。前回の書き込みにおいて中途半端なところで分析を終えたので、自分の考えを整理するためにも以下に少しまとめます。  いびりという現象は、いびる側のストレス原因のありかに三つの種類があります。 1)いびられる側にだけストレスの原因がある。 2)いびられる側とは全く関係ない部分にストレスの原因がある。 3)いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因がある。  また、いびる側が自分の言っていることを実行可能かどうかも、三つの種類があります。 1)いびる側が言っていることを実行できる。 2)いびる側が言っていることを実行できない。 3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。  弟切は、いびりには上記の三つずつを掛け合わせた9パターンがあると仮定し、これらをいびりの基本パターンとして、分析を進めてきました。  現在のところ、いびる側のストレス原因のありかの1)と2)について考察を終えています。1)と2)のそれぞれについて、いびる側が言っていることを実行可能かどうかでパターン分けして、検証しました。記号でいえば1)−1)から2)−3)まで検証したわけです。  残るは、ストレス原因のありかの3)についてです。  3)−1)、「いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できる」パターンはどうでしょう?  これは、一見1)−1)に似ていますね。全部ではないにしてもいびられる側に少し落ち度があり、いびる側は言うだけのことができますから、読者さまの理解と共感を得やすいパターンです。  このパターンの場合、いびりの程度の加減が難しいですね。いびられる側にも多少責任があるとはいえ、八つ当たりの要素がないわけではありませんから、やり過ぎるといびり役が読者さまの反感を買います。かといってぬる過ぎては、「いびり」などという強烈な人間関係を登場させる効果が薄れてしまいます。  逆に考えると、この特質を利用すれば、いびり役の変化や成長を描くことができますね。いびられる側から受けるストレスと、それとは関係ないところから受けるストレスの量と配分を変えれば、いびりの程度を加減することができます。いびり役に道を踏み外させたり、正しい道を歩ませたりする原因の調整が容易にできるわけです。  最初は適正ないびり程度だったのに、いびられ役とは関係ないストレスが一定量溜まった時点で道を踏み外し、いびり役が悪魔のような人になってしまったとか、最初は甚だしい恨みでもあるかの如くいびっていたのに、いびられ役とは関係ないストレスがなくなり、いびり役がはたといびる気をなくして、自分の行動を振り返る余裕ができたとか、そういった状況を描くのに3)−1)のパターンは向いています。  次に、3)−2)、「いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因があ」って、「いびる側が言っていることを実行できない」パターンはどうでしょうか?  たとえストレスが溜まっていたとしても、さしたる理由もなしに、自分ができもしないことを他人に強要する人間は悪人と見られますよね。このパターンは悪役の演出に使えます。  このパターンでは、多少いびられる側にも責任がありますから、いびり役を2)−2)のパターン(No.6814の書き込みを参照して下さい)ほど徹底した悪役にしたくない場合に用いるのがふさわしいでしょう。やや同情の余地がある悪役、というより、憎まれ役に使えそうです。  例えば、ある学校の体育系の部活動で伸び悩み、レギュラーの座を滑り落ちてしまった生徒がいるとします。その生徒にとっては、これは立派なストレスになりますね。そこへもってきて、その人の下級生がレギュラーの座を射止め、同時にレギュラーでなくなった先輩を軽んじる態度を取るようになったとします。当然これもストレスとなるでしょう。これら二つのストレスを合わせて「臨界点」を越えれば、上級生から下級生に対するいびりが発生します。  この例では、上級生がレギュラーの座から落ちたのは本人のせいであって、後輩が悪いわけではありません。けれども、読者さまの多くはこの上級生に対して「憎たらしいやつだけど、この後輩をいびっちゃう気持ちはわからないでもないな」と感じるのではないでしょうか。  人間の弱さを感じさせる悪役や憎まれ役がいると、物語に膨らみが出て良いですよね(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6833 投稿日 2003年8月13日(水)14時05分 投稿者 新木 伸 >魚住  俺の考える三つの構図は、なにかだって?  ええと、なんだったっけかな。  前、ちゃんと数えて、三つ出しておいたんだけど。  魚住があんまり時間をかけるもんだから、忘れちゃったよ。  よし。いま考えて、また発見しなおした。  こんどは忘れないようにメモしておこう。(忘れてもまた再分析かければ、30秒で再発見できるだろうが)  ――で、そのなかに「2・ルールを設定することができる(原則として今後起こるであろう全ての戦闘シーンに適用可なルール)」ってのは、あるかどうかってことね。  ない、みたいだね。  三つの中に含めるほど大きなことではないので、入れてなかった。 ・致命的な事態を引き起こすルールを定めておくことで、物語に緊迫感を与え、なおかつ緊迫感を持続させる。  ――要約すると、これはそういう効用なわけだ。  べつに戦闘に限ったことでもないしね。  「○○すると自分は死んでしまう」のほかにも、同種のものはいくつかある。  「正体がばれると大変」とかは、これ、魔女っ子ものとか、デビルマンとかで使われている。片方は魔界に連れ戻されてしまうし、片方は自分が魔物だとバレてしまうとミキちゃんに嫌われてしまうし。  これが入っていない理由は、べつに主人公を殺さなくてもできてしまえることだから。  話の初期段階で、「主人公の死と再生」という儀式を経ていなくても、後付けでいくらでも補える。  敵の特殊な能力で呪いをかけられるとか(ハンターvsハンター)、心臓の血管に指輪を巻き付けられてしまうとか(ジョジョの奇妙冒険パート2)。  んでもって――。  そろそろ考えが煮詰まって、集中力が途切れてしまうころだろうから、テコ入れしてみる。  じつは魚住は、3つのうちのひとつを、いいところまで出してきている。  いま魚住は、力を身につける理由として、「死んで再生」というイベントが利用されていると主張しているよね。  これ、じつはなんの理由にもなっていないことは、僕が説明した。  たとえば「修行して、身につける」なら、これは正当な理由となる。  しかし「死ねば、身につく」では理由になっていない。  理由になっていないんだけど、なぜだか人は納得してしまう。  古来から、死んだのちに再生した人間には、不思議な力が宿るという物語が、あまりに多く生産されてきている。そのために識閾下に植え付けられたパターンとして、読者は思考しないで受け入れちゃうわけね。  ロボットが改造を受ければ、強くなるわけよ。  また超人が特訓すれば必殺技が身に付くわけよ。  「特別な経験」を経た人間は、新たな力を手に入れて然るべきなわけだ。  その「特別な経験」の最たるものが、「死」という体験であるわけ。  たしかに理由にはなっていないので、説得力はない。  しかし物語に必要なのは「納得力」であって、説得力ではないのだな。  読者が納得しさえすれば、それでいいのだ。  ということで、残りはひとつ。  ちなみにヒントを出すと、ヒロインがらみね。ヒロインとの関係に関わることで、大きな理由となるものが、ひとつある。 >「主人公はいきなり力を授かって超人になりました」っていうのは、魚住的にはアリか  ああ、ギャグに持ってゆくならアリってことね。  でも、もう遅いよ。  阿智さんが、「ドッコイダー」ですでにやっている。  な〜んにも理由がなくって、宇宙人からオモチャの変身ベルトもらってへっぽこ超人になるってギャグ小説だが。「おめでとうございます。モニターに当たりました」だったかな理由はたしか。  作品の売り文句は、「弱いぞ僕らのドッコイダー」だった。 >名無し君  まず最初に、用語の定義をしておこう。  書きたいもの……場面やシチュエーションなど。例:「普段女の子らしくない少女が、垣間見せる女らしさ」  テーマ……書きたいものを書くために、筋を通してみたもの。  たとえばカリ城でいうと、書きたいものはいくつもあるわけね。  ラストシーンの「クラリスを抱きしめずにこらえるルパン」とか。冒頭の、「せっかく盗み出した金を、偽札だと分かるとばらまいてしまうルパン」とか。  他にも無数にあるはずだ。  僕は2〜3分に1回は確認している。  おそらく、名無し君が関心を持って、注目していた各シーンは、すべて宮崎駿監督の「書きたいもの」だったはずだ。  しかし、書きたいから、書く――というのは、クリエイターとしての倫理にもとるのね。なんの脈絡もなく「書きたいもの」を出していたら破綻してしまう。そんなシュールな作品、誰が観て理解できるのか。  書きたいものがあったら、ひとつの「物語」として、串を通さないとならないわけだ。  すべての「書きたいもの」を貫通していて、全体にひとつの意味を与えているもの。そうした串のことを、「テーマ」という。  2番目のあらすじを見て、僕は「読むまでもない」と言ったわけだ。  テーマ不在なので、何枚で書いてこようと無駄だと言った。  そこに関しては、巻島が解説して、「シチュ萌であり、ラストシーンがオマケになっている」とわかりやすい説明を付けてくれているけども……。  僕も400字版のあらすじを見ただけで、名無し君が、「気の強い女の子がふっと見せた可愛らしさ」を書きたいのだということは、わかったわけよ。  そして、ラストシーンが単なるオマケであることも、一目でわかった。  ラストなんて作者的にどうでもよかったので、適当に思いついたアリガチな展開をくっつけて、それっぽくまとめてみたわけだよね。そうだよね?  そういった、「書きたいとこ以外、どうでもいいや」的な姿勢で書かれたものは、読む価値なんてないよね。  僕はそういうことを言っていたわけだが。 (あらすじとか、中間データを課題部屋にあげてないものだから、そろそろわけがわからなくなってきたね。言葉で指し示して明示できない。ここでいう「2番目のあらすじ」というのは、名無し君が100〜800まで、それぞれの字数版を出してきて、僕がOKを出した400字版のものを指している) >書きたいものとか、テーマの設定とか >>「普段女の子らしくない少女が、垣間見せる女らしさ」  おお。  3時間かければ、出てくるのか。自分で自覚できたのか。  てっきり自分じゃ出せないと思っていた。だいぶ侮っていた。失敬失敬。  ――で、本人が自分の「書きたいもの」の正体を掴んだところで、ようやく、「テーマ」とかそういう話にもってゆけるわけだな。  「書きたいもの」をひとつの物語として仕立てるにあたり、どんなテーマと絡めてゆくわけだ?  たとえば、「初めて女の子を好きになった男の子」とか、そんなテーマとからめることもできるわな。  しかし、「あの夏の日の甘酸っぱい思い出」というテーマとは、どうも食い合わせが悪いように思うんだけど。過去の話にしちゃいかんでしょう。  「書きたいもの」は、「今この瞬間の、この気持ち」であるわけで、ジューシーさと鮮烈さって特性を持っている。セピア色に色褪せた写真の中に収めちゃいかんでしょう。  この手の「セピア色の写真に収めてしまう=昔の話」の系統でよく使われて、相性のいいのは、「過去の心の痛み」だとか、そういうものだよね。  たとえば恋愛系のネタでも、「女の子の気持ちに気づいてやれなくて、傷つけてしまった思い出」だとか。そういうものなら、年月を置くことと、とてもよくマッチする。  ――で。  「書きたいもの」がひとつきりしかない状態だと、どのように串を通すこともできちゃうわけだ。  もうひとつかふたつ「書きたいもの」が見つかれば、それら2つ3つの要素を貫通する方向ってのは、おのずと一意に定まってくるから、やりやすくなる。  メインとなる「書きたいもの」はあれだったとして、他にもサブ要素としての「書きたいもの」は、なんかないの? >二人で紡いでいるのか? >>少年と少女がつむぐ、儚い恋。  ここ、「少年と少女がつむぐ」とか書いてあるけど。  名無し君は勘違いしていると思うので、書いておく。  あの話って、男の子のほうは、なんにもやっとらんでしょう?  アプローチしているのは、一方的に女の子のほう。  「つむいでいる」というと、なにやら二人で協力しあって育てたように聞こえるのだが。  でも男の子のほうは、なにをやっているの? なにもやっていないよね。女の子の意外な一面を発見して、そして可愛いと思うようになっただけ。 >変なラベル貼るの禁止  そもそも恋っていうのか? これ? 夏の祭りというシチュエーションも手伝って、ドキドキしただけだよね。  「女の子の意外な一面を知ってドキドキした」というシチュエーションに萌えなのはわかったし、俺もそういうのは好きだし、読者の多くも好きだろうけど。  しかし「恋」とか「愛」とか、手前勝手に、へんなラベルを貼ってしまわないように。  これは単なる「トキメキ」です。恋にあらず。愛にもあらず。  余談だが。  「ときめきメモリアル」という作品がある。  あれはいいタイトルだよね。作り手が、自分がなにを作っているのか、しっかり把握している証拠だ。  もしあの作品に、「愛」だの「恋」だの、勘違いしたラベルが貼られてしまっていたら、あそこまでの大ヒットは望めなかったはず。 >タイトルとか  タイトルについての理解。  ああ。たぶんわかってねーな。これだと。  しかし、まあいいや。  「ばっちりなタイトル」を一度付けることができれば、その時、わかることだから。  そうして体験してみないことには、けっして理解不能なことだから。  「体験知」って言葉があるんだけど、これは、そういう種類のもの。  頭で理解しても意味はない。感覚で理解せんと。  自分の名前でもいいし、作品タイトルでもいいし、名前を付けてみる機会はいくらでもあるわけで。  僕もこのことがハッキリとわかったのは、自分の作品に「星くず英雄伝」というタイトルを付けた瞬間だから。それまでよくわかっていなかった。 >あらすじについて  あらすじについての理解は、だいたいそんなところ。  あと補足するなら、自分の「書きたいもの」はなにかということも、読んだ人間にわかるように書いておくべきなのね。  昨日までの名無し君だったら、「自分の書きたいもの」がなにかを掴んでいなかったから、こんなこと言っても、わからなかっただろうけど……。  もう体験済みなので、わかるはず。  なぜそれをあらすじに書くことが、必要なのかも。  自分の書きたいのが「女の子の意外な一面を知ってドキドキする気分」であり、それをどのように観せることで読者を楽しませるのか、そのプランニングを明示しておくわけね。  あらすじには、そうした役割もあるわけだ。作品の見所を解説する役割。  また、そういった「見所」を、どうテーマと絡めて串を通して、エンディングに着地させるのか。あらすじでは、そうしたプランも示しておかないとならない。  どれかひとつが欠けているだけでも、「わかってない」「話にならん」として捨てられるわけ。本編のほうなんて、もはや、見るまでもない。 ・「初期状態、課程、終了状態」(5W1H)。 ・書きたいもの。読者を楽しませるプラン。 ・テーマ。話に持たせる「意味」。  この3つが揃っているのが、正しいあらすじというもの。 >書き直しのこと  うーん。わかってないなぁ。  「組み立て直し」って指示の意味が。  そんな小さな変更、いくらやってみたところで、ただ小手先で変えてるだけ。見栄えはぜんぜん変わっていないのだけど……。  わかんないかなぁ?   「等々等々」   「そんな言葉」「羅列」   「思わず」「口走って」   「その口を閉じろ」「二度と開けない」「しっかり」「溶接しろ」  このへんの語句、すべて使用禁止。  ――でもって、これまでと同じ内容を言え。ほかの言葉で。 >裁縫のこと  辞書、ちょっと引きさえすれば、「縫製」って言葉が出てくるんだけど。  「裁縫」から「縫製」にたどりつく引きかたを、自分で考えてごらん。  どうやって辞書を活用すれば、「裁縫」という検索のスタートラインから、「縫製」まで、たどりつくことができそう? >辞書のことと、プロレスのこと  このふたつ、じつは陸続きなのね。  名無し君の「性根」に関わる問題。おなじところから発生している問題。  名無し君は、ちょっとの困難で、すぐにくじけちゃうわけだ。  プロレス問題では――。 1.プロレスが八百長を認めていないから無理。 2.自分自身の八百長疑惑を打ち消すのは無理。 3.プロレスが八百長を認めると衰退するので無理。 4.日本のプロレスに「シナリオ」は使えないので無理。 5.日本のプロレスは滅びるのが確定しているので、いまさらなにしても無意味。  こんな感じで、そりゃもう小刻みに、無理5連発。  「怖い」と「恐い」の違いを考え抜けと命じると――。 1.自分の調べかたでは無理。 2.辞書を持っていないので無理。 3.辞書を買うことができないので無理。  いまんとこ、無理3連発。  この次はどんな無理無理で苦しい「無理な理由」を出してきてくれるのかなっ。  ちょっと楽しみだなっ。  そういえば、以前、唯野に「夜の公園の取材」を命じたとき。唯野も、そんなふうな、無理無理な「無理な理由」を捻りだしてきていたっけ。  いわく――。 1.家の近くに同規模の公園がないので無理。 2.暗い中ではメモが取れないので無理。 3.雨が降っていたので、傘を差しながら片手でメモは取れないので無理。  唯野のときには、こんな子供でも首をひねるような理由でもって、「無理」と言い張っていたわけだが。  まあ、自分自身さえ騙して納得させてしまえばいいわけだから。そのための理由探しなわけだから。他人を納得させられなくて、子供さえ騙せないような無理無理な理由でも、べつにいいわけか。  しかし、あの場合には、「夜の公園の取材は無理」ということを納得させなきゃならない相手は、「俺」だったのだがなぁ。  あんなショボイ理由で俺のことを騙せると思っていたのだろうか?  ――で、それはそれとして。  そもそも、無理なことは、わかってる。  じつはこの話、「小説のこと」とも陸続きだったりするのだな。  この場合には「プロ作家になること」。  僕は名無し君に対して、こう、はっきりと言うわけです。    君がプロ作家になるのは、おそらく無理です。  ていうか、この分室に来ている全員、たぶんきっと無理です。  分室に来ていない人で、投稿や応募している人も、全員、たぶん無理です。  サカナが陸地にあがるぐらい無理です。  爬虫類が空を飛べるようになるぐらい無理です  野球少年がプロ野球の選手になるぐらい無理です。もしくはジャンボジェットのパイロットか宇宙飛行士になるぐらい無理です。  いままでと同じ思考法では、この壁を越えるのは無理なの。  だってそもそも「無理」なんだから。  すくなくとも、いままでのように、「無理な理由を探す」ことに脳味噌を絞っているようでは、到底無理です。  無理であることを正しく認識しつつ、どうにかして「可能」とする方法を探すために――そのためだけに脳味噌は使うようにしましょう。  「無理な理由」をいくら探したところで、プロには決してなれません。(あたりまえ)  ――なので、それは無駄な思考です。  いまこの瞬間に、きっぱりとやめましょう。 >負けるとわかっていてPRIDEに出るレスラー  では、PRIDEに出るプロレスラーが、「負けると分かっていて出場している」という仮定は取りやめにしよう。  そのかわりに、こんどは、「勝つと思いこんでいるアホだった」と仮定して、弁護してみよう。  アホやね。そりゃアホだよ。アホすぎるさ。  しかしアホだっていいじゃんか。  そのプロレスラーって、アホの突き当たりまで行っているよね。行くとこまで行っちゃってる。極めてる。  そのアホさかげんに、観客は笑う。「おまえ、勝てると思っていたわけ? 大言壮語して、そのザマは一体なによ?」とか、せせら笑う。  笑うってことは、楽しむってことだ。もしくは喜ぶってことだ。  喜怒哀楽のうちのどれかだ。  よって観客を沸かせている。  プロじゃん。プロのひとつの姿じゃん。プロとしての仕事を充分にこなしているじゃん。みごとに「やられ役」になっているじゃん。  立派じゃん。 (そういや、なんかプロレスものの漫画かなにかで、そういうの読んだ気がする。父親がプロレスラーで「やられ役」なわけね。父親のことを嫌いで嫌いでたまらなかった男の子が、父親の試合をはじめて観にいって、父親の「プロの姿勢」を間近に見ることで、認識を改めるとかいう話。「父ちゃんすごいや!」となる。)  プロレスラーは強くなくてはならない――なんて、そりゃオマエの勝手な思いこみだ。プロレスに恋しているだけ。プロレスを愛しているわけじゃない。  自分の理想像を勝手に押しつけて、相手を型にはめようとしているだけ。  女の子に身勝手な幻想を持って、その幻想に対して勝手に「恋」しちゃっているだけ。現実の生身の相手を見ちゃいない。自分の身勝手な理屈を押しつけようとしているだけ。  そして相手がその「型」から逸脱すると、非難したり、勝手に冷めちゃったりするわけね。  そりゃもう、身勝手なことに。  プロレスファンでもなんでもない僕や鐸碑さんのような人間が、名無し君のようにプロレスファンを自称する人間よりも、「プロレスを愛している」っていうこの現状。  なんとも思わないの? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6834 投稿日 2003年8月13日(水)15時29分 投稿者 新木 伸  野球やらスポーツやら、格闘技やら。  僕はまったくなんにも思い入れのない人なので、騒いでいる人間を見るとアホらしいと感じる半分、たまに羨ましく思うこともある。  ひいきのチームや人物が、勝つか負けるか――で、一喜一憂できるんだよね。  感情が揺れて、喜怒哀楽があるというのは、それはいいこと。  「弱いストレス」と「解放感」との繰り返しによって、精神はリラックスして柔軟さを取り戻す。その効用は、心理学でも実験によって確認されている。  「負けそう〜→やった勝った!」でもって、これでもう立派にエンターテイメント。  格闘技とかのほうには、多少なりとも、興味はあるんだけどね。  昔、空手はやってたし。  しかしそれも自分がやるという前提での興味だしなぁ。  勝つか負けるか応援するというファン意識とは違うものだし。  また現在持っているのは、小説にいかに応用するのか、そういう観点での興味なわけだし。 >巻島 >「海辺のまちのものがたり」  なんやら、ようわからん話なのだが。  例によってあらすじしか読んでないのだが。  たしか、1年以上も昔には、まともなあらすじを書いたことが、1回以上はあった気がしたのだが。  しばらく書かないうちに、すっかり退行してしまっている?  それとも昔ちゃんと書いたことがあるというのは、僕の気のせいだったっけ?  東京から田舎にやってきた主人公が、田舎になじめず疎外感を感じているのだが、穴に落ちて危機に陥ったときに、村の人々が自分を心配してくれていたことを知って誤解を解く――てな話?  なんか、変でない?  あとこの話の見所は、どこなのだ?  あらすじを見る限りでは、どのへんが美味しく頂けそうな部位なのか、ぜんぜん見当も付かんのだが。もしかしておいしい場所は、ぜんぜん存在しない話?  じゃあ俺たち、どこ食べればいいの? どう楽しめばいいの?  もしかして、「楽しむな」とか、そう言ってる? そういう禁欲的、修行僧的スタイルを読者に要求するような話?  やめてくれよな。  あらすじに関しては、意味もなく具体的に書きすぎ。どうでもいい細部が、ごちゃごちゃと書いてあって、なにが起きるのかよくわからん。  あらすじの定義は、「2号」にいま語っているところだから、それを見て確認すること。  あと人物の固有名詞について。  人物の固有名詞がいくつも出てくるが、いちいち追いかけて覚えていられない。  「あらすじ」というのは、その話に対して、さして興味を持たない人間が読むのだと知るように。  主要な登場人物をすべて書く必要はない。最低限の人数に絞り込むべし。  本筋にからまなかったり、筋を語るのにどうしても必要な人間以外は、ばっさり捨ててしまうべき。  あらすじに出てくる人物、主人公も含めて、3人以内に切りつめられないか?  そのくらいの人数に絞りこむと、「寛智」「優海」「長峰」「沙織」なんて固有名詞を使うことなく、「主人公」「従妹」「地元のガキ大将」とか、そういう役柄を記したラベルで代用が利くのだけど。  「あらすじ」に、人物の名前なんて、本来はまるで不要なものだろ?  名前なんてどんなんだってよくって、話の中での「役割」こそ重要なんだから。  だいたい、その読めない名前を使う癖、いいかげん直せってーの。  「寛智」と「優海」って、これなんて読むんだよ? 教えろよ、テメーコノヤロウ。学のない俺をひょっとしてバカにしてる? ルビを振ってもらわなくちゃ読めないやつに、この作品を読む資格なし?  ――んで、切りつめるキャラの候補。  女の子のうち、「沙織」とかいうキャラが、主人公にどんな影響を与えているのかわからん。  たいして動いてもいないようなので、これはばっさり捨てていいのでは?  たとえば、「同じ東京からやってきた友人の誘いで、一緒に東京に向かうことにした主人公は〜」とか、そういうふうに書いてしまえば、名前を出さなくて済むようになる。  あと、このあらすじが、わけわかんねー理由のひとつとして。  人物配置が不明ってのがあるのね。  主人公は「沙織」と仲がよくなったらしい。  ここで、5W1Hのうち、「なぜ」と「どのように」が欠けている。どんなことがあって仲良くなったのかわからん。  主人公以外で、はじめて固有名詞の出てくるキャラなもんで――。  この「沙織」という人物は、作品中で最重要の人物ではないかと、まず俺はそう受け取った。  そして2番目に名前の出てくる、親戚の「優海」というキャラがいる。  しかし彼女と主人公との関係が、どんなものなのか、まるで書いてない。  本当に、まったくなんにも、書かれていない。ただ「はとこ」としか書いてない。  主人公が相手のことをどう思っているのか。二人はどんな距離であるのか。避けられているのか、まといつかれているのか。まったく想像もつかん。  そんなどうでもいいような扱いをされているわりには、「優海」という名前は出てくる数が一番多いわけね。  その事実から、俺は認識を改めた。「優海」こそが、この作品中で一番重要な人物なのだろう。そう仮定して読むことにした。  しかしそれなのに主人公との関係がまったく書かれていない。初期状態もない。終了状態もない。  ぜんぜんダメダメ。  とりあえず、作者的「萌えポイント」はどこなのか、そこの自己申告からかな。  現時点では、どこが書きたいことなのか、まったくわからない。それでは串の通しようもないし、通している串が適切かどうかもわかりっこない。 >>詩浜を否定せず暮らすのであった。  「詩浜」って、なによ?  ここでいきなり固有名詞が出てくるのだが。  第5の人物? これも覚えておかなきゃならない固有名詞? -------------------------------------------------------------------------------- >巻島 No.6835 投稿日 2003年8月13日(水)15時43分 投稿者 新木 伸 >巻島 >クロッシングマインド  ああ。新しいほうだけでなく、こっちも上がっていたのか。  まず、書き直したものと、前のものと、二つを自分で読み直してみること。  そしたら、自分の判断としては、どうなのだ?  書き直したほうが早いの? それとも削ったほうが早いの?  勘違いしないように釘を刺しておくが。  どっちが「楽」かなんて、そんなことを訊いているんじゃないのね。オマエが楽かきついかなんて、読者も、もちろん俺も、一切まったく全然、なんにも気にもしない。  より良いものを作り出すにあたって、「どっちが早そう?」と、そういう質問をしているわけだ。やってみた人間でないとわからない感触ってのもあるし。  あくまでも、「作業効率としてどうか?」と訊いているわけね。  元の原稿のほうにも、ある程度の完成度があったのなら――。そこを土台として、修正してゆく形でやったほうがいいし。  元のものの完成度はぜんぜん低くて、現在の自分であればそれ以上のものが書けるようであれば、ちまちま直してゆくよりも、いっそぜんぶ書き直してしまったほうが早いだろうし。(ぜんぶ書き直したって、350枚なら、1ヶ月ってもんだろ?)  どっちか、早いほうでやれ。  もしくは部分部分で、「ここは全面書き直し、ここは部分修正」――とか、ケースバイケースでやるのもいいかもしれない。  ただし手間はケチるなよ。  プロ以下の腕しかないアマチュアが手抜きのことなんか考えだしたら、歯止めがきかず、いくらでも坂を転げ落ちていってしまうものだからな。  書き直しが必要な部分まで、手を抜いて部分修正で済ませようとか考えたら、お前の場合、カスりもしないものが上がるに決まってる。 -------------------------------------------------------------------------------- >プロというもの No.6836 投稿日 2003年8月13日(水)16時14分 投稿者 新木 伸 >プロというもの  皆がなんとなく漠然と目指してしまっている「プロ」というもの。  その実態。必要な資質。能力。条件。その他。  僕もここで事あるたびに書いているわけだけど。  そもそも僕自身が、プロとしてはヌルいほうなのね。  自分でできないことを言うわけにもいかんので、言っていることは、ひどく限定されたものだったりする。  たとえば「締め切りは絶対です」とか、それはプロとしての第一前提で、絶対、最大の条件なのだけど――。僕はそれについては、なにも言えなかったりする。(最近は締め切りをなくしてもらったよ。書き上がりそうになってから考える、てなことで)  ――で、文筆業というものについて、ある人が、たいへん詳細に書いてくれているコンテンツを発見したので、紹介することにする。  読め。  全員ね。強制ね。  そうたいした量でもないから。  僕が書くように長々となるのではなく、非常に簡潔にまとめられているから。 「このごろ堂」  山北篤(ゲームデザイナー/ライター)と、細江ひろみ(小説家)のクリエイター夫婦のページ。 http://www2.ocn.ne.jp/~yamakita/index.html 直リンクはこちら「もの書く生活」 http://www2.ocn.ne.jp/~yamakita/index-mono.html  ――で、これを読んでみて。  頭のほうの「物書きとしての心得」を書いている部分から、「生活設計」まで含めて通して読んでみて。  「俺には作家は無理だ」とか思っちゃったなら、いま速攻で、やめてください。  撤退宣言を出しておいてください。アナタにかける僕の時間はまったくの「無駄」ですので。アナタを鍛えてくれようとする他の人の手間も、すべて「無駄」ですので。 -------------------------------------------------------------------------------- >辞書を引いた回数 No.6837 投稿日 2003年8月13日(水)21時27分 投稿者 新木 伸 >辞書を引いた回数 >>No.5809 投稿日 2003年1月2日(木)09時36分 投稿者 新木 伸  ――の話題。  僕が辞書を引いている回数を、マクロでカウントさせてみた、その結果報告。 2003/01/03 〜 2003/05/03 2003/08/05 〜 2003/08/13  合計、780回。  4ヶ月半の集計データ。  僕はデスクトップとノートパソコンと、2台使っているけど、どっちにもマクロを仕込んであるので、漏らさずカウントされている。  ただあいだの3ヶ月程度、OSを入れ替えたり再インストールしたりとかで、マクロを入れるのを忘れてしまって、記録が取れていない。  まあ4ヶ月半も取れば、参考データとしては充分だろう。  約6.1回/日……ってところかな。  あと参考までに、どんな語句を辞書で引いたのか、その記録も取れているので、課題部屋にあげておく。DDWINだと、引いた語句のログが取れるのだ。  分からない言葉に出会ったら、即座に次第に辞書を引く習性が身に付いている人間が、もう15年近く、ずっと辞書を引き続けてきて、それでもなお、毎日平均して6回以上も辞書を引いているわけだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 思考ゲーム No.6838 投稿日 2003年8月13日(水)23時33分 投稿者 鐸碑  皆さん無理な理由を考えるのは得意な様なので、得意技である無理な理由探しを活かして、作家になる姿に結びつける思考方法を提案します。  自分は作家になるのが当然であり、近い将来自分が作家になってないことを無理だと証明する理由を探してみるのはどうでしょう?  素人はもって居ない様な、プロ作家にならない筈がない理由を10個くらい見つけられれば、プロ作家になれるかも。  サカナが陸に上がる場合で考えれば、カルシウムやミネラルを蓄える構造がある、体重を支えられる丈夫な足がある、内蔵を保護する骨格がある、空気を呼吸する肺がある、乾燥に耐える表皮がある、陸で食べることの出来るえさがある。6つあれば足りるじゃん。爬虫類が空飛ぶのもきっと同じ位だ。  素人とは別の生き物と呼べる大きな理由が10個あればきっとプロにならないはずはないでしょう。  やるべき事が出来ない理由を探す暇があったら、自分が作家にならないでいる筈がない理由を探せばきっと前向きに進めるかも。  その理由が一つも見つからないなら、きっと間違いなく自分の命がある間には間に合わないでしょう。子孫に賭けて子供に夢を託した方が良いでしょう。 追伸、贔屓チームの勝ち負けに一喜一憂するファンの観察という意味では今年は非常にいいサンプルを見れますよ。18年ぶりにファンの熱狂度なら日本一と信じる阪神が優勝しそうな勢いですから。  18年前はお膝元西宮の中学に通っていた兼ね合いで、興味もなかったのに応援歌も覚えさせられたくらい周囲がフィーバーしてましたから。 -------------------------------------------------------------------------------- どんな仕事でも、食べてゆくのは大変です。 No.6839 投稿日 2003年8月14日(木)01時33分 投稿者 弟切 千隼  『このごろ堂』の中の「もの書く生活」を読ませていただきました弟切です。見ず知らずの人にこんなことを教える義理などないのに、御自分のサイトでこれほど丁寧に説明して下さるなんて、ありがたいことこの上ありませんね。 >>いびりの分析  No.6832の続きで、 >>3)いびられる側と、それとは関係ない部分と、両方にストレスの原因がある。 および >>3)現在のいびる側は、言っていることを実行できない。しかし、過去には実行できた実績がある。 という二つの条件を満たしたパターンについて考察します。  この3)−3)のパターンでも、いびる側は二つのストレスを抱えてどこかで「臨界点」を越えたために、いびりを始めます。このパターンの場合、いびられる側と関係ないストレスは、「過去にできたことが現在はできない」ことに由来すると考えるのが自然ですね。  作者が神であり、世界の創造者であるフィクションにおいて、わざわざこんな設定を登場させるからには、それなりに意味がある重要な設定であるはずです。設定の無駄遣いは許されません。  よくある姑の嫁いびりを例にとって考えてみましょう。  年を取って体調が悪くなり、昔のようにてきぱきと家事ができなくなって、ストレスを溜めている主婦がいたとします。そんな彼女の息子が結婚して、彼女は息子の嫁とも同居することになったとします。家事が苦手なその嫁を見ていて、彼女はますますストレスを溜め、嫁いびりが始まります。  いびりが始まる条件としては、これはおかしくありませんよね。問題はこの後どうなるかです。  若い頃の姑を知らない嫁は、当然反発するでしょう。「お義母さんだってできないくせに」と言われた姑は、無理をして嫁から家事を取り上げ、自分一人ですべてこなそうとするかも知れません。しかし、そんなことをすればやはり体に負担がかかり、途中で家事を放り出す羽目になりそうです。  嫁のほうは、家事が苦手であっても体力はありますから、姑のように倒れる可能性は少ないですね。たとえ手が遅くとも、多少落ち度があっても、姑に代わって家事をやり遂げることは不可能ではないでしょう。  上記の例を見てみますと、3)−3)のパターンでは、いびる側・いびられる側とも同じくらいの負い目、といいますか、弱点といってよいものを持っています。  体力が落ちたのは嫁のせいではないのに、半ば八つ当たりで嫁いびりする姑も、自分の家事能力のなさを棚に上げて姑に反発する嫁も、どちらも少しずつ落ち度があります。どちらも少しの落ち度があることが、彼女たちを人間的に見せていますね。  完全な悪人ではなく、また現実味のない善人でもなく、リアルな「普通の人」を描く時にこのパターンは使えそうです。 -------------------------------------------------------------------------------- 手錠でつながれた高校生 No.6840 投稿日 2003年8月14日(木)05時19分 投稿者 名無し君2号 「大事なのは今だ。今、戦うことが大事なんだ! 今、戦わない人間があとで戦うわけがない! 戦わないためのいいわけなんて無限に考えつけるものなんだ!」  えー、以上、かつてサンデーで連載されていた、『男組』という漫画で、主人公が言ったセリフでした。  この作品を作られたのは、原作・雁屋哲先生(“美味しんぼ”の原作者)、作画・池上遼一先生(“スパイダーマン”を書いた……もとい、今はビッグコミックスペリオールで“HEAT”という漫画を書かれています)です。  この漫画を読んでいたとき――確か中学生のとき――は、むやみやたらな暴力描写と、全体的に漂う反体制な雰囲気に、わけわからないながらも、ただ面白がっていたのですが……。  よもや今になって、冒頭のセリフが自分に降りかかってこようとは。 >巻島さん  はじめまして。こちらは、最近、妙に地震の多い東北に住んでいる27歳です。 >>ずばり、名無し2号さんは『シチュ萌え』を起こしている、と。 >>「これはたぶん、転校で別れる二人が告白して想いが通じ合って別れていくところを書きたかったんだろう」と。 >>だから、そこから先の展開は名無し2号さんにとってはオマケで、どうでもいいものになった、と。  正解です。 >>しかし……「あー、なんか甘酸っぺー話書きてー」という認識があるなら、結はひとつに決まると思うんですけどね。 >>ある程度、どういう系統の甘酸っぱい話であるかまで決めてしまえれば。  そうですね。結局、ろくに考えずに突っ走ってしまった、ということだと思います。ここ「よみかく分室」に出入りするようになって、自分は一体どういう人間なのか、というのが、だんだんとわかってきました。  とりあえず“エウレカ!”ぐせをどうにかしたいと思います。 >>どうでもいいですけど、作家希望者でも人間でも東北2号でもなんでもいいので、早く名無し2号さんの名前を強制的に変えてしまってください。 >>俺への精神攻撃としか思えません(笑)  すみません、申し訳ないです。こちらの怠惰でご迷惑かけます。  明日までに適当なのを思いつきます――適当なものを。 >鐸碑さん  はじめまして。――で、どういうかたなのでしょう。  簡単に説明していただけると嬉しいですし、書きこみもしやすかったりします。  例えば、小説家を目指している、でも、ここをROMしている者だ、でも、小説家です、でもよろしいのですが。 >1.辞書について >>それなら、平日昼間に図書館で辞書を引きながら色々と思考するという方法もとれるんじゃないでしょうか?  はい。その通りでした。  と、言いますか……。また言い訳になってしまいますが、図書館に辞書があるという事実自体が、そもそもすっぱりと私の頭のなかから抜け落ちていました。言われて今、「あー、そりゃ図書館には辞書だってあるよなあ。当たり前だよなあ」という状態です。  ――すごく恥ずかしいぞ。 >2.プロレスについて >>プロレスにはプロレスラー同士の暗黙の了解として、表面にみえないルールがありそれを守った上での真剣勝負をしているんじゃないんですか?  プロレスとは何か? を答えるとして、完璧に近い答えだと思います。  というより、私もそうだと思っています――言わなきゃわからないですよね、そんなの。  うーん、ただ……。  この場合の“八百長”というのは、 「ハナッから勝敗が決まっている」  という意味の“八百長”なんです――これも言わなきゃわからないですよね。すみません。 >>プロレスファンじゃない私よりもプロレスという物を信じてない  その通りです。認めます。 >>絶対に恋人は犯罪なんて犯していないと魂をかけて庇う恋人のそれじゃない。  も、認めます。  で、プロレスファンと一口に言っても、そのプロレスに対する認識は、だいたい三種類くらいに分けられます。 (1)プロレスは正真正銘、“真剣勝負”である。 (2)プロレスは大部怪しいけれど、“真剣勝負”である……といいなあ。 (3)プロレスは“八百長”に決まってるだろ。  ちなみにこの場合の“八百長”は先にあげたとおり、“勝敗はあらかじめ決まっている”という意味での“八百長”です。  (1)は多分、新木さんや鐸碑さんが言いたい“プロレスファン”の姿です。  私もそう思います。プロレス団体の提示したもの――恋人の言い分を100%認めている姿。これこそが真のプロレスファンなんでしょう、多分。  (2)が私。  (3)は、“八百長”で何が悪いの? だって面白けりゃいいじゃん、という立場です。――私も最近はこっちに大部傾いて来ています。でもまだ信じたいなあ。  そして、プロレスを面白い、と思っていることについては、(1)(2)(3)、どれもが同じです。  ただ、楽しみかたが違う。  相手を恋人とたとえてよいのは(1)(3)だけならば……。  私には無理ですね。さしずめ、プロレスは風俗嬢でしょうか。下品だな。金で買った愛人にしとこう。変わらないか。 >新木さん >>書きたいもの……場面やシチュエーションなど。例:「普段女の子らしくない少女が、垣間見せる女らしさ」 >>テーマ……書きたいものを書くために、筋を通してみたもの。  えー、私は“書きたいもの”と“テーマ”を混同していました。  結果として、ああいう作品になってしまったわけで。  産み手(作者)のせいで、せっかくの子供(小説)が、わけのわからないものになってしまったというのでは……自分の子供(小説)に申し訳がないです。 >>そして、ラストシーンが単なるオマケであることも、一目でわかった。 >>ラストなんて作者的にどうでもよかったので、適当に思いついたアリガチな展開をくっつけて、それっぽくまとめてみたわけだよね。そうだよね?  そうです。とりあえず奇麗にまとまればどうでもいいや、でした。 >>(あらすじとか、中間データを課題部屋にあげてないものだから、そろそろわけがわからなくなってきたね。言葉で指し示して明示できない。ここでいう「2番目のあらすじ」というのは、名無し君が100〜800まで、それぞれの字数版を出してきて、僕がOKを出した400字版のものを指している)  すみません。  「2番目のあらすじ」ですが、課題部屋の“【529】 盆梅絵短編、「おそいよ」根っこ”のツリー内、“【536】50〜800字あらすじ”に納められています。  そこのところをまったく説明しておらず、すみませんでした。 >書きたいものとか、テーマの設定とか >>メインとなる「書きたいもの」はあれだったとして、他にもサブ要素としての「書きたいもの」は、なんかないの?  はい。あります。 「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」「別れの切なさ、悲しさ」「小学生」……これぐらいです。  うーん、そうなるとテーマはどうなるか……。ちょっと考えます。今回の話、きちんとした形にしたい、という欲求があります。  あ、ちなみに、この“よみかく分室”に関係しないことでも、小説は書いてます。とりあえず数を書かないとお話にもならないので。 >二人で紡いでいるのか? >>少年と少女がつむぐ、儚い恋。 >>あの話って、男の子のほうは、なんにもやっとらんでしょう? >>そもそも恋っていうのか? これ? 夏の祭りというシチュエーションも手伝って、ドキドキしただけだよね。 >>これは単なる「トキメキ」です。恋にあらず。愛にもあらず。  あー! わかった! ってまた“エウレカ”か? “エウレカ”なのか?  えー……。  最初に、主人公の男の子とヒロインの初期関係を考えるとき。  主人公も、実は前々からヒロインを憎からず思っていた、という初期設定も考えていたのですね。でも結局は、主人公は好きとも何とも思っていない、むしろ苦手にしている、としてしまったのですが……。  テーマがなんなのか理解していなかった証拠です。  この場合のテーマは、 「少女に告白され、その思いに答える少年」  になる……はずだ。  まだわかってないかなー。 >タイトルとか >>タイトルについての理解。 >>ああ。たぶんわかってねーな。これだと。  がふっ。げふんげふん。 >>しかし、まあいいや。 >>頭で理解しても意味はない。感覚で理解せんと。 >>自分の名前でもいいし、作品タイトルでもいいし、名前を付けてみる機会はいくらでもあるわけで。  あ……。だから、早くハンドルネームつけろ、そう言っていたわけですね。  明日までに考えます……これも逃げてるような気がするなあ。 >書き直しのこと >>うーん。わかってないなぁ。 >>「等々等々」 >>「そんな言葉」「羅列」 >>「思わず」「口走って」 >>「その口を閉じろ」「二度と開けない」「しっかり」「溶接しろ」 >>このへんの語句、すべて使用禁止。 >>――でもって、これまでと同じ内容を言え。ほかの言葉で。  了解しました。  これも明日やります。考えないでやると、また同じ過ちを繰り替えしそうなので。 >裁縫のこと >>辞書、ちょっと引きさえすれば、「縫製」って言葉が出てくるんだけど。 >>どうやって辞書を活用すれば、「裁縫」という検索のスタートラインから、「縫製」まで、たどりつくことができそう?  あー、これも明日です。  考えさせてください。類語辞典……? そんなわけはないよな。漢字辞典……“縫”か? ともかく考えます。 >辞書のことと、プロレスのこと >>このふたつ、じつは陸続きなのね。 >>名無し君の「性根」に関わる問題。おなじところから発生している問題。 >>名無し君は、ちょっとの困難で、すぐにくじけちゃうわけだ。  はうはうはう。  痛い……痛い。  確かに“根気がない”とか通知票に書かれたような記憶が……。これはそういうところから派生していた問題かー。 >>すくなくとも、いままでのように、「無理な理由を探す」ことに脳味噌を絞っているようでは、到底無理です。 >>無理であることを正しく認識しつつ、どうにかして「可能」とする方法を探すために――そのためだけに脳味噌は使うようにしましょう。  わかるようにします。そう行動するしかないですよねえ。 >負けるとわかっていてPRIDEに出るレスラー >>プロレスラーは強くなくてはならない――なんて、そりゃオマエの勝手な思いこみだ。プロレスに恋しているだけ。プロレスを愛しているわけじゃない。 >>自分の理想像を勝手に押しつけて、相手を型にはめようとしているだけ。  確かに思いこみではあるのですが。  ただ、プロレス自体が、そう思いこませようとしていた、という歴史がありまして……また言い訳だなあ。とりあえず説明だけします。  力道山の時代から、当時柔道のトップだった選手と戦ったり(このときはえらい卑怯な手で勝ちました)、アントニオ猪木の時代もモハメド・アリやら何やらと異種格闘義戦をしたり、その後は高田伸彦も最強を名乗ったり。  つまりはプロレスの一つのウリとして、“最強”というのがあったんです。過去形なのが悲しいのですが。  普段は“最強”を名乗って、それで客を呼んでいたのに、あっさりと他の競技をやっている選手(柔術、アマレス等々)に負けてしまう。  僕はお金持ちなんだよ、と言っていた恋人が、実はそうじゃなかった。この場合に責められるべきなのはどっちなのやら……どっちもか?  いや、お金持ちだったけど、そのお金が無くなった、というのが正しいですね。もう借金生活。  ――それでも好きなんですけどね、私は。  いつかはまた元のお金持ちになるって、信じています。 >>プロレスファンでもなんでもない僕や鐸碑さんのような人間が、名無し君のようにプロレスファンを自称する人間よりも、「プロレスを愛している」っていうこの現状。 >>なんとも思わないの?  間近で接している人間と、遠くから眺めている人間の違い、でしょうか。そりゃ遠くから見るなら色男でしょうが、近くで見れば性格は悪いし、嘘つきだし、借金はあるしで大変なもんです。 >プロというもの >>「このごろ堂」「もの書く生活」 >>読め。  読みました。  物書きという職業について、その実体をここまで書いてくれた物は、いままで読んだことがありませんでした。  無理だ、とは思わない……思ったら終わりだし。  私が小説家になりたい、と思った第二の理由が「金が欲しいから」だったので、内心引け目を感じていたのですが……。別にいいんじゃん。当たり前じゃん。お金は大事じゃん。  ここまでで……四時間だ。時間、かかりすぎ。おれは頭が悪いなあ――おそまつ。 -------------------------------------------------------------------------------- 自己紹介 & もの書く生活 について No.6841 投稿日 2003年8月14日(木)08時53分 投稿者 細江ひろみ はじめまして、細江ひろみ(小説家)です。 このごろ堂の掲示板への書き込みを見て、こちらにやってまいりました。 もの書く生活を読んでくださり、ありがとうございます。 あれは昔、インターネットが普及する前の時代に、パソコン通信のホストで運営していたプロを目指す掲示板に書いたことの、まとめです。 プロを目指す、ないし目指したい と宣言する人は多いのに、「そういう職業の一社会人となって、それで生計を立てるのだ」ということが、あまりわかられていないように思います。 よみかくをざっと読ませていただきました。 他人の掲示板で暴れるつもりはないのですが、どうしても気になりますので、これだけ言わせてください。 まともなハンドルが決まってない方。 ハンドルについて、ダメだされている方。 みなさんも、プロとして活動をするつもりですよね? プロがいるところで、プロ活動の手始めとして、書き込みをしているんですよね? ここが、自分をプロとして認めさせるための、アピールの場であることもわかってますよね? だったらなぜ、自分の商標たるペンネームを決めない。 どうしてペンネームが決められない。 自分のための名前じゃない。お客に覚えてもらうための商標だ。 お客に覚えてもらうための名前だぞ? ジャンルや、対象読者層によって、ふさわしいブランド名もあれば、そうでないブランド名もあるだろう。 「おばかちゃーん」ってペンネームでギャグマンガ描いてもいいが、その手の名前で架空戦記や歴史物小説書いたら、読者が手に取ってくれると思うか? そんなペンネームを名乗って歴史小説書きたいというやつを、編集者が本気のやつだと思ってくれるか? 雑誌掲載や本に載るまでは、お客というのは出会う業界人全部だぞ? やたら画数が多くてイメージ豊かな凝った個性的名前なんて、相手から見ればにとっては「その手の名前」で一からげだぞ? その名前を名乗ることは、名刺に刷って営業として相手に渡すのと同じだぞ? 幸い目の前にプロがいて、相手してくれる機会がある。 名乗れ。名刺を渡せ。 使い始めたが最後、ペンネームはそう変えられないぞ? 変えたら今までの実績が、全部チャラになるんだぞ? その名前、十年、二十年、三十年〜、ずっと使うんだぞ? 作家になることをゴールにしてないか? 絶対作家になる、じゃダメなんだぞ。それはゴールじゃないんだから。 作家になりたいなら、続けることを前提にして考えろ。 というわけで、いきなり出現しての長文を、ここまで読んでくださりありがとうございます。 新木氏は、口では「あほ!」とか言ってますが、本当は優しい人だと思います。私でしたら、上記のような理由で、まともなハンドルを名乗れない限り、プロ志願者とは認めませんし、他の人も大半は「認めてない」ことを口にすら出さないでしょう。 いずれみなさんと、営業的名刺交換ができる日が来ることを、願います。 -------------------------------------------------------------------------------- >ハンドルについて No.6842 投稿日 2003年8月14日(木)15時02分 投稿者 新木 伸 >ハンドルについて >ALL  はい。  ではここで皆に問題を出す。  「細江ひろみ」  この筆名から、連想される作風を答えよ。  この名前の作家は、どんなものを書いているだろうか? 書くのだろうか?  もう細江さんがどんなものを書いているか知ってしまっている人も、頭をなるべく白紙にして、解答してみるように。 -------------------------------------------------------------------------------- お返事 No.6843 投稿日 2003年8月14日(木)15時47分 投稿者 鐸碑 名無し2号さんへ 私の自己紹介はNo.6591にありますので確認してください。 作家志望でも、現役作家でもありません。大勢の素人と数十人のセミプロライター相手にして、文章で表現されたサービスをうる仕事をしている人間です。  プロとして勝負できる文章を読み書く人では気付かない、あるいはスルーするような事を気付いてアドバイスできればと時々口を挟んでるギャラリーです。  ペンネームで書いてないのは、規約上あんまり会社の仕事以外の表立った活動はできないんで、伏せてやっているからです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6844 投稿日 2003年8月14日(木)18時35分 投稿者 新木 伸 >2号  鐸碑さんの自己紹介なら、6591にあるんだけど。  ――て、もう本人が書いてるか。  図書館に置かれている辞書の話。  考えれば気づいたということは、知ってはいたということだよね。知らなかったわけじゃない。  それがなぜ、意識にのぼってこなかったのだろうか?  それは君が「しないでもいい理由」のほうを探していたからなのね。  だって都合悪いでしょ? 「図書館にあるかもしれない」なんてことを思い出しちゃったりしたら。思いついてしまえば、図書館まで出かけていかなきゃならなくなるし、それは面倒くさいし。  だから君の「無意識君」は、君の記憶にブロックをかけたわけだ。君の記憶を工作して、「知らない」ことにしようとした。  知っていたはずのことを思い出せなかったのは、そういう仕組みね。  知っていたはずなのに、どうして気が付かなかったののか、不思議に思ったりしない?  物事には理由があるのだ。気づかなかったことには、気づかなかった理由がちゃんと存在する。  今回は、あともう一個あるね。  鐸碑さんに指摘されて「ムカッ」ときたわけだね。鐸碑さんの非をなにか見つけだして、ちょっとくらいはやり返してやりたいと思ったわけだ。  そして君は、「なんだこの人、自己紹介もしてないじゃんか」とか、そう「発見した」わけだ。  鐸碑さんの自己紹介が、「過去ログの中にあるかもしれない」とは考えなかった。これも無意識君のしわざ。「やり返したい欲求」を通すために、都合の悪いことは思いつかないようにされていたのね。  こういうのも、「エウレカのトラップ」なんで、気を付けるように。  「たどり着いた水場で休みたい」とか、「○○したくない」とか、「あいつにやり返したい」とか、そういう目先の欲求を優先するあまり、思考停止に陥って頭がおバカになっちゃう状態。その仕組みはまるで同じ。  このあたりの話――。  以前、弟切さんあたりに納得させるときには、「人間と馬」との関係で話したわけだけど。  人間っていうのは、「本能」の上に「自意識」ってものが乗っかっている存在なわけだ。  脳の構造からみてもそうなっている。古い小脳や脳幹という構造の上に、「大脳皮質」というものが、皮一枚かぶさっているだけ。思考や自我を司っている大脳っていうのは、とても薄っぺらくて頼りないもの。  じつは大脳が半分ぐらいなくなってしまっても、人間はけっこう生きていけたりする。考えることはできなくなるけど、食べる、寝る、体を動かす、といった本能を司る部分はそのまま残っているから。昔は大脳前頭葉を切除しちゃうロボトミー手術なんてのがあって、それでも単純労働ぐらいは出来ていた。  人間の「自我」と「本能」との関係は、ちょうど、馬と人の関係と同じわけだ。  走るのは馬。本能。モチベーションを出して、なにかに向かわせるエネルギーを出すのは本能のほう。  そして手綱を引いて、馬の向かう方向を決めるのは人間。自我とか理性とか。そういうもの。  騎手が弱いと、馬は勝手なことをやりはじめる。  休みたいときに休んで、走りたいときに突っ走って――まるで制御が利かなくなる。  怠けたい、とか。  もう休みたい、とか。  ムカッときたのでとりあえずストレス解消したい、とか。  「エウレカのトラップ」っていうのは、手綱が握れていない状態なわけね。  乗馬でもそうなんだけど。  人馬一体とならないと、いい仕事ができない。いい小説を書き上げるにも、しっかり手綱を握って、馬を走らせてやらないとならない。  そういうことを意識しつつ、その自分の「ぐうたらできかん坊」の本能部分の手綱の締め方を研究するように。  馬ごとにやりかたが違うものだから、手綱の扱いかたは、僕は教えてやれない。  自分で見つけ出すこと。 >プロレスとか  プロレスを八百長だと責める一般の人たちって……。  そこまで言葉を厳密な意味で使っているのかな?  本来の意味では、「八百長」というのは、あらかじめ勝敗を決めて勝負に挑むことだよね。しかし本当にそういう厳密な意味で使っていると思う? 文筆業の人間でもなければ、言葉の用法はすごくいいかげんなのが普通だけど。  あと、「暗黙のルールに従って全力でやっているのだ」ということを、ちゃんと説明した?  見えないルールなんてものは、普通の人は知らないわけだよ。  ロープに振った相手が、そのまま帰ってきて、わざわざ自分からラリアット食らいに来ているように見えるわけだ。そして倒れてフォールされている。  そういうシーンを、「相手の技は受けなくてはならない」という暗黙のルールを知らない人間から見たら、これは、わざと倒れているようにしか見えないわけね。  そして八百長だと言うわけだ。  こんなケースでプロレスを「八百長だ」と思っている人って、かなり多いと思うんだけど。そういう人たちは、「技を受けるのがルールなんだ」と説明されたら、誤解が解けるんじゃないの?  ボクシングというものを初めて見た人がいたとする。  「なんで相手がダウンしているあいだに攻撃してとどめをささないんだ。あれは八百長なんじゃないのか?」とか、言いだしたりする。  まわりの人は説明してやるわな。「倒れているあいだは攻撃しちゃいけないルールなんだ」って。  そうしたら、その人だって、そうかと納得するはずだが。  そういう「説明」を、行ったのか、どうなのだ?  「うるさい」と言っただけで、ひとりでスネてて、なにも説明してなかったんじゃないのか? >プロレスは風俗嬢か  こんなところで、こんな変なたとえで扱うと、プロの風俗嬢の人が怒りだしちゃうだろうけど。  風俗嬢も金で買った愛人も、2号は「汚れた女」と考えているわけだね。  そして、「こんな薄汚れた女と付き合っていけるのは、俺ぐらいなものだ」とか、歪んだ選民意識でも持っているのかな?  そして「こんな薄汚れた女と付き合っていける俺って、なんて心が広いのだ」とか、そんな自尊心でも持っている?  僕と鐸碑さんは、いまのところ、プロレスの弁護に回っているわけよ。  プロレスの汚名を晴らそうとしている。プロレスは立派なエンターテイメントであると、そう証明しようとしているよね。  しかし、なんだか2号はそれに抵抗しているように見える。プロレスの汚名を晴らしてもらっては困るように見える。  なんでプロレスは「汚れて」いなければならないの? ねぇ、なんで? >短編のテーマ  書きたいもののうち――。  「普段女の子らしくない少女が不意に見せた女らしさ」  「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」  「小学生」  ――3つまでは、応用の幅が広いものだから、たいていのテーマと組み合わせることが可能だよね。  「別れの切なさ」  これだけは、テーマをかなり固定しちゃうね。  テーマにはどうしても「別れ要素」が入ってくる。  ここでやりかたは二つある。  「別れの切なさ」は他の話で書くとして、残りの3つだけで話を構成するのが、第一の方法。  もうひとつの方法は、「別れの切なさ」を優先するもの。  しかしそっちの方法だと、前の3つのもののうち、いくつか削らないとならないかなぁ。「別れの切なさ」をメインに据えるわけだ。そして対立して競合しそうなものは、この話からは追い出してしまう。  特に「女の子らしくない少女が〜」のほうは、これ、かなり大きなネタなんで、主役を奪い合ってしまうわけね。  話に「主役」は二人いらない。特に短編では。  んで、こうした「いちばん書きたいもの」が定まらないときのやり方については、過去ログにあったはず。  「自分の書きたいもの」を書き出してみて、そこに優先順位をつけるわけだな。   「普段女の子らしくない少女が不意に見せた女らしさ」   「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」   「小学生」   「別れの切なさ」  この4つに優先順位をつけて、番号を振ってみそ。  「別れの切なさ」と「女の子らしくない少女が〜」の、どっちのほうが上に来るわけ? (ところで「小学生」って、なに? 「小学生カップルたちの恋」ということ? それとも単に「小学生」なの?) >テーマとか >>「少女に告白され、その思いに答える少年」  これだと、まだテーマになりきってないぞ。  分析しきれてない。  この一行から、無数のテーマが導き出せてしまう。どうとでも読み取れてしまう。  告白されて、想いに答えることのどのへんに「萌え」があるの?  たとえば、 1.女の子の側から告ってもらうのって、やっぱ男のロマンだよな。そうでなくちゃね。 2.おたがいの持っていた好意が、恋に昇華する瞬間って、いいよね〜。  とか、こんなようなテーマが導き出せてしまう。  あと3つ4つは出てきそうだけど。  めんどうなので、とりあえず2つ。  1個に絞りきれていないようなのは、テーマといわんのね。串は1本。2本あっちゃいけない。  自分の中でも、まだよくわかっていないのだろう。  それをはっきりするための検証法がある。一個一個、確認してゆくわけだ。  たとえば、告白するのを少年の側にしてみる。男女を完全に逆転してしまう。  「ずっと想っていた女の子に告白する少年。それに答えてくれる少女」  ――という展開にしてみたとする。  これでも自分の「萌え度」が変わらないなら、1の路線でなかったことがわかる。  2のほうを検証するには、片方の側に特別な好意を持たせないようにする。「気にもしていなかった女の子から告白されて〜」てな展開にしてみるわけだ。それで「萌え度」に影響が出るかどうか、考える。  こうして消去法を使って、絞り込んでゆく。  条件が壊れるような展開を考えてみたときに、「萌え度」が急に消えてしまうものが見つかるはずだ。  たぶん、それがテーマ。  見つからなかったら、見つかるまでやる。テーマを見つけないことには、話は作れない。串がないのに「串カツ」が作れるものか。 >辞書とか  2号は、辞書は、なにを持っているの?  辞書名を列挙すべし。  冊数は2〜3冊って言っていたようだが。  大辞林あたりならWEBで出てるし。類語辞典も、けっこういいやつがWEB上にある。  過去ログ調べてみそ。藤極堂さんが紹介してくれている。 >根気がないこととか >>確かに“根気がない”とか通知票に書かれたような記憶が……。これはそういうところから派生していた問題かー。  いや。根気はあるよ。  「無理な理由」を探し出してくることかけては、すごい根気を見せてるじゃんか。  いまだって、ほら、「自分は子供の頃から根気がなかったので無理」って、またひとつ新機軸のものを捻り出してきたしー。  楽しみにしていた甲斐あって、こいつは、かなりユニークで個性的な理由だな。  すごいぞ。そのうち小説で使うことにしよう。 -------------------------------------------------------------------------------- ついでにもういくつか No.6845 投稿日 2003年8月14日(木)18時38分 投稿者 新木 伸  以下の作家名から連想される作風を答えよ。  新木 伸  鷹見一幸  はせがわみやび  三枝零一  中里融司 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.6846 投稿日 2003年8月14日(木)19時58分 投稿者 新木 伸 >2号 >短編に込めた「書きたいもの」の数  「書きたいもの」の数なんだけど。  その4個のほかには、もうないの?  短編ひとつのなかに、なにか10個ぐらいは入っててくれないと……。スープが薄すぎて、とても飲めやしないのだが。  たった4個の鶏ガラで、ラーメン37杯分もスープを取っちゃっていたら、それ、食べる前に「ダメ」だってわかってしまうものなのね。  それで前に、「この内容で37枚も書いていたら、それだけでNG」と言ったわけだ。  あらすじ見れば、書きたいものの個数は見当が付く。  とくに400字と800字の二つをみると、よくわかる。  400字のほうが適正量となっていて、800字はただ文字数に合わせるために水増ししただけ。400字版を書くために、無数に込めた「書きたいもの」から4個だけを厳選してきたのではなく、ほんとうに、たったの4個しかないわけだ。  800字版と比べてみると、そのことがわかる。  前に書き直して20枚以内にしていたっけ。  これは、書きたいものの個数に見合った枚数に抑えるやりかた。こぢんまりとした方向でまとめるやりかた。  それとは逆のアプローチもある。  40枚という枚数は、そのままにするのよ。そこに書きたいものをもっと投入してゆく。4個から、10個ぐらいまで増量する。  前述した方法が「こぢんまりとまとめるやり方」なら、こっちは豪快な方向だ。パワーアップしてゆく方向。40枚という枚数を必要とするだけのパワーを込める。  しかしいくら増量するといったって、テーマから外れたものでは意味がない。  テーマをしっかり捉えてからの話だけどね。  ――で、テーマってなんなの? -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.6847 投稿日 2003年8月14日(木)20時39分 投稿者 新木 伸 >2号  ちなみに、いま僕も短編書いていたりするけど。  ほとんど段落単位で、書きたいものを込めていたりする。  だいたい5行に1個ぐらい。  文庫本の1ページに、2個か3個。  原稿用紙で数えるなら、1枚のうちに2個ぐらい。  しかし、これはわりと細かいほうの「書きたいもの」。  もうすこし大きなもので、たとえば「強気な女の子が不意に見せた女の子らしさ」くらいの大きさに相当するもので数えると、まあ短編ひとつに、10個くらいかな。  4〜5行に1回、小さく「掴む」。  4〜5ページに一回、大きく「掴む」。  それが僕のリズム。「書きたいもの」を投入してゆく割合。仕事で書く小説の場合には、そのくらいは入れている。  じゃないと怖くて。  とてもじゃないが、カネなんて取れない。  鶏ガラ4個で37杯分も取ったラーメンスープなんて、お客さんに出せないよ。  「なんじゃこのみずみたいなのはてめぇこのばかやろうかねかえせ」とか言われるのが目に見えていて、怖すぎ。  ちなみにこの場合の「怖い」は、「恐い」ではなくて、「怖い」のほうね。  これは前にどっかで計算して書いたことなのだけど。  プロ作家って、1行でいくら稼いでいると思う?  中堅クラスで、書店でシリーズが棚取りされて常備されているあたりの作品の新刊。  そのあたりの本だと、初刷りが普通より多めに刷られている。  そのあたりの本だと、1行=600円ぐらいってとこね。つまり1行でもって、アルバイトの時給1時間ぶんなわけ。  1ページは17行あるから、まあだいたい、「9時間労働2日分」に相当しているわけ。  それに見合うだけのものを提供しなきゃならないわけ。プロってのは。  ちなみに、そんな人気シリーズってほどでもなく、「普通」に売れている本だと、それの半分くらい。それだって「2行で時給1時間分」なわけだよ。  たいして変わらない。  2行で600円に見合うだけのもの。  ちゃんと書いているか? -------------------------------------------------------------------------------- 無料で使用できる辞書サイト No.6848 投稿日 2003年8月14日(木)22時30分 投稿者 藤極堂 ■ソフトをインストールできない立場のひとに  JetSeek - メタサーチ/メタ検索 http://www.jetseek.net/ あ、Lycosディクショナリは8月31日に終了するからブックマークしないほうがいいよ。するならインフォシークマルチ辞書 http://jiten.infoseek.co.jp/ ね。 私個人はSleipnirというタブブラウザの、検索エンジンリストのSearch.ini を変更して串刺し検索っぽくして使っているよ。 登録してるのはgoo 国語辞典|Yahoo! 複数辞書|現代用語の基礎知識|大辞林(後方一致)|goo 和英辞典|。  Sleipnirの公式サイト http://sleipnir.pos.to/  ベクターソフトニュース - Sleipnir http://rd.vector.co.jp/magazine/softnews/020904/n0209042.html タブ機能(1つのウインドウ内で複数のWebページを容易に切り替えて表示する機能)と マウスジェスチャ機能(マウスの右ボタンを押しながら左右に動かすことでブラウザの「戻る」「進む」を実行する機能) で閲覧もらくらく。 どうやって検索エンジンを変更するかはsleipnirのヘルプに書いてあります。以下引用。 <引用開始> 先頭に「group:検索エンジン名1|検索エンジン名2|検索エンジン名3」のように入力すると複数の検索エンジンで同時に検索することができます。検索エンジン名は全角空白を間違えずに入力してください。各検索エンジン名は半角の('|')で区切ってください。詳しくは同梱の Search.ini の「全検索エンジン」を参照してください。 <引用終了> ■検索エンジンリストに入れられなかった辞書サイト  シソーラス(類語)検索 http://www.gengokk.co.jp/thesaurus/  ネットで百科@Home http://ds.hbi.ne.jp/netencyhome/  英辞郎 http://www.alc.co.jp/ 有料のオンライン辞書とかもあるけど、使ったことがないのでよくわかりません。 使ってる人はどんな感じなのか教えてくれると私がうらやまし……うれしがります。お礼は何もありませんが。 有料辞書についての詳しい情報は下記でどうぞ。 百科事典・統合辞書に関連する情報[辞書・事典・電子辞書]All About Japan http://allabout.co.jp/study/dictionary/subject/msub_hyakka.htm -------------------------------------------------------------------------------- 今週末まで。 No.6849 投稿日 2003年8月15日(金)00時12分 投稿者 魚住 雅則 週末までは課題の進み具合が遅くなると思います。 >主人公を死なせなければならない構造 >ちなみにヒントを出すと、ヒロインがらみね。ヒロインとの関係に関わることで、大きな理由となるものが、ひとつある。 ヒロイン関連では、今のところ以前に出したもの(#6770)以外は考えつきません。 思考が固定化してしまっているのかもしれません。とりあえず発想のとっかかりとして使うために#6770より「ヒロインとの関係」についての部分を抜粋してみます。 >さらに新たな命を与えるという場合、新しい命を支えている「何か」がヒロインと主人公を結ぶ理由として使えます。 >おおざっぱに言えば、「融合してしまった二人が元にもどると、仮の命を持っているにすぎない主人公は死んでしまう(この問題は時間がたてば解決する)」などです。 >しかし、主人公の命を保たせるためには一緒にいるしかないという状況ならば比較的自然な流れになります。 >事件の発端で主人公が死んでいれば、まず主人公側に協力する動機として相当強いものが生まれます。 >ヒロインがそのまんま命の恩人であるという事実。 上記を要約すると以下のようになります。 1・主人公とヒロインが離れられない、または一緒に行動する理由として使える。 2・主人公はヒロインに大きな借りができる。ヒロインは命の恩人(生き返らせてくれた人)という存在になる。 1は主に、「最初は理由があって仕方なく一緒にいた主人公とヒロインだが、そろって行動するうちにお互いに惹かれあっていく」という展開に使用します。 初対面ではツンと冷たかったあの娘が徐々に心を開いていくんだぜうおお萌え。 これは必ずしも主人公が死んでいる必要はないですね。 一緒に行動しなければならない理由なら、例えば「呪いによって離れられない」「共通の目的のために協力しあう。一緒にいる方が都合がよい」「お互いの身体が入れ替わってしまったので、離れていくわけにはいかない」などがあり、他にもたくさん考えられます。理由付けはさして難しくない。 ということで、1は今まで出してきものと同じ、「使えることは使えるが、別に死んでいなくても実現可能である」。 (「死→再生」の付属要素のうちの一つでしかない) 以下明日に。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷夏 No.6850 投稿日 2003年8月15日(金)01時16分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は朝からずっと冷たい雨が降り続いています。とても八月とは思えない肌寒さだと思いつつTVの天気予報を見ましたら、気象予報士さんが十月中旬並みの気温だと言っていました。そりゃあ寒いと感じますよね。 >>筆名の印象  細江ひろみさん、わざわざこちらへいらしての御助言ありがとうございます。新木さんが課題を出して下さったので、細江さんのお名前を利用させていただいて、筆名について考えます。 「細江ひろみ」 という筆名を見て、人はどのような印象を持つでしょうか?  この筆名は、とても読みやすいですよね。「ほそえ ひろみ」以外の読み方をされるとはまず考えられません。小学生でも、おそらく三年生以上ならば普通に読める氏名でしょう。  名前のほうが「ひろみ」というひらがなであることが、優しい印象を出しています。かなりの確率で、この人は女性であると感じられます。  読みやすさと優しい印象からして、低年齢の人にもとっつきやすく感じられる筆名ですね。児童文学を書いている方かも知れません。  ただ、児童文学を書いているにしては、「細江」という名字のほうが画数が多くて、ちょっと重い気がします。特に「細」の画数が多いですね。低年齢向けの作品を書いている方だったとしても、少なくとも十歳以上の読者を対象にしているのではないでしょうか。  比較的低年齢の人にも受け入れられやすくて、女性らしく、優しい雰囲気が漂うこの筆名からしますと、集英社コバルト文庫や講談社X文庫といった、少女向けのレーベルで書いている方のように感じられます。  もう少し大人の女性向けの恋愛小説−大人の女性向けとされる小説で、恋愛小説でないものを探すのは難しいでしょう−を書いていたとしても、おかしくはありませんね。「ひろみ」という女性らしい名前の印象が強いため、女性向けの作品を書いている方だろうと感じます。  間違っても、読者の多くが男性である架空戦記ものや国際謀略小説やハードボイルド小説などを書いている方とは思えません。重厚さが求められることが多い歴史小説にも向いている筆名ではありませんね。ひらがなの名前はとっつきやすい反面、軽い印象がありますから。  同じ「ひろみ」でも、例えば「廣美」という漢字名だったとしますと、途端に印象が変わります。わざわざ「廣」という画数の多い旧字体を使っているために、歴史に対する教養の深さと重厚さが感じられますよね。「細江廣美」という筆名なら、歴史小説を書いていてもおかしくはありません。  男性向けでも、ポルノ小説なら、「細江ひろみ」という筆名はありかも知れませんね。ただし、それにしては、女性らしさを感じさせる「ひろみ」という名前のほうは良いとしても、「細江」という名字のほうが向いていません。普通にありそうな名字で、男性の妄想を掻き立てるロマンチックさ(笑)に欠けます。これが「白鳥」や「綾小路」といった名字なら、ポルノ小説家にふさわしい筆名になるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 趣味は武器 No.6851 投稿日 2003年8月15日(金)21時03分 投稿者 海法 紀光  みなさん、はじめまして。ファミ通文庫でノベライズをやっています、海法紀光(かいほう のりみつ)です。プロレス関連の談義を見て、しゃしゃりでてきました。といっても、別にプロレスに詳しいわけじゃありません。  はっきりいって俺はプロレスを知りません。  だから、自分の小説にレスラーやプロレス好きのキャラを出すことができません。どうしてもプロレスネタを挟まなければならない時は、細かいリサーチとプロレス好きの人間の協力が絶対に必要です。  そのうえで、なるべく慎重に少しだけ挟みます。  そこでちょっとでも下手なことを書こうものなら、本全体の価値が落ちてしまうからです。  名無し2号さんの文章を見て苛立つのは、自分の趣味、すなわち専門知識を武器と認識してないことです。  2号さんは、何年も何年もプロレスを追っかけてきたわけです。その過程でプロレスファンの気持ちがわかるようになったわけです。  プロレスファンが何に泣いて、何を大事にしてるか。今、旬のネタは何か。オールタイムベストは何か。忘れられない思い出は何か。ファンにとっての明るい未来は何を指すか。ファンの中には、どんな人がいて、どんな派閥があって、その間には、どんな空気が流れてるのか。プロレスファンの生きた会話とは、どんなものか。  その全ては、非プロレスファンの作家(例えば俺!)が、喉から手を出しても欲しいものであり、何にも代え難い、あなただけの武器だということを心に刻んでください。  小説を書くために、プロレスファンになったわけじゃない?  だからいいんです!  ハナから小説ネタにしようと思ってリサーチすることなんて、たかがしれてます。ただ好きだという理由で、時間もお金も度外視して追っかけ続けた趣味だからこそ、「生の感慨」がこもるのです。  その武器……俺になくてあなたにある武器……を使いこなしてください。  それは、その感慨を、どう人にアピールするかということです。  普通の人は「プロレスって、どこが面白いの?」って聞いてきます。  それに対する相手を納得させる応えがいります。  「八百長と最強幻想という双子」なら、「ほう、そうだったのか」と目を開かせなきゃいけません。  「しょぼい日本のプロレスに、愛憎を抱きながら、それでも離れられない恥ずかしいオレ」でもいいです。それなら、その滑稽さで笑いを取らなきゃいけません。「あぁ、そういうのってあるよね」と同情を買わなきゃいけません。  桜庭が負けて、なぜ悲しいのか。桜庭のこれまでの人生と、プロレスファンが彼に懸けた思いを切々と説明して、紅涙を絞らなきゃいけません。  どういうスタンスであれ、作家志望のプロレスファンなら、何も知らない人にプロレスを語りまくって相手を楽しませるのは義務です。マストです。天命です。  名無し2号さんは、その「人にどうアピールするか」という視点が欠けている。  武器を持ちながら、その使い方を考えたことがない。  例えるなら、戦場のどまんなかでライフルを持ちながら、「なんかこの棒、重いなぁ」と思ってる兵士みたいなもんです。  ……ありえないでしょ、それ。  「ライフルなんかいらん。俺は、このナイフ一本で一個大隊を解体し尽くしてやるぜェェェ」ってのならカッコイイですが、そうでない以上。  それが武器だと知ってください。武器を愛でるのではなく、その使い方を学んでください。  「プロレス? 何それ?」というやつを、片っ端から撃ち殺してください。  俺の知ってる限り、作家になるというのは、そういうことです。 http://www.amecomi.com/ -------------------------------------------------------------------------------- 凶作の八月 No.6852 投稿日 2003年8月15日(金)22時03分 投稿者 弟切 千隼  昨日に引き続き、今日も湘南では冷たい雨が降っています。私の記憶にある限り、八月にこんなに寒い日が連続したのは−静岡県でも神奈川県でも−初めてです。  この寒さのため、今年の農作物は不作だそうですね。手塩にかけた作物が実らないお百姓さんたちは、さぞかしつらいだろうと思います。これから野菜やお米の値段が上がるだろうと考えると、弟切も憂鬱になります。 >>筆名の印象 について考えていて、思い出したことがあります。ある占い師さんがデビューするに際し、筆名ならぬ占術家名を付けてもらった時のエピソードです。  このエピソードは、あちこちで語られているので御存知の方もいるかも知れません。結城モイラ[ゆうき もいら]という占い師さんの占術家名にまつわることです。  「結城モイラ」という占術家名は、今は亡き作家の遠藤周作さんが付けて下さったそうです。最初は名字がなく、「モイラ」という名前だけでのデビューだったと聞いています。  モイラMoiraというのは、ギリシャ神話の運命の女神の名前です。占い師にふさわしい格式と、異国風の神秘性とを兼ね備えた素敵な名前ですよね。  モイラさん御自身も、この名前はすぐに気に入られたようです。占術家名は、筆名とは違って必ずしも人間らしさを表わす必要はありません。商品の名前に似て、人間らしさよりは神秘性や印象の強さのほうが重視されます。ですから、名字がない名前だけの状態でも問題はないはずでした。  ところが、モイラさんがデビューして最初に占いの記事を書くことになったのが、小学館の学習雑誌でした。『小学二年生』とか『小学三年生』とかいう小学生向けの雑誌で、いわゆる「学年誌」と呼ばれるものです。  小学生に対しては、「モイラ」という名前だけでは奇矯すぎて受け入れられないのではないかと、モイラさんはずいぶん心配されたそうです。モイラさんのデビューは今から二十年以上前で、当時流行っていた怪獣の「モスラ」と「モイラ」と間違えられるのでは(!)と案じたといいます。  幸いにして、その後、名付け親の遠藤周作さんが「結城」という名字も付けて下さり、「結城モイラ」という占術家名で活躍できることになりました。「モイラ」というカタカナ名は、日本人の名前としては非常に変わっているものの、漢字の名字が付けば、子供でも一応人名らしいと認識できるでしょう。これでもう「モスラ」には間違えられません(^_^)   「結城」という名字は、確かに日本人の名字の一種とはいえ、ちょっと変わっていて高貴な感じがします。また、「ゆうき」という音の響きが優しくて女性的なのも、「悩みの相談を優しく聞いてくれるお姉さん」という雰囲気を表わすのに良いですね。  上記のとおり、「結城モイラ」という占術家名は、「日本人の氏名らしさ」・「でありながら異国風の神秘性」・「占い師にふさわしい格式」・「高貴さ」・「優しさ」などを併せ持って、若い人を相手にすることが多い占い師の氏名にはとてもふさわしいです。作家として名を成した遠藤周作さんのセンスは、さすがとしか言いようがありませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- 能ある鷹は爪を隠す…… No.6853 投稿日 2003年8月16日(土)01時43分 投稿者 鷹見一幸  んでもって「能あるトンビは爪を隠した鷹のふりをする」  というわけで。お久しぶりです。今年5冊目の単行本の入稿にこぎつけました「雑家」の鷹見一幸です。  ちゃんと「モノカキ一本」で食っている方々のお言葉は、私のような「雑家」にも、とても勉強になります。  襟を正し、心を入れ替えようと思うのですが、どうやら魂が腐っているらしく、ぐーたらな生き方が直りません……困ったもんだ。  筆名について、ちょこっとだけコメントしたくて書き込みます。  日本語というのは表音文字と表意文字の両方の特徴を持っている、ということを昔書いたような記憶があるけど、これって要するに「目で見た文字を同時に音として耳で聞く回路」というのが日本人には備わっているということだと思うんだよね。  以前にも書いたけど「ウスバカゲロウ」という昆虫を漢字で書けば「薄羽蜉蝣」と書くので、いかにも薄い羽根を持ったはかなげな虫、というイメージが沸く。でも、音として聞いたとき「薄馬鹿下郎」と聞こえちゃう人だっているんじゃないかと思うんだよね(俺だけかな?)  筆名は芸名と同じであり、人の口に乗ったとき、どれだけ印象に残るかというのも、実はとても大切なもののような気がするんだよね。  だから俺は、人の耳に力強く響く「た行」と「か行」を苗字と名前の両方の冒頭に持ってきたんだ。  筆名を決める時に「耳に聞こえる響き」というのも考えておくのも一つの手だと思う。  評判は口と耳で伝わる速度の方が早いからね。    それにしても俺も「鷹見」なんて格好のいい漢字を選んだものだから「鷹」の字に負けないだけのお話を書かなくちゃいけない。とは思ってるけど、まだまだ「トンビ」だよなあ(笑  -------------------------------------------------------------------------------- お久しぶりです No.6854 投稿日 2003年8月16日(土)02時20分 投稿者 かねやん  お久しぶりでないかたは、はじめまして。かねやんと申します。  28歳で男性、現在は車関係の仕事をしております。  プロのものがきを目指していないので、ここには感想や何かを紹介することで参加したいと思っております。 >筆名「細江ひろみ」について >弟切さん  いくつかの女性向けレーベル(集英社コバルト文庫、講談社X文庫、小学館キャンパス文庫、角川文庫ルビー文庫)の筆名を眺めてみましたが、「細江ひろみ」はおとなしすぎるように感じました。  女性向けレーベルで使われている筆名は華やかというか……男性が手にするには抵抗がある名前が多いです。  ですから「細江ひろみ」には男性が手にしても抵抗が無い名前であると感じました。  ちなみに、「弟切千隼」(久しぶりに書いたら千早と勘違いしてました^^;)には、伝説、伝承、伝奇、民話、神話のイメージが強かったりします。  ゲームに“弟切草”がありますし、そうでなくとも「弟切」からホラーを浮かべる人もいるかと思います。 ※ゲーム『弟切草』(未プレイ)  (株)チュンソフトからスーパーファミコンで発売されたサウンドノベルホラー第1弾(効果音と分岐点を持ったノベル?)  プレイステーションでもシナリオを変更して発売中。  奥菜恵主演で映画化もされている。  第2弾として『かまいたちの夜』が発売されている。 -------------------------------------------------------------------------------- 一日遅れ No.6855 投稿日 2003年8月16日(土)05時40分 投稿者 名無し君2号  はい、すみません。体の調子が悪くなったので、昨日は一日中寝てました。  そのせいか、大部今日は調子がいいです。  ――なんだって調子が悪くなったのか。なんだか最近、暑くなったり涼しくなったりで、天候が不順だから、かなあ。 >細江ひろみ先生  まずはお礼。  ありがとうございます。  思わず口をださずにいられないほど、まともなハンドルが決まってない方――私の覚悟が駄目駄目だったと言うことだと思います。  黙ってられるよりははっきりと言われたほうが、こちらの為になります。 >鐸碑さん  すみません。確かに過去ログにも書いてありましたし、私もそこは見ていました。そこの文面は見覚えありましたが、名前が記憶になかった……かえって失礼ですね。  新木さんの書かれた、 >>鐸碑さんに指摘されて「ムカッ」ときたわけだね。鐸碑さんの非をなにか見つけだして、ちょっとくらいはやり返してやりたいと思ったわけだ。 >>そして君は、「なんだこの人、自己紹介もしてないじゃんか」とか、そう「発見した」わけだ。 >>鐸碑さんの自己紹介が、「過去ログの中にあるかもしれない」とは考えなかった。これも無意識君のしわざ。「やり返したい欲求」を通すために、都合の悪いことは思いつかないようにされていたのね。  まったくもってこの通りなので、返す言葉もありません。鐸碑さんのせっかくのご指摘に対し、失礼な態度でした。  これからも、いろいろと指摘していただければありがたく思います。 >藤極堂さん  辞書サイトおよびブラウザの紹介、ありがとうございます。  ブラウザは使えない……メモリが足りない……のですが、辞書サイトの方は活用させていただきます。  過去ログで紹介されたものも活用させていただいてました。  まあ、効果的に使ってなけりゃ、使ってないも同然なんですが。 >海法紀光先生  はじめまして。そしてありがとうございます。 >>名無し2号さんの文章を見て苛立つのは、自分の趣味、すなわち専門知識を武器と認識してないことです。 >>名無し2号さんは、その「人にどうアピールするか」という視点が欠けている。 >>武器を持ちながら、その使い方を考えたことがない。 >>例えるなら、戦場のどまんなかでライフルを持ちながら、「なんかこの棒、重いなぁ」と思ってる兵士みたいなもんです。 >>……ありえないでしょ、それ。  なんかもう、私の駄目ぶりは口を出さずにはいられないレベルのようですね。  まったくありがたい話です。  開眼する話でありました。  プロレス自体について書くこと――もそうですが。    例えばファンの心理だとか。  凡人の努力をあっさりと凌駕する天才の才能、それにまつわる感情とか。  強い醜男より弱い美男子とか。  努力は決して報われるわけではないとか。  怪物であることの哀しみとか。  まあ、いろんなことを教えて貰っていたわけです、プロレスに。  それは十分に小説に生かせることじゃないか、と。  私がプロレスを好きなのは、こういう部分なのだな、という認識があります。  あとは銃を使いこなせるようになるだけなのだが――それが問題か? >新木さん >書き直しのこと  えー、以下にこれまでの“悪文”の遍歴を。 ■一番目  等々等々、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなるような言葉の羅列。 ■二番目  等々等々、そんな言葉の羅列。私は思わず、とりあえずその口を閉じろ、そしてジーンズの裁縫のごとくがっちり縫いあわせて二度と開くな、といいたくなる ■三番目  等々等々、そんな言葉の羅列。  そんな相手に、私は思わず口走ってしまいそうになる。 「とりあえずその口を閉じろ! そして二度と開けないよう、しっかりと溶接しろ!」  そして、最後の“悪文”についての新木さんのコメント。 >>「等々等々」 >>「そんな言葉」「羅列」 >>「思わず」「口走って」 >>「その口を閉じろ」「二度と開けない」「しっかり」「溶接しろ」 >>このへんの語句、すべて使用禁止。 >>――でもって、これまでと同じ内容を言え。ほかの言葉で。  さて、一体何が悪いのか。  この文を読んだ人の気持ちになって考えてみる。 ・「そんな言葉」を「羅列」したのが、一体誰なのかわからないぞ。 ・「そんな言葉」「そんな相手」「その口」、「そんな」や「その」を多用するな。読み返させるな。 ・ともかくわかりやすく言え。意味もわからないくせに難しい言葉使いやがって。  ……こんなところか、な。  それらをふまえて、以下に書き直し。 ■四番目の書き直し  そんな問いかけをしてくる人たち。  私は黙っている――しかし心のなかでは呟いている。  お願いだから、もう喋らないでくれ――そう呟いている。 >プロレスとか >>あと、「暗黙のルールに従って全力でやっているのだ」ということを、ちゃんと説明した?  してないです。 >>「うるさい」と言っただけで、ひとりでスネてて、なにも説明してなかったんじゃないのか?  その通りです。  いままでのやりとりを見返して、あることに気づく。  なんで新木さんや鐸碑さんがプロレスを弁護していて、ファンのはずの私がプロレスを貶めるようなことを書いているのだ。  えー? なんでー? どこで間違った?  ……うん、うん。わかった。  まずは、私が説明をしなかった相手。「うるさいな」とだけで、無視していた相手。  私はその人があまり好きじゃなかった。  というより、若干対人恐怖症ぎみなので、そもそも人と会話するのが苦手だし。――その割にはやたら書きこんでますけど。  だから、そもそもプロレス関係じゃなくても、ロクに説明をしない。必要最低限の会話をしていればいいや……だった、と思います。  結局、相手を嫌いだったから、相手の発言、そのすべてに悪意を感じたんですねえ。  それでまたその相手が多いわけだ。  だから世間はプロレスに好意を持ってない→それを説明する→だってプロレスってこんなだから嫌われるんだ→あれ? なんか俺、いつのまにかプロレス嫌いってことになってない?  えーと、つまり……。  世間はプロレスを嫌っているのではなくて、私が世間を嫌っている、ということでよろしいでしょうか。  なんかカウンセラーを受けたような結論が出たぞっ。  しかし世間を憎むってなあ……いつまで思春期なんだ俺。無限思春期少年か? もうすぐ30だぞ? 自我の境界があいまいなのか? >短編のテーマ >>「普段女の子らしくない少女が不意に見せた女らしさ」「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」「小学生」「別れの切なさ」 >>この4つに優先順位をつけて、番号を振ってみそ。 >>「別れの切なさ」と「女の子らしくない少女が〜」の、どっちのほうが上に来るわけ? >>(ところで「小学生」って、なに? 「小学生カップルたちの恋」ということ? それとも単に「小学生」なの?)  はい。ちなみに「小学生」は「小学生カップルたちの恋」ですね。  もっと正確に言うと、この時期は男は子供だけど、女はすこし大人じゃないですか――その先もずっとずぅーと、そうなのかも知れませんが。  恋というものを少年はよく理解してなくて(もしくはなにか恥ずかしいものととらえていて)、少女はむしろ大人びた感情を見せる……というのがやりたかった!  だから「小学生時代の男と女における、恋の認識のずれ」になりますな。  で、優先順位をつけるならば、 (1)「女の子らしくない少女が不意に見せた女らしさ」 (2)「小学生時代の男と女における、恋の認識のずれ」 (3)「別れのせつなさ」 (4)「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」  になります。 >テーマとか >>「少女に告白され、その思いに答える少年」 >>これだと、まだテーマになりきってないぞ。 >>分析しきれてない。 >>この一行から、無数のテーマが導き出せてしまう。どうとでも読み取れてしまう。 >>自分の中でも、まだよくわかっていないのだろう。 >>それをはっきりするための検証法がある。一個一個、確認してゆくわけだ。 >>たとえば、告白するのを少年の側にしてみる。男女を完全に逆転してしまう。 >>「ずっと想っていた女の子に告白する少年。それに答えてくれる少女」 >>――という展開にしてみたとする。 >>これでも自分の「萌え度」が変わらないなら、1の路線でなかったことがわかる。  はい。  以下、検証。 「ずっと想っていた女の子に告白する少年。それに答えてくれる少女」  うーん、違う。これもいいんだけど、今回は違う。 「ずっと想っていた男の子に告白する少女。それに答える少年」  いえーい。これだ。 「気にもしてなかった女の子に告白されて、それに答える男の子」  微妙。次。 「前から好きだった女の子に告白されて、それに答える男の子」  微妙。次。 「かわいいな、程度の意識しかなかった女の子に告白されて、それに答える男の子」  微妙。うーん? これはどうでもいいのか?  「気の弱い少女が、必死の覚悟で少年に告白する」  うっ。すごくいいけどー。でも今回は“強気な女の子”なのだ。 「かわいい少女に〜」  かわいいほうがいいなあ、やっぱり。 「みんなに人気のある少女に〜」  微妙。次。 「みんなから嫌われている少女に〜」  うーん? 次。 「男子からは恐れられ、女子からは人気ある少女に〜」  これ。ピンポン。 「〜気の弱い少年に告白され〜」  微妙。 「〜気の強い少年に告白され〜」  微妙。 「〜普通の少年に告白され〜」  これかなあ。  ここまでで気づいたことがひとつ。  私は主人公をどうでもいいと思っている。  イメージとしては若干ヘタレだけど、そんなにもひどくない、ごく普通の……よくあるタイプの主人公だな。まあいいや。大事なのはヒロインだ。この物語の主人はヒロインなのだ。そのためにすべてあるのだ。  で、テーマです。 「気の強い少女が、好きだった男の子に告白するために女の子らしくするって、いいよね。ね?」 >辞書とか >>2号は、辞書は、なにを持っているの? >>辞書名を列挙すべし。  新明解国語辞典と新明解漢和辞典。知恵蔵の2003年度版。  以上です。 >>大辞林あたりならWEBで出てるし。類語辞典も、けっこういいやつがWEB上にある。 >>過去ログ調べてみそ。藤極堂さんが紹介してくれている。  はい。使わせてもらいます。 >短編に込めた「書きたいもの」の数 >>「書きたいもの」の数なんだけど。 >>その4個のほかには、もうないの? 「主人公のヘタレぶり」 「小学生男子の恋(というより“女”か)への戸惑い」 「ヒロインの凛とした格好よさ」  ……この話、ヒロインを主人公にしたほうがいいのかなあ。  でもそれだと「なんでヒロインはこんなのに惚れたのだ」というマイナスが……。  ヘタレが主人公なら、その疑問は解消される……はず。読者が主人公に感情移入すれば。 「キスシーン」  あー、せっかく夏祭りで、まわりはカップルばかりなんだから、そいつらのキスシーン見せて意識させればいいかも。でもそうなると……。 「性の芽生え(大人の階段昇る)」  という微妙なところにいっちゃうような。……いいか。祭りといえば「ハレ」なわけだし。ああ、だから……。 「非日常の雰囲気」  もかかわってくるよな。 「この年にして姉さん女房ぶりを発揮するヒロイン」  キスやらなにやら、もうヒロインのほうからいかせてしまう。主人公ヘタレだから。 「ヒロインから告白」  キスシーンをクライマックスにするとして、だったらこの二人はつきあってることにしたほうがよろしかろ。だったら冒頭に告白するシーンを入れて……で、主人公は別にヒロインを好きじゃなかったんだけど、なんとなくつきあっちゃう、とか。 「ヒロインに惚れてゆく主人公」  惚れなくちゃ、ね。やっぱり。――こんないい子だもの。  ……小学生じゃなくて中学生ぐらいのほうがリアリティーあるか。  小学生のときから「あー、おれっちキスしてー」とか思うか?  でもお医者さんごっ……んがんぐ。  ……。  ……小学生でいいか。  えー、以上、でました。 「女の子らしくない少女が不意に見せた女らしさ」 「小学生時代の男と女における、恋の認識のずれ」 「夏祭りのにぎやかさ、楽しさ」 「主人公のヘタレぶり」 「ヒロインの凛とした格好よさ」 「キスシーン」 「性の芽生え」 「非日常の雰囲気」 「この年にして姉さん女房ぶりを発揮するヒロイン」 「ヒロインから告白」 「ヒロインに惚れてゆく主人公」  あー、テーマが変わってるー。 「気の強い少女が、惚れた男には女らしさを見せるのって、いいよね?」  になりました……これでいいのか。 >短編 >>ちなみに、いま僕も短編書いていたりするけど。 >>4〜5行に1回、小さく「掴む」。 >>4〜5ページに一回、大きく「掴む」。 >>2行で600円に見合うだけのもの。 >>ちゃんと書いているか?  書いてねえっす。書けるようになります。 >宿題 >“怖い”と“恐い”考察。  行ってきましたよ図書館。最初に県立図書館に行ったら、「図書管理システムの構築のため、7月から10月まで休館します」とあって、しばし途方に暮れたものですが。  「そして僕は途方に暮れる」という歌が頭を流れたりしたのですが。  市立図書館もあったのだなあ。  自転車こいで行ってきた。市立図書館はすこし遠いぞ。ちょっと疲れたぞ。  角川書店の「大字源」より。 ■恐……常用音訓「キョウ、おそろしい、おそれる」 ・字義 (1)おそれる。また、おそれ。 (2)おどす。おどかす。また、おびやかす。 (3)おそらくは。ひょっとしたら。多分。 (4)ともに。いっしょに。 ・和 (1)おそろしい。 ■怖……常用音訓「こわい」 ・字義 (1)おそれる。おじける。また、おそれ。 (2)おどす。おどかす。 ・和 (1)こわい。 (2)おじる。  さーて? 意味あいは大部似通ってるな、こいつら。  黙って常用音訓に従うのが正しい日本人だとは思うが、だいたいにして和(日本での意味……だと思った。メモしていない! 不覚)が“恐”は「おそろしい」で、“怖”は「こわい、おじる」なんだから、ここで決まったようなものだが。  同訓異義も調べる。  「こわい」は無いね。「おそろしい」しかなかった。 ■恐……まだ起こらないことについて、おそれる。疑い、気づかい、あやぶみ、思案する、などの気持ちを含む。 ■怖……びっくりする。こわがる。おどす。  「こわい」は「怖い」、「おそろしい」は「恐ろしい」でよさそうだが、まだ完璧じゃない、ような。 ■あとは“駆ける”と“駈ける”。  こっちはわかりやすかった。  “駈ける”は“駆ける”の俗字。 ・俗字……本字の字形が長期の使用の間に省略され、また、崩れた形で流布し定着してしまっているもの。  だから“駆ける”を使うのが正しい。でもまあ、“駈ける”でも間違いではない。 ■“裁縫”から“縫製”を導く手段。  大字源の“縫”の欄に、縫を使用している言葉として“縫製”がのっていた。  広辞苑より、言葉の意味。 ・裁縫……布を裁って衣服に縫いあげること。針仕事。おはり。 ・縫製……(ミシンなどで)縫って作ること。  これはな……私にジーンズはミシンでなきゃ作れたもんじゃない、という認識がそもそもなかった、というのが痛たたた。  裁縫で大丈夫か? と思った時点でしっかり調べるべきだった。 >ハンドルネーム、筆名について >>「細江ひろみ」 >>この筆名から、連想される作風を答えよ。 >>この名前の作家は、どんなものを書いているだろうか? 書くのだろうか? >>以下の作家名から連想される作風を答えよ。 >>新木 伸 >>鷹見一幸 >>はせがわみやび >>三枝零一 >>中里融司  以下、敬称略。 ・細江ひろみ  女性。「ひろみ」と漢字を開いていることから、柔らかい印象を受ける。  男臭い小説(ハードボイルド、官能小説、経済、政治小説)は書かないだろう。逆に何を書いているのか、と問われると……。恋愛小説、少女小説、ファンタジー、児童文学、んー、そんなものかな? ・新木伸  男性。簡単な漢字。難解なものは書かなそう。  恋愛小説や少女小説もないな。ハードボイルドもない。官能小説もないだろう。  何を書いているのか……なんだ? わかりやすそうなものだよね、ともかく。 ・鷹見一幸  男性。ちょっとかたい感じ。  恋愛小説や少女小説なし。ハードボイルド、ミステリ、経済、政治小説、戦記あり。官能小説もいけそう。 ・はせがわみやび  えーと、男性、女性、どっち? ともかくやわらかい。きらびやかな印象も。  恋愛小説、少女小説、ファンタジー、児童文学、いけますな。 ・三枝零一  男性。これは“零”がポイントと見た。  SFではなかろうか。もしくはそれに近い小説。 ・中里融司  男性。すこしかため。これは“融”がポイント。  難しそうな小説もいけるが、“融”があるおかげで、少年が好きそうなのもいけそうだ。少女が好きそうなのは無理かな。  以上、考察終わり。  なるべく頭のなかを真っ白にしてやってみました。  で、私のこれからのハンドルネーム、 「時田 梵」  にしていただけますか。  理由。  ファンタジー書いてもおかしくなかろう。「梵」は「梵字」ってイメージあるから、「梵字」→「インド」→「幻想」……で。洋風ファンタジー書きづらくなるかなあ。  それと「いつかはチャンバラ小説書きたい」という欲求もあるので……「時田」で未来は感じないですよね。むしろ昔、過去を感じるはず。それならサムライ小説書いてもおかしくないはず。  それと「名前に“ぼん”が入ってなきゃどうにもイヤだ」なので、「梵」です。「盆」でも「凡」でも「煩」でもなく、「梵」です。  以上、えーと、これだけの文章で……6時間ぐらいかかったよ! なんか宿題が多い。  ともかく、私のために(私だけのためではないだろうけど)いろいろと助言をいただき、みなさまには感謝いたします。  ――お礼は小説を書くことでしか返せませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- 時田 梵 から連想するイメージ No.6856 投稿日 2003年8月16日(土)10時12分 投稿者 細江ひろみ 時田 梵 読みは書かれていないが「トキタボン」と読むであろう。 そうであっても、そうでなくても、読みは表記されていない。 時から歴史は連想しない。しいて言えば、私は未来を連想する。 かといって田じゃ、SFや近未来もの書くという印象はない。 時だから歴史、とかいうイメージつながりはマイナスだと思う。 というより、歴史も未来も連想しない。そんなに難しくもない普通の名前。 名前次第で印象の変る苗字。 梵は「ボン」。文字の意味より、音の印象の方が強く感じる。 本名ではなく、いかにもペンネームとして選んだ文字に見える。 梵はライトっぽくない、子供向けっぽくない オタク向けっぽくない 少女および女性向けっぽくない 実用や学術向けっぽくない。 最大印象は、同人っぽい。 読者より自分を優先さている感じが強い。 苗字と名前のバランスが悪い。バランスの悪さが個性にはなっていない。 あと、この名前をメモして、ここを読んでないダンナ(文筆業 山北篤)に見せて、どういうものを書いている作家だと思うかと聞いてみた。 「梵は平凡の凡。今一番流行っている平凡なものを書いているとイメージする。とにかくペンネームとして梵でも凡でも、ぼんはいかん」とのこと。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6857 投稿日 2003年8月16日(土)20時37分 投稿者 新木 伸 >筆名とか  鷹見さんが、「名前というのは、字面と音と、両面で認識されるものである」――と書いていることと関係するけど。  読めない筆名――というものが、あったりする。  本人が読めないことを承知で付けているのか、それとも本人は普通に読めるだろうと思ってしまった勘違いがあるのか、筆名が自分のものだと錯覚しているためか、本名が簡単な文字だったことにコンプレックスでも持っているのか、とにかく原因は定かではないのだが、どう読んでいいのかわからない筆名というのが、現実として存在する。  しかもわりと多く。  たとえば「鐸碑」という名前。  これは、まずほとんどの人が読めない名前なわけね。  僕も読めなかった。たぶん、2号も読めなかったはずだ。 (てか、実際のところ、読める? 鐸碑さんは、自分の名前の読みを、ここではまだ一度も紹介していないわけだけど)  2号が鐸碑さんの自己紹介を失念していて、過去ログをあたろうとしなかったのは、「攻撃したい欲求」に引きずられたせいで間違いないだろうけど……。  名前を失念していたことのほうは、「読めない名前だった」ということに、理由の一部があるかもしれない。そう思った。  音声として認識されない名前は、どうも人は覚えないようなのだ。  分室での話ではなくて、これは僕のほうの個人ページでの話なんだけど。「鐸碑」さんの名前を、僕は長らく「銅鐸」であると勘違いしていた。  最初に見たときに読めなかったもので、脳が近い言葉である「どうたく」のほうと誤認して、そのまま、覚えこんでしまったもよう。 (言いわけをするつもりじゃないのだけど)  ――で、筆名を考えるにあたっては、僕は、「読めない名前は絶対にやめとけ」と忠告する。  読者に覚えてもらえないから。  絶対に、損だ。  10人中10人――なとど言わず、100人中の100人が、絶対に間違えなく読める名前にしておけ。 >藤極堂さん  ご苦労さま。  WEB辞書の紹介。もう何度目になるのやら。  まあ、一度書いて、それがひとりに伝われば上出来ってもんだから、必要があるたびに、毎回よろしく。  WEB辞書の実情は、時間とともに変わってゆくものだから、「昔の書きこみを参照しろ」では実情にそぐわなくなってくる。僕、辞書はすべて買っちゃってHDD内に収めているので、WEB辞書の実情は追いかけていないし。 >魚住 >>2・主人公はヒロインに大きな借りができる。ヒロインは命の恩人(生き返らせてくれた人)という存在になる。  ああ、わかった。  ここのところの写し取りで、事実誤認があるもんで、そこからあとの論理展開が、すべておかしくなっちゃっているのか。  主人公がヒロインに借りがあるっていうけど、それ、ホント?  この手のパターンのすべての話において、主人公は「ヒロインの戦い」に巻きこまれて死んでるはずなんだけど。  はじめ、まったくの無関係。ヒロインが戦いの巻き添えにしなければ、平和な人生を送れたはずの人間。すべて例外なく、そういうことになっているはずだが?  見てみそ。  鉄腕バーディの最近のリメイク版なんて、モロ、そのパターンだよね。  主人公は「よくも俺を殺したなぁ責任取れよぉ」とずーっとゴネ続けている。巻き添えどころじゃなくって、ヒロインは主人公のことを誤って直接攻撃しちゃって、自分の手できっちり殺しちゃってるしね。 >2号  ここでは「先生」禁止で、「尊敬語」も禁止なわけだが。  尊敬語禁止というのは、べつにタメ口を利けというのではなくて、普通に、個人に対する敬意だけでいいってこと。  誰も君を指導しているわけではない。  そしてプロというのは、これから自身が「なる」ものであって、特別でもなく、凄くもない相手なわけね。ちょっとばかり「腕前」が違うだけの相手だ。  プロを「先生」と呼んでいる限り、永久に、自分がプロになることはできない。自分がプロになったときには、まわりの同業者を「先生」と呼んだりしない。おたがいを「先生」などと呼び合う、そんなプロはいない。同人業界じゃないんだし。  「先生」という呼びかたは、いつかはやめることなわけだ。だったらべつに、いま、この瞬間にやめたってかまわないわけだな。  なので、やめろ。  俺も、昔、小説道場にいたけど。  そこの誰にも「先生」なんて言った覚えはなかったがなぁ。自分より数年早くプロになってるってだけじゃん。それに教わってないし、俺の目の届くところで「技」を見せびらかしているから、こっちが勝手に盗んでいただけだしー。 >悪文修正  いままでのやつを、すべて並べてみたわけね。  そしたらわかると思うけど。  1から3まで。ぜんぜん見た目が変わってないだろ?  いま、2号はライター仕事をしているのだと仮定する。  プロの仕事だとする。  そしてある部分の文章を「直してこい」と言われたとする。  そのとき、あんな直しをしてきたなら。まずぶん殴られるわな。そして次からまず仕事はこなくなるな。  誰が仕事を回すか。そんなアホに。  どう直せばいいのか教えてやらなきゃ直せないような、そんな低能に。  どこがマズかったのか。どう直せばいいのか。自分で考える頭もないやつは、使えやしない。飢えて死ね。淘汰されろ。  よかったねー。  これがただの練習で。  たった一度の小さなヘマで、飢えて死ぬようなこともない。  相手は「直せ」と行ったのであって、「なんか付け足せ」と言ったわけでもない。また「言い換えろ」と言ったのでもない。  文章の印象をがらりと変えつつ、同じことを言うように直してこいと、そう言っているわけね。  たとえば例を挙げると、部屋の模様替えをするようなもの。  まあ何部屋もあるような大きな家の場合だけど……。各部屋にはそれぞれの目的と役割とがあるわけだよね。ここは「寝室」だとか、ここは「リビング」だとか。  「寝室」であったり「リビング」であったりと、その用途はそのままに、印象をがらりと変えてみるっていうこと。  幽霊でも出そうな寝室を、爽やかな風が吹き抜ける寝室に改装することは可能だよな。  幽霊でも出そうな寝室を「改装しろ」と言われて、そこに陰気な壺を一個置き加えるだけってのは、それ「改装」なのか?  そんなリフォーム業者って、次の仕事が来るのか?  店舗でいうなら、「改装」ってところだな。  たとえばラーメン屋とか。うらぶれてゴキブリでもうろついていそうな雰囲気から、明るく清潔そうな感じに「改装」する。  しかし、「ラーメン屋」は「ラーメン屋」だ。別のものにはなってしまうわけではない。  そのネチっこくて恨みがましい口調ってのは――。  言ってるほうはたいへん気持ちいいだろうが、読まされるこっちは堪ったもんじゃないの。  話の内容はそのままで、もっと読み手が面白がるように変えてこいっての。  てことで、4番目のやつも書き直し。 >辞書  「新明解国語辞典」って、これ、高校生あたりの学習用じゃんか。たったの7万5千語しか入ってないやつ。  ちなみに「広辞苑」は21万語なのね。大辞林もその規模。  収録語数が多けりゃいいってもんじゃないが……。多ければ手を尽くして調べるときの取っ掛かりも多くなるってことだ。  項目数よりも、ひとつの語句にどれだけ多種多様な説明が書かれているかってことのほうが、むしろ重要。  学習用の辞書と、広辞苑や大辞林などの辞書を比べてみるとわかるはずだが。同じ語句についての説明の量が違うのね。「裁縫」から「縫製」を導き出すときとか、その「説明」が手がかりになることが多い。 >「怖い」「恐い」、「駆ける」「駈ける」、「裁縫」「縫製」  まず最初に。  アホタレ。  図書館まで行って、漢字辞書数冊使ってのクロスチェックくらい、してこなかったのか?  漢字辞典にも何種類かあるだろ。「大字源」だけが漢字辞典か。「漢字源」とかはどうした? (それとも市立図書館だから、小さくて、蔵書が少なかったのかな?)  裁縫や縫製っていうのは、「縫う行為」そのもののことを示す。   よって、「ジーンズの縫製のごとくがっちり縫い合わせる」ってのは、日本語としておかしいことになる。  ここって、つまり、「ジーンズを縫うがごとくがっちりと縫い合わせて」――って言っているわけだよ。「縫う」が2回も繰りかえされている。  もしやるなら、「ジーンズの縫い目のようにがっちり綴じ合わせて」とか、そういうふうにすべきじゃないの?  んで、「怖い」と「恐い」については、どうなんだ?  引いてきた途中経過を書き出せなんて宿題を出したつもりはないのだが。  結果がなきゃ意味ないだろ。  「怖い」と「恐い」は、どう違うのだ?  「駆ける」と「駈ける」については、まあ、そんなところだろう。  違いは、僕にもわからん。  国会図書館にでも行って、適切に調べさえすれば「駈」の語源を探し出せるかもしれないが……。  漢字って統廃合の歴史とかあってややこしい。現代の漢字辞典を調べるだけでは、「駈」の字に関しては、「駆」の異字体としか出てこないだろう。  しかし10〜20年スパンで、それぞれの年代ごとの「漢字辞典」を当たっていけば、まあ、そのうち見つかるだろうね。  昭和初期まで遡らないとならないかな。ひょっとすると、大正までか、明治までか。国会図書館なら、どこまでだって追跡調査できる――はず。たぶん。戦前のものは資料が焼けたりしていて、残ってないかも。どうだろ。  ――で、そこまでコストを払って調べなきゃならんことかどうかってのも、掛かってくる。調べなきゃならないなら、無論、調べるが。俺、プロだし。  で、僕はその「なんだかよくわからない」という適当な状態のままで、「駈ける」と使うことがあるかもしれない。  漢字の意味的に、「駆」のほうは、疾駆するって意味合いなのね。  旧字体は「驅」(馬に、区の異字体。口が三つ並ぶやつ)だな。この旁(つくり)のほうには、背をかがめたポーズのことを示す意味がある。 漢字源より引用 >>「驅」《解字》会意兼形声。「馬+音符區(=区。小さくかがむ)」。馬が背をかがめてはやがけすること。まがる、かがむの意を含む。・  よって、僕は――。  馬が全力疾走しているのなら、「駆ける」を使う。  馬が優雅に丘あたりを流しているときには、「駈ける」を使う。 >ペンネーム。  時田 梵  ボツ。  第一印象。「仏教小説」を書く作家。  時田――「時間」に対するロマンというよりも、時間に細々とうるさくて、神経質な印象を受ける。  梵――まず、第一に読めない。この字を読ませて「ボン」と読める人がどれだけいるのやら。また「凡」をわざわざ難しい字体の「梵」としているあたり、自意識過剰な性格を予想する。ペンネームの中に旧字体を使うのと同様。「沢田」と書けばいいところを「澤田」と書いてみたりする、あのキザっぽさに通じている。  すくなくともエンターテイメントを書いている作家ではないだろう。  つまらなくて小難しくて、べつに高尚でもない同人小説(純文系)をコツコツと書いていそう。自費出版でもしているのかな?  これからの指標、いくつか。 1.「凡」という字を使うことをすっぱり諦める。 2.「凡」という字を使うことに、あくまでこだわる。→「凡」を含むペンネーム候補を100や200は出してこい。 3.「凡」という字は使うが、「帆」とか「汎」とか「築」とか、「凡」を含む漢字は山ほどあるので、そちらに切り替える。 >書けるもの  ところで2号は、なにを書けるの?  「書きたいもの」じゃなくって、書けるもののほうね。  このごろ堂の「もの書く生活」のうちの、「6 顔合わせ」のところにある質問ね。  恋愛小説が書けるのか、歴史物で中国に強いのか。それとも陰陽師ものがイケるのか。学園小説を得意とするのか。宇宙を舞台にしたスペオペがいけるのか。SFなら勝負できるのか。ギャグが切れるのか?  なんだったら、書けるのよ?  それが定まらないことには、筆名なんて、決まるはずないじゃんか。  僕が例に挙げてきた6名のプロ作家の筆名。  皆、名前の4〜5文字のなかに、自分の得意ジャンルを込めてるんだよ。  「名前から受ける印象」を書き出してみて、わからなかったのか?  筆名っていうのは、自分の得意ジャンルを記入した名刺代わりのものなわけね。  ラーメン屋の屋号として、「ネギラーメン」とか「トンコツ堂」とか「博多昇竜軒」とか、そう名付けるのと同じことなんだってば。  店の屋号を見ただけで、その店の「お勧めラーメン」はなにかということが、わかるわけ。そうでなければならないわけ。  あいかわらず、意味もなく「凡」の字にこだわっているようだが。  筆名というのを「自分のもの」と錯覚しているようでは、いつまで経ってもNGを食らうぞ。  「作品」が作家のものではなく読者のものであるのと同様、「筆名」っていうのもまた「読者のもの」なわけ。  オマエのものじゃないの。オマエが好きにしていいものじゃないのね。  どうしても「凡」を入れたいのなら、「凡」を入れた上で、「読者のためのもの」となるような筆名にしなきゃならん。  普通は嫌われるはずの「平凡」ってイメージを、読者にとって有り難いものに変換しなきゃならないわけ。執念を持って探したなら、コロンブスの卵のように、「平凡」をプラスイメージに変えられる着眼点が見つかるかもしれない。 >短編テーマ  手綱を、引け。  「キス」に引きずられていって、主題がガキ同士のエロ話になってるぞ。  そしてなにか小綺麗なテーマを載っけて、エロ話という実態を覆い隠そうとさえしているぞ。  「気の強い少女が、惚れた男には女らしさを見せるのって、いいよね?」――ってのが、テーマだって?  なに寝言、言ってんだ。  ぜんぜん違うだろ。  あそこに挙げられた「書きたいもの」のすべてに、串を通すようなテーマを探してみる。  ――すると、こんなふうになった。  「気の強い女の子が、惚れたかどうだかわかんないんだけど、いちおう気になる男の子と二人っきりの薄暗いシチュエーションに置かれて、芽生え始めた性衝動に突き動かされて発情して、脳味噌トロトロにとろけきって単なる一匹の雌犬となり、取り柄もなんにもないような男の子と、さして好きでもないのに、いちゃいちゃしてキスしちゃったりするのって、エロっぽくていいよね?」  ――って、そんなところか?  それはそれでGOODなんだけど、そういうのはポルノで書け。  それから、「性」と「恋」とを混同するな。  その二つなら、読者にだって区別が付くぞ。  読者よりも味の見分けの付かない「作家=シェフ」なんてのは、客としては願い下げなの。了解?  あと、女の子が男の子に惚れた理由の考察を、適当にしちゃって、「考えなくてもいいや」とか投げだしちゃっているようだけど……。  なんで理由が不要なの? わけわかんねーぞ。  普通、ラブレターを書くにせよ、直接告白するにせよ、「どうして好きになったか」ってことは、相手に告げるもんなんじゃないの?  それがない告白シーンって、ちょっと、想像できないのだが。  主人公が女の子の側になろうが、男の子の側だろうが、告白シーンがある限り、その理由は考えておかなきゃならないものだが。  また告白シーンがなかったとして、実際にその部分を書くことはなかったとしても――。それでも考えておかなきゃならんところだよ。短編の枠内で書かれない部分だからといって、考えないでいいなんてことはない。 >>「ヒロインに惚れてゆく主人公」 >>惚れなくちゃ、ね。やっぱり。――こんないい子だもの。  わけ、わかんねー。  「こんないい子」って、どのへんが「いい子」なんだよ?  エピソードとして、たいしたものが見あたらないんだけど。  具体的には、どんなことよ? 列挙してみそ。 -------------------------------------------------------------------------------- 8月のニューヨーク。 No.6858 投稿日 2003年8月16日(土)22時10分 投稿者 魚住 雅則 >この手のパターンのすべての話において、主人公は「ヒロインの戦い」に巻きこまれて死んでるはずなんだけど。 >はじめ、まったくの無関係。ヒロインが戦いの巻き添えにしなければ、平和な人生を送れたはずの人間。すべて例外なく、そういうことになっているはずだが? 昼休みに書いていた分がちょうどその点について触れているので、まずそのままアップしてみます。 (#6857を見る前に書いた分) #6849の続きです。 1・主人公とヒロインが離れられない、または一緒に行動する理由として使える。 2・主人公はヒロインに大きな借りができる。ヒロインは命の恩人(生き返らせてくれた人)という存在になる。 2番について。 ・主人公が巻き込まれたこと(死んでしまったこと)に関して、ヒロイン側には過失がなかった。またはヒロインにも過失はあったが主人公の責任の方がはるかに大きかった まず、これが必要となります。 元々ヒロインが巻き込んでしまったわけですから、たとえ生き返らせてもらったところで恩人とはなりません。 車に轢かれて怪我をした人が、加害者の車で病院に運んでもらったところで「アナタは恩人ですっ」とか言いませんから。 (この「ヒロインに非がない」というポイントをクリアするために、武装錬金なら「主人公が勝手に飛び出した」、ブリーチならば「事件の発端(原因)は主人公自身の霊力の高さにあり、そのせいで敵に狙われた」という手法をとっています) で、上記の「ヒロインに非がない」という条件を満たしたとしても。 2番は「恩人に借りを返す=主人公が自分から事件に関わろうとする動機」としては使えますが、ヒロインとの関係ではあまり利点がないようです。 ・ヒロインに対して大きな借りが出来たので、事件解決に協力するようになる主人公。 ここを出発点にして、「一緒に事件に挑むうちに様々なイヴェントが起こる。そして徐々に萌え関係が築かれていく」という展開はあると思います。 しかし恩人になる理由が「生き返らせてもらったから」では、いかにも苦しい。 危ないところを助けてもらった→恩を感じる主人公。 これで構わない。というか、こっちの方がスッキリしていて、やはり主人公が死ぬ必要性がない。 強いていえば主人公から見たヒロインに「オレを生き返らせてくれた人」という要素が加わりますが、生き返らせてくれたから何なんだと。 それで読者が萌えるのかと。僕は萌えれません。萌えメーターの針が動きません。 (ここまで) んん? ヒロインに借りが出来ているというのは誤認なんですか? 武装錬金、ブリーチともに「巧い手法を使ってヒロインの責を外してたんだな」と思っていたのですが (特にブリーチが巧い。二話目で一旦はヒロインへの協力を拒む主人公→恩を忘れていたわけではなかったので(紆余曲折は経るものの)協力することになる。これを転の流れとして組み込んでいた)。 ともかく最後の三番目は今まで考えていた方向と違っていたということは分かりました。 一旦考えを白紙に戻します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6859 投稿日 2003年8月17日(日)00時22分 投稿者 新木 伸 >魚住  だから魚住、主人公の側に立ってしか、物を見ていないんだってば。  その反対側の、ヒロインの立場に立って物を見てみろって言ってるの。  武装練金にせよ、ブリーチにせよ、ヒロインの「責」を外したのは、主人公が恨まないようにするためだろ。自分が死んだことでヒロインを恨み続ける主人公なんて、普通、読者は見たくないわけだ。(あえてそこを狙う「鉄腕バーディ」という作品もあるが)  しかし責任がヒロインにあるままにしておけば、どうしてもそういう方向に話が向かっていってしまう。  それを避けるためには、まず主人公を単純バカにしておく。あまり悩まないやつにする。さらに死んだことの間接的な原因を、主人公自身に持たせておく。  身を隠したままでいればいいところを主人公が飛び出してしまったとか、主人公の霊力が生まれつき高かったので狙われた、とかね。  では、その同じシチュエーションを完全にひっくり返してみる。同じ「現実」をヒロイン側から眺めてみると、どうなるのよ? >2号 >世間を嫌っている  世間を嫌っているのは、べつにいいけど。  「読者」っていうのは、どこに入っているの? 「世間」のなか? それとも「世間」とは別のところ?  もし読者は「世間」の中に含まれているのだとしたら、2号は読者も嫌っていることになるよね。  もし読者を愛することができないなら、プロにならないほうがいいよ。嫌いな読者を相手に文章を書く仕事をするのは、ただ苦しいだけだから。  ラーメン屋だってなんだって、サービス業っていうのは、お客さんのことを好きにならなきゃ、やっていられない。営業スマイルっていうのは、半分は作り笑いだけど、残りの半分は本心からの微笑みなのね。  ああ。  無論、小説家っていうのは「サービス業」ね。  2号は知らなかったかもしれないけど。じつはそうなのだ。 >プロレスものの作品  「餓狼伝」という作品がある。  格闘小説であり、格闘漫画でもある。  シリーズ中「最強」とされる数人の格闘家のうち、プロレスラーが一人いる。  原作は小説。しかし漫画版のほうが面白い。作品中で正面からプロレスを扱うのなら、この作品と比較されることになる。これを越えるか、すくなくとも並ぶかしないとならないわな。  2号がこの作品を読んでいるのか読んでいないのか、わからないけど。  読んでいない場合。そして金がない場合。  どうやって読むかは、自分で考え出すこと。シリーズ全巻が置いてある喫茶店ならコーヒー一杯で読めるだろうし。漫画喫茶という選択肢もあるだろうし。友人に借りる手もあるだろうし。  ただし、もし自分がプロになって金に余裕ができたなら、全巻、新刊で買い揃えること。著作者に印税を支払うのは、リサーチさせて勉強させてもらった先達への礼儀だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前の魔術 No.6860 投稿日 2003年8月17日(日)01時23分 投稿者 弟切 千隼  名前とは、最も古くからあり、最も身近な呪文の一種といわれます。昔の人は、現代人が考える以上に名前を神聖なものと考えていて、家族などの極めて親しい人以外には、本名を明かさないのが普通だったようです。  万葉時代の日本では、男性が女性に名を問う行為は、求婚と同じ意味でした。そこで女性が男性に本名を答えたなら、女性は男性の求婚を受け入れたことになります。  『古事記』に、古代の天皇が出かけた先で美しい女性を見初め、その女性に名を訊ねたところ相手が本名を答えたので、「お前を妻にしよう」と返事をしたという故事がいくつか書かれています。 >>筆名の印象  以下の筆名について考えます。名前から受ける印象を純粋に分析したいので、敬称は略させて下さい。 >>新木 伸  読みやすい氏名ですね。小学校高学年以上の人なら、自然に「あらき しん」と読めるでしょう。やたらに画数が多い漢字や難しい読みの漢字がありませんから、低年齢の人にもとっつきやすいですね。  とても普通で癖がないため、基本的にはどんな分野の筆名としても行けそうです。ただ、癖のある筆名の作家さんが多いミステリ系やホラー系ではなさそうです。重厚さが求められる歴史小説にも向いていませんね。  同じく普通すぎるという理由で、ハードボイルドやハードSFやハイ・ファンタジーを書いているとも思えません。ある一面に偏った作品を書いている、という印象が湧かない筆名です。  女性らしさを全く感じさせない筆名なので、女性向け作品を書いている人ではないだろうという気がします。ロマンティックさも感じない筆名ですから、そういうものが求められる恋愛小説家やポルノ小説家でもないでしょう。  と、考えてゆきますと、若い世代の男性向けの、あまりマニアックでない作品を書いている人だろうと推測されます。 >>鷹見一幸  最初の「鷹」の字が画数が多いため、重厚な感じを受けます。また、この字は猛禽類のタカを表わしますから、その勇猛な印象とあいまって男性的な筆名ですね。  加えて「たかみ かずゆき」という音の響きが、くっきりして角張った感じがして、男性的です。軍隊もの、架空戦記もの、戦国時代あたりを舞台にした歴史小説などを書いていそうです。ハードボイルドも行けますね。あとは国際謀略小説とか、格闘技ものとか、「男くさい」作品を書いている人、という印象が強いです。 >>はせがわみやび  全部ひらがなですので、とても柔らかく、優しく、女性的な雰囲気の筆名ですね。「みやび」(=雅)という名前がさらにその雰囲気を増強しています。この筆名だけ見れば、ほとんどの人がこの作家さんを女性だと思うでしょう。  子供でも読めるひらがな氏名ということからして、まず、児童文学を書いている方ではないかと思います。児童文学でないとしても、優しさを強調した筆名は、比較的低年齢向けか、さもなければ女性向けの作品を書いている方だと想像させます。「みやび」という名前の印象からは、お姫さまが出てくるようなファンタジー小説を書いていそうです。  間違っても、架空戦記ものやハードボイルドや格闘技ものなどの「男くさい」作品を書いているとは思えません。本格推理やハードSFなどの、高度に論理的な作品にも向かない筆名ですね。 >>三枝零一  「三枝」という名字は「さいぐさ」または「さえぐさ」と読みます。この読み方はちょっと難しく、子供には読めないでしょう。名前に入っている「零」という漢字も、普段よく使われる文字ではないため、子供には馴染みがないと思われます。この二点から、低年齢向けの作品、少なくとも児童文学を書く方ではないと推測できます。  「零一」(=「01」)という名前、特に「零」の字に、理系の印象を強く受けますね。「れいいち」という音の響きもちょっと冷たく、理知的な印象があります。  「三枝」という名字のほうは、遡れば『古事記』に登場する言葉で、由緒ある高貴な名字といえるでしょう。「さいぐさ」または「さえぐさ」という音の響きが謎めいていて、古代の不思議な力を持った呪文のようです。普通の人にはわからない高度な知識を持った人という気がします。  こう考えてみますと、この筆名は断然SF作家に向いていますね。それも、子供向けではなく、高度な科学的知識を利用した本格的なSFを書く人の筆名でしょう。 >>中里融司  「中里」は普通にありそうな名字で、さほど特徴はありません。名前の「融司」のほうが曲者ですね。  「ゆうじ」という名前の響きは、普通にあって親しみやすいです。特に「ゆう」の響きが優しい雰囲気ですね。ところが、漢字のほうを見てみますと、「融」は画数が多くて重く感じ、バランスが取れていない気がします。  しかし、「中里融司」と全氏名を並べてみると、ちゃんとバランスが取れているとわかります。「中」・「里」・「司」という他の漢字がみな画数が少ないため、「ゆう」にまで画数が少ない漢字を持ってくると、ずいぶん軽い雰囲気になってしまいます。  結局、この筆名は、優しい読み方に重い漢字という組み合わせで絶妙のバランスを保っています。児童文学を書くには重過ぎますが、それ以外の大人向けの作品でしたら、歴史ものでも推理ものでもSFでも書けそうです。ただ、筆名の中に女性らしさを表わす字がないため、女性向けの恋愛小説は書いていそうにありません。 -------------------------------------------------------------------------------- きょうは4ぺぇじかいたのー No.6861 投稿日 2003年8月17日(日)01時37分 投稿者 新木 伸  ご飯炊けるまでネットゲーやって、メシ食って、寝よう。  いまエバークエスト日本語版の体験版が、無料でやれるのだ。  もうすぐ10レベルなのだ。  英語版のほうでは、59レベルのキャラがいたりするのだが。 >魚住  「ヒロインの側から眺めてみる」というのは、別にやってみるとして――。  他のところ、数点。  「イヴェント」って、なに?  辞書を引いていない語句、今後一生使用禁止って、魚住にはすでに言い渡してあったっけ、どうだったっけ?  あと、魚住は細かい事例をいっぱい持ち出してきて反論しようとしているけども。  そもそもこの手の話の基本構図っていうのは、「犯人を追っていた警官が、民間人を巻き添えにして死なせてしまった」――というものだよね。  「民間人が飛び出してきたから」とか、「犯人がその民間人に怨恨を持っていた」とか、そうした細かな理由があったら、警官の過失って免責されるものなの?  魚住の話を聞いていると、なにか妥当な理由さえあれば、警官の過失は「消失する」ように聞こえてくるのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- お墓参り No.6862 投稿日 2003年8月17日(日)06時03分 投稿者 名無し君2号  先祖の墓参りをしてきました。  死んだら私も拝まれるんだろうな、そう思いながら墓石相手に合掌をする。 >細江ひろみさん >>最大印象は、同人っぽい。 >>読者より自分を優先さている感じが強い。 >>苗字と名前のバランスが悪い。バランスの悪さが個性にはなっていない。 >>あと、この名前をメモして、ここを読んでないダンナ(文筆業 山北篤)に見せて、どういうものを書いている作家だと思うかと聞いてみた。 >>「梵は平凡の凡。今一番流行っている平凡なものを書いているとイメージする。とにかくペンネームとして梵でも凡でも、ぼんはいかん」とのこと。  はい。ダメだし、ありがとうございます。  なるべく早く、ダメだしのお礼を言わなくてすむようにします。  山北篤さんの本は、一冊だけですけど持ってました。  表紙の竹本泉先生の絵に惹かれて買ったものでした。 >新木さん >筆名とか >>たとえば「鐸碑」という名前。 >>これは、まずほとんどの人が読めない名前なわけね。 >>僕も読めなかった。たぶん、2号も読めなかったはずだ。  「しょうひ」かな? とはなんとなく思いますが、座りどころは悪いです。  自分のなかで納得できる読み方ではないようです。 >>――で、筆名を考えるにあたっては、僕は、「読めない名前は絶対にやめとけ」と忠告する。 >>読者に覚えてもらえないから。 >>絶対に、損だ。 >>10人中10人――なとど言わず、100人中の100人が、絶対に間違えなく読める名前にしておけ。  承知しました。 >悪文修正 >>そのネチっこくて恨みがましい口調ってのは――。 >>言ってるほうはたいへん気持ちいいだろうが、読まされるこっちは堪ったもんじゃないの。 >>話の内容はそのままで、もっと読み手が面白がるように変えてこいっての。 >>てことで、4番目のやつも書き直し。  了解。 ■4番目の悪文  そんな問いかけをしてくる人たち。  私は黙っている――しかし心のなかでは呟いている。  お願いだから、もう喋らないでくれ――そう呟いている。 ■5番目の――文  彼等はそんなことを私に訊いてくる。  私はただただ愛想笑いを浮かべるだけ。  ――お願いだから、もう勘弁してくれないかなあ。  もちろん、私はその思いを口に出したりはしない。まるで――  そう、まるで、猫よけになると信じられたまま放置されている、水入りのペットボトルのように、愛想笑いを浮かべているだけだ。  ねちっこさをなくしてみました。 >「怖い」「恐い」、「駆ける」「駈ける」、「裁縫」「縫製」 >>図書館まで行って、漢字辞書数冊使ってのクロスチェックくらい、してこなかったのか? >>漢字辞典にも何種類かあるだろ。「大字源」だけが漢字辞典か。「漢字源」とかはどうした? >>(それとも市立図書館だから、小さくて、蔵書が少なかったのかな?)  もう一回いってきます――といいますか、何度でもいってきますよ。タダだし(税金使われてるんだけど)。  市立図書館でも、複数おいてありました。  それどころか、やたら数があったので、どれを使えばいいのか訳がわからねえ。  だったら全部調べればいいじゃない。  それを調べなかったのは、はい、もうおわかりでしょうが、本能という名の手綱をしっかり握りしめてなかったからです。 >>もしやるなら、「ジーンズの縫い目のようにがっちり綴じ合わせて」とか、そういうふうにすべきじゃないの?  言葉の分解能が低かった、という結論です。  理解できてない言葉は使うべきじゃないわけで。  だったら理解するようにしなくちゃ、使える言葉は増えていかないわけで。 >>結果がなきゃ意味ないだろ。 >>「怖い」と「恐い」は、どう違うのだ?  押忍。  いってきます――休日だから混んでるかなあ。 >ペンネーム >>2.「凡」という字を使うことに、あくまでこだわる。→「凡」を含むペンネーム候補を100や200は出してこい。  でいきたいけれど、100も出ない。10も出ない。  で、最終案。  飛田 写凡(とびた しゃぼん)  これで駄目ならもう「ぼん」は使わない。すっぱり諦めて別をさがします。 >書けるもの >>ところで2号は、なにを書けるの?  答えになっているのか、なっていないのか、わかりませんが。  「だめ人間」なら書けるはず、です。  ――私がだめ人間だから、というのは半分しか冗談にならないのですが。  やるべきときにやるべきことをやらない、やれない。  すべてを人のせいにして、世界を呪う。  志望と希望を取り違えている――それに気づいているのに、気づかないふりをする。  いたたたた。  このままだと読んでる人間も不快になるだけなので、そこに成長要素をいれるなり、ドラえもん要素をいれるなり、だめでもいいのよ要素をいれるなり、まあ、それなりに料理して喰えるものにする、と。  具体的に、いまお前は何が書けるんだ? と訊かれれば……やっぱりプロレス関係になるだろうなあ。 >短編テーマ >>それはそれでGOODなんだけど、そういうのはポルノで書け。  わかりました。 >>それから、「性」と「恋」とを混同するな。 >>その二つなら、読者にだって区別が付くぞ。 >>読者よりも味の見分けの付かない「作家=シェフ」なんてのは、客としては願い下げなの。了解?  了解しました。 >>主人公が女の子の側になろうが、男の子の側だろうが、告白シーンがある限り、その理由は考えておかなきゃならないものだが。 >>また告白シーンがなかったとして、実際にその部分を書くことはなかったとしても――。それでも考えておかなきゃならんところだよ。短編の枠内で書かれない部分だからといって、考えないでいいなんてことはない。  えーと……考える……なるほど。  ……その通りです。それがなけりゃあ、ヒロイン(それに主人公)のキャラクターや、その恋自体も、薄っぺらいものになります。 >>「こんないい子」って、どのへんが「いい子」なんだよ? >>エピソードとして、たいしたものが見あたらないんだけど。 >>具体的には、どんなことよ? 列挙してみそ。  すんません。私の脳内妄想が暴走してました。妄想オーバードライブです。エピソードとして具体的に出さなきゃ、読んでるほうはわからないですよねえ。 >世間を嫌っている >>世間を嫌っているのは、べつにいいけど。 >>「読者」っていうのは、どこに入っているの? 「世間」のなか? それとも「世間」とは別のところ?  最近は――具体的には病気してからは――世間様は嫌ってません。  つまるところ、私だってその世間なわけで。  「読者」はお金をくれるありがたい人ですから、嫌ったりしないです。  それに、誰かに自分の言葉を聞いてほしいからこそ、小説を書くのだと思います。 >プロレスものの作品 >>「餓狼伝」という作品がある。 >>格闘小説であり、格闘漫画でもある。 >>シリーズ中「最強」とされる数人の格闘家のうち、プロレスラーが一人いる。 >>原作は小説。しかし漫画版のほうが面白い。作品中で正面からプロレスを扱うのなら、この作品と比較されることになる。これを越えるか、すくなくとも並ぶかしないとならないわな。  読んでいます。小説は途中まで、漫画はほとんど全部のエピソードを読んでいるはずです。  多分、そのプロレスラーは「グレート巽」という、アントニオ猪木をモデルにしたキャラクターだと思います。対戦相手の「サクラ」もえらいキャラクターだった記憶がありますが。  「餓狼伝」を越えるのは……できるのか?  ……やりますよ!  小説のほうは巻数が進むと、プロレスラーはけっこう脇役になっちゃうんですよね。  でも、あれを越えるのか……。  ここまで、約5時間ほど。ペンネームを考えるので限界状態。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し君2号さんへ No.6863 投稿日 2003年8月17日(日)09時19分 投稿者 細江ひろみ > 飛田 写凡(とびた しゃぼん) 全般的に、新木さんの言っていることを、理解していないのではないかと思う。 自分に何が書けるかを考え、それを読む読者が、そういう作者だと感じ取れるように、ペンネームを決めろ、と言われているわけで。 その「何が書けるか?」についても、文脈からして「仕事として引き受けられるか?」ということで、それに対し「ダメ人間なら書ける」というのは、返答として成立しないわけです。 もちろん、世の中には「だめんず・うぉーかー」のようなものもありますし、虐待だの依存症だの、人並みはずれたダメっぷりを実体験としてもち、それをちゃんと書ける、という人もいますが、そういう意味には見えません。 というか、それ以前の問題として「書ける」のあとに「はず、です。」って、書けるかどうか、書いてみればわかるじゃないですか。書いてみないで、はずですって、それはないんじゃないですか? つまり「なにが書けるか?」の返答にはなってないんです。 プロレス関係にしても、同じこと。 掲示板へのプロレス関係の書き込みが、書けてないということは別にしても。 で、飛田写凡の、どこがダメ人間とプロレス関係のペンネームなのか? それは読者に伝わるのか? 解説したり読解したらわかる、というレベルではなく、感じさせるのか? 私には、同人風に懲ってもいない、江戸風俗雑学本企画のためにでっち上げられた、その場かぎりのペンネームに見えるんですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6864 投稿日 2003年8月17日(日)10時14分 投稿者 鐸碑 >>ペンネーム >>>2.「凡」という字を使うことに、あくまでこだわる。→「凡」を含むペンネーム候補を100や200は出してこい。 > でいきたいけれど、100も出ない。10も出ない。 > で、最終案。 > 飛田 写凡(とびた しゃぼん) > これで駄目ならもう「ぼん」は使わない。すっぱり諦めて別をさがします。  凡という字に何か拘りを持っているように見えますが、本当にこだわりがあるなら、どういう拘りがあって凡の字(あるいは音?)に拘っているかを、他人にわかるように示す必要があるんじゃないでしょうか?  で、拘る気持ちの証明としては、択一結果としての『飛田 写凡』が出るまでにどれだけ色々な案を考えて、その中でベストだという答えが『飛田 写凡』であると証明できなければ、指示されたペンネーム選択の2を実行した事にはならないでしょう。この当りは過去ログの初期にあったアイデア出しの事と同じです。  一つだけポンとだして、そこに込めた思いも落選した候補も示さずでは、これまでの経緯こみで、一生付き合う筆名を安易に決めたという印象をぬぐえないと思います。  編集者を説得するつもりで、『飛田 写凡』という名前に対する思いを語ってください。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し君2号さんへ No.6865 投稿日 2003年8月17日(日)13時28分 投稿者 細江ひろみ Q1 名無し君2号さんは、入院したりで勤め人が続けられそうにないので、自宅でマイペースで仕事できる小説家を目指そうと思った、というのがプロになろうとしている動機である。で、あってますか? もしそうであれば、次の質問です。 Q2 小説家なのは、なぜですか? 自宅でできることを理由にするなら、プログラマーなど、もっと安定した自宅仕事は他にもありますが。 Q3 現状のまま収入がなくなったとして、貯金で、どのくらいの期間生活できますか? なぜこんな質問をするかというとですね、まずQ1の動機については、そうであってもまるで問題はないんです。ただ、そういう動機のわりには、小説家という職業で生計を立てていくんだ、という気迫を、書き込みから感じないのです。 お客に好印象を与え、覚えて貰わなければはじまらないペンネームに、自分にしか通用しないこだわりを持ち込もうとするあたりが。 何を売るか? 誰に売るか? その商品にどんな名前をつけるか? その、どの商品にもつくのが、ペンネーム。 なぜ本名ではなくペンネームを使うかといえば、本名じゃその商品をあらわせないからであって、かっこつけているわけじゃないんです。 もちろんホンダだって、マツモトキヨシだってありますが、メカや店がメインで、そんなことは見ればわかるあっちとちがって、こっちが出せる物はペンネームも、本文も「文字の羅列」なわけです。 読者にいいイメージ持ってもらって、覚えてもらって、リピーターになってもらうためのものです。 なにがなんでも、この仕事で生計を立てるのだ、と思っているのであれば、ですが。 で、Q2です。なぜ小説家なのか? 書くの、好きですか? 読まれるの、好きですか? 読まれるために手間をかけたり工夫したりすること、好きですか? なんかこう、小説家でなければならない動機、というのが見えないんです。 最後にQ3ですが、つまり、趣味ではなく仕事として考えるなら、貯金がなくなるまでに、何がなんでも決着をつけなければならないはずなんですよ。 貯金がなくなりました。小説家としての将来も見えません、じゃ困るはずで。 まだ貯金があるうちに、小説家でやっていけるレベルになるか、もうだめだとあきらめて、別の道を探り始めるかしなければならないわけで、その時期がいつになるかは、貯金の額によって違ってくるわけです。 名無し君2号さんが、年齢的に、なるのは無理とは言いません。 たとえ二十代前半まで、文芸のまねごとすらしていなかったとしてもです。 なぜなら、私がそうだからです。 でたらめにでも書き散らしはじめた時には、すでに二十代後半。 転職を考えたのは、二十代の終わり。 それまでの仕事には先がないし、今後子供ができれば勤め続けるのは難しい、そして好きな書くことにはコストはかけられないが続けたい、それで自分の貯金と相談し、二年の期限で転職を試みました。 確かに新木さんのいう、若さ特有のものは、二十代前半の人をまねできないかもしれない。 けれどそのぶん、別のものがある。 たとえば経験とか、貯金とか、人それぞれのものが。 もしかすると、入院生活で貯金はすでに使い果たしているのかもしれない。 若い人のように、全力疾走であちこちでぶつかるようなことは、できないかもしれない。けれどできないなら、自分にあるものを最大限に使うしかない。 いや、しなければならない。たとえ小説家でなくても、それは同じはず。 まあ、名無し君2号さんの貯金の額なんて、聞いたってしかたないんですが、質問を一言ですませれば、「本気?」 ということであり、けれど当人の本気と実際の本気は違うので、別の質問をしたわけです。 つまり、名無し君2号さんの、本気が私には見えません。 この手の仕事、冷やかしがむちゃくちゃ多いので、本気を見せられないと、そこから前には進めません。読者も編集者も、こんなこと根掘り葉掘り聞きません。私が聞くのは、好奇心からにすぎないのですが、この質問は、名無し君2号さんが、自分の本気さを自問し、それを表現する糧にするために、多少は役に立つと思うのですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 個人を対象にするときはメアドを入れようかな。 No.6866 投稿日 2003年8月17日(日)14時42分 投稿者 鷹見一幸  広告が来るからウザいけど、それが礼儀だからね。  さて、本文。 >名無し2号さんへ  あなたが「凡」の字にこだわるのは、ひょっとして「逃げ」てるのかな?  最初から「言い訳」を考えてる。  私は「平凡」な「凡才」ですから、たいしたものは書けません。  だからほら筆名にも「凡」の字が入っているでしょう?  つまらない、とか、面白くない、とか、これじゃあ売れない。とか責めないで下さいよ。    ……とか。  それって、謙遜とは言わない。それは「逃げ」。  何かをなしとげて、何かをやってみせて、何かを認められて、んでもって言うのなら「謙遜」  何もしないうちからエクスキューズを全面に出すようなのは、逃避以外のなにものでもないと思うよ。  故人だけど、ボードビリアンに「早野凡平」という方がいた。  つばの取れる帽子一つで、いろいろな形態模写をやってのける芸人さんで、その芸は、海外でも通用する芸で、誰もが真似できるように見えて誰にも真似できない芸。その人でなければできない芸だった。  その「早野凡平」氏は確か自分の芸名の由来について 「私の芸は特別なものでもなんでもない、誰にでも真似できるような平凡な芸だからです。  俺は特別だ、俺は人より優れている。なんて思い上がったら、芸人はその時点で終わりだからです」  と言っていたと記憶している。   この言葉の意味がわかりますか?   つまり、あの方の「凡平」とは、「自戒の意味」をつけてつけた名前だったわけです。  自分の芸に自信を持ち、誰にも負けないという強烈な自負と自信があるからこそ、自分を諌める意味で「凡平」とつけたのです。  あなたには「凡」を名乗り、自戒しなければならないほどの自信と実力がありますか?  「ある!」  と、言い切るのなら何も言いません。  その自信と実力の成果を楽しみにしています。  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6867 投稿日 2003年8月17日(日)17時14分 投稿者 新木 伸 >2号 >>表紙の竹本泉先生の絵に惹かれて買ったものでした。  これじゃ、なにも伝えたことにならないぞ〜。  いくつかに読み解けてしまうから。 ・表紙だけで買った。中身なんてどうでもよかった。 ・表紙に目を惹かれて手にとって、中身を確かめるうちに買うことにした。  このように、大きく、二つのベクトルに別れるわけだが……。  どっちにでも読み解けてしまうような文章は、存在しないのと同じね。 >>「鐸碑」 >>「しょうひ」かな? とはなんとなく思いますが、座りどころは悪いです。  「鐸」の字に「しょう」って読みはないのだが。  しかし「どうたく」と読んじゃった僕が言えるこっちゃないか……。 >5番目の悪文  NG。  恨みがましいのを、どうにかしなさいっていうの。  ここの構図としては――。  言い返せないことを言われてしまっている人間が、口を閉じろよてめぇと内心で穏やかでない気持ちを沸き立たせているということなんでしょ?  その状態って、どういう切り口で語ってゆくと、お客さんを楽しませることができるわけ?  それは2号の自分自身の身におきたことなんだけど、あたかも別人の身に起きたことのように、外側から眺めてみろっていっているの。  自分の身に起きたことでも、客観視点から眺めてみることで、ネタにできるわけ。  冷静になれず、客観的になれないようなら、自分以外にキャラを立てて考えてみるといい。  たとえば「嫁姑」。  姑が嫁をいびっている。相手が言い返せないことをいいことに、言いたい放題言っている。嫁の心情は穏やかでないわな。  そういう構図があったとして、どのように書けば、いちばん面白くなるのだ?  そこに自分自身をおかずに、嫁姑をおいて考えれば、すこしは冷静になれて、いい知恵が浮かぶか? どうか?  いいか? 作家になるということは、自分のつらいことも悲しかったことも、すべて「ネタ」にするということだぞ。自分の体験を切り売りしてゆくということだ。  「苦しんでいる自分」というのをネタにして、そして、読者を楽しませるということだ。  「ちくしょう」とつぶやき続けながら明日のために涙まみれのカレーライスを食った経験とか。地面に横たわって立ち上がれないまま凍死に怯えていた経験とか。なにもかも、一切合切、小説のために提供するってことだ。  もちろん、そうしたものばかりではなくて、「楽しかったこと」「嬉しかったこと」「幸せだったこと」なども、すべて売ることは、いうまでもないが。  自分の身肉を切り出して、それをステーキにして客に出せないようなら、作家はやめとけ。向いてない。  作家というのは、自分の身肉が相手の栄養となることを、心から喜ぶ人間が就く職業だ。  すごいことだろう? ちっぽけな自分の体験すべてが、誰かの役に立つのだぞ?  どう役に立つのか。それは「一瞬の息抜き」であるかもしれないし、通勤時間のあいだの「暇つぶし」かもしれないが。とにかく、自分の経験――なんていうゴミみたいなものが、価値ゼロではなくて、わずかでも人の役に立つのだ。  意味もなく一生抱えこんだまま墓場まで持ってゆくのではなく、物語として人に伝えることで、それを読んだ相手が「喜怒哀楽」のなにかを刺激されて、そして一瞬でも「楽しんで」くれるわけだ。  それを「すごいこと」と感じないなら、オマエは作家に向いてない。  ちなみにステーキはレアがいちばんうまい。  しかしレアというのは、「表面をすこしだけ焼いた」という料理であって、生肉とは違うのだ。  オマエの出してきた1番から5番までは、それ、すべて「生肉」なの。  ちゃんと「レアステーキ」にして出してこいっての。 >>飛田 写凡  なにを書く作家なのやら、まったく見当もつかん。  くじ引きじゃねぇんだよ。アホ。  適当に考えたやつ、出してきて、OKでるかNGでるか、くじ引きでもしてるつもりか?  俺たちプロ作家が、オマエのそんな遊びに付き合ってやらなきゃならないほど暇だとでも、思っているのか?  そのくじ引き行為の判定に、コンマ数秒でも、時間をかけてやるほど暇だと思われているのか、俺たちは?  オイコラ。  お前のくじ引きに付き合わされて、「名前の批評」という内容で、プロが原稿用紙何枚分、リアクションを書いてやったと思ってるんだ?  プロ作家の原稿料ってのは、最低、1枚3000円からなんだぞ。  それだけのリアクションを引き出すに足りるだけ、おまえは自分の名前を真剣に考えたのか? 5時間考え抜いただと? たったそれだけか?  時給換算でいえば、その思考コストは何円分だ? 時給700円として、3500円ってとこだわな。  こっちは鐸碑さんもいれると4名で、それぞれ原稿用紙3枚ずつぐらい書いてるわけだから、合計12枚くらい。しめて3万6千円なり。  ぜんぜん、帳尻が合わないだろうが。  せめてお前の払うコストのほうを大きくしろ。じゃなかったら、馬鹿馬鹿しくて、とても付き合ってられん。  あんまナメきったことばかりやってやがると、いいかげん、誰からも反応もらえなくなるぞ。  「凡」にこだわるなら、100個出してこいって言っただろう。  1個出すのに5時間かかるなら、500時間ぐらい使ってこいっての。  1日24時間考え続けてるとして、20日少々。たかだか3週間。現実的な範囲だ。  1日48時間考えれば、10日で終了する。  これから常時、メモ帳とペンを手の届くところに置いておくこと。いつも頭の片隅でペンネームのことを考えていること。  寝ているときには、メモは枕元においておくこと。  そして「凡」を含む名前を思いついたら、すぐに書き写す。これは絶対。5秒以内にメモを開始すること。「あとで書いておこう」なんて思ったら、もうその名前は永久に失われると思え。  夢の中で思いついたときは、そこで意地でも目を覚まして、メモを取る。  冗談じゃなくて、本当に実行しろよ。  夢の中からでも、気合いがあれば抜けられる。  そしてメモを取れ。  ちなみにこれは、俺の「アイデア出し」の秘訣。  俺はプロを志望してからこちら、15年間、ずっとこれを実行している。  昔、師匠筋の羅門さんに聞いたんだっけかな? この方法。聞いたその日から実行して、いままでずっと、続けている。  あ、ちがった。野田大元帥の「スペースオペラの書きかた」という本に書いてあったんだったかな?  まあ、もう覚えていないが……。  とにかく、俺もやってる。 >世間を嫌う  病気している状態で、世間様を嫌っちゃうと、もはや生かしておいてもらえないからなぁ……。  僕は怪我で、一ヶ月だけ、入院したことがあるけど。  自己の生存を、完全に他人に依存している状態なんだよね。入院中って。  「世間様」のありがたみを、ひしひしと感じていたっけ。 >プロレスものとダメ人間  この二つを組み合わせると、話ができる。  ダメ人間が真のプロレスラーになる話。  ところで2号は、素人がプロレスラーになってゆく課程とか、書けるわけ?  まあ道場に入門することになると思うんだけど。入門テストでどういうことをやるかとか、素人が最初に行う訓練はどんなものだとか。普段の練習風景はどんなものなのか。  どういう課程で、リングにあがることなるのか。新人から中堅、そして王者となるまでの道筋には、どんなことがあるのか。  もしそういったものを知らない、書けない、――では、君のその「プロレスの知識」は小説を書く役には立たない。単なるファンの知識でしかない。  しかしもし、すべて知っている、書ける、――裏方事情まですべて含めて知っているのであれば、それは立派に武器となる。  ボクシングものとか、あるよね。  「はじめの一歩」とか。  ああいうもののプロレス版を、書くことができるの?  すくなくとも知識としては、持っているの? -------------------------------------------------------------------------------- >巻島 No.6868 投稿日 2003年8月17日(日)18時27分 投稿者 新木 伸 >巻島  まだ帰省中かな。  はよ、自分で見比べてみた結果を聞いてみたいところだが。  それはそうと、例の冒頭50枚分の書き直し分に対して、もう一個、課題を出しておく。  ↓書き直し分っていうのは、これのことね。ここに20枚ぐらい足して、50枚分ほど書いてくるんだよね。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=539&e=res&lp=539&st=  んで、「もう一個の課題」っていうのは――。  「――」「……」「!」「?」  ――この4つの記号、使用禁止バージョンってのも、作ってみそ。  これは書き上げた50枚を修正してゆく形でいいから。  この4つの記号以外にも、変なことは一切するな。  たとえば「、」で行を終えるとか、そういう小説作法の基本にないことすべてって意味ね。体言止めなんかも、なるべくやめておけ。  おまえ、記号に頼りすぎ。  あの手の記号は、記号使わないでも同じものを書けるやつが、使っていいものなのね。記号に頼らなきゃ同じ効果が出せないやつは、やっちゃいかんのよ。本来は。  ダシをきちんと取れるやつは、場合によって「ほんだし」を使ってもいいの。化学調味料を使ってもいいのよ。  しかしダシも取れないやつは、まずダシの取り方から覚えるべきなのね。  ひとつ、記号を使わないで、同じものを書いてみそ。  それをやってみると、記号のありがたみとか、記号の意味とか効果とか、はっきり把握できるから。記号の使い方に関して、1段階、レベルアップできるはずだから。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒サノ夏ハオロオロ歩キ No.6869 投稿日 2003年8月17日(日)23時14分 投稿者 弟切 千隼 と、かつて宮沢賢治が「雨ニモ負ケズ」の中で書いたような、東北地方の大冷害を思わせる夏ですね。弟切は、足もとが冷えるので膝掛けをしてPCに向かっています。  ここまで肌寒い日が続くと、気象庁の「水曜日からは暑さが戻る」という発表を疑いたくなります。宮沢賢治が生きていたら、今年の気候をどのように評したでしょうか。 >>いびりとエンターテインメント  新木さんが、No.6796で以下のように書いてらっしゃいますね。 >> いびられる側が、ぜんぜん、こたえていない場合。 >> 自分がいびられているという認識が欠如していたり、いびられていると分かっても、あっけらかんとしているとか。 >> なぜこれがエンターテイメントとして人を楽しませることができるのか、僕も考察中。  弟切も考えました。そして、少なくとも理由の一部を発見しました。  その理由は、 「読者さまの多くが実際には言えないことを、作品内の登場人物が代わりに言ってくれるから」 です。読者さまは「ああそう、これが言いたかったんだー!」と感じて、すっきりするという仕組みです。  姑の嫁いびりを例に挙げてみましょう。  家事のベテランである世のお姑さんがたから見れば、若いお嫁さんがたの家事のやり方は、下手くそで見てはいられないでしょう。いくら時代が変わっているとはいえ、そこまで手を抜いていいのかと感じる部分も多いはずです。  逆に、例えば子供−お姑さんから見れば孫−の教育などに関しては、やり過ぎだと感じることが多いでしょう。小学校に上がる前からの「お受験」など、一般的なお姑さんの感覚から言えば考えられないはずです。  こういったあれやこれやの不満を、お姑さんがたはお嫁さんにぶつけたくてぶつけたくてしょうがありません。でも、ほとんどのお姑さんは、これらの不満をそのまま全部口に出すことはしないはずです。なぜなら、こういった不満を全部ぶつけられて、耐えられるお嫁さんなどまずいないからです。  その後一切お嫁さんに口を利いてもらえなくなったり、旦那−お姑さんの息子−に告げ口されて息子との折り合いが悪くなったり、実家に帰られてしまったり、どれにしろお姑さんにとって不愉快な結末になるでしょう。最近の若い女性は、昔の人ほど離婚に抵抗がありませんから、下手をするとあっさり離婚されてしまいます。  こうした不愉快な事態になるのを避けるために、お姑さんたちは言いたい不満の多くを言わずに、飲み込んでいるはずです。  一方、お嫁さんの側からも、お姑さんに言いたい不満が多々あるでしょう。お姑さんの言うことには、急激に変化する時代に追いついていないことも多いからです。  例えば、最近は、結婚してからもフルタイムで働いている女性が多いですね。男性と同じように残業をして疲れて帰ってきたお嫁さんに、専業主婦と同じように凝った料理を作れというのは酷でしょう。洗濯物を溜めたり、掃除の手を抜いたりするのもある程度は仕方がありません。子供が熱を出したとしても、仕事が忙しい時にはなかなか休めません。  兼業主婦のお嫁さんたちは、自分なりに工夫して、苦労して家庭を保とうとしています。なのに、昔の専業主婦の感覚でお姑さんに口出しされたら、切れたくもなるでしょう。しかし、お嫁さんのほうも、そういった不満をすべてそのままお姑さんにぶつける人は少ないはずです。  その理由は、やはり、自分の不満を遠慮せずに全部ぶつけたら、お姑さんとの関係が決定的に壊れるだろうと恐れているからですね。近所に自分の悪口を言いふらされたり、子供−お姑さんの孫−の面倒を見てもらえなくなったり、お姑さんの持ち家から出て行けと言われたりすれば、お嫁さんにとってとても困った事態になります。  そういう事態を避けるために、お嫁さんのほうも大部分の不満を飲み込んで、表面上は穏やかにお姑さんとやってゆくわけです。  以上のように、現実の中では、大部分のお姑さんとお嫁さんは相手の機嫌を損ねないように気を使い、互いに腹が膨れる思いをしています。けれども、これがTVや小説の中だったら、その中の登場人物が別の登場人物の機嫌を損ねようと、読者さま(視聴者さま)は全く困りません。言いたいことをがんがん言ってくれちゃって構わないわけです。  そして、フィクションの中でなら、「平気で嫁に文句をつけまくる姑」や「全く遠慮せずに姑にものを言う嫁」が存在してもおかしくありません。少数派でも現実にそういう人はいるでしょうし、何より「あんなふうに嫁にはっきり言ってやりたい」・「あんなふうに姑にばしっと言い返してやりたい」という読者さま(視聴者さま)の強い支持があるからです。  この場合、いびられる側のお嫁さんがおとなしくて言い返せない人という描写をすると、お嫁さん側の不満を代弁できなくなってしまいます。お互いに言いたい放題に言い合うという描写があるからこそ、お姑さんの立場にある人も、お嫁さんの立場にある人も、両方とも「我が意を得たり」と思い、作品を支持してくれます。  上記以外にも、いびりがエンターテインメントになる理由はあるかも知れません。これからも考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 丸出だめ夫すら努力しているというのに No.6870 投稿日 2003年8月18日(月)05時13分 投稿者 名無し君2号 ボコボコにされてるよ! 殴られるのは痛いけど、殴るほうも痛い……のか? ともかくみなさんには多謝します。 >細江ひろみさん >>全般的に、新木さんの言っていることを、理解していないのではないかと思う。  自信がない、というのが正直なところです。  書きたいものなら数あれど、お前がいま書けるものは何だ? と問われると何もない、というのが現実です。プロレスにしたところで、書こうというならば資料集めから始めなければならない(記憶だけに頼って書けるほど詳しくはない)、文章自体にも自信なし、ないないずくめです。  そもそも、プロレスについて書こう、と思ったこと自体がないです。私にとってプロレスは娯楽でした――いままでは。  そんなわけで、もうどうしたらいいのやら、ニッチもサッチも以下略、な状態です。  小説の技術を学ぼう(盗もう)と思ったところが、小説の前に性根を叩き直されているところでして。 >>Q1 名無し君2号さんは、入院したりで勤め人が続けられそうにないので、自宅でマイペースで仕事できる小説家を目指そうと思った、というのがプロになろうとしている動機である。で、あってますか?  だいたいあってますが、もうひとつ動機が加わります。これは次の、 >>Q2 小説家なのは、なぜですか? 自宅でできることを理由にするなら、プログラマーなど、もっと安定した自宅仕事は他にもありますが。  にもかかってくるのですが、病気自体が結構ニアデスな塩梅でして、朦朧とした意識のなか、このまま死ぬんかなー、とかつらつらと考えるに、 「このまま死んだら、おれ、何にも残してないじゃん!」  だから、ともかく何か残したい、多くの人に私の話を聞かせたい、読んでほしい、だから小説家になりたい、というのが動機になります。 >>Q3 現状のまま収入がなくなったとして、貯金で、どのくらいの期間生活できますか?  まったく生活できないです。なので健康になりしだい、働かなきゃならんです。生きていけなきゃならない。食っていかなきゃならない。 >>名無し君2号さんが、年齢的に、なるのは無理とは言いません。 >>たとえ二十代前半まで、文芸のまねごとすらしていなかったとしてもです。 >>なぜなら、私がそうだからです。  参考になりました。頑張るしかないので、頑張ります。  追伸。  前回の書き込み、 >>山北篤さんの本は、一冊だけですけど持ってました。 >>表紙の竹本泉先生の絵に惹かれて買ったものでした。  は、ぱらぱらと中身を確認して、面白そげなので、購入したものでした。言葉足らずでした。 >鷹見一幸さん >>個人を対象にするときはメアドを入れようかな。 >>広告が来るからウザいけど、それが礼儀だからね。  ご迷惑おかけします。 >>あなたが「凡」の字にこだわるのは、ひょっとして「逃げ」てるのかな? >>最初から「言い訳」を考えてる。 >>私は「平凡」な「凡才」ですから、たいしたものは書けません。  そのとおりです。自分に自信がないから、というのがその答えになりますが。 >>あなたには「凡」を名乗り、自戒しなければならないほどの自信と実力がありますか? >>「ある!」 >>と、言い切るのなら何も言いません。 >>その自信と実力の成果を楽しみにしています。   「……ない、です」としか答えられないです。しかも小声で。  結論、「凡」を名乗るのはやめにします。 >鐸碑さん >>編集者を説得するつもりで、『飛田 写凡』という名前に対する思いを語ってください。  もういきあたってばったりなので、思い入れも何もないです――すみません。 >新木 伸さん >5番目の悪文 >>NG。 >>恨みがましいのを、どうにかしなさいっていうの。  了解。 ■5番目の悪文  彼等はそんなことを私に訊いてくる。  私はただただ愛想笑いを浮かべるだけ。  ――お願いだから、もう勘弁してくれないかなあ。  もちろん、私はその思いを口に出したりはしない。まるで――  そう、まるで、猫よけになると信じられたまま放置されている、水入りのペットボトルのように、愛想笑いを浮かべているだけだ。 ■6番目の○文  次々と出される質問を、私は笑顔で答える。  端から見れば機嫌良く受け答えしているように見えるだろう。  心のなかなんてものは、喋らず、表情にも出さなければ、伝わらないものだから。  うーん。違うような気がする。だけど……。 >>たとえば「嫁姑」。 >>姑が嫁をいびっている。相手が言い返せないことをいいことに、言いたい放題言っている。嫁の心情は穏やかでないわな。 >>そういう構図があったとして、どのように書けば、いちばん面白くなるのだ?  ともかく姑を悪人に書くしかないと思います。それなら嫁が罵詈雑言を心のなかで呟いても、読者は「そうそう」って納得するんじゃなかろうか。  うーん? 嫁が悪人でもいいか。だったら姑のいびりも正当化されるし。  でもこの場合、質問してくる相手を悪人には出来ないし。  じゃあ、こっちが悪人か……? ■7番目の○文  相手の質問に、私は微笑んでる。  まるでそうすればすべてが解決されると思っているかのように。  でもそれはただ逃げているだけ。出口のない迷路を、ただ逃げまどっているだけなのだ。  ……どうでしょう。 >ペンネーム >>くじ引きじゃねぇんだよ。アホ。 >>適当に考えたやつ、出してきて、OKでるかNGでるか、くじ引きでもしてるつもりか?  ごめんなさい。「凡」はやめます。 >>これから常時、メモ帳とペンを手の届くところに置いておくこと。いつも頭の片隅でペンネームのことを考えていること。 >>冗談じゃなくて、本当に実行しろよ。 >>夢の中からでも、気合いがあれば抜けられる。 >>そしてメモを取れ。  わかりました。やります。過去ログで同様の話が出てきたのを参考に、メモは持ち歩くようにしてました(とはいえ、それほど出歩くこともなく、ひきこもり状態)。  ただしそこまで徹底していなかったので、これからはやります。 >プロレスものとダメ人間 >>ところで2号は、素人がプロレスラーになってゆく課程とか、書けるわけ?  書けますが、資料がないです。三次、四次……それ以下の情報でしか記憶がないので、大部あやふや。プロレスのスタイル(というか団体)ごとに違うので――ただ、日本でプロレスを始めたのは力道山、力道山は元力士なので、練習方法も最初は、相撲取りの練習に近いものだった、という記憶はあるのですが……。  それからどんどん変化していって、いまでは実戦に強くなる練習+プロレスの練習、といった感じだったと思います。  それから出世する過程ですよね。それも書ける……もとい、知ってはいますが、書けるかどうか。 >>しかしもし、すべて知っている、書ける、――裏方事情まですべて含めて知っているのであれば、それは立派に武器となる。  すべて、ではありませんが、リアリティーのある嘘ならつけると思います。 >>ボクシングものとか、あるよね。 >>「はじめの一歩」とか。 >>ああいうもののプロレス版を、書くことができるの? >>すくなくとも知識としては、持っているの?  多分いけるとは思いますが……。そういや遙か昔に、女子プロレスを舞台に脳内でストーリーを作った記憶が……メモしてなきゃ意味ないな。  そういうわけで(どういうわけだ)、ペンネームについてはもうちょっと待ってください。もう自分が何で、あいつがおれで、おれがあいつ状態なので、とりあえず自分の正体を掴まないことには、まったく話にならんです。  全体的にへこみ気味なのは、市立図書館が午後5時に閉館だっていうのに、その時間に目を覚ました己のぐうたらぶりに、激しく落ち込んだのも原因のひとつです――自分自身の問題だぞっ。  えーと、ここまでで……5時間ぐらいかなあ。転んでから起きあがるまでが時間がかかりました。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6871 投稿日 2003年8月18日(月)17時47分 投稿者 鐸碑  生きている内に『作品』を残したいが、当面は生きるために生計を立てる仕事を探さないといけない状態である。困難な状態だが頑張りたいと思っているようなので、次に必要となる要素はどう言うプランで『作品』を作り上げるかという計画を立てる事でしょう。 1.自分が何時までに商業的に通用する作品を作り上げるつもりか? 2.そのためにどの位の鍛錬時間が必要か? 3.鍛錬時間を日に何時間、週何時間、月何時間位とるか? 4.3を満たす為に許される生業(糧を得る為の仕事)は何で、どれだけの収入が得られるか? 5.執筆だけに集中できる貯蓄はつくれるか? さもなくば生業を続けながら書き続けられるか?  新木さんが言っているように、普通に暮らしながら作家になるのは不可能だと考え、不可能を可能にする事を前提に計画を考える必要があると思います。きっとそれは、普通できない程の密度の努力か、普通続かないほどの長い努力という形になるのではないかと思います。  で、一つ疑問なんですが何が書けるかはとりあえず置いたとして、『何が書きたい』ですか?  過去ログにあったと思いますが、書きたい物を強く持っており、それを書かずにいられないならば、気迫で書く技術は覚えられるでしょうが、書きたい物がなければそれは他人が与えられるものでもないとないと思います。  名無し2号さんの書きたい物はなんでしょう? それを思い付きではなく思考し抜いた結果として示し、上記のプランと一緒に表明して、実現に向けて不可能を可能にする気迫を持って邁進する事が、ここまで名無し2号さんのペンネームや取り組みに対して貴重な時間を割いてアドバイスしてくれたプロの作家さんの労力を無にしない為の態度ではないかと思います。(私は会社員が休みの日に趣味でやった事なんで別段価値はないですが、一線のプロ作家が何人も貴重な発言をしてくれた事に、言葉ではなく態度で答える必要があると思います)  『頑張ります』と書くのは、10バイト分、キータッチ(GANBARIMASUの11文字+変換 又は か゛んは゛りますの8文字+変換)で1秒〜長くて5秒程の労力です。プロが原稿用紙数枚分書いたのに答えるものとして不足するでしょう。実際に頑張るならそれは何時間、何十時間もの労力で答えることになるります。とりあえず時給換算(700円と仮定して)で52時間程の頑張りで、新木さんの示した3万6000円というラインは超える事になります。これで、周囲が名無し2号さんに賭けた労力以上の労力はかけたと一応言えるライン。  作家を目指すプランを示すというのは、ローンでした買い物の返済計画みたいなもんです。これまで新木さん、鷹見さん、細江さん、海法さんといったプロの作家が掛けてくれた労力に答える努力を、プロ作家の仕事とアマチュアの作業とではレートが違うので一括では返せない為、分割払いで返済する返済計画です。  その返済計画を示しておくべきではないかということです。  とりあえず、自分は結局『何を書きたい』≡『何を書く為に頑張る』のかを考え抜いて、その書きたい何かに相応しい筆名を考え、プロ作家が掛けた労力の返済意思を示した上で、実際の返済計画=どの位のペースで修業して何時までにデビューを目指すかを示すのが、名無し2号さんの第1歩ではないかと思います。 ※ハンドルの読み方についてのヒントはメール欄にあるんですけどね。 -------------------------------------------------------------------------------- いびりと八つ当たりの違い No.6872 投稿日 2003年8月18日(月)23時39分 投稿者 弟切 千隼  いびりの中には、一見八つ当たりと似ているものがあります。この二つの違いを考えてみました。  「八つ当たり」を辞書で引きますと、 やつ-あたり [0][3] 【八つ当(た)り】 (名)スル 怒りや不満を,関係のない人に向けて発散すること。「家族に―する」 (『大辞林』より) とあります。  これによれば、いびる側のストレス原因がいびられる側にない場合、『関係のない人に向け』られる「八つ当たり」と「いびり」とは、区別が付けがたいですよね。  こういう場合の「いびり」は、「八つ当たり」と同じものなのでしょうか?  「姑の嫁いびり」・「上級生の下級生いびり」・「先輩社員の後輩社員いびり」など、現実とフィクションとを問わず、いくつかの例を考えてみて、わかりました。「いびり」は緊密な人間関係がなければ発生しない点に、ヒントがありました。  「八つ当たり」は、ほとんどの場合一過性のものです。「いびり」は継続して行なわれる行為です。  言い換えれば、継続して行なわれる「八つ当たり」があれば、それは「いびり」と同義です。  いびりは、緊密な人間関係の中で生まれる現象です。緊密な人間関係は、通常、長い時間をかけなければ発生せず、また一度発生すると長く続くものです。一時的に緊密な人間関係もないとは言えないものの、あまり一般的ではないでしょう。  いびりが生まれやすい人間関係を見れば判りますね。嫁姑関係は、どちらかが死ぬか離婚するかまで続きます。学校の上級生と下級生の関係は、どちらかが退学するか上級生が卒業するまで続きます。同じ職場の先輩と後輩の関係は、どちらかが退職するか人事異動があるまで続きます。どれも、何年にも渡る関係になることは間違いありませんね。  このような人間関係の中で、誰かが誰かに対して不満をぶつけ始めれば、それが長く続くのは必然です。同じ関係が続けば、そこにはずっと同じストレスが生まれ続けるからです。  「いびり」とは、緊密な人間関係の中で、継続して行なわれるストレスを解消しようとする行為なのでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 考えてみれば、 No.6873 投稿日 2003年8月19日(火)01時15分 投稿者 巻島翔史  今年の一月二月はすごく寒かった。  そして夏もいつもより寒い。  2003年というのは、一年通じて気温の低い年だったのか。うーん。  寒がりの俺には嫌な年だったなぁ。  っていうか、田舎で風邪もらってきたかも。さっそく腹に来てるし。  八月のくせに低温注意報ってなんだよ。そら風邪引くって。  で、課されていた、50枚のぶんと、その記号抜きをアップしておきました。  ひょっとして、アップ先のアドレスはここに書いておくべきなんでしょうか。最近、新木さんそうしてるし。  とりあえずならっておきますが。 50枚 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=544&e=res&lp=544&st=0 記号なし http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=545&e=res&lp=545&st=0  しかし、記号なしバージョンはなぁ。「――」「……」を使いまくってるというのは、もちろん自覚がありまして。  一度直すべきなのかな、と考えたこともあったんですが、結局、俺の個性にまで昇華できれば問題ないかと思って、矯正をやめたことがあるんですよね。  というより、小説書き始めたころから使いまくってたので、書くリズムに組み込まれちゃってるんですよ。ここの過去ログをあたればわかると思いますが、掲示板の書き込みからして「――」「……」の使用率はおそらくトップだし。俺。  完璧に染み付きすぎているんですよね。  ただ、今回直していて思ったのですが、「、」で済むところを「――」とか「……」とやっちゃうのはやっぱ悪癖です。  これは直すべきでしょう。  完全に廃することはしなくていいと思います。記号がなぜ発達したのか、そしてライトノベルになぜ記号が氾濫しているのかを考えていくと、すべては読みとりやすさと誤読防止に行き着くからです。そういうものを、ただ闇雲に禁じることは意味がありません。  しかし、いまの俺の書き方はあまりに乱用が目立つので、しばらくは訓練もかねて、掲示板の書き込みにおいてはまったく使わないことにします。  「?」はたまに使うかもしれませんが。 (6835) >>書き直したものと、前のものと、二つを自分で読み直してみること。 >>書き直したほうが早いの? それとも削ったほうが早いの?  まず最初に見比べて思ったことは、「一稿とほんど完成度は変わってないなぁ」ということでした。  まあ一番わかりやすいのがアクション部なんですが。なんの再考もなく書いてみたら、やっぱりあんなもんしか出てこなかったわけです。これは俺のなかでレベルアップがなかったことの証明になっているのではないでしょうか。  序盤のテンポはあれぐらい(書き直しので)でいいのかなぁ、とも思いましたけどね。それにしたって、削りで到達できない境地ではない。  つまり、書き直しは効率が悪い。  完成度が変わらない原稿二本が並んでいても、どうしようもないわけですし。無意味です。  そういうわけで、基本的に削りでいかせてもらいます。  ただし、アクション部に関してはカメラワークから考え直すべきだと思ってるので、そこは全面書き直しします。  とりあえず、今の半分の枚数にまずしていくという方向でいいでしょうか。削りのやり方として。 (6834) 海辺のまちのものがたりのこと>  ああ。なんかいきなり話題にあがってる。新木さんのタイミングはいまだに読めないなぁ。 >>東京から田舎にやってきた主人公が、田舎になじめず疎外感を感じているのだが、穴に落ちて危機に陥ったときに、村の人々が自分を心配してくれていたことを知って誤解を解く――てな話?  一応、疎外感から、先天的な土地への合わなさという屁理屈に逃避し、しかし自分を心配してくれていたことから、そんな屁理屈にこだわっていたことがいかに下らなかったか、ということに気づく話であるつもりです。  もっと縮めて言えば、自分の抱いていた疎外感が下らなかったと気づく話か。 >>あらすじを見る限りでは、どのへんが美味しく頂けそうな部位なのか、ぜんぜん見当も付かんのだが。  これは「ウリ」の話ですよね。  ウリとしては、一応、恋愛多角関係なるものを書いていますが、あらすじにはほとんど書いてませんね。 (ただ恋愛要素にしても、中途半端という指摘をすでに知り合いから受けていますが) >>あらすじに関しては、意味もなく具体的に書きすぎ。  これは自分でもはっきりわかりました。細部にこだわりがありすぎてマクロが見えなくなっているんですよね。 >>だいたい、その読めない名前を使う癖、いいかげん直せってーの。  癖と言われるほど、いままで繰り返してきた記憶はないんですけど。むしろ読めない系を使うほうが少ないと思います。  あらすじに読み方を振らなかったのはミスですね。すいません。 (ちなみに寛智は「ひろあき」、優海は「ゆみ」と読みます)  個人的な弁解を書かせてもらいますと、「寛智」に関してはどちらも人名として普通に使われる字であることから、そのまま踏み切りました。  字は知ってるけど組み合わせで読めない、という程度の人名は日常にもあふれていますし。あまり大きな違和感は抱かれないかなと思いまして。  「優海」に関しては、まずこの町が海沿いの町であることから、彼女の両親が「海」の字を選択してもおかしくないだろうという考えがありました。また、「〜〜み」と読ませるのに「海」の字を使うのも、最近見かけることもあったりするので、『「寛智」より違和感は大きいかもしれないけど、まあいけるか』と判断してそうしました。  漢字は表意文字ですから、フィクションの場合だと名前によって雰囲気作りを助けることもあるかもしれないと思います。  そこまで計算して難読人名を使うのならアリじゃないでしょうか。  少女漫画とか、読みにくい名前多いですよね。少年漫画よりも。あれも雰囲気作りの一環だと思います。  まあ、そうしたことまで考えず、ただ見てくれのかっこよさでつけられているのなら、もっと考えさせる必要があるんでしょうけど。 キャラ配置の話>  自分のなかでの考えでは、 優海:どこででも変質しない存在だからできる、仲介者(田舎と都会の) 長峰:田舎の象徴。対立の看板 沙織:主人公の同調者・感情増幅器  という感じでした。ただあのあらすじでは、主人公側の視点で書くことにこだわりすぎて、そうした配置の要素はなにも出ていませんが。 >>とりあえず、作者的「萌えポイント」はどこなのか、そこの自己申告からかな。  やはり、いままた持ち出した以上、田舎と都会の問題があります。  と言いつつ、それはテーマであるとは言いがたいです。俺が一貫して書いている「ヘタレやガキの成長・更生」が、やはりテーマになります。  屁理屈に逃避して、自分の勇気のなさを正当化したりとか。そのへん。  また、恋愛多角関係も書きたかったことであります。たぶんいままで一方的な方向の恋心って書いたことなかったんですよ、俺。恋愛書いても両想いだったりとか。一応、この話のウリに考えていることでもあるし。    で、あらすじの再提出は次回に回させて下さい。あんまり急いで出してもボロがでるだろうし。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し君2号さんへ No.6874 投稿日 2003年8月19日(火)04時09分 投稿者 細江ひろみ では、さらに質問です。 Q6 仕事にしなければならない理由は、なんですか? Q7 小説でなければならない理由は、なんですか? 自分が生きた証に本を、と思う人は少なくありません。 しかしそれだけなら仕事である必要はないわけです。 たぶん回答は「自費出版じゃ多くの人の手にわたらないし、残りもしない」ということではないかと思います。が、商業出版だって実のところ大差ありません。出すところにこぎつける大変さでいえば、商業出版の方が、よほど大変ですし、商業的ライトノベルの文庫より、自費出版でハードカバーで、タイトルがまじめで、概要が硬ければ、全国の図書館に送りつけとけば、よほど残るはずです。 生計のための仕事と、書くことが両立しない、というのもあるかもしれません。が、両立できるぐらい書くことが好きでないと、つまり他人に書くなと言われても、自分でも健康のため寝るべきだと思いつつも書いてしまうぐらいでないと、書くことを仕事にすることはできません。 で、なぜ小説なのでしょう。 生きた証を残すなら、別に小説でなくてもいいはずです。 小説でもそうでなくても、他人のためになれば、残ります。でなければ、残りません。 まあ、完璧に自己満足できれば残らなくても満足はするでしょうが、他人を面白がらせる、感動させる、暇つぶしのためにでもいいから役に立つ、なにか得た気にさせるという要素がないと、残りません。 たとえば名無し君2号さんが、どういう病気でニアデスしたか知りませんが、その病気について徹底的に調べ、実体験まじえつつ、工夫したこと、困ったことなど含め、その病気についてことこまかく、今その病気になった人々や、その家族の人々のためになるものを、書いたとしましょう。 それは売れる小説より、反響は少ないでしょう。 が、その病気がレアなケースであればあるほど、その情報を必要とする人々は、切実に情報を求めているわけです。 いきなり出版はできなくても、HP開設して書き足していくという方法だってあるわけです。 あるいは、27歳で職と健康を失い自宅仕事をはじめるなら、可能な仕事はなんなのか、しっかり調べて、他の同じような人々のためにまとめておくでもいいわけです。 自分にとって役立つものは、自分と同じ立場の人にとっても役立ちます。 充分、生きた証になると思いますが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6875 投稿日 2003年8月19日(火)19時35分 投稿者 新木 伸  第五回エンターブレインえんため大賞の、小説部門審査員、久美沙織さんの「総評」から引用。 http://www.enterbrain.co.jp/entertainment/novel.html >>久美沙織 >> 昔は、賞に送られる作品には、バツグンのアイディアを持ちながら文章がヒドイものが多かった。昨今は、ネタに凝りすぎず、構成や文体でたくみに読ませてくれるものが増えてきたように思う。パソコンやケータイの一般化で、日常的に他人と「文字」で交流するひとが増えたからだろうか。プロデビューにはむろん後者のほうが向いている。驚天動地の発想は滅多に出てくるものではないし、「おもしろさ」は教えようがない。しょぼいネタでも読ませる力には大きな価値がある。定番でありがちな設定を新鮮で魅力的な作品に昇華するのは、つまりは、笑うなよ、「愛」だ。妄想や執着は愛ではない。似たような行為も、純愛になりストーキングになり、愛情表現になったりセクハラになったりする。他人からどう思われるのか。その視点を欠いてはいけない。  このへん、「生課題」でやらせていることに通じる。  なんでもないシーンを面白く読ませる秘訣。それは「愛」ね。  夏のじめついて蒸し暑い田舎の家の「縁側」の感じ――とか。  そういったものに、どれだけ「愛」を注げるのかで、そのシーンが読めるものになるかどうかは決まる。 >記号とか  あー、もう。  自分が「記号」に関して一家言持ち、考え抜いたあげく、信念をもって使っているぶん――。  こういうヌルい考えのやつを見ると、殺意さえ覚える。 >巻島 >記号について >>完全に廃することはしなくていいと思います。記号がなぜ発達したのか、そしてライトノベルになぜ記号が氾濫しているのかを考えていくと、すべては読みとりやすさと誤読防止に行き着くからです。そういうものを、ただ闇雲に禁じることは意味がありません。  こういう思い違いをしているヤツがいるから、闇雲に禁じてるんじゃないか。  記号は読み取りやすさに貢献していないし、誤読防止の役にも立っていない。  自分で「記号不使用」バージョンを作ってみて、わからんのか?  記号使っていないほうが、断然、読みやすいし、誤読もしないぞ?  なんならプリントアウトして、身のまわりの十人ぐらいに見せて回って、リサーチしてみたら?  この分室の人間に聞いてみてもいいしね。  おまえ、「読みやすい」と「書きやすい」を混同してるだろ?  作者が「書きやすい」ものが、そのままイコールで、読者の「読みやすい」に繋がっているとか、そんなふうに短絡して考えちゃっていない?  ――で、それはそれとして。  つぎに段落のこと。  巻島の書く小説には、「段落」ってものが存在しないね。  ずいぶんと文章を細切れにしてるなぁ。  特に冒頭の30行くらい。行頭の一字空きが意味を失うぐらい、改行を入れまくっているようだ。  すべての「行頭」が、一列に並んじゃっているだろ?  たしかに、改行なしに何ページにも渡って、ぎっしりと詰まった文章よりは、各行ごとに改行を入れてあるほうが、まだしも読みやすくなるものだが……。  それにしたって、もうちょっと改行を減らせ。そして段落を活用しろ。  段落というのは、あるひとつの物事について記述している行を、ひとまとめにパッケージしたものだ。視覚的に「ここからここまでは、ひとつのコトについて書いています」と相手に伝えることができる便利なものだ。  なぜ使わない?  昔、杉井光には「段落禁止」というのを言い渡した覚えがある。  各行を細切れにすること。行と行を接続していいのは、7行につき1回のみ。――とか、そんなルールを課した。  あいつの場合は、別な意味で段落がわかっていなかった。ひとつの段落内に、2〜3もの別々のことを詰め込んでいて、逆に、わけがわからなくなっていた。だから「段落完全禁止」と極論したルールを課して、矯正しようとしていたのね。  そういう「段落禁止」を巻島に課した覚えはないのだが。  光に言ったやつを見て、自分もやりはじめたのかな?  「最初の会話文」が出てくるところまで――。  こちらのほうで、灰色の削りと一緒に、改行を削っていって段落を作り出して、俄然読みやすくなるバージョンを作ってやろうとも思ったが。  まず、自分でやらせてみることにする。  「段落を活用する」ということを念頭に置きつつ、改行の調節だけで、読みやすくしてみそ。  具体的には、冒頭から、「なんだよ俺、もう終わったことにこんな」のところまで。「記号なしバージョン」のほうでやること。 1.本文に一切手を加えず、改行を増減することだけで、読みやすくなるように手を加える。 2.「1」の作業に加えて、灰色部分も削ってみる。 3.「2」の作業に加えて、必要な部分の増量も行う。  1と2と3と、それぞれアップのこと。  それを見て、直しのやりかたを間違えていないようなら――。  あとは、50枚部分全体に「3」を行ったものを、いちおうもういちど確認して。残りの300枚は、ノーチェックになるかな(完全に自分でやるってこと)。  「1」の段落化をするにあたって、灰色の部分も見えてくると思う。  前の段落に収めるべきか、後ろの段落に格納すべきか、迷うような文っていうのは、たいてい灰色。(コンセプトが立っていない文だから、どっちの段落に入るか迷うわけ)  3まで自分でやったなら、こちらで段落付けと灰色削りとをしたサンプルを作って、見せてやるかもしれない。(なんならOFFのとき、その場でやってみせてやるか) >記号について  小説賞に送るなら、記号はゼロにしておいたほうがいいぞ。  本当に必要なところだけ使っているなら、まあ、問題ないのだが……。  ウデがないんだから、まず不要なところまで記号を使ってしまうことは確実なわけよ。 そうすると、それが審査員の鼻につく。不要な記号が一個でも見つかれば、残りも色眼鏡で見られることになるわな。「記号に頼ってしまっている」という評価がつき、それは「文章力」へのマイナス評価となる。  わざわざマイナス点を抱えこむリスクを負うこともあるまい。  いっそ、「ゼロ」にしてあったほうが、ぜんぜんマシ。  記号を使うことで得られるメリットなんて微々たるものだ。プロの仕事の現場では、その「微々たる効果」を狙って記号を使うこともあるわけだが――。  新人賞では「デメリット」のほうが高くつきすぎる。  俺、仕事で書いている小説では、山ほど記号を使っているけど。  もし仮に、いま自分が新人賞に応募するのであれば――。  記号は、ほとんどゼロにして投稿原稿を作るよ。  これは記号に頼らないところの「地力」を見せるため。    記号に頼らなくても、きちんとしたものを書けるのか。    記号に頼り切らなきゃ、ロクに書き上げられないのか。  ――そんなの、いくら審査員だって、作品ひとつを読んだだけでわかりっこないのだ。  「記号に頼らないでも同じことができる」というほうが、より上等なのは確かだ。  なら、自分がそっちであることをアピールすべきだろう。記号を使わずにそれなりのものを書いて示せば、確実に「そっち」だとわかるわけだし。  そして出版される前に、原稿に手を加える。  記号を山ほど載せ直して、いつもの文体に戻しておく。これは必要な記号を適切なだけ加えたほうが、自分の原稿の商品価値は(微々たるものだが)上がるという信念があるため。  そもそも投稿原稿なんて、未完成きわまりない代物なんだな。大賞取ろうがなんだろうが、投稿時の原稿に手を加えずに出版されるなんてことは、あり得ない。  だったら、その時に直してしまえばいいのだ。  ちなみに――。  いったん「記号ゼロ」のバージョンを作って、そこから「記号」を増やしてゆく形で手を加えてゆくと、本当に必要な記号しか入れないようにできる。  このやりかたは、理にかなっている。 >もうひとつ  最終選考まで上がるつもりで――。  選考委員の中に「記号を多用する文体」の持ち主がいた場合――。  うかつに記号使わないほうがいいぞ。  これ、よく勘違いしているやつが多いのだけど。  審査員の真似をしたものを送ったほうがウケがいいだろうというのは、ひどく誤った判断なわけね。  架空戦記作家が審査員をやっている小説賞に、ヌルい架空戦記を送りつけるとか。  正当派ファンタジーの巨匠が審査員をやっている小説賞に、「エセファンタジー」を送りつけるとか。  SF作家が審査員をやっている小説賞に、「SFモドキ」を送りつけるとか。  「受けが良くなる」どころか、逆効果というもの。  むしろ審査員の得意ジャンルであるぶん、採点は辛くなる。  新木伸が、コメディーとSF系に厳しくなるのと同じこと。  紫も羽矢野あたりが、それぞれ「コメディ」と「SF」をやろうとしたとたん、必要以上にボコられてるだろ。つまりは、そういうことだ。  「記号を多用する文体」が審査員にいる賞で、「エセ記号多用文体」なんてものを送りつける行為も、同様に、自殺行為であるといえる。  そしてライトノベルの新人賞では、たいてい、記号を使う文体の作家が審査員をやっているわけだな。  最終選考まで上がるつもりがないなら、そもそも関係ないことであるが。(最終までいかなきゃ審査員は読まない) >2号 >>小説の技術を学ぼう(盗もう)と思ったところが、小説の前に性根を叩き直されているところでして。  だって。  まず料理の技術教える前に、やることがあるじゃんか。  「チンチン触ったままの手で食材に触れるな」とか。  「自分でもわけのわからんもんを、客に出すな」とか。  「生肉をそのまま出してくるな」とか。  そういう「人として」基本的なこと。  料理の技術より前に、「料理ってなに?」てなところに関わること。  いま問題になっている、「名前を付けられない症候群」は、「わけわからんものを客に出しちゃう癖」なわけね。 >>病気自体が結構ニアデスな塩梅でして、朦朧とした意識のなか、このまま死ぬんかなー、とかつらつらと考えるに、  「ニアデスなあんばい」なんて生ヌルいところじゃなくって、いっそ、余命宣告でもされてりゃ、もうすこし真剣味が出るのかな?  されてるの? どうなの? 余命宣告。  「ニアデス」なんて、べつにたいしたもんでもないし、特別なものでもないのだが。  事故にあったり、大きな病気をしたりした人ならたいてい経験してるし。  地上百メートルの鉄骨の上で仕事している人なら、一日9時間、ずっと経験してるわけだし。あとバイクに乗っている人ならば、走っている間中、ずっと「ニアデス」状態なわけだな。いつどの瞬間に死んでも、まったく不思議はない。  「死」をすぐそこに感じるなんてことは、普通に生活してたって、一生のうちに何回もあることじゃないか。  ナイフや日本刀やら、凶器で脅されるだけで、人間っていうのはすぐそこに「死」の感触を感じるものだし。  また遊園地に行けば、わずか3000円で「臨死体験」をさせてもくれる。  「墜落死」ってやつね。「バンジージャンプ」って商品名が付いている。  あれゴム紐が付いているけど、飛び降りてから途中まで、完全に「墜落死」そのものだよ。  「人に見せる文章を、一日、原稿用紙30枚分書く」  これは僕の日課ね。  鍛錬目的ではなく、文章による表現能力を現状維持するためにやっていること。これに一日のうち、約1時間ほどを費やしている。  アスリート(競技者)が体力を維持するために、毎朝、ランニングを10キロ行う。  ちょうどそのくらいの手間と時間に相当している。  こんな程度のこと、べつに「練習」でもなんでもないんだな。  単なる「維持」のために過ぎないことなんだな。  30枚書いて、そうなんだよ。  鍛錬するには、どのくらいやらなきゃならないか。  容易に想像できるはずだ。  ちなみに僕の場合。  小説家を目指して、作家志望者となってから、3年かかってデビューしたわけだが。  しかし小説に関する集中度合いも、いまにして思えばヌルかったし。小説以外の他のことにエネルギーを向けたりしてもいた。本当に「死に物狂い」でやったなら、デビューまでは1年で可能だったかもしれない。  実際に、3年かかってはいるのだが、その進歩のほとんどは最初の1年で行っていて、残りの2年は眠っていたようなものだったし。  しかし僕の場合はすこし特殊。  デビュー時にはまだ実力的にはアマチュアだったのね。商業レベルの作品を、一人で完成させることができなかった。編集さんの時間をごっそり削ぎ取って、指摘を受けて直していって、4稿も5稿も、果てしなく全面的に書き直してゆくことで、ようやく、誌面に載せられる出来の原稿ができるような――そんな有様だった。  2年間の連載期間を通して、そうして鍛えられたことで、僕はようやく独り立ちできる力を付けたわけだ。  やっぱり、プロになるには3年掛かってる。  僕や他のプロ作家が認めるところの「死に物狂い」でやって、それで3年ね。  現在の君の努力。  プロ作家からのレスの内容でわかると思うが、誰もそれを「努力」とは認めていないのだが。 >ひとつの練習法  細江さんが、「30枚の短編を完成させることを、10回繰り返し、はじめは半年かかるだろうが、最後には3日で完成させられるようになる」という現実的な練習法を紹介してくれている。(たぶん自分が行ったことなのだろう)  僕は僕で、別な練習法を紹介してみる。  細江さんの練習法だと、最初のプロセスが敷居高そうなのね。「最初の一作は半年を掛けて完成まで持ってゆく」とあるが、2号の場合には「作品が完成する」という感触がわからないだろうし、ひとつの話に対して半年もモチベーションを持続させることができないだろうし。  なので、もうすこし手軽なやつ。  原稿用紙2〜3枚程度の小話を、毎日、1編ずつ書くという練習。  まず、タイトルを決める。  ここ肝心。書き出す前に、なにを書くのかを決めて、タイトルという名の「ラベル」を貼る。  そして起承転結が備わるように、きちんと話をまとめきって、規定文字数の中で完結させるようにする。  はじめは6時間ぐらい掛かるかもしれない。  そのうちに30分とか、15分とかで書き終えるようにすることを目標とする。(構成を考える時間も含めて、15分ね)  この原稿用紙2.5枚=1000字という分量は、平均的な文字サイズで書いているなら、エディタなりワープロなりの1画面にちょうど収まる分量なのだな。  なので見通しが利く。プロットとか、細かいことを考えないでも、いきなり書き出せる分量だ。  またこの1000字という分量は、なにかを書こうとしたときに、無駄なものを一切書くことができない分量でもある。なにしろ40文字詰めで、たったの25行しかないのだ。余計で不要な行が5行も存在したら、25行の中で「結」まで持ってゆくことが不可能になる。  自然と、無駄なことは書かなくなる。  この練習法は、僕の先輩作家である篠崎砂美から教わったもの。  僕も5日間だけやってみたことがある。  「やれ」と言ってくるので、やってみた。効果のほどははなはだ疑問だったが、文句を言うためにも、まず体験してみないとならないもので。  そして5日で投げ出した。  なぜ投げ出したのかというと、実際にやってみたことで、その練習によって身に付くものがわかったから。  その効用とは、上で書いたように――。 ・コンセプトから踏み出さないこと。(はじめに決めたタイトルに見合う話にしなくてはならない) ・余計なことを書かなくなること。(たった25行しかない) ・見通しを立てて、そのとおり物を書く習慣が付くこと。 ・起承転結を揃えて物を書く習慣が身につくこと。(起承転結がついてなければ、尻切れトンボになるのですぐに分かる)  また話を作った個数が絶対的に足りない人間の場合には、毎日1個ずつ話を作ることは、たいへん意義があるだろう。  しかし当時、僕はすでに話を百個単位で作っていた。  TRPGのゲームマスターなんてものをやっていると、毎週ごとに、話を一個作ることになる。プロデビューまでの3年間のうち、2年間ぐらいは、そっちにハマって遊んでいた。  また上記4項目についても、完璧ではないにせよ、必要充分なだけは身に付いていた。  それよりも、当時の僕がもっとも欲しがっていたのは、「読者を作品世界に引っぱりこむ力」であった。長編小説を書くにあたって、読者を世界に引っぱりこんで、疑似体験させうる力。  「読者を引っぱりこむ」ためには、2〜3ページぐらいは費やすことになる。25行なんて、あっというまだ。しかしこの練習では25行で「起承転結」を付けなくてはならない。自分の欲しい種類の「力」とは矛盾している。そうした判断もあった。  さらに付け加えるなら、そのとき僕はもうすでにプロ作家となっていて、「新木 伸」だった。(駆け出しもいいところだったけど)  篠崎砂美は、その練習を半年間続けたというが、それはアマチュア時代のことであり、しかも小説を書き始めたばかりの頃だったという。  ――なので、5日間だけは試してみたが、それ以降続けなかったのは、他にもっと「やるべきこと」があったためね。  自分の欲しい種類の『力』を充分身につけたら、あとでやろう――と、優先順位を下げただけ。しかしそっちのほうがそれなりに身に付いて、「そろそろやるかな」と思った頃には、もう必要がなくなってしまっていた。  いまなら5分で書ける。「世界に引っぱりこんだ」うえで、さらに起承転結も付けられる。練習にもなりゃしない。残念ながら。  たとえば、過去ログの1199あたりに、「パターン1」と「パターン2」と、それぞれ5分もかけずに書いたものがある。あんな感じ。  あれらにタイトルを付けるなら、「好きって、言って」――とか、そんなところだろう。  2号の場合、とりあえず、これ、やってみたら?  いいかげん、人生論やら人格改造の話とか。小説と関わりないことばかりやってるのも飽きてきたろうし。  ちなみに……。  間違った方向への「努力」っていうのは、変な癖やフォームを付けてしまったりして悪影響が出るものだけど……。  アマチュアで長いこと書いている人で、悪い癖が付いちゃって固まっている人をよく見かけるけど……。  この練習法が合っているかいないかくらいは、横で見ていて判断つけてやるから。  また「変な癖がつく」とかいうのも、何ヶ月単位でやってみてのことだから。5日や10日や2週間や1ヶ月ぐらい。やってみたところでたいした悪影響も出ない。 >悪文書き直しの話題 >>ともかく姑を悪人に書くしかないと思います。それなら嫁が罵詈雑言を心のなかで呟いても、読者は「そうそう」って納得するんじゃなかろうか。  なぜ姑を悪人にしなくちゃならないのだ?  僕が要求しているのは、「読者を愉しませろ」なわけだ。  その一点のみ。他のことは二の次。  「嫁のほうが悪人」って物の見方で書いたなら、読者をより愉しませることができそうなら、当然、そっちでやるべきだろう。  もしくは「二人とも悪人」という観点もあるよね。  あとなにか固定観念があるようで……。2号は、「私」を「いびられる側」にしか置いていないのだけど。  そんなの、べつにどうだっていいじゃん。  「私=いびる側」とか、「私=二人の脇にいる傍観者」とか。視点なんか、いくらだって変えてしまえば。 -------------------------------------------------------------------------------- 書き忘れ No.6876 投稿日 2003年8月19日(火)19時50分 投稿者 新木 伸 >巻島 >>あらすじに読み方を振らなかったのはミスですね。すいません。 >>(ちなみに寛智は「ひろあき」、優海は「ゆみ」と読みます)  自覚、ないのかな?  それとも重大性を認識していないだけ?  あらすじで「ふりがな」を振っていなかったことはミスだと認めているよね。  ――ということは、つまりこれが、「ふりがな」がなければ読めない名前であると、巻島自身も、そう判断したってことでしょ?  ここ、確認ポイント1ね。  そういう前提で、話を進める。  違うなら、そう言うように。  じゃあなんで、「読めない名前」を出してくるのだ?  俺が問題にしているのは、その点なんだけど。 >>個人的な弁解を書かせてもらいますと、「寛智」に関してはどちらも人名として普通に使われる字であることから、そのまま踏み切りました。  親に付けられた名前は、変更不能だから、現実の人がそんな名前を持っていたって仕方ないよ。しかし作品中の登場人物の名前っていうのは、作者が好きに決めていいのだぞ。  なぜ、わざわざ、お前は、「読めない名前」を付けるのだ? >>漢字は表意文字ですから、フィクションの場合だと名前によって雰囲気作りを助けることもあるかもしれないと思います。  名前でキャラの雰囲気が決まるっていうのは、同意する。――てか、いつも俺が言ってることだが。  しかしキャラの雰囲気作りに漢字を利用するのであれば、「間違いなく読めて」なおかつ「雰囲気も出せる」字を選べばいいだけのことでは?  わざわざ「読めない名前」を付けることによって得られる「キャラの雰囲気」って、いったいどんなんだ?  相当な堅物とか? 世との関わりを断っちゃった世捨て人とか? >>「優海」に関しては、まずこの町が海沿いの町であることから、彼女の両親が「海」の字を選択してもおかしくないだろうという考えがありました。  この町って、どこにあるの?  太平洋岸? 日本海側? それとも瀬戸内海?  もしかして、どこかの島?  日本海側や島でもって、「優しい海」ってのは、ないだろうと思った。すくなくとも海に住む人間の付ける名前じゃないわな。  「どこの海沿いか」なんてことは、たぶん考えてもいないのだろうと見当を付けつつ――。それでも聞いてみる意地悪なオレ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前の読みかたリサーチ、新木の場合 No.6877 投稿日 2003年8月19日(火)22時22分 投稿者 新木 伸  寛智。優海。  この二つの名前。  皆も、自分が初読でどう読んだのか、1号に教えてあげるように。 >>(ちなみに寛智は「ひろあき」、優海は「ゆみ」と読みます)  知ったことか。  俺は「寛智」を「かんち」と読んだし。  「優海」のほうは「ゆうみ」と読んだし。  そして、「どっちもへんな名前だなぁ」と、そう思ったし。  俺様は読者であり、俺様の読んだものこそ正義であり。  お前の「読みかた」のほうこそ、間違っているのだ。  へんな読みかたを俺様に押しつけてくるんじゃねぇよ。  ちなみに小説の場合はルビが振られる――とか、そういう言いわけが当然出てくるであろうので、先に潰しておく。  たしかに小説では、名前にはルビが振られる。難読系ならなおさらのこと。  うちのシリーズに出てくる登場人物でも、「一文字達也」「杉山江利香」「桂木千鶴」――こんな簡単で、誰にでも確実に読めるであろう名前であっても、総ルビが入る。  しかしそれは「初出」に限る。  各巻において、いちばん初めに出てくるときに、1回だけ、ルビが振られるということ。  さて、本が読者の手に渡った場合――。  読者がどのページから読むか。まるで保証なんてないわけだな。  読者が本を手にとって、ぱっと開いたページが、たまたま、その「初出」のページにあたる確率は、ええと……、まあ120分の1くらいだな。  読者が店頭で本を手に取ったとき――。  買うかどうか決めるまえに、まずパラパラめくってみるわけだよ。それが「本」と読者との最初の出会い。ファーストコンタクト。「こんにちは」する時点。  そのとき、1号のようなアプローチを取るかぎり――。  読者が「名前にルビを振られている初出のページ」を引き当てる確率は120分の1しかない。  つまり店頭で本を手に取ってくれた120人中の119人は、「登場人物の名前が読めない」状態で、お前の本を手に取ることになるわけだ。  ちなみに俺の場合だが。  読めない名前の登場人物が出てきているような本は――まず、買わない。  そうした本は「その名前が読める人間」に向けて書かれたものであって、この「俺」に向けて書かれたものではないからだ。  英語やらロシア語やらで書かれた小説みたいなもんだな。  その手の小説は、英語やロシア語が読める人に向けて書かれたものであるわけだ。日本語しか読めない人間に向けて書かれているわけではない。  同じように、読めない名前が出てくる本というのも、「その名前が読める人」に向けて書かれているわけだ。  ――で、なにか申し開きは?  他になにか言いわけは? P.S.  ちなみにいまそこを通りがかったうちの奥さんに読んでもらったところ。  寛智は「かんじ」。  優海は「ゆみ」と読んだ。  しかし15秒も首をひねったあげく、どちらも自信なさげに答えていた。 -------------------------------------------------------------------------------- 「愛」の話 No.6878 投稿日 2003年8月20日(水)00時43分 投稿者 新木 伸  久美さんは、「愛」と呼称している。  このおなじものを鷹見さんに言わせると、「執念」となる。  僕はどっちかってゆーと、「愛」かな。  以前、紫に、羊の出てくるシーンを描くときに、「ヒツジさんへの愛が足りない」と、ナチュラルにぽろりと出てきた言葉だし。  それが30枚の短編であれ――。  ひとつの作品をまったくのゼロから創造を開始して、最終的に「完成」まで持ってゆくためには、半年程度の手間がかかかるもんだ。  ロクに修行を積んでいないシロウトなら、まあ、だいたいそんなもん。  ひとつの作品に対して、半年間ものあいだ、愛を注ぎ続けられるのかどうか。  そこまでの労力を支払ってまで、「語る」べきものが、自分のなかにあるのかどうか。  ないなら、作家は、やめときましょう。  作品を完成させるためには、それだけの「愛」が必要です。シロウトなら半年相当の「愛」です。  これは「物理法則」ですので、どうやっても覆りません。  ちなみにズブのシロウトが書いたとして、短編で半年。  これが長編なら、1年か2年。  長編でも、原稿枚数が30枚か350枚かの違いぐらいしかないから、まあたいした違いは出てこない。350枚を「1回」書くのには、たったの1ヶ月しか掛からない。  プロならそれぞれ、3日と、1ヶ月ってところだ。  長編なら2〜3ヶ月かかる作家もいるけど、30枚の短編を3日で上げられない作家はいないだろう。  ズブのシロウトが2年間に渡って注ぎ込むのと同じか、それ以上の分量の「愛」を、その短期間に集中して注いでいることになる。作品に振り向ける「愛」の定格出力が、20〜60倍ぐらい違っていることになる。  これがプロとアマとの実質的な違い。  実際、違っているのは、そこくらいなもの。  技術とかそんなもんは、「上手なアマチュア」と「下手なプロ」とで大差ない。  修練と気迫と覚悟と、そのほか、強迫観念とか、思い入れとか、もろもろの要因によって、プロはそれを可能としている。  ちなみに僕の場合。  短編なら3日でできる。でも長編1ヶ月は無理。  短編のほう。  今回、生まれてはじめて「短編」というものを書いてみたけど、1本5日で書けたから、死ぬ気でやれば3日でも出来るだろ。  長編のほうは、過去最短でも、4ヶ月はかかっている。  いま書いているものは短編集で、短編4本で文庫本1冊となる予定だから、これは新木伸としては驚異的な速さで書きあがることになるのかな?  実質20日かけずに終わる――はず。(だといいなぁ)  いま巻島が、はじめて長編を完成まで持ってゆこうとして、頑張って粘りを見せているところだな。  あれは長編。  やっぱり、正味「1年半」ぐらいは掛かりそうな気配。  去年の夏からはじめて、いま13ヶ月目ぐらいか。来年の電撃の新人賞に送るそうだから、1年半ぐらいかかる計算になるわけか。  ただあの作品は、その1年半という期間に渡って、常時「愛」を注ぎ続けていたわけでもない。親鳥である巻島は、けっこう休み休みやっているわけだし。  期限までに「愛」の絶対量が足りるかどうか。  あの作品が羽化できるかどうかは、まだわからない。  そして完成までこぎつけて、作品を羽化させられたとしても、賞に通るかどうかもわからない。「完成しているか」なんてことは、二次選考あたりの審査基準でしかない。「日本語になっているか」のすぐ上にある審査基準でしかない。  作品がちゃんと「小説」となっているか。そして「完成している」か。――そんなことは、その先の審査基準に進むための単なる前提条件でしかない。  「面白いか」とか「売れそうか」とか「この作家には将来性があるか」なんて観点から、さらに審査が行われてゆくわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 難読名の返答 No.6879 投稿日 2003年8月20日(水)00時47分 投稿者 鐸碑  寛智。優海。  の読み 寛智 (なんか複雑な名前読みするんだろうなぁ) ひろちでも、ひろともでもないし。かんち? 機会があったら調べるかなぁ 優海 ゆうみじゃなくて、きっと『ゆみ』だな。まあ最近この位の読みはよくあるし。  ってな感じでした。  PBMの業界は、素人のお客さんがなんとなく格好いいと思った名前を付けてくるんで、結構、難読姓(小鳥遊とか、一なんて名字が良くある)や難読名を付ける人も多いんですが、寛智は一発では読めないですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 突き指をばかにしてはいけません。 No.6880 投稿日 2003年8月20日(水)01時33分 投稿者 弟切 千隼  ゆえあって発熱中の弟切です。ちょっとした足の怪我だったはずが、おおごとになりました(^^; >>寛智と優海の読み  寛智のほうは十秒以上悩みましたね。たぶん「ひろさと」だろうと結論付けました。優海のほうは「ゆみ」だろうとすぐに見当がつきました。  今日は脳みそがゆだっていてあまりものを考えられないため、これだけです。 -------------------------------------------------------------------------------- 寛智とか No.6881 投稿日 2003年8月20日(水)02時12分 投稿者 新木 伸  難読性の名前を読むプロである鐸碑さんに読ませないとなると、こりゃ、相当なものだなぁ。  みんな、やっぱり読むのに悩んでいるねぇ。  正解を導き出せないまでも、悩んで放り出して、適当なところで読みを決定するまでの時間は、だいたい、15秒ってところかな?  では一人あたりの「平均悩み時間」が、仮に10秒なのだと仮定する。  そして仮に、3万人の人間が、巻島の書いた小説を読むのだとそう仮定する。  この際、ロスされる人的資源(マンパワー)は、延べ何秒になるのか、計算の上、これを述べよ。  答え。  30000部×10秒=30万秒。  およそ83時間と20分。  83時間分も――。  人類の「人的資源」を無駄にするだけの価値が、この「寛智」って名前にはあるの? ねぇ、どうなのよ?  おまえ、自分がなにやってるのか、わかってんの? -------------------------------------------------------------------------------- 有名。 No.6882 投稿日 2003年8月20日(水)05時36分 投稿者 魚住 雅則 >寛智と優海の読み >寛智 1秒かからず、ほぼ見た瞬間に「かんち」。 これは昔東京ラブストーリーというトレンディドラマ(うわっ懐かしい響き)があって、織田裕二が演じる主人公の呼び名(あだ名)が「かんち」だったから。ドラマ自体はきちんと見てなかったけど。昔のドラマの名場面とか過去特集で「かーんち、えっちしよっ」という有名な台詞を耳にする。 なもんで即「かんち」。 優海は普通に「ゆみ」で出たかな。でも出た後でちょっと迷った。 「ゆみ……だよね?」という印象でした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6883 投稿日 2003年8月20日(水)10時17分 投稿者 細江ひろみ >寛智と優海の読み かんち と ゆうみ >2〜3枚の短編 ああ、やりました。たくさん書いたら実力つくかな、と思いついたとたんに、出版社に企画書送りつけたら、通りました。ほとんどタイトルだけで通ったようなものですね。かなり新人でも、タイミングと、あと本当にいいタイトルがあれば、企画が通ることもあるというケース。 もっとも本が出る前にバブル崩壊で出版部が閉鎖。 でも他社に話を持っていったら、すぐ決まりました。 「TRPG100のシナリオ」 TRPG系の人じゃないと、何がいいのかわからないかもしれないけれど、見開きに1本のシナリオと、各ページにキャラクター命名用の男性名、女性名、汎用名が各1づつ載っている、という点が売り。 シナリオ一つ一つは完成度低い、というか完成してない不完全なもの。 けれど、木片が椅子として完成していなくても、必要な部品を合わせて「夏休みの工作セット」として袋につめれば、商品価値が生まれるという例。 でも小説家になりたいなら、こういうことは避けるべきなのかな? 私は「小説家」ではないので、いいのですが。 実力がつくか? というと、小ネタに引きずられて前進できない人が、出し切ってしまうためにはいいかもしれません。その程度。 思うのですが、書く前に読んだり調べたりしてますか? 自分が目指すジャンル、あるいは自分に合ったジャンルを見つけるために。 新木さんは盗めといってますが、盗むつもりなら図書館や書店にいっぱい、プロがつけたタイトルも、ペンネームも、文章も、山ほどあるわけです。 読者評を集めている書店サイトなら、その本に人気があるかどうかも、わかります。思いついたタイトルや、ペンネームについても、検索すればいろいろわかる。 プロ未満の人が集まるところの価値は、むしろ「ダメ例」。 人の振り見て我が振り治せ。 あと実力をつけるという点では、書くより前に読む必要があるのでは? つまりラーメン屋になるために、手を洗ってから作れ以前に、まず食べ歩けというのもあると思うのです。 舌を肥やさないと、自分で作ったラーメンが美味いか不味いかもわからないし、あと店員の態度や店の作り、値段や客層、いろいろ学ぶべきこともあります。 幸い小説は、図書館に行けばタダで読み放題。 そこでさらに音読をする。いっそ子供に本を読み聞かせるボランティア活動に参加するという手もあります。子供は正直ですよ。新木さん並みに。 そうでなくても、音読はいいです。音読しましょう。 自分の目指すジャンルで一番面白いと思う本を音読してから、ネットにある同じジャンルの素人の作品を音読してみれば、よーくわかります。 もちろん自分の書いたものも、書いてしばらくして何書いたか忘れてから音読。 とにかく音読がおすすめ。 ただし私の本はいい見本にはなりません。 最近全部試して、へこみました。まだだめです。 まだ向上の余地があります。 と、ここまでは主に名無し君2号さんへ。 と、これは名無し君2号さんには、まだ先の話だとは思う。 そんなふうに活動していると、ふとチャンスにつながる道が見えることがあります。というか、そういう道が見えるところに、自分を持っていく必要があります。そのためには、活動あるのみ。 で、ですね、チャンスにはすぐに飛びつくこと。 常にチャンスを捕まえようと構えていて、飛びつくこと。 そのために、常に準備しておくこと。 そういうことも、大事だと思うのです。 えーっと、新木さん。 やまきたが、見落としていたら別ですが、弟切さんは、やまきたにメールを出してないっぽいです。 やまきたは、行動できない人に、怒るようなことはありません。この手の仕事をしている人の多くが、そういうタイプだと思っています。そしてできない人には何も言わずに、見放します。 で、やまきたは、ここは読んでないはずです。 これ以上、これについては、言いません。新木さんなら、私が何を言いたいのか、おわかりになると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6884 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- No.6885 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 上二つ すみません No.6886 投稿日 2003年8月20日(水)10時33分 投稿者 細江ひろみ なぜか三重書き込みになってしまいました。 -------------------------------------------------------------------------------- うーむ No.6887 投稿日 2003年8月20日(水)15時29分 投稿者 新木 伸  うーん。  分室という「ミスしても死なない」環境で、甘やかし過ぎたのかなぁ。  仕事の現場っていうのは、地雷原みたいなものなのね。ひとつ踏んじゃったら、もうそこでおしまい。あぼーん。 >弟切  このごろ堂のBBSへの書きこみについて。  いや、僕もうっかり見逃していた。  プロの仕事に対して、「間違っている」と言い切るならば、同時に根拠を示して呈示しなくちゃいけないよ。  なにか他ですぐに動けない事情があったとしても、最低でも、期限は示して、いついつまでに呈示しますと、そう約束しておかないと。(この場合には遅れる理由も必要)  まあ、本来なら、熱出していようが親が死のうが、プロの仕事では言いわけにもなりゃしないのだが。  あと、「間違い」というのは、客観的にいって正しくない言いかただろう。  弟切に言えるのは、「違うことの書かれている資料を私は知っている」ということでしかないはず。それを「間違い」と言ってしまうのは「傲慢」ってものね。  仮に弟切が、論文ぐらい出しているプロの研究者であったとして……。その自分の研究分野内のことに対してなら、「間違い」って断定しちゃってもいいのだろうけど。(それたってカドは立つ) (これは自分が一次資料や二次資料あたりを作成している立場の人間だったら、って意味ね)  あと、「はじめまして」の書きこみで、お前はいったいなにを書いているのだ?  いきなり相手の仕事にケチを付けるのか。それは「あんたと私は同等の力量を持っている」と言っていることなんだぞ。  お前の立場は、仕事をもらいにゆくシロウトの立場だろうが。  ついでに言っとくけど。  もし仮に「間違っている」と言った部分に対して、資料なりなんなり、根拠を示せないようなら――つまり思いこみだけで物を言っていたのであったら、君、仕事なんてもらえないからね。「思いこみでした。ごめんなさい」で感情的には収まるかもしれないけど。でもそんなやつに絶対に仕事は来ないからね。  まあ、なにかしら出典があるのだろうから、大丈夫だろうけど。 -------------------------------------------------------------------------------- プレゼンテーションで必要なのは No.6888 投稿日 2003年8月20日(水)22時21分 投稿者 かねやん 説得することではなく、納得させることだそうです。 設定もそうでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 発熱中でも仕事はします。 No.6889 投稿日 2003年8月21日(木)01時16分 投稿者 弟切 千隼  皆さんにこれほど手をかけていただいているのに、弟切の手が遅くて申し訳ありません。昨日の日付で、山北さんにメールを送信いたしました。  弟切は神話の研究者ではありませんので、あれほど充実した仕事をなさっている山北さんに対して、「間違っている」などと言い切ることはできません。新木さんがおっしゃるとおり、弟切に言えるのは、「違うことが書いてある資料を知っている」ということだけです。  出典を明らかにすることの大切さや、相手を敬う気持ちをきっちりと表わすことなど、肝に銘じます。 >>女性が好む物語要素  「いびり」について一通り考察を終えましたので、同じように「どろどろした人間関係」の一つである「憎しみ」について考察します。  弟切は、No.6775の書き込みで、「どろどろした人間関係」の実例として以下のものを挙げました。 >>嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  「憎しみ」はここに挙げたものの最後ですね。「憎しみ」の考察を終えたなら、「どろどろした人間関係」の正体についてまとめるつもりです。  さて、では「憎しみ」とは何でしょう? まずはお約束として、「憎しみ」とその原形の「憎しむ」を辞書で引いてみます。 にくしみ [0] 【憎しみ】 憎く思う気持ち。憎悪。「愛と―」 (『大辞林』より) にくし・む 【憎しむ】 (動マ四) にくむ。にくいと思う。「一家一門そなたを恨み―・み/浄瑠璃・天の網島(上)」 (『大辞林』より)  これでは何だかわかりませんから、次に「憎む」を引いてみました。 にく・む [2] 【憎む・悪む】 (動マ五[四]) (1)嫌だと思う。不快に思う。また,よくないこと,あってはならないこととして,許しがたく思う。「戦争を―・む」「―・んでもあまりある」「罪を―・んで,人を―・まず」 (2)ねたむ。そねむ。うらやましく思う。「これにつけても―・み給ふ人々多かり/源氏(桐壺)」 (3)非難する。反対する。「違ふ所もあらん人こそ,我はさやは思ふ,など争ひ―・み/徒然 12」 [可能] にくめる (『大辞林』より)  上記の「憎む」の意味のうち、(2)は「嫉妬」と同じものと見ていいでしょうから、考察済みです。考察すべきは(1)と(3)ですね。  (1)と(3)をよく読むと、(1)は心の中で起こっている現象であり、(3)は外に現われた行動であることがわかります。人間は、誰かを『不快に思』ったり『許しがたく思』ったりするからこそ、その誰かを『非難』したりその人の意見に『反対』したりという行動を取るのでしょう。  (1)と(3)の差は、ある人が目に見える行動を行なっているかどうかという点だけですね。内情は同じものです。そこで、行動のほう=(3)は後で考えることにして、先に心の動き=(1)について考えます。  (1)の定義を読むと、大きく分けて「不快に思う」と「許しがたく思う」の二つの系列に分かれることに気づきます。この二つは、似ているようで違います。  「不快」のほうは、感覚や感情の問題ですね。理屈ではなく、「こういうのいや!」と感情で判断しています。  「許しがたさ」のほうは、感情よりも理性で判断しています。例えば、「自分の子供をいじめたよその子供に親が仕返しをした」という事件のニュースを聞いて、「心情的にはわからないでもないけれど、人を傷害することは罪だ」と罪を憎む場合など、「許しがたく思う」例ですね。  「許しがたく思う」のほうは、理屈が通った理性で判断された結果なので、 原理がわかりやすいです。一般的な道徳や正義に反することを見聞きした結果生まれた、とすぐに判断できます。  一見理屈が通っていない「不快に思う」ほうも、何かしら人間の感情をそのように動かす理屈があるはずです。現実味のあるフィクションを作るためには、この理屈も解明しなければなりません。  この続きは次回以降に回させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷夏なのに夏バテかよ No.6890 投稿日 2003年8月21日(木)02時00分 投稿者 巻島翔史  体重が減っています。  高二以来割らなかった最低ラインを、ただいま二キロ割りこみ中。 記号と誤読>  文意を誤読しやすい例としては、「?」を使う・使わないの場合のことを考えていました。 「〜〜のか?」と「〜〜のか」では、受ける印象がちょっと違ってくる。  後者の場合は、質問系のセリフではない、と誤解されてしまう可能性があるかと思ったんです。 「――」と「!」はなくても誤読はほとんどないと思います。文頭に「――」をもってこないと、ここは内面の独白だよってことを示せないかとも思ってましたが、「――」なしでもあんまり違和感がなかったですし。  しかし、「……」なしで無言の間を表現するのは難しい。ああ。怠惰のツケか。 改行のこと> >>それにしたって、もうちょっと改行を減らせ。そして段落を活用しろ。 >>光に言ったやつを見て、自分もやりはじめたのかな?  やりはじめてません。もとからの癖です。  俺の改行というのは、「自分が読みやすいか」「あるひとつの物事について記述している範囲はここまでだろう」「この文は強調したい」という、その三つに従ってやっています。  だからまあ、問題は「あるひとつの物事について記述している範囲はここまで」の、その範囲の認識が狭すぎるということになるんでしょうけど。 (ひょっとしたら、なんでもかんでも強調させすぎていることもあるのかもしれませんが)  ただこれも、おそらく小説をよく書くようになってからほとんど変わってない改行リズムなんで。矯正が難しそうだなぁ。 (と、調べてみたら、俺は一人称だとまだこれよりは長段落に書く模様。三人称の改行リズムは昔から短い) 名前のこと> >>しかしキャラの雰囲気作りに漢字を利用するのであれば、「間違いなく読めて」なおかつ「雰囲気も出せる」字を選べばいいだけのことでは?  なるほど。グゥの音も出ません。  雰囲気のことしか考えなければ、読み方への注意は落ちる。  あるいは、目にする人への意識が足りないか。 (ちなみに前の書きこみで書いた「雰囲気」とは、作品全体の雰囲気についてのことの「つもり」だったのですけれども。やっぱり結論としては同じところ(上の引用)に来そうなので、これ以上はやめます)  以下、言いわけ開始。 >>この町って、どこにあるの? 太平洋岸? 日本海側? それとも瀬戸内海?  土地のモデルが福井なので、日本海側です。  優海の祖父が、彼女が生まれる前に海難事故で亡くなっていまして、彼女の父親が「それでも海を恨みたくない」という意味で「優」の字を入れたというエピソードまで一応考えていましたが。  あと、主人公が心を開く相手なので、やさしい印象のする字を持ってきたかったという作者の都合もありました。  しかし、まず、果たして俺が、海沿いの町で暮らす人の海に対する感情を、どこまで考えていたかということには疑問符がつきます。冷静に考えると、海に対して「怖い」「恐ろしい」という感情は当然あっても、「恨みたくない」という感情まで抱くのかどうか。たとえ「恨み」たくなることがあったとしても、彼らはやっぱり海でもって生活していかなければならないのですから、「恨む」前に、生活の場であることのほうが意識の上層にくると思われます。  作者都合のほうはあれです、語るまでもない。論外。せめて捻れよ俺。 >>読者がどのページから読むか。まるで保証なんてないわけだな。  これはカルチャーショックです。  俺は冒頭からしか読みません。店頭でも。  やっぱり俺の読み方は特殊なんだろうか。そういや、金出して買った小説はめったに読み捨てしないというのも、俺とほかひとりだけだったし。  ちなみに、下らない言いわけをしておくと、Webにある小説の場合は文庫よりも冒頭から読む率が高くなると思います(スクロールの手間の都合上)。が、結局読みかたをふってない時点で、どんな言いわけも無意味。ワシの読み手への意識度の問題。 >>人類の「人的資源」を無駄にするだけの価値が、この「寛智」って名前にはあるの? ねぇ、どうなのよ?  ないです。はい。  実際にはあれは三万人も見られてないという要らん突っこみは置いといても。  現実で使われている難読さは、フィクションにも持ちこんでも許されるものだとずっと考えていました。  なぜなら、フィクションは現実にならった世界であるからです。  この程度の難読、現実にもあるだろうからいいよな、と考えていました。  そして、プロでも実際に難読名を使っている人がいることも、その考えを補強していました。 (もちろん、難読名使用作家のほうが未使用作家より数は少ない)  誰かがやっていることはやっても構わないという、「赤信号、みんなで渡れば」的思考ですね。いわゆる。  そうした考えが、作者的な都合にもとう、読者的な視点を欠いたものであることを、俺はいま自覚せねばなりません。  すなわち、エンターテイメントに属するフィクションが『消費物』である以上、そこには消費者(読者)がいて、なればこそ生産者は消費者がいかにすれば利用(消費)しやすいかを考えなければならない。これはフィクションに限らず、市場に流通するいかなる消費物でも同じことが言えると思います。いかにして、使う側が使いやすいか。 「この程度の難読さ、許されるよな」という考えは、作る側の都合からくる発想にすぎません。「許される」という発想がすでに証明しています。要するに、「読みにくいだろうけど、勘弁して」という感覚が内に在るから、「許されるよな」という認識が出てくるわけで。  確かに、「まあこの程度の難読は現実にもあるよな」と納得し、気にしない読み手もいるかもしれない。(ただし、ルビなりで読み方が確認できている場合)しかし、その難読で先を読む気が失せる人もいる。こんな難しい名前つけるなよと不快感を持つ人もいる。そして、名前の読みに頭を使ってしまって、そこで止まってしまう人も。止まる(つまる・ひっかかる)というのは、小説においてはプラスのことであるとは言えないわけで。スムーズさを欠くことが、読み手を失うことにも繋がっていく。  考えてみれば、現実の難読名に対しても「なんでこんな名前、親はつけたんだよ」というような感情を抱くことがあります。それは、「読めない」ことへの不満の表明でしょう。現実でも、難読名はその存在を必ずしも全面的に「許されて」はいないのです。ただ、そう在るから・親がそうつけたから仕方がないとしているだけで。子どもには罪はないことだし。  このへんの見誤りも、俺の犯した愚でしょう。現実の難読名がどう思われているか。その考察が足りなかった。  今回のことはかなりこたえました。これまで難読名などあまり出さなかったので、意識を改める機会がありませんでした。しかし、そういう機会にきちんと巡り会えたことは、感謝せねばなりません。このまま先へ行っていたかと思うと、ゾッとします。 (したらば、プロでなぜ難読名使う人がいるのかという疑問もわいては来るんですけどね。ルビの頻度なんかを上げて対応してることが多いんですけど、やはり名前が「読めない」ことで読むのをやめる人がいることもわかった上で(つまりその層はあきらめて)書いているっことなんでしょうか。覚悟を決めて。まあ、そうなんでしょうね。そこを犠牲にしてでも、得たいなにかがあるのかもしれない。このへんのことはペーペーのオイラが推測しても、ただ自己肯定・自己補強の方向にしか話を持っていかなさそうな感じなので、これ以上考えるのはやめます。人はどうか、は関係ない)  難読名をあまり出さなかったと言うものの、もともと自分は小学校のころ、漢字の組み合わせで難読名を考えるという暗い遊びをやっていたことがありまして。そうした過去から考えると、難読名を出したい虫みたいなのは確実にいるようです。虫の存在がはっきり自覚できたので、今後は意識的に虫の捕獲に努めます。  と、言葉で書いてもなにも意味はないんですけれどね。必要なのは行動で。  しかししばらくは「クロッシング〜」のほうに専念したいので、この原稿のことをいますぐする気はありません。この名前を再考するとしたら、来春以降になるでしょう。あるいは、もう改稿しないかもしれない。オイラの「愛」がなくなっていれば。その場合は、次回作以降の命名の教訓とします、としか言えないんですが。  ともかく、「読み方アンケート」というかたちで時間を使わせてしまった皆さま。本当に申しわけなかったです。いつか、使わせてしまった時間には面白さという恩で報いたいと思います。なるべく早くそうできたらいいのですが。俺次第か。 課題>  まず、 >>1.本文に一切手を加えず、改行を増減することだけで、読みやすくなるように手を加える。  を提出。指定範囲の、最初のセリフまでのところまでのです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=549&e=res&lp=549&st=0  慣れないもんだから、なんか変な感じがする。長ったるいような。  コンビニでの体の変調の列挙は、並列文なので元のままにしましたが。  それから、前回公言した「海辺〜」のあらすじ再提出。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=547&e=res&lp=547&st=0  初期関係と終了関係という点について考えながら書きましたけれど。  なんというか。まず、ヒロイン格の優海と主人公の状態は変わっていなかったりする。  つかず離れずと言うか。親しさのレベルも上下動しない。ラストで主人公が彼女のことを女の子として強く意識するシーンがあるのですが、そこにかろうじて状態変化を起こそうという意図があるでしょうか。  長峰との関係は変わってますね。大幅に。対立から融和へ。これはわかりやすい。  書いてて思ったんですが、この話において、ワシが一番関係変化を書きたかった関係って、「主人公と田舎の町」なんですよ。町に対する感情の変化というか。だから、作中における町の象徴であるる長峰との関係も変わる。  それと、主人公本人の変化。更生とか成長とか言われるそれ。  しかし、女の子との関係変化はそれほどまでにはない。多角関係をウリだとほざいたクセには。  まあ、恋愛の進展を書くと、そっちの印象が強く残りすぎてテーマのほうが弱く見えちゃうんじゃないか、という危惧があったのが正直なところなんですけど。それにしたって、ここまで主人公とヒロインの状態変化幅が小さくていいんだろうか。それに、対町のことが一番の変化というものが、(つまり一番の変化相手が人でないというものが)話として成立しうるのだろうか。  うーん。  そもそも話が壊れてるなら、まともなあらすじなどできるはずもないし。あらすじを書き直す前に話を書き直せやということになる。 -------------------------------------------------------------------------------- 浮上 No.6891 投稿日 2003年8月21日(木)04時57分 投稿者 名無し君2号  おひさしぶりです。みなさんの意見を聞いて、いろいろと考えていました。考えているうちに疲れてきて、家にある漫画本を読みふける始末。「うしおととら」読んだら止まらなくなって、ついつい全巻読んでいたり。最後は泣きそうになってたり。  ここで小説を読まない自分はどうかと思った。 >鐸碑さん >>1.自分が何時までに商業的に通用する作品を作り上げるつもりか?  30歳になるまでに出来なきゃ、自分には何の才能もないものだと見切りをつけて、諦める予定です。でも予定は未定なんだけど――こんなことだから覚悟がないのだな。  才能には、いわゆる「努力する才能」もあると思います。  間の抜けた話ではありますが、私はいままで、死ぬほどの努力というものをした経験がないです。どこまでできるのやら。 >>2.そのためにどの位の鍛錬時間が必要か?  私は今27歳。そうなればあと三年弱です。ああ、30歳の誕生日までなのか、31歳の誕生日前日までなのかで期間が変わってくるんだなあ。 >>3.鍛錬時間を日に何時間、週何時間、月何時間位とるか?  いまはプー太郎なので、その気になればいくらでもとれる。はず、ですけど。働くと(職業にもよるけど)必然的に変わってきますね。何の仕事をするのか……。とりあえず職安に行ってみないとなんとも言えないです。この不況下では、選べる状況にはないと思うんですよね。稼げるだけ御の字です。地方なのも影響しているのだろうか。 >>4.3を満たす為に許される生業(糧を得る為の仕事)は何で、どれだけの収入が得られるか?  問3でも答えましたが、選べる状況にはないと思うので、わからないです。両親の年も年だし、小説修行どころじゃなくなる可能性も否定できず。 >>5.執筆だけに集中できる貯蓄はつくれるか? さもなくば生業を続けながら書き続けられるか?  貯蓄、出来るのかなあ。入院費で大部シャレにならない状況なんです。病院は差し押さえなんてしないだろうけどなあ、多分。まずは入院費を支払わないと。 >>で、一つ疑問なんですが何が書けるかはとりあえず置いたとして、『何が書きたい』ですか?  なんでも書きたい、というのは答えになってないですね。  ファンタジー、SF、現代もの等のジャンルではなくて、物語自体が書きたいのかな、とは思います。ジャンルはあくまでディティールで……うまく言えないです。なんだろう、なんだ?  ――私は漫画が好きなんですよね。読書量は人よりすこし多いぐらいだとは思うんですけども。だけど漫画自体も好きなジャンルがあるってわけじゃなくて、面白ければ何でもいいや、という感じで……。  駄目だな、わからない。  雑食で……和食だろうが、洋食だろうが、中華だろうが……あまつさえカップラーメンでも! うまけりゃいいや、なので、つまりは、うまいものを作りたい、ということになって……。  うーん。  結論が出ないです。すみません。  ハンドルの読み方は了解しました。 >細江ひろみさん >>Q6 仕事にしなければならない理由は、なんですか?  金が欲しいから、とはベタな回答になりますが。平均サラリーマンの月収より低くても、前の職場での収入よりは遙かに多かったりする。 >>Q7 小説でなければならない理由は、なんですか?  物語が書きたいです。小説じゃなくて漫画なのがアレですが、小さいころから、物語に心を震わせて生きてきました。  もしも自分の書いた物語で、同様に他者を感動させることが出来たなら、それは何よりも気持ちいいことだと思うのです。 >>思うのですが、書く前に読んだり調べたりしてますか?  ほとんど調べてません。記憶に頼って書いている状態でした。  そもそも長編を書いたことがないというのが、お話になってないところだとは思うのですが。とりあえず一度書いてみなきゃ、どうしようもないですね。 >>あと実力をつけるという点では、書くより前に読む必要があるのでは?  はい。その通りだと思います。漫画だけは小学校のころから、ほぼ毎日に渡って何らかのものを読んでいますが(しかし立ち読み。最低)、小説に関しては、エロ小説と池波正太郎(鬼平犯科帳の作者です)さんのものぐらいしか読んでいない状態です。これはね……どうにかしないといけないんですが……。  小説読むのって時間かかるんですよねえ。ああ、甘ったれてるな……。 >>音読はいいです。音読しましょう。  はい。音読は授業のときに読まされたとき以来、やったことがないので、今度やってみます。 >新木さん >>「ニアデスなあんばい」なんて生ヌルいところじゃなくって、いっそ、余命宣告でもされてりゃ、もうすこし真剣味が出るのかな? >>されてるの? どうなの? 余命宣告。  いまのところはまだ。状況次第でどうなるのやら。 >>現在の君の努力。 >>プロ作家からのレスの内容でわかると思うが、誰もそれを「努力」とは認めていないのだが。  はい。わかりました。 >ひとつの練習法 >>原稿用紙2〜3枚程度の小話を、毎日、1編ずつ書くという練習。 >>2号の場合、とりあえず、これ、やってみたら? >>いいかげん、人生論やら人格改造の話とか。小説と関わりないことばかりやってるのも飽きてきたろうし。  はい。やってみます。いろいろ、いろいろ、いろいろ……中途半端なのは心苦しくもありますが、沈みそうです。多分、小説と関係ないどころか、関係ありすぎることなんでしょうけれど、今はそっちやってみます。 >悪文書き直しの話題  では再々……提出。 ■8番目  私は彼等の問いに、実にいいかげんに返事を返している。まるで誠実なのは罪であるかのようだ。  いったい何をそんなに恐れているのやら、鏡に映った自分にか? 心のなかで呟く悪態も、結局は鏡に映っている男に喋っているのだが、このときはまだ、私はそのことに気づいてはいなかった。  なんだか回りくどい。  えーと、ここまでで……正味三日なのかなあ。また明日、です。  カリオストロも、途中だし。あのやりかたで最後までやろうと思ったら、うろ覚えじゃどうにもならないことにいまさら気がつく。録画した記憶もあるんだけどなあ。重ね撮りしちゃったのかなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し君2号さんへ No.6892 投稿日 2003年8月21日(木)10時06分 投稿者 細江ひろみ 私を含め他の人のあなたへの書き込みを、きっちり読んでいらっしゃらないような気が、ものすごくしてきてしまったのですが。 長編を書いてないのがお話にならないのではありません。 長編の話を出すことが、まだお話にならないのです。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6893 投稿日 2003年8月21日(木)11時56分 投稿者 鐸碑 1、よみかく分室のNo.6836 で新木さんが紹介している『このごろ堂』の「もの書く生活」を読み込んで、理解していますか?  もし、まだ読んでいないとすれば主催である新木さんの『読め』という指示を守っていない事になりますし、読んだことを前提としてありがたい教示をしてくれている細江さんにも失礼な事だと思います。  読んだ上での答えが今のレスであるならば、『理解』か『実践』が欠けていると思われます。 2、小説が書きたいんじゃなくて『物語』が作りたいという話ですが、文章を綴る事で『物語』を作る仕事というのは『小説家』以外に何がありますか? 思いつく限りすべてあげてみてください。その中で本当にやりたいのは『小説家』なのですか?  本当になりたいものが、別にありながら小説に拘っているとしたら、小説家を舐めているんじゃないでしょうか。○○になるのは無理だけど、小説家にだったらなれるだろうと思っている証拠ですから。 3、相手の話を理解して、相手が答えて欲しい事に答えていますか?  私が書いたのは、プロ作家の貴重な時間と高密度な労力を費やして指導してくれた諸氏を納得させる小説家になるまでの計画を示してください(正確な文面は、計画を示す事が必要でしょうという示唆)というものです。1〜5の項目はデビューまでの計画に必要そうな項目をガイドラインとして列挙してみただけです。  これに対する返答を繋ぐと、こういう意味に取られると思うんですがそれで良いんですか? 『後3〜4年程度、食っていくための文章執筆と関わらない仕事を優先しながら開いた時間だけでやってみて駄目なら諦めます』  さらにプラスして 『何が書きたいっていう特別な『愛』や『執念』はないし、小説よりもマンガの方が好きだし』  と書いておりますが、これは不可能を可能にして小説家になる為の『計画』として説得力があると思いますか? 4、細江さんの問に対する自分の答えと、『もの書く生活』で書かれている事を比較して読んでみましょう。  読んだら、細江さん側の視点でどう感じるか思考してみてください。  名無し2号さんが、小説家になることを断念すると宣言すれば新木さんをはじめとした諸氏がこれ以上名無し2号さんの為に労力を割く事がなくなります。  名無し2号さんが、小説家になろうとする場合、少なくとも主催である新木さんは労力をかけ続けることになります。その新木さんが掛ける労力が、小説家になりたいといっている名無し2号さんが実際に掛けている労力より大きいのは、本末転倒ですし、結果的に名無し2号さんが断念すれば実らない訳です。  再三言われている事ですが、小説家志望の表明を撤回し『よみかく分室』から撤退すると決断するか、さもなくば周りを納得させるだけの小説家目指して頑張っている姿勢を態度で示すか。その最終選択を迫られている段階だと思うのですが、意識はあるのでしょうか?  今の名無し2号さんは、42.195kmのマラソンでとっくにスタートの合図はなっているのに、スタート地点でうろうろして走り出していません。係員が「走る気あるんですか?」って聞くと「走りますよ、走らないとゴールにつきませんから」と答えているだけ。  返事をする暇があったら「早く、走れ」そう言われている状態です。スタート地点に残っている参加者がいるとスタート地点を片付けてゴールの準備をしたりできないんですよ。少しでも早く走り出してください。  走りだしたが、精一杯頑張っても完走できずに途中でリタイアする人に付き合うならまだしも、スタート地点でうろうろしている人に付き合わされてはスタッフも迷惑でしょう。  スタート地点を見守っていた観客が待ちくたびれて、「ゴールは向こうだぞ、早く走れ」って騒ぎ出す状態ってのは異常です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6894 投稿日 2003年8月21日(木)18時43分 投稿者 新木 伸 >皆さん  2号への糾弾は、そろそろ停めておきましょう。  自分のヌルさを自覚させるために必要なことでしたが、そろそろ、吊し上げての糾弾になってきますので。  本人が「やる」と思っている以上は、分室にいていいことになります。ここはそういう場所です。設立当初からずっと居て、いまごろにやって、ようやく少しやる気を見せてきているメンバーもいますし。  2〜3年、うだうだやりつつ、あるところで急にスイッチが入ることも、なきにしもあらず。  んで、2号には、練習法の紹介とかはしたけど。  課題を一本、出しておく。  いつまでかかってもいいので、とりあえず長編を一本書きあげてみること。そしたら小説賞に送ってみること。  「才能」があるなら、そこでデビューしてしまうから。  ライトノベルに限っていうなら、「生まれて初めて書いた長編小説」でデビューする率は6割を超えているのね。作家3人集まったら、そのうちの2人はそうした人間だ。昨日、ビアガーデン行って飲んできたけど。6人中4人はそうだった。  自分に「才能」があることを期待するなら、まず長編書いて、送ってみればわかる。  6784で、参加希望を出してきた人にも書いているけど。  長編のひとつを書き上げたこともない人間が、作家になれる可能性は、現状では「ゼロ」なのね。  3年間、チャレンジしてみるまえに、何週間か何ヶ月かを費やして、長編一本書いてみること。  この場合、「出来」は問わない。どんなつまらなくても、どんなにくだらなくてもいい。  長編一本がどうしても書き上げられないようなら、そこで諦めておいたほうがいい。  べつに3年間やってみなくたって、見込みがあるかどうかは、そこでわかるから。 >細江さん >1000字短編練習 >>実力がつくか? というと、小ネタに引きずられて前進できない人が、出し切ってしまうためにはいいかもしれません。その程度。  うーん。  細江さんの場合、やっぱり、ベースとして持っていた能力が高すぎるのかしらん。  この練習のメソッドは、違うところにあるのですが。  まず一点目。  「起承転結」を身につけること。  起で話をはじめて、承で演繹して膨らませて、転で違う方向に持っていって、結で決着をつけて話に意味を結ばせる。  ――というのが、起承転結の役割ですよね。もっともベーシックな物語の構造。  この「起承転結」っていうのが、まず「わからない」ことなわけです。  たとえば……。  サカナは頭と腹と背中と尾っぽで出来ている。  頭と尾を落として、はらわたを出して、背を煮付けにします――なんていう「魚の調理法」を教えても、「頭」と「腹」と「背中」と「尾」の区別が付いていない人には、なんの意味もなかったりするわけです。  僕も分室のはじめのころには、やっちゃってしまったのですが……。  「ここの転のところが弱いね」とか、そういうふうに指摘しちゃうわけです。  相手が「転」を知っているかどうか確かめずにやっちゃいまして……。それでしばらく、話が無為に空転していました。  まず「転」がなにかを、相手にわからせなくちゃならない。  ――で、25行のうちに「起承転結」が来るようなコンパクトなものを作ることで練習するわけです。数をこなしてゆくうちに、感覚的にどこからどこまでが起であり承であるのか、わかるようになるわけです。  サカナの180匹も包丁でぶつ切りにして「解体」してみれば、どこからどこまでが頭で、腹で、尾っぽなのか、わかってしまうわけです。  百、言い聞かせられるよりも、一、体験したほうが早いわけです。  二点目。  引きずられるほどの小ネタ――という以前に、まずネタを出さなくてはなりません。  半年やって180個ほど小話を作ったら、手持ちの「つまらない小ネタ」を消化しきって捨てられる。――とかいうことじゃ、ないんです。  そもそも、そんなたいした数をしまっていない。またネタの出しかたというものも、知らない。  現状、ゼロかそれに近いのだと思ってください。手持ちのネタは数日で尽きます。  ネタが尽きてしまってから、新たにネタを絞り出してくる訓練でもあるわけです。  ここでやっている練習のひとつに、「生課題」っていうのがありますが……。  それも似たような狙いがあります。  たとえば、「子供の頃に遊んだ親戚のお姉ちゃんと再開したら、ぐっと大人っぽくなってドキドキする」とかいうシチュエーションを、いきなり告げられて、それでなにか書いてこいというわけです。  手持ちのネタなんか、どんなときにだって使わせない。  いまその瞬間に、一からネタを絞り出してこなくてはならないような状況に追い込みます。  狙いとしては、「ネタというのは今獲ってきたもののことをいう」という常識を体に染みこませること。  ネタなんていつでも出せる――と思えるようになれば、つまらないネタを後生大事に抱えこんでしまう「ネタ貧乏」とも、オサラバできるはず。 >巻島  ちょっと話を巻き戻してしまうことになるが。  最初に出してきた「記号なしバージョン」のこと。  じっくり見比べてなかった。みやびさんに言われて気づいたのだが。  冒頭のすこしだけ。  ふたつから抜粋してきて、並べてみる。 「元バージョン」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――今日の昼休みのことだった。  中一以来の腐れ縁である稲瀬が、やけに嬉しそうな顔をしていたもんだから、なんだと聞いてみれば――  ――でも、アイツのほうが先に……なんで……  …………彼女のことを考えるのは、正直、気が重い。  亮介は首を戻し、歩きかけて――止まった。  ――いま……でもまさか……きっと見間違い……  見間違いではなかった。車道を挟んだ対岸に、さっき頭のなかに浮かんでいたその人――有希が、いた。  ここらでは有名な――そして自分とはとうてい釣り合わない――女子高の制服だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「記号なしバージョン」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今日の昼休みのことだった。  中一以来の腐れ縁である稲瀬が、やけに嬉しそうな顔をしていた。当然亮介としてはわけを訊きたくなる。  でも、アイツのほうが先にできてしまった。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。  彼女のことを考えるのは、正直、気が重い。  亮介は首を戻し、歩きかけて、止まった。  でもきっと、見間違いだよな。  見間違いではなかった。車道を挟んだ対岸に、さっき頭のなかに浮かんでいたその人、有希が、いた。  ここらでは有名な、そして自分とはとうてい釣り合わない、女子高の制服だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.  亮介は首を戻し、歩きかけて――止まった。   ↓  亮介は首を戻し、歩きかけて、止まった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2.  ここらでは有名な――そして自分とはとうてい釣り合わない――女子高の制服だ。   ↓  ここらでは有名な、そして自分とはとうてい釣り合わない、女子高の制服だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3.  …………彼女のことを考えるのは、正直、気が重い。   ↓  彼女のことを考えるのは、正直、気が重い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4.  ――でも、アイツのほうが先に……なんで……   ↓  でも、アイツのほうが先にできてしまった。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ざっと見比べてみると、「1」「2」と「3」、「4」のようなパターンで記号が使われていることがわかる。  「1」「2」は、単なる読点「、」のかわり。  「3」は、なんやらわからん。「間」を表現しようとでもしているつもりか。  「4」は、書き直した結果が、大きく変わっている。  「記号を使うな」と言われたら、ただ、取ってくるだけなのか?  4のように、記号を取ってしまうことで文章に変更が加えられるのなら、ともかく――。  1〜3までは、その記号って、本当に「不要」だったんじゃないのか?  だって「使うな」と言われて、ただ取ってしまっただけなんでしょ?  もしそれが「必要」な記号であったなら、取るだけでは文章が壊れてしまうはずだ。  なにか直しておかなきゃならないはずだ。  俺も記号は多用している。  そして「記号を使わないでも小説を書ける」とも言っている。  だが、「記号を使った文章」を「記号を使わない文章」に変換するときに、ただ、記号を取るだけ――なんてことにはならないぞ。かならず文章には変更が入る。記号に持たせた意味を、ほかの平易な文章で補わなければならないから。  次。「段落入れてみたバージョン」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=549&e=res&lp=549&st=0  おまえ、オレの言ったこと、ちゃんと聞いてる?  なにをやれっていったのか、わかってる?  オレは段落入れろと言ったわけね。ぜんぜん入ってねーじゃんかよ。  やりかたを変えてみよう。  まず、あの該当部分の「改行」をすべて抜け。  まったく改行なしで、文章がすべて連続したものを作れ。会話文まですべて繋げてしまえ。  そこから、「本当に絶対に必要な」改行だけを入れてこい。  そして提出。  改行は何個必要であったのか。  改行一個ごとに、「それが絶対に必要な理由」を書いてくること。  上司に申請書類を提出して、許可でも貰って改行を使用するぐらいの心構えでやってみろ。  おまえさ――。  改行一個。記号一個。たかがそれっぽっち。なんとなく気分で使ってしまっていいとでも思っているだろ。  小説っていうのは、お前のものじゃないの。  何度言ったらわかるのだ?  お前が勝手にしていいものじゃないの。  小説っていうのは、「読者のもの」なわけ。  改行一個、記号一個、理由もなく使うんじゃない。 >小説が読者のものであるという話 >>現実で使われている難読さは、フィクションにも持ちこんでも許されるものだとずっと考えていました。 >>止まる(つまる・ひっかかる)というのは、小説においてはプラスのことであるとは言えないわけで。スムーズさを欠くことが、読み手を失うことにも繋がっていく。  このへんから、まだわかっていない。本質を正しく理解していない。そのへんが見えてくる。  たとえ話を出してみようか。  小説が「読者のもの」であるということを、べつな例えにしてみる。  お前が飲食店に行ったとする。そして「カツ丼」を注文したとする。  しばらく待って、カツ丼がお前の前に出されたのだとする。  さて――。  この「カツ丼」は、いったい誰のものなのか?  製作者である「店のオヤジ」のものなのか。  それとも客である「お前」のものなのか。  答えなんか、決まり切っているよな。  そのカツ丼は、もちろん「お前」のものだ。あたりまえだ。当然だ。  食うも食わぬも、お前の自由。味が薄いと思ったら醤油かけちゃってもいいし、食べきれなかったら残したってかまわない。その際にご飯を残すのかカツのほうを残すのか、もちろん、お前が決めていい。  どんぶり持ち上げてがふがふ掻き込んだっていいし、テレビで高校野球を見ながらのんびり食ったってかまわない。  「小説は誰のものなのか」ってことの答えも、それとまったく同じこと。  小説ってのは、もう明らかに、「読者のもの」なんだよ。  ――で、お前はそのカツ丼の中に、だな。 ・あってもなくてもいい「記号」。 ・あってもなくてもいい「改行」。 ・食べられない(読めない)異物。「寛智」という名前。(石ころみたいなものかな)  ――あたりのものを、ごっそり、入れてしまっているんだよ。  それがどんな「非常識」なことなのか、わかっているのか? >>プロでなぜ難読名使う人がいるのかという疑問もわいては来るんですけどね。  そんなもん、答えは決まってる。  その難読名は、じつは異物ではない。  ――というのが、まずひとつめの可能性。  たとえば「ブドウパン」に入っている乾しブドウは、俺にとっては異物だが、ブドウ好きな人には「おいしいもの」だろう。  その作品は、難読名スキーな読者層に向けて書かれたものなんじゃないのか?  もうひとつの可能性。  石ころが混じっている「カツ丼」が、その店のカツ丼なのだ。石ころによって米がおいしくなるのかもしれないし、なにか気づかない効用があるのだろう。  ――で、お前の場合はなぜ叩かれるのかというと。  それが異物であると認識してなかったから、叩かれるわけだ。  カツ丼食っている最中に「がりっ」と石ころを噛んで、歯が欠けそうな思いをして、一瞬殺意さえ覚えて。「おおいオヤジっ! 石ころがはいっていたぞっ!」と言われて、「それがうちのカツ丼なんです」と開き直るくらいの覚悟はあるの、どうなの? -------------------------------------------------------------------------------- >巻島 No.6895 投稿日 2003年8月21日(木)19時35分 投稿者 新木 伸 >巻島 >「海辺のまちのものがたり」 >>書いてて思ったんですが、この話において、ワシが一番関係変化を書きたかった関係って、「主人公と田舎の町」なんですよ。町に対する感情の変化というか。  まあ、タイトルに「海辺のまち」ってあるぐらいだから。  主人公と街との関係が主題になっていなかったら、それは詐欺行為ってもんだし、金返せって、石投げつけられて撲殺されるぐらいのことだわな。  ――で。  そういう話なのだとして。  しかし、いろいろと問題点が出てきてしまっているわけだ。  話のなかで変化する(可能性のある)ものを、書き出してみた。 ・長峰との関係は対立→融和。 ・主人公の「田舎の町」に対する感情。???→受け入れる。 ・優海との関係、変化せず。  優美との関係は、変化させなきゃならないところ。でも変化していない。  なぜ変化させなきゃならないのかというと、そうでなかったら、このキャラは出す必要がないため。  本当になんの役にも立ってないよな、この優海ってキャラの存在。  また長峰というキャラは、巻島に言わせると「町の象徴」ってことらしい。  それ、ホントか? 激しく疑念だ。  しかしこの長峰との関係は、この話の中で唯一、変化のあった部分。  対立から融和へと、正反対に移行しているよね。  しかしこのキャラが「町の象徴」ってことであると、はじめ、主人公は町から敵意を向けられていたことになる。そしてラストで町は主人公を受け入れたことになる。  それ、ホントか? そういうことなのか? この話って?  俺が見る限り、主人公は「町が自分に敵意を持っている」と勝手に錯覚していただけなのだが。そして山で遭難しかけたときに、村人総出で危ないところを助けてもらった。自分の思いこみが間違いであったことに気づいて、村へ向けていた「自分の敵意」を解く形になっているのだが。  つまり、「町」は主人公に対してなんとも思っていなかった。  すくなくとも「対立」とか「敵意」とか、そんな明らかに排斥するような心理はなかったはずだ。  しかし長峰というキャラは違う。  実際に敵意を持つようになっている。  ここで明らかに剥離しちゃっているんだけど。  長峰が「町の象徴」っていうのは、この時点で、もうムチャだろ。  それとも、「町」は主人公に対して本当に敵意を向けていたのだろうか?  どっちを書こうとしているのか、もう、このへんでわけがわからなくなってくるわけね。  まずどっちなのか、それを言え。  町は実際に、主人公に敵意を向けていたのか、いないのか。  それはそれとして――。  実体のある「敵意」を持っていた長峰の動きを、追いかけてみる。  長峰ははじめ、田舎になじもうとしない主人公に苛立っているだけだった。  しかしその苛立ちは「優海を取られるかもしれない」という危機感によって、明確な「敵意」と変わってゆく。  そしてラストのところで、「優海を寝取られた」と誤解することで、ついに現実的な「暴力」に訴えかけることになる。主人公に殴りかかっているわけだよね。  ――が、その戦い(喧嘩)の中で、自分が命の危機に陥ったところを主人公に助けられることになる。  するといままでの敵意がすっぱりなくなって、なぜか和解してしまう。  ――もう、わけがわからん。  これ人間じゃないよな。理由もなく感情が正反対に動いている。  こんなの、人間であるもんか。  この長峰というキャラは、主人公にとってなんなのだ?  長峰が自身の「妄想」から、主人公に勝手に敵意を向けてくるようになる――という序盤の展開は、主人公が町を受け入れるようになるというストーリーに、どう貢献するわけ?  やっぱり町全体も、そんな「妄想」とか「都会者への偏見」とかから、主人公に敵意を抱くようになってゆくわけ? 長峰はそれを象徴しているわけ?  そのへん、ぜんぜん書いてないんだけど。  また、「命の危機を二人で乗り越える」と、長峰の敵意が消失するってのは、いったいどういう仕組みなのだ?  長峰が怒っていたのは、「優海」を取られるかどうかってことだったよね。  そっちの問題が片づいていないのに、なぜ長峰は刀を鞘に収めちゃうの? 命を助けられて「借り」ができたことで、優海を譲る気にでもなったのか?  また「長峰」との対立がなくなると、主人公は、どうして町を受け入れられるようになるの?  また「長峰」が町の象徴であったとするなら、「町全体は」山狩りして捜索したことで主人公への敵意を解く――なんて構図になるようなんだけど。  ここもわけがわからん。  都会者が山をナメて遭難して、町の人々に大迷惑かけて助けてもらって……。これじゃ逆効果で、むしろ侮蔑は強まるように思うのだが。  あと、「長峰」が町の象徴だった、という課程でゆくとして。  長峰の敵意発生の源となっているのは、「優海」を取られるかどうかってことだったのね。  では「優海」のほうは、いったいなんの象徴なのだ?  「町」はなにか誤解をするわけ?  主人公が「町」からなにかを取り上げてしまうのではないかと、被害妄想に陥って、そして敵意でも向けてくるわけ?  たとえば、「田舎の美しいもの」の象徴が「優海」だったとする。  「海」って書かれているくらいだから、「田舎の美しいもの」というのは、「海」そのものだとする。  このような形で、なにかを象徴させてゆく方法で話を作ると、こんなふうになるのかな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  主人公は、都会からやってきた建設業者かなにか。  田舎を開発してリゾートにしようとしている。しかし住民感情を逆なでしてしまって、うまく仕事が進まない。  そんな折、主人公は「優海」という女性と仲良くなる。そのことで町の「若頭」である長峰が怒りだし、主人公に危害を加えてこようとする。――が、逆に命を助けられる形になって和解する。  長峰の働きと説得とにより、主人公が町の人々の信頼を得る。  住民たちの大切な「海」を汚すつもりはなく、この海のすばらしさを皆に知ってもらうために開発するのだと、そう納得させられたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――とまあ、こんな感じに組み立てれば、長峰と優海とを「象徴」として話が作れるのだが。  巻島のやろうとしているのは、こういうのとも、違うはず。  もっとぐるぐるスパイラルしている個人的ななにかのはず。  あるキャラをなにかの「象徴」として使うのなら、象徴するものと象徴される側は同じ性質を持っていなけりゃならないよ。  たとえば上記のように、「長峰=頑固で排他的な住民の代表」とするとか。  「優海=美しく価値ある海を擬人化したもの」とか。  また「象徴するもの」の心理の動きは、そのまま、「象徴されるもの」の動きに直結していなければならない。  長峰が「優海」を取られると感じて苛立つのであれば、「町の住民」も「なにか」を取られると思って苛立っているのでなければならない。 -------------------------------------------------------------------------------- ズレてる No.6896 投稿日 2003年8月21日(木)21時13分 投稿者 細江ひろみ 私のベース能力は、ズレています。 ですからここのLOGで、勉強させてもらってます。 -------------------------------------------------------------------------------- >巻島 No.6897 投稿日 2003年8月21日(木)21時19分 投稿者 新木 伸 >巻島 >>しかし、「……」なしで無言の間を表現するのは難しい。ああ。怠惰のツケか。  うっかり、見落としかけた。  ああ。  恐ろしや。恐ろしや。  相手はどんな低いところでわかっていないのか、ということを、また、忘れかけていた。  そうか。そんなレベルで、君はわかっていなかったのか。  どうりで話が噛み合わないはずだ。  するとお前は、「……」と書けば、それで無言の間が表現できると思っていたわけね。  ――で、お前が「……」と書くことで「無言の間」が表現できていると思いこんでいる部分ってのは、いったいどこのことだ?  ちと探しだしてみるか。 >>――でも、アイツのほうが先に……なんで…… >>…………彼女のことを考えるのは、正直、気が重い。亮介は頭を振ると、足に力をこめて歩き出した。  ええと。  するとこの「……なんで……」というのは、「なんで」という心の声が浮かぶ「前」と「後ろ」に同じ時間の「思考の間」があったということを表現しているつもりなわけね。 >>『…………すまない』 >>「……」 >> 反論もなく、あっさり認められたからなのか――なんの言葉ももう上がってこなかった。  ここなんかは、「……」と「…………」とのあいだには、2倍の時間の差があるということを表現しているつもりなわけね。  …………………………………………。  …………………………………………。  …………………………………………。  …………………………………………。  …………………………………………。  …………………………………………。  …………………………………………。  お前、それ、幼稚すぎ。  幼稚園児の描くマンガじゃないんだからさ。  額に「怒りマーク=青筋」を書き込んどけば、キャラが怒ったことになっているとかいうのと、それは同じレベル。  発想があまりに幼稚すぎ。  ごっこ遊びやってんじゃねーんだよ。  そんな意識で「仕事」をしようとするなよ。迷惑なんだよ。小説を仕事としている人間として。  そんな意識で小説を書くなよ。そんな紛い物を小説だと思うなよ。  泥水を――色が似ているからといって、「コーヒーです」と偽って喫茶店に出して、いったい何人のお客さんが騙されてくれると思う? 黙って飲みきってくれて、あまつさえお金まで払っていってくれる人が、どれだけいると思う?  普通のお客さんの反応というのは――。  「泥水コーヒー」を出してきた相手に、その泥水をぶっかけて、「ふざけんな!」と怒鳴りつける――ってなもんだ。 >>>>読者がどのページから読むか。まるで保証なんてないわけだな。 >> これはカルチャーショックです。 >> 俺は冒頭からしか読みません。店頭でも。 >> やっぱり俺の読み方は特殊なんだろうか。そういや、金出して買った小説はめったに読み捨てしないというのも、俺とほかひとりだけだったし。  お前自身がどこから読むかなんか、どうだっていいんだよ。  そんな、くそどうでもいいこと、言いわけにもなってないってのが、わからんのか?  お前の書く小説を買って読むのは、お前以外の「誰か」であって、お前じゃないだろ。  だから「お前」の読み方なんか、ぜんぜん無関係なの。どうだっていいの。くそどうでもいいことなの。  ここで関係してくるのは、「読者」が、どういうふうに読みはじめるかってこと。  そして当然のことながら、読み始める前には、「どのようにして本を買うのか」ってことがあるはずだな。  普通、本は買って読む。  買われなかった本は、読まれない。  いかにして本が買われるのか。お前はそれを知っているのか?  人の多い大きめの書店にでも行って、30分か1時間ほど、観察してこい。  人はどのようにして本を選んでいるのか。  読者と本とのファーストコンタクトは、どのようにして行われているのか。  その実態をつぶさに観察してこい。お前の頭の中の「妄想」とか「理想」とかを語るんじゃなくって、きちんと「現実」を見てこい。  そして報告のこと。 (なんか、昔にも、同じような「店頭観察」を誰かにやらせたような気もするのだが。それが巻島だったか、違う人間だったか。どうやら。よく覚えておらん)  なお、見るべきポイントを教えてやっとかないと、お前はアホなので、その観察がまったくの無駄に終わるかもしれないので、いちおう書いておく。  おおむね、読者が書店で本に出会うときの反応というのは、こうしたものになる。 1.視野に捉えもしないケース。 2.目で表紙を一瞥したが、それだけ。本を手に取ることなく終わってしまうケース。 3.手には取るが、すぐに戻してしまうケース。 4.手に取って、背表紙や表紙裏に書かれている「煽り」を読み、そして戻してしまうケース。 5.4のあとで、本文を見るケース。どこから本文を開いて、そして置いていってしまうケース。 6.4と5のあとで、持ってゆくケース。 7.中身も見ないで、いきなり持ってゆくケース。(著者買いやシリーズ買いなど。別格)  観察していても、なかなか、5のケースまでは至らないと思う。  カウントしてみろ。ある読者とある作品との「接近遭遇」において、2から5までのケースが、どのくらいの割合で発生するのか。本を物色中の読者は、何冊の本をチェックして、何冊の本を持ってレジにゆくのか。  ちなみに、5に至るまでは、作家の領分じゃない。  イラストレーターさんやら、編集さんやら、レイアウトさんやらの領分。  この1〜4までのところで作家ができることっていうのは、栄えるイラストを付けやすくするような作品のカラーにしたり、人目を惹く魅力的なタイトルを付けたり、人目を惹く筆名にしたり――と、そんな程度のこと。「絵」や「デザイン」の力の10分の1もない、そんな些細なことでしか作家は関与できない。  この5からあとが、作家が自分の「力」で直接関与できる部分なのね。  よほど興味を引かれなければ、中身まで確認はしないものだ。  そして「中身」を見るときには、いったいどのページから開いているのか。(今回のポイントはここね)  はじめはどこを見て、次はどこをチェックして、最後にはどこを確認しているのか。見開きでは何回くらい確認しているのか。またその確認作業には、平均して何秒ずつ、費やしているのか。  書店で本を物色するふりでもして、うろつき回って、観察してこい。  可能なら大型書店がいいぞ。人も多いし。 -------------------------------------------------------------------------------- 葛[くず]の花 No.6898 投稿日 2003年8月22日(金)00時12分 投稿者 弟切 千隼  一時期よりは暑くなったものの、今の湘南はすっかり秋めいた気候になってしまいました。我が家の近所では、秋の七草の一種である葛の花が盛りです。  大きな葉に隠れていることが多いため、葛の花は目立ちにくいです。しかしよく見ると、赤紫色のグラデーションになった花房に風情があり、私はとても美しい花だと思います。 >>女性が好む物語要素  No.6889の書き込みの続きで、「憎しみ」について考察します。  前回までに、ここで考察すべき「憎しみ」の意味には、心の動きを表わすものと実際の行動を表わすものと、二種類あることが判明しました。さらに、心の動きにも二種類あるとわかりました。  心の動きのほうの二種類とは、「不快に思う」系統と「許しがたく思う」系統です。「不快」系統は主に感情によって判断され、「許しがたさ」系統は主に理性によって判断されます。  「許しがたさ」系統の場合、その根底には「怒り」があると思います。この場合の怒りは、例えば自分が殴られたからといった個人的な原因によるものではなくて、もっと公的な道徳や正義といったものに抵触したことが原因となります。「義憤」と表現するのがふさわしい怒りですね。 ぎ-ふん [0] 【義憤】 道義にはずれたことに対して感ずるいきどおり。「―を覚える」 (『大辞林』より)  しかし、「義憤」による「許しがたい思い」を表現するのに、「憎しみ」という言葉はあまり使わないでしょう。  「憎しみ」は、「憎み」に強調する意味の「し」を入れた言葉です。「憎み」ではなくて「憎しみ」と書いた場合、より感情的な意味が強調されています。つまり、理性による義憤にはそぐいません。  「憎しみ」というからには、より感情的な「不快」系統の思いである場合がほとんどでしょう。  そもそも「義憤」は、女性が好む「どろどろした人間関係」の中から出てくるとは限りませんよね。例えば、世の中の不正に対して「義憤」を感じた主人公が、正義の味方となって不正をただすという物語は、男性向けでも女性向けでもたくさんあります。男性向けなら、ヒーローものと呼ばれる分野がそのものずばりですし、女性向けでは、多くの「魔法少女もの」の主人公たちが、魔法を使って悪いやつをやっつけていますね。  こういう物語は、どろどろしているというより、むしろ単純明快で読者さま(視聴者さま)をすかっとさせるものが多いです。悪役ならともかく、「憎しみ」を持ったヒーローものの主人公は異例でしょう。陽性で客観的にもわかりやすい「義憤」と、陰性で客観的にはわかりにくい「憎しみ」とは、やはりそぐわないからだと思います。  ヒーローである主人公が「憎しみ」を持っている物語があるとすれば、それは「ダークヒーローもの」と呼んでよいのではないでしょうか。  「憎しみ」が「不快に思う」=「憎み」を強調した表現だとしますと、「非常に不快に思う」=「憎しみ」と考えられます。人が何かに対して「非常に不快に思う」のはどんな場合でしょう?  すぐに思いつくのは、何かによって危害を加えられた場合ですね。殴られた(=物理的危害)とか、悪口を言われた(=心理的危害)とか、借金を踏み倒された(=経済的危害)とかいった場合です。  人が何かに対して「憎しみ」を抱くのは、ほとんどがこういった場合と考えられます。危害を加えられてもいないのに、何かに対して「憎しみ」を抱くのは通常考えられません。あるとすれば、それは実際には危害を加えられていないのに「危害を加えられた」という錯覚によるものでしょう。  ということで、「憎しみ」を発生原因別に分けると、以下のとおりとなります。 1.実際に危害を加えられたため。 2.危害を加えられたと錯覚したため。  今回はここまでとします。 お知らせ:  弟切は明日から実家へ帰省します。三日間ほど、ここへはアクセスできない状態になります。こちらへ戻るのは日曜日の夜となる予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- >間について No.6899 投稿日 2003年8月22日(金)00時39分 投稿者 新木 伸 >間について >巻島  「間」っていうのは、なんなのか。  考えておくこと。  「間」というものの正体について。  いつでも、誰に対しても、単純明快に答えられるようにしておけよ。  そして正体がわかったなら、つぎに、どうすれば「間」を表現することができるのか。それも答えられるようにしておけ。  最後に、その「理論」を実践できるように修練せい。  「間」というものの正体がわからなかったり。  どうすれば「間」を表現できるのかわからなかったり。  頭で知っていても、実際に実践できなかったり。  ――どれも似たようなもん。どれも等しくダメ。  役に立たなきゃ、意味なんてないんだからな。  お前は「間」というものを「……」と書けば伝わるものと勘違いしているらしいが。  それは、昔、誰かが「描写とはなにか」という設問に、「〜ような、と付けて比喩すること」と答えたのと同じぐらいトンチンカンで恥ずかしい過ちであり、第三者にとってはたいへん愉快な問答になっているわけだからな。自覚しろよ。そしてトラウマとして植え付けとけ。  探してみたら、このへんにあった。 http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=viewthread&bbsid=1490&mid=1718  「まるで〜のような」  「さながら〜」  「あたかも〜」  「〜のごとく」  「〜みたいに」  「〜を思わせる」  ――とかいうものが、比喩であり、「描写」の方法なのだという。  しかし実際には、それは小説にはまるで「不要」なものなのだ。そんなものなくたって小説は書けるし、いささかも価値を減じることはないし、むしろそのほうが価値は上がるぐらいだし。  記号がなくとも小説は書けるし、いささかも価値を減じることはないし、むしろそのほうが価値は上がるぐらいだし。  化学調味料がなくても料理が作れるのと同じことね。  ただ、化学調味料は、あると便利ではある。ぱぱっと一振りするだけで「うまみ」が増す。正しく「限定的」に使うのならば、それはたいへん効果をあげるものであったりする。俺も野菜炒めやチャーハン作るときには、化学調味料、一振りするし。その「一振り」があるとないとじゃ、大違いだし。  ちなみに「記号文字」で過去ログに検索かけると、みやびさんが、何度も口を酸っぱくして言っているのが見つかるはずだ。  分室的には「ような」と同列で、禁じ手扱いになっている。 -------------------------------------------------------------------------------- おひさしぶりです。紫ゆきやです。 No.6900 投稿日 2003年8月22日(金)03時04分 投稿者 紫ゆきや  おひさしぶりです。紫ゆきやです。  近況を報告いたします。  転職と、引っ越しでバタバタしていたのも一段落しました。  今は次の短編を書こうということで、あらすじを書いているところです。書けたら課題部屋のほうへUPさせて頂ければと思っています。  そのときは、よろしくお願いします。 ●細江ひろみさん  はじめまして。紫ゆきやといいます。  『このごろ堂』を読ませていただきました。貴重なお話し、ありがとうございます。  自分も社会人ですが、やはりサラリーマンとは別世界だなと、強く思いました。 ●鐸碑さん  はじめまして。  指摘専門ということだそうで。  お世話になるばかりかと思いますが、よろしくお願いします。 ●名無し2号さん  はじめまして。  同い年なんですね。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 亀だって歩んでいるというのにね No.6901 投稿日 2003年8月22日(金)05時23分 投稿者 名無し君2号  涼しかったり、暑かったり。雨が降ったり。自然には何をやったって勝てない。 >細江ひろみさん  すみません。多分、聞きたくないことは聞けない、都合のいいように理解してしまうのだと思います。何が悪いってそれは自分が悪いのですが、なんとか長い目で見てもらいたいです。呆れ返って口もきけない状態だとは思うのですが。 >鐸碑さん >>1、よみかく分室のNo.6836 で新木さんが紹介している『このごろ堂』の「もの書く生活」を読み込んで、理解していますか? >>読んだ上での答えが今のレスであるならば、『理解』か『実践』が欠けていると思われます。  「理解」も「実戦」も欠けてるのでしょう。 >>2、小説が書きたいんじゃなくて『物語』が作りたいという話ですが、文章を綴る事で『物語』を作る仕事というのは『小説家』以外に何がありますか? 思いつく限りすべてあげてみてください。その中で本当にやりたいのは『小説家』なのですか?  漫画家、脚本家(ドラマ、映画等々)、劇作家、シナリオライター。  やっぱり小説家がいいです。 >>3、相手の話を理解して、相手が答えて欲しい事に答えていますか?  答えてないようです。自分なりには答えたつもりでしたが、なんともかんとも。 >>4、細江さんの問に対する自分の答えと、『もの書く生活』で書かれている事を比較して読んでみましょう。 >>読んだら、細江さん側の視点でどう感じるか思考してみてください。  怒られています。  怒られるだけましなんでしょうが。本気で呆れたなら、無視されてると思います。それは辛い。  すみません。いらいらして仕様がないとは思うのですが、もうすこしつきあっていただけるとありがたいです。 >新木さん >>課題を一本、出しておく。 >>いつまでかかってもいいので、とりあえず長編を一本書きあげてみること。そしたら小説賞に送ってみること。  了解しました。  ああだこうだ理由(実力が足りない、完成しないことが怖い等々)をあげて、いままで長編を書くことを避けていたのですが、ともかく書きます。  とりあえず、1000字課題、初日のものを提出しておきます。  課題部屋に上げておきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=551&e=res&lp=550&st=0  各人にはこれでレスになっているのか、どうか、頭を下げることしか出来ません。 >紫ゆきやさん  はじめまして。挨拶されると、とたんに「名無し君2号」の十字架の重さが、身に染みます。自業自得なんですが。ともあれ、お互いに頑張りましょう。  ここまでで、一時間です。おさらば。 -------------------------------------------------------------------------------- 短編課題と起承転結 No.6902 投稿日 2003年8月22日(金)11時04分 投稿者 細江ひろみ 短編と起承転結 で、ふと思い出しました。 10年ほど前、某雑誌で小説ではなくTRPG用のシナリオの短編を募集したときのことです。募集要項は次の通り。 > 原稿用紙3枚以内に、タイトル、システム、著者名、概要、起承転結、 >真相と真相の匂わせかたまでそろったシナリオをまとめなさい。 で、結果記事から引用。 > 今回の提出課題にも、締め切りに間に合わなかったもの12通、郵便料金 >が不足していたもの1通、原稿を送るには小さすぎる封筒を使い、届いた >時には封が開いてしまったもの1通、開きかけていたもの2通、宛先がし >っかり書いてないもの2通、コーナーを間違えているもの1通、封筒に差 >し出し人住所を書いてないもの43通、別のコーナーへの原稿が混じってい >たものが1通ありました。 ちなみに応募総数7〜80本。こうした作文以前の問題を含むものは、問題点が重複しているものも多かったけれど、とにかく半数以上ありましたっけ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6903 投稿日 2003年8月22日(金)22時39分 投稿者 新木 伸 >紫  「はじめまして」の、ほんの3行しかない書きこみのなかに誤字を紛れさせるとは。  普通、できないことを、よくやってくるなぁ。  書きこみ前に三度読み直しをかけているはずなのに、どうしてそんなものが入っちゃうの? >細江さん >応募要項の不備とか  そういうのも、人の話を聞こうとしないのと同根ですね。  聞かないからダメなのか。  ダメだから聞かないのか。  そのシナリオ募集。  原稿用紙3枚ではなくて、30枚とか、100枚とか、もっと量が多くて、応募するのにもっともっと「コスト」がかかるようであれば、もうすこしまともになったかも。  ヌルい人は、面倒くさくなって、どんどん送らなくなってゆくから。  小説大賞に送られてくる原稿の不備率は1〜2割くらいだって聞きます。 >2号  まあ、そんな感じでどんどんやってゆくように。  数こなすのが第一の目的だから、ひとつひとつの出来は、それほど問わない。  転がないとか、登場人物が不要に多いとか、状況がわかんないとか、まあいろいろあるけど。書いたやつを直すより、新しく、次を書いてゆくのが先決。  ひとつ、注意すべき点を言っておく。  わかりにくい。  なにが起きているのか、非常にわかりづらかった。  頑固者の老魔法使いのところに、若い男が尋ねてくるわけね。彼はなにか情報を貰おうとしている。そしてシーンが切り替わって、メイド二人がお茶の用意をしながら会話していて、自分たちの主人である老魔法使いが、若い男のことをじつは好ましく思っている――ということが読者にわかるわけだな。  これらすべて、読み取るのに大変な苦労がいった。  以下の「」でくくられたような内容を読み取ったわけだけど、すべてはじめは「???」であった。  「老魔法使い」「頑固」「男をだいぶ待たせてから姿を現した」  「尋ねてきた」「若い男」「遅刻してきた」「情報をもらおうとしている」  「シーンが切り替わって別室になった」「会話しているのは上記の二名とは別人である」「女性である」「若いメイド2名である」「片方のメイドはすこし年上である」  わからないなりに、文章の端々から読み取っていって、推測と仮定と立証と、頭を使って、ようやく理解したわけだ。  もっとすんなり理解できるように書くべし。  必要なら、たとえば、「別室では、客と主のために、二人の娘がお茶の準備を行っていた。」――とか、そんなふうにベタに状況説明をしちゃったほうがいいだろう。 (しかしここ、メイド2名は必要ないんだけどね。1名だけで、その心理に入ってしまえば充分に用は足りる)  このメイドが1名で充分――とか、その手のことにも関わるのだが。  不必要に多くの要素を入れすぎなのね。  たった25行しかないのだから、入れられることは限られている。  そこに無理矢理、あれもこれもと詰め込もうとしているから、わかりにくくなる。  たとえば、不要な情報の例――。  若い男が待ち合わせ時間に先に遅れて、老人も男がやってきてからしばらく経って顔を現したとか。男は冒険者で老人は魔法使いだとか。男は情報を欲しがっているのだとか。片方のメイドは年上属性なのだとか。  すべて、不要なことじゃん。  「老人が若い男を迎えた。口では不機嫌そうだが、内心では大歓迎している。そのことをメイドだけは知っている」  「素直じゃないね」というタイトルの話を語るのに必要な構図は、たったこれだけ。 ・不要なことは書かない。(枚数ないんだから) ・わかりにくいことは、ベタになってしまっても、きちんと説明する。  そのへん、念頭におきつつ、どんどん書いてゆくように。 -------------------------------------------------------------------------------- OFF会告知 No.6904 投稿日 2003年8月22日(金)22時41分 投稿者 新木 伸  突然だけど、OFF会をやる。 ●日時  8/30(土)の昼すぎ〜夕方ぐらいから、翌日8/31(日)の昼すぎ〜夕方ぐらいまで。  フルタイム参加だと、不眠不休で体力も使う。もちろんそのあいだ、ずっと小説のことを話題にし続けるわけだが。  日時の都合が悪かったり、体力に自信のない人間は、パートタイムで参加もOK。 ●場所  武蔵浦和近辺。ひとり暮らしの紫の家。  武蔵浦和。武蔵野線と埼京線が通っている――のかな?  池袋から埼京線で20分ほど。  府中本町からだと武蔵野線で30分ほど。  車の場合は駅前に24時間800円の駐車場があるとのこと。 ●参加メンツ  弟切、西鶴翠、巻島翔史、望乃英司、紫ゆきや。  ……このあたり、すでに参加する予定。  プロ作家の参加は、いまのところ、以下の通り。  はせがわみやび。新木 伸。電撃大賞出身者、A氏。 ●参加手順  参加希望者は、分室に書きこみしたうえで、僕にメールすること。  待ち合わせ場所や緊急時連絡用の携帯番号など、メールして返す。  上記に名前で出ている人間も、最新のメールアドレスが変わっていると困るので、一応、空メールでいいから僕に一通入れておくこと。  参加がバレると困るとか、事情がある人は、僕にメールだけくれること。 ●予算、その他  交通費。(これは各自自腹で)  当日のお菓子やドリンクや食事代など。(こちらは社会人からのカンパによる免除制度あり) ●持ってくるもの  ノートパソコン。  当日、その場で、執筆会やるかも〜。  1000字掌編とか生課題とかをやって、他人のを直してみたり、直されたり。  ノートパソコンを持っていない人は、申告すること。予備機を持っている人に提供してもらうから。  最近書いた小説で、皆に叩いて欲しいものがあったら、そのプリントアウト。  可能なら人数分。  縦書きで。できればA4サイズに、42文字×37行のフォーマット(1)で。もしくはA4サイズに、42文字×37行×2段組(2)にて。  ソフトの印刷設定がわかんなかったら、どんなのでも良し。プリントアウトがあるだけマシ。  (2)は文庫本と同じ活字サイズ、短組となる。  (1)は(2)の1.44倍の拡大サイズ。(赤を入れる余白ができるから、こっちのがほう推奨) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  細江さんや海法さんも。  お仕事に都合がつくようでしたら、ぜひ来て、叱っていただきたいかなーと。(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 締め切りがあるので No.6905 投稿日 2003年8月22日(金)23時54分 投稿者 細江ひろみ おさそいありがとうございます。 残念ですが、欠席させていただきます。 8月末の締め切り仕事が、まだ片付いていないのです。 >シナリオ募集 もともと本格的なのではなく、連載の片隅の、お遊びの企画だったんですよ。 ですから、あんなもんだったんでしょう。 でもその雑誌の本格的なコンテストも、「ものすご」かったですけどね。 -------------------------------------------------------------------------------- ようやく No.6906 投稿日 2003年8月23日(土)01時08分 投稿者 巻島翔史  気温が35度前後に至る日々が続いております。ここ数日。  寒くなったり暑くなったり、暮らしにくい夏だ。 記号使用例1〜4(6894)について>  読点の変わりというか、使用意図は一応あったんですけどね。  例えば1なら、歩きかけて止まるまでの、体感時間の伸びを表現したかったんです。  まあ結局、間の表現に関することは、ほぼすべて記号論に依拠してるような惨状なんで、言いわけするのも恥ずかしいんですけど。ここも同じです。これ以外の手法を考えず安易に記号使ってるから。 段落入れてみたバージョン> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=552&e=res&lp=552&st=0 「内容の異なるものは同段落に入れない」「繋げて、不自然な流れになる文と文は、同段落内で続けない」という基準のもとに改行を加えていった結果、改行の合計は17個になりました。  以下に理由を列挙。段落の最後に記した記号と対応しています。 A『夕方の駅前の風景についての段落。カップルのことに移るので改行』 B『カップルのことについての段落。亮介についてのことに移るので改行』 C『亮介の反応・動きについての段落。視線を動かす→影の説明という流れは一連のもので、分けるのは不自然。影から亮介のことにまた戻るので改行』 D『亮介の行動についての段落。昼休みの回想に移るので改行』 E『昼休みの稲瀬の行動と発言についての段落。それに対する亮介の反応についてのことに内容が移るので改行』 F『稲瀬発言に対する亮介の反応・思考についての段落。思考が異なることに移るので改行』 G『有希のことを思い出して気が重くなり、頭を振る亮介の段落。ここの行動は一連の流れであり、分けるのは不自然であると考えた。県道に場面が移るので行あけ』 H『県道と、その交通状態についての段落。クラクションに驚く亮介のことに移るので改行』 I『クラクションと、それに対する亮介の反応段落。亮介から離れ、車道のことに移るので改行』 J『車道の様子についての段落。亮介のことにまた戻るので改行』 K『自分の見たものに対して反応する亮介の段落。次が内面の直接吐露の文になるので、改行(文の種類が違うので、そのまま従文させるのはよくない)』 L『吐露と、そこから来る亮介の行動についての段落。「思いつつ」で心情吐露を受けており、異なる種類の文を違和感なく繋げている。首を動かした先の風景についてのことに移るので改行』 M『有希についての説明の段落。視点者である亮介が、有希より隣にいた男についてショックを受けるので、そのショックを表すためにここで改行。男のことと有希のことを同段落に入れない』 N『男がいる事実と、それを見た亮介の反応の段落。亮介の内面から行動のことに内容が移るので改行』 O『亮介の動きについての段落。体の変容に関しても、「体の動き」の一環としてまとめた。亮介の思考に移るので改行』 P『思考の内容から、また体の変容を起こす亮介の段落。思考から胃が痛くなるあたりは流れとして自然で、その後視覚・聴覚のおかしさに移っていることも流れのなかの一環。亮介の注意が内から外に変わっているが、腹を押さえるという行動をとることでその流れが作り出せている。また思考のことに戻るので改行』 Q『亮介の思考についての段落。次がセリフなので改行』  いままでよりも、大きなカテゴリで捉える意識、という感じでしょうか。  前回の改行も、「同段落内に混ぜない」というスタイルでやってはいたんですけどね。  ただ、例えば、一行目と二行目を例に取ると、 >>夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。ロータリーのバス停は列を伸ばし、その合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体が通り抜けていく。(風景における人の動きについての段落) >>赤みがかった光と濃い陰が、街の風景を染めている。(風景のなかの陰影についての段落)  と、細かく捉えていたんです。  しかし、一度まったく改行なしのところから改行を加えていくと、そういう細かい捉え方でなく、もっと大きな感覚で段落を捉えることができた。  段落というのは、今回ぐらいの規模の大きさの分類にそって分けていくもの、ということでいいのでしょうか。根底の感覚から変えていくとなると、自分のなかの作業だけでは、いまいちわかりません。 海辺関連>  まず、優海について。  自分がこのキャラになにをさせようとしてたかというと、超越的調停者みたいなことをさせようとしていました。 (そういえば、ワシは去年の夏にも超越ポジションの少女を出していたな。あの場合は、最後に主人公と別れているので関係変化してたけど)  主人公のことに強く立ち入っていかないからこそ可能になる、調停を行う人というか。だから、彼女のほうからなにか関係を変えるようなアプローチはなかった。 (そもそも、性格的にもアプローチするタイプでもないんですけどね。まあ、主人公の側からアプローチしての関係変化という道を取れればよかったんですが)  主人公の町への誤解(後述していますが当然あれは『誤解』です。町から敵意は向けられていない)を解いてやる過程で、そこへはやはり誰か導く者が必要だと思ったのです。  ただ、果たしてその導く者が『超越者』でなければならなかったか、と言われると、そうでもなかったといまでは思います。地続きの人間が導いてはなぜいけなかったのか、と問われて充分な答えが出てこないし。  せめて、主人公に恋愛感情の自覚を持たせればよかったのかもしれません。そうすれば、主人公のなかにおける彼女との関係は大きく変化する。  彼女と関係変化させることを俺が怖がったというのもあるんですけど。たぶん(恋愛感情的なポイントで)関係変化させても、テーマ自体は霞まなかった気がする。 >>また長峰というキャラは、巻島に言わせると「町の象徴」ってことらしい。 >>それ、ホントか? 激しく疑念だ。 >>このキャラが「町の象徴」ってことであると、はじめ、主人公は町から敵意を向けられていたことになる。そしてラストで町は主人公を受け入れたことになる。 >>俺が見る限り、主人公は「町が自分に敵意を持っている」と勝手に錯覚していただけなのだが。そして山で遭難しかけたときに、村人総出で危ないところを助けてもらった。自分の思いこみが間違いであったことに気づいて、村へ向けていた「自分の敵意」を解く形になっているのだが。 >>つまり、「町」は主人公に対してなんとも思っていなかった。 >>すくなくとも「対立」とか「敵意」とか、そんな明らかに排斥するような心理はなかったはずだ。 >>しかし長峰というキャラは違う。実際に敵意を持つようになっている。 >>長峰が「町の象徴」っていうのは、この時点で、もうムチャだろ。  長いですが、言われていることがまったく間違ってないので引用しました。  「町の象徴」というのは、主人公フィルタで見た場合のことです。嫌いな町を象徴してるかのような、嫌なやつ、という。恋愛粘着だって、主人公にとっては「こいつが田舎者だから粘着する」ということになってしまっているし。田舎者=田舎を象徴する要素を持っている→長峰は田舎の象徴という図式で、主人公は見ているのです。  実際には町は主人公に敵意は持っておらず、主人公が錯覚していただけだったので、長峰は象徴にはなっていません。客観的に話を見渡して考えれば。  錯覚してる主人公の立場から見ると、長峰は象徴しているように見える、ということなのです。全体の構造の話のときに、ごっちゃにして書くべきじゃなかった。すいません。主人公フィルタのことに意識が行き過ぎてました。 >>長峰ははじめ、田舎になじもうとしない主人公に苛立っているだけだった。 >>しかしその苛立ちは「優海を取られるかもしれない」という危機感によって、明確な「敵意」と変わってゆく。 >>そしてラストのところで、「優海を寝取られた」と誤解することで、ついに現実的な「暴力」に訴えかけることになる。主人公に殴りかかっているわけだよね。 >>――が、その戦い(喧嘩)の中で、自分が命の危機に陥ったところを主人公に助けられることになる。 >>するといままでの敵意がすっぱりなくなって、なぜか和解してしまう。 >>これ人間じゃないよな。理由もなく感情が正反対に動いている。  う。  確かにそうですね。あれで和解するというのは、恋愛感情で苛立っていたのにもかかわらず、まったく繋がらない。  主人公のことを、都会出でおまけに体力ないバカというポイントで苛立っていたなら、あれで主人公のことを認めてもよかったんでしょうけど。  話を考えついた当初は、もっと「都会出だから叩く」ようなことを彼にはさせるつもりだったのですが。いつどこで置いてきたのやら。ああ。 >>また「長峰」との対立がなくなると、主人公は、どうして町を受け入れられるようになるの?  むしろ町を受け入れるようになるのは、自分の愚かさに気づいて誤解を解いたから、ということのほうが強いです。主人公は、自分から町へアプローチしないから町になじめいのに、それを合う合わないという問題で自己正当化をしていたので。正当化をやめれば、アプローチの方向へ前進できると考えました。長峰との対立がなくなるのは、そうしたことの帰結としてという側面が強いです。 オフのこと> >>ノートパソコン。  ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6907 投稿日 2003年8月23日(土)03時11分 投稿者 新木 伸 >某雑誌のシナリオコンテスト  たしか、みやびさんが、そっちの本格的なほうで賞取っていたはずです。  RPGのシナリオコンテスト。  あとで優秀作をまとめて本になったときにも載っていたはず。  ん? するとみやびさんのデビュー作は、その本っていうことになるのかな?  んー。  でも依頼原稿ではないわけだから、やっぱり、プロの初仕事とは言えないか。 >巻島 >段落入れてみたバージョン http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=552&e=res&lp=552&st=0  うーん。なんか、変。  ていうか、改行を入れるルールが1種類しかないので、やっぱり改行の意味がなくなっちゃっているのね。 >>段落というのは、今回ぐらいの規模の大きさの分類にそって分けていくもの、ということでいいのでしょうか。  基本的には、それでいいのね。  「書いている内容が変わったら入れる」っていうのがルール。「内容」のくくりの大きさも、おおむね、そんなもの。  基本としてはOKってセンを踏まえた上で……。  もうひとつ高度な話をする。そのつもりで聞くように。  いまのままだと、やっぱり、なんか変なわけよ。  理由は改行を入れるときに、1種類のルールしか存在していないから。  それじゃ単調すぎるわけだ。  単調すぎるあまり、「毎行入れる」とか、そういうことと大差なくなってしまっている。「改行を活用していない」のと、たいして変わらない。  「内容が大きく変わったときに改行を入れる」という基本ルールのほかに、「○○のときは入れるはずの改行を省く」とか、「○○のときには本来は入れないはずの改行を入れる」とか、そうした特例ルールも持っておかないと、リズムが作れない。  現状って、音階が一個しかないようなものなのね。  「ド」の音、1音しかない。  それで曲を作ろうったって、「ド、ド、ド、ド、ド」とか、そんなものしか作れない。これはメロディーではない。  基本は「ド」の音なのだけど、ひとつ上の音と、ひとつ下の音と、せめて3音くらいあればメロディーが作れる。  改行を入れる基本ルールを、自分なりに決めた上で、そのルールを揺らすことが必要なのだな。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=553&e=res&lp=553&st=0  とりあえず、こっちで改行を入れてみた。  参考にして、研究するように。  これは俺のリズムになっているけど、まあ、だいたい誰がやってもあの文体であの内容なら、あんなものになるだろう。  主人公がショック受けているところとか。並列を生かすために、その前のブロックでは改行を減らしている。また流れが大きく変わるときに、「キャッチ」の一行を立てて、読者に「展開が変わった」ことを明示している。  あえて「一行起こし」をしている部分もある。  しかし、削りてぇ〜。  削っちまったほうがすっきりする行が、山ほどあるぜい。  わしの見て、改行の入れかたの研究したら、次は削りだな。  わしの「改行入れサンプル」の分析後――。  これまでのものをいったん捨てて、全行を繋げてしまったものを、また持ち出してくる。  もういちど改行の入れ直しをやりながら、その作業中に、同時に削りもやってみる。  すべての行に対して、「この行を削ったほうが全体としては良くなるかもしれない」という意識で眺めてみること。  はじめから「削る前提」で文を吟味するのね。  「この改行が絶対に必要な理由」とかと同じように――。  「この行を絶対に残さなくてはならない理由」を、一行一行ごとに申請するようなつもりでやるということ。  こんどは数が多くなるから、いちいち書き出せとまでは言わないが。 海辺関連> >>まず、優海について。 >>自分がこのキャラになにをさせようとしてたかというと、超越的調停者みたいなことをさせようとしていました。  アホ。生身の人間に、そんな神格的な役割を与えるんじゃない。それはすでに「人間」じゃないだろ。  その手のことをやるなら、せめて「巫女」とか、そんなふうな役柄も与えておけっての。そうすりゃすごくわかりやすくなるから。  だいたい、調停もなにも、彼女はまったくなにもやっていないじゃないか。  導いてもいないわけだし。  「調停者」とか、なんかスゴそうなお題目だけ唱えていて、なんの役割も与えていない。  この「優海」ってキャラ――ていうか、人間でないんだから、「もの」という扱いにするべきか。これはいらないよね。いまこの話にとっては。  この「優海」というモノを、どう扱うべきか、作者がまったくプランを立ててないんだよ。  つぎ。長峰について。 >>「町の象徴」というのは、主人公フィルタで見た場合のことです。 >>錯覚してる主人公の立場から見ると、長峰は象徴しているように見える、ということなのです。  主人公がそう錯覚しているのなら、読者だって同じ錯覚をするはずだろ。  この話は一人称なんだろ? なら、「主人公の意識」と「読者の意識」はイコールで結ばれるはずだが。  それに、長峰というキャラの意識と行動を、町の意識と行動に連動させて、象徴させるのでなければ――この長峰というキャラ、そもそも不要だってば。  主人公の「排斥されている」という思いは錯覚だったってことが真相となるなら、こんなふうに主人公に明確な敵意を向けてくるキャラを出すのは、読者をいたずらに混乱させるだけだっての。  話のテーマをとっちらかしてしまうだけ。たいへん良くないこと。  さて、「優海」も「長峰」も、なんだか不要論に傾きつつあるぞ。  また「沙織」とかいうキャラも不要なわけだから……。  この話、じつは主人公だけしか必要でないようだぞ。  んなわけないな。主人公だけで成り立つ話なんて、そうそうない。  この話に本当に必要なのは……。  「主人公」と「街」と、あとひとつだけ挙げるとしたら、なんになるわけ? >話のテーマに関わることとか >>むしろ町を受け入れるようになるのは、自分の愚かさに気づいて誤解を解いたから、ということのほうが強いです。  ひとつ質問なのだが。  なんで主人公は、「自分の愚かさに気づく」わけ?  ここんところが、まったく不明。  主人公は原因も理由も納得できるエピソードもなく、話のラスト付近になると、いきなり「自分の愚かさに気づいて」いるように見えるのだけど。  俺が納得できるように、言ってくれ。  なぜ主人公は、自分の愚かさに気づいたわけ? -------------------------------------------------------------------------------- 申し訳ありません No.6908 投稿日 2003年8月23日(土)03時27分 投稿者 紫ゆきや  6900番の私の書き込みに、誤字がありました。 === 貴重なお話し、(誤) 貴重なお話、(正) ===  たいへん失礼なことをしてしまいました。  久々の書き込みということもあり、3回どころじゃなく読み直したのですが、眺めていただけだったようです。  すみませんでした。 ●OFF会  新木さんの6904番の書き込みの通り、OFF会をやることに決まりました。  小説について、お話しできればと思っています。  お時間ありましたら、ご参加ください。 -------------------------------------------------------------------------------- 不規則な生活 No.6909 投稿日 2003年8月23日(土)04時05分 投稿者 名無し君2号  昼間に寝て、夜に起きる。不規則な生活のせいなのか、やたら眠くて仕方がない。やっぱり日の光を浴びなきゃ、体に悪いよなあ……。 >1000字課題 >>ひとつ、注意すべき点を言っておく。 >>わかりにくい。 >>なにが起きているのか、非常にわかりづらかった。  お手数かけます。話の内容は新木さんが読みとられた通りです。  が、確かに不要な人物、情報が多いですよねえ。無理矢理に縮めたような感じになってしまいました。 >>・不要なことは書かない。(枚数ないんだから) >>・わかりにくいことは、ベタになってしまっても、きちんと説明する。  わかりました。念頭におきつつ、続けます。  今日は2編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=554&e=res&lp=550&st=0  長編のほうは、いま話を考えているところです。昔のアイデアを掘り起こしつつ、悩みつつ、考えつつ。  ここまでで1時間でした。いったい何にそんなに時間をかけているんだ。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.6910 投稿日 2003年8月23日(土)05時46分 投稿者 新木 伸 >2号  長編書くなら、昔のアイデアなんか、すっぱり捨てて……。  いま新たにゼロから考え出すアイデアでやってみたほうがいいよ。  アマチュアが後生大事に抱えこんでいるアイデアって、大事にしまってあればあるほど、ロクなもんじゃないんだから。  「しまってあった大切なアイデア」なんかより、いかに読者を愉しませるのかってことに主眼をおいて、新たにアイデアを作り出してみること。  いま自分の書けそうなもんで、いちばん読者を愉しませられそうなものはなに? -------------------------------------------------------------------------------- みやびさんが応募した雑誌 No.6911 投稿日 2003年8月23日(土)08時46分 投稿者 細江ひろみ 紹介した雑誌では、コンテスト応募作品を、後で本にしたことはなかったはずなので、みやびさんが応募したのは、他社のもっと立派なコンテストではないかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 早く寝て、早く起きよう No.6912 投稿日 2003年8月24日(日)03時52分 投稿者 名無し君2号  雨が降り注ぐ。だから生温くて、湿っぽい。ああ、嫌だ嫌だ。眠くなる。からっと暑くなるか、さりっと涼しくなればいいのに。 >新木さん >>長編書くなら、昔のアイデアなんか、すっぱり捨てて……。 >>いま新たにゼロから考え出すアイデアでやってみたほうがいいよ。 >>アマチュアが後生大事に抱えこんでいるアイデアって、大事にしまってあればあるほど、ロクなもんじゃないんだから。  了解しました。  確かにロクなもんじゃなさそうです。 >>いま自分の書けそうなもんで、いちばん読者を愉しませられそうなものはなに?  なんだろうな……。やっぱりプロレス関係になるんだろうな。考えます。女子プロにしようか、な。 >1000字課題  今日は2編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=555&e=res&lp=550&st=0  今日は30分ほど。内容がないもんなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.6913 投稿日 2003年8月24日(日)05時56分 投稿者 新木 伸 >2号  長編のネタ。  自分の書きたいもの、じゃなくって、読者を愉しませることのできるものだってば。  プロレス関係は、その恨みつらみをエンターテイメントに昇華できるまで封印しときなさい。  あと「1000字日課」のほう。  奇をてらうのではなく、もっと普通の話にならんもんかな。なるべく大勢の人が愉しめるように心がけること。  たとえば、あそこにあるもののなかでは、「素直じゃないね」とかが、いちばん一般受けすると思われる。(完成度低いけど)  それから、通しナンバーを振るように。次は No.6 からだな。 -------------------------------------------------------------------------------- ごあいさつ No.6914 投稿日 2003年8月24日(日)13時59分 投稿者 西鶴翠(みどり)  こんにちは。以前、頻繁に分室に出入りしていました西鶴翠です。  今回行われるオフ会に参加いたします。すでに別の掲示板で参加意志を表明していましたが、分室を中心とするオフ会であるようなので、こちらでも挨拶をしておこうと思います。よろしくお願いします。  現在、工学系大学院二年生です。23歳の男です。20歳のときから小説投稿サイト「よみかく」にお世話になっておりまして、21歳のときから「よみかく分室」に書き込ませていただいております。  この分室で定義されているかたちでのプロ志望者ではありませんが、今もゆっくりと小説を書いております。ハンドルとは別の筆名で小説賞に投稿したりもしているので、分室の区分でいえば、作家希望者となるのだと思います(最後に投稿したのは去年の六月ですが)。今は、別の職業を志望しています。  以下、オフ会の細かいことについて。  体力的な都合で、今回は土曜日だけ参加します。  ノートパソコンは持参しますが、予備機は持っていません。  小説を書いてはいますが、最近書き上げたものはないので、作品は持っていきません。書いている途中のものを叩かれると調子が狂うので。  では、参加者の皆様、よろしくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 退室いたします。 No.6915 投稿日 2003年8月24日(日)21時09分 投稿者 馬宮恭  新木さん、そして皆様、ご無沙汰しております。  そして、初めての方もいらっしゃいますので、初めましてとご挨拶いたします。  6455以来の書き込みになります。  プロ志望者として、こちらに参加しておりました馬宮恭(まみやきょう)です。  突然の書き込み、お許しください。  よみかく分室を、退室いたします。  この書き込みが遅れたのは、自分の気持ちに整理がつかなかったからです。  自分がこちらでの活動に「ついていけなくなったのだ」と冷静に認められるまで、今までかかりました。  こんなけじめのない自分が情けなく、恥ずかしく、そして、皆様にもうしわけない気持ちでいっぱいです。  課題ができなかったことも、課題を中途で放り出してしまったことも。  そして、生存証明すら書き込めなかったことも。  すべて、私の力不足であり、熱意が足りなかったせいだと思っています。  少しの間でしたが、こちらに参加したことはとても貴重な経験でした。  皆様に大切な時間を割いていただいたにも関わらず、なにもできず退室してしまうことを、本当にもうしわけなく思います。  分室での修行のことを思えば、これからどれほどのことができるのか不安はあります。  けれども、分室を知る前、参加する前の自分より、考え方が変わってきているのを感じています。  ほんのわずかですが、書く文章も、物語を読む力も違ってきたと思っています。  それもこれも、すべて、こちらの掲示板と皆様のおかげです。  まだまだ手探り状態ですが、教えていただいた修行方法、ご指摘。  それらをひとつひとつ大切にしながら、これからやっていきたいと思っています。  もちろん、分室のロムも、続けたいと思っています。  ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- OFF会に参加します。 No.6916 投稿日 2003年8月24日(日)22時47分 投稿者 弟切 千隼  故郷より湘南に戻りました弟切です。向こうにいる間も、こちらへ戻ってからも、最近なかった好天気に恵まれてちょっと面食らいました。でも、故郷の伊豆の海で泳げて幸せでした。  題名にあるとおり、弟切は今度のOFF会に参加します。池袋経由の埼京線で行くつもりです。当日は午前中に一仕事済ませなければなりませんので、会場への到着は少し遅れると思います。  弟切は名にし負う方向音痴ですが、がんばってたどり着きます(^^;; 紫さんに頼んで地図を送ってもらいましょう。 馬宮さんへ >  退室されるとのこと、残念です。以前はよく馬宮さんの書き込みを読んで、「がんばらなくては」と弟切も励まされていました。  違う道を歩むことになったとしても、馬宮さんの御多幸をお祈りしています。 -------------------------------------------------------------------------------- これ書いてる途中、 No.6917 投稿日 2003年8月25日(月)03時10分 投稿者 巻島翔史  鼻血が出ました。久しぶりに。  一回出ると数日間続けて出るような体質なので、こりゃあしばらく鼻に注意しなきゃな。 改行分析>  ふむ。  一番最初の行が一文で止まっているのは、冒頭から長い段落にすべきでない、ということなのでしょうか。キャッチさが必要だから。  目立たせるために一文段落にしてあるところなどは、感覚としてわかりやすかったです。  たぶん、俺には「文章配置」の概念がまだ植え付いてないのだと思います。一番最初に出したものは、ほとんどの行を目立たせようとしていた。次に出したものは、逆に目立たせる意識が薄い。  文章構成というか配置というか、そういう力がまだまだちっともないのだなぁ。はあ。 削り課題> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=557&e=res&lp=557&st=0  たぶん、一度ではうまくいかないような、気がする。  分室の課題で一発OKって、記憶にないし。  文章の中身はいじらず、一文単位で削る方式でやってみました。(中身をいじりたい文もあったが、今回はやらなかった)   だから、ちょっと日本語の繋がりがおかしなところがいくつかあります。  指針としては、「なくても意味の通じるところ」「ひとつのことに過剰に書きすぎているところ」をなくすスタイルでやってみましたが。 海辺関連> >>だいたい、調停もなにも、彼女はまったくなにもやっていないじゃないか。 >>導いてもいないわけだし。 ・穴から助ける→高台から捜索の様子を見せる  という一連の行動が、自分としては「導き」にあたる部分だと考えていました。連れて行く、というのが導きであるとして。  主人公に、町の本当の姿を強く印象付けさせなければならなかったんですね。彼の誤解を解くために。そのための場まで連れて行くのが彼女の役割だった。 (まあでも、そこだけしかそれらしいことがないなら、「導くもの」であるとは言えませんね。全編通じての役割の一貫性が求められるでしょうし)   >>なんで主人公は、「自分の愚かさに気づく」わけ?  主人公は、先天的な土地への合う・合わないという屁理屈をもって、自己正当化をはかっていました。そしてその合わないとする根拠は、町の人がなにを考えて行動しているのかがわかりにくい、ということでした。  しかし、町の人々が自分たちを探しているところを見ます。  それを見て、「なに考えてるかとかどうでもいい。本質は皆同じ『人間』なのだ」と気づくのです。そしてその本質に比べ、自分のこだわっていたことがいかに矮小だったか、ということにも気づきます。  人間とはなにかと言いますと、この場合は互助の精神でしょうか。主人公は町の誰かが自分のためになにかしてくれるとは思ってなかったわけで。そこへ大勢で捜索されたもんだからショックを受けて、そのショックから自分の小ささを知ってしまった。  しかし、ムリヤリな論理展開ですね。これは。捜索されてるのを見て、そこまで一気に思考が到達しうるか疑問ですし。より大きななにかを見せて己の小ささを感じさせるのだとしても、果たしてそれが人間性みたいなものであってよかったのか。  もっと大きな『特定個人』を出して主人公と会わせるほうが、小ささに気づくことをはっきり見せられたのでは、といまは思います。 どのページから人は開くか>  行きましたよ。電車賃使って。大きい本屋。  べつにいままでにも、他人が本を手に取る瞬間を見てなかったなんてことはなかったのですが(自分が買うとき、横にいたりするし)、とどまって観察してみるとなかなか見えてくるものもありました。  まず感じたのは、「戻し」の多さでした。買われていく本は、手に取られた本の10分の1もない。煽りを読んで戻す、背中のタイトルを見て戻すなど。  また、買う買わないにかかわらず、本文までチェックされるのは少なかったです。一般的なチェックルートというのが、 『煽り→冒頭のカラーイラスト→目次後にあるキャラ紹介→本文』  という感じで。しかも本文に至るまでに買う買わないを決めちゃうほうが多い。熱心に時間をかけて見るのも、当然ルートの前mのほう中心。  煽りをざっと見て買うケースはシリーズ買いかな、とも思いますが、キャラ紹介を熱心に見るというのは違いますよね。シリーズ買ってるなら紹介は見なくていいし。ライトノベルはキャラクタの力が重要であるというのが実感できました。  で、肝心の「いったいどのページから人は開くか」ですが。  やはり冒頭から開く人は少なかったです。本文チェックした人を10人弱ほど見ましたが、テキトーなページを開く人、パラパラと全編を流し読みする人などが中心。本文チェックに1分を越える人もまれでした。そして、チェックが1分以内だった場合はすべて戻し。  なかには30分以上かけて全編を読みきろうとしていた人がいましたが。 「どのページから開かれるのが多いか」ということを厳密に答えるならば、カラーイラストからということになります。次がキャラ表。  キャラ表にはルビが振ってありますからね。合理的な行動と言えます。  本文は、いきなりど真ん中からという人はいなかったです。綿密に冒頭からということはありませんでしたが、それでもイラストやキャラ紹介のあとに見ることが多いので、どうしても前のほうからチェックという形になりやすい。  シリーズ買いの場合を除くと、ファーストコンタクトにおいてはイラストや煽りの力がかなり購入決定に強い影響を持っているようです。煽りだけで買うのを決めた人とかもいたし。シリーズの中途巻でもないのに。  本文チェックは、煽り・イラストで強く引かれなかった場合の、最終判断に使われている、というのが個人的に大きな発見でした。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠れない No.6918 投稿日 2003年8月25日(月)03時50分 投稿者 名無し君2号  早く眠りたいのに、なぜ。奇妙に目がさえて、眠れやしない。困った。 >新木さん >長編  やっぱり、手持ちの駒だと「プロレス」が第一候補になるのですが。  今日一日で、とりあえず王道路線、 「プロレスに何の興味もなかった主人公が、続けるうちにその魅力に目覚め、どっぷりとはまり込んでゆく話」  がいいだろう、というところまでは考えたのですが。  新しくは「スラムダンク」、古くは「あしたのジョー」なんかがこの路線でした。「ヒカルの碁」や「アイシールド21」もそうか。  これだと、 ・主人公がその競技に対して何の知識もないため、話の流れでどんな競技なのか、説明しやすい。 ・ど素人の主人公と比較することで、トップレベルの人間がどれほど凄いのかわからせやすい。 ・主人公をその競技にのめり込ませるために、流れとして競技の魅力を読者に語りやすい。  なので、プロレスの魅力を語るには一番いいかと思います。  「見る側」じゃなくて「やる側」の話だから、恨みつらみも表には出ないような気がするのです。「プロレスラー」、「プロレス」自体は好きだし。 >1000字課題 >>奇をてらうのではなく、もっと普通の話にならんもんかな。なるべく大勢の人が愉しめるように心がけること。  すみません。どうしても変な話にばかりなります。「水虫」なんて題名を思いついた私が悪いのですが。  普通に、普通に……。  今日は一編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=556&e=res&lp=550&st=0 >短編について  いまさらなんですが……。中途半端なままの短編のテーマ、新しく考えました。  まずは書きたいものを10個。 「気の強い少女が、好きな男の前で見せる女の子らしさ」 「小学生あたりの、微妙な男子と女子の関係」 「夏祭りの楽しさ」 「小学生あたりの、性に対する好奇心」 「小学生あたりの、性に対する嫌悪感」 「ごくごく少量、Hな感じ」 「妄想にふける男の情けなさ加減」 「ファーストキスのどきどき感」 「好きだから汚したくないと思うこと」 「相手を好きだということを自覚する瞬間」  そこから、テーマ。 ■「好き」ということは、どういうことなのか。プラトニックな恋のかたち。  そして、400字あらすじ。  小学校六年生の森田龍助は、同じクラスの百原歩美とつきあっている。しかし龍助は、別に歩美が好きなわけではなかった。夏休みに入って、龍助が友達の家に遊びに行ったとき、友達からHな本を見せられる。龍助はHな妄想で頭がいっぱいになってしまう。  翌日、龍助は歩美と一緒に、夏祭りに出かける。龍助はHな本の影響で、浴衣姿の歩美にあらぬ妄想をしてしまう。会話や行動がぎこちなくなる龍助。  龍助と歩美は、いつのまにか人気のない場所に来てしまう。そこでカップルのキスシーンを目撃する。思わず逃げだす二人。龍助の妄想は加速する。  別の場所で、興奮の極みからキスしようとする龍助。歩美は逆らわない。しかし龍助はキスすることができなかった。その理由を自問する龍助は、歩美を汚したくなかったから、歩美を大切に思っているからだと気づき、自分が歩美を好きだということがわかる。  で、最後にタイトル。 「恋のかたち」  テーマはすっかり変わったし、書きたいもの10個も、前回指摘されたポルノ路線を、すこしだけ変えただけのものです。  「気の強い少女が、好きな男の前で見せる女の子らしさ」の優先順位も、低くなってしまいました。  それでも前回よりは、大部お話らしくなっていると思います。 >西鶴翠さん  はじめまして。私はオフ会には行きませんが、どうぞよろしくお願いします。 >馬宮恭さん  はじめまして。そしてさようならですね。  私も短編やらペンネームやらプロレスやら、いろんなことを放り出していますが――いまだこの場所にへばりついています。  ああ、でも私とは事情が違うのかも知れないしなあ。  ともあれ、小説を書くことを止めるわけではない様子。これからも頑張ってください。  この文自体は書くのに1時間30分かかりました。短編のテーマは、ずっと頭の片隅で考えていたので、どのくらいかかったのか、わかりません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6919 投稿日 2003年8月25日(月)09時41分 投稿者 新木 伸 >馬宮  おう。  どうしていたのか、心配しとったよ。  内にこもってしまった人間を引っぱり出すのは、分室の役割じゃないので、それはしなかったわけだけど。  小説を書いてゆくなら、べつにどうやって書いてたっていいと思うぞ。  ここで考案した練習や、紹介した練習。べつに分室にいなけりゃできないわけでもない。  戻りたくなったら、またいつでも戻っておいで。  来るものは拒まず。去る者は追わず。再び戸を叩くものも追い返さず。それが分室の流儀だし。  ただいっぺん出て行って戻ってきたやつはいないのだなぁ。いまのところ。まあいつか出版社主催のパーティかなんかで顔を合わせれば、それでぜんぜん構わないのだが。  実際のところ、分室という場所はROMしている人のためにあるという話もある。  参加している人のためではなくってね。参加者はROMの人のために、僕の「引き出し」を開けていって、いろいろと吐き出させるためにいる。――という考えかたもある。 >巻島 >>一番最初の行が一文で止まっているのは、冒頭から長い段落にすべきでない、ということなのでしょうか。キャッチさが必要だから。  ちがわい。  他のところでは、たしかに「キャッチ」で一行起こししているところがある。  ちなみに「キャッチ」というのは、話題転換の起きる一発目に、見出し的役割でこれから書いてゆく物事について短く完結に記した一行を立てておく手法ね。  雑誌を見てみること。  本文の前に、かならず「キャッチ=見出し行」が入っているものだから。 >> 夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。 >> ロータリーのバス停は列を伸ばし、その合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体が通り抜けていく。  ここの部分で、頭のところが1行起こしになっているのは、2行目と違うため。  巻島は内容でしか区別を付けていないらしいが……。僕は文章が「マクロかミクロか」ってところにも注意を払って段落を付けている。  1行目は、概念的、包括的に書いているよね。  2行目は具体的に書いてある。バス停の列の長さとか「スーパーの袋」とか、  内容的には、同じ「夕方の駅前」についてのことだけど、見ているマクロさが違うので、これはもう段落を分けるしかない。書いてあることが「違う」から。 >>たぶん、俺には「文章配置」の概念がまだ植え付いてないのだと思います。  出してきたやつを見て、そう思った。  巻島って、段落を付けるとき、字詰めをまったく気にしないでやっているだろ。  俺のほう。  気づいたかどうかわからんが、38文字ぶら下がりありで整形してあるのだわ。「字詰め」が決まらなきゃ、段落位置なんて決められるはずがなかろう。  段落を付けろ、と言われて、字詰めを決めてこない時点で、「文章配置」がわかっていないってことになる。  一般的には文庫本は1行40文字前後になるが、新書なら1行は21文字だ。  本というのは、あくまで出版されたときの状態がすべてなわけだ。  出版時の字詰めがわからないことには、段落は決められない。  プロっていうのは、「なにか書いてください」ときたなら、かならず字詰めを聞くわけだ。  何文字×何行なのか。(字数は計算すれば出る) >文章の読みやすさとか  「文章の読みやすさ」なんてものは、そのかなりの部分が、内容以前に決まっちゃっているものなのだけど。  つまり、レイアウトでもって  つまり、文章の長短の配置でもって。(リズムともいう)  課題部屋にあがっているやつ。俺のとお前のと。  内容を読まないようにして、眺めてみるだけで、どれがいちばん見やすいのか試してみるべし。  う〜ん。  それじゃわからんかなぁ。巻島だと。  なら、長くなるが、ちょっとやってみる。  以下の3つを見比べてみること。  どれがいちばん「読みやすい」か――。  すべての文字を、一律、「□」に変換してある。  39文字で整形してあるから、見にくい場合には、ブラウザの文字サイズを「中」や「小」にしてみること。 新木版、 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=553&e=res&lp=552&st=0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  □□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□ □□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。 □□□、□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□。  □□□□□□、□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□、□□□、□□□ □□□□□□□□□。  □□、□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□、□□□ □□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、 □□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□、□□、□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□。 □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□ □□□□。  □□□□□□□、□□□□□、□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□□□□ □□。  □□□□□、□□□□□□□。□□□□□□、□□□□□□□、□□□□□□□□ □□□。  □□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□、□□。□□ □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□。□□□ □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□。  □□□□□、□□□□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□□□ □□□□□□□□。□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□。□□□□ □□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□ □□□□、□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、  □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□、□□□□□□。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 巻島版、削りなし http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=552&e=res&lp=552&st=0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  □□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□。 □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□ □□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。 □□□、□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□。  □□□□□□、□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□、□□□、□□□ □□□□□□□□□。  □□、□□□□□□□。□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□ □□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□ □□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□。 □□□□□□□□□□□、□□、□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□ □□□。  □□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□。 □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□ □□。  □□□□□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□ □□□□。  □□□□□□□、□□□□□、□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□□□□ □□。  □□□□□、□□□□□□□。□□□□□□、□□□□□□□、□□□□□□□□ □□□。  □□□□□□□□□□。□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□ □、□□□、□□。□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。□□□□□□ □□□□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□。  □□□、□□□□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□ □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□。□ □□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□、□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□ □□□□、□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□、□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□。□□□□、□□ □□□□□□□□□□□。□□□□□□、□□□□□□。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 巻島版、削りあり http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=557&e=res&lp=557&st=0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  □□□□□□、□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□、 □□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□、□□ □□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。 □□□、□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□ □□□□□□□□。  □□□□□□、□□□□。□□□□□□□□、□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□。□□□□□□、□□□、□□□□□□□□□□□□。  □□、□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□ □□□□□□□□□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□、□□、□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□□。□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□。□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□ □□。  □□□□□□□、□□□□□□□□□□。  □□□□□□□、□□□□□、□□□□。  □□□□□、□□□□□□□。□□□□□□、□□□□□□□、□□□□□□□□ □□□。  □□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□、□□。□□ □□□□□□□、□□□□□□□□□□□□。□□□□□□□□□□□□□。□□□ □□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□。  □□□、□□□□□□□□□。  □□□□□、□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□。□□□□□□□ □□□□□□□□。□□□□□□□□□。□□□、□□□□□□□□□□。□□□□ □□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□□□□□。□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□。□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□。  □□□□□□□□□、□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□、□□□□□□ □□□□□。  □□□□、□□□□□□□□□□□□□。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ……さあ。  どれがいちばん、「見やすい?」  内容でなくて、「レイアウト」として。 >削りについて  前半まで、特になし。  有希に出会うシーンから。だいぶ余分なものがある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  県道も、ラッシュの時間だった。亮介の脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。テールライトの赤がちょっと眩しい。  そのとき、亮介のすぐ近くでクラクションが鳴った。驚いて、音のしたほうを振り返る。  車道はとっくに、平穏を取り戻していた。  亮介は首を戻し、歩きかけて、止まった。  でもきっと、見間違いだよな。そう思いつつ、今度はこわごわ、首を後ろに動かしていく。  見間違いではなかった。  車道を挟んだ対岸に、さっき頭のなかに浮かんでいたその人、有希が、いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この部分、ほとんどいらない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  県道も、ラッシュの時間だった。亮介の脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。  そのとき、亮介のすぐ近くでクラクションが鳴った。  見間違いではなかった。  有希が、いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これだけあれば充分だろ。  語の接続は直すとしても、残すのはこんなところ。  クラクションは変えたほうがいいね。主人公が振り返る理由に、なんか他のことがほしい。「声が聞こえた気がして〜」でもいいし、なんか、それなりのもの。  もしくは振り返るのではなくて、前方に見つけるとか。  あと、ぜんぜん別のことがらが、ひとつの段落の中に入りこんでしまっている箇所があった。 >>自分は色恋沙汰に鈍いほうだと思う。でも、さっきのあれを見て意味がわからないほどじゃない。店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。  自分の性格に対する感慨と、店の中のラジオの音が遠いってこととが、どうしてひとつの段落に入ってしまうのやら。  「ラジオの音が遠く聞こえる」ってのは、あとの宇宙人が暴れていることの伏線になるから必要なことだな。  単独でぽつんと段落を作ってしまうと、ひどく浮いてしまって、伏線が伏線でなくなってしまうので、こうして他の段落に寄生させているのかもしれない。(巻島のことだから、そこまで考えてやっているわけではないかもしれないが)  もうすこし前のところで、肉体感覚について書いているところがあるだろ。  「息が苦しい」とか、そういうことを書いている段落。  あっちのほうに移動させて、さりげなくまとめてしまうのが手だろう。それなら「肉体感覚」って括りでひとつの段落にまとめてしまえるから、この伏線は目立たなくなる。  んじゃ、次。  こんどは語句の修正やらもやってみるのこと。  あと、ついでに今回教えた、「字詰めを決めて眺めてみる」と「内容以前にレイアウトによって発生する読みやすさ」なんかも考慮して、やってみること。 >海辺関連  「導く」ってのを、辞書で引いてみろ。  導くからには、恒常的に誘導していないとならないわけね。  ラストのところで一回だけ「教える」なんてのは、それ導いたって言わないの。  主人公を導く役割を彼女に与えるのであれば、話の序盤に1回、中盤に1回、そしてラストで1回、主人公を正しい方向に誘導しようというエピソードがなければならんでしょ。 >どうして主人公は愚かさに気づくのか  初期状態:「村の人々がなにを考えているのかわからない」  終了状態:「村の人も同じ人間だ」  …………。  おい。  初期状態と終了状態とが、対応しとらんだろ。  頭とシッポが、別々のイキモノだぞ。合成獣かなにかか、この話は。  初期状態が「何を考えているのかわからない」であるなら、対応する終了状態は「考えがわかった」であるはずだし……。  終了状態のほうに合わせるのなら、初期状態で主人公は「田舎者は人間じゃない」と偏見を持っていなくてはならないはずだが。 >>主人公は町の誰かが自分のためになにかしてくれるとは思ってなかったわけで。そこへ大勢で捜索されたもんだからショックを受けて、  こっちのほうなら、まだしも、初期状態と終了状態とが対応しているわけよ。  「村の人は自分になにもしてくれないと思った」→「助けてくれた」→「誤解だとわかった」――って経緯ね。  しかしこの話は、そういう形になっていない。あらすじを見ろ。  主人公が胸に抱いていて、この話を動かしている「感慨」というのは、「田舎は自分に合わない」ということだろ。  環境の急変に不満をもらし、田舎に溶け込めないでいる主人公の物語として、話は進んでゆくわけだろ。自分がまわりに合わせるのではなく、自分に合わせない周りが悪いと決めつけてゆく姿勢だろ。  「村の人は自分になにもしてくれない」という初期状態は、どこにも書かれてないぞ。  だから、なにを書くのか、自分の中で固定しろっての。  「排斥」を書くのか。「理解」を書くのか。  初期状態と終了状態とを対応させろって言ってるわけね。  そんなに難しいことを、俺は要求しているのか?  初期状態と終了状態を、2行ほど書き並べて、そして見比べてみれば済むことだろ?  その程度のことを、なぜやらない?  なぜ「話はちゃんとしている」と思いこんで自分をごまかす? >本屋での観察  俺にしてみれば、作家志望者を自称するヤツが、なぜいままで自発的にその観察をしてこなかったのか、まったく理解不能なところだが。 >>『煽り→冒頭のカラーイラスト→目次後にあるキャラ紹介→本文』  「読者」は、店頭でこういう順番で見てゆくわけね。  そして本文にまで辿り着く率は、10分の1もないわけね。  なら、自分の本を読者に売りつけるために必要なことは、以下の順番で優先度が決まるってことだよね。 1.面白そうな「煽り」が付けられる内容で書くこと。 2.見栄えのするカラーイラストを付けられる「展開」にすること。 3.キャラを立てること。  これらのことが、「本文」なんかより、「観察値」で10倍ほど大切だってことになる。  「煽り」とあらすじは、ほぼ、イコールだよな。最後のほうが書かれないけど、前半は一緒になることが多い。  つまり、あらすじが面白くない話は、ダメだってこと。売れやしない。  カラーイラストは、だいたい「見せ場」になるわけだが。  その「見せ場」をカラーイラストに起こしたときに、栄えるようなシーンにならない話は、ダメだってこと。売れやしない。  キャラ紹介を見て、「あ、このキャラいいな」と思ってもらえない話は、ダメだってこと。売れやしない。  ――で、上記のことがらにくらべたら、たったの10%ほどの重要さしかない「本文」についてだが。  それだって、けっこう重要。  本を手にとるかどうかは、上記のように「本文」以外のところで決まることが多いわけだが……。  その本を「買うかどうか」を最終的に決定するのは、やはり「本文」の価値によるわけだ。  巻島の観察によれば、「1分間」以上立ち読みさせることができれば、その本は買ってもらえるらしい。(これは買ってゆく可能性が出るってだけか? 買ってゆく人は、平均すると何分読んでいたのだ? >巻島)  そして、作品中の「どの部分」を立ち読みされるかは、やはり未定らしい。  序盤のあたりが読まれることが比較的多いようだけども、それも「前の部分」というだけで、作品の頭から読まれると決まったわけではない。  つまり、作品中のどこを読まれてもかまわないように作っておかなければ、はじめの「1分間の試練」に耐えきることができないわけだ。「ここはちょっと展開がタルい部分なのでぇ〜」なんて言いわけは、通用しないのだ。 >2号 >>やっぱり、手持ちの駒だと「プロレス」が第一候補になるのですが。  だから、まだやめとけっての。  できるようになるまで、封印しとけっての。  「プロレスの魅力」っていうけど――。  自分自身がわかってもいないことに、読者を引きずり込めるはずがなかろう。  ついこのあいだ、俺と鐸碑さんとに、プロレスの魅力を説明しようとしてできなかったことを忘れたの?  「プロレスって八百長なんだよね」――って言葉に対する反論。自分で出してこれなくて、僕と鐸碑さんとに出してもらったのを忘れたの?  プロレスの魅力を語る話は、プロレスの魅力を自分がしっかり掴んでから書けっての。 >No.6  今回はネタとしてはよかった。  喜怒哀楽のうちの、「哀」ってやつだね。  そういうものも、充分に、読者を「愉しませる」ものになる。  なんでもいいから感情を揺さぶってくれればいいのだ。  しかし「揺さぶる」のであって、「引っ掻く」のとは違う。  水虫だとか悪魔の話とか。思いついたワンアイデアを披露するのに夢中で、読者のことをこれっぽっちも考えてなくて……。読まされたこっちは、げっそりするわけ。  リストカットは惜しいところだったが、やはり引っかかれた感が強かった。痛い話を読まされて、読んだこっちに生傷ができたよ。  たとえフリでも自分的儀式だったとしても、自殺ネタはやだね。  ちなみに人間の感情は「喜怒哀楽」が基本パターンだから。  それぞれ、バランス良くやってみること。  「楽」ってのは、ほのぼの系。例の老人と若者パターンが該当するか。  「哀」は今回の行きずりの男の話か。  あと「怒」と「喜」がないわな。  んでもって、No.6の話。  冒頭のところ、はじめ、わけがわからなかった。  つまり、暗闇のなかで行われる情事だってことが、すぐには理解できなかった。  頭を使わずに、そのことがすんなりわかったら、もっとよかった。  欲を言うなら、わかるだけでなくて、「暗闇感」とか「情事感」とか、そういうものも欲しいところだが。  しかしなんで後ろからなわけ?  正常位っていうぐらいだから、体位ってのは、前からが普通だろう。  普通でない体位にしたことに、ちゃんと理由は持っている? >1000字日課  僕が昔、5日間だけやったやつ。  いちおう、上げておいた。  雑誌連載の小説仕事をもらって、「新木 伸」の名前でプロデビューして、半年くらいの頃に書いたやつ。 >短編  「龍助」ってのは、これ小学生の名前じゃないわな。  剣道でもやっていてだいぶ強い男の子ならありだろうが、わりと情けないタイプの普通な少年なわけだろ?  「歩美」のほうはよし。普通に小学生っぽい。  ただ「気の強い女の子」を描きたいならNG。おとなしめの子ならOKだが。  話としては、芽生えかけの性欲よりもプラトニックな恋愛感情を優先させる話なのだろう。その路線はOKだと思うが……。  まず、初期状態から。  主人公は女の子と付き合っているけど、別に好きなわけではない――てのが、まず理解不能だった。  好きじゃないけど付き合っているってのは、いったいどういう状態だ? 女の子のほうだけが惚れていて、しかたなく付き合ってでもいるわけ?  で、そんな男の子が、エッチなことをまわりからインプットされたせいで、性欲を覚えてしまうわけだね。そしてキスを迫るが、思いとどまる。それは女の子に対する「好き」の気持ちからだった。  ――となるわけだが。  初期状態:「女の子はべつに好きじゃない」  終了状態:「女の子が好き」  このあいだにあるはずの、「なんとも思っていない」から「好き」に変化するエピソードが、まるまる欠落している。  これじゃまだ話になってない。  なぜ、「なんとも思っていない」が「好き」に変化したのか。  性欲なんてものは、女の裸を見たら自然発生するようなものだから、これは理由不明でかまわない。「なぜ性欲を覚えたのか」に、理由なんていらない。  また性欲に引きずられる形の「恋愛」であれば、やはり理由不明でもかまわないだろう。「ヤリたい」と「好き」とを区別できないなんてのはよくあることだし。  しかし、この話では、そうはいかないはず。  「性欲」と「好き」とが、別のところから発生していることを、きっちり描ききらなければ、この話は成り立たない。  よって、主人公が女の子のことを好きになるエピソードを、がんばって、考えること。 -------------------------------------------------------------------------------- 機種依存文字について No.6920 投稿日 2003年8月25日(月)09時50分 投稿者 新木 伸 >2号  「avは、これ、機種依存文字ね。  「No.」と半角英数字で書けば誰でも読めるが、「avだと、MACを使っている人は読めない。  過去ログに全文検索で「機種依存文字」で探してみると、数回出てきている。  あと機種依存文字の一覧やら、詳しい解説やら、こちら参照のこと。 http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/ -------------------------------------------------------------------------------- 憎しみの連鎖 No.6921 投稿日 2003年8月25日(月)23時50分 投稿者 弟切 千隼  今日も湘南は暑くて、暑さに弱い弟切は昼間くらくらしながら仕事をしていました。  でも、考えてみれば、日本の関東地方以西の夏は、このくらいの気候が一ヶ月ほども続くのが普通ですよね。今年はやはり異常です。この夏、本当に暑かった日は、これまでで二週間に満たないでしょう。  そういえば、故郷の伊豆の海で泳いだ時、刺す種も刺さない種も含めて、さっぱりクラゲを見ませんでした。冷夏ですとクラゲも発生しにくいのでしょうか。 >>「憎しみ」の分析  No.6898の書き込みの続きです。  No.6898までの分析で、人が何かに憎しみを抱く原因として、以下の二つを挙げました。 1.実際に危害を加えられたため。 2.危害を加えられたと錯覚したため。  ここでは、「人が人に対して憎しみを抱く」場合について考察していますから、実際に危害を加えたり、危害を加えたと錯覚されたりする対象は人間とします。  としますと、人間はどんな時に他人に危害を加えるでしょう? また、どんな時に危害を加えたと錯覚されるでしょうか?  実際に危害を加えた場合は、故意か故意でないかによって違いますね。  故意に他人に危害を加えるのは、およそどんな社会でも「悪」とされています。危害の程度によるとはいえ、これは社会的に強固な禁忌ですから、破るにはある程度強い動機が必要です。  例えば、借金取りに追い詰められて強盗をした人がいるとします。その人が他人に経済的危害を加えた動機は、「そうしないと自分が(経済的)危害を加えられるから」ですね。自分に降りかかる危害を避けるために他人に危害を加えるのは、よくある構図でしょう。  もう一つ、故意に他人に危害を加える動機としては、「他人に悪意を持っているから」というものが考えられます。例えば、「あいつには負けたくない」という競争心や、嫉妬や憎しみを持っている相手の悪口を言いふらす(=心理的危害を加える)のは、よくあることですね。  上記の『他人に悪意を持っている』云々という文章は、自家撞着[じかどうちゃく]を起こしています。憎しみの原因として「人が人に危害を加えること」を考察しているのに、人が危害を加える原因に「憎しみ」を挙げているのですから。  これは、矛盾しているようで矛盾していません。世の中の実例を観察しますと、危害が憎しみを生み、その憎しみが危害を生み、その危害がまた憎しみを生み、と延々と連鎖していることがわかります。誰かに危害を加えられれば、その誰かを憎み、報復に危害を加えたくなるのは人間として普通です。  国際社会におけるパレスチナ問題がいい例ですね。最初に危害を加えたのがどちらだったのかはここでは置いておいて、パレスチナ人たちがテロを行なえば、イスラエル人たちの憎しみが盛り上がって報復攻撃が行なわれ、それに対して憎しみを増加させたパレスチナ人たちがまたテロを敢行し、さらなるイスラエルの憎悪と報復攻撃を呼び、という連鎖が何十年も続いているのは、皆さん御存知でしょう。  パレスチナ問題においても、イスラエル人とパレスチナ人双方の言い分は、「相手に危害を加えないと自分たちが危害を加えられるから」です。危害を加えられるのを避けるために仕方なくやっているはずのことが、いつのまにか一人歩きして、憎しみの連鎖を作り出しています。  憎しみは危害を生みやすく、それによってさらなる憎しみを生みがちです。もっと縮めて、憎しみは憎しみを生むと言ってよいでしょう。憎しみという負の感情に任せた行動は、度を越したものになりやすいため、後になるほど危害の程度がひどくなって、それに伴う憎しみも増大することが多いです。  最初に誰かが誰かに危害を加えたのが、故意ではなく不幸な事故だったとしても、危害を加えられた側が加えた側に憎しみを抱き、報復の危害を加えてしまえば、憎しみの連鎖が始まるでしょう。きっかけがどうあれ、憎しみには連鎖しやすいという性質があります。  ただし、憎しみが連鎖するにはある条件が必要です。その条件とは、互いに密接な関係にあることです。密接な関係になければ、憎しみの相手を見ずに済むよう離れればよいのですから。  けれども、憎しみが大きい場合はその限りではありません。大きな憎しみを持つ人は、その憎しみを相手にぶつけることしか考えられなくなります。本当は離れられるのに、相手と離れないことを選択して憎しみの虜になってしまいます。相手から離れて憎しみを手放せば楽になれる、と気づけなくなってしまうのですね。  憎しみの連鎖を描いた作品として弟切が思い出すのは、TVアニメの『伝説巨神イデオン』ですね。二十年ほど前に放映された作品です。  この作品の舞台は、地球人類が宇宙へ進出して植民惑星をいくつも作っている遠未来です。ある惑星で地球人と異星人が出遭い、戦争になります。互いに最初から憎しみを持っていたわけではなく、どうしても戦わなければならない理由はなかったにもかかわらず、誤解から戦争が起こります。  『伝説巨神イデオン』に登場する異星人は、肉体的にも精神的にもほぼ全く地球人と同じで、今観ると「これのどこが異星人?」と思ってしまいます(^^; が、それに目をつぶれば、この作品は人間同士の憎しみの連鎖をよく描いていると思います。  地球人と異星人との戦争は、最初は謎の力「イデ」の奪い合いが目的でした。それが戦闘が続くうちに互いの被害が大きくなり、憎しみも増大して、ついには互いを滅ぼすことが目的になってしまいます。地球人と異星人とは結局相討ちになり、登場人物が全員死んでしまうというそれまでのアニメにない結末となったため、総監督の富野喜幸さんは「皆殺しの富野」という異名を奉られてしまいました。  この悲劇的な結末は、「憎しみの連鎖をどこかで止めないとこうなる」というメッセージだと思います。これはフィクションの娯楽作品なので、最後の最後には、ちゃんと救いが用意されていますが。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨が霧のようだ No.6922 投稿日 2003年8月26日(火)03時37分 投稿者 名無し君2号  強い雨、そして強い風のせいで、雨粒が霧状になって吹きすさぶ。傘が何の意味も持たない。服が濡れるのはまだいいとして、買った本がぐじゃぐじゃになったのは悲しい。渇くとぱりぱりになって、ページをめくりづらいし。 >新木さん >長編について >>プロレスの魅力を語る話は、プロレスの魅力を自分がしっかり掴んでから書けっての。  了解です。  でもそうなると、何にしようか、な。  読者を最大限、楽しませられるものは何なのか。考えます。 >短編について >>なんでもいいから感情を揺さぶってくれればいいのだ。 >>しかし「揺さぶる」のであって、「引っ掻く」のとは違う。  痛い話は痛い話で、「揺さぶれる」ようにして出せ、ということですね。自分の嗜好と、読者の嗜好とのすりあわせ。当たり前のことが出来てないわけですね。  今回は「喜怒哀楽」の「怒」で書いてみました。  2編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=559&e=res&lp=550&st=0  機種依存文字に関しては、みなさま、失礼いたしました。以後気をつけます。 >No.6の話 >>冒頭のところ、はじめ、わけがわからなかった。  照れがあったんだと思います。かといって生で出すんじゃ料理人じゃないわけで。そこらへんのさじ具合が、うまくできてませんでした。 >>しかしなんで後ろからなわけ? >>正常位っていうぐらいだから、体位ってのは、前からが普通だろう。 >>普通でない体位にしたことに、ちゃんと理由は持っている?  当初、主人公が彼から「目が見えはじめている」と告げられたとき、 「彼を胸に抱きかかえてなくてよかった。鼓動の高まりを気づかれなくてすむ」  という一文があったのですが、まったく無駄な文だったので――もとい、書いてるうちに行数が足りなくなったので、削りました。  んー、後は無意識のうちに、なるべく顔を見られないような体位を取った、というのはいま考えつきました。すみません。  まあ……あとは私の嗜好かも。 >1000字日課  見させてもらいます。  ……ちゃんと起承転結あるなあ。話になってるなあ。――当たり前だわな、プロなんだから。  このレベルにいかなくちゃならないのね。 >短編 >>「龍助」ってのは、これ小学生の名前じゃないわな。 >>剣道でもやっていてだいぶ強い男の子ならありだろうが、わりと情けないタイプの普通な少年なわけだろ? >>「歩美」のほうはよし。普通に小学生っぽい。 >>ただ「気の強い女の子」を描きたいならNG。おとなしめの子ならOKだが。  名前は考え直します。「普通の小学生」「気の強い少女」でひねり出します。 >>主人公は女の子と付き合っているけど、別に好きなわけではない――てのが、まず理解不能だった。 >>好きじゃないけど付き合っているってのは、いったいどういう状態だ? 女の子のほうだけが惚れていて、しかたなく付き合ってでもいるわけ?  うーん。本当は主人公も女の子が好きなんですね。でも、小学生だから、女の子とつきあっていると、まわりから冷やかされるわけです。特に男子の側から。  おまけに女の子は「気が強くて男子も恐れるような女の子」なので、なおさら男子からの風当たりが強い。だから非常に恥ずかしい。だったら別れればいいんだけど、本心は好きなもんだから、その決断はできない。  そこで「別に好きじゃないけど、しかたなくつきあっているんだよ」とまわりに示して、自分自身もそう思いこもうとしている……。  うーん。強引か。  第二弾。  主人公は別に女の子を好きじゃなかったけれども、いわゆる「恋愛」という行為自体にはあこがれがあった。だからとりあえず恋人同士になった。  こちらのほうが自然な気はする。  第三弾。  主人公は、ガキなもんだから、自分が相手に「惚れられる」ならしかたないが、自分が相手に「惚れている」ことは認めたくない。何か負けたような気がするから。  これかなあ。  一番目と三番目は、初期状態が「本当は好きなんだけど、それを認めたくない」です。二番目は、「好きじゃないけどつきあっている」ですね。  まあ、どれにしたって――。 >>よって、主人公が女の子のことを好きになるエピソードを、がんばって、考えること。  を、考えなきゃならないですね。「本当は好き」ならば、それを匂わすような何かがいるか、な。  ここまで書くのに2時間かかりました。明日は晴れるといいなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6923 投稿日 2003年8月26日(火)05時22分 投稿者 新木 伸 >2号  最近の2号の傾向。  僕が「だめ」というと、すぐに「はいそうでした」と言ってくる。  自分の主義も主張も、なんにも持たないイエスマン。  僕は――。  考えろ、と言っているのであって、「はいはい言え」と言っているわけではない。  なにかをちょっとばかりやってみたら、すぐ他人の目と判断に預けてしまうその姿勢。  「くじ引き気分でやるな」と、前からずっと指摘しつづけているのだけど。いいかげん自覚しろ。  ちなみに課題部屋にあげた僕の昔の1000字掌編だけど。  あれ、「褒めろ」とでも言ったように聞こえたのか?  じつはあれ、昔、「小説処」という場所にあげたところ、さんざん叩かれたものなのだが。  ……こういうことを言うと、2号はこんど、「けなせ」と言われたのだと思って、そう行動してくるのだろうなぁ。前頭葉を持ってないから。 >>強い雨、そして強い風のせいで、雨粒が霧状になって吹きすさぶ。傘が何の意味も持たない。服が濡れるのはまだいいとして、買った本がぐじゃぐじゃになったのは悲しい。渇くとぱりぱりになって、ページをめくりづらいし。  渇く→乾く  「傘が何の意味も持たない」→日本語になってない。  「傘の意味」って、いったいなんだ? 傘に意味なんてあるのか?  ぐじゃぐじゃ→辞書を引け。  この場合に使われる擬態語は「ぐしゃぐしゃ」のほうだ。  冒頭書き出し部分の3行に、誤字と誤用と用法ミスとが3個も含まれているような書きこみ。  まるごと無視してしまっていいかね? >No.6  後背位が「どうも変」だと思った理由。  男の側の心理に入ってみたら、すぐわかった。  彼は視力を失っているわけだな。そして介護してくれている女性と肌を合わせるわけだ。  男には目の見えない不安がある。したがってより密着できる体位を好むはず。  よって後背位は変。  松葉崩しでやってるのと同じぐらい、変。  後ろからの体位でも、密着できるのはあるけども……。  フィニッシュ決めた後に男が倒れ込んできているから、これ、やっぱり後背位だな。獣が交わる姿勢のいわゆる「バック」ってやつ。 >No.7−8  つまらん。  てか、よくわからん。  今後はつまらんものにはコメント書かずに、スルー(無視)することにする。  コメントもらいたけりゃ、死ぬ気で面白いものを書いてこい。自分の力で、コメントをもぎとってみせろ。  作品を書いて、読ませて、人に何か言わせるというのは大変なことなのだ。さらにカネまでもらうというのは、もっともっと大変なことなのだ。  ちなみに僕の場合、はじめの3〜4行だけを見て、その残りも読むかどうか決めている。冒頭3〜4行のなかに面白いものが書かれてなかったら、その先になに書いてあったって無駄だから。  はじめの数行で見切られるってのは、べつに僕だけの話ではなくて、世の多くの読者もそんなもん。 >短編のほう  「歩美」という名前。  気の強い女の子の名前としてはNGだが、しっかりしている女の子の名前ならOKだろ。  2号はずっと以前から、「気の強い気の強い」って、なにかおまじないのように繰りかえしているけど。それはいったい、どういう種類の気の強さなんだよ? 「気が強い」にも、いろいろあるだろ。「気の強い気の強い」とおまじないのように唱えておけば、お前の脳内のイメージが俺の脳内に転写されるとでも思っているのか?  だいたい、「気の強い女の子」ってのは、前の話の時に必須なものだったけど。  今回の話には、なにか別なテーマがあるんじゃないのか?  今回のは、主人公が女の子を好きになって、その好きな気持ちを性欲よりも優先させる話だとか、そんなことを言っていなかったか?  テーマが違っているのに、使う素材を吟味しないで、そのまま流用しちゃっていいのかよ?  君はニンジン(気の強い女の子)が大好きらしいな。  カレーなら、たしかにニンジンは使うだろう。しかし今度作ろうとしている料理はカレーじゃなくて、チャーハンだったりするのだな。  チャーハンにニンジンを入れてしまっていいのか? どうなんだ?  普通、入るものなのか? チャーハンにニンジンは?  もういちど、書きたいもの、入れようとしているものを出してくること。  そして優先順位を付けること。  「勝ち気な女の子〜」が「好きだから汚したくない〜」の、上にあるのか下にくるのか、はっきりしてこい。 >話の初期状態  話の初期状態として、女の子とすでに付き合っている主人公――てな状況が設定されているわけだが。  これ、もう決定済み? 考えなくてもいいところ?  もうロックオンしちゃって、アイデア出しに踏み切っていいところ?  いま、「すでに付き合っているんだけど、でも相手の女の子のことを好きだと自覚していない状態」の理由をひねりだそうとして、知恵を絞っているわな。  三つしか出してこないところが、とても弱々なのだが……。おまけに「1」と「3」とは、もはや別の話になっちゃってるし。(それは「好きなんだけど素直になれない」話だ。また別の話向けの「頭」の部分だ)  まあそれでも君なりに頑張って、アイデア出しをしていたりするわけだ。  やっていて、自分でも自覚があるだろうけど……。  かなり無理無理な状況を、ゴリ押しで作り出そうとしているよね。  しかしたとえば、話の初期状態として――。  「二人はべつに付き合っていない」ということにでもしておけば、「付き合っているけど好きじゃない状態」なんていう無理矢理な状況を回避できるんじゃないの?  もしも、その「付き合っているけど好きじゃない状態」というのが、作者の書きたいものリストの中にあるのなら、ここは頑張って、その状況をなんとか使えるように知恵を絞るところだろうが……。  ……ないじゃんか。「書きたいものリスト」のなかに、そんなものは入っていない。  なら変更可能ってことだろ。  もっと無理じゃないシチュエーションに交換してしまえ。  この話で肝心なのは、「女の子のほうは男の子のことが好きだが、男の子はべつになんとも思っていない」という部分だろ。  その構図だけが重要であって、他は不要。  それが容易にスムーズに達成できる話の導入部って、どんなものがある?  実際には、起承転結のうちの「起」のパートを丸々使って、この「女の子のほうは男の子が好きだが、男の子はなんとも思っていない」という初期状態を読者に示すことになるわけだ。それが「起」の役割ってもんだし。  そこではどんなエピソードがあって、どんな展開になるのだ?  そしてこの話の「尾」は、「好きだから汚したくない」なわけね。そして「胴体」は、「好きになる」なわけね。  そこに繋がる話の「頭」を考えるところなわけね。  別の頭を考えてくるんじゃないよ。  おまえ、すぐ別の頭を持ってこようとするんだから。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨 No.6924 投稿日 2003年8月27日(水)00時58分 投稿者 巻島翔史  久しぶりに雨が来ました。  こんなふうに降ってからようやく、こないだ傘をなくしてまだ代わりを買ってなかったことに気づいたりする。  出かける前の鬱な一瞬。 文章レイアウト>  新木さんのは、「濃淡」と言いますか、短い文を集めたところと長い文を集めたところとが、割と明確になっていました。リズム・緩急ということを言うなら、こうしてきっちりしてあるほうがいいでしょう。  俺のはあれですね。削り版でもまだ、濃淡の差というものが薄い。 語句の修正やらもやってみるのこと> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=560&e=res&lp=560&st=0  たいして変わってませんね。まぁまだそんなに文章の量がないからでしょうけど。  で、次は増量なわけですが。  この場面でどこを増やせばいいのか。 ・稲瀬の自慢話のくだりをもう一行。 ・有希を発見するくだりのところをすこし。    それぐらいでしょうか。それでいいならそのままやって、次回提出しますけど。まだ(増やすべき箇所が)あるような気もするんだよなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- ミネルヴァの梟[ふくろう]は夜に翼を広げる No.6925 投稿日 2003年8月27日(水)02時06分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、そろそろ眠ろうかと思っていた時、弟切は窓の外で「ほう、ほう」と鳴く声を聞きました。どうやら梟[ふくろう]の類いの鳥が鳴いていたようです。自宅付近で梟の仲間の声を聞いたのは初めてでした。 >>「憎しみ」の分析  No.6921の書き込みの続きです。  前回は主に、故意に危害を加えられて生じた憎しみについて考察しました。危害を加えた相手に対して憎しみを抱くのは、普通の人間の心理として問題はありません。問題になるのは、ほぼあらゆる社会で禁忌となっているのに、なぜ人が故意にそのような行動を起こすかです。  原因には、以下のものが考えられました。 1)相手から危害を加えられるのを防ぐために、こちらから先に危害を加える。 2)相手に悪意を持っているために、危害を加える。  2)の『悪意』には憎しみが含まれることが多いです。このことから、最初のきっかけが何であるかにかかわらず、 「憎しみは憎しみを生む=憎しみは連鎖する」 性質を持つことがわかりました。  憎しみを抱く側と抱かれる側とが密接な関係にあればあるほど、また憎しみが大きければ大きいほど、この性質が強く現われます。  上記の考察を踏まえて、今回は、「故意でなく危害を加えられて生じた憎しみ」について考えます。  他人から故意でなく危害を加えられて、その相手に憎しみを抱くかどうかは、危害の程度によりますね。軽微な危害なら、普通の人は相手を憎まないでしょう。しかし、どの辺までを軽微な危害とするのか、線を引くのは難しいですね。  例えば、曲がり角で、ある人が走ってきた誰かと出会いがしらにぶつかったとします。ちょっとこぶができた程度の怪我で済めば、ぶつかられた側は相手に憎しみを抱くことはないでしょう。自分も前方不注意だったという思いがあれば、なおさら憎しみを抱くことはなさそうです。それは危害を加えられた側にも過失があって、自ら危害を呼んだ部分があるからです。  この程度で相手に憎しみを感じる人物を小説に登場させたなら、それは他人に憎しみを抱きやすい異常な人物ということになります。  これが、もっと重大な危害でしたらどうでしょう? 例えば、ある人が煙草を自宅に投げ捨てられて自宅が全焼してしまい、家族も全員焼け死んだとしたら?  この場合は、煙草を投げ捨てた人がいくら「悪気はなかった」と主張しても、投げ捨てられた側は大変な憎しみを抱くでしょう。家と家族をいっぺんに失うのは、人間にとって非常な痛手です。そのうえ、煙草を投げ捨てれば火事になる可能性があるのは、子供でも容易に想像がつくことで、「社会生活を送っている普通の大人」の行動としてはとても軽率です。  小説の中で、こんな目に遭いながら相手を憎まない描写をしたならば、その人物は異常にお人好しであるか、異常に度量が広いことを示すエピソードとなりますね。  上記二つは極端な例として挙げました。したがって、上記の例では、憎しみが生じるか否かの判断にあまり迷いません。  けれども、世の中は、こんなふうに判断のつけやすい例ばかりではありませんよね。どちらかといえば、判断に迷う灰色領域のほうが多いでしょう。  例えば、子供が火遊びをして火事を起こしてしまったとします。子供は判断力が未熟ですから、「火遊びが火事の原因となること」を明確に自覚していなかった可能性が大いにあります。責任能力もありません。そんな子供に対して憎しみを抱くのは、ほとんどの場合無駄で理不尽な行為です。  しかし、理性ではそうとわかっていても、実際に自分の家を焼かれてしまったら、相手が子供でも憎みたくなるでしょう。あるいは、子供は常に親の監督下にあるべきだとする考えにより、子供ではなくその親を憎む人も多く出るでしょう。  小説などで、このような事態にも全く相手側を憎まないという描写をすれば、それはやはり相当のお人好しか、度量が広い人であることを示すエピソードに使えます。 -------------------------------------------------------------------------------- きょうはさんじゅっぺぇじかいたのー No.6926 投稿日 2003年8月27日(水)03時05分 投稿者 新木 伸  朝からファミレスにこもってて、朝飯と昼飯と夕飯を食べてきて、ゴールドカードで10%引きで支払って出てきたさ。1年間に10万円食い倒すと貰える金色のカードなのさ。  おかげで中盤で長いこと引っかかっていた短編ひとつが、一気に片づいた。 >2号  1000字課題をやっていると、「入れられない」ってときがあるだろう。  その「入れられない」という感覚は、たいへん重要なのもの。  アマチュアがアマチュアとして普通に書いていたのでは、絶対に、永久に、知ることさえできない感覚なのだわ。  だからアマチュアの小説はしまりがなくなって、灰色の文章が多くなってしまうわけだ。  思いついたものを、ひとつ残らず、なんでも書いていってしまうから。  それは用語にすると「取捨選択」というものにあたる。  この「取捨選択」という言葉は、2号も言葉としては知っていただろう。だがいままで実際にやったことはないわけだ。  今回、この課題において取捨選択をしているわけだ。実際に手を動かしてやってみたことで、体験として理解したはず。  ひきつづき、その「入れられない」という感覚を意識にとどめつつ練習してゆくこと。その行数と文字数の中で、なには書けるのか。なには書けないのか。  また1000字課題だけでなく、短編を書くときでも、長編を書くときも、その「入れられない」という意識は大切にすること。「長編だから今回は平気」とか油断していると、つい、つらつらとどうでもいいことを書いていってしまうことになる。(あ、2号はまだ長編書いたこと、一度もなかったんだっけか)  さらに付け加えるなら、こうした掲示板の書きこみでもそうした意識を持つこと。  こんなところのこんな書きこみであっても、「読者」が存在していて、時間と手間を支払って、お前の書いたものを、わざわざ「読んで」いるわけだ。無駄なことは書くな。ただの一行たりとも。それはどこにも「入れられない」んだよ。 >巻島  「文体改造」をキーワードに、過去ログを検索のこと。  昔、杉井光に対して文体改造を試みようとしたときに、ちょうどいまと同じ話題をやっている。2年3ヶ月前の5月あたり。  段落についてのことも書いてあるし、ほかにも、「8種類の文の長さによるリズム付け」という概念にも触れている。 >文の長さによるリズム付け。  ためしに、巻島のものと、僕の作品の中から適当に台詞のないシーンとを、同じ行数だけ切り取ってきて、文の長さごとにソートして、並べてみた。  巻島のやつは、これね――。 560 クロッシング書き直し 記号なし 削り 単語レベル補正 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=560&e=res&lp=560&st=0  「+」で表されているのが、全角1文字ってこと。  読点「、」とかは区別していない。「。」までを一行としてカウントしている。  マクロでも組んじゃえば、楽なんだろうけど。(誰か作らない?)  いちおう手作業。正規表現による置換をマスターしていれば、5分もかからないが。  ブラウザの文字サイズを一時的に「最小」とかにすると、見やすいかも〜。 巻島のやつ +++++++ +++++++++ ++++++++++ +++++++++++ +++++++++++ +++++++++++ ++++++++++++ ++++++++++++ +++++++++++++ +++++++++++++ +++++++++++++ +++++++++++++ ++++++++++++++ +++++++++++++++ +++++++++++++++ +++++++++++++++++ ++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 新木のやつ +++++ ++++++ +++++++ +++++++ +++++++ +++++++++ ++++++++++ ++++++++++++ ++++++++++++ ++++++++++++++ ++++++++++++++++ ++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  巻島のほう。まだすこし分布が偏っている。中間の長さの文が多くて、やや単調になってしまっている。短い領域をあまり使っていないのと、長い領域が特に少ないのと。  ただし、文章力がない者が長い文を書こうとすると破綻するので、無理やり長い文を作るのは感心できない。長い文というのはそのうち無理しなくとも自然に出せるようになるものだから、それまではやらないでおくべき。  まあこれだけバリエーションが出ていれば、いちおう、合格点ではある。 >次の直し  ここまで削ったのなら、いっぺん、プロットを起こして確認してみるべきでは?  増量箇所、はやくもひとつ、見つけ損なってるし〜。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・夕刻で混雑している駅前。心ここにあらずといった風体で歩いている主人公。 ・昼間の友達の会話を思いだしている主人公。「女ができた」とショッキングな内容にスパイラル状態。。 ・自分の好きな女の子――有希と、不意に出くわしてしまう主人公。 ・コンビニの中に逃げこんでしまう主人公。知らない男と歩いている有希にショックを受ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見事なまでの起承転結になってるわな。  まあプロットでそう設計しているのだから、あたりまえだが。  ――で、見比べてみる。  まず最初の「起」の部分。  ここはまあ、もう充分なくらい描いてあるだろう。混雑している駅前の感じは充分だし。  次の「承」の部分。  ここは足りてないわな。見りゃわかる。  とりあえず筋を追うだけなら、現状でなんとか伝わらないこともないのだが……。なにが起きているのかは、わかる。  友人に女ができてショックなんだよな。  うん。それはわかる。  しかし、これではまだ愉しませられる領域まで届いていない。  なにが足りないかっていうと、無論、「読者を愉しませるもの」だ。  ここで読者を愉しませる方向性としては、もちろん、「スパイラル感」なわけだよ。プロットにそう書いてある。  なので、スパイラル感を増量せよ。適度にな。入れすぎはいかん。  読者がここで欲しいだけのスパイラル感を推し量って投入せよ。  ――で、「転」。  ここではどうやって愉しませるのか。  まず片思いの女の子のイメージが浮上してくる。その「実物」と遭遇してしまう。その驚きで愉しませるわけだな。プロットでそう書いてある。  なので、そういうふうにしろ。  具体的には、有希と出会うまでが削ったままであっさりしすぎなので、そこをこってり描く。新木語では「溜め」をつける――というのだが、この用語で伝わるだろうか?  ――で、「結」。  ここはコンビニの中に逃げこむシーンだ。  そして主人公の精神的ショックの度合いを、肉体感覚の変調で描写して愉しませるシーンだ。  その「肉体感覚の変調」に関しては、すでに充分なだけ、書いてある。俺の基準では「もっともっと上」は存在するし、狙えるはずだが、まっきーには無理かもしれないので要求しないでおく。  とりあえず、必要充分なだけはもう書いてある。  だが、この「結」は読者の脳裏には残らない。  問題がある。  この「結」はいまは目立っていないのね。なぜかというと、「転」との切れ目がはっきりしないからなのだ。  「有希を見つけた」→「隣に男がいやがった」……のあいだがくっついちゃっている。  なので、なんか「緩衝領域」として使える文章を書き足すことで、この二つを物理的に切り離さなくてはならない。  話題転換には、それなりの行数が必要なのだ。  現状だと、読者の意識が追いついていかないうちに、主人公はコンビニに逃げこんでいってしまっているわけよ。なにが起きたのか、読者には理解できない。  ついてゆけない。それでは楽しめない。  いいか? 「主人公は有希の隣に男がいてショックを受けたんだ」ということが、読者がわかったうえでないと、この「肉体感覚の変調」は愉しめないんだよ。  そのまえに、一度、読者を「驚かせて」いるだろ?  転の部分で、「なんと! 有希の実物と遭遇してしまった!」とやって、驚かせて愉しませているわけだ。  そのショックを冷ますための冷却期間と、話題転換しますよ〜というサインとを、読者にしっかりと伝えなくてはならない。  わけがわからないまま、「転」から「結」を繋げて読まされてしまったら、読者はもうここで本を閉じてしまうだろうな。絶対だ。  もしこの本を冒頭から立ち読みしはじめた人がいたとしたら……。この「結」に入るあたりが、ちょうど例の「魔の1分目」にあたるわけだよ。  いまどれだけ重大な部分を扱っているのか、わかるか? わかるだろ? 店頭で無数の本が読まれることなく棚に戻されて「屍」となるその様を、まざまざと見てきた巻島ならば。  緩衝領域として使う文章は、まあ、なんでもないようなことを書く。目が文字を追うだけで、読み飛ばしてしまってもいいような、そんな内容。  「読み飛ばされる」ことを前提にして書く文章もあるのだ。ここがまさに、そういうもの。  有希を見つめてぽうっとなるのでもいいし、どきどきするのでもいいし。声をかけようか悩む――てのは、これはキャラが違うか。  まあ、なんか3〜4行ほど、そんな「どうでもいいこと」を書き連ねておく。  まあ読み飛ばすことなく、ちゃんと読んでしまった人のために、それなりに面白いことは書いておけよ。ここはいわば「刺身のツマ」みたいなもんだが、それでも、あまり手抜きはするな。刺身のツマだって、醤油につけて食う人はいる。 >魔の1分目とか  ちなみに「魔の1分目」は、このように、起承転結のワンセットごとに襲ってくる。  冒頭の「起承転結」はクリアしても、また次のシーンの起承転結でも、やはり「魔の1分目」は来るわけだ。  なんたって、そこから読み始める読者もいるわけだし。  つまり全編通して、気の抜ける場所なんてないわけね。  ところで、次のシーンはなんだっけ? 有希と一緒になって帰宅するシーンだっけか? >>スナック菓子とカップ麺の間を通り抜け、ジュースの前で止まる。  この一行。ショックを受けている人間の視点からだと、観察不能だぞ。  スナック菓子とかカップ麺とか、見て認識できるはずがない。  こんなもの読まされると、いきなり醒めちゃうからやめてくれ。 -------------------------------------------------------------------------------- あー No.6927 投稿日 2003年8月27日(水)05時32分 投稿者 名無し君2号  なぜか知らないけれど、最近背中が痛い。なぜ。 >新木さん >>最近の2号の傾向。 >>僕が「だめ」というと、すぐに「はいそうでした」と言ってくる。 >>自分の主義も主張も、なんにも持たないイエスマン。  ええと、長編のこと、でしょうか。よくわからない……具体的に教えて貰えれば助かります。 >新木さん1000字掌編感想について >>ちなみに課題部屋にあげた僕の昔の1000字掌編だけど。 >>あれ、「褒めろ」とでも言ったように聞こえたのか?  すみません。褒めたように読めてしまいましたか。 >>……ちゃんと起承転結あるなあ。話になってるなあ。――当たり前だわな、プロなんだから。 >>このレベルにいかなくちゃならないのね。 ・起承転結がある。話になっている。 ・でもプロだから当たり前である。 ・そのレベルに私もいかなくちゃならない。  うーん、褒めてますか。ただ事実を書いただけなんですが。 >前回の冒頭部分について ■前回の冒頭部分 >>強い雨、そして強い風のせいで、雨粒が霧状になって吹きすさぶ。傘が何の意味も持たない。服が濡れるのはまだいいとして、買った本がぐじゃぐじゃになったのは悲しい。渇くとぱりぱりになって、ページをめくりづらいし。 >>冒頭書き出し部分の3行に、誤字と誤用と用法ミスとが3個も含まれているような書きこみ。 >>まるごと無視してしまっていいかね?  これは反省します。  「傘が何の意味も持たない」は「傘が何の役にもたたない」の誤りです。  「渇く」は「乾く」の誤りだし。  「ぐじゃぐじゃ」と「ぐしゃぐしゃ」、以下に辞書を引いたものを記します。ちなみにgoo辞書。三省堂「大辞林 第二版」より。 ■ぐじゃぐじゃ 〔一〕 1 (副)スル (1)水気をひどく多量に含んでいるさま。また、水気のひどく多いものがつぶれたさま。 「おかゆのような―(と)した御飯」「解け始めた雪を―(と)踏んで歩く」 (2)くどくどと文句や不平を言うさま。 「―(と)文句を言う」 〔二〕 0 (形動) 〔一〕(1)に同じ。 「水が多すぎて―の御飯になる」「熟した柿が落ちて―につぶれる」 ■ぐしゃぐしゃ 〔一〕 1 (副)スル (1)物をつぶすさま。また、物がつぶれたさま。 「―(と)踏みつぶす」 (2)水気を多く含んでいるさま。 「雪解けの―(と)した道」 (3)きちんとしていないさま。乱れたさま。 「―(と)かきまぜる」 〔二〕0 (形動) (1)〔一〕(1)に同じ。 「―につぶれたトマト」 (2)〔一〕(2)に同じ。 「霜がとけて―になった庭」 (3)〔一〕(3)に同じ。 「机の中が―だ」  この場合、水気を「ひどく多量に」含んでいるか、「多く」含んでいるかの違いですね。  「ひどく多量に」ではなかったなあ。それどころか「多く」もなかったかも。誇張。 >1000字課題について  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=561&e=res&lp=550&st=0 >短編について >>もういちど、書きたいもの、入れようとしているものを出してくること。 >>そして優先順位を付けること。 >>「勝ち気な女の子〜」が「好きだから汚したくない〜」の、上にあるのか下にくるのか、はっきりしてこい。 ■書きたいもの、優先順位(上にいくほど高い) 「好きということ」 「相手を好きだということを自覚する瞬間」 「ファーストキスのどきどき感」 「ごくごく少量、Hな感じ」 「小学生あたりの、性に対する好奇心」 「小学生あたりの、性に対する嫌悪感」 「小学生あたりの、微妙な男子と女子の関係」 「妄想にふける男の情けなさ加減」 「気の強い少女が、好きな男の前で見せる女の子らしさ」 「夏祭りの楽しさ」  げっ。低い。  前回は女の子を書きたかったところが、今回は主人公に焦点が当たってるから、当たり前といえば当たり前だったり。  結論。  なきゃないでもいいです。  じゃあどうすればいい? どういう女の子だとベストなんだ?  引き続き考えます。  強引な性格のほうが楽なんだよなあ。「女の子は主人公を好きだけど、主人公は別に好きじゃない」というのを描くには。 >話の初期状態 >>実際には、起承転結のうちの「起」のパートを丸々使って、この「女の子のほうは男の子が好きだが、男の子はなんとも思っていない」という初期状態を読者に示すことになるわけだ。それが「起」の役割ってもんだし。 >>そこではどんなエピソードがあって、どんな展開になるのだ?  こちらも引き続き考えます。  女の子が主人公に惚れるエピソードを入れたほうがいいんだろーな。それで、女の子が強引にアプローチする? うーん? >長編について  引き続き考え中。……ファンタジーかなあ。こだわりがないのはよくない。  ここまでで3時間。衛星放送で「男たちの挽歌」やっていたので、思わず全部見てしまったよ。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.6928 投稿日 2003年8月27日(水)06時03分 投稿者 新木 伸 >2号 >>強引な性格のほうが楽なんだよなあ。「女の子は主人公を好きだけど、主人公は別に好きじゃない」というのを描くには。  ここに思いこみがあるっしょ。  「強引な性格のほうが楽」というなら、なぜ強引な性格だと楽になるのかを考えなきゃ。  なぜ、女の子をその性格にしたほうが楽なの?  性格が強引だと、どんなメリットがあるの? -------------------------------------------------------------------------------- Aパート。 No.6929 投稿日 2003年8月27日(水)07時58分 投稿者 魚住 雅則 ご無沙汰しています。魚住です。 今回は換骨奪胎ではなく、1000字ほどの掌編についてです。 話題が煩雑になってしまうので、今後は掌編は題名にAパート、換骨奪胎の課題についてはBパートというように分けようと思います。 ということでAパート(掌編)について。 この話題、元々は杉井さんの掲示板で始まりました。 大まかな流れは下のようになっています。 (経緯の説明開始) ●1 発端。 「8月のキリン」という発泡酒をコンビニで見つけ、そのネーミングを気に入った魚住。ぜひ直接行って見てくださいと、新木さんに話を振る。 ●2 新木さんより指摘(転載)。  べつに見たくならんなぁ。  もっとこう、ぐぐっと俺様の心を掴んで、いますぐにでもコンビニに走らせちゃうぐらいのモノは書けんのかね? チミ?  たとえばその衝撃と感動とを込めて、ショートショートを一遍書くとか。20行ぐらいのやつ。  買うつもりのなかった発泡酒を、つい買ってしまった主人公とかね。缶のロゴに出会ったときの衝撃を描写に込めるのだ。  作家なら小説で訴えかけろ。  ちなみに俺、発泡酒、大嫌いだから。  ビール派で、しかも麦芽100%以外はビールと認めない右の人だから。  そんな人間にも買わせちゃうくらいインパクツあるやつで、ひとつ頼む。 ●3 魚住、掌編をアップ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=563&e=res&lp=563&st=0 ●4 魚住、改稿したものをアップ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=564&e=res&lp=564&st=0 ●5 新木さんより指摘(新木さんの書き込みを転載)。 >魚住 >>恋人と喧嘩した俺は、コンビニの店内をうろついていた。  ここで、もう読むのをやめた。  恋人との喧嘩を「喧嘩」と書き、コンビニの店内を「コンビニ」と書く、その救いようもない感性にゲロをもよおした。ドブを覗いた気分だ。 >>カッとなると余計なことを口走ることが分かっているので、頭を冷やすために散歩に出るのが決まりなのである。  まあ実際には、ここまで読んだ。  「喧嘩しちゃったあとの気分」とか、そんなものが書かれているなら、まあ救いはあるかと、そう思ったのだが。やっぱりなかった。  ――で、なに。改稿のほうも読めと? >>恋人と喧嘩した俺は、頭を冷やすついでにビールを買いにでた。 >>コンビニの惣菜コーナーを冷やかし、飲料水コーナーに向かう。  2行だけ、我慢して読んだ。  たいして変わってないようにも思うし、むしろひどくなっているのかもしれないし、ひょっとしたらすこしはマトモになっているのかもしれない。  あまりに低いところにあるもんで、ダメなのか良くなっているのかさえ、俺にはわからん。いやマジで。  これは、コンビニでビールと出会う話なんだろ。  ビールじゃないのか。発泡酒か。(俺には区別が付かんのだが)  舞台となるコンビニは重要なはずだな。  またそのときの主人公の心境というのも。  その二つを、こうまでないがしろにしてあるんじゃ、肝心の山場となる「ビール登場」の部分も、どうってことないのだろう。そこまで読む必要は、まったく、ないな。  だいたい「彼女とケンカ」って心理状態って、これ最適解なのか? 単なる思いつきで出したもんを、なんも検証せずに使ってるだけでは?  そのクソくだらんアイデアに引っぱられて、本筋が変な方向にねじ曲がってないか?  アイデア貧乏のヤツって、これだからやなんだよね。  めずらしくアイデアが出ると、それに夢中になっちゃって、本筋のほうを見誤る。  それともこれはCMをそのまま写し取ってきただけなのか?  だとしたら写し取りかたを間違えているぞ。  CMをプロットに起こしてみたら、いま自分のやっているのと違うふうになっているはずだ。 ●6 魚住、改稿2をアップ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=565&e=res&lp=564&st=0 ●7 藤極堂さん、改稿をアップ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=566&e=res&lp=564&st=0 ●8 新木さんより指摘(8番も書き込みを転載、なお、二つ分の書き込みを続けて1つしてあります)。  藤極堂さんのが、いちばん出来がいい。  最後まで読めたぞ。  ついでに直したくなっちゃったぞ。  これはすごいことだぞ。  魚住のなんかほうっておいて、こっち指摘しよう。そうしよう。  魚住も、精読指摘もらいたかったら、俺が精読したくなるようなものを書きやがれ。  まず全体的に、もうちょっと縮める必要がある。  いま3枚と8行ほどだけど、3枚以内にしなきゃいかんだろう。じゃないと切れ味が鈍る。「密度」とインパクトとは、比例関係にあるのだ。 >> ドアを開くと同時にサンダル履きの足元に冷気がなだれ込んできた。 >> いつもと同じ銘柄のビールを取ろうと彼は腕を伸ばす。 >> やる気なさげに、下から上に目線を移動させていた青年の動きが止まる。彼が見つめていたのは新発売と銘打たれたシールの貼っている商品の列、それは目当てのビールの隣だった。  書き出しのここんところ、視点が混乱している。  1行目の視点は「一人称」か「主人公寄り三人称」になっている。  しかし2行目では作者視点か、神視点。  3行目以降からは三人称。  「視点が混乱」で伝わってくれると楽なのだが。  以下、説明してみる。  1行目で「ドアを開く」とあるよね。  ここは他の視点であるなら、「ドアが開かれる」となるはずなのだ。  「ドアを開く」とある限り、ドアを開いた人物をカメラが捉えていることが確定する。そしてその人物名は省略されている。  省略していいのは、その「人物」がわざわざ書くまでもなく自明な場合だけに限られる。  一人称であれば、「ドアを開いた」のは自分のほかにいるはずないので、書くまでもないあたりまえのこと。また主人公にべったりへばりついている三人称でも同じことがいえる。  よって、この一行目では、一人称か、主人公より三人称であることが確定しちゃっている。  2行目では、「いつもと同じ」と「彼」って表記を使っている。  「彼」が手を伸ばしたのがいつもと同じビールであることを知っているのは、これはもう「神様」しかいない。  しかし、主人公寄り三人称でも「いつもと同じ」ということは書けたりする。  「主人公寄り三人称」っていうのは、主人公に非常に親しい幽霊が、肩のあたりに貼りついているような視点。この幽霊は主人公の日常を追いかけているので、「いつものビール」だと知っていてもかまわない。  だがこの視点の場合、「彼」とは書かない。だってそんなに親しいのだもの。当然、彼の「名前」が出てくるはずだ。  よって2行目も、「神」もしくは「作者」の視点であることが確定しちゃっている。  そして3行目以降では、「青年」と書いている。  その人物が「青年」であることは、見てわかること。  また「やる気なさげに」とかあるのも、外側から誰でも観察可能なこと。  一般的な三人称の文章となっている。  そもそも……。  初出で「彼」ときて、そのあとで「青年」と言い換えるのは、すぐにわかるミステイク。  代名詞の使用法のミス。 >> アルミ缶にプリントされたデザインはシンプルなものだった。缶の最下部は草原を連想させる緑の曲線で覆われ、白を背景にメーカーのシンボルである神獣が翔けている。そしてその二つに挟まれる形で商品名が踊っていた。 >> サインペンで書きなぐった様な親しみのあるラインが告げるその名前は。 >>『8月のキリン <生>』  この部分。ビールのロゴとのファーストコンタクトの部分。  ここで書かれていることと、その順番とは、以下の通り。 ・ロゴはシンプル。 ・草原の緑。メーカーシンボルの神獣。 ・合間で商品名が踊っている。 ・サインペンで書きなぐったようなライン。  こういうふうに、4つのことを書いているのだけど、統一が取れていない。はじめシンプルと言いつつ、緑と神獣と、いくつものイメージを列挙してしまっている。そのためにお互いが打ち消し合ってしまっている。  うまくない。 1.草原の緑。メーカーシンボルの神獣。 2.合間で商品名が踊っている。 3.シンプルなもの。 4.サインペンで書きなぐったようなライン。  or 1.シンプルなもの。 2.サインペンで書きなぐったようなライン。 3.草原の緑。メーカーシンボルの神獣。 4.合間で商品名が踊っている。  こういう順序に直すか、さもなければどっちかの要素を削ってしまうべきだろう。  ここで削るのは草原と神獣のほうだろう。  ――とすると、以下のようにすることになるか。 1.シンプルなもの。 2.サインペンで書きなぐったようなライン。 >> 整然と並べられているビールの中で、その列だけが浮かびあがっているように見えた。 >> 白い缶を手に取り、顔を近づける。手のひらの上でぐるりと一周させる。 >> 手首から肘までを冷たい感触が伝った。水滴だった。  このへん、「手に取ってしまう」というところに、「溜め」がない。  なんとなく手に取ってしまっている。読んでいて目が流れる。  普通に読んでいて、気づいたときには、もう手に取ってしまっていて。「いつ手に取ったんだよ?」とか混乱するし、なによりもったいない。  手に取るまでを「観せる」ように書けるはず。  もしくは、手に取るシーンはバッサリ省くか。  このシーンの頭から、もう手に取ってしまっているところからスタートさせるか。主人公自身も、自分がいつ手に取ったのか、本当に覚えていないようにさせちゃうとか。  このパート、「手首から肘までを冷たい感触が伝った。水滴だった」からスタートさせる手があるわな。  この部分になにが書いてあるかの分析。 1.その商品だけ浮かび上がっているよう。 2.缶に水滴がつたう。指が冷たくなる。←よく冷えていることの描写。 3.結露をぬぐってタイトルを見ると脈が速くなる。 4.キリンを思い浮かべる。 5.レジに立っていた。  バランスが悪いのよね。  1、2−3、4−5、って、3つのパートに別れるのだけど。  1だけ、他よりもボリュームが薄い。他の半分しかないのだ。  上で書いた「手に取るまでに溜めを作るか、なくしてしまうか」というプランは、ボリュームアップして他と同等にもってゆくか、いっそ「1」全体をなくしてしまえと、つまりそういうことを言っているわけだ。  溜めを作ってボリュームアップする方向なら、ここは1枚以内に収めなきゃならない。今現在で1枚だから、ボリュームアップしたぶん、他を削らなくちゃならない。たぶん2−3の「よく冷えている」の部分から、なにか削ることになるだろう。  「冷えている」に関することは、およそ4回ほど書き連ねられているから、そこの1つぐらい削れるだろう。 1.手首から肘までを冷たい感触が伝った。水滴だった。 2.いつのまにか缶の表面に無数の水の粒が浮かんでいた。 3.掴んでいた指先は冷えて赤くなっていた。 4.親指の腹でタイトルの部分を拭う。結露の中から浮き上がった商品名は  ――これで4回書いてあるよね。「冷たい」を書くのに4回もいらん。  2回か3回に減らせる。そのかわり、ひとつひとつは、もっとビシッと鮮烈なものに変えないとならないが。  彼女との仲直りのシーン。  オチの部分だし、本質じゃないので、多少の手抜きがあっても気にならない部分ではあるが……。  ちょっともったりしすぎ。  彼女のキャラがぼんやりしてる。セリフが出てくるまで、キャラの顔が見えてこない。  「ソファーに腰掛けた彼女はのろのろと男を振り仰ぐ」――とか、その初登場のところでキャラの顔が見えていない。キャラの顔が見えていないで書かれる部分には意味がない。キャラの顔がのっぺらぼうのままでは、読者が頭の中で動かしてみることができないわけね。  彼女が登場する第一行目、「ソファーに」のところから、彼女のイメージがばっちり読者に伝わるように書くべし。  ここは、他より直しが難しい。  僕が、僕の要求を達成するように直してしまうのは簡単だが、それをやっても意味がない。自分でやらんと。  てか、魚住。  路傍の石ころのように無視しちゃうのはあまりにアレなんで。ひとことぐらい書いてやるか。  自分のやつと、藤極堂さんのと見比べて――。  自分のが、いかにダメで、なぜダメで、どのくらいダメなのかが理解できなきゃ、お前ダメだぞ。 ●9 魚住、分析開始。 改稿3に入る前に分析を。 1・「彼女と喧嘩した主人公」というシチュエーションは最適解か 最適ではありません。というより本筋を狂わせかけています。 この話のコンセプトは「(事前に何かあって)少し落ち込んでいた主人公が、『8月のキリン』との出会いによって少し元気になる」というものです。 発泡酒との遭遇によって主人公は感情を揺さぶられますが、以下の2とおりがあると思います。 A・普通の精神状態→面白いネーミングの発泡酒発見→少し良い気分になる B・多少落ち込んでいる→面白いネーミングの発泡酒発見→少し良い気分になる Bの方が「少し落ち込んでいる状態から元気付けられる」ものとして、「8月のキリン」のインパクトを強く印象付けることができます。 あくまで「日常生活で見つけたちょっとした出来事」というレベルなので、主人公をあまり落ち込ませるわけにはいきません。 そこから「彼女との喧嘩で落ち込み気味」というシチュエーションを使いました。 あとは、「残業帰りで疲れている青年が8月のキリンを見つけて、明日も頑張ろうという元気を得る」しか考えていませんでした。 新木さんの言う通り、ほとんどネタが浮かんだ瞬間にOKが出ています。 2・配分がおかしい 「彼女と喧嘩パート」に行数を割きすぎ。必要な情報は、 ・彼女と喧嘩している ・そのせいで主人公は落ち込んでいる この2つですが、その割に行数が多すぎる。 「8月のキリンとの出会い(メイン)」を引き立てるための「喧嘩(サブ)」が、主役と同程度の量ある。 「彼女と喧嘩している」などとヘタな状況説明をいれるくらいならば、前半は丸ごと削ってしまう方が良い。 その方がペース配分も適正な量になるし、喧嘩しているという状況は後半パートからでも察することができる。 失敗の原因の一つは描く内容に優先順位をつけれていないこと。 続きます。 (経緯説明、ここまで) と、こういう経緯となっています。 引き続き比較分析して「どこが、なぜ、どれほどダメで、直すにはどうすればよいか」を考えた上で、改稿3をアップします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6930 投稿日 2003年8月27日(水)19時37分 投稿者 新木 伸 >2号  今回、面白くなかったのでスルーするところだったが。  あまりに呆れたので、ひと言だけ。 >>唄子は、たまらなく幸福だった。  最後の最後に、こんな行を書くかね。  「幸せ」を描く話で、「幸せ」って言葉を使っちゃったら、すべてが台無しだろう。  読者に「ああ唄子はいま幸せなんだねぇ」と思ってもらって、ほのぼのと暖かい気持ちになってもらうための話でしょうが。  「唄子は幸せだった」と書いて、唄子が幸せであることが伝わると本気で思っているのなら、1000字も必要ないだろ。  いちばんはじめの一行で、「唄子は幸せだった。」と書いてしまえば――。ほら、たったの9文字で済むじゃん。  それじゃ「唄子の幸せ」は伝わらないからこそ、1000字が必要になってくるのだろ。  「幸せ」を書くときに「幸せ」は禁止。  「怒り」を書くときに「怒っていた」は禁止。 >魚住  彼女と喧嘩して、落ちこみ気味の心境で、コンビニの中に入ってゆくのだろ?  その「彼女と喧嘩して落ちこんでいる」ということを伝えるために、なんで、「彼女と喧嘩するシーン」が実際に必要になるんだよ?  いらねーんだよ、そんなもん。  必要なのは、「落ちこんでいる」というその時の心境だろ。落ちこんだ人間がコンビニに入ってくるという、そのシチュエーションだけだろ。  「どうしてその心境に至ったのか」なんていう余計なシーンを書くんじゃないっての。そんな余裕はないの。たったの1000字しかないんだから。  店内に入るところからはじめても、充分に、「落ちこんでいる」ってことは描けるわけだよ。落ちこんだ人間ってのは、歩きかたひとつとってみても、視線の動きひとつとってみても、そこに「落ちこんだ感」が滲み出してくるわけ。  前に、羽矢野がやっていたような気がするけど。 (あいつはやってみるだけで、身につけるところまで、いつもやらねーんだよな。身につけなきゃ意味なんてねーっつーの。半端なもんを1回や2回書いたくらいで、身につけたつもりにでもなっているのか? アホめが)  羽矢野のやっていたのは――。  「財布を落として探している人間」とかを書くときに、「財布を落とした」と説明しないで、その人間の視線の動きやら歩きからやらで表現するというものね。  いいか?  彼女との喧嘩のシーンなんか、一切書くな。  そして店内に入るところから始めて、そのなかで「ああ、きっと彼女と喧嘩でもしたんだな、この人は」と、読者が「発見」するように書け。  ここ、分量にすると1枚くらいかな。 ・落ちこんだ男、コンビニに入ってくる。 ・8月のキリンと出会う。 ・彼女ものに持ってゆく。  この掌編には3パートあって、それぞれ、400字程度になると思われる。  「8月のキリンとの出会い」はもうすこし短いかな。300字くらいか。  普通に書くとトータルで1000字をすこし上回ってしまうわけだが、推敲段階で1000字まで切り詰めていけば完成ということろだ。  お前の場合、はじめから全部同時にやろうとすると、どこもかしこも中途半端になっていかん。読めたものにならない。話にならん。  ひとつひとつ、やってゆくこと。  次は、「落ち込んだ男、コンビニに入ってくる」だけに集中すること。  そこだけを、400字で書け。  んで、アドバイス。  お前の場合、おそらく「落ちこんだ人間」の行動パターンというものの観察が足りていないのだと思われる。  ぜんぜん引き出しに入ってねーんだろうな。なんたってアマチュアだもんな。  落ちこんだ人間を描こうとするなら、まず、落ちこんだ人間とはいかなるものかを、お前は詳しく知らなくてはならない。  観察しろ。  想像しろ。  自分が落ちこんだとき、どうだったのかを思い出せ。  さらに必要だと思うなら、彼女と喧嘩してでも、落ちこんだ状況というのを作り出してみろ。そして落ちこんでいるまま、自分の心理を観察し、いまの自分が、外から見たらどのように見えるのかを、周囲の人間の立場になって考えてみろ。  自分が彼女いない歴20ウン年だったとして、身近な友達に彼女持ちのひとりやふたり、いただろう。そして彼女と喧嘩中で落ちこんでいるやつと話したことぐらいあるだろう。  お前はいままで「人間観察」をサボってきていたわけだ。お前の目が節穴だったせいで、せっかくの観察のチャンスがあったというのに、それを台無しにしてきてるんだよ。いま引き出しの中身が空っぽだというのは、そのツケが回ってきてるというわけだな。  2年前には引き出しにしまう習慣をつける――とか言いつつ、その2年間、ぼさーっと節穴の目でまわりを見ていたもんだから、いま引き出しの中身は空っぽなんだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 火星大接近 No.6931 投稿日 2003年8月27日(水)22時18分 投稿者 弟切 千隼  今夜は火星大接近の夜だ、とニュースで騒がれていますね。今夜の湘南はちょっと雲が多くて、火星が視えにくそうなのが残念です。先ほど自宅のベランダに出てみたところ、やはり空は雲に覆われていて、星は一つも視えませんでした。 >>「憎しみ」の分析  前回の書き込みNo.6925までで、実際に危害を加えられた人間が、危害を加えた側の人間に憎しみを抱く構造を明らかにしました。  けれども、No.6898で分析したとおり、人が人に憎しみを抱くのは、実際に危害を加えられた場合のみではありませんね。 >>2.危害を加えられたと錯覚したため。 (No.6898の弟切の書き込みより) に、誰かに対して憎しみを持つことがあります。  では、人はどんな場合に『危害を加えられたと錯覚』するのでしょうか? 以下に列挙してみました。 1.特定の人に対して悪意を持っていて、その人の行動は常に悪意をもって解釈されるため、危害を加えられていなくても加えられたように感じてしまう。 2.特定の人でなく、人間全体に対して悪意を持っていて、人は人に危害を加えようとしていると思い込んでいる。 3.早とちりしやすいタイプで、危害を加えられたと勘違いする。 4.過敏なタイプで、普通ならば危害といえない程度のことでも危害と感じてしまう。 5.特定の人に対して「危害を加えられるのでは?」と常に恐れているため、危害を加えられなくても加えられたように感じてしまう。 6.非常に臆病なタイプで、「周囲の人々に危害を加えられるのでは?」と常に恐れているため、危害を加えられていなくてもそのように錯覚してしまう。  こうしてみますと、1と5、および2と6が似ていますね。これら二つはもっと上位の概念でまとめられないでしょうか?  1と5は「特定の人に対して偏見を持っている」ことから、その特定の人に危害を加えられたように錯覚します。2と6は「人間全体に対して偏見を持っている」ことから、危害を加えられたように錯覚します。  とすれば、上記の例は、 1.特定の人に対して偏見を持っていて、その人の行動は常に悪意をもって解釈されるため、危害を加えられていなくても加えられたように感じてしまう。 2.特定の人でなく、人間全体に対して偏見を持っていて、人は人に危害を加えるものだと思い込んでいる。 3.早とちりしやすいタイプで、危害を加えられたと勘違いする。 4.過敏なタイプで、普通ならば危害といえない程度のことでも危害と感じてしまう。 と書き換えられます。  これ以上の考察は、次回以降に行ないます。 -------------------------------------------------------------------------------- 主に弟切さん向け No.6932 投稿日 2003年8月27日(水)22時42分 投稿者 細江ひろみ 私は弟切さんが、どういう人なのか、どのくらい本気の人なのか、どのあたりで商売しようと狙っているのか、どういう能力があるのか知らないのですが、やまきたの仕事に食い込もう、という気はなしでしょうか? あり なら、動かないとダメです。 なんで動かないかなぁ。 動いているつもりかなぁ。 それとも小説家先生にしかなりたくないのかなぁ。それ以外はパスって感じで。 求められなくても踊ってみせて、打てば響いてみせて、認めさせようとは、考えないのかなぁ? そういうのって、楽しくないですか? まあ、いいや。 やれと言われてもやらない人は論外だけど、やれと言われてやる人ではなく、やれと言われなくても自分でやること見つけてやるぐらいの人でないと。 ネット活動を仕事に結びつけていった人って、プロになる前から「いい仕事」してましたよ。量も多かったし、手広くもやっていた。 そりゃ出してくるもの、全部が全部いいってわけじゃないけど、大量に投入して、どれが受けて、どれが受けなかったか、ちゃんとチェックして、何が受けて何が受けなかったか考えて、それを次に書くものに反映させていけば、そりゃ成長もするし、成長しながら大量に生産してばら撒いていれば、プロの目にも必ずとまる。 こういうタイプは、頭の中で、課題をネタと読んでいる。 でも、なろうと思っているのに、一生懸命努力しているはずなのに、思ってないヤツ以上に活動しないのは、なぜか? ダメもとで、とりあえずにでも営業活動仕掛けないのは、なぜか? なぜかなぁ? まあ、いちいち考え続けはしないので、「まあ、そんなもんでしょ」なわけですが。 こうしろ、と言うのは簡単ですが、もうここ、やまきた見てるし、これを言うのも結構お節介だと思ってますし、新木さんもここは盗むとこだといってますし。 じゃ、そういうことで。 -------------------------------------------------------------------------------- 昼夜逆転 No.6933 投稿日 2003年8月28日(木)05時13分 投稿者 名無し君2号  最近は、起きるともう午後四時くらいという、ちょっと問題のある生活になってきている。だったらこんな時間に書きこまなければいいのだけれど、夜のほうが集中力が増すから仕方ない。  昼でも集中できるようにならないとなあ。 >1000字課題について >>最後の最後に、こんな行を書くかね。 >>「幸せ」を描く話で、「幸せ」って言葉を使っちゃったら、すべてが台無しだろう。  反省。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=567&e=res&lp=550&st=0 >短編について >女の子性格 >>「強引な性格のほうが楽」というなら、なぜ強引な性格だと楽になるのかを考えなきゃ。 >>なぜ、女の子をその性格にしたほうが楽なの? >>性格が強引だと、どんなメリットがあるの?  はい。主人公の性格を「すこし気弱なタイプ」と仮設定していたので、その場合だと男子の目があるから、恥ずかしいんですね。  本心は別として、女の子が見せるあからさまな好意は嫌がるんですよ。そこで女の子が強引な性格だと、多少の拒絶にはめげずに好意を見せ続ける、と。  ん。待てよ。あからさまな好意じゃなきゃいいのか。主人公は気づいていないけど、読者にはわかるような形で書く。  その好意の度合いは?  手作りのお弁当をつくる……告白してるようなもんだね。  それとなく世話を焼く……この程度かなあ。  たまに主人公に熱い視線を送る……これも可。  普段は喧嘩腰、でも実は……難しい。長くなるような気がする。  そもそも主人公の性格もどうするか、なのだが。これは「すこし気弱」で固めてしまったほうが、女の子の性格を考えやすいんだな。女の子の性格によってエピソードも変わってくるし……。 >>実際には、起承転結のうちの「起」のパートを丸々使って、この「女の子のほうは男の子が好きだが、男の子はなんとも思っていない」という初期状態を読者に示すことになるわけだ。それが「起」の役割ってもんだし。 >>そこではどんなエピソードがあって、どんな展開になるのだ?  最初に思いついたのは、「女の子が告白、主人公、あっさり振る」だったのですが。  とはいえ、普通に学校生活を書いたって、別に書けないこともなし。  女の子の性格でも変わってくるか。  もうちょっと考えます。 >長編について  江戸時代をそのまんまファンタジーの世界にしちまおうか、なんて反則技を考え中。将軍が支配する国。戦乱も終わり、太平楽な世界。現在鎖国中。  ここまでで2時間。おさらば。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6934 投稿日 2003年8月28日(木)09時57分 投稿者 新木 伸 >生活時間帯  いいじゃん。  作家やってゆくにあたって、生活時間なんか、どーだってかまわないが。  わし、毎日1時間ずつ、起きる時間が遅れてゆくもん。  作家で独身で、規則正しい生活を送っている人なんか、いねーぞ。 >2号 >>本心は別として、女の子が見せるあからさまな好意は嫌がるんですよ。そこで女の子が強引な性格だと、多少の拒絶にはめげずに好意を見せ続ける、と。  ここのところ。  心の中で、「あからさまな好意じゃなきゃ、いいんだろが。アホ」と言ったところで――。 >>ん。待てよ。あからさまな好意じゃなきゃいいのか。主人公は気づいていないけど、読者にはわかるような形で書く。  こういうものを目にしたので、ちょっとだけ、嬉しかったりする。  ――が、やっぱ2号。  ひとつ気づいた時点で「エウレカ」しちゃってて、その先にあるもうひとつを考えようともしていない。  エウレカの罠から抜け出して、そのひとつ先に向かってみようとするのは、放置しておいたら、まあ軽く一週間は先になるだろうから、時間短縮のために、ちょっとだけ手伝ってみたりする。  まず、あからさまな好意でなければ、いいのだな。  そこには気づいたわけだな。  さらに、もうひとつ気づくべきことがある。  その「好意」っていうのは、なにも本人が直接示さなくてもいいわけだ。  ある男の子が、ある女の子が自分のことを好きなのだと知る。  その手段には、「じかに告白」「世話を焼かれる」「視線を送られる」――などの「直接系」のほかに、どんなものがあると思う? >>江戸時代をそのまんまファンタジーの世界にしちまおうか、なんて反則技を考え中。将軍が支配する国。戦乱も終わり、太平楽な世界。現在鎖国中。  セイバーマリオネットJかい? >No.10  女の子が可愛くない。憎たらしさのなかに可愛さ2割を入れなきゃだめだろ。  あと不要な語句(灰色の部分)がけっこうあるせいで、全体の印象がぼやけちゃってるな。  地の文、台詞、厳選すれば、引き締まっていい感じになるだろう。  1000字といっているが、1000字未満でも構わないわけだ。  あ、でもざっと見たけど、行数自体は変わらないかも。ただ同じ行数でも、長さがかわる。ほぼすべての行に、いくつか灰色が見える。  まったく変更なしでいいのは、最後の行の「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」ってところだけか。  あとカルシウムの摂取について説明している会話が、おかしい。  中学生のボキャブラリーにないはずの言葉が出ている。  この娘って、IQ300とか、なんかそんな設定? -------------------------------------------------------------------------------- はじめまして。 No.6935 投稿日 2003年8月28日(木)15時36分 投稿者 手繰淳平  はじめまして。手繰淳平(てぐりじゅんぺい)と申します。    執筆歴は12,3年間になりますが、仕上げた作品はたったの2本です。書いているものは主に童話のようなファンタジーが中心です。  「よみかく分室」は物を書く上で、勉強になるのでよく見に来ます。  プロをあきらめ、物を書くことがすでに趣味となっている私が書き込んでいいものかと思いましたが、今回、疑問に思ったので、お叱りを覚悟で質問します。  この「よみかく分室」の課題部屋に提出されている作品が、他のサイトに投稿されていました。そのサイトは、「よみかく分室」に出入りされている方の名前が幾人か見られました。だから、もしかしたら、以前に分室のほうで告知があったのかもしれません。私が見落としただけかもしれません。  だけど、未完成の作品を、他のサイトに投稿するのはいかがなものか、と思ったのです。確かに、たくさんの読者から、感想や意見を求めるのは、技術の向上に繋がります。  しかし、ここの課題部屋に提出されている以上、その作品は変化していくはずです。読者は、いわば未完成品を読まされるわけです。それに対して、読んだ方たちは、真剣に感想やアドバイスを送るのです。    私は、なんだか釈然としません。もしも書き変えて完成した場合、タイトルの後ろに(改)と付けて投稿するのでしょうか?それでいいのでしょうか?  投稿するのであれば、完成品を送って欲しいのです。  突然の書き込みの上、乱筆乱文をお許しください。  的外れな意見と判っておりますので、答えずに無視してくださってもけっこうです。  また、気分を害された方がいれば、深くお詫び申し上げます。 -------------------------------------------------------------------------------- >手繰淳平さん No.6936 投稿日 2003年8月28日(木)23時42分 投稿者 藤極堂 念のためにお聞きいたしますが。 その「よみかく分室」の課題部屋に提出されている作品が投稿されているサイトは、その作者本人のサイト……ということはないですよね? 青葉桂都さんの「世界最後のラブストーリー」なんかは、先に本人のサイトで発表されていたものを課題部屋にリライトして投稿してもらったですし。 本人のサイトで発表するのは別に自由だと思います。 えーと。 まだ、正式告知はされてはいないので私も詳しいことは知らないのですが。 「よみかく」の分室参加者が主催となって「よみかく」の後継サイトを作ろうという動きがあるらしいです。 羽矢野さんと紫さんが共同して切磋琢磨系の投稿サイト。 杉井さんと西鶴さんが共同して感想贈答系の投稿サイト。 手繰淳平さんがおっしゃっているサイトがそのどちらかであれば……この場合はどうなるんだろう? というか、ぶっちゃけ どの作品なの? -------------------------------------------------------------------------------- 訂正 No.6937 投稿日 2003年8月28日(木)23時55分 投稿者 藤極堂 「よみかく分室」の参加者が主催となって「よみかく」の後継サイトを作ろうという動きがあるらしいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 日の光を浴びたい No.6938 投稿日 2003年8月29日(金)02時02分 投稿者 名無し君2号  なんとか一時間早く起きることに成功する。とはいっても午後三時。このまま早められれば……。目標、午前十時。 >>作家で独身で、規則正しい生活を送っている人なんか、いねーぞ。  作家というのは、やっぱり健康にはよろしくない職業なわけですね。まあ、そんなことはなってから考えます。取らぬタヌキのなんとやら――素直に皮算用って書いたほうが、文字数少ないし。 >短編について >>ある男の子が、ある女の子が自分のことを好きなのだと知る。 >>その手段には、「じかに告白」「世話を焼かれる」「視線を送られる」――などの「直接系」のほかに、どんなものがあると思う?  「直接系」じゃなきゃ、単純に思いつくのは「間接系」ですね。  たとえば――。  友達に「あいつ、お前のこと好きなんだってよ」と言われる。  「私、○○くんのこと、好きなんだ」なんて偶然に立ち聞きしてしまう。  うーん、なるほど、そうか。いくらでもありそうだなあ。  ……ほかにはないか? ちょっと考えておこう。  さて、ここからどうすりゃいいものやら。ちょっと足踏み中。  結局、今回書きたい話は、一言でいっちゃうと、 「色欲に負けなかったことで、相手が好きなんだ(大切にしたい)と気づく話」  なわけで。  でも「好き」と「大切にしたい」はイコールじゃないけど。  「友達だからそういうことはできない」っていうパターンだってあるわけだし。  ああ、そうか。じゃあ、どうしたって主人公が「相手に惚れるようなエピソード」を入れておかないと、説得力皆無だ――いま実感できた。  じゃあ主人公は鈍いやつじゃなきゃね。相手を好きだということに、最後のエピソードまで気づかない。  で、主人公は途中でエロ情報に目覚めるわけだ。  ……最初からエロ小僧? それじゃ「性の目覚め」を書けない。  「性の目覚め」を書くのなら、最初は無垢なほうがギャップがあって面白いだろう。  主人公は「鈍い」「無垢」なのは決定。  「気が強い」のか「普通」なのか「気が弱い」のか、どれがいいのか。  うーん、主人公の性格を先に決めるのでいいのかなあ。  でも、とりあえず何かを決めないと、先に進みやしない。  ここからは翌日に持ち越し。 >長編について >>セイバーマリオネットJかい?  ――ショック。きらきらひかるなにかが、ぼくのてからするりとこぼれおちてしまったよ。  あー待て待て。とりあえず中身がどういうものなのか、確認してから改めてショック受けよう。アニメにもなってましたっけ? そこらへんの事情に疎くなってる……。  そもそも地方じゃ、アニメ自体、それほど放送してないわけで。  小説があるはずだ。読んでみよう。 >1000字課題について >>女の子が可愛くない。憎たらしさのなかに可愛さ2割を入れなきゃだめだろ。  えー、かわいくないですか、そうですか。最後のセリフを活かすには、憎たらしいほうがいいかと思ったです。  文章に灰色が多い、というのは、まだ何に照準を合わせればいいのか、わかってないんでしょう。 >>あとカルシウムの摂取について説明している会話が、おかしい。 >>中学生のボキャブラリーにないはずの言葉が出ている。 >>この娘って、IQ300とか、なんかそんな設定?  全然わからない。やばい。ちょっと考察してみよう。  女の子のセリフ。 >>「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ。つまり、カルシウムの摂取。それと適切な運動。馬鹿みたいに牛乳を飲んだって、一気に伸びたりなんか、しない」  中学生のボキャブラリーか。  中学生で習ってない漢字、ってことなのだろうか。だとすれば、なんとなく「摂取」くさいが。  でもどうやって調べればいいんだろうな、これ。  うーん、中学生のころの国語の教科書か。捨ててしまった記憶が……。  でも、習ってない言葉は使わない? 使えない?  中学生の女の子は、「摂取」って使わないか? どうだ。テレビで「一日の摂取量」とか出てこないか。  それでも、普通の中学生なら、「カルシウムの摂取」じゃなくて、「カルシウムを取ること」って言うかあ。  そのまえに、「摂取」で合ってるのかどうかもわからないし。  これも翌日に持ち越し。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=568&e=res&lp=550&st=0  今日は2時間。明日は早起きしなければ……って午前九時だけど。  なので、ここでおさらば。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨男 No.6939 投稿日 2003年8月29日(金)02時46分 投稿者 巻島翔史  俺が家を出たとたんに降りだすのは、いいかげんやめてほしい。  バスのときでさえ、降りたとたんにポツポツ。恨みでもあんのか空よ。 増量> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=569&e=res&lp=569&st=    「転」部の『「溜め」をつける』ですが、ここは沈みゆく太陽の光に、沈んだ気持ちの亮介がなんとなく惹かれる、という心象比喩をしています。  あとの増量部は、まあ、見たまんまです。 手繰淳平さん>  えーと。べつに名前とか伏せてくれなくていいです。  自分が書いた「海辺〜」のことについての話ですよね。  確かに自分は、あの話をここの課題部屋と、『(仮)』という、杉井光・西鶴翠・望月京路三氏の共同管理投稿サイトに送りました。  『(仮)』は藤極堂さんが言っているように、よみかく分室の周辺部の人間が立ち上げた投稿サイトです。もともと自分たちが利用していた投稿サイト『よみかく』が、管理人である純さんになんらかのトラブルが発生して更新されなくなったため、その後継にあたるサイトを作ろうという流れのもとで誕生しました。  さて、それではなぜ自分は両送りという行為をしたのか。  それは、手繰さんがまさに書いている、 >>たくさんの読者から、感想や意見を求めるのは、技術の向上に繋がります。  こうした目的のためでした。  というのも、『(仮)』は分室周辺部から派生したサイトではありますが、分室とのパイプを絶とうとしたサイトなのです。サイト管理者は準備段階から、分室の主である新木さんの入場を拒んでいました。 (よって現在も、大々的には告知していない)  そのため、どうしても分室と『(仮)』はそこに来る層が異なってきます。  自分のなかには、もともと、切磋系の意見だけでは指摘されないような欠点部分もあるのではないか、広範な視点で見られることにプラス作用があるのではないだろうか、という考えがありました。それに、それぞれ片側のサイトでしか意見をもらえない人もいるわけで。  また、そもそも自分が課題部屋にアップした契機として、新木さんに「なんか書くように、と言われて書いていたものがあがりました」という知らせを出すという目的もありました。かつては『よみかく』に投稿することで知らせを出せたのですが、いまはその役割を果たす場所がないため、課題部屋を使わせてもらったのです。  分室とはなにも関係なくあれを書いていたら、課題部屋にはあげなかったかもしれません。たらればの話は無意味ですけど。 (こう書くと、『(仮)』に掲載された場のURLをここに書けば知らせになったのでは、という突っこみが来るかと思いますが、当時『(仮)』は新木さんに対してアドレスを公開しておらず、単なる一利用者がサイト管理者の意思を曲げていいものかという考えがありました) (また、それなら新木さんにメールして送れば、という突っこみもあろうかと思いますが、もし新木さん以外の分室参加者で意見をくれるような人がいたらば、あえてそうしないのはもったいないと考えておりました。個人的に、メールが苦手というのもあるんですが)  話をまた『(仮)』に戻しますが、あのサイトの「はじめに」を読むと未完成原稿・完成原稿のことについては一切書かれていません。それはつまり、誰かがあの場だけを利用して意見を貰い、改稿作業を行っても、サイト上まったく問題ないということです。改稿版の再投稿についてはかつて『よみかく』でも行われており、その性質を継承したものでしょう。  そもそも、これはすこし推測が入ってしまいますが、100%の納得=完成意識で投稿している書き手は、あまり多くはないのではないでしょうか。どこかに欠点があると思うんだけど、自分の目じゃそれがどこだかわからない。そういう心理で投稿していると思うのです。  そしてその書いたものに対する『愛』が深ければ深いほど、手直しは何回も行われるでしょう。  手繰さんが言いたいのは、せめて分室での直しをやってから『(仮)』に送ってくれよ、ということでしょう。  しかし自分としては、分室の意見だけをもって改稿に挑むのは躊躇われます。広範な視点での意見をもってこそ、挑みたいのです。 >>読者は、いわば未完成品を読まされるわけです。それに対して、読んだ方たちは、真剣に感想やアドバイスを送るのです。 >>私は、なんだか釈然としません。  未完成品に真剣にアドバイスを送るのは無意味でしょうか。  むしろ改稿の行われる見込みのないものにアドバイスを送るほうが、生かされないという点で意味がない気がします。  いやまあ、次回作に生かすということもありますけど。  しかし少なくとも、未完成品に対して真剣にアドバイスを送ることは、まったくムダではありません。  しかし、自分がサイト趣旨をあまり踏まえていなかったことは事実です。  切磋系でもない投稿サイトに、叩き台投稿をしてもよかったのか。叩き台投稿可で、分室とは異なる視点を持った投稿サイトは探せばあったのではないか。  このへんの考えが足りてなかったことは認めます。これまで『よみかく』という切磋系の投稿サイトにしか投稿した経験がなく、一般的な非切磋系のサイトへの投稿というものについてイマジネーションが足りてなかったのです。いままでのくせで、そのまま叩き台投稿をした。  ああいう趣旨のサイトで、どういう方が読まれるのかという情報がまったくないのです。自分には。そんななかで、手繰さんの読み方に対する意識は参考になりました。今後に生かしていきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 未完成投稿について No.6940 投稿日 2003年8月29日(金)03時51分 投稿者 とんびの羽根  手繰淳平さんはじめまして。  わたしはプロ作家でない人の指摘感想専門ですが真剣に感想助言を実行しています。完成品だから、未完成品だからという区別はつけていません。そのことを了解して頂いた上でコメントをつけさせてください。 >>未完成の作品を、他のサイトに投稿するのはいかがなものか(No.6935)  一読して明らかに未完成である作品とはどのサイトに投稿されたどの作品のことなんでしょうか。  誤解を避けるためにも具体名を明示して問題提起していただきたいです。  巻島さんが名乗り出ておられます(No.6939)けど、わたしには巻島さんと特定することはできませんでした。  こういうことをお聞きするのは投稿されたサイトのスタンスとか、投稿した参加者のスタンスとかを考慮にいれる必要がありますから。  で質問に一点疑問があります。  何をもって完成とするのでしょうか。  改稿する余地のない完成品のみをいうのでしたら、投稿サイト上には実質存在しないと思います。  プロの作品といえども出版社の事情か作家の財政的事情によって「時間的に」改稿する余地のない原稿が「完成原稿」だと思います。ある意味素人は改稿する時間が無限にあるので永遠に「完成原稿」はできないのではないでしょうか。手繰さんは1作に6年かけて2作品を完成されたわけですが、その完成である根拠はありますか。  わたしのスタンスとしては、指摘感想系の投稿作品はすべて商業水準以下であり、その一点においてすべては同列です。手繰淳平さんの意図が「わたしの投稿作品は完成品だが、こいつの投稿作品は未完成品であり釈然としない」ということでしたら、わたしにはその区別はつかないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6941 投稿日 2003年8月29日(金)08時43分 投稿者 新木 伸 >未完成原稿の掲載のこととか  僕とも分室とも関係はなくて、単なる個人同士の問題のようなので、僕としてはノーコメント。  ああ。話題を続けることは問題ないです。  決着付くまで、当事者同士で話し合ってください。  ただ手繰淳平さんには、話を明確にするために、そのサイトの名前と、該当する人間と作品の名前とを明かされることを要請します。  早くも巻島が「自分に違いない」と決めこんで書いちゃってますが、それでいいのかどうか。  サイトの場所(URL)に関しては、べつに書かなくてもいいです。 >余談  「ノーコメント」とか言いつつ、ひとつだけ書いておこう。  単なる事実の指摘なんで、僕自身のコメントってことでもない。  僕はこれを書くだけで、その話題に参戦予定はないので、安心して、当事者同士でやってておくれ。  プロ作家が締め切りまでの「限定された時間」のなかで出してきた「有限時間内における最適解」の完成度は、アマチュアが「無限の時間」を使って出してきたものの完成度を、たいていの場合、上回る。  これは事実。  プロが5分で書いたものが、アマチュアが半年、もしくは一生を掛けたものを上回るというのは、往々にしてある。  たとえば、俺、いま2号が半年かけて書いた1000字の掌編を、15分で上回ってみせる自信がある。  たいていのプロは、同じことを言うだろう。「あれを越えればいいだけなら、俺(私)、まあ15分もあればぁ〜」とか。  時間できっぱり、その瞬間に打ち切られ、作品に触れることはもう一切禁止され――。その「劇的一瞬」の前までに、あらゆる手を尽くして、作品を可能な限りのベストに仕上げなければならないわけね。  それが締め切りというもの。  手塩にかけて子供を育てるが、20歳となって成人した瞬間に、もう援助もできない会話もできない。親が一切、なにも影響を及ぼすことはできない。  そんなような状態になるわけね。  普通の親は20歳越えた「法的大人」にも、学費やら居住空間やら、なんやらで相当な援助を行っているが……。  20歳過ぎたら、自分のみで独り立ちさせねばならないと、そう決まっていたら、もっとしっかりと子育てをしているはずだ。  いつまで時間を掛けてもいいや〜、とか。  飽きたら完成ってことにしとこ〜、とか。  6年掛けたんだから、もう完成してるだろ〜、とか。  そういう連中とは、気迫が違うのよ。気迫が。 >巻島  まっきーも成長したのう。  以前には、こういうとき、ええと、どうやって対処したんだっけ……。  そうそう。思いだしたぞ。  「自己謹慎、及び、全書きこみ削除」――だったっけか?  今回はちゃんと、相手の誤解を解いて納得してもらえるように手を尽くしている。  しかし該当者は自分だと決めているけど、それで、いいの? >2号 >>うーん、なるほど、そうか。いくらでもありそうだなあ。 >>……ほかにはないか? ちょっと考えておこう。  「いくらでもありそう」じゃないんだよ。いくらでもあるんだよ。  「ちょっと考えておこう」じゃないんだよ。「おこう」なんて後回しにしないで、いまその瞬間に考えろっての。後回しにしたら、いつやるかわかったもんじゃないだろ。一生後回しになる可能性も多分にある。お前の場合。  そして、ちょっとじゃなくって、「たくさん」考えろ。  ぜんぜん別の系統で、十個ぐらいは出してくること。  「じかに告白される」「世話を焼かれることで理解する」「視線を送られ続けて察する」「誰か噂話の好きなやつから『好きなんだってさ』と教えられる」「偶然、立ち聞きしてしまう」  これで5個ね。  もう10個くらいは出してみろ。 >>じゃあ主人公は鈍いやつじゃなきゃね。相手を好きだということに、最後のエピソードまで気づかない。  まぁた、ここのところも無思考で無批判で決めつけてる〜。  同じこと二度やるなっての。  なんで主人公は「鈍いやつ」に決定しちゃうわけ?  ねぇ、なぜよ?  話のドラマの落差をつけるために、はじめ、主人公は女の子のことを「なんとも思っていない」というのは、ほぼ決まりだよな。それは思考しないで決めちゃっていいところ。  また話のラストでは、女の子のことを好きになっているのだが、その気持ちを自覚していない。――とするのも、まあいいだろう。そこは決めちゃってしまおう。  なにかを決めないと、なんにも始まりゃしないからね。  「決める」ということは、可能性の枝を削ぎ落としてゆくことなわけだ。  「相手を大切にしたいので、色欲を押さえこんだ」という原初の状態のままでは、相手をプラトニックに愛したパターンと、相手を友達として大事に思うパターンと、二つの話の可能性が存在していたわけだ。  そこから、「相手を好きになって大切に思う」という側を選択した時点で、残りの可能性は殺したことになる。  あの人も好き。これも好き。――じゃ、人は結婚できない。  あれも食べたい。これも食べたい。――じゃ、永遠に昼飯にありつけない。  あれにもなりたい。これにもなりたい。――じゃ、永久に就職できない。  決定することは重要だ。  だが不必要に決定するな。無駄に固定するな。  自由度はできるかぎり残しておけ。そして決定してしまうまえに、死ぬほど考えろ。  「女の子は強気」とか。  「主人公は鈍いやつ」とか。  このへんが――無駄で不必要で、やってはならない早まった決定。  「相手を好きになって大切に思うので、色欲を押さえこんだ」とか。  このへんは――これ、必要な決定。やるべき決定。  なにが速攻で決定すべきことであって、なには熟慮すべきことなのか――。  このへんの見切りは、先天的なものもあるけど、学習と訓練とで身につけることもできる。  そのへんを誤ると、さくっと決定すべきことにウダウダ時間かけて、熟考すべきところを即断しちゃって――つまり2号のようなことになる。  2号はまず、「物事には即断すべきことと熟考すべきことの2種類がある」ということを知らなければならない。  そしたら、いま考えたり判断したりしていることが、どっちに属しているのかを、常に考える習慣を付けること。  なにかの判断を下したときに、その決定がどっちの種類であったのか、一瞬立ち止まって考え直す習性を、条件反射的に自分に植え付けること。  即断したときには、「これは熟考すべきことだったのでは?」と疑う姿勢。  ひとつのことを熟考しているときは、「これは即断すべきことなのでは?」と疑う姿勢。  そういうものを、身に染みこませるということね。  とか、こういうふうに、系統だった概念的な説明をやっちゃうと……。  読んだだけで「わかった気」になっちゃうんだよなぁ。読んだだけで自分ができるようになったと錯覚して安心しちゃう。  だから分室ではあんまりこの手の教訓は垂れないことにしているのだが。  実際に、これをアマチュア小僧に「仕込む」には、方法はひとつしかない。  毎回、失敗するたびに、ぶっ叩いて痛くしてやって、思い知らせるしかない。  動物のしつけと同じだな。  しつけを受けている動物は、自分がいまなにを「しつけられている」のか理解することはない。だがしつけが完了した動物は、もうその過ちを犯さなくなる。それが――トイレのしつけなのか、行儀作法のしつけなのか、わからんが。  いま2号は、自分じゃまともに頭も働かせられない動物並の存在だと、僕に思われているので、そのつもりで。  自分で自分をしつけることのできる人間を相手にしているなら、上記のような概念を書くことで、「しつけの方法」については自分で考案させる。  それではあまりに情けない――と思うようなら、自分をしつけるための方法を、自分ですこしは考案してみろ。そして実行してみろ。 >1000字課題系 >>最後のセリフを活かすには、憎たらしいほうがいいかと思ったです。  憎たらしいほうがいいよ。  落差ができるから。最後でほろりと出てきた「かわいらしさ」が生きてくるから。  ただし、100%完璧に完全に徹頭徹尾「憎たらしい」じゃ、だめなんだって。そんなキャラがかわいらしいところを見せたって、それはキャラが変わっちゃってることになる。別人の反応。  今現在は、10割「憎たらしい」なわけ。  そこを、8割「憎たらしい」で、2割「かわいい」にしろってこと。 >>昼下がりの保健室。少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。その少年に、ひどく冷たい少女の声がふりかかる。  たとえばここで、なんの思慮もなく、「ひどく冷たい少女の声」と書いているわな。  読者ってのは、本当に、文面だけを読むもんなのよ。文章を書いてあるそのままで読んでしまう。  たとえば、「あなたの文章は美文ですね」――なんて文章が、あったとする。  たとえば僕が2号の文章に対して、そう言ったのだとする。  これを読んで、「ああ褒められてる」と感じるものなのよ。読者ってのは。これを「皮肉」と読む人は、そうそういないわけ。  ――なので、「ひどく冷たい声」と書いたら、それは本当に冷たい声なのだ。  そして冷たい声をかける以上、この女は少年のことを心配しているわけではないのだ。  作者であるお前の頭の中には、「冷たい声を出しているが本音は心配している女の子」なんてものが浮かんでいるのかもしれないが、読者には「冷たい声をかける冷血女」しか見えてないのだ。  どのくらいのさじ加減であれば、舌の鈍い読者であっても、「ひょっとして心配してるのかも」と思ってくれるかというと――。  それが「2割」から上の量なわけ。だから2割入れなきゃ、意味がない。  ということで、2割ほど入れてみた見本を見せる。  俺がリライトしてやるのは特例で、二度とあると思うな。本当なら原稿用紙1枚につき3000円ほど請求するところだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、イクオにだってよくわかっていた。  事件は教室で起こった。  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえんがちょを切られた。 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えないからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そして冷たい冷血女。ハルコ。  イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」  イクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらず冷静に指摘をつづける。 「牛乳より、煮干しのほうがいい。必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走り回ること。ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」  ハルコがなぜそんなことに詳しいのか、イクオには不思議だった。 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるのかわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」  イクオには羨ましい悩みだった。――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしまう。 「ハルコも苦労してんだ」  一瞬、間が空いた。  ハルコはめずしく感情のこもった声で、言ってきた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  あ、いけね。他のところにも手を付けちゃった。  20文字詰めで2枚と10行。つまりぴったり1000字。  ちなみにこの話は、この状態で「完成」している。この上は存在しない。もうない――はず。  これのさらに「上」が出せる人がいたなら、遠慮なく書き直してくれていいです。  その際には、僕も勉強させてもらって、盗ませてもらいますので。  「かわいさ」2割増量に相当する部分としては、ハルコの台詞の修正。  顕著なところでは、「馬鹿」を「バカ」にしたこと。  あと言葉遣いの微妙な修正もある。見比べてみること。多少キャラは違っちゃっているかもしれないが。言葉遣いを変えることで、そこに「好意」の匂いは込められるわけだ。  ちなみに「好意を持っている相手にわざと冷たくしようとしている人間」というキャラをまず作って、その台詞回しとした。  もうひとつ、イクオが皆から「えんがちょ」を切られたということを書いて補足してある。  それなのにハルコが保健室について来ているということは、ハルコが「えんがちょ」を切っていないということを示し、つまりイクオの味方であるということであり、すなわち「好意」の表れということになる。  修正前の状態でもそのことは書いてあったわけだが、微妙すぎる。あれでは書いていないのも一緒。  ある閾値を越えていないと、読んだ人が「保健室までついてきたハルコの好意」を認識できない。その閾値というのは、けっこう、こんなふうに「あからさま」なものだったりする。  この「あからさま度」が、つまり2割ってこと。 (ちなみに現代の中学生が「えんがちょ」と言うかどうかは不明。仕事で書く小説であれば、きちんとリサーチして裏付けを取ってくるけど) >カルシウム摂取の台詞について  とりあえず、そこも書き直してみた。  中学生で、頭が良くて、本で色々と調べ物したりする女の子のボキャブラリーにある言葉だけで、なおかつ、彼女の口調で言わせるとこんな感じ。  「中学生のボキャブラリー」というのは、中学生が使い慣れている言葉って意味。  知っているとか、習っているとか、そんなことをいっているのではない。  身につけて普段からあたりまえのように使っている言葉かどうかってこと。  たった14年しか生きていない人間なんだぞ? 言葉をしゃべりはじめて、まだ10年かそこらのイキモノなんだぞ?  そんなにたくさんの種類の言葉を操れるはずがなかろう。  「摂取量」なら使うけど、「摂取する」では日常的には使わない。  また「カルシウムを取る」ともいわない。人体に必要な元素がどうとか、健康を気にしている人間の常識であって、生命力が爆裂してる中学生は、そんなことに気をつかうはずがない。  君は病人だから、「健康」を必要以上に意識している。その意識のままで中学生のキャラを喋らせるもんだから、こんなアホな失敗をすることになる。  ハルコの場合は書物で調べて知ってはいる。  友人との会話などで日常的に話す内容でもないので、口をついて出てこない。いきおい、普段しゃべる語彙のなかで、日常的な言い回しに翻訳して話してしまうことになる。  ダイエットを意識しはじめるようになって、「カルシウムだけは取らなきゃ〜」とか、友人と話していていいのは、高校生以上からだ。  ハルコは、無論、「摂取」も「摂取量」も知っている。  だが、「他人との会話の中で何度も使っている言葉」でなかったら、会話文のなかで出てくるのはおかしいということ。それを指摘している。  そもそもハルコって、友達そんなにいないわけだろ? 友人との会話の回数は、他の子よりも遥かに少ないわけだよ。  いちばんたくさん話している相手ってのは、イクオみたいな「馬鹿」なわけだし。馬鹿と話し慣れている人は、馬鹿に話すときには易しく話そうとするものなのね。  ああ、そうそう。「カルシウムの摂取」に関しては、ハルコは、イクオに理解できるように噛み砕いて説明しようとしている節がある。  「摂取」を日常的に使っていそうで、「カルシウムの摂取」なんて普通に言えちゃうキャラというと……。  短大で栄養学でも専攻している女子大生あたりかなぁ?  あと看護婦とか女医とか、女性生物学者とかね。  すくなくとも女子中学生ではないわな。 >巻島  スパイラル感増量。 >>自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。  ええと、40文字詰めにしてみると、3行目の真ん中ぐらいまで届いている長めの段落か。  いっそ4段落(と数文字)にかかるくらいまで大きめのブロックにしてしまえ。  具体的に「男レベルが上」についても、1個しか書かれていないよね。せめて2個は欲しいよ。男レベルが上であった理由について。  「〜のに」「〜のに」と、いま3回繰り替えしているところを、4回繰りかえしてみよう。  そして見比べよう。  3回繰りかえすか、4回繰りかえしたほうが良いか、両方書いてみて、見比べて選択したうえで決定としよう。 >>そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。真っ白ではないけど柔らかそうな肌。  有希の好感の持てるイメージについて。外見について2個書かれているよな。  ここにもう1個追加すること。  ただし外見のことばかりでバリエーションが貧困なんで、性格面とか、特徴的な表情だとか、なんかほかのことを書け。  なんだったら、いま出してきている2個についても、どっちかボツにして直しちゃってもいいぞ。  3個書くなら、3種類のバリエーションを揃えるのが基本だし。 >>「有希を見つけた」→「隣に男がいやがった」……のあいだ  「有希に追いつこうとする」としたわけね。  俺がまっさきに出した3つは捨てて、べつなものを捻りだしてきたわけだな。トラップ仕掛けておいたのだか、引っかからなかったね。あの3つのうちのどれかを使ってきやがったら、叱りとばしていたところだが。ちっ。  うん。  ここはこれで良し。話題の切り替えを、読者が充分に理解できるだけの「間」が空いた。 >もう一個追加  このパートで二度目のスパイラル突入のシーン。  ベタな補足説明が必要なところ。  俺の見立てでは――。  これを読んでもわからない読者が「3割」ほど存在する。  つまり、「有希に男ができた」と主人公が思いこんだのだ――ってことが、読み取れない読者ってことね。  それが読み取れなかったら、ここのシーンのスパイラル感の意味がなくなるわな。なんで主人公がショックを受けて「ぐるぐる」してるのか、読者はわからないので、まったくノッてこれない。  つまり――。  10人に1人の難関をくぐり抜けて、この本を手にしてくれた読者のうち、ここでもう30%を失っちゃうわけだな。  それは大変まずいだろ?  なので、ベタでもいいので、なんか書いておけ。  その30%の読者――主人公よりも「鈍い」やつにも、絶対確実にわかるような、なにかひとこと。 >東高という設定  ところで、この「東高」という単語だが。  なんか意味でもあるのか? もし「有希と釣り合う学校」という意味合いで使っていたのなら、これじゃ9割5分の読者がわからんぞ。  「東高っていうのは、名門校なのだろうか?」とか、うっすらとでも考えるのは、まず20人に1人ぐらいなもんだ。  「有希と釣り合う男」ってニュアンスであるなら、そのひとことは無駄ではないし、入れてもいい言葉だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ、アドバイス No.6942 投稿日 2003年8月29日(金)09時51分 投稿者 鐸碑 生活サイクルのずらし方について  情報番組なんかでも良く言われますが、人間は約25時間周期で体内活動のサイクルが出来ています。1日24時間で生活するのは、日々1時間分ずつ無理をしているわけです。これが寝坊の原因になるといわれています。  で、今名無し2号さんは1時間ずつ前にずらそう(1日23時間活動)としていますが、それは毎日2時間分ずつ無理をかけている状態です。  通常サイクルに戻すまで時間が2週間くらいとれるなら、25時間サイクルの生活をして、後にずらしていく事で無理せずに朝起きる状態に持っていった方が身体に無理が掛からないし、日々活動時間が多く取れると思います。 セイバーマリオネットに関する情報  セイバーマリオネットは1995年(今から8年前)に、セイバーマリオネットという可愛い女の子型アンドロイドが登場する作品群という位置付けで、複数の作者の手で小説が作られ、アニメ化もされた作品です。  あかほりさとるさんが書いたセイバーマリオネットJ(富士見書房・富士見ファンタジア文庫)が今話に出ているもの。他にセイバーマリオネットRというアニメ先行の作品がありますが、こちらは舞台設定が違うので役に立ちません。  現在は、絶版状態らしいので古本屋で探すのが妥当でしょう。近所に手頃な古本屋がない場合、インターネットの古本屋を探せば簡単に見つかると思われます。 TVアニメでもやっているので、ファンサイトなんかも見つかるかもしれませんが、二次情報だとフィルターが掛かっているので(可能性としては、必要十分ないいサイトがあるかも知れませんが、それがあるかどうかを含めて)資料として十分であるかは補償できません。  これを参考に必要な情報を集めてみてください。 -------------------------------------------------------------------------------- ありがとうございました。 No.6943 投稿日 2003年8月29日(金)11時22分 投稿者 手繰淳平  質問に対しての返答、皆様ありがとうございました。  私が問題にしたのは、「仮」というサイトの、巻島翔史さんが書かれた「海辺のまちのものがたり」です。具体的に挙げるのはどうかな、と思ったのですが、逆にそれが失礼になってしまったようです。申し訳ありませんでした。  サイトの主旨をよく読み込まなかったのも、良くありませんでした。    しかし、私としては、例えて言うのならば、レストランで修行中の見習いコックが、料理長に「コレ、不味いよ」と指摘されたのにも係わらず、そのままお客さんに出してしまったように思えたのです。お客さんに文句を言われ、作り直しても、いくらお金をとらなくても、不快な気持ちは残ります。  完成、未完成は、結局、自分自身が納得したかどうか、にあると考えています。後は他人に読んでもらっての判断に委ねています。  1.物語を書き上げる  2.自分で読み直し、推敲する  3.まわりの人に読んでもらう  4.指摘されたことを直す  5.読んでもらう・直す……(繰り返し)  分室での作業は、3番目以降の内容だと思っています。    この分室は「習作」を提出するところで、(仮)は、5番目以降を経て、自分で納得したからこそ「作品」を発表する、という場所だと私は勝手に認識をしていました。  「作品を発表する」という行為は、大変なことです。見るひとを楽しませる、という責任が生まれます。プロのひとは、その責任を果たしているからこそ、お金を貰えるのです。  そういう、プロを目指している方が、こんな中途半端なものを、と少し感情的に書き込んでしまいました。  今度はきちんと(仮)の主旨を読み込んできます。    言いたいことが上手く表現できず、散らかった文章になってしまいました。これも修行しなくてはなりません。  これからも「よみかく分室」を読んで、勉強したいと思います。  失礼します。       -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6944 投稿日 2003年8月29日(金)16時30分 投稿者 新木 伸  掲示板のパラメータを変更しました。  これまでは書きこみ20ごとに次のページに移ってましたが、これからは50刻みで次ページに移るようになります。  このブロードバンド時代。  ほとんどの人がもうADSLに乗り換えていると思われます。1ページの件数が多くても、それほど待たされないでしょう。1瞬か1秒かなんて、さしたる違いではありませんし。  もしモデムユーザーで、とんでもなく時間が掛かって大変ですぅ――てな人がいましたら、言ってください。前の20刻みに戻すことも検討しましょう。 >分室という場所  この分室が、「習作を叩いて直してもらえる場所」であると、誤った認識をしちゃっている人がいるかもしれないので、書いておきましょう。  そういう人は、まずよみかく分室説明「http://www21.pos.to/~araki/yomikaku_oth/rule.htm」を読むように。  そんなことは、一切、どこにも書いていないので。  ここはプロ未満のやつを、プロに鍛え上げるための場所です。  新木伸およびここに常駐しているプロ作家は、プロ未満の小僧が書く作品なんぞに、興味を持つことなどありえません。  つまり、ある作品をより良いものに仕上げたり、作品を完成させたりする手伝いなどは、しないということです。  ここでやっていることは、「完成品を自力で書くことのできる人間に鍛え上げる」ということです。  ある作品なり、あるシーンなり、ある文章なりを――徹底的に叩いて、何度も直させるようなこともあります。  一見すると、それは「作品」を直して向上させるための手伝いをしているように見えることがあります。しかし真の狙いは別なところにあるわけです。誤解なきように。  次以降の機会が来たときに、自分ひとりで同じことをできるようにするためです。  欠陥を指摘して潰させてみたり。  良い部分を、より良くさせて、理論値上限付近まで届かせてみたり。  まあそんなことをやるわけですが。  いま叩いているその作品のことなど、どうだっていいのです。  あくまでも「書き手」のほうを見ているわけです。「完成品」と同じくらいの水準にあるものを、次移行もコンスタントに書けるようになる「人間」を養成するために、分室は存在しているわけです。  学校の調理実習みたいなものでしょうか。  調理実習では、2時間の授業を通して「料理」を作らせます。  しかしその授業の目的は、その時間のあいだに「おいしい料理」を作るためでありません。  あくまでも、次以降の機会に、自分ひとりだけで「料理」を作れるようにするためなのです。  分室も、それと同じ。  ここでいま直させている作品なんぞ、どうだっていいわけです。  ここは作品を仕上げる手伝いをしてくれる場所――と勘違いしたアマチュアが、ここにやってくればプロが手伝ってくれる、なんて甘ったれたつもりでやって来てしまったら、大変な迷惑ですので、そのことは、はっきりと書いておきます。  ちなみに、ここでいう「プロ未満」に該当するのは、生まれて初めて書いてみた小説が、商業的に通用する出来でなかった人たちです。  落伍者。未熟者。ゴミくず。作家志望者。犬以下。路傍の石ころ。凡人。――まあ様々な呼びかたがあるでしょうが、まあ、どれでも意味的には大差ないでしょう。  この分室においては、上記のような者を、便宜的に「アマチュア」と呼んで区別しています。「アマチュア」という言葉か本来意味するところは、「商業指向ではない」というものであって、適切な用語とはいえないのですが……。  日本語に、これのほかにぴったりくるものがないので、仕方なく使っています。なにかいい用語がありましたら報告してください。すぐに言い換えるようにしますので。  金を取れる小説を書けるか、書けないか。  その一点により、プロであるかプロ未満(アマチュア)であるかは区別されます。  また分室においては、ある作品が「完成した」ということは、「商業レベルの水準に到達した」ということを指します。とくに注釈を付けずに普通に「完成」という言葉が使われたときには、その水準のことを示します。  商業レベルに到達するものをコンスタントに書けるようになった時点で、その人間はすでに「プロ」です。分室での修行は、そのとたんに終了です。  自分の書いた小説で金を受け取った時点で、強制的に卒業です。  その日から、こんどは教わる側でなく、教える側に回ってもらいます。もっともプロになってから数年間は、そんなことをしている余力なんてないでしょうけど。  本当の意味での作品の「完成」というものは、「商業レベル」なんて低いところよりも、もっともっと遥か高いところにあるはずですが……。  そんなものは、自分で掴んでください。  「プロ作家」というスタートラインに立ってから先のことは、僕の知ったこっちゃありませんので。 >作家の生活は不規則  ――なので、普通の人の活動時間に集合しなきゃならないときとか、困ったりする。  打ち合わせとかがあると、2週間前から起きる時間の調整に入らないとならない。  昼型サイクルになっているなら、そのまま、遅らせないようにするとか。  夜型サイクルになっているなら、1時間ずつ「規則正しく」遅らせてゆくようにするとか。  明日はOFFで、昼間の普通の人の活動時間に集合しなきゃならなかったりするのだが。  生活サイクル合わせに失敗して、集合時間あたりが「寝付く時間」になってしまっていたりするのだが。  まあ、それならそれで、夜中になると目が冴えてくるから、問題ないか。どうせ一晩中やるのだし。 >2号  生活サイクルのずらしかたは、鐸碑さんの言うとおりなので、さっそく実行するように。  そうか知らなかったのか〜。鐸碑さんが教えてあげるまで、2号が知らないということに気がつかなかった。  てか、なんで引きこもりが生活サイクルを気にするのかわからんのだが。  医者にかかっている関係?  しかし、そうすると、「セイバーマリオネットJ」と聞いて、「小説を読む」といったのも、あれ、なんか意味を含ませているのではなくって、素でやっちゃっているってことか?  つまり、本当に本屋に買いに行って小説を読むつもりでいるのだと、そういうことかい?  セイバーマリオネットJという作品で、「江戸世界」というのがどのように使われているのかを知るためだけだったら、本を買う必要も、本屋に行く必要もないだろう。それに本屋に行ったところで、新刊じゃ、もうさすがに並んでないだろうし。  ちなみにある小説が、流通に乗っているかどうか(店頭に並んでいる可能性があるかどうか)は、以下の書店のサイトで検索すれば判明する。 E−HON(東販系) http://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top 有隣堂(日販系) https://www.honya-town.co.jp/yurindo/index.html  日本の本の流通は、東販と日販というふたつの問屋がすべてを仕切っている。  このふたつの問屋になく、出版社にも在庫がなければ、その本は新刊では入手不能ってことになる。問屋に在庫があったとしても、書店の店頭に置かれている保証はないが……すくなくとも、注文すれば取り寄せることで入手可能だ。最近ではインターネットで最寄りのセブンイレブンまで配送してくれて、手数料完全無料、書店で買うのと同じ値段で購入できるようなシステムもある。  紹介しとくか。 イーエスブックス http://www.esbooks.co.jp/  ちなみに有隣堂のほうでは、「出版社在庫」の有無まで検索できる。  セイバーマリオネットJは、全巻、出版社在庫が「品切れ、重版未定」か。実質的な「絶版」てことだな。こりゃ。  ひとつ試しに、2号がどうやって調べるつもりだったのか聞いてみることにする。  「セイバーマリオネットJ」について、それがなにかの作品であって、アニメか小説か――というあたりまでは見当が付いているわけね。  その先は、いったいどうやって調べるつもりでいたわけ?  まさか、店頭に行って探して回るとか? >「恐い」と「怖い」  どっかの誰かが、もう飽きちゃったらしく、ほっぽりだしたままにしてあるんで。  自分で調べ上げて、自分なりの解答にたどりついてはみたけど、それで正解なのかいまひとつ自信が持てない人のために。  正解――っていうと語弊があるが、新木伸の解釈による解答を書いておく。  怖いは「AFRAID」で、恐いは「FEAR」。  日本語でよくわからないときには、対応する他言語を見てみるのもひとつの手。  日本語は近い意味の言葉をひとつの同音の読みにまとめてしまう悪癖があるが、英語などは、意味がすこしだけ違っていても、違う言葉が割り当てられる。ただ英語のほうが日本語より分解能が低いんだけどね。「怖い」と「恐い」ぐらいのものだったら、きちんと言葉が用意されている。  怖い、は――。  目の前にある脅威、知っている怖さ、想像できる怖さ、理解できる怖さ、などに使われる。死ぬのが怖い、ピストルを向けられたり刃物で脅されたりして怖い、金欠で月末が怖い、スピードを出している車が怖い、台風が来て屋根が飛んじゃいそうで怖い、そういうときに使う。  恐い、は――。  知らない怖さ、理解できない怖さ、想像できない怖さ、などに使う。  死んだ後に霊魂がどうなるかわからなくて恐い、たたりが恐い、悪霊が恐い、ティラノザウルスに出会ったら恐い、彼女に浮気がバレたら恐い、などで使う。  ただ浮気がバレたときの恐さについては、二度目以降の人であれば「怖い」と書くべきだろうな。  ちなみに「ジュラシックパーク」という映画があるが。  あれは恐竜の「恐さ」を、「恐さ」ではなく「怖さ」にしてみせたことで、大ヒットしたわけだ。  ただ、そんなことだけで、何億ドルも稼げてしまうものなのだ。 >巻島  明記していないからいいだろう、てなことって。  たいてい、悪用するつもりでいるやつらの言い分なんだけど。  いいのか、それ?  まあ自覚してやってるならいいのだが。悪用している自覚がないのだったら、すこしは考えろ。  いま外からは見え見えだぞ。君のその悪用する姿勢ってのは。  まあ、作家になるためになんでもかんでも利用して悪用し倒す覚悟ができたなら、どんどんやれ。  なんでも悪用しろ。  日本国の法律に触れないかぎり、なにやったっていいのだ。  どこぞのサイトに未完成の作品を放りこんで反応をみるぐらいのこと、法律で禁じられているはずもない。  それはそうと、「読者の目を得る」ということについて、かなり深刻なようだけど……。  いま巻島は、書き上げた作品を、誰と誰に見せているわけ?  具体的には?  どんな人に、何人くらい?  親兄弟、友人、知人、先輩、後輩、恩師、――いつも利用している「他人の目」を、すべて列挙せよ。  何人いる? それとれ十数人か? はては何十人か?  なんか、すげぇ寒い答えが返ってきそうで恐いんだけど。  勇気を出して、訊いてみよう。  そしてそうして得た実際の本物の「他人の目」以外には、判断の基準になるものは、お前はなにひとつ持っていないのか?  自分の中にある「他人の目」は、持ってないのか? 使っていないのか? それとも使い物にならないのか?  俺なんか、小説書こうと決心する前から、すでにもう自分の中に「他人の目」は持っていたものだがなぁ。ざっと十人分ぐらい。  ウケるTRPGのシナリオ作るのに、必須な能力だったし。  現実のプレイのときにつまんなくて独りよがりのシナリオなんてやっちゃって、場をシラけさせたらえらいことだから、頭の中の仮想読者の目を通して予行演習をやって、欠陥を潰して、面白い部分をビルドアップしていって、そして完成とまではいわんが、初稿よりはマトモなもんにして、本番に赴くわけよ。  ちなみに頭の中の仮想読者は、その日、そのシナリオをプレイするであろう面々。そいつらの顔を思い浮かべればよい。この場合には、正確には「仮想読者」ではなくって、「仮想プレイヤー」ってことになるが。  小説も、その要領でやってたさ。  TRPGのシナリオを作っている時の「仮想プレイヤー」をそのまんま流用して、「仮想読者」として使いまわしていただけ。  そしてプロになってから編集さんにしごかれることで、精度を上げた経緯がある。  ――てか、「アストラル・ヨシワラ」が基準として居座るようになったから、心の中の「他人の目」がより厳しくなったってことだが。  その頃、同時にプロ水準の目を持つ「仮想読者」を数名ほど増員した。昔から使用していた「仮想読者」のほうは、「一般読者代表」ってことでランクを下げはしたが、やっぱり使う。たとえばこのまえやったみたいに、「読者の30%は〜」とかやるときには、それらの「一般読者」を全員引っぱり出してきて、全員に読ませて、統計を取って、パーセンテージを取って、そして出してるわけだ。  30パーセントとか。95パーセントとか。  あの数字には、根拠がある。  ただ量子的に並列処理で実行させてるので、20人に読ませるのは同時に行える。――てか、俺が文章を読むときには、「やつら」もたいてい常に読んでいる。  だからパーセント表示も常に出てくるわけだ。  俺がなにか書くとき。そしてなにか読むとき。  常に頭の片隅にOK率のパーセントがデジタルの数字で表れているのだと思いねぇ。  俺の場合、100って出てたら「完成」ってことにしてる。そこが目安で、手を止めていい合図。初稿は90あたりで上げるけど。直しの段階で90を100に仕上げる。  ごくまれに、なぜか120パーセントとか、150パーセントとかいう数字が出ることもあるが、そういう数値は、神がかったときにしか出ない。これはパーセント表示であるはずなのに、なぜ100を越える数字が出てくるのだろう。不思議だ。  まあ、そのせいで純粋に文章やら小説やらを読んで楽しめない体になってしまっているのだが……。  ある小説を読んでいるときに、俺は「OK」で楽しんでいるにもかかわらず、20人のうちの何人かは頭の中で常に「NO」と言う。うるさくてかなわん。  まあ、そりゃそうだな。  20人もいたら、その全員がOKを出す作品なんて、あるはずがない。  ごくまれに、頭の中から、「俺」以外の仮想読者全員が消えるほどの作品に出会うことがあって、そういうときは一心不乱に読むことができる。  純粋に作品を楽しめる。  そうした作品には、滅多に出会えないのだが。  このように、心の中の「他人の目」を20人持てとか、30人持てとかはいわんが……。  しかし、もし、ひとつもなかったら……。  心の中の「他人の目」がなかったら、いったい、どうやって小説なんて書けるのだ?  人に見せるための文章を、他人の目なしに、いったいどうすれば書き上げることができるのだ? -------------------------------------------------------------------------------- No.6945 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- ベクトルを少し変えてみたりして No.6946 投稿日 2003年8月29日(金)22時01分 投稿者 細江ひろみ  昼休みの終わりを知らせるチャイムは、保健室のベッドでへたる少年の耳には届いていない。けれど、聞くまいとしても頭の芯までねじ込まれてくるのは、彼を保健室に連れてきた少女の言葉。 「あんた、バッカじゃない?」  自分を見下ろす少女の視線から逃れるように、少年は寝返りをうち、そっぽを向く。 「うるせーなー」  自分のバカさ加減は、少年にもわかっている。  給食の牛乳は、結構な本数が手つかずのまま残る。少年は煽る連中の前でそれを全て飲み干し、胃がそれを拒絶した。  それまで笑顔で取り囲んでいた野次馬たちは、胃液の混じった牛乳の洗礼を受けると、悲鳴を上げて一斉に逃げ出し、ぶっ倒れた少年だけが床に残された。  出来たばかりの白い池から、びとびとの少年を助け出したのは、クラスで一番大柄の少女だ。彼女以外は、少年に近づこうともしなかった。 以下略 上とは言わない。 欠点がいくつもあるし。 でも思いついちゃうと、もう指が止まらないんだよお! -------------------------------------------------------------------------------- 八朔[はっさく]を過ぎたのに No.6947 投稿日 2003年8月29日(金)22時05分 投稿者 弟切 千隼  昨日は旧暦の八月一日でした。日本では、古来、この日は八朔と呼ばれて、秋の始まりとされた日でした。秋の夜長の夜なべ仕事も、この日から始められたそうです。  しかし、今年の八朔は、秋とはとても思えない暑さでしたね。昨日の昼間、用があって出歩いた弟切は軽い熱中症になってしまいました。  皆さん、まじめに熱中症には気をつけましょう。暑い時にはまめに水分と休息を取りましょう。 細江ひろみさんへ >  弟切は、小説家以外のライターさんなども立派な「プロのもの書き」であり、公に認められてしかるべき一つの職業だと思っています。見下しているように見えたとすれば、弟切の表現が未熟であるせいですね。不快に感じた方がいましたら、申し訳ありませんでした。  売り込みという点で言えば、どれだけ弟切の能力の証明になるかはわかりませんが、先日、こんなことがありました。  その時、弟切は友人と『ハリー・ポッター』シリーズについて話していました。あの物語の中には、たくさんの魔術や幻想動物や薬草が登場します。それらが話題に出るたび、弟切はいちいち友人にその背景について解説する羽目になりました。 (以下の書き込みには、『ハリー・ポッター』シリーズに関するネタばれを含みます。『ハリー・ポッター』シリーズをまだ読んでいなくて、ネタをばらされたくない方は、「*」で区切られたところを飛ばして下さい) ********************************  例えば、ハグリッドという登場人物が三つ首の魔犬ケルベロスの世話をしていて、このケルベロスは彼がギリシャ人からもらったということになっています。ケルベロスはギリシャ神話に登場する有名な魔犬なので、弟切はすぐに「ああ、だからギリシャ人からもらったのね」と納得しました。  ハグリッドが世話をしているケルベロスは非常に獰猛で、優秀な番犬です。けれども一つ弱点があって、音楽を聞くと眠ってしまいます。これはギリシャ神話にある「音楽神オルペウスの冥界下り」を踏まえてのことでしょう。  竪琴の名手オルペウス−オルフェウスとも呼ばれます−は、死んだ妻を追って冥界へと降り、冥府の門番であるケルベロスと対峙します。ケルベロスは、生者を冥府に入れることは決してありません。しかし、オルペウスは竪琴で子守唄を奏でてケルベロスを眠らせ、生きたまま冥府へ入ることに成功しました。  ギリシャ神話史上、生きて冥府へ入って生還した人間は、オルペウスとヘラクレス−彼は最初は神ではなく人間でした−の二人だけです。 ********************************  また、『ハリー・ポッター』シリーズにはマンドラゴラという薬草が登場します。西洋では、この植物は引き抜く時に叫び声を上げ、その声を聞いた者は死んでしまうという俗信が古くからあり、ハリポタ世界でもこの伝承が受け継がれています。  マンドラゴラにはおどろおどろしい伝説がいくつも伝わっているため、実在しない幻想植物だと思っている人が多いようです。が、マンドラゴラは実在するナス科の植物です。ある程度の薬理効果があるのも本当です。さすがに、引き抜く時に叫び声を上げるというのはただの伝説です。  『ハリー・ポッター』シリーズに登場する動植物を見ると、作者のJ.K.ローリングさんは生き物がお好きなのではないかと思います。もちろん、作品を面白くするために、たくさん調べてお書きになっているのでしょう。  例えば、西洋風ファンタジーのお約束として(^_^)、このシリーズにはドラゴンが登場します。ハリポタ世界ではドラゴンにもいろいろな種類がいることになっており、第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場するのは、ノルウェー・リッジバック(原語ではNorwegian Ridgeback)という種です。  リッジバックという言葉を名に持つ動物といえば、弟切はローデシアン・リッジバックRhodesian Ridgebackという犬の品種を思い出します。かつてアフリカでライオン狩りに用いられた勇猛な犬です。その勇猛な印象は、ドラゴンの種名としてふさわしいうえ、英語ではNorwegianとRhodesianの語感が似ていますから、おそらくこの犬の品種名をもじってこのドラゴンの種名が作られたと見て間違いありません。  ローデシアン・リッジバックは非常に珍しい犬種で、相当犬に詳しい人でなければ知らないはずです。弟切も写真でしか見たことがありません。こういうところから名前を持ち出してくるあたりに、ローリングさんが動物好きなことと、作品世界をしっかり作りこんでいることがうかがえます。    ここ分室でも何回か話題に出ているとおり、名前の付け方は重要です。『ハリー・ポッター』シリーズを読むと、動植物名に限らず、名前の付け方にたいへん気が使われていることがわかります。  中でも、主要な女性キャラクターの名前に弟切は注目しました。マクゴナガル先生とハーマイオニーです。  ミネルバ・マクゴナガルMinerva McGonagall先生は、主人公のハリーが通っている魔法魔術学校の教師で、優秀な魔女です。ミネルバMinervaという名はローマ神話の知恵の女神の名そのもので、英知ある女性にふさわしいですね。マクゴナガルMcGonagallのほうは、語頭にマクMcが付いていることからして、明らかにケルト人系であることを示す名字です。ケルト人はかつてヨーロッパ全域に広く分布した民族で、ドルイドと呼ばれる神官あるいは魔術師の階級があり、様々な魔術を用いたといわれています。伝統を受け継ぐ魔女にはふさわしい名字でしょう。  ハーマイオニー・グレンジャーHermione Grangerはハリーの親友である同級生で、たいへんな優等生の魔女でもあります。ハーマイオニーHermioneという名は、ギリシャ神話の登場人物ヘルミオネー(アルファベットのつづりは同じHermione)を英語読みしたものです。ヘルミオネーはギリシャ神話の絶世の美女ヘレネーの娘ですから、やはり美人だったと思われ、物語のヒロインの名にはふさわしいですね。  しかし、ギリシャ神話のヘルミオネーは古代の女性らしく、受身で運命に翻弄されるばかりの女性です。いつも積極的なハーマイオニーとは印象が合わない、と不思議に思っていましたら、この名は直接的にはシェイクスピアの作品『冬物語』の登場人物名から取っているそうです。『冬物語』に登場するシチリアの王妃ハーマイオニーは、誤解されることが多くても常に正しい行ないをする人で、常に優等生で自分の信念を貫く『ハリー・ポッター』のハーマイオニーと共通するイメージがあります。  ハーマイオニーの名字グレンジャーGrangerは、「農場管理人」という意味で、華やかな印象はなく、おそらく英国では平凡な名字です。ハーマイオニーは魔術の使えない一般人の家に生まれたという設定なので、わざとこのような名字にされたのでしょう。  マクゴナガル先生とハーマイオニーが、どちらもギリシャやローマの古典古代に遡る名を持つことは、決して偶然ではありません。おそらく、それはこの二人が優秀な「魔女」であることと関係があります。  ヨーロッパでは、日本人が考える以上に「witch=魔女」のイメージが非常に悪いのですね。現代ヨーロッパの道徳の基礎となっているキリスト教が、「魔女」を糾弾していた時代が長いからでしょう。  そのため、ヨーロッパでは、『ハリー・ポッター』が現われるまで、「善い魔女」が登場する子供向け作品は、小説でも漫画でも映画でもほとんど存在しませんでした。『指輪物語』のように、善い男性の魔術師が登場する作品はあります。けれども、「魔女=悪人」のイメージが強すぎて、「魔術を使う善良な女性」は登場させられなかったのでしょう。日本のアニメによくある「魔女っ子もの」はヨーロッパではとても考えられないそうです。  主人公を厳しくも正しく教え導くマクゴナガル先生や、主人公の親友でヒロインであるハーマイオニーは、現代ヨーロッパ文化では画期的な存在なのですね。この二人は原語でもはっきりwitch=魔女と書かれています。  ローリングさんは、「魔術を使う善良な女性」という新たな魔女のイメージを作るために、この二人を名づけるに際してずいぶん考えたと思います。そこで、ヨーロッパにキリスト教が入ってくる以前の女神や、神話の登場人物の名前を付けたのでしょう。  といったことを、弟切は友人に延々と解説したわけです。弟切としては、これらはごく平凡な知識だと思っていて、大したことをしゃべっているつもりはありませんでした。なのに、妙に友人に感心されてしまいました。  改めて世の中を見回せば、こういったことを解説した、いわゆる便乗本のたぐいが何種類も出版されていますよね。弟切が上に書いた程度のことは、それらの本でみな解説されています。ということは、こういった知識は、実は飯の種になるものだったのですね(^^;; -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.6948 投稿日 2003年8月29日(金)22時50分 投稿者 細江ひろみ えーっと、そうではなくてですね、弟切さんが、小説以外のやまきたの仕事に食い込み、自分の実績の一つにしてやろう、という気があるのかどうか、なのです。 ないならないでいいですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 掌編。 No.6949 投稿日 2003年8月30日(土)00時02分 投稿者 魚住 雅則 よく考えるまでもなく、AとかBとか分ける必要はありませんでした。 普通に「掌編」、「換骨奪胎」という題名で統一します。 >400字 その1 では、いきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=571&e=res&lp=562&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 雨男2 No.6950 投稿日 2003年8月30日(土)01時59分 投稿者 巻島翔史  週末の天気予報を見ると、やっぱり雨模様。  オフ参加者の皆さん、すいませんね。天気が悪そうなのは全部俺のせいです。ええそうですとも。 増量> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=572&e=res&lp=572&st=0 >>「〜のに」「〜のに」と、いま3回繰り替えしているところを、4回繰りかえしてみよう。  実は前回、4回にするべきかどうか悩んで、結局3回で出したんです。  ちょっとくどいかなぁ、と思って。  我ながらツメが甘い。 >>しかし該当者は自分だと決めているけど、それで、いいの?  状況証拠が揃っていたので、俺以外ではありえないと思っていました。  まず、この文。 >>この「よみかく分室」の課題部屋に提出されている作品が、他のサイトに投稿されていました。そのサイトは、「よみかく分室」に出入りされている方の名前が幾人か見られました。  ここからわかることは、 ・その作品は課題部屋にある。 ・そのサイトの住人層は分室とかなり重なっている。  ということ。   なにより決め手になったのは後者で、まさか『(仮)』以外にそういう場があるとは思えなかった。(幾人か、という表現が5人以上を差していると考えてのことですが)  前者にしても、ヨソに投稿できそうなもののなかで一番上にあるのは自分のものですし。他の作品は、突っこむにしてはちょっとタイムリーでない。 >>明記していないからいいだろう、てなことって。 >>たいてい、悪用するつもりでいるやつらの言い分なんだけど。 >>いいのか、それ? >>悪用している自覚がないのだったら、すこしは考えろ。 >>いま外からは見え見えだぞ。君のその悪用する姿勢ってのは。  悪用、なんですかね。むぅ。  実際は、よくわからないまま送っちまったという意識のほうが強いです。  なにせ、投稿規約に対して特になにも明記していないサイトだし、おまけに掲載作自体が少ないからルールもはっきり見えてこない。  まあ、いままでの感覚で送りすぎたことは反省しなきゃいけませんけど。 >>いま巻島は、書き上げた作品を、誰と誰に見せているわけ?  分室周りだけです。だから、杉井・みどりサイトにも送って、目にしてもらう人数を増やしたかった。  もともと周りに読んでくれる人がいなくて、それで『よみかく』にずっと張り付いてたぐらいだし。言われるとおり、巻島の周囲は寒いです。 >>自分の中にある「他人の目」は、持ってないのか? 使っていないのか? それとも使い物にならないのか?  持ってはいる、と思います。ただ、まだ使い物にはなっていないでしょう。甘くて。  他人の目の誕生は、やはり 『よみかく』に参加してからです。こう書くとこういう反応をされるとか、こう書いたほうが面白がるとか、そういう想定行為が少しずつできるようになっていく感覚はありました。  ただ、もともと他人の目がなかったことは明白になってますからね。自分の場合。分室の過去ログを見れば。ワシにそういう目があればああいう書き込みはしなかったはず。  ようは、まったくのゼロから築いていってるようなもので。ゆえにまだまだ使えないのだと思います。 手繰淳平さん>  失礼します、と書いてあるからもう返信はないんでしょうけど、たぶん読まれてはいると思うので書きます。 >>レストランで修行中の見習いコックが、料理長に「コレ、不味いよ」と指摘されたのにも係わらず、そのままお客さんに出してしまったように思えたのです。  厳密に言うと、『(仮)』への掲載と課題部屋へのアップはほぼ同日です。  だから、不味いよとは言われていなかったりします。実際には、作者本人があまり美味くはないことをいくばくか自覚していましたが。どこがどう具体的に不味いかまではわかっていませんでした。  同日に出したということでもって、前回自分の書いた「広範な意見を求めた」という主張に納得してもらえますでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6951 投稿日 2003年8月30日(土)08時32分 投稿者 新木 伸 >細江さん  今日はOFFの日なので、直接対面しますので。  なにが問題になっているのか、みやびさんと二人して弟切に言い含めておきます。  あと書き直しですが。  完結していないものを、どうしろと……。  リライトであっても、完結させてください。 >魚住  ふむ。そうきたか。  やればできるじゃん。  肩を押しつけてドアを開くとか、床の清潔さが目にとまるとか、いいセン出してる。  ようやく、俺がコメントつけて書き直してみたくなるようなもの、出してきたじゃん。  しかし、なぜそれをいつもやらない?  普段はサボってしまうのは、どうして?  それを定常時の出力にすればいいのだが。  ここまで追い込まれないと「やらない」のは、どうして?  能力が足りなくて「やれない」のではなくて、なんか他に原因があって「やらない」でいるわけだよね?  その原因って、なんなのよ?  ただし、惜しいかな。  視点が混在しているために、いまひとつ感情移入度が妨げられている。  青年の「中」からに統一するか、「外」からに統一するか、どっちかにせい。  ただし、「落ちこんでいる心境」を書くにあたって、中に入って心境を直接記述するよりは、外から見るだけで読者に「察させる」ほうが「より上等」と思われる。  ここは人によって意見の分かれるところだが、新木流ではそうだ。  なので、外側からの視点で統一して、書き直してみることにする。  あ、外側からといっても、完全客観じゃなくって、分室用語で「お友達幽霊視点」という一般的な三人称ね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  肩を押しつけるようにして、成年はコンビニのガラスドアを開けていった。  店内は目に痛いほど明るかった。清潔すぎる白い床に足跡を残しつつ、青年は棚の列のなかにさまよい出していった。  雑誌のラックのほうに引き寄せられた青年は、つい習慣的に、いつもの週刊誌に手を伸ばしていった。そこで自分でも気がついたのか、青年はその手の行き先を変更した。  尻ポケットからのろのろと携帯を取り出しにかかる。  メールの受信はなかった。  待ち受け画面では、時計の針ばかりが、むなしく動きつづけている。  彼は携帯を閉じた。  投げやりな視線を店の奥に向ける。――と、その目に。  ――8月のキリン。  そんな文字が飛びこんできた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  つかず、離れず、青年と一定距離を保った視点で統一してみた。  実際に書くことなく、「行間」に押しこめてしまえるはずの諸々のものを、お前は実際に書いてしまいすぎなのだ。  書きすぎてしまうことで、読者から取り上げちゃってるの。  読み取り、発見する、その喜びを。  お前がやっていることが、どういうことかというと――。  客の目の前にステーキを出し――。そして客の手からナイフとフォークを取り上げて、ステーキを切り分けちゃってあげてるわけ。  もしくは、ズワイガニの脚から、「身」を取り出してあげてるわけ。「殻を割るのは大変そうに思えたので、食べやすいように身を出しておいてあげました」とか。  それは親切なのか? どうなのだ?  そんなことされて、客は嬉しいのか? 喜ぶのか?  分厚いステーキにナイフを切り込ませてゆくのが、醍醐味なんじゃん。  カニの脚から身をずるりと引き出すところが、醍醐味なんじゃん。  見比べてみること。  俺のほうでは削られて、お前のほうでは存在しているものが、「シェフの余計な手出し」というもの。  魚住のように書きすぎてもダメだし、最近のまっきーによく指摘しているように、書かなすぎてもだめなのね。  書きすぎると、客から喜びを取り上げてしまう。  逆に書かなすぎると、客はどうやってその料理を食べていいのかわからなくなる。  さじ加減が大事なんだ。  どこまでが「親切」となり、どこからが「お節介」となるのか。  自分自身が「客」をやっているときには、当然、知っているはずのことなのだが。  ステーキを切ってしまうのは親切かお節介か。カニの身を取り出すのは親切かお節介か。  だれでも、当然、知っているはずなのだが。  しかしなぜ「作り手」に回ると、いきなりわからなくなっちゃうのかねぇ?  そこのところが、俺には理解不能な点だ。  読むときに自分が楽しくなるように、書けばいいだけなのに。 >巻島 >>なにせ、投稿規約に対して特になにも明記していないサイトだし、おまけに掲載作自体が少ないからルールもはっきり見えてこない。  サイトのルールは、まだハッキリ見えていないのだろうけど。  自分がなんのためにそこを利用するのかという目的意識のほうは、はっきりと持っていたわけだろ?  その場所が、自分の目的に叶っている場所なのかどうか、検証できたはずなのにしなかった。  それは面倒で手を抜いたというよりも――許される範囲内ならやらせてもらおう、てな意識が強かったからじゃないのか? >>もともと周りに読んでくれる人がいなくて、それで『よみかく』にずっと張り付いてたぐらいだし。言われるとおり、巻島の周囲は寒いです。  寒いな〜。  ちなみに「読んでくれるだけ」であれば、相手をつかまえることはそれほど難しくはないのでは?  ただし、「読んでくれる」ということが、読み、欠陥を正しく指摘してくれて、長所があればそれも正しく認めてくれる相手――てな意味合いだったら、そういう人は希少な存在だから、そうそう捕まらないだろうけど。  しかし、前から思っていたんだけど、なんでお前ら、分室の参加者同士で緊密な指摘関係を結ばないの?  せっかく自分と同程度の技量の持ち主と知り合ったのに、なぜ、活用しないの?  つまり、書き上げたらまずメールで送りつけて、全シーンにわたって、詳細な指摘をもらう。そんな相手を捕まえるとか。  文面のやりとりだと遅いから、直接、電話でやる。  最近はMSNメッセンジャーとか、インターネット経由で音声チャットのできるソフトがたくさんある。長距離電話をかけなくても、無料で、日本のどこにいる相手とも話せるだろ。1500円でヘッドセットだけ買っとけば。  俺は基本的に見てやらないわけだし、見たとしても、こうして部分的なところだけだろ。  しかし同期の連中を捕まえたなら、音声チャットでもって、8時間でも12時間でも、徹底的に問題点の追求と洗い出しと、直すためのプラン立てと、すべてに活用できるのだが?  むろん、ギブアンドテイクだ。  自分が書いたときには相手を付き合わせるが、相手が書いたときには自分が付き合ってやるわけね。  紫と羽矢野は、最近、そうした関係になって「デキている」ようだが。  僕の場合は、「小説処」という道場系BBSの同期の連中がいた。  セミプロレベルの人間が数人いたっけ。ほとんどは、いま現役でプロをやっているか、一度はプロになっている。  BBS上や電話やOFF会のときにやっていたけど。  ただあそこでは密度が濃かったもんで、居着いて3ヶ月もすれば、「他人の目」を自分の内部に持てるようになっていたかなぁ。  そういや、この「他人の目」の話題。  初出は2年9ヶ月前だな。  過去ログの0297で、榎野さんが言っている。  3年近くかけて、ようやく、当時の榎野さんの話が理解できるレベルまできたってことね。おまえらは。  ノロいんだよ。  そんなところを3ヶ月で通り抜けてゆく人間もいるのだと知れ。  才能があるからじゃない。そこに10倍の熱意を振り向けているからだ。死ぬ気でやっているからだ。 >増量 >>自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに。おまけにちょっとニキビ面で、顔がテカってるときだってあるのに。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。  ああ、こんなのなら、繰り返さないほうがいいや。  いらん。  はじめに「四センチ」と具体的数値がでてきているのだから、おなじように度量衡で計れる「俺的リードポイント」を書けるのなら、繰り返し効果が狙えるけど。  こんなふうに「違う要素」にしてしまうなら、とっちらかっちゃう。そしてくどくなる。だったらやらないほうがいい。  ひょっとしてこれ、自分でも「くどいかなぁ」と思ってボツにしたものを、そのまま出してきただけ? だとしたら、一回、引っぱたいていい? お前がボツにしたもの。俺に見せたってボツになるに決まってるだろ。  度量衡で計測するっていうのは――。  ニキビを量とか割合で計測するとか。顔のテカりを反射率で計測するとか。チンチンののでかさをセンチとか比率で計ってみるとか。そういうことね。 >>自分の影が、まるで先行きの不安を示すかのように、前に向かって伸びていた。  説明するな、描写しろ。  描写しないなら、いっそ消してしまえ。  「先行きの不安」を示すように見える影ってのは、いったい、どのように目に映るのだ? それを死ぬほど考えろ。もしくは自分の経験から拾ってこい。  冒頭の3ページ内には、絶対に、「ような」という気弱語を出すな。  出したらそこで終わりだと思え。  そんな本は読む価値なしと断定されて、捨てられると知れ。怖れろ。  なんだかんだいって、読者は冒頭から読むことが多い。また小説賞の下読み委員や、編集者や、選考委員は、絶対確実に頭から読む。  ちなみに、「燃えるような色の太陽」のほうは、これは気弱語ではないのでOKね。  ――で、この冒頭部分に関しては、上記2点をクリアすれば「完成」だろう。  この部分に関してだけいえば、充分、商業レベルだ。  直し案のなかには、「直せないなら削ってしまえ」ってのも出している。  つまり、ただ単に削ってしまっただけの状態でも、やはり商業レベルとして通用しているってことだ。  引き続き、残りの部分の直しに入ること。  俺はもう見ない。  やりかたは教えた。あとは自分でやってみろ。 >2号  落としたな。  まあそろそろ一週間だから、そろそろだろうと思っていた。  人間というのは、週に一回くらいは休みが欲しくなるらしい。1週間というリズムは、案外深く、染み付いているらしい。  7日やそこらは、勢いやら、気を張り詰めておくことで、できちゃうものなのね。  そこから先、維持させるのが「頑張り」というもの。  ちなみに次にくる「壁」の予告もしておく。  もしこのまま終わらずに、頑張りを見せて持ち直したとして……。次は3週間目あたりに来るよ。20日めぐらいね。そのあたりにくる「壁」ってのは、もはや、まったくなにも書きたくなるなるっていう状態。  それでも書かなきゃならない。「絞り出す」っていうのは、死ぬほど書きたくない状態からモチベーションをかき集めるということだから。  プロの基本は、それだから。  書きたいときに書くなんてのは、あたりまえなの。幸せなことだし、率先してやっちゃうこと。  書きたくなくても、なお、書くのがプロなわけ。  さあ、やれ。  もしくは好きに脱落しろ。  頑張って続けるのも自由だし、ここでやめちゃって消えちゃうのも自由だし。  分室は来る者は拒まないし、去る者も追わない。  そんなふうに消えちゃって、もはや俺が名前も覚えていないやつらなんか、山ほどいる。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.6952 投稿日 2003年8月30日(土)11時06分 投稿者 細江ひろみ 能力の証明をなさっているのだから、気がないわけじゃないと思うのですが、気がある証明にはなっていません。その証明には、有効性がありません。 以下のことは、売り込みたい人が読み取るべきことで、そうしたことを読み取って、そして読み取った上で行動できるということが、プロとして認められるために必要なことであり、それはあなた自身の行動によって証明するしかできません。 発注者が知りたいのは、弟切さんの本気が、どの程度なのか? ということです。そしてそれは、弟切さんの言葉からではなく、行動からのみ、読み取られる性質のものなのです。 当人がどんなに本気のつもりでも、そう言ったとしても、仕事として通用しない程度の本気しかないことが、ほとんどです。 本気さを相手に認めさせることが、必要です。 なぜ新木さんが、弟切さんを紹介する相手に、やまきたを選んだのかわかりますか? やまきたとは、どういう相手か? やまきたから仕事を受注するには、どうアプローチすればいいか? これらはネットと著書から、読み取れます。 かなり読み取りやすい口で、しかも仕事をして執筆者の一人となれば、並より絵の箔がつきます。 弟切さんは、まだ正しく読み取ってませんし、正しくアプローチしていません。まだ、本気さも能力も、証明できていません。 私に対してもです。 立場を逆にして考えてみてください。 やまきたから、弟切さんがどう見えると思いますか? やまきたは、弟切さんについて、何も知りません。知る必要もありません。 知る必要もなく、興味もありません。 興味を引くほどのアプローチは、なされていません。 「新木さんが言うのだから」ある程度は書けるだろうと考えるのは、新木さんが紹介した人がダメだったことがないからで、なぜダメだったことがないかというと、今まで紹介されたことがないからで、これでもし弟切さんがダメならば、「新木さんが言ってるけど」と、新木さんへの評価が変るわけで、つまり今弟切さんは、新木さんの評価を背負っているわけです。 弟切さんのアプローチが認められているわけでは、ありません。 どの程度量産できて、どの程度の質を保てるのかは、わかりません。 どのぐらい連絡が取れやすく、どのぐらい理解力があり、どのぐらい対応できるのか? それはわかりません。 それ以前に、調べる理由も必要もありません。 調べても、たいしてわかりません。 弟切さんは、どういう人なのか? やまきたは、知りません。 私も、知りません。 売り込む相手は私ではなく、やまきたです。 弟切さんのハリポタ記事は、やまきたは読んでません。 やまきたはここの住人ではないのですから、当然です。 また、その程度の知識があるだけの人なら、たくさんいます。 証明すべきは、ネタの正しい選択であり、明文化されていない要求仕様を読み取れるかどうかであり、それを要求仕様に合わせて料理する腕なのです。 弟切さんのハリポタの記事は、やまきたに対する売込みですか? そのつもりですか? そのつもりで研究し、ネタを選び、文体や字の開き具合を考えて書き、状況とタイミングを選んで提示したものですか? 私には、そのようには見えません。 逆にこのネタだけで、すぐさま本一冊分書けるなら、ハリポタネタ本をどこかに売りつけるという方法も考えられるわけですが、そういう可能性を考えてみましたか? その場合、すでに同様のハリポタネタ本がないか、調べてみましたか? そうしたことを考えて、相手の先回りをし、相手が欲するものを提示し、相手を乗り気にさせればいいんです。 ただ、それだけ。 いつもうまくいくわけじゃありませんが、これができれば数打てば必ずあたります。 あと人脈。人脈だけで仕事は受けられませんが、上のようなことをやれば、仕事が出るころには知り合いになってます。というか、そういうつもりで自分の能力をアピールして、相手に認知されなければ、失敗しているんです。 具体的には、どういうことか? いろいろあるのですが、その一つ。 文面が、黒いです。 つまり漢字が多くて、改行が少ないです。 LOGをスクロールして眺めるだけで、弟切さんの書き込みが、わかります。 想定読者によって、ちょうどいい黒さというものがあり、読者は読む前に眺めただけで、濃さの違いを感じて評価します。 弟切さんの黒さは、やまきたの事典よりも濃いのです。 やまきたの事典は、読み物なので薄い方なのですが、あれよりも黒くていい対象となると、限られてきます。 弟切さんが、どのあたりを狙っているのか知りませんので、わかってもっと濃いあたりを狙っているのならいいのですが、やまきたの事典系を狙って売り込むときに、ハリポタでそのネタ語るときに、あった黒さなのかどうか、ということです。 -------------------------------------------------------------------------------- 新木さんへ No.6953 投稿日 2003年8月30日(土)12時28分 投稿者 細江ひろみ > 完結していないものを、どうしろと……。 15分で書きあがらなかったので、恥をさらしただけです。  昼休みの終わりを知らせるチャイムなど、少年の知ったことではない。  けれど、聞くまいとしても頭の芯までねじ込まれてくるのは、遠慮なしの少女の言葉。 「あんた、バッカじゃない?」 「うるせーなー」  保健室のベッドの上で、自分を見下ろす少女の視線から逃れるように、少年は寝返りをうち、そっぽを向く。  バカなのは、少年にもわかっている。  結構な本数が手つかずのまま残る、給食の牛乳。少年は煽る連中の前でそれを全て一気飲みし、胃がそれを拒絶した。  少年の回りで煽っていた野次馬たちは、胃液の混じった牛乳の洗礼を浴びて逃げ出し、少女が助け起こすまで、少年は自分で作った白い水溜りにつっぷしていた。  彼女は、手早く自分の水泳用のバスタオルでくるみ、彼を保健室に放り込んだのだ。  女物のタオルにくるまれ、頭二つ大きな少女に付き添われて保健室に向かう姿は滑稽だったが、少年は逆らえなかった。 「なんであんなバカなことしたわけ?」  お節介で、言いたいことをズケズケ言う少女が、ベッドの上の少年を見下ろしている。  お調子者でバカな少年は、少女に背を向けたまま、心の中でつぶやいた。  ――だれのためだと思ってんだよ、このデカブツ。 「背を伸ばそうと思ったんでしょ。チビなのを気にして」  少年の体が、ビクッと動いた。 「牛乳をガブ飲みしたって、いきなり背が伸びるわけないでしょ。カルシウムと運動と睡眠が大事なの。煮干食べて走り回ってよく眠ればいいのよ。まだ中学生なんだもん、そうすれば確実に伸びるわよ」  少年が体を起こし、不思議そうな顔で少女を見る。  少女は、少し照れた笑顔をしている。 「ほら、私、背が並以上に大きいでしょ。だから調べたの。だって、これ以上大きくなるわけには、いかないもの」  少年は、自分にはまだ可能性があるけれど、少女の背が縮むことはないと気づく。 「苦労してんだな」  一瞬、間が空いた。 「――だれのためだと思ってるのよ、チビ」 -------------------------------------------------------------------------------- 朝の光がまぶしくて No.6954 投稿日 2003年8月30日(土)13時42分 投稿者 名無し君2号  いろんなことを透けて見られている。ばればれ。 >新木さん >短編について >好きだと理解するとき >>「じかに告白される」「世話を焼かれることで理解する」「視線を送られ続けて察する」「誰か噂話の好きなやつから『好きなんだってさ』と教えられる」「偶然、立ち聞きしてしまう」 >>これで5個ね。 >>もう10個くらいは出してみろ。 ■直接系 (1)「失敗をかばってくれる」 (2)「主人公が他の異性を意識していると知った相手が嫉妬を見せる」 (3)「秘密を、主人公だけに教えてくれる」 (4)「大切にしていたものを、主人公にくれる」 (5)「大切にしていたものを、主人公のために捨てる」 (6)「主人公の好みに合わせ、髪形(服装)を変える」 (7)「主人公の前でだけ、おしゃれさん」 (8)「主人公をいじめる相手をいじめる」 (9)「挫折した主人公を立ち直らせる手伝いをする」 (10)「いつもそばにいようとする」 (11)「主人公の好みを知っている(バレンタインデー、義理チョコだけど「ビターチョコ」をくれる)」 (12)「いっしょに悲しんでくれる」 (13)「主人公と同じものを好きになる(音楽やら漫画やら)」 (14)「甘える主人公を、ただひとりだけ突き放す。その瞳には涙が」 (15)「主人公とだけ会話できない。赤面して逃げる」 (16)「主人公と同じクラブ。主人公がクラブを辞めたら、一緒に辞める」 (17)「主人公をいじめる。なのに風邪をひいたら見舞いにいく」 (18)「主人公だけに悩みを相談する」 (19)「主人公に他の人から告白されたことを相談する。『あたし、○○から告白されたんだ』『なんでおれにそんなこと訊くんだよ』『それは……』以下略」 (20)「罰当番で帰りが遅くなった主人公。女の子はひとりで待っている」 (21)「主人公と一緒に罪を犯す。『一緒に堕ちてあげる……』」 (22)「たき火の向こうで待つ女の子。『私が欲しかったら、その火を飛び越えて来い』(実行できる試練を与える)」 (23)「ソフトボール。女の子はピッチャー。バテバテだったが、主人公が応援に来た途端にボールに力が戻る」 (24)「気の強い女の子。男子すら彼女を恐れているのに、主人公の一言で泣く」 (25)「愛犬が死んだ。誰の前でも泣かなかった女の子が、主人公の前でだけ泣く」 ■間接系 (1)「見ず知らずの男にケンカをふっかけられる。男は女の子に振られたのだった。『○○さんが言ったんだよ! お前のことを……』」 (2)「女の子が男を振る瞬間を見てしまう主人公。『好きな人がいるのかい』相手の問いに、女の子は主人公の名前を出す」 (3)「女の子の日記を見てしまう主人公。そこには赤裸々な主人公への思いがつづられていた」 (4)「女の子が出さなかったラブレター。見てしまう主人公。そこには以下略」 (5)「女の子のおまじない。手のひらに相手の名前を油性ペンで書いて、誰にも見られることなく自然に消えれば願いがかなう(そんなの本当にあるのか知らないけど)。その名前は主人公のものだった。見てしまう主人公」 (6)「家庭科の時間に作ったおかしを、『あまったから』と言ってくれる。たくさん作ったのは事実だが、成功したのはその一個だけだったことを、主人公は後で知る(別々のクラスです)」 (7)「主人公が欲しかったレアものカードを売りつけられる。『あの銭ゲバめ……』。実は苦労して手に入れたものであると、主人公は後で知る」 (8)「やたらべたべたする女の子。『こいつは、男にはそう接するんだ』そう思っていた主人公。実は主人公にだけそう接していたことを知る」 (9)「やたら明るい女の子。明るいのは主人公の前でだけだったことを知る」 (10)「主人公の誕生日。美人のいとこが祝ってくれた。偶然やってきた女の子はいとこに気づき、何でもない顔で、手に持っていたものを隠して帰る。主人公、ゴミ箱のなかから、見覚えのある包装紙ごとぼろぼろになったプレゼント発見」 ※友情か愛情かわからないやつもあるが、男なんてバカだから、そこらへんの違いはわからないものとして解釈。というか、世の中の女子には、まぎらわしいことは止めていただきたい。勘違いする男が可哀想だ。悪いのは勘違いするほうだけどさあ。  何故か火がついたので、むりやり搾り出す。まだ出そうな気もするけど、とりあえず疲れたのでここまで。3時間くらいかかる。 >主人公性格について >>なんで主人公は「鈍いやつ」に決定しちゃうわけ? >>ねぇ、なぜよ?  これは言葉足らずでした。これは、 >>また話のラストでは、女の子のことを好きになっているのだが、その気持ちを自覚していない。――とするのも、まあいいだろう。そこは決めちゃってしまおう。  ここにもからんでくるのですが、 >私の書いた文 >>じゃあ主人公は鈍いやつじゃなきゃね。相手を好きだということに、最後のエピソードまで気づかない。  これ、実は「最後のエピソードに『なるまで』気づかない」の間違いでした。  だから、最後に『なるまで』気づかないなら、「鈍い」ほうが書きやすいだろう、ということです。  だって、途中で相手を好きだと気づいてしまったら、落差がすくない。  最後の最後で、ああ、ぼくは相手のこと好きだったんだ、と主人公が気づくほうが、読んでいて気持ちいいと思うんですよね。  ん。あー、エウレーカ!  だったら女の子を好きになるエピソードを調節すればいいんじゃん。  あと、この場合の「鈍い」って、「自分の思いに鈍い」じゃん。また言葉足らずじゃん。  そーか……。次回の課題。  主人公と女の子の性格を出してみる。これはある程度はセットになってるはず。  例えば……。 ・押せ押せの女の子、てんこもりの好意をぶつける。主人公、鈍いから気づかない。 ・清楚な女の子、薄い好意をかもしだす。主人公、普通だけど気づかない。  みたいに。  とりあえず今までの決定事項。 ・主人公と女の子の初期状態、終了状態。 ・主人公は無垢。  しかし……。話の落差をつける上で、すべてのエピソードにてんこもりの落差を入れていいのだろうか。たとえば、「目立たせたい部分だけ」落差をいれるとか――。  あー、わかんね。考える。  短編でこれじゃ、長編を書くなら、どれだけ考えなきゃならんのだ。  ――いまはまだ考えないほうがいいやな。  書けなくなってる場合じゃない。書いてる絶対量が少ないというのに。 >1000字課題について  ちょっと「中学生のボキャブラリー」に関する事項がショック。  リライトのほうもそりゃしびれたけど。  「ボキャブラリー」に関しては、その概念自体を認識してなかった。無意識でキャラに喋らせていた……ヤバイ、ヤバイ……。  今日は4+1編。いつもこれだけ書ければね。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=574&e=res&lp=550&st=0 >生活サイクルについて >>てか、なんで引きこもりが生活サイクルを気にするのかわからんのだが。 >>医者にかかっている関係?  「なるべく太陽の光を浴びて、運動しておけ」と病院の先生から言われているのもありますし、図書館が午後六時閉館、そこにいくのに自転車で20分かかるのも関係してます。 ・四時起床 ・メシを食う ・五時になる ・あー図書館いけないや、アハハー  いい加減、自分が嫌いになってきたので。  体力的に20分自転車をこぐのがキツイのもあったり。  お医者さんが言うには、入院患者が元の体力に戻るには、入院の日数以上かかる、とのことでしたよ。実感してますよ。 >セイバーマリオネットJについて >>つまり、本当に本屋に買いに行って小説を読むつもりでいるのだと、そういうことかい?  本当に本屋に探しに行きました。  結論。無かったです。さあ、笑っておくれよ。  まあ、それは当然なんですが、いくつか本屋を回って……。  ライトノベル自体があまり置いてない。限られた空間に、角川スニーカー、電撃、富士見、朝日ソノラマがひしめき合う状態。競争率高え!  地方だから?  いつもライトノベルを買っていた書店がつぶれていたのも、原因かも知れないけど。  そこは本棚三つ(棚の一段で一つ、じゃなくて、棚の全段で一つです)は埋まっていたのに、何か本棚一つしか埋まってないのが普通みたいで。  頑張らなきゃ話にならない。生き残れない。  追伸。岩手にはセブンイレブンがありません。 >同訓異義について >>どっかの誰かが、もう飽きちゃったらしく、ほっぽりだしたままにしてあるんで。  う。  言い訳しない。  というか、他にも調べなきゃならない漢字が出てきて……。 ・「堅い」「固い」「硬い」 ・「悲しい」「哀しい」 ・「代わる」「変わる」「替わる」 ・「探す」「捜す」 ・「闘う」「戦う」 ・「早く」「速く」 ・「柔らかい」「軟らかい」  調べなきゃ……。 >鐸碑さん  アドバイス、感謝します。 >生活サイクルについて  参考にします。早く起きるより、遅く起きてずらしていったほうが結局は速いし、健康にもいいぞ、ってことですね。わかりました。 >サイバーマリオネットJについて  本当に助かります。参考にさせていただきます。  しかし……なんでまず最初に、グーグルで検索してみなかったんだろう。  本を読みにいくほうが大変だろうに。  なんか新手の形でエウレカしてしまったような。  暴走深層意識。  ここまでで5時間くらいかね。サヨナラ。ちなみに私はいまどきテレホーダイですよ。  と、ここまで書いて新木さんの書き込みを見る。  病院いくためにむりやり起きたから、寝ちゃってました。起きてすぐにやってたところです。  じゃあ、また。 -------------------------------------------------------------------------------- No.6955 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- リライトしたやつのこと No.6956 投稿日 2003年8月30日(土)19時55分 投稿者 細江ひろみ リライトはしたけど、基本的なところに納得いかない。 けれど、基本的なものを変えたら別物になってしまう。 ので、こじつけてみました。 とりあえず、びとびとの少年はベッドに放り込む前に形だけでもタオルで拭いておいて。 ガキんちょが、背丈を気にして、牛乳大量一気飲みして、吐いてへばった。 いつもやってることじゃなさそうだ。そうなら限度を知っている。 ふと小耳に挟んで、考えなしに飛びついて、やりすぎた。 背を伸ばすには牛乳、なんていうありきたりの俗説を、今まで聞いたことがないほど無知で、気になる彼女を含むクラスメイトの前で、そういうことをして、何を目的にしたのかバレないと、物事を自分に都合よく考えられるか、まるで考えなしのバカということになる。 もしかすると、そこへいたる特別なドラマがあったのかもしれないけれど、それは別の話になるから、お調子者が煽られてという程度ですましておく。 俗説を、知って牛乳が目についたからやったとか、毎日やっているけれど、今日は特別牛乳がたくさんあったとしたら、背が小さいの気にしているけれど、人目は気にしないタイプということになる。 堂々と自分の道を行くタイプかもしれないか、プライドがないか。 ぶっ倒れて、彼女が助けようとしたとき、死んでも強がらないあたりからして、女の子の前だけでもいいとこ見せたい、といった気はないらしい。 しかも助けてくれた女の子が、もっとまともなアドバイスしてくれて、似たような悩みを打ち明けられて、その悩みを羨ましく思うタイプ。 普通の女の子が好感を持つタイプじゃない。 読者にとっても、魅力的なガキんちょじゃない。 まあいいけど。 男の子向けには、何の取り得もないダメな男が、なんの努力もしれないのに、都合よく美女に惚れられるという願望を形にした話には、安定した需要があるんだし。 少女が少年にほれるのは、そうだ、ダメ男依存症だ。私がいないと、この人ダメなのよと、ダメな男の世話を焼くことによって、自分の存在価値を確認するタイプ。家庭が破綻していて、子供のころからダメ親の面倒を見なければならなかった、しっかり者が多いというし。 いっそ、この女の子は、中学生にして女子プロレスラー並の体格で、力もあって、牛乳飲んだぐらいでぶっ倒れるひ弱なチビなど、片手で抱え上げて、保健室に放り込むぐらい、朝飯前の方が面白いや。 って、そんな話のなわけねーやなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- サイバーじゃなくてセイバーだ No.6957 投稿日 2003年8月31日(日)04時44分 投稿者 名無し君2号  間違えちゃだめだ。サイバーだと略してCMだし。セイバーマリオネット、略してSMにしたかったから、この題名にした……のだと思うけど。 >セイバーマリオネットについて  とりあえず古本屋に行ったり、ホームページを見たりして調べました。  面白い設定でした。  女性がいないって設定ですね。男性しかいない。  江戸は確かに女性の数は少なかった。  徳川家康が日本を完全に統治するにいたって、首都にしたのが江戸である(実質的な意味での首都。秀吉のときは大阪。歴史的観点からはずっと京都)。  新しい日本の中心部、ということで、一攫千金を夢見た人たちが入ってくる。商人だったり、開発するための力仕事だったり、その大半は男性である。身軽な独身連中が多かっただろうし、妻子がいたとしても、ある程度の地盤を気づくまでは呼ばないだろう。  衆道――男子の同性愛だけど、それも江戸時代は別に異常なことではなかった。明治あたりから変態行為になったんだったか……。武士階級はともかく、町人はどうだったんだろ? 時代によっても違うはずだけど。江戸時代って一口に言っても、400年もあるからして。  それで仮想女性としてアンドロイド……えーと、この世界ではマリオネットか。が生まれたと……。  マリオネットが忍者……くの一か。主人公を守ると。主人公はモテモテと。  SF時代劇でいいのかなあ。アニメはどうかわからんが、あまり設定は変わらないようだ。  書きたいものとは違うみたい。SF風味はない……書けないし。 >短編について  主人公と女の子、性格設定のアイデア出し。  とはいっても、それこそ無限にあるので、すこし出しかたを考えてみる。  強気、弱気、普通。  一口にこう言っても、「とても強気」と「多少強気」じゃ全然違う。  他にも……  優しい、厳しい  意志が強い、弱い  おおらか、細かい  単純、神経質  信じやすい、疑いやすい  感情的、冷静沈着  我慢強い、根性なし  高慢、卑屈  誠実、不誠実  常識家、夢想家  努力家、なまけもの  好戦的、平和主義  まだまだあるだろう。その無限の組み合わせから、これしかないぜ、と思われる最良のピース(欠片)を見つけて、マスターピース(傑作品)を作りあげるには、どうしたらいいのやら。  選択方法。 (1)書きたいものを活かすものを選ぶ。  今回の場合、「欲望に負けずに、純愛を貫く話」で「女の子は主人公を好きだが、主人公はそうでもない」「最後、欲望をこらえたことで、相手を好きだと気づく」「主人公は途中、エロスに目覚める」「主人公は小学六年生」「夏の出来事」――はとりあえず決定事項なので、それにあったものを。 (2)読者が面白く思うものを選ぶ。  それがわかれば苦労はないが。  あくまでリサーチに基づく、自分の想像にしかならないのだが、客観的に見て、読者が面白く思うものを選ぶ。 (3)自分が面白く思うものを選ぶ。  書いて面白いものじゃなくて、読んで面白いもの。  ようやく最近気づいた。書いて面白いものと、読んで面白いものは、私の場合は違うみたい。書きたいもの――というか、読みたいものを書くべきだ、と思った。 (4)自分には書けないものは除く。  最初から候補には上がらないような気もするが、やっぱり上げなきゃだめだろうなあ。上げてみて、吟味してみて、それでもやっぱり書けない、書きたくないなら、そりゃ外すしかない。  つまり……。  物語の書くべきものを、最大限活かす形で、読者の好みを考慮し、その上で自分の好みも考慮し、決定する。  書くのは簡単だけどなー。  ま、やってみようか……また明日。 >1000字課題について  役に立つかどうかわからないけど、いまリライトされている作品を書いたときの思考経路。 ・タイトルを「牛乳」に決める。 ・そう言えば、牛乳を飲むと背が伸びるって話があるな。 ・飲み過ぎてゲロするバカの話にしようか。 ・つまらない。ゲロってだけで読者に引かれそうだ。 ・理由を出そう。なんでそんなバカをやったのか、それは主人公が、少女を好きだから。少女は大きいから、小さい主人公は、同じ背丈になりたかったのだ。 ・途中まで書いて、少女も主人公を好きなことにしちゃおう、と思いつく。それまで書いていた部分、全部破棄。 ・主人公と少女のセリフを一緒にして、それで少女も主人公が好きだと読者が気づくようにしよう。 ・できあがり。  こんなもんでした。もっともっと、深く考えられたんだな、と気づく。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=575&e=res&lp=575&st=0 >長編について  チャンバラが書きたいが、それを私は「読みたい」と思っているのか確認中。  ファンタジー江戸世界が、本当に「読みたい」か?  ここまで。3時間。それでは、今日のところはここらへんで。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6958 投稿日 2003年9月1日(月)00時07分 投稿者 鐸碑 >■直接系 と >■間接系  なんか、混ざってませんか? ざっくり見た感触でも間接系に入ってるのより、間接的な表現やつが直接系に入っていたり、その逆があったりするような気がします。  最も直接的だと思う奴から、最も間接的だと思う奴まで全部並べてみて何処に線を引くのが良いか考えてみると、いくつか移動するんじゃないでしょうか? 例えば 直接系 (13)「主人公と同じものを好きになる(音楽やら漫画やら)」 と 間接系 (7)「主人公が欲しかったレアものカードを売りつけられる。『あの銭ゲバめ……』。実は苦労して手に入れたものであると、主人公は後で知る」  この2つだと、後の方が直接アピールっぽいんですが。それを思いついた瞬間頭に描いていたイメージを上手く言葉にしていない事が原因かもしれませんが。 セイバーマリオネットの話  タイトルが、サイバーじゃなくてセイバーだと知った2号さんは、セイバーって言葉の意味を知ってますか?  書き込みの文面からすると知らないように見えますが。 長編のネタについて  >チャンバラが書きたいが、それを私は「読みたい」と思っているのか確認中。  >ファンタジー江戸世界が、本当に「読みたい」か?  客観的に臨場感あるチャンバラなら読みたいと思いますし、思っている人も一杯いると思います。どっちかっていうと作者である2号さんが、「書きたい」「読みたい」ではなく、「読みたい読者」がいるかと2号さん自信が「読ませたい」かの方が問題ではないかと。  後、チャンバラとファンタジー江戸世界って別ものでは? チャンバラ抜きのファンタジー江戸世界も、ファンタジー江戸世界じゃないチャンバラも容易に想像がつくんで、どっちがより書きたいのか他の組み合わせがないかとかを考えてみてもいいのでは? -------------------------------------------------------------------------------- OFF会より戻りました。 No.6959 投稿日 2003年9月1日(月)00時58分 投稿者 弟切 千隼  埼玉県内某所でのオフ会より戻りました弟切です。生まれて初めてJR埼京線に乗りました。例によって方向音痴の弟切が、新宿駅構内で埼京線のホームを探して右往左往したのは公然の秘密です(^^;  今回のオフも実り多く、勉強になりました。オフのたびに自分のいたらなさを改めて自覚させられると同時に、新たな方向性も見えてきます。  今回は、自分の遅筆ぶりと表現の未熟さ−文章のことに限りません(;_;)−を思い知らされました。弱点がわかれば対策の立てようがあります。具体的な対策を立て、それを実行することを忘れまいと思いました。  オフに参加された皆さん、お疲れさまでした&ありがとうございました。 名無し2号さんへ > >>※友情か愛情かわからないやつもあるが、男なんてバカだから、そこらへんの違いはわからないものとして解釈。というか、世の中の女子には、まぎらわしいことは止めていただきたい。勘違いする男が可哀想だ。悪いのは勘違いするほうだけどさあ。 (名無し2号さんのNo.6954の書き込みより)  小説のこととは直接関係ありませんが、上記の書き込みはちょっと気になりました。  前半部分の『そこらへんの違いはわからないものとして解釈』までは、さほど問題はありません。しかし、後半の『というか』以下はいただけませんね。  男性と女性は脳の使い方が違うため、考え方が違います。この考え方を決定する性別は、生まれながらに決まってしまっていて、本人にはどうしようもありません。結果、男女はどうしても互いに誤解することが多くなります。  この現状では、男性と女性と、どちらかが一方的に悪いとも正しいとも言えませんよね。女性が男性にとって「紛らわしい」行動をし、男性が勘違いするのと同じように、男性も女性にとって「紛らわしい」行動をし、女性が勘違いしています。  片方の性別だけを哀れむのは不公平で、現実の片面しか見ていない、一方的過ぎる見方でしょう。何よりこれは自己憐憫を思わせて、痛々しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- やらかした No.6960 投稿日 2003年9月1日(月)04時43分 投稿者 名無し君2号  同じ失敗を繰り返したら馬鹿だな。 >弟切さん  すみません。  要するに「女と男は違うんだから、誤解があるのは当たり前。それを男の側だけ哀れんで書くべきではない」ということですよね。  そりゃそうだ。全然配慮してませんでした。  性別が違えば、考え方も違っていて、結果として誤解は免れない。  まあ、そこをどうにかしたり、それはそれでうまくやっていかなきゃならないのですが。  私の書き方だと、男の側しか見てませんでした。女の側からも同様のことは言えるわけで。  もうちょっと物事を考えるようにします。  また間の抜けたことをやってたら、ご指摘お願いします。 >鐸碑さん >短編について >直接系の好意と、間接系の好意 >>なんか、混ざってませんか? ざっくり見た感触でも間接系に入ってるのより、間接的な表現やつが直接系に入っていたり、その逆があったりするような気がします。 >>例えば >>直接系(13)「主人公と同じものを好きになる(音楽やら漫画やら)」 >>と >>間接系(7)「主人公が欲しかったレアものカードを売りつけられる。『あの銭ゲバめ……』。実は苦労して手に入れたものであると、主人公は後で知る」 >>この2つだと、後の方が直接アピールっぽいんですが。それを思いついた瞬間頭に描いていたイメージを上手く言葉にしていない事が原因かもしれませんが。  あー、すみません。  間接系(7)ですが、私がうまく言葉にできてません。私のミスです。  書き直すと――。  「主人公が欲しかったものを、女の子から高く売りつけられる。主人公は相手を守銭奴と思いこんでいたが、実はそれは、主人公のためにわざわざ苦労して手に入れたものだった。その事実を、人づてに聞く」  改めて書くと、へんな女の子。わざわざ高く売りつけるのは、好意を隠すためだろうけど。  直接系もなにやら言葉足らずでした。  書き直す。  「主人公が好きになったものを、あとから追いかけて好きになる」  ああ、これは、 直接系(16)「主人公と同じクラブ。主人公がクラブを辞めたら、一緒に辞める」  と同系統か。  「直接系」と「間接系」を考察。  いまの時点でこれをやることがすでに問題だが。  直接好意をしめされて、相手の好意に気づくのが「直接系」。  間接的――他を介して、相手の好意に気づくのが「間接系」。  見比べる。 ■直接系 (1)「失敗をかばってくれる」 (2)「主人公が他の異性を意識していると知った相手が嫉妬を見せる」 (3)「秘密を、主人公だけに教えてくれる」 (4)「大切にしていたものを、主人公にくれる」 (5)「大切にしていたものを、主人公のために捨てる」 (6)「主人公の好みに合わせ、髪形(服装)を変える」 (7)「主人公の前でだけ、おしゃれさん」 (8)「主人公をいじめる相手をいじめる」 (9)「挫折した主人公を立ち直らせる手伝いをする」 (10)「いつもそばにいようとする」 (11)「主人公の好みを知っている(バレンタインデー、義理チョコだけど「ビターチョコ」をくれる)」 (12)「いっしょに悲しんでくれる」 (13)「主人公が好きになったものを、あとから追いかけて好きになる」 (14)「甘える主人公を、ただひとりだけ突き放す。その瞳には涙が」 (15)「主人公とだけ会話できない。赤面して逃げる」 (16)「主人公と同じクラブ。主人公がクラブを辞めたら、一緒に辞める」 (17)「主人公をいじめる。なのに風邪をひいたら見舞いにいく」 (18)「主人公だけに悩みを相談する」 (19)「主人公に他の人から告白されたことを相談する。『あたし、○○から告白されたんだ』『なんでおれにそんなこと訊くんだよ』『それは……』以下略」 (20)「罰当番で帰りが遅くなった主人公。女の子はひとりで待っている」 (21)「主人公と一緒に罪を犯す。『一緒に堕ちてあげる……』」 (22)「たき火の向こうで待つ女の子。『私が欲しかったら、その火を飛び越えて来い』(実行できる試練を与える)」 (23)「ソフトボール。女の子はピッチャー。バテバテだったが、主人公が応援に来た途端にボールに力が戻る」 (24)「気の強い女の子。男子すら彼女を恐れているのに、主人公の一言で泣く」 (25)「愛犬が死んだ。誰の前でも泣かなかった女の子が、主人公の前でだけ泣く」 ■間接系 (1)「見ず知らずの男にケンカをふっかけられる。男は女の子に振られたのだった。『○○さんが言ったんだよ! お前のことを……』」 (2)「女の子が男を振る瞬間を見てしまう主人公。『好きな人がいるのかい』相手の問いに、女の子は主人公の名前を出す」 (3)「女の子の日記を見てしまう主人公。そこには赤裸々な主人公への思いがつづられていた」 (4)「女の子が出さなかったラブレター。見てしまう主人公。そこには以下略」 (5)「女の子のおまじない。手のひらに相手の名前を油性ペンで書いて、誰にも見られることなく自然に消えれば願いがかなう(そんなの本当にあるのか知らないけど)。その名前は主人公のものだった。見てしまう主人公」 (6)「家庭科の時間に作ったおかしを、『あまったから』と言ってくれる。たくさん作ったのは事実だが、成功したのはその一個だけだったことを、主人公は後で知る(別々のクラスです)」 (7)「主人公が欲しかったものを、女の子から高く売りつけられる。主人公は相手を守銭奴と思いこんでいたが、実はそれは、主人公のためにわざわざ苦労して手に入れたものだった。その事実を、人づてに聞く」 (8)「やたらべたべたする女の子。『こいつは、男にはそう接するんだ』そう思っていた主人公。実は主人公にだけそう接していたことを知る」 (9)「やたら明るい女の子。明るいのは主人公の前でだけだったことを知る」 (10)「主人公の誕生日。美人のいとこが祝ってくれた。偶然やってきた女の子はいとこに気づき、何でもない顔で、手に持っていたものを隠して帰る。主人公、ゴミ箱のなかから、見覚えのある包装紙ごとぼろぼろになったプレゼント発見」  うーん。それほどヘンかなあ。  あ。ちょっと待てよ。  えーと、この場合の「直接系」「間接系」ってのは、 ・直接もしくは間接的に、相手の好意を「知る」  ことで、 ・直接もしくは間接的に、相手が好意を「見せる」  のとは違うのです。  これも私の説明が足りないせいではある。  「女の子が好意を見せていたことを、あとで知る」と言うのは、「直接」好意を見せていますが、知るのは「間接」ですよね?  ああ、その手段にもよるか。  女の子から聞いたなら、それは「直接系」。  別の手段で知ったなら、それは「間接系」。  言葉足らずでしたね。  小説を書くのなら、もうすこし気を配らないといけないな……。  投稿前に見なおしているんだけどな。誤字脱字だけじゃなくて、相手に伝わる意味も考えないと。 >セイバーマリオネットJについて >>タイトルが、サイバーじゃなくてセイバーだと知った2号さんは、セイバーって言葉の意味を知ってますか? >>書き込みの文面からすると知らないように見えますが。  2号さんだとおめかけさんっぽいですね。  閑話休題。  えーと、セイバーはなんとなく「剣」という意味だと思ってました。  ライトセイバーとか。  調べてみます。  英和辞典、Goo辞書にて ■saber ━━ n., vt. (特に,騎兵の)軍刀, サーベル(で切る[殺す]); 【フェンシング】サーベル(競技[試合]). saber rattling 武力による脅し. saber saw 小型電気のこぎりの一種. saber-toothed tiger 剣歯トラ (saber-tooth) ((古生物)).  軍刀? サーベルで調べてみる。  国語辞典、Goo辞書にて ■サーベル 0 [(オランダ) sabel]  西洋風の長い刀。洋剣。洋刀。第二次大戦まで警察官や軍人が用いていた。サーブル。  ようは刀、でいいのかな。  ただ、英和辞典での用例を見ると、そのまま「軍刀」という形では使ってないらしく。  つまり「セイバーマリオネット」とは、「戦闘力を持った操り人形」でいいのかな。  で、自分の書きこみを読み返す。  ふむ。  マリオネットの解釈なのか、それとも「セイバー」内での江戸時代の解釈なのか。  多分マリオネットの解釈について、だと思うのですが。  くの一、というか忍者でおかしいですかね。すみません、わからないです。 >長編について >>どっちかっていうと作者である2号さんが、「書きたい」「読みたい」ではなく、「読みたい読者」がいるかと2号さん自信が「読ませたい」かの方が問題ではないかと。  あー。なるほど。  そうか。「読者が読みたい」と「作者が読ませたい」か。  そうか……そうだよな。アドバイス、ありがとうございます。 >>後、チャンバラとファンタジー江戸世界って別ものでは? チャンバラ抜きのファンタジー江戸世界も、ファンタジー江戸世界じゃないチャンバラも容易に想像がつくんで、どっちがより書きたいのか他の組み合わせがないかとかを考えてみてもいいのでは?  これはもう、チャンバラです。  ただ……。  日本の武士の斬り合いが書きたいんですねえ。だったら素直に江戸時代書いたほうが速いのですけども。  でも、ライトノベルの読者、そういうの読みたいかなあ。  ライトノベルの読者層は、中高生。  読みたいのなら、漫画にせよ小説にせよ、時代ものがもっと多くてもいいと思うんですよね。  マガジンになんかチャンバラものがあったか。  でも純粋な斬り合いではなくて、異能力を持った剣士同士の戦い、になっているし。  「るろうに剣心」も、純然たる剣士、というよりは……ゲーム、そう、サムライスピリッツのゲームキャラみたいだし。一撃で死なないし。  「バカボンド」はモーニング……少年誌じゃないし。  ライトノベルの読者層が読みたいものにするためには、なんらかの味付けが必要だと思います。  ジャンプ連載中の「ナルト」みたいな感じか。あっちは忍者だけど。  逆に考えると、まったくの「空き家」なわけで、それはそれでいいのかな。  余計なことは考えず、まず書くべきなのかも知れませんが。 >短編について  今回は、どんな話なのかを再考察。  エピソードがある。  初期状態から終了状態まで持っていくために、必要なエピソード。 「主人公を好きな女の子がいる」 「主人公は相手の子をなんとも思っていない」 「主人公が女の子に好意を持つ(自覚はしていない)」 「主人公が女の子を好きだと気づく」  で、「主人公が女の子を好きだと気づく」ために……。 「主人公が性欲に目覚める」 「主人公の妄想、加速する」 「主人公、女の子に行為をいたそうとする」 「主人公、女の子を大切に思うため、行為不能」  という流れがある、とする。  まあ、この行為は小学生なので「キス」どまりなわけだが。  主人公が「相手に好意を持つ」とはどういうことか。  「あの子、いいな」と思える、何かがなければならないだろう。  それは相手の外面かも知れないし、相手の内面かも知れない。相手が見せた、自分に対する好意かも知れない。  ただ……「相手の外面」では、性欲には勝てないだろう。  「かわいい」から、「相手を大切に思う」か?  いや、思うかもしれないが、それはまた違った愛し方だと思う。ちょっとアブノーマルな。  あ。「かわいい」も「外見系」と「性格系」があるな。  この場合は「外見系かわいい」です。  相手の内面、もしくは相手の好意によって好きになった、に決める。  これも他にあるか? 保留。  主人公と女の子の初期関係。  幼なじみ(近いから遠い)なのか、友達(ある程度近い)か、クラスメート(知ってるだけ)か、他のクラス(知らない)か。  はたまた違う学校(知らない)とか、姉がわりだった親戚(近すぎて見えない)とか、まあいろいろあるけど。  あまり特殊な要素は入れないほうがいいだろう。短編なわけだし……他の要素が薄くなるし。  同じ学校、同じ学年、くらいに決めておく。年上、年下でもまあいいけど……違う要素が入っちゃうから。もうまとめきれん。  頭のなかが白くなってきた。明日に続く。 >1000字課題について  今回は3編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=576&e=res&lp=550&st=0  えーと。書きあげるまでに、4時間くらい……かなあ。さようなら。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し君2号さんの作品をリライトして No.6961 投稿日 2003年9月1日(月)09時54分 投稿者 細江ひろみ リライトして強く感じたのは、主人公の少年が近視眼的で、まわりが見えておらず、自己中心的なことである。 そして、この主人公に対してきわめてご都合主義的に話が進んでいく展開に、書き手の願望を感じずにはいられなかった。 主人公が少年であるからには、いかに近視眼的で、自己中心的であってもいいし、そんなダメダメなガキんちょに、ほれる女子がいてもいい。 ただし、書き手は状況を把握している必要があるのではなかろうか。 ダメ男が惚れた女が、実はダメ男にも惚れていて、ケツまで拭いてくれる。ダメ男は何も努力しないし、ケツを拭かれても感謝もしないで済ませられる。 そんな甘い話も、現実のダメ男に一時の夢を与えることは、できるかもしれない。 けれど書き手が自覚して書いているようには、読めなかった。 自分のゲロの中に突っ伏した少年を、保健室まで運ぶシーンを、具体的に想像してはいないのではないか? 上半身がべちゃべちゃで、酸っぱい臭いがして、起こせばゲロがしたたってくる。少年には意識がないのか、朦朧としているのか、支えてもらえば自分でなんとか歩ける程度なのか? そんなべちゃべちゃのヤツを支えて保健室まで運ぶのは、簡単なことか? べちゃべちゃのまま、保健室のベッドに入ったらどうなるか? あの保健室は今、酸っぱい臭いがぷんぷんしているのではないか? 教室に残されたゲロは、誰が片付けるのか? 少年は、牛乳を吐くほど飲むというバカをして頑張る。 そのご褒美が、少女の意思の確認だ。 けれど少年は、頑張ってなどいない。努力もしていない。実際には周囲に多大な迷惑をかけただけである。 しかも周囲に迷惑をかけたことを、少年は自覚していないのではないか。少年が自覚しているバカは、飲みすぎて自分が苦しんで自分が恥をかいたということだけではないのか? 少年は、自分のバカを少女が大柄なことに、責任転嫁している。 たとえそれが、少女の言動にムカッとしたためだったとしても、これは少年の本心だろう。 少年は、自分のためにバカをやったとは、考えていない。 しかしこのバカは、少年以外の、誰のためのバカでもない。 そのバカの尻拭いを、周囲に押し付けていることなんて、気づいてもいない。 このことを書き手は意識しているのか? 意識した上で書いたのか? そうは思えない。 書き手が書きたかったのは、少年にご都合主義に訪れる生暖かいシュチエーションであり、さらに生暖かい将来への期待ではないのか? 書き手の願望が、意識されることなく書き出されただけなのではないのか? >「……ハルコも苦労してんだな」 それは、違う。 「も」ではない 少女「が」、苦労をしているのだ。 少年が、苦労をさせているのだ。 たとえ「も」だろうと、少女も自分のために苦労してるんだろうと、ここで少年が一つ利口になるべきは、「他人も」苦労しているということではない。 自分のやってることなんて、ちゃんちゃらおかしい、はた迷惑なバカにすぎないということだ。自分が面倒みられちゃっている、能なし考えなしのバカにすぎないということだ。 ゲロの中にぶっ倒れて他人にお世話になる人間と、お世話する人間を、同じ「も」でくくっていいはずがない。 けれど少年はバカだから、そこのところに気づかない。書き手が気づかないキャラクターを設定したからではなく、書き手も気づいていないのではないか? ここで少年が「ありがとう」+「迷惑かけてごめん」といった意味を込めた言葉を言うことができたなら、それが少年の、一つ利口になる、一つ物を知る、一つ成長する、この話の「転」となりえたのではないか? あるいは書き手が、自己中この上ないバカで成長しないキャラクターだと意識して書いているなら、別の料理法があったのではないか? キャラクターは、状況を把握できないバカでもいいけど、書き手は状況を把握しておいて欲しいと、そう強く思わずにはいられなかった。 -------------------------------------------------------------------------------- 今すぐあなたもプロになれ No.6962 投稿日 2003年9月1日(月)11時19分 投稿者 細江ひろみ 準備するもの 見せ原と名刺 名刺 ・肩書き  売り込む相手によって、何タイプか用意しておく。  オールマイティなものはダメ。 ・ペンネーム  以前話題になっていたことを、参考にして決める。  読みも書く ・本名  ペンネームは屋号。 ・連絡先  住所  氏名(本名)  電話番号  FAX番号  メールアドレス  それぞれ、本当に連絡がつくものを。 見せ原(見せるための原稿)  完成したもの。  売り込む相手によって変えられるよう、弾は多い方がいい。 1 クライアントと、お見知りおきになる。  相手について調べる。  つてがあれば紹介してもらう。  相手の見ているところで自己表現をして、自分の才能を相手に見せる。 2 相手にあった売り込み方を考える。  あらたまって、ご挨拶をする。  挨拶をする。  名刺を渡す。  自己紹介をする。  自分をプロとして見て欲しいとお願いする。  しかるのち、原稿を見せる。  相手のリアクションに合わせて、随時やりかたを変える。  ただし相手によっては、必須で行わなければならないことも、相手が変れば地雷となる。決まった手順はない。 相手は先生ではなく、お客様である。 自分は、営業をかけるセールスマンである。 ニーズにあった作品を提供し、作品にあったニーズを探す。 実績が無い者から、あらすじや企画を買う者はいない。 また独創的なあらすじや企画も世の中には存在しない。 どう料理できるのか、それを証明すること。 なれ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6963 投稿日 2003年9月1日(月)12時56分 投稿者 鐸碑 1つ目  せいばーと日本語で表現されるスペルは、saberだけでしょうか? 2つ目 >直接好意をしめされて、相手の好意に気づくのが「直接系」。 >間接的――他を介して、相手の好意に気づくのが「間接系」。  主人公の主観的表現をとらないと、主人公がどう気付いたという論点には取られないと思いますが。 例えば、これ >(5)「大切にしていたものを、主人公のために捨てる」  完全に女の子の行為。そもそも主人公には大切にしてたものを、自分の為に捨てたか不明。 >・直接もしくは間接的に、相手の好意を「知る」  こう考えているなら、項目自体がそう解るようにかかれている必要があるでしょう。 例えば、「失敗をかばってくれる」誰の失敗でも庇う女の子であるなら、主人公は直接的に好意を読み取る事はありません。 「主人公の前でだけ、おしゃれさん」にしても、他の時はあんまりおしゃれしていない事を知って初めて好意の表現だと分かるんでは? 自分の直接知る限りずっとおしゃれにしているならば、おしゃれ好きな女の子と思うだけでは? これは主人公の知り方でいえば間接系に入るはず。  別に全部が間違っているというつもりはありません。一度自分の分類を疑って整理しなおして見た方が良いのではという話です。  言葉になっていない頭の中だけのシチュエーションで分類しているのか、これは直接系・これは間接系とエウレカしちゃって疑っていないのか、目に見える書き出された項目を他人が直接と思うのか、間接と思うのかに配慮が足りていないように見えます。  私は、主人公に対して直接みせた行動の中に好意を見出すのが直接系、主人公にみせていない行動(主人公以外に対して話す等)の中に含まれた好意表現をしるのが間接系だと思います。もう少し考えてみた方がよいのでは? 例えば (6)「家庭科の時間に作ったおかしを配っている女の子、『あまったから』と言って最後の1個を主人公にくれる。美味しかったと話す主人公に友達は皆失敗作だったと答える」 (7)「トレーディングカードゲームを皆に売っている女の子、主人公は欲しいカードを高く売りつけられる。そのカード(近隣で最後の一枚)を遠くの店で女の子が買うのを見つけ、主人公より高く買おうとして断られた男の子に会う」  こうすると、ぐっと間接的になると思います。ポイントは主人公からみて表面上女の子が自分だけに特別な事をしたように見せないこと。元の文章は主人公にだけ特別な行動をしているように見えるので、直接的な印象を与えます。 間接系のありがちなネタ一つ。  学校の図書室に良く通う主人公と女の子。前に借りた本の貸し出しカードを見ると主人公の次には必ず女の子の名前。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6964 投稿日 2003年9月1日(月)21時46分 投稿者 新木 伸  OFFから戻ってきて、眠って、起きた。  36時間以上起きてつづけていても、12時間眠ると平常に戻るなぁ。36時間眠らないでも済んでしまうのが不思議。普段は12時間起きてて、12時間寝ているのだが。 >藤極堂さん  管理者削除しといた。  言いたいことはわかるし、不満も妥当なものだと思うが。やりすぎ。あれじゃ管理者としては消さざるを得ない。  穏やかな言葉で抗議することだってできるはずだ。  相手に非があることを指摘し、その非の仕組みを理解させ、今後の行動に変化を求めるために抗議するのなら、その抗議には意味がある。  しかし、攻撃口調で、ただ自分の怒りを発散させるためだけの文面なら、そこに個人的な意味以上のものはないから、いらない。  よって消す。  みやびさんが電話で報告してくれた(みやびさんは途中で数時間抜け出して店番をしに行っていた)んで、速攻で消した。  ちなみにOFFの会場に来ていた人間は、あれを全員読んでいた。  弟切さんも同じ文面を目にして頭にきたのか、自分でも書いているね。ただしこちらは穏やかな言葉でもって。  2号に意識と言動を改めさせたいのなら、あのように書け。  2号を攻撃したいだけなら、そんなものはいらん。書くな。 >書きたくなくても、書くという話  これ、誤解しないようにしておくか。  プロは書きたくなくても、書く。  ――というのは、書きたくないまま嫌々書くというわけではない。  書きたくないときでも、書きたい気持ちを絞り出す。そして「書きたくて書く」という状態に自分を持ってゆき、気分を切り替える。  そういう話ね。  これがつらいんだ。  書きたくなってくるまで放っておくってのが、いちばん楽なんだが、そうもいかんのだ。 >2号  悪いと思ったのなら、藤極堂さんにも謝っておけ。  あれは藤極堂さんの「個人的経験」にコアヒットしたらしく、ひどく怒っていたから。 >>リライトのほうもそりゃしびれたけど。  しびれましたか。  どのようにしびれたのかはわかりませんが、僕もこの回答にはしびれてしまいました。どうしびれたのかは、きっと貴方にはわからないでしょうから説明しないでおきます。  が、まあともかく、二度と貴方にリライトをしてさしあげないことは、いま心の中で決定しました。しかし、まだしばらくのあいだなら、その決定は覆ることがあるかもしれません。もしこの先またなにかの時にリライトをしてもらいたいのでしたら、過去に、僕にリライトをしてもらった人がどのような対応をしていたか探してみるのがよろしいでしょう。  ――と、急に敬語調で慇懃に言ってみるテスト。 >直接系、間接系、の分類とか  直接系、間接系。  お前の分類定義なんて、訊いてない。  俺がどんな定義で「直接系/間接系」と言ってきたのか。  それを察して、その基準で分類して出してこなかったら、お前は「無能」って見られるということ。  どういうキャラを立てるのかの判断に役立てるために、俺は「好きと知るイベント」を分類せよと言ったわけ。  その女の子は、自分自身で行為を告げるのか。それとも周囲が、お節介やら気を利かせての結果やら、さもなきゃホントの「偶然」でもって、主人公は「好き」と知ることになるのか。  つまり、能動的に「好き」を伝えるキャラなのか。それができないキャラなのか。  どっちのほうが、この話にとっては「おいしそう」なのか。そのためのアイデア出しと分類だろうが。 >セイバーとセイバー  あれはセイバーとセイバーとを掛けてるんだよ。  タイトルを聞いたり見たりすりゃ、わかることだろうが。そんなことも見抜けないから、お前はアマチュアなんだよ。  まあ……。  はじめ「サイバー」と間違えてたぐらいだし。  言葉に対しての意識が低すぎるんだな。  まるで気をつかっていない。  アマチュアなんだから、仕方ないことだが。 >自分の気持ちに鈍いやつ  だから、そうである必要があるのかと訊いているの。  たとえば「僕はあの子のことが好きなんだ」と思いこんでいて、その子にアタックをかけようとして「友人」の女の子の協力を受けるのだが、すんでのところで、自分が本当に好きなのは憧れているその子ではなく、いつもつるんで一緒に行動している「友人」の女の子のほうだった――とかいう話もできるわけだ。  これだと、自分の気持ちに鈍くはないよな。むしろ自分の気持ちに鋭敏なくらい。ただそのおかけで錯覚しちゃって回り道をして、本物の気持ちに気づくのが遅れる――というパターンだ。  つまり、なにかを「見落とす」という話なわけよ。  その見落とす理由に、お前は、「視力が悪い」という理由しかないと、エウレカしちゃって決めつけちゃっている。  しかし逆に視力が良いせいで見落としてしまうこともあるはずだと、俺は言っている。  見落とす理由としては――。  他のものに注意が奪われちゃって見落とす、とか。  見るべき対象物を勘違いしていたので見落とす、とか。(視力検査の表で「C」のマークの方向を見るのではなくて、その横に小さく書かれている数字を読もうとしていたとか)  見るべきものが隠されていたので見落とす、とか。  視力に自信があったせいで見落とす、とか。  いろいろあるわけだろう。 >同音語の選択支援  過去ログの5712にある。  日本語入力IMEが持っている機能も、その手の調べものに利用できる。ちなみにATOK16だと、その語句、すべて用例が記されていた。  ただIMEの機能に頼らなきゃ正しい選択ができないのはヘタレすぎる。  手書きで小説が書けないってことになる。いちどは辞書で引いて調べて、覚えておくべきだな。 >>ようやく最近気づいた。書いて面白いものと、読んで面白いものは、私の場合は違うみたい。書きたいもの――というか、読みたいものを書くべきだ、と思った。  それ、普通。  おまえが書いていて面白いもの――なんざ、犬にでも食わせてしまえ。  しかし2号はいいところに気がついた。  自分が書いていて気持ちいいものと、自分が読んで面白いと感じるものとは別だということに、一生、永久に、気づかないアマチュアもいる。  そういうやつらが書いた話って――。  自分で読み返したところで、面白いはずがないんだよ。  仮に面白いと言うやつがいたとしても、それは書いたときの快感を思いだしているだけだ。  アマチュアの小説を書くという行為は、ひらたくいうと、「自慰行為」なわけね。  小説を書くということは、気持ちのいいこと。――やつらはそう思っている。  オナニーというのは――そりゃ、やってる人間は楽しいだろうさ。  しかし他人の「オナニー行為」なんてのを覗きたくもないだろ? 想像もしたくないわな。  ましてや、自分が自慰行為に耽っている映像なんてのを、隠し撮りされて録画されて、無理矢理見せられたりしたら――それは拷問以外のなにものでもないよな?  なかにはナルシスなやつもいて、「おおう、おれのオナニーシーンというのは、なんと美的で官能的なのだっ」と思っちゃうやつもいるかもしれないが。  2号は、そうではないだろうと思う。(普通の感性の持ち主ならそうだろう)  しかしいま、お前はそれをやろうとしているわけ。  自分のオナニーシーンをビデオに録画して、それを相手に観せようとしているわけ。そして相手が喜ぶとでも、思っているわけ。  いいかげん、その幼稚な発想から乳離れしなさい。  うんちやおしっこや精液やらを垂れ流しても、笑顔で受け止めて喜んでくれるのは、人の一生においては母親の世話を受けている乳児のあいだだけね。(赤ん坊は精液は流さんがね)  小説を書くということは、そういうものではないし。  プロというのも、そういうものではないの。  1000字日課の作品群のうち、レスがもらえないのは、すべてそうしたものだ。  3篇かそこらじゃないっけ? レスしてもらえたのは?  俺は「自演オナニービデオ」を見せろなんて言ってないの。小説を書いて見せろって言ってるの。  偶然だか気の迷いだか、なんなんだかわからないが。  とにかく19篇のうち、2〜3篇は「小説」が書けているのだから、毎回、そうやって「小説」を書いてこれるようにしろっての。 >「魂鋼」という作品  マンガ。作者は「才谷ウメタロウ」。  現代日本の、剣道ができるだけの少年が、幼なじみの少女とともに、タイムスリップした先の戦国時代で生き延びる話。  倉にしまいこまれていた「魂鋼(たまはがね)」という不思議な鉄で鍛えられた日本刀を抜いたために、タイムスリップしてしまう。  元の時代にもどるためには、「魂鋼」で作られた剣がいるのだが、持っていた剣は最初の闘いのときに折れてしまって戻れなくなる。  てか、2号、剣法もの、書けるの?  剣道や居合い抜きの経験者で、段くらいは持ってるとか?  もしくはそれなりに、武道をかじったことぐらいはあるとか?  剣豪ものの大マニアで、昔からその手のジャンルを山ほど見たり観たり読んだり、貪るように読み耽っていたとか?  まあ、自分に剣豪もの、剣劇ものが書けるのかってことを確認してみるためだけに、まず短編なり長編なり、書いてみるってのも、ひとつの手だとは思うが……。  しかしなにか、絵空事をほざいているだけにしか聞こえん。  高級フランス料理店の「メニュー」を書くだけなら、そりゃ、2号にだって書けるだろうさ。  料理名を書き連ねるだけなら、アルファベットが書けさえすれば、だれにだってできるわけだし。  しかし2号は、その料理を実際に作ることができるのか?  短編といわず、ちょっとワンシーンだけ、書いてみなさい。  生課題で、お題は「剣の闘い」ね。  文庫本で5ページ分が基準だから、いまやっている1000字掌編の4倍くらいの長さかな。  そっちやってる日は、1000字日課のほうは休んでていいから。 >1000字日課  前にも書いてあって、2回目になるが。別観点から、もういちど書く。  やっぱり最近のはぜんぜん読む価値なし。  ショートショートを書いてて、どうする。  ワンアイデアを披露するだけの掌編なんかに、価値なんてねーんだよ。  そりゃ、思いついちゃった「素晴らしいアイデア」を披露するのは、気持ちのいいことだろうな。しかし貴様のそんな「オナニー行為」を見せられてしまったこっちの気分になれってーの。  その手のものに価値を与えて、そして食うことのできた作家は、日本では「星 新一」、ただ一人だけだ。  No.10みたいに、人を動かすものを書け。  あれはなんだかんだ言って、二人のプロ作家がリライトしちゃってるわけだろ?  なぜかというと、そこにドラマがあるからだ。  起承転結って構造は、ドラマをより深く印象づけるために存在している。  ワンアイデアで、ラストで驚かせるだけのショートショートには、起承転結がないのだ。  そんなもんは犬にでも食わせてしまえ。犬コロのエサにしかならんわ。人間様の食う「食事」にはならん。  そして「食事」とはドラマのことを言うのだ。  1000字の中にドラマを込めろ。  話の背景やら、登場人物の日常やら、彼らのそれまでの人生やら、そんなものに思いを馳せてしまいたくなるようなモノを書いてこいっての。 >細江さん  キャラの行動原理のこじつけ。  男の子の行動原理のこじつけを試みて、無理と不自然さとを解消して、「人間の取りうる行動」とすることに成功したのなら――。  同様に、女の子のほうも「そんなやつを好きになってしまう子」として、こじつけを行って不自然さを解消しなくてはならなかったのでは?  その部分をサボってしまっているのは、どうしてですか?  細江さんと同じ考えをもつ女の子もいるでしょうが、違う考えを持つ女の子もいるはずです。そういうキャラを割り当ててやればいいのではないかと考えます。  ないなら、作り上げてでも。  ただ、それは細江さんがやるべきことではなく、2号がやるべきことです。これは2号の話なわけですし、分室とは、2号がそれを自分でできるように鍛えあげてやる場なわけですし。  テーマについて考察不足であることを指摘するのは、かまわないと思います。  分室でも、過去にそんなことがありました。 (課題部屋だと、このあたりにあらすじとかありますね) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=64&e=msg&lp=64&st=0 「成長とは痛みが伴うもの。ただしその「痛み」は自分が背負うのではなく、自分に惚れている女の子が全部引き受けて背負ってくれちゃうといいよな〜」、とか。  そんなクソくだらないテーマの話を、そうとも気づかず書こうとしていたアホがおりまして。巻島と言いまして、かつてしばらくのあいだ、名無し君1号を名乗っていた男ですが。最近は電撃hpあたりに掌編が載ったりして、ぶいぶい言わせていたりしますが(ノーギャラだけど)。  その話も、僕にさんざん叩かれてました。  そのときも、「自覚の上でやるなら良し」とか、そんなことを言われてましたが。  しかしテーマに対する考察不足を指摘するなら、リライトしてやっちゃいかんです。  リライトするということは、その話を肯定するということです。そのテーマを価値あるものと認めたうえで、「書きかたの手本」を見せてやることで、「手法=やりかた」の未熟さを悟らせるということですので。  リライトしてもらうということ。  それはやつらにとっては、「ごほうび」です。  そのテーマを認めてくれたのだと考えます。  細江さんは、いま左手で「いいこいいこ」しつつ、右手で殴ってしまっています。  それは「しつけ」の方法としては、正しくないです。そうやって育てられた犬は情緒不安定となり、人間でいうところの人格障害になります。  褒めるか殴るか、どっちかにしましょう。  ――んで、リライトのものを見ました。  同業のプロの書いたものに僕がなにか言ってしまっていいのかと、考えなくもないですが……。いろいろな意味で未完成のリライトであることは明らかです。未完成を未完成と指摘することなく放置しておくと、ここの志望者にも良くないことなので、書かせていただきます。  はじめ、途中でぶち切れちゃった未完のものが上がっていたのは、女の子のキャラを掴みそこねたことが原因なわけですね。――なので書けなくなってしまった。ちょうど女の子の内面に立ち入らなければならないあたりの部分でしたし。  んで、その点を踏まえ、2度目のチャレンジにおいて、女の子の心理に筋を通してみようとはしたものの――やはりついに女の子の考えを理解することはできず。理解不能のまま「2号の責任。あいつがぜんぶ悪い」ということにして、放置することにした。  かといって、少年が少女の真意に気づいて一歩成長する――という話にしてしまっては、まったくの別物になってしまうのは明らかで、それもできずにいる。  ということで、いかにも中途半端になっちゃってます。  キャラの名前をあえて出さず、「少年」「少女」という人称にしてあるのは、神視点で書こうとしたのだと思いました。  すべてが見通せる高みから書くことで、書けることもある。そっちの路線を狙おうとしたのだと。  しかし、その「神視点」の小説としては、失敗しちゃっているわけですね。  神視点で書き、男の子も女の子も、「少年」「少女」と同列の扱いをするのならば――。男の子の心理に立ち入るのなら、女の子の心理にも立ち入らなくてはなりません。  片方の心理は書いて、片方は書かない――というのは、ないです。平等だからこその「神」なわけで。  しかし馬鹿をかばう女の子に同感できない細江さんは、その心理に立ち入ることができません。失敗の原因はそこにあります。  OFFの会場で、細江さんのリライトを見て、みやびさんと話していたんですが……。  あの女の子のほうの心理に、僕らは乗れるのですね。  馬鹿になれない性格の人間が、馬鹿をやれる人間に憧れる――という路線なのだと理解しました。  ようは、女の子のほうが男の子と対局の性格を持っていて、自分自身のその性格を好きでなければいいわけです。  筋を通すための縛り条件が判明したなら、あとはキャラ立てして、条件設定をするだけ。  女の子のほうは、馬鹿の対局なのですから、徹底的に理知的で冷静で頭が良いとしました。  彼女は自分自身の性格も、その性格や言動のせいで自分が周囲から押しつけられているイメージも、好きではありません。彼女は頭がいいので、自分が周囲からどう見られているかまで計算できてしまえます。やろうと思えば「好かれる人間」を演じることもできるはずですが、それはもっともっと嫌なことなので、絶対にやりません。  ここで彼女が自分自身の性格が好きであるなら、少年のような馬鹿は、侮蔑の対象であって蔑むばかりになりますが……。彼女は自分の性格が嫌いであり、変わりたいとも思っているわけです。もしそんなことが可能であるなら、その鍵は少年の「馬鹿」を理解することにあると思っています。  なので、彼女には少年の世話を焼く「理由」が生じます。  ゲロまみれの少年の世話をしてやるのは、彼女の自発的行動であって――つまり「迷惑」ではないわけです。  こんどは、男の子のほう。  馬鹿をやるしかない人間――ということで、筋を通してみました。  馬鹿をやるしかない者が、馬鹿をやらなくて済んでしまう人間にコンプレックスを抱きつつも、それを跳ねのけて、いずれは並びたいという気持ちです。  彼の取り柄は、馬鹿であることです。それだけです。プライドを持つなんて百万年早いです。そのことを彼は誰よりもよく知っています。  「限界」というのは、彼の場合、異様に低いところにあります。素質はないし、才能もない。持って生まれたものは、なにひとつない。あらゆる意味で「限界」は低いわけです。自分のなにかが人より優れていたことなんて、おそらく一度もないのでしょう。  彼は自分の「限界」がどこにあるかを知ってはいますが、そんなものを気にしていたら、自分が怖ろしいほどの「小物」にしかならないということもまた、同時に知っています。  なので彼は、「限界」というものを見かけたら、毎回、踏み倒していかねばならないわけです。  「限界」に挑むことをやめて、ひとつ迂回してしまったら、次もその次も迂回することになってしまうのです。絶対に逃げてはならないわけです。ただの一度も。  もちろん、背の高さが低いこともそうです。挑戦しなければなりません。  もちろん、「牛乳」もです。噴き上げることがわかっていても、限界を越えて飲まなくてはならないのです。彼は。  てか、いつもやってることなんで、限界を超えるか超えてしまいそうか、超えたらどうなるか――なんて、いちいち意識しません。「限界」を見かけたら向かってゆくという条件反射です。  ちなみに、あの男の子のほうから、女の子がどう見えているのかというと――。  背が高く、眼鏡を外しておしゃれすれば美人であり、頭も良くて、勉強なんてしないのに良い成績を取っている(じつは人前以外では猛勉強してるのだけど)ように見え、常に堂々としていて、自分の意見はハッキリと口にして、怖れるものなどなにもなく、自分と違ってコンプレックスなどなにも持っていないようであり――と。  そんなふうに「完璧」なように見えています。  なので、「ハルコも苦労してんだ」と、そういう台詞が出るわけですね。  自分はハルコに見合う男になるために苦労しているが、あんな完璧なハルコに苦労があったなんて、彼は考えてもいなかった。しかし、気づいた。――そういうオチです。  細江さんは、この話を――。  少年が勝手に馬鹿をやり、後始末までしてもらったうえに、その冒険の「ご褒美」として女の子から「好き」という意志の確認をもらって、まさに至れり尽くせりのご都合主義展開と読み解きました。  男の子はなにもしていないのに、女の子はひどく負担をかけられ、すごく不平等な話だと。  僕は女の子の側の心理に筋を通しましたので、そうは思っていません。  女の子が隠していた「苦労」を、少年はひとつ見つけ出しました。まあだいぶヒントを出してもらっていましたが、いちおう、少年自身の功績です。すくなくとも他の誰ひとりとして、女の子の「苦労」なんて知り得ていませんし。  女の子はそういうものを押し隠そうとしているのですが、しかし、本心では見つけてもらいたいと思っています。見つけて欲しいなら、はっきりと表に出せばいいのです。しかし女の子の性格的な問題から、それはできません。  ズルいのです。  男の子は女の子の「自分を知って欲しい」という願いを、ひとつ叶えました。  なので、男の子はご褒美をもらえるわけです。女の子の「好き」という気持ちを知らされることになるわけです。  ギブ・アンド・テイク。平等です。問題はありません。  馬鹿であるしかない男の子と、馬鹿になれない女の子と――。  いいカップルじゃないですか。  男の子の性格が、こうであることは――。  2号がプロレス好きであることと、つい最近に健康を害していることと、田舎に住んでいることから、総合的に判断しました。  あと、彼のことを「名無し君2号」とたとえているように、1号(巻島)に近い性格を持っているのだと、僕はそう見ています。つまりコンプレックスの塊。  てなわけで、僕はあのテーマを肯定しましたし、「あんな出来では、この話はもったいない」と感じたので、リライトして、手本を示したわけです。「それをやるなら、もっと、こうしろ」てな感じで。  まあ本人が、どこまで自覚済みで出してきたのかはわかりませんが。  主人公のキャラと、女の子のキャラの方向性は、読み違えていないと思います。 (無論、2号がまったくの偶然であれをやっていたという可能性も残ります。ロールシャッハテストに蝶の絵を見ちゃうような。もしくはサルの叩いたタイプライターが、偶然、傑作を打ってしまうような。だとしたらリライトしてやった僕らはアホってことになるので、そうではないことを願いますが)  「ラブひな」とか。  「ああっ女神さまっ」とか。  この手のご都合主義的展開で、片方だけが一方的に利益を得ているように見える構図の話でも……。  ちゃんと分析してゆくと、与えるばかりに見える側にも、ちゃんと見合うだけの利益があるものなんですが。 (もしくはこの分室で、アマチュアだけが一方的に利益を享受しているように見えるが、じつは新木伸の側にもちゃんと見合うだけの利益があるとか。  同業のプロの人に教えるのは、ギブとテイクが見合わないので、どっちかっていうとあんまりしたくないのですが。分室ROMってるプロの人は、僕にそれが知られた場合、焼肉食い放題をおごる義務が生じるので注意されたし) >人称の区分けとか  ふと書いたので、アップしておく。  分室用語では、三人称をいくつかに区別している。  神(作者)視点。  三人称客観。  三人称キャラ寄り。  三人称友達幽霊視点。  ……現状、この4種類。  神(作者)視点というのは、もっとも一般的な三人称。  三人称客観というのは、ハードボイルド小説などで使われる感情移入を廃した視点。  「外部から観察可能な物事」のみで、すべてを語ってゆくことになる。  三人称キャラ寄りというのは、ある特定個人の心理にだけ立ち入って、そのキャラ寄りで書いてゆく三人称。  視点を受けるキャラはたいていは主人公で、初登場時からいきなり名前で呼ばれることが多い。視点キャラの心理に立ち入ると同時に、そのキャラの知識にあることは書ける。しかしキャラの知らないことは書けない。  三人称幽霊視点というのは、僕も最近分類しおわった視点。  その場の人物全員の共通の友人のような立場から、場を眺める視点。姿のない幽霊のようなキャラを、その場に一体増やして、その人物に寄った「三人称キャラ寄り」として眺めさせることになる。  作者視点あたりと混同されることが多いが、明らかに別物。登場人物へのフレンドリーさが違う。  「友達幽霊」は登場人物たちのことはよく知っている。キャラの心理に立ち入ることはできないものの、彼らがなにを考えていて、なにを感じているのかは、かなりの精度で推察できる。  「友達幽霊」は登場人物たちの友達なので、もちろん、彼らのことは「名前」で呼ぶ。 >OFFで書いた課題  このあいだのOFFにおいて、1時間だけ時間を区切り、その場にいた全員(電撃作家のA氏は自分の仕事の原稿書いていたので除く)に、1000字掌編を行わせた。  全員でお題を出してゆき、自分の出したお題以外をサイコロを振って決めて、そしてすぐ取りかかって1時間内に仕上げきる――という課題。  構成も推敲も含めて、1時間以内。  なにしろ他人が出したお題なもんだから、青天の霹靂、アイデア出しも構成も一から開始しなくちゃならない。  ちなみにそれぞれのお題と、サイコロを振って決めた「担当者」とは、以下の通り。 1 夕立と女の子。(いか) 2 ポチとお嬢様。(紫) 3 低気圧ガール(不機嫌な女の子)。(望乃) 4 科学者と孫娘。(弟切) 5 富士山と男の子。(巻島) 6 男の子の料理。(みやび) 7 馴染みのコーヒーショップ。(新木)  その結果をアップしておく。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=577&e=res&lp=577&st=0  望乃、巻島、新木、のものに関しては、手元に原稿があったので僕が代理アップ。  その他の者(弟切、みやび、いか、紫)は、各自で、自分のものを上げておくこと。  推敲や改稿を行った者は、1時間経過辞典のバージョンと、手直し後のものと、両方わかるようにしておくこと。  結果からいうと、さんざんな出来。  時間内に完成したのは、新木、たったひとり。  みやび、弟切、巻島――の3名が、いちおう書き上がってはいたが、オチきってなかったり、話に「転」がなかったりして、未完成もいいところ。  残りはそもそも完結さえしていない。最後まで書ききることさえもできない始末。6行なんてやつもいたっけ?  てめーら全員、修行が足りん。  1時間もあって1000字も書けんのか?  特に、みやび――お前はそれでもプロか? アマチュアからやり直してきやがれ。プロ作家がそんなんだと思われると迷惑だ。  集中力のスイッチの入れかたを知らないらしく、1時間の前半30分くらい、無駄にしているやつが多すぎ。そもそも1時間のあいだに、一度もスイッチの入らないやつもいるし。  飛んでいる蚊が気になって仕方ないやつ。他人の貧乏揺すりやら、机を叩いてる指先の音やら、そんなものが気になっているやつ。  ――ヌルすぎ。  蚊には好きなだけ血を吸わせとけ。そんなことで人は死なんし、満タンまで血を吸った蚊は、三日間はもう血を吸わなくなる。  机を叩く音がどうした。それと、自分が小説を書くことと、なんの関係がある?  いま小説を書いているのだろ?  1時間、集中すると決めたのだろ?  書くお題はもう決まっているのだろ?  なぜ目の前の原稿に集中することができないのだ? どこか脳に欠陥でもあるのか?  作家が小説を書くと決めて机に向かったのに、目の前の小説以外に大事なものが、存在するのか?  核爆弾が落ちても、宇宙が終わっても、小説に向かえ。  書きあがったら、机を離れてもいい。  俺は途中で書きあがったから、そこらをうろつき回っていたわけだ。  しかしこれ、実力を計るのにいいね。  ダイス振ってお題を決めて、1時間でいちおう書き上げられればセミプロ。書き上げて、なおかつ完成させられたならプロ。途中までしか書けないようならアマチュア。  次もやることにしよう。  ちなみに今回のOFFでもっとも有意義で、実が多かったのが、1時間執筆を終えたあとの指摘会だな。  皆で他人のものを削ったり、直しのプランを考えてみたり。  俺的には、「これで完成」と思っていた自分のものに、物言いがついて、しかもその言い分に納得してしまったので直さざる得なかったのが、大変痛かった。  くそう。完成してなかったじゃん。ケアレスミスで95点を取ってしまった気分。33分で教室出たのに〜。  興味がある人間は、課題部屋に「お題」が並んでいるから、ダイスを振ってランダムに決めて、そして1時間でやってみること。  お題が決まる前に、内容について考えておくのは禁止ね。それはカンニングというものだ。  あくまで、1時間以内にどこまでできるか。それを計る。 -------------------------------------------------------------------------------- オフ会。 No.6965 投稿日 2003年9月1日(月)22時40分 投稿者 望乃英司  お疲れ様でした。  実際のところ、僕は元気を貰った感じですけどね。  皆様と充実した時間を過ごせて非常に嬉しく思います。  分室は離れましたが、杉井さんのサイト経由で今回のオフ会に参加させてもらうことが出来ました。今でもライトノベル作家を志望しております。  で、本題です。 >課題部屋にある執筆会で書いたものについて  それぞれの人が書いた元原稿の下に、リライトされたものが並んでいますね。  誰にリライト(削りが大半ですが)してもらったものなのか、各自申告しておいたほうがいいかと思ったので申告させて頂きます。  僕のは「リライト1」が弟切さん、「リライト2」がみやびさんのものです。  それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 掌編。 No.6966 投稿日 2003年9月1日(月)23時04分 投稿者 魚住 雅則 >ここまで追い込まれないと「やらない」のは、どうして? >能力が足りなくて「やれない」のではなくて、なんか他に原因があって「やらない」でいるわけだよね? >その原因って、なんなのよ? 今まで出したものは等しく最大出力のつもりでした。 しかし結果としては大違いということで、空回っているのかもしれません。 今回のものと前にアップしたものとを比べて、別段手ごたえは変わっていません。 同じように思考して、書いたものです(思考の密度や量が同じ)。 ただ前と違って書く道筋がはっきりと見えた分、力をかける『べき』方向を意識できたように思えます。 >その「彼女と喧嘩して落ちこんでいる」ということを伝えるために、なんで、「彼女と喧嘩するシーン」が実際に必要になるんだよ? この指摘を受けてから考え直してみると、以下のような流れを辿って書いていました。 1.最初 → 喧嘩のシーンは余計だから、『彼女と喧嘩した俺は〜』というベタ説明で済まそうとした。 2.「ベタ説明」に対して指摘を受ける  → では喧嘩のシーンがあれば良かったのだと思う。とりあえず入れてみよう。 3.喧嘩のシーン自体がムダであると指摘を受ける(そんなものがなくても落ち込んだ心境というものは描けるというヒント、というかほぼ答え)  → 描くべきものが定まった状態で書く。 失敗の原因は、「何も考えないで書いている。しかし頭では検証したつもりになっている」こと。 改善するにはやはり本数をこなすしかないように思えます。 何が必要で、何が不要か、身体で覚えるために。 指摘をもらい続けるわけにはいかないので、「これだっ」という皮膚感覚を見出しておきたいです。 ただ、今までのように書くだけでは変わらないような気がします。 最初に構成の必要と不要を考えて、描くべきことを吟味する必要があります、ってこれ昔から言われてたことというかプロットの基本やんか。 ぐわ。   >青年の「中」からに統一するか、「外」からに統一するか、どっちかにせい。 >ただし、「落ちこんでいる心境」を書くにあたって、中に入って心境を直接記述するよりは、外から見るだけで読者に「察させる」ほうが「より上等」と思われる。 >ここは人によって意見の分かれるところだが、新木流ではそうだ。   「より上等」という点について質問させてください。 質問というか、「上等」の詳細について解釈が正しいかどうか確認させてください。 上等というのは「書き手にとって難易度が高く、上級者向けである。ゆえにこれを書ける人は技術が上(上等)」ということですか?  それとも「読み手にとって、分かり易さ以上の『キモチよさ』をもたらすものである」ということですか?  「書き手にとって云々」というのはまずあり得ないのですが念のため。 後者として話を続けます。 「落ち込んでいる心境を書くとき、主人公の中に入って直接記述するほうが分かりやすくなる。しかし(「察させる」に比べれば)下等である」 であるとして。 「分かりやすいキモチよさ < 一見分かりにくいが、心情を察するキモチよさ(?)」 「キモチよさ」の大小関係が上のようになっているということでしょうか。 〇「分かりやすいキモチよさ」 主人公の心中に入って、見るものを聞くものをダイレクトに伝える。 読み手としては書いてあることがすんなり理解できて、頭に入ってきやすい。「読み解く」という負担を与えられることなく物語にすんなり没入することができる。 しかし内容を直接書きすぎてしまっているため、かなりイメージを固定してしまう。 読者が想像する余地(楽しみ)を奪っている。 〇「心情を察するキモチよさ」 「落ち込んでいる人」を外から観察することで見えてくる事実(表情、動き、声質、など)。 それらを積み重ねていくことで、じわじわと読み手に「ああ、落ち込んでいるんだなぁ」と実感させていく。 心境に入り込んで直接書いてあるほうが分かりやすいことは確かだが、これはあまり心に残らない。 読み手が想像する余地がないので頭を素通りしてしまい(理解はするが)実感として残りにくい。 逆に言えば必要以上は書かず、それでも心情を察させることができればとてもキモチよくさせられるということ。 「新木流」としては上のようになるが、分かりやすさを重視する向きもある。 こういう解釈でいいですか? 「書きすぎ」というのは欠点であり、○○流も何もなく、単に「さじ加減が調節できていない」ということで納得です。 -------------------------------------------------------------------------------- OFFの作品感想 No.6967 投稿日 2003年9月1日(月)23時24分 投稿者 かねやん >新木さんの >>「ね……、おかわり、いる?」  この3点リーダーが読めません。  読める人、教えてください。  美人のお姉さんの心が知りたかったりします。 >巻島さんの >>男の子は、顔をガラスに貼り付けていた。流れていく景色の上には、青い空が広がっている。  この部分。男の子の視点が気になりました。  東京−横浜間の新幹線の風景がどんなものなのかわかりませんが、富士山を探している男の子の視点は、青い空に向かないような気がします。もう少し低いところを見ているのでは無いでしょうか。  今、晴れていることを表したかったのだとは思いますが…… >>富士山を、この目で見たかったのである。 >>熱海に着いたあたりで、様子がおかしくなりだした。  ここで文が切れてます。 >>三島を越えて、新幹線はトンネルに入った。  えっ? (地図で確認中)  三島からしばらくはトンネルが無いです。  このへんは地元なんで。(と、言いつつあったりしたらやだなあ)  トンネルと言えば伊豆箱根あたりを思い浮かべます。 >>母親の言葉に、男の子は泣きそうな顔になった。 >>三島を越えて、新幹線はトンネルに入った。一面真っ黒な景色に変わり、男の子は 窓から目を離す。前方の電光掲示板を見ると、ちょうど天気予報をやっていた。どこ も太陽マークばっかりだった。掲示板は嘘つきだと思った。  この2つも文の繋がりが弱い気がします。 >望月さんの >>じりりりりりり、という音にびっくりして、玲子(れいこ)は目を覚ました。ベッ ドから身を起こしてすぐ横のカーテンがかけられた窓を見た。音の発生源はどうもそ こであるらしい。  改行位置をリライトと比べると面白い。  リライト1は、初稿のイメージを崩さない(セミの声と目覚まし時計を間違えるバージョン)で 寝ぼけた玲子の強調がされている。  リライト2は、無理矢理起こされて不機嫌な玲子を強調している。(セミの声と目覚まし時計を間違えるバージョン)  話のイメージ的には、寝ぼけ→罪悪感より不機嫌→罪悪感のほうがあってるかと。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6968 投稿日 2003年9月2日(火)00時25分 投稿者 新木 伸 >魚住  過去ログ1199の、パターン1とパターン2。  「好きって、言って」の掌編の、二つの取りうるパターン。  まず読め。  そうしたら、どっちが良いと思った?  自分が読者となったとき、どっちのほうが読みたいと感じた?  報告のこと。  まずそれを確認しておこう。  主人公が恋人のことを「好き」であったとする。  その好きっていう気持ちを、はっきり文章で「恵美のことは好きだ」と書いてもらいたいのか。それとも大事な部分だからこそ、そこだけは書いてもらいたくないのか。  どっちなのかってことだ。  自分が読者となって読みたいほうを目指せ。  ちなみにパターン2のほうを目指すのであれば、俺は教えられない。――てか、あれは教える必要がない。工夫せずにベタに書いてしまえば済むことだから。  小説以外のすべてのメディアでは、「好き」と直接書くことはできない。  しかし小説ではそれをやることができる。それは大きな武器となるのだが、容易に手抜きの道具にもなってしまう。  上等か下等か、それを問うときには、シェフの手間なんか問題ではない。  また技術の上下なんか、問題にもしていない。  シェフの考えるところの、「もっともうまい食いかた」は、なにかっていう話だ。  考えかたが違うなら、それは仕方がない。  カニの身をほじってやって、出せばいい。  ステーキを切り分けてやって、出せばいい。  「しゃぶしゃぶ」という料理があるわな。  あのしゃぶしゃぶの肉を、生肉のまま出してしまうより、客の前でシェフが「しゃぶしゃぶ」してやったほうがシェフとしては手間もかかるし、客もありがたがるはずだ。  また「焼肉」を客の前で焼いてあげるのもいいだろう。焼かずに食えるので、客はきっと喜んでくれるはずだ。  ――てか、どうせなら、口の中でよく咀嚼してやってから、口移しで与えてやったらどうだ? あとは嚥下すればいいだけにして。 >かねやん >>三島からしばらくはトンネルが無いです。  それは指摘済み。  巻島が、OFFのその日に、阪神方面から東京に向かう新幹線の中で見たものを、そのまんま、東京発の新幹線に適用しちゃったのだと。進行方向が逆になるのだから、逆にしなきゃならないことを忘れていたのだと。そういうオチがついていた。  まあ、リライトといっても時間が足りないので、ざっくりと灰色の文章を削った程度のもの。完全に直りきってないのね。たぶん各自で直して上げてくるだろ。  俺のはもう、一字一句、一文字たりとも変更されないが。  わずか1000字――。  完成させるのに、33分以上は必要ではない。(本当は15分で終わらせたかった) >>この3点リーダーが読めません。 >>読める人、教えてください。 >>美人のお姉さんの心が知りたかったりします。  がんばって、読んでください。  カニの甲羅の内側には、とってもおいしいカニの身が詰まっています。それはもう舌がとろけるほどです。シェフが保証します。  しかしシェフのお薦めの食べかたは、お客さんが自分の手で甲羅を割って食べるという食べかたなのです。  てか、だからこそ僕は掌編と短編とに見切りをつけて、長編一本でゆくことを決意したのだけど。  昔、5本書いてみて、わかった。(実際は6本書いた。一本、探しても見あたらなかった。景子が電車の中で、中学生にあがったばかりくらいの男の子が、網棚に荷物を押しあげようとしているのを手伝ってしまって、睨まれてしまう――てな話を書いた覚えがあるのだが)  誰が読むんだ。読めるのだ。読み取れるのか。  自分には掌編で客を愉しませることはできない。「わかんねー」と言ってくる客に、わかるように書ける自信もない。そのやりかたは見当さえつかない。どこかの誰かは可能とするのだろうが、自分にはできない。  いや、わかるんだけど、それだけは死んでもいやだ。  「死んでも嫌」なやりかた以外で、掌編をわかるように書ける腕を持たないやつは、やっちゃいけないものなのだろう。掌編っていうのは。  いいよ。俺、掌編は趣味で書くから。(趣味で小説書いてる時間なんかありゃしないけど)  そして、「この味がわからんやつは、うちのラーメンは食うなっ」とか、頑固オヤジみたいなこと言ってるから。  しかしあの同じ話は、短編にすることもできるし、長編にすることもできる。  長編ならヒントも出せるし、いろいろな情報をエピソードの形で呈示することで、読者を自然とそこまで誘導することもできる。  つまり「やりかた」がわかる。  昔なら長編にしてわからせる腕しかなかったけど、最近なら、短編であればなんとかなるかな。せめて10枚あれば……。  ちなみにヒントは――。  お姉さんがマスターを好きだということは、書いてある。  マスターもお姉さんが好きだということも、書いてある。  僕がお姉さんを好きだということも、書いてある。  では――。  お姉さんは「僕」のことをどう思っているのでしょう?  まず好きなのか嫌いなのか。  また「僕」が自分のことを好きであることには、気づいているのか、いないのか。  気づいていないで指輪を見せびらかしているのか、気づいて指輪を「僕」に見せているのか。  そしていまなにを思っているのでしょう?  そこは書いていない。大事なところだから。そここそが、殻をこじ開けて、お客さんが自分の手で掴み取って、食べるべきところだから。  また、「僕」はなにを思っているのでしょう。  「僕」がお姉さんのことを好きだということを、お姉さんが気づいていると思っているのでしょうか、悟られていないと思っているのでしょうか。  お姉さんをマスターに取られたことは、どう思っているのでしょう。 (どうしても読めない、てことなら、書かなかった情報をすべて含めた「完全補完版」なるものを書くけどさ。書いたものと書かなかったものとの比較もできるし、皆の参考にもなるだろうし。てか、OFFではやったんだから、やるべきなのかな。嫌だなぁ) -------------------------------------------------------------------------------- なぜなら No.6969 投稿日 2003年9月2日(火)00時44分 投稿者 細江ひろみ > 男の子の行動原理のこじつけを試みて、無理と不自然さとを解消して、 >「人間の取りうる行動」とすることに成功したのなら――。 成功してませんが。 > 同様に、女の子のほうも「そんなやつを好きになってしまう子」として、 >こじつけを行って不自然さを解消しなくてはならなかったのでは? その通りだと思います。 > その部分をサボってしまっているのは、どうしてですか? それはもう、リライトではなくなってしまうからです。 > 同業のプロの書いたものに僕がなにか言ってしまっていいのかと、考え >なくもないですが……。 遠慮はいりません。 が、新木さんの労力を私に向けさせるべきではありませんね。 それはここの利用者にとって、迷惑なことです。 つい、我慢できずに書いてしまいましたが、これはすべきではありませんでした。 申し訳ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- OFF会報告その二 No.6970 投稿日 2003年9月2日(火)01時25分 投稿者 弟切 千隼  今日、道を歩いていた弟切は、ある会社の工場の横にさしかかりました。すると、会社の敷地と道とを区切るフェンスの一部がひしゃげていました。その脇に立っている道路標識も、フェンスによりかかるように根元から大きく曲がっていました。  どうやらこのフェンスと道路標識とは、仲良く並んで車の前に飛び出し、はねられたようです。良い子は真似してはいけませんね。 >>オフ会報告  弟切はパソコンを持って行かなかったため、紫さんのパソコンを借りて1000字課題を行ないました。したがって、弟切の書いた課題は紫さんの手もとにあります。  紫さん、お手数ですが、御自分の分を課題部屋に上げる際に、弟切の分も上げておいて下さいませ。  今回の1000字課題では、自分の実力のなさを痛感しました。一応、「何だか小説みたいなもの」を書き上げたとはいえ、完結していませんので、まともな小説とは言えません。  オフ会で1000字課題を終えた後の指摘は、皆さんと同じように勉強になりました。他人の作品を削る場合は、「作者は何を伝えたくてこの作品を書いたのか? この作品ではどこが最も伝えたい重要な部分か?」をよく考えます。伝えたいことを邪魔している部分は、要らない部分として削らなければならないからです。どこが重要かを見誤るとたいへんなことになります(^^;   自分の作品を自分で削る場合も、することは同じですね。  自分の作品が他人に削られる場合は、客観的に自分の作品の本質が炙り出されてゆくのを見ることができます。本当は、他人の手を借りて自分の作品の本質を炙り出すなどというのはもっての外で、自分で全てできるようにならなければいけません。 かねやんさんへ >  巻島さんの1000字課題については、静岡県出身者の弟切も、読んですぐかねやんさんと同じ感想を持ちました。  静岡県東部地区で長い新幹線のトンネルといえば、熱海〜三島間の「新丹那[しんたんな]トンネル」でしょう。三島〜新富士間にはあまり長いトンネルがありませんので、この駅間である程度の長さのトンネルを登場させると不自然です。  しかし、弟切は、オフ会の時にはあえてこれを指摘しませんでした。執筆時間が厳しく制限されている中、地元の人間でなければ知りようがないことまで調べて書けというのは、無理な注文です。 -------------------------------------------------------------------------------- >1199 No.6971 投稿日 2003年9月2日(火)01時28分 投稿者 魚住 雅則 >その好きっていう気持ちを、はっきり文章で「恵美のことは好きだ」と書いてもらいたいのか。それとも大事な部分だからこそ、そこだけは書いてもらいたくないのか。 正直に言うと、微妙です。 基本的には大事な部分をベタで書いて欲しくないです。 素で「好き」とか書かれてたら萎えますから。 ただ、「好き」と書くことで、一番おいしく出せる状況というのがあると思います。 ではそれはどういう時なんだと問われると答えられません。 なので本来言うべきことではないのですが、「直接的に言ったほうがもっと盛り上がるときがある」という確信みたいなものがあって。 1199では「好き」という単語が出た瞬間にアウトでした。 あれは素で言ってはダメな場合。台無し。 -------------------------------------------------------------------------------- オフ後初 No.6972 投稿日 2003年9月2日(火)01時46分 投稿者 巻島翔史  巻島です。オフ参加者の皆様、お疲れ様でした。  個人的には、去年の分室オフより頭が冴えてた気がします。  たぶん、執筆会をやったからでしょう。一番思考力が死にやすい時間帯にあれをやったもんだから、死ぬことなくそのままいけちゃった。  指摘会もなかなかよかったんじゃないでしょうか。即時性があるから、書き手は変な言いわけができないし。  あと、オープン参加のAさんの存在は大きかったです。新木さんとはせがわさん以外の異なったプロの視点があると、そこからまた新たな発見・話の広がりがあるというか。  まあ、恵まれたオフでしたね。行ってよかった。  あと、東京涼しすぎ。  駅前にデジタル温度計の表示があったりするところがありますが、移動前(東京)と移動後で8℃も上がってるなんてのはふざけてるとしか思えない。(いくら11時と16時の差があったとしても。具体的には、25→33℃だったんですが)  今日も最低気温が5℃も違うと言うし。うちは熱帯夜ですよ。ええ。 増量のこと>  前回指摘された部分を直したものを、一応あげておきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=581&e=res&lp=581&st=0 >>引き続き、残りの部分の直しに入ること。 >>俺はもう見ない。  わかりました。作業ルーチンを教えたらあとは自分でやれという旨は、オフでも言われましたしね。  あ、でも6875で、 >>あとは、50枚部分全体に「3」を行ったものを、いちおうもういちど確認して。  とあるから、50枚段階で一回アップでしょうか。そのあたりでまた見てもらえるなら、もちろんメチャクチャありがたいわけですが。  なんにせよ、まずそこまでオイラが書かなきゃどうにもならん。 オフ課題> かねやんさん> >>富士山を探している男の子の視点は、青い空に向かないような気がします。  まず、富士山を探す男の子は近景より遠景を見るのではないかと考えたのですね。  それから、東京〜横浜は高架になっているところもありまして。その区間のときに遠景を見ると、地平付近ではありますが、わりと空が目に入ってくるのです。  まあ、景色に熱中してる子どもが空まで目に入るかというと、やっぱり入りませんね。そういう意味では失敗してます。 >>三島からしばらくはトンネルが無いです。  えっ。そうなんですか。  ごく短いトンネルを何本か、三島の前に通った気がしたんですが。  記憶の捏造なのかなぁ。 >>>>富士山を、この目で見たかったのである。 >>>>熱海に着いたあたりで、様子がおかしくなりだした。 >>>>母親の言葉に、男の子は泣きそうな顔になった。 >>>>三島を越えて、新幹線はトンネルに入った。 >>ここで文が切れてます。  うん。  数十分前までは、「ああ、普通に書くなら一行空けますね。でもそのときはちょっと意識がそこまで回らなくて」なんて言いわけを書こうと考えていました。  が。  そもそもの問題点は、そんなことじゃなくて。  たかだか1000字なのに、場面転換をしすぎなんですね。これ。  初歩的なミス。一行空けるかどうかを考える以前の問題。  熱海から始める選択肢だってあったはずなのに。東京では晴れてたことは説明に回して。   リライト誰がやったか>  紫さんに「ワシの削ってみない?」と誘って、してもらったところ、「富士山を見たい理由のところ以外は削れない」という答えが返ってきました。で、まずそこは削られてます。  その後、指摘を受けた箇所を俺が自分で書き直しました。  具体的には、 ・冒頭の二文の長さが同じ。 ・熱海に着いたときに雨が降ったということに気づかない。同じ段落にまとめてあると目が流れる。 ・富士山が見えたときの、背景の青空の書き込みがまったくない。青空→雨空→暗転(トンネル)と段階を踏ませているんだから、最後は青空が要る。  というところです。ちょこちょこっと直しただけなので、完成度が飛躍的に上がってるなんてことはないですけど。 -------------------------------------------------------------------------------- 補足 No.6973 投稿日 2003年9月2日(火)03時41分 投稿者 かねやん >トンネルのこととか >>えっ。そうなんですか。 >>ごく短いトンネルを何本か、三島の前に通った気がしたんですが。 >>記憶の捏造なのかなぁ。  このへんは、最近乗った人のほうが正しいかと(苦笑)  弟切さんも書いているように、短いトンネルはあるみたいですね。  新幹線で富士山が大きく見えると言ったら三島−新富士の間くらいだろう→その間に大きなトンネルあったっけ?→地図で確認しても無いね、くらいの確認です。  弟切さんがおっしゃるとおり、時間制限がある中で知らない場所関係の確認はできないでしょう。  熱海、三島なんて順番で名前が出てくるだけで凄いかも(のぞみだと三島は通過駅ですし)  巻島さんが、新幹線に乗っている間も意識してネタを探していた証拠だと思います。  今回、僕も地元民でなければ気にしなかったところでしょう。 >新木さんの  うーん、僕って読むの下手ですねえ。それを読むのが面白いのに。  言い訳をすれば、なんとなくわかります。  なんとなくわかりますが、感じることができなかった。  このへん大きなコンプレックスになっているのですが、僕は恋愛関係に疎いです。  コメディにしか使えないようなわかりやすいものには反応できるんですが、微妙なものになると反応できない。  ですから他の人がお姉さんの言葉をどう感じたか聞きたかった……のですが、たんに、読後の感想を聞くだけで終わってしまいそうだ。  なんとなくわかったこと、というのは次回書かせてもらいます。 -------------------------------------------------------------------------------- 曇天模様 No.6974 投稿日 2003年9月2日(火)05時06分 投稿者 名無し君2号  空が晴れない。  最初に謝罪。 >藤極堂さんおよび、ROMされてる方々  私の不用意な思考および発言で、この掲示板を読んでいた方々に不快な思いをさせてしまい、どうもすみませんでした。  先の書き込み以外にも、たぶんいろいろと不快に思っているんじゃないかとは思いますが。すこしびくびくしてますが。  なんとか成長していきますので、長い目で見ていていただければありがたく思います。  長い目ってところが甘えているところですけど。 >細江ひろみさん >>書き手が書きたかったのは、少年にご都合主義に訪れる生暖かいシュチエーションであり、さらに生暖かい将来への期待ではないのか? >>書き手の願望が、意識されることなく書き出されただけなのではないのか?  否定できないです。  書きたいものを書いていましたから。 >>キャラクターは、状況を把握できないバカでもいいけど、書き手は状況を把握しておいて欲しいと、そう強く思わずにはいられなかった。  はい、努力します。  状況を把握した上でなら、「ご都合主義に訪れる生暖かいシュチエーションであり、さらに生暖かい将来への期待」を書いてもいいんでしょうけども。  そういう話を読みたい読者はいるでしょうし。私も読みたいし。現実逃避。 >鐸碑さん >セイバーマリオネットについて >>せいばーと日本語で表現されるスペルは、saberだけでしょうか?  えーと……うーん。  あ。 ■saver ━━ n. 救助[貯蓄]者; ((時に複合語で)) …を省くもの. ■ライフセーバー [lifesaver]  人命救助員。水難救助員。  どちらもGoo辞書より。国語辞書は、「セーバー」だけじゃ出なかったので、とりあえずライフセーバーで調べた。  そうか。「セイバーマリオネット」というのは、「守護する人形」って意味もあるのね。  主人公を守るために存在したということか。  いや、主人公とは限らないな。人間を守るため、という感じかな。 >短編について >好意、直接系および間接系について >>別に全部が間違っているというつもりはありません。一度自分の分類を疑って整理しなおして見た方が良いのではという話です。 >>言葉になっていない頭の中だけのシチュエーションで分類しているのか、これは直接系・これは間接系とエウレカしちゃって疑っていないのか、目に見える書き出された項目を他人が直接と思うのか、間接と思うのかに配慮が足りていないように見えます。 >>私は、主人公に対して直接みせた行動の中に好意を見出すのが直接系、主人公にみせていない行動(主人公以外に対して話す等)の中に含まれた好意表現をしるのが間接系だと思います。もう少し考えてみた方がよいのでは?  あー、はい。やっと理解しました。理解できた……と思います。  あとは新木さんの…… >>どういうキャラを立てるのかの判断に役立てるために、俺は「好きと知るイベント」を分類せよと言ったわけ。 >>つまり、能動的に「好き」を伝えるキャラなのか。それができないキャラなのか。  を読みつつ、鐸碑さんのアドバイスを読み返しつつ、悩みつつ。  やり直してみます。  入れ替えた後、好意の見せ方が強いほど、上になるように並び替えてみました。 ■直接系(直接好意をしめす) (1)「主人公と一緒に罪を犯す。『一緒に堕ちてあげる……』」 (2)「たき火の向こうで待つ女の子。『私が欲しかったら、その火を飛び越えて来い』(よく考えたらただの告白だった)」 (3)「いつもそばにいようとする」 (4)「やたらべたべたする女の子。『こいつは、男にはそう接するんだ』そう思っていた主人公。実は主人公にだけそう接していたことを知る」 (5)「大切にしていたものを、主人公にくれる」 (6)「大切にしていたものを、主人公のために捨てる」 (7)「主人公をいじめる相手をいじめる」 (8)「失敗をかばってくれる」 (9)「挫折した主人公を立ち直らせる手伝いをする」 (10)「甘える主人公を、ただひとりだけ突き放す。その瞳には涙が」 (11)「罰当番で帰りが遅くなった主人公。女の子はひとりで待っている」 (12)「主人公をいじめる。なのに風邪をひいたら見舞いにいく」 (13)「主人公の好みに合わせ、髪形(服装)を変える」 (14)「主人公の前でだけ、おしゃれさん」 (15)「秘密を、主人公だけに教えてくれる」 (16)「主人公だけに悩みを相談する」 (17)「やたら明るい女の子。明るいのは主人公の前でだけだったことを知る」 (18)「いっしょに悲しんでくれる」 (19)「愛犬が死んだ。誰の前でも泣かなかった女の子が、主人公の前でだけ泣く」 (20)「主人公の好みを知っている(バレンタインデー、義理チョコだけど「ビターチョコ」をくれる)」 (21)「家庭科の時間に作ったおかしを、『あまったから』と言ってくれる。たくさん作ったのは事実だが、成功したのはその一個だけだったことを、主人公は後で知る(別々のクラスです)」 (22)「主人公が欲しかったものを、女の子から高く売りつけられる。主人公は相手を守銭奴と思いこんでいたが、実はそれは、主人公のためにわざわざ苦労して手に入れたものだった。その事実を、人づてに聞く」 ■間接系(遠回しに好意をしめす) (1)「主人公が好きになったものを、あとから追いかけて好きになる」 (2)「主人公と同じクラブ。主人公がクラブを辞めたら、一緒に辞める」 (3)「主人公に他の人から告白されたことを相談する。『あたし、○○から告白されたんだ』『なんでおれにそんなこと訊くんだよ』『それは……』以下略」 (4)「主人公が他の異性を意識していると知った相手が嫉妬を見せる」 (5)「ソフトボール。女の子はピッチャー。バテバテだったが、主人公が応援に来た途端にボールに力が戻る」 (6)「気の強い女の子。男子すら彼女を恐れているのに、主人公の一言で泣く」 (7)「主人公とだけ会話できない。赤面して逃げる」 ■偶然系(まったくの偶然で好意がしめされる) (1)「主人公の誕生日。美人のいとこが祝ってくれた。偶然やってきた女の子はいとこに気づき、何でもない顔で、手に持っていたものを隠して帰る。主人公、ゴミ箱のなかから、見覚えのある包装紙ごとぼろぼろになったプレゼント発見」 (2)「見ず知らずの男にケンカをふっかけられる。男は女の子に振られたのだった。『○○さんが言ったんだよ! お前のことを……』」 (3)「女の子が男を振る瞬間を見てしまう主人公。『好きな人がいるのかい』相手の問いに、女の子は主人公の名前を出す」 (4)「女の子の日記を見てしまう主人公。そこには赤裸々な主人公への思いがつづられていた」 (5)「女の子が出さなかったラブレター。見てしまう主人公。そこには以下略」 (6)「女の子のおまじない。手のひらに相手の名前を油性ペンで書いて、誰にも見られることなく自然に消えれば願いがかなう(そんなの本当にあるのか知らないけど)。その名前は主人公のものだった。見てしまう主人公」  途中グダグダになってます。  たとえば直接系でも、 (5)「大切にしていたものを、主人公にくれる」  や、 (15)「秘密を、主人公だけに教えてくれる」  などでも、その「大切にしていたもの」や「秘密」の度合いによって、好意のしめされる幅が、だいぶ変わってきます。  問題を理解せずに答えを書いていたようなものですね。  いったい、なんのためにこれをやってるのかを考えないと……。 >新木さん >リライトについて >>もしこの先またなにかの時にリライトをしてもらいたいのでしたら、過去に、僕にリライトをしてもらった人がどのような対応をしていたか探してみるのがよろしいでしょう。  自分の作品と比較検討、自分のはどこがいけなくて、どこがよかったのかを考えろ、ってことですよね。しびれた、なんて感想にもなってない感想は書かなくていいから。  了解。明日やります。頭のなかが真っ白なので。 >短編について >自分の気持ちに鈍いやつ >>だから、そうである必要があるのかと訊いているの。  こちらも明日考察します。  相手の好意を「見落とす」にはどんな「種類」があるのか、好意のときのように上げてみます。 >同音語の選択支援について  ATOKは12なんですよね、私のは。  便利な機能はないので、自力で調べます。 >「魂鋼」という作品  ヤングキングに連載されていた、という記憶だけはありますが、どんな話だったのかはまったく覚えていません。 >>てか、2号、剣法もの、書けるの? >>剣道や居合い抜きの経験者で、段くらいは持ってるとか? >>もしくはそれなりに、武道をかじったことぐらいはあるとか? >>剣豪ものの大マニアで、昔からその手のジャンルを山ほど見たり観たり読んだり、貪るように読み耽っていたとか?  全然、ですねえ。しいてあげればその手のジャンルの小説を読んだりはしてますが。 >>短編といわず、ちょっとワンシーンだけ、書いてみなさい。 >>生課題で、お題は「剣の闘い」ね。 >>文庫本で5ページ分が基準だから、いまやっている1000字掌編の4倍くらいの長さかな。 >>そっちやってる日は、1000字日課のほうは休んでていいから。  了解。 >1000字課題について  今日は三編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=582&e=res&lp=550&st=0  読みたいものを書きたい。  書くのにかかった時間……4時間。頭を使うと疲れる。それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- わけあって、日本の土地を離れておりました。(半分雑談) No.6975 投稿日 2003年9月2日(火)16時00分 投稿者 鷹見一幸  水平線が丸いことは知っていたけど、地平線も丸いということをこの目で見て確認してきました。  んでもって電撃の新シリーズ書き直してます、残り一週間しかないけど、やっぱりウソは書けない。このまま書いたっておそらく今の日本人の、それもライトノベル読者で、このウソがわかる人間は、ほとんどいないと思う。 たとえば無煙火薬の銃と黒色火薬の銃の銃声の違いなんて、知っている人は、まずいない。 俺だって知らなかった。  でも、知ってしまったら、もう書けない。  書く人間が信じているなら書ける。「これはこうなんだ」と思っていたら、経験したことの無いことだって、この世に無いものだって書ける。  だけど、書いている人間が信じることが出来ないことを、読んだ人に信じさせることは絶対にできない。  課題部屋の1000文字課題、読ませてもらってるけど、読めるものと読めないものの差は、書いている人間が、自分が書いている世界とキャラクターを信じているかいないか。そこにあるような気がする。  読んだ人の心に波を立てる文章を書くのは簡単だ。  馬鹿にすりゃいい、攻撃すればいい。石やらガラクタを相手の心に投げ込めば、簡単に波が立つ。  そのかわり、二度と読んでくれないだろうけどね(笑    でも、読んだ人間の心の表面をさざ波を立てて渡って行くさわやかな風のような文章や、読んだ人間の心全体を揺さぶるような文章を書けば、その人はもう一度読んでくれるんじゃないかと思う。  もう一度読んでみようという人(リピーター)を確保するのは、エンタティメント業界の基本だよな。 (自戒の意味も込めて)チャレンジは終わらないよ。   -------------------------------------------------------------------------------- ちょびっと No.6976 投稿日 2003年9月2日(火)20時48分 投稿者 かねやん 次は新木さんのオフ会掌編をどのように読んだか書く予定でしたが、その前に気になったので。 >名無し君2号さん goo辞書検索結果 >>saver >>n. 救助[貯蓄]者; ((時に複合語で)) …を省くもの. から >>そうか。「セイバーマリオネット」というのは、「守護する人形」って意味もあるのね。 が出てくるのは、思い込みです。 頭の中で勝手に日本語を変換してしまっています。 「守護」「守る」で和英辞書(これもgooにありますね)で引いてみてください。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6977 投稿日 2003年9月2日(火)22時17分 投稿者 鐸碑 ●辞書の引き方 gooの三省堂提供「EXCEED 英和辞典」で調べたんですよね>saver  そうすると、 ━━ n. 救助[貯蓄]者; ((時に複合語で)) …を省くもの. ⇒save1  と関連語へのリンクが貼ってあります。このsaverの説明だけでは不十分な所なのでsaveに跳んで、その先を見るところまでしておくべきでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 大後悔時代 No.6978 投稿日 2003年9月2日(火)23時29分 投稿者 弟切 千隼  紫さんが、弟切が書いた1000字課題をメールで送って下さったので、自分で課題部屋に上げておきました。紫さん、ありがとうございます。  この課題の書き直しは、望乃さんがやって下さいました。(ですよね? 指摘されたことははっきり覚えているのに、誰が書き直して下さったのかの記憶がなぜか曖昧です(^^;)  改めて読み返してみますと、無駄な単語や文が多いですねえ(;_;) どこかの漫画の主人公のように、「無駄無駄無駄ァ!」と叫びたくなります。修練あるのみですね。  登場人物の名前はアラブ風にしました。この登場人物たちが属しているのが、中東のどこかの国だと設定したからです。これにはむろん理由があります。 (以下の「*」で区切った部分には、弟切の1000字課題のネタばれがあります。あらかじめネタをばらされたくない方は、先に1000字課題を読んで下さい) ********************************  この作品の舞台は、恒星間有人飛行が実現している世界ですから、未来です。とはいっても、現在から何百年も経った遠未来ではなく、現在との隔たりが数十年単位しかない近未来です。このくらいですと、現在の世界をそのまま延長した世界だと設定して無理がありませんね。  現在の中東の国々は、有人宇宙探査をするほど経済的に余裕がありません。けれどもあと数十年経てば、そのくらいの余裕はできているでしょう。ヨーロッパや北米などの先進国に追いつくべく、国の威信をかけて宇宙探査に精を出しているとして不自然ではありません。  しかし、宇宙に人間を打ち上げるのは、やはりたいへん難しい技術です。「国の威信をかけて」などと、しゃかりきになりさえすれば実現できるものではありません。むしろ、実力の裏づけがないプライドがあると、技術的な面で多少不安があっても計画が強行されやすく、失敗が多くなります。  この作品中の少女の両親は、そのような無謀な計画の犠牲者という設定です。 ********************************  おそらく皆さんも御存知のとおり、アラブの人たちにはイスラム教徒が多いです。イスラム教は飲酒を禁じているため、信者はお酒を飲む替わりにお茶をとてもよく飲みます。アラブ諸国では、お茶を飲むことが大切なコミュニケーションの手段となっています。  1000字課題の中にお茶を淹れる場面が登場するのは、そういうわけです。  と、以上のようにそれなりに設定を考えても、文章が駄目だと作品が駄目になってしまうという例ですね、弟切の1000字課題は(泣) -------------------------------------------------------------------------------- 暑い No.6979 投稿日 2003年9月3日(水)04時53分 投稿者 名無し君2号  暑けりゃ暑いで文句たらたらだ。  でもアイスはうまい。 >かねやんさん  遅ればせながらはじめまして。よろしくどうぞお願いします。 >>goo辞書検索結果 >>saver >>n. 救助[貯蓄]者; ((時に複合語で)) …を省くもの. >>から >>そうか。「セイバーマリオネット」というのは、「守護する人形」って意味もあるのね。 >>が出てくるのは、思い込みです。 >>頭の中で勝手に日本語を変換してしまっています。 >>「守護」「守る」で和英辞書(これもgooにありますね)で引いてみてください。  はい。引いてみます。 ■しゅご 守護 ((divine))protection; safeguarding. ・〜する protect; guard. 守護神 a guardian deity. 守護霊 a guardian spirit. ■まもる 守る defend; protect; 《約束を》keep; 《規則などを》observe; obey; follow. ・敵から…を〜 defend a person against the enemy; protect a person from the enemy. ・彼は約束を〜 He keeps his promise. ・規則を〜 observe the rule.  その通りですねえ。  守護は「プロテクション」および「セーフガーディング」、守護神、守護霊の場合は「ガーディアン○○○」。  守るは「ディフェンド」、「プロテクト」。  「セイバーマリオネット」は「救助人形」と、そのまま書けばよかったわけですねえ。 >鐸碑さん >>●辞書の引き方 >>関連語へのリンクが貼ってあります。このsaverの説明だけでは不十分な所なのでsaveに跳んで、その先を見るところまでしておくべきでしょう。  了解。 ■save ━━ v. 救う, 助ける ((from)); 保護する; 【神学】(罪から)救う ((from)); (苦労・出費などを)させない, (手間を)省く; 損失を免れる; 節約する, 貯える ((up)); とっておく; (敵に)点を取らせない; 【コンピュータ】(ファイルを)保存する; (食物などが)もつ; 〔英〕 間に合う. (God) save [defend] me from my friends! 大きなお世話だ! God save the King [Queen]! 国王[女王]万歳! save one's pains [trouble] むだ骨を折らない. save one's pocket むだな出費を抑える. save oneself 骨惜しみする. save the day [situation] 事態を収拾する. save up 貯蓄する. Save us! おや(まあ)! ━━ n. 【球技】敵の得点を妨げること; 【野】投手のセーブ. sav・a・ble, save・a・ble ━━ a. 救える; 蓄え得る. save-as-you-earn 〔英〕 給料天引貯金. sav・er ━━ n. 救助[貯蓄]者; ((時に複合語で)) …を省くもの.  これを眺めると……。  「救う」「助ける」「保護する」等々、単語が並ぶなかで、ちょっと気になるのが、  【コンピュータ】(ファイルを)保存する  の一文。  女性のいない世界で、で、女性型で、えーと、「乙女回路」か、それでロボットとは区別しているのだったか。  つまり、「女性」を保存している人形ってことかしら。  話のラストはどうなるんだっけ……調べる。  マリオネットたちが、人間に生まれ変わるのか。  そういう意味も含まれているのかな。 >リライト考察  新木さんや細江さんのリライトおよび、解説を読みつつ。 ■物語の筋の見極め  自分がいま書く話はどういう話なのか、どういう目的なのか、どういう登場人物なのか。  喜劇なのか悲劇なのか。ほんわかさせるのか。怒りを燃やさせるのか。  それを考え抜いてから書いている。  これ、字にして書いてみると当然なんだけど、私はやっていなかった。やっていたとしても、だいぶ甘い。  意識してもすぐにはできない。  が、そうしよう、と意識することで、すこしづつは良くなるだろう……ならなきゃ困る。 ■登場人物の考察  登場人物は、どんな性格で、どんな人生を背負っていて、どんな行動を取るのか。人として、不自然な部分はないか。  話のために都合良くねじ曲げてしまうと、生きていない、ただの節回しのロボットになります。主人公がそうだったりしたら最悪です。  もちろん、私は、その最悪をやっていたりします。 ■面白くするにはどうすればいいのか  書く以上は、面白くなきゃいけない。つまらなくてもいいんだったら楽だが。  セリフはそれでいいのか。言葉の選びはどうか。文章の位置はどうか。  ある場面があるとして、その書き方は、これでいいのか。もっと他に、効果的な描き方はないか。  ネタに振り回されてはいないか。  ネタで驚かせるのではなくて、ネタがあって、その上でさらに話を書く。感情を揺さぶれ、と。 ■比較検討  「牛乳」の話を、リライト版と見比べてみる。  冷たい態度をとる女の子が、実は主人公に好意を持っていた、というオチなんだけど。  冒頭部分、私の文。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。その少年に、ひどく冷たい少女の声がふりかかる。 「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうって、ベッドのそばの椅子に腰かけるハルコの視線から、顔をそらした。馬鹿なのは、イクオだってよくわかっていた。  事件は教室で起こった。給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。そのあげく、すべて元に戻した――教室の床に、白い水たまりを作った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さんの文。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、イクオにだってよくわかっていた。  事件は教室で起こった。  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえんがちょを切られた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この話はどんなところから始まって、どういう状況なのか、の説明部分。  午後の保健室。少年と少女が登場。少年は寝込んでいる。少女は言葉こそ冷たいが、そばにいる(理由はまだ不明)。  見比べると……。 ・ひとつの文が短い。  無駄な部分を削っています。そして、なるべく繋げていない。  こっちのほうがわかりやすいし、読みやすいですね。 ・文の位置。  私の場合は、 >>「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 >>「うるせーよ、ハルコ」  ですが、新木さんの場合……。 >>「イクオ。あんたって、本当にバカよね」 >> そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 >>「うるせーよ、ハルコ」  こうなってます。  こうなることで、文章のリズムが良くなっているんですな。  なぜ良くなるのか?  少年はうつろな……から、パッとセリフが出てくる。その後にそのセリフはどういう感情がこもっていたのか、を説明。  私の文の場合、どんな感情がこめられているのか、を説明してからセリフ、という流れ。  まあ、これも時と場合によると思うので、いつもいつも「セリフ→セリフの解説」にしろ、という訳ではないでしょうが。 ・改行の多さ。  それだけ効果的に使っている、ということです。  場面転換になるたび、それを知らせる一文を浮かび上がらせている。  「昼下がりの保健室」や「事件は教室で起こった」などがそう。 ・説明の補完。  主人公がゲロを吐いて、その上でみなに嫌われた……という描写が入ることで、主人公と女の子の関係も描写されています。  口では冷たいことを言いつつも、みなからえんがちょを切られている主人公を、見舞いしているんですね。えんがちょ切られたやつのそばによったら、女の子も巻き添えくらいかねません。その上で……というわけです。 ・セリフの違い。  より中学生らしく、でしょう。キツさも若干増し気味。  次回、中盤の考察につづく。 >短編について  今回は、主人公が相手の好意に気づかないのは、どんなパターンがあるか、の考察。 (1)鈍感。 (2)相手との関係が近すぎて(親友、いとこ、血のつながらない妹とか)、恋愛に属する好意だとは気づかなかった。 (3)他の女の子を好きだったので、相手の好意にまで目がいかない。 (4)他の何かに夢中(スポーツとか、ゲームとか)なので、女の子どころではない。 (5)相手の好意が小さい。わかりづらい。 (6)嫌われていると思いこんでいた。(5)に近いけれど、この場合主人公の勘違い。 (7)通常の好意では気づかない。アブノーマル気味。 (8)愛を知らない。だから好意を受けていることを理解できない。 (9)好意に囲まれすぎて、ちょっとやそっとの好意じゃ、気づかない。 (10)愛される資格がないと思っているので、相手の好意を疑い、否定する。 (11)相手に手ひどく裏切られた経験があるので、好意を好意と思っていない。 (12)相手に好意を持ちすぎて、かえって相手の好意がわからない。  げ。すごい数があるじゃない。  これを言われるまで気づかないか私。  落ち込んでいる暇はないけどー。  次回、これらを踏まえた上で、どんな性格がいいのか考えてみる。  ――ちょっと待て、本当に考えていいのか?  ……それも考えてみる。 >1000字課題  やらなくていいと言われたけど、やっちゃったので。  今日は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=586&e=res&lp=550&st=0 >生課題「剣の闘い」  あげときます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=585&e=res&lp=195&st=20  今日は4時間ほど。おやすみなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6980 投稿日 2003年9月3日(水)12時16分 投稿者 鐸碑  1000文字掌編への取り組み、もう少し時間が掛かってもいいのでキチンと作り、内容を検証する方向性でやった方が良いんでは? フォーム固めの課題なのにボールを追っかけてスイングが乱れたらフォーム固めの練習にはなりません。  新木さんなら、1000文字課題が15分でよくて30分以上は要らないっていうのは基本ができて、思考の技術が確立しているからです。プロの料理人は指で掴むだけ、お玉ですくうだけで正確な分量の調味料をとることができますが、2号さんはまだその領域に達していません。なら、きっちり計りで計って正確な分量を入れるようにしましょう。その結果3倍、4倍の時間が掛かってもまず正しい料理手順を身につける事が必要です。  で、正しい料理手順を身につけたら、そこから無駄を省き時間を短縮できるようになります。正しい料理手順を知らないまま時間だけプロと同じにしようとした結果、出汁を取らずに味噌汁作ったりしたら食えるものにはなりません。  起承転結を整える事、ドラマ性のある物語を作ること、これを意識して書き。疑って読み返す、読み返した結果を元にあらためて書き直す。  スイングをビデオにとってチェックして、それを元に直すべきところに注意してもう一度スイングする。  そういう段階なんじゃないでしょうか?  剣の戦いを読みました。全体的な感想を言うとこれがクライマックスの見せ場になった小説なら読まないです。チャンバラ感を感じさせてもらえなかった。人を斬るのは怖いんだぞってだけで、ワクワクするもの、ハラハラするものがないです。  後、気になった事。下記の要素どの位の意味合いか十分把握して使用しているのかなと感じたので聞いておきます。 >居合い抜き  居合ってどういう意味ですか? 時代考証はあいますか? >正眼に構えたまま  どんな構えなのか、説明できますか? >三〇〇石で召し抱えよう  これは、侍の収入として多いか少ないか、どの程度の仕事を約束されたのか。 >前金をわたされた。三〇両。  現代で言うとどの程度の金なのか、300石とのバランスは? >二尺、八,九寸(約八五〜八八センチ)。  これは長いのか、短いのか。主人公の刀は?  作者である2号さんが分かっていて、必要十分な表現として使っているならこの点はいいですが、もし十分に意味が分からずに使っていたり、それで過不足がないかを考えずに使用していたりすると問題なのではないでしょうか? もしこういう言葉が江戸時代感を表現する語彙のすべてであるなら、江戸時代感を伝えるのは無理ではないでしょうか?  なんというか、読んで思うのはタイトルに偽りありですか。これは『剣の闘い』じゃなくて『剣の恐怖』じゃないかと。肉料理を食べに行ったのに、焼きソバを食べさせられたような気分。確かに肉も入っているけど、肉が主役じゃないって感じ。  定食といわず、ちょっと一品だけ、作ってみなさい。  お題は「肉料理」ね。  っていう、課題にできましたという答え。肉料理好きな私が箸をつけてみると、出てきたのは焼きそば。肉を探すとちょろっと見つかったけど、これは肉料理とはいわない。そんな気分。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6981 投稿日 2003年9月3日(水)14時57分 投稿者 新木 伸 >家庭科リサーチの報告  メールで何名かの方から、情報提供をもらいまして。(ありがとうございました)  その結果報告です。  なお高校生の家庭科履修の実情は、各年度ごとに違ってきたりします。14年度あたりで家庭家の新規定の施行猶予期間が終わり、15年度から完全施行に移ったりと、細かく調べてゆくと色々とややこしいです。  あくまで、「現役高校生〜現役大学生」あたりが経験している(きた)おおまかな平均像ってことで。  僕は僕の対象読者層が、「ん? それ変じゃん?」と思わない程度の精度で情報収集をすればよく、これはそのつもりでまとめたものです。  明確な間違いがあったら、また指摘していただけると助かりますが、細かな部分にはあまりこだわらずに読んでもらえると助かります。「だいたい、そんなもの」みたいな。  現代の公立校では、家庭家は1年生から男女ともに必修科目になっているようです。  つまり完全に分け隔てなく、まったく一緒に、同じことを学ぶわけです。  文部省――ではなくて、現在は文部科学省か。その基準に定められたところの必修単位は、3年間で最低4単位。  内容的には3科目あるのですが、規定としては、そこから4単位取ればよい――というもののようです。  普通は最低必修単位数の4単位のみで、1年生で2単位、2年生で2単位を学ぶようです。  しかし3年間で合計6単位ほど学ぶ学校もあります。この6単位の割り振りは、3年間に渡って2単位ずつ学ぶ学校もあれば、1年で4単位、2年で2単位のところもあります。  内容的には、「調理」「被服」「生活」「保育」――と、おおむね、そんなところ。  高校生に「子供の育てかた」を教えるのは、たいへん有意義だと感じました。あと生活の仕方なども。  家庭科室は、「調理」と「被服」の専門教室があるのが普通らしいです。  授業のたびに毎回「調理実習」をやるわけでもないので、ひとつの学校に家庭科室はひとつずつで足りるようです。  家庭科室を使う実習授業の時は、男女混成で班を作るのが普通のようです。1クラスでひとつの実習室を使います。男女ともに同じ授業を受けるので、1クラス=1部屋です。  家庭科系のクラブは、まあ、あるところとないところと様々。  それほどメジャーではないものの、あっても不思議はないクラブ、ってところでしょう。 >なにが上等で、なにが下等か >魚住  俺が怒っているのは、「新木流」なるものを、お前が「優れた技術で書かれたもののほうがより上等である」などと、アホな解釈をしたことだ。  決めつけたわけではなく、こうして質問してきたわけだが。  念頭にのぼらせたということだけで、許容せざることだ。  技術ってのが、なんのためにあると思っているのだ。  誇るためか? アホウが。  俺がどんな思いで技術を身につけてきたと思っているのだ。なぜ技術が必要だったと思っているのだ。  おもしろいものを、おもしろいと言わせるためだ。  ある食材が、食えるということを知っていて、しかも、ものすごくおいしいということも知っている。  それはおいしいものなのだから、他の人にも食べさせなくてはならないのだ。そうしないともったいないのだ。人類全体の損失なのだ。  だが口で言っただけではだめなのだ。信じてもらえないのだ。  実際に調理して、食わせてみないと、人はそれがおいしいということを信用しないのだ。  それには技術がいるのだ。調理するための技術が。  お前には、何度かやらせているよな。  「8月のキリン」というロゴを見て感動したとか。  「おじゃ魔女ドレミ」のある回のシナリオの完璧さに感服したとか。  「武装練金」の序盤の展開に感銘を受けたとか。  俺は信用しないわけ。見てないし食っていないし。そういうポーズをお前に対しては一貫して取っているわけ。  こちらから同感なんてしてやらない。俺を「同感」させろと、そう言う。  「いらないよ」と言っている他人の口に、無理矢理ねじこんで、そして「うまい」と言わせるためには、技術がいるわけだ。  「好き」を書くために、好きと書いてしまうものが、なぜダメなのか。  それは技術の優劣なんかじゃないの。  調理して食わせようとする努力の放棄なわけ。素材に対する冒涜なの。食べものを使って遊んで、だめにしてしまうがごとき行為なわけ。許されざる大罪なの。  オママゴトしたけりゃ、泥で団子を作れ。  本物の団子を使って無駄にするな。  本物の食べ物でオママゴトしているガキを見たら、俺は人様の子であっても殴りに行くぞ。 (ちゃんと食うならいいが、遊んだあとで捨ててたら、って意味ね)  あることに価値があり、それは人に食べさせなくてはならないと信じるから、俺たちは料理を作るわけ。  食材で遊んで、ダメにして、ヘラヘラ笑っているような腐れ外道には虫酸が走るの。そんなやつが料理人名乗っていたら、こちとら大迷惑なの。  低すぎる技術っていうのは、素材を無駄にしてしまうんだよ。  それは問答無用でいけないことなわけ。ある一定以下の技術で調理された食材は、もはや「食べもの」とはならず、ゴミ箱に捨てるしかないものとなる果ててしまうわけ。  お前の調理した「落ちこんで入ってゆくコンビニ」のシーンも、はじめの何回かは、捨てるしかないようなものだったろう。  だからアマチュアの低すぎる「技術」を、俺は叩いているわけ。  お前は、ちょうど、俺の地雷を踏んでいるわけ。  「8月のキリン」という食材を、軽い気分で料理ごっこに使って、遊んでダメにして、さらにヘラヘラ笑っているように見えているわけ。いま俺には。  「恋人と別れことを、別れたと説明するな」 →「はーい。別れるところも書いてみました〜。どうですか〜」  「別れるシーンなんて無駄な場面を書くな」 →「あー、やっぱだめでしたかね〜(へらへら)」  「そうだ。それでよいのだ。――が、もったいないと思ったので、直してやる」 →「あー、わかりました〜。つまり新木さんは、技術が上のほうが上等ってことを言ってるわけですね〜。(へらへら)」 →「でもぼかぁ、それだけじゃないかと思うんですけど、ああでも実例出せなんて言わないでくださいよ。ぼかぁプロじゃないんだから出せやしませんから。(へらへら)」  とりあえず、俺的心証としては、こんなところか。  魚住。お前にゃその気が多分にあるから、気をつけろよ。  前にも、漫才師に必要なのは「才能」だなんてぬかしてたな。  ちがう。本当に必要なのは「客を笑わせたい気持ち」だ。その本人が見つけてしまった「おもろいこと」だ。それを人に伝えて笑わせようという気持ちだ。  そのために磨きあげる技術だ。  才能はあればあったで構わないし、どれだけあっても困りはしないものであるが――。そんなものは、まったく、重要ではない。  極論すれば才能なんてゼロだってかまわん。  お前は漫才師の「才能」しか見てないし、小説家の「技術」しか見ていない。  下衆な見方しかしていない。邪道なんだ。  お前は競馬を見て、馬の血統やら、順位やら、タイムやらしか重視しないアホウだ。  馬の「走りたい気持ち」なんて、きっと、どうでもいいのだろう。  お前は漫才師の「想い」は見ない。  競馬馬のように競い合わされる「才能」を見て喜んでいる。お前のようなやつが漫才ファンを名乗るな。漫才消費者とでも名乗っておけ。 (「生産者=クリエイター」の対局としての「消費者」って意味ね)  たしかに、世の中の多くの人はそこしか見ない。結果がすべてだ。どれだけ頑張ったところで、結果が出せなきゃ評価はされない。  それは正しい。客は作り手の心情なんて、理解しないでいい。してもらっては困るし、そういうのは不健全だ。  しかし、やっている側の人間が、情熱を否定して、結果しか見ないなんてのは、それは間違っている。  もしもお前が才能やら技術やらしか見ないのであれば、お前は小説を書かなくていい。  一生、客をやってろ。  消費者の側から一歩も出てくるな。  裏方事情に詳しい「事情通」の顔をしたいだけのやつに、教えることはなにもないし、俺はそんなにヒマでもない。 >魚住  とりあえず、そういうことで、俺の中の魚住への評価は――。  漫才が好きなわけでも愛しているわけでもなく、「漫才通である自分」を誇りたいだけのやつ。  小説が好きなわけでも愛しているわけでもなく、「小説通である自分」を誇りたいだけのやつ。  つまり、なんでもいいから、「通」になりたいわけね。一般の客よりも、頭ひとつほど抜きん出ている存在になりたいのだ。  ――と、ある程度、固まってきている。  くつがえしたかったら、それなりのことをやってみせるように。  反論なんてするだけ無駄だから、やらなくていい。行動して見せろ。 >2号  だから、エウレカしたところで止まるなってーの。  エウレカの快楽に耐性を付けろ。跳ねのけて思考を続けろ。止めるな。  彼女たちは、守る人形であり、武器であり、そして保存されたものであり、そして救う人形でもある。  主人公のほかにもうひとり、マリオネットの主人である敵役の男が出てくるんだけど……。そちらはマリオネットを道具であり「武力」としか使わないのだ。しかし主人公は彼女たちに「人」として接する。  そしてマリオネットに「心」が与えられていることには秘密があって、それはあの星に住む人類を救うことに繋がっている。  「保存」やら「救う」に関しては、話を最後まで追いかけないとわからないのだが。  「セイバーマリオネット」と聞いただけで、武器と守護との二重関係ぐらいは読み取って、「奥の深いタイトルだなぁ」と感心しないといかんよ。  ひとつきりの意味しか読み取らないのは、そりゃシロウトの感性だ。  僕ははじめ二重の意味まではわかったけど、あかほりさんのことだから、もうひとつなんかあるのだろうと、そうにらんでいた。江戸世界観の「J」のシリーズと、ヨーロッパ世界観の「R」のシリーズと、同じテーマでふたつのシリーズをやっていたから、やっぱりなんかあるのだろうと思っていたら、案の定、あったし。 >直接、間接の分類  うん。ようやくまともな分解をしてきたじゃないか。  直接、間接、偶然と、  僕は2つに分けろとしか言ってないのに、3つに分けてきたわけね。  そうやって、相手の要求を越えるものを出すと、相手は「おおっ」と思うわけだ。  言われることを言われるままやっているだけでは、評価が悪いほうに落ちていかないってだけで、プラスに転じることはないわけよ。  今回のこれは、君、好感度すこしアップだよ。 >1000字掌編 >>読みたいものを書きたい。  なら、書けよ。  オマエはあれか?  「転校生が不良たちに囲まれて無理矢理「アンパン」を体験させられるのだが、そのアンパンというのはシンナーのことではなく、本当のアンパンのことであったのだ。ちゃんちゃん」  ――とかいう話を、自分でも読みたいと思っているわけ?  で、俺はこの話になんとコメントすればいいわけ?  オマエはどんなコメントを望んでいるわけ?  主人公が不良たちに連れていかれたときにはドキドキしました。まさかそんなことだったなんて、とても意表を突いていて、驚いてしまいました。――とか、言ってやればいいわけ?  ――で、もし本当にそう言ってくる読者がいたら、オマエは諸手をあげて喜んじゃうわけ?  そうそう! それが読ませたかったんですよー! とか? まさかな。  読ませたい部分があるってことは、当然のことながら、「もらいたいコメント」ってものもあるわけよ。読ませたかったその部分に、読者からの「良かった」というコメントが欲しいわけだよ。  たとえば、No.10であれば――。 ・ハルコを可愛いと思った。 ・頑張ったイクオが報われて良かったと思った。 ・ハルコもイクオが好きだったとは気がつかなかった。 ・この二人はお似合いだと思った。 ・ハルコが苦労していたことを、イクオが気づいてくれて、ハルコが報われて良かったと思った。  ――と、お前はそんなコメントが欲しかったはずだ。  あの話には5個も「読んで欲しいもの=コメントが欲しいもの」が含まれているわけ。  「アンパンがアンパンのことだったなんて驚き〜」――なんていう、クソくだらないものとは、違うわけ。  込められているものの量と質とが、あきらかに違うわけだよ。  わかるか? 最近のものがことごとく無視されつづけていて、No.10だけがリライト対象となった理由が? >練習方法とか >>意識してもすぐにはできない。 >>が、そうしよう、と意識することで、すこしづつは良くなるだろう……ならなきゃ困る。  ならねーよ。  意識しただけで直るなら、誰だって作家になってるわい。  直すための具体的方法が必要なの。  つまり、書き出せ。  実際に手を動かして。  次からは、「読んで欲しいもの=コメントを欲しい部分」を考えてから取りかかること。  僕なんかは、一行目を書き出す前にすべて決めちゃって取りかかっているが……。  それはまだ難しいかもしれない。書いている最中で意識化して出してくるのでもいいし、うまくいかないようなら変更しちゃってもかまわない。(その場合は遡って頭から直すか、いっそすべて捨てて書き直すこと)  書き上げてアップするときには、「読んで欲しいもの」は決めておくこと。作品の後ろにオマケとして付ける形で、一緒に提出してこい。  あ、そうそう。  ついでに言うなら、1日に3篇出してきたとする。はじめの1個が「カス」だったら、俺、残りは見てないから。  1日3個出してくるなら、いちばん「出来の良いもの」を上にもってくること。つまり、いちばん「読ませたい」ものってことね。 >「牛乳」の見比べ  2号って、読み取る力が、ホントにないのね。  それで本当に死ぬ気で全力を振り絞ってきた結果なのか?  このへんの精読分析能力は、馬宮や紫が高いのだが……。(いや能力が高いわけではないな。ただ「執念」が違うだけだ。能力的には、皆、同じようなもんだろう)  冒頭の文章。初めて台詞が出てくるまでのところ。  削って短く切り詰めたのは、「わかりやすく、読みやすく」するため?  「ひどく冷たい」という記述と、ハルコの初めての台詞と、出てくる順番を入れ替えたのは、「リズムを良くする」ため?  いいか? 僕がお前の文章を手直ししたすべての箇所には、なぜそうしたのかという明確な理由と狙いとがあるわけだよ。  それはあたりまえのことなの。  なんの狙いもなく、俺は一字たりとも物を書かないの。変えないの。  語句を削る。  漢字を開く、開かない。  読点(、)を打つ、打たない。  文を分割する。  文を後ろに移動させて位置を入れ替える。  改行する。  ――すべてのことに、意味があるわけ。  その「意味」をすべて読み取り、報告してくるのが「精読」って行為なわけ。一字の違いの理由を読み取り、報告するわけ。  そしてどうしても意味のわからない変更に関しては、俺に尋ねてみるもいいだろう。お前が自分で見つけ出せないと思ったら教えるし、もっと考えれば自分で見つけられるはずだと判断したら、尻を叩いてもういちど考えさせるし。  馬宮が紫が、どのようにやっていたのか、もういちど見てこい。  そして同じようにやる気があるのか。やれるのか。やってみるのか。  それともやらないのか。  現状ではまだ能力が不足していて出来ないというのであれば、それは仕方ないことなのだが。またしばらくして力がついてきたから、もう一回くらい、やってやることがあるかもしれんが。  しかしサボっててやらないっていうなら、俺はもう二度とお前にリライトなんてしてやらねーからな。  このリライトと、その精読作業に関しても、お前から取り上げて他の誰かにやらせるぞ? 希望者を募れば、誰かが名乗り出てくるだろう。 >生課題「真剣勝負」  んー。わからん。  そういや俺、剣豪ものとか時代物とか読まんしなぁ。  このままでは読めないってのはわかる。  なにが起きているのかも、まるでわからん。  場所がどこなのか、果たし合うのは何人で、どんなやつとどんなやつなのか。  その場に果たし合いの証人として立ち会う人間は、あと何人いるのか。  果たし合う人間たちのうちの、どれが主人公で視点キャラであって、そいつは勝ったのか負けたのか。  なんかどちらかの両手が落ちているようだが。それ視点キャラの側なのかな。それとも負けたほうの側なのかな。  このシーンは、直せば使い物になるのか。  直してもどうにもならんのか。  そこがよくわからない。  なので2号は、もう一個書いてみること。  こんどは「現代もの」として、真剣勝負を書いてみる。  時代は現代。場所は人気のない地下駐車場とか、深夜の工事現場とか。なんかそんな感じで。  果たし合いの理由は、おまかせ。  高校生くらいの年代の二人。男×男でもいいし。男×女でもいいし、女×女でもいいし。  あと剣法用語禁止ね。  剣法物のファン相手に書くのならば、「正眼」とか書いたって理解できるだろう。「居合い」とか「間合い」とか「立ち会い」とかも、説明不要だろう。それを説明しなきゃならん相手はもぐりだし、無視しちゃってかまわない相手だし。  SFファン相手に「ニュートン力学」とか「相対論」とか「EPR相関」とか「ダイソン球」とか、説明不要で使っていいのと同じね。そんなことを知らないやつはSFファンではないし、無視しちゃってかまわない相手だし。  しかし現代もので書くのであれば、一般的な高校生に理解できない言葉は、説明しないまま使うことはできないはずだ。  ねぇ「正眼」ってなぁに? それ技の名前? どんな技なの? 剣先からソニックウェーブが飛び出すようなやつ? いわゆる「飛び道具系」とかいう技? >鐸碑さん >>1000文字掌編への取り組み、もう少し時間が掛かってもいいのでキチンと作り、内容を検証する方向性でやった方が良いんでは?  あー、だめだめ。  ヤツに怠けさせる口実を与えないでください。  「じゃあ今度は時間をかけて作りますので、3日に1本になります」とか言いだしかねないから。  そうなると絶対的なスイング本数が減っちゃいますので、よくないです。まずバットを振り回させないと。  生まれてこのかた、作ってみた話の本数が20やそこらしかない人間なんですよ。やつは。  1000字日課でやってきた20個ほどと、あと、それ以前自分でこちょこちょ作っていたという短編が数本。たったのそれだけ。  スイングは、スイングです。一瞬で行われるものです。  スイングのプロセスを、ゆっくりと十秒間もかけてやってみて、フォームを確認してみるというやりかたも有効ではあるでしょうが――。しかし、それではボールは打ち返せません。  ビデオがなかった時代ならともかく、現代では「ビデオ」という便利なものがあるわけです。  うまくいった時(ボールに当たったとき)のスイングをビデオで写して、あとでスローモーションで分解してゆく――というやりかたは、いま、No.10の分解でやらせています。  1000字掌編を20〜30本ほど書かせてみたときに、まともなものが1本も出てきてないのなら、他のやりかたを変えるべきで、そのつもりでいましたが。  しかし、何本かは使えそうなものも出てきています。バットにかすっています。  これはつまり、使えないものを出してきたときには、集中してバットを振っていないということです。はじめから当てる気でバットを振っていない。だから当たらない。  そのことが判明したわけです。  その何本かは、偶然、集中できただけなのでしょう。  まず偶然を必然にしないとなりません。  調味料を時間を掛けて計量して、さじ加減を間違えないように入れてゆく経験を積むのは、まだもうすこし先の話です。  このあいだOFFで1000字課題の生執筆をやってきましたが……。  いまその練習が必要なのは、巻島あたり。  みやびは、計らないで調味料を計量できるようになる練習が必要です。(プロがいちいち計るな。そんなことやってるから時間が足りなくなるのだ)  転とオチを用意してなかった残りの連中は、自分がなんの料理を作ろうとしているのかもわかっていない状態。1時間あっても、料理名さえ決められない状態。  まあ、何人かは、書きかけの未完成の課題を持ち帰って完全版を作ってこようとしてましたから、未完成であることには気づいていたのでしょう。完成版を課題部屋に上げてくるかどうかは、わかりませんが。  つまり、まとめると――。  「時間をかけてしっかり作れ」というのは、未完成のものばかり上がるようになってきた段階で言えばいいこと。――となります。  いまはそれ以前の段階なんで、とりあえずたくさんバットを振って、ボールをかすった回数を増やして、どんなふうにバットを振ればボールにかするのか、集中するにはどうすればよいのか。それを探ってゆく段階ですね。  フォームがどうこうっていうのは、ボールにかするようになってからの話です。  安定して飛ばすには、ヒットを出すには――って話だから。 -------------------------------------------------------------------------------- キャラとか No.6982 投稿日 2003年9月3日(水)16時47分 投稿者 新木 伸 >細江さん  ああ、そうだ。  例の牛乳の話で、女の子のキャラがわからなかったという話。  どのようにわからないのか、興味あるので続けませんか? (ひとつ納得させられそうな観点を見つけまして)  ダメ男を捨てきれない依存症タイプというのが、細江さんの中でのもっとも近い解釈になるようですが……。(そしてそれは違うというのは細江さんも気づかれていますが)  僕とみやびさんが、あの女の子キャラに乗れたという話。  あれは女と男という性差を抜きにして、ただ、「人間」って部分だけを見て、納得できたってことなのですね。  あの話、男と男の話にしちゃってもいいわけです。  あるいは女と女の話にもできます。  また、馬鹿をやるのを女の子にして、それをかばうのが男の子でもいいわけです。  なんなら片方を人間でなくして、ロボットやらモンスターやら「喋る剣」とかにしてもいいですし、両方とも人間でなくてもいいですし。  ただ、1000字の掌編でやるのだったら、いちばんわかりやすい構図は、やはり男が馬鹿やって、女の子がフォローする側でしょうね。  ちなみに男女を逆転させた形では――。  僕の星くずのシリーズの中に、「スカーレット」と「ライナス」という、熱血馬鹿女と冷静マイペース男のコンビがありますが、あれがちょうど、そんなキャラ配置です。  片方には無茶をしなくてはならない強迫観念めいた動機があり、片方には無茶ができない秘密の理由があります。おたがいが良い感じて補いあっているデコボココンビ、てな形です。  若い刑事と老刑事のコンビとか、バディ(相棒)ものでは、わりとポピュラーなキャラ配置だと思うのですが。王道というか。基本というか。  男×男のパターン。  馬鹿な少年と、クールな少年とのコンビ。  少年ジャンプの「NARUTO」で、ナルトとサスケというコンビがそんな関係です。  同誌の「HUNTER×HUNTER」でも、ゴンとキルアの関係がそんなところ。  馬鹿女と、冷徹男との関係でなら――。  富士見の「フルメタルパニック」の中に出てくる、女の子と男の子――かなめと宗介との関係がそうですね。「女熱−男冷」の関係。  馬鹿男と、冷静女の関係なら――。  サンデーで連載している「武装練金」の主人公とヒロインの関係がそうです。 --------------------------------------------------------------------------------  馬鹿男と、冷静女の関係なら――。とおまけ No.6983 投稿日 2003年9月3日(水)17時58分 投稿者 鐸碑 >サンデーで連載している「武装練金」の主人公とヒロインの関係がそうです。  掲載誌はジャンプですね。 > いまはそれ以前の段階なんで、とりあえずたくさんバットを振って、ボールをかすった回数を増やして、どんなふうにバットを振ればボールにかするのか、集中するにはどうすればよいのか。それを探ってゆく段階ですね。  バッティングで言うと、『ボールをよく見て振れ』っていう所って事ですね。打ちそこないでもいいから、ボールとバットが当たるようになれと。 -------------------------------------------------------------------------------- バットを振り回すということ No.6984 投稿日 2003年9月3日(水)20時00分 投稿者 新木 伸  ありゃ。「武装練金」はジャンプでしたっけ。  んじゃ、サンデーだったら、「金色のガッシュの」ガッシュと清麿の関係とか。  ただ連載当初はクールガイだったけど、最近はガッシュ化が進んで、だいぶ熱いやつになってしまいましたが。 >>バッティングで言うと、『ボールをよく見て振れ』っていう所って事ですね。打ちそこないでもいいから、ボールとバットが当たるようになれと。  「ボールをよく見て振れ」っていうか――。  野球というのは、バットでボールを叩いて飛ばす競技だってことに、まず気づかせないとならないっぽいです。  バットを思い切り振り回すことが、小説を書くことだと錯覚しちゃってるアマチュアは、全体の98%ぐらいを占めますから。  バットを振り回すというのは楽しいことであるわけで。腕に乳酸が溜まったぶんだけ、なんかスポーツをした気分になる。  そこになにか別な目的があるとは考えない。 -------------------------------------------------------------------------------- 掌編。 No.6985 投稿日 2003年9月3日(水)23時56分 投稿者 魚住 雅則 特に反論することはないです。 誤解があるのですが、それを解くのもまた行動であります。 >おいしいもの >それはおいしいものなのだから、他の人にも食べさせなくてはならないのだ。 ○「キリン(麒麟)は架空の生き物で、ビールメーカーのシンボルにすぎない」と思い込んでいたが、「8月を生きているキリン」という意外な側面(違う見方)があることに魅せられる。新しい驚き。 ○深く考えたことのなかったキリンという生き物の生活 → アルミ缶のデザインから「草原の上で気持ちよさそうにしているキリン」という想像が浮かび、ぐっと身近に親近感を覚えた。 (リアルな絵や草原の写真ではなく、シンプルで分かりやすいデザインがあったから自然と想像力が働いた) この二点が僕が心を動かされた「おいしいもの」の成分です。 とてもおいしかったので、他の人にも可能な限りおいしく食べてもらいたいと思いました。 しかし初期状態として、「彼女と喧嘩して落ち込んでいる主人公」を選択したのは間違いでした。 これでは「8月のキリンとの出会いがあって、ちょっとだけ元気になれた」ということしか伝えられません。 主人公が変化する流れは「落ち込み状態→ 何かキッカケ →回復」。 キッカケにあたるのは「8月のキリンと出会う」で、これはもう決定済み。 では「落ち込み状態」と「回復」をどうするか。 ここから話が一旦逸れます。 「大学のアイドルに崇拝に近い感情を抱いていた主人公。(自分が作ったアイドルに瓜二つのアンドロイドがキッカケで)友人となり、さらに恋人となって接するうちに、彼女が自分の妄想上の女神ではなく生身の人間であったことを知る。そして崇拝は恋愛感情に変化していく」 以前ヤングジャンプで連載されていた「ぼくのマリー」という漫画に、こんな筋がありました。 今回の「キリン」は、別に神獣として崇拝していたわけではありませんが、基本的には同じものだと考えます。 骨化すると以下のように。 1・「意外な一面、今までと違う見方」を発見する。 2・それにより、別世界のものだと考えていた存在が身近に感じられるようになる。 上記の二つを満たすためのエピソードが基本にあり、意識が変化するキッカケとして「8月のキリン」に出会う。 この方向で掌編を作り直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 新木さんへ No.6986 投稿日 2003年9月4日(木)00時01分 投稿者 細江ひろみ 馬鹿はいいんです。馬鹿は。 馬鹿に惚れるのもいいんです。 イクオがハルコの苦労に気づいて、それをセリフにしたといっても、あんだけはっきり言葉にしたんじゃ、ハルコは赤ん坊の口の前に離乳食を乗せたスプーンを差し出したようなものです。 いくらイクオがそれを食べ物だと理解して飲み込んで、まんままんまと喜べば、ハルコはわーい嬉しいな! てなものですけど、あそこまで言われて理解してねぎらったからとご褒美もらってたら、ますますイクオが情けなくなるばかりです。 それにミルクゲロまみれで自分の始末もできずに横たわる小柄なイクオと、それを世話する大柄のハルコ。赤ん坊と、世話する母そのものです。 ハルコのセリフは、察して欲しいなんてものじゃりません。 女として読んだら、「私だって苦労しているのよ」と、ドきっぱり言ってます。 「苦労しているのは、あなた一人じゃないのよ」と、慰めてすらいるのです。 「私も苦労していること、察してちょうだい」ではないのです。 けれどつまり、ハルコは匂わせ、イクオは気づき、言葉にした。それが重要であるならば、問題はそこです。差異はそこにあるのです。 私にはドきっぱり言っているように見える。匂わせたなんてものじゃない。 あんなことを、あの場面で言うハルコってなに? ということです。 馬鹿男と冷静女じゃないのです。 書きたかったのは、それだとは分かりますけど。 -------------------------------------------------------------------------------- 残暑厳しく No.6987 投稿日 2003年9月4日(木)01時05分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、弟切の家の付近では、夜中までセミがじいじいと鳴き続けていました。八月中に消え入りそうな声で鳴いていたのが嘘みたいです。九月に入ってからのほうがセミが元気だなんて、異常気象もほどほどにして欲しいですね。 >>1000字課題  リライトしたものを、課題部屋に上げておきました。 >>女性が好む物語要素  この分析が一とおり終わりましたので、まとめます。  女性が好む物語要素には、「どろどろした人間関係」から生まれるものが多いです。それらは以下のようなものです。 >>嫉妬・意地の張り合い・媚びへつらい・二枚舌・不倫・いびり・憎しみ  上記の要素を生む「どろどろした人間関係」とは何でしょう?  これまでにわかった「どろどろした人間関係」の特徴を、以下に列挙します。 1.長期間に渡って続く関係である。 2.密接な関係である。 3.負の感情が中心となった関係である。(自分さえ良ければよく、相手を思いやる気持ちに欠ける) 4.多くの場合、相手に本心を明かさない関係である。  1と2は、すぐに納得していただけるでしょう。今後二度と会わないとわかっている人や、離れていてたまにしか会わない人に対しては、普通の人は、嫉妬したり意地を張ったり媚びへつらったり二枚舌を使ったりはしないものです。  言い換えれば、上記の要素は希薄な人間関係のもとには生まれません。人間が必要としていて、最も人間らしいとも言える(注1)「長く続く密接な関係」のもとに生まれます。 注1:  人間は、成熟するのにうーんと長い時間が必要ですから、未熟な人間を養うための「家族」という「長く続く密接な関係」を維持するようにできています。  「長く続く密接な人間関係」そのものは、人間にとっては好ましいものです。そこに上記の3と4が加わると、好ましくない「どろどろした人間関係」に変わります。  自分さえ良ければよく、相手を思いやる気持ちに欠ける−上記の3に当たります−人は、誰でも付き合っていて嫌になるでしょう。そんな人とは付き合いを避けるはずです。  けれども、そんな人と「長く続く密接な関係」にあるとしたら、避けたくても避けられませんね。ストレスが溜まっても付き合い続けなければなりません。  ストレスがある程度以上溜まると、人間は何とかしてそのストレスを発散しようとします。ストレスを受けた側の人が、相手を思いやる余裕もなくしてしまえば、いびりだの憎しみだのが生まれるわけですね。  4については、「長く続く密接な人間関係」があるのに、本心を明かさないのは不自然ですよね。  いつもいつも本心丸出しでは不都合が多いでしょう。しかし、例えば家族のような「長く続く密接な関係」においてさえ、本心を明かすことが全くなかったとしたら、そのことでまたストレスが溜まりそうです。  弱点も恥ずかしいところもある程度さらけ出せるからこそ、人間同士は親密になれます。お互いそういうところを見せ合える関係は気持ちの良いものであって、「どろどろした人間関係」にはなり得ませんね。  この項はもう少し続けます。この先は次回以降に。 -------------------------------------------------------------------------------- おつかれさまでした No.6988 投稿日 2003年9月4日(木)02時52分 投稿者 紫ゆきや  オフ会、おつかれさまでした。  とても勉強になりました。ありがとうございました。  気合い入りました。  あらすじについて、オフ会で指摘していただいた所を含め、いろいろ修正しています。  オフ会での1000字掌編、自分のぶんをUPしておきました。削り後のバージョンを作ってくださったのは巻島さんです。  自分でも、基本的な流れを変えないようにして、リライトしてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠くてしかたがない No.6989 投稿日 2003年9月4日(木)12時05分 投稿者 名無し君2号  なんかいくらでも眠れる。  起きて、ご飯食べて、睡魔が襲う。眠る。  起きて、ご飯食べて、睡魔が襲う。眠る。  一日、何時間眠れば気がすむのやら。  午前4時に目が覚めるし。 >鐸碑さん >居合い抜き  奥州最上家(いまの山形県あたり)の、林崎なんとか、という人が創始者だったと記憶してます。  時代は永禄年間の末期……だから1570年くらいか。  そこから他の流派に広まっていって……最初は抜刀術、文字どおり刀を抜く術、だったけれど、広まるにつれ、「立ち合い」に対する「居合い」、つまりその場に居ながら(座りながら、歩きながらでも)にして、相手と合いする(戦える)から、その字が当たられた……はず。  徳川家光の時代は1623年から1651年だから、江戸の剣術界に広まっていても、おかしくはないかなあ……と思う。 >正眼  剣道における中段の構えのこと。  刀の先を、相手の眼に正対させるような構えから、こう名付けられた。 >三〇〇石  かなり多いです。貧乏御家人で一〇石ほど――じゃ説明になってないな。一〇石だとかなり貧乏なのだ、と覚えてもらえればいいです。  その藩の収入がいくらなのか、にもよりますが、小藩だと家老(重役クラス)で五〇〇石ほど。それから考えれば、新人に三〇〇石は破格です。  ちなみに一石=一〇〇〇合。一〇〇〇合はだいたい成人男子が一年間食っていけるだけの米の量です。 >三〇両  現代の金額に換算すると、一両=約7万円。つまり210万円。尋常な額ではありません。  ただ、人を一人殺すとなれば、安いか多いか。  必殺仕事人なんかは、一人あたま一両で殺してましたが。  大工の年収がおよそ二七両ほど。三〇両あれば、中流の家庭で一年は生活できた、というところです。  一石は、米の相場にもよりますが、平均して一石=一両=7万円。  三〇〇石は2,100万円。これだけ見ればえらい額ですが、収入が増えれば屋敷も大きくなり、その分、使用人も増えるので、まるまる使えるわけではありません。 >二尺、八,九寸(約八五〜八八センチ)。  刀の長さとしては、かなり長いです。江戸時代に刀の長さは二尺三寸(約70センチ)に決められたらしい――あいまいな記憶ですが――ので、そのあたりが平均でしょう。  ちなみに佐々木小次郎の刀で三尺(九〇センチ)です。  抜刀術には、当然不向き。ちなみに現在、居合い抜きをやられている方が使う刀も、だいたい70センチほどが多い模様。  と、ぐだぐだと説明させてもらいましたが、これだけ説明できるのなら、小説内でそう書くべきです。すみません。  わからない語句は、使うべきではないです。もしくはわかるように使うか。 >>なんというか、読んで思うのはタイトルに偽りありですか。これは『剣の闘い』じゃなくて『剣の恐怖』じゃないかと。肉料理を食べに行ったのに、焼きソバを食べさせられたような気分。確かに肉も入っているけど、肉が主役じゃないって感じ。  まずいもの食わせてしまった。  あと何回チャンスがあるかはわからないけど、今度は注文どおりのものを作ります。 >短編について  今回は主人公の性格および、女の子の性格について。  まず女の子のほうが好意を持っている、というのは確定。  男はそれに気づいていない、も確定。  二人の初期関係は、付き合っていない。  途中で女の子の好意に男は気づく。  男はエロスに目覚める。  最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  ここで重要なのは、「直接系」「間接系」「偶然系」、女の子の好意は、どんな見せかたこそが、この話にふさわしいのか。  この話は……。  最後にキスできる状況になって、それでもあえてキスしないことで、相手が好きだと気づく話。  どうしても「寸止め」しなくてはならない。  そうなった場合に、女の子が好意をあからさまに見せていた場合。 「ようやく女の子の思いが届くなあ」  寸止め。 「どうしていかないんだよ主人公。汚したくない? バカ言うでねえよ」  ……それが読者の感想ではなかろうか。プラス印象からマイナスへ。  だからあんまり露骨なキャラだと、「キスしなかった=大切に思っていた」とは繋がりにくいのではないか。  押せ押せじゃないキャラで……。 「相手の好意につけこんで、むりやりキスするのかこの主人公」  寸止め。 「よく我慢した主人公。汚したくない? わかってんじゃねえか」  そう思わせたほうがいいだろうなあ。マイナスからプラス。  うーん?  この話は、女の子の思いが通じてよかったね、という話でもあるんだろうけど。  それがメインではないんだよな。それがメインでいいなら、最後は別にキスシーンで終わってもいいんだし。  ああ。そうか。普通はキス→相手の気持ちを受け入れた、と見るか。  だけどこの話は、キスしない→相手を大切に思う→相手を好き→相手の気持ちを受け入れる、という流れなわけで。  あえて「寸止め」することで「性欲よりも純愛」を伝えたいわけだ。  だったら、押せ押せの女の子じゃないほうがいいんじゃないかなあ……。  「直接系好意」にしても、あまり強くない……さりげないほうがいい。  さりげないっていうか……かわいい感、健気感なんかを女の子が出したほうがいい……はず。  次回、ラストシーンでもっとも効果がある性格はなんだろう、を考察してみる。 >1000字課題について  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=589&e=res&lp=550&st=0 >リライト考察  やりなおし版。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。その少年に、ひどく冷たい少女の声がふりかかる。 「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうって、ベッドのそばの椅子に腰かけるハルコの視線から、顔をそらした。馬鹿なのは、イクオだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、 イクオにだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冒頭「昼下がりの保健室」で改行してるのは、まず物語の舞台を印象づけるのが一点。  あとは段落として考えた場合……  私版は、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。その少年に…… −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「場所の説明」「登場人物の説明」となっている。  新木さん版は、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「場所の説明」  「登場人物の説明」  となっている。情報を区切ることで、読者にわかりやすくしている。  次。 「少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。」  と 「うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた」  の違い。  情報の流れ。  「少年は」→「うつろな目でベッドに沈んでいた」  「うつろな目をして」→「少年がベッドに沈みこんでいた」  「うつろな目」と「ベッドに沈む」は、そのときの少年の感情をあらわす言葉だ。  だから、 「少年」「感情説明」  を、 「感情説明」「少年」「感情説明」  にして、少年の感情を強調しているのではないだろうか。  「沈んでいた」が「沈みこんでいた」なのは、落ち込み加減をさらに増しているのだろう。  少女のセリフの位置。  新木さん版は、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「場面」「少年の描写」ときて、すぐに少女のセリフが入る。 「少年は落ちこんでいるらしい」→「辛辣な少女のセリフ」  これはテンポのよさを目的にして、だと思うのだけれど。  私の場合。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。その少年に、ひどく冷たい少女の声がふりかかる。 「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「場面」「少年の描写」さらに「少女の描写」ときて、少女のセリフが入る。  新木さん版と比べれば、間延びした印象。  冒頭、読者をつかむことを目的とすれば、甘い。  さらに、テンポがいいことで、少女の辛辣さもあらわせる。  「落ちこんでいる少年」スパーン! のほうが、「落ちこんでいる少年」「少女の描写」スパーン! よりも、より辛辣に感じるはずだ。 「そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる」(新木さん版)  と 「その少年に、ひどく冷たい少女の声がふりかかる」(私版)  の比較。  単純に目につくのは、「降りかかる」「ふりかかる」、漢字の開きぐあい。  「降る」  「声がふりかかる」というのは、一応「雨がふりかかる」にかけた描写の一種で……自分がやったことを説明すると恥ずかしいのだが。  これを書くことで、少女がベッドの近く、ふりかけられるほど近くにいることをあらわしたのと、少年のみじめさ加減、少女の冷徹さ加減が伝わればいいな……という感じだった。無意識ではあったが、少女のほうが少年より立場が上である、というのも書いてた模様。  「雨がふりかかる」にかかっているのだから、「ふりかかる」より「降りかかる」のほうが、読者に伝わりやすい。  さらに新木さん版の場合、「少女の声が、ひどく冷たく降りかかる」とつなげることで、少女の「声」が「ひどく冷たい」と説明。  私の場合「ひどく冷たい少女の声がふりかかる」で、少女「自身」が「ひどく冷たい」と説明してしまった。その意図はなくても、読者はそう読む。  これが女の子の「かわいさ2割増量」にもかかっているのだろう。  次。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうって、ベッドのそばの椅子に腰かけるハルコの視線から、顔をそらした。馬鹿なのは、イクオだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、 イクオにだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  最初に目につくのは、文章を短く区切っているところ。  「イクオは寝返りをうって……」と「イクオは寝返りをうった。」の違い。一文の長さは、なるべく短いほうがいいだろう。長い文は、長い文である理由がある場合に限るべきだ。  さらに削りが入っている。  「ベッドのそばの椅子に腰かけるハルコ」がすっぱり無くなっている。  これは先の「声が降りかかる」と、この場面でのイクオの動き、寝返りをうって視線から逃れうる場所、というので説明できているからだろう。  直接、書かなくても、読者の頭のなかには「イクオのそばに座っているハルコ」がいるのだ。  なぜか。  ハルコは「声が降りかかる」場所にいて、イクオが寝返りをうって視線から逃れる、ということは、ハルコは近くにいることをしめしている。    ああ……そうか。「声が降りかかる」を活かすために、地の文の位置を、近くに持ってきたのか。  さらに、ハルコは「辛辣なセリフ」を言っている。もしも保険医がいるのなら、このセリフは出てこないはずだ。もしも他にも生徒がだれかいるのなら、とっくにその描写をしてなきゃおかしい。つまりは二人きり。そんな状況で、ある程度親しいのなら、普通は椅子に腰かけているだろう。  文章の比較。  新木さん版は、イクオは「逃げるように」顔をそらしている。ハルコに対して引け目があるのか、うっとうしく思っているのか……まあ、どちらもだろう。感情描写の増強。  最後……。 「馬鹿なのは、イクオだってよくわかっていた。」(私版) 「馬鹿なのは、イクオにだってよくわかっていた。」(新木さん版)  「に」である。  ……。  うー。わかんねえ。何かあるのはわかるけど、わかんねえ。  「に」がつくほうが、イクオの馬鹿さ加減が増すような気はする……けど、わからない。  次回に続く。 >生課題「剣の闘い」について >>なので2号は、もう一個書いてみること。 >>こんどは「現代もの」として、真剣勝負を書いてみる。 >>時代は現代。場所は人気のない地下駐車場とか、深夜の工事現場とか。なんかそんな感じで。 >>果たし合いの理由は、おまかせ。 >>高校生くらいの年代の二人。男×男でもいいし。男×女でもいいし、女×女でもいいし。 >>あと剣法用語禁止ね。  了解。  6時間かかった。頭が白い。そして空は高い。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6990 投稿日 2003年9月4日(木)17時49分 投稿者 新木 伸 >細江さん >>それにミルクゲロまみれで自分の始末もできずに横たわる小柄なイクオと、それを世話する大柄のハルコ。赤ん坊と、世話する母そのものです。  ああ、ここに固定観念があるのですね。  ハルコがゲロまみれのイクオの世話をしたということ。  細江さんはすでに「事実」であると決めてしまっているようですが、No.10を読んだ限りでは、そう決めてしまうのは不自然です。  まず、ハルコの第一声が、世話をし終わったあとの人間の台詞ではないです。  世話をしていたのなら、タオルで拭いてやって、ゲロまみれの服を脱がせてやって、服とタオルとを水に浸してくるぐらいのことはやっているはずです。わりと重労働。  精神的にも肉体的にも、かなり疲れているはず。  ハルコは息切れしているかもしれません。そうでなくても、うんざりした調子が声にこもっていなくてはなりません。 >>「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」  しかしハルコのこの台詞は、いかにも軽い。  よってこの台詞を口にした人間は、後始末には関わっておらず、ただ単に見舞いに来ただけと考えるべきでしょう。  中学校では給食は先生と一緒に食べます。そこで牛乳を吹いたのであれば、世話は先生がしたはずです。そして保健室に連れていった。  ハルコはあとから保健室に見舞いに行った。保健室に行ったのは、クラスのなかでは、ハルコ一人だけだった。――そんなところが真相ではないかと。  もし先生を差し置いてハルコが世話をしたとなると、それは相当なことです。学校中で公認で話題騒然の「母子カップル」とか、そんな構図になってしまいます。  ただ2号の場合、そこまで考えたわけではないでしょうね。  「ゲロを吐いたら誰かが始末しなければならない」という点にまで考えがおよばず、結果的に、始末をしたのは「ハルコではない誰か」になっているようです。  しかし結果としては変わらないので、ハルコは見舞いに来ただけ――と読み取ってもかまわないでしょう。  ――で、ハルコはゲロの始末はしていなかった。  その仮定で考えてゆくと、ハルコの「苦労」は細江さんの思っていたものより、かなり目減りしますよね。  ハルコの「苦労」を数え上げてみます。  クラスのうちでただひとり、見舞いをしてやりました。  落ちこんでいる様子を心配して見に来てやった。心配してやり、なおかつ、具体的行動も取ってやった。ただし、素直に心配する言葉を口にしたのではなく、憎まれ口のような口調になってしまった。  それがハルコの支払った実質的な「苦労」。かなり「ちょっぴり」です。足を運んでやって、口で言う程度。  ハルコの支払った「山ほどの苦労」を、イクオがようやく気づいた話では、イクオはたしかに「赤ん坊」です。  しかし「ちょっぴりの苦労」をイクオが鋭敏に察した話であれば、イクオは見所のある少年ってことになりませんか?  ――で。  この話が、ゲロまみれのイクオを世話してやったハルコ――という展開であるなら、イクオはひどいガキであり、ハルコから向けられる「好意」を知るというのは、ヤツには過ぎたご褒美です。  僕もそう思います。同感。  てか、そこまでしちゃうハルコがわかりません。もし僕がそういう話を作るなら、ハルコにはなにか過去にトラウマでも持っていないとならないでしょう。たとえば病気の弟を見捨ててしまった過去とかを持たせて、イクオにかまうのは贖罪的意味合いを持たせるとか。(うわぁ、重い話)  てか、その話って、すでに「好意」とか「好き」とか、そんなのとも違いますね。 >OFFでの1000字課題、参加者各位  いま2号に出しているような、「もらいたかったコメント」を書き出してくること。  作品があまりにも未完成すぎるもんで、それがないと、そもそも、なにをやりたかったのかさえ見当がつかん。  どんなところを読んでもらいたかったのか。  どんなふうに感銘を受けてもらいたかったのか。  最低でも、なにか1個くらいはあるはずだ。  5個あるなら5個出してくればいいし。10個あるなら10個出していいし。20個あるなら20個出してきてかまわない。  ちなみに5個くらいは入れてきて、そのすべてを成功させて、「ここがいい。ここ好き〜」と読者をうなずかせないと、金を取れるものにならんのだよ。  俺、いくつ入れたっけかな?  細かいのも含めれば、10個は越えているはずだ。各段落になにか1個は必ず入れてあるし、実際に文章を書いてない「行間」の部分にも、3つや4つは入れてある。 >1000字掌編と歌詞の関係  1000字の掌編というのは、歌謡曲の歌詞に似ている。  ストーリー性を持った歌詞とかね。  俺的には、さだまさしとか、中島みゆきあたりがお勧め。フォークソング系は、歌詞にメッセージがこもっているよね。  「悪女」とか、いいよね〜。  いつかあれをネタに小説を書いてやろうと思っているのだが。  無論、掌編であったら、いますぐに33分あれば書ける。  だがそれではなにも意味がない。そんな密度で書いてしまったら、読み取れる人はまずいない。だいたい1000字の掌編にカネを払ってくれるような人もいない。  俺は自分の書いた小説は、(最低でも)数万人以上に読ませて、そのうちの90パーセント以上の人が「わかった」と言わないと、満足できんのだ。  よって、「悪女」に込められたストーリーでもって、長編、もしくは、シリーズを一本書く。  まあそのうちね。  浮気した男。その浮気を知りながら、男を別の女のもとに追いやるために「悪女」を演じる女性。――それを人類と奉仕ロボットの関係にでもあてはめた、SF系の話かなぁ。しかしSFって需要ないんだよなぁ。 >2号  剣術用語の件。  このバカちんが。  相手の質問意図を汲み取って答えろっての。  だから、「居合い」っていうのはどういうものなのかって、そう聞いているんだよ。  お前のやっているのがどれほど見当違いの答えなのかというと――。  「ジャーマンスープレックスってどういう技?」と聞いたプロレス初心者に、「カールゴッチが編み出した技です」と答えちゃうのと同じだよ。  相手はプロレス初心者なんだから、カールゴッチなんて知っているはずがないのだ。プロレス界では「神様」であっても、一般世界では無名の人なのだ。  そんな「あたりまえ」のことにも気がつかず、「カールゴッチ」と出せば「ああ」とうなずいてくれると思いこんじゃっているわけ。オマエはアホなことに。  プロレスに詳しい人を相手に説明するのではなくて――。  プロレスなんてまったく知らない人に説明しろと言っているわけ。  それが蹴り技なのか、関節技なのか、それともパンチの名称のことなのか。――そんなことさえ、シロウトにはわからないんだよ。  同様に、剣法のシロウトには、「居合い」といわれてもわからんわけ。「正眼」っていわれてもわからんわけ。  見当もつかんわけ。  ――で、「正眼」っていうのは、結局、なんなんだよ?  ビームは出るのか出ないのか?  中段攻撃っていうと、胴体あたりに攻撃をかける技なのか?  「300石」のほうも、説明にもなってねぇ。  まず「石」がなにかの「単位」であることを説明して、相手にわからせろ。  そうしたら、当時の日本では「金」というものが実質的に使われていなかったということを説明しろ。これは相当にややこしいぞ。  現代人の感覚では「金」が経済の基本となっているわけだ。すべては「金」で買えるし、給料というのは「金」でもらうものだし。  しかし当時の日本では、「米」が経済の基本だったのだ。ヘンテコな状態だったのだ。そのことを理解させて、納得してもらわなくてはならない。  そこまでが成功すれば、あとはたやすい。  武士に与えられる給与として、「1年間にもらえる米の量」が単位として使われていたのだと説明できる。  300石というのが、どのくらいの米の量に相当するのかを語るのは、最後の最後だ。  またその量は、平均的な給与として多いのか少ないのか、なんてことも最後の最後だ。  おまえはその途中経過をすべてすっ飛ばして、「300石というのは破格」と、いきなりやっちゃっているわけ。  それでなにをどう理解しろというのだ?  ――で、上記の道筋で書き直してこい。  まず説明文として普通に書けるようにならないといかん。  次に小説内で、いかに簡潔に説明するか。  小説の中で説明しきれるのが必要な「実戦レベル」なのだとしたら、おまえは2段階も3段階も低いところにいる。  まず平文で説明することさえできないわけだし。なにが説明を要する事柄なのか、切りわけて考えることもできないわけだし。  カールゴッチって、何者なのか、なにがすごくて神様と呼ばれているのか。説明する必要があると思う? ないと思う? >>まずいもの食わせてしまった。 >>あと何回チャンスがあるかはわからないけど、今度は注文どおりのものを作ります。  これが練習で良かったね。  プロの現場じゃ、2回目なんてないのよ。「今度は」なんて、言わせてもらえないのよ。オマエよりマシなものを作る料理人なんて、山ほどいるわけだし、みんな順番待ちしているわけだし。1回まずいものを作ってしまったオマエはもう失格で、チャンスなんて二度と回ってこないわけ。  1回まずいもの出したなら、もうそのお客さんは、二度と、その店で食うことはないわけ。あり得ないのね。  オマエ、行くのかよ?  まずいラーメンを出してきた店に、もういちど行ったことってあるかい?  「つまんねー」と思った本は、作者名を覚えておいて、二度と買わないだろ? >短編 ・女の子のほうが好意を持っている。 ・男はそれに気づいていない。 ・二人の初期関係は、付き合っていない。  ……このへん、「初期状態」だな。話には出てこない部分。事前に決まっているところ。 ・途中で女の子の好意に男は気づく。 ・男はエロスに目覚める。 ・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  この3つは「展開」だな。  起承転結のうちの、どこかに入るべき展開だ。  ただ起承転結のうち、1個分が足りない。  また並び順も決まっていない。  「結」に相当する部分だけは、位置が決まっている。  ただ残り1個のエピソードが未定なだけなら、ストーリーパターンは6つに絞れる。  並べてやったから、このうちのどれがいいのか、自分で決めてこい。 ・パターン1 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・男はエロスに目覚める。 (転)(なにか) (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 ・パターン2 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・女の子の好意に気づく。 (転)(なにか) (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 ・パターン3 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)(なにか) (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 ・パターン4 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)(なにか) (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 ・パターン5 (起)(なにか) (承)・女の子の好意に気づく。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 ・パターン6 (起)(なにか) (承)・男はエロスに目覚める。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。 >エロスの度合い  ――で、どこまではヤッちゃって、どこから先は「ストップ」するのか。  ここの調味料のさじ加減としては、大きく、以下のような分解能がある。  昔なら、AだのBだのCだのといった言葉があったもんだけど。  いまの子は知らんだろうなぁ。さて「A」はなんで、「B」はなんで、「C」とはなんのことでしょう。あと「D」ってなぁに? レベル0・ラストにて、キスもしないで止まる。 レベル1・ラストにて、キスをする。だがその先には行かずに止まる。 レベル2・ラスト前にキス済み。ラストでキスの先に行かずに止まる。 レベル3・ラスト前にキス済み。キスの先に進むが、胸だけで止まる。 レベル4・ラスト前にキス済み。胸に触り済み。だがパンツに手は突っ込まずに止まる。 レベル5・ラスト前にキス済み。胸に触り済み。パンツに手は突っ込むが、指は入れずに止まる。 レベル6・ラスト前にキス済み。胸に触り済み。指まで入れるが、アレは入れないで止まる。 レベル7・ラスト前に色々済み。アレは入れるが、ひどいことはしない。 レベル8・ラスト前に色々すみ。経験も済み。ラストで調教。  この大まかな区分けのほかに、ラストシーンに至る前で、どこまで経験済みかということで、若干のバリエーションの変化はあるだろう。 >対象読者の設定とか  適切な「さじ加減」を計るには、対象読者層を考える必要がある。  ちなみにこの短編の対象読者は、なに?  たとえば、カレーに味付けをするとして。  幼児向けなら甘口にするわけだよ。他の選択肢はない。ただし大人なら普通は「中辛」だし、辛口が好きな人なら辛口にしなきゃならんし。  同様にどの程度の「エロス」を入れるのが適量となるのかも、対象読者層の設定次第で、ぜんぜん変わってくる。  ギャルゲーやエロゲーをやりこんでいる層に向けて書くのなら、すくなくとも、6より上でないとならないだろう。彼らにとってそれは「過激」ではなくて「あたりまえ」だからだ。  また「小学6年〜中学1年」あたりの初々しい年齢層に向けて書く短編であるなら、0〜2ぐらいが適切だろう。それ以上描いてしまうと、「グロい」と思われて敬遠されてしまう危険がある。  「中学3年〜高校3年」くらいに向けて書くのなら、3〜5くらいが標準だろうね。  ただしその年齢層でも、「エロ大好き」な子に向けて書くのであったら、こんどは4〜6くらいになるだろう。 >女の子の性格  女の子の性格も考えておかなきゃならない。  対象読者層の望む「エロ量」にも関わってくるのだけど、女の子がどこまで望んでいたのかってことでも、どこからが「止めた」と見なされるかが関わってくるし。  キスは望んでいたのか。もっと「すごいこと」まで望んでいたのか。  「すごいこと」は自分では望んでいないけど、でも男の子がしたいならそれは彼女の望みともなるような性格の子であったのか。  いろいろ、ある。 >話のテーマ  話のテーマについて、一考せよ。  男の子が行為を止めるということは、つまり突き詰めれば「自己満足」のためなのか。どうなのか。  相手が望んでいるのにそれをしないということは、「相手を大事に思っている自分」に酔いたいがためってことになるわな。  この話はそれがテーマとなっていいのか?  それとも、「自分はしたいが、相手が望んでいないなら我慢する」というところを美徳とする話であるのか?  そうなのだとすると、女の子の性格は、どのように設定するのがいいのだろうか。  いちばん、そのテーマを浮き彫りにできる性格とは、なにか?  「牛乳」の話で、いろいろと考え足りなかったせいで、関係各所に迷惑をかけまくったわけだな。2号は。  こんどはその教訓を踏まえて、きちんと、考えるべきところを考えておけよ。  無駄にしないのであれば、迷惑なんぞ、いくらかけたっていいんだ。  迷惑をかけずに一人前になれたやつなんて、どこにもいないんだから。自分が一人前になることで、まわりに与えた迷惑はすべて帳消しになる。  ただし、成長に繋げないで迷惑だけをかけまくっているのは、それはいかん。 >No.23  ラストの女の子の台詞、意味不明。  「いいかげんに、ちゃんと寝ろ」ということが、つまり、なにをいっていることなのか。  無論、やりたいことはわかる。  だが俺の中の仮想読者20人のうち、17人ぐらいが「わけわかめ」と言っている。  わかった3人と、わからない17人。――この割合を逆転させろ。わからないのが3人くらい出ていてもいい。  ベタにやりすぎるとつまんない。  20人のうち、3人くらいが「わからん」というくらいのさじ加減が、この話はいちばん面白くなるはず。  「ああこの女の子、主人公のことが好きなんだー!」と、読者に自分で気づかせてなんぼの話だから。  俺はどうも、この手の話の受容体を持っているようで、この手の話には反応しやすいもよう。つまり評価が高くなりやすい。  だからといって、この手の話ばかり書いてきやがったら、ケツを蹴り飛ばす。  練習なのだから、自分の出せるものをまんべんなくぶつけてくるように。そして俺が興味を持たない系統の話でも、俺に「おもしろい」と言わせてみろ。 >No.24  途中までは楽しく読めたが、落ちてねーじゃん。  これってさ。 >精読分析  やれば、できるじゃないか。  なぜそれを最初にやってこないのだ?  こうして、やればきちんと分析できるのに、なにかの理由でサボっていてやらないでいて、せっかくのリライトを無駄にするようなやつに、「二度とリライトしてやらん」と言い渡すのは当然のことだよな?  今回は、現状の能力において、可能な限りの努力をみせたので――。  特別に、おまえが読み落とした部分について、補足説明をしてやる。 >>少女のセリフの位置  「テンポの良さ」ということは、つまり、どんなことなのか――と、「テンポの良さ」の正体を考えて、突き詰めていかないといかんだろ。  「ひどく冷たく降りかかる」という描写と、台詞の位置とを入れ替えた理由は、ふたつある。  まずなんでもいいので、一行でも早く、台詞を出しておきたかったという点がひとつ。  この掌編は、会話主体の小説なわけだな?  なら可能な限り、早い段階で会話を出すべきだ。この掌編のリズムというのは、会話文が作り上げている。  はじめの「一拍」が鳴り出すまでは、曲は始まらない。  だから、まずまっ先に、会話を出す。  1行目でいきなり会話を出してもよかったんだけど、この掌編の場合には、それでは状況が掴めなくなってしまう。  昼過ぎの放課後。落ちこんで保健室のベッドにいる男の子。  ――この二つの情報がないと、ハルコの冷たい台詞が生きてこない。  よって3行目になってしまうのは、いたしかたない。  もうひとつ。  「ひどく冷たい台詞」というものを実際に見せる前に、「ひどく冷たい」なんて書いたところで、それは説明にしかなっていないのだな。  実際に台詞を見せたあとで、「ひどく冷たい」と書けば、その印象は読者の脳裏にきちんと定着する。  しかし台詞を見せられる前に書いたって、読者の頭からはすっぽ抜けてしまうのだ。  つまり、お前の出してきた元バージョンでは、およそ3分の2くらいの割合の読者が、ハルコの声を「ひどく冷たい」とは思っていない。そのように認識していない。  おそらく、その3分の2の読者の脳裏には、「からむような口調のハルコの声」が聞こえているはずだ。けっこう熱い系の声質だな。  つまり綾波声か、アスカ声かという違いだ。  林原めぐみか、みやむーかの違いだ。  同じ「本当にバカ」という台詞でも、読者の脳裏に浮かばせる声色がぜんぜん違う。  このように――。ただ行の順番を逆にするだけで、ハルコの声質のイメージ付けが、大失敗か、成功か、変わってしまうわけよ。 >>これが女の子の「かわいさ2割増量」にもかかっているのだろう。  そうそう。  「声が冷たい」のと、「女の子が冷たい」のとでは、大違いなわけよ。  声が冷たいだけなら、女の子自体は可愛げのある可能性が残る。  だが女の子が冷たいのであれば、もう望みなんてない。  たとえば、アフレコの録音スタジオで、声優さんに注文を出すときを考える。  「その女の子ですが、男の子のことを軽蔑しきっている感じで」と言うのと。  「その女の子、声だけ冷たくしてください。男の子のことはじつは好きなんですよ」と言うのと。  あきらかに違った「声」が出てくるわけだ。  しかし2号は、後者でなければならないところを、前者の注文を出してしまっている。  それは間違い。  ちなみにまったくの余談だが――。  声優さんの場合は、そうして心理の解説までしてやらなきゃならないのは、役者としての腕が悪いってことになる。  「可愛さ2割増量で」と言えば、「ああ、軽蔑しきっているんじゃなくって、ホントは好きなのね」と瞬時に理解して了解して実行するのが、プロっていうもの。  役作りと役の解釈をするのは、本来、役者の側の仕事だから。 >>「馬鹿なのは、イクオだってよくわかっていた。」(私版) >>「馬鹿なのは、イクオにだってよくわかっていた。」(新木さん版)  「に」の有無。  これがあるとないでは大違いだぞ。なぜわからんのだ。気合いでわかれ。  まず……。  イクオが馬鹿であることを知っている人は、誰と誰なのかということを考えてみる。  まず、イクオを除いた全員だわな。牛乳逆噴射事件を見ていたクラスメート。そしてこの場にいるハルコ。全員が「イクオは馬鹿」ということはわかっている。  それは当然。  ではイクオ自身はどうなのか?  2号の例では、イクオが自分が馬鹿だということを知っていると、そう書いてある。  つまりクラスメート全員に含めて、イクオ自身も知っているのだと、書いてあるわけだ。  つまり、これまでイクオは、自分が馬鹿だということに気づいていなかったのだ。  そして今回、ようやく気づいたのだ。  牛乳を吹いてしまって、さすがに、気づいた。  2号の例だと、そう書いてしまっているのね。  まあ全員が全員、そう読むとは限らない。「イクオだってよくわかっていた」と過去形にしてあるから、「いまこの時点で気づいた」と読んでしまうのは実は誤読だ。  しかし強調が弱いのだよ。  そのせいで、数割ほどの読者は、「いま初めてイクオは知ったのだ」と誤読しちゃうのだよ。  ――ちがう。  イクオはこれまでも、ずっと、自分が馬鹿だということを知っていたはずだ。  そしてクラスメートたちは、イクオはなにしろ馬鹿なので、自分が周囲から馬鹿にされていることに気づいてもいないのだろうと――たかをくくって、ずっとそう思ってきているのだ。  周囲の認識は、こうだ。 1.イクオは馬鹿である。 2.イクオ自身は、自分が馬鹿であることに気づいていない。 3.イクオは周りから馬鹿にされていることに気づいていない。  そして、イクオの認識は、こうだ。 1.自分は馬鹿である。 2.周囲は自分のことを馬鹿だと認識している。 3.周囲が自分を馬鹿と思っていることに、自分は気づいている。 4.そのことを周囲は気づいていない。  ここに両者の認識の大きなずれがある。  「馬鹿なのは、イクオにだってわかっていた」――と。  ここで「に」を入れることで、そうした認識のズレが存在していることを、確定してしまえるわけよ。  あると、ないとじゃ、大違いなわけよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.6991 投稿日 2003年9月4日(木)19時56分 投稿者 鐸碑  私個人は聞いたものに対して、撫でる程度の知識はある状態で聞いてます。まあ、歯が丈夫で多少硬い肉でも食えるって事です。ただ、平均より達者な人間だけに食えるものではなく、普通は食えるものである必要があるでしょうということ。  基本的に、主膳よりの三人称で語られているんですが、途中で主膳の心理に入ったりもしている割に、主膳にとって重要だと思われる要素、石高や金子の額、刀の長さが主膳にとってどのていどの意味を持っていたのかがないんで、その数字をだされても有難味がないんですよ。  手元にあったスパイスをなんとなく入れてみただけで、食材とスパイスが馴染んでない感じ。  肉料理は肉が主役の料理です。野菜や米も入ってるけど、それが肉を引き立てているのが肉料理。肉が脇役になると、例え美味しい料理であっても肉料理とはいえません。  今回の課題は、コース料理の献立(長編のネタ)を決めるにあたり、肉料理(チャンバラ)をメインディッシュにできるかどうかを試してみるのが目的なんで。荒削りでも、肉料理(真剣勝負)で勝負してください。 個々の用語関係  居合について、現在の居合の開祖がその当時(1570年頃)居たというのと、当時からその名前であったかどうか、1600年代に普及していたかは別問題です。近代なら居合の方が通りが良いでしょうが、1600年代なら抜刀術という表現の方が一般的であったと思います。  石高について  知行取り=自分の領地をもってその税収を得る侍と蔵米取り=自分の領地を持たず主君から米を直接貰う侍で全く意味が違います。  普通石高で示すのは、知行取りの場合で見込み収穫が石高、ここでは300石ある領地を与えられるという意味です。領地からの税収なんで、実際の収入はその4割〜5割にあたる120石〜150石が総収入、これで自身の家臣も含めて養うことになります。  蔵米取りは直接米で貰う立場で、通常は何石じゃなくて何俵と貰う米俵の数で表します。1俵が4斗=0.4石なので、200俵と200石の実収入が大体同じ。領地経営のできない武士や領地経営として成立しない小者は、蔵米を貰っているわけです。  そういうわけで、多少齧ってると、剣術家・兵法者がいきなり知行で召抱えられるという話に違和感があるんですよ。  もっと小規模になると、扶持米って形で毎年何人分という計算で米を貰う立場になります。必殺仕事人の中村主水で有名な同心が30俵二人扶持。石高に直すと約15石の実収入。  で、前回の課題『剣の闘い』では、これはおまけ要素であってステーキに添えられたパセリみたいなもの、ないと寂しい感じはしても本質ではない部分。それに割いている文章量が多いので肉料理じゃないという印象になった訳です。 -------------------------------------------------------------------------------- 新木さんのオフ掌編、お姉さんの気持ちについて(誤読箇所発見) No.6992 投稿日 2003年9月4日(木)20時06分 投稿者 かねやん  お姉さんが最初に登場したとき、色っぽいなあと思ったのはともかくとして。  お姉さん視点で読んでみる。 ============  客足の途絶えた午後。  カウベルの音に気づいたので、衣服の乱れを整えて出ていくと、カウンターに座っていたのは常連の男の子だった。  男の子が好意を寄せてくれていることには気づいていた。  一言二言の会話で浮かべる満足そうな顔や、何気ないような振りをして視線を送ってくる姿が可愛らしくて――男の子には悪いが、弟のように感じている。  だからなのか、悪いことをしていたつもりはないけれど、気まずい。  気づかれないように。普段どおりに。  いつものようにコップに氷をみっつ入れて、いつものように冷蔵庫から取り出した牛乳を注ぐ。いつものようにコースターとストローを置いて、男の子にアイスミルクを出すと…やることがなくなってしまった。  砂糖とナプキンの補充はやったし、アイスコーヒーの在庫もあるし、トイレや床の掃除はやったし、マスターは出てこないし。 「ねぇ……、それ」  男の子が声をかけてきた。  手に持ったストローが指し示す先、左手の薬指には、新しい金色の指輪がつけてあった。  右手でそっと、表面をなぞってみる。 「うん、昨日」  それは証だった。ようやくマスターがくれた。 ============  あ、読みまちがい発見。  この時点で一回隠して、それから男の子に見せてる。  お姉さんは男の子に宣告したんだ。同時に自分の気持ちを知っていたことも告げている。  僕は、ここを「指輪を嬉しそうに眺めるお姉さん。男の子の存在を忘れて」と読んでました。   >>お姉さんはマスターのことが好きで。 >>マスターもお姉さんのことが好きで。 >>ぼくも、お姉さんのことが、好きなのに。  ここに引きずられたらしい。  だから、最後のお姉さんのセリフが憐憫を含んでるように感じてましたし、ここで男の子が、お姉さんは自分の気持ちを知っていたことに気づくと思っていました。  気づいた男の子は逃げ出さなくちゃいけないから、違和感を感じていたです。  読み間違いを修正して読むと、 >>「ね……、おかわり、いる?」  には、男の子が事実を受け止められるようにしようという優しさ。  今までと変わらない接しかたをすることの宣言。  他にもいろいろある気がするけど……  ひとまず、こんなところが、読み直して出てきたものでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- オフ掌編 No.6993 投稿日 2003年9月4日(木)20時50分 投稿者 かねやん >弟切さんの ぱっと見て、掌編のわりには会話の量が多いことがわかる。ので、会話の面白さが目的だろうと判断した。ので、会話だけ拾い読みしていった。  普通の会話でした。  続いて、全文目を通してみました。  対して印象は変わりませんでした。  ごくごく普通で山が無いです。  乱暴なことを言えば、先生と生徒が面談している内容を聞いてる感じです。 >紫さんの 「犬だと思っていたものが、実は猫だった」  驚かそうという話でしょうが、驚いたというより騙されたと感じました。  原因は、読者に犬だと思わせるものが「ポチ」という名前だけに依存していること。  登場人物のシャルロッテとメイド、いずれも「ポチが猫である」のを知っていると思えることの2つでしょう。  メイドは知らないようにも見えるけど、メイドの説明が無いため、通常はシャルロッテの家に仕えている=「ポチが猫だと知っている」と思うでしょう。  そもそもメイドが出てくる必要性が感じられません。ですから「メイドが好きだから出している」という印象です。  こういった読者を騙そうとする話では、一緒に騙されてくれる登場人物(見事な騙されっぷりを発揮してくれる)を出すか、伏線を張り巡らせて、あとで読み返して見たときに「確かにそうなっている!」というおもいっきり騙して、逆に爽快感を与えるかのどちらかでしょう。  前者はギャグ漫画に多く、後者は推理小説があてはまると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さん掌編「夢」 No.6994 投稿日 2003年9月4日(木)21時25分 投稿者 かねやん その1  終わらない悪夢。日常が非日常へ変わる。ってのはホラーの王道なのかな?  あんまり詳しくないんでわかりません。  最後まで読めました。 その2  これは面白かった。  ただ途中の文が味気ない気がします。 その3  読めない。  最初っから最後まで、読者を置いてけぼりにして勝手に進んでる感じ。 3つを読んで。  全部に言えることだけど、5W1Hが無い。  1のホラーは、悪夢という設定だから目立たなかった。  2は、誰かの思い出話っぽいから、無くても気にならなかった。  3は無いことで、読者を置いてけぼりにしている。  そんなところでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.6995 投稿日 2003年9月4日(木)22時35分 投稿者 新木 伸 >魚住 >>特に反論することはないです。 >>誤解があるのですが、それを解くのもまた行動であります。  正論だな。  だがお前の場合、それが口先だけで終わるから、色々と言われるんだってば。  「成果を見せます」とか言っといて、なにも見せない。  「誤解を行動で解きます」とか言っといて、行動を見せない。  いつ見せてくれるの? 半年後? 三年後?  そういや2年前の「エピソードストックを作って引き出しをいっぱいにしてみせます!」の成果、オレ、まだぜんぜん見せてもらってないんだけど。  口先だけでなんの成果も見せないなら、まだしも、反論だけでもしておいたほうがマシなんじゃないの?  ――で、それはそれとして。  幻想上の生物に、生きて草原にいるというイメージを与えた点に、お前は感銘を受けたわけね。  その路線を追求することで、最大効率を狙う道を模索しようということなわけね。  しかし、それと「発泡酒」というのが、どう繋がるのかがわからんのだが。  前、「ハイジの白パン」てな商品を見たときに、俺は思わず買ってしまったわけだが。てか、そんな商品を見つけてしまって、買わずに済ませられるか。食ってみないわけにいくか。  ちなみに「ハイジの白パン」っていうのは、「アルプスの少女ハイジ」のなかで、ハイジが盲目のお婆さんのために、お金持ちのお屋敷から持ってきてあげた、白くて柔らかくて、とてもおいしい白いパンのこと。  キリンという生物と、発泡酒って、一見、なんの関係もないように思えるのだが。  これがもし、「サル酒」とか、そんな商品名の酒が出ていたら、俺、買っちゃうだろうなぁ。  ちなみにサル酒というのは、「はじめ人間ギャートルズ」のなかで出てたサルの作るお酒のことだ。  つまり、何を言っているのかというと。  自分が引き寄せられたものの正体に関する分析が、まだまだ甘いっていうこと。  そんな程度の分析で、なにかまともなものが上がるはずはないっていうこと。  お前はエウレカしちゃって手を止めてしまったようだが。エウレカの快感に酔っていない俺からみたら、ぜんぜん、わけわかんねーわけよ。  ひとりで酔ってるだけに見える。  たとえば――。  もし発泡酒ではなくて、「8月のキリン」てなタイトルのオレンジジュースが売っていたら、どうだったのだ?  または、その商品が8月のみの限定発売でなくて、これからずっと売り続けられるものだったとしたら、どうだったわけ?  それでも同じだけの希求力があったわけ? (ええと、「希求力」でいいんだっけ。コピーライト業界で使われる用語だけども) >かねやん  はじめ、お姉さんが出てきたときに「色っぽい」と感じたのは、それはお姉さんが裏でなにか色っぽいことをしていたからです。  色っぽいことをしていた直後だったので、そのお姉さんから、色っぽさを感じたわけです。  あと、「結」の部分で、心理の動きを読み切れてないので、解説しておくか。  僕が皆に対して、「どこか一文字でも削れる部分があるなら削ってみやがれ」とか、「どこか一文字でも直せる部分があるなら直してみやがれ」とか、そんなふうに挑発していたので、皆はやる気満々になって取りかかっていたっけ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  お姉さんはマスターのことが好きで。  マスターもお姉さんのことが好きで。  ぼくも、お姉さんのことが、好きなのに。 「ね……、おかわり、いる?」  お姉さんが訊いてきた。 「いらない」  僕は言った。しばらくして、言い直した。 「コーヒー。ホットで」  生まれて初めて飲んだコーヒーは、とても苦い味がした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このラストのところ。 >>「いらない」 >> 僕は言った。しばらくして、言い直した。 >>「コーヒー。ホットで」  ここのあたりで、「しばらく」を表現するのに「しばらく」と書いてはだめだろう。ここは削るべきでは、とか。  しばらくが経過しているなら、ここは改行を入れて時間経過を示すべきだろうとか。  そんなアホなことを言いだしてきた連中がいたもんで。そして鬼の首でも取ったように。(その「指摘道具」をいったい誰がくれてやったと思っている)  なので、OFFのときにも解説したんだっけ。  ここ――、「いらない」から「ホットで」のあいだは、実時間として一瞬しか経過していません。しかし少年の主観時間では、えらく長い「時」が経過しています。  それはどのくらい長い時間だったのかというと、「男の子」が「男」に変化するのに必要な時間です。  この短時間のあいだに、男の子は、好きだったお姉さんをマスターに取られて腹を立てているだけの小僧から、お姉さんの幸せを真に願う男に変わりました。――自分の意志によって。  なのでここは、「僕は言った。しばらくして、言い直した」と改行を挟まず、あえて「しばらく」という言葉を使って書くわけです。  改行を入れないのは実時間の経過がなかったことを示し、「しばらく」と使ったのは、少年の主観にとっては本当に長い時間であったことを示します。 >> お姉さんはマスターのことが好きで。 >> マスターもお姉さんのことが好きで。 >> ぼくも、お姉さんのことが、好きなのに。  あと、ここのところ。なぜ3行並べているのか、わからなかったやつがいたもんで、それも解説しました。同じ長さの行が2行続くのは視覚的に見苦しいから、長さを変えるべきでは? ――なんて、アホなことを言ったやつがいたかどうかは、記憶が定かではありませんが。もしそんなことを言いだすやつがいたら、僕は暴れて浦和の街を放射能炎で破壊しつくしていたはずなので、たぶん誰も言わなかったのでしょう。  ここでは、「お姉さん→マスター」と「マスター→お姉さん」と「僕→お姉さん」の気持ちが、3行に渡って並列に並べられています。  このうちの前二つは、行の長さが同じです。  つまりマスターとお姉さんとは、おたがいがおたがいのことを、同じぐらい愛し合っています。そのことを「ぼく」は知っています。  そして「ぼく」は、自分がお姉さんに向けている愛情は、それよりもほんのちょっと大きい――と、そんなふうに考えています。  まだこの時点では、「ぼく」はお姉さんを取られて腹を立てているだけのガキであり、小僧でしかないので、そんなふうに思い上がってしまうわけですね。  ――で、思い上がっていて、腹を立てているだけの小僧が、ラストで見事に「大人」になって「男」になりました。  お姉さんは明らかに意図的に指輪を見せつけています。  男の子が自分を好きなことにも気づいています。  さっき裏のほうでマスターといちゃついていて、エプロンを外して髪が乱れるようなことをしちゃっていたことも、男の子が気づいているだろうと――お姉さんは思っています。  客が来たことには鐘の音で気づいていたのに、すぐに出てこないで、ゆうに1〜2分は時間を掛けていたわけです。  なぜすぐに出てこなかったのか? きっとマスターが離してくれなかったせいでしょう。きっとなにかすごく「いいところ」だったのでしょう。――てな妄想は、大きいお友達は好きにやっててください。どこまで妄想を膨らませてゆくかは、お客さんの自由であって、シェフの関知するところではありませんので。  まあ、奥でなんかしていたわけです。お姉さんは。  これについては、お姉さんは「しまったー」と罪悪感を感じています。なので無口になります。とびきりの笑顔で笑いかけて、「いつもの?」と小首を傾げて訊いてあげる「あの仕草」も今日に限っては出てきません。心に余裕がありませんので。  ――で、指輪に関しては、お姉さんは男の子に見つけさせるつもりで、今日、はめています。  男の子がどこでその指輪に気づいたのかというと、「無口に手だけを動かしている」の時点です。ここで手を見ているので、当然、気づいています。  そのあとに、男の子がアイスミルクをゆっくり飲んでみせたり、ストローの袋で遊んでいたりするのは、気づいてしまっているからです。気づいてしまったからこそ、男の子は気づかないふりをしなくてはならないわけです。  さて、お姉さんのほう。  お姉さんは見つけさせるつもりではめているわけですが、男の子がなかなか気づいてくれないので、間が持たなくなってきています。  男の子がとっくに気づいていることを、お姉さんは知りません。男の子がアイスミルクを飲んでいる最中、まだ気づいていないものだと思っています。早く気づいてくれないかな、とも思いはじめています。宙ぶらりんの状態はとても苦しいのですね。  しかし、前置きなしに、男の子がいきなり「それ」と言ってきます。ここでお姉さんは慌ててしまいました。  心では用意していたつもりでも、いざ、その瞬間が来てしまうと、自分が用意できていなかったことを知ってしまったわけです。  ここでお姉さん、一瞬、隠しかけます。つまり、逃げかけます。  ――が、踏みとどまって、いま自分が幸せであるということを、隠さずに、男の子に伝えます。  いい女なのです。すいません違いました。  お姉さんは悪い女になりかけたが、踏みとどまって、いい女になったのです。お姉さんは、いまこの瞬間に、自分の意志で。  お姉さんがこういう「いい女」でいてみせたからこそ、それに惚れた少年は、ガキであることをやめて「いい男」になったわけです。  もしここで、お姉さんが指輪を隠してしまうような「ダメ女」であったら、男の子もまた、「いつかマスターから奪い返してやる」とか、「お姉さんは僕を捨てたんだ」とか、そんなふうに根に持って「ダメ男」になっていたかもしれません。  さて、どうでしょうか。  僕はもちろん、男の子の心理に立ち入ってそのすべてを説明してくれる「男の子視点版」と、かねやんが書いてきたようなお姉さんの心理に立ち入ってそのすべてを説明してくれる「お姉さん視点版」と、両方の心理に入って本当にあらゆるすべてを一切合切説明してくれる「神様の視点版」と――。  あとは、僕がはじめに出したような、非常に乾かしてなんにも説明しない「心理に立ち入らない版」と、すべてのバージョンで仕事をしてみせることができます。  どれがいちばん、おいしいでしょうか? おいしそうでしょうか?  頑張って殻を割って、中身を食べてみた感想としては、どうでしょうか?  てか、最後の「乾かした」バージョン以外は、そもそも、割る殻がなかったりするのですが。 P.S.  しかし、書いた俺にもわからんことが、ひとつ……。  マスターは、じつはいま裏にいるんだよね。そして出てこれないでいるわけだ。  それってすげぇ情けないのだが。  こんないい女のお姉さんが、そんな男のどこに惚れたんだか。  誰か「マスター視点版」を書いてみない? >1000字掌編の課題とか  掌編ってのは、「一枚絵」なんだよな。  一枚絵にストーリーを込めることもできる。読み取る力のある人なら、1枚の絵や写真からストーリーを読み取って愉しめる。  しかし、僕の書きたいのは、やっぱり「一枚絵」ではなくって、「漫画」なのだわ。  昔、掌編日課を放り出したのは、それがわかったため。  漫画を書く練習をするためには、一枚絵ばかり描いていちゃいけない。連続した動きのある絵を描いていかないと。  ただし――。  2号あたりのレベルなら、どんどん絵を描いてゆくことが大事。  最終的には漫画を描いてゆくわけだが、そのまえに、まず、絵を描くこと自体に慣れないと。そしてもうちょっと絵がうまくならないと。  あと人の目を惹く絵が描けるようにならないと。  どんな絵が人の目を惹いて、どんな絵は無視されるのか。  それを肌で感じとれるようにならないと。  とりあえず半年分として、180枚くらいを目安にしてみるか。  もう20描いたなら、9分の1はやったことになる。あと160枚だ。  1日1つ描いていたら半年かかるが、3枚ずつ描いていれば2ヶ月だし、1日に90枚描けば2日で終わるし。 -------------------------------------------------------------------------------- 一緒? 学校って、どんなとこ? No.6996 投稿日 2003年9月4日(木)23時11分 投稿者 細江ひろみ >中学校では給食は先生と一緒に食べます。 え? 最近は一般的に、そうなってるの? それは気にしなかった私のミスですね。 確かにそうなると、違ってきますねえ。 先生いるなら、なぜ吐く前に止めないんだ? いるだけ、影のような先生がいても、おかしくはないと思うけれど。 つーか、その場に先生がいたなら、今時ならもっと大事になるのではないでしょうか。 なにせ、日本の大半の学校じゃ朝から昼まで常温に置かれているところの牛乳(これは学校の設備関係がととのわない、というニュースから、わかる)だし。いくら雪印の騒動が忘れられつつあるとはいえ、教育者はいま神経質(不祥事のニュースが多いから神経質なんだけど、不祥事が多いんだから無神経な教師も多いのだろう)だし。 なにせ一応倒れたわけだし。 下手すれば医者にかつぎこまれーの、親に連絡がいきーのと大騒ぎになるし、そうでなくても、ぶったおれたヤツを校医もいない保健室に寝かせておくだけ、というのはありえるだろうか。 いや、ありえるとは思うけど、それは一般的なんだろうか? 校医も、実はあの場にいるのだとすれば、そこであんな会話をするだろうか? 大人がいなくなった、一瞬の隙間か? ハルコが、そういうタイミングを狙ってきたのか? ……なんて、普通読まないと思いますけどね。 -------------------------------------------------------------------------------- 失礼 No.6997 投稿日 2003年9月4日(木)23時43分 投稿者 細江ひろみ 上には、小学校の状況が入っちゃってる可能性に思い至りました。 ここのところ、児童の本離れというものに興味を持ち、児童書を手当たり次第(50冊ちょいぐらいですが)読んでみたり、発行されているものや、図書館の児童書のラインナップを見てきたり、ついでに娘の小学校の読み聞かせボランティアに参加して、これまでに読み聞かせた本の一覧や、小学生へのアンケート結果をチェックしてみたり、小学校の図書室のラインナップを見てきたりしていたもので。 とりあえずその結論。 10才ぐらいから本離れが顕著になるのは「あたりまえだばかやろう!」 でもって15才くらいから、またライトノベルに手を出すと。 -------------------------------------------------------------------------------- >細江さん No.6998 投稿日 2003年9月5日(金)00時44分 投稿者 新木 伸 >細江さん  納得したくないのはわかりますが、自説に有利となる特殊なシチュエーションを組み立てているばかりでは、反論にもなにもなりませんので、よく考えてから書くようにしてください。  書かれてあることから読み取ったものが、常識から大きく外れるのでなければ、「そういう場所での物語」として受け止めるべきでしょう。  あの話の舞台は、「給食のある中学校」であり、「先生が一緒に食べる」のであり――と、そういうところなわけです。  そうでない学校も、そりゃ、あるかもしれませんが。  しかし給食があって先生が食べるっていうのは、そんなに変なことでしょうか?  他も同様。  どちらが特殊ケースになるのか、よく考えてみてください。  牛乳を飲み過ぎて逆噴射させた――ということが判明しているときに、救急車まで呼んで一大事にする処置が「普通」なのか、それとも原因が判明している以上、保健室に叩き込んでおくだけの処置が「普通」なのか。  どちらが一般的な処置といえるでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 降ってわいた出張 No.6999 投稿日 2003年9月5日(金)01時49分 投稿者 弟切 千隼  九月に出張が入ることは予想していたものの、唐突に日程が決まったために慌てている弟切です。それまでに一区切り付けなければならない仕事があり、それをこなすべく今日はばたばたしていました。  そんなわけで、弟切は明日から出張に出かけます。戻るのは明後日の夜になる予定で、こちらに戻るまではここに書き込めません。 >>1000字課題  書きたかったことを以下に挙げます。 1)両親を想う少女の健気さ 2)少女の両親が死んでいたという驚き 3)両親の死を知らない少女の哀れさ 4)祖父の少女に対する思いやり 5)未来にも変わらない家族の絆 6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  十個に満たないようでは、薄すぎて読者さまを楽しませるには苦しいですね(^^;   かねやんさんが指摘された『ごくごく普通で山が無い』感じは、ここに由来するのでしょう。そもそも薄すぎるのと、「ここはこれが言いたい!」とはっきりさせた文章を書いていないため、めりはりがなくて山がありません。  弟切は、「とりあえず意味が通じる」文章を書くのが精一杯で、まだしっかりと「描写」する文章を書けないということですね。ともすると、言いたいことが何だったのかもわからない文章になりがちです(^^;;  まず言いたい(書きたい)ことが何なのかを明確にし、その後にそれを最もよく表わせる描写を行なう、という基本を叩き込むしかありませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- > 他も同様。 No.7000 投稿日 2003年9月5日(金)09時02分 投稿者 細江ひろみ > どちらが特殊ケースになるのか、よく考えてみてください。 反論に対する反論 最近の学校のニュース、見てます? 学校の先生と、つきあってます? 中学校ではなく小学校とはいえ、新木さんよりは私の方が、今学校に近いように感じつつあります。 給食ではなく弁当の中学校比率は、そんなに少なくなってしまったのですか? それは、「考えて」わかることですか?  そうではありません。 もし新木さんが、「考えて」給食が普通であると結論したならば、それは実際中学校において給食が普通であっても、新木さんの思い込みが現実とあっていたわけではありません。 また弁当であった場合でも、牛乳は普通にあります。 進駐軍による脱脂粉乳の時代から、学校において牛乳は普通にあります。 注文制で希望者のみであっても、購買部で購入しなければならないのだとしても、牛乳はあります。 給食制で、牛乳が各自一本なのであるとすれば、イクオは飲まなかった生徒から、一本一本もらいうけなければ、大量飲みはできません。 給食制であっても、牛乳は各自自分で持っていくので、残るというのも、おかしくありません。 各自が個別に購入した場合、牛乳はあまりません。イクオが大量に牛乳を購入しないと、確保できません。可能であっても、そうしてないのなら、手持ちの金をはたいて牛乳を買い求めるというバカなことをしたのですから、それは書かれるべきことです。 しかし「牛乳は注文した分クラスに運ばれる。が、親が子供には牛乳が必要だからと注文し、支払っているため、手をつけない子がいる。欠席者の分もある。そのため一定数が残る」は、そんなに特殊ですか? 「給食 先生つき」が普通であり、 「先生は、生徒が他人の分の牛乳を飲んでも、  牛乳をバカのみする生徒がいたとしても、  気づきもしない、気にしない。  生徒は教室内にいる教師の目を気にしない」が普通であると言うのですか?  私はあるいくつかの特殊な状況を想定しましたが、それは状況を成立させるためのものです。そうであるとはいいません。そうでもなければ成立しない特殊な状況であり、特殊な状況を利用するのでないかぎり持ち込むべきではないものです。  リライトで、破綻している部分を繕うならば、これはこういう特殊状況なのだとして、それを話に利用して、あたかも最初からそう設定されていたように見せるということです。   新木さん。 私が想定したものが特殊であると言い切り、それを私に納得させたいのであれば、それが新木さんの想像のみの産物ではないことの根拠を挙げてください。 たとえば、弁当持参の中学校が、特殊な存在となるほど、給食センターや給食室の数が、充分にあることを伝えるニュースであるとか。 ニュースソースはなくてもかまいません。そういったニュースを見たと、新木さんが言うだけでも、信じましょう。 ここ数年学校は非常に、そして急激に神経質になっています。 この傾向は、収まる気配がありません。 いきすぎかと思われるほど針小棒大に、ものごとが大げさにかつ、慎重にあつかわれます。教師たちは、神経質な者たちと、こうした時代の流れに取り残されている無神経な者たちに二分されつつあるようです。 私はそれを、ニュースと肌で、実感しています。 五年前の当たり前が、学校関係でも当たり前でなくなっています。 生徒が倒れれば、すぐさま親に連絡し、病院の手配をします。うがった見方をすれば、生徒のためというよりも、責任を他者にゆだねるためです。 投書欄に、こんな投書がありました。「生徒が熱を出したので、親に連絡して迎えに来てもらおうとしたら、生徒が連絡しないでくれという。連絡されれば、迎えに来ざるえないが、パート先をあと一回でも早退したら、母は解雇されてしまう」不況と厳しい就労を伝えるその投書は、つまり学校で熱を出したぐらいで、親に連絡する教師像をも伝えてくれます。これは、特殊な状況でしょうか? 現在身近な中学では、プールの授業を受けるには、体温測定と親のハンコが必要です。これは特殊な状況でしょうか? ちなみに牛乳は、ガラス瓶のものから、紙パックのものに切り替わりつつあります。紙パックの方が、安全だからです。割合は知りませんが。 雪印事件の後、給食センターの安全性がチェックされましたが、そのとき改修が必要とされたまま、その改修は大半が手付かずのままであることが、報道されていました。この状況は改善されたのですか? 阪神淡路大震災のあと、校舎の安全性のチェックは、必要性が言われたまま、そのチェックの費用が確保できていません。学校の図書購入費用の多くが、別のことに流用され、学校の図書はお粗末なかぎりです。 学校でなにかおきれば、教師の責任は以前にもまして追求されます。 同時に学校は、なにかあるたびに親に連絡し、なにかするたびに「それは親が許可している」という証明を求めてきます。 これらの神経質さは私の体験している、ごく特殊な状況でしょうか? 病気にかぎりません。事故や事件でもそうです。 どこかのバカが、匿名で掲示板にどこぞの小学校の生徒を殺すと書いたら、何円か前だったらイタズラだろうですませられていたのが、今では即座に集団登下校に切り替えられ、犯人が突き止められ、逮捕されます。 娘の小学校では、クラブ活動をしている生徒に、自転車通学が認められました。登下校の時間を短縮するためであり、事件に早く気づけるようにするために、帰宅時間を一定にすべく、クラブ活動がない日でも、自転車通学が認められています。そうでなくても、ゆとり教育からこっち、小学一年生ですら下校は三時半すぎ、帰宅は四時近くになります。 中学は、よほど学校が近くないかぎり、自転車通学必須です。生徒の利便性のためではなく、安全を確保するためです。 少子化により、友達との家の距離が離れる傾向にあります。集団登下校もできません。にもかかわらず、地元でもナイフ男が車で徘徊し、小学生が車に引きずり込まれそうになり、しかもこれはニュースになりませんでした。 PTA地区連絡会による会合に出席し、こうした事件はまれではなく、増加しており、また打つ手立てもないという話を聞いてきました。 新木さんは、こうした不況と少子化とゆとり教育と社会情勢による厳しい給食センターの実情と、教師と学校の神経質さを踏まえたうえで、「特殊な状況を私が作り上げている」と言うのでしたら、どうぞ私に示してください。 新木さんは、いつまでたっても、既存の給食センターの改修すらすすまないことや、ここ数年学校関係者がひどく神経質になっていることをふまえた上で、特殊な状況だとおっしゃっているのですか? 給食 牛乳 影のような教師 保健室で休ませるだけ、というケースもあると は思いますが、それは本当に普通なのですか? もう一つ気づきました。 保健室の先生がどこにいるのかも気になりますが、この学校が現代の学校だとすれば、この学校に保健室登校の生徒が一人もいないのは、なぜですか? 理由をつけて昼寝に来る生徒がいないのは、なぜですか? それともそれらは、いるのですか? だとすれば今の中学生は、他人がいる前であんな会話をかわすのが平気なのが普通なのですか? お答えください。 新木さんのいう、特殊ではない中学校と中学生とは、いったいどんな中学校と中学生なのですか? こちとら個人的興味と何年かしたら中学生になる子供を持っていて、そう学校関係のニュースに無頓着なわけじゃない上で、ああまだ知らないことがあるのかなとは思いました。知る限り、義務教育とはいえ、中学校のスタイルには、かなりの幅があるように思います。 給食がなく、先生もいない中学生の昼時は、特殊とまでいうべきものであり、そのことは考えればわかることだというなら、新木さんは私を納得させることはできません。 まだどう転ぶかわかりませんが、5年後には三学期制が残っているかどうかも、あやしいものです。来年から二学期制となる千葉市内の市立の学校は、全国的に見て特殊でしょう。しかし私立一校などというレベルではない話です。 これはまたたくまに全国の常識になるかもしれず、あるいはあっさり中止されるかもしれません。 しかし、今学校でこうした変化が起こっていることや、義務教育の普通の公立の中学校とはいえ、地域によって同じではないということです。 これは、中学校を書くなら、ふまえておくべきです。 でないと、インターネットが普及する前と後、携帯が普及する前と後ぐらいの違いが出てしまいます。 私には、全国の中学校に給食が提供されるようになり、教師が神経質に親に連絡してこなくなるのが普通になるという状況は、二学期制が普及するというものより、なお成立困難ではないかと思えるのですが。 急に日本の不況と少子化が改善されたり、別のシステムでも起こさないかぎり。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7001 投稿日 2003年9月5日(金)13時48分 投稿者 新木 伸 >細江さん >>最近の学校のニュース、見てます? >>学校の先生と、つきあってます? >>中学校ではなく小学校とはいえ、新木さんよりは私の方が、今学校に近いように感じつつあります。  細江さんが「いま」付き合っている学校が、学校の「典型例」であるという保証はどこにありますか?  かつて自分が通っていて、そしていま子供を通わせている学校が、たまたま「特殊例」のなかに入ってしまうこともありますよね。  自分は近いところにいるから誰よりも詳しいはず――と、なんの根拠もなく安心して、思いこんで、あぐらをかいてしまっていませんか?  近くに立っているぶん、近視眼的になっていませんか?  自分のケースは「特殊例」ではないかと疑い、平均像を確かめてみる労力は払ってみましたか?  学校給食の普及率に関しては、調べればすぐわかるはずです。  僕が「よく考えて」と言ったのは、細江さんがろくに調べもせずに、自分の身の回りの経験だけをもとに反論しているのが明らかだったせいです。 >>給食ではなく弁当の中学校比率は、そんなに少なくなってしまったのですか? >>それは、「考えて」わかることですか?  http://www.pref.niigata.jp/sec40/ja/tyouki/34zu.gif  これはGOOGLEで、「公立中学校 給食 普及率 全国」で検索をかけて、出てきたものです。新潟県だけのものですが、グラフで視覚的にわかりやすいので、まずこれを見てください。  ついでに関東全域、千葉、東京、埼玉、神奈川――あたりの個別データは、こちらにあります。「中学校 給食実施率 全国」で引いたものです。こちらはグラフはなくて数値だけですが。 http://www.kengidan.com/congress/0209/0209-miwa_kyuushoku.htm (上のリンク先では、神奈川だけ、給食実施率が12.7%と異様な低さであることが書かれていますが……。ひょっとして細江さんは神奈川県にお住まいですか?)  小学校ではほぼ100%ですし、中学校でも完全給食率は全国平均で75%を上回っていますから、「全国的」には、給食があるのが「普通」として差し支えないかと思います。  細江さんが、こういったものを調べてこないで、自分の思いこみだけで物を言っていたのは、「自分は現場にいるのだから、新木さんより詳しいはず」という思いこみがあったせいです。  前回も、「よく考えて」と書くことで、その「調査不足」を指摘したつもりだったのですが。 >>新木さんのいう、特殊ではない中学校と中学生とは、いったいどんな中学校と中学生なのですか?  もちろん、読者にとって「普通」と思われる中学校像であり、中学生像です。  僕の感じる「普通」も、細江さんの感じる「普通」も、この際――まったく、関係ありません。  ついでにいうと、「現代」の中学校がどんなふうになっているのかということも、じつは関係ありません。  ここで必要なのは「統計情報」です。  あの「牛乳」の話を読む「対象読者」にとって、なにが「普通」であるのか。  どんな舞台で話を書いていったら、「違和感」を持たずに受け入れてもらえるのか。  読者に違和感を感じさせないことが、なによりも重要です。  あの話は、現代の特殊な「世相」を知らしめるために書かれたものではなく、中学校を舞台にした少年と少女の「恋の話」を書いたものであるわけです。  そちらがメインです。  中学校という舞台と、中学生という設定とは、その「メイン」に花を添えるものです。ないと困りますが、背景に徹して、可能なかぎり目立たないようにしなくてはなりません。  細江さんの語る「現代の病的なまでに神経質な中学校像」というのは、あの話を読むべき読者にとって、空気のように存在を感じさせずに受け流せる「普通」で「あたりまえ」なことなのでしょうか?  「病的な中学校像」を書いてしまうことで、本来は目立たずに背景に徹するべきものが、メインテーマより目立ってしまう危険はないのでしょうか?  読者という存在は、必ずしも「現実」を見てはいません。  中学校が舞台となる話が出てきたなら、読者はまずまっさきに、「自分」の中学校時代を思い浮かべるわけです。  それは5年前のことかもしれませんし、10年前のことかもしれません。  僕個人の場合には、25年前だったりします。  自分の中学校時代が特殊だという自覚を持っている人であれば、友人知人から聞いた話であるなり、物語のなかで見た学校なりを参考にして基準を定めるでしょう。たとえば過疎地の学校に通っていて、1年から3年まで全員を合わせても数人しかいなかったとか、そういった学校に通っていた人は、学園ものの漫画などから、「普通の学校像」というものを仕入れるしかありません。  いまここで、あの話を20〜35歳の人間が読むのだと仮定します。  平均読者層から求められる中学校時代までの平均年数は、12.5年ということになります。(5〜25年の幅があると仮定)  読者層が20〜35歳であるならば。  基準にするのは、12年前の、全国平均的な中学校像です。  現代を基準にしても、なんの意味もありません。  「事実は小説よりも奇なり」と言いますが。  12年前に中学校時代を送った人間に取ってみれば、現代の中学校の実情のほうが、よほど「ファンタジック」であり、奇想天外であり、「現実」からかけ離れているように映るわけです。  ちなみに、あの話を、もう10年経ってから書くのであれば、また話は別です。  そのときには、平均読者層は10年分ほどスライドしていますから、その時代の20〜35歳に向けて書く話は、いまこの時代の「平均像」を写し取ったものでなければなりませんよね。  僕自身、いま書いている学園ものの話で、「土曜」を休みにすべきかどうかで迷っています。  その話の対象読者層は、「高校生〜大学生〜社会人」あたりなわけです。  「ゆとり教育」は10年の実施期間を経て、2002年度から、完全施行に入りました。  その10年という実施期間の真ん中あたりから、公立校はだいたい指導要綱に沿ったカリキュラムに移行してゆくものだと仮定します。(ホントは調べて、10年間の各年度ごとの実施率をデータで出してこないとならないのだけど)  まあ、おおざっぱに、6年前から「ゆとり教育」はだいたい施行されている。  と、そう考えます。  現役高校生なら、「ゆとり教育」を中学校時代からずっと経験してきていることになりますから、土曜に学校があるというのは、彼らにとっては「変」なわけです。それはリアルではありません。土曜に学校に通っているシーンがあったら、彼らは「変だ!」と感じてしまって、内容に集中するどころではないわけです。  しかし現役大学生になると、「ゆとり教育」は高校生の中間あたりで、ちょろっと実施されただけになります。中学校〜高校の前半くらいまでは土曜日に通っていて、そのあとに土曜が休みになっています。  なので大学生あたりの読者は、土曜に学校に通うシーンがあっても、それほど気にならずに読むでしょう。  また社会人の人たち。  20代後半から30代前半ぐらいまでの人は、「ゆとり教育」の存在さえ知らない可能性もありますし、自分が通っていたときにはそんなものはなかったので、実感として持ってはいないはず。  子供を持ち、学校に通わせている人なら別の意味で「実感」はあるでしょう。しかし学校に通う年齢を持つ親の数は、この年齢層の中では少数派でしょう。(このへんも思いこみでなくて、「小説を読む人間の平均子供率と、その子供の平均年齢」なんてデータを出してこなきゃならんところですが、まあ割愛)  おおまかに分類して、これら3種類の人間に対して、僕は同じひとつの作品を読ませているわけです。  読者層に含まれる全員が気にならないようにしないといけません。  僕の書いているのは、「現代の教育実態」を伝えるレポートではなく、あくまでも、学園を舞台にした「お話」なわけです。  「舞台」が「お話」よりも目立ってしまっては本末転倒です。  僕は学園ものを書くにあたって、読者が気にならないように、いくつか仕掛けと逃げ道とを用意しています。  まず、その学校を公立ではなく、私立としていること。  土曜日に学校があるシーンは、注意深く、取り除いていること。土曜日に学校が「ある」とも、「ない」とも、どちらであるとも書いていません。  まったく、一切。  本来は「私立」としただけで、独自カリキュラムが許されるので、土曜日に学校があっても不思議はなく、免責されるのですが……。(しかし公立学校に通っていた人は、そんなことは知らない)  しかしもう一個逃げ道を作ってあるわけですね。  そもそも、土曜日については触れないでおくわけです。  そうすると、現役高校生でも、現役大学生でも、社会人でも――。  公立に通っていた人でも、私立に通っていた人でも――。  誰でも、気にならずに読むことができます。  「土曜を休みとすべきかどうか」ということに、いまはまだ迷いがあるので、そうしています。  まあ、もう5年か10年経ってから、学園物を書いた場合には、「土曜日は休み」を「現実」として書くでしょう。  また数年後には、「ゆとり教育」は廃止されて、「土曜日は学校がある」に戻っている可能性も多分にあります。  ちなみに、ベテラン作家の多くが頭を悩ましている「携帯電話」の問題ですが……。  僕の場合は、携帯があたりまえとなっている「日常」が想像できないのと、取材している時間もなかったので、校内では「電波異常で携帯は使えない」ということにしてしまってあります。  あと主人公は貧乏学生なんで、そもそも携帯は持たせていません。(固定電話さえ、下宿先に借りてる状態)  ここでも逃げ道を作ってあるわけですね。 >感性の擦り切れと、ズレの話  二十代前半ぐらいの作家が、十代後半〜二十代前半(同年代)の読者に向けて物を書くのは、容易なことなのですね。  自分が体験してきた「あたりまえ=普通」を、そのまま出してゆくだけで、たいていの場合で通用してしまいますので。  それはたとえば、「中学校ってあんなとこ」という環境面のことだったり、「あのときの悩みって、こんなことだった」という心の動きだったりします。  しかし、三十を越え、三十の中盤にさしかかり、そして四十になり――。  だんだん年を経てゆくごとに、工夫なしには通用しなくなってきます。  まず自分の記憶自体が薄らいでゆくこと。  僕はすでに中学校の「時間割」も思い出せません。朝、何時何分に登校していたのか、もうわかりません。定時は8時半だったか、8時45分だったか。予鈴は一回鳴ったか、二回鳴ったか。  高校の時間割は――、僕は普通校には行っていなかったので、このあいだ分室の若い連中から時間割をもらって参考にしました。  また、当時の自分は、どんなことで悩んでいたのか。どんな出来事があり、それに対してどんな感慨を抱いていたのか。当時の自分は夕陽を見たときに感動したのか、しなかったのか。  異性に対して、どうドキドキしていたのか。異性をどういうものだと考えていたのか。  このあたりを忘れてしまうこと。  それを新木語では、「感性の擦り切れ」と呼んでいます。  もうひとつ、重大な問題があって。  それが「感性のズレ」です。  当時の世情をそのまま書いたとして、現代の読者にわからないこともあるわけです。  たとえばいまの現役高校生には、「土曜日に学校がある」という状態は想像不能でしょう。  僕らの世代では、そりゃ土曜日は嬉しかったものですが。なにしろ半ドンで、昼過ぎに帰って、長いこと遊べたわけですから。  あと空き地で遊ぶとかいうことも、理解の外かもしれません。公園はあっても空き地はないし、そもそも塾があるから遊べないし。一緒に遊ぶ子供もいないし。  遊ぶにしたって、ゲーム機があるし。  自分の時代で「あたりまえ」だったことが、時代が変わると「変なこと」になってしまうわけです。  これを新木語では「感性のズレ」と呼んでいます。  自分と同年代か、5年だけ年下の人間に物を書くのは、なんの困難も伴いません。  10年までなら、まあ、工夫なしにも、なんとかなってしまいます。  しかし20年の差は、努力なしには埋まりません。  対象読者層の「常識」と、自分自身の「常識」との違いに、常に意識を払い、リサーチを行い、不断の努力を払って常に訂正しつづけてゆく姿勢なしには、20歳(一世代)以上下の人間に物を書くことは、不可能です。  これを怠った作家は、早晩、消えてゆきます。  書いても、読まれない。売れない。  そしてなぜ読まれないのかがわからないので、修正することもできない。  青少年向けの小説を書くのをやめて、大人向けの小説に移行すればよいのですが、それはそれで、今度は30〜60代あたりの読者を相手にすることになります。  30〜40歳程度の「若造」では、背伸びをしなくてはならず、また無理がかかります。  15年しか齢を重ねていない人間が、30歳の読者が読める物を書くことが、たいへん難しいのと同じように――。  30年しか齢を重ねていない人間が、60歳の人間が読めるものを書くのは、たいへん難しいわけです。  ――で、「世情」を取り入れようとして、現代をそのまま写し取ってしまうのは、それはやはり間違いです。  20年分の遅れを取り戻そうとして、その反動で現代の世情を「そのまま」使ってしまうのは、こんどは10年ほど「早まって」しまったことになります。  新しすぎて、やはり読者はついていけません。  必要なのは10年分の遅れを正しく認識して、きっちり10年分だけ、自分の時計を修正することです。 >弟切 >>1)両親を想う少女の健気さ >>2)少女の両親が死んでいたという驚き >>3)両親の死を知らない少女の哀れさ >>4)祖父の少女に対する思いやり >>5)未来にも変わらない家族の絆 >>6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  ん?  この6つの成分って、あの作品のなかに含まれていたっけ?  具体的に、どの段落が、どのことを書いている部分なのか。  6つの成分ごとに、該当部分を引用してきて、示しておくれ。「ここです! ここに入っています!」と、目の前に突きつけてもらわないと、俺には読み取れないっぽい。  また6つの成分のどれにも属さない行や段落は、「無属性」とでもして、別枠で分類してみてくれ。それはいわゆる、「繋ぎ」ってやつだな。ハンバーグに入れる肉以外のもの。蕎麦に入れる蕎麦粉以外のもの。  蕎麦粉より「繋ぎ」のが多いようなもんは、それは、蕎麦って言わないのよ。 -------------------------------------------------------------------------------- ああ、なるほど No.7002 投稿日 2003年9月5日(金)16時57分 投稿者 細江ひろみ -------------------------------------------------------------------------------- 考証の好尚 No.7003 投稿日 2003年9月5日(金)17時37分 投稿者 鷹見一幸  リアルであることとリアルは違う。 てなことを、いまさら言うのもなんだし、一度も面識の無い方々のお話に首を突っ込むのもなんだけど。  お客さんを楽しませるジャングルパークに、必要なのは「ジャングル感」。  んでもって、その「ジャングル感」を与えるためにはどこまでジャングルを再現するか。  その方法論、アプローチの仕方は人それぞれで、それによって出来上がるジャングルも違う。  ……と、まあ、それだけのことじゃないですか?  「なんとなくジャングルっぽい感じ」なジャングルパークを作ってしまっても、その「なんちゃってジャングル」を売りものにすれば、そういったものを楽しむお客さんは喜んでくれます。  でも、真剣にジャングルを見に来た人は怒ります。  かといって、とことん忠実に完璧にジャングルを再現し、吸血ヒルや、毒蛇まで放し飼いにした場所に客を放り込めば、ほとんどの客は怒ります。ほんの一握りの客だけでしょう喜ぶのは。(新木さんとか弟切さんは喜びそう、かく言う私も)    さてさて、そうやって作られた「ジャングル」ですが。細江さんは「このジャングルは間違っている」とお感じになって、その理由を示されました。  細江さんの持っているジャングルに関する知識と概念と食い違う部分があったからです。  実を言うと、私は、あの「ジャングル」は楽しかったクチです。  私は、一年前まで現役の中学生の父親でした(今は高校生&小学生)んでもって、学校のPTAの自主パトロール組織の責任者もやっておりました。  今現在の中学校、小学校を取り巻く状況も、事細かに知っております。  Oー157騒ぎのときに、本業の関係で、学校の保健衛生、給食製造における食品衛生管理の状況、その他管理運営に当たる責任者のスタンス。保護者と学校のスタンス。  事細かに目の前で見てきました。保護者と学校と間に発生したトラブルの仲裁なんか何回やったか覚えてません(笑)  人間は、自分の体験したことしかわかりません。本当に体験したことと、本などを読んで知った事との間にはとてつもない温度差があると私は思います。  でも、残念なことに一人の人間が知ることのできる事実は目の前の事実だけなのです。  ですから、私が知っている、私が体験している事実は埼玉県ににおける一地方都市の一中学校の事実だけです。  もしかしたら、それは特殊な事実なのかもしれません。  でも、一般常識とか、社会通念という感覚は持っているつもりです。  自分が経験している事実が、特殊なものなのか、普遍的なものなのか、それくらいは区別できます。  社会通念によって支えられる常識というものの上で仕事をしているわけですからね。  私にはあの「ジャングル」は面白かったのです。  現実にはありえないかもしれない。  もし、現実に、実際に、中学校であれをやったらどうなるか?  それは、とんでもない結果を引き起こすであることを知りつつ、私には面白かったのです。  私は思うのですが。  今、小説にしろ、マンガにしろアニメにしろ。  私たちが読んでいる、見ている「学園もの」こそファンタジーの世界ではないかと。  それを実感したのは、宮崎アニメの「耳をすませば」を見たときです。  あそこに出てくる中学生は、普遍的な中学生のふりをしている、理想の中学生です。  実際にはありえない、ありっこない、でもあるかもしれない。と思わせるもの。  私の中にあるファンタジーの概念はこれです。 「耳をすませば」は、まさにこの概念にあてはまったのです。    ファンタジーのように、そこにある世界が虚構のものである、という前提において物語られるジャンルの中に「学園モノ」というものが存在しているわけです。  入り口が、現実世界と同じ場所にあるだけで、その中で語られる物語は、ファンタジーです。  私にとっては、テレビドラマの「3年B組」でさえもファンタジーにしか思えません。    ですから、私はあの「ジャングル」を楽しみました。  ごく普通の「学園もの」を書いてみたいなあ……なんて考えるほどにインスピレイションを刺激してくれました。  細江さんにとって「学校」というものは、真剣にならざるを得ない場所なのでしょうね。そのことはよくわかります。  人間には、そういうスタンスでなければ立ち向かうことのできない場所が存在するということはとてもよくわかります。  私だって映画やドラマ見ながら、「ケッ、ウソばっかこきやがって」と思うことがしょっちゅうあります。でも、それはそれと割り切ってドラマを楽しむことにしています。  リアルであることとリアルなことは、違いますよね。 (そうでなければ「ネオクーロン」なんて小説書けません) -------------------------------------------------------------------------------- 予断をもって余談を談じてはならない No.7004 投稿日 2003年9月5日(金)19時08分 投稿者 鷹見一幸 ふと、気がついて、うちの奥様に読んでもらった。  そうしたら、細江さんの書き込みの意味がよくわかる、とのお答えだった。  ミルクのゲロまみれの男の子を介抱する。  これ、赤ん坊とおんなじ、中学生にもなって何やってんのこの子。  こんな馬鹿を好きになる女の子も、中にはいるかもしれないけど、私はごめんだね。  てな感じだった。  言われて見ればその通りだ。子育て、それも赤ん坊ってのは24時間母親を拘束する。手がかかるなんてもんじゃない。  それと同じことを13、4才の中学生が目の前でやってたら、そりゃあ愛想尽かす。  もう、アホか馬鹿かと、なじりたくなるのも当たり前だよね。  今、この世の中に生きている子供達は、母親というものの犠牲の上に生きている。  子供を守り、子供を救うということは、その母親の努力を守り救うということに等しい。  子供は可能性の塊であり、そしてまた母親の努力の塊でもある。  こんな言葉をどこかで読んだような気がする。ひょっとしたら、俺の脳内かもしれないけど。  自分の体験を通じてでなければ、見えないものもあるんだということを実感しました。  んでもって、いかに男が馬鹿でガキであるかということも。 (……もっとも、馬鹿でガキじゃない男は男ではないような気もするが、それはまた別の話)  -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7005 投稿日 2003年9月5日(金)19時45分 投稿者 新木 伸 >細江さん  「ああ、なるほど」とあるだけでは、細江さんがなにを納得されたのかも、僕にも、この分室を読んでいる人間にも、わからないのですが……。  基本的なことを確認します。  これは「議論」なのですよね? 「牛乳を飲みまくって、逆流させて自爆して、馬鹿扱いされて保健室に叩き込まれて、見舞いしてくれたのは女の子ひとり」  こういう行動を取った中学生男子が、こうした扱いを受ける展開を、細江さんはNGとしたわけです。  そのNG理由としては、「現代の中学校ではあり得ない」です。  んで、僕はそれをOKとしました。  OK理由としては、「読者は受け入れるだろうから」です。  僕は、これは議論だと思っているのですが。  NGを出している側と、OKを出している側とが、おたがいのNGやOKの理由を説明したり、根拠が甘かったりする部分を指摘しあって、統一見解による合意なり、両者が持っていなかった新たな理解なりに到達するためのものです。  どっちが勝つとか負けるとか、ここでは、そういうことはあまり問題ではなく――議論の中でお互いの認識はより研ぎ澄まされるはずで、それが狙いであります。  それは小説を書くことに生かせます。  また問題を掘り起こして認識して、そこに解決を与えるプロセスの練習にもなります。自分の作品の中で別の問題にぶち当たったときに、この練習による経験は生かせるはずです。  弁当を持ってゆく中学校は特殊例なのか? ――への回答としては、全国平均で75パーセントを越えるという数字をもって、「弁当持参は特殊。4人に1人くらい特殊」と証明しました。  現代の中学校では、こうしたケースでまず病院の手配が行われる――ということには、読者の脳裏にある「平均的中学校モデル」は12年前のものであり、現代の中学校を舞台とするのは逆にふさわしくないと、そう回答しています。  ほかになにか未解決の問題がありましたら、僕は回答するつもりでいます。  また僕が回答できないことがあったら、それは僕の考えの不備というわけです。一点の未解決問題の影響によって、「OK」という全体判断が覆るかもしれません。 >中学生像とか  12年前に中学生だった読者が、読んで、「ああ、そうそう。こうだった」とうなずく「中学生像」とは、これまた、12年前の「現実」の中学生像ではないんですね。  12年経過後に頭の中に残っていて、「あのときはこうだった」という「思い入れ」にまみれていて、本人の都合のいいように美化されて(もしくは汚されて)改変された「記憶」に基づく、「中学生像」なわけです。  自分が子供のころ、どういう子供だったのかという話を親から聞くと――自分の記憶とは、ずいぶんと食い違っていることがあります。  親の記憶のほうが正しいというわけではないでしょうが、二人の人間が同じ物を見ていても、ずいぶんと違ってしまう例かと。  「耳を澄ませば」の中学生像は……。  僕は「どこの世界の中学生だよ」とか思いましたが、まあどこかの世界の中学生なのだと納得して見てました。  団地生活のゴミゴミしたディテールとかが秀逸だったせいで、それほど現実から剥離した感じはなく、夢に片足突っ込みつつ、現実にも片足を残したような、そんな白昼夢感が楽しかったです。  鷹見さんの言うところの「ジャングルパーク」ですね。  現実のジャングルとは違うと知りつつ、誰かの心証のなかにある「ジャングル」を覗きこんで楽しむ感じ。  小説家が書き、提供するものあくまで「フィクション」です。  たとえ現代物であったとしても、それは「ファンタジー世界」であり「異世界」であるわけです。「フィクション」と銘打たれている時点で、それはもう決定済みです。  ノンフィクションを求めるお客さんは、小説ではなく、なにか他のものを読みます。  なので小説家は、フィクションを――いかにうまく嘘をついて読者を騙すのかということに腐心しなくてはなりません。  現実との接点は「リアルさ」を演出するために大事なことですが、現実に縛られすぎてもいけないわけです。  ほどよく現実的で、ほどよく非現実的で――そのさじ加減の配合は作家それぞれの秘伝に属するところでしょう。 >鷹見さん >>ミルクのゲロまみれの男の子を介抱する。 >>これ、赤ん坊とおんなじ、中学生にもなって何やってんのこの子。 >>こんな馬鹿を好きになる女の子も、中にはいるかもしれないけど、私はごめんだね。  ええと。  しかしそれって、細江バージョンのリライトで追加されたエピソードなんですが。  2号の初期バージョンと、新木リライト版では、女の子はゲロまみれの男の子を自分で介抱していないことになっています。  初期バージョンや僕のリライトのほうでも、「女の子が介抱してやったように読める。10人中8人くらいはそう読んでしまうだろう」てな指摘があり、妥当な理由があれば、僕も考えますが。  その場合には、もうちょい改良が必要ですよね。  たとえば「イクオは先生に付き添われて保健室に放りこまれた。ハルコはあとから顔だけを出してきた」とか、たとえベタに書いてしまっても、10人が10人とも間違いなく読み取れるようにしておくべきで……。  ベタとロコツは嫌いなんですが、誤読が出てしまうなら、致し方ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- >男というイキモノ No.7006 投稿日 2003年9月5日(金)20時20分 投稿者 新木 伸 >男というイキモノ >>んでもって、いかに男が馬鹿でガキであるかということも。 >>(……もっとも、馬鹿でガキじゃない男は男ではないような気もするが、それはまた別の話)   まあ、その「別な話」のほうですが。つまり本筋と関係ない余談ですが。  男という性と、女という性があったとき。  もし、なにか「無理」や「無茶」に挑まなければならない事態が起きたとしたら、それを行うのは、どちらであるべきかと考えます。  無論。男。  男なんざ、ひとり生き残っていれば足りるわけです。  女のひとは、いっぱい生き残ってもらわないと、いけない。  たとえば孤島に取り残された人間の集団があり、その孤島は徐々にではあるが海に没して行こうとしている。数年や十数年は平気でも、何十年も安住できるとは限らない。  海の向こうには新天地があるのか?  そんなこと、まったく保証はありません。  さてここで、小舟で大海に乗り出していって、そして新天地を見つけて帰ってくるのは、男の役目でしょうか、女の役目でしょうか。  小舟で乗り出していった何十人が、すでに帰らぬ人となっています。  この集団の中から、「それでも俺は行く」と名乗り出る「馬鹿」がいてくれないと、集団は確実に滅びます。馬鹿でガキで分別がないお調子者がいないと、困ります。  分別があったら、小舟で乗り出してなんていきません。  ガキでいいです。見栄でもカッコ付けでも勢いでもいいです。これが無謀だと気づかない「大たわけ」でかまいません。無謀と勇気とを勘違いしているような、救いがたいアホであっても――。  誰かが、船で乗り出していかないと。  そして「新天地」を見つけ出して帰ってこないと。  そういう仕組みで、男の一部分は「馬鹿」で構成されていなければなりません。  牛乳に挑んで逆噴射させるやつがいたって、僕はかまわないと思います。  てか、いないといけません。クラスに一人ぐらいは。  そうした「馬鹿」がひとりもいない状態は、むしろ異常です。  ちなみにこの手のことを話題にすると、多くの人の地雷を踏みまくってしまうような気もしますが……。  あくまで僕個人の考えでしかないことを断っておきます。  違う価値観を否定しているわけではないので。  僕は、こういう考えに基づいて、「僕の認める世界」を小説のなかに出すわけです。  いわば、「馬鹿肯定的世界観」です。  また作家のなかには、「馬鹿」がひとりもいなくて、無茶をやらない理性的な人ばかりの世界を書く人もいます。  バリエーションは多ければ多いほどいいです。  馬鹿がいない世界の話は、僕には書けませんので、そういう人に書いてもらわないと困ります。  たとえばここの常連である「西鶴翠」なんかは、男性ですが、子供時代から病気がちだったという自分自身の生い立ちがあるために、僕の打ち出す「無茶をする馬鹿が存在する世界」の話には乗れません。また分室の体質も、僕のその「無茶してみようぜ」てな風潮に染まっていますので、かなり激しく嫌っています。  病気がちの彼には、「無茶」というのは生命の危機に直結してしまうことなのです。それは「絶対にいけないこと」なのです。  「まず倒れるまでやってみて、自分の限界を確認してみよう」――なんていう、僕の無茶苦茶なやりかたを実践してしまったら、彼は本当に死んでしまうのです。冗談ではなく。  いつも分室OFFは徹夜で24時間連続で行われていますが、彼はいつも、夜の早い時間に帰っています。  以前はそのあたりで衝突がありましたが、最近は「価値観の相違」という点で合意しているので喧嘩はしていません。 P.S.  ちなみに、25年前の、都内のとある区立校での話ですが……。  僕は「昼休み牛乳飲み」のチャンプだったりしました。  記録は「カレー大盛りお代わりつき」を食べたあとで12本。  ええ。何人もの挑戦者が、白い海に沈んでゆきましたとも。  そして保健室になんて入れてもらえないで、自分で雑巾持たされて掃除させられたうえに、昼の授業は上半身裸で受けさせられていました。先生の指を喉に突っ込まれて、残りも全部吐かされていたっけ。  僕自身は一度も逆噴射させたことはありませんでしたが。  これは「特殊例」だし、現代に通用するものでもないとわかっているので、いままで出してきませんでしたが。  まだ「体罰」が横行していたような時代の話ですし。山ほど引っぱたかれよなぁ。ホント、あの頃。  これ、そのまんま書いたら、ほとんど「こち亀」の両さんの世界ですね。「昔の下町はこうだったんだよっ!」――みたいな。  絶対にファンタジー世界の話としか思ってもらえない。 -------------------------------------------------------------------------------- 共感 No.7007 投稿日 2003年9月5日(金)21時11分 投稿者 鐸碑  無謀なことは男の役目ってのには、感覚と理性ともに共感します。  子供の頃、歳の離れた姉に挟まれて育った早熟で小賢しいお子様だった私は、どちらかと言うとあまり無謀を実践する方ではなかったので、無謀な行為に突入できる行動力には拒否しながらも惹かれていたので、憧れます。  大学では生物を学んで、哺乳類のオスが優良な遺伝子を選別する為の篩(ふるい)の役目をしている事も良く知っています。オスの最大繁殖可能数はメスの最大繁殖数の数倍ありますし、y染色体の遺伝子がx染色体より少ない分先天的異常が出やすい等、オスは優秀な一握りの個体だけ残ればよく、メスがその優秀なオスを選ぶ構造が基本です。  そういう事で、無茶・無謀をするべきは男であるという考えには非常に共感します。リアルにそうなった時、自分にそうできるかは別として、もの凄く憧れます。無茶・無謀に挑みそれを成功させた者が英雄なんだと思います。  まだ英雄になっていない男と、無茶を乗り越えて英雄になった男はほんの少しだけ別の生き物なんだろうなと思います。この英雄の遺伝子を継いだ次の男達の中から更なる試練を乗り越えた英雄が現れ、これを何万回、何億回も重ねるうちに人類全体に英雄の血脈が満たされてただのヒトから、英雄という新しい種族に進化するんだろうなと。  でもう一つの共感。新木さんよりは少し新しくなって、19年前になりますが。小学校6年生の時、担任の方針で給食の牛乳を飲みたくない児童は残してよく、残ったのは欲しい児童が飲むという制度化で、毎日平均5本以上飲んでました。  複数飲む児童が何名かいたんで、最高で9本しか回ってきた事がありませんが、7本連続一気飲みタイム35秒とか、5本連続飲み競争とかやっていたことを思い出します。今でも1リットル位は飲めるかなと思いますが、若い頃自分の限界に挑めなかった事が悔やまれます。 -------------------------------------------------------------------------------- 新木さんへ No.7008 投稿日 2003年9月5日(金)21時17分 投稿者 細江ひろみ 「ああなるほど・・・」 にはしっかりめいっぱい、書き込みさせていただきました。 なぜ消えているのかは、存じません。 短くまとめますと、4人に1人の状況を「特殊な状況」とする新木さんの感性と私の感性は、異なるものでしかないということであり、それをもって「細江は近視眼的に物事を判断して書いちゃっているに違いないのだ、それが見え見えなのだ、疑いの余地などないのだ」というのなら、私はどうぞご勝手に、としかいいようがないということです。 新木さんの見つけ出してきた資料の言うところ75%は客観的な数字でも、それが多いか少ないか、なんて主観的なことです。それを混同しています。 自分の感性に絶対的な自信を持つのはかまいませんが、それを基準に他人が正しいか間違っているか、決め付けないでいただきたいものです。 数値が出てきた分、突っ込みやすい。 私の感性的には、1000校に1校、いやもっと少なくてもいいかもしれないという程度ですね。 特殊というのは、私の感性でいえば、公立中学の教室の形が六角形だとか、同一敷地内に混在する二つの学校とか、正式科目としての都立普通高校の選択科目にアニメ科というレベルでないと。 昼食は弁当、など私の感性では「特殊」などではありません。 ここまでは、私の話。 重要なのは、読者の感性もまた人それぞれということです。 75%がそうだから、それは説明しなくても前提として成り立つのだ、というのは無理じゃないですか? 歴史小説で三百石よりまだなお無理じゃないですか? 読者は、自分の経験や身近な事例に照らし合わせて、どう考えるでしょうね。 たぶん、私が思うに、どうも考えない人が大半です。 私は教師が教室にいてなおかつ、教室で牛乳の馬鹿飲みをしている生徒に気づかず、あるいは気にせず、あるいは無視して、あるいはおもしろがって、理由はともかく吐いて倒れるまで制止しなかったと考えるより、「教師が給食時にいなかった」と考えたわけですが、読者はふーんと読み飛ばし、ただし明確なイメージを抱けず、なぜそうなのだろうと考えもせず、ただつまらないと感じるだけでしょう。 そうだろうと判断するのは、私の感性です。 というわけで、私は教室に教師がいるのはおかしいとはいいません。 教師が教室にいてなお、吐いて倒れるまで馬鹿をとめなかったより、教師がいないというより単純明快な状況を想像しただけです。 で、プロ二人が感性で違うこといいだしたら、議論する必要などないのですよ。共同プロジェクトで一つの作品作ってるのでもないかぎり。 よって、私は感性の問題を議論するつもりなどありません。 ただし、新木さんが客観的な数値と主観的な感性をごっちゃにしているのはいただけません。 それを根拠に、どうこう言われるのも、いただけません。 というようなことを、書いてありました。 >鷹見さん が言うように、学園ものはファンタジーです。 これほどぴったり来る言葉はありません。 大半の小説は、舞台が現代であっても、ファンタジーです。 時代物ならば、むしろ僅かな資料から幾多の解釈が生まれたとしても、三百石というものがれば、その多さ少なさにたいした違いは出ないでしょう。説明しなくても共通認識たりえます。 が、学園ものを読者が判断する基準は、まずは自身の体験でしょう。 それぞれ微妙に違う、読者の体験です。 共通認識は、ありません。 それぞれがそれぞれに、近視眼的に判断しかねません。 それでも全国共通の同時代の共通認識もあります。 そしてファンタジーであるからには、世界を設定しなければなりません。 現代ものだから、数値からみて平均像を割り出せば、それを読者が汲み取ってくれるというものではありません。 資料は、リアルな「学園という名のファンタジー世界」作成の役にはたつでしょう。しかし読者は資料で学校というものを知っているのではなく、それぞれ違う実体験によって知っているのです。 だからこそ、その架空の学園のある世界がいかなるものか、表現する必要があるのです。どういうところであるか、書いてないかぎり、読者がどう読解しようが、それは読者の勝手となるはずです。 少なくとも75%なんて数値は低すぎて、私の感性じゃ共通認識や前提たりえません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7009 投稿日 2003年9月5日(金)22時01分 投稿者 新木 伸 >細江さん  ありゃりゃ。なんかバグでも出てしまったのでしょうか。  ここの掲示板のシステム。フルスクラッチではないのですが、かなりの部分が自作で組んだCGIなもんで、バグで消えてしまったのでしたら、半分は僕の責任です。  データファイルを当たってみましたが、やはり痕跡も残っていないようす。  書くはずだったものが手元に残っていましたら、もういちど書いていただければ、その前提で受け取りなおしますが。 (いちおう、要約に相当するものがあるので、平気かな?) >75%が、多いか少ないか  ですから、僕の感性ではどうだとか、細江さんの感性ではどうだとか、そういう話をしているのではないのですけど。  この75%という数字が示しているのは、ただ、ひとつのことです。  読者が、それぞれの体験に基づく近視眼的価値観によって判断した結果、4人のうち3人が「イエス」とうなずいて、1人が「ノー」と首を横に振るという事実です。  「特殊」という言葉の定義は、ここでは重要ではありません。  「ノー」より「イエス」という人間のほうが、3倍ほど多いという事実こそが重要です。  これは「事実」ですので、誰の感性によっても変わったりしない数字です。  そして、この「1:3」という比率の格差を、多いと見るか、少ないと見るか。  それを計るのは読者の「感性」であって、僕らの感性なんか、どうだっていいんです。  もしやるのであれば、百人ぐらいのサンプルを取ってきて、「1人と3人」の比率となる様々なケースを持ち出してアンケートを取る必要があるでしょう。  「朝食はパン? ご飯? どっちが普通?」  「ツナマヨのオニギリはOKなほう? NGなほう? OKな人は普通?」  「インターネット使える? 使えない? 使えるのが普通? 使えないのが普通?」  こんな質問を、読者層の大勢にぶつけてみて、出てきた答えこそが「真実」で、僕らが基準にすべきものです。  「給食がある/ない」という二者択一を、作品中で選択しなければならない事態になったとき、判断するための指標となるものです。  大勢の人たちが、「1:3」とう比率をどう考えているのか。4人に1人を特殊と考えるかどうか。  そこが肝心なのです。  僕が、どう感じているかとか。  細江さんが、どう感じているかとか。  何度も書きますけど――。  そんなこと、どうだっていいんです。  大勢の常識に近い感性を持っていたら、「ああ。俺のあたりまえでやればいいのか」と思えばいいし、もし逆であったら、「俺のあたりまえは、一般には、かなりヘンなのか」と覚えておけばいいだけのこと。  なんでそんなに、感性の違いにこだわるのですか?  自己の感性なんてもんは、そんなにガード固めて守り抜かなきゃならないほど、大切なものなのですか?  僕はずっと、「読者はどう感じるか」についてのことを、一貫して言ってきたつもりなのですけど。  「給食がある」という設定が、75%にヒットして、残りの25%の人には「嘘だぁ」と思われるのだとしますよね。  残りの25%の人は、その「嘘だぁ」と思った「非リアルさ」のせいで、この作品を読み捨てることを決定するのか? そのくらい大きな問題なのか?  そんなに大きなことでないなら、目をつぶってもいいことです。その25%の読者だって、給食がある学校の話くらい聞いているでしょうし、「ああ。そういう学校での話なんだな」と了解してくれるかもしれません。  ただし、「嘘だぁ」と思った瞬間に、一瞬目を止めてしまって、文章を読み直してしまうでしょう。作品に没入する機会を奪ってしまうかもしれません。その25%の人にとっては、この作品は没入できなかった時点で価値が下がります。  この75%という数字が示しているのは、それだけのことです。  残りの75%の読者は、集中を解つこきなく没入したまま読むことが出来るわけです。――これは事実。  そして25%の人が、目を止めて、読み直して、「嘘だぁ」と思うかもしれない。投げちゃうかどうかはわからないけど、すくなくとも目を止めるのは確実。――それも事実。 >>で、プロ二人が感性で違うこといいだしたら、議論する必要などないのですよ。共同プロジェクトで一つの作品作ってるのでもないかぎり。  議論する必要を認めないのでしたら、降りてくださればよいのでは?  ただ、仕事ではないからこそ、こうして議論できるのだと思うのですけど。  これがプロジェクトであり仕事であり、ひとつの作品を複数の人間が集まって作る――ということであるなら、無論、事前にどっちがボスかはっきりさせておきます。  意見の相違が起きたとき。――よく起きますが。  自分がボスであったら、一応の説得は試みた上で、最終的には力ずくで黙らせますし。  細江さんのほうがボスであったなら、努力と抵抗はしてみますが、きりのよいところで引き上げますし。  議論と呼べるようなものをいちいちやってたら、仕事なんて進みませんし。 -------------------------------------------------------------------------------- 感性の違いがある No.7010 投稿日 2003年9月6日(土)00時09分 投稿者 細江ひろみ 感性の違いがある。 書かれていないことについて、読者は異なるイメージを持つ。 だったら書いておけばいいだけのことです。 書かれたものの中で、キャラも立ってなきゃ、舞台も明確でないってだけのことです。 >その25%の読者だって、給食がある学校の話くらい聞いているでしょう >し、「ああ。そういう学校での話なんだな」と了解してくれるかもしれませ>ん。 給食があるといわれて、嘘だあと言う読者の話などしておりません。 少女はゲロ少年を世話していない。 なぜなら先生が世話したからだ。 なぜなら教室で一緒に給食を食べていたからだ。 それは普通のことであり、そうでないのは特殊例だ。 私には、場当たり的に設定を後付しているようにしか見えません。 給食の話にかぎっていえば、 あるとも、ないとも書いてない、という点が問題なのです。 あったのは牛乳だけです。 書いてないから、給食のある学校なのだ。 だから先生がいたのだ。 だからゲロ少年は先生が世話したのだ。 だから少女は世話してないし、見舞いに来ただけなのだ。 読者はしるかそんなこと! 5年後の読者にも、わかるように書いておけ! 三百石より、個別の体験を持つ読者はわからねーよそんなこと! 教師がいるならいるで、かまいませんってば。 ただ、いたなら、何度も聞きますけど、その教師はなんで馬鹿が吐く前に行動起こさなかったんです? と、延々いいつづけるのにも、飽きました。 > 議論する必要を認めないのでしたら、降りてくださればよいのでは? 議論かどうかについて疑問が残りますが、そうします。 それに書けたり書き込めなかったり二重書き込みになったりタイトルだけになったり、書けなかったはずなのに、あとで見たら書き込めていたりと、面倒ですし。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7011 投稿日 2003年9月6日(土)02時03分 投稿者 新木 伸 >細江さん  今回の一件。  僕自身もだいぶエキサイトしてきていると感じましたので、ひとつ、過去ログの昔の部分に戻ってログを読みかえしてみたりしていました。  あと 問題となっている2号のNo.10の課題と、僕のリライト、細江さんのリライトなども読みかえしてみました。  それで。  ええと……。  そもそも、はじめは、なにが問題となっていたのでしたっけ?  ここ最近は、ずいぶんと、こんがらがってきちゃっていますが。  「無茶して小僧が牛乳飲んで、吐いて、ゲロまみれになって、そんなモノの世話をさせられた女の子の立場になってみろい」  ――てなことを細江さんが書いたのが、6961でした。  たぶんここが始まりではないかと思います。  もしよろしければ、いったんここに戻って、リセットしてみませんか?  僕、いまからであれば、なにが問題の本質だったのかわかった気がしていますので、ゴルディアスの結び目状態となってしまった今回の事態を解きほぐせるかもしれません。  このまま最悪の心証を持ったまま、ケンカ別れ――てのも、残念ですし、寂しいですし。  よろしければ、仕切直しをして、もう少しばかり続けたいと思うのですが。  いかがでしょうか? >2号  使い分けが難しい同音異義語。  宿題に追加。  「喜ぶ」「悦ぶ」「歓ぶ」「慶ぶ」  一般人であれば、すべて「喜ぶ」でいいところだろうが……。  作家ぐらいは使い分けをせんとな。 >巻島  そういや、なんか前、質問してたっけか。  50枚部分に関して、削りやら修正やらを施したものを、見てもらえるのかどうかとか、なにかそんなこと。  利用できるもんは、利用し尽くせと教えたはずだが。  「見てくれ」と言って見てもらえるプロがいるなら、利用し倒せばいいんじゃないの? 見てもらえそうになくても、ダメモトで送りつけるぐらいでもいいと思うが。  巻島の場合は課題部屋が利用できるんだから、使えばいいじゃん。  あと、物事には「機」ってものがあるのね。  たとえば、いまこの瞬間に原稿があったなら、俺は見るかもしれないな。  だが三日後であったら、どうだろう?  一週間後では? 1ヶ月後では? 半年後では?  機を失ってしまったら、どうにかなったはずのものも、だめになるってこと。  ちなみに分室では、チャンスが訪れたときに行動できるだけの地力も養っているはずだが。50枚の直し、死ぬ気でやって、一週間以内にあげてこれるぐらいの基礎体力は付けてあるはずだが。死ぬ気でなくて、普通にやってても、2〜3週間でできるぐらいの体力は付いているはずだが。  これはべつに、その期間内に上がったら見てやるという約束でもないが。  「チャンス」と書かれたチャンスなんて、どこにも転がってないのね。 -------------------------------------------------------------------------------- なぜカールゴッチを知ってますか No.7012 投稿日 2003年9月6日(土)06時56分 投稿者 名無し君2号  カール・ゴッチとは誰か。  ひらたくいうと、無茶苦茶に強い外国人プロレスラーのこと。  アントニオ猪木が新日本プロレスを旗揚げした際、最初に闘った相手。  強いのは強いが、それだけでは「神様」とは呼ばれない。もっと強い人だっているし。  この人のえらいところは、「強くなる方法」を日本のプロレス界に伝えてくれたことだ。練習方法、間接技等々。  プロレスの「強さ」の部分は、この人のおかげで出来上がった、そう言っても過言ではない。  「神様」と呼ばれるのも当然である。 >居合い抜き、再説明  鐸碑さんは私より、よっぽどわかっているようですが。  まあ……無知の知っていうし。頑張らないと。 >居合い抜き  刀を鞘に納めた状態が基本姿勢。  そこから刀を抜き、そのまま相手を斬る。  この一連の「斬る技術」を指す。  利点は、 ・相手に自分の攻撃範囲を悟られにくい。 ・攻撃する瞬間を読まれにくい。  の二点。もちろん不利な点もある。 ・どうしたって普通に斬るより、時間がかかること。 ・刀でさばけないので、守りには向いてないこと。 >正眼  剣道における基本の姿勢、「中段の構え」のこと。 ・まず普通に立つ。足はやや開けて、普通に。 ・両手で剣を持つ。腕はかるく曲げる程度。曲げすぎはダメ。男の場合、立ち小便するときの腕のポジションにして、そこからすこしだけ腕を上げる。 ・ここで、一メートル先に人が立っていると想像すること。身長は自分と同じくらい。 ・剣の先からまっすぐにレーザーが出ていると想像しよう。そのレーザーを、想像した相手の喉元あたりに当てる。腕は固定。手首の動きだけで当てること。  はい。それが「中段の構え」。もちろん、実際にレーザーは出せません。  中段とは基本であることからもわかるように、守りに向いた構えです。  しかしこの構えは「突き」に向いてもいるので、そのまま「弱い」とは言えません。 >三〇〇石  当時の日本は国力を米の生産量=石高で表してました。「加賀百万石」なんて聞いたことがあると思います。ちなみに一石は2.5俵。  それぞれの国の支配者層「武士」は、被支配者層である「農民」から税金のかわりとして年貢米、つまり米を取ります。  で、私が恥ずかしいのは先の説明部分、鐸碑さんの言うとおり、4割は武士、6割はお百姓さんが取ってました。じゃなきゃお百姓さん、食っていけないし。  「四公六民」とか「五公五民」とかいうやつですね。  加賀百万石だと、四〇万石が、加賀の国の実際の収入になります。  米を売った金で、いろいろな買い物をすることになります。だから「武士」と「農民」にとって、米の値段は重要です。  「町人」にしても、主食は米ですから、米の値段が変われば、そのまま家計に直撃します。  「武士」「農民」「町人」。当時の国民のほとんどが、米の値段によって家計を左右されることになります。  つまり「米の値段」こそが経済の中心でした。  さらに、武士は給料として「金」ではなく「米」を貰ってました。  食べる分はとっておき、残りは換金して使う。支配者層の給料が「米」だったわけです。  平均して一石=一両で、換金されてました。  一両は7〜8万円ほど。  「鬼平犯科帳」の鬼平こと長谷川平蔵で400石。  300石なんて、剣術家に払う給料ではありませんな。  仮に貰えるとして……どこかの大名に、剣術指南、兵法指南役として仕えるか。それでも100石も貰えればいいところだよなあ。 >三〇両  現代の金額に換算すると、一両=約7万円。つまり210万円。尋常な額ではありません。  一両って7万円ぐらいだったよな? と思って調べてみたら、いろんな説がある模様。  一両、3万円という説もあれば、6万円、7万円、8万円と、いろいろ。  現在の米が10キロで4000円とする。  一俵は56キロとして……一石は2.5俵だから、一石=140キロ=56、000円。  おお? 意外な額が出たぞ。  まあ、物の価値なんて時代によって変わるものだし。  「子連れ狼」の主人公、拝一刀は500両で刺客を請け負っていましたが……彼は一人殺すだけではないからなあ。 >短編について >起承転結パターン  えー、そもそも「起承転結」ってなんだ、というところから考える。  「起」で始まり、「承」で盛り上げ、「転」で裏切り、「結」で終わる。  「起」と「結」は対応してなくちゃいけない。  さーて? どうすりゃいいんだ。  ん。んー、ん?  起承転結の足りない部分には、「相手を好きになるエピソード」が入らなくちゃいけないんじゃないか。  そうじゃないと、いくら主人公が「おまえが好きだから、キスしなかったんだ」と言っても、説得力がないのではないか。  だって、主人公は初期状態で「相手を好きではない」わけだ。  それが最終状態では「相手を好きになる」わけだ。  しかもそれは、エロ餓鬼の主人公が、キスというごちそうよりも、優先させなければならないことだ。  飢えたケモノが、その本能に勝てるだけの「好きになってもおかしくないエピソード」がないと、駄目だろう。  あと……。「エロよりも愛」な話だから、そこを「エロよりも友情」「エロよりも自己満足」とかに誤解されないようにするためには、「相手を好きになるエピソード」がなくちゃいけない。  そして、この話は短編だ。そんなにエピソードはつめこめない。  「起」の部分。「エロ覚醒」と「女の子の好意に気づく」「相手に好意を抱くが、好きまではいかない」。どっちがいいのか。  「起」は「結」と対応してなきゃいけないから……。  最初にエロ覚醒を書いたら……っていうか、だったら主人公はただのエロガキのほうがいいんじゃないか? わざわざ短編の「起」を使うより、最初からエロ小僧のほうがいいんじゃないか。  まあ、「起」にエロ覚醒を書くとする。「起」にエロ覚醒を書いたら、つまりそういう話になるわけだ。Hに関係した話。  そこに「女の子の好意に気づく」と「相手に好意を抱くが、好きまでいかない」を入れて、テーマに即した話にするのって……。  難しくないかなあ。 ・パターン2 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・女の子の好意に気づく。 (転)・相手に好意を抱くが、好きまでいかない。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「転」じゃないやな。 ・パターン4 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・相手に好意を抱くが、好きまでいかない。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  うーん。足りない。「転」で気づいて、そして……?  「起」は「女の子の好意に気づく」ならば。  これが一番やりやすいと思う。 ・パターン1 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・男はエロスに目覚める。 (転)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  ちぐはぐ。「転」が「転」になってない。 ・パターン3 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  これかなあ。  「起」が「相手に好意を抱くが、好きまではいかない」の場合。 ・パターン5 (起)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (承)・女の子の好意に気づく。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  これでもいいか。 ・パターン6 (起)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (承)・男はエロスに目覚める。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「転」が「転」になってない。  パターン3か5になるような気がしますが……もうすこし考えます。 >エロスの度合い  レベル2.5・妄想上では服を脱がしているが、ラストでキスはしない。  登場人物が小学生だし。小学生がこれ以上求めるか、っていったら……まあ、求めるんだけど。 >対象読者の設定とか  「中学3年〜高校3年」あたり向けに書きたいですが……。  そういえば、明確な読者層を意識してなかったです。 >女の子の性格 「相手がキスしたいなら、まあ、我慢しよう。それ以上なんて、想像もしたことない」  こんなレベルです。 >話のテーマ  主人公の「自己満足」だったら、すごい書くの楽だと思いますが。  「相手が求めていないなら、我慢する」という話です。 >1000字課題について >No.23 >>ラストの女の子の台詞、意味不明。 >>「いいかげんに、ちゃんと寝ろ」ということが、つまり、なにをいっていることなのか。 >>無論、やりたいことはわかる。 >>だが俺の中の仮想読者20人のうち、17人ぐらいが「わけわかめ」と言っている。  ああ……。  17人もわかんないですか。そうか……。むしろ、あからさまかなあ、と思っていたくらいだったんですが……。  むずかしいな、さじ加減が……。 >No.24 >>途中までは楽しく読めたが、落ちてねーじゃん。 >>これってさ。  う。 起:二人の男が目覚める。どちらかが雨のなか、食事を買いに行かなくてはならない。 承:カミナリが落ちる。一人がやたらに怯える。しかたなく、もう一人が買いに行った。 転:一人が怯えていたのは、買い物に行きたくないための嘘だった。 結:残った一人はもう一眠りする。  落ち……てないかなあ。  昨日の分が一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=591&e=res&lp=550&st=0  今日の分が一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=592&e=res&lp=550&st=0 >リライト考察  続き。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  事件は教室で起こった。給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。そのあげく、すべて元に戻した――教室の床に、白い水たまりを作った。 「なんであんなことしたの。馬鹿だから?」  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づく。ハルコにちらりと視線を送った。座っているときでも、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きい。クラスで一番、背の高く、いつだって冷静な少女、ハルコ。イクオは、前から数えたほうが早かった。――つまり、そういうことだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  事件は教室で起こった。  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえん がちょを切られた。 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えな いからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そし て冷たい冷血女。ハルコ。  イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「事件は教室で起こった。」で改行してます。  これは場面転換をわかりやすくするためでしょう。  「給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。」でも改行。  これは読みやすく、というのもありますが……。  新木さん版の場合、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえんがちょを切られた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうなってます。  「牛乳を全部飲んだ」  「吐いたので保健室で寝ている。吐いたのでみんなから嫌われた」  つまり、  「イクオの馬鹿ぶりを説明」  「イクオの現在の状況を説明」  という流れ。  一つの行に盛りこむ主題は、一つがいい、ということじゃないかと思います。  あとは「イクオの馬鹿ぶり」を目立たせるため。  文章の違いについて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「そのあげく、すべて元に戻した――教室の床に、白い水たまりを作った。」(私版) 「そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえんがちょを切られた。」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「すべて元に戻した」がなくなっています。なるべく文を短くするために、重複する説明を除いたのが一つ。  あとは、「皆からえんがちょ……」が追加されています。これにつなげるためには、くどい説明は邪魔になった、というのもあると思います。  「皆からえんがちょ……」はイクオの状況を説明したものです。  が。  これによって、みんなからは嫌われているのに、ハルコは一応、見舞いに来ている、というのがわかります。  キツイセリフを言っているけど、実は……?  そう思わせる文。  イクオの説明でもあり、ハルコの説明でもあると。ハルコのかわいさ2割増量部分。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「なんであんなことしたの。馬鹿だから?」(私版) 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ハルコを中学生らしく、さらに辛辣に。  セリフはむしろキツクなってるんですよね。なのにかわいさ2割増。セリフに頼っていない、ということでしょう。セリフに頼ると楽だけど、深みはなくなる。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づく。ハルコにちらりと視線を送った。座っているときでも、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きい。クラスで一番、背の高く、いつだって冷静な少女、ハルコ。イクオは、前から数えたほうが早かった。――つまり、そういうことだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えな いからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そし て冷たい冷血女。ハルコ。  イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオがハルコを好きなこと、ハルコの説明、イクオの説明をする箇所。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオは心のなかで毒づく。ハルコにちらりと視線を送った。」(私版) 「イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私の場合、  「文句をいう」「見た」  新木さんの場合、  「文句をいった」「見る」  の流れ。  新木さん版のほうが、次に向かう流れがより強い……と思うけど、自信がない。改行してあることにも関係あると思う。次がハルコの説明だから、より強めたんじゃないかなあ。  文の違い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ハルコにちらりと視線を送った。」(私版) 「ハルコの体を横目で見る。」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「ちらり」だと一瞬だけ、「横目で見る」だとずっと見ていることになる。  私の場合、一瞬だけ見て、あとは背中でハルコの話を聴いている。  新木さん版の場合、ここの場面から、ばれないようにずっと見ている。  「座っている……」で改行しているのは、ハルコの説明を目立たせたいから。  私の場合は、説明が埋もれてます。  次。  ここから、イクオの心の声がならぶわけですが。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  座っているときでも、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きい。クラスで一番、背の高く、いつだって冷静な少女、ハルコ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えないからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そして冷たい冷血女。ハルコ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版の場合、「男より頭一つぶんだけ大きかった。」から、ハルコの教室での席を使って、背の高さを描写しています。  私はあっさり「クラスで一番、背の高く」と書いてます。それじゃ説明だって!  性格部分においても、私の場合は、「いつだって冷静な少女」とあっさり。  新木さん版の場合、「クールで冷静で、そして冷たい冷血女」としつこくまあ。  ここで、イクオのハルコに対する感情が描写されます。 ・ハルコの性格を、うらやましく思っている。 ・おまえのために背を伸ばそうとしたんだろうが、と八つ当たり。 ・おれの気持ちに気づいてくれよ、とその冷静さにも八つ当たり。  さらに、オチの部分、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ハルコはめずらしく感情のこもった声で、言ってきた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  の効果を上げる意味もあります。  「クールで冷静で、そして冷たい冷血女」なのに、「めずらしく感情のこもった声」で言ってくるわけです。  単純に盛り上がり度があがるのと同時に――。  「ハルコの感情」に気づく人を増やす効果もあります。  ようするに「身長が小さいあんたのために、これ以上背を伸ばしたくないんじゃないのよ」=「あんたが好きだ」なんですけど。  人によっては読みとれないかも知れません。  読みとられければ、すべてが無駄になります。いくらカニがおいしくても、割れない甲羅じゃ食べられない。  なので、取りだしやすいようにする必要があります。  「クール」なハルコが、「めずらしく感情のこもった声」で言うわけです。それだけで、何かがあると思ってくらなくては困ります。  文の違い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオは、前から数えたほうが早かった。――つまり、そういうことだった。」(私版) 「イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオの説明。  私の場合、身長の描写だけ。「――つまり……」で、イクオがハルコを好きなのだということの説明補足。  新木さん版は、イクオの身長と性格を説明してます。  これは自嘲しているわけです。  「おれはハルコと比べて……」です。あとは「馬鹿なことやっちまったなあ……」もあるでしょうし。  「ハルコは大きい」「イクオは小さい」  このおかげで、イクオのハルコに対する感情もほのめかされます。  この時点では、確定はされていません。  「牛乳=背が伸びる」  とは、まだ読者が思い至らないからです。この次のハルコのセリフで、それがわかって、読者は「あー、なるほどね」と思ってくれるはず。  というところで、次回へ続く。次で終わるだろう。 >生課題について  6時間ぐらいかかりました。  でも――。  たぶん、食えない。前のよりは大部ましだと思うけど。あーうー。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=593&e=res&lp=584&st=20  今回は、ひたすらに短編で悩んだ。丸一日悩んで、それでも答えが出なかった。あー、考えるのは大変だあ。  で、書きこんでいなかった間のログを読む。 >同音異義  わかりました。  「喜ぶ」「悦ぶ」「歓ぶ」「慶ぶ」、調べます。 >細江さん  なにやら私が遠因で……原因か? 申し訳ないです。  細江さんの意見は、私にとってかなり有益なものでした。  まあ、ちっとも活かしてねえじゃねえか、と言われると返す言葉のひとつもないのですが。  「牛乳」の話にせよ、細江さんじゃなかったら、そういう指摘はなかったわけですし。  それはここをROMしている人にとっても、有益なことだろうし。  ギブばっかりで、全然テイクしてないから、引きとめることも……ですけど。 -------------------------------------------------------------------------------- いや No.7013 投稿日 2003年9月6日(土)11時59分 投稿者 細江ひろみ 私も読み返してみたのですが、新木さんの私に対する思い込みに対し、細かく「はずれ」と言わなかったのが、失敗だったのではないかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 失礼 No.7014 投稿日 2003年9月6日(土)13時21分 投稿者 細江ひろみ 7013は、新木さんへのレスです。 書き込むとフリーズしたがごとき時間がかかるので、ほっぽっといて泳ぎにいってきてかえってきて見たら、えらく時間がかかってしまった模様。 -------------------------------------------------------------------------------- 通りすがりで悪いのですが…… No.7015 投稿日 2003年9月6日(土)17時57分 投稿者 甘夏 >2号さん  居合抜き(抜刀術)について調べましたか〜?  居合。  居合とは立合と対をなす言葉です。  立合とはお互いが剣を抜いた状態で闘う技術を指します。  学校で習う剣道なんかは立合です。 『いざ、尋常に』ってやつです。  居合とはそれとは反対に剣を抜かない状態からの技術を指します。  基本、抜きざまに相手を斬る技術を居合術、抜刀術と言います。  すでに抜いている相手に対し抜いていない状態から対応する。  というのが基本理念です。  利点、というか特徴についてですが。  まず、剣を指した状態ですので得物の長さを悟られにくいです。  次に、これが最も重要なのですが。  居合術の一刀目はその他すべての剣術のどの斬撃よりも速いです。  これはタイミングや予備動作を含めてのことですが。  通常、剣を扱うには呼び動作が不可欠です。  振り上げる、引く、切っ先を下げる。  居合術は抜くだけなのでその動作が最低限ですみます。  そして、その抜きのタイミングだけに集中するので  その他の斬撃にくらべはるかに対応速度が速いです。  まぁ、そうでなければ立合の相手を前にして生き残れないですものね。   なお、居合は基本、一刀目にすべてをかけます。  居合の思想は『抜かずに勝つ』です。  ざっとグーグルで調べたことをより合わせてみたのですが。  はっきり言って、やったこと、見たことないのでだいぶいい加減です。  でも、2号さんよりは書けてるような。  う〜ん、知らないことは書かないほうがいい。  と、どんな小説指南本にも書かれてますが…… -------------------------------------------------------------------------------- 戻りました。 No.7016 投稿日 2003年9月6日(土)23時42分 投稿者 弟切 千隼  出張より戻りました弟切です。  出張先も残暑厳しく、日向を歩いているとまた熱中症になりそうな気がして、日陰から日陰へと渡り歩いていました。これだけ暑ければ、仕事を終えた後のビールはさぞ美味しいだろうと期待しましたのに、なぜかそれほど美味しく感じませんでした。  今朝、起きた時に喉が痛かったところからしますと、弟切はどうやら夏風邪気味のようです。体調が悪かったためにビールが美味しくなかったのか、と納得しました。  今回は生存証明のみにて失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7017 投稿日 2003年9月7日(日)02時32分 投稿者 新木 伸 >細江さん  僕のほうも――。  ダメ出しをすべきところを、濁しちゃったのが失敗だったかも。  いちばんはじめに、2号のNo.10をもとに、細江さんの出してきたリライトがありますよね。  あのときにはっきり指摘すべきでした。  「これでは別の話になってしまっている」と。  細江さんの話では、ハルコはゲロまみれのイクオを介抱してやったことになっています。  しかし2号の元バージョンでは、ハルコはイクオを介抱していないのです。またイクオはゲロを床に吐きましたが、自分自身の体にはかけていません。服も汚れていないわけです。  そこが大きく違っています。  作者が本来やろうとしていたこと以外に読み取られてしまうのは、すべて誤読です。  当然の事ながら、誤読を出したことは、書いた側に全責任があります。  あの場合には、細江さんにそう読ませてしまった2号の元バージョンと、そして僕のリライトに問題があったわけです。  なので、あそこでまずやるべきだったことと、その手順とは、以下のようになったはずです。 ・細江さんに誤読させてしまったことの認識。(同時に2号へ「もともと書こうとしていたもの」の確認も行う) ・誤読の原因の理解と解明。 ・誤読を許容するか、誤読を出さないように修正するかの判断。 ・原稿へ反映。誤読の余地が消えたかどうか、読み直して再チェック。  このへん、ソフトウエアのデバッグと同じですよね。  予定の動作をしないものは、すべてバグなわけです。  バグ報告を受けた後にするべきことは、再現させて、その原因を確認して、潰すことです。  もしくは、潰せないバグであるなら、「仕様です」と認めて出荷してしまうこと(笑)。  たとえば女性読者で、しかも同年代の子供を持つ母親の多くは、あの掌編を「イクオがゲロを自分にかけてしまって、その世話をしてもらった」と読むのだとします。  そのことが確認されたあとで、対策をするわけです。  母親である読者も誤読しないように書くのか。それとも誤読してしまってもやむなし――とするのか。  このへん、対象読者も関わってきます。  あの話が「27歳近辺の男性」に向けて書かれた話であるなら、母親は対象読者のなかに含まれていません。よって「修正しないで出荷」もやむなしとなる場合もあるでしょう。  ソフトウエアでも、上級者に向けて作られたソフトは、初心者には使いにくいかもしれません。またその逆もしかり。  上級者の行う「ある特定の動作」がバグを引き起こすことがわかっていても、それが初心者向けソフトであって、初心者が絶対にやらない(できない)操作であった場合には、工程などの関係で、そのまま「仕様」とされて出荷されることもありますし。  たとえば「初心者にできない操作」の具体例としては、一秒間に8文字以上タイピングする――とか。  僕自身の判断では、あの話は、誤読が出ないように修正を加えてしまうと、切れ味が鈍ると考えました。この際、女性読者は切り捨ててしまっても、男性向けに書いたほうがよいという判断です。  てか、そもそも2号、女性読者を獲得するの、無理っぽいですし。 (No.26 を読んで、どう思いました?) >書きこみ不調の件  こちらの掲示板への書きこみが不調になる件ですが。  このあいだも似たようなことがありまして。  そのときは、サーバー上の他のユーザーが異様に重たいCGIを走らせていてCPUリソースを馬鹿食いしていたのが原因でした。  そちらはすでに解決ずみです。  このときには、ここの利用者全員に「なかなか書けない」という現象が現れました。  今回は他のユーザーから同種の現象の報告がないので、インターネット上の経路問題とか、プロバイダの問題とか、細江さん宅のLANの問題である可能性があります。(むしろ高い)  家庭内LANの問題だと、ケーブルが接触不良を起こしかけているとか。LAN中のマシンのどれかがウイルス感染しているとか。最近流行のBLASTERはポートスキャンするのでネットワークに負荷がかかります。  または、細江さんがダイアルアップに使っているIPが、インターネットのどこかからDoS攻撃の対象になっている可能性もあります。(山ほどパケットが送られてくるので重くなる)  書きこみに時間がかかるのは、そのどれかが原因だと思われます。  あと例の「書いたときに中身が消えた」現象ですが、あれはCGIのなかに、思いあたる部分もありました。  ネットワークのどこかで異様に長い遅延が生じると、タイムアウトが生じて、データが切れた状態で書きこみされたりするかもしれません。  細江さん、SE経験があるそうなので、専門的なことを書いてみますが。 read(STDIN,$buffer,$ENV{'CONTENT_LENGTH'});  上はPERLによるCGIの該当部分ですが。  ここでPOSTメソッドで送られてきた書きこみの内容をすべて受け取ります。  しかしread文が1回しか呼ばれてない。1回ですべてを読み込める保証はないのですね。この関数のリザルトコードとして返ってくるのは、「成功時のバイト数 or EOFコード or エラーコード」のどれかです。  ――が、まあたいてい、1回で書きこみ内容をすべて読み込めるのですが。  例の「中身が消えちゃった事件」は、ここの関数がタイムアウトによってプログラマの希望外の動作をしちゃった可能性があります。 (海法さんあたり、このへんの正しい書きかた、わかります? EOFコード(0)が戻らなかったときには、ループで複数回読み込んで合体させなきゃならなくて、それはわかるのですが。ただエラー時には戻り値として「UNDEF=未定義値」が返るのですが、その判定がわからなくて)  細江さんには――。  例の「書きこみに時間がかかる現象」が出ているときに、「www21.pos.to」サーバーに対してpingでも飛ばして、ロストパケットが出ているかどうか確認してもらえると、問題解決のヒントになるかもしれません。  コマンドプロンプトから、「ping -n 100 www21.pos.to」とかやってもらって、100回のうち、ロストパケットが何回出ているかとか。  正常時にはロスト率0%となります。 >2号 >カールゴッチのこと  それじゃ、まだ、わかんないって。  日本プロレスの黎明期に関与した人物だってのは、わかった。  しかしその本人については?  そもそもどこの国の人間なのか、とか。  自分の国ではどんな評価を受けていたのか、とか。  世界的にはカールゴッチはどう評価されているのか、とか。  日本的に「神様」なのか、世界的に「神様」なのか。  世界的に「神様」であるなら、世界に対してはどんな貢献をしていたのか。  あと彼が開発した技で、現在も使われているのは、ジャーマンスープレックス以外にはなにがあるのか。彼の技を改良/変化させて作られた技には、どんなものがあるのか、とか。  そういうことぜんぶ、さらっと出てこなかったら、「な〜んだ。なんにも知らないんじゃん」とか言っちゃうぞ。  まったく知らない相手が、どのくらいのことまで知りたくなるのか。どこまで話せば充分なのか。どこから先は「オタク知識のひけらかし」になってノーサンキューとなってしまうのか。  すべて計らないとだめよ。  さあ一般的な人というのは、「カールゴッチは神様」と言われて、「なぜ?」と疑問を浮かべたとき、どこからどこまでの部分を知りたくなるのでしょうか?  あと、「アントニオ猪木」といきなり解説なしで使っちゃっているのも、いただけない。  そいつ、どこの誰だか知らんけどさ。  知っていなくちゃならない人間なわけ? 常識? 知らないことは、いけないこと?  ふざけんなよ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  アントニオ猪木は、現在政治家としても活躍中なのでご存じのかたも多いと思います。張り出したアゴがトレードマークで「だああ!」と腕を振り上げるポーズのあの人です。  日本プロレスの黎明期に、彼が「新日本プロレス」という団体を立ち上げたとき、最初に戦った相手です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「アントニオ猪木」に関しても、このくらいは書け。  まったく知らない読者に対して、知らないことへの免責を与えること。どのくらい有名であり、知っているほうが普通であることを、さりげなく嫌味でない手段で伝えること。  またなんとなく知っている人に対しても、「ああ。あれね」と思い起こさせて、拾いあげる工夫をすること。 >居合い抜き  甘夏さんも書いているけど。1撃目は速いはずだよ。  本当に他の斬りかたよりも速いのか。なぜどんな仕組みによって速くなるのか。  そのへんを調べてくるのは、お前がすべきこと。  俺は知らんし、知ってても教えん。  ちなみにプロなら「人脈を頼る=人に訊く」なんてのも調べかたのひとつだが。  おまえはアマチュアであり、いま修行中の身であるので、「調べかた」の練習のためにも、自分で調べあげてこい。  僕なら鷹見さんか中里さんか、剣術経験者に訊いちゃうだろうなぁ。  でもお前は禁止ね。  「人に訊く」って方法は、同じように自分の領分である質問が来たときに答え返す義務が生じるのね。おまえ、いま自分の領分となる知識、なんにもねーだろ? プロレスだって、門外漢の鐸碑さんとかのほうが詳しそうだし。  ああ。「病院体験」とかなら、多少は詳しそうかな? しかしそれだって、病院関係者のほうが、はるかに多くを知っていそうだしなぁ。  「ギブ」にできるものを持たないやつは、「テイク」を取っちゃいかんのだ。  てことで、やっぱ自分で調べろ。 >正眼  やや半身になるところが抜けている。いまの説明じゃ、真正面向いていることになるぞ。  あと前足はどっちだ? また前足から体重を抜くことが書いてない。  剣先を喉に向けるとあるが、どっちかっていうと顎か口あたりでは? 首から目の間なんで、伝えるならその範囲の中央となるはずだが。  で、最後に。  おまえの説明したのは「中段の構え」だよな。  俺が質問したのは、「正眼の構え」についてなわけだが。  そこんとこ、はじめにきちんと説明しないと、「なにトンチンカンなことやっているのだこのマヌケめ」と読者に思われること請け合いだ。  ここについても、「読者はどこからどこまでを知りたがっているのか」を想定して、書き直し。  てか、こんなふうに「知っていることをすべて精一杯書きました」てなのが見えるようじゃ、寒すぎて、読んでいるほうが愉しめない。  話にならん。蘊蓄を語るには「知っているけど、ここは書かないでおく」ようなものが山ほどあるくらいの知識量が必要なのね。  なぜ「書き手が精一杯やっている」ことが見えちゃうと、客は愉しめないのか。考察してくること。 >1000字日課  つぎのステップ。読んで欲しいところだけでなく、どう読んで欲しいのか――も書くこと。具体的にね。  たとえば「男二人の生活のぐだぐだ感」というものがあったとする。  それを読ませたとして、相手に、どんな感慨を抱いてほしいのか。  「ありそう〜」と同感してほしいのか。そんな生活に憧れてほしいのか。「だめっぽ〜」と微笑んでほしいのか。  嫌ってイヤがってほしいのか。むしろ否定してほしいのか。  基本的には、肯定と否定の2本柱だろうが、そのなかにも何段階ずつかの分解能はあるわけだな。  具体的に、書けだせ。  または範囲で指定しろ。「○○から××くらいの感慨を抱いて欲しい」みたいな。  自分の狙いがきっちり書け出せるようになり、なおかつ、読ませて、期待していた通りの反応を一定以上の「確率」で引き出せるようになったら、一人前で、プロだ。  さらにそれが自由自在に確実にできるようになったら、左うちわで食っていけるさ。豪邸が建つし、長者番付にも載れる。  なかなか、狙った通りに読んでもらえないから、プロの俺たちだって苦労している。そしていまだに修行を続けている。  とりあえず、読んだ人間の半分ぐらいが、自分の狙い通りに愉しんでくれるあたりを目指せ。そのあたりがプロになれるかどうかの水準線だ。  つまりうなずかせるのは、20人中、10人でいいってこと。  しかし確実に10人にはうなずかせること。 >「男二人の生活」  これ、連作狙ってみそ。  数日に一回、この二人を登場させた話を書く。俺のやった「景子シリーズ」みたいな感じで。  今回はぐだぐだやってて、買い出しに行くほうを決めたろ。  こんど、なんか、ほかのやつをやれ。  次はちゃんと落とせよ。  あと、「ハルコとイクオ」シリーズも読みたいな。 >精読分析 >>セリフはむしろキツクなってるんですよね。なのにかわいさ2割増。セリフに頼っていない、ということでしょう。セリフに頼ると楽だけど、深みはなくなる。  意味不明。「セリフに頼る」って、なんのこと?  なにを理解したのだ?  きつくなっているのに、可愛さ2割増量されているのはなぜだ?  そこ、俺の技の盗みどころだろう?  しっかりと分析せい。  盗んでくれなかったら、俺はなんのために技を見せたのだ?  いま、盗め。  これはいまのお前でも分析可能のはずだ。分析できたなら、盗むこともできるはずだ。 (2号) >>――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。 >>イクオは心のなかで毒づく。ハルコにちらりと視線を送った。 (新木) >>――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。 >>イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。  ここ、「毒づく」→「毒づいた」って直してあるのは、単に時制を正しくしただけだが。  ところで「時制」って、知ってる? ちと自分の理解を説明してみそ。 (2号は時制について、理解していないっぽいなぁ。「毒づく」と書いた直後に「送った」としちゃってるしなぁ)  ここ、前の行に、心の中の声があるだろ。  そして次の行で、それは「心の中の毒づき」であると説明してるわけだが、「心の中の声」の行は過去の出来事になっちゃっているのね。「毒づく」っていうのは現在形で、現在起きている出来事への説明にしか使えない。なので「毒づいた」と過去形にしたわけ。一行前に書いてあることの補足説明だから。  また、「横目で見る」と現在形になっているよな。  つまりこの段落の「時間的中心」はどこにあるかというと、「横目で見る」――この瞬間なわけ。この瞬間を基準にすると、「心の声で毒づいた」のは過去の出来事であるわけ。  2号のほう。時制がめちゃめちゃじゃん。  「毒づく」と現在形であるから、ここがこの段落の「時間的中心」だとする。しかしその直後に「横目で見た」ときている。  なんだか「横目で見た」のは、「毒づいた」ことの、さらにその前に起きた出来事になってしまっているよね。  もう、めちゃめちゃ。  俺のほうが次の段落に自然に流れているのは、時制が混乱していないせい。しかしこれは、やるべきことを普通にやっているだけ。  2号のほうは、時制がめちゃめちゃなんで、そこが気になって読者の目の流れが滞る。そのせいで次の段落への流れが疎外されていて、読みにくくなっている。 >>黒板が見えないからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。  ここ、俺の文章が良くなかったね。推敲が足りなかった。  「黒板が見えなくなるからという理由で、いつも席はいちばん後ろにされている」とすべきだった。  皆から文句を言われるので、席は一番後ろにされちゃっているのだ。ハルコは。  ところで俺の中のハルコって、なぜか、眼鏡かけているんだけど。しかも黒縁。視力は決して良くないのだな。眼鏡かけて、さらにやぶにらみで黒板を見ていたりする。  2号の中のハルコはどうよ?  「眼鏡をかけている」なんてどこにも書いていないのに、読者の脳裏に「眼鏡をかけたハルコ」の姿が浮かぶのだとしたら、それは小説として最高の描写をしたことになる。  どこにも書いていないのに、なぜかわかってしまう――って体験は、読者にとって戦慄すべきものであって、小説でしか味わえない醍醐味だな。  漫画や映画やアニメやら――映像を見せられてしまうメディアじゃ無理な話なのだ。どうしたって絵で描いちゃうから。 (これ、けっこう流されちゃうこと多いんだけどね。「なぜ、彼女が眼鏡をかけているとわかったの? どこにも書いてないのに?」と訊いてみて、読者が「え? だって書いてあったじゃん」と探しはじめて、本文をすべて確認したあとで、どこにも書いていなかったとだということに気づく――と、そこまでやらせないと、気づいてさえもらえない。まあそれが玄人の仕事ってもんだが) >>イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。  ここ、ハルコが「一番後ろ」にかけてるんだが。  「冷血」「熱血」  「冷静」「馬鹿」  「一番後ろ」「一番前」  上記のように対比させている。しかも3回やっている。  3回やるとかなり目立つ。――が、2回以下ではぜんぜん目立たない。 >短編  欠けている部分に、なにも同じものを入れなくたっていいんだよ。  他の3つは、「書きたいもの」なわけだ。そこは譲れないところ。変えないほうがいいところ。  ただストーリー的には、もう一個なにかが必要なのだな。そうしないと「お話」の形にならない。単なる「シチュ萌え」で終わってしまう。  なので、他の3つを書くために、その1個のほうを変化させる。柔軟に。  空いている部分を埋めるときには、他がうまく繋がるように、なにかエピソードを作り出してみそ。  そのときには、「このパターンはダメそう」なんて考えるな。  いま手元にあるそのパターンを、なんとかモノにできないかと、執念を燃やして考えろ。思わぬところから、思わぬ展開が降って湧くかもしれない。  6パターンあるのだから、空いている部分は合計6カ所で、6つのエピソードを新設するってことね。そのくらいの手間はかけろ。  ほんと、2号ってばアイデア貧乏なんだからなぁ。そんなに考えたり捨てたりするの、嫌なのかい?  いいじゃん。これは穴埋めのためのエピソードなんだし、本当に書きたくて譲れないものは上の「3つだけ」なんだし。考えて、無駄にして、捨てたって、べつにいいじゃん。  決断をしていいほど、まだお前は考えていない。  きちんと6パターンを作ってみてから、どれがいちばん、面白そうな展開になるか判断する。  自分内コンペティションってのは、そうやるもんだ。  本気で作らなかったアイデアやストーリーなんぞ、そもそも、判断の場に出てくる資格さえない。  はい。やり直しね。 >エロスの度合い  登場人物は小学生なのだろうけど……。  それを読むのは、誰なんだよ?  対象読者を設定しろっての。  年齢層だけでなく、各年齢の構成比やら、男女比やらまで設定しろ。  またそれぞれの趣味とか、そんなのも設定しろ。オタク少年に読ませたいのか。普通のひとに読ませたいのか(あと「普通」の定義は?)。文学少女に読ませたいのか。  そしたら、その読者の方々が、「キスもしない。妄想で服を脱がすだけ」――で、満足するのか考えろ。  あと、いま1000字日課でやっている「意識化」を応用しろ。  読ませたいのは、どこなのか。どの部分を、どのように読ませて、どう受け取ってもらいたいのか。  たとえば「エロの度合い」に関しても――。  「ああ。小学生にはキスでさえ過激なコトなのか。そういや俺も昔はそうだったかも〜」と思ってもらいたいのか。  「ああ。小学生なのにキスの先まで進んじゃってるよう。過激だぁ」と思ってもらいたいのか。  「えええええ。そ、そんなことまでっ――」と絶句してほしいのか。 >1000字日課  No.26  すげぇな。ほとんど鈍器だ。凶器だよこれ。  2号。お前。存在自体がセクハラだな。  女性読者を得ることは期待しないほうがいいぞ。  しかしそういうやつにしか書けない話があるから、それはそれで良し。  あと、その鈍さ、こたえなさも、性格的には長所となるだろう。 -------------------------------------------------------------------------------- 日曜perl使い No.7018 投稿日 2003年9月7日(日)04時31分 投稿者 海法 紀光  ども、海法 紀光です。先日はオフ会にお誘いいただいたにも関わらず、忙しさにかまけて返事もせずに大変失礼しました。  さてさて、プログラムというのが、書いたら書いたままプログラム言語のレベルで予測される通りに動けば世の中簡単なんでしょうが、少し踏み込むと、それでは済まない場合が出てきます。  例えば、今回のようにハードウェアやネットワークとの兼ね合いが出てくる時。あるいは速度やパフォーマンスを追及する時。  そういう時は、プログラム言語の下のレベルで、コンピュータがどう動いてるのかを知る必要がある。  これはもちろん、プログラムだけでなく、車の運転だろうが文章の書き方だろうがたいていのことに言えることでしょう。  言語の論理レベルでなら、「美人」と書けば美人と伝えたことになります。しかしパフォーマンスを考慮して、より強く美人と認識させたいなら、人間の想像力、認識の構造という下のレベルの仕組みを考える必要がある。  同じように、ただデータを羅列すれば、一応説明したことにはなりますが、よりわかりやすい説明をしたいのなら、人間の記憶構造を知る必要がある。  つまるところライトなユーザーと熟練者の差とは、即ち、下にレベルがあることに自覚的かどうかと言えるかもしれません。  や、何が言いたいかといいますと、私はperlはライトなユーザーなので、一個下のレベルが出てくると、途端にお手上げになります。  今回の問題の検証とかは、ちょっと手に余るので自信がないのですが、さておき、undefを検出するだけでしたら、お役に立てます。  definedという関数で、undefをチェックすることができます。 read(STDIN,$buffer,$ENV{'CONTENT_LENGTH'}); if (defined $buffer){print "$buffer"}  上の例で、$bufferに何かが入っていれば、$bufferが表示されます。$bufferがundefだったら、{}が実行されず、何も表示されません。 http://www.amecomi.com/ -------------------------------------------------------------------------------- 神様 No.7019 投稿日 2003年9月7日(日)12時14分 投稿者 名無し君2号  カール・ゴッチ。本名、カール・イスタス。  1924年生まれのドイツ人。  ドイツのハンブルグに生まれる。その後、イギリス、アメリカと移住。現在は、アメリカのフロリダ州タンパにて暮らしている。  イギリスでプロレスラーとなり、その後アメリカに渡ります。  元々アマレスの実力者だったので、強さだけはかなりのものでした。当時のアメリカのチャンピオンと、何度かタイトルマッチをやっています。  が。  「強い」だけではどうしようもないのがプロレス。  観客を集める「興業」である以上、お客さんを楽しませなければなりません。チャンピオンは、興業の最後、お客さんを満足させなければならない。そしてまた見に来てもらわなければならない。  ゴッチにはその「お客さんを楽しませる」技術がなかったのです。  「強いけど楽しくないレスラー」。そんなレスラーがチャンピオンになれるはずもなく、結局ゴッチは2流レスラー扱いでした。  そのゴッチが、なぜ日本では「神様」なのか。  当時、日本のプロレス界は、二人の人間によって二分されようとしていました。  力道山というプロレス界のドンともいえるレスラーが死去。  その後のいざこざのなか、二人のレスラーが、それぞれ新しい団体を旗揚げします。  ジャイアント馬場の「全日本プロレス」。  アントニオ猪木の「新日本プロレス」。  馬場は、力道山時代、後継者と目されたレスラーでした。  そして猪木はナンバー2。  猪木は、自分に足りないものがなんなのか、よくわかっていました。  プロレスの「うまさ」では、馬場には勝てない。  ならば、他のところで勝負しよう。  それは「強さ」です。  そこで呼ばれたのが、ゴッチでした。  ゴッチは「強い」。が、王者ではない。  説得力がいる。  「神様」  その称号こそ猪木の策略。  ゴッチはアメリカで、「神様」と呼ばれているのだ。  プロレスのマスコミは、基本的に団体の言うがままです。昔から今まで、それは変わってません。  ある例をあげます。  プロレスの本には、ゴッチについてこう書かれています。 「カールゴッチは、ヘルシンキ五輪で、アマレスグレコローマンスタイル、銀メダルを取った」  そんな事実はありません。  そもそもオリンピックにカール・ゴッチ=カール・イスタスは出場していません。  しかし、本には「事実」であるように書かれています。  猪木の思いどおりに、ゴッチは「神様」になりました。  「神様」から強くなるための技術を学んだのだから、我々は強いのだ。  馬場は弱い。猪木は強い。  「強い」ことは善である。「弱い」ことは悪である。  猪木はその事実によって、馬場に並びました。  さて。  たしかにゴッチの「神様」は猪木の詐術です。  しかし、それでゴッチの偉大さが損なわれるわけではありません。  ゴッチが日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えたことは、まぎれもない事実です。  ゴッチの「プロレスラーとは強くなくてはならない」という思想に、若いレスラーたちは心酔しました。  そんなレスラーたちは、「強さ」を求めた団体、「UWF」を作りあげます。  「UWF」という団体は、爆発的なブームになり、最終的に東京ドームで興業をするにいたりました。  そのことで、世間は知るわけです。  「格闘技」は面白い。  そして、  「格闘技」は金になる。  いま流行っている「K−1」や「PRIDE」は、「UWF」がなければ、存在していない。そう言っても過言ではありません。  つまりはカール・ゴッチがいなければ、「K−1」「PRIDE」はない。  こんな偉大な「神様」ゴッチは、ジャーマン・スープレックスの他にもいろいろな技を日本に伝えています。  関節技各種。腕ひしぎ十字固めは、柔道にもある技ですが、ゴッチが教えなければ、プロレスラーは使ってないです。  卍固めとか。  サソリ固めとか。  弓矢固めとか。  日本式足折り固めとか。  フルネルソン・スープレックスとか。  それぞれどんな技なのかを説明するのは大変なので、実際にテレビ見てくれ――って、説明できなきゃプロレス小説書けないじゃん。  うあ。想像するだけで大変だ。  関節技とか、「餓狼伝」はどう書いていたのかなあ……。読んでみよう。 >甘夏さん  はじめまして。どうぞよろしくお願いします。  で、抜刀術ですが。  最速ではないと思います。 >>通常、剣を扱うには呼び動作が不可欠です。 >>振り上げる、引く、切っ先を下げる。  これから考えれば、最速は突き。  予備動作は最小ですむ。  振り上げなきゃならないのは、中段で構えているからで、上段、下段ならば問題なし。  抜刀術は、刀が鞘のなかにある分、遅くなる。  抜刀術の利点は、あくまで相手にリーチを知られづらいことと、攻撃のタイミングがわかりづらいこと。  リーチがわからなければ、容易に踏みこめない。  攻撃のタイミングがわからなければ、防ぎづらい。  この二点から、攻撃が速い、と思われるようになった……んじゃないかなあ。  というのが私の考えだったのですけど。  全部私の想像上の話なので、なんともかんとも。 >>なお、居合は基本、一刀目にすべてをかけます。  これも実戦を考えると、どうなのか……と思います。  その一刀にすべてを賭ける、という覚悟が集中を生む、という意味かもしれませんが。  一刀目で失敗したら、あとは普通に闘うだけ、だと思うんですよねえ。  そもそも、抜刀術しかやらない剣術なんて存在しない、と思いますし。  剣術ってのは、ようするに「実戦で生き残るための技術」ですし。  抜刀術は、あくまで、いくつかある殺しかたの一つ、なんじゃないでしょうか。  現代には「居合い抜き」しかやらない、という流派もあるかもしれませんが、剣術が実際の役に立つ江戸時代は、「居合い抜き」のみ、はないと思います。  まあこれも私の想像でしかないんですけどね。 >>う〜ん、知らないことは書かないほうがいい。 >>と、どんな小説指南本にも書かれてますが……  はい。現実の裏付けがないので、ちゃんと調べてから、リアリティーのある嘘をつくようにします。  指摘ありがとうございました。 >新木さん  再説明。 >正眼の構え  「正眼の構え」とは、剣道における「中段の構え」と、だいたい同じです。  この「正眼」とは、剣の切っ先を相手の「眼」に「正」対させることからつけられました。  構えかた。 ・1メートル先に相手がいると想像しましょう。 ・リラックスした体勢で立ってください。 ・両手を腰のベルトと水平になる位置で組む。その位置で刀を持ちます。 ・剣の切っ先を相手の目と目の間に当てる。  で、斬りつけるためには、腕の動きだけではなく、足の運びが重要になります。  なので……。 ・体をやや半身にする。利き腕はどちらでしょうか。普通、剣を持つときは、柄を利き腕が前、残りが後ろで握ります。自然な形で構えるためには、右利きならば右ななめに。左ききならば、左ななめに。 ・足もそれにならって、右利きならば右足を前に。左利きならば左足を前に。  これで完成です。  剣術の基本姿勢です。刀を前方に突きだしていることから、相手の刀を払うのに適しています。  でも実際はどうなんだろう? 刃こぼれしたり、折れたりしないのかな。  刀なんて消耗品だったろうけど。  もちろん多少刃こぼれしても、刀は切れます。  しかし、当然切れ味は悪くなりますし、なにより着物を着るさい、刃こぼれしたところが引っかかる可能性が出てきます。引っかかってしまえば隙になりますし。  ともかく、正眼は防御に優れています。その反面、突き以外の斬撃をはなつさい、どうしても予備動作が大きくなるため、攻撃には向かなくなります。  まあ、斬られない=死なないことこそが、最重要ですから。  だから「基本姿勢」になるわけですね。 >>なぜ「書き手が精一杯やっている」ことが見えちゃうと、客は愉しめないのか。考察してくること。 ・精一杯やらなければ書けない=知識を自分のものにしていない。そんな借り物の知識は知りたくない。うさんくさい。 ・隙だらけだから、思わず突っこんでしまう。突っこまれる程度のくせしてえらそうだと、怒りすら湧いてくる。 ・書き手に余裕がないから、文章自体が面白くない。情報は情報として、面白く見せて欲しい。  こんなところじゃないかと。 >1000字課題について  今日は1編です。ちなみに「求めている読者の感想」は後づけです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=594&e=res&lp=550&st=0 >「男二人の生活」 >>これ、連作狙ってみそ。 >>あと、「ハルコとイクオ」シリーズも読みたいな。  シリーズ展開はまったく考えていませんでした。  とりあえずやってみます。めずらしく「読みたい」と言われていることだし……。  簡単なようで難しいような。  いまいちハルコがつかめてないんだよなあ……。そんなんでよく書いたなあ。 >リライト考察について >>セリフはむしろキツクなってるんですよね。なのにかわいさ2割増。セリフに頼っていない、ということでしょう。セリフに頼ると楽だけど、深みはなくなる。 >>意味不明。「セリフに頼る」って、なんのこと?  失礼しました。  セリフ自体はきつい。  でも、態度はそうじゃない。ゲロのおかげでみなから嫌われたイクオを、わざわざ見舞いに来てくれている。  つまり素直じゃない。  素直じゃない性格を描写するには……。  そうか。セリフにも頼っているんだ。  「イクオがえんがちょを切られた=わざわざ見舞いに来ている」事実が書かれているから、セリフはきつくできるわけだ。  きつければきついほど……とは言っても限度はあるけど、それだけ素直じゃなくなる。かわいくなる。  読者としては、 「口ではそんなこと言っていても、心配してたんじゃん。素直じゃないなあ」  と思うわけで。  でもなんで「素直じゃない=かわいい」のだろう。  素直じゃない=好意を表にだせない=いじらしい=かわいい  かなあ。 >>ところで「時制」って、知ってる? ちと自分の理解を説明してみそ。  まったくもって理解しておりませぬ。  なのでいつものGoo辞書。 ■じせい 0 【時制】 インド-ヨーロッパ語などの文法範疇の一。時間軸上の一時点を基にして、時間の前後関係(現在・過去・未来など)を表す動詞の組織的語形変化。テンス。時。時称。時相。  つまり「来る、来た」「行く、行った」の違いってことか?  続いての新木さんの説明も、理解できるようなできないような。つまりできてないってことだな。  なんか過去ログにも似たような説明があったような……。  見返してみよう。 >>ところで俺の中のハルコって、なぜか、眼鏡かけているんだけど。しかも黒縁。視力は決して良くないのだな。眼鏡かけて、さらにやぶにらみで黒板を見ていたりする。 >>2号の中のハルコはどうよ?  眼鏡はかけてないです。ショートカット、頭がよく運動神経もよい。  だから新木さん版ハルコとは違うんですよね。新木さん版だと、あまり運動は好きじゃないと思うんですけれど。 >>上記のように対比させている。しかも3回やっている。 >>3回やるとかなり目立つ。――が、2回以下ではぜんぜん目立たない。  3回、3回っと。覚えておこう。  前回の続き。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わかった。背を大きくしようとしたんでしょう。ちびだもんね、イクオ」  図星を指されたのと、痛いところを突かれたので、イクオは固まる。そんなイクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらずの冷静な口調で、話を続ける。 「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ。つまり、カルシウムの摂取。それと適切な運動。馬鹿みたいに牛乳を飲んだって、一気に伸びたりなんか、しない」 「……くわしいんだな」 「私、背が“ちょっとだけ”大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるのかわかれば、その逆をやりさえすれば、これ以上、背は伸びないはず」  イクオは、ハルコも悩んでいることを知った。イクオには羨ましい悩みであったが。 「……ハルコも苦労してんだな」  一瞬、間が空いて、珍しく感情のこもった、少女の声が届いた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」  イクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらず冷静に指摘をつづける。 「牛乳より、煮干しのほうがいい。必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走 り回ること。ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」  ハルコがなぜそんなことに詳しいのか、イクオには不思議だった。 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるの かわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」  イクオには羨ましい悩みだった。――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしま う。 「ハルコも苦労してんだ」  一瞬、間が空いた。  ハルコはめずらしく感情のこもった声で、言ってきた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  文の比較。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わかった。背を大きくしようとしたんでしょう。ちびだもんね、イクオ」(私版) 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私の場合、セリフで柔らかさを出そうと頑張っていたようです。新木さん版の場合、あくまでセリフはきつく。これは「イクオがえんがちょ切られている」のにハルコが見舞いに来ているからでしょう。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  図星を指されたのと、痛いところを突かれたので、イクオは固まる。そんなイクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらずの冷静な口調で、話を続ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらず冷静に指摘をつづける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオの内面を説明するのか、それとも読者に想像させるのか。  私の場合は「イクオは固まる」と書いています。しかも補足に「図星を指された」「痛いところを突かれた」まで足してたり。  一方、新木さん版は、そのあたりを読者に想像させてます。 「イクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらず冷静に指摘をつづける。」  つまり、イクオは気にしていると。  さらにハルコは「指摘」をつづけています。  痛いところを突かれて、固まっているイクオ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「冷静な口調で、話を続ける。」(私版) 「冷静に指摘をつづける。」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「指摘」だと、それだけイクオを向いているんですよね。  「指摘」で、次に来るのはイクオに対する的確なアドバイスです。  次に来るハルコのセリフ、新木さん版だと、決して馬鹿にはしてません。私版だと毒が残ってますが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ。つまり、カルシウムの摂取。それと適切な運動。馬鹿みたいに牛乳を飲んだって、一気に伸びたりなんか、しない」(私版) 「牛乳より、煮干しのほうがいい。必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走 り回ること。ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ。」(私版)  「牛乳より、煮干しのほうがいい。」(新木さん版)  牛乳より、煮干しのほうが効率よくカルシウムをとれる、というのを調べて(もしくは知っていて)書いています。  私はただ書いているだけ。隙だらけ。  「つまり、カルシウムの摂取。それと適切な運動。」(私版)  「必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走り回ること。」(新木さん版)  まえに指摘されたとおり、中学生らしく、です。  「馬鹿みたいに牛乳を飲んだって、一気に伸びたりなんか、しない」(私版)  「ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」(新木さん版)  新木さん版だと、この時点ではハルコはイクオを馬鹿にしてない。  で、ここのセリフ全体を読み返すと、すこし固いんですよね。この前にある、イクオを馬鹿にするセリフとは違う。  ハルコの照れが見えます。  イクオのためになることだと、固くなるわけですね。馬鹿にしているときは気楽なのに。  この後、イクオの内面を描写するところ。  私の場合、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「……くわしいんだな」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  と、セリフで説明。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ハルコがなぜそんなことに詳しいのか、イクオには不思議だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  地の文で説明。  イクオに喋らせたくなかったから、だと思います。最初にハルコに馬鹿にされ、ずかずかと指摘され、だから黙りこむ。  ここで喋ってしまうと、それすなわち和解。  和解早すぎ。テンションさがる。  新木さん版だと、ハルコがひたすら喋ることになる。  で、最後の最後、 「ハルコも苦労してんだ」  のときに初めて和解が成立する。ので、次の 「一瞬、間が空いた。」  およびオチのセリフが活きてくる。  ハルコから見れば、バカだと思っていたイクオが、ハルコを理解するセリフを言う。  きょとん、として一瞬のち、思わず本音をぽろり。  あ。でもイクオはハルコの思いを理解できてないな。バカだから。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「私、背が“ちょっとだけ”大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるのかわかれば、その逆をやりさえすれば、これ以上、背は伸びないはず」(私版) 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるの かわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」(新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「“ちょっとだけ”」  これは私のさぼりですね。  「その逆をやりさえすれば」(私版)  「その逆をやれば」(新木さん版)  私のは固い。中学生らしくない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオは、ハルコも悩んでいることを知った。イクオには羨ましい悩みであったが。」私版 「イクオには羨ましい悩みだった。――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしま う。」新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私の、「イクオは、ハルコも悩んでいることを知った。」これって――  ただの説明じゃんよ。うあう。  新木さん版。 「――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしまう。」  ここで、思わずイクオはハルコと和解するわけだ。  最初はゲロ吐いた自分に対する情けなさと、目の前にそんなことした原因のひとつがいる恥ずかしさ、原因から馬鹿にされた八つ当たり感から、 「うるせーよ、ハルコ」  だったイクオが、ここで初めて会話する。  ためているわけだ。  そのセリフ。 「……ハルコも苦労してんだな」(私版) 「ハルコも苦労してんだ」(新木さん版)  私の場合は、すでにテンションさがっているところの会話。  新木さん版は、ぽろり、とこぼれてしまったセリフ。  ストーンとはめこまれて、さあ、それで……。  私版。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一瞬、間が空いて、珍しく感情のこもった、少女の声が届いた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一瞬、間が空いた。  ハルコはめずらしく感情のこもった声で、言ってきた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「一瞬、間が空いた。」  これは、独立させなきゃならない。じゃなきゃ効果が薄れる。  ぽん、ぽん、ぽん、とリズムよく来ていたところで、  一瞬の間。  そして感情のこもった声で、こう言う。 「――だれのためだと思っているのよ、ちび」  バーン、と鳴らすわけだ。静と動だ。ためが入るわけだ。  冒頭、セリフのやりとりでつかんで……。  中盤、説明で多少ためて。  終盤、セリフで小気味よくすすめる。  一瞬の空白。  ラスト。スパッと切る。  リズムだな。  説明文よりは、セリフのほうが読んでいて楽しいだろう……普通の読者は。  もちろん説明の箇所も、面白くなるように書かなきゃいけないんだけど。  説明の箇所がないと、セリフも面白くならないんだけど。  見比べ、こんなところかなあ。  まだ骨に肉ついてるよ、しゃぶれるよ、というときは教えてもらえると助かります。  全然食べてなかったり……はないと思いたいけど。 >短編について >>欠けている部分に、なにも同じものを入れなくたっていいんだよ。 >>空いている部分を埋めるときには、他がうまく繋がるように、なにかエピソードを作り出してみそ。 >>6パターンあるのだから、空いている部分は合計6カ所で、6つのエピソードを新設するってことね。そのくらいの手間はかけろ。 >>はい。やり直しね。  うす。これは明日。 >>それを読むのは、誰なんだよ? >>対象読者を設定しろっての。 >>年齢層だけでなく、各年齢の構成比やら、男女比やらまで設定しろ。 >>またそれぞれの趣味とか、そんなのも設定しろ。オタク少年に読ませたいのか。普通のひとに読ませたいのか(あと「普通」の定義は?)。文学少女に読ませたいのか。 >>そしたら、その読者の方々が、「キスもしない。妄想で服を脱がすだけ」――で、満足するのか考えろ。  うす。これも明日。  でも年齢層、各年齢の構成比、男女比か。  全然考えてなかった。 >1000字日課 >>2号。お前。存在自体がセクハラだな。  痛。 >>あと、その鈍さ、こたえなさも、性格的には長所となるだろう。  鈍いのは自覚してますが。  こたえないように見えますか。そうか……見えてるのか。  でも、長所になるんですかね、本当に。  「鈍い」よりは「繊細」なほうが長所になるような。  6時間くらいかかりました。おやすみ。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.7020 投稿日 2003年9月7日(日)13時25分 投稿者 鐸碑  いわれた事の100%より先を進めると誉められる事なんですよ。  アントニオ猪木が唐突にでるって話を受けた後で、説明のない単語がこれだけ新規に出ていますが、その当りはいかがですか? 「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」「K−1」「PRIDE」「卍固め」「サソリ固め」「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」  プロレスファン同士のプロレス談義ならば、こんな事も知らずに入ってくる方が間違っているだろうと言えるでしょうが、ここはよみかく分室という小説家志望者の虎の穴です。  想定される読者はプロレスファンばかりじゃありません、それに向けた書き方が必要なんじゃないでしょうか? 例えば、弟切さん(勝手なイメージで引用してごめんなさい)とかプロレスファンでない人にも伝わる書き方が必要だと思います。 鈍さの効用について 繊細なもの、細かい細工が施されたガラス細工とか 上記イメージの逆というと、のっぺりした金属の球とか この二つだと、下のほうが押しつけられた時に痛くない。  そのままイコールになる話じゃないけど、十分に理解してTPOに合わせた使い分けが出来るならば、普段欠点に見える事が長所にもなるでしょう。  そのものの実態を理解し、上手く使う事がなにかにつけて重要です -------------------------------------------------------------------------------- 撤退宣言 No.7021 投稿日 2003年9月7日(日)14時23分 投稿者 細江ひろみ 仕事の打診がありましたので、本決まりではありませんが、ここからは撤退します。締め切りを破りたくありませんので。 しかし、撤退の前に、お礼としてお土産を置いていきます。 実質書き逃げになりますが、プロとしてこのようなものを書くことより、プロとして作品を書くほうを上位におかなければなりませんので、ご了承くださいませ。 > あのときにはっきり指摘すべきでした。 > 「これでは別の話になってしまっている」と。 は? そのとりですが? そういう失敗作ですが? やはり新木さんの誤解を、はっきり解いておくべきでしたね。 >>プロをめざすみなさんへ、 願わくば、これが多少なりとも、みなさんのお役に立てればと思います。 ここから先は、これまでの枝葉末的なやりとりを忘れて、お読みください。 「読者層 読者を選ぶ」 新木さんのリライトも、私に言わせれば失敗作です。 面白くありませんから。魅力的じゃありませんから。 実のところ、これ以上の話はすべて蛇足だったのです。 私が自分なりのリライトを書こうとしたことも、そしてそれも失敗に終わったこともです。 なぜそうなったのかと、いろいろ考えて私なりに分析してみたのですが、新木さんはそれを一つ一つ反証を出し反論を出してつぶし、議論して勝とうとしたことも間違いであり失敗。たとえ新木さんが言い勝ったとしても、私を納得させられなければ失敗であり、そもそも面白くないという読者が、その面白くなさを分析することもそうなければ、まあ読者が「つまらん! あれがダメ、これがダメ!」などと書くことはそう珍しくもなく、その指摘が的外れであることもそう珍しくないことは、新木さんもご存知でしょうが、その指摘が間違いであることを指摘し証拠をそろえて立証し反論の余地が無いほど叩いたとしても、その読者の「つまらん」が、「面白い」に変るわけではないということです。 読者がまとはずれな指摘をしていると思ったなら、ならばなぜ「この読者はつまらないと思ったのか」を考えるべきで、これは新木さんもやっておられるようですが、普通そのとき「こうであろう」と推測するしかないわけです。 今回、私はここにいて、新木さんは「細江がリライトした理由」について推測するだけでなく、それが正しいかどうか確かめられるという絶好の機会だったはずですが、確かめる前にこうなのだと決めてしまっています。そして原因は、細江の読解力のなさであり、調査不測と常識のなさに起因する、ということにしてしまっているようです。 ならば、読者が馬鹿で無知だから、俺の書いたものの面白さがわからないのだ、といっているのと同じです。 現在の結論として、といってもすでに答えはこれまでのやり取りの中で出ているのですが、最大の原因は、おおむねこんなところだと私は考えます。 「男性視点から書かれ、  女性視点を置き去りにした、  あるいは気づいていない」 故意に置き去りにしたか、まるで気づかなかったかは、大きく違います。 故意に、読者層を限定し他の層を置き去りには、しなければなりません。 ターゲットを広げすぎると、おおむね失敗します。 友人A専用小説とか、同人サークルBに受ける小説であっても、ターゲットを定めて想定通りの結果を出せた、つまり友人やサークルで受けたなら、それは成功であり、受けなかったら失敗ですが、受けても無意識のうちにターゲットを絞ったことに気づいていなくても失敗です。 プロとして、市場として成り立つターゲットを見つけることが、重要です。 ターゲットを定め、そこにはまるものを書く。あるいは自分の書くものがちょうどはまるターゲットを見つけ出す。どちらでもかまいません。 そのとき、それぞれ千円出す千人のターゲットと、百円出す一万人のターゲットは、市場としては同じです。 大きなターゲットに幅広く受け入れられ大ヒットを飛ばしたい、そうなったら大もうけできるし、有名人にもなれるし、言うことありません。が、ヒットというものは狙って狙えるものではありません。 まずは、自分が書けるもので、市場的に成立しそうなターゲットはないかと、考えてみてください。 >二号さんへ このたびのごたごたは、あなたに原因はありませんので、その点心配の必要はありません。あと、私は新木さんとはまったく別のタイプですので、二号さんについては別の見方をしております。 そこで一つ、ごく短期間に筆力をアップさせる方法。 自分には合わないと思うならやる必要はありませんし、少しやってみればすぐに自分に合うかどうかわかるものですので、参考にしてみてください。 他人の、プロの作品を、ペンで紙に書き写すのです。 沢山本を読む時間がなければ音読する。 たくさん音読する時間がなければ、この書き写しです。 この時間とは、一日の中の時間ではなく、二号さんがプロデビューするまでの時間と、お考えください。 このお手本には、二号さんが書きたいジャンル、書きたいものとよく似たもの中で、自分が面白うもの、理屈でいいとか名作とされているものより、二号さん自身にとって読み心地がいいもの、その中で、癖のないものを選びます。癖の強い作家の作品を選ぶと、癖がうつってデッドコピーになりかねません。 そして書きたいジャンルがすでに存在しているのなら、もっと明確には、そのジャンルを扱うレーベルが存在しているなら、とりあえず市場も存在しているのですから、ターゲットの絞込みも容易なはずです。 ジャンルの中で、過去ブームがあったものの現在衰退しているものは、かなり厳しいですが、多くの人が知らないようなジャンルのものは、それを書く人も少ないので有望ですが、お手本を見つけるのに苦労するかもしれません。 小説書きの常識は、知っても厳守する必要はありません。 たとえば「それについて知らない」から書かないのではなく、知らないなりに書くという方法もあります。 たとえば2号さんが空手について、何も知らなかったとします。 空手について何も知らない主人公が、興味を持って、その魅力に取り付かれ、どんどんはまって強くなり……。 よくありますねこういう成長ものは。 この少年にとって空手は何もかも新鮮で、空手をやっている人にとっては常識的ななんでもないことが、新たな発見となります。途中勘違いすることがあったり、それで失敗したりするかもしれませんが、それも経験です。 あるいは空手をやるんではなく、空手のファンが主人公でもいいかもしれません。 28歳の病み上がりの会社員で失業した男が主人公。それが空手を見に行って、少しづつ魅力に取り付かれ、空手の本を読んだり、地元の空手道場を覗くようになって、空手をやってる少年の成長を追うようになる。 こういう場合、2号さんが知っているプロレスだと、もう常識になってしまって見逃すことがいくらでも出てくるはず。 ただしこの場合、自分に自己暗示をかけてでも、その対象を好きにならないといけませんが。 >新木さんへ 新木さんは、うちのBBSでやまきたに弟切さんを紹介したわけですが、プロがプロに紹介するときは、それなりの覚悟でお膳立てしてからやってください。 急ぐ話ですぐ唾をつけなければならなかったわけではなし、なら弟切さんの準備が整ってからでなければまずいです。 これはアマチュアの弟切さんのミスではありません。 先走った新木さんのミスと考えます。 >みなさんへ 自分のためではなく、読者のために書かなければプロではありませんが、これはターゲットが自分だけになってしまっては、いけないということでしかありません。 自分のためというと、自分が読みたいもの、自分が読ませたいもの、自分が書きたいものなどがありますが、ターゲットさえ間違えなければ、つまり自分を含む充分なターゲットがあれば、そのいずれも書くことができます。 たとえば、「ユダヤ教のラビについて」書きたかったのだけれど、それを読みたがるであろう読者などそういないので、「ラビを主役にしたミステリ」を書いて売ったら、よく売れたというようなものです。 それから締め切りは大切にしてください。 締め切りまでにやれることが、あなたの実力です。 もっと時間があれば、もっといいものが出来るでしょうが、できなかったら恥をかいてください。恥をかくのがいやならば、それで見限られるのがいやならば、締め切りまでの間に、あがいてください。 かけっこで、思ったようなタイムがでなくても、それがあなたの実力です。 どうしても締め切りに制限されたくなければ、できあがった作品を売り込むようにすべきです。 あと、親が死んでも言い訳できないとはいいますが、それは赤の他人の読者に対してであって、それで遅れそうであったり、途中スケジュールが狂うような大事があったら、編集者には言い訳ではなく状況報告をし、相談してください。実際にはこういうとき、無理に仕事をすれば後々まで精神的ダメージをくらいますし、家族よりも仕事を優先させる姿が、どれほど家族にもショックを与えるか、考えなければなりません。 仕事をする。プロになるからには、なんのために仕事をしているのかを、忘れるべきではないのです。人生より仕事を優先させてはいけません。それをしてしまったら、もはや仕事ではありません。仕事という言葉を免罪符にして、好きなことをしているだけにすぎません。そうやって傑作が生まれたとしても、それはあなたの人生にとって、価値あるものとはなりません。それが人生より仕事を優先させた代償であり、そして多くの場合、人生より仕事を優先させたからといって、傑作が生まれるわけでもないのです。 ともかく、締め切りを守るプロである、という信用と評価は、仕事をする上で、非常に価値があるものです。 ついでに仕事が早ければ、いうことなしです。 では、ごきげんよう。 -------------------------------------------------------------------------------- …… No.7022 投稿日 2003年9月7日(日)16時36分 投稿者 甘夏  想像だけで反論なんて……  小説家以前にいいオトナとしてもどんなものかと。  根拠を示してください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7023 投稿日 2003年9月7日(日)17時37分 投稿者 新木 伸 >細江さん  撤退の件、了解しました。  プロにとって仕事が最優先なのは重々承知してます。誤解を解く機会もないのはたいへん残念ではありますが、仕方ありません。  もともと、そう長い期間、細江さんがここにいてくれると考えていませんでしたので、もっと話題を絞るべきでした。脱線させてしまったのは僕の責任です。  本当は細江さんには僕の最も苦手とする分野である「プロ活動。営業努力など」について話をしていただきたかったのですが。  僕自身、そこに関しては非常にヌルい考えに染まってしまっていまして……。  自分で気が付くたびに戒めようとしてはいるのですが、なかなかうまくいかず。  さらにうっかりすると、それをここにいる連中に教えこんでしまいかねないような有様でして。  僕の意識のヌルさを言葉で書くと、こんなところでしょうか。  「いいものを書いてさえいれば、きっと、どこかが拾ってくれるさ」 >細江さんの置きみやげ  最後にひとつだけ確認したいのですが。  細江さんがリライトを書いた理由についてです。  ちょうど僕が確認しそこねた部分ですね。 (今回の「別の話になっていることを細江さんは自覚していたのか?」の次のステップとして訊いてみようと思っていたところだったのですが)  あのリライトを書いたときに、「なにかを思いついて、筆が止まらなかった」とありました。リライトを書いた理由は、結局のところ―― 「あの話は男性視点だけから書かれていた。狙いがあって故意に女性視点を置き去りにしたわけではなく、女性視点をまるで見ていない」  ――ということに気づき、女性キャラの視点から書いてみたら別の面白さを引き出せるかもしれないと、「思いついた」ということでしょうか?  そして女性視点からやってはみたものの、あの設定とシチュエーションからでは、「ダメ男を世話して好きになる」女の子というキャラに、人間心理として筋を通すことができず、リライト自体としては失敗の出来だった。――と。  お手数ですが、ここだけ、お答えいただけると助かります。  ここがわからないままでは、そもそも、あのリライト自体が無駄になってしまいます。リライトが成功していたなら、細江さんの狙いはそこから読み取れるのですが……。  実際のところ失敗していますので、説明なしには、なにを狙っていたのかは誰にもわかりません。  真意を墓場まで持っていかず、解明することで、人類に還元してください。 >2号  カールゴッチの解説。  知らないことがいくつか出てきて、前より少しはマシになったけど。  まだまだぜんぜん、ライターのレベルにも届いていないぞ。  色々と書いてきたことのうち、僕が「知っていた」ことと「知らなかった」ことを色分けしてみるべし。ただの推測でいいから。  また鐸碑さんの「知っていた」ことと、「知らなかった」ことも、色分けするのね。僕よりだいぶ詳しいんじゃないかな。鐸碑さんは。  じゃあどこまで知っていそう? 推測せよ。  あと、そうだな。  女性代表で、プロレスになんてぜんぜん興味なさそうな、弟切さん。  彼女の「知っていた」ことと、「知らなかった」ことは、どんなふうに分けられる?  推測せよ。  まず、書いた内容を箇条書きにしてみること。  そしたら、上記の3人のそれぞれが、「知っていた」ことと、「知らない」ことに振り分けてみること。  あと鐸碑さんの指摘していた「用語」も、別に箇条書きして、同じように知っていることと、知らないこととに、分類してみそ。  ところで、ひとつ、訊いてみてもいい?  「関節技」って、なぁに?  あ。わかった!  関節のところで殴る技だろ。ヒジとかヒザとか、人体のうちで丈夫なところを使って殴ることねっ。  そうかエウレカっ。  ああ、これはいいや。教えてくれなくても。俺いま自分でわかっちゃったから。 >抜刀術 >>……と思います。 >>だと思うんですよねえ。 >>と思いますし。 >>はないと思います。 >>私の想像でしかないんですけどね。  なにせ2号のことなんで、いちおう確認しておく。  「思います」の五連発で、いくらなんでも、自分でも苦しいとは思っているよね?  反論にもなってないことも、わかってるよね?  てか、そもそもいまのオマエに、「居合い」について議論する資格なんてないことは、もちろん、わかっているわけだよね?  んで、これは「調べてみる前の推測」を記録目的で書いてみただけの意味合いしかなく――。  もちろん、調べてきてから、裏付けを取った結果を披露するつもりなんだよね?  そして調査前の「推測」とくらべることで、自分がいかに「ヌルかった」かを再確認する目的のために、いまここに、ヌルい推測を書いて記録してあるんだよね?  まあ、これはそんなに急がない。  そもそも、剣劇ものを、いまこの時点でどのくらい書けるかということの確認のためのもので、そこから派生して出てきた話題でしかないから。  優先順位としてはだいぶ低い。  優先順位の最上位にあるのは、まず日課を欠かさないこと。  つぎに短編のための準備をすること。  そのつぎあたりに、同音類義語の使い分けの宿題ついでに、調べてみればいいことだな。  図書館に行ったときに、ついでに武道やら江戸時代の資料やらの棚をさまよってみるとか。 >正眼の構え >>「正眼の構え」とは、剣道における「中段の構え」と、だいたい同じです。  ふむふむ。  だいたい同じということは――。つまり、ちょっぴりは違うということだな。  その「ちょっぴり違うところ」を教えてくれ。後学のために。 >>なぜ「書き手が精一杯やっている」ことが見えちゃうと、客は愉しめないのか。  ふむ。デジャヴュがあったので、みてみた。  過去ログの3099にあったな。 http://araki-s.hp.infoseek.co.jp/yomikaku_oth_log/yomikaku_oth_log_2001-4000.htm#20011016213712  杉井光に書いた話題。  題して「痛すぎて愉しめないラーメン屋」。  あそこに出てくるラーメン屋。  せいいっぱい、やってるよね? やっちゃってるよね? もう痛いくらいに。  そして2号は、あの店で、ラーメン、食いたくないよね?  同意がもらえるとうれしい。  もし「食いたい」とか言われてしまうと、それは感性の問題なのでどうしようもない。  しかし君がどんな感性を持っていようと、読者のほとんどはそうなのだ。  2号がもし「あの店で食いたい」とか思っちゃうようであったら、そんな君の感性なんてもんは、犬にでも食わせてしまえ。  ちなみにこれは、まったく同じ味の「ラーメン」を出していたとしても、店構えやら、店主の態度やらで――。  「精一杯頑張ってますけど、いまみんな材料なくて品切れで……、あ、でもラーメンだけは材料あるんで作れるんです」というのと。  「うちはラーメンに自信があります」と。  ――と、客の受け取りかたが180度違ってくるという話。 >可愛さ2割増量の分析 >>でもなんで「素直じゃない=かわいい」のだろう。 >>素直じゃない=好意を表にだせない=いじらしい=かわいい  ここ、いいところに気づきかけているぞ。  だが変な方向に行っちゃいそうにもなっている。  「かわいい」って、どういうことなの?  なにが「かわいい」ことなのか、まずそいつを定義せよ。もっと厳密に。もっとよく考える。  そうすりゃ「かわいさ」を調節するための方法論は見えてくる。  あと、「きつい」と「かわいい」は別の物事なのだと理解したよな?  「きつくなってるけど、かわいくなってる」が、俺のリライトしたセリフで証明されたので、それは納得できているはずだ。  「きつさ」と「かわいさ」がこれが同じ物事の別側面であるなら、「きつくなったらかわいさが減る」「かわいくなったらきつさが減る」という関係にあるはずだ。しかし、そうはなっていない。  つまり両者は別のものなわけだ。だから別個に調整可能なものなわけだ。  ――で、「かわいい」って、つまり、どういうこと? >新木に降りてきたハルコ >>眼鏡はかけてないです。ショートカット、頭がよく運動神経もよい。 >>だから新木さん版ハルコとは違うんですよね。新木さん版だと、あまり運動は好きじゃないと思うんですけれど。  こっちもショートカットだよ。いまそこにいるんで、ちょっと訊いてみようか。  運動は好きではないけど、得意ではあるそうだ。ただし個人競技系のみ。マラソンは嫌い。水泳も泳ぐのは好きだけど、もっと嫌い。男子の目は無視してりゃいいけど、女子の目がイヤなのだと。  スポーツの中でも、集団プレーを要求される、バレー、バスケ、ソフトボールはだめだってさ。皆がヘタなんでイライラするって。ソフトボールはピッチャーやらせられるので、絶対にイヤで、生理と偽ってズル休みしてるって。――そう言っとる。  なんならシャンプーの銘柄とかも訊いてみようか? ふだん、家のなかで、どんな格好でいるのかとか。 >時制とか  う〜ん。  ひょっとして言葉を変えて表現してみたら、「ああ、あれですか」とじつは知っていたことを期待する。(しかし、まあ、2号だし、本当に知らない可能性のが高いかなぁ)  この手の小説作法は統一解釈がないから、同じ概念に対して、いくつもの用語があったりする。分室ではそういうのは新木語と呼んでいるが。……しかし、時制は時制だよなぁ。  とりあえず、「現在形」「過去形」と検索してみそ。  基本的には、文の動詞の活用の話なわけね。  いま2号はどっちでも良いと思っていて、適当におりまぜて使っちゃっているわけ。  しかし本当は、厳密な規則に則って、意識的にコントロールされて使われるべきものなのだな。 (1) −−−−−−−−−−−−−−−−− 「ばか。死ね」  彼女は言った。 −−−−−−−−−−−−−−−−− (2) −−−−−−−−−−−−−−−−−  彼女は言った。 「ばか。死ね」 −−−−−−−−−−−−−−−−−  この「1」なら正しい。「2」では間違い。  「言った」っていうのは、過去形なわけだ。  したがって「彼女は言った」というのは、原則的に、その行より前に起きたことに対してしか使えない。  なのに「2」では、先に「言った」ときて、そのあとに「言った内容」が続いてしまっている。これは間違い。(ただし間違いを知っていて、あえて日本語を壊して使うこともある。――が、2号はまだそんな高度なことは考えなくてよし)  もうちょっと高度な話をしてみる。  小説をもとにして、マンガのコマ割りを決めるときのケースで考える。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づく。ハルコにちらりと視線を送った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ↑は間違い。日本語が壊れている。話にならん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づき、ハルコにちらりと視線を送った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ↑なら良い。  「心の中の声」+「毒づく」+「視線を送る」が、すべて同時に行われていることを示す。  マンガでいえば、1コマのなかに、この3つのすべてが描かれていることになる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ↑も良い。  ただし時制の焦点となる出来事が、2つに別れて存在していることになる。  「心の声」+「毒づく」――の2つが、1コマ目。  「横目で見る」――が、単体で2コマ目。 >精読分析  だいたい、そんなもんじゃないか。  食べ残しは、すくなくとも見つからない。  僕があれを書いたときの思考と、取捨選択とを、だいたいトレースできている。  ――で、2号はもう精読をできるようになったわけだな。  そうしたら、なにか、最近読んだ小説を取り上げて、精読してみそ。プロの市販作品ね。できたら上手な人のほうがいいな。売れてると上手――ってわけでもないので選択は難しい。適当なものがなかったら、プロの商業作品なら、なんだっていいか。  その道具、便利だぞ〜。  いままでオマエの目が節穴だったせいで、色々と、見落としてしまっていた「作者の工夫」ってものを、山ほど、発見できるようになっているから。  以前、馬宮もそうだった。  なお精読するのなら、そらで暗記してしまうぐらいの集中力をもってやってみな。俺のリライト、覚えこむくらい読んだだろ? 覚えてしまったかどうか、試しに、そらで書いてみな。  同じぐらいの集中力を出して精読しないと、見えるものも見えてこない。全力でやれ。1ページぶんとか、量はちょっとでいいから、何度も何度も読め。「行間」になにが書いてあるかまで、すべて読み取れ。  そうして、プロの作品をいくつも見て、自分が新しく手に入れた「道具」の使い心地を確認してみたら、こんどはその「精読の目」という道具を、なんでもいいから、そこらのアマチュアの作品に向けてみな。  誰のでもいいよ。アマチュアの作品ならね。  自分以外の、誰かアマチュアの作品を適当に探してくるべし。投稿サイトとかに、山ほど転がっているだろう。適当に、いくつもクリックしてみそ。  その「ひどさ」ってものが、実感できるはずだから。  とても「覚える」まで読めた代物じゃないから。てか、覚えるなんてそもそも無理だから。意味の通った文章なら覚えきれるが、完全にランダムに並んだ文字なんて、覚えられない。そのくらい、アマチュアの文章っていうのは、ひどくて、しっちゃかめっちゃかだから。  そのことが、わかるはずだから。  ああ。ただ巻島の「リライト後」はやめとけ。あれだとプロの下のほうのレベルと大差ないから。そうひどくは感じないはずだ。  リライト前のバージョンなら、そこらのアマチュアと同程度だが。  どうせなら、あの二つも見比べてみろ。 >短編 >年齢層とか >>でも年齢層、各年齢の構成比、男女比か。 >>全然考えてなかった。  ああ、やっぱりなー。  考えてもいなかったか。  細江さんはつまり、そのことを言っていたわけだが。そのあたりがずっと話題になっていたのだが。2号は人間たちの話を聞いているワンコのように、おすわりしておとなしく聞いているように見えても、じつはぜんぜん、話の内容なんてわかってなかったわけね。  あの「牛乳」の話を、女の人が読んだら、どう思うのよ――てな話だったのだぞ。  「女の人が読んだら、こう読むだろう」とか。  「女の人に読ませるために、書いているのではない」とか。  そういう話だ。  牛乳の話は、誰に読ませるつもりだったのだ?  年齢層は? 構成比は? 男女比は? >存在自体がセクハラの件  「痛。」かよ。  これもわかってないわけだな。  んじゃ、ひとつ宿題を出す。  やってみれば、わかるかもしれない。  1000字日課として、そのうち、やるように。  No.26の「ミルク」を、登場人物を「男×2」にして書いてみること。  男だと乳を与えあう――が、出来ないな。そのかわりに、「父親と息子」のあいだで行われる「なにか」の儀式に変える必要があるだろう。  まあ書いていてぜんぜんノレないだろうが、苦行だと思って、書いてみろ。  そしたら自分がなぜ「ノレなかった」のか、そのリポートをすること。  オマエの存在自体がセクハラだということは、その「ノレない理由」に秘密があるのね。 >鈍いことが長所 >>「鈍い」よりは「繊細」なほうが長所になるような。  繊細だったら、とっくに泣き出して逃げ去ってるんじゃないのか?  この分室から。  繊細な人間が耐えられるようなやりかたは、していないはずだが。  てか、俺の持論だと、「繊細」なんて人間はいない。ただ「ひ弱」な人間が存在するだけ。  「ひ弱」という欠点を、長所に転じて武器と変えられた場合には、それは「繊細」と呼ぶべきものになるだろう。しかしはじめから「繊細」な人なんて、どこにもいないんだよ。  「特徴」とか「個性」とかいわれるものは、まずはじめに、「欠点」として出現する。そこを「長所」に変えられるかどうかは、意識化と心の持ちようだ。  あるひとつの性質が、心がけしだいで、長所にもなるし欠点にもなる。  表と裏なのだな。  で、お前の場合は「繊細」を武器にするのは無理な話。  象がスリムさとか、素早さで勝負しようってぐらい無理。  象は体重と破壊力で勝負するもの。  繊細な人には繊細な人の悩みがあるの。「ひ弱」と紙一重っていう悩みが。  ないものねだりして、他人をうらやんでいるんじゃない。  自分の持っている性質を、どう活用するかを考えろ。  おまえは「図太さ」を武器にするしかないのね。ちなみに「図太い」は「鈍い」という欠点を長所に仕立てあげたものだ。ゾウさんの武器だ。  存在自体がセクハラなやつは、存在自体がセクハラであることを武器にするしかないんだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 近況報告 No.7024 投稿日 2003年9月7日(日)19時06分 投稿者 新木 伸  三つ目の短編、今朝から執筆開始。  残り二つ、どっちから書くか迷っていたけど、ようやく決まった。あっちを書くしか、ないじゃんか。なぁ。  なので――。  ひょっとしたら、3日かそこら。もしかしたらもうちょっと。  音信不通になるかもしれない。ならないで、いつも通りかもしれない。  まあ先に書いておく。  あと2号。  いいかげん、筆名決めろ。  そろそろ名前決めないと、「エウレカ2号」とか命名しちゃうぞ。  なんか大根の品種みたいだなぁ。  ちなみに1号は、紫が「自分が1号です」と言い張っているようだが、僕は弟切でないかと思っているのだが。  人間は名前を決め、その名前を名乗ってゆくことで、その意味通りの人物になれるものなのだ。筆名っていうのは、重いもの。  決めてしまうまで、もうちょっと欲しい――てなことなら、エウレカ2号だな。決定だな。  まあどっちにしても「2号」だが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7025 投稿日 2003年9月7日(日)20時03分 投稿者 新木 伸 >2号 >>シリーズ展開はまったく考えていませんでした。  小説賞を取って、デビューした人とか。  たいていそう言うみたいね。  続きを書くなんて思いもしなかった、とか。  受賞作ってたいてい続編が出るものだから、想定していないのって変な気がするのだが……。受賞するとは思っていなかった、てなことなのかしらん?  続きが来るならどんなふうになるのか。どんなふうにできるのか。そのへんを想定しつつ読み切りの長編を書くのは、プロの必須テクニックだよ。  売り上げが悪けりゃ一冊で打ち切りだし。作家がシリーズをやりたくたって、何冊まで続けられるか、何冊まで出してもらえるのか。ぜんぜんわからない。誰も保証なんてしてくれないし。  シリーズ立ち上げのときには、ぜんぜん見通しなんて立たないもの。  充分に売れれば、「好きなだけ続けていいですよ」てな言葉をもらえるんだけどね。  よって、防衛策として、新シリーズの企画を出すときには、プロはこのようにする。  一冊でも完結している。  シリーズとしても展開できる。  そんな路線を、無意識のうちに狙うようになるまで、意識して心がけるように。  いずれ必須となることだから。プロになるなら。  いまのうちに、意識を切り替えておけ。  すごく売れているシリーズなのに、そのうちの1巻だけ、背表紙に丸数字が付かないシリーズとか、あったりするでしょ?  あれはすべて、「売れなかったら1冊目で打ち切り」のつもりで出された本。  いまシリーズが続いているのは、その1巻が売れたおかげ。  また背表紙に(1)と付いているシリーズもあるはず。それは企画段階から、最低でも、2巻以上は出すことが確定していた希なケース。  たとえば、すごく売れているけど、1巻目に「1」が付いていなかった例では、「フォーチュンクエスト」というものがある。名前くらいは知ってるだろ。  1巻目は、版元が角川からメディアワークスに移ったけど、その角川スニーカー文庫版だけでも、40〜50版ほど、重版がかかっているはず。ひょっとしたら、もっとかな?  総部数は50万部ぐらいは出てるんじゃないかな。  そんなすごいシリーズであっても、最初に世に出たときには、「売れなきゃ、即、打ち切り」だったわけだよ。 >関係者各位  僕がこの分室で誰かを名指しして、なにかを書くとき。  もちろんその名指しした相手に向けても書いているわけだけど……。  その人物だけでなく、ここを読んでいる全員宛に書いているのだと思うこと。  だって、ここはインターネットに繋がった公共の場所なのだし。  インターネットをやっている人なら、誰でも、ここを見れる可能性があるわけだし。  そうした「潜在読者」を意識して書くのは、当然のことだろう?  たまに、レスを送った当人が理解できなさそうなことを、突然言いだすときもある。それはたまたま引き出しを開けたのがその人であるというだけのこと。  なにか自分に言われたことがあって、頑張ってみたけどそのときに理解できなくても、あまり悩まないように。  そのうち、しばらくして、過去ログ読みかえしたときに唐突に理解することもあるから。  たとえば、いま上で2号に書いた「単巻構成にもできるし、シリーズ展開もできるように構成しておくべし」なんてのは、プロ手前にいる人間か、デビューしたあたりの人間でないと理解できないはず。2号宛として、さらりと書いちゃっているけどね。  つまり、僕の分室の書きこみは、すべて、それが「わかるひと」に向けて書いている、ということ。  自分宛のレスであっても、ひょっとしたら、自分宛でないのかもしれない。  他人宛のレスであっても、ひょっとしたら、自分宛なのかもしれない。  ひょっとしたら、ROMしてる君、そう、そこの君。  君宛なのかもしれない。  もし、額面通り、レスを当てた人物あての話題だったのに、その人物が誤って「わかんないや」で流しちゃったときには、その旨、言うから。  ――と思う。  僕が忘れてなければ。 >2号  あ、そうそう。  7022の甘夏さんの指摘。  なにしろ「鈍い」ので、本人は気づかないかもしれないので、補足しておくが。  いうまでもなく、あれは、2号に言ってるわけね。  てか、2号のあれが反論のつもりなのだとしたら、もっともな意見だ。  これはスルーしちゃいかん話題ね。 -------------------------------------------------------------------------------- しばらく。 No.7026 投稿日 2003年9月7日(日)21時40分 投稿者 魚住 雅則 分室から姿を消します。期間は1ヶ月半程を予定しています。 新木さんの言うとおり「小説通になりたいだけの口先小僧」であるのか。 違うのか。 「反論だけでもしたほうがマシでは?」とのことでしたが、 何がどうマシなのか、よくわかりません。 「客に出せる小説」を書く以外で何をしようと一緒です。 ともかく行動で証明します。 さすがに「一稿目で客に出せるレベルに到達できる」とか、アホなことは言いません。 この方向でリライトすれば割と面白いのではないか、という段階をとりあえずの目標とします。 Ver.1が出来た時点で(これで1ヶ月半くらい)、短編を課題部屋にあげます。おそらく100枚強。 それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- 遅れてすいません No.7027 投稿日 2003年9月7日(日)22時16分 投稿者 いか  先日のオフ会に参加したいかです。  書き込むのが遅れて本当にすいません。  こんなに遅れた理由は単純にパソコン(Windows)の動作不良が理由です。  1日から3日まで旅行に行っていたのですが、そのときに、デフラグなど一通りのチェックをするように設定していました。しかし、8月の前半にOSを入れ替えたときから、長時間パソコンを起動させたまま放置していなかったため、電源設定を変更していなかったことに気づかず、作業中に切れてしまったようです。  結果、システムが少しおかしくなったようです。その復旧作業自体は早かったのですが、データが入っているノート(Mac)とのつなげ方をど忘れしてしまいまして、その作業自体に手間取りました。正確には、知識がないのによけいな作業を始めて、混乱してしまったことが原因なのですが。  現在、元の状態には戻りました。しかし、1000文字課題というのに200文字しか書き終わらせることができなかったので、それとは別に完成版とコメントを添えて課題部屋に載せます。  個人的な理由で9日まで手が離せないため、遅くても10日には間に合わせるようにします。  最後になりましたが、弟切さんの1000文字リライトをしたのは私です。 -------------------------------------------------------------------------------- これを読んでいる誰かさんに向けて。 No.7028 投稿日 2003年9月7日(日)22時21分 投稿者 鷹見一幸  実をいうと、俺は「M−1」(マンザイ師になりたがっている女の子の話)をここで読んでから、ずっと待ってる。  あれを単行本の上で読める日を(笑)  あれ、絶対に面白い。いや、面白くなるに決まってる。面白くなけりゃウソだ。  もし、俺に「書け」って言われたら「ばんざーい」って叫んで、その瞬間からキーボードに向かっちゃうだろうな、三日ぐらい寝ないで書いちゃうかもしれない。    俺は、あの話の磨き方も光らせ方も、んでもって売り込み方も知っている。  でも、あの原石は俺のじゃない。  だからきっと俺の知っている磨き方とは違う方法で磨いて、光らせて、んでもって売り出すだろうと思ってる。  だから、ずーっと待っている。金を払ってあのお話を読める日を。  そんなに遠くないのか、ずっと先なのか、残念なことに決めるのは俺じゃない。  それを決めるのはこれを読むであろう誰かさんだ。  世の中に出ていない、そして俺が知らない、お金を払ってでも読みたくなるそういうお話はいっぱいあるに違いない。  それは、これを読んでいる人の頭の中にある。  それは、そのままでは誰にも知られずに消えていく。  書かなくては、残らない。  それ、すっごく悔しいと思わないか?  書く人間として。  俺も悔しい。  読む人間として。  だから「書け」んでもって「読ませろ」(笑) -------------------------------------------------------------------------------- ヘウレーカ No.7029 投稿日 2003年9月8日(月)00時42分 投稿者 弟切 千隼  エウレカ1号の弟切です。しょーもないひらめきなら負けません(笑) 電波系とも言えますね。  ここの過去ログを読んでいる方なら御存知のとおり、エウレカeurekaの語源は、「見つけた!」という意味のギリシャ語です。より原語に近い発音では、ヘウレーカheurekaとなるようです。 >>1000字課題 1)両親を想う少女の健気さ 2)少女の両親が死んでいたという驚き 3)両親の死を知らない少女の哀れさ 4)祖父の少女に対する思いやり 5)未来にも変わらない家族の絆 6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  課題部屋のNo.587に上げてある作品を、この6つの成分に分類してみます。  ついでですから、段落ごとにこの作品を精読してみることにしました。 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。  第一行なので、主役となる人物の名を出して、読者さまに紹介しています。その人物が何かに注意を喚起されたことを書いて、読者さまの注意も引きつけようというつもりでした。  この行には、上記の1から6の成分は入っていません。無属性ですね。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。  人物が注意を喚起されたもの―より正確にはその方向―を示しています。  すぐ前の行で「何か」が起こりましたから、読者さまはその「何か」を知りたがるでしょう。その説明のための文です。  これも無属性の文ですね。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。  「何か」の正体を明らかにするために、人物が起こした行動を描いています。同時に、その人物が、敵に追われているとか狩をしているとかいった緊迫した状況にあるのではなく、『茶を淹れ』るくらいのんびりできる状況にいることを示しています。  これも無属性です。 >> 「アーイシャ?」  これはアラブ風の女性名です。けれども、大部分の日本人はそんなことを知らないでしょう。  ですから、ほとんどの読者さまはここで「こいつ、何だか意味のわからない言葉をしゃべってるぞ」と思うはずですね。  弟切はここでもう一人の登場人物の名を挙げて、その紹介をするつもりでした。とはいえ、これでは失敗と言えるでしょう(^^; このような掌編においては、短い中で読者さまに理解していただけるように、もっと多くの人々に馴染みのある名前にすべきでした。  これも紹介文ですから、無属性です。 >> 「はい、おじいちゃん」  ここで、二人の登場人物の関係を、祖父と孫であると明らかにしています。「おじいちゃん」という呼び方からして、この二人は、祖父と孫としてごく普通に想像される親しい関係であることも示しています。  ここまででは、この話の舞台が未来であることは、読者さまにわかりません。後になってこの舞台が未来であるとわかれば、上記5の「未来にも変わらない家族の絆」を示せると考えました。  しかし、今考えますとこれでは薄いですね(^^;  この文は5に分類します。 >> 快活な声が返ってきた。  孫のほうが元気な様子であることを示しています。これだけでは無属性となるところですが、すぐ前の行と同様に、後になってこの少女の両親が死んでいるとわかれば、3の「両親の死を知らない少女の哀れさ」を示せると考えました。  この文は3に分類します。 >> 「どこへ行くんだい? 今、お茶を淹れているんだよ」  祖父が孫にお茶を淹れていることで、4の「祖父の少女に対する思いやり」を示しています。 >> 「もう暗くなってきてるでしょ。星を見るの」  これは、孫が何をしようとしていたかの説明ですね。それ以上のものではありません。  「一刻も早く星を見たい=両親と少しでもつながっていたい=両親を想う少女の健気さ」が出せたはずですのに、全くそういう感じを出せていません(;_;)  結果として無属性です。 >> サイードは溜息をついた。  この文では、6の「自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者」を示すつもりだったにもかかわらず、全然違うものになっていますね(^^; 「溜息」が表わすのは、普通は諦めや悲しみといったものでしょう。  結果として違うものになっているため、無属性とします。 >> 「まだ夕陽があるじゃないか。早すぎるよ」  これも状況を説明しているだけですね。もっと表現を工夫すれば、「祖父の少女に対する思いやり」を示せたところなのに、そっけなさ過ぎる表現でした。  この文も無属性とします。 >> 「だって、おじいちゃん言ったじゃない。昨日より今日のほうが早く星が出るって」  この文は、祖父が科学知識を持った人であることを示しています。普通の人は、星座が季節ごとに移り変わることを知っているくらいで、季節が進むにつれ同じ星の昇る時刻がだんだん早くなることまでは思い至りません。  また、この文では、少しでも早く星を見ようとする少女を表わしています。この段階ではわからなくても、もうしばらく読み進んで下さった読者さまには、「両親を想う少女の健気さ」が示せると考えました。  したがって、この文は1に分類されます。 >> アーイシャが言っているのが何の星なのか、サイードには訊くまでもなかった。  孫の考えていることを、祖父が見通しています。ということは、祖父は孫のことをよくわかっていることを示しています。  この文では、4の「祖父の少女に対する思いやり」を表わすつもりでした。が、これでは失敗ですね (^^; 相手のことをよくわかっている=相手に対する思いやりがある、とはなりませんから。  結果として、この文は無属性とします。 >> 「でも、いくらなんでもまだ明るすぎるだろう」  この文でも、「祖父の少女に対する思いやり」を示すつもりでした。けれども、今読んでみますと、この文からそれを感じ取れというのは無理な話ですね。そっけなく事実を述べているだけです。  この文も無属性とすべきでしょう。 >> 「いいのっ!」  この文は、後まで読んでいただければ、読み手に「両親を想う少女の健気さ」を示せるだろうと考えて書きました。  よって、1に分類します。  今回はここまでとします。  ここまでやった分だけ見ても、無属性の文の多さが歴然としていますね。弟切の文章がいかに「薄い」かわかります(^^;  次回以降、全文を精読してから結果をまとめます。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨 No.7030 投稿日 2003年9月8日(月)13時43分 投稿者 名無し君2号  なんか肌寒い。風邪は引きたくないな。 >かねやんさん  おくればせながら、1000字課題、指摘ありがとうございます。  ふんふん、その2、No,18が面白かったわけだ。なるほど。 >>3つを読んで。 >>全部に言えることだけど、5W1Hが無い。  いつ、どこで、だれが、なにを、なぜゆえに、どうした。  ああ……。たしかにないですね。とくに「いつ」が。あと「なぜゆえに」もないや。  5W1Hがあると、とりあえず話にはなりますし。  話にしたうえで面白くなけりゃだめだし。  頑張ります。 >鐸碑さん >>アントニオ猪木が唐突にでるって話を受けた後で、説明のない単語がこれだけ新規に出ていますが、その当りはいかがですか? >>「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」「K−1」「PRIDE」「卍固め」>>「サソリ固め」「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」  う。説明してなかったか。読み返す。  ……してないです。すみません。 ・「全日本プロレス」  ジャイアント馬場というプロレスラーが作りあげたプロレス団体。  プロレスが「格闘技」と「演劇」の二つで出来ているとした場合、やや「演劇」に傾いている。  ジャイアント馬場が死去したのち、主力の所属選手が辞めて新しい団体をつくったりして、規模がちいさくなってしまった。 ・「新日本プロレス」  アントニオ猪木というプロレスラーが作りあげた団体。  プロレスの「格闘技」の部分に傾いた団体。  現在のプロレス界で、集客力という点においてはナンバー1である。 ・「UWF」  ゴッチの「レスラーとは強くなくてはならない」という思想を実戦した団体。  プロレスの「格闘技」部分に傾倒している。  その「強さ」を打ち出した姿勢、チケットぴあでのチケット販売(プロレスではUWFが最初)、コンサート風の演出、一般マスコミへの展開等、いままでのプロレス団体とは一線を画すやりかたで、当時の若者を中心に一大ブームを巻き起こした。  最後は内部分裂し、三派にわかれることになる。 ・「K−1」  空手の団体、正道会館の石井館長が作りあげた競技名。  空手、キックボクシング、ムエタイ、ボクシング等、立って勝負する格闘技のなかで、一番強い男を決める、という考えのもとに作られた。  UWFを参考にした運営で、軌道にのり、ゴールデンタイムでテレビ放映されるほどの人気をはくす。  創始者の石井館長が脱税で逮捕され、イメージダウン、消滅の危機にさらされたが、なんとか盛り返した模様。 ・「PRIDE」  そもそもは、当時最強の一人であるといわれたプロレスラー、高田延彦と、同じく最強であるといわれた柔術家、ヒクソン・グレイシーとの対決を実現させるため「だけ」に作られた競技のこと。  それがかなり儲かったため、継続しておこなわれることとなった。  K−1との違いは、PRIDEの場合、立って勝負する格闘技だけでなく、柔術、柔道、アマレス、プロレス等、寝ころんでも勝負できる格闘技が戦えるように、極めて制約のすくないルールになっていること。「ヴァーリ・トゥード=なんでもあり」ともいわれる。  制約がすくないということは、それだけ安全性が低くなるということ。つまり危険。寝ている相手に馬乗りになって、顔面を殴りつけるだの、寝ている相手の顔面をけっ飛ばす、踏みつけるだの、頭にひざ蹴りを落とすだの、へたすりゃ死にかねない競技である。 ・「関節技」  厳密な意味では、相手の関節を、通常曲がらない方向に曲げる技のこと。当然、ものすごく痛く、やりすぎれば折れたり、筋肉の腱がちぎれたりする。  プロレス界では、首を絞めて相手の意識をなくす技や、アキレス腱を絞めることで腱を切ったりする技、つまり「絞め技」も、同様に「関節技」と呼ばれたりする。 ・「卍固め」  前述のアントニオ猪木が得意とした技。自分の左足を相手の右足にかけ、自分の右足は相手の首、最後に相手の左腕を固めるという関節技のこと。  形が「卍」のように見えることから、名付けられた。  首(頸椎)と左肩(関節)が痛い。 ・「サソリ固め」  うつぶせの相手の、両足を交差させ、その交差したあいだに自分の右足をさしこむ。相手の足首を脇に抱えて、思いきり後ろにそると、サソリ固めの完成である。  形が「サソリ」に似ていることから、名付けられた。  腰と足がすごく痛い。 ・「弓矢固め」  うつぶせの相手の、腰に自分両すねをあて、左手で首、右手で両足を持ったのち、そのままの体勢でごろりと転がり、自分の背中を地面につける。そして両すねを上にあげ、両手をひきしぼるとできあがり。  相手を弓にみたて、弓をひきしぼっていることから、そう名付けられた。  腰が痛い。 ・「日本式足折り固め」  形としては、相手はあおむけで、両足を相手の頭まで持っていく。もちあがった相手の尻に座るような形になって、自分の足は地面につけたまま、後ろにえびぞる。逆立ちするように手を地面につけば、完成。  これは関節技ではなく、いわゆるフォールを奪うための技。  フォールとは、相手の両肩を地面につけた状態で押さえることをいう。三秒間、相手の肩をつければ、自分の勝利となる。 ・「フルネルソン・スープレックス」  立っている相手の後ろにたつ。両脇から腕をさしこみ、相手の後頭部で自分の手を組む。これがフルネルソンである。そのまま後ろにいきおいよくえびぞって、地面に相手の頭を叩きつければ、フルネルソン・スープレックス。  この体勢になると、相手は手を自由に動かすことができず、結果として、自分の体をかばうことができない。そのまま後頭部から落ちるため、極めて危険。コンクリートの上でやれば、まちがいなく死ぬ。  もっとも素人がやると、たいがいは自分の頭が先に叩きつけられることになるので、先に死にかねないが。  これで伝わるかどうか。 >細江ひろみさん  どうもお世話になりました。 >>故意に置き去りにしたか、まるで気づかなかったかは、大きく違います。 >>故意に、読者層を限定し他の層を置き去りには、しなければなりません。  だれに読んでもらいたいのか、それを想定して書け、ということですね。  まったくもってその意識が欠けていました。 >>まずは、自分が書けるもので、市場的に成立しそうなターゲットはないかと、考えてみてください。  いままでは、ただ漠然とライトノベル層、とだけ考えていましたが……。  ライトノベル層、といっても、いろいろな読者がいるわけです。  それぞれのジャンルごと、年齢ごと、性別ごと。  好みはなにか。格好いいのがいいのか。かわいいのがいいのか。燃えるのがいいのか、萌えるのがいいのか。  楽しいのか。哀しいのか。ほほえましいのか。怖いのか。恐ろしいのか。  自分にはなにが書けて、そのなかで通用するもの。  プロレスだって、チャンバラだって、セクハラだって……。  いま考えているものでは通用しなくたって、形を変えれば、通用するのかも知れない。  こう書き出すと、なんか理解してしまったような気になってしまうのですが……。  当然、まだ理解できていないので、じっくり考えてみます。 >>他人の、プロの作品を、ペンで紙に書き写すのです。 >>沢山本を読む時間がなければ音読する。 >>たくさん音読する時間がなければ、この書き写しです。 >>この時間とは、一日の中の時間ではなく、二号さんがプロデビューするまでの時間と、お考えください。  はい。  まえに一回だけ、書き写すのはやってみたことがあります。10ページほどで止めてしまったのですが……。  筆写にまさる読書はない、と聞いたこともありますし。  いまやれば、また違った読みかたになるでしょうし。  音読はやってました。これもまだ20ページほどなんですけど、おまけに小声でぶつぶつ呟いているだけなんですけど。  やっているのが山田風太郎さんの作品なんですけど。 >>癖の強い作家の作品を選ぶと、癖がうつってデッドコピーになりかねません。  これから考えると、選ばなきゃならないのだろう。  でも、うーん、数をこなすほうが先か? >甘夏さん >>想像だけで反論なんて…… >>小説家以前にいいオトナとしてもどんなものかと。 >>根拠を示してください。  はい。すみません。  煮えくらない文面からもおわかりのとおり、まったくもって自信なく反論していました。  なんというか……反論になってないです。ただの意見です。  根拠のしめしかた。 ・情報を調べる。 ・経験者に取材。 ・実際にやってみる。  最終的には全部やらなきゃならないでしょうが。  調べれば調べるほど、奥が深いんだよなあ、剣術って。どこまでも調べられそうな。  調べてから反論します。 >新木さん >カールゴッチの解説 >>色々と書いてきたことのうち、僕が「知っていた」ことと「知らなかった」ことを色分けしてみるべし。ただの推測でいいから。 >>まず、書いた内容を箇条書きにしてみること。 >>そしたら、上記の3人のそれぞれが、「知っていた」ことと、「知らない」ことに振り分けてみること。 >>あと鐸碑さんの指摘していた「用語」も、別に箇条書きして、同じように知っていることと、知らないこととに、分類してみそ。  了解。 ・カールゴッチという名前。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・プロレスデビューの地。 ・アマレスの実力者であったこと。 ・何度かタイトルマッチをしていた。 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・強いが人気がなかった。 ・米国では二流レスラーだった。 ・馬場のほうが猪木よりプロレスがうまかった。 ・猪木は馬場よりもランクが低かった。 ・「神様」の称号は猪木が馬場と並ぶためについた嘘だった。 ・プロレスのマスコミは団体のいうとおりのことしか書かない。 ・ゴッチがメダルを取ったという事実。 ・ゴッチがメダルを取ったのは嘘である。 ・ゴッチは日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・「UWF」がなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチがなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・「K−1」 ・「PRIDE」 ・「卍固め」 ・「サソリ固め」 ・「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」 ■鐸碑さんの知っている部分 ・カールゴッチという名前。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・アマレスの実力者であったこと。 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・プロレスのマスコミは団体のいうとおりのことしか書かない。 ・ゴッチがメダルを取ったという事実。 ・ゴッチは日本に強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・「K−1」 ・「PRIDE」 ・「卍固め」 ・「サソリ固め」 ・「弓矢固め」 ・「日本式足折り固め」 ・「フルネルソン・スープレックス」 ■新木さんの知っている部分 ・カールゴッチという名前。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・ゴッチは日本に強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・「K−1」 ・「PRIDE」 ・「卍固め」 ・「サソリ固め」 ・「フルネルソン・スープレックス」 ■弟切さんの知っている部分 ・「卍固め」(言葉だけ。どんな技かは不明) ・「K−1」(キックボクシングみたいなもの、という認識)  こんなところか……な。 >抜刀術 >>「思います」の五連発で、いくらなんでも、自分でも苦しいとは思っているよね? >>反論にもなってないことも、わかってるよね? >>てか、そもそもいまのオマエに、「居合い」について議論する資格なんてないことは、もちろん、わかっているわけだよね?  わかってました。じゃあ書くなよ、って話ですけども。 >>んで、これは「調べてみる前の推測」を記録目的で書いてみただけの意味合いしかなく――。 >>もちろん、調べてきてから、裏付けを取った結果を披露するつもりなんだよね? >>そして調査前の「推測」とくらべることで、自分がいかに「ヌルかった」かを再確認する目的のために、いまここに、ヌルい推測を書いて記録してあるんだよね?  あーうー。  裏付けをとるつもりでしたが。  披露するつもりはなくて。  自分がいかに「ぬるかった」かは……。  過去ログみればよくわかります。まだまだぬるいんですけどね。あんまりぬるいと、そのうち風邪ひきそうですけどね。 >正眼の構え >>「正眼の構え」とは、剣道における「中段の構え」と、だいたい同じです。 >>だいたい同じということは――。つまり、ちょっぴりは違うということだな。 >>その「ちょっぴり違うところ」を教えてくれ。後学のために。  これは、正眼は「眼」に切っ先をつけるのですが、中段の構えは喉のあたりにつけるということ……だと記憶してたのですが。  改めていろいろと調べてみると、なにやら考え違いをしていた模様。  そもそも「正眼の構え」とは、本来は五種類の「せいがん」の一つであった。 「正眼」「晴眼」「青眼」「星眼」「臍眼」の五つ。  ぜんぶ「せいがん」と呼びます。  で、それらをまとめて、いまでは「中段の構え」と呼んでいる。  それぞれ、「正眼」は相手の喉に、「晴眼」は相手の両目のあいだ、「青眼」は相手の左目、「星眼」は相手の顔のまんなか、だいたい鼻先のやや上、「臍眼」は文字どおりへそに、刀の切っ先をつける。  あー、「正眼」と「青眼」を勘違いしていたのか。なんでだ? >>なぜ「書き手が精一杯やっている」ことが見えちゃうと、客は愉しめないのか。 >>あそこに出てくるラーメン屋。 >>せいいっぱい、やってるよね? やっちゃってるよね? もう痛いくらいに。 >>そして2号は、あの店で、ラーメン、食いたくないよね?  食べたくないです。 >>ちなみにこれは、まったく同じ味の「ラーメン」を出していたとしても、店構えやら、店主の態度やらで――。 >>「精一杯頑張ってますけど、いまみんな材料なくて品切れで……、あ、でもラーメンだけは材料あるんで作れるんです」というのと。 >>「うちはラーメンに自信があります」と。 >>――と、客の受け取りかたが180度違ってくるという話。  見栄をはるな、やれることを精一杯やれ、ということですね。  出すのなら、自信を持てるようになってから出せ、と。 >可愛さ2割増量の分析 >>「かわいい」って、どういうことなの?  これはちょっと時間かけます。次回。 >ハルコについて  全然そこまで降りてきません。  というより、内面に関してはちょっとイクオにとって都合のいいキャラになっている。  なーんでイクオが好きなのやら。 ・なにはともあれ馬鹿なりに一生懸命であること。 ・自分とおなじく、「普通」からはずれている人間だから親近感。 ・まわりの視線を気にしていないように見える。  ああ。ハルコはまわりの視線を気にしてるんだ。気にしてないように見えるし、見せてるんだけど。  イクオも本当はまわりの視線を気にしてるんだけど。でも馬鹿だからあとさきを考えないんだな。  一口に馬鹿って言ってるけど、「もとから馬鹿」なのと「馬鹿になる」のは違うことだよなあ。イクオは馬鹿になれるやつなんだな。  こうして考えてみないと、ちっともわからない。 >時制について  いまやっていることが「現在形」。  もうやったことが「過去形」。  「未来形」は日本語にはない。  そもそも日本語には時制がない、とか書いてあるホームページもあったりして、なにがなにやらですが、とりあえず理解はできました。  つまり……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あげないよ、もちろん……」  加奈子は呟いた。司から視線をそらす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは「視線をそらした」ではダメ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あげないよ、もちろん……」  加奈子は呟き、視線を司からそらした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは「視線を司からそらす」ではダメ。  なにかがおきるとする。  そのなにかを、前の行で説明するなら現在形。後の行で説明するなら過去形。  直後の説明がどうこうではなく、その文章自体の「時制」がどうか、による。  ん。  でも、これは……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 「うるせーよ、ハルコ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは、「ひどく冷たく降りかかった。」じゃないのか……。  ん。んー。  あ。  ああ。わかった。  「“そこに”少女の声が〜降りかかる」だから、この一文はその前の、  「うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。」  にかかってるんだ。  だから、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは一コマ、ないし二コマ。  「沈みこむイクオ」が一コマ目。  「ハルコの冷たい声」+「セリフ」が二コマ目。  まあ、「ハルコの冷たい声」をマンガでどう書くのだ、と言われれば答えようもないけれど。 >精読分析 >>――で、2号はもう精読をできるようになったわけだな。 >>そうしたら、なにか、最近読んだ小説を取り上げて、精読してみそ。プロの市販作品ね。できたら上手な人のほうがいいな。売れてると上手――ってわけでもないので選択は難しい。適当なものがなかったら、プロの商業作品なら、なんだっていいか。  やってみます。  単純に、どう書いたらいいのかわからないシーンとか、盗めるだけ盗んでみます。  巨人の格闘シーンとか。  濡れ場とか。  退屈しない説明のしかたとか。  チャンバラとか。  やってるうちに、もっと速くなるだろう。 >短編 >パターン考察 ・パターン1 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・男はエロスに目覚める。 (転)・したくはないが、本能のままに女の子にロック・オン。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」女の子の好意に気づく。  「結」女の子を好きになる。  「起」女の子が自分を好きなのだと気づく。  「承」エロ覚醒。  「転」罪の意識をおしのけ、欲望のままに女の子の好意を利用しようとする。  「結」どたんばで我に返り、女の子を好きになる。 ・パターン2 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・女の子の好意に気づく。 (転)・こいつはいいや、と本能のままに女の子にロック・オン。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」エロ小僧。  「結」エロより愛。  「起」エロ小僧、誕生。  「承」好意にきづく。舌なめずり。  「転」罪の意識のかけらもなく、女の子を襲う。  「結」最後の最後で自制する。 ・パターン3 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」女の子の好意にきづく。  「結」女の子を好きになる。  「起」女の子の好意に気づく。  「承」女の子のいいところを見つける。  「転」エロス覚醒。女の子襲う。  「結」手を出せない。女の子を好きになってしまっていたから、と気づく。 ・パターン4 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・エロス大暴走。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」エロ小僧。  「結」エロより大切なものを発見。  「起」エロスの実を食べてしまう。  「承」妄想のままに生きる。  「転」女の子、主人公を止める。止めた理由が自分を好きだから。  「結」だったら、と女の子を襲うが、どうしてもできない。好きだったのだ、と気づく。 ・パターン5 (起)・人を好きになんてならない、とうそぶく主人公。 (承)・女の子の好意に気づく。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」愛を知らない。  「結」愛を知る。  「起」人嫌いの主人公。  「承」女の子と触れあう。頑なな主人公の心、ゆらぐ。  「転」やっぱり信じられない、と襲いかかる。  「結」逃げだすかと思ったら逃げない。主人公、女の子の深い愛を知り、ようやく心の鍵をはずす。むろんH未遂。 ・パターン6 (起)・モテモテ主人公、愛され過ぎて愛を知らない。 (承)・男はエロスに目覚める。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」愛を知らない。  「結」愛を知る。  「起」モテモテ主人公説明。  「承」エロスに目覚めて、手当たりしだいに手をだそうとするが、女の子が邪魔をする。  「転」で邪魔をし続けた理由が主人公を好きなのだとわかり、主人公の目標が女の子に定まる。  「結」外見だけじゃなく、内面を見ていてくれた、と主人公は気づき、欲望を抑える。  パターン3と4以外は、苦しい……。もうちょっと考える。 >>牛乳の話は、誰に読ませるつもりだったのだ? >>年齢層は? 構成比は? 男女比は?  なんにも考えていませんでした。  でも……小学生はない。中学生もない。高校生もないな……。  自分に読ませるつもりだったのかも。痛い。 >1000字課題  No.26の「ミルク」、男バージョン。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=595&e=res&lp=550&st=0 >歩くセクハラ分析  物語のためにエッチがあるのか、エッチのために物語があるのか、ということです。  なんで「ミルク」はノレたのか。  それはつまり、エッチのために物語があったからなわけで。  そりゃあセクハラなわけで。  かといって、それで読者を楽しませようと考えていたのか、といえば、むしろ自分のほうが楽しかったわけで。  相手が楽しくなければ、そりゃあセクハラなわけで。  ポルノ小説のほうがはるかに上なわけで。だって読者のほうを向いているから。 >筆名 >>あと2号。 >>いいかげん、筆名決めろ。 >>そろそろ名前決めないと、「エウレカ2号」とか命名しちゃうぞ。  とりあえず名字を「三日月」にしようか、とまでは考えてましたが。  満月じゃないところが、「凡人」を引きずっているところですが。  「三日月」だと汎用性が高そうだし。  神秘的なイメージはあるし。  孤独ってイメージもあるけど。  名前のほうがなあ。  なにに時間かけているんだ、というぐらい書くのに時間がかかりました。7時間ぐらいか。腰が痛い。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7031 投稿日 2003年9月9日(火)00時21分 投稿者 新木 伸  コンタクトレンズを作りに行った。明日できあがる。――といっても、べつにオーダーを受けてから作っているわけではなく、メーカーから度とカーブを合わせたものが届くだけだけど。  ハードコンタクトは、もう18年ぐらい使い続けているのだけど、いま付けているやつは、もう5〜6年くらい使ったまま。すこし傷も増えてきた。  最近のO2系のハードレンズは、いちばん酸素を通すタイプだと、一週間連続装用可能なのだと。寝ているときにも外さなくてもいいのだと。 (店の人は、あまりお勧めしませんとは言っていた。でもうっかりして寝ちゃっても、2日や3日外さなくてもぜんぜん平気です、とか言っていた)  知らんかった。  もっと早く作りかえにいけばよかった。  ソフトレンズでは、2週間連続装用の使い捨てタイプなんて、もう10年近く前から普及しているけど……。  ハードレンズでもそんなことになっていたとは、知らんかった。  なにしろ自分はコンタクトを「長年」付けてきたわけなのだし、コンタクトのことに詳しいはずだし。――そうした思いこみがあった。  時代は進歩していたのだ。 >皆へ  これから数日。  俺、書きこみを行う前の「見直し」を、3回までに減らす。  なんか不備があるかもしれんが、まあ許せ。 >2号  いまレス書くのに、6〜7時間か。  あれっぽっちの分量なら2時間で書けよ、とか思うが。それはまあいい。  おまえは無職のプーだから、1日のうち、寝ている時間を除くと、18時間ぐらい使えるわけだな。  課題をやって、レスを書いて。  一日の平均的な時間配分を、スケジュールとして出してみそ。  レス書いて休憩して、課題やって休憩して――と、休憩時間も含む。  他にもインプットのために漫画や本を読んだり映画を見たりしている時間も計量すること。  すぐに出ないようなら、何日か、記録つけてみて平均すること。  ちと見てやろう。  もし1日のスケジュールの効率化ができて、同じ集中度を持ちつつ、2倍の時間、課題やらレス書きやらに向き合えるようになるのなら、修行期間は2分の1に短縮されるはずだな。それが物理法則っていうもの。  じつは2号の場合、とりあえず、それなりのまとまった時間は注ぎ込んでいるから、かなり進歩は早いのよ。  ここに来て、やってきた期間だけでも、紫や羽矢野の半年分くらいは優に進歩しているはずだ。あいつら本業があるし、残業残業――てな仕事場だから、ろくに時間も使えないし。  2号の場合、レス書きも修行になるだろ。  6〜7時間ぐらい、毎日やるべきだ。それが多いとは、俺は言わない。むしろまだ少ないと思う。  しかしひょっとして、2号の最大の武器は、「時間があること」なんじゃないのか?  学生だって、そんなに時間を持っていない。社会人ならなおさらのこと。弟切なんて体に無理をかけて時間を作り出したって、1日に1時間しか取れないようだし。  いまのお前、小説に使える時間は、俺と同じだけ持ってるじゃん。俺も一日24時間使えるしー。  いま2号の場合には、「人になにかを伝えるために文章を書く」という経験が圧倒的に足りていない。「どう書けば伝わるか?」ということを肌で感じられるところまで行かないとならない。じゃないと話にならない。  さいわい、分室では、わからなかった場合、「わかんねーよ」と言ってよい風潮ができあがっている。俺もよくやる。皆もやってよし。  わかんないものを、「わかんねー」。  つまんないものを、「つまんねー」。  そう言われる経験は、そうそう積めるもんじゃないから、いま積んどけ。ここで積める。  プロになったら、誰も言ってくれなくなるから。 >「関節技」 >>相手の関節を、通常曲がらない方向に曲げる技のこと。  うそだぁ。だって俺、このあいだ発見したもん。  関節技ってのは、関節で殴りつける技なんだぜ。けっこう効くんだぜ、この技ってさ。  ヒジとかヒザとかで殴ると、痛いだろ。な、そうだろ?  どーしてもその変な理屈を俺に信じさせたいなら、納得させてくれよなー。  そんなよくわかんねー屁理屈こねてないで、よくわかるように説明しろよー。  「関節を曲がらない方向に曲げる」よか、ヒジで殴りつけるほうが、はるかに効くじゃん。  な? そう思うだろ? >筆名とか >>いままでは、ただ漠然とライトノベル層、とだけ考えていましたが……。 >>ライトノベル層、といっても、いろいろな読者がいるわけです。 >>自分にはなにが書けて、そのなかで通用するもの。  つまり、それが筆名を決めるっていうことなわけ。  ようやく繋がったか? どうだ?  自分の書けるものを把握して、なにを書いてゆくのかを決めて、そしてそれに見合ったペンネームを自分に付けるわけ。 >>好みはなにか。格好いいのがいいのか。かわいいのがいいのか。燃えるのがいいのか、萌えるのがいいのか。 >>楽しいのか。哀しいのか。ほほえましいのか。怖いのか。恐ろしいのか。  つまらんことで、なにを悩んでんだ?  それぜんぶ書けるようになってから、ぜんぶ投入した作品を書けばいいだけのことだろ?  おまえはなにか? そのなかの「1個」だけで一作品を書きあげて――そんなものが売れるとでも思っているのか?  俺たちプロは、そんなヌルい仕事で金を稼いでいると思われているのか?  たいていの商業作品は、そこに挙げたようなもん、一冊のなかにぜんぶ入っているわい。  そこに挙がっていないものも、山ほど入っているわい。  たしかに掌編じゃ、1個くらいしか書けないわな。皆には頑張って数個は入れるように指示しているが。  まあ、しかし「メイン」は1個だけだ。  なにしろ1000字しかない。  しかし短編なら16個は書けるし、長編なら50個は入れられる。  数的にはそんなもんか。  ただ一個一個の「濃さ」としては、掌編=短編<長編、となる。  枚数が増えてゆくぶん、もっともっと濃いものを入れられるわけね。  短編だと、1個あたり原稿用紙2.5枚だから、掌編と同じ密度で描くことになる。  長編では、1個あたり原稿用紙7枚になる。よって3倍の描きこみが行える。 >同音異義語宿題  宿題に積んでおく。  「つく」  付く突く点く着く漬く就く即く衝く撞く吐く憑く搗く。  それぞれ、解説するか。  調べてきて報告のこと。  ちなみに小説書こうって人間なら、そらで解説できて「あたりまえ」なのね。(それでも辞書を一応は引いて調べるものだが)  2号に限らず、この「つく」の用法を「あたりまえ」として解説できないようなやつは、「やばい」と思っておけ。そしてこっそり調べておけ。そのうちテストに出るぞ。  あ、辞書引いてみたら、もう10個ぐらい「つく」がでてきた。  まあ小説で使いそうなのは、上記の12個くらいだろう。他の「つく」は専門書でもなければ出てこない。そもそも読者だって読めない。 >言葉  自分の使う言葉を、読者は知っているか。いま自分がどんな読者を対象としていて、その読者はこの言葉を知っているのか。知っているなら問題はない。  だが知らないのだとした場合――。「どのくらい」知らないのか。どれだけの説明を果たせばわかってもらえるのか。  プロは、そういったことを、もはや考えない。  息をするのとおなじように、無意識のうちにやってしまっている。  息をするとき「息のしかた」をお前は考えるのか?  もしくは歩くときに、「右足を出して次に左足を出して」と考えるのか?  おまえだって、そういうことは考えないはずだ。無意識でやっているはずだ。  しかしいまお前は「読者がこの言葉を知っているか」ということを、考えないとできない。――てか、考えていてさえ、やれていない。  はじめは、意識してやるしかない。  そういうことを意識してやらなければならない。そうでなければ、「なにかの偶然」に頼ることなしに、成果を出すことはできない。  なにかの偶然で、自分の書いたものが読まれて理解されるとか。共感してもらえるとか。  たまたま偶然、相手もプロレスファンであり、意気投合するとか。  そんな偶然に頼らなくては、相手から同意を引き出せないようなのは、プロとはいえない。  おまえの短編。「おもしろい」って誰かひとりに言ってもらえるのが出る確率って、いったい何割よ? いいところ、2割か3割かね?  プロはこの分室の人数が相手なら、打率10割に持っていかなくてはならない。  つまり分室参加者の誰か一人には、毎回必ず、「おもしろい」と言わせるということ。  アクティブに書きこみしているのは、いま10人くらいかな?  ちなみに、その10人中の10人に、常に100%「おもしろい」って言わせるのなんて、俺だって無理だ。  それができていたら、豪邸が建っている。(つまりプロのうちでもトップクラスの領域ってこと)  偶然に頼らずに成果をあげるのが、プロなわけ。  プロはプロレスを知らない人にも、プロレスの魅力を説明できるし、納得させられるわけ。そして「ノンケの人」(一般人の意味)でさえも、プロレスファンに仕立て上げることができちゃうわけ。  だから、プロなの。文章をでカネが取れる存在なの。  ある一定確率で、他人の価値観を変えてしまうことができるわけ。  ノンケの人に、一冊の小説を投与することで、「猫耳スキー」に仕立てあげることもできるのだ。(ある確率で)  「物語」というものには、そこまでの力があるの。  技術を磨けば、それは可能なことなの。  ある一語がどこまで理解されるか。  それは「読者はこのシーンでなにが起きているか理解できるか?」「このエピソードに乗ってくれるか?」「この主人公を好きになってくれるか?」「主人公に感情移入して、主人公の“味方”となってくれるか?」と考えてゆくことと、同種のことなのね。  概念的には陸続きで、技術的には応用だ。  「一語が理解されるか」という単純なことよりも、遥かに複雑な概念で、もっと高次のレベルの話だが。  いま「牛乳」のリライトの話でやっていることが、それにあたるわけだな。  「牛乳を飲んで逆噴射させて、そして女の子に好意を知るというご褒美をもらうヤツ」が住む世界を、読者に納得させるのだろう? おまえは?  俺のリライトで、おまえは納得したんだろ?  だからシビレたんだろ?  イクオはハルコにご褒美をもらって然るべきだろ? そう思ったろ?  いま2号には、1000字課題をさせるときに、「読んでもらいたいところ」を書き出すようにさせている。「一語が理解できるか」ということと、陸続きで、同種のことなわけだが――。  まあ、まだよくわからんだろう。  それとこれとが、一緒だということは。  ワンコがいきなり人間に進化しようとしたって無理な話だ。  いまお前は、とても「人間」とは呼べないわけ。  犬コロくらいの能力しか持っていないわけ。  「文章で不特定多数の読者とコミュニケーションする」という観点においてはね。  ワンコはワンコなりに、まず、一語のレベルからやってゆくこと。そこから身につけること。  まず「ワン」と言え。それは「1」という数だ。次は「ツー」と言えるようになれ。  「その言葉」を相手は知っているかどうかを、無意識のうちに推し量れるようになるまで、徹底的に自分に対して習慣づけをしろ。  それがある程度できるようになってきたら、その上の、「いまなにが起きているのかわかるか」とか「これを愉しんでもらえるか」とか、そういう高度な話にもついてこれるようになるはずだ。  そして話についてこれる時点で、ある程度、身に付いてきてもいるはずだ。 >カールゴッチについて  ばかめが。ヌルいわ。  だいたい、「事実」と反している。  俺の知っていたこと、知らないことと、まったく違うし。  鐸碑さんのそれとも違うし、弟切のそれとも違うし。俺以外の「事実」は俺には推測するしかないが、かなりの精度で推測可能だ。これだけ付き合いがあれば。  やり直してこい。  ちなみに攻略のヒントとしては、箇条書きにしたものを、すべてソート(並び替え)してみること。  ある概念の認知度というものは、本当は、一元で計れるものではないんだけど……。しかしけっこうアバウトにやっちゃっても参考にはなる。  「よく知られていること」を上で、「知られていなさそうなこと」を下で、並び替えてみそ。  けっこういろんなランク付けの指針があるんだよね。  「TVをよく見る人なら知っている物事」のランキングとか。  「武道経験者なら知っている物事」のランキングとか。  「スポーツファンなら知っている物事」のランキングとか。  「男の人」の知っていそうなランキングと。「女の人の知っていそうなこと」のランキングと。  「50歳以上の人の知っていそうなランキング」とか。  「現役高校生の知っていそうなランキング」とか。  ――このように指針は山ほどあるのだが。  2号にはまだ個別に考えるのは難しいだろう。  それらを総合して、ひとつの次元にまとめちゃっていいから、「知っていそうな」ランキングをつけてみそ。 >レスとか >>そもそも「正眼の構え」とは、本来は五種類の「せいがん」の一つであった。 >>「正眼」「晴眼」「青眼」「星眼」「臍眼」の五つ。 >>ぜんぶ「せいがん」と呼びます。  おお、ようやくおもしろいものが出てきたじゃん。  それを聞かせてくれるなら、「へー」とうなずいてあげよう。お金を払ってもいい気分。  これ、剣道ものを書くときに使えるよね。  剣道部に入ってきた転校生の使う「中段の構え」が、じつは「星眼」であることを見抜く部内一の使い手――とかさ。  他の部員は「中段」のなかに5種類の構えがあることを知らない。しかし転校生と、その部内一の使い手だけは、中段のなかにある5種類の構えを、ちゃんと使い分けているわけだよ。だからお互いにわかってしまうわけだよ。  ――で、ひとつ質問なんだけど。  どうして、それが最初に出てこなかったの?  だって2号だって、「正眼は中段とほとんど同じ」って、そこまで知っていたんでしょ?  俺は「当然の疑問」を口にしただけだぞ?  「ほとんど同じってことは、ちょっぴり違うのはどこなの?」ってさ――。  そこになんにも特別な発想なんてない。あたりまえの疑問を、あたりまえに出しただけだ。  なぜ、僕の出した「当然の疑問」を、2号は出さなかったのだ?  しかし、そこで「当然の疑問」に気がついて、その点を徹底的に調べ上げてゆくかどうかで、アマチュアとプロとの差は生じているわけだ。  俺、そのことは実際に知らなかったけど。  しかし自分が「剣道もの」を書くのであったら、当然、そこまで調べ上げて引っぱり出してくるもん。 >>見栄をはるな、やれることを精一杯やれ、ということですね。 >>出すのなら、自信を持てるようになってから出せ、と。  ちがうよ。ばか。  自分の出来ることと、出来ないこととを、きっちり推し量っておけということだ。  やれることをやれるだけやったあとで、自信とか信念ってのは芽生えるってこと。  ラーメンしか出さないラーメン屋が堂々としているのは、自信と信念があるからだ。自分にはラーメンしか作ることができないが、そのラーメンでは誰にも負けない――と、信念まで昇華させた確信を持っているからだ。  「精一杯やっている」なんてポーズをアピールするということは、いま自分が精一杯やっているという確信を持てないからだ。それをどうにかするためには、いちど、精一杯やってみるしかないわけだ。  ラーメンしか出さないラーメン屋は、見栄や虚勢を張る必要がないの。  なぜなら、やっているから。  ん? 言っていることは、2号の解釈と同じなのか? >ハルコについて >>全然そこまで降りてきません。 >>というより、内面に関してはちょっとイクオにとって都合のいいキャラになっている。 >>なーんでイクオが好きなのやら。  ヌルいな。  考えが足りないんだよ。  お前のリライトがヌルくって、俺のがシビレる出来なのは、そこの違い。ハルコをきちんと造形しているか。イクオに惚れているのはなぜか。まわりの視線を気にしているのかいないのか。すべて考え抜いてあるせい。  だからシャンプーの銘柄まで俺にはわかっちゃうのだ。「知らない。アルファベットの書いてあるやつ。母さんが買ってきて風呂場に置いてある」――だそうだ。  家ではジャージでいるそうだ。夏場は短パンで素足だそうだ。足と靴下が臭くなること、ひどく気にしているそうだ。革靴にファブリースしているそうだ。いま穿いているパンツの色と柄。そしてパンツの臭いは気にするのかどうか――は、これは教えてくれなかったな。うわぁ。痛い痛い。わかったからグーで殴るな。  キャラ造形に関して、そういう考え方が基本となるからな。  身につけとけ。  ついでに言うと、お前の掌編は、ほとんどキャラが出来ていない。  ごくまれに、なんかの偶然で、キャラがそこそこ生きているように思えるものが出てくるぐらい。  偶然を必然にしろ。考えるだけで、偶然は必然にできる。 >時制  日本語には、ほんとうは、時制はないんだよ。  どっかのHPで見つけてきたことは、まあ正しいことを言っている。  「本がある」「本があった」――このふたつは、区別されない。  「本があった」と書かれていたって、べつに、過去にあった、なんてことを書いているわけではない。  ただ、最近時制ができてきた。  その区別をつける人が現れはじめた。  よくわからんけど、ここ、20〜30年くらいの動きじゃないのかな。  英語教育が浸透してきたことと関係があるのかもしれない。英語は時制をきっちり付けるでしょ。それを「あたりまえ」の感覚で身につけた人たちが文章を書くと、時制に気をつかうわけだ。  そして「ある」と「あった」を厳密に区別するようになってゆく。  現在は、その過渡期にある。  もう100年くらい経ったら、完全に、「ある」と「あった」は区別されるようになっているかもしれない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは1コマだろ。なぜなら―― −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うつろな目をしてベッドに沈みこむ少年に、「イクオ。あんたって、本当にバカよね」という少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  と、このように書き直してしまえるからだ。  でもこれだと読みにくいし、わかりにくい。だから3行にする。そのかわりに動詞の時制に気を遣って、読者の脳内には「1コマ」の絵を届けられるように努力する。  またそんな敏感な読者でなくって、「時制」の違いに一切気を遣わないような読者が読んだとしても、おかしくならないようにしてある。 >>まあ、「ハルコの冷たい声」をマンガでどう書くのだ、と言われれば答えようもないけれど。  漫画じゃ直接は書けないよね。これが小説の強み。  ただし乱用はいかん。ここぞというときにこそ、使うべき。  ちなみにアニメや映像メディアでは、声優さんや俳優さんに、「冷たい声」を出してもらえば済むこと。脚本家は楽ちんだが、かわりに声優さんが苦労することになる。  ちなみに漫画では、映像メディアや小説でやることができないから、どうやるかというと――。 1.ハルコの声がかかる。ハルコの顔を書いて、そこに冷たい表情を浮かべさせる。 2.ハルコの声がかかる。ハルコの顔はフレームの外に追い出して、あえて描かないでおく。声を聞かされたときに、イクオの体を、びくりと小さく動かせる。  この1か2の方法で代替え処理されるはずだ。  どっちが良いかは、その漫画家の好みの問題。  またここにない第三、第四の方法もあるかもしれない。俺、べつに漫画を描くわけではないから、漫画の技法なんて、小説に役立てられる程度にしか、知らないしー。 >短編パターン  パターン3と4が、比較的まともじゃん。  これを叩き台として、具体的にエピソードを考えてゆくといいかも。  「なんで大切にしたのか」とか「なんで女の子を好きになるのか」とか。具体的に掘り下げてゆくのはそのあたり。  あと、いまのところ、作者的には、3でも4でもどっちでもいいんだろ?  なら、どっちのほうが、より多くの読者に共感してもらえそうかとか、そういうことを計ってみるとよい。  どうせ書くなら、多くの人にうなずいてもらえるもののほうがよかろうて。 >牛乳の話を誰に読ませるつもりだったのか >>なんにも考えていませんでした。 >>自分に読ませるつもりだったのかも。痛い。  そうだよ。自分に読ませるつもりだったわけ。  ようやく気づいたな。  俺ら、そんなことは、はじめからお見通しだったんだけど。  2号に自分で気づかせようと思って、ずーっと、引っぱってきてたわけ。この話題。  たいていのアマチュアは、意識して書いてないので、無意識のうちに、自分自身を対象読者として物を書いてしまっている。  それでうまくいっているうちはいい。まわりに自分と同じ経歴で、似たような感性を持っている人間が大勢いる状態とかならね。  しかしより多くの読者を獲得しようと思ったら、それではどうにもならない時が来る。  そういうときに、対象読者を常に考える姿勢が身に染み付いてなかったら、どうにもならない。付け焼き刃は、しょせん、付け焼き刃なわけ。  いまのうちに身に染みこませておけ。  なにかを一文字たりと書くまえに、すでに、もう、対象読者は考え済みになっているような体になっておけ。 >No.26、「ミルク」、男バージョン。  リテイクだ。  バカタレ。  要求仕様を満たしてねーだろ。  女版だと、入っているのはこれだな。 >>・エロさ(失敗)。 >>・赤ちゃんかと思ったら女の子。 >>・曲がった愛情。曲がった友情。 >>・ちょっとおかしい二人。  男版だと、こうだよな。 >>・赤ちゃんかと思ったら男の子(おどろき) >>・友情というか愛情(まあ、そういうのもいーんじゃないの) >>・怪しさ(どきどき)  まあ「エロさ」は、いらんとして(読みたくねー)。「怪しさ」くらいにしておいてくれて、良いとして。  だが「ちょっとおかしい二人」が、完全に欠落してるじゃんか。なんで言われもしないのに、勝手に抜いちゃうんだよ?  それ入れて、書き直してきやがれ。 >歩くセクハラ分析  リライトが不完全なので、こちらもヌルいな。  リライトしてみてから、もういちど考えやがれ。 >三日月とか  あまりにもくだらないので、スルーしてもいい?  それとも理由くらいは言ってやったほうがいい? -------------------------------------------------------------------------------- 25パーセントの人 No.7032 投稿日 2003年9月9日(火)01時42分 投稿者 巻島翔史  中学では弁当だった巻島です。 (調べてみたら、大阪府は給食実施率全国ワーストだった。ふぅむ)  だから、イクオ&ハルコの話を読んでからしばらく、あれは小学校六年生の話なのだと思っていました。自分のなかでは給食世界=小学校であったし、二人の歳がそうであっても違和感あまりないし。イクオのバカさも小学生という見方を促しました。  25%のなかの何人かに舞台の誤読をされてもいいのなら、中学校という説明はあえて書かなくてもいいのでしょうが、その層を捨てたくないならやはり舞台の説明は書くべきだと思います。  ようは、2号さんの覚悟の問題ですね。中学校と書くとダサくなる、完成度が致命的に落ちると感じるならその層を捨ててでもそうすべきでしょうし、層を失いたくないならやはり書くべきです。 50枚リライト> http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=596&e=res&lp=596&st=0  思ったほど削れなかった、というのが正直な印象。っていうか結果だけ見ると「書き直しその1 記号なし」から増えてるし。  まあ、書き直ししたときに初稿との比較で12枚ぐらいなくなっているので、その関係もあるのでしょう。あと、セリフの削りは地の文より難しいということも。(あくまで俺にとって、ですが)  増えた理由として、「なんだか筋だけ追ってる感じだし、もっと厚くしたほうがいいのかなぁ」と思った、ということもあります。  ただ、主人公がこの状況に納得して協力を決めるまでは、なるべく展開を急ぎたいという気持ちもありまして。自己本位的なウダウダなんてさっさと終わらせたほうがいいのです。ウダウダを読むのは楽しくないし。俺が読ませたいのはもっとその先なのだし。  そのへんの厚さとスピードのバランスがいまいちわかりません。このあたりかなぁ、というポイントで一応提出していますが。 1000字課題> どんなところを読んでもらいたかったのか> 1:男の子の子どもらしさ(童心性?) 2:男の子の富士山に対するこだわり。 3:母親との親子会話に自然な感じは出てるか。母親らしさが出せているか。 4:お約束どおり、最後晴れるわけだが、そこに至るまでの演出はうまくいってるか。 5:富士山の形状の描写  五つ書きましたが、上二つの要素だけで書きたいことの六割をオーバーしています。  つまり、男の子で楽しんで欲しかったという。 -------------------------------------------------------------------------------- 秋桜[コスモス] No.7033 投稿日 2003年9月9日(火)02時10分 投稿者 弟切 千隼  このごろ道を歩いていると、道端に秋桜が咲いているのを見かけます。秋桜は優しげで、秋の風情を感じさせる花として人気がありますね。  けれども、近年は早咲きの秋桜が増えて、八月の暑い盛りに咲く秋桜も珍しくなくなりました。いくら人気があるからといっても、ここまでしては本来の風情が失われて、魅力が減ってしまう気がします。 >>1000字課題  No.7029の続きで、精読と成分分類をします。  成分の種類は以下のとおりです。 1)両親を想う少女の健気さ 2)少女の両親が死んでいたという驚き 3)両親の死を知らない少女の哀れさ 4)祖父の少女に対する思いやり 5)未来にも変わらない家族の絆 6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  以下から1000字課題後半の精読です。 >> サイードは二つの茶碗に茶を注ぎ終わった。盆に茶碗を載せて持ち、台所の扉を抜けて裏庭に出る。  この二文の主要な機能は「つなぎ」ですね。場面を転換するための段落です。  同時に、祖父が孫にお茶を淹れて持ってゆくと描写することで、4の「祖父の少女に対する思いやり」を示すつもりでした。けれども、やはり薄すぎますね(;_;)  一応、分類は4とします。 >> 伸び上がるようにしながら、東の空を見つめるアーイシャの姿が見えた。  東の地平線から昇ってくる星を、一刻も早く見ようとする少女の姿を描写しました。  分類は1の「両親を想う少女の健気さ」です。 >> 「お茶を持ってきたよ」  これは、祖父が孫娘にかけた言葉ですね。「お茶を持ってきた」という場面説明そのままの台詞です。全く気が利いていなくて、面白みがありません(^^; ちゃんと考えれば、「祖父の少女に対する思いやり」や「未来にも変わらない家族の絆」を表わせたはずですのに。  この文の分類は無属性ですね。 >> 「ありがとう、おじいちゃん」  これは、5の「未来にも変わらない家族の絆」を表わす台詞のはずでした。でも、全然そんなものを表わせてはいませんね。普通すぎる台詞です。  この文も無属性とせざるを得ません。 >> 彼女は振り向かない。腕を上げて、まばらに樹影が散る東の地平線を示した。  わざわざお茶を淹れて持ってきてくれた祖父に対して、口ではお礼を言いながらも両親に対する想いが強いため、少女は振り向きません。ここは、1の「両親を想う少女の健気さ」を表わす段落です。  もっとも、ここまでにはまだ少女の両親のことは書かれておらず、もう少し読み進まないと、これは読者さまにはわかりません。 >> 「ほら、もうだいぶ暗くなってる。きっと見えるよ。お父さんとお母さんが行ってる星も」  ここでようやく少女の両親のことが出てきて、「両親を想う少女の健気さ」を表わした部分―すぐ前の段落など―の意味が、読者さまにわかります。  この台詞では、3の「両親の死を知らない少女の哀れさ」および5の「未来にも変わらない家族の絆」を示すつもりでした。  両親の死にはまだ触れられていませんから、この段階では、読者さまは「両親の死を知らない少女の哀れさ」についてはわかりません。後になればこの台詞の哀しさがわかるつもりで書きました。  分類は3および5とします。 >> サイードは再び漏れそうになる溜息を慌てて押し殺した。  この文は、「祖父の少女に対する思いやり」を示しています。孫娘に両親の死を気づかせまいと、祖父が気を使っています。  分類は4とします。 >> 「ねえ、おじいちゃん」  これは少女の祖父に対する呼びかけですね。こういう台詞は、呼びかける側と呼びかけられる側の親しさを表わすには有効です。  しかし、ここまでで「少女と祖父の親しさ」=「未来にも変わらない家族の絆」はすでに読者さまに伝わっているはずですから、属性を表わすものとしてはさほど重要ではありません。  この台詞は無属性に近いですね。 >> 「何だい」  これは上の呼びかけに対する応答です。上と同じく親しさを表わす台詞です。  上の段落と同じ理由により、この台詞も無属性に近いでしょう。 >> 「人が死ぬと星になるって、本当?」  この台詞は、少女の両親の死を導き出す重要な台詞です。鋭い読者さまなら、ここで少女の両親が死んでいることに気づくでしょう。  分類としては、2の「少女の両親が死んでいたという驚き」になります。  ちなみに、なぜ少女がこんなことを言い出したかといえば、子供ならではの鋭敏な感覚により、祖父の態度がどこか不自然であることに気づいているからです。両親の話が出るたびに、祖父がその話題を逸らそうとしていることに気づき、両親に何かあったのではないかと彼女は怪しんでいます。  ただし、これは彼女自身も意識していません。無意識下で気づいている状態です。 「そういったことを考えているなら、読者さまにわかるように書けよ」と、激しく自分に対して突っ込みました(;_;) >> サイードはどきりとした。  ここで、半分くらいの読者さまには「この娘の両親は死んでいる」と気づいてもらうつもりで書きました。  分類は2です。 >> 「そうだなあ……人も動物も植物も、その他の物質も、もとはすべて星から生まれたからね。死んだらまた星に帰るということも、あるかも知れないなあ」  ここでは、祖父が科学知識を持っていることを披露しています。お題が「科学者と孫娘」ですので、こういうところも入れなければなりません。  同時に、冷静に科学知識を語らせることによって、6の「自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者」を示しています。が、例によってこれだけでは薄すぎて、読者さまには伝わりそうにありませんね(;_;)  それでも少しは伝わるのではないかと推定して、分類は6とします。 >> 彼女はまだ知らないのだ。宇宙に旅立った両親の運命を。  ここまで来れば、ほとんどの読者さまには、少女の両親の死が伝わるでしょう。この最後の段落まで読んでいただければ、3の「両親の死を知らない少女の哀れさ」をほぼ確実に伝えられるつもりで書きました。  この段落自体は、2の「少女の両親が死んでいたという驚き」を表わしています。しかし、おそらく多くの読者さまが、二つ前の段落でそれに気づいてしまっているため、その機能は薄くなります(^^;  ここでは、少女の両親の死を確実に伝えると共に、「両親の死を知らない少女の哀れさ」を強調する表現にすべきでした。  この作品は、段落数にしますと計27段落ですね。成分分類の内訳は、 1)4 2)3 3)2 4)3 5)2 6)1 無属性)13 となります。(一度に二つのことを示している段落があるため、内訳の合計は28になります)  見事なまでに、無属性がダントツ一位ですね(*o*)(;_;) いかに中身がすかすかであるか、ものすごーくよくわかります。  ここまでやったのですから、この結果を鑑みて、どのように書き直したらよくなるのか考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7034 投稿日 2003年9月9日(火)03時06分 投稿者 新木 伸 >巻島 >>だから、イクオ&ハルコの話を読んでからしばらく、あれは小学校六年生の話なのだと思っていました。自分のなかでは給食世界=小学校であったし、二人の歳がそうであっても違和感あまりないし。イクオのバカさも小学生という見方を促しました。 >>25%のなかの何人かに舞台の誤読をされてもいいのなら、中学校という説明はあえて書かなくてもいいのでしょうが、その層を捨てたくないならやはり舞台の説明は書くべきだと思います。  巻島も、なんのために対象読者を設定するのかということを、まだよくわかっていないようだなぁ。  あの話、舞台が「小学校」だったとすると、なにか困ることがあるの?  そう読まれたとして、なにか決定的/致命的に、困った方向に変化してしまうことはある?  あの二人が小学生だったとしても、成立するよね。あの話は。  なら、やっぱり。  そこは書かないで、いいところなんだよ。  この際だから、分析してみそ。  あの話で、書いていない部分で、なにとなには、誤読されても問題がでない部分なのか。  なには誤読させてしまうと、「ぶち壊し」になってしまう部分なのか。  あの話の「核心」はどこだ?  50枚リライトは、あとで見よう。  いま取りかかっている短編が終わってからになるかも。 >弟切  「まだこの時点では読者にはわからない」というものに、「一応」といいつつ属性を与えているよね。  そうした段落は、すべて「無属性」として扱うこと。  読者は、小説を、一度しか読まない。  小説は、二度読まれることはない。  そりゃ、二度読む人もいるよ。ゼロじゃないさ。  ただごく少数なんで、誤差として無視してしまってよい。  小説は二度読まれることはあり得ない――ぐらいに、考えておくこと。  小説を二度読む人の割合っていうのは、そうだな――。  日本人でありながら、箸を使えないような人。ちょうどそんなくらいの割合だ。  和食レストランでも、箸が使えない人のためにスプーンやフォークが用意されている。しかしいきなりフォークは出してこないよね。まず最初は箸が使えるという前提で、箸を出してくるものだ。  同様に、小説も、一回読んだだけで通じるように書かなければならない。  二度目以降に読んだときに、はじめてわかる「仕掛け」をすることもあるが……。それはまあ、二度目を読んでくれるような特殊な濃い読者へのサービスみたいなもんだ。作者の自己満足の領域だ。ほとんど役に立たない。  やっても、やらなくても、どっちでもかまわない。  属性付きの段落は、その属性量を割合で算出すること。  「何割の読者に伝わるか」を割合で出せ。あくまで推測でいいから。  そして「無属性」と認定された段落は、「無属性10割」としてカウントすること。  最後に、無属性の割合数と、各属性ごとの割合数を、数字として出してくること。  さあ。  すごいことになりそうだねぇ(笑)。  それは蕎麦?  それとも、なに? -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7035 投稿日 2003年9月9日(火)03時30分 投稿者 新木 伸 >2号  書き忘れ、1個。  時制について。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あげないよ、もちろん……」  加奈子は呟いた。司から視線をそらす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは「そらす」瞬間に、この地の文の焦点がある。  焦点というか、重心というか、中心というか。言葉ではいくらでも言い換えが利くけど。  つまり、そういうものが、そこにある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あげないよ、もちろん……」  加奈子は呟き、視線を司からそらした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こっちでは、「呟く」ところに中心がある。――っぽい。  しかし前のやつより、はっきりしない。  なので、こっちは、あんまりよくない。臨場感が落ちる。  このように、時制の使いかたしだいで、どっちの動作がより「大事」で「重要」となるのかが、コントロールできるわけね。  人間って、「5W1H」がわからないと、物語に集中できなかったりするのよ。  それは「いま」に対して、すごく関心を持っているということだ。  時制の使いかたひとつで、文中で――または段落中で、「いま」がどこなのかを明示することができる。  そして「いま」の位置で目を止めていいのだとわかる。  文章を読んでいるときの、息つぎする場所みたいなものなのね。「いま」の明示っていうのは。  俺のリライト。  または俺がこのあいだOFFで書いた掌編。  「いま」が何ヶ所、どことどこに存在しているのか。分析してみそ。  おまえはあれだけ死力を尽くして精読をしたわけだが――。  まだ読み取っていなかったものがある。しかし、「いま」の明示――という概念を理解したなら、それが読み取れるはずだ。  ただし、俺の書いたものでも、昔やった5つの掌編は、あれ、だめね。  ぜんぜんなってない。分析したって「いま」がどこにあるのかなんて、出てきやしない。めちゃくちゃ。いいかげん。  「あの5つ」から「最近の2つ」までの変化量が、新木伸、10年分の修行の成果だ。 (俺が10年かかって会得したものだが。くそう。いいや。くれてやるわい。持ってけ泥棒) -------------------------------------------------------------------------------- 晴れた空 No.7036 投稿日 2003年9月9日(火)11時33分 投稿者 名無し君2号  晴れすぎて暑い。空は雲で覆われている――空が低い。  風は吹かなくて。遠くでカラスが鳴いていて。玄関口じゃ猫が寝ていて。  平和だ。 >時間配分 15:00 起床、新聞読みながら食事。 16:00 休憩。たいていは本屋をぶらついている。 18:00 1000字課題にとりかかる。 20:00 食事。 21:00 休憩。CD聴いたり、本を読んだり、風呂はいったり。 23:00 テレホーダイタイム。ネットにつなぐ。 24:00 よみかく分室にはいる。ログを読んで、回答にとりかかる。 7:00 就寝。  これが以前の生活でしたが、最近はぐちゃぐちゃです。  それでも、課題、休憩の時間配分は変わらないと思います。  睡眠時間8時間、課題に2時間、よみかくレスに7時間、食事2時間、休憩5時間で、計24時間です。 >かわいさ分析  とりあえずGoo辞書。 ■かわい・い かはいい 3 【可▽愛い】 (形) 〔「かわゆい」の転。「可愛」は当て字〕 (1)深い愛情をもって大切に扱ってやりたい気持ちである。 「わたしの―・い息子へ」「馬鹿な子ほど―・い」 (2)愛らしい魅力をもっている。主に、若い女性や子供・小動物などに対して使う。 「―・いお子さんですね」「―・い女の子」 (3)幼さが感じられてほほえましい。小さく愛らしい。 「―・い手」「―・い声で歌っている」「―・い花が咲いている」 (4)殊勝なところがあって、愛すべきである。 「あの男にも―・いところがある」 (5)かわいそうだ。いたわしい。ふびんだ。 「明日の日中に切らるるげな。―・い事をしまする/浄瑠璃・丹波与作(中)」 →かわいさ [派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(名・形動)――さ(名)  へえ。「可愛い」って当て字だったのか。 (1)深い愛情をもって大切に扱ってやりたい気持ちである。 (2)愛らしい魅力をもっている。主に、若い女性や子供・小動物などに対して使う。 (3)幼さが感じられてほほえましい。小さく愛らしい。 (4)殊勝なところがあって、愛すべきである。  普通はこの四つの意味だろう。  かわいさ=「愛らしい」「愛すべき」か。 ■あいらし・い 4 【愛らしい】 (形)[文]シク あいら・し (弱さ・小ささ・美しさをもっていて)愛すべき様子である。かわいらしい。可憐(かれん)だ。 「―・い口もと」「―・いしぐさ」 [派生] ――げ(形動)――さ(名) ■あいすべき 【愛すべき】 (連語) いかにもかわいらしい。好ましく感じられる。 「稚気―ものがある」  つまり……「弱さ」「小ささ」「美しさ」のうち、どれか一つの要素があれば、かわいい、と感じるわけか。  「弱さ」とはなんぞや。「弱さ」で検索してもでてこなかったので、「弱い」で調べる。 ■よわ・い 2 【弱い】 (形)[文]ク よわ・し (1)力や勢いがない。 「―・い者いじめ」「―・い光」「―・い音」「川の流れが―・くなる」 (2)気持ちがしっかりしていない。勇気に乏しい。精神的にもろい。 「気が―・い」「意志が―・い」「いざというときに―・い」 (3)丈夫でない。病気になりやすい。 「からだが―・い」「足の―・いお年寄り」 (4)刺激やはたらきかけに対し、耐える力に乏しい。 (ア)物理的・肉体的に耐える力に乏しい。 「酒が―・い」「船に―・い」「この布は熱に―・い」「水害に―・い都市」 (イ)意志的に耐える力に乏しい。心が左右されやすい。 「女に―・い」「誘惑に―・い」「少し―・き所つきて、なよびすぎたりしけぞかし/源氏(柏木)」 (ウ)弱みがある。うしろめたい。 「その話をもち出されると―・い」 (5)得意でない。苦手である。よく知らない。よく通じていない。 「数学が―・い」「その方面の事には―・い」 (6)技量が劣っている。へたである。 「―・いチーム」「碁が―・い」  自分よりも「弱い」から、「かわいく」感じる。  うあ。なんかミもフタもない。  チワワは黙っていてもかわいい。  じゃあドーベルマンはどうだろう。怖いけど、飼い主から見ればかわいいんじゃないか。  それは、決して逆らわないから。つまり、ドーベルマン自体は「強い」けど、飼い主に対しては「弱い」から?  なんか書いていてわけわからなくなってきたが。  「小ささ」とはなんだろう。 ■ちいさ・い ちひさい 3 【小さい】 (形)[文]ク ちひさ・し (1)容積・面積・身長などの占める場所・空間が少ない。 「―・い入れ物」「―・い円」「―・い順に並ぶ」「―・きものはみなうつくし/枕草子 151」 (2)規模がわずかである。勢力が弱い。 「―・い会社」「―・い派閥」 (3)数量が少ない。 「一は二より―・い」 (4)年齢が少ない。幼い。 「―・い頃の話」「―・い弟妹たち」 (5)音量が少ない。 「声が―・い」 (6)度量が乏しい。包容力に欠ける。 「人物が―・い」「気が―・い」 (7)重大でない。重要でない。 「―・いことにくよくよするな」「―・いミスまで指摘する」  これは、主に外見に関することだろう。  でもこれ、「弱い」にかかってこないか?  最後。「美しさ」。 ■うつくし・い 4 【美しい】 (形)[文]シク うつく・し [一] (1)視覚的・聴覚的にきれいで心をうつ。きれいだ。 ⇔醜い 「―・い絵」「―・い音色」「容姿が―・い」 (2)精神的に価値があって人の心をうつ。心に深い感動をよびおこす。清らかだ。 「―・い友情」「心の―・い人」 [二] (1)(肉親に対して)しみじみとした深い愛情を感ずるありさま。いとしい。 「妻子(めこ)見ればめぐし―・し/万葉 800」 (2)(特に小さなもの・幼いものなどについて)小さくて愛らしい。かわいらしい。 「―・しきもの、瓜にかきたるちごの顔/枕草子 151」 (3)細部まできれいに整っている。申し分がない。 「大学の君その日の文―・しう作り給ひて進士になり給ひぬ/源氏(乙女)」 (4)(連用形を副詞的に用いて) (ア)心や行動がさっぱりしているありさまを表す。きれいさっぱり。 「お前はさんに―・しく別れて/人情本・英対暖語」 (イ)穏やかに。静かに。 「―・しう頼まんしたらば/歌舞伎・助六」 〔[二](1)が原義。[二](1)(2)は「愛し」とも書く。→きれい〕 [派生] ――げ(形動)――さ(名)  美しさ=外見か。  ついでにシソーラス(類語)検索。 同意語 かわいげ、かわいらしい、キュート、シャルマン、チャーミング、小粋、キューティ、 狭義語 いじらしい、いたいけ、いとおしい、かれん、愛くるしい、愛らしい、目に入れても痛くない、プリティ、ラブリー、キュート、アトラクティブ、エキセントリック 反義語 憎い、憎たらしい、憎々しい、憎しげ、憎らしい  とりあえず目についたのは、反義語の「憎い」。  かわいさあまって憎さ百倍……とかいうし。 ■にく・い 2 【憎い/▽悪い】 (形)[文]ク にく・し 〔「にくむ」と同源〕 (1)憎悪の感情を抱かせるさまである。許しがたい。にくらしい。 「敵に寝返った―・い男」 (2)(反語的に用いて)かわいい。いとしい。 「私の心を奪った―・い人」 (3)(にくく思うくらいにすばらしいの意で)感心だ。みごとだ。あっぱれだ。 「なんとも―・い振る舞いだ」 (4)気に入らない。気にくわない。 「紫のにほへる妹を―・くあらば/万葉 21」 (5)みにくい。見苦しい。 「これはこの比(ごろ)やうのことなり。いと―・し/徒然 208」 [派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)  「憎い」場合は、「かわいい」は成立しないということか。  つまり、かわいいとは……。  相手に憎しみを抱いていない状態で、 ・弱さを感じる。 ・小ささ、美しさを感じる。  場合に、生まれる感情である。  ハルコの場合。  最後の最後、顔を赤らめながら……ってそんなことは書いてないけど、「めずらしく感情のこもった声」で「告白」するわけだ。 ・態度がキツイ。 ・でかい。 ・常に冷静。冷血。 ・頭もよい。  と、とても「強い」のに、最後の最後で「弱さ」が出てくる。  冷静さをなくし、秘めてる思いをさらけだす。  「強い」からこそ、「弱さ」が目立つんだな。目立つぶん、「かわいさ」が増える。  もしもハルコが、  「あんたのこと好きだからやってんじゃない」  と、冷静なままに、けろりと、あっさり言ったりしたらどうなんだ?  かわいくないよなあ。むしろ「格好いい」じゃないか。  告白するときも冷静かよ。 >「関節技」について  「関節技」とは、別名「サブミッション」ともいいます。意味は「屈服させる」。  その名のとおり、それまでいくら相手の体力があろうとも、一瞬のうちに相手を「屈服させる」ことができます。  相手の関節を、普通は動かない方向にむりやり曲げることで、ダメージを与える技のことです。  そのメリットは以下のとおり。 (1)ダメージを調節するのがたやすい。  殴りつけて、相手を動けなくする場合。 ・深いダメージを与えて、行動不能にする。 ・精神的ダメージを与えて、行動不能にする。 ・こめかみ、延髄等に打撃を与えて、意識を奪う。  この3つぐらいしかないと思います。どれにしたところで、相手は無傷ではいられません。  関節技の場合、関節を曲がらない方向に曲げる強さ、絞める強さを変えることで、無傷のまま、痛みだけを与えて行動不能にする、という方法がとれます。 (2)たやすく戦闘不能にできる。  骨を折る、筋肉を断ちきる、気道を、頸動脈を締めて、意識を奪うなど、簡単に戦闘不能にすることができます。  骨や筋肉を破壊された場合、単純に、破壊された箇所が動かなくなることのほかに、とんでもない激痛で、動くことも嫌になるはずです。 (3)密着した状態に強い。  密着した状態で、相手に有効な打撃を与えるのは、以外と難しいことです。  関節技は、そもそも密着した状態で使うことを前提とした攻撃なので、必然的に強くなります。 >同音異義語宿題 >>宿題に積んでおく。 >>「つく」 >>付く突く点く着く漬く就く即く衝く撞く吐く憑く搗く。  了解しました。 >カールゴッチについて  「一般人」の認知度の順に、並び替え。上から下の順で、認知度は低くなります。 ・「K−1」 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・「卍固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」 ・カールゴッチという名前。 ・「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・ゴッチは日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・ゴッチがメダルを取ったという事実。 ・アマレスの実力者であったこと。 ・何度かタイトルマッチをしていた。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・「UWF」がなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチがなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチのプロレスデビューの地。 ・プロレスのマスコミは団体のいうとおりのことしか書かない。 ・強いが人気がなかった。 ・米国では二流レスラーだった。 ・馬場のほうが猪木よりプロレスがうまかった。 ・猪木は馬場よりもランクが低かった。 ・「神様」の称号は猪木が馬場と並ぶためについた嘘だった。 ・ゴッチがメダルを取ったのは嘘である。 >正眼について >>――で、ひとつ質問なんだけど。 >>どうして、それが最初に出てこなかったの?  疑問を疑問のままにしておいたのと。  うやむやな記憶のままで書いていたのと。  すこしの労力を惜しんだ、というところです。 >ハルコ >>足と靴下が臭くなること、ひどく気にしているそうだ。  これは潔癖性、ということですか。それとも実際に?  あ。ちがうか。  そうか。人の目を気にしている、ってことだ。  じゃあ、身だしなみにも気をつかっているわけだ。  汚くならないように――目立ちすぎないように。 >短編について >>パターン3と4が、比較的まともじゃん。 >>これを叩き台として、具体的にエピソードを考えてゆくといいかも。 ・パターン3 (起)・女の子の好意に気づく。 (承)・相手に好意を抱くが、好きまではいかない。 (転)・男はエロスに目覚める。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」女の子の好意に気づく。  「結」女の子を好きになる。 ・パターン4 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・エロス大暴走。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」エロ小僧。  「結」エロより大切なものを発見。  まあ……。  リビングデッドならぬリビングセクハラとしてはパターン4ですが。  自分の好みはさておいて。  求める読者層、と自分に書けるもの、を考えると……。  やっぱりパターン4かなあ。  そもそも女性読者に受けるものを書けない気がする。  だったらいさぎよく、男性向けに振り切ったほうがいいのではなかろうか。 >1000字課題について  ハルコとイクオが一編。  ミルク、リテイクが一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=597&e=res&lp=550&st=0  大変だった。 >セクハラ分析  ああ。  わかりました。  適当な理由つけて、結局は女の子がチュッパチャップスな光景を書きたかっただけ、だったわけです。  男がチュッパチャップスでも楽しくないし。  だから、物語の焦点がちがうところに当たっているし。  No,26だと前半、「女の子が以下略」  No,27だと後半、「男の思わせぶりなセリフ」  書く上での熱意や情熱や愛が、そっちに当たってしまってる。  で、まあ、後ろめたいものだから、「おかしな二人」にして、どうにか説得力を増そうと努力。失敗。 >三日月とか >>あまりにもくだらないので、スルーしてもいい? >>それとも理由くらいは言ってやったほうがいい?  なにを書きたいのか、だれに書きたいのか、それがわかる筆名にせい、ということです。  あう。  エウレカ2号はやだな。  ながいながい。6時間です。なにに時間かかってんだろうな。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7037 投稿日 2003年9月9日(火)16時42分 投稿者 新木 伸 >2号 >スケジュール  色々書くが。  「こうしろ」と指示しているわけでなくて、単なるアドバイスね。  そう思って訊くように。  食事がいちばん最初に来ているのは、いいね。  脳に血糖を補給することで頭が働くようになる。  しかし課題2時間と、レス書き7時間で、ほかになんにもやっていないのは、もったいなさすぎ。弟切やら羽矢野やら、時間を持っていない人間からぶっ殺されるぞ。  もう5時間は、作りだせるはずだ。  休憩が長すぎる。なんのための休憩なのか。  疲れた頭を回復させて、集中力を取り戻して、最大の効率をもって課題やらレス書きやらに取り組むための休憩だろ。長すぎる休憩は本末転倒だ。どう休憩するのがもっとも効率的か、考えてみろ。  あと休憩時間に小説とか読んでいるようだが、それは独立させろ。  毎日のスケジュールのなかに組み込んでしまうべきだ。気が乗らなかろうがなんだろうが、強制的に、自分になにかを読ませる。その時間を作る。  小説でもいいし。漫画でもいいし、映画一本見るのでもいいし、アニメでもいい。  どっちかっていうと、小説か漫画が、時間対効果の点で有利だろうな。でも一定割合で映画やドラマやアニメも見ておくべきだが。  これに2時間くらい、あててもいいだろう。(映画一本、小説一冊を読む時間)  本屋をうろつくのもいいが、図書館のほうがもっと良い気がするが。  ネットサーフィンの1時間は、いらん。  小説修行するのなら、その期間中は不要だ。  とりあえず、「夏休みの一日の時間割」的な、理想的で絵空事の仮想計画でいいから、「理想的、作家志望者の時間割」というものをつくってみな。  自分に実行可能かどうかは置いておいて、まず、作ってみる。  んーと、そうだな。  オリンピック目指して強化練習中の選手のスケジュール。――なんかを、作るつもりで、作ってみること。  作家目指すってことは、つまり、それと同じことだから。  オリンピックに出てゆける選手の数と、作家として毎年デビューしてゆく人間の数は、だいたい、同じ桁だから。  つまり同じぐらいのことをやってなきゃ、作家にはなれない。  そう思え。  どのくらい覚悟しないとならないか、想像つくだろ。  実際には、どういうわけだか、オリンピック選手になるよりはだいぶ楽なんだけど。 >「かわいい」とはなにか  お前はいったい、なんの話をしているのだ?  それは「かわいい」という言葉の話だろ。  辞書で引いて調べなきゃならんのは、「かわいい」という言葉は、一般的には、どんな用法で使われているのかを確認するときだ。  いまここで話し合っているのは、「かわいさ2割増量」で増えたものなわけだ。  たとえお前が「かわいい」という言葉の意味を勘違いしていたところで、問題ないだろ。  俺がリライトして「○○を2割増やした」と言い、おまえはリライトを読んで「○○がたしかに2割増えている」と感じたわけだ。  俺はいま、その2割増えている「○○」の話をしている。  ひょっとしたら、その「○○」は世間一般で言うところの「かわいい」とは違うかもしれないじゃんか。辞書で引いたところで、そこでなにかヒントが見つかる確証はないはずだが。  この際、言葉は関係ない。  増えた「○○」の正体はなにか、いったいなにが2割増えたのか。  それを質問しているわけ。  いまこの場合には、辞書なんて引いてたって、無駄だぞ。  そこに答えなんて載っていないぞ。自分の中を探せ。  おまえは、なにが増えたと思ったわけ?  自分の味覚に意識を向けて、ようく、考えてみろ。  実際のところ、俺が2割増やしたのは、「かわいさ」なんかじゃないんだよ。もっと別なもの。ただ読者はあのキャラを「かわいくなった」と感じるだろうね。  かわいさがちょうど2割ほど増えるように、俺は「なにか」を適切なだけ調節したわけ。  ある料理を口にしたお客さんが、「うまくない」と言ったとする。  その料理に、調理人が「塩」を足したとする。  それを食べた客は、「うまくなった」と感想を述べたとする。  しかし料理人が調節したのは、「うまさ」ではなくて、あくまで「塩」なわけだよ。  この場合の「塩」に相当するようなもの。俺が調節したものは、なんだったのかと、そう訊いている。 >関節技  なぜ関節技が「殴る技」でないのか、いまひとつ理解不能なのだけど。  あとサブミッションとか、また新語が出てきたんだけど、それも覚えないといけないの俺?  関節を曲がらない方向に曲げるって、どういうことよ?  曲がらない方向になんて、曲がるはずないじゃん。だって曲がらないから曲がらないんだろ。おまえアホちがう? そんなこともわかんないの? >並び替え >>「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」  ――が、2番目だと?  ばーか。  プロレス団体の固有名なんて、知るかよ。  そもそもプロレスにいくつも団体があるなんて、知るかよ。あれはぜんぶひとつの統一組織だって思ってるんだよ。普通の人は。  それはお前的「常識」であって、一般人の常識とは違うんだよ。  そもそもプロレスとアマレスとの違いだって知らねえんだよ。普通の人は。  アマレスなんてものが存在することを、知らないんだよ。およそ半分の人は。  プロレスという言葉を、辞書で引け。  そこに書かれていることが、一般人の知っている「すべて」だ。  まずそこを基準とするわけ。デフォルトとするわけ。  つまり、あそこに書かれてあることのすべては、普通の人は知らない。  なにひとつ、知るはずがないのだ。  そのうえで、TVをよく見ている人なら、これはよく話題に上っているから知っているだろう、とか。  プロレス好きなやつが友達にいた確率はどのくらいで、いたずらで技をかけられたことのあるやつはどのくらいで。そのとき素人のプロレスファンが真似してかけやすい技はどれで、どの技がいちばん認知度が高いだろうか、とか。  色々な要素を加味して、認知度を算出してゆくわけ。  もう一回、全体的に見直してきやがれ。  話にならねぇ。 >ハルコ >>>>足と靴下が臭くなること、ひどく気にしているそうだ。 >>これは潔癖性、ということですか。それとも実際に?  理由なんて俺は知らん。ハルコがそう言っているのを筆記しただけだ。  待て。  いま訊いてみる。「あなたは潔癖性なのですか」と訊けばいいのね。  ちがう、と言っている。  靴下と足の匂いなんて、他人からわかるはずもない。嗅がせたりしないし。  でもなぜか気になってしまうのだと。変であること自分でもわかっているのだと。  でも学校で靴箱が一緒になっているのは、あれ嫌なのだと。  あ。ハルコって、いっぺんラブレターが下駄箱に入っていたことがあったらしい。  そのときすげぇ慌てて、混乱して、思わず隣の子の下駄箱に放りこんで、そのまま、逃げ去って「なかったこと」にしてしまったらしい。  そのラブレター、本物ではなくて、イタズラであってほしいと切に願っているそうな。(イタズラなら差出人に悪いことをしたことにならない) >短編  女の子向けに書くのであれば、タイプ3だろうね。  こちらをやるなら、女の子側の視点で書くのも、ひとつの手だろう。主人公を女の子にするのね。女の子読者を得るのに、女の子を主人公にして女の子視点で書くというのは、まあ幼稚な戦略なんだけど、その実効性は昔から証明されている。  男の子向けなら、タイプ4だろうな。エロをエサに、かなりの数が釣れるはず。  どっちで書くのもお前の自由だし。  なんなら両方書いちまって、試してみたら?  アマチュアの特権だな。うらやましいなー。  女の子の主人公というのを、自分がどれだけ書けないか、いっぺん書いてみて確認してみるのもいいんでない?  そのうえで、書いたものを女の子に見せて回って、「ダメ」「ぜんぜん書けてない」「きしょい」「死ね」――とか、言われてみるのも経験では?  「歩くセクハラ」を武器にしようっていうなら、自分のセクハラぶりがどれほどのものか、正しく把握しておかんといかんだろ。  もしかして、ひょっとしたら、案外、なんかいいコメントをもらえるかもしれない。  ちなみに、女性を対象にするのなら、きちんと、年齢まで決めておけよ。  女子小学生に読ませるのか。女子中学生なのか。女子高生か。女子大生か。  OLのお姉様か。家事手伝いのお姉さんか。バリバリのキャリアウーマンなのか。それとも主婦か。母親となっている女性なのか。  「おんなのこ」といったって、いろいろあるわけだ。  最低でも、上くらいの分解能を持っておけよ。 >「ミルク」  だからさー。  俺は「おかしい二人」を書けって言ってるわけ。  なのにお前は、こうして「へんな二人」を書いてくるわけ。  いいかげん、気づけよ。  なぜそうなってしまうのか。 >>で、まあ、後ろめたいものだから、「おかしな二人」にして、どうにか説得力を増そうと努力。失敗。  おまえは男キャラを出して「キチガイ」を書こうとしたときには、うしろめたいもんだから、なんとかして説得力を出そうとするの。  そして「おかしい」を薄めて、「へんだけど、こんなやつらがいてもいいよね」というところに着地させるわけ。  しかし、女キャラでやる場合には、お前は平然と「キチガイ」を書いてしまえるの。  つまりお前は、「女は皆、キチガイなのだ」と、そう思っているわけ。  お前の存在自体がセクハラだと言っているのは、そういうことなわけ。  わかった?  ――で、考えを改めろ、なんて、つまらないことは言わない。  その現実を受け止めて、どう武器にするのかを、考えろ。  その観念に基づく話は、いまのお前にしか書けないものだ。  お前にカノジョでもできてしまって、「女はバケモノ」という感覚が薄れてしまったら、もう書けなくなってしまうものだ。  いま書けるものを書いておけ。  どうやって武器にするのだ? その巨大なセクハラを? -------------------------------------------------------------------------------- No.7038 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7039 投稿日 2003年9月9日(火)23時09分 投稿者 新木 伸 >鐸碑さん  プロレスについて、鐸碑さんの知っている部分の答え合わせ。本人による解答。  まだ2号に考えさせているところなので、答えを見せるのは早いと判断し、管理者削除しました。本人が考える機会を奪わないように。  そのほかの話題もまるごと消えてますが、そっちはもういちど書いてください。 >音読とか  音読を行うと、なぜ、よいのか。  まず第一に、言葉の使いかたや、読点の打ちかたなどのリズムで、読みにくい場所がわかる――ということがある。  人間は文章を読むときに、頭の中で音読を行っているわけね。  小学生の低学年では、国語の教科書をまず音読させる。そのうちに声を出さずに読むように切り替える。わしの時代、それ「静読」って言ってたんだけど、辞書にも載ってないね。その言葉。まあいいか。  もっともっと文章を読み慣れてくると、もはや、頭の中に音さえも流れないようになるんだけど。たぶん、分室にいる皆は、まだ「音読」をしているレベルだろう。 (パターン認識で3〜4行ごとまとめて見る。読まずに、段落単位でそこに書いてあることを識別してゆく。ただし、おかしな文章だとこの認識方法は通用しない。音読に切り替えないとならない。よって日本語の壊れた小説は、読む前に「だめ」とわかってしまうわけだ)  で、音読のふたつめの有用性。  息継ぎのために、止まる場所が出てくるのね。そこが最近話題にしている「目を止める場所」でもあるわけだ。  息継ぎのために一瞬止める場所 = 自制的な文章の中心点 = 「いま」  ――てな関係になっている。  鉛筆でも持って、自分が「読みやすい」と感じている小説を手にしてみる。  音読をしないで、読んでいる最中に、自分の目の動きに着目する。ときおり、「ぴたり」と目が一瞬だけ止まる箇所があるはずだ。一行まるまる視線が流れてしまってたいたり、一行の中で2回も3回も止まったりすることもあるだろう。それが「リズム」である。  音読をして、息継ぎをしたくなるのもその箇所だ。  ――で、そうした「有用性の理由」とか知らなくたって、音読はやってりゃリズムが身に付くわけね。  心肺機能が向上する仕組みを知らなくたって、毎日、10キロランニングしてりゃスタミナがつくもんだ。 >2号 >関節技について  関節技を知っているやつが、知らないやつに教えようとしていたのでは、ダメだということ。関節技を知らない人間(俺)のところまで、オマエが降りてこいっーつの。そして同じ高さで一緒に物を見てくれよ。  関節技を知らない人間から見たら、世界がどのように見えるのかを感じ取れ。  そして自分の隣にいて、同じ物を見ている人間に語りかけるようにして説明しろ。 >ハルコとか  ハルコから。  このところ、なんか質問ばっかしてくるそこのおじさんに、逆に訊いてみてくれと、うちのハルコが言ってきている。 >>これは潔癖性、ということですか。それとも実際に? >>じゃあ、身だしなみにも気をつかっているわけだ。 >>汚くならないように――目立ちすぎないように。  潔癖性というのは心の病気のことで――なんでそこから服やら髪のことやらに話が飛んでいっちゃうのか、よくわからないと言っている。ぜんぜん関係ない気がするそうだが。  大人なんだから。落ちついて、よくわかるように、ちゃんと話しましょう。――てさ。  あと服を着たり選んだりするのは自分のためであるはずなのに、なんで、人目を気にして選ばなきゃならないのかって。  ちょっと、怒り気味に言っている。きたないのもハデなのも、べつに着なくもないそうだが。  あのおじさんは歩くセクハラなのでしかたないんだよ、と、そう説明したら納得してくれた。「ああそういうひと、いますよね」と、許してはくれたみたいだが。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7040 投稿日 2003年9月9日(火)23時18分 投稿者 新木 伸 >2号 >短編 >>自分の好みはさておいて。  自分の好み「だけ」で判断するなら、どのパターンになるわけ?  自分の趣味は、べつに殺さなくたっていいんだよ。  読者の利益と真っ向から対立したりするのでなければ、入れておいたってかまわないのよ。  分室では、あまりにも自分趣味に走っちゃって読者を置いてけぼりにするやつが多いから、戒めているだけで。  男の子向けと、女の子向けと、自分向けとで、3つだしてみそ。 -------------------------------------------------------------------------------- ならんだならんだ No.7041 投稿日 2003年9月10日(水)00時38分 投稿者 巻島翔史  月の斜め下にそっと寄り添う、大接近中の赤い星を見ました。  あれだけ月の近くにあるのに肉眼で星が見えている、というのはなんだか変な感じがしました。  さすが、隣の惑星。そんじょそこらの星と一緒にするなやとでも言われそうです。 >>あの話で、書いていない部分で、なにとなには、誤読されても問題がでない部分なのか。 >>なには誤読させてしまうと、「ぶち壊し」になってしまう部分なのか。 >>あの話の「核心」はどこだ?  核心は、 ローティーンの男女の、恋愛的関係の芽生え。あるいはそこに即する会話。  であると考えました。  この話は、彼ら二人の青々とした(あるいはあまずっぱい)会話を楽しむものであると考えています。  なぜならば、ゲロったというイベントも、牛乳バカ飲みの動機も、話の舞台が学校というのも、すべてそのポイントに話が向かうためのものであるからです。  ゲロった……周囲から人が引いていく→男女二人だけになるための展開的道筋。  牛乳バカ飲み……男の子が女の子のことを意識するあまりに、背をなんとかしたいと思う。それゆえの行動→気持ちの発現。芽生えるための耕し。  舞台が学校……青さをより強調させるための装置。若者の世界。二人がローティーンであるのも、青さの強調のため。  よって、誤読させてはいけないのは、 ・ローティーンであること(だから中学・小学校高学年の差は問わない=誤読可) ・保健室に来たクラスメイトは、ハルコひとりだけであること。 ・二人はお互いに好きあってること。 ・しかしお互いの気持ちは、確信レベルに至るにまでは知らなかったこと。 ・最後にイクオがハルコの気持ちを知ること。  ハルコのほうはイクオの気持ち気づいていたかどうか、ですが、これははっきりと書かれてはいません。ただ、俺にはうすうすは知っていたように感じられます。  まあ、気持ちをまったく知らなくて、そのうえでああいう行動をとっていたのなら、そのほうがハルコの冷たい仮面の裏にある勇気とかがギャップとして演出されるので、それはそれで面白くなるような気もしますが。  確信に至るほどイクオの気持ちを知っていたということになると、ハルコの存在がイクオより上位にいきすぎてしまい、恋愛的関係への自然な流れに進展しないでしょう。  これ以外の、例えば、中学校か小学校か。保健室の先生の所在。先生は一緒に給食を食べていたのか。は誤読しても構わないと思いました。 (微妙なのがゲロ始末を誰がしたかなんですが、ゲロ始末したのがハルコだったら、キャラの印象変わっちゃうんだよなぁ。保護者と被保護者の関係になりすぎちゃて、それは恋愛的関係に発展できるとは言いがたい。ということは、ハルコが始末したように誤読されてしまう可能性はつぶさなきゃいかん、てことか) (ちなみに俺は、クラスの何人かが先生に命令されて始末した、と思いました。初読のとき)  ハルコの容姿も、まあある程度決まった枠の範疇に収まるでしょうが、多様な読み方をしてもいいでしょう。背がイクオより、頭ひとつぶん以上大きいということを除いて。(これだけは誤読しちゃいかん。身長差のコンプレックスはイクオのバカ行動の理屈にもなっているし、同時に女の子のほうが高いということは、ローティーンさを演出するためのしかけでもあるから)  性格的には、普段から冷血であると伝われば。それで。 -------------------------------------------------------------------------------- 重陽[ちょうよう]の節句 No.7042 投稿日 2003年9月10日(水)00時41分 投稿者 弟切 千隼  本日は九月九日、重陽の節句でした。一月一日(元旦)・三月三日(桃の節句)・五月五日(端午の節句)・七月七日(七夕)と並んで五節句と呼ばれ、いにしえの中国より伝わった伝統行事の一つです。  現在の日本では、五節句のうちの上記四つは知られていますのに、重陽の節句だけほとんど廃れていますね。  重陽の節句は、別名を菊の節句とも呼ばれ、平安時代には観菊の宴が催されたといいます。この日に菊酒(注1)を飲んだり、菊の被綿(注2)で体を撫でたりといった風習もありました。 注1:菊酒[きくざけ]  お酒に菊の花を浸したもの。 注2:菊の被綿[きくのきせわた]  九月八日の夜、菊の花にかぶせておいて、その香りをうつし取った綿。この綿で身を撫でると長寿になるという伝承がありました。 >>1000字課題  前回までに行なった段落ごとの成分分類を基に、成分の百分率を出してみました。以下に段落ごとの百分率を挙げておきます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 無属性100% >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 無属性100% >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 無属性100% >> 「アーイシャ?」 無属性100% >> 「はい、おじいちゃん」 未来にも変わらない家族の絆10%、無属性90% >> 快活な声が返ってきた。 無属性100% (分類は3ですが、後にならないとそれはわかりません) >> 「どこへ行くんだい? 今、お茶を淹れているんだよ」 思いやり80%、無属性20% >> 「もう暗くなってきてるでしょ。星を見るの」 無属性100% >> サイードは溜息をついた。 無属性100% >> 「まだ夕陽があるじゃないか。早すぎるよ」 無属性100% >> 「だって、おじいちゃん言ったじゃない。昨日より今日のほうが早く星が出るって」 無属性100% (分類は1としましたが、これは後にならないとわかりません) >> アーイシャが言っているのが何の星なのか、サイードには訊くまでもなかった。 無属性100% >> 「でも、いくらなんでもまだ明るすぎるだろう」 無属性100% >> 「いいのっ!」 無属性100% (分類は1としましたが、後にならないとそれはわかりません) >> サイードは二つの茶碗に茶を注ぎ終わった。盆に茶碗を載せて持ち、台所の扉を抜けて裏庭に出る。 祖父の少女に対する思いやり30%、無属性70% >> 伸び上がるようにしながら、東の空を見つめるアーイシャの姿が見えた。 無属性100% (分類は1としましたが、これは後にならないとわかりません) >> 「お茶を持ってきたよ」 無属性100% >> 「ありがとう、おじいちゃん」 無属性100% >> 彼女は振り向かない。腕を上げて、まばらに樹影が散る東の地平線を示した。 無属性100% (分類は1としましたが、それは後にならないとわかりません) >> 「ほら、もうだいぶ暗くなってる。きっと見えるよ。お父さんとお母さんが行ってる星も」 家族の絆50%、無属性50% (分類は3および5としましたが、5は後にならないとわかりません) >> サイードは再び漏れそうになる溜息を慌てて押し殺した。 思いやり100% >> 「ねえ、おじいちゃん」 未来にも変わらない家族の絆10%、無属性90% >> 「何だい」 未来にも変わらない家族の絆10%、無属性90% >> 「人が死ぬと星になるって、本当?」 少女の両親が死んでいたという驚き50%、無属性50% >> サイードはどきりとした。 少女の両親が死んでいたという驚き70%、無属性30% >> 「そうだなあ……人も動物も植物も、その他の物質も、もとはすべて星から生まれたからね。死んだらまた星に帰るということも、あるかも知れないなあ」 自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者30%、無属性70% >> 彼女はまだ知らないのだ。宇宙に旅立った両親の運命を。 少女の両親が死んでいたという驚き50%、両親の死を知らない少女の哀れさ20%、無属性30% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  予想されたとおり、ものすごいことになっています(^^;;;  ほとんどの文がごみですね。要りません。  このように惨憺たるありさまでも、原因がわかれば直しようがあるでしょう。直す方法を考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- ちょっとレス No.7043 投稿日 2003年9月10日(水)02時03分 投稿者 鐸碑 名無し2号さんへ ●スケジュールについて  就職活動がまだ入ってないなら、朝食の後散歩がてらに図書館に行くと丁度良い時間を基準に活動時間を調整するのが良さそうですが、いかがでしょう。  7時くらいにおきてざっくりとよみかくのログを取っておいて、朝食を取り、散歩がてら図書館(大体9時か10時が開館ですよね)にいく位で一日をスタートするのが良いんじゃないですか? 図書館に行ったらライトノベルを一冊読んで帰ってくるとかで、1ヶ月で30冊読めます。  でもって、テレホタイムに書いたものをアップして寝ると。  で朝起きる生活になれていれば、就職した場合も余り困らないのでは? 弟切さんへ  無属性になっている行の幾つかに、無属性じゃない統一された味を感じるんですが。  書きたいことにリストアップしてないけど、内心で実は書きたかったことがリストから漏れているんじゃないでしょうか? で、実はそれが詰まっているんじゃないでしょうか?  美味い出汁でも、意図せず混入していたら客は不安になりますよ。その料理人が次に出すときは美味い出汁の代りに、毒物を意図せず混ぜるかも知れないんで。 新木さんへ  1つのオリンピックに出られる選手の数と一年にデビューする作家の数が同じくらいならば、そりゃあ作家の数が多くなります。  オリンピックは4年に一度、夏と冬合わせても2年に1度なんで。加えて、オリンピックには2度3度出る人が結構いますが。2度3度デビューする人は稀ですから。  競争率がまず日本人全部が志望するところから始まるのならば、なれる人数が少ないほど狭き門です。実際には、その道で上に行きたい人の数とその道で行ける数で個々の門の広さが決まるわけです。  中には、国内の競技人口がほぼゼロの競技を立ち上げる所から始めてオリンピックに出場しメダルをとった人もいます。ただ、門を作るのは狭い門をくぐるのとはまた別の苦労をしたようです。  まあ、オリンピックは出るだけで意義のあるものですが、作家デビューはデビューして終わりじゃ悲しいですからね。オリンピックに一度でただけの人でも、英雄扱いされますが、作家でデビュー作一本で終わると一発屋といわれて終わりですからね。 -------------------------------------------------------------------------------- 世はすべてこともなし No.7044 投稿日 2003年9月10日(水)06時06分 投稿者 名無し君2号  苦しいときの神頼み、とよくいいますが。  普段、神を信じていない人が、苦しいときだけ頼んだりしたら、かえって祟られるそうです。  理由。苦しいときだけ頼まれたら、神もたまったもんじゃないだろうから。  ……という意味の文を、昔どこかで読んだ記憶がある。 >「いま」の分析  文章の焦点。いまなにが起きているのか、をあらわす箇所。  まずは「牛乳」編。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  うつろな目をして、少年がベッドに沈みこんでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「沈みこんでいた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」  そこに少女の声が、ひどく冷たく降りかかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「降りかかる」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、 イクオにだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「顔をそらす」「わかっていた」  ……? どっちだ。「そらす」っぽいような気もするけど……なぜだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  事件は教室で起こった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「起こった」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「飲み干したのだ」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえん がちょを切られた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うーん。「作ってしまった」……いや、「切られた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「見る」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えな いからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そし て冷たい冷血女。ハルコ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「大きかった」、だと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオは馬鹿で熱血でチビだった。席は前だ。一番前。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「チビだった」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」  イクオを気にもしない様子で、ハルコは相変わらず冷静に指摘をつづける。 「牛乳より、煮干しのほうがいい。必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走 り回ること。ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「つづける」……かな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ハルコがなぜそんなことに詳しいのか、イクオには不思議だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「不思議だった」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるの かわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」  イクオには羨ましい悩みだった。――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしま う。 「ハルコも苦労してんだ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「こぼれてしまう」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一瞬、間が空いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「空いた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ハルコはめずらしく感情のこもった声で、言ってきた。 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「言ってきた」。  うーん。こういうことじゃないのかな? どうなのかな?  音読で息を止める箇所?   ああ。わからない。  とりあえずもうひとつやってみる。 「馴染みのコーヒーショップ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  からん、と音を鳴らせて、店に入ってゆく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「鳴らせて」……「入ってゆく」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  おおきな羽が三枚、天井でゆっくりと回っている。羽が頭上を通り過ぎるたびに、 にじんでいた汗がすこしずつ引いてゆく。ずっと眺めていたいけど。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「引いてゆく」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  カウンターのいつもの席についた。詰め襟のホックを外して楽になる。四月から着 ているのに、いっこうに慣れない。この黒い服。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「慣れない」……「楽になる」のほうか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  スツールの上で足を浮かせて待っていると、しばらくして、奥のほうから声がした。 「あら――いらっしゃい」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「待っている」……うーん。「声がした」か? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  店の奥から出てきたお姉さんは、エプロンを付けると、髪をまとめていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「付ける」? 「まとめていった」? わからん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  普段なら、笑ってくれて、「いつもの?」と訊いてくれるはずなのに、今日だけは 無口に手だけを動かしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「動かしている」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  アイスミルクが、出てきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「出てきた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  いつものやつを、いつものように、ゆっくりと飲んだ。ストローの包み紙は、ゲジ ゲジにしてやって、いつものように水を垂らしてやった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「飲んだ」「垂らしてやった」……どっちだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねぇ……、それ」  いま気づいたように、そう、言ってみた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「言ってみた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  空になったグラスからストローを抜いて、お姉さんの左手の指をさししめす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「さししめす」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  お姉さんは一瞬手を隠しかけ――それから、笑った。 「うん。昨日」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「隠しかけ」……「笑った」のほうかな。うーん。わからない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  指を開いて、その手をよく見せてくれる。  ほっそりとした薬指で、金色の指輪が柔らかく輝いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「見せてくれる」っぽいような……。段落をわけるべきかなあ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  お姉さんはマスターのことが好きで。  マスターもお姉さんのことが好きで。  ぼくも、お姉さんのことが、好きなのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「好きなのに」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ね……、おかわり、いる?」  お姉さんが訊いてきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「訊いてきた」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「いらない」  僕は言った。しばらくして、言い直した。 「コーヒー。ホットで」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「言い直した」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  生まれて初めて飲んだコーヒーは、とても苦い味がした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「味がした」。  ……明確に理解できてない。  なんか、「引きずられる場所」のような気がするんですけど。  「重力のある場所」というか。  なんか意味のわからないことをいいだしたぞ。  エウレカってるのか。  うーん。うーん。  頭痛い。  休憩。脳に糖分を補給する。  インスタントのカフェラテを作って飲む。  カフェラテは本来どう作られるのか知らないけれど、飲んだ感じでは甘さ控えめコーヒー牛乳。  一息ついて考える。  ――わからん。  近いような遠いような。 >スケジュール  オリンピック強化選手クラスを思い浮かべて。 14:00 起床、朝食 15:00 読書(インプット) 17:00 1000字課題 20:00 食事 21:00 小説関係(小説書いたり、考察したり) 23:00 よみかく分室レス 6:00 就寝  よみかく分室レス作成時は、3時間経過時に15分ほどの休憩をはさみつつ。  人の集中は3時間が限度だ、という説と、1時間30分が限度だ、という説、両方聞いたことがあるけど……どっちなのだろうか。  睡眠8時間、分室レス7時間、課題3時間、小説関係2時間、休憩2時間。  あ。風呂にはいる時間がない。まあ、風呂は30分もかからないし。  このスケジュールだと、一週間に一回は完全休養日をいれないと、多分心が死にます。  こっちのほうが効率いいだろうな。  覚悟の問題なのだが。自分を甘やかすのは年期が入っているんだなあ。 >かわいいとはなにか >>この際、言葉は関係ない。 >>増えた「○○」の正体はなにか、いったいなにが2割増えたのか。 >>それを質問しているわけ。  増えたものは……「落差」か? 検証する。 ・まずハルコの「きつさ」を増やす。  セリフで増量。  これが塩。 ・ハルコの「好意」を増やす。  ハルコだけがイクオの見舞いに来ている、という事実で増量。  増やすというか新たに足してるな。私版ではないに等しかったし。  これ砂糖。  マイナスの「きつさ」に、プラスの「好意」。  「好意」があるから、「きつさ」が本来の意味から変わるってことか?  「きつさ」が「相手を攻撃するための武器」のままじゃなくて、「自分の気持ちを隠すための防具」になるってこと?  「弱さ」=「かわいさ」?  スイカに塩をかければ甘くなる。  でも、そのスイカ自体がまったく甘くなかったら?  ただしょっぱくなるだけだろう。  増えたものは、ハルコが見せる「好意」か。  それがあるから、塩である「きつさ」を増しても、むしろ甘くなったんだ。  うーん? それじゃあ、「かわいさ」=「好意」なのかー?  とりあえず、増えたのは「落差」「きつさ」、くわえたのは「好意」です。 >関節技  悩んだすえ、自分に関節技をかけてみる。  左手の小指を、右手でつかむ。そのまま逆に曲げる。  いだ。  わかるようなわからないような。  関節技とは。  相手の体をつかんで、関節部分に力をくわえて、破壊しようとする技のこと。  相手の体をつかむには……。 ・手でつかむ。 ・足ではさむ。 ・脇に抱える。 ・自分の体と地面(壁)の間に、相手をはさむ。  があり、  関節に力をくわえるには……。 ・ねじる。 ・逆に曲げる。  の二種類の方法があります。  フタがあるとします。ちょうつがいで留められている、開きブタです。  そのフタを、思いきり開いて、限度まで開きます。その限度をこえて、さらに開きましょう。やがてちょうつがいが壊れ、フタも壊れてしまいます。  闘うことの目的は、相手の体を壊し、戦闘不能にすることだとします。  フタの頑丈さにもよりますが、叩いて壊すのは、けっこう大変です。  ようは、フタがフタの役割を果たせなくなるようにすればいいのですから、一番簡単なのは、先ほどの、「フタを無理に開いて壊す」ことです。  ちょうつがいは叩いても、そう簡単には壊れません。ちょうつがいを壊したければ、「無理に開く」か、「無理にねじる」か、どちらかでしょう。  これが人体であれば、フタが体。ちょうつがいが関節です。関節を叩いても壊れにくいですが、「無理に開く=逆方向に曲げる」が「無理にねじる」ことをすれば、簡単に壊せます。 >並び替えについて  「一般人」の認知度の順に、並び替え。上から下の順で、認知度は低くなります。 ・「K−1」 ・「卍固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・カールゴッチという名前。 ・「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・ゴッチは日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・アマレスの実力者であったこと。 ・ゴッチのプロレスデビューの地。 ・ゴッチがメダルを取ったという事実。 ・何度かタイトルマッチをしていた。 ・「UWF」がなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチがなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・プロレスのマスコミは団体のいうとおりのことしか書かない。 ・強いが人気がなかった。 ・米国では二流レスラーだった。 ・馬場のほうが猪木よりプロレスがうまかった。 ・猪木は馬場よりもランクが低かった。 ・「神様」の称号は猪木が馬場と並ぶためについた嘘だった。 ・ゴッチがメダルを取ったのは嘘である。  「K−1」が一位なのは揺るがないと思うんですよね。  ゴールデンタイムでやっているし、CMも流れるし。  ボクシングみたいなものか? ぐらいの認識はあるはず。  「卍固め」は、アントニオ猪木が、意外とテレビに出てくる機会が多いから、二位です。どんな技か知らなくても、聞いたことぐらいはあると思うけど。  「サソリ固め」が微妙。「PRIDE」とどっちが強いか。  「PRIDE」はどこまで認知されてるのかなあ。このまえCMやっていたのは見たけれど、地上波だと放送時間は深夜だったりするので、それほど知られていないような気がします。  「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」が五位に来て……。  あとはプロレスファンの領域なので、ファン度が深化するほど深くした、という感じですが。  Goo辞書。 ■プロレス 0 〔professional wrestling〕興行として行われるショー的要素の濃いレスリング。カウント-スリーのフォール、またはギブ-アップで勝敗を決する。プロ-レスリング。  辞書にのってることすら知らなかった。 >短編について >>どっちで書くのもお前の自由だし。 >>なんなら両方書いちまって、試してみたら?  書いてみます。  男性向けと女性向け。  それぞれ、どの層に向けて書くのか考えなきゃならないなあ。 >>自分の好み「だけ」で判断するなら、どのパターンになるわけ?  パターン3、「女の子」向けと同じです。  最初はそこでエウレカっていたし。 >ミルク >>その観念に基づく話は、いまのお前にしか書けないものだ。 >>お前にカノジョでもできてしまって、「女はバケモノ」という感覚が薄れてしまったら、もう書けなくなってしまうものだ。 >>いま書けるものを書いておけ。 >>どうやって武器にするのだ? その巨大なセクハラを?  同じように、「女はモンスター」と思っている同士に向けて書く。  幻想は持てるうちに持つ。 >音読  なんか、私は音読せずに静読しているような気がする……けど、気がしているだけか。静読できていれば変な文章を書くわけがないもんなあ。  読むとき、確かめようと思って意識するとわからなくなるしなあ。 >ハルコVSおじさん  おじさんかよ……たしかに、中学生から見ればなあ……。  そもそも「潔癖性」が病気だということすら知りませんでした。  なので調べてみる。  とあるサイトからひろった文章。 >>「潔癖性」 「不潔恐怖」広くは「強迫神経症」の範囲に入りますが――  へえ。  私の前回の質問。 >>これは潔癖性、ということですか。それとも実際に? >>あ。ちがうか。 >>そうか。人の目を気にしている、ってことだ。 >>じゃあ、身だしなみにも気をつかっているわけだ。 >>汚くならないように――目立ちすぎないように。 「ハルコは別に潔癖性じゃなくて、かといって実際に足が臭いわけでもないんですよね。人の目を気にしているってことでしょう?」  という文章でした。  で、人の目を気にする子なら、あんまり汚い格好はしない。  でも、人の目を気にしていることも知られたくないから、派手な格好もしない。  ……ということかなー、という質問だったのです。 >>あと服を着たり選んだりするのは自分のためであるはずなのに、なんで、人目を気にして選ばなきゃならないのかって。  目立つことが嫌いなんじゃないかな、と思ったんですよねえ。  だって背が高いから。クラスで一番大きいから。  だから人目を気にして選ぶ。  ファッションというのは、他人から、こう見られたい自分、だと思うんですけど。  そこに個人の性格が絡んできて決まるんじゃないでしょうか。  人に何を言われても気にしない人なら、どんな格好だってするだろうし。  人の言葉が気になる人なら、笑われないような格好をするだろうし。  そもそも人に興味がなければ、適当な格好をするだろうし。  あとはその服装でのメリット。  たとえ格好悪くても、その服装でなければならない理由があれば、着るだろう。  学生が、学校に制服を着ていくこととか。  軍人が軍服を着ることとか。  アウトドアならアウトドア用の服装。  ハルコは遠くに行ってしまったよ。  生みの親より育ての親か。  私のところにいたら、モンスターにされちゃうしねえ。 >1000字課題  今日は1編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=598&e=res&lp=550&st=0  最近、課題を書くのに時間がかかる。  レスに6時間です。また明日。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.7045 投稿日 2003年9月10日(水)16時14分 投稿者 鐸碑 >最近、課題を書くのに時間がかかる。  それは、成長の証でしょう。これまで気付いていなかった掌編を書く上で気をつけるべきことに気付き、書くに当たって必要な吟味がされているから時間が掛かるんでしょう。  料理に例えると、今までは皮どころか髭根もついた大根を適当な大きさに切っては鍋に放り込み、輪切りにしただけの人参を放り込み、石突きのついたままのシイタケを放り込み、ブロックのまま豚肉を放り込み、手当たり次第にその辺の調味料を加えただけの鍋を作っていた。  それが、ちゃんと下ごしらえをした材料を使って、煮えるのに時間が掛かる食材から鍋に入れて、キチンと出汁をとるようになった。そりゃあ、手間が掛かるのは当然です。まだ慣れてなくて、手引書片手に料理すればなおの事時間が掛かります。慣れれば同じ手順を手早くできる様になるでしょう。必要な手順を飛ばさず各工程の無駄をなくして行けば手早く完成できる様になるでしょう。  初期の掌編は運が良くないと料理にもなっていない感じでしたが、最近のは殆どが美味しさはともかく料理にはなってますから。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7046 投稿日 2003年9月10日(水)18時58分 投稿者 新木 伸 >オリンピックと作家 >>まあ、オリンピックは出るだけで意義のあるものですが、作家デビューはデビューして終わりじゃ悲しいですからね。オリンピックに一度でただけの人でも、英雄扱いされますが、作家でデビュー作一本で終わると一発屋といわれて終わりですからね。  アマチュアの作家志望者の大半は、「デビューした後」のことを考えていない。  よって「デビューするだけで意義がある」と思っていることになる。  オリンピックのほうも、出るだけじゃ英雄扱いしてもらえないと思うけど。  せめてメダルは獲っていないと。  「俺、昔、オリンピックに出たことあるんだぜ」  「俺、昔、本を一冊出したことあるんだ」  この両者の「昔話」は、だいたい等価だと思うけど。  話をされたほうも困る。こんな程度じゃ、「へー」と相づち打って感心することもできない。  うーん……。  やっぱオリンピックのほうが「すごい」かな? 例が良くなかったか。  じゃあ、このくらいで。  「俺、昔、県大会の記録持ってたことあるんだぜ。いまでもうちには盾と賞状が飾ってあるんだ」  「俺、昔、作家やって本一冊出したことあるんだぜ。いまでもうちにはその本があるんだ」  ……こんなもん?  ということで、2号は「県大会の記録」を出すアスリートのつもりで、予定を組んでみるように。(この話の論点はそこなんで)  県大会レベルでも、オリンピック選手の練習メニューと、たいしてかわらんと思うよ。 >2号  文章の「焦点」読み取り。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「うるせーよ、ハルコ」  イクオは寝返りをうった。ハルコの視線から逃げるように顔をそらす。馬鹿なのは、 イクオにだってよくわかっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「寝返りをうった」「そらす」――2点ある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  事件は教室で起こった。  給食で残った牛乳を、イクオがすべて飲み干したのだ。  そのあげく――イクオは教室の床に、白い水たまりを作ってしまって、皆からえん がちょを切られた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このあいだ、「いま」はない。  だって過去の話じゃん。なおかつ、すべて説明なわけだよ。  だからここはすべて「過去形」で書かれているのだな。  説明文には、「いま」は存在しない。  よってあまり長く続けると、読者はどこで息つぎしていいのかわからなくなってしまう。どこを「焦点」として見ればいいのかわからなくなって、目が離れていってしまう。  目が離れるということは、つまり、そこで読むのをやめられてしまうということだ。  一度に入れる説明は、このくらいの長さが限度なのね。  説明文を可能な限り短く済ませるために、簡潔にわかりやすく説明する腕を磨く必要がある。  可能な限り説明しないで「描写」するのが小説というものだが、必要なときに、最小限の分量で説明しきるためには、やはり説明文の腕も磨いておかなければならない。  じゃないと同じことを説明するのに、やたらと分量を使わなくてはならなくなる。読者の目が離れる危険を増やしてしまうだけだ。  読者は説明なんて読みたくないの。「いま」作品中で起きている出来事を知りたがっているの。  ちなみに、細江さんのものから引用。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  バカなのは、少年にもわかっている。  結構な本数が手つかずのまま残る、給食の牛乳。少年は煽る連中の前でそれを全て 一気飲みし、胃がそれを拒絶した。  少年の回りで煽っていた野次馬たちは、胃液の混じった牛乳の洗礼を浴びて逃げ出 し、少女が助け起こすまで、少年は自分で作った白い水溜りにつっぷしていた。  彼女は、手早く自分の水泳用のバスタオルでくるみ、彼を保健室に放り込んだのだ。  女物のタオルにくるまれ、頭二つ大きな少女に付き添われて保健室に向かう姿は滑 稽だったが、少年は逆らえなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  細江さんのほう、これだけの長さのブロックで、延々と過去の出来事の説明文が続いているだろ。  ここで目が離れていってしまうのは、そのせいだ。  1000字掌編の全23行のうち、過去の出来事が、8行も占めている。  全体の3分の1強が回想シーンであり、「いま」がなくて、意識の「焦点」を合わせられない部分が続く。  読んでいて作品世界に没入できないのは、そのせい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」  ――だれのためだと思ってんだよ、デカブツ。  イクオは心のなかで毒づいた。ハルコの体を横目で見る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「毒づいた」と「見る」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  座っているときさえ、ハルコは、男より頭一つぶんだけ大きかった。黒板が見えな いからという理由で、いつも席はいちばん後ろになっている。クールで冷静で、そし て冷たい冷血女。ハルコ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「冷血女」と「ハルコ」(最後のほう)  体言止めってのは、そこで目を止めさせる意図で使われることが多い。  体言止めというのは、名詞で文を終えることね。  文章というのは、普通、動詞やら形容詞やらで終わるものなのだ。  それが日本語の基本則なわけ。  しかしそれをあえて「壊して」名詞で終える。  異様で奇抜なことをしているので、そこで読者は「ぎょっ」となって目を止める。そういう仕組み。真っ赤なマーカーでラインを引いて強調するようなものなのね。幼稚な手法なんだけど、それなりの効果がある。  いまでこそ体言止めなんて普通に使われているけど、これが50年も昔なら、異様であり得ないほど壊れていて、奇抜でショッキングなことだった――はず。僕は国語学者でもないし、その当時に文学青年をやっていたわけでもないから、ようわからんけど。  ここでは「冷血女。ハルコ」と、2回体言止めを使っているわけだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるの かわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」  イクオには羨ましい悩みだった。――ので、思わず、ぽろりと口からこぼれてしま う。 「ハルコも苦労してんだ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「思わず」  どうも、2号は「焦点」を無理矢理でっちあげているようだなぁ。  自分で朗読してみて、録音して、それを聞き直してみそ。そうすりゃどこで一瞬止まっているのか、わかるだろうから。  パソコンがあるなら、マイクさえあれば録音できるだろ。  「サウンドレコーダー」とか、録音ソフトがWINDOWSに入っている。「アクセサリ→マルチメディア」のところね。  音読してみて息を継いでいるところ、とか。  読んでいて目が一瞬、留まるところ、とか。  僕は自分が読むときに、そうしたところに何割かの注意を振り向けつつ読むことができるんだけど……。  たぶん2号は、読むほうにいっぱいいっぱいで、そこまで意識を向けられないのだろうな。  車の運転の初心者に、前ばかりでなく、先の先の信号の色と、歩道の歩行者の動向と、自分の後ろについている車のドライバーの視線の動きと、すべて同時に見ろっていったって無理なように。  初心者は、ハンドルをがっちりと握りしめて、前しか見れないものなのだ。  録音して聞き直してみれば、息つぎの瞬間だけに集中できるだろ。  朗読するときは、朗読だけに集中していればいい。  んで、録音を聞いて、わかりそうな感じがあったら、いま身につけちゃえ。  もしそれでもよくわからんなら、いまはまだ身に付けられないってことだ。  忘れないように壁にでも貼っておいて、しばらくしてから、またチャレンジしてみればいい。掌編をもう50くらい書いてからとか、短編をひとつ書き上げてからとか、そのくらいで文章のリズムへの感覚が身に付いてきてだいぶ変わるはず。そのころにもういちどやってみればいい。 >>「重力のある場所」というか。 >>なんか意味のわからないことをいいだしたぞ。  ああ、それそれ。  重力があるから引きつけられるし。だから「止まる」わけだし。  しかし重力のある位置を明確に読み取れてないね。まだ。  音読の録音を聞くときには、息つぎの瞬間と、読んでいる速さとに注目すること。  重力のあるところでは「ゆっくり」になるのだ。そして重力最大の地点では、一瞬「止まる」のだ。 >スケジュール  よく考えてみたら、シロウトにいきなりオリンピック強化選手向けのスケジュールをさせようというのは、無茶な話だった。  中学校の運動部のレギュラー選手くらいスケジュールくらいで、組み直してみそ。  リトルリーグの野球少年とか、サッカー少年、とかでもいいし。  あと起床が14:00とかだと、よくわからんから、こっちに見せるときには、起床を5時とか6時とかで直してきて、見せてくれ。  また、週に一回、完全休養日を取らなきゃならないスケジュールでやったほうが効率が良いのか、それとも1日のスケジュールを多少緩くしても、休養日を取らずに、週七日ずっと続けられるようにしたほうがいいのか。  ようは、1週間のトータル時間が問題なわけよ。  最近、「ゆとり教育」とかいって、学校を完全週5日制にしたはいいが、月〜金までの毎日のスケジュールは以前よりも過密になってしまっていたりするわけだ。いったいなにが「ゆとり」なのだか。週6日でやっていたほうが、じつは「ゆとり」があったのではないか。  いまはその逆。  「ゆとり」はないとどっかでキレちゃうから必要だけど、最低限にしておかないと効率が悪いわけね。1日、丸々取ったほうが効率がいいのか。毎日に分散させておいたほうがいいのか。  あくまで、効率のいいほうを取れ。 >2割増量  だから、「きつさ」も「好意」も、個別に調整できるものなんだってば。  たしかにそのふたつも、俺はついでに変えちゃっているけど……。  「かわいさ」に直結するものは「○○」であって、それは2割だけ動かしたんだってば。  きつくなくて、主人公に好意も持っていなさそうだけど……、でも○○のせいで可愛く見えちゃう女の子、てなキャラ、俺、書けるけど。  ちなみに「○○」を増量するために、それと関連しちゃって、どうしても一緒に動いてしまう「××」は減らしている。  減ったものはなにか、と考えてゆくのもいいかもしれない。 >関節技 >>相手の体をつかんで、関節部分に力をくわえて、破壊しようとする技のこと。  わかった! エウレカっ!  つまり、関節に攻撃をしかける技なわけね。  たとえば相手の関節をマットに押しつけて、そこをブーツで踏みつけるとか。上からカナヅチで叩き潰すとか。鉄パイプで押しつぶすとか。  うーん。凶悪な技だなぁ。でもそれって「反則」とかいわんのかな? まあいいや。  ふんふん。  なんか後ろのほうで、「ちょうつがい」がどうとか、いろいろ言ってくれてるけど。  でもおっけー、のーぷろぶれむ。  俺、もう、わかっちゃったから! 説明してくれないでもいいよっ! >プロレス用語、並び替え  一般人の知っている順のソート結果。  まあ、だいたいそんなもんなんじゃないの。  ちなみに「卍固め」は、そのままの書きかただと、中位以降に落ちると思われる。  「マンジ固め」と書けば、2位にしておいていいだろうね。  「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」は、このうちのどれかひとつでも、なんとなく聞いたことがある――あたりが、一般人の領域だろうね。  ここより下のことになると、もはや、プロレスファンしか知らない。一般人には期待してはいけない。  つまり、一般人の過半数を拾いあげるためには―― 「いま日本にプロレスには団体は3つありまして、団体が違うレスラーは対戦しないわけです。現在は、全日本プロレス、新日本プロレス、UWFと三つありまして……」  ――と説明しなければならない。  一般人の認識は、「団体名をひとつ聞いたことがある」くらいだから、団体が3つと言われた時点で、「へー」となって、さらに団体名を三つ挙げられたところで、「へー、へー」となる。そして団体が違うと対戦できないと聞かされても、「へーへー」となる。  「へー」と言わせたからには、金を取っていい。  それが物書きが物を書くときのルールだ。  これは大道芸人が金を取るときのルールと同じだ。10本のナイフを空中に舞わせてみせたり、火を噴いてみたりして、「おおすげぇ」と芸で魅せたら、金を取っていい。  それと同じこと。  相手が、なにをどのくらい知っていて、なにが相手の「へー」になるのかということを正しく計るだけで、金をとれる文章になるのよ。 >短編パターン >>>>自分の好み「だけ」で判断するなら、どのパターンになるわけ? >> パターン3、「女の子」向けと同じです。  あっはっは。  この「歩くセクハラ」めが、女の子にいったいなにを読ませるつもりだったのだ。  おまえのそのみっともない赤黒い物体を、そんなに見せたいのか。  そして「きゃーきゃー」言わせたいのか。  「きゃー」には二種類あるのだが。喜んでいるきゃーと、嫌がっているきゃーと。  どっちの「きゃー」を取るつもりなのだ?  まあ、書いてみろ。 >女はバケモノ >>同じように、「女はモンスター」と思っている同士に向けて書く。  そういうのは武器っていわないよ。  同病、相哀れむっていうんだ。  おまえの「それ」を武器にして、女の子向けに書くのであったら――。  たとえば、生理前の年頃の女の子を主人公にする。  その子はまだ「女」になっていなくて、子供なわけだ。そしてその子から見ると、姉とか母とか身の回りの「女性」たちは「キチガイ」で「バケモノ」に見えてしまう。自分もそうなってしまうのかと考えるだけで、お先真っ暗な気持ちになる。  しかし体は嫌でも成長してゆき……。  なんて話を書いたなら、おまえのその「女はキチガイでバケモノ」という感性は生かせるわけね。武器として。  たとえばアフターヌーンで、「ラブやん」という漫画がある。  ロリ・オタ・プー、なおかつひっきーの主人公。  そういうものを「武器」にすると、ああいう漫画になる。  また「げんしけん」という漫画も同じ雑誌に載っている。  「エロゲーおたく」を武器にすると、ああなる。あの作者は、以前は自分がおたくであることを必死に隠そうとした漫画を描いていたものだが。「俺たちはおたくじゃねぇ。こっち側の人間だ」なんてことを声高に主張するテーマの話だったのね。  しかし最近、開眼して、吹っ切れたらしい。「俺たちはこっち側の人間さ」てな話を書き、なおかつ、それを笑い物にさせて読ませている。  はじめのころに踏みとどまろうとしていた「こっち側」っていうのは、「ノーマル人」って領域だったのね。  しかし、現在の話で胸を張って「こっち側」と誇る領域は、「おたくの側」なわけだ。  あんまり評論っぽいことをやるのは、分室の流儀ではないんだけど。 (評論は評論のプロである評論家にまかせておけばいい。作品を書くのが作家の仕事だ)  まあ、自分の中の「赤黒くてみっともない物体」を武器にしている実例ってことで、出してみた。 >ハルコとおじさん  ちなみにうちのハルコは、すでにそちらのハルコとは別人となっているので、そのつもりで。だいたいこっちのハルコ、眼鏡っ娘だしー。  まず、わけわかりません。と言っています。  服選びのことは、なんだか、人目を気にして選べといわれているようなので反発しているそうです。  つまり、2号のおじさんが、自分に清潔で地味な格好をさせたがっている気がするそうで。私はあなたの着せ替え人形ですか、とも言っている。はじめは冷静でしたが、だんだんエキサイトしてきたので、本音が出てきてしまったようです。  なんで自分で選んじゃいけないんですか。と、眼鏡を持ちあげ直して、そう言っている。  ああ、キーボードを乗っ取ってきました。ハルコが、いま―― 「私は人目を気にしているから清潔で地味な格好をしているのではなくて、たんに、自分がそういうのを着たいから、着ているんです。汚れているのは自分でもいやだし、派手なのもいやだし。  おじさんは女の子が服を着るのは、すべてファッションだと思っているようですけど。  私、べつにファッションで服を選んでいるわけじゃないんですけど。  自分の考えたことと、私の選んだものと、結果がいっしょになったからといって、勝手に納得して、うなずかないでください。気持ち悪いです。  おじさん。いまどんなパンツ穿いてますか? そのパンツは、もちろんファンションで選んでいるわけですね? どんなの穿いてるかしりませんけど、もちろん女の子に見せるために選んだものなわけですね?  またそれなりに清潔にしてると思うんですけど。そうでなかったらすごく嫌ですけど。  それはおじさんが潔癖性だからとか、人にそう見られたいからとか、なにかそうした理由によって清潔なパンツを穿いているわけですよね?  ――私も、そういうふうに見ていいですか。なんで、私が女の子だという理由だけで、おじさんから、そんな変な色眼鏡で見られなければいけないんですか?」  ――だ、そうです。  キーボード返してもらえました。  言うこと言って、すっとしたようです。  しかしキータイプがすげぇ速かったですね。だかだかだかと、キーが壊れそうな勢いで打ってました。しかもキー見ないで打ってます。さすが小学校からパソコン使っている世代は違いますね〜。  そして後ろから僕の肩越しにキータイプしていたもんだから、髪の匂いは鼻にかかるわ、背中になんか柔らかいものは押しあてられてくるわで、僕はとっても得をしました。ありがとう2号。 >1000字掌編  ようやく、1000字に1時間は掛けられるようになったってことじゃん。  前は30分もしないで飽きて、放り出していたのに。  前はヤマもオチもないような未完成なもんを、30分でもう飽きてしまったのか、途中で投げだして出してきていたものだったが。  しかし、世の中には、3時間も4時間も6時間も掛けるような料理があるわけ。  半日や1日掛ける料理もあるぐらいだ。  プロはそういう料理を作るときにも、1時間以内に仕上げるもんなの。  その場で即興で作って出しても、6時間の手間をかけた料理を作れないとならないのね。  きっと、仕込みの時間は、どこかで取ってるんだろうなぁ。  本当に1時間で6時間分の手間をかけるのは、物理的に無理だ。  しかし作るのは1時間でも、どこかで5時間分の仕込みをしてあったなら、それは可能だ。  日常生活のどこかで、なにかに伝えるネタをいつも練りつづけている。  喫茶店の話は、あれ、スタートして33分で書き上げたわけだが。  5時間30分の仕込みに相当するものは、これまでの作家人生のどこかでやってきている。喫茶店の雰囲気とか、指輪に気づいた瞬間の反応とか。それらを文章として、どうやって表現をするかとか。すべてどこかでやっている。なにかを見聞きしたときに、「あ、これ使える」として、自分の中にストックしてある。それを出してきただけ。  仕込み済みの材料を使って料理を作り上げるのに、33分、必要だった。  「牛乳」のリライトは、あれ、単なるリライトだから、俺は表現をシェイプアップさせただけ。なにひとつ追加していない。2号の用意してきた食材を使っただけで、自分ではなにひとつ出してきていないから。だから15分もあればできるわけ。  2号の場合、1000字課題に2〜3時間掛けられるようになってきたら(そして毎回読めるものが出来てきたら)、もう、1000字はやらないほうがいいだろうね。  そのくらいになったら、短編を書いたほうがいい。  50時間ぐらいかけて、短編ひとつを仕上げるわけよ。  50時間というと、1日7時間没入したとして、7日間で書きあがるぐらいだな。  それがコンスタントに出来るようになってきたら、もうひとつ上を目指す。  つぎは長編で練習だ。  長編ひとつを、1〜2ヶ月で書きあげる。  このあたりに到達して、コンスタントに出来るようになったら、もう新人作家の技量はあるよ。そこまでのどこかで、デビューできているだろう。  だいたい、デビュー直後の新人って、「1年かけて1冊書いてきた」状態で投稿しているわけだよ。2ヶ月でコンスタントに書けるっていうのは、その平均レベルを明らかに越えている。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7047 投稿日 2003年9月11日(木)00時02分 投稿者 新木 伸  短編、二個連続でしあげなければならないらしい。  20日くらいまで、かかるかなぁ。 >巻島  ある狙いを持った話を作るにあたって。  押さえておかなければならない条件を見極めること。  つまりどこからどこまでが「ストライク」になるのか、その範囲を自分で正しく読み取れるということ。  これはつまり、分室で教えている「コンセプトワーク」なのだが。  それはだいぶ身に付いてきてるようだな。  あの「牛乳」の掌編のキモは、その通り。あの話が成立するためのストライクゾーンの設定もその通り。特に補足することはない。よく読み取っているし、考えている。  あとはそのストライクゾーンに、毎回、確実に投げ込めるようになるだけだ。  そのためには自分の投球精度を知っておかなくちゃならない。  内角高めぎりぎりをねらって、ボール一個分のコントロールで投げ込める腕が、自分にはあるのか。  自分の腕がボール三個分も揺れるようなものであれば、安全策を取って、ど真ん中に投げておいたほうがいいわな。コーナーを狙ったら「ボール」になってしまいかねない。  また時間を充分にかければ、自分のコントロール精度は上げられるのだとしたら……。  締め切りまでの時間内で、どこに時間をかけるべきで、どこは精度を落としてもいいのか。どこが作品の「キモ」であり、もっとも大事な部分であるのか。その見極めが肝心になってくる。  まあ、その手のことは、普通、プロにならないかぎりやらなくて済むんだけど。  アマチュアに「締め切り」なんてありゃしないんだから、完成するまで、いくらでも時間を掛けていいのだ。新人賞のその年の締め切りに間に合いそうになかったら、来年に回せば済むことだ。  しかしあの話は来年、送れよ。  来年はある意味、狙い目だ。  「ブギー」の翌年にブギーもどきが溢れかえったように、来年はドクロちゃんもどきが溢れかえることが予想される。そういう土壌の中では、素直で普通の作りをしたオーソドックスな小説は、逆に有利となる。  しかしいま気づいたんだけど、以前、よみかくのほうで、光が評価していた不良シンデレラの話。あれはベクトルとしては、ドクロちゃんの方向に向かっていたわけね。完成度がそもそも足りないので、あれではだめなのだが。  ところで。  「牛乳」の話に戻るけど。  あの話は、いまの形のままでは、ある範囲に含まれる読者層が、「ハルコはゲロまみれのイクオを介抱してやった」と、誤読をしてしまうのだとする。  これは作品の根幹に関わる部分だよな。そう誤読させてしまっては、すべてがちゃぶ台返しになりかねない。  この誤読、どうやれば潰せる? 回避できる?  そのプランを述べよ。  また誤読してしまう「読者の範囲」を明確に定義せよ。  その読者範囲は、あの作品の読者層のうちの何割ほどを占めているのかを定義せよ。  プランを出すよりも、いっそ直しちゃったほうが早いようなら、リライトして出してくるように。 -------------------------------------------------------------------------------- 「いま」を書くということ No.7048 投稿日 2003年9月11日(木)00時29分 投稿者 新木 伸 >「いま」がない小説、説明文ばかりの小説  これはゲームにたとえると、いいのかも。  ゲームに詳しい人であれば、ああ、あれか。と思ってもらえると思うけど。  某大作系ゲームで、ユーザーフレンドリーでないものが存在する。  なにかイベントが起きるたびに、コントローラーをプレイヤーから奪っちゃうわけね。そのゲームって。  プレイヤーの意志で自由にキャラを動かせるのが「ゲーム」ってものなんだけど、イベントシーンに突入すると、キャラが勝手に動き出して、しゃべりはじめる。  コントロールが返ってきて、ふたたびプレイヤーの自由に動かせるようになるまで、数分もかかる場合もある。  そのあいだ、プレイヤーがすることといえば、なんにもない。メッセージ送りのためにボタンを押す必要さえなかったりする。  小説でも、「いま」から読者の目を離して、説明シーンを読ませるのはいい。ある程度必要なことだろう。  しかしなるべく早めにコントロールは返さなくてはならない。  読者が文中の「いま」を認識して、リアルタイムにシーンを眺めることができるのが小説っていうものだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 違和感を感じる目 No.7049 投稿日 2003年9月11日(木)01時14分 投稿者 新木 伸 >巻島  「これをやってしまったら、作品ぶち壊し」てなことって、けっこうあるわけね。  たとえば、「牛乳」の話でいうなら、小学校か中学校かは誤読させちゃってもかまわないけど、ゲロの始末をつけた人間がハルコだと読まれてはならない。絶対に。  またハルコの容姿なんてどう読んでくれたってかまわないけど、背の高さが「頭一個違う」だけはふたりの恋愛の形の根幹に関わることなので、読み間違えてもらっては困る。――とかね。  プロでも。僕でも。  それはいつも心配なわけだよ。  自分の書いている作品のなかで、そうなってはいないか、常に心配でいるわけだ。  誤読が出る余地があるとか、そういうことなら、まだいい。誤読される余地を潰せばいいだけだから。たいていの誤読は、数行の変更で直してしまえる。  しかし、あらすじや設定レベルで間違えちゃっていたら、もうどうにもならんのね。  作品まるごと書き直さないと修正できないようなこともある。  自分が、自分の手で――自分の作品の根幹をぶちこわしにしてしまうようなことを、うっかりやってしまいかねない。人間はいくらだって不注意になれるものだから、気を抜けば、すぐに失敗してしまえる。坂道を転がり落ちていって、「自分が完璧に正しい」という不条理の支配する俺様世界に堕ちるのは簡単なことなのだ。  常にその可能性に怯えている。プロでもね。プロだからこそね。  だから、熟考するわけよ。充分に考えぬくわけよ。  自分の中にある「違和感を感じる目」に注意を払うわけよ。すこしでも違和感を感じたのなら、徹底的に追求して、光をあてて違和感の正体を突き止めなくちゃならないわけよ。  だから、あらすじを立ててコンセプトを定め、作品の「主」はなにか。もっとも大事な根幹はなにかということを明文化して持つわけだ。迷ったときには、いつでも立ち返れるように、「原点」を設定しておく。  この話、いまのおまえになら伝わるだろうし、吸収できるだろうから、書いてみた。  いま書いているやつ。だいじょうぶか〜?  俺、部分的に、適当にしか読んでないけどさ。(だってしょせん他人の話だもん。そんな気合いいれて読めるかよ。俺は俺の作品のことで手一杯で、余力は、ほんのすこししか持ってないんだ) -------------------------------------------------------------------------------- 富士山には待宵草[まつよいぐさ]がよく似合う No.7050 投稿日 2003年9月11日(木)01時59分 投稿者 弟切 千隼  題名を読んで、「はてな?」と思った方がいらっしゃるでしょうね。これは、太宰治の有名な台詞「富士山には月見草がよく似合う」を改変したものです。  一般的に月見草と呼ばれるのは、生物学的にはマツヨイグサ(待宵草)と呼ばれる植物です。生物学的にツキミソウと呼ばれる植物は、別にあります。  太宰治が富士山の麓で見たのは、生物学的にいうツキミソウではなく、マツヨイグサだったろうと推測されています。 >>1000字課題  鐸碑さんより以下のような御指摘をいただいたので、考えてみました。 >> 無属性になっている行の幾つかに、無属性じゃない統一された味を感じるんですが。 >> 書きたいことにリストアップしてないけど、内心で実は書きたかったことがリストから漏れているんじゃないでしょうか? で、実はそれが詰まっているんじゃないでしょうか? (鐸碑さんのNo.7043の書き込みより)  これはとてもありそうだ、と弟切も感じました(^^;  弟切自身が挙げた成分は、以下のとおりですね。 1)両親を想う少女の健気さ 2)少女の両親が死んでいたという驚き 3)両親の死を知らない少女の哀れさ 4)祖父の少女に対する思いやり 5)未来にも変わらない家族の絆 6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  これ以外の成分が含まれているかどうか、試しに作品の冒頭数行を分析してみましょう。 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  ここまで四つの段落は、すべて無属性としています。では、上記の六つの成分ではないとしたら、ここには何が含まれているのでしょう?  ここは作品の冒頭ですから、何よりもまず5W1Hを読者さまに提示しなければなりません。主役の紹介もすべきですね。  定石にのっとって、ここでは登場人物二人の名前を出しています(=Who)。主役の人物が室内にいること(=Where)、その人物が茶を淹れるくらい余裕があって、普通にしゃべれる人間であること(=What,How)を示して、読者さまに早く作品の舞台を理解してもらおうとしています。  要するに、ここは作品世界の説明をしている部分ですね。  作品世界の説明は、もちろん必要です。ある程度はどうしても書かなければ、読者さまに物語へと入ってもらえないでしょう。  しかし、わずか1000文字、27段落の掌編だというのに、そのうちの4段落を説明に用いているのは多すぎますね。しかも、ここには説明以外の成分が何も入っていません。この作品で最も言いたいはずのことが、です(;_;)  ざっと眺めてみますと、この作品にはこういう「説明しているだけ」の文が多い気がします。次回以降、他の文の分析もします。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7051 投稿日 2003年9月11日(木)02時48分 投稿者 新木 伸 >弟切 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  この部分。たしかになにか未知の「成分」が入っている気がするね。  弟切自身はまだ自覚化していないけど、この作品にとって「もっとも大切」であるなにかが、ここにたっぷり入っているような気がする。  ――が、しかし、僕らが勝手に読み取っているだけなのかもしれない。書かれていないものを勝手に読み取っているだけなのかもしれない。勝手に脳内で補完しちゃっているだけなのかも。  結局のところは、わかんない。  なにせ、確定できるように書いてないもんなぁ。  なので、作者の弟切に直接、訊いてみる。  作者に訊けるって、便利だなぁ。  サイードが草を踏み分ける音を聞いているよね。  そのときサイードは、それがアーイシャの足音であることがすぐに分かっていたのか、それとも声をかけて彼女から返事が戻ってくるまで、分からなかったのか。  これは、どっちなの? -------------------------------------------------------------------------------- 運動不足の我が身かな No.7052 投稿日 2003年9月11日(木)09時20分 投稿者 名無し君2号  わかっちゃいるけどひきこもり。 >鐸碑さん >>初期の掌編は運が良くないと料理にもなっていない感じでしたが、最近のは殆どが美味しさはともかく料理にはなってますから。  おいしくしたいですねえ。  調理の手間を惜しんじゃだめですが……そもそも材料が、どうにも食えないものだったりして。  調理次第で食えるようになるのか。  ……食えるようにしなきゃ、だめなんだよな。 >新木さん >文章の「焦点」読みとり >>パソコンがあるなら、マイクさえあれば録音できるだろ。 >>「サウンドレコーダー」とか、録音ソフトがWINDOWSに入っている。「アクセサリ→マルチメディア」のところね。  マイクがないです。  マイクを買うのと、安物のラジカセ買うのと、どっちが得なのだろ?  ううううむ。  たとえ1,000円でも惜しい。  意識しながら音読してみます。  「重力」……。  「重力」を増やせば、重い文章になるのかな。  ちがうな。  忙しい文章になるのか。速くなるのか。 >スケジュール 7:00 起床、食事。 8:00 小説関係。 10:00 読書or図書館。 12:00 食事。 13:00 小説関係。 15:00 1000字課題。 17:00 よみかく分室レス書き。 20:00 食事。 21:00 よみかく分室レス書き。 24:00 就寝。  どうしても、睡眠時間7時間、分室レス6時間、課題2時間はかかってしまうんです。  食事等で3時間。読書に2時間と、なれば残り4時間。  その時間はとりあえず小説関係、と玉虫色の回答ですが。  睡眠時間を削るか、レスをもっと速くするようにするか。  課題の時間は削れない自信がある……。最近、すこしだけ辛くなってきたし。  飢えてるほうが頭が回るような気がする。  だから……あんまり量を食べない? 体を壊すよな、それじゃ。 >2割増量  とりあえず見比べる。見比べる。見比べる。  ああ、自分のやつを読むの辛いなあ。  もうちょっと句読点の位置に気を使えよ。音読しにくい。  うーん……。  読みこみすぎて、かえってわからなくなってきた。  「子供らしさ」……かなあ。 >関節技  相手の体をつかみ、関節をねじる、もしくは逆に曲げて、破壊しようとする技のこと。  ちなみにGoo辞書。 ■かんせつ-わざ くわん― 4 0 【関節技】 柔道で、肘の関節を攻める技。  こんな程度か。  一般の人はこの程度……も知らないんだよな。 >プロレス用語、並び替え  プロレス用語、各人が知っている部分にわける。  まずはランキング。上にいくほど一般人の認知度が高い。 ・「K−1」 ・「マンジ固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・カールゴッチという名前。 ・「弓矢固め」「日本式足折り固め」「フルネルソン・スープレックス」 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・ゴッチは日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ・カールゴッチの本名、生年、人種、出身地、現在地。 ・ゴッチのおかげで「UWF」ができた。 ・アマレスの実力者であったこと。 ・ゴッチのプロレスデビューの地。 ・ゴッチがメダルを取ったという事実。 ・何度かタイトルマッチをしていた。 ・「UWF」がなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・ゴッチがなければ「K−1」「PRIDE」はない。 ・プロレスのマスコミは団体のいうとおりのことしか書かない。 ・強いが人気がなかった。 ・米国では二流レスラーだった。 ・馬場のほうが猪木よりプロレスがうまかった。 ・猪木は馬場よりもランクが低かった。 ・「神様」の称号は猪木が馬場と並ぶためについた嘘だった。 ・ゴッチがメダルを取ったのは嘘である。  これで……各人ごとにわけると……。 ■鐸碑さんの知っている部分 ・「K−1」 ・「マンジ固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ■新木さんの知っている部分 ・「K−1」 ・「マンジ固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」 ・「全日本プロレス」「新日本プロレス」「UWF」 ・カールゴッチという名前。 ・プロレスは強いだけでは駄目である。 ・ゴッチは日本のプロレス界に、強くなるための技術を伝えた。 ・ゴッチはいろんな技を伝えた。 ■弟切さんの知っている部分 ・「K−1」 ・「マンジ固め」 ・「サソリ固め」 ・「PRIDE」  結局、新木さんが一番多くなったのは。  小説家であり、空手経験者、というのがあったので……。  学校の部活だったのか、道場に通っていたのか、流派はなんだったのか、にもよるでしょうけど……。  過去ログ当たったら、学校の部活だったと。  闘うことに興味があるのなら、テレビでよく目にする格闘技――プロレスのことも、一般人よりは知ってるんじゃないのかなあ。  空手をやっている人って、どんなもんなんだろうか。  大山倍達最高! とか言うんだろうか。  いつかはおれも牛殺し、とか。  それは極真の門下だけか。極真の門下生でもそんなことは言わないか。  野球とかサッカーなら、有名選手を意識するだろうけど……。 ■大山倍達  おおやまますたつ、と読む。  日本で一番大きい空手団体、「極真会館」の創始者。  1994年4月26日、没。 ■牛殺し  大山倍達が、己の空手の凄さをしらしめるためにやったパフォーマンスのこと。  空手の威力を見せたい。しかし人間を殺すわけにはいかない……。  よし、牛を倒そう! という考えから生まれた、らしい。  ちなみに、晩年の大山倍達は雑誌のインタビューにて、 「牛を殺したことなんてない」  と答えている。 >短編パターン >>>> パターン3、「女の子」向けと同じです。 >>あっはっは。 >>この「歩くセクハラ」めが、女の子にいったいなにを読ませるつもりだったのだ。  あ。すみません、書きかたがまずかったです。  「女の子」向けのパターン3と同じですが、「女の子」向けではなく、「男の子」に向けて書きたかったです。  そうなると3種類を書くことになるのか。  そうなると、登場人物の名前から性格から、全部変えなきゃならないのか。  うーむ。 >ハルコ  そちらのハルコはきついですね。  こっちのハルコは「おじさん」相手だと……適当にあしらうな。軽蔑的なまなざしで見るな。  そちらのハルコはいい子ですね。  キータイプは速くはないな。  「押しあてられたもの」は……こっちだと小さいな。これは多分一緒だな。  漢字で書くと「晴子」だったりするな。  もともとはRCサクセションの曲から生まれたキャラクターだったりするけど。  まあ、それはさておき。  別に女の子だから、というわけでもなく。  男の子でもおんなじで。  中高生のときなんて、膨れあがった自意識に押しつぶされそうになってる時期じゃなかろうか……などと思ってしまうのです。  おじさんはいまでも押しつぶされそうになりますが。  ジャージだしボウズだしヒゲだしメガネですが。  パンツは……見せるときは気を使います。汚れていたら恥ずかしいし。変な柄だと格好悪いし。  ハルコは繊細そうなんだな。  傷つきやすいんだな。  だから言動がきついんだな。  本当に人目を気にしてないのなら、怒らないような気がするんだな。  ここまで書いてこの話の重力は…… 「2号のおじさんが、自分に清潔で地味な格好をさせたがっている気がするそうで。私はあなたの着せ替え人形ですか」  にあるような気がしてきました。 >1000字課題  今日は1編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=599&e=res&lp=550&st=0  やっぱり6時間。次回は短編にとりかかろう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7053 投稿日 2003年9月11日(木)18時49分 投稿者 新木 伸 >ハルコとイクオ  こんな話を思いついちった。  黒板に「相合い傘」を書かれて揶揄されたら、どうする? と、うちのハルコに訊いてみたところ。  こんなことを言ってきた。あまりにおもしろいので、書き留めておくことにする。 ・黒板に相合い傘の落書き。「ハルコ/イクオ」と書いてある。 ・見つけたハルコ。怒り心頭。「誰」と黒板を背にして、クラスの全員に訊く。 ・もちろん誰も名乗り出てこない。 ・ハルコ、黒板に向き直る。「イクオ」と書かれた部分に二重線を引いて、そこの名前を書き換えてゆき、相合い傘を「ハルコ/これを書いたヤツ」としてしまう。「そうなんでしょ?」とクラスに向けて挑発するハルコ。 ・男子の一人が立ち上がり、「ちがうよ、バーカ」と言ってくる。その男子を追いかけるハルコ。ダッシュで廊下に逃げてゆく男子。 >2号 >>調理の手間を惜しんじゃだめですが……そもそも材料が、どうにも食えないものだったりして。  なまじ、「食えるかな?」とか思う材料でやっちゃうからいかんのだよ。  いっそ、「これどうやっても食えんぞ」というような材料から、腕だけで食えるものを作ってみろ。  それができるようになったら、「食えそう」な材料の調理法なんて簡単にわかるはずだ。  「起床、洗顔、歯磨き」てなお題で、やってみるとか。  「深夜のコンビニ」ってお題でやってみるとか。  生課題用のお題として、いくつか出してたっけ。  ほかになんかないかな?  料理のやりようがなさそうなお題。いくつか自分で出してみそ。 >スケジュール 06:00           起床 06:00〜08:00 (2H)早朝練習(体ほぐし)柔軟、ランニング、形稽古 08:00〜09:00     朝食、休憩 09:00〜12:00 (2H)午前練習(基本練習)突き、蹴り、基本 12:00〜13:00     昼食、休憩 13:00〜15:00 (2H)午後練習(応用練習)形稽古、実戦形式スパーリング 15:00〜16:00     休憩 16:00〜18:00 (2H)柔軟、筋トレ 18:00〜19:00     夕食、休憩 19:00〜20:00     風呂 19:00〜21:00 (2H)夜練習(座学知識)、先輩との対談、格闘ビデオ鑑賞 21:00〜06:00     就寝  ちなみにこれ、わしが空手部にいたころの合宿時の練習メニュー。空手のためだけに生きる数日間。  高専の空手部で、ぜんぜん弱小で、シロウトが寄り集まって空手ゴッコやってるようなところだったけど。  それでもこのぐらいやっていたけど。  血の小便が出たけど。 (本当に血が出るわけではない。異様に色の濃い尿が出るだけ。血のように見えるほど濃い。筋肉を酷使するために、赤血球がたくさん壊れて、尿の色素が濃くなるのが原因)  他にも体育会系の経験者はいるから。京路とか。訊いてみるといいかも。  あとプロレスラーの日課って、どんな時間割になっているのだ?  ちょっと書いてみろ。  それを参考にしたっていいだろ。あれだってアスリートなわけだし。  分室レスは、叩き直さねばならない性根が多いので、初期の頃は増える傾向にある。そのうち落ち着いてくるはず。もうそろそろだろう。だんだん読んで書かなきゃならないことも減ってくる。  そのぶん課題やら、短編執筆やら、そういうほうに回せるはず。  状況が変わってきたら、時間割を組み替えること。  ちなみに僕の場合、分室のレス書きは食事前にやっていたりする。  上記のメニューでいうなら、食事前のランニングみたいな感じ。寝ていた体を目覚めさせるための準備運動みたいなもの。  毎日10キロ走らないと調子悪いんだよ。原稿用紙30枚分くらい書かないと、エンジンかからないんだよ。作家目指してからこちら、もう十数年、日課にしてきてるもんで。  あと練習メニューを考えるなら、スポーツ科学の本くらい読んでみろ。図書館に大量にあるだろ。  人体の仕組みや生理機能に基づく、効率的なトレーニングの仕方ってのがあるわけ。  スポーツ科学は体を鍛える場合の話だが――。脳味噌だって体の器官の一部であるし。小説執筆に向いた脳味噌を作り上げるというのは、脳の活動を鍛えることになるわけだ。  筋肉も脳味噌も、鍛えかたの理屈はたいしてかわらん。  一日何回、フル活動状態に持ってゆくのか。何回持ってゆくのが効率的なのか。休息はどう取るのが効率的なのか。  フル活動状態を何度も繰り替えして行うことで、脳味噌はしだいに活動状態に慣れてくるわけだな。  運動を続けていると、やがて、体を動かさないと気持ち悪い――という状態になる。そうなると自然と体を動かしてしまうわけね。階段を見かけたら、つい、駆けあがってしまう。なぜなら体を動かすのは楽しいことだら。  小説を書くときにも、そういう状態に体を持ってゆくのが、いちばん楽だ。  なにをしていたって、自然と小説のことに頭を使ってしまう。毎日なんか書かないと、気持ち悪い。  そういう状態にまで、まず、持っていけ。小説を書くこと、小説のことを考えることを、日常にしろ。 >2割増量 >>「子供らしさ」……かなあ。  だから、子供らしさって、なんなんだよ?  具体的には、なにをどうすると子供らしくなるわけ?  逆に考えるならば、「大人っぽい」というのは、どういうことなのよ。それを考えることがヒントになるだろ。この場合。 >関節技 >>相手の体をつかみ、関節をねじる、もしくは逆に曲げて、破壊しようとする技のこと。  相手の体を掴む、というのはわかるんだけど。  でも関節をねじるって、どういうこと? あと逆に曲げて――っていうんだけど、逆に曲がらないじゃん。関節って。そういうもんでしょ?  それに「破壊」なんて言われたって、俺、自分が関節を破壊されたことなんてないし、破壊されたところなんて見たことないし、想像もつかないのでわからないんだけど。 >プロレス用語、並び替え  鐸碑さん、舐めきられてますなぁ。  僕より鐸碑さんのほうが詳しいのは、レスのやりとり見てても明らかだろうが。  「作家」ってだけで色眼鏡で見るな。作家だろうがなんだろうが、知っていることは知っているし、知らないことは知らないのだ。  しかし2号、プロレスのことはそこそこ知っていても、空手のことは、ぜんぜん知らんのだなぁ。  流派がいくつあると思う。  ひょっとして「極真」だけしか知らんのと違う?  ひょっとして空手の知識は、一般人レベル?  一般人だって「極真」くらいは知っていても不思議はないぞ。大山倍達と牛殺しの話とかね。  空手について知っていることを、すべてぶちまけてみそ。  詳しい人なら本一冊ぐらい余裕で書けるぐらいの量になるわけだが、お前の場合、20〜30項目で終わりだろ。たぶん。そのぐらいなら、すぐ書けるだろ。 >No.32  読ませたいものがはっきりしていない。「これ」という一個が存在しない。  そのために話全体がぼんやりしている。  また一個一個の読ませたいものを、どう読ませてゆくのかということに注意を払えていない。  「蚊取り線香の懐かしさ」を描くのなら、数行くらいは、それだけに集中して書くとか。  ここでなんとしても蚊取り線香でノスタルジーを感じさせてやるぞ、とか、目的意識を持って取り組むこと。  漫然とやってたって、うまくならん。  ちなみに、普通は、その「集中する一個」というのは、「メイン」となる一個なわけね。  メインのネタが定まっていない時点で、今回の掌編は失敗している。 >マイクとヘッドセット  うちには、そこらに2〜3個転がっていたりするが。  送ってやるとしても、送料かかるんだよな。まあこっち持ちで送ってやってもいいか。  あとパソコンにマイクとスピーカー端子があることを確認してからでないと、送っても無駄になってしまう。  最近のパソコンなら、まず、間違いなくマイク端子はついていると思うけど。  マイク端子があるのなら、メールでわしのところに住所を送るのこと。宅配便を使うかもしれないので、電話番号と、引き取り可能時間もね。 >中高生の頃 >>中高生のときなんて、膨れあがった自意識に押しつぶされそうになってる時期じゃなかろうか……などと思ってしまうのです。  さて、どうだろうね?  それはお前の記憶に残るところの、「中高生の頃」だろ。  その記憶が正しい保証は? 自分の中高生時代が、その記憶通りだった確証は? 日記でも付けていたなら、読みかえして検証することもできるだろうけど。そういうの読みかえして言っているわけじゃないだろ? おじさんとなった自分の「思いこみ」でないという保証はあるのかい?  また、その記憶が正しかったとして――。  それが現代の中高生にもあてはまるという確証は?  膨れあがった自意識に押しつぶされそうになっている中高生をきっちり描いた話を、きっちり書き上げたとする。  でも、いまの中高生の読者は、それを読んで「等身大の主人公」に共感してくれるのかな? できるのかな? いまの中高生の悩みや感性ってものは、お前の中高生時代(12年前か)とは違っている可能性もあるわな。  鷹見さんが、すこしまえに、「物語はすべてファンタジー」という話をしている。  物語のなかに語られる世界は、現実と違っていてもいいんだよ。現代ものを書いていたって、しょせんは、ファンタジーなんだから。  牛乳を吹き上げて、女の子が「馬鹿ねぇ」と言ってくれるファンタジー世界でいいわけ。  読んだ読者に、それを信じこませてしまうだけの力があればいい。  そのためには、まず、作者自身がその世界を信じなければならない。  自分が信じてもいないものを、人に信じこませることは不可能だ。  「押しつぶされそうになってるのではなかろうか」なんて疑問形で言っているのでは、永久にダメだ。永遠に「納得力」は得られない。「納得力」というのは、読者を納得させてしまう力だ。説得するのではない。納得させてしまうのね。  作者自身が疑問形で言っているような話。  そんな弱腰で書かれた弱々な世界観なんか、読者から「嘘くせぇ」と一笑されて終わりだ。  「押しつぶされそうになっているのです」と、断言しろ。  自分で疑惑を持っているような状態から、確信して断言できる状態に至るためには、なにがどれだけ必要になるのだ?  エウレカしちゃって確信しちゃうだけじゃ、単なるアホウだよな。ただ思いこみの激しい人でしかない。 -------------------------------------------------------------------------------- 腹の中と頭の回転・他 No.7054 投稿日 2003年9月11日(木)21時48分 投稿者 鐸碑  脳は糖以外のエネルギーを利用できないので、糖を取ってないとガソリンの無い車と同じで動けません。しかし、人間は動物なので欲求がないと動く気力がでません。車で言うとアクセルを踏んでくれる誰かがいないと動かないって所です。  人間も動物なので、食欲や睡眠欲、性欲といった生理的欲求が満たされていると、何かをしようという気力が鈍ります。これはエネルギー消費を抑える本能が『休みたい』と主張している状態です。  特に食べたばかりの時点では、胃腸が消化活動をする為にエネルギーをよこせと要求するので、脳にエネルギーが行きにくい状態になります。  本能が休みたがり、生理学的にも脳にエネルギーが行きにくい状態なのが食後です。この状態では、本能や身体は思考のアクセルを踏んでくれません。  一方で空腹っていうのは、生存の危機的状況です。だから本能が何とかしろって要求してきます。何とかする方法を考える為に頭が冴えてくる訳です。これが本能と肉体が思考のアクセルをベタ踏みしている状態です。人が狩猟採集生活を行っていた時代には、この空腹頭を使って獲物を取る方法を考えていたんでしょう。しかし、アクセルは全開だけどタンクには余りガソリンがないので持続力に問題があります。  本能や肉体に頼らず、理性で手綱をとって思考のアクセルを踏み込める様にしましょう。人によって色んなアクセルがあると思います。責任感とか、目標とか、誇りとかそういった動物の持たない理性的な理由でアクセルを踏み込める様になれば、空腹時並みの回転でより長く、思考力は回る筈。  エネルギーを取ることと満腹時の弛みを避ける事のバランスを考えると、食事の後は集中力が余り必要じゃないスケジュール(入浴とか軽い運動とか)にする方がベターでしょう。後は、本能を飼い慣らす事、腹が満たされても別の飢餓感があれば集中力は生まれる筈です。  新木さんの方法論は、身体の(この場合主に脳の)習慣付けって事ですね。最初の内は無理してでも身体を使っていく事で、身体が使われる事に慣れて自然に使われるべく準備をするようになる。エンジンは勝手に回っているんで、ギアを繋げば走り出す状態ですね。走ってやらないと、なんか書いてやらないと空吹かしするエンジンが悲鳴をあげると。  説得された状態の心理と納得させられた状態の心理 ・説得された人『まあ、納得はできないけどその考え方にも一理あるだろう、ここはそういう事にしておいてやろう』 ・納得させられた人『うん、納得その通り』  納得させられると、すんなりと読み進められます。説得されて納得させられてない状態と比べてテキストにして4分の1位の負担ですからね。  学術論文なら説得力がより大事ですが、エンターテイメントな文章であれば、説得力よりも納得力の方が大事ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 「説得力」と「納得力」と「まったく力」 No.7055 投稿日 2003年9月11日(木)23時16分 投稿者 鷹見一幸  説得力の話にちょいと絡みます。  説得力より強いのが納得力。そしてさらにその上に「まったく力」というのがあるそうだ。  相手に「そうかもしれない、まあそんなこともあるんだろうな」と思わせるのが「説得力」で  相手に「そうだ、そのとおり」と思わせるのが「納得力」 んでもって  相手が「いや、まったくそのとおり」と言って、こっちの仲間になっちゃって他の人を説得して回りだすようなのが「まったく力」  商売にするには最低限でも「納得力」より上の力が必要。というか「まったく力」がないと、読んでくれた読者が、友達に「これ面白いよ、読んでごらん」と言ってくれないから、口コミで本が売れないよな(笑)  作家ってのは、もっともらしいウソをついて、なおかつ読者から金と時間をふんだくるという、とんでもない職業なわけで、そのウソをつく人間が自分のウソを信じてなけりゃ、絶対に他人様は信じてくれない。 「まさか〜、そんな馬鹿なことありっこないよぉ!」と思わせて、その心のどこかに「……でも、ホントかな? ホントだったら面白いな」と思わせなくちゃならない。    以前、マンガ家の友人のところに遊びに行って、深夜、夜食を買いにコンビニに行ったとき、おにぎりや、弁当のたぐいが全部売り切れていたことがあった。  コンビニの空になった陳列棚を見て友人が 「この時間に、全部売り切れということは今まで一度も無かった」 と首をかしげていたので、よく聞いてみると、その友人はほぼ毎日この時間に買い物に来ているのだが、いくら売れていても完全に空っぽということは、一度も無かったらしい。  俺は、思いつきでこう言った 「これは大地震の前兆かもしれないぞ」  んでもって笑った友人に、マジな顔でこう言ってやった。 「笑うなよ、天変地異の前に動物が様々な異常行動を取ることは、有名な話だしお前も知っているだろう? だとしたらそういった本能は人間に残っていてもおかしくはない。人間の本能が、天変地異を予測して、食糧の確保と備蓄するように深層意識に呼びかけたんだ。深層心理が大脳皮質の表面に浮かび上がるのは寝入りの瞬間だ。俗に言う夢うつつ、というときだな。 だから、この売り切れは、その深層意識の呼びかけを聞いた人間が食糧確保行動を起した結果に違いない……おそらく十二時間以内に東京を震度六以上の巨大地震が襲うだろう」  友人は、一瞬本気の目で聞いた。 「マジか? それ」  まあ、大笑いしたんだけど、自分で言っておきながら少し怖かったのは、やっぱりどっかで自分のついたウソを信じていたんだと思う。    でも、もしも、ある日の夜、東京中のすべてのコンビニのおにぎりや弁当が売り切れになったとしたら、それはそれで怖いかも知れない。  それは「あるわけない、でも、あるかもしれない」と思わせる出来事だからね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 月神と戦神の邂逅[かいこう] No.7056 投稿日 2003年9月12日(金)01時10分 投稿者 弟切 千隼  今夜は十五夜です。湘南の夜空は晴れて、お月さまがまあるく白く輝いています。そこから少し離れたところに、煌々たる月光にもめげず、火星が赤い光を放っています。  こんな美しい十五夜には、今後一生遭えないだろうと考えた弟切は、毎年お供えする十五夜のお菓子をいつもより増やしました。今回は火星にお相伴していただこうと思いまして(^_^) >>1000字課題 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  ここでのサイードは、90%くらいの確率で、アーイシャの足音だろうと推定しています。  この時、サイードはアーイシャと二人で別荘に来ています。アーイシャは学校が長期休みの最中で、両親が宇宙に行っている間、祖父と共に別荘で生活しています。サイードの一族は上流階級でお金持ちなので、別荘を持っています。   サイードは、自然が豊かな土地で静かに暮らすのが好きなため、別荘の周辺にはあまり人家がありません。別荘にいるのはサイードとアーイシャの二人だけです。この状態で人の足音を聞いたサイードは、それがアーイシャのものだと思うのが当然ですね。  それでも、誰かが訪ねてくるという可能性がないわけではありませんから、おおよそ90%の確率で、サイードは足音をアーイシャのものだと推定しました。  また、ここは砂漠地帯が多い中東の国です。踏み分けて歩かなければならないほどの草が裏庭に生えているということは、この国では稀にしかない潤った土地であることを示しています。砂漠地帯では高級別荘地になる土地です。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7057 投稿日 2003年9月12日(金)02時15分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>ここでのサイードは、90%くらいの確率で、アーイシャの足音だろうと推定しています。  ああ、なんだ。  べつになにかを狙ってやっていたわけでなくて、ただ単に、5W1Hをやってただけなのか。  たぶん鐸碑さんもそうだけど、けっこうな数の読者が、そこになにかあるのだろうと感じてしまっていたわけだよ。  サイードは100%、アーイシャだと気づいていた。  ――そういうふうに読んじゃったわけね。  なぜそういうふうに読んでしまったのかというと、そのほうが心地良いから。そういうつもりで読むと、無属性の部分が、かなりの量、無属性でなくなってくれるから。  目が肥えていて、良質の小説をたくさん読んでいる読者ほど、その傾向が強いはずだ。  さて、サイードが100%アーイシャだと気づいていたのだとすると、その無属性の部分はどんな種類の「果汁」にかわるのだろうか? -------------------------------------------------------------------------------- 誤読のこと No.7058 投稿日 2003年9月12日(金)03時26分 投稿者 巻島翔史 >>また誤読してしまう「読者の範囲」を明確に定義せよ。 >>その読者範囲は、あの作品の読者層のうちの何割ほどを占めているのかを定義せよ。  範囲、ですか。  まず、育児経験のある女性がそこに含まれるでしょう。  これはまあ、細江さんの書き込みを参照にした見解ですが、どうもその層の女性には、イクオは幼すぎる子どもに見えてしまうらしい。そしてそういう子どもを見ると、世話をしなきゃ、という思考が働いてしまうらしい。 (このあたりの精神の働きは『現象』としての理解しかできません。ああ、そうなるんだなという感じの納得。世話をしたくなる『実感』というものはオイラにはない)  子どもの世話、という観点で行くと、中高生のなかでも年の離れた弟や妹がいる人の場合は、誤読が生じる可能性がありますね。彼らが普段から弟や妹の世話をしていた場合、母親と同じような心理にあそこでなってしまう可能性があるからです。  弟妹はいるけど、世話をしていない場合は……どうだろう。当然、弟や妹が普段自分の親に世話されているのを見ているはずです。単に見ているだけなら、あの場面、イクオを世話したいと思うようになるか。  大半はならない、でしょう。なぜならまず、その場合のハルコというのは「世話したいと思った自分」の化身なわけです。ということは、自分で世話したいと思わなければそういうハルコは出てこないわけで。  彼らに「世話したい」という気持ちがあれば、普段から親の手伝いをしているでしょう。  ああ、ここまで書いてマズいことに気づきました。  育児経験のことを書いて、「父親」層のことを書くのを忘れていました。  しかし現実的に、育児に加わる父親というのは希少な存在です。皆さんの回りで、そういう人が思い浮かびますか? (べつに男が育児に参加しないのが正しいとか、そんなことを言いたいわけではないので。念のため)  ということは、母親(自分の奥さん)のすることを見ている、という意味で、上の「見ている中高生」と同じ扱いになるのでしょうか。  あとは、育児経験もなく、小さい弟妹もいない若年者ですね。  母性というからには、当然女性のほうがそれを有する率が高いと思われます。  よって、男の子より女の子のほうが誤読率は高い。  それから、二次性徴以降の女の子は、この年ごろの男の子のバカ行動をかなり冷ややかな目で見ています。これは中1のときに実際に体験済み(笑) バカにやさしくしようなんて発想はカケラも出てきません。  男の子は、女の子ほどは冷めて見てはいないですね。ただ理由が見えてこなければやっぱりバカ扱い(冷たい視線)ですが。  冷ややかな目で見るということは、世話したいなどとは絶対に思わないということです。母性も持ってはいるのでしょうが、それよりも冷ややかさのほうが勝ってしまう。よって誤読しない。この女の子(ハルコ)が世話なんてするわけないじゃん、と。  男の子の場合は、どうだろ。ゲロったあと、自分の好きな女の子に処理までしてもらって、保健室連れてってもらって――っていうのは、普通プライドが許さないと思います。  ましてや、その子のために牛乳飲んだのに。 『バカなのは、イクオにだってわかっていた』じゃ済みませんよ。ハルコを急いで追い出して、そのあと恥ずかしさのあまりにひとりで泣きます。 (で、保健の先生に体の具合が悪いのかと訊かれて、慌てて否定することになるんですが。それはまた別の話)  総括すると、育児参加層はほぼ全滅。弟妹がいる層も、完全に見てるだけってのはそう多くないんじゃないでしょうか。よって6割アウト。  その他は、男の子は9割以上誤読しないでしょう。女の子は少し下がって8割5分ぐらい。  で、この話の『読者層』なんですが。  ほんとは2号さんに訊いてみたいところなんですが、まあ個人的に判断してしまいましょう。  この話。まずライトノベルというレッテルを貼ろうとしていたことは確実なので、当然、ライトノベルの読者層と年齢層的には同じになります。  だから10代〜20代前半が主流かな。その層だけで8割いくでしょう。  あとは20代後半、30代の未婚者が続いて。それで9割5部に達するはず。  男女比は、どうかなぁ。まったくなんの飾りつけもせずに書店の角に置いとくと、手にする男女比は五分五分になると思うけど。(書店のライトノベルコーナーに来る男女比がイーブンであると仮定して、ですが)実際には装丁とかペンネームとか諸所の条件があるしなぁ。 (この掌編の男女比を、そこまでの条件想定で考えるべきか、という疑問はさておいて)  まあ売り出すとしたらやっぱり男の子向けでしょう。まず2号さんの特質がまったく女の子に向いていない。だからペンネームもそういうふうになる。装丁も言わずもがな。  9:1ですかね。男:女で。  では、『読者層』のうちの何割ほどを、誤読する人が占めているのか。  まず多数派の男の子側ですが、このなかで誤読しそうなのが育児参加父親と、幼い弟妹がいて世話をしてる子。  このうち、育児参加父親は年齢層と父親内での割合の低さからいって、ほとんど無視できるでしょう。  世話してる男の子は……まあ、無視できる割合でしょうかね。折りしも少子化で、年の差きょうだい自体がかなり珍しい世の中ですし。 (ワシの同級生でも、学年全体でで10人もいなかったはず。大半が5年以内のきょうだい)  すなわち、男の9割は誤読しない、となります。  女の子のほうは、まず母親層が年齢的なものから無視。世話する女の子も前述の理由から無視。  よって、女の子も8割5分は誤読しない、とします。  あとは計算式。  90×90=81%  10×85=8.5%  81+8.5=89.5%  つまり、読者層のほぼ9割は誤読しない、1割が誤読してしまう、ということになります。 >>この誤読、どうやれば潰せる? 回避できる? ◆まず1、ベタに誰が世話したか書いちゃう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  皆が先生に言われてしぶしぶ床を掃除するなかで、イクオは保健室に連行されていった。冷たいハルコの視線に見送られながら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  とか。  あ、先生がいるいないってのは、そもそも明示すべきなのですかね。  中学校の給食って、基本的に先生も教室で食べるもの?  それが一般認識なら、抜いてしまってもいいと思う。  ちなみに弁当食だったウチの中学の場合は、先生は教室で食べたり職員室で食べたりいろいろでした。一度、担任の先生が休まれて、副担の先生とお昼を教室で食べることがあったんですが、その先生がみそ汁を持参してきていたことが強烈な記憶として残っています。  しかしあまりにも、ベタに書くのは目指すべきハードルとして低い。1000字しかないんだから、こういうところはなるべく説明ですまして字数を稼ごうということも考えようによってはあるかもしれませんが。(実際、オフのときみたいな一時間課題だったら、俺はベタに書きます。誤読されない最低ラインを考えるだけで精一杯だろうし)  せっかくなので違うことも考えてみる。 ◆その2、ハルコの性格から。  具体的に言うと、イクオのことに関しては人の目を気にしている設定にしてみる。  誰も来ないであろう時間になるまで、保健室に来なかった、とか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの保健室。  少年は、うつろな目でベッドに沈んでいた。 「あんたって、本当にバカだね」  そこへ少女の声が、普段以上の冷たさで降りかかる。 「うるせーよ、ハルコ。いまごろ来て言うのがそれかよ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うーん。これじゃ避けきれないかなぁ。ハルコが世話して、その後処理に時間がかかって遅れてきた、という解釈もできるし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「なんだよハルコ。べつに心配なんか、してなかったくせに」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうすると、ハルコが世話に参加してないって、なんとか伝わるでしょうか。変なふうに解釈されるのを怖れて、事件直後のイクオに近づかなかったわけね。  台無しにしてしまう誤読をつぶすっていうのは、まず誤読される可能性のあるところを見つけなきゃいけないわけで。  でも自分自身でそれを見つけるのは、なかなか難しいでしょうね。  本人のなかでは、すごく補正されて読んでしまうから。  場面場面のコンセプト。章全体のコンセプト。話全体のコンセプト。なるほど、プロットからちまちま組んで話を書いて見ると、そういうのを意識することがいかに大事か、実感としてよくわかります。とくに場面コンセプトの意識は、プロット組まないと絶対にわからなかったろうなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- 腹が減る No.7059 投稿日 2003年9月12日(金)08時10分 投稿者 名無し君2号  やたらお腹がすく。別に動いてないのになあ。 >食えない材料 「夜明けのコンビニ」「洗濯」「洗濯板」「泳ぐ金魚」「納豆に殺到」「愚鈍なうどん」「ひまわりの種」「ゴムとガムとカム」「豆乳」「沈みかけ」「どんぶりめし」「おかわり」「ものほしざお」「残飯」「お茶漬けのり」「犬にまたたび」「薔薇と百合」  料理できそうにもないなあ、というのをあげてみました。 >プロレスラーの日課 9;00 起床、食事 10:00 ウォーミングアップ 10:30 ウェイトトレーニング 11:30 腹筋、背筋、ブリッジ 12:00 関節技を主体にしたスパーリング 13:00 プロレスの練習 15:00〜 自由時間  試合のないときで、こんな感じです。団体での練習はこれだけで、あとは自主的な練習。だいたい2時間ぐらいはやるようですが。 >>なにをしていたって、自然と小説のことに頭を使ってしまう。毎日なんか書かないと、気持ち悪い。 >>そういう状態にまで、まず、持っていけ。小説を書くこと、小説のことを考えることを、日常にしろ。  逆に言うと、そういう状態になれなきゃ、とても30までには間に合わないですね。  いまのプー太郎状態をいつまでも続けられるわけもないし。  このときを大切にしないといけないし。 >「かわいさ」2割増量 >>逆に考えるならば、「大人っぽい」というのは、どういうことなのよ。それを考えることがヒントになるだろ。この場合。  大人っぽく見えるのはどんなときなのか考える。 (1)言葉使いが大人のもの。 (2)感情が簡単に揺らがない。落ち着いている。 (3)背伸びをしない。見栄をはらない。 (4)頼りがいがある。  逆にするならば。 (1)言葉使いが子供のもの。 (2)簡単に感情が揺らぐ。落ち着きがない。 (3)背伸びしたがる。見栄をはる。 (4)頼りがいがない。  これが子供っぽいということか。  でも……。  あてはまりそうなのは、(1)言葉使いが子供のもの、ぐらいしかないんだよなあ。  まだ考えが足りないようだ。 >関節技  うーん。  いい説明があるはずなんだよな……。ちょっと考えます。 >プロレス用語、並び替え >>空手について知っていることを、すべてぶちまけてみそ。 ・中国から伝わった武術である。 ・唐手が空手になった。 ・まず琉球(沖縄)に伝わり、那覇手、首里手の二系統に別れる。 ・那覇手が剛柔流、首里手が……忘れた、に伝わる。 ・極真会館は大山倍達が創始者。 ・元極真会館の門下生が、いろんな団体を旗揚げした。 ・元極真系としては、「葦原会館」「正道会館」「士道館」「大道塾」がある。 ・大山倍達が死去したあと、三派に別れる。 ・松井章圭の「松井派」、大山倍達の遺族が率いる「遺族派」、あとなんだっけ。 ・古流空手に蹴り技はない。 ・ウィリー・ウィリアムスは熊殺し。 ・新日本プロレスと極真会館は揉めたことがある。 ・極真は梶原一騎原作の「空手バカ一代」でブームが起きた。 ・「空手バカ」に書かれていることの7割は素敵な嘘。 ・極真松井派の世界大会、一番最近の優勝者はブラジル人のフランシスコ・フィリョ。 ・準優勝は日本人、数見肇。 ・数見はこの前、極真を脱会した。  ……ぐらいしか知識はないです。  型とか攻撃のしかたとかは、ほとんどわかっていません。  正拳突き、手刀、肘撃ち、下段蹴り、中段蹴り、上段蹴り、かかと落とし、廻し蹴り、後ろ廻し蹴り、胴廻し回転蹴り、目つぶし、関節蹴り。 >マイク  マイク端子はあります。  うーん、でも、なんか、物を貰うというのに抵抗があるんですよね。  ……なんでだろう。なんか、こう……うーん。  なにに抵抗があるのか、ちょっと分析してみます。 >中高生の頃 >>「押しつぶされそうになっているのです」と、断言しろ。 >>自分で疑惑を持っているような状態から、確信して断言できる状態に至るためには、なにがどれだけ必要になるのだ?  自分の疑問点を抜き出して、ひとつひとつ潰していくしかないです。  なんにも疑問がなくなったなら……。  本当にそれでいいのか、再度検証。  それでもでてこなければ、断言できるでしょう。 >1000字課題  とりあえず一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=600&e=res&lp=550&st=0  今日は病院にいかなけりゃならないので、こんなところで。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ No.7060 投稿日 2003年9月12日(金)09時34分 投稿者 鐸碑 >>食えない材料 >「夜明けのコンビニ」「洗濯」「洗濯板」「泳ぐ金魚」「納豆に殺到」「愚鈍なうどん」「ひまわりの種」「ゴムとガムとカム」「豆乳」「沈みかけ」「どんぶりめし」「おかわり」「ものほしざお」「残飯」「お茶漬けのり」「犬にまたたび」「薔薇と百合」  折角出したんだから、食べられない理由を軽く考えながら、全然食べられそうにないものから、少しは食べられそうな気がするものまで序列をつけて考え直してみては如何でしょう?  パッと考えて食えなさそうと思ったものでも、考えてみると実は美味しく食べられそうな物も混ざっていそうですし、他の食えなさそうな物も見つかるんじゃないでしょうか? >>>空手について知っていることを、すべてぶちまけてみそ  これですが、プロレスでやったみたいに一般的にも知られてそうな序列をつけてみてはどうでしょう。  あと、そもそも空手って何? って問に名無し2号さんはどう答えますか? 余り詳しくなさそうな一般の人はどう答えそうですか? **うぉー、当初予定になかったのに3連休が急遽ピンチヒッターで出張だよぉ〜。3連休に遊ぶ為に態々ゲーム1本買ったのにぃ〜。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7061 投稿日 2003年9月12日(金)18時44分 投稿者 新木 伸 >2号  空手のこと。  いわゆる伝統空手の分野が弱いわけね。極真以降っていうか、フルコンタクトの分野は格闘ファンとしてはそれなりに知ってるわけね。  ちなみに僕は空手はやってたけど、空手については詳しくない。2号のほうがぜんぜん詳しいだろう。  僕は空手をどうやって、それがどういうものなのかは体験として知っている。しかし格闘ファンが知っているようなことは、ぜんぜん知らない。  この差がわかるかな。  格闘シーンを書くのに必要なのは前者であって、後者ではない。  しかし蘊蓄を語るのに必要なのは後者であって、前者ではない。  2号の書いた剣法シーンがつまらなくて、迫力がないのは、2号の持っている剣法知識が後者であるため。  もしモノになるものを書きたかったら、1ヶ月でも3ヶ月でもいいから、どこかに入門するべきでは? 月謝払えば教えてもらえるぞ。  あと格闘シーンをウリにしている作家っていうのは、たいてい、なにかしらの格闘技経験があるものだよ。  体力的なことで自分で体験できないのなら、道場の隅で正座して見学させてもらうとか。見ているだけでも、だいぶ違うが。  極真内部で派閥争いが起きているとか。今年の大会覇者は誰で、その人はいまどうしているかとか。  格闘ファンの知っているようなことは、格闘ものを書くのに、たいてい、役に立たないものなわけ。  おまえは自分の中の知識を、区別していないのだ。  小説を書くのに役立つ知識と、格闘ファンと会話するときに役に立つ知識と、同じレベルで考えている。  だから自分は知識がいっぱいあるとあぐらをかいて安心してしまっている。  剣法ものの剣法シーンを書くときに必要な知識とか、格闘ものの格闘シーンを書くときに役立つ知識とか――そういう観点で計った場合に、自分がいかに物を知らないのか、わかっていない。  だから自分が「できる」と錯覚してしまって、やっちゃうわけ。  剣法ものの剣法シーンを書くにあたり、役立ちそうな知識を、自分がいまどれだけ有しているのか、列挙してみそ。  「たとえばこんなふうな〜」とか、そうしたヒントは一切出さないでおく。  リアルな剣法シーンの描写に役立つと思う知識を、書き連ねていってみそ。  ああ、ついでに「プロレスもの」のほうもやってみるか。  リアルなプロレスシーンの描写に役立つと思う知識も、列挙してみよ。 >プロレスラーの日課  ばかやろう。  オマエが知っていることを、きちんと書けと、そう言った。  なんでおまえは、「自分が知っているから他人も知っているはず」というアホな考えから抜け出してこないんだよ?  なんで、自分と他人とを同一視しちゃうわけ?  おまえと俺とは別人なの。  あたりまえのことだろうが。  いちいち言わねーと、わかんねーのかよオマエはよ。  おまえが知っていることを、俺は知らないわけ。  基本的に、あらゆるすべてを知らないのだと、そう思え。  たまたまなにかの偶然で、おまえと俺とは同じ知識を有することがあるかもしれない。だがそんなことは奇跡に近いことなの。  プロレスラーの時間割。  「自由時間で〜」とあるが、その自由時間に、彼らはなにをしているのか。そこがもっとも大事なところだろうが。  知っているなら、書け。  知らないなら「自分も知りません」と言え。  ところでレスラーは昼飯は食わんのか?  だとしたら、それ、俺初めて知ったよ。  朝に一食採ったきりで、一日中、練習するのか凄いなぁ。 >かわいさ2割増量  言葉遣いが子供。――ということの正体を見極めろ。  どういう話しかただと、子供に見えるわけ?  あと「感情が揺らぐ。落ち着きがない」というのは、どう、言葉遣いに現れてくるわけ? 具体的には? >1000字課題 >No.33  わけ、わかんねー。  あれがどういう話で、なにがどうなって、どこのところが面白いところなのか。  俺に教えてくれたまえ。  あの物語の食いかたを教えろ。  本当に、なにがなんだか、わかんねーんだよ。  なんか男が女に料理を出してきて、女がなにか文句を言っているようだが。男はなぜ料理を出しているのか。女はなぜ文句を言っているのか。話はどう落ちているのか。 >弟切  1000字の「科学者と孫娘」の話。  弟切はなんか裏設定から、あの場所が別荘地であって、近くに人家はなくって――なんて言ってくるけど。  読者はそんなこと全然、知らんから。  あのシーンの冒頭。  男がいて、そこに女の子がやってくるわけだよね。はじめは足音だけ。  ちなみに「男」は、ここではまだ男であって、まだ老人だとも決まっていない。  まあ普通に読むなら、あそこは「男と女の子」が住む家だと思うわけだな。すくなくとも、「男」はあの家に住んでいる。それは間違いない。  女の子のほうは、近くの家の子で、遊びに来ているだけなのかもしれないが……。まあ、家の子と考えるべきだろう。  女の子が「あの家の子」と思うか「よその子」と思うかどうか。あの4行を読んだ時点では、半々ってところだろう。「たぶん○○だと思うけど……。まだよくわかんないから保留しておこう」という読者が大半のはずだ。  この件については、もう数行以内に確定してやればいい。  さて。  「裏庭」があって男が植木の世話をしているわけだ。本当に茶を淹れようとしているだけなのかもしれないが、すくなくとも俺は「なんか作業をやっていて一段落付けた」と見た。場所が裏庭だったんで、おじいさんなら植木の世話――と、短絡してそう考えたが。  一家の大黒柱であるはずの「男」が植木の世話なんてしているってことは、まあ、裕福なのだろう。相当の余裕がある金持ちか、さもなければ男は「稼ぎ手」から引退したような老齢であるのだろう。  はじめは「父親かな」とか疑念が浮かぶが、5W1Hが終わる頃には、「おじいちゃんなのだろうな」というところに落ちているはずだ。  そこまで。  あの書きだし4行において、読者に伝わっているのは。たったそれだけ。  すると、あの家の近辺には、当然、民家があって然るべきなわけだよ。  だって読者には、あそこが別荘地だなんてわかるはずもないし、高級別荘地だなんて知る由もない。  すると読者はどう読んでしまうのかというと、男は足音を聞いただけで、相手がアーイシャであるのだと分かってしまったことになる。  近くの子供が迷いこんだのかもしれないし、お隣の奥さんが余った料理をお裾分けに来たのかもしれないし、散歩途中の男性が挨拶に来たのかもしれないのだが――でも「彼」はそれがアーイシャであるとわかってしまったのだよ。  ここの誤読の仕組み、わかったか?  ならば――。  誤読させないように書くのなら、どう書けばいいのか、検討せよ。 「この別荘地には二人のほかに人はなく、サイードはその足音がアーイシャのものであると、すぐにわかった。」――とか書いちまうのが、いちばんベタで、いちばん楽ちんで、いちばん確実で間違いのない方法なのだが。  それは禁じ手であるとして、使わないことにして、それ以外の方法で誤読させないように書くやりかたを模索せよ。  ベタに説明しちゃうのなんて、いつだってできる。化学調味料を大量にぶちこめば、料理は「うまく」なるのだ。  だがプロを目指すなら、それ以外の方法で「うまく」できるようになっておかねばならない。  習作なら「より難しいほう」で練習せよ。 (でも俺たち的には、ここ、俺たちの誤読した方向で読ませてくれたほうが愉しいんだけどね。「サイードは100%確信していた」という方面で誤読させないように書いて欲しいところだな。その路線も検討してみそ。また、なぜそっちのほうが俺たちは愉しいのか、考察のこと) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7062 投稿日 2003年9月12日(金)19時50分 投稿者 新木 伸  しゃぶしゃぶを食った。半分ブタ肉で、半分オーストラリア産の牛肉だった。  家で。ガスコンロで。土鍋でもって。  しゃぶしゃぶ専用の銅鍋もあったりするのだが、土鍋のほうが色々と使い勝手が良いもので。  春雨がたいへんおいしかった。べつに特別なものでもなくって、ハートマークの安心素材の、安い春雨なんだけどね。  きっとこの春雨を作った人は、一日中、朝から晩まで春雨を作っているのだろうな。一年中、春雨だけを作っているのだろうな。  工場のオバさんだかオジさんだか知らないが。大変だなぁ。ありがとうございます。  そして、だからこそ俺も、朝から晩まで小説のことをやっているわけだ。  まあ、おんなじことだな。  ひとつのことだけをやっていて、こうして住むところももらえるし(アパートは大工さんが建てた)、色々とおいしいものも食べていけるし、服も着れるし、床屋にいけば髪を切ってもらえるし、なにからなにまで世話してもらえるこの社会って、いいもんだなぁ。 >2号 >物をもらうことへのこだわり  なににこだわっているのか、まったく、わからん。  てか、その考え、理解して納得してしまうと、俺、すげぇ怒らないとならないところなのでは?  物をもらうのは、なんかまずいことなんだよね。タダでもらっちゃうのはイケナイことであるわけで……。  でも、物を教えてもらうのは、ぜんぜん、かまわないんだよね。  そちらに関しては、タダで、いくらでも教えてもらってかまわないわけだ。  そうなのか?  このあいだ、年金に関することで相談センターに出かけていったんだけど。(俺、まだ未加入なもんで)  「知っている人」に話を聞いて、説明してもらう――ただそれだけのためだけに、3時間も4時間も待たされたが。  俺は「教えてもらう」ってのは、そういうことだと思っているから、べつに不満も感じなかったが。  ノートパソコン持っていってあったから、原稿書いて仕事してたし。  オマエはすでにタダで教えてもらってるんだから、タダで物をもらうことも遠慮するなっての。  半人前のヤツが、周囲に世話をかけまくって、自分の吐き散らしたゲロの世話をしてもらい、オシメまで換えてもらったりするのは、それはあたりまえのことなの。  人間ってのは、おぎゃーと生まれてしばらくは、そういうもんなの。  カラダが大人になってからだって、仕事の面では、人間はそういうことをやってしまうわけ。人が仕事を覚えて一人前になってゆく――というプロセスの連鎖のなかでは、半人前の小僧が、一人前の人間に迷惑をかけるってことは、仕方のないことなんだよ。  いずれそこから抜け出して、こちら側に来るつもりのあるやつが相手であれば――まあ自分に我慢できて、自分に負担できる範囲内で、ガキと小僧の世話をしてやるつもりはあるわけ。こちら側としては。  で、お前がいずれ絶対にプロになるつもりであるのなら、ヘッドセットの1個ぐらいやるよ。うちに転がってるし。いま使っている「使いやすいやつ」にたどりつく前に、いくつか試して、使わなくなったやつがあるし。余り物だが、使わないで置いておくのはもったいないし。  そのかわり、無駄にすんなよな。  文章の「重心」を身につけるために役に立てて、さらにプロになるために役に立てて……。そうすりゃ、チャラにしてやる。 -------------------------------------------------------------------------------- 十六夜[いざよい]なのに熱帯夜なんて No.7063 投稿日 2003年9月13日(土)02時32分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は、昼間の気温が33℃に達しました。現在も気温は25℃を下回らず、熱帯夜です。  八月に涼しかったからといって、九月にその分の暑さを返してくれなくてもいいのに、と思います。こういう天候に関する苦情は、竜神さまに申し立てるべきでしょうか? >>1000字課題 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  冒頭のこの部分は、単に5W1Hを表わしているだけなのに、多くの読者さまに「それ以外の何かがある」と誤読されてしまうことが判明しました。  なぜそのように誤読されるのか、誤読されないためにはどうしたらいいのかを探ります。  その前に、この冒頭部分で読者さまに与えられる(はずの)情報が何かを挙げてみます。誤読される原因のヒントがあるかも知れませんから。 ●サイードという人物が登場する。 ●サイードは男性である。 ●サイードは室内にいる。 ●サイードは茶を淹れている。 ●サイードは自分以外の人間の足音を聞いた。 ●その足音は屋外から聞こえる。 ●サイードはその足音の主に向かって声をかけた。 ●サイードはその足音の主に意味不明の言葉をかけている。 ●足音の主の正体は全く不明。  あの冒頭部分で、純粋に伝えられる情報だけを取り出してみると、こんなところでしょう。  では、これだけの情報から、なぜ読者さまは「サイードは足音の主の正体を100%知っている」と誤読してしまうのでしょうか?  理由の一つは、サイードがその足音の主に向かって「意味不明の言葉」をかけていることでしょう。  読者さまにとって、この時点ではこの言葉は意味不明です。しかし、語感からして、何となく女性名ではないかと推定できそうです。  安心できる状況にいて−サイードが茶を淹れていることで、それは明らかです−、誰のものかわからない足音を聞いた人間は、通常、相手が誰なのか訊ねる言葉をかけるでしょう。  そうではないということは、その足音の主が誰なのか、サイードが知っている可能性が高いです。しかも、人名らしい言葉をかけていますから、その可能性はますます高まります。  読者さまは、より可能性が高い方を選んでいるだけですね。当然の反応です。  読者さまが誤読する理由はもう一つあります。  新木さんが指摘されたように、『そのほうが心地良いから』です。  どちらを選んでも差し支えない選択肢が現れた時、人間はより心地良い方を選びますよね。  読者さまにとって、物語に入ったばかりの冒頭はわからないことだらけです。一刻も早く何らかの糸口をつかんで、物語世界を理解しようとします。  世界を理解するとは、物事の関連性を見つけることに他なりません。読者さまは、物語の中の「何かと何か」の関連性を見つけようと懸命になります。  そこにサイードという人物が現われました。名前が紹介され、男性という以外はまだ正体不明です。「このサイードってどんな人?」と頭を働かせているところへ、また未知の人が現われました。  関連性を見つけたくてうずうずしている読者さまの目に、こんな場面が飛び込んできたら、この二人は関連性がある=知り合いであると考えるのが普通でしょう。そう考えれば少しは世界を理解できたことになって、落ち着きます。  それは、何もわからない状態で放っておかれるより、ずっと心地良いはずです。  で、読者さまは、サイードとアーイシャ−ここではまだ仮名ですね−とが知り合い同士であろうと結論付けます。  上記のとおり、知り合いでなければ、足音を聞いただけで相手の名前を呼ぶなどという芸当ができるはずはありません。これにより、読者さまの希望的推定が補強されます。「サイードは、足音の主が誰かを推定していた」から、「サイードは、足音の主が誰かを100%確信していた」になるわけです。  このように誤読されないようにするには、どうしたらいいのでしょう? また、逆にこの方向を正しいとするなら、どのように書けばいいのでしょうか?  それには、他の「無属性」の段落を分析してみることが必要な気がします。「サイードは、足音の主が誰かを100%確信していた」と誤読したほうが、なぜ読者さまが愉しいのか、弟切にはまだ納得できていないからです。  この分析は次回以降に行ないます。 -------------------------------------------------------------------------------- 暑気に揺れる立待月[たちまちづき] No.7064 投稿日 2003年9月14日(日)18時54分 投稿者 弟切 千隼  昨夜の湘南も熱帯夜でして、弟切はよく眠れませんでした。夜、あまりの暑さにベランダに出て涼んでいたら、欠けたお月さまが昇ってきました。時ならぬ暑さにお月さまも戸惑っているように見えました。 >>1000字課題  冒頭部分を誤読されないようにするにはどうしたらよいのか、考えます。  えーと、その前に……この作品のそもそもの狙いを考えますと、以下の冒頭部分↓は、まるごと全部要りません(^^; >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  なぜならば、弟切が書きたかった(書くつもりだった)のは、 1)両親を想う少女の健気さ 2)少女の両親が死んでいたという驚き 3)両親の死を知らない少女の哀れさ 4)祖父の少女に対する思いやり 5)未来にも変わらない家族の絆 6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者 だからです。これらの成分以外のものを、4段落もだらだらと書いている余裕は、本来ありません。  むろん、読者さまを物語に導き入れるための5W1Hは必要です。5W1Hを提示しつつ、上記の成分もきちんと入れた冒頭部分にすべきでした。  具体的には、こんなに短い掌編で、場面転換などすべきではありませんでしたね(^^; それだけで分量を取られすぎてしまいます。最初からサイードとアーイシャを一緒に登場させて何ら不都合はないはずですから、そうすべきでした。  それはそれとしまして、当面の問題は、上記の冒頭部分の舞台はそのままに、いかに書き直すかですね。どのように書き直せば、読者さまは「サイードは足音の主が誰かを確信してはいなかった」と思ってくれるでしょうか?  読者さまに誤解されている一番の原因は、サイードが足音を聞いただけで、いきなりアーイシャの名を呼んでいることでしょう。試しに、このサイードの台詞だけを変えてみます。 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「どなた?」  これで、サイードが足音の主が誰であるかわかっていないことは確定しますね。  しかしこれでは、足音の主についてサイードが「全くわかっていない」ことになってしまいます。「90%くらいの確率で、この足音はアーイシャのものだ」とサイードが推定している状態を、読者さまに伝えなければなりません。  以下に、そうなるように情報を加えて書き直してみました。 >> さくさくと草を踏み分ける軽い足音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> サイードはちょっと首を傾げ、扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャかい? 今、お茶を淹れているから台所へおいで」  「軽い足音」という情報を加えることで、足音の主が誰かを推定する手がかりを与えました。サイードには「ちょっと首を傾げ」させて、考えている様子を表現しました。そして、台詞を大幅に改変して、名前を確認するニュアンスにしたことで、「確信してはいない」と読まれるようにしました。  これで、サイードがかなりの確率で足音の主が誰かを推定していることが伝わるでしょう。  逆に、サイードが足音の主を100%確信しているとするには、どのように書き直せばよいでしょう?  上記の書き直しを参考にすれば、台詞に大きな鍵がありそうですね。そこで、台詞だけを改変した「100%確信版」を書いてみました。 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ、お茶の時間だよ。台所へおいで」  この例では、サイードはまったく疑問の余地なくアーイシャの名を呼んでいますから、「彼は足音の主を100%確信している」と伝わるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 質問 No.7065 投稿日 2003年9月14日(日)20時56分 投稿者 かねやん >弟切さん >>なぜならば、弟切が書きたかった(書くつもりだった)のは、 >> >>1)両親を想う少女の健気さ >>2)少女の両親が死んでいたという驚き >>3)両親の死を知らない少女の哀れさ >>4)祖父の少女に対する思いやり >>5)未来にも変わらない家族の絆 >>6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  今、弟切さんのやろうとしていることと離れてしまって申し訳ないですが。  この話を読んだとき、どんな印象が残れば、弟切さんとしては成功したことになるんでしょうか?  上にあるものは、それを表現するために選んだものですよね? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7066 投稿日 2003年9月14日(日)21時03分 投稿者 新木 伸 >弟切  すこしだけ手伝ってみるか。 >> さくさくと草を踏み分ける軽い足音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> サイードはちょっと首を傾げ、扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャかい? 今、お茶を淹れているから台所へおいで」  弟切はこれで、サイードが足音の主がアーイシャであることを「90%確信」できると書いたが。  これでは、そうはならない。  ここでサイードが90%くらい確信していることの最大の「根拠」は、近くに民家がないっていう事実なわけね。サイードの確信と不確信の根拠は、書かれていない裏設定の部分に存在している。  この直しでは、裏設定の部分はあいかわらず裏設定のまま。そこに手をつけないままで、足音が軽いとか重いとか、些末なところを変えても、なんにも変わりはしない。  やるのなら、裏設定を見えるところにまで引きずり出してこないと。  そもそも、5W1Hの選択の仕方を間違えているのだな。  弟切が出している「どこ」は、「家の裏庭」なわけだよ。  これをたとえば「大平原の中の一軒家」とでもしておけば、裏設定である「周囲に民家はない」ということを引っぱり出してこれるわけだ。  5W1Hの漫画における使用法の話は、まえ、どこかでしたと思うのだが。  漫画の場合は、場面転換があった場合に、「必ず」2〜3コマを費やして場面転換を明示しているわけだな。かなり距離を取ったロングショットで一枚。そして中間距離で1枚。  たとえば「朝の教室」ってものを示すなら、まず学校の校舎の全景を1コマ書いて、「きーんこんかーんこーん」とか音も鳴らせて、そののちに、「廊下から見た教室。クラスの札を写す」とか、「教室内の全景」とか、そんな1コマが入るはず。  小説の場合にも、その舞台が「周囲に民家のない一軒家」であるなら、読者の脳裏にそうした「遠景」と「中間距離」と、2枚の絵が浮かぶように工夫しないとならない。  ――と、理念なんて書いたところでピンと来ないだろうから、やってみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  大草原を望む丘の上に、その家はあった。  ハサミを手に裏庭に立つ初老の男は、さくさくと草を踏み分けてくる音に気づいて、顔を上げた。 「アーイシャ、かい? どうしたね」 「はい。サイード」  返事を返したのは、まだ十歳にも満たないぐらいの少女だった。草原の草の丈が、その膝にまで届いている。 「どこかに行くところかな? これからお茶を淹れようと思うのだが」 「星をみるの」  孫娘の返事に、サーイドは天を仰いでみた。西のほうが紫色に染まりかけている。 「まだ夕方だが。二時間は早くないかね。星を見るには」 「もう夕方よ。二時間はおそいわ。お茶には」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ああ。いかん。キャラが降りてきてしまう。  どんどん別の話になってゆくから、このへんでやめとこう。  とりあえず「周囲に民家はない」ということを書くために、「大草原の中の一軒家」「その裏庭に男が一人」――てな構図を、2枚、読者の脳裏に映し出している。  5W1Hのために、はじめの3行は捨ててよい。  描写になっていなくとも、説明でもいいから、ベタに書いちまえ。  弟切の書いたものでは、描写になっているけど、「どこ」という舞台の設定を間違えている。  「どこかの家の裏庭」ということしか伝えないまま話を始めたのでは、話が間違った方向に転がってしまうぞ。  実際、転がっていっちゃってるでしょ? >もうひとつ入っている要素 >>なぜならば、弟切が書きたかった(書くつもりだった)のは、 >>1)両親を想う少女の健気さ >>2)少女の両親が死んでいたという驚き >>3)両親の死を知らない少女の哀れさ >>4)祖父の少女に対する思いやり >>5)未来にも変わらない家族の絆 >>6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  これなんだけど。  7)サイードとアーイシャの絆の深さ。  ――てものは、不要なわけ?  僕らが読み取ってしまったのは、それなのだが。  足音だけで相手を100%識別してしまうなんて、二人の絆の深さを示すとしたら、これは最高に美味しいエピソードたよね。  てっきりそれが出てきたものだとして、読んでしまうわけね。  プロの市販作品を読み慣れていて、目が肥えまくっている読者としては、「あれ」をまた食えるのか。いま弟切は出してくれたのか。――と、そう思って期待してしまったわけだが。  「5)未来にも変わらない家族の絆」がわりと近いけど、明らかに別でしょ。ここで述べているのは、「絆」が未来においても変わっていないということ。  あれれっ?  ヘンでは?  そもそも「絆の深さ」ということは、どこにも書いていないよね。この新設した「7」がない状態では。  「7」がなかったら、この「5」のほうも書けないのでは?  「絆」自体を書いていないのに、絆が変化ないことは書けないはずだ。 >100%確信の例 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ、お茶の時間だよ。台所へおいで」 >> >> この例では、サイードはまったく疑問の余地なくアーイシャの名を呼んでいますから、>>「彼は足音の主を100%確信している」と伝わるでしょう。  伝わらない。  これでは、ただ単に「孫娘をお茶に誘ったサイード」になってしまう。  なぜなら、サイードの台詞のなかで三つのことを言わせてしまっているから。 「アーイシャ」「お茶だよ」「台所においで」  そしてこの三つのうちで、読者の脳裏に残るのは「お茶だよ」ということ。  人は一度に複数のことを言われると、いちばん印象の強かったものしか覚えていない。  ここでは具体的イメージのいちばん浮かびやすい「お茶にしよう」が勝ち残るわけだ。  ここで、「いきなり名指しした」ということを印象に残させたいのなら、台詞は以下のようにすべきだ。   「アーイシャ、どうしたね」  ――これなら、「名指しにした」が読者の印象の中に生き残るだろう。 >巻島  例の3ページのあとの部分。  有希に声をかけられる部分から、すこし見てみたけど。  ちょっと待て。  そもそも、どういう手順で直しているのだ? ・そのシーンの役割。書くべきこと。コンセプトを再確認。 ・記号取る。 ・削る。 ・増やす。 ・改行など調整。  おおむね、こんな手順でやるはずだと思ったのだが。  いちばん最初にやるべきはずの、「コンセプトの再認識」は、やってるのか?  それをやっていなかったら、「削る」も「増やす」もできやしないだろ。コンセプトに沿っているかどうかが、削りと増やしの判定基準なんだからさ。  たとえば有紀に声をかけられたとき、主人公はびっくりしているわけだな。ひとりごとに突っこまれてびっくりしている。  そこのブロックの役割は「びっくり感」を書くことだわな。  そして直後のブロックの役割は、なんで有希が自分の近くにいるのか。さっきの男はどうしたのか。そうした「頭がこんがらかった感」を書くことだな。  そして有希と並んで歩くことになるわけで――。  あと、いろいろ、広げた風呂敷は畳んでおけ。  有希と並んで歩いていた男は何者だったのか。その始末とか。 >>早くさっきの男のことを訊かなきゃいけないのに。 >>ごまかしながら、亮介はコンビニを出る。  いちおう、こんなふうに1行だけで書いてはいるのだが。  たったこれっぽっち。目に入るかってーの。  これ、どちらも1段落は使うべきところだ。  そのくらいの量がないと目立たない。意識に残らない。つまり書いていないのと同じこと。  最低でも2〜3行は必要だ。つまり増量対象ってことだ。  あと有希の心理がヘン。  主人公としてはコンビニには避難先として逃げこんだだけなので、何も買わずにすぐ出てきてしまっていいだろう。だが有希のほうは主人公がコンビニに用があるものと思うはずだよな。  「なにか買うの? いいよ、待ってるから」  「い、いや、見てただけで。とくにべつに」  「そう? じゃ、行こっか」  ――ぐらいのやりとりがなきゃ、ヘンだろ。  なにしろ主人公はコンビニにいたわけだ。  そこに有希は声をかけていったわけだ。  いきなり並んで家に歩き出してたら、それはヘンだぞ。人間の取りうる行動じゃないぞ。  主人公の思考をトレースするだけで手一杯で、有希の思考まで手が回らないのかな?  主人公のほうだけで手一杯で、有希が人間として動いていないことに気づいてないのかな?  そういう場合には、何回か通読するようにして、一度の通読ごとに、やるべきことを切り分けるとよい。  1回目は主人公。  2回目は有希。  その場にいるキャラの人数分、通読する回数を増やす。  そうして1回ごとに見るべきものを変えていって、複数回、チェックするわけだ。 (話は飛ぶが、前の「富士山と男の子」の1000字掌編のときだって、登場人物が2名(僕、母親)いたわけだから、2回チェックするわけね。はじめ「僕」に乗ってそのシーンを眺め、つぎに「母親」の心理に乗ってそのシーンを眺める。俺なんかは、一度に四人までなら同時に心理に乗れるから、たいていのシーンは一度のチェックで足りるけど)  まず主人公がなにを考えているのか。主人公の立場として、いま当然考えているべきことを、作者の自分は見落としていないか。  つぎに有希はいま何を考えているのか。有希の立場として、いま当然考えているべきことを見落としてはいないか。  有希は――。  コンビニにいた主人公が、なにも買わずに出てきてしまったことを、不審に思ってはいないのか? >男の子にリサーチ  体操着の裾は、ブルマーに入れてあったほうが萌えますか。  それとも入れないで外に出していたほうが萌えますか。  俺は短パン派だ、とかいうのはなしで。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7067 投稿日 2003年9月14日(日)23時30分 投稿者 新木 伸 >弟切  5W1Hのうちの「どこ」の書きかたについて。  補足説明。  いま弟切が書いているのは、「どこかの家の裏庭である」ということなわけね。  意識してか、しないでか。偶然なのか、必然なのか。  まあとにかく、そうとしか読めないように書いてある。  「どこかの家の裏庭」――以上に場所を限定する情報は、なにひとつ書かれていない。  本当は、ここは特権階級の人間専用の「別荘地」であり、まわりには民家がなかったりするわけだ。  しかし弟切が書いているのは、「どこかの家の裏庭」ということだけ。  ここに「曖昧さ」があるわけだよ。「どこでもいい」という種類の曖昧さなわけね。  すると読者っていうのは、この「曖昧さ」にも意味があるものと考えちゃうわけだ。  この話は特別なものではなく、どこにでもあるような「ありふれた家庭」の裏庭で語られる話である。――と、そう読んでしまう。  それを明示するために、作者はあえて「どこ=場所」を特定せず、「曖昧な場所指定」をしたのだと。――と、そう読んでしまう。  こういうことって、物語を語るときの「お約束」なのね。  暗黙のルールなのだ。  すでに読者は承知済みであり、作者もそれに従って書かねばならない共通フォーマットなのだ。  弟切が知らなかっただけで。  はっきり書くことには、はっきり書くことの理由がある。  曖昧に書くことには、曖昧に書くことの理由がある。  はっきり書くべきことを曖昧に書いてしまったり、曖昧に書くべきところをはっきり書いてしまったりしたら、読者は誤読するわけ。  だからこのサイードとアーイシャの話って、誤読されまくりなわけね。  科学者と孫娘の特別な話として、読んでもらえていない。  読者ははじめ、裏庭で語り合う「おじいちゃんと孫」の話と思いこむ。  なんの変哲もない話として読者は読み始めているのに、後半になってから、科学者だの恒星間ロケットだのと言われたって、混乱するばかり。  特別な人間たちの特別な話なら、はじめからそう書かないと。  読者との暗黙の了解である「お約束」にしたがって、書いていかないと。 >巻島  「びっくり感」とか、「頭がこんがらがってる感」とか。  そういう細部(ディテール)が足りないと、書いたが。  読者はそういうものを読みたがっているわけだよ。  それが「ドラマ」というものであり、お金を払ってまで読者が見たがるものなわけ。  そうしたディテールが欠けているのでは、それは読み物にはならない。小説じゃない。  弁当屋が、弁当を売っているのだとする。  「食事」っていうのは、人間なら誰でも、毎日、三度三度、食わなきゃならないものだな。小説を読む読者にとって、「小説」とは「食事」なわけだよ。生きてゆくのに必須のもの――に近い。  「ドラマ」っていうのは、弁当にたとえるのなら、「白いご飯」なわけだ。  コメだ。主食だ。  またプロットやら話の「筋」っていうのは、弁当の容器に相当する。(世界設定も「容器」のうち)  そして宇宙人の異様さとか、戦闘シーンやら、濡れ場とかエッチなシーンとかは、これはすべて「おかず」だ。  容器がなければ、「ご飯」も「おかず」も盛り付けられやしない。  「ご飯」ばかりで「おかず」がなかったら、ご飯は食べられない。それ弁当っていわない。  また「おかず」ばかりでもだめだわな。塩からすぎて、食えたもんじゃない。 (余談1。同人誌の二次創作の「やおい=山なし意味なし落ちなし」が、「白ご飯」だけの存在だ。他人が作った「おかず」を盛り付けて、白ご飯だけ盛り付けて、弁当を作る弁当ゴッコね) (余談2。まあ世の中にはSFという、おかずだけを酒の肴として嗜むジャンルもあるのだが)  いまのお前のリライトでは、「びっくり感」とか「こんがらがった感」とか、そういう「ご飯」を盛り付けずして、話の筋ばかりを先に進めていっていることになるわけだ。  これはつまり、「筋=容器」だけしかないってことだ。  そんなもん、弁当っていわんだろ?  器しかないようなもんは。  だいたい、お前の場合は、器=ストーリーは苦手なわけだろ。  それ単体で売りもんになるような、大層なストーリーを作れているわけじゃない。  弁当の器にもいろいろあって、漆塗りで百万円もするような豪華絢爛な重箱もあれば、プラスチックでペラペラの100枚200円のプラ容器だってあるわけだ。  おまえの作るストーリーは、せいぜい、プラ容器だ。  弁当を盛り付ける容器の用をなす――ぎりぎり、そんな程度の「出来」のストーリーでしかない。  そして「おかず」のほうだってしょぼいわけだろ。頑張ってみたところで、ぎりぎり、おかずの用をなすものしか作れないわけだろ。焼き鮭とかアジフライとかコロッケとかウインナーとか。ありきたりのおかずが、こじんまりと、入るだけだろ。  宇宙人のイメージだとか、戦闘シーンの迫力だとかで、目を見張るようなスゴイおかずを出せるのか? たとえば古橋秀之並のおかずを、おまえは用意できるのか?  肉汁したたるローストビーフのような出来映えのおかずを?  器も並以下、おかずも並以下。  ――なのに、「白ご飯」で勝負しないで、どこで勝負すんだよ?  ほかほか白ご飯。  おまえはその「主食」たるご飯の、鮮度と暖かさと盛りの量とで、いま勝負するしかないんだよ。  日本人ならコメだろコメ。  炊きたてを大盛りにしてこい。  ご飯しか取り柄のないやつが、盛りでケチるな。 -------------------------------------------------------------------------------- 同人用語の基礎知識 No.7068 投稿日 2003年9月15日(月)09時58分 投稿者 藤極堂 >そして宇宙人の異様さとか、戦闘シーンやら、濡れ場とかエッチなシーンとかは、これはすべて「おかず」だ。 >同人誌の二次創作の「やおい=山なし意味なし落ちなし」が、「白ご飯」だけの存在だ。他人が作った「おかず」を盛り付けて、白ご飯だけ盛り付けて、弁当を作る弁当ゴッコね。 濡れ場=おかずという定義なのですか? なら「やおい」はむしろ他人が作った「器」と「白ご飯」をそのまま流用して「おかず」を盛りつける行為なのだと思うのですが? というか、同人用語では「やおい」は女性向け性ファンタジーを指します。 てゆうか、二次創作のエロ主体同人誌を出版している同人者は同人女より同人男(含むセミプロ)の方が多い気がするのですが。 もしかして新木さんの中では男性向けのエロ中心の二次創作こそが「やおい」なのですか? あまり一般的ではない認識の新木語を広めるのはつつしんでください。 てゆーかなんか、わざわざ「やおい=弁当ゴッコ」なんて主張するかね。 「エロパロ同人=弁当ゴッコ」でいいやん。 女性向けのエロパロは貶めてもいいけど、男性向けのエロパロは貶めちゃいけない、という感じがしてとってもイヤ〜な感じです。 まあもともと「やおい=山なし意味なし落ちなし」という言葉は、オタ男が同人女を貶めるために作った言葉なのでしょせん新木さんもセクハラヒキオタ男だと思えば充分納得できますが。 共働きなんだから奥様と家事分担してくださいね。 -------------------------------------------------------------------------------- 浮上 No.7069 投稿日 2003年9月15日(月)19時02分 投稿者 名無し君2号  一日中パソコンの前に座っていても、まったく課題が書けない。  一行書いては消して、題名を考えては消して、なにかをやっちゃあ消して。  課題どころかなにも書けなくなって、そのまま寝てました。  プロはこの状態でも書く……んじゃなくて、書けるような状態に持っていくわけなんでしょうが。  眠る以外に方法が見つからなかった。 >関節技  相手の体をつかみ、関節部分を折ろうとするか、筋肉の腱を切ろうとする技。 >短編  男性向けについて。 (起)・男はエロスに目覚める。 (承)・エロス大暴走。 (転)・女の子の好意に気づく。 (結)・最後、性欲より相手を大切にしてしまうことで、主人公は相手を好きだと気づく。  「起」エロ小僧。  「結」エロより大切なものを発見。  まず、この話は「男性、中高生向け」で書くことに決める。  どういうアプローチで書くのか。  おおざっぱに三種類にわける。 (一)笑いをまじえて、軽めに。 (二)シリアスに、でも生々しくならないように。 (三)生々しく。ぎとぎとと。  ……。  (二)かな。  起のエピソード、「覚醒」部分。  なにで目覚めるのか。  考えてみる。 (1)うわさ話。 (2)深夜番組の裸。 (3)Hな本を見てしまう。 (4)Hなビデオを見てしまう。 (5)実際に見てしまう。 (6)実際にしてしまう。 ■(1)うわさ話 (一)友達のたわいもない話。 (二)友達のけっこうエグイ話。 (三)偶然会話を聞いてしまう。 (四)先輩、兄、いとこ等、年上から聞く。 ■(2)深夜番組の裸 (一)そのまんま。 ■(3)Hな本を見てしまう (一)友達から見せてもらう。 (二)拾う。 ■(4)Hなビデオを見てしまう (一)友達から見せてもらう。モザイクつき。 (二)友達から見せてもらう。ウラ。 ■(5)実際に見てしまう (一)両親。 (二)友達。 (三)となりのお姉さん。 (四)見知らぬ他人。 ■(6)実際にしてしまう (一)となりのお姉さん。 (二)ヒロインと。 (三)ヒロイン以外の女の子と。  主人公は小学生だから、あまり過剰な情報を入れると、かえって拒否反応が出そうだし。トラウマをつくる話じゃないし。  かといってあんまり普通じゃあ、読んでいて楽しくないだろうし。  普通の話を面白くできる自信もないし。  普通じゃない話。  ……。  (5)実際に見てしまう、(6)実際にしてしまう、  の、どちらかにしよう。 >鐸碑さん >食えない材料 >>折角出したんだから、食べられない理由を軽く考えながら、全然食べられそうにないものから、少しは食べられそうな気がするものまで序列をつけて考え直してみては如何でしょう?  了解。 ■全然食えそうにないもの 「ゴムとガムとカム」「愚鈍なうどん」「犬にまたたび」  そもそもダジャレだし。どうすればいいのかさっぱり。 ■そこそこ食えそう 「夜明けのコンビニ」「納豆に殺到」「お茶漬けのり」「薔薇と百合」  とはいえ、大変そうな。 ■全然食べられます 「ひまわりの種」「豆乳」「沈みかけ」「どんぶりめし」「洗濯」「洗濯板」「おかわり」「ものほしざお」「残飯」  大丈夫……かな。うん、大丈夫だろう。 >空手 >>これですが、プロレスでやったみたいに一般的にも知られてそうな序列をつけてみてはどうでしょう。 ■知名度順並び替え(上にいくほど一般的に知られているとします) ・ウィリー・ウィリアムスは熊殺し。 ・新日本プロレスと極真会館は揉めたことがある。 ・極真は梶原一騎原作の「空手バカ一代」でブームが起きた。 ・「空手バカ」に書かれていることの7割は素敵な嘘。 ・中国から伝わった武術である。 ・唐手が空手になった。 ・まず琉球(沖縄)に伝わり、那覇手、首里手の二系統に別れる。 ・那覇手が剛柔流、首里手が……忘れた、に伝わる。 ・極真会館は大山倍達が創始者。 ・元極真会館の門下生が、いろんな団体を旗揚げした。 ・元極真系としては、「葦原会館」「正道会館」「士道館」「大道塾」がある。 ・大山倍達が死去したあと、三派に別れる。 ・松井章圭の「松井派」、大山倍達の遺族が率いる「遺族派」、あとなんだっけ。 ・古流空手に蹴り技はない。 ・極真松井派の世界大会、一番最近の優勝者はブラジル人のフランシスコ・フィリョ。 ・準優勝は日本人、数見肇。 ・数見はこの前、極真を脱会した。  熊殺し以外は知らないんじゃないでしょうか。多分。 >>あと、そもそも空手って何? って問に名無し2号さんはどう答えますか? 余り詳しくなさそうな一般の人はどう答えそうですか?  そもそも空手って……なんだろう。 ・素手で闘う。 ・手技、足技がある。 ・基本的に投げ技はない……あるって聞いたこともあるんですが。 ・基本的に関節技はない……あるって聞いたこともあるんですが。  こんなところだと思うのですが。  一般の人ならば、道着を着て、瓦を割ったり、氷柱を割ったり……というイメージだと思います。空手をやっている人には、真面目とか硬派とかゴツイとか、そういうイメージも抱くかもしれません。 >新木さん >>剣法ものの剣法シーンを書くにあたり、役立ちそうな知識を、自分がいまどれだけ有しているのか、列挙してみそ。 ■構え  中段、上段、下段、八双、脇構え、それぞれがどんなかたちをとって、どんな効果が望めるのか。  中段:基本形。攻防に都合よし。  上段:中段から振りかぶる。攻撃に重きをおく。体重を乗せやすいので、威力が増す。  下段:中段から剣先を下げ、相手の両膝の中間にあてる。守りに重きをおく。普通は足、股間を狙う。  八双:中段から左足を一歩前に出し、両手を右胸に引きつける。剣と鞘が八の字のかたちになることから、八双と名づけられた。様子見の構え。  脇構え:中段から右足を引き、両手を右脇に引きつけ、刀は水平に。刀を自分の体で隠して、相手に刀の長さを見せないようにする。攻撃に重きをおく。 ■間合い  刀の使いかたもそうだけども、足の運びも重要。相手からの攻撃を避けることができ、なおかつ自分の攻撃を当てることができる位置を保ち続けることができれば、普通は勝てる。 ■タイミング  先の先、後の先、後の後という言葉がある。  先の先は、相手に攻撃される前に攻撃すること。  後の先は、相手の攻撃に合わせて攻撃すること。  後の後は、相手の攻撃をかわして攻撃すること。 ■流派による違い  同じ流派ならば、攻めかた、守りかたがある程度わかっているので、やりやすい。  違う流派の場合、手のうちがわからないため、やりづらい(知識として知っていても、実際にやるのとでは大部違う)。 ■力、技術  力が技術を凌駕することはあるし、その逆も当然ある。 ■リーチ  リーチが長ければいいのか、といえばそうでもなく、リーチの短い相手にふところに入られると、手が出なくなる。 ■フェイント  相手に隙をつくるためにおこなう動作。  狙いとは違う場所を攻撃するように見せかけ、相手の守りを崩そうとすること。 ■虚実  隙のある部分を「虚」。隙のない部分を「実」。  実をさけ、虚を攻めることが必要。 ■呑まれる  実戦で普段の実力を発揮するのは、実にむずかしい。  恐怖や重圧に打ち勝つこと。  そのためには……。 ・実戦に慣れる。 ・覚悟を決める。 ・まったく思い残すことのないよう練習する。 ・天才だから重圧なんて感じない。 ・死なないから怖くない。 ■視線  相手の体の一部に目をやるのではなく、相手の体全体を見るようにすること。  ……こんなところですか。 >>ああ、ついでに「プロレスもの」のほうもやってみるか。 >>リアルなプロレスシーンの描写に役立つと思う知識も、列挙してみよ。 ■技  技の入りかた。逃げかた。威力。出すタイミング。技の種類。  一人の選手が使っておかしい技、おかしくない技。  たとえば、荒々しい技と華麗な技を一緒に使ったらおかしい……とか。 ■ダメージ  どんなやられかたをするのか。それはどのくらいで回復するのか。 ■試合の流れ  攻防のパターン。 ■モデル  実在のレスラーをモデルにして、キャラクターをつくりやすい。 ■前やっていた競技  元アマレス、ボクシング、柔道、体操。  サラリーマンとか野球選手、サッカー選手というのもあり。  技術のベース。 ■善玉、悪玉  ベビーフェース(善玉)とヒール(悪玉)。  最初は善玉がやられ、最後に逆転……というのがだいたいの流れ。  最近はヒールのほうが主役になったりなので、一慨にそうともいえない。  ちなみにご当地レスラーはたいがい勝つ。 ■試合前  バスで移動。  前日に移動して、その地に一泊してからなのか、当日に移動してくるのか。  興行場所にリングを組み立てる。小さい団体だと、選手が組み立てたりする。  出来上がったリングの上で練習。 ■試合後  リングを片づける。小さい団体だと、選手が片づけたりする。  バスに乗って宿、もしくは次の場所に移動。  宿がある場合、そこまでタクシーで個別に移動したりもするが、大きい団体に限られる。 >プロレスラーの日課 >>プロレスラーの時間割。 >>「自由時間で〜」とあるが、その自由時間に、彼らはなにをしているのか。そこがもっとも大事なところだろうが。 >>知っているなら、書け。 >>知らないなら「自分も知りません」と言え。  やらないレスラーは、なにもやりません。  基本的には、足りない部分を練習するようです。  ウェイトトレーニングをもっとしたい、と思えばやるでしょうし、スパーリングをもっとしたい、と思えば同様に。あとは新技の特訓もあります。  レスラーによって全然違う、ということでした。 >>ところでレスラーは昼飯は食わんのか? >>だとしたら、それ、俺初めて知ったよ。 >>朝に一食採ったきりで、一日中、練習するのか凄いなぁ。  すみません。これは勘違いでした。  朝飯をとりません。  練習後に昼食、あとは夕食の一日二食のはずです。ただし、練習中にバナナやおにぎり等、エネルギーを補給します。  これは相撲取りと同じ食事のとりかたです。  日本でのプロレスの創始者、力道山が元々関取だったので、相撲取りと同じ練習方法になったようです。  余談ですが、プロレス界には相撲の世界と同じ隠語が伝わったりしています。  ガチンコ(真剣勝負)とか、金星(美人のこと)とか、しょっぱい(弱い、なさけない)とか。 >かわいさ2割増強 >>言葉遣いが子供。――ということの正体を見極めろ。 >>どういう話しかただと、子供に見えるわけ?  ふむ。 「わかんねー」 「わかんないよ」 「わからないよ」 「わかりません」 「わからないです」 「理解できません」  丁寧だと子供っぽくない。  ぞんざいなほうが子供っぽい。  普通の言葉づかいを崩した感じ、か。 >>あと「感情が揺らぐ。落ち着きがない」というのは、どう、言葉遣いに現れてくるわけ? 具体的には?  言葉づかいが一定していない。丁寧だったり、乱暴だったり。  からかわれると、乱暴に返したり。  うん。つまり、雑な言葉づかいだと、子供っぽく読めるということか。  雑だとかわいいのか。 >1000字課題 >No,32 >>わけ、わかんねー。 >>あれがどういう話で、なにがどうなって、どこのところが面白いところなのか。 >>俺に教えてくれたまえ。 >>あの物語の食いかたを教えろ。 >>本当に、なにがなんだか、わかんねーんだよ。 >>なんか男が女に料理を出してきて、女がなにか文句を言っているようだが。男はなぜ料理を出しているのか。女はなぜ文句を言っているのか。話はどう落ちているのか。  書いた話の食べかたを説明するのは非常にむなしいものですが。自業自得だから仕方ないけど。  はい。  主人公が彼女と仲直りするために、料理をつくって釈明する話です。  彼女を怒らせるたびに、主人公は美味いものをつくってその怒りを静めてきまして、今回もその手段を使おうとしていたところ。  主人公が他の女といちゃついてた(ように見えた)ので彼女は激怒。  で、主人公が料理をつくって機嫌をうかがったところ、いつもなら彼女はがつがつと平らげるところが、今回はひとくち食べて止めちゃったので、主人公は嫌われたと思いこむ。ところがただ単に彼女は今回の料理が苦手なだけだった、というオチなんですけれども。  んで彼女は彼女で、苦手な料理だったけど、主人公のために無理矢理に食べたと。  そういう話でした。  課題、三週間しか持たなかったな……。  今回は三編。なにをどうしても書けなかったので、無理矢理に書いたら、なんとかなりました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=601&e=res&lp=550&st=0 >マイク >>なににこだわっているのか、まったく、わからん。 >>てか、その考え、理解して納得してしまうと、俺、すげぇ怒らないとならないところなのでは?  ええ。怒られなきゃならないところですね。  たしかに無償で貰っているんです。  目に見えるのか、見えないのか。  それだけの違いで……。  引っかかっているのは、梱包やらなにやらの手間をかけさせてしまうことと、送料の問題ですね。  送料はこちらで持ちたいところですが……。  ヘタをすると、送料で激安のヘッドセット買えそうな気も。  診察だけで3,500円とられるんだから……医療費の三割負担は厳しい。  そんなこんなで、いろいろと時間かかりました。課題どころか、なにもしたくなくなったのはなんだろう。怠けているだけか。  あ。  体操着のすそは、だしているほうがいいです。  ただ単に、私が活発そうな子が好き、というだけの話なのですが。 -------------------------------------------------------------------------------- そぼくな疑問 No.7070 投稿日 2003年9月15日(月)21時42分 投稿者 かねやん >名無し2号さん  プロレスってどこらへんがかっこいいの?(小学生ふうに)  考えてみればゴールデンタイムにプロレスの話題って出てこないし、プロレスをまったく知らない子供とか多いんだろうなあ。 >体操着のすそ  社会人になって運動不足になった反動なのか、裾をいれているほうが好きです。大学までは逆に裾を出していたほうが好きだったんだけど -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7071 投稿日 2003年9月15日(月)22時41分 投稿者 新木 伸 >おかずとご飯の関係 >>濡れ場=おかずという定義なのですか? >>なら「やおい」はむしろ他人が作った「器」と「白ご飯」をそのまま流用して「おかず」を盛りつける行為なのだと思うのですが?  ええと、ではわかりやすい例をあげるとして。  人を淫らな気持ちにさせる作用の「マテリア」(魔力のこもったアイテム)を入手してしまって、誤って使ってしまってエッチな気分になってしまい、二人で行為を始めてしまうクラウドとユフィ、とかいうエロパロがあったとして。  どのへんが「おかず」?  「淫らな気持ちにさせるマテリア」という設定部分が、まあおかずといえばおかずだが。  しかしマテリアという設定自体は他人の作った「おかず」だし。それをただ加工しただけだし。  クラウドとユフィとかいうキャラだって他人製の「おかず」だし。  エッチシーンになにか工夫とか感性のきらめきとかがあって、その部分のディテールが良く、とてもエッチに仕上がっていたとしても、そこは「ごはん」なわけだ。  「おかず」と「ご飯」とは、ともに賞味して、栄養となるものなのね。  ご飯は特別でないもの。どんな物語にも入っているもの。  おかずとは特別なもの。そこにしか入っていないもの。  夕方の駅前の雰囲気とか。  好きな女の子が他の男と歩いているのを目撃してスパイラルとか。  そういうのは、ご飯なわけだ。  戦闘シーンなんかは――本来はおかずとなるべきものなんだが。他のどこでも見ないような戦闘シーンにしなきゃならないところだが。  巻島の場合には、どこでも見るような「ご飯」にしかならない戦闘シーンしか書いていないわな。  映画で「マトリックス」がある。あの戦闘シーンは「おかず」だ。  巻島の書く戦闘シーンは「ご飯」だ。(食べれば栄養にはなる=楽しめる、が、それをおかずに他のご飯を食べられるほど濃くはない) >藤極堂さん >同人用語  僕は同人の世界なんてどうでもいいので。  その世界内でのみ使われる専門用語の細かい差異とか、間違っているとか正しいとか、どうだってかまわん。  いずれ「同人の世界」をもとに、なにか話を書いたりするなら、入念に調査することになるだろうけど。(まずないと思われる)  それまでは、たとえ間違っていたとしたって、訂正するつもりはないので。  俺は女性向けも男性向けも関係なく、「二次創作」すべてを貶めたいと思っているわけね。「女性」ってキーワードが地雷であり、そこに過敏に反応してくるのは藤極堂さんの勝手だが。  藤極堂さんが「セクハラ男全般」に対して「死んでね」と思っているのと同様に、僕は無許諾で二次創作を行い、あまつさえ金銭の授受をしている人間全般に対して「死んでね」と穏やかに思っている。  そのことはすでに充分伝わっていると思うけど、今後も、そのつもりでいてくれ。  藤極堂さんが、「クズ男の分類」用語について、どうでもいいと思うように。(ヒモ、ジゴロ、パラサイト、引きこもり、などなど)  僕も二次創作に携わる連中の分類用語なんか、どうでもいいし、知りたくもないのね。  いまここでやっている「お弁当ごっこ」の話については――。  男性向けも、女性向けも、エロパロかそうでないか、まったく関係ない。  まったく問題にしていない。  すべての二次創作は、二次創作である時点で、「お弁当作りゴッコ」なわけだ。  なお「二次創作」という言葉は、これは同人業界の「専門用語」ではなく、一般用語だと考えられる。ここについての指摘なら受ける。  ただ、この言葉の使い方に関しては、間違えてないだろ。僕は。 ※注:ちなみに「星くず」においては、自分のサイトの掲示板のどっかで、「小説に限って、非営利目的なら二次創作OKと書いてある。(ただし一部送れ、とあるが)  「小説なら」と限定してあるのは、漫画だとイラストレーターさんの版権もからんでくるため。僕の一存ですまなくなるため。 >弟切  ふと思ったのだが。  弟切って……  作品中とか、あと日常生活の中とかでも。  自分が態度を曖昧にしていれば、保留にしてもらえると思っていない?  たとえば作品中では、「野中の一軒家であるとも、近くに民家があるとも、どちらとも書いてない曖昧なままなので、読者は周囲の状況は保留にしてくれているはずだ」とかいう思いこみがあるように見受けられるのね。  んーと。  まあ女性にこの手の話をすると地雷であったりする場合が多いので慎重になるのだが。  ちと、例を出してみる。  たとえば、男が女に「結婚してくれ」と言ったのだとする。  ここで女は、ひどく曖昧に「無言」という返事をしたのだとする。  これを男のほうは、どう思うか。  「曖昧」→「ちょっと考えさせて。それまで判断保留にしておいてちょうだい」  ――とは、思わない。  普通は、「NO」って思うだろう。  もしくは「YES」と思う場合もあるだろう。  「曖昧=無言」は、YESだかNOだか、どちらかであると見なしちゃうのが、日本の文化なわけね。  例の「曖昧にしていると、曖昧なことに意味があると読み取られる」というのは、ここから出ている現象ね。  作品中においては――。  曖昧にしておいていいのは、どう読み取られても大きな影響の出ない物事だけに限られる。  たとえば「牛乳」の話で、主人公たちが小学生なのか中学生なのかは、はっきり書かれていない。曖昧にされている。  これは、どちらで読み取られても問題ないから。どちらでも話は成立するから。  しかし弟切の「科学者と孫娘」の話では、周囲に民家があるとないとでは、話が大きく変わってきちゃうわけだよ。  周囲に民家があるのなら、そこの隣人たちを通じて、アーイシャは「親が死んだ」ということを知らされてしまうはずだ。それでは話が変わってきてしまう。両親が死んだと知らされても、信じようとしない不憫な子――とかいう話になってしまいかねない。  なので、周囲に民家があってはならないわけだな。 >2号  書けなくなったときに大事なことは、いかに最短時間でそこから脱出するかってことね。  最終的には「書く」ことでしか脱出できない。まあ、あたりまえのことだけど。  プロは色々と方法を試みる。はじめは「寝る」ことしかアプローチがないかもしれないが、次に来たときは別なやりかたで突破を試みてみること。そもそもなにを書きたかったのか、その作品の原点にもどる、とか。別なものを書いてみる、とか。散歩する、とか。ファミレスに行って書く、とか。色々あるはず。  そのうち「書けなくなる現象」のタイプがわかってくるから、「このタイプにはこれ」みたいな、自分なりの対処法がわかってくるから。 >関節技  関節部分を折る?  それはつまり、「腕を折る」とか、そういうことを言ってるわけですかー?  それならわかるけど、でも、なんで、わざわざ「関節技」なんて変な用語つけてるですかー?  あと腕を折るなら、相手の体をつかむ必要はないと思いまーす。腕つかんで、ぽきりとやればいいと思いまーす。テレビでやってるあれでしょ。腕つかんでなんか体ごと振り回すと、相手の人が「ああ腕が折れたぁ!」とか叫ぶ、あれでしょ?  でも「腕が折れる」っていうのは、どういうことなんだろ? テレビでもべつに折れたように見えないんだけどー。  あと筋肉の「腱」ってなんですかー? 切るっていうけど、どうやって切るですかー。  それは「腕を折る」のとは別の技なんですかー? でもおんなじ「関節技」だし。へんなのー。  ひょっとして「関節技」っていうのは、なんかノコギリとかカッターとかナイフとか、刃物を使って筋肉を「ごおりごおり」切断してゆく技なのですかー? >短編 >>(一)笑いをまじえて、軽めに。 >>(二)シリアスに、でも生々しくならないように。 >>(三)生々しく。ぎとぎとと。  ここの選択理由。  ただ「中庸」ということで「2」と決めたのなら、馬鹿げた考えなので、捨てて考え直すこと。  それ以外の理由で「2」を選択したのなら、その理由を示すこと。  エロへの目覚めかた。  あぶなっかしいなぁ。  てんで考えてやしないのに、もう決めちゃうのか?  そんなやりかたで小説を書いているから、なにかの「まぐれ」に頼らないと読めるものにならんのだろ。  30個書いて、読めるのものは、いいとこ2個か3個、現在のヒットレートは、そんなとこだろ。  短編でも同じやりかたで書いてゆくのか?  まず、アイデアの分類の仕方がなってない。  おおまかにわけて、以下のように分類できるだろ。  取りこぼしが出たらもったいない。しっかり項目を立てろ。 ・視覚で見る系。(ビデオ、写真、生で目撃) ・視覚以外。(隣の部屋の新婚夫婦の声で。電車の中で隣の女の人が痴漢されていて) ・知識を仕込まれる系。(エロ文章、友人とのエロ話) ・妄想系。(下着を手にして) ・体験してしまう系。(生の体験、夢での体験)  各系統ごとに、同じ数だけアイデアを出してきて、バランスを取るわけだよ。  こうやって出してきたアイデアを、ソートしてみるわけだよ。  たとえば「生々しさの度合い」で並べてみるとか。 >ソートとか  鐸碑さんにも言われているけど。  2号は、列挙してきたあと、ほっぽらかしにする癖があるのね。  列挙すること自体が2号にとっては重労働なんで、そこで一休みしたいという心理が働くのだろうけど。  ただ列挙したしただけじゃ、意味なんてないのね。  ソート(整列)させるために、まず列挙しているわけだろ。ソートしないで、なんの意味があるんだよ。  次に、誰かに同じことを言われたら、尻蹴っ飛ばすので、そのつもりで。  「列挙してきたら、ソートして並べ替えてみましょう」って、この言葉ね。  壁にでも貼っておけ。 >空手とか >>・素手で闘う。 >>・手技、足技がある。 >>・基本的に投げ技はない……あるって聞いたこともあるんですが。 >>・基本的に関節技はない……あるって聞いたこともあるんですが。  4つもあるのか? これ全部説明するのに、何十秒かかるんだよ?  一般の人が、そんな長々と説明を聞いてくれるもんかよ。  どれかひとつに絞ってこい。  どれが、空手という格闘技を、もっとも特徴づけている性質なんだ?  あと、人は説明を10文字ぐらいは聞いてくれるもんだ。  10文字ぐらい使い切って、たっぷり説明しろ。 >剣法ものの知識  ばーか。  オマエの持っている知識、それ全部とは言わないが、ほとんど役にたちゃしねぇよ。  いいか? リアルな剣法シーンを書くにあたって、役に立つ「知識」っていうのは、以下のようなものをいうのだ。  それ以外のものは単なる「蘊蓄」の領域であって、持っていれば蘊蓄を語れて便利ではあるが、なくたって、ぜんぜんかまわない種類の代物だ。 ・剣の重さ。持った感触。振り回した感触。 ・剣で斬られた感触。斬った感触。 ・真剣を向けられたときの怖さ。向かい合ったときの怖さ。命のやりとりを行うときの怖さ。 ・剣を持った相手が遠い間合いにいるときと、近い間合いにいるときの、迫力やら怖さやらの違い。 ・素人と上級者と達人の、それぞれの剣の振り方の違い。構えかたの違い。攻撃の仕方の違い。向かい合ったときの迫力と怖さの違い。  プロレスに関しては……。 ・ボディスラムを受けたときの感触。 ・マットに投げつけられたときのマットの固さ。鉄柱に頭を打ちつけられたときの鉄柱の固さ。パイプ椅子で殴りつけられたときのパイプ椅子の固さ。 ・体重百キロを越えるレスラーを持ちあげるときの手応え。 ・スクワット5000回をやり終えたあとの感覚。 ・打撃系の相手に、タックルをかまそうとしているときの怖さ。  こういうようなもの、じつは持っているのか? どうなのか?  持っているなら、箇条書きで書いてみろ。 >レスラーの自由時間 >>ウェイトトレーニングをもっとしたい、と思えばやるでしょうし、スパーリングをもっとしたい、と思えば同様に。あとは新技の特訓もあります。 >>レスラーによって全然違う、ということでした。  アホたれ。  そんなことは聞いていない。  「様々だ」というのであれば、その様々さをしめすために、典型的な3つか4つのパターンについて、詳細に説明せよ。  ウエイトトレーニングを積むやつの日課。  スパーリングをするやつの日課。  サボっているやつの日課。  新技の研究にいそしむやつの日課。  ぜんぶ書け。そうしたら俺は「様々なんだな」と納得してやる。  「様々なんです」と書かれたところで、俺は納得できるはずもないだろ。  ちなみに午後の練習をサボるレスラーっていうのは、どうサボるのかも関心があるなぁ。寝てるのかテレビみるのか、他のやつの練習の邪魔をするのか、それともパチンコ行くのか、ナンパしに行くのか。  それとも「なにもしない」っていうくらいだから、練習場の片隅で、直立したまま心臓の鼓動まで止めちゃって、夕飯まで待機状態になって過ごすのだろうか。  無論、息もしないわけだな。 >子供っぽい台詞  「雑であること」とか「ぞんざいであること」とまとめちゃうと、また違うことになっちゃうぞ。  そっちでも、たしかに「子供っぽさ」は出るんだけど、それよりは「粗野」って属性のほうの変化が大きくなってしまう。  ここではあくまで、「かわいい」だけを調節したいわけね。「粗野」まで増やしちゃいかんだろう。  計算してない。口をついて言ってしまっている。  そうした「思わず感」を増やすと、子供っぽさは増えるわけね。  丁寧な口調で「理解できません」と言わせてもいいのよ。そこに「思わず言ってしまった」感じがあれば、子供っぽくなる。  実際にやってみせよう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「いいかい。君にはひとつ言っておくことがある。そうやって男にすぐ好意を示してしまうもんじゃない。男っていう生物は――」 「理解できません」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ほれ。子供っぽいだろ。  ――で、「牛乳」のリライトでは、台詞のどこをどう変えて、「思わず感」を2割増やしているわけ? そこもついでに研究しろよ。 (余談:「わっかんない」――僕の開発したなかで、もっとも子供っぽい「わかんない」という内容の台詞) >No.33 >>主人公が彼女と仲直りするために、料理をつくって釈明する話です。 >>で、主人公が料理をつくって機嫌をうかがったところ、いつもなら彼女はがつがつと平らげるところが、今回はひとくち食べて止めちゃったので、主人公は嫌われたと思いこむ。ところがただ単に彼女は今回の料理が苦手なだけだった、というオチなんですけれども。 >>んで彼女は彼女で、苦手な料理だったけど、主人公のために無理矢理に食べたと。  わからん。  説明されても、あれがそういう「もの」だったとは。  どうみても、そう見えん。  だってね。ここで説明されていることのうち、もっとも重要なもののいくつかが、欠落しちゃっているわけだよ。  どう欠落しているのか、解説するから、読んで研究せい。  できれば欠点を直してこい。すぐでなくていいから。まあそのうちに。 >>主人公が料理をつくって機嫌をうかがった。  まずここ。主人公は料理を作ってはいるが、それがご機嫌取りのためだってことは、どう読んだって読み取れっこない。  誤読するとかしないとか、これは、そういうレベルの話ではない。  なにをどう読めば、あれが「ご機嫌取り」のための行為だって、わかるわけ?  その「情報」は、どのへんに込めてある? ちょっと抜粋して、「ほらここに入っています」と示してみそ。 >>いつもなら彼女はがつがつと平らげる  いつも彼女がそうして食べていること。  それはどこに書いてあるの? どこをどう読めば、いつも彼女はそうやって食べていることが読み取れるわけ?  まあ、べつに「がつがつ」でなくたっていいけど。いつもはおいしそうに食べてくれるとか、そういうことでもいいんだけど。 >>今回はひとくち食べて止めちゃったので、  ここは、まあ、誤読したとかしないとか、そういうレベルかな。  女は一口目を口に運んでから、しばらくしてから(7行くらいだな)スプーンを置いているよね。  こう書いたなら、普通、その間中、彼女はずっと「食べ続けていた」ものと、そう誤読されるわけだよ。  100%とはいわんけど、読者の90%は、そう思うだろうな。  つまり、読者にとって、女は「普通に食べている」わけ。  それを「食べてない」とか言われたって、読者は納得しないわけ。だって7行にも渡って食べ続けていたわけだし。それが読者の読み取った「事実」なわけだし。  「一口きり」ということは、ここでは、かなり重要な点であるので、誤読させてはならない。 >>主人公は嫌われたと思いこむ。  いや、そう読めない。  「まずい料理を作ってしまってショックな主人公」としか読めない。  ここも誤読させちゃっているわけだな。  そう誤読して読んでしまうと……。  「まずい料理を作る→嫌われる→捨てられる」なんてことは、ひどく突飛な発想に思えるわけだ。  つまり、この話は――。  「まずい料理を1回作ってしまっただけで、恋人に捨てられそうになる男。しかし女がなんか心変わりしたせいで、捨てられずに済んだ話」――というふうに、読者は受け取るわけだよ。  な? わけわからんだろ? >No.34「泳ぐ金魚」  お。これいいね。好きだわ。  荒削りなのがもったいないが。  あと、作者は「・青臭さ(うふふ)」とかいうものを読ませようとしたのだが。  僕が良いなと思ったのは、「他人とのあいだの距離」を、金魚鉢に例えてみせたところだったりする。特に「こつんと鼻がぶつかる」というところが、自分の体験と照らし合わせて、体感できた。  自分の感覚としては、他人との境界線上にあるのは、もっと生々しく肌にまとわりつくもので、あるのかないのかわからないけど、確実に境界面として存在する「ビニール袋」みたいなもんかなぁ。  んで、うざったいから突き破っちゃったりすると、そりゃもう、えらいことになるわけ。ビニールが破れて水がなくなっちゃったら、金魚は生きていけないのだな。向こうもこっちも、そりゃ、えらいことになる。(笑) >2号  なんもしたくなくなったなら、しばらく休憩取ったら?  1週間くらい、期間決めて休むとか。  俺は俺のスタイルで、1年365日を区別しないで淡々と小説を書く――というスタイルが効率的なんで、そうやっているけど。  たまに「今日はなんもしない」とか、いきなり休息日に決めることもあるが。  まあ、「書けないときにも書く」ということの経験を積むつもりなら、いまはいい機会だろうけど。(次にやろうと思ったら、また「書けなくなるとき」が来るのを待たないとならない。そして「次」はプロになってから締め切り直前にやって来るのかもしれない)  お前の人生であり、お前の作家道なんだから、好きに決めりゃいいのね。 -------------------------------------------------------------------------------- さぶみっしょん No.7072 投稿日 2003年9月16日(火)00時11分 投稿者 甘夏  ども、関節技の説明に挑戦させてください。  マメ知識。  サブミッションは和製英語らしい。  関節技とは。  て、ゆうか関節とは。  骨と骨が繋がっている部分のことを言います。  骨と骨は……えと、じゃんけんのグーをパーで握ったようになっていて  かぽっとはまっているわけです。(フライドチキン参照)  普段、私たちが意識しているというか認識している関節といえば、  足とか手とか指とか、曲がったりする部分です。  骨と骨が繋がっているだけでは当然動くはずもなく  動かすための筋肉がそれぞれの骨をつないでいます。  その筋肉のことを靭帯といいます。  筋肉は裏と表に2本ついていて、それらが引っ張り合って  2本の骨を動かしているわけです。 (腕を曲げたり、伸ばしたりしたらその筋肉を感じることができるかも)  関節は基本的に曲がる方向が決まっています。  足ならお尻側にしか曲げられないはずですし、  指なら足、手を問わず平の側にしか曲げられないはずです。 (これは靭帯の関係とかいろいろあるのですが……  ごめんなさい、ちょっと調べきれてないです)  柔らかい(曲がりやすい)固い(曲がり難い)の差はあるにしろ  おおよその人は決まっているはずです。 (たまにタコ人間のようにとんでもない人はいますが)  さて、人差し指の先っぽを持ってみてくださいな。  それを手の甲がわに押し倒してみてください。  ある程度までは倒れるかもしれませんが、  ある地点で倒れなくなりましたね?  さらに倒そうとしてください。  すると、手の平側の指の付け根が突っ張ったように痛くなると思います。  突っ張っているのは、靭帯が許容量を越えて伸びてしまっているわけです。  筋肉ってゴムと一緒で縮む力しかないんですね。  で、伸びきってしまうと切れてしまうし、戻らなくなってしまう。  そうすると、その関節が機能しなくなる。  ただの骨の繋ぎ目になってしまう。  さらに、無理な力をかけると繋ぎ目自体がかぽっと外れてしまう。  はい、指とは普通、手の甲がわに倒れるものではありませんね?  つまり決まっている方向とは違う方向に関節を曲げようとすると、  関節は無理をして破壊されてしまうということです。  曲がらなくなってしまうということです。  関節技とは、上記の行為を意識的に相手に行う技のことです。  関節が曲がらない方向に無理に力をかけて  靭帯を限界以上に伸ばして切っちゃったり伸ばしちゃったり  骨の繋ぎ目を外しちゃったりしちゃう技です。  曲がらないと非常に不便ですし、その関節より先が使い物にならなくなる。  手の関節を破壊されるとパンチ打てないしぃ。  足の関節を破壊されると立てないしぃ。  戦力を削っちゃうわけです。  打撃だとそれは望めない。  力任せに骨でもへし折ってしまったり、  あまりの痛さに気絶させたりしてしまえば話は別ですが、  そうでないなら相手も殴り返してきます。  打撃を加えられた場所以外は無傷ですから。  関節は破壊された先は使い物にならなくなるので、  嫌でも戦えなく(戦いづらく)なってしまいます。  さらに、指曲げ編だけでも、痛いのに(痛かったでしょ?)  その痛みのさらに上をいくので、とんでもなく痛いらしい。  さらに、打撃技にくらべると、力が小さくても破壊が可能です。  てこの原理を使うかららしいですが、  調べきれてないので宿題にしてください。  で、なんで関節を破壊する技が必要だったのかというとですね。  ほんらい、武術というのは合戦場などで生き残るために必要だったわけで。  関節技はもともと柔術という素手の武術の中に含まれていました。  つまり、素手で合戦場で相手と出会ってどう生き残るか。  合戦場だと相手は鎧を着ているわけで。  で、鎧で一番ガードが少ない部分は関節なわけで。 (動かす必要があるからね)  だったら破壊すべき場所は関節なわけで。  鎧を素手で殴ったら大変なわけで。  だから、発展しましたとさ。  なんか、説明不足のような。  軟骨とか、ちょっと細かいところは省きましたが、  いちおう今もっている知識を総動員して書いてみました。 -------------------------------------------------------------------------------- 座して待つ居待月[いまちづき]、伏して待つ寝待月[ねまちづき] No.7073 投稿日 2003年9月16日(火)02時16分 投稿者 弟切 千隼  三連休にやっと暇ができたという友人に誘われ、弟切は飲みに行きました。秋らしく風流に月見酒と行こうかねえ、と言い合っていたのに、夕立が降って月が見られませんでした。  そもそも十五夜を過ぎてからも夕立があるなんて、季節感が違っていますよね。 >1000字課題 >>>> さくさくと草を踏み分ける軽い足音に、サイードは顔を上げた。 >>>> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >>>> サイードはちょっと首を傾げ、扉の向こうへと声をかけた。 >>>> 「アーイシャかい? 今、お茶を淹れているから台所へおいで」  (中略) >> この直しでは、裏設定の部分はあいかわらず裏設定のまま。そこに手をつけないままで、足音が軽いとか重いとか、些末なところを変えても、なんにも変わりはしない。 >> やるのなら、裏設定を見えるところにまで引きずり出してこないと。 >> そもそも、5W1Hの選択の仕方を間違えているのだな。 (新木さんのNo.7066の書き込みより)  確かに、この直し方では、全く裏設定に触れていません。読者さまにとっては「書いてあることが全て」ですから、きちんと書かなければ通じるわけがありませんね(^^;  新木さんが書き直して下さったのを読んで、わかりました。あれは、最初にロングショットで「大草原の小さな家」を写していますね。あのように書いておけば、読者さまはいやでも「大草原の一軒家」という印象を脳裏に浮かべるはずです。 >曖昧さと明確さ >> すると読者っていうのは、この「曖昧さ」にも意味があるものと考えちゃうわけだ。  (中略) >> はっきり書くべきことを曖昧に書いてしまったり、曖昧に書くべきところをはっきり書いてしまったりしたら、読者は誤読するわけ。 (新木さんのNo.7067の書き込みより)  これに関しては、弟切は全然わかっていませんでした。今回のことで、少しはわかった気がします。というより、ようやく問題があることに気づいた段階ですね(^^;;  読者さまは、はっきり書いてあることをそのまま読み取ることには、気づいていました。しかし、曖昧にしたまま書いていないことは、判断が保留されるのではなく、「普通にある状態」として判断されることには、思い至りませんでした。  考えてみれば当たり前ですよね。特に何も説明せずに「家」と書いてあれば、普通の人は、この地球上にある木やコンクリートや煉瓦などで作られた家を思い浮かべるでしょう。「おじいさん」とあれば、髪の毛が薄くなったり白髪になったりして、顔は皺だらけの人間のおじいさんを思い浮かべますね。  「家」と言われて、それが宇宙ステーション上にある気密ドームかも知れないと想像する人はほとんどいないでしょう。「おじいさん」と聞いて、それがしわしわになった酵母菌[こうぼきん]を指しているかも知れないと思う人はまずいませんよね(^^;  (余談ですが、かつて酵母を研究していた友人によれば、酵母も年を取ると皺が寄るそうです。むろん、酵母の寿命はヒトよりずっと短く、年寄りといっても、活動している状態で何年も生きている酵母はいません)  「科学者と孫娘」の話が、「現代だと見せかけて実は未来でしたぁ」という驚きを主題にした話なら、弟切が書いたような曖昧な書き方で正しいでしょう。  けれども、この話はそんな主題ではありません。最初に「ここは現代の一般的な日本の家庭ではありませんよ」という情報を出しておかなければ、読者さまを混乱させるだけですね。 >もうひとつ入っている要素 >>7)サイードとアーイシャの絆の深さ。 >> ――てものは、不要なわけ? >> 僕らが読み取ってしまったのは、それなのだが。 (新木さんのNo.7066の書き込みより)  これは、弟切の分解能の低さが原因で、気づきませんでした(;_;)  新木さんがおっしゃるとおり、弟切は、 >>5)未来にも変わらない家族の絆 という要素を挙げています。  家族の絆というものは、遠い過去から現代にいたるまで、人類の社会に根付いています。そのため、「家族の絆」と書けば、読者さまの心に響く深く温かい絆がたちまち入力される、と思い込んでしまいました。  そんなことがあるはずはありません。これはまったく、弟切の自分勝手な思い込みです。  これに関してはまだ考えがまとまっていませんので、考察は次回に回します。 -------------------------------------------------------------------------------- 増量とか No.7074 投稿日 2003年9月16日(火)03時45分 投稿者 巻島翔史 「びっくり感」「頭がこんがらがってる感」>  ああ。そのシーン(コンビニ)はですね、そのすぐ先に「(男のことを)訊きたいけど訊けない主人公」というシーンがすぐあとに控えてまして。俺はそっちにばかり注意がいって、すぐ前のことに気が回らなかったのです。「訊きたいけど訊けない」というのは、のちとの対比との意味で大事ですし。  主人公の感情のディテール(微細な動き)そのものを捉えることが、大事であるはずなのに。話の根幹以外のディテールに気が回っていない。ううん。 >>ご飯しか取り柄のないやつが、盛りでケチるな。  これは「筋ばかり追ってる気がするけど、ここは先を急ぐべきな気もする」(意訳)に対するレスですね。  ふむ。つまり必要なディテールには枚数を惜しむな、と。 >>体操着の裾は、ブルマーに入れてあったほうが萌えますか。 >>それとも入れないで外に出していたほうが萌えますか。  断然、外出し派です。  理由は、ちょっとしたアクションのさいに素肌がのぞく可能性があるから。  お腹の肌というのは、体操着などの裾のある服を着ている場合、なかなか見えないところです。  いわば秘部。秘められている部分がなにかの拍子で見えてしまうことに情欲を感じないわけにはいきません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7075 投稿日 2003年9月16日(火)09時08分 投稿者 新木 伸 >丁寧でも子供っぽい口調  女の子バージョンだけだと不公平と言われるだろうから、男の子バージョンのほうも作っておくか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「いい? キミにひとつ言っておくことがあるんだけど。そうやって、すぐ――女の子やら、女のひとやらの能力を褒めちゃうのは、よくないからおやめなさい。感心するのもだめ」 「わかりません。すごいと思ったので、僕はそう言ったまでです」 「もうっ。素直と誠実ってのは、ちがうんだけどな……。褒められたら誤解しちゃうもんでしょ。ひとつ訊くけど。キミ――わたしのこと、好きなわけ?」 「ええええっ。なんでそうなるんですかっ」 「だって、褒めたでしょう? ついさっき」 「でも、それとこれとは別で――」 「同じです。わかりなさい」 「理解できません」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  んー。  この「主人公=男の子版」のほう、対象読者が「男の子」だと、2行じゃ無理だな。  この概念。描くためには8行も必要だったわ。  しかし主人公も納得していないから、読者も納得させられていないだを。  逆に「主人公=女の子版」のほうなら、対象読者が「男の子」であれば、2行でOKだ。あれ以上の説明は不要だろう。なぜ女の子が男に容易に好意を向けちゃならないのか、男には説明不要の事項だから。 (ただしあっちのほうでも、女の子自身は納得していない)  「女の子版」を対象読者「女の子」で書くのだと、やはり8行ぐらい必要なところだろうが。 >巻島 >>そのシーン(コンビニ)はですね、そのすぐ先に「(男のことを)訊きたいけど訊けない主人公」というシーンがすぐあとに控えてまして。俺はそっちにばかり注意がいって、すぐ前のことに気が回らなかったのです。  はじめに書いたときに、そういうふうになっちゃうことは、ぜんぜん構わないのだけど。  そうしたミスをチェックして、正しく修正してゆくのが「直し」の目的だろうが。  3行とか、5行とか、ある一定単位のブロックごとに、「この部分の目的はなんだったろうか? それは充分描きこめているだろうか」と、チェックするようなことを、やっているのか、いないのか、そこを聞いているのだけど。  プロットは書いてあるんだから、そこでなにを書くべきだったかなんて、すぐ出てくるだろ。  話の根幹とか、あるシーンで何を書くべきかなんてことは、プロットですべてやってあるわけ。もう迷わないでいいの。  いまはディテールに没入しちゃっていいわけ。  筋を忘れてディテールに専念するために、先に筋を考え抜いておくわけ。そのために「プロット」という手法は存在しているのだ。  いま見ている場所の10行先に、「男のことを訊きたいけれど訊けない」ということが書かれているとする。  しかし、いま見ている「5行」には、そんな先のこと、関係ないでしょ?  その部分は「有希から声をかけられて慌てる主人公」であったりするわけだよ。  あえてマクロで見ないで、ミクロで見るわけだよ。いま見ている部分だけに集中する。  そういうのも「読みかた」のひとつ。  あらゆる角度、あらゆる多方面から、毎回ごとに着眼点を変えて読む。  自分の作品に、いまの自分の力量において、直せる部分があるかどうか探してゆくわけだな。 ・主人公の心理だけに集中して読む。 ・有紀の心理だけに集中して読む。 ・宇宙人が出てきて、話すようになってきたら、こんどは護衛やらお姫さまやらの心理に入って、チェックしてゆく。 ・3〜5行ごとの「センテンス単位」でディテールが充分に描きこんであるか読む。 ・単に「誤字脱字チェック」のためだけに、内容に関知しないで、誤字脱字がないかだけに集中して読む。  初稿を上げたのち、作品を完成させるまでに、50回や100回は読むのだと思え。  この50枚の部分に関して。  いままで、どこに着目して、どれだけの回数読んできているのだ?  冒頭3ページ分に相当するクオリティが出てないってことは、なんか、サボってるんじゃないのか?  ちなみに宇宙人登場のシーン。 >> ゴガッ。 >> そのとき、コンクリートブロックを転がしたような音がした。  ここ以降のシーンね。  これ現在、電撃フォーマットの文庫本換算でいうと、5ページ目の終わりあたりに存在している。  これが8ページくらいまでなら、ぜんぜんOKだろう。  10ページ以内とかでも、ぎりぎりセーフの範囲。  5ページだと早すぎるぐらい。実際のところ、有希との「どきどき感」が犠牲となって、はしょられちゃっているわけだし。  作品世界の「日常」をそれなりに描いてからでないと、「非日常」は生きてこない。  そこらの商業作品を手にとってみろ。  そしてページを開いて、何ページ目で「事件」が起きているのか、調べてみろっての。  ホント、言われないとやらねーんだなぁ。アマチュアてのは……。  似た系統の作品で調べるのだよ。  はじめ日常からスタートして、その後、非日常の事件が起きて主人公たちが引っぱり回されるようなジェットコースター式の話って意味ね。  その際、なるべくオーソドックスな作りをしている話が、分析に向いている。  また自分が「面白い」と感じた作品ではなく、「手堅い作りをしている」とか「巧い」とか、そう感じた作品を分析対象とすること。  なんかちょうどよい作品を知っている人は、まっきーに作品名を助言したってください。>ALL (プロローグは除いて勘定すること。本編スタートから何ページ目で「事件」が起きて、話が動きはじめているのかってことね)  ちなみに星くず1巻だと、12ページ目。(これはヒロインが4人もいるので、キャラ立てするのにページ食っちゃったせい)  星くず3巻だと、10ページ目。4巻でも10ページ目。 >甘夏さん >関節技の説明とか >>いちおう今もっている知識を総動員して書いてみました。  それはぜんぜんアプローチを間違えています。  自分の知りうる限りの知識を並べてみるのは、「知識量のチェック」であって、説明にはあらず。  知っていることをすべて書いてしまうのではなく、いかに最低限で済ませるかが、説明の腕の見せ所。  相手は、なんにも知らない人間なんです。(そのつもりで説明を試みること)  いちどにたくさん言われたら、頭、パンクしちゃいますって。  ついでに言うと、そのことに興味を持たない人間は、読んでくれるのは3行が限度です。そのなかで勝負しないと。  3行読んでおもしろそうだったら、次の3行も読んでくれるでしょうが。  情報を制限する。どの情報は伝え、どの情報は伝えないかを選択する。  ある情報を伝えることに決めると、芋づる式に、付属して伝えなければならない情報が生じる。  またある情報を伝えないことに決めると、その影響で、伝えることができない情報が出てきてしまう。  それらの見極めを瞬時に行う。  また相手の理解度を推し量りつつ、適切な情報量だけを開示して見せてゆく。  ――そうしたことが、「説明」を行うために必要な技能です。  それを普通に行えるようにするための訓練なわけで。  2号は説明文さえも満足に書けない「ライター未満」のレベルであるので、多少鍛えないとならないわけです。  てか、ライター的文章のことなら、べつに分室で鍛えないでも、本でもなんでも、充分に洗練されたノウハウがあるんですけどね。(図書館にだって、その手の本は山ほど置いてあるはずだ)  ――で、いまやっているこれは、「説明の腕を磨く」訓練の一環です。  べつに「関節技について」でも、「液晶モニターの原理について」でも、「本格的インドカレーの作りかた」でも、ネタ的にはなんでもいいんですけど、話の流れとして、たまたま「関節技」でやっているだけで。  甘夏さんが、説明の腕を磨くつもりなら参加してくれてかまわないです。  ただし、いまやっているこれを、「関節技についての知識量チェック」と勘違いしてしまっているなら、目的違いです。  剣法とプロレスのほうの話題であれば、知識量チェックに近いですが。  ただし「リアルなシーンを描くために必要な知識」のチェックであり、2号がそういうものを書こうと言っているのでチェックしているわけですが。 >おかずとご飯の話  関係ないが。  「ブラックロッド」って作品が世に出たとき。わしは驚いたものなのだ。  器もなし、ご飯もなし。「おかず」のみで作品が成立するとは、思ってもいなかった。しかし目のまえに「現物」として出されたら、現実として認識するしかないわけで。だってそこに存在するしー。  あのとき、認識がだいぶ変わった。目からウロコって感じね。 -------------------------------------------------------------------------------- 虫の音すだく更待月[ふけまちづき] No.7076 投稿日 2003年9月17日(水)02時14分 投稿者 弟切 千隼  湘南では、真夏が戻ったかのような炎暑がやっと一息つきました。昼間はまだ蝉が元気に鳴いているものの、日が落ちてからはこおろぎの鳴き声が賑やかです。 >1000字課題  前回の書き込みNo.7073で、「科学者と孫娘」の要素には、弟切が挙げたもの以外に >>7)サイードとアーイシャの絆の深さ。 もあるのではないかと取り上げました。  物語の要素の一つに「5)未来にも変わらない家族の絆」があるのならば、現代の普通の人に理解できる、普通の家族としてのサイードとアーイシャの絆が書かれていなければなりません。なのに、弟切はそれを明確に意識化して書いていないために、「未来にも変わらない家族の絆」も「サイードとアーイシャの絆の深さ」も、読者さまにはほとんど伝わりませんでした。  それでも、冒頭部分の分析によって明らかになったとおり、サイードとアーイシャの絆の深さをうかがわせる部分はあります。弟切が無意識のうちに埋め込んだ要素ですね。  無意識にこんなことをやっているようではいけません(;_;) 書くべきことをきっちりと意識化して、明確に書きませんと。  試しに、これまで詳細に分析した冒頭4段落の後の部分も分析してみましょう。  きっちりと意識化せずに書いたために、味気ない「無属性」となってしまった文章に、実は何が込められていたのか、あるいは何を込めるべきだったのかを探ります。 >> 「はい、おじいちゃん」 >> 快活な声が返ってきた。 >> 「どこへ行くんだい? 今、お茶を淹れているんだよ」 >> 「もう暗くなってきてるでしょ。星を見るの」 >> サイードは溜息をついた。  ここまでを分析してみます。 >> 「はい、おじいちゃん」  この文は、サイードとアーイシャの関係を明確に示す重要な情報を含んでいますね。この直前の段落にある「アーイシャ」という語感と、「おじいちゃん」という応答からして、この二人は「祖父と孫娘」であることがほぼ確定します。  加えて、「おじいちゃん」という親しげな呼び方により、この二人は親密な関係にあることが決定します。弟切は分解能が低いため、これによりこの文の成分を、「未来にも変わらない家族の絆10%、無属性90%」としてしまいました。  本当ならば、ここは未来であるかどうかに関係なく、「家族(サイードとアーイシャ)の絆10%」とすべきでしょう。 >> 快活な声が返ってきた。  この文は、すぐ前の行でアーイシャが示したサイードとの親密さを補強する役割を果たしています。弟切はこの文を無属性100%としたものの、実は前とのつながりによれば、「サイードとアーイシャの絆の深さ」を示す文となっていますね。 >> 「どこへ行くんだい? 今、お茶を淹れているんだよ」  この文にも、サイードとアーイシャの親密さが表わされています。弟切がこの文の成分を、「祖父の少女に対する思いやり80%、無属性20%」としたのはこのためです。 >> 「もう暗くなってきてるでしょ。星を見るの」  これはほぼ純粋に説明のための文ですね。サイードとアーイシャの親密さにはあまり関係ありません。 >> サイードは溜息をついた。  ここでは、アーイシャの言葉を受けて『サイードが溜息をつい』ていることが明らかですね。この描写だけでは、サイードが呆れているのか気の毒がっているのか疲れているのか判断できません。  けれども、これまでの描写からして、サイードとアーイシャが親密であることがわかっています。サイードはアーイシャに好意を持っているがゆえに、溜息をつかざるを得ない感情を抱いたのだと誰もが考えるでしょう。  よってここは、「無属性100%」ではなく、「祖父の少女に対する思いやり」を何%か入れるべきだったかも知れません。  うむむ、改めて分析してみますと、サイードとアーイシャの親密さを示す部分が多いですね。これでは、「現代の普通の祖父と孫との愛情物語」に見えて当然です。それがいきなり宇宙探査をしている未来の話になるのですから、さぞかし読者さまは戸惑うことでしょう(^^; -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7077 投稿日 2003年9月17日(水)03時10分 投稿者 新木 伸 >弟切 >なぜ舞台が未来であることが伝わると思いこんでいたのか >>改めて分析してみますと、サイードとアーイシャの親密さを示す部分が多いですね。これでは、「現代の普通の祖父と孫との愛情物語」に見えて当然です。それがいきなり宇宙探査をしている未来の話になるのですから、さぞかし読者さまは戸惑うことでしょう(^^;  なんでそうなってしまったのか。  理由は明快。  弟切が、この話を「宇宙探査をしている未来の話」として書いているから。  そのつもりで書いているから。  それが理由。  ただそれだけが理由。  自分はそのつもりで書いているので、もちろん読者もそのつもりで読むだろうと、頭から疑っていないわけだよ。弟切は。  このへん、2号が「関節技」について、永久に俺を納得させられなさそうなことと、根っこは一緒。  2号の場合には、「自分は関節技を知っているので、その自分の発した言葉には、相手を納得させる《力》がこもっているはずだ」と、頭から信じて疑っていないから、ああなってしまうのだな。  説明しようという努力を、はじめから放棄している。手抜きしまくり。それでも伝わると思っているんだから滑稽なもんだ。(まあわかるまで永久に、自分のシッポ追いかけさせて、同じところぐるぐる回らせておくけど)  でも、この掌編を書いたときの弟切の心理も、まったく同じことなんだよ。  自分と読者とを、どこかで同一視しちゃっているのだ。  なにか読者っていう存在は、自分の付属物であり、従属物とでも思っているのではないか?  どこかで心が繋がりあっているとでも? なんかテレパシー的に気持ちは通じるはずだと?  そんなわけあるかい。  読者は別人なんだ。他人なんだ。  自分ではない「人間」=「他人」に向けて、物を書くようにしなさい。  「どう書いても、きっとわかってくれるさ」なんて甘っちょろいガキの思考は、いいかげん、ポイしなさいポイ。  「わかるように書いたなら、わかってくれるはずだ」ぐらいの理念にまで成長しろ。 (ちなみにいくら分かるように書いたところで、わかりたがらない人は、やはり、わからないままなのだが。) >リライトに込めちゃったもの  分析の邪魔にならないように、ひとつ白状しておくけど。  僕が書き直した冒頭部分、本来、弟切のものには含まれていなかった余計な成分が混入しちゃっているのね。  余計な成分が混じっちゃっている時点で、もはや別物。  あれは、リライトとしては失敗している。  含まれている成分の構成比率を変えるぐらいのことが、リライトと呼べる範疇。  そもそも「なかったもの」を足しちゃったら、リライトとはいわない。  僕が入れちゃったのは、「賢い子、アーイシャ」とかいう成分なわけね。キャラが立ちはじめると、台詞を書くときに、どうしてもそうなってしまうので入ってしまった。  あと「科学者、サイード」という成分も入れちゃってある。(が、これは元々入る予定の成分らしいから、増強しちゃってもかまわないはず)  ちなみに「賢い子、アーイシャ」という成分には、「この子はこんなに賢いのに、でも子供だから、両親が死んだことには気づいていないのだ」――という落としどころを用意してある。  ――が、そうした「路線」が正しいかどうか、いまの時点では、ぜんぜんわからん。  弟切がこの話を書くことで、なにをやりたかったのかが、見えてこないため。 >話の着地点  そもそもこの話、悲劇に着地させるのか?  それとも二人の絆の深さをみせることで、ほんのりハートフルなところに着地させるつもりなのか?  読後感としては、どんなものを想定していたのだ?  「ああ。この子、両親が死んだことに気づいていないのか。かわいそうだねぇ」と、悲劇として持ってゆきたいのか。  「ああ。この子、両親が死んだことには気づいていないんだ。おじいちゃんは、この子を深く愛していて、真実を隠すことで守ろうとしているんだ」と、ハートフルに持ってゆくつもりなのか。  「この子は両親の死を知っているのだろうか、それとも知らないのだろうか。どっちとも取れるな。そしておじいちゃんは、真実を隠すことでこの子を守ろうとしているのか。それとも真実を知ってなお平然と振る舞うこの子を支えようとしているのだろうか」と、読者に読後に頭を使わせる「考え落ち」に持ってゆくつもりなのか。  「この子は両親の死を知っている。そして祖父が両親の死に気づいていないと思っていて、気づいていないふりをしようとしている。祖父のほうは孫娘が両親の死を知らないと思っていて、そして隠そうとしている」と、いたわりあう二人を書くほうに持ってゆくのか。  「この子は両親の死を頭でわかっていても、理解はしていないんだな。小さな子って、そうやって死というものを理解できないことがあるよな。科学者である祖父は、彼女が成長して自分で理解してゆく過程を見守ってゆくつもりか。科学者らしい見守りかただな」と、科学者という存在を描き、センスオブワンダーに持ってゆくつもりなのか。  いくらでも、路線は打ち出せるのだが。  どれが上等ともいわんし、どれが下等ともいわんけど。  みな等しく「物語」として平等だ。  ただ「対象読者」が変わっているだけだ。  この話のタイトルは、「科学者と孫娘」というタイトルだよね。  どっちが話の「主」なのだ? 「科学者」のほう? それとも「孫娘」のほう?  そのどちらでもなく、「二人の関係」というものが話の「主」なわけ?  どれにするのか、はっきり決めてなかったろ。  またいくらでも路線が打ち出せると、考えていなかったろ。  ――で、どれなの?  このうちにあるのか。それともここにはない別の路線なのか。  こういうの、いわゆる「おしめを替えてやる」っていうのね。  自分が何を書こうとしているのか。  誰にたいして書こうとしているのか。  人の手を借りずに、自分でできるようにならんといかんものなのね。  作家としては。 -------------------------------------------------------------------------------- 昨日、図書館に行ったら休みだった No.7078 投稿日 2003年9月17日(水)17時17分 投稿者 名無し君2号  15、16日と、図書館が休みでした。  しかたがないので、近くの池(貸しボート屋がある程度の大きさ)をぶらぶらと歩く。水面で光が風と水と戯れていて、とてもきれいだったなあ。 >かねやんさん >>プロレスってどこらへんがかっこいいの?(小学生ふうに)  物語を背負った人間が、闘う姿。  ひとことで言うと、こうなります。  いま阪神が優勝して大騒ぎ、というのも、ずっと弱くて、18年ぶりにようやく……という物語が背景にあるからですよね。  プロレスも同じように、例えば……。 起:強豪外国人レスラー来日。 承:外国人レスラー大暴れ。チャンピオン以外、全員やられる。 転:ついにチャンピオンと外国人レスラーの対決。 結:チャンピオン、からくも勝利。  こういうベタなのは最近はありませんが、プロレスの試合というのは、大抵はなんらかの物語がからんでくるものです。  ボクシングや柔道でも、狙ってる、狙ってないの違いはあっても、物語が背景にあるほうが面白いですし。  苦節何年とか、何大会無敗とか。  怪我を押しての出場とか。  単純に顔のいいやつが強い、とか、天才という称号なんかも物語の要素になります。  うーん。  そもそも感動を感じるときというのは、そのものよりも、その背景の物語に感動を感じていることが多いんじゃないかなと思いますが。 >>考えてみればゴールデンタイムにプロレスの話題って出てこないし、プロレスをまったく知らない子供とか多いんだろうなあ。  かもしれないですね。  でもプロレス業界もいろいろとがんばっているようです。レスラーがバラエティー番組に出たり、芸能人をセコンドにつかせたり。 >新木さん >関節技  攻撃したい相手の関節につながる部分をつかみ、逃げられないよう固定してから、可動範囲以上に関節を動かそうとすることで、関節を動かすために必要な部分を痛めつける技。  結果として関節がはずれたり、関節を動かすための筋肉がちぎれたりする。  もっとも、普通は痛みにたえかねて相手は負けを認めるので、そこまではいかない。 >短編 >>>>(一)笑いをまじえて、軽めに。 >>>>(二)シリアスに、でも生々しくならないように。 >>>>(三)生々しく。ぎとぎとと。 >>ここの選択理由。 >>ただ「中庸」ということで「2」と決めたのなら、馬鹿げた考えなので、捨てて考え直すこと。 >>それ以外の理由で「2」を選択したのなら、その理由を示すこと。  読者の立場に立って……。  ある程度のサービスシーンは必要だろう。かといって、生々しいものだと、「だったらポルノ小説読むわいな」となるだろう、という理由です。  あれ? これって「中庸」ってことか?  あとは抑えめぐらいにしておいたほうが、私の場合はいいのかな、とも思いましたけど。 >性への目覚め >>まず、アイデアの分類の仕方がなってない。 >>おおまかにわけて、以下のように分類できるだろ。 >>取りこぼしが出たらもったいない。しっかり項目を立てろ。  了解。 ■視覚系 ・写真。 ・パンチラ。 ・ビデオ。 ・着替え目撃。 ・行為目撃。 ■視覚以外 ・女の子っていい匂い。 ・あえぎ声がとなりから。 ・乳に触れてしまう。 ・偶然押し倒してしまう。 ・強制的に体が押しつけられる(逃げられない)。 ■知識系 ・辞書でそういう単語を調べる。 ・保健体育の授業にて。 ・友達から教えてもらう。 ・ポルノ小説で読む。 ・きれいなお姉さんから教えてもらう。 ■妄想系 ・下着。 ・きわどい下着。 ・女性の着崩れた姿。 ・ふすま一枚へだてた向こう側で、生着替え中。 ・あえぎ声がとなりから。 ■体験系 ・からかい半分にせまられる。 ・偶然にキスしてしまう。 ・夢で体験。 ・痴漢される。 ・大人の階段をのぼる。  各項目とも、下にいくほどにエロ度を高くしてみました。  やってみてわかったのは、結構重複する分類があるということ。  たとえば「視覚以外」の、触覚に関することは「体験系」にもはいったりするし、ビデオだって、「視覚系」と「情報系」の両方にはいるし。  これはもうちょっと出してみますが、いまのところ面白そうな感じなのは、体験系の「偶然にキスしてしまう」だったりします。  ヒロインの女の子とキスしてしまって……という展開はどうだろうか。 >空手 >>どれが、空手という格闘技を、もっとも特徴づけている性質なんだ? >>あと、人は説明を10文字ぐらいは聞いてくれるもんだ。 >>10文字ぐらい使い切って、たっぷり説明しろ。  10文字……。  素手で、殴り蹴る武術。  9文字です。 >剣術ものの知識 >>こういうようなもの、じつは持っているのか? どうなのか? >>持っているなら、箇条書きで書いてみろ。  持ってないです。  が。  高校のときは、バドミントン部でした。  楽だろうと思って入ったら、ものすごくきつかったんですが。  だから……。 ・一対一の試合でのかけひき。 ・後がない状況でのプレッシャー。 ・勝利を確信してしまったあとのプレッシャー。 ・精神的に優位にたつということ。またはその逆。 ・重圧をはねのけて、開き直る瞬間。 ・大会の重圧。 ・練習をさぼりたくなる感覚。 ・体育会系における序列。「三年神、二年人、一年奴隷」。 ・へばりすぎて逆に気持ちよくなってきたりする。 ・はじめてラケットで羽を打たせてもらったときの感覚。 ・後遺症として膝が痛い。  ……だんだんと剣術からは離れていきますが。  こういうのは実体験としてあるんですよね。  プロレスは……。 ・コーナーポストは意外と高い(1メートルぐらいだと思ったが)。 ・投げられて、息がつまる感じ(柔道の授業で体験)。 ・関節技の痛さ(実体験)。  骨を折ったことはないんですが。  人を殴ったのは一回だけだし。殴られたのも一回だけか。 >レスラーのアフター3  午後三時に合同練習が終わり、食事になります。  その後、若手の場合は雑用があります(洗濯、あとかたづけ、掃除等。昔はチャンコも若手がつくっていた)。 ■何もしない組  ベテランレスラーや、怪我をしているレスラーはこっちの組になります。  雑誌の取材を受けたり、遊んだり、静養したり。プライベートだと思ってもらえればいいです。  実戦で強ければ、別に練習しなくたってだれも文句は言わないし、言えない世界です。  練習しないでつぶれるのも、本人の勝手です。  おなかの部分を見ると、すぐわかるんですけどね。  腹が引き締まっていれば練習しているし、ぽよんとしていれば練習していないです。 ■練習組  道場というのは、リングがひとつ、そのまわりにウェイトトレーニング用の機械が置かれています。  だからウェイトトレーニングもスパーリングも、同時間帯におこなわれます。  ただ、持ってる本を読んだら、「夜」としか書いてないので、いったいいつのことやら。  もうちょっと調べてみます。  練習が終わり、遊び(ナンパ、飲みにいく、風俗)にいくレスラーはいく……大抵いくみたいですが。  豪傑になると、一晩中酒を飲み続けて、そのまま翌日の練習に参加、練習でアルコールを抜く……とかやってた人もいたようです。 >かわいい感2割増量 >>――で、「牛乳」のリライトでは、台詞のどこをどう変えて、「思わず感」を2割増やしているわけ? そこもついでに研究しろよ。  それぞれのセリフを抜き出してみる。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・からかう部分 「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 「なんであんなことしたの。馬鹿だから?」 「わかった。背を大きくしようとしたんでしょう。ちびだもんね、イクオ」 ・説明部分 「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ。つまり、カルシウムの摂取。それと適切な運 動。馬鹿みたいに牛乳を飲んだって、一気に伸びたりなんか、しない」 「私、背が“ちょっとだけ”大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きく なるのかわかれば、その逆をやりさえすれば、これ以上、背は伸びないはず」 ・ラスト 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・からかい部分 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」 ・説明部分 「牛乳より、煮干しのほうがいい。必要なのはカルシウム。それと運動。そこらを走 り回ること。ただ牛乳だけ飲んでたって、一気に伸びたりなんか、しない」 「私、背がちょっとだけ大きいでしょう。だから調べたの。どうすれば大きくなるの かわかれば、その逆をやれば、もうこれ以上、背は伸びないはず」 ・ラスト 「――だれのためだと思ってるのよ、ちび」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「あなた」→「あんた」  「馬鹿なんだね」→「バカよね」  「なんであんなことしたの」→「なんでやったの?」  「馬鹿だから?」→「ただ単にバカだから?」  「しようとしたんでしょう」→「しようとしたんだ」  「ちびだもんね、イクオ」→「ちびを気にして」  「牛乳もいいけど、煮干しもいいよ」→「牛乳より、煮干しのほうがいい」  「摂取」→「必要なのは」  「適切な運動」→「運動。そこらを走り回ること」  「馬鹿みたいに牛乳を飲んだって」→「ただ牛乳だけ飲んでたって」  「その逆をやりさえすれば」→「その逆をやれば」  全体的に、子供っぽい言葉を使ってます。  それによって、感情の起伏が生まれている。  私版だと、全体的に冷静な感じ。  新木さん版だと、最初のイクオをからかう部分のセリフは、感情のおもむくままにきつく。  背を伸ばすために必要な要素の説明部分は、おとなしく。  それだけ幅が出ているということ。  きついときはきつく、おとなしいときはおとなしく、たのしいときはたのしく。  これ、セリフ以外でも使えるなあ。  でも、態度だけにとどめるよりは、言葉にしたほうがなお子供っぽいか。 >1000字課題 >No,33 >>できれば欠点を直してこい。すぐでなくていいから。まあそのうちに。  了解。なおします。 >No,34 >>僕が良いなと思ったのは、「他人とのあいだの距離」を、金魚鉢に例えてみせたところだったりする。特に「こつんと鼻がぶつかる」というところが、自分の体験と照らし合わせて、体感できた。 >>自分の感覚としては、他人との境界線上にあるのは、もっと生々しく肌にまとわりつくもので、あるのかないのかわからないけど、確実に境界面として存在する「ビニール袋」みたいなもんかなぁ。  私の場合は確実に金魚鉢なんで、突き破ろうにも突き破れないもの、どうあっても届かないもの、だったりしますが。  たかだか30年にも満たない人生経験にもとづくものなので、これからきっと変わる……変わればいいなあ。  せめてビニール袋になることを祈りつつ。  今回は一編。なんかリハビリしている気分。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=602&e=res&lp=550&st=0  ふう。集中できないのが嫌です。朝の9時から……夕方5時まで。とはいえ、その間ずっと集中してことに当たっていたわけでもなく。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号さん No.7079 投稿日 2003年9月17日(水)22時58分 投稿者 かねやん >>プロレスってどこらへんがかっこいいの?(小学生ふうに) >>物語を背負った人間が、闘う姿。 >>ひとことで言うと、こうなります。  あう、ひきだしたかった答えが出てこなかった。  まわりくどかったですかね?  あれは、プロレスを一度も見たことがない小学生(男の子)に対して、プロレスに興味を持ってもらうにはどんなことを伝えればいいの? って質問でした。  ですから、プロレスでしか味わえないものを答えてほしかった、です。  かっこよさに限定したのは、小学生の男の子が格闘技に興味を持つ理由は「強さ」と「かっこよさ」だと思うからです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7080 投稿日 2003年9月18日(木)00時12分 投稿者 新木 伸 >2号 >関節技とか  だから同じところ、ぐるぐるいつまでも回ってろっての。  その小難しい仕組みとか理屈とかは、もういいから。  じゃあ、その技をかけて、折れた関節っていうの――それ見せてくれよ。  または折るところ見せてよ。  折れたらどうなるのか、教えてよ。  そうしたら、わかると思うから。  「関節技」ってのがどういうもんか、理屈で説明されてもよくわかんないけど、折れたあとを見せてもらえたら、「関節をそうする技」なんだってわかると思うから。  このへん、前に風輪さんにやっていた「ジャングル感」の話題と陸続きだったりする。  ジャングルを説明しろとか、ジャングルについての知識を披露しろとか、読者はそんな期待をしているわけじゃないのね。ジャングルに「連れていって」もらいたいわけよ。  部屋に居ながらにして、本のページをめくるだけで、ジャングルで正体不明のクリーチャーに追われている傭兵の気分になりたいわけよ。  本の代金600円と、読書時間2時間という手軽なコストで、「そこへ行った気分」を味わいたいと思っているわけね。  この「関節技を説明する」も、同じこと。  3行なり、5行なり、10行なりの手軽なコストで、「関節が壊された気分」とか、「関節を破壊する気分」とか、「関節を壊された人を目撃する気分」とかを味わいたいわけね。 >短編 >>ある程度のサービスシーンは必要だろう。かといって、生々しいものだと、「だったらポルノ小説読むわいな」となるだろう、という理由です。  なんだ?  エロ度を決めようとしていたのか?  てっきり「シリアス/コメディ度」を決める話かと思っていたが。  そもそも……。  エロ度と、シリアス度とは、別々に設定できるものだろ?  「子供っぽさ」と「粗暴さ」は別々に調整できるのと同じことで。  なんで一緒くたにやっちゃうわけ?  すごくエロでシリアスな話。  コメディだけどエロい話。  シリアスでエロくない話。  コメディでちょっぴりエッチな話。  組み合わせは、3×3で、9パターンあるはずだが。  重苦しいほどのどシリアスで、生々しいほどのエロ――ってのが、一番重たくなるから。  重度のエロをやりつつ話を軽くするために、コメディを取る。――って選択肢もあると思うけど。俺、星くずでそれやってるし。 >>これはもうちょっと出してみますが、いまのところ面白そうな感じなのは、体験系の「偶然にキスしてしまう」だったりします。 >>ヒロインの女の子とキスしてしまって……という展開はどうだろうか。  この話って、最後、キスにも踏み込まずに終わるんじゃなかったっけ?  性欲より大切に思う気持ちを優先する――ってエピソードを、どう処理するのか。  決定していたのか、いなかったのか、俺、ちょっとど忘れしちゃっているけども。  偶然のキスで始まって、ラストでは、再度のキスを踏みとどまる話?  わけわからんが。  本当に面白いのか? その展開は?  どう面白いのか説明せよ。 >空手の説明  10文字使えと言われて、なんで「、」なんて打つかね。もったいないだろその1文字が。  徒手空拳で闘う技術。  はい。  これで10文字。 >子供っぽさ2割増量 >>全体的に、子供っぽい言葉を使ってます。  たわけが。  子供っぽさの分析をしているのに、「子供っぽい言葉を使っている」と分析するのは、それ、分析かっつーの。 (いいか? 俺が「たわけ」と言ったときには居住まいを正せよ。滅多なことじゃ使わんからな。この罵り文句は)  「子供っぽい言葉」ってのを、「実際に計れる量」で定義してみようというのが、今回の試みのわけだろ?  そしてこのあいだ、ついにそれを定義しきったわけだろ?  「○○」を増やすと、子供っぽさが増える。――そう理論化してみた。  そして、ちょうど良いことに、いまここに実例が二つ存在しているわけだ。同じ人物の口から発せられた同じ台詞なのに、片方は子供っぽく感じて、片方はそう感じられない。  両者を見比べてみて、たしかに「○○」が変化していて、そのぶんだけ子供っぽさも増えている――そう確認してみようっていう段階だろ。いまやっているのは。  理論が正しいか検証するための最終段階だろ。いまやっているのは。  なのに、なんだってここで、また「子供っぽい」に戻っちゃうわけ?  元版とリライト版とを見比べて、「やあ。こっちのがたしかに子供っぽいですね」――とか、何段階も昔にやっていたはずのところに、戻っちゃっているわけ?  なんで退行するのよ?  ひょっとして、いままでやってきたことって、すべてムダなのかよ?  これだけの手順を尽くして、オマエは結局、そこに戻っちゃうわけ?  オマエのアタマじゃ、そこまでしか理解できないわけ?  「こっちのほうが子供っぽく感じます」――てなところから先に、一歩も進めないわけ?  「なぜ、どうすれば、子供っぽくできるのか」てな方法論には、難しすぎて、ついてこれないわけ?  ちなみに台詞二つを見比べて、「こっちのが子供っぽい」と言い当てられる――なんてのは。そんなの「読者のレベル」だ。  どの読者だって普通にやってるわい。そんなこと。  作り手側は、「どうすれば子供っぽくなるのか」ということを知っていて、体現できなくてはならない。子供っぽい台詞を自分自身の手で書けなくてはならない。  生まれつき、はじめから「子供っぽいセリフ」を書けてしまう人なら、べつに仕組みなんか知らなくていい。そうした「セリフの天才」であれば、研究の必要なんかない。  しかしオマエはそれが「生まれついて」はできなかったわけだろ? 凡人なんだから、仕組みを理解して、身につけるしか手がないだろ?  子供っぽさを調整する方法がわかれば、後々、役に立つわけだよ。  ライトノベルを書いてゆくなら、子供ってたくさん出てくるわけだしね。  ちなみに「絵」の話になるが。  子供っぽさを表現するには、「目を大きくする。等身を下げる」という簡単な公式がある。  いまやっているのも、そういうレベルの話だ。  台詞を「○○」のようにすると、子供っぽくなるという単純なノウハウなわけだ。  誰でもそうやれば子供っぽく書けるという、簡単なレシピだ。  また、2号は今回こうして、子供っぽさの正体を突き止めてゆくというアプローチを実際に経験してみたわけだ。  こうした方法に慣れてゆくことで、今後また同じように、「○○っぽさ」という問題に突きあたったときに、同じアプローチで分析して正体を突き止められるようになるはずだ。  そういう期待もあって、いまやっているわけだ。  この手の「○○っぽさってなんだろう?」てな問題は、今後も、山ほど襲ってくるわけだし。 >剣法の生知識 >>高校のときは、バドミントン部でした。 >>楽だろうと思って入ったら、ものすごくきつかったんですが。  じゃ、スポーツものを書けよ。  お前の書いている「生の体験」は、それ、すべてスポーツのものだろ?  武術ってのは、「負けました。残念です。次は頑張ります」なんて生ぬるいものとは、本質として違うわけ。  基本的に、殺し合いの技なわけ。  負けたら、そこで死んでるんだってば。  命の奪い合いなの。  2号の持っているその「スポーツ」としての生体験。  ネットワークゲームの中で行われるPC(プレイヤーキャラ)同士の「闘い」とか、不死身の人間同士のゲーム的な「闘い」とか、そういうものになら、その「スポーツ的な生感覚」も応用できるかもな。  斬り殺されちゃっても、ポイントやら経験値やらが減るだけで、次のチャンスはいくらでもあるわけだし。 >プロレス知識 >>ただ、持ってる本を読んだら、「夜」としか書いてないので、いったいいつのことやら。  んだよ。  いままで書いてきたの、それ、ぜんぶ「本」で読んだ知識かよ。  いいかげんなことをもとに、いいかげんなことを言ってるんじゃねーぞ。おい。  お前の持っている知識は、それ、何次情報なのよ?  数えてみたことある? (「次情報」て過去ログを検索のこと) 0次情報保持者:プロレスラー本人。 1次情報:格闘技関係のライターが、プロレスラー本人から話を聞く。 2次情報:ライターが自分の言葉で、記事を書いて「本」にする。 3次情報:その「本」を読んだ2号が、新木に説明する。  3次情報なんて、クソの役にも立つもんか。  正確さを期するためには、「伝言ゲーム」に参加する人数は、2名程度に抑えておかなきゃならない。  新鮮な魚が欲しかったら、魚河岸に直接、仕入れにいかなきゃならんのだよ。  魚屋やら、スーパーやらで買ってきた魚で、寿司を握る寿司屋があるか? あったら嫌だろ?  人づてに聞いた話だけをもとに、プロレス物を書く作家がいるか? いたら嫌だろ? >No.37  エロ、ってよか、グロかったが。  幼稚園児の性欲を描かれたってなぁ。  俺、ペド趣味まではないんで。  エロを書くなら、せめて初潮後と精通後にしてくれ。(男子の精通っていうと中学生に入ってからになっちゃうか。まあ小学5〜6年ぐらいで)  これ、登場人物二人の年齢は小学校上がるか上がらないか、そのあたりとみたけど。  それで間違ってない?  いや、「間違ってます」とか言われたって、間違えているのは「本文」のほうであって、読み取った俺のほうではないのだけど。  三人称で書くときには、対象者たちの年齢や言葉遣いに、地の文まで合わせる必要はないよ。  もし合わせるのであれば、対象読者の中心あたり。そこがナチュラルな中心点。  つまり17〜27歳の少年〜青年あたりが読者層と設定したのなら、22歳男――の平均的な言葉遣いで地の文を書くということ。  また15〜20歳あたりの少年少女(5割ずつ)に向けて書くのであれば、性別を廃した中性的な言葉遣いにするもんだ。このときのボキャブラリーの設定は17歳の平均的語彙ね。  まあ、理想はそういうもんだけど。  しかしまあ現実的には、三人称の語り部の年齢設定っていうのは、プロ作家でも手間をかけずに「自分自身」にしちゃっているようだけど。(これだと読者と作者の年齢がズレすぎると剥離が起こる)  あと、なにかの効果を狙って、観察者たる三人称の視点保持者を、わざわざ「低年齢」として書くこともあるが……。  この掌編では、場所によって大人の言葉遣いになったり、子供の言葉遣いになったりしているので、ただ単に揺れているだけだな。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7081 投稿日 2003年9月18日(木)00時23分 投稿者 新木 伸 >弟切  なぜ、あの話の舞台が「宇宙探査をしている未来の話」と伝わると、弟切が思いこんでいたのか。  その考察。パート2。  つまりだね。説明したくないわけだよ。弟切は。  説明するのは面倒だし、コストもかかるし。  読者はこれでわかるはず――と、そう思いこんでしまえば、検証する努力は不要になるよね。だって「絶対に大丈夫」なんだもん。  「これでOKだろうか?」という検証作業をしてしまうと、ひょっとしたら、「これじゃダメ」であることを見つけてしまうかもしれないんじゃんか。  そうしたら、直さなきゃならなくなるじゃんか。  掌編だから、まあ、頭からすべて書き直しになるよね。  つまりこれまでの苦労が、すべて水の泡。  そうはしたくないから、検証しない。欠陥を見つけないようにする。見なければ見つかりもしない。  「宇宙探査をしている未来の話」であることは充分に読者に伝わっているし、あの家が「野中の一軒家」であることも同様。  安心。安心。考えなくてへーき。  ――まあ、サボりたがっている「無意識君」に手綱を奪われちゃっている状態かな。  馬のほうが主導権を握っている状態なわけ。  ぽくぽくとゆっくり歩いてゆきたい馬が、乗り手のほうの意識を操作して、「うん。いまわたしもちょうどゆっくり歩きたいと思っていたところなの」と、しちゃっている。  本当は乗り手は、馬に「駆け足」させるつもりだったのかもしれないのだけど。  弟切は乗馬経験があって、本物の「馬」ならそれなりに扱えるようだが。  自分の中に棲む「馬」のほうは、ぜんぜん、操りきれていないんだなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- 豊秋津島[とよあきつしま] No.7082 投稿日 2003年9月18日(木)01時45分 投稿者 弟切 千隼  今日、自宅の近所を歩いていた弟切は、真正面から飛んできたトンボと衝突しそうになりました。向こうのほうが先に気づいて回避してくれたため、衝突せずに済みました。  ふと周囲を見回すと、他にも何頭かのトンボがいました。我が家の近所にはあまり水場がないのに、どこから飛んできたのでしょうか。  トンボは幼虫時代を水中で過ごすため、水場がないと生息できません。雨が多くて水場が多い日本は、古来トンボ王国だったようです。日本の国土を別名秋津島[あきつしま]と呼んだのは、トンボの古名「あきつ」から来ています。 >1000字課題 >>読者は別人なんだ。他人なんだ。 >> 自分ではない「人間」=「他人」に向けて、物を書くようにしなさい。 (No.7077の新木さんの書き込みより)  「黙って坐ればぴたりと当たる」などという芸当ができるのは、テレパシー能力者だけですね。弟切はもちろんテレパシー能力者ではありませんから、書かないことは伝えられません。  「自分が伝えたいことは、誰も何も知らない」ことを前提として、きっちり書くことを心がけます。 >話の着地点 >>読後感としては、どんなものを想定していたのだ? (No.7077の新木さんの書き込みより)  この話は、悲劇に近い成長物語にするつもりでした。悲劇と言い切らないのは、全体的には悲しい調子でも、ハッピーエンドにするつもりだったからです。  「科学者と孫娘」という題名のうち、どちらを主にするのかは、決めきれませんでした(;_;) 当初は二人の関係に主眼を置こうとしましたのに、書いてゆくうちに「科学者=祖父」寄りになってしまい、結果、収拾がついていません。  具体的にどういう物語にするつもりだったのか、説明します。  孫娘のアーイシャは、本当に両親の死を知りません。ただし彼女は利発な子で、宇宙探査に生命の危険が伴い、両親が帰ってこない可能性があることは知っています。祖父のサイードはむろん彼女の両親の死を知っていて、孫娘がその死を知らないことも知っています。  サイードは、両親の死がアーイシャに大きな衝撃を与えることを理解しつつ、その事実を正直に彼女に伝えようとしています。彼女はそれを受け止めるべきであり、また受け止める力があると信じているからです。ただ、まだ幼い少女に親の死を伝えるのはやはりためらいがあり、なかなか伝えられません。  サイードはできるだけ冷静に、かつ温かい配慮をもってアーイシャに両親の死を伝えます。アーイシャは頭ではそれを理解したものの、まだ子供なので感情が付いてゆかず、心身に変調をきたしてしまいます。サイードは自分がしたことは間違っていたのかと悩みます。  アーイシャは苦しみながらも、最後には両親の死を感情面でも受け止め、立ち直ります。彼女はここで大人になるわけです。同時に、悩みながら見守り続けてくれたサイードとの絆が、いっそう深いものになります。  と、こんなことをここで説明しているようではいけませんね(;o;) 読者さまに伝えるためには、「物語の中に書く」、これしかありません。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7083 投稿日 2003年9月18日(木)05時59分 投稿者 新木 伸 >弟切  あの掌編の「読後感」の話をしているのに、掌編の後ろに存在するはずの部分がずらずらと出てきてしまうのはなぜだ?  掌編に限らず、短編も、そして長編でさえも――。  すべての「物語」というのは、もっと大きなストーリーの一部分を切り取ったものであるわけだが。  しかし、それぞれ、単体でも食べられるものになっていなけりゃならないわけだよ。  それぞれ独自の味というものがあるはずなんだ。  読後感というのは、その「味」のことを訊いている。  食べたあとで、読者は「ああうまかった」と思うわけだが。  どういうふうに「うまかった」と感じればよいの? 調理した人間としては、あの掌編はどのように愉しんでもらいたかったの?  いまはあの掌編の「味=読後感」の話をしているのだから、あの掌編内でどう持ってゆくつもりだったのかを話せばいいわけ。  両親の死を少女に告げたら精神に変調をきたして――なんて話は、あの掌編の外にある事象なわけ。関係ないわけ。  あの掌編単体として賞味する場合には、どのように愉しめばいいのだ?  解説もなし。後日談もなし。先の話もなし。  読者の目の前に出されるものは、あの1000字しかないわけだよ。  どう食べればいいんだ?  料理長のお薦めの食べかたとしては? >>ただ、まだ幼い少女に親の死を伝えるのはやはりためらいがあり、なかなか伝えられません。  両親の死を幼い孫娘に、まだ伝えられずにいるサイード。  あの掌編の中に書かれているのは、この部分までだよね。  それで、なにを書こうとしていたわけ? 弟切は?  祖父の優柔不断さとか、苦悩とか、そんなこと?  それとも、これからアーイシャを襲うであろう「悲しみ」の予感だとか? -------------------------------------------------------------------------------- ガソリン No.7084 投稿日 2003年9月18日(木)13時04分 投稿者 名無し君2号  ニュースを見て、ガソリンって床にばらまいただけでも、爆発するんだな、と思いました。極めて珍しいこと、だと言ってましたけど。 >かねやんさん >プロレスってなにがかっこいいの? >>あれは、プロレスを一度も見たことがない小学生(男の子)に対して、プロレスに興味を持ってもらうにはどんなことを伝えればいいの? って質問でした。  あー、なるほど。  うーん、なんだろう?  私がプロレスに本格的にはまったのが高校生のとき。  小学生のときはゴールデンタイムでやっていたけど、なんかかったるいなーという印象しかなかったんですねえ。  プロレスを見るより、ファミコンやってるほうが楽しかった記憶が。  タイガーマスクがブームになっていたときは、 「漫画みたいなレスラーが、いままで見たこともないような動きをして、しかも強い」  のが受けたはず。  つまり「わかりやすい強さ」ですか。  うん。だから……。 「でっかい人が、すごい技を使って闘うところ」  ですかね。 >新木さん >間接技  だれでも捻挫をしたことぐらいあるでしょう。間接技とは、それを強制的におこさせる技です。  捻挫ってどうすればなるのか?  足首がへんな方向に曲がったらなりますよね。  同じように、足をつかんで、へんな方向に思いきりひん曲げる。いたたたた。  はい。これで間接技。  人間のからだっていうのは、動く部分には足首とおなじように、間接があるわけです。  で、足首とおなじなら、間接技もおなじようにかけられるわけです。  へんな方向に曲げる。いたたたた。  はい。これが間接技。  体の固い人なら、もっとわかりやすいのもあります。  床に座って。足をそろえて、まっすぐに伸ばす。足のつま先をつかむように、体をのばす。  足の筋肉がえらいこと痛いはず。  はい。これも間接技。 >短編 >シリアス/コメディ度 >>エロ度と、シリアス度とは、別々に設定できるものだろ? >>「子供っぽさ」と「粗暴さ」は別々に調整できるのと同じことで。 >>なんで一緒くたにやっちゃうわけ? >>すごくエロでシリアスな話。 >>コメディだけどエロい話。 >>シリアスでエロくない話。 >>コメディでちょっぴりエッチな話。 >>組み合わせは、3×3で、9パターンあるはずだが。  あー。  そのとおりですねえ。  うーん。なんか私はエロコメディは書けないような気がする……からかもしれないですが。  どうなんだろうか? 書いたことないからわからない。じゃあ書けばいいじゃん。 >エロの芽生え、アイデア出し  ひきつづき。 ■視覚系 ・写真。 ・パンチラ。 ・まじかでパンチラ。 ・ビデオ。 ・着替え目撃。 ・入浴目撃。 ・行為目撃。 ■視覚以外 ・女の子っていい匂い。シャンプー。 ・女の子っていい匂い。香水(化粧品)。 ・あえぎ声がとなりから。 ・乳に触れてしまう。 ・偶然押し倒してしまう。 ・顔面におしつけられる乳。窒息。 ・強制的に体が押しつけられる(逃げられない)。 ■知識系 ・辞書でそういう単語を調べる。 ・便所の落書き。 ・保健体育の授業にて。 ・友達から教えてもらう。 ・ポルノ小説で読む。 ・きれいなお姉さんから教えてもらう。 ・きれいなお姉さんから手とり足とり。 ■妄想系 ・下着。 ・きわどい下着。 ・女の子とふたりきり。 ・女性の着崩れた姿。 ・熟睡している女の子がすぐそばに。 ・ふすま一枚へだてた向こう側で、生着替え中。 ・あえぎ声がとなりから。 ■体験系 ・からかい半分にせまられる。 ・偶然にキスしてしまう。 ・夢で体験。 ・夢精。 ・なんか気持ちいい……。 ・痴漢される。 ・大人の階段をのぼる。  まだまだあるか。 >>偶然のキスで始まって、ラストでは、再度のキスを踏みとどまる話? >>わけわからんが。 >>本当に面白いのか? その展開は? >>どう面白いのか説明せよ。  ヒロインとキスしてしまって、主人公エロ覚醒。 「ああ……女の子のくちびるってぷにぷにと柔らかくって……」  あの素晴らしいキスをもう一度、とばかりに、とめどもなく暴走する主人公。  きっかけになってしまったことに多少の罪悪感をもつヒロインは、主人公をまともに戻すためにいろいろと手をつくすが、まったく効果なし。  最後はしかたないから責任とるわいな、と体を投げだすヒロイン。  主人公の、なんでそこまで……との問いかけに、ヒロインは愛を告白した。  主人公、これ幸いとばかりにやっちゃおうとするが、すんでで思いとどまる。  ヒロインのなぜ? という問いかけに、主人公は……。  という話を思いついたんですが。 >空手の説明 >>徒手空拳で闘う技術。 >>はい。 >>これで10文字。  徒手空拳が思い浮かばなかった。  単語は知っているのに、思い浮かばなかった。  うん。意味を理解していないからだな。  なんか、なにも武器を持っていない状態で闘うこと、って意味で理解していたけれど……。どうなんだ?  Goo辞書。 ■としゅ-くうけん 1 【徒手空▼拳】 手に何も持たないこと。事業などを始めるのに資本などが全く無いこと。 「一旗あげるべく―で東京へ出る」  なるほどねえ。 >子供っぽさ2割増量 >>たわけが。  反省。  うーんと。  かわいい=子供っぽい  ですよね。  で、  子供っぽい=思わず感を出す  になって。  思わず感=理性で感情をコントロールできていない。  つまり……冷静じゃないということ。  からかいかただ。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオ。あなたって、本当に馬鹿なんだね」 「なんであんなことしたの。馬鹿だから?」 「わかった。背を大きくしようとしたんでしょう。ちびだもんね、イクオ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「イクオ。あんたって、本当にバカよね」 「なんでやったの? ただ単にバカだから?」 「わかった。背を大きくしようとしたんだ。ちびを気にして」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  からかうときは、とことんまでからかう。  言葉づかいをきつくすることで、「思わず感」が出る。  感情のぶれが極端ということか。 >剣法の生知識 >>武術ってのは、「負けました。残念です。次は頑張ります」なんて生ぬるいものとは、本質として違うわけ。  でしょうねえ。  作家なんて毎回そんなものでしょうし。  書いた本が売れなかったら、次はない……だろうし。多分。  でもそのひりひり感が書きたくもあり……書けない? まあ、なんとかしてみよう。 >プロレス知識 >>人づてに聞いた話だけをもとに、プロレス物を書く作家がいるか? いたら嫌だろ?  リアルじゃなきゃいいかな、とも思ったり。  幻想に基づく話。  ――スクワットで足下に汗の水たまりができるとか。  そんなことできるわけないけど、面白けりゃいいかなあ、と。 >1000字短編 >No,37 >>これ、登場人物二人の年齢は小学校上がるか上がらないか、そのあたりとみたけど。 >>それで間違ってない?  小学校3年生ぐらいのつもりです。 >>いや、「間違ってます」とか言われたって、間違えているのは「本文」のほうであって、読み取った俺のほうではないのだけど。  そのとおりです。  どっちにしろ、新木さんにとってはたいして変わらないですね。  ペドとロリって、どう違うのだろ……。  対象年齢層ですか。 >>この掌編では、場所によって大人の言葉遣いになったり、子供の言葉遣いになったりしているので、ただ単に揺れているだけだな。  課題だ。  読み返す……うううん。  漢字の開く、開かない……かな。  今回は1編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=603&e=res&lp=550&st=0  No,33「サフランで錯乱」のやりなおし版。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=604&e=res&lp=600&st=0  書くのに5時間ぐらいです。ご飯食べよう。 -------------------------------------------------------------------------------- 不定期開催の祭りが見れた No.7085 投稿日 2003年9月18日(木)18時19分 投稿者 鐸碑  先日出張から戻ってまいりました。  出張先で実家のある大阪に泊まった日タイムリーに、不定期開催のお祭りこと、阪神タイガース優勝騒ぎに遭遇したのはラッキーでした。六甲おろしを合唱する縦じまはっぴの集団もみたし、道頓堀に飛び込む人も目の前で10数名見ました。  自分ではあまり騒がない性質ですが、お祭りの雰囲気は好きなんで、非常に楽しい空気に触れることはできました。しかし、あの汚い道頓堀に飛び込む人の気持ちは理解はできても、共感はできないですね。  感極まった衝動+目だとう精神+(18年前にはなかったものですが)お約束が複合された行動で、大阪人気質が根底にあるのは確かですが… どうも、共感できません。 名無し2号さんへ >ペドとロリって、どう違うのだろ……。 >対象年齢層ですか。  迷ったら、調べる。ちなみに検索用キーワードとしては ロリは、ロリコン、ロリータ、ロリータコンプレックス辺り。 ペドは、ペドフィリア  この辺りは、GOOの辞書にも載っているくらいの一般語。  で、調べる時は説明の中の不明瞭な単語を更に調べる所まで進めてみる事。  具体的には幼女とか少女とか小児とかいう単語が辞書で出るので、それが一般的な定義として何を指しているか、普通の人が何をイメージするかを考える。  後は、性と愛を一緒くたにしないことも重要かも。 >――スクワットで足下に汗の水たまりができるとか。 >そんなことできるわけないけど、面白けりゃいいかなあ、と。  環境次第では実際に十分できることでしょう。水捌けが悪くて湿度高めの上、撥水性の高い床材なら。水を1リットル程こぼせば30cm程度の水溜りはできます。蒸発する分や身体に張り付いている分を込みにしても2リットル程も汗をかくような運動をすれば、水溜りと呼ばれる程の汗だまりはできたんじゃないでしょうか?  そりゃあ、近年は環境も整えられて空調を効かせてたり、水捌けの良い床になったりしてるでしょうから、ありえない事でしょう。  根性や直向さの描写として、湿度が高く暑い所で一ヶ所に留まり精力的に練習をこなしている様を現すのに十分な説得力や納得力があるものだと思います。 1000字課題No,38  結構美味しくいただけました。でも、ちょっと物足りない感じ。イクオとハルコの前作と今回の間のエピソードが2つ、3つ食べたい。前作のイクオが今作のイクオになるには間がある筈なんで、その間を食べさせて欲しい。 関節技  この際なんで、関節技感たっぷりの掌編を書いてみるのはどうでしょう?  島本和彦という漫画家が描いた漫画家がプロになる為大御所漫画家の下で修業する話で、大御所に殴られた上で、「悔しいなら殴り返してみろ…、ただしネーム(マンガのカット割や構図を決める下絵)でな」って言われた主人公が、殴られた悔しさを吹っ切るくらいの強烈なネームを仕上げるっていうエピソードがありました。  まあ、小説家(志望)なんですから文章で、関節を極めてみせてください。それができれば、名無し2号さんの強力な武器になるでしょう。  どうせプロレス物を書くなら避けて通れない道、必要不可欠な武器だと思われますから。 弟切さんへ  あらすじを書いてみるのはどうでしょう?  そもそもが掌編なんで、短い方の50字と100字位を。  分かってくれている筈の前提を元にした話作りの仕方って、長編小説のダイジェストで名場面を取り出したり、TVドラマを映画化したりした作品にありがちなものだと思いますが、独立した掌編を書く上では使ってはいけない方法でしょう。  良くあるギリシャ神話の読み物とかでは、登場人物の神や英雄がどんな人物であるかがそれぞれの話で描かれており、それを知っているという前提で別の神や英雄が主役となる話(短編程度の分量)に登場しています。そういう作風になれている事が、作中に描かれない壮大なサーガの中の1エピソードを取り出した掌編に、いちいち基礎前提を語る必要がないという刷り込みになっているんじゃないでしょうか?  一つの長大なサーガを描き、その全部を読む読者向けであれば一度語った事はあらためて語る必要はないでしょうが、今回の課題のように独立した短編や掌編ではそれぞれがキチンと語られる必要があるんじゃないでしょうか?  公開されていない裏設定を説明無しに使うものを、楽屋落ちとか内輪受けって呼ぶんじゃないでしょうか? その裏設定・裏事情を知っている読者だけに向けて出す分には作者と読者の距離を縮める効果を生むでしょう(PBM業界では常連向けのスパイスとして使用されます)が、それを知らない人には分からない話で面白さを削ぐものです。  意図的に裏設定を共有する身内に提供するなら、内輪受けの話にもメリットはあります。しかし、弟切さんの科学者と孫の場合、この裏設定を共有する人が0だったので、万人に対して作者の本来の意図が伝わらない話になったのではないでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7086 投稿日 2003年9月19日(金)01時01分 投稿者 新木 伸 >道頓堀ダイブ  共感はできるけど、理解はできんなぁ。  馬鹿な部分には共感可能。見ているだけなら応援する。自分に迷惑が来ない範囲内で。  まあ、勇者だ。  しかし、あそこまでやってしまう心の仕組みは理解不能。汚いし危ないし迷惑だし(警察の人とか商店街の人とか)。  あきらかに度が過ぎちゃっているのだけど、本人たちは度が過ぎていないと思うからやっちゃうのだろうなぁ。その仕組みが理解できん。  ただ驚いたのが、男ばかりでなくって、女の人も飛びこんでいるのね。割合は少ないけど。 >爆発 >>ニュースを見て、ガソリンって床にばらまいただけでも、爆発するんだな、と思いました。  そりゃ、ガソリンは常温で揮発して気体になる物質だし、可燃性だし、爆発もするさ。  ちなみに僕は、ニュースの初期の報道で「ガソリンらしきもの」と言っていたところに注目していた。後期では「ガソリン」と特定しているけど、検証の初期段階では「らしきもの」と付けているのね。  なぜかというと、一般の人が普通に入手できるものでも、同じように常温で揮発して爆発するものはたくさんあるから。  ベンジン。シンナー。アルコール。  ちなみに灯油と軽油は、燃えはするけど爆発はしない。これは揮発する温度の差。常温の20度前後で灯油と軽油は液体なのね。しかしガソリンとかはその温度だと液体と気体の両方で存在する。つまり「揮発」する。  以前、消費者金融に灯油振りまきの放火強盗が入ったけど。  あれの真似をするつもりで、知らずにガソリンを買っちゃったのではないだろうか。  爆発させるつもりはなかったのではなかろうか? 火をつけて放火するぐらいのことはするつもりだったのかもしれないが。爆発させたら自分も死ぬわけだし。ガソリン床に撒いて脅すというのは、ダイナマイト腹に巻いて脅しているようなもんなのだけど、そうと知らなかっただけなのではなかろうか。  なにせ本人が死んじゃっているので、爆破して自殺するつもりがあったかどうか、確認できないわけだけど。  しかし2号。無知をさらしていることに気づいてる?  「ガソリンって爆発するんだ」って、そこ、感心するところと違うよ。 >プロレスのカッコよさ >>「でっかい人が、すごい技を使って闘うところ」  もっと具体的にしろよ。  どう「でっかく」て、どう「すごい」のか。そしてどう「闘う」のか。  子供に伝えるには抽象的じゃだめなの。もっともっと具体的にしていかなきゃ。 >関節技とか  捻挫が痛いのは知ってまーす。  関節技というのが、なにか「痛い技」だということは、いまはじめてわかりましたー。  てか、そうならそうと、はじめからそう言ってくださーい。  でも捻挫じゃ関節は壊れませーん。  関節技は関節を「破壊」する技だって、2号のおじさんはいいましたー。  おとななら自分の言ったことに責任をもってくださーい。  関節が破壊されると、どうなるの? >短編  あのさー。  なんでそうやって、毎日、ワンステップずつしか会話を進めないの?  時間ムダにしてないか? オマエの時間も俺の時間も。  もっとドカンとまとめて考えろよ。  俺はエロ度とシリアス度とは別個に調整できるもの、と、そう指摘したわけね。  そうしたら、すべての組み合わせを列挙して、そのなかからどれを選択するのかまで、一度にやってこいっての。  書き出して、考えて、選べと言ってる。  「あーそうですねー。別々ですねー。なるほどー」って、口の端からヨダレでも垂らしていそうなアホな回答なんざ、いらないの。  あと誰が「エロコメディ」を書けと言ったか。  お前に書けるかどうかとか、なんでそんなことが問題になるんだよ。  いまやっているのは、あくまでも、「この作品にはどのスタイルが適切か」ということだろうが。  なんだか――。  考えもせず、いきなり「エロコメディ」で行くことが決定しちゃっているようだが。 >体験系  そういや小学6年生のとき。  体育の後の着替えとか。教室を交互に使って男女別々にやっていたのだが。  男子の着替えが終わらないうちに、「遅い」とか言いつつ、ずかずかと踏み込んできて、逃げまどう男子(笑)たちを尻目に、さっさと着替えはじめてしまっていた女子の豪傑がおったのう。  豪傑なんだけど、でもクラスで一番美人なのね。だんだん色気づいてきた他の女子と違って、ぜんぜんおしゃれっ気はないのだけど。地が美人。しかも成績もトップなのね。理科と算数だけはわしがトップ取ってたけど。  ずばっと脱いで、おっぱい平気で見せて着替えていたが。つるぺたじゃなくって、中学生並にしっかりと膨らんでいたが。平気そうだった。そういやブラジャーもしてなかった。  あれはなんだったのだろう?  しかし、これ、現実であり事実であったのだが……。  物語のなかで書いたら「嘘くせぇ」とか言われちゃうだろうなぁ。 >キスではじまり、キスしないで終わる話  ふむ。なるほど。  おもしろそうじゃん。  じゃあ、それは「ストック」のひとつとして積み上げといて。保留にしとけ。忘れないようにメモを取ること。  メモを取ったら、そのことはすっぱり忘れろ。  とりあえず他も探してみろ。  ある程度捜索してみたあとで、他にそれよりも面白いものがないようなら、それ採用で。  しかし他にいいものが見つかったなら、そっち採用で。  アイデア貧乏のやつは、なんか一個使い物になりそうなものが見つかっただけで「エウレカ」しちゃって突っ走るから、失敗するわけ。  一個いいアイデアが見つかっても、踏みとどまって、「その上」がないかどうか探してみろ。そういう習慣を体に覚えこませろ。  なんかいいアイデアが出たら飛びついちゃうそれって、これまでとなんにも変わっていないのね。  そういうやりかたを取ってゆくのであれば、プロットなんて不要なの。物語の設計図なんて引く必要はない。  はじめから行き当たりばったりで書き始めてしまえばよろしい。  設計図を引くのは、設計図段階で充分な検討を重ねるためだ。  「これ良さそう」というアイデアが出ても、いったん保留にしておいて、さらに良いものがないか検討するためだ。 >徒手空拳  武器を持っていない状態で闘う、のではなくて。  武器を持たないでも闘える――ための技だよ。  空手にだって、棒術も棍術もある。  そこらにある物を武器として使うための技はあったりする。 (ヌンチャク、トンファー、サイ、とか。専用武器を使う技もあるけど。こっちはマイナー)  徒手空拳。  空手の発生やら、理念やらから考えてゆけば、必然的に出てくる言葉のはずだか。  なんだ。  2号は空手のことを、ただ「手足で殴る蹴るする技」としか捉えていなかったわけか。  浅い浅い。浅いねぇ。一般人並みだよ。  じゃあもしかして、カポエラのことを訊いても、「脚で蹴る技」とかいう答えが返って来ちゃうわけかな?  あっはっは。 >かわいい2割  「思わず感」っていうのは、計算して動いていないってこと。  その本人の「素」が出ちゃっているということ。  ここでいう「素」というのは、ありのままとか、ナチュラルとか、そういうニュアンスね。  「理解できません」と「わっかんない」は、ともに「素で出てきた言葉」なわけだ。  この二つの台詞を言っているキャラは違う。そしてこの台詞は、それぞれ、そのキャラにとっては、普通に素で出てきた言葉なわけだ。  難しい言い回しを使っていても、「思わず感」は出せるし、「かわいく」なるし、「子供っぽく」感じられるわけだ。 (抽象度、大)←←←←←←←← →→→→→→→→(具体度、大)  子供っぽい → かわいい → 思わず感 → 計算しない素  「子供っぽい」から、「計算しない素」まで、こうしてたどりついたわけだな。  抽象的な概念から、具体的な概念まで掘り下げてきたわけだ。  このプロセスを忘れるなよ。  また同じように、「○○さ」って問題に突きあたったときは、同じようにやれば解決するわけだ。  具体的な部分でなにをどう調節すれば、抽象的なところでどうイメージが変わるのか。  もっともっと様々なもので修練を積んで、ある程度の数、経験を積むと、突然展望が開けるってもんだ。  もうちょっときつくしたいから、こうしよう。  もうちょっとズルくしたいから、こうしよう。  もうちょっと優しくしたいから、こうしよう。  もうちょっとおっとりさせたいから、こうしよう。  俺がこうした処方箋をすぐに出せるのは、これまでのどこかで、こうしたすべての問題について今回のように考え抜き、答えを見つけ出してきているからだ。  2号は「子供っぽい」について、いま、ひとつの回答を得たよな。それをあと何十回もやる必要がある。様々なことについて。 >剣法の生知識  現代に生きる人間か、命のやりとりの感覚なんて、本当に知っているはずがないのね。  しかし漫画家や作家は、そういう話を書くことができる。  なぜなら、知ってるから。  ジャンルは違うし、やりとりするのは実際の生命ではなくて、「作家生命」とかそういうものだけど。  根本は同じと考えて、転用できる。  たとえばひとつのスポーツを生体験として知っていれば、別のスポーツに応用できるよね。それと同じこと。  2号は、なんか持ってないのか?  他の人は持ってなくて、自分だけしか持っていなさそうなものは?  病気体験でニアデス経験はあるんだろ?  そのへんで応用可能なこととかは?  つまり、剣の勝負の心境というのは――。  2分の1の死を目の前にした心境だよ。自分と対等の腕を持った剣豪が目の前にいて、死合をはじめる前の心境だよ。  成功率2分の1の手術に挑む前の心境とか、そのあたりに相当するのかな。これって。 >プロレス知識 >>――スクワットで足下に汗の水たまりができるとか。 >>そんなことできるわけないけど、面白けりゃいいかなあ、と。  できないの?  気温40度の武道場のなかで、千本突きをやってたら、水たまりまでいかないけど、床はたっぷり濡れていたが。  20分くらいなもんだったから、充分ではなかったけど。  突きを5000本くらいやってたら、水たまりくらいできそうだったがなぁ。  スクワットで足下に水たまりができないということは、それ、たしかなことか?  それ、何次情報?  自分の体験か? もしくはスクワットやった人間を見てきてのことか?  それとも体験した人に訊いてみたこと?  それとも本で読んだこと? >「サフランで惑乱」リライト  まあ、とりあえず要求仕様はクリアしてるんじゃない?  ベタに書いてしまっていて、まあ最低のやりかたではあるが、クリアはクリアだ。  欲をいうなら、料理を作ることが彼流の「詫びのいれかた」であることを、ベタに書かずに、読者が発見できる仕掛けになっているといいなー。  あと「彼女を怒らせてしまった理由」が、他の女の子と歩いているところを見せてしまったから、というのも、ベタに書かずに、発見できるといいなー。  じゃなかったら、俺、どのへんで愉しめばいいのよ? この話?  つまり、物語になっているが、つまらん。  最後の「サフランがダメ」っていうのは、これは、ベタに書かんとわからんだろうから、このままでいいけど。  あと「彼女のいつものガツガツした食いかた」というは、「獣のように」って言葉で脳内にイメージが湧いたのでOKとする。描写になってるな。  きっとこの彼女、ベッドの上でもそんなんなんだろうな。  ところで、ひとつ質問なのだけど。  「パエリア」って、なに?  「サフラン」って、なに?  「得物」って、なに。 >No.38  読めるし愉しいけど。  しかし、これ、この38番を単体で読んでしまった人は、「なんだこりゃ?」と思うだろうね。  あと関係ないし、まあどうでもいいことなのだが。  「No,」と書いてしまうのは、間違いだからな。  「No.」というのは、フランス語の「Nonbre」の略なわけよ。略称を示す記号はピリオドであって、カンマではない。したがって、「No,」とカンマでやってしまうと間違いだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷房病 No.7087 投稿日 2003年9月19日(金)02時50分 投稿者 弟切 千隼  昨日、用があって出かけた弟切は、たまたま冷房の効き過ぎた列車に長時間乗ることになってしまい、体が冷え切ってしまいました。これは体調を崩しそうだなと思っていたところ、案の定今日になってひどく体が重く、朝なかなか枕から頭が上がりませんでした。  エネルギー消費節約の面からも、公共の場所での冷房の具合はもうちょっと考えて欲しいですね。 >1000字課題  たった1000文字の掌編に入りきれるはずもない長いあらすじを書いて、どうしようというのでしょう、弟切は(^^;;;  えーと、実際に作品の中に書けているのは、前回の書き込みNo.7082に書いた >>まだ幼い少女に親の死を伝えるのはやはりためらいがあり、なかなか伝えられません。 の部分までですね。  弟切が、この作品の読者さまに感じていただこうと思った読後感は、 「科学者である祖父の悲壮感」 です。  この物語中では、主役のサイード自身が自分の子供とその配偶者とを喪って、大きな悲しみに襲われています。それに加えて、可愛い孫娘に両親の死を伝えるという重い役目も負っています。  肉親の死に直面した人間は、普通なら自分のことで手一杯で、他人の面倒まで見ていられないでしょう。けれども、サイードは科学者らしく冷静に肉親の死を受け止め、同時に自分の役目をよく認識しています。彼は、自分の悲しみと孫娘を悲しませたくないという気持ちを抑え、アーイシャに事実を伝えようとします。  誰でも逃げたくなるこのような役回りから逃げないサイードは、格好いいですよね? 肉親の突然の事故死は悲劇ですが、悲劇から逃げずに立ち向かう人間は格好いいです。その「悲劇に立ち向かう格好よさ=悲壮感」を味わっていただこうと思いました。  鐸碑さんの御助言にしたがって、50文字くらいで「科学者と孫娘」のあらすじを書いてみます。今、課題部屋に上がっている作品ではなく、本来書くはずだった(^^;上記の読後感に添った作品として書くつもりです。  その前に、「なぜ弟切が読者さまを置いてけぼりにして説明を省いた文章を書いてしまうのか」・「どうやったらそれを防げるか」を考えておいたほうがいいでしょう。  No.7081で新木さんが書いてらっしゃるとおり、弟切が説明を省いてしまう根本的な原因は、「面倒くさがっているから」ですね(;_;) サボりたがりの無意識を、ちゃんと調教してまともに働かせなければなりません。  そのためには、まず「この言葉や状況は説明を必要とするかどうか」を見極めなければいけませんね。必要な説明を省くのと同じように、不必要な説明を書くのも、読者さまの理解や読みやすさを妨げます。  例えば、ある小説中に「自動車」という言葉が登場したとしましょう。現代日本に生きている人ならば、これは説明を要しない言葉ですね。少なくとも大人の日本人向けの小説で、いちいち「自動車」の説明を入れている小説があったら、そんな作品はうっとうしくて読んでいられないでしょう。  もちろん、特別な仕様の自動車が登場したり、自動車の構造や車種が物語の根幹に関わったりする作品であるなら、説明は必要です。  さて、これが「馬車」という言葉だったらどうでしょうか?  現代日本人でも、「馬車」という言葉は知っていますよね。「車輪が付いていて、馬をつないで走らせる乗り物」程度の知識はあるでしょう。けれども、馬車には何頭の馬をつなぐのか、乗客と御者は馬車のどこに乗るのか、御者はどんなふうに馬を操るのか、といったことまで知っている人は、ほとんどいませんよね。  もし、「馬車」を日常の乗り物として使っている世界を小説に書くとしたら、上記のようなことを描写しなければおかしいです。何らかの事情で描写ができないとしても、せめて説明は入れませんと。でなければ、「馬車」に馴染みのない現代日本人の読者さまを置いてけぼりにしてしまいます。  「自動車」と「馬車」の例のように、説明が必要な場合とそうでない場合とを見分けるにはどうしたらよいでしょうか?  「自動車」は、現代日本人にとっては「普通」の乗り物ですね。自動車に乗ったことのない人はまずいないでしょうし、自動車の運転ができるのも、自家用自動車を持っているのも「普通」です。取り立てて誰かに話すほどの価値がないことです。  でも、「馬車に乗ったことがある」・「馬車の運転ができる」・「馬車を持っている」となれば、現代日本では大いに話題にする価値がありますよね。特に馬車が運転できたり、馬車を持っていたりするのは、かなり自慢できることでしょう。「ねえねえ聞いて聞いて、私、馬車を持ってるんだよ!」と言いふらしてもおかしくありません。  これは「説明を要するかどうか」の一つの目安になりますね。  ○○という言葉があった時、「○○を持っている」とか「○○をしたことがある」とか言いふらす価値があるかどうかを目安にすればよいのです。「ねえねえ聞いて聞いて」と言いたくなる言葉だとしたら、それは説明の必要があります。 2号さんへ >  No.7084で書かれた「キスで始まってキスしないで終わる話」は、女性の立場から見ますと、女の子の行動に現実味がありません。  これは、小学校高学年同士の男の子と女の子の話ですよね? その年頃の女の子は、性に目覚めていたとしても、具体的な性行動は忌避する傾向が強いので、現実味がないと感じます。  生物学的にいえば、これは当然です。女性は、健康な子供を産み育てるために、そのような子供を産み育てられる可能性が低い未熟なうちは、性行動を忌避するようにできています。  妊娠・出産・授乳を引き受けるのは女性だけですからね。ここが、性に目覚めたらすぐに暴走しても構わない男性と違うところでしょう。  この話のどの辺りが「現実味がない」かといいますと、 >> きっかけになってしまったことに多少の罪悪感をもつヒロインは、主人公をまともに戻すためにいろいろと手をつくすが、まったく効果なし。 >> 最後はしかたないから責任とるわいな、と体を投げだすヒロイン。 というところです。  男の子のエロスに火をつけてしまったからといって、それに罪悪感を持つ女の子はほとんどいないと思います。むしろ羞恥心や恐怖のほうが先に立つでしょう。  それは、上に述べた生物学的な原因によるものです。未熟なうちの妊娠を避けるために、羞恥心や恐怖によってエロス暴走状態の男から逃げるようにさせるわけです。  ですから、最初に「事故」で主人公とキスしてしまった女の子は、たとえ主人公が好きでも、羞恥心や恐怖から男の子を避けてしまうのが普通の反応です。  この障壁を乗り越えさせるには、ただ「好き」というくらいでは弱いですね。「よほどの理由」が必要です。  ところで、弟切は女性なので男性の気持ちがよくわかりません。ついでですから、ここで2号さんに訊いてみます。  上記の「キスで始まってキスしないで終わる話」の、男女の役割を逆転したら、男性から見て現実味のある話になりますか? 小学校の高学年でも、好きな女の子に迫られたら、行くところまで行ってしまって全然平気なのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7088 投稿日 2003年9月19日(金)06時22分 投稿者 新木 伸 >弟切  またぞろ、例の病気が出てきているので指摘してみる。  例の病気というのは、「私の本当に書きたかったものはこれだったのです」と次々と発見していっちゃう病気のことね。 >>彼女はまだ知らないのだ。宇宙に旅立った両親の運命を。  あの話のなかで、科学者とその孫娘の共通の「肉親」が死んでいるということが判明するのって、ここの最後の一行なわけだよ。  それ以前のところで書かれているのは、祖父が見せる孫娘への思いやりだったり、他のいろいろな成分だったりするわけだよ。 >>サイードは科学者らしく冷静に肉親の死を受け止め、同時に自分の役目をよく認識しています。彼は、自分の悲しみと孫娘を悲しませたくないという気持ちを抑え、アーイシャに事実を伝えようとします。  ――てな成分は、いったいどこにあるのだ?  たとえば――。  孫娘のために自分の悲しみを抑えているサイードとか。  事実を伝えようとしているサイードとか。  冷静に努めようとしているサイードとか。  もしいまの弟切が言うとおりの話なのだとしたら、あの話の初期型のなかに、そうした成分がまったく入っていないのは、なぜなんだい?  完璧に0%だろ。どうして?  あの話を書いたときの弟切は、なにを書くつもりだったのかと、そう訊いているの。  いまの弟切に訊いているんじゃないの。  ちなみに「いまの弟切」っていうのは、さんざんこね回されて手垢がついたこの話に飽きちゃっていて、なんでもいいから別なテーマの話を書きたがっているほうの弟切ね。  ちなみに、以前弟切はこんなことを書いている。 >>1)両親を想う少女の健気さ >>2)少女の両親が死んでいたという驚き >>3)両親の死を知らない少女の哀れさ >>4)祖父の少女に対する思いやり >>5)未来にも変わらない家族の絆 >>6)自分の子供が死んだ事実を冷静に受けとめている科学者  この6番に、なにかそんなようなことは書いてある。  ただしここにあるのは、「冷静に受け止めている」ということであって、「冷静になろうとしている」でもないし、ましてや「苦悩している」ということでもない。  そして「事実を伝えようとしている」でもないわな。  「科学者は冷静であったのだ」という事実を述べているにすぎない。  これを書いたときの弟切と、いまの弟切とは、違う考えを持った別人になっていると考えればいいの?  そして弟切が別人になっているのだとしたら、いま僕らは、どっちの弟切の言い分を信じればいいの?  それとも、ただ文章がまずかっただけで、このときの弟切も、伝えようとしていたのはいまとまったく同じことで、「冷静になろうと努め、苦悩しているサイード」というものだったわけ?  あれを書いたときも、弟切はそれを書きたかったと感じていたわけ?  ここは冷静に考えてみて、結論を出すように。  もしかしたらこの病気を直せるいい機会かもしれない。 >サイードの悲哀 >>サイードは再び漏れそうになる溜息を慌てて押し殺した。  サイードの悲哀。  このへんに、ほんのちょっと入っているっていえば、入っているようにも思えるのだが。  しかし「両親が死んでいる」という事実を知る前に書いてあるんで、けっきょくのところ、ゼロなんだよね。  いちどオチまで読み終えたあとで、この掌編を二度目に読んだなら、ここに「サイードの悲哀」を感じることもできるかもしれないが……。  しかし95%の読者は、1度きりしか読まない。二度読まないと入っていることがわからないものは、入っていないのと同じことだ。 >2号の短編、性別逆転  ああ。  僕が「おもしろそうじゃん」と、うっかり言ってしまったからだな。  もういちどよく見直してみたら、ラストはたしかに問題だわ。  「性欲に染まった男の子をもとに戻そうと女の子が奮闘する」というところでドタバタ展開になっておもしろそうだと思ったわけだ。  女の子の行動としても、好きな男の子が変になっちゃったなら、それを直そうとする動機と行動には、かなりの現実味がある。  しかしラストがいかんな。 >>上記の「キスで始まってキスしないで終わる話」の、男女の役割を逆転したら、男性から見て現実味のある話になりますか? 小学校の高学年でも、好きな女の子に迫られたら、行くところまで行ってしまって全然平気なのでしょうか?  具体的にしてやらんと、2号にはわからんだろうし、二度手間なるぞ。  ようするに、女の子を主人公として、こういう話を作ったらどう感じるのか、ってことでしょ? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・ある男の子と偶然キスしちゃう女の子。突如として、エロに目覚めてしまう。 ・相手の男の子は、特に好きでもなかった相手なのだが、自分のことを好きなのだと知って女の子は有頂天になる。積極的にアプローチしてゆく。色々な手で迫りはじめるが、しかし男の子はまだ性に目覚めていないのでぜんぜんそんな気になってくれない。 ・きっかけを与えてしまったことに罪悪感を持つ男の子は、女の子を落ちつかせようとするが効果なし。しかたなく体を投げ出すことにする。 ・だがすんでのところで思いとどまる女の子。相手の意志を無視した行為はいけないと気づく。 ・めでたしめでたし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  性別逆転させると、まあ、こんな感じか。  この話、主人公は男の子のままで――。  女の子のほうを生身ではなくて「発明家のおじいちゃんの作ったメイドロボ」とかにすれば、どうだろう?  ロボットならば、たとえ女性型だったとしても、もともと性別なんてないわけだし。  エロに目覚めた男の子が自分に性欲を向けてきたところで、困っちゃって途方に暮れるだけだろうし。人間を優先するようにプログラミングされているなら、自分のボディを投げ出すぐらいしたって不思議はないし。なにされたところで洗えば済むし。  これなら、どこからも文句こないな(笑)。  男性からみても、女性からみても、そこそこ現実味のある話になるんじゃないのかな?  まあロボットが出てくる話が現実味があるかどうかって問題はおいておくとして。  女の子が男の子の欲望を「受け入れちゃおう」とする都合良すぎる部分は、ロボットにするとクリアできるというひとつの例ね。  んで、ここでなにが問題になっているのかというと。  ラストの「女の子は股を開いて据え膳状態なのだが、男の子のほうで思いとどまる」という展開に持ってゆくための必然性ってやつね。  この話は、主人公が「女の子に、お手つけOK」状態から、強烈に自制を働かせることで、女の子とのプラトニックな関係を維持することをみずから選択する。  そしてヒロイズムに酔う。そういった狙いの話である。  完全に、男の子向けの話である。  女性読者はひとりも想定していないだろうから、女性読者の心境なんてもんは、この際どうだってよろしい。  ――が、そうして「完全男の子向け」の話だったとしても、小学校高学年の女の子が、それ相応の理由なしに「据え膳状態」になってしまうのはどうよ、という話ね。  それは現実感があるのか。どうなのか。 -------------------------------------------------------------------------------- 曇天 No.7089 投稿日 2003年9月19日(金)17時32分 投稿者 名無し君2号  曇り空。雨が降る。出歩けない。  小説を書くためには、かえってこのほうがいいのかも。 >鐸碑さん >ロリペド >>>>ペドとロリって、どう違うのだろ……。 >>>>対象年齢層ですか。 >>迷ったら、調べる。  了解。 ■ペドフィリア 【pedophilia】 幼児を性的欲求の対象とする性的倒錯。小児性愛。 ■ロリータコンプレックス 〔(和製) Lolita+complex〕 性愛の対象を少女にのみ求める心理。ナボコフの小説「ロリータ」にちなむ。ロリ-コン。  へえ。ロリータ・コンプレックスって和製英語だったんだなあ。  「幼児」「少女」「性的倒錯」「性愛」を調べる。クリックひとつで楽な時代。Goo辞書は素敵だ。 ■ようじ えう― 1 【幼児】 おさない子供。児童福祉法上は満一歳から学齢までの子供。 ■しょうじょ せうぢよ 1 【少女】 (1)年若い女の子。普通、七、八歳から一五、六歳くらいまで。おとめ。 →少年 (2)律令制の年齢区分で、一七歳以上二〇歳以下の女子の称。 ■せいてき-とうさく ―たう― 0 5 【性的倒錯】 異常性欲のうち、性行為およびその対象が異常であるもの。サディズム・マゾヒズム・露出症・小児性愛・獣姦など。性倒錯。 ■せいあい 0 【性愛】 男女間の性的な愛情。  つまり、わかりやすく言うと……。 ・ペドフィリア  1歳から6歳までの小さい子供(性別問わず)に、性欲を感じる異常な人のこと。 ・ロリータ・コンプレックス  7歳から16歳までの女性にだけ、性欲をともなう愛情を感じる心の動き。  ロリコンの対象年齢の幅が広い。まあ、それはそれとして。  ペドは幼子に対して性欲を感じる人。  ロリは少女にしか性欲と愛情を持てない人。  じゃあ、大人の女性『も』好きな人は、厳密にはロリじゃないということか。  でも、そこらへんの言葉の使いかたは結構あいまいな感じ。  対象年齢と、愛情を感じるか否かの違いですか。 >スクワットで水たまり  レスラーのインタビュー記事で……。 「スクワットを何千回やっても、足下に汗で水たまりができない。だからおれはまだまだなんだって、結局ぶっ倒れるまでやった。水たまりなんてできるわけないよな、ってあとになって気づいたんだけど」  という記事を読んだ記憶が……でも結局三次情報。 >>そりゃあ、近年は環境も整えられて空調を効かせてたり、水捌けの良い床になったりしてるでしょうから、ありえない事でしょう。  たしかに昔とは状況が違うんですよねえ。  でも、昔は昔で、練習中は水分を取ることができなかったので、でる汗の量はどんどんすくなくなっていくはずだけど……どうなんだろうか。 >1000字課題 >>イクオとハルコの前作と今回の間のエピソードが2つ、3つ食べたい。前作のイクオが今作のイクオになるには間がある筈なんで、その間を食べさせて欲しい。  努力します。  でも、まだ狙って書くことができない……。自分の頭をつかいこなせない。 >関節技 >>この際なんで、関節技感たっぷりの掌編を書いてみるのはどうでしょう?  了解。  やります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=606&e=res&lp=603&st=0 >新木さん >爆発 >>しかし2号。無知をさらしていることに気づいてる? >>「ガソリンって爆発するんだ」って、そこ、感心するところと違うよ。  いま気づきました。  そもそも「爆発」ってどういう現象か、と調べてみる。 ■ばくはつ 0 【爆発】 (名)スル (1)発熱を伴う急激な化学反応、気体や液体の急激な膨張や相変化、あるいは核反応の結果、急激に増大した圧力が瞬時に解放される現象。しばしば光・音響・衝撃波の発生や、機械的な破壊を引き起こす。 「火薬が―する」「―音(おん)」 (2)内にこもっていた感情などが、一時に、激しい勢いで表に現れること。 「怒りが―する」  急激に増大した圧力が瞬時に解放される現象なわけだ。  知っているようで知らなかった。 >プロレスのかっこよさ 「体の大きい、ごっつい人が、飛んだり跳ねたりぶん投げたり殴ったり蹴ったり、大暴れして闘うところ」 >関節技  関節が破壊されるとどうなるのか。  ドアを思い浮かべてください。  と言っても、横にスライドするやつじゃなくて、引いたり押したりして開くドアです。回転ドアでもないですよ。  なんでこのタイプのドアが開いたり閉じたりするかといえば、それはある部分が建物にくっついているからです。  ここをちょうつがいといいます。  そのちょうつがいが、人間における関節にあたります。  このちょうつがいが破壊されると、どうなるでしょうか。  ドアはドアじゃなくなります。  開かない、閉じない、つまり動かない。最悪の場合、ドア自体がはずれる。  関節の場合も同じです。  仮に足首の関節が破壊されたとすると……。  足首が動かない。もしくは動きが悪くなる。最悪の場合、足首がはずれます。もっとも人間の体の場合、皮膚が体を覆っているので、ぷらんぷらん、となるだけですみますけれども。  つまり、関節が破壊されると、動かすことができなくなる、と思っていただければいいです。  ……。 (1)関節技とは相手の体をつかみ、固定するものだ。 (2)関節技は痛いものだ。実例を交えて。 (3)関節技は関節を動かなくさせるものだ。実例を交えて。  ……というのが最低限必要な要素か。 >短編 >路線 >>俺はエロ度とシリアス度とは別個に調整できるもの、と、そう指摘したわけね。 >>そうしたら、すべての組み合わせを列挙して、そのなかからどれを選択するのかまで、一度にやってこいっての。  了解。  そもそも今回の話は、エロなしで進む話でもなかったので……。 ・シリアス、お色気ほんのり。(?) ・コメディ、お色気ほんのり。(かぼちゃワイン) ・ギャグ、お色気ほんのり。(ハレンチ学園) ・シリアス、H。(電影少女) ・コメディ、H。(いちご100%:ジャンプ連載中) ・ギャグ、H。(いけないルナ先生) ・シリアス、どエロ。(エロ漫画) ・コメディ、どエロ。(いけてる二人:ヤングキング連載中) ・ギャグ、どエロ。(けっこう仮面)  ついでに例もあげてみる。  ――漫画だけど。  「シリアス、軽めのお色気」は具体的な作品名が思い浮かばない。  漫画の場合は絵がもたらす部分が大きいから……小説だと、どうなんだろう。  コメディとギャグの違いは、作品におけるストーリーの場所でわけてます。  笑いのためのストーリーか。  ストーリーの味付けに笑いがあるのか。  これを並び替え。 ■生々しい順。上はさっぱり、下はぎとぎと。 (1)ギャグ、お色気ほんのり。 (2)コメディ、お色気ほんのり。 (3)ギャグ、H。 (4)シリアス、お色気ほんのり。 (5)コメディ、H。 (6)ギャグ、どエロ。 (7)シリアス、H。 (8)コメディ、どエロ。 (9)シリアス、どエロ。  さて。なんだって「笑い」の要素が入ると、「エロ」でも生々しさが取れるのか。  あ、そうか。  生々しいとは現実感があるってことだから……。  シリアスなだけですでに生々しいのか。  あと、エロの種類もある。  ストレートなもの……パンチラとか裸とか。  変化球、というかフェティッシュ……曲線美やら、かさぶたやら。  変化球のほうがエロく感じるのは……どうなんだろう。  人にもよるんだろうし。  うーん。  水に濡れて、ぬめぬめと光るウルトラセブンで目覚めたという人もいるらしいし……どうなんだ。  狙う読者層が中高生。  もうエロ本ぐらい読んでるだろう……どうだろう。  でもいまはネットもあるし。  エロ描写には免疫がある……どころか飢えている世代。  主人公は小学生。  小学生だから、せいぜいが乳さわる程度。  それ以上は書きたくないし。  つまりはエロ描写のレベルには限度がある。  変化球――フェチで攻めるのも、中高生のときってどうだろう。そういうのわかったかなあ……。繊細な味付けより、どかんと大盛り、って感じだと思うけど。  まあ、主人公たち以外にさせるって方法もあるけど。余計な登場人物だしている余裕もないし――話にからめなきゃならないし。  中高生。  エロには飢えきっているけど、でも幻想がある世代。  生々しいのはあんまり嫌だと思うのだけど。  というか、小学生が……ってだけで生々しいし。  (3)ギャグ、H  (4)シリアス、お色気ほんのり  (5)コメディー、H  のどれか。  ……。  いちおう、テーマもあってストーリーもある話だから、ギャグは除外。  エロを押さえめにするか、コメディで消臭するか。  ……。  コメディにしよう。  私より、中高生のほうが小学生時代をわかっているし……。中学生なんてつい最近のことだし。  シリアスってことは、それを納得させるだけのリアリティさを書かなきゃならないし。  コメディだからって現実味がないのもダメだろうけどさ。 >体験系 >>つるぺたじゃなくって、中学生並にしっかりと膨らんでいたが。平気そうだった。そういやブラジャーもしてなかった。  しっかりと見ている新木さんが素敵ですが……。  見ていることを他の男子に知られると、つっこまれる隙にはなりませんでしたか。 「おまえなに見てんだよー」 「べつになにも見てねーよ」 「うそつくんじゃねーよ。○○の胸見てたじゃん」 「ば、ちょ、なにいってんだよ」 「エロだエロ。おまえ、これからエロリストな」 「ちがうって」 「えーろえろえろエロリストー♪」 「ムキー!」  ばれないように見ていたんだろうな。 >カポエイラ >>じゃあもしかして、カポエラのことを訊いても、「脚で蹴る技」とかいう答えが返って来ちゃうわけかな? >>あっはっは。  ……じゃないんですか。  知識を並べる。 ・黒人がアメリカで奴隷だった時代に生まれた武術。 ・手かせをつけられた状態で闘えることを目指したため、足技が多い。 ・逆立ちして蹴りまくる。  ……。  実在はしているはずだけど。  マーシャルアーツは実在してないらしいけど。 >剣法生知識 >>2号は、なんか持ってないのか? >>他の人は持ってなくて、自分だけしか持っていなさそうなものは? >>病気体験でニアデス経験はあるんだろ? >>そのへんで応用可能なこととかは?  どうだろう。  うーん。  病名を言われたときのショック感とか。  8割大丈夫だけど、2割死ぬよ、と言われたときとか。  輸血されるとき、何千分の1の確立でエイズや肝炎になったり、死ぬとか書いてある同意書にサインしたり。  そんなところですか。 >プロレス知識 >スクワットで水たまり >>スクワットで足下に水たまりができないということは、それ、たしかなことか? >>それ、何次情報?  三次情報です。  プロレスラーのインタビューを雑誌で読んだ、でした。 >1000字課題 >サフランで惑乱 >>欲をいうなら、料理を作ることが彼流の「詫びのいれかた」であることを、ベタに書かずに、読者が発見できる仕掛けになっているといいなー。 >>あと「彼女を怒らせてしまった理由」が、他の女の子と歩いているところを見せてしまったから、というのも、ベタに書かずに、発見できるといいなー。 >>じゃなかったら、俺、どのへんで愉しめばいいのよ? この話? >>つまり、物語になっているが、つまらん。  もういっぺん書きなおせ、ということですね。了解。 >>「パエリア」って、なに? >>「サフラン」って、なに? >>「得物」って、なに。  最後の「得物」は「獲物」の間違いですけども。  パエリアとサフランは、文中で説明する行数が……。  うーん。  パエリアは料理なわけだ。黄色く色づけしたご飯の上に、色とりどりのシーフードや野菜がのっかっている料理だ。西洋風まぜご飯……でいいのかな。  サフランは香辛料だ。ご飯を黄色く色づけるのにもつかうし、あとシーフードの生臭さを消す効果もあるはず。 >NO.38 >>しかし、これ、この38番を単体で読んでしまった人は、「なんだこりゃ?」と思うだろうね。  読みかえす。  そうか。そうだよなあ。  自分の背を伸ばすためにがんばってるイクオ、という描写がないもんなあ。  逆にいえば、それが入ってりゃいいわけか。  うむむむむ。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=605&e=res&lp=603&st=0 >弟切さん >>上記の「キスで始まってキスしないで終わる話」の、男女の役割を逆転したら、男性から見て現実味のある話になりますか? 小学校の高学年でも、好きな女の子に迫られたら、行くところまで行ってしまって全然平気なのでしょうか?  いくところまでいかせるつもりはなかったんですけども――どの程度のエロ度か、書いてない私が悪いんですが。  うーん。  キス程度なら逆転していても現実味はあり、です。  キスでも女性にとっては同じことなのか? わからない……。  今回も6時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 病気を治すには早期治療が一番です。 No.7090 投稿日 2003年9月20日(土)01時39分 投稿者 弟切 千隼  ああ、また弟切の病気が出てしまいました(;_;) エウレカ病だのアイディア貧乏症だの、いろいろな病気を持っていて困りものです、弟切は(^^;  病気があることがわかったなら、一刻も早く治療することが治癒への早道ですね。そのための治療方法を考えます。 >> あの話を書いたときの弟切は、なにを書くつもりだったのかと、そう訊いているの。 >> いまの弟切に訊いているんじゃないの。   (中略) >> これを書いたときの弟切と、いまの弟切とは、違う考えを持った別人になっていると考えればいいの? (No.7088の新木さんの書き込みより) という新木さんの発言が、治療方法のヒントになりました。  ある作品を書いている時の弟切と、それを書き終わった後の弟切とは、赤の他人です。同一人物だと思ってはいけません。  いったん一つの作品を書いてしまったら、その作品を書いた人物は、「今の弟切」とは切り離されます。テレパシーも何も通じない他人です。その人が内面で何を考えていたかなんて、わかるはずがありません。  では、そういう「赤の他人」の考えを知るには、どうしたらよいでしょう?  幸いなことに、その人が書いたものが残っています(笑) それを解読すればよいではありませんか。  というわけで、治療方法は、「もう一人の弟切」という他人が書いた作品を読み、そこに表われているものを正確に汲み取ることです。今ある作品から読み取れることだけが、もう一人の弟切の考えを示します。  今回の場合でしたら、今、課題部屋に上がっている「科学者と孫娘」を解読すれば、それを書いた当時の弟切の考えがわかるはずです。  今日はあまり時間が取れませんので、この解読は次回に回します。 2号さんへ >  うーん、弟切の書き方がまずかったために、こちらの主張を充分に理解していただけなかったようですね。  単純に、どこまで具体的な性行動に踏み込むか、というだけの問題ではありません。  No.7084で、2号さんは以下のように書いてらっしゃいますね。 >> 主人公、これ幸いとばかりにやっちゃおうとするが、すんでで思いとどまる。 とあるので、物語の中で、最後まで行かないことはわかります。小学生同士のセックスまでは描かれないのですね。  しかし、同じNo.7084に、以下のようにも書かれています。 >> 最後はしかたないから責任とるわいな、と体を投げだすヒロイン。  これを読んで、「ヒロインはキスまでしか覚悟していない」と思う人はいないでしょう。こういう表現をしたら、「当然ヒロインはセックスまで覚悟している」と読み取られるはずです。  考えてみて下さい。小学生の女の子ですよ? やっと十歳を越えたくらいの年齢ですよね?  いくら好きな男の子が相手とはいえ、普通の小学生の女の子が、そう簡単にセックスしてもいいとは思わないでしょう。No.7087で弟切が書いたとおり、その年頃の女の子は、具体的な性行動を忌避する傾向が強いからです。  2号さんの話の中には、実際にはセックスまで行かなくても、小学生の女の子がここまで覚悟するための「よほどの理由」が見当たりません。そのために現実味がないと感じます。  あ、でも、弟切の読み取りが誤っている可能性もありますね。  2号さんのNo.7084の書き込みを読んで、「このヒロインはキスまでしか覚悟していない」と過半数の人が読み取ったなら……すみません、弟切が誤っていることになります。上の指摘は忘れて下さい。  たぶん、大多数の人が弟切と同じように読み取ったと思います。違う読み取り方をした人って、いらっしゃいますか?  それから、弟切がNo.7087で書いた >> 上記の「キスで始まってキスしないで終わる話」の、男女の役割を逆転したら、男性から見て現実味のある話になりますか? 小学校の高学年でも、好きな女の子に迫られたら、行くところまで行ってしまって全然平気なのでしょうか? という質問に対する2号さんのお答え↓ >>キス程度なら逆転していても現実味はあり、です。 (No.7089の2号さんの書き込みより) の意味がわかりません。  ここで書いてらっしゃる『キス程度』というのは、物語のどの時点でのことを指しているのでしょうか? 最初の「事故」のキスのことですか? それとも、最後に主人公が「寸止め」した結果キスをするということでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7091 投稿日 2003年9月20日(土)03時04分 投稿者 新木 伸 >2号  「関節技」  これは生課題向きのお題だな。  文庫だと5ページくらいかけて観せるところだ。  1000字じゃプロットにしかならん。  説明でもよい部分と、描写せねばならないところと、まず二つに切り分けろ。  そして描写の部分はきちんと手をかけて描写しろ。 顔面を腫れあがらせている。 その目の戦意は失われてはいなかった。 おれは声を荒らげる。 強がりだった。 体格は負けない。 男の体が沈んだ。 おれの胴体目がけて飛びこんでくる。 体ごと持っていかれた。 地面にひきずり倒される。 おれは殴りつかれていた。 息だってあがっている スピードだってそりゃ落ちる。 男の体がおれの上にのっかってきた。 背中に冷たい電気が走る。 腕をつかまれ、おれはもがく。すぐにもがきを止める。 ――痛い! 肘だ。肘が変になっている。 おれは口を開け――そのまま絶叫をあげた。 おれは肘を押さえ、うずくまっている。もう稲妻は走らない。  このへん、すべて「説明」しちゃってる部分。  2号はこういうのが「描写」と思っているのだろうが、見当違いもはなはだしい。  いままでと同じ。おなじところをぐるぐる回っているだけ。  いいかげん、描写と説明との違いに気づけ。  このあたりをすべて「描写」していると、このシーンはだいたい文庫本5ページぐらいになる。  そのくらいの分量になっていないと、読めたものじゃない。  これではプロットだ。  そしてプロットに金を払ってくれる読者はいない。 肘から放たれた稲妻が、おれの脳味噌に深々と突き刺さったからだ。 鼓動にあわせて肘が爆発していた。  このへん。「痛み」の描写にはなっているのだけど、しかし、お粗末すぎ。  もうちょっとマシな描写にかえてこい。 その替わり  誤字。 >「爆発」 >>鼓動にあわせて肘が爆発していた。  おい。  「爆発」という現象も知らずに、お前は「爆発」という単語を描写のなかに使っていたのか?  小説書くのやめるか?  そんなだらしのない意識で、まともな物を書こうなんて、無理だぜ? >1000字課題の弊害  1000字の課題は、メリットとデメリットの両面を持っていたりする。  短い中に起承転結を押し込める必要があるために、構成力が磨かれる。1000字の中に起承転結を込めるというのは、それだけで一仕事なのだ。  また毎日1個ずつ起承転結のある話を作ってゆくのは、それまで話をまったく作ってこなかったシロウトには、たいへんな経験値となる。  しかし字数が少ないために、最小限度の描写で済ませようという癖もついてしまうのね。  今回のように、起承転結なんて考えず、とにかく「関節技」を描写してみせるような練習もあわせてやっていないと、変なクセがついてしまう。  今回はそれがモロに出たな。  2号の場合は、そろそろ生課題のほうもやるようにするか。  週に1〜2回は、生課題をやるようにするべし。生課題のお題は、これまで色々出てきているから、足りなくなることはそうそうないだろ。同じお題で別バージョンを作ってもいいわけだし。 >スクワットで水たまり >>プロレスラーのインタビューを雑誌で読んだ、でした。  インタビューしてきた記者が直接書いた記事なら、2号にとっては、2次情報だろ?  まあ2号から発信されてる時点で、俺ら読者にとっては3次情報になるわけだが。 >「得物」  なぜ間違いが出たのだ?  そのへんの仕組みを解説のこと。  本当に「得物」で正しいのだと覚え違いをしていたのか、それとも変換で「獲物」と出すつもりが、「得物」と出して確定してしまったのか(見間違い)。  誤変換だったとしても、見直し段階で見逃してしまったのはなぜか?  たった2.5枚のなかに誤字が1個あるってことは、お前が350枚の長編を書くと、140個もの誤字を出してしまうことになるわけだよ。  いくらなんでも、その割合はまずいと思わない? ゼロにしろとはいわんが、350枚なら、せめて2〜3個にしないとね。  平気で誤字を出してしまうその悪いクセ、どうすれば直ると思う? >パエリアとサフラン >>パエリアとサフランは、文中で説明する行数が……。  ん? 説明が必要だと、自分でも思ったわけか?  ならなんでそういうものを、わずか1000字の掌編の中に出すのだ?  パエリアは料理だよな。  この話のなかでの役割は、彼が「特別なお詫び」のために作った「特別な料理」って小道具なわけだろ。  その条件は満たしている――が、これでは行き過ぎ。  パエリアっていうのは、かなり特別な料理で、一般人が知らないくらい特殊だよ。  この掌編を誰に読ませるつもりなのだ。お前は。  都内のプレイスポットを熟知しているおしゃれなOLのお姉様方に読ませるのなら、パエリアは説明不要だろうが。  スペイン料理なんて、そこらの人間が知ってるかっつーの。  読者が知らない小道具は、説明しないと使えないわけだな。  1000字の中に出す小道具としては、よくない。  これが5ページも使える生課題だったら、パエリアは説明すれば使っても良い。  しかし1000字なら、使うな。  サフランは香辛料だな。独特の匂いがする、というところが、この話では大事なところだ。  サフランを使って、なおかつ「特別に」手をかけた料理であれば、この掌編内での小道具としての役割は、完璧に果たせることになる。  俺なら、「本格インド風カリー、サフランライス付き」とかにするかなぁ。料理の種類で「特別」を出すのではなく、そこにかけた手間のほうで「特別」を出すのね。4時間かけて作ったとか、ひとこと書いておけば「特別」は出せる。 >プロレスのかっこよさ >>「体の大きい、ごっつい人が、飛んだり跳ねたりぶん投げたり殴ったり蹴ったり、大暴れして闘うところ」  「体の大きい」を解説していない。  「大暴れ」を解説していない。  「跳んだり跳ねたり……」と、無数に列挙すればいいってものじゃない。端的にひとつで言い表せるぴったりの言葉を探してこい。 >関節技 >>ドアを思い浮かべてください。  いやです。  なんでこっちが苦労かけてやんなきゃならないの?  説明するのはそっちの仕事でしょ?  こっち、金払ってるんだから、ちゃんと仕事しろよなー。ふざけんなよ。手抜きすんなよなー。  ドアを思い浮かべろだって? 面倒だよ。お断りー。思い浮かべるのに、どれだけの苦労が必要だと思ってるんだよ。ここはセルフサービスの店かよ。ちゃんと席までお冷やとメニューと食事を運んできやがれ。それも料金のうちだろ?  それに、そもそも――。  俺はドアの話を聞きたいんじゃなくて、関節の話を聞きたいの。 >シリアス度とエロ度  そうそう。  そういうふうに、言われたこと以上のことをやってきたときのみ、評価されるものなのね。 >>「シリアス、軽めのお色気」は具体的な作品名が思い浮かばない。  「シャドウレディ」とかは? >対象読者  ああ、そうそう。  対象読者のことで、言っておくことがあった。  2号がそういう発想を持ち始めたのは、ここ2週間くらいのことなのね。  つまり「対象読者」という発想に関しては、初心者もいいところ。  対象読者は、自分と近い人間にするほうが楽なのだな。  年齢的にも、立場的にも、経験的にも。  中高生なんて、2号から見ると、かなり遠い存在だろ。  ここはひとつ、20〜24歳くらいの、プータロー、もしくは、ヒッキー……あたりを対象読者としてやってみるように。  それなら、自分より数歳だけ下げるだけだし。立場も似たようなもんだし。  中高生を対象にして「確実に失敗」するよか、手頃なあたりを対象に成功させつつ、経験値を稼いだほうがいいだろう。練習のための習作なんだし。  20代前半ぐらいの年齢の男性に向けて書く、「小学生の性の目覚め」の話なわけだ。  了解? >おっぱい剥き出し事件 >>見ていることを他の男子に知られると、つっこまれる隙にはなりませんでしたか。  んー。角度的に僕が真正面だったけど。脱いで、体操着をかぶるまでの2〜3秒のことだったし。  他にも横あたりから見ていた男子は数名いたはずなのだが。  どういうわけか、みんな話題にのぼらせなかったなぁ。  なにかイケナイコトのような気がして、口にのぼらせることにためらいがあったと思われる。  ぱんつ見たとか見ないとかなら、その程度のことなら、はやしたてたりもするだろうけど。  生々しすぎちゃって、打ちのめされちゃう感じね。とてもからかう気力は出てこない。  見ていた数人は口を閉ざし、見ていなかった連中は見ていないわけなので、誰かが言わない限りは、そこで起きたことを知りようがない。  ――ので、騒ぎにはならんかった。  そのあとで女子のほうで、なんか揉め事やら騒ぎやらがあったようで、その後、剥き出し事件は二度と起きなかったが。その子も男子の中で着替えはしなくなったということ。  なんか女子連から抗議でもいったに違いない。 (その女の子は、女子の中でも孤立気味だった。でもきっぱり物事を言うタイプなので、イジメには合っていなかった。ハルコみたいな感じかね) >小学生の男女  ああ、わかった。  「覚悟を決めて体を投げだす少女」と書いたとき――。  その小学生の女の子が、どこまで「覚悟」しているのかということで、認識の食い違いがあるわけだな。  弟切は「セックスまで覚悟しているはず」と考えている。  2号は「キスくらい。もしくはペッティングくらい」と考えている。  小学生の男の子の平均的な性知識には、「セックス」はないわけね。  「チュウ」と「おっぱい触る」と「スカートの中身のぱんつを見る」ぐらい。過激なヤツでも、せいぜいパンツ剥いて中を見る。――ぐらいなところまで。  しかし女の子のほうは、セックスまでの知識を持っているわけだ。もう平均的に。  2号のほうは、男の子側は「セックスの知識を持たないのが普通」と思っているので、女の子のほうもそういうものだと思いこんでいる。  よって、女の子が「体を投げだす」という行為は、「キスしたり、なんなら触ったりしてもいいよ」というぐらいの意味だと考えている。  弟切は、小学生の女の子でも、無防備に体を投げだすなら、「セックスもやむなしという覚悟」だと考えている。  このへんに食い違いがあるわけね。  お互いに、それでいいのかな?  まず、認識の相違と、その正体を明らかにしよう。  じゃないと議論が進まない。  ちなみに議論ってのは「勝ち負け」を決めるためにあるのではなくて、有意義な結論を導き出すためにあるのね。比較検討のためのアプローチのひとつ。(議論の目的が勝敗を付けることだと、勘違いしている人は多いけど)  この場合には2号の話の中において、小学生の女の子の行動をどうすべきかという話なわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7092 投稿日 2003年9月20日(土)05時59分 投稿者 新木 伸 >2号 >爆発とか >>鼓動にあわせて肘が爆発していた。  ここのところだけど。  ここで「爆発」という言葉を使って表現しようとしていたイメージは、そもそも、どんなものだったわけ?  まさか文字通り肘が「ぱーん」と破裂することを書こうとしたわけではないだろう。 >>肘から放たれた稲妻が、おれの脳味噌に深々と突き刺さったからだ。  あと、これとかも。  ここで「稲妻」という言葉を使って表現しようとしていたイメージは、どんなんだ?  上の「爆発」と一緒に、たくさん言葉を連ねてしまってもいいから、そもそもなにを書きたかったのか、平文にて説明してみそ。 >ロリとペド  ロリコンは、語源からいうと、本来、性的対象とすべきでない年齢の女の子に、性的興味を覚えてしまうという意味ね。  「性的対象とすべきではない年齢」というのは、文化によって変わる。  「結婚できない年齢」って見るべきだろうね。  もし14歳で結婚可能な国があるなら、その場所では、14歳以上に性的対象を向ける人間に対して「ロリコン」という言葉を使うのは不適切だろう。  日本ならば15歳以下ってところか。16歳から結婚できるし。  んー、でも淫行条例なんかだと18歳未満はNGらしいし、ややこしいなぁ。  ロリコンの語源となった「ロリータ」という作品では、原作小説では12歳で、有名なほうの映画だと14歳。  ペドの場合は「幼児性愛」であり、「幼児姦」であるから、イタズラなりなんなり、実行してしまうなにかがある。  年齢範囲も違うけど、「実行の有無」がいちばんの違い。 -------------------------------------------------------------------------------- 秋ちかし No.7093 投稿日 2003年9月20日(土)15時19分 投稿者 名無し君2号  涼しいというか、寒い。  体が細いからか。  痩せすぎてるけど、太れないし。しかたないし。 >弟切さん >>>>最後はしかたないから責任とるわいな、と体を投げだすヒロイン。 >>これを読んで、「ヒロインはキスまでしか覚悟していない」と思う人はいないでしょう。こういう表現をしたら、「当然ヒロインはセックスまで覚悟している」と読み取られるはずです。  新木さんの言う……。 >>2号は「キスくらい。もしくはペッティングくらい」と考えている。  が答えになります――が、しかし。  この部分は、あきらかに私の書きかたがまずいです。  「体を投げだす」……。  うーむ。  そりゃあ、最後まで……と思われるよな。 >>>>キス程度なら逆転していても現実味はあり、です。 >>の意味がわかりません。 >>ここで書いてらっしゃる『キス程度』というのは、物語のどの時点でのことを指しているのでしょうか?  最終到達地点が「キス程度」です。  それ以上はなし。行為としても、意志としても、覚悟としても。  あ。  でも、女の子が暴走、男の子は「それ以上」を期待して体を投げだしたけど、「キス」どまりだった……ホッとしたような、残念なような、という話も面白いかも。  ここまでで考えるに。  小学校六年生の性とは……。 ■男子 知識:キス、おさわり程度。 興味:興味しんしん。 ■女子 知識:最後まで。 興味:あな恐ろしや。  でも、女性もキス程度までならいい……だろ。それは。多分。自信なし。  男も最後まで……だとびびって逃げだすと思うけれど。どうだろう。  さて。どう書けば誤解されなかったのか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ヒロインとキスしてしまって、主人公エロ覚醒。 「ああ……まんず女の子のくちびるさ、ぷにぷにと柔らかくってぇ……」  あの素晴らしいキスをもう一度、とばかりに、とめどもなく暴走する主人公。  きっかけになってしまったことに多少の罪悪感をもつヒロインは、主人公をまともに戻すためにいろいろと手をつくすが、まったく効果なし。 「そんなにキスさすたいんなら、さすたげるっすぇ!」  と目を閉じるヒロイン。  主人公の、なんでそこまで……との問いかけに、ヒロインは愛を告白した。 「おめのこと好きだからだべす」  主人公、これ幸いとばかりにやっちゃおうとするが、すんでで思いとどまる。  ヒロインのなんで? という問いかけに、主人公は……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  方言は適当です。参考資料「六三四の剣」。  大阪弁はきゅんとくるけど、東北弁はどうなのさ。  まあ……それはともかく。  結論。  小学生女子は、性的なことからは逃げる。  それを踏まえてないと、リアリティー皆無。  そういうことでいいんでしょうか。 >新木さん >「関節技」 >>このへん、すべて「説明」しちゃってる部分。 >>2号はこういうのが「描写」と思っているのだろうが、見当違いもはなはだしい。 >>いままでと同じ。おなじところをぐるぐる回っているだけ。 >>いいかげん、描写と説明との違いに気づけ。  描写と説明。  ……。  説明 「ともかく暑い」  描写 「汗が畳にしたたり落ちる。はるか上空では太陽が、いままでのぶんを取り返すような勢いで燃えさかっていた」  ということ、なんだろう……多分。  へたな描写だね、しかし。 >爆発 >>おい。 >>「爆発」という現象も知らずに、お前は「爆発」という単語を描写のなかに使っていたのか?  そもそも、「爆発という現象を知らない」こと自体を、知らなかったという……。  基本的に、己はなにも知らないのだ、という意識でやらないと駄目ですね、こりゃ。 >>>>鼓動にあわせて肘が爆発していた。 >>ここのところだけど。 >>ここで「爆発」という言葉を使って表現しようとしていたイメージは、そもそも、どんなものだったわけ?  痛みです。  ずきん、ずきんと鼓動にあわせて、体のなかに染みでてくるような痛み。 >>>>肘から放たれた稲妻が、おれの脳味噌に深々と突き刺さったからだ。 >>あと、これとかも。 >>ここで「稲妻」という言葉を使って表現しようとしていたイメージは、どんなんだ?  0から一気に10まで、痛みのボルテージが駆けあがっていき、メーターを振り切る。  脊髄を通らずに、直接頭に痛みが届いた……という感じ  打撃なり関節技なりの痛みというのは、最初にガツン、ときて、あとはジクジクと痛むものだから、一応はそれぞれ、痛みかたを変えたんですが。 >>2号の場合は、そろそろ生課題のほうもやるようにするか。 >>週に1〜2回は、生課題をやるようにするべし。生課題のお題は、これまで色々出てきているから、足りなくなることはそうそうないだろ。同じお題で別バージョンを作ってもいいわけだし。  了解。 >得物 >>なぜ間違いが出たのだ? >>そのへんの仕組みを解説のこと。  「得物」と「獲物」の違いはわかっていたんです。  「得物」は武器のこと。  「獲物」は――ようするに戦利品、か。今回の場合は、狩で取った動物のことだ。  なんでそれで間違えたのか。  ……。  うむむむむ。  新木さんに指摘されて初めて気がついたのだから。  しっかりとわかっていなかった、ということか。  違いを完全に理解していなかった。  まあ、読み返すのは何回もやってる……し。  書きあげてから一回。修正。  修正してから一回。修正。  アップするときに一回。修正。  修正してから一回。アップ。  修正がなくなったらどうするんだ。当分ないだろうけど。  修正するたびに全体を見なおしているから……でも、これって1000字だからできることだよな。  誤字をなくすために。 ・複数回読み返す。 ・単語の意味を知っておく。 >パエリア >>パエリアっていうのは、かなり特別な料理で、一般人が知らないくらい特殊だよ。  あ。そうなんですか。  自分を基準に考えちゃだめなのに。  自分は読者じゃあないのに。  自分にテレパス能力なんてないのに。  またやってしまった。  と、三度「自分……」を繰り返してみたところで。  そもそも私だってパエリアがどういう料理なのか、ハッキリとはわかってないし。 >>スペイン料理なんて、そこらの人間が知ってるかっつーの。  スペイン料理だなんて知らなかったし。イタリア料理かと。  サフランライス……うーむ。  おなじのは使えないし。 >プロレスのかっこよさ 「筋肉むきむきのごつい人たちが、ぶつかりあって闘うところ」  でも。  筋肉むきむきじゃない人もいるし、ごつくない人もいるし。  まあ、それでも小学生から見れば、みんな大きく見えるか。  「ぶつかりあって」……。  「どっがーん」とか擬音を使いたくなる、けど。 >関節技  とりあえず手首を見てください。  ちゃんと動きますよね。動くのに取れない。  なんでか。  筋肉があるから、動くんです。  骨が手首をしっかりと捕まえているから、取れないんです。  この骨と筋肉こそが、関節なんです。  手首だけじゃなくて、足とか、手とか。骨と筋肉が捕まえて、動かせるところは、関節といいます。逆にいうと、骨があっても動かせないところや、筋肉があっても骨がないところは、関節とは言いません。  さて。  この骨と筋肉が役に立たなくなったら、どうなるでしょうか。  動かなくなる。取れてしまう。  破壊する、というのは、役に立たなくさせる、ということですから、つまり……。  関節を破壊する、というのは、骨か筋肉、もしくは両方を破壊する、ということ。  そして骨と筋肉を破壊する=役に立たなくさせる、ということは、動かなくしたり、取れちゃったりさせる、ということなのです。 >短編 >シリアス&エロス >>>>「シリアス、軽めのお色気」は具体的な作品名が思い浮かばない。 >>「シャドウレディ」とかは?  それはなんでしたか……訊くまえに調べる。  桂正和さんの作品だ。ジャンプで連載していたものだ。  なんで覚えていなかったんだろう。 >対象読者 >>ここはひとつ、20〜24歳くらいの、プータロー、もしくは、ヒッキー……あたりを対象読者としてやってみるように。 >>20代前半ぐらいの年齢の男性に向けて書く、「小学生の性の目覚め」の話なわけだ。 >>了解?  了解。  ……しましたが。  でも、ライトノベルで食っていくなら、中高生を読者層にできないと、つらいのではないか……とも思いましたが、とりあえず小説を書けるようにならなきゃ始まらないし。  とりあえずはそっちでいく……となると。 >路線  狙う路線の方向修正。 ■生々しい順。上はさっぱり、下はぎとぎと。 (1)ギャグ、お色気ほんのり。 (2)コメディ、お色気ほんのり。 (3)ギャグ、H。 (4)シリアス、お色気ほんのり。 (5)コメディ、H。 (6)ギャグ、どエロ。 (7)シリアス、H。 (8)コメディ、どエロ。 (9)シリアス、どエロ。  そもそも、20前半男性相手に書くのに、「生々しさ」のソートでいいのかどうか。  ……。  小学生の時代は遠い彼方の話だ。  世間というものを知って……アリとキリギリス、いいかげんキリギリスじゃつらいよ、って気づくところ。  アリな自分。  でもキリギリスへの憧れも捨てきれず。  昔はよかったな、なんておっさんくさいこともすこし思いつつ。  思い出は基本的に美化されるもの。  美しさにまどろみ――過剰な幻想。  ノスタルジー。  美しさ。  現実を読みたいのか、幻想を読みたいのか。  シリアスか、コメディか。  ……シリアスに幻想を書いてもいいんだよな。  それともエロで売るのか。  だったらポルノ小説書いたほうがいいし……。ポルノ小説もロリ描写ってどうなんだろ。最近は厳しくなってるんじゃなかろうか。  まあ、エロの許容範囲は広いはずなんだよな。  ちょっとやそっとじゃあ……。  この年代が読む漫画雑誌は……。  少年誌から青年誌まで、結構読むでしょう。  青年誌たっていろいろあるけど……。  ヤンマガ、モーニングぐらいじゃないか。  ビッグコミックオリジナル? 「釣りバカ日誌」を読むか? ないだろう……と思う。  ポルノじゃなくてエロを書ける限界は、ヤングキング、アニマルぐらいじゃないのかな。  コードに触れる、という意味でなく、読者が普通の雑誌に求めるエロスの限界、という意味ですけど。  あや。「ふたりエッチ」も入るのか。  かえって訳がわからなくなってきた。  そもそも小学生のそういう細々とした行為を書くつもりがないし。  テーマである「エロより愛」を伝えるのに、過剰なエロ描写はかえって邪魔じゃないか。  シリアスに書いて、「ノスタルジー」「甘酸っぱい」「多少エロ」感で勝負するか。  コメディに書いて、「ノスタルジー」「甘酸っぱい」「笑い」「結構エロ」で勝負するか。  ある程度はエロ描写はあったほうがよろしかろ。  どうせエロ描写は避けられないのだし。  結局……。 (4)シリアス、お色気ほんのり。 (5)コメディ、H。  になるんだよな。  うーん、中庸。  結局は結論も一緒で、グロになるのを笑いで消臭……になるか。 >おっぱい >>生々しすぎちゃって、打ちのめされちゃう感じね。とてもからかう気力は出てこない。 >>見ていた数人は口を閉ざし、見ていなかった連中は見ていないわけなので、誰かが言わない限りは、そこで起きたことを知りようがない。 >>――ので、騒ぎにはならんかった。  ああ。  リアルだ。生々しい。  現実だから当たり前……だけど。  こっちの予想会話はおおはずれなわけで。  こっちのほうが年が若いわけで。  こっちだって小学生時代はあったわけで。  なんか負け。 >1000字課題  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=607&e=res&lp=550&st=0  5時間。いつもと変わらず。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号のおにいちゃん(脳内小学生より伝言) No.7094 投稿日 2003年9月20日(土)21時47分 投稿者 かねやん >>でっかい人が、すごい技を使って闘うところ  すごいわざって、どんなの? ひっさつわざとかあるの? やっぱレッドが1ばんつよいの? ぶきとかなにつかってるの? >>体の大きい、ごっつい人が、飛んだり跳ねたりぶん投げたり殴ったり蹴ったり、大暴れして闘うところ  おかーさんがちかよっちゃだめだって。 (ちょっと解説。この子の近所に、道端で飛んだり跳ねたり、自販機や看板を意味もなく蹴ったり殴ったり、突然奇声を上げたりする、とってもこわいおじさんがいるとのこと) >>筋肉むきむきのごつい人たちが、ぶつかりあって闘うところ  なんでそんなことやってるの? (個人的な感想。ボディビルダー達が、「ウッ」とか「ハッ」とかポージングしてぶつかりあう姿は意味がなくても面白い気がする。  昔、「超兄貴」ってゲームあったなあ。と思って調べてみたら携帯用iアプリで出てるらしい。 「超兄貴 超公式サイト」http://www.chouaniki.com/ ) iアプリ:  NTTドコモの携帯電話には表示画面を利用して情報のやりとりができる、iモードという通信機能がある。  このiモードの機能を拡張して、情報のやりとり以外のことをできるようにするのがiアプリ。  一般的には、ゲームなんかがよく使われていますかね。  J−フォンではJAVAアプリ、auではEZアプリという名前で同じことをやってます。 >ガソリンの爆発  ガソリン車は、全部ガソリンの爆発で動いてます。 -------------------------------------------------------------------------------- 彼岸台風 No.7095 投稿日 2003年9月21日(日)02時56分 投稿者 弟切 千隼  湘南では、昨日までの厳しい残暑が嘘のようです。今日は接近する台風と秋雨前線のために雨が降って、十月くらいの気候になりました。  「暑さ寒さも彼岸まで」とはいえ、お彼岸に入った途端にこんなになるなんて、変化が極端すぎて体がついてゆけません。弟切は慌てて長袖の服を出しました。 > 小学生の性に対する意識と行動  新木さんの指摘されたとおり、2号さんと弟切との間で、認識の食い違いがありましたね。  2号さんは、「小学生なんだから、『体を投げだす』といったところで、キスか、せいぜいペッティングくらいまでしか考えていない」と認識していました。  弟切は、「たとえ小学生でも、『体を投げだす』という表現をするからには、セックスまで考えているのだろう」と認識していました。  2号さん御自身がおっしゃるとおり、『体を投げだす』という表現に問題があったことは確かです。しかし、問題はそれだけではありません。根底にある「男女の性意識の差」のほうが、より大きな問題でしょう。  女性のほうが早くから深い性的意識や知識を持つことが多いのは、月経があるからだと思います。  現代日本の女性は、小学校の五年生か六年生で初潮を見ることが珍しくありません。だいぶ以前に、弟切が女友達に訊いて回ってみたところでは、半数近い女性が小学生のうちに初潮を経験していました。  初潮は、女性にとって衝撃的な経験です。何しろ、明らかに自分の体から大量に出血するのですから。そのうえ腹痛や体のだるさを伴うことも多く、知識がなければ誰でも「病気だ!」とびっくりします。  で、大人への階段を登る女の子をびっくりさせないように、小学校の三年生か四年生くらいになると、学校で女の子だけが集められて月経の知識が与えられます。月経の知識を与えるとなれば、どうしても妊娠や出産の仕組みに触れることになりますから、それに関連していろいろと深い−同年代の男の子に比べれば、です−性知識を仕入れることになります。  だいたいにおいて、男の子より女の子のほうが早熟ですよね。中学生くらいまでは男の子より背が高い女の子が結構いますし、精神的にも女の子のほうがませています。女の子からすれば、中学生くらいまでの男の子はとても「ガキ」に見えます(笑)  けれども、早熟だから、知識があるからといって、女の子はすぐには具体的な性行動に走りません。理由は、弟切が再三書いているとおり、女性は未熟なうちはそういう行動を避けるようにできているからです。  何らかの事情があって女の子がそういう行動に走ったとしても、小学生のうちなら、やはりキスくらいまでが限界でしょう。このくらいなら、現実味があります。  以上のことを踏まえて、2号さんの作品において、「小学生の女の子」にはどういう行動をさせるべきでしょうか?  2号さんの作品が、女性読者のことを考えなくてもよい完全男性向けの話だとしても、現実味がなさ過ぎるのはまずいですよね。同時に、「読者さまが読んで楽しめる小学生の性行動」を提供しなければなりません。プロのもの書きを目指す以上、これは至上命題です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7096 投稿日 2003年9月21日(日)09時57分 投稿者 新木 伸  短編3本、終了。  4本目のプロットのOKの返事が来ないもんで、身動きできん。  なので暇つぶし中。 >2号 >小学生の男女の性意識の違い  弟切が説明しているけど。  たぶん2号にはわかんないだろうから、もっと端的に、リアルに生々しく書いてみる。 (ちなみにこのへん、関節技について説明せよ、ということのいい実例になっているので、そういう観点でも見てみろ)  まず、主人公がエロ魔神になっちゃうわけだよね。  女の子のほうは、その主人公のことを前々から好きで、さらにエロに染まる引き金を引いてしまった罪悪感も持っているわけだよね。  そして主人公の性欲に付き合う決心をする。  このとき、女の子から見るならば、男の子がどこまで要求してくるのか、さっぱり見当がつかないわけなのだよ。  小学生の女の子にとって、エロ魔神化してしまった男の子というのは、理解不能なクリーチャーなわけ。  どんな行動原理で駆動されていて、自分のカラダに対して、なにをどこまでやるつもりでいるのか、計れもしない恐ろしい存在なわけ。  「エイリアン」って映画に出てきた「エイリアン」であるわけよ。  または宇宙から飛来した物体Xなわけよ。  男の子のほうが、「キスだけだから」とか言っていたとしても、信用できるかい。  キスを許したら、その先のことまで男の子がしたくなってしまわないという保証は、どこにあるのだ?  赤黒い欲望を抱えこんだ理解不能なクリーチャーが、理性で踏みとどまってくれるなんていう確信をどうして持てるの?  てか、理性があるなら、はじめに一度キスを嫌がったところで踏みとどまるもんでない? そこで止まれないっていうのは、理性のブレーキが働いていない証拠だろ。  もう証明されちゃってるじゃん。  なにを根拠に、「キスだけ」だと安心しろっていうの?  ――で、男性読者側からすると、ここで男の子がキスかペッティング程度で止まって、その先に進まない「保証」ってのは、ちゃんと存在しているわけだよ。  説明不要。  もう自明の理。あたりまえのこと。  それなのに、なぜ女の子側にその「保証」が伝わっていないのか、理解できないでいるわけだよ。2号はいま。  ちなみに、ついこのあいだまでは、2号は、女の子のほうが、その「保証」を知っているものとして動かしていたわけね。だから安心して「キスまでならいいよ」とか言って、体を投げだしてしまえるわけだよ。  人にはテレパシーがないんだから、伝わらないのが、あたりまえなんだけどね。  自分の知っていることを相手も知っているだろうと思いこんでしまうのが人間ってイキモノの悲しい性だ。  2号は、つまり、自分の知っている「キスで止まる保証」が、なぜ女の子に理解できないのか、理解できていない。  そもそもその年齢の男の子は、「セックス」なんて知らない。  そんな行為は、発想の外にあることなんだな。知らないものだから、試みようとするはずもない。  また「見る」「触る」以上のこととなると、生理的に嫌悪する性癖も持っている。  あの頃の男の子っていうのは、僕の「おっぱいぽろり事件」のエピソードでも書いたように、過度の生々しさを嫌うものなのね。 (あ、いま思いだしたけど。その美人だけどツンと澄ました中学性並のおっぱいをした女の子。脇毛もしっかり黒々と生えきっていた。それも見てしまったので、目撃者の男子は皆等しく口を閉ざす結果になったのだっけ。そうそう。生々しいだろ。これは忌避するだろ。>2号)  「見る」「触る」くらいまでなら興味を持ったとしても、「舐める」「入れる」なんて嫌悪感を催すはずだ。汚く感じてしまうはずだ。  そういう観点からも、挿入まで及ぶはずがないのに。  だけど、女の子側からは、そうは見えないの。  男の子は「理解不能なクリーチャー」なわけ。  2号が女の子のことを、「理解不能なクリーチャー」と思っているのと同じように、相手も男の子のことをそう思っているわけ。  2号から見たなら、「女性」ってのは、すべて理解不能な存在であり、すべてキチガイなわけだろ?  なら、向こうから見たなら、自分だって同じように「理解不能で、行動原理の読めないキチガイ」と思われているのだと、そう思え。  この短編に出す予定の女の子にしても、そうなわけ。  女の子が好きになったのは「エロ魔神化」するまえの男の子なわけだ。  エロ魔神は、もともとは彼女が好きになった男の子ではあるんだけど、中身は性欲によって怪物化しているわけだ。理解不能なキチガイなのだ。  そのキチガイが「キスさせろ」と言ってきているわけだ。その女の子は「キスで済む」と本当に思えるのか? それリアルなのか?  ――そういう問題なわけね。  いま論点になっているのは。 >描写と説明 >>説明「ともかく暑い」 >>描写「汗が畳にしたたり落ちる。はるか上空では太陽が、いままでのぶんを取り返すような勢いで燃えさかっていた」  まあ、たしかに、「暑い」ってことの描写にはなっているけども。  ほんと、上手じゃないね。  「汗が畳にしたたり落ちる」が、これ、やはり「汗がでること」の説明である。描写になっとらん。  また「太陽が燃えさかる」のほうも同様。  「暑い」ということを描写するための――「汗」と「太陽」。そういった「主従」の関係があるわけだな。  ここでは主である「暑い」を描写すればいいわけなので、従の要素であるこのふたつに関しては、まあ「説明」でもいいわけだが……。  欲をいうなら、このふたつに関しても描写としておきたいところだよなぁ。  「畳にしたたり落ちるほどの汗」と、「燃えさかる太陽」と、このふたつに関しても描写できるはずだろ。  つまり描写っていうのはなにかというと。  描こうとしている対象(この場合は「暑い」)について、2段階ぐらい掘り下げて、具体的に説明してゆくってことなのだな。  暑いということは、汗が畳にしたたるほどのことであり、汗が畳にしたたるほどということは――つまり、どういうことなのか。  たとえば、ファンタジー的世界観の話のワンシーンとして、「退屈している冒険者たちのパーティ」とかいうものを描くのだとする。  退屈しているということは、つまり、仕事がないことであり、馴染みの酒場で真っ昼間からだべって暇そうにしていることであり――。  暇そうにしているということは、つまり、女戦士は趣味の刺繍をやっていて、魔法使いと精霊使いとが夕飯のおかずをかけて、それぞれの紙人形に命を吹き込んで紙相撲をやらせていることであり――。  と、そういうふうに掘り下げてゆくわけね。  これを、いきなり、「彼らは退屈していた」と書いてしまうと、それは説明。1段階目でいきなり「説明」しちゃってるので、まったくの論外。  そして「退屈していた」と書かないまでも、「真っ昼間からだべって暇そうにしているのである」と書いてしまっても、やっぱりまだ説明。2段階目で「説明」しちゃっているから、やっぱり、かなり「とほほ」なレベル。  ここで、「女戦士は戦いのときより熱心に趣味の刺繍に取り組んでおり――」と書くのは、説明的文章ではあるけれど、「退屈」の描写にはなっている。  3段階目くらいまでディテールを掘り下げてからであれば、「説明」でもいいわけよ。  ――で、最近、関節技についてやらせているわけだが。  2号の場合は、この1段階目でいきなり「説明」しちゃっているわけだ。  「関節を破壊する技です」と言ってくる。  そして「関節が破壊されるって、どーいうこと?」と2段階目に踏みこませても、「関節を動かなくなることです」とか言ってくる。  もう1段階踏みこんでいかないといけないわけね。  「暇そうにしている冒険者」というのは、つまり、「女戦士が刺繍に没頭しているということ」とか。――そういうことに相当するものを、関節技の説明でも行えと、そう言っているわけ。  関節を破壊された「痛み」なら、そっち方面で。  破壊された関節の方面なら、そっちで。  なんかまぶたの裏に浮かぶようなヴィジョンを観せろって言ってるの。  百聞は一見にしかずという。  百の説明を語るよりも、読者に観せちまったほうが、一発で納得してもらえるんだよ。  それなのに、おまえは説明ばかりを延々と繰り返している。  そんなもん、百回繰り返したところで、誰ひとり納得させられないわけ。  前、「8月のキリン」で、同じようなことを魚住にやらせていただろ。  「彼女とケンカして落ちこんでいる男」というのを、コンビニに入ってくるシーンで書かせたアレだよ。  「落ちこんでいる」ということは、つまり、「ドアを肩で押して店内に入ってくる」ということなわけだよ。 >爆発とか稲妻とか >>痛みです。 >>ずきん、ずきんと鼓動にあわせて、体のなかに染みでてくるような痛み。  えーと。  するとつまり、2号の脳内では、「ずきん」=「爆発」という等価式が成り立っているということか?  ずきんは、ずきんで……。  爆発は、爆発だろ。爆発は爆発なんだから、「ぱーん」ってもんだろ。もしくは「どかん」か。  「ずきん」=「ぱーん or どかん」なのかな? 2号の世界の中では。  ――勝手に言葉に対して「自分的意味」を付けちゃわないでさ〜。  ちゃんと辞書引いて、グローバルな意味がどんなものか、調べてから使おうよ〜。  爆発は、爆発なのよ。「ずきん」という意味とは違うのよ。  ――で、「ずきん、ずきん」と2度繰り返されているのだから、爆発は1回でなくて、2回必要なのでないか?  「ずきん」=「爆発」の等価式には疑問が残るが。  「爆発を繰り返した」とか書くのであれば、まだわからないでもない。しかし爆発が1回ってのは、変でない? >>打撃なり関節技なりの痛みというのは、最初にガツン、ときて、あとはジクジクと痛むものだから、一応はそれぞれ、痛みかたを変えたんですが。  おろ?  ひょっとして、打撃と関節技と、それらの痛みを同じものとして捉えてる?  それコショウもレッドペッパーも同じ香辛料だと思ってるぐらい、分解能低くない?  そりゃ、たしかにどっちも「辛い」けどさ。 >描写貧乏  しかし2号の場合は、1000字掌編のような、描写不要なものはそれなりに書けるようになってきたが――。  描写を要するものになると、とたんに、ボロボロになるなぁ。  漫画でいうなら――。  コマ割りやストーリー展開にはそれなりに慣れてきたが、「絵」単体として見ると、ぜんぜんなってないというレベルなわけだな。  ストーリー性は度外視して、すこし描写の練習が必要なところだろうなぁ。  絵でいうならデッサンの練習というところか。  リンゴや椅子やテーブルなどの静物デッサン。  走っている人間や犬などの動く物体のデッサン。  骨格と肉と皮膚と、すべて読み取って描きうつす人体デッサン。  絵でいうなら、そんなあたりを一通り。  いま2号は、関節技の「痛み」ひとつとっても、まともに描写できないわけだ。  他にも色々、あらゆるものが描写できないに違いない。  人気のない保健室の室内の様子とか。  夕暮れの校庭の様子とか。  昼休みでにぎわいでいる教室とか。  試験中の緊張感張りつめた教室とか。  待ち合わせに遅れたので、怒っているハルコの様子とか。  走っている主人公とか。  大人で色気があって優しくて色っぽいハルコのお姉さんの美人なさまとか。  たぶん全滅だろう。  夕暮れの校庭なんか、「夕暮れの校庭」とか書いてくるぞ。たぶんやらせたら。  描写の練習については、生課題の形式でもいいんだけど……。  あれだと、「ミニストーリー+シチュエーション」って意味合いの練習になっているから、もっと描写だけに専念してやったほうが効率がいいかもしれない。 (そのかわりやっていても面白くないかもしれないが。絵の練習でも、デッサンというのは大抵はつまらないものらしい)  なんか練習方法とか、そろそろ自分で考案してみないか?  1000字課題との兼ね合いとか、時間の振り分けだとかもね。  自分には何が足りず、どうすれば補えるか。そろそろ、なんとなく、掴めてきたころだと思うのだが。 >誤字「得物」  だから、なんで「得物」になっちゃったんだって、訊いているのだが?  見直しをしていたが、見落としてしまったのか。  見落としであるなら、なぜ見落としが出たのか?  それとも見落としではない他の理由であるのか。  僕に言われて、はじめて、「ああそうだ。得物でなくて獲物のはずだよ」とか気づいたのか?  こっちだったら、僕に言われるまで、「得物」では間違いだということを認識できていなかったのだから、何度見直したところで自己チェックには引っかからないよな。  わかるように説明しろっての。  そうして原因がきっちり判明したなら……。  二度とこういうことが起きないようにするためには、どういう対策が必要なのか、それも考えろ。 >>・複数回読み返す。  複数回読み直したら、絶対になくせるのか?  おまえは実際に複数回読み直していたらしいが。でも出てきてしまったのだろ? >>・単語の意味を知っておく。  具体的には? どうやるの?  いいか? 「獲物」を「得物」と書いちゃうようなやつが、作家になんてなれるはずないのね。作家にそんなやついないし。これを直さないかぎり、おまえは作家に絶対になれないわけ。 >プロレスのかっこよさ >>「筋肉むきむきのごつい人たちが、ぶつかりあって闘うところ」  これだけ聞かされると、なんかプロレスって、相撲みたいなものに思えてくるが。  お相撲さんは脂肪がたくさんついてるけど、プロレスラーは、筋肉質な人たちの行う「相撲」なわけだね。  その理解で正しい? >対象読者層 >>でも、ライトノベルで食っていくなら、中高生を読者層にできないと、つらいのではないか……  実際のところ、ライトノベルで食っている作家でも、本当の意味で中高生を対象に書ける人は少ない。「いない」と言っちゃってもいいくらい少ない。適当に割合で言ってしまうなら、95%のライトノベル作家は中高生向きに小説を書くことができない。(5%はいないも同然)  しかし、小説の場合は――。  中高生あたりの読者って、背伸びしたがるものなのね。  大学生や大人向きに書かれたものを読みたがる。  読者の持つその変な習性のせいで、救われているという面がある。  そして小説の場合では――。  本当に「中高生向き」に書いてしまうと、こんどは、大学生や社会人の読者からは鼻で笑われるものになってしまうのね。  少年マンガというジャンルがある。  週間少年ジャンプとか、サンデーとか、マガジンとか。  あれは対象読者は、きっちりと、「小中学生」になっている。そのように描かれている。  少年マンガなんて、大人になったら卒業するもの――てな認識が、一般には存在しているよね。(ここではそういった認識の是非を問うつもりではなくて、それが「事実」として存在しているってことを言っている)  小説ではその傾向が、マンガのケースよりも、もっともっと強いのだと思うこと。  「大人」どころか、「大学生」あたりで、もう「中高生向き」の話を軽視して嫌いはじめる。これは「わかりやすさ」を嫌うという傾向として現れる。  少年マンガの世界では――。(たとえばジャンプとかサンデーとかマガジンとか)  小中学生に向けて書いてあるのに、大人でも読めるものになっているよね。  本当は、そういうことができるはずなのだ。マンガでは可能としている作品がいくつも出ている。  しかし小説業界は、マンガ業界ほど、淘汰と進歩が進んでない。つまり遅れている。  淘汰圧が低いので、進歩が遅い。  中高生向きでありながら、大学生も、社会人も、すべて虜にしてしまうような作品は、そうそう見あたらない。  ただしそういう作品が「皆無」じゃないのは、大ヒットを飛ばしている作品があることで証明されている。  スレイヤーズ。フォーチュンクエスト。フルメタル・パニック。  このあたりは中高生に向けて描かれつつ、大人も読めるものになっていて、そして大ヒットを飛ばしている作品だろうね。(フルメタは短編と長編とで対象読者層をちょっと変えている)  ただ、プロで食っている作家でもできていないんだから、だから自分もできなくたってかまわない――てな姿勢は、後追いする立場の人間としてはマズいだろ。  自分が中高生に向けて書けるかどうか、チャレンジして確かめておく必要があるよな。  対象読者層を意識しつつ書くことに慣れてきたら、チャレンジしてみろという話なわけだ。いまじゃなくて、すこし先の話。  もし身につけられたらそれは武器となるし、だめだったらだめだったで、そっちの道が自分にないことが確認できる。腹も据わるだろ。  「大学〜社会人」に向けて書き、中高生には背伸びして読んでもらうことで、生き延びるしかないわけだ。(普通の作家がそうしているように)  ――てか、2号、ライトノベル志望ってことでよいわけ?  作家で食っていくだけなら、ポルノとか、ほかにもいくつか道はあると思うけど?  あと「ストーリー」に関わる仕事という区分でなら、ゲームのシナリオ屋とかさ。  ゲームシナリオのメッセージだと、女の子の可愛さの「描写」とか、室内の様子とかは、たいてい絵に頼れてしまうから、描写力がなくても、ぜんぜん困らないぞ。女の子の可愛さなんて、長々とメッセージで語られてもタルいだけだし。  そのかわり「台詞力」と「キャラ造形力」が高いレベルで要求されるけど。  ただゲームシナリオの仕事だと、集団作業になるから、在宅勤務はできないし、周囲の人との協調性も要求されるし。「創作」以外の能力が色々と必要になってくるけど。 >短編  まあ、対象読者を考え、どういうものを書くのかを考え……。  しかし、どうせ結論なんて出せないだろうから、適当なところで切り上げて、書いちゃうべきだろう。  結論が出せないのは、経験が足りないため。  対象読者を設定して物を書くということを、何度も繰り返してきていないため。  だから決めきれない。  「色々考えたが、俺の書く話はこれだ」と自信を持って決められるようになるためには、何度も書かなきゃならない。  なので、その一歩目として、なんかひとつ書け。  どんな一歩だっていいのね。  そうやって一歩ずつ積み重ねてゆくと、勘の良い人なら数歩目でわかるし。三歩目あたりでわかっちゃうやつもいるし。  勘の悪いやつでも十歩や二十歩でわかるだろうし。(たぶん) >おっぱい剥き出し目撃、黙劇事件 >>生々しい。 >>現実だから当たり前……だけど。  現実だから生々しいわけじゃないぞ。  そこ勘違いするなよ。  2号のことだから、「現実を出せばなんでも生々しくなるのだろう」なんて変なエウレカしちゃってないか心配だなぁ。  俺が自分の脳内から、「小学生、性、生々しさの順でソート」という条件を付けて検索してきて、そして出てきた結果だから、生々しいわけ。  俺の覚えているなかで、小学校時代の、もっとも生々しい事件だったわけよ。さらにその事件をより生々しくなるように、語るべきことを選択している。「見たやつは口を閉ざしてしまう」とか、「気力がへたれた」とか、生々しさでセレクトして厳選した事柄だけを書いている。  そもそも「生々しさ」のトップにあった事件であり、さらに語り口でもって濃度を上げているのね。  だから生々しいわけ。  生魚をデンと出してきたら生々しくなる――なんてことは、あり得ない。  生魚を、より生っぽく感じさせるための調理方法があるわけ。  「アジの活け造り」なんて、すげぇ生っぽいだろ?  2号は食べたことないかな? あれ、とってもうまい刺身料理だぞ。メニューに見かけると、俺、いつも必ず頼むことにしてるんだ。  骨になった魚が、身と一緒にミニサイズのまな板の上に盛り付けられて出てくるのだな。  そして口とエラとをぱくぱくと動かせて、まだ生きてるんだよ。骨だけになってても、まだかろうじて生きている。  皿の上でまだ生きているサカナが、ゆっくりと死んでゆくさまを見つめながら、その身肉に醤油をつけて食べるんだぜ。  残酷だけど。でも生っぽいだろ。だからうまいんだな。あの料理は。  ついでに、泳いでいたアジを水槽の中から網ですくうところもお客さんに見せていたら、もう完璧だよな。「その子ください」みたいに、お客さんに調理するアジを指さしてもらうとかして……。 (このへんも「関節技」の説明の参考にしろ) >エロとかポルノとか >>だったらポルノ小説書いたほうがいいし……。ポルノ小説もロリ描写ってどうなんだろ。最近は厳しくなってるんじゃなかろうか。  どうでもいいけど、おまえ、ポルノってジャンルをナメてない?  てか、創作って物事全般をナメてない?  厳しくなる? 規制? なにそれ?  そんなもんあるわけないだろ。  なにかあったら、作者がしょっぴかれて刑務所行きになるだけの話。  そのくらいの覚悟もなしに創作物を発表する人間はいやしないの。いたらアホなの。  自分の書いた創作物の引き起こしたすべてのことにたいして、全責任を取るわけ。だから記名するわけ。署名するわけ。  たとえばお前が猟奇殺人の話を書いたのだとする。犯罪の手口を作中で事細かに書いたのだとする。  その通りの手口で殺人事件を起こしてしまったアホが出たとする。  さあ、どう責任を取る?  自分の創作物が引き起こしたものごとについて、お前は、どう責任を取るわけ?  どういう覚悟で物を書いて世に出しているわけだ?  ちなみに児童ポルノ法という法律が施行されて、かなり経つが。  エロマンガ業界では、業界の自主規制が動いているみたいね。淫行条例に引っかかるような年齢(18歳以下)の登場人物は出しにくくなっている模様。  これも世の中の風合いをみつつ、流動的なものではある。  一時期は「制服着ていたキャラがエッチするシーンは全面却下」みたいな頃もあった。いまはまた緩んできてるね。  エロゲーム業界では無頓着かな。なんだかぜんぜん気にしてないように思われる。  エロマンガ業界よりロリ属性の需要が高いためと思われる。気にしていたら商売にならないのだろう。  たまに「猥褻物頒布罪」で摘発されているゲームもあるようだが……。  そうなったところでレーベルひとつ潰して、名前変えて新たに立てればいいようなので、あまり問題になっていない模様。  エロゲームの会社って、何百あるのかわからないぐらい存在しているし。  ポルノ業界では、上記よりもマイナーでアングラなためか、ほぼ影響なし。世間の注目度は薄いので、やり玉にあがることも少ない模様。  あとポルノ全体に対するロリ属性の需要度が、そもそも低い。  「人妻」「母親との相姦」――とかのジャンルのほうが、はるかに需要が大きかったりする。  世間一般では「ロリコン」より「マザコン」のほうが需要が大きいと思われる。  「人妻」系が強いのは、寝取りや浮気への憧憬ってところか。  あと――。  そもそも児童ポルノ法っていうのは、現実に存在する児童を守るための法律なのね。  写真やビデオの類の撮影や販売、頒布を禁じる法律だ。  漫画やゲームや小説で書かれるのは、実存しない架空の人間である。たいていの物語には「フィクションです」と言うまでもないことを銘打っていたりする。  よって法律の本来の「児童保護」の目的からすると、まったく問題ない。  ――そのはずなのだが。  なにか無関係の法律を盾に騒ぐ人もいる。  それを受けて自主規制に踏み切る業界もあったりする。  ポルノが問題とされるのは、そういう類の作品が世の中に出回ることで、そういう性癖を持った人間の犯罪傾向が助長されて、現実の性犯罪に至る――という論旨にもとづいた理屈なのね。  しかしこれだって、因果関係を証明したわけでない。  そうした作品に触れることで、適度なガス抜きとなって、性犯罪は抑止できる――という理屈の論旨もある。  ふたつとも同じくらい正当かもしれず、しかし同じくらい無茶で、同じぐらい未証明な理屈なわけだ。  個人的には、性犯罪防止の観点でエロを禁じるのは、かなり無茶な理屈に思えるが。  殺人を扱った映画を見て刺激されたから、殺人をしてみたのだ。――と主張するヤツの言い分が通ってしまうのと同じぐらい、無茶な理屈だろう。  作中で殺人を書くことが良しとされていて、エロを書くことがNGというのは、僕にはまったく理解できない。 >No.40  二人の登場人物。区別がつかんかった。  台詞や地の文やらが、いったいどっちのことについて書いてあるのやら。  追いかけるのも面倒なんで、途中で飛ばした。  なんか工夫しろよ。わけわかんねーよ。  こんなふうに書いてあったとして、おまえ、これ、どっちがどっちかわかるのか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  校舎の裏。  木々がつくりあげた影が、二人の少女を包んでいる。 「先輩……好きです」  消えいりそうな、でもしっかりとした声で、■■■は言った。  告白を受けた――長い髪が風に舞う――■■■は、微笑む。その目は、哀しい色に染まっていた。 「――ごめんなさい」  ■は頭を下げた。  ■の表情は一瞬ゆがみかけ、笑顔に変わる。 「そうですよね。あたしなんか……」  笑顔は続かなかった。そのままくずれる。  ■は黙って、泣きじゃくる■を見つめていた。  おもむろに、上着のボタンをはずしはじめる。 「……先輩?」  ■は■の手をつかんだ。自分の胸元に持っていき、もぐりこませる。 「先輩。これ……」  ■の見開かれた目が、さらに大きくなった。 「そう。私は女じゃない」  ■はしばらく、呆然としていた。我に返る。 「そ、それでも、あたしかまいません!」 「そうね」  ■は笑う。 「嘘じゃありません」 「わかるわ。だって……」  ■は遠くを見つめた。■は視線を追う。  その先には、男子の姿。  ■は思い出す。彼が、■の幼なじみだということを。 「ふーん」  喫茶店。■と少女が向かいあっていた。 「二重にヘンタイじゃない、その先輩」  ■はうなづく。 「いーじゃん、ヘンタイなんて、もうさ」 「でも、まだ、好きなの」  ■は顔を覆った。 「ヘンタイなのに、まだ好きなの。あたしも、ヘンなのかな?」  ■の体は震えはじめる。 「わかるよ」  少女はぽつりと呟く。■を見つめた。 「よーく、わかる……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  工夫するっていうのは、こうしてもわかるようにするってことだ。  名前を書いときゃキャラを区別してもらえるなんて発想は、サボりだサボり。  あと、いま気づいたけど、これって登場人物、3人いたのか。  おいおい……。  あと誤字。  うなづく → うなずく  この誤字が出てしまった仕組みについて解説せよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 台風は海上を北上中 No.7097 投稿日 2003年9月21日(日)19時03分 投稿者 弟切 千隼  奄美地方に被害をもたらした台風15号は、本州の太平洋岸に沿って北上している模様です。本土に上陸する可能性は減ったものの、秋雨前線を刺激してくれているために、こちらではざんざか雨が降っています。 >1000字課題  「科学者と孫娘」を読んで、これを書いた人=もう一人の弟切の考えを探ってみました。  いくつかの段落ごとに区切って、読み取れたことを書いてゆきます。 >> さくさくと草を踏み分ける音に、サイードは顔を上げた。 >> 彼の視線の先には、裏庭に通じる扉がある。 >> 茶を淹れようとしていた手を止めて、サイードは扉の向こうへと声をかけた。 >> 「アーイシャ?」  サイードという男性が出てきました。この人は家の中にいるようです。それともう一人、誰かがいるみたいです。 >> 「はい、おじいちゃん」 >> 快活な声が返ってきた。 >> 「どこへ行くんだい? 今、お茶を淹れているんだよ」 >> 「もう暗くなってきてるでしょ。星を見るの」 >> サイードは溜息をついた。  もう一人の登場人物は、サイードの孫のようです。女の子でしょうか?   この子は星を見ようとしていますね。時間帯は夕方です。 >> 「まだ夕陽があるじゃないか。早すぎるよ」 >> 「だって、おじいちゃん言ったじゃない。昨日より今日のほうが早く星が出るって」 >> アーイシャが言っているのが何の星なのか、サイードには訊くまでもなかった。 >> 「でも、いくらなんでもまだ明るすぎるだろう」 >> 「いいのっ!」  サイードの孫のアーイシャという女の子?は、ずいぶん焦って星を見たがっていますね。星全般ではなくて、特定の星を見たがっているようです。  サイードが止めようとしても、アーイシャは聞く耳を持ちません。 >> サイードは二つの茶碗に茶を注ぎ終わった。盆に茶碗を載せて持ち、台所の扉を抜けて裏庭に出る。 >> 伸び上がるようにしながら、東の空を見つめるアーイシャの姿が見えた。 >> 「お茶を持ってきたよ」 >> 「ありがとう、おじいちゃん」 >> 彼女は振り向かない。腕を上げて、まばらに樹影が散る東の地平線を示した。  サイードは親切ですねえ。アーイシャは彼のことなどまるで眼中になくて、星を見るのに夢中なのに、サイードは彼女のためにお茶を淹れて、わざわざ裏庭まで運んであげています。アーイシャはちょっとわがままな子という感じがします。 >> 「ほら、もうだいぶ暗くなってる。きっと見えるよ。お父さんとお母さんが行ってる星も」 >> サイードは再び漏れそうになる溜息を慌てて押し殺した。 >> 「ねえ、おじいちゃん」 >> 「何だい」 >> 「人が死ぬと星になるって、本当?」  おや、アーイシャの両親は宇宙飛行士なのですね。それであれほど星を見たがっていた理由がわかりました。少しでもお父さんとお母さんに近づきたいのでしょう。この際、ちょっとわがままでも、まあ許すことにします。  サイードのほうは、何だか憂鬱そうですね。何か悪いことがあったのではないでしょうか? >> サイードはどきりとした。 >> 「そうだなあ……人も動物も植物も、その他の物質も、もとはすべて星から生まれたからね。死んだらまた星に帰るということも、あるかも知れないなあ」 >> 彼女はまだ知らないのだ。宇宙に旅立った両親の運命を。  あらら、どうやらアーイシャの両親はもう死んでいるみたいですね。サイードが憂鬱そうだった理由がわかりました。  アーイシャのほうは、まだ両親の死を知らされていないのですね。サイードは彼女にそれを伝えるつもりなのでしょうか? これだけでは全然わかりません。  と、ここまで読んで印象に残ったことを挙げてみます。 1)やたら星を見たがっている女の子、アーイシャ。 2)孫娘にとても親切な祖父、サイード。  この二つだけですね。  最後の行で明かされるアーイシャの両親の死は、衝撃的なことのはずなのに、全く印象に残りません。「あ、そう。ふーん」という感じです。  印象に残らないということは、作者にとって、これは特に言いたかったことではないのでしょう。  恒星間の有人宇宙飛行が実現していることからして、この話の舞台は未来ですね。それにしては未来らしさが全然なくて、唐突に『お父さんとお母さんが行ってる星』と出てくるため、「へ?」とびっくりします。  現代でさえ、TVやら新聞やらインターネットやらという情報媒体がたくさんあって、子供でも情報入手が容易なのに、どうしてアーイシャは両親の死を知らないのでしょうね? 恒星間宇宙飛行がニュースにもならないような遠い未来の話なのでしょうか?   でも、アーイシャとサイードは普通の家で普通にお茶を飲んで、現代と同じような生活をしていますよね。いったいここはどこでいつなのか、とても疑問です。  「アーイシャの両親が宇宙へ行っている」ということ以外、未来らしさが全くないことから推定するに、作者は未来の世界を書きたかったわけでもないでしょう。  ここに書いてあるのは、私たちにとっての「普通の世界」で、「普通に」交流する祖父と孫娘です。わがままな孫娘と、そのわがままを許して甘やかす祖父という構図は、現代社会でいくらでも見られますよね。    結論。  この作者が書きたかったのは、「祖父と孫娘の普通の交流」です。 -------------------------------------------------------------------------------- ゲーム No.7098 投稿日 2003年9月22日(月)03時59分 投稿者 名無し君2号  数年前に買ったきり、全然やっていなかった復刻版のハイドライド3をやる。  ――気がつくと5時間たっていた。  ゲームは駄目だ。時間が消えてゆく。 >かねやんさん  とりあえずは「おじさん」じゃなくて「おにいさん」だったことに、すこしほっとしたり。 >プロレスのかっこよさ >>すごいわざって、どんなの? ひっさつわざとかあるの? やっぱレッドが1ばんつよいの? ぶきとかなにつかってるの?  そもそも、小学生ぐらいのころは、どんなことを「かっこよく」思うのか、と考える。  ……。  わかりやすいことだろう。  内面のかっこうよさ、よりは外見のかっこうよさ。  ドラマの部分がどうとかいっても、通じない……のではなかろうか。  小学生のときにアニメのルパンを見て……。  ストーリーの面白さというよりは、ルパンがどたばたやって、次元がマグナム撃って、五右衛門が刀を振り回しているところが面白かった記憶がある。  いまの小学生がどうなのかはわからないけど。  まあ、見た目で話をして間違いではないだろう。 >>>>筋肉むきむきのごつい人たちが、ぶつかりあって闘うところ >>なんでそんなことやってるの?  なんで? そんなことをやっているのか?  なんでだろう。  お金のため? それはあんまりな答えだ。  強さのため……最強の男になるため……というのも違うような気がするし。  互いの信念にもとづいて……違う。  サッカー選手はなんでサッカーをやってるの?  サッカーが好きだから。  でもブラジル人だと「貧困から抜けだす術がほかにない」からになっちゃうし。  ん。  別に特殊例をいれることはないんだな。 「筋肉の鎧を身にまとった戦士たちが、強さを求め、自分の肉体だけを使って闘うところ」  小学生だから、難しい言葉を使ってもわからないよな。 「筋肉むきむきの人たちが、だれが一番強いのか知るために、素手で闘うところ」 >ガソリンの爆発 >>ガソリン車は、全部ガソリンの爆発で動いてます。  それは知っていま……。  そもそも爆発がどういう現象なのか、よくわかってなかったし。  えーと、たしか……。  シリンダー内で空気と混合、圧縮、点火、燃焼でしたか。  自動車の教習所で、習った程度の知識しかない……。 >短編 >身を投げだす女の子 >弟切さん >>2号さんの作品が、女性読者のことを考えなくてもよい完全男性向けの話だとしても、現実味がなさ過ぎるのはまずいですよね。同時に、「読者さまが読んで楽しめる小学生の性行動」を提供しなければなりません。プロのもの書きを目指す以上、これは至上命題です。 >新木さん >>女の子が好きになったのは「エロ魔神化」するまえの男の子なわけだ。 >>エロ魔神は、もともとは彼女が好きになった男の子ではあるんだけど、中身は性欲によって怪物化しているわけだ。理解不能なキチガイなのだ。 >>そのキチガイが「キスさせろ」と言ってきているわけだ。その女の子は「キスで済む」と本当に思えるのか? それリアルなのか?  うむむむむ。  現実味はない。リアルじゃない。  じゃあどうすれば現実味がでてくるのか、を考える。 (1)女の子が、モンスター相手に身を投げだす「理由」を作る。  好き程度じゃ駄目……だそうな。  自分の命と引き替えにしてもかまわない「理由」。  そう考えると、主人公より女の子のほうが格好よくなってくるが。 (2)女の子が身を投げださない。  なんだか弱気な改良ではあるけれど。  主人公がむりやりに女の子を……。  それじゃ主人公がただの悪人だ。  対象読者である「男性20代前半」は、はたしてどこまで、そういった女性のことを理解しているのか。  みんながみんな、私のような「歩くセクハラ」じゃないだろうけども。  わからん。  読者にとってのリアルにあわせて書くのか。  あくまで現実に即して書くのか。  現実をあえて無視して書くのか。  無視するにしたって、「あえて」が重要なところ。  それなりの理由もなしに、無視するわけにもいかない。  リアルでなくてもいい話なら、無視してもいいだろうけれど。  でも今回はテーマが、「性欲より愛を選ぶ」ってな話なわけだ。  なのに女の子の現実を無視するってのはどうよ?  身を投げだしてくれると楽なんだがなあ……。  でも、修行してるのに楽しちゃ駄目だよなあ……。  そ、そもそも、この話でいくって決まったわけじゃないし。 >短編、起の部分アイデア  性の目覚めのアイデア出し再開。とりあえず各10個を目指して。  エロい順にソート。 ■視覚系 ・胸の谷間。 ・深夜ドラマ。 ・写真。 ・エロ漫画。 ・パンチラ。 ・間近でパンチラ。 ・ビデオ。 ・着替え目撃。 ・入浴目撃。 ・行為目撃。 ■視覚以外 ・女の子っていい匂い。シャンプー。 ・女の子っていい匂い。香水(化粧品)。 ・銭湯。となりから「やだー、○○ちゃん、胸おっきーい」とか聞こえて。 ・あえぎ声がとなりから。 ・乳に触れてしまう。 ・偶然押し倒してしまう。 ・顔面におしつけられる乳。窒息。 ・強制的に体が押しつけられる(逃げられない)。 ・汗の匂い。 ・すぐそばでHが始まってしまう。 ■知識系 ・辞書でそういう単語を調べる。 ・便所の落書き。 ・知識がないのに相談されて、答えるために調べるうちに。 ・保健体育の授業にて。 ・友達から教えてもらう。 ・年上のお兄さんから教えてもらう。 ・目を覚ましたら、親戚がエロ話中。起きるに起きられず、聞いている。 ・ポルノ小説で読む。 ・きれいなお姉さんから教えてもらう。 ・きれいなお姉さんから手とり足とり。 ■妄想系 ・透けて見える下着のライン。 ・下着。 ・すけすけのネグリジェ。 ・きわどい下着。 ・女の子とふたりきり。 ・女性の着崩れた姿。 ・やたらめったら色っぽいお姉さん(行為後)。 ・熟睡している女の子がすぐそばに。 ・ふすま一枚へだてた向こう側で、生着替え中。 ・あえぎ声がとなりから。 ■体験系 ・偶然にスカートめくりをしてしまう。 ・ころびそうになって、思わずスカートごと下着を掴んで、ずりさげてしまう。 ・お姉さんと一緒におふろにはいる。 ・からかい半分にせまられる。 ・偶然にキスしてしまう。 ・夢で体験。 ・夢精。 ・すべり棒、なんか気持ちいい……。 ・痴漢される。 ・大人の階段のぼる。  結構変なのも混じってるけれど。  今度はどのアイデアを使うべきか、考えてみよう。  うまくすれば、「偶然にキス」みたいに、すらすらと話が浮かんでくるかもしれないし。  だから楽しようとすんなってばよ。 >描写と説明 >>なんかまぶたの裏に浮かぶようなヴィジョンを観せろって言ってるの。 >>百聞は一見にしかずという。 >>百の説明を語るよりも、読者に観せちまったほうが、一発で納得してもらえるんだよ。 >>それなのに、おまえは説明ばかりを延々と繰り返している。 >>そんなもん、百回繰り返したところで、誰ひとり納得させられないわけ。 >>前、「8月のキリン」で、同じようなことを魚住にやらせていただろ。 >>「彼女とケンカして落ちこんでいる男」というのを、コンビニに入ってくるシーンで書かせたアレだよ。 >>「落ちこんでいる」ということは、つまり、「ドアを肩で押して店内に入ってくる」ということなわけだよ。  書いてあるのを読むと、「ああ、なるほどなあ」と思いますが。  実際にやってみようとすると、どうしていいのかさっぱり。  まあ、だからこそ……。 >描写貧乏 >>描写を要するものになると、とたんに、ボロボロになるなぁ。  なんでしょうけども。  1000字課題で、ストーリーを作ることには慣れてきたのなら。  おなじく課題で、描写するのに慣れなくてはいけまい。  なので、1000字課題と平行して、描写の練習をすることにしよう、そうしよう。 >>なんか練習方法とか、そろそろ自分で考案してみないか?  いまは1000字課題に、1時間30分くらいかかってる状況だから、場面の描写を書くのにはどのくらいかかるのか……。  とりあえず場面を切り取って描写してみよう。  街の雑踏とか、まあいろいろ。新木さんもいろいろと出してくれていたし。  うーん、そうだな……その場面の掘り下げかたも、どういうやりかただったのか、文の最後に書いておく。  雑踏ということは、人が多くて、適当にうるさくて……ということは? 圧迫感や熱気を感じたり、人にぶつかったり、目的の場所になかなか行けなかったり……ということは?  「ということは?」を繰り返せば、そのうち描写になってくれるだろう。  まあ、やってみないとわからないことだし。  課題部屋にアップしておけば、だれか気が向いたら、私の尻を蹴っ飛ばしてくれるでしょう。 >誤字 >>僕に言われて、はじめて、「ああそうだ。得物でなくて獲物のはずだよ」とか気づいたのか? >>こっちだったら、僕に言われるまで、「得物」では間違いだということを認識できていなかったのだから、何度見直したところで自己チェックには引っかからないよな。  新木さんに言われて、気づいた状態でした。 >>>>・単語の意味を知っておく。 >>具体的には? どうやるの?  自分はなにも知らないのだ、という認識のもと、使う単語使う単語、片っ端から辞書を引いてみる。  そのうち賢くなるだろう。 >>うなづく → うなずく >>この誤字が出てしまった仕組みについて解説せよ。  なんでだ。「ず」と「づ」なんだけども。  なんでだ。ATOKからも注意されるはずなんだけども。  ……あからさまな誤字だと、見直しで直せるけど。  うむむむむ。  あからさまなはずだけど。  やっぱり、いちいち辞書引くしかないと思います。  ワープロソフトの校正機能使う? エディタで書いてるから使えないし。そもそも、そういう機能に頼ってる段階で、なんかもう……。手書きで小説書けないじゃない。 >対象読者層 >>2号、ライトノベル志望ってことでよいわけ? >>作家で食っていくだけなら、ポルノとか、ほかにもいくつか道はあると思うけど?  ポルノですか。  書いたことはないですし、書いてみようとも思わなかったのですが。  考えてみるべきか。  ポルノと一口に言っても、フランス系とナポレオン系というか……。  おっさん系と若者系? ちょっと違うような気がする。  リアル系とファンタジー系か。  ふたつの系統があって。そのなかでも、さらに系統があるけど。  まあ、どっちにしたところで、描写のないポルノって。  それじゃ実用できない。つまりは売れない、食っていけない。  ポルノだと、ストーリーより描写のほうの比重が大きくなるような気がします。 >関節技  ともかく、説明じゃなくて描写しろ、ということがようやくにわかったので……本当に鈍感だな。  ちと考えます。描写、描写……。 >規制 >>どうでもいいけど、おまえ、ポルノってジャンルをナメてない? >>てか、創作って物事全般をナメてない? >>厳しくなる? 規制? なにそれ? >>そんなもんあるわけないだろ。  ないんですか。てっきり、出版社のほうで自主規制……みたいなことをやっているのか、とか思ってました。  そういえば漫画家で捕まった人がいたな……と思いだしたり。  覚悟もなしに書くなってことですね。  そういえばまだ名無しなんだよな……。  エウレカ三郎太とでも改名しようか。  たいして変わらない……。 >1000字課題  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=608&e=res&lp=550&st=0  4時間ほど。短編のアイデア出しに時間がかかる。  で、アップしようとしたら新木さんの書きこみが。それからレス書き足すので……結局3時間か。計7時間。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7099 投稿日 2003年9月22日(月)18時24分 投稿者 新木 伸 >弟切  なにかの偶然か、それとも幸運か。  いまやってみたその読みかたが、「客観的に読む」というものなのね。  いわゆる「読者の目」というやつ。  読者はあの作品を、いま弟切が読んだように読んでいるわけだよ。  ――で、結論として、あの作品は失敗してしまっているわけ。  あの話を読んで読者が受け取るのは、あれが「祖父と孫娘の交流」の話であるということ。 (それが書きたかったのであれば「成功」していることになるが、たしか、そうじゃなかったはずだし)  作品を書き上げた直後、もしくは書いている最中に、ああいった視線を自分の作品に向けるためには、どうすればいいと思う?  書いている最中にその視線を持ち出してこれるのが、いちばん効率がいいのだが。  「だめだ。こういうふうに書いたんじゃ。書きたいコレは伝わらない」とか思えれば、書いているうちに直してしまえるし。  書いている最中が無理だとしても、書き上げて数分後、数時間後、翌日、数日後――などにその視線を持てるのであれば、まあ、問題ない。  やはり自分の手で作品を「本来あるべき形」に直すことは可能だから。 (今回のような場合には頭から書き直さないとならないだろうが) >2号 >ゲーム  まあゲームっていうのは、人間の発明した中でも究極の「時間つぶし」だしねぇ。  ゲームの目的は「暇を潰すこと」にある。  同じ時間を遊びに費やすなら、なんらかの「生体験」の得られるもののほうがいいだろうねぇ。  おなじ5時間を使うなら……。街中を散歩しているとか。公園に座って行き交う人々を見るとか。電車に乗って、他の人々のようすを観察しているとか。  そういうほうが、得られるものは多いはず。  もしくは、その5時間、ボクシングジムでも見学させてもらうとか、空手道場を見学させてもらうとか。  ゲームで得られるものも無駄とはならないし、小説に使えることもあるけども。  しかし、ゲームで得られるものを味わうのなら、ゲームをやったほうが早いわけよ。  小説を読む読者は、小説でないと得られないものを得たいがために、小説を読むわけだ。  さて小説でないと得られないものとは、なんだろう?  自分がなぜ小説を読むのか? そこにヒントが隠されている。 >プロレスの面白さ、小学生版  プロレスを楽しんでいる小学生がいたとして。  たぶんその子は、特撮戦隊ものとか、特撮ヒーローものとか、そういうものを観るのと同じ意識でプロレスを楽しんでいるはずだ。 >描写貧乏 >>書いてあるのを読むと、「ああ、なるほどなあ」と思いますが。 >>実際にやってみようとすると、どうしていいのかさっぱり。  がんばれ。なんとか自力で乗り越えてきてくれい。  俺、どうしてそれができない人がいるのか、さっぱりわからないんだよ。  なので俺は、どうすればそれができるようになるのか、さっぱりわからないわけだよ。  この「説明と描写の違い」ということ。2号にかぎらず、もう何人にも指摘したり、特訓したり、解説を試みようとしたり、導いてみようとしたり、色々とやってきているんだけど。  誰ひとり、越えてこないんだよね。そっち側から、こっち側に。  はじめから「こっち側」にいて、違いがなんとなく分かっていた人間が、毎回ちゃんと間違いなく描写できるようになったりとか、そういうところなら、何度か目撃している。  しかし「描写」というものをまったく理解できない人が、描写とはなにかを掴んだところは、いまだかつて一度も見たことがない。  もし2号ができるようになったら、それが第1号だ。  そして2号がそれを身につけられたプロセスは、そのまま、他の人たちへの練習法として紹介できるようになる。 >街の雑踏  「雑踏」――なんてものは、じつは存在しないのだよ。  こんなものは単なる言葉。  ある状態を言い表すために割り当てられた単語。  ただそれだけのものでしかない。「雑踏」という言葉に雑踏の本質はなにひとつ含まれていない。  マンガのコマのなかに、コトバで「雑踏」って書いてあったところで、雑踏を描いたことにはならんだろ?  マンガの場合は、そうして視覚的に、誰でもすぐ分かるのに。  コマの中に「雑踏」って書いてあったら、絶対に変だって、誰でもすぐ分かるのに。  ……どうして小説では、それがわからない人がこれほど多いのか?  ちゃんと目を開けて物を見ているのだろうか?  なんで怒り出さないのか?  「雑踏」ってコマの中に書いてあるのに? 文中に「雑踏」って書いてあるのに?  マンガでは、雑踏を描くために、人をいっぱい描いてゆく。  小説でも同じこと。雑踏という言葉が示すはずの街中の「ある状態」を、他の言葉を使って描かなきゃならないわけだよ。 >志望とか  いや、だからさ。  おまえはなにをやりたいのだ、と、そういう話なのだが。  ポルノ書きたいならポルノ作家になるのだろうし。  ライトノベル書きたいのならライトノベル作家になるのだろうし。  ミステリを書きたいならミステリ作家になるのだろうし。  SFを書きたいのならSF作家になるのだろうし。  ゲームを作りたいならシナリオライターになるのだろうし。  ラーメン作りたいのならラーメン屋になるのだろうし。  ちなみにポルノの描写。  あの業界は大量に量産して、大量に消費されてく世界なんで。普通の作家でも年間10冊ぐらい書いているので。描写するのは大変なので、だんだんサボっていって、ワンパターンになってゆく作家もいる。  射精というポルノにおいて最大に追求しなくてはならないはずの現象を、「射精した」と書いて済ませてしまう作家のいかに多いことか。 >覚悟とか >>覚悟もなしに書くなってことですね。  いや、覚悟なしに書いてもいいんだけど。  ただ、覚悟している/していないに関わらず、責任は突然回ってくるよ、てな話だが。 >No.41  少女が牧師の母であるということは、最後のほうで明かしたほうが面白くないか?  4行目あたりでいきなり書かれているので、わけがわからず、そこまでの3行を何度も読み返しちゃったよ。  しかしそこには5W1Hしか書かれてない。  で、あきらめて先を読むことにしたわけだが。  少女が吸血鬼であり、牧師はそれを退治しにきた吸血鬼ハンターであり――と、そこまでわかった時点で、ようやく「母さん」の言葉の意味が推察できた。  牧師の口にした「母さん」という台詞だが――。  少女=吸血鬼。  牧師=吸血鬼ハンター。  ――という構図が読者の頭に入っていないところで出されても、なんの意味も持たないし、混乱させるばかりだぞ。  この「母さん」という言葉――。  少女が男の攻撃をかわして、首に牙を立てて血を吸って、男を同族に迎えたあたりで出すのがいいんでない?  それまでのシーンでは、変に混乱させられると、話に集中できなくなる。  戦いが始まるまでの前半部分は、月下の少女の美しさとか、そんなことで愉しませてほしいところ。 冒頭3分の1――美しい少女。吸血鬼として妖艶さ。 中間3分の1――一瞬のアクション。静と動の交錯。 終盤3分の1――じつは少女は牧師の母親だった。母に二度捨てられた男の哀しみ。  3パートそれぞれの愉しませかたは、こんな感じだろ。  これもリライト候補かな。  そのうち、暇ができて、気が向いたらリライトしてやるかもしれない。  そのまえに1回は自分でリライト版出してみそ。  描写を増やすことになるので、1000字じゃ足りないかもしれない。このリライトに限って、必要な分量まで増やしていいぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- ありがとうガリレオ No.7100 投稿日 2003年9月23日(火)00時59分 投稿者 弟切 千隼  木星探査機ガリレオが、その使命を終えて木星に落とされたというニュースを読みました。  ガリレオが打ち上げられたというニュースを聞いた時、弟切は、「これで宇宙の謎がたくさん解ける」とわくわくしたことを覚えています。期待にたがわず、ガリレオは木星周辺の貴重なデータをたくさん届けてくれました。  そのために作られた機械ですから当然です。とはいえ、過酷な宇宙空間で、十四年間も働き続けたガリレオはなんと健気だろう、と弟切は感心してしまいます。あのような大勢の人の思い入れがある機械には、魂が宿って働いてくれるような気がしてなりません。 > 作品を客観的に読む  ふーむ、そうですね。これを常にできるようにするにはどうしたらいいでしょうか? 1)二重人格者になって、互いに互いを客観視できるようにする。 2)書いている最中に幽体離脱して、幽体のほうで書いている自分を客観視する。 3)式神とか使い魔とかいったものを側において、いちいち指摘してもらう。  どうしてこういうしょーもない案ばかり出るのでしょう(;_;) 実現性がなさ過ぎです。  実現できたとしても、何かと問題がありそうですよね(^^;  しかし、二重人格にしろ幽体離脱にしろ、厳密な言葉の定義を別にすれば、「自分の中のどこかに客観的な目を持つ」という点が参考になります。書いている最中に、「今、何か書いているこの手の持ち主は、私とは別人なのだ」と思い込めば、客観視できるようになるでしょうか?   そんなふうに思い込んで実現できるくらいなら、とっくにできている気がしますね(^^;  そもそも弟切の場合、書き始める前に、「自分が何を書くのか」をはっきりさせていないところに問題があると考えます。  「科学者と孫娘」を書く時も、たぶん、書き始める前に、心のどこかでは「祖父と孫娘の交流を書こう」と思っていたのでしょう。けれども、それを主題にするとはっきり決めないままに書き始めてしまったのが、失敗の元ですね。  主題の筋を一本通しておかなかったばかりに、「まず5W1Hを入れなければ」とか「女の子の健気さを入れたいなあ」とか「驚きも提供したほうがいいよなあ」とか、あちこちにふらふらしてしまって、どの文にも書きたい成分をきちんと込めることができませんでした。結果、何を言いたいのかわからない「薄い」文が並んでしまったわけです(;_;)  これを防ぐには、やはり、書く前に「自分が何を書くのか」を明確にすることが第一ですね。  それを明確にしたら、その主題を決して忘れないようにすることが第二です。メモ書きでもして、常に目に入るところに置いておくのがよいでしょう。  そして、書きながら常にそのメモと、書いているものとを照らし合わせます。気分としては、メモのほうに自分の幽体(笑)を置いておく感じでしょうか。  創作者としては、理論がわかっても実践できなければ意味がありません。ですから、早速この方法を実践してみることにします。  この方法でもって、「科学者と孫娘」を書き直してみて、できるかどうか確認すればよいのですよね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7101 投稿日 2003年9月23日(火)08時53分 投稿者 新木 伸 >ガリレオとか  ガリレオに搭載されている機器自体は、まだまだ活動することはできるのね。  原子力電池もまだ持つし、衛星としての設計寿命はもうすこし長いし。  ただ同じ場所(軌道)に留まって観測を続けるにしても、姿勢や軌道を制御するための燃料は必要で、それがそろそろ底をついてしまうわけだ。  この燃料が完全にゼロになってしまうと、まったく軌道を変えることができなくなる。  そのまま燃料がゼロになるまで観測を続け、燃料がゼロになっても電池が持つ間はまだまだ観測を続け――としたほうが、本来の「観測」という目的からすれば良い選択のはず。  寿命の尽きた衛星を放置しておけば、いずれ木星に落ちるか、木星の周囲を回っている衛星群のどれかと衝突するだろう。勝手に消滅してくれる。  だが木星の衛星のうちのひとつ。エウロパは生命の存在する可能性が高いとされている。  衛星の寿命まで観測を続け、そのまま放置しておくことにすると、数年後か数十年後か数百年後か――いつかはわからないけど、エウロパに衝突してしまう確率がわずかに残ってしまう。  それを避けるために、燃料がまだ残っているうちに木星に狙って落とすのだそうだ。 >作品を客観的に読む方法 4)任意の時間内の記憶を失う薬を服用し、作品を書いたときの記憶を失ってから、自分で読み直す。  いや、マジで。  そういう薬があったらいいなぁ〜と。昔から思っていたのだが。  その日、3時間執筆したら、薬を飲んでそのあいだの記憶を失うわけよ。  それから読めば、書いたときの記憶がないんだから、完全に客観的に読めるわけだよ。  もしくは、こんな方法もあるのだが。 5)自分をふたつにコピーして、片方は小説を執筆し、もう片方は他のことをやっている。  もう片方の自分は、別のシーンなり、別の小説なりを書いていると、なお効率的。  そして二人が自分のぶんを書き終えたら、それぞれ原稿を交換して、相手のぶんを読むわけだ。  どうすれば自分の原稿を「客観的」に読むことができるのか。  ずいぶんと研究してきたわけよ。僕らだって。  こんな実用性のない案を考え、喉から手が出るほど欲しがったりもした。「薬」のほう、本当に欲しいかったなぁ。 (いまではあまり必要なくなってきた。他のやりかたで、ほぼ同じ効果を達成できるようになったから。それでも最低2〜3日ほど、書いたときの記憶を忘れさるための期間はまだ必要なのだが)  ちなみに僕の場合。  書いている最中の「客観視」には、「仮想読者」というものを使っている。  書いている最中の文章を、頭の中に降ろした「平均的読者」の数人に読ませてみる。降ろすときにはタイプの違う数人を呼ぶ。  誰かが「わかんない」と言ったらその場で直す。 >味見をするということ  しかし、こんなふうに、なにか大層なことであるかのように書いているけど……。  これ料理にしてみたら、「味見をしろ」と言っているに過ぎないのね。  えらく初歩的なことで、えらくあたりまえで、えらく基本的なこと。  なんかいま、書いてて情けなくなってきたよ。俺。  どうして味見しないで、作った料理を客に出しちゃうのかね、君たちは? >主題を忘れないために >>これを防ぐには、やはり、書く前に「自分が何を書くのか」を明確にすることが第一ですね。 >>それを明確にしたら、その主題を決して忘れないようにすることが第二です。メモ書きでもして、常に目に入るところに置いておくのがよいでしょう。  だから1000字掌編は練習になるんだってば。  これはエディタの1画面以内で完結させる小説なわけだろ。  いちばん上の行に、その「書くべきもの」を書いておくわけ。  1画面以内で書き終えるわけだから、その「最初の1行」はスクロールアウトして消えることがない。常に視野の中に置いておける。  ワンセンテンス、1段落――書き終えてゆくたびに、その「最初の1行」を見て自分が忘れていないか確認して書いてゆけばいい。  そういや短編や長編を書くときに使えるテクニックがあったっけ。  主題を忘れないためのノウハウ。  作家っていうのは、よく、一曲の歌にインスピレーションを得て、一本の小説を書いたりすることがある。  そうしたときには、書いている間中、ずっと、その曲をエンドレスで流しておくわけよ。その歌を聴きながら書いてゆく。そうすると主題から外れることがない。  ずっと歌を流し続けておくことで、主題は識閾下にまで浸透してゆく。主題は作品全体のベースとして流れる通奏低音として作用する。 >科学者と孫娘  ――で、弟切は、「科学者と孫娘」の話を、祖父と孫娘、二人の交流の話として書き直してみるわけか?  それにしたってヤマとオチは必要だから、書く前には、なんか3行ぐらいで、簡単なあらすじぐらいは決めておくべきだろうな。  二人がどう交流するのか。その道筋の簡単な設計図ね。「書くべきこと」の1行とともに、その3行あらすじも、エディタの頭に置いておくように。  どうせ1時間以内で片づく課題だし。  3行あらすじは、ここにアップしないでいいよ。書いたときに付けてくれれば。 -------------------------------------------------------------------------------- エウロパの海 No.7102 投稿日 2003年9月24日(水)02時24分 投稿者 弟切 千隼 >木星探査機ガリレオ  将来、木星の衛星エウロパへガリレオが落ちることを防ぐために、わざと木星に落とすことを決めた、というのは弟切も聞きました。  だいぶ以前から、エウロパには「海」が存在するのではないかと推測されていましたね。ガリレオの観測により、エウロパには「塩を含んだ大量の水」が存在することが判明し、この推測が裏付けられました。  ただし、エウロパの表面は非常に低温なので、がちがちに凍りついていて、液体の水が溜まった「海」はその下に閉じ込められています。  その氷の下の海に、生物が存在している可能性があります。確証がなくても、少しでも可能性がある以上、生命を尊重すべきだとしたNASAの見識には拍手を贈りたいですね。 >味見  これは弟切の個人的な意見ですが、アマチュアのへたれなもの書きであっても、「自分の小説の味見」はしている人が多いのではないかと思います。  なのになぜ「人さまにお出しできないひどい味の小説」を書いてしまうかといえば、「小説の味覚」が正常に働いていないからではないでしょうか。  つまり、アマチュアは「小説の味覚」のどこかが未発達で、自分の作品に限ってはすべて美味しく感じてしまうわけです。  この「味覚異常」を治すためには、何回も何回も、自分の作品とプロのまともに食べられる作品とを食べ比べて、「味の差」を体感するしかないのでしょう。  本物の味覚では、味覚異常の人間は少ないですよね。たとえ自分が作った料理であろうと、味見をすればまずい物はまずいと感じる人がほとんどです。だのに、「小説の味覚異常」が多いのはなぜでしょう?  おそらく、本物の味覚の場合は、異常になるとすぐさま生存の危機に陥るからだと推測されます。  生物の歴史の中で、味覚はたいへん古くから発達した感覚です。それは、毒物や消化できない物を摂取しないように発達しました。そのような物を「まずい」と感じて吐き出すことにより、体への害を防ぐわけですね。  味覚異常になって、毒物や消化できない物の「まずさ」を感じられなくなれば、その生物は無差別にそういう物を摂取して、たちまち死んでしまうでしょう。  どんな人間でも食べなければ死んでしまいますから、味覚異常は死に直結します。味覚異常の人間は、現われても治癒するのでなければ死に絶えて、あまり存在しません。  けれども、「小説の味覚異常」の場合は致命的ではありませんよね。少なくとも、普通の人間にとっては。  「まずい」小説を読んだところで、生存の危機には陥りません。せいぜい気分を害するくらいです。読み手にとどまる限りは、「小説の味覚異常」であっても生存に問題がないために、大部分の人間は自分の「味覚異常」に気づかないまま生きているのでしょう。  しかるに、書き手を目指すのでしたら、「小説の味覚異常」はどうしても治さなければなりませんよね。  書き手になれば、本物の味覚と同じく、「小説の味覚異常」は死に直結します。「まずい」物を出したらごはんが食べられなくなります。  「この『味覚異常』が治せなければ、毒に当たって死んじゃうんだ」という意気込みをもって、弟切はがんばります。 >「科学者と孫娘」  このお題からは、いろいろな主題を導くことができますよね。「祖父と孫娘の交流」でなくても、「科学者である祖父」に主眼を置いてちょっぴり孫娘を登場させてもおかしくありませんし、「祖父を想う孫娘の健気さ」を主題にしても間違いではありません。  これを書いた当時の弟切は、「祖父と孫娘の交流」を主題にしていた(つもり)のようですので、この線で書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 味 No.7103 投稿日 2003年9月24日(水)03時48分 投稿者 名無し君2号  自分の味覚が変だったら、いったいどうなるんかなあ、などと怖いことを考えてみる。  味覚のおかしい人間は、料理人にはなれまいが……。 >関節技  小学生の女の子にとって、性に目覚めた男の子は、モンスターでありエイリアンであり……。  「モンスター」「エイリアン」。  そういう……例え。  関節技は、関節を極める技。  関節を極める技ということは、関節を破壊。  関節を破壊、ということは?  ……壊れた折りたたみ傘?  役に立たない、ぶらんぶらんと骨組みがぶらさがり……。  なんか違うような気もするんだが。 >短編  「起」を考える。 ・強制的に体が押しつけられる(逃げられない)。  口ゲンカばかりしているふたり。いつものように文句を言いあいながら、体育の授業のあとかたづけをする。偶然、くずれたとび箱にはさまれ、密着してしまう事態に。数分後、無事に助けだされたが、男の子のほうが相手に過剰な「女」を意識してしまい、妄想人生突入。ふたりの関係はぎくしゃくしてしまう。甘酸っぱいやりとりの結果、男の子を問いつめる女の子。正直に告白する少年に……。 ・知識がないのに相談されて、答えるために調べるうちに。  生真面目な主人公。友達からのエッチな相談に、生真面目に調べつつ答えているうちに、泥沼に。知識欲なんだか性欲なんだか、いまいち本人もわかってないうちに、その矛先は生身の肉体へと……。 ・ころびそうになって、思わずスカートごと下着を掴んで、ずりさげてしまう。  主人公のやることなすこと、偶然にもヒロインに対するエロ行為になってしまう。誤解を解こうと努力するが、努力はすべて裏目に。ヒロインも主人公に嫌われているもんだと思いこむ。最後、またも偶然に押し倒してしまい、キスできる状況になって……。 ・お姉さんと一緒におふろにはいる。  いとこのお姉さんと一緒におふろに入り、性に目覚める。年上の女性と、同級生の女の子を、なにかにつけてくらべる男の子。乳がないだの色気がないだのとボロクソ。  意地になった女の子。どうにかして振り向かせようと努力した結果、なにやら妖しい雰囲気になって……。  いろいろと思いつくもんだなあ。  ひきつづき考える。 >小説が生みだすもの >>小説を読む読者は、小説でないと得られないものを得たいがために、小説を読むわけだ。 >>さて小説でないと得られないものとは、なんだろう? >>自分がなぜ小説を読むのか? そこにヒントが隠されている。  自分はなぜ小説を読むのか。  物語を読みたいからだけど、ゲームにもそれはあるし。  たとえば。  剣の闘いがあるけど。  チャンバラのできるゲームは結構な種類がある。そのいくつかをやったことはある。  でもそれで得られる感覚というのは……。  爽快感とか、達成感とか、そういった……なんというか、「陽」の快楽というか。  でも、実際に真剣で斬りあうとなれば、それだけじゃあすまないわけで。  殺気、ひりつく感覚、内面の葛藤、恐怖、荒い息づかい、高まる心拍数、震えの止まらぬ手、乗りこえて覚悟を決める瞬間、命の取りあいをするにいたった過程……。まあ、もろもろがついてくる。  それはゲームじゃ描けない……描きづらい。  テキストを読むようなゲームなら……ってそれは絵と音のついた小説だよ。  つまりは内面、細かいディティールが読みたいからかな。  それでもって想像するわけで。 >1000字課題 >No.41 >>少女が牧師の母であるということは、最後のほうで明かしたほうが面白くないか? >>4行目あたりでいきなり書かれているので、わけがわからず、そこまでの3行を何度も読み返しちゃったよ。  あー。  つかみにはいいかなあ、と思って最初に持っていったんですが。 「少女が母親? なんのこっちゃい」  読み進めて、 「あー、なるほどね」  でも、読み返させたら駄目だよなあ。  匂わすぐらいにしたほうがよかったのか。  うーん、面影が似てるとか……父と娘? と思わせといて母と子だったとか……。うーん。 >>少女が男の攻撃をかわして、首に牙を立てて血を吸って、男を同族に迎えたあたりで出すのがいいんでない?  実は、同族には迎えてないんです――が。  血を吸っちゃったように読める。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「一緒にくる?」  少女は口を開く。牙が、鋭く尖っていた。  牧師は目を閉じ、体の力を抜いた。  少女は笑みを浮かべる。怪しく、冷たく、美しかった。 「やーめたっと」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「噛むのを止めた」文を書いてない。  これじゃわかりませぬ。  でも、男も吸血鬼になっちゃったほうが、後の展開は楽しそう。  吸血鬼の吸血鬼ハンターって、まあ、よくある話だけど、その理由づけとしては。  主人公も若くなるし。 >>これもリライト候補かな。  了解。  宿題が増えてゆく。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=609&e=res&lp=550&st=0 >描写練習  「街の雑踏」で。  これでいいのかどうか。手探り状態です。間違っているのかどうかもわからない。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=611&e=res&lp=610&st=0  こんなところで。描写について考えてるうちに、なにやら時間が。考えるより先に、手を動かしたほうがよさそうです。文章を書くこと自体は5時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7104 投稿日 2003年9月24日(水)08時30分 投稿者 新木 伸 >小説の味覚 >>つまり、アマチュアは「小説の味覚」のどこかが未発達で、自分の作品に限ってはすべて美味しく感じてしまうわけです。  これだと説明がつかない。  未発達な味覚では、「おもしろい」ということさえ感じることはできないはずだ。  またこの現象は「味覚異常」ということでも、説明がつけられない。  味覚が未発達であったり、異常であったりするなら、プロの作品であっても、愉しむことができないはずだ。人と味覚が違うのが味覚異常なのだから。  しかしこうした人間でも、普通に市販の小説を愉しむことができている。  また市販小説であっても、つまらないものはつまらないと感じられているはずだ。  つまり他人の作品を読むときには味覚は「正常」に働いている。正常に働かないのは、自分の作品を読むときだけ。  他人の作品を読むときには正常に働き、自分の作品を読むときだけは異常になるような、そんな都合良い味覚異常は、あるはずがない。  料理であれば、自分の作った料理であったとしても、「味見」を行えば、うまいかまずいかは、きちんと判定できるわな。  このように「味見」さえ行っていれば、きちんと判定できるわけだ。  変な仕組みやら仮定やらを持ちこまないで、もっと簡潔に、この現象を説明しようとしてみると……。  こんな「仮定」が出てくるのだが……。  アマチュアは、自分の作品を「味見」していないのではないか?  味見したつもりになっているだけで、実際には、やっていないのだ。  どういうことかというと、頭の中にある「書いたつもり」の作品のほうを味見しちゃっているわけね。  たとえ原稿を前にして実際に読み直していたとしても――本当に読んでいるのは、その文字と文章ではないのだ。頭の中にある書いたつもりの「傑作」のほう。そっちの味見をしちゃっている。  料理でいうなら、実際に作った料理のほうではなく、「作るつもりだった料理」のほうを味見しているってことね。(料理のときには物理的に無理なのだが)  そりゃ、うまいものを作ろうと思って作ったのだから、うまいに決まっているさ。  ――で、その仮定に基づいて考えてゆく。  現実的に考えてみる。  いま見ていて、味見している「それ」が、自分の脳内にある虚像ではなく、本物の実物の文章であるか、区別する手段は? その方法は?  どのようにすれば、頭の中にある書いたつもりの文章ではなくて、実際に書いてある文章のほうを見ることができるのか。  それがわかれば苦労はないわけだ。  いつでも確実にそれを行う方法が見つかれば、頭の中に書いた虚構の文章を味見してしまうミスは完全になくせる。  絵のデッサンでいえば、左右反転した鏡像にして確認してみる、というごくシンプルな方法があったりする。  鏡に映してみるとか。紙を裏返してトレース台の上に置いて、裏側から光をあてて透かしてみるとか。  しっかり描けていると思っても、そうして左右反転して眺めてみると、デッサンの狂いを、すぐ自分で気づくことができる。  この方法、なんか皆で考案してくれ。  俺の場合、15年近くも昔のことなんで、どうやって克服したのか、忘れちゃったよ。  もう現在では、自分の文章が他人からどう見えるのか、常に計算して書く癖が付いちゃっている。脳内にある虚構の文章を味見するなんてこと、できない体になってしまっている。 >プロの現場では >>しかるに、書き手を目指すのでしたら、「小説の味覚異常」はどうしても治さなければなりませんよね。 >>書き手になれば、本物の味覚と同じく、「小説の味覚異常」は死に直結します。「まずい」物を出したらごはんが食べられなくなります。  味覚がパーの人は、作品を一目見ればわかるから、まず商業出版の現場に出てこれないだろうね。いったんプロになってから急に味覚が壊れる人もいないこともないが、まあ、めずらしいケースだ。  作家が消えるのは創作意欲がなくなって書かなくなってしまうため。  味覚がパーかどうかを判別するために、そのために小説賞では一次選考があって、二次選考があるわけだ。  誤字が山ほど存在するのに、なぜか気がつかないで応募してきちゃう原稿やら、キャラが人間でなかったり、話に山も転もなかったり、設定が無理無理で変ちくりんだったり、そんなゴミを選別していって、ポイポイ捨ててゆく作業。  そんなゴミを書いてきてしまうような人たちだって、他の人の作品を読むときには、きちんと味覚は働いているはずなのだ。  なのに、自分の作品にはそれが向けられない。  みなも経験があると思うし、いまでもそうな人は多いだろうけど。  他人の文章に含まれる「誤字」は容易に見つけられるのに、自分の文章の「誤字」を見つけだすことは非常に困難だよね。  あれも、そう。  書いてある文章を見ていないため。頭の中にある「書いたつもり」の文章のほうを見てしまっているため。(見直しをしていない、とかいう、ごく初歩的なケースは除く) >弟切  なにかの拍子に自分の作品を客観的に眺めることができて、「ひどい味」と思えるようになるまでは、自分の書いたものは「傑作」とか「面白い」とか思っているわけでしょ?  あの「科学者と孫娘」のリライトだって、自分で味見していて、けっこういい点が出ていたわけでしょ? >2号  短編の「起」。  まだるっこしいのやら、段取りが多いのやら、無理無理なのやら、すぐ核心に入らないのやらは、すべて捨てろよ。  跳び箱が崩れて――なんてのは、その最たる例だ。  あとエロに目覚める対象として、「生身の女性or女の子」を出すのであれば、その対象がヒロイン以外の展開はすべて却下だ。  「従妹のお姉さん」とかを出すのであれば、そのお姉さん相手にエロ魔神化する話を期待するよな。読者っていうのは。  他にも却下パターンって、いつくも出てきそうだけど。  考えても無駄なものに思考リソース使ったって無駄なんだから。  なにが「却下パターン」になるのか考えながらやってみること。 >小説で描けるもの >>殺気、ひりつく感覚、内面の葛藤、恐怖、荒い息づかい、高まる心拍数、震えの止まらぬ手、乗りこえて覚悟を決める瞬間、命の取りあいをするにいたった過程……。まあ、もろもろがついてくる。  そうそう。そういうやつ。  いわゆる「感覚」ってものね。ゲームでは味わえないし、映画を見ていてもそれなりに伝わってくるけど、やっぱり物足りなく感じるもの。  小説が、いちばんそれを描くのを得意としている。  絵を止めることのできる「漫画」が2番目に得意かな。  映画やアニメはシーンの時間の流れを可変にできないために、「感覚」を描くにはあまり向いていない。  人間の感覚っていうのは、体感時間と密接に結びついているのだ。  人間というのは、ある一瞬をすごく長く感じたり、大変長い時間をあっという間に感じたりする。小説ではその体感時間を扱うことができる。  時間の長さを可変にできるってことね。  ――で。  6980 で、鐸碑さんが、2号の「剣の闘い」へのレスで、「足りない」と指摘していたりするわけだ。  そこで「足りない」といっているものが、まさにそれ。  文中で「肉」と表現されているものね。  あのとき2号は鐸碑さんの言っていることの意味もわからず、「次は注文通り作ります」とかなんとか、アホな生返事を返していたわけだけど……。  なにが足りず、鐸碑さんが注文していた「肉」に相当するものがなんなのか、いまなら理解できるか?  理解できたなら、ワンと言え。 >No.41 吸血鬼のやつ  うん。匂わすぐらいなら、ちょうどよかったね。  「月光に照らしだされる二人の面影は、ひどく似ていた。」とかなんとか。 >「やーめた」  噛むのをやめたって?  バカいえ。  その前の部分で、神父は首筋に痛みを感じていて、さらにそこから血を流してるじゃねーか。  それで噛んでないなんて、通用するかってーの。  だいたい、あの「やーめた」っていうのが、噛むのやめたって意味だって?  んなわけねーだろ。  「一緒にくる?」と訊いておいてから、「やーめた」なんだから。  来るか、という誘いをやめたのだと、そういう意味に取るもんだよ。普通は。  まあ読み直してみたが。  男が首筋に感じた「痛み」の正体は、食いこんだ「爪」であって「牙」でなかったわけね。  そして少女は男の首筋を、「噛んだ」とも、「噛んでいない」とも書かれていない。しかし少女吸血鬼は、そもそも噛もうとして口を開いているわけだな。牙を見せているわけだし。  「噛んだかどうか」の結果は書かず、曖昧にしたままだ。  これは狙って曖昧にしてあるのではなくて、ただ単にミスして、そうなってしまっているだけだが。  この偶然に出てきた「曖昧」を、読者はどう受け止めるだろうか。  前に、弟切の話題でも出てきているけど……。  読者は「曖昧」なことを曖昧なまま放っておかない。曖昧を曖昧のまま保留にしておくのは、読者にとってひどく負担のかかることなので、その場でどちらかに「確定」して楽になってしまおうという習性がある。  ではこの場合、読者はどちらに確定するのだろうか? >描写「雑踏」  スピーカーから流行の歌が聞こえる、てのは、どういうことなのよ?  それに負けないくらいの大声で携帯電話会話している少年、てのは、どういうことなのよ?  道一杯に連なって歩く女子高生ってのは、どういうことなのよ?  サラリーマンが足早に追い抜かす、てのはどういうことなのよ?  派手な格好の女性、てのはどういうことなのよ?  化粧の匂いを振りまく、てのはどういうことなのよ?  まだ「雑踏」に対して、1段階しか踏み込んでいない。もう1段階踏み込め。  見本をみせる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  すっかり聞き飽きたヘタクソな曲が、どこか上のほうから大音量で降ってくる。携帯電話に向けて、ガキがなにやら怒鳴っていた。  道幅いっぱいまで鈴なりに広がったメスガキどもが、くっちゃべりながらノロノロと歩いている。サラリーマンが怒りにまかせた足で、女子高生の群れを追い抜いてゆく。肩がぶつかるが、気にもしていない。わざとぶつけていったのかもしれない。  ぶつかられたほうは、一瞬、怖い目付きでその背中を睨みつけるが、すぐにまたおしゃべりに帰ってゆく。  そんな女子高生たちの群れと、女性がすれ違う。二十代半ばに見える女性は、体つきも服装も女子高生たちより数段ほど洗練されていたが、化粧は濃すぎるほどだった。こんな夕方から出勤するところから、彼女の仕事は水商売なのだとわかる。彼女が通りぬけていった場所には、しばらく、香水の臭気が残ったままだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ちなみに描写をするには視点が必要なので、二十代後半の男、やや厭世的、というキャラを立てて、その人物の視点から眺めさせてみた。  主人公は止まって街中を眺めている。待ち合わせでもしているのかもしれない。  上記の疑問形で書いたものの答えが、すべて盛り込まれているのを確認しろ。  あとどう具体的に掘り下げたのか、リストアップしてみろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 荷造りリスト No.7105 投稿日 2003年9月24日(水)09時48分 投稿者 新木 伸 >No.41 吸血鬼のやつ  そういや2号は……。  少女がいったん噛みかけてから、「噛むのをやめた」ということについては、書くつもりだったんだよね?  そういう展開を、そもそも予定していたわけだろ?  しかし実際に書くときに、書き忘れちゃったのは、それは、なぜだ?  あと最近話題になっている「味見」の件に関わることだけど。  味見したときにも「書いてある」という結果が出ていたわけだよね。もし「書いてない」ということに気づいてさえいれば直しているはずだし。  ここで2回、ミスが重なっているわけだよ。  書いているときに忘れてしまったのが、まずひとつめのミス。  ふたつめはチェックをしているはずなのに、存在しないはずのものを幻視してしまって、「書いてある」と認識してしまったこと。  僕らにしてみれば考えられないミスなのだな。  そもそも書く予定でいたのに、どうして入れ忘れてしまうのか?  入れたはずのものが入っていないことに、どうして気づかないのか?  なぜ、書き忘れたの?  なぜ、書いてないのに「書いてある」と思いこんでしまったの?  そこのところを自己推察して、書いてみるべし。 >旅行の荷物詰め合わせ  以前、話の筋を組み立てて、プロットを起こすということを、「旅行の持ってゆくものリスト」にたとえて説明したことがあったような、ないような。  いわゆるひとつの、たとえ話。  旅行用の荷造りをするときの話――。  まず、旅行になにが必要になるか、考えるよな。  そして持ってゆくものを書き出すわな。  叩き台としてのリストを作るのだろう。  つぎにリストを吟味するわな。  タオルは1枚あれば充分だし。着替えも日数分で充分だし。  シェーバーかカミソリは、どちらかあれば充分だし。両方はいらないし。  使うか使わないかわからないものは、はじめから持っていかないことにするし。現地調達できたり代用できたりするものなら、いらないし。  必要なもので、忘れているものはないか考えたり。たとえば薬の類とか。なんかあったときに絶対に必要になるものを忘れていないかチェックしたりとか。  そうやって、リストを完成させるわけだ。そのリストに従って荷造りをする。そうすれば忘れ物は出ない。  これ、小説に例えるのなら、以下のような対応関係になるのね。  「どこに行く旅行なのか」→「なんの話を書くのか」  「何日の旅行か」→「短編か長編か掌編か」  「荷造りリスト」→「プロット」  たとえば2号の吸血鬼の掌編なんかで……。  どうして書き忘れてしまうのか、僕には不思議なわけだよ。  2号の話を聞いていると、「少女が噛むのをやめた」という展開は考えてあったのだという。  それはつまり、上の荷造りの話でいうなら、「持ってゆくつもりだった」ということだよね。リストのなかに一度は入れてあったはずなのだ。  なのに、なんで、持ってゆくのを忘れてしまうのか?  作り終わった荷物のなかに入っていないのか?  それが必要なものなら、リストに書いておいて、あとは荷造りするときに入れるだけの話だろ? 難しいことでもなんでもないだろ?  最後に荷物のなかをチェックして、リストにあったものがすべて入っていて、リストにないものが紛れこんでいないか、チェックするだけのことだろ。  まあ、実際に旅行に出かけてしまってから、「ああ、いけね。あれも持ってくれば良かった」てなことはあるだろうさ。  しかし今回の場合には、2号は「噛むのをやめた」という展開を予定していたわけだ。考えていないわけではなかった。  つまり「噛むのをやめる少女」というのは、リストのなかに存在していたことになる。  つまり「プロット」に書いてあるはずなのだ。ちゃんとそういうふうに。  たかだか1000字の掌編なんで、2号も実際にプロットを組んでから書いているわけではないだろうが……。  しかし頭の中にあるプロットには、きちんと書いてあったはずだぞ。  なのに、なぜ書き忘れる?  チェックしていて、なぜ書いていないことに気づかない? -------------------------------------------------------------------------------- 視点とか No.7106 投稿日 2003年9月24日(水)11時19分 投稿者 新木 伸 >2号 >描写の難易度とか  2号の「雑踏」の描写。  これ描写の難易度でいえば、ただの「1」だぞ。  ちなみに難易度の話題については過去ログで検索のこと。「難易度1」で検索すればヒットするはず)  あとついでに、過去ログ検索の仕方。  2号はどうやっている?  ちゃんと1−6000のテキスト版のほうを落として、エディタで検索しているか?(まあワープロでもいいんだけど)  こんな表が出てくるだろう。 難易度1:普通の感性の持ち主。普通のシチュエーション。 難易度2:普通の感性の持ち主。異質なシチュエーション。 難易度3:異質な感性の持ち主。普通のシチュエーション。 難易度3:視点なし。普通のシチュエーション 難易度4:異質な感性の持ち主。異質なシチュエーション。 難易度4:視点なし。異質なシチュエーション。  ちなみにプロとアマチュアとの腕の違い。  おおむね、こんなもの。ちなみに()内は存在比と思いねぇ。 ○プロ 難易度1 朝飯前。(誰でもできる) 難易度2 本腰。(たいていできる) 難易度3 本気。(まあできる) 難易度4 できたらすごい。(できない人多数) 難易度5 よくわかんない。 ○アマチュア 難易度1 できたらすごい。(まずできない) 難易度2 いたらすごい。(まずいない) 難易度3 不可能。(いません)  こうして能力値を一次元でモデル化して、一本のモノサシで計ってしまうのは、おおざっぱだし無理があるんだけども……。まあ、だいたいこんなものだろ。そう大きく現実と食い違っていないはずだ。  アマチュアで「難易度2」が書けると、手放しで褒められたり「プロになれるよ」と絶賛されたりする。でもプロだと、一部できない人はいるものの、まあたいていの人なら出来てしまえるレベルでしかない。  とりあえずプロとしてデビューするに際しては、難易度2が、なんとか背伸びして書けるようになっていれば通用する。  「背伸びして書く」っていうのは、本腰入れて、入念に、その部分だけ何度も直して、クオリティを上げるように努力して、ギリギリ到達できる――てな意味ね。  ただそれだと余力がなさすぎるから、背伸びして難易度3ができるぐらいになっておいたほうがいいわな。そうすりゃ難易度1くらいなら、労せずに、できるようになっている。 >描写には視点が必要 >>ちなみに描写をするには視点が必要なので、二十代後半の男、やや厭世的、というキャラを立てて、その人物の視点から眺めさせてみた。  自分で書いていて、これがヒントになった。  2号の描写が、描写になっていなかったり――。  説明に説得力がなかったり――。  それらはすべて、「視点を持てない病」が原因なわけね。  視点を出さずに描写を行うことは可能なんだけど、それは非常に高度なことなのだ。  一般的には、「視点のない文章=描写でない文章」と考えてしまってかまわない。  で、2号の場合は視点を持つことができないから、描写にならない。  また相手の視点に立って説明することができないから、説明に説得力がない。  小学生を相手に説明してみろといっているのに、いっこうに、小学生の立場に立った説明ができないだろ。2号が繰りかえしやっている説明は、自分に向けてのもの。自分自身にわかるようにしか書けないでいる。  物事を自分の言葉で説明するのではなくて、説明する「相手の言葉」を使って説明してやる必要があるのね。人を納得させるためには。  描写も同様。視点保持者の「言葉と感性と見聞きできるもの」を使って描いてゆくことが、描写の基本。  それを、2号は自分自身の言葉でやってしまっている。また2号は作者であるので、なにもかもすべて見えていて、すべて知っている視点で書いてしまっている。  「雑踏」のサンプルの「その3」なんか。  少女の視点に入れば良さそうなものを、なぜ、入らない。(入らない、のではなくて、入れないんだよな)  少女の中に入ったなら、情報は制限されるわけよ。  少女は前しか見えない。自分のお尻が誰かに当たったことはわかっても、それが「おばさん」であることは、振り返って見てみるまでまでわかりゃしない。  ちなみに。  この病気にかかっているのが、いまこの分室内では、甘夏さん。  過去ログを「甘夏」と「視点」で検索してみそ。甘夏さん登場以降から、一時撤退まで、主観語/客観語のこととか、視点のこととか、いろいろと話題が出てきているから。  甘夏さんも、たぶん2号と同程度だから……。  いまカムバックしてきて、二人で一緒にやってくれるといいんだがなぁ。  ひとりでやるより、同じ程度の人間二人が知恵を出しあってやっていたほうが、進歩は速いし。 -------------------------------------------------------------------------------- 仮想味見をしませんように(^^; No.7107 投稿日 2003年9月25日(木)00時56分 投稿者 弟切 千隼 > 味見 >> アマチュアは、自分の作品を「味見」していないのではないか? >> 味見したつもりになっているだけで、実際には、やっていないのだ。 >> どういうことかというと、頭の中にある「書いたつもり」の作品のほうを味見しちゃっているわけね。 (新木さんのNo.7104の書き込みより)  弟切はこれで納得しました。確かにそうですよね。  味覚異常であれば、市販の「普通に面白い」小説を「面白い」と味わうことができないはずです。「味見したつもり」の「仮想味見」をしてしまっているがために、自分の作品のまずさに気づかないのでしょう。  「仮想味見」を防ぐ方法としては、 1)音読する。 2)音読したものを録音して聴き返す。 3)少し時間を置いてから読み返す。 4)全く別の文章−できれば自分以外の人が書いた商業小説−を読んでから読み返す。 5)登場人物になったつもりで演じながら読み返す。 6)カメラマンになったつもりで、作品中の視点を演じながら読み返す。 などといったものが思い浮かびます。  どんな方法にせよ、最終的に正しい味見ができるようになるには、何回も繰り返す必要があるでしょう。人間は何でも、反復練習をしないとできるようになりません。修練あるのみですね。 >「科学者と孫娘」  書き直したものを課題部屋に上げておきました。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.7108 投稿日 2003年9月25日(木)01時33分 投稿者 鐸碑 『科学者と孫娘』のリライト読んで一番印象に残ったこと。 『アーイシャが想像したよりもずっと年長でびっくり』  背景情報は良く伝わってきました。でもまあ、なんというか一番印象に残ったのは上の事でした。想像していた倍近い年齢なんだもの。  聡明な小6とか中学生ってもっとしっかりしていて、大人の事にも気がまわる気がします。てっきり小学校上がるか上がらないか(6〜7歳高くても10歳にならない)位と思ってました。  今のところ、私の読み取り方が特殊だったのかも知れませんが。  他の方は、年齢が言及される前のアーイシャの年齢を幾つだと思いましたか? 味見の仕方  効率が悪くて、時間も掛かる上に発展性に乏しいけど最低限の確実性だけはある方法。  自分の舌で味見する変わりに、成分分析をしてみるとか。  弟切さんが『科学者と孫娘』の掌編に対してやったような、文単位に分解して何を示しているかを追求する方法ならば、舌ではなく検査機器で糖度や塩分を測定した様な成分分析をする事は出来るんじゃないでしょうか?  まあ、この方法は手間が掛かる上にその手間を効率化できないし、美味しさって糖度や塩分濃度、グルタミン酸の量とかだけでビシッと決まる物でもないですからね。決定的な効果は得られないでしょうね。  まあ、ありがちな『塩』と『砂糖』入れ間違えたとか、薄すぎて水同然のスープとかそういう初歩的なミスは回避する効果は上がるでしょうが。測定値に現れる致命的な欠陥はない状態で、食べてみた時に本当に美味しいかどうかは、計れないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7109 投稿日 2003年9月25日(木)10時25分 投稿者 新木 伸 >2号 >短編の「起」のNGパターン  前のはわかりにくかったから、書き直してみる。 「ヒロインは最初に出せ」  主人公が性欲を向ける対象の少女が出てくるより前に、別の女性or女の子が出てきてしまうものは、すべてNG。  ヒロインより先に、別の女性キャラを立ててしまってはいけないということ。(キャラを立てる→キャラを目立たせる、印象づけさせる、の意味) 「まだるっこしいものもNG」  上記で「ヒロインは最初に出せ」と言ったが、何枚も話が進んだあとで、「いちばん最初に出てくる女性キャラがヒロインであればOK」という意味ではないことに注意。  まず、はじめのワンシーンのなかにヒロインが出なくてはいけないという意味だ。  そしてそのワンシーンのなかで、ヒロインの「生身」を対象として、主人公の性への目覚めの引き金が引かれないとならない。そういうことだ。  エンジンをかけるための予備動作はいらない。初動でいきなりエンジンをかけろ。  アマチュアの作品では、話が始まるまえに、どうでもいいこと延々と書き連ねているものがあるが……。そのパターンになりそうなものは、アイデア段階で潰しておけということね。 >>口ゲンカばかりしているふたり。いつものように文句を言いあいながら、体育の授業のあとかたづけをする。  たとえばこんな展開を書くにしたって、「口喧嘩してる二人」と「片づけをする二人」と、もう2シーンも使ってちゃっているわけだろ?  それにしてはなにも起こらない。  さらに「飛び箱が崩れる」があって、ようやく、「きっかけ」となる事件が起きる。  こんなのは、NGなわけね。 >>生真面目な主人公。友達からのエッチな相談  これなんかだと、はじめの一行を会話にできる。  「なー、ヴァギナって、どんな意味だと思う?」とか、友達に言わせれば、一行目から突入できるだろ。「口喧嘩して後片づけをして〜」なんて、まだるっこしいのと、ぜんぜん違う。  スカートをずり下げるやつも、はじめ「言い合い」なんかから始めていたらダメダメだが……。  いきなりスカートをずり下げちゃうところから始めることもできるわな。 「無理無理なのはNG」  エッチな展開にもってゆくために、普通起きそうもない偶然をいくつも重ねちゃうのはNGということ。(偶然)ふたりで後片づけをすることになって、(偶然)飛び箱が崩れてしまって、(偶然)怪我はなく、助けが来るのは(偶然)遅れて、長いこと密着してしまって……。  はじめの数ページだけで、「偶然」が、いったい、いくつあるのだ?  ひとつふたつなら我慢もするが、4個も続くと、さすがにうんざりだよ。  ジャンプの「いちご100%」とか、あれは、読者のほうも「ああいうもの」として読んでいるから許されるわけ。  エッチなシチュエーションにゆくために「偶然」が必然として起こりうる作品世界であるわけだ。そういう土壌を、連載開始から、これまでの長い期間によって積み上げてきたからこそ、いまはなにやっても許されるようになっているわけ。  はじめから「偶然」をあんなに連発していたわけじゃないよ。  ――で、お前がこれから書くことになる話は、白紙の状態の読者が読むわけだよ。「これは偶然てんこ盛りの話なんだ」という読者とのあいだの「了解」は、とれてないわけ。  「偶然含有率」の許容量は、もっとはるかに低いわけ。 >味見をするための方法 >>2)音読したものを録音して聴き返す。  十五年前くらいに、自分でも色々とやってみたわけだが。  これは試してみたことがなかったなぁ。  ようは、頭の中を白紙にもどして読むことができればいいわけだよね。  「書いたときの記憶を飛ばす薬」が欲しかったのは、それが頭の中を白紙に戻せる完璧な方法だったから。  「頭が白紙の人間」=「他人」に読んでもらうっていうのも、ひとつの方法ではあるけれど……。その相手が自分の感じた違和感の正体を、はっきり言語化して伝えられるぐらいのスキルを持っていないと意味がない。  「塩が足りない」とか、「もっと煮込まなきゃ」とか、おいしくするための方法をズバリ言えるってことね。  そういえば、ひとつ方法を思いだした。  昔、自分がよく使っていた方法だった。  「紙に縦書きでプリントアウトして、読み直す」  これは原理的には、「音読」と「録音」というのと同じことだね。  そこに書いてある文章を読まず、架空の文章の味見を行ってしまう現象は、人間の感覚が「慣れ」てしまうことから発生するものなのね。  「紙」と「縦書き」っていうのが、ここでのポイントね。  慣れた媒体や段組から離れることで、慣れを減少させるわけだ。  「モニタ画面」→「紙」  「横書き」→「縦書き」  ――これだけでも、だいぶ違う。  これはもともと、出版時の状態を確認したり、出版時の縦書きの想定して書くために必要だったのでやっていたことだったけど……。  途中からは有用性に気づいたので、見直しによく利用していた。  2〜3時間書いたら、休憩しつつドットプリンタで打ち出していって――。打ちだしおわったら、チェックして直す。直し終わったら休憩は終了で、また先に進む。そんなことを繰り返して書いていた記憶がうっすらと残っている。  「時間をおいてから、読み直す」というのも、慣れから脱却するための方策。  「別の文章を読んでから、読み直す」というのも、べつのもの(プロのうまい文章)に慣らしておくことで、自分の文章への慣れを減らすための方策。  やはり、すべての方法は、いかに「慣れ」から離れるかということがポイントになっているようだ。  ――その原理に基づくと、こんなふうな方法がよいということになるのかな?  「自分でない他人に音読してもらって録音する。1日以上経過してから、その録音を聞いてみる」  ついでに、その協力者に箇条書きで、「読み取れた物事」みたいなものを書き出してもらうといいのかもしれない。  箇条書きで、時系列順に物事を書き出してもらうのもいいかも。プロットっぽいものを書きだしてもらうってことね。  そうすると、自分のプロットと見比べることで、伝わり損なっている部分や、間違って伝わってしまっている部分などをチェックできる。  そこまでの手間はお願いできなようなら、音読してもらったついでに、その作品を口頭で「あらすじ」にまとめてもらうといいかも。それなら手軽だし。  あらすじ程度のものだって、伝わり損なったり間違って伝わったりした部分のチェックは充分に行える。  ん? これは他人の声でなくてもいいのか?  録音された自分の声って、聞き慣れていない声だもんなぁ。  まあ他人に読んでもらったほうが、そのあとで色々聞けるから、身近に見つかればそっちのほうがいいのだろうが。  この方法をとる場合、べつにリアルで実際に顔を合わせる必要はないわけね。  相手に原稿をメールしておいて、電話でやればいい。またMSN−MESSENGERとかの音声チャット機能を使えば電話代もかからない。  またメールで原稿を送って、録音されたものをMP3などの圧縮音声形式にして、メールに添付して送り返してもらうこともできる。1MBで4〜5分分だから、充分にメールで送れる大きさだな。  WINDOWSならデフォルトで圧縮も再生もできるしね。  ということで、とりあえず、有効そうな方法が2点ほどみつかった。 1.紙に縦書きで打つ。  プリンタを持っていれば自分のところでできるだろうし。(FAXとモデムがあれば、プリンタがわりに使うこともできる)  プリンタがない場合には、縦書きで確認できるソフトを使うと、半分だけでも達成できる。日本のワープロならたいていその機能を持っているし、フリーソフトのエディタでも、縦書きにできるものはいくつかある。  なお、普段縦書きで書いている人間は、見直し時には横書きとすること。 2.音読し、録音されたものを聞く。  なるべく他人に音読してもらう。自分で音読する場合には声質を変えるボイスチェンジャーなどを使うといいかもしれないが、そもそも、必要ないかもしれない。WINDOWSのソフトでボイスチェンジャーはたくさんある。  録音方法には、色々ある。  テープレコーダー。ICレコーダー。WINDOWSパソコン+マイク。留守番電話の録音機能。携帯電話のボイスメモ機能。  1000字の掌編ひとつなら1分程度の録音機能で充分だろう。  誰か実行したのなら、その感触を報告してくるのこと。  ちなみに、いま僕がどんな方法で「頭を白紙にして読む」ことを実現しているのかというと……。  普通は、その作品を読んだことのない「仮想読者」ってのを頭の中に立てて、そいつに読ませている。仮想読者を立てるときには、数人ほど同時に立てる。同時に読ませる。そして意見を聞く。  このときには、まず平均的な読者層を想定する。中心年齢や平均的な好みを決めてから、適当にランダムにバラしていって、数人ほど立てる。  小説は読者のために書くものであるから、「頭が白紙の読者」に読んでもらわないと意味がない。  だからまず「頭が白紙の平均的読者」に読ませることを最初に行う。  しかし、そうした「他人」の目による判断ではなくて、自分自身としてはどうか――という判断が必要になってくる場合もある。  上記の「平均読者層」に通したときに、意見がふたつに割れたときとか。  もしくはAとBとふたつのパターンがあって、どっちでもいいようなときとか。  そういうときに最終的な決定を下すのは、作家である自分の「好み」なわけで――。  自分自身としては、どっちを取るのかっていう判断が求められることもある。  そういうときには、自分自身の頭を白紙にしてから読んでみる。  いま書いたばかりのその作品を、まるで読んだことのない白紙の状態に――自分の頭をリセットするわけね。  書いたことと、何度も読んだこと。すべて忘れる。  忘れきってから、初めて読むかのように読み直してみるわけだ。  長いことやってきているうちに、そういうことが、普通にできるようになってしまった。  まー、人生の半分近く、ずっと小説を書いてきてるからなぁ。 >アーイシャの年齢  読んでみた。  いままでの話と別物として読んでいるので、登場人物の年齢が変わっているかもしれないので、先入観は持たずに頭を白紙にして読んでみる。 >>その影の中に、一人の少女が立っていた。栗色の瞳には大人びた光が宿り、ふっくらとした頬の線には幼さが残る。  まず「少女」が出てきたもんで、読者の僕としては、年齢くらいは確定させておきたいわけね。  大人びた目と、幼さの中間とあるから、まあ、小学校の高学年ぐらいかなぁと想像する。  ここでもう、「アーイシャ10歳説」は俺的に確定。  保留にしとくと負担かかるしー。早く楽になっちゃいたいしー。 >>「星を見るの」  この台詞は、「アーイシャ10歳」が喋ってもOK。 >>「日本の友達って、いつか話してくれた人? 宇宙へ一緒に行ったっていう?」 >>「そうだよ。昔、一緒に宇宙ステーションで働いた。アーイシャのお父さんとお母さんとも仲が良かったんだよ」  ここで「おや?」と思う。  10歳にしちゃ、大人びた口調だ。  「友達」「行った」あたりに違和感を覚える。  またアーイシャが、10歳という歳の割にだいぶお利口だということが判明。  「宇宙」って概念を理解していて、ボキャブラリーとして持っている。さらに自分の言葉として普通に日常的に使いこなしている。  また祖父の「宇宙ステーション」という言葉をすらりと理解してもいる。「宇宙ステーション」がどういう場所なのか、アーイシャは充分に知っているのだろう。 >>「お話しして、その時のこと」  アーイシャ、年齢低下。「おはなし」をせがんでくるような年齢なのだろうか? >>「おじいちゃんの友達から手紙が来たの? お父さんとお母さんのことも書いてあった?」  アーイシャ、ここで突然、知能低下。おばかさんに。  菓子だけ送られてくるはずがない。手紙もついていてあたりまえ。  手紙がきたかどうか質問しなきゃわからないとは、とても、「宇宙ステーション」を理解している賢い子供とは思えない。 >>しかし、この世に生まれて十数年しか経っていない少女に、それがわかるものだろうか?  ここでわけがわからなくなる。  アーイシャは10歳、ないしは、もう少し下の年齢であるはずだ。(しかし10歳より下としてしまうと、語彙が豊富すぎる点が矛盾しているのだが)  ここでアーイシャは「十数歳」と、はっきりそう書いてある。  十数歳=15、6歳ということだ。  いくらなんでも、そんな年齢であるなら、祖父の挙動から両親の身に起きた不幸を感じ取っていてしかるべきだろう。  結論。  わけがわかりません。  まずアーイシャの年齢を、はっきりしてください。  アーイシャの年齢がころころ化けるもんで、他のところも嘘くさく感じてきました。  祖父とか称する男と、アーイシャの関係もなんだかとっても怪しいです。  「男=科学者」がアーイシャの祖父とか言ってますが、それは嘘八百です。 >>「ああ、書いてあったよ。アーイシャのお父さんは、今まで会った中で一番優秀な宇宙飛行士だって言ってる。お母さんはいつも明るくて、宇宙船内の太陽みたいだって」  「アーイシャのお父さん」「アーイシャのお母さん」のどちらかは、「男」から見れば「実子」であり、もう片方は「その配偶者」のはずです。  なんだかとっても他人行儀な話しかたです。  この話しかたは、「アーイシャを孫娘のように感じている科学者」のそれです。  つまり、「父と母」と面識があった程度の人間の口調として聞こえるということです。  「男」が祖父っていうのは、これ、嘘なんですよね? ねえ、そうなんでしょう? -------------------------------------------------------------------------------- 今秋の風邪は喉に来る? No.7110 投稿日 2003年9月25日(木)23時28分 投稿者 弟切 千隼  急に涼しくなったせいで風邪を引いた弟切です。もっぱら喉がひどく腫れて痛いです。時おり熱と頭痛も襲ってきます。  自分で首に触ると、リンパ腺がぼっこりと腫れているのがわかります。興味深いことに、右と左とでは微妙に腫れている部分が違います。しゃべったり固形物を食べたりするのがつらいです。  皆さんもお気を付け下さい。 >「科学者と孫娘」  アーイシャの年齢をどうやって表現するかは、弟切が悩んだところでした。  弟切の設定では、アーイシャは十一歳か十二歳です。現代日本では、小学校高学年に当たりますね。一応の分別は付いてきて、大人の使う理屈でも簡単なものなら理解できる年頃でしょう。  最初にOFF会で「科学者と孫娘」を書いた時も、アーイシャは十一歳か十二歳に設定して書いたつもりでした。ところが、「アーイシャがお利口すぎて子供に見えない。IQ300の天才少女?」と指摘されたため、弟切が思うよりも幼く書いたほうが、読者さまには正しい年齢で伝わるかと考えました。  しかし、今回は幼く書きすぎて失敗しましたね。しかも、部分的には比較的正しい年齢で伝わっているのに、突然幼い描写をしてしまって、読者さまを混乱させています(^^; >>「日本の友達って、いつか話してくれた人? 宇宙へ一緒に行ったっていう?」 >>「そうだよ。昔、一緒に宇宙ステーションで働いた。アーイシャのお父さんとお母さんとも仲が良かったんだよ」  アーイシャが十一歳か十二歳という情報が、正しく読者さまに伝わっていれば、ここの台詞はそれほど違和感なく受け入れてもらえたでしょう。あるいは十歳くらいと思われていても、この台詞で年齢を上方修正してもらえるか、かなりお利口な子と認識されるかも知れません。  少なくともこのあたりまでに、読者さまにはアーイシャの正しい年齢をお知らせしたいですね。 >>「お話しして、その時のこと」 >>「おじいちゃんの友達から手紙が来たの? お父さんとお母さんのことも書いてあった?」  この二つの台詞が、致命的にまずいですね(^^;;   上の「お話しして……」は、内容には問題がないものの、口調が幼すぎます。下の「おじいちゃんの……」は、新木さんが指摘されたとおり、訊かずもがなのことを質問しているのが大問題です。 >>しかし、この世に生まれて十数年しか経っていない少女に、それがわかるものだろうか?  ここで、『十数年』と書いたのが大きな誤りでした。はっきり年数を書くか、『十年と少し』のような表現にすべきでしたね。  新木さんが書いてらっしゃるとおり、この作品では、アーイシャの年齢が正しく伝わっていないがために、作品全体の印象が台無しになっています(;_;)  まず、アーイシャの年齢を確定させることですね。これができれば、祖父の言動まで不自然に見られる可能性も減るでしょう。  皆さんの御指摘を踏まえて書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 亀の歩みのごとし No.7111 投稿日 2003年9月26日(金)03時49分 投稿者 名無し君2号  「関節技」の書き直しをしていたんですが、いっこうに進まない。 >小説で書けるもの >>なにが足りず、鐸碑さんが注文していた「肉」に相当するものがなんなのか、いまなら理解できるか? >>理解できたなら、ワンと言え。  ワ……。  ちょっとまて。本当に理解できてるのか。  感覚、内面……。  「剣の闘い」の「肉」。  真剣勝負ってのは怖いもんだ。だって死ぬし。斬られたら痛いし。  だから……。  主人公が初心者なら真剣に対する恐怖を。  主人公が中級者なら恐怖を乗りこえるところを。  主人公が達人なら、恐怖なんかない、殺人機械な心理を。  まあ、どれにしたところで、「かっこよく」なきゃだめだしな。  一応、「怖さ」みたいなものだけは伝わったようだけど。  それしか伝わってないんだな。  つまり、それしか書いてないということだ――よしんば、ほかになにか書いてあったにせよ。  そもそも、やられる側の視点でしか書いてないんだよね、いままで。「剣の闘い」にせよ、「関節技」にせよ。  やられる側の話なんざ読みたくないだろ、普通は。  どこに焦点を当てるのか。  ベタではあるけど、主人公は強くて、でも敵もそこそこ強い。主人公も危機におちいるが、間一髪、主人公の勝利――みたいな話にすればよかったのね。  あとは描写と。  人を斬るのなら、人を斬る感覚を書かなければならない。 >描写と説明  視点保持者が「感じたことを書く」のが描写で、「理解したことを書く」のが説明。  目の前に広がる光景について「感じたことを書く」と、「街の光景、人混み、騒音、熱気」等を書くことになる。  で、それにもとづいて「理解したことを書く」と、たった一言、「街の雑踏」になる。  なんか過去ログを読んでいたら、そんな結論がでましたが。  主観語と客観語の話です。  いくら結論をだしても、現実にできなけりゃ意味はないけれども。実践、実践。 >描写「雑踏」 >>上記の疑問形で書いたものの答えが、すべて盛り込まれているのを確認しろ。 >>あとどう具体的に掘り下げたのか、リストアップしてみろ。 ■スピーカーから流行の歌が聞こえる、てのは、どういうことなのよ? 「すっかり聞き飽きたヘタクソな曲が、どこか上のほうから大音量で降ってくる。」 ・掘り下げかた  「流行の歌」→「クソ喰らえ」→「すっかり聞き飽きたヘタクソな曲」  「スピーカーから聞こえる」→「どこから聞こえるかなんてわざわざ見ません」→「どこか上のほうから大音量で降ってくる」 ■それに負けないくらいの大声で携帯電話会話している少年、てのは、どういうことなのよ? 「携帯電話に向けて、ガキがなにやら怒鳴っていた。」 ・掘り下げかた  「携帯電話で話している少年」→「クソ喰らえ」→「携帯電話に向けてガキが」  「大声で話している」→「クソ喰らえ」→「怒鳴っていた」 ■道一杯に連なって歩く女子高生ってのは、どういうことなのよ? 「道幅いっぱいまで鈴なりに広がったメスガキどもが、くっちゃべりながらノロノロと歩いている。」 ・掘り下げかた  「道一杯に連なって歩く女子校生」→「クソ喰らえ」→「道幅いっぱいまで鈴なりに広がった〜くっちゃべりながらノロノロと歩いている」  「女子校生」→「クソ喰らえ」→「メスガキ」 「ぶつかられたほうは、一瞬、怖い目付きでその背中を睨みつけるが、すぐにまたおしゃべりに帰ってゆく。」 ・掘り下げかた  「バカ女子校生」→「自分勝手、飽きっぽい、きまぐれ」→「一瞬、怖い目付きでその背中を睨みつけるが、すぐにまた〜」 ■サラリーマンが足早に追い抜かす、てのはどういうことなのよ? 「サラリーマンが怒りにまかせた足で、女子高生の群れを追い抜いてゆく。肩がぶつかるが、気にもしていない。わざとぶつけていったのかもしれない。」 ・掘り下げかた  「サラリーマンは、最近の若い奴等にむかついてる(さらにむかつかれるような態度をとる女子校生)」→「邪魔」→「怒りにまかせた足で〜肩がぶつかるが、気にもしていない。わざとぶつけて〜」 ■派手な格好の女性、てのはどういうことなのよ? 「女性がすれ違う。二十代半ばに見える女性は、体つきも服装も女子高生たちより数段ほど洗練されていたが、化粧は濃すぎるほどだった。こんな夕方から出勤するところから、彼女の仕事は水商売なのだとわかる。」 ・掘り下げかた  「派手な格好の女性」→「水商売(ホステス)」→「二十代半ば、高級な服、成熟した体、濃い化粧、夕方出勤」 ■化粧の匂いを振りまく、てのはどういうことなのよ? 「彼女が通りぬけていった場所には、しばらく、香水の臭気が残ったままだった。」 ・掘り下げかた  「化粧の匂い」→「水商売の女性は香水がきつい」→「通り抜け〜香水の臭気」  基本的に主人公は、バカな若者に対して敵意を持っている。  若者向けの流行りの歌は、軽くて意味がないものに聞こえるし、帰りのサラリーマンや水商売の女性がでてくるような時間帯に、なんの目的もなくうろついている少年はガキだし、少女はメスガキだ(偏見なのだが)。彼等の行動に対しては敵意フィルターがかかっている。  逆に同世代のサラリーマンに対しては普通――彼の女子校生に対する態度にはむしろ好意的(だったらいいな、の希望かもしれない)に見ているし、同世代のお水系女性に対しても、きちんと「女性」と思っている。香水の匂いについても、「悪臭」とまでは思っていない。女子校生がおなじ匂いを発していたら、間違いなく「悪臭」扱いだ。「喫煙で罰金をとるぐらいなら、こんな悪臭からも罰金とらんかい」ぐらい思うはず。 >>2号の描写が、描写になっていなかったり――。 >>説明に説得力がなかったり――。 >>それらはすべて、「視点を持てない病」が原因なわけね。  うーん。しばらく一人称で書いてみたほうがいいのかなあ。 >>ちなみに。 >>この病気にかかっているのが、いまこの分室内では、甘夏さん。 >>過去ログを「甘夏」と「視点」で検索してみそ。甘夏さん登場以降から、一時撤退まで、主観語/客観語のこととか、視点のこととか、いろいろと話題が出てきているから。  はい。過去ログ読んでみて、いろいろと勉強になりました。あとは実践して、身につけなきゃ始まらないです。 >>甘夏さんも、たぶん2号と同程度だから……。  私よりは上だと思う……けど、まあ、新木さんから見たら同程度なのかな。 >1000字課題 >No.41 吸血鬼のやつ >>そういや2号は……。 >>少女がいったん噛みかけてから、「噛むのをやめた」ということについては、書くつもりだったんだよね? >>そういう展開を、そもそも予定していたわけだろ? >>なぜ、書き忘れたの? >>なぜ、書いてないのに「書いてある」と思いこんでしまったの?  少女のセリフ、 「やーめた」  で「仲間にすることをやめた」=「噛まなかった」を書いたと思いこんでいた、からなんですけども。  そもそも吸血鬼って、血を吸ったら「しもべ」になるか「吸血鬼」になるかの二択しかないんじゃないの? と思っていたんです。  「血を吸うだけ、相手は人間のまま」があってもいいんですねえ。  どっちにしたところで、「血を吸わなかった」という説明はできていないのだな。  それどころか首すじから血をたれ流していたなら、それはもう、吸われたとしか思えないし。  誤字脱字チェックのために読み返してはいるけど……。  最近は時制もチェック(できる範囲で)しているけど。  ん?  意味が通じるのかどうかのチェックは……してたのか?  通じていなかったんだから、していないんだろう。  だからだな。  頭のなかの物語を読んでいた。  今回は一編。描写のことを考えると、なんとも筆が進まない。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=614&e=res&lp=550&st=0 >短編  アドバイス、頭のなかに定着してから、考え直します。  たしかにまどろっこしい話だと、読み捨てちゃうんだな。自分がそうなんだから。  あんまり都合がいい話だと、馬鹿にしちゃうんだな。自分がそうなんだから。  わかってるのにな。  と、いうことは……。  作品の「起」の部分では、この作品がどんな話なのかを、すばやく提示しなくちゃあいけない。2、3ページ読んでもわからないようじゃ、読み飛ばされる可能性大。  まあ、素晴らしい文章を書くことができるなら、どうにか読者の興味をつなぐこともできようが……。  普通レベルの文章も危ういのだから、そこはもう簡潔に的確に。読者を逃がさぬように。 >味見をする方法  とりあえず「モニタで縦書き表示」でやってみます。  ここまでで5時間。おさらば。 -------------------------------------------------------------------------------- 地震 No.7112 投稿日 2003年9月27日(土)01時26分 投稿者 弟切 千隼  北海道で大きな地震がありましたね。今日一日中熱が引かなかった弟切は、呆けた頭を抱えながらTVニュースを視ていました。  先日、国立科学博物館で「地震展」を見てきたばかりでしたので、その展示にあったことを実際に映像で確認でき、勉強になりました。 >「科学者と孫娘」  書き直したものを課題部屋に上げておきました。 >味見をするための方法  今回の書き直しをするに際しては、プロの書いた文章−小説ではなく、エッセイでした−を読んでから、自分の作品を縦書きで印刷したものを読み返しました。  今、弟切は喉を傷めているために音読をするのは苦しい状態です(^^; 一応小声でぼそぼそと読んではみました。  上記のように読み返して感じたことは、どんな方法にせよ、見た目を変えると新鮮な気持ちで読み返せるということです。  何らかの事情で印刷できず、モニタ上だけで読み返すとしても、背景色を変えるだけでかなり効果があるのではないでしょうか。何回も印刷して読み返す場合には、書式を変えたり紙の種類を違うものにしてみたりすると、効果があるでしょう。  読む場所を変えるだけでも、気持ちが切り替わっていいようです。いつも自分の部屋で読み返しているなら台所へ行って読んでみるとか、外へ行って公園のベンチで読んでみるとか、移動中の列車の中で読んでみるとか、とにかくいつもと違う環境を使ってみると、新鮮な気持ちになれますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒い No.7113 投稿日 2003年9月27日(土)06時37分 投稿者 名無し君2号  家ではもうストーブを出しているんですがね。  いまからこんなことでは、先が思いやられます。冬はきっと長い。 >短編  起のアイデア出し。 ・写真(まわりから言われているうちに、その気になって)。  帰り道。道端にエロ本が落ちていた。主人公はなんの気なしにぺらぺらとめくる。そこをヒロインに見られ、思いっきり罵声を浴びせられた。  翌日、主人公が学校に行くと、クラス中にうわさが広まっていた。まわりからエロエロ言われているうちに、主人公もその気になって、やけくそまじりにエロ暴走。  ヒロインに叱られるが、そもそも自分がこうなったのは、ヒロインがみんなにばらしたせいだと責任転嫁している主人公は、まったく聞く耳を持たない。  うるさいやい、とばかりにヒロインにその毒牙を……。 >描写課題  「街の雑踏」、やりなおし版が一編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=617&e=res&lp=611&st=0 >1000字課題  今回は一編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=616&e=res&lp=550&st=0  こちらに書く文章よりも、課題のほうに時間がかかりました。こちらには1時間ぐらい……か。課題には5時間です。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒蝉[かんぜみ] No.7114 投稿日 2003年9月28日(日)02時09分 投稿者 弟切 千隼  湘南では、お彼岸を過ぎたところでまた少し暑くなりました。今日の昼間には蝉の声を聞いて、弟切は驚きました。ここのところの寒さで死に絶えたと思っていましたのに。  岩手県でストーブを出しておられるという2号さんから見れば、信じられない気候でしょうね。 >生課題  描写の練習をするために、生課題に挑戦してみました。お題は「街を歩く」です。課題部屋のNo.618に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=%90%b6%89%db%91%e8&mode=and&v=618&e=res&lp=195&st=0  「ださい田舎街の雰囲気」が出せていたら成功です。加えて、そんな街にうんざりしながらもほっとする主人公が伝われば、もっと成功です。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒い No.7115 投稿日 2003年9月28日(日)05時59分 投稿者 名無し君2号  寒い……けど、今日はストーブをつけるほどではありませんでした。  こんな日が続けばいいのに。 >1000字課題  今日は二編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=619&e=res&lp=550&st=0 >弟切さん >「科学者と孫娘」  読みました。  アーイシャのセリフですが……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「星を見るの」 「友達って、いつか話してくれた人? 宇宙へ一緒に行ったっていう?」 「話してほしいな、その時のこと」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここまではいいのですが、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「友達から手紙が来たのね。お父さんとお母さんのことも書いてあった?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここでなにやら違和感が。  具体的には『友達から手紙が来たのね』なんですが、ここですこしアーイシャの年齢が上がる感じです。  本当に微妙な感じなんですけども。  ……私の感覚が変な可能性もありますが。 >生課題 >>「ださい田舎街の雰囲気」が出せていたら成功です。加えて、そんな街にうんざりしながらもほっとする主人公が伝われば、もっと成功です。  成功です。「ださい田舎町の雰囲気」が伝わりました。  ただ、主人公の「うんざり感」は伝わらなかったです。  最初に「ほのかな緊張感」、それが最後に「やすらぎ」に変わるのは感じました。  なんかマウスの調子が悪い。文章は1時間。ぐ……。ペースをあげないと。 -------------------------------------------------------------------------------- なんと言っていいのやら。 No.7116 投稿日 2003年9月28日(日)11時58分 投稿者 甘夏  視点不在症の甘夏です。  週末のみの参加でよければ、一緒に課題をやりたいと思っています。  現在、週末しかネットにつなげない状況が続いているからです。  もし、本格参加するならば、その前に立場を明確にしておきたいと思います。  甘夏は、プロ志望ではありません。  小説通、アマ小説家(ネット小説を書く人)になりたいとは思っていますが、  プロになるほどの覚悟がある人間ではありません。  将来、就きたい職も、まぁ、決まっています。  と、以上のような立場にいるのが甘夏です。   >雑踏、新木さんバージョン。  疑問点が二つ。 >>サラリーマンが怒りにまかせた足で、女子高生の群れを追い抜いてゆく。  なぜ、男に、サラリーマンが『怒りにまかせた』足で追い抜いていったとわかったのか。  怒りにまかせた、は、サラリーマンの主観では? >>こんな夕方から出勤するところから、彼女の仕事は水商売なのだとわかる。  なぜ、男に、女が『出勤』するところだとわかったのか。  出勤か否かは、男が知りえない情報では? >2号さん雑踏描写リライト。  なにが起こったのかさっぱりでした。  あと、絵が全然浮かばなかったですし、五感に訴えかけるものが何もありませんでした。  感じられなかったものを列挙してみます。 ・空を覆うようにたちならぶビルたち ・ぎゃんぎゃんと耳に突き刺さる音楽 ・目の前をうごめく人 ・足に変な感触 ・尻に奇妙な感触 ・やたらだぼだぼした格好の若い男 ・やたら短いスカートの女子校生の一団 ・まわりの騒音に負けないぶ厚さの叫び声 ・手に、奇妙な感触 ・足に、変な感触 ・女子校生とは一味違った遠吠え  以上、よくわかんなかったものです。  雑踏を体験しようとして感じたこと。  視覚的好奇心の不足。  はじめて街に出てきて人ごみを見たならもっと観察するものでは?  服とかも見慣れないものばかりでしょうし。  聴覚情報の不足。  音楽しか聞こえてこなかったのですか?  足音は? 雑談の声は? 車のエンジン音等々。  もっとたくさんの音が聞こえると思うのですが。  嗅覚情報の皆無。  人いきれとか、そういうのはないですか?  触覚情報の曖昧さ。  以上です。  まだあるかもしれませんが、今日は以上です。  また来週、来ます。  以前ほったらかしにしていた、別れ話をする二人。  ウエイター(観察者)一人称と、  一人称主語削り三人称を持ってくるかもしれません。 -------------------------------------------------------------------------------- 関節技について No.7117 投稿日 2003年9月28日(日)18時06分 投稿者 ROM お節介とは思いますが、根本的な誤解があるようなので。 関節技は、基本的に、相手の反撃を封じる技です。 簡単な例をあげましょう。 まず右腕を前に伸ばして手の平を外側に向け、小指を上にします。 そして、小指を上にしたままで肘を曲げて下さい。 曲がりますか? 多分、肩は動いても肘は曲がらない筈です。 これが「肘の関節が決まった」状態です。 相手をこの状態にし、動きを封じるのが関節技です。 ただし、肘を決められただけでは痛みはありません。 しかし更に肩の関節も決められると、上腕部に激痛が走ります。 こうなるとギブアップするしかありません。 注)ここから後は誰か相手が必要です。 危険なので、相手が痛がったらすぐ止めて下さい。 向かい合った相手に右手を伸ばさせます。 相手の肘が完全に延びた時、その手首を自分の右手でつかみます。 右足を引いて半身になりながら相手の小指が上になるようにねじります。 更にその小指を相手側に向けてひねり上げると、相手の右肘関節が決まります。 この状態で自分の左手で相手の右肘を上から押し、 同時に、背筋を伸ばしたまま腰を垂直に下に落とします。 相手は肩から上腕にかけて激しい痛みを感じ、技が決まります。 相手は肩と肘の関節が決められているので姿勢を変えられません。 しかも右手を取られているので、左手はこちらに届きません。 更に痛みをこらえるために自然に前屈みになってしまうので足も届きません。 これが「相手の動きを封じる」という事です。 一旦決まった関節技を解く事は「原理的に不可能」なのでこうなります。 つまり、相手を物理的に動けない状態にするのが関節技という事です。 たしかにここから更に力を込めて関節を破壊する事も可能ですが、 相手はギブアップするしかない以上、その必要はありません。 それは単なる腕力であり「技」ではないからです。 以上、ご参考までに。 -------------------------------------------------------------------------------- 大接近の日からだいぶ過ぎたとはいえ No.7118 投稿日 2003年9月28日(日)21時22分 投稿者 弟切 千隼 火星はまだまだ明るく見えますね。今日の湘南はよく晴れて、赤い輝きがひときわ鮮やかです。  その色が不気味がられて、古来、火星は不吉な星とされることが多かったようですね。人間が最も早く都市文明を発達させた土地の一つ、メソポタミアでも、火星は災厄の神ネルガルと同一視されています。  でも、災厄の象徴だの戦乱の予兆だのと見るのは、ずいぶん勝手で一方的な見方でしょう。弟切は、自分の一生のうちにこれほど近しく「お隣さん」の惑星と邂逅できたことを幸運に思います。 2号さんへ >  生課題「街を歩く」の感想ありがとうございます。一応、「ださい田舎街の雰囲気」は出せていたようで、ほっとしました。  しかし、主人公の心の動きに関しては、まだ足りませんね。精進します。  この土日に友人をつかまえて、作品を読ませて感想を訊くことができたので、その感想も踏まえて書き直すつもりです。  お返しに、弟切も2号さんの「1000字課題」の指摘をさせていただきますね。  2号さんの1000字課題を読んでいると、短い中に何とか5W1Hを入れようと苦心しているのがわかります。最近の作品では、とりあえず「いつ=When」と「どこ=Where」については比較的わかるようになってきましたね。  ただし、「どこ」に関してはまだ問題があります。それは、5W1Hの「誰=Who」と関連しています。  2号さんの作品は、人物が出てきた時、「その人がどこにいるか」がわからない場合が多いのですね。  例を挙げてみましょう。課題部屋のNo.614にある「No.43、魔法使い」です。冒頭の五行を以下に引用します。 >> 夕日が、森をおだやかな赤に染める。 >> 奥深く、ぽつんとある一軒家の白い壁も、赤く染まっていた。 >> ――家のなかから、怒号とともに、なにかが壊れる音が響く。 >>「見つけたぜ、魔法使い野郎」 >> 片目の男が、剣を突き出していた。  ここに登場する『片目の男』がどこにいるのか、弟切には全くわかりませんでした。  おそらく、2号さんは、 >> ――家のなかから、怒号とともに、なにかが壊れる音が響く。 という一行で、読み手の視点が家の中に入ったと考えたのでしょう。読み手は『片目の男』が家の中にいると思ってくれる、と思い込んだはずです。  けれども、そんなことはありません。  上の行をよく読んでみて下さい。『家のなかから……響く』となっていますよね。  これは、家の外からの視点です。視点保持者が家の中にいるのなら、こういう表現にはなりませんよね?  ここでは、視点が家の外のままなのです。そこに人物が登場したなら、読み手は当然、その人が家の外にいるものと思うでしょう。  ところが、ここでは『家のなかから』怒号となにかが壊れる音が響いているのに、その音源とおぼしき『片目の男』が外にいます。そうとしか読み取れません。  これでは、読み手は混乱します。現に弟切は混乱しました。  まさか、家の中と外で別々の騒ぎが起こっているわけではありませんよね?  以上、弟切の指摘が参考になれば幸いです。 --------------------------------------------------------------------------------  お久しぶりです。 No.7119 投稿日 2003年9月28日(日)22時42分 投稿者 羽矢野  忘れさられる前に、少し顔をだします。  最近、大勢の人に読ませる文章を書いてないせいか「人に伝える能力が落ちてきたんじゃない?」なんて言われてビビってます。(紫に)   ●名無し君2号さん(いい加減、名前決めようよ)  いつも課題読んでます。  今日はちょっと指摘。  大体、人(というか私個人だけど)はこんな感じに読んでるよってのを。 ●精読 >>その3のやりなおし >>(なに、これ……) >>少女は、目の前に広がる光景に立ちつくしていた。  まず最初。  少女は何か呆然と心の中で呟いてますね。  それは、目の前に広がる光景に驚いているからみたいです。  立ちつくして“いた”と過去形なのは、何故かな?  これだと長い時間、その場で立っていたことになっちゃうけど、それだと“なに、これ……”って直前に思ってるのは変だよね。  驚く事がある。(なに、これ……)  立ち止まる。  そのままじっとじている。(立ちつくしていた)  わかるかな?  つまり“なに、これ……”って思って立ち止まり、しばらくたたないと立ちつくして“いた”と過去形にはならない。  つまり、1行目と2行目の間には、時間の差があることになっちゃう。  それがまず変。  次に、これはビルを見てるんだけど。  “目の前に広がる光景”って?  草原とか、崖から下に見える景色とか。  目線を変えずに、視界いっぱいに広がっているなら、そうだけど。  ビルが“建ち並んでる”んだよね?  しかも、後を読んで察すると近くにいるんだよね?  田舎娘が、高層ビルを見あげながら“ほえー”ってなってる場面じゃないの? >>空を覆うようにたちならぶビルたち。 おお・う オホフ [0][2] 【覆う・被う・蔽う・蓋う・掩う】 (動ワ五[ハ四])〔「覆(オ)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕(1)物の上や外側に他の物をかぶせる。また,そうして守る。「車をシートで―・う」「耳を―・いたくなるような金属音」「事故の現場は目を―・うばかりの惨状であった」「目に髪の―・へるをかきはやらで/枕草子 151」(2)一面に広がって包む。「夜の霧がロンドンの街を―・っていた」「人々の熱気が会場を―・う」(3)本当の事がわからないように,つつみかくす。「彼の失敗は―・うべくもない事実だ」「自分の非を―・おうとして,言い逃れをする」(4)(「一言でおおう」の形で)すべてをつつみ含む。全体を言い表す。「彼の思想は一言で―・えば…である」[可能] おおえる・  と辞書にも載ってるけど。  空を覆うように建ち並んでいるとは?  空を覆い“隠す”とか?  でも、それでも想像できないけど。  どこから、どうやって見てるの?  “たちならぶ”って書いてあるから、いくつものビルが見えてるんだよね。  しかも空が見えないんだよね。  ?  この辺りで、我慢強い人でもアウトになっちゃう。  想像できないから読めない。 >>そこらかしらから聞こえる、ぎゃんぎゃんと耳に突き刺さる音楽。それをまったく気にしない様子で、目の前をうごめく人、人、人。 >>そこらかしら  って、何?  そこ‐かしこ【其所彼所・其処彼処】_代_そこにもあそこにも。あちらこちら。ほうぼう。「―で言いふらす」・  こっちは知ってるし、辞書にも載ってる。  私が不勉強なのかな。  そこらかしらって、日本語として正しい? >>ぎゃんぎゃんと耳に突き刺さる音楽。  って、何?  お店とかから漏れ聞こえる、有線とかのこと? >>耳に突き刺さる  これは他の課題読んでいてもいつも思うんだけど。  こういう大げさな表現が、いっぱいあるんだよね。  いつも、これはわざと笑わせようとしてるのかなと、勘ぐったりしてるんだけど。  実は○○は、××だったのだ!  って文章と同じに見える。  読む方が恥ずかしくなってくるというか。  んで、これがまあ本題だけど。  いつどこで、ビルから人に視線を移したの?  (そもそもどうやってビルを見ていたか、わからないけど) >>それは正に人の壁。 >>正に  何故、これを漢字に?  “たちならぶ”とか、全部ひらがななのに……。  あと、壁?  自分がうるさいと思っている音を、気にせずに行き交う人々。  これを表現するのに、何故動かないとか、自分の行動を邪魔するとかいう言葉になる壁を? >>いろとりどりの人たちがぐちゃぐちゃと絡みあっている――少女には、そんな風にしか見えなかった。 >>いろとりどりの人たち  って、人間はインコとちゃうよ。 >>ぐちゃぐちゃと絡みあっている  人間はアメーバとちゃうよ。 >>少女には、そんな風にしか見えなかった。  これは少女の主観だから、彼女にはそう見えるんだというならしょうがないんだけど。 >>少女はつばを飲みこむ。 >>おもむろに、壁のなかに飛びこんでいった。  えー?  これって、一体どういう場面?  行き交う人々の中に、なんで飛び込んでいくの?  交差するようにその向こうに行きたいとか、そういうこと? >>いきなり、足に変な感触。 >>一拍遅れて叫び声があがる。スーツ姿のおじさんが、足を押さえて、獣のようにわめき立てていた。  前の文章が“いった”と過去形になっているのに、次は“いきなり”ってのは、おかしな感じがする。  >>〜飛び込む。  >>いきなり〜  としないと、飛び込んだ瞬間って読めない。 >>叫び声があがる。スーツ姿のおじさんが、足を押さえて、獣のようにわめき立てていた。  おいおい。  少女、一体何キロだ?  女の子に足踏まれたくらいで、叫んで足を押さえて獣のようにわめくって……。  少女の視線はどう移動したんだ。  わめきたてて“いた”ってことは、見た時はすでにそうなってたんだな。  しかも、少女の視線には、足を押さえたおじさんの全身が見えてる。  足を踏んだというこは、密着状態だったはずなのに、いつの間に全身が視界に入る距離に移動したんだ? >>「す、すみません」 >>おじさん目がけて、少女は頭をさげる。今度は尻に奇妙な感触があった。 >>目がけて。  変だ。   目がけてという言葉自体もへんだし、謝ったのならおじさんの方を向いているに決まっているからわざわざ書く必要はない。  奇妙な感触って、どんな感触?  それを書くのが描写だ。 >>あわてて振りむくと、やたらだぼだぼした格好の若い男が、やたら短いスカートの女子校生の一団に、頭から突っこんでいた。  ドンケツしたってことなんだろうけど。  少女が謝った時の力でそれはないでしょ。  しかも、中に入った瞬間に足を踏んでしまうような人混みの中で立ち止まっていて何で誰にもぶつからない?  頭から突っ込んでいるのに、どうして“若い男”だと断定を? >>女子校生  スカートが短いのは当たり前だと思うけど。(それがお仕事だし)  でも、そんな公衆の面前で、AVの撮影はよくないと思うのー。  女子高生(高等学校に通う、女学生)なら、その限りではないのだけれど。  でも女子校生だからなあ。  どう見ても大人のおねーちゃんが、無理矢理せーらー服とか着てる、あれでしょ?  ここより下は、もう何が書いてあるのか全然わからないので、ここまでです。 ●感想など  読んでいて一番思うのは、語句や表現をちゃんと選択していないってことかな。 >>まわりの騒音に負けないぶ厚さの叫び声が、耳に突き刺さる。  例えば次の行。  耳に突き刺さるって、一体この短い文章にいくつ使うつもりだ。  ぶ厚い叫び声って、どんなのだ?    しかも、足を踏まれたり人の集団に頭から突っ込んだくらいで、何でそんな大絶叫をあげるんだ。  気の利いた表現って確かに難しい。でも、こんな装飾過多で何書いてあるのかわからない文章より、ありきたりで普通の表現でもちゃんと何が書いてあるのか(そして何を伝えたいのか)わかる文章の方がいいと思う。  こんな、ジャロに訴えられそうなのは、やだ。  あとどんな状況なのか伝わってこないけど、それはちゃんと考えてる?  少女は一体いつ、どうして都会に来て、書いてあるときは、どんな状態だったの?  たとえは、初めて都会に来たのだとする。  そしたら、ビルを見あげるよね。初めて目にするし。  そんなことになるのは、どこだろう。  例えば、駅とか。  改札を抜け、出口を出た瞬間、何車線もある道路と交差点の向こうに、巨大なビルが見える。  そこで立ち止まって見あげ、“なに、これ”。  そんなことはありそうだよね。  でも、数日たっていたら、ビルを見あげて”なに、これ”なんて言わないよね。 “いつみても、でっかいなあ”とか、そんなふうに思うはず。  じゃあ主人公は、初めて都会に来た瞬間なのかというと、そうでもない。  不快感を持っているけど、不安とかがないし。  初めて来たのに、ビル以外に興味を示していないし。  それにビル一つでも、もっと沢山思うんじゃないかな。  私は田舎者です。  数年前、久しぶりに東京行ってビルを見た時は驚きました。  まず、駅からビルが見えるよね。  それがまたでっかいから、思わず見あげちゃう。  全面鏡だから、別に眩しいってわけでもないのに、手でひさしつくったりなんかしてね。  んでまわりをくるって見まわして、同じようにでかいビルばかりだから感心する。  さすがに東京はすげーなーとか。  ビルの壁面にある液晶テレビとか、デパートのオータムフェアとか書いてある垂れ幕とか全部見ちゃったり。  新宿のオフォスビル街とか歩いていると、ビルが迫ってくる感じがしちゃったり。  真上見あげると、ビルの屋上が霞んでたり。  周囲が全部囲まれていて、洞穴の底から上を見てるような感じがしたり。  こんな所で仕事したら、景色いいだろうなーとか。  この瞬間、地震がおこって窓われたら、絶対死ぬなーとか思ったり。  初めて見るってそういうことだ。  街にはお店も沢山ある。  いろんな人がいる。ファッションだって、違うはずだ。(私は昔アパレル業界にいていろいろと出張したが、やっぱり東京のファッションは他の地方より洗練されているという印象がある。女の子なら、なおさら目がいくだろう)  それなのに、主人公は“いろとりどりの人たちがぐちゃぐちゃと絡みあっている”としか思っていない。  それは、変だ。  とこんな所で。  久しぶりなので、1時間くらいかかった。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- カレンダー No.7120 投稿日 2003年9月29日(月)07時32分 投稿者 名無し君2号  テレビに新聞。  曜日の感覚を得るために必要なもの。  逆にいうと、私の日常、それ以外にはなにも変化することがない。プー太郎だからだけど。 >甘夏さん >羽矢野さん >雑踏描写について  雑踏描写のリライト、まずくて食えたものじゃないのが、痛いほどよくわかりました。  アドバイスの考察は次回させていただきます。 >ROMさん >関節技について  アドバイス、ありがとうございます。  ただ……。 >>簡単な例をあげましょう。 >>まず右腕を前に伸ばして手の平を外側に向け、小指を上にします。 >>そして、小指を上にしたままで肘を曲げて下さい。  すみません、肘が曲がっちゃいました。  やりかたがまずいだけかもしれませんが、もうちょっと詳しく教えていただけると助かります。 >弟切さん >1000字課題について >>2号さんの作品は、人物が出てきた時、「その人がどこにいるか」がわからない場合が多いのですね。 >> 夕日が、森をおだやかな赤に染める。 >> 奥深く、ぽつんとある一軒家の白い壁も、赤く染まっていた。 >> ――家のなかから、怒号とともに、なにかが壊れる音が響く。 >>「見つけたぜ、魔法使い野郎」 >> 片目の男が、剣を突き出していた。 >>ここに登場する『片目の男』がどこにいるのか、弟切には全くわかりませんでした。 >>ここでは、視点が家の外のままなのです。そこに人物が登場したなら、読み手は当然、その人が家の外にいるものと思うでしょう。  はい。よくわかりました。丁寧にありがとうございます。  この場合だと、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕日が、森をおだやかな赤に染める。  奥深く、ぽつんとある一軒家の白い壁も、赤く染まっていた。  ――家のなかから、怒号とともに、なにかが壊れる音が響く。 「見つけたぜ、魔法使い野郎」  家のなかでは、片目の男が剣を突き出していた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ……まあ、こう変えれば、まだマシでしょうか。あんまりうまくないのは自分でもよくわかってますが、どうすりゃいいのかわからない。  これも『文章の味見』がしっかりしていれば、なんのこともなく書き直せたはずの部分です。  でも、完璧に『味見』できるようになっちゃうと、今度は書くことができなくなるんじゃなかろうか。余計な心配だな。 >漢字、同音異義  たまっていた宿題を半分やる。 ・固い、堅い、硬い。 ■固い  物質のかたさには使わない。  「性格」や「守り」なんかの性質のうち、中身はかたくないものに使う。 ■堅い  物質のかたさのうち、崩れさるものに使う。  「性格」や「守り」なんかの性質のうち、中身もかたいものに使う。 ■硬い  物質のかたさのうち、軟らかくなるものに使う。 使用例:  意志が固い(頑固。中身は弱い)。  守りを固める(弱い状態から強くなる)。  守りが堅い(すでに強い)。  堅い石(反対はくずれさる)。  硬い金属(反対は軟らかい金属)。 ・哀しい、悲しい ■哀しい  あわれだな、ふびんだな、と思う場合。同情。人の別れに対する感情。  逆の感情は「楽」。例えると、0からマイナス1へ。 ■悲しい  広く使う。哀しみもふくむ、かなしい感情。  逆の感情は「喜」。例えると、10からマイナス10へ。 使用例:  父が死んで哀しい。  声をあげて悲しむ。 ・代わる、替わる、変わる、換わる ■代わる  入れかわる、とりかわること。肩がわりすること。 ■替わる  代わるとおなじ意味だが、こちらは元のものが廃れてかわる場合に使う。 ■変わる  変化する場合。広く使う。 ■換わる  物と物をとりかえる場合に使う。 使用例:  代わりに出張する。  社長が替わった。  代金の換わりに商品をわたす。 ・聞く、訊く、聴く ■聞く  広く使う。耳に入る。 ■訊く  問いただす。調べる。 ■聴く  自分の意志できこう、と思ってきく。 使用例:  いまから訊くぞ。  先生の話を聴く。 ・捜す、探す ■捜す  なくなったもの、あるはずのものをさがす。 ■探す  広く使う。あるかどうかわからないものをさがす。 使用例:  証拠を捜す。  メガネを捜す。  埋蔵金を探す。  真理を探す。 ・戦う、闘う ■戦う  広く使う。大勢でたたかう場合。 ■闘う  小さなたたかい。個人的なたたかい。 使用例:  ○○国と戦う。  あいつと闘う。 ・早い、速い ■早い  時刻、時期がはやいこと。 ■速い  時間的にはやいこと。すばやいこと。 使用例:  まだ朝早い。  動きが速い。 ・柔らかい、軟らかい ■柔らかい  人の意志や感情がやわらかい。物の性質がやわらかい。手ざわりがやわらかい。 ■軟らかい  硬いの反対。物質に使う。ひよわなこと。 使用例:  人あたりが柔らかい。  動きが柔らかい。  柔らかな毛並み。  軟らかい金属。 ・計る、測る、量る、図る、謀る ■計る  時間、数字なんかをかぞえる場合。 ■測る  長さ、面積をかぞえる場合。 ■量る  重さ、容積をかぞえる場合。相手の心のなかを想像する場合。 ■図る  計画する、予測する場合。工夫する。 ■謀る  よからぬことを計画する場合。相談する場合。 使用例:  時間を計る。  ものさしで測る。  重さを量る。  気持ちを量る。  自殺を図る。  暗殺を謀る。 ・喜ぶ、慶ぶ、悦ぶ、歓ぶ ■喜ぶ  広く使う。たのしいとき、うれしいとき。 ■慶ぶ  めでたいときに使う。 ■悦ぶ  心のそこからよろこぶ。 ■歓ぶ  表に出してよろこぶ。 使用例:  新年を慶ぶ。  とろけそうな悦び。  おどりあがって歓ぶ。 >描写課題  今日は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=621&e=res&lp=610&st=0 >1000字課題  今日は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=620&e=res&lp=550&st=0  書くのに3時間ほど。また生活リズムが狂ってきたな。 -------------------------------------------------------------------------------- 仕事完了 No.7121 投稿日 2003年9月29日(月)17時57分 投稿者 新木 伸 >仕事1本完了  夢境4巻の執筆、ようやく完了。  今回は「恋」をテーマにした短編集で、4本ほど入っている。タイトルは「恋の季節風」。エンターブレインに小説専門の雑誌媒体があったら、短編のほうはそっちにいったん載せられたりして、原稿料とで2倍おいしかったのだが。まあないものは仕方がない。  しかし完全書き下ろしの短編集って、そうそうないのではなかろうか?  僕は短編小説というものを、いままで一度も書いたことがなかったのだけど。(アマチュア時代に一本あったかな。惨い出来のやつが)  まあ、やってみたら、ちゃんとできた。  ていうか、シリーズの存在している話の「短編」っていうのは、実際には短編じゃないね。短編というよりは、「番外編」って感触だった。  やはり短編はよくわからんし、いまいち自信がないままだけど(金を取れる出来に仕上げるという意味で)。  番外編なら、ちゃんとできるし、かなり速いペースで書けることもわかった。  執筆自体は26日には終わっていたのだけど。  仕事がないときよか、仕事しているときのほうがネットに繋ぐのはなぜだろう?  執筆しない日は、ウォーミングアップの必要がないから、ネット繋がなくなっちゃうのかしらん。 >執筆ペースとか  今回は2ヶ月ほどで一冊分の執筆が完了。8月頭からスタートして9月末まで。  そのあいだに長編プロットも1本分あげてるから、これはけっこう良いペース。  やっぱり短編(番外編)だと世界まで作り込まなくていいから、すぐに取りかかれて書くのが速い。  いつもは300ページ超が普通なので、3〜4ヶ月かかってしまうところ。180ページもあれば一冊になるので、2冊分ほど書いてるようなもの。  また長編では一冊ごとに舞台を変えることになるから、そのたびに「世界」を一個、まるごと創造することになる。(そのぶん書く前の準備に時間がかかる)  今回、執筆ペースを計ってみた。  ちなみに原稿量の単位は以下の通り。     1ページ:文庫本1ページ。     1枚  :原稿用紙1枚。  50枚(40ページ)ほどの短編だと、3〜5日というところ。  僕はいちど書き始めると、2〜3時間ほど集中を続ける。そのあいだに5〜7ページぐらいは書く。  90枚(70ページ)ほどの中編クラスの話もひとつあって、それには13日ほどかかった。(うち実働日数は10日)  1時間につき、2ページというのが、僕の普段の平均ペース。  これは原稿用紙だと2.5枚。1000字日課と同じ分量に相当する。  どんなに調子が悪くても、書いてさえいるなら、僕はこのペースで書くことができる。  ちなみに調子の良いときにはその3倍ぐらいは行く。  1時間6ページぐらい。  これは1000字日課なら20分で終了するペースね。  僕はこの2〜3時間の集中を「1ラウンド」という単位で計っている。  執筆中の平常時は、1日に1回、1ラウンドほど執筆を行う。2〜3時間ほどで5〜7ページぐらいを書く。  1日の執筆はそれでおしまい。  執筆も後半にさしかかってくると、ペースをあげるために、休憩をはさんで1日に2ラウンドの執筆を行うようになる。最後の数日は5ラウンドぐらい行うこともある。  本当に集中できると神憑かったようになって、20時間でも40時間でも連続して書いてゆけるようになり、休憩はおろか、食事も睡眠も不要になるのだが。(俗にいう「神様が降りてきた」状態)  これやるとそのあとの反動が大きくて、1〜2週間ぐらいなんにも出来なくなっちゃうし。なんか命削っているような気がするし。そもそも「やろう」と思ってできることでもないし。  長編の執筆は、たいてい30日とか60日とかの長丁場になる。  執筆は書き上げるまでのマラソンのようなものなので、一区間だけを飛ばしても意味がない。僕の場合には、連続して書き続けてゆくことのできるペースとしては、1日2ラウンドまで。これも30日も続けるとかなり苦しい。 >曜日の感覚  専業作家をやっていると、「曜日の感覚」って不要になってくるのね。  「今日は何曜日」ということを知るためには、まず日付を調べて、そしてカレンダーを見て確認しなければならない。  編集さんのほうも、たいてい、土曜日曜関係なく仕事しているから、土曜日に入稿してもすぐ返事が返ってきたりするし。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7122 投稿日 2003年9月29日(月)18時20分 投稿者 新木 伸  都合により、7116から後のレスを先に書くことにする。  ここ数日、書きこみは読んでいたけど、レジュメをメモしただけで終わっていた。新しい話題のほうを優先させることにする。 ●甘夏さん  アマチュア志望ということは了解しました。  「小説を書く」ということの基本技術に関しては、プロもアマもありませんので、問題ないかと思います。  分室で「プロ志望」とすると増えてくるオプション修行は、「性根の叩き直し」あたりでしょうか。最近の2号を見てるとわかると思いますが、サボり癖とか、辞書引かない癖とか、色々と叩かれてます。「物を書く」ということを毎日の習慣にしないと叱られる、というのも、プロ志望を宣言すると漏れなくついてくるオプションです。 >雑踏新木版、疑問点2カ所  「怒りにまかせた足」と「出勤」のふたつは、神ならぬ限定された知覚しか持たない視点キャラの知り得ない情報ではないか?――ということですね。  そこに違和感を感じられるようになったのは、大きな進歩だと思います。  昔ならまるで違和感を感じることなく読み流してしまっていたところでしょう。  でもそうした基準(視点キャラが知り得ない情報)で計るならば、「男がサラリーマンである」と断定しているところも追求しないとならないところでは?  また「女子高生」という断定のほうも怪しいですね。ひょっとしたら少女たちは女子中学生かもしれないですし。  それぞれ、断定せずに書くのなら、「スーツ姿の男性」と「セーラー服/ブレザーの少女たち」とでも書かなければならないところ。  これが完全客観の文章であったなら、どちらも、そういうふうに書かなければなりません。  男性がスーツを着ていることのみが、外側から観察可能な「事実」であって、男がサラリーマンであるということは、(かなり確度が高いとはいえ)あくまで「推測」でしかないわけです。  また少女たちが女子高生であるということも、単なる推測です。じつは二十歳過ぎの「なんちゃって女子高生」なのかもしれませんし、上記のように女子中学生なのかもしれません。  「怒りにまかせた足」「出勤途中」「サラリーマン」「女子高生」  これらすべては、同列に推測です。  どちらも「視点キャラが知り得ない情報」であるわけです。  「推測」として書くべきはずのところを「断定」してしまっていることに違いはありませんね。  ただし、「確度」の違いは存在しています。  背広を着ている男性はかなりの確度でサラリーマンでしょう。  しかし、早足で追い抜かしていったその足が、「怒りにまかせた」てのことだったのかどうか――。  女性が帰宅途中ではなく、出勤途中であったかどうか――。  こちらのほうは、男性がサラリーマンであることに比べると、だいぶ「確度」としては落ちてしまいます。  ――前振りが長くなりましたが。  今回のこれは、視点の話なわけですね。この話題を、そこに繋げてみます。  どこまでの確度があれば、人は見聞きした物事を「確定」して「断定」してしまうのかという話です。  この度合いには個人差があるわけですね。  本人の性別、職業、性格、履歴、立場、持っている知識体系、趣味、性癖、好き嫌いの好み――そういったものによって変化があります。  また同じ人間でも、その時々の精神状態によって変化します。  たとえば、暗闇の中に上下して動き回る光を見たとして――。  それが普通の夜中のことだったら、「ああ誰かの持っている懐中電灯の光なんだな」と人は認識するでしょう。  しかしその同じ人でも、「肝試し」の最中だったら「人魂だっ!」と認識しちゃうかもしれません。  どこまでは「断定」するのか。  どこまでは断定せず「仮定」としておくのか。  その度合いを変えることで、キャラの描きわけができるわけです。  それが「視点」というものであり、そのために視点は存在しています。  今回の例文のなかで、視点キャラである「男」は、女性を「出勤途上」と確定しました。しかし彼女の職業については「水商売なのだろう」と推測して仮定するに留めています。  彼は、そういう判断を下す人物なのです。  あの例文の中の視点キャラの「男」――彼の確定と仮定との区分けの基準は、甘夏さん自身の基準とは違うかもしれません。  甘夏さん個人の感覚としては、「サラリーマン」を確定してしまうことに違和感はないものの、その早足が「怒りにまかせた」と確定してしまうことは、視点キャラの思いこみであると思えたわけですよね。だから甘夏さんは違和感を感じたわけです。  また同様に、二十代半ばで、服装と体つきが女子高生たちよりずっと洗練されているが、化粧はだいぶ濃い女性を見て――「出勤途中」と確定してしまうことも、視点キャラの思いこみに思えたわけですよね。  甘夏さん自身の基準では、それだけでは「出勤途中」とは確定しないわけですね。「出勤途中なのだろう」と仮定しておくならともかくとして――。  それでいいんです。「視点」とはそういうものです。  違う物の見方をする人間を出す――というのが、視点の役割であり、意味ですので。 >神or作者視点、登場人物視点  余談。  神視点や作者視点って、全知、もしくはそれに限りなく近い立場からの視点なわけね。  したがって、事実しか書けない。  登場人物視点でならできる「勘違い」とか「思いこみ」とかは書けなくなる。  もしも、神or作者視点でもって、「サラリーマン」と書いたなら、それは絶対にサラリーマンでなくてはならないということ。「サラリーマンなのかもしれない」とかは、書けないわけだ。神様がサラリーマンかどうかを知らないはずがないもの。  「勘違い」や思いこみも書けない。  いちど「女子高生」と書いたなら、それは絶対に女子高生でなくてはならないのだよ。  あとで「じつは女子中学生だった」とか。じつは二十歳を超えていたとか。そういうのはNGね。  もし神視点とかで「勘違い」をやりたいのなら、「○○は彼女のことを女子高生だと思った。」と書かなければならない。  これなら「嘘」ではないわな。  「○○」という人物が思いこんだそのことは、事実だもの。 >一般常識が揺れるとき  余談その2。  およそ、日本人であれば確定してしまってかまわない「サラリーマン」と「女子高生」でも、視点キャラの立てかたによっては、揺れることがある。  たとえば日本人以外の視点キャラを立てたとき。  たとえばアメリカ人を視点キャラとした場合――おそらく、女子高生と女子中学生との区別はつかないだろう。どっちもジュニア・ハイスクール(中学生)のように見えるか、へたしたら、エレメンタリースクール(小学校)の高学年ぐらいに見られてしまうかもしれない。  成人女性でさえ、ティーンエイジャーに思われてしまうくらいだから。  また世界のどこかの僻地の出身で、「サラリーマン」なんてひとりもいないような場所から日本にやってきたばかりの人物を視点キャラとして立てることを考える。  その人物の視点から眺めたら、「背広を着ている男性=サラリーマン」とはならないはずだ。  また突飛だが、「未来人」を視点キャラとして出してみることを考える。  彼らの文明は不老不死をとっくに実現していて、すべての「人間」は12歳程度の姿で幼生固定されたまま、事故や自殺で命を失うまで数千年も数万年も生きるのだとする。  そうすると、「女子高生」も「サラリーマン」も、ひどい病気にかかった人間のように見えることだろうね。あり得ないほどに肉体が生育してしまった「巨人症」だ。 >甘夏さんや2号が視点を扱えないわけ  自分の「常識」から発想を離せないことに、原因はあるわけだ。  なにを書くにしても、なにを読むにしても「自分の価値観セット」でやってしまうわけだ。  田舎からはじめて都会に出てきて雑踏に驚く女子高生――というものを書くのなら、「田舎出身の女子高生の価値観セット」というものを用意しなければならない。 >視点練習  この際なので、「街の雑踏」でやりましょう。  複数人物を登場させるより、一人の視点でやったほうが楽ですので。  甘夏さんの攻略項目は――。    「視点」「主観語/客観語」「視点にまつわる感情移入」  ――あたりでしたっけ。  とりあえず「視点」と「感情移入」あたりから攻略してみるってことで……。  そのまま、「田舎から出てきた女子高生」でやってみましょうか。  自分と違う「感性や常識」を持った登場人物を出して、その彼女がなにに注意を向けるか、なにを考えるか。なには断定して、なには推測としておくのか。そのあたりに注意を払いつつ、やってみましょう。  あと2号に指摘した「○○の不足」とか。  「人のふり見て我がふり直せ」と言いますので、同じ部分で同じ指摘を返されないように。 ●羽矢野 >>最近、大勢の人に読ませる文章を書いてないせいか「人に伝える能力が落ちてきたんじゃない?」なんて言われてビビってます。(紫に)  お? なんだ紫のこと、呼び捨てか?  いつのまに紫は羽矢野の「格下」になったのだ?(笑)  ちなみにいま俺の中では、君たち二人は2号よりもさらに「格下」に位置しているので、そのつもりで。分室では「いつからここに居たか」なんてことはぜんぜん関係なくて、その時点における完全実力主義なもんで。  ちなみに「小説力」は湯のようなものなので、研鑽を怠ると、すぐに冷めて水に還ってしまう。さぼった1日分を取り戻すためには数日かかる。  掌編書いても短編書いても、いまの君らふたりって、2号よりも「つまらない」ものしか書けないぞ。たぶんね。  反論あるなら試してみるのこと。そしたらわかるから。  掌編1個なら1時間あれば書けるだろ。2号もその時間で書いてるし。  ちなみに、現在の俺的番付。実力順。     巻島 > 弟切、魚住 > 2号 > 羽矢野、紫 >女子校生  他の指摘はともかくとして、ここだけ、意味がわからん。   女子高生……女子の高校生   女子校生……女子校に通っている女子生徒(中学生or高校生)  日本語ではそういう意味になっているし、そう使い分けされているのだが。 ●2号 >No.46  まあ、読めるのだが……。 >>足音は遠ざかり、扉が開く音がして……派手な音とともに、閉まった。  「男と女の別れの話なのだな」と思い、それなりに愉しみつつ、読んでいたのだが。  ここのところで、ずっこけた。  ここで2号は、扉が閉まるときの「強く大きな音」というものを、なにか気の利いた言葉で表現しようとしていたわけね。  この扉を閉める場面が、この話の「キモ」にあたる部分にあたるということは……2号は最近の修練によって本能的に直感できるようになってきているはずだ。  だから余計に気合いを入れて「表現」しようとしたのだろう。  それは、わかる。  そして2号のボキャブラリーが小学生並みに貧困だということも、僕は知っている。  しかし「派手」はなかろう。「派手」は。  せっかく愉しく読んでいたのに台無しにしてくれたなぁ。もう。  ぷんすかー。  罰として「派手」を辞書で引いてきたものを、ここで公開するのこと。  さらし者の刑じゃ。 >気の利いた表現を使うとして破綻する自爆癖  これはまあ、小説を書きはじめた人間が大抵通る病気であって、「はしか」みたいなものなんだが……。  治る人もいるし、治らないままの人もいるし。治らなかったらプロにはなれないってだけのことだし。  まあ早いうちに治せ。(しかしもうちょっとボキャブラリーは増やしたほうがいいぞ)  ちなみに小学生でも知っている程度の「平易」な言葉ばかりを使いつつ、気の利いたことを書いている良い実例として、僕の知っているなかで「乙一」という作家がいる。  買わないまでも、本屋でパラパラめくってみれば、どんなもんだかわかるはず。 >描写課題、No.3 >> ヒーターの低い駆動音が、部屋のなかに響いている。 >> 窓から、落ちついた太陽の光が射しこんでいた。それとは別に、蛍光灯の灯りもついている。 >> 壁も、天井も、白い部屋だった。壁には『牛乳を飲みましょう』と書かれたポスターが貼られている。 >> 部屋の隅には、身長計と体重計が並んでおかれ、そのとなりには薬品の並んだ棚がある。スチール製の机には、だれも座ってはいない。 >> 部屋の四分の一は、カーテンにおおわれたベッドが占めていた。半分カーテンが開いていて、なかが覗ける。 >> 真っ白いシーツが、人のかたちにふくらんでいた。 >> ふくらみが、もぞりと動く。  まず、3行以内に5W1Hが確定できるようにするのこと。  また4〜5行目までには、なにか動きを起こすのこと。  じゃないと退屈で10行も読んでいられない。  そもそも情景描写で読ませられるようなウデかっつーの。  人物を出さず、動きも起こさず、10行ものあいだ室内の描写だけで読ませるなんてことは、プロだって、よほど腕に覚えのある人間しかやらないことだぞ?  自分の「描写力」によほど自信のある人しかやらない。できない。  俺は2号から見れば神様のように描写が上手く見えるのだろうが――。  その俺だって、じつはプロの中では描写力は真ん中より下か、せいぜい真ん中あたりにいる程度であって――つまり「腕に覚え」があるわけではない。  つまり、俺だって、やらない。  それはそうと。  こと「保健室の情景」について、2号ほど詳しい人間は、そうそういないだろうな。  体が弱かったということだから、しょっちゅう、保健室のお世話になっていたのだろう?  その他の人にない体験は、自分の武器にできるものだと考えること。  しかしこんな程度じゃ、まだまだだな。  ぜんぜん武器になってない。  保健室のお世話になったことが2〜3回くらいしかない俺が書いたほうが、もっとマシに、それっぽく見えそうだぞ。  また保健室の室内描写はまとめて書かず、分散してやるべきだろう。  5行目ぐらいで動きを起こせば、目が離れるしまうことがなくなる。はじめの3〜4行描写して、真ん中あたりでまた3〜4行描写して――と、何ヶ所かに分散して行うこと。 >No.47  台詞多すぎ。  配分に気をつけよ。  ただ「台詞が多い」だけで、「まずそう」と断定されて、読んでもらえないこともあるのだと心得よ。  また意味のない台詞が多い。読んでもやっぱり内容が薄く見えた。(なんだ。じゃあ第一印象の「マズそう」って、間違ってなかったじゃん) >片目の男の場所  片目の男の居場所を、台詞の後に出していたらなんの意味もないよ。  そこまでに「家の外」という情景しか書いていないのだから、急に出てきた台詞は、もちろんその「家の外」で発せられた声だと思われてしまう。  読者というのは、その行の「以前」に書かれたことしか、頭に入っていないんだってば。  台詞を言った片目の男が家の中にいることを知っているのは、作者であるお前だけなんだってば。  読者にそれを知らせるには、台詞を出す前に、「剣を持った男が家の中にいる」と書いておかねばならないんだってば。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕日が、森を穏やかに染めている。  森の奥深くに、一軒家がぽつんと存在していた。その白いはずの壁も、赤く染めあげられている。  家の中から、怒号とともに、なにかが壊れる音が響いてきた。  ――家の中では、片目の男が、剣を突き出して家人に迫っているところだった。 「見つけたぜ、魔法使い野郎」  切っ先を向けられた眼鏡の男は、赤ん坊を抱きかかえた女と、向かいあってテーブルに座っている。  テーブルの上には二人の夕食が載っている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  直すとしたら、こんなところかなぁ。  これ以上短くならんだろう。「家の中」が2回続いちゃっているのが気になるが、仕方ないかねぇ。わからないよりはマシだろう。  ちなみに今回は間違っていないけど、「夕日」っていうのは「夕方の日光」のことであり、「夕陽」というのは、「夕方の太陽」のことだからね。 (つまり「夕日」と書くか、「夕陽」と書くかで、視点がどっちの方角を向いているのかが確定する。「夕日」と書いたら、太陽に背を向けているわけだし。「夕陽」と書いたら、太陽のほうを向いているわけだし) >宿題  そうそう。ひとつチェック方法があったんだっけ。  「固い」「悲しい」とかの形容詞は、たいてい、その反対の状態を示す対義語が存在するから、それと合わせて考えてみるといい。  「変わる」とかは動詞だから、それには使えないんだけどね。 >換わる、代わる、替わる  「代金の換わりに品物を渡す」は、「代わる」じゃないかなぁ。  俺も自信ないから、「かわる」とひらがなに開いちゃうけど。  「換わる」の使用例は、下のようなところだろう。  「1万円札が千円札十枚に換わる」  「ポジションを換える」 >聞く、訊く、聴く  聞くと聴くは、使い分けで聞きかたの違いを表せる。  「音楽を聞く」……なんとなく聞いている状態。イージーリスニング系はこっちだろう。  「音楽を聴く」……集中して聴いている状態。  「話を聞く」……馬耳東風状態。2号が俺の話を聞くときはだいたいこっち。  「話を聴く」……集中して聴いている状態。  「物音が聞こえた」……聞こえた音に注意を引かれた状態。  「物音を聴く」……物音に聞き取ろうとして注意を向けている状態。  ただし、「いろいろな人に聞いてみた話を総合すると〜」とか、「Aさんに話を聞いたところでは」のように、意識的に聞いたものとか、質問したものとかであっても、一般的な用法では「聞く」となってしまうので注意のこと。  過去の出来事では「聞く」になってしまう模様。  「聴く」は現在進行形の出来事にしか使えない模様。 >捜す、探す  ぜんぜん違う。やり直しのこと。 >闘い、戦い  ぱかたれ。  戦いの規模のことではない。  質の違いのほうだ。  つまり FIGHT と WAR との違いだ。  「戦い」のほうは、「戦(いくさ)」から転じて、「勝負」の意味でも使われるようになっている。  どっちかっていうと、一般的なのは「戦い」のほうだが。  特殊ケースで使い道を誤るべからず。  作家くらいは使い分けをしなきゃ。50年もしたら「闘い」という言葉がなくなってしまうかもしれん。  戦隊ものの《ヒーロー》がやっているのは「戦い」であるが、仮面ライダーがやっているのは「闘い」である。  またウルトラマンが怪獣や悪の宇宙人の手から地球を守っているのは「戦い」のほうだ。  ボクサーは「闘う」もの。  ラグビーとアメフトは「闘い」だが、サッカーは「戦い」だろうな。  F1のレースはレーサー個人に観点を絞れば「闘い」かもしれんが、チーム全体でなら「戦い」だろう。 >早い、速い  「早い」はタイミングの早い遅いのことであり。  「速い」は速度やら変化の度合いのことをいっている。  またあまり使わないけど、「疾い」「捷い」というのもある。 -------------------------------------------------------------------------------- 秋刀魚[さんま]の味 No.7123 投稿日 2003年9月30日(火)01時29分 投稿者 弟切 千隼  秋刀魚が獲れる季節になりましたね。弟切は秋刀魚が大好きなので、今年は秋刀魚が豊漁で安いのがとても嬉しいです\(^o^)/  今夜の夕食時、焼きたての秋刀魚に大根おろしに炊きたての御飯を食卓に載せて、「にっぽんじんに生まれて良かったあぁぁ」と弟切は一人で吠えていました。毎年こんなことをやっています(笑) >「科学者と孫娘」  土日につかまえた友人−仮にXさんとします−に読んでもらって、感想をもらいました。が、Xさんは、標準的な読者像からかなり離れている人のため、ちょっと偏った感想をもらってしまいました(^^;  Xさんは学歴が高い−大学院を修了しています−うえに読書家で、SFも読み慣れており、博識です。『アーイシャ』という名前を見てすぐに「西アジア(アラブ地域)が舞台の話だな」と気づいてしまう程度の知識を持っています。西アジアが舞台ならおそらくこの二人の登場人物はイスラム教徒で、イスラム教徒なら飲酒は禁じられているからお茶を飲むことが好きで、甘いお菓子を好むだろう、ということまで瞬時に頭が回ってしまいます。  加えて、Xさんは塾で大勢の子供−小学生から高校生まで−を教えていたことがあり、現実の子供をよく知っています。  プロのもの書きを目指すからには、このような予備知識ばりばりの人が読んでも、さほど不自然ではない(まあ許してもらえる(^^;)作品を書けるようになるべきですね。そうでない読者さまにわかるように書くのは、当然です。  ただ、労力対効果の問題がありますから、労力がかかりすぎるようであれば、どこかで見切る必要はありますね。万全な効果を出すだけの労力がかけられない場合には、予備知識ばりばりの人たちを対象としない作品にすべきでしょう。  今回は、期せずして、「予備知識ばりばりの人にも、不自然さを感じさせずに読んでもらうにはどうしたらよいか」の勉強になりました。  以下に、Xさんから受けた指摘をまとめます。基本的に、Xさんの言ったことをそのまま書いてゆきます。 1.「西アジアが舞台なのに、どうして草原なの? 砂漠じゃないの? 宇宙ステーションがあるくらい未来の話だから、砂漠緑化されてるのかな?」  これについては、分室のNo.7056で弟切が書いているとおり、Xさんに説明しました。  アーイシャの一族はお金持ちなので、数少ない緑がある土地に別荘を持っており、二人はその別荘に滞在中です。  この課題は時間が限られていて、そこまで書けなかったことも説明しました(^^; 2.「このおじいさんってイスラム教徒だよね? 頭にターバン巻いてる印象があるけど、それでいい? 服装のことが何も書いてないね」  服装のことを書かなかったのは手抜きですね(;_;) 上と同じく、時間が限られた課題だったために、そこまで書けなかったのが本音です。  一応、「服装を書かなくても成り立つ話だから、書かなくても大丈夫」と判断してはいました。  弟切の中では、このおじいさん−サイード−は、ターバンではなく、スカーフのような布を頭にかぶっています。これもイスラム教徒の男性が普通にする格好です。  普通の人が知っていそうな例を挙げるなら、PLOのアラファト議長みたいな格好、と言えばわかっていただけるでしょうか? (Xさんがすぐわかってくれたのは、言うまでもありません) 3.「米国や旧ソ連の場合、宇宙飛行士の家族って、飛行士が訓練している訓練所の近くに住まいを与えられて、まとめて住んでいるものだけど……。そのほうが機密保持もしやすいし。なぜここには他の宇宙飛行士の家族がいないの?」  これはXさんの言うとおりでして、これを言われると弱いです(^^;  「ここは米国でも旧ソ連でもないので、違うやり方をしてます」と説明しておきました。 4.これは、弟切のほうから質問してみました。   「(最初の版を見せながら)このアーイシャの台詞が『お利口すぎて子供に見えない』と大不評だったんだよね。で、だいぶ直したんだけど、どう?」  Xさん曰く、「実際に子供を大勢見ていると、ものすごく個体差が激しいよ。服を着たサルとしか思えないやつもいるし、大人顔負けの理屈をしゃべるやつもいる。この最初のアーイシャみたいな子がいても、全然おかしいとは思わないねえ。普通の大人が考える子供ってステレオタイプすぎて、逆に変だと思う」  弟切が追加して問うに、「子供が使うにしては、『宇宙』って言葉が難しすぎると言われたんだけど」  再びXさん曰く、「そんなこと、ないない! 今どきの子供は、小学生でも『宇宙』なんて普通に使うよ。漫画とかアニメのせいかねえ」 だそうです。  Xさんは、直したアーイシャが変だとは感じなかったとのことです。より多くの人に受け入れられやすい形になりましたから、直したほうがやはり正解ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 時間がないので返事だけ No.7124 投稿日 2003年9月30日(火)01時52分 投稿者 羽矢野 >>お? なんだ紫のこと、呼び捨てか?  ミスしてた。  もちろん、格下などと思っているわけではなくて。  最近、ずっとMSNでの会話が中心だったので、その時のクセ(リアルタイムだと感情がでやすいので、白熱するといろんな呼び方になる)のままで書いてしまって、見直した時にも素通りしてしまったですね。  やっぱり意識が低下してる。 >>ちなみにいま俺の中では、君たち二人は2号よりもさらに「格下」に位置しているので、そのつもりで。  それは言われなくてもわかってます。  分室の流儀は知ってますので。 ●女子高生と女子校生  女子校生とは女子高生と書くと規制に引っかかるので、AV業界がつくった造語である。と書いてあるのを以前どこかで見た憶えがあったのですが。  さすがに辞書引いても載っていなかったので。  私の方の勘違いなら申し訳ありません。  ちゃんと調べておきます。  確かに漢字変換すると、女子校生もでてきたから あれ? とは思ったのです。  そこから思考を進めなかったのは私の怠慢です。  もしも女子高生と女子校生の違いをちゃんと認識し、それで女子校生を選択していたのであれば、自分の無知で名無し君2号さんの課題に言いがかりをつけたことになります。  申し訳ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- 首が痛い No.7125 投稿日 2003年9月30日(火)06時59分 投稿者 名無し君2号  ずっとパソコンの前に座って、キーボードを叩いていたものだから、なんか腰は痛いわ首は痛いわ、なんだかなあ、もう。 >描写課題 >街の雑踏  アドバイスを元に、考える。  言われたことを総合すると……。 ・田舎から出てきた少女の心理をわかっていない。 ・言葉の使いかたが、いかにもまずい。 ・五感を感じ取れない。  逆にいうならば、それができれば描写になっている、というわけだ。  ……。  とりあえず、場面の要素を『五感』に分類する。  抜きだした要素を、視点保持者のフィルターを通して見る。  で、視点保持者が見るだろう順番で、書く。  言葉の使いかたがまずいのは……どうしよう。一番てっとりばやいのは、やっぱり本を読むことだろうか。それも音読で。  あとはともかく書くことかも知れない。  でもボキャブラリー……語彙を増やす方法……。辞書でも読むかい。なんにせよ、一朝一夕にはいかないことだよなあ。 >羽矢野さん >>もしも女子高生と女子校生の違いをちゃんと認識し、それで女子校生を選択していたのであれば、自分の無知で名無し君2号さんの課題に言いがかりをつけたことになります。  一応、念のために言っておきますけども、いいがかりではありません。  なんの考えもなしに『女子校生』と使ってました。 >同訓異議  やりなおし。 ・捜す、探す ■捜す (1)正体の確定しているものを、見つけるためにさがす場合。 (2)見えなくなってしまったものを、さがして見えるようにする場合。 (3)人や動物をさがす場合。 使用例:  友達の家を捜す。  現場にいって、証拠を捜してくる。  犯人を捜す。 ■探す (1)未知の存在を、知るためにさがす場合。 (2)目に見えないものを、手や足でさがす場合。 (3)物質としては存在しないもの、目には見えないものをさがす場合。意志、概念等。 使用例:  幸せがどこからやってくるのか探す。  ポケットのなかの小銭を探す。  あなたに伝えるための、言葉を探す。 >1000字課題 >No.46 >>>>足音は遠ざかり、扉が開く音がして……派手な音とともに、閉まった。 >>「男と女の別れの話なのだな」と思い、それなりに愉しみつつ、読んでいたのだが。 >>ここのところで、ずっこけた。 >>せっかく愉しく読んでいたのに台無しにしてくれたなぁ。もう。 >>ぷんすかー。 >>罰として「派手」を辞書で引いてきたものを、ここで公開するのこと。 >>さらし者の刑じゃ。  了解。 ■はで 2 【派手】 (名・形動)[文]ナリ 〔「破手」の転という〕 (1)いろどり・服装・行動などが華やかで人目をひく・こと(さま)。 ⇔地味 「―な服装」「―に動きまわる」「―を好む」 (2)程度がはなはだしいこと。大仰なこと。また、そのさま。 「―に泣いている」 [派生] ――さ(名)  ……派手。  ここは別れが成立してしまう場面なわけだ。  そこで「大仰な音とともに、閉まった」や「華やかなな音とともに、閉まった」では、ちょっと。  緊張感に包まれた場面が台無し。  じゃあ、なんだったらよかったのだろうか。言葉の分解能が低いんだな。 「足音は遠ざかり、扉が開く音がして……大きな音だけを残して、たしかに閉まった。」  さっきよりはまし……だと思いたい。  今日は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=622&e=res&lp=550&st=0  あと、『吸血母さん』のやり直しです。長くなりすぎた気も……。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=623&e=res&lp=608&st=0  ところで魚住さん。リライトしたのなら教えてくださればよかったのに。いま気づきました。 >描写課題、No.3  これは書き直します。街の雑踏もやり直さなければならないですし。 >>こと「保健室の情景」について、2号ほど詳しい人間は、そうそういないだろうな。 >>体が弱かったということだから、しょっちゅう、保健室のお世話になっていたのだろう?  すみません。  実はちっともくわしくありません。学生時代は、一回もお世話になったことがないありさまです。  友達のつきそいで、一、二回いったことがあるくらいで……。  体がクラッシュしたのは、実は最近のことなんですね。  いろいろと取りこぼしている感じもありますが、とりあえずおさらば。  今回は2時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7126 投稿日 2003年9月30日(火)23時15分 投稿者 新木 伸 ●2号 >街の雑踏 >>・田舎から出てきた少女の心理をわかっていない。 >>・言葉の使いかたが、いかにもまずい。 >>・五感を感じ取れない。  その理解でだいたい合っているけど。  ちと、違う。 ・田舎から出てきた人間の心理を考えようとしていない。 ・気の利いた言葉を使おうとして変なことをやっている。 ・五感を感じ取れない。 ・雑踏がどういうものか、考えようとしていない。  以下、ひとつひとつ解説してみる。 ・田舎から出てきた人間の心理を考えようとしていない。  わかっていない、じゃなくって、そもそも考えようとしていないわけ。やろうとすれば、もうちょいマシなものが出てくるはずだ。  女の子――なんてことは考えなくていい。どうせお前に女の子の心理なんぞわかりっこないんだから。  田舎から出てきた「人間」ってことで考えろ。人間になってさえいれば、そう不自然でもなくなるから。  はじめて「人混み」とやらに出くわして、驚いている人間の心理がどういうものになるのか、考えてみるということ。 ・気の利いた言葉を使おうとして変なことをやっている。  お前の書こうとしている「描写」とやらと、実際に市販されている商業小説を見比べてみろ。市販小説のほうで、そんなに特別な表現なんて使われているか?  使われているのは、ごく普通の言葉のはずだぞ。  小学生が無理なく理解できる語彙だけでも、小説は書けるのだ。  スーパーで普通に売っている食材だけで、たいていの料理が作れてしまうのと同じことだ。  お前は「気の利いた表現」というものを、完全に誤解しているわけ。  普段使わないような珍しい言葉を使ったものが良い表現になるのだと思いこんでいる。  ありきたりの言葉を使っていいんだってば。  音の大きさを示す形容詞とか連体詞を、ここに持ってくればいいわけだろ。     強い、大きい、強烈な、激しい、荒い、鋭い、きつい、  ――ざっとこのくらい。  2号だって全部知ってる言葉のはずだし。小学生だって知ってる言葉のはずだし。  出てこないのは、出そうとしていないから。  執念が足りていないだけ。  このくらい出したあとで、「強い音」にするかなぁ。俺なら。 1.足音は遠ざかり扉が開く音がして……強い音とともに、閉まった。  そもそも形容詞を付けない路線も考えてみる。 2.足音は遠ざかっていった。扉が開く音がして、閉まる音がした。  このときの男の心境を考えると、ドアを思い切り閉めてゆくことが納得できない。――ので、これは静かに閉める路線での表現ね。  また静かに閉めてゆくことをより強調する路線も考えてみる。  これよりもっと静かに閉めるとなると、もう音さえも聞こえてこないはずだから……。 3.足音は遠ざかっていった。扉が開く音がして、静かに閉まった。  わざと「音」を書かずに、「静かに閉まった」とするだけで、「ぱた……」というわずかな音を読者の脳内だけに響かせてみるわけね。  ――で、このくらいは執着して、バリエーションを考え抜いて、描写っていうのは決めるわけ。  僕なら最終的に「3」にする。  おまえは気の利いた表現というものを誤解しているわけ。  珍しい食材を使って料理を作れば、素晴らしい料理になると、甚だしい勘違いをしている。  いい料理(表現)を作るということは、手をかけるということだ。  使う言葉はごく普通のありきたりのものだが、いろいろなパターンを考えて、執念を発揮してより良いものを選択してゆくことだ。 ・五感を感じ取れない。 ・雑踏がどういうものか、考えようとしていない。  これはおまえが頭の中に「雑踏」を作り出していないことに起因する。  雑踏を知らないのか、雑踏を観察したことがないのか、雑踏を思い起こそうとしていないのか、まあどれかだろう。  雑踏ってそうじゃないだろって、一読者からそんな指摘をされてしまっているわな。  それはつまり、ただぼんやりと読んでいるだけの読者よりも、「雑踏」について考えていないということだ。  読者の脳裏に浮かんでいる「雑踏」のほうが、お前が思い浮かべた「雑踏」よりも、リアルだったということだ。  まあ「書いて伝える」という段階で情報というのは劣化するものだから、実際には、読者とお前と、思い浮かべた「雑踏」のリアルさは、どっこいどっこいなのだろう。  誰だって、普通に読んでいるだけのときでも、「雑踏」と言われれば、脳裏にぱっと思い描く光景があるわけね。  お前はそういう「普通の想像」しかしていないの。  読み手が普通に発揮する程度。  集中――とも呼べない程度の軽い集中しかしていない。  「読み手」であれば、それでいいさ。  しかし「書き手」に回るときには、読み手が「雑踏」と言われて思い浮かべるようなものを頭に描いていちゃだめなわけ。その数倍――克明に、リアルに、現実感を持って、思い浮かべなくちゃならないわけ。  頭に浮かべたイメージを書いて伝えると、どうしても劣化してしまうから。その分を埋められるぐらい、リアルなイメージを浮かべておかないとならない。  お前はそれが習慣になっていないのだ。  書いているときにも、読み手の集中力程度で、漫然とやってしまっているのだ。  もっと死ぬ気で雑踏を想像しろっての。 >探す、捜す  まあ、充分に調べたあとで、自分の信念に基づいて使い分ければいいわけだが。  僕はこのように使い分けている。  捜す……絶対にあるはずの人や物を、体の移動を伴って捜す行為。見つかるまでやるという決意と執念があるときに使う。  探す……ないかもしれないものを探すとき。あるはずのものでも、体を動かさずに手や目だけで探すとき。ある程度探して見つからなかったら諦める。  よってログの中から、ある書きこみを探すときには、「探す」となる。 >No.48  次から、題名も書きこみタイトルのところに書いておくこと。  「あの話、どこだっけか?」と、あとから探すときに番号だけだと手がかりにならない。  ところでこの話、登場人物が3人ほど出てきているのだが。  そのうちの「少年」が、読者の脳裏に登場していない。  はじめて台詞を言うのは中盤以降になるが、そのときに、「誰だこいつ? こんなやついたか?」となってしまう。頭に戻ってもういちど読み返し、たしかに登場していたことを確認するはめになる。  どうしてそうなってしまうのか。  その原因を考察し、述べよ。  またどうすれば直るのか、対策を考察し、述べよ。  さらに実際に修正してみよ。  ところで書きたいものって、「マンガそのものの博士」と「女の子の、博士にたいする感情」なわけだけど。  ここに「少年」って出てこないじゃん。  なんのためにいるの? この少年?  少年がいなかったら、なんか困ることあるの? 彼がいる必然性は、なに?  それも述べよ。 >題名:ここまでおいで、やりなおしの1 >>満月が、寄る辺なく空にたたずんでいた。  だーら、こういう「気の利いたつもりの表現」はやめろっつーの。  説明しろよ。  「寄る辺なく空にたたずむ」って、つまり、どういうことなのか?  ああいいや。俺が説明してやる。  つまり満月が空高く上っていたと。まわりに雲はなくて孤立していたと。そういうことなんだろ? >>凍てつくような空気のせいか、やたら明るく、透きとおり、冴えている。  つまり満月が、とっても明るく輝いていると、そういうことなんだろ?  そんな普通でありきたりのこと、なんでわざわざ小難しい言葉で説明するかなー。  あと空気は凍てついているのか。いないのか。  満月が明るいのは、空気が凍てついているせいなのか。そうでなくて他に原因があるせいなのか。  はっきりしろよ!  一行の中に気弱語が二つも入っていたら、そこでもう、こっちは読む気も失せるんだよ。  てめーがわからねーもんを、俺たち読者が分かるはずもねーだろ。 −−−−−−−−−−−−−−−  満月が中天にかかっていた。  空気は冷たく澄み、そのせいで月はより明るく輝いている。 −−−−−−−−−−−−−−−  これでいいじゃん。  1行目、「中天」って言葉が難しいようなら、「満月が天高く上っていた」でもいいわな。  これで「深夜零時」と「冬の夜」と、「いつ」が確定する。 >>街のはずれにある、古びた教会。月の光は、壁のヒビを覆い隠し、一種荘厳な雰囲気を与えてくれていた――偽りの清らかさを。  ああ、もういいや。  気弱語2連発のあとは、こんどは「酔った系美文」かよ。  もう読むのやーめた。  こんなふうに、自分に酔ったような文章が、この先もつらつらと、ずっと続いてゆくわけね。  ノーサンキュー。  てか、ここにも「気弱語」があるし。「一種荘厳」っていうのは、どういうこと? 荘厳なの? 荘厳っぽいってことなの? それとも荘厳ではないの? どうなのよ?  もうこのはっきりしない物言い。イライラするなー。  月の光がヒビを覆い隠すというが、どうしてだろう。理屈と仕組みがわからん。暗闇が覆い隠すならわからなくもないが。光があたったら、ヒビは目立つだけだろうに。  またヒビが目立つと、どうして荘厳(重々しく重厚)になるのが、さっぱりわからん。  「偽りの清らかさ」ってのも、なに言ってるのかぜんぜんわからん。  教会は古びていたって清らかなものだろう。それが「偽り」とか言われたって、ぜんぜんわからん。  宗教っていうのはそもそも偽善にまみれているもの――とかいう、作者自身の宗教観があるのかな? しかし作者がそんな主張を持っていることなんて、俺たち、まだ聞かされてないしー。  頭から書き直してこい。すべて平易な言葉で。  冒頭2行の書き直しで、手本は示したろ。  全部の行を検分しつつ、不要に「難しい言い回し」を使っていないか、回りくどい言い回しに酔っちゃっていないか、チェックしてこい。  じゃないと読んでやんねー。  あと、前までは、まず牧師がいて、待っていて、そこに母親が現れる構図だったろ。  それが今回は、祈っている母親のところに、男が現れる構図に変わっている。  この変更によって、ストーリーとか世界観とか、ぶち壊しにしちゃっているの、わかる?  「捨てた子のもとを訪れて、誘いかけるが、ふたたび置き去りにしてゆく母親」というストーリーだった話を、「母親を追いかけているハンターの話」になっちゃっているわけね。  そしていまのこの形だと、母親が血を吸おうとしてやっぱりやめる、という展開が意味を失ってしまっているのだな。前の展開が残骸と化して残ってしまっているだけ。愚かしくナンセンスにも滑稽にも。  男が「待っていた」とか言っているけど、その台詞も滑ってしまっている。今回のバージョンでは、待ってたの、母親のほうじゃんか。 ●魚住  いきなりリライトだけアップするなんて、藤極堂さんみたいな壊れたことやってんじゃないよ。なんのつもりでアップしたものなのか、理由を書け。  書かなきゃ、他の人にはわからないわけ。あのリライトをアップした真意ってのは、いま、お前だけしか知らないのね。俺たちテレパシーなんて持ってないんだから、わかんないわけ。了解?  全体的に、まあ、読めるのだが――。  ただいくつかマズい部分があって、そのせいで、つまらなくなっている。  マズい部分は、以下の3点。 ・視点の混乱。作者視点であると思われるが、そのルールから外れてしまっている部分がある。 ・焦点の不在。このシーンには何ヶ所か動作や展開上のポイントがあるのだが、そこがはっきりしない。「溜め」が作られていないために、目が他と同じ速度で読んでいってしまう。目立つところがないために、目が止まらない。一定の速度で「流れて」いってしまう。 ・余分な文章。不要な灰色の文章が混ざっているせいで、肝心な部分の印象が薄まっている。 >>夜半から降りだした雨がステンドグラスを叩く。  ここで、作者もしくは神視点なのだわかる。  なぜわかるかというと、夜半から雨が降りだしたことを知っているのは、その二者だけだから。そのことは登場人物も知り得ることではあるが、いつ雨が降り出したかを知るためには、ずっと外を見つめていなければならない。もしくは野宿でもしている人間か。それはちょっと変だ。  ――で、作者視点なのだと仮定する。  そうするとこの視点は「屋外」にあることがわかる。  もしステンドグラスの内側に視点が位置していたのなら、「ステンドグラスを叩く雨音は夜半から続いていた」となるはずだから、それはないとわかる。 >>教会内部では壁に備え付けられた蝋燭の炎が暗闇を僅かばかり押しのけている。光が届かない椅子の下、祭壇の裏、大理石の床の窪み、湿り気を帯びた空気が隙間を埋めている。  ここで教会内部に視点が移動したのだろう。  ここで書かれている見、多少酔いぎみの文章ではあるが、このくらいなら良しとする。はじめに「ステンドグラス」「雨」「夜」「教会」と来ているから、多少の仰々しさは読者も期待するところだろうし。 >>その中で、青年は床に直に腰を落ちつけていた。彼は立てた膝に顔を乗せている。  「その中」って、なんだ? どこの中?  この指示語は意味がない。なにを指示しているのか読み取れないので。  だいたい、いきなり「青年」とか書かれたって、読者は混乱する。  これまでの文章からすると、この場面は深夜の教会なわけだよ。  なら読者は普通、そこに人はいないものと予想する。  その予想を覆すためには、それなりのクッションとなる文章がいる。そこにまず人がいたことを告げ、その人物が青年であることを順序立てて告げてゆかないと。 >>彼が手に持った聖書のページをめくる、ぱらぱらという音が響く。内容に目を通しているわけではなかったが、こうしている間は手の震えが止まる。  作者視点のはずが、壊れている。  「こうしている間」のところが壊れている。「こうしている」というのは、これは青年の主観からしか出ない表現。外側から眺めている作者視点では、「そうしている間」となるはずだ。  また「手の震えが止まる」と言い切りなのも青年の主観語。  客観から見るのなら、「そうしている間だけは手の震えが止まっている」としか言えないはずだ。 >>最後の一枚を繰り終える。ぱたんと聖書を閉じる。立ち上がって古びた革表紙を祭壇の上に置いた。  最後の一枚って、なんの一枚よ?  段落を変えているのだから、読者は当然、ここでは違うことが書かれるはずと予想する。  なのに前の「聖書をめくっていた」の続きが書かれているわけね。これは日本語の文法としてはイレギュラーなわけだよ。そして「その聖書の」という言葉まで省略してしまっている。  すぐ直前でやっているからここは省略してもわかるだろう、と思っているのだろうが。  段落を変えているのに同じ内容のことを続けているわけだし、「彼は」とか「青年は」とかいう主語も省いているわけだし、さらに「その聖書の」という言葉まで省いたら、文法的にはイレギュラー3連発になってしまう。いくらなんでも日本語を壊しすぎ。わけがわからなくなる。 >>聖書の上に添えられた己の右手には甲から五指、その全てに包帯が巻かれている。 >>青年は瞼を下ろした。水滴が窓を叩く微かな音に耳を澄ませる。  前の行では「己」とあるのに、後ろの行では「青年」となっている。  一瞬だけ青年視点になったのかと、混乱する。  統一せい。己はかなり主観語色の強い言葉だ。客観表現で使われないこともないが、たいてい、主観語として使われる。自分が自分を呼ぶときの言葉ってことね。  そのほか、指摘するより直していったほうがはやいので、リライトして上げておく。  変更された部分には理由があるので考えてみること。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=624&e=res&lp=624&st=0  少女が現れてからあとの描写は、元の表現路線を生かしつつも、だいぶ変えた。  薄暗いなかで、黒いドレスに付着した泥の汚れが見えるかっつーの。  空間構築できてないので、元の表現は変えざるを得なかった。  このシーンでは、4回、「溜め」を作っている。  1回目は、教会の描写が終わって、青年が出てくるところ。  2回目は、青年がまぶたを閉じて待つところ。  3回目は、青年が振り返るところ。  4回目は、青年が「待っていた」と声をかけるまで。  またこのシーンでは、はじめ厳密に、「作者からの客観視点」を適用しているが、途中から青年の中に入りこんでいる。視点推移させている。  具体的には、「水滴が窓を叩く音に耳を澄ましてゆく」の行からだ。  「作者からの外側客観視点」から、「作者からの青年心理に入った内的視点」に移行したわけね。  視点というのは、なにも一作品、まるごと厳密に同じ視点を適用させる必要はない。  ただしある程度のスパン(範囲)のなかでは、統一させること。切り替え点を自分の中で明確に意識して持っておくこと。  切り替えは緩やかに行うこと。  今回の切り替えは「作者、外側、客観」から、「作者、青年心理」なわけだ。  作者視点であることは変わらないし、緩やかな切り替えといえる。  もっと大きな切り替えというと、たとえば、「青年心理→母親心理」というものがある。こういう大きめの切り替えを行う場合には、いったん「作者、外側、客観」に戻ってから母親のほうに入るなど、クッションを挟んで行う必要がある。  もっと大きな視点推移をするときには、完全に切り替えてしまう必要がある。  一行空きを使ったり、「*」とかをはさんで明確に切り替えを行う。商業作品などで、同じひとつの連続した場面なのに、一行空きなどを使って視点人物を完全に切り替えることがあるが、あれはそういう大きな視点推移をやるため。 (この視点推移の話。難しくて理解不能なら、聞き流しておけ。プロであっても視点がわかっていない人だと理解できないぐらいの難易度だから。この話は) -------------------------------------------------------------------------------- とりいそぎ No.7127 投稿日 2003年10月1日(水)04時40分 投稿者 名無し君2号  一日中寝てました。が、まだ眠い。首も痛い。腰も痛い。モニターは液晶だから(ふた昔まえのノートパソコンなので)、目はまだ大丈夫だけども。 >1000字課題  今日は一編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=625&e=res&lp=550&st=0  レスは一眠りしてからにします。すみません。  視線がよくわからなくなった。そこそこ理解できていた、というのは、どうやら勘違いだった模様。  でも、実力の最大出力を出すことができれば、もしかしたら人に読んでもらえる小説を書けるのかもしれない。最大出力……かぁ。 ・文を書くうえでのさぼり癖をやめる。 ・アイデアを出す上でのさぼり癖をやめる。 ・読者の視線を持つ。  読者の視線はともかくとして、さぼり癖はどうにかなるはずだけどな。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7128 投稿日 2003年10月1日(水)13時41分 投稿者 新木 伸 ●2号 >疲れ  こういうのも作家になるためのノウハウになるのかなぁ。  連続して執筆できる態勢に自分を持ってゆくために必要なことでもあるし。  パソコンに向かっているときの姿勢を見てないからわからんけど。  たぶん、姿勢による疲れだろう。  正しい姿勢のポイントは、こんな感じ。 ・パソコンのモニターは、目線より下におくこと。見下げる形で。見上げる形だと首がやられる。 ・机の高さは、キーボードに手を置いた状態で、肘よりも下になるように。肘の角度は120度くらい。 ・椅子に浅座りしていると腰がやられる。深く腰掛けること。あまり背筋を伸ばしすぎていても長続きしないので、適度に楽な姿勢で。背もたれがあると、ついもたれかかってしまう。肩や肘の位置も下がる。腰が椅子の背に触れるくらい深く座っていると良い。  案外と、「あぐら」というのが良かったりする。  背もたれに頼らないでも、股関節の腱を使うことで上体を支えることができるので、腰や背中を痛めにくい。  低めのちゃぶ台にパソコンを置く。  モニターは台の上に直接置いて、なるべく低くする。本体の上などに置くと高くなるのでいけない。  背もたれがないので、もたれかかることができない。背中は自然なアーチ型となり、一点に加重が集中しなくなるので、腰も痛まない。  あと、疲れてきたと感じたら、画面のフォントサイズを大きくすると良い。  通常時、横40文字ぐらいが一覧性と疲れにくさとのバランスを取ったサイズ。  15インチで横1024ドットの液晶だと、18ポイントってところかな。  これを疲れたときには、横23文字で、30〜32ポイントぐらいのサイズにする。  文字が大きくなると、目が楽になる。  目が楽になると、どういうわけだか、体の各部にかかる負担も減ってくれる。  キーボードはなるべくキーが柔らかいものがよい。キーが固いものは押すときに力むので肩こりの原因になる。指をかけたその重さぐらいで押しこめるキーがよい。  ちなみに僕の場合、パソコンに向かって書いていて、疲れてくると布団の上に移動して続きをやることにしている。  完全に寝転がってしまうのね。  立て膝をして、そこにノートパソコンを置くわけね。  折った座布団を下に敷いて、その上に枕を起き、頭を高くする。  そのままだと頭が低すぎるし、肘の高さが合わない。  頭のほうは座布団でも折り畳んで高さを合わせる。肘の下にも座布団かタオルを置いて、キーボードに自然に手が伸ばせる高さにする。  この姿勢で書いている限り、肩こりとも腰痛とも無縁でいられる。疲れてきたら、そのまま仮眠取っちゃえばいいし。  ノートパソコンがないとできないけどね。  肩こりがひどかったときとか、背中や腰を痛めたときとか、首をやっちゃったときとか、ずっとこれで書いていたときもある。 >もっとも楽ちんな机と椅子  もっとも疲れない机と椅子の組み合わせは、ずばり、「ファミレスの机と椅子」だ。  机はあの高さ。  椅子はあの広さと深さ。クッションの固さ。背もたれの角度と大きさ。  あれがばっちり。  向かい側の椅子まであれば、なお完璧。向かい側の椅子にまで足を伸ばして、寝そべり気味で書くこともできる。  紫の家が、それを入れていたっけ。  あの机と椅子、いくらしたの? どこで買ったの? >紫 >2号 >No.49  まあ、大枠はいい。  ただ細かい仕上げのところで粗が目立つ。 >>石造りの地下牢。空中に浮かぶ光球が、石の壁を青白く照らしていた。  なにか魔法でも存在している世界なのだろうが……。  掌編では不要な設定だろう。  ただ「灯り」としておくか、「電球」とでもしておくべき。  そもそも、そんな特殊設定が本当に必要なのかを考えること。  お嬢様の命令で締まる首輪にしても、魔法でなくてテクノロジーでも実現可能だろう。現代の技術でもちょっと無理な設定を通せば達成可能だ。音声認識とか。  魔法のある世界にするのだとしても、やはりこの一行目では「灯り」としておくべきだろうな。はじめの3行は5W1Hを説明するために存在しているのであり、そこで余計なことを書いてしまうと、読者の気が逸れる。そうすると5W1Hのほうが頭に入らなくなってしまう。  読者の頭にインプットできるのは、一度にひとつだけ。  ただ「灯り」と書いておいて、あとで機会があったら、その「灯り」が魔法によるものだったと説明し直せばいい。「灯り」としか書いていなければ、読者の印象になにか先入観が植わってしまっていても、あとから訂正することは可能だ。 >>執事姿の老人の声が、石壁に響きわたっている。 >>長々とした罪状を聴き終え、ドレスを身にまとっている少女は、小さく笑った。  あれもこれもと、一度にいくつもやるな。  人物の服装や背格好の書くのか、その人物の動作や仕草を書くのか、はっきりしろ。  一度にやれることはひとつなんだってば。ひとつの文では、ひとつのことしか書いちゃいけないの。  罪状を聞き終えた少女が笑うということが大事なのか。その少女が白いドレスを着ていることのほうが大事なのか。  読者は一個しか聞き取れないわけ。いったいどっちを聞けばいいんだよ?  ただ、老人が執事であるということと、少女がドレスを着ていることとは、書いておきたいわな。ドレス=お嬢様の記号でもあるし。  このへんを踏まえて、冒頭部分、リライトしてみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  石造りの地下牢。小さな灯りが石壁を頼りなく照らしている。  初老の男が罪状を読みあげてゆく。その声が、もう長いこと、石壁に響きつづけていた。 「――以上、三十六件です。殺し。犯し。奪う。……間違いなく極悪人ですな」  傍らにいた少女が愉しげに笑う。 「そうね。まるで飢えた野良犬。狼……っていうには、品が足りないかしら」  少女はまた笑った。白いドレスが闇に映える。  ふたりの前には、若い男がいた。鉄の輪で壁につながれている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  リライトっていうより、作り直しに近いな。  お嬢様の台詞がまったく死んでいて使い物にならないので、作り直し。  また「執事姿の老人」と「ドレスを身にまとっている少女」ってのが、ふたりの格好の説明になっているわけだが……。  外から見た視点で語ろうとしているのはわかる。  しかし、「執事姿」ってのは、なんじゃそりゃ。使い物にならん。  ここ笑うところ?  自分がどのくらい「変なこと」をやっちまっているか、わかってるのか?  これって、「お嬢様姿の少女」と書いてしまうのと同じぐらい「とほほ」だよ。  「お嬢様姿」って、なによ?  「執事姿」って、なによ?  あっはっは。  お嬢様のほうは、ドレスを着ていることで「お嬢様」を示しているわけだな。  なら執事のほうも、同じように、執事が着るような服の名称を出すことで示すようにする方法があるだろうが。なんかスーツのタイプの名称を書くとかで。  まあ、執事が着る服の名称は、俺も知らん。  もし知っていたとしても、書いたところで読者だってわからんだろう。  あくまで客観視点で書くために、「執事」と書くことは捨てることにする。  執事としての「主に使えるうやうやしい行動」を見せることで、読者にはなんとなく「執事なのかな?」と思ってもらうぐらいにしておこう。  上のリライトでは、それぞれ、「初老の男」と「少女」とすることで、「性別と年齢」だけを書き、統一感を出している。  ちなみに「老人」の執事なんていないよ。大ベテランで初老まで。  執事の仕事ってかなりハードなものだから、老人になっていたら、お役ご免で退職してる。  ちょっと不安だな。2号が「老人」って言葉を勘違いして、自分勝手な定義を当てはめてしまっているのかもしれない。  「老人」の年齢範囲を正確に定義してみよ。  何歳からは老人?  年齢と老けかたの関係には、個人差があるかな。同じ年齢でも若く見える人もいるし、老けて見える人もいる。  では、どのくらい老けていたら老人?  ちなみに「初老」って辞書で引くと40歳って出てくるけど、これ数十年前の古い定義だから。  最近だと50歳ごろをいう。  あと、ついでにリライトしなかった部分で、変なところの指摘。 >>顔に傷を持つ男は、鋭い殺気を放つ。  一文に二つの要素が入っている。分割するか、どちらかを削れ。 >>「野良犬とはいえ、弱者には手を出していません。性根は意外とまともかもしれませぬな」  「犯す」=「レイプ」なわけだろ?  強姦という犯罪は、弱者に手を出していることにはならないのか?  それとも「女性」は弱者でさえもないのか? つまり人にはあらず? 物か家畜か、なにかそんなもの? >>男は、信じられない顔つきで、己の腕を見つめた。  「信じられない顔つき」って表現、「お嬢様姿の少女」と同じぐらい、とほほだ。  せめて「信じられない、といった顔つき」――ぐらいにしておけ。 >>「貴様等、なにを考えている!」  「貴様等」って、「きさまとう」って読める。7割の読者はそう読んでしまうだろうな。  わかってるって。  変換で出てきたから、そのまま使っちゃっただけなんだろ?  「漢字好き好きIME」に使われてるんじゃねーよ。  「道具」っていうのは使うものであって、使われるものじゃないだろーが。 >>男の問いかけに、少女は鮮やかに笑った。――そして、もう一度指を鳴らす。  日本語としておかしい。  「鮮やか」っていうのは、形容動詞なのだな。  形容動詞が修飾するのは、体言であって、用言ではない。  「形容動詞」「体言」「用言」――は、それぞれ辞書で引いておけよ。文法用語で専門用語ではあるものの、小説を書いて文法の話をするのなら、必須となってくる言葉だ。  体言=名詞。  用言=動詞。  「笑う」ってのは、これ、動詞だろ。  形容動詞で動詞を修飾しちゃってるわけ。文法的にも間違えているの。  だから変なの。  変に感じられなかったとしたら、お前の舌はどうかしてるの。  「鮮やかな笑い」であれば、「笑い」は名詞であり体言であるから、これはOK。  つまり、「男の問いかけに、少女は鮮やかな笑いを浮かべた。」とするのであればOKということ。  こんな中学校で済んでいるはずのこと、プロになろうって人間相手に、なんで教え直さなきゃならんかなー。  おなじ時間で、もっと有意義なことを、俺に教えさせろよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 油断大敵 No.7129 投稿日 2003年10月1日(水)14時25分 投稿者 弟切 千隼  喉の腫れと痛みがだいぶ引いて、体調が回復しつつあったはずの弟切です。  「これなら大丈夫」と自分の体力を過信したばかりに、昨日の夕方、激烈な頭痛と発熱に見舞われました。帰宅するなり薬を飲んで蒲団に倒れこみ、今日の午前中まで動けませんでした。  坐ってモニタに向かっていることさえつらい状態ですので、これからまた休養します。体調が回復すれば、今日中に再度書き込めるかも知れません。  とりあえずの生存証明でした。 -------------------------------------------------------------------------------- ちょっと前へのレス No.7130 投稿日 2003年10月1日(水)18時01分 投稿者 新木 伸 >肉の理解(7111) >2号  肉の理解について。  ぜんぜん違うよ。  展開の話なんて、誰も言ってやしない。  べつに主役で勝ち組のほうでなくたって、いい。  斬られ役でやられ組のほうを読ませたくれたって、かまわないのだ。  ただ斬られる役なら、斬られる役で……。  斬られたときの感じとか。  到底かなわない者に対峙した者の恐怖とか混乱とか。  とっても凄い腕で斬りかかられて、わけもわからないうちにやられた感覚とか。やられ役から見た「ヒーロー」の強さとか。  そういうものを描きこんで欲しいわけね。  それが「肉」。  ちなみに僕の「星くず英雄伝」では、たいていヒーローの側から書いているけど、たまに「ヒーローにやられる一般の小悪党」の側の視点から書くことがある。  ヒーローがどれだけ凄いのかを、やられ役のほうから書くと、よく伝えられるから。7巻ではスカーレットにやられる悪党たちの側に入って、その心境で書いていたりする。 (2号が読んでないのは知っている。べつに、読め、ということではない。ここには読んでいる人もいるので、その人たちが「ああ、あれか」と分かるためにいまこれを書いている) >味見とか  このあいだ短編を書いてみたとき。  自分がどのように「味見」をしているのか、意識におくようにしてみた。  その結果。  じつは僕は「味見」と呼ぶべきことをやっていないことが判明。  かといって、まるでチェックをしていないわけではない。  味見するかわりになにをチェックしているのかというと、レシピとか手順書とか、そういうものとの対比をチェックしている。  その料理が、レシピ通りに作れているかどうか。  そっちのほうのチェックをしている。  予定通りに書かれているか。  そのシーンで書くべきことを、ちゃんと書いているのか。  そういう種類のチェックをやっている。  作品全体の味見に関しては、はじめに済ましているわけね。  なにしろ短編なので、書き出す前にはもう詳細なプロットができあがっている。実際にはプロットは書いていないけど、頭のなかでは、すっかりできあがっている。  面白いかどうか――つまり「うまいかどうか」は、もう、その時点で分かっている。  いわば味見は書き出す前に、頭の中だけで済ませているわけだ。  規定通りに作ればうまくなることは分かっている。――なので、規定通り作れているかチェックするだけで済むわけだ。  まあ実際には、ノーチェックだとさすがに怖いので。  書き上げて、頭を空白にしてから、読み直しをすることで最終的な味見を行っているが。そこで直すことはほとんどない。部分的に、ちょっと直して、完成度をすこし引き上げる程度。  とまあ、これは作品単位での味見の話。  一行単位とか、段落単位での味見に関しては、書いている最中にやっている。  もちろんその行とか、その段落でとか、そのシーンで書くものがなにか、把握しつつ書いている。迷ったらプロットに戻りさえすれば、すでに決定済みのレシピを、いつでも参照することができる。  所定の味が出ているか。  その部分における限定した出来栄えが達成されているか。  各段階で味見はしている。  たとえば、「フライパンを熱して、強火で肉に焼き色をつけ、それから中火で1分ほど焼きます」とか、そのように書いてあるわけだ。  したがって、その通りにやればいい。  いま集中すべきは、「フライパンを熱する」ことであり、「強火で焼き色を付ける」ことであり、「中火にする」ことであり、「1分焼く」ことであり、他のことを考える必要はない。  「フライパンを熱する」ところであれば、フライパンがちゃんと熱せられているかどうかに集中していればいい。そこだけチェックすればいい。  「街の雑踏感」を描くべきところであるなら、街の雑踏感がちゃんと出ているか確認すればいいわけであり。  「深夜の教会感」を描くべきところであるなら、深夜の教会感がしっかり出ているか確認しつつ書いてゆけばいい。段落でいえば、二つか三つ分だろう。  そしたら次は、「なにかに怯えつつ待っている青年神父」を書くわけで、それに集中すればいい。  たとえば、魚住版のリライトであれば、こんなプロットに基づいてやっていた。 ・雨の降る夜。 ・深夜のうち捨てられた教会。 ・ひとり待っている青年神父。不安を紛らわすかのように聖書をめくりつづけている。 ・待ち人がきた気配に気づく神父。 ・現れる少女。対峙する神父。その緊張感。  それぞれのプロセスにおいて、書くべき事は明らかだ。  そして個々のエピソードが全体として調和しているかどうか。  全体として面白くなっているかどうか。そういうことは、このプロットの段階で判断できる。この時点で味見は行える。  しかしこうした方法というのは、作品を頭の中だけですべて作れてしまう場合に成立する方法なのね。書いてみないとわからない、という段階にいる人間だと、書き出す前に頭の中だけで味見を行え、と言ってみたところで、無理だろうと思われる。  書いてみないと結局のところはわからない、というのは、つまりプロットを書いて、プロット通りに仕上げられないということでもある。もしくはそもそもプロットが書けない、ということなのかもしれない。どちらも似たようなものだから、ここでは「プロットが作れない人」と、ひとまとめにしてしまおう。  プロットを頭の中だけで作りあげるのも、紙やエディタの上で作りあげるのも、基本的には同じこと。ここでは大差はない。 >隔絶の話  さてここで、隔絶がある。  僕にはどうしてプロットを作れない人がいるのか、それがわからないのだ。  料理人が、自分がこれから作ろうとしている料理の、必要な材料と、調理手順とを、言えない。  ――などということが、あり得るのだろうか?  およそ、ありそうにない。  ていうか、俺は、調理手順もわかっていないようなヤツが作った料理を、口にしたくない。金を払うなんてもってのほかだ。  必要な食材と調理手順と、それがわかっていないということは、自分がなにを作っているのかも把握していないということだ。  そんなヤツはきっと、作り終えたあとでさえ――食材になにを使ったかも、どんな手順で調理したのかも、覚えていないに違いないのだ。  これはなにも、プロの調理人だけの話ではない。  家庭で夕飯の料理を作っている主婦でさえ、おなじことが言える。  肉はどのくらい必要で、野菜はなにとなにを使って、油や調味料はなにがどれだけ必要で、それらをどういう手順で調理してゆくのか。  そういうことを知らないで、料理を作っている主婦はいるまい。  そもそも、それを知らなかったら買い物さえできない。  夕飯になにを作るか決めていなければ、買い物に行っても、なにを買えばいいかもわからない。特売のお肉を見つけて、それによって急遽、夕飯の献立が決定することもあるだろうが……。  冷蔵庫の中身と相談しつつ、足りない材料は買っていっているはずだ。  じゃなかったら、調理の途中でもういちどスーパーまで来なくてはならない。  主婦は忙しいので、そんなことやっていられない。  これは料理の話だが。  小説の話に戻そう。  いま書いているシーンの、その次のシーンで、なにを書くべきか。実際にそこまで書いてみないとわからない。――そんなことがあり得るのか?  いちばん最初のシーンから、最後のシーンに至るまで。  どうして頭の中だけで仮想的な調理を行えないのだ?  どうして最後まで組み立てないままで、書き始めてしまえるのだ?  きちんとした料理になるかどうか確証を持たないまま調理に取りかかるのは、怖くはないのか?  書きあがったときに、実際の作品がプロットと違うものになることはある。  書いている最中に、プロット段階では思いつかなかった「ひらめき」とかが発生して、作品がより面白くなることはある。そのために筋を変更することもある。  しかしそれは、充分に面白いものを、より面白く変えただけのこと。  冷蔵庫を開いてみたら、うっかり忘れていた食材が見つかって、そっちを使ったほうがおいしくなりそうに思えた。――そういうことはある。  ただそうした場合でも、設計を変更せず、当初の予定通りに作っていたとしても、充分に面白くなっていたはずだ。  こうした場合には、プロット通りに作れなかったわけではない。作らなかっただけだ。  思うに、「書いてみないとわからない」という、このアマチュアが見せる珍妙な現象は、実際にやってみた回数(経験値)が足りない、ということが原因ではなかろうか?  料理の場合にも、同じことが言える。  家庭科の料理の時間だとか。  はじめて料理をやってみたシロウトは、「調理の手順をすべて頭に入れてから取りかかるように」と先生に言われても、できるはずがない。やったことがないからだ。  みそ汁は、煮立てた水に鰹節を入れてしばらく煮込み、鰹節を取り出したらミソを入れる。――とかいう簡単な手順さえ、頭に入らない。  「ダシを取る」という行為に慣れていない(てか経験値ゼロ)ために、具体的にイメージすることができないからだ。  何度も何度も出しを取っている人間であれば、「ああ。まずダシを取るのね」と簡略化して覚えておける。  同様に、僕は話をプロットとして考えるときでも、そういうふうにひとつのシーンを簡略化して覚えておける。  「ああ。夜の感じを出すのね」  「ああ。捨てられた教会感を出すのね」  「ああ。怯えている人間を書くのね」  「ああ。時を待っていた人間が、その時が来た感を出すのね」  「ああ。少女の怪しさを出すのね」  「ああ。二人の人間が対峙しているときの緊迫感を出すのね」  そうして簡略化して考え、覚えておくこともできるし……。  もし必要があれば、実際に自分がどのようにそのシーンを組み立ててゆくのか、詳細に渡ってイメージすることもできる。  「ダシを取る」という行為を何度もやってきている人間が、ダシを取ってゆく手順を詳細に思い起こすこともできるし、「ああ。ダシを取るのね」と簡素化して考えることもできるし、自由自在なのと同じだ。  「夜」を描く――なんて、僕にとっては、すでに何回もやってきていることだ。  実際に小説のなかで出した回数はそうそうないだろうが、いつかどこかで「夜」の場面を体験したり、映画やなにかで夜のシーンを観たときに、この「夜感」を出すためにはどう書けばいいだろうか、と考え、その時に脳内において描写文を組み立てている。  いわゆる「シャドウ執筆」というやつ。イメージトレーニングを常に行っている。  よって、いまさら「夜」をどう描くかなんて、考えたりしない。どのようにでも描ける。「夜を描こう」と思ったなら、その場において最適な夜の描きかたが出てくる。  大根を切るとき、切り方についていちいち考えない。  短冊にも切れるし、千一本にも切れるし、銀杏切りにもできるし、かつらむき……は、苦手なのだが。 >描写と気弱語  「その3のやりなおし」から。 >>空を覆うようにたちならぶビルたち。 >>獣のようにわめき立てていた。  描写の練習をしているのに、気弱語は使うな。  ちなみに気弱語とは、「ように」「ような」「ようだ」「みたいに」「あたかも」「ごとし」「〜的」――などのこと。  アマチュアにはこの言葉の役割を勘違いしているやつが多い。  言葉の印象を薄めることのできる「便利な道具」とでも思っているらしい。 >>空を覆うようにたちならぶビルたち。  この場合、立ち並ぶビルは、実際に空を覆っているのだろ?  なら「覆っている」と言い切ればいいじゃん。なぜ「ような」とやって、意味を薄める必要があるわけ?  ここで2号のやっている「覆うように」という使いかたは、「すこし覆っている」とか、「覆っているっぽい」とか、なにかそんな情けないことを言っているにすぎない。  同様に「獣のように」というのも、「獣っぽく」とか「獣みたいに」とか、そういうことを言っているに過ぎない。  なぜ、言い切ることができないのか?  それは気弱さがあるから。  だからこの手の「ような」という言葉を、気弱語という。 >他の種類の気弱語  他によく使われる気弱語としては、「ゆっくり」とか、「静かに」とか、「そっと」とか、そんなものもある。  これは動詞に付くタイプの気弱語だな。  その「立ちあがる」とか「言った」とか、そういう動作をちょっぴり弱めたいときに使われることが多い。 >2号 >7111 >描写と説明の理解 >>視点保持者が「感じたことを書く」のが描写で、「理解したことを書く」のが説明。  説明のほうの理解はいいが、描写のほうに関しては、まだ理解が足りない。  描写で大事なことは、視点保持者の意識にのぼったものを書くということ。  「感じたこと」だと五感に限定されてしまう。だが「意識にのぼったもの」であれば、その人物の連想なんかも書くことができる。  たとえば、駅で電車を降りて、渋谷の街のなかに出て行った人は、「うわぁ雑踏だなぁ」とは思わない。「うわぁ人がいっぱいだぁ」と思うはずだ。  そして女の子であれば、ファッションの豊かさに目が行くかもしれない。  男であれば、女の子のスカートの短さを見ているかもしれない。  その人物がなにに注目して、なにを考え、なにを感じたのか。  そういうものを書いてゆくのが描写。  たとえば街中にいる人物が、五感のほうに「熱気」を感じていたとしよう。  しかしその人物が他にもっと注意を引かれることを目にしていたなら、その五感からの情報はすっ飛んでしまうわな。  人は、一度に意識できる物事は、ひとつと定まっているのだ。  これは脳の構造からくる制約であり、人間が人間であるかぎりは、誰であろうと変わらない性質なのだ。  意識が向くのは一度にひとつだが、時間が経過すれば、他の物事にも注意が向けられる。  都合のいいことに、小説や文章というものも、同じ構造になっている。  一度に書けるのは、ひとつのことだけ。  2号は最近、よく、ひとつの文中に二つのことを書くな、と指摘されているだろ。  ひとつの文のなかに二つのことが書いてある文章は、人間は本質的に理解できないわけだよ。そういうものを理解できるような頭の構造になっていない。  しかしある程度の時間を置けば……。  次の文に移れば、また違うことが書ける。  段落を変われば、もっと大きく違うことを書ける。  シーンを変えれば、さらに大きく違うことが書ける。  章を変えれば、だいぶ違うことも書ける。  本が変われば、まるきり違うことが書ける。  このように、話題転換のためには、それなりの時間経過が必要になってくるわけ。  描写とは、視点保持者の意識の流れをトレースしたものだと、そう書いた。  小説を読んでいる人間というのは、本能的に、自動的に、無意識的に、いま書かれていることを順番に頭に入れていこうとするわけね。  その場面を観察している人間の意識と思考とに乗っかって、その場面を追体験しようとしているわけだ。  ある人間がある場所で体験したことは、その人間のその時に意識した物事の順番を記したものを読むことで、追体験することができる。  これは人間の頭脳の仕組みに基づいていて、理にかなったことなわけ。  つまり、それが小説というもの。  雑踏に立っている「感覚」を読者に与えるには、雑踏に立つ人物の見るもの聞くものを、その人物が意識にのぼらせた順番通りに、正しく配置してゆけばよい。  ここでは「順番」が大事なわけだ。  順番が狂っていると、読者に同じ「感覚」は与えられない。臨場感が壊れてしまう。  ちなみに、雑踏を「雑踏」と書く描写もあったりする。(混乱させるから書かないでおこうかとも思ったが)  たとえば、街の雑踏を、どこか高いところから見下ろしている人がいたとする。  ビルの5〜6階にある喫茶室の窓から下を見ている人とか、そういう立場の人。  そういう人は、人でごみごみとした地表を見て、「雑踏」と思うかもしれない。その場に身を置いていないために、冷静でいられるから、観念的な言葉が心に浮かんでしまっても不思議はない。  これはその視点保持者の心のなかに、本当に「雑踏」という観念が浮かんでいるから、それを書くことが描写となりうるわけね。  んーと。  もうすこし、例を変えて説明してみるか。  つい最近、阪神が優勝して、大阪じゃ馬鹿騒ぎをやってたわけじゃん。  まあ死者が出てからこちら、沈静化したみたいだけど。死人が出るまでのあいだの馬鹿騒ぎのことね。  大阪に住んでいなくて、しかも阪神ファンでない人たちから見たら、あれは「馬鹿騒ぎ」なわけだよ。  しかし大阪の街中にいて、道頓堀の上にいる――お祭りの渦中にいる当事者たち。  その「阪神ファンの人たち」にとっては、自分たちの熱狂しているその様を「馬鹿騒ぎ」とは言わないだろ?  あるひとつの現象を、外から冷静に観察しているときと、その渦中にいて体感しているときでは、呼びかたが変わるわけだ。 1.阪神ファンの連中が橋の上で馬鹿騒ぎをやっている。 2.阪神ファンの俺は橋の上で馬鹿騒ぎをやっていた。 3.俺は阪神ファンの友人に連れられて、橋の上での馬鹿騒ぎに引っぱりこまれていた。  1と3ならOK。  だが2はNG。  なぜ1と3ならOKかというと、視点キャラが阪神ファンではないから。  2がNGなのは、視点キャラである「俺」が阪神ファンであり、なおかつ、いま現在、橋の上に立っているから。  2号の場合には、主観語と客観語の区別がついてないんで、このNGである「2」をぽろりとやっちゃうわけだよ。  ていうか、なにを書いても2になっちゃうわけね。「馬鹿騒ぎ」を馬鹿騒ぎ以外の言葉で書くことができないから。  2のケースでは、2のケースでしか使えない言葉ってのがあって、そっちを使わなければならない。意味的には「馬鹿騒ぎ」と同じなのだけど、中に入っている人の体感にもとづく言葉ってものがあるわけだ。  「辛み」をつけるのに、洋食ではコショウを使うでしょ。でも和食でコショウは使えないよね。  和食で辛みをつけたいときは、山椒なりショウガなり唐辛子なりを使うでしょ。  コショウで辛みをつけた「きんぴらゴボウ」とか出されたら、どう思うよ?  あるいは、冷ややっこやら、ウナギの蒲焼きやらに、コショウがかかっていたりしたら、どうよ?  そういうふうに、コショウもショウガも山椒も唐辛子も、すべて一緒になってしまっているようなものなのだな。そりゃ皆「スパイス」って括りじゃ同じようなものだけどさ。  「雑踏」っていう言葉も同じこと。  雑踏のなかに立っている人の心理に入った場合には、これは使えない言葉なのだ。  和食でコショウが使えないのと同じことなのだ。 >説明文とか  ――で、説明文はなにかというと。  読者に「追体験」をさせるためのものではない。臨場感を与えるためのものでもない。  追体験とか臨場感とかいうものは、いわば、「体に理解させる」ためのもの。  説明文のほうは、これは、「頭で理解させる」ためのものなのだ。  人間は、頭と体とでできている。  体で理解することも大切だが、頭で理解することもやりたがるわけだよ。  うまいステーキがあったとする。  「体で理解」するためには、ステーキのにおいを嗅いだり、食べてみたりすればいい。  しかし人間は同時に、いま食ったステーキが何の肉だったのか、どこの肉だったのか、どれだけ高い肉だったのか――ということも知りたがる。  そちらの情報を与えてくれるのが、説明文の役割。  そんなこと知っていたところで、体感した「味」は変わりそうもないのだが――これが、実際、変わる。  「アメリカの広大な大地で、野生に近い状態でたっぷりと運動した最高級のカンザスビーフを、最適とされる7日間ほど熟成させております。部位は赤身の味を味わうのにもっともふさわしい上質なリブロースでございます。また肉本来の味を引き出すためにコショウは黒、白、緑、三色を配合したものを使っております。肉は熟成室より取り出してから常温で数時間ほど置き、室温に戻したあとで、レアにて焼き上げました。こちらの醤油ベースのソースをつけてお召し上がりください」  ――と、そう能書きを言われて出されたステーキと、ただポンと置かれたステーキとじゃ、ぜんぜん旨さが変わってくるわけよ。  同じように、剣の闘いを書くにしたって、二人の剣士はなんのために闘うのか、その闘いにどういう意味があるのか、彼我の実力の差はいかほどなものか。――そういう能書きを垂れておいたほうが、より、旨みは増すわけ。  説明というのは、そのために存在している。  例の「吸血鬼と青年牧師」の話だって……。  15、6歳の少女に見える吸血鬼が、じつは青年牧師の母親で、青年は母親に捨てられたのだが、吸血鬼ハンターとして母親を追いかけていて――と、そうした説明があったほうが、より愉しめるだろう?  あのケースでは、そのあたりのことは二人の会話などで織り込んでおけるので、直に説明する必要はなかった。  ただ、剣士二人の対決シーンとか。  立ち会う二人の片方は、金で汚れた仕事を請け負う暗殺者であり、藩主を斬った凄腕の男であり――。もう片方は、腕はたいしたことはないものの、藩主に忠誠を捧げた臣下であり――と。  そうした構図やら、闘いの理由やらがわかっていたほうが、より、燃えるわけだよ。  吸血鬼のときはわりと単純な構図だったので、会話だけで処理できたが。  このくらい複雑になってくると難しくなる。  よって、説明文の出番となるわけだ。  ――しかし2号が書いたアレは、ほんと、説明文だけだったよね。  能書きばかりで、肝心の「肉」がないんだよ。肉が。  能書きはあってもいいし、適度にあったほうが愉しめるけども――。  能書きばかりで肉を出してこない店は、それレストランとはいわない。 >キャラを立てねばならないわけ、キャラの視点で語るという効用  「雑踏リライト、新木版」の分析で、2号が書いていたけど……。  あれは若者に悪意を持っている視点なわけね。  僕が素で書くと、ああなる。  素で書く=自分を出す、ということ。僕はよく感性の擦り切れだとか、感性のズレだとか、そんな話題を出すことがあるけど。  僕の場合……。  うらぶれて疲れた顔のサラリーマンを「だせぇ」と感じ、お水のお姉さんを「けばい。ババア」と感じる「感性」は、もう擦り切れてしまった。  道いっぱいに広がって歩きつつ、自分たちは周囲の邪魔をしていながら、自分たちが邪魔に扱いされると怒ることのできる一方的な感性もなくなった。電車やファミレスのなかで平気で大声で会話できる神経もなくなった。  十代のあの頃、自分の目から街がどう見えていたのか、いまそれを思い返すことはできるけど、実際にそのように感じることはできない。  流行歌を素直に楽しめる感性もなくなってしまった。  80年代の流行歌なら、いま聴いてもちゃんと楽しめるんだけどね。最近のはヘタクソさかげんに虫酸が走る。発声練習もしてないやつらが、喉だけで裏声出して音程の外れた歌を歌って、それで金取ってるんじゃねーっての。  こういうの、一部は感性の擦り切れってもんだし。一部は感性のズレってもんだし。  物事を一面だけで判断できた感性は擦り切れた。青い話はもう書けん。青さで突っ走るような話ね。  歌が耳障りなのは、これは単なるズレだろうな。  たぶん僕が聴いていた80年代の歌だって、前の世代から見たら浅薄で聴いてられなかったはずだし。  ――で、そんな視点で小説を書いたところで、実際の高校生や、大学生が楽しめるものにはならないわな。この場合の読者層というのは、文中で「ガキ」呼ばわりされる、まさにその年齢層なわけだし。  誰が自分たちを「ガキ」呼ばわりしてくる小説を読むかね。 (二十代後半以降で、ガキに辟易している年齢層に向けて書くなら、ああいう視点で書くと喜ばれるかもしれない)  「素」で書くことしかできないと、感性のズレを吸収することはできない。  これで潰れて消えていってしまう作家も多い。いままでずっと「素」で書いてきていたのに、それが急に通用しなくなる。そういうときに、他のやり方を知っていないと対処のしようがない。  僕はあの視点でライトノベルは書かない。自分の「素」ではやらない。  「素」でやって通用する時期は、僕の場合、もう過ぎた。二十代前半。デビュー直後の2〜3年だったかな。素で書いていたのは。  で、いま現在は、主人公の年齢設定を十代にして書いているわけだ。  あのサンプルも、そういう視点で書き直してみる。  こんどは、若者にターゲットを合わせる。自分と同年代の若者に好意的な印象をもつ人物を視点保持者にして、あの同じ場面を眺めさせてみる。  視点保持者のキャラを作るのが面倒なんで――つい最近、書き上げた短編からキャラを流用。夢境学園、放送部一年の「がんばり屋さん」の女の子、香坂葵ちゃん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  頭の上のほうから聞こえてくるのは、来月のおこずかいをもらえたら、買おうと思っていたCDの曲だった。たしか3曲目。  聴き入ろうとすると、携帯電話で話しているすぐ隣の人の声が気になってしまう。  その人はなにかカノジョと喧嘩している最中のようで――目を合わせないようにして、耳だけを向けてみる。聞いているかぎりだと、相手の女の子のほうが悪い感じだ。  道のほうに目を戻すと、友達同士で楽しげに歩いている女の子たちがいた。――と、サラリーマンの人がいきなり後ろからぶつかってきて、手にしたアイスが胸に付いてしまう。その女の子は唇を尖らせて男の人の背中を見つめ、隣の子はささっとティッシュを取り出している。サマーセーターだから、すぐ拭けばシミにはならないはず。  すごく奇麗な女の人が、颯爽と歩いてきて、その女の子たちとすれ違っていった。  ひとまわりは歳上のその人を見たら、高校生の女の子たちは、悪いけれど、とても子供に見えてしまった。(自分のことは考えないようにする)  夕方だというのに、ぜんぜん、くたびれた感じがない。背筋を伸ばしてモデルのように歩いているのが、とてもカッコいい。  その人が通っていった場所は、しばらくのあいだ、空気の色が変わっているような気がした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ちなみに、お姉さんの商売がお水系だとか、夕方なのにくたびれていないのは、これから出勤するためであるとか。  彼女には「発想の外」なので、わかっていません。 -------------------------------------------------------------------------------- ネックがネックです No.7131 投稿日 2003年10月2日(木)06時18分 投稿者 名無し君2号  首の痛みはおさまりつつあります。実はこの痛み、古傷で、元々は弟とプロレスごっこして痛めたもの……だったり。中学生ぐらいだったかなあ。しびれがきたりとかいうレベルではないので、大丈夫ですが。ただちょっとしんどいだけです。 >1000字課題 >No.48 >>ところでこの話、登場人物が3人ほど出てきているのだが。 >>そのうちの「少年」が、読者の脳裏に登場していない。 >>はじめて台詞を言うのは中盤以降になるが、そのときに、「誰だこいつ? こんなやついたか?」となってしまう。頭に戻ってもういちど読み返し、たしかに登場していたことを確認するはめになる。 >>どうしてそうなってしまうのか。 >>その原因を考察し、述べよ。 >>またどうすれば直るのか、対策を考察し、述べよ。 >>さらに実際に修正してみよ。  ええと……引用してみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うららかな春の昼さがり。  平穏をやぶるごとく、ずん、と腹に響くような重低音がした。  半球のかたちをした建物から、白い煙があがる。ドアが開いて、なかから真っ白になった老人が、よろめきながらでてきた。  老人は口を開ける。白い煙がもれた。 「――また? おじいちゃん」  すこしトゲのある、少女の声がかかった。  老人が顔をあげると、そこには腕組みをして仁王立ちしている少女と、優しげな笑みを浮かべる少年がいた。  老人は高笑いする。 「おお、小鳥。まーた失敗したわ」 「笑いごとじゃないよ、おじいちゃん」  不機嫌そうな少女を、少年がなだめる。 「まあまあ、小鳥ちゃん。失敗は成功の母っていうじゃないか」  老人は手をうち、少年を指さす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冒頭から、少年がでてくるくだりまで。  どうして『少年』の印象がうすくなってしまうのか。  セリフがないから……か。  少女の >>「――また? おじいちゃん」 >> すこしトゲのある、少女の声がかかった。  というセリフののち、 >>老人が顔をあげると、そこには腕組みをして仁王立ちしている少女と、優しげな笑みを浮かべる少年がいた。  で、老人に相手を認識させてはいるんだけれども、少年のセリフがないから、三行まえにセリフが出ている「腕組みをして仁王立ちをしている少女」のほうに照準がかかって、「優しげな笑みを浮かべる少年」が印象に残らない。  少年が登場してから、セリフが出てくるのが五行目。  たしか、読者は三行まえのことしか覚えてくれない……って過去ログで読んだ記憶があるので、それに習うのならば、少年を登場させてから、三行以内にセリフをだし、印象にとどめておくようにする。  なんでセリフが必要なのか?  それは、登場人物の性格を説明するのに、セリフがもっとも適しているから。行動でもそれはできるし、本来ならば行動でやったほうがよりよいのだろうけど、なんといっても読者は、『セリフ』を楽しみにしているものだからして。  多分、セリフは想像しやすいので、印象に強く残るのではないか……と思う。  たとえば、小説のなかで印象に残ったところはどこ? と訊かれた場合、もちろん場面も出てくるとは思う。でも、一言一句、小説とおなじに覚えているのは、セリフのほうが多いはずだ。  覚えやすいのなら、印象にも残りやすいだろう。だから、ともかく喋らせるか……それがかなわないのなら、ある程度の量を使って、登場人物を描くこと。ともかく、読者に覚えてもらうことが必要だ。読者だって、この人物はこれから物語に絡んでくるな、必要だな……と思えば、覚えていてくれるはず。  こいつは覚えておかなければならねえ、と思わせるには……キャラを立たせるのが一番だが……難しい。  ええと、考察しましたので、それにそって次回直します。 >>ところで書きたいものって、「マンガそのものの博士」と「女の子の、博士にたいする感情」なわけだけど。 >>ここに「少年」って出てこないじゃん。 >>なんのためにいるの? この少年? >>少年がいなかったら、なんか困ることあるの? 彼がいる必然性は、なに?  少年がいる必然性。  博士と女の子の絆を思いっきりわかりやすくするための存在。  少年が博士に絡むものだから、その少年を好きな女の子も、必然的に博士と絡まなくてはいけなくて……。  うーん。上記の理由はちと怪しい。でも、最後の少年と少女のやりとり、 >>「大丈夫だよ。だって、小鳥ちゃんはおじいちゃんが大好きなんでしょう?」 >> 小鳥は虚をつかれたように、まじまじと間鳥を見つめる。やがて真っ赤な顔で、こっくりとうなずいた。 >>「だったら、大丈夫だよ」 >>「――うん」  ……は、最初っから思いついてはいた。  はっ。  もしかして、もしかしなくても、『女の子と少年のラブラブ』が書きたかったのかも。あとは、『少年のナイスガイっぷり』とか。  無自覚で書いていたってことか? それって……よくないことじゃないか。それが「自覚して」書けるなら、ワンステップあがったってことかも。  武器を自覚せずに振り回すってのも、ありえない話ではある。 >No.49 >>「老人」の年齢範囲を正確に定義してみよ。 >>何歳からは老人?  60歳から老人という考えでした。外見にもよるところは大きいのですが。 >>>>顔に傷を持つ男は、鋭い殺気を放つ。 >>一文に二つの要素が入っている。分割するか、どちらかを削れ。  削るのなら「顔に傷を持つ」です。元々はなかったのですが、顔に傷があるほうが、格好良くなるかな、というあさはかな考えでした。 >>>>「野良犬とはいえ、弱者には手を出していません。性根は意外とまともかもしれませぬな」 >>「犯す」=「レイプ」なわけだろ? >>強姦という犯罪は、弱者に手を出していることにはならないのか? >>それとも「女性」は弱者でさえもないのか? つまり人にはあらず? 物か家畜か、なにかそんなもの?  すみません。これはやってしまいました。  前のセリフ、男の罪を説明する箇所で、「殺し、犯し、奪う」と三つ言葉を出したかったので、なんの考えもなしに「犯す」と使ってしまいました。  昨日、寝床でうつらうつらと考えながら、「あ? そういえば、犯しといて弱者に手を出さないもないよな」とは思いつつ、そのときはすでに投稿してしまったあとだった、という情けなさ。 >>>>男の問いかけに、少女は鮮やかに笑った。――そして、もう一度指を鳴らす。 >>日本語としておかしい。 >>「鮮やか」っていうのは、形容動詞なのだな。 >>形容動詞が修飾するのは、体言であって、用言ではない。 >>「形容動詞」「体言」「用言」――は、それぞれ辞書で引いておけよ。文法用語で専門用語ではあるものの、小説を書いて文法の話をするのなら、必須となってくる言葉だ。 ■けいよう-どうし 5 【形容動詞】 品詞の一。用言に属し、活用があり、終止形語尾が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」であるもの。事物の性質・状態などを表す点では形容詞と同じであるが、形容詞とは活用を異にする。「静かだ」「にぎやかだ」「はるかなり」「堂々たり」の類。活用は、口語では一種類であるが、文語にはナリ活用・タリ活用の二種類がある。 ■たいげん 1 【体言】 〔文法〕 単語の一類。自立語の中で活用がなく、主語となりうるもの。名詞・代名詞の類。なお、形容動詞の語幹などを含める説もある。 ■ようげん 1 3 【用言】 自立語のうち、活用があり、単独で述語となりうるもので、事物の動作・存在・性質・状態を叙述するもの。その下位分類として、動詞・形容詞・形容動詞の三品詞を認める。 >>こんな中学校で済んでいるはずのこと、プロになろうって人間相手に、なんで教え直さなきゃならんかなー。 >>おなじ時間で、もっと有意義なことを、俺に教えさせろよ。  お手数おかけします。  ――もっと学生時代に勉強しておけばよかった。  今日は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=627&e=res&lp=550&st=0 >ここまでおいで、やりなおしシリーズ >>頭から書き直してこい。すべて平易な言葉で。 >>冒頭2行の書き直しで、手本は示したろ。  やりなおしの1をまったく見ないで、全部書き直しました。よけいなものもくっついていますが、それは無視していいです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=628&e=res&lp=608&st=0 >ラクな書きかた(姿勢)  テーブルの上にノートパソコン(CPUがAMD−K6、400MHzの骨董品)を置いて、あぐらをかき、尻に座布団、背中には背もたれつきで書いてます。  んー、だから……。  まあ、腰はそこそこです。首は前述のように古傷なので、疲れがたまったりすると、途端に来るんですね。首をまわすと、ゴキッて鳴りますし。  でも、あぐらって腰に悪いって聞きましたけど。正座が腰に良いとも。だからって正座したら、こんどは足が持ちませんが。 >肉の理解 >>(2号が読んでないのは知っている。べつに、読め、ということではない。ここには読んでいる人もいるので、その人たちが「ああ、あれか」と分かるためにいまこれを書いている)  ……なんでわかりますか。  これも「視線にはいる」に関係することなのだろうか。  そういえば、鐸碑さん、新木さん、弟切さんで、各人のプロレスの理解度をあげるときも、全然わたしは駄目だったのを思いだす。  こんなところで。レスには3時間ほどです。課題もあわせれば、やっぱり結構時間かかってますけど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7132 投稿日 2003年10月2日(木)16時23分 投稿者 新木 伸 >No.48 「科学者と孫娘」  少年がなぜ認識されないのか。  ぜんぜん、見当違い。  台詞がないからでも、キャラが立っていないからでもない。  答えは、登場人物の誰ひとりとして、少年に関心を払っていないから――だ。  物語において、読者が感心を向けるのはあくまでも「人」なわけ。人がどう動くか。なにに関心を向けているか。なにを考えて、なにを感じているか。  読者の興味の多くは、そこに向けられている。  しかるに、あのNo.48の話では――。  少女は祖父に関心を向けていて、祖父は少女に関心を向けている。少年は二人のどちらからも、空気のように無視されているよね。  それでは読者が少年の存在に気づくのは無理というもの。  ふたりのどっちも、少年の存在を気にかけていないんだもの。  少年の存在がようやく認識されてくるのは、「きみ。小鳥のボーイフレンドかね?」と、祖父が声をかけるところから。祖父が関心を向けているので、読者も関心を払う。  しかしその場にいない誰かに向けて声を掛けているので、「そんなヤツいたか?」と、前に戻って読み直すはめになるわけだ。  台詞があるかないか――なんてのは小さいこと。  あるキャラに関心を向けさせる「きっかけ」として台詞が使われることが多いっていう、ただそれだけのこと。  誰かが口を開いたなら、必然的に、まわりの関心はその人物に向くもんだ。  台詞以外のことでも、誰かに関心を向けさせることはできる。 >形容動詞、形容詞、副詞  よく考えてみたら、形容詞でも、形容動詞でも、用言(動詞)を修飾することもあった。  素早く動け。素早く動く。素早く動いた。  ゆるやかに立つ。ゆるやかに立った。――などなど。  ただし、「鮮やかに笑う」は、これはない。壊れてる。  なにがOKでなにがNGかってのは、単純なルールによって一意に定まるわけではない。  膨大な読書経験から、「有り」「無し」が判断される。一般的な通用則をどれだけ知っているかってこと。  鮮やかに笑うがNGといったのは、僕がそうした表現を見かけたことがないから。  冷ややっこにコショウをかけるのは、「あり」かどうか。  そうした問題と似ている。  ごはんにマヨネーズはOKか?  たいていの人はNGというだろう。  しかし「ツナマヨネーズ」という具であれば、おにぎりと合わせるわな。  ごはんにマヨネーズも何十年か経ったらOKとなるのかもしれないが、いまは一般的には通用しない。  ちなみに。  壊れた表現だということを分かって使う高等テクニックもある。  だが2号の場合には、ただ単にわからずにやっちゃっているだけだろう。  壊れた表現だということを分かって使うケースの例。  かなりのダメージを受けて倒れて、それから立ちあがった人物が、「ぜんぜん大丈夫」と言ってみたり。 >書きたいもの >>もしかして、もしかしなくても、『女の子と少年のラブラブ』が書きたかったのかも。あとは、『少年のナイスガイっぷり』とか。  なら、こんどは博士のほうがいらないじゃんか。博士が出てくる必然性は?  博士を出すのだとしても、博士と孫娘とを会話させる必要はないわな。いまは博士と孫娘の会話(絆)がメインにあるように見えるが。 >No.49 「ポチとお嬢様」  んじゃ、過去の罪状のほうはそれでいいとして。うっかり考えずに書いちゃっただけだとして。  その男は、お嬢様の寝込みを襲って「犯そう」としていたわけだな。  結果としては、お嬢様にやられちゃって捕まっていたわけだから、お嬢様は「弱者」ではなく、むしろ「強者」だったわけだが。  しかし男のほうは、手込めにできると思ったからこそ、寝込みを襲ったわけだろ? お嬢様がそんなに強いとは思っていなかったわけだよな?  これはどう説明するの?  それでも「弱者に手は出さないナイスガイ」なわけ? >「ここまでおいで、やりなおしの2」  宗教に詳しくないからわからんけど。  十字架とマリア像とが並んでいるっての、なんか変でない?  このへん、弟切さんに頼むか。 ○まだ混入していた「気の利いたつもり」の表現 苦悶のかたち 心を鷲掴みにした 神父は凍りつく 妖しげな口元 マリア像を凝視する 囁くような笑い声 やがて静寂だけが残された  どのへんが仰々しくてNGなのか、考察のこと。 ○変な言葉 きしみ音  「きしみ音」って、どんなんだ?  きしみ=きしむような音って、そういう意味だから、「きしみ音」というのは、つまり「きしむような音の音」ってこと? にぶい銀色  銀色は銀色であって、ピカピカ光っている色のことを言うのであって。  鈍い銀色って、どんなんだ?  酸化した銀のような色をいうのであれば、それは鉛色とか言わん? もしくはねずみ色とか灰色とか。  もし銃に使われる青みがかった鉄色のことを言いたいのであれば、あれには「ガンメタル」って言葉が存在しているぞ。 神父の上から下まで  神父の上――というと、頭の上の空間のこと?  神父の下――というと、足の下、つまり床のこと? 対邪眼用の処置  それは、どんなもんなんだよ?  こうなふうに書かれると、考えてないのが一発でバレるの。  原理や仕組みを考えだせ。その上で、命名もしろ。カッコよくてエレガントなネーミングだぞ。  そこに1時間ぐらいかかっちゃうかもしれんが……。必要であるなら、台詞のひとつにそのぐらいの手間はかけるものなのだ。  そしていまここでは、それは必要なことなのだ。 神父:「ばかな! わたしには○○○○が施されているんだ!」 少女:「ぼうやが望んでいたから。法王庁ご自慢の対邪眼措置も形なしね」  とか。説明的台詞を会話に入れるにしたって、せめて、そのくらいはやれ。 ○その他、全体的に  まあ、やろうとしていること自体は悪くないんだけどねー。  しかしリライトせんと、これでは使いものにならんわ。材料もよいし、作りかたも間違えてないんだけど、調理技術がダメなせいで、できあがりがウマくなってないわ。  言葉を知らない、ということがまずひとつ。  適切な言葉を選んでないのね。  ボキャブラリーの貧困ってこともあるのだろうが、それよりも執念が足りてないのが最大の原因だろうな。  まず動詞の使いかたが、適当でいいかげん。 >>ステンドグラスごしに、月の光がなかに入りこむ。  たとえば、こことか。  「入りこむ」ってあるだろ。  動詞の活用形によって与えられる印象に対して、無頓着なわけだよ。  ここで2号が書きたいことというのは、月の光が、ずっと継続してステンドグラスを通り抜けていたということだろ?  なのに「入り込む」と書いてしまっている。  これでは、雲が途切れるかなにかして、いままさに光が入りこんできた「瞬間」であるかのように、読者には伝わってしまうわけだよ。  中学校に上がったばかりで、これまでの人生で読んだ小説の数が両手で足りるぐらいの新米読者なら気にもしないだろうけど。ちょっと読書量の多い読者であれば、たぶん、2号より見分ける目を持っているはず。  継続して光が入りこんでいたことを書くのなら、 「ステンドグラス越しに、月の光が入りこんでくる。」 「ステンドグラス越しに、月の光が入りこんでいた。」  このどちらかだろうな。  ついでに言うと、「中に」ってのを付けちゃうと、教会を外から見ていることになる。  視点が教会の内側にあるのなら、「中に」は自明なので不要となる。それなのにわざわざ付けるということは、明示する必要があるということで――つまり、外から見ていることになってしまうわけだな。  視点が教会内部にあることを明示したいのなら、こう書くこともできる。 「ステンドグラス越しに、月の光がこちら側に入りこんでいる。」  こんどは「こちら側」と付いたために、「入りこんでくる」ではなくて、「入りこんでいる」と変わる。 >>十字架と、その横にならぶマリア像。信者が座る長椅子。木の床、白い壁。すべて古びてはいるが、ほこりひとつ落ちていなかった。  「信者が座る長椅子」――これも言葉が適切ではない。長椅子はなんのために用意されているのか。おもに礼拝のためだわな。そして礼拝にはみずから進んでやってくる人もいれば、日曜だけ、嫌々ながらやってくる人もいるわけだな。  「信者」よりも、もうすこし意味の弱いぴったりの言葉は?  「信者のような」「信者っぽい」「信者みたいな」――はヌキで。  「古びてはいるが、ほこりひとつ落ちていない」――古びていることと、汚れていることは別だろう。 >>呆けた顔でマリア像を凝視する。  気の利いたつもりの仰々しい言葉、のところでも書いてあるけど。  これも適切でない言葉なわけだな。  「呆けた顔」と「凝視」という食い合わせは、あり得ないんだよ。  ところで、「呆ける」と書くと、「ほける」と読むわけで、「あっけにとられる。あきれる。ぼんやりとする」の意味なのだが。  「惚ける」と書くと、「ほうける」と読み、「心を奪われる。夢中になる」という意味になるのだが。  これ、どっちなん? ひょっとして誤字?  こういうふうに、言葉の精度が低くなってしまうのは……。  れはお前の舌が馬鹿だということなのか?  それとも自分の書いた物だったので、舌が正しく働かなかったのか? どっちだ?  舌を働かせれば直せるようであれば、舌を働かせる方法を編み出せばいいだけのこと。いま弟切あたりも取り組んでいるところだから、一緒に研究しろ。  また自分の書いた物に限らず、他人の書いたものでも見分けが利かないのであれば、小説を書くのはまだ早いということになる。もう数百冊は読書量が必要だろう。  少なくとも、小説を普段から読み慣れている上級読者を越えるくらいの舌を持ってないと、作る側には到底まわれない。  まあ書くほうの鍛錬も行いつつ、毎日、3冊ぐらいは小説を読め。年間で千冊はいけるぞ。半年でも500冊だ。1冊2時間としても、6時間あれば3冊読めるよな。  ちなみに1日10冊読めば、2ヶ月で600冊いけるぞ。  読むのはなんだっていい。図書館にいくらでも置いてあるだろ。棚の端から片っ端から読んでいけ。  もう数百冊も読めば、「鮮やかな笑い」がNGなのもわかるはずだ。「笑い」にくっつく可能性のある形容句の一覧が頭の中にできあがるから。 ○ラストがダメダメ  母親が立ち去ってから、ぶつ切りにされた短い文ばかりが続いていて、読むに堪えない。  キャラを喋らせてないと間が持たないわけだな。  たった数行かそこらなのだが。  それっぽっち、描写だけでシーンを支える文章力がない。そういうわけだな。  最低でも、1〜2ページくらい台詞なしで支えられるだけの描写力がないと、とてもプロにはなれんぞ?  長編の一作品につき、何ヶ所かは、台詞があると邪魔になるような「決め」のシーンが来るもんだ。そういう「決め」のシーンを描くときに、こんな出来のものしか出てこないのでは、すべてがぶち壊しだ。話にならん。  いっぺん、台詞なしで掌編を書いてみそ。  台詞なしで人物を出して、台詞なしで話を進めて、台詞なしで終わらせてオチまで付けるんだよ。 >連作?  んで、なにか続きがついているのは、あれは、なんじゃらほい?  長編書いてみるのか?  ちなみに長編にするのであれば、視点キャラが欲しいね。  神父の心理には入らないで書くわけだ。神父の心は内面はともかく、外面的には静かに見えるわけだ。  こういうクールなキャラを主役に据える話では、お付きの同行者として、心がよく動く喜怒哀楽のはっきりしたキャラを出すのが定石だ。  男言葉のシスターは、あれは、だめだな。  あれも暗殺者タイプで、神父とキャラがかぶっている。  しかし長編書くなら、キャラ設計もしないといかんぞ。  キャラがかぶっているのは、どっちのキャラも印象を薄めてしまうだけで、良いことなんてひとつもない。  キャラ設計の基本は対比ね。  熱血 ←→ クール  のんびり ←→ 性急  理知的計算的 ←→ 本能的衝動的。  モラリスト ←→ アウトロー  友好的 ←→ 孤高、排他的  プライド高い ←→ プライドない  一個の属性を持つキャラを配置したら、話の中に、その対極となるキャラも配置しておく。  コンビなら正反対。3人のトリオなら、性格ダイヤグラムの三角形の各三頂点から取る。  四人なら、正反対が2組か、性格ダイヤグラムの四頂点。  よく、話のなかで「四姉妹」が出てくる話があったりするが。  おっとり優しい  しっかり者(男勝り)  気まぐれ(変わり者)  甘えん坊  こんな感じの配置になるもんだろ。これも性格ダイヤグラムを書いて、その四頂点から取ってきたわけね。  神父の対極の性格だと、どんなのになるの?  あとコンビだけでなく、3人のトリオでも考えておくべきだろう。  あの神父を含んだ3人で調和の取れるパターンでは、どんなキャラ配置が考えられる?  3人の場合には、二人女、一人女の、2パターンがあるわな。 >姿勢 >>でも、あぐらって腰に悪いって聞きましたけど。正座が腰に良いとも。だからって正座したら、こんどは足が持ちませんが。  「聞きましたけど」なんて、聞きかじったことばかりほざいて、ガキの言いわけみたいなこと言ってないで――。  自分で色々とやってみて、確かめてみりゃいいじゃんか。  どれがいちばん楽なのか。体に無理がかからないのか。  正座の姿勢を取るには、正座椅子とか正座座椅子とがある。  正座椅子ってのは、バランスチェアとか言う名前で出ている、へんなつくりの椅子のこと。 http://www.malsyo.co.jp/balans.html  正座座椅子は、お尻の下に敷く座椅子みたいなもので、尻と床との間に20センチぐらいの隙間を作るための平べったい箱ね。そこに足を入れて正座の姿勢を取ると、ずっと座っていても痺れたりしなくなる。 http://store.yahoo.co.jp/kimonoyasan/c0b5bac2b0d8bbd2.html  でもこれって、腹筋と背筋とがきちんと付いていて、支えがなくても背をまっすぐに立てていられる人でないと、意味ないのね。正座に慣れている人ならいいが、そうでない人間には、むしろ逆効果。  筋力がないと、結局、前屈みになったり、背中が曲がったりしてしまう。  そうなってしまうよりは、あぐらをかき、股関節と背中とで、上体を支えられるようにしたほうが負担は少ない。  それが俺の結論。正座椅子も正座座椅子も、両方とも試してみた。そしてまず体を鍛えないとどっちも有用にならないと見た。  「楽な執筆姿勢」に関して、お前は人の意見をききたいのか、それとも討論を交わしたいのか?  討論を交わしたいのなら、俺は遠慮しておく。  俺はいま自分のやっている方法で問題なく執筆が行えているから。寝転がって書くことで、なにも問題は発生していない。肩こりも腰痛も、作家の職業病と言われるものは、すべて解決している。  (あ、腱鞘炎がまだ未解決か。まあ、あれは姿勢の問題じゃないし) -------------------------------------------------------------------------------- 回復途上 No.7133 投稿日 2003年10月2日(木)20時31分 投稿者 弟切 千隼  いまだ体調が万全ではない弟切です。それでも何とかモニタに向かっていられるくらいにはなりました。 >生課題「街を歩く」  1000字課題の「科学者と孫娘」を読んでもらったのと同じXさんに、この生課題も読んでもらいました。  結果、2号さんとほぼ同じ感想をいただきました。「ひなびた田舎街の雰囲気はよく出ている。けれど、主人公のうんざり感は足りない。最後に主人公がほっとしているのはわかる」とのことでした。  あと、『田舎街といえども、店が並んでいる商店街を歩いている感』が少し足りないという点と、商店街というと屋根のあるアーケードを思い浮かべるので、商店街から空が見えることに違和感を持ったという点を指摘されました。  2号さんの指摘と考え合わせて、この生課題も書き直します。 >十字架とマリア像  キリスト教会内の同じ空間に、この二つが祭られていること自体は、あり得ます。  ただし、この二つが同じ高さに置かれていることはまずあり得ません。つまり、『ならんで』いることはほぼないと言ってよいです。  なぜならば、一般的に流布しているキリスト教では、聖母マリアは崇拝の対象であるとはいえ、「神の子」たるキリストよりは地位が低いものと見なされているからです。  キリスト教にはたくさんの宗派が存在し、少数派の宗派の中には、聖母マリアへの崇拝が著しいものもあります。しかし、そのような宗派は極めて少数派ですから、考えなくてもよいでしょう。  十字架とマリア像が一緒にある場合は、十字架よりもかなり低い場所にマリア像が置かれ、その像は十字架上のキリストを見上げる形に作られているのが普通です。  これは、十字架にかけられた我が子を見上げて嘆く聖母の姿をかたどったもので、「マテル・ドロローサ」と呼ばれ、西洋美術では定石となっている図像の一つです。「マテル・ドロローサMater Dolorosa」とは、ラテン語で「悲しみの母」という意味です。  教会の内部を描くなら、やはり実際に教会の建物を見に行くのが良いと思います。体調が悪いとか近隣に見に行ける教会がないとかいった事情があるなら、結婚式場のパンフレットやホームページを見るという裏技があります(^_^)  日本人にはほとんどキリスト教徒がいないのに、最近は教会での結婚式に人気があるため、たいがいの結婚式場は式専用の教会を備えるようになってきました。ほとんどは聖職者が常駐していない「なんちゃって教会」とはいえ、建物の作りは本格的なところが多いので、参考になるでしょう。  ところで、2号さんは作品の中で、キリスト教の聖職者の名前として「神父」・「司教」・「シスター」などの言葉を使っておられますね。キリスト教の宗派によっては、これらの言葉が使えないものがあることは御存知ですか?  これは、聖母マリア崇拝の問題とは違い、たいへん有力な宗派に関わることですから、無視はできません。 -------------------------------------------------------------------------------- お久しぶりです。 No.7134 投稿日 2003年10月3日(金)00時48分 投稿者 鐸碑 昨日書きそびれた話。 ●解像度の話  雑踏を描く為に、雑踏をしっかりと克明にイメージするという新木さんの話がありましたが、似たような解りやすい事例があるのでちょっと紹介します。  ゲーム業界で、5cm角位のカードイラストを発注したり、15cm角位のボックスアートを発注したりする事があります。  この時、実際に印刷される実寸で発注するんではなく、2倍とか3倍角の大きさに発注します。現実に見る解像度だと十分書き込めず絵が平板で魅力のないものになるからです。実際に使用されるサイズより大きなものを頼んで、それを縮小して印刷する訳です。  これは、マンガの原稿でも同じですね。プロの漫画家はB4サイズ(出版される雑誌の2倍の面積、単行本の3倍以上の面積)で原稿を描いています。  見て十分楽しめるものを作るためには、完成品のサイズでは描きこみが掘り下げが不足するって事です。読ませるサイズで描いても大丈夫ならその方が紙資源だって、インクだって浮きます。必要があるから大きな原版を描いて縮小して刷っているわけです。  客が見ている物以上に作りこんだ物を凝縮して出しているのが、プロの絵という事です。  小説においては、実際に文字の上に書ききれないほど多くのイメージを作っておいて、その中で伝えるべき内容に最適な言葉を選び抜く事、書き出す分だけイメージするんじゃなくて、より多くの作った言葉から多くを捨てて絞り込む事が大きな原稿用紙にマンガやイラストを描く掘り下げに相当する効果を生むんじゃないでしょうか?  まだまだ表現する事に慣れてない人たちは、折角用意した材料(言葉)を全部お客さんに食べさせないと勿体無いと思うかもしれませんが、考えて結果的に書かなかった文章は、無駄になっているわけじゃありません。  プロのラーメン屋のスープには、美味い出汁を取る為だけに大量の野菜を煮込んで消費します。この野菜はお客さんの口に入らず捨てられますが、そのエキスがスープの中で生きているんです。スープの中に捨てた野菜のエキスが入ってるから美味いスープが作れるんです。  捨てる野菜が勿体無いからって、出がらしになった野菜屑を客に出したら客は怒りますし、勿体無いからって野菜でスープを取らなければ美味いスープにならないわけです。  このスープにエキスを出して捨てられる野菜が、考えた上で試行錯誤の末捨てられた言葉達。その捨てた言葉に裏付けられて実際に書かれた文章が、ラーメンの具や麺やスープにあたります。  捨てられる言葉にも意味があると思えば、思いついた物を全部書かないと思っているよりも突き詰めて思考できるはずです。  経験豊富なプロになると、長年培ってきた秘伝のタレ一発で美味いスープを取れたりするんでしょうが、その秘伝のタレを作る時に多くの材料が煮込まれているんです。  という事で、時間が許す限りみっちりと材料(言葉)を吟味して、鍋にぶち込んだ後最高のエキスを取り出してください。 ●味見の話  新木さんの味見の話、実にプロっぽいですねぇ。 『料理の鉄人』に出る一流料理人みたい。初めての材料で初めての料理を作っても、材料の味だけ見ておけば、完成品の味を完全に予想できるっていう感じ。後は、各工程で予定通りに進んでるかのチェックをするだけと。  さすがに、経験値が豊富ですね。 ところで >2.阪神ファンの俺は橋の上で馬鹿騒ぎをやっていた。  ですが、前後の文脈によってはアリになっちゃいませんか?  勿論、単体では分裂症の人になっちゃいますが、その時の俺と視点人物の俺の間に変化があれば成立する時制になっていると思います。  ここは、1と合わせて現在形の時制にするべきでは? 英語だと現在完了じゃなく、現在進行にあたる時制であった方が例題に相応しいと思います。 名無し2号さんへ  印象深かった表現 > 男は、信じられない顔つきで、己の腕を見つめた。  言葉通りに受け取って、およそ人間の顔が作り出したとは信じられないような表情をしているという、ギャグ漫画でないと絵に描けないような物を想像しました。  口が輪郭の外に飛び出して、目が飛び出して螺旋を描いてるようなの。  もう一つ。 >「なるほど。飢えた野良犬のような姿は、伊達じゃないってことね」  意気込んでそう振舞っているわけじゃなく、自然体に野良犬のような姿(ボロボロの服を着た浮浪者然とした格好かなぁ)をしている人、なんだ浮浪者か…。 料理人への例え  よみかく分室ではよく、小説作りを料理に例えて表現しています。材料(ネタ)と技法を駆使して完成したモノを提供し、客に味わってもらうという構造の類似性と、一回出した物を味わったら基本的に終わりな点、実際に味わうまでは本当の価値がわからない点。  一度、途中で味わうのを放棄された料理はまず二度と味わってもらう機会はない点など、似ている点が多い事。  深く意識しているしていないという差はあっても、何かを食べていない人はまずいないし、大抵の人は家庭科の調理実習や自炊で最低限料理をした事がある等、イメージし易いものである事が理由なんでしょう。  食べる側の問題的にも、料理と小説は似ているかもしれませんね。珍味とかで子供のときにはちっとも美味しいと思わなかった物が、大人になって食べるととても美味しかったり。  普通の人は問題なく美味しく食べられるのに、ある宗教の人は絶対に食べずに出すと怒り出したりするとか。アレルギー体質がある人とかもありますからね。  個人的には、本物の食べ物は『きっちりと三食派』で間食控えめですが、文章は駄菓子やジャンクフードが好きで、きっちりしてないのを四六時中貪ってます。おかげで最近はちゃんとした食事が月5,6冊位。  毎週何冊も読む大食漢な人もいれば、年に数冊とかいう食の細い人もいますから。そういう所でも食べる事と読む事は似ていますね。  そう考えたときに、PBMを運営している自分ってのは、小説家を料理人とした場合、何になるだろうと考えてみた。  はじめての料理教室 ちょっと近いけど微妙に違う。  料理レシピ本記者 これも近いけど違う。  冷凍食品の販売 システム設計部分がこれに近いけど違う。  突き詰めると『貴方のお宅に伺い、貴方の用意した材料と他の材料を合わせて、創作料理を作って出しますよ』というサービスの斡旋業。ある意味で、闇鍋パーティのサービスかも知れない…。  まあニッチ産業ですが、食べる物を提供しています。  具体的には、食べるのが好きで市販の料理(小説その他)に満足できないお客さんが、自分の手で材料(私のキャラクターはこんなキャラクターで、こんな行動をします)を持ち寄ります。勿論お客さんがする事なので、既に火を通すだけの美味しそうな肉団子から泥のついた筍、腐りかかった肉等様々です。  これをお料理好きなママさん(プロに対してはこの位の位置のセミプロライター)が、一つの鍋にぶち込んで何とか人が食える状態に仕上げます。  このママさん達を監督したり、鍋や調理器具を用意し、下味の出しを調整したり、お客さんを集めるのが私のしている仕事。  まあ、味を見る部分は色々経験値を積ませてもらっています。 -------------------------------------------------------------------------------- 机と椅子 No.7135 投稿日 2003年10月3日(金)01時08分 投稿者 紫ゆきや  ごぶさたしております。  仕事が忙しく、なかなか分室へ顔を出せないのですが、小説のほうはじりじりと進んでおります。 >ファミレス風の机と椅子  ハイスピを書いていたとき、なんどかファミレスで執筆する機会があったんですね。これが、新木さんのおっしゃる通り、とっても疲れにくかったんです。  そこで、引っ越しを機にファミレス風の机と椅子を買ってみました。  けっこう探しましたねぇ。脚が中央にあるテーブルって、最初は名前も分からなくて。たまに家具屋で見つけても、いかにも強度不足でグラついてたり、10万オーバーだったり……。  結局、「店舗用テーブル」で探して、ネットオークションで中古品を買いました。  ひとつ1万2千円でした。  椅子のほうは、LOASのRZE-102BKにオプションの固定脚を付けました。体を椅子に預けても椅子の位置が変わりにくいのがいいです。  ソファは泊まり客のことも考えてソファベッドを選びました。専門のサイトもあるので簡単に見つかりましたが、ちょうどいい高さのは種類が少ないです。うちのは3万ほどでした。  ちょうどいい高さというのは、机が70cm、椅子が42cmのようです。購入前にジョナサン・デニーズ・ガスト・フォルクスの机と椅子の高さを測ってみたところ、たいていの店がその高さを採用していました。  PC用デスクは70cmより低く、椅子は42cmより高いのが多いので、これらの高さを合わせるだけでも、体への負担が減るかと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 気がつけば10月 No.7136 投稿日 2003年10月3日(金)06時25分 投稿者 名無し君2号  いつのまにか10月だったことに、いま気づく。……どういうことだ? 課題に日付をいれているのに。  なんでだろう……9/30のつぎは10/1だから……と、自動で考えていたのか? すごいんだかすごくないんだか。ただボケてるだけか。 >1000字課題 >No.48「科学者と孫娘」 >書きたいもの >>>>もしかして、もしかしなくても、『女の子と少年のラブラブ』が書きたかったのかも。あとは、『少年のナイスガイっぷり』とか。 >>なら、こんどは博士のほうがいらないじゃんか。博士が出てくる必然性は? >>博士を出すのだとしても、博士と孫娘とを会話させる必要はないわな。いまは博士と孫娘の会話(絆)がメインにあるように見えるが。  博士がでてくる必然性は……タイトルがそうだったからです。  ――もとい。  女の子の引き立て役です。困った研究ばかりしている博士と、口ではああだこうだ文句をつけながら、本心では博士――おじいちゃんを好きな女の子。  でも、それをいったら、少年も女の子の引き立て役なんだな。  ああ。そうか。  『女の子と少年のラブラブ』“が”、じゃなくて、『女の子と少年のラブラブ』“も”、書きたかったのだろう、と思います。  だから、 ・マンガそのものの博士 ・女の子の、博士にたいする感情 ・女の子と少年の恋 ・ナイスガイ少年  が書きたかったこと、です。  「科学者と孫娘」やりなおしの1、少年の存在をわかりやすくするバージョンです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&search=&mode=&bk=622&st=0#tree >No.49 「ポチとお嬢様」 >>その男は、お嬢様の寝込みを襲って「犯そう」としていたわけだな。 >>結果としては、お嬢様にやられちゃって捕まっていたわけだから、お嬢様は「弱者」ではなく、むしろ「強者」だったわけだが。 >>しかし男のほうは、手込めにできると思ったからこそ、寝込みを襲ったわけだろ? お嬢様がそんなに強いとは思っていなかったわけだよな?  男のほうには、お嬢様の寝こみを襲うつもりは全然なくて、とりあえず金のありかを吐かせようとして脅したら、逆にボコボコにされた、という話です。  なので、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あなたが悪いんでしょう? 私たちの屋敷に忍びこんで、私にエッチなことしようとしたでしょう?」 「なっ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  の男が発した「なっ!」というのは、なにをいいだすんだこの人、という驚きでした。  ……と、まあいくら言い訳および説明をしたところで、本文で伝わってないのなら、まったく意味はないのですが。  今回は一編。セリフなしですが、もしかしたらこういうことではないのかも。不安ながら投稿します。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=630&e=res&lp=550&st=0 >「ここまでおいで、やりなおしの2」 >○まだ混入していた「気の利いたつもり」の表現 >>苦悶のかたち >>心を鷲掴みにした >>神父は凍りつく >>妖しげな口元 >>マリア像を凝視する >>囁くような笑い声 >>やがて静寂だけが残された >>どのへんが仰々しくてNGなのか、考察のこと。  了解。次回やります。  ――しかし。  これも私の舌がおかしいことに由来するんでしょうね。仰々しいのが、書いていてわからないんだから。 >○変な言葉 >>きしみ音 >>「きしみ音」って、どんなんだ? >>きしみ=きしむような音って、そういう意味だから、「きしみ音」というのは、つまり>>「きしむような音の音」ってこと?  意味が二重ということですよね。 ■きしみ 3 0 【▼軋み】 (1)物と物とが強くこすれ合って音を立てること。 (2)対立して互いに張り合うこと。争うこと。不和。 「与野党の―」 >>そのとき、背後で扉の開くきしみ音がした。  これが元の文。この場合は、 >>そのとき、背後で扉が開く音がした。  これでいいのだろうけど、やっぱりきしませたいんだな。ギ、ギ、ギーって開けたいんだな。 >>そのとき背後で、きしみながら扉が開く音がした。  やっぱり二重なんだけど、うーん。  ちなみに、Googleで「きしみ音」を検索したら2,980件もでてきた。「軋み音」は2,160件。そのうち普通に使われるようになるのだろうか。 >にぶい銀色 >>銀色は銀色であって、ピカピカ光っている色のことを言うのであって。 >>鈍い銀色って、どんなんだ? >>酸化した銀のような色をいうのであれば、それは鉛色とか言わん? もしくはねずみ色とか灰色とか。 >>もし銃に使われる青みがかった鉄色のことを言いたいのであれば、あれには「ガンメタル」って言葉が存在しているぞ。  これは若干くすんだ銀色です。銀独特の黒ずんだ色。  バケモノを相手にするなら銀製の武器のほうがよろしかろう、という考えで、使いこんでいればくすむだろうし。  だったらくすんだ銀色って書けばよかった……のか? もっと気のきいた表現がありそうだが。 >神父の上から下まで >>神父の上――というと、頭の上の空間のこと? >>神父の下――というと、足の下、つまり床のこと?  神父の頭から足下まで、です。 >>対邪眼用の処置 >>それは、どんなもんなんだよ? >>こうなふうに書かれると、考えてないのが一発でバレるの。 >>原理や仕組みを考えだせ。その上で、命名もしろ。カッコよくてエレガントなネーミングだぞ。  まあ、邪眼の反対は聖眼だけど……。  邪眼が催眠術みたいなもの、と思えば……あらかじめ神に対する絶対の忠誠を、心に焼きつけておくような。それだと洗脳に近いな。  うーん、「アベルの盾」とか。 >長椅子 >>信者が座る長椅子」――これも言葉が適切ではない。長椅子はなんのために用意されているのか。おもに礼拝のためだわな。そして礼拝にはみずから進んでやってくる人もいれば、日曜だけ、嫌々ながらやってくる人もいるわけだな。 >>「信者」よりも、もうすこし意味の弱いぴったりの言葉は?  礼拝者のための長椅子、ですかね。 >呆けた >>>>呆けた顔でマリア像を凝視する。 >>気の利いたつもりの仰々しい言葉、のところでも書いてあるけど。 >>これも適切でない言葉なわけだな。 >>「呆けた顔」と「凝視」という食い合わせは、あり得ないんだよ。 >>ところで、「呆ける」と書くと、「ほける」と読むわけで、「あっけにとられる。あきれる。ぼんやりとする」の意味なのだが。 >>「惚ける」と書くと、「ほうける」と読み、「心を奪われる。夢中になる」という意味になるのだが。 >>これ、どっちなん? ひょっとして誤字?  口をぽかんと開けて、よだれをたらしそうな顔で、見ている……凝視はないですね、これでは。  神父のうけた衝撃を描こうと思ったんですが、どうにもこうにも。 >舌がもつ知性 >>こういうふうに、言葉の精度が低くなってしまうのは……。 >>これはお前の舌が馬鹿だということなのか? >>それとも自分の書いた物だったので、舌が正しく働かなかったのか? どっちだ?  私の舌がバカボンです。間違いなく。 >>まあ書くほうの鍛錬も行いつつ、毎日、3冊ぐらいは小説を読め。年間で千冊はいけるぞ。半年でも500冊だ。1冊2時間としても、6時間あれば3冊読めるよな。  一日3冊、ですか。読むのはいいんですけど、いままで私が小説を読んできたような、だらだらと流し読みじゃなくて、精読ってことでしょうか。んー、精読だったら1冊2時間はないか。  最低でも1冊は読むようにします。できればもっと。小さなことからこつこつと。 >連作? >>んで、なにか続きがついているのは、あれは、なんじゃらほい? >>長編書いてみるのか?  いえ、まずは短編を片づけないといけませんで。どうも描写をやると描写一辺倒になっちゃうんだよなあ……。物事を手広くやるということができない。  あれは勢いで書いてしまったものでした。だからかかった時間も1時間ぐらいです。なにも考えていないから。 >>神父の対極の性格だと、どんなのになるの? >>あとコンビだけでなく、3人のトリオでも考えておくべきだろう。 >>あの神父を含んだ3人で調和の取れるパターンでは、どんなキャラ配置が考えられる? >>3人の場合には、二人女、一人女の、2パターンがあるわな。  一応、神父が日本についた際、案内役としてドシロウトのハンター(ドジっ娘)を迎えにやろうとは思っていましたが。  神父が吸血鬼なんで、組織からは嫌われている。日本支部でもそれはおなじだけども、上から協力するように、と指示があったものだから、仕方なしに役立たずが派遣されたということにして。  新人ハンターが運転する車に乗っている神父。そこにいきなり襲いかかる吸血鬼軍団(ザコ)とか。考えるだけなら楽です。書くのは大変。  三人の場合。  もうひとりが女にせよ男にせよ、実力はそこそこにして……ドシロウトハンターの神父に対する態度と、逆の態度をとらせる。  ドシロウトが友好的なら、反抗的。反抗的なら、友好的。内心はどう思っていても。 >弟切さん  十字架とマリア像、ご意見ありがとうございます。 >>ところで、2号さんは作品の中で、キリスト教の聖職者の名前として「神父」・「司教」・「シスター」などの言葉を使っておられますね。キリスト教の宗派によっては、これらの言葉が使えないものがあることは御存知ですか?  一応、知ってます。  キリスト教の宗派は大きくわけて、カトリック、東方正教会、プロテスタントがあり、それぞれ用語も違うと。  例えば「神父」はプロテスタントだと「牧師」だし、「司教」等の聖職位も、宗派によって「主教」や「監督」だったり。「シスター」、つまり「修道女」だってカトリックしか使えないし。  教会のつくりだって、華美なカトリック、質素なプロテスタント。ステンドグラスなんかはプロテスタント系の教会ではあまり見られない……はず。  マリア像も、プロテスタント系では置いてないはず。だって、偶像崇拝を禁止しているから。まあ、カトリックも偶像崇拝は禁止なんだけども……。  一口にプロテスタントといっても、また多くに別れてるんだなあ。ややこしいなあ。  あとはプロテスタント「賛美歌」、カトリック「聖歌」とか。  ようやくに、書くまえに調べる癖がつきました。 >姿勢 >>「楽な執筆姿勢」に関して、お前は人の意見をききたいのか、それとも討論を交わしたいのか?  意見を聞きたかったです。正座して書いたこともないのに討論はできないです。討論するにせよ……できれば小説にかかわることで。いや、姿勢だって十二分にかかわるんですけど。 >描写課題  「街の雑踏」、やりなおしの2です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=631&e=res&lp=611&st=0  書くのに4時間。おやすみです、はい。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7137 投稿日 2003年10月3日(金)19時24分 投稿者 新木 伸 >今回の短編  4本書いて、直しが出たのはそのうちの1本。今日、これから直して夜中までに突っ込む予定。  2本は書き上げたそのままの形で入稿。  1本は検討箇所が1カ所あったが、直しというほどではなく。  しかし小説の良いところは、あとから直しができるというところ。  料理って、直しってほとんど利かないからねぇ。どこか一カ所でも失敗しちゃったら、はじめから全行程を作り直すしかない。  調味料の入れすぎは直せないけど、足りないなら直せないこともない。また焼きすぎはもう修正不能だけど、焼き足りないなら、もうちょっと焼くことでリカバリーできる。 >捨てる野菜の話 >>考えて結果的に書かなかった文章は、無駄になっているわけじゃありません。 >>捨てる野菜が勿体無いからって、出がらしになった野菜屑を客に出したら客は怒りますし、勿体無いからって野菜でスープを取らなければ美味いスープにならないわけです。  鐸碑さんは理解しているのだけど、肝心の「作家志望者」のほうが理解していないのではなぁ。  そもそも、はじめに植え付けなければならないのは、できあがりの分量の数倍以上の材料を用意しておく必要がある、ということ。  かき集めてきた肉やら野菜やらの材料が、もしどんぶり一杯分ぴったりしかなかったなら、「スープを取ろう」なんて発想はそもそも湧いてこない。  すべてぶちこんで雑炊みたいなものを作るしかない。  材料をすこしでも捨てて減らしちゃったら、一杯分、作られないじゃないか。困るじゃないか。  ――てなあたりが、アマチュアのシロウトの発想なのね。  そんな低いレベルにあるわけです。はい。  もともと「スープ」というものは、鳥の脚やら豚の骨やら、野菜の端切れとか卵のカラとか、そんな普通は食べないものをどうやって有効活用しようかというところから出てきた発想なわけだ。食材が余っているからこそ、出てくる発想。  鳥の脚だって豚の骨だって、野菜の葉切れだって食べられるものなわけだよ。食糧難にでもなって餓死者が出るぐらいになったら、スープになんて使わないで、そのまま食べるに決まっている。卵のカラはさすがに食えんけど。  アマチュアは、そもそも発想が貧乏なのね。  実際に書く分量のものを出してくるだけで、ヒーコラ言っているのが現状なわけだ。  なかにはアマチュア時代から貧乏でない人もいる。そういう人は書くべきことは山ほど持っているので、すべて書いていたら原稿枚数が爆裂してしまう。多すぎる文章は誰も読んでもらえないし、そもそも書くのも大変だ。  よって頭の中にあるものをアウトプットするときに、必然的に濃縮して、スープを取るようになる。  特に訓練しないでも、そういうことができる人はたまに存在する。  こういう人はプロになろうと思ったらすぐに「なれる」ので、作家志望者をやっているはずがない。  しかしそうでない凡人でも、「スープを取る」という発想を持ち、自分の性根(貧乏根性)を入れ替えれば、同じようなことができるようになる。 >アマチュアはどのように書いているのか  ええと、僕の小説の書きかたは、これまで書いてきた通り。  はじめに頭の中で一回書きあげてしまうのね。一字一句書くわけではないけど、それぞれのシーンがどんな雰囲気になって、視点はどこにあって、なにに注目して描いてゆくのか――と、視点推移の一覧みたいなものを頭の中だけで作りあげる。  料理でいうなら、調理手順を撮影したビデオを早回しにして流すような感じか。  この段階では、執筆手順を早回しにしたものが、頭の中に存在する。  なにしろ早回しなもので、細かな手順はよく見えないんだけど……。どの手順に関しても僕はよく知っているし、実際に自分がやれることも知っているわけだから、ここでは早回しで充分。  全体をそうして眺めることができたら、プロットの手法で構造分析にかけてみる。  頭の中で書き上げた小説を、いったんプロットに分解してゆく。  それぞれの場面で書くべき事柄を、箇条書きにして書き出してゆく。  これは頭の中だけでやることもあるし、実際にエディタの上にメモを取ることもある。掌編ぐらいだったら頭の中だけでやるけど、原稿用紙5枚を越えるくらいからはメモを取るかな。  プロット化できたら、プロットとして眺めて分析する。  それぞれの部分で力を注ぐべき対象や、注意すべき項目などを検討しておく。  そして注意書きとして、レシピに書きつけておく。  このあたりで味見は完了していることになる。  面白くないようなら、この段階でボツにして、別なものを考える。  頭の中だけで行うなら、3分ぐらいで1パターンの検討が済む。  このあいだ、紫のところでやったOFFでは、はじめ15分ほどは全然書いていなかったけど、あのときに4〜5パターンはこうして検討して捨てていた。  実際に書いてゆく段階では、レシピに規定してある通りにやれているかのチェックのみ。  最後に一回、通して読んで味見して、そして完成。  ――と、僕はこのようにして書いている。  2号と弟切。  それぞれ、自分がどのようにして書いているのか、詳細に観察して報告のこと。  なぜ実際に作ってみないと味見が行えないのか、それをすこし研究してみようと思う。 >鐸碑さん  ケータリングってサービスがありますが。  出張して料理を行う仕事。  ほとんどできあがっているものを持ち込んでホームパーティの給仕をする仕事から、単なる夕食(にしては豪華だけど)を提供する仕事まで。  調理器具はその家庭にあるものを使い、材料は持ち込み。  一人でフルコースを作って提供する――なんて仕事もあるそうで。  以前、僕のバイトしていたうどん屋の店長が、3時ぐらいになると僕らに店を任せてアルバイトに出かけてました。  店長職をほっぽり出してアルバイトにいそしむのはどうかと思いましたが、たった4時間で一人でフルコースを作り上げてしまう腕前はプロだなぁと思いました。  依頼人がある一品だけ用意して、それを持ち込んだ他の食材と組み合わせて料理する――なんてのも聞いたことがあるかな。「外国の友人から生きたロブスターが送られてきたので、調理してくれ」とか、当日になって仕事が舞いこんできたりとか。  ところでPBMの相場って、どのくらいなんですか?  毎月か隔週なのか。レスポンスは一回につき原稿用紙何枚程度で、毎月の参加料はいくらぐらいなのか。  参加者側の料金と、それによって得られるもの。  あと差しつかえなければ、書き手側の報酬、納期、仕事内容(質、量、リテイクの状況)なども。 ●2号 >No.48「科学者と孫娘」  こんどのは少年がちゃんと認識される。その点はクリアしたな。  しかし――。 >>博士がでてくる必然性は…… >>女の子の引き立て役です。困った研究ばかりしている博士と、口ではああだこうだ文句をつけながら、本心では博士――おじいちゃんを好きな女の子。 >>でも、それをいったら、少年も女の子の引き立て役なんだな。  うそつけ。  リライト1を見てみたら、そうはなってなかったぞ。  おじいちゃんと少年が主役であって、逆に、女の子のほうが引き立て役だったぞ。  研究一直線の漢と、それに共感しちゃった男の子の話だったな。  女の子は、その二人に迷惑しちゃっている人間という役柄だった。  女の子が主役だと言い張るなら、女の子が主役となるように――いっぺんぐらいはそういうふうに書いてみろよ。  ちなみに、「The Spirit of Wonder」/「チャイナさんの憂鬱」/鶴田謙二――という作品が、発明家+助手+女の子という役どころで、女の子に主役をキープさせたまま話を展開させていた良い例になるが。  誰がそのシーンの主役になっているのか。  ひとつの分析方法としては、そのシーンの各センテンスで、なにを書いているのか。  台詞の場合には誰に向けられている台詞なのか。  それを数えてみるという手がある。 >>春の日差しが、おだやかに降りそそぐ。  無属性。 >>いきなり、重低音が地面を震わした。  無属性 >>半円球状の建物から、白い煙があがる。なかから、老人がよろめきながら出てきた。老人の白髪も、白衣も、さらに真っ白くなっていた。  →老人 >>「また? おじいちゃん」  →老人 >>少女の、すこしトゲのある言葉。  →老人 >>老人の目の前に、腰に手を当て、しかめっ面をしている少女と、そのとなりで穏やかな笑みを浮かべている少年がいた。  →少女と少年 >>少年が会釈する。  →老人 >>老人はにやりと笑った。  →老人 >>「なんじゃ、小鳥。彼氏づれで小言をいいにきたのかの? デートにはむかんと思うぞ、わしの研究所は」  →少女 >>とたんに、少女の顔は真っ赤になった。  →少女 >>「な、なにいってんのよ、おじいちゃん。か、彼は間鳥くんっていって、ただのクラスメイトなんだから……」  →老人 >>「はじめまして、間鳥由紀斗といいます。――敷島博士ですよね?」  →老人 >>「ほ。わしのことを知っておるのかね」  →老人 >>「ええ。有名ですから」  →老人 >>間鳥と名のった少年は微笑んだ。  →老人 >>少女――敷島小鳥は小声で呟く。  →少女 >>「どういう意味で有名なのかしら……」  →少女 >>そして、ハッとなにかに気づいた表情を浮かべる。  →少女 >>「おじいちゃん! 変なこと言ってごまかさないでよ! いつもいつも、おじいちゃんのわけのわからない発明で、どれだけあたしたちが苦労していると……」  →老人 >>「どうかね、間鳥くん。わしの研究を見ていくかね?」  →老人 >>敷島博士は、見事に孫娘を無視した。  →少年 >>「ええ。よろこんで」  →老人 >>間鳥の言葉をうけ、敷島博士はいまだ煙のあがる建物に戻っていく。  →老人 >>小鳥はあわてて間鳥の袖を引っぱる。  →少年 >>「ちょ、ちょっと間鳥くん。やめたほうがいいよ。絶対後悔するから……」  →少年 >>「大丈夫だよ。だって、小鳥ちゃんはおじいちゃんが好きなんでしょう?」  →少女 >> その言葉に、小鳥はさっき博士にからかわれたときとおなじくらいに、顔を赤らめた。おずおずとうなずく。  →少年 >>「じゃあ、大丈夫だよ」  →少年 >>「――うん」  →少年  こうしてみると、「老人」と「少年」とが多いな。  1位が「老人」で、2位が「少年」だな。  誰かが(なにかが)少女に関心を払っている行はとても少ない。よって少女は主役ではあり得ない。  これでどうして「少女」が主役だと思えと? >名前とか  まあどうでもいいことだけど。  「小鳥」って、名前だと思われない誤読確率、かなり高いぞ。  現実にいるのか? 「小鳥」なんていう名前の女の子? ギャルゲーの中にはいそうだけどさ。  あと女の子の名前が「小鳥」なら、男の子の名前に「鳥」を使うのはかぶるからやめとけ。「小鳥」「間鳥」と、両方とも同じ2文字目に「鳥」の字が来ているから、識別しにくくなる。  読者は小説を流し読みするものだ。  お前だって、自分で読むときには、だらだらと読んでいるわけだろ? 決して精読なんてしてないだろ?  なら読者だって、お前の小説を同じように読むんだよ。  当然だろ?  だらだらと、流して読んでいるときにも、名前を読み間違えないためには、似たような字面の名前を避けておく必要がある。  基本だ。 >仰々しい言葉  待て待て。  ひとつ質問。  「仰々しい」という指摘が、まだピンときていないということ?  「書いていてわからない」というのは、執筆中にわからなかったということか? それとも、いまに至ってもまだぜんぜんわからないということか?  書いているときにわからなくても、あとから見直したときにわかるようであれば問題はないのよ。  いま、こうして並べられても、やっぱりどこが仰々しいのかわからない――というようであれば、これはかなり重症だが。  ひとつ、踏み絵をしてみる。  以下の文章は翠の「闇の中で振り向けば」の中からの一節だが。  ここで普通の感性を持つ読者であればのけぞってしまう一句を示せ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねえ、倉田くんは、もう部活決めたの?」 「あ、え……ああ」  話に割って入ってきて、そしてその話に決着をつけてしまった女の子は、昇に声をかけた。倉田昇という人間は、超強力磁石のように人を――とりわけ女の子を――惹きつけるのだ。中学のときも。そしておそらく、高校に入ってからも。 「ねえ、どこ?」 「オーケストラかな、とか」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >軋み  ああ、大辞林の記述は、正しくないな。  それ、嘘が書いてある。  広辞苑のほうなら正しいことが書いてある。  だから辞書は複数持てっての。  一個しか引かずに鵜呑みにしているアホさかげんを見るたびに、イライラするのだが。ついでにこうしてこちらが指摘してやる手間もかかるのだが。  誰かにお古をもらうなりなんなりしろ。電子ブック版なら余っているのがあるから、マイクと一緒にやろうか?(8センチCDで、DDWINで扱える。ただし「ひらがな」でしか引けない)  「軋む」は動詞で、「軋み」というのはそこから派生した名詞なのね。  つまり別の言葉だ。  大辞林においては、動詞である「軋む」を引いても、まったく同じ説明が出てくる。  そこで「おかしい」と気付け。(どうせ「軋む」のほうは引いてないんだろうなぁ)  別の言葉のはずなのに、同じ意味のはず、ねーだろ。  あと、いちばん簡潔な表現は――。     「そのとき背後で、扉が軋んだ。」  ――だろ。  読点の位置によって以下のバリエーションもあるだろう。     「そのとき、背後で扉が軋んだ。」  しかしこれだと「扉が軋んだ」ことに焦点が当たらないので、良くない。  いっそ、「そのとき」なんて意味の薄い言葉を取っちまう手もあるか。     「背後で扉が軋んだ。」 >「軋み音」と「軋み」  だからさー。  俺の言ってること、なんでわかんねーかなー。  「軋み音」と「軋み」が、まったく同じ意味であるなら、より短いほうがいいだろ?  なんでそんな簡単なことがわからんのよ? >銀の銃 >>バケモノを相手にするなら銀製の武器のほうがよろしかろう、という考えで、使いこんでいればくすむだろうし。  馬鹿ったれ。  本当に銀製の銃だったのかよ!  そこまで馬鹿だとは思いもしなかったよ。  お前、純銀の強度って、どれぐらいか知ってる?  ちと、ここ見てきやがれ。 http://www.asahi-net.or.jp/~JH3M-FJYM/katasa/katasa.html  強度=硬度ではないけど、金属の場合には、おおむね強度は硬度に比例している。  ダイヤモンドを10とするモース硬度でいえば、鋼は5〜8.5ほど。  銀は2ね、2!  そしてモース硬度の体感的説明は、ここにある。 http://homepage2.nifty.com/stn/p07koudo.html  これによると、モース硬度2という硬さは、「爪でかすかに傷がつく」程度なわけよ。  銀ってのは、歯で噛めば、歯形のついちゃうような金属なんだよ。  わかったかバカ。 >神父の上から下まで  これも、なにを問題にしているのか、わかっていないのかな?  「神父の上」って書いたら、普通の読者は、「神父よりも上」と読むわけ。つまり神父の「頭」はこの言葉の示す範囲内には含まれていないの。  「神父の体の上のほう」とか書けば、頭まで含んでもらえるだろうけど。  同じように、「神父の下」と書いたなら、靴よりも下の地面のことを指し示しているわけ。  2号はどうも「足下」という言葉も勘違いしているっぽいなぁ。  「足下」=「足首のあたり」とか思いこんでいるだろ?  ちがうの。  「足下」という言葉は、足の接地している地面のことをいうわけ。  言葉っていうのは、お前の私有物じゃないんだから、正しく使え。 >対邪眼用の処置 >>邪眼が催眠術みたいなもの、と思えば……あらかじめ神に対する絶対の忠誠を、心に焼きつけておくような。それだと洗脳に近いな。  じゃあそういうものだとして。  どうやって「心に焼き付ける」わけ?  他の種類の可能性はきちんと検討したのか?  対邪眼用の措置というのは、たったひとつしか研究されていないのか?  もしそうだったとすると、すごく、嘘くさく感じるのだが。  どうやってバリエーションを出してゆくのか。  その方法を教える。  たとえば心理的なものの対極には、「物理的なもの」ってのがあるわな。  また恒久的な措置と、一時的な措置というのもありそうだわな。  恒久的な措置は効果時間は無限だが弱い。効果時間が定まっている措置は強力。  ――そういう違いがあったりすると、なんか「リアル」っぽく感じるよな。  実施が簡単な措置は効果も気休め程度。実施に手間の掛かる措置はけっこう強力。  ――こんな違いなんかも、「リアル」っぽいわな。  また効果が恒久的でありながら、しかも非常に強力な措置――っていうのは、儀式に貴重な素材が必要だったり、儀式を行う術者が限られていたり、代償が必要だったり、なんか副作用があったりすると、なんだか「リアル」っぽくなってくるわな。  いいか? 「対邪眼用の措置」ってものを一個登場させようと思ったら、実際には書かれない「無数の他の措置」ってものまで、すべて作り上げなきゃならないわけ。  作品に書くものは、氷山の一角なの。  水面下にその10倍の質量がなくては、水面上のものを支えきれないの。  対邪眼用の措置を、すくなくとも10通りは、その原理とともに出してこい。  そして効果の程によってソートしてこい。  もちろん、神父に使われている「措置」は、その最上位にあたるものだよな? (つーか、俺、これ書きながら、もう10通りぐらいは出てきてるけど)  ネーミングまで考えるのは、まあ、実際に登場させる1個で良いだろう。 (それは俺がネーミング貧乏だからなるべくケチりたいだけね。ネーミングが湯水のごとく湧いて出てくる作家であれば、使わない設定にもネーミングが付いているはずだ) >教会の長椅子とか >>礼拝者のための長椅子、ですかね。  なんでもっと簡潔に言えん?  「礼拝用の椅子」でいいだろうに。  「者」も不要だし、「長」も不要だ。省けるものはとことん省け。  教会にある椅子っていわれたら、たいていの人はあの横に長い椅子を想像してくれる。 >神父と吸血母との話  しかし題材的には世界を股にかけた話になるところなのだが。  作家の力量不足から、舞台を日本に移して、ちまちまやるしかないのねぇ。  寒い台所事情だねぇ。  まあ世界を股にかけた話だと、俺も書けんが。  電撃文庫でやれているのって、「DADDYFACE」の伊達さんぐらいのものか。  あと「バッカーノ」の成田さん。  日本だけでなく、世界を舞台に使えるってだけで、作家としては武器になるわけね。  みんな「世界」を知らなくて書けないものだから、日本国内とか、ご町内だけで話を展開するわけだよ。  もしくは異世界に逃げるとかね。  ちなみに僕は宇宙やら未来世界やらに逃げている。  弟切さんあたり、世界に関する知識は、それ武器なんだけどな。  この吸血母と神父との話、べつに舞台を日本に持ってこなくたって、ロンドンだって、ロシアだって、中国奥地だって、中近東だって、どこだって書けるでしょ?  また現代のロンドンでなくたって、19世紀ロンドンでも、18世紀ロンドンでも、17世紀ロンドンでも、どれだって書けるでしょ?  「カトリック」という宗教について、べつにいまさら調べないでも、必要なことはたいてい知っているでしょ? 自分がなにをどれだけ知っているのか。またなにはどのくらい知らないのか。すべて把握しているでしょ?  また調べなければならないことが出たとしても、どうやって調べればいいのかは知っているでしょ? >吸血母と神父の話 >>一応、神父が日本についた際、案内役としてドシロウトのハンター(ドジっ娘)を迎えにやろうとは思っていましたが。  俺はこんなの考えた。  神父の日本における活動拠点として、ある教会が指定されるのね。  そしたらそこに、昔、神父が拾って育ててあげた女の子がいるのね。  そして神父は体力を維持するために食事をしなくてはならないのだが。日光にたくさん当たってしまったために体力の低下が著しく、いますぐにでも食事を採る必要があるわけだが。  あの男言葉のシスターはたいへん意地悪なことに、神父の食事なんて用意していなかったのね。しかも民間人を襲って吸血行為を行えば処分すると通告してくるのね。どうも神父への協力派と排除派と、色々あって、ややこしいことになっているようなのね。  例の女の子は見習いハンターなのだけど、苦しんでいる神父のために、みずからの首筋を差しだしてくるのね。神父は葛藤するのだけど、しかし本能には逆らえず、女の子の首から血を吸ってしまうのね。  そして女の子は、神父の「携帯食」ということで、なし崩し的に今回の仕事に同行することになっちゃうのね。  トリオだな。  例の男言葉のシスターと、そのけなげちっくな女の子と。  神父+女2名。  しかし吸血鬼ものって、いま時期的に需要過多だぞ〜。  日本で始めたのは菊地秀行だが、もはや「人狼」とおなじぐらいの共通言語になっているので、オリジナリティの点では気にもしないでいいのだろうが……。  やるなら、他の「吸血鬼もの」を一通りはチェックしておかんと。  ほとんど伝統芸の世界だから、その世界独特の「お約束」ってものがある。  しかし、こうした本格系でやるのなら、とりあえず、「HELLSING」に打ち勝つぐらいの気迫でいないと。  またギャグコメディでいくのなら、とりあえず、「僕の血を吸わないで」に勝つつもりの気迫でいないと。  「シリアス+ギャグ」のハーモニーなら、「マスターモスキートン」かなぁ。 >執筆時の姿勢について >>意見を聞きたかったです。正座して書いたこともないのに討論はできないです。  ならなんで、中途半端な反論をはさむ? >>でも、あぐらって腰に悪いって聞きましたけど。正座が腰に良いとも。だからって正座したら、こんどは足が持ちませんが。  「あぐらって腰に悪いって聞きましたけど」とか。  この「けど〜」の後に続く語句はなんだよ?  話を聞くときなのか、自分の意見を挟んで討論を交わすべきときなのか、判断しろよ。  話を聞くべき時に中途半端に反論して、からんでみせるもんじゃない。相手から聞けたはずの有益な話も、聞けなくなるぞ。  誰がそんな「面倒くさいやつ」に話をしてやるものか。 >No.51「いくじなし」  読んだ。  読めなかった。  やれと言ったことは、そういうこと。  台詞なしで劇を行えということ。  少年が、少女の胸を見るところまでは、まあOKかな。  だがその先で、キスをしようとする付近。  このあたりが良くない。  どこがシーンの焦点なのか。  この話。流れ的には――。  まず寝ている少女の手足を見て、それから胸に視線が移ってゆくわけだな。  そしてキスしようとするのだけど、中断されて、男の子は逃げてゆくわけね。  何ヶ所か、大きく流れが変わっているポイントがあるわけだよ。  胸を見る。  キスしようと思う。  キスが中断される。  逃げてゆく。  少女が起きる。  それぞれのポイントで、流れが切り替わる「瞬間」というものが存在する。  それまでは女の子の手足やら体全体を見ていたのに、ある瞬間から、ぱっと意識が切り替わって、胸を見たいと思うようになる――とか。  あるいは、それまで胸を見ていたのに、ある瞬間から、キスしたいと思うようになる――とか。  その瞬間っていうのは、流れが「劇的」に変化しているわけね。  なのに、読んでいると、そうした変化が感じられない。やりかたが良くないわけだ。  僕はこうした現象を「目が流れてしまう」とか表現する。  そこで流れが切り替わっているのに読者が気づかないために、「切り替わった」という認識が遅れてしまう。  流れを見失ってしまうと、読者はいま描かれているこれがどんな話なのか、とたんにわからなくなってしまう。  話への興味が失速して、そして読むのをやめてしまう。  これまでの2号の書きかたでは、こうした流れの転換点には、だいたい台詞を置いていたわけだよ。  台詞っていうのは、目に留まりやすいものなのだ。読者の注意を引きやすい。読者が注意を向けるのは人間であるから、その人間の口から出てきた言葉というのは、もっとも注意を引きやすいものである。  読者は台詞に対しては、他よりも高い集中力を発揮してくれる。台詞のなかで「ここで流れが変わりますよ〜」ということを明示しておきさえすれば、読者も容易に話題の切り替えについてこれる。  こうして台詞を利用して流れの転換を行う方法は、効果的であり、なおかつ、もっとも容易な方法でもあるわけだ。  ――が、しかし、そればかりではいけない。  台詞に頼らないでも、流れが変わったことを伝えられるように練習しておいて損はない。  てか、そのくらいは出来ないと、プロにはなれない。  台詞のないシーンなんて、いくらでもある。話の構成上、どうしても避けられないこともある。そういうときに「出来ません」では、これは話にならない。  少年が女の子の手足を見ていたところから、胸に目が移るわな。  そこは転換がうまくいっている。  その後の――、 ・キスしようと思う。 ・キスが中断される。 ・逃げてゆく。 ・少女が身を起こす。  ――この部分に関しても、流れが変わったことがきちんと読者に伝わるようにリライトせよ。  精読している読者に、じゃないよ。  おまえが普段小説を読んでいるときのように、ぼんやりと、流し読みしている相手にもきちんと「あ、流れが変わったのね」と伝わるようにするにはどうしたらいいのか、知恵を絞れよ。  なんなら、そこらに転がっている商業小説を見て、研究したってかまわない。  台詞のないシーンにおいて、プロは、どのようにして「流れ」を切り替えている? >街の雑踏 No.4「田舎ものの少女が、都会の街並みを見て」 −−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられ、少女はあわてて、謝りながら道をあける。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けた。サラリーマン、学生らがそれに続く。  少女は、通行の邪魔にならぬよう気をつけながら、目の前の階段を降り、駅前の広場に降り立った。  先ほど目を奪われた光景――。 −−−−−−−−−−  最後のところに、「先ほど目を奪われた光景」ってあるけど……。  ここまでのあいだに、5行も入っちゃってるだろ。  もう読者は覚えてないよ。  はじめに少女が立ち止まって、「なにか」に目を奪われていたのだということは、念頭から消え去っている。  もう2行ほど早めないと。  もしくは、少女が気になった「なにか」を、他の人たちがぜんぜん気にしていないようすに、少女が疑念を抱くとかして、読者が忘れないように話題を引っぱるとか。  なにか工夫しないと。  あと、「奇麗奇麗」を連呼するのは、都会に住んでいる人間としては共感できないところであるが、まあ、いいとするか。  だいぶマシになってきた。  惜しい出来だったので、書き直してみる。  上の「少女がなにに見入ったのか」の処理は、3行にはできなかったが、4行以内にしてみたことと、思い出すときの一行を強調することでクリアした。  だが――、「雑踏」からは離れてきちゃったねぇ。  これは「都会の街並み」ってところか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられた。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けてゆく。サラリーマン、学生らがそれに続く。  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。  足下の石畳は色とりどりできれいだった。ずらりと並び、公園ほどの大きさになっている。噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。少女の知ってるような、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃない。  そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。  少女は自分の姿を見た。自分も制服を着ていた。えんじ色のセーラー服。ずらっと膝まで長いスカート。カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。  制服のスカート。あんなに短くて、恥ずかしくないのだろうか。見えちゃわないのだろうか。  少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。  歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側。ビルが立ち並んでいる。大きさも、数も、見かけないほどだった。  なによりビル自体がきれいで、またしても少女は目を奪われた。  ――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  その通りなのだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたような外観のビル……。都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならないらしい。  少女は、自分の姿をもう一度見た。  もう、開き直ることにした。  口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  分析したら、あくまでも「街の雑踏」でまた書いてみること。  あ……、いま見たら、なんか後ろのほうにオマケみたいなのが付いていたのか。  女の子が雑踏を歩くシーンもあったわけね。  しかしなんか、つまらんな。  てか、キャラが違うっていうか。視点に入っていないじゃん。よって描写にもなっていない。  すくなくとも、前のシーンの女の子の視点に入ってアーケードを眺めていないな。  もしこれがなんらかの視点に基づいて書いているとしたら、それは2号、お前自身の視点ではないのか?  ああ。わかった。  視点が不連続に感じるのは、都会の街並みに感動していた女の子が、いきなり、なんの脈絡もなく雑踏を「嫌なもの」と捉えているからだ。  この二つのシーンって、続けて書いたものじゃないだろ?  そもそも、ふたつは、別のものだろ?  はじめにアーケードを歩いているシーンを書き、しかし自分でも「なんか違う」とか思ったので……。  こんどは街に街並みに感動する女の子の視点でもって、駅から降り立つほうを書いてみたわけだろ?  そうならそうと、断り書きをしておけ。  読んでいて混乱するから。 >パソコンのマイクとか  そういえば、ノートパソコンがあるなら、そこにマイクって付いてないの?  たいていのノートパソコンには、マイクが内蔵されているもんだが……。  スピーカーが付いているなら、マイクもあるはずだが。  感度が低くて音質も良くない内蔵マイクがあって、その他に外部マイク端子があって――と、たいてい、両方備えてあるものだが。 -------------------------------------------------------------------------------- 木犀[もくせい]の香り溢れる No.7138 投稿日 2003年10月4日(土)02時27分 投稿者 弟切 千隼  この時期に街を歩くと、空気に甘い香りが混じっていることがよくありますね。秋を告げる木犀の花の香りです。  この甘い香りを振りまく植物は、金木犀[きんもくせい]と呼ばれることが多いですね。けれども、生物学的にいいますと、このような香りのする植物には、キンモクセイとギンモクセイとウスギモクセイの三種があります。この三種はとてもよく似ていて、区別が難しいため、通常はまとめて木犀または金木犀と呼ばれています。 >生課題「街を歩く」  書き直したものを課題部屋に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=%90%b6%89%db%91%e8&mode=and&v=633&e=res&lp=195&st=0 2号さんへ >  キリスト教の聖職者の名前は、一応調べて使ってらしたのですね。それにしては、不自然に感じることがあります。  「神父」というのは、ローマカトリック教会における正式な聖職者の名前ではありません。司祭[しさい]という地位に対する尊敬の念を込めた通称です。  ですから、神視点や作者視点や完全客観視点の場合に、「神父」と書くのは変です。何でも知っている神さまや作者なら、わざわざ通称を使うことはないでしょうし、完全客観なら尊敬の念を込められるはずがありません。  ローマカトリック教会の一般信者が視点キャラであったり、キリスト教のことをあまり知らない人がうっかり呼んでしまったりという場合でなければ、「神父」という言葉を用いるのは不自然です。  「シスター」という言葉にも引っかかりました。  シスターとは、ローマカトリック教会でのみ用いられる言葉で、「修道女」という意味です。修道女という日本語訳があるのに、なぜわざわざシスターという外来語をそのまま使ったのでしょう?  上記のとおり、ローマカトリック教会の修道女であるならば、シスターと呼ぶのは間違いではありません。しかし、シスターという名も、おもに尊敬の念を含んだ呼びかけとして用いられており、神視点や作者視点や完全客観視点にはそぐいません。 >>邪眼  2号さんは、この言葉を正しく理解されて使っているのではないようですね。  本来なら、2号さん御自身にきちんと調べていただくのが筋でしょう。けれども、この言葉はもともと文化人類学の分野から出た言葉で、その方面に詳しくない人が調べて理解するのが難しいです。この概念を素人にもわかりやすく、簡単に解説した資料が、なきに等しいのですね(^^;  そのため、今回は特例として弟切が解説します。弟切もいまだ日本語修行中の身ですから、わかりにくかったら言って下さい。  邪眼とは、ある民間信仰に対して付けられた名前です。この信仰はヨーロッパから西アジアにかけて分布し、日本には馴染みがありませんでした。元来日本になかった概念なので、英語のイーヴル・アイevil eyeという呼び名を直訳して、邪眼と呼ばれるようになりました。  ものすごーく簡単に邪眼を説明しますと、「悪意−おもに嫉妬−のこもった目で見つめられると、見つめられた人が不幸になる」という信仰です。実際にこうなるという証拠は一切ありませんから、迷信といってよいです。  この邪眼は、誰でも使えるとされています。邪眼をよく使う特定の人がいるという信仰もありますが、普通の人が悪意を持って誰かを見つめれば、それは邪眼になります。  おそらく、もともとは「他人を羨んではいけない」あるいは「他人の嫉妬を買いそうなことをしてはいけない」という戒めが、民間信仰にまで発達したものと推定されます。嫉妬ははなはだ厄介な感情で、人間関係を壊すことが多いからです。  上に書いたのは、文化人類学的な邪眼の概念です。  ところが、最近、小説や漫画やゲームの中で使われる「邪眼」は、上のものとは違っていますね。  フィクションの中で用いられる「邪眼」は、話を面白くするために、本来の邪眼という概念の一部を拡大解釈していることがほとんどです。「見つめた人を不幸に陥れる特殊な能力を持った人がいる」というふうに設定されている「邪眼」が多いですよね。  それはそれでいいと思います。現実を踏まえつつ、話を面白くするために脚色を加えるのは、話作りの基本でしょう。  ここで、ある程度現実を踏まえているというのが大事です。これがないと、物語が砂上の楼閣になってしまいます。  拡大解釈された「邪眼」が流布してしまったために、本来の文化人類学的概念と混同されることを恐れ、文化人類学的な意味での邪眼は「邪視[じゃし]」と呼ばれるようになりました。  「邪眼」という言葉を用いる際には、文化人類学的な邪視を基礎にしつつ、どのような作用の概念なのかを明確にしなければならないでしょう。でないと、どのようなものを指して「邪眼」と書かれているのか、読者さまにはわかりません。 お知らせ:  弟切は明日から用があって遠出します。明日はおそらくここに書き込みができません。次の書き込みは明後日以降になる予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- そろそろ No.7139 投稿日 2003年10月4日(土)03時42分 投稿者 巻島翔史  扇風機をしまわないといけません。  分室の過去ログを読むと、去年は九月二十九日にしまっていた模様。  だいたい、時節的には同じ頃合ですね。  というわけで、例の50枚、バージョン2をアップ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=634&e=res&lp=634&st=0  だいぶ足したら、春に書いた初稿の枚数(65枚)にかなり近づいてしまった。ちなみに今回のは61枚。  まあ、枚数的な都合は年が明けてから気にすればいい、と割り切りました。最近のスープの話じゃないですが、「完成度の上がったものが多く在ること」自体は、嘆くことではないです。 (ただ、次回からの電撃大賞には、従来の枚数規定のほかに新たに『ワープロ原稿(1枚=30行×40字)の場合には80〜120枚に収める』というのが加わりまして。巻島の改行頻度、およびセリフの量から考えると、原稿用紙換算350枚に収めてもワープロ原稿換算で140枚ぐらいになりそうなのですが。いまから不安がってもしょうがないんですけどね) 規定参照:http://www.mediaworks.co.jp/3taisyo/bosyuu/novel_11.html  なんとしても50枚以内にいますぐ収めてこいというのであれば、また削りますけど。  ちなみに以下が、今回増やした箇所の主なリスト。   ●コンビニ→家まで ・頭がこんがらがってる感。(コンビニ出るまで) ・用もないのにコンビニ入ったことのとりつくろい。(コンビニ出たあと。歩きだすまで) ・有希のキャラを読み手に認識させる。(具体的には、亮介との対比でしっかりしているように見せることと、亮介から「二人の間には溝がある」ようなことを言われて動揺すること(有希は自分が亮介に避けられていると思っている)) ●アクション→家に入るまで ・ファーストコンタクト=なんだこいつ感。とまどい?(特撮関連の思考) ・戦闘終了後の、助けに行くかどうかの迷い。 ・地球人に姿を見られたことをどうしようか、と宇宙人が考えている間を付け足し。 ・転移装置を向けられたときの怖さ。(銃口に比喩) ・白い光に包まれたときの感覚。 ●家のなか→有希いったん帰宅まで ・玄関に上がるまでの細部(観葉植物への感情)を足す。(「宇宙人声出し」への溜めをつけるため) ・謎の声が自分から出ている疑惑を固めるための「溜め」(プラス二行) ・宇宙人の話を受けるかどうかの思考。(有希の決断への溜め) ●部屋のなか→有希邸脱出→神社決戦終了まで ・部屋間の距離(のちのジャンプのための説明) ・乗っ取られから、ジャンプするまで行数をかける。(溜め用) ・主観で見れる初戦闘だけに、亮介の意識の差し挟みを増量。 ・有希に攻撃しないとキリがない、と言われたとき、亮介がなぜ反論できないか。 ・初迎撃における亮介のおびえ。(若干増) ●住宅開発地→ラストまで ・乗っ取りにおびえる亮介の心理展開の増量。 >>3行とか、5行とか、ある一定単位のブロックごとに、「この部分の目的はなんだったろうか? それは充分描きこめているだろうか」と、チェックするようなことを、やっているのか、いないのか、そこを聞いているのだけど。  センテンスごとの目的、つまりここではなにをするべきか、ということについては、それなりに把握できてはいると思います。  問題はミクロ的な視点のことにあって……ようするに、「ここは面白さ足りてないけどなんとか急がして、もっと先の、面白いところで楽しんで欲しい」的な発想があったわけなんですね。  で、そういう発想ではいけないわけで。  なぜなら、先に行くまでに読み手が離れる可能性があるから。ましてや盛りでケチったら、ねぇ?  とにかく作家は、短い文章サイクルで「楽しめること」「面白いこと」を投入していなかなければならんわけでして。読み手をより後ろへ引っぱっていくために。  盛りをケチるなとは、つまりこういうことなんですね。しゃもじを動かす手を休めてはいけない。常に盛り付ける。 -------------------------------------------------------------------------------- ください No.7140 投稿日 2003年10月4日(土)08時02分 投稿者 名無し君2号  素直にハイという心。  マイクも、なんだか期を逸してしまって、いまさら「すみません、やっぱりください」とも言いづらく。  再度話題が出て、辞書のおまけがついたのをいいことに、住所、氏名、電話番号を送ります。ください。 >鐸碑さん  読んでいただいてありがとうございます。 >印象深かった表現 >>>>男は、信じられない顔つきで、己の腕を見つめた。 >>言葉通りに受け取って、およそ人間の顔が作り出したとは信じられないような表情をしているという、ギャグ漫画でないと絵に描けないような物を想像しました。 >>口が輪郭の外に飛び出して、目が飛び出して螺旋を描いてるようなの。  「信じられない、といった顔つきで」もしくは「驚きの表情を浮かべ」じゃないと駄目でした。  ここ、「驚愕の表情を浮かべて」だと仰々しいNGですよね。 >>>>「なるほど。飢えた野良犬のような姿は、伊達じゃないってことね」 >>意気込んでそう振舞っているわけじゃなく、自然体に野良犬のような姿(ボロボロの服を着た浮浪者然とした格好かなぁ)をしている人、なんだ浮浪者か…。  こちらは新木さんからも「セリフが死んでいる」との評価を受けました。ともかく「野良犬から飼い犬」という具合につなげたかったので、無理に「野良犬」と言わせたあげくがこのザマです。  序盤の段階で、「違った意味で印象深かった表現」が出てきては、そこで読み捨てられる可能性が大で……。まだ1000字だったから、鐸碑さんにも読んでもらえたのかもしれません。 >○まだ混入していた「気の利いたつもり」の表現 >>苦悶のかたち >>心を鷲掴みにした >>神父は凍りつく >>妖しげな口元 >>マリア像を凝視する >>囁くような笑い声 >>やがて静寂だけが残された >>どのへんが仰々しくてNGなのか、考察のこと。  以下、考察。 (1)苦悶のかたちに、眉間に皺をよせる。 ■くもん 0 【苦▼悶】 (名)スル 痛み・心配などのために、苦しみ悶(もだ)えること。 「自責の念にかられて日夜―する」  つまり、「苦しみ悶えるかたちに、眉間に皺をよせる」  「苦悶」が仰々しい――大げさです。普通に「眉間に皺をよせる」で十分でした。もしくは、もうすこし弱めの表現で。 (2)神父の心を鷲掴みにした。 ■わしづかみ 0 3 【▼鷲▼掴み】 (1)鷲が獲物をつかむように、乱暴に物をつかむこと。 「札束を―にする」  これは「鷲掴み」という言葉の問題じゃないなあ。「心を鷲掴み」という表現自体が仰々しいよなあ。  うーん。「神父を打ちのめした」「神父の心を揺さぶった」「神父の表情を変えさせた」 (3)神父は凍りつく。  上に同じ。  行動しようとして、衝撃を受けて、その動きが止まる、というのを描きたかったわけだ。  この場合だと、 >>もう今日は閉館しております、と伝えようとして、神父は凍りつく。  なんだけど……。 「伝えようとしたまま、神父は耳を疑う」かな。 (4)神父は少女の目を、決して見ようとはしなかった。妖しげな口元を見つめる。  妖しい口元を「妖しげな口元」と、そのまま書いてはいかんだろ、というのが一点。  あともう一点は、やっぱり「妖しげな口元」自体が……。  「視線を口元にあわせる」と、普通に書いたほうがいい場面でもあるかもしれない。 (5)呆けた顔でマリア像を凝視する。  呆けた顔で凝視はできないのがひとつ。 ■ぎょうし 1 0 【凝視】 (名)スル 目をこらしてじっと見つめること。 「相手を―する」  「呆けた顔で、マリア像を目をこらしてじっと見つめる」……うーん。  あとは「凝視」という言葉自体が強いので、使いかたをもうちょっと考えないといけない。 (6)囁くような笑い声。 ■ささや・く 3 0 【▼囁く/〈私語〉く】 (動カ五[四]) 〔「ささ」は擬声語〕 (1)小声で言う。声をひそめて言う。 「耳元で―・く」「愛を―・く」 (2)うわさをする。 「人人やうやう―・きたちけり/宇治拾遺 15」 [可能] ささやける  「声をひそめたような笑い声」。  これのひとつ前で、声がぐるぐると教会のなかを回ってるんだなあ。  それでこれはないわなあ。 (7)やがて静寂だけが残された。 ■せいじゃく 0 【静寂】 (名・形動)[文]ナリ 静かなこと。ひっそりとしていること。また、そのさま。 「―を破る」「―な森」 [派生] ――さ(名)  「静寂」は関係ないな。普通に「やがて静まり返る」のほうがいい。  まとめると、「自分に酔うな」ということになりますか。読者を酔わせろと。  作者が自分に酔っていると……読者は逆に覚めます。私なら覚めます。  だからどうしてそれをやっちゃうんだ。 >新木さん >>2号と弟切。 >>それぞれ、自分がどのようにして書いているのか、詳細に観察して報告のこと。  1000字課題は、頭のなかでうすぼんやりと全体像を描きつつ、それに従って書く、というやりかたです。全体像が描けないうちは書くことができないので、まずそこで苦労すると。  頭三行でどうにか5W1Hを確定させたら、あとはおもむくままに話を進める。書いてるうちに行数が足りなくなりそうになったら、見直し、削れるところを削る。  つまり、はっきりと話を練れていないんです。1000字だというのに。  描写課題の場合。  描写する場面の要素を抜きだす。登場させるキャラクター(視点保持者)を選んで(適当)、そのキャラクターが見るであろうとおりに書く。  あ。  でも1000字課題と違って、書きながら話を進めてます。 >1000字課題 >No.48「科学者と孫娘」 >>女の子が主役だと言い張るなら、女の子が主役となるように――いっぺんぐらいはそういうふうに書いてみろよ。  やってみます。これは次回。 >>誰がそのシーンの主役になっているのか。 >>ひとつの分析方法としては、そのシーンの各センテンスで、なにを書いているのか。 >>台詞の場合には誰に向けられている台詞なのか。 >>それを数えてみるという手がある。  いいことを教わりました。こんど書く「女の子主役版」は、それで確かめてからアップします。 >>まあどうでもいいことだけど。 >>「小鳥」って、名前だと思われない誤読確率、かなり高いぞ。 >>現実にいるのか? 「小鳥」なんていう名前の女の子? ギャルゲーの中にはいそうだけどさ。  漫画みたいな博士の話だから、漫画みたいな名前でもいいかな、と。  小鳥と間鳥は止めます。もうちょっと他のを考えます。  今回は一編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=635&e=res&lp=550&st=0 >仰々しい言葉 >>ひとつ、踏み絵をしてみる。 >>以下の文章は翠の「闇の中で振り向けば」の中からの一節だが。 >>ここで普通の感性を持つ読者であればのけぞってしまう一句を示せ。  あー、それは駄目です。過去ログ読んでいるから、どれだかわかってます。  あー、でも、わかっていても怪しいかも。普通に流してしまいそうかも。あー、あー。 >ここまでおいで >銀の銃 >>銀ってのは、歯で噛めば、歯形のついちゃうような金属なんだよ。 >>わかったかバカ。  あー、うー、でも、さすがに純銀製にしようとは思ってませんでしたが、でも。  銀合金といっても、どこまで強度を上げられるんだろう? 銃は普通、鋼で作られるものだろうし。ある程度の硬さ、しなやかさがなければ、銃器には使えない……。  そもそも、弾が銀製ならともかく、それを打ちだす銃が銀製である意味ってほとんど無いし。気が伝わりやすいとかにしておくか。  でも純銀が、純金より軟らかいとは知りませんでした。  無知だなあ……。 >神父の上から下まで  「神父の体を上から下まで」ですね。これならば「神父の頭から靴まで」という意味になる……だろう。 >対邪眼用の処置 >>対邪眼用の措置を、すくなくとも10通りは、その原理とともに出してこい。 >>そして効果の程によってソートしてこい。 >>もちろん、神父に使われている「措置」は、その最上位にあたるものだよな?  了解。 ■対邪眼用の処置 ■物理的処置 (1)聖眼  眼球を祝福された水晶球と入れ替える。通常は片目のみの処置。もちろん通常の視力は失うが、かわりに吸血鬼が発する邪悪な気を見ることができる。他にも吸血鬼が残した気配を、犬が匂いを探知するようになぞることができたり、邪眼に魅入られた人間を正気に戻すことができたり、軽めの対邪眼処置ができたりもする。 (2)失明  文字どおり、目を見えなくさせる。ある意味では一番確実。聴覚だけで戦う部隊があったりする。 (3)メガネ、コンタクトレンズ  対邪眼用の処理がされたメガネ、コンタクトレンズをつける。力を完全に遮断することはできないが、ある程度は弱めることができる。 (4)銀の鏡ごしに戦う  鏡ごしなら邪眼も効かない……が、当然、キツイ戦いになる。ちなみに吸血鬼は普通の鏡には写らないので(吸血鬼が意識して写ろうとすれば別)、当然処置済みの鏡を使う。 (5)痛み  文字どおり、痛みで覚醒。 ■心理的処置 (1)洗脳  脳細胞自体に、吸血鬼に対する憎悪と、神に対する忠誠心を刷りこむことで、魅入られないようにする。メガネ、コンタクトと併用するとなお可。ちなみにこれをやると、組織を裏切ることもできなくなる。 (2)多重人格化  洗脳技術が開発される前の処置。邪眼に魅入られるたびに、もうひとりの人格に交代。そのあいだに、心のなかの人格が、元に戻るための処理をする。  弊害のほうが多く、いまはおこなわれていない。 (3)暗示  洗脳ほどは強くない。こちらは心に刷りこむ。効果の持続日数によって、暗示をかける日数もかわる。聖眼を持っていれば、数時間程度の暗示なら一瞬でかけれたりする。 (4)催眠術  気休めに近いが、三流吸血鬼相手には効果あり。 ■術的処置(戦闘時) (1)狂戦士化  文字どおり、狂う。標的の吸血鬼を滅ぼすまでは、なにを犠牲にしてもかまわない。筋力が増したり、反射神経が高まったりの効果もあるが、気がついたら民間人を犠牲にしていたり、本人も死んでいたり。最後の手段。薬物と洗脳を併用。 (2)冷酷化  なにがあろうが、心を動かすことがなくなる。狂戦士化と違って、肉体的にはなんの変化もないが、理性的な行動を取ることができる。通常はこちらを使用。薬物と洗脳を併用。 ■才能 (1)聖者  生まれついての対吸血鬼人間。邪眼なんて効きやしない。 (2)吸血鬼化  吸血鬼なんだから、邪眼なんて効きません。  こんなところで。  ちなみに神父に施されているのは……「洗脳」ぐらいです。 >執筆時の姿勢について >>話を聞くときなのか、自分の意見を挟んで討論を交わすべきときなのか、判断しろよ。 >>話を聞くべき時に中途半端に反論して、からんでみせるもんじゃない。相手から聞けたはずの有益な話も、聞けなくなるぞ。 >>誰がそんな「面倒くさいやつ」に話をしてやるものか。  う。すみません。以後気をつけます。  1000字課題No.51、「いくじなし」と、描写課題「街の雑踏」は、次回リライトします。 >街の雑踏 No.4「田舎ものの少女が、都会の街並みを見て」 >>この二つのシーンって、続けて書いたものじゃないだろ? >>そもそも、ふたつは、別のものだろ?  続けて書いたものでした……。 >パソコンのマイクとか >>そういえば、ノートパソコンがあるなら、そこにマイクって付いてないの? >>たいていのノートパソコンには、マイクが内蔵されているもんだが……。 >>スピーカーが付いているなら、マイクもあるはずだが。  残念ながら、ないです。安パソコンだったから、ないんじゃないでしょうか、多分。 >弟切さん >神父、シスターについて >>「神父」というのは、ローマカトリック教会における正式な聖職者の名前ではありません。司祭[しさい]という地位に対する尊敬の念を込めた通称です。 >>ですから、神視点や作者視点や完全客観視点の場合に、「神父」と書くのは変です。何でも知っている神さまや作者なら、わざわざ通称を使うことはないでしょうし、完全客観なら尊敬の念を込められるはずがありません。 >>ローマカトリック教会の一般信者が視点キャラであったり、キリスト教のことをあまり知らない人がうっかり呼んでしまったりという場合でなければ、「神父」という言葉を用いるのは不自然です。  はい。よくわかりました。以後気をつけます。  司祭と書けばよいのだな。 >>「シスター」という言葉にも引っかかりました。 >>シスターとは、ローマカトリック教会でのみ用いられる言葉で、「修道女」という意味です。修道女という日本語訳があるのに、なぜわざわざシスターという外来語をそのまま使ったのでしょう?  えーと。「シスター」のほうが、こう、くるものがあったから、でしょうか。  「修道女の姿」より、「シスターの姿」のほうが……。意味は一緒なんだけど……。 >邪眼  うむむむむ……。ぶ、文化人類学? どこかで聞いたことがあるような学ですが、なんかまた難しげな。  ええと、すみません、具体的には、邪眼と名づけているのに、「体の自由を奪う」ではおかしい、ということなんでしょうか。それとも、「悪意−おもに嫉妬−のこもった目で見つめられると、見つめられた人が不幸になる」という邪視の概念を元にして、理論づけてやらないと駄目だ、ということなんでしょうか。  レスに四時間。いい天気だ……。 -------------------------------------------------------------------------------- 気になったので No.7141 投稿日 2003年10月4日(土)17時10分 投稿者 鐸碑 >弟切さんと名無し2号さんへ > 「神父」というのは、ローマカトリック教会における正式な聖職者の名前ではありません。司祭[しさい]という地位に対する尊敬の念を込めた通称です。 > ですから、神視点や作者視点や完全客観視点の場合に、「神父」と書くのは変です。何でも知っている神さまや作者なら、わざわざ通称を使うことはないでしょうし、完全客観なら尊敬の念を込められるはずがありません。  についてですが、正しいキリスト教世界を伝える事が重要な小説を書くならば、弟切さんの言う通りです。  ですが、『神父』という言葉に尊敬の念がこめられたものである事なんて、キリスト教徒か、宗教を含む文化の研究をしているような人でないと知らないでしょう。  つまり、およそ8割以上の日本人にとって『神父』っていうのは、キリスト教(の内カトリック)の聖職者を示す一般的な単語という認識で、『シスター』についても同様でしょう。  敬意を持たない限り『神父』や『シスター』と呼ぶのは正しくないなんて言われても、へぇ〜ボタンを連打して感心したり、あっそうって興味をなくさせる事で、常識の範疇にありません。  神視点・作者視点という時の『神』ってのは、宗教上の全知全能神とイコールで結ばれるものではないでしょう。キリスト教徒にとってのヤハウェ、イスラム教徒のアッラーではなく。  全てを知っている人知を超えた観測者という意味で神視点です。だから、一般的に敬意を表されているものを、そういうものであるという前提の元一般的に敬意を込めてこう呼ばれていると書いても問題ない筈です。  例えばユダヤ教の話を『神視点』で書いたとして、ユダヤ人とそれ以外の人間を別種の存在として区別し認識するとそれは『神視点』じゃなく、ユダヤ人の崇拝する神という第三者視点でしょう。この神はユダヤ教じゃない価値観に入り込めないですし。  神視点の神は、作中の人物の真理や本人も気付いていない本心も過去も未来も見とおして書けると同時に、読んでいる人間の常識レベルも知り得ているとして語るべきなんじゃないでしょうか。  神が『日本語』なんて不完全な言語をもとに思考しているはずはありません。『神言語』で思考した結果を人間にわかるよう『日本語』に訳している筈です。  ならば、神視点でつづられた描写っていうのは、本来の意味的に正しいが読む読者の大半にとって未知の知識に基づいた言葉で綴られるのではなく、まず読者が基本的に知っている単語であり、その中に致命的な嘘がない言葉で書かれているべきではないですか?  多くの日本人は『神父』という単語と『牧師』という単語を、どちらもキリスト教の聖職者をあらわす単語として知っています。そして、それなりに多くの人(両方の単語を知っている人の5,6割くらいかな)が、そこにキリスト教の宗派による使い分けがあることくらいは知っているでしょう。  つまり、『神父』と『牧師』を混同した使い方は読者を何割か失う明確な誤りです。チキンカレーとポークカレーくらい違うもので、客に出したらオーダーと違うだろって怒られて下手すれば食べずに帰られてしまいます。  しかし、『神父』が宗徒が呼ぶさいの尊称であり正式呼称でないと認識している人は全日本人の中で少数派ではないでしょうか? 弟切さんの書く小説の対象読者なら多数派かもしれませんが、ライトノベル一般にとってはきっと少数派です。  カレーに使われる数十の辛味スパイスの内1種類が別の物になる程度の差です。分かる人には致命的かもしれませんが、普通の人は気付きもしない問題です。しかも、日本人の好みに合わせたアレンジがしてあったんです。  神視点で綴る言葉が想定読者平均が無理なく理解できる単語『神父』を使う事は読者のストレスをなくす適切な単語選択であり、どの程度読者が知っているかを考慮せずに、原理的に正しい『司祭』を使うというのは『間違い』でしょう。  本場ではナンで食べるのが正しいからとカレーを出す際に、ナン・カレーしかなく、カレーライスのない店じゃあ、大衆向けには成功しません。  本格派のカレーショップを歌い、そういう客層を呼ぶなら良いですが、ライトノベルならCoCo一番みたいな大衆向けカレー店でしょう。  掌編でもある訳ですから、『一般的な意味』として正しく、原理原則的に『致命的な誤り』でないならば、『神父』『シスター』という表現で問題ないでしょう。  現実問題『神父』と表記されていたら、神父さんの服を来た人が浮かびますが、『司祭』と表記してあったら聖職者とは理解しても『どんなの?』になります。  2号さんへ。今回の掌編で『神父』を『司祭』にしたら改悪です。  『神父』が尊称であり正しくは『司祭』と理解しておく事は有益な事ですが、それよりも重要なポイントは、読者がその事を理解していてピンと来るかどうかは何十倍も重要です。  弟切さんの宗教や伝承の知識は、明らかに一般人の平均より遥かに上ですからそこに合わせたら、普通の人に付いて来れない物になります。  名無し2号さんが、そういうのを目指すならその基準をクリアできないと行けませんが、そもそも『無理』だと思いますし、合わせたいと思ってもいないと思いますがどうですか?  弟切さんの指摘に対して、名無し2号さんはエウレカしてしまっているので注意しましょう。  今回正しい姿勢は、『司祭』が正式である事を理解した上で、『神父』を使うべきか『司祭』を使うべきかを検討し、結果『神父』が良いとなったならその理由を弟切さんに説明できる様にする事でしょう。 新木さんへ  PBM業界の相場関連は、後程外から見れる範囲(自社の規定に抵触しない状態)でまとめて発表させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- トリビアの泉は深いか浅いか……。 No.7142 投稿日 2003年10月4日(土)18時40分 投稿者 鷹見一幸  どっちだと思う?(笑)  答えは「人それぞれ」。  知識量なんてのは個人差があるから一概には言えない。でもそれを言ってはミもフタも無いから、ここで「一般常識」というモノサシが出てくる。  考えてみればこの「一般常識」というヤツほどあいまいなものはない。漠然として、朦朧として何一つ確固としたものはないんだけど、じゃあ存在していないのかというとそんなことはない厳然として存在している。  この世の中はその上に成り立って、そして動いている。  深夜番組からゴールデンタイムに移動して驚異的な視聴率を稼いでいる「トリビアの泉」が、なぜ受けているのかわかる?  あれは別に教養番組でも何でもないんだよね、あれは二種類の人間に受けるように作られている。  本当に知らなかった人には「へえ〜そうなんだ」  その知識を知ってる人には「なーんだそんなことか」  知らなかった人には驚きを、知っている人には優越感を与えるようにネタのレベルを微妙に変えて作られている。  そして、様々なジャンルからネタを持ってくることにより、番組を見ている人たちの間にコミュニケーションが生まれることを狙っている。  トリビアの泉の深さは人それぞれなんだから、何人かで番組を見ていれば、同じネタを見ても「へえ〜」と「なあんだ」に分かれるのは当然だし、その時点で、相手の「常識」と自分の「常識」が違っていることに新鮮な驚きを覚えたりするわけだ。  読者を想定する、ということは、ある意味でこの「一般常識」をどのあたりに捉えるかという部分に関わってくるのだと思う。  手前味噌で恐縮だが、今度電撃から出る新シリーズの中に、上級士族が持つ短銃の装飾を説明する部分で、俺は 「握りの部分には虹色に輝く小さな貝殻の破片をちりばめた細工が施されている」  という言葉を使った。  こんな持って回った言い方をしなくても、こういった細工のことは「螺鈿細工」と呼ばれているわけだから 「握りの部分には螺鈿細工が施されている」  と書けばいいわけだが、俺の中にいる「一般的ライトノベル読者」は 「螺鈿細工? なにそれ? わかんねえ」  と文句を垂れるから、そうやって具体的なイメージが浮かぶように書き砕くわけだ。 (噛み砕くという言い方はあるが書き砕くという使い方は無い、だから、この言葉は間違っている。でも俺は、こう書いた方が意味が伝わるような気がするから、こう書く。俺の中にいる「よみかく分室の読者」には、意味が通じると思うからね)  普遍的読者のレベルをどのあたりに推測するか、というスキルは、なんというかありとあらゆるものを読んで、テレビを見て、データを蓄積するしかない。サンプリングするデータが多ければ多いほど、脳内にある普遍的読者のデティルは細かくなる。  テレビのバラエティや、ティーン向けの週刊誌や、ファッション系の雑誌。  病院の待合室にある女性週刊誌なんかは宝庫だね。  あそこには世の中の女性の多くが興味を持つであろう物事の一部が詰まっている。  芸能人のゴシップ、流行のダイエット、おしゃれな店。  一冊すべてがオヤジの俺にとっては「へえ〜」のカタマリみたいなものだよな(笑)  サンプリングデータが偏ると、頭の中にいる「普通の人」も偏ってしまう。  モノカキにとって一番怖いことは、それなのかもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- うわぁ No.7143 投稿日 2003年10月4日(土)20時02分 投稿者 甘夏  一週間で、すごいスピードで展開してる。  ついていけなさそうな予感(いや、すでに脱落してるけど)  まぁ、やるのは私、上達するのも私(しないのも……)  他人のペースを気にしててもしかたないですよね。  特進クラスに紛れ込んだ、就職組だとでも思って気長に見守ってください。 「田舎から出て来た女子高生」、了解しました。  来週の土曜、か、日曜。もしかしたら明日、提出します。  最後に。  とりあえず、人称練習課題を持ってきたのであげておきます。  ビジネスライクなウエイトレス。  視点もやや、渇き気味。と、いったところでしょうか。  なんか違う気がするんですよね。  おかしい点の指摘、お願いします。  以上、甘夏でした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7144 投稿日 2003年10月5日(日)10時04分 投稿者 新木 伸 >今回の短編の直し  しばらく寝かせておいた短編を直すために……。  数日ぶりにファイルを開き、その瞬間に――。  反射的に縦書きにてプリントアウトしていたよ、俺。  まず縦書きで見てみないことには、なにも始まらないらしい。  しかしこっちの部屋のレーザープリンター。打ちだしが遅いなぁ。スペック上は、分速6枚のはずなのだが。  WINDOWS XPになってからこちら、メーカーからのドライバ提供も終わってしまった。WINDOWS標準のドライバを使うと、分速2枚しか速度が出てくれない。  あっちの部屋にある新型だと、分速10枚ほど出てくれるのだが。  いま使っているトナーが終わったら、もうお払い箱だな。  転写ドラムと一体式になったカートリッジだから、トナー代も異様に高いし。  純正品だと2万円。安売り店でも16000円。トナー1個半の代金で、新品のトナー付きレーザープリンタ本体が一個買えてしまう値段。  誰か、トナーなし、本体のみの状態で、いる〜?  エプソンのLP−1600だが。  ――って、いらんよな。  トナー無しの状態から使えるようにするには、トナー買わないとならないし。(リサイクルトナーだと7500円ぐらいでも買えるらしいが) >弟切 >>書き直したものを課題部屋に上げておきました。  差分取ってみたけど、たいして変わってないじゃないか。  同じようなもん、2回も読まされるもんの立場になれ。  なんのために書き直したのか。  どこを書き直したのか。  読者の目にさらすことで、なにを確認したいのか。  なんのために、似たようなものをわざわざ2回も読んでもらうのか。  生課題のリライトは、このような推敲程度のものであれば、あげてくる必要はない。  完全書き直しのものであればあげてもいいが、それでも、上記のように攻略内容を書いておくこと。 >神父と司祭  神父というのは、一般信者が使う司祭への尊称なのか。  へー。  僕も知らなかった。  前々から「神父」ってなんなんだろう、とは思っていたのだが。  「司祭」とも「司教」とも違うようでもあり、兼任していたりもするし、別の資格かなにかかなぁ、とか。それとも聖職者になると自動的に神父になるものか、とか。  ――で、今回の場合。  「神父は間違い。司祭が正しい」ということだが。  宗教の本とか。  もしくは大人向け小説で、宗教をかなりリアルに扱った小説であるとかで、作品中におけるウエイトが大きく占めるような話であるとか――。  そういうケースでの話であれば、弟切の言い分は正しい。  ただそうした場合でも、神父ではなく「司祭」と呼ばせたうえで、本文中で説明を入れておく必要があるだろう。「カトリックでは司祭のことを神父と呼称したりもするが、正式な位としては、あくまでも司祭なのである」――みたいな説明文ね。  それ、一般常識じゃないから。  しかし2号の書く話のメインは、「吸血鬼」であるわけだ。  それに敵対する組織としての「宗教」であるから、いわばこれはサブの要素。作品の雰囲気作りの付け合わせみたいなもの。付け合わせのニンジンが出しゃばってきてしまっては、メインのほうを楽しめなくなる。  よって一般的に通用していて、ほかに何の説明も要さずに読者が理解できるであろう「神父」という呼称のほうを使うべきだな。  しかし、2号はもしかしたら、「神父 < 司祭」なんていう関係があると誤解しているかもしれない。  また神父は俗称であり、正式な名称は「司祭」であるということを知らなかったかもしれない。  例によってまたエウレカしちゃって、なんの批判精神ももたずに、間違った意見を鵜呑みにして受け入れちゃっているところをみると、かなり怪しいよなぁ。  それを教えてあげるのは良いことだろう。  でも情報を与えたうえで、本人に選ばせないと。  2号はあんなんでも、いちおう「作者」なんだから。  最終的に、どんな表記を使うかを決めるのは作者なわけだ。  そうして書かれた作品を受け入れるか、ノーサンキューといって突っぱねるかは、読者の自由だが。  金を払うのは読者だしね。  ちなみに僕は「修道女」と書かれた小説よりも、「シスター」と書かれた小説のほうに金を払いたい気分かなぁ。ライトノベルの場合ね。  意味が同じであり、どちらも間違いでないのなら、カッコいいほうがいいじゃん。 >巻島 >>ワープロ原稿(1枚=30行×40字)  30行×40字――なんて書いてあると、30文字×40行の誤りではないかと、読んだ人が心配になっちゃうだろ。  俺も心配になったから、わざわざ情報ソースを確認しに行っちゃったよ。  字詰めを書くときには、必ず、絶対に、文字が先で、行が後。  行が先で、文字が後――なんて書式はないの。  それはそうと、ワープロ原稿のときも、原稿用紙のときも、どっちもだいたいMAXは350〜360枚換算となるわけだな。  なんだか現実に即してない気もするなぁ。  40文字詰めにするなら、2〜3割ほど増やしておけばいいのに。  まあ、だいたい入選作は大幅に直しが入るようだし。直しはだいたい加筆になるようだし。そのために、はじめから少なめにしてあるのかな。  20文字詰めで書いた原稿を、40文字詰めで書き直すと、まあだいたい、1.2〜1.3倍くらい、換算したときの枚数が増えることになる。  作家の文体によって個人差があるが、だいたい、そんな割合だ。  20文字以下の短い行がどれだけ多いかが関わっている。もしくは40文字以上60文字以下の行とか。台詞はたいてい短くなるものだから、台詞の多い小説は変化率がより上がることになる。  なので、プロは原稿料をもらうときには、かならず字詰めも聞いておく。  じゃないとギャラが2〜3割ほど目減りしちゃってがっかりー、てなことになりかねない。(笑)  字詰め40文字で換算していい、なんて聞いちゃったら、プロは大喜びする――が、たいてい20文字詰め換算にされてしまう。  それなのに紙面に載るときは25字詰めだったり、40字詰めだったりしている。ずるいやー。(笑) >巻島 >応募先とか  そういえば応募先に関して。  戦略的な観点の話とか、いつか、どこかでしたっけか?  そもそも巻島は、どのような形でプロになりたいと考えているわけ?  親から自立するために、「プロになった」という成果が欲しいのか。  プロとなり、さらにいちばん危ない新人期間を乗り越えるために、新人の保護力が高く育成力のある場所からデビューしたいのか。  ようするに、早くプロになるという結果が欲しいのか。  それともデビューまでの年数はあまり重要ではなく、プロ作家を長く続けてゆくことを「より確実にしたい」と考えているのか。  いまのお前くらいの実力だと……。  電撃は最近レベルあがってるから、入選どころか、最終選考にまでたどり着くのも難しいぞ〜。  電撃の場合、最近は最終選考に届いていない作品でも、本になったり、hpでの掲載チャンスが回ってきたりしているでしょ。それだけ層が厚いということだ。  商業レベルに到達している作品でさえ最終選考前で落とされる。――そのくらいの現状なのだと思うべきだろう。  そのかわり、まあ見ていればわかるけど、デビュー後のサポートは大変良いわけだ。  短編などを発表する媒体もある。  最近は作家買いならぬ「電撃入選作買い」といって、帯に「入選作」と書いてあるだけで買ってゆく読者もいるぐらい。電撃大賞出身作家かどうかで、実際、売り上げが大きく変わる(そうな)。  デビュー後の生き残り率が、電撃はダントツだ。  普通は、デビュー数年後の生き残り率は半分以下ってのが相場なのだが、電撃の場合は95%は越えているだろう。(正確な数値は調べれば出る)  ただ電撃大賞も次で11回目なんで、そろそろ作家数は飽和してきているところ。  各回5人ぐらいずつデビューしているわけで、もう少なくとも50人は電撃大賞出身作家が出ているわけだ。その他にも大賞でないところからデビューした作家と、前から書いていた作家と、ほかの文庫からやってきた作家と――総勢で70〜80人にはなるのかな。  さてここで問題です。  ひとりの作家が、年に2冊本を出せれば、なんとか食べていけるのだとして……。  ひとつの文庫が養える作家数は、さて、何人まででしょう?  電撃文庫は、毎月、12冊程度の刊行が最大容量の模様。  ここ1年ぐらい、ずっと10〜12冊ずつ出ている。  つまり文庫としての容量は、年間120冊なわけだ。  120個のパイを、いま80人で取り合っていることになる。  ひとりあたり年間1.5個のパイがもらえる計算だ。  しかしパイは2個は食べないと、生きていけないのだよ。専業作家としては。  さらにこのパイは、誰にも均等に配られるものではなく、早く書ける作家、売れている作家に、優先的に回されることになる。年に6冊も9冊も書いている作家もいる(なおかつ売れているので当然優先される)。  このへん、商売なので、すごくシビアなわけだ。  電撃文庫はそろそろ飽和してきているわけね。第10回ぐらいまでは良かったのだけど、ここからは、それぞれの作家が生き残りをかけて一定数のパイを争うことになる。  富士見あたりになってくると、また話が変わってくる。  もう15回か16回目だから、そういう時期は通り越しているし、そもそも文庫の体質としてスパルタで、売れない作家はびしびし切り落としてゆく体制だったので、状況は今も昔もそう変わらない。生き残り率が大幅に変わる「過渡期」というのは存在しなかった模様。  ちなみに小説賞は、電撃のほかにも色々あるわけだが。  ファンタジア長編小説大賞(富士見ファンタジア文庫)  集英社スーパーダッシュ小説新人賞(集英社ダッシュ文庫)  エンターブレインえんため大賞(ファミ通文庫)  「なんとしても電撃」ということでなくて、「とにかくデビュー」という戦略であるのなら、えんため大賞なんか、けっこう狙い目なのだがなぁ。敷居が低い、というか、ざっと見たところ  ええと、ページを見失ったので正確な数は出てきてないんだけど。  たとえば電撃の第10回の一次通過作品数は、120作品だったっけ?  あと二次通過数だと、30作品ぐらいだったはず。  長編の応募総数は2015作品なので、二次通過までの倍率は、70倍ってところか。 (このへん、正確なデータを持っていたら出しておくれ)  このへんの「倍率」の話は、以前、「倍率なんて無意味。本になる作品は本になる」と僕は書いている。  それはその通りなのだが……。  しかし、応募されてくる作品のなかで、70分の1ぐらいの割合で「小説」になっていて、そこそこ読めるものになっている――という、その比率はどこの小説賞でもそう変わりはないはずだ。  賞は応募者を選ぶことができない。あっちの賞と、こっちの賞と、書いて応募してくるアマチュア作家の質は「集団」として考えれば大差ないはずだ。  ――で、今年の「第5回えんため大賞」の応募総数だが。  283作品。  ここに「70分の1」という、電撃でいえば「二次通過」に相当する倍率をあてはめてみる。  283÷70=4。  4作品が残ることになる。  ――で、今年の受賞作。  大賞1、佳作2、編集部特別賞1。  合計4本。  つまり、ごく大ざっぱ計算からいうなら、電撃で二次通過する出来の作品であれば、えんため大賞では受賞できるわけよ。  ただし、賞の規定のほうに、大賞と優秀賞は本になるという規約があるが、佳作以下は出版される確約はされていないわな。大賞と優秀賞に該当する作品は、毎年、1本くらいしか出ていない。  まあ、でも、調べればわかるが、佳作以上の作品はだいたい出版されている。つまり受賞していれば本が出る。  ……まあ、商業水準の作品を恒常的に書く力さえあるなら、べつにどこの小説賞からでも、また小説賞を経由しない方法でも、いくらでもプロになるやりかたなんてあるんだけどね。  ちなみに「えんため大賞」のページはここね。 http://www.enterbrain.co.jp/entertainment/ ●2号 >仰々しい言葉  とにかく2号は、印象の強い言葉を使おうとするきらいがあるわけね。  駄菓子じゃないんだから。  そんなきつい味付けにされてたら、一発で客は引いちゃうわけ。  小説っていうのは「飯」なわけ。どんぶり一杯は食べる食事なのだな。酒のツマミや子供のオヤツじゃないんだから、そんな強すぎる味付けじゃまずいわけだよ。  まあ、たしかにここは流れが大きく変わる部分ではある。  強い言葉を使って目を留めさせようとするやりかたは良い。  だが強くするにしたって、このくらいが限度だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「申し訳ありませんが……」 「神父さま」  ひんやりとした少女の声が、神父の心を掴んでくる。  閉館していると告げようとして、神父はそのまま身を固めた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「心を掴む」と「身を固める」が、普段あまり目にしない表現なので、読者は「おや」とここで目を留めることになる。  ハンバーガーを食べていてピクルスが出てきたら、そこでいったん、パクつくのをやめるだろ? 味が変わるアクセントだから、ゆっくり味わって食べるもんだろ。  しかしハンバーガーの中から「酢昆布」が出てきちゃったらどうよ?  前の「心を鷲掴み」ってのは、ありゃ酢昆布だ。  ――で、強い言葉を使わずに、普通に流すならこうだろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「申し訳ありませんが……」 「神父さま」  ひんやりとした少女の声が、静かに響く。  閉館していると告げようとして、神父は言葉を失った。口を開いたままで少女を見つめる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これなら読者はとくに気になるものが出てこないので、さらりと読み進めてゆく。 >1000字課題のやりかた >>つまり、はっきりと話を練れていないんです。1000字だというのに。  もう50本もやってるんだから、いいかげん、次のステップにいけよ。  いつまでも同じやりかたでやってたって、意味ないだろ。なんのための練習であり、なんのための修行なのだ。  新しいやりかたに慣れてきたら、次のやりかたを模索してゆくもんだ。  まあ次のステップにゆくのに必要な経験値は人それぞれだから、2号の場合にはもう50本ぐらい必要なのかもしれん。  それとも、もっと早く次のステップに進めているところを、慣れたやりかたで楽したいという一心で、同じやりかたにしがみついているだけなのかもしれん。  俺にはわからんが。  ちなみにプロのやりかたというのは、1時間もあったら、まず3〜4本は頭の中だけで作ってみて、いちばん出来のよい一遍だけを最後の15分ぐらい使って書く――というもの。  てか、1時間もあったら時間が余って退屈すぎる。1000字なら30分で充分。  そこまであと何ステップあるのかはわからんが……。  とりあえず次のステップは見えているわけだろ。  頭の中で「うすぼんやり」とではなく、かなり「はっきり」と作るというところだ。  台詞なんかは、詳細なところまでは見えないが、「どんなことを言うか」までは決まっている。地の文の描写に関しても、やはり詳細な内容までは浮かんでいないにせよ、「どんなことを書くか」までは決まっている。  そういう段階。  次のステップに進むために「補助輪」が必要なら、上記の「どんなことを言うか」と「どんなことを書くか」というのを、箇条書きに書き出したメモを作って、それを思考の補助として使うといいだろう。 (これも慣れると不要になってくるだろうが)  1000字課題と、描写練習とでは、やっていることがまるで違うから、やりかたが違ってきてあたりまえ。  1000字で鍛えているのは、「話の筋を考える」という力。  描写練習でやっているのは、視点やら描写やらの力のほう。  描写練習で書いているときの作業は、長編を書いているときの執筆時のスタイルに近くなるはず。  筋を考えるのはプロットを立てる段階で済ませておくことであって、執筆中に頭を使うものではない。  1000字課題のほうで、筋を頭の中で作り上げているときの作業は、短編や長編の筋を俯瞰して眺めるときに役立つはず。  話の流れを、ひとつひとつの要素に分解して、俯瞰して全体を眺めてみる習慣ね。  また1000字って長さは、頭の中だけで組み立てられるぎりぎりの長さだ。  短編だって長編だって、おおまかな筋なんて1000字もあれば書き出せてしまうものだ。あらすじは800字あれば書けてしまえるわけだし。  1000字が扱えるようになると、長編ひとつを「あらすじ」として扱えるようになる。  お前は脳味噌が少ないんだから、筋を考えるときと、描写を考えるときと、作業をはっきり分けるようにしろ。  あと何のためのトレーニングなのか、しっかりとイメージを持ってやるようにしろ。  練習がなんのためのものなのか、自覚しているのと、していないのとでは、効果に違いが出てくるからな。 >純銀  純銀でなかったら効果がないだろうが。  あと「気」ってなんだ、気ってのは。  気がどうのというのは、中国ものとか格闘ものとか、そっち系だろうが。  キリスト教ものだったら、「祝福」とか「儀式」とか、そっち系だろうが。持ち主の「気」は関係ないだろ。  ちなみに同じ硬度といっても、純金のが柔らかいよ。  純銀は実際には歯形はつかんだろうなぁ。試してみたことはないが。  金の小判でも、銀が40%ぐらい混じっているものでは、歯形が付かないそうだ。  ただし「歯」のモース硬度は5なので、がじがじとかじれば傷は付く。  鉛 < 純金 < 純銀 < アルミニウム  おおむね、こんな固さだろうか。  純度の高いものを探してきて、それぞれ、こすり合わせてみればはっきりする。 >対邪眼処置  なんだよ。つまんねーの。  もっとサイバーなの期待してたんだが。  使えそうなの、1個か2個しかねーじゃん。  たとえば脳のグリア細胞のところ焼き切って、脳組織にじかに「十字」を書き込んでおくとか。意識の宿るべき脳組織に、直接十字が描き込まれているわけだから、これはかなり強力だぞ。  邪眼で視線を通して意識にアクセスしてくると、三流吸血鬼ならダメージ受けて勝手に滅んでくれるとか。強力な吸血鬼に打ち破られても、直後に脳が自動的に焼き爛れるから問題ないとか。  あとは、頭蓋のなかに指向性爆薬を仕込んでおいて、邪眼にかかると起爆して、眼前の吸血鬼もろとも吹っ飛ばす仕掛けとかいうのはどうだろう? >街の雑踏、田舎から来たの少女  続けた書いたものだというなら……。  なんで、都会の街並みを見て「きれい」と連呼していた少女が、こんどは百八十度反転して、マイナスイメージに染まっちゃっているわけ?  そこんとこを説明せよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 雑踏。 No.7145 投稿日 2003年10月5日(日)18時41分 投稿者 甘夏  と、いうわけで 「田舎から出て来た女子高生」  をやってきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=638&e=res&lp=610&st=  都会に対し、とても強い負のイメージをもった女の子。と言う設定です。  田舎の山奥の封建的な村で育ったんでしょうね。  いえ、父の和歌山の実家がそんな感じだったので。  負のイメージを書いたので、次は陽のイメージ。  都会に対して憧れにも似た期待をもった女の子で1本書いてきます。  とりあえず、来週、土曜か日曜に。  視点について、少し、気がついたことがあるんですけど。  視点を作る場合、なにかひとつ固執する物を作ればやりやすいかと思うんです。  固執、ちょっと違うな。なんていうか、考え方の根元ですよね。  たとえば、私はいま、クリーニング屋で見習をやっているんですが  最近、道行く人の服が気になってしかたないんですね。  あの背広はダブルだとか、あのボタンは銀紙まかないと飾りが取れるとか。  あのブラウスはドライに廻せるとか。あのカッターは後ろのタグが甘いとか。  そういうのって、私独自の『視点』のような気がして。  う〜ん、なんかヘンにエウレカってる気がしてきた。  たとえば、動物写真家なら道行く人を動物に例えて見ていたりするみたいな。  そういうことなのかなと、思った次第であります。  それでは、甘夏でした。  ウエイトレスも一応、おいていきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=636&e=res&lp=636&st=0 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=637&e=res&lp=637&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 瑞穂[みずほ]の国 No.7146 投稿日 2003年10月5日(日)21時28分 投稿者 弟切 千隼  新幹線で遠出して戻ってきた弟切です。実りの秋にふさわしく、車窓から黄金色に波打つ田が多く見られました。 >神父(司祭)とシスター(修道女)  普通の日本人が、「司祭」と言われてぱっとイメージが浮かぶかといえば……確かにぴんと来なさそうですね(^^; 「神父」と書いたほうが、キリスト教の男性聖職者というイメージを手っ取り早く伝えられそうです。  鐸碑さんや新木さんがおっしゃるとおり、どんな読者層を狙うかによって、この表記は変えなければいけませんね。キリスト教に詳しい人たちを相手にするのに「神父」と書いては笑われてしまうでしょうし、おもに高校生以下の人たちを対象とするライトノベルで「司祭」と書いたら理解されにくいでしょう。  「シスター」の表記についても事情は同じですね。ライトノベルならば、「カタカナ表記のほうが格好いい」と読者さまに判断される可能性が高そうですから、このままのほうが良いかも知れません。しかし、例えばもっと年配の人向けの歴史小説にするならば、「修道女」という漢字表記のほうがよいでしょう。  「神父」と「シスター」の表記をどうするかは、もちろん作者である2号さんに一任します。  参考までに、弟切がなぜ「神父」と「シスター」という表記に違和感を持ったのか、補足説明します。  「ここまでおいで」の主題は吸血鬼ですよね。キリスト教はそれと対抗するものという位置付けで、吸血鬼の付属品に過ぎません。  付属品とはいえ、対吸血鬼用の専門の処置やら武器やらが登場するところを見ますと、この作品世界では、キリスト教が組織的に本腰を入れて吸血鬼に対抗しているようです。ということは、対吸血鬼用に人の組織も整備されているはずですね。  そういう組織の中にいるはずの人物が、「神父」という一般向けの曖昧な呼び方をされていることに、弟切は違和感を持ちました。  もしも、2号さんがこの話を長編にするつもりでしたら、そういった組織に関する説明をどこかに入れなければならないでしょう。その際に、「神父というのはあくまで通称で、本当の役職名は司祭である」とかいう説明も入れるのが自然ですね。  ちなみに、「神父」という呼び名は、ローマカトリックだけでなく、東方正教会と英国国教会の男性聖職者の通称としても使えます。  もう一つ、弟切がなぜ「シスター」という呼び方に違和感を持ったかは、この作品の舞台がどこかという問題と関係があります。  この作品の舞台は、明記されていないものの、ヨーロッパか北米かのどちらかですよね?   もし、舞台が英国や米国などの英語圏でしたら、「シスターsister」という英語をカタカナ化した外来語が使われているのに納得します。それは作品世界の雰囲気を出すのに良い言葉だからです。  けれども、例えばこの舞台が吸血鬼の故郷と呼ばれるルーマニアでしたら、弟切は相当な違和感を持ちます。ルーマニアの公用語はルーマニア語ですから、「シスターsister」という英語由来の言葉は作品世界にそぐいません。  繰り返しますが、弟切が違和感を持ったからといって、必ずこれらの表記を直さなければならないわけではありません。「そもそも弟切みたいな薀蓄てんこもり人間など、読み手に想定していない」とおっしゃるなら納得します(^_^) >邪眼  弟切の説明が下手なために、2号さんを混乱させてしまったようですね。申し訳ありません。  せっかく作品中に「邪眼」という面白そうな道具を出しているのに、その「邪眼」がどういうものなのか、作者の2号さん御自身が考えていないように見えたので、指摘してみました。  No.7138に弟切が書いたとおり、最近はファンタジー小説や漫画やゲームの中で、ひんぱんに「邪眼」という言葉が使われていますね。それらのほとんどが、作品をより面白くするために本来とは違う解釈をされています。  だいたいどの作品でも似たような解釈がされていますが、細かいところは作品ごとに違います。邪眼は日本では新しい概念なので、物語の都合に合わせて改変しやすいのでしょう。  いわば作品ごとに別々の「邪眼」の概念が存在します。日本の読者さまの間では、邪眼という言葉に対する普遍的な定義は、まだ固まっていないと見てよいでしょう。  このような状態では、作者が明確に「邪眼とはこういうもの」と定義して書かないと、読者さまを混乱させてしまいます。2号さんは、そのあたりをあまり考えていないように弟切には読み取れました。  そこで、たまたま弟切には文化人類学の知識があるということもあり、邪眼の本来の意味を説明して、その定義の一助としてもらおうと考えました。 -------------------------------------------------------------------------------- PBM業界について No.7147 投稿日 2003年10月5日(日)23時17分 投稿者 鐸碑  PBMというのは、大雑把に言うと以下のステップで構成されています。 1.ゲームルールやシステム、世界観の提示 2.お客さんがルールの枠内で自分の持ちキャラクターを作ります。 3.ライターが状況を提示します。 4.お客さんがその状況で自分のキャラクターがどう動くかを決めます。 5.ライターは数名から数十名のお客さんのキャラクターの行動の結果になるかを判断し、物語形式で返します。  連作なら、最終回まで4と5を繰り返して進めます。  規模は結構ピンきりで、参加者2〜300名位が採算最低ラインで、大は最盛期で1万位。最近のでは500〜1500名参加の物が多いでしょう。  これを小規模な物でお客さん5〜10名、普通は20〜50名、多い物で50〜百数十名ずつライターが担当して物語を返します。  小規模なモノなら、概ね原稿用紙5〜20枚程度。中規模で30枚〜50枚程度の返信を返す事になります。  お客さんの参加費は、1回1人1000円〜4000円程度。2000円前後が通常規模の相場でしょう。  ライターの取り分は担当人数分の割当て(固定費がある場合もあります)。固定費なしの場合で25%〜45%位がライター取り分。  スケジュール的には7日〜15日程度の作業期間ないに仕上げる場合が主流です。  10人に原稿用紙10枚分の返信として、1000円から35%取り分の場合、3500円の収入。1枚単価400円を切る安値です。  まあ実際の数値はもう少し入り組んでいて、会社毎にもある程度バラツキがあります。  一番効率がよい形態のゲームだと、自分で受付日を指定して好きなだけ参加者を集めれるタイプで、1人の参加費1000円〜1500円。平均して10人程度の参加者で、回転の速いライターは月に40本位上げるので、普通にアルバイトするくらいの収入なら得られる様です。  料理の例えでいえば、PBM自体は闇鍋パーティです。鍋の大きさとベースになるスープだけ教えられたところに、自分と他数名が材料を持ち寄ってこれを料理人がちょっと加工して鍋に入れる全体の味を整えて出来あがり。  オーダーメイドで作ってもらえる事と、出来あがるまでどうなるか分からないドキドキ感、共通の話題を持つ仲間と時間を共有する等が商品価値の大きな部分を占めているものですね。  ライターの仕事自体は、お客さんのセレクトしたお惣菜にバランスを取るための品をちょっと足してお弁当箱に詰め込む仕事みたいな感じですか。オカズに相当するガジェットなんかは会社提供のものを使う事になるんで。  お客さんが食べる料理その物の値段は、普通の料理屋さんより圧倒的に高いですね。文庫本2〜3冊分払って短編一つ分程度の分量ですから。  量産性が殆どなくてスケールメリットが出にくいビジネスモデルなんで、この手の商売に特化した職人芸の持ち主でないと、商売としては成立させるのは難しいですね。  その為、セミプロの『ちょっと料理自慢のママさん』といった感じの、美味しく食べてくれる人がいるなら只でも料理したい人の中で、比較的能力の安定している人にやってもらっている訳です。  会社側を立てて表現する場合、書きたい人と書いて欲しい人を結びつけるセッティングをしているといえなくもありません。  結婚相談所なんかと比べたら随分割安ではありますが(笑)。 ##月ごとの機関紙と斡旋数名で、3年間30万を取るんだもんなぁ。  オーダーメイドをするのでライターの仕事部分にはスケールメリットが発生しませんが、会社の仕事は多くのライターと顧客を集める事でスケールメリットが出るんで、スケールメリットが発生すればライター取り分を上げていく事は可能なジャンルではあります。  固定費は掛かっても個別事務経費の低いWEB専用げーむにして、新規顧客を大幅開拓し、ライター数も増やしてスケールメリットを発生させる事が出来ればというのが現状です。 -------------------------------------------------------------------------------- 晴れているのに雨が降る No.7148 投稿日 2003年10月6日(月)10時21分 投稿者 名無し君2号  天気雨って不思議だな――と子供のころから思っていて、いまなら調べることも簡単なはずなのに、いまだに不思議がっているまま。  根っからのサボタージュ根性。 >弟切さん >「田舎街を歩く」書き直し  読みました。  「田舎街にうんざりしながらもほっとする主人公」は描けていると思います。 >>六年前から、何も変わってねえじゃねえか。 >>いや、よく見れば変わっている。アーチに書かれた文字は、彼の記憶にある限りでは趣味の悪いショッキングピンクだったが、今は色あせて多少は趣味が良くなっていた。 >>微妙にテンポのずれた流行の曲が流れていて、軽快なはずの曲が耳障りだった。  このあたりが「主人公のうんざり感」が書かれているところ。  「うんざり感」では、私が指摘するところはないです。 >流れの切り替え >>台詞のないシーンにおいて、プロは、どのようにして「流れ」を切り替えている? (1)短い見出し文を入れる。  「そのとき――。」「一方、○○でも、大騒ぎが起きていた。」など、ここから流れが変わりますよ、とわかりやすく説明する。 (2)説明文を入れる。  説明文で区切る。説明文の間は動きがないから、説明文が終わって動きがでたときに、切り替わる。 (3)視点保持者の思考を入れる。  セリフを入れるのと同様の効果あり。  (こうなったら、いちかばちか――。)とか。 (4)音を入れる。  セリフを入れるのと同様の効果あり。  「ドォーン。」「ヒュルルルルルル――。」とか。 (5)短い文を入れる。  (1)に近いが、この場合は行動。「○○は思った。」「○○は動く。」など。  ただし、前の文章が長い場合のみに有効。多分、短いと読みやすいから目につきやすいのではないかと。 (6)逆接の接続詞を入れる。  「けれど」「しかし」「だけど」など、接続詞を入れて話の流れを変える。文の頭にあると、なお効果が高い。 (7)強調する。  読者の印象に残るような、強い言葉を入れる。  「○○の心臓はひっくり返る。」――うーん、やっぱり仰々しいけど。 (8)『――』(ダーシ)を入れる。  一瞬の間、くぎりをあらわせる。  「――刃がきらめいた。」とか。  プロの作品を読みこんで気づいた副産物。  メリハリ、といった部分がある模様。  小説の地の文には、「思考」「説明」「描写」「行動」とあるらしい。他にもあるかも。過去ログにも説明があったかも。  「思考」はそのまんま。「もしかしたら、負けるのかもしれない。勝ちたい。○○は強くそう思った。いまの自分は昔の自分とは違う。背負っているものが違うのだ――」など、そんな感じ。  「説明」。「○○軍は西テトラ川一帯に部隊を駐留させていた。その数、戦艦が三隻、駆逐艦六隻――」とか、状況をそのまま地の文で書く。  「描写」。「○○軍の軍勢は、水に浮かぶ鉄の壁だった。黒い大きな影が、一団に連なっている」……へたくそだけど、こんな感じ。  「行動」、つまりアクション。「弩弓砲が放たれた。雨のように矢が降りそそぎ、地上にいた兵士を貫いていく」とか。なんか描写も一部混じっているが。  このなかで動きが一番強いのは、もちろん「行動」。なので「行動」させれば流れも動くのだが、ずっと「行動」だけ書いていると、だらだらとした感じになるらしい。なので、なにか「行動」するたびに、それを「説明」したり、「描写」したり、はたまた「思考」したり。  で、そういったメリハリのついた文が普通だと、いざ、というシーンで、「行動」「行動」「行動」といった文章が、逆に目立って見える。  うーん、書きかたもいろいろ。  そこらへんを頭に置きつつ、書き直してみました。  1000字課題、No.51「いくじなし」やりなおしの1。  わかったからといって、すぐに使いこなせるわけでもないらしいです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=639&e=res&lp=630&st=0 >「街の雑踏」  新木さんのリライトを分析してみる。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられ、少女はあわてて、謝りながら道をあける。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けた。サラリーマン、学生らがそれに続く。  少女は、通行の邪魔にならぬよう気をつけながら、目の前の階段を降り、駅前の広場に降り立った。  先ほど目を奪われた光景――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられた。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けてゆく。サラリーマン、学生らがそれに続く。  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冒頭三行は変化なし。問題は次の行から。 「少女はあわてて、謝りながら道をあける」が削られている。  理由はふたつ。  冒頭で書いた、「目を見開いて、息を呑む」理由を、なるべく早く――読者が忘れないうちに――書かなければならないから。忘れられちゃったら、冒頭の驚きが、つかみにならない。  もうひとつ。  少女は驚いているのに、おばさんもサラリーマンも学生も、別段驚いていない――というのを描写するのに、「少女はあわてて、謝りながら道をあける」が邪魔だから。  なるべく余計なものは入れない、というのは、こういう意味もあるらしく、余計なものが入ると、その分だけテンポが悪くなる。  私版だと、  「少女の驚き」→「じゃまだよ、あんた」→「少女の描写」→「通りすぎる通行人」  という流れが、  新木さん版だと、  「少女の驚き」→「じゃまだよ、あんた」→「通りすぎる通行人」  こうなっている。  最初に「少女の驚き」で掴んだのなら、テンポよく先に進めるべきだろう。  次の箇所も……。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、通行の邪魔にならぬよう気をつけながら、目の前の階段を降り、駅前の広場に降り立った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なにが必要で、なにが必要ではないのか。  文字数は、なるべく短いほうがいい。もちろん、必要ならばその限りではないけれど。  あまり簡潔すぎると、パサついた文章になる。多すぎれば湿っぽくなる。そこらへんが作者の文体、ということになるのだろう。  「目の前の階段を降り」が必要なのかどうか。「目を見開いて、息を呑む」から最低でも5行以内に、その理由を書かなければならない。早ければ早いほどいい。  余計なものは削る。余計なものに目がいかないように。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  先ほど目を奪われた光景――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「もういちど見入る」で、強調している。  「さきほど目を奪われた光景」は、冒頭の「目を見開いて、息を呑む」を思いださせるための文章。  そこに「もういちど見入る」。  5行以内に、なにに息を呑んだのか説明できたわけだが、なんにせよギリギリなので、強調して、読者に思いだしてもらう必要がある。  うーん、そうなると、忘れないでもらうためには、すくなくとも5行以内に、なんらかの忘れないための文を書き続けなければいけないわけか。逆にいうと、5行以内に書き続けていれば、ずっと引っぱってもいいのだろうか。何度も何度も書いていると、そのうちに読者が覚えてくれて、5行以内の縛りがなくなったりしないだろうか。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  先ほど目を奪われた光景――。  駅の構内の広さ、人の多さにも驚いたものだが、なによりいまの光景だ。  そもそも足下の石畳自体が、色とりどりのきれいなもの。それがずらりと並び、公園ほどの大きさに広がっていた。噴水があり、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっている。そして、多くの立ち止まらず歩き去る人々。駅前のスペースだけでこの大きさ、この人の数なのだから――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。  足下の石畳は色とりどりできれいだった。ずらりと並び、公園ほどの大きさになっている。噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  駅前の光景を描写しているところ。  まず、「駅の構内の広さ、人の多さにも驚いたものだが、なによりいまの光景だ」が削られている。冒頭に掴んで、ようやく説明できるときに、余計なものを入れるな、ということだろう。  私版 「それがずらりと並び、公園ほどの大きさに広がっていた。」  新木さん版 「ずらりと並び、公園ほどの大きさになっている。」  このふたつの文、「色とりどりの石畳」に繋がる文なのだが、よく考えると、「色とりどりの石畳が、ずらりと並び、公園ほどの大きさに広がっていた」は変だ。なんで気づかなかったのだろうか。  私版 「噴水があり、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっている。」  新木さん版 「噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。」  少女の言葉使いになってます。「もういちど見入る」から、少女の心理に入っているのだから、そういう言葉使いになってもおかしくない。むしろ、言葉使いを変えたほうが、読者は少女に親近感を持ちやすいか。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。そのバス自体も、少女の知ってるような、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃなかった。そのきれいなバスに乗りこむ、少女と同年代くらいの、きれいな女子高生たち。  なにか、大人に見えた。本当に少女と同じ年なのだろうか。でも、制服を着ているし――。少女は、自分の姿を見た。えんじ色のセーラー服。膝まで長いスカート。顔だけでなく、格好まで大違いだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。少女の知ってるような、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃない。  そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。  少女は自分の姿を見た。自分も制服を着ていた。えんじ色のセーラー服。ずらっと膝まで長いスカート。カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  改行について。  バスを書いている行と、女子高生を書いている行。  書いてある内容が違うのならば、改行するべき。つまり、話の流れがバスから女子高生に移るのだから、改行しないと、逆におかしい。  少女が感想をいう行。  ここが改行しているのは、流れが変わるから。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  女子高生から、制服に意識が移る。つまり、話の流れが変わる。話の流れを、読者に明らかにさせるため、改行している。  文字の削りについて。  私版 >>バスが連なっている。そのバス自体も、少女の知ってるような、  新木さん版 >>バスが連なっている。少女の知ってるような、  「そのバス自体も」はいらない。あきらかに無駄。  私版 >>そのきれいなバスに乗りこむ、少女と同年代くらいの、きれいな女子高生たち。 >>なにか、大人に見えた。本当に少女と同じ年なのだろうか。  新木さん版 >>そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。 >>本当に自分と同い年なのだろうか。  「少女と同年代くらい」。すぐ次の行で、「本当に少女と同じ年なのだろうか」と書いてあるから、いらない。  「なにか、大人に見えた」。これも、おなじく「本当に少女と同じ年なのだろうか」があるから、いらない。「きれいな女子高生」だし、よもや子供っぽいとは……思うまい。  言葉の言い替え。  私版 >>なにか、大人に見えた。本当に少女と同じ年なのだろうか。  新木さん版 >>本当に自分と同い年なのだろうか。  本当に「少女」と同い年なのだろうか――では、変だ。いったいだれの感想なのか。少女の感想ならば、「自分」もしくは、少女の名前だろう。  私版 >>顔だけでなく、格好まで大違いだ。  新木さん版 >>カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。  レトリック、修辞法です。  みすぼらしい格好を、野鳥に例えている。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――あんなに短くて、恥ずかしくないの。だって、見えちゃうじゃない。  我がことのように、少女の顔が赤くなる。ごまかすように、視線を他に向けた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服のスカート。あんなに短くて、恥ずかしくないのだろうか。見えちゃわないのだろうか。  少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この後に、 >>――あたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  と、この「街の雑踏あらため、都会の街並み」でのクライマックス部分がある。都会はきれいなものなのだ、と少女が認識する部分。  ここを最大限に活かすのならば、スカートの短さで「――」を使ってはいけない。  私版 >>我がことのように、少女の顔が赤くなる。ごまかすように、視線を他に向けた。  新木さん版 >>少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。  私版だと、「我がことのように」「ごまかすように」と、気弱二連発。気弱はいけない。  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びる、道路の向こう側。そこにはビルが立ち並んでいた。大きさも、数も、少女の街では見かけないものだったが……。  なによりビル自体がきれい、だということに少女は目を奪われた。  ――あたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  とはいえ、事実なんだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたような外観のビル……ともかく、都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならないらしい。  少女は、自分の姿をもう一度見た。  ――しょーがないじゃん。  開き直ることにした。口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側。ビルが立ち並んでいる。大きさも、数も、見かけないほどだった。  なによりビル自体がきれいで、またしても少女は目を奪われた。  ――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  その通りなのだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたような外観のビル……。都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならないらしい。  少女は、自分の姿をもう一度見た。  もう、開き直ることにした。  口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「歩道橋が伸びる、道路の向こう側」が、「歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側」になっている。  私の場合だと、すぐに「道路の向こう側」になる。  新木さん版だと、「歩道橋」→「道路の向こう側」になっている。こちらのほうが、頭のなかに描きやすい。  私版 >>――あたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  新木さん版 >>――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  『あたし』と『わたし』では、与える印象が全然違う。  ぼく――男の子。現実には見たことがないが。  あたし――活発。  わたし――普通。  わたくし――お嬢様。  私版 >>とはいえ、事実なんだから仕方がない。  新木さん版 >>その通りなのだから仕方がない。  『とはいえ』。そうはいっても、とはいうものの、という意味。  ――いらないな。  私版 >>少女は、自分の姿をもう一度見た。 >>――しょーがないじゃん。 >>開き直ることにした。口を引き結び、歩きだす。  新木さん >>少女は、自分の姿をもう一度見た。 >>もう、開き直ることにした。 >>口を引き結び、歩きだす。  『――』をつけて強調すべきかどうか。「開き直ることにした」と「口を引き結び」で十分強調されているから、いらない。  分析終了。  全体的に……。 ・無駄を削る。 ・流れを変える、ということを意識してやる。 ・『――』を無駄つかいしない。 ・読者は五行前のことは忘れるの法則。 ・少女の視点に入る、ということを意識して地の文を書く。  リライトはまた次回。 >>続けた書いたものだというなら……。 >>なんで、都会の街並みを見て「きれい」と連呼していた少女が、こんどは百八十度反転して、マイナスイメージに染まっちゃっているわけ? >>そこんとこを説明せよ。  少女の視点をつかみきれてないからです。  本来ならば「きれい」から「きらい」になるまでに、なんらかの意識変化があるはずで、「きらい」で書くならそれを書かなきゃいけない。もしくは「きれい」のままで書くか。  そこいらへんを念頭に置きつつ、やってみます。 >1000字課題  No.48「科学者と孫娘」のやりなおしの2。  女の子を主人公にすえてみました。  一部を書き直せばいいかと思っていたら、結局は全部書き直しです。余計な時間がかかった。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=640&e=res&lp=622&st=0 >神父とシスター  またエウレカしておりました。  調べることは当然だが、調べた結果(もしくは知っていること)を、どこまで書くのかを考えなければならない――という、私にとっては新たな概念が登場しました。だっていままで適当にしか調べてなかったし。  これも対象読者層に関することがらのようで、ライトノベルなのか一般向けなのか、宗教本なのか、そこいらへんで大部変わってくると。  自分の書くものを読む読者は、どれくらいの知識があるか、ということ。  一応、神父が司祭に対する尊称だとは知ってました。辞書に載っていたので。 ■しんぷ 1 【神父】 キリスト教のカトリック教会・東方正教会で、司祭に対する尊称。ファーザー。  ただ、「書いていい知識には限界がある」という意識がなかったのと、辞書を引いたときには「神父」と「牧師」の違いが知りたかっただけだったので、あまり印象には残らず。  指摘されて、ああ、そういえばそうだったなあ、という状態で。 >邪眼 >>いわば作品ごとに別々の「邪眼」の概念が存在します。日本の読者さまの間では、邪眼という言葉に対する普遍的な定義は、まだ固まっていないと見てよいでしょう。 >>このような状態では、作者が明確に「邪眼とはこういうもの」と定義して書かないと、読者さまを混乱させてしまいます。2号さんは、そのあたりをあまり考えていないように弟切には読み取れました。  邪眼の原理から、その効果まで、きちんと考えろ、ということで。  己の思うままにすることができる術、効果は吸血鬼の位によって変わる、程度しか考えてませんでした。原理……。 >甘夏さん  「別れ話をするカップルを観察するウエイトレス 一人称 」と「田舎から出て来た女子高生」、ざっとですが読みました。  「別れ話をするカップルを観察するウエイトレス 一人称 」。  最初、ウエイトレスが店内のどこにいたのかがわかりませんでした。  「店内には、私と問題の二人だけ」とありますが、マスターがいなくなったのか、まさか最初からこの店にはいないのか。  あとは、視点保持者が、ウエイトレスというわりには、男性っぽいような気がします。  「田舎から出て来た女子高生」。  この負のイメージ……すごいです。すごすぎるような気もします。  最後の『とおりゃんせ』は、主人公のイメージなのか、それともただ単に信号機の音か。んー、でも、信号機の音って『とおりゃんせ』でいいんでしたっけ。  なんか見当はずれの指摘かもしれませんが……両方の細かい指摘は、次回させていただきます。  プロの作品を読むのに時間がかかる。読みふけったりしてるし。レスには6時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 名無し2号さんへ 邪眼について No.7149 投稿日 2003年10月6日(月)13時00分 投稿者 鐸碑 ●他人を操るという事  他人を操るには幾つかの段階があり、それによって結果は同じでも描写は変えなくてはなりません。 (下書きで出した7つのパターンを書いてありましたが、名無し2号さんが考える邪魔にならない様に消しました)  ざっと考えて7つ位のパターンが出た、これも完全な場合と部分的な場合に分ける事ができるし、他にもいくつかあるかも知れない。  ポイントは、人が何か行動するまでにどういう段階を踏んでいるかを考える事。そのどの段階に働きかけるかによって、操られた結果の行動をどう描写するか、その時の操られている人間の心理をどう描写するかがかわってくる筈です。  他人を操るのが邪眼であると規定するならば、相手をどのレベルで操るのかハッキリさせる必要があるんじゃないでしょうか? その操り方によって有効な対抗策も違いますし。  そして、対吸血鬼組織側の対策が完璧で吸血鬼が滅びに瀕しているのか、対策は不完全で雑魚を辛うじて退治できてるのかで、組織が把握している邪眼の効果と実際の邪眼の効果は違うかもしれません。  対策があまりに不完全なら、吸血鬼に十分対抗できてないはずです。完全ならいずれは壊滅させるのでしょう。情報は完全だが、対抗手段が及ばないっていう場合もありますか。  設定を考える場合、この位のレベルまで言葉に書き出さないまでもしっかりと構築しておいて、聞かれれば矛盾なく答えられる必要があるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7150 投稿日 2003年10月6日(月)23時04分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>ルーマニアの公用語はルーマニア語ですから、「シスターsister」という英語由来の言葉は作品世界にそぐいません。  弟切はなんか外国語に関して、妙な感性を持っているのでは?  ルーマニア語で「シスター」をなんというのかは知らないのだが。(なんていうの?)  日本語によって日本人向けに書かれた小説のなかで、どこまで、もとの国の言葉の響きを重視するかってことは、単なる味付けの問題だぞ?  原音主義でいくかどうかは、作家の趣味の範疇であって、一般論にまで拡大できるものではないと思うが。  たとえば「バルキリー」と「ワルキューレ」と「戦乙女」と、意味的には同じ3つの言葉があるわな。  北欧的世界観を舞台とした話を書くにあたって、「ワルキューレ」でなければならないというルールはない。  北欧的世界観であっても「バルキリー」を用いるという選択肢もある。  一般への通りが良いとか。あと言葉の響きが「戦い」という属性をより端的に表している――という感性によって、「バルキリー」を選択することもある。  重厚な世界観を重んじたい場合には、カタカナ語では軽くなってしまうのでそれを避けて、「戦乙女」とか書くこともあるわな。  北欧的世界観で、北欧っぽい味付けで書くというなら、もちろん「ワルキューレ」だろうね。  しかしそれだって「ワルキューレ」という言葉が、それなりに広まっているからできることなのだ。  「ワルキューレ」も「バルキリー」も「戦乙女」も、いわばすべて日本語であるわけだ。  「外来語」という種類の立派な日本語。  「シスター」のルーマニア語訳は知らんけど、たとえば「ペタトーラ」とかいう言葉だったのだとしよう。  平均的日本人にとってあまりに馴染みのない言葉であったら、たとえ「ルーマニアっぽい味付け」の小説であっても、その言葉は使えない。なぜなら「ペタトーラ」は日本語ではないからだ。  日本語で書かれた小説は、基本的に、日本人のために書かれている。  台詞も地の文も、すべて日本語に翻訳されていると考えるべき。  ルーマニアを舞台にした話なら、ルーマニアっぽい味付けで読みたい――というのは、これは弟切の単なる個人的欲求なので。  それと一般論とを混同しないこと。  弟切が自分で書くときには、そういうふうに書けばよろしい。  ただちゃんと読者のほうを見つつね。ほどほどにしないとね。「ペタトーラ」とか書いたって、読者にはわからんだろうし。  自分の外国語への知識と感性とが、平均とズレてるかどうか心配なら、カタカナ語辞典で確認すること。  辞書に載っていない言葉は、基本的に、使用禁止だ。日本語の小説の場合。  鐸碑さんも「カレー」の話で似たようなことを書いているが。  小麦粉でとろみをつけた「カレー」が平均的日本人にとってのカレーであるわけだ。  弟切は「本格インドカリー」が食べたいのかもしれない。  そういうカレー屋もある。小さな店を構えて、それなりに固定客もついて、小さく繁盛させるというのもひとつの道だ。  しかし全国展開して、大々的なチェーン展開をするのなら、「本格インドカリー」じゃいけないわけよ。日本人向けにアレンジしたものでないと。  このへん、「マイナー」と「メジャー」との話になってくる。  メジャーをやろうとしている人間に、マイナーの価値観で意見しちゃいかん。  日本的カレーライスを作ろうとしている人間に、「それは本格インドカリーではありません」と言ったところで始まらない。  その逆もしかり。マイナーをやろうとしている人間に、メジャーの価値観で意見してもいけない。  作家は、自分がやろうとしていることがどのへんにあるのか、自分で考えていないといけない。 >鐸碑さん >PBMの相場  なにやら計算が合わないのですが。  「1枚単価400円を切る安値」とありますが、計算すると、1枚40円になりますが。  毎月の参加費が、1000〜1500円ですよね。  そして参加者は、毎月1回、原稿用紙10枚相当(A4のプリントアウト2枚)の小説形式のリアクションを得られるわけですよね。  で、ライターの取り分が35%だとすると、原稿用紙10枚を書いて、350〜500円を手にしていることになります。  ひょっとして、10人ぐらいの人数をひとまとめにして、まったく同じ文面のリアクションを送り変えしているとか?  しかし10枚で400円とは、すごい相場なのですね。  1ヶ月に40人に対してリアクションを書いて、400枚相当を書いたとして、1万6千円。  僕の計算ミスか勘違いがあったとして、1枚で400円なのだったとしても、400枚書いて16万円。  ちなみに小説は400枚書いて、100〜200万。(印税なので、売れれば売れただけ原稿1枚の単価も上がることになる。これは最低ライン)  ライターの一般的な仕事では、400枚書いて、30〜60万ほど。ここ数年はやってないんで、相場が変わっているかもしれませんが。  前、ゲームのシナリオの仕事をしたとき、原稿用紙換算をして単価計算をしてみたら、すごい値が出てきてめげたので、考えないようにしたりしていたけど。それでも1枚1000円は越えてたけど。 (ペラ600円って出てきてメゲたもんで、原稿単価で考えず、拘束期間単価で考えることにした。小説より遙かに早く書けるので楽ではあるのだけど) >甘夏さん >「田舎から出て来た女子高生(マイナスイメージ)」  3つあがった中では、いちばん、視点がちゃんとしてますね。  だんだん、なにかを掴んできたのかな? >>視点を作る場合、なにかひとつ固執する物を作ればやりやすいかと思うんです。 >>固執、ちょっと違うな。なんていうか、考え方の根元ですよね。  「視点」っていうのは、つまり、そういうものです。  「物の見方」を込めるのが視点というもの。  ようやく「甘夏語」と「新木語」の翻訳が完了したかな?  ところで、このあいだおもしろい話を聞きました。  「トライアル」っていう自転車競技の選手の人の話だったのですが……。  トライアルというのは、特殊な自転車で、障害物を乗り越えてゆく競技ですね。  普通、自転車で乗り越えられないような物体やら、場所やらを、自転車で越えてゆきます。  エンジン付きバイクで行われるほうが有名ですが、自転車のもあります。  その競技をやっている人の話。  街中を歩いていても、あらゆるものが「障害物」に見えてきてしまうそうです。そしてどうやって攻略するか考えている自分がいるそうな。  たとえば駅の階段とか。  たとえば自動販売機とか。あの自動販売機の上に登るには、どのルートから、どれだけの速度が必要か。自販機の上の狭い空間で一旦停止して体制を立て直すには、どういう姿勢でいるべきか。――そんなことを考えてしまうそうな。  甘夏さんの持っている「クリーニング屋の視点」とか、ここで書いた「トライアル競技者の視点」とかは、だいぶ特異なものでしょう。  しかし、これほど目立つものではないにせよ、どんな人間にも、それ独自の「視点」ってものがあるわけです。  たとえば――。  「学生の視点」「社会人の視点」  「貧乏人の視点」「金を持っている者の視点」  「親の視点」「子の視点」  「兄の視点」「弟の視点」  「モテる男の視点」「彼女イナイ歴○○年の男の視点」  「ケンカの強いヤツの視点」「いじめられっ子の視点」  こういった様々な視点のまえに、もっと根元的なものとして――。  「男の視点」「女の視点」  「大人の視点」「青年の視点」「少年少女の視点」「子供の視点」  ――なんてものがあります。  「女の視点」「少女の視点」「子の視点」「学生の視点」「けっこうお小遣を持っているものの視点」――あたりを組み合わせると、まあだいたい、「女子高生の視点」になったりするわけです。  さらに「田舎出身者の視点」とかを組み合わせると、いまやっている「田舎から出てきた女の子」の視点になるわけですね。  ――ということで。  「なにかひとつ固執するもの」ではなくて、「固執するものをたくさん」ということになります。 >別れ話を聞くウエイトレス  たしかに変ですね。  これ、片方は一人称で、もう片方は作者視点あたりですよね。  どっちがベースとなっているのかな?  どうも作者視点で書いたほうをベースにして、一人称のほうを作りだした感じですね。  その際に、「カップの染みにこだわる人間」という固執をつけてます。  これがなぜ変なのかというと……。  このウエイトレスと作者(甘夏)とは、別人なわけですよね。  違う人間であれば、同じ一連のシーンを見ていても、まったく違うように見えているはずなのです。  なのに共通している部分が多く存在しています。 >>女の視線を軽く流し、男は煙草を箱から直接くわえ、銀色のジッポで火をつけた。  たとえばこことか。  同じ煙草に火をつける動作でも、ウエイトレスが見たものと、作者が見たものとでは、違ってくるはずなのです。  たとえば、この「男は女の視線を軽く流し」という部分。  このウエイトレスはかなり冷めてる人ですから、男のほうにも、女のほうにも、どちらにも同情していないようですが……。(どちらかといえば、わずかに男の側に味方してるかな?)  たとえばもっと女の側に同情して、心情的に女の側に味方している人物だったとしましょう。  そうした人物から見たなら、「男は女の視線から逃げるように目を離した」とか、そういうふうに見えるかもしれません。  またウエイトレスの人が、もし女性で煙草を吸わない人であったら――。  「ジッポ」という言葉を知らない可能性もあります。単なる大型のライターに見えるかもしれません。  甘夏さんは、ここでなんの疑いもなく「ジッポ」と使ってしまってますよね。  それは甘夏さんが「ジッポ」を知っているからです。  しかし視点の持ち主によっては、ジッポを知らない場合もあるわけです。ジッポを知らない人間の一人称では、もちろん、ジッポを使うことはできませんよね。 >>突然、女が大声を出した。がちゃん、と陶器のこすれる音。  ここなんかも。  「大声」というのは――。  女に味方している人間からみたら、「女はついに耐えかねて、拒絶の言葉を口にした」とかなるはずですし。同情している人間からみればそれは「大声」でなくて、ごく当然の声の強さなわけです。  またウエイトレスであれば、「がちゃん」という陶器の音を聞いてなんの感慨も持たないのが変です。皿やカップの心配をしないのは変ですよね。  「作者視点=甘夏」としては、この店の陶器が割れようがどうなろうが気にもならないでしょうけど。 >同じひとつの現実を、違う人間が眺めるとどうなるのか  これは、「田舎から出てきた女の子(プラス)」のほうを書いてみればわかるかも。  人間が違ったら、同じシーンでもまったく違うものになるのです。  共通する記述なんて、一行たりとも、出てくるはずもありません。(台詞除く)  その際、主人公以外の周囲の状況は、まったく同じにしておくのが肝心です。スーツの会社員がぶっかってくるところなんかも同じにします。 ●2号 >ダシのとりかた >>調べることは当然だが、調べた結果(もしくは知っていること)を、どこまで書くのかを考えなければならない――という、私にとっては新たな概念が登場しました。だっていままで適当にしか調べてなかったし。  これまでは適当にしか調べていなかったから、調べたことを全部書いたって足りないぐらいだったわけだ。  しかし最近は、全部は書ききれないぐらい調べるようになってきた。  そしてたくさん調べたあとで、いまこの場面では、どれだけ書くべきなのか――適正量を推し量って書いてゆくわけだな。  これがすなわち、「ダシを取る」――ということだ。  書かないようなことまで調べておく。  書かないようなことまで考えておく。  邪眼の設定だって、10個考えても、どうせ全部なんて使いっこないだろ?  しかし「書かない9個」が存在しているからこそ、「書いた1個」に深みがでて、おいしいものになるわけ。  また「邪眼の原理」なんて考えたところで、実際の作品中で、その原理を説明して披露するなんてことは、まあ――ないだろうな。  無駄っぽいけど、でも考えておくわけだ。  考えてあるか、ないか。  ――そういうのは、読者にはなんとなくわかっちゃうわけ。  そして考えていない作品っていうのは、浅くて薄っぺらくて、とても読めたもんにならないわけ。  ダシを取っていないミソ汁は、飲めたもんじゃないのだ。 >文章の種類  小説の文章の種類については、過去ログの3153でやってるな。  説明文。  描写文(情景、状況)。  会話文。(含む心の中の声)  動作。(アクション) >文章の役目  文章には、大まかに、4つの種類があるわけだ。  そして小説において、4つの文章は、ひとつの同じ役割を担っている。  それは読者の脳裏に「イメージ=絵」を浮かばせるということ。  説明も描写も動作も会話も、すべて、一文、一文が、絵描きがキャンバスに振るう一筆に相当している。  文章の種類なんて、絵の具みたいなもの。ただ色が違うだけで、すべては「イメージ=絵」を描きあげるために存在する。  読者がなにか一行を目にするたびに、頭の中にイメージが形作られているわけね。  ひとつのイメージを描き上げるために、通常は2行なり3行なりを費やすことになる。  何行でひとつのイメージを描くかは、作家の文体によって違うけれど……。ライトノベル的文体だと、だいたい2〜3行で、2段落ぐらいなものだろう。  たとえば戦艦のスペックを語る説明文のときは、「なんか凄そうな戦艦」のイメージが浮かぶはず。  台詞(とそれに付随する動作や仕草)のときには、その台詞を言っているキャラの顔なりなんなりが浮かぶはず。  「○○は勢いよく立ち上がった」などという行動文の場合には、ばっと立ち上がる動きのイメージだろう。  こうしたイメージを何枚も連続して読者の脳裏に描いてゆくことによって、小説というものは成り立っているわけ。  ――で、読者の脳裏にひとつのイメージが浮かんでいる状態から、次のイメージを出すためには、黒板を黒板消しで拭き消すように、ワイプしてやらなきゃならないわけだ。  いま描いた絵を終わらせて、次の絵を浮かばせるためには、いったん頭の中を白紙に戻す必要がある。  人によっては、この「無イメージ」の状態は、一面の黒だったり、一面の白だったり、無色透明だったり――様々なようだ。(僕の場合は「クリーム色っぽい透明」って感じかな)  その「ワイプ」した瞬間が、このところ言ってきた「流れ」の転換点にあたる。  注意深く文章を見てゆけば、それまでのイメージをどこで拭き消しているのか、明確にポイントを求められるはずだ。(ちゃんと書かれているプロの作品であれば)  ちなみに俺のリライトでは、こういうふうになっている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられた。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けてゆ く。サラリーマン、学生らがそれに続く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  足下の石畳は色とりどりできれいだった。ずらりと並び、公園ほどの大きさになっ ている。噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。少女の知ってるよう な、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は自分の姿を見た。自分も制服を着ていた。えんじ色のセーラー服。ずらっと 膝まで長いスカート。カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服のスカート。あんなに短くて、恥ずかしくないのだろうか。見えちゃわないの だろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側。ビルが立ち並んでいる。大きさも、数 も、見かけないほどだった。  なによりビル自体がきれいで、またしても少女は目を奪われた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  その通りなのだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたよ うな外観のビル……。都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならな いらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、自分の姿をもう一度見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  もう、開き直ることにした。  口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まず、それぞれの箇所で、読者の脳裏に浮かばせようとしていたイメージを分析のこと。  それはどんな絵なのか?  これはリライトであるわけだから、ここで出しているイメージは、もともと2号が出してきたものだよね。  僕がリライトをしたときには、削ったり直したりしていたわけだ。(なるべく直さないようにしたが)  その基準は、すべて「読者の脳裏に浮かばせるイメージ」のためにある。  イメージ(絵)を浮かばせることを妨げるものを削る。そしてイメージを描くのに必要なものを追加する。  たとえば、ここなんか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられ、少女はあわてて、謝りながら道をあける。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けた。サラリーマン、学生らがそれに続く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−  「少女が謝りながら道をあける」という部分を削ったわけだが……。  なぜ削ったのかというと、ここで「どすどす歩いてゆくおばさんやサラリーマンたち」の絵を浮かばせるのか、それとも「びっくりして、慌てて謝っている少女」のほうを描くのか、はっきりしないから。  読者の脳裏のキャンバスは1枚しかないので、一度に2枚の絵は描けないのだ。  どっちかを捨てるしかない。  そして捨てるなら「謝る少女」のほうだろうと判断したわけね。  こういうふうに、いちどに二つのことを描こうとする行為は、読者の脳裏にイメージを描くことの妨げになってしまっている。  一度に二つのイメージを描こうとすると、イメージがぶつかりあってしまって、結局、読者の脳裏にはなんにも浮かばなくなる。  これがいちばんマズい。  しかしアマチュアの小説では、どの場面もたいていそんなもん。さらにレベルが低くなると、そもそも描こうとしているイメージさえなかったりする。  上にあげた「イメージの区切り位置」をもとにして、そこに該当する自分の原文とを並べてみそ。  そして削ったり増やしたりした部分とを対比し直してみそ。  なぜ削られたのか、なぜ増やされたのか。「読者の頭に浮かばせるイメージ」という観点で眺めてみると、また違う発見があると思う。 -------------------------------------------------------------------------------- PBMの返事 No.7151 投稿日 2003年10月7日(火)00時30分 投稿者 鐸碑  10人参加で4000字の時は、10人に同じ文章を返します。なんで、10人に10枚で1枚あたり350円とかいう計算。  人気の加点とか、色々な要素が入るともう少しは割りが良くなりますが、1枚500円にはならないのが現状の相場です。  現状この仕事で社会人の1ヶ月の給与と同程度位に稼ぐ人が数名だけいますが、毎週10本位仕上げている計算ですね。週10本やると400×10×10で週40,000位は稼げる計算。一本にかけている時間は、5時間程度でしょう。それなら時給は800円。  フリータイムで出来る出来高仕事のアルバイトとしては、上出来。勿論書くのが好きで、質より量な人ならではの考え方でしょうが。  ゲームの企画によっては、一度に処理する人数が30〜100以上と言う事もあります。人数が多くなってくると、人物相関図が複雑怪奇なものになっていきますし、それぞれに出番(一部のキャラには見せ場を作る余裕もなくなります)を作りつつ話を進めるだけでも困難な状況になっていきます。  小説や漫画の常識で、1話に登場するほぼ等価な主要人物が100人超ってのは無茶苦茶ですが、その無茶をキャラが集まるとやらなくちゃ行けない場合もあるのがPBM。  はっきりいって物語媒体としては、イケてません。価値は『一期一会の言葉で作るゲーム』という部分。本格インドカレーの店なんてレベルじゃない、マイナー路線ですね。  一つの結果文章がキャラ10人位で4000字〜10000字(10枚〜25枚)程度を基準にして、1万2000円位にはなる様にはしたいですね。個々の事件に関わるキャラは10人か多くても15人、その代わり2つ、3つのシナリオがリンクして一つの物語を創ってるような構造なら、大勢で物語を共有している実感をお客さんは味わえるんで。  PBMのお客さんは、自分好みで好き勝手な食材を入れたがるんですが、同時になるべく大きな鍋を大勢でつつきたがるという性質を持っているんで、結構難しいんですよ。  10年くらい前は、こういう場自体の珍しさがあったし、MMORPGとかの大勢で騒げる場は他になかったんで今の数倍はにぎわっていましたが、現状は一過性のブームは過ぎて、熱心な人だけが残っている状態です。 -------------------------------------------------------------------------------- 疲れを知らない子供のように No.7152 投稿日 2003年10月7日(火)01時42分 投稿者 弟切 千隼  季節の移り変わりは速いですね。今日の湘南は十一月並みの寒さで、木犀の花が冷たい雨に散らされていました。  No.7137で、新木さんに >> それぞれ、自分がどのようにして書いているのか、詳細に観察して報告のこと。 と指示されましたので、詳細な観察を行なうために、1000字課題をやってみました。できた作品は課題部屋に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=641&e=res&lp=550&st=0  今日はあまり時間が取れませんので、観察結果は次回に書きます。 >シスター  弟切の感性がおかしいのは、自覚しています(^^;;   前回No.7146で、「神父」や「シスター」という言葉に対する違和感のことを書いたのは、自分の感性のずれ具合を確認するためもありました。「シスター」について反論があったところからしますと、やはり弟切は、日本語と外国語に対する感性の一部がずれているようですね。  誤解されないよう書いておきますと、弟切は、「日本語で小説を書く場合、英語圏の舞台以外で、修道女のことをシスターと書くのは絶対におかしい」と主張しているわけではありません。そういう小説があってもいいと思います。  ですから、たとえ2号さんの作品の舞台がルーマニアであっても、2号さんが信念を持って「シスター」という言葉を用いるなら、それで了解します。  弟切は残念ながらルーマニア語を知りません。そのため、修道女をルーマニア語で何というかも知りません。  けれども、たとえ知っていたとしても、弟切がルーマニアを舞台にした小説を書く場合に、「修道女」をルーマニア語名で呼び替えることはしないでしょう。新木さんのおっしゃるとおり、それはマイナーすぎて普通の日本人が付いてゆけない言葉だからです。  むろん、その言葉が物語に重要な役割を果たすのなら別です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7153 投稿日 2003年10月7日(火)08時04分 投稿者 新木 伸 >鐸碑さん  すいません。  もうちょっとこちらの目線まで下りてきて説明してもらえませんか?  2号になら「リテイク」とか言いだすところですが。いまは僕のほうが教えてもらっている立場なので、がんばって理解するようにします。  PBMについて、僕の知識は、ほとんどないも同然なわけです。  十年来の友人にハマっていた人がいたなぁとか、作家の知り合いで、PBMのマスター上がりの人が何人かいたかなぁとか、そんな程度でして。(野尻抱介さんがクレギオンで、「フルメタル・パニック!」の賀東招二さんが蓬莱学園)  まったくの「一般人」に対して、PBMというマイナーな形態のゲームを説明するぐらいのつもりでやってもらえると助かります。  まったくの一般人といっても――。  たとえばそこらの主婦だとか。還暦を迎えるようなおじさんとか。プレステのコントローラーも触ったことがなくて、ビデオデッキの予約録画もできないような人とか。そこまで下りなくてもいいと思いますけど。  プレステのゲームぐらいは普通にやっていて。RPGやネットゲームあたりまでは普通にイメージできるあたりの「一般人」てことですが。  たとえ僕が理解できたとしても、分室を読むROMの人に理解できないのであれば、この場所でこの話題をやる意味はないので。(メールで僕が教われば良い)。  対象読者のレベルあわせは低めでおねがいします。  小説は書くけどゲームはやらない――という人もROMっていることをお忘れなく。  1500円も払って自分のキャラが主人公にならないというのは、僕の発想の外でありまして……。  いまようやくイメージできてきたところです。  つまり自分のキャラは、いわば「脇役」なわけですね。群衆の中のひとりでしかない。  主役ってのはまったくいなくて、誰もが等しく平等に脇役なのか。各回につき1名ずつ、運良く主役になれるキャラがいたりするのか。主役はマスターサイドで用意されたキャラ(NPC)に限定されて、プレイヤーのキャラは等しく脇役なのか。  たぶんそのどれかなのでしょう。  リアクションの文面は、群雄物みたいな小説形態になるわけですね。  10枚の中で10人を動かすとなると、一人あたりの活躍行数は1枚に満たないわけですね。  10行もないってことは、なにかひとつかふたつアクションを起こして、台詞を一つ言って、そんなもんかな。  とまあ、参加者が手にするものがどんなものかのイメージはできてきましたが……。  マスター側の仕事の展望は、まだできていません。  「小規模なゲーム」とか「中規模なゲーム」とか、そのあたり。  数名から数十名程度のキャラを、ひとりのライターが管轄するわけですよね。  ひとりのライターが管理可能なのがその程度の数まで……ってことでしょうけど。  ひとつのゲーム(世界観)をやるにあたって、ライターは何人ぐらい参加しているわけですか?  採算ベースが最低でも参加者200人ということは、「小規模」でもライターは20人ぐらいいる計算になりますけど。  それだけのライターが参加するとなると、管理と連絡と調整だけでも、えらい仕事量になりますよね。(それが鐸碑さんの仕事?)  だいたい、ひとつの雑誌を出すのに関わるライターがそのくらいの人数規模ですよね。毎月刊行される雑誌だと、ライターが10〜20人ぐらいで、編集者が数人〜十人程度。  毎月一回、雑誌ほどの分量があるものを発行するためには、それだけの人間が一斉に動くことが必要で……「編集長」なる統括管理職も必要で。  準備期間を数ヶ月ほど取れるムック本であれば、1名の編集者と1名のライターでも作れますけど。  あと、ライターが受け持つキャラは変動的なのですか。それとも固定的なのですか。  初回から最終回まで、ひとりのライターは同じキャラ(参加者)を受け持つことになるのでしょうか。それとも毎回ごとに受け持つキャラは変わるのでしょうか。  受け持ちキャラが毎回変動するのであれば、ある回で、「ある遺跡の調査にゆく」――と行動を決めたキャラを受け持つ、「遺跡パート担当」のライターがいるとか?  そこに20人集まれば、その20人を受け持つとか?  ひとりのライターが管轄する人数が変わらなければ、ゲーム全体が小規模でも中規模でも大規模でも、ライター個人から見れば、手間はかわりませんよね。  その回のなかで、自分の受け持ちのキャラ全員に見せ場を作ることを考えればいいわけだし。逆に自分の受け持っていないキャラの名前は出す必要がない(ていうか出していたら受け持ちキャラの文章が減るので出してはならない)わけだし。 >弟切  感性の違いがあるのはあたりまえのことで。  僕はよく「一般人」という用語を使って、「普通の人」という概念を出してきているけど。  そういう「普通の人」だって、細かくひとりひとり見ていけば、一般的にはマイナーとされる感性の持ち主であるかもしれない。  ある人はご飯にマヨネーズをかけて食べる人かもしれない。  ある人はミッキーマウスコレクターかもしれない。  ある人はいまだにMSXで遊んでいる人かもしれない。  ある人は鼻フックに興奮する性癖の持ち主かもしれない。  自分が「普通」と思っていたことが、他の人にとっては「普通でない」というのは、よくある話だ。  僕が問題にしているのは――。  作家にならんとする者は、普遍的な「普通」を知らないとならないってことだ。  ある規模の集団の平均的認識はどのへんにあるのかを知らなければ、なんにも書けない。相手にわかるように書くこともできない。相手に驚きを提供することもできない。  SFファン相手に、「どんなに速く動いても、光の速度を超えることはできないんだよ。知ってた?」なんて言うのはアホの極地であるが……。  「普通の人」にとっては、これは、「へー」とボタンを押してもらえることなわけだよ。  自分の感性やら、「あたりまえ」やら、趣味やらは、とりあえずおいておいて……。  いま書いている相手である「読者」の普通はなにかを計らないとならないわけね。  無論、自分が「本格インドカリー」が大好きであるのなら、自分の提供するにも反映させてかまわない。  ただし、普通の読者がどこまで付いてこれるのかを計ってからだ。  「本格インドカリー」だとNGかもしれない。  「本格派インドカレー」とか、「本格風インドカレー」ぐらいが、ぎりぎり許容範囲内かもしれない。  もしかして「本格インドカリー」を提供してみたら、案外、大ウケしちゃうのかもしれない。  リサーチと推測を行うのは作家の責任だ。  ウケなくてリスクをかぶるのは自分ひとりだし。評価されたら栄誉も印税も自分が独り占めだし。  脱サラして店を開いて、繁盛してウハウハになるのも、閑古鳥が鳴いて借金抱えて閉店するのも、どちらも自由だし。  それが「自由業」ってもんだし。  ……で。なんでわざわざ、こうやって「確認」をしているのかというと。  わかってるのかどうか、なんか心配なんだよね〜。  今回弟切は、強硬に「自分の違和感」を説明しようとしていたじゃん。  しかし、ある一線よりマイナーな感性に基づく「違和感」っていうのは、説明してみたところで意味がないのね。  自分の感性がどのくらい特殊であるのかを充分に知っているのなら、「それは違う」と心の中では叫びつつも、あえて口を閉ざしておくべき時もあるわけだ。  たとえば僕は、パソコンは趣味であり、自分の「環境」は徹底的にカスタマイズして使いやすくチューンナップするけども。  人の「環境」に対しては、「使えていれば問題なし」という観点でみるから、あまり口出ししない。  日本語入力IMEに、MS−IMEを使っていようかATOKを使っていようが、どちらも道具としては充分な性能があるので問題にしない。自分は「○○派」ではあるが、それは言わない。だいたい自分も昔は「××派」であったのが「○○派」に転んできたわけだし。  またLZHの解凍ツールになにを使っていようが、ちゃんと解凍できているなら、なんでもかまわない。もちろん自分は「△△至上主義者」であるわけだが、それもこのさい関係がない。  「道具」を手入れもしないまま、適当な状態のままで使用することは、僕にとっては絶対に間違ったことであり、「悪」であり、万死に値するような許されざる「大罪」であったりするのだが。本来であれば撲殺バットで撲殺してからのち、ぴぴるぴ〜と呪文を唱えて復活させて、また殴り殺して――以下エンドレス。となるぐらいのことであるのだが。  この感性は「ど」が付くぐらいマイナーであろうから、だから、言わない。  僕の父も祖父も、どこか几帳面なところを持っていて、仕事机だけは整理整頓していたり、道具置き場だけはきちんと管理していたりしていたから、なんか遺伝子に性癖の組み込まれた職人的家系であるのかもしれない。曾祖父から先は、宮崎県で代々宮大工をやってたそうだし。  「プログラマ」とか、「理系」とか聞くと、つい、自分と同じ趣味を持っていると思って言っちゃうことがあるのだが。  しかし、みやびさんやら、紫やら(現/元プログラマ)、あと翠やら(理系人間)を見ていると、人種が違うと思ったりもする。  ――で、話は戻るが。  今回、弟切は。  英語文化圏以外――たとえばルーマニアを舞台とした小説で、登場人物もルーマニア人であった場合に、修道女に「シスター」という言葉を使うことに対して、自分が違和感を持っているということを、かなり強行に表明しようとしていたよね。  これは、なぜ?  その直前で、指摘されていたから?  恥をかいたと思ったから?  一般的にはキリスト教の男性聖職者は、「司祭」ではなく「神父」として認識されているということを指摘されてショックだったとか?  それともなにか、自分の感性を否定されたような気がして抵抗していたとか?  感性なんてもんは、そもそも大勢から否定されるぐらいでないと、役に立たないものだぞ?  「肯定される」=「一般的平均的」――ってことだから、武器にならない。  いつも言ってるじゃん。  人と違う部分というのがオリジナリティであって、作家の武器となるものである。  自分にとってあたりまえだが、他人にとってはあたりまえではなかったこと。  そういうものを探せって、いつも言ってきてるはずだが。  そういうものを見つけたのに、人と違うことを怖がっていて、どうするよ?  そこ作家としては喜ぶところだぞ? -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7154 投稿日 2003年10月7日(火)08時32分 投稿者 新木 伸 >弟切 >1000字課題、「穴」  そもそも執筆プロセスの解明のための課題だろうけど。  まあ内容についても触れておくか。  まったく、わからん。  そもそも主人公は空き地の前でなにをやっているのか。いや、フェンスを乗り越えようとしているのは、それはわかる。  しかしなぜゆえに、そんなことをしようとしているのか、まったくわからない。  いつ、どこで、なにを、どうする、――なぜゆえに?  ――というのが、5W1Hなわけだよな。  朝、空き地の前で、フェンスを、乗り越えようとしている。――近道をするために。  というのが、この掌編の冒頭で書かれた5W1Hになのだろうが。  そもそも、なぜ近道をする必要があるのか?  またフェンスに囲まれた空き地を通ることが、なぜ近道となりうるのか?  「なぜ?」という疑問が二つほど生じてしまう。  よって「近道をするため」は理由になりきれていない。  5W1Hとして解決せねばならない疑問に答えていなくて、新たな疑問を二つも発生させてしまっているので、帳尻はマイナス2個ってところか。  ――で、読み進めると、またもう二個ほど、解決不能の疑問が出てくる。  麻生さんとやらは、どうして、フェンスの向こうにいたのだ?  てか、「フェンスの向こう」って、そもそもどっちのこと?  主人公はすでにフェンスを乗り越えてきたんだよね?  そのさらに「向こう」ということは……。フェンスって、もしかして二重になっていたとか?  それとも主人公がフェンスを乗り越えてきたように読めたのはじつは誤読で、主人公は乗り越えようとしてやめただけなのかな? そして麻生さんは、主人公が乗り越えようと思っていたフェンスの向こうにいたとか?  ――と、まあ。  このように「謎」を4つも残したまま、話を終わられてもなぁ。  「広げた風呂敷はちゃんと畳めよ」としか感想を言いようがない。  料理でいうのなら、「すいません。食べかた教えてください」とでも言うところか。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7155 投稿日 2003年10月7日(火)09時48分 投稿者 新木 伸 >2号 >「科学者と孫娘、やりなおしの2(女の子主人公版)」  これじゃ主人公は少年だってば。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うららかな春の日。 →無  半球状の建物の前で、少女が少年に話しかける。その顔は赤い。 「南雲くん。ここが、私の家。あの、ちょっと、ヘンなんだけど……その」  少年は微笑む。 「うん。わかって――」 →少年  その瞬間、重低音が響いた。地面がぐらりと揺れる。目の前にある建物から、煙がひとすじ上がった。  建物から老人が出てきた。全身が真っ白けになっている。 →無 「おじいちゃん!」  少女は心配そうに声をあげた。老人は、笑いながら体をはたく。着ていた白衣から、ほこりが舞い上がった。 「失敗、失敗」  そのまま高笑いする。ふたりに気づいた。 →博士 「おお? かなえ、お帰り。――彼はボーイフレンドかの?」  かなえと呼ばれた少女は、顔を真っ赤にして首を振った。 →少女 「ち、ちがうよ! か、彼は……」 「初めまして。南雲優一と申します。――鷹取博士ですね?」  かなえは南雲の顔を見る。 →少年 「知ってたの? おじいちゃんのこと」 「有名だからね」  南雲はあっさりと答えた。かなえはまだ何事か問いかけようとしたが、博士の高笑いに阻まれる。 「わしの研究に興味があるのかね」 「ええ」 →少年 「ならばおいで。後かたづけせねばならんし……」  博士は建物のなかに戻ろうとする。建物からは、まだ煙が上がっていた。 →博士  かなえはうつむく。 「……南雲くん、おじいちゃんに興味があったんだ」 「うん」 「そっか。勘違いしちゃった。てっきり」 「それも正解。かなえちゃんにも興味あるよ」  南雲はそう言い残して、博士の後を追う。  かなえは、真っ赤な顔になっていた。 「……にも、は、ちょっと複雑だけど」  かなえも、建物へ向かう。 →少女、と取れないこともないが。これまでが少年のほうが勝っているために、ここは少年。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見ればわかるけど、博士と少年との会話がネックになってるな。ここがどうしても「少年」になるので、全体的に少年が勝ってしまう。  ここをクリアするための方法は3通りある。 1.博士と少年とを会話させつつ、しかし読者の印象的にはその場の主役を少女とさせる。 2.博士と少年との会話がはじまる前に、「主人公=少女」を強烈に確定させておく。 3.博士と少年とを会話させない。実験失敗した博士が、そもそも二人に気づかない――という展開にすれば可能。  1が正攻法。  2と3は裏技。  1も2も3も、この際、全部マスターしろ。  まずは1から。  ちなみに視点に拘泥しなくてよい。視点ってのは道具だから、必要に応じて変えてしまえばいい。  たとえば1をやるのであれば、少女寄りの三人称にするとたいへん楽になるはずだ。(現在の客観視点では不可能というわけではない)  少女寄りの三人称っていうのは、「かなえ」にフレンドリーであり、彼女のことをはじめからよく知っている視点なわけね。なので「少女」とは書かずに、いきなり「かなえ」って書いてしまえる。またかなえの心理にも、いきなり立ち入っていけるし、かなえのみが知り得ることも書いてしまえる。  視点が「かなえ寄り」になっているというだけで、誰が主人公かというサインを読者に送り続けられるだろ?  ん〜。じつはいまここに、かなえ寄り視点で書いたサンプルが数行ほどあるのだが。  自分でやり遂げるまでは、見せないほうがいいのだろうなぁ。 >流れ転換練習  こっちはだいぶ良くなってきた。  もうちょっと上が欲しいけど。2号に自分でやらせるのは、ここまでが限界だろう。いまのところは。  僕が直すにしても、これより上を狙うためには、自分の文章にせざるを得ないなぁ。  というわけで、直すというよりは、俺風に書いてみる。とりあえず新木伸の最大出力を見せよう。  流れの転換の仕方は作家の文体にも関わってくるから、人のリズムを直すのは、ある程度より上は無理となってくる。  僕自身は、もう意識してやってないし、感覚的に処理しているもんで。  新たに書き起こすしかなくなるのね。  15年くらい前だったら、まだ理屈でやっていたから、人の文章を直すこともできたかもしれないが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  蝉しぐれが降りそそいでいる。  少年がひとり。軒下にたたずんでいる。その視線は縁側に注がれている。  昼寝をしている少女が、そこにいた。  風鈴が涼しげな音色を響かせる。――が、少女にはまったく起きだす気配がない。  短い髪。  すらりとした手足は、よく日焼けしている。  気の強い瞳は、いまは閉じられている。形の良い唇がすこしだけ開いていて、そのわずかな隙間を、呼気が静かに通り抜けている。  少年は、その視線を少女の胸元へと移していった。わずかに膨らんだ胸が、呼吸にあわせ、ゆっくりと上下している。  唾を飲みこむ音は、思ったよりも大きく響いた。  少年のほうはとっくに声変わりを経験していた。二週間に一回ぐらいは髭も剃る。わき毛だって生えてきている。  そして少女もまた、自分とおなじように大人になりつつあるのだった。  そのことを少年は激しく実感していた。  自分と少女とは、どのような関係なのだろう?  そのことに少年は思いをめぐらせた。恋人――ではない。そもそも恋人とか恋愛だとかは、よくわからない。では友達――だろうか?  薄く開かれた唇。  どうしても、そこから目が離せない。  少年は少女の体に覆いかぶさるように、その両脇に手をついた。間近から顔を覗きこみ、少女が起きてこないことを確認する。  いまならまだ言いわけの利く距離だった。  しかし少年は止まらなかった。少女の唇を見つめたまま、ゆっくりと、その顔を寄せてゆく。  すこし、もうすこし――。  あともう、ちょっと。  風鈴が、鳴った。  少年は飛びすさっていた。  一歩、二歩と後ずさり、背中を向けて――ついに駆けだす。  蝉しぐれが降りそそいでいる。  少女は目を開けた。  起きあがって、庭を見つめる。  ぼんやりとうつろだったその目に、だんだんと険しい色が浮かんでくる。  ――が、頂点までは至らない。少女の苛立ちは軽いため息となって、午後の風に運ばれていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  えーと。  書いてみてから、分析してみる。  極端に短い語句。→「短い髪。」  強い言葉。→「激しく実感」  記号。→「?」  記号。「――」を2回。  内的思考を唐突にぶち切って、不連続にも、固執している「唇」に戻す。  動きのある動詞の活用。→「寄せてゆく」  心理描写から。現実の事象への切り替え。→「風鈴が、鳴った」  描写密度の変化。→「一歩、二歩と〜〜」  同じセンテンスの繰り返し。→「蝉しぐれが〜〜」  漢字使用率の変化。ひらがなの多用。→「ぼんやりとうつろだったその〜〜」  ――とまあ、あらゆる手を駆使して、流れの切り替えに利用している。  方法が重複していないところをみると、まだこの2〜3倍ぐらいは、「手」を持っている模様。自分が流れの切り替えの「手」をいくつ保有しているのか――実際に書いてみないと、よくわかんないや。  とりあえず2号の掴んだ方法の先は、こんな感じになっているということで。  そのまま進んでいって、その技の研鑽を進めることは、間違いではなかろう。 -------------------------------------------------------------------------------- 言葉さがし No.7156 投稿日 2003年10月8日(水)01時32分 投稿者 弟切 千隼 >シスター  弟切がこの言葉に対する違和感にこだわった理由は、弟切が今まさに、普遍的な「普通」を体得しようとしている最中だからです。  新木さんがおっしゃるとおり、プロの作家になるには、普遍的な「普通」を知らなければなりません。でなければ、多くの人に通じる言葉でものを書くことができませんから。  弟切は規格はずれな面が多い人で、普遍的な「普通」がどの辺にあるのか、まだわかっていません。だからこそアマチュアです(^^;  作家としては、確かに感性の違いは売りになるとはいえ、そもそも他人に通じる言葉を書けなくては、文字どおり話になりません。  この状態を脱するべく、弟切は努力中です。自分の感性が「普通」と食い違っているらしい部分を見つけたら、本当にそうなのかどうかを確認するようにしています。  ずれているとしたらどの程度ずれているのか、「普通」の端には入る程度なのか、それとも「普通の人々」からは想像を絶する程度なのか、こういうことが計れないとまずいですよね。  多くの場合は弟切の感性のほうが「普通ではない」ものの、たまたま指摘してくれた人のほうが変わっていることもあり得ます。あるいは、指摘してくれた人と弟切の年齢や性別などが違うために、ある年代(性別)の人としては普通でも、別の年代(性別)の人にしてみると普通ではないと感じられる可能性もあります。そういう実態を知っておきたいのですね。  今回の「シスター」の件では、弟切は新鮮な驚きを感じました。たいへん驚いたので、「本当にそうなのですか?」と念を押してしまったというのが真相です。  明らかに起源のわかっている外来語の場合、その起源とは関係のない舞台でその言葉が使われると、弟切は違和感を持ちます。これは弟切の感性が「普通ではない」点だとわかりました。どうやら、これは「普通の人々」にとっては、想像もしないほどにずれている点のようですね。 >1000字課題「穴」  うわ、やってしまいました(;_;)  いきなり冒頭で、5W1Hのうちの「Why=なぜ」が抜けていますね。正確には、一応それらしいことが書かれているものの、情報が不完全すぎて、読者さまに通じていません。  後ろにも同じく「Why=なぜ」が抜けている部分があって、しかもそこでは「Where=どこ」まで抜けています。ここでも提示されている情報が不完全すぎて、読者さまに通じないという同じ現象が起こっていますね(^^;;  上記の欠点を修正して、書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7157 投稿日 2003年10月8日(水)11時50分 投稿者 新木 伸 >弟切  ああ。なるほど。  こだわっていたのではなくて、「普遍」の確認作業だったわけね。 >外来語とか >>明らかに起源のわかっている外来語の場合、その起源とは関係のない舞台でその言葉が使われると、弟切は違和感を持ちます。  今回の「常識の違い」の根っこは、このへんにあると思われる。  「シスター」とか「神父」だとか。明らかに起源のわかっている外来語――と弟切は思うのだろうけど。  そもそも、一般人に、「外来語」と「それ以外」との区別はないのね。  あるのはただ「コトバ」って区分だけ。  一消費者は、料理の種類を区別しない。  天ぷらとトンカツと、パスタと蕎麦とうどんと、牛丼とパエリアと、すき焼きとチゲ鍋とを――区別しない。  みな等しく「食べ物」であるわけだ。  そもそもどこの国の料理であるかなんか、どうでもいいこと。  いま日本でふつうに食べられるわけだし。ファミレスのメニューにすべて載っているわけだし。  それを知っていたところでなんの役にも立たないし。料理っていうのは頭で味わうものではなくて、胃袋で味わうものだし。味や栄養や消化の良さが変わるわけでもないし。  それはもともと、どこの国の料理なのか。その国では本当はどんな味付けになっているのか。そんなこと、なんの役にも立たないから、知る必要もないでしょ?  おなじように、コトバも区別しない。  いま日本でふつうに通じるものは、すべて「コトバ」であるわけだ。  もともとは外国語だったとか、そんなこと知っているとなにか得があるわけ?  実際、なんにもないんだよね。  蘊蓄系の知識がほんのちょっとは満たされて、知的好奇心が多少充足するという効用はあるのかもしれないけど。  しかし料理の蘊蓄をどれだけ知っていたところで、腹は膨れやしないよな。  料理は食うために存在しているのであって、食えればいいのであって、どの国の料理だったかなんて、どうでもいいことであって。  おなじように、言葉も何か別の目的のために存在しているのであって、どの国からきた言葉かなんて、どうでもいいことであって。  言葉っていうのは、物語を食うためにあるんだよ。  物語を摂取して愉しむために存在している。 >吸血鬼ものとか  同様に、吸血鬼ものとか、その手のものにもおなじようなことがいえる。  「吸血鬼もの」というジャンルの起源を知っている人間からすれば、「またか」と思うし、うんざりしたりもするけど。  原典も知らず、二次生産、三次生産、四次生産――と、「吸血鬼」というイメージの劣化再生産に荷担している様を見るとゲロ吐きそうになるし。  しかし実際の消費者の立場では、おもしろければいいのであって、食えればいいのであって、パクりだろうがパチモンだろうが、なにも問題はないわけね。  「ハンバーグ」という食べ物が、ドイツのハンブルグで作られた料理のコピーだなんて知らなくていい。  ただ目の前に出てきた「そのハンバーグ」は、うまいのか、どうなのか。それだけが肝心なわけだ。  「邪眼」についても、「そもそも邪眼ってなんだか知ってるの?」という突っこみもあったりするわけだが。  それだって同じこと。  いまそこに出されてきた「その邪眼」は、うまいのか、どうなのか。それが肝心であるわけ。  俺は、「吸血鬼もの」であることに関しては、なんにも言ってないでしょ。  小説賞がらみで応募作を書くのであれば、ここ数年は「吸血鬼もの」はやめといたほうがいいねと言っているぐらい。(需要に比べて供給過多なんで) >ネタの品種改良の話  野菜や穀物なんかで、「原種」ってのがあるよね。野生種ともいうが。  しかしこの「原種」っていうのは、食べられたものじゃないのね。  「邪眼」に関して、弟切のひけらかしてきた「知識」は、この「原種」を持ち出してきたことに近い。  「トウモロコシという作物は、本当は原種は○○○○なわけですね」とか。  しかしたしか、トウモロコシの原種っていうのは、粒が小さくて食べられたものではなかったはずだ。  「邪眼」についても、品種改良以前の「原種」だと、これはぜんぜんおいしくない。  「悪意を込めて人を見つめると相手が不幸になる」というものでは、話のネタには使えんだろう。  ただかならずしも「原種」を持ち出してくることが悪いことでもない。  作物の品種改良なんかでも、たまに原種に立ち返ることがある。現在の品種と原種とを掛け合わせ直すことで、強い品種を作り出すこともある。  品種改良をしすぎてしまって、野生のパワーっていうか、なんかそんなものが欠如してしまうこともあるらしい。  吸血鬼ものなどでも、そろそろ原典に立ち返って、もとの「野生のパワー」を取り入れたりするといい時期なのかもしれないね。最近の吸血鬼ものは「恐さ」ってのが欠けてる気がする。  「伯爵」の絶対的な「格」っていうか、なにかそんなの。  まあ、日本における「原典」はいまもなおシリーズ続行中だが。 >道具の話  日本語入力の道具(IME)で、ATOKだと使える技がひとつ。  「駆け込む」とかを出さなくする方法。  IMEって基本的に漢字が大好きで、二つの動詞がくっついた複合動詞を使うときに、後半の動詞もかならず漢字にしてしまうのだな。  まず第一候補として出てくるし、学習させて使わないようにしても、なんかの拍子にすぐ復活してきてしまう。  たとえば「かけこむ」で変換しようとすると……。  「駆け込む」「かけ込む」「駆けこむ」「かけこむ」  ――とかいう順番で出てきたりする。  ここでもっともよく使うのは「駆けこむ」であるわけだが、IMEとしては、どうしても「駆け込む」を使わせたいらしい。  使いやすい道具にするためには「調教」してやる必要がある。  MS−IMEだとできないようだが、ATOKであれば変換中に「登録単語削除」が行える。  いま変換している最中の単語を削除してしまえるのだな。  これで「駆け込む」を削除してしまえば、もう二度と現れなくなるのですっきりする。  このキーはデフォルトだと「CTRL+DEL」に割り当てられているが、僕はカスタマイズして単に「DELETE」で行えるようにしている。よく使うもので。  この削除は暫定的なもので、ユーザー辞書の学習結果として保存されているもよう。  ユーザー辞書をクリアしてしまえばまた復活する。だがユーザー辞書を使い続けるかぎりは、ずっと消えたままでいてくれる。 (しかしATOKって、ユーザー辞書が壊れて使用不能になるバグがいまだに抜けないんだよなぁ〜。まあバックアップ取ってるので、いつ壊れてもかまわないのだが) -------------------------------------------------------------------------------- 月神に捧ぐ No.7158 投稿日 2003年10月9日(木)01時08分 投稿者 弟切 千隼  今夜は十三夜なので、お月さまにお菓子を供えました。今回のお供えはパウンドケーキ風の洋菓子です。  古来、形こそ違え月神は世界各地で崇拝されてきましたから、和菓子でなくても許してくれるでしょう。日本の月読尊[つくよみのみこと]、中国の嫦娥[じょうが]、インドのチャンドラ、シュメールのナンナ、ギリシャのセレネー、北欧のマーニと、ユーラシア大陸の有名な月神だけでもこれだけいます。 >話の作り方  課題部屋に上げた1000字課題「穴」をどのように書いたのか、以下に公開します。  まずお題を決めよう、ということで、ぱっと思い浮かんだ「穴」に決めました。「穴」→「落ちる」という発想から、「誰かが穴に落ちる」話にしようと思いつきました。  「誰かが穴に落ち」ただけでは、話になりません。そこで、次に起承転結を作ることにしました。  穴に落ちたら、普通は良いことはありませんよね。痛みがありますし、怪我をする可能性も高いです。起と承を「穴に落ちる」→「怪我をする」とすれば、転には何か良いことを持ってこなければいけません。「穴に落ちる」→「怪我をする」→「(穴に落ちたために)良いことが起きる」です。  あとは、結をどうするかを決めなければなりません。穴に落ちて怪我をするというひどい目に遭った人間が、思いがけず良いことに遭ったら、その人はどうするでしょうか?  運悪くひどい目に遭ったと思ったのに、実は運が良かった!と喜ぶのが普通ですよね。主人公が良いことに遭って喜ぶところで終わるのは、後味が良いでしょう。  上記のとおり考えて、起承転結を以下のとおり決めました。 起:  誰かが穴に落ちる。 承:  怪我をする。 転:  苦しんでいるところに、嬉しいことが起こる。 結:  喜ぶ。  これですと、承で「ちくしょう、運が悪いなあ」と嘆く主人公と、結で「やったぁ!」と喜ぶ主人公との落差が大きいですね。こういう落差は強調したほうが面白いはずです。短い時間にめまぐるしく感情が揺れ動く様子は、ちゃんと描写できればそれだけで面白いものでしょう。  また、こういう一種の「現金さ」は、誰もが日常で経験していることではないでしょうか。今しがたまで「○○のせいでひどいことになった」と愚痴っていたのに、その○○のおかげで一つ良いことがあった途端にそれを褒めたたえたくなる、といった現金な(^_^)体験は多くの人にありそうです。  とすれば、この承から結への落差を強調することにより、読者さまに「あるある感」を持っていただけるというおまけも付くことになります。  これで、起承転結の骨組みは良さそうだと弟切は判断しました。  ここまで来たら、転に具体的に何を起こすかというのが問題ですね。  嬉しいこと→嬉しい人に遭う→遭えて嬉しい人といえばやはり恋しい人だろう、と発想が進みまして、「穴に落ちて怪我をしたために、好きな人と接近できる」のを転にしました。  あとは、それまで好きな人に接近することができなかったのだから、主人公はまだ純情な若い人だろう、とか、怪我をして苦しんでいるところを好きな人に助けてもらえたら、さぞかし幸せな心地になるだろう、といった具合に発想していって、細かい起承転結が以下のとおり決まりました。 起:  男子高校生の主人公が、早朝、登校途中に穴に落ちる。 承:  モグラ穴に落ちて怪我をするという事態に主人公は落ち込み、モグラをののしる。 転:  主人公と同じ理由で、早朝に登校途中の女子高校生(=主人公の好きな人)が、主人公を助ける。 結:  主人公は有頂天になり、モグラを褒めたたえる。  舞台を早朝にしたのは、主人公が好きな人と二人きりになるという状況を作るためです。早朝は人通りが少ないですからね。  で、主人公とその想い人とを早朝に登校させる理由として、「高校の同じ部活動の朝練」を持ってきました。高校生が朝早く登校する理由としては、不自然ではありませんよね。  と、詳しい起承転結まで決めたところで弟切は書き始めました。  たぶん、ここまでの段階はそれほど間違っていないと思います。しかし、いざ書く段になって、「何を、どうやって、どれだけ書くべきか」を忘れてしまった−あるいは、考えなかった(^^;;−のではないでしょうか。  そのために、大原則の5W1Hを書き忘れて、読者さまを置いてけぼりにしてしまう失敗をやらかしました(;_;) -------------------------------------------------------------------------------- 弟切様へ質問。 No.7159 投稿日 2003年10月9日(木)10時04分 投稿者 手繰淳平 課題作、読みました。疑問があるので、お答え願います。 ・舞台は田舎の住宅地のようですが、どのくらいの住宅地ですか?どのくらいの田舎ですか?(バスは一時間に一本しかない、等の説明が欲しいです。) ・時間は早朝とありますが、私は運動部に所属したことがないので、朝練とは何時くらいに行くものか判りません。朝日が上がる前?人気のない早朝だけでは、あと、住宅地の規模が判らないので上手くイメージが浮かびませんでした。 ・躓くときに鞄を投げ出すようですが、フェンスを越えるときは、鞄は前もって向こう側に投げておくものではありませんか?私はよく学校を授業中に抜け出していた経験があるので違和感がありました。フェンスはそんなに高くないのですか?フェンスの高さもどの程度か説明してください。 ・空き地はどんな空き地ですか?とっさにドラえもんの空き地が浮かびましたが、それで間違いありませんか?モグラが出るんだから、資材置き場みたいな空き地ではないとは思いますが。でも駅に近いというし。駅に近い空き地にモグラが出るか? ・見聞の広い弟切さんなら、モグラの穴がどのようなものかご存知でしょうが、あれは遠目に見てもそれと判るくらい盛り上がっています。(ウチの近所の河原によくあります。)けして平らなものではなく、滅多なことでは見落とさないと思うんですが、これは主人公の迂闊な性格や急ぎぶりを説明するものと思っていいのでしょうか?もしそうなら、あまり伝わってきませんでした。 ・ヒロインの少女ですが、テニス部一の美少女とのことですが、具体的に感じませんでした。主人公の一人称で書かれているので、そんなに説明するのはおかしいのかもしれませんが、せめて「黒目がちの、大きい目が特に好き」といったような描写が欲しかったです。 以上、よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- お久しぶりです No.7160 投稿日 2003年10月9日(木)18時37分 投稿者 名無し君2号  いいわけしません。さぼってました。  若干レベルアップした手応えがあったものだから、気が抜けた模様。  二日さぼって、久しぶりに課題を書こうか、と思ったら書けなくなっていたし。  早く積み上がったものは、早く崩れるらしい。 >鐸碑さん >●他人を操るという事 >>他人を操るには幾つかの段階があり、それによって結果は同じでも描写は変えなくてはなりません。 >>ざっと考えて7つ位のパターンが出た、これも完全な場合と部分的な場合に分ける事ができるし、他にもいくつかあるかも知れない。 >>ポイントは、人が何か行動するまでにどういう段階を踏んでいるかを考える事。そのどの段階に働きかけるかによって、操られた結果の行動をどう描写するか、その時の操られている人間の心理をどう描写するかがかわってくる筈です。  考えてみました。 ■いくらかは現実系(操作不可) (1)神経が麻痺してしまう。  延髄に魔力で負荷をかけることで、全身麻痺してしまう。 (2)情報の過入力。  眼球から、大量にデータを脳に送りこむ。処理しきれなくなって、暴走。動きが止まる。 (3)物理的に動けなくなる。  念動力のちからわざ。がっちり押さえられて、動けない。 (4)恐怖で動けなくなる。  ヘビに射すくめられて動けなくなるカエルのように、捕食者のまえに、あきらめてしまう。生き物として吸血鬼のほうが上。ビビってしまう。 ■いくらかは現実系(操作可能) (1)催眠術をかけられる。  魔力こみのすんごい催眠術をかけられる。 (2)脳を支配される。  眼球から脳にアクセス、ハッキング。記憶の改変も可能。方法は――魔力とかそこらへんで。 ■トンデモ系(操作不可) (1)毒気に参ってしまう。  実は人間は、空気のように漂っている、正のオーラがなくちゃ動けない。吸血鬼のまわりには負のオーラが漂っていて、睨まれるとそのオーラで包まれてしまう。正のオーラを取ることができなくなって、ガス欠。 ■トンデモ系(操作可能) (1)影を奪われる。  吸血鬼は影がないから、人の影を奪い、思いのままに操作することができる。 (2)魂を捕らえられる。  魔力でもって魂をがっちりキャッチ。魂への入り口が目。 (3)霊体を支配される。  アストラル界にある、自分の霊体を支配されてしまう。アストラル界への入り口が、目。 (4)魂の名前(忌み名)を知られてしまう。  本当の名前を知られると、絶対服従しなければならない――という設定。本人ですら知らない、魂の名前を奪われてしまい、絶対服従。しかし、魂の名前は神以外には覚えることが不可能なので、吸血鬼が名前に繋いだ魔力の糸を断ちきってしまえば、元に戻る。  現実系とトンデモ系の違いは、理屈になっているのか、なっていないのか、です。  まあ、どれも理屈になっていないといえばそうなんですが。  操作不能と操作可能は、そのままの意味で、動きをただ止めるだけか、それとも操ることもできるのか、という違いです。 >>そして、対吸血鬼組織側の対策が完璧で吸血鬼が滅びに瀕しているのか、対策は不完全で雑魚を辛うじて退治できてるのかで、組織が把握している邪眼の効果と実際の邪眼の効果は違うかもしれません。 >>対策があまりに不完全なら、吸血鬼に十分対抗できてないはずです。完全ならいずれは壊滅させるのでしょう。情報は完全だが、対抗手段が及ばないっていう場合もありますか。  吸血鬼は、邪眼を封じても、ちょっとやそっとじゃ死なないわ、怪力だわ、動物に化けるわ、超能力を持っているわ、繁殖力はすごいわで、簡単に勝てる相手じゃない……予定。  親玉(始祖、真祖、伯爵)あたりだと、もう人間じゃ絶対勝てないぐらい……にしたいなあ。  じゃあなんで吸血鬼にやられてしまわないのか……。 (1)実は組織と吸血鬼の出来レース。吸血鬼とは組織が生みだしたのだ。 (2)伯爵あたりになると、もう世俗の出来事に興味がない。悪いことをしているのは雑魚。 (3)吸血鬼とは、人類が次の世代に進化するための試練。だから適当に手加減しつつ人類の成長を待つ。 (4)吸血鬼同士で争っているから、それどころではない。人間の相手は雑魚にまかせた。 (5)伯爵クラスのとんでもないのは、全員眠りについている。 (6)伯爵クラスのとんでもないのは、全員敬虔なクリスチャンなので、そんなことするわけがない。 (7)伯爵クラスはもう、いい加減生きていることに飽きた。死にたいけど死ねないから、どうにかして欲しい。 (8)実はとっくに支配されている。人間は食事だから大切にされているだけ。 (9)吸血鬼は、厳格な掟にしたがって生きている。だから人間を支配したりはしないけど、かといって掟に従わない吸血鬼を、倒してやる義理はないな。 (10)組織と吸血鬼は盟約を結んでいる。それに逆らうのは雑魚だけ。  スープの材料を作ってみました。 >甘夏さん >描写の指摘  ではウエイトレス一人称から。  新木さんが先に指摘していましたが……。  私が前に書いた感想、 >>あとは、視点保持者が、ウエイトレスというわりには、男性っぽいような気がします。  これは、ウエイトレスの視点が薄いことが原因かな、と思いました。  ウエイトレスというわりには、男性っぽいというのは……。  この女性がどういう価値観の持ち主なのかはわかりませんが、男の観察、女の観察、男女の別れ話への感想、汚れた食器等々、そこに女性としての視点があれば、男性っぽくは感じない……んじゃなかろうか。どうだろう。  あとは視点とは関係ないところで。 >>カウンターの正面のテーブル席の二人。  「の」はあんまり続けないほうがいいんじゃないかと思います。  なんらかの効果を狙っているのかもしれないですが。 >>女はそんな男の様子に怯えるように顔を伏せ、時折ちらちらと男の顔をうかがっている。固く組まれた両手の親指が不安そうにもぞもぞと動く。 >>どちらも会話のきっかけを探しているようにも見える。 >>二人の目の前のコーヒーはまったく減る様子もなく、私も動くに動けない。 >>早く洗いたい。コーヒーの渋は一度染み付いてしまうとなかなか取れないから。 >>あのカップにコーヒーを注いで早、二時間。もう湯気も立っていない。 >>「なあ」 >>狐目の男がふかしていた煙草をぎゅっと灰皿に押し付けた。 >>男の正面で女がびくりと体をふるわせ、うつむいていた顔を上げる。親指の動きが止まった。  女性が不安をあらわすしぐさ、「固く組まれた両手の親指が不安そうにもぞもぞと動く。」から、女性が驚きをあらわすしぐさ、「親指の動きが止まった。」。  ここまでで6行も空いているので、連続した動作と感じられないです。もったいないです。 >>男は唖然とした表情で女ほうを見た。  誤字でした。 >「田舎から出て来た女子高生」  視点に関しては、特に指摘するところはないです。  ちょっと気づいたことといえば、「強い言葉を使えば、強い印象を受けるんだな」という、まあ、当たり前のことでした。  「ぎらぎらとした暴力的な光」「とげとげしさを持った肌を切り裂かれそうな光」「ぎらぎらと光を跳ね返す墓標」「光から柔らかさを剥ぎ取り」「吐き気がした」「体が震えた」「胸を切り裂かれるような孤独」「耳に突き刺さる」  「強い言葉」のところで、目が止まるんですね。  いま私が平行してやっている、「流れの転換点」の参考になりました。 >新木さん >文章の役目 >>まず、それぞれの箇所で、読者の脳裏に浮かばせようとしていたイメージを分析のこと。 >>それはどんな絵なのか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  駅から出るなり、驚いている少女。  少女の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられた。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けてゆ く。サラリーマン、学生らがそれに続く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  気にもせず通り抜けていくおばさん、サラリーマン、学生。  人の流れの絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  気を使いつつ移動。再度見る。  少女の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  足下の石畳は色とりどりできれいだった。ずらりと並び、公園ほどの大きさになっ ている。噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  駅前広場の光景を説明。  駅前広場の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。少女の知ってるよう な、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  バスターミナルとバスの説明。  バスの絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  女子高生のきれいさ。  女子高生の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は自分の姿を見た。自分も制服を着ていた。えんじ色のセーラー服。ずらっと 膝まで長いスカート。カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  自分の説明。さきほどの女子高生との比較。  少女の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服のスカート。あんなに短くて、恥ずかしくないのだろうか。見えちゃわないの だろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  女子高生のスカート。  女子高生の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の純情さ。  少女の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側。ビルが立ち並んでいる。大きさも、数 も、見かけないほどだった。  なによりビル自体がきれいで、またしても少女は目を奪われた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ビルのきれいさ。大きさ。数。  ビルの絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  その通りなのだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたよ うな外観のビル……。都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならな いらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ビルの外観。感想。  ビルの絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、自分の姿をもう一度見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の動き。  少女の絵。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  もう、開き直ることにした。  口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の覚悟。  少女の絵。 >>上にあげた「イメージの区切り位置」をもとにして、そこに該当する自分の原文とを並べてみそ。  了解。上が新木さん版、下が私版です。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、駅の出入り口から一歩踏みだし、そのまま固まった。  目を見開いて、息を呑む。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここまでは同一。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられた。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けてゆ く。サラリーマン、学生らがそれに続く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃまだよ、あんた」  背後から声をかけられ、少女はあわてて、謝りながら道をあける。しかめっ面のおばさんが、目の前を大股で通り抜けた。サラリーマン、学生らがそれに続く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ああ。こうして比較するとすごくよくわかる。  少女の動きが邪魔なんだ。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は人の流れにのって、通行の邪魔にならぬように広場に歩み出ていった。  さきほど目を奪われた光景に、もういちど見入る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、通行の邪魔にならぬよう気をつけながら、目の前の階段を降り、駅前の広場に降り立った。  先ほど目を奪われた光景――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まあ、ここはどちらも少女の動きなんだけども。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  足下の石畳は色とりどりできれいだった。ずらりと並び、公園ほどの大きさになっ ている。噴水があって、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっていて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  駅の構内の広さ、人の多さにも驚いたものだが、なによりいまの光景だ。  そもそも足下の石畳自体が、色とりどりのきれいなもの。それがずらりと並び、公園ほどの大きさに広がっていた。噴水があり、樹木を囲んだベンチにはカップルが笑いあっている。そして、多くの立ち止まらず歩き去る人々。駅前のスペースだけでこの大きさ、この人の数なのだから――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  駅の構内の絵に、駅前の絵。ごちゃごちゃ。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。少女の知ってるよう な、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『バスターミナル』とかかれた場所に、バスが連なっている。そのバス自体も、少女の知ってるような、おんぼろで、臭い煙を吐きだして、薄汚れているようなものじゃなかった。そのきれいなバスに乗りこむ、少女と同年代くらいの、きれいな女子高生たち。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  バスターミナルに、女子高生の絵。違う絵だ。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのきれいなバスに、きれいな女子高生たちが次々と乗りこんでゆく。  本当に自分と同い年なのだろうか。  でも制服は着ているし――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は自分の姿を見た。自分も制服を着ていた。えんじ色のセーラー服。ずらっと 膝まで長いスカート。カラスかツバメか――どちらにしても野鳥だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服のスカート。あんなに短くて、恥ずかしくないのだろうか。見えちゃわないの だろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なにか、大人に見えた。本当に少女と同じ年なのだろうか。でも、制服を着ているし――。少女は、自分の姿を見た。えんじ色のセーラー服。膝まで長いスカート。顔だけでなく、格好まで大違いだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――あんなに短くて、恥ずかしくないの。だって、見えちゃうじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うわ。ぐちゃぐちゃだなここ。  そうか。書いてあることが女子高生と少女で違うんだから、せめて改行しないと。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は顔を赤くした。視線を引き離して、他に向ける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  我がことのように、少女の顔が赤くなる。ごまかすように、視線を他に向けた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まあ、ここは少女の絵。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びていた。その道路の向こう側。ビルが立ち並んでいる。大きさも、数 も、見かけないほどだった。  なによりビル自体がきれいで、またしても少女は目を奪われた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  歩道橋が伸びる、道路の向こう側。そこにはビルが立ち並んでいた。大きさも、数も、少女の街では見かけないものだったが……。  なによりビル自体がきれい、だということに少女は目を奪われた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ビルの絵。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――わたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  その通りなのだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたよ うな外観のビル……。都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならな いらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――あたし、さっきから何回きれいだって思ってるんだろ。  とはいえ、事実なんだから仕方がない。真っ黒でキラキラしたビル、煉瓦を積みあげたような外観のビル……ともかく、都会ってところは、なにもかもが『きれい』でなくてはならないらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ビルの絵。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、自分の姿をもう一度見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は、自分の姿をもう一度見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の絵。  新木さん版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  もう、開き直ることにした。  口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私版 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――しょーがないじゃん。  開き直ることにした。口を引き結び、歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の絵。  なるほど……。いま自分はどんな絵を書いているのか、を常に意識しないと、とんでもないことになっちゃうわけだ。  なるほど。たしかに無駄なことはひとつも書けない。  一文にはひとつの要素しか書けない。それはキャラクターの動きだったり、外見だったり。  行、段落――というか、ひとつのブロックには、ひとつの絵しか書けない。  だから、ひとつの行、ひとつの段落に、絵がまたがってはいけない。  あとは意識しながら書いていって、覚えていくしかない。 >1000字課題  さぼってたあいだを取り返すつもりで4編。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=644&e=res&lp=550&st=0 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=645&e=res&lp=550&st=0 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=646&e=res&lp=550&st=0 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=647&e=res&lp=550&st=0  いまのところ宿題になっているのが、 ・短編 ・「科学者と孫娘」の孫娘主人公版のリライト ・「街の雑踏」リライト ・「人気のない保健室」リライト ・同訓異議「突く着く付く……」 ・関節技描写  レスに7時間。どうも。 -------------------------------------------------------------------------------- 夢見る田園生活 No.7161 投稿日 2003年10月10日(金)02時00分 投稿者 弟切 千隼 手繰さんへ >  1000字課題を読んでいただき、ありがとうございます。疑問に答えさせていただきます。 ・この話の舞台はどのくらい田舎なのか? どんな田舎なのか?  もちろん、首都圏や関西圏などの大都市圏ではありません。地方の町です。町内に三両編成くらいでしか走らないローカル私鉄が通っていて、主人公はそれに乗って通学しています。列車の本数は、一時間に四本くらいあります。  主人公が住んでいるのは、駅から歩いて十分ほどのところで、住宅地と田畑が混在している地域です。駅からたったそれだけしか離れていないのに、田畑なんかあるのか、とおっしゃるのなら、あなたは都会育ちですね(^_^) 地方にはそういう場所が実在します。  どういう住宅地かイメージできなかったとおっしゃるのは、弟切の描写が足りなかった証拠ですね(;_;) 書き直す際には、上記のような雰囲気を伝えられるよう努力します。 ・運動部の朝練とは、何時頃に登校するものなのか?  これは、学校によりカリキュラムが異なり、授業開始時刻も異なるので、一概に言えませんね。また、同じ学校でも部活動の種類によるでしょう。  弟切が考えていたのは、八時四十五分に授業開始で、朝練は正味一時間くらい行なうので、準備と後片付けの時間を含めて朝七時くらいまでに登校する、という状態でした。  ついでですから、ここで皆さんに訊いてみましょう。高校時代に運動部で、朝練があったという方にお訊ねします。 1)高校の授業開始時刻は何時でしたか? 朝練がある場合でも、授業開始に遅れれば叱られますよね? 2)朝練は何時に始まって、何時に終わりましたか? 3)朝練は毎日ありましたか? それとも週に数日朝練をやる曜日が決まっているとか、そういう状態でしょうか? 4)朝練には部員全員が参加しますか? それとも学年ごとに参加することが決まっているとか、有志だけ参加するとかでしょうか? ・フェンスの高さはどのくらいか? フェンスを越える時はどうやって越えるか?  これが伝わらなかったのは、まったく弟切の描写力のなさを表わしていますね(^^;   フェンスの高さはかなり低いです。主人公−身長178cmくらいと見積もっています−の胸より下ですね。鞄を持ったままでも、ひょいと手をかけて乗り越えられる高さです。  このくらいの高さだからこそ、弟切は主人公に鞄を持たせたままフェンスを越えさせることにしました。  書き直す際には、ここにも気をつけます。 ・どんな空き地か? モグラが出るのはおかしくないか?  舞台が田舎で、住宅地に田畑や雑木林が混在しているところですから、モグラは普通に棲んでいます。  この空き地は、ある会社の所有地という設定です。田舎の土地代が安いのにひかれて、新しく広い工場を建てようと土地を購入したら、景気が悪くなってそれどころではなくなり、空き地のままにされています。すぐに工場を建てるつもりだったので、大して高くもないフェンスでいい加減に囲っておいたのが、そのままになっています。放置されて、雑草が生え放題になっています。 ・モグラの穴がモグラの穴らしく見えない。  これは、やはり弟切の描写力のなさを表わしていますね(;_;) 書き直す際に、ここも重点的な確認が必要です。  モグラの穴がどういうものかは、弟切も知っています。我が家の近所にたくさんありますから。  手繰さんがおっしゃるとおり、通常のモグラ穴は、遠目にもはっきりわかるほど土が盛り上がっていて、すぐにそれと判別できます。しかし、掘られてから少し時間が経ったモグラ穴は、土の盛り上がりが低くなって、周囲と見分けがつきにくくなっている場合があります。  弟切は、主人公がこのようなモグラ穴に落ちたと想定していました。 ・ヒロインの美少女ぶりが伝わらない。  これも弟切が描写をさぼったために、読者さまを置いてけぼりにしています(^^;;  書き直す際に、少しは描写を入れるようにします。  以上、説明はしましたが、これらは本来、作品の中ですべて語るべきものですね。  御指摘は、書き直した作品に生かしたいと考えています。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切様へ。 No.7162 投稿日 2003年10月10日(金)16時11分 投稿者 手繰淳平  丁寧な回答、ありがとうございました。  調子に乗ってもうひとつ質問があります。どうかお付き合いください。  憎からず想っている少女に不意に出会ったのに、どうもトキメキ感が足らないように思えました。制限があるので、仕方ないのかもしれませんが、最後のほうがバタバタッと無理矢理まとめて終わってしまっているように感じました。  あと、主人公は憧れの少女に、無様に転んだ姿を発見されたのだから、少し恥ずかしいのでは?と思いました。中高生の男子なんて、格好付けたいお年頃だと思うのですが。ましてや気になる女の子の前では、特に。  それとも、そんな見栄が吹っ飛ぶくらいその少女が好きなんでしょうか? いろいろ考えてしまいます。 次に書き直す際に、このあたりのことも書き添えて頂けるとうれしいです。 -------------------------------------------------------------------------------- PBMとは何か(for PBMを知らないよみかくROM) No.7163 投稿日 2003年10月11日(土)01時40分 投稿者 鐸碑  新木さんの要請をうけたので、説明を書かせていただきます。PBMについて既にご存知である方や、説明を受ける意義を感じない方は読み飛ばしてください。 PBMとは以下のようなものです。  大勢が一つの世界を共有して物語を作る遊び。(20文字あらすじ風) ●辞書的な説明  PBM(プレイバイメール) 郵便やインターネットを利用して、文章をやり取りする事で進めるゲーム。  元々は、チェス等の手を郵便でやり取りしていたのが起源。日本では文章でキャラクターの行動を宣言し、文章で結果を返すRPG(ロールプレイングゲーム)スタイルの物をさすことが一般的になっている。 ※RPG=ドラクエなどのコンピューターRPGの原型となった、物語世界の住人であるキャラクターを動かして楽しむゲーム。 ●PBMの流れ  PBMでは多くの参加者が、主催者の用意した作品世界に自分の持ちキャラクターを登録して、ライターの用意した『シナリオ』に対して、自分の持ちキャラがどう動くかを選び行動宣言として主催者に送ります。  主催者は、参加者からの行動宣言を集めて、ライターに送ります。受け取ったライターは、個々の行動宣言の内容を読み込んで複数の行動宣言の相互作用によって生まれた物語を書き出していきます。  書き出すに当たり、ライターは自分の担当シナリオから他のシナリオに影響が出そうな大きな事件について主催者に報告し、主催者が纏めた他のシナリオから受ける影響をライターは担当するシナリオに反映させます。  個々のシナリオの結びつきから、全体の大きなストーリーが生れます。  ライターが書き上げた原稿は、主催者が集めてチェックした後、参加者に行動結果文章として送付されます。  これが、基本の一サイクル。このサイクルは概ね全てのPBMで共通してしますが、ゲームの規模や料金形態等で幾つかのタイプがあります。 ●標準的なPBM  ここ5年ほどで展開されている一般的なスタイルでは、各ライターのシナリオは5〜10数回の連続シナリオに同じキャラクターが参加する形になります。  サイクルは通常月1回で、お客さんが行動宣言を送った後、1週間から2週間程度の期間でライターが結果文章を作ります。  1つのシナリオの参加キャラは20〜70程度が相場で、担当ライターの人気やシナリオの人気によって変動します。  文章は、シナリオ一つで共有する文章が8000字〜12000字(20枚〜30枚)と1〜数名に割り当てられた個別の文章が1000〜4000字(2.5枚〜10枚)、他に投稿や全体情報の掲載された情報誌等がおくられます。  参加費は、1回当たりに1500〜3000円程度。別途マニュアル代や登録料が2000〜10000円程発生します。  ライターの取り分はこの1回当たりの参加費の15〜40%程度。別途数千円の固定報酬が出る場合あり。  概ね50枚〜100枚書いて、報酬が8000円〜30000円位。原稿用紙1枚単価150円〜400円程度。  参加者の持ちキャラのスタンスは、全体ストーリーの『主人公候補』であり、個別のシナリオ上で『主人公グループの一員』となります。基本的に何らかの出番はあり、酷い失敗をした場合キャラクター死亡で、新キャラを登録と言う形になります。  上手く立ち回り、行動が的確でキャラクター的にも的を射たものであれば主人公になれますが、多くの場合は主人公のライバルや仲間止まりに終ります。  参加者の望む物に多少の幅はありますが、面白さの『キモ』となる部分は、以下の様な部分にあるでしょう。 『勝利が保証されていない多人数参加ゲームである為、上手くいった時の喜びが大きい』 『勝利条件が固定されていない為、ある程度自由な目的を持って参加できる』 『自分のキャラクターの活躍が多少なりとも描かれ、それを他の人が見てくれる』 『同じ話題を共有する数十人の仲間ができる』 『同じ状況からのやり直しがない為、緊張感と一種の神聖さがある事』  自由度の高さと再現性のなさ、自分の行動が他人の注目を集めるといったコンシューマーゲームにはなかった(MMORPGの登場でゆらいでいますが)特性を持つゲームとしての楽しさが最大の売りです。  ゲームである事が第一義なので、ライターには良い文章を書く能力よりも参加者の意図を汲み取り、ゲームシステムや世界設定と折り合いをつけて纏める能力が優先される傾向があります。  PBMというジャンルにもスタイルの違うものもあります。 ●消えた古いPBM  最初期に生まれて消えたのが、没のあるゲームです。  これは、参加者の行動をライターが判別して、面白い結果文章になりそうな行動宣言だけを選び、選んだ行動宣言を元にした行動結果文章をお客さんに返すというものでした。  このスタイルの利点としては、厳選した行動宣言だけを元に面白い物語をつくるので、物語自体を面白くする事、登場人物が必要な人数に抑えられるので物語が構成しやすい、登場させるキャラクター数より多くの参加者からとった参加費を元に原稿を書くのでライターの収入が良くなる等がありました。  しかし、上手く行かない人は参加費を取られた挙句、他人が活躍する文章が送られてくるだけ、どうやったら上手く行くのかは誰も教えてくれない(周囲に居るのは同じ当選枠を競うライバルだけですから)、上手く採用される人間が固定されてくると二重三重に強固になる(流れ上自然、ライターが愛着を持つ、そもそも上手い、そのキャラ向けに情報が豊富)等、上手く行かない人が辞める理由が多いので、5年ほどでこのスタイルは廃れました。 ●新興の新しいスタイルのPBM  この2年ほどの間に新しく出たスタイルが、ライターが好きなタイミングで締切を設定し、参加者が好きなだけ参加できるというスタイルです。  このスタイルをやっているのは現在2社存在し、何れも参加費無料で従量制課金。1回1000円〜1500円。1つのシナリオに参加するキャラクターは5〜20程度で、原則単発です。  こちらが文章量10枚〜15枚程度で、2000円〜10000円位ですか。  メリットとして、ライターが自分のペースにあった量の仕事ができる事。参加者が自分のペースにあった遊び方ができる事。面白そうな話をチョイスして参加する事が可能等があります。。  デメリットもあって、参加者どうしのパーティを組んでいる感覚が希薄になります。シナリオ間の連動が乏しく全体的なストーリーが動いている実感がない。PC間の成長格差が出て、高レベルPCが低レベルPCに圧迫感を与える(高レベルの苦手分野が低レベルの得意分野以上になったりする)。一部の参加者が極端に多くのシナリオに参加する結果、供給不足に陥って、参加者が好きなタイミングに参加できない現状が生まれています。  成立途上で幾つかの問題がありますが、ライターの仕事として見た場合、この新しい単発スタイルの方が小さな負担で効率よく仕事ができるんで、問題さえ解決すれば商業的な可能性は大きいと考えられています。 ●結論  どんな人が、何を求めて参加するか。  新木さんを初めとする小説家や漫画家の様に、自分で一つの物語を完結させて、それを他人に読ませる程に高度な創作能力(技術面以外に意欲や時間的要素も含む)を持たない人。しかし、自分のキャラクターを作ってそれを他人に見てもらいたいという欲求がある人。  キャラは見てもらいたいが、普通にやっていると誰も見てくれない人にとって、数十人が直接読み、間接的に更に数倍の人が読むPBMで自分のキャラクターが描かれれば、その人達がその人自身がPBMを楽しむ為に自分のキャラクターも見てくれる。そして、共有する話題として自分のキャラクターの事を会ったり手紙を書いたりして語った時に答えてくれる。  自分のキャラを見て欲しい欲求にかなり端的に答えてくれるメディアがPBMです。  自分の創作系HPに人を集めたり、同人誌を創ってそれを頒布したりするよりも遥かに簡単に自分のキャラを見て欲しい要求をかなえてくれます。  更に主役に近い位置を確保すれば、全体の物語を動かしている実感も与えてくれます。自分のキャラも自分のキャラが作り出す物語も同じシナリオに参加した殆どの参加者と、同じゲームの別シナリオに参加している人の一部が注目してくれます。  この『他人が見てくれる』という要素は、ライターが自分の望む自分専用の話を書いてくれるという商品では満たされません。  ライターが自分用の話を書いてくれるサービスというのは、PBM業界の一部で実施している所もあるんですが、殆どの利用者は他人の為の話に興味を持ってはくれません。仮に、他人が読んで面白い話があっても、面白い話にしたライターの功績で自分のキャラクターやその行動が他人に注目されたという実感は得られません。 PBMを楽しんでいる人が購入している物の実態はこういう事です。 「自分のキャラクターが動いている所が、『専門家』によって描かれ、それを見てくれる『観衆』を用意してくれるサービス」  自分を見てくれる人が用意されているというのは、自力で注目を集められないアマチュアにとっては強い酒の様に心を蕩かせる効果があるといえます。  しかも、それを直接言われると強い酒が口当たりがキツイように、飲めない人も多くなります。これを、ゲーム的な競争原理や共同して一つの物語を創るという別の味で割ってカクテルにする事で、口当たりを良くしている訳です。  口当たりが良いけどアルコールの強いカクテルを飲ませている側が種明かしする話じゃないんですけどね。  新木さんが、PBMの価値が分からないのはある意味当然でしょう。お金を払って数十人に見てもらわなくても、何万人もの人がお金を払って読んでくれるだけのものを創っているんですから。 -------------------------------------------------------------------------------- 鴻雁来[こうがんきたる] No.7164 投稿日 2003年10月11日(土)03時30分 投稿者 弟切 千隼  ヒシクイやマガンなどの冬鳥が、今年も日本に渡ってきたというニュースが、ちらほらと聞かれるようになりました。たまにはゆっくりバードウォッチングしたいなあ、と思う弟切です。 手繰さんへ >  再度の御指摘、ありがとうございます。 >> 憎からず想っている少女に不意に出会ったのに、どうもトキメキ感が足らないように思えました。 >> あと、主人公は憧れの少女に、無様に転んだ姿を発見されたのだから、少し恥ずかしいのでは?と思いました。中高生の男子なんて、格好付けたいお年頃だと思うのですが。ましてや気になる女の子の前では、特に。  これらは、弟切も書く時に考えたことでした。手繰さんがおっしゃるとおり、1000字に入れられなかったのが実情です。  しかし、これはいいわけですね。実力があれば、短い中でもこれらが気にならないように書けるはずです。むろん、弟切もその域を目指します。  現実の世界であれば、男子高校生がこのような目に遭った場合、ときめき感も羞恥心も舞い上がる気持ちも、おそらくすべて感じるでしょう。  けれども、1000字という制限の中では、書けることは限られます。書き手は、登場人物が感じるであろう様々な感情の中から、どれを書いてどれを書かずに置くべきか、選択しなくてはなりません。  その時、何を基準に選択するかは、場合によるでしょう。  一般的には、「不自然でないこと」が第一の基準になると思います。明らかに、普通の人間がこんなこと感じるわけがない、という動きをさせるのは、まずいですよね。  もちろん、特殊な人間でしたら別です。逆に言うなら、普通にありそうな状況で、普通には感じないことを感じている人を描写すれば、その人が普通ではないことを表わすことができます。  今回弟切が書こうとしているのは「普通の人」ですから、まずは「普通にありそう」な反応のどれかから選ぶことになりますね。  「好きな人と思いがけず接近できて、舞い上がる」というのが、普通の反応の範囲に入っているようで、良かったです。弟切は自分が普通ではないことがたいへん多いので、普通だと思って書いたことが普通ではなく、読者さまを混乱させてしまいやすいのが困りものです(^^;; -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7165 投稿日 2003年10月11日(土)08時51分 投稿者 新木 伸 >手繰さん  課題などで、疑問点が出てきたときには、もっとストレートに言っちゃってかまわないですよ。  ここの連中は叩かれることには慣れてますんで。  いちいち気を遣っていると、書くほうも大変ですし。  どのくらいの田舎なのでしょうか?   ↓  どのくらいの田舎なのかわかりませんでした。  どんな空き地なのでしょうか?   ↓  どんな空き地かわかりませんでした。  つまり、「わからん」は「わからん」で、いいということ。  世間一般的なコミュニケーションでは、わからないものを「わからん」とだけ言うことは良くないこととされてます。  でも金を貰って小説を書くということは、わらかんものは「わからん」と言われるし、つまらんものは「つまらん」と言われるということでして。  そのへん、ちょっと、分室の常識は世間一般の常識とは違っています。 >弟切  前回の指摘では、あれを読んでみようと試してみた「読者」としての観点で書いたわけね。  「読もうとしたが状況がわからず、世界に入りこめなかった」ということを書いてみたわけだ。  5W1Hがはっきりしないまま話を進められても、わけがわからないってことね。  今回は別な観点から。  作り手側の観点から、骨組みなんかを眺めてみる。  「そもそも弟切がやろうとしていたこと」と、実際にできあがってしまったものとの食い違いがなぜ生じたのか、とか、そういう観点ね。 >>起:男子高校生の主人公が、早朝、登校途中に穴に落ちる。 >>承:モグラ穴に落ちて怪我をするという事態に主人公は落ち込み、モグラをののしる。 >>転:主人公と同じ理由で、早朝に登校途中の女子高校生(=主人公の好きな人)が、主人公を助ける。 >>結:主人公は有頂天になり、モグラを褒めたたえる。  骨組みは、これでいいんじゃないかな。  すくなくとも、この同じ骨組みのままで、僕はこの話をおもしろく料理することができる。  しかし、この骨組みと実際の本文とを見比べてみると……。  本文のほうでは、書くべきはずの内容がいくつか脱落していることが判明した。  ほとんど書かれていないものとか、まったく完璧に抜け落ちてしまっているものとか、脱落の程度はさまざまだけど。  リストアップしてみる。  「男子高校生」「早朝」「登校途中」  「怪我をする」「落ち込む」  「主人公と同じ理由で登校途中の」「主人公の好きな女の子」「主人公を助ける」  「主人公は有頂天」  まず主人公が男子高校生であることがわからない。また登校途中であることもはっきりしない。近道をしようとしていることはわかるけど、近道はイコール登校とはならないわな。  ついでに「早朝」であるかどうかもわからない。まあ「早朝」って2文字ほど書いてあるんだけど、ただそれだけだし。  2文字読み落としてしまったら、ないのと同じだし。  主人公が怪我をしたようにみえない。  怪我したようにみえないのは、座りこむほどの痛みを感じている人間にしては、まわりを見回したり、いろいろと考えたりして余裕があるせいなんだな。この主人公が怪我した人間の行動を取っていないために、「痛み」と書かれていたところで、それは一過性の痛みだと思われてしまうわけだ。  また主人公は落ち込んでいない。モグラに怒りをぶつけてはいるが、それは落ち込みとは違うものだろう。つまりべつのものを書いてしまっている。  女の子が主人公と同じ理由(近道のためってことか?)でここを通ろうとしたということがわからない。  また主人公がその女の子のことを好きであるかどうかもわからない。美少女――とは書いてあるが、美少女なら男は誰でも惚れるなんてことはない。  ――んで、たぶんここが、この課題のなかでもっともでかい「脱落」なのだろうけど。  登場してきたこの女の子が、主人公のことを「助けて」いない。  フェンスの向こうから眺めているだけ。そして話しかけてくるだけ。  主人公は有頂天になっていない。  ――と、まあ。  ミスのオンパレードだが。  パターンごとに分類してみる。  「男子高校生」「早朝」「登校途中」  「主人公と同じ理由で登校途中の」「主人公の好きな女の子」  「主人公は有頂天」  このへんは、書き忘れて脱落しているのに、それに気がついていないわけだな。  例のあれだ。  「科学者と孫娘」のときにもやってしまっていた同じ種類のミスだ。  弟切は「男子高校生の登校シーン」を書こうとしていたわけだな。  だから読者もそれを読んだときに「男子高校生の投稿シーン」として読んでくれるはずだ――という、なにか正体不明の期待が働いてしまっているわけだ。  どうしてそういうふう変な期待をしてしまうのかわからんが……。そろそろ直せ。  「怪我をする」  これについては、怪我をした人間の心理に入っていないことが原因である。 「落ち込む」  ここのミスはパターンが違う。  落ち込ませなきゃならないはずが、なぜか「怒る」にすり替わってしまっている。 「主人公を助ける」  女の子は助けていない。このミスが出てしまうのはほかに原因がある。連鎖的に出てしまっているものだろう。  ざっと眺めてみると……。  まあ例の「書いたつもり病」というのを除くと、いちばん根本となっているミスは、「怪我をした人間の心理に入っていない」というものか。  そもそも怪我をした人間には、怒る気力なんてないのね。特に捻挫系の持続する痛みなんてのは気力を大きく削いでくれるものだし。(だから関節技は効くのだ。じつは心を折る技だったりする)  ここで怪我をした人間の心理を掴んでいないから、その直後で「怒りをぶつける」なんて変な方向に話が転がってしまっている。  そこの「落ちこむ」というのは、最後の「有頂天」と対応する仕掛けなわけだな。落ちこんでいるからこそ、最後に幸せになる展開が引き立つわけだ。逆にいうと、まずその人物を落ちこませていなければ、有頂天にすることもできないということだ。  ここで落ちこませることに失敗しているために、ラストでも有頂天にならなくなる。  また「怪我をする」というのは、「助けてもらえる」と対応していたりする。  しかし、この主人公は実際には「怪我をしていない」わけだよ。  たしかにプロットでは怪我をしていることになっているのだが、弟切の頭のなかの主人公はピンピンしている。なにしろモグラに怒りを向ける余裕があるぐらいなのだ。  怪我をした感じが充分に出ていないために、「助ける」展開に向かわないまま終わってしまっているわけだな。  たとえば(これはやりすぎだろうが)身動きとれず、声も苦痛のうめき声しか出せないような状況なら、女の子はいきなり助けにはいってくるはずだ。のんびり会話なんて始まるわけがない。  主人公に余裕がありすぎるのね。だから女の子のほうも、会話を二、三、はさむことになって――そうして、ずるずると展開が遅れてゆく。掌編のなかで「助けようか?」なんて訊かせているようではだめだということ。  そして「助ける」が入っていないために、連鎖的に「有頂天」のほうも脱落してしまっている。  人は実際においしい目にあうまえに有頂天にはなれないものである。  「助けられる」シーンがないのだから、有頂天になるシーンも書けないのである。  主人公にきちんと怪我をさせて、痛がらせろ。  足を捻挫している人間の心理に入ってみろ。  弟切が、怪我をした人間の心理に入ることをサボったために、すべては狂いはじめたのだから……。  そこに戻って、以降、すべて書き直しだな。  ついでに冒頭やらほかの部分やらも直してくること。「男子高校生」とか「早朝」とか「登校途中」とか「空地」とか。「わかりません」が一つも出ないようにしてこい。  ちなみに1000字にこだわらないでいいぞ。「早朝感」とかを出そうとすると、それなりに描写が必要になるから、太ってくるし。  まあこのネタだと原稿用紙5枚ってとこかな。 >鐸碑さん >PBMとか  だいぶイメージが掴めてきました。  ありがとうございます。  ところで、PBMの新規参加者を獲得して、業務を広げてゆくためには、PBMを知らない人に対して広報活動をしなければならないと思うのですが。  それはどんなふうにやられているわけですか?  これだけ書いて、「うすぼんやりと面白さがわかる」ということは、その魅力はかなり漠然としたものだということになりますが。  すでにハマっている人間による口コミ作戦とか?  RPG系の雑誌などにはよく広告を見かけてましたが、「PBMってなに?」ってところで止まったまま、あまり興味を持たずに素通りしてきていました。  なにか続き物の小説ようなものが送られてくる定期刊行物の申し込みセットかなにかだろうか――とか、そんなふうに誤解していた時期もあったかなぁ。  あと、いくつかまだわからない点が。 >>PC間の成長格差が出て、高レベルPCが低レベルPCに圧迫感を与える(高レベルの苦手分野が低レベルの得意分野以上になったりする)。  これはつまり、PCにはコンピュータRPGやら、テーブルトークRPGやらのように、「レベル」が存在するということでしょうか?  パラメーターやスキルの割り振りぐらいは想定していましたが、レベルや成長システムまで完備しているのかな?  すると所持金なり、アイテムなりも、データとして存在しているということですね。  そういうレベルやスキルの成長があるというのは、業界では一般的な仕様なんですか? >>ライターが自分用の話を書いてくれるサービスというのは、PBM業界の一部で実施している所もあるんですが、殆どの利用者は他人の為の話に興味を持ってはくれません。  自分用に書いてもらうのは、別料金になるということ?  その自分用の話は、自分ひとりに届けられるのではなくて、参加者全員にも無料配布されるということ?  それとも、そうしたことを通常サービスとするゲームもあって、それぞれの参加者は「自分用の話」を必ずもらえる。また同時に全員に送り届けられている――ということですか?  参加者全員分の個別ストーリー――というと、紙の印刷物だと大量になっちゃいそうだから、電子メール形式なのかな?  最近なら1MBやそこらの添付ファイルが付いてたって、どうってことないですし。 >PBMの価値とか  自分が参加者になって遊ぼう――とは思わないかも。  見せるときに金を取るか取らないかはべつとしても、表現をするにあたって支払うべき「最低限のコスト」ってものが存在している。――てのが、もう書き換え不能な僕の価値観になってしまってますし。  もちろん、ほかの価値観もあるのだろうけど、それは僕の価値観ではないですし。  なにか人に見せたくなったら、僕は創作小説で見せるでしょう。  向こうが思わず見たくなるようなものを書く――というのが、ここでいう「コスト」なわけで。  好奇心を持っていたのは、文筆業のひとつの仕事の形だと思ったからでして。  仕事として考えた場合に、どういう内容のことをやるのか。どんな能力が要求されることなのか。  「参加者」として参加している人は何を望んでいるのか――というのも、仕事をする側は知っておかないとならないことですし。  たいていの文筆業は、その仕事内容と必要な能力とを把握していたつもりでしたが。  PBM業界はぜんぜん知らなかったなぁと、そう思ったものでして。  いちばんはじめにあった「文筆業の出張料理サービス」というのが、やはりいちばん的を射た説明だったわけですね。(No.7134)  しかしPBMという商売を知らない人間から見ると、あれは意味のわからない独り言でした。 -------------------------------------------------------------------------------- 暑い No.7166 投稿日 2003年10月11日(土)14時16分 投稿者 名無し君2号  体が寒さに慣れたのだろうか。  あれほど寒かったのに、最近、なんか日中は暑く感じるのだなあ。 >1000字課題  今日は一編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=648&e=res&lp=550&st=0 >科学者と孫娘 >>ここをクリアするための方法は3通りある。 >>1.博士と少年とを会話させつつ、しかし読者の印象的にはその場の主役を少女とさせる。 >>2.博士と少年との会話がはじまる前に、「主人公=少女」を強烈に確定させておく。 >>3.博士と少年とを会話させない。実験失敗した博士が、そもそも二人に気づかない――という展開にすれば可能。 >>1が正攻法。 >>2と3は裏技。 >>1も2も3も、この際、全部マスターしろ。 >>まずは1から。 >>ちなみに視点に拘泥しなくてよい。視点ってのは道具だから、必要に応じて変えてしまえばいい。 >>たとえば1をやるのであれば、少女寄りの三人称にするとたいへん楽になるはずだ。(現在の客観視点では不可能というわけではない)  少女寄り三人称で、書き直しました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=649&e=res&lp=550&st=0  今日は以上です。次回は「街の雑踏」をやり直す予定。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7167 投稿日 2003年10月11日(土)19時09分 投稿者 新木 伸 ○2号 >添削 >>体が寒さに慣れたのだろうか。 >>あれほど寒かったのに、最近、なんか日中は暑く感じるのだなあ。  ↓  体が寒さに慣れてきたのだろうか。  すこし前まではあれほど寒く感じたのに、最近、なにか日中は暑くさえ思える。  「あれほど寒かった」の時期が不明。  このケースでは省略不可。  夏を過ぎて秋にさしかかると、日増しに寒くなってゆく――というものが、普通の人の「普遍的」な認識なわけだ。  「すこし前は寒く感じていたが、慣れてきたためにそう感じなくなった」ということは、2号の主観に基づくものである。  添削項目。 ・「あれほど寒かった」の時期を明示。→「すこし前」 ・感覚変化が2号個人の主観に基づくものであることを明示。→「〜感じた」「〜さえ思える」  この2点の修正によって、理解しやすさ=読みやすさは数倍ほど変わる。 >課題とか  最近、いくつか、1000字向きでないものを無理矢理1000字で押しこめているのが目立つ。  まあ狭いところに押しこむのも技術ではあるが、いまは身につけないでもいい技術だろう。  もうすこし枠を広げようか。  これからしばらくは、1000字で書くべきものと2000字使うものとを区別して取り組むこと。  書き出すまえに、それぞれどちらの文字数で行うのか、あらかじめ決めてから、その枠内で書くようにする。  何文字でやったのか、タイトルとともに書いておくこと。  3000字まで必要かどうかは、見ながら判断する。いきなり枠だけ大きくすると水増ししちゃいかねんし。  あとアップの仕方だが。  課題部屋のほうに本文を置いて、そこへのリンクをこちらに書いておくのはいままで通りだが。  次からはタイトルもこちらに書くべし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− No.53 「おいかけっこ」(2000字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=644&e=res&lp=550&st=0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じで、通し番号、タイトル、文字数、リンク――と、ひと揃い書いておくってことね。  そのタイトルを見て、リンクをクリックするかどうか判断するから。  ホントだよ。冗談じゃないよ。  ほんとにやっちゃうよ。やるといったら、やるからな。(笑)  これは書店の店頭で、本が棚に置かれていたときの状況とおなじね。  市販の小説だって、平積みされていないで棚に置かれていた場合なら、「タイトルだけ」で、手に取るかどうか決められてしまうものなのだ。  いやこれは本当のこと。冗談や作り話ではなくてね。実際に起きている「現実」での話ね。  アマチュアも――。  自分が読者の側に立ったときには、プロの商業作品を選ぶときには、そうしているはずなのだが……。  どうしてだか、自分の書いた作品だけはタイトルだけで捨てられることはない。きちんと全部最後まで読んでもらえる――などという幻想を持っている。なぜかは知らんけど。 No.53 題名:おいかけっこ  体力測定のタイム取り――の感じが出ていない。  たしかにこの話はハルコとイクオの張り合いの部分がメインディッシュであって、そこがオカズの部分であるわけだが……。  巻島にも言っているけど、そういう「ご飯」の盛りを適当にするな。  「駅前感」とか「雑踏感」とか「徒競走感」とか、そういう部分を人は主食とするものなのだ。  つい最近、その「徒競走感」で開始した短編があったので、その冒頭部分をメールで送る。11/20には発売されるのだが、それ以降でないと、一部分とはいえアップはまずいもんで。 No.54 題名:きょうの占い  これ、2000字ネタだな。  「酔っぱらいの女が絡んでくる感」を出すには1000字じゃ無理だろ。 No.55 題名:薔薇と雨  これは1000字向けだろう。  ただし「雨感」「塗れた女の人感」「慌てた男の子感」が不充分。  ご飯が生煮えで食えたもんじゃない。  ――で、なんかプロットみたいなものが付いているのだが。  ぜんぜん違う話になっているみたいだけど……。  少女が女の人になっているし。タイトルにある「薔薇」も話に全然関わってきてないし。  これ、大丈夫なのか? 食っても平気なのかな? なに作っているのか、自分でちゃんとわかってる?  へんなもん食わせるなよ? 頼むよー。 No.56 題名:真夏の果実  なんつーか、紋切り型の別れっていうか、なんていうか。  これまでこんなの死ぬほど見てきているから、新鮮ななにかが書かれてないなら、もういらないんだけど。  きちんと二人の心理に立ち入って、それなりにうまくいっていた恋人関係を解消して、別れなきゃならない事情まで考察してるのかなぁ?  なぜ、二人は別れなければならなくなったのだ? このまま恋人関係を続けてゆけない、その理由は? No.57 題名:邪眼  男の側の特異体質――までは、まあかろうじて、「そういうことなのね」となんとか了解して読めもするが。  女の子の側も特異体質であり、それがオチになっていたりすると、もはや納得できる域を越えてしまうな。  ついでに「相手を不幸にする目」に「邪眼」ってネーミングはなかろう。 -------------------------------------------------------------------------------- 今週の課題発表 No.7168 投稿日 2003年10月11日(土)19時24分 投稿者 甘夏  はい、甘夏です。 ・ウエイトレス(人称)  確かに、甘夏視点と、ウエイトレス視点に同じ記述が多すぎますね……  これはちゃんと意識しないといけない。  作者が視点保持者になることはあるけど、  かならずしも『視点保持者=作者』ではない。  作者が知っていることでも、視点保持者が知らないことも存在する。  視点保持者が作者(神様)で無い場合、視点保持者は独立個性なので作者と同じ見方、感じ方をするとは限らない。しないほうが普通。個性を見極めることが肝心。  と、いうわけで何点か書き直してきます。 ・田舎から出て来た女の子  陽の感情、というより漫画的な都会に憧れる女の子って感じです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=651&e=res&lp=638&st=0  一週間で課題1個ってのも寂しいので、もう1個書いてきました。  都会の女子高生、ネガティブバージョンって感じです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=652&e=res&lp=638&st=0  う〜ん、上手くいってるんだかいってないんだか。  自分ではなかなかわからないものです。  レベルとしてはどのあたりなのか。  あと、読みかえしてみたところ、なんだかレイアウトが悪い。  文章の長さ、とか。段落の長さ、とか。  次回以降の課題に突っ込んでおきます。  う〜ん、次週の課題はなにをやろうかなぁ。  視点保持者の行動、を入れて、もう一度『田舎から〜』をやろうかな。  イメージのワイプとかを考えて、一回書いた『田舎から〜1,2,3』を書き直すという手もある。  たぶん、上にあげた何点かを持ってきます。  ではでは。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7169 投稿日 2003年10月11日(土)22時05分 投稿者 新木 伸 >2号  例のブツ。到着は月曜日の16〜18時ね。  あと、そうそう。忘れるところだった。  新種の課題追加ね。  いま定常的にやっている1000〜2000字課題は、一時ストップさせること。  こちらが一通り終わるまで優先してやってみるので。  台詞を入れずに話を書き、流れを作ってみることは、やってみたわけだな。  身に付いたかどうかはわからんが、そういうことはできると知ったわけだ。  では、つぎ。  こんどは「台詞のみ」でなにか書いてみること。  キャラを何人登場させるか。どんなシチュエーションで、なんの話を書くのか。すべて自由。  しかしキャラの台詞のみで流れを作りあげること。  さらに可能ならば、その場面やらシチュエーションやらも分かるように書くこと。  ただし「説明的台詞」は一切使わないこと。あくまでも、普通に自然に、その場にいるキャラが口にしておかしくない台詞だけで、描写やら説明やらの役割を持たせること。  ちなみに前回「いくじなし」でやったことは――  情景描写。状況描写。動作。説明文。  ――これらだけで小説を書くということだったわけね。  んで、つぎは「会話文」だけで小説を書いてみるわけだ。  もうわかると思うが……。  さらにその先には、「動作だけで小説を書く」と「説明文だけで小説を書く」と「描写だけで小説を書く」と、3つのプロセスが待ち受けているので。  「会話文で書く」は、ちゃきちゃき終わらせること。こんなの、楽なほうだから。  世の中には「ラジオドラマ/CDドラマ」なるものがあって、会話のみで話を展開させてゆくなんてことは、ちょっと腕のある人間なら誰でもできることだから。  以前、描写やら説明やら会話やらといった文章の種類というものは、絵の具の色のようなものだということを書いた。  「絵」というものは、普通、何色もの色を使って書かれるものであるが――。  ひとつの色だけでも描けるものなのね。プロの仕事の現場じゃあまりやらないことだし、やれと言われてもそうそうできるものでもないのだが。  修行中の人間は、練習としてやっておくべきだろうね。  単色で描かれた絵でも、見た人間に色を感じさせることはできるわけよ。水墨画なんてそうだろ。色が見えてくるもんだろ。  台詞だけのシーンなのに、その場面の情景やらシチュエーションまで分かるというのは、そういうこと。  すべてのプロセスを経験して、あらゆる文の種類で、ひととおり書いてみたら――。  文の種類は体が覚えているはずだ。なにか描写で、なにが動作で、なにが説明なのかを、取り違えることはもうあるまい。  そしてひとつの文の種類だけで小説が書けるようになったら、自分が普通に書くときには、どの文をどのくらいの割合で入れるべきかもわかるようになるだろ。  それが文体ってものね。  描写があって、説明があって、そして会話がここに来て――とか、作家の文体には個別のリズムがある。  どのパートがどれだけ長く続くかとか。説明は多いか少ないかとか。描写は長く続くか、短めになるか、とか。  色々な要素があって文体というものができあがる。  文体っていうのは、どこか数段落も読んだら、それが誰が書いたものなのかわかるようなものを言うのね。 >2号 >>体が寒さに慣れたのだろうか。 >>あれほど寒かったのに、最近、なんか日中は暑く感じるのだなあ。  ここ、もうちょっと補足しておく。  なぜこれではだめなのか。  おそらく2号は、自分と同じ時間を過ごしている人間に向けて書いているのだと思われる。しばらく前は冷えこんでいて、ここ数日、すこし暖かくなってきているから。僕もさっき表に出てそう感じた。  しかし――だ。  まず2号が感じているその気候は、岩手特定のものかもしれない。  日本のほかの地方に住む人は、同じ気候を体験していないかもしれない。  また、仮に住んでいる地方が同じ気候であったのだとしても、外出しない人にはわからないかもしれない。一日中空調の効いた部屋で過ごす人もいるわけだし、僕みたいに昼間は寝たきりで気候の変化に気づかない人間もいる。  また、お前の書いたその文面を、過去ログとして読む人もいるかもしれない。何ヶ月や何年も前の気候なんて、覚えているはずがないわな。  住んでいる地方が違う人。生活サイクルが違う人。過去ログとして読む人。  ――のすべてに通じるように書くためには、「すこし前は寒くて、最近ちょっと暖かくなってきた。体が寒いことに慣れてしまったせいで必要以上に暑く感じる。」という情報をワンセット、すべて揃えておかないとならないわけだよ。 No.56 題名:真夏の果実  紋切り型の別れ話という件。  つまり、浅い。  薄っぺらに見えるということ。  ふたりがどんな恋愛生活をしてきていて、そしてどのようなことがあり、そして別れなければならなくなったのか。  そして女はいまどのような心境でいるのか。男はどうなのか。  2号のことだから、たぶん、まるで考えていないのだろう。  なんとなく、こんなふうなシーンはよく見かけるから、適当に似せて上辺だけを真似して、書いてみただけなのだろう。  しかし、付き合っている過程なしに、「別れ」は単体では存在できないわけ。  つきあい始め、付き合っている最中、そして破局のきっかけとなる事件――すべてひと揃いなければ、「別れ」というドラマを支えきることはできない。  書かない部分なのだけど、そこは、考えておかなければならないところなわけだ。  そのへんの仕込みをサボると、こういうものができあがるわけだ。  ちなみに、万に一つもありはしないと思うが……。  そのへんのことをちゃんと考えていたというなら、ただ書きかたの問題だということになる。  その場合には考えていた「ふたりの恋愛生活」とやらを書いてみそ。  まずふたりはなんなの? 大学生なの? 会社に勤めている社会人なの? >甘夏さん  漫画のなかの都会に憧れる女の子――って視点に、まだ入りきれていないのかな。  たとえば、街の光景が漫画で見たとおり――なのだったとします。  そこでまず、なにか感慨が出ないもんですか?  「ああ。漫画とおんなじっ!」とか。「まさか漫画とおんなじだったなんて」とか。「漫画とおんなじだけどやっぱり本物はすごい」とか。  どう感じるのかは視点保持者の個性の問題ですが。  しかし「漫画で見た街のイメージが広がった」てのはないでしょう。  これは作者視点の文章なのかもしれません。  女の子の言葉で書かねばならないところを、うっかり作者視点の言葉を混入させてしまっただけなのかも。  「おしゃれなお店」「かわいい制服」「かっこういい制服」「個性的な格好」  これ、客観語ですね。  女の子が「おしゃれなお店」を目にしたとき、いきなり「あっ! おしゃれなお店っ!」とは思いません。  おしゃれなお店の「おしゃれポイント」にまず目がゆくはずです。  可愛い制服も、かっこういい制服も、どこがどのようにかわいくてかっこういいのか。  こういうふうに、女の子の主観語で描くべきところを、客観語で書くしかなくなってしまうのは、女の子の目に映るものを具体的にイメージできていないため。  ひとつ、空間構築をしやすい課題でも出してみますか。まあどこかタスクに積んでおいてください。どれが先でもかまいませんので。 ・夏のある暑い一日。クリーニング屋の店番をしている女の子。 ・やってきたサラリーマンの男。汗だくのワイシャツをその場で脱いで押しつけてくる。 ・変わりに仕上がったワイシャツを着て帰ってゆくサラリーマン。 ・唖然としている女の子。(オチを付けるなら、サラリーマン男は変人だったけど、好みのタイプだった)  甘夏さんはクリーニング屋勤務ってことなので――。  場所と視点保持者とは身近にしたほうが、視点やら、空間のイメージやらがやりやすいはず。女の子のいる店の間取りなんかは、自分の働いている店と同じでいいです。  登場人物の性別は、女の子にしていますが、まあ、やりやすいほうで。  普通は、自分と同一の性別のほうがやりやすいようです。  オチもなんとなく付けちゃいましたが、べつに必須じゃありません。  ひょっとして甘夏さんは、クリーニング屋勤務といっても、裏の仕事のほうかもしれないですね。作業場のほうとか? 店番をしないのなら、これは喫茶店と同じくらい難しいかも。  ちなみに、店番もしているという前提で話を進めてゆきます。  このクリーニング屋を使ってワンシーンを描くということをやってみたら、街の雑踏のほうで、いかに具体的イメージを持てていなかったのかわかるはず。  街の雑踏ひとつ描くために、普段自分が働いている職場を思い起こすぐらいのイメージ力が必要なわけです。  じゃないと描写ひとつ決まらないわけです。「おしゃれなお店」といったって、どこがどうおしゃれなのか言えないわけです。  たとえば普段仕事で扱っているものであれば、甘夏さんはよく知っているわけですよね。  たとえば「汚れたワイシャツ」とか――。  この汚れって、いろいろなタイプの汚れがあるわけですよね。ただ「汚れた」――なんて、ひとからげにしてしまっていいもんじゃないですよね?  襟まわりの汚れひとつにしたって、落ちる汚れと落ちない汚れとがあるわけだし。  おおまかにいったって、汚れには、汗と油と垢と、三種類とがあるわけだし。  ――で、このサラリーマンの人が押しつけてきたワイシャツは、「汚れたワイシャツ」とそう大雑把に書いてしまっていいものなのでしょうか?  クリーニング屋の女の子の視点に入るなら――汚れたワイシャツというものは、けっして「汚れたワイシャツ」とは書けないものなのでは?  もっと細かな着眼点が、いろいろと出てくるものなのでは?  この場合には、「汚れたワイシャツ」と書くのが客観語であり、クリーニング屋勤務の女の子であれば当然見るべきポイントを書くのが主観語となります。 >街の雑踏のほう  基本的には、だいぶ良くなってますよ。  見栄えとしては良くないですが。  女の子の主観に基づく生情報はたっぷり入ってきています。  ただ、生情報過多。すべて書いてしまっている。  ここから厳選して、セレクトして書いていかないと小説にはなりません。  ――が、いまの段階ではそういうことは気にしないでいいです。どんどん生情報を絞り出してくること。  レイアウトなんかも同じこと。そういうことを気にするのはまだ早い。  見た目よりも「盛りの量」のほうを考えるべき。  大衆小説というのは定食屋で食べる食事みたいなもんです。しかも学生相手の店の定食です。  こじんまりと、ちょっぴりの量を奇麗に盛り付けられている小綺麗でおしゃれな料理よりも、見た目が悪かろうがたっぷり盛り付けられた定食のほうが、学生には喜ばれるに決まっています。  内側からそれなりに書けるようになったので、次は外側からですかね。  まあ、クリーニング屋のほうを先にやってみたほうがいいと思うけど。  こちらも次の課題を出しておきます。  ただ外側からやってもアレなんで、チャレンジのしがいがあるように、難易度を若干あげておきます。  こんどはこのプラスとマイナスの二人を、一緒に登場させてみましょう。  村から都会に出てきた、まったく対照的な女の子二人を、外側から眺める三人称視点です。ふたり一緒に出てきたわけですね。そして二人一緒に、地下鉄の階段をあがってきたところ。  視点は三人称。  前にもやった「二人の共通の友人幽霊視点」てなやつで。  視点保持者は幽霊的な存在という設定。幽霊は二人の共通の友人であり、二人がこれまでどんな人生を送ってきていて、どんな体験をしているのかも、すべて知っています。  心理には、立ちいらないでおきましょう。ただし視点保持者は二人にとても近い立場にいるので、なにを考えているのかくらいは、かなりの精度で類推できてしまってかまいません。 -------------------------------------------------------------------------------- 邪眼 No.7170 投稿日 2003年10月12日(日)01時41分 投稿者 弟切 千隼 新木さん&2号さんへ >  「他人に不幸をもたらす目」を邪眼というのは、本来の文化人類学的な意味でいえば、正しい使い方ですね。  ただし、小説などのフィクションで使う限りでは、どれが正しいということはありません。どういう意味なのかは、書き手が決めてよいでしょう。  なぜなら、「邪眼」は通常日本語の辞書に載っていない言葉で、一般に認知された共通の意味がないからです。前に弟切が書いたとおり、日本語としてまだ固まっていないこういう言葉は、書き手が積極的に意味を付加して使ったほうが、読者さまにわかりやすくなると思います。  例えば、「邪眼とは、見つめた相手を動けなくさせる作用を持つ目だ」と決めて、読者さまにそれを納得させるだけの説得力を持たせることができるならば、それで良いでしょう。  ちなみに、人に不幸をもたらすevil eyeの訳語としては、「凶眼」というのもあるそうです。 -------------------------------------------------------------------------------- モズの高鳴き No.7171 投稿日 2003年10月12日(日)23時35分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切は家の近くでモズが鳴いているのを聞きました。  モズとは、スズメより少し大きいくらいの小鳥です。春から夏にかけては山に棲み、秋に里へ降りてきて高い声で鳴くので、昔から季節の目安とされています。 >「穴」  1000字課題の「穴」を書き直して、課題部屋に上げておきました。文字数にこだわらなくてよいということでしたので、だいぶ量が増えています。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=653&e=res&lp=641&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7172 投稿日 2003年10月13日(月)04時01分 投稿者 新木 伸 >弟切 >「穴」書き直し  読めん。つまらん。  そこらじゅう灰色の文章だらけ。  字数制限をとっぱらうと、どうしてこうなってしまうのか。  肝心かなめの穴に落ちるシーンに到着するまでに、ゆうに1000字課題と同じ分量が無駄に費やされている。  これは短めの1000字課題と同じ分量だぞ。  それだけ使ってなにを書いているのかと思えば、延々「朝」とか「空地のこと」とか「茄子畑のこと」とか、そんなどーでもいいことばかり。  誰が、どんなふうに食うんだよ。そんなこと。  増やせ――と言われると、どうしてただ単に、だらだらとどうでもいいことばかり書き連ねて増量してくるのかなぁ。もう。  この話のなかで、「早朝感」と「捻挫した感」と「悔しい感」との比率は、いったいどんなふうになってるんだよ。  ステーキの盛りを増やせといわれて、付け合わせのポテトのほうを増やしてどうする。  肉を増やせ肉を。  これは、主人公が穴に落ちる話なわけだ。  原稿用紙5枚の配分であれば、40文字詰めであれば全50行ってことだ。  なら、はじめの10行目までにはフェンスを乗り越えにかかっていて、20行目までで痛がらせていて……。そして30行目あたりまでは途方に暮れさせておく。そして30行目からは女の子が出てきて助けてくれて、最後はラッキー――てなことになる。  そんな配分だろうが。  なにをどう間違えれば、はじめ20行で、延々と「朝」の様子を書くことになるのだ?  ひょっとして、人への指示と自分への指示を取り違えているとか?  2号にやらせていることと、甘夏さんにやらせていることと、弟切にやらせていることとは、別のことだよ。甘夏さんには「とにかく盛れ」と言っているけど、おなじことを弟切もやればいいってものじゃない。  あと、別な部分の盛りも増やしてきているわけだが……。  足を怪我したあとの、「痛み」とか「悔しい」とかのほう。  たしかに増えてはいるが、これでは読めん。  人間の思考にさえなっていない。  一人称で書くならもっと入りこめ。自分の転倒する瞬間を冷静に観察している人間がどこにいるのか。  「ああ。俺いまつんのめってるよ」  「ああ。俺いま鞄を放り出したから頭から転ばずにすんだよ」  「ああ。俺の足でいまぐきりと音が鳴ったよ」  「ああ。俺いま冷や汗を出してるよ」  転んで足を捻挫したときに、こんなふうな感慨をいちいち覚えているやつがいたら、気持ち悪いだろ。変人だな。この登場人物が杉井光であり、その一人称だというのならわからないでもないが。  「俺」とあって、主観で書いているはずにもかかわらず、使われている言葉が客観語ばかりなんだな。  キャラの中に入るのが苦手であるなら、三人称でやってみたらどうだ?  一人称を書けなくても小説は書ける。プロにだって、一人称を書けない作家なんて、ごろごろいるわけだし。 >エセ一人称疑惑  この文章。  一人称とすると、どうにもこうにも気持ち悪いもんで、ためしに人称を替えてみた。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=654&e=res&lp=654&st=  「俺」とあるものを、すべて「圭輔」という男名前に置換してみたところ、これがぜんぜん違和感がない。  つまりこれは一人称ではないということだ。  三人称として書かれたものの名前を「俺」に替えただけのエセ一人称ということだな。  一人称ってな、そういうものじゃないの。  これは視点の一種なわけだ。視点保持者を主人公自身に置くという特殊な視点だ。  人称を「名前」から「俺」に替えたら一人称になるなんて、そんな安易なものではないのね。  別の視点から同じシーンを眺めさせるとどうなるのか――。  いま甘夏さんにやらせているけど。  同じ流れの同じシーンを書いたとしたって、視点保持者が違ったなら、文章が構造からして、もうまるごと違ってきちゃうわけ。  一人称と三人称というのもそれと同じ。視点保持者が変わるのだから、文章は構造からして、まるごと違ってくるわけ。人称だけを替えたら一人称になるなんて、そんなことはあり得ないのだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 連休らしいけど No.7173 投稿日 2003年10月13日(月)13時05分 投稿者 名無し君2号  今日は平成15年10月12日、日曜日。明日は体育の日で、つまりは二連休。週休二日で土曜日が休みなら、三連休だったりする。  学生も社会人も嬉しいのだろう。朝早く起きて、子供や旦那さんのお弁当を作らなきゃならないお母さんだって、嬉しいはず。だってゆっくり眠れるから。  だけど私は、ちっともありがたみを感じない。だって毎日休み状態なんだもの。だってプー太郎なんだもの。  みんなが嬉しいのに、私は嬉しくない。  ――なんだか損した気分。  などということを、そのまま弟にいったら怒られた。彼は月曜日も仕事らしい。  私が14時に目を覚ましたら、「今日は起きるの早いじゃん。どうしたの?」といわれた。  もしかして、もしかしなくても、私は厄介者ですか。 >例のブツ  ありがとうございます。待ってます。 >1000字課題 >No.53 題名:おいかけっこ >>体力測定のタイム取り――の感じが出ていない。 >>たしかにこの話はハルコとイクオの張り合いの部分がメインディッシュであって、そこがオカズの部分であるわけだが……。 >>巻島にも言っているけど、そういう「ご飯」の盛りを適当にするな。 >>つい最近、その「徒競走感」で開始した短編があったので、その冒頭部分をメールで送る。  「徒競走感」の書かれた短編の冒頭を読んでの感想です。  この冒頭――だいたい1000字課題ほどなんですが、これに「ご飯」を盛るために、調べなければならないのが、以下のとおり。 ・平均タイムに最高タイム。どのくらいであれば速いといえるのか。または遅いといえるのか。 ・その競技の、タイムの計測の仕方。 ・スタートする際の姿勢。 ・競技をしている最中の心理。  私の1000字課題では、全部すっ飛ばしてました。  「よーい、ドン」ってかけ声でスタートはないなあ。せめて笛を吹くなり。  タイムは特に……ネットで調べようとはしたんですが、調べきれなかったです。小学生だと、かえって調べられたんですが。 >No.54 題名:きょうの占い >>これ、2000字ネタだな。 >>「酔っぱらいの女が絡んでくる感」を出すには1000字じゃ無理だろ。  無理でした。  削って削って……です。 >No.55 題名:薔薇と雨 >>これは1000字向けだろう。 >>ただし「雨感」「塗れた女の人感」「慌てた男の子感」が不充分。 >>ご飯が生煮えで食えたもんじゃない。 >>これ、大丈夫なのか? 食っても平気なのかな? なに作っているのか、自分でちゃんとわかってる? >>へんなもん食わせるなよ? 頼むよー。  うーん。  思うとおりに書ける場合、すらすらと書けるのですが。  書けない場合、まったく持って書けないです。仕方がないので、無理矢理に書きはじめる……といった状態です。  ――当たり前のことを書いてますね。  多分、いままで書いたであろうスタイル……「型」みたいなものにはまっていれば、すらすらと書けるようです。「型」が無い場合、それを探すために、ああしたりこうしたり……と苦労したあげく、なにも書けやしない、というわけです。 >No.56 題名:真夏の果実 >>なんつーか、紋切り型の別れっていうか、なんていうか。 >>これまでこんなの死ぬほど見てきているから、新鮮ななにかが書かれてないなら、もういらないんだけど。 >>きちんと二人の心理に立ち入って、それなりにうまくいっていた恋人関係を解消して、別れなきゃならない事情まで考察してるのかなぁ? >>なぜ、二人は別れなければならなくなったのだ? このまま恋人関係を続けてゆけない、その理由は?  夏の間に恋して、夏が終わったら恋も終わる……みたいな話を書きたかったんですが。  設定をちっとも考えてなかったので、ひどいものになりました。  いちおう、登場人物は大学生でしたが。 >No.57 題名:邪眼 >>男の側の特異体質――までは、まあかろうじて、「そういうことなのね」となんとか了解して読めもするが。 >>女の子の側も特異体質であり、それがオチになっていたりすると、もはや納得できる域を越えてしまうな。 >>ついでに「相手を不幸にする目」に「邪眼」ってネーミングはなかろう。  書いているうちに、掌編には無理だな、とはうっすらと思ったのですが。ふたりの能力を説明するだけで、もう1000字終わりそうだったし。  「邪眼」が「相手を不幸にする目」だというのは、弟切さんの指摘を元にしたアイデアでした。  というよりも、「見るだけで相手が不幸になる能力」なんてのは、教えて貰わなければ思いもつかなかったです。  知識は重要だなと、しみじみ思いました。  「相手を不幸にする目」を、そのまま「邪眼」とつけた自分はマヌケなわけですけども。  弟切さんのいうとおり、 >>ちなみに、人に不幸をもたらすevil eyeの訳語としては、「凶眼」というのもあるそうです。  「凶眼」のほうがどれだけいいか。  「凶運眼」……「歪み眼」……うーん? どうもいまいち。  セリフのみで一編。  No.57「修学旅行の夜」(1000字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=655&e=res&lp=550&st=0 >描写課題  街の雑踏「田舎ものの少女が、都会の雑踏のなかにいて」です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=656&e=res&lp=611&st=0  レスに2時間。では。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7174 投稿日 2003年10月13日(月)14時45分 投稿者 新木 伸 ○2号 >体力測定とか  体力測定のタイムなら、文部科学省のHPに行けば、各学年ごとに出てくるぞ。  他にも走り幅跳びとか、立ち幅跳びとかシャトルランとか、反復横跳びとかソフトボール投げとか。そういうものの平均的なデータも出てくる。 >No.55 題名:薔薇と雨  僕の言っているのは――。  なんかプロットやら創作メモやら――なにかそんなものが付いていたけど、その展開と、実際の本文との展開が違うということを言っているのだけど。  もともとプロットにあるようなものを書こうとしていて、それで書き上がった本文があれになったということ?  どういう過程であの55番は書かれたわけ?  タイトルに「薔薇」とあるのに本文で薔薇が全然出てこないのはなぜ? >No.58 「修学旅行の夜」  これはどういう状況なのだ?  なにか皆は寝静まっていて、二人だけが話しているようだが。  いま何時なのか。消灯から何分、もしくは何時間が経過しているのか。  このシーンが始まる5分前には、どんなことをやっていたのか。  そのあたりのことが、この会話から見えてこない。  たとえば、片方の人物が、しばらく静かにしているかと思えば、十分もすると話しかけてきて、もう片方は寝付きそうになると話に付き合わされて……と、そんなことを何回か繰り返しているのであれば。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「……寝た?」 「……」 「寝たか? おーい?」 「……」 「なんだ。寝ちゃったのか」 「……寝れねぇ。もう話しかけてくんなって言ったろ」 「起きてたじゃん」 「寝る。寝ろ。――明日もいくつも神社回るんだぞ。ああもう三時じゃねーか」 「バスの中で寝ればいいじゃん」 「で……、なんなんだよ? こんどはよ?」 「好きな娘、いる?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなふうに書けば、そういう感じが出るわけよ。  これは夜中に始まる会話なのだから……。  はじめゆっくりとスタートさせて、徐々に会話のペースを上げてゆくようにしないと嘘くさくなる。  2号のやつは、いきなり普通に話し始めちゃっているから、嘘くさくて読めない。  あと「修学旅行」に来てる最中の人間が、「修学旅行」なんて言わんだろ。旅行前なら「こんどの修学旅行」という言いかたで口にすることもあるだろうが、いざ旅行中であるのなら、「この旅行」とか言うはずだ。  そもそも説明的すぎる。  ようは「修学旅行に来ているのだ」ということが分かればいいのだ。ここでは。  それっぽいキーワードを会話の端に引っ張りだしておけばいいわけ。 >描写課題No.5 街の雑踏「田舎ものの少女が、都会の雑踏のなかにいて」  けっこう読めるものになっている。 1>> 昼さがりのアーケード通り。 2>> ――別に今日は、なにかがあるわけじゃないよね。お祭りとかさ。 3>> 少女は、思わず訊いてみたくなった。 4>> もしかしたら、いままでこの目で見てきただろう人の数を、今日一日で見てしま 5>>うかもしれない――少女はそんなことを考えてしまう。 6>> なんなのだろう、この人の数は。 7>> 少女は、人の流れにあわせながら歩いた。  少女が、人が多いことにびっくりしている――いうことがわかるのが、6行目。  2行目から5行目までに書かれてあることは、その「人の多さにびっくりしている」が読者の頭に入ってなければまったく意味を生じない語句なわけだ。  つまり、6行目の前になに書いたって、意味がない。  これ、順番だけ変えるだけでも、ぜんぜん良くなるのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼さがりのアーケード通り。  なんなのだろう、この人の数は。  少女は人の流れにあわせながら歩いていた。  ――別に今日は、なにかがあるわけじゃないよね。お祭りとかさ。  少女は、思わず訊いてみたくなった。  もしかしたら、いままでこの目で見てきただろう人の数を、今日一日で見てしま うかもしれない――少女はそんなことを考えてしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ついでに灰色を削って、ちょっと足す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼さがりのアーケード通り。  なんなのだろう、この人の数は。  少女は人の流れに乗りながら、きょろきょろとまわりを見回しながら歩いていた。  ――別に今日は、なにかがあるわけじゃないよね。お祭りとかさ。  思わず手近な人に訊いてみたくなる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  んで、街の雑踏。  難易度あげてみるか。  いまやっているのは、シーン的には「難易度1」ってところか。  普通の感性の持ち主が、普通のシチュエーションに置かれているだけだし。  まあ「田舎から都会に出てきたばかりの娘」であり、「大変混雑している雑踏」であるから、完全な「普通」とはいえない。  難易度1よりは上で、1.5よりは「下」ってとこかな。  では次、難易度1.5をやってみよう。  舞台を現代日本ではなくしてみる。  ファンタジー世界の田舎の村から、王都にやってきた娘って設定で書いてみるべし。  それ、まだ難易度1.5ぐらいなもんだから。 -------------------------------------------------------------------------------- 新課題が出た!! No.7175 投稿日 2003年10月13日(月)15時50分 投稿者 甘夏  祝日なのでネットにつながることができた甘夏です。 >漫画で見た〜  これは、目を閉じて音だけの世界に入ったときに、まぶたの裏にイメージが広がった、というつもりで書きました。が。  読み直してみたところ、その直後のフォローがまったくない。  いえ、あることはあるのですが20行近く離れた場所。問題外です。  この場合、フォローを早く入れるべきなのか。  それとも、余計なことは書かないほうがよいのか。  全体のボリュームを増やせば、脳内イメージにも多く行が取れる。という手もあるのかな?  もちろん、大前提として私の脳内イメージの具体化が先決なんですけど。  考えてみます。  主観語、客観語について新認識。  トライアル選手の場合でいえば、  自動販売機を『障害物』と取るのがトライアル選手の主観語。  ただ単に『自販機』と書いてしまうのが客観語。  生徒を叩く先生の場合でいえば、  生徒を叩くのを『愛の鞭』と取るのが先生の主観語で  『体罰』と取るのが客観語。  でも、この場合は生徒が視点を持っていれば『体罰』は主観語で、  『教師が生徒を叩いた』というのが客観語。  なのかな?  これも、課題をやるなかで考えていきます。 >新課題  了解しました。 >おまけ  ウエイトレス書き直しを持ってきたので上げておきます。  状況は一番最近持ってきたウエイトレスと同じ。  こんかいは、  ドラマや漫画のように別れ話を楽しむウエイトレス。  と、いう設定です。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=657&e=res&lp=636&st=0 >2号さん  オッドアイ(左右色違いの目)を持つ人間に見つめられると不幸になるという話が海外にあると、以前、聞いたことがあります。  凶眼情報(確度低し)の1つとして、置いておいてください。  では、また。 -------------------------------------------------------------------------------- 文章引き締め中(ついでに体のほうも?) No.7176 投稿日 2003年10月14日(火)00時54分 投稿者 弟切 千隼  年がら年中ダイエットしていないとすぐに太る弟切です。太らない体質の人が羨ましいですね。 >「穴」書き直し  No.7172で新木さんに指摘されまして、改めて読み返してみると、灰色の文章だらけなのに気づきました。自分で気づけないあたりがダメダメですね(;_;)  新木さんが直して下さった三人称バージョンも読みました。  全く違和感がありませんね。というより、このほうが自然です(^^; 「穴」を書き直しながら、「何だか一人称にしては変な気がする」と思っていたものの、どこがどう変なのか、やはり自分では気づけませんでした。  例えば、主人公が転ぶ場面に、以下のような文章があります。↓ >> 俺は勢いのまま前につんのめった。 >> ぎりぎりで顔はぶつけなかった。とっさに鞄を放り出して、地面に手を着いたおかげだ。  自分が転んだ時のことを、後から冷静に回想しているなら、これでもよいでしょう。  しかし、実際に転んでいるその瞬間に、ここまで冷静に自分を観察できたら、その人は一種の超人ですね(^^;; 未知の危険がいっぱいの宇宙空間で、どんな事態が起こっても冷静に対処できる宇宙飛行士になれそうです。  ここを一人称で書き直すとすれば、 >> いきなり目の前に地面があった。 とでもなるでしょう。  上記のような「えせ三人称」文章は、「どんな異常事態が起こっても、冷静に対処できる超人」の描写をする時のために、取っておきます(^_^)  前から薄々気づいていたとおり、弟切は三人称の人のようです。一人称は遠くの攻略目標としておいて、当面は三人称でまともに書けることを目指します。  「穴」は灰色の文章を削って、なおかつ三人称にして、再度書き直します。 おまけ:  ヨーロッパから中東にかけて信じられている「邪視」という概念は、特にトルコで恐れられているようです。トルコには、ナザル・ボンジュウと呼ばれる邪視避け専用のお守りがあります。当地では最も一般的なお守りらしいです。  ナザル・ボンジュウの写真は以下のサイトで見られます。文字どおり「目には目を」というわけで、邪視を睨み返す目玉文様ですね(^_^) http://www.e-jutan.com/nazaru.htm -------------------------------------------------------------------------------- 太陽が眩しいから No.7177 投稿日 2003年10月14日(火)14時11分 投稿者 名無し君2号  なにやら、岩手では暖かい日が続いております。ストーブをつけなくていいから、光熱費の節約になります。地球に優しく、家計にも優しい。 >新木さん >例のブツ  いただきました。ありがとうございます。  ヘッドセットを取り付けるのに少々戸惑いましたが、すべて無事に導入できました。  戸惑ったといっても、ヘッドホンとマイクの端子を、それぞれ入れる場所を間違えるだの、ウィンドウズのボリュームコントローラー(音量を調整する機能)をどうやって起動すればいいのかわからなかったりだの、初心者まるだしな戸惑いぶりでしたが。  自分の声を聴いて、なんともいえない恥ずかしさに身悶えしたり。なんてヘンな声!  ――小説はなんでそうならないのかしら。 >1000字課題 >No.55 題名:薔薇と雨 >>どういう過程であの55番は書かれたわけ? >>タイトルに「薔薇」とあるのに本文で薔薇が全然出てこないのはなぜ?  最初は考えていたとおりに書こうと思っていたんですが、ちっとも書けなかったので、いきあたりばったりで書いたものです。  「薔薇」は、女性を薔薇に例えようと考えてはいましたが……結果は駄目。  原因としては……。 ・プロットの時点で、考えが足りないこと。  練りが足りないせいで、書いていてもいまいち面白くなると思えない。 ・プロットの通りに書く能力がない。  書けるときは書けるので……どういうことだ。  ……細部までプロットを考えていないから、だと思う。そのシーンを書く意味をしっかりと考えていないから、書く際に変な方向に。 >No.58 「修学旅行の夜」 >>これはどういう状況なのだ? >>なにか皆は寝静まっていて、二人だけが話しているようだが。 >>いま何時なのか。消灯から何分、もしくは何時間が経過しているのか。 >>このシーンが始まる5分前には、どんなことをやっていたのか。  修学旅行、初日の夜。  ずっとみんなで話していて、最後にふたりだけが起きている。  この時点で夜の2時。消灯は10時。  5分前には……考えていませんでした。  今日は1編。  No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=658&e=res&lp=550&st=0  あとは「科学者と孫娘」の書き直しです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=659&e=res&lp=622&st=0 >>2.博士と少年との会話がはじまる前に、「主人公=少女」を強烈に確定させておく。  をやったつもりなのですが……。 >>1.博士と少年とを会話させつつ、しかし読者の印象的にはその場の主役を少女とさせる。  になったような気が。そもそも博士と少年が会話してないし。 >描写課題 >描写課題No.5 街の雑踏「田舎ものの少女が、都会の雑踏のなかにいて」 >>少女が、人が多いことにびっくりしている――いうことがわかるのが、6行目。 >>2行目から5行目までに書かれてあることは、その「人の多さにびっくりしている」が読者の頭に入ってなければまったく意味を生じない語句なわけだ。 >>つまり、6行目の前になに書いたって、意味がない。  うーんと。  まず少女が「驚いている」ことを書いて、それからじゃないと、その驚いていることについて、何を説明したって意味がないわけですね。 (1)驚き。 (2)その驚きについての描写。  という順番。  私の場合、 (1)なんかごちゃごちゃいっている。 (2)あ、人の数に驚いていたのか。  になるわけで。  これがわからなかったということは、自分の書いたものを、ちゃんと読み返せてなかったということです。 >>んで、街の雑踏。 >>難易度あげてみるか。 >>では次、難易度1.5をやってみよう。 >>舞台を現代日本ではなくしてみる。 >>ファンタジー世界の田舎の村から、王都にやってきた娘って設定で書いてみるべし。 >>それ、まだ難易度1.5ぐらいなもんだから。  了解。 >ついでに視点について  No.5の視点についてなんですが。  一応、三人称の少女寄り視点で書いたつもりなんです。  いまさらながらの告白ですが、私は視点がいまいちわかっていないような気がします。  はたして、今回書いた描写は、ちゃんと三人称の少女寄り視点になっているのかどうか――というのが、不安です。  その点については指摘されてない、ということは、No.5についてはおかしくない、とみていいんでしょうか。 >人気のない保健室  やりなおしてみました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=660&e=res&lp=621&st=0 >邪眼 >甘夏さん >>オッドアイ(左右色違いの目)を持つ人間に見つめられると不幸になるという話が海外にあると、以前、聞いたことがあります。 >>凶眼情報(確度低し)の1つとして、置いておいてください。  ありがとうございます。  たとえその話の確度が低い――本当の話じゃなくても、説得力はあります。  ……なんでだ? オッドアイ、つまり左右非対称だから……不気味だから? 呪われた感じがあればいいのか? >弟切さん >>ヨーロッパから中東にかけて信じられている「邪視」という概念は、特にトルコで恐れられているようです。トルコには、ナザル・ボンジュウと呼ばれる邪視避け専用のお守りがあります。当地では最も一般的なお守りらしいです。 >>ナザル・ボンジュウの写真は以下のサイトで見られます。文字どおり「目には目を」というわけで、邪視を睨み返す目玉文様ですね(^_^)  はー。  色とりどりの目玉のおやじ。  でかければ不気味なんでしょうが、小さいとかわいい。  各地域ごとに、いろいろな「邪視」の概念があるわけですね。他の地域では、当然、他の対処方法があるんでしょうねえ。  DDwinで引く辞書は最高です。レスには1時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 邪視はする側にもなりたくありません。 No.7178 投稿日 2003年10月15日(水)01時53分 投稿者 弟切 千隼  この世の中、現実世界には、見つめるだけで他人に不幸をもたらす邪視など、実在しないでしょう。  しかし、たとえ現実の作用がなくても、悪意のこもった目で見つめられるのは嫌なものですよね。どんなに美人でも、そういう目をした人の顔は、非常に醜いと思います。  できれば、弟切はそんな顔を他人に見せたくありませんね。それでなくても美人ではありませんのに、救いようがなくなってしまいます(爆) >「穴」書き直し  文章を削って、人称を三人称に変えたものを課題部屋に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=661&e=res&lp=653&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- ナザル・ボンジュウはしつこい訪問販売にも効く No.7179 投稿日 2003年10月16日(木)00時10分 投稿者 弟切 千隼 かどうか、弟切は知りません(笑)  ここのところ、しつこい保険屋のおばさんに悩まされた弟切は、「巨大ナザル・ボンジュウを玄関にかけておけば、しつこい訪販の人も恐れをなすかなあ」と、ちらりと考えました。大きい目玉模様って、普通の人でも少しぎょっとしますよね。 2号さんへ >  課題部屋にある「シンデレラvsピーターパン」を読みました。気になったことがあるので、指摘させていただきます。  読んで欲しいものの中に、「大人のつらさ」と「子供のつらさ」がありますよね。  「大人のつらさ」のほうはわかりました。ピーターパンに譬えられている男性のほうが、自分で自分を養う苦労をしなければならない大人になりたくない、と駄々をこねている様子が出せていると思います。  しかし、「子供のつらさ」のほうはわかりませんでした。  「大人のつらさ」が「大人であるが故のつらさ」を表わすならば、「子供のつらさ」は「子供であるが故のつらさ」を表わすはずですよね。それなら作品中に、「子供だから、こんなにつらいことがあるんだ」という具体的なことが書かれていなければならないでしょう。  でも、この作品中には、「子供でいるのが楽しくて、子供でいたい男」と、「なぜだかわからないけれども『いい男』を欲しがっている女」しか登場しません。「子供のつらさ」は、どこにも読み取れませんでした。  そもそも、この女性の素性がよくわからなくて、弟切は違和感を持ちました。  この女性は、男性よりは年上のようですね。女性の具体的なプロフィールのうち、かろうじてこれだけが推測できます。  この女性は社会人ですか? 学生ですか? 社会人なら学校を出てからどのくらい経つのでしょう? どんな職業に就いているのでしょう? 仕事は忙しいのでしょうか?  上記のことが、どこにも書いてありません。  こういった具体的なことがわからないと、この女性がやたら「いい男が欲しい」と言っている理由がわからなくて、読み手としてはいらいらします。  例えば、女性が普通のOLで、学校を出て就職したばかりだったとすれば、「学生時代に思い描いていた楽しげなOL生活と、退屈な現実とのギャップ」にうんざりして、楽しい恋愛をしたいと思い、「いい男が欲しい」と言っているのかも知れません。  あるいは、就職して五年ほど経って、それなりに仕事ができるようになっている頃だとしたら、今働いている会社では女性の出世の道が閉ざされていることに気づき、結婚に逃げたくなったのかも知れません。  こういうところまで考えて書かないと、血の通ったキャラクターにならないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7180 投稿日 2003年10月16日(木)17時30分 投稿者 新木 伸 ○2号  なにやら最近、小説のことにかけている時間が減少しているような気がするが。  ずっとやっていると飽きがくるというのは、そういうものであって、それが人間の性質であるわけだが。  そういうことも含めてコントロールするわけね。  週に一回休みを入れるようにするとうまく続けられるようになるとか。なにか自分に合った方法を考えるわけだよ。  ただ単にゲームでもやって一日を潰すとか。本を読むとか。漫画読むとか。気分転換の方法は人それぞれだろうが。  完全な休みを取ることに抵抗があるなら、週に一回は課題からはずれて、好きなものを好きなように書く日にするとか。  ざっと見たところ、いま2号は――。  ほぼ完全にドシロウトからスタートしていて、プロとしての最低水準のスキルを得ることを当面の目標としたとして――。  すくなくとも、その10分の1ぐらいの道程は踏破してきたんじゃないかなぁ。  もう20%きている――ということはないだろうし。まだ5%――ってこともないだろう。たぶん10%近辺。  すると、いままでやってきたことの10倍ぐらいは必要ということだ。  登山でいえば、まだ一合目。  まず山頂にたどり着かんと。  そしたら山頂には、こんどは天界に向かうための塔が建っているわけね。ひたすら登る。どこまでも。登りつづけることになる。  俺、山頂に到着するまでは3年。  そこから12年ぐらい、こんどは天空の塔を登り続けてきてるけど、まだ果てはぜんぜん見えん。  続けるための方法をいまのうちに学んでおくように。 >DDWIN(電子辞書)による辞書引き  楽だろう?  WEB辞書も紙の辞書に比べればかなり楽だけど、さらにもう一段ぐらい楽だろう。  一度あの楽さを知ってしまうと、もはや紙の辞書には戻れないぞ〜。  辞書引きというものは、引く行為にこそ意味があるのであって、紙の辞書で引こうが電子辞書で引こうがかわりはないわけだ。  ただ、紙の辞書に比べて単価が高いのが難点かね。あとDDWIN規格に対応していない辞書は使えない。  ちなみにうちのエディタでは、呼び出し用のマクロ設定がしてあって、CTRL+P,Iと打つことで、DDWINが起動してウインドウが前面に出てくるようにしてある。  なにか気になった瞬間には、もう、手がCTRL+P,Iと打っている。辞書を引いたあとでエディタに戻ってくるときはマウスを使うけど。  マクロを組んだりとか、そんなややこしいことをしなくても、WINDOWSにはデスクトップに置いたアイコンを、キーボードショートカット一発で呼び出す機能が付いている。その機能を利用することでも、エディタで入力中に、一発でDDWINを呼び出すことができる。  まずDDWINのショートカットアイコンをデスクトップのどこかに置いておく。  次のそのプロパティを開いて、「ショートカットキー」という項目を選んでから、呼び出したいキーの組み合わせを実際に打って設定する。CTRLとかSHIFTとかALTなどの特殊キーと、A−Z,F1−F12のキーなどの組み合わせとが選択できる。  そうしてDDWINのアイコンに、呼び出すためのキーを与えてやると、なにをしているときにもそのキーを押すことでアプリケーションを起動させることができる。 >辞書とか  DDWIN導入記念に、ひとつ。  今後一生、辞書で引いたことのない言葉を使うことは禁ずる。  今後は、辞書を引いていないことによる覚え違いや誤字なんかが出てきたら、激しく叱るのでそのつもりで。小説のなかだけでなく、こうした普段の書きこみにおいてもだ。もちろん。  普段からできないことは、小説を書くときにだってできないのだ。  いちど引いた覚えのある言葉なら、引かずに使っていいよ。もちろん気になるようなら何回だって引いてかまわないが。  引いた覚えのない言葉は、いちどは引いてみてから使うように。  とりあえずDDWINに入っている広辞苑4版で引けばいいや。複数辞書によるクロスチェックまでは、ここでは要求しない。  いままで言い渡したい気持ちをぐっと堪えていたのは、それをやると、レスを書く時間が倍に延びてしまうから。ただでさえ6〜7時間もかかっているのにそれ以上延びてはかなわない。  しかし辞書を引くのにかかる手間が飛躍的に減ったわけだから、たくさん引いても負担にならないだろ。あとATOK14もあげたわけだから、インストールすれば、同音異義語選択支援も使えるようになる。 >ATOKとか  ちなみに2号にあげたATOK14は、僕の使っていたもののお古。  ライセンスを調べてみたところ、ATOKはCD−ROM媒体込みですべてを譲渡するなら、他者に権利一切を譲渡できるとのこと。  僕はもうATOK16を使っているから、14はすでにアンインストール済み。  ATOK11から15まで、どれでもあげてしまえる模様。  しかしATOKって、自分の管理下にあるマシンであれば、何台にでも、インストールして良いのね。同時に使用しなければよいらしい。  僕のようにサブマシンも含めて3台ぐらいある人間にはありがたい契約条項だ。  あと2号。  ATOK14はバグ取りのアップデートモジュールが公開されているから、それをダウンロードしてインストールしておいたほうがいいよ。 http://www3.justsystem.co.jp/download/atok/up/win/010321.html >角川類語新辞典  「角川類語新辞典」(角川書店、富士通、EPWING版)  僕の使っているこれだけど。  ずいぶん昔のものだし、値段も3万円はする(書籍版なら5100円)のだが、やはり類語辞典のデファクトスタンダード。  小説を趣味にしている人間が使うには3万円は高すぎるかもしれないが、プロが仕事の道具として使うならべつに高くもない値段。  小説の数冊も書くと、20万円のノートパソコンが1台潰れてしまうわけだ。しかし辞書のデータなら永久に使える。  この辞書はEPWING版とどこにも書かれていないが、じつはEPWING版であり、DDWINで使える。  なにぶん昔のものなので、もう売られていないかと思ったら、まだ現在でも入手可能なようす。  富士通オフィス機器に問い合わせをすると、直接注文できるらしい。 >No.55 題名:薔薇と雨 >>最初は考えていたとおりに書こうと思っていたんですが、ちっとも書けなかったので、いきあたりばったりで書いたものです。  たわけ。  オマエはなにか?  いきあたりばったりで書いたものを、人様に読ませていたわけか?  いったいなんのつもりなんだよ?  いきあたりばったりで書かれていようが、きちんと書いたものだろうが、おもしろけりゃどっちだって構わないのだが。  しかし、落ちてなくて、つまんなかったわけだよな。タイトルとも違うし。  それで「どうしてそうなってしまったのだ?」と訊いたら、「いきあたりばったりで書いたからです」だと?  いきあたりばったりというのは、つまり、適当ということだよな。  オマエはなにか?  「このラーメンまずいんですけど」と言ってきたお客さんに対して、同じことを言うわけか? 「はい適当に作りましたんで」とでも言うつもりか?  建築業者は、「あのう。柱が曲がってるんですけど」と言ってきたお客さんに対して、「はい適当に作りましたんで」と言っていいわけか?  なにか、こう――。  対価を得て仕事をするということを、オマエは舐めてないか?  そんなつもりでやっているなら、もう、おまえの書いたものは読まんぞ。  金こそ払っていないものの、おまえの書いたものを読むために、俺達は「時間」ってものを支払っているんだ。  おもしろくないのは仕方ない。まだ見習いで、まだ修行中で、まだアマチュアで、まだ腕がないんだから。  だが、そのおもしろくない原因が「適当にやったから」というのは、断じて許されないことだ。 >No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字)  内容のほうはともかく、お題内容の「シチュエーションを会話のみで描く」ということに関しては、だいたいできている。  居酒屋で、気弱っぽい青年と、お姉さんとが、話しこんでいるわけね。  ところどころで、お姉さんがどんな顔つきになっているのかとか、見えてきた。  ところで……。  2号は居酒屋とか、行ったことがないのか?  チューハイったって、レモンなのかグレープフルーツなのか。いろいろあるだろ。  生ジョッキのほうだって、サイズを指定せんとならんだろ。それに最近はビールと発泡酒とふたつあるから、注文するにはどっちなのかも必要だろう。  実際に自分や他人が酒を注文するときに、どういう掛け声を出しているのか――。思い起こしてみたのか?  また適当にやってないか?  ちなみにここで「生ジョッキおわかりで」とか言わせると、いま手元にあるカラになったジョッキまで読者の脳裏に映しだすことができたりする。  またサイズや種類の指定は不要になる。「おかわり」ってことは、おなじものを追加って意味だから。  また省略することで、居酒屋で飲んでいる感も出る。  さらにもうちょっと工夫をすると――。  お姉さんが、ぐーっとジョッキをあおって最後の一口を飲み終わって、その勢いで注文する――なんてイメージまで、台詞ひとつで浮かばせることもできる。  やってみろ。 >No.48「科学者と孫娘」やりなおしの4  「2.博士と少年との会話がはじまる前に、「主人公=少女」を強烈に確定させておく。」  これをやるなら、はじめカメラが少女をしばらく追いかけるようにすればいい。  少年を自分の家に案内しつつ、しかし、どこか腰の引けている少女――てなものを描くわけね。  ここで読者に対して、確定もしくは推察させておくべきことは、「ボーイフレンドをはじめて家に連れてくる少女。嬉しそうではあるが、どこか案内したくない理由もありそう」――というもの。  そういう形で、この話の「起」を確定させておく。  視点は一人称でも、友達幽霊三人称でも、完全客観でも、どれでもいい。どれでもできる。  すると話の焦点は「少女はなぜ他人を家に連れて来たくなかったのか」ということに結ばれる。  すると、なにをどうしても、この話は「少女の話」になる。少女が主人公にならざるを得ない。  中盤以降で、祖父と少年がどれだけ会話していようが、少女が主人公であることは揺らがなくなる。  起における条件設定が甘いから、祖父と少年との会話量が増えたぐらいのことで、主人公の座を乗っ取られちゃうわけね。  男の子を家に連れてくるのは嬉しいけど、でも別な理由で連れてきたくない――とか、そういう構図が、はっきりとわかるように書ききれていないから、少女が主人公になりきれていないわけだ。(書こうとしている節はある。だがまだ甘い。充分ではない)  ――どうしてそういうふうに甘くなってしまうのかというと、ここで書くべきことのポイントを、2号が明確に掴んでいないからだ。  なんとなくわかっている――と。  明確にわかっている――と、では、その出来が全然違ってくるのね。  なんとなくわかっていることであれば、すこし執念をプラスして考えれば、明確にわかっている状態にまでもってゆけるはずだ。  必要なのは、執念と粘着力。 >描写課題No.5 街の雑踏「田舎ものの少女が、都会の雑踏のなかにいて」 >>No.5の視点についてなんですが。  No.5っていっても、いろいろあるんだけど。  どのNo.5のことだよ?  課題部屋にあるものであれば、「【656】 10/12分、No.5「街の雑踏」やりなおしの3」とか、番号まで含めたタイトル全文を出してくれば、誰がいつ読んでも完全に確定できるだろ。 >>【656】 10/12分、No.5「街の雑踏」やりなおしの3  三人称少女寄り視点として、変かどうかってことね。  そう変ではない。大きな破綻はない。細かく見てゆくと、おかしなところは少しあるけど。  いまやっているこの課題は、「少女がどのように雑踏を感じるか」ということが主題なわけだ。人称のほうは大きな破綻がないので、書いていないだけ。あっちもこっちも同時にやるのは無理ってもんだし。  少女と同化して少女と同じように感じるのか、少女とすこし距離を置いて外から観察しつづけるのか。視点をきっちりするときには、そうした「距離感」を統一しないとならない。  この距離感というのは、主観語や客観語の違いという形で現れる。  あと心の中の声を直に地の文として書いてしまうのか、「と、少女は思った」と間接的に書くのかとか。  今回の場合、「と少女は思った」とあったり、地の文でべたに書いてしまっていたり、まちまちだな。  きちんと視点を扱える人間が、実戦において使う高等テクニックとしては、「視点移行」というものもある。  はじめすこし距離を置いて人物を描いていた視点が、徐々に距離を近づけていって中に入りこんでみたり。その逆に、中にあったものが、徐々に距離を取るようにしてみたり。そういうふうに、視点の距離を変化させるテクニック。  ただし、練習でやるならば、視点は揺らさないでやるもの。  意図的に「揺らしている」のか、ただ単に「揺れてしまっている」のか、わかんなくなるから。  どのへんが揺れているか。  客観的表現なところと、主観的表現なところとを、それぞれ抜粋してみる。 >>男性よりも、やはり同性、それも同年代であろう少女たちに目がいった。 >>少女の街では、軽く茶髪にしているだけで不良扱いだった。そもそも校則違反である。  このへん、固い物言いになっている。少女と距離を取って外から見ている客観的表現。 >>制服のかわいさレベルも違うけれども。  「かわいさレベル」とか、このへん主観語。少女の言葉による、柔らかくて、くだけた物言い。少女と同化して物事を見ている主観的表現。 >>気がついたら、少女は歩きながら、うつむいていた。  「気がついたら」とかいうのは、これ、主観語だわな。  気がついたのは誰でもない――少女である。少女以外の誰かが使える言葉ではない。  物言いの固さと、柔らかさ(少女の言葉)とを統一するようにしてみたらいいじゃないか?  このNo.5をもとに、すべて固く書いてみるのと、すべて柔らかく書いてみるのと、両方で書き直してみるとか。  三人称を身につけたときのこと、僕もうっすらと思い出してきたけど……。  たしか、固さと柔らかさとを統一することでコツを掴んでいったような気がする。  僕の場合は、はじめ一人称から入ったもんで、ずいぶん長いこと、三人称というものがよくわからなかった。  キャラの内側から眺めることは容易だったのだが、外側から眺めるというのが出来なくてねぇ。  その場にいない架空で透明な人物をでっちあげて、そこから眺めさせればいいのだと気づくのに、だいぶ長いことかかった。  気づいたときにはコロンブスの卵だと思った。そこに気づいてしまえば、なんてことはないのに、気づかなければずっと出来ないわけだ。  まあ、長いこと――とはいっても、小説書きはじめて1年かそこらだが。 >人気のない保健室、やりなおしの1  だから、なにを攻略項目としてやり直してきたんだよ?  視点なのか。保健室感なのか。描写なのか。ストーリー展開なのか。  それによって、なにを重点的に指摘すればよいのか変わるわけだ。  すべて同時に指摘してやることもできるのだが、膨大になって大変だ。そもそもいっぺんに山ほど言われても吸収できんだろうし。 >邪眼とか  視線に呪力を込める眼のネーミング。  ざっと思いつく限りあげてみたら、山ほど出てくることが判明。  邪眼。凶眼。魔眼。呪眼。邪眼。浄眼。  ジャンプの漫画で「NARUTO」では、「車輪眼」とか「白眼」とかが発明されている。「瞳術」なる忍術の一体系まで存在している。  そこまで……。一体系を作りあげてしまうくらいまで、やらなきゃいかんということね。  そこまでやって、はじめて、市販できるものとなる。  アマチュアが趣味で書くならともかく、プロが仕事でやるなら、そのくらいまで手間をかけなきゃならんわけだ。 >弟切 >661 1000字課題、弟切、「穴」書き直し、削り&三人称版  ええと、なにを見ればいいのだ?  視点? それとも主人公に感情移入できて愉しめるかどうか?  あといつも思うのだけど、どうしてみんな、課題部屋にあげるときに、字詰めを決めてあげてこないのだろうか?  課題部屋に普通に書かれていると、横の文字数が見る側の環境で変わるから、不定となってしまうよね。  たいていの人の環境では、50〜60字となっているのではなかろうか。  横に長いので、ブラウザ上で見ていると、たいていの行の行頭が揃って見えてしまう。  ほとんどの行が、1行=1段落となって、段落が消失してしまい、かなり見づらい。  僕は課題部屋にあるものをまともに見るために、まずコピーペーストして、エディタ上に持ってきてから見るようにしている。  ちなみに僕がリライトしたものなんかは、整形済みでアップしてあるよね。  あれは何文字目かに改行を入れて、折り返し済み、整形済みにしておいてから、「図/表モード」で書き込みしている。  ブラウザ上でも、著者が意図した通りの適正な字詰めで見ることができるようにしている。  字詰めは、文庫本を想定するなら39〜42だろうけど。  課題部屋用には、38文字でやってくれるとありがたい。うちのエディタ、横40文字でやっているもんで。40以上だと変になってしまうから。  ――それはそれとして。  「痛み感」は、まだダメ。  文章を細切れにすりゃいいってもんじゃない。  痛がっている人間を描写しようとしていてもだめだよ。  読んでいる人間が痛くなるようなものを書かなきゃならんわけ。  いっぺん、手足縛ってやってみるか?  「痛」って言葉を使わずに書いてみるとかね。  あと足をくじいたあとの「悔しい感」もダメ。  読んでいる人間が、ぜんぜん悔しくなってこない。  女の子が出てきて、どきどきする感じは良かった。  これは読んでいてどきどきした。  助けられてラッキー、てな気分も感じられた。  こっちは感情移入できたってことね。  しかし、あのシチュエーションなら、パンツよりもむしろ太腿の白さのほうに、まっさきに目がゆくものではなかろうか。どんな制服かわからんけど、スカートは黒や紺系の色なわけでしょ。だとすると、コントラスト的に目立つ配色ってものがある。  だからこの手のシチュエーションよく使われるぱんつの色は、白なわけだよ。  ぱんつを太腿よりもさらに白くしておけば、それがいちばん目に付く道理だ。  それと、女の子言葉をしゃべる女の子って、どうにかなんない? あまりにステレオタイプだぞ。  2号や巻島あたりなら文句もつけんが、弟切は女なわけだろ?  女性作家が女性のリアルさを描くことを武器にしないで、どーするよ?  「のよ」「わよ」「だわ」――このあたり。  実際に使う女性っているのか? 仮にいたとしても、それ「特殊キャラ」では?  こんどいっぺん、自分と女友達との会話を意識して聴いてみろ。  実際、「だわ」なんて言ってるやつ、いやしねーから。  セリフの語尾を、こうして記号的な「女言葉」にすることで、女の子だと認識してもらおうてな姿勢――あまりに安直でないかい?  あと、フェンスを飛び越えるところ、溜めがないんで、目が流れる。  そのせいで、いつのまにか飛び越えてしまっていて、「あれっ?」と混乱する。  この言いかたでわかるか?  最近巻島には「溜めがない」で伝わるようになったのだが……。  まず感覚で「溜め」とはなにかということがわかっていないことには、この言いかたでは伝わらないのだが。  フェンスを飛び越えさせるまえに、まず目を止めさせて、「ああ。これから飛び越えるんだな」と読者に予感させないとならない。  展開が変化する前には、読者に心の準備をしてもらわないと。  そのための仕掛けが「溜め」といわれるもの。  たとえば、ある人物がキレる展開があったとする。怒りを爆発させるシーンがあるのだとしよう。  キレる前には、怒りのボルテージが上がってゆく展開が必要なわけだな。  前触れもなくいきなりキレたんじゃ、わけがわからない。  怒りが溜まっていって、読者のほうも、「ああこの人もうすぐ切れちゃうよー」とはらはらして、心の準備が整って、それからドカンとキレて派手な言動が飛びだすわけだよ。  心の準備ができているからこそ、愉しめる。いきなり起きたのでは、なにが起きたのかも認識できないので、愉しむどころではない。  「溜め」というのは、ここからきている用語。「溜まってゆくプロセス」てなニュアンスか。  ――で、この場合にも、この「怒りの爆発」のケースほど顕著ではないにせよ、そうした溜まってゆくプロセスがあるわけだ。  この場合には、「フェンスを飛び越えようとする気持ち」が溜まってゆくプロセスなわけだな。  フェンスを飛び越えようとする気持ちが溜まっていないのに、主人公はいきなり、飛び越えてしまっている。  だから読者はついてこれなくなる。一瞬、なにが起きたのか理解できなくなる。  そして理解できなくなったものは、たいていの読者はその場で読み捨てる。  だって他にいくらでも、ちゃんと書かれていて、読むだけで楽に理解できるものがたくさんあるもの。なんだってわざわざ、苦労して汲み取ってやらないと理解できないような出来のものを、読んでやらなきゃならんのさ?  「フェンスを飛び越える」という単純なことを、わざわざ難解に読みにくく書いているようなものに、価値などないのだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 熱烈祝賀神舟五号航天成功 No.7181 投稿日 2003年10月16日(木)23時12分 投稿者 弟切 千隼  お隣の中国が、独自の技術で有人宇宙飛行に成功しましたね。  昨日、中国が有人宇宙船を打ち上げたと聞いた時には、「無事に帰還するといいなあ」と、そればかり願っていました。宇宙旅行は、行くより帰るほうが難しいようですから。  中国語では、宇宙飛行のことを「航天」というそうです。「ハンティエン」という感じで発音します。 新木さんへ > >661 1000字課題、弟切、「穴」書き直し、削り&三人称版  痛み感・悔しい感・女の子が出てきてどきどき感などについてはコメントをいただきましたので、視点に関するコメントをいただけたらと思います。  駄目な部分を修正して、もっと読めるものに仕上げたいですから。    痛み感と悔しい感については、自分でも足りない気がしていました。けれども、どうやったらもっと増幅できるのかわからず、読まれたとおりの出来になってしまいました(;_;)  痛み感をちゃんと書けるようになるために、自分で味わってみようと、手近にあったペンで思いっきり自分の手の甲を突いてみました。  突いた瞬間、思わず「痛い!」と叫びたくなる鋭い痛みがありました。しかし、痛いのはその一瞬だけで、痛みはすっと引いてしまいました。  これは弟切の突き方が甘いのか、と考えて、もっと力を入れて再度突いてみたものの、やはり痛みは一瞬で引いてしまいました。手の甲に血がにじんで、後から少し腫れるくらい強く突いたにもかかわらず、持続性のある痛みにはなりませんでした。  こういう怪我は、捻挫とは質が違うのですね。だから痛みの質が違うのでしょう。  弟切は何回も捻挫をしたことがあります。ひどい捻挫はものすごく痛くて、しかもその痛みに持続性があることを、身をもって体験しています。  その時のことを思い出して、もっと痛み感が出せるように改良します。むろん、悔しい感についても改良します。  女の子の言葉遣いがわざとらしいのは、意識してそうしました。現代の女の子のリアルな言葉遣いをそのまま文字にすると、男っぽすぎて変な気がしたためです。  このあたりの加減は難しいですね。今回はちょっとやりすぎたようです。ここも修正します。 >「溜め」がない  わかりました。  以前、新木さんが巻島さんの作品で「溜め」の説明をして下さいましたね。その説明が、やっと腑に落ちた気がします。  フェンスを飛び越える部分は、自分でも「何か変」だと思っていました。でも、やはり自分では、なぜそうなのかがわかりませんでした。  これが、「溜めがない」ということでしたか。  ここは、主人公がフェンスを越えようとする気持ちを、徐々に高めてゆくことがわかるように書き直します。 >課題部屋に作品を上げる時、なぜ整形しないか  昔、弟切は、友人のやっていた投稿サイトみたいなところに出入りしていたことがありました。(このサイトはとっくに閉鎖されました) その時に、自分では読みやすくするつもりで、作品を整形して投稿したところ、逆に読みにくいという抗議が殺到しました。  これは弟切の整形の仕方がおかしいのかと思いまして、いろいろ整形の仕方を変えて投稿してみました。けれども、あちら立てればこちら立たずという感じで、どんな形にしてもどこかから苦情が来ました。  モニタ上でどういう形で文章を読みたいかは、人により非常に好みが分かれるようです。モニタ上における日本語文章作法は確立していませんので、これは、一般的なマナーや常識で判断できる問題ではありません。  試行錯誤した末に、弟切は、整形せずに普通のテキストのみで投稿するのが一番だ、という結論に達しました。なまじ整形すると、その形が気に入らない人が必ず出てくるからです。  不特定多数の人が読む公共のメモリ空間には、加工しやすいテキストで置いておいて、個々人が読みやすさを追求したければ、各々好きなように加工してもらえるようにしました。 お知らせ:  弟切は明日より出張に出かけます。明日から日曜日(10/19)に帰宅するまで、ここへは書き込めない予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- 「クロッシング書き直し」へのレスとか、いろいろ No.7182 投稿日 2003年10月17日(金)04時43分 投稿者 新木 伸 >弟切 >痛み感とか  シャーペンで手を突いてみたか。  そういうの、俺もやった。  主人公が女の子に思いっきり引っぱたかれるシーンで、引っぱたかれた人間の感覚ってどんなものだか、想像だけではいまひとつ  昔、体罰教師に毎日のように何十発も引っぱたかれていて、充分知っていたはずなのだが……。あれは小学4年の頃の話だったし、もう忘れてしまったし。  そこでうちの奥さんに引っぱたいてもらった。  なるべく一度で済ませて欲しかったので「手加減しないでね」と言ってあったのだが、案の定、無意識のうちに手加減してしまうらしく――。  結局、十発ぐらいやって、ようやく手加減抜きの一発をもらうことができた。  その結果――。  張り手を食らった頬は、「痛い」ではなくて「熱い」と感じることが判明した。あと鼻の奥にじんとくる。なんか電気みたいな臭いがしたな。  張り手を食らった人間を書くときに、「痛い」と書かずに「熱い」と書くことが、リアリティってものなんだよ。  ――で、どうなのよ?  捻挫した人間は、どう感じるものなのよ?  すくなくともそれは「痛い」って感覚じゃないはずだぞ。  捻挫系の痛みは、あれはどう表現するべきかねぇ。  自分の作品で書かなきゃならないなら、僕ももっと必死に知恵を絞るが。  ひとからげに「痛み」というけども、実際には、そのなかに何種類もあるわけだよ。  シャーペンで突いた痛みと、捻挫の痛みとは質が違うわけだろう。また切り傷とか、腹痛とか、擦り傷とかも、それぞれ痛みの種類が違っている。火傷と日焼けの痛みとは似ている。  痛みをただ「痛み」と書いてしまうのでは、その何種類もある差異がすべて消えてしまうのだよ。  だからあのシーンからは主人公の痛みが伝わってこないんだよ。  ただ「痛い」と書かれているだけじゃ、どの「痛い」なのか区別が付かないもの。  俺たち読者は、いったいどの「痛み」を思い出せばいいんだ?  捻挫したことのない人は、おそらくいないだろう。  したがって「それ」は、誰でも知っているもののはずだ。  それを思い出させるためのキーワードを探しだせばいいのだ。伝えるべき「それ」自体は、すでに読者の脳裏に埋まっている。  掘り起こすためのきっかけを投げつけてやればいいだけ。 >整形とか >>不特定多数の人が読む公共のメモリ空間には、加工しやすいテキストで置いておいて、個々人が読みやすさを追求したければ、各々好きなように加工してもらえるようにしました。  それはアマチュアの発想だ。  投稿サイトに投稿する場合には、それで正しい。  だが実戦を想定しての訓練では、かならずしも、正しいとはいえない。  作者は自分の小説がどんな状態で読まれるのか、正しく把握していないとならない。  そして印刷物というメディアは、WEBとは性質が違っている。送り手の意図した通りの形態で読者の手元に送り届けることができる。  WEBという世界は、不特定多数の人が、不特定な閲覧環境で読むための場所であり、そこではすべてが不特定であるがゆえに、書式を特定しないで送りだすという選択が正しい。  しかし出版界では、不特定多数の人が、特定の閲覧環境で読むわけだ。  「文庫本」なり「ハードカバー」なり、ひとつの同じ形態で読むことになる。  ――なら、そこでは「書式を特定する」という選択が正しいことになる。  課題部屋にアップされるものが、すべて字詰めを決めて上げるべき――と言っているわけではない。  長さにもよる。  WEB上で見られるものか、エディタ上に持って行って読まれるものか、プリントアウトして読まれるものか――ということでも変わってくる。  たとえば巻島の50枚もあるリライトは、整形なしで上げておくべきものだな。もし整形してあげてきたら叱っていたところだ。  弟切は課題部屋に上げた自分の課題が、どのような形で読まれるのか、それをちゃんと考えているか?  エディタに移されて読まれるのか? それともブラウザ上で読まれるのか? 印刷されて読まれるのか?  どれだ? >「クロッシング書き直し」 >読む速度とか  以下で話題にしている巻島のリライトバージョン。  あれ、読む人がいたら、何分で読み切れたか計測してくれない?  おそらく15分から30分のあいだに大多数の人間が収まると思うけど。 >巻島 >>634 :クロッシング書き直し 50枚? 削りと増量 その2  ずいぶんとほっぽらかしにしてあったが。  書くと長くなりそうなので、どうしても後回しになってしまうのね。  じつは課題部屋にあがった翌日には読んでいた。打ち合わせに出かける用事があったもので、その途中の電車の中で、プリントアウトを持って電車の中で赤ボールペンを持ちつつ、チェックした。  電撃フォーマットのページ数で換算すると、43ページだった。  いろいろと書きこみを加えつつ読んで、23分ほどだった。読むだけなら15分以内だろう。  思ったより読むのが苦痛ではなく、なんと、それなりに読めてしまった。何ヶ所かは愉しめた部分もあったほど。いい暇つぶしになった。  ちなみに「暇つぶしになった」というのは、これは褒め言葉ね。  小説はそもそも暇つぶしのために存在している。考えてもみろ、わざわざ時間を作り出してまで小説を読むような人間は、そうそういないはずだ。  本当に忙しい最中でも、時間を作って小説を読むような人間は――いたとしても、ごく稀な存在だろう。  卒論や試験が迫っているのに小説を読む人とか。(除く現実逃避)  帰宅が二時で、また明日も8時半には出社せねばならず、7時には起きなくてはならないのだが、そこから睡眠時間を2時間削ってでも読むようなものか? 小説っていうのは?  そうした場合でも、睡眠時間を30分削って風呂と食事くらいは取るかもしれん。だが小説は読まんよな。普通なら。  小説とは、潰す時間がないときに読むものではない。  つまり時間潰しのために存在している。  関係ないが、みやびさんにいま電話したら、ゲームにいそしんでおった。  白魔道士のレベル上げなのだと。  締め切りが週明けの月曜らしいが、ゲームをしておった。  ただしみやびさんの場合は、FF11のノベライズの仕事なわけで、ゲームをしていたのも遊んでいたわけでなく、レベルを上げてスクリーンショットを撮りに行くための仕事なわけだが。  とまあ、このように、ゲームは忙しいときにやるもんじゃないわな。  つまり、暇つぶしのためにあるわけだな。  小説も同じで、暇を潰すために存在している。  巻島の原稿をチェックすることで、俺は電車の中の退屈な38分のうち、23分は潰すことができたわけだ。それはすごいことだぞ。読めないものなら、俺、読まんし。  ちなみにプリントアウトにはA4の紙を11枚ほど使った。  トナー代と合わせると44円相当の出費だな。これはそのうち巻島がデビューでもしたら、その最初の印税で焼き肉をおごってもらうことで精算するとしようか。(このくらい書ける人間は、二次選考以上にはごろごろいるから、ここから先が大変なのだが)  しかし、44円とか――。文庫本が1冊売れて、著者の懐に入ってくる印税ってのがちょうどそんなもんなのよね。そう考えると感慨深いものがあるなぁ。  定価の10%が印税だから、600円の本だと、1冊売れて60円が著者に入ってくることになる。レーザーショットプリンタで15枚も打ったら、もう終わりなんだなぁ。1冊分の対価ってのは。  さて我々プロは、この「60円」を得るためにどれだけのコストをかけて一冊の小説を書き上げているのでしょう?  まあ実際には、同じ作品が何万人にも読んでもらえるわけだが。  しかし著者と一人の読者――という関係で捉えたら、それはやはり、たった60円のやりとりでしかないわけだよ。  まあ、それはそれとして――。  まず初読のときの赤ペンによる書きこみを参照して、ざっと順番に書き出してゆく。  わからなくて疑問に思ったところとか、書き足りないところとか、良いと思ったところとか、いろいろ混じっている。  そのあとで、でかい欠点がひとつふたつあるので、そこを重点的にやる。  まず頭から順に、細々としたものを書き出してゆく。 ○細々とした部分 >>そんなカップルをまじまじと見ていたことに気づいて、  書き足りないところ。  まじまじと、「どこを」見ていたのか。  ふたりの表情なり、握りあった手なり――。  まじまじと視線を据えて見ているというからには、どこか注目しているポイントが一ヶ所あるはずだ。  表情にしても、男の表情なのか、女のほうの表情なのか。表情のなかでもどこなのか。目なのか口なのか。  またはまじまじと二人を見ているが、視線は細かく動いていっているのか。だとしたらそのときの見てゆく順番は?  このあたりの細かな部分を考えていないから、このように表現があらっぽくなってしまう。 >>そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。  ここは良いところ。  なんてことない言葉で書かれているのだが、主人公の頭の中に意中の女性の姿が浮かんでくる様子を、きちんと考え抜いていることがわかる。  とくに、ここの「明るくて頭がよくて」という部分がよかった。主人公と同じように女の子のイメージが心に浮かんできた。追体験というか、主人公と同じ体験をして同じ感慨を味わったというか。  こういうものが小説の醍醐味というものだろう。  ここで主人公の脳裏に浮かんでくるのは、髪、表情、まなざし、笑顔――の順番なわけだな。  うん。そうだろう。そうなるはずだ。  それが人間(男の子)のリアルな思考というものだ。  ちなみに頭がよいかどうかは、目でわかる。  だからここで「頭がよい」と書いても、心に浮かぶのは「まなざし」になるわけだ。つまり「頭がよい」と書くことで、「目つき」の描写となっているわけだ。  あと、ここで「頭がよい」としたのは正解だろう。「良い」を「よい」と開いたところね。  もし「頭が良い」としてしまっていたら、ここはぶちこわしになっていたところだ。 >>燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところから、鈍い光を投げかけてくる。  「ときどき建物の隙間から顔を出す」というのは、歩いていることの描写として良いね。  このあいだ電話で、みやびさんとふたりして感心していた。まっきーもこういうのが出せるようになってきたか、って。  ただ「鈍い光」ってのが、よくわからん。  時折建物の隙間から出てくるのであれば、ギラっと輝く「鋭い光」なんじゃないのか?  俺の頭の中のイメージではそうなっているし、俺だったら、ここは「鋭い光」と書くところだけど。  「鈍い」っていうのは、なにを指しているわけ? >>ここらでは有名な、そして自分とはとうてい釣り合わない、女子高の制服だ。  まず「女子高」って言葉はない。  しいていうなら、「女子高等師範学校」の略語ってところか?  女子校だと、なぜ釣り合わないのかが、わからない。  女子校ってもピンキリだが。  有名ってもなんで有名なのかわからんが。「アホ学校」として有名なのかもしれんし。理事長が汚職をしたので有名なのかもしれんし。  「名門女子校」とかいってくれれば、釣り合わない理由として納得もできるが。  主人公が「自分と釣り合わないと感じている理由」ってのを、もっともっと深く考え抜くこと。  有名だからなのか。学力レベルが高いからなのか。金持ちが通うからなのか。そういうのと関係なく「格」みたいなものにビビってるだけなのか。  どれなのかによって、ここの書きかたは、すこしだけ変わってくるはずだ。  その「すこしの違い」ってのが、まさに読者が食べたがっているものなんだよ。作家ごとに違ってくる「味」の部分なわけ。  ここまでのものなら、いわば誰にでも書けてしまうわけだよ。  好きな女の子がいて、その女の子と釣り合わないと思っている少年――なんてものを書かせたら、まあそれなりの腕がある作家なら、ここまでは誰にでも書けてしまう。  しかしここより先にもう一歩踏み込んで書くと、その作家だけしか書けない味となるわけだ。  白いご飯は誰にでも炊けるものではあるが……。ある店でなければ食べられない「白ご飯の味」ってのが、あったりするだろ。俺、松屋の白が好きなんだよなぁ。あれは松屋でないと食べられないのだ。  作家ってのは、ひとりひとりが一店舗だから、その店でないと食べられない味ってのを作っていかないと、固定客は付かないわけだ。  店に出せる出来のもの(商業レベル)を書ければプロにはなれるが、「独自の味」ってのがないと、そう長いことは生き残れないということ。  どこの店でも食えるものなら、他の店で食べてもいいわけだ。  その店で食わなきゃならない理由なんて、客の側にはまったくないわけだし。  とりあえず、巻島の場合――。  「ビビっているやつ」というものを書かせたら、他の人間よりも、一歩か二歩は抜きんでたものが書けるわけだよ。そしてうまい具合に、この話では、そのあたりが主題にもなっている。  そこは磨いておけ。  びびる心境っていうのは、少年期と青年期に特有の心理で、誰にでも共通体験として訴えかけられるものだ。誰にでも感情移入してもらえるということ。  びびっている主人公を読みたかったら、うちの店に来るしかありませんよ。――ぐらいなことを言えるようになっとけ。それはお前の武器だから。 >>亮介は首を前に戻すと、勢いそのままで目の前のコンビニに駆け込んだ。 >>棚の間を通り抜け、店の奥まで来て止まる。心臓の動きがぜんぜん治まらない。胃の上のほうが痛い。全身に変な汗が噴き出てくる。息がなぜか上がっている。店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。  ここはまだ溜めが足りない――っていうか、別の意味で目が流れてしまう。  コンビニに駆けこむところは突然の行動でよいわけだ。主人公にしてもこれは意識しての行動ではないわけだから、自分でもなにをやっているのかわからないで混乱している。そして同じように読者にもなにが起きたのかわからず混乱してもらうというのは、これは正しい感情移入の形といえる。  ここで足りないのは、「コンビニの中を突っ走っている感」かな。  足が勝手に動いてコンビニの中に突っ込んでいったわけだろ。店内を通り過ぎるあいだにほんのわずかに自制が戻ってきて、ようやく店の奥で止まれたわけだろ。  ――そういうことが、ぜんぜん伝わってこない。  そういう心境を読者に体験させろ。  俺は読み取れたが、これもじっくりと分析してのことだ。  普通の読者はそういう読みかたはしない。  通常の読む速度だと、1分で3ページなわけだよ。これは1行につき約1秒って速度だ。個人差はあるだろうが、遅い人間でも1行3秒ってなところだろう。  その速度で読みつつ、上記のようなことがわかるように書いてくれ。  ちなみに、その方法としては、下のほうで書いてある。  「足りないプロセスをきちんと補う」というもの。 >>心臓の動きがぜんぜん治まらない。  「治まる」は、これ、誤字だな。  「怒りが治まる」とは書くが、鼓動なら「収まる」のはずだが。 >>体は全然、覚悟ができてなかったらしい。  ここは大変に良い。体が覚悟できてなかったということ。  心と体が別々だということは、巻島にとってはすごく当たり前な感覚なわけだな。しかしそれは普通の人には、めずらしい考えかたなわけだ。  それでいて、いざこういうふうに表現されてみると、自分の経験と照らし合わせて、なにか思い当たる部分もあったりするわけだ。  「ああ。ああいうときあの感じってのは……、そうか、そういうことだったのか。体が覚悟できてなかったってことなのね。そうだそうだ」――とかね。  自分でもなんとなくわかっていたことを、はっきりと表現してもらえるということは、一種の知的快感なわけ。それを提供するために、作家は、読者の数倍ほど深く、物事に対して考え抜いていないとならないわけ。 >>有希の、一点の曇りもない目が、亮介の顔に向けられた。体じゅうの血の温度が、すごい角度で上昇していく。  ここも良い。  「一点の曇りも〜」と「すごい角度で上昇」という表現とが、やや大仰なのだが――。  ただこういうふうに、主人公の心理にノレているときには、その大仰さが良い方向に転ぶもの。  この同じものを醒めているときに読ませられると、逆に鼻についてしまうのだけどね。 >>……ぜんぜんごまかせてなかった。  ここの記号の使いかたは良い。  冒頭からここまで、何ページにも渡って、ストイックに記号を使わずにきたからこそ、ここで初めて使う記号が生きるというものだ。  この記号は削れなんて言わない。この「……」は、絶対にここに存在しなくてはならないものだ。  記号、使うな、と言った意味がわかっただろ?  使うべき時に使うために、使わなくてもいいときには、使わずにおくんだよ。 >>「なんか、こうやってふたりで帰るのも久しぶりだね」  この台詞のなかで、「久しぶり」がなぜ漢字になってしまっているのか、理解不能。  漢字にしないと言葉の句切り位置を見失うような場所でもないし、難しい言葉をわざと使うようなキャラでもないし。  「有希にははなした」→「有希には話した」とか、このような見た目の問題でどうしても漢字になってしまうケースもある。しかしそういうパターンと違うだろ。ここは。  ためしに開いてみそ。  両方を見比べたうえで、漢字にすることを選択するのなら、なにも言わんが。  おなじように、「その割に会わないね」なども、「割」を漢字にする必要があるのか疑問だ。  どうやらこれは……。  台詞はすべて見直しをかけてみたほうがいいなぁ。  不必要に漢字を使っていないかどうか。開いてしまったほうがすっきりするところはないかどうか。総チェックだな。  ライトノベルでは、地の文と台詞とは、漢字の開きかたのルールを変えるのが一般的な用法だ。漢字使用率の違いで、台詞を目立たせるという効果が得られる。  また登場人物の年齢が十代になることが多いので、そう固い口調にならないということもある。  またキャラごとに開きかたのルールは変えたりもする。  たとえば学者がしゃべるなら「久しぶり」にして、普通の女の子がしゃべるなら「ひさしぶり」と書くことで、キャラ立ての役に立つ。  ガーディスは漢字多めで、王女と主人公と有希とは漢字少なめ――と変化をつけるだけで、その台詞が誰のものなのか一見して判別できたりするだろ。  またガーディスと主人公たちとの年齢の違いなんかも表現できるだろ。 >> ゴガッ。 >> そのとき、コンクリートブロックを転がしたような音がした。亮介は音のしたほうを見やる。 >> 路地の奥はT字路になっているが、その正面の壁が谷型に砕けていた。瓦や壁の残骸があたりに散らばっている。 >> その残骸にまみれて、人が倒れていた。 >> 全身が赤い。と言っても血の色じゃない。もっと鮮やかな赤だ。全身タイツかなにかだろうか。変な格好だ。  ここ、音がしてから、人が倒れていたことを知るまでに、まだ溜めが足りない。  日常から、非日常へと移行してゆくわけだろ。その最初のプロセスだわな。  はじめ、なんでもないと思っていた心理から、「ひょっとしたら、なにかが起きているのでは?」と変わってゆくわけだ。  そして「なにかが起きている」から、こんどは「人が倒れている」になってゆく部分なわけだ。  平和な日本人の心理から、宇宙人が死闘を行っている戦場までは、何段階かあるわけだよ。「人が倒れている」の先にも、まだ何段階もあるわけだが……。  とりあえずこの部分では、そのうちの最初の3つをやるところなわけだ。  しかし一個抜けている。「なにかが起きているのでは?」という部分がしっかりと書けていない。  音がしてから、いきなり、「人が倒れている」に繋がってしまっている。これでは不連続だ。読者は置いてけぼりにされてしまう。こういう細かな部分の配慮が足りないことで、読者は読むのをやめてしまうものなんだよ。  足りないのは、分量にしたら、1〜3行ってところかなぁ。 >> その残骸にまみれて、人が倒れていた。  「人」――と確定してしまうのはどうだろうか。  身長2メートルはある巨人なのだろ? ついでに全身タイツで覆っているわけだろ? さらに身動きしないで横たわっているわけだろ?  ウルトラマンの着ぐるみのような物体があったとする。全長2メートル大のサイズだったとする。それがごろんと地面の上に置かれているとする。  ――それを見た人物が、いきなり「人」と識別しちゃうもんかなぁ?  大きさと表面の様子と、あと動いていないことから、まず店頭ディスプレイ用の人形かなにかだと思うのではないか? 家や塀が崩れているのは、運ばれている最中のトラックから落下したとか、なんとか……。  読者として読んだ俺と、あと俺の中の仮想読者のほとんどが、いきなり「人」と断定されていることに「嘘だぁ」と異を唱えているが。 >グレーとか赤とか  ここからしばらく、グレーとか赤とか緑とか。そんな呼びかたをしているが。  そのせいで、ぜんぜんわからん。  なにが起きているのか掴めなくなる。  この戦闘部分の問題に関しては、けっこう大きいので、あとで別に解説することにする。 >> 一瞬、顔をしかめてから、亮介も有希に続く。 >>「あの、大丈夫ですか」  二人組と、二人組とが、争っていたわけだな?  そして片方が片方を暴力によって打ちのめして、決着を付けたわけだな?  普通、近づかないぞ。  だってどっちが悪いやつだったのか、わからないもの。  悪人と警官とが争っていて、勝ったのは悪人の側なのかもしれないじゃんか。  これはヤクザ同士の抗争であって、片方のヤクザが、もう片方のヤクザに勝ったのかもしれないじゃんか。  普通の人の反応としては、とりあえず近づかないようにするわな。  そして警察を呼ぶ。  声をかけることと、関わりあいになる選択をすぐに行ってしまうということは、有希が大胆な性格であるとすれば解決することだが……。  しかしそれでも、この時点では、有希はまだ中立の立場であるはずだ。  勝った方に心配した声をかけるはずがない。どちらかといえば倒されてるほうを心配するはずだ。「殺しちゃったんですか!?」とか、勝ったほうに詰問するというなら、正義感ゆえの行動と理解できるが。  なぜに、いきなり、勝ったほうの心配をしている?  ここを解決するには、それまでに有希の心情を変化させておけばいい。  赤とグレーの側に味方するような心理に持っていっておくわけね。  たとえば戦闘のさなかに、赤が有希と亮介をかばうような行為を取っているとか。そうすれば有希は赤とグレーの側に味方しているはずなので、勝った側の心配をしていても変ではない。 >>有希がふたりの体を揺すってみる。なんの反応もない。白目を剥いてしまっている。 >>「一応さ、警察か救急車か、呼んだほうがいいんじゃないの」  このあたりの反応がリアルではない。  いままで目の前で動いていた人間(?)が急に倒れたのなら、もっと慌てるはずだが。  というか、慌てるのも変だな。  こういうときは、まず人は呆然とするもの。  頭では「救急車でも呼ぶべき」とちゃんとわかっているのだが、なかなか、実際の行動に結びつけられないもの。そしてそんな自分のことを歯がゆく感じていたりするもの。  実際、俺も、このあいだ駅のホームのエスカレーターで、爺ちゃんがバランス崩して転がり落ちる場面を目撃したのだが……。  「エスカレーターの非常停止スイッチを押そう」と頭では考えているのだ。そしてあの赤いスイッチを目で目視していて、ちゃんと場所も見つけているのだ。なのにどうしてか、体がスイッチを押しに行かないのだ。「なぜ俺はスイッチを押さないのだろうか?」とかいぶかしげに思いつつ、ただ突っ立っているだけ。  その金縛りが解けたのは、「止めてー!」という金切り声が聞こえてきたとき。そのときようやく体が動いてくれて、スイッチを押すことができた。  もう2〜3秒ほど早く押せたはずなのだが。  漫画や映画やドラマやアニメや小説では――こういったシーンでは、よく、臨機応変で行動力のある人間が一人いて、呆然としている皆を一喝するというシーンが見受けられる。  呆然としている人間であっても、一喝してきっかけを与えてもらえれば、頭ではわかっていた「なにをするべきか」ということを行動に移せるのだな。  ああいったシーンでは、つまり、人間心理のそういった部分を描いているわけだよ。  ちなみにこういった現象を、言葉で簡潔に表すと、「我に返る」となるわけだが。  ひょっとしたら、巻島もここでそういうことを書いているのかもしれない。ビビり関してはエキスパートのはずなので、俺に言われるまでもなく、そんな人間心理はとっくに承知しているのかもしれない。  このときの主人公があまりに普通であまりに無反応すぎるのだな。  意図的に無反応にしているのでなかったら、いくらなんでも、これではおかしすぎる。  しかし、そうだとわからない。意図的なのか天然なのか、なにかの描写になっているのか、まるで区別が付かない。  ただ単に、まるで動じていないようにも見えるのだ。  驚きすぎたときの不感症状態というものを書いているつもりなら、もうちょっと、それがわかるように書け。 >>『シュリア様』 >> 突然、叫び声が聞こえた。すごく大きな声だ。近くで誰か叫んだ人でもいるのか。 >>『どこにおられるのですかっ』 >> また聞こえた。声はこの空間に反響している。まるで、自分が叫んでいるような、反響の仕方だ。  このあたりから、しばらく、有希とその中の姫様と合わせて四人で話をして、それぞれの部屋に荷物を取りに向かうまで――。  とくに問題がない。異常な事態を徐々に理解してゆくプロセスがちゃんと描けている。  前半であんなにボロを出しまくっているのに、このあたりから急にまともになっているのが不思議なほど。 >>なんとなく動きが機敏に見えるのは、こっちがあまり乗り気じゃないからか。  ここ、書いてあること自体はいいんだけど。  これでは、なんのことだかわからない読者が3割ぐらい出てくるぞ。  もうちょっとだけ説明が必要。  読点(、)で二つの文を繋げちゃうと視線が流れてしまう。句点(。)でもって、別々に区切るべきだろう。  ここでは3段階のプロセスがあるわけね。  有希が機敏に見えるという現象。  その理由に主人公が気づいたということ。  主人公の気づいたその理由を読者に提示する。  この2番目が抜けてるわけだ。  ここが短絡してるので、3割ぐらいの読者が読みこぼす。  あらゆる読者に伝えるためには、ここでは、このように3段階のプロセスが必要なわけだ。 >> 訊き返したそばから、亮介は体が浮き上がるような感覚に襲われた。 >> 頭がぐぅっとうしろに引っぱられる。意識があるのかないのか、もうなにがなんだかわからない。心地よさと苦痛が混ざり合った液体のなかに浸かっている気がする。視界が隅のほうから、だんだん暗くなっていく。 >> しかし完全に暗くなる前に、侵攻は止まった。今度は、中心部に残っていた光が、闇を押し返していく。視界がまた晴れていく。浮遊感が収まっていく。  このへん。体を乗っ取られてゆくプロセスが、いまひとつよくイメージできん。  気弱語が多いのと、相反する概念が出てきたりするからかな。  「心地よさと苦痛が混ざり合った」ってのがどんなのだかわからんし。  「液体のなかに浸かっているような気がする」とか、ここなんて二重に気弱語だし。  「ような」と「気がする」でもって、ばっちりと二重ね。  液体の中に浸かっているような――ではなくて、本当に液体の中に浸かっている感覚では、いかんのか?  はっきり「液体に浸かっている」のだと決めてしまえば、描写のほうも「手足が冷たい水に浸かった感覚があった」とか、まったく気弱語を使わずに書き直すこともできるはずだが。  なぜ水の中に使っている「ような」――とか、気弱語を使う?  水の中なのか、違うのか。  はっきりしろ。はっきり。  気弱語が出てしまう、その理由。  それはお前が主人公が感じている感覚のイメージを定めていないからだ。  決めることから逃げているため。  決めろ。  なんでもいいから。  決めないかぎりまともな描写などできん。  あと、読者としては、せっかく主人公の感覚に入って感じたいところなのに、「視界」とか、客観語が混じっているのもいかんな。  これも感情移入を妨げている。  この体を乗っ取られるシーンあたり、丸ごと書き直しね。  まずイメージを定めるところから。 >>中心部に残っていた光が〜  視野が暗くなってゆくことを書いているのに、ここも矛盾している。なぜ中心部に光が残っているのだ?  いまこの時点の読者の脳裏には、暗く閉ざされた視野しか浮かんでいないぞ。  光が残っているのなら、まず、そのように書かないと。  ここのミスのパターンは、上でも書いたように、理解させるためのいくつかのプロセスがあるのに、それらをすべて読点(、)で繋げてしまっているために目が流れてしまうというのと、同じミスだな。  他の部分の描写はそれなりにまともなのに、こうして、ちょいと普通と違う状況になると、とたんに破綻してしまう。  まだまだ描写力がないってことだ。  こうした「普通じゃない」ところを書くときには、腰を据えてやるようにしろ。 >>上半身を突き出したつ≠フ字の姿勢になる。  意味がわからん。 >窓から飛び出すところ  このへんは良い。香港映画ばりのアクションを勝手にやらされて、焦っている感じにきちんと乗れる。 >>「って、ここ二階ぃぃぃいっ」  この有希の声は良い。 >> 亮介の体が、有希を抱えて左に跳ぶ。こんなときとはいえ、普段触りたくても触れない有希を自分の手が抱いているのは、なんだか変な感じだ。  こういうところは良い。 >境内まで  ここからしばらく、神社だか寺だかの境内における戦いのところまで良い。  なんだか、いきなり読めるようになった。書いているうちにアクションシーンのスキルアップがあったのかもしれないが、理由はたぶん、べつなところにあるのだろう。  ようは、主人公が傍観者でなくて、当事者となっているからなのだな。傍観者の立場でしかない主人公と、当事者である主人公とでは、読者の注意を喚起する吸引力が一桁ぐらい違ってくる。  最初のときの戦闘シーンが読めないものになった理由は、のちほど考察する。 >>言いながら、有希の左手がスカートのなかに伸びた。そしてその手で、制服のブラウスの裾を引き抜こうとする。  スカートのなかに手が伸びたのなら、脱ぐのは下着になるはず。  それなのになんでブラウスなの? ――と、読者はぽかんと疑問に感じるだろうな。  これは書きかたが悪い。 >>ブラウスは胸の上まで捲り上げられていて、下着が丸見えになっていた。街灯の明かりのなか、淡い黄色をしたそれ≠ェ、背中を横断しているのがはっきり見える。肩甲骨の出っ張りが、妙にいやらしい。普段なら絶対目を逸らすんだろうけど、宇宙人のせいでそれもできない。  「ブラ」と言うことができないのに、しかし「下着」とは言えてしまう感性ってのが、よくわからん。  地の文でさえも直接書くことをはばからせるようなウブさを出したいのだろうが、もうちょっとなんとかしろ。筋を通せ。その路線でかまわないから。  あとここで「下着」と書くと、上記の「スカートの中に手を〜」と組み合わせて、パンツのほうが丸見えになっているのだと誤読する読者が出るだろうな。かなりの数。  どうせならパンツ脱がせようとさせたら?  そのほうがインパツトあるぞ。  なんか理由が付けばいいんだよな。宇宙人にしてみたら、ブラウスとかスカートとかは構造がわからなくて脱ぎかたがわからないから、めくってはみたけどよくわからないからやめちゃって、そして脱ぎかたが唯一判明しているパンツから先に脱ぐことにしたとか、なんとか。 >服を脱いではいけないということがわからない宇宙人、説明するシーン  ようやく宇宙人らしい「常識の相違」が出てきたわけだ。  服を脱いではいけない。→地球人にとっての服とは、宇宙人にとっての「体」のようなもの。→宇宙人の文化の説明  そう繋げてゆくのはうまい。この連携技のおかげで、一連の説明シーンも飽きずに読める。 >>「じゃあ春名は納得できるのか? 俺たち、巻き込まれたんだぜ」  覚えとけ。  登場人物の名前を変更したときは、エディタの機能を使って一括置換するもんだ。  「春名」→「有希」と一括置換するだけで、確実に変更できる。このような初歩的なミスを出さないで済む。 >ラストまで  話し終わって、また移動を再開するまで。特になし。  ただしこのあと、また同じように戦闘とかだと、ダレるな。同じことの繰り返しだと飽きてくる。  プロットを見てみると……。  次は、戦闘現場で死体を確認している敵のシーンがあって、その後は、夜の山中で落ち着いているシーンとなるわけだな。  うむ。問題なし。 ○大きな問題  まず最初の戦闘の戦闘シーンが読めたものになっていない。  これには二つの理由がある。 ・主人公が傍観者になってしまっていること。 ・赤とかグレーとか。色の問題。  ひとつめは、主人公が傍観者になってしまっていること。  プロットを見ると「巻きこまれる」と書いてあるにも関わらず、主人公、ぜんぜん巻きこまれていない。  目の前で勝手に戦っていた連中が、勝手にその戦いにケリをつけただけ。  そうしてすべてが終わってから、「大丈夫ですか?」と声をかけてみたところ、ピカッと光るなにかを向けられただけ。  ついでに言うと、「宇宙人同士の戦闘」にもなっていない。  主人公は最初は外人の撮影と思っていて、最後のほうでは、たぶん、変な全身タイツを着た外人さん同士の私闘――あたりだと思っている。  「宇宙人かもしれない」なんて、露ほども考えていない。  プロット通りにやっていないのが、読めない原因のひとつなわけだ。  この本文からプロットを逆に起こしたら、以下のようになってしまうところだ。 ・変な格好をした外人たちの戦いを見守るふたり。 ・やがて決着が付く。 ・勝った側に話しかけるが、変な物体を向けられる。それきり倒れてしまって動かなくなる変な人たち。 ・救急車を呼ぶために家に入ってゆく主人公。  ――これを見るかぎりだと、ぜんぜん、おもしろそうには思えないだろ?  だから、おもしろくないんだよ。この戦闘シーンは。  どうすれば良いのか。  プロットに戻れば良いだけ。  プロットにあるのは、「宇宙人同士の戦闘に巻きこまれる」という内容なわけだ。  まず「巻きこまれる」ということのほう。  いくつか手はあるだろうが――。  まずひとつは、傍観者ではなくて、実際に、主人公たちの身にも戦いの影響が及ぶようにするという方法があるわな。本当の意味で文字通り「巻きこまれる」わけだ。  前のほうの細部の指摘ですこし書いたけど。  赤とグレーとの心情的に味方と感じるようになる――ということとも絡んでくる。  たとえば、赤いやつが傍観を決め込んでいる主人公たちのほうに走ってくるシーンがあるわな。あのときに巻きこまれるようにするとか。  緑の連中が主人公たちを邪魔と感じてか、腕で薙ぎ払おうとして、赤がそれを妨害するように動いてくるとか。主人公たちが「助けられた」と感じたなら、その後は心情的に緑が悪であり、赤が正義であり――と、そう条件付けが完了するわな。  巻きこまれかけたが、赤のおかげで救われる。そして赤を味方と認識して、心情的に赤を応援するようになる。――そういう仕組みだ。  または、こうして実害が及んで直接的に巻きこまれるのではなくて、別の方法もある。  「傍観者」の立場から抜け出せばよい。  ここで最大の問題点は主人公が「中立の傍観者」であるということだ。  ナイターの野球場にいる「非野球ファン」ほど、身の置き場のない人間はいないもんだろ?  実際に試合をしている選手にはならずとも、どっちかを応援している「野球ファン」の立場になれば、それは充分「当事者」と呼べる存在なわけだ。  主人公たちが心情的に赤い側を応援すればいいわけだ。  上の例では「助けられる」という直接の行動から赤を応援するようになったわけだが。他にも手はある。  赤がグレーをかばっていることを、もっと明確に読者に伝える手はないものかな?  もっとわかりやすい形で。  「ポケモン」や「アンパンマン」や「とっとこハム太郎」を観ている子供にでもわかるような、そんな明確な形で。  幼稚園児と、中高生と、大学生とで――人間の認識レベルなんてものは、そうそう変わりゃしないのだ。大人に通用する話を書くためには、幼児にも通用にするように書かなきゃならない。  たとえばグレーの体を、他よりも一回りほど小さくするとか。  もしくは、はじめから大きな怪我をしているとか。腕一本ないぐらいの大怪我ね。  そんな弱々しくて小柄で、しかも怪我までしているグレーをかばって――赤は自分も満身創痍になりながら戦っているわけだよ。  そして緑のほうは全員がピンピンしているのだ。  その人数も2対2なんてことじゃなくて、3対2とか、いっそ4対2とかにしたらどうだ?  緑のほうは大勢でもって、怪我をしながらもかばい合っている健気な少数のほうをいじめにかかっているわけだよ。  ――な? これならどう見ても「悪」だろ?  そうした構図を用意できたなら、主人公たちは、赤とグレーの側を応援する心境になってもいいはずだ。  これもじつは理屈に見合ってないんだけどね。  小柄だったからといって――。少数だったからといって――。怪我をしていて負けそうだからといって――。  だからといって、そちらが「正義」であるとは限らない。  ひょっとしたら、宇宙刑事が大変凶悪な宇宙犯罪者を追いつめて、まさにとどめをさそうとしている瞬間に立ち会っているのかもしれない。  だがしかし、日本人の心理として「判官贔屓」というものがある。  「負けている側を応援する」というもの。  すくなくとも日本人に向けて書く以上は、それを利用して構わない。「弱そうで、負けそうなほうが正しい」――でいいだろう。  ただし、アメリカ人とか、別の国の人に向けて書くときには注意すること。  もしかして別の国では、「弱くて負けそうな側が悪」というのが「常識」となっているかもしれないから。  あと、この戦闘シーンでは、もう一点ほどある。  赤、グレー、緑、緑――と。  合計で4体が登場しているわけだが。  わからん。  区別がつかん。  なにが起きていて、どれがどう動いているのやら。さっぱりだ。  「赤」と「緑」とが同じ漢字一文字なので、混ざっちゃうんだよ。  あと巻島は、色の持つイメージというものについて、まるで無関心なのだな。  善の側っぽい色とか、悪の側っぽい色とか、そういうものって――あるだろ。  護衛騎士が赤で、王女がグレーってのは、そりゃないよ。  セオリーにない。  騎士が純白で、王女がピンクとか。(騎士っぽい色と、女の子っぽい色)  騎士が赤で、王女が純白とか。(カッコいい色と、清純そうな色)  騎士が赤なら、王女がオレンジとか。(同系色で、より強い原色と、柔らかい混合色)  騎士が銀色で、王女が金色だとか。敵が緑とか。(高そうな金属色と、安そうな量産ザク色)  そういう色配置とか、色設計とか、すこしは考えろってーの。  モビルスーツの色にでも学べ。  色彩だけみても、そのモビルスーツがジオン側か連邦側か、わかるもんだろ。  2系統に色を分けるのであれば、こんなパターンがある。  派手な色 ←→ 地味な色  金属色  ←→ 通常色  無彩色  ←→ 通常色 (無彩色っていうのは、白、黒、灰色などの、色のない濃淡だけの色のこと)  「赤」と「グレー」が味方で、「緑」が敵――ってのは、セオリーにないもんだから、よくわからんわけよ。  ただ同じ色配置であったとしても――。  「真紅」と「灰色」が味方で、「モスグリーン」が敵というなら、まだ視覚的に判別も付く。漢字2文字なのは「味方」で、カタカナでやらたと長いほうは敵――と覚えればいいわけだ。  もしくはその逆で、「レッド」「グレー」――「緑」「緑」と書くとか。  4体も入り乱れる戦闘を読ませるのだから、個体識別をするにあたって、読者の負担を少しでも減らす工夫をしろっての。  ――ということで、最初の戦闘は、主人公が関わっていないということと、4体の区別が付かないという二つの理由から、まったく読めないものになっているわけだ。 >キャラが立っていないこと  主人公のキャラは良い。  有希のキャラも良い。  主人公(及び作者自身)の理想像を転写したようなものだから、ある種、主人公の対極となった性格なわけだな。  迷わない。悩まない。逃げない。ダメ人間の反対はカッコいい人間――ということで、ダメを極めたまっきーは、同時にカッコいい人間も書けるということが判明したわけだ。  もっと自覚して、磨くように。  有希はもっとどんどんカッコよくしてかまわんと思う。「自分の性格がこうであったならー!」という理想をどんどん込めてゆけ。  ガーティスのキャラは……、主人公と思考パターンが似すぎているのだが……。  まあ、ラストで融合するということを踏まえると、「主人公が自分の中の壁を乗り越えた先にいるような存在」てな意味合いを考えて、似ていることの必然性は出てくる。  単にキャラパターンを一つしか持っていないだけだろうが――。この場合には、うまく作用している。  姫様のキャラが問題。  生きてない。死んでる。  有希との対比とか、ガーティスとの対比とか、そういうものを考えて、どういう路線であるべきなのか、まず理詰めで考えるべし。  そこから具体的な肉付けが必要だわな。  この姫様は、プロットによれば、中盤以降からだんだんと逃げはじめてゆくことになるのだろ? 自分の宿命とか、重荷とか、無力感とか、そんなことに耐えきれなくなって逃げはじめるキャラなわけだ。 (初期)決して逃げず迷わないガーティス。 (中盤)やはり逃げないで貫き通す。 (終盤)やっぱり逃げないまま。 (初期)迷わず逃げない有希。 (中盤)……不明…… (終盤)……不明…… (初期)逃げようとするけど、踏みとどまろうともしている主人公。 (中盤)逃げちゃだめだと思いつつ、どうしていいかわからない。 (終盤)逃げないことに決める。 (初期)……現在不明…… (中盤)逃げてしまう? (終盤)逃げないことに決める。  このへんのキャラの推移表を埋めて、きっちりと、対比が取れているのか確認しろ。  誰と誰がどう対比しあっているのか。  たとえば主人公とガーディスとの関係が、「レベルアップ後の主人公」=「ガーディス」という関係となるのであれば、有希と王女のほうも同種の関係で結ばれるとか。  「レベルアップ後の王女」=「現在の有希」という関係でもいいし。  「レベルアップ前の有希」=「現在の王女」という関係でもいいし。  もしくは「レベルアップ後の有希」=「現在の王女」てな関係もあるだろうが。これだと王女は逃げるような人間にならないから却下だな。  「レベルダウン前の有希」=「現在の王女」ってのもあるわな。  前々から指摘していたけど、はっきりさせないまま書き出してまったツケが、いまごろ回ってきたわけだな。  話の中で、変化するキャラは誰で、変化しないキャラは誰で、どの段階でどんなふうに変化してゆくのか、表にしてまとめけおけとか――言わなかったっけ?  ――で、大きく変えるのも大変なので、王女は序盤逃げないが、中盤で逃げはじめて、終盤では立ち直るという現在の展開を使うのだとする。  しかしお前がサボっているのが、現在の王女の心境がどんなものか考察していないということ。  王女という人間は、この先、逃げることになる人間なわけだろ?  ならいま現在の心の状態というのは、「逃げちゃだめ」と自分を励ましている状態とか、なんかそんな前触れの出ている状態なはずなのだ。  そういう心の状態にあるキャラになっていない。――てか、ぶっちゃけ、何考えてるのかさっぱりわからん。  いちど、王女の言動だけ追いかけて、その部分だけを読んでみな。  「シュリア」とかいう単語で検索かけて、王女の言動だけを追いかけてゆくんだよ。  そうしたらわかるから。  その場その場で、まわりの発言に適当に調子を合わせているだけで、一本、芯の通った言動をなにひとつしていないから。  たとえば、こことか――。 >>「うん。それよりさ、わたしたちは攻撃とかできないの?」 >>『わたしにはそういう能力はないから。だいたい、自分で攻撃する王女なんていたら、護衛の意味なくなっちゃうでしょ』  自分に攻撃力がないことをズバリと指摘されて、お茶目に言い返してる場合かっつーの。  これ王女にしてみれば、もっとも突かれたくない急所なんじゃないのか?  たしかこの王女は、自分が厄介者だと感じていて、ガーティスに迷惑をかけたことを気にかけていたんじゃないっけ? >>『あのとき、私たちの体が傷ついていたのは見ただろう。もうあれ以上、もたなかったんだ』 >>『かなりオマケして見てるんだけどね。本当はまだもったし』  ここなんかも、現地人の体を無理矢理奪い取ったことに関して、なにか感慨はないのか?  あと体のコントロールを強制的に奪って、二人で走って逃げているとき。  うきうきしているように見えるのだが。かなりピンチなわけだろ? スペックの劣る地球人の体に逃げ込まざるを得なくて、そこから出る手段はいまのところなくて――。  それでウキウキしていられる神経って、なんだよ?  まあ、そういうキャラがいてもいいのだが……。  しかしそういうキャラなら、中盤以降で逃げたりせんだろ? そんなに神経細くないわな。  中盤以降で逃げるようなキャラだったり、ガーディスに負担をかけていることに悩むような繊細なキャラであるなら、現地人の体を乗っ取ったときも、「なにもこんなことまでして生き延びなくたって……」とか、ついガーディスを責めてしまうような台詞のひとつもあるだろうさ。(いっそ敵に掴まってしまって、楽になってしまいたいという深層心理の表れってことね)  あと走って逃げているときなんかも、ウキウキと猛スピードで走るのではなくって、つい遅れがちになってしまってそのたびにガーティスに怒られてしまうとかさ。  なにか、そういうものが、あってしかるべきなのだが。  こういう部分が、まるで、人間の反応をしていないところなのだよ。  王女の心理に入って、いまどういう状況なのか。なにを感じているのか。そういうことを汲み取ってみろ。  サボるな。逃げるな。  べつに苦境でウキウキしてるようなキャラでもいいから。  それならそれで、一個の人間として、きちんと筋を通せ。 -------------------------------------------------------------------------------- 晴れ、ときどき曇り No.7183 投稿日 2003年10月17日(金)13時31分 投稿者 名無し君2号  小説修行の日々です。たまにさぼっておりますが。  なんか前に進んだと思ったら、すぐに壁にぶつかって。ときおり後ろに戻っているような気もしますし。  もっともっと小説を読んでくればよかったよなあ、と切実に思います。若い頃と年食ってからでは、吸収力が全然違う。ちっとも身につかない。 >弟切さん >No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字) >>読んで欲しいものの中に、「大人のつらさ」と「子供のつらさ」がありますよね。 >>「大人のつらさ」のほうはわかりました。ピーターパンに譬えられている男性のほうが、自分で自分を養う苦労をしなければならない大人になりたくない、と駄々をこねている様子が出せていると思います。 >>しかし、「子供のつらさ」のほうはわかりませんでした。  はい。言い訳します。  ピーターパンにたとえた男性が「子供」のつもりなんです。  なので、ピーターパンの「大人になりたくない」という悩みが、「子供のつらさ」。  じゃあ「大人のつらさ」はどこにいったのよ、となりますが……シンデレラの女性にまかせたつもりでした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「いつかきっと、あたしを救ってくれる王子さまがあらわれるのよ」 「救うって……どこから?」 「終わりなき日常」 「なにをいってるのかわかんないよ」 「いまのあたしは、本当のあたしじゃないのよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  というセリフあたりで表したつもりでした。  仕事も生活もそこそこ、でもなんだか生きてる気がしない……といった感じがでれば、と思っていましたが。まだ足りなかったようです。  そもそも、この悩みは「大人のつらさ」に入るのか、と言われれば。「子供のつらさ」なのかもしれない。 >>そもそも、この女性の素性がよくわからなくて、弟切は違和感を持ちました。 >>この女性は社会人ですか? 学生ですか? 社会人なら学校を出てからどのくらい経つのでしょう? どんな職業に就いているのでしょう? 仕事は忙しいのでしょうか?  社会人です。学校を出て5年ほど。職業は……詳しくは考えてませんでした。ただデスクワークとだけ。クリエイティブではない。経理でもないな。庶務あたりです。  仕事は、まあ普通に毎日残業一時間。  ……残業一時間は普通じゃない可能性あり。私の感覚だと、一時間程度の残業は当たり前だったりするのですが、どうなんだろうか。調べなきゃならないな。 >>こういった具体的なことがわからないと、この女性がやたら「いい男が欲しい」と言っている理由がわからなくて、読み手としてはいらいらします。  すみません。「いい男が欲しい」に関しては、「シンデレラ」という設定に引きずられた感があります。 >新木さん >>なにやら最近、小説のことにかけている時間が減少しているような気がするが。  ハッとしました。  気が抜けていたようです。壁に当たるたびに、「あとどのくらい越えればいいのだろうか」やら、「おれって力ねえなあ」やら、なんだかいろんなことを考えてしまい、力が抜けたりなんだり。 >>ずっとやっていると飽きがくるというのは、そういうものであって、それが人間の性質であるわけだが。  これも飽きなんですかねえ。  ……飽きてるから余計なことを考えるのか。 >>ざっと見たところ、いま2号は――。 >>ほぼ完全にドシロウトからスタートしていて、プロとしての最低水準のスキルを得ることを当面の目標としたとして――。 >>すくなくとも、その10分の1ぐらいの道程は踏破してきたんじゃないかなぁ。 >>もう20%きている――ということはないだろうし。まだ5%――ってこともないだろう。たぶん10%近辺。 >>すると、いままでやってきたことの10倍ぐらいは必要ということだ。  まだそんなところ、とも、まだまだそこまでは、とも思わず、ああ、たしかにそんなところかな、と腑に落ちたりしてます。ようやく自分がわかってきたらしく。  無知の知ともありますし、これでスタートでしょうか。  いま辞書を引いたら、「腑に落ちる」という言葉はないんですね。「腑に落ちない」があるだけで。でも聞いたことがあったりするけれど。 >辞書とか >>DDWIN導入記念に、ひとつ。 >>今後一生、辞書で引いたことのない言葉を使うことは禁ずる。  了解。  間違っていたら、容赦なく尻を蹴っ飛ばしてください。 >ATOK(「えいとっく」と読む。ずっと「あとく」だと思っていた) >>ATOK14はバグ取りのアップデートモジュールが公開されているから、それをダウンロードしてインストールしておいたほうがいいよ。  了解。  インストールしました。  本当だったら自分で調べなきゃいけないところだよなあ。 >1000字課題 >No.55 題名:薔薇と雨 >>たわけ。 >>オマエはなにか? >>いきあたりばったりで書いたものを、人様に読ませていたわけか? >>いったいなんのつもりなんだよ?  すみません。  サボり癖がまだ抜けきっていないようです。  無意識のうちに、読んで貰えることを当たり前に思っていたようです。これってありがたいことなんですよね。読んでくれた上に、指摘までしてもらえて。  わかっていたつもりだったんですが……駄目だったようです。  どうにか性根を入れ替えますので。 >No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字) >>ところで……。 >>2号は居酒屋とか、行ったことがないのか? >>チューハイったって、レモンなのかグレープフルーツなのか。いろいろあるだろ。 >>生ジョッキのほうだって、サイズを指定せんとならんだろ。それに最近はビールと発泡酒とふたつあるから、注文するにはどっちなのかも必要だろう。 >>実際に自分や他人が酒を注文するときに、どういう掛け声を出しているのか――。思い起こしてみたのか? >>また適当にやってないか? 「あー、酒もーねえや。おまえ注文する?」 「おれはまだいい」 「店員さーん」 「はーい」 「ウーロンハイください」 「はい、ウーロンハイおひとつですね。こちらおさげしてよろしいですか」 「どーぞ」  思い起こしてみました。  しかし、居酒屋にはとんとごぶさたです。一年ぐらい行ってないんじゃなかろうか。最近はビールと発泡酒に別れているんですね。エビスビールと普通のビールぐらいだと思ってました。チューハイとジョッキのサイズに関してはおっしゃるとおりです。  またやらかしてました。 >>さらにもうちょっと工夫をすると――。 >>お姉さんが、ぐーっとジョッキをあおって最後の一口を飲み終わって、その勢いで注文する――なんてイメージまで、台詞ひとつで浮かばせることもできる。 >>やってみろ。  了解。次回やります。 >No.48「科学者と孫娘」やりなおしの4 >>「2.博士と少年との会話がはじまる前に、「主人公=少女」を強烈に確定させておく。」 >>これをやるなら、はじめカメラが少女をしばらく追いかけるようにすればいい。 >>少年を自分の家に案内しつつ、しかし、どこか腰の引けている少女――てなものを描くわけね。 >>ここで読者に対して、確定もしくは推察させておくべきことは、「ボーイフレンドをはじめて家に連れてくる少女。嬉しそうではあるが、どこか案内したくない理由もありそう」――というもの。 >>そういう形で、この話の「起」を確定させておく。 >>視点は一人称でも、友達幽霊三人称でも、完全客観でも、どれでもいい。どれでもできる。  すみません。リライトする際に、1000字を突破してもいいでしょうか。2000字まではいらない、1200字あれば……多分、どうにか。 >本日の分  今日は一編です。  No.60「話し合い」(2000字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=662&e=res&lp=550&st=0  複数の人間を出すことに挑戦してみました。  セリフだけで書いてみて、実感していることは……。  どれだけ省略できるか、ということです。  全部を書くとキャラクターが説明しているだけだし、かといって省略しすぎると、はたして読者に伝わるのかどうか。できれば説明してしまいたい。でもそんなもの、だれも読みたくないだろうし、面白くないし。 >描写課題 >描写課題No.5 街の雑踏「田舎ものの少女が、都会の雑踏のなかにいて」 >>>>No.5の視点についてなんですが。 >>No.5っていっても、いろいろあるんだけど。 >>どのNo.5のことだよ?  以後気をつけます。たしかに、過去ログを読む人たちにいきなりNo.5っていっても、よくわからないです。 >>三人称少女寄り視点として、変かどうかってことね。 >>そう変ではない。大きな破綻はない。細かく見てゆくと、おかしなところは少しあるけど。 >>物言いの固さと、柔らかさ(少女の言葉)とを統一するようにしてみたらいいじゃないか? >>このNo.5をもとに、すべて固く書いてみるのと、すべて柔らかく書いてみるのと、両方で書き直してみるとか。  やってみます。早く掴みたい。 >人気のない保健室、やりなおしの1 >>だから、なにを攻略項目としてやり直してきたんだよ? >>視点なのか。保健室感なのか。描写なのか。ストーリー展開なのか。  すみません。  保健室感と描写です。  よろしくお願いします。 >街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)  書きました。なんというか……大変でした。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=663&e=res&lp=610&st=0  ファンタジーの王都を想像する。そのためにはそこがどういう世界なのかを想像しなくてはならない。文明はどのレベルなのか。魔法は使えるのか。その土地の気候は。豊かなのか、貧しいのか。少女の村はどの程度の村か。王都から遠いのか、近いのか。少女の性格はどうなのか。来た目的はなんなのか。  ――舐めてました。  これでレベル1.5かぁ……。  ファンタジー系の資料をひもときつつ書きましたので、設定をパクったりなんだり。そのままにしては使いませんでしたが、まあ、ありがちな世界観です。 >邪眼とか >>ジャンプの漫画で「NARUTO」では、「車輪眼」とか「白眼」とかが発明されている。「瞳術」なる忍術の一体系まで存在している。  多分、作者は古今東西の忍者物を読んだ上で、それらを想像したのだろうな、とは思います。他の術もきちんと忍術してますし。  週刊連載なのに、凄い。いつ休んでるんだ。  「瞳術」だと、ヤングマガジンアッパーズの「バジリスク」という漫画に出てくるのは凄かったです。  害意を持った相手の術をすべて反射する、というもので、襲いかかった相手は、そのまま自分自身を傷つけてしまう。忍術名はそのまんま「瞳術」。  まあ、原作は山田風太郎さんの「甲賀忍法帳」なんですが。  レスに……辞書引くので結構かかりました。4時間ほどです。 -------------------------------------------------------------------------------- ゴミ屋敷、解体。 No.7184 投稿日 2003年10月18日(土)03時44分 投稿者 巻島翔史  近所にあったゴミ屋敷が掃除されました。  行政関係の方々がやってきて、掃除していかれた模様。  家を取り囲んでいたツタ、雑草、樹木のたぐいが、イチョウの木ひとつを残して全部取っ払われていました。夜にあそこの前を通ると暗くて不気味だったんですが、いまはそうした遮るものがなくなって、すごく明るく感じてしまいます。  まあ、逆に閑散としてしまった印象も受けるんですけどね。雑多なもののほうが見ているぶんには面白く映りますし。 クロッシング関連>  おわ。分室に書かれた一作品に対する突っこみのなかで、おそらく最長なのでは。これは。  しかも褒め率が高い。  なんだか、かえって怖いですね。新木さんの褒めコメントは。慣れていないからだろうなぁ。  とりあえず、簡単に返信。 >>>>そんなカップルをまじまじと見ていたことに気づいて、 >>まじまじと、「どこを」見ていたのか。 >>まじまじと視線を据えて見ているというからには、どこか注目しているポイントが一ヶ所あるはずだ。  実はこれ書いたときは、主人公はカップル全体を見ている――などということを考えていたのですが。よく考えれば、長く傍観しているときというのは、注視ポイントというのがあるはずなんです。ポイントがあるから引きずられて見てしまう。  このあとの傍観戦闘のところとかもそうですけど、俺はその長傍観における注視意識というのに気づいていなかったようです。ああ。 >>>>燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところから、鈍い光を投げかけてくる。 >>鈍い光」ってのが、よくわからん。 >>時折建物の隙間から出てくるのであれば、ギラっと輝く「鋭い光」なんじゃないのか?  昼間の太陽の光に対しての、夕方の「鈍い」光という印象で書いたのですが。ステロタイプな表現におぼれてしまったようです。ここでの太陽光線の登場の仕方を考えれば、ギラついた光でなければならない。 >>-相反する概念が出てきたりするからかな。 >>「心地よさと苦痛が混ざり合った」ってのがどんなのだかわからんし。  苦しいけど気持ちいいという事象は、わりと世の中にあると思うんですけどね。  例えば長編執筆もそうだし。  ただ、ここではイメージのベクトルを一本化する必要があるみたいですね。俺自身は、あえて方向性を固定化せずあいまいな感じで書くことで、主人公の感じているわけのわからなさみたいなのを狙ったところもあったんですが。もっと方向を明確化させたほうがいいのか。 >>>>「じゃあ春名は納得できるのか? 俺たち、巻き込まれたんだぜ」 >>登場人物の名前を変更したときは、エディタの機能を使って一括置換するもんだ。  すいません。名前を変えたのではなくて、これは有希の名字なんです。  ふたりは疎遠になっているので、お互いを名字で呼び合うようになっているんですね。  まあ、名字をポンと出したときに、それが誰々の名字なんだとわからないのは、俺のミスでありますけど。解決方法は考えておきます。  あと、アクションにおけるカメラワークとか描写は、あんな感じでいいんでしょうか。特に書かれてないんですけど。俺的に一番不安があったところなんで、訊いておきたいです。 2号さん> No.60「話し合い」>  いきなりセリフオンリーで六人書き分けはできませんて。地の文つきでの書き分けだって、できるかどうかかなり怪しいですよ?  しかも同年代の六人だし。年齢差をつけるとまだわかりやすいかも。あと、もっと性格差をつけたり。  セリフオンリーで書き分けをやるなら、まず三人とか四人とかからやってみたほうがいいと思います。 街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)>  「生糸」を辞書で引いてください。あの場面で「生糸」はおかしいです。  あと、名前のことはどうなっているのでしょうか。  なんだか、決める気がもうなくなっているような。不安。  十月中に決まらなかったら、分室の人間でPN案を出し合って決めて、それを強引につけさすとか――そういう企画、提出しちゃいますよ? -------------------------------------------------------------------------------- むつかしい No.7185 投稿日 2003年10月18日(土)20時55分 投稿者 甘夏  新課題の『クリーニング〜』をやっていたのですが……  やっと新木さんのいう『甘夏セット』の意味がわかったような気がします。  私は、高校3年の9月くらいからアルバイトでクリーニング店に入って、  もう1年くらいやっているわけです。  通常は製造業の方に回っていて、洗いをやったりカッターを仕上げたりしてますが、誰もいないときは店番もします。  なので、店内の様子は自分ではとてもよくわかっているんですが、  他人がどこまでわかっていて、どこまでわからないのかが、わからない。 『甘夏セット』を捨てられない。  たとえば今回、『梱包機』という機械が文章内に出てきます。  まぁ、小道具です。別に、どうでもいいというか。  しかし、文章内に書くからには読者のわからない単語は使うべきではないとも思います。  どこまで書くべきなのか。  形、性能、使い方。書けることはたくさんあるけれど、どれをどれだけ書けばいいのかわからない。どこをどれだけ書けば、相手に伝わるのかがわからない。  ぐちゃぐちゃになってしまって、さっぱり書けませんでした。  今回のは、なんだかとても混乱している感じです。  どこを書くべきで、どこを書くべきでないのか。  むつかしい…… http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=664&e=res&lp=610&st=0 >2号さん『王都』  シラクサ……って王都ですか?   シラクサが実在する都市名であることは当然ご存知ですよね?  で、どんな都市なのかは調べられました?  調べていらっしゃらないなら↓参照。 http://www.tabiken.com/history/doc/J/J132L200.HTM  弟切さんあたりなら、非常に詳しい突っ込みが入ると思います。 >少女は服を手にとり、体にあてる。  出店の服屋。人通り多し。商品をそう簡単に触らせるものなのか? 疑問。 >生糸  辞書で調べましたか? 使い方に疑問。 > ここは王都シラクサ、東大通りだった。南の歓楽街と、西の商業区のちょうど >間を通るこの道は、そのために人通りが多い。それらの人を目当てに出店が並び >、店を目当てにさらに人が集まる。  ぜんぜんわからない。東大通りがなぜ、南の地区と西の地区を分けるのか。  まったく新しい町とかを書く場合、簡略化した地図とかを書いてから始めるのがいいと思う。   >上等な服を着た商人  これは私も言われたけど、どう上等なのか。見るからに生地が上等そうだとか、宝石がたくさんくっついてたとか、金の刺繍があるとか。絵がこない。 > 村ではぜったい見かけない人物たちだった。全身に鎧を身にまとった、大きな男。むき出しの斧を抱えている。その後ろには金髪の、細い男  このあたりもそんな感じがする。鎧ってどんな鎧? 斧って言ってもいろんな種類があるし。  てか、剥き出しの斧って危なくないですか? 危険な疑問。  と、いうわけで1だけ読みました。  私と一緒でイメージング不足なのかなと思います。  当然、私の方がダメダメなのですが(泣  では、次回までに何らかの課題を上げてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 黒い心 No.7186 投稿日 2003年10月19日(日)04時58分 投稿者 名無し君2号  自分より若くて、小説家として頑張っていて、さらに売れていたりすると、なんともいえない負の感情が湧いてきたりします。ねたみ、そねみ、うらみ……。  そんな感情も、プラスになったりマイナスになったり。まあ、頑張ろう。 >1000字課題  今日は二編です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=665&e=res&lp=550&st=0  複数で会話、いきなり六人は無理だったようなので、巻島さんのアドバイスに従い、三人からにしました。  おなじ登場人物たちで、二編。 >描写課題「街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)」 >甘夏さん >>シラクサ……って王都ですか?  >>シラクサが実在する都市名であることは当然ご存知ですよね? >>で、どんな都市なのかは調べられました?  はい、すみません。知りませんでした。  これはね……恥ずかしいです。 >>>>少女は服を手にとり、体にあてる。 >>出店の服屋。人通り多し。商品をそう簡単に触らせるものなのか? 疑問。  うーん、でも、そうしないと似合うかどうかわからないし。  出店なので試着はともかく、そのくらいはさせてもらえるとは思うのですが……。店主は目の前にいるのだし。  ――あいかわらず自信がないな。説得力もないぞ。  あまりにもみすぼらしくて、お金を持ってないようなものや、うす汚くて、商品が汚れそうなものには触らせないだろう。  あとはこの街の治安。物騒なのかどうなのか。一応は王都なんだな。そもそも、物騒なところだったら、店なんかださないし。  ……うん。触らせます。 >生糸 >>辞書で調べましたか? 使い方に疑問。  これは巻島さんからもご指摘のとおり。「絹糸」です。  あー、これじゃ辞書の意味がない。 >>>>ここは王都シラクサ、東大通りだった。南の歓楽街と、西の商業区のちょうど間を通るこの道は、そのために人通りが多い。それらの人を目当てに出店が並び店を目当てにさらに人が集まる。 >>ぜんぜんわからない。東大通りがなぜ、南の地区と西の地区を分けるのか。  はい。これも間違いです。  南東の歓楽街と、北東の商業区……ならまだしも。完全に不注意です。 >>>>上等な服を着た商人 >>これは私も言われたけど、どう上等なのか。見るからに生地が上等そうだとか、宝石がたくさんくっついてたとか、金の刺繍があるとか。絵がこない。  ここは、どこまで書けばいいのか、と一応は迷って、あえて「上等な服を着た商人」だけにしたものでした。ここは「護衛の剣士を連れている」以上の情報は、余計じゃないのかと、そう思ったんです。  でも、甘夏さんの頭に浮かばなかったのであれば、失敗なわけですが。 >>>>村ではぜったい見かけない人物たちだった。全身に鎧を身にまとった、大きな男。むき出しの斧を抱えている。その後ろには金髪の、細い男 >>このあたりもそんな感じがする。鎧ってどんな鎧? 斧って言ってもいろんな種類があるし。 >>てか、剥き出しの斧って危なくないですか? 危険な疑問。  危ないです。  あと、「抱えている」というよりは、「柄を肩に乗せ、運んでいる」でした。  ここも……。戦士はまあ、どうでもよくて。次のエルフに読者の視線を合わせたいんです。だから、あまりぐだぐだと説明するべきではないか……とも思って省略したんですが。  ちなみに戦士の鎧は全身を包む金属鎧、材質は鉄。黒く色が塗られています。斧は両刃斧。柄には複雑な紋様が描かれていて、実はマジックアイテムだったりしますが、少女にとってはどうでもいいことなんですよね、それは。  視点保持者が興味を持たないものは、書けない――かもしれない。  ちょっとプロの小説を読んでみます。 >甘夏さん「クリーニング店・1」  読みました。 >>そう言えば、このロールってスーパーの自由に取れるビニール袋に似てるな。と、唐突に思った。あれにハンガーの首を出す穴を開ければ完璧だ。 >>カウンターの下の棚から、ブラシをとりだす。このブラシが変な形なんだよね。竹ぼうきの掃く部分を小さくした感じなんだけど。  このあたり。非常にイメージしやすかったです。 >>大変といえば、ライター。100円、ジッポ、ジェット、いろんな種類があるけど、どれも危険。ドライクリーニングっていうのは水じゃなくて、石油系洗剤を使って商品を洗う。なので、ドライ用洗濯機のなかで火花がおこると大爆発をおこすらしい。でもって、ライターってのは火花をおこしやすい。年間に何軒かのクリーニング店がそれで吹っ飛んでるらしい。絶対注意。  ここも素直に「へえ」と思いました。  非常に「クリーニング店の店員感」は感じました。これを書こうと思ったら、調べるのすごい大変そうです。  ただ、ひとつ指摘するならば。  私は、「カッター」とは「カッターシャツ」のことで、つまり「ワイシャツ」だとは知りませんでした。  ――こんな読者もいるということで。 >巻島さん >>あと、名前のことはどうなっているのでしょうか。 >>なんだか、決める気がもうなくなっているような。不安。 >>十月中に決まらなかったら、分室の人間でPN案を出し合って決めて、それを強引につけさすとか――そういう企画、提出しちゃいますよ?  う。  まあ――そうですよね。  なんとかしなきゃならないんですが。  うん、そうです。  ええと、巻島さんは、筆名はどうやって決めました? 由来とかありますか? 参考にさせてもらえると……ありがたいです。  とりあえず、課題をプロット通りに書けない理由を考えてみて。  キャラを掴めないことが原因かも、と思ってみる。  いわゆる、キャラが降りてくる、といった感覚がまったくない。書いてるうちに、「ああ、こいつはこういうキャラなのか」と感じたりはするけど……もしかしたら、ただ単にストーリーに都合良く、キャラクターをねじ曲げているだけかもしれない。  まあ、なんにせよ一回書いてみると、なんとなくはわかる。わかりはしても、なんとなくなので、つまり「キャラが降りて」はいないから、性格が揺れたりする。  うーむ。とりあえず、書き続けるしかないか。  書いてるうちに、「キャラの在庫」が出来るかもしれない。そのうち、「キャラが降りて」くるようになるかもしれない。――望みは薄いような気もするが。  キャラが降りないなら降りないで、なんとかしなければならない。いまのところは、「何度か書いて掴む」、それ以外にはわからない。  ハルコとイクオはいるらしい。でも、新たに話を書くとキャラが揺れていたりする。掴めていないわけだ。「吸血母さん」の神父も、いるらしい。最近はぼやけているけど。吸血母さんは……掴めていない。  と、まあ言い訳をしてみたところで。レスに4時間。では。 -------------------------------------------------------------------------------- 秋深き隣は何をする人ぞ No.7187 投稿日 2003年10月20日(月)01時22分 投稿者 弟切 千隼  湘南の自宅に戻りました弟切です。 2号さんへ > >残業  一般的なデスクワークをするOLなら、残業一時間というのはまったく「普通」の範囲に入ると思います。今日び、一時間の残業も嫌がるようなOLは、真っ先に首切りの対象にされるでしょう。 >「名無し2号」というHN  これはずっと弟切も気になっていました。  しかし、現段階で正式なPNを決めろというのは、2号さんにはまだ酷な気がします。御自分の書きたい方向性が定まっていませんから。  正式なPNはデビュー時にでも付けることにして、とりあえずは「もう少しましなHN」に改名するという線で考えてはいかがでしょうか? >描写課題「街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)」  「王都シラクサ」や「生糸」などに関しては、巻島さんや甘夏さんが指摘されているので、ここで重複して指摘することはしません。  弟切が気になったのは「冒険者」についてです。 >>村ではぜったい見かけない人物たちだった。全身に鎧を身にまとった、大きな男。むき出しの斧を抱えている。その後ろには金髪の、細い男  と、2号さん御自身が書いていますよね?  でしたら、主人公の田舎娘は、エルフに驚くより前に、ここに書かれている戦士に驚くのではないでしょうか? 『村ではぜったい見かけない人物』を見ているのに、主人公が驚いている様子が全くないのはおかしいです。 甘夏さんへ >  これはほとんど余談です。課題部屋にある甘夏さんの「664 クリーニング店・1」を読んで、思い出しました。  ライターが原因かどうかは不明ですが、弟切の近所のクリーニング店が火事になったことがあります。ちょうどその時、弟切はお気に入りのコートをそのクリーニング店に預けていて、焼かれてしまいました(*o*)  貧乏人の弟切にしては、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったブランドものでしたのに〜、冠婚葬祭にも使える上品なコートでしたのに〜〜、一冬しか着ていませんでしたのに〜〜〜、焼けてしまいましたぁ〜〜〜(号泣)  もちろん、クリーニング屋さんに弁償はしてもらいました。  しかし、服の査定値段って、大して傷んでいなくても、一シーズン着るごとにものすごく下がるのですね。コートどころか安物のセーターが買えるかどうか、といった金額しかもらえませんでした。  がっかりはしたものの、「そういうものなのだなあ」と勉強になりました。 -------------------------------------------------------------------------------- くるくる No.7188 投稿日 2003年10月20日(月)08時52分 投稿者 名無し君2号  時間が経つのはすごく早い。嫌なことをやっているときは、ものすごく遅いのに。体感によって時の流れが変わるのなら、これを利用してタイムマシンを……という話を、昔漫画で読んだ記憶がある。  漢字の宿題、残りに手をかける。 >同訓異義 ■付く (1)つき従う、くっつく。後に残る。 例:後を付ける。後ろに付ける。傷が付く。汚れが付く。 ■突く (1)つきでる、つきだす(「撞く」に近いが、棒以外の場合。金属とか指とか)。 例:針で突く。槍で突く。 (2)にわかに、だしぬけに。 例:意表を突く。欠陥を突く。弱点を突く。 ■点く (1)火をともす、明かりをつける。 例:火が点く。明かりが点く。 ■着く (1)くっつく。すみつく。たどりつく。 例:ボンドが着く。テーブルに着く。席に着く(着席)。 (2)いきつく、とどく。 例:荷物が着く。バスが着く。 ■漬く (1)ひたす、つける、水につける。 例:漬け物を漬ける。梅を漬ける。顔を漬ける。 ■就く (1)地位や職業につく。 例:職に就く。社長に就く。 (2)おもむく。その場所までいく。 例:帰路に就く。 (3)ある状態につく。 例:眠りに就く。床に就く(たぶん「就寝」からだと思う)。 ■即く (1)地位や位置につく(「就く」に近いが、皇位や官職の場合に使うようだ)。 例:帝位に即く。王位に即く。 ■衝く (1)つきあたる、つきやぶる、つきあげる(「突く」に含まれる言葉のうち、強いイメージのものに使われるらしい) 例:天を衝く。疑惑を衝く。不意を衝く。 ■撞く (1)つきならす、つきあてる、つきさす(「突く」に近いが、棒の場合はこっち)。 例:鐘を撞く。玉を撞く。 ■吐く (1)口から物をはきだす、ことばを述べる。物質や気体の他、ことばなど、抽象的なものにも用いる。 例:ため息を吐く。うそを吐く。 ■憑く (1)たのむ、たよる、もたれる、神霊が乗り移る。 例:狐が憑く。憑きがある(幸運がある)。 ■搗く (1)杵や棒などで突き砕く。つきかためる。 例:餅を搗く。  さらにもうふたつ。  「怪しい」と「妖しい」。 ■怪しい (1)へんなこと、ありえない不思議なこと。 例:怪しい男。怪しい ■妖しい (1)まじめじゃなくて、人を惑わすようなこと。なまめかしい。 例:妖しい微笑み。  「炙る」と「焙る」。 ■炙る (1)やく。あぶりやく。 (2)やきにく。火であぶった肉。 (3)火あぶりにする。やきころす。 例:肉を焙る。火にまかれ、肌が焙られる。 ■焙る (1)とろ火であぶる。ほうじる。火にかざして乾かす。茶をほうじる。 例:コーヒー豆を焙る。火で焙って乾かす。  以上。やっと終わり。 >1000字課題  今日は一編。  No.62「いいじゃないか」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=666&e=res&lp=550&st=0  前回、タイトルつけるの忘れてました。単純なケアレスミスです……タイトルなしでは読んでもらえないなあ。自業自得。 >描写課題「街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)」 >弟切さん >>弟切が気になったのは「冒険者」についてです。 >>>>村ではぜったい見かけない人物たちだった。全身に鎧を身にまとった、大きな男。むき出しの斧を抱えている。その後ろには金髪の、細い男 >>と、2号さん御自身が書いていますよね? >>でしたら、主人公の田舎娘は、エルフに驚くより前に、ここに書かれている戦士に驚くのではないでしょうか? 『村ではぜったい見かけない人物』を見ているのに、主人公が驚いている様子が全くないのはおかしいです。  はい。まったく反論できません。  この娘にとって冒険者は……。いまでいえば、ちょうど田舎者にとっての外国人とおなじくらい、と思います。これはあこがれとか、いくらかの好意を抱いている場合ですね。  普通の農民ならば、冒険者はヤクザみたいなものだと思います。怖いから目も合わせない。  で、主人公の田舎娘が冒険者を見たなら、たしかに驚かなくてはならないです。なのに、なんの驚きもなくボケッと見ているのは変です。いくら先頭の戦士が好みのタイプではなかったとはいえ。  「街の雑踏、ファンタジー版」は引き続きやってみます。主人公を……姉弟にでもして。  ……そっちのほうが、かえって楽かもしれない。  時間の使いかたがヘタである、と我ながら思いつつ、レスに5時間です。辞書を調べた結果を書くだけで、どうしてこんなに時間がかかるかなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7189 投稿日 2003年10月20日(月)10時11分 投稿者 新木 伸 >2号のハンドルネーム  今月いっぱい、公募しようか。  まあ正式な筆名ということでなくて、アマチュア時代の仮の名前ぐらいのつもりでいいが。  自分で決められなかったら、公募したなかでいちばん面白いのに決めちゃうとか。  俺の考えたナイスな名前、発表〜。  「ナナシエウレカ」  苗字は「名無」で「名無エウレカ」か、「七詩」「七翅」「七糸」「七梨」「七屍」……。  皆も出してよし。 ●巻島 >>おわ。分室に書かれた一作品に対する突っこみのなかで、おそらく最長なのでは。これは。しかも褒め率が高い。  あのなー。  元原稿の2倍の分量の指摘文を書かされるこっちの身にもなれ。  いっそ書き直しちまったほうが早いくらいなわけだよ。  褒める部分は本当は書きたくなかったんだよ。  市販を前提にした文章であれば、そんなもの、あって当然なのだ。そういう部分がなかったら、いったい読者は何に対して金を払うのだ?  しかしまだ自分の書いたものに完璧な自信は持てないのだろうし、褒めるところは褒めておかないと、せっかく持ちはじめたものも萎んじゃうだろう。  だから面倒くさかったが、わざわざ書いたわけ。  編集さんとか、普通は良い部分なんてコメントしてこないからな。  指摘するのは欠点と直すべき部分のみ。  なぜそうなるのかというと、上記のように、あってあたりまえだということがひとつ。  もうひとつは多忙で時間が限られているために、同じ作業リソース(作業時間)を使って最大の効果が得られるようにするため。  良い点を褒めたところで、作品の質の向上には繋がらない。同じ作業リソースを使うなら、欠点を潰しにかかったほうがいい。そういう「暗黙の了解」が、プロ同士の間には存在している。  良い部分でも、指摘を入れて手をかけるときはある。  もうすこし手をかければ、もっと良くなることが見えているときとか。  しかしそういうことは例外。  このへん、心構えが出来ていないと、編集さんから指摘の山をもらったときに、自信喪失して潰れてしまうことがある。「直す部分を記したマイナス意見ばっかりで、褒めてくれてるプラス意見がないじゃないかぁ〜」とかね。  あたりまえ。  編集はお前の作品を褒めるために存在しているわけではない。  このへん、どのみち口で言われたところでわかるものじゃない。  心構え云々というよりも、それが「あたりまえ」となるように普段から体に慣れさせておけばいいだけの話。  ――てことで、分室では、普段から褒めるようなことはしていないのね。  んで、プロ作家になるための戦略的観点の話。  あれの回答は? >>苦しいけど気持ちいいという事象は、わりと世の中にあると思うんですけどね。 >>俺自身は、あえて方向性を固定化せずあいまいな感じで書くことで、主人公の感じているわけのわからなさみたいなのを狙ったところもあったんですが。もっと方向を明確化させたほうがいいのか。  「わけのわからなさ」というものを描くのであったら、そっちの方向に持って行かなきゃ。「わけのわからない」ということを、もっともっと明確にするということね。  現状では、ただ単にイメージ不足のまま適当に書いた手抜きの文章に見えるということだ。  そもそも、その「わけがわからない状態」に関して、考察不足なわけ。  本文じゃ「苦痛」ってあるのに、いまこの文章では「苦しさ」って書いてあるよな。  痛いのか、苦しいのか、どっちなんだよ?  長編の執筆は「痛い」のか?  たとえば「苦痛と快感」とが混ざり合った状態を「肌の質感」で表現するのであれば――。 「肌のある部分は女性の手で撫でられているように甘美に疼いた。また別の部分はカミソリで切りつけられた痛みがあった」  こんな感じかな。  これを読んだ読者は、「快感と痛みとが混在しているのか。変なの〜」とか思うはずだ。それがいま読者に伝えるべきこと。「なんか変で、わけのわかんない感覚なんだね」と読者が思ってくれれば成功なのだ。  「わけがわからない」をそのまま書くな。  それは読者が感じることであって、作者が使ってはならない言葉だ。表現の努力の放棄ってもんだ。  いっそ放棄するなら「筆舌に尽くしがたい感触に包まれた」とか「想像を絶する感覚に包まれた」とか書け。それならギャグとして通用するから。  ちなみに、ここでは「苦痛」を「カミソリで切られた痛み」と定義した。これが別の痛みならそう書くこと。「万力で指先を押し潰される」とか「剣山を押し当てられる」とか「生皮を剥がれる」とか。痛みにもいろいろあるだろ。  また痛みでなくてじつは「苦しさ」のほうを伝えたかったのなら、どの種類の苦しさなのかイメージを限定しろ。  また「快感」のほうも同様だ。  具体的に出さないことには、「苦痛」も「快感」もただ言葉の上だけの存在なのだ。  苦痛たって、快感ったって、山ほどあるのだ。そのうちのどれのことを言っているのか、読者はわからないのだ。  お前のイメージするところの「苦痛と快感」を適切に伝える言葉を見つける必要がある。 >「春名」という苗字  アホ。  たわけ。  現実には、春名という苗字は存在するだろう。  しかし「物語の中」には存在しないの。  現実には、どう見ても男名前の女性とか、女名前の男性とかって、存在するよな。  しかし物語の中で、それはあり得ないだろ。(特殊な演出意図がある場合は別)  それと同じことだ。  物語の中では、姓っぽいものと、下の名前っぽいものとを区別して用いているわけ。  姓っぽい名と、名っぽい姓とは、使わないように注意して、あえて除外する。  なぜそうするのかというと、ある人物がある人物を姓と名のどちらで呼んだのか、一読して区別するためだ。  姓で呼ぶか、名で呼ぶかで、その人物たちの距離がわかる。  あと姓と名とのイメージにも留意すること。  たとえば――。  登場人物全員の上の名前と下の名前を、バラバラにしてカルタのように並べて、予備知識のない人間に見せたとして……。そこから正しい組み合わせを選び出せるぐらい、イメージの揃った姓と名とを組み合わせるべきだ。  さらに、人物全員の中で、主人公とヒロインとは誰か。  それぞれの人物たちの性格や、脇役たちの話の中での役どころなども、正解に近いものが出てくるぐらいが望ましい。 >名前のイメージとか  「春名」「有希」  どっちも名だが。  「春名」ってのは、ぽわぽわして朗らかだけど、主体性のない女の子に付けられる名前だな。  「有希」っていうのは、ちときつめだけど、明るくてはっきりと物を言う女の子の名前だな。  イメージが食い違っているんだよ。  「清水」「亮介」。  清水というのは正義感があるが、ちょっと頼りない人間に付けられる苗字だな。  亮介っていうのは、はっきり物を口にする人間の名前だな。  そこから考えると、線の細い優等生っぽい男の子――ってあたりか。  ――違うじゃん。主人公のイメージと(笑)。 >二人の距離のこと  疎遠になっているのはいいとして。  しかし、家が隣同士であるのに、苗字で呼びあうのは変でない?  日常生活がイメージできないのだが。  家が隣同士なら、それぞれの家の中で、隣の家のことが話題に出ることもあるわけだろう。「昨日、清水さんにミカンもらっちゃって……」とか、そんな会話が。  たとえば有希の家のほう。  自分の家の中で、家族との会話の中で、有希は「隣の家の男の子」のことを「清水くん」とか言っているわけか?  この場合、隣の家の人間はみんな「清水さん」なわけだよな。そのときにも「清水くん」では区別が付かんだろ。  また亮介のほうは、家の中で家族と会話するときには、有希のことをなんて呼んでいるわけ? 隣の家の人間はみんな「春名さん」なわけだから、やっぱ、「有希」って呼んでいるんじゃないのか?  地の文でこれだけ「有希」「有希」と連発されているのだから、地では「有希」と呼んでいるのではないのか?  実際に面と向かったときに、家の中で普段使い慣れている呼び名と違う呼びかたを使うっていうのは、かまわない。堅苦しさの表現にもなるから。  しかし背景が見えてこないのだよ。  たとえば「春名」って口にするときの違和感だとか。(家の中では「有希」と使っているのに)  そうしたものがぜんぜん書かれていないからだな。 >>あと、アクションにおけるカメラワークとか描写は、あんな感じでいいんでしょうか。  どこのアクションだよ?  大きくわけて、まず何ヶ所あるのか。自分で数えてみそ。  そして訊きたいのは、どこのアクションの、どんな部分なのか。  そこを明らかにしてこい。  べつに一個でなくても、複数回答可だが。  「あんな感じ」っていうのは、いったい、どんな感じのことなのだ?  こうして訊こうとするからには、そもそも自分がやろうと意図していた「こんな感じ」ってのがあるわけだろ。  その「こんな感じ」が出ているかどうかの判断ならできるぞ。  しかし、自分のやろうとしていた「こんな感じ」がどんなものなのかわかっていなくて、はっきり言うこともできないやつには、いいも悪いも、言ってやるだけ無駄ってもんだよな。  ――で、訊いてみたいのは、どんな感じなのだ? >セリフオンリーの書き分け人数  横から茶々を入れるが。  巻島は、これ、自分なら、何人までならできるのだ?  実際にやってみる前に、「何人まで」と即答できなきゃいけないよ。  それの回答が、「3人まで」とか「8人まで」とか「2人でも出来ない」とか、どんな回答になってもかまわない。  しかしきっちりと自分の力量を知っていなくてはならない。  ちなみに俺、前、CDドラマの脚本を書いたときに、6人+1匹までやったことがある。あれは声優さんの声が違うから、そこに助けられているが……。  まあ、おそらく12人ぐらいまでなら、いけるかと思う。 ●2号 >>自分より若くて、小説家として頑張っていて、さらに売れていたりすると、なんともいえない負の感情が湧いてきたりします。  突っ込みというより、質問なのだけど。  「若くて売れてる」のほうはともかくとして……。  「頑張っている」ことに関しても、妬みって湧くものなのか?  頑張っているので、プロであり、そして売れているのは、当然の結果ってもんだよな。  いや感情には理屈なんてないのだろうけど。   「若くて成功」→ねたむ   「小説家(プロ)である」→ねたむ   「(この際なんでもいいので)売れている(成功している)」→ねたむ  このへんはわかる。   「頑張れている」→ねたむ  これも妬みの対象となるもの? >No.61 井戸端会議(1000文字)  見分けがつかん。  ひとりはなんとか区別が付くけど。残りふたりはまるで区別がつかん。  見分けがつかなくなった時点で、この手のものは価値がなくなる。いま誰が話しているのかわからない会話なんて、興味の持ちようがない。  いいかげん学習しろ。  人数を減らしたぐらいで、どうにかなるようなものかよ。  3人出すなら、性格をハッキリと3方向に振るんだよ。  性別を変えて年齢も変えて、立場も変える、ありとあらゆる手を尽くして、ようやく、台詞のみで見分けがつくようになるのだと思え。  たとえば全員主婦で、全員同性だとして――そうした制限内でベストを尽くすのだとしても、三人いたら、そのなかでのポジションってものがあるだろ。誰がいちばん立場が強いとか弱いとか。誰が話役で、誰が聞き役で、誰が突っ込み役になるか、とか。そのあたりで個体識別をさせるものなんだよ。  ジャイアンとノビタとスネオとがいたら、台詞ひとつで、誰が話してるのかすぐわかるもんだ。 >No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字)  ここに書かれているのは、両方とも、「青少年のつらさ」だね。  子供でもないし、大人でもない、どっちつかずのつらさ。  おそらく2号はそれしか知らないのではないかと思われる。  子供のつらさは忘れちゃったし、大人のつらさは味わったことがないし。  ちなみに俺も大人のつらさなんて、そうそう知らんけど。  掲示板上で議論という名の口論をやると、たまに味わう。  キレちゃった相手に冷静に応対しているときとか。こっちもキレちゃって不条理になって罵ることができれば楽なのになぁ、とか思いつつ。  相手のせいで議論が口喧嘩に成り下がってしまったわけだが、端(ギャラリー)から見れば区別はつかん。だから喧嘩両成敗となってしまう。  どうせどっちもどっちと思われているのだから、自分もキレちゃえば楽だし、結果もたいして変わらないだろう。しかし、そうもいかないのが大人のつらさ……。  あと、自分の面倒を自分でみれないやつとか。自分の尻ぬぐいを自分でできないやつとか。そういうやつを切り捨てちゃえば楽なところを、そうしないときとか。  大人のつらさって、分別や理性を働かせなければならないときのつらさなのでは?  ヒトが、本能で動かされるだけのケダモノではなくて、手綱を働かせるためのものっていうか。  「ムカついた→攻撃攻撃」とか短絡しないで、「ムカついた→けど抑える」とかいうときとか。  俺の知ってるのって、その二種類くらいなもんだけど。  他にあるなら誰か教えてくれい。 >壁とか >>気が抜けていたようです。壁に当たるたびに、「あとどのくらい越えればいいのだろうか」やら、「おれって力ねえなあ」やら、なんだかいろんなことを考えてしまい、力が抜けたりなんだり。  無駄なこと考えてるなぁ。  そんなこと考えてしまう底には、「いつかは壁が消えてくれる」という願望があるわけだろ?  なんだ?  プロになれば、壁はなくなってくれるとでもいうのか?  俺の前には壁がないとでもいうのか?  壁ってのは、ひとつ越えると、すぐ次にまた別のが待っているわけ。  どのくらい越えればいいのか、なんて、考えなくていいの。  どうせいつだって壁は目の前に存在し続けるのだから。  いつまでだって、越えていかなきゃならんのだ。  「いつかは壁が消えてくれる」なんてクソくだらない願望、とっとと捨てろ。  腹をくくれ。  もしくは捨てられないようなら、作家目指すのなんかやめちまえ。 >>これも飽きなんですかねえ。 >>……飽きてるから余計なことを考えるのか。  飽きだよ。  登ることに飽きたわけじゃん。  そのくらいやって、やめてゆく人って、かなり多いぞ。  そして「俺も昔は小説なんて書いていてねぇ……」とか、飲み屋のオヤジを相手に語ったりするのだ。  飽きることは不可避のことだから仕方ないとして。(世の中には「飽きない人」というのも存在するわけだが、そうでない以上しょうがない)  飽きをコントロールする方法を見つけ出さないかぎりは、人はそこで終わっちゃうものなのね。その方法は人それぞれであるので、自分で編み出すしかない。  ちなみに俺の場合には、飽きる飽きない以前に、小説のことを考えることを習慣にするところまで持っていった。  たとえば――。  飽きたから歯磨きはもうやらなーい、てな人はいないだろう。つい習慣でやってしまう行為なわけだ。  歯磨きの習慣を付ける前の幼児あたりだと、「歯磨きごっこ」にはもう飽きたからやらなーい、などと言い出す子もいるだろうが。  また、たとえば飽きをコントロールするための方法として、「プロになる」というものもあるだろうな。プロになってしまえばそれが仕事になるから、飽きたの飽きてないの言いだすまえに、とにかく、書かなきゃならない。 >台詞とか >>「あー、酒もーねえや。おまえ注文する?」 >>「おれはまだいい」 >>「店員さーん」 >>「はーい」 >>「ウーロンハイください」 >>「はい、ウーロンハイおひとつですね。こちらおさげしてよろしいですか」 >>「どーぞ」  ぜんぜんっ、台詞っぽくない。  5717で、鷹見さんが似たようなケースの解説をやっている。  あれは今回のケースとは逆に、現実の会話そのままをなんの補足説明もなしに書き取っただけの台詞は、読んでもわからないものになる――てな話だったが。  こっちのほうは、補足しすぎたために、理解はできるんだけど、台詞っぽくなくなってしまったケース。 >台詞だけのシーン  なんだか、登場人数をどこまで増やせるか――なんてことのほうに意識が移っていっちゃってるみたいだが。  そもそもの目的は、台詞だけで、どれだけのそのシーンのイメージを読者の脳裏に構築できるかってことだ。  そこを忘れないように。  何人出すか、ということは、何人出したときがいちばん動きを描きやすくなるのか――てなことに関わってくるので、自由裁量にまかせているわけだ。  ここでびしっと「○人でやれ」と一方的に言い渡すこともできるが、自分で探して見つけ出したほうが、より身に付くだろう。 >No.48「科学者と孫娘」やりなおしの4 >>すみません。リライトする際に、1000字を突破してもいいでしょうか。2000字まではいらない、1200字あれば……多分、どうにか。  仕事のやりかたというものを、知らんのだなぁ。  そういうときには、1200字版を出すと同時に、1000字版も出してくるんだよ。  そして確かにこの課題には1200字が必要であり、そっちのほうがぜんぜん良い出来となることを、クライアント側の目で実際に確かめさせて、納得させるわけだ。 >人気のない保健室、やりなおしの1  巻島にも同じようなことを訊いているが。  どういうものをやろうとしていたのか書かないことには、判断の付けようがない。  保健室感については。  どんな保健室のどんな雰囲気を読ませたかったのか。  視点については、どのくらいの距離の視点でやろうとしていたのか。  まず第一に、少年を外から見せているのか、内側から見せているのか。  またこのときの少年の心理としては、どういうものなのか。風邪のつらさはどのくらいで、どんな心境で保健室にきたのか。先生がいないでがっかりしているのか、ほっとしているのか。  そういう、「そもそもやろうとしていたこと」がわからないままでは、この課題が偶然にうまくいっただけなのか、狙い通りになっているのか、わからない。  偶然うまくいっただけのものには価値がない。  ついでにいうと、上記のようなことをはっきり口に出せるようになっていれば、なにも他人の目を借りなくたって、自分で判断つくはずだ。  あるものの出来が良いかどうかわからない――っていうのは、そもそも自分がなにをやろうとしていたのか理解していないことに由来している。 >街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て) >>ファンタジーの王都を想像する。そのためにはそこがどういう世界なのかを想像しなくてはならない。文明はどのレベルなのか。魔法は使えるのか。その土地の気候は。豊かなのか、貧しいのか。少女の村はどの程度の村か。王都から遠いのか、近いのか。  典型的なアマチュアの発想だな。  考えが足りん。全然だ。話にもならん。  考えて選択していることの、次元が違う。  ラーメン屋を開くにあたって、麺はシマダヤにするかヨークフーズにするか、どっちにしようかな〜?  スープはどこのメーカーのがいいだろうか?  ……てなレベルでしかないの。こんなことじゃね。  こんなヌルい考えで出来上がるものっていったら……。  海の浜茶屋で出てくる(あのマズい)ラーメンとか。学食や文化祭の模擬店で出るようなラーメンとか。そんなようなものにしかならないわけ。  とても独立開業できるような味にはならん。  無数にあるメニューの中の一品として、そんなラーメンがあったっていいかもしれない。  または学生がお祭りのなかで、遊びとしてやる「ラーメン屋ごっこ」のメニューとしてなら、ありかもしない。  しかそれでは、ラーメン専門店は開けんな。  そもそも「魔法」ってなんなんだよ?  あと「王都」ってどんなんだよ?  「文明」って、そもそもなんなんだ? ただ単に「レベル」で計れるものなのか? 低いレベルから高いレベルに向かって、一方向にしか進まないものなのか?  「気候」ってのも、なんなんだよ? どうせオマエのことだから、暑いか寒いかくらいしか分解能がないんだろ。「気候」ってものを定義するパラメータは何通りになるんだよ?(何次元あるか、ともいう)  ついでに「エルフ」ってなんなんだよ?  ファンタジーに魔法は欠かせないわな。  ラーメンにチャーシューが欠かせないのと同じことだな。  しかしそのチャーシューには、それぞれの店ごとに、独自の製法と味付けとがあるわけ。どのチャーシューもその店ごとの「特製」なわけ。  市販のファンタジー作品を見てみろ。  どれひとつとして、同じ原理に基づく「魔法」が出てくる作品なんてありゃしないから。  おまえみたいに、「魔法があるのかないのか」=「チャーシューを乗せようかどうしようか」なんて低いレベルで考えていて、市販に耐えうる作品が出来るはずもないの。  どうせ「魔法はある」と決めたとしても、次に考えることといえば、「どこのメーカーのチャーシューにしようか」=「どの作品からパクってこようか」てなことなわけだろ?  ちなみに、僕らだって資料を引く。他の作品を参考にしたりもする。  しかし資料を引くのはパクるためではなくて、他の店はどんなチャーシューを出しているのか、それを調べるためだ。  全体の傾向を調べて、他の店でやっていない路線を狙う意味もある。いまは煮豚が主流のようだから、うちの店は焼き豚系で勝負してみようか――とか。  あと、まずないことだけど、偶然にも、完全に同じものになってしまうことがある。  同じ味は二つはいらない。その場合には、先に世に出したほうか、より売れたもののほうに軍配があがるものだが――。  事前に知っていたなら、そもそも同じ味で勝負しない。「ダブり防止」という目的でリサーチすることもある。  そういう、「麺とスープは、どのメーカーのを使おうかな?」てな、アマチュア特有のお手軽な思想から、とっとと抜け出すように。  人によっては何年もかかる場合もあるし、それに染まっちゃった人は一生抜け出せないことも多いようだが。 >展開に関して  これって、3パターン、実際に書いてみないと、どんな出来になるのかわからないもんかな?  ファンタジー世界の街の雑踏を書くにあたり、女の子の視点フィルターを「したたか/へこたれない/弱気」のどれにしたらいちばん面白くなりそうか、さきにわかっていたら、3パターンを実際にやってみる手間暇を、そのひとつに注げるってものでは?  まず頭の中で下書きを作る。  はじめ服を見て、売りつけられそうになるがするりと抜け出して、他の物を見て回る――とか。そうした筋段階のもの。  実際に書きあげれば、何回やったって、大差ないものが毎回できあがるはずだ。  その筋段階で見比べて、より面白いものを取るわけだよ。 >肝心の雑踏感  で、肝心の雑踏感だが。  雑踏感というよりも、これは「賑やかな街感」だな。  微妙に違う。まあ似たようなもんだが。  しかし、「雑踏を描け」といって、確信犯的に「賑やかな街」を描くのと、ただ単にズレちゃって書いているのでは、まったく違ってくる。  あと、どのパターンでも、少女のパーソナリティを描きあげることに2号は夢中になっているようで、舞台となる街や雑踏のほうはお座なりになってしまっているわな。  (1)がいちばん出来が良い――と感じたのは、ただの錯覚。  一番キャラが立ってる、っていうだけだろ。  (2)とか(3)とか、雑踏に関する描写っていえば、「人でごったがえしている」とか、そんな文句だけ。その「人でごったがえしている感じ」を出せというのに。  これを読む読者が、どこでどのように愉しむのかというと、「ああ、そうそう。雑踏ってそんな感じだよねー」となるわけだ。  「人でごったがえしている」なんて書かれて、「そうそう」とうなずけるものか。 >>>>出店の服屋。人通り多し。商品をそう簡単に触らせるものなのか? 疑問。 >> うーん、でも、そうしないと似合うかどうかわからないし。 >> 出店なので試着はともかく、そのくらいはさせてもらえるとは思うのですが……。店主は目の前にいるのだし。  現代人の発想だな。  いわゆるファンタジー世界で、田舎から出てきた娘が、服を見て似合う似合わないなんて思うかってーの。  似合う似合わないてなことを考えるのは、衣食住が充分に満ち足りている人間の発想だろ。あれもこれもあって、いくらでも選ぶことができるからこそ、「自分に似合うかどうか」が問題となってくるのだ。  文化水準を考えるときに、当然、考えるべきところだ。  考えてないから、そんなアホなことを言い出すわけだ。  非常に質素な生活をしている人間からみれば、「服」というものは似合う似合わないではなく、「豪華」とか「立派」とかで判断されるものだよ。  見るとしたって、せいぜいサイズぐらい。  腹を減らして餓死するか怯えている人間が、食べ物の好き嫌いなんて言いだすかよ。  服に困っている人間が、似合うかどうかなんて気にするものかよ。 >> あとはこの街の治安。物騒なのかどうなのか。一応は王都なんだな。そもそも、物騒なところだったら、店なんかださないし。 >> ……うん。触らせます。  このへんにしたって、娘と店主との意識の相違を書くとか、色々あるだろ。  娘は珍しがってぺたぺた触ってくるが、店主は嫌そうな顔をしているとか。  近くに衛兵が立っていることをちらりと見て確認してから、触ってくることを許してくるとか。  治安水準。文化水準。都会者と田舎者との「常識」の相違。  ――そういったものをきちんと考えているなら、いくらでも、書くべきことは出てくるはずなのだ。そういう細かな描写のひとつで、世界観を伝えることはできるはずなのだ。 >絹糸が高級品  まーた、ここも考えなしにやってるなぁ。もう丸見え。  絹が高級品になるのは、どうしてだ?  絹が高級品であることには理由がある。どうせ知らんのだろうけど。  それを知らないままで、「絹は高級品」としてしまっても大丈夫なのか?  この世界においても高級品で良いのか? ひょっとしたらこの世界ではありふれている素材かもしれないぞ?  また絹があるというからには、この世界には、桑の木があり、カイコの存在している世界なわけだな? というと、動植物相はこちらの世界とたいして変わらないということになるな。ある動物やある植物が存在しているということは、生態系がまるごと存在していることになる。  するとモミの木もイチョウの木も、杉も松も、トマトもジャガイモも、麦も米も、みんな存在しているわけだな? なんかファンタジーっぽくねぇなぁ。  また動物のほうも――オオカミも虎も犬も猫もみんないるわけだな。  しかしこちらの世界と生態系が同じということは、モンスターや魔獣はいないことになるのだが。  ファンタジー作品で、生態系のことはどう処理されているのか、すこし考えてみろ。  そのへんは注意深くぼかしているか、きっちりと決めてあるのか、どちらかになっているはずだが。  プロはファンタジーを書くときに、犬ころ一匹、うかつには登場させないものだが。 ●甘夏さん >クリーニング屋の店番、タドコロさん目の前で脱衣  ああ。なるほど。  クリーニング屋の娘の視点からみると、お客さんの名前は「田所」ではなくて、「タドコロ」になるわけね。  タドコロさんが出てくるまでは動きがなかったので面白くなく、読めなかったので飛ばし飛ばしだったけど。  出てきてからは、読めた。  文章量がやや過剰すぎるきらいはあるけども、すくなくとも、心理に乗れないせいで目が離れるということはなかった。  ――で、そもそも、この課題をやった目的に立ち返る。  とりあえず最初の目的であった、「緻密なイメージング」ということに関しては、これでいいわけだ。梱包機がどんなものであり、どういう形をしていて、どんなときに使われるもので、どこに置かれていて――ということを、作者自身がイメージできればOK。  また店番をしている女の子が、お客さんがやってきたときに、どこを見ていて、なにをどんな順番で考えるのか、ということも、きちんとイメージできている。――なので今回のこれは、「おいおい。そんなはずねーだろ」と突っ込みが入って読むのを中断されることがなかった。  小説に書いて他人に伝える前には、まず、著者自身が伝えるべきものの明確なイメージを持たなければならないわけだ。  梱包機をどう書くべきか――てな問題については、ちょっと置いておいて。  段階を踏んでゆこう。  まず今回のこれと同じ確かさのイメージを、他のあらゆるときに持つように。  これが基準。  田舎から出てきて都会の雑踏を初めて見た少女を書くときにも、これを基準にして、どこまでイメージをしっかり持てているのかを計るわけ。  無論――。  自分とは違う人物を出すのであり、身近ではない場所を出すのであり、さらに自分が体験していない感覚を書くのであるから、イメージの確かさは、どうしても劣ってくるはず。しかし基準となる確かさに、なるべく近づけるように。  100%とは言わないまでも、90%なり80%なり、可能な限り近づける努力が必要。  そのためには、たとえば、喫茶店に入ったときには、喫茶店の店内とか、店員とかを観察するわけだ。人には感情移入能力というものがあるので、店員の様子を注意して観察しているだけで、彼or彼女たちが、いまなにに意識を払っていて、なにを考えているのか、だいたいわかるもの。  また渋谷やら新宿やらの雑踏に行ったときには、いままで見なかった視点で観察してみるわけです。「この街並みを初めて見る人間からは、ここは、どう見えるだろうか?」と考えつつ見てみると、色々と、違うものが見えてくるはず。  これも「この街並みを初めて見る人間」というのが設定しにくかったら、そこらの人を利用することもできる。きょろきょろしている人がそうだから、その人を観察することで代用するとか。  探してもそうそうは見つからないかな? まあ、目に付いた機会に観察するのだ。  このあいだファミレスにいたところ、見るからにファミレス初めて――てな高校生たちが来ていて、観察させてもらった。  ――んで、梱包機をどう伝えるべきかとか、そっちの問題。  どう書けばいいのか――という観点からだと答えが見つからないかも。  2号に対する関節技の説明のときにも言っていたのだけど、ようは、「相手の言葉」を使って説明するというのが大切なのね。  つまり、梱包機を知らない人間が、梱包機を見たらどのように見えるか――ってことを想定してみるわけ。そうして彼or彼女から出てきた言葉をそのまま使えば、読者にも通じる言葉になっている。  ここで肝心なのが、「さっきまで梱包機というものをまるで知らなかったが、いまは梱包機を知っている人間」の生の言葉を使うということ。  梱包機をまるで知らないのが、読者の立場なわけだ。  その読者の、ほんの一歩だけ先にいる人間の言葉で説明するということ。  言葉によって、説明によって――引き上げられるのは一段階までなんだな。いきなり自分と同じ場所にまで連れてこようとしたって、無理というもの。  前に甘夏さん、「関節技」を説明しようとして玉砕してるっしょ。  あれも、「関節技を知っている自分の言葉」で書いてしまっているから。  相手の言葉で書いてないから。  実際のところ、一人称っていうのは、じつはいちばん難しい人称でもあるわけだよ。  なぜかというと、一人称といえども、いちおうは小説であるために、「わたし語」をそのまま使えないため。  梱包機を梱包機と書かなければウソになってしまう。だがよく知っている梱包機のことを「私」がウダウダと説明するのも変だ。  ここにジレンマがある。  それを回避するためには、いろいろとテクニックが必要になってくる。  たとえばシーン中で実際に梱包機を使ってみせる場面を用意するとか。すると梱包機がどういうものか、読者に実際に観せることができる。  または誰かが梱包機を指し示して、「これなんの機械?」とか訊かせてみるとか。  または梱包機が故障するか不調になるかして、困ったり不便にさせたりすることで、その機械の有用性を浮き彫りにするとか。  およそあらゆる手を駆使して、不自然にならないように、話の中に織り込む必要がでてくる。  ――なので、難しい。  しかし、ある意味で一人称は簡単でもある。  「私」というキャラさえ設定して、読者がワカンなくてもかまわずに、その「わたし語」のみで書いていけば視点が狂うこともない。  視点の練習には向いている。  ちなみにキャラ寄り三人称っていうのは、主人公と同じ知識と経験と物の見方とを保有している「コピー」を作って、そのコピーをべったりと主人公に張り付かせているようなものかな。  なにせ「コピー」であるので、オリジナルがなにに興味を持って、なにを見ているのかよくわかる。またオリジナルなら梱包機を梱包機と言ってしまうところを、読者にはわからんだろ、てな配慮を持って「梱包機とは……」と、梱包機の説明を差し挟むこともできる。  ちなみに、一部分だけ。  その「主人公のコピー」から眺めさせて、三人称化してみたものを作ってみました。  「キャラ寄り三人称」というやつ。  表現がほとんど同じになるのは、「視点保持者」の知識も経験も感性も、すべてオリジナルの「コピー」であるため。同じものを見たら同じように感じて、同じように表現します。  ただオリジナルのほうはこのシーンの当事者だけど、こちらのコピーのほうはあくまでも「傍観者」。そこで若干変わってきます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「外は暑そうですねぇ」  洋子はそんなことを言いながら、今日のタドコロさんを観察しなおした。  今日のタドコロさんは新鮮を通り越して生臭い感じがした。短く刈り込んだ髪は汗で束になって地肌が見えてしまっていたし、カッターの下のランニングのラインは少し伸びてしまっている。 「ここは涼しいくていいねぇ」  しみじみ言いながら、慣れた手つきでネクタイを解きはじめるタドコロさん。  えっ?――と、洋子は慌てた。 「ちょっと冷えすぎなくらいですけどね」  動揺を悟られないように、洋子はできるだけ何でもない声を演出した。  この人はいったい何をするつもりなんだろう。  心の中であたふたする洋子には気づかず、タドコロさんは、ネクタイをほどいてポケットに入れてしまった。そしてその手をお尻のポケットに突っ込む。黒い皮の財布が出てきた。いつも洋子が目にしている財布で、所々、擦り切れのあるやつだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この視点であれば、梱包機についての説明も入れられるわけです。  「梱包機」――という言葉が出てきたときに、簡単な説明が必要であれば、いま起きている物事の流れを中断しても、注釈的に説明を入れることもできます。  視点保持者は主人公のコピーであっても、別人であるので、可能なことだし、おかしなことでもありません。  ――そういう意味では、三人称のほうが簡単。  ちなみにこの手の「流れを中断しての解説」――とかいうことって、小説以外ではまるで不可能なことなのですね。  漫画でやるとすると、いわゆる「ト書き」というやつ。四角い箱の中に書かれた説明的文章がありますが、あれがそう。せいぜい数ページに一回が限度で、それ以上あると鼻につきます。  またアニメやドラマでは、いわゆる「ナレーション」というものになります。普通はやらないもの。特に映画ではまったく入りません。  小説は、案外簡単にやれてしまうので、その意味では、簡単で、楽なわけです。  梱包機が梱包機であることを説明することが出来ず、実際に俳優がシーンの中で使ってみせることでしか、その役割や機能を知らせることができないなんて――ぞっとしませんか? 手足を縛られているようなもんです。口をガムテープで塞いで説明するようなもんです。  しかし他のメディアでは、それをやらなきゃならない。  小説はとても楽なんです。 -------------------------------------------------------------------------------- 03/10/17へのレス。 No.7190 投稿日 2003年10月20日(月)14時27分 投稿者 望乃英司 >新木さん >No.7182 >「クロッシング書き直し」 >読む速度とか >以下で話題にしている巻島のリライトバージョン。 >あれ、読む人がいたら、何分で読み切れたか計測してくれない? >おそらく15分から30分のあいだに大多数の人間が収まると思うけど。 >巻島 >>634 :クロッシング書き直し 50枚? 削りと増量 その2  約二十五分かかりました。 時々、あれ? ここどうなんだろう、みたいなところはありましたが、大体すらすら読めました。 -------------------------------------------------------------------------------- 英語のエルフelfの語源は、ゲルマン語のアールヴAlf No.7191 投稿日 2003年10月21日(火)01時16分 投稿者 弟切 千隼  かつて、大学の卒業論文のテーマに中世の北欧社会を選んだ弟切です。  中世の北欧は、ゲルマン民族の世界でした。ゲルマン民族はローマ人が国を発展させた後にヨーロッパに侵入し、定着したようです。ゲルマン民族の血を引く人々は、主にドイツやオーストリアなどの中部ヨーロッパと、スウェーデンやノルウェイなどの北欧に住んでいます。 >課題部屋の663、 No.7「街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)」  弟切が、前回の書き込みで指摘しようと思いつつ、しなかったことについて補足します。  エルフという言葉についてです。  エルフという言葉を辞書で引きましたか? > 2号さん。  引いていれば、不用意な使い方はしなかったでしょうね。  日本で広く流通している「中世ヨーロッパ風ファンタジー」の中では、たしかに2号さんが書いたような「エルフ」が見受けられます。  しかし、例えば『ロードス島戦記』に登場する「人間と同じ大きさで、形も耳が尖っている以外はほぼ同じで、みな金髪碧眼で美貌に恵まれ、知力・体力などあらゆる面で人間より優れ、しかも不老不死」というエルフ像は、一般的なものではありません。  このようなエルフ像は、ごく最近になって、ある文学作品の中で作り出されたものです。その作品があまりにも売れたために、それを模倣して似たようなエルフを登場させる作品が、数知れず生まれました。  その源となった作品の名は、『指輪物語』です。ハリウッドで映画化もされましたから、おそらく皆さん御存知でしょう。  『指輪物語』の作者であるJ.R.R.トールキン氏は、元来小説家ではなくて学者です。中世ヨーロッパ社会を専門とされ、華々しい業績を上げた方です。  彼は本物の学者さんですから、本物の中世ヨーロッパについてとてつもなく詳しく、その知識をもって、本格的な「中世ヨーロッパ風ファンタジー世界」を作り上げました。その世界での出来事を書いたのが『指輪物語』です。  トールキン氏は、ヨーロッパに伝わる「エルフ」には多様な伝承があることを知り尽くして、そのうえで上記のようなエルフを作り上げ、作品に配しました。ヨーロッパの伝承全体から見れば、トールキン氏の作った「エルフ」は、むしろ少数派の伝承から得た要素が多いようです。  トールキン氏が作ったようなエルフを、作品に登場させるなと言っているのではありません。『ロードス島戦記』のように、エルフの定義はそっくりでありながら、全体的にはうまく換骨奪胎して別の面白さを出している作品もあります。  登場させるなら、このファンタジー世界では、なぜこのようなエルフがいなければならないのか、を考え抜いてから使うべきです。  「エルフ」の定義は、上記の「トールキン氏製」のものばかりではありません。辞書を引かれるか、日本の中世ヨーロッパ風ファンタジー作品をいくつか読まれればわかるはずです。  多様な要素をかき集めて調べ、御自分なりの「エルフ」を作り上げてください > 2号さん。  エルフという言葉は、邪眼などと同じで、まだしっかりと日本語に根付いていない言葉だと思います。  このような言葉は、辞書を引くだけでなく、様々な媒介でのそれらの言葉の使われ方を調べて、「普遍はどこにあるのか」を探る試みが欠かせませんね。  ひょっとして、ライトノベルの世界だけで見れば、「トールキン氏製」のエルフが「普遍的なエルフ」として通用してしまうのでしょうか?  もしそうだとしますと、ライトノベルの読み手しか読者さまに想定していない作品で、説明無しに「トールキン氏製」エルフを出すことは許されるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- トールキンの前にエルフなし。 No.7192 投稿日 2003年10月21日(火)03時56分 投稿者 鷹見一幸 んでもって、日本では 「ロードスのディードリッドの前にエルフなし」 ということになるんだと思うよ。  普遍化されることを「スタンダード」と呼ぶのなら、トールキンは、指輪物語であのタイプのエルフをスタンダードにしてしまったのだと思う。  同じことが日本では、ロードス島で行われた。こっちはアニメという よりビジュアルな方法で普遍化されたわけだ。  本来のエルフが、耳が尖り目のつりあがった化け物だった、なんてのは今の日本では「へえ〜×五、六回」のレベルの知識でしかない。  なんと言うか 「私はこのギザギザの中のゴミが気になってこの五百円玉を使えない」と言って、五百円玉の縁のギザギザをマチ針で突っつくような人も、中にはいるだろうけど、大概の人は、五百円玉を見ても 「あ、五百円玉だ、金色っぽくないから旧五百円玉だな」とか ちょっと詳しければ 「旧五百円玉が使えない自動販売機があるよな」 くらいしか思わないのと同じだろうな。  知っているのは知らないよりいいことだけど、知識は人間の発想や創作に従属し、それを補完するために使うものだと俺は思う。  知識は発想や創作を否定し拒絶するものじゃない。  知識に従属してはならない、知識は金科玉条のように守るものじゃない。  三十年ほど前、人力飛行機を作って飛ばそうと計画した日大の学生に、東大の助教授が、ドイツの大学の物理の試験問題を見せた。  そこには 「人間が人間の力だけでは飛べない、という事実を証明せよ」  と書かれていた。  そして、その東大の助教授はこう言った。 「君たちは無知だ、知識が足りない。知識があれば君たちは自分の愚かさに気づいただろう」  今、人は人力で空を飛んでいる。  それは「スタンダード」になった。  知識を使おう。  知識に使われるな。 -------------------------------------------------------------------------------- >エルフとか No.7193 投稿日 2003年10月21日(火)05時01分 投稿者 新木 伸 >エルフとか  えー、2号には問題を出す。  日本の小説、漫画、アニメ――などのメディアにおいて、「エルフ」が登場する作品名を知っているかぎり列挙せよ。  ゲームは除く。  ついでに、ファンタジーに分類される作品で「エルフが登場しないもの」も同時にカウントせよ。これも特に調べようとせず、いま知っているかぎりでかまわないので。  なにをやらせようとしているのかというと――。  つまり、「正油ラーメン」に海苔は付きものなのかどうなのか。スープは鶏ガラなのか、カツオだしなのか。  なにが正油ラーメンとしての「スタンダード」なのかということを、思いこみでなく、実際に指折り数えてみることで確認してみようということね。  「スタンダード」というものにはいくつかの定義がある。  いちばん有名なものをスタンダードとする考えかたもあれば、ユーザーの目に触れる「延べ回数」に占める比率をスタンダードの基準とする考えかたもある。  前者の「最も有名なもの」であれば「ロードス島戦記」を見ればよい。  また、ある程度の数のラーメン屋をサンプリングして、その中における「海苔の載っている正油ラーメンの比率」を調べれば、後者のほうが出てくる。  読者が「ファンタジー」というものを食するにあたって、エルフ(海苔)の載っているものを食うことが多いのか。そうでないのか。  んでもって鷹見さんには、「エルフ」というものを登場させることについて、肯定しているのか否定しているのか、主旨がいまひとつはっきりしないので質問なのですが。  現実問題として、今後、鷹見さんが自分で書く作品のなかで「エルフ」というものを出すことはありますか? ありそうですか?  たとえばノベライズの仕事だとか。原作にすでにエルフが登場しているとか、そういうしがらみは抜きとして。  また以下の各項目についてはどうでしょうか。(できれば出すことに抵抗のない順なんかも)  吸血鬼。人狼。悪魔。超能力者。ミュータント。陰陽師。サイボーグ。アンドロイド。人型機動兵器。強化外骨格。宇宙刑事。 (ああ、いかん。うちの夢境学園、このうちの半分ぐらいしか出してないや。「あるある」の名が泣く) -------------------------------------------------------------------------------- >利用状況調査とか No.7194 投稿日 2003年10月21日(火)06時39分 投稿者 新木 伸 >利用状況調査とか  ちと、利用者の環境調査。  案外と、まだモデムユーザーっているようで……。  このあいだ1ページの表示件数を20件から50件に増やしたわけだけど。  分室はもともと長文書きこみが多いせいもあって、これによって、1ページのサイズが300KBほどになるようになったのね。  ADSLや光回線など、ブロードバンドのユーザーであれば、どちらでも一瞬で表示されてしまうので区別もつかんけど。  モデムユーザーだと、1分以上も待たされることがあるはず。  まだモデムを使っている人がいて、利用しづらいということであれば、以前の20件ずつに戻すけど。どうかな?  とりあえずモデムユーザーは申告のこと。(ROMさんは除く) (僕も出先からアクセスするときは携帯電話からとなる。滅多にないことだけど。携帯電話からチェックすると9600bpsになってしまうので、300KB落とすのに、なんと5分もかかってしまう計算。考えるとぞっとした) >モデムユーザー各位  僻地でADSLが開通していないというのならしかたないけど、サービス区域内にいるのなら、そろそろ乗り換えては?  どう考えても、モデムにメリットはないぞ?  モデムユーザーの場合は、まず間違いなく、「テレホーダイ+プロバイダの使い放題サービス」という形で契約しているのだと思われるが……。  テレホーダイが1800円で、プロバイダが安いところでも1000円ってところか。  つまり毎月3000円近く、インターネット接続のために払っていることになる。  しかしADSLだと、いま、「接続料(電話料金)+プロバイダ使い放題」を合わせて、1850円というところも出てきている。 http://www.odn.ne.jp/infoodn/adsl/cost/cost.html  またNIFTYなどでも、1Mで2000円というサービスをやっている。 http://www.nifty.com/bb/adsl/price.htm  じつはこの他にも必要な料金があったりする。  モデムレンタル料として、500円。 (モデムは交換しなければならない。買うと9000円くらいする。レンタルせずに自分で購入すればレンタル料は払わないで済む。1年半以上使うのであればモデムは買ってしまったほうが安くなる計算)  モデムをレンタルするのだとしても、2500円以下ですべてが収まってしまう計算だ。  結論。  つまりADSLにしてしまったほうが、速くて、安くて、便利になる。  まず速くなる。  20倍以上も高速になる。もう1000円余計に払って24Mの契約にすれば、なんと400倍以上にもなる(これは電話局と家との距離が非常に近い場合に限るが)。  そして安くなる。  速度を求めてしまうとモデムのときより高くなってしまうが、1M契約にしておけば確実に500円は安くなる。  さらに便利になる。  23〜7時までといった制限がなく、昼間でも使い放題となる。  ADSLというのは、電話回線を利用してはいるのだけど、電話とはべつな信号を使っている。そのためにインターネットへの通信中にも電話が使える。  回線を占有して家族から文句を言われることもないし、通信中に話し中になってしまって外から掛けられなくなることもないし、キャッチホンで落とされてしまうこともない。  どう考えても、ADSLにしてしまったほうが良いと思われるのだが。  まあ、モデムを使い続けているのもわかるんだけどね。  手続きが面倒っぽかったりするし(じつはそれほど面倒ではないのだけど)。  じつを言うと、僕もNTTのフレッツADSL+NIFTYという組み合わせで、月額5000円ほどを払い続けていたりする。  とっとと安いところに切り替えてしまえばいいのだが。  しかし面倒で億劫なもんで、1000円は余計に払い続けていたりする。 >余談  ちなみに上記のADSLの話題については、モデムを使っている人間の目線の高さに降りていって、ADSLのメリットを説明する文章になっている。最近の話題である「相手の言葉によって説明」の参考にすること。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切様へ。 No.7195 投稿日 2003年10月21日(火)11時05分 投稿者 手繰淳平  しばらく旅行でここを見ていませんでした。今更遅いかもしれませんが、書き直しのほうを読みました。私が知りたかったことが書かれていたので、まず胸のつかえが取れました。  あと、気になるのはリズムというか、テンポの悪さですが、これは数をこなさないとどうにもならないことだと思うので触れません。  エルフの説明は、「そんなの考えて読む人、いるのかなア?」というのが正直な感想です。映画で指輪物語が有名になったせいもあって、ライトノベルを読まない人、ゲームをしない人も、「エルフ? あー、あの耳が尖ってキレイな顔したヤツ?」という認識を持ってます。  学者が、型にはまらないモンスターに出会い、「これはモンスターではない」と言ってそのモンスターを認めず、存在を否定されたモンスターは泣く泣く煙りと消えるしかなかった、なんて話は書けそうですが。  名無しさんの筆名募集、どんな状況なんでしょうか?  蛇足ですが、私の筆名は「星の王子さま」の作者サン・テグジュペリから頂きました。 ・名無し君2号 ・2号 名無し  で、これに適当に漢字を当てはめまして、 ・新郷 中志(あらさと なかし)  やっぱり苦しいですか?物書きを目指すという、新しい場所(郷)で未だ志し半(中)ば、と。うーん、苦しいな。時代小説とか書いてそうなカタイ名前ですしね。どうでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いるよ、ぜんぶ、わたしのなかに。 No.7196 投稿日 2003年10月21日(火)14時22分 投稿者 鷹見一幸 吸血鬼。人狼。悪魔。超能力者。ミュータント。陰陽師。サイボーグ。アンドロイド。人型機動兵器。強化外骨格。宇宙刑事。  全部出したいですねえ。心躍るじゃないですか、どれもこれも。 たとえば「吸血鬼」  リチャード・マシスンが好きなので、あの話のオマージュになりそうですけどね。  吸血鬼を出すとすると、私はまず「説得力」を求めてしまいます。「だってそうなんだもん」と言い切るには、少々歳を取りすぎました。   数少ない知識を引っ掻き回すと「血液ドーピング」という単語が出てきます。これはスポーツ選手が自己の血液を事前に採取しておいて、試合の前にそれを輸血することによって、血中ヘモグロビンの数を増やし、運動量を維持する方法で、薬品ではないため、検査に引っかからないという方法です。これは「想像」ではなく「現実」です。  この現実から「血液を増やす」→「常人より高い運動量を得る」というイメージが引き出せます。このあたりから頭の中にある「ペテン師回路」が働き始めます。 (注・ペテン師回路とは、私の頭の中にある『いかに人を騙すか、それを考えることに快感を感じる回路』のことです)  血液ドーピングについて調べて見ると、自己の血液以外の血液でも可能であるが、その場合は免疫抑制剤の助けが必要である、ということや、いわゆる成分献血のように血液そのものではなく、ヘモグロビンだけを取り出すことも可能であるが、多血症になる可能性がある。といったことがわかりました。  この辺で既存の吸血鬼モノのイメージに立ち返りましょう。そう言えば吸血鬼は血を飲んでいました。胃袋に入れて、消化するとしたら、それは食物として血液を摂取することです。  この辺で突然フランスのブーダンというソーセージが思い浮かびました。これは肉だけでなく豚の血液も一緒に腸詰にしたソーセージで、特有の匂いがしますので、日本人向けではないために、あんまり手に入らないものです。  連鎖的に「我々が人の血を食らうのと貴様らが豚の血を食らうのとどこが違うのか?」なんて吸血鬼側のキャラクターが言いそうなセリフが浮かびましたが、これはどっかに仕舞っておきます。  胃の中に食い物を入れるというところで、ミツバチの働きバチの体の中にある二つの胃袋が浮かびました。働きバチには、花の蜜を入れる胃袋が二つあって、一つは自分用、もう一つは巣のための蜜を入れる胃袋で、これを「社会胃」と呼びます。  吸血鬼の体の中に二つの胃があったら面白いな、と思います。ここで、成分献血の知識と人工透析の知識が浮かびました。成分献血の血液分離は遠心分離機、そして人工透析は浸透圧を使います。もし、吸血した血液を浸透圧によって成分分離できる胃袋を持っていれば、血液の中のヘモグロビンだけを取り出し自己の運動能力の強化に使える、という理屈になります。  吸血鬼の高い運動能力の理由付けらしきものが、おぼろげに浮かんできました。  この辺で、なぜ吸血鬼は「貴族」なのだろう? という疑問が浮かびます。  確かにドラキュラ伯爵は実在しましたし、串刺し公と呼ばれたくらいの人物であることは史実というか常識の範疇ですので、そこから引っ張ってきたイメージなんだろうな、とは予想できますが、人間の心の中にある「未知の物に対する漠然とした不安」の中にある「未知の物」には「霊魂」や「自然の精霊」などというものと同じように「貴族」や「権力」なんかも含まれるんだなあ、と思ったりします。  今日は休みですので、ぼんやりとテレビを見ていると有栖川家の詐欺師が捕まっている、なんてニュースをやっていましたが、これも同じようなものかもしれませんね。  余談ですが、大礼服(軍服みたいなの)を着てる写真が出ましたけど、あの胸についている勲章の種類とつけ方はむちゃくちゃです。勲章とはどういうものか、どの順番につけるものなのか知らずに「なんとなく勲章」としてつけたんだろうなあ、ペテン師としては実にツメが甘い。失格だな、だから捕まったんだけどね(笑)    とまあ、こんな風に発想は飛んでそして広がって行きます。  おそらく他の人狼。悪魔。超能力者。ミュータント。陰陽師。サイボーグ。アンドロイド。人型機動兵器。強化外骨格。宇宙刑事でも同じだと思うのです。  私が言いたかったことは、作家にとって知識とは 「そんなエルフはありえない、なぜならそれはエルフというものではないからだ」  と、発想するのではなく。 「こんなエルフはありえない、ならばあるようにすればいいじゃないか」  と、考えて、その「あるようにする」ためにフルに使うべきものではないのか?  ということなのです。  何かのアイディアなりイメージが浮かんだとき。そのアイディアやイメージに対して 「ここがダメ」「これが違う」「こんなのは無い」という。拒否と排除のために知識を使うのではなく 「ここがダメだけど、じゃあこの部分をクリアしたら、いけるんじゃないのか? だったらここをクリアするための知識なり論理を探してみよう」 という姿勢で知識を動員するほうが楽しいと思うのです。  アニメの、アルプスの少女ハイジがオープニングで乗っていた長い長いブランコを見たとき 加速度と慣性の知識を動員して。 「あんな長いブランコはありえない、もしあれに乗っていれば加速度で放り出されてハイジは死ぬ」  という結論を引き出すのは評論家に任せておけばいいのです。作家は読者に 「ああ、アルプスの空気の中であんな長いブランコに乗ったら楽しいだろうな」  と、思わせれば、それだけでいいんじゃないかと思うのですよ(笑)    トールキンが指輪物語を書いたときも 「このようなエルフは存在しない」  という意見が数多く浴びせかけられたそうです。  そのとき、トールキンはこう答えたそうです 「そうです、あれは私が作った私のエルフです 私は物語を書いたのです」  この言葉の意味は簡単です。  そんなエルフは存在しない。ならば存在する世界を創ればいいだけのことではないかね?  そして、あのエルフたちはスタンダードになりました。  本はアニメになり、そして映画になりました。  今、多くの人たちが「エルフ」という言葉で思い浮かべるものは、その「存在しないエルフ」になったのです。  辞書に載っているのは死んだ言葉です、死んで、水分が抜けて、かちかちに固まった時始めてその言葉は辞書に載ります。  そして、その辞書もまた、改訂され、より新しいものに変わって行きます。  言葉や、常識や、意味は変わって行きます。  それは、その時代時代の風俗に過ぎません。  人間は、言葉の意味を変えることができるのです。  トールキンは、指輪物語という本によって言葉の意味を変えてしまったのかもしれません。  ……ひょっとしたら、それと同じことが自分にもできるんじゃないだろうか?    この誇大妄想が私にとりついたのは十四歳の時です。  そしてそのまま三十年以上生きてきました。  雑家なんてものになってしまったのは、そのせいです(笑) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7197 投稿日 2003年10月21日(火)15時45分 投稿者 新木 伸  著者校というのは、どうしてこう面倒くさいものなのだろうか。  しかし俺的「やりたくないリスト」では、「あとがき」よりは下位――つまりまだマシなところにあるんだけど。  ああ。今回はあとがきを4ページも言い渡されてしまった。短編集だから作品解説でも書いていればいいのだけど。  これって作家が書く文章のなかで、唯一、カネをもらうことのできない文章なんだよなぁ。 >鷹見さん  「エルフはスタンダードな存在」ということを、鷹見さんがそもそも誰宛に書いたのか――てなことで、あの書きこみの意味が変わってきてしまいます。  それで訊いてみたわけなのですが。  弟切宛てなら、なんでも史実(現実)と照らし合わせて良い悪いを決めつけてしまう弟切の悪いクセをたしなめるということで問題ないのですが……。  しかし2号宛てなのだとすると、「エルフを出すことは全然構わない」と、そのように受け取られかねません。  いま僕の狙いとしては、2号には、「エルフとはどんなものか」ということを考えさせたいわけですね。  出して良いとも、出してはいけないとも、いまの段階ではまだなにも言っていません。  しかしここで、プロ一名から「エルフを出しても構わない」というふうにお墨付きを貰った――などと、2号が勘違いしてしまっては困ったことになります。  思考停止してしまいますので。  「だめ」と言われると「だめなんだー」。  「良い」と言われると「いいんだー」。  このように、すぐエウレカしてしまうのが2号の性質です。答えに飛びつかず、自分で思考する習慣を、いま付けさせようとしているところです。 >弟切と2号  弟切は地に足が着きすぎていることが欠点なのだな。  2号は反対に、地に足が着かなさすぎることが欠点なのだな。  たとえば弟切は、「メイドさん」というものを出すにあたって、やはり史実から引っぱってくるなり、現代であればヨーロッパあたりの貴族社会の現状あたりから引っぱってくるなりして、本当の本物の「メイド」というものを出してしまうのだろう。  しかし、日本人の平均的オタ系青少年の思うところの「メイドさん」というのは、そういうものじゃないのね。  そして2号はメイドさんを出すにあたって、「なんとなくメイド」というものを、なんの躊躇もせずに書いてしまうのだろうな。  どっちもダメさ加減では、似たようなもの。  足して二で割ればだいぶマシになるのだが。  「本当の本物」がどういうものであるのかきちんと踏まえたうえで、ユーザー層の持っているであろう一般的認識がどのようなものかも考慮して、そして本格的な匂いをわずかにさせつつ、共通認識の枠から踏み出さないものを書かなきゃならない。  ためしに、二人で同じ課題をやってみるか?  お題は「メイド」。  1000字掌編にて。  上で、僕の書いた「こうあるべき」という手法を最大限取り入れたつもりで書いてみそ。  自分の分を書き上げるまでは、相手のは見ないこと。  出てきた結果を見てみれば、たぶん、自分たちがどれだけ「センター」から両極端に外れているのか、わかるはずだから。 >鷹見さん >言葉とか  作家たるもの、辞書に一語ぐらいは追加したいものですねぇ。  平井和正氏の「脳天気」は広辞苑に載りました。  大橋巨泉氏の「ボイン」も広辞苑に載ってます。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんと、その向こうにいる人に向けて…… No.7198 投稿日 2003年10月22日(水)01時02分 投稿者 鷹見一幸  私はあの書き込みをしました。  現代ガンアクションものの「ネオクーロン」なんてものを書いていると、いろんなその手のマニアの人からメールをもらいます。  たいていが「イチャモンつけ」なんですけどね(苦笑)  そういう人はその手の知識は、それこそ山のように持ってます。おそらく私なんかよりずっと知識の量は多いんじゃないかと思います。    でも、そう言った人たちは自分たちの知識を疑おうとはしません。自分たちの知識に無いことがあると、まずそれを否定します。「こんなことはありえない」「これは事実と違う」ということですね。    たとえば射程を短くした特製のRPG7です。こんなものはありません、私の創作です。  でも、それは実際にはありませんが、作ることはできます。  RPG7の推進材は固形燃料ですが、これを抜き取って切るだけでいいのです。信管は発射の衝撃で作用するようになっていますが、この遅延信管を短くするだけのことです。  固形燃料の状態や、時限信管の実物を見て、その作用を知っていれば、誰にも思いつくことができますし、こういった加工で、遺棄した武器をブービートラップ化した、という事実は数多く伝わっています。    そういった知識を動員すれば、この世に無い、でもありえるもの、を作り出すことは可能だと私は思うのです。  しかし、知識に囚われ、知識に使われてしまうと、こういった発想をすること自体がひどく不道徳な、邪な考えに見えてくるようです。  自分の知識に無いものを見せられると、まず「そんなものはない」「そんなことはありえない」という拒否反応を示し、そして「この先もきっと無い」と自分の抱えている知識を侵害するものを排除して安心したがるのではないかと思うのです。  そして、自分の知識に無くても、そこにあるものを認めなくてはならない時には必ず 「あれは普通のものじゃない」「あれは例外的に存在するのだ」とレッテルを貼って安心したがるのです。  若手のマンガ家や、ライター連中との付き合いが結構あるのですが、結構知識量もあり、やる気もあるのに、どうも今ひとつぱっとしない連中が、最近増えている理由は、その辺にあるような気がしてならないのです。  彼らは自分が物識りで、知識量は普通の人間よりはるかに多いということを知っています。自負していますし、それがプライドの支えにもなっています。    でも、それだけなのです。  いろいろなアイディアを練るときに付き合ったことがあるのですが、彼らの思考方法は引き算です。 「これはありえない」「これは無理だ」「それはおかしい」 そういって、矛盾を排除して行きます。確かにご都合主義を排し、説得力を持たせるためには必要な方法かもしれませんが後に残ったものは、私には砂のような無機質な味しかしない物語の残骸のようなものにしか見えません。  拒否と排除の果てに作られた物語には、愛がありません。  作品世界に向ける作者の愛情が感じられないのです。  知識を物語を育てるために使うという方法もあるのだということを知ってもらいたくて書き込んだわけです。 こんなのは、ジジイのたわごとなのかもしれませんけどね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- ファンタジーの力 No.7199 投稿日 2003年10月22日(水)01時16分 投稿者 弟切 千隼 >エルフ  えーと、弟切の説明が下手なために、また要らぬ誤解をされてしまったようですね(^^;   こんなに日本語能力が足りないようではいけません。修行します。  2号さんが誤解されないように、再度簡単に説明しますと、弟切は「トールキン氏製のエルフ」を否定しているわけではありません。物語の要素として、トールキン氏はなんと素晴らしい「エルフ」を作り出したことかと尊敬しています。  弟切なんぞがこんなことを書かなくても、『指輪物語』が世界的なベストセラーであることが、「トールキン氏製のエルフ」が優れた発明だと証明していますね。  『ロードス島戦記』のヒットや、『指輪物語』の映画化などにより、日本でも「トールキン氏製のエルフ」がだいぶ市民権を得てきたことは、弟切も認識しています。  しかし、物語中に何の説明もなく「トールキン氏製のエルフ」を登場させてしまえるほどに市民権を得ているかというと、まだそこまで行っていないのではないかという気がします。これについては、調査してみないとなんとも言えませんね。  弟切自身は非常に偏った人間であることを自覚していますので、弟切個人の判断はあてになりません(^^;  課題部屋にある2号さんの作品を読んで、弟切が一番気になったのは、エルフの形態−耳が尖っているなど−や性質−普通の人間と行動を共にするなど−といった、個々の面ではありません。上記のとおり、「トールキン氏製のエルフ」は市民権を得つつありますから、その設定をそっくりいただくこと自体は構わないでしょう。  弟切には、2号さんが何の疑いもなく「エルフとはこういうもの」と決めつけているように読み取れました。そこに疑問を持ったのです。  弟切が知る限り、最近ヒットした作品で、「トールキン氏製のエルフ」とは異なる「エルフ」を登場させているものがあります。(2号さんの勉強の邪魔にならないように、作品名は伏せます)  このことからして、必ずしもエルフ=「トールキン氏製のエルフ」ではないことがわかりますね。  エルフのような超常的な存在は、もともと定義が曖昧なものですから、作品ごとに違う「エルフ」があっていいと思います。  No.7196で、鷹見さんがおっしゃっているとおり、現実には存在しないものを「あるようにする」ことができるのが、フィクションの良さでしょう。 >2号さんの新HN  「みちのく太郎」というのはいかがでしょう?(^_^)  由来は、説明するまでもありませんね。2号さんの在所と性別から取りました。  読みやすくて覚えやすく、よろしいのではないでしょうか。 手繰さんへ >  「穴」の書き直しを読んで下さり、ありがとうございます。  とりあえず、最低限の5W1Hはクリアできたようで、ほっとしました。文章のテンポが悪いのは、ひとえに弟切が未熟なためですね(;_;) 今後の課題とします。 >メイド  了解しました。このお題で1000文字掌編を書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- 先日ようやく No.7200 投稿日 2003年10月22日(水)01時35分 投稿者 巻島翔史  扇風機しまいました。いくらなんでも延ばしすぎ。 >>元原稿の2倍の分量の指摘文を書かされるこっちの身にもなれ。  すいません。普段とは様子がちょっと違っていたその「違和感」を、そのまま消化吸収せずに書いてしまったようです。とりあえず落ちつけ俺。 >>んで、プロ作家になるための戦略的観点の話。 >>あれの回答は? (参照:7144)  ああ、抜けてましたか。  これに関しては02年の夏にも杉井邸でも話した記憶があるんですが、そのときと回答は変わっていません。 >>それともデビューまでの年数はあまり重要ではなく、プロ作家を長く続けてゆくことを「より確実にしたい」と考えているのか。  この意見のほうに近いスタンスです。  あと、自分の書いてるものの指向が電撃に一番向いているから、ということもあります。 「春名」は名前っぽい>  自分は、「名」の字が名前っぽくないので、そのイメージの影響で名字的に見えるかなと考えていたのですが。  やっぱり音のイメージのほうが強いんやろなぁ。音的にはどう見ても名前ですし。はい。 >>しかし、家が隣同士であるのに、苗字で呼びあうのは変でない?  変ではない、と思います。経験上。  巻島にも疎遠になった異性の幼なじみがいますが、その子のことを言う必要があったときは名字で言ってました。 (ただまあ、恋愛感情はなかったんで、参考にはならないのかもしれない)  で、この話の場合。  まずふたりはお互いを意識しています。しかし疎遠です。よって相手のことを家庭内で話すとき、名前で呼ぶのは気恥ずかしくてできません。名前で呼ぶということは、かなりの親しさを示す(意味している)ことになるからです。現実、そうなっていないことから、ふたりは互いに名前で呼ぶことはためらいます。  もちろん、彼らの両親は互いに名前で呼びます。学校関連行事など、子供を介したコミュニケーションが多い現代の郊外家庭ならなおのことです。  わかりやすいので、新木さんの出した例に沿って説明しましょう。 >>自分の家の中で、家族との会話の中で、有希は「隣の家の男の子」のことを「清水くん」とか言っているわけか? >>この場合、隣の家の人間はみんな「清水さん」なわけだよな。そのときにも「清水くん」では区別が付かんだろ。  まず前提として、この場合、有希は自分から亮介のことを家庭内の話題として積極的には出しません。亮介のことを意識しているため、彼のことを話題にするのがどこか恥ずかしいわけです。また、自分から話題を出そうというときに、「清水くん」では違和感があることを彼女は知っています。やはり、自分から話題に出すのに、名字+くんづけではちょっと余所余所しいわけです。だから話題にはしなくなる。  しかし、これが彼女の親からの話題供出だったら、どうなるか。話の流れのなかで、有希は、口にすることに若干の気後れを感じながら、「清水くん」という呼称を使います。有希の口から「清水くん」なる呼ばれかたをする人物は、隣の清水家に関する話題において一人しかいないので、ここに差異化が達成されます。ついでに言うと、この家のなかで「清水くん」という単語を使う人間も有希ひとりだけです。  ここで起きる差異化とは、具体的には「清水さん」と「清水くん」という、敬称によるものです。ただしこの場合、彼女の親がそれを差異化とは感じないこともありえます。敬称による差異化は弱いからです。しかし、有希のなかにおいては差異化が達成されているので、母親の意見は採用されません。その人がその呼称を、充分差異化が取れていると判断すれば、そこから先には進みません。  亮介にいたってはさらに、「春名」さえ言わないようになります。彼女の家の話題が出ても、たいてい「あいつ」という代名詞ですませてしまいます。もちろん自分から話題にすることは絶対にありません。会話の流れ上、どうしても使わなきゃならなくなったときだけ「春名」と言うでしょう。流れのなかで亮介が「春名」といったとき、それはそれまでの会話からして誰のことであるか、家族内で確定できるので、ここでも会話は成立します。 >>地の文でこれだけ「有希」「有希」と連発されているのだから、地では「有希」と呼んでいるのではないのか?  地で連発しているのは、彼は意識のなかではそう呼びたいと思っているからです。先に説明したように、名前で呼ぶことはかなりの親しさを意味するので、そうした関係になりたいと思っている亮介(この場合は有希もそうですが)は脳内では名前で呼んでいるのです。ふたりが幼いときは名前で呼び合っていたことも影響しているでしょう。  しかしその意識は口に出る前に恥ずかしさに遮られます。また、いまはたいして親しくもないのに相手をそう呼んでしまうことで、相手に不快感を与えてしまうのではないかという怖れもあります。これはふたり共通です。怖れは人の行動を阻みます。  しかし、それにしたってまだ、あれです。お互いがお互いのことを呼びかけるときの違和感が書けてませんね。普段はなるべく「清水」や「春名」さえ言わないようにしているというのならば、もっと言いにくさがでているはずです。そこは書き直さないといけない。 >>>>あと、アクションにおけるカメラワークとか描写は、あんな感じでいいんでしょうか。 >>「あんな感じ」っていうのは、いったい、どんな感じのことなのだ? >>こうして訊こうとするからには、そもそも自分がやろうと意図していた「こんな感じ」ってのがあるわけだろ。  すいません、訊きかたが変でした。  アクションシーン全般が、「読めるもの」になっているかどうかを訊いておきたかったんです。  というのも、(6461)で、はせがわさんに、 >>でも、戦闘場面はぜんぶ書き直しかなあ(^^; >>なにが起きてるんだか、よくわかんないんだもん(^^;  と言われたので、それが直っているのかどうか気になっていて。  なにが起きてるかわかるレベルにはなっているかどうか、ということです。  それとは別に、あえて「どういう感じ」がやりたかったのかを言いますと、宇宙人に入られたあとのアクションでは「迫りくる怖さ・宇宙人の異常さ」の表現です。最初の傍観アクションは、「異常さ」ですね。「なんやねんこいつらは?」的なものが出せているのかどうか。 >セリフオンリーの書き分け人数 >>巻島は、これ、自分なら、何人までならできるのだ?  四人、です。確実にできるのは。  ただ、同年代で女の子だけだと、どうかな。これだと二人しかできないかもしれない。 2号さん> >>巻島さんは、筆名はどうやって決めました? 由来とかありますか? 参考にさせてもらえると……ありがたいです。  この手のことは、あんまり人のを訊いても参考にならないと思いますけど。  一応、答えておくと、名字のほうは『最大』を意味する英単語の読みを、そのまま漢字にしてみた、というところです。名前はフィーリングでつけたのであんまり話すこともないです。 名前案>  かなりまじめに考えてたのが「南部鉄二」(なんぶ・てつじ)  岩手名産南部鉄器と、2号の二の融合。  まあ、どんな名前にするにしても、数字の「二」は残したいですね。イメージがそれで固まってるし。  名無しを引っぱるなら「奈梨二郎」(ななし・じろう)とかでもいいのかなぁ。でもなるべく、名無しの影はなくしてほしいのが本音。  とりあえず他人ので決まらないように、2号さん自身が名前案をどんどん出してってください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7201 投稿日 2003年10月22日(水)09時25分 投稿者 新木 伸 >弟切  2号に説明するのだったら、2号の言葉で話してやらないと。  まず、「トールキン」禁止ね。やつはトールキンを知らないから。  弟切はトールキンが何者であるか解説しているが、だからといって、使っていいことにはならない。  相手の知らない概念でも、ざっとひととおり説明したら、あとはもう自分の言葉でやっちゃっていいものだと弟切は思っているようだが……。  そんなことはないので。  あとトールキンが禁止であるので、同時に「指輪物語」とか、「トールキンのエルフ」なんてのも禁止だ。  指輪物語は有名になっているが、2号は見ていない。よって知らない。  やつにとって「エルフ」っていうのは、「なんとなくエルフ」というものでしかないので、そこから一歩も踏み出さないようにして説明するのこと。  ぎりぎり、「ロードス島戦記のエルフ」なら使ってもいいかもしれない。  「エルフ」というものに関して、「トールキンのエルフ」という概念がすっぱり欠け落ちているわけだ。  たとえ説明したとしても(呪いかなにかがかかっているために)決して絶対に理解することのできない相手に話している。  ――そうした前提で、説明を試みること。  世代間の確執とか、人種間の確執とか、国ごと文化ごとの確執とか。  だいたい、そんなもんでしょ。  なぜそれではいけないのか、いくら言葉を尽くして説明したところで、相手が理解してくれるとは限らない。  相手の理解可能な範囲のなかで言葉を使わなければならない。相手の土俵、相手のルールの中で戦うともいうが。  関係ないが、アメリカ製の映画を見て、「日本刀の使いかたは違うんだよ〜。そうじゃないんだよ〜」とか思ったりする。しかしいくら言っても、わかってくれないんだろうなぁ。文化が違うから。 ●巻島 >名前の件  春名という名前。  音的に名前っぽいというのがいちばんの理由かな。  あと苗字として見かけないというのも理由だろう。  同じ音の名前であっても、「春名」でなく、「榛名」であったら、間違えようもなかったろう。  あと呼びかたの件。そこまで考えてあって、すぐに回答が出てくるならOK。  ただしそういう諸々の本人の中での違和感というものが、ぜんぜん作品中に出てこない。はじめのほうの並んで歩いている場面にすこしだけ入れておくこと。  それと、もうひとつだけ考えなくてはならないのが、「自分」の場合は疎遠になった幼なじみを姓で呼ぶようになったが、それが対象読者のスタンダードでもあるのかということのチェック。  すくなくとも、友人数人に訊いてみて裏を取ること。もし訊いた人間の過半数が「いや、下の名前で呼ぶけど?」とか言うようなら考え直すこと。 >電撃志向  電撃指向というのは了解した。  ただプロを長く続けるのであれば、戦略のひとつとして、早くプロになって現場の空気を吸い、伸び盛りの時に商業ベース(金をもらう原稿)でたくさんの作品を書く――というやりかたもある。そっちのほうも考えておくこと。  何回応募してだめだったらとか、何歳までに――とか転換点を決めておいて、そこまでに目標を達成できなかったら、あとは手段を選ばずに業界に潜りこむとか。  いま何歳だっけか? 大学3年? 4年?  22〜24あたりがいちばん伸びる年齢だぞ。サラリーマンであれば仕事を覚えて一人前になってゆく時期ね。  その時期の適応力をサラリーマンとしての仕事を覚えるために使ってしまうか、それとも小説家として一人前になるために使うかで、その後の様子がだいぶ変わってくる。地力の付きかたがだいぶ変わる。  人間の適応力ってのは有限の資源なのだ。有効活用すべし。  この転換点の時期は、具体的には、次回もしくは、次々回あたりかねぇ。  ところで今後の予定は?  大学出たら、サラリーマンか? それとも就職浪人でアルバイター予定とか?  魚住とか見ていればわかると思うけど、就職すると、まず小説なんて書く時間は取れなくなるぞ。  次回に送るのは、「クロッシング〜」1編だけなのか?  あれじゃたぶん引っかからんぞ。期待はしないでおいたほうがいい。  学生のあいだは時間が取れるのだから、四月までに、もう一遍書いてしまうって、来年は2編同時に応募するってのはどうだ? (ついでに言えば、もう第11回の募集は始まっているのだから、「クロッシング〜」のほうはとっとと終わらせて送ってしまうこと。募集締め切りぎりぎりに駆けこみで応募するのと、初期の頃に応募するのとでは、どっちが有利になるか知ってるか?)  新たに書く2編目のほうは、もちろん、書き上げてすぐ送りつけるのではなく、二稿まで持っていってリライト掛ける前提ね。つまりプロット期間込みで、2回書く時間を取るっていうこと。まだ半年あるんだから充分に可能だろう。  大学卒業後にぷらぷらしてる予定なら、一日のほとんどを使える計算だから、べつに在学中に焦らんでもいいと思うが。  二〜三年くらい、親のスネをかじってたっていいだろう。  んで、電撃の「保護力」を期待するのであれば、賞を取らなかったら、まったくもって意味がない。  できれば銀賞以上。まあ奨励賞とかでも可だが。  最終落ちからの敗者復活系とか、電撃hpへのお試し掲載系とかだと、「肩書き」がなにも付かなくなる。いざそんな話が来たときに、「来年新作でまた応募してきますんで」と蹴ってしまうかどうかも、いまのうちに考えて決めておくこと。  考えておかないと、話を持ちかけられたときに浮かれてしまって、いいように流されてしまう。注意のこと。  賞も取れずにうだうだやってる新人未満の作家予備軍なんて、編集部にとっては「数打てば当たる方式」の弾の一つでしかないわけだ。しかし自分にとっては掛け替えのない一発なわけね。  またこの手の裏口系のルートであれば、もうコネクションはできたわけだろ。  僕やみやびさんや鷹見さんを頼らなくても、自力で勝ち取ったわけだし。  読者参加型のお遊び企画とはいえ、いちおう「電撃Short3」の第二回のグランドチャンピオン大会を獲ったんだから、編集部に「第二回でグラチャンを取った者ですが、長編書いたので見てもらえないでしょうか?」と持ちかければ、門前払いは食らわずに、読んでもらえるぐらいはするだろう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7202 投稿日 2003年10月23日(木)05時51分 投稿者 新木 伸  著者校を戻した。  新規にオープニング2ページ、エンディング2ページを書いて、それもOKもらって入校した。  あと、最後に残るは「あとがき」か。  いちばん手強い。いつも書ける気がしないのだが。  今回も4ページも5ページも書けと言われた。  小学生の頃、作文や読書感想文を10枚も書けと言われたときのような、あんなような感じだ。絶対ムリ。それは人間の書ける分量ではありませんよ先生。 >2号  まーた、飽きが来て、なんとなく時間だけを進めてしまっているのだろうか。  まあ飽きをコントロールしろと言われたって、すぐに「こうですね」とか出来てしまえるほど器用であったなら、作家目指した三ヶ月後ぐらいにデビューしていたりするだろう。すぐにやれというのも無理な話だろう。  ちと目先の変わったことでもやってみるかい?  巻島がらみで調べていたら、「電撃short3」とかいうミニ小説賞があったことを思い出した。  ここでやってる1000字に近い2000字だったりする。  賞といっても本格的なものではなくて、メールで気軽に投稿できてしまえる賞。2〜3ヶ月に1回ずつ開催されているらしい。今回は第9回で、ちょうど10月末が締め切り。  最優秀賞を獲っても特になにもない。  各回の優秀者二名ずつが、半年〜1年ぐらいに1回ずつ開催される「グランド大会」への出場権を得るらしい。グランド大会では依頼執筆をしてまた新しくエントリー作品を書き、読者による投票を受けてグランドチャンピオンを決めるらしい。それらの作品は電撃hpに掲載されたりするらしい。  グラチャンを獲ると、賞金三万円が貰えるようだが。  いちおう三題噺ということになっているようだが、三つの語句をただ使用していればよいようで、ストーリーに深く絡めなくてもマイナス評価になったりはしないようだ。  10月末までに――。 ・ペンネームを決定する。 ・20本くらいは書いて、いちばん良いひとつかふたつのみを投稿する。(最低でも10本は書くこと。じゃないと選んでもロクなのが出ないだろう)  ――のことができたなら、腕試しとして挑戦してよし。  やるなら、そのあいだは課題とか宿題とかレスとかはすべて止めてていい。  それだけに専念するなら、1日3〜4本はできるだろう。2000字だし。普段やってきていることと、たいして変わらんし。  ちなみに、応募規定とか、過去の優秀作とかは、ここね。 http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/shortshort/index.html  疑問点があったら、俺でなくて巻島に訊くように。  なにしろグランド大会第二回のグラチャンだ。  ところで巻島は、第9回には応募してないの?(グラチャン獲ると応募停止になるのかな?) -------------------------------------------------------------------------------- 妖精郷はどこにある? No.7203 投稿日 2003年10月23日(木)18時02分 投稿者 弟切 千隼 >1000文字課題「穴」  痛み感と挫折感を増強した書き直しを、課題部屋に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=667&e=res&lp=661&st=0 >エルフの説明やり直し  エルフという言葉には、時代や地域により、とても様々な定義があります。それらを全部説明することは弟切にはできませんし、また、そうする意味はほとんどないでしょう。  ここでは、英国に伝えられる伝統的なエルフについてと、現在の日本で流布しているエルフについて説明します。  まずは、英国の伝統的なエルフについてです。  エルフelfというのは英語ですね。日本語では「妖精」と訳されます。  妖精と聞けば、何となくイメージが湧く方も多いでしょうか。人間にそっくりな姿をしているけれども人間ではない、超自然的な存在です。  エルフは肉体を持っているという説もあれば、肉体は持たず、霊体だけという説もあります。逆に、エルフは霊体を持っていなくて、肉体だけの存在と言われることもあります。  どの説を取るにしろ、エルフの見た目は人間に似ています。腕が二本、脚が二本で立って歩き、顔の作りも人間と同じです。性別もあるようで、外見上、人間と同様な男女の形の違いが見られることが多いです。  たいていは人間と同じ言葉をしゃべります。知能もかなり高くて、少なくとも人間の子供−小学校高学年−くらいはあります。大概は、普通の人間の大人くらいの知能があるようです。  人間に似ているとはいえ、細かく見ると、その姿には人間と違うところがいくつかあります。ところが、具体的にどこがどのように違うのかというと、たいへん多様な説があって、どれが正しいと言えません。  以下に、エルフの外見の特徴として挙げられることが多いものを書いておきます。 1)耳が尖っている。 2)目が吊り上っている。 3)体の大きさが小さい。親指くらいしかないという説や、人間の子供くらいという説がある。 4)背中に昆虫のような翅が生えている。 5)髪が必ず金髪であるとか、肌の色が緑色をしているとか、体の各部分の色が決まっている。 6)いつも服を着ていなくて裸である。そのくせ帽子や靴は身に着けている場合がある。  上記のうち、誰もが共通にエルフの特徴だと認めるのは、1の「耳が尖っている」くらいのものです。あとの特徴は、エルフが伝承される時代や地域により、あったりなかったりします。  姿かたち以外にも、エルフには多くの特徴があります。これらの特徴にもたくさんの伝承があって、しかも、相互に矛盾しているものも多いです。  以下に、姿かたち以外のエルフの特徴を列挙します。これらの特徴のうち、どれが正しくてどれが正しくないかは誰にもわかりません。つまり、以下の特徴をいくつかうまく組み合わせれば、それらしいエルフができあがります(笑) 1.自然界のもの、特に植物やキノコとのつながりが深く、自然が豊かな場所や植物やキノコを愛する。 2.上の1と関連して、自然が豊かなところに住む。山の中や森の中や土の中−土中に穴を掘って住む−という例が多い。水中に住む場合もまれにある。 3.例外的な住居として、人家に住むことがある。ただし、都会は嫌いで、田舎の民家に限られる。 4.人間が大勢いるところを嫌い、通常繁華街などには姿を現わさない。 5.不老長寿または不老不死である。 6.お人好し過ぎるくらい善良な性質のエルフと、人を襲って殺すような邪悪な性質のエルフとがいる。 7.エルフが普段住むのは、時間の流れ方が人間界とは異なるエルフの国である。エルフの国へと人間が行って帰ってくると「浦島太郎」状態になることがある。 8.機織り・糸紡ぎ・家畜の世話・部屋の掃除などの田舎の家事労働が得意で、超人的な働きを見せる。 9.気が向くと、人間の仕事−主に8のような家事労働−を手伝ってくれる。 10.魔法が使える。 11.穴掘りが得意で、土中に壮麗な建築物を作ったり、有用な鉱物を掘り当てたりすることがある。掘り当てた鉱物を加工するのも得意である。 12.金属のうち、鉄を嫌う。しかし金銀は大好きである。 13.キリスト教が嫌いで、教会の鐘が聞こえる範囲には住みたがらない。 14.死ぬことがあっても、キリスト教の天国には入れない。 15.空を飛べる。 16.身分制度があり、王や女王がいて、王国を作って暮らしている。  上記のうち、おおむね1から10までは、どの伝承にも共通しています。  さて、膨大で矛盾が多い伝承からなる「伝統的なエルフ」に対して、現在の日本で広く流布している「エルフ」はどういうものでしょう?  現在の日本では、「エルフ」が登場するいくつかの作品がヒットしたため、それらの作品に登場する「エルフ」が普通のエルフであると認識している人が多いようです。  現在の日本の「エルフ」のイメージ形成に最も影響を与えたのは、水野良さんなどが書いてらっしゃる『ロードス島戦記』という小説のシリーズでしょう。  『ロードス島戦記』に登場するエルフは、以下のようなものです。 1.人間と同様、肉体も霊体も持っている。したがって、人間も含めたこの世のものに触ることができるし、飲食もする。 2.体の大きさは人間と同じである。 3.耳が尖っている以外は、人間と形が同じ。性別もあって、男女の形の違いも人間と同じ。 4.どのエルフも金髪碧眼で、美男美女である。 5.知力も体力も人間より優れている。 6.不老不死である。 7.自然界のもの、特に樹木を愛する。 8.通常は、エルフ同士で集まって森で暮らしており、人間とはあまり交わらない。まれに人間に混じって暮らす者がいる。  現在の日本で言う「エルフ」は、超自然的な妖精というより、極めて能力の高い特殊な生物という感じですね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7204 投稿日 2003年10月23日(木)19時49分 投稿者 新木 伸  あとがきも、著者プロフィールも(あれは著者が自分で書くものなのだ)、表4(裏面)に書かれる「煽り=あらすじ」(これは普通は編集さんが書くものだが)も、ぜんぶ収めた。  ようやくすべて完了。  あとがきは、編集さんに、「とても嫌々書いたなんて見えませんよ〜」と言われた。  嫌々書きつつ、うきうきと楽しんで書いているかのように見せなければならないから、大変で、気が重くて、嫌なんだよう(笑)。 >エルフとか  弟切の説明。  なんだか、どんどん空転していっているような気が……。  これは別件で僕も感じていることなのだけど。  たとえば「吸血鬼がNG」ということを説明するのだとしよう。  2号にでもいいし、他のアマチュア作家で、なにも考えず吸血鬼をあっさりと自作に登場させてしまうやつとか……。  僕も途方に暮れる。  いったいどうすりゃ、わからせることができるのだろう?  例によって「料理」で説明するのであれば――。  「ラーメン」を作るにあたって、なにも考えず、既製の麺と、既製のスープと、既製のチャーシューと、既製のメンマとを組み合わせる行為。  それは「調理」と呼ばない行為であることを、いったいどうやって、伝えれば良いのか。  本人が「調理」だと思いこんでいるときに、それを覆すことはできるものなのか?  実際に客に出してみて、「こんなもん料理じゃねぇや」とちゃぶ台返しされて、それを何度も何度も繰り返すことで身に染みて理解する――ってのが、まあ、だいたいの創作者が通ってくる道筋なのだけど。(調理するということがついにわからないまま、たいしたものを書かないまま、やめちゃう人も多いのだが)  この分室では、その手の時間のかかるプロセスを省いて、いきなりショートカット(近道)させようとしているわけね。  不要な回り道は、できるだけ省こうという考えかたなわけだ。  「〜ような」という言葉を禁止していたりするのも、「描写」というものを、最短距離で体に叩き込むため。  吸血鬼もエルフも、じつは使ったって、かまわないのだ。  ただしそれを使うことが「調理」となる方法でなら。  ちなみに僕の場合は、まともなファンタジー作品に「エルフ」は出さないだろうなぁ。既製の食材をぽんと載せてしまうと、調和が崩れてしまう。  とたんにそれは、店に出せる料理でなくなってしまう。  これは程度問題。  メンマやら、海苔やら、ナルトやら。――そういうものまで自分のところで作っているラーメン屋はないだろう。既製のものを載せることになる。  しかし既製のチャーシューを載せてラーメンを作ってしまうラーメン屋はない。学生食堂とか、社員食堂とか、海の浜茶屋とか、そんなところで出てくるラーメンならあるかもしれないが、独立自営のラーメン屋では、あり得ない。  メンマ、海苔、ナルト――このへんは、ファンタジーでいうなら、たとえば「魔剣」とか「魔法」とか、そういった概念ね。  そして「チャーシュ」が「エルフ」にあたるわけだ。  ちなみに弟切の場合は、逆の欠点。  「このチャーシュー本物なのよー、自家製で特製なのよー」とばかり、チャーシューばかりを山盛りにして出してくるわけだ。  知識はにじませるものであって、ひけらかすものではない。  どんなにうまいチャーシューであっても、ラーメンの上に1枚か2枚だけ、載っていればいいものなのだ。山盛りにしたら、客は引くのだ。  まあ世の中には「チャーシュー麺」という、チャーシュー好きな人のためのメニューもあって、全面をチャーシューで埋め尽くしても良い作品もあるわけだが。  ちなみに吸血鬼のほうが問題になっていないのは、練習の最中で書かれる習作ということだから。その時々に重点的にやるべき項目があるので、「吸血鬼」という点にはあえて目をつぶり、「妖しさが描けているか」とか「緊張感があるか」とか、そっちのほうを見ている。  余談だが。  巻島の「クロッシング〜」が、きっちり完成させても賞は取れんだろうと言っているのは、ここに関わってくる。  既製の麺と、既製のスープと、既製のメンマと、既製のチャーシューとを組み合わせたとしたって……。腕がなければ食えるものにならない。  腕があればちゃんと食えるものになる。学生食堂で出てくる程度のラーメンにはなる。――が、向こうの求めているのは独立開業できる「味」であり、「ちゃんと食えるもの」から、もうひとつばかりレベルの高いところにあるわけだ。  宇宙人……既製の概念。  宇宙人の戦闘方法……なんか手からエネルギー。→既成の概念。  すべてを「特製」にする必要はないが、なにかひとつぐらい、自家製で特製のものが必要。自家製チャーシューを載せるとか。自家製のスープを作るとか。  電撃大賞を攻略するなら、電撃で賞を獲った作品のどんな部分が「特製」で他とは違うものだったのか、研究してみること。  大賞を獲っちゃうような作品だと、ぜんぶ特製だったりして手が付けられなくなるから……。銀賞とか奨励賞とかあたりを見ること。そのあたりのランクだと、だいたい、なにかひとつだけが「特製」になっていて、そこで勝負しているから。 >弟切 >667 1000字課題、弟切、「穴」書き直し、痛み感と挫折感増強  フェンスを飛び越えるところまでは、それで良し。  それが小説としてはスタンダードな書きかた。  誤字発見。「錆び」→「錆」  転んで、足首をひねるまで。  なにか数秒もかけて転んでいるように感じる。  分量があって長いということと、プロセスを書きすぎているということが、その原因。  時間をゆっくりと流すべきときと、素早く流すべきときとがある。  時間をゆっくり流すときにはプロセスをしっかり描き、素早くやるときには、逆に省略して飛ばすわけだ。  あとこのへん視点が変。  外からなのか、中からなのか。  全体的には主人公の中に踏み込んだ視点で書いているのに、部分部分に、外からのものが混じる。 >>雑草がクッションになって、彼の着地を受け止めた。  これは外からだな。 >>喉に息がつかえて、ひしゃげたカエルみたいな声が出た。  「喉に息がつかえる」というのは中からでも外からでもありだが。「カエルみたいな」――は、これ、外からだろう。 >>みるみる彼の顔が歪んで、紅潮した。  これも外からだ。  「足の痛み」を描写するときに、妙に、外に出てしまっている文章が多い。  よって臨場感がさっぱり。  カメラワークでいうなら、歩いているシーンでクローズアップしていて、痛みに呻いているときにいきなりロングショットになっているようなもの。  スタート時の普通に歩いていたときに「内側」の視点なのに、足の痛みに呻いているときに突然「外」に出るなんていうセオリーはない。  この逆ならセオリーとして存在する。普通に歩いているときは外からの視点にしておいて、怪我をして痛みを感じているときに「中」に入ってゆくとか。  これは効果のある手法。視点移行の使いかたのひとつ。  まず痛がっている人間を内側から書くのか、外側から書くのか、はっきり指標を定めること。  どっち付かずで、ぜんぜんなってない。  挫折感もさっぱり。  痛さが伝わってこないから挫折感に説得力がない――ということもあるのだが。  仮に「痛さ」がしっかりと描かれていたのだと仮定して、そのうえでこの「挫折感」の部分を眺めたとしても、やはりこれではわからない。  主人公の悔しがる理由がわからない。  思考の流れに飛躍があって、ついてゆけないため。  主人公の悔しい理由は――。  足が痛いせいなのか?  モグラの穴に足をとられたからなのか?  それとも朝練に遅刻するからなのか?  レギュラーが遠のいたせいなのか?  ――どれだかわからん。わからないので、感情移入のしようもない。  あと、モグラの穴に足を取られるということは、なにか、マヌケで恥ずかしいことなのだろうか? 読者には、まずそこからわからない。 -------------------------------------------------------------------------------- 浮上 No.7205 投稿日 2003年10月24日(金)03時40分 投稿者 名無し君2号  なんだかひどく久しぶりのような。  一応は、毎日、なにかかしら文章は書いていました……が。 >新木さん >>>>自分より若くて、小説家として頑張っていて、さらに売れていたりすると、なんともいえない負の感情が湧いてきたりします。 >>突っ込みというより、質問なのだけど。 >>「若くて売れてる」のほうはともかくとして……。 >>「頑張っている」ことに関しても、妬みって湧くものなのか?  「頑張る」ことができるのも、才能のひとつかな、とどこかで聞いたような言葉を言ってみたり。頑張っていることを妬むようでは先がありませんな。自分も頑張ればいいだけの話ですけど。 >1000字課題  三編。  三人を書きわけることに焦点を置いたもの。  No.63「見張り塔からずっと」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=668&e=res&lp=550&st=0  セリフのみ。特にテーマはなし。  No.64「決して死ぬなとあなたは言った」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=669&e=res&lp=550&st=0  で、メイドさん。  No.65「メイド」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=671&e=res&lp=550&st=0 >描写課題 >人気のない保健室、やりなおしの1 >>どういうものをやろうとしていたのか書かないことには、判断の付けようがない。 >>ついでにいうと、上記のようなことをはっきり口に出せるようになっていれば、なにも他人の目を借りなくたって、自分で判断つくはずだ。 >>あるものの出来が良いかどうかわからない――っていうのは、そもそも自分がなにをやろうとしていたのか理解していないことに由来している。  そうですね……もう一編やり直してみます。  なにを書くのかをハッキリとさせた上で、書きます。 >街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)  こちらのほうも、世界観他を煮詰め直してから書き直しますが……。 >エルフやら >>日本の小説、漫画、アニメ――などのメディアにおいて、「エルフ」が登場する作品名を知っているかぎり列挙せよ。 >>ゲームは除く。  「ロードス島戦記」「ベルセルク」……ぐらいしかわからないです。アニメにいたってはまったくもってさっぱりわかりません。  「ベルセルク」だと、昔ながらのエルフ、小妖精のエルフですね。  なんだか、ファンタジー自体さっぱり。これでよく、ファンタジーを書こうと思ったな。ファンタジーというか……ソード&ソーサリー、剣と魔法の世界か。  ファンタジー小説の代表作、「指輪物語」も「ゲド戦記」も「ナルニア国ものがたり」も「魔法の国ザンス」も、その他もろもろの名作と呼ばれる作品群を、読んだことがないというていたらく。  「スレイヤーズ」も読んだことがないや。  ええと。「指輪物語」を下敷きにして、ダンジョンズ&ドラゴンズ、略して「D&D」というTRPGが生まれ、それを下敷きに「ロードス島戦記」も生まれ、さらにそれを元に、俗にいう「ファンタジーもの」が生まれた――というのが私の理解でしたが。間違っているかもしれない。  あと、もうひとつの路線としては、民間伝承を元にしたファンタジー。魔法も、呪文を唱えて杖をふるえば火の玉ドカーン!……というのではなく、鍋のなかに薬草やイモリや得体の知れないものをぶちこんで、それをふりかけることで幻覚を見せたり……とか。いわゆるかぎ鼻のおばあさんな魔女の使う魔法。だから妖精――エルフも、伝承に近いものが出てくる。妖精王オベロンとかティターニアやら、パックやら。レッドキャップなんてのもあったか?  ――このタイプはあまり読んだことがないのですが。  それでもって。  私はなんの考えもなく、エルフを出してしまったわけですが。  エルフや他の種族、ドワーフとかホビットとか、あとはモンスターや冒険者もそうですが、その成り立ちを考えると、自然と世界も出来上がってくるわけです。  この世界の「エルフ」はどういう「エルフ」なのか、と。妖精なのか、精霊なのか、はたまた科学者が創造した生物なのか、そこらへんでも変わってきますし、持っている能力も変わってくるし。  最初からエルフが「いた」わけじゃなくて、それなりに理由があって「生まれ」なきゃおかしい……という理解でよろしいでしょうか、弟切さん。  冒険者という職業がある、ということも、実際には異常なわけで、なんでそんなもんが職業になりうるのか、を考えると……以下略。  そのあたりまで考えると、えらい時間がかかりそう……な気もしますが、そこまで考えないと商売にならないのも事実。  やってみます。やったことないんで、どこまで出来るのやら。でもやらないと出来るようにならないからなあ。 >利用状況調査とか >>このあいだ1ページの表示件数を20件から50件に増やしたわけだけど。 >>分室はもともと長文書きこみが多いせいもあって、これによって、1ページのサイズが300KBほどになるようになったのね。 >>ADSLや光回線など、ブロードバンドのユーザーであれば、どちらでも一瞬で表示されてしまうので区別もつかんけど。 >>モデムユーザーだと、1分以上も待たされることがあるはず。 >>まだモデムを使っている人がいて、利用しづらいということであれば、以前の20件ずつに戻すけど。どうかな?  まだモデムです。  でも、それで困ることもないので、このままでいいです。 >仮の名前  なんでもいいのなら、木野誠で。  みなさんが考えてくださったのでもいいんですけどね。  レスには3時間ほど。では。明日は病院。 -------------------------------------------------------------------------------- メイド・イン・イングランド No.7206 投稿日 2003年10月24日(金)23時50分 投稿者 弟切 千隼 >1000字課題「メイド」  「穴」と「エルフの説明」は後回しにして、課題部屋に「メイド」を上げておきました。  同じことばかりやっていると煮詰まってしまう可能性があるので、その防止のため、先にこちらを仕上げました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=672&e=res&lp=550&st=0  この作品を書いていて思ったことがあります。  今の日本は−一部の男性の間で?−メイドブームだそうですね。なぜ、今、日本でメイドがブームなのか、理由がわかった気がしました。  メイドは、些細なことが多いけれども面倒くさい家事全般を引き受けてくれる人ですよね。メイドは雇われ人ですから、よほど無茶な要求でなければ、主人の命には従います。そして、メイドはすべからく女性で、主人は多くの場合男性です。  要するに、メイドは「ほぼ言うことをきいてくれて、細かい世話まで焼いてくれる理想の女性」なのですね、男性にとっては。  むろん、これは幻想であって、実際にはお金のやり取りがある労働形態の一種に過ぎません。「金の切れ目が縁の切れ目」のはずです。  そうとわかっていても、そういう幻想にすがりたくなるほど、現在の日本の(一部の)男性は、「従順で世話を焼いてくれる女性」に飢えているのでしょう。  最近の日本の女性には、昔のような「従順で男性の世話を焼く」タイプの人がぐっと減りました。女性一人でも経済的に自立できるようになって、男性の世話をすることでしか生きられない状況がなくなったからでしょう。  でも、男性には、そういう女性が欲しいという思いがずっとあるようですね。現在の普通の女性では、もはやそれは望み薄なため、「金で雇っているならば、金の力で言うことをきかせられる」とばかりにメイドに走っているのではないでしょうか。  弟切も家事は得意ではなく、面倒くさいと感じるので、可愛くて有能なメイドさんが欲しいです(爆) -------------------------------------------------------------------------------- メイドさんみたいな No.7207 投稿日 2003年10月25日(土)22時04分 投稿者 甘夏  一週間ぶりです。  なんだか、一週間の間に話題が回っている。 >2号さん  とりあえず、ファンタジーな知識を鍛えたいなら『ギリシャ神話』あたりを攻めてみるのが面白いと思います。  ちなみに日本ファンタジーなら『古事記』『日本書紀』  必読本だと思います。  ファンタジーを書くにしても書かないにしても、読んでおいて損ではない本。  今週は、ちょっとしか課題に手をつけられませんでした。  いや、クリーニング屋は秋の衣替えでとんでもなく忙しい時期だし。  友達から頼まれてた小説(のようなもの)も書かなきゃいけなかったし。  ……ごめんなさい。いいわけです。  とりあえず、『はじめて都会に出て来た女の子二人』を持ってきました。  幽霊視点は全然取り扱えないし、街のイメージはまとまらないしで、散々のできです。一気にヘロヘロになってしまいました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=673&e=res&lp=610&st=0  友達から頼まれていたヤツを書きながら、 「私の小説って、小説って言うより詩だなぁ」  と、いうようなことを考えていました。  この分室にいながらプロットも立てずに書き始めましたし……  描写はほとんどありませんし……  伝えたいイメージがある。それを文章にする。  ストーリーのすべてはそのイメージ(場面)のためだけにある。  これは、詩ですよね。  う〜ん、詩と小説の違いってなんでしょうね。 -------------------------------------------------------------------------------- とらえがたき姿 No.7208 投稿日 2003年10月26日(日)02時31分 投稿者 弟切 千隼 >エルフ 2号さんへ > >> この世界の「エルフ」はどういう「エルフ」なのか、と。妖精なのか、精霊なのか、はたまた科学者が創造した生物なのか、そこらへんでも変わってきますし、持っている能力も変わってくるし。 >> 最初からエルフが「いた」わけじゃなくて、それなりに理由があって「生まれ」なきゃおかしい……という理解でよろしいでしょうか、弟切さん。 (2号さんのNo.7205の書きこみより)  弟切が言いたかったことは、このとおりです。  弟切が何回も説明を試みて失敗していますが(^^;、エルフには多様な定義があり、それぞれの物語世界に合致した「エルフ」を作らなければならないことは理解していただけたようで、よかったです。  偉大なる先人たちの作品や、現在の世の中の「一般常識」を踏まえて、2号さんなりの「エルフ」を作って下さい。  以下に、再度エルフの説明を書き直します。  ものすごく簡単に言ってしまうと、エルフとは「人間型をした妖怪の一種」ですね。日本語の「妖精」という言葉が、ほぼ「エルフ」の同義語として使われます。  エルフの具体的な姿や性質については多様な説があり、「人間型をしている」こと以外は、統一された見解はありません。  「妖怪」という言葉から連想されるのは、通常暗くておどろおどろしいイメージですよね。しかし、「エルフ」や「妖精」というと、一般的には「妖怪」よりもずっと明るく、愛すべき存在とイメージされるようです。  ところが、近年の日本では、エルフが登場する有名な小説がヒットしたために、その作品に登場する「エルフ」が「普通のエルフ」と認識されることが多くなりました。  その「普通のエルフ」はちゃんと肉体を持っており、妖精というより、人間と似て非なる生物の一種のようです。耳が尖っている以外は人間と姿や大きさが同じで、全員が金髪碧眼の美男美女であり、知力や体力も人間より優れていて、不老不死です。  現在の日本で、最も一般の人に理解されやすい「エルフ」を作品に使うなら、おそらく上記の「普通のエルフ」を登場させるのが正しいでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7209 投稿日 2003年10月26日(日)19時32分 投稿者 新木 伸 >甘夏さん  詩と小説の違いとか。  これは絵と映画の違いに近いかも。  一枚っきりのイメージなのか。時間経過があって連続している一続きの物語なのか。 >エルフとか  なぜエルフを(そのまま)使ってはいけないのか。  例によって、食い物の例で説明してみる。  ファンタジーでは、いわゆる「エルフ」という種族の設定があるわな。  これを「おかず」であるとしてみよう。  そして小説には、なにか物語(ストーリー)があるわな。  これを「ご飯」であるとしてみよう。  おかずとご飯とを組み合わせて「お弁当」を作るのだとする。  さて2号は、自分の作る「弁当」の中に、いわゆる「エルフ」と呼ばれるおかずを入れようと思った。  この「エルフ」というおかずは、ファンタジー弁当というこのジャンルでは、かなりポピュラーなおかずである。  コロッケとかハンバーグとかと同じぐらい一般的なおかずだ。  しかしここで2号は、出来合いの「エルフ」を使ってしまった。  いわゆる共通認識でいうところの「エルフ」ね。耳が尖っていて、長寿で、金髪碧眼で、細身で美形。――そういうのがエルフっていうもの。  ここで問題となっているのは、2号は自分の手で「エルフ」を作っていないということだ。  冷凍食品のハンバーグを、ただ、ぽんと載せたようなものだ。  忙しい主婦が毎朝作る弁当に「冷凍食品のハンバーグ」が入っていても、文句を言う人間はいないだろう。  しかし金を払って買った弁当に、いかにも冷凍食品のハンバーグが入っていたらどうだろうか? 客は手の掛かった「手作り弁当」を期待しているわけだから、当然、不満に思う。次からその弁当屋では買わなくなるわな。きちんとした「自家製ハンバーグ」を入れているほかの店で買う。  分室でやっているのは、商業小説というものだ。  つまり金を払ってもらうことを前提に小説を書いている。  2号はここで、発想の転換をしなければならない。  これまでは何を言われているのか、ちんぷんかんぷんだったはずだ。  2号の発想の外にあって、これまで考えもしなかったことが、商業小説の世界では「常識」となっているわけ。  「エルフ」とか「吸血鬼」とか、そのまま使ってはダメなんだよ。  自分の作る弁当のなかに「人気のおかず」だという理由で、ハンバーグを入れたっていい。しかし出来合いのものを使ってはダメなのだ。それが商業小説の暗黙のルールなのだ。  「エルフ」とか「吸血鬼」とか、そういうものを使うなら、すべて自分で作らなきゃならないの。いわゆる「エルフ」が入っていてもいいけど、「自家製エルフ」でなければ客は怒りだしてしまうわけだよ。  ハンバーグの作り方なんて、誰がやったってたいして変わらない。  挽肉につなぎとスパイスを入れてこねあげて、フライパンで焼くだけだ。誰が作っても、見た目も味も似たようなものになる。――が、手作りであったなら、微妙に味は変わるものなのだ。同じような手順で作ったとしても、他の店と同じ味には絶対にならない。  お客さんというのは――。  ハンバーグはハンバーグでも、他の店とほんのすこし違う味の「手作りハンバーグ」を求めている。  エルフはエルフでも、他の作家とほんのすこし違う味の「手作りエルフ」を求めている。  冷凍食品のハンバーグが出てくるのは、論外なわけ。  話にもならん。 >エルフを作るということ  エルフという種族を作るということは、どういうことなのか。  ます生物なのか、なんなのかを決める。  どうやって生まれた存在なのかを定義する。  たとえばロードス島(フォーセリア)の世界では、神も精霊も人間も亜人も、すべての生物は進化論的に発生してきたのではなく、神話的な発生のしかたをしているらしい。  「始原の巨人」という存在が死んで倒れ、その肉体の各部からまず「神々」が生まれた。神たちは世界を物質界、精霊界、などのいくつもの世界に切り分け、様々な生物を作って住まわせた。――とある。  ちなみにネット上で見たいなら、ここ。(http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/9986/sw0.html)  ――で。  エルフを作ろうとしたら、エルフだけ、ぽんとそこに存在しているはずがないのね。  「エルフが存在してもいい」世界というのをまず作らないとならない。  さらに人間と違う性質(不老)があるから、価値観だって違うだろう。  人間と同じ暮らしもしていないはずだ。  では具体的には、どのような生活をしているのか?  そういうことを考えてゆくことが、作ってゆくということ。 >2号と弟切の悪いクセ  2号の場合には、出来合いの冷凍食品のハンバーグをレンジでチンして、自分の弁当に入れてしまうというのが、悪いクセ。  そして弟切の場合には、文献をあたって、そこで見つかったものを、そのまま出してきてしまうのが悪いクセだ。  どちらも「自分で作っていない」ということでは、似たようなもの。  ヨーロッパの民間伝承とか、ギリシャ神話だとか。  これだってしょせんは他人が作ったおかずだろ。一人の人間の手によらず、大勢の人間の口を通して、長い年月の間にできあがったものではあるが……。  だからといって、有り難がって使う理由にはならない。  民間伝承や神話を参考資料として使って踏み台にしてもいいが、そのうえに構築された作者自身の世界ってものが必要なわけ。  たいていのイメージには、「原典」と「一般認識」という二つの側面があるわけ。  2号の場合は、知識が軽すぎるので一般認識しか知らず、さらに創作者としてのモラルもないから、そのまんま使い回ししてしまう。(自分で創造する部分がなけりゃ、なんの創作者だよ)  弟切の場合は原典を重視するあまり、一般認識をまるで見ていない。また原典を重んじるあまりに、自分で創作しようと試みない。 >メイド課題とか  弟切の書いたメイドさん。ありゃ「メイド」だってば。「メイドさん」にあらず。  どのへんが自分の「創造」した部分なのだ?  現実にありうるメイドを描けとは、言っていないのだが……。  現実そのままでもなく、他人の作ったそのままでもなく――自分なりに作れと言っている。そのうえでユーザーが受け入れるようなメイドにしろと、そう言っているのだが。  2号のほうも、どのへんが自分の「創造」になるものか。  また現実から流用したのはどのへんか。  ――それらを切り分けてみるように。 ●2号 >頑張るとか  頑張ることが重要なのではないよ。  体を作るのに必要なのは「運動すること」であって、べつに頑張ることではない。  頑張ったところで運動量が少なければ体は出来上がらないし、頑張らなくても運動してさえいれば体は出来あがるし。  まあ、一般的には、運動量をこなすためには「頑張る」必要があるだろうが。  運動というのは普通は「苦痛」なわけだし。  2号は頑張るのは苦手そうだから、だから頑張らなくてもいいように、小説を書いたり考えたりすることを「習慣」にしろと言っているのだが――。  習慣にさえなってしまえば、べつに頑張らなくても、量がこなせるようになる。  幼児は頑張って「歯磨き」をするものだ。  しかし大人になってまで歯磨きを「頑張る」人はいないだろう? >課題  台詞のみは、勘が掴めてきたかと思う。  次いこう、次。  次は「説明文」のみ。  描写、台詞、動作――は、一切なし。  それで小説を書く。  できません、とは言わせないぞ。  No.6で、近いことをすでにやっている。昔できたんだから、いまだって、できるはずだろ。 >>冒険者という職業がある、ということも、実際には異常なわけで、なんでそんなもんが職業になりうるのか、を考えると……以下略。  いいところに気がついたな。  「冒険者」――なんてものは、ないのだ。  そのあり得ない異常なことを存在させるためには、まず足元から固めてゆかねばならない。冒険者というものが成立する世界ってものを作らなきゃならない。  いわゆるファンタジーものを書くのであれば、おまえは創作者として、それをしなければならない。 >木野誠  却下。  その名前を出してきた理由を2号は言ってないから、俺も却下の理由は言ってやらない。 -------------------------------------------------------------------------------- 髪を切ったら No.7210 投稿日 2003年10月27日(月)01時27分 投稿者 弟切 千隼 頭が寒くなったためか、風邪を引いてしまった弟切です。  どうやら、夕方髪を切りに行って、そのまま寒風の吹く中をしばらく歩いてラーメンを食べに行ったのがいけなかったようです。寒気と鼻水が止まりません。 >課題部屋の「メイド」  すみません。弟切は誤解していました。「現実にありうるメイド」を書けばいいと思っていたのです(^^;  自分なりの「メイドさん」を作って、別の作品を書きます。 甘夏さんへ>  お久しぶりです。  週末にしか参加できないと、追いかけるのが大変でしょうが、また御一緒できるのは嬉しいですね(^_^)  課題部屋のNo.673「はじめて都会に出て来た女の子二人 1」を読みました。ちょっと気になった部分を指摘させていただきます。  この作品の視点の持ち主は、陽子でも加奈子でもなく、「第三者の幽霊」ですよね? 映画で言えば感情や意識を持たないカメラです。  それにしては、以下の部分に違和感を持ちました。 >> 休日の昼下がり。駅前の広場は信じられないくらいの人でごったがえしていた。 >> 陽子が指差したのは、膝上20センチくらいのチェックのスカートをはいた、もうふともも丸出しの女の子。紺色のブレザーの前を開き、胸元では大きな赤いリボンが扇情的にゆれていた。 >>加奈子はこんな顔をする陽子は嫌いじゃない。でも、陽子の意見には賛成しかねるのだろう。  上記の文中にある「信じられないくらい」・「扇情的に」・「賛成しかねるのだろう」という部分に、弟切は違和感を持ちました。  なぜなら、これらの言葉は、感情や憶測を表す言葉だからです。こういった言葉を読むと、読み手は言葉を発した人物の感情や意思を感じます。  にもかかわらず、この言葉を発したのはそういったものを持たないはずの「カメラ」なので、読み手は混乱してしまいます。  もしかして、甘夏さんはこの作品を「三人称語り手視点」で書かれたのでしょうか?   もしそうなら、上記の弟切の指摘は的外れです。意思と感情をもって読み手に語りかける「語り手」が語っているならば、語り手の感情が表れる言葉が用いられるのは当然でしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 元気です No.7211 投稿日 2003年10月27日(月)16時18分 投稿者 名無し君2号  日が経つにつれ、少しずつ寒くなっていきます。ついにこたつ登場。  ――猫のように丸くなる。気持ちいい……。 >メイド課題 >>2号のほうも、どのへんが自分の「創造」になるものか。 >>また現実から流用したのはどのへんか。  腑分けしてみる。ざくり。 ■創造 ・メイドさんの態度の悪さ。くわえタバコで皿を洗うわ、主人の息子にえらい口を聞くわ。 ■現実 ・メイドさんの服装。なるべく奇抜なものにはならぬように。 ・身分差。昔は貴族とメイド(平民)では結婚できない……が、いま現在はどうなのか知りません。でも難しいような気はする。 ■適当 ・時代。一応、1970年代あたりのイギリス、としてますが。調べきれていない。誤魔化すようにキッチンのなかだけで、話を進める。 ・メイドのお仕事。メイド=家政婦と勝手に判断。炊事、洗濯、掃除。でも他にはない……と思うけど。  メイドさんのキャラクターしか創ってないです。主人とメイドさんの恋なんて、話としては珍しくないし。メイドさんの年齢が29歳ってのは少々珍しいかも。 >頑張る >>2号は頑張るのは苦手そうだから、だから頑張らなくてもいいように、小説を書いたり考えたりすることを「習慣」にしろと言っているのだが――。 >>習慣にさえなってしまえば、べつに頑張らなくても、量がこなせるようになる。  「習慣」にするにはどうしたらよいのか。  小説に関することを、毎日決めた時間にやるようにすれば……どうだろう。  あ。  スケジュールを立てろっていわれたのは、つまりこういうことか。  そういえば、小説に関する夢を見ました。  課題をアップした後で、誤字脱字に気づき、ちゃんとチェックしたのに、と頭を抱えるという……嫌な夢。 >1000字課題  一編。  No.66「そろそろと足踏み」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=674&e=res&lp=550&st=0 >>台詞のみは、勘が掴めてきたかと思う。 >>次いこう、次。 >>次は「説明文」のみ。 >>描写、台詞、動作――は、一切なし。 >>それで小説を書く。 >>できません、とは言わせないぞ。 >>No.6で、近いことをすでにやっている。昔できたんだから、いまだって、できるはずだろ。  と言われて、No.6を見てみる。  ああ、これか。メドゥーサが、恋人を石にしてしまうまでを独白する形式のもの。  ……よくこんなの書けたなあ、二ヶ月前の私。  了解、やります。 >木野誠 >>却下。 >>その名前を出してきた理由を2号は言ってないから、俺も却下の理由は言ってやらない。  他力本願、友達に決めてもらった名前だったりします。  電話で話していて……。  いろいろとペンネーム案を出しあっていて、次第に脱線して笑いに走り。 「昔、セーラームーン好きだったじゃん、お前」 「好きじゃないよ、別に」 「ハハハ……まあまあ。それでさ、五人のうち、だれだったか好きだったでしょ?」 「だから好きじゃないって」 「ほら、でっかい子。緑色の」 「あー、木星か」 「それそれ。いいじゃん、それで」 「いや、だからペンネームだから。それ、女の子の名前だし」 「名前なんだっけ?」 「うーん? 木野……まことだっけ」 「ああ、いいじゃんいいじゃん。男の名前でも全然いけるって」 「あのねえ」 「惚れた女の名前なんて、いい話じゃん」 「二次元だし。惚れてないし。いい話でもないし」 「いいじゃんか。何年前だっけ? 10年ぐらい前か? だれも元ネタわかんないって」 「いや、朝やってるよ、いま」 「うそ。再放送?」 「いや、実写。土曜日に……」  ……あとは人生について語りあったわけですが。  いい加減、適当な名前であっても、「2号」以外にしなくてはならない……と思い悩み、そういえば、と友達との会話を思いだし、一番まともなのをあげてみました。  ……結局自分じゃ決めてない。  日本シリーズ七戦目、岩手じゃ地上波のテレビでは生放送しないんです。一部地域では放送しません……の一部地域。すこし悲しい。  夜にもできれば書きこみます。レスには2時間。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7212 投稿日 2003年10月27日(月)17時41分 投稿者 新木 伸 >2号  筆名とか。  なんだよ。じゃああれは、偶然の一致じゃなかったってことかよ。 >>いい加減、適当な名前であっても、「2号」以外にしなくてはならない……と思い悩み、そういえば、と友達との会話を思いだし、一番まともなのをあげてみました。  どこが「一番まとも」じゃ。  この由来だけ聞いていると、いちばんふざけたもののように思えるのだが。  ごろ合わせと、ぱくりと……それ以外に名前の付けかたって知らないのか?  名前っていうのは瓶に貼るラベルだって言ったろ。内容物の種類を示しているもの。  作家の筆名の場合には、どんなものを書いているのか――ということを端的に表したもの。あくまでも「作風」とだけ関係している。  本人の人格だとか、好きなものだとか――そんなもんは、ぜんぜん関係ないだろうが。  作風だよ、作風。  どんなもんを書いているのだ? または書くのだ?  いいか? 筆名っていうのは、おまえ個人に付く名前じゃないわけ。  おまえが書くであろう作品群があり、その作品を書いた同一作者に付く名前なわけ。 >甘夏さん >>673 はじめて都会に出て来た女の子二人 1  うーん。なんか変。  友達幽霊視点なので、二人にくっついて歩いている友人的存在の一人称っぽいものということで読んでみましたが……。  そのわりには視点保持者の存在感が薄い。  作者自身の地が出ちゃっている部分が、何ヶ所かありますね。  引っかかったものをリストアップ。 虹橋駅の東出口  いま駅で降りてきて、出口を上ってきたばかりの人間にしては、妙に客観的すぎ。  視点保持者の言葉ではなく、これは作者自身の言葉。 繊細そうな長いまつげ  単に気弱語。表現力の不足。  まつげは繊細なのか、そうでないのか。  まつげが細い(長い?)ことを言いたくて「繊細」と使ってしまっているのか。  それともまつげの何らかの状態によって、顔全体のイメージが「繊細」なものになっているということを言いたいのか。  このとき加奈子の顔を見ているのは、作者にはあらず。あくまでも「友達幽霊」のはず。  「友達幽霊」がどこを見ているのか。なにに注目しているのか。まつげなのか、それとも顔全体なのか。  それによって表現のポイントは変わってくるはず。 いかにもはずかしそう  これも表現力不足。  「恥ずかしそう」を強調するために「いかにも」と付けているのだろうが、一人称としては変。やはり客観的すぎ。いま目の前に「加奈子の表情」がある人間が口にする言葉ではない。  視点保持者がどこを見ているのか考えれば、どう直せばよいのか出てくるはず。 扇情的にゆれていた  これも表現力不足。  赤いリボンが印象的なようすでも書きたかったのだろうが。「扇情的」は日常的に使わない言葉。ここで設定されている視点保持者の語彙から外れてしまっている。 信じられないくらいの人  手垢のついた表現。  やはり視点保持者の語彙にはないと思われる。作者の言葉。 特別な外出の時  これも作者の言葉。  登場人物の言葉と、作者自身の言葉、との違いについて。  前にクリーニング屋の女の子のときにやっていましたが……。  作者自身の言葉では「田所さん」となるところが、クリーニング屋の人物は「タドコロさん」となるわけです。なにしろ名札にも台帳にも漢字は使いませんので、そもそも店番の女の子は、名前の字を知らなかったりするわけです。知らないものは書けません。  しかし作者はもちろん「田所」という字であることを知っています。  なにを知っているのか、知らないのか。  なにに注目するのか。  なにかを表現するときに、どんな言葉を使うのか。  そういう部分に注意を払っていかないと、すぐに作者の地が混じってしまいます。  特に語彙。甘夏さんの語彙をそのまま使ったら、作者の言葉にしかなりません。  女子高生の友達幽霊なのだから、やはりそれは女子高生であるはずで……。作者である自分自身の語彙に制限を付けて、女子高生の「語彙セット」にしないとなりません。あくまでもその「語彙セット」のなかから言葉を探しだしてこないと。  また視点が「作者視点」であるとか、作者自身の語彙を使う場合でも、背伸びしてはいけません。  「扇情的」という言葉は、甘夏さんは知ってはいても、使い慣れてはいないはず。  描写初心者によくあるのが、なにかを描写しようとすると、力んでしまうあまり、普段使い慣れない言葉のオンパレードになってしまうという症状。  なぜ力んでしまうのかというと、慣れないことをやろうとするから。  自信がないことをするときには、人はなぜか、力いっぱいやってしまう習性があるようです。「知ってる限り、いちばん難しい言葉」を出してこようとするのは、それが理由。  そういう傾向があると知っていれば、意識的に、力を抜いてゆくこともできます。  プロでも、見せ場などでは、自分の実力いっぱいいっぱいのところで書いてゆきますので、ややもすると、この症状が出てしまいます。――が、知っていれば、気を付けることもできるわけです。  この手の普通のシーンを書くときには、「難易度1」くらいですから、5分以下の力で書くことができます。力が入ってしまったりはしませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- お米は好きなはずなのに No.7213 投稿日 2003年10月28日(火)01時15分 投稿者 弟切 千隼 体調が悪くて、御飯の炊ける匂いが気持ち悪い弟切です。そのままでは御飯が食べられそうにないので、カレーを作ってスパイスの力で食べられるようにしました。  以前、妊娠した友人から「つわりで、御飯の炊ける匂いが気持ち悪くて食べられないの」という話を聞きました。しかし弟切は身に覚えがないので、つわりではなさそうです(笑) >メイドさん  2号さんのNo.7211の書きこみを読んで、「あれ?」と思う部分を見つけました。世の中の普遍的な「メイドさん」像を知るために、ちょっと質問させて下さい > 2号さんおよびここを読んでいる皆さん。 >>メイドさんの年齢が29歳ってのは少々珍しいかも。 (2号さんのNo.7211の書きこみより) とありますね。  これは、「29歳のメイドさんは若すぎる」という意味でしょうか、それとも、「29歳のメイドさんは老けすぎている」という意味でしょうか?  現在の日本で、「メイドさん」といった場合、どのくらいの年齢の女性を思い浮かべるものでしょう?  現実のメイドでしたら、29歳の方などごく普通でしょう。特に若すぎるとも老けすぎているとも言えません。  例えば英国の場合なら、身分制度が確立していますから−建前はともかく、現実にはいまだにそういう国です−、メイドは一生メイドです。日本で言う高校に当たる学校を卒業したくらいでメイドになり、二十代になっても三十代になっても、四十、五十になっても、ずっとメイドの仕事を続けます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7214 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7215 投稿日 2003年10月28日(火)13時09分 投稿者 新木 伸 >メイドとか >>これは、「29歳のメイドさんは若すぎる」という意味でしょうか、それとも、「29歳のメイドさんは老けすぎている」という意味でしょうか?  わかんないだろ?  そうだろ。そうだろうなぁ。  29歳という年齢が、「メイドさん」としては若すぎるのか、老けすぎているのか、それさえも判断が付けられない。  つまり弟切の理解度は、そのようなものというわけだ。  これについては、他の者が答えるのはしばらく禁止ね。  弟切に自分で考えさせよう。弟切が自分と似たような年齢/性癖の友人をつかまえて、解答を知らない者同士で考えたりするのならいいけど。  んでもって、さっそく鐸碑さんの回答は管理者削除です。  しばらくして弟切が独自の答えにたどり着いてから、もういちど書きこんでください。  この分室では、答えてあげることが必ずしも親切にはならないことがあるので注意のこと。 >>現実のメイドでしたら、29歳の方などごく普通でしょう。特に若すぎるとも老けすぎているとも言えません。  このように、弟切はしきりに「現実」にしがみつこうとしているわけだが……。  いまやっているのは、いわゆるひとつのファンタジーの話なのね。広義でいうところのファンタジー。  メイドさんが存在するという設定。そうしたファンタジー世界の話。  こうした幻想世界を作るにあたっては、現実世界は参考にしかしないもの。ぶっちゃけ、現実と接点がぜんぜんなくても構わない。その世界の中で矛盾していなければそれでいい。  物語っていうのは、まずたいてい、ファンタジーなわけだよ。  凄腕の殺し屋が出る話があったとする。それだって「殺し屋」というものが存在するファンタジー世界の話だわな。  日本の刑事もののドラマなんかでも、派手に銃撃戦をやってるものとかあるわけだ。また「お話を伺いたいのですが」と言いつつ警察手帳を見せたりしている。取り調べ室では、軽い暴力と大声で脅して自白を引き出している。どれも現実にはあり得ない。あれだって広義のファンタジーだ。  小説はファンタジーでなければならない。  すでに読者とのあいだで契約として結ばれている。特に断り書きがないかぎり、小説というのは「フィクション」であるとされるわけだ。  つまり作り話。つまり架空の物語。つまりファンタジー。  現実そのままの話なんて、誰も読みたがっていない。  そうしたものを読みたい人は、はじめから「ノンフィクション」とかを読む。娯楽小説になんて手を出さない。  架空の世界を組み上げるに際して、「現実」を踏み台とするのはいい。なにからなにまで作り上げていたら手間もかかるし大変だから、ある程度の部分は現実からそのまま頂いてしまったほうが省力化が図れる。  しかし読者の求めているのは、あくまでも「フィクション」であり「ファンタジー」なのであるから、肝心な部分は創造しなきゃならない。  弟切の場合は、想像することに自信がないのかな。  たとえば弟切が殺し屋の話を書くとする。すると弟切は、史実に実在する殺し屋がどうであったのかと、そっちばっかり気にしてしまうのだろうな。  しかし、そういうことを知りたい人は、前述したように、ノンフィクションを読むわけよ。実際の殺し屋がどうであったのかなんていうことは、その手の本がいっぱい出ている。  読者が読みたがっているのは、弟切が想像して創造した「見たこともない殺し屋」なわけだよ。  ――で、メイドさんに関しては、読者はどんなものを読みたがっているのだ?  ――で、弟切は現実のメイドさんを知っているわけだが。どこまでならユーザーの求めに応じて、非現実のメイドを創造してゆけるのだ? >メイドさん  ちなみに、2号の書いたものは、弟切としてはどうなの?  現実と照らし合わせていいから、「これは変」とか「それはあり得ない」とか、コメントしてみるべし。  また、弟切の書いたものは、2号としてはどうなの?  空想や妄想や願望と照らし合わせていいから、「それは嫌」とか「これはあり得ない」とか、コメントしてみるべし。  弟切の書くほうは、精一杯ユーザー層に合わせたものをもう一遍書くはずだから、そっちのほうも上がってきたらコメントするべし。 >甘夏さん  そうそう。ひとつ書き忘れ。  前回の指摘では、「大きくまんまる」とか「つやつやピンク」とか、その手の表現には、あえて触れませんでした。  すこし行き過ぎの感がありますが、練習過程では、大げさにやってみるのもありかと思いまして。  少女たちの「友人幽霊視点」ということは、同年代ということですね。  いま甘夏さんは、その年齢と性別と感性とを持った視点を作ろうとしているわけです。  作者の地がうっかりぽろりと出てきてしまうのも、自然体でやれず、大げさな表現を使ってしまうのも、まだ視点ができあがっていないため。  どっちかというと、作者の地が顔を覗かせてしまうよりは、大げさなほうが、まだ読めます。  人間はいちどに複数のことはできませんので、いまは作者の地を出さずにやることを心がけてください。  キャラや視点人物を作っていることが多少鼻についてもかまいませんので。 -------------------------------------------------------------------------------- 氷雨 No.7216 投稿日 2003年10月28日(火)19時20分 投稿者 名無し君2号  こう寒くなってくると、雪が降るより雨が降ったほうが辛い。氷雨っていうほど冷たいわけじゃないんですが。  ちょっとやそっとの雪なら、別に傘をささなくても平気だし。雪道だって普通に歩けるし。  そんなのは雪国の人間だけだろうなあ、と思ってみる。 >作風  私はどんなものを書いているのか? を知るために1000字課題を読み返してみる。  舞台は現代が多い。  まあ、これは知識がないことも関係しているような気がするけど。昔の話や未来の話だと、それなりに調べなきゃ書けないし、創造したがらなかったし。  ファンタジーのお話がいくつか。  チャンバラが書きたかったはずなのだが、全然ない。  普通の人の話が多い。  超能力とか、異能力で活躍する……はあまりない。  かといって、書きたくないわけでもないはずだが。  んー? どんなラベルを貼ればいいのやら。私の成分はなんじゃ? ずっと考えてはいるんですけどね……。 >1000字課題  説明文とはなにか?  動きのない文章。  彼はどういう人物なのか、を動きではなく、説明として見せる場合。  たとえば、「ドジな男」を、 「彼はなにもないところで転びそうになり、慌ててなにかを掴んだら女性のスカート。痴漢扱いされ、慌てて身振り手振りで説明したら、その手がほかの女性の胸に触れる。さらに起きる悲鳴」  ……こう書くと「描写文」。あいかわらずヘタだけど。 「彼はドジな男だった」  と書いてしまうと「説明文」。まったく動きがないから。  それを踏まえて書いてみました。  No.67「星をみるひと」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=675&e=res&lp=550&st=0 >メイドさん >弟切さん >>>>メイドさんの年齢が29歳ってのは少々珍しいかも。 >>とありますね。 >>これは、「29歳のメイドさんは若すぎる」という意味でしょうか、それとも、「29歳のメイドさんは老けすぎている」という意味でしょうか? >>現在の日本で、「メイドさん」といった場合、どのくらいの年齢の女性を思い浮かべるものでしょう?  新木さんから直接答えてはいけない、と言われましたので、答えられません。  が、新木さんよりの質問、 >>ちなみに、2号の書いたものは、弟切としてはどうなの? >>現実と照らし合わせていいから、「これは変」とか「それはあり得ない」とか、コメントしてみるべし。 >>また、弟切の書いたものは、2号としてはどうなの? >>空想や妄想や願望と照らし合わせていいから、「それは嫌」とか「これはあり得ない」とか、コメントしてみるべし。  に答えるかたちでコメントしますと、「メイドさん」が「おばさん」なのは悲しいなあ、です。  ――そして、旦那様が「おじいさん」なのもすこし悲しかったりします。  レスには2時間。課題の説明文について悩んでいたら、時間かかりました。悩むより、実際に書いてみたほうが早かったっす。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7217 投稿日 2003年10月29日(水)00時15分 投稿者 新木 伸 >2号  もうすこし5W1Hをはっきりとさせつつ、説明文だけで小説を書くことはできないものかな。  ちなみに  説明文は動きのない文章という理解は、おおむね正しい。  より正確にいうなら、「時間が流れない文章」ということ。  どこからどこまでで、何秒が流れているのやら、ぜんぜんわからない文章というのはまず説明文だ。  説明文というのは物語の場面と繋がっていないものである。そこだけ孤立していて、物語の進行を中断するかたちで挿入されている。  ドラマや演劇で説明するなら、こんな感じかな――。  普通のシーンでは役者が動いて台詞を言っているわけだが、説明(ナレーション)が入り始めた瞬間に、役者が全員、ぴたりと身動きしなくなるわけだ。  そして説明が終わると、何事もなかったかのように動きだす。  まあ、説明文だけで小説を書くのは大変だろうが、色々やってみること。  いまここで大事なのは、「説明文ってなんだろう?」と自分の頭で考えること。そして体で説明文というものを覚えること。  課題の出来は、この際、どうでもよろしい。  いま自分が書いている文章がなんなのか、区別が付くようになってくると、「いまここでいったん止めて説明文を入れとくか」とか、自覚しつつ書いてゆけるようになる。  描写、会話、説明、動作――これらすべてをはっきり自覚しつつ書いてゆけるようになると、腕がワンランク上がるはず。  文章の区別が付かない状態で小説を書いているというのは、いま自分がなにを書いているのかわからないまま書くということ。ただなんとなく書いているだけ。  そうすると、説明と描写と動作とが混じりあった変なものが出てきてしまうわけね。  演劇やドラマなどでは、ナレーションなんて、まず入らない。ナレーションがなくても、話はきちんと進めてゆける。  小説でも同じことがいえる。説明文を一切使わないでも話は進めてゆけるのね。  ただ、説明文というのは小説にしかない武器だから、適度に使ったほうがいい。  しかし「適度に使う」ということが出来るようになるためには、まず、まったく使わずにできるようにならないといけないわけだ。  また、説明文というものの正体も知っていなければならない。  使わずに書くほうは、それなりに出来てきている。  あとは説明文とはなにかを正しく把握するだけ。 -------------------------------------------------------------------------------- さらに体温上昇 No.7218 投稿日 2003年10月29日(水)01時12分 投稿者 弟切 千隼  熱が引くどころか、昨日より高くなっている弟切です。今日はろくに仕事をせずに−というより、できませんでした(;_;)−ごろごろしていたのに、なぜでしょう? >メイドさん  現実のメイドではなく、フィクションの中の「メイドさん」だとしたら、29歳は老けすぎでしょう。なぜなら、「メイドさん」が登場する物語は明らかに男性向けで、男性は圧倒的に若い女性を好むからです。  いくら若いほうがいいからといっても、十代前半以前の女性では未熟すぎて、普通の男性は好まないでしょう。一部の特殊な嗜好を持つ男性は除きます。  とすれば、「メイドさん」は、一般的な男性が好む十代後半から二十代前半くらいの年齢だと推定できます。十五歳〜二十五歳くらいまでですね。  男性の好みを考えれば、若いだけでなく、可愛い女の子であることも必然です。当然、着ている服−おそらく職場の制服ですね−も可愛いものでなければなりません。  「メイドさん」の制服はエプロンドレスが多い気がします。一応台所仕事などもできる仕事着で、しかも可愛いですから。  現実の世界では、よくケーキ屋の店員さんの制服になっていますね。エプロンドレスといってぴんと来ない方のために写真を紹介しておくと、こんな服です。↓ http://www.wonderrabbit.com/apron.html  エプロンドレスって、年齢が高くなると致命的に似合いません。現実世界では、ケーキ屋の店員をやっているおばさんがこのような制服を着ていることが時々あって、弟切でさえ「うわー、悪いけどその制服やめたほうがいいよ」と思います(^^; 弟切自身も、今となってはオソロしくて到底エプロンドレスなど着られません(爆)  やはり、「メイドさん」は、エプロンドレスが似合う年齢の人に限られますね。 >2号さんの書いた「メイドさん」(課題部屋のNo.671)  現実には、こんなお行儀の悪いメイドはいないでしょう。けれども、弟切はこの「メイドさん」を好もしく思いました(^_^) お行儀が悪くてもやるべき仕事はきちんとこなしているようですし、思いやりもあるからです。  ただ、「メイドさん」云々とは関係のない部分で、気になったことがありました。舞台が英国というわりには、主人の息子の名前「マルコ」がイタリア語名だということです。  「メイドさん」の名前のメアリーは英語名なので、違和感はありませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7219 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- すみません、上の削除、僕です No.7220 投稿日 2003年10月29日(水)22時57分 投稿者 月白  勢いに乗って、メイド年齢について書いてしまいました。  ので、自主的に削除です。 -------------------------------------------------------------------------------- エプロンドレスは、いいなあと No.7221 投稿日 2003年10月30日(木)06時34分 投稿者 名無し君2号  でも、メイドブームも過ぎつつあるような気もする今日この頃。いまは「妹」?で……次は……「姉」? >人名とか >弟切さん >>ただ、「メイドさん」云々とは関係のない部分で、気になったことがありました。舞台が英国というわりには、主人の息子の名前「マルコ」がイタリア語名だということです。  ああ、やってしまった。英語なら「マーク」ですね。  どうしてちゃんと調べなかったのか……。これはやっちゃいけない間違いです。 >1000字課題  今日は一編。説明文で書くシリーズ。  No.68「ボスしけてるぜ」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=676&e=res&lp=550&st=0 >描写課題  久しぶりに。  街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)、その2 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=677&e=res&lp=610&st=0  視線に関しては、はっきりいって変だと思います。なんとか修正できるだけしてみましたけども。  あとは、王都感が出ているか、田舎娘であるか、雑踏であると感じたか……を見ていただければ。  でも雑踏感が薄い、とは思います。なんかとってつけた感もあり。  そもそも、中世(ファンタジー)の世界観だと、田舎娘ってちょっとやそっとの理由じゃ、王都には出てこないですよねえ。田舎者に旅行という概念はないでしょうし、男ならともかく、少女がひとり旅はないだろうし。  難しい……。でも描写難易度1.5。 >ペンネームとか  浅井春眠とか。  不思議げな話を書いていてもおかしくな……くもない?  またシャレだ……。うあ、改名まであと2日。  レスには1時間くらい。どんとはらい。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7222 投稿日 2003年10月30日(木)10時06分 投稿者 新木 伸 >メイドさん  皆は自分の「メイド観」を、語りたくて語りたくて、もうたまらない様子。  つまりそれだけこだわりがあるということ。メイドさんというものは、それだけキャッチーであるということ。  しかしこだわりがあるということは、自分の趣味から逸脱するものに対しては、容赦がないということでもある。  だけど、一般読者のニーズを考えろ――とはいったけど。  べつにオタ系青少年に合わせなくたっていいんだけどな。  自分が書くべき対象読者に合わせればいいわけ。  そこの層が求める「メイドさん像」はいかなるものであるのかを、まず把握する。  しかし把握することと、合わせることはイコールではない。  自分が良いと思うメイド像と、ユーザーのニーズとの摺り合わせをするわけ。  仕事のやりかたは、どれもたいていそうだけど。  クライアントの要望をすべて鵜呑みにしていては仕事にならん。もしくは上の人間の言うことを鵜呑みにして言われるままやっているとか……過労で死ねるな。きっと。  向こうの要望と、こちらのぎりぎり提供できるものと、摺り合わせて折衝点を探すわけね。たとえば弟切が「メイドというのは職業のひとつである」という部分をどうしても譲りたくなかったら、そこは押さえる。その上で、フィクションでありファンタジーとしての架空のメイド像を作り上げるわけだ。  ちなみにメイドものの何分の一かは、「メイドというのは職業である」なんて理を吹っ飛ばしている。お給金貰ってないメイドさんってけっこう多いよ。  職業でやってるなんてのは本物のメイドさんではないのだ。そんなのは汚れているのだ。真実のメイドさんは金なんて受け取らないものなのだ。聖職者が神様からお給金を貰っていないのと同じに。 ●2号 >No.68「ボスしけてるぜ」  うん。まとも。普通に読める。  ネットでは、いっぱい見かける。  だがこういうものは小説とは呼ばない。アマチュアの書くものの9割はこんな感じ。まがりなりにも時間の流れが存在しているものは、残りの1割にも満たない。  これが悪いわけではない。  これだけであることが悪いわけね。  説明文だけというのが。  説明文だけのものを、もうひとつふたつ書いてみるべし。  そうしたら、次は、外側からと内側からと、やってみるか。  人物を出して話を動かすが、外側からしか書かないもの。心の中は一切書かない。  それとは逆に、こんどは内側から離れないもの。視点を心の中から出さず、人物を客観的に見ない。  これは、どっちも難しいよ。  どっちかでやろうとしても、たいてい、逆のほうが混ざってしまう。  プロでもきっちりやれる人は少ないのではなかろうか。  あと、これ以降、しばらくのあいだ――。  課題で書くものは、すべての行を、「描写」「動作」「説明」「会話」の4つに分類してみること。  もう完璧に見分けが付くようになっているはずだから、簡単なはずだ。  分類したものは、課題の後ろにでも付けておくべし。  種類の違う文がひとつの段落に混ざることはないだろうから、段落単位で仕分けしてゆけば済むはず。(基本はそう。応用では一段落のなかに種類の違うものを混ぜることもある)  あと、自分の手元にあるものだけでいいから、マーカーで色分けして眺めてみること。  自分の小説は、描写が何割で、動作が何割で、説明が何割で、会話が何割で――と、色分けしてみるとその比率がよく見える。  ――って、2号はプリンターは持ってないんだっけか。  なんかワープロソフトを使えば、文字に色が付けられるだろ。WINDOWSに標準添付のワードパッドでもできるから、それでやってみるように。 >No.8 街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)、その2 >>その白いシーツの向こう側に、大きな城が見える。  白いシーツと来たか。  まだ警報機が働いてないのかなぁ。  ここ、ファンタジー世界だろ?  そしてシーツだろ?  そしたら、普通、警報が鳴るだろ? いいのか? 出してしまっていいのか? ちょっと待て、調べてみよう――てな警報が。  自分が知らないということを、まだ知らないのかオマエは?  シーツを使う習慣はいつからあったのか。  綿花の生産がいつ頃始まったのか。木綿という素材が使われだしたのはいつか?  また織物の漂白技術の確立は?  機械工業が成立していれば広い面積の布を織るのも簡単なものだが、人手でやってたら、シーツの面積を織るのにどれだけ掛かると思っているのだ?  これらの項目、弟切ならそらで言えてしまうところだろうが、俺はよく知らない。だが警報は鳴るぞ。自分の作品だったら、そこで調べる。  これは自分の作品ではないので、わざわざ調べて教えてなんてやらない。  自分で調べろ。  5時間もかけたなら、そのうちの15分も使えば、インターネットですぐに調べが付くだろ。 >>Hなことをしたいらしい、  ファンタジー世界でも、「エッチ」という言葉があるのか。  しかもアルファベットまであるのか。  ところでこの「エッチ」という言葉、辞書で引いたのか? >>あとは、王都感が出ているか、田舎娘であるか、雑踏であると感じたか……を見ていただければ。  王都感は、まあちょろっと。  田舎娘であるということは、まあそれなりに伝わってきた。  雑踏感は、ぜんぜん。  どうして雑踏感が全然だったのかを説明するより、上で書いた「4種類の文章への腑分け」を行ってみたほうが、よくわかるだろう。  これじゃ伝わるはず、ないのだ。  なぜ伝わるはずないのか、考察して、回答のこと。  あと質問にはないけど、「ファンタジー世界観」とか。  月に4回、野菜を売りに行くというのは良い。野菜なんて毎日どこででも手に入るのが現代人の生活だから、月に4回しか買えず、生産者が直接売りに行くなんていうシステムを聞くと、「へー」となる。そこで読者は、「そっか。現代じゃないんだ」と思うわけだ。  そういうものの積み重ねで、現代ではない舞台を作ってゆくわけね。  でも1個しか入ってないから、もっと入れろ。この長さなら、せめて3〜4個は必要だ。  僕なら、まず少女に靴を履かせる。  そしていい服も着せる。  少女は普段は靴を履いていないのね。でも街まで半日は歩いてくるので、このときだけは靴が必要なのだ。その慣れない違和感を気にしていたりもする。当然ここでは深夜から歩き通しだった感も出す。  どうせ「慣れない靴」を出すのなら、衛兵にエッチなことをされそうになって逃げ出して、靴を履いていると走りづらいので脱ぎ捨てると、とたんに足が速くなって逃げ切れた――なんて、やるかなぁ。これやると長くなっちゃうかな。  服は「街の連中になめられないように」と、一張羅の外出着。しかしじつはそれでも街の人たちの普段着より見劣りしたりするのだが、女の子には並んだ気分になっていて、ウキウキしている。  あとは、運んでいる野菜で雰囲気を作るかなぁ。  日本人にも世界のどこの人間にも馴染みのないような不思議な野菜を出す。  あとは街中の様子だわな。  う〜ん。  やはり俺なら、あと4つは入れるな。  じゃないと買ってもらえないもん。  プロの原稿は、1行500円で買われてゆくものなのね。  あれは60行ほどの長さがあるから、500×60で、3万円となるわけよ。  せめて4〜5回くらいは「へー」と言わせないと、金なんて取れんよ。  あと女の子を出すなら「この子かわいー」と思ってもらわないとなぁ。べつに「萌えっ」でもいいけど、とにかく気に入ってもらわないと。  3万円だぞ3万円。  どこの誰が、単なる文字の羅列でしかなく、誰にでも書けるようなもんに、3万円も払うというのだ? 酔狂でやってるわけじゃないんだ。  それだけのものがあるからこそ、3万円を払うわけだろ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7223 投稿日 2003年10月30日(木)14時48分 投稿者 新木 伸 >視点とか  余談だが。  いま試験的に、ふたりの人物を出しつつ、そのどちらにも視点を寄らせないまま、感情的にもニュートラルなままで距離を置きつつ書く――というのをやってみている。  うーん。ムズい。  ややもすると、どっちかに寄ってしまう。いつも使っているのが「キャラ寄り三人称」なもんで。  寄ってしまったのはわかるので直せるのだが……。  そうしているとえらく時間がかかる。普段の視点であれば、頭から出てきたものをそのまま書き留めればいいだけなので、それなりのペースになるのだが。  しかし気が付いたことがひとつ。  そういう書きかたをしていると、同じものを書いても分量が短くなるようだ。  視点が二人の中間にあって距離をとっていると、クールに見れるので、表現は客観的になる。また書くべきことの情報量も減る。  キャラの内面まで入りこんでしまうと、キャラの情動に飲みこまれて山ほど書かなきゃならなくなる。(それなりの量を書かないと、リアルでなくなってしまうので書かざるを得ない)  しかし距離を置いたクールな書きかたでは、同じシーンを書くのに少ない枚数となる。  そして密度としては上がる。――のかな? まあもうすこしやってみればわかるか。 >2号 >No.8 街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)、その2  ひとつ追加。  衛兵=悪人という構図。  これは現代日本に暮らす人間にとっては常識の外にあることだから。  なんの手もかけずにポンと放りこんでも理解されない。  衛兵 → 兵隊 → 自衛官? → 街の治安を維持する人たち → おまわりさん  てなふうに思考して理解する。  なんで、おまわりさんが悪なのだ?  街の治安を維持する職についている者たちなのに、じつは悪党ばかりが揃っている――というその世界の常識を持ちこむのなら、「現代と常識が違うのだ」ということがわかるような仕掛けが必要だわな。  そういうものがあったなら、「へー」となって、「そっか。現代じゃないんだ」と思ってくれることに繋げられたのだが……。  いまのままじゃ、これは単なる「読み捨てポイント」だ。  おまわりさんが悪党? わけわかんねーよ。これ書いたやつ馬鹿なんじゃねーの? 常識もねーのかよ。――とか、なりかねない。  馬鹿が書いた小説はくだらないに決まっているから、読む価値はないわな。  読み捨てだわな。  読者の常識レベルをひとつ測り間違えただけでアウトになるケースもあるから、気を付けること。 -------------------------------------------------------------------------------- 時をかけるおばさん No.7224 投稿日 2003年10月31日(金)00時03分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、弟切は発熱を押して炬燵の上のPCに向かい、仕事をしていたはずでした。ところが、はっと気づくと弟切は炬燵に横たわっており、朝になっていました。  時間を飛び越えると体に良いのでしょうか、なぜか熱が引いていました。しかし、昼に外出したらまた熱が出ました(^^; 2号さんへ >  前回の弟切の書きこみNo.7218で、書き忘れたことがありました。  課題部屋のNo.671「メイド」についてです。  この作品を読んで、冒頭のメイドさんの描写をしているところで、弟切は「視点がおかしいのでは?」と思いました。 >> 女性が食器を洗っていた。 >> 裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを 着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜 色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。  上記の部分までは、おかしいとは感じませんでした。  ここまでで、弟切の脳内には、正面から見たメイドさんの図が浮かんでいます。台所の洗い場で食器を洗っている若い女性の、腰から上くらいの図です。  特に断わりがなければ、人の姿が描写されている場合、それは人を正面から見た姿だと認識されるでしょう。変則的でもせいぜい側面から見た姿までで、後ろや真上・真下などからの視点ならば、読者さまにはっきりとそれを知らせる必要があると思います。  この直後の文は、以下のようになっています。 >> 背中ごしに、一筋の煙があがっている。  正面からメイドさんを見ているのですから、ここで言う『背中ごしに』は、当然メイドさんの背後から煙があがっていることを示すはずです。  ところが、このさらに後には、以下のような文章が続いています。 >> メイド姿の女性は振り向いた。――口元にはタバコ。  ここで、弟切は大いに混乱しました。  なぜならば、正面を向いているはずのメイドさんが振り返っている−頭を後ろに向けて、こちらからは顔が見えない状態になっている−のに、『口元』が見えているからです(?_?)  しばらく考えて、ようやく、「もしかしてこのメイドさんは、今までずっと後ろからの視点で描写されていたのか」と気づきました。背中ごしの煙が、彼女がくわえたタバコから立ち昇っているものであることも、理解するまでにだいぶ時間がかかりました。  この書き方では、多くの読み手が弟切と同じように混乱するのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 悪魔男 No.7225 投稿日 2003年10月31日(金)08時11分 投稿者 名無し君2号  『デビルマン』が実写で映画になるそうな。  最近はアニメやら漫画やらが、どんどん実写で映画になるなあ、と思った。『ハットリくん』に『キャシャーン』に『キューティーハニー』。  『デビルマン』の残酷描写が、実写で描けるものなのだろうか。余計な心配をしてしまったり。 >1000字課題  説明文で書くシリーズ。  一編です。  No.69「なんでこんなことに」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=678&e=res&lp=550&st=0 >>説明文だけのものを、もうひとつふたつ書いてみるべし。 >>そうしたら、次は、外側からと内側からと、やってみるか。 >>人物を出して話を動かすが、外側からしか書かないもの。心の中は一切書かない。 >>それとは逆に、こんどは内側から離れないもの。視点を心の中から出さず、人物を客観的に見ない。  完全客観三人称視点と、完全主観一人称視点ってことでしょうか。  ハードボイルド視点と、えーと、なに視点っていえばいいのかな。少女向け小説視点……でいいのか。  難しそうってことだけはよくわかります。完全客観もそうですけど、完全主観が特に。自分で自己紹介ができない、説明文を入れられない。そういうこと……じゃないのかな。 >>あと、自分の手元にあるものだけでいいから、マーカーで色分けして眺めてみること。 >>自分の小説は、描写が何割で、動作が何割で、説明が何割で、会話が何割で――と、色分けしてみるとその比率がよく見える。  1000字課題、No.65「メイド」で取りあえずやってみましたが。  描写がちっともないです。動作が3割、説明が3割、会話が4割。  うーん。描写……。 >No.8 街の雑踏、ファンタジー版(田舎娘、王都を見て)、その2 >>白いシーツと来たか。 >>まだ警報機が働いてないのかなぁ。 >>ここ、ファンタジー世界だろ? >>そしてシーツだろ? >>そしたら、普通、警報が鳴るだろ? いいのか? 出してしまっていいのか? ちょっと待て、調べてみよう――てな警報が。 >>シーツを使う習慣はいつからあったのか。 >>綿花の生産がいつ頃始まったのか。木綿という素材が使われだしたのはいつか? >>また織物の漂白技術の確立は?  シーツに関しては、貴族は使っていてもおかしくはない……が、庶民の手に届くものではなかった。中世ヨーロッパだと、庶民はベッドに麦わらをしいて、その上に寝ていたようだ。  そもそもファッションという概念自体、この時代の庶民にはないものらしい。ひとつの服を、ぼろぼろになるまで着る、それが庶民の服装。服も買うものだったのかどうか。自分で作ったのかもしれない。  綿花の歴史自体は、非常に古い。紀元前からある模様。  ただし、綿製品が庶民の手に安く渡るようになるには、産業革命を待たなくてはならない。  木綿は、生成り(きなり)色、つまりやや黄色がかった白というのが、本来の色。ほかにも茶色や緑色もあるらしい。  漂白技術は、灰汁で煮込む、天日に晒す等の方法があったようだ。でも、塩素を使って漂白するようには、真っ白にはならなかったろうし、また、時間もかかっただろう。時間がかかるということは、それだけ高い商品になるということ。  塩素漂白の技術には、やはり産業革命を待たなければならない。  ここで出てくるのは魔法技術。  はたして、魔法がどの程度のレベルで日常に食いこんでいるのか。魔法がごくごく身近な世界なら、機械の変わりに魔法で産業革命が起こるかもしれない。  魔法の力で、漂白も、大量生産も出来るのかもしれない。  もちろん、魔法がごく一部の人間だけのものなら、そんなことにはならないだろう。  魔法次第ではありますが、中世ヨーロッパの文明程度では、庶民にシーツは『ない』ようです。  ここまで調べるのに、一時間以上かかりました。検索がヘタなわけで。 >H >>ファンタジー世界でも、「エッチ」という言葉があるのか。 >>しかもアルファベットまであるのか。 >>ところでこの「エッチ」という言葉、辞書で引いたのか?  Hが「Hentai」の頭文字なのは知ってました。  ちなみに広辞苑だと、 ■ (「変態」のローマ字書き hentai の略) 性に関する言動が露骨なさま。  になってます。  ちょっと悩みましたが、わかりやすさとリアルさを天秤にかけて、わかりやすいほうがいいかなあ、と。  他にも、時間の単位から、距離、重さの単位まで、本来ならばファンタジー世界では使えないはず……なんですけどね。  なんで一日が24時間なの? とか、ということは地球とおなじタイプの惑星なのか、とか。  長さも、フィートやポンドのほうがまだマシかもしれませんが、でも普通の人は1フィートがどのくらいの長さなのかわからないし。私もわからないし。もう開き直って地の文ではメートルで書きたい……が、読者は引くか。  もちろん、登場人物に『メートル』だの『グラム』だの喋らせたらどうにもならない。 >雑踏感 >>雑踏感は、ぜんぜん。 >>どうして雑踏感が全然だったのかを説明するより、上で書いた「4種類の文章への腑分け」を行ってみたほうが、よくわかるだろう。 >>これじゃ伝わるはず、ないのだ。 >>なぜ伝わるはずないのか、考察して、回答のこと。  次回考察します。 >ファンタジー世界観 >>月に4回、野菜を売りに行くというのは良い。野菜なんて毎日どこででも手に入るのが現代人の生活だから、月に4回しか買えず、生産者が直接売りに行くなんていうシステムを聞くと、「へー」となる。そこで読者は、「そっか。現代じゃないんだ」と思うわけだ。 >>そういうものの積み重ねで、現代ではない舞台を作ってゆくわけね。 >>でも1個しか入ってないから、もっと入れろ。この長さなら、せめて3〜4個は必要だ。 >>僕なら、まず少女に靴を履かせる。 >>そしていい服も着せる。  靴! 裸足!  あー、そりゃあ、当時の農民ってば、ものすごく質素な生活しているんだよなあ……。どうもゲーム的ファンタジー観に毒されてしまったような。もちろん自分のせいなわけですけども。  靴……。当時、庶民が履けるといったら、サンダル、モカシンか。  うーん、まー、現実の中世をどこまで参考にするかということだけど。 >>どこの誰が、単なる文字の羅列でしかなく、誰にでも書けるようなもんに、3万円も払うというのだ? 酔狂でやってるわけじゃないんだ。 >>それだけのものがあるからこそ、3万円を払うわけだろ。  逆に言うと、それだけのものがあれば、3万円をもらってもいいわけだぁ。  早くもらえるように頑張ろう。 >>衛兵=悪人という構図。 >>これは現代日本に暮らす人間にとっては常識の外にあることだから。 >>なんの手もかけずにポンと放りこんでも理解されない。  う……そうですか。  悪徳警官のようなもの、とは思ってもらえないか。  あ、そうか、直接、警官を描いているわけでもないし。 「本来なら街の正義を守らなくちゃいけないのに、ここの衛兵ったら、悪いことばっかりして! 兄さんも兄さんよ、ワイロ渡しちゃったりして、世の中、真っ直ぐなだけじゃ生きていけないんだ、なんて言ったりして! ぶつぶつ……」  ……ベタだなあ。 >弟切さん >>前回の弟切の書きこみNo.7218で、書き忘れたことがありました。 >>課題部屋のNo.671「メイド」についてです。 >>この作品を読んで、冒頭のメイドさんの描写をしているところで、弟切は「視点がおかしいのでは?」と思いました。  あ、たしかにおかしいですね。  メイドさんの全体像を説明しているのに、次の場面でいきなり視線がメイドさんの後ろから見たものに変わっているから、とてもちぐはぐになる。  ここでの回避方法としては……。 (1)最初のメイドさんの説明文を、背中から見た映像だけに限定する。 (2)メイドさんの説明のあと、あらためて視線が後ろから見ているものに変わったのだと、読者にはっきりとわかるように説明する。  ですか。  視線は難しいな……。  レスには4時間ほど。とっぴんぱらりんのぷう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7226 投稿日 2003年10月31日(金)15時51分 投稿者 新木 伸 ●2号 >次の課題  片方は外側からの完全客観のことを言っている。  もう片方の内側からというやつは、一人称以外にも考えてみるべし。実際のところ、一人称ってあんまり主観的にならないのよね。自分のことを「俺」とか「私」とか呼称している時点で、すでに自分を客観的に見てしまっていることになるし。  この場合、観察者を出してしまったほうが、人物の主観により近づけるかも。  人物がなにを見ているか、なにを感じているか、なにに注意を向けているか、なにを考えているか、それはなぜゆえか。――そういうことを、人物の内側に入って同時に体験できる視点で書くと、感情移入度が上げられて読者も追体験しやすいと思う。  この視点保持者は人物の外側に出さない。人物のフィルターを通さずに周囲を見ないってことね。  視点保持者の持っている知識セットや感性やらは、人物のコピー。人物と同じことを知っているし、同じ価値観を持っている。  唯一の違いは、物事の当事者になっていないこと。そのためすこし冷静で、すこし客観的になれる。しかし感性が人物のコピーであるために、なにを書いても主観的表現から外れにくい。  これは僕がよく使っている視点。高校生ぐらいの年齢の少年を主人公にしてライトノベルを書くときには、たいていこれにしている。  完全客観と、完全主観でなにが難しいのかというと――。  説明が入れられないとかそういうことではなくて、使える言葉が制限されるっていうこと。客観語と主観語と、それぞれ片方ずつしか使えない。 >文章の種類の腑分けとか >>描写がちっともないです。動作が3割、説明が3割、会話が4割。  これ、腑分けした内容を見せてみ。  あと描写をバランス良く入れるだとしたら、どんなふうになるのか、リライトして見せてみ。  そもそも、描写っていうのはどんなもののこと? >シーツとか  魔法にも色々あるだろ。  魔法で漂白とか、魔法で産業革命とか、魔法で大量生産とか、なんかアホなことを言っているが……。  あんまり魔法っぽくない魔法だなぁ。漂白する魔法だなんて。それ「科学技術」とどう違うのだ?  魔法っていうくらいなら、物体を直接生み出す魔法があったって、いいだろうに。  またはひとつの物を何倍にも増やす魔法とか。  小人さんが山ほど現れて、わーと皆で仕事を片づけてくれる魔法とか。  ちなみにヨーロッパ系の気候で、産業革命以前であれば、織物は羊毛かリネンね。  リネンはいまでも高級ホテルのシーツやタオルやテーブルクロスなんかに使われてるぐらいで、たいへん肌触りが良い。  リネンのシーツとか、庶民が持っていてもいいかもしれないけど……。しかし庶民といっても金持ち系で、しかも家宝もんだろうなぁ。  毎日のように洗って、日にさらしているとは思えない。ついでに「白」というのも、塩素か魔法でも想定しなければあり得ない。  あと洗濯についても考証が甘い。  2号の考えでは、「庶民の日常生活感=洗濯物がいっぱい」とか、直結してしまったのだろうが……。  この文明レベルでは「洗濯機」はないわけね。となると洗濯というのは重労働なわけ。  ついでに言うと、水源が井戸であれば、水汲みも重労働となるわけ。  水が豊富な日本人の感覚で異世界を描くのも間違いだ。  井戸水というのは使えば枯れるものなので、洗濯に回すような水はないはずだ。  ローマの都市群のように水道が完備しているという設定ならともかく、そうでないなら、洗濯物がそこらに下がっている光景はおかしい。  そもそも、この都市の水はどうなっているのだ? >度量衡の単位系  長さ、重さ、時間の単位。  悩め悩め。  プロだって、どこかの時点でそうしたことに悩んできたのだ。そして自分なりの解答を見つけてきたものなのだ。  てか、ようやくそういうことを気にするようになってきたのか。  異世界なので独自の単位がなければおかしい。だが完全な独自単位にしてしまうと、こんどは読者にわからない。しかしこの世界の単位を持ちこむと雰囲気がぶちこわしになってしまう。  また独自単位と現実世界との単位の換算法を書いてしまうのも、視点やら雰囲気やらが壊れるし、読者に換算してもらわなくてはならないので不親切。  ちなみに単位については、世界が違えばがらりと変わってしまう類のものと、そう変わらない類のものとがある。  たとえばメートルってのは、地球の寸法をもとにして定められている。地球の一周の長さの4万分の1。つまり適当。惑星のサイズが変われば、変わってしまうし、そもそも惑星のサイズが測れてない文明レベルでは出しようがない。  グラムというのは、水の1立方センチの重さをもとにして定められている。  このへんは世界が違っても共通性がありそう。しかし「センチ」が1メートルの100分の1なので、やはりNG。 (このへん、くれてやった「現代用語の基礎知識」を引けばすべて出てくる)  またフィートっていうのは、人間の歩幅。  これは共通性がありそう。  ヤードっていうのは3フィートのことだ。これは0.9メートルで、ほぼ1メートルに等しい。  重さの単位はもうほんとうに適当。詳しくは知らないが、オンスが1枚の銀貨の重さを表していたはず。  金銀といった貴金属が貨幣となったときに、どこかで重量の規格化をしなければならなくなり、そのときに適当に定められたものと思われる。  時間の単位は、日が昇って沈む世界であれば、「日」という絶対に変わらない単位が使えるだろう。日をいくつかに等分して「時」を作ってもいいだろうが、24等分してしまうと、異世界っぽくなくなる。現実世界でも、古代では12時間だった。  「時」を60等分した「分」と、さらに60等分した「秒」というのは、これは元々天文学における角度の単位だ。よって原始的でもいいから天文学が発展していて、天文学者たちが単位を定める権限を持っていて、それが一般にも普及していて――と、そこらへんまで決めておかないと使えない。  気候の変化がある世界であれば、「年」があってもいいだろう。  しかし「月」という単位は、その世界に衛星としての「月」がなければ出すことができない。 >靴とか >>どうもゲーム的ファンタジー観に毒されてしまったような。もちろん自分のせいなわけですけども。  たいていのゲームでは、初期装備で「靴」は履いてないものだが。  粗末な服と、粗末な武器だけを持たされて、素足でフィールドに放り出されるものだが。  靴なんて、ACの上昇率は微々たるものだし、たいてい後回しにされるもんだが。  まず服。そしてズボン。そのあとで靴。  首やらマントやら、ベルトやらアクセサリーやらで強化してゆくのは、最後の順番。 >衛兵=悪人という構図  まだわかってないかなぁ。  日本人っていうのは、基本的に、警官が悪だとは思っていないんだって。  その証拠に、悪徳警官って、日本じゃニュースになるだろ?  しかしあの世界で書こうとしているのは、悪徳警官がいても話題にもならない世界――なわけでしょ?  そこに飛躍があるわけ。  「悪徳警官というのはいないこともない」ということと、「全員、皆、悪徳衛兵」ということとをイコールで結んではいけない。  ちなみにあの話の中で、少女が出会った衛兵だけが特別な「悪徳衛兵」だったとは、どこにも書いていないので、あの世界の衛兵は皆全員「悪徳」であるものとして受け取ったが。  そして「冒険者」というのは、その逆で、皆全員、いい人なわけだよね?  まあどちらも中には「例外」もいるのだろうけど……。  まあ大抵、衛兵は「悪徳」であり、冒険者は「いい人たち」なわけだろ? >メイドさんの背中  これはもうひとつ原因がある。  「洗い物をしている人間」というのを、2号は背中からしか観察したことがないのだろう。  ――なので、暗黙のうちに「背中から」としてしまうわけだ。  洗い物をしている人間を描いたら、それは後ろからに決まっているじゃないか――てな意識がどこかにある。  しかし世の中には、洗い物をしている人を後ろから眺めたことのない人間もいるわけね。つまり自分が洗い物をしている人の場合。 >>女性が食器を洗っていた。  この一行を目にしたときに、「背中側から」の映像が浮かぶ人と、「洗っている当人の視野」が浮かぶ人と、二通りいるということだ。 (背中からか、前からか、ってことでもあるが)  「背中側から」ということを暗黙のうちに済ませてしまわず、確定するように書く必要があるということ。  しかし改めて見直すと……。 >>裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを 着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜 色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。  視点推移が、めちゃくちゃだなぁ。  もしここが描写であるのだと仮定すると……。  まず視点保持者は、裾を見ているわな。それから足首を見る。そしてワンピース全体の色が深い紺色であることを認識する。  さらにワンピースの上にフリル付きエプロンがあることに気づく。肩を見て、袖を見て、髪の毛の色を認識して、カチューシャがあることに気づいて、髪が後ろにまとまっていることを知る。  人間が、洗い物をしている女の人を、そんな順番で観察してゆくものかよ。  やはりここは描写でなくて、説明なのだな。  説明であれば、その段落中は「時間停止状態」になっているから、なにをどういった順番で書いてもいい。視点保持者の見ている箇所の移り変わり、その順番なんかに配慮しなくてもよいことになる。  しかし、なんだって、ここ説明にしているわけ?  メイドさんの格好、描写にしたほうが、ぜんぜん読み応えのあるものになるじゃんか。同じことを書くにしたって、遥かに価値があがるってものだが。  3万円、貰いたいのだろ?  こんど、洗い物している自分のカアちゃんを、後ろからこっそり観察してみろ。  どういう順番で自分の視点が移っていったか、メモを取ってみろ。  そして描写文を組み立ててみろ。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7227 投稿日 2003年10月31日(金)17時36分 投稿者 新木 伸 >弟切  そういや弟切は――。  例の2号の「メイドさん」の課題で、メイドさんの姿を説明している部分を、「描写」だと思いこんでしまっているようだが。 >>特に断わりがなければ、人の姿が描写されている場合、それは人を正面から見た姿だと認識されるでしょう。変則的でもせいぜい側面から見た姿までで、後ろや真上・真下などからの視点ならば、読者さまにはっきりとそれを知らせる必要があると思います。  人の姿がきちんと描写されているときには、どの方向から眺めているのかも確定されていなければおかしい。後ろからなのか、前からなのか。角度は上からか、低い子供の目の高さからなのか。  カメラ位置。そしてカメラの写してゆく順番。すべて含めての描写だから。  読者の脳裏に浮かんだ絵が、正面からだったり、横からだったり、後ろからだったり、揺れる余地が残っているのは説明だろう。  これは読者の脳裏に絵を浮かばせているわけではなくて、読者に想像してもらっていることになる。読者に想像力を駆使してもらって、絵を構築してもらっているわけね。読者の負担に頼っているわけだ。  想像したくない読者は、ここで絵がなんにも浮かんでこないことになる。  想像することのできる人でも、コンディションいかんではわからないぞ。  想像することってわずかだけど負担となることだから、残業終わって帰ってきたばかりで疲れ果てている状態だったら、想像するのは面倒くさいかもしれない。 >> 裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを 着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜 色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。  これはいわば、「メイドさん」というもののスペック(緒元)なわけだ。  外見的なスペックを羅列していったもの。データの並んだもの。  ここから「絵」を浮かばせるのには、読者が労力を払うことが必要。  弟切も、自分がこの「メイドさん」を読んだときのことを考えてみること。  メイドさんの外見は「浮かんできた」ものなのか、それとも自分が労力を払って「思い浮かべた」ものなのか、どっちなのだ? -------------------------------------------------------------------------------- 観察力とか No.7228 投稿日 2003年10月31日(金)18時08分 投稿者 新木 伸 >描写とか  描写力というのは、観察力と直結している。  これは絵の勉強をした人間なら、誰でも知っていることであるが――。  人間っていうのは、じつは、物を見ていないものなのね。  たとえば「リンゴ」というものを見たとする。  すると人間は一瞬で、「あ、リンゴだ」とそう認識する。  リンゴについては色々と知っている。大きさ。重さ。色は赤いこと。食べると甘いこと。その食感など。  ――なので、それ以上、じっくりと見る必要なんてないわけだ。  知っているものを目にして、それがなんであるか認識した瞬間に、人間は観察をやめてしまう。それがなんであるか素早く認識するということは、人間が生きのびてゆく上で必要なことだったから、脳の構造はそのように進化してきている。  それがなんであるかわかっている物に対して、人間はそれ以上の労力を払おうとしないのだ。それは余計なことであって、むしろ悪いことでもある。生存に響くほどのこと。  それがリンゴだとわかった以上、目はそこから離して、他のものを見なければならないのだ。それがリンゴだとわかればもう危険はない。他のところにヘビが潜んでいないか探さないとならない。  「リンゴ」だとわかっているものを、さらにしげしげと観察しているようなアホウは、毒ヘビに噛まれて死んでしまうのだ。自然淘汰されてしまうので、現代においては、あまり生き残っていない。  そうして人間は、リンゴがリンゴであるとわかった瞬間に観察をやめてしまうようになっている。  ここに落とし穴がある。  そこは台所。立っているのはメイドさん。やっているのは洗い物。  ――以上。  それ以上書く必要は、もうないわけだ。  人間の進化の過程で、そう決められている。  もう少し詳しく書こうと努力してみても――。  着ているのは紺のワンピース。その上に白のエプロンドレス。カチューシャを付けている。  ――そんなようなものしか出てこない。  これではリンゴを表現するのに、赤くて、まるくて、甘くて、さくさくしていて――とそう書くことと、たいした変わりゃしない。  上の表現と、五十歩百歩。  わかりきったものしか出てこない。普段から観察してきていないので、搾り出そうとしても、このあたりが限界。見ていないものは書きようがないのだ。  観察するということは、人間が無意識のうちに持ってしまっているその「枷」を外すということ。必要以上に「見る」ということ。  この枷が生まれつき外れてしまっている人もいる。(あまりに外れすぎていると、「リンゴ」という概念さえも持てずに、日常生活も送れなくて困ることになるらしいが)  常人でも、訓練によって、ある程度までは外せるようになる。  美術の時間、まともに授業を受けていれば、その訓練が積めているはずなのだが。  どうせみんな、まともにやってきていないのだろうなぁ。ああもったいない。  話は飛ぶが、たとえば甘夏さんあたり――。  非常に身近で、かつ仕事に直結したものだと、細かく見ているので観察力を発揮できるわけだよね。  クリーニング屋の仕事をしているなら、ワイシャツを「ああワイシャツか」では済ませられない。お客さんに「僕のワイシャツ」と言われて、どれでも同じだからと、そこらのワイシャツを返すわけにはいかない。まあ普通は名札を付けているから間違えようがないが、立て込んでいてタグを付けきれないときとかもあるし、似たようなワイシャツを個別に識別しなくてはならない。  また同じワイシャツでも、汚れ具合はひとつひとつ違うから、個別に適切な処理をしなくてはならない。  必要に迫られるので、だから見る。  きちんと観察している。 -------------------------------------------------------------------------------- ハロウィーンの仮装パーティに誘われました。 No.7229 投稿日 2003年11月1日(土)02時54分 投稿者 弟切 千隼  誘ってくれた友人に、「ひらひらフリルのエプロンドレスのメイドさんと、網タイツにミニスカの魔女と、どっちの仮装がいい?」と弟切が訊いてみたところ、「どちらも世間に対する嫌がらせだからやめろ」と言われました(爆)  結局、仕事が詰まっているためパーティには出席できませんでした。 >メイドさん  課題部屋に書き直した「メイド」を上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=679&e=res&lp=672&st=0  考えた結果、少なくとも現在の弟切には、男性の欲望大爆発モードの「メイドさん」は書けないという結論に達しました。そこで、女性が読んで楽しめる「メイドさん」を書いたつもりです。 >2号さんの「メイド」 >>裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを 着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜 色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。  そういえば、この部分を読んだ時、このメイドさんの姿を想像するのに苦労した覚えがあります。それは視点が定まっていないからですね。どこの位置からメイドさんを見ているのか、これではわかりません。  例えば、髪のことを書いている部分では、まずカチューシャに言及し、それから『髪は後ろでまとめられていた』とあります。  カチューシャが視界に入るのは、普通は人物を前から見た場合か、上から見た場合でしょう。上からというのは特異な視点ですから、何も断わりがなければ、前から見ていると読み手は想像します。  ところが、前から見ているとしますと、『髪は後ろでまとめられて』いることが、見えるはずはありませんよね。 -------------------------------------------------------------------------------- ほえほえ〜と No.7230 投稿日 2003年11月1日(土)10時56分 投稿者 名無し君2号  『ほえほえ〜』とは、いったいだれが最初に使った言葉なのか、を考える。もちろん答えはでてこない。  『ほえほえ〜』って、間の抜けた驚きの表現なんだと思ってますけど。  そう感じさせてしまうのだから、言葉ってのは偉大だなあ、と思いを馳せたり。ほえほえ〜。 >視点 >>もう片方の内側からというやつは、一人称以外にも考えてみるべし。実際のところ、一人称ってあんまり主観的にならないのよね。自分のことを「俺」とか「私」とか呼称している時点で、すでに自分を客観的に見てしまっていることになるし。  あ。なるほど。  「私は勢いをつけてサイコロを振った。ちょっと力が入りすぎていたのか、卓の上を跳ねて、外に飛んでいく」  という文章だと、「私は」「勢いをつけて」「ちょっと力が入りすぎていたのか」で、自分を客観的に見ているわけですね。  ……違うか? >>この場合、観察者を出してしまったほうが、人物の主観により近づけるかも。 >>人物がなにを見ているか、なにを感じているか、なにに注意を向けているか、なにを考えているか、それはなぜゆえか。――そういうことを、人物の内側に入って同時に体験できる視点で書くと、感情移入度が上げられて読者も追体験しやすいと思う。  えーと……わからない。  これは頭で考えるより、手を動かしてやったほうがよさそうな感じ。  次回は完全客観でやってみます。それができれば完全主観もできるだろう……どうだろう。逆もまた真なりとはいうけれど。 >1000字課題  今日は一編。  No.70「トランジスタ・ラジオ」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=680&e=res&lp=550&st=0 >メイドさん >文章の種類の腑分け >>>>描写がちっともないです。動作が3割、説明が3割、会話が4割。 >>これ、腑分けした内容を見せてみ。 ■描写文 ・水の流れる音に、食器が当たる音が重なる。 ・音がぴたりと止まる。 ■動作文 ・メイド姿の女性は振り向いた。――口元にはタバコ。 ・視線は背後の子供を捕らえていた。少しクセのある金髪の、子供。 ・子供は気にもせずにメイドの隣に並び、横から覗きこんだ。 ・子供を軽く睨みつける。 ・子供は口を尖らす。 ・口元に笑みを浮かべたまま、メアリーはエプロンで手をぬぐった。タバコをつまむ。 ・マルコは手を頭の後ろで組む。 ・メアリーはゆっくりと煙を吐きだした。 ・マルコはそれを見つめている。 ・メアリーは、マルコの頭に手をのせた。 ■説明文 ・少々古びたキッチンだった。 ・女性が食器を洗っていた。 ・裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。 ・背中ごしに、一筋の煙があがっている。 ・メイドは仕事を続ける。しばらく、食器を洗う音だけが響いた。 ■会話文 ・「おぼっちゃま。見てのとおりあたくし、いまとーってもお忙しいんですけど」 ・「なんだよ、メアリーったらまたくわえタバコ。パパに前、怒られたくせに」 ・「時間を倹約しているのでございますよ」 ・「――あんたらがこき使うからね」 ・「そんなのパパにいってよ」 ・「メアリーはさあ」 ・「なに?」 ・「パパと結婚しないの?」 ・「そうきたか」 ・「結婚してあげてもいいけどさ。――でも、マルコのパパは貴族さんだし」 ・「ビンボーだよ。下っぱだし」 ・「ビンボー男爵だけど、やっぱり貴族だから。んでもってあたしは平民なわけよ。わかる?」 ・「――わかんないよ」 ・「つまり、ここは自由の国アメリカじゃない。そういうことかな」 ・「ぼくもタバコ、吸おっかな」 ・「やめとけ。健康に悪い」 >>あと描写をバランス良く入れるだとしたら、どんなふうになるのか、リライトして見せてみ。  これは次回やります。 >>そもそも、描写っていうのはどんなもののこと?  説明文は、現象をそのまんま言葉で説明すること。  描写文は、現象をそのまんま書いて、説明すること。  メイドさんという現象について……。 ■説明文 ・彼女はメイドさんである。 ■描写文 ・彼女は紺色のブラウスに白いエプロン姿で、食器を洗っていた。 「御主人様?」  振り向き、くりくりとした大きな瞳で見つめる。漆黒の髪には、白い布製のキャップがのっていた。  と、いうことじゃないでしょうか。 >メイドさんの背中 >>人間が、洗い物をしている女の人を、そんな順番で観察してゆくものかよ。 >>こんど、洗い物している自分のカアちゃんを、後ろからこっそり観察してみろ。 >>どういう順番で自分の視点が移っていったか、メモを取ってみろ。 >>そして描写文を組み立ててみろ。  人の目というのは、おおむね、水平にものを見るようです。  立っていれば、まず頭〜肩。ついで下へと。ママンだったので背中あたりで止まりましたが、メイドさんだったら物珍しさもあり、足まで見るでしょう。ええ見るでしょう。  私が座っていた場合。  これは我が家の場合、居間から台所が丸見えなので、座りながらにして洗い物しているところを見ることができたのですが……。  足、尻、腰、背中、肩、頭の順。これは子供の視点にも使えるかも。  背の大きい人であれば、その逆だろうな、と想像がつきます。頭から下にいくのでしょう。  どちらにせよ、飛び飛びでは見ません。なめらかに、滑るように見ます。  それと、人を見る場合に、相手の足元ってなかなか見ない模様。優先順位とすれば、顔、胸元。腰までは下がらない。  遠くから見る場合だと、まずは身長とか、体型か。次に服装。それでも、靴は見ないな、普通。  あとは違和感のある場所から……かな。  アフロヘアーだったら、やっぱりそこを見てしまう。あとはおまけ。  乳がでかけりゃ、乳を見るし。  以下に描写文。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少しくすんだ茜色の髪は、後ろでまとめられていた。その上に、ちょっこんと、カチューシャらしきものが留まっているのが見える。紺色のワンピース。肩の部分はやや盛り上がり、なだらかなラインを描いて、二の腕に降りた。袖は、肘までまくり上げられている。フリルのついた純白のエプロンの紐が、背中でしっかりと結ばれていた。ワンピースの裾は、足首まで伸びていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  前よりは大部わかりやすくなったと思いますが。上から下へ、背中からの情報だけ。 >シーツとか >>あんまり魔法っぽくない魔法だなぁ。漂白する魔法だなんて。それ「科学技術」とどう違うのだ?  たしかに魔法っぽくないです。  んー、でも。  必要だから進歩するわけですよね。  それから考えると、攻撃魔法ばっかりなのも変かな、とも思いました。いったいなんの必要にかられて、隕石を落とす魔法なんかが生まれたのだろうか。  戦争のため? 対魔物のため? もしくは、なにか別の目的であみだした魔法の副産物とか。 >>あと洗濯についても考証が甘い。 >>2号の考えでは、「庶民の日常生活感=洗濯物がいっぱい」とか、直結してしまったのだろうが……。 >>この文明レベルでは「洗濯機」はないわけね。となると洗濯というのは重労働なわけ。  当時の洗剤といえば『せっけん』。それも、当時ではそんなに汚れの落ちるものはないでしょうし。 >>井戸水というのは使えば枯れるものなので、洗濯に回すような水はないはずだ。  じゃあ、風呂だってないですね。  そう考えると、えらいこと不衛生……なんだよなあ、中世ヨーロッパって。  だから香水が発達したのだし。匂いをごまかすために。  冒険者たちなんか、かなり汚いわけだな。旅をしているわけだし、激しく運動するし。  それって書いてはいけないところか。トイレシーンとおなじで、書かなければわからないところか。  冒険者が旅行するといったって、食料とか水はどうしていたんだ、というのもあり。砂漠を越えて……なんて出来るわけないし、死んじゃうし。  農作物を運ぶときもなあ。できれば牛車に引かせたいんだけどなあ。  牛とか馬とか、そのまんま出すのは……まずいよなあ、やっぱり。 >>そもそも、この都市の水はどうなっているのだ?  水はそこそこ豊富です。街のなかを大きな川が一本、流れています。 >度量衡の単位系  う。度量衡を『どりょうこう』って読めませんでした。漢字を見たことはあったんですけど。 >>たとえばメートルってのは、地球の寸法をもとにして定められている。地球の一周の長さの4万分の1。つまり適当。惑星のサイズが変われば、変わってしまうし、そもそも惑星のサイズが測れてない文明レベルでは出しようがない。  そういえば、地球の半径って、どうやってサイズを測ったんだろう。不思議。  そう思ったので調べてみる。  えーと、子午線と、緯度の角度が……それに基づいて……よくわからない。  天文学の分野らしい、とだけはわかりました。 >>しかし「月」という単位は、その世界に衛星としての「月」がなければ出すことができない。  あ、そうなんですか。我ながら間の抜けたことを言ってますが、「月」は空に浮かぶ「月」からなんですか。  月の満ち欠けで時の流れを知ったということ……か。 >衛兵=悪人という構図 >>ちなみにあの話の中で、少女が出会った衛兵だけが特別な「悪徳衛兵」だったとは、どこにも書いていないので、あの世界の衛兵は皆全員「悪徳」であるものとして受け取ったが。 >>そして「冒険者」というのは、その逆で、皆全員、いい人なわけだよね?  「冒険者」は半分以上ゴロツキです。チンピラというか。  感覚としては、ひと昔前……どころか、ふた昔は前のロックミュージシャンみたいな感じ……ですかねえ。  ロック=不良だった時代の話です。  少年のあこがれでもあるけれど、大人から見ればクズで。ロクデナシで。  衛兵はほとんど悪人です。ワイロが基本という。  あ。それを書けばいいのか。  んー。 「街に入るときに、門番にワイロ。道端で通りすぎるときに、衛兵にワイロ。冒険者より、よっぽどタチが悪いと思う。私の村には、あんな奴ら、いない」  んーん。 >雑踏感 >>雑踏感は、ぜんぜん。 >>どうして雑踏感が全然だったのかを説明するより、上で書いた「4種類の文章への腑分け」を行ってみたほうが、よくわかるだろう。 >>これじゃ伝わるはず、ないのだ。 >>なぜ伝わるはずないのか、考察して、回答のこと。  まずは腑分けてみる。 ■描写文  赤い髪を、三つ編みにまとめている。野良着を身にまとっていた。さっぱりと洗ってあって、土汚れはない。 ■説明文  春の日差しが、穏やかに降りそそいでいる。  家々が並ぶ、細い通り。  二階、三階だての建物の、通路を挟んで、紐が張られている。その紐に、洗濯物が干してあった。  その白いシーツの向こう側に、大きな城が見える。  少女は王都には何度も来ている。月に四度、王都にて大きな市場が開かれる。そのときに農作物を売るため。ひとりというわけではない。いつも兄さんと一緒だ。そして、売るのは兄さんで、少女はそのお手伝い。  王都ともなると、悪人もすごい。ぶつかった程度のことで、やたらと絡んでくる。そのうちに、Hなことをしたいらしい、とわかったとき、少女はおもわず悲鳴をあげた。  その時、たまたま通りかかった冒険者の一団に助けてもらったのだ  やっぱり、あの時とおなじく、たくさんの人が歩いていた。  ここは居住区。市場まで行けば、それこそ足の踏み場もないくらいの人がいる。市場で野菜を売る、といっても、直接お客さんに売るわけじゃなかった。まとめて買ってくれる商人がいるから、その人に売るのだ。  市場と比べればすくないとはいえ、少女の村からすれば、十分すぎるほど多い。  穏やかな顔をした神父さんが、向こうから歩いてくる。少女の村の神父さんより、やっぱりいい服を着てる、と思う。男の人が、足早にかけていく。少年と少女が、ふたり並んで歩いていた。おばさんが、駕籠に果物を持って歩いている。  子供たちが、かん高い声をあげながら、人をすり抜けて走っていく。少女は、思わず微笑んでしまった。  みんな、なんだかやたら急いでいるように、少女には見える。  ――人を助ける余裕もないほどに。 ■動作文  少女が、軽やかな足取りで歩いていた。  風にはためくシーツが、少女の視界に入る。  少女は、眩しげに目を細めた。  少女は城を見続けている。  あの城のなかに、王様や、お姫様、それに王子様が住んでいる、そう思うだけで、胸が高鳴る。  視線を元に戻す。一度、ずっと城を見ながら歩いていたら、衛兵にぶつかって、えらい目にあったことがあるのだ。  少女はまわりを見る。  少女は笑顔を浮かべる。そのまま駆けだした。 ■会話(思考)文 (やっぱ大きいなあ) (一度でいいから、住んでみたいなあ)  無理だろうけどね、と心のなかでつけ加えた。 (でも夢を見るぐらい、いいよね)  兄さんは、あんなやつらにかかわるんじゃない、そう言った。  まわりの友達や、父さん、母さんもそう言う。あの人たちは、はみ出し者、はぐれ者たちなのよって。でも、そんなみんなが言うほど、悪い人たちじゃない、少女はそう思う。  だってその時は、まわりの人間、だれも助けてはくれなかったのだ。  ――そのはぐれ者以外は。  いったい、そんなに急いでどこいくのかな。私の村は、もっとのんびりしているものだけど。 (子供たちは変わんないな)  弟たちに、なにか買ってあげようか。兄さんに会えば、すこしはおこずかいを貰える。  もうすぐで、この道を抜ける。先にある小さな広場、そこに立つ銅像で、兄さんは待っているはずだ。  兄さんが商人と交渉しているあいだ、少女にはなにも出来ることがない。だから、こうしてぶらぶらと歩いている。前に衛兵にぶつかって、冒険者に助けられてから、兄さんはあまり少女の散歩を好まないようだけど。 (衛兵と、冒険者さん、いったいどっちがおもしろくないのかな)  でも、もうあの衛兵はいない。どうなったのかは知らない。  冒険者さんは、どんな顔をしていたっけ――。  その時、遠くで、兄さんが手を挙げているのが見えた。  視点が変だから、腑分けするのも大変。癒着してるよ、ところどころ。ひっぱがさないと……。  で、結論。  「雑踏」を説明しているから。  ちっとも量がないし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  穏やかな顔をした神父さんが、向こうから歩いてくる。少女の村の神父さんより、やっぱりいい服を着てる、と思う。男の人が、足早にかけていく。少年と少女が、ふたり並んで歩いていた。おばさんが、駕籠に果物を持って歩いている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  あらためて読むと、視線の動きが変だ。まず最初に目につくのが「神父」……なのか? 信仰心が篤いならともかくとして。  えーと。  田舎娘が好きなもの。  まあ、子供たちは好きなようだ。他には……?  次。  田舎娘が、注意を向けたくなるもの。  同年代の少女かな。少年もか。  あ。そうか。それと冒険者か。  でも、歩いていないんだよな……歩かせればいいのか。  動作文もないな。「雑踏」に絡んでいない。  雑踏だったら、人のあいだをすり抜けるとか。  足早に歩いてくる男を出して、「少女はなんとか男を避けた。もう、あぶないなあ……」とか入れる。 >弟切さん >メイドさん  男ですけど読みました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「御苦労さま。ほんとに助かるわぁ。一人暮らしで働いてると、家のことなんてやりきれ ないから」 「そういう方のために、うちの会社があるんですよ。いつも『若葉メイドサービス』を御 利用いただいてありがとうございます、野々宮さん」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「メイドさん」というより、普通の「メイド」な気もします。こういうサービス、あるんじゃないでしょうか、普通に。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。その中身は、と目で探せ ば、ベランダにブラウスやらタオルやらがひるがえっているのが窓越しに見えた。窓の横 のガスレンジは磨き立てられて日を反射し、その上で回っている換気扇にもしみ一つなか った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  洗濯はともかく、ガスレンジと換気扇を掃除するのはすごい大変だよなあ、と。そこから、仕事の大変さと、同時にメイドの真面目さが伝わってきます。でも、掃除したことのない人には、おそらく通じないかな? とも思いました。  まあ、女性向けだから……ん? 女性って、みんな掃除するものなんですか?  それと参考になったのは描写の流れで、視線の流れといいますか、とぎれとぎれでなく、連続して繋がっているので、わかりやすいと。勉強になりました。 >>考えた結果、少なくとも現在の弟切には、男性の欲望大爆発モードの「メイドさん」は書けないという結論に達しました。そこで、女性が読んで楽しめる「メイドさん」を書いたつもりです。  前回の「メイド」作品の、登場人物の年齢を所定の位置まで下げるだけで、ある程度、男性の欲望は爆発されるかな、と思ったり。  レスには……7時間ぐらいか。ちょっとだけ疲れたな……。See You. -------------------------------------------------------------------------------- 竜田川もみぢ葉ながる神なびの三室の山に時雨ふるらし No.7231 投稿日 2003年11月2日(日)01時56分 投稿者 弟切 千隼  紅葉の季節が近づいてきました。温暖な静岡県で生まれ育った弟切にとっては、紅葉は十一月の半ば過ぎのものです。湘南でも紅葉するのは同じくらいの時期ですね。 2号さんへ >  課題部屋のNo.679「メイド」を読んでいただき、ありがとうございます。  この作品に登場するような「メイドさん派遣サービス」の会社は実在します。ただし、一般に普及してはいません。寮やホテルなどの施設ならともかく、一般家庭の家事労働をお金を払って外部委託するのは、まだ抵抗が大きいようです。  しかし、男性でも女性でも、ほとんどの人が家の外に出て働いている現在の日本のような社会では、もっと普及していいサービスでしょう。現在の日本より、ほんの少しそういう理解が進んで、メイドさん派遣サービスが受け入れられつつある世界を書いたつもりです。 >> 洗濯はともかく、ガスレンジと換気扇を掃除するのはすごい大変だよなあ、と。そこから、仕事の大変さと、同時にメイドの真面目さが伝わってきます。でも、掃除したことのない人には、おそらく通じないかな? とも思いました。  この御意見は、参考になりました。確かに、掃除をしたことのない人には、このメイドさんの真面目さは伝わっても、仕事の大変さは通じないかも知れませんね。  それでも、メイドさんの真面目さが伝わるならば、この物語を楽しむのに必要な最低限の情報は伝えられているでしょう。 >> まあ、女性向けだから……ん? 女性って、みんな掃除するものなんですか?  女性だから掃除する、とは限りませんね。この点に関しては個人差が激しいでしょう。  ただ、統計を取れば、おそらく女性のほうが掃除をする割合が高いと思います。少なくとも、全く掃除をしたことがない女性は非常に少ないと推定できますので、ほとんどの女性にはこの作品程度の書き方で通じるのではないかと考えました。 -------------------------------------------------------------------------------- 萌えろいい女 No.7232 投稿日 2003年11月2日(日)08時07分 投稿者 名無し君2号  『萌える』とはだれが最初に使った言葉なのだろうか。  ここ5、6年のあいだだと思うけれど。下手したら、そっちの意味で辞書に載ったり……はしないか。  『ときめく』、『そそる』とだいたい似たような意味かと思いますが。厳密な定義はないし。 >1000字課題  完全客観で一編。  出来てるのだろうか。  No.71「真夜中のエンジェル・ベイビー」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=681&e=res&lp=550&st=0  課題にやたら時間がかかる。また明日。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号さん No.7233 投稿日 2003年11月2日(日)12時18分 投稿者 望乃英司  初めまして、楽な話題に出没する望乃英司といいます。  数ヶ月前、前回の分室オフの話題を、「先が辛そうだ」という理由で逃げ続けています。  これからは指摘役、感想役に回るかもしれません。 >萌え http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?id=%A4%E2040000000000000000&kind=jn&mode=5  ここのネット辞書には載っていたりします。 >タイトル http://www.excite.co.jp/world/  エキサイトの翻訳サービスです。英語のタイトルつけたいなー、というときに使えるかなと思って紹介します。 >HN案  「芋屋筆太郎」  あまり、女性が手にとらなそうなイメージを苗字に、書くものが定まっていないイメージ(よく言えばなんでもトライできるイメージ)を名前に込めました。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さんへ No.7234 投稿日 2003年11月2日(日)15時17分 投稿者 鐸碑 『萌える』『萌え』は、新語辞典には既に入ってますよ。 もえ 【萌え】 ある人物やものに対して,深い思い込みを抱くようす。その対象は実在するものだけでなく,アニメーションのキャラクターなど空想上のものにもおよぶ。 〔アニメ愛好家の一部が,NHK のアニメーション「恐竜惑星」のヒロイン「鷺沢萌」に対して抱く,ロリータ-コンプレックスの感情に始まるといわれるが,その語源にも諸説ある〕 三省堂提供「デイリー 新語辞典」より  と言う事で、萌えは新しい言葉だから、辞書にないだろうという思い込みで辞書を引かずに書いた事が発覚する訳ですが。  まあ定義が確立していないなどの考察は別に間違ってはないでしょう。  萌えの定義について。  自分では、小動物を愛でる感情と性欲に起因する欲情の中間にある感情を萌えと考えていますが、欲情とイコールで萌えを使っている人も多数居るようです。  同じ感情なら別の言葉を使って表現する必要ないじゃんと思うので。まあ、直接表現を避けた隠語表現ってのは確かに色々ありますがね。ただの欲情を萌えと言われたらもう少しプラトニックな意味で萌えを使う側は気分が悪い。  そんな状況なので、『萌え』はまだ安易に小説に使えない言葉でしょう、使うなら作中でどういう状態を萌えと指しているかを明確にしないと読者に正しく作者の意図を伝えられない。危険な言葉です。  逆にそれが成功し大人気作品になれば、萌えの定義がその小説に準拠する事になるでしょう。  以前のメイドの話を管理者削除された時の書き込みは、要約すると『メイドさん』って言葉は、『職業メイド』(職業としてのメイドというもの)じゃなくて、『メイド萌え』の対象物としてのメイドというものなんだという話でした。  現代日本には様々な対象物にたいする萌え文化が蔓延ってます。『メイド萌え』『ナース萌え』などの職業に対する物や『猫耳萌え』『メガネ萌え』などのパーツ萌え、『義妹(いもうと)萌え』などの関係萌え等々、色んなものに対して萌えという言葉が使われています。  いわゆるオタク向け商売をやっている限り、無視して通れない話ですから、ライトノベルでも関係は深いでしょう。  私自身は、『メイド萌え』等の職業萌えや『コスチューム萌え』はないですが、萌え文化自体は理解してますし、マイナリティな個人的な萌えも持ってます。  ライトノベルなんかでは、表紙がヒロインの女の子絵だけって作品も珍しくないくらい、読者が選ぶ基準に『萌えキャラ』が重視される時代です。  流行りのラーメンで定番の具って事ですから、それを売りにせず他で勝負できるラーメン作りをしてもいいですが、だからといって無視して通れない所ですね。  まあ、辞書はキッチリ引こうというのと、『萌え』は無視できない重要な要素だという話でした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7235 投稿日 2003年11月2日(日)20時59分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>679 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し  なーんか、ぎこちないなぁ。  慣れない描写をやろうとしているからかなぁ。  これ、書き直しね。  台詞の部分はそのままでいいから、地の文のところだけ、このままの内容で書き直してみること。  書き直してきて、それでも直っていなかったら、悪い部分を指摘する。  これを書いていたときの自分の感触としては、どうなの?  なんかどっか変――と思いつつ書いていたのか。  ばっちりだぜい、と思いつつ書いていたのか。 (ちなみに台詞の部分に手を付けさせないのは、そっちはもっと変だから) ●2号 >描写とか  なんでもかんでも描写していたら、文章が太ってしまって収拾がつかなくなる。  「彼女はメイドであった」と書いてしまったほうが、「メイド」を描写するよりも短くなる道理だ。  よって、描写すべき部分では描写を行い、それ以外の部分では説明で済ませるのが普通だ。 >>671 1000字課題、10/23分、No.65「メイド」(1000文字)  このなかで、いちばん描写しなければならないものは、なんなのだ?  そして2番目と3番目は?  またあの分量のなかでは、何番目くらいまで、描写することができるのだ?  また「ファンタジー版、街の雑踏」のなかでは、なにが最も描写しなくてはならないことなのだ? そして2番目と3番目は? こちらは何個まで入れられるのだ? >描写文と説明文の流れの違い  描写は、視点保持者の注意が惹かれた順番に書いてゆくことになる。  しかし説明では視点がない。たとえばメイドの服装に言及している説明文があったとする。これは緒元(スペック)の羅列に近いものなのだな。  視点はないが、順番はある。同系統のものをまとめて書いてゆくことになる。  車のスペックを書くときのことを考えてみる。  全長を書いたら、ついでに全幅と全高も書くことになる。  足回りの説明に入ったら、サスペンションやら、タイヤやらのことになる。  エンジンの説明をはじめたら、気筒数に過給方法に馬力に――と、エンジンまわりのことに言及してゆくことになる。  同様に、車内の内装のことに関してのこと。装備に関してのこと。  ――と、同系統でまとめてゆくことになる。一通りすべてを説明する必要はあるが、どれから先にやらなければならないといった決まりはない。 >>裾が足首まで伸びた、深い紺色のワンピース。その上にフリルのついたエプロンを 着けていた。肩のラインはやや盛り上がり、袖は上腕までまくり上げられている。茜 色の頭にはカチューシャが留まり、髪は後ろでまとめられていた。  これは説明なわけね。 ・服のスペック。 ・エプロンのスペック。 ・肩と腕まわりのスペック。 ・頭部のスペック。  ――と、こういう順番で、同系統のことがまとめてある。 >>少しくすんだ茜色の髪は、後ろでまとめられていた。その上に、ちょっこんと、カチューシャらしきものが留まっているのが見える。紺色のワンピース。肩の部分はやや盛り上がり、なだらかなラインを描いて、二の腕に降りた。袖は、肘までまくり上げられている。フリルのついた純白のエプロンの紐が、背中でしっかりと結ばれていた。ワンピースの裾は、足首まで伸びていた。  これは後ろから見た視点だな。  そしてこれは、メイドと同等か、それよりも背が高い男から見た視点だ。  女ではなく、また子供の目線の高さから見たものでもない。  子供の視点から書いてみそ。  あのシーンで、後ろに立っていたマルコ少年は、どこからメイドのことを見ていたのだ? 距離はどのくらい。マルコの身長はどのくらい。  マルコはメイドのことをどんな意識で見ている?  そこに恋愛感情はあるのかどうか。また異性への関心が芽生える年頃なのかどうか。  そういうこと全部決めておかなきゃ、ある人物が物を見てゆく順番は決まらない。 >ママンの観察  2号が、自分自身の場合には、そうした順番で見ていったわけだな。  しかし別の人間が同じ物を見ていったときにも、同じ順番になると思うか? >>当時の洗剤といえば『せっけん』。それも、当時ではそんなに汚れの落ちるものはないでしょうし。  石鹸の洗浄力は、べつに今も昔も変わりゃしないが。  製法だってたいしてかわらん。  ただ高級品だったが。  苛性ソーダが工業的に大量に作れないものだから、海藻の灰を使っていて、量産不可。  なんだかんだと書いているあいだに、「石鹸 歴史」とやってGOOGLEあたりで検索してみろっての。 >冒険者  だーら、冒険者の生活ってのを考えるのが、作者であるお前の仕事だろーが。  「冒険者は汚い」としてしまうのも作者の自由。  「飲料水のこともあるから、地図を見ながら2〜3日に一度は川辺や水場で野営したり、付近を通りがかったりできるように調節して歩き、その際に女子は水浴びをしていたりするから、けっこう清潔」とするのも作者の自由。  俺が読者なら、後者のほうが嬉しいけどな。  日本のファンタジーだと、都市は水道完備(下水道まであったりする)で、風呂の習慣もある。――と、日本的習慣を持ちこむことが多いようだ。 >>牛とか馬とか、そのまんま出すのは……まずいよなあ、やっぱり。  牛や馬どころか、麦やら米やらトマトやらだって、そのまま出すのはまずいだろ。  考えたうえで出すことに決めたならともかく、なんの考えもなしに出してしまうのは、単なるアホウだ。 >>水はそこそこ豊富です。街のなかを大きな川が一本、流れています。  ばかたれ。  ここは王都だろ。城壁都市なんじゃないのか?  たしか城門があるようなことを書いていたが。  街中を川が流れている城壁都市なんて、聞いたことねーぞ?  街の中にそんなでっかい川が流れていて、どうやって街の守りを維持するのだ? 外敵に乗り込まれ放題だろーが。 >>681 1000字課題、11/1分、No.71「真夜中のエンジェル・ベイビー」(1000文字)  視点人物の主観が消せてない。 >>限りなく黒に近い空に、満月が浮かんでいた。雲がまわりにたなびく。  「限りなく黒に近い」と感じているのは、この場合、誰だ? >>犬が鳴きやむ。あたりはひっそりと静まりかえった。  犬が鳴きやんだということは、犬が鳴いていた「前」と、音が聞こえなくなった「いま」とを記憶していて、「鳴きやんだ」と認識している人物がいるということだ。 >>目が細くなる。  主語を省けるのは、視点保持者が存在していて、その主語が書かずとも自明である場合。  「男の目が細くなった」となるはず。  「その目が細くなった」とかするのもOK。これは指示語である「その」が「男の」ということになる。 >>ため息まじりのその声は、真夜中の住宅街に響いた。  「響く」って、どういうことだ?  説明してみること。  そうしたら、使えない言葉だとわかる。  ここでのカメラは男に据えられているのに、どうして「響く」を描くことができる? >>男は、視線を地面に落とす。  「男は〜」と、主語が男になってしまっている。  主語)男は、  述語)した、  これでは男が行動しているとこになる。  主語)男の視線が  述語)落ちた  このように主語を「男の視線」としておけば、外から書くことができる。 >>ジーパンのポケットに手を入れた。タバコを取りだし、口にくわえる。  ここも男視点になっている。  実際に取り出されてくる前に、それが「タバコ」であることを知っている人物というのは、男本人だけだな。  「男はジーパンのポケットに手を入れた。取り出されてきたタバコの箱から一本を抜き出し、口にくわえる」  ――とかすれば、外からになる。 >>口からはき出された煙が、薄い闇に溶けた。  「闇」は、いい。  だがその闇が「薄い」となると、それは誰の主観になるのだ? >>タバコの光が、蛍のように揺れて、遠ざかり、やがて、消えた。  「〜のように」とか、形容した時点で客観じゃないぞ。  ちなみに内容のほう。  男がなに言っているのやら、さっぱりわからん。  これがどんな話なのかも。 -------------------------------------------------------------------------------- >描写お題 No.7236 投稿日 2003年11月2日(日)21時16分 投稿者 新木 伸 >描写お題  描写の練習用のお題を出しておく。  「美人」  「可愛い」でも「美男」でも「美少年」でも「美少女」でも、まあどれでもいいけど。  とにかくそういうやつ。 -------------------------------------------------------------------------------- 質問とか。 No.7237 投稿日 2003年11月2日(日)22時16分 投稿者 望乃英司 >新木さん  某所で巻島さんに「クロッシング・マインド」(リライト後含む)の感想をメールで送ってもいいという了承を得たのですが、分室に書き込んでもいいでしょうか?  以下、予想される返答。 1.ネタバレになるのでダメ(これはないか) 2.個人的な感想はメールで、指摘ならここでやってもいい 3.感想を書き込むということは、他の人のレスもつくということ。半分ここに再参加することと同義なんだから、それなりの覚悟はしておけ >新しい描写課題  興味があったので少しだけ乱入させてもらうかもしれません。  字数は1000〜2000字でいいのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 最近発見したこと No.7238 投稿日 2003年11月3日(月)00時54分 投稿者 巻島翔史  耳鳴りが始まるとき、一瞬だけ、なにも聞こえなくなるタイミングがある。  突然、片耳の音がシャットアウトされて、そこからじわじわとキーンという音が大きくなっていく感じ。  で、クロッシング50枚の直したやつを提出。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=682&e=res&lp=682&st=0 ●主な修正箇所 ・春名→早瀬(苗字変更) ・シュリアのセリフの直し(一部の強気なセリフはガーティスに言わせることでクリアー) ・グレー→白銀。緑→グリーン(色の問題) ・精神入れ替わりの描写 ・最初の戦闘(具体的には、表情差によって亮介たちがどっちが悪者かを判断している)  基本的に、前回言われた問題箇所を書き直しています。  この時点でのシュリアの精神状態ですが、「積極的にはなれないけど、自分のために頑張るガーティスのためになんとか頑張っている」状態。だからまあ、あんまり過度に逃げ臭を出してたりするのは違う。ウキウキも違う。でもこの逃亡生活に懐疑的なところもあるわけで。(自分の存在に自信を持ってないから)  どこか自分の言葉に重さがないのを感じながら、ガーティスより一歩引いてるポジションにいる状態――であるわけで。そういう方向に直した(つもり)です。 >>ところで巻島は、第9回には応募してないの?(グラチャン獲ると応募停止になるのかな?)  応募停止とかの措置はありませんが、今後あそこに出すことはおそらくしません。  というか、もともと第8回も出すつもりはなかったんですよ。ただ、クロッシングの初稿を書きおわったあと、そのまままた長いのにいくより、なんか気分転換したいなぁと思って、ふとあの企画のことを思い出したのが始まり。(そんな動機だから、第8回のアレは男の主張が滅裂になっている)  出すつもりがないというのは、どういう理由なのかと言いますと。なんていうか、2000字でできることの枠の限界が見えたというか、俺の成長のためにはこれよりもっと長いものをいまは書くべきじゃないかという気持ちが高まりまして。それで、です。 -------------------------------------------------------------------------------- 空襲警報(違) No.7239 投稿日 2003年11月3日(月)01時33分 投稿者 弟切 千隼  休日の夜中だというのに、湘南では上空を戦闘機−おそらく米軍の−が飛んでいる音がします。夜間飛行訓練にしても非常識すぎる時間帯です。  こういう時は、マスコミで報道されていなくても、軍事的に緊張する事態が起こっていることが多いです。後から報道されて「ああ、そうだったのか」と思うことがよくあります。 >>679 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し  地の文だけ書き直すこと、了解しました。  この作品を書いている時、弟切自身が「地の文も台詞もぎこちなくて、変だなあ」と感じていました。  それでいながら変なまま上げてしまったのは、弟切の実力が不足していて、自力ではここまでしか仕上げられないと思ったからです。  地の文が変になった原因は、単純に、描写することに慣れていないからでしょう。  台詞が変になった原因は、二つあると考えています。  一つは、女言葉をなるべく使わないようにしたためです。  今回は女性二人の会話ですから、女言葉を出す余地が多いです。それでなくても女言葉を使うと、わざとらしくなることが多いと学んだので、それを避けるために女言葉を使わないようにしました。  しかし、過ぎたるは及ばざるが如しで、別の意味で変になってしまいました(;_;)  もう一つは、状況を説明するのに台詞を使ってしまっているためです。地の文で状況を説明−あるいは描写−できる力があれば、こんなことにはなりませんね(^^;  弟切はそもそも日本語の文章力が足りなくて、作品を読んでいただいた方より、「これがどういう状況かわからない」という御指摘を受けることがままありました。つまり、基本である5W1Hが書けていないことが多いのですね。  そのため、ぎこちなかろうと変だろうと、とにかく5W1Hを書いて、意味が通じることを優先させました。どんなにダサい文章でも、意味が通じない文章よりはましでしょう。  まずは意味が通じる日本語を書けるようになって、それからダサくない文章を目指します。 -------------------------------------------------------------------------------- バリボ No.7240 投稿日 2003年11月3日(月)09時50分 投稿者 名無し君2号  ワールドカップバレーを見ていたりします。  まったくもってバレーボールには興味なかったのですが、なんか結構楽しめる。  CMに入るごとに、登場人物紹介……ならぬ出場選手の紹介をしているので、そのせいだろうか、とも思ったり。  キャラクターがわかって、ルールもおぼろげにわかり、なおかつストーリーを絡めれば、知らないスポーツでも、結構面白くなる模様。  この場合のストーリーというのは、日本代表だとか、相手との因縁とか、あと何勝すれば予選突破か、とかとか。  べつにルールがわかる必要はないのだな。ここで点を取られるとヤバイとか、流れが変わるとか、このプレイは凄いのだとか、そういうことさえわかれば。  小説にも応用できそうな。 >望乃さん  初めまして。今後とも、よろしくお願いします。 >萌え >望乃さん >>ここのネット辞書には載っていたりします。 >鐸碑さん >>『萌える』『萌え』は、新語辞典には既に入ってますよ。  うお。  はー、へー、もう載ってるんですねえ。  いまのところは、決して世間一般で通じる言葉ではないと思いますが、これがテレビ――特にバラエティー番組で普通に使われるようになったりしたら、広く浸透してしまうんでしょうか。  みなさんは日常会話で、普通に『萌え』って使われてますか? 私はまったく使ってない……なぜか恥ずかしかったりします。 >鐸碑さん >>と言う事で、萌えは新しい言葉だから、辞書にないだろうという思い込みで辞書を引かずに書いた事が発覚する訳ですが。  なるべく、先入観は捨てるようにしているつもりだったんですが、全然だったわけでした。 >描写 >>671 1000字課題、10/23分、No.65「メイド」(1000文字) >>このなかで、いちばん描写しなければならないものは、なんなのだ? >>そして2番目と3番目は? >>またあの分量のなかでは、何番目くらいまで、描写することができるのだ?  1番目、メイドさん自体。  2番目、メイドさんの悩み(身分差)。  3番目、メイドさんと少年の交流。  4番目、舞台背景。  『メイドさん自体』が1番目なのは、タイトルが「メイド」なのにメイドさんについて書かれていなかったら、それはサギでしょうし。普通は「メイド」というタイトルならば、素敵なメイドさんを読者は想像するだろうし。  ここでひとつ問題なのは、別にメイドの服装を書かなくても、メイドについては描写できるということ。仕事から(炊事、洗濯、掃除)でも、会話(敬う感じ)からでも。  それでもって、この話で出てくるメイドさんは、いわゆるビジュアル面に訴えかけるタイプでもない……ので、外見に関しては、そんなに量をつぎこむ必要はない。  2番目。メイドさんの悩み、「お互いに好きあっているけど、身分が違うから結婚できない」は、この話のキモでもあるので、それなりに量を入れないとならない。  3番目。登場人物の関係。これをそのまんま「彼女はメイドで、少年は主人の息子だった。仲はいい。」と書くのは、いくらなんでもないと思う。セリフや動作で描けることだし。  ……あ。  そっか。動作文や会話文でも、描写は出来るのか。なんかいま、ものすごく当たり前のことに気づいたような気がする。  4番目、この話の舞台背景は、出来るならば詳しく書いたほうがいい部分ではある。  でもでも、量をつぎこんで描写できるのは……1番目程度か。 >>また「ファンタジー版、街の雑踏」のなかでは、なにが最も描写しなくてはならないことなのだ? そして2番目と3番目は? こちらは何個まで入れられるのだ?  1番目、ファンタジー世界観。  2番目、雑踏。  3番目、王都。  4番目、田舎娘。  1番目、ファンタジーの世界、つまり、ここが異世界であるということは、必ず書かなければならない。  2番目、雑踏。だって雑踏を書くのが目的だし。  3番目、王都。王都の雑踏なのだからして。  4番目になっている田舎娘。あくまで書かなければならないのは「雑踏」であり「王都」だから、この位置に入る。でもこれ以下には出来ない。  こちらは全部、描写する部分に入る。むしろ入れなきゃお話にならない。 >描写の視点 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少しくすんだ茜色の髪は、後ろでまとめられていた。その上に、ちょっこんと、カチューシャらしきものが留まっているのが見える。紺色のワンピース。肩の部分はやや盛り上がり、なだらかなラインを描いて、二の腕に降りた。袖は、肘までまくり上げられている。フリルのついた純白のエプロンの紐が、背中でしっかりと結ばれていた。ワンピースの裾は、足首まで伸びていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>これは後ろから見た視点だな。 >>そしてこれは、メイドと同等か、それよりも背が高い男から見た視点だ。 >>女ではなく、また子供の目線の高さから見たものでもない。 >>子供の視点から書いてみそ。 >>あのシーンで、後ろに立っていたマルコ少年は、どこからメイドのことを見ていたのだ? 距離はどのくらい。マルコの身長はどのくらい。 >>マルコはメイドのことをどんな意識で見ている? >>そこに恋愛感情はあるのかどうか。また異性への関心が芽生える年頃なのかどうか。  あのシーンでは。  台所の開きっぱなしになっている扉のところから、半分だけ顔を出して見つめている。  距離は1メートルほど。  身長は145センチ。年齢は11歳で、すこし小さめ。メイドは168センチ。  マルコはメイドのことを、親父の恋人だと思っている。  恋愛感情はなし。母親というのもすこし違う。すこし甘える感情はある。  異性への関心はあるが、性的欲求はまるでなし。  子供の視点でメイドを後ろから見た場合。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  茜色の髪を、後ろでとめてた。紺色のワンピースを着ていて、背中でエプロンの紐が結ばれている。いつもの、ふりふりのついた真っ白なエプロンだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ……こうでしょうか。  真後ろで見ている場合、洗い物をしている人間は、普通はやや俯いているから、カチューシャは見えない。白いキャップなら見える。  上から下まで、舐めるようには見ない。いつも見ているから。だから、細部のこまごまとした部分は見ない。  もしも性的に見ていた場合なら、体のラインやお尻なんかも見ている。  恋愛感情があった場合、高校生なら、胸やら尻やら見てるだろう。中学生なら性的にどこまで成熟しているかで変わる。  純真で、相手をそんな目で見ちゃいけないノダ! と思っていた場合は、見ないようにする……かもしれない。見ておいて、駄目だ駄目だ駄目だ、と反省するかもしれない。  興味を持つ対象の違い。  服装が可愛いのかどうか。髪形が似合っているかどうか。身長はどのくらいかとか。足が長いかどうかとか。アクセサリーはどうなのか。香水の匂いは。  そのあたりを見るのかどうか。視点保持者によって違う。 >ママンの観察 >>2号が、自分自身の場合には、そうした順番で見ていったわけだな。 >>しかし別の人間が同じ物を見ていったときにも、同じ順番になると思うか?  なりませんでした。身長の大きい小さい、性格の違い、性別の違い、顔見知りか否か、他にもろもろの要素で変わってきます。 >>>>水はそこそこ豊富です。街のなかを大きな川が一本、流れています。 >>ばかたれ。 >>ここは王都だろ。城壁都市なんじゃないのか? >>たしか城門があるようなことを書いていたが。 >>街中を川が流れている城壁都市なんて、聞いたことねーぞ? >>街の中にそんなでっかい川が流れていて、どうやって街の守りを維持するのだ? 外敵に乗り込まれ放題だろーが。  はい、馬鹿でした。  近くに川がある、ならまだともかく。  うーん。  まあ、街のなかに川が流れていたとしても……。  王都のなかに、さらに城壁があって、王城と貴族の住居区と、一般の市街区を隔てている……ならまだいいか。まわりは濠で囲まれていて。 >1000字課題 >1000字課題、11/1分、No.71「真夜中のエンジェル・ベイビー」(1000文字) >>>>限りなく黒に近い空に、満月が浮かんでいた。雲がまわりにたなびく。 >>「限りなく黒に近い」と感じているのは、この場合、誰だ?  視点保持者です。  つまり、あいまいな表現は出来ないってことでしょうか。感じたことではなく、事実のみしか書けない。  はっきりと『○○色』と書くか、もしくは『夜空』と書く。 「夜空に、満月が浮かんでいた。雲がまわりにたなびく。」  こんな感じに。 >>>>犬が鳴きやむ。あたりはひっそりと静まりかえった。 >>犬が鳴きやんだということは、犬が鳴いていた「前」と、音が聞こえなくなった「いま」とを記憶していて、「鳴きやんだ」と認識している人物がいるということだ。  むむむ……。と、いうことは、過去の記憶もなく未来の予想もなく、ただその瞬間しか書けない、ということでしょうか。 「鳴き続けていた犬の声が止まる。あたりは静まりかえった。」 >>>>ため息まじりのその声は、真夜中の住宅街に響いた。 >>「響く」って、どういうことだ? >>説明してみること。 >>そうしたら、使えない言葉だとわかる。 >>ここでのカメラは男に据えられているのに、どうして「響く」を描くことができる?  広辞苑より。 ■響く (1)音がひろがって聞えて行く。鳴りわたる。源若菜上「ただ掻き合はせたる菅掻によろづの物の音整へられたるはたへに面白くあやしきまで―・く」。「太鼓の音が―・く」  「響く」とは、つまり、音が大きな範囲にひろがっていくこと。  ……えーと。  これだと、男というか、住宅街にカメラが当たってしまっている。  男に当たっているはずの視線が、いきなり住宅街へ。ミクロからマクロです。 >>ちなみに内容のほう。 >>男がなに言っているのやら、さっぱりわからん。 >>これがどんな話なのかも。  女に浮気されて振られた男が、ぶつぶつ文句を言いながら歩いているところです。  今日は一編。  No.72「君が僕を知っている」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=683&e=res&lp=550&st=0  完全客観、すっげえ難しいです。気を抜くと視点保持者の思考が入ってる……。 >描写お題 >>描写の練習用のお題を出しておく。 >>「美人」 >>「可愛い」でも「美男」でも「美少年」でも「美少女」でも、まあどれでもいいけど。  とにかくそういうやつ。  ああ……。  考えただけで難しそうだ。  「美人」を「美人」と書いたら、そりゃただのあんぽんたんですが。  美人の要素ってなんだろ……。それをどういった順番で見るものなんだろ。  レス書きに4時間。じゃあ、また。 -------------------------------------------------------------------------------- 身長について No.7241 投稿日 2003年11月3日(月)15時37分 投稿者 鐸碑  各年代の身長ってどのくらいが高いのか低いのか、勝手な思い込みでやると読者に違和感を与える場合があります。  理想論としては、時代別、年齢別、人種別、国別などの統計が全部あれば一番良いのですが、ここまでだとかなり集めるのが大変になります。しかし、現代日本人の基準(読者の身近な基準)位は最低限抑えておきたいところです。  で、現代日本人の身長統計ならば、文部科学省と厚生労働省が発表してくれています。参考にするのが良いでしょう。 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/12/011208.htm#hatsuiku">文部科学省の統計例 < href="http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/youran/data14k/2-07.xls">厚生労働省の統計例  文部科学省は学齢(6〜17歳)の、厚生労働省はそれ以前の統計を出してくれてます。  11歳で145cmというのは、白人なら小さいのかも知れませんが、日本人では平均的な数値です。女性の168cmは日本人では平均より+10cmとかなり高い部類。  読者の意識の基準である現代日本人の基準と、その時代やその国の差を意識しながら書く事でリアリティを高めることができると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 秋霧 No.7242 投稿日 2003年11月3日(月)20時53分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、用があって外出した時に、周囲の風景がもやって視えました。目が疲れてそのように視えるのかと思っていたら、霧でした(^^; >課題の「メイド」  課題部屋に、No.679の地の文だけ書き直した「メイド」を上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=684&e=res&lp=672&st=0 >>身長  大人の女性の場合、ヒールのある靴を履くことが多いので、靴を履いている時には身長を数cm高めに見積もったほうがよいです。  気をつけなければいけないのは、欧米文化圏では、室内でも靴を履いていることです。欧米人が靴を脱ぐのは、入浴する時とベッドに入る時くらいです。  日本人は室内で靴を脱いでいるのが常識であるため、つい忘れがちです。 -------------------------------------------------------------------------------- 才能がないのう No.7243 投稿日 2003年11月4日(火)12時49分 投稿者 名無し君2号  もしも才能がなかったら、とか考えるけど。  まあ、なかったらなかったで、才能があるように見せるために、努力をしようかなあって。 >身長 >鐸碑さん >>11歳で145cmというのは、白人なら小さいのかも知れませんが、日本人では平均的な数値です。女性の168cmは日本人では平均より+10cmとかなり高い部類。 >>読者の意識の基準である現代日本人の基準と、その時代やその国の差を意識しながら書く事でリアリティを高めることができると思います。  はい。  11歳で145センチが平均身長なのは、調べたので知ってました。鐸碑さんがおっしゃるとおり、白人(イギリス人)の少年なので、身長の平均値はおそらく日本人より大きいだろう、と思って、『少年は小さめ』としたものです。  メイドについても同様で、168センチぐらいなら、まあ普通だろう、という考えでした。  問題は、読者がどう思うのかなんですが。  うーん。  「145センチは普通でしょ?」と、読者が疑問に思うかもしれない。  そこで、「いいえ、ここはイギリスで、だから145センチの少年は小さいんですよ」と説明してもいいんですが……。  一番いいのは、具体的に数値を出さないことですよね。そうすれば、読者は疑問に思うことはない。  ここで重要なのは、『少年は普通と比べて小さい』ということだから。 >弟切さん >>大人の女性の場合、ヒールのある靴を履くことが多いので、靴を履いている時には身長を数cm高めに見積もったほうがよいです。  あ。  そこまで考えてなかった。  ……ということは、履いている靴によっても、身長の上がる高さが変わってきますね。  スニーカーとハイヒールじゃ違うし。  メイドさんは、あまりヒールの高い靴は履かないよなあ、職業上。 >1000文字課題  一編です。  No.72「二時間三十五分」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=685&e=res&lp=550&st=0 >描写課題  さっそく、「美人」の描写です。  ……もしかしたら、こういうことではないのかもしれない。  No.9「美人の描写(若い美女編)(原稿用紙6枚分) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=686&e=res&lp=610&st=0  年上の清楚な美人、そう感じられればいいのですが。  レスには1時間。課題に……時間がかかったなあ。いまから昼食を食べて、そして寝ます。いただきます、おやすみ。 -------------------------------------------------------------------------------- 紅葉と黄葉 No.7244 投稿日 2003年11月4日(火)22時56分 投稿者 弟切 千隼  秋になると、赤く色づく葉と黄色く色づく葉がありますね。現在の日本では、どちらかといえば紅葉のほうが好まれるようです。しかし、昔からそうだったわけではなくて、例えば万葉時代には黄葉のほうが好まれたといいます。それは黄という色を尊ぶ中国文化の影響だったそうです。 >女性の身長と靴の関係  少し追加して説明します。  社会的地位や職業などの要素を除けば、一般的に、ヒールの高い靴を履きたがるのは身長の低い女性です。身長の高い女性はそれに劣等感を抱いていることが多く−大柄な女性は「可愛く見えない」と悩むものです−、ヒールの高い靴を履きたがりません。  むろん例外はあります。ヒールの高い靴は歩きにくいことこの上ないので、身長が低くても好まない人は多いです。 >>686 11/3分、No.9「美人の描写(若い美女編)  読みました。  男性が、恋人−または、友達以上恋人未満?−の女性にぞっこんなのはよく出ていたものの、その女性が「美人」という感じはあまり受けませんでした。  この作品には、男性が女性のことを気にしている描写が多くて、女性そのものの描写が少ないですよね。弟切が読み取った限りでは、女性の描写の中に、「美しさ」を感じさせるものはほとんどありませんでした。むしろ「無邪気さ」や「大人っぽさ」を感じさせる部分のほうが多かったですね。  例えば、以下の部分に弟切は「無邪気さ」を感じました。 >>「おっきくなったね」 >>「へ」 >> 祐司は間の抜けた声をあげた。 >>「やっぱり男の子だね……。ほら、私よりぜんぜん背が高いもん」 >> 沙織はさらに祐司に密着して、手を上にあげた。祐司の背の高さで、手のひらを水 平にする。 >>「そ、そーですか」 >>「うん。男の子」  「大人っぽさ」を感じたのは以下の部分です。 >>「あ、待って。なんかお買い物していかないと、このお店に悪いよ」 >>「おれが買います! 沙織さんは外で待っててください!」 >> 大股で店内を歩きだす祐司。 >> 沙織はそれを見て、くすりと笑った。  今のこの作品ですと、「年上の大人っぽい憧れの女性と、やっとデートにこぎつけて舞い上がっている男性」という印象が強くて、女性の印象が霞んでしまっています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7245 投稿日 2003年11月5日(水)00時24分 投稿者 新木 伸 >望乃君 >>某所で巻島さんに「クロッシング・マインド」(リライト後含む)の感想をメールで送ってもいいという了承を得たのですが、分室に書き込んでもいいでしょうか?  そういや、ここには指摘をする人間はいても、感想を書こうって人間はいないな。  まあ感想があってもいいんでない。  描写課題のほうの「新しい」というと、「美人」とか?  君の場合はまず描写力を身につける前に、1000字なり、2000字なりで、きっちり収める構成力を身につける必要があるだろ。  前にOFF会のとき、1000字を書くのに、短編相当のプロット作っていたろ。しっかり見てたぞ。  巻島が言っていたけども、「2000字(5枚)でできることの枠の限界」というものがあるわけだ。これは他の文字数にも応用することもできる。30枚で出来る枠とか、300枚でできる枠とかもある。  どの分量でなにが書けるのか。なにを書くにはどれだけの分量が必要なのか。それを計るためにも、まず小説の最小単位(ワンシーン相当)となる1000〜2000字あたりの感覚を知っておく必要がある。  ずいぶん前の――タイトル失念したけど、悪徳学園長に生徒たちが力を合わせて対抗する話。あれのアップしなかった指摘にも、同じようなことが書いてあったりする。  あれは短編だったけども、内容的には一冊の長編に相当する分量があったわけね。それを短編にしているものだから、まるで映画のダイジェスト版を観せられているような気分だった。アップしていない指摘には、「これは小説ではない」と、そう書いてあったわけだ。  「美人」か、もしくは他の課題に挑戦してみるのは構わない。  最近見てないわけだし、自分でなにか書いていたことで上達しているのかもしれないし。  んで、この分室になにか書いたものを上げてくる以上は、僕はその人間がもっと小説を上手に書けるようになるためには何をすればよいのか――という観点で考えるので、そのつもりで。  一朝一夕に上達はしないから、長期的に考えるってことね。  ひきこもっていると寂しいので、仲間が欲しいのだ――とか、つい思いついてしまったので一個だけ書いてみただけ――とか、僕の思惑とは違うなにか別な理由があったとしても、僕は関知しない。  つまりぶっちゃけて言うと――。  やるのであれば小説を書くことを日課にさせるよ、ということ。  気が向いたときにだけやるのではなく、毎日、気が向かなくても、つらくても向かうということ。  望乃君は、いま実際のところ、日課にはなっていないだろ。  小説を書くということを、単なる趣味でなく、それ以上のものにするつもりはあるの? >弟切 >>684 1000字課題、弟切、「メイド」地の文書き直し  地の文、良くなっている。  いちどに三つも四つもやろうとするから、破綻するのだ。  すべてを一度にやっても余力があるならともかく、なにかにチャレンジしていて余裕のないときには、まず最重要ポイントだけを念頭に置いて叩き台を書き、2番目に重要なことを念頭においてチェックをかけて書き直し、さらに3回目は……と、段階を追ってやっていけば、どうにかなるものなのだ。  ――で、結局、地の文はどのあたりを直していったわけ?  今回は台詞には手を付けていないわけだろ。  だから問題点は容易に切り分けられるだろ。  ぎこちなさの正体はなにであって、どのようにしたら、そのぎこちなさを解消できたのか。  そこが重要。  はっきりとわかっていれば、次の時に同じ失敗をしないで済む。  それがわかっていないまま、うやむやにしておくと、次の時にも、また同じ失敗をしでかしてしまうだろう。そして鳥頭の弟切のことだから、前にも同じ失敗をしていることさえ覚えていないのだ。 >巻島  やや。また書き直し版があがってきたのか。  前回の「アクションシーンはどうか」という質問の回答を書いてなかったのだが。  まあ、こっちのほうで見て答えることにしよう。  2000字でできることの枠に限界があるというのは、その通り。  ただ巻島が思っているよりも、もうちょっと上に限界はあるだろう。現在の2倍か3倍までは詰めこめる。――が、やっぱり枠に限界があることは変わらない。  ちなみに、「2000字 = 5枚 = 文庫本4ページ」という換算式が成り立つ。  文庫本の4ページといえば、つまり一場面。  ワンシーンだ。  この「2000字でできること」の50〜60個分が、長編小説一冊というものなわけだ。  なんていうか、つまり……。  長編一冊では、たいしたことはできない。  たったの50場面しかないんだから。 ●2号  望乃君へのレスへの、関連話題。  1000字ではなにが書ける?  また2000であれば、なにが書ける?  メイドさんとか、街の雑踏とか。3行程度の文章で、それぞれの文字数で書けるものを挙げてみそ。 >少年の背丈とか  少年が「普通より小さい」ということを書くためには、どうする必要があるのか。  地の文で説明するにしたって、いきなり背丈のことを書けやしないわけだ。  どういう流れ(シチュエーション)になれば、背丈のことを書くことができるか。  それを考察してみるのこと。  すくなくとも、いまのままでは、少年の背丈に関しては持ち出せないよな。  少年の背丈が普通より低いということを書くためには、そのための流れを作る必要があるのね。僕らは無意識にやっている。書きたいものと、書かなきゃならないものとがあって、それらを無理なく書くために、シーンの流れを誘導して、変えてゆく。 >美人の描写  美人の描写。「女のことが好きな男」の描写にはなってると思うが、どのへんが美人の描写なのやら。  この男が彼女に「まいってしまっている」のは、彼女が「沙織さん」であるからであって、美人であるからじゃなかろ?  上で言うところの「流れ」を間違えているために、こうなってしまう。  美人を書くなら、美人を書けるような流れにしなきゃならんのだ。  その女性とすでに知り合いであり、すでにベタ惚れになっている男を視点人物として登場させるのは、うまくない。それだと美人が書けなくなってしまうのだ。 >才能とか  「才能」とはなにか。定義せよ。  なにがないといって嘆いているのやら、こっちにゃわからん。  たぶん僕らのいうところの「才能」と、2号のいうところの「才能」は違うものだろう。  うまいラーメンを作るために才能が必要だなんて話。聞いたこともないが。 >視点とか  俺も混乱してるな。  分室で文章の話をやりたくなかったことに、自分もまだ模索している最中だということがある。プロットに関してのことほど、はっきりと物が言えない。  言っていることが揺れることもあるだろうが、まあ大目に見ろ。  考えてみれば、完全客観視点まで身につける必要はないだろう。  ただ単に登場人物の主観に入らないで、外側から書いていればよしとする。  無形の観察者(視点保持者)を出してよい。登場人物の服装を見て「限りなく黒い」と言ってみたり、犬の遠吠えを覚えていたりしていいということね。  ただし観察者はなるべくナチュラルな感性にすること。  存在感はなるべく薄くしたほうがいい。そのほうがシーンに没入できるし、書いている対象の人物やら場面やらが浮きあがるから。  必要以上に観察者の主観にもとづくものを書いてしまうと、そのシーンの「主役」が描かれるべき人物や場面ではなく、「観察者」のほうになってしまうわけだ。  それでやってみるのこと。 -------------------------------------------------------------------------------- レスなど。 No.7246 投稿日 2003年11月5日(水)04時30分 投稿者 望乃英司  風邪なのでレスだけです。  今日は精神科にてカウンセリングと鬱病の薬の処方ですが、行けるかなあ。 >新木さん ○「クロッシング・マインド」感想の件  了解しました。では、後日書かせてもらいます。 ○構成力の件  11/3に西鶴さんと魚住さんに会ったのですが、その時に2000字課題と描写課題を見てもらいました。  その時のお二人の感想として、「何がやりたいのか分からない」が筆頭に上がりました。  構成力が「まず」ないというのはもっともだと思います。  まず、2号さん登場からのログを読み直してから課題に参加しようと思います。 ○小説に関する姿勢の件  一日書かなくなると腕がにぶる、ということを新木さんは以前に書いていたのを覚えています。  それは自分も実感として知っているので、毎日書くことを習慣にさせる、という指針に反対は当然ありません。  それで、現在は小説を毎日書いているわけではありません。  僕にとって小説とは、趣味であり宗教であり夢であり逃げ場所です。  小説家になりたいなどと言うのは、現実社会に馴染めないから、逃げ場として選びたい道でしかありません。  ひきこもっていて寂しい、思いついたから書いた、これはいつも僕がやっていることで、図星です。 ○分室再参加において確認しておきたいこと ・僕が守るべきこと 1.毎日課題をアップすること 2.人生相談、愚痴、その他ふて腐れた言動をこの場で行わないこと(当然、荒らし行為も含まれる) 3.長期にわたって小説の技術向上に努めること ・新木さんに守ってほしいこと 1.自分語で僕に雑談をしないこと(「変なイキモノ」での件のように拗れさせたくないので) 2.僕の精神状態が悪化して、「休養宣言」を出しても、復帰したら同じように扱ってほしいこと 3.以上のことがうまく分室上で片がつかなかった場合、メールにていわゆる「鬼軍曹新木」以外の姿勢で交流してほしいこと(杉井さんのところの掲示板が使えなくなってしまったので) 4.「3.」に関連して、「ああ、望乃だめだわ。付き合ってらんねえ」と判断された場合はメールにて遠慮なく言ってください  以上です。次回は「クロッシング・マインド」の再リライトの感想及び課題を書かせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 右手にマウス、胸に花束、唇に火の酒、背中に人生を No.7247 投稿日 2003年11月5日(水)11時56分 投稿者 名無し君2号  マウスの調子が悪い。右クリックするとき、ボタンを強く押さないと反応しない。ああ、イライラする。  分解掃除するべきか。でもヘタに分解して、直せなかったらただの馬鹿だしなあ。 >686 11/3分、No.9「美人の描写(若い美女編) >弟切さん >>読みました。 >>男性が、恋人−または、友達以上恋人未満?−の女性にぞっこんなのはよく出ていたものの、その女性が「美人」という感じはあまり受けませんでした。 >>この作品には、男性が女性のことを気にしている描写が多くて、女性そのものの描写が少ないですよね。弟切が読み取った限りでは、女性の描写の中に、「美しさ」を感じさせるものはほとんどありませんでした。むしろ「無邪気さ」や「大人っぽさ」を感じさせる部分のほうが多かったですね。 >>今のこの作品ですと、「年上の大人っぽい憧れの女性と、やっとデートにこぎつけて舞い上がっている男性」という印象が強くて、女性の印象が霞んでしまっています。 >新木さん >>美人の描写。「女のことが好きな男」の描写にはなってると思うが、どのへんが美人の描写なのやら。 >>この男が彼女に「まいってしまっている」のは、彼女が「沙織さん」であるからであって、美人であるからじゃなかろ?  んー。  女性よりも、男に目がいってしまうわけだ。  あばたもえくぼ、惚れている相手なら、たとえ普通であっても、美しく見える。かといって、読者が相手を美しく思ってくれるわけではないのだなあ。  美人とはなにか。  なんでヒロインってのはたいてい美人なのか。  美人というのが凄いからだ。それだけで価値があるからだ。美男子、美少年、美女、美少女。  なので、美人を10、普通を0とする。  で、読者に、この子は10なんだとわかってもらう方法。  10なんです、と言えば簡単にわかるだろうけど。  例えば、比較する。  0と比べれば、10であることがわかる。普通の子をまわりに置く。比較する。美人とわかる。  例えば、丹念に10を書いていく。  どういう形なのか。髪形、目、鼻、口、耳、それらのバランス、肌の色、身体のライン、体格、手足の長さ、細さ、服装、匂い、醸しだす雰囲気。  例えば、行動させる。  美人には美人の行動というものがある……んじゃないかと思う。美人のタイプによっても違うのだろうけれど。  美人というのは得であるらしい。犯罪者の量刑も、美人とそうでないものとでは、差がつくらしい。美人は軽く、そうでないと重く。  なので、美人は自分が得することを知っている。無自覚であっても、現実に得してるんだから、そういう行動を取る。  傲慢だったり、まわりを振り回したり、簡単に人に頼みごとをしたり(受け入れてくれるから)、とても優しかったり(自分が相手より上だと自覚しているから)。  例えば、まわりに10なんだと言わせる。  前述したとおり、美人は得するし、美人相手だと態度も変わるものだ。普通の人に頼まれれば断ることでも、美人なら引き受けてしまったり。  ベタなところだと、「○○ちゃん、まるでお人形さんみたい」とか言わせたり。  もっともっとあるだろう。  美人には美人の苦悩もある……のだろうな。きっと。 >新木さん >>その女性とすでに知り合いであり、すでにベタ惚れになっている男を視点人物として登場させるのは、うまくない。それだと美人が書けなくなってしまうのだ。  あ、そうか。  惚れる瞬間を書けばよかったのか。最初に出会った場面とか。  ベタ惚れしている男だと、相手が美人だとわかってしまっているので、いちいち、どこが美人なのかを認識しない。認識してくれないと、文に書けない。  初対面だと、どこがどう美人なのか、認識してくれる。じっと見る。文に書くことができる。 >1000文字課題  今日は一編。  No.74「なかよくケンカしな」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=687&e=res&lp=550&st=0 >>1000字ではなにが書ける? >>また2000であれば、なにが書ける? >>メイドさんとか、街の雑踏とか。3行程度の文章で、それぞれの文字数で書けるものを挙げてみそ。  なにが書けるのか……。 ■1000字の場合 「メイドさん」「夜の公園」「告白の場面」「キスシーン」「デートでの会話」「待ちあわせの場面」「ひとりでギターを弾く」「ラーメンを作る」「ラーメンを食べる」「食器を洗う」「ライフルを撃つ」「撃たれて死ぬ」「ひとりのプロレスラーを説明する文」 ■2000字の場合 「美人の描写」「関節技を極めるまで」「街の雑踏」「プロレスの会場」「サッカー、シュート決めるまで」「野球、ひとりのバッターを三振にとるまで」「夜のコンビニで買い物をする」「定食屋に入ってメシを食う」「学校から家までの帰り道」「バーゲン」  メイドさんとか、類型があるものに関しては、少ない文字数で書ける。もしかすると、美人も1000字で書けるかもしれない。  登場人物は、ふたりまで。三人になると、ちと辛い。  人ひとりを説明文で書くなら、1000文字は最低欲しい。  大きく動くものは、2000字ないと駄目なようです。スポーツを書く場合でも、ひとつの場面だけ。  メイドさんの類型うんぬんで思いつきましたが。  その人物の職業を描写するのに必要なこと。  行動、服装、ラベル。  行動は、メイドなら炊事洗濯掃除、サラリーマンなら会社にいるし、学生は学校にいる。小説家なら小説を書くだろう。  服装は、メイドならメイド服、サラリーマンならスーツ。お巡りさんなら、お巡りさんの格好。学生なら学生服。プー太郎はずっとパジャマを着てたり。  ラベル。名刺を見せるとか、刑事なら警察手帳を見せるとか。名札をつけているとか。生徒手帳を落とすとか。 >少年の背丈 >>少年が「普通より小さい」ということを書くためには、どうする必要があるのか。 >>地の文で説明するにしたって、いきなり背丈のことを書けやしないわけだ。 >>どういう流れ(シチュエーション)になれば、背丈のことを書くことができるか。 >>それを考察してみるのこと。  まわりに同世代の人がいないと無理……では。  例えば、棚に置いてある皿に手が届かない、椅子を持ってこよう……という場面を書いても、年が若いので、「ああ子供だもんね」と読者に思われるだけですし。  11歳の少年が小さいのは、大人から見れば当たり前のこと。なので、地の文で書くことができない。「普通より小さい」とは認識してくれないから。  友達なり、女の子なり、比較できる対象があれば、自然に地の文で書くこともできる、と思う。  あとは、その場面で身長差を描くことに、なにかの意味があるかどうか。たしかに「背が小さい」と「かわいい」ようには見えるけど。  ちなみになんでかわいく見えるかといえば、それは弱く見えるからだろう、と思う。強い相手はかわいくない。ところが、強い人間に弱みがあると、途端にかわいく見えたりする。  ん?  じゃあ、かわいらしくすると、「背が小さく」感じるのか? >才能 >>「才能」とはなにか。定義せよ。 >>なにがないといって嘆いているのやら、こっちにゃわからん。 >>たぶん僕らのいうところの「才能」と、2号のいうところの「才能」は違うものだろう。 >>うまいラーメンを作るために才能が必要だなんて話。聞いたこともないが。  どんなものにも、最低限、必要なレベルというものはあると思います。  私が、まだ社会人だったころの話ですが……。  そこそこ在籍期間が長かった私は、新人に仕事を教えなきゃならないポジションにいました。  で、非常に面倒くさく思いながらも、新人に仕事を教えているうちに、物覚えのいい、悪いじゃすまないくらい、レベルの低い人がいたりします。  本当になんにもできない。やる気がないわけではないけど、覚えられない。おなじミスを繰り返す。どうしてそんなことをやってしまうのか、というミスもでてくる。  どこかずれている、そんな感覚。まるで私と違う世界にいるような。  ラーメンを作るんだけど……。  舌が絶望的にヘンだとか。  ラーメンがどういうものなのか、わかっていないとか。だからしょうゆラーメンをつくれ、と言っているのに、ミートソースをかけたりとか。  なんかそんな感じです。  うむむむむ……。  もう、すべてがずれている、というような恐怖でしょうか。で、本人はそれを自覚していないし、自覚できない。  レスには5時間。眠い。そして腹へった。ご飯を食べてから寝よう。 -------------------------------------------------------------------------------- 横槍ごめんなさい。 No.7248 投稿日 2003年11月5日(水)23時00分 投稿者 弟切 千隼 望乃さんへ >  ここの主宰者である新木さんからのお返事がない状態で、弟切がしゃしゃり出るのはどうかと思いましたが、へたれアマチュアである弟切の目から見ても、望乃さんは何か勘違いされているように見えます。  もう一度、御自分が書かれたNo.7246を読み返してみて下さい。それから、「よみかく分室 説明」を読んでみて下さい。  落ち着いてこの二つを読めば、たぶんおわかりになるでしょう。  「よみかく分室 説明」には、冒頭に以下のとおり書かれています。 >> ここは「作家志望者」が、ストーリー作成および小説執筆の技術を鍛えるための場所です。 >> 各個人の最終目標は、「プロになること」に置いています。 >>(プロにはならないが、アマチュアとしてみずからの技術の向上をしたいという方も歓迎。また小説に限らず、ストーリー作成に関わることにも有効です。シナリオ志望で参加というのも可)  ところが、No.7246において、望乃さんは以下のように書かれています。 >> 僕にとって小説とは、趣味であり宗教であり夢であり逃げ場所です。 >> 小説家になりたいなどと言うのは、現実社会に馴染めないから、逃げ場として選びたい道でしかありません。 >> ひきこもっていて寂しい、思いついたから書いた、これはいつも僕がやっていることで、図星です。  最終的にプロを目指さないにしても、ここは、積極的に自らの小説技術を向上させたいと思う人のための場です。小説を逃げ場所にしたい人のための場ではありません。  えーと、弟切は、望乃さんに二度とここへ書きこむなとか、分室に関わるなと言っているのではありません。そこは誤解しないで下さい。  望乃さんが分室をROMされるのは何の問題もないでしょうし、指摘者として書き込んで下さるならば、こんなにありがたいことはありません。  プロを目指すかどうかは置いておいて、望乃さんには、小説技術を向上させたい気持ちはあるのかも知れませんね。  けれども、現在の望乃さんは病気療養中なのですよね? いつまた悪化するかわからない状態なのですよね?  それでしたら、ここのように、長期的かつ継続的に書きこまないと成果が出ないサイトに参加するのは、まだ無理ではないでしょうか?  譬えを使ったほうがわかりやすいかと思いますので、譬え話で説明してみましょう。  分室は、いわば、陸上競技場で走ってお金を稼げるプロスポーツ選手を鍛える場所です。プロ養成トレーニングセンターといってよいでしょう。  ここに入ってくる人は、もちろん普通に歩いたり走ったりすることはできる人です。普通の身体能力を保持していることを前提に、プロとしての体を作るために、ここの参加者はみなトレーニングに励みます。  このようなプロ養成トレーニングセンターに、車椅子の人がやって来て、「普通に歩けるようにリハビリしたいから、ここで鍛えさせてくれ」と言ったら、どう思われますか?  明らかに、その車椅子の人は、来る場所を間違えていますよね?  陸上競技に参加するどころか、普通に歩くこともできないほど体が弱っている人に、いきなりプロ向けの練習メニューをこなせと言っても、できません。まずは、普通に歩けるようになるためのリハビリメニューが必要ですよね。  弱っている人には、弱っている人向けのリハビリセンターとでも言うべき場所があります。そちらへ行ったほうがよほど有益です。  ネットには、鬱病で悩んでいる人たちの相互扶助サイトのようなところもあります。望乃さんの場合は、とりあえずそういう「リハビリセンター」でリハビリしてから、分室というプロ養成トレーニングセンターへ入ったほうが、ずっと効果が大きいでしょう。  現在は車椅子に乗っていても、「リハビリして普通に歩けるようになったら、次はプロ選手を目指してやる!」と決意するのは立派なことです。リハビリセンターに通いつつ、将来を見越してプロ養成トレーニングセンターを見学するといった参加方法なら、ありでしょう。  アマチュアが小説を投稿して、それに対する感想や批評をもらえるサイトはたくさんあります。プロ向けの練習には耐えられない体でも、どうしても小説にこだわりたいのでしたら、そういうサイトに参加されたらいかがでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7249 投稿日 2003年11月5日(水)23時02分 投稿者 新木 伸 >望乃  なんだその「自分ルール」の山は。  なにか勘違いしているようだけど、僕は交流するためにこの場所を開いているんじゃないのだぞ。  「小説技術向上」という至上命題のためには、まあたいていのことは二の次にできる人間を相手に、技術を伝授するためにここにいるわけだ。  罵られることやら、自我やらプライドが傷つくことやら、大衆の面前で恥をかくことやら、そういうことも必要ならば辞さない覚悟の人間だけいらっしゃい――と、そう言っていることは知っているわけだろ。  前の時には知らなかったのかもしれないが、いまはもう知っているはずだよな。  歯に衣を着せたり、相手のことを慮るとかしていると、言えないことがあり、できないことが出てくる。  ほどよく手加減してもらいつつ、技術を向上させたいというなら、それなりの場所があるだろう。たとえば翠の開いたサイトだとか。(俺は行ってないけど)  分室には分室の、他の場所には他の場所の役割というものがある。  わざわざ分室に来ようとするのは、なぜゆえだ?  僕が君に関心を持っているのは、君がまがりなりにも小説を書こうとしているからであり、望乃英司という個人であるからじゃない。  小説を書かない人間には、僕は興味を持たない。  現実逃避で小説を書くことは構わない。  作家なんてのはだいたいそんなもんだ。  ただ小説に逃げ込むにしても、逃避の仕方が中途半端なんだよな。  逃避するなら逃避するで、とことんまで逃避するつもりはあるのか?  かじりついてやっているうちになんとなくプロになっちゃいました――とか、そのくらいのことが言えてしまえるくらいに?  そのくらいの意気込みで逃避するつもりがあるなら、それが現実逃避であろうがなんだろうが、付き合うけども。  また「ダメ」かどうかは、人が判断するものではなくて、自分で判断すべきもの。  ダメになるやつは誰かから「やめろ」と言われなくたって、だいたい自分からひとりでに消えていっている。  つまり、とても単純なことで――、小説を書かなくなる。  まあ色々言ったけど。  練習するなら課題部屋を使ってくれて構わない。毎日上げても、上げなくっても自由だし。  上がってくるようなら、それなりに見ていて、別なことをやるべき時期に差し掛かったらそのむね指示を出すだろうし。  上がってこないならそのまま放置だし。  しかし、自分ルールを作って、それを守ってみせたり、他人に守らせようとさせてみたり、そういうのはウザいからやめろ。 ●2号 >美人を描くなら  いくつか書きかたがあると思うけど。  いちばんしっかりと書く方法は、じっくりと腰を据えてやる方法だろうな。  「美人」を見とれぎみに観察する人物を置いて、その人物は動かさないで観察に徹するだけとする。  ただ長編小説であるキャラの「美人ぶり」を描く場合には、一箇所で「どかん」と描写を出すのではなくて、複数回に分けて小出しにしつつ、全編のなかにちりばめるようにして描写を挿入してゆくことが多い。一回につき、1〜2段落程度。  これはなぜかというと、一箇所に「どかん」とやる方式だと、もし万が一、その部分を読み飛ばしてしまうと通じなくなってしまうため。小出しにして各所にちりばめておけば、なんかの拍子に目に付くことになる。  また同じようなものを一度にたくさん読まされると胃もたれする。  まあ描写練習でやる場合には、それなりの量をまとめて書いてしまってもいいだろう。習作なわけだし。 >>あ、そうか。 >>惚れる瞬間を書けばよかったのか。最初に出会った場面とか。  惚れさせちゃ、だめだって。  惚れさせてしまうと、こんどはその「惚れた」という感情のほうにスポットライトがあたってしまうだろ。  美人ということは「惚れる」ということの「きっかけ」に過ぎない。書いている事象が「惚れた」に移行した瞬間に、きっかけなんて、どうでもよくなってしまう。  これが漫画や映画などの視覚系メディアだとね〜。  いつでも、いくらでも描けるんだよ。「美人」ってことを。絵で見せられるから。  しかし小説っていうのは「視点」ってものがあるから、視点保持者が意識を向けていないことは書くことができない。美人であることに注目していない状態で、美人を描くことは出来ない。  そのかわり他のメディアではできないことができる。  視点保持者が美人の「どこ」を見ているのかということを、はっきり明示できる。 >>687 1000字課題、11/4分、No.74「なかよくケンカしな」(1000文字)  これは、なに?  練習項目はなんなのかということを明示しておくこと。  とくに攻略項目を設定していなくて、毎日の日課でただ書いたものならば、そう書いておくこと。  このNo.74は、客観視点の練習か? >才能の話  つまり、覚えの良さ、悪さ――いうことなわけね。  2号は仕事の覚えに関しては、良いか、普通だったわけね。  まあ仕事の覚えの良い悪いは、小説とは、とりあえず関係ない。  では小説に関しては、自分はどうであると思うわけ。  教える必要がない/良い/普通/悪い/致命的  このように5段階くらいのランクがあったとして、どこにいるのだと思う?  つまり、俺からどう見えているのかってことだが。 >才能の話2  僕らの言うところの「才能」というのは、覚えの速さではなくて、他のことを言う。  どれだけ小説に傾倒できるか。小説を好きになれるかどうか。それが才能といえば才能だな。  能力や素質や伸び率の差なんてもんは、熱意のまえには、あっけなく埋まってしまう。  資質や能力の差というものは、持っている者同士での比べ合いであれば差が出るだろうが……。  熱意を持っている者と、持っていない者とで比べたら――。  持っている人間に、持っていない者は、絶対にかなわないのだ。  その仕事場にいたという、致命的なまでに仕事の覚えの悪いやつ。  やる気はあったということだが……。  仕事は好きだったかな? 嫌いだったのかな?  僕の個人的な経験からいうと、いつまで経っても使えるようにならないやつは、結局のところ、仕事が好きでないやつ――ということになるのだけど。  ちなみに、人の話を聞く気があるということと、熱意があるということとは、違うものだよ。人の話は聞いているけど仕事が好きではないやつと、仕事は大好きだけど人の話を聞かないやつと、両方いるわけだし。 -------------------------------------------------------------------------------- 恥ずかしい No.7250 投稿日 2003年11月6日(木)09時35分 投稿者 名無し君2号  課題部屋にある、昔の私の作品が、すこぶる恥ずかしい。  過去ログにある、自分の発言が、すこぶる恥ずかしい。  小説を書くって、つまりはこういうことなんだな、と思った。赤裸々です。真っ裸です。毛が三本です。 >望乃さん  この場所にすがるのではなく、利用する気持ちで来ればいいと思います。尻を蹴ってくれる人がいるんだから、蹴ってもらう。  夏休みの宿題は、いつか夏休みが終わってしまうから、期限があるから、やり遂げることが出来るんじゃないでしょーか。ずっと夏休みでも、やれる人はやれるでしょうが……やれない人は、いつまでたってもやれないものです。  だから、尻を蹴っ飛ばしてもらう。夏休みが終わる前に、宿題をやり遂げられるように。  そもそも、修行期間という名の夏休みは、いつまであるのかわかりませんし。宿題の量もわからないし。  すがりたいならすがるで、ばれないように、こっそりとすがるとか。  そりゃ、すがってもいいですか? と訊いたら、「重いからヤダ」でしょうし。  黙ってすがる。ばれないように。  なんか病院に通っているとのことで、勝手に親近感が湧いてしまったので、書きました。  私と望乃さんの間に、信頼関係はまだないので、もしかすると迷惑に思うかもしれませんが。  体は多少は無理が効きますが、心は無理が効きませんので、ご自愛の程を。 >美人の描写 >>>>あ、そうか。 >>>>惚れる瞬間を書けばよかったのか。最初に出会った場面とか。 >>惚れさせちゃ、だめだって。 >>惚れさせてしまうと、こんどはその「惚れた」という感情のほうにスポットライトがあたってしまうだろ。 >>美人ということは「惚れる」ということの「きっかけ」に過ぎない。書いている事象が「惚れた」に移行した瞬間に、きっかけなんて、どうでもよくなってしまう。  あああ、そうか。  ええと、話のスポットライト(その場面でのテーマ)は、印象の強いものへと移ってしまうんだ。だから、『美人』をテーマに書きたいのなら、それ以上に強い印象を与えるものを置いてはいけないのか。  なるほど……。  いままでの描写課題も、当然そうなわけだよな。  なんだか光が見えてきたような気も……。手を動かして検証してみようっと。 >1000字課題 >687 1000字課題、11/4分、No.74「なかよくケンカしな」(1000文字) >>これは、なに? >>練習項目はなんなのかということを明示しておくこと。 >>とくに攻略項目を設定していなくて、毎日の日課でただ書いたものならば、そう書いておくこと。 >>このNo.74は、客観視点の練習か?  それは客観視点の練習でした。  今日は一編。客観視点の練習です。  No.75「十五年後」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=688&e=res&lp=550&st=0 >才能の話 >>つまり、覚えの良さ、悪さ――いうことなわけね。 >>2号は仕事の覚えに関しては、良いか、普通だったわけね。 >>まあ仕事の覚えの良い悪いは、小説とは、とりあえず関係ない。 >>では小説に関しては、自分はどうであると思うわけ。 >>教える必要がない/良い/普通/悪い/致命的 >>このように5段階くらいのランクがあったとして、どこにいるのだと思う? >>つまり、俺からどう見えているのかってことだが。  む。むむ。むむむ。  『悪い』です。『普通』だったらいいなあ、と思いますが。  いまは、それなりの時間をブチこめる状況にあるので、時間というガソリンでもって、燃費の悪さをカバーしてますが。  いつまでも親にパラサイトしていられないしー。 >>その仕事場にいたという、致命的なまでに仕事の覚えの悪いやつ。 >>やる気はあったということだが……。 >>仕事は好きだったかな? 嫌いだったのかな?  ああ……。  わからないですね。  うーん。  でも、熱意はあったんですよ。でも、その仕事の内容が好きだったのか……どうか……。  もしかして、長い目で見てあげれば、使える人になったのかなあ。  いまになって、責任を感じはじめてきた。  いや、でもでもでも。  会社は給料を払っているのだし。お金を貰っているのに使えないのは、やっぱりいけないことなんだ。クビにされたって、しかたない……。  もっとうまく教えていればよかったのかー。  人になにかを教えるのはすごく大変……。  レスには3時間。外は秋の雨が降って、ぼくは部屋にひとりぼっち。みんな働きに出かけている……寄生人だなあ。 -------------------------------------------------------------------------------- ああ、なるほど。 No.7251 投稿日 2003年11月6日(木)09時50分 投稿者 望乃英司 >弟切さん >新木さん >2号さん  新木さんの再度の分室説明で分かりました。  僕にはここは利用出来ません。  色々書かせてしまい申し訳ありませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- 総選挙 No.7252 投稿日 2003年11月6日(木)18時20分 投稿者 弟切 千隼  昨日、たまたま夕方に街を歩いたら、民主党の幹部が選挙向け演説をしていました。演説会場では、民主党のマニフェスト(注※)冊子を配っていました。  選挙は、一般国民が直接政治に関われる機会ですから、マニフェストを読んで慎重に選ぼうと考え、冊子をもらってきました。 ※マニフェストmanifesto…日本語では「政権公約」と訳される。「わが党が政権を取ったら、こういう政治を行ないます」と公表した約束のこと。正確な英語表記は、political manifesto(直訳すれば「政治声明」)。 >【684】 1000字課題、弟切、「メイド」地の文書き直し  この書き直しを行なうにあたり、弟切が心がけたのは、以下の三点です。 1.なるべく一文を短くする。 2.なるべく簡単な表現をする。 3.なるべく具体的な表現をする。  1と2は密接につながっていますね。大概の場合は、簡単な表現をすれば一文は短くなります。長い文や難解な表現(凝った表現)は、それだけで多くの読者さまの読む気を削ぎますから、修正しました。  文を短くするには、「簡単な表現をする」他に、「一文にいくつもの要素を詰め込まない」という方法があります。読者さまが理解しやすいようにと配慮するならば、当然、一文に書けることは一つですね。  弟切は、つい一文にあれもこれもと詰め込んでしまう癖があります。自分は大して頭が良いわけではなくて、一度にいくつものことを理解できないくせに、人さまにそれを要求してはいけませんね(;_;)  3は、「きちんと描写する」ことにつながります。  重要でない部分は、簡潔な説明で済ませてしまってよいでしょう。むしろ読者さまの負担を考えるなら、重要でない部分まできっちり描写するのは余計なことです。  けれども、重要なこと、本当に伝えたいことは、具体的に詳しく書かなければなりません。そうしなければ、読者さまに強く印象付けることができないからです。  課題部屋にあるNo.679とNo.684と、実際の文章を比較してみましょう。 >> 梅雨入り前の、爽やかに晴れた土曜日だった。  冒頭のこの一文は、No.679とNo.684とで全く同じですね。 >> マンションの自宅に帰るやいなや、野々宮桐子はいつもより一オクターブ高い声を張り 上げた。 (No.679) >> 自宅に帰りついた野々宮桐子は、部屋を見渡して感嘆の声を上げた。 (No.684)  この文は、書き直したNo.684のほうが短く、簡潔になっています。ここでは、要するに「桐子が自宅に帰ってきた」ことが伝えられればよいので、最低限の説明で済ませるよう修正しました。 >> 汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。その中身は、と目で探せ ば、ベランダにブラウスやらタオルやらがひるがえっているのが窓越しに見えた。窓の横 のガスレンジは磨き立てられて日を反射し、その上で回っている換気扇にもしみ一つなか った。 (No.679) >> ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。床に置か れた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。窓から吹き込む風に顔を上げれば、 ベランダに白く輝くブラウスやらタオルやらがひるがえっている。窓の横のガスレンジに は、油汚れの痕跡もなかった。 (No.684)  ここの段落で伝えたいのは、「柚香が真面目で有能なメイドであること」です。この物語において、これは非常に重要なことですから、ここはしっかり描写すべきところですね。  一つ一つの表現については、上に挙げた1と2の原則に基づいて、短く、簡単にするよう心がけました。具体性については、3の原則に基づいて、より具体的に書くようにしました。  ここを修正するにあたっては、No.7230の2号さんの御指摘を参考にさせていただきました(^_^) 掃除や洗濯などの家事をやったことがない人にも、柚香が完璧に掃除や洗濯をこなしていることが伝わるように、 「ほこりにまみれていたフローリング」→「磨き立てられてぴかぴか」 「汚れた衣類」→「白く輝くブラウスやらタオルやら」 と、対比させて書きました。  また、換気扇については、掃除をしたことがない人の割合が高く、具体的にイメージされにくいと推測されるため、削除しました。ガスレンジについては、「油汚れ」という言葉を出すことで、具体的に汚れていたことが思い浮かべられるようにしました。 >> 笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だ った。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれ た名札が付いている。 (No.679) >> レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた 名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いてい た。 (No.684)  ここでは、「明るいメイドさんの久保田柚香という女性」を伝えるのが目的です。必要な情報だけを印象付けられるように、言葉を削りました。  エプロンの色の表記を「薄黄色」から「レモン色」にしたのは、そのほうが明るい印象になるからです。制服の色が明るい緑色なのも、むろん明朗な印象を出したいからです。  名札については、名前を紹介するのと、職業としてのメイドらしさを表わすのに便利なため、そのままの記述にしました。  ちなみに、制服がスカートでなくショートパンツなのは、実用性と見た目の可愛らしさとを兼ねさせた結果です。  仕事の際の動きやすさを考えれば、スカートという選択肢は絶対になしです。あんなに動きにくい服はありませんから。  かといって、普通のズボンでは見た目が可愛くありません。読者さまが楽しめるように、弟切は「有能で可愛いメイドさん」を出したかったので、ショートパンツの制服にしました。 >> 桐子は微笑んでうなずいた。  ここは、No.679もNo.684も同じです。 >> 柚香は、制服に縫いつけられた社名を示して会釈した。 (No.679) >> 柚香は、制服についた社名を示してぺこりと会釈した。 (No.684)  ここは、なくても意味が通じる言葉を削り、人物の具体的な動きが思い浮かべられる言葉を付け加えました。 >> 桐子は軽く頬を叩いて、笑顔を作り直した。 >> 桐子が手に持ったケーキの箱を掲げて見せると、柚香の顔が輝いた。  この二文は、書き直していません。 >> 柚香ははっとした表情になり、自分の手で口をふさいだ。桐子は目を細めて、柚香に柔 らかい眼差しを向けた。 (No.679) >> 柚香ははっとした表情になり、手を口に当てた。桐子は目を細めて、柚香に柔らかい眼 差しを向けた。 (No.684)  ここも余分な言葉を削りました。 >> 柚香はこくりとうなずいた。  ここは書き直していません。 >> 柚香は桐子に向かって半身を乗り出した。桐子は大きく口を開けて笑った。 (No.679) >> 柚香は半身を乗り出した。桐子は大きく口を開けて笑った。 (No.684)  ここも言葉を削りました。 >> 柚香はまるく目を見開いた。  ここは書き直していません。 >> 二人の間に沈黙が落ちた。ぽかっと口を開けた柚香の顔に、次の瞬間笑みがはじけた。 (No.679) >> 柚香はぽかっと口を開けた。次の瞬間、その顔に笑みがはじけた。 (No.684)  「ぽかっと口を開け」ている状態では、しゃべれないことが明白です。よって、「沈黙」を書く必要はありませんね。要らない部分を削りました。 お知らせ:  弟切は明日より出張に出かけます。そのため、明日から日曜日の昼までは、ここにアクセスできません。次にここに書きこめるのは、日曜日の夜以降になります。 -------------------------------------------------------------------------------- 夜が明けて No.7253 投稿日 2003年11月7日(金)08時28分 投稿者 名無し君2号  毎日、夜明けを感じている。  がたん、という音と共に、新聞が新聞受けに届く。カーテン越しの光が、少しずつ明るくなっていき、小鳥が鳴き始める。  完全に夜が明け、カーテンの隙間から日差しが入る。  目覚まし時計が鳴り、家族が起き始める。  爽やかな朝の挨拶は、 「まーたこんな時間まで起きてんのか。早く寝ろ」  ……すみません。 >1000字課題  客観視点の練習で一編。  No.76「耳たぶをくにくに」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=689&e=res&lp=550&st=0  客観視点は、なにをどのくらいまで書けるのか……ということを考えつつ書いてはいるのですが。 ・登場人物の行動を解釈しない。  「唇を尖らせた」を「拗ねた顔つきをした」とは書いちゃいけないと見る。 ・セリフから意味を読みとらない。  「○○は、淋しそうに言った」とか。「○○が、いたずらっぽく言う」とか。  そのあたりを気をつけて書いてみました。  今日は病院に行く日。いってきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7254 投稿日 2003年11月8日(土)03時34分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>【684】 1000字課題、弟切、「メイド」地の文書き直し >>1.なるべく一文を短くする。 >>2.なるべく簡単な表現をする。 >>3.なるべく具体的な表現をする。  実際、悪い部分は直っているのだけど、直しにあたって留意した点などを見ると、これが偶然直っているだけなのか、それとも必然的に直せたものなのか、区別が付かない。  ちなみにここで弟切が留意している1〜3までのポイントは、基本にも含まれないようなあたりまえのことだぞ。  もちろんそういう部分もダメであって、それも直しているのはわかるのだけど。  ここではもうひとつレベルの高いところの話をしている。  元の悪文と、直ったものとをそれぞれ引用してきて、対比させてみる。  なにがどう変わっているのか自分で考えてみること。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。  ↓↓↓ >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だ った。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれ た名札が付いている。  ↓↓↓ >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた 名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いてい た。  おもに、この2点。  このふたつには同じ種類のミスがあり、書き直しを経ることで直っている。  ――が、ただ直っただけなのか、意図通りに直されているものなのか、区別が付かない。  ちなみにこれ、読み捨てポイントに相当するぐらい、でっかい欠点だぞ。  すくなくとも僕とみやびさんは、はじめの「洗濯籠」に関する部分を読まされただけで、のけぞってしまうし、ノーサンキューと言うし。  もうひとつヒントを出す。  この部分には日本語としての誤りはないし、内容においても問題ない。  これを読んだ人間の十人に「何が書いてあった」と質問をしたなら、十人中十人が、出来事やら状況やら情景やらを、正しく答えられるだろう。  文章力の下のほうを見れば、なにを言っているのかさえわからない連中がごろごろ存在しているなかで、弟切はかなり文章力があるほうだといえる。  学者が論文を書くのであれば、ここまでの日本語力があればまったく問題ない。実験における因果関係やら、実験設備の概要などを説明する文章としてなら「読んで間違いなくわかる」というレベルがあれば充分なわけだ。  だが何かを他人に(わかりやすく)説明することで金銭を得るライターや、さらに物語を紡いでいかねばならない小説家がこんなものを書いていては、まったく仕事にならない。  ちなみに――。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。  ――が、なぜ「ゲロまず」で論外で話にならないくらいダメなのかということが、わからないという場合も考えられる。  つまり弟切の舌が馬鹿になっているということだが。  たとえば仕事柄、下手な文章を大量に読んで理解しないとならない必要があるとか。  慣れてしまうと麻痺してしまってわからなくなる。  また、ただ単に読書量(小説の)が少ないということも考えられる。読んだ小説の数が四桁くらいに達していないと、正常な味覚が身に付いてなくても仕方がない。 >>柚香は、制服についた社名を示してぺこりと会釈した。 >>桐子は軽く頬を叩いて、笑顔を作り直した。 >>桐子が手に持ったケーキの箱を掲げて見せると、柚香の顔が輝いた。 >>柚香ははっとした表情になり、手を口に当てた。桐子は目を細めて、柚香に柔らかい眼 差しを向けた。 >>柚香は半身を乗り出した。桐子は大きく口を開けて笑った。  弟切が留意したうちで、「一文にいくつもの要素を詰め込まない」と「なるべく一文を短くする」というのがあったはずだが。  上記の文においては、まるで直ってないのだが……。  「社名を示す」「会釈する」  「頬を叩く」「笑顔を直す」  「箱を見せる」「顔が輝く」  「はっとした表情になる」「手を当てる」「目を細める」「眼差しを向ける」  「半身を乗り出す」「笑う」  このように、複数動作が一文中にあったりする。「一文をなるべく短くする」のであれば、一文にひとつの動作にできるはずだ。  まずひとつの文に動作がひとつとなるように、文を分割のこと。  またここに上げられている動作のうちで、省いてしまって構わないものもある。  この12個の動作のうち、ひとつひとつ、省いてしまうとどうなるのか、実地に手を動かして検証のこと。  省いてしまうと、意味が繋がらなくなるようなものは、それは省けないということ。  省いてしまって、余計なことを書かないほうが、すっと意味が通るようなものもあるはずだ。  総括。  弟切は自分の文章力が、とてつもなく低いところにあることを肝に銘じること。  すでに自覚しているようではあるが、その自覚はまだ充分とはいえない。  実態は弟切が思っているのより、まだ低い。  画面の半分(全角20文字)を越えるものは「長文」であるとする。その「長文」を書く能力は、いまの自分にはないものと思え。  人は能力以上のことをやるときには、注意してやるものだろ。自分に長文を書く能力があるなんて自惚れているから、注意が欠けて、壊れた日本語を書くことになる。  わかりやすく読める長い文を書くことは、たいへん難しいことなの。  俺も15年終業してきて、最近になって、ようやく3行程度(120文字)の長い文が書けるようになってきたの。  その俺にしたって、行をまたぐ(40文字を越える)文を書くときには、ひどく注意して書いているものなの。  なんの気なしに、壊れる心配なしに気軽に書けてしまうのは、40文字以内までなの。  たとえば、いま書いた中のこれ(↓)とか。 >>俺も15年終業してきて、最近になって、ようやく3行程度(120文字)の長い文が書けるようになってきたの。  これは40文字を越えている。――なので、書いたあとで、「長いせいで壊れてないか」を、いちいち気に掛けてチェックしているわけ。  弟切の場合には、20字を越えているものに関しては、すべて厳密にチェックするようにしろ。 >2号 >客観視点とか  「女性」とか「少女」とか、そういう言葉に頼りすぎ。  使うだけで客観ぽくなる便利な言葉だが、それに頼らずにちゃんと客観表現ができるようにならないと、実戦じゃ役に立たんぞ。  だって実際の小説内で、「女性」とか「少女」とか使える場面って、そうそうないもの。  たいてい名前が出てくる。  つぎは、はじめから人物名を出してやってみること。  そのうえで、きちんと客観表現として見えるように書いてみる。 >>・セリフから意味を読みとらない。 >> 「○○は、淋しそうに言った」とか。「○○が、いたずらっぽく言う」とか。  そもそも台詞のあとに地の文で補強する必要があるのか?  寂しそうな口調と、いたずらっぽい口調とで、台詞を書くようにすればいいだけなのでは?  台詞のみで小説を書かせたときには、そういうことをやっていたはずだろ?  文種限定修行を終えて、いますべての文種が解禁となったわけだな。  そしたらいきなり、「寂しそう」を描くのに、「台詞+地の文」の両方に頼らなきゃならなくなるのは、なぜなんだよ?  なんか退行してないか?  出来てたはずのことが、出来なくなってないか?  もういっぺん、「台詞のみ」の修行からやり直してみるか?  いいか。小説なんてのは、「台詞のみ」でも、「描写のみ」でも、「動作のみ」でも、「説明のみ」でも、どれだって書けるもんなんだよ。  ひとつのことを、2回も重ねて書くな。  二度以上重ねて書いていいのは、そのシーンの核心にあたる「特別」な部分だけと心得ること。  どうでもいいことをダラダラと「台詞+動作」とか「台詞+描写」とかで書いていると、核心の部分が薄まってしまうのだ。 >>689 1000字課題、11/6分、No.76「耳たぶをくにくに」(2000文字)  ちなみに、これ。  読んでなくてざっと眺めただけだけど、3分の2にはなるな。もしかしたら2分の1になるかもしれない。  そのほうが、ずっと良くなる。  これは2000字で書いているようだが……。  本当に2000字必要なものだったのか?  1000字ってのは、さすがに苦しいと思うが。  本当は、何字ほど必要なものだった?  書き直す前に、まず、必要字数をはじき出すこと。  自分の出したその文字数で書き直してくること。 >短くすると、なぜ良くなるのか  読者が小説を読む速さは一定なのだ。  個人差はあるが、同じ人物はだいたい一定の速度で物を読む。  そして人間の脳内で、目にした文章に書かれた物事なり印象なりのイメージが残留している時間もまた、一定なのだ。  同じ事を、短い文字数で書いたなら、脳内に同時に重なって存在するイメージ数が増えることになる。  つまり読んだときの感慨の密度があがるということだ。  言い換えると、より「面白く感じる」ということだ。  ある人間が、1分で2枚(800字)を読むとする。(おそらく平均的読書速度)  これは2000字であれば2分半というペースだ。  2号のNo.76の課題は、ちょうど2000字で、40文字詰め71行ほどあった。  1行を読む時間を計算すると、およそ2秒という値が出てくる。  人間の脳内で、イメージが残留する時間を10秒程度だとする。読者は10秒前に書かれていることまでしか、覚えていないということだ。(超短期記憶の持続時間は諸説あって、10〜18秒ほどと言われている)  つまり、5行以内に書かれている内容であれば、イメージ的に、重なってくれるわけだ。  どんなに多めにみても8〜9行まで。これは文庫本であれば半ページくらい。原稿用紙であれば3分の2枚ぐらいに相当する。  その範囲内に同種の記述を収めきるためには、余分なものは捨てていかないとならない。同じ事を二度も書いている余裕はないのだ。  そこらの紙をくりぬいて、5行分の四角い窓を作ってみそ。  それをモニターの画面にあてる。  そうすると……。  小説の一部分だけが、長方形に開いた「窓」を通して見ることができて、他は隠れて見えない、という状態になるだろう。  読者の視野は、その範囲しかないのだ。  その窓の中にあるものしか一度に見ることはできない。  それで意味が通じて、それで面白く感じられるように書いていないようなものは、ダメだということだ。 -------------------------------------------------------------------------------- >巻島さん No.7255 投稿日 2003年11月8日(土)11時51分 投稿者 望乃英司 >No.7238 >682 クロッシング書き直し 50枚? 増量 その3  感想と指摘です。  僕自身力は全然足りませんので、単なるいちゃもんかもしれません。(笑) >バス停のベンチに、高校生のカップルが座っていた。お互い手を握りあって、楽しそうに笑いあっている。たぶん、次のバスが来ても乗らないだろう。固く握りあった手は、簡単にほどけそうにない。  ここまでは神視点ですよね。 >そんなカップルの手をまじまじと見ていたことに気づいて、亮介は慌てて顔をそらした。  それで、次の段落で亮介寄り三人称になる。うまく言えませんが、読みづらかったです。  まず、亮介がどこに立っているのかが分からなかったし、情景描写からいきなり心理に入るというのに抵抗があったのでしょう。  「まじまじと見ていた」は客観語、「気づいて」は主観語、「慌てて」は主観語、「そらした」は客観語。(多分)  それは個人的にどうでもいいのですが、描写が欲しいなあ、と思ったところです。 >稲瀬のにやけ顔が、頭のなかに沸いてくる。  ここ好きです。沸いてくる、って表現が。 >県道も、ラッシュの時間だった。亮介のすぐ脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。  ラッシュというとまず渋滞を思い浮かべてしまうのですが。  読者にはその「どこかの県道」の普段の交通量など知る由もありませんし。 >東高    僕の出身校の通称でもあります。個人的に親近感が湧いたところ。(どこにでもこういう俗称はあるのでしょうが) >店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。  コンビニで流れるものは大抵有線放送のJ−POPだと思います。ラジオが流れている店もありますが、大抵はFMです。(このへん、地域によって違うのかな) >音からして、壁にバイクあたりがぶつかったんだろう。でもそのわりには、ブレーキの音を聞かなかったし――  戸惑いが少ない気がしました。高校生にとっさにライダーがブレーキを踏む、なんて思考がすぐに浮かぶでしょうか。 >でも傷口は滲んでいない。  夕方の住宅街ですよね。傷口が滲んでいるかどうか判断するには無理がある明るさ、距離だと思うのですが。 >ケガのひどさからして、これは特撮じゃない。  これ、「子供向けの特撮じゃない」なら分かるんですが。あとは「ケガがひどい、これは本当に特撮だろうか」とか。 >見たこともない気迫に驚いて、亮介は有希のほうを見た。有希も目を見開いて首を振るだけだ。  有希はまだ家に入っていなかったんですね。ここでいきなり有希が出てきたように読めて、混乱しました。 >亮介の心臓がはねる。かわせそうにもない。  読み返した箇所です。「かわせそうにない。」と読んでしまったのです。引き込まれていたので。  亮介たちが襲われているのかと錯覚してしまいました。  それで、戦闘シーンは何度か読みましたが、分かりませんでした。 >瞳の色は、どちらも薄いブルーだ。  髪はあるのか、裸なら生殖器は? と思ってしまった部分です。 >向こうの窓にかかるレースのカーテンごしに、有希の動いている姿が見える。 >そのとき、窓の外でなにかが動いた。  ここまでに、レースのカーテンを開ける動作がないので、混乱しました。  それと、レースのカーテンごしの十メートル先なんて、そんなに見えるものではないと思います。 >体が勝手に動きhはじめている。  タイプミスです。 >コンマ数秒、体が完全に空中を飛ぶ。  ここで一つ疑問が湧くのですが、超人的な能力を持った宇宙人の戦闘を、亮介が肉眼で見れたのは何故でしょうか。  十メートルをコンマ数秒で飛べる宇宙人の戦闘なんて、普通目では追えないと思うのですが。 >『引き渡しても、無事では済まないと思うぞ。この星の人間のサンプルをやつらは欲しがるだろうし。船のなかで、体をバラバラにされるかもしれん』  「この星の人間のサンプル」は、市街地で戦闘なんかしているわけだし、他で見つけるのでは、と有希あたりが突っ込みそうな気がしました。  「精神体が二つ入った人間のサンプル」なら分かりますが。  と、これはただのいちゃもんですね。有希にはまず優しさと強さがあるようですから、ここは多分OKです。  以上です。  続きのリライト、楽しみにしています。 -------------------------------------------------------------------------------- 望乃へ No.7256 投稿日 2003年11月9日(日)01時05分 投稿者 新木 伸  おまえ、自分が、なにをやったのか、わかっているのか?  なに食わぬ顔をして、何事もなかったかのように、ここに書きこみしているわけだが……。  たぶん、おまえが考えている以上に、実際にかかってしまった迷惑は大きなものとなっているのだぞ。  前回のときのように僕や鷹見さんに噛みつくだけならともかく、今回は外部の人間まで巻きこんでしまっているので、僕の胸三寸で済ませる――ってわけにはいかない。  僕にも責任というものがある。  やりたい放題やっておいて、何事もなく済ませてもらえると思っているのなら、おまえのその考えは甘すぎるし、子供すぎる。  謝りもしないまま、おまえがここに書きこむことを、僕は管理者として許すわけにいかない。きちんと誠意を持って謝罪し、関係各所が許してくれる(許してくれないかもしれないが)まで、ここへの立ち入りは禁止とする。 P.S. >ALL  事の経緯を知らない人間はこの文面を読んでも、なにがなんだか、わけがわからないと思うので……。  メールで問い合わせをしてくれれば、個別に経緯を知らせます。(ただし分室関係者のみ。興味本位のROM除く) -------------------------------------------------------------------------------- フカヒレ No.7257 投稿日 2003年11月9日(日)06時57分 投稿者 名無し君2号  フカヒレを食べたことがない。  食ったことのないものは、小説のなかに出せないな、とか思ったり。かといって、食べたことのある松茸は出せるのかといえば……。  どんなものだか覚えていない。  そもそも、『味』やら『匂い』やら『音』やらって、言葉にするのが難しい。  「噛みしめるたびに旨味の詰まった汁が舌に躍り出て……」とか「ばりっとした衣を歯で突き破ると、とたんに軟らかい肉汁があふれて……」とか書いても、それを食べたことのない人には、わからないのだろうな、と思う。  ああ、おなか空いた。 >1000字課題 >689 1000字課題、11/6分、No.76「耳たぶをくにくに」(2000文字) >>これは2000字で書いているようだが……。 >>本当に2000字必要なものだったのか? >>1000字ってのは、さすがに苦しいと思うが。 >>本当は、何字ほど必要なものだった? >>書き直す前に、まず、必要字数をはじき出すこと。 >>自分の出したその文字数で書き直してくること。  本当なら、1600文字でどうにかなったと思います。  この話は、妹の言葉に動揺する姉の姿がひとつの肝なので、だから姉の動揺する姿が、言葉の限度分、増えました。  それと、客観視点に慣れていないのも原因のひとつだと思います。セリフに続けて『○○は言った』とか、なんか余計なものがそこらかしこに。  書き直しは、普通に1600文字でやれば良かったのですが、ちょっと苦しい1000文字に挑戦してみたかったので……1000文字です。  No.76「耳たぶをくにくに、やりなおしの1」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=690&e=res&lp=689&st=0  2000文字版を削ってから……それを見ずに、一から書き直しました。 >描写課題  美人の描写をやり直してみました。  美人の描写(美女編)、やりなおしの1(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=691&e=res&lp=686&st=0  最初は3000文字ぐらいありましたが、余計な部分を削ってようやくに2000文字です。  『孤立している美人』が書けていればいいんですが。  レスには1時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- >作家新木 No.7258 投稿日 2003年11月9日(日)23時10分 投稿者 望乃英司  てめーが「ごめんなさい」と言ったらな、と言いたいところだが、関係ない人を巻き込んだのは本当なので、そちらにだけ謝っておく。  あと、勝手に人を呼び捨てにするのは不愉快だ。 >電撃作家Aさん  本当に済みませんでした。あなたには全く恨みもありません。  心証を悪くしてしまった場合、僕が自腹で土下座して回ります。 >アニメーター・イラストレーターHさん、ゲームシナリオライター新木さん  仕事を公表前からべらべらと喋ってしまい、申し訳ありません。  これは共同プロジェクトなので、Hさんには心から、新木さんには形だけ謝っておきます。 >他電撃作家の方々  申し訳ありませんでした。 >電撃文庫編集部様  訴訟可能です。 >某ゲーム会社様  訴訟可能です。   -------------------------------------------------------------------------------- 追記。 No.7259 投稿日 2003年11月9日(日)23時25分 投稿者 望乃英司 >他電撃作家の方々  申し訳ありませんでした。 >電撃文庫編集部様  訴訟可能です。 >某ゲーム会社様  訴訟可能です。    これは、実際の被害がどの程度か分からないのでこう書いてしまいました。  謝罪する気持ちはありますが、どうやって謝罪したらいいのかが分からないので、こう書くに留めた幼稚な自分を、どうぞ呼び出しでも何でもいいですから怒ってやって下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 箱根越え No.7260 投稿日 2003年11月9日(日)23時39分 投稿者 弟切 千隼  箱根山の西側より、湘南へと戻ってきた弟切です。  古来、山を越えると気候が変わると言われるのを実感しました。箱根山の西側は晴れてとても暖かかったのに、東側に来たら曇って寒いこと。山を境に、秋と冬が切り替わった感じがしました。 >>【684】 1000字課題、弟切、「メイド」地の文書き直し >> 元の悪文と、直ったものとをそれぞれ引用してきて、対比させてみる。 >> なにがどう変わっているのか自分で考えてみること。 (No.7254の新木さんの書きこみより。以下の引用部分も全て同じ)  了解しました。 >>>>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。 >> ――が、なぜ「ゲロまず」で論外で話にならないくらいダメなのかということが、わからないという場合も考えられる。 >> つまり弟切の舌が馬鹿になっているということだが。  弟切の舌が麻痺している可能性は、多少あると思います。弟切の仕事では、下手な文章を読んで理解しなければならない機会が多いですから。  けれども、それをいいわけにするつもりはありません。舌の感覚が麻痺しているなら、正常に戻すようにすればよいことです。  対策は、「名文を読む」、これが一番ですね。とりあえず、『声に出して読みたい日本語』という本を買ってきて、いつでも読み返せるようにします。 >> まずひとつの文に動作がひとつとなるように、文を分割のこと。 >> またここに上げられている動作のうちで、省いてしまって構わないものもある。 >> この12個の動作のうち、ひとつひとつ、省いてしまうとどうなるのか、実地に手を動かして検証のこと。  これも了解しました。 >> 弟切は自分の文章力が、とてつもなく低いところにあることを肝に銘じること。 (中略) >> 弟切の場合には、20字を越えているものに関しては、すべて厳密にチェックするようにしろ。  ああ、やはりそうなのですね。  No.7254で、新木さんが例に挙げた弟切の文は、自分でも何となく「おかしい」と感じていたものばかりでした。それをそのまま通してしまったところが、まだまだ甘いですね(;_;) -------------------------------------------------------------------------------- >追記 No.7261 投稿日 2003年11月10日(月)00時25分 投稿者 望乃英司 >新木さん  一応、ダメ大人として敬語を使います。  言っておきますが、新木さんは僕のことを子ども扱いするけど、貴方だって十分に「ダメ大人」ですよ。  ただ仕事と家庭を持てて、犯罪を犯さず、社会からはみ出ないようにしているだけ。  人格だけ見れば、ダメ人間です。  杉井さんに言われた、図星の言葉の数々を思い出しなさい。  数多くの人間が貴方から離れた経験をかんがみればそれは分かるでしょう?  ここでは貴方が王様です。貴方がルールです。それは認めましょう。ダメ大人が、仲間内だけで砂場遊びを真剣にやっていることを邪魔する気はありません。  単に僕は、貴方が嫌いだから、貴方を傷つける、迷惑がらせるためなら何をしようが構わないという「ダメ大人」です。  「ダメ大人」には「ダメ大人」の対応しか出来ないのが、自分という人間です。  ともあれ、その責任から逃れられると思うほどバカでもありません。他にかけた迷惑は、きちんと取りましょう。  その後、もし事が収まったら、巻島さんと2号さん(一応お世話になったお二人)の作品の感想、指摘を書くのにここを使わせてもらうかもしれません。あくまで、指摘者の立場で。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7262 投稿日 2003年11月10日(月)01時45分 投稿者 新木 伸 ●2号 >>フカヒレを食べたことがない。  だから作家というものは、回るテーブルのついているような中華料理屋で、豪華な料理をごちそうになる機会があったなら、食いながら頭をフル回転させて観察してくるものなのだ。  なにかそんな機会があったら、死ぬ気で観察しておけ。  俺もフカヒレはスープに入ってた細切れの春雨みたいなのしか食ったことないなぁ。丸ごと出てくるのを食ったことはない。細切れのフカヒレの食感は知っているから、そこから想像できるけど。 >No.76「耳たぶをくにくに、やりなおしの1」(1000文字)  これ1600字になるのか?  1000字と言うものだから、まず、「ウソだぁ」と思った。  できねーって、そんなの無理だって。  恋わずらいでぼうっとしている女性がいて、妹が出てきて揶揄して、男が登場してくるところが「どんでん返し」となるわけだろ?  恋わずらいでぼうっとしている姉を、後から出てきた妹が揶揄して、姉が「好き」ということを白状する。――と、ここまででいいなら、これは1000字になる。  また――。  姉が恋わずらいでぼうっとしていて、妹は始めから登場済みで、姉が「好き」と白状するまで。――であれば、これは800字だな。  しかし男を登場させるなら、姉が男のどこに惚れたのかということを少しは伝えなきゃならなくなるし、オチまで付けなきゃならなくなる。  姉登場。→200字  妹登場。→200字  姉を揶揄する妹。→400字  ついに白状する姉。→200字  男登場。→200字  男と姉。→200字  こんな感じに組み立てることになる。  ざっと見繕って、1400字ってところだな。  ――と、はじめに組み立ててみてから、実際に書いてみる。  2号の1000字版をもとにリライトしてみた。  ついでに、最近の研究活動によって身につけた、新たな視点(文体)の切れ味を確認。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「――熱っ」  小さな悲鳴がキッチンに上がった。  やかんからはもうもうと湯気があがっている。コンロの前に立つ小雪は、やかんに触れてしまった手を自分の耳たぶへと運んでいた。  長いこと蒸気を吹き出させておいてから、小雪はようやくコンロの火を消しにかかった。だがその目はやかんを見ておらず、どこか宙の一点に向けられている。 「……名取さん」  ぽつりと、そんな言葉が小雪の唇から洩れだした。 「重傷よね、お姉ちゃん」  背後からの声に、小雪はびくりと肩を震わせた。  おそるおそる振り返り、キッチンの入口に寄りかかる茜の顔を見て、意地悪なその目線から逃げるようにして、すうと顔を前に戻してゆく。 「だ、だいじょうぶ。ちょっとひりひりするだけだから」 「そっちのことじゃ、ないんだけど」 「……」  二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。 「お姉ちゃん、早く冷やしたら?」  妹に言われるまま、小雪はのろのろと水道の蛇口をひねった。水の流れに指先を浸すうちに、小雪の顔から痛みが抜けていった。  ほっとした表情を小雪が浮かべたところに、茜が言う。 「好きなんでしょ」  がらがら。がっしゃん。  食器が崩れて、スポンジと洗剤のボトルとが宙を舞う。 「あらあら。大変だぁ」 「あ、あ、あなたが――ヘンなこと言うからでしょ!」  片づけをはじめた小雪は、妹から顔を背けるように、手元ばかりを見ている。 「好きなんでしょ、名取さんが」 「いつつ――」  割れた皿で指先を切ってしまった小雪は、その指をくわえて、うらめしそうな顔を妹に向けた。 「名取さんが好きだって、認める?」 「――好きだ、好きだ、って、そんなに何度も言わないでよ。……好きだけど」  茜は、にまりと笑みを浮かべた。 「だってさ。――よかったね、名取さん」  廊下の影から、ぬっと男が姿を現す。  小雪は目を大きく見開いて、男を見つめていた。口にくわえた指を離すことさえ忘れている。 「あっ、あっ、あっ……えうっ?」  指をくわえたままで、小雪は幼児のように意味不明の声を洩らした。 「じゃ、お邪魔虫は消えるから」 「待って! 行かないで!」  廊下に消えようとする茜を、小雪の声が呼び止める。だがその足音は無情にも遠ざかっていってしまう。  残された小雪と名取は、どちらも困ったようにうつむきあっていた。小雪の手が口元に伸びていって、また指先をくわえこむ。 「あのう。バンドエイド、持っております」  その大きな男はポケットの中から絆創膏を取りだしてきた。  その手もまた、体に見合う大きさがあった。だが小雪の手に絆創膏を巻いてゆく男の手は、とても器用で、とても優しかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  変更点は以下の通り。 ・突き指をするというのがイメージしにくいし、ダイナミックさもないので、食器を崩して指先を切るに変更。 ・指をくわえさせてみることで、姉の萌え度を大幅アップ。 ・男の印象を追加。大柄だが細やかで優しいという人物に設定。男の「良い部分」を読者がなんとなく推察できる程度に。(2号の想定した人物像とは違っているかもしれない。男の人となりについて、まったくなんにも書いてないので読み取りようもないので、こちらで作るしかなかった)  ――で、書いてみたところ、1420字だわな。 >美人の描写(美女編)、やりなおしの1(2000文字)  主人公たちがしきりに馬鹿にした感慨を述べているので、「劣化コピー」の滑稽さとか情けなさとか、へたれぐあいだとか、そんなものは大変よく伝わってきた。  だが、肝心の「美人の描写」のほうは、ぜんぜんだ。  彼女の「行動」によって美人を描こうという試みなら、「アイドル劣化コピー女は、攻撃を続けていた。その攻撃は、彼女にことごとく受け流されていたが。」とか書いちゃだめだろう。  そもそも「攻撃」ってなに? 手足が出ること? それとも言葉や目線による攻撃?  しかし喧嘩を主題にしてしまっては、また焦点がずれるぞ。それは「女の子の喧嘩」の描写であって美人ではない。  この手の構図で美人を描くのであれば、「美によって相手を圧倒して喧嘩にもなりゃしない」というふうにしなくてはならない。  手足を出てしまっている時点で失敗している。  ――と、これは美人を描く方法論についての話。  ここから下は、個人的な感想に近い話。  この二人の女は、ひとりの男を奪い合っているわけだよな。  奪われたほうが、奪ったほうを糾弾している。手も出してくるが、最後には攻撃を諦めて立ち去ってしまうと、そういう話だ。  この構図だけでは、どちらが悪いとも言い難い。  手を出している女のほうも、ひどい奪われかたをしたのかもしれない。手を出してしまうほどの事情があったのかもしれない。  ――で、事の良し悪しを決めるにあたって、「美人だから」という理由で決めちゃっていいものなのか。  しかも「地が良い」というだけで。  もう片方のアイドルの劣化コピーのほうだって、地がないところを、化粧やスタイルを真似てみることで懸命に頑張っているわけだよな。  その労力は滑稽なものであり、物笑いのタネにされて然るべきもの?  作った「美人」ってのは、悪いこと?  このへん、劣化コピーの女の子の側の「滑稽さ」を前面に押し出した作りになっているもので、個人的にはムカっ腹が立った。  この女の子のほうに同情するわな。  野次馬を決めこんでいて、この女の子のことをしきりに馬鹿にしている二人の登場人物も、超然として「相手じゃないのよ」的な顔をしているこの美人の女も、みんな嫌いになれた。それから女の子を悪役に仕立て上げている作者もね。  ――と。  勝ち側を「正義」と思わせるのには、細心の注意と仕掛けとが必要なんだってば。  負けたほうに感情移入してしまうのが日本人の思考。  冷たい美人のほうに感情移入させて、彼女の行いを「正義」とさせるつもりなら、負け側の女のほうを本当に「悪」であると、事前に確定させておかなきゃならない。 -------------------------------------------------------------------------------- 戦いの終わり No.7263 投稿日 2003年11月10日(月)08時21分 投稿者 名無し君2号  気づいたら衆議院議員選挙が終わってました。そして国民の権利をすっかり忘れていました。  ああ、私にはもう、なにも言う資格がない。  いろいろ波乱があって面白かったけれど。  ちなみに、岩手県の投票促進のキャラクターには、ダンディ坂野さんが起用されてました。ポスターやらCMやらでゲッツです。  おそらく都会ならマイナー感があふれていたのでしょうが、なにせこちらは地方なものですから、むしろメジャー感が出ていました。  田舎者の描写に役立てよっと。 >1000字課題 >No.76「耳たぶをくにくに、やりなおしの1」(1000文字) >>姉登場。→200字 >>妹登場。→200字 >>姉を揶揄する妹。→400字 >>ついに白状する姉。→200字 >>男登場。→200字 >>男と姉。→200字 >>こんな感じに組み立てることになる。 >>ざっと見繕って、1400字ってところだな。 >>――と、はじめに組み立ててみてから、実際に書いてみる。 >>2号の1000字版をもとにリライトしてみた。  思考開示ありがとうございます。  頭のなかで話を考えて、それを元にして書くのは同じですが、そこまで細かく組み立てず、前半は1000文字、後半に600文字ぐらいとまでしか考えてませんでした。  もっと細かいブロックにわけられることがわかりました。  わかったのなら、後はやるだけなんですが。 >>ついでに、最近の研究活動によって身につけた、新たな視点(文体)の切れ味を確認。  これは次回分析してみます。まったく登場人物の心理に入ってないので、客観視点でしょうが。 >>変更点は以下の通り。 >>・突き指をするというのがイメージしにくいし、ダイナミックさもないので、食器を崩して指先を切るに変更。 >>・指をくわえさせてみることで、姉の萌え度を大幅アップ。 >>・男の印象を追加。大柄だが細やかで優しいという人物に設定。男の「良い部分」を読者がなんとなく推察できる程度に。(2号の想定した人物像とは違っているかもしれない。男の人となりについて、まったくなんにも書いてないので読み取りようもないので、こちらで作るしかなかった)  蛇口で突き指から、食器粉砕して指から出血への変更について。  これはアイデアの出しかたの問題です。執念の違いというか。イメージとして、『姉のまぬけ感』に引きずられすぎました。なにが面白いのかをもっと考えないと。ああ、もったいない。  指をくわえて姉の萌え度大幅アップは……。  うーん。  む、む、む。  こっちの要素も、もっと考えないといけないなと。  男の印象が大柄、優しいのは一緒です。  姉と男、どちらも純朴な性格なんですよね。これは……。  もしかすると、姉のキャラクターから生まれてくる、典型的なカップリングだから……かな。  純朴で、ちょっとばかりとろいという姉のキャラクター。  今日は一編。  No.77「愛と青春のルサンチマン」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=693&e=res&lp=550&st=0  客観視点です。  ちょっと地の文に気をつかって書いてみました。 >美人の描写(美女編)、やりなおしの1(2000文字) >>このへん、劣化コピーの女の子の側の「滑稽さ」を前面に押し出した作りになっているもので、個人的にはムカっ腹が立った。 >>この女の子のほうに同情するわな。 >>野次馬を決めこんでいて、この女の子のことをしきりに馬鹿にしている二人の登場人物も、超然として「相手じゃないのよ」的な顔をしているこの美人の女も、みんな嫌いになれた。それから女の子を悪役に仕立て上げている作者もね。 >>――と。 >>勝ち側を「正義」と思わせるのには、細心の注意と仕掛けとが必要なんだってば。 >>負けたほうに感情移入してしまうのが日本人の思考。 >>冷たい美人のほうに感情移入させて、彼女の行いを「正義」とさせるつもりなら、負け側の女のほうを本当に「悪」であると、事前に確定させておかなきゃならない。  大失敗でした。  出る杭は打たれる、というのは『美人』にだって適用されるよな、ということで話を思いついたんですが、『なんで』打たれてるのか、ということをしっかり書かなきゃならないんですよねえ。  彼氏を取った(のは喧嘩をふっかけているほうの勘違いだったりしますが)ということだけ書いては、全然、美人が美人に見えない。  美人が普通のなにかをやっているところを、ただ眺めさせるか。それが一番簡単そうな気がする。  普通のなにか……食事、授業、仕事、待ちあわせ、睡眠とか。  レスには3時間くらい。よい夢を。 -------------------------------------------------------------------------------- ●2号 No.7264 投稿日 2003年11月10日(月)10時57分 投稿者 新木 伸 ●2号 >690 11/8分、No.76「耳たぶをくにくに」やりなおしの1(1000文字) >>男の印象が大柄、優しいのは一緒です。  ひょっとして、気づいてないのかな?  たしかにイメージは頭の中に作ってあったのかもしれないが、実際に書くときに、まったくなんにも書いてないじゃん。  男は名前のみで、背格好や雰囲気に関する記述は、ぜんぜんどこにも、まったく書かれていないのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- 炬燵が恋しい季節です。 No.7265 投稿日 2003年11月10日(月)20時48分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南はぐっと寒くなりました。こうなると、炬燵の誘惑をはねのけるのが難しくなります。脚を入れたが最後、炬燵から抜けられなくなって、妖怪こたつねこになりそうです(笑) >悪文解析 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)    ↓↓↓ >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  「汚れた〜」のほうの文は、一言で言えば修飾過多ですね。  どのように修飾過多なのか、以下に説明します。  冒頭の「汚れた」は、次の「衣類」を修飾します。その後ろに主格を表わす「が」が来るため、「汚れた衣類」は文の主語であると見当がつきますね。  この後ろにあるのは、「山を」です。「を」は目的格を表わす助詞ですから、「山」は目的語でしょう。  とすれば、この後に、「汚れた衣類」を主語とし、「山」を目的語とする述語が来る、と推測できますね。  推測どおり、この後には「なしていた」という述語が来ます。これで、「修飾語付き主語+目的語+述語」の一文が完成しますね。  ところが、この文はここで終わっていません。「洗濯籠」という言葉が続いています。  ここで、読み手は少し混乱するはずです。完結しているように見えた文が、まだ続いているからです。  読み手はここで考えます。これまで続いてきた文が、まるごと「洗濯籠」という名詞を修飾するのだな、と理解します。  これには少し時間がかかります。読み手は、「新たに考え直す」という負担を強いられるからです。  それでも、ここでこの文が終わっていたなら、ましでした。それほど読み手を混乱させずに済んだでしょう。  しかし、まだこの文は続いています(^^; 読み手は、再び頭をリセットすることを強いられます。  二度考え直しをするのは、読み手にとってかなりの負担です。疲れて混乱します。ここで読み捨てられても文句は言えませんね(;_;)  せっかくですから、この文の解析は続けましょう。  「洗濯籠」には、「が」という助詞が付いています。これは主格を表わす助詞なので、「洗濯籠」が主語になるのでしょう。この後にはまた、目的語や述語が続くと予想されます。  「洗濯籠」には、一文に匹敵するほど長い修飾語が付いていますよね。そこへ、また別の言葉が続きます。これまでの経緯を考えれば、修飾語たっぷりの長い文を読まされそうですね。  そりゃあ、読み捨てたくもなります(^^;  読み捨てたい衝動を抑えて先を読むと、「空っぽになっていた」と続きます。ここで、やっと一文が終わりました。  「空っぽになっていた」のは、主語である「洗濯籠」ですね。  ここまでたどり着くのが長いです。長すぎます。  しかもその間に、読み手は二回も思考リセットを強いられます。ダメダメですね。  では、修正した「床に〜」のほうはどうでしょう。  冒頭の「床」は屋内の場所を表わす名詞です。よって、物の位置を示す「に置かれた」という言葉が続くのは自然ですね。  「床に置かれた」とくれば、その後ろには何か物の名前があると推測できます。推測にたがわず、後ろには「洗濯籠」があります。  ここまで、自然な流れで読めますよね。  次に「からは」という助詞が続きます。「洗濯籠」を起点に、何かが始まっているようです。  ただし、ここに「、」があるため、文の内容に一区切りついていることがわかります。次には、ここまでの文とは直接関係のない言葉が続くと予想できます。  予想したとおり、関係なさそうな言葉が次に登場します。「山をなす」がそれです。  「洗濯籠からは」→「山をなす」は直接つながりませんので、次にはこの二つをつなぐものが来るはずです。そう期待して続きを読むと、「汚れた」という言葉があります。  「汚れた」は、直前の「山をなす」とはつながりませんね。けれども、「洗濯籠」からは連想が可能な言葉です。「汚れ」→「洗濯」というのは、無理な連想ではありませんよね?  このように関連性が予想できれば、たいがいの人は読み続けてくれるでしょう。そう仮定して次へ行くと、「衣類」とあります。  「衣類」は、「洗濯籠」・「山をなす」・「汚れた」すべての言葉と関連性を感じられます。ここまで読めば誰でも、「洗濯籠に、汚れた衣類が山盛りになっていたんだな」と思い浮かべられるでしょう。  文はまだ続いています。「衣類」の後には主格を表わす「が」があります。これで、「衣類」を主語にした文であることがわかります。  その後には「消えていた」という言葉がきます。これは述語ですね。主語である「衣類」のことを語っています。意味はそのままで、わかりやすいです。  文はここで終わります。  全体的に比較すると、「床に〜」のほうが自然な流れでつながっていますね。長々しい修飾語や、それに伴う思考リセット部分がありません。  どう考えても、修正後のほうが読みやすいわけです。  もう一つ、No.7254で新木さんが挙げられた文章の例も、たしかに同じ種類のミスだと思います。次回はもう一つのほうを解析します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7266 投稿日 2003年11月11日(火)10時30分 投稿者 新木 伸 >弟切  理解はおおむね、間違っていない。  文章構造としては誤りではないが、その文章を理解するためには、とんでもない負担を読者に支払わせることになる。  理解するためのコストを支払えば、誰にでも間違いなく理解できる文章にはなっているけどね。  日本語としてはエラーはないってことね。  学者は研究内容のほうこそ重要であるので、日本語レベルは、そのだけあれば充分だ。  読み手が苦労して読み取ることになっても、書いてある内容に価値があるなら、その論文は確実に読まれる。  ――が、小説はなにしろ「暇つぶし」として読まれるものなので。  理解しにくかったら、誰にも読んでもらえない。  ただ「リセット」は2回じゃなくて、3回起きているよな。  読者というものは、まず頭から順番に文章を読んでゆく。  速読をする者は文章をブロックとして扱って、「塊」で認識したりもするが、普通の読者は逐次、一単語ずつ、頭から順番に、言葉を脳みそに放りこんでゆくものだ。  まず「汚れた衣類」と読み、読者はそれを頭に浮かべる。  どこに置かれているのかは定かではないが、とにかく、一組の汚れた衣類だ。人間一人が身につけていた衣類のセットを思い浮かべる。  つぎに「〜が山をなしていた」と読み、1回目のリセットがかかる。  衣類はもっとたくさんあったのだ。一組ぽっちではなく、床に山をなすほどの量があったのだ。読者の脳内に浮かべたイメージを書き換える必要がでてくる。  つぎに「〜洗濯籠が」と読み、2回目のリセットがかかる。  なんと衣類の山は洗濯籠の中に入っていたのだ。――床に直積みではなく。  読者はここで衣類で溢れかえった洗濯籠を脳裏に思い浮かべる。  そして「〜空っぽになっていた」と読み、3回目のリセットがかかる。  またイメージを書き換える必要が出る。  一瞬前にいっぱいにした洗濯籠の中身を、こんどは空っぽにしなくてはならない。  読者がこの一文を読むのにかける時間は、およそ1秒といったところか。  その一秒の間に、なんとまあ、忙しいことを要求される。  3回のイメージ書き換えが必要ならともかくとして――。  そんな必要なんて、まったくないわけだ。  文章上や演出上の意図があるわけではなくて、たんに著者の日本語能力の不足からきているもの。  ちなみに修正後の、「床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。」にしたって、欠点がなくなったとはいえ、「最高に読みやすい」というわけではないよ。  「空っぽの洗濯籠が床に置かれている。出かける前には衣類が山をなしていたはずなのだが、それらはきれいさっぱり片づいていた」  ――と、こう書けば最高に読みやすくなる。  ついでに、この部分はこうしてみたりする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  空っぽの洗濯籠が床に置かれている。  出かける前には衣類が山をなしていたはずなのだが、それらはきれいさっぱり片づいて、かわりにベランダの物干しで、一列になって整列している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  暗黙の視線移動を含めた。  また洗われて白くなって干されている洗濯物の様子を、説明でなくて、描写してみた。 >2号  なにか目立ったことを起こして、そこで美人を描こうという発想自体は、まあ悪くない。  ただそれは諸刃の剣なのね。  その「目立ったこと」のほうに目がいってしまっては台無しになってしまう。  ただ完璧に普通にしてしまうと、美人を描くことは難しいだろう。  美人っていうのは、存在自体が非日常なものだから。  だいたい普通でありながら、ちょっと普通でないぐらいなところ。  そのくらいがちょうど良いかもしれない。  前に小説で見かけた美人の描写で「おっ」と思ったのが――。  視点保持者は高校生の男の子。同じ学校に通う彼女がいて、そのお姉さんから割のいいアルバイトをもらえるということで、彼女とふたりで喫茶店でお姉さんを待っているわけだ。お姉さんはバリバリのキャリアウーマンで、開発系の仕事をしているエリートなのだな。  そのお姉さんが現れたときには、「美人ぶり」を描写する必要が生じるわけだ。  ここでのキーワードは、「待ち合わせ」「初対面」「有能と聞かされている」「恋人関係にある女の子の実の姉」――とまあ、こんなもん。  普通と非日常の中間というのは、そのあたりにある。  こんなシチュエーションのなかで「美人」が登場してくるというのは、いかにもドラマ的で、ありそうな感じがしてくるだろ。  非日常の存在たる美人を召喚するには、それなりのシチュエーションを作らないとならない。  ――で、そうやって期待感を持たせておいて、その当人を登場させたあとで、どう美人を描いたのかというと。まあ服のことやら立ち居振る舞いのことやら、実際の台詞やら、髪型や化粧のことやら、書かれていそうなことが、やはり書かれているわけだが――。  そのなかでも、いちばん印象に残ったのは、アイスコーヒーの飲みかただった。  それひとつで、美人を描ききっていた。  この場合は「やり手系美人」というものだが。 >補足  上記の概念。  まだ僕の中でも概念化が進んでないので、いまひとつうまく説明できないのだが……。  美人を登場させるには、それなりの持ってゆきかたというか、雰囲気の作り方があるわけね。  「学食でいつものように食べてる男二人」――てのは、これは、ないわけ。  同じように緊張感のないシーンであっても、  「電車の中で隣の女性が居眠りをして、肩にもたれかかってきた」――というなら、アリだろう。  「雨の中、傘もささずに立っている女性」――てのも、アリだろう。  「部屋を間違えて乱入してきた、泥酔状態の酔っぱらい」――てのも、アリか。  学食でやるのであれば、「男のいつものメニューを、男より先に頼んで、品切れにしてしまった女の子」とかなら、アリだろうな。 -------------------------------------------------------------------------------- 軟弱な静岡県人 No.7267 投稿日 2003年11月11日(火)21時05分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は、昨日より一段と寒いです。TVの気象情報では、十二月上旬の寒さと言っていました。  どうりで弟切は、寒くて外に出る気がしませんでした。温暖な静岡県育ちは軟弱です(笑) >悪文解析 >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 空っぽの洗濯籠が床に置かれている。 >> 出かける前には衣類が山をなしていたはずなのだが、それらはきれいさっぱり片づいて、かわりにベランダの物干しで、一列になって整列している。 >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 暗黙の視線移動を含めた。 >> また洗われて白くなって干されている洗濯物の様子を、説明でなくて、描写してみた。 (No.7266の新木さんの書きこみより)  確かに、これのほうが意味が取りやすいですね。  たいへんわかりやすい解説、ありがとうございます。  今回は、以下の文章の解析をします。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。(修正前)  ↓↓↓ >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。(修正後)  この二つの場合も、修正前の文は修飾過多といえます。  修正前の「笑顔で〜」のほうを解析してみましょう。  冒頭にある「笑顔」は、普通、人間の顔の表情を指します。よって、この後ろには人間を指す言葉が来ると推測できます。  推測されたとおり、後ろには「桐子」という人名があります。けれども、「笑顔」にも「桐子」にも主格を表わす助詞がついていません。ですから、桐子が笑っているのではないとわかります。  その後に来るのは「答えたのは」です。「答えた」は動作を表わす言葉ですね。すぐ前にある「桐子に」と合わせると、桐子ではない誰かがこの動作をしたことになります。  この段階では、動作をしたのが誰かわかりません。「笑顔」なのと同一人物らしい、と推測できるだけです。  「のは」とあるところからしますと、この次に「笑顔で」・「答えた」人が誰なのかが書かれているのでしょう。  ここで「、」が入って、文の切れ目となります。  句読点の後には、人物名が来るのかと思いきや、「明るい」・「緑色の」と続きます。これは、何かを修飾する言葉ですね。  この次こそは「笑顔で」・「答えた」人が来るのかと思えば、期待は裏切られます。後に続くのは、「ポロシャツとショートパンツ」です。  シャツやパンツがしゃべることは、普通はありません。また、衣服は人間が着るものですから、この後ろに人物名が来るのでしょう。つまり、この言葉も修飾語です。  予想どおり、「ポロシャツとショートパンツ」の後ろには「をまとった」があります。人物のことは、この後に書かれています。  そして「女性だった」が現われます。ここで、ようやく「笑顔で」・「答えた」人物のことがわかります。  この文も、異常に修飾語が長いですね。知りたい情報にたどり着くまでが遠く、いらいらします。読み捨てられても当然でしょう(;_;)  次の「胸から〜」の文も、余計なものが付いて長くなっています(^^;  冒頭の「胸から腿にかけては」は、場所を表わす言葉です。  ここでは「腿」という漢字を開くべきでしたね。明るい雰囲気を出すところなのに、ひどく硬い雰囲気になってしまいました(^^;  次に「薄黄色の」とあります。これは、名詞の修飾語ですね。この程度の長さで終わっていれば、まずい修飾語ではないでしょう。  けれども、ちょっと漢字の画数が多くて重く感じますね。このすぐ前の「腿」とあいまって、硬い雰囲気を助長してしまっています。  その次に「エプロン」がきます。エプロンは着るものですから、冒頭の「胸から腿」がエプロンと関連していることがわかります。この前の文に登場した女性が、エプロンを着ているのだろう、と伝わりますね。  ここで文が終わっていれば、それほどわかりにくいことはありません。ところが、この後にも長く続いているのが問題です。  「エプロン」の後ろには「に覆われ」とあります。これは、エプロンを着ていることの描写ですね。  問題は、ここに「、」が入って、さらに後ろまで文が続いていることです。  この文の中には、二つの主語と述語があります。それぞれの主語と述語は、一対一で対応しています。要するに、二つの別の話題を、一つの文に押し込めてしまっています。  このような文は、限られた紙面に情報を詰め込むには便利です。しかし、つなげなくてもいい話題をつなげれば、読み手の負担は大きくなりますよね。  文が切れていないと、読み手は一息つくところがありません。脳内処理に区切りをつける場がない、ともいえます。それまでの言葉を理解しつつ、情報を保留しつつ、次々に登場する言葉を理解しなければなりません。  読みやすさを追求するなら、ここは二つの文に分けるべきでした。  解析を続けましょう。  句読点の後ろには、「胸もとに」とあります。ここで話題が切り替わって、エプロンの話から女性の胸もとの話になりました。  その次には「『久保田柚香』と書かれた」とあります。『久保田柚香』は女性名だとわかりますね。ここで、エプロンを着た女性の名が明らかになります。  その後に「名札が」とあります。主格を表わす「が」が付いているため、これが主語だとわかりますね。  ならば、すぐ前にある「『久保田柚香』と書かれた」は、この言葉の修飾語ですね。その前の「胸もとに」と合わせると、またもや長い修飾語です。  これは、本来なら読み捨てられるところでしょう。メイドさんの氏名という重要な情報を含むために、ぎりぎり捨てられない範囲かも知れません。  この後ろに「付いている」がきて、文が終わります。ここのつながりは、素直に主語→述語となっていて、わかりやすいですね。  しかし、何しろ主語と述語が二つずつある重文です。しかも、長い修飾語付きです。思いっきり読み捨てられそうです。  そのうえ、段落全体を見れば、冒頭から堅苦しい漢字があります。「胸から腿」のあたりで読み捨てられる可能性も大きいですね。  では、修正後の「レモン色の〜」のほうを解析してみましょう。  冒頭の「レモン色の」は、明るくておしゃれな印象ですね。アイキャッチとして良さそうです。「の」が付いていますから、これは名詞の修飾語ですね。  これに修飾されるのが、次の「エプロン」です。ここには問題はないでしょう。  次に「を着た」とあります。目的語→述語と素直につながって、ここにも問題はなさそうです。  この後ろに「女性が」ときます。主格を表わす「が」があって、これが主語だとわかります。  この主語にも、やや長い修飾語が付いていますね。しかし、修正前と比べるとずいぶん軽く感じられます。漢字が減ってカタカナが増えているからです。  ここで「、」が入って、文の区切りが示されます。  句読点の後に「笑顔で」がきます。すぐ前に主語があるので、読み手には、「女性が笑っているのだな」とわかります。  その後に「答えた」とあります。これは「女性が」に対する述語ですね。ここで一文が終わります。  この文には、主語→述語の間に修飾語が挟まっています。けれどもそれが短いために、理解しにくくはありません。  この次の文は、修正前の重文の一部を切り出したものです。 「胸もとに『久保田柚香』と書かれた名札が付いている」  重文が単文になったぶん、理解しやすくなりました。  ただ、上で指摘したとおり、主語の「名札」を修飾する語が長いですね。単純に修飾語を短くするなら、以下のようになるでしょうか。 「胸もとの名札に、『久保田柚香』と書かれている」  次の文に行きましょう。  文頭が「エプロンの下には」となっています。これは場所を表わす言葉ですね。  一行前にエプロンのことが出ているため、話のつながりがわかりやすいです。  その次に「明るい緑の」とあります。語尾の「の」が、修飾語であることを示します。  この修飾語は短いですね。難しい漢字もありません。よって、特に問題はないでしょう。  その後ろが「ポロシャツとショートパンツが」です。ちょっと長い言葉ですが、カタカナのため重さはありません。主格を表わす「が」があって、この言葉が主語だとわかります。  その後に「覗いていた」とあります。これは述語ですね。主語→述語とそのままつながっているため、わかりやすいでしょう。  ここの「覗」という漢字はちょっと難しいですね。これを開くべきかどうか、弟切は少し悩みました。悩んだ末に、開きませんでした。  なぜかといえば、このすぐ前に「ポロシャツとショートパンツ」というカタカナの連なりがあるからです。長いカタカナの後にひらがなが続くと、印象が軽くなりすぎます。  この文はここで終わります。  全体的に、修正前と修正後を比べてみましょう。  修正後のほうが、一文が短いですね。この原因は、文を全て単文にしたためと、修飾語を短くしたためです。  よって、修正後のほうが主語と述語の距離が近くなりました。これはわかりやすさに通じます。  また、修正後には難しい漢字が少ないです。このために堅苦しさが減って、とっつきやすくなりました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7268 投稿日 2003年11月12日(水)09時31分 投稿者 新木 伸 >弟切  弟切の読みやすさに対する配慮の薄さは、なにも小説に限ったことでなくて、こうした日常の文章にも表れている。  7267と、前の7265。  この二つで詳細分析をしているわけだけど、おそらく、それをきちんと読んで理解したのは、世界でも俺ひとりだけだぞ?  頭の中の一時領域に保存しておかなければならない物事が多すぎて、恐ろしく負担となるんだってば。  誰も読まねーって。  読もうとしたって人間の能力じゃ無理だって。レインマンくらいの記憶力がいるって。  欠点は以下の通り。 ・「この」とか「あの」とか「それ」とか、指示語が多すぎ。3つぐらいの指示語がつねに行き交っていて、それらすべての対応関係を覚え込まなければならない。 ・数行前のことを、なんの前振りもなしに話題に上らせたりする。自分ルールの多さ。 ・最小限度の引用を心がけているつもりが逆効果。必要があるときには、部分だけではなく、全部引用してくるべき。(例:「次の「胸から〜」の文」)  いま、どこの部分のなんの話をしているのか。  いまやっている話題が、マクロ的なことであるのか、ミクロ的なことであるのか、読んでいる側が見失う。  読んでいて俺は10回ぐらい見失った。  ちなみに弟切のこの文章。  例の3〜4行相当の小説本文を、エディタをもう一枚開いておくか、プリントアウトするかで手元においておいて、見比べるようにして書けば、急にわかりやすいものに変わる。  おそらく弟切は、あの文章をそうして書いていたのだろうな。そして読者もそうして読むだろうと想定しているのかもしれない。  読者にその面倒をかけさせずに、同じ効果が得られるように工夫をしろ。  論文は図や表を参照しながら読むものだろうが……。小説ってのは、文章のみで勝負するものだ。  7267と、7265、書き直しだ。  あとこの二つのシーン――「洗濯籠」と「女性」に関して。  そのシチュエーションに置かれた人物(視点保持者)が、意識を向けてゆくであろう物事の順番を考察してみること。  まず何を見て、何を考えるか。次に何を見てゆくのか。その順番をすべて明確にしてゆくこと。  今回の場合には、視点保持者は「桐子」という女性だよな。  彼女の視線移動や脳内の思考の動きなどを、すべて、時系列順に書き出してゆくということだ。  認識過程のあるゆる物事は、同時には発生しない。わずかでも時間差がある。因果の関係によって連なっている。  人は、エプロンを付けている人間を前にしたとき――。  エプロンを認識するよりも先に、そのポロシャツとスカートを認識したりはしないのだ。  この意識の移り変わりの順番に配慮するかどうかが、説明をわかりやすく書くためのキモであるし、説明と描写とを分けている要素でもある。  弟切に、まったく欠けている部分だ。 -------------------------------------------------------------------------------- ネックレスがネックです No.7269 投稿日 2003年11月12日(水)11時42分 投稿者 名無し君2号  首がいてー、首がいてーと文句ばかり言っていたら、マミーが磁気ネックレスをくれた。通販で6本セット1万円だったそうな。  ……いつ買ったの?  で、いま装着しているのですが。  効いてるような……気はするけど。医学的にはどうなんだろう。 >1000文字課題 >690 11/8分、No.76「耳たぶをくにくに」やりなおしの1(1000文字) >>>>男の印象が大柄、優しいのは一緒です。 >>ひょっとして、気づいてないのかな? >>たしかにイメージは頭の中に作ってあったのかもしれないが、実際に書くときに、まったくなんにも書いてないじゃん。 >>男は名前のみで、背格好や雰囲気に関する記述は、ぜんぜんどこにも、まったく書かれていないのだが。  ええと。  こういうことでしょうか。  読者に、登場人物を無理なく想像させるためには、当然ながら情報を書かなくちゃならない。  背格好、雰囲気、セリフ等、なんにも書かれていないと、読者は想像することができない。  想像できなかった人物は、まったくもって印象に残ることがない。  ――つまり、いないのと変わらない。  これは前にも……そうだ、「科学者と孫娘」のときに、少年がまったく印象に残らないということで、言われたことだ。  そして、妹も容姿は書いていないけれど……。  セリフで印象を残している。  たとえ容姿を書かなくても、セリフまわしや、セリフを言うタイミングなんかで、読者にどんな子なのか想像させることができる。  そうなると。  無口なキャラクターの場合は、ある程度、地の文で描写をしないと、読者にスルーされてしまう……ということか。 >文章の分析 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号) 「――っつ」  キッチンに小さな悲鳴が上がる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「――熱っ」  小さな悲鳴がキッチンに上がった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うお。  いきなり時制を間違えている。 A:「○○○」 B: △△は吠えた。  Bの行に来た時点で、Aのセリフはもう過去のことだからして、BでAについて書くなら、過去形じゃなくちゃおかしい。  ……。  わかっているはずなのにな。  セリフの、 「――っつ」(2号) 「――熱っ」(新木さん)  の違いは、状況のわかりやすさもあるし、たしかに「熱っ」って言うし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  キッチンに小さな悲鳴が上がる。  やかんから、もうもうと湯気が上がっていた。コンロの前で、小雪が耳たぶを触っている。  小雪が、左手でコンロの火を消す。やかんは静かになった。右手はそのまま、自分の耳たぶを揉んでいる。 「名取さん……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  小さな悲鳴がキッチンに上がった。  やかんからはもうもうと湯気があがっている。コンロの前に立つ小雪は、やかんに触れてしまった手を自分の耳たぶへと運んでいた。  長いこと蒸気を吹き出させておいてから、小雪はようやくコンロの火を消しにかかった。だがその目はやかんを見ておらず、どこか宙の一点に向けられている。 「……名取さん」  ぽつりと、そんな言葉が小雪の唇から洩れだした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「やかんから〜湯気が上がっていた」(2号) 「やかんから〜湯気があがっている」(新木さん)  漢字の開く、開かないの違い。  それと過去形、現在形の違い。  前の行で時制を間違えていることにも関係してはいるけど……(前の文と逆の時制にすると、文章の収まりがよくなる、らしい)。 「コンロの前で」(2号) 「コンロの前に立つ」(新木さん) 「小雪が耳たぶを触っている。」(2号) 「やかんに触れてしまった手を自分の耳たぶへと運んでいた。」(新木さん)  より詳しい説明が増えている。  湯の沸いているやかん、その前で悲鳴を上げ、耳たぶを触っている女性。  ――で『女性はやかんに触れてしまってやけどしているのだ』とは、読者全員は想像できないようだ。  だから説明を増やしているのだと思う。 「小雪が、左手でコンロの火を消す。やかんは静かになった。右手はそのまま、自分の耳たぶを揉んでいる。」(2号) 「長いこと蒸気を吹き出させておいてから、小雪はようやくコンロの火を消しにかかった。だがその目はやかんを見ておらず、どこか宙の一点に向けられている。」(新木さん)  『しばらく耳たぶを触ってから(熱がってから)、火をとめた。心ここにあらず』という描写をしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号) 「名取さん……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「……名取さん」  ぽつりと、そんな言葉が小雪の唇から洩れだした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「名取さん……」の、後ろにつけた三点リーダーの代わり、つまりは『間』の代わりが、「ぽつりと、そんな言葉が小雪の唇から洩れだした。」だと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号) 「重傷よね、お姉ちゃん」  小雪がびくりと震える。  キッチンの入り口に、茜がいた。茜は、扉の柱に寄りかかっている。 「大丈夫よ。ちょっとひりひりするだけだから」 「そっちじゃないんだけど」  キッチンに、沈黙が落ちた。 「早く冷やしたら、お姉ちゃん」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「重傷よね、お姉ちゃん」  背後からの声に、小雪はびくりと肩を震わせた。  おそるおそる振り返り、キッチンの入口に寄りかかる茜の顔を見て、意地悪なその目線から逃げるようにして、すうと顔を前に戻してゆく。 「だ、だいじょうぶ。ちょっとひりひりするだけだから」 「そっちのことじゃ、ないんだけど」 「……」  二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。 「お姉ちゃん、早く冷やしたら?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「小雪がびくりと震える。」(2号) 「背後からの声に、小雪はびくりと肩を震わせた。」(新木さん)  声がどこから来たのかを確定。 「キッチンの入り口に、茜がいた。茜は、扉の柱に寄りかかっている。」(2号) 「おそるおそる振り返り、キッチンの入口に寄りかかる茜の顔を見て、意地悪なその目線から逃げるようにして、すうと顔を前に戻してゆく。」(新木さん)  『茜をすこし怖れている小雪』に、『意地悪そうな顔を浮かべる茜』の描写。  小雪を描写することで、茜も描写されている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号) 「大丈夫よ。ちょっとひりひりするだけだから」 「そっちじゃないんだけど」  キッチンに、沈黙が落ちた。 「早く冷やしたら、お姉ちゃん」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「だ、だいじょうぶ。ちょっとひりひりするだけだから」 「そっちのことじゃ、ないんだけど」 「……」  二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。 「お姉ちゃん、早く冷やしたら?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  セリフが違う。  姉が妹を怖れていること、正確には、自分の思いを悟られてしまったかもしれない、そう怖れていることの描写。  で、問題なのが、 「……」  これで姉の沈黙をあらわすのは……けっこう飛び道具な気がする。多用はできない、と思う。 「キッチンに、沈黙が落ちた。」(2号) 「二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。」(新木さん)  地の文が多いと、それだけ沈黙も長く感じる……と思うんだけど。  だから増やしているのではないか。  今日はここまでです。  今日の課題は、昨日と今日の分で、2編です。  No.78「魔王の憂鬱」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=694&e=res&lp=550&st=0  No.79「酔いどれ天使」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=695&e=res&lp=550&st=0  どちらも客観視点で。  課題を書くのにやたら時間がかかるようになってきたのは、成長してるんだろう、多分。  レスには3時間。今日は久しぶりに友達と会いに行く……何ヶ月ぶりだろう、家族以外と会話するのは。 -------------------------------------------------------------------------------- 『声に出して読みたい日本語』 No.7270 投稿日 2003年11月13日(木)00時09分 投稿者 弟切 千隼 という本を買ってきました弟切です。  この本は、だいぶ以前から話題になっていましたね。  実際に買って読んでみる−むろん音読です−と、予想以上にこの本は良いことがわかりました。日本語の勉強になります。  何よりも、読んでいて心地良いです。名文を音読することが、こんなに気持ちいいとは思いませんでした。  この本には、例えば、以下のような名文が載っています。原文を尊重して、旧かなづかいをそのままに引用します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 此の世のなごり。夜もなごり。死に行く身をたとふれば あだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く。夢の夢こそ あはれなれ。あれ数ふれば暁の。七つの時が六つ鳴りて残る一つが今生[こんじょう]の。鐘のひびきの聞きをさめ。寂滅為楽[じゃくめついらく]と ひびくなり。(後略) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (近松門左衛門 作『曽根崎心中』より)  こういう名文を音読していると、調子の良さに陶酔してしまいます。  どのページにもこのような名文が載っているため、陶酔したまま読み進めます。はっと気づくと時間が過ぎています。仕事が手につかなくなってやばいです(^^;  読むドラッグですね、この本は。そう感じるのは私だけでしょうか? >No.7265とNo.7267、書き直し  了解しました。  改めて、この二つの書きこみを読んでみました。確かにわかりません(;_;)  書いた本人が理解できないものを、読者さまが理解できるはずがありませんね。  読者さまに心地良く読んでいただけるように、もっと工夫して書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7271 投稿日 2003年11月13日(木)13時44分 投稿者 新木 伸 ●2号 >磁器ネックレスの効用  知らないのか?  「プラシーボ効果」というのは、医学的にも認められていて、きちんとした裏付けのある科学的なものなんだよ。 >無口なキャラ  うん?  すると2号は、「無口なキャラ」というものを表現するためには、ただ単に「喋らせない」でおけばいいと考えていたということ?  そもそも「無口」って、なんなのだ?  しっかり把握しているか? ちゃんとわかってるのか?  無口であるということは、どういうことなのか、わかってるか?  無口とはなんなのか、考察のこと。 >精読 (2号) >>小雪が、左手でコンロの火を消す。やかんは静かになった。右手はそのまま、自分の耳たぶを揉んでいる。」(2号) (新木) >>長いこと蒸気を吹き出させておいてから、小雪はようやくコンロの火を消しにかかった。だがその目はやかんを見ておらず、どこか宙の一点に向けられている。  ここ、読み取り損ねがある。  僕が最近身につけたこの種の視点の特性に、「一文に時間経過を含める」というのがあるのだな。  この短い1段落のなかで、たっぷり30秒から1分ぐらい、時間を流している。  この手のことは小説でしかできないことだったりする。  そして「心ここにあらず」ということを描くためには、時間経過を書くことは大変有効なわけだ。  2号の元バージョンだと、「火を消す」「静かになる」「揉んでいる」と、3つの瞬間を飛び飛びにしか書いてないのね。時間が切れ切れになっていて、連続していない。 (2号) >>「名取さん……」 (新木) >>「……名取さん」  「……」を、前に付けるか後に付けるかで、意味の違いを読み取れってーの。  どっちでもいいのであれば、わざわざ変えるはずがないだろ。  2号が後ろに付けていた「……」に込めていた内容を、僕はきちんと文章で記述したわけだよ。記号でサボらずに、きちんと書いた。  そしてさらに僕は、この台詞の前に「……」を足しくわえたわけだよな。  この「……」に込めている内容は、なんなんだよ?  この記号に込めた意味を平文に展開するなら、どんな一文になるわけ? (2号) >>キッチンの入り口に、茜がいた。茜は、扉の柱に寄りかかっている。 (新木) >>おそるおそる振り返り、キッチンの入口に寄りかかる茜の顔を見て、意地悪なその目線から逃げるようにして、すうと顔を前に戻してゆく。  2号のほうは、茜のことしか描いてない。  いわば――。これまでずっと小雪を撮してきていたカメラが、ぎゅるっと急回転して、新登場してきた茜のほうを向いてしまっているわけだ。  視界から小雪は追い出され、カメラのフレーム(視野)の中には茜ひとりが収められている。  撮している対象を、瞬間的に、完全に切り替えているわけね。  それと比べて、僕のほうは連続性を保とうとしている。  小雪と茜と、両方を同時にフレーム(視野)の中に収めようとしているので、ああなっているわけだ。  これまでずっと小雪のことを撮してきているので、急には離したくない。  いきなり茜を撮せないので、まず小雪の「振り返る」という動作を撮す。そして小雪の視線を追いかけるようにカメラのフレーム(視野)を追従させていって、ようやく茜をフレームに収めている。  茜の意地悪そうな表情を撮した後でも、まだカメラは小雪から離さない。小雪が顔を前に戻すのに合わせて、茜のことはもう描かれなくなる。  まあどっちが良いとも限らないわけだ。  完全に切り替えてしまうのも、小雪を常にフレームに収めるようにして茜も撮してゆく方法も、どっちもありだろう。  だが主人公が「小雪」であることと、注視する対象が序盤からめまぐるしく変わってしまっては読者が酔ってしまうので、連続させたほうが良いだろう。 (このへん、すべてわかったうえで、効果を計って、計算ずくで視線を操っているなら、どんな方法でやっていても文句は言わん。無自覚でやってるから、叩かれるのね)  よくカメラマンや画家なんかが、両手の指で長方形を作って、そのファインダー越しに風景を覗いていたりするだろ。  あれは風景のどこを「切り取る」かを計っているわけ。  絵にしても写真にしても、風景の一部分を四角く切り取らなくてはならないわけだ。そこに立っている人間は周囲を見回すことで360度の展望を持つことができるが、絵や写真にした場合には、縦横に90度ぐらいずつの視野しか持つことができない。  よって、風景のどの部分切り取るかで、まったく違うものになってしまう。フレームの外にあるものは「読者」からは見えなくなるのだ。  それが、風景を絵に落とすということであり、写真に落とすということだ。  小説も同じね。  茜だけを切り取るのか、小雪と茜との二人を含めて切り取るのか、いろいろと切り取りかたがある。  そして切り取ったものの「外側」にあるものは、読者からは認識されなくなる。見えなくなる。  視点を定めると言うことは、フレームの中に入れて見せるものと、フレームの外に追い出して見えなくするものとを、厳密に2色に塗り分けるということだ。  これまでやってきたことに加えて、視点のことにも注意を払うようにしろ。  そろそろ、同時に考えなければならないことを、ひとつぐらい増やしてもいいだろ。  すこしは慣れてきているはずだ。  萌え属性アップとか、描写の良し悪しやら、考えなければならないことはたくさんあるだろうが……。それらのひとつとして、視点も念頭に置いておくこと。  いまは「なに」を「どっちの方向」からどれだけの「分量」だけ切り取ろうとしているのか。  ちなみに「名取さん」が大男で無口で優しいということが、2号のバージョンではまったく読み取れないのは、その「切り取ったフレーム」のなかに「名取りさん」が一回も入ってきていないからなのね。  漫画でいえば、一度もコマのなかに出てきてないんだよ。その「名取」という人物は。  それなのに、どうして読者は、そこに彼がいるということを知ることができるのだ?  2号は切り取りかたを間違えていたわけだ。  「名取さん」がちゃんと入るように、フレームを切らなきゃならなかったのだが、そうしていなかった。  僕にはそれが見えていたから、フレームの中に4回ほど、名取さんを入れることにした。  すると名取りさんが「大男で優しくて無口」ということが、読者に認識されるようになったわけだ。  ――てか。この話、難しすぎ?  もうちょっとレベル落として、概念的なことは控えめにして、実践的なアドバイスのみに限定したほうがいいか?  ここまで厳密にやらないでも、もうちょっと適当にやってても、実際のところは問題ないんだよね。  どうする? >>「キッチンに、沈黙が落ちた。」(2号) >>「二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。」(新木さん) >> 地の文が多いと、それだけ沈黙も長く感じる……と思うんだけど。 >> だから増やしているのではないか。  「キッチンに落ちた」と書いてしまうと、これは視点が変だ。  沈黙というのは場所に落ちるものではなくて、会話している二者のあいだに落ちるものだろ。カメラはこれまでずっと二人の様子を捉えてきたのに、いきなり「キッチン」を撮しているのは変だと思わんか?  「キッチン→二人」と、主語が変わっているのは、カメラのフレームが捉えているものの問題。  もうひとつ、僕のほうではもう一文が付け加えている。  これは「沈黙が落ちた」と書いただけでは、それがどのくらいの時間の沈黙だったのかが確定しないため。  沈黙という言葉は状態を示すなんだな。言葉が発せられていない状態のことだ。しかしこの言葉ひとつでは、それが長いのか短いのか、よくわからない。短い沈黙も、長い沈黙もあるわけだ。  ふたりが気まずくなっていて、どちらが口を開くか迷っている様があって、性格的に茜のほうが口を開くことになった――という経緯まで書いておく、それだけの長い「時間」があったことが確定するだろ。これは何秒になるのだ? ちょっと、そのシーンを頭の中で再現させてみて、実際の秒数を数えてみろ。  沈黙していた「長さ」がはっきりしないままなのと、秒単位ではっきり出てくるのとでは、読者としてはどちらが嬉しいのだ? >>694 1000字課題、11/11分、No.78「魔王の憂鬱」(1000文字)  これ、メインの攻略課題は「視点」と「描写」なのだよな?  やたらと台詞が多いなぁ。  練習するなら、もっと台詞は少なめで、地の文を増やせるものにしたほうが、経験値になるのでは? >> 暗闇にふたつ、火がともる。 >> 二列の火の玉は次々と数を増やし、やがて道を照らす灯火となった。 >> 揺れる火は、赤い絨毯で出来た道だけでなく、まわりも浮かび上がらせていた。華美な装飾が施された柱、石造りの床や壁と――。 >> 絨毯の果てにある玉座と、そこで眠る黒ずくめの男を。 >>「陛下」 >> どこからともなく、声が聞こえてきた。玉座に座る男の、長い睫毛がゆっくりと動く。  魔王の玉座のある大広間にて、暗闇の中に燭台の列が点灯してゆくさまを書いているのだと思われる。  ――が、まず「道」ってのはないだろ。  そう書いてしまったら、ここは「通路」なのだと思われてしまうぞ。ここは広間に敷かれた赤絨毯をイメージさせなきゃならんのだから。  あと、カメラの取り付け位置が不明だ。  「二列の火の玉」ってのが点灯してゆく場面で、カメラはどっち側から、それを撮っているのだ? 手前から奥に向けて点灯してゆくのか? それとも奥から手前に向けてなのか? それとも左から右か? 右から左か?  これを読んだ読者は、どの映像イメージを浮かべるのが正解なのだ?  また、「どこからともなく」ってのもないだろ。  声はどこから響いてきたんだよ? 光が照らしていない闇の中なのか?  それとも本当に位置の特定できない声なのかな? それならそれで、もっと別の書きかたがあるだろ。  人間の耳が音を聞くときには、かならず「位置」が特定されてしまうものなのだ。位置の特定されない音を聞いたときに、人間は違和感を覚える。それがどういうものなのかを考察すれば、描写する糸口となるはずだ。  「どこから聞こえてくるのかわからない声」を聞いた実体験はないか? あればその体験が描写表現のとっかかりとなるはずだ。  ちなみに人間の耳は、低音になればなるほど、定位感が薄れる。どこから響いてくるのかわからなくなるものだったりする。低いモーター音のうなりがどこから響いてくるのかわからなくて、混乱したこととかは? >>695 1000字課題、11/12分、No.79「酔いどれ天使」(1000文字) >> 少し肌寒い月夜。 >> アパートの階段を上がったところで、巧が眉をひそめる。 >> 表札に『磯辺巧』と書かれている部屋。その窓から、明かりが漏れていた。  空の月を撮した直後に、いきなりアパートの階段を撮すな。乗り物酔いになるわい。  人物を撮したあとに、いきなり表札を撮すな。そこから窓に飛ぶな。そもそも「窓」ってどこの窓だよ。 >>「おかえりぃ〜」 >> 巧がドアを開けた途端、部屋から女性の声が聞こえた。  ドアを開けたということは、室内に入ったということだよな。入口付近の靴を脱ぐあたり。  なのに「部屋から〜聞こえた」という書きかたは、これは外にいるときの書きかたなのだ。もう部屋に入っているのだろ?  部屋に入ったと思ったのに、まだ入っていないかったときの表現が飛び出してくると、また乗り物酔いになってしまう。 >> 靴を脱ごうとしていた巧が、その動きを止める。 >> 巧の視線は、テーブルの酒瓶と、奈津のコップに注がれていた。コップのなかで、 琥珀色の液体が揺れている。  靴を脱ごうとしていたのなら、その人物の目は自分の足元に向けられているのでは?  それがコップの中身に気づくのが変。脳内映像と食い違いが生じて、また酔ってしまう。 >>「あったまきた! おれも奈津さんの酒、飲んじゃる!」 >> 瓶を大事に抱えて、巧が吠えた。  「奈津さんの酒」って、この以前に「切り取られたフレーム」のなかに入ってきてたっけ? この酒瓶は主人公のレミーしか出てきてないのだが。 >> 奈津はグラスを揺らした。ブランデーが、グラスにへばりつきながら揺れる。  ああ。感じはわかるし、よく観察してると思うけど。  俺なら「ブランデーがグラスの中でねっとりと揺れる」とか書くかなぁ。  つまり、書きたいのは、それだろ? (ふふん。俺はもう、以前に観察したときに文章に落としてあるから、引っ張り出してきて使うだけだもんねー)  あと、大家さんの外見がぜんぜん浮かんでこないのだが。  そこが読者としては、ちっとも嬉しくないところ。  髪は短いのか長いのか。スタイル(体型)は良いのか、ちと崩れぎみの感じのそこが良いのか。スレンダーなのか肉感的なのか。歳はどのくらいなのか。美人なのはお約束として、どういう系統の美人なのか。きつい美人に、母性的な美人に、かわいい美人に、いろいろあるだろ。  主人公のほうは、安物のくたびれたスーツを着ているのがなぜかわかってしまったので、描写不要だ。もしそのイメージが事実と違っているなら、描写してもらわんと困るけど。  ちなみに大家さんの風貌、ぜんぶ書けと言ってるのではないよ。  俺が問題にしているのは、「脳裏に浮かんでこない」ということ。イメージが浮かぶようになってさえいれば、なにひとつ書いてなくたって問題ない。てか、浮かぶならそっちのほうがよい。主人公について書いてないけど、浮かばせたいイメージがあの通りなら、そっちは成功している。  それを大家さんの側でもやれということだ。  大家さんのイメージを考えていないのは、そもそも論外。  すべて書き連ねてしまうのは下の下。金を取れる技術じゃない。  なるべく書かずに最小限の記述に絞って、そして伝えるのが、金を取れる「技」というもの。  主人公のほうが、くたびれた安物のスーツを着ていることが、書いていないのにどうして伝わるのかを考察してみるのこと。 >弟切  リズムの良い文章と、理解しやすい文章とは、似ているようでだいぶ違うぞ。  まったく理解できないけど、聞いているだけで気持ち良くなる音の配置というのがあったりする。外国語の詩とか、理解できなくても聴くことができたりする。  とりあえず商業小説としては、理解しやすいのであれば良いのであって、音として気持ち良いものである必要はない。  音として気持ち良い文章が書けるなら、展開や内容で惹きつけなくても、音だけの気持ちよさで読んでもらえるから、得をすることは確かだが。  音の響きをまったく無視しているかというと、そういうこともなく――。  内容を整えたうえで、音読にさらして、リズムを見る。  しかしそうやって計っていった上で、最終的には、音の気持ちよさよりも、やはり内容のほうを重視するかな。わかりやすく、音的にも良い――というほうが良いことはいうまでもないが、その両方が達成されないときに、どちらをより重視するのかという話ね。  ちなみに音ばかり重視して、内容を軽視して書くと、杉井光の文体のようなものになる。あれが音楽をやっていたものの共通の性質なのか、翠と光固有のものなのか、よくわからんけど。  弟切の場合には音以前の話だよ。  内容が、変なんだってば。 -------------------------------------------------------------------------------- ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲 No.7272 投稿日 2003年11月13日(木)23時39分 投稿者 弟切 千隼  『声に出して読みたい日本語』を読んでいると、日本には秋を詠んだ歌や詩が多いのだなあ、と感じます。日本人は秋を好む民族なのでしょうか。 新木さんへ > >> リズムの良い文章と、理解しやすい文章とは、似ているようでだいぶ違うぞ。  (中略) >> とりあえず商業小説としては、理解しやすいのであれば良いのであって、音として気持ち良いものである必要はない。 (No.7271の新木さんの書きこみより)  おっしゃるとおりですね。  最終的には「音としても気持ち良い」ものを目指すとしても、まずは「理解しやすい」ものを目指します。弟切はそれすらできていませんから(;_;) >悪文解析  No.7265の書き直しです。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)    ↓↓↓ >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  まず、修正前の「汚れた〜」のほうの文を解析します。  冒頭の「汚れた」は、次の「衣類」を修飾します。その後ろに主格を表わす「が」が来るため、「汚れた衣類」は文の主語であると見当がつきますね。  読者さまの頭の中には、まず「どこかに置かれている汚れた衣類」が浮かぶことでしょう。この段階では、どこにどういう状態で「汚れた衣類」があるのかわかりません。  「汚れた衣類が」の後には「山を」という言葉が現われます。「を」は目的格を表わす助詞ですから、「山」は目的語でしょう。  「山」は地形を表わす言葉なので、読者さまは、「汚れた衣類の置き場所が山なのかな?」と思うかも知れません。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)  「汚れた衣類」が主語で、「山」が目的語ならば、次には何らかの述語が来る、と推測できますね。  推測どおり、「汚れた衣類が」→「山を」の後には「なしていた」という述語が来ます。ここで、「山」は「汚れた衣類」の置き場所ではなく、状態を示していたことがわかります。  文の構造を書くと、  汚れた衣類が     山を    なしていた  修飾語付き主語 + 目的語 + 述語 という文になりますね。  ところが、「汚れた衣類が山をなしていた」で、この文は終わっていません。「洗濯籠」という言葉が続いています。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)  この「洗濯籠」のところで、読み手は少し混乱するはずです。完結しているように見えた文が、まだ続いているからです。  読み手はここで考えます。「汚れた衣類が山をなしていた」の部分が、まるごと「洗濯籠」という名詞を修飾するのだな、と理解します。  これには少し時間がかかります。読み手は、「新たに考え直す」という負担を強いられるからです。  それでも、「汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠」で文が終わっていたなら、ましでした。それほど読み手を混乱させずに済んだでしょう。  しかし、まだ文は続いています(^^; 読み手は、再び頭をリセットすることを強いられます。  二度考え直しをするのは、読み手にとってかなりの負担ですよね。疲れて混乱します。ここで読み捨てられても文句は言えませんね(;_;) >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)  「洗濯籠」には、「が」という助詞が付いています。これは主格を表わす助詞なので、「洗濯籠」が主語になるのでしょう。  「洗濯籠」には、すでに長い長い修飾語が付いています。これが主語ということは、この後にまだ目的語や述語が続くわけです。  これまでの経緯を考えれば、どんなにか長ったらしい文を読まされることでしょう。読み捨てたくもなりますよね(^^;  読み捨てたい衝動を抑えて先を読むと、「空っぽになっていた」と続きます。ここで、やっと一文が終わりました。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)  「空っぽになっていた」のは、主語である「洗濯籠」ですね。  ところが、すぐ前に「汚れた衣類が山をなしていた」と、相反する内容が書かれています。読者さまの頭の中には、「汚れた衣類が満杯の洗濯籠」があったのに、それを打ち消して空っぽにしなければなりません。  三度目の考え直しです。脳みそが疲れてしまいますね。読者さまは、もうこの後の文章を読むのはごめんだと思うことでしょう。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)  文の末尾までたどり着くのが長いです。長すぎます。  しかもその間に、読み手は三回も思考リセットを強いられます。ダメダメですね。  では、修正後の文のほうはどうでしょう。 >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  冒頭の「床」は屋内の場所を表わす名詞です。よって、物の位置を示す「に置かれた」という言葉が続くのは自然ですね。  「床に置かれた」とくれば、後ろには何か物の名前があると推測できます。推測にたがわず、「洗濯籠」があります。  ここまで、自然な流れで読めますよね。  「洗濯籠」の後ろに「からは」という助詞が続きます。「洗濯籠」を起点に、何かが始まっているようです。  ただし、「からは」の後ろに「、」があるため、文の内容に一区切りついていることがわかります。次には、ここまでの文とは直接関係のない言葉が続くと予想できます。 >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  予想したとおり、関係なさそうな言葉が次に登場します。「山をなす」がそれです。  「洗濯籠からは」→「山をなす」は直接つながりませんので、次にはこの二つをつなぐものが来るはずです。そう期待して続きを読むと、「汚れた」という言葉があります。  「汚れた」は、直前の「山をなす」とはつながりませんね。けれども、「洗濯籠」からは連想が可能な言葉です。「汚れ」→「洗濯」というのは、無理な連想ではありませんよね?  このように関連性が予想できれば、たいがいの人は読み続けてくれるでしょう。そう仮定して次へ行くと、「衣類」とあります。 >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  「衣類」は、「洗濯籠」・「山をなす」・「汚れた」すべての言葉と関連性を感じられます。「衣類」まで読めば誰でも、「洗濯籠に、汚れた衣類が山盛りになっていたんだな」と思い浮かべられるでしょう。  文はまだ続いています。「衣類」の後には主格を表わす「が」があります。これで、「衣類」を主語にした文であることがわかります。 >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  「衣類が」の後には「消えていた」という言葉がきます。これは述語ですね。主語である「衣類」のことを語っています。意味はそのままで、わかりやすいです。  文はここで終わります。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。(修正前)    ↓↓↓ >>床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。(修正後)  全体的に比較すると、修正後の「床に〜」のほうが自然な流れでつながっていますね。長々しい修飾語や、それに伴う思考リセット部分がありません。  どう考えても、修正後のほうが読みやすいわけです。 お知らせ:  弟切は明日(14日)から実家へ帰ります。実家にいる間は、ここへアクセスできません。次にここへ書きこめるのは、日曜日(16日)の夜以降となります。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7273 投稿日 2003年11月14日(金)07時33分 投稿者 新木 伸 >弟切  いまやっているのは、一文を頭から見ていったときに、二度も三度も脳内イメージを修正しなくてはならなくなる――という現象の説明なわけだろ。  だったら引用文は――。 >>汚れた衣類 >>汚れた衣類が山をなしていた >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。 >>汚れた衣類が山をなしていた洗濯籠が、空っぽになっていた。  このどちらかにしたほうが、より、わかりやすいのではないのか? -------------------------------------------------------------------------------- 逆に偽薬 No.7274 投稿日 2003年11月16日(日)12時19分 投稿者 名無し君2号  プラシーボ効果。  思いこめばその通りになるという効果。つまりは勘違い効果。  風邪薬だよ、と言ってビタミン剤を飲ませると、なぜか熱が下がって喉も痛くなくなる……ことがあるらしい。  効くと思えば効くのだ。  体というのは適当なものだな、とも思うし、意志の力ってすごいよな、とも思う。  ……というか、つまり思いこみ以外の効果はないってことでしょーか。それに気づいてしまった場合、どうなるのかしらん。 >無口  無口とはなにか。  口数が少ないということだ。  口数が少ないとはなにか。  必要なことしかしゃべらないということだ。  必要なこととはなにか。  たとえば、朝の挨拶をされたとする。 (口数の多い人の場合) 「おはよう」 「おはよー。いい天気だよねぇ。あたし、こんな晴れた日って好きだなぁ。なんかさぁ、空気が澄んでいるってかんじでさぁ。そうそう、昨日のテレビ見たぁ。すっごい笑えたよね、あれ。え、あれってなにって? あれったらあれだってばぁ、ほら……。もう、絵里ったらホント、テレビ見ない人なんだから」 (口数の少ない人の場合) 「おはよう」 「おはよう」  朝の挨拶に対する返答は、挨拶なのが必要なこと。それ以外は余計なこと。  無口な理由は『気が弱い』『根が暗い』『めんどくさがり屋』『相手に興味がない』『言葉を費やすと、意味が濁るような気がする』『のんびりしている』エトセトラエトセトラ、いろいろとある。  そもそも会話する目的とはなんだ、と考える。  自分の意志を相手に伝えるため、がひとつ。  理解しあうため、コミュニケーションをとるため、がひとつ。  相手を理解したくなければ無口になるし。  言葉に頼らなくても理解できるのなら無口になるし。  相手に自分を理解してほしくなくても無口になるし。  本当は喋りたいんだけど、ともかく相手の口数が多くて、相槌しかうてない――そんな場合も無口になるし。  つまりは無口であっても、なにかしら行動は取っているはずなのだな。  視線もあわさないとか。一言一言がそっけないとか。  優しい目で見ているとか。さりげない動きとか。  ただ聞き流しているとか。うわの空とか。  「あ……」「その……」「うん」とか、まあ、なんとか喋ろうと努力している様子とか。 >690 11/8分、No.76「耳たぶをくにくに」やりなおしの1(1000文字) ○間の意味 (2号) >>「名取さん……」 (新木) >>「……名取さん」 >>2号が後ろに付けていた「……」に込めていた内容を、僕はきちんと文章で記述したわけだよ。記号でサボらずに、きちんと書いた。 >>そしてさらに僕は、この台詞の前に「……」を足しくわえたわけだよな。 >>この「……」に込めている内容は、なんなんだよ? >>この記号に込めた意味を平文に展開するなら、どんな一文になるわけ? 「名取さんのこと考えてやけどしちゃうなんて……。こんなところ茜に見られたら、またなんて言われるか。まったく、もう、本当に……でも……『名取さん』」  つまり『姉の脳裏にはいま、名取の姿が浮かんでいた』でしょうか。  あと、『名取さん』と言うまえに、なんかすっと息を吸いこんでます。 「(すっ)名取さん」  で、『名取さん』は少しだけ強め。 「名取さん……」  だと、ゆっくり息を吸って、ため息まじりに言ってる感じです。  『名取さん』も弱々しい。 ○フレーム >>よくカメラマンや画家なんかが、両手の指で長方形を作って、そのファインダー越しに風景を覗いていたりするだろ。 >>あれは風景のどこを「切り取る」かを計っているわけ。 >>絵にしても写真にしても、風景の一部分を四角く切り取らなくてはならないわけだ。そこに立っている人間は周囲を見回すことで360度の展望を持つことができるが、絵や写真にした場合には、縦横に90度ぐらいずつの視野しか持つことができない。 >>よって、風景のどの部分切り取るかで、まったく違うものになってしまう。フレームの外にあるものは「読者」からは見えなくなるのだ。 >>それが、風景を絵に落とすということであり、写真に落とすということだ。 >>小説も同じね。 >>茜だけを切り取るのか、小雪と茜との二人を含めて切り取るのか、いろいろと切り取りかたがある。 >>そして切り取ったものの「外側」にあるものは、読者からは認識されなくなる。見えなくなる。 >>視点を定めると言うことは、フレームの中に入れて見せるものと、フレームの外に追い出して見えなくするものとを、厳密に2色に塗り分けるということだ。  カメラや絵の場合、そのまま映像のみが切り取られますが……。  小説の場合だと、セリフとか、思考とか、その場の空気とか、人物の雰囲気とか、行動や表情の裏の意味とか、書こうと思えば書けるわけです。 >>2号は切り取りかたを間違えていたわけだ。 >>「名取さん」がちゃんと入るように、フレームを切らなきゃならなかったのだが、そうしていなかった。 >>僕にはそれが見えていたから、フレームの中に4回ほど、名取さんを入れることにした。 >>すると名取りさんが「大男で優しくて無口」ということが、読者に認識されるようになったわけだ。  4回とは。 (1)  廊下の影から、ぬっと男が姿を現す。  『ぬっと』が大男をあらわしている……かな。小さい男で『ぬっと』はないと思うが。 (2)  残された小雪と名取は、どちらも困ったようにうつむきあっていた。  無口。相手が好きって言ってるんだからなんか言わないと。 (3) 「あのう。バンドエイド、持っております」  優しさ。でもバンドエイドを普段から持っているって……。細かい怪我の多い小雪のために常備している? 本人は怪我が多いわけでもなさそうだけど。 (4)  その大きな男はポケットの中から絆創膏を取りだしてきた。  その手もまた、体に見合う大きさがあった。だが小雪の手に絆創膏を巻いてゆく男の手は、とても器用で、とても優しかった。  大男、優しさ。 >>――てか。この話、難しすぎ? >>もうちょっとレベル落として、概念的なことは控えめにして、実践的なアドバイスのみに限定したほうがいいか? >>ここまで厳密にやらないでも、もうちょっと適当にやってても、実際のところは問題ないんだよね。 >>どうする?  ……。  わかるような……気はしますが。気だけかも。  まあ、いまのレベルでもわかる人はわかるでしょうし。 ○経過時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「そっちのことじゃ、ないんだけど」 「……」  二人のあいだに沈黙が落ちる。先に口を開いたのは、茜のほうだった。 「お姉ちゃん、早く冷やしたら?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>もうひとつ、僕のほうではもう一文が付け加えている。 >>これは「沈黙が落ちた」と書いただけでは、それがどのくらいの時間の沈黙だったのかが確定しないため。 >>沈黙という言葉は状態を示すなんだな。言葉が発せられていない状態のことだ。しかしこの言葉ひとつでは、それが長いのか短いのか、よくわからない。短い沈黙も、長い沈黙もあるわけだ。 >>ふたりが気まずくなっていて、どちらが口を開くか迷っている様があって、性格的に茜のほうが口を開くことになった――という経緯まで書いておく、それだけの長い「時間」があったことが確定するだろ。これは何秒になるのだ? ちょっと、そのシーンを頭の中で再現させてみて、実際の秒数を数えてみろ。  「……」で姉、若干息を呑む。  その後、8秒ないし10秒、沈黙。姉のまばたき多し。茜、身じろぎもせず姉の後ろ姿を見つめている。  茜が喋る。姉、ぴくりと体を震わせる。 >>沈黙していた「長さ」がはっきりしないままなのと、秒単位ではっきり出てくるのとでは、読者としてはどちらが嬉しいのだ?  書いてあるほうが、その場面を想像しやすいほうがいいです。  ここを書いていないのは……私のさぼり癖もあれど、書かねばならないことと、書いちゃいけないことの区別がついていないのが原因かも。 >文章の分析  再開。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  小雪は、のろのろとした動きで蛇口をひねった。水流に右手をひたす。  しばらくそのままにしてから、小雪が左手を蛇口に伸ばす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  妹に言われるまま、小雪はのろのろと水道の蛇口をひねった。水の流れに指先を浸すうちに、小雪の顔から痛みが抜けていった。  ほっとした表情を小雪が浮かべたところに、茜が言う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「妹に言われるまま」で、妹に対する姉の弱さが出ていると思う。  「右手」は「指先」に。どの情報を重要と見ているか、の違い。  「小雪の顔から痛みが抜けていった」。  やけどの苦痛が薄れていくことの描写。顔から痛みが抜けていったとは、とは、とは。いつか使おう。  「ほっとした表情を小雪が浮かべた」  これも痛みが薄くなったことの描写。さらにここで読者も安心したりする。安心させておいて、次の場面で動かすわけだ。  静から動へ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号) 「好きなんでしょ」  がつん。  大きな音がした。小雪が呻き声を上げながら、左手を抱え、体を縮める。 「こんどはつき指?」 「あ、あなたが、ヘンなこと言うからでしょ」 「好きなんでしょ、名取さんが」  小雪の顔は真っ赤になった。目を泳がせ、自分の耳たぶに触れた。  茜は黙って、耳たぶを揉んでいる小雪を見ていた。  やがて、小雪が小さく頷いた。 「名取さんが好きだって、認めるんだね」 「なんども言わないでよ……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「好きなんでしょ」  がらがら。がっしゃん。  食器が崩れて、スポンジと洗剤のボトルとが宙を舞う。 「あらあら。大変だぁ」 「あ、あ、あなたが――ヘンなこと言うからでしょ!」  片づけをはじめた小雪は、妹から顔を背けるように、手元ばかりを見ている。 「好きなんでしょ、名取さんが」 「いつつ――」  割れた皿で指先を切ってしまった小雪は、その指をくわえて、うらめしそうな顔を妹に向けた。 「名取さんが好きだって、認める?」 「――好きだ、好きだ、って、そんなに何度も言わないでよ。……好きだけど」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  かたや突き指、かたや皿を割って指を切ると、だいぶ違いのある箇所。  絵的に派手なのはもちろん皿を割るほうである。動きがあるから。  私の場合、妹に詰められて、あっさりと認める姉。  「好きなんでしょ」→「つき指」→「好きなんでしょ」→「認める」  新木さんの場合、妹に詰められて、なんとか誤魔化そうとしつつも、最後には認めてしまう姉。ワンクッションある。  「好きなんでしょ」→「皿砕ける」→「好きなんでしょ」→「指を切る」→「好きなんでしょ」→「認める」  かたや静、かたや動。  実はここの文章の量自体は、さほどの違いがなかったりする。  ……ちょっと、アクションシーンを書く練習をしたほうがいいのかもしれないなと、思ったりした。苦手な書きかたはなるべく避けるものだから。通称『さぼり癖』なわけだが。それだけかけなきゃいけない労力が増えるから。  できることが増えれば、それだけ選択肢が増える……といいけど。  どうすりゃいいのかな……。書き写すことから始めるか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  小雪がうつむく。  茜が、笑みを浮かべた。 「だってさ。よかったね、名取さん」  廊下の影から、男が顔を出した。  小雪の目が、大きく見開かれる。手を口に当てた。 「なんで、どうして、ここに」 「じゃ、お邪魔虫は消えるから」  茜が、廊下に消えた。 「茜、待って! 行かないで!」  足音が遠ざかる。  小雪と名取は、どちらもうつむいていた。小雪の右手が、自分の耳たぶに伸び、揉み始めた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  茜は、にまりと笑みを浮かべた。 「だってさ。――よかったね、名取さん」  廊下の影から、ぬっと男が姿を現す。  小雪は目を大きく見開いて、男を見つめていた。口にくわえた指を離すことさえ忘れている。 「あっ、あっ、あっ……えうっ?」  指をくわえたままで、小雪は幼児のように意味不明の声を洩らした。 「じゃ、お邪魔虫は消えるから」 「待って! 行かないで!」  廊下に消えようとする茜を、小雪の声が呼び止める。だがその足音は無情にも遠ざかっていってしまう。  残された小雪と名取は、どちらも困ったようにうつむきあっていた。小雪の手が口元に伸びていって、また指先をくわえこむ。 「あのう。バンドエイド、持っております」  その大きな男はポケットの中から絆創膏を取りだしてきた。  その手もまた、体に見合う大きさがあった。だが小雪の手に絆創膏を巻いてゆく男の手は、とても器用で、とても優しかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  あ。いま気づいたけど、私の作品、オチらしいオチになってないや。  もっとも分量の増えているパート。おもに名取さんの描写だが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  小雪は目を大きく見開いて、男を見つめていた。口にくわえた指を離すことさえ忘れている。 「あっ、あっ、あっ……えうっ?」  指をくわえたままで、小雪は幼児のように意味不明の声を洩らした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  萌え増量。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  小雪と名取は、どちらもうつむいていた。小雪の右手が、自分の耳たぶに伸び、揉み始めた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  残された小雪と名取は、どちらも困ったようにうつむきあっていた。小雪の手が口元に伸びていって、また指先をくわえこむ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「どちらも『困ったように』うつむきあっていた。」  これは小雪とともに、名取の描写にもなる。小雪が『困ったように』うつむいているのは、読者にはいままでの流れでもって、わかりきったことなのだが、名取の表情は浮かんでこない。  なので、あえて『困ったように』を入れている。  あとはまた指先をくわえこむことで、萌え増量。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん) 「あのう。バンドエイド、持っております」  その大きな男はポケットの中から絆創膏を取りだしてきた。  その手もまた、体に見合う大きさがあった。だが小雪の手に絆創膏を巻いてゆく男の手は、とても器用で、とても優しかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  おもに名取の描写であり、オチでもあり。私版ではまったくない部分。 >>694 1000字課題、11/11分、No.78「魔王の憂鬱」(1000文字) >>695 1000字課題、11/12分、No.79「酔いどれ天使」(1000文字)  新木さんの指摘に対する回答は次回に。 >1000字課題  さぼってるあいだも含め、二編。  No.80「錆びたピストル」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=696&e=res&lp=550&st=0  慣れないことをやって失敗している模様。  No.81「幸福論」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=697&e=res&lp=550&st=0  慣れないことをやってみる。  寝ないで友達と会って、その後で病院に行って……とかやっていたら、どこにも移動していないのに時差ボケに。レスには4時間ぐらいかかりまして。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7275 投稿日 2003年11月16日(日)17時47分 投稿者 新木 伸 ○2号 >無口 >> 無口とはなにか。 >> 口数が少ないということだ。 >> 必要なことしかしゃべらないということだ。  おまえの書いた「無口」は、必要なことだって喋ってなかったじゃんかよ。  まったくなにも喋っていない。一音も発していない。  それは「無口」とは違うものなのね。  無口というのは「必要なことだけは喋る」ことをいう。  「無口なキャラにしよう」と思ったのはいいのだが、「無口とはなにか」についての考察をしていないから、こういう間違いをやらかしてしまうわけだ。 >「……名取さん」  ここの、前に付いている「……」を文章化するとしたら、こんなところかなぁ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  脳裏に浮かぶ人物の名が、小雪の口の中で、形を取ってゆく。 「名取さん」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このシーンはいちおう客観視点で書いているから、心の中の観察結果も書けないことはないんだけど……。  しかしここまでずっと外側からの客観視点でやってきている。だからこれを書いてしまうのはきれいではない。よって「……」として代用するわけだ。 >No.81 >> 街のそこかしこから、クリスマスソングが流れている。 >> きらびやかなイルミネーションに照らされた、ただただひたすらに幸せそうな人々のあいだをぬって、一郎と可奈子が歩いている。  まず2文か3文に分割しろ。 ・イルミネーションに照らされていること。 ・人々が幸せそうであること。 ・一郎と加奈子とは人の間をぬって歩いていること。  あと「幸せそう」は気弱語だな。  街を歩く人たちは幸せなのか、幸せでないのか、はっきりせい。  そもそもなぜ、幸せであることが観測されるのだ? これがどの視点なのやらよくわからないのだけど。  人々の外側に存在する視点から見て、幸せであることがわかったのか?  それとも人々の心の中にダイレクトに入って幸せであることを直接観測してきたのか? >>「だから人混みは嫌いだと言ったんだ」 >>「もう。ここまできたら覚悟を決めてよ」 >> メガネを直しながら、一郎はぶつぶつと言い、それに可奈子が腕を絡めて、引きずるかたちだった。上気した顔の可奈子は、へへへ、と笑った。  女のほうが、男のほうを引っ張っている形なわけね?  しかし前のほうに「一郎と加奈子」とあるのだが……。  そしてここで台詞が出てくる順番も、男が先で女が後なのだが……。  これでは男が女を引っ張っているようにしか見えないぞ。  女のほうが引っ張っているのだから、女の側に主導権があるわけだ。  名前にしても会話の順番にしても、主導権を持っているほうを先に出すのがセオリーというものだ。 >No.80  なにをやろうとしていたのだろうか……?  書いていないので、よくわからん。  三人称客観の練習かな?  ちなみに、話の内容のほうは全然まったくワケわからない。  無駄な台詞が多すぎ。台詞のなかに埋まってしまって、ふたりの様子が伝わってこない。もっと台詞を吟味して厳選しろ。  この手のものを書くのなら、「重い台詞」を用いる必要があるはずだ。  台詞の数を増やせば増やしただけ、ひとつひとつの台詞の「重さ」は失われてゆくんだよ。  内容についてはよくわからんので放置するとして……。  描写やら視点やら文章やら、そのほかのことやらに対して指摘してみる。 >> 古びた木造の校舎。そこらかしらから、虫や蛙の鳴き声が聞こえてくる。 >> 校舎の一階の窓から、明かりとともにざわめきが漏れていた。ときおり、大きな笑 い声が混じる。  No.81のほうでは「そこかしこ」とあるのに、どうしてこっちでは「そこらかしら」なんて変なことになっているのだ?  2行目は例によって長すぎ。  どうしていくつものことを一行のなかに押しこめようとするかなー。 ・校舎の一階の窓に明かりがついていること。 ・ざわめきが洩れていること。  この二つに分割できるはず。  ちなみに、「洩れる」と「漏れる」は、別の言葉だ。ばかたれ。  あと、もうちょっと描写の努力をしろ。  描写する努力はしたのか? ただ説明文ばかりがだらだら続いてたって、退屈なだけなのだが……。  「ときおり大きな笑い声が混じる」ということを、説明でなくてちゃんと描写してあれば、こんななんでもないシーンでも、ちゃんと読めるものになるのだが。  ひとつの部屋だけが明るくて、他の部屋の窓は暗いわけだろ。そこから聞こえてくる音には、小さかったり突然大きくなったりと、リズムがあるわけだろ。  その光景をきちんと脳裏に展開する努力はしたのか?  その場に自分がいるかごとくイメージして、視覚や聴覚だけでなく、肌の触覚やら、温度やら、空気の匂いやらなにやら、五感のすべてで「その場面」を感じ取ってみたのか?  描写がどうのというまえに、イメージ化が全然足りていない気がするんだよな。 >> ――校舎の入り口から、ひと組の男女が出てきた。 >>「すこし酔った……」 >> 顔が少し赤い男が、ひんやりとした夜の空気に、心地良さそうな表情を浮かべた。  出てきた男女のイメージが浮かばん。  並んでいるのか、男が先なのか、女が先なのか。  お互いの目はなにを見ているのか。見つめ合っているのか。二人とも前を見ているのか。男は前を見ているが、女のほうは男の背中を見ていたりするのか。  そういうこと、ぜんぜん、考えてないだろ?  だからこうして薄っぺらなものとなって、読めたものにはならないんだよ。  あと視点がめちゃくちゃだ。  男を外側から書きつつ、「ひんやりとした」という男の主観を通した感覚を書いていたりする。外から書くのか中からなのか、統一しろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 湘南に戻りました No.7276 投稿日 2003年11月17日(月)01時27分 投稿者 弟切 千隼 弟切です。  故郷の静岡では、八百屋などの店先に蜜柑がたくさん出ていました。列車に乗れば黄金に光る蜜柑山の横を通ります。車窓から雪をかぶった富士山が見えます。  こういった風景を見ると、「帰ってきた」という気分になります。  とりあえず今回は生存報告のみとします。 -------------------------------------------------------------------------------- 柿紅葉[かきもみじ] No.7277 投稿日 2003年11月18日(火)00時23分 投稿者 弟切 千隼  弟切の家の近所では、庭木として柿が見られます。今ごろになると、それらの柿の木が紅葉し始めます。  文字どおり「柿色」の果実と並ぶ柿紅葉は映えますね。日本情緒あふれる光景だと思います。 >悪文解析、やり直し  No.7267の書き直しです。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。(修正前)  ↓↓↓ >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。(修正後)  この二つの場合も、修正前の文は修飾過多といえます。  まず、修正前の文を解析してみましょう。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  冒頭にある「笑顔」は、普通、人間の顔の表情を指します。よって、この後ろには人間を指す言葉が来ると推測できます。  推測されたとおり、「笑顔で」の後ろには「桐子」という人名があります。けれども、「笑顔」にも「桐子」にも主格を表わす助詞がついていません。ですから、桐子が笑っているのではないとわかります。  「桐子に」の後に来るのは「答えたのは」です。「答えた」は動作を表わす言葉ですね。すぐ前にある「桐子に」と合わせると、桐子ではない誰かがこの動作をしたことになります。  「答えたのは」までの段階では、動作をしたのが誰かわかりません。「笑顔」なのと同一人物らしい、と推測できるだけです。  「のは」とあるところからしますと、この次に「笑顔で」・「答えた」人が誰なのかが書かれているのでしょう。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  「答えたのは」の後ろに「、」が入って、文の切れ目となります。  「、」の後には、人物名が来るのかと思いきや、「明るい」・「緑色の」と続きます。これは、何かを修飾する言葉ですね。  「緑色の」の次こそは「笑顔で」・「答えた」人が示されるのかと思えば、期待を裏切る言葉が現われます。「ポロシャツとショートパンツ」です。  シャツやパンツがしゃべることは、普通はありません。また、衣服は人間が着るものですから、「ポロシャツとショートパンツ」の後ろに人物名が来るのでしょう。つまり、「ポロシャツとショートパンツ」も修飾語です。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  予想どおり、「ポロシャツとショートパンツ」の後ろには「をまとった」があります。「ポロシャツとショートパンツ」を着ている誰かのことが、「をまとった」の後に書かれています。  そして「女性だった」が現われます。ここまで来て、ようやく「笑顔で」・「答えた」人物のことがわかります。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  この文も、異常に修飾語が長いですね。知りたい情報にたどり着くまでが遠く、いらいらします。読み捨てられても当然でしょう(;_;) >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  次の「胸から〜」の文も、余計なものが付いて長くなっています(^^;  冒頭の「胸から腿にかけては」は、場所を表わす言葉です。ここでは「腿」という漢字を開くべきでしたね。明るい雰囲気を出すところなのに、ひどく硬い雰囲気になってしまいました(^^;  次に「薄黄色の」とあります。これは、名詞の修飾語ですね。この程度の長さで終わっていれば、まずい修飾語ではないでしょう。  けれども、ちょっと漢字の画数が多くて重く感じますね。このすぐ前の「腿」とあいまって、硬い雰囲気を助長してしまっています。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「薄黄色の」の次に「エプロン」がきます。エプロンは着るものですから、冒頭の「胸から腿」がエプロンと関連していることがわかります。「笑顔で」に始まるこの前の文に登場した女性が、エプロンを着ているのだろう、と伝わりますね。  この「エプロン」で文が終わっていれば、それほどわかりにくいことはないでしょう。ところが、この後にも長く続いているのが問題です。  「エプロン」の後ろには「に覆われ」とあります。これは、エプロンを着ていることの描写ですね。  問題は、ここに「、」が入って、さらに後ろまで文が続いていることです。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  この文の中には、二つの主語と述語があります。それぞれの主語と述語は、一対一で対応しています。要するに、二つの別の話題を、一つの文に押し込めてしまっています。  このような文は、限られた紙面に情報を詰め込むには便利です。しかし、つなげなくてもいい話題をつなげれば、読み手の負担は大きくなりますね。  文が切れていないと、読み手は一息つくところがありません。脳内処理に区切りをつける場がない、ともいえます。それまでの言葉を理解しつつ、情報を保留しつつ、次々に登場する言葉を理解しなければなりません。  読みやすさを追求するなら、上記の文は二つに分けるべきでした。  解析を続けましょう。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「、」の後ろには、「胸もとに」とあります。ここで話題が切り替わって、エプロンの話から女性の胸もとの話になりました。  「胸もとに」の次には「『久保田柚香』と書かれた」とあります。『久保田柚香』は女性名だとわかりますね。ここで、エプロンを着た女性の名が明らかになります。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「『久保田柚香』と書かれた」の後に「名札が」とあります。主格を表わす「が」が付いているため、「名札」が主語だとわかりますね。  ということは、すぐ前にある「『久保田柚香』と書かれた」は、「名札が」の修飾語ですね。その前の「胸もとに」と合わせると、またもや長い修飾語です。  これは、本来なら読み捨てられるところでしょう。メイドさんの氏名という重要な情報を含むために、ぎりぎり捨てられない範囲かも知れません。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「名札が」の後ろに「付いている」がきて、文が終わります。ここのつながりは、素直に主語→述語となっていて、わかりやすいですね。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  しかし、何しろ主語と述語が二つずつある重文です。しかも、長い修飾語付きです。読み手への負担は大きいですね。 胸から腿にかけては   覆われ 主語        +  述語      と 名札が          付いている 主語        +  述語  そのうえ、段落全体を見れば、冒頭から堅苦しい漢字があります。冒頭の「胸から腿」のあたりで読み捨てられる可能性も大きいですね。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  では次に、修正後の文を解析してみましょう。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  冒頭の「レモン色の」は、明るくておしゃれな印象ですね。アイキャッチとして良さそうです。「の」が付いていますから、これは名詞の修飾語ですね。  「レモン色の」に修飾されるのが、次の「エプロン」です。ここには問題はないでしょう。  「エプロン」の後ろには「を着た」とあります。目的語→述語と素直につながって、ここにも問題はなさそうです。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。  「を着た」の後ろに「女性が」ときます。主格を表わす「が」があって、「女性」が主語だとわかります。  この主語にも、やや長い修飾語が付いていますね。しかし、修正前と比べるとずいぶん軽く感じられます。漢字が減ってカタカナが増えているからです。  「女性が」の後に「、」が入って、読み手に文の区切りが示されます。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。  「、」の後ろに「笑顔で」がきます。すぐ前に主語があるので、読み手には、「女性が笑っているのだな」とわかります。  「笑顔で」の後には「応えた」とあります。これは「女性が」に対する述語ですね。ここで一文が終わります。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。  この文には、主語→述語の間に修飾語が挟まっています。けれどもそれが短いために、理解しにくくはありません。 女性が   笑顔で    応えた 主語  + 修飾語  + 述語  「レモン色の〜」の次の文、「胸もとに」で始まる文を解析しましょう。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「胸もとに〜」の文は、修正前の重文の一部を切り出したものです。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。(修正前)  ↓↓↓ >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。(修正後)  重文が単文になったぶん、理解しやすくなりました。  ただ、上で指摘したとおり、主語の「名札」を修飾する語が長いですね。単純に修飾語を短くするなら、以下のようになるでしょうか。 ――――――――――――――――――――――――――――――― 胸もとの名札に、「久保田柚香」と書かれている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――  「胸もとに」で始まる文の、さらに次の文を解析しましょう。 >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  文頭が「エプロンの下には」となっています。これは場所を表わす言葉ですね。  一行前にエプロンのことが出ているため、話のつながりがわかりやすいです。  「エプロンの下には」の次に「明るい緑の」とあります。語尾の「の」が、修飾語であることを示します。  この修飾語は短いですね。難しい漢字もありません。よって、特に問題はないでしょう。 >>エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  「明るい緑の」の後ろが「ポロシャツとショートパンツが」です。ちょっと長い言葉ですが、カタカナのため重さはありません。主格を表わす「が」があって、この言葉が主語だとわかります。 >>エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  「ポロシャツとショートパンツが」の後に「覗いていた」とあります。これは述語ですね。主語→述語とそのままつながっているため、ここはわかりやすいでしょう。  「覗」という漢字はちょっと難しいですね。これを開くべきかどうか、弟切は少し悩みました。悩んだ末に、開きませんでした。  なぜかといえば、「覗いていた」のすぐ前に「ポロシャツとショートパンツ」というカタカナの連なりがあるからです。長いカタカナの後にひらがなが続くと、印象が軽くなりすぎます。 >>エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  この文はここで終わります。  この文をもって、修正後の文の解析も終わります。  全体的に、修正前と修正後を比べてみましょう。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。(修正前)  ↓↓↓ >>レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。(修正後)  修正後のほうが、一文が短いですね。この原因は、文を全て単文にしたためと、修飾語を短くしたためです。  よって、修正後のほうが主語と述語の距離が近くなりました。これはわかりやすさに通じます。  また、修正後には難しい漢字が少ないです。このために堅苦しさが減って、とっつきやすくなりました。 -------------------------------------------------------------------------------- 勿忘草で『わすれなぐさ』とは読めん No.7278 投稿日 2003年11月18日(火)15時49分 投稿者 名無し君2号  なんか覚える先から忘れてるような気がする。  年かしら――という言葉も結局のところ、年のせいにしているだけかしら。 >>694 1000字課題、11/11分、No.78「魔王の憂鬱」(1000文字) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  暗闇にふたつ、火がともる。  二列の火の玉は次々と数を増やし、やがて道を照らす灯火となった。  揺れる火は、赤い絨毯で出来た道だけでなく、まわりも浮かび上がらせていた。華美な装飾が施された柱、石造りの床や壁と――。  絨毯の果てにある玉座と、そこで眠る黒ずくめの男を。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>魔王の玉座のある大広間にて、暗闇の中に燭台の列が点灯してゆくさまを書いているのだと思われる。 >>――が、まず「道」ってのはないだろ。 >>そう書いてしまったら、ここは「通路」なのだと思われてしまうぞ。ここは広間に敷かれた赤絨毯をイメージさせなきゃならんのだから。 >>あと、カメラの取り付け位置が不明だ。 >>「二列の火の玉」ってのが点灯してゆく場面で、カメラはどっち側から、それを撮っているのだ? 手前から奥に向けて点灯してゆくのか? それとも奥から手前に向けてなのか? それとも左から右か? 右から左か? >>これを読んだ読者は、どの映像イメージを浮かべるのが正解なのだ?  カメラワーク。これは映画とかドラマを見て勉強したほうがよいだろうな。  ……いまの段階でやりなおす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  ふたつの火が、暗闇を押しのける。  炎は闇の奥めがけ、その数を増やしていった。  二列の揺れる灯火に、赤絨毯が浮かび上がる。石造りの床や壁、装飾された石柱をも、照らしだされた。  炎の終点には玉座――そこには年若い男が、表情もなく目を閉じていた。長い黒髪が照らされて、白い顔に影が揺らぐ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じでしょうか。  炎は手前から奥へ、やがて男に辿り着く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「陛下」  どこからともなく、声が聞こえてきた。玉座に座る男の、長い睫毛がゆっくりと動く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>また、「どこからともなく」ってのもないだろ。 >>声はどこから響いてきたんだよ? 光が照らしていない闇の中なのか? >>それとも本当に位置の特定できない声なのかな? それならそれで、もっと別の書きかたがあるだろ。  男の正面、やや上空から聞こえたものです。『どこからともなく』だと怪しくなるかと思ったんですが。これもさぼっていることになるか。  いま気づきましたが、『さぼる』って『サボタージュする』の略だから、『サボる』が本当かな、と思いました。 >>人間の耳が音を聞くときには、かならず「位置」が特定されてしまうものなのだ。位置の特定されない音を聞いたときに、人間は違和感を覚える。それがどういうものなのかを考察すれば、描写する糸口となるはずだ。 >>「どこから聞こえてくるのかわからない声」を聞いた実体験はないか? あればその体験が描写表現のとっかかりとなるはずだ。 >>ちなみに人間の耳は、低音になればなるほど、定位感が薄れる。どこから響いてくるのかわからなくなるものだったりする。低いモーター音のうなりがどこから響いてくるのかわからなくて、混乱したこととかは?  どこからともなく音が聞こえたとき。  なんだ? なんだ? ときょろきょろとして……。  えーと。  ……足元を音に包まれた感じです。音のプールに膝まで浸かっているような。  ――音がまわりを取りまいてる。 >>695 1000字課題、11/12分、No.79「酔いどれ天使」(1000文字) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少し肌寒い月夜。  アパートの階段を上がったところで、巧が眉をひそめる。  表札に『磯辺巧』と書かれている部屋。その窓から、明かりが漏れていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>空の月を撮した直後に、いきなりアパートの階段を撮すな。乗り物酔いになるわい。 >>人物を撮したあとに、いきなり表札を撮すな。そこから窓に飛ぶな。そもそも「窓」ってどこの窓だよ。  すみません。月からアパートはちと適当すぎでした。  ここはどうすりゃいいのかなと。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  夜はしんと静まり返り、少しだけ気温が低い。  アパートの階段から足音が響いた。上がりきったところで、男――巧が眉をひそめる。視線は一番奥の部屋の窓に向けられていた。  窓からは明かりが漏れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  表札うんぬんはいらないなあ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おかえりぃ〜」  巧がドアを開けた途端、部屋から女性の声が聞こえた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>ドアを開けたということは、室内に入ったということだよな。入口付近の靴を脱ぐあたり。 >>なのに「部屋から〜聞こえた」という書きかたは、これは外にいるときの書きかたなのだ。もう部屋に入っているのだろ? >>部屋に入ったと思ったのに、まだ入っていないかったときの表現が飛び出してくると、また乗り物酔いになってしまう。  つまり、ここは……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版) 「おかえりぃ〜」  巧がドアを開けた途端、女性の陽気な声が迎えた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  でしょうかね。視線、ムズカシイ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  靴を脱ごうとしていた巧が、その動きを止める。  巧の視線は、テーブルの酒瓶と、奈津のコップに注がれていた。コップのなかで、 琥珀色の液体が揺れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>靴を脱ごうとしていたのなら、その人物の目は自分の足元に向けられているのでは? >>それがコップの中身に気づくのが変。脳内映像と食い違いが生じて、また酔ってしまう。  書き直す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  かかとで靴をぬごうとして、巧は動きを止める。  巧の視線は、まずテーブルの酒瓶に。そこから奈津が持つコップへ。――やわらかに揺れる、琥珀色の液体。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  無理に靴をぬがすことはないんだけども。かかとでぬぐのも無理があるか……あるな。サンダルをぬぐのだって、いったん足元を見るよな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あったまきた! おれも奈津さんの酒、飲んじゃる!」  瓶を大事に抱えて、巧が吠えた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>「奈津さんの酒」って、この以前に「切り取られたフレーム」のなかに入ってきてたっけ? この酒瓶は主人公のレミーしか出てきてないのだが。  これは説明しなくちゃわからないんですが、この「奈津さん」も飲兵衛――おもに日本酒好き――なので、家には酒が常備されてます。つまり「奈津さん」が持っている酒をおれも飲んでやるぜ、という宣言です。説明しなくちゃわからないんですが。 >>あと、大家さんの外見がぜんぜん浮かんでこないのだが。 >>そこが読者としては、ちっとも嬉しくないところ。 >>髪は短いのか長いのか。スタイル(体型)は良いのか、ちと崩れぎみの感じのそこが良いのか。スレンダーなのか肉感的なのか。歳はどのくらいなのか。美人なのはお約束として、どういう系統の美人なのか。きつい美人に、母性的な美人に、かわいい美人に、いろいろあるだろ。  小柄な体ながら胸は大きい。童顔で、主人公は初めて会ったとき、年下だと思っていた。そのことをいまだに根に持っている。髪は普段ポニーテールで、かわいいイメージだが、髪をおろすとけっこう色っぽくなる。  無類の酒好きかつ底なし。日本酒を好むが、酒類であれば差別はしない。  主人公も酒好きなので、そのあたりで仲良くなる。  いま思いついたやりとり。  主人公の同級生が、酔った勢いで主人公に告白したのを目の当たりにして、 「あたし、自分がお酒に強いの、ちょっとだけ嫌になったなぁ」 「なんでですか」 「だってさぁ、あたしも弱ければ、あの子のように……」 「あの子のように……?」 「……ひみつ」  ……我ながら、なんだかなぁ。 >>主人公のほうは、安物のくたびれたスーツを着ているのがなぜかわかってしまったので、描写不要だ。もしそのイメージが事実と違っているなら、描写してもらわんと困るけど。  あ、主人公、実は大学生だったりしますが。  描写しないといけない。これは……靴をぬぐとき、スニーカーでもぬがしておけばよかったのではないか。 >>主人公のほうが、くたびれた安物のスーツを着ていることが、書いていないのにどうして伝わるのかを考察してみるのこと。  なんでだろう。 (1)夜遅く戻ってきている。 (2)ひとり暮らし。ちゃんと表札をつけている(マジックペンで書き殴ったりしてない)。 (3)大家さんに対する言葉づかいが丁寧。 (4)酒好き。ブランデーを大切に飲んでいた――しみったれている? (5)飲みかたが乱暴。焼酎をストレートで。  このぐらいしかわからない。生真面目で、酒好きで、高い酒を飲まれたことでショックを受けて、しかもその酒はもらい物だ。つまりは金がない。  安給料のサラリーマン=くたびれた安物のスーツ。 >>ちなみに大家さんの風貌、ぜんぶ書けと言ってるのではないよ。 >>俺が問題にしているのは、「脳裏に浮かんでこない」ということ。イメージが浮かぶようになってさえいれば、なにひとつ書いてなくたって問題ない。てか、浮かぶならそっちのほうがよい。主人公について書いてないけど、浮かばせたいイメージがあの通りなら、そっちは成功している。 >>それを大家さんの側でもやれということだ。  つまり……。  セリフ、行動、そしてちょっとばかりの外見で示す。  いくらでも書きようはある……か。 「小さい体を揺すりながら、奈津はケタケタと笑っている。揺れるたびに、胸も揺れる。巧がぎこちなく視線をそらした。」 「ブランデーでつやつやと光る唇に、ほつれた髪がかかっていた。」  ――違う。 「ちょこん、とおんなのこ座りをしていた。」 「両手でグラスを抱え、こくん、こくんと飲みほしていった。」  こっち……かな。  ……。この大家さんを使って、「美人描写」の練習をやってみようか。 >1000字課題  今日は一編。  No.82「ごくらく巫女ひき計画」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=698&e=res&lp=550&st=0  ……わけのわからない話しか書けなくなってきたような。  客観視点の練習です。  前回のクリスマスの話は、そこそこ一般的に受け入れられそうな気もしますが。  今回は……。うーん。  で、いまさらながら質問ですが。  客観視点の視点保持者は、透明人間――幽霊ですよね。  たとえば人物や背景を書くとき、視点保持者の見る順番で書けば、説明ではなく描写となります。  『○○より第三者視点』ならば、その○○の視点でもって書けばいいのですが、客観視点の場合、どうしたものやら。  幽霊=作者じゃないですよね。それだと作者視点になりますし。  書く順番=視点保持者が興味を抱く順番ならば……新たに幽霊の人格を作って、描くべきなのでしょうか。 >No.80「錆びたピストル」(2000文字) >No.81「幸福論」(1000文字)  新木さんの指摘に対する回答は、またまた次回に。  レスには7時間ほど。書き直すのにとっても時間がかかる。もっと速く書きたいものだが。ではでは。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7279 投稿日 2003年11月18日(火)22時22分 投稿者 新木 伸 >弟切  あいかわらず、読み取るのに非常な苦労を要する文章となってるなぁ。  二つの点で問題がある。  ひとつめは――。  強調文字を使ってきたのはいいのだが、その使いかたがまるで「自分ルール」であるために、逆に理解の妨げになってしまっている。  ここで使われている「弟切ルール」によれば、強調文字で記された部分は「既に解説済み」を示しているわけだよね?  普通、逆だよ。  強調文字で記した部分は、「いま取り扱っている部分」を示していると読まれるものだ。  ふたつめは――。  弟切の解説しようとしている小説文章の「欠点」と同じものが、説明文にもバッチリ存在している。  覚えておかないとならないことが大量に出てくる――という欠点ね。  無駄な指示語が多い。不適切な指示語も多い。さらに指示語が示している物事までの距離が遠い。  指示語というものは、どこか前のほうに書かれた物事を示しているわけだよ。  しかし頭から順に読んでゆくときには、なにが後から「指示される」ことになるのかわからない。  つまり、この弟切の文章を読んで理解するためには、あれもこれも――たくさんの物事をすべて覚えておかないとならないわけだ。  そんな超記憶力は人間には備わっていない。いきおい、わからなくなった時点で戻って読み直す必要が生じてくる。  数十回、戻って読み直しを強要してくるような文章が、人に読まれると思うか?  頭から一回通読しただけで、すべてを理解できるようなものを書けっての。  読み直しなんかさせたら、そこでアウト。  投げ捨てられること確実だ。 (僕のこの文章、読み戻しがあるか? 1回でも?)  なにをなにを頭の記憶領域に残しておけばいいのか。  これから何を説明してゆくことになるのか。――そういうことを、それとなく、書いておくんだってば。  たとえば僕のこの文章だと、頭のほうに、「欠点は二つある」と書いてあるだろ。そういうのを読むと、読者は頭の中に「二つの記憶場所」を作ってくれるわけだ。ひとつ目を埋めて覚えておいて、二つ目が出てきたらそれも覚えておくわけだ。  これから何が説明されるのか、知っているのといないのとでは、心構えが違ってくる。理解度に大きな差が出てくる。  また指示語を濫用しすぎだ。  指示語というものは、人の注意を喚起するためのものなのだ。強調の一種だ。会話であれば大声をあげて注意を引くようなものだ。  指示語をもっと減らせ。明らかに削ったほうが意味の通りやすくなる文章がたくさんあるぞ。  接続詞も濫用しすぎだ。  「ですから」「けれども」「しかし」――などなど。  接続詞を使ってしまっては、文を短く分割しても意味がないぞ。接続詞によって、実質的に繋がれてしまうわけだから。  どこで読み戻しが生じているのか、頭のところだけ、すこし指摘してみる。 >>この二つの場合も、修正前の文は修飾過多といえます。  ここでの「この」は、前で引用した二つの段落を示しているわけだな。「この二つ」ではなくて、「これら二つ」だろ?  単数形と複数形のミスだ。ここでまず目が止まる。  さらに「修正前の文」ってどれよと、読み直し1回。 >>まず、修正前の文を解析してみましょう。 >>>>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「修正前の文」ってあるので、修正前の文を参照するために目が戻る。  真下にある段落がその「修正前の文」なわけだが、なにもラベルが貼られていないので、そうなのだということがわからない。またどこからか違う段落が引用されてきたのかと思ってしまう。見比べて、上にあったものと同じものであることを確認するまで、数回、目が行き来する。  なお(修正前)というラベルは、後ろではなく前に貼っておけ。お尻に付いているよりも、頭に付いていたほうが、見つけやすい。 >> 冒頭にある「笑顔」は、普通、人間の顔の表情を指します。よって、この後ろには人間を指す言葉が来ると推測できます。  「冒頭」ってどこの冒頭のことよ、と、目が戻る。 (解析をするときに、特に断り書きがないかぎり頭から始めるのは自明のことだ。わざわざ書くから、そこになにか意味があるのかと、「どの冒頭のことだろう」と探さなくてはならないはめになる)  「この後ろ」ってどこよと、また目が戻る。 >> 推測されたとおり、「笑顔で」の後ろには「桐子」という人名があります。けれども、「笑顔」にも「桐子」にも主格を表わす助詞がついていません。ですから、桐子が笑っているのではないとわかります。  「推測されたとおり」という推測がどこにあるのか、また探しに行ってしまう。なんのことはなく、それは直前にあったりする。同じことについて書いてあるのに、ここでなぜ段落を分けているのか不明。  「けれども」と「ですから」という二つの接続詞によって、ここは巨大な段落になってしまっている。  ――とりあえず、このくらいまで。  この先は読めん。疲れた。  一回目は我慢して読んだが、些細な修正をして何度も何度もあげてくるのを、毎回毎回読んでいられるか。 ○2号 >「魔王の憂鬱」書き直し版 >>ふたつの火が、暗闇を押しのける。  アホか。  人間の目や意識というものは、二つの対象物を同時に見れないんだよ。  「ふたつの火」と書いた時点でもはやNGだ。ボケ。 >>暗闇にふたつ、火がともる。  こっちのときには、「なにか灯りがひとつ現れ、ふたつめが現れ」――という脳内映像が再生される。  そうして灯りの数が「二つ」であることが認識されてから、それらが「火」であることがわかったりもするわけだ。  文章が脳内映像を呼び起こしてくるから、読んでいて気持ちいい。(書き直して改悪されてるぐらいだから、ただの偶然なんだろうけど)  最初の行はNGだけど、他はまあ、OK。  全体的には描写になっている。いちおう及第点。  これだけ書いてあれば、「描写になってねぇ!」と一喝されることはない。  ただせっかくのコンセプト(灯火が走る)が無駄になっているので、それを生かすように書き直してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  暗闇にふたつ、火がともる。  燭台に支えられた小さな炎は、闇の奥めがけ、その数を増やしていった。  二列に走る灯火の列が、あらゆるものを照らしだしてゆく。  石造りの床と壁。まっすぐに敷き抜かれた赤絨毯。無数の石柱に支えられた天井は、燭台の光も届かぬ遥かな高みにあった。  やがて炎の列は終点に達した。  ゆるやかな段のうえには玉座があり、男がひとり、目を閉じている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  灯火が走るさまを、読者の脳内に描き出してみた。あくまでもダイナミックに。  こうした動きのある描写、俺、得意よ。(動きのないシーンは苦手で書けないともいう) >「酔いどれ天使」直し >> 夜はしんと静まり返り、少しだけ気温が低い。 >> アパートの階段から足音が響いた。上がりきったところで、男――巧が眉をひそめる。視線は一番奥の部屋の窓に向けられていた。 >> 窓からは明かりが漏れている。  今回のものは、だいぶ良くなってる。  ただ「気温が低い」って表現は、もうちょいとどうにかして欲しいところだが……。気象庁の公式発表じゃないんだからさ。硬すぎ。  僕なりに直してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  静まりかえった夜の空気を、階段を上る足音が割ってゆく。  アパートの階段を上がりきったところで、男――巧は足を止めた。  その視線は一番奥の部屋に向けられている。窓から漏れてくる明かりに、巧は眉をひそめた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一行目、日本語を壊しているところが二箇所。「空気が静まりかえる」と「空気を割る」と。  また「気温が低い」ということは、じつは書く必要がない。  これでも「寒い」ということは充分に伝わるはずだ。(伝わるだろ?)  「静まりかえった夜」と書くだけで、それが冬(もしくは春先)であることは確定する。夏の夜と秋の夜なら、虫の声がするので静まりかえるはずがない。  また2号のほうでは、いきなり「眉をひそめる」とあったのだが、そこが嘘くさく思えた。  眉をひそめる前に、まず足を止めるはずだと思ったので、「足を止める」→「眉をひそめる」とプロセスを分けてみた。  文字数はたいして変わらずに、情報量は増えているはず。  どの時点で足を止めたのか。そこから眉をひそめるまで何秒あったのか。すべて読み取れる。 >>「おかえりぃ〜」 >> 巧がドアを開けた途端、女性の陽気な声が迎えた。  直す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おかえりぃ〜」  ドアを開けた巧を、陽気な女性の声が出迎えてきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「途端」って、いらんよな。  どうしても使わなきゃならない必要があるのか?  あと「陽気」が重要なのか、「女性」が重要なのかで、ここは順番が変わる。  「陽気」のほうが重要とみたので、そっちを前に持ってきた。  あと「出迎える」が出せなかったのは、2号の語彙が貧困なせいだな。 >> かかとで靴をぬごうとして、巧は動きを止める。 >> 巧の視線は、まずテーブルの酒瓶に。そこから奈津が持つコップへ。――やわらかに揺れる、琥珀色の液体。  部屋に女性がいたことは、巧にとっては意外ではないのかもしれないが……。  だが読者にとっては意外なことなのだな。  靴を脱ぐ前にすることがあるだろ。  巧の反応を書くなり、巧が反応しないことを書くなり、どっちかを書かないでスルーしてしまうのはよくない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  いつものことで、巧は慌てず、押し黙ったまま靴を脱ぎはじめた。  その動きが、ぴたりと止まる。  テーブルには酒瓶。そして女性――奈津の手にはグラス。琥珀色の液体が、そこで揺れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  動きをはじめて、その動きを止めるのだから、2行必要。段落も2つ必要。  一行にまとめてしまうから、ダイナミックさが飛んでしまう。  あと「コップ」ってのはねーだろ。  いや、ブランデーをコップで飲むのもありかもしれないが。日本酒なら「湯飲み」も可だろうが。  「グラス」とか「タンブラー」とか、なんかそれっぽい用語とか使え。  あと主人公の年齢が大学生だというなら、酒のネタを出す前に確定させておけ。  主人公は、酒の銘柄にこだわるような人物なわけだ。それは普通、何歳くらいと思われるものだ?  普通は、サラリーマンをやっている年齢と思われるのではないか?  大学生ってことは、20歳から酒を飲み始めるとして、飲酒歴2年以内ってことだ。まあ18歳ぐらいから飲み始めたとしても、4年以内。  その飲酒歴で、好みがどうこういうのって、渋すぎるだろ。  大学生でそれだと渋すぎるから、普通は、サラリーマンだと思ってしまうわけ。 >>書く順番=視点保持者が興味を抱く順番ならば……新たに幽霊の人格を作って、描くべきなのでしょうか。  試してみりゃいいじゃん。  2号が普通だと思う客観視点で書いてみるのと、透明幽霊を作って、その「透明幽霊寄り三人称」で書いてみるのと、同じシーンを2回書いてみればわかることでは?  1000字を書くのに、3時間かそこらなんだろ?  2回分、6時間かそこらも惜しむのか?  ちなみにNo.82の「ごくらく巫女ひき計画」を見てみると、やろうとしていることは、だいたい見当がつく。  写している物の順番とか、表現するときの言葉の選択とか――。  映画やドラマや、テレビのバラエティー番組などを見ると、この手の視点の参考になるぞ。バラエティー番組の場合には、生放送ではなくて、収録済みで編集済みのやつね。  それらにも視線移動があるわけだ。  カメラが写してゆくものは、次々と切り替わってゆく。  観ていてすんなり「世界」に入りこめるような視線移動をしている場合には、観客である自分の興味が移る順番と、カメラの切り替えとが完全に一致しているわけだ。  いま2号は、人格を持った透明幽霊を場面内に登場させて、その意識で眺めさせようとしているわけだ。その幽霊の人格設定を「観客」にできないものかな? つまり、小説を読んでいる読者ってことだが。  もしその場に観客がいたとして、その起きる出来事をすべて目の当たりにしていたとして――。  その人が見てゆくはずの順番で描き、思うことを表現してゆくわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 No.7280 投稿日 2003年11月18日(火)23時34分 投稿者 弟切 千隼  弟切が家にいると、時々お寺の鐘の音が聞こえてきます。秋の夕暮れの鐘の音は、ことさら風情があってよいですね(^_^) >文の分割  No.7254で新木さんに指示されたとおり、複数の要素を詰め込んだ文を分割してみました。  以下の分割前の文は、すべて課題部屋のNo.684「メイドさん」の地の文です。 >>柚香は、制服についた社名を示してぺこりと会釈した。(分割前)    ↓ 1)柚香は、制服についた社名を示した。ぺこりと会釈した。(単純に分割)    ↓ 2)柚香はぺこりと会釈した。(一つの要素だけに絞る)  上記の文を単純に分割してみると、「制服についた社名を示した」という部分が長ったらしく感じました。  柚香が会社に属するメイドであることは、この文の前にある台詞↓ >>「そういう方のために、うちの会社があるんですよ。いつも『若葉メイドサービス』を御利用いただいてありがとうございます、野々宮さん」 でわかります。ならば、説明くさい「制服〜」の部分は要りませんよね。 >>桐子は軽く頬を叩いて、笑顔を作り直した。(分割前)   ↓ 1)桐子は軽く頬を叩いた。笑顔を作り直した。(単純に分割)   ↓ 2)桐子は軽く頬を叩いた。笑顔を作り直す。(時制を調整)  上記の文は、「頬を叩く」要素も「笑顔を作り直す」要素も除けないと判断しました。  「頬を叩く」は、桐子が愚痴を言う自分を制する様子を示すのに必要です。「笑顔を作り直す」は、これを書かないと桐子の表情の変化が伝わりません。  結果として、要素ごとに文を分けました。 >>桐子が手に持ったケーキの箱を掲げて見せると、柚香の顔が輝いた。(分割前)   ↓ 1)桐子が手に持ったケーキの箱を掲げて見せた。柚香の顔が輝いた。(単純に分割)  この文は、単純に分割しただけで特に問題はないと判断しました。  これなら、最初から分割すべきでしたね(;_;) >>柚香ははっとした表情になり、手を口に当てた。(分割前)   ↓ 1)柚香ははっとした表情になった。手を口に当てた。(単純に分割)   ↓ 2)柚香ははっとした表情になった。(一つの要素だけに絞る)  この文は、分割してみると「手を口に当てた」が余分だと感じました。なくても意味は通じます。印象も変わりません。  そこで、「手を」以下を削りました。 >>桐子は目を細めて、柚香に柔らかい眼差しを向けた。(分割前)   ↓ 1)桐子は目を細めた。柚香に柔らかい眼差しを向けた。(単純に分割)   ↓ 2)桐子は柚香に柔らかい眼差しを向けた。(一つの要素だけに絞る)  この文も、分割してみると余分だと感じる要素がありました。「目を細めた」がそれです。なくても意味は変わりません。印象も同じです。  そのため、「目を細めた」の部分を削りました。 -------------------------------------------------------------------------------- 山茶花[さざんか]の咲く道 No.7281 投稿日 2003年11月20日(木)00時20分 投稿者 弟切 千隼  弟切の家の近辺で、山茶花が咲き始めました。花の少ないこの季節に、山茶花は貴重な華やぎですね。  山茶花にはかすかに香りがあります。気づいている人は少ないようですね。咲いている花に顔を近づけてみれば、気づけると思います。 >No.7277の悪文解析、やり直し  うーん、またもやダメダメでしたか(泣)  No.7279で、新木さんが指摘されたことを再確認してみます。なぜ弟切の説明が理解できないものになっているのか、その原因を二つ指摘されていますよね。  一つめは、弟切が「自分ル−ル」を使いまくっているためですね。  組織だった文章を書くために、ルールを設定するのはよいでしょう。しかし、そのルールが一般常識とかけ離れていては、読者さまには理解されません。  しかも弟切は、どんなルールなのかの説明すらしていませんね。これでは、読者さまに理解しろというほうが無理です(;_;)  二つめは、 >> 覚えておかないとならないことが大量に出てくる――という欠点ね。 >> 無駄な指示語が多い。不適切な指示語も多い。さらに指示語が示している物事までの距離が遠い。 (No.7279の新木さんの書きこみより) ということですね。  弟切流に言い換えますと、 ●指示語を入れるべきところに入れていない。入れるべきでないところに入れている。 となります。つまり、指示語を入れる位置を間違えています。この解釈でいいですよね?  指示語の位置が間違っているために、読者さまは、指示語がどの言葉を指示しているのかわかりません。それは、混乱しますよね(;o;)  新木さんの御指摘を受けて、弟切がまともな文章を書けるようになるための対策を考えました。  「自分ルール」対策として、以下の二つのことを実行します。 1.ルールを設定するとしたら、一般常識から外れすぎないものにする。 2.基本的に、どんなルールか説明を付ける。  「指示語の位置間違い」対策として、以下の二つを実行します。 3.指示語はなるべく使わない。 4.使う場合は、指示語が示すものまでの距離をなるべく近くする。  上記の対策を実行して、みたび「メイドさん」の悪文解析を書き直します。  ただし、No.7277のように、少しだけ修正したものを長々と書くことはしません。そんなものを読むのは、誰もが苦痛でしょう。  書き直しの目的は、「普通に理解できる解説文を書けるようになること」です。この目的が達成できたと証明できればよいわけです。  そこで、No.7277で扱った「メイドさん」の文のうち、修正前の >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。 だけを解析した結果を解説文にします。目的達成の証明には、充分でしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- ナヤミムヨウ No.7282 投稿日 2003年11月20日(木)16時14分 投稿者 名無し君2号  なにやら顔面を占めるおでこの面積、その割合が大きくなってきたような気がする昨今。  ――つまりハゲてきたってことなんですが。  切実。けっこう切実。まだ二十代後半ですよ、カミさま……。 >No.81「幸福論」(1000文字) ○一文が長い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  街のそこかしこから、クリスマスソングが流れている。  きらびやかなイルミネーションに照らされた、ただただひたすらに幸せそうな人々のあいだをぬって、一郎と可奈子が歩いている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>まず2文か3文に分割しろ。 >>・イルミネーションに照らされていること。 >>・人々が幸せそうであること。 >>・一郎と加奈子とは人の間をぬって歩いていること。 >>あと「幸せそう」は気弱語だな。 >>街を歩く人たちは幸せなのか、幸せでないのか、はっきりせい。 >>そもそもなぜ、幸せであることが観測されるのだ? これがどの視点なのやらよくわからないのだけど。 >>人々の外側に存在する視点から見て、幸せであることがわかったのか? >>それとも人々の心の中にダイレクトに入って幸せであることを直接観測してきたのか?  人々の外側から見て、街を歩く人は『幸せに見える』、ということです。  だから客観視点のつもりだったのですが。  分割、修正、やりなおし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  そこかしこから、クリスマスソングが聞こえてくる。  きらきらとしたイルミネーションでもって、精一杯に着飾った街。最後の仕上げといわんばかりに、あふれる人々が、あふれる幸せでもって彩っていた。  そんな幸せのあいだをぬって、可奈子と一郎が歩いている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「そんな幸せのあいだをぬって、可奈子と一郎がとぼとぼと歩いている」  ――だったら不幸なふたりの描写だな、と思った。 ○その場面の主人公 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一郎と可奈子が歩いている。 「だから人混みは嫌いだと言ったんだ」 「もう。ここまできたら覚悟を決めてよ」  メガネを直しながら、一郎はぶつぶつと言い、それに可奈子が腕を絡めて、引きずるかたちだった。上気した顔の可奈子は、へへへ、と笑った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>女のほうが、男のほうを引っ張っている形なわけね? >>しかし前のほうに「一郎と加奈子」とあるのだが……。 >>そしてここで台詞が出てくる順番も、男が先で女が後なのだが……。 >>これでは男が女を引っ張っているようにしか見えないぞ。 >>女のほうが引っ張っているのだから、女の側に主導権があるわけだ。 >>名前にしても会話の順番にしても、主導権を持っているほうを先に出すのがセオリーというものだ。  やりなおす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  そんな幸せのあいだをぬって、可奈子と一郎が歩いている。 「ほらほら、しっかり歩いてよ」 「人ごみは嫌いなんだって……いってるだろ」  人さし指で眼鏡を直しつつ、一郎がぶつぶつと呟いていた。そんな一郎に腕をからめて、可奈子はぐいぐいと引っぱっている。上気した顔で、へへへと笑った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なるほどスムーズ。 >No.80「錆びたピストル」(2000文字) >>ちなみに、話の内容のほうは全然まったくワケわからない。 >>無駄な台詞が多すぎ。台詞のなかに埋まってしまって、ふたりの様子が伝わってこない。もっと台詞を吟味して厳選しろ。 >>この手のものを書くのなら、「重い台詞」を用いる必要があるはずだ。 >>台詞の数を増やせば増やしただけ、ひとつひとつの台詞の「重さ」は失われてゆくんだよ。  そもそも、2000文字でどうにかしようというのが間違っていたかもわからないです。いまさらな言い訳ですが。  セリフはいちばん印象に残るもので、流し読みしているときなんか、地の文を読まずに会話文だけ読んでいたりします……ほかの人もそうなのだろう、きっと。  だからこそ吟味しなくてはならないのでしょう。そのためには設定やらなにやら、もっと考えておくべきでしたが。 ○校舎 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  古びた木造の校舎。そこらかしらから、虫や蛙の鳴き声が聞こえてくる。  校舎の一階の窓から、明かりとともにざわめきが漏れていた。ときおり、大きな笑 い声が混じる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>No.81のほうでは「そこかしこ」とあるのに、どうしてこっちでは「そこらかしら」なんて変なことになっているのだ?  う。  誤字の一。「かしら」はないや。「そこらかしこ」ならまだしも。 >>2行目は例によって長すぎ。 >>どうしていくつものことを一行のなかに押しこめようとするかなー。 >>・校舎の一階の窓に明かりがついていること。 >>・ざわめきが洩れていること。 >>この二つに分割できるはず。  なにか気のきいたことをやろうとして、失敗しているようです。  ひとつの段落にはひとつの場面しか書けない、という基本を忘れていたのはこの私。 >>ちなみに、「洩れる」と「漏れる」は、別の言葉だ。ばかたれ。  誤字の二。  ――でも違いがわからない。  あとで調べることにする。 >>あと、もうちょっと描写の努力をしろ。 >>描写する努力はしたのか? ただ説明文ばかりがだらだら続いてたって、退屈なだけなのだが……。 >>「ときおり大きな笑い声が混じる」ということを、説明でなくてちゃんと描写してあれば、こんななんでもないシーンでも、ちゃんと読めるものになるのだが。 >>ひとつの部屋だけが明るくて、他の部屋の窓は暗いわけだろ。そこから聞こえてくる音には、小さかったり突然大きくなったりと、リズムがあるわけだろ。 >>その光景をきちんと脳裏に展開する努力はしたのか? >>その場に自分がいるかごとくイメージして、視覚や聴覚だけでなく、肌の触覚やら、温度やら、空気の匂いやらなにやら、五感のすべてで「その場面」を感じ取ってみたのか? >>描写がどうのというまえに、イメージ化が全然足りていない気がするんだよな。  夏の夜。ほんのりと冷たい空気。土や草の匂い。虫の音、蛙の鳴き声。校舎から楽しげな声。空には月。満点の星空。田舎。木造の校舎。廃校。同窓会。  ――やりなおし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  ぼろぼろの校舎が、夜のなかひっそりと佇んでいた。まわりの草木もぼうぼうと、虫や蛙に、ときたま鳥が、気ままな様子で合唱している。  その合唱に、人のざわめきが混じった。  絡みあったり、押しのけたり、ときにはかき消したり。声の出所を見れば、校舎一階のひと教室だけ、ぼんやりと灯火が輝いていた。人影が揺れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○男と女 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――校舎の入り口から、ひと組の男女が出てきた。 「すこし酔った……」  顔が少し赤い男が、ひんやりとした夜の空気に、心地良さそうな表情を浮かべた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>出てきた男女のイメージが浮かばん。 >>並んでいるのか、男が先なのか、女が先なのか。 >>お互いの目はなにを見ているのか。見つめ合っているのか。二人とも前を見ているのか。男は前を見ているが、女のほうは男の背中を見ていたりするのか。 >>そういうこと、ぜんぜん、考えてないだろ? >>だからこうして薄っぺらなものとなって、読めたものにはならないんだよ。 >>あと視点がめちゃくちゃだ。 >>男を外側から書きつつ、「ひんやりとした」という男の主観を通した感覚を書いていたりする。外から書くのか中からなのか、統一しろ。  やりなおし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (やりなおし版)  ――ざわめきと光を背にして、夜のなかから男が染み出してきた。 「酔った……」  夜の空気は涼しい。赤ら顔の男は、心地よさそうな表情を浮かべた。 「――で、なんだ琴子。まさか愛の告白ってわけじゃないだろ」  もうひとり、こんどは女が現れた。こちらの顔は、冷たさを感じさせるほどに、白い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――あんまりうまくないな。 >「魔王の憂鬱」書き直し版 ○人の認識できる数 >>>>ふたつの火が、暗闇を押しのける。 >>アホか。 >>人間の目や意識というものは、二つの対象物を同時に見れないんだよ。 >>「ふたつの火」と書いた時点でもはやNGだ。ボケ。  あー、そうか。これだと説明文になってしまうんだな。説明文ならば、時の流れがないから、そういう……たとえば、 「魔導師の手から五つの火球があらわれ、剣士がそれを認識したときには、すでに彼は業火に包まれていた」  こういうのも書けたりする。 「魔導師の手から、無数の火球があらわれた。その数、五。剣士がそれを見た瞬間、すでに彼の生涯は終わりを告げていた。絶叫をあげる間もなく、剣士、死亡」  ならまだわかるかも。  以降、新木さんの書き直し版の分析は、次回。 >「酔いどれ天使」直し  についても、次回。 >1000字課題  No.83「畏れるばかりで」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=699&e=res&lp=550&st=0  客観視点です。  なんか最近、また書けなくなってきたかも。しかたがないので小説を読んだりとかする日々。レスには5時間ほど。明日また病院。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒雨 No.7283 投稿日 2003年11月21日(金)00時02分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南では、一日じゅう雨が降っていました。冷たい雨です。  うっかり雨に濡れて、そのままにしていたら体調が大変なことになりました。雨を甘く見てはいけませんね(;_;) 2号さんへ >  課題部屋のNo.83「畏れるばかりで」を読みました。  この作品、題名がなにか間違っています。「おそれる」のはよいとして、ここで使うべき漢字は「畏れる」ではないでしょう。  なぜ「畏れる」ではいけないのかは、2号さん御自身が調べて、考えて下さい。ちょっと調べればすぐにわかると思います。  今回はレスのみにて失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7284 投稿日 2003年11月21日(金)03時21分 投稿者 新木 伸 ○弟切 >短文にする癖  長ったらしい文を、いくつかの短い文に分割してみると、いらない文というのが、けっこう出てくるものだろ。  必要なことと不要なこととの区別が、体に叩き込まれるまでは、長い文を書いてしまう癖は付けないほうがいいな。不要なものが紛れ込んでいても見分けづらくなるから。  そうやって必要なものだけを書くようにしていると、どうしても分割できない文というものが出てくるようになる。  分割しても意味が変わらないようなものは分割してしまえばいい。  しかし分割すると意味が変わってしまうような文章は、これは分割できない。 >指示語について  そもそも指示語の量が多いのだ。――そっちのほうが大きな問題。  可能な限り指示語を減らすようにすること。  指示語を減らすためには、文章の構造から手を入れないとならない。  いままで通りに書いて指示語を減らしてゆくのではなく、頭から順に見てゆけば理解できるように、構造自体に手を付けるわけだ。  「この」とか「あの」とか、指示語を使って前に戻ったりすることを、可能な限り減らすこと。また読者の頭の中の一時領域に置いて覚えておかなければならない物事を減らすこと。  完全にゼロにはできないが、覚えておかなければならない物事はかなり少なくできるはずだ。  余談だが。  アセンブラによるプログラム経験のある人間なら、「使用レジスタが少なくなるようなコーディングを心がけよ」で通じるだろうなぁ。この話。  汎用レジスタが1本しかない貧弱なCPUで機械語を組むのと、汎用レジスタが8本もあるような強力なCPUで組むのとでは、同じ処理を行うルーチンでも、構造がぜんぜん違ってくる。  弟切はどういうわけだか、読者の頭脳のCPUパワーを高く見積もり過ぎているわけだ。  僕も含めて、普通の読者の頭脳パワーってのは、もっと貧弱なの。一度にひとつを覚えておくのでやっとなわけだ。  弟切の説明文を理解するためには、いちどに4つか5つの物事を頭のどこかに保存して、覚えておかなければならない。  「この」「その」「あの」「さっきの」――と、指示語のオンパレードになる。 ○2号 >>人々の外側から見て、街を歩く人は『幸せに見える』、ということです。  だから、「幸せに見える」ということはどういうことなのかと訊いているのだが?  「幸せそう」っていうものの正体はなんなのだ?  「幸せそう」と判断した理由も書かずに、いきなり「結論」だけ書いているそれの、どのへんが客観表現なのだ? 誰かの主観バリバリだろうが。  客観というのは事実を書くということだ。  ねじ曲げず、短絡させず、エウレカもせず、早まった結論に飛びつかないということだ。  人間のどのへんを見ると、その人が「幸せ」であることがわかるのだ?  幸せな感じというのは、どこに、どのようにして表れているわけ?  「幸せそうに見える人」と「普通に見える人」と「不幸せそうに見える人」と、それぞれの違いは、どこにあるのだ?  そこにはなにか、外側から観察可能な現象があるわけだよな。  それはおそらく、視覚によって捉えられる「なにか」なわけだ。  「それ」はなんなのだと、そう訊いているのだが。  「それ」がわかったら、それを書けばいい。「幸せそうに見える」かどうかの判断は読者に委ねればいい。「幸せそう」の正体を >>あふれる人々が、あふれる幸せでもって彩っていた。  これもぜんぜん客観表現じゃないよな。  「あふれる幸せ」ってなんなんだ? なにがどのように「溢れて」いるわけだ? >>そんな幸せのあいだをぬって、可奈子と一郎がとぼとぼと歩いている。  「とぼとぼ歩く」っていうのも、いったい、どういうことだと思う?  ちと、過去ログを「うさんくさい」で検索してみそ。  6728以降で、いくつかヒットするはずだ。  夏祭りの夜店の屋台のおっさんが「うさんくさい」ということは、「うさんくさい」と書かずに、たとえば以下のように記述する。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ヒゲ面のおっさんは、頭にタオルを巻き付けていた。汗を吸ったそのタオルはピンク色のはずなのだが、どうしてもピンク色には見えなかった。ちゃりんと、おっさんが投げた小銭が缶の中に落ちる。蚊取り線香の缶は重たそうで、中には十円玉と百円玉と、あとタバコの吸い殻まで混ざっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここまでたっぷり書く必要はないが。1〜2行ほどは書くべきだろう。クリスマスの街の雰囲気は、それなりに大事なんだから。  いま2号がやっているのは、ひどい「手抜き」なわけだ。  こうした手間をかけずに、「うさんくさいおっさん」と、言葉ひとつで済ませちゃっているわけだよ。  「幸せそうな人」を子細に観察して、思わず「おお幸せそうだ」と思ってしまうようなものを出してこれたら、金がもらえるわけ。  手抜きには、誰も、一文も払ってはくれないの。 >引っ張っている女と、引っ張られている男  台詞と描写の順番を入れ替えて、正しい配置にするだけで、「女が引っ張ってる感」がぐっと増すもんだろ。 >引用過多  最近、引用が長すぎ。  引用するかわりに、その部分を要約すること。  俺に何を言われたのか。それを自分の言葉で、短く言い表してみるわけだ。  いい訓練になるぞ。 >説明文とか >>「魔導師の手から五つの火球があらわれ、剣士がそれを認識したときには、すでに彼は業火に包まれていた」 >> こういうのも書けたりする。  こういうのも書けたりする――でなくて、お前はそういうのしか書けてないんだってば。 >>「魔導師の手から、無数の火球があらわれた。その数、五。剣士がそれを見た瞬間、すでに彼の生涯は終わりを告げていた。絶叫をあげる間もなく、剣士、死亡」  こんなのも同じだ。  根本的なところは、まったく変わってない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  魔道士の手のひらに火球が生まれる。  放たれてきた火球を、剣士は聖剣で両断したものの、爆風の奥から打ちこまれてきた第二、第三の火球にはなにをすることもできなかった。鎧の胸元に直撃を受けて、その全身が爆炎に押し包まれる。  すさまじい熱量が鎧を赤熱させた。  溶解した金属が水たまりのように、床で広がりきっている。剣士の体はもうどこにもなかった。ただ焦げたマントの切れ端だけが残されていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  火球が生まれるさまを描けよ。具体的に。  火球を食らうさまを描けよ。具体的に。  剣士の生涯が終わりを告げるさまを描けよ。具体的に。  絶叫を上げる間もないさまを描けよ。具体的に。  ちなみにこの話題。  具体的に書けるのか、概念的にしか書けないのか。――というのは、小説家になれるかどうかの、ひとつの境目となることだから。  具体的なイメージを脳裏に展開して、それを言葉によって写し取ることができるかどうか。描いて写すと書いて、「描写」というのだ。  まず具体的に頭の中にイメージを浮かべるのが、ひとつ目のステップ。  つぎはそれを言葉という道具を使って、描いて写す。それが描写。  すこし――。  腰を据えて考えてみること。  言葉を使うのか、言葉に使われるのか。 >699 No.83「畏れるばかりで」  わからん。  まず何人出てきていて、なにが起きて、どうなっているのかさえ、さっぱりわからん。  小説の文章でなくて、平文でいいから、わかるように説明してくれ。  これはなにが起きている話なのだ?  そしてどういう話なのだ?  そもそも登場人物は何人いるわけ?  誰と誰と誰とが、なにをして、どうなる話なわけ?  誰はどんなことを考えていて、なぜ、そんなことをしていて――。  別の誰は、どう考えて、どう感じて、そしてどう納得したわけ? -------------------------------------------------------------------------------- 銀杏黄葉[いちょうもみじ] No.7285 投稿日 2003年11月22日(土)02時29分 投稿者 弟切 千隼  今、関東から東海の平地では、イチョウの黄葉の盛りでしょう。青空にそびえるイチョウは、天に刺さる黄色の円錐ですね。 >悪文解析、再度やり直し  課題部屋のNo.679「メイド」の中から、一文をとりあげて解析します。もちろん、悪文の例として解析を行ないます。  説明をわかりやすくするために、解析が済んだ部分はこのように 灰色で 表わします。解析中の部分はこのように 太い字で 表わします。  解析するのは、以下の文です。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  上記の文を、下のように文節ごとに区切って解析します。全部で八個の文節がありますね。 (「ポロシャツとショートパンツを」は二個の文節にできますが、ここを分ける意味はあまりないでしょう。まとめて一個とします) >>笑顔で/桐子に/答えたのは、/明るい/緑色の/ポロシャツとショートパンツを/まとった/女性だった。  以下から解析に入ります。 >>笑顔で桐子に答えたのは、  「笑顔」は、普通は人間の表情を表わしますね。「笑顔で」とあれば、読み手は誰か人間のことを書いている文だと見当をつけるはずです。 >>笑顔で桐子に答えたのは、  「笑顔で」の後ろに「桐子」という人名がきます。予想を裏切らず、人間のことが書いてあるようですね。  しかし、「桐子に」とあるので、桐子が主語ではありません。笑っているのは桐子ではないことになります。当然、読み手は「誰が笑っているのだろう?」という疑問を持って、読み進みます。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色の  「答えた」は述語ですね。「笑顔で」の主語がないまま、述語が来てしまいました。  しかも、「答えた」に対する主語もありません。桐子に対して誰がしゃべっているのか、読み手にはわかりませんね。かろうじて、笑っているのと答えているのが同じ人間らしいとわかるだけです。  「誰が笑っているのか?」に加えて「誰が答えているのか?」という疑問を抱えて、読み手は読み進まなければなりません。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツを  「明るい」と「緑色の」の二つの文節は、一緒に説明したほうがわかりやすいと思いましたので、まとめます。  これら二つの文節だけで、ダメさ指数をぐぐっと上げています(;_;) 上げている原因は二つあります。  一つめは、修飾語が二つ重なっていることです。「明るい」も「緑色の」も修飾語ですよね。これはできれば避けたいことです。修飾語を重ねるたびに、読みにくさが倍増しますから。  修飾語が増えれば、文が長くなったりややこしくなったりするのは自明ですね(^^;    二つめは、先の疑問に答えていないことです。「誰が笑っているのか?」と「誰が答えているのか?」ですね。読み手は一刻も早く答えが知りたいはずです。  なのに、二つの修飾語を重ねることで、答えを先延ばしにしています(^^;;   読み手は、疑問が解決されないまま、さらに先へと読まされるはめになります。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  引っ張られたあげく、まだ疑問の答えがありません。なぜか登場するのは「ポロシャツとショートパンツ」です。  普通、シャツやパンツはしゃべりません。笑ったのも答えたのも、シャツやパンツではないでしょう。これらはいったい何のために登場したのでしょうね?  読み手は、二つの疑問を脳内に置きつつ、突然登場したシャツとパンツのことも考えなければなりません。しかも、シャツやパンツの色がどうだとかいう記述もあります。桐子とかいう人名も登場しています。個々の関連性はまったく見えません。そろそろ記憶容量の限界ですよね。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  「まとった」も何かを修飾している言葉です。疑問の答えはありません。  もう、この辺で記憶入れ場はパンクしますね。何をどれだけ、どういう関係で記憶しておけばいいのかわかりませんから。読み手はもちろん文の意味を見失います。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  やっと疑問の答えが現われました! が、もはや読み手の記憶入れ場はパンクしています。「女性」が何のことなのか、わかる人は少ないでしょう。  大概の読み手は、前に戻って読み返します。それでようやく理解します。  笑っていたのも桐子に答えていたのも「女性」です。「女性」が「明るい」・「緑色の」・「ポロシャツとショートパンツを」着ていた、というわけです。  以下に、解析結果をまとめます。 >>笑顔で桐子に答えたのは、明るい緑色のポロシャツとショートパンツをまとった女性だった。  この文は、読み手が知りたい結論までが遠いです。それが、致命的にこの文を理解しにくくしています。  その原因は、一文に多くの要素を詰め込みすぎたためです。  「女性が笑っていること」・「女性が桐子に答えたこと」・「女性がポロシャツとショートパンツを着ていること」・「ポロシャツとショートパンツが明るい緑色であること」、みな別々の文にして書くことができます。分けられるものは分けて書くべきでした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7286 投稿日 2003年11月22日(土)04時43分 投稿者 新木 伸 >弟切  だいぶわかりやすくはなってきたけど……。  それと同じことを、3分の2ぐらいの文章量で書いたなら、もっとわかりやすくなるはず。  文を分割すればいいというものでもない。  読者の脳みそに詰め込む情報は、できるだけ厳選して、できるだけコンパクトにしなければならない。  あれもこれも書いてしまうと、くどくなってしまって、結局のところ何が言いたいのかわからなくなってしまう。大事なことが、どうでもいいことのなかに埋もれてしまうのだ。  そういう意味では、弟切の小説と、弟切の説明文とは、同じ傾向の欠点を持っていることになる。  たとえば小説のほうのこれだけど。 「女性が笑っていること」 「女性が桐子に答えたこと」 「女性がポロシャツとショートパンツを着ていること」 「ポロシャツとショートパンツが明るい緑色であること」  この4つ。  分割しておけば、4つともすべて書いていいなんてことはない。  どう見ても「服の色について」のことは蛇足だ。必要ない。  また「笑っていること」のほうも、やりかた次第では削れてしまえるはずだ。笑顔の浮かぶような台詞にしておけば、わざわざ地の文で補強してやる必要はない。  そういうふうに、説明文のほうにも蛇足なところがけっこうあるわけね。  ところで、文字色の指定だけど。  うち(IE6)では灰色に見えないのだが。  明るめの緑色に見えてしまっている。  フォントカラーの指定は、「grey」ではなくて、「gray」ではないかと思われる。  「gre」の3文字で「green」と御認識さているんじゃないかなぁ。 >描写とは  どうも最近の2号は、描写というものを変な方向に勘違いしているのではないかと気になってくる。  クリスマスの街角にしても、夜の校舎にしても、「描写してこい」というのを、「増やしてこい」と聞き違えているようだし。  具体的に書いていった結果、増えてしまうことはある。  だが増やせば具体的になるというものでもない。  「描写する」ということを、「いっぱい書く」と思い違いしているのだとすると大変だなぁ。  「メイドさん」とか「美人」とかのお題を、なぜ、いまやらせているのだと思う。  この手のものは、ひとことで表現してしまうのはひどく容易で、きちんと描写するのはひどく大変なものなのだ。  まあ、きちんと描写したとしても、ひとことかふたことで済むものだが。  「美人」とひとことで容易に済ませてしまうのと、美人を端的に表せる独自の切り口を発見して、それをひとつだけ書くのとでは、おなじひとことでも手間の掛かり具合が違うわけだ。  僕ら小説家が、なぜ、誰にでも書ける文章なんかで、お金を貰えているのだと思う?  誰でもは書けない――そういうものを書いているから、お金が貰えているわけだろ。  「幸せに見える」なんて、誰でも書けるようなことを、平気で書いてるんじゃないよ。アマチュア臭ぇ。そろそろ飛躍しろ。  そっち側と、こっち側のあいだにある「線」を跨いで、こっち側に来いっての。  お前はなんのために毎日小説を書いているのだ? >魔導師  どうでもいいけど。  「魔導師」っていったら、魔法の師匠のことだぞ。  「魔」への「導師」と書いて、魔導師。  つまり魔導師ってのは、剣士と闘ったりするものじゃない。魔法の研究をしていて、弟子を取るものなのだ。  戦うなら、魔道士のほうだろ。  「魔道」の「士」と書いて、魔道士。 -------------------------------------------------------------------------------- 参加させていただけませんでしょうか。 No.7287 投稿日 2003年11月23日(日)04時00分 投稿者 青葉桂都  こんにちは、青葉桂都(あおば・けいと)と申します。  いちおう、書き込むのははじめてではないのですが、すでに忘れ去られているでしょうね。  今年の4月半ば頃からの、新木さんがしばらく書き込まれていなかった時期に、二回か三回ほど書き込んでいます。  自己紹介は、もう一度したほうがいいでしょうか?  自分ではやる気はあるつもりだったのですが……情けないことに言われていることがぜんぜんまったく理解できず、それで逃げ出しておりました。  しかし、そこで独力でどうにかなるようなら、最初からここに書き込んだりはしないわけでして。  半年ほどかかってようやく、そのことを理解しました。それで、もう一度参加させていただけないだろうかと考えて書き込みに来ました。  参加させていただけるなら、描写課題の『美人』を書いて課題部屋のほうに書き込んでみようかと思います。  まあ、問題はおそらく描写以前のところにあるでしょうが、なにか書いてみないことにははじまらないでしょうし。  それでは、今回はこれにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 過ぎたるは及ばざるが如し No.7288 投稿日 2003年11月23日(日)19時28分 投稿者 弟切 千隼  「体調が悪い。体に力が入らない」と友人にぼやいたら、「焼肉を食べに行こう。ちょうど三連休だし」と誘われました。  焼肉は美味しかったです。が、食べ過ぎて胃の調子が悪くなりました。おばかです(;_;) >文字の色  あらら、ブラウザによって文字の色が違って見えるようですね。気づかずに失礼しました。  弟切のところでは、フォントカラーをgreyにしてもgrayにしても、全く同じ灰色に見えます。弟切のブラウザはMozilla Firebirdです。  みなが同じ灰色に見えるように、これから文字を灰色にする時は、フォントカラーをgrayに指定します。  ちょっと実験してみましょう。 こちらがgreyです。 こちらがgrayです。  gray指定のほうなら、皆さんちゃんと灰色に見えますよね? >No.7285の悪文解析  少しはましになったみたいですね。  要するに、弟切の文章は情報過多なのですね。読者さまに提供する情報を、もっと厳選しなければいけません。  練習のために、もう一つ、悪文を解析してみます。課題部屋のNo.679「メイド」の中にある文を対象とします。以下がそれです。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  今回は大ざっぱな解析だけ行ないます。  ぱっと見て、上記の文には大きな欠点があるのに気づきます。重文になっていることです。  「重文」を『大辞林』で引くと、以下のとおり書いてあります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− じゅう-ぶん ヂユウ- [0] 【重文】 (1)独立した二つ以上の文が,対等の資格で結合した文。「春が去り,夏が来る」などの類。ちょうぶん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  独立した二つの文が、どれとどれかといいますと、 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、          + >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。 となります。  「エプロン」について書いてある文と、「名札」について書いてある文は、つなげる必要はありませんよね。なのにわざわざつなげて、文を長ったらしくしています。  もう、これだけで、読む気をなくす読者さまがいるでしょう(;_;)  これ以上の解析は次回に回します。 -------------------------------------------------------------------------------- つれづれ No.7289 投稿日 2003年11月24日(月)03時46分 投稿者 名無し君2号  ――新しい人が増えないなあ。  過去ログを読んでたら、そんなことを思ってしまった。  べつに淋しいわけじゃないけど、なんか寂しい。 >「魔王の憂鬱」書き直し版 ○文章の分析 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版)  ふたつの火が、暗闇を押しのける。  炎は闇の奥めがけ、その数を増やしていった。  二列の揺れる灯火に、赤絨毯が浮かび上がる。石造りの床や壁、装飾された石柱をも、照らしだされた。  炎の終点には玉座――そこには年若い男が、表情もなく目を閉じていた。長い黒髪が照らされて、白い顔に影が揺らぐ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版)  暗闇にふたつ、火がともる。  燭台に支えられた小さな炎は、闇の奥めがけ、その数を増やしていった。  二列に走る灯火の列が、あらゆるものを照らしだしてゆく。  石造りの床と壁。まっすぐに敷き抜かれた赤絨毯。無数の石柱に支えられた天井は、燭台の光も届かぬ遥かな高みにあった。  やがて炎の列は終点に達した。  ゆるやかな段のうえには玉座があり、男がひとり、目を閉じている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一行目は新木さんが言及されているとおり、「人はふたつの出来事を同時に認識できない」ので、『ふたつの火は』じゃダメダメと。  つぎは、炎がどんどん灯りはじめる場面。  『燭台に支えられた小さな』の一文が加わっている。これがないと蝋燭の炎かどうか不明だからだろう。  いま思ったけれど、ここ、蝋燭じゃなくて、魔法かなんか、空中に火の玉が浮いているのでもいいかも。その場合だと逆に、蝋燭の火なんだと誤解されないようにしなくちゃいけないけど。  ううん? 蝋燭のほうが絵的にはいいのかな。  さらにいま思ったけど、蝋燭ってそんなに明るいものなのだろうか。電気を消して蝋燭を灯せばすぐにわかる話なのだが。  蝋燭の大きさにもよるか。それと数か。数が集まればそれだけ明るくなるわなぁ。  おつぎ。燭台の火に広間が照らされる。  まずは炎の動きを描く。 >>二列に走る灯火の列が、あらゆるものを照らしだしてゆく。  ついで、炎がなにを照らしだしたのかを説明する。 >>石造りの床と壁。まっすぐに敷き抜かれた赤絨毯。無数の石柱に支えられた天井は、燭台の光も届かぬ遥かな高みにあった。  床と壁、絨毯、そして石柱と天井。2号版だと石柱までで止まっていて、天井は書かれていない。  ――書いたほうがいいですな。  ここは魔王のお城。荘厳さを出すにこしたことはない。はるかに高い天井ということは、それだけ大きい広間であって、つまりは立派だということだ。 >>やがて炎の列は終点に達した。  ここにも一行を費やす。たぶん前の文、『二列に〜照らしだしてゆく。』に対応しているのではないかと推測。 >>ゆるやかな段のうえには玉座があり、男がひとり、目を閉じている。  玉座が段の上にある。  王の間感を増やすため……かな。 >「酔いどれ天使」直し ○文章の分析 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版)  夜はしんと静まり返り、少しだけ気温が低い。  アパートの階段から足音が響いた。上がりきったところで、男――巧が眉をひそめる。視線は一番奥の部屋の窓に向けられていた。  窓からは明かりが漏れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版)  静まりかえった夜の空気を、階段を上る足音が割ってゆく。  アパートの階段を上がりきったところで、男――巧は足を止めた。  その視線は一番奥の部屋に向けられている。窓から漏れてくる明かりに、巧は眉をひそめた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  一行目。  新木さんの言っているとおり、わざと日本語を壊している。  ――空気が静まりかえって、割れている。  壊しているならともかく、壊れていちゃ話にならないわけで。  つぎ。  2号版だと階段をあがったところで眉をひそめる。  新木さん版だと、階段をあがって、まず足を止め、自分の部屋から明かりが漏れているのを見て、それから眉をひそめる。  ええと、私の場合は、巧に眉をひそめさせてから、その理由を解説している。  新木さん版は、巧に足を止めさせて、見させて、眉をひそませてる。  大きな違いは、時間経過。  行動→その説明だと、時間は一瞬。  行動→行動→行動だと、それだけ時間はすぎていく。  どっちがより臨場感があるのか、ということ。  これは描こうとする場面によっても違う……と思うなあ。どうだろうか。  前の項目、「魔王の憂鬱」での広間の蝋燭に火がついてゆく場面だと、蝋燭に火がつくスピードの速さを描くために、行動→その説明にしているのだと思うが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版) 「おかえりぃ〜」  ドアを開けた巧を、陽気な女性の声が出迎えてきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>あと「陽気」が重要なのか、「女性」が重要なのかで、ここは順番が変わる。 >>「陽気」のほうが重要とみたので、そっちを前に持ってきた。  ――とのこと。  ここは私も、ちょっとばかり考えてから書いた。  以前……No.10「牛乳」――保健室で寝ているイクオが、ハルコに見舞いされる話――のときのこと。  『冷たい少女の声』と『少女の声が冷たい』では、読者のうける印象がまったく違う。そんなことを学んだ。それはなぜか覚えていた。ほかのはぽろぽろ忘れているのだが。  つまり、『冷たい少女の声が……』だと少女自体が冷たく感じるし、『少女の声が冷たく……』だと少女の声が冷たく感じる。  今回の場合。  『陽気な女性の声』(新木さん)と『女性の陽気な声』(2号)である。  私の場合、あくまで声が陽気なんだ、と思って『女性の陽気な声』と書いた。  新木さんは、「陽気」が重要だから『陽気な女性の声』と書いた。  重要な気がするのでさらに考える。  ここは、主人公の巧が嫌だなあと思っている、その理由はなにか、ということを描いている場面。  自分のアパートについて、窓に明かりがついているのを見て、眉をひそめる。扉を開けると女性の声。  さて女性が陽気だと、なにか問題があるか、どうか?  ――ないみたい。  べつにそれでマイナスになるポイントはない。No.10「牛乳」のときは、『冷たい少女』と思われてはいけなかった。  今回は、『陽気な女性』と思われてもかまわない。  だって陽気な女性だから。いい感じに酔っぱらって、いい感じに陽気になっている。問題なし。  じゃあ、どうして『陽気』が重要なのか?  ドアを開けたら、いきなり『女性』の、『陽気』な声。  ドアを開けたら、いきなり『陽気』な、『女性』の声。  わかりやすくしてみる。  ドアを開けたら、いきなり『女性』の声。  ドアを開けたら、いきなり『陽気』な声。  すこし肌寒い夜……男がひとりで歩いて、帰ってきて。  扉を開けたら陽気な声が迎える。  つまり、冷たさと暖かさの対比。  もうひとつは、このあとの文章が、女性であることよりも、陽気であることを重要としている場面だから。  陽気=酔っぱらい。とすると。  酔っぱらいが、わけのわからない理屈をつけて、主人公と絡むのが、このあとの場面。女性であることよりも、酔っぱらいである属性のほうが強い……からじゃないか?  ここまで書いておいてなんだけれども。  ――この回答であっているのか、よくわからない。ちと自信もなし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版)  かかとで靴をぬごうとして、巧は動きを止める。  巧の視線は、まずテーブルの酒瓶に。そこから奈津が持つコップへ。――やわらかに揺れる、琥珀色の液体。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版)  いつものことで、巧は慌てず、押し黙ったまま靴を脱ぎはじめた。  その動きが、ぴたりと止まる。  テーブルには酒瓶。そして女性――奈津の手にはグラス。琥珀色の液体が、そこで揺れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まずは『いつものことで』がひとつのポイント。つぎのポイントは『押し黙ったまま』。  女性がなかにいても、当然のことで驚くことではないというあかし。  靴を脱ぎかけて……その動きが止まる。 >>動きをはじめて、その動きを止めるのだから、2行必要。段落も2つ必要。 >>一行にまとめてしまうから、ダイナミックさが飛んでしまう。  ということ。  つまりは差をもっとつけろということだと解釈。  動から静で差はできる。それを一行にまとめてしまうと、できる差がすくなくなる――それだけ、読者に印象を与えられない。  使いようだろうと思う。  ここではあまり印象に残したくない場合、あえて一行にまとめるとか。  ここでは『主人公が疑問を感じた』ことをあらわしたいので、差はなるべくつけなくちゃいけない。かといって大きすぎてもいけない。このあとで空の酒びんを抱えて嘆く場面があるから。だから適度に、でも読者が注目できる強さにする。  あとは『コップ』が『グラス』に変わっている。  大学生ならコップしか持ってないかな……というのはちと間のぬけた考えか。酒好きなら器にもこだわるかな。ウィスキーが好きならショットグラスぐらい持ってるか。最近はおまけでついてくるしなぁ。  ワイン好きならワイングラス。日本酒好きなら……熱燗じゃなきゃだめならとっくりとか。  ……ん。ちがうな。  水を飲むときは『コップ』で、洋酒を飲むときには『グラス』になる……ということじゃないのかしら。ちがうのかしら。  なんかコップだと安いイメージがあり、グラスはしっかりしているイメージがあり……そういう意味だと思うけど。 >>あと主人公の年齢が大学生だというなら、酒のネタを出す前に確定させておけ。 >>主人公は、酒の銘柄にこだわるような人物なわけだ。それは普通、何歳くらいと思われるものだ? >>普通は、サラリーマンをやっている年齢と思われるのではないか?  主人公は中学生のころから飲んでいるという設定ですけど、それを説明している余裕はないし、必要もないし。  つまるところは大学生だと確定させればいいだけの話。  服装がいちばん楽か。ジーンズをはいているとか。パーカーを着ているとか。そういや服っていろんなことを確定できるんだな、と認識。季節に性格に職業に貧富の差に。 >No.81「幸福論」 ○幸せとは >>>>人々の外側から見て、街を歩く人は『幸せに見える』、ということです。 >>だから、「幸せに見える」ということはどういうことなのかと訊いているのだが? >>「幸せそう」っていうものの正体はなんなのだ?  それは――カップルが寄りそっている姿であったり、リボンのついた箱を手にはしゃぐ子供であったり、クリスマスケーキを手に家路を急ぐお父さんであったり、ちらちらと携帯電話を見ながら、足元に何本もタバコの吸いがらを落としている青年であったり、少々ヤケになって騒いでいる、男だけのグループ、女だけのグループだったり。  寄りそうカップルも……。  熱狂的に絡みあう。手だけつないでる。ちらちらと相手の手を意識すれど、行動に移せない。男がすたすた歩いていて、女はあとからついていく。その逆。互いにいたわりあう老夫婦。家族三人で真ん中には子供。  そういうことが『幸せそう』。  表情にも、行動にも、服装にもあらわれる。笑顔をうかべて、やや過剰に行動して、きれいな服を着ていれば、幸せに見える。その人物の内情はどうであれ。  普通の人は普通の顔、普通の行動、普通の服。  それはつまり、なにも変化がないということ。  不幸ならば、泣き顔、怒り顔、苦悶の顔をうかべて、肩を落とし、のろのろとして、ときおりうずくまり、ぼろぼろの服を着ている。これはどう見ても不幸。  陽の要素をくっつければ幸せに見えて、陰の要素をくっつければ不幸に見える。特別の理由がないかぎり、外見は心をあらわす。  『とぼとぼ歩く』を具体的に書く。  肩を落とし、背を丸めて、のろのろと歩いている。伏せた目に光はなく、眉は力なく落ちて、口はすこし開き気味。ときおりため息をつき、鼻をすする。遠くを見たその瞳は、うるんでいた。 >No.83「畏れるばかりで」  えー、弟切さんからはタイトルを間違っていると指摘され、新木さんからはなんのことだか毛筋の先ほどもわからん、説明しろと言われ。  ちょっとだけ落ちこんだので次回にします。悪いのはぜんぶ自分なものだから、なおさらタチ悪し。  それとまったくの余談ではありますが。  過去ログを検索するように言われて読んで、そこはちょうど私が参加したあたりで。  ――このあたりの自分の書きこみを読むのは、狂おしいほどに苦痛でした。ギ、ギ、ギー。  あああ、すごく恥ずかしい。モニターの前でひとり身悶えする。手をわきわきと動かす。背中をなにかが走り抜けた。ギー。 >1000文字課題  さぼっていたあいだの分として、三編。といっても、つながっている話なんですが。  No.84「かたむく天秤、おとこのこ編」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=700&e=res&lp=550&st=0  ひとつの場所、これは教室にカメラを固定して書いてみました。客観視点です。  No.85「かたむく天秤、おんなのこ編」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=701&e=res&lp=550&st=0  客観視点。こちらは場面が変わる。  No.86「かたむく天秤、ふたり編」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=702&e=res&lp=550&st=0  客観視点。すこし息抜き。 >青葉さん  冒頭であんなこと書いていたら、はじめまして2号です。  私は美人描写、というか描写自体で詰まっております。もうちょっとで、するりといきそうなんですけども。それも気のせいかもしれません。  レスには……どのくらいかかったのやら。おそらく8時間ぐらいだとは思いますが。ではまた。 -------------------------------------------------------------------------------- 電飾の街 No.7290 投稿日 2003年11月24日(月)23時05分 投稿者 弟切 千隼  聖夜まで一ヶ月となりました。夜の街にクリスマスの電飾がきらめいていますね。  弟切はキリスト教徒ではありません。でも、キリスト降誕祭=クリスマスに街が飾られるのは楽しいと感じます。たとえ聖夜の予定が何もなくても(笑) >悪文解析  前回の書きこみNo.7288の続きです。以下の文を解析します。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  No.7288で書いたとおり、上記の文は重文です。いっぺんに解析すると混乱しそうなので、二つの単文に分けて解析します。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、          + >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。 の二つですね。  今回の解析でも、解析済みの部分は 灰色で、 解析中の部分は 太い字で、 表わします。  ではまず、 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、 から解析しましょう。  文節ごとに区切ると、以下のとおり六つの文節があります。 >>胸から/腿に/かけては/薄黄色の/エプロンに/覆われ、/  「胸から」・「腿に」・「かけては」は、一まとまりの言葉といってよいでしょう。これら三つはまとめて解析します。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、  一目見てまずいと感じるのは、「腿」という漢字ですね。難しすぎます。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、  「薄黄色」という漢字も、ちょっと難しいですね。堅苦しい雰囲気になってしまいます。「明るいメイドさん」を演出すべきところですのに(^^; >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、  「エプロン」は特に問題ないでしょう。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、  「覆われ」という漢字も、画数が多くて重い雰囲気です。「明るいメイドさん」の演出を邪魔していますね(;_;)  ここまでの解析で、 ●難しい漢字を使いすぎて、伝えるべき雰囲気を伝えられていない。 という欠点があることがわかりました。  「薄黄色」という言葉では、特に間抜けな失敗をしています。  確かに、色としては、薄黄色は明るい色です。けれども漢字で「薄黄色」と書くと、重い雰囲気になります。逆効果ですって(^^;  さらに考えてみます。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、 という文において、最も重要な、伝えるべきところはどこでしょう?  「エプロン」です。エプロンは、メイドさんであることを伝える重要な小道具です。  要するに、「女の子がエプロンを着ている」ことさえ伝わればいいわけです。それ以外は余分なことです。「胸」だの「腿」だのを出して、もって回った言い方をする必要はありません。  もっと素直に「エプロンを着た女の子」を書くべきでした。 ●もって回った表現を使いすぎて、理解しにくい。 というのも欠点ですね。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、 という文だけでもややこしいのに、この文はまだこの後も続いています。  後半の >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。 については、次回に解析します。 青葉さんへ >  復帰して下さるならとてもありがたい、と弟切は思います。一緒に走ってくれる方がいるのは、たいへん励みになります。 -------------------------------------------------------------------------------- 近所の診療所の前にも No.7291 投稿日 2003年11月25日(火)23時54分 投稿者 弟切 千隼 クリスマスの電飾が登場しました。サンタクロースを乗せたトナカイそりの置物が、ちかちかと輝いています。診療に来る子供たちを、少しでも慰めようという配慮でしょうか。 >悪文解析  前回の書きこみNo.7290の続きです。以下の文を解析します。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  前回は上記の文を二つに分けて、前半だけ解析しました。今回は後半の解析を行ないます。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、          + >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。 の二つのうちの後者ですね。  文節ごとに区切ると、以下のように五つの文節があります。 >>胸もとに/「久保田柚香」と/書かれた/名札が/付いている。/  今回も、前回と同様解析済みの部分は灰色で、解析中の部分は太い字で表わします。 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「胸もと」は、理解しにくい言葉ではありませんね。問題はないでしょう。 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「久保田柚香」は、メイドさんの氏名です。この文中の最重要情報ですから、このままでOKです。 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「書かれた」は、問題がある言葉ではなさそうです。しかし、どうしても使わなければならないほどの必然性はありません。  文は短いほうが良いものです。もっと短く言い換えられる言葉を探すべきでした。 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「名札」は重要な小道具です。「久保田柚香」が職業メイドさんであることを示します。よって、このままで良いでしょう。 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  「付いている」は、わかりやすい言葉です。問題はなさそうです。  まとめますと、 >>胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。 という文には、読み捨てられるほどの重大な欠点はありません。  もちろん、名文とは言えません。もっとこなれた表現があるでしょう。  では、これまでの解析結果−No.7288やNo.7290に書いたこと−と併せて考えてみましょう。 >>胸から腿にかけては薄黄色のエプロンに覆われ、胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  上記の文の一番の欠点は、No.7288で書いたとおり、重文であることです。これは、それだけで読み捨てポイントとなる重大な欠点です。  その他の欠点も併せて以下に列挙します。 ●重文である。ために長たらしく、理解しにくい。 ●伝える内容にふさわしい漢字を採用していない。 ●もって回った表現を使いすぎて、理解しにくい。  三重苦ですね(^^; これだけ揃えば、読み捨てられて当然です。 -------------------------------------------------------------------------------- 大洪水 No.7292 投稿日 2003年11月27日(木)00時12分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切が洗濯している最中に、洗濯機の排水ホースが裂けました(*o*) おかげで家の中が洪水になりました(;_;) 発見が早かったため、階下の家に水漏れしなかったのが救いです。  ホースの穴は、応急措置でふさぎました。でも長くはもちそうにありません。早急に新しいホースを買ってきませんと。 >視点の移りかわり考察  No.7268で新木さんに指示されたとおり、「視点の移りかわり」について考察します。新木さんの指示は以下のとおりでした。 >> そのシチュエーションに置かれた人物(視点保持者)が、意識を向けてゆくであろう物事の順番を考察してみること。 >> まず何を見て、何を考えるか。次に何を見てゆくのか。その順番をすべて明確にしてゆくこと。 (No.7268の新木さんの書きこみより)  サンプルに使うのは、課題部屋のNo.684「メイド」です。帰宅した桐子が、どうやって(空になった)洗濯籠に目を向けるのか、それを明らかにします。  No.684「メイド」では、以下のように書かれている部分ですね。 >> ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。窓から吹き込む風に顔を上げれば、ベランダに白く輝くブラウスやらタオルやらがひるがえっている。窓の横のガスレンジには、油汚れの痕跡もなかった。  えーと、桐子の視点の移りかわりを考察するには、彼女の住んでいるアパートの構造を説明しなければなりませんね。  桐子のアパートは、玄関を入ると八畳間くらいのダイニングがあります。ダイニングの床はフローリングです。  廊下はありません。ダイニングから直接、浴室やトイレや居間へと通じています。桐子は浴室とトイレが一体化したユニットバスが嫌いなので、これらが分かれたアパートを選んでいます。  浴室の入り口の隣に、洗濯機があります。その横に洗濯籠が置いてあります。  上記のような家に帰った桐子は、まず何を見たでしょうか?  入ったところがダイニングですから、最初に目に入るのは、ダイニングにある「何か」でしょう。  桐子が帰宅した時には、掃除が終わっていました。物が片付いて、床がよく見えていたはずです。床も磨かれていました。天気が良いため、フローリングの床は日を反射して輝いて見えたでしょう。  広い床が輝いていれば、目立ちますね。最初に、桐子が床に目を奪われた、とするのは、自然だと思います。  課題部屋のNo.684には、まずダイニングの床に目が行ったと書かれていますね↓ >> ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。  文が下手なのは、この際置いておいて下さい(^^;   視点のあり方としては、問題はないでしょう。  輝く床を見た時点で、桐子は感嘆します。頭の中で、出かける前の汚れきった様子と比較するからです。  感嘆した彼女は、次に何を見るでしょうか?  床を見たということは、次に見る物も床に近いところにあるはずですね。  桐子の頭の中には、出かける前の汚れた様子が浮かんでいます。床に近いところにある物で、汚れを象徴する「何か」を見ようとするでしょう。  課題部屋のNo.684では、以下のようになっていますね↓ >> ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。  こちらの文も、下手くそなのはとりあえず置いておいて下さい(^^;;   洗濯籠は『床に置かれ』ています。ゆえに、床から洗濯籠という視点移動は自然でしょう。  この時の桐子は、汚れ物で満杯の洗濯籠を思い浮かべています。汚れ物がなくなっていることを期待して、彼女は洗濯籠を見るでしょう。  以上の経緯をたどって、桐子は洗濯籠に目をやります。そして、期待どおりそれが空になっていることを確認し、安心します。 -------------------------------------------------------------------------------- 坊っちゃん No.7293 投稿日 2003年11月28日(金)00時15分 投稿者 弟切 千隼  今、弟切は、夏目漱石の『坊っちゃん』を読んでいます。ずーっと昔に現代かな遣い版を読んだきりだったので、元の旧かな遣い版を読んでみようと思い立ちました。  改めて読むと、『坊っちゃん』は現代のライトノベルに近いところがありますね。とてもキャラが立っています。主人公の坊っちゃんを始め、職場の同僚の山嵐も野田もうらなりも、上司である赤シャツも、下宿の大家であるいか銀も、みな個性が際立っています。名前を出して、「どういう人だっけ?」と思い出せない登場人物がいません。  夏目漱石は、文豪と呼ばれています。教科書に必ず載っている「偉い人」の一人ですね。そういう人が書いた作品は、何だかとても高尚で、難しいものみたいに思えます。  ところが、その作品の実態は、明治時代のライトノベルでした(^o^) 老いも若きも痛快に読める小説です。  古典を読むのは、やはり勉強になりますね。 2号さんへ >  課題部屋のNo.699「畏れるばかりで」の題名について、悩んでおられるようですね。  ヒントを出しましょう。  「おそれる」という読み方をする漢字はいくつもあります。当然ながら、字が違えば意味が違います。 「恐れる」 「怖れる」 「畏れる」 「懼れる」  普通に用いられる範囲では、おおよそ以上の漢字が「おそれる」と読まれます。これらの漢字は、それぞれの微妙な意味の違いをよく表わしています。  上記の漢字表記の違いによる「おそれる」の差異を考えてみて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- ただ飯食らい No.7294 投稿日 2003年11月29日(土)01時57分 投稿者 弟切 千隼  今日の弟切の夕食費はただでした。それはこういう訳↓です。  弟切が住む市のデパートで、九州物産展を開催していました。そこでモズクを買ったところ、モズク売りのおばさんが、貝の炊き込み御飯をおまけに付けてくれました。その御飯がたっぷりあって、食べたら満腹してしまいました。  御馳走さまでした、モズク売りのおばさん。(ここに書いても見ていませんって(^^;) 2号さんへ >  課題部屋のNo.700「かたむく天秤、おとこのこ編」を読みました。冒頭から違和感があったので、少し指摘させていただきます。 >> 放課後の校舎。もう人の影もまばらになっている。 >> そんな校内に、いきおいよく足音が響いた。その足音は一階の教室までたどりつき、がらがらと音を立てて、扉を開く。  「その足音は一階の教室までたどりつき」が変だと感じました。「たどりつき」がおかしいです。  最初の行に「放課後の校舎」とありますね。読み手の頭の中には、ロングショットで校舎の姿が浮かぶはずです。  次の行の「そんな校内に〜」で、視点が校舎内に入ります。普通、校舎の入り口は一階にありますから、一階から入るでしょう。わざわざ「一階の教室までたどりつき」と書く必要はないのではありませんか?  次に出てくる台詞にも、違和感がありました。 >>「――やあ、イクオくん」 >>「うおっ」 >> いきなりの声に出迎えられ、背の低い少年――イクオは飛びあがった。  教室の扉を開けたのは、イクオですよね。台詞の直前にそういう動作が書かれていれば、台詞はイクオのものだと誰もが思うでしょう。  でも、「――やあ、イクオくん」という台詞は、タケムラのものです。  おそらく、2号さんはここで読者さまを驚かせようとしたのでしょう。突然のタケムラの出現に、イクオが驚いたのと同じように。  しかし、今の状態では、唐突過ぎて違和感が先立ちます。タケムラの台詞の前に、もう一つ、「何か」を入れて欲しいですね。いわゆる「ためが欲しい」状態です。  さらに読み進むと、三回目の違和感に当たります。 >> 変なポーズのまま、イクオは窓際に座る少年を見つめる。夕日に照らされて、少年の眼鏡はきらりと光っていた。  「変なポーズ」はありませんよね(^^; どういう格好なのか、具体的に描写して欲しかったです。  違和感が三回連続すると、かなり読むのが苦痛になります。冒頭で捨てられては元も子もありませんから、もう少し書き方を工夫したほうがよいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 吾輩は猫である No.7295 投稿日 2003年11月29日(土)04時49分 投稿者 名無し君2号  対抗する意志はとくになかれども、夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んでます。ただし青空文庫のものを。パソコンのモニターで長編を読むのはちとツライ。でも面白い。 ※青空文庫……著作権の切れた作品をフリーで公開しているサイトのこと。  へたに偉人扱いされているものだから、なんか小難しい健全極まることを書いているのではないか、と思っていたんですが。  べつにたいして難しくもなく、全編、笑いに満ちてました。それも人間についての皮肉な笑いが多い。  ああ、だから主人公が猫なんだな。この話は猫の一人称で書かれているのだけど、これが人間だったら、「なにを悟ったようなことをぬかしてんだコイツ」と思うだろうな。猫だから、違う生き物だから、皮肉かつ毒舌でも、不快に感じないんだな。やるじゃん漱石。  ただ、視点についていろいろ考えているときなので、これって何視点なんだ? と悩みつつ読んでますが。  主人公である猫の一人称視点なのに、他者の思考を書きあらわしたりしてるのは……まあ面白ければいいや。 >No.83「畏れるばかりで」(1000文字)  お待たせしてました。読み返すのがすごく辛かったというのもあります。自分の作品にたいする愛がナイネ。  どんな作品なのか説明しますと……ああ、説明したくない。  ようするに「まわりはおろか当の本人からも、好きなんだと思われているけど、本当は恐がっているだけ」ってのを書きたかったんです。それを登場人物にセリフで言わせているからダメダメなんですけども。  登場人物は少女ふたりに少年がひとり。  少年が通りがかったところで、少女ふたりが仲良く会話しているところに出くわします。ふたりの少女のうちひとりは、ここで退場。別れて立ち去ります。  少年は「いつも仲いーすね」と少女に話しかける。そこで「本当はビビってて、気をつかいまくってるだけなんだけどネ。なのにまわりからは仲がいいって思われて、困っちゃうナー」と少女はなぜか内面を吐露。  少年は嫌な本音に引いちゃって硬直する。それを見て少女は「犬の話でしたー、エヘ」とごまかす。「なーんだ」とむりやりにホッとしつつ少年は立ち去り、残された少女はため息をつく。  ――たしかにわけのわかんない話だ。  まあそれはともかく。  えーと、『畏れ』という言葉について。  『畏れる』というのは、「自然や神、王など、敬う対象について持つおそれ」をあらわしていると理解してます。  今回の場合、少女は相手をどう扱っていいのかわからなくて、傷つけるのも傷つけられるのも恐くて、あがめ奉らんばかりにしていたら、いつの間にか親友あつかいされていた……というものなので、『畏れ』かなと。  いろいろと供物をささげて、たとえ被害に遭っても仕方ないわと哀しく微笑み。そんな感じです。 >描写について  新木さんからいろいろと指摘されましたが。  『それを具体的に書け』というのが、なんか腑に落ちるものがありました。いつものように腑に落ちた気がするだけかもしれないので、『それを具体的に書け』と付箋に書いて、ノートパソコンに貼っておきます。  毎日書いているのはなんのためだ? という質問には、小説でお金を貰えるようになるためです、と答えておきます。  やっぱりマネーは大事だな、とつくづく思ったり。じっと手を見る。 >No.84「かたむく天秤、おとこのこ編」 >弟切さん  読んでもらった上に指摘していただいて感謝します。  回答についてはまた次回。 >1000字課題  お待たせしてましたの2。  また課題が書けない病にかかっていました。なんとかしぼりだして2編。  No.87「いしやきいも」(1000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=703&e=res&lp=550&st=0  カメラを猫に固定しての客観視点。  No.88「離魂病」(1200文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=704&e=res&lp=550&st=0  文字数は考えたとおり。されど話は変更あり。最初はシリアスな予定だったけれど、ちっとも面白くないのでだいぶ変わった。少々エロい。  超常現象を客観視点で書いたらどうなるか、を試してみました。状況を一発で呑みこんでもらえたら、成功なんですが。  いまさらながら、課題部屋で表示される文字が、大きくなったことに気づきました。それとも私の環境だけなんでしょうか。まえは図/表モードだと、フォントが小さくなったような気がするのですが。  まあ、いまのほうが読みやすくていいや。  ほぼ毎日この分室には目を通していましたが、どうなんでしょう、弟切さんのように、生存報告だけでもしておいたほうがいいんでしょうか。  課題をやってない状態だと、書くのにちょっとばかり気が重かったりします。そりゃあ、課題をしっかりとやればいいだけの話なんですけども。  小説を書くのが楽しかったり、辛かったりする夜。いろいろわかってくるにつれて、辛い度合いが増えてきたような。レスには2時間です。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨降りの日は眠くなる No.7296 投稿日 2003年11月30日(日)00時40分 投稿者 弟切 千隼 ような気がする弟切です。  ネコは雨降りの日に眠くなると聞いたことがあります。弟切は人類ネコ科なのでしょうか(笑) >視点の移りかわり考察  No.7292と同様に、視点の移りかわりを考察します。サンプルに使うのは、今回も課題部屋のNo.684「メイド」です。  今回考察するのは、以下の部分です。 >> レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。エプロンの下には明るい緑のポロシャツとショートパンツが覗いていた。  帰宅した桐子が、柚香と顔を合わせる場面ですね。  人(桐子)が人(柚香)に会った時、相手のどこを、どのように見てゆくでしょうか?  人が人に会った場合には、最初に、顔よりも服に目が行くことが多いです。なぜなら、顔よりも服のほうが、人の体に占める体積が大きいからです。見た目、顔よりも服のほうが大きいために、服が目に付きます。  服の中でも、上着やマフラーやエプロンといった物が、最も目に付くはずです。それらは最も外側に着ているため、見た目に占める面積が最も広いからです。  サンプルの文章では、柚香がエプロンを着ていますね。↓ >> レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。 当然、最初に桐子の目に入るのはエプロンでしょう。  ましてや、柚香のエプロンはレモン色です。とても明るくて目立つ色ですね。「レモン色のエプロン」が目に入らないことはあり得ないでしょう。  桐子が最初に柚香のエプロンに目を止めた、という描写は、正しいことがわかりました。  では、次に桐子は柚香のどこを見るでしょうか?  エプロンに目を止めたからには、エプロンに模様やポケットがあれば、そちらに目が行くでしょう。  サンプルの文章にはこう↓あります。 >> レモン色のエプロンを着た女性が、笑顔で応えた。胸もとに「久保田柚香」と書かれた名札が付いている。  柚香のエプロンには名札が付いています。ならば、桐子はそれに目をやるはずですね。  ところが、上記の文章では、名札に言及する前に柚香の表情に触れています。桐子の視線が、エプロン→顔→エプロンの名札、と、行ったり来たりしています。  こんな移動は不自然ですね。加えて目まぐるしいです。読者さまが酔ってしまいます(^^;  自然な視線の動きをさせるなら、エプロン→エプロンの名札→顔、でしょう。  エプロンの下の服に目をやるのは、顔を見た後になるはずです。 2号さんへ >  No.7295にある「畏れる」の説明を読みました。  納得できません。  2号さん御自身が書いているとおり、「畏れる」は、普通の人に使う言葉ではありません。神や精霊などの、人間を超越した存在に使います。人間に使う場合は、王や高位の巫女などの、尋常ではない高い地位の人間にしか使えません。  「畏」という漢字は、「鬼」に似ていますね。これは偶然ではありません。「畏」という字の源を調べると、「鬼」に行き着きます。「畏」は、「鬼=人間を超越した恐ろしい存在」が、手に武器を持って脅す様子を示した象形文字です。 (参考資料:『学研 漢和大字典』)  こういう源を持つ「畏れる」が、普通の人に使える言葉ではないことはわかりますよね。  課題部屋のNo.699には、人間を超越した存在は登場しません。王や巫女などの特殊な人間も登場しませんね。  登場しているのは、普通の少年少女ばかりです。「畏れる」という言葉は、普通の少年少女の人間関係に使えるものではないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 俺は奥様を「畏れて」いるよ(笑) No.7297 投稿日 2003年11月30日(日)01時15分 投稿者 鷹見一幸 なんつーかね、男にとって女って生き物は「超自然的」のものなんだよな。 神や鬼やらそういったものに通じるものなんだって。  だから「恐れ」でも「怖れ」でもない「畏れ」と言う言葉を使っても違和感が無いどころか。  ……やっぱり男にとって女の子ってのは「畏れる」ものなんだなあ。  なんて妙に感心してしまったんだがね。  書いているお話の内容にもよるけどね、基本的に「理解できない存在」として女の子やらそういったものを描こうとしているのなら「畏れ」はアリだと思うし、納得するね、俺は。  教科書を書いてるんじゃなくて、小説を書いているんだよね。  言葉には「意味」もあれば「響き」もある。  宮沢賢治の詩に「有機交流電燈」という言葉が出てくる。  こんなものは存在しない。  「有機」という概念と「交流電燈」という概念は合致しない。  明らかに間違っている。  さあ、どうしよう。  誤用だ、とても納得できるレベルじゃない(笑)  言葉を使おう。  言葉に囚われるな。  そして言葉を間違うな。  これは実を言うと全部同じことを言っているんだと俺は思うよ。 -------------------------------------------------------------------------------- お歳暮 No.7298 投稿日 2003年11月30日(日)21時38分 投稿者 弟切 千隼  お歳暮商戦まっさかりの季節ですね。弟切は、お歳暮にはあまり縁がありません。  それでも、一人だけお歳暮を贈らなければならない方がいるため、売り場を覗いてみました。いろいろ商品を見ていると、他人に贈るより自分が欲しくなってしまいます(^^; >課題部屋のNo.699「畏れるばかりで」  ふーむ、鷹見さんは、「畏れる」に違和感がありませんでしたか。この感じ方の違いは、男性と女性の違いによるのかも知れませんね。  鷹見さんは、この作品に登場する少年が少女を「おそれている」と感じたそうですね。弟切はそう感じませんでした。  そもそも、弟切には、この作品が何を言っているのか、よくわかりませんでした。  少年が少女の話を聞いて、ひどく驚いているのはわかります。弟切には、少年が何をそんなに驚いているのか、理解できませんでした。少年が少女を「おそれている」とは読み取れませんでした。  二人の少女のうちの一人(由紀子)が、もう一人の少女を「おそれている」のはわかります。この作品を読んで、印象に残ったのはこの「おそれ」だけでした。他は、何が書いてあるのかわかりませんでした。  印象に残った「おそれ」は、同じ少女の間での「おそれ」です。同質の存在に対する「おそれ」なのですから、それは「畏れ」ではないでしょう。  ひょっとしたら、弟切の読解能力が足りないために、上記のように感じるのかも知れませんね。「おばさん」と呼ばれる年齢の女性が読むと、このように感じることもある、ということで、参考にして下さい > 2号さん。 -------------------------------------------------------------------------------- 同質の存在にも…… No.7299 投稿日 2003年11月30日(日)22時39分 投稿者 鷹見一幸  畏怖することって無いかなあ。  俺はあったし、今でもあるよ。「うへえ、すげえ!」って感覚。  同じ人間で、同じ立場で、時として目下の存在でも「畏れる」って感覚は抱くけどねえ。  その感覚はなんと言うか俺の言語野には「畏れる」という言葉しか当てはまらない。「恐れ入りました」ではない「畏れ入りました」なんだよね。  だって「恐い」わけじゃないんだから。  どっちかというと敬意というか、自分とはかけ離れた、次元の違う存在に対して感じる感覚だから俺はごく当たり前に「畏れる」という表現を使っているんだが。  それは確かに「間違い」であり「誤用」なのかもしれない。  辞書にはそうなっているのかもしれない。  でも、俺は自分の書き方を変えるつもりはないし、他人にその使い方を強要するつもりもない。  だって、それは俺の言葉だからね。  校正係の人からの指摘を受けて、それを、直すか、ママで行くか。  それは作家の責任に任されているわけだ。  たとえば「当たり前」という言葉がある。  これを地の文で「当たり前」と書き、セリフで「あたりまえだ」と 書き分けたとすると、大抵の校正さんは、どっちかに統一するかどうか聞いてくる。  地の文とセリフでは、アタリが違うので、わざと書き換えているのだが、校正する人はそこまでは見ない。単に文字として判断している。それが校正さんの仕事だからね。    それを決めるのは作家であり、そして作家は選択した言葉に責任を持つことになるわけだ。    2号くんが、そこまで考えてあの文字を使ったのかどうか俺は知らない。  でも、作家として文字を選択するときには、必ず何らかの意味がそこにあるはずだ。いや、無けりゃおかしい。  俺はそう思っている。  校正係としての視点と作家としての視点、その両方を持っていないと、言葉は使えない。言葉使いにはなれない。    実を言うと俺も、20冊ほど書いて、最近それに気が付き始めたんだけどね(笑)     -------------------------------------------------------------------------------- いろ鳥々 No.7300 投稿日 2003年12月1日(月)06時54分 投稿者 名無し君2号  ムクドリが大挙して近所の電線にたかり、ギュキギュキとやかましいこと、このうえなし。ずらりと並び、それでも足りずに押しあいへしあい、だれかが電線に止まれば、ほかのだれかは押しだされ、空を惑い、ほかのものを押しのけて止まる。それを繰り返しつつ、あいもかわらず鳴き、わめいている。  ふむ。まるで人間の縮図のようであるな、と目を細めつつ玄関から見ていたら、いきなり飛んだ。それもいっせいに。  ――うお。  空から大量の羽音が降りそそぐ。それはあたかも豪雨のごとく、群れなす鳥の動きとともに、ぐるりぐるりと回りこんだ。  バララララ……。  夕闇せまる曇り空とあいまって、なんともいえない圧迫感があった。  口を半開きにして、黒い集団を目で追う。  お前たち、いったいどこへ行く?  ……けっきょく元の電線に戻って、またギュキギュキ、ギョピギョピと鳴いているし。うるさし。  羽音に包まれた瞬間、すこしビビった。腹の底から冷たいものが湧きあがってきた。でもそれだけじゃなく、なにかわくわくするものも混じっていた。なんじゃろか?  そりゃまあ、恐怖はエンターテイメントになるのだろうけども、ホラーの恐怖とはなんかまた微妙に違うような。  ――なんか美しかったんだなあ。  圧倒的だったから? わからない。  こんな感覚を、いつか文章で伝えられるようになればいいなと。 >No.84「かたむく天秤、おとこのこ編」  弟切さんのご指摘に回答。 >> 放課後の校舎。もう人の影もまばらになっている。 >> そんな校内に、いきおいよく足音が響いた。その足音は一階の教室までたどりつき、がらがらと音を立てて、扉を開く。  入り口は一階にあるのだから、『一階の教室』とわざわざ書くのはおかしい。  ――とのご指摘。  反論できません。そのとおりです。  だけども、そのまま『教室』とだけ書いて、はたして『一階の教室』と伝わるものか。  実際に書いて試してみる――駄目だった。  じゃあどうすればいいのか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  放課後の校舎。もう人の影もまばらになっている。  そんな校内に、いきおいよく足音が響いた。その音は玄関から教室までを駆けぬけ、その勢いのまま、がらがらと扉を開いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『一階の教室』であることを確定させるには、要するに階段を上り下りさせなければいい。  だから『玄関から教室までを駆けぬけ』と入れてみた。  上の階に行ったのなら、『玄関から階段をへて、教室にたどりつく』だろうか。  次。 >>「――やあ、イクオくん」 >>「うおっ」 >> いきなりの声に出迎えられ、背の低い少年――イクオは飛びあがった。  Aが教室の扉を開ける。  直後のセリフ「――やあ、イクオくん」は、当然そのAが言ったはず。そう思っていたら、実際は教室のなかにいた(いまだ登場していない)Bのセリフだった。  そこに違和感がある。  ――とのご指摘。  ここは悩みました。そう感じるかもしれない、とは思ったんですが。  たしかに『読者を驚かす』つもりもあって、さてどうしたものかと考え、結局は『読者を驚かす』ことを選んだもの。  違和感を感じさせないためには、『ためが欲しい』とのことだが。 1)まずAにセリフを言わせる。  素直にAに言わせれば、つづいての言葉はBになる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオは扉を開く。 「あー、やっとついた」 「――やあ、イクオくん」 「うおっ」  いきなりの声に出迎えられ、背の低い少年――イクオは飛びあがった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うむ。違和感なし。 2)直前にBの行動を入れる。  Bが行動した次にセリフがあれば、それはBのセリフだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イクオは扉を開いた。  なかから声が出迎える。 「――やあ、イクオくん」 「うお」  いきなりの声に、背の低い少年――イクオは飛びあがった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  違和感はたしかにないけど、驚きもないなあ。  次。 >> 変なポーズのまま、イクオは窓際に座る少年を見つめる。夕日に照らされて、少年の眼鏡はきらりと光っていた。  『変なポーズ』を具体的に描写すること。  ――とのご指摘。  これは例のサボり癖ですな。  ひとつまえの文章、 >> いきなりの声に出迎えられ、背の低い少年――イクオは飛びあがった。  の、『飛びあがったままのポーズ』をあらわそうとしてたんですが。変なポーズじゃだめか。そうだよな。 >No.83「畏れるばかりで」(1000文字) >畏れについて  ふたりの少女のうちひとりが、もうひとりを『おそれている』。それで合っています。そしてその『おそれ』こそが『畏れ』です。  たしかに同質のものに『畏れ』は使わないでしょうが、相手を同質と思っていない場合は使えるはず。  弟切さんが『畏れ』と感じなかったのは、私がそう感じとれるように書けなかったのが悪いのだと思いますが。  余談ですが、『奥さん』のことを『山の神』と言ったりもします。知ってると思いますけど。  ――山の神じゃあ、そりゃあ畏れるよな。 >1000字課題  No.89「ばらばら」(1400文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=705&e=res&lp=550&st=0  客観視点。動きを感じさせたかった。  字数については、最初から1400文字だと決めて、そのとおり書いたものです。  次回は美人課題をやりたい予定は未定。レスには3時間。 -------------------------------------------------------------------------------- 初めまして No.7301 投稿日 2003年12月1日(月)21時45分 投稿者 早雲 千文字課題No.84について違和感を感じる部分があったので 指摘?させていただきます。 >口を開いたまま、眼下のイクオから、窓際のタケムラに視線を動かし、またイクオに戻した。 「眼下のイクオ」という表現に違和感を感じました。 最初に読んだときは、イクオがハルコの登場に驚いてひっくり返ったのを見下ろしてるかとおもったんですが、よく見るとそうではない様子ですし。 で、読み返してみると イクオ → 背の低い少年 ハルコ → ちょっとばかり背の高い少女 という表現が出てきました。 それでも、「眼下の」という表現が使えるほど身長差があるとは思えず 違和感が消えませんでした。(最初は高校生を想定していたので) で、三度目の読み返しで、学校が舞台ということで、小学校中学年〜中学1年くらいなら、身長差がかなりある場合もあるのでこの表現は有りかなと思いました。 それから、他二編を読んでて胸元までしかないと書いてありようやく納得は出来ました。 でも、単品ではわからないと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 勅[ちょく]なればいとも畏[かしこ]し鶯の宿はと問はばいかが答へむ No.7302 投稿日 2003年12月1日(月)22時13分 投稿者 弟切 千隼  題名の短歌は、平安時代のある女性が詠んだものです。彼女の庭にあった梅の木が、御所に召し上げられた時、梅の枝にこの歌が結ばれていたそうです。  「天皇の御命令ならば、畏れ多いことですから従いましょう。けれども、鶯が私の庭にやってきて、『いつもの私の宿は?』と訊ねたら、何と答えればよろしいでしょう?」という意味の歌です。  当時の天皇は、この歌に感銘を受けて女性に梅の木を返したそうです。 >「畏れ」について 鷹見さんへ >  弟切も、自分と同質の存在を「すげえ!」と思うことはあります。弟切はへたれですから、身の回りの人たちは、みな「すごく」見えます(笑)  ただ、弟切の場合は、自分と同質の存在に対して「畏れ」を感じることはありませんね。手が届く範囲の人に「畏れ」という言葉を使うのは、弟切の感覚では違う気がします。  このあたりになると、どちらが正しいとは言えないでしょう。  鷹見さんの「畏れ」は、鷹見さんならではの味のある言葉です。誰も真似はできません。真似をする意味もありません。 2号さんへ >  二つ、確認したいことがあります。  一つは、二人の少女の関係についてです。もう一つは、少年と少女たちの関係についてです。  まず一つめです。  二人の少女のうちの一人(由紀子)が、もう一人の少女を「おそれている」という解釈は、正しかったようですね。  しかし、やはり弟切には、由紀子がもう一人の少女を「畏れている」ようには読み取れません。  なぜなら、弟切には、由紀子ももう一人の少女も、全く同質の存在にしか見えないからです。どちらも同じただの少女です。  2号さんは、No.7300に、由紀子がもう一人の少女を同質と思っていないと書いていますね。だのに、具体的にどこがどう同質でないのかが、作品中に書いてありません。  読み手にとって、書いていないことは存在しません。ゆえに、由紀子が「畏れ」を感じる理由が存在しません。  由紀子は、速水先輩と呼ばれる少女の何をそんなに「畏れて」いるのですか?  次に二つめです。  少年―真一郎は、由紀子ともう一人の少女に対して、どう感じているのでしょう?  前回の書きこみNo.7298で書いたとおり、弟切は、真一郎が何を感じているのか読み取れませんでした。  驚いていることはわかります。でも、彼が何をどう感じたために驚いているのか、理解できませんでした。  今のままでは、真一郎の反応を不可解だと感じる読み手が、かなりの割合でいるでしょう。彼の反応の理由を、もっとわかりやすく書いて下さい。  鷹見さんが解釈したとおり、真一郎は少女たちを「畏れて」いるのでしょうか? それとも、別の「おそれ」を感じているのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- ブザー No.7303 投稿日 2003年12月2日(火)10時32分 投稿者 名無し君2号  ピー、ピー、ピー……。  最近、ストーブがブザー音をはきだす。おのれ、温風だけはいていればいいものを。  それも換気サインのブザーだ。  どうして、ストーブを点けて一分もしないのに換気が必要になるのだ。空気は冷えきっているのだ。酸素は多いし、二酸化炭素は少なかろ。  吸気口のフィルターだって掃除している。だのに、なぜ。  結局のところ、フィルターをつきぬけて、ほこりが吸気口をふさいでいたようです。直接吸気口に掃除機を突っこんだら直りました。  よほど汚いのか、この部屋は。 >No.84「かたむく天秤、おとこのこ編」(2000文字) >早雲さん  はじめまして。読んでいただいてありがとうございます。  ご指摘として―― (1)イクオとハルコの身長差が不明だった。 (2)最初は登場人物が高校生だと思った。 (3)他の話を読んで、ようやく理解できた。  の3点がありますね。  まず(1)の場合。  これを防ぐには、イクオを『背の低い少年』ではなく『背のだいぶ低い少年』へ、ハルコを『ちょっとばかり背の高い少女』ではなく『背の高い少女』とすること。  それだけではまだ足りないので、ハルコがイクオを見おろす場面付近で、ふたりの身長差がわかるようにしておく。ちなみに付近とは5行以内。  そもそも『眼下』という言葉を使う必要はあったのか。ほかの、もう言い方はなかったのか。『目の下にある』とか、『斜め下の』とか。  (2)最初は登場人物が高校生だと思った、の場合。  これは……駄目だなあ。  まあ高校生と思われても問題はないのだけれど。そもそも身長差もさほど関係しないし。  回避するには、やっぱりセリフか。言葉づかいで高校生に見えたのだと思う。タケムラをもうちょっとなんとかしなければいけない。クラス一の秀才なんで、頭良さそうに見せたかったのだけども。  頭を良さそうに見せると、必然的に年齢も上に見えるようだ。  子供っぽさを残しつつ、か。  ほかには、『中学校の』とか入れてしまう方法もある。『中学生のイクオは』『中学校の校舎』『中学の教科書』……ううむ。  (3)他の話を読んで、ようやく理解できた、の場合。  単体で理解できるものを書かなきゃ、話になりません。  イクオとハルコはほかの話にも登場しているキャラクターで、いわゆるシリーズなんですけども。  以前にも指摘されたことがあります。 「この話だけでは、なんのこっちゃかよくわからない」  それ以降、たとえほかの話を読んだことのない人でも、楽しめるものを書こうと思っていたんですが……駄目かー。 >No.83「畏れるばかりで」(1000文字) >弟切さん  お答えしましょう。 (1)少女が、もうひとりの少女をおそれる理由はなにか。 (2)少年は、少女にたいしてどんな感情を持っているのか。  の2点ですね。  (1)少女が、もうひとりの少女をおそれる理由はなにか。  まあ、相手を好きだからなんですけども。  少女――由紀子は、自分が人から好かれる人間だとは思ってなくて、でももうひとり――速水は優しく接してくる。  どうして優しく接してくるのか、由紀子には理解できない。  できないけど、速水には好感を持ってしまってるし、それどころか好きになりつつあるんだけど、好きになればなるほど嫌われたとき自分が痛いから、なるべく好きにならないようにしよう。でも嫌われるのもいやだ。  だからひどく気を遣っていると。  速水のささいな言動や行動で、簡単に由紀子は傷ついてしまう。でもそれを表には出さない。  痛いから好かれたくないんだけど、嫌われたくもない。  まあ、そんな感じです。  (2)少年は、少女にたいしてどんな感情を持っているのか。  あこがれの先輩です。  仲のいい先輩だと思ったら、実はなんかどろどろしてる!? ちょっぴり大人の世界を覗いちゃったかなあ、ボク。  この話での少年の思考はこんなところです。  まあ、この少年は年上のお姉さまに過剰な幻想を持っているので、『畏れ』といえばそうかもしれませんが、この話の上では『畏れ』というよりも、ただ驚いているだけです。  上等なほうに誤読されると、すごく申し訳ない気持ちになったり。  そうか……少年が『畏れ』かあ……。 >1000字課題  No.90「紅く塗りつぶせ」(1200文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=706&e=res&lp=550&st=0  客観視点です。カメラワークにも気をつかいつつ。  最近、ようやく考えたとおりの文字数で書けるようになってきたようです。  ――が。  分解能が低い。いくつかのパートに区切って、5W1Hで200文字、○○登場で200文字、言葉のやりとりに400文字、○○するのに200文字、オチに200文字……。  それも誤差80文字だし。うーむ。  レスには3時間。ばいばいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 電飾家屋 No.7304 投稿日 2003年12月3日(水)01時21分 投稿者 弟切 千隼  弟切の近所の家が、庭木に電飾を付け始めました。去年までは、この時期に何も飾っていなかった家です。個人住宅にクリスマスの電飾をするのが流行っているというのは、本当らしいですね。 2号さんへ >  課題部屋のNo.699「畏れるばかりで」の説明が矛盾しています。  正確に言えば、「おそれ」に関する説明が矛盾しています。  最初に弟切が、「『畏れる』という言葉の使い方が違う」と指摘したのに対し、2号さんは以下のとおり答えてくれました。 >> どんな作品なのか説明しますと……ああ、説明したくない。 >> ようするに「まわりはおろか当の本人からも、好きなんだと思われているけど、本当は恐がっているだけ」ってのを書きたかったんです。 (2号さんのNo.7295の書きこみより)  説明によれば、由紀子はもう一人の少女を『恐がって』いたことになりますね。それなら「恐れ」のはずです。  なのに「畏れ」とした理由を、2号さんは以下のように説明しています。 >> 『畏れる』というのは、「自然や神、王など、敬う対象について持つおそれ」をあらわしていると理解してます。 >> 今回の場合、少女は相手をどう扱っていいのかわからなくて、傷つけるのも傷つけられるのも恐くて、あがめ奉らんばかりにしていたら、いつの間にか親友あつかいされていた……というものなので、『畏れ』かなと。 >> いろいろと供物をささげて、たとえ被害に遭っても仕方ないわと哀しく微笑み。そんな感じです。 (2号さんのNo.7295の書きこみより)  弟切は、2号さんの説明に納得できませんでした。今でも納得はしていません。  それでも、「畏れ」という言葉の使い方には、個人差があってよいと考えます。個人的には納得できなくても、「これもありかな」とは理解しました。  ところが、2号さんは、No.7303で下のように書いています。 >> (1)少女が、もうひとりの少女をおそれる理由はなにか。 >> まあ、相手を好きだからなんですけども。   (中略) >> だからひどく気を遣っていると。 >> 速水のささいな言動や行動で、簡単に由紀子は傷ついてしまう。でもそれを表には出さない。 >> 痛いから好かれたくないんだけど、嫌われたくもない。 (No.7303の2号さんの書きこみより)  No.7303の説明は、No.7295の説明と、思いっきり矛盾していますよね?  No.7295では、『好きなんだと思われているけど、本当は恐がっているだけ』と書いています。No.7303では、『相手を好きだから』と書いています。  由紀子は速水のことを好きなのですか? 好きではないのですか? どちらでしょう?  由紀子が速水を好きか好きでないかは、「畏れ」の意味の根幹に関わります。こんなところに矛盾があっては、深く考えずに、安直に「畏れ」を使っているのでは?と疑ってしまいます。  加えて、2号さんのNo.7303の説明は、弟切の質問に答えていません。  これは、弟切の訊き方が悪かったのかも知れませんね。もっとわかりやすいように、質問を書き直して再録します。 ●由紀子が、もう一人の少女を「畏れる」理由は何か?   「畏れ」を持つからには、由紀子が相手を「すげえ!」と思っていなくてはならない。由紀子は相手の何を「すげえ!」と思って「畏れて」いるのか?  2号さん御自身が、二人の少女の間に「畏れ」があると言っています↓ >> ふたりの少女のうちひとりが、もうひとりを『おそれている』。それで合っています。そしてその『おそれ』こそが『畏れ』です。 (No.7300の2号さんの書きこみより)  ゆえに、弟切は「畏れる」理由を問いました。  要するに、由紀子が速水のどんなところを「すげえ!」と思っているのかを訊きました。  『相手を好きだから』というのは、「すげえ!」の理由にはなりませんよね? -------------------------------------------------------------------------------- 体調悪化 No.7305 投稿日 2003年12月3日(水)23時02分 投稿者 弟切 千隼  今朝の弟切は、全身が重くて枕から頭が上がりませんでした。午前中はずっと死んでいて、午後からようやく復活しました。  しかし、まだ異常な倦怠感に悩まされています。 >文体改造  一応、悪文解析が終わったので、課題部屋のNo.684「メイド」の文体改造をしてみます。  とりあえず、冒頭部分だけ書き直してみました。柚香の最初の台詞の前までです。地の文だけでなく、台詞も変えてみました。 改造前(課題部屋のNo.684「メイド」より) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  梅雨入り前の、爽やかに晴れた土曜日だった。  自宅に帰りついた野々宮桐子は、部屋を見渡して感嘆の声を上げた。 「まああっ、きれいになった」  ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。床に置かれた洗濯籠からは、山をなす汚れた衣類が消えていた。窓から吹き込む風に顔を上げれば、ベランダに白く輝くブラウスやらタオルやらがひるがえっている。窓の横のガスレンジには、油汚れの痕跡もなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 改造後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  梅雨入り前の、爽やかに晴れた土曜日だった。  野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して声を上げた。 「まああ」  フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。床には空っぽの洗濯籠が置かれている。出かける前には、汚れ物が山をなしていたのに。  あの衣類はどこへ? 桐子が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。  ベランダからの光が、ガスレンジの上で輝いている。油汚れは跡形もなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  良くなっているならば、この調子で全文を書き直します。少しは進歩しているのでしょうか?(^^; -------------------------------------------------------------------------------- 雲速く No.7306 投稿日 2003年12月4日(木)10時30分 投稿者 名無し君2号  寒空、からりと晴れて、雲速く。  猫、にゃうごと鳴いて、我が足にすり寄り。  毛だらけ。  たわむれに我さすりて、猫ごろごろ、のど鳴らし。  顔を我が手にこすります。額をこすり、頬こする。こすれ、こすり、こすろ。  だめ押し、にゃうごと鳴いた。  ――お前が甘えているのは、雲が速いからだろう? >No.83「畏れるばかりで」(1000文字) >弟切さん  はい、お答えします。 (1)由紀子は速水のことを好きなのか、嫌いなのか、どっちだ。  好きなんですが、本人はそれを自覚していません。    『好きなんだと思われているけど、本当は恐がっているだけ』。  その恐がっている理由は、『相手を好きだから』。 (2)由紀子は速水のどんなところを「すげえ!」と思っているのか。  たやすく自分を傷つけるところ(勝手に傷ついてるわけですが)。でも離れられないところ。  神を畏れるのはなぜだろう?  優しいから、そして恐ろしいから。決して勝利することができないから。  おなじ……じゃないのかナー。どうだろ。 >1000字課題  No.91「静寂」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=707&e=res&lp=550&st=0  客観視点、動きのあるシーンを描くことに重点。 ○弟切さんへ >文体改造  ひと目見ただけでも、よくなっているのがわかります。読みやすいですし。  省略できるところは省略していること。  説明ではなく描写になっていること。  この2点が目につきます。  どうぞこのまま頑張ってください。新しく書くのもいいかもしれませんね。  レスには1時間。ねーむーいー。 -------------------------------------------------------------------------------- 激痛 No.7307 投稿日 2003年12月5日(金)19時47分 投稿者 弟切 千隼  昨夜、弟切はすさまじい頭痛に見舞われてのた打ち回っていました。ここのところの体調悪化が高じたようです。  鎮痛剤を飲んで一晩眠って、激烈な頭痛は治まりました。しかし、体調の悪さは続いています。長時間起きて活動していられません。  医者には、「不規則な生活による蓄積疲労だ。仕事を減らして休め」と言われました。それができたら苦労はしませんね(;_;) >文体改造  良くなっているというお言葉をいただきましたので、課題部屋のNo.684「メイド」を全文書き直します。 >課題部屋のNo.699「畏れるばかりで」  No.7306の2号さんの説明を読みました。「こういうのもありかも知れない」とは思いました。  けれども、ずいぶん理解しにくいですね。これを他人に理解させ、なおかつ納得させるには、1000文字の掌編では、とても足りないのではないでしょうか。  弟切も、納得はしていません。  これを読者さまに納得させるには、少なくとも長編が一本必要でしょう。それを無理やり1000文字に押し込めては、「何が書いてあるのか意味不明」になるのは当然ですね。  「畏れるばかりで」は、テーマの選択を間違えたということでしょう。  この作品については、これ以上突っ込んでも益は少ないと思うので、突っ込むのはやめにします。2号さんがこれを教訓にして下されば、より良い作品を書けるようになるでしょう(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- 虎落笛[もがりぶえ]眠[ねむり]に落ちる子供かな No.7308 投稿日 2003年12月7日(日)00時38分 投稿者 弟切 千隼  冬の強い風が垣根や電線に吹きつけると、笛の鳴るような音がしますね。これを虎落笛[もがりぶえ]と呼びます。  この音を聞くと、冬の厳しさが身に迫って感じられます。古来、虎落笛が冬の風物とされた理由がわかりますね。 >文体改造  課題部屋に、No.684「メイド」を書き直したものを上げておきました。No.708がそれです。 2号さんへ >  課題部屋の1000文字課題をいくつか読みました。  何箇所か、表現に引っかかるところがあったので、指摘させていただきます。 >>No.703「いしやきいも」 >> いい加減、冬もすぐそばまでやってきたかで、あとは雪が降るのを待つばかり、そんな風情になってきた。  『冬もすぐそばまでやってきたかで』という部分に引っかかりました。  ぱっと読んで、これがどういう状態なのか、読み取れる人は少ないでしょう。  話し言葉なら、こういう表現はないことはないでしょう。しかし、書き言葉としては、くだけすぎて理解できません。「やってきたか」と書いてあれば、疑問形なのかと思ってしまいます。 >> ひだまりのなか、丸くなっている猫が一匹。赤い車を下敷きに、黒い毛玉と化していた。となりには白い家が見える。  『赤い車を下敷きに』で、弟切は目を疑いました。  ひょっとして、この猫は自動車一台をまるごと下に敷けるほど巨大なのでしょうか?   この文を素直に読めば、この猫は巨大な化け猫にしか見えません。 >>No.704「離魂病」 >> ポプラ並木が舞い散る歩道。  すみません、この文を読んで、弟切は笑ってしまいました。  ポプラの木が舞い散るって、どんな強風ですか? >>No.705「ばらばら」 >> 厚い雲に阻まれて、月も街を照らしてはくれなかった。 >> そして生まれた闇の死角に、少女の姿が浮かびあがる。 >> 草むらをかきわけ、少女は歩いていた。セーラー服に青白い肌がめだつ。その首すじで、なにかがきらめく。  この文章からは、まったく光景が思い浮かべられませんでした。あまりにも視点が混乱しているからです。  『厚い雲に阻まれて、月も街を照らしてはくれなかった。』という文では、上空に視点があります。  次の文の『そして生まれた闇の死角に』というのは、どこを指しているのでしょう? 素直に読めば、視点は上空にあるのですから、『少女の姿』は上空に浮かんでいるように見えます。  ところが、次の文へ行くと、『草むらをかきわけ』とあります。まさか上空に草むらがあるわけではありませんよね?  他にも、違和感のある表現がいくつかありました。  全体的に、文章が荒くなっているように感じます。考えずにぱぱっと書いてしまっているように見えます。考えすぎておかしくなっているのかも知れませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- オノ・センダイ No.7309 投稿日 2003年12月7日(日)07時42分 投稿者 名無し君2号  サイバーパンク小説の代名詞、マトリックスの元ネタ、W,ギブスンの『ニューロマンサー』を読んだ!  なにがなんだかよくわからなかった!  以上!  ――が一回目に読んだときの感想。  いまは二回目の途中。なんだかおぼろげにわかって――きた――ような――気が――する。  ネットに意識を飛ばせる時代、ハッカーたちが自我を持ったAIに利用され、そのAIを人以上の存在にする話――でいいのかしらん。  ああ、漫画の『攻殻機動隊』なんだな、と思ったら途端にイメージするのが楽になった。 似たような話であっても、漫画として読むのと、小説として読むのでは、読者の苦労レベルがだいぶ違ってくる。当然ながら漫画のほうが楽……でもなかったなあ。何回も読み返した記憶が。  文章を読んで、映像をイメージすることができるか――否か? という問題。  文章が翻訳調なのも影響してるのだろうけど、一回目はなんのこっちゃかわからなかった。『コフィン』だの『スプロール』だの、固有名詞はふんだんにでてくるのに、説明がまったくないもんだから、どうすればいいやらと途方に暮れる。  読み進めていくうちに、なんとなくわかってくるのだけど。だから二回目でようやく理解できはじめたのか。 >1000字課題  No.92「アルバム」(1400文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=709&e=res&lp=550&st=0  客観視点。  こういう家の部屋だの学校の教室だの、身近な場面だとそこそこうまく書けるのに、ちょっと毛色が違う場面――草原だの、街中だの、夜の廃校だの書くと、いきなり駄目になる。  量をこなすしかないか。 >弟切さん >No.83「畏れるばかりで」 >>これを読者さまに納得させるには、少なくとも長編が一本必要でしょう。それを無理やり1000文字に押し込めては、「何が書いてあるのか意味不明」になるのは当然ですね。  この一文がすべてをあらわしていると思います。  ネタに困ると、こんなことになるといいますか。 >NO.708「メイド書き直し版」  NO.708「メイド」を読みました。  とくにつっこむポイントはないです。  メイドさんが胸につけてるネームプレートを書くために、エプロンの肩ひもを直させたのはうまいな、と思ったりしました。 >指摘について  1000字課題、読んでいただいてありがとうございます。  ざっと読んで納得してます。細かい返答は次回に。  ――というわけで、しばらく読書期間でした。太宰治の『斜陽』なんかも読んだり。ではまた。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒月 No.7310 投稿日 2003年12月7日(日)22時19分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南では強い風が吹いて、雲を吹き払ってしまいました。おかげで月が煌々と冴えて見えます。 >描写練習  描写の練習をしてみました。お題は「美人」です。課題部屋のNo.710に上げてあります。  顔の造作を一切書かずに、「美人」が描写できるかどうか、挑戦してみました。ちゃんと美人に見えるでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- おひさしぶりです。 No.7311 投稿日 2003年12月8日(月)12時20分 投稿者 羽矢野  閑散としている……。  また、しばらくぶりに書き込みをします。  結婚式も無事終わり、新居に引っ越して新しい暮らしが始まりました。  まだ完全に引っ越しが終わっておらず、インターネットの回線どころか、パソコンすら繋げられないので(これは会社で書いて送っている)なかなか参加は難しいのですが、もう少し落ち着いたら定期的に書き込みができるようになると思います。 (この書き込みも、四日くらい昼休み費やしている。なので、数日ずれたような話題がのぼるかもしれないですが、それは勘弁) ●名無し君2号さん(だから、名前は?) >>No.90「紅く塗りつぶせ」 少しだけ、指摘を。 >>かたかた、と音がした。 >>大きな鏡台をまえにちょこん、と三つ編みの女の子が座り、引き出しを開けたり中 をかき混ぜたり、小さな背中をちょこちょこと揺らしていた。  音から始まり、人物像へ向かう客観視点ですね。  といっても“ちょこん”とか“ちょこちょこ”とかあるので、完全客観視でもないのかな。作者視点とでもなるのか。  市販の小説で、よく使われてます。  一行目に音があり、二行目にそれが女の子が鏡台の中をゴソゴソしている音だと説明してます。  これ自体は、音で興味をそそらせて、読者を引き込もうという意図かな。それはとてもいいんじゃないかと思うのですが。 >>かたかた、と音が“した”  語尾が過去形になっているということは、その二行目には音はしていないということですよね?  つまり、ゴソゴソ探しているのではなくて、口紅を持ってにっこりしている少女がいないとおかしいですね。  または、、一行目をかたかた、と音が“している”  とかの現在進行の形にすれば、二行目で探していてもおかしくはないです。  あと、鏡台の中の化粧品を探すときの“かたかた”は硬い感じなので“カタカタ”じゃないかな。  それともこれは、女の子の力の弱さを描写しているのでしょうか?  そして、カメラ。 >>小さな背中をちょこちょこと揺らしていた >>引き出しを開けたり中をかき混ぜたり、  背中から見ているのか、手元が見える位置から見ているのか。  これだと絵がでてきません。 (厳密には、中をかき混ぜているのは、どこからも見えないから本人以外わからないし) >>やがてその動きも止めて、こんどはじっと鏡を見つめている。ただ、右手だけはし きりに動かしていた。  そして、口紅を塗ってますが。  これは途中が抜けてますね。  おそらく、口紅を塗っているのだという情報を後に持っていく為だと思いますけど、口紅を見つける部分がない。  これは、変。  小さな女の子が、探し物をしてそれを見つけたのです。  そしてそれは、見たこともあるし、何なのか知っている(といっても、口紅というものではなくて、綺麗になる道具という認識だろうけど)けど、さわったことのないものです。  そして、お母さん(大人)の持ち物です。  まず喜び、そしてしげしげ見つめませんか?  子供が、こっそりと大人の持ち物に手を出したとき。  きっと憶えがあると思います。  そして、どうやって出すのか(後ろをひねって出すことを知っているの?)試行錯誤しません?  そして、口紅を塗っている部分は見えなくて、右手が動いていることだけがわかるということは、手元が見えている前の部分とカメラの位置が違ってますね。 >>「――なにをやってるの、小雪ちゃん」  ぴくん、と女の子は背中を震わせた。おそるおそるといった動きで、後ろを振り返 る。 >>後ろを振り返る。  これは、意味の重複ですね。  振り返るといったら後ろに決まってます。   >>おそるおそるといった動き  これは、手ぬきです。  おそるおそるという感想は、読者にそう思わせるものです。  ここは、描写で読んだ人に、おそるおそる振り返った(ということは、見つかると困ることをしていたんだな)って思わせられると面白いです。  と細かくはここまで。 ●その他。 >>ティッシュで小雪の口元をぬぐいはじめる。  弟切さんに訊いてみるとよいですが、ティッシュでふいたくらいだと、口紅って落ちません。(特に、こんなシチュエーションのとき)  漢字のひらきが意識してあり、女の子はひらがなを使ってあるのはよいですね。  個人的に気に入ったのは、 >>「わたし、きれいですか」  と女の子が母親に尋ねたことです。  口紅を塗って自分が綺麗になったかどうか、わからないんですね。  不安で訊いてみる。  そして母親に綺麗だと言われて、素直に喜ぶ。  雰囲気的によいんじゃないでしょうか。  あと、口調が変なのは、時代が今じゃないからですか?  それにしては、“ティッシュ”とか普通にでてきてますが。  よくわからないだけで終わったのは残念です。  とこんな感じで。  少しやさしめにやってみました。 ●これは、どうでもいいことだけど。 >>ひと目見ただけでも、よくなっているのがわかります。読みやすいですし。 >>省略できるところは省略していること。 >>説明ではなく描写になっていること。  これだと、わかんないですが。  指摘は、具体的に引用して、やった方がいいと思います。 ●弟切さん  ちょっとだけ。  すでに全文書き直してしまったみたいで、遅いですけど。 >>野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して声を上げた。 >>「まああ」  これって、逆だと思います。  声を上げたという説明の後で、感嘆がセリフとして入ってますが、これ本当にそれだけで、他に情報入ってないですし。  彼女は叫び声をあげた。 「きゃああ」 「きゃああ」  彼女は叫び声をあげた。  セリフがあとだと変ですよね?  それとも……私だけ? >>フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。  私より弟切さんの方が知識はかなり上であるので、これ私が間違っているかもしれませんが。  これは、日本語として正しいのでしょうか?  フローリングの床が、顔が映りそう“なくらい”に磨かれていた。  とかならわかるのですが。  それとも、これは目をとめるために、わざと壊しているのでしょうか? >>見渡して声を上げた  とあってから、床から始まってますけど。  汚い部屋が綺麗になってると、全体的に違いを見てから細かい部分に目がいくと思うんですけが。  床が見えるー、洗濯ものが全部洗ってあるー、汚れた皿が流しにないー、って一通りびっくりしてから、よく見たら顔がうつるくらいにピカピカだー。(フローリングでそれは変なんですけどね。ワックスでもかけないと。意味は伝わるんですが。本当に顔がうつるステンレスの流しがあるのだから、そっちにすればいいのに) >>桐子が顔を上げると  ここも。場所を移動することなく、洗濯物が見える位置にいるのなら、同じ目線にあるこっちの方が先に目にうつりそう。  白い洗濯物が、窓に干してあったら、まぶしいと思うんですが。  だから、一通り驚いてから探すのは変に見える。  とこんな所で。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 札幌には雪が積もりました No.7312 投稿日 2003年12月8日(月)23時28分 投稿者 青葉桂都  専業小説家になれたなら、雪の中出歩く回数が減るかなぁ、などと考えてしまった青葉桂都です。  こんにちは。お久しぶりです。  新木さんからレスいただいてから……と考えていたのですが、どうやら間が悪かったようで。  半月も経過していますし、一応返信していただいた方へご挨拶だけでもと思って書き込みにまいりました。 >>名無し君2号さん  どうも、はじめまして。  美人の描写は、一応書いてみたんですが。  自分で読み返してみてすら、いったいなにを書いているのやらさっぱり、という状況でした。  せめて、他人には伝わらないまでも、自分でなにを書こうとしたのかくらいは説明できるようなものを掲示しようかな、と。  書く目的は私の実力がどのくらいなのか(どのくらい低いのかと言ってもいいですが)見せることです。美人の描写の練習そのものではありませんので。 >>弟切千隼さん > 復帰して下さるならとてもありがたい、と弟切は思います。一緒に走ってくれる方がいるのは、たいへん励みになります。  こう書き込みに間があると、私の発言には説得力がないですが。  そういっていただけるととてもありがたいです。  新木さんが戻ってこられるまで、ひとまずは、皆さんのやっていることを見学させていただこうかなと思います。  それでは、今回はこれにて失礼させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 羽矢野さん復活ですか。 No.7313 投稿日 2003年12月9日(火)01時25分 投稿者 弟切 千隼  引越しの後は、片付かなくて大変でしょう。片付けの苦手な弟切は、年末の大掃除を考えただけで熱が出そうです(^^;  本格的な復帰をお待ちしています。 >課題部屋のNo.708「メイド」書き直し  久しぶりの御指摘、ありがとうございます > 羽矢野さん。  ちょっと今、説明がうまくまとまりません。応答は次回に回させて下さい。 >課題部屋のNo.706「紅く塗りつぶせ」  女性の目から見ると、この作品は、突っ込みどころが多すぎます。弟切は、どこから指摘しようか悩んでいました。  一般的なことを言えば、羽矢野さんと同じ点が弟切も気になりました。以下にまとめます。 ●視点がどこにあるのかわからず、絵が思い浮かべられない。 ●台詞が古風すぎて不自然である。  すでに羽矢野さんが指摘されているため、これら二つの指摘はしないでおきます。 >口紅はティッシュでふき取れるか  ふき取れます。  ただし、軽くぬぐった程度では口紅は落ちません。力を込めて何度かぬぐう必要があります。  「口紅」に関しては、ティッシュでふき取れるかどうか以前に、もっと大きな問題があります。男性が女性の化粧を書くのは難しい、と実感させる問題です。  これについては次回に回します。  「口紅はティッシュでふき取れるか」を実証するために、弟切は何ヶ月ぶりかで口紅を塗りました(^^; そして、実際にティッシュでふいてみました。  こんなことでもないと、弟切は口紅すら付けません(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 風は邪に No.7314 投稿日 2003年12月9日(火)02時01分 投稿者 名無し君2号  すみません、いまだに名前は2号です。  昨日からちょっとばかり寒気がして熱がでて、そして喉が痛いです。一言でいうと風邪です。  もう風邪のピークは過ぎたと思うので、明日かあさってには治っている――といいなあ。  なのでおとなしく寝ています。家族が寝静まったのを見計らってこれ送ってます。「風邪ひいてるのにパソコンなんて!」って怒られるんですよ、いい年なのに。 >弟切さん >710 弟切、「美人の描写」若い美女編  読みました。  主人公が美智代という少女、おそらく学生。  そこにあらわれるのがお姉さん。大学生か、社会人か。20歳以上と見る。  この『お姉さん』を美人と感じるかどうかですよね。  美人というより……なんだろうな、赤い手袋のほうが印象に残ってしまいました。 >>紅いメトロノームのように、手袋がリズムを刻んだ。  この一文の印象が強かったんだと思います。  それと、これはわざとそうしているかもわかんないですが、お姉さんの顔自体の描写がないんですよね。  主人公の少女は、お姉さんが登場するまえに、自分自身の容姿をいろいろとつっこんでます。  そのなかで―― >>寝不足のせいでまぶたが腫れぼったい。目の下には涙の筋まで付いている。あくびした 時に、涙が出ちゃったんだ。  ――と、顔についても言及しているんですが、お姉さんの顔については、たとえばお化粧をしっかりしてるなあとか、目がぱっちりしてるとか、大人だなあ、などの感想がなにもないっす。  もう一回読む。こんどは香水の残り香が印象に残る。  お姉さんの服装と香水とで、『大人の女性』が浮かぶ。それも学生の目から見た『大人』の女性。社会人としてはまだまだなんだけど、少女から見ればあこがれの存在。かっこいい。  でも美人かなあ……。どうだろうか。 >708 1000字課題、弟切、「メイド」、全面書き直し  メイドさんのセリフを試行錯誤している、ような気がする。 >>「わあ、『キルフェボン』のケーキ! 一度食べたかったんですぅ。こないだ、お店の前ま で行ったのに、彼がこんなお店に入るの恥ずかしくって嫌だって」 >>「そう、そうなんですぅ」  具体的には「〜ですぅ」ですが。  この話は女性向けとして書いたもの……と記憶してます。今回の版もそうなのかはわかりませんが。  女性向けとして……「〜ですぅ」はアリなんでしょーか。  野郎向けなら、「ですぅ」じゃなく、かえってハキハキした語尾のほうがよかったかもしんないです。生真面目な印象のほうが。  これは個人差があるか……。 >羽矢野さん  お忙しいところ、ご感想ありがとうございます。やさしめなのは読んでいて感じました。飴とムチですね。  レスは次回にします。 >青葉さん  これは私が言っていいことじゃないかもしれませんが……。  とりあえず課題部屋に、書きあげた『美人課題』をあげておいてもいいんじゃないでしょうか。  新規参加というわけでもないですし、新木さんが戻ってくるのがいつになるかわかりませんし。  指摘できればしようと思います。  ではまた。 -------------------------------------------------------------------------------- ネット復帰。 No.7315 投稿日 2003年12月9日(火)11時21分 投稿者 甘夏  幽霊視点三人称地獄にはまり、身動きがとれない甘夏です。  もう、一行もかけない。  なので、リハビリもかねて、指摘のほうやらせていただきます。 >弟切さん 『美人描写』  まず、これは大人の女描写です。  美人である必要性が感じられません。  私も、似たようなことを書いた気がする(課題部屋651)  あと、格好、変じゃないですか?  灰色のロングコートに灰色の帽子、それに紅い手袋を……あわせられません。  もしかして、そのチグハグさを着こなせるから、  お姉さんはとてつもない美人、ということになるのでしょうか。  で、読んだイメージなんですけど。  これ『美人描写』というより、 『だらしがなくて格好に気を使わない主人公描写』  になってしまうんじゃないかと思います。  ギャップを狙っているにしても、  お姉さんのイメージが弱すぎる。 >> 灰色のロングコートが軽やかに揺れている。  ロングコートがゆれているってことは、前は開いているのかな?  それとも、マトリックスリローデッドのネオみたいに、  上の数個のボタンしか留めてないとか?  どんなタイプのロングコートなのか、不明。  私、クリーニング店勤務なので、服装にはこだわります。  服装って、個人のイメージを大きく左右しますし。 >>腰の高い位置に、ベルトがきゅっと締まっていた。  腰の高い位置に、ってことで、足の長さ、腰の高さ(デルモ体型)を描写してる。  ようにも見えるけど……意識的にですか?  それはともかくとして、また、ポカ。  えと、弟切さんならよくわかってくれると思うんですけど(2号さんは不安w)  ベルトって、おしゃれの中でも、一番のアクセントだと思うんですけど?  ○ーコさんも、ベルトにこだわること多いですし(笑)。  ベルトが細いのか太いのか。  長いのか短いのか。  留め金は大きいのか小さいのか、デザインは?  ベルトの色は? 装飾は? 鋲とか打ってるの?  で、留め金をどこにもってきてるのか。体の正面か、やや斜めか、側面か。  以上のことを組み合わせるだけでずいぶん、イメージが具体化するように思います。  もし、今回の場合。留め金がゴールドだと、随分目に付いたでしょうし。 >>それは、若い女の人だった。  ……唖然。  それは、説明でしょーーーーーーーーーーーーー(叫)  美人描写の場合、年齢ってすっごい大きいと思うんです。  てゆうか、大きいに決まってます。  それをなんで、一言で書いてしまうんですか。  年齢によっても、コートの種類、ベルトの種類も変わりますよね?  それを描写しましょう。よ。 >>コートと同じ灰色の帽子が、ボブヘアをきれいにまとめている。  えと、弟切さんの悪い癖。  灰色のコートと同じ種類の帽子、なのか(コートの付属品又は同メーカー)  コートと同じ灰色の、帽子、なのか(色が同じ)  どっち?  そうだ、灰色の種類は? 灰色も随分幅広くあるんですけど。  で、どんな帽子なの?  麦藁帽子? テンガロンハット? シルクハット? 野球帽? ベレー帽?   帽子も、イメージにかかわりますってば。すごく。  あと、帽子に髪をまとめる役割ってありました?  ちょっと想像つかないです。 >>何よりも目を引いたのは、手袋だった。モノトーンの服装の中で、そこだけ、紅い。  目を引いた割には、種類がわからない。  メッシュ地だったのか、革だったのか、毛糸だったのか、ニットだったのか。  これもイメー(以下略)  はっ! これって、鏡に映った姿だったの?  どこの……歩道橋を上りきったところで、ガラスを見た。  否、歩道橋の端まで行ってるのか。  ん? どの端だ?  幅でいうところの端?  それとも、長さでいうところの端?  長さでならわかる。正面数メートルで建物がある。  でも、幅でだったら……いったい、どこのファッションビルを見てるんだ。  T字交差だとしても……道路、丸々一本はさんでるわけですよね。  はれぼったい目、涙の跡、見えるか?  てか、服装自体、ちゃんと見える?  私はひどく目が悪いので(裸眼で0.01をきってる)ちょっと想像つかない。  見えるのかな? う〜ん。  でも、それだけ遠かったら、女の人の姿もはっきり見えないんじゃ……?  と、言うより。ガラスに映った映像って、色は、はっきりと識別できないんじゃ?  私の体験では、色はほとんど出ない。灰色っぽくなるはず。  どうなんだろう。  その辺のところ、弟切さん、教えてください。 >>紅いメトロノームのように、手袋がリズムを刻んだ。  あれ?  紅いメトロノームってことは、左右の動き。  横姿? 手を軽く振って歩いてるってこと?  ってことは……歩道橋の幅? ウソ。  えぇーーーーーーーーー。  やっぱり、おかしいですよ。  せめて、  ビル街を歩いてて、ふと格好が気になってガラスを覗き込んだら、  後ろを格好いい女の人が通りかかった。  みたいな感じだったら納得できたのに。  何故、波動砲もとい歩道橋? >>彼女が後ろを過ぎる時、ふわりと香水が香った。  だーかーらー、どんな香水だったんですか〜?  具体的に『シャ○ルのX番』とかはわからなくても、  柑橘系、とか。  やさしい香り、とか。  まったりとしたなかにもきれとコクがあってなおかつしつこくない、とか(笑)  何かあるでしょう?  以下略。  最後に、個人的な総括。  歩道橋である必要性の不明(少なくとも、私は激しく混乱)  服装の曖昧性。  あとは、顔の描写なしで美人を書くには、もっと仕草を多く取り込むべき。  口調とかもあると思いますが、今回は入れようがないですし。  服装だけで書くにも、あの曖昧さじゃあ、無理です。  年齢も不明。若いって書いちゃった反動。  私には25歳くらいに感じられました(私は19です)  個人的な趣味でいえば、ロングコートには長髪が合うと思います。  あと、ヒールを履いているのなら、音なんかも入れるとよかったかもしれません。  靴はいてないわけじゃあ、ないですよね? 『メイドさん全書き直し』  いきなり『梅雨入り前の』ときてぶっ飛んでしまいました。  梅雨入り前の……  不自然では?  ダイニングに、洗濯籠を置くか否か。  個人的に名札の名前は『』で囲ったほうがいいと思ったり。 >>一人暮らしで働いてると、家のことやりきれなくてね。お金を出して家事をやってもらうのもありよね。だのに、女だってだけで家事をやらないのは最低だなんて言う男がいて   という台詞は、不自然。激しく不自然。  愚痴ですらありません。  脳内で言うことはあっても、絶対に口からはこんな言葉は飛び出さしません。 >>桐子は軽く頬を叩いた。  何歳ですか? >>わあ、『キルフェボン』のケーキ! 一度食べたかったんですぅ。  ですぅ。ですぅ。ですぅ。  プロでしょ?(怒)  でも、このあたりが弟切さん的『メイドさん』なのかな、と思ったり。 >>じゃあ、桐子さん、て呼んでもいいですか?  だったら、普段は『野々宮さま』と呼ばせるべき。 『野々宮さん』→『桐子さん』  では、あまり進展がないように思います。  う〜ん。全体的に『プロ』がかけているように思います。  設定のリアルさ(他所のメイドさんに比べて)と、プロさの欠如。  が、噛み合っていないように感じました。  ドジでお皿を割りまくる眼鏡っ子メイドさんに、  プロ意識を持たせようとは思いません、彼女らはボランティアですから。  しかし、メイド派遣業とはプロの仕事なわけです。  彼女らは家事のプロであり、接待のプロである、はずです。  お客様のことは『さま』付けで呼ばせたいですし。  敬語の徹底もさせてあげたい。  でも、それは『メイド』であり、『メイドさん』ではなくなってしまいますよね。  う〜ん、むつかしい。 >2号さん。  名前は決まりましたか? 『アルバム』  のっけから視点が、不自然。 >> ぶ厚いカーテンの隙間から、外の光が差しこんでいる。薄暗い部屋のなかで、その 光はひと筋の煙を、鮮やかに浮かびあがらせていた。 >> 煙の元に一郎の姿。  これじゃあ、一郎から煙が出てることになります。  一郎、燃えてるんですか? ダメだ、人生に絶望したからって、焼身自殺は。  と、いうのは冗談で。  カメラワークとしては、ズームしていく視線だと思うんですね。 ・部屋の全景(カーテンの隙間からの光) ・光の中(立ち上る煙) ・煙(視点が下がる) ・一郎(一郎から煙が!!)  違う。  この視点移動からだと、次はタバコの灯。  暗い部屋の中でぼんやり光るタバコの灯。  タバコから、栄養不足でがさがさにひび割れた唇。  次に顔。  で、一郎全景。  タバコの火から、徐々にマクロ化していく感じです。 >>とん、とん、とん。  の、前に部屋の全景を入れたほうがいいかもしれないです。  一気にマクロ化してる気がします。  一郎→部屋→部屋の外。という感じですが。  好みの問題のような気がしてきましたが。 >> 顔をしかめて、一郎はタバコを枕元の灰皿でもみ消し、ふとんのなかにすっぽりと潜りこんだ。  三分割されてますよね、この文章。 ・顔をしかめるという動作。 ・タバコを消すという動作。 ・ふとんにもぐりこむという動作。  二つにしたほうがいいかもしれないです。 ・顔をしかめながらタバコを消すという動作。 ・ふとんにもぐりこむという動作。  という具合に。  顔をしかめてからタバコを消したのか。  顔をしかめながらタバコを消したのか。  画像はぜんぜん違ってきます。 >>そこには恵の姿があった。横手に本を抱え、いきなり眉をひそめる。  なんだか、違和感があります。  私の視点が、一郎といっしょにふとんの中にもぐっていたからだと思うのですが。  どこからだろう。  一郎、タバコ吸ってる。  ドアの外で、音が聞こえた。  一郎、タバコ消した。  ふとんにもぐりこむ、同時にドア開く、セーフ。  このあたりで、流れが一郎よりになってるからかな。  う〜ん、他の人はどう感じたのだろう。 >>ふとんから、一郎が顔を突きだす。  ふとんにもぐっているなら、  カーテン開けられようが知ったこっちゃないと思いますけど。  それなら、恵が、ふとんをひっぺがすまでやらせればよかったと思います。  もし、どうしてもふとんに入ってなきゃいけないなら、 >>手に持っていた本を、ぽんとほうり投げる。慌てながらも、一郎はなんとかそれをキャッチした。がばりと起きあがる。  キャッチさせずに、ふとんの上に落とさせるのがいいと思います。  ほこり、たたせてみたり。  あと、がばりと起き上がらせるには動機が不足してるかな、と感じました。 >>なんだぁこれ、なんだぁ  って、なんだぁ。  これは気になりました。 >>やがて、一郎は視線を泳がせはじめた。  時間の流れが不自然。  やがてって、辞書で引きましたか?  今回の場合はそぐわないと思います。  先に、視線を逸らしたのは一郎だった。とか。  やがて、っていうのは変。  う〜ん、ストーリー的には私、すごい好きです。  ストーリーは1400字で○。本当はもう少し欲しかった。  でも、視点は散漫な気がします。  いったい、何視点なのだろう。  誰を見てるのだろう。  一郎よりなのか、恵よりなのか。  私も視点を理解しているわけではないので、詳しくはいえないのですが。  こればっかりは新木さん待ち、ということになるのでしょうか?  さて、私は、どうやればまた小説がかけるのだろう。  よ〜く考えよ〜  考えてないで書けよ>私 -------------------------------------------------------------------------------- 追記 No.7316 投稿日 2003年12月9日(火)11時36分 投稿者 甘夏  若い女の人だった。  視点からすると、年上のになるのでは?  よくよく読んだら、すんごい不自然でした。  私は19ですけど(いえ、視点と年齢が同じくらいだから)  基本的に、人を見て『若い』と思うことないですもん。  若さとは相対的なものでし。  私が若いと思うのは、  実際の年齢よりも、見た目、行動が『若い』とき。ですね。  それも、どちらかというと中年以上の年齢の方に対してのみ 『若い』という感覚は発動します。  あぁ、言いたいことがまとまらない。  とにかく。  若いとは思わない、と。  特に、年上の人に対して、若いとは思いづらい。  と、いうことです。 -------------------------------------------------------------------------------- 時間との戦い。 No.7317 投稿日 2003年12月9日(火)12時30分 投稿者 羽矢野  まだ復活とはいかないですが。(段ボールに囲まれて暮らしてるので)  なるべく、書き込みはしていきたいと思います。 ●口紅  ちょっとだけ追加。  えっと、普通に塗った時はティッシュでもふき取れるでしょう。  でも、子供が口のまわりを“ぐるぐる”と力一杯拭ったときは落ちないと思います。  何で知ってるかと言うと……。  私は男ですが、ガキの頃やったんですね。これ。  どんな味がするものなのか、いっぺんやってみたくて。  半分くらい使って怒られたのを今でも憶えてます。  一応私の奥さんにも訊いてみましたが。  普通だとティッシュでもいいけど、こういう場合は無理だよって言ってました。 ●美人の描写  細かい指摘はあまり意味がなさそうなので、全体的な印象を。  みんなも言ってますけど、美人には見えないですね。  それ以前に、 >>「美人の描写」若い美女  なのに、全体の四分の三が過ぎてから美女が現れるって……ダメじゃん。  あとこれは、美人を描写しようとしてるんですか?  私は“格好いい”女性をやろうとしているように読めます。  印象として、抽象的な言い方をすると、匂ってこない。  美人って、顔やスタイルがいいことだけではないですよね。  歩き方や、立ち振る舞い。表情。  美人は、やっぱり美人な歩き方や、立ち振る舞い。表情をすると思うんですよね。  そういったものが、すべて美人の方向を向いていたとき、その人物は美人に見える。  これはなんというか、ちぐはぐだな、と感じました。  ああ、時間がない。(昼休みなんで)  ので、今日はここまでです。 -------------------------------------------------------------------------------- あ。 No.7318 投稿日 2003年12月9日(火)19時59分 投稿者 甘夏 >2号さん  客観視点て書いてあった。  ゴメンナサイ。勘違いでした。  あと、再度自分の指摘を読み返してみて 『〜がよいと思います』  が少し、うざかったと思います。  個人的な趣味もあると思うので、参考程度にとどめておいてください。  さて、書くぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- 賑わってきましたね。 No.7319 投稿日 2003年12月10日(水)00時42分 投稿者 弟切 千隼  羽矢野さんに続き、甘夏さんも復活ですか。いろいろな方から指摘していただけるのは嬉しいですね。 青葉さんへ >  2号さんも書いているとおり、とりあえず復帰されてはいかがでしょうか? 特に問題はないと思います。  分室を続けていて感じるのは、「実際に手を動かさないと上達しない」ということです。ごく一部の天才を除けば、人間は、実際に行動しないと学習できないようですね。  他人のやることを見ているだけでは、なかなか上達できません。実際に自分の書いたものを叩かれてみると、「ああ、そうだったのか」と気づくことが多々あります。  せっかく練習できる場があるのですから、行動しないのはもったいないですよ(^_^) >課題部屋のNo.708「メイド」  2号さん、羽矢野さん、甘夏さん、御指摘ありがとうございます。  2号さんからは突っ込みがありませんでしたので、羽矢野さんと甘夏さんの疑問や指摘に応えさせていただきます。 羽矢野さんへ > >>>>野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して声を上げた。 >>>>「まああ」 >> これって、逆だと思います。 >> 声を上げたという説明の後で、感嘆がセリフとして入ってますが、これ本当にそれだけで、他に情報入ってないですし。  手持ちの商業小説を何冊か読んでみました。こういう順番で書かれている部分をいくつも見つけました。弟切は、それらの小説を読んでみて違和感を持ちませんでした。  台詞と地の文の順番に関しては、問題ないと思います。  ただ、ここの台詞の情報が少ないというのは、傾聴すべき意見ですね。もっと桐子のキャラクターを表わす台詞にしたほうがいいでしょう。 >>>>フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。 >> これは、日本語として正しいのでしょうか?  この部分は、弟切も迷ったところです。最初は、羽矢野さんが指摘されたとおり、 >> フローリングの床が、顔が映りそう“なくらい”に磨かれていた。 としていました。  それをなぜ『顔が映りそうに』としたかといえば、響きが悪かったからです。推敲のために音読したところ、どうしてもここでつかえて、すんなり読めませんでした。  この表現が日本語として正しいのか、と問われたなら、弟切には自信がありません。しかし、たとえ日本語としては誤りだとしても、すんなり読めるほうを取ることにしました。 >> 汚い部屋が綺麗になってると、全体的に違いを見てから細かい部分に目がいくと思うんですけが。 >> 床が見えるー、洗濯ものが全部洗ってあるー、汚れた皿が流しにないー、って一通りびっくりしてから、よく見たら顔がうつるくらいにピカピカだー。(フローリングでそれは変なんですけどね。ワックスでもかけないと。意味は伝わるんですが。本当に顔がうつるステンレスの流しがあるのだから、そっちにすればいいのに)  No.7292で、桐子のアパートの構造を説明しています。ここを読み返していただけると、羽矢野さんの理解の助けになるでしょう。  以下に、アパートの説明部分を再録します。 >> 桐子のアパートは、玄関を入ると八畳間くらいのダイニングがあります。ダイニングの床はフローリングです。 >> 廊下はありません。ダイニングから直接、浴室やトイレや居間へと通じています。桐子は浴室とトイレが一体化したユニットバスが嫌いなので、これらが分かれたアパートを選んでいます。 (No.7292の弟切の書きこみより)  柚香は優秀なメイドさんなので、もちろんフローリングのワックスがけもしています(^_^) したがって、ダイニングの床は本当にぴかぴかです。  桐子のアパートは、入るとすぐダイニングです。そこの床がぴかぴかならば、玄関から入った人が、最初に目を止めるのは床でしょう。  ましてや桐子は、出かける前の汚い床の様子を知っています。床自体が汚れていたばかりでなく、乱雑にたくさんの物が置かれていました。それらの物がなくなっただけでも、ぱっと見た時の印象がずいぶん違うはずです。まず、そちらの印象に気を取られるでしょう。  桐子のアパートには、ステンレスの流し台が付いています。むろん、この流し台も、柚香によって磨かれています。  けれども、桐子のアパートは、玄関を入ってすぐのところからは、流し台が見えない構造です。  玄関を入ると、向かって右側に大きな靴箱があります。こんろと流し台はその向こう側です。靴箱が視界を遮るため、玄関付近からは流し台は見えません。  流し台の位置を別にしても、流し台のことを書かなかった理由があります。  弟切は、できるだけ簡潔な文章で意味を通じさせたいと思いました。それには、桐子の動きを最小限にしなければなりません。登場人物を動かせば、その様子を書く必要がありますから。  よって、桐子が動かなくても見える範囲で、「家の中のきれいさ」を書きました。流し台のきれいさを書くには、桐子を流し台の近くまで行かせないと不自然でしょう。 >>場所を移動することなく、洗濯物が見える位置にいるのなら、同じ目線にあるこっちの方が先に目にうつりそう。 >> 白い洗濯物が、窓に干してあったら、まぶしいと思うんですが。 >> だから、一通り驚いてから探すのは変に見える。  洗濯物は、白い物ばかりではありません。むしろ色物のほうが多いです。これは桐子の好みですね。  ですから、それほどまぶしくないはずです。  加えて、桐子にとってはダイニングのきれいさの印象が強いのですね。そのため、先にダイニングに目が行きます。  今回、弟切はこれ以上時間が取れません。甘夏さんへの応答は次回に回させて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- すみません、説明を間違えました(^^; No.7320 投稿日 2003年12月10日(水)10時14分 投稿者 弟切 千隼  今朝、ふと気になって前回の書きこみNo.7319を読み返して、間違いに気づきました。  この部分です↓ >> 玄関を入ると、向かって右側に大きな靴箱があります。こんろと流し台はその向こう側です。靴箱が視界を遮るため、玄関付近からは流し台は見えません。  これを素直に読めば、こんろ=ガスレンジも玄関付近からは見えないことになります。 >> ベランダからの光が、ガスレンジの上で輝いている。油汚れは跡形もなかった。 (課題部屋のNo.708「メイド」より) という記述が成り立ちませんよね。  えーと、実は、流し台とこんろの位置関係は、互いの横につながって並んでいるのではありません。やや離れて、L字型に並んでいます。  流し台は、靴箱のすぐ裏側にあるので、玄関からは見えません。しかし、ガスレンジは靴箱の陰からはみ出して見えます。  前回の説明では、どう読んでも、「こんろも見えないはず」と読まれてしまいますよね。こんなに説明が下手でどうするのでしょう、私(;_;)   弟切はこれから仕事ですので、取り急ぎ訂正まで。  夜にもう一度書きこめると思います。 -------------------------------------------------------------------------------- まいど、メイド No.7321 投稿日 2003年12月10日(水)12時34分 投稿者 羽矢野  そういえば、メイド服を着た若い女性が、部屋に来て掃除や洗濯をするというサービスが、実際にあるらしい。  商売として成り立つところが、今の世の中なのだなあ。 ●弟切さん >>玄関を入ってすぐのところからは、流し台が見えない構造です。 ということであれば、移動しないと、 >>ベランダからの光が、ガスレンジの上で輝いている。油汚れは跡形もなかった。  これも見えないのでは?  続きの文章でこうあったので、てっきり流しがすぐそばにあるものとばかり……。  と思っていたら、弟切りさんの書き込みが。  まあ、確かに説明されればわかるけど。  そんなの、普通想像できませんよ。  読者は読んで得る情報がすべてですし。  流しが見えずにコンロが見えるなんて状態は特殊であり、その特殊さが書かれてなければ、一般的に想像されないと思います。 >>フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。  ほんとにワックスかけて、顔がうつっているのなら、こんな気弱にせずに、 >>フローリングの床に、顔が映っていた。  とすれば、いいのでは? ●読んで最大のヘン  えっと、主人公はすでに何度もこのサービスを利用しているはずなのに、反応が利用第一回目です。  前回も床はピカピカで、汚れ物も全部洗濯してあったはずなのに、何故にそこまで驚くんでしょう? “いつもながら、ピカピカにするわねえ”  なんて感心するならわかるのですが。  あと、弟切りさんの読んでいていつも思うのですが。  これは、メイドさんの話なんですよね?  女性同士の恋の悩み相談とか、お客と店員から発生した友情とかは何かメイドさんを表す上で必要なんですか?  これ、下側三分の二は関係ない話なんですが。  家事のことから、いきなり恋の話って……。  全然別の話が無理矢理一つにくっついている感じがします。  とりあえず、ここまで。  (時間が……) -------------------------------------------------------------------------------- 冬は鍋料理が一番 No.7322 投稿日 2003年12月11日(木)01時45分 投稿者 弟切 千隼  鍋ものが美味しい季節です。作るのが簡単で、多様な食材を摂りやすい鍋料理は便利ですね。弟切は、冬になるとしょっちゅう鍋料理を作っています。 甘夏さんへ >  課題部屋のNo.708「メイド」について、No.7315で指摘されたことに答えさせていただきます。 >> 梅雨入り前の、爽やかに晴れた土曜日だった。 (課題部屋のNo.708「メイド」より)  甘夏さんは、『梅雨入り前の』という表現が不自然と感じられたようですね。  ええと、弟切には、その感覚が理解できません(;_;) どうしてこれが不自然なのか、わからないのです。  『梅雨入り前の』という表現は、日本語として不自然でしょうか? > 皆さん。  ちなみに、Yahooで『梅雨入り前の』という言葉を検索してみましたら、約998件あると言われました。 >ダイニングに洗濯籠を置くか?  普通の一戸建ての家なら、洗濯籠は、浴室に付随する更衣室に置かれることが多いでしょう。脱いだ衣類を入れるのにちょうどいいですからね。  しかし、一人暮らし用に作られたアパートには、更衣室が存在しない場合が多いです。一人暮らしでは、浴室から裸で出てきても見られる心配がないからでしょう。  トイレと浴室が一体化したユニットバスなら、トイレのある空間が更衣室になりますね。  ユニットバスではないアパートで、一人暮らしをしている人は、入浴時に着替えるのにどうしているでしょう?  私の知る限り、そういう人は、浴室前の一角をカーテンなどで仕切って、更衣室の替わりにしていることが多いです。多くの場合、洗濯籠はその付近に置かれています。  桐子のアパートにも更衣室はありません。彼女のアパートはユニットバスではないため、トイレの空間を更衣室にすることもできません。  桐子は、ダイニングの浴室前の一角をカーテンで仕切って、簡易更衣室にしています。洗濯籠はその簡易更衣室、つまりダイニングの一角に置かれています。 >名札の名前  これは、「」よりも『』で囲ったほうがよいでしょうか? 実は弟切も迷いました。  どちらが読みやすいですか? > 皆さん。 >>>>一人暮らしで働いてると、家のことやりきれなくてね。お金を出して家事をやってもらうのもありよね。だのに、女だってだけで家事をやらないのは最低だなんて言う男がいて >> という台詞は、不自然。激しく不自然。 (No.7315の甘夏さんの書きこみより)  この台詞は、「説明っぽくて不自然だな」と弟切も感じていました(^^;  もっと工夫します。書き直します。 >>>>桐子は軽く頬を叩いた。 >> 何歳ですか? (No.7315の甘夏さんの書きこみより)  あ、これも不自然ですか。  桐子は三十歳という設定です。三十歳の女性でこういう動作をする人は、確かに少ないでしょうね。  けれども、弟切は、三十過ぎでこういう動作をする女性を、実際に知っています。その女性は可愛い雰囲気の美人です。決して精神的にガキなのではなくて、成熟しているのに可愛いのです。  その女性がこういった動作をすると、可愛さが引き立てられて魅力的に見えます。大人なのに可愛いっていいな、と思います。  弟切は、桐子を「大人なのに可愛さを持っている女性」にしたいなと思いました。そのため、実在する「可愛い大人の女性」の仕草をさせてみました。  しかし、「可愛い大人」ではなく「ただのガキ」に見えてはいけませんね(;_;) 弟切の筆力不足のためでしょう。精進します。 >> ですぅ。ですぅ。ですぅ。 >> プロでしょ?(怒) (No.7315の甘夏さんの書きこみより)  おっしゃるとおり、『〜ですぅ』という物言いは、プロとしては失格ですね。現実的なメイドを書くなら、決してこんな物言いをさせてはいけません。  しかし、フィクションの場合は、「読者さまが読んで気持ちのいいこと」を提供しなくてはなりませんね。「少し甘えた物言いをする若い女の子」は、特に男性の需要があるかと思ってやってみました。  が、逆効果だったようですね(^^; 柚香は悪役ではありませんから、読者さまの反感を買ってはいけません。  これは、弟切にとっては新たな発見でした。最近の若い男性にも、「はきはきして仕事ができる真っ当なメイドさん」が、好まれないわけではないのですねえ。  勉強になりました。 >> だったら、普段は『野々宮さま』と呼ばせるべき。   (中略) >> う〜ん。全体的に『プロ』がかけているように思います。 >> 設定のリアルさ(他所のメイドさんに比べて)と、プロさの欠如。 >> が、噛み合っていないように感じました。 (No.7315の甘夏さんの書きこみより)  甘夏さんは、実際に接客業に就いておられるため、とりわけ「プロ意識の欠如」が気になるのでしょうね。そういう視点から指摘していただけるのは、ありがたいです。  柚香の台詞については、弟切も悩みました。現実性を追求するなら、当然、柚香にはもっときっちりした敬語を使わせるべきです。  ところが、きっちりした敬語を文章で書くと、とても堅苦しくなってしまいます。柚香の明朗さや桐子の「成熟した可愛さ」が出ません。  いえ、これはいいわけですね。  完全に正しい敬語を使わせるのは無理かも知れません。それにしても、もう少し工夫の余地はあるはずです。  不自然でない敬語を使わせつつ、堅苦しくしないやり方を考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 僭越ながら No.7323 投稿日 2003年12月11日(木)04時11分 投稿者 甘夏 >弟切さん  リライトしてみました。 ・変更点。  プロの敬語に関しては……うまくやれてないかもしれませんが。  肩のこらないアットホームなメイド派遣業、  と、いうコンセプトです。  敬語は無理なので、丁寧語で統一。  甘えんぼ属性変更→しっかり属性?(恋には弱い)  恋話をちょと削って、メイドらしく家事(紅茶を淹れる)場面を追加。  いつも利用している等、小変更。  ここの変更はどういうことだ。  ここがおかしくなってる、等々。たたき募集。  やっぱり1000字ってのがネックかなぁと思いまふ。  1400字になってしまいますた。  もっと削れるはずなんだけど…… -------------------------------------------------------------------------------- 冷たい No.7324 投稿日 2003年12月11日(木)11時23分 投稿者 名無し君2号  自衛隊のイラク派遣、決定。  最初に湧いてきた思いは、反対だった。  だって死ぬじゃん。いや、死ぬでしょ絶対。アメリカもイギリスも韓国も、みんな死んじゃってるわけですよ。日本だけ特別ってことはないでしょ。テロするぞって脅されてるしー。  ちがう思いも出てくる。  湾岸戦争のとき、たくさんお金を払ったのに、たいして感謝されなかった――『らしい』んだよな。実際に行動しなければ意味がない、らしい。それに、アメリカとの関係もあるんかなーとか……。  でもな。  自衛隊員の家族としてはたまらんものがあるだろう。いやしかし……。  ああ、わからん。  心の奥を覗いてみれば―― (本当はそんなに興味がない)  ――という返事が映っていた。  私の心は冷たい。ああ、腹へった。 >指摘への回答  あらためて自分でも読み返してみると、ヘッタクソだなぁ、と思うことしきり。 >弟切さん >No.703、No.87「いしやきいも」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  いい加減、冬もすぐそばまでやってきたかで、あとは雪が降るのを待つばかり、そんな風情になってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  『冬もすぐそばまでやってきたかで』はくだけすぎ。  そもそも客観視点としてこれはいかがなものか、と我ながら思いました。これって感想だし。  まあそれはともかく、『話し言葉としてはアリでも、書き言葉としてはナイ』というのはわかりました。  でもこれ、一人称視点で、主人公が内面で語っているならアリですよね? 話し言葉みたいなものですし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ひだまりのなか、丸くなっている猫が一匹。赤い車を下敷きに、黒い毛玉と化していた。となりには白い家が見える。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  『赤い車を下敷きに』だと、でっかい猫が下に敷いてるように感じる。  あー、えーと、『赤い車のボンネットを下敷きに』なら違和感ないですよね。そうか……化け猫を想像するか。 >No.704、No.88「離魂病」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ポプラ並木が舞い散る歩道。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘(そのまま引用する)  すみません、この文を読んで、弟切は笑ってしまいました。  ポプラの木が舞い散るって、どんな強風ですか?  う。恥。  『ポプラの舞い散る並木道』……でした。  どうして読み返ししているときに気づかないかな? 執念の問題か? >>No.705、No,89「ばらばら」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  厚い雲に阻まれて、月も街を照らしてはくれなかった。  そして生まれた闇の死角に、少女の姿が浮かびあがる。  草むらをかきわけ、少女は歩いていた。セーラー服に青白い肌がめだつ。その首すじで、なにかがきらめく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  『厚い雲に阻まれて、月も街を照らしてはくれなかった。』は、上空に視点。  では次の文、『そして生まれた闇の死角に』はどこを指しているのか。  このままだと上空に闇の死角があるように見える。  しかしさらに次の文では、『草むらをかきわけ』。  ――どこだここは。  ああ、よくわかります。  読み返すとたしかにわけわかりません。  これ、『そして生まれた街の死角に』と書けば、まだわかりやすかった……かな。いや、わかりにくいな。  書き直す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  空には厚い雲。月は見えない。  闇のなか、少女が草むらを歩いていた。膝まで伸びた草をかきわけつつ、ゆっくりと進んでいく。  セーラー服が風にたなびいていた。その肌は青白く――首すじで、なにかがきらめく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなところで。 >羽矢野さん >>(だから、名前は?)  ……。 (沈黙という回答) >No.90「紅く塗りつぶせ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  かたかた、と音がした。  大きな鏡台をまえにちょこん、と三つ編みの女の子が座り、引き出しを開けたり中 をかき混ぜたり、小さな背中をちょこちょこと揺らしていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>音から始まり、人物像へ向かう客観視点ですね。 >>といっても“ちょこん”とか“ちょこちょこ”とかあるので、完全客観視でもないのかな。作者視点とでもなるのか。  あ。『ちょこん』や『ちょこちょこ』を使ったら完全客観じゃないんですね。といまごろ気づく。  ……そうか。それ自体が感想だからか。 ○指摘  『かたかた、と音がした』は、『〜した』だと、すでに終わったことをあらわしていることになる。  この場合、女の子はすでに口紅を見つけだした、ということになる。  ああ、時制の問題ですね。  わかります。  ただ、なんか『音がする』よりも『音がした』のほうが、印象が強い……ような気がするんです。『した』だと、そこでいったん流れが止まるからか?  ――でもこれが私だけの感覚ならば、修正しないといけないところで。 ○指摘  化粧品をかき混ぜつつ探すときの音は、『かたかた』より『カタカタ』ではないか。それとも、これは女の子の力が弱いからなのか?  これは女の子だからです。  ただし力が弱いからではなく、いわゆる『かわいさ』をあらわそうとしたものです。  『かたかた』『ちょこん』『ちょこちょこ』……これらの擬音は、女の子だから使いました。 ○指摘  『小さな背中をちょこちょこと揺らしていた』『引き出しを開けたり中をかき混ぜたり』。背中から見ているのか、手元が見えるところなのか、これだとわからない。  そもそも、中をかき混ぜているのは見えるわけがないから、本人以外わからないはず。  作者の意図としては、ここは背中から映したところです。  中をかき混ぜているのは、音と背中の動きで判断できた。――それじゃあだめか。  でも、実際に現場にいたならば、背中からでも『引き出しを開けたり中をかき混ぜたり』しているとわかる――と思うのだけども。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  やがてその動きも止めて、こんどはじっと鏡を見つめている。ただ、右手だけはし きりに動かしていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  すぐに口紅を塗ってしまっているが、小さい子供が初めて化粧道具を見つけ、しかもそれで化粧しようというならば、その口紅をまじまじと見つめ、いろいろといじくってみるものだろう。使いかただってわからないだろうし。  反論の余地なし。  これは完全にこちらのミス。子供の心理を想像しきれてませんでした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「――なにをやってるの、小雪ちゃん」  ぴくん、と女の子は背中を震わせた。おそるおそるといった動きで、後ろを振り返 る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘 (1)『後ろを振り返る』は意味の重複である。 (2)『おそるおそるといった動き』は手抜きだ。それを具体的に書け。  (1)。  反論の余地なし、その2。  (2)。  ああ……なるほど。書き直す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ぴくん、と女の子は背中を震わせた。ゆっくり、ゆっくりとした動きで振り返る。不安げに眉を下げていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ……どうかな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ティッシュで小雪の口元をぬぐいはじめる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  口紅はティッシュで拭いたぐらいじゃとれない。  せめてウェットティッシュにすればよかった。  ――もとい。  唇の口紅なら、ティッシュでおとすことができるのはわかってました。でもそうですね、口のまわりについたものは、完全におとすのは無理ですね。 ○指摘  口調が変なのは、時代が今じゃないからですか?  この口調というのは、女の子の口調だと思います。  うん。変ですね。意識してやったことではありますが。口調が明治、大正あたりになっちゃってます。  キャラの個性として……まあ、インパクトはあるかなと。  ちなみに昭和50年代をイメージしてました。 >甘夏さん >>名前は決まりましたか?  えへへ……。 (曖昧に笑う) >No.92「アルバム」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ぶ厚いカーテンの隙間から、外の光が差しこんでいる。薄暗い部屋のなかで、その 光はひと筋の煙を、鮮やかに浮かびあがらせていた。  煙の元に一郎の姿。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  視点が変。これだと一郎自身から煙があがっているように見える。  『部屋』→『外の光』→『ひと筋の煙』→『タバコの火』→『栄養不足でひび割れた唇』→『一郎の顔』→『一郎の全身像』が望ましい。  マクロからミクロ、そしてまたマクロってことですか。  つまるところ、カメラワークということですね。なるほど、課題が見えてきたような。  ところで、引きこもりって『栄養不足でがさがさにひび割れた唇』になりますか? 親と同居している時点で、栄養状態はそれほど悪くならないと思いますが……。たしかに日には当たらないし、運動不足になりますけども。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ぼさぼさ頭。ふとんに寝そべって、タバコを吹かしている。ふと、大きくあくびをした。  とん、とん、とん。  ドアの向こうから、階段を上る足音。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  『とん、とん、とん』の前に、部屋の全景を入れたほうがいい。  これだと、『一郎』→『部屋の外』となって、いきなりマクロ化しているように感じる。好みの問題かもしれない。  どうなんでしょう。  部屋の外から音が聞こえてきたということで、まだ『一郎』にカメラがはりついている……と感じられるかなーと思ったんですが、『部屋の外』と感じたんですよね。  『ドアの向こうから、階段を上る足音』となっても、『部屋の外』と感じます? 感じるのであれば、私もちょっと考えないといけない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  顔をしかめて、一郎はタバコを枕元の灰皿でもみ消し、ふとんのなかにすっぽりと潜りこんだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  三つの要素にわけることができる。 ・顔をしかめた。 ・タバコをもみ消した。 ・ふとんに潜りこんだ。  『顔をしかめながらタバコをもみ消した』と『ふとんに潜りこんだ』のふたつにわけたほうがいいと思う。  こちらは、一郎の素速い行動を表現したくて、あえてつないだものですが―― −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  顔をしかめながら、一郎はタバコを枕元の灰皿に押しつける。素速い動きで、ふとんのなかにすっぽりと潜りこんだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――まあ、こちらでもいいか。うーん、でも『素速い動き』と書いてしまうのと、どちらがいいのだろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  顔をしかめて、一郎はタバコを枕元の灰皿でもみ消し、ふとんのなかにすっぽりと潜りこんだ。  同時にドアが開く。  そこには恵の姿があった。横手に本を抱え、いきなり眉をひそめる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  視点の流れに違和感を感じる。  一郎と一緒に、視点がふとんに潜っていたのに、いきなり恵の姿がでてきた。  なるほど。  書き直してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  顔をしかめて、一郎はタバコを枕元の灰皿でもみ消し、ふとんのなかにすっぽりと消えた。  同時にドアが開く。  そこには恵の姿があった。横手に本を抱え、いきなり眉をひそめる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『潜りこんだ』を『消えた』に変えただけ。でもだいぶ印象が変わる――ような気がするがどうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ポニーテールを揺らしつつ、つかつかと窓のところまで歩き、おもいきりカーテンを開いた。さらに窓も開ける。  冷たい空気が吹きこんだ。  ふとんから、一郎が顔を突きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  ふとんにもぐっているなら、カーテン開けられようが知ったこっちゃないと思いますけど。  いや、けっこううっとうしいです。経験済みです。というか音がうるさいです。カーテンを開けるさい、カーテンのレールをすべる「ジャアアッ!」という音。窓を開ける「ガラガラガラ……」という音。  あ。  それなら『冷たい空気が吹きこんだ』じゃなくて、『そのたびに音が部屋に響きわたった』とか書けばよかったんだな。  うむむ。  まあ、音自体もそうなんですが、あとは勝手に快適な空間を変えられることへの怒りなんかもあったり。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  手に持っていた本を、ぽんとほうり投げる。慌てながらも、一郎はなんとかそれをキャッチした。がばりと起きあがる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  がばりと起きあがるのには、動機が不足していないか。  あーそうか。ちっとも必要な情報を書いていない。  このアルバムというのが、ちょっとした図鑑クラスの大きさのもので、しかもそれを一郎目がけて投げたものなんです。なので一郎はあわてふためきつつ受けとめ、「あぶねー!」と起きあがったと。  アルバムの大きさも、それを一郎目がけて投げたことも、どっちもちっとも書いていないわけなんですが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「アルバムじゃねーか。なんだぁこれ、なんだぁ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  って、なんだぁ。これは気になりました。  一郎のマヌケさを出したかったんだけども。  まあ、いま読み返してみると、たしかにここだけ浮いています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そして一郎の目をじっと見る。  やがて、一郎は視線を泳がせはじめた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○指摘  『やがて』を辞書で引いたのか。 (1)本来は、間に介在するもののないさまをいう。 (2)おっつけ。まもなく。ほどなく。そのうちに。早晩。今に。  ――なのにここで『やがて』は変だ。  反論できません。  『やがて』がないほうが、すっきりするし意味は通じるし。 ○弟切さんの質問 >>『梅雨入り前の』という表現は、日本語として不自然でしょうか? > 皆さん。  不自然とは感じませんでしたが、私自身、そこらへんの感覚には自信がありません。 >>これは、「」よりも『』で囲ったほうがよいでしょうか? 実は弟切も迷いました。 >>どちらが読みやすいですか? > 皆さん。  どちらでもべつに。 >1000字課題、弟切、「メイド」、甘夏リライト  読みました。 >>フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。床には空っぽの洗濯籠。  桐子は『フローリングの床』を見ているのだから、『床には空っぽの洗濯籠』だとヘンな感じです。『床には』が邪魔かなと。 >>よけいにがっくりと肩を落とす柚香。それでも、ちゃんと桐子の好きなアールグレイを選んでいるあたりはさすがプロ。さっとカップのお湯を捨てる。  ここまで客観視点だと思って読んでいました。  ところが、ここで『それでも、ちゃんと桐子の好きなアールグレイを選んでいるあたりはさすがプロ』と、視点保持者の感想が登場。  んー、なんか違和感が。  それと、この紅茶ってどこでいれてるのでしょう?  お湯を捨てているところを見ると、キッチンのようですが。……違う? それとも紅茶を入れるセットみたいなのがあるのでしょうか。お湯を捨てるところもあり、ティーパックも備えつけのような。  でも……。 >>柚香は半身を乗り出した。  とあるということは、テーブルに差し向かいになって座っているということでしょうか。  だって、桐子と柚香がキッチンに横に並んだ状態では、身を乗り出すということにはならないですよね? 『身を乗り出す』ということは、上半身をぐいと相手にほうにかたむけている、ということですよね? >>やっぱり1000字ってのがネックかなぁと思いまふ。 >>1400字になってしまいますた。 >>もっと削れるはずなんだけど……  甘夏さんリライトは1600文字です。1行20文字で80行。20×80=1600文字。  エディタにコピペして読んでいたので気づきました。  それとも私の計算方法が間違っているのかしら。文字自体の総計じゃないですよね? 行数で計算ですよね?  メイドさんに関しては、こっちのほうがよりメイド「さん」らしく感じました。隙があるからと見たが……。  それまでしっかりしていたのに、恋の話になると、とたんに感情を表にだすところ。すなわち隙。  レスには6時間ほど。つぎはいい加減、小説を書きます。1000字か描写課題かわかりませんけども。あと筆名もどうにかしたい所存。 -------------------------------------------------------------------------------- 自衛隊 No.7325 投稿日 2003年12月11日(木)20時02分 投稿者 甘夏  まぁ、軍隊だからしかたない。  と、いうことで甘夏です(一言かよ)  冬たけなわ、寒くなってきました。  キリタンポがおいしい季節です(食べたことないけど) >メイドリライト >>桐子は『フローリングの床』を見ているのだから、『床には空っぽの洗濯籠』だとヘンな感じです。『床には』が邪魔かなと。  あ……(絶句)  はい、バカ一名発見。  そうですね、情報の重複ですね。  だったら、場所を指定すべきなのかな。  でも、私、この部屋の間取りよくわかんないんですよね(言い訳)  考えてみます。 ・視点の混入。  やっちゃってたか。  確かに、あそこはなんて書こうか悩んだんですよ。  プロっぽさを入れたかったって気持ちが空回り。  なら、なんて書きなおすべきなのか。  しかし、ちゃんと桐子の好きなアールグレイを選ぶ心配りは忘れない。  これでも、若干、私の視点が混入してる気がする。  忘れない。のあたりね。  これは本当に忘れてないのか、誰にも知るすべがない。  なので、作者が勝手に推測していることになる。  う〜ん、違う場面にしたほうがいい気がしてきた(マテ  あと、場所ですね。  これは、えっとその、なんていうか、いわゆるひとつの、アレですよ。  ア・レ。  え、わかってくださらないんですか?  ア・レ・じゃないですか。  あれ?  完全にイっちゃってます。  キッチンとダイニングテーブルがごっちゃになってる。  推敲せよ推敲。  無理やりこじつければ。  ポットからお湯を注ぐ →ダイニングテーブル  アールグレイを選ぶ  →キッチン  お湯を捨てる     →キッチン  ふたたびカップにお湯を→ダイニングテーブル  柚香半身乗り出す   →ダイニングテーブル  ちゃんと合ってる。偶然の力は偉大だ。  ……ごめんなさい。  でもでも、言い訳させてください。  私の中ではちゃんとこう動いていたんです、たぶん。  今度からは整合性をつけて書きます。  どう書けばいいんだろう。  考えてみます。  文字換算。  行なの?  だったら上の11文字(空白記号込み)も40字の換算になるの?  それはおかしいんじゃないかといってみる。  新木さん、そんなこと言ってたっけ?  記事番号6875 >>なにしろ40文字詰めで、たったの25行しかないのだ。 >>余計なことを書かなくなること。(たった25行しかない)  言ってた。でもそれだと。上のは80字。  一行にくっつけても40字。  そりゃ余計なものは書かなくなるなぁ。  と、いうことは、今回の課題は↓ >>コンセプトから踏み出さないこと。  に抵触しているのか。  メイドを書きたいのか、桐子さんを書きたいのか。  それとも恋愛に隙のある女の子と、やさしい大人のおねいさんを書きたいのか。  絞れってことなのだろう。  2号さんの上昇スピードは目を見張るものがある。と感じる今日この頃。  継続は力なり。  そして、理屈を振りかざすより、まず実行。  これが上達への早道なんだなぁと言ってみる。 (私のカッターの仕上げだってすごい速さで上達してるんだぞ)  と、関係のないところで張り合ってみるテスト。  以上、甘夏でした。  甘夏版オリジナルハンドメイドメイドさんでも書こうかな。 -------------------------------------------------------------------------------- 毎日少し No.7326 投稿日 2003年12月11日(木)20時32分 投稿者 羽矢野  土日で、なんとかパソコンだけはセットできそう。  インターネットは来週中に。 ●弟切さん >> 梅雨入り前の、爽やかに晴れた土曜日だった。  これは、不自然なのか。  えっと、私も読んだときに“これって、どうだろう?”と少し考えました。  ただ言葉が不自然とかそういうことではなくて。  一つは、メイドさんを書くということに、梅雨入り前であること、土曜日であることは“どうしても”必要なのか。  晴れは、洗濯をするから必要ですが、それは文章中にちゃんと書かれていますし。  あと、梅雨入り前の晴れって、厳密には期間が特定されてない。  とても曖昧で、どうでもいい印象をうけます。  一行目という大切な部分で、そんな文章が入ることは、良いのか悪いのか。 >>梅雨入り前の“最後かもしれない”、爽やかに晴れた土曜日だった。  とか >>梅雨の“合間の”爽やかに晴れた土曜日だった。  とかだと、意味がでてきてまた違うのですが。 ただ、甘夏さんは >>>>梅雨入り前の…… >>>>不自然では?  となっているだけで、何が不自然なのか具体的に書いてないので(弟切さんは、表現と限定してるけど)、これ以上はやめときます。 ●甘夏さん  リライト読みました。  後半はまあ、あれなんだけど。  最初の頃は、すっきりとしていていい感じ。  でも、これって“メイドさん”ではないですね。  “メイド”ですらなくて、“若い家政婦”です。 ●名無し二号さん  これは、怒ってるわけではないからね。  念のため。  それと、個人的な意見なので。  名無し二号さんは、名前というのを軽く考えているみたいな印象をうけるけど(逆に、とんでもなく重く考えてるのか)。  私はそろそろちゃんと決めた方がよいと思う。  確かに決めるのは難しいし、悩むと思うけど。  名前が決まってない人って基本的にまともに相手はされないよ。他のちゃんとしたサイトで“名無し二号”ですなんて名乗ったら、どうなるかはわかるよね?  おそらく、参加者の中にも“名前も決めてない人間なんか、相手にできない”としている人もいると思う。(注:誰がというわけではない)  名前っていうのは、その人の一番始めにあるものだ。  根っこ。  それが決まってないって、とても変な状態。  とか偉そうに言ってるけど。  私の羽矢野克己(はやのかつき)という名前は、深い理由とか考えとかが元ではないです。  少し堅め。  奇抜じゃないけど、他にあまりない。  とか、いろいろ自分の中で条件があって、本名を基に数文字変えただけ。  なので、ほとんど本名です。  私の本名知ってる人だと、すぐにわかる。  そんなだから、他人からするとこの名前が私に相応しいかどうかはわからない。  名前を付けるのは不自由だと言われているし。  でも変えるつもりはないし、自分ではこれでいいと思っている。  今までのやりとりからすると、新木さんがいないと決まらないのかもしれないですが。 ちゃんと決めるつもりで考えてみるのもいいかもしれません。  では。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒い朝には温かいお茶を No.7327 投稿日 2003年12月11日(木)23時41分 投稿者 弟切 千隼  緑茶でも紅茶でも中国茶でも、お茶には覚醒作用があるカフェインが入っています。朝の目覚ましにはぴったりですね。  冬の朝には、たっぷりのミルクを入れた温かい紅茶が似合う、と個人的に思います。体がほかほかになって、「さあ、動こうか」という気になります。 >課題部屋のNo.708「メイド」 羽矢野さんへ >  重ねての御指摘、ありがとうございます。 >流し台やガスレンジの位置  そもそも、桐子のアパートを、説明しなければわからない複雑な構造にするのが間違いですね(^^;  この作品は掌編で、使える字数が限られています。ならば、重要なこと以外は、「普通」の、理解しやすい構造にすべきですね。  それ以前に、「柚香のきちんとした仕事ぶり」を表わすのに、ガスレンジの様子を書くのが最善だったかどうか、という検討が必要です。 >>フローリングの床が、顔が映りそうに磨かれていた。 (課題部屋のNo.708「メイド」より)  これを、「フローリングの床に顔が映っていた」と書かなかったのには、理由があります。  ワックスをかけて磨けば、フローリングには本当に顔が映るようになります。しかし、世の中には、それを知らない人も多いでしょう。いきなり「床に顔が映る」と書くと、「大げさすぎるなあ。きっと、この話はギャグだ」と受け取られる可能性があると考えました。 >> えっと、主人公はすでに何度もこのサービスを利用しているはずなのに、反応が利用第一回目です。 >> 前回も床はピカピカで、汚れ物も全部洗濯してあったはずなのに、何故にそこまで驚くんでしょう? (No.7321の羽矢野さんの書きこみより)  これはおっしゃるとおりです。修正すべきですね。 >> これは、メイドさんの話なんですよね? >> 女性同士の恋の悩み相談とか、お客と店員から発生した友情とかは何かメイドさんを表す上で必要なんですか? (No.7321の羽矢野さんの書きこみより)  えーと、弟切は、「メイドさん」を書くに際して、どんな「メイドさん」にしようかと考えました。そして、二つ、決めたことがあります。  一つは、ある程度現実味がある「職業としてのメイドさん」にすることです。一般家庭に「メイドさん」を派遣する会社を設定することで、この点はクリアしました。  もう一つは、単なる「客とサービス業の人」との関係にとどまらない、親しみの持てる「メイドさん」にすることです。恋というプライベートな話題を持ち出すことで、桐子と柚香が親しんでいる様子を示すつもりでした。  でも、失敗していますね(;_;) もっと工夫します。  狙いとしては、「こんなメイドさんがいたらいいな」と、読者さまに思ってもらうことです。  面倒くさい家事をプロの技でやってくれて、なおかつ、恋愛みたいなプライベートなことも話せる友達みたいなメイドさん、弟切は欲しいと思います(^_^)  男性の場合、親しい友人同士であっても、恋愛の話題はあまり出ないみたいですね。ゆえに、知り合って間もない−と思われる−人たちが恋愛の話をするのは、不自然に見えるのでしょう。  女性の間では、恋愛はとても普通の話題です。特に若い女性同士なら、ちょっと親しくなれば、恋愛の話題なしではいられません。女性同士の親しみを表わすのに、恋愛の話題はいい材料です。 甘夏さんへ >  リライト、ありがとうございます(^o^)  弟切にとっても勉強になるので、リライトは大歓迎です。  課題部屋のNo.711にあるリライトを、ざっと読んでみました。  とりあえず、一番気になった部分を指摘させていただきます。 >>ティーパック  これは、「ティーバッグ」の誤りですね。ティーバッグは、英語のtea bagに由来します。  ティーバッグに関連して、「これは致命的だ」と感じたことが一つあります。 家事のプロが、ティーバッグでお茶を淹れないで下さい。  ここは、リーフティーを丁寧に淹れて、柚香の優秀さを示すべきところでしょう。  「柚香にお茶を淹れさせて、家事のプロ具合を示す」という発想は良いと思います。しかし、今の記述では絶対にまずいです。  詳しい指摘は次回に回します。 -------------------------------------------------------------------------------- ティーバッグ No.7328 投稿日 2003年12月12日(金)00時15分 投稿者 甘夏 >弟切さん  ティーバッグ。  調べて書かないといけない。反省してます。  で、ティーバッグではいけないとのことですが。  優秀さを演出するためには、  当然、リリーフティーを丁寧に淹れさせるべきでしょう。  が、一般家庭に、  どれだけリリーフティーを常備しているところがあるでしょう。  桐子はリリーフティーを使うほどの紅茶好きなのか?  等々、考えた結果、ティーバッグを使っても、  ちゃんと正しい淹れ方で紅茶を淹れられるというところで  プロ化を図ってみました。  ちなみに、カップをきちんと暖める。  お湯を入れた後に、ソーサーでふたをして蒸らす。  と、いったところが、家事のプロの裏技。というところでしょうか。  ちょっとしたところで、  プロだなと思わせてみたっかた衝動。  では、弟切さんの反論を待ちます。 >>梅雨入り前  そう、羽矢野さんがおっしゃってくれたように、  あまりに期間的に漠然としているということが引っかかりました。  時期を特定しているようでしていない。  いったい、いつなの? という疑問です。 >羽矢野さん  若い家政婦さん……しょぼーん  メイドと家政婦さんの違いってなんだろう。  熟考します。 -------------------------------------------------------------------------------- 今回は、お久しぶりではありません。 No.7329 投稿日 2003年12月12日(金)02時15分 投稿者 青葉桂都  こんにちは。青葉桂都です。 >名無し君2号さん、弟切千隼さん  まったくなにもしないつもりではなかったのですが……。ああ、しかし、黙って自分一人でやってても無駄であるからこそここに書き込んだのですから、掲示しないのでは意味がありませんか。  それでは、お言葉に甘えて。  役に立つかどうか考えるのは、掲示してみてからにします。  課題部屋の610への返信として掲示しました。  書こうとしていたものは『美少女』です。たぶん。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 私もイラク派遣は賛成 No.7330 投稿日 2003年12月12日(金)12時33分 投稿者 羽矢野 ●弟切さん >>「大げさすぎるなあ。きっと、この話はギャグだ」と受け取られる可能性があると考えました。  私は逆だと思います。  ここで、顔がうつるとギャグだと思われてしまうから、気弱語で誤魔化すのではなくて、知らない人に、 「フローリングって、ピカピカにすれば、本当に顔がうつるんだー。へー」  と“へーボタン”押させるのが小説ではないでしょうか。  ここは、面白ポイントだと思います。 >>狙いとしては、「こんなメイドさんがいたらいいな」と、読者さまに思ってもらうことです。  これは、面白いなと思いました。  女性が求める“メイドさん”とは、このようなものなのですね。  つまり、後半部分は余分なんかじゃなくて、あれが弟切さんの“メイドさん”像なんですね。  男の求めるメイドさん像とは、やっぱりずいぶんと違います。  考えを阻害するので、どんなものかは書けないですが。 ●甘夏さん >>リリーフティー  リーフティーね。 >>leaf /l__f/→__n (pl leaves /l__vz/)1a 葉, 木の葉, 草の葉 >>re・lief /r_l__f/→__nA1a 《苦痛・厄介・心配などの》除去, 軽減, 慰藉, 安心, 安堵  それともこっちかな? >>rel_ef・er_n 【野】 救援[リリーフ]投手  ティーバッグでも、おいしいお茶を入れてプロさを出すというのは、いい着眼点です。  でも、それを見ている人(主人公)がその技に感心してないと、流れてしまうものです。  誰でもティーバックのプロの淹れかたなんて知ってるわけではないですから。  私も、紅茶好きだけど、ティーバッグ嫌いで(マズイ)自分で飲むときは葉っぱ使って淹れてます。 -------------------------------------------------------------------------------- あう No.7331 投稿日 2003年12月12日(金)13時36分 投稿者 甘夏  一人でとことん、無知を曝け出す甘夏。  ちょっと逝ってきます。  リーフティー。お茶の葉ですもんね。  なぁんでこんな簡単なことを勘違いできるんだ。  てっこんキンクリートじゃあるまいし(これも長い間勘違いしてた。  エベレーターでもない(これも長いあ以下略  私も辞書使って調べる習慣をつけねば。  青葉さんの指摘はまた次回。 -------------------------------------------------------------------------------- ウゴノタケノコ No.7332 投稿日 2003年12月12日(金)19時02分 投稿者 名無し君2号  自分はたけのこが好きなんだって、昨日気がついた。  晩ご飯で、たけのこの煮付けが出て、ぱくり、ひとくち。あ、うまい。これってこんなにうまいものだったか? 味が染みてる、やわらかい。うま。  味覚が年老いてきたのかしら。脂っこいものがキツクなりつつあるし。 >甘夏さん  成長……してるんでしょうか。自覚症状があまりないんですね。成長している、との言葉をたよりに頑張ってみる所存です。  それと1000文字の換算方法ですが、一行40文字と一行20文字では、書ける文字数がまったく変わってきます。一行20文字のほうが、当然ながら書ける量が多いです。  私は一行20文字。  では、オリジナルメイドさん、ほんのりと期待してます。あまり期待されても重いでしょうし……だからほんのりと。 >羽矢野さん >筆名  重く考えすぎてしまっているのだと思います。考えすぎて訳がわからなくなっているような。  いっそ本名にしてしまおうか、という囁きもあり。  長編を書いてみようかと思ってます。書いてみて、そこで自分がやりたいことはなにか、見極めてみようかと。  ここの参加者で長編を書いたことがないのは、私だけのようですし……。  長編を書けないようじゃ、そもそも見込みないし。 >青葉さん >712 青葉桂都、美人の描写(美少女編)  読みました。  たしかにエミリア様、美少女です。清楚で世間知らず、割れ物注意なお嬢様でしょうか。  序盤はむさくるしい野郎、中盤で可憐なお嬢様、終盤はすこしだけ汗くささのぬけた野郎、といった構成ですね。  エミリア様がいらっしゃって、詰め所のしみったれた空気も変わると。  ただ――これは旨いと評判のお店で食事するようなもので、先入観なしで食べればおいしいものを、『旨いはずだ!』と思いながら食べると、アレ? これそんなに言うほどおいしい? というような……。  つまり『美少女に決まってる!』と思いながら読むと、アレ? そんなに美少女? という感じに……なっちゃったような。  いや、美少女だと思いますよ。だけど、うむむ。  では指摘してみます。 >> 俺は無駄にでかい前庭の向こうにある、無駄にでかいはずの屋敷に目をやった。  「はず」は不要。主人公は屋敷が『無駄にでかい』ことを知っているはずですよね。 >> 白い壁には飾り窓が並んでいる。その窓は、同じ敷地内なのに手のひらくらいの大きさ に見えた。  よくわからない……。どういう描写でしょうか。 >>「まあ、わたくしがどうかしましたか?」 >> 耳障りな音がして、俺の視界の端で扉が開いた。  一瞬だけ、エミリア様の声が耳障りなのかと思ってしまいました。 >> 純白のドレスが、とてもよく似合う表情だ。  どんな表情かしら、と想像してみる。ここは『純白のドレスが、とてもよく似合う』でいいかなーと思ったり。 >> 柔らかそうな、細い指先。それが料理をしているところを俺は想像してみた。……冒涜 的な映像だと思った。  なるほど、冒涜的ですか。  これは私のなかには無い部分なので、ちょっと興味をひかれました。  「お嬢様は下々の者がやるようなことをなさってはいけない」。つまりそういうことでしょうか? 掃除や洗濯もNGですか?  私の場合、これで豚足を作ってたりぬか漬けを漬けたりしていたら、すこし冒涜的に感じないこともないのですが――クッキーですよね?  小鳥のように歌を口ずさみながら、ボウルの中身をちゃかちゃかとかき混ぜるお嬢様。  生地を伸ばし、型を抜くお嬢様。星型だったり、丸かったり、いやん、ハートだったり。  そろそろとオーブンを開けるお嬢様。うまく焼き上がったのを見て、笑顔がこぼれる。ああ、まるで天使のようだ……。  すみません。妄想でした。 >> 俺の上空から相棒の声が聞こえてきた。さりげなく俺の脚を踏みつけている。重い。  主人公は相棒に地面に倒され、起きあがれないようにされてます。  ――なんででしょう? エミリア様をへんな目で見たからですか?  それに、足を踏まれていても動けるんじゃないかナーと思ったり。 >> まったく、なにを当たり前のことを言っているのだ。エミリア様がこれから出かけると いうのに、空が曇っているわけがないではないか。  そりゃそうだ。曇っているわけがありません。  ここの一文はなんか気に入りました。  あと、本文に直接リンクを貼ってもらえると、私が読むのが楽だったりします。お手数ですが、是非。 >美人の描写  やってみました。  No.11、美人の描写(美少女&かわいい女性編) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=713&e=res&lp=686&st=0  主人公を美少女に、もうひとりをかわいい女性に。  『美人』より、『かわいい』ほうが書きやすいでした。  書いてみて――なんかこういうことじゃないような気がするんだなあ。  ちなみに作者視点。2100文字。  レスには2時間30分。――最近、どうも文章がゆれているような気がする。というより私自身がゆれているのかしら。ゆらゆらゆーらゆら。 -------------------------------------------------------------------------------- 未確認飛行物体 No.7333 投稿日 2003年12月13日(土)02時34分 投稿者 弟切 千隼  最近、夜になると、弟切の家の上空を謎の物体が飛んでゆきます。ライトを点滅させていることからして、明らかに人工的な物体です。しかし、飛行機やヘリコプターに付きものの音が全くしません。  弟切は、飛行船ではないかとにらんでいます。 >課題部屋のNo.708「メイド」 >>『梅雨入り前の』  この言葉は、指し示す時季が曖昧すぎて、おかしいと感じるわけですね。鈍い弟切にもやっとわかりました(^^;  弟切は、この言葉でもって、五月の終わりか六月の初めを指しているつもりでした。  この時季を選んだのには、むろん理由があります。理由は二つです。  この頃は日が長く、気温も湿度も程よく、一年のうちで最も明るく爽やかな季節ですね。家中を開け放って大掃除をするのに、良い時季だというのが一つです。  もう一つは、作品の雰囲気を明るく爽やかにしたかったからです。季節が醸し出す雰囲気を、作品に取り入れようと考えました。    正当な理由があったとしても、読者さまに疑問を感じさせるようではいけませんね(;_;)  『梅雨入り前の』という表現は変えます。 ティーバッグか葉か >  現在の日本では、一般家庭にも、かなりの割合で紅茶の葉が常備されていると思います。  証拠を一つ挙げましょう。  スーパーを何軒か回って、紅茶を売っているコーナーを確認して下さい。ティーバッグと葉と、どちらを多く売っているでしょう?  少なくとも、弟切が住んでいる神奈川県、および弟切の実家がある静岡県では、量も種類も、葉のほうが圧倒的に多いです。  スーパーの商品管理は厳しいです。売れないと判断された商品は、たちまち扱いが取りやめられます。  そういうところで、葉のほうが多く置かれているのは、ティーバッグよりたくさん売れているからでしょう。つまり、ティーバッグより葉の紅茶を置いている家のほうが多い、と推定できますね。  桐子の家に置いてある紅茶が、ティーバッグでなく葉であるほうがふさわしい理由は、もう一つあります。  一般的に、女性は男性よりお茶好きです。したがって、お茶の味にもこだわる人が多いです。一人暮らしの女性でも、美味しいお茶が飲みたいばかりに、リーフティーやティーポットを備えている人が珍しくありません。  ティーバッグのお茶と葉のお茶と比べれば、葉のほうがずっと美味しいですから。 フローリングに顔が映る >  羽矢野さんがおっしゃるとおりですね。フローリングに関しては、面白ポイントにできるところです。  弟切は、せっかくの面白ポイントを無駄にしてしまったわけです。相変わらずおばかですね(泣) 精進します。 >>>>狙いとしては、「こんなメイドさんがいたらいいな」と、読者さまに思ってもらうことです。 >> これは、面白いなと思いました。 >> 女性が求める“メイドさん”とは、このようなものなのですね。 (羽矢野さんのNo.7330の書きこみより)  これに関しては、詳しく説明したいことがあります。その説明は次回に回させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 落とし物はなんですか No.7334 投稿日 2003年12月13日(土)08時39分 投稿者 名無し君2号  落とし物をしたので、警察に電話した。コールしている最中、やましいことなんかなにもないというのに、胸の高鳴りが押さまらない。そういえば、他人と会話するのっていつ以来だろうか。  ああ……。  そんな私の不安をよそに、係の人はやさしかった。当たり前だ。  遺失物届けは電話でもできた。  楽でいい、そう思う反面、警察署に行ってみたかったという思いも湧いてくる。じわじわ。  もっとも、実際に警察署に行って手続きしなければならないとなれば、もちろんそれは嫌。めんどくさいじゃないか。  ご職業はなんですかと訊かれて、「無職です」と答えるのが、なんともいえず。  ああ……。 >弟切さん >ティーバッグ  横入り失礼します。  スーパーで扱っている量が少ない。だから葉を置いている家庭のほうが多い、というのは違うと思います。  その理屈でいうと、生うどんとインスタントのうどん、インスタントのうどんのほうが量も種類も多いから、みんなインスタントのうどんを食べている――というのとおなじような。  あれ? 違うか?  ――まあ、ともかく。  ティーバッグで満足できる人は、そもそも種類や質は求めない。つまり、たくさんの種類を置いても売れない。だから扱う種類を少なくする。種類が少なければ、同時に量も少なくなる。  ただそれだけのことじゃないでしょーか。  実際の売り上げとは関係ないはずです。  一応、検索してみます。 農畜産業振興機構 砂糖類情報のページ内、今月の視点、2001年11月「紅茶と砂糖」 http://sugar.lin.go.jp/japan/view/jv_0111a.htm  日本紅茶協会の常務理事さんが語っています。  以下に引用。 >> カテゴリー別市場規模は、平成12年の紅茶 (ティーバッグ、リーフティー) が420億円、液体紅茶1,845億円、インスタントティー75億円で、合計2,340億円となっている。 >> 上述の紅茶製品の内訳はティーバッグが72%、リーフティーが28%とティーバッグが圧倒的に多くなっている。ティーバッグは簡便性の評価に加え、製造技術開発、原料茶の品質改善等が進み、今後も世界的規模でその消費量が増大する見込みである。  ティーバッグとリーフティーの比率は、平成12年度で7対3です。  この結果を基に、今回の話ではティーバッグが正しい――などと言うつもりはまったくありません。  ただ、スーパーうんぬんを理由にするのは、ちと違うんじゃないかな、と思った次第です。  掃除や洗濯を自分でする暇もないほど忙しい桐子にとって、紅茶はどれほど大切なものなのか、という問題じゃないでしょうか。  手間を惜しまないほどに好きなのか。  それほどでもないのか。 >1000字課題  No.93「矢」(1500文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=715&e=res&lp=550&st=0  客観視点です。緊迫感が感じられれば成功なり。  レスには1時間30分ほど。おやすみなさい、昼夜逆転。夢の中へ……夢の中へ……。 -------------------------------------------------------------------------------- 日本茶も紅茶も中国茶も好き No.7335 投稿日 2003年12月13日(土)22時31分 投稿者 弟切 千隼  お茶好きの弟切は、今日は三種類のお茶を飲みました。紅茶と緑茶と烏龍[ウーロン]茶です。 2号さんへ >  ティーバッグに関するフォロー、ありがとうございます。本来なら、弟切が調べなければならないことでした(^^;  不正確な証拠に基づき、指摘をして申し訳ありません > 甘夏さん。 >課題部屋のNo.711にある甘夏さんの「メイド」リライト  改めて、指摘をし直させていただきます。  一般家庭にリーフティーが普及しているかどうかにかかわらず、柚香にティーバッグを使わせてはいけない理由があります。  この場面のコンセプトは、「柚香が家事のプロであることを見せる」ですよね? 「柚香が桐子にお茶を飲ませる」ではありません。  ティーバッグは、そもそも簡便にお茶が飲めるように作られた物です。家事のプロでなくても、それなりのお茶が淹れられるようにできています。  これでは、コンセプトを実現できません。  コンセプトを実現できるなら、「お茶を飲ませる」でなくてもいいはずです。空腹を訴える桐子にぱぱっと食事を作ってあげるとか、桐子がケーキを食べこぼしたのをさっと片付けるとか、いくらでも案は出るでしょう。  ここはまさに、アイディア出しをすべきところです。柚香に何をさせたら、最も家事のプロらしく見えるでしょうね? いくつもアイディアを出して、検討しましょう。 藤極堂さんへ >  課題部屋を見たら、No.714に藤極堂さんの「メイド」リライトが(*o*)  ずるいですよ藤極堂さん、こっそりリライトするなんて(笑)  本当は感謝しています。甘夏さんにも書いたとおり、弟切にとってたいへん勉強になりますから(^_^)  ざっと読んだだけなので、今回は、詳しい指摘は控えます。  とりあえず感想を書きますと、このオチ、弟切は好きです。弟切が思い描く「桐子と柚香」とは違う藤極堂さん版「桐子と柚香」もいいですね。  分室の参加者には女性が少ないため、藤極堂さんが復帰して下さると助かります。女性の視点から指摘してもらいたい場合もありますから。  課題部屋のNo.708「メイド」は、そういう作品ですね。女性が読んで楽しめる「メイドさん」の作品を書くのが、弟切の目標でした。  藤極堂さんのリライトは、大筋で弟切のものと違いませんね。ということは、弟切が、女性から見て好感の持てる「メイドさん」像の、少なくとも片鱗を提供できているのでしょうか?  弟切のリライトに限らず、課題部屋に書いたのでしたら、こちらにその旨書きこんで下さい > 藤極堂さん。  せっかくリライトなど書いて下さっても、気づかれない可能性があります。 -------------------------------------------------------------------------------- 書き忘れました。 No.7336 投稿日 2003年12月13日(土)23時21分 投稿者 弟切 千隼 甘夏さんへ >  No.7323の書きこみに、気になる部分がありました。少々前のことですみません。  以下の部分です。 >> 敬語は無理なので、丁寧語で統一。  丁寧語は、敬語の一種です。  『大辞林』で「敬語」を引くと、以下のとおり載っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− けい-ご [0] 【敬語】 聞き手や話題にのぼっている人物・事物に対する話し手の敬意を表す言語的表現。日本語の敬語には,聞き手・話題に対して話し手の敬意を表現する「尊敬語」「謙譲語」と,聞き手に対して話し手の敬意を直接に表現する「丁寧語」とがある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ついでですから、尊敬語と謙譲語と丁寧語を『大辞林』で引いた結果も載せておきます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんけい-ご [0] 【尊敬語】 敬語の一。話し手が聞き手または話題の中の動作主,また,その動作・状態・事物などを高めて言い表すもの。特別の語を用いる場合(「おっしゃる・いらっしゃる」),接辞を付加する場合(「お手紙・御主人・奥様」),助動詞や補助動詞を添える場合(「れる・くれる・給う・お…になる」)などがある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− けんじょう-ご -ジヤウ- [0] 【謙譲語】 敬語の一。話し手が聞き手や話中の人に対して敬意を表すために,自分または自分の側に立つと思われるものや動作などをへりくだって言い表すもの。「申し上げる」「いただく」「愚息」「拝見」「小宅」など。謙遜(ケンソン)語。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ていねい-ご [0] 【丁寧語】 敬語の一。話し手が,聞き手に対して敬意を直接表したり,改まった気持ちで,言葉遣いを丁寧にしたりする時に用いられるもの。口語の「です」「ます」「ございます」,文語の「侍り」「候」などの語がある。また,接頭語「お」も,「お弁当」「お酒」「お茶」などのように,丁寧語としても用いられる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >紅茶について、続き  課題部屋のNo.711にある甘夏さんのリライトの中に、以下の文がありますね。 >>それでも、ちゃんと桐子の好きなアールグレイを選んでいるあたりはさすがプロ。  甘夏さんは書いていませんが、ここでは、桐子が家に買ってある紅茶を淹れているのですよね?  ならば、桐子の好みでない銘柄の紅茶は、そもそも買っていないでしょう。  それと、紅茶の銘柄にこだわる人であれば、やはりティーバッグなど買わないはずです。そういう人は紅茶の美味しさを追求していますから、明白にティーバッグより美味しいとわかっているリーフティーを買います。  例えば、日本茶の美味しさを追求する人は、いくら「上等」と書かれていても、ティーバッグの日本茶なんて買いませんよね? コーヒーの銘柄にこだわる人は、インスタントコーヒーを買いませんよね? 今では普通のスーパーでも、有名な銘柄のコーヒー豆なら売っていますから。  紅茶も同じことでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- だんだん、譲れなくなってきた。 No.7337 投稿日 2003年12月14日(日)01時31分 投稿者 甘夏 >弟切さん  敬語に関しては当方の勘違い。  尊敬語の意。  紅茶。  なんでそんなにムキになるのだろうと思いつつも。  家事のプロでなくても『それなり』のお茶が淹れられるからこそ、  私はティーバッグにしたのですが。  今回、なぜ、リーフティーを避けたのか。 ・リーフティーを使用する人の比率が少ないため。  一般性の希薄。  リーフティーの淹れ方を知っている人間が少ない。  この場合、リーフティーを『プロでない』淹れ方で淹れても、  へーボタンを押されてしまう可能性がある。  逆に、リーフティーを使用する方は、  正しい淹れ方も当然ご存知でしょう。  へーボタンを押させるのは非常に難しい。 ・器具や手間が圧倒的にかさむため。  単純に1000文字というコンセプトに絡んで。  葉が開く等、テクニカルタームを挟むのを避けるため。  逆に、ティーバッグは、弟切さんのおっしゃるとおり、  プロでなくてもそれなりのお茶を淹れることができます。  水で味を出すことすらできます。  ティーバッグを使ったことのある人は、少なくとも、  リーフティーを淹れたことのある人よりも多いはずです。  しかし、正しい淹れ方を知っている人はどれほどいるでしょうか?  誰もが(言いすぎ)使ったことある、  しかし、正しい方法はあまりしられていない。  これこそ、プロの腕の見せ所ではないでしょうか?  へーボタンを押させるチャンスです。  トンカツは誰にだって作れます。  しかし、それを最高の方法で作ってこそプロだと、私は思うわけです。  ただ、今回の場合羽矢野さんのおっしゃったとおり、  さっぱり流れてしまっています。  これは……激しく反省。  コーヒー、日本茶の場合は私も正攻法で攻めたでしょう。  日本茶は普及率の高さから。  コーヒーはインスタントの完成性から。 (ただ、コーヒーの場合は豆を挽くところから入らせるのか否かで悩んだでしょうが)  しかし、紅茶は、ティーバッグの淹れ方だけでプロの度合いが示せるものです。  わざわざディープな知識を披露しなくてもヘーと言わせることが出来ます。  だったら、私は簡単に書けて、なおかつ、読んだ人が 『こんどやってみようかな』と思えるような題材で書きます。  本当に、ティーバッグでは、プロ具合は出せませんか?  わざわざ難しいことを書かなければいけませんか?  わからないから書かないわけではなく、  わかっているけれど、状況を判断してああ書いたわけですが。  アールグレイについて。  多少、思慮が浅かった点があります。  甘夏家では父が紅茶を好んでいた時期があり、  4種類のティーバッグ詰合わせ缶を購入していました。  そのなかでも、父はベリー系のお茶を愛用してましたし、  私はアールグレイを好んでいました。  ティーバッグを使っていても好みはわかれます。  と、そういう事実考察の上で書いたのですが。  いささか不用意だったとは思います。  しかし、  銘柄にこだわる人は、インスタントには手を出さないというのは  おかしくありませんか?  今、割とたくさんの種類の缶紅茶が出回っているのは知ってますよね?  で、いろんな銘柄のお茶が使われているわけですが。  あれ、個人によって相当好み分かれてますよ。  ミルクティーだけでも、午後ティーがいいやらフォションがいいやら。  さまざまな意見があります。  缶紅茶でさえ、こだわりがある時代なのです。  ティーバッグにこだわりの銘柄があったって別に不自然ではないかと。  今回に関して。  ティーバッグ、リーフティーを比べる上でもっとも重要なのは  手間、であると、私は思います。  2号さんも書いてくださったとおり、  桐子は家事もままならないほど忙しい女性なわけです。  もう、愚痴ってしまうぐらい忙しい女性なわけです。  そんな彼女が、リーフティーを使うか、否か。  私は、否と判断しました。  と、そういうわけです。  まだ、おかしいところがありますか? -------------------------------------------------------------------------------- かくあるべし、の「かく」の字は…… No.7338 投稿日 2003年12月14日(日)02時38分 投稿者 鷹見一幸  常識というところで、またもや弟切さんがひっかかってる。  世間一般というものは、確立したものじゃないけど、じゃあ存在していないのかといえば存在している。  掛け軸なんかに描かれる水墨画の題材に 「瓢箪でナマズを捕まえる図」というものがある。    ナマズみたいなのらくらしたものを、瓢箪のようなのらくらしたもので捕まえようとする。という図でね。  人間関係とかを示す教訓の意味が含まれている。  ティーバッグの件。  プロの腕を見せるには非常にわかりやす使い方だよね。  本物のリーフティを出して本物の腕を見せるなら当たり前。  ひねりも何にも無い。  そこにはいわゆる「ドラマ」が無い。   読者が読みたいのは「ドラマ」であって「百科事典」ではない。  極端な話、ライトノベルなら「使い終わったティーバッグでもう一度素晴らしい紅茶を入れる」なんてエピソードであってもいいかもしれない。 「どうやって、こんな風に淹れることができるの?」  にっこり笑って 「プロですから」    これでいい。  プロであることがわかればいい、というだけなら、説明すらいらない。  タイトルの言葉はね 「かくあるべし」の「かく」の字は       「各各」と書けば「おのおの」と読む。  と、続くんだよね。 あなたの「かくあるべし」と俺の「かくあるべし」は違って当然。 それをすべて自分の「かくあるべし」でしか見ないからひっかかる。  ナマズは瓢箪で押さえ込むべし。 -------------------------------------------------------------------------------- 紅茶問答 No.7339 投稿日 2003年12月14日(日)04時16分 投稿者 はせがわみやび  ども。おひさしぶりです、みやびです。 ★紅茶問答   二点、指摘しよぉ。  一点目は、「普及品」とは何かってこと。 >>(普及しているのは)ティーバッグか葉か >> 少なくとも、弟切が住んでいる神奈川県、および弟切の実家がある静岡県では、量も種類も、葉のほうが圧倒的に多いです。    発想が逆です。  いっぱい種類があるなあ、と思ったら。ぱっと、「じゃあ、これは“ふつう”としては、使えないな」と、そういう風に考えないと。  だって……。  棚に、たくさん種類があるってことはさ、買うときに、 「とてもとても面倒くさくて、手間がかかって、頭をふりしぼらなくちゃならない、ものすんごくシンドイ作業」  が発生しちゃうじゃないか!  「選ぶ」っていう。  そんなことするのは、趣味のひとだけなの!  茶をいれるまでの手間もさることながら──。  プリンス・オブ・ウェールズにしようか、アッサムにしようか、オレンジ・ペコにしようか、なんて、選択の余地がある段階で、それは大衆向けじゃないんだよぉ。  もう、その時点で、「普及品(ふつう、ポピュラー)」ではないんだってば。  包丁を考えてみよう。和食の本格料理の店に行けば、包丁だって、山ほど種類があって、素材によって使い分けたりするわけだ。  でも、じゃあ、みんなに聞いちゃうぞ?  ご家庭のごくふつうの家にある包丁が、包丁の中でどんな種類にあたるもので、どこで誰に作られたものか、なんて──気にしたことがあるかな?  使っているのは、たんなる「包丁」であって、そして、「包丁」でありさえすれば、とりあえずそれ以上のことは気にしてないはずだ。  これと同じ。  もちろん。  そういう家であっても、たとえば、もらいものの刺身包丁(刃のほそ〜いヤツ)が、ころんと戸棚の奥に眠ってたりするのだ。あるかどうか、と聞かれたら、あるっていう。  リーフティーがあるかないか、と聞かれたら、あるっていうのと同じ。あることはある。たぶん、多くのご家庭の、どこか戸棚の奥で眠ってる。  ひとは紅茶を飲めればいいのであって、どんな紅茶か、を気にするのは、もうその時点で趣味の領域なのだ。それは、「ふつう(ポピュラー、大衆向け)」ではない。  普及するっていうことは、分解能が落ちるっていうことでもある。  ここまではいいかな?  復習しよう。  普及品とは、選ぶ余地のないように作られたものである。ふつうの買い物客は選択をしたがらない。それは苦労なのだ。  したがって、棚に種類が豊富に並んでいる場合、それは普及品ではない。   みんなが持っている洗剤は、結局のところ安売りしているひと山いくらのバーゲン品だったりするのだ。つまり、選ぶ余地を消されて安く大量に売られていたものっていう。  ゆえに。  読んだ読者がぱっと思い浮かべる紅茶は、ティーバッグの紅茶である。  普及品がどちらか、といえば、「種類の少ないほう」なのだ。あるいは、こう言い変えてもいい。「種類を選ぶ余地がない(なくしてある)もの」だと。  ティーバッグのパッケージには、ひょっとすると「ダージリン」と書かれているかもしれないが、たぶん、買ったひとは誰も気にしていない。  それは、あくまでティーバッグなんであって、それ以上の情報は必要とされていない。  だって、それは普及品だから。  二点目。木を見て森を見ずになるな。      メイドの有能さを表現するために、どんな方法を使ってもかまわない。  リーフティーをポッドでいれるだけでなく、わざわざお気に入りのティーコーゼー(って、男性読者の8割はわかんないと思うぞ、藤極堂さん(^^;)を使ったりするのかもしれない。  あるいは、ティーバッグで見事な紅茶を入れるのかもしれない。  ティーバッグを二度入れする名人かもしれないし、水道水でも美味しく飲むにはどうするかを知っているメイドかもしれない。  桐子の性格も、リーフティーを好むのかも知れないし、忙しいからリーフティーにしたいところだけど、常備してあるのはティーバッグ、なのかもしれない。  どっちもでいいや。  でも、「読者が、そのエピソードを読んだときに、どう捉えるか」は気にしなくちゃいけないし、「商業作品は無限に修正できるわけではない」ということは、おぼえておかなくちゃいけない。 >> ここは、リーフティーを丁寧に淹れて、柚香の優秀さを示すべきところでしょう。  ポイントは、だ。  ティーバッグを使う甘夏方式だと、そのティーバッグがどこから出てきたのか気にしなくてもいいってこと。  それは書かなくていい。  読者は、気にしない。  なぜなら、それは普及品だから。  だけど、エピソードでリーフティーを使う場合は、こうはいかない。  その葉っぱがどこからでてきたのか、書かなくちゃいけなくなる。 「あら、いい香り」 「アールグレイです。ちょっとクセがありますけど」 「葉っぱからいれてるの? そんなの家にあったっけ」 「ええ。食器棚の奥の奥に。そこまで整理する時間がありましたから。もったいないですよ。そろそろ風味が抜けちゃうところでした」  みたいな。  あるいは、葉が常備されているという設定なら。 「いい香り。アッサムね」 「はい。あ、カモミールとウバが切れていたから、買っておきました」 「ありがとう」 「いつものとおり、フォートナム&メイソンにも頼んであります」 「それでいいわ」  みたいな(注:てきとーに書いたから、薀蓄系のツッコミをしてはイケナイ(^^;)。  こういうくだりが必要になる──かもしれない。ちなみに、後者の書き方は、読者を置いてけぼりするので、紅茶マニアっぽい効果を狙うのでもないかぎり、どこかにさらに出来事を解説するエピソードが必要になってしまう。  こういうのが追加されてしまいそうだ。  なぜなら、リーフティーは普及品ではないから。  リーフティーは、ご家庭にあるとは限らない。  百歩譲ってあるかもしれないが、戸棚の奥で眠っている。  そういう品を、説明なしに、いきなり登場させると、読者はとまどう。  プロのメイドならリーフティーだろう、とこだわるのはいい。  でも、リーフティーを出すならば、変更しなくちゃいけなくなるのは何か、まで考えなくちゃいけない。  そのエピソードを思いついたのはいい。GOOD。でも、そのエピソードを使ったときに、全体がどう変わるか──小説まるごとが、どう変化するかを考慮しているかどうかが問題だ。  制限の中で、最大限の効果をあげるためにはどうするか?  読者は、それをどう読むことになるのか。修正するだけの意味はあるのか。  制限の中でなんとかするのが、お仕事なんだよね。  作品全体が、要求を視たしてかつ全体として良くならなければ、修正する意味がない。  そのためには、つねに作品まるごとを俯瞰して見ることを忘れてはいけないと思うのだ。   みやび -------------------------------------------------------------------------------- 紅茶事件 No.7340 投稿日 2003年12月15日(月)00時19分 投稿者 弟切 千隼  弟切、またやってしまいました。  常々、自分が世間の「普通」からずれていることは認識しているものの、気づかないことはまだ多いですね(^^;;  弟切自身を含め、弟切の身の回りには、日常的にティーバッグを用いて紅茶を淹れる人が、ほとんど存在しません。  弟切の周辺の人々は、おおよそ以下の二種類に分かれます。 1.家で紅茶を淹れる時は、リーフティーが当然。家には複数の銘柄が常備されていることも多い。(弟切はこちらのタイプです) 2.家でお茶なんか淹れない。すべて市販のペットボトル入り飲料などを買ってきて済ませる。  1のタイプの人間は、缶やペットボトルに入った市販のお茶を飲まないか、といえば、そうではありません。弟切もわりとよく飲みます。  ですから、市販のお茶にとてもたくさんの種類があることは知っています。好みの商品もだいたい決まっています。  なぜ、そうなるのでしょうか?  現実問題として、出先でお茶が飲みたいと思った時、いちいち喫茶店に入る余裕−時間的・金銭的ともに−がないからです。  出かけている時は、市販のお茶はありがたいなあ、と思います。今はものすごく多様な商品があって、味も良いものが多いですからね。便利な時代になりました。(年寄りな意見(笑))  1の人に「なぜリーフティーを使うのか?」と訊いてみると、おおむね以下のような答えが返ってきました。 「お茶は嗜好品だ。飲まなくても生きてゆける物だ。それをわざわざ飲むからには、美味しい物を飲みたい。ティーバッグより葉のほうが美味しいとわかっているのだから、葉を買って飲む」  2の人に「なぜ家でお茶を淹れないのか?」と訊くと、以下のように答えてくれました。 「お茶を淹れるという行為が面倒くさい。いくらでも出来合いのお茶が売っているのだから、買えば済むことだ」  ともあれ、世の中の「普通」の人は、家で紅茶を飲む時にはティーバッグを使うのですね。勉強になりました。  それでしたら、桐子の家にティーバッグの紅茶しかない、という事態は納得できます > 甘夏さん。  あ、忘れていました。少数派ながら、弟切の周辺には以下のような人もいます。 3.家でお茶なんか淹れない。親もしくは配偶者が淹れてくれたお茶を飲む。お茶の選定や淹れ方は任せているので、どんな種類のお茶を、どんな方法で淹れているのかも知らない。  3の人は、五十代以上の男性に多いですね。でなければ、実家を離れたことのない二十歳以下の人である場合が多いです。  こういう人たちは、「自分でお茶を淹れる」など考えたこともない人たちですね。 藤極堂さんへ > >>ティーコーゼー  この言葉は、女性を含めても、八割の人は意味がわからないのではないでしょうか?   辞書にも載っていませんし、何の説明も無しで使うのはまずいと思います。  弟切も、「ティーコーゼー」という言葉はあまり見たことがありません。これは英語のtea cozyに由来する言葉です。英語の発音により近く「ティーコージー」と呼ばれることが多いです。  ティーコージーとは、お茶を淹れたティーポットが冷めないようにかぶせておく物です。通常は布で作られています。綿を入れて、小さな布団みたいになっている物が多いです。日本語では「茶帽子」と呼ばれます。  おおよそ、こんな物です↓ http://shop.goo.ne.jp/store/herbtime/ctg/001676.jsp -------------------------------------------------------------------------------- 雪ふり No.7341 投稿日 2003年12月15日(月)11時24分 投稿者 名無し君2号  雪が降ってもつもらない。  すぐに溶けて消えてしまう。あとは地面に染みてゆくだけ。  去年あたりだと11月下旬にはもう、踏みだせばずぶりと足が沈むくらいにつもっていたけれど、いまはせいぜいぴちゃぴちゃと、泥をはねらせてそれでおしまい。  私は楽だけど。  スキー場は大変だろうなと。雪は観光資源なのです。  まわりまわって資本主義、私のふところにだって、打撃を与えるに違いないのです。 >紅茶問答  前回検索して見つけた、ちょっと面白い話をひとつ。  紅茶大好きな英国人。  意外や意外、そのほとんどはリーフティーではなく、ティーバッグを使っているそうな。  ――正確なソースのある話でもないんですけど。でもイギリスに旅行した人などなど、複数のホームページで見たので、けっこう信憑性はあるのかも。  ティーバッグを使う理由は主にふたつ。 ・多い日で1日7杯も8杯も紅茶を飲むのに、いちいち面倒くさい事はしていられない。 ・ポットよりマグで一杯づつ作った方が、熱いしおいしい。  説得力はある。と思う。どうでしょう。  英国人にとっての紅茶と、日本人にとっての紅茶は、違うものなんでしょう。日本人における日本茶が、英国人における紅茶でしょうか。  好きだからこそティーバッグという例もあるんだなーと。  習慣か嗜好かの違いですけどもね。  ……問答はこれで終わってしまったのかしら。面白かったのに。 >1000字課題  主観視点でやってみようかな、と思い立つ。完全客観もまだ手のうちにはないけれど。  でもネタがないから、だから目先を変えてみる。そう、私は浅ましいのです。  ということで、新木さんのコメントを拾いあげてみる。 >>こんどは内側から離れないもの。視点を心の中から出さず、人物を客観的に見ない。 >>もう片方の内側からというやつは、一人称以外にも考えてみるべし。実際のところ、一人称ってあんまり主観的にならないのよね。自分のことを「俺」とか「私」とか呼称している時点で、すでに自分を客観的に見てしまっていることになるし。 >>この場合、観察者を出してしまったほうが、人物の主観により近づけるかも。 >>人物がなにを見ているか、なにを感じているか、なにに注意を向けているか、なにを考えているか、それはなぜゆえか。――そういうことを、人物の内側に入って同時に体験できる視点で書くと、感情移入度が上げられて読者も追体験しやすいと思う。 >>この視点保持者は人物の外側に出さない。人物のフィルターを通さずに周囲を見ないってことね。 >>視点保持者の持っている知識セットや感性やらは、人物のコピー。人物と同じことを知っているし、同じ価値観を持っている。 >>唯一の違いは、物事の当事者になっていないこと。そのためすこし冷静で、すこし客観的になれる。しかし感性が人物のコピーであるために、なにを書いても主観的表現から外れにくい。 >>これは僕がよく使っている視点。高校生ぐらいの年齢の少年を主人公にしてライトノベルを書くときには、たいていこれにしている。  三人称○○寄り視点ということか?  まあ、やってみよう。  ……。  で、書いたのがこちら。  No.94「散華」(1200文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=716&e=res&lp=550&st=0  主観視点なり。  少しだけエロいので注意。たいしたことはないですけども。  ネタがないよう。内容もないよう。レスには2時間だよう。また明日だよう。 -------------------------------------------------------------------------------- ■リーフvsバッグ No.7342 投稿日 2003年12月15日(月)12時15分 投稿者 藤極堂 なぜ誰も、ナイロンの三角ティーバッグの存在に言及しないのだろうか?  消費者実態調査 -飲まなきゃよかった!? 日本茶のティーバッグ-  http://www.yoshimura-pack.co.jp/guruin15.htm もしかして、存在自体を知らない? 私が想定している桐子は、息抜きやお客のために三角ティーバッグを使うタイプ。 これなら後かたづけも楽々で、味もまあまあ。 つーか週に1,2回しか淹れない人間が、上手に紅茶を淹れられるわけないよな。 つまり、ティーコーゼーは蒸らし用より、保温用。 それとティーコーゼーが専門用語なのはわかってた。 だから、最初は「キルトで作ったティーコーゼー」と書いていたのだが1000字に納めるため削った。 それと、ねらいはメイドっぽさというより(というか紅茶を淹れるのは桐子なので、メイド属性は0)女の子同士のお茶会っぽさ。 とりあえず「ティー」で紅茶用具だとはわかるはずなので「な、なんだかボキュの知らない秘密道具を持ってる? こ、これがオンナノキョ?」とビビってもらえればOK。 ゆえにくどくどしい説明は不用。 -------------------------------------------------------------------------------- 雪やこんこん No.7343 投稿日 2003年12月16日(火)01時22分 投稿者 弟切 千隼  ここ数日、湘南は乾燥した晴天が続いています。関東以南の太平洋岸では、冬の典型的な気候です。雪など到底降りそうにありません。  温暖な地で育った弟切は、雪の降る土地では暮らせないでしょう。そのくせ、スキー場には出かけてゆきます(笑) 藤極堂さんへ > >>ティーコーゼー  No.7342を読んで、「ティーコーゼー」という言葉を使った狙いはわかりました。狙いどころとしては、こういうのもありだと思います。  女性の読者さまには共感を、男性の読者さまには「女の子の秘密を覗いちゃった」感を持ってもらおう、というわけですね(^_^)  それでも、ここではやはり、「ティーコーゼー」を使うのはまずいでしょう。  「ティーコーゼー」が、九割の男性に意味が通じなくても、八割以上の女性に意味が通じるならよいです。藤極堂さんが狙った効果が得られるでしょう。  しかし、弟切の感触では、女性であっても「ティーコーゼー」の認知率は五割を切ります。これでは、男性のみならず、女性の読者さまの過半数を、「ティーコーゼーって何よ?」状態のまま置いてけぼりにしてしまいます(^^; >>布のティーバッグ  弟切は、布のティーバッグの存在を知っています。けれども、一般的には、布のティーバッグの認知率は非常に低いでしょう。弟切の近隣のスーパーでも、布のティーバッグを置いているところは少ないです。  普通の人にとっては、ティーバッグ=紙のバッグでしょう。布のティーバッグを作品中に出すとしたら、わざわざ説明を入れなければいけません。  字数制限がある状態では、布のティーバッグを出すのは、ちょっと苦しいかな、という気がしますね。字数制限を気にしなければ、布のティーバッグはいい選択肢だと思います。 >課題部屋のNo.708「メイド」 >>狙いとしては、「こんなメイドさんがいたらいいな」と、読者さまに思ってもらうことです。 >> 面倒くさい家事をプロの技でやってくれて、なおかつ、恋愛みたいなプライベートなことも話せる友達みたいなメイドさん、弟切は欲しいと思います(^_^) (弟切のNo.7327の書きこみより) >> これは、面白いなと思いました。 >> 女性が求める“メイドさん”とは、このようなものなのですね。 >> つまり、後半部分は余分なんかじゃなくて、あれが弟切さんの“メイドさん”像なんですね。 >> 男の求めるメイドさん像とは、やっぱりずいぶんと違います。 (羽矢野さんのNo.7330の書きこみより)  弟切は、羽矢野さんの書きこみを読んで、「男の人はこう感じるのか」と思いました。弟切にとっては、「へぇ」ポイントでした(^_^)  男性と女性とでは、物事の感じ方がだいぶ違いますね。「メイドさん」像には、その差がよく表われているようです。  弟切は、「メイドさん」の作品を書くに当たり、男性の友人に、「メイドさん」が登場する漫画やゲームをいくつか見せてもらいました。すべて、男性向けに作られた作品です。具体的な作品名は忘れてしまいました。いわゆる「十八禁」の色っぽいゲームが多かったですね。  それらの作品に登場する「メイドさん」は、家事のプロであることが共通していました。それと、「御主人さま」に絶対服従であることも共通していました。  ここまでは、女性の目から見てもおおむね理解できます。現実に存在するメイドは家事のプロですし、基本的に、使用人は雇い主に従うものですから。  「身の回りの世話を焼いてくれて、忠実にかしずいてくれる」女性は、いつの世も男性の願望の中にあるでしょう。  ただ、男性向け創作の中の「メイドさん」は、服従の度合いが常識外れです。現実にはあり得ないほど絶対服従しています。この辺が、男性の願望が爆発しているところですね(笑)  加えて、性的サービスを行なう「メイドさん」が非常に多いです。やっていることは風俗嬢と同じだろう、という感じです。この辺で、男性の欲望が大爆発していますね。  上記のような作品が多いということは、少なくとも男性の一部には、「性奴隷としてのメイドさん」の需要が強くあるのだろうと感じました。  男性全員とは言いません。「身の回りの世話を焼いてくれて、忠実にかしずいてくれる」女性は欲しくても、「性奴隷」は要らないという人も多いでしょう。  女性の目から見れば、「性奴隷としてのメイドさん」は、愉快なものではありません。むしろ不快です。弟切を含めた大部分の女性は、このような「メイドさん」を、読みたいとも書きたいとも思わないでしょう。  そこで、弟切は、「女性が読んで楽しいメイドさん」を書こうと考えました。雇い主も女性にして、女性ならではの友情が育めるメイドさんなら、女性が読んで楽しいはずです。  そして、課題部屋のNo.708「メイド」が生まれました。  「メイドさん」を家事のプロとするならば、性的サービスは、明らかに仕事の範囲を逸脱しています。にもかかわらず、男性向け創作の中の「メイドさん」は、ほとんどがそれを行なっています。当然のように。  なのに、女性向け創作の中に、家事の範囲を逸脱した「メイドさん」が現われると、男性は違和感を持ってしまうのですね。  おそらく、それと同類の違和感を、女性は男性向け創作に対して感じています。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.7344 投稿日 2003年12月16日(火)09時26分 投稿者 鐸碑  性サービス付きのメイドさんばかりになるのは、いわゆる18禁系の性的嗜好を対象にした作品群であったからではないでしょうか?  そういう作品群であったなら、メイドに限らずそれがナースでも女医でも女教師でも、妹でも義母でも、およそ性的サービスの対象と考えないような女性であってもそういう対象として描く分野です。そこにある作品群をみて、男性がメイドさんに性的なサービスを求めていると取るのは早計ではないでしょうか。  非18禁分野、少年漫画やライトノベル(18禁ノベライズ系を除く)の作品群での扱いと見比べてから判断を下すべきではないでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 寒い No.7345 投稿日 2003年12月16日(火)20時30分 投稿者 羽矢野 ●紅茶戦争  いきなり勃発して、終結してる……。  そういえば。  イタリアに行ったときのこと。  ホテル(一つ星のそれなりのホテル)でも、朝食に紅茶たのむとでてくるのは、お湯と、リプトンのティーバッグだった。  葉っぱで淹れてはくれなかった。 ●メイドさん  男女の差。  基本的にメイドさんという設定は“男”のものですから。  あれは、男が持っているいろんなものを満足させてくれる、都合のいい設定なのですね。    いろいろ書きたいけど、今日はこれだけです。 -------------------------------------------------------------------------------- 再び未確認飛行物体 No.7346 投稿日 2003年12月16日(火)23時47分 投稿者 弟切 千隼  今夜も、弟切の家の上空を未確認飛行物体が飛んでゆきました。暗くて、ライトしか見えないのが残念です。形が見えれば正体がわかりそうですのに。  ひょっとして、サンタクロースが良い子の家を下見するために飛んでいるのでしょうか?   正体がサンタクロースだとわかれば、「未確認」飛行物体ではありませんね(^_^) 鐸碑さんへ >  助言ありがとうございます。  確かに、弟切が友人に見せてもらった作品群には、やや偏りがありました。それは、あらかじめ友人に説明されています。  ですから、弟切は、「全ての男性が『メイドさん』に性的サービスを求めているわけではない」と認識しています。  弟切は、目下のところ、「男性向けのメイドさん」が登場する作品を書くつもりはありません。それは不得手な分野ゆえ、当面は避けておくつもりです。なにも、最初から不得手な分野で勝負することはありませんから。  それより先に、弟切には、身に付けるべきことがてんこ盛りです(^^;; 男性向けの「メイドさん」の世界は奥が深そうなので、これ以上は踏み入らないことにしておきます。 2号さんへ >  お待たせしました。課題部屋のNo.706「紅く塗りつぶせ」の詳しい指摘をさせていただきます。 >口紅  作品中には、口紅の具体的な形がまったく書かれていません。ということは、最も平凡な形の口紅であるはずです。それなら説明を要しません。  普通の人が「口紅」といわれて思い浮かべるのは、スティック状のものでしょう。容器から出して、直接唇に塗るものですね。  だとしますと、以下の記述がおかしいです。 >> 母親は小筆でちょんちょんと口紅をとり、小雪の唇に塗りはじめる。  化粧用の筆で塗るのなら、スティック状の口紅なんて使いません。  スティック状の口紅は、直接唇に塗りやすいように、わざわざあのような形に作られています。筆を使って塗る口紅は、筆で塗りやすい形に作られています。  「母親は、スティック状の口紅を塗るのに、いつもは筆を使ったりしない。けれども、娘の小さな唇にきれいに塗れるように、今回は筆を使った。筆用の口紅を使わなかったのは、娘が手にした口紅を気に入ったことを見て取ったから」  というのでしたら、納得します。  しかし、それにしては説明が足りません。今のままでは事情がわかりません。  何しろ、口紅がどんな形をしているのかすら、書かれていませんから。  どんな口紅なのかをしっかり描写して下さい。この話では、口紅は必須の小道具なのに、扱いがぞんざいです。 >題名  「紅く塗りつぶせ」という題名が、あまりにも内容と合っていません。  「塗りつぶせ」という命令形であるところが、荒っぽすぎます。  この話は、幼い娘と若い母親の、ほのぼのとした交流の話ですよね? 可愛さや優しさを訴える話のはずです。  そういう話に、なぜ、命令形の題名が付くのでしょう?  命令形は、言葉の力をすこぶる強めます。男性的です。強圧的です。脅迫的でさえあります。  そういう言葉が、こんな「ほのぼの系」の話の題名になるのは、どう考えてもおかしいです。  実際、この題名を見た時に、弟切はてっきり、この話はホラーかサスペンスかアクションものだと思いました。命令形の題名は、そういう作品にふさわしいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 毎日書かなければとは思うのですが、書き終わりません。こんな短い書き込みなのに。 No.7347 投稿日 2003年12月17日(水)01時46分 投稿者 青葉桂都  こんにちは、青葉桂都です。  ブラインドタッチを覚えたら少しは書くのが速くなるかなと思ってはいるのですが、下手に妙な癖がついてしまっているためなかなかうまく行きません。  考えるスピードが遅いままでは、手が多少速くなっても変わらない気もいたしますが。 >>名無し君2号さん  美少女に見えるのでしょうか。  ぜんぜん、そうは見えないと思えたので投げ捨てようとしたのですけれど。 >>> 俺は無駄にでかい前庭の向こうにある、無駄にでかいはずの屋敷に目をやった。 >>> 白い壁には飾り窓が並んでいる。その窓は、同じ敷地内なのに手のひらくらいの大きさ に見えた。  えーと。  この2行はワンセットのつもりでした。  でかいのは知ってるけど、広い庭の向こうにあって小さく見える……ということを書きたかったのです。  手のひらサイズの窓が、大きなお屋敷を彩っているということはないでしょう。しかし、それくらいに見えるほど遠くにある。  敷地が、冗談みたいに大きい。  そんなようなイメージで書いたのです。  ところで、それはそれとして。  片側二車線の車道越しに学校(手近に、そこそこのサイズの窓がある大きな建物が他に思いつかなかったので)を見てみました。  そして、遠くにある建物の窓が『手のひらサイズ』に見えるはずがないということを確認してきました。頭の中で浮かべていた庭の大きさは、車道どころではありませんでしたし。  そもそも書く前にやっておけという話ですね。 >>> 耳障りな音がして、俺の視界の端で扉が開いた。  なるほど、音の説明を先にすると台詞の説明に見えてしまいますね。  扉が開く音であることを先に説明すべきでしょう。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  俺の視界の端で扉が開く。錆びかけたちょうつがいが、耳障りな音を立てた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  こんな感じでしょうか。  まだおかしいかな。 >>> 純白のドレスが、とてもよく似合う表情だ。  削って、見比べてみましたが違いがよくわかりませんでした。うーん。  白という色のイメージには、清楚とか純真とかそういったものがあると思います。  そんなような雰囲気をかもし出す表情であると……ああ、自分で言っていてわけがわからない。 >>> 柔らかそうな、細い指先。それが料理をしているところを俺は想像してみた。……冒涜 >的な映像だと思った。  私の中にもありません。  というより、使用人の仕事を見て、『大変そう』などと言ってサラッと手伝いはじめるようなお嬢さん、というイメージをもって書いていました。  大げさなくらいに書いたら少しは美少女らしく見えるのではないかという考えで。  でも、方向性を違えてしまったら意味がありませんね。  神秘的な美少女とか知的な美女などであればふさわしかったのではないかと思いますが。 >>> 俺の上空から相棒の声が聞こえてきた。さりげなく俺の脚を踏みつけている。重い。  ああ、これは思い切り説明不足の産物ですね。  語り手である主人公君が愚痴っている通り……とまではいかないまでも、エミリア様以外の屋敷の人々は、不必要に使用人をかえりみるような人物ではありません。  そのため、エミリア様は屋敷の人々、特に野郎共(主人公君やその相棒も含めた)に慕われていると、そういうシーンを描きたかったわけです。  読み返してみましたが、ぜんぜん片鱗も見えてない……ですね。  最初の会話文あたりに欠片くらいは見えるつもりでしたが、まったく見えやしません。 >>> まったく、なにを当たり前のことを言っているのだ。エミリア様がこれから出かけると >いうのに、空が曇っているわけがないではないか。  どうもありがとうございます。  ほとんどこの台詞から考えたような話なので。  うーん、美少女に見えたのであれば、自分で考えていたよりはマシなんでしょうか。  もちろん、直さなければいけないところはたくさんあるとしても。  リンクを張るのは了解いたしました。  次からはそのようにいたします。 >メイドさんのこと  奥、深いんですかねぇ。  ものすごく浅いように思える。  弟切さんが、『女性ならではの友情が育めるメイドさんなら、女性が読んで楽しいはずです。』とおっしゃったのを見て、私は男性も女性もそれほど多大な違いはないのかなと思ったですが……。  私が他の皆さんほど深く考えてないだけなのでしょうね。やっぱり。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 筋肉痛 No.7348 投稿日 2003年12月18日(木)00時18分 投稿者 弟切 千隼  年末なので、少しずつ家の中を片付けている弟切です。溜まりまくった雑誌を整理して、ダンボール箱に詰めました。  重い本を持ち運んだために、弟切は今、筋肉痛です。運動不足を実感しています(^^; >課題部屋のNo.710「美人の描写」  皆さんにいろいろ指摘していただいたのに、応答が遅れてしまいました。  以下に、皆さんから指摘されたことに、まとめて答えさせていただきます。 ●美人の描写なのに、肝心の「美人」が出てくるのが遅い。  御指摘のとおり、前置きが長すぎますね。読み始めて十行以内には、美人が出てくるように書き直します。 ●「美人」よりも、語り手のダサい女の子のほうが印象に残ってしまう。  読み返してみれば、主役の「美人」よりも、語り手の女の子について書かれている量が多いです。多いほうが印象に残るのは当然ですね。書くべきところを思いっきり間違えました(;_;)  語り手の描写を削って、美人の描写を増やします。  狙いとしては、「美人」と「美人でない女の子」とを対比させて、「美人」を際立たせるつもりでした。甘夏さんが指摘されたとおりです。  しかし、主役の美人を押しのけて、ダサいほうが目立っては本末転倒ですよね。 ●「美人」の顔の描写がないのはおかしい。  対比させている「ダサい女の子」の顔が描写されているのに、主役の美人の顔が描写されていないのは、バランスとして変ですね。  読者さまに最も「美人」を伝えやすいのは、やはり顔でしょう。最初はわかりやすいところから攻めるべきですね。 ●コート・ベルト・帽子・手袋などの具体的な描写がない。ゆえに、「美人」の姿を思い浮かべられない。  これが最も致命的ですね。弟切は、「美人」の服装の描写に手を抜きすぎました(泣)  甘夏さんがおっしゃるとおり、帽子一つをとっても、たくさんの種類があります。「帽子」と書いておくだけでは、読者さまはどんな帽子なのかわかりません。姿など思い浮かべようがありませんよね。  帽子一つで、ある人の年齢や職業や性格や、その時の気分までも表わすことができます。読者さまに「へぇ」と言わせることができます。  弟切は、とーっても大事な「へぇ」ポイントを落としています(;o;)  クリーニング店勤務の甘夏さんの御指摘は、さすがですね。コートのボタンの止め方・ベルトの太さ・手袋の材質など、細かいところに目が行き届いています。まさに、こういう細かいところを描写することによって、「美人」の姿が思い浮かべられるはずです。  「美人」の服装については、念入りに書き直します。 ●灰色のコートと灰色の帽子に、紅い手袋は似合わない。  一般的には、灰色と紅は似合いませんね。  しかし、灰色にも様々な色調があります。色調によっては、似合う場合もあります。  弟切が細かいところをきちんと書かなかったために、読者さまに違和感を持たせてしまいました。色を変えるなり、色調の描写をきちんとするなり、対策を立てます。 ●香水を『香水』としか書いていない。描写がない。  反論の余地がありません。  香水は、「美」を引き出すとても良い小道具なのに、全然生かしていませんね。小道具の効果を最大限引き出せるよう、書き直します。 ●美人の描写部分で、『若い女性』などという説明の文を使っている。  これも、反論の余地がありません。書き直して、描写にします。 ●「美人」の年齢が不明である。  これも弟切の手抜きによるものです。  はっきり「○歳」と書かなくても、例えば「二十代後半」とか、「二十二、三歳」などと書けば済むことでした。 ●語り手の女の子が、自分より年上の女性を『若い』と認識したりしない。  考えてみれば、これは当然ですね。今さらそれに気づく弟切は鈍いです(^^; 「美人」の年齢の表わし方は、もっと工夫します。 ●全体的に、「美人」ではなく「格好いい」女性に見える。  はい、弟切もそう見えます。……って、ダメすぎですね(^^;;   弟切は、おそらく「美しさ」と「格好よさ」の区別が付いていません。分室用語で言う「分解能が低い」状態です。  「美しさ」と「格好よさ」とを区別して、「美しい女性」を書けるようにします。  今回はこのくらいにさせて下さい。続きは次回に。 -------------------------------------------------------------------------------- 立ちっぱなし No.7349 投稿日 2003年12月18日(木)11時39分 投稿者 名無し君2号  理由あって、一日中立ちっぱなしであった。  足が震える、腰にくる。やがて首まで痛くなる。  家に帰れば、足までやたらと臭くなってる。  あー……。なんか落ちこむ。  一日中、ずっと靴を履きっぱなしだったからかもしれないけど、昔はこんなにパンチが効いてなかったと思う。  加齢臭ですか。まだ二十代なんですが。  とりあえず靴を洗うことにする。スニーカーだから丸洗い。バケツのお湯が極悪な色と化した。なんともドス黒い。しかし心は清らかに。  そうさ。きっと靴が汚いからあんな匂いだったのさ。と、思いたい。  足を洗えばいいだけの話だけど。いろんなことから足を洗うのか。  靴は脱水機にかけてから干した。室内で陰干し。 >No.706「紅く塗りつぶせ」 >弟切さん  ペンシルタイプ、スティックタイプ、パレットタイプ。  ――以上、口紅の種類。  ペンシルタイプは文字通り鉛筆のかたちをしている。固くて、荒れた唇にはちょっと厳しいらしい。  スティックタイプは、棒状で、くるくると後ろを回して紅を出し、直接唇に塗るもの。  口紅といえば、男性はこれをまず頭に思い浮かべるであろう。  パレットタイプ。  絵の具のパレットを想像すること。小中学生のとき、授業で使うパレットは、上に小さな区切り、下に大きな区切りがあるものだったと思う。その上の部分に、ぎっちりと口紅が詰まっている……。そのひとつを切り離す。はい、それがパレットタイプ。  通常は何色かがセットになっているようだ。  当然ながらそのままでは塗れないので、筆を使って塗ることになる。  さて、弟切さんの指摘、『スティックタイプなのに紅筆を使うのはおかしい』ですが。  男の私が言うのもなんですが、そんなことはないです。意外と紅筆を使っている人はいます。  その理由。 (1)筆を使ったほうがムラなく、細かく、きちんと塗れるから。 (2)最後まできっちり使えるから。  (1)はなんとなくわかってもらえると思います。そりゃ筆のほうが細かい作業には向いているし、ムラだってないに決まってる。  (2)、スティックタイプは、ある程度までしか中身を引き出せない。スティックのりを使ったことがあればわかるとおり、のりの根っこの部分までは出てこない……はず。だよね? 理由は知らない。取れるのを防ぐためだろうか。  口紅の場合、メーカーによってまた違うようだが、ものによっては3分の1ほど中に残るものもあるようだ。  それをどうするか?  はい。筆をつかってほじって使うのです。だって3分の1もあるんですよ? もったいないじゃないですか。化粧品って、高いのは本当に高いし。  で、なんで今回の話に紅筆なんぞ出したのかといえば、私のママンが過去に使っていたからです。  子供のころ、ママンが筆で塗っていた記憶があるのですね。いまのママンがどんなやりかたなのかは、見たことないのでわからんのですが。  作品中で、ちょんちょん、なんて塗っているのは、そのときを記憶を基にしたもの。  そこで『スティックタイプの口紅で筆を使うのはおかしい』と言われると、私のママンがおかしいのかしら、と思わず調べてしまいましたが。  ……おかしくないよう。使っている人だっているよう。  あとは、スティックタイプで奇麗に塗ってあげるのは、ちと難しくないかな、というのもありました。そこは調べ切れてない……といいますか、紅筆を思いついた段階で切り捨てていました。どうなんでしょうか? スティックタイプでも塗れるのでしょうか?  もうひとつの疑問、『なんで口紅を正確に描写しないのか』ですが、男に口紅といえば、たいがいが想像するのはスティックタイプの口紅です。  だって化粧なんかしたことないですし。  必要のないことは、普通知らないものだし。  ペンシルタイプやパレットタイプがあることを、普通の男は知りません。彼女がいても……化粧するところを観察するかな? 彼女だってお化粧するところを見られるのはいやだろうし。  それに、女性が読んでもスティックタイプだとわかると思うんですけども。 >> あどけない顔の、その口元には赤い落書きがほどこされていた。ぐにゃぐにゃとした線が、唇のまわりをよろめいている。 >> その手には、口紅。  ペンシルじゃあ、そんなに書けないし、そもそも筆でとれないし。  パレットじゃあ、『その手には、口紅。』がすこし変だし。  女性だと口紅の知識があるぶん、この程度では駄目なんですかね。だったら修正しないといけないです。 >題名 >>「紅く塗りつぶせ」という題名が、あまりにも内容と合っていません。 >>「塗りつぶせ」という命令形であるところが、荒っぽすぎます。  この話、まずタイトルが先でした。  『黒く塗りつぶせ』という曲があって……永ちゃんじゃなくて、転がる石のほう……で、まあ、そのまんま『紅』に変えたもの。  最初はたしかにホラーとか殺伐としたものにしようか――と思ったんですけども。  ……とまあ、言い訳です。  でも、結構いいタイトルかと思ってたんだけどなァ。だめかァ。たしかにインパクトだけだしなァ。 >冥府魔道、略してメイド >弟切さん  『エマ』というメイドさん漫画があります。作者は森薫さんという女性のかた。エンターブレイン、ビームコミックス。現在は三巻まで刊行、以下続刊。  連載している本が『ビーム』というマイナー月刊誌なので、大きめの書店じゃないとコミックスどころか雑誌すら売っていないのが難ですが。  これ、リアルな『メイド』を描きながら、ちゃんと『メイドさん』になっています。  19世紀末イギリス。無口でおとなしいメイドのエマと、優柔不断な名家の長男ウィリアム・ジョーンズの恋のゆくえを描くというのが大まかなストーリーですが。  そもそもエマはジョーンズ家のメイドではなく、ウィリアムの家庭教師だった女性が使っているメイド。  ウィリアムが久方ぶりで旧師の家を訪問したとき、そこでエマと出会い、ほのかな恋に落ち、それはどんどん燃えあがってゆく。  ――嗚呼、しかしふたりはメイドとジェントリ(上流階級)、身分の差がふたりの恋を阻むのであった。そうこうしているうちにふたりは離ればなれ、この恋のゆくえはいかに!?  ……という話です。  リアルなメイドであっても、メイドさんは書けるということが、この漫画を読めばわかります。男性も楽しめる。女性も楽しめる……はず。  その友人に見せてもらってないのであれば、一見の価値はあると思います。メイドのみならず、ヴィクトリア朝末期のイギリス、貴族の生活などを丁寧に描いているので、弟切さんには違った楽しみがあるかもしれないです。 >青葉さん >>> 純白のドレスが、とてもよく似合う表情だ。 >>削って、見比べてみましたが違いがよくわかりませんでした。うーん。 >>白という色のイメージには、清楚とか純真とかそういったものがあると思います。 >>そんなような雰囲気をかもし出す表情であると……ああ、自分で言っていてわけがわからない。  ――訂正します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  宝石みたいな、大粒の青い瞳。それはわずかに細められていた。血色のいい肌には淡い 色の唇が浮かんでいる。口の端にはえくぼができていた。  世の中に悪意とか敵意なんてない。争いはおとぎ話の中だけのもの。そんな風に思って いる表情だ。  純白のドレスが、とてもよく似合う表情だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『えくぼ』=『笑顔』なんですよね。  純白のドレスが、とてもよく似合う笑顔だ。  なるほど違和感ありません。『口の端にはえくぼ』で笑顔だと気づかなかった私が駄目です。失礼しました。  描写が駄目だという――でしたっけ?――のなら、また描写課題をやってみるのもいいかもしれませんね。違うタイプの美人なり、雑踏なり、なんなり。 >1000字課題  No.95「星空」(1600文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=717&e=res&lp=550&st=0  主観視点をやっているつもり。  すごく難しい。なにがおかしいのかもよくわからなく。  レスには3時間。さらばです。 -------------------------------------------------------------------------------- よろしくお願いします。 No.7350 投稿日 2003年12月18日(木)19時39分 投稿者 江崎 芹  こんばんは、江崎芹(えざき せり)と申します。  「よみかく」がまだ生きていた頃、セリオスのHNで投稿していたものです。  分室に参加をするつもりはないのですが、自分の作品を一つ読んで指摘してもらいたいと思い、ここに書きました。    今日、電撃短編賞の結果が発表されました。自分もそれを出したのですが、結果は一次落ちでした。  今回はその作品を読んでもらいたいのです。  今回書き上げた作品は、いつも回りの友人たちから叩かれまくってる自分が、はじめて好評価を得た作品なんです。本人もびっくりの評価っぷりだったので、今回こそは一次か、もしかしたら二次までいけるかもしれないと思っていたんです。  しかし結果は上のとおり。友人たちから「ありえない」などの一言をもらったりしましたが、結果は結果でボクはかなり落ち込みました。  それで、ならばプロや小説家志望者たちが集まるここ「よみかく分室」に投稿して、だめな部分をはっきり指摘してもらおうと思ったのです。  分室のみなさんにはお手数をかけますが、どうか一読して、正当な評価、指摘をください。  指摘の加減はいりません。とにかく思ったこと、だめな部分引っかかった部分、よければ改善点なども言って頂ければありがたいです。  では -------------------------------------------------------------------------------- 今回はレスのみです。 No.7351 投稿日 2003年12月18日(木)23時50分 投稿者 弟切 千隼 2号さんへ > >口紅  おっしゃるとおり、実は、スティック状の口紅でも筆を用いることはあります。理由も、2号さんが挙げたとおりです。 >>(1)筆を使ったほうがムラなく、細かく、きちんと塗れるから。 >>(2)最後まできっちり使えるから。 (2号さんのNo.7349の書きこみより)  こういう反論が来ることは、弟切も予想していました。  だからといって、物語の重要な小道具である口紅を、しっかりと描写しなくてよいものでしょうか?  考えてみて下さい。  世の中には、化粧に関心がない人が大勢います。そういう人たちは、口紅といえばスティック状のものしか存在しないと思っています。スティック状の口紅を直接唇に塗るのが、唯一絶対の口紅の塗り方だと思っている人が、たくさんいます。  ここで気が付きませんか? 「スティック状の口紅を、筆で塗る」様子を描写すれば、化粧に関心がない多くの人々に「へぇ〜」と言わせることができます(^o^)  化粧に詳しい人なら、丁寧な口紅の描写を読んで、「女の子の化粧への憧れ」や「母親の身だしなみの良さ」を楽しんでくれるでしょう。現実味が増すという大きな福徳もあります(^_^) 化粧に詳しくない人なら、それらに加えて、口紅の描写に新鮮な驚きを感じてくれるのですよ。  こんなにいいことずくめなのに、口紅の描写をしない手はないでしょう。 >『エマ』  情報ありがとうございます。弟切は、この作品を読んだことがありません。探して読んでみます。 青葉さんへ >  課題部屋のNo.712「美人の描写(美少女編)」を読みました。  美少女かどうかとは関係のないところで、気になった部分がいくつかありました。今回は時間が取れませんので、一つだけ指摘させていただきます。  冒頭の文は、以下のようですね。 >> 梅雨時の空は真っ昼間だというのに暗くて、俺の気分まで曇らせてくれる。  『梅雨』という言葉が出た時点で、この話の舞台は日本であることが決定します。『梅雨』は日本独自の気候ですから。  ところが、読み進んでゆくと、『エミリア』というヨーロッパ風の人名が登場します。この話は、なんと中世ヨーロッパ風ファンタジー世界なのですね(*o*)  ヨーロッパにも雨が多い季節はあります。しかし、それは『梅雨』ではありません。  季節感を表わす言葉には、地域性が強いものが多いです。気をつけて使って下さい。 お知らせ:  弟切は明日から遠出します。19日の昼間から21日の夜まで、おそらくここにアクセスできません。次に書きこめるのは日曜日の夜以降になります。 -------------------------------------------------------------------------------- 「彼女の痕」読みました No.7352 投稿日 2003年12月19日(金)02時29分 投稿者 紫ゆきや ●江崎さん  こんにちは、紫ゆきやです。  お役に立つかは分かりませんが、指摘してみます。 ◎一読して  けっこう良い出来だと思いました。  しかし、致命的と思えるところもありますね。 ◎問題箇所 ===  チケットはペアチケットなのに。ドタキャンとはあのアマ……。こちとらしっかり三十分前から待っていたのが無駄になったんだぞ。ドタキャンするなら、もっと早く連絡入れろボケ! ……雅人は怒りの言葉をそう携帯本体に向かってぶつけた。 ===  ここで主人公嫌われますよね?  すっぽかされたとはいえ、デートの相手を、「アマ」、「ボケ」呼ばわりですから。  急用だと(嘘かもしれませんけど)書いてあるのに。  しかも、直後に、 === おかげでスタイルの割にガキっぽく見えるが、雅人は素直に彼女が「かわいい」と思った。  雅人はにやりと笑う。そうだよ別に帰る必要も一人で映画見る必要もない。ナンパして別の子といっしょに見てそして遊べばいいんだ。 ===  「スタイルの割にガキっぽく見える」と評した女の子をナンパですか……。  視点キャラにしたってことは、このキャラのつもりで物語を体験することになります。  しかし、このキャラに感情移入できるひとって、そんなに多くないんじゃないでしょうか。  女の子を罵ったり、彼女がいるのに浮気したりってのは、自分が取りたい行動じゃないですよ。  ここの後、さらに女の子までが、 === 「実は、ナンパを待ってたんだ。私ナンパされたことなかったから。最初自分からしようと思ったんだけど、女の子からなんておかしいじゃない? だからナンパされるために、人が多いところで待ってみたんだ。あんまり期待してなかったんだけど。  それでまさかほんとにされるとは思ってなくて、だからとっても驚いちゃって」 ===  とか言いだしますね。  これで、女の子のほうも嫌われてしまう可能性が高いです。理由は男の子と同じですね。  「彼女の痕」の問題点は、 プロローグでもってキャラが嫌われてしまっている。  これだと思います。  もっとも、このへんは読み手が男性か女性かも、影響すると思います。  両方の読み手を、意識してますでしょうか?  あと、これは単なる質問なんですが。  タイトル「彼女の痕」は、なんと読むのでしょうか? 「かのじょのあと」で、よかったですか? -------------------------------------------------------------------------------- いまだ雪つもらず No.7353 投稿日 2003年12月19日(金)04時13分 投稿者 名無し君2号  12月も中旬を過ぎ、下旬に入ろうとしているのに、ちっとも雪が降りません。  そっちのほうが楽でいいけれど。 >江崎芹さん  分室に参加するつもりはない、でも指摘してくれとのことですが。  とかくこの世はギブ・アンド・テイク。  私の指摘――ギブにたいする、江崎さんからのテイクはなんでしょうか。現金な私としては、テイクもなしにギブはやれませんな。  そんなことをいいつつ、読んではみました。  まあ、日本語にはなってますよねえ。  どこかで、『日本語になってさえいれば一次選考は通過する』と読んだ記憶がありますので、なんで一次も通らなかったのかはさっぱり。それだけ電撃の賞はきびしいということでしょうかねえ。  5分で読んだので、内容はよくわかりません。  この長さだとあらすじ希望です。  ゾンビ女とか無痛症とか、なんかそんな単語があったかな?  ようするに、主人公がいまの彼女を捨てて新しい女に走る話なんですかね?  斜め読みを始めたポイント。8段落め。 >> 雅人の右手がぷるぷると震えた。 >>「一人でどうやって楽しめっていうんだ。……いや楽しめるけど」  いきなり主人公が独り言を呟いていますが。しかも自分をつっこんでますが。これはギャグ小説じゃないんですよね? むしろシリアスなんですよね?  以上、おためし指摘でした。  こんなのでもよくて、さらに続きも読みたかったりしたら、テイク希望です。つまるところ、私のも指摘してください、と。 >口紅 >>おっしゃるとおり、実は、スティック状の口紅でも筆を用いることはあります。理由も、2号さんが挙げたとおりです。 >>こういう反論が来ることは、弟切も予想していました。  うわ、試されてましたか。無事合格したようで、ほっとしています。  こちらはこちらであらたな疑問、『筆を使うんだったら、なんだってわざわざスティックタイプを使うんだろう?』というのが湧いてきていたんです。最初からパレットタイプにすればいいのではないか。  携帯性かな……とか思ったり。家から出るときは丁寧に筆で塗り、外にいるとき、お化粧直ししたいときは、直接ささっと塗るとか。  ふちとか、細かいところだけ筆で塗り、中は直接塗るのかな。  わかんないな。女装すれば理解できるのか? ううむ。 >>だからといって、物語の重要な小道具である口紅を、しっかりと描写しなくてよいものでしょうか?  ここで、私、すこし混乱。  『スティックタイプの口紅でも筆を使う、だから口紅は描写しなくてもよい』とは言ってないです。言ってないはず。言ってないだろう。まあ、ちょっとは覚悟しておけ。  『使っているのがスティックタイプの口紅だとは、読めばわかるはず』とは言いましたけども。  『いいや、これじゃスティックタイプとはわからないよ』、というならば理解できます。まだ足りない、もっと書けということなんですかね?  とはいえ口紅を描写する利点、 (1)スティックタイプなのに筆で塗らせることで、直接塗ることしかしらない読者に、興味を持ってもらうことができる。 (2)丁寧に化粧を描写することで、化粧の知識がある層はそれを楽しみ、また現実味も増す。  これらはありがたく拝聴します。  化粧作業をウリにしようという考えがまったくなかったので、なるほどと。  今日は早めに寝ます……って4:00だけど。 -------------------------------------------------------------------------------- オンラインゲームの中もクリスマス仕様になっていました No.7354 投稿日 2003年12月19日(金)05時12分 投稿者 はせがわみやび  ども、みやびです。 ●昼下がりの午後の紅茶事件  「ドトールコーヒー」の紅茶は、四面体(テトラポッドの形)のティーバッグなんだけど、ナイロンのティーバッグってのは、あれのことかなぁ。 >ティーコーゼー >>ゆえにくどくどしい説明は不用。  うん。なので、説明しろとは言ってない。でしょ?  まあ、藤極堂さんのリライトは、例によってリライトというより新作になっちゃってるんだけど。  最後のもっていきかたは弟切さんや甘夏さんのよりも納得できる。 「今は顧客とメイドの関係なのだけど、実は昔からの友だちだったのです」っていう。  メイドが急に友だち調になってしまう理屈づけになってる──ひょっとして、このオチを思いついたから書いたのかな?  んで、女同士の会話になったところで、専門用語を出すというのも意図は理解できた。  頭に「ティー」と付いているから、わからないなりにもお茶用語だろうとわかる。だから、数ある紅茶関係の専門用語から、「ティーコーゼー」を抜き出した、ってのも。  でも、だったら、その前後も「オンナノコのヒミツ」なのだってわかるように書かないと。  具体的に言うと、なんでその直前の単語が「茶器」なのだ? >> 桐子は戸棚から茶器のセットとティーコーゼーを取り出しながら言う。  こう書いちゃうと、「ティーコーゼー」の単語だけ浮いているように見えるのは、わたしだけかなぁ。  まあ、わかるんだけどね。「ティーセット」とは書けないし、かといって「桐子は戸棚からふたりぶんのカップを取り、温めるために湯をポットへと注ぎながら言う。お気に入りのティーコーゼーも忘れずにテーブルの上に出しておいた」……じゃあ、まだるっこしいもんなあ。  だから、「だめ」とは言ってない。  それ、知らないと思うぞー、と聞いてみただけで。 ●リップスティック・コンバット >>紅く塗りつぶせ(1200文字)  タイトルは、真逆を付けるってのもアリだとは思うんで、わたしはあんまり気にならなかったかなあ。ただ、投稿作ではお勧めしない。「タイトルを付けるのがヘタなのだ」って思われちゃう可能性を捨てきれないもの。  読んだとき、細かいところはともかくとして、直したほうがいいと思った単語がふたつあった。  ひとつは、「ティッシュ」で、もうひとつが「口紅」。  この話、読まないで、眺めてみよう。  ちょっと距離を離して。  全文が見える位置まで引いて。  「ティッシュ」  めちゃめちゃ目立ちません?  カタカナ、これだけなんですもの。  ──だから、つっこまれる。  もう、二、三個、カタカナをほうりこんでおくか、なんとかして「ティッシュ」を漢字かひらがなの別の言葉にしておけば、それだけで、つっこまれないものを。 >口紅  この作品、同じ単語がふたつの意味で使われている。 1)その手には、口紅。  これは、実体のあるリップスティックとしての口紅。 2)口紅をぜんぶぬぐわれて、ぷはっと息を吐く。 3)母親は小筆でちょんちょんと口紅をとり、小雪の唇に塗りはじめる。  このふたつは、塗料としての「紅」のこと。スティックとしての口紅をぬぐったり、とったりはできないでしょ? 3)は、もしスティックのことを指すなら、「口紅を」ではなく、「口紅から」になるはずだ。  なんだけど、たぶん、そもそも、ふたつあるって気づいてないなぁ。  だから、ふつうに読解力があると「ちょんちょんと口紅をとり」で、パニックを起こすはずなんだな。その紅を、スティックから取ったとは思わない。スティックをどうやって筆で取る(テイクする)んだろう、と。  そもそも、スティック状に付き出た赤い紅から小筆で紅(塗料)をはぎ取るってのが「ふつうの男には想像もできない」し。  一番楽な直し方は、「口紅」をぜんぶ「紅」に直しちゃうことかなぁ。  まあ、ずるをしないなら、最初を「口紅」に、二番目を「紅」に。  最後のやつを。 >>母親は口紅から小筆でちょんちょんと紅をとり、小雪の唇に塗りはじめる。  これで、たぶん、読み手は理解できるんじゃないかなあ。 ●戦え、メイドさん  弟切さんの検索は、それは検索条件がまちがってます(苦笑)。  ある属性をもったキャラクターが出てくるときは、属性の中にひそんでいるどの部分を利用しているか、を考えないといけない。  弟切さんが見た作品は、メイドの「世話をするひと」という部分を拡張解釈した作品なんだよね。だから、それこそ、お世話さまなことまで世話しちゃう(^^;  アダルトもので良く使われる「教師」は「教えるひと」を拡張利用している。それこそ、「いや、そんなこと教師教えないしー」ってことを教えてくれるわけだ(^^;  でも、「容易に読者が誤解できる」のがポイントですね(笑)  最初から、そういう検索条件(世話をするひと)で検索かけているんだから、ぶつかる作品がどれもアダルティなものになっちゃうのは、当然だ。  「メイド、身分違い、恋」あたりで検索かけるとかすれば、また別のメイド像の作品がぶつかると思うけどなあ。  つまり、メイドの「主に仕えるもの」という部分を利用している。ラブ・ストーリーには、ドラマチックな障害が必要だからね。恋愛を妨げるものに、主従関係が障害になる、なんてのはありがちだ。  え? 検索したら、ハーレクインロマンスばっかり出てきた?  ……そ、それはそれで、あう……。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- メイド 身分違い 恋 No.7355 投稿日 2003年12月19日(金)12時11分 投稿者 藤極堂 google 全言語のページから メイド 身分違い 恋 を検索しました。 約347件中11 - 20件目 ・検索にかかった時間0.12秒 http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%89+%E8%BA%AB%E5%88%86%E9%81%95%E3%81%84+%E6%81%8B&hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&c2coff=1&start=10&sa=N 「エマ」と「メイド・イン・マンハッタン」しか出てこねえ。 「茶器」を使わない表現はこれから考えてみるニャ。 -------------------------------------------------------------------------------- 雪がふりそう No.7356 投稿日 2003年12月19日(金)13時19分 投稿者 羽矢野 今日か、明日には家で繋がりそうです。 ●名無し2号さん(名前は? 決めるまで、言い続けてやろう) >>星空感想  えっと、まず“すず”って女中かい!  というのが、最初にありますね。  小さな女の子かと最後まで思ってました。 >>ほっとしながら、すずは厠から出た。 >>一難は去ったが、こんどは帰りが問題だった。  最初。  時代が“厠”と呼んでいる頃で、夜のトイレが怖い状況だというのは、わかります。  が。  何故にほっとするんですか?  ここの“ほっと”って、用をたした時にでる“はー”ってやつ?  それとも、出たときで、しながらと現在進行形だから、ここまでは済んだぞという意味で一息ついたのかな?  でもそれだと変。  自分でも二行目に“帰りが問題”と書いてあるけど。  ここは、次の試練を思って緊張が高まるはず。  一つすんで安心するのは、厠にたどり着いた直後ですね。  用をたして、ドアをでてから安心して、すぐに次の心配するのは、人間の思考じゃないと思います。 >>虫は鳴いているし、廊下はきしむし、柱時計が時を刻む音はうるさい。――明るい ときにはそんなことないのに。  これは、わざと文章を崩してあるのかな?   >>――明るいときにはそんなこと“気にしたことなんて”ないのに。  正確にはこうですね。   >>虫は鳴いているし、廊下はきしむし、柱時計が時を刻む音はうるさい。  字数の問題かもしれないですが、これはちゃんと体感させてほしい。  虫の声にビビリ、廊下の軋みに驚き、時計の音にビクつく。ちゃんと書くと面白いと思います。 >>内からなにか、黒い雲の塊が湧いてくる。  これは、ジャロ行き。  いきなりこんなこと書いてあると、読んでる方は引いてしまいます。 >>すずは自分の体を抱きしめた。  これだけでも、怖いという描写になっています。“内から〜”は余分。 >>そのとき、月明かりの差しこむ窓、その向こうで人影がゆれた。 >>あれは……。 >>すずは窓に飛びつく。鍵をくるくると回す――もどかしい。  ここで、もう読み捨てかなと思いました。  だって、夜のトイレが怖くてビクビクしてるところに、人影が見えて、窓に飛びついて開けるって……。  ありえない。 “幽霊の正体見たり枯れ尾花”じゃないけれど。  何故、驚かない? 十郎の影だと、すぐにわかる?  怖いと思っている時に、人影見て冷静に対象を識別するなんて、人間にはできません。  と簡単ですが。 ●江崎芹さん  一つだけ確認したいんですが。  新木さんに、許可とりました?  個人的には、指摘をすること自体は構いません。  よみかくに投稿していた人から“指摘してほしい”とメールもらうこともたまにありますし。  そういう時はやってますから。  許可をとっているなら、それは明記してください。  勝手にしただけなら、私は問題だと思います。  これを見たROMの人が、“あそこに送りつければ、みんなが精読して、指摘してくれるらしいぞ”ってなったら、どうします?  同じ事をする人が増えれば、分室は崩壊します。  そういうことを、考えましたか?  あとわからないのは、世の中には投稿小説サイトという、まさしくそのための場所がちゃんと存在し、しかもちょっと探すだけでも沢山あるのに、何故分室にこんなことをするんですか? ●個人的に(ちょっと地雷踏まれ状態) >>分室に参加をするつもりはないのですが、自分の作品を一つ読んで指摘してもらいたいと思い、ここに書きました。  これ、つまりは自分は苦しい思いはしなくないし、他の人に何かするつもりもまったくない。でも、自分の作品は読んで、そして指摘を書いてほしいという意味にとりましたけど。  ものすごい、自分勝手な言い分だと思いませんか?  ひょっとして、参加者のことを作品を送りつければ、ちゃんと精読して感想を書いてくれる便利屋さんか何かだと思ってます?  私達は寝てる間に靴を作ってくれる便利なこびとさんじゃないですよ?  精読し、内容を把握し、指摘事項を考え、それをテキストに書いて、わかりやすいか内容を推敲して、ここにアップする。  とても手間を時間のかかることなんですが、その辺はちゃんとわかって上みたいなこと書いてます?  と、あの書き込みを読んで思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- 申し訳ありません・・・ No.7357 投稿日 2003年12月19日(金)21時59分 投稿者 江崎 芹  最初に、羽矢野さんに注意の言葉をもらいました。  分室のルールをまったく配慮にいれていませんでした。分室の方たちにはほんとに迷惑をかけたと思います。申し訳ありません。  とにかく新木さんに許可をとりたいと思います。むっ、怒りを覚えた方は、どうか怒りを静めてもらえると幸いです。  >紫ゆきやさん  一読してもらえてありがとうございます。  指摘をくださり、まったく感謝です。  しかし、ちょっと引っかかりました。  >ここで主人公嫌われますよね?  すっぽかされたとはいえ、デートの相手を、「アマ」、「ボケ」呼ばわりですから。  急用だと(嘘かもしれませんけど)書いてあるのに  ペアチケットを持っているということは、前々から約束していたことです。その約束を、映画始まる直前でドタキャンをされれば、女子であろうと男子であろうと、頭の中で毒づいたりしないでしょうか?  確かに罵りの言葉をのせ、不快なイメージを与えますが、僕は「嫌い」にまではならないような気がします。  >おかげでスタイルの割にガキっぽく見えるが、雅人は素直に彼女が「かわいい」と思った。  雅人はにやりと笑う。そうだよ別に帰る必要も一人で映画見る必要もない。ナンパして別の子といっしょに見てそして遊べばいいんだ  少し口が悪い少年、というキャラ体系を考えれば、これくらいはありなような気がします。こういうキャラが嫌いな人もいるかと思いますが、現実にはよくいる少年だと思います。やはりこれだけで多くの方が嫌いになるとは思えません。  >「実は、ナンパを待ってたんだ。私ナンパされたことなかったから。最初自分からしようと思ったんだけど、女の子からなんておかしいじゃない? だからナンパされるために、人が多いところで待ってみたんだ。あんまり期待してなかったんだけど。  それでまさかほんとにされるとは思ってなくて、だからとっても驚いちゃって」  これもなぜ嫌われる要素になるのかわからない。  思いつきによるナンパ待ち、当人にはほとんど期待などしていません。小さな遊び心でやってただけです。とくにまわりにアピールなどもせずに、ただぼーっと立っていただけ。行動的でないのだから当然。  ナンパなんて待ってる女子というのは、嫌われるのでしょうか?  こんな指摘は初めて、少しびっくりしました。  ちなみに、タイトルは「かのじょのきずあと」です。  >二号さん  ふむふむ、確かにギブばかりではだめですね。  では一つ指摘したいと思います。とりあえず一番新しいNO.95の星空を。  >一難は去ったが、こんどは帰りが問題だった  一難、とはなんなのかわかりません。トイレ帰りでしょうか? でもほっとする? 5,6行ほど進めてもわからないし、なんでしょうか?    >内からなにか、黒い雲の塊が湧いてくる  内からの黒い雲の塊……一瞬、憎悪かなにかかと思いましたが、憎悪する相手が出てきていないし、出てきたキャラには憎悪どころか好意を抱いているし、繋がらない。  これも意味がつかめません。  >十郎は羽織っていた『かーでがん』を、すずにもかけた  え? 十郎はかーでがんを二つも持っていたんですか? あれって二着もきるものだったっけ? うーん。  あと、読んでほしいところで『オチ』とありますが、自分だけでしょうか、オチがまったく理解できませんでした。本当になにがおきているのかがわからない。詳細がしりたいです。  えーとこんなものでよろしいでしょうか?     では -------------------------------------------------------------------------------- 見たくないTVは見なくて良い。 No.7358 投稿日 2003年12月20日(土)00時28分 投稿者 鷹見一幸  なぜならスイッチを切るのもチャンネルを変えるのも自由だからね、 見るほうに選択権がある。  こういった場所における書き込みも、それと同じだと思えば、別に気にもならないけどね。  つまり、書き込んだ人間に批評や指摘を受ける権利があるわけでもないし、当然それを読んだ人間に批評や指摘をしなくてはならない義務が生じるわけでもない。  そこにあるのはゆるやかな信頼関係だけだと俺は思うんだよね。  批評なり指摘なりをするには、少なくともニ、三回は読み返さなくちゃならない。文章の表現にまで踏み込むなら、かなりの読み込みを必要とする。  それだけの時間と労力を「当然」だと思っているなら、それは大きな間違いだし、こう言う言い方をすると傷つくかもしれないけど、あえて言わせてもらうなら「面白くない、興味の持てない文章を読むのは苦痛」なんだよね。  だから新人賞の下読みさんは、その苦行の対価を編集部から貰っている。  それを無償でやるということはいわばボランティアだ。  ボランティアを他人に強制することはできない。  ボランティアってのは、自分が生きていくために使っている時間と労力の、その余った部分。つまり「人生の余裕」を他人のために使うということだよね。  つまり、この場所に余裕のある人間が一人もいなければ、当然無視され、放置されるということだ。  何の反応も無い。読まれているのか読まれていないのか、それすらもわからない状態で、半年も一年もほったらかしにされていても構わない。  と、まあこれくらいの覚悟があるのなら別にいいんじゃないかと思う。    それが信頼関係であり、それは嫌だというのなら、信頼関係が築けないということなのだから、この場に書き込むのはあんまり感心しない。  こういった場所でメルアドを公開していると、同じようなメールを一方的に送りつけて来る人が結構いたりする。  テキストファイルを添付してきて「批評、指摘をしてください」というわけだ。  単なるファンメールなら、簡単なお返事も出せるけど、批評、指摘は、そうは行かないから、そういう時、俺はいつも上記のような内容のメールを返信する。    大抵の相手からは「幻滅した、そんな人とは思わなかった」という返事が返ってくるけどね、まあリアル中高生なら仕方無いけど、中には三十近い人もいたりするのがなんとも……。  この場所は新木さんの私有地で、俺のスタンスは、基本的に通りすがりにすぎない。  いわば新木さんの家の庭でやっているガーデニングを見て 「どうですか? 花は咲きそうですか?」  とか言いながら庭に入ってきて、庭先でだべってる通りすがりのオヤジみたいなものだから、俺の意見なんか無意味なんだけどね(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 「彼女の痕」 No.7359 投稿日 2003年12月20日(土)02時02分 投稿者 紫ゆきや ●江崎さん  新木さんは忙しいらしいので、すぐに許可するとかの書き込みはないかもしれません。  というわけで、許可は出てませんが進めましょう。  それに、私は嫌いじゃないですしね。ちょっとくらい無理してでも、作品を良くしたいって姿勢は。 ◎引っかかったところ >>  確かに罵りの言葉をのせ、不快なイメージを与えますが、僕は「嫌い」にまではならないような気がします。  書店の本棚には、最初から最後までバッチリ楽しませてくれる本が、いっぱい並んでるんです。どうして、冒頭で不快にさせられる本を、読もうと思うんでしょうか?  この不快になったところで、もう読むのを止められてしまうかもしれません。  読み止められないための工夫を、なにかしてありますか? >> こういうキャラが嫌いな人もいるかと思いますが、現実にはよくいる少年だと思います。やはりこれだけで多くの方が嫌いになるとは思えません。  考えてみて下さい。  主人公には一緒に映画に行く約束をするような彼女がいるんです。それなのに、女の子をナンパするわけです。  主人公は、今の彼女から乗り換える気まんまんなのに、映画の約束とかしてたわけですか?  あるいは、ナンパしておいて、女の子に本気で惚れられてしまったら、「オレ彼女いるから」とか言って振るわけですか?  どっちにしても、ろくでもないです。  現実も虚構もないですよ。自分の身勝手のために他人を泣かすヤツは嫌われて当然でしょう。 >>  これもなぜ嫌われる要素になるのかわからない。 >>  思いつきによるナンパ待ち、当人にはほとんど期待などしていません。小さな遊び心でやってただけです。とくにまわりにアピールなどもせずに、ただぼーっと立っていただけ。行動的でないのだから当然。 >>  ナンパなんて待ってる女子というのは、嫌われるのでしょうか?  違います。  ナンパ待ちしてる女子がぜんぶ嫌われるのではありません。ナンパ待ちしてても、好感もてるキャラに書けてる作品はあります。そーいう工夫をしているからです。  しかし、日野下美夜のセリフは、好感のもてるものではありませんでした。 === 「それと、遊びも成功したし」 〜 「実は、ナンパを待ってたんだ。私ナンパされたことなかったから。 ===  ナンパされるのを「遊び」と断言してしまう子って、どうでしょうか。  後半で真剣なラブストーリーをやるならば、これは合わないかと思います。  彼女が恋愛に真剣になっても、「どうせ遊びでしょ」と読者に受け取られてしまうかもしれません。 >>  ちなみに、タイトルは「かのじょのきずあと」です  広辞苑やら漢字源によれば、「痕」の読みは、「こん/ごん/あと」しかありません。  意味としては、「きずあと」とありますけど、読みではありません。  つまり、ほとんどの読者には、「かのじょのあと」とか「かのじょのこん」としか読めないわけです。だとすると、ちょっと妙なタイトルだと受け取られてしまいそうではありませんか? -------------------------------------------------------------------------------- 彼女のあと No.7360 投稿日 2003年12月20日(土)06時15分 投稿者 はせがわみやび  どもも、みやびです。 >>彼女のあと  うーん。  ようするに、かわいい少女と付き合い始めた少年がいて、彼女がいじめに会っていることを知る。彼は、彼女のどこにいじめられる要因があるのかわからず憤りを感じる。  ところが、いじめの原因を知った途端に、少年自身もいじめている者たちと同じような行動を取ってしまう。  具体的に言うと、少女は無痛覚症だった。そのために、どんなに怪我をしても平気な顔のままだった。たまたま少女が大怪我をした現場に居合わせた少年は、血まみれで平然としている彼女に「怖さ」を感じてしまう。  彼の態度に傷つく少女。彼女のようすを見て後悔した少年は、自らも「痛みを感じられなくなるまで殴られる」ことで、彼女を理解しようとする。それから、彼女に許しを乞い、恋心を打ち明けるのであった。  と、まあ、こんな話かな。  うーん。  細かい問題はいろいろあるんだけど、構成がおかしいとか、キャラ配置がおかしい(幼馴染の少女が必要ない)とか、文章がヘンだとか。  でも、いちばん問題なのは、シリアスなラブストーリーをやるには、前半での主人公とヒロインが恋愛に真剣なキャラに見えないってことだろうなあ。  紫さんがイロイロ指摘してるんだけど、それらをひっくるめて、前半部分で主人公にもヒロインにも感情移入できない。 >> ペアチケットを持っているということは、前々から約束していたことです。その約束を、映画始まる直前でドタキャンをされれば、女子であろうと男子であろうと、頭の中で毒づいたりしないでしょうか?  うん。ちゃんと、そう書いてあれば。  OKだよ。  でも、読み返してみよう。そうは書いてないんだってば。  ペアチケットを持っているから前々から約束していた──って、ことにはならない。  前々って、いつくらいから? それ、どこに書いてある? 書いてないことは、読みとれないんですね。前日に買ったペアチケットとか、そういう誤読の可能性をちゃんと消すか、ずーーーっと前から約束していたことを「エピソードで」示さないと。  でもって、三十分待ったって書いてるけど。  分室で、何度も書いているけど。  データを示されても、読者には実感できないんだってば。三十分待ったのならば、読者に「三十分いらいらしながら待っていたことを体感」させないと。  ちょうどいいから、「夢境学園」の4巻を読んでみることをお勧め。  あれに、主人公がデートの相手を延々と待つ場面があるから。  あそこまで書けば、「延々と待たされた感」が感じ取れる。で、あそこまで描くから、主人公がヒロインに「ひどいや」と怒っても、読者に許してもらえるのだ。  シリーズ物の4巻目だよ?  もう、そこまできたら、今さら主人公を嫌う読者なんて、そうそういるはずがない。  にも関わらず──、主人公がヒロインを怒る……という場面を「女の子を怒るなんて!」と読者に言わせないために、あそこまで書きこむのだ。  その配慮をしてないでしょ?  おまけに、「頭の中で毒づく」だったら、気にならなかったんだけど。声に出してる。  そう読めるってば(^^;  というように、キャラに対する配慮が足りない。  正確に言うと、作者が頭の中で想定しているようには書けてない。書いてあることだけをそのまま読むと、主人公もヒロインもひどいやつに読めてしまう。  このあたりも、そうだ。 >> おかげでスタイルの割にガキっぽく見えるが、雅人は素直に彼女が「かわいい」と思った。 >> 雅人はにやりと笑う。そうだよ別に帰る必要も一人で映画見る必要もない。ナンパして別の子といっしょに見てそして遊べばいいんだ。  これ、続けて読むと。  「いー身体をしてるねーちゃんで、でも、そのわりにガキっぽい。言うこときかせやすそうだ、しめしめ」……と読める。  ひどいやつじゃん?  ──  自分と同じくらいの歳だと思うが、そのわりに幼い顔つきだった。「かわいい」と思った。  そうだよ別に帰る必要も一人で映画見る必要もない。  ──  書いている内容は、ほとんど同じだ。でも、これでだいぶ印象が変わるはずだよ。  でも、こうは、書いてない。  おかげで、両者の不幸(少年には母がいない、少女は無痛覚症である)が、とってつけたような不幸に見える。  例えば、母親がいないってことはさ、炊事だけ少年が担当すれば良いってもんじゃないよね?  掃除と洗濯は? 家計のやりくりは? 具体的に言えば、父親のワイシャツのクリーニングやプレスはどーしてるのさ。  父と兄が稼いでいるから問題ない? いや、それは「家計」が問題ないってことであって、「家庭生活」が問題ないってことじゃないだろう。  そういう環境下で育ったと言い張るには、この少年は愛情に鈍感すぎる。  父がやりてのサラリーマンだったら、授業参観のたびごとに寂しかったはずだし(仕事が忙しくて来れないから)、クラスメイトの母親の手作り弁当を見るたびに自らの弁当と比べてしまうだろう。  「飴を舐めるのが好き」というのは、幼児性が残っていることを示しているのか、あるいは何かに頼ってしまう心持を表しているのだと思うが、だとすれば、なんで彼は飴を舐めるようになったか、なんてエピソードがもっと行を割いて入ってても良かった。  ただ、「飴が好きなんです」では、物語の中で、効果を発揮してない。  少女のほうは、もっと問題だ。  無痛覚症ってのは、リアルに存在する症状だから、描くときに細心の注意がいる。  でも、調べこんだように見えないんだよなあ。この女の子、ふつうに日常を送っちゃってるんだもん。  先天性無痛症のひとって、「火傷をしても肉のこげる匂いがするまで気づかない」のだそうだよ。それっくらいハードな病気なのだ。  骨折の痛みも感じないし、虫歯の痛みなんてのも感じないだろう。だから、痛みを感じて、軽症のうちに医者にかかる、ということができない。かなり、辛い。  リアル現代のストーリーの中で使うには、重い設定なので、よっぽど調べてからじゃないと書けない。わたしなら、ファンタジー世界に逃げちゃうだろうなあ。これは、現実の無痛覚症とは関係ない、オリジナルの設定です、とか。  それでも、そのために差別にあうなんて物語を作るとしたら、わたしなら、かなり悩んじゃうだろう。イーリスの両親を殺すだけで、胃が痛かったもんなー。うう。  んで、だ。  そーいう重い症状を抱えこんだヒロインが、「最初自分からナンパしようと思ってたんだけど、女の子からナンパするなんておかしいじゃない?」って言うかなあ?  それって、つまり、ナンパの状況を他人に見られたときに「あの子、女の子のくせに女のほうからナンパしてるよ」って言われたくないってことだよね?  それ、一種の男女差別じゃん?  自らが差別的な扱いを受けている少女のメンタリティじゃないよなあ。 ── 「実は、ナンパを待ってたんだ。私ナンパされたことなかったから。最初自分からしようと思ったんだけど、女の子からなんておかしいじゃない? だからナンパされるために、人が多いところで待ってみたんだ。あんまり期待してなかったんだけど。  それでまさかほんとにされるとは思ってなくて、だからとっても驚いちゃって」 ──  これ↑ が原文ね。他人の目を気にしない子なら、こんな↓ 感じになる。 ── 「実は、私ナンパを待ってたんだ。されたことなかったから。人が多いところで待って。あんまり期待してなかったんだけど。それでまさかほんとにされるとは思ってなくて、だからとっても驚いちゃって」 ──  ニュアンスのちがいが読み取れるかなあ。  もうちょっと、好感がもてるように直すなら、こう。 ── 「実は、私ナンパ、自分からしようと思ってたんだ。人が多いところで待って。でも、しようと思ってたら、されちゃって、だからとっても驚いちゃって」 ──  これ↑  で、問題は、こうしても、実は、以後の物語に影響はないってことなんだな。  つまり、ここまで主人公やヒロインをひどいやつに書く必要はない。もっと、読者に素直に応援してもらえるキャラにしても良かったんじゃないだろうか?   ★  もひとつ。  お話を通じて、主人公があまりに動かない。  たとえば、 >> どうやら、あっさりママは見つかったようだ。ママ探しは取り越し苦労だった。別に雅人は何もやっていないが。  「ママ探しは取り越し苦労だった」っていう主人公の台詞は、迷子の母親を捜すのなんてメンドーだからやりたくない、と言ってるように読める。  ので、この台詞そのものも問題なんだけど。  それより、ここで母親捜しくらいはしても良いと思うけどなあ。  ここまで、主人公が、なんの苦労もしてないんだもん。  ラブストーリーの基本は、ふたりの間に、恋愛の成就を阻害する障害があることだよ。  で、その障害を「主人公が能動的に乗り越える」というのが、王道だろう。  障害はあるんだけど。なにしろ、最後のほうまで主人公なんにもしないんだもんなー。  で、最後にしたことというのが、「ちんぴらに自ら殴られる」。  あうう。もうちょっと、こう、なんとかならないかなぁ。  ★ ●構成  幼馴染の少女がいらないっていうのがひとつ。  もうひとつ。  この長さの短編で、このタイプの話だったら、視点キャラを変えちゃだめだよ。 >> 美夜って子と雅人が出会ってから、三週間がすぎた。  このブロック、なぜにここだけ、花穂視点?  花穂視点ってのが、なかなかわからないし。  最後の最後に主人公が出てこないで、ヒロイン視点ってのも……謎だなあ。  ★ ●細かい指摘 >> たくさんの人が映画館の中に入っていく。小さな子供から青年と大人まで、さまざまな顔ぶれだった。  ほんとは、「たくさんの人が映画館の中に入っていく」もヘンなんだけど、それはまあ、いいや。でも、そのあとの、「小さな子供から青年と大人まで」は、明らかにヘンだ。  なんで、  「青年と」  なんだろう? 青年が強調されているのは、なんでだ?  「小さな子供から大人まで」か、「小さな子供から、青年や少女、大人に老人まで」とかだったらわかるんだけど。 >>『ごめん! 突然急用が入っちゃって。これなくなった、あははは。あたしの代わりに楽しんできてよ、じゃ』  これなくなった → いけなくなった >>……雅人は怒りの言葉をそう携帯本体に向かってぶつけた。  と、書くと、発話していることになってしまうが、「独り言が多いんですね」って言われちゃわないかな? あと、「携帯本体に向かって」は、「携帯にぶつけた」で通じると思うよ。 >> その時、雅人の視線に一人の女の子が入った。 → 視線をよぎった                           視野(視界)に入った。  細かく言うと、視線は線だから、「入った」じゃない。「入る」だったら、それは「視野」とか「視界」。  視線は、よぎる。 >>身長は女の子にしては大きめで、おかしいことに童顔だ。  身長が大きいことと、顔立ちは無関係。直前に「女の子」って言ってるんだから、童顔に決まってる。  強いて書くなら、「歩いている大人たちと変わらない背の高さなのに、顔立ちは不釣合いなほど幼かった」とかかなあ。 >>そう思ったら自称行動派の雅人は、早速ターゲットに決め込んだショートの少女に近づいた。  視点もヘンなんだけど……。  決め込む  1)こうだと信じて疑わないでいる。思い込む。  2)自分がそうであるつもりになって、それらしくふるまう。  3)そうしようと決めたとおりにする。  4)ぴったり合うようにする。 by大辞林  だよ?  「ターゲットにしようと決め込んだ」か、「ターゲットに決めた」か、かなあ。 >> 突然話されたせいか、少女は反応に窮したみたいに、戸惑いを全面に浮かべていた。  話された → 話しかけられた >> ふっ、男慣れしてないな。つまり彼氏待ちはありえないわけだ。にやりと雅人から軽薄な笑みが浮かぶ。  から〜笑みが浮かぶ、は、ヘン。笑みは顔「に」浮かぶものだから。  → にやりと雅人の「顔に」(もしくは「口元に」)軽薄な笑みが浮かぶ  「てにをは」が弱いなあ。 >> 一方的に話、用件を言った。  一方的に話、用件を言った → 一方的に、話し、用件を言った。                 一方的に、話した。                 一方的に、用件を言った。 >> 一瞬、こっちから誘っておいてなんだが、内心面食らってしまった。  「一瞬、内心面食らってしまった。」と、余計なところを削除してみれば、この言い回しがおかしいことがわかるかなあ? 「一瞬、面食らってしまった」、か「内心、面食らってしまった」か、どっちか。 >> これが俺、雲山雅人と、日野下美夜との最初の出会いである。  なぜに、ここだけ一人称?(^^; >>最初の時のきょどった態度はまったくない。  「きょどった態度」って、なんだー? >>調子のいいことを雅人は顔に浮かべた。  「調子のいいことを顔に浮かべる」は、訳がわからない。想像ができない。顔に浮かべたのだから、それは目に見える変化だったはずなんだけど。 >>「そうでもないさ。親父はしっかりもので大手の企業に勤めているし、兄貴も稼いだ金をこちらに送ってきたりするし、家庭生計はまったく問題ない」  問題ないのは、「家計」であって、「家計」=「家庭生活」ではない。  炊事と洗濯と掃除が自分の負担だったら、けっこうタイヘンだと思うんだけど……。  しかし、親の金で映画見てナンパして高い喫茶店に入って……、それで炊事だけはやってます、ケナゲです。母が死んだ直後は泣きました、とか言われてもなあ。  ほんとに片親で自炊してるひとが読んだら、これ、怒らないか? ── 「やべ、門限だ」 「え? 門限なんてあるの?」 「メシは俺の担当だからな。洗濯も残ってるし。ああ、今帰りゃ、夕方のセールに間に合うかなぁ。ゴミもまとめとかなきゃなんねえし。うー、だるー」  目を丸くして、美夜は言った。 「所帯じみてるー」 「おれ、かーちゃんいねえから」  軽く言ったつもりだったが、美夜ははっと顔をこわばらせた。 「あ、ごめ……」 「気にすんなって。親父はしっかりもので大手の企業に勤めているし、兄貴も稼いだ金をこちらに送ってきたりするし、家計はまったく問題ない」 「……でも」  タイヘンなのってお金だけじゃないでしょ、とつぶやくように言った。 「それに……やっぱり、寂しい、よね……」  美夜の言葉に雅人は「ん?」と思い、「んー」と考えてみた。そんなことを聞かれたのは、ずいぶんとひさしぶりだった。 ──  こんな感じだったら、まだ、読めるかなあ。 >>確か、当初母が死んだときは荒れに荒れた。  この文もへんだ。  「確か」ときたら、「**だった」と受けるのがふつうかな。  でも、これきっと、  →確かに、母が死んだときは荒れに荒れた。  じゃないかと思うんだけど。 >>毎日気持ちにぽっかり穴が空いたみたいで、虚構を彷徨っているような感覚に囚われていて、小学生なのにぼけーっとしていた。  虚構を彷徨う、という意味がわからない。  夢の中を彷徨っているような感覚にとらわれ、とかかなあ。 >> 雅人と美夜は椅子から立ち上がり会計をすませ、喫茶店を出た。入口前で「それじゃ、また今度」と言って携帯を掲げ指差し「またデートしようぜ。連絡はここ」と付足した。  「雅人と美夜は」ときているのだから、「携帯を掲げ」と言われても、どちらが掲げたのかわからない。このあたり、視点がへんだ。 ── 「うん、そうだよね……」  美夜が小さく頷いた。一瞬、表情にかげりが見えた気がする。少し気になったが、追求するとボロを出しそうなのでやめた。  雅人は美夜とともに椅子から立ち上がる。会計をすませ、喫茶店を出た。入口前で「それじゃ、また今度」と言って携帯を掲げ指差し「またデートしようぜ。連絡はここ」と付足した。  美夜がおかしそうに笑い頷き、自分も携帯を掲げて小さな手を振った。  そして二人は各々の帰路ついた。 ──  こうかなあ。 >>付足した。  → 付け足した。 >>帰路ついた  → 帰路についた  ★  以下、流し読み。  目についた誤字やら、へんなとこ。 >>至福を肥やしている暇人なのだ。  私腹を肥やす   私腹=自分の財産。自己の利益。  「至福(この上ない幸福)を肥やす」という表現はない。 >>「雲山先輩も、ほんと嘘つけないよね。素直でかわいい」  なんで、同じ教室なのに、「センパイ」なの? >> お昼時の夏の閃光が、都会の街を貫く。  夏の閃光ってのが、ぴんとこない。閃光って、瞬間的に強く光る光のことだよー。 >>おかげで雅人は暑苦しくて適わなかった。    適わない → 敵わない >>美夜はおいしそうな表情をうかべて「おいしい」と答えた。  おいしそうな表情をうかべて「おいしい」…………  ……おーい。描写をさぼるなー。 >>少女の方は、泣くのを一端やめて突然話かけてきた美夜に、  話かけてきた → 話しかけてきた >>戸惑いか恐怖といった表情を浮かべていたが、目の前のイチゴキャンディーを見てそれが興味へと変わった。  戸惑いや恐怖は顔に浮かべられるけど、「興味を顔に浮かべる」って表現は聞いたことがないなあ。 >> 一緒の学校というのは疾うに分かってるはずなのに、  「疾うに」は、たぶん、今ではライトノベル読者のほとんどが読めない。 >> 時間的に早く終わってくれたので両者会うことにした。  両者会う → 両者は会う >>クラックション → クラクション >>今は特室で安静して眠っている  「特室」って、なんだ?  安静して → 安静にして >>その時のケガは今回よりも難なものだったらしく、  「難なもの」って、なんだ? >>いろいろ起きて俺も分けわかんなくなってたんだと思う。    分けわかんなんく → 訳わかんなく >>さっきのあなた言葉で、あいつはあなたに任せていいと思ったから……じゃあね  さっきのあなた言葉で → さっきのあなたの言葉で みやび@うわー、睡眠時間が二時間切った。起きられるかしら……。 -------------------------------------------------------------------------------- さぼり癖 No.7361 投稿日 2003年12月20日(土)06時59分 投稿者 名無し君2号  さぼり癖、どうにかする。  年内には1000字課題、No.100を越えたい。  だれより時間があるくせに……私というやつは。 >はせがわみやびさん >No.90「紅く塗りつぶせ」  単語の選択は、とてもとても大事だということ。  わかっていたつもりが、わかっていなかったようで、ぽろりぽろりとこぼれています。  まずはティッシュ。 >> この話、読まないで、眺めてみよう。 >> ちょっと距離を離して。 >> 全文が見える位置まで引いて。 >>「ティッシュ」 >> めちゃめちゃ目立ちません? >> カタカナ、これだけなんですもの。  やってみたならば、見事にそうでした。  『ティッシュ』ではなく、『おしろい紙』に『化粧紙』、まんま『ちり紙』、いくらでも選択肢はあったはずなのに。  無難なところでは『ちり紙』か。  次、口紅。 >> この作品、同じ単語がふたつの意味で使われている。 >>1)その手には、口紅。 >> これは、実体のあるリップスティックとしての口紅。 >>2)口紅をぜんぶぬぐわれて、ぷはっと息を吐く。 >>3)母親は小筆でちょんちょんと口紅をとり、小雪の唇に塗りはじめる。 >> このふたつは、塗料としての「紅」のこと。 >> なんだけど、たぶん、そもそも、ふたつあるって気づいてないなぁ。  あー……。  わかる――ような気もするし、そうなのかな、という気もする。  辞書を引いてみる。 ■くち‐べに【口紅】 (1)婦人が唇にぬる紅。ルージュ。「―をさす」  つまり、 >>3)母親は小筆でちょんちょんと口紅をとり、小雪の唇に塗りはじめる。  ――は、  母親は小筆でちょんちょんと『婦人が唇にぬる紅』をとり、小雪の唇に塗りはじめる。  ――という意味にはならないか。  ならないな。ソウイウコトヂャアリマセンネ。  これはそうだ、違う意味で使われているのに、おなじ単語を使っているところが違和感を感じさせているんだ。ってそう書いてあるんだけどー。 >>だから、ふつうに読解力があると「ちょんちょんと口紅をとり」で、パニックを起こすはずなんだな。  あああ、そうなんですか。  指摘されてから見なおしても、私はパニックを起こせません。  うう、みなさんの意見をお聞きしたいです。どうなんでしょう、駄目ですか。駄目なら気合いいれてどうにかしなければならないところです。  ――あ。  弟切さんの感じていた違和感の正体はこれなのか……?  はせがわみやびさんの名前を書くとき、どうもフルネームで書いてしまう私。  『はせがわさん』だとなんか違う気がしたりで、『みやびさん』だとフランクすぎで、結局フルネーム、『はせがわみやびさん』な訳だったり。 >羽矢野さん >No.95「星空」(1600文字)  指摘ありがとうございます。名前の件も、そうやって尻を蹴りつづけてくれるとありがたや。その蹴りは届いています。分室のみなさんに、なんだかすごく申し訳なく。 >> えっと、まず“すず”って女中かい! >> 小さな女の子かと最後まで思ってました。  これ、『すず』じゃなくて『鈴』ならわかる、ということですよね?  私のなかではやっぱり『鈴』じゃなくて『すず』だったりしますが、このあたりは要検討なのでしょう。  13歳なんですけどね。13歳は小さな女の子じゃないか……な? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ほっとしながら、すずは厠から出た。  一難は去ったが、こんどは帰りが問題だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 何故にほっとするんですか? >> ここの“ほっと”って、用をたした時にでる“はー”ってやつ? >> それとも、出たときで、しながらと現在進行形だから、ここまでは済んだぞという意味で一息ついたのかな? >> でもそれだと変。  はい、わかります。指摘されてわかりました。  この場面、我慢を開放して、ふう、すっきり、とトイレから出てきたところです。  だから、『ほっと』じゃないんですよね。『ほっと』は用を足して安堵したときの思い。そのあと普通の心境でトイレのドアを開けて、真夜中の廊下を目の前に、すこしおびえる。  だから『ほっと』はいらない。  ああ、もう書き直す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (書き直し版)  すずは厠から出て、とたんに立ちすくんだ。  来るときは夢中で気づかなかったけど。夜の廊下というやつは。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  変じゃないとは思うけども。『立ちすくんだ』がどうかなー……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  虫は鳴いているし、廊下はきしむし、柱時計が時を刻む音はうるさい。――明るい ときにはそんなことないのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> これは、わざと文章を崩してあるのかな? >> ――明るいときにはそんなこと“気にしたことなんて”ないのに。 >> 正確にはこうですね。  うーん。  多分、『わざと』だとは思うんですけども。おぼろげとしか覚えていない……なさけなや。  たしかに変ですね。わざとにしても変だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (書き直し版)  虫はぶきみに合唱して、廊下はいじわるにきしみ、柱時計が時を刻む音はうるさい。――明るいときにはそんなことないのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これならおかしくないと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  虫は鳴いているし、廊下はきしむし、柱時計が時を刻む音はうるさい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 字数の問題かもしれないですが、これはちゃんと体感させてほしい。 >> 虫の声にビビリ、廊下の軋みに驚き、時計の音にビクつく。ちゃんと書くと面白いと思います。  そうですね。これも言われて気づきました。  ここは十分にオモロポイントになるところですよね。 >>>内からなにか、黒い雲の塊が湧いてくる。 >> これは、ジャロ行き。 >> いきなりこんなこと書いてあると、読んでる方は引いてしまいます。 >>>すずは自分の体を抱きしめた。 >> これだけでも、怖いという描写になっています。“内から〜”は余分。  ああ、余分だったか、脂身だったか。  気合いを入れすぎると大げさになるようです。冷静にならなきゃいけないですよねえ。  脂身がなきゃおいしくないけど、それだけじゃあ体にも悪いし、臭みがあるし、食感よくないし、エグイし。  ……最上級霜降りビーフの脂身なら、それだけでもうまいんだろうなあ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのとき、月明かりの差しこむ窓、その向こうで人影がゆれた。  あれは……。  すずは窓に飛びつく。鍵をくるくると回す――もどかしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> ここで、もう読み捨てかなと思いました。 >> だって、夜のトイレが怖くてビクビクしてるところに、人影が見えて、窓に飛びついて開けるって……。 >> ありえない。 >>“幽霊の正体見たり枯れ尾花”じゃないけれど。 >> 何故、驚かない? 十郎の影だと、すぐにわかる? >> 怖いと思っている時に、人影見て冷静に対象を識別するなんて、人間にはできません。  これはワンクッション必要なところ。  一瞬、びくっと体を震わせ、怖い! だけど目を離すこともできず、体を動かすこともできない。ああ、仏様、お助けください、もうつまみ食いはいたしません……。  ……ん。  ――あら? 十郎さま?  なにやってんですかそんなところでまたお昼過ぎまで眠ってるんでしょまったく十郎さまったらほんとにもうびっくりしちゃったじゃないですか。  がちゃがちゃがちゃ。ガラララ。窓を開ける。  ……とあればよかったのに。そうすりゃ最後まで読んでもらえたのに。  執念が足りなかったということでした。 >江崎芹さん  はい、ありがとうございます。ぎぶみーちょこれーと。 >No.95「星空」(1600文字) >>>一難は去ったが、こんどは帰りが問題だった >> 一難、とはなんなのかわかりません。トイレ帰りでしょうか? でもほっとする? 5,6行ほど進めてもわからないし、なんでしょうか?  ズバリいってしまえば、オシッコ我慢してたんです。ダムを開放して、はう〜という感じでした。  これは『ほっと』って書くからいけないんですよねえ……。 >>>内からなにか、黒い雲の塊が湧いてくる >> 内からの黒い雲の塊……一瞬、憎悪かなにかかと思いましたが、憎悪する相手が出てきていないし、出てきたキャラには憎悪どころか好意を抱いているし、繋がらない。 >> これも意味がつかめません。  恐怖の心理描写……のつもりだったんですが、まあ、脂身です。えぐみしか与えられません。  たしかにこれは『憎悪』ですよねえ。恐怖ならこう、『きゅうっと縮まるかんじ』です。 >>>十郎は羽織っていた『かーでがん』を、すずにもかけた >> え? 十郎はかーでがんを二つも持っていたんですか? あれって二着もきるものだったっけ? うーん。  いえいえいえ。一着しか羽織ってないです。  そうか……。すぐ側に立っているならともかく、窓越しに一緒に肩に羽織るのは無理か。頭からかぶせるとか。うーん。  絵が浮かばなかったんですよね。描写不足でした。 >>あと、読んでほしいところで『オチ』とありますが、自分だけでしょうか、オチがまったく理解できませんでした。本当になにがおきているのかがわからない。詳細がしりたいです。  寝不足であくびしてしまい、いまにも怒られそうになっているすずが、十郎は好きなだけ眠れていいなあ、ずるいなあ……と思ったところで、ちゃんちゃん。  ここのなにが面白いかというと。  十郎と、ほんのりときめきメモリアルな夜を過ごしたすずが、次の日になって、そのツケを払わされられてるってとこなんです。  昨日は楽しかったけど、おかげで今日はつらいなぁと。おまけにその責任の一端でもある十郎は、しっかりと眠りこけてるしー。  ここ笑うとこヨ〜、このあと笑うとこナイヨ〜、というネタはマギー四郎だったろうか。検索してもでてこないから、違うかもしれない。  ここ面白いトコヨ〜。 >彼女の痕  指摘してもらったんで、心おきなく指摘しましょう。  自分のためにもなるしねえ。  一番の理由は、小説が書けないことからの逃避だったりするけども。逃げるんだ! >タイトル  紫さんもいっているとおり、たしかに読めないです。  『彼女の痕』、『かのじょのあと』かと思ってました。 >>『ごめん! 突然急用が入っちゃって。これなくなった、あははは。あたしの代わりに楽しんできてよ、じゃ』  『これなくなった』ではなく『いけなくなった』ですかね。細かいですけど。彼女の頭の悪さを描写していたのなら、すみません。 >> チケットはペアチケットなのに。ドタキャンとはあのアマ……。こちとらしっかり三十分前から待っていたのが無駄になったんだぞ。ドタキャンするなら、もっと早く連絡入れろボケ! ……雅人は怒りの言葉をそう携帯本体に向かってぶつけた。  うん。  たしかにあまり好きになれない感じです。この人、髪の毛は茶髪ですか。耳にピアスして。病院のなかでも平気で携帯を使うタイプかな。  まあ、この一文を読んだだけでの判断ですけども。  読者がすこしでもそう思ってしまったら、どうでしょうかね。しかも主人公だし。好きになれない人物が主人公なのに、読みつづけるかどうか。  性格設定に文句を言うつもりはありません。  すこし不良っぽいのは、べつにかまわないと思います。  問題になるのは、その見せかたじゃないでしょうか。  主人公が怒り狂うだけの理由はあるんでしょうが、読者はそこまでテンションがついていってないんですね。  こちらの印象としては、いきなりなんか怒ってるよこの人。口の悪いやつだな。そんな感じです。  ですから、こういう悪口、悪態をつかせるならば、読者も一緒に怒らせないと。この女、とんでもねぇ! と思わせないと。いまのままじゃ、読者は置いてきぼりです。  第一印象は重要ですよね。  最初に嫌な印象をつけてしまうと、ずっと引きずることになります。それが主人公だと……。  それと電撃文庫の読者層は、こういうタイプの不良を好きなのかどうか。むしろ嫌っているような気がしますが、どうでしょう。 >無痛症  無痛症って現実にある疾患ですよね。国内には200人ほどいるようですが。  けっこうデリケートじゃないですか? これは……。  現実に苦しんでいる人たちがいる。  それをゾンビ女だの、バケモノだの、そう形容することは果たしてどうなのか。  どんな疾患なのか調べてみましたか?  以下に引用します。 >> 痛みの重要性は痛みを感じない人(先天的無痛症の人がおられます)の運命を見ればわかります。 >> 痛みを感じない人は怪我をしても平気で安静にすることがないのであちこちの関節が変形しています。通常、人は長時間同じ姿勢をとると痛みを感じるため、姿勢を変えることで関節を保護しています。無痛症の人はこのことをしないためいたるところの関節に炎症を持っています。また、虫垂炎になっても気づかないので重症化して命を落とすこともあります。無痛人間の方で長生きした人はいません。このように痛みは生存するために必須の感覚です。  はるなクリニック ページ内、『痛みについて』より引用  http://www.haruna-clinic.com/p03.html  はるなクリニック ホーム  http://www.haruna-clinic.com/index2.html  こういう疾患だってわかっていましたか? まさか漫画や小説のイメージだけで書いていたりしませんよね?  ある種の差別だと取られるかもしれない。そんな覚悟はありましたか? 自分の作品がだれかを傷つけてしまうかもしれない、それをわかっていましたか?  もしかすると――いや、もしかしなくても、一次落ちしたのはこれが原因かもしれません。  明日は書きこみできないっす。レスには3時間ほどでした。 --------------------------------------------------------------------------------  納得、の一言につきます。いや、さすが分室の方たちは観察眼がぜんぜんすごい。 No.7362 投稿日 2003年12月20日(土)11時14分 投稿者 江崎 芹  少し本を読んでいる友人たちに文句を尋ねても、たぶん問題となる部分はわかっていると思うのだが、それを言葉にできないらしく、「どこが悪い?」と聞いても「あーどっか悪いかな」のような答えしか返ってこない。  がんばって、日本語がちょっとおかしい。ラストがもりあがりかける、ぐらいしかの答えしかなかった。  では、欠点検証。欠点が膨大でびっくり(汗)  >紫ゆきやさん  >読み止められないための工夫を、なにかしてありますか?  工夫はしているつもりです。しかし、その工夫に手抜きがあり、甘い行動にはしってたのだと思います。  >主人公には一緒に映画に行く約束をするような彼女がいるんです。それなのに、女の子をナンパするわけです。  主人公は、今の彼女から乗り換える気まんまんなのに、映画の約束とかしてたわけですか?  そうか、紫さんはメールの相手を「彼女」と思ってしまっていたのか。  読んでいればわかりますが、彼女ではなく友人です。一応、幼馴染の友人という設定。しかし、その誤解を招きますね、説明ないし。  確かにこれだと嫌われてしまう……  > 後半で真剣なラブストーリーをやるならば、これは合わないかと思います。  彼女が恋愛に真剣になっても、「どうせ遊びでしょ」と読者に受け取られてしまうかもしれません  なるほど、「遊び」の言葉がレッドカードだったのですね。  確かに考えてみると、この状況でこの言葉は、印象が悪いですね。少しかえてやればよかったのか。納得です。  タイトルに関しては手抜きをいいところです。「痕」は某ゲームかもってきて、「あーこれでもありなのかな」と思って適当につけてしまいました。タイトルにはまったく力を注いでません。あぅ    >はせがわみやびさん  みやびさんのはいっぱいレスがあるから、大部分ははしょります。やはり誤字、脱字、変換ミスがいっぱいあったから痛い。言葉をちょっとかえれば、正常に戻る間違えが多すぎですね、僕。  >いろいろまとめて  自分の作品には、物事に入るための前提が乏しい。それがよくわかりました。  それに調べ不足。実際、ぜんぜん調べていませんでした。こうしてみやびさんに記されると、なんとも難しい課題に挑戦していたのだと思いました。こんなの短編で自分が書き上げられるネタじゃねーです。  投稿作品というだけに、ページ問題もあり、情報不足もたくさんあります。でもそれを抜きにしても、ニュアンスを少しかえればいい間違いは多々ある。文句なしにだめだめです。  日本語がおかしいというのは、友人にいわれていたので、だいたいは理解しています。みやびさんのように細かい指摘はなかったですけど。こうしてみると、いっぱい日本人らしからぬ言葉が羅列されてるな……。  あと、花穂が「センパイ」と呼ぶのは、たんなる愛称です。  特室は特別集中治療室、だったかな。母にきいたら特室特室といわれたので、そのまんま使ってしまった。    すごく勉強になりました。自分の欠点がはっきりとわかったような気がします。注意点がたくさん増えて、また小説を書く時に苦悩の数が増えましたが、とても充実しています。  ありがとうございました。  >二号さん  >星空  なるほど、そういう意味のオチだったのか。  しかし、ちょっと分かりにくい。ぱっと読み進めただけでは、ひっかかりが生まれます。文字数にかぎりがあるからたいへんだと思いますが、もう少し詳細が欲しかったかな。  >たしかにあまり好きになれない感じです。この人、髪の毛は茶髪ですか。耳にピアスして。病院のなかでも平気で携帯を使うタイプかな。  どうやら僕は、不良と普通の人の中間ぐらいのキャラ描きが、まだヘタなようです。髪の毛は茶髪でもありのつもり。ピアスはちょっとだめかな。マナーはそんなに悪いやつにしたつもりはありません。でも悪いな(汗) -------------------------------------------------------------------------------- とりあえず復帰 No.7363 投稿日 2003年12月20日(土)21時00分 投稿者 新木 伸  溜まっているレスなどは、ぜんぶやっていたら死んでしまうので、うっちゃっておくつもり。未読分はおいおい読んでゆくけど。  要返答のものは、青葉さんと江崎さんの件のふたつかな? >青葉さん  返事待ちということもあったのだろうけど、動かなさすぎです。  作家目指すなら、まわりから「黙れ」と言われるまでは自己主張しましょう。  青葉さん登場のあたりをちらりと見ていて、僕がいないあいだに、課題部屋が占領されるぐらいなにか上がっているのかな〜、とか思っていましたが。一個きりじゃないですかー。  ――で、描写うんぬんよりも、青葉さんの場合には、まずなにかひとつ、新規に書き起こしてみてください。1000〜2000字ぐらいの掌編で。  その際に、2号がやっているように、「読んで欲しいもの」を意識して書いてみること。  その小説でなにを読ませたいのか?  愉しませたいでもいいし、興味を引かせたいでもいいし、萌えー、でもいいし、まあとりあえず、なんでもいいです。  ただし書き終えてから考えるのではなくて、書き始めるまえに、自分の中で明確に「狙い」を持ってから、執筆に取りかかること。  あと時間は特に決めませんが、だらだらやっても仕方ないので、集中の続く時間内で一気に書き終えてしまうように。まあ3時間ぐらい? >鷹見さん >>批評なり指摘なりをするには、少なくともニ、三回は読み返さなくちゃならない。  ここんとこの漢数字の「二」が、カタカナの「ニ」になってます。  IMEの辞書がへんな風に覚えていると長いことそのまんまになってしまうので、覚え直させたほうがいいかと。  しかし鷹見さん、優しいなぁ。  僕は返事を書く気が起きなかったら、なしのつぶてですが。  向こうが勝手に送りつけてきているのだから、こちらも勝手に無視したところで、ぜんぜんまったくなんにも問題はないわけで。  作品の指摘だけでなく、メールのやりとりなんかでもそうですが。  昔、アマチュアだった頃、小説創作の道場的な場所にいたときに、「もっとみんな指摘や感想を付け合うようにしようぜ!」てな動きがありまして。  そのときに、ひとり、冷ややかに「アホか」と腹の底で思っていました。  感想や指摘が付かないのは、その作品が、感想や指摘を付けたくなるような出来でなかっただけのこと。感想や指摘をしたくなるような作品を書けば、相手はどんなに忙しいときでもなにか反応を返してくる。返さざるを得ない。  金を払ってまで読みたくなるような作品を書こうというなら、感想ぐらい、もぎ取れないでどうする? ――てな考えでいました。  まあ実際にプロになってみたら、金を貰うよりも、感想をもらうほうがよほど大変だということがわかったりしましたが。  こうして職業として、日々大量の文章を書いているような人間ならばともかく――。  普通の人は、財布から500円を取り出すよりも、便箋の数枚、原稿用紙の数枚、BBSの書き込みひとつを文字で埋めるほうが、はるかに大変なことなわけです。 >江崎さん  「自分の作品を見てくれ〜」てな人が、大勢、大挙してやってきたらそりゃ問題にもなりますが。  そうなってから考えたり、対処したりすれば良いことで――。  自分の向上のために、使えそうなものはなんでも使おうというその姿勢や良し。  課題部屋に上げとくぐらいは、べつになんの迷惑にもならないので、分室とそこのメンツを利用してもらって構いません。  興味がなければ読みもしないし。  読んだとしても、端にも棒にもかからんと思えば、コメントすることなく無視して放置しときますし。  冷たいようですが、これは商業作品が世で扱われるときと同じこと。  鷹見さんもテレビの番組に掛けて書いていますが、すべての読者は、いついかなるときでも、興味のない本を閉じることができるし、つまらんと思った小説は読まなくてもよいわけです。  『つまらないと思わせたなら、読んでもらえない』  ――この冷たい掟に、まずは慣れてください。  これを「冷たい」とか思わず、「普通」とか「あたりまえ」だと思うように、自分の感覚を慣らしてゆくこと。これが染みついていない限り、なにを書いたって、何度送ったところで、一次だって通りやしませんから。  そして感覚を慣らすだけでなくて、どうすれば読んでもらえるのか――ということを考えてゆく習慣を付けましょう。  友人でもなく、なんの義理も持たない赤の他人に、なにか物を読ませるということがいかに大変なことか――。  自分の書いた小説に対してなんの興味も持っていない人間を、どうすれば動かすことができて、どうすれば自分の小説を読ませることができるのか?  この「困難さ」を実感として身につけて、解決法について多少なりとも自分なりのノウハウを持てるようになれば、たぶん一次は通るようになります。  一次で落ちるということは、「面白い/面白くない」という判断基準で落とされているのではなく、ただ単に、「読めないから」落ちているだけなのです。  小説としてどうか――なんていう立派な観点で計られているのではなくて、そもそも「読めない」わけです。  読めない作品の味なんて、計りようがないわけです。だから「一次で落とす」のです。よくわからんものは、ふるいにかけて、とりあえず捨てておくわけです。「これ小説じゃなさそうだから、落としておこう」――てなわけです。  そういう扱いを受けるのが嫌であれば、「読めるもの」を書きましょう。  「読めない」には、色々なパターンがあります。  日本語になっていない――という低い低いレベルのケースもあれば、読み進めさせる力に欠ける――というものもあります。  どっちでも読めないことにはかわりありません。  読み進めさせる力に欠けるというのは、ようするに、「退屈」だということ。  友達は義理がありますから、どんなに退屈でつまらない小説でも読んでくれます。  しかし赤の他人は、つまらなさそうと思ったら、絶対に読んではくれません。  さらにその判断は、ろくに読まないうちに決まります。いわゆる第一印象によって。  この「彼女の痕」の場合には、この第一印象が、かなり悪かったです。  「プロローグ」とある部分(じつはぜんぜんプロローグじゃないんだけど)で、なにが起きているのかというと……。  女との待ち合わせをすっぽかされた男が、そのかわりの女の子をナンパでゲットして、映画館に入ってゆく。  ……と、まあ、おおざっぱに言うと、こんな流れなわけです。僕の読み取ったかぎりでは。  これのどのへんが退屈であり、「読むに値しない」と判断してしまったのかというと、以下のあたり。  「流れ」のほうではなく、ディテールのほうに問題がありました。 ・街の雑踏が脳裏に浮かんでこない。雑踏感が感じられない。 ・携帯メールでやりとりしているらしいが、その文面が、メールの文面っぽくない。「メール文面感」がない。 ・主人公と待ちぼうけを食らわせた女の子の関係が見えてこない。彼女なのか友人なのか、まったくぜんぜんわからない。 ・主人公の怒っている理由が見えてこない。理由はいくつかある。「待っていた」ということが文字で書かれているだけで、待っていた感じがない。またそもそも怒るだけの理由がない。急用が入ってドタキャンをしただけであれば、怒る理由としては不足。  もうこのへんで、不鮮明さが許容量突破なので、俺的にはリタイヤなんですが。  女の子が登場してくる部分まで見てゆくと――。 ・女の子の印象が伝わってこない。 ・主人公が彼女を「かわいい」と感じたことが、よくわからない。納得できない。  なんて欠点もあったりします。  ――で、このへんの「わからないづくし」を踏まえて、この冒頭部分を読んだ僕が、どんな印象を受け取ったのかというと。  どこだかわからない場所で、なんだか男がプンスカと怒っている。なにか約束をすっぽかされたらしいが、誰にすっぽかされたのかもよくわからない。またそれが大事な約束だったのか、なんなのかも、よくわからない。  色々と不明なので、男が怒っている理由もよくわからない。  とりあえず、よくわかんないけども……。  この意味不明で怒っているばかりの男には、とりあえず「嫌い」という第一印象を持ちました。  そしてどうやらこの話は、この男が主人公の話らしいです。  嫌いなやつの話に興味はないので、読む必要はなし。  ――で、みやびさんが読んだようで、要約してくれてあったあらすじを浮き袋がわりにして、本編のほうも流し読みしてみました。 (ちなみに小言になりますが、人に分析を頼むのなら、あらすじくらいは付けておきましょう。べつに付けなくっても、誰もなにも困りません。上で書いたように「放置」されるだけです。誰も困りませんが、江崎さんは困りますよね?)  冒頭の「プロローグ」と称した部分だけでリタイアってことは置いておいて、全体のあらすじを見ても、やはり致命的な欠陥があります。  この話は、むごい差別と、それを乗り越える愛の話――というシリアス系の話なわけですね?  しかしシリアスをやるには、重さが足りません。色々な意味において。  まずヒロインの病気について、作者(江崎さん)がなにも知っちゃいません。  みやびさんが書いたような、火傷しても肉の焦げる臭いがするまで気づかないとか、関節が変形しているとか、そういう「リアル」な話を聞かされて、「へー、そうなんだ」とか思ったりしませんでしたか?  思ったりしたら、それではダメなわけです。  また、主人公とヒロインの人物造形(人間としての作り込み)が甘いです。  普通の生い立ちの少年少女としてなら、まあOKなんですけど……。  この「どシリアス」な話で要求されているのは、「特殊な生い立ち」の少年少女ですよね?  環境が人間を作るわけです。原因(環境)が、結果(人格)を育んでゆくもの。  この話のヒロインは無痛覚症という病気を持っていて、しかも日常的に差別を受けている人間なわけです。そういう設定なのですから、そういう人格になっていなければおかしいわけです。  しかし、そうはなっていない。まるで普通の女の子です。  主人公もそう。  「母親がいない」ということがどういうことなのか深く考察することもなく、まったく普通の少年を出してきてしまっています。  その時点でもう、この話が、箸にも棒にもかからないことを自分で宣言しちゃっているようなものです。薄っぺらい人物造形で、お手軽に、適当に書かれた作品であることを、みずからバラしてしまっているようなもの。  そんなものは小説ではないし、読むまでもないです。  このへん、このヒロインとこの主人公が、なぜだめなのかということを、みやびさんが言葉をかえて、優しい口調で説明してくれてますが……。  まあ手厳しく言うと、「主人公もヒロインも『人間』になっていないんだから、こんなん、ダメに決まってるじゃん」てなことになります。  ところで、この話のヒロインはどうして無痛覚症になっているのですか?  また主人公はどうして父子家庭になっているのですか?  このへんの答えが、「ただなんとなく」とか「思いつきで」とかいうものであったら、何度書いても、何度送っても、どこに送っても、箸にも棒にもかかりませんよ。  人物造形というのは単なる技術です。  鍛錬によって身に付くものですし、鍛錬しなければ身に付かないものです。  特殊な境遇の人物を造形する技術が足りていないのであれば、作品のテーマもそれに合わせた軽いものにしておくとか。なにか手があったはずなのですけど。  たとえばヒロインのほうを、無痛覚症なんて重たいものではなく、「ちょっと変わった性癖の持ち主」ぐらいにしておいて、それに振り回される主人公のラブコメ話に仕立ててみるとか。  再度質問なのですけど。  なんで無痛覚症で、なんでこんな「どシリアス」な話なのですか? >余談  そういや僕もよく「母親のいない男の子」ってのを作品中に出すけども。  それによって引き起こされる「人格の歪み」ってものを、いちおう計算しているけどなぁ。母親不在で育つと、どうなるのか。どういう常識を持ち、どういう考えかたをするようになり、なにが欠けることになるのか。またかわりになにを得ることになるのか。 >江崎さん  「納得しました」とか言って、なにやらもうすでに撤退ムードですが……。  せっかく勇気を出してここを利用しにきたのですから、有益に利用するための心構えみたいなものをひとつ。  戦ってみても、いいことはないです。  また逃げだしてみたところで、いいことはないです。  江崎さんが戦うべきは小説賞の選考審査の場であって、この分室ではないはず。  つまらないプライドなんかは捨てて、吸収することに全力を尽くしてください。  あの作品を投稿するときに、江崎さんは自信を持って送ったわけですよね?  それが箸にも棒にもかからず、一次落ちに終わったわけですよね?  なにがなんだか、まるでわけがわからなかったわけですよね。  なぜ一次落ちで終わったのか、その原因が、江崎さんにはまるでわからなかったはずです。  で、その欠点ですが――。  すくなくとも僕やみやびさんには、あの作品のなにがマズかったのかが、見えているわけです。完璧とは言わないまでも、これでもいちおうはプロの端くれですから、かなりハッキリと見えているつもりです。  僕らには江崎さんの見えないものが見えているわけで、なんとかそれを伝えようとしているわけですね。しかしそれは江崎さんのこれまでの概念にはないものなので、伝えることは、ほとんど不可能に近い難事業だったりします。  みやびさんが、優しく親身になって説き聞かせる路線を取ったようなので、僕は高みから居丈高に見下すような、いつものポジションを取ってみました。  やりかたが違うだけで、言っていることは同じことです。  ここで江崎さん側の対応の仕方が問題。  一回、二回、ちょろっと指摘したぐらいでわかってしまうようなら、なにも苦労はいりません。そんな簡単なことなら、この分室のメンツはいまごろは全員プロになっているはずです。  江崎さんは、わかっていないはずです。  わからないのに、「納得しました」とか言って、わかったふりをして引き下がったりしても、自分の小さなプライドが守れるばかりで、なにも良いことはないです。より良い小説を書いて世に送り出すために、あなたのそんな小さなくだらないプライドなんか、捨てちゃってください。  わからなかったら、わかるまで、相手を質問攻めにしたほうが有益です。  いちおう、言葉を尽くして説明しようとは努力していますが、江崎さんが食いついてきてくれなければ、伝えられるものも伝わりませんので。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7364 投稿日 2003年12月20日(土)21時00分 投稿者 新木 伸 >弟切  7292の話題へのレス。  いいところに着眼していたので、書こうと思ってメモしておいたこと。  まあ古い話題なので、忘れているかと思う。なんとか思いだしつつ、読むように。なんなら当時の自分の書きこみも読み直してみるとか。 >>桐子が帰宅した時には、掃除が終わっていました。物が片付いて、床がよく見えていたはずです。床も磨かれていました。天気が良いため、フローリングの床は日を反射して輝いて見えたでしょう。 >>広い床が輝いていれば、目立ちますね。最初に、桐子が床に目を奪われた、とするのは、自然だと思います。  「視点の移り変わり」ということを考察していったときに、こういう思考が出てくるところまではいいわけね。  しかし問題は、それを実際の小説文章に反映させるときに生じるギャップなのだ。 >>ほこりにまみれていたフローリングの床が、磨き立てられてぴかぴかだった。  上記のことがわかっているのに、なんで、こんなものを書いてしまうのだ?  この文章に書かれいてる順番だと――だな。  主人公はまず、床が埃にまみれていたことを思い出しているわけだ。さらに、磨き上げられたせいで床がぴかぴかであることを論理的帰結として導きだし、その現状と、かつての状態との差異に改めて驚いている。  ――という順番になってしまう。  ぜんぜん逆でしょ? 認識の順番が。  主人公は、まず、なにかは知らないが「輝いているもの」を目にするわけだ。  つぎにそれが「床」であることに気づくわけだ。  そして床が輝いているのは磨き上げられているせいだと、論理的に輝きの「原因」を導きだすわけだ。  そしていちばん最後に、「出かける前は埃が積もっていた」ということを思い出す。  そういう過程があったうえで、「まあこんなに綺麗になって!」と感嘆が出てくるわけだよ。 1.なにかが輝いている。 2.輝いているものは床である。 3.磨き上げられているせいで輝いているのだ。 4.前はすごく汚れていた。  これ(↑)が正しい順番。  そしてこれ(↓)弟切の書いていた誤った順番。 1.床は埃にまみれていた。 2.床がぴかぴかなのは磨き上げられているせいだ。 3.床がぴかぴかに光っている。  こうして、物事の認識の順番にまったく無頓着で、まるきりルーズあることが、弟切が「視点」を使えないでいることの原因なわけだ。  論文などの書きかたでは、先に「結論」を述べて、その後に結論に至るまでの過程やら考察やら実験手順やらは、後回しなわけだな。結論のあとで理由を記述してゆくというのが、一般的な物の書きかたなわけだ。  またこうした掲示板状の書き込みなどでも、その手法は通用する。「先に結論→説明→最後にまた結論」とやるのが、わかりやすい文章の書きかたってものだ。  僕らは日本語教育の中で、そういう書きかたを染みつけさせられている。  読書感想文にしても、作文にしても、小論文にしても、そうしたフォーマットで書いてきている。  実用的な文章の書きかたとしては、「結論→根拠」という順番で書くことは、まったくもって正しい。  しかし小説の場合には、まるで逆なの。  小説は実用文じゃないのだ。実用の対極にある「暇つぶし」のための文章=物語が、小説というものなのだ。  だから書きかたも、実用文の正反対となる。  読者は結論なんて欲しがってないの。物事の起きてゆく過程を、主人公の目や心理に乗っかって追体験してゆくことが「物を語る」ということであり、「物語」というものなわけ。  それが小説を読む読者の求めているものなわけ。  このへん、誤解している者のなんと多いことか。  ――で、誤解している者は、誤解を解かないかぎり、プロにはなれんわけだ。  誤解したまま、逆の書きかたで小説を書いてしまうのだ。だから「描写しろ」とか言われてしまうのだ。  いま「美人描写」の課題でやらせていることも、これに関係していることだったりする。  ある女性が美人である。――そんな「結論」なんて、読者は欲しがっていないのだ。美人が美人であると認識されてゆくその「過程」に乗っかり、感情移入して、そのキャラを美人であることを我がことのように「感じたい」わけだよ。  「部屋が綺麗になっていて驚いた」なんて結論なんていらないのだ。  主人公が驚くその心理に乗っかりたいわけだ。 >課題部屋の文字サイズ  読みにくかったので、大きくした。  これはわざわざコピーペーストして、エディタに持ってきて読むというのをやめて、ブラウザでそのまま読んじゃえばいいやー、てなことだったりもする。 >文字数換算  だから小説を書くときには、字詰めを決めないことには、文字数が出ないんだってば。  字詰め次第で、ある小説が1400字となったり、1600字となったりする。  これから分室で「○○字」とやるときには、40文字詰めで計算することにしよう。  一行に11文字しかなくても、一行取っているなら、それは40字分となる。  なぜ40字を基本にするのかというと、いまどき原稿用紙で小説を書いている作家はかなりのお年寄りばかりで、だいたいの作家がワープロ(パソコン)で書いているものだからだ。  文庫本とハードカバーでは、1行の字数は、39〜42文字あたりとなる。平均して役40字。  この字詰めに慣れておいたほうがいい。  文体やリズムや、一文の長さなんかも、この字詰めによって影響を受ける。  ちなみに新書では1行25字詰めなので、新書で出版されることの多いミステリや、大人向け大衆小説などのジャンルを狙うのであれば、25字詰めのほうに慣れておいたほうがいいかもしれない。 (ただし、あらすじの場合には、一行=20文字詰めとする) -------------------------------------------------------------------------------- うーん・・・・ No.7365 投稿日 2003年12月21日(日)03時05分 投稿者 江崎 芹  急にネットが繋がらなくて、少しレスがおくれました。    >新木さん  許可くださり、ありがとうございます。連絡する前に返事がきていたので、ちょっとびっくりです。  >『つまらないと思わせたなら、読んでもらえない』  ――この冷たい掟に、まずは慣れてください。  慣れてください、というか、これは当然のことだと思います。  僕もつまらないと思った作品は、10、20行も読めば捨てたくなります。自分の作品もそんだったのでしょう。つまらない、読めたものではない。  だからひたすら書き、技術を身につけることが必要なんです。つまったときには、他人の意見をもらうなどの情報収集が必要なんだと思います。    >(ちなみに小言になりますが、人に分析を頼むのなら、あらすじくらいは付けておきましょう。べつに付けなくっても、誰もなにも困りません。上で書いたように「放置」されるだけです。誰も困りませんが、江崎さんは困りますよね?)  迂闊でした。すぐにでもあらすじを載せたいと思います。  >まずヒロインの病気について、作者(江崎さん)がなにも知っちゃいません。  みやびさんが書いたような、火傷しても肉の焦げる臭いがするまで気づかないとか、関節が変形しているとか、そういう「リアル」な話を聞かされて、「へー、そうなんだ」とか思ったりしませんでしたか?  思ってしまいました(汗)  前の文にも書きましたが、考えがたりませんでした。わからないことは徹底的に調べないとだめなのに。甘いですね。    >ところで、この話のヒロインはどうして無痛覚症になっているのですか?  また主人公はどうして父子家庭になっているのですか?  ヒロインが無痛覚症なのは、強いエピソード、山場を作るためです。  ただラブストーリーだけでは物足りないので、何かを入れようと思って入れたのが無痛覚症。しかし、このネタは考えていたことより遥かに難易度が高いものだったようで、失敗してしまいました。  主人公が父子家庭にしたのは、伏線のためです。主人公が自分は父子家庭である、と話した時、ヒロインが微妙な反応をとるシーンを一応書いてあります。ヒロインは苛めなどをうけ、友達は一人もおらず、助けとなってくれるのは両親だけ。その親子問題の話題をいれるために、主人公は父子家庭してみたわけです。  > 「納得しました」とか言って、なにやらもうすでに撤退ムードですが……。  せっかく勇気を出してここを利用しにきたのですから、有益に利用するための心構えみたいなものをひとつ。  え? これ以上参加してもいいんでしょうか?  僕まだ、分室ログを4000より後ろは読んでいないのですが。  それを読む暇がないから、ここへの参加は断念したのですけど。    > 江崎さんは、わかっていないはずです。  わからないのに、「納得しました」とか言って、わかったふりをして引き下がったりしても、自分の小さなプライドが守れるばかりで、なにも良いことはないです。  うーん、そうなのかな。わかったふりになっているのだろうか。  みやびさんの指摘を読んだときは「ああそうか、なるほど〜確かに」と素直に思ったのですが、どうなのだろうか。  あと、プライドなんてありません。プライドがあれば、一人でひたすら鍛錬に勤しんでいると思います。妥協して分室の方たちにお世話になろうなんて思いませんよ。   -------------------------------------------------------------------------------- 出先で雪に降られました。 No.7366 投稿日 2003年12月21日(日)23時32分 投稿者 弟切 千隼  湘南の自宅に戻ってきました弟切です。出先でえらく寒い目に遭って、凍死するかと思いました(笑)  今回は、とりあえずいくつかレスをしておきます。 >>筆を使って塗るのに、なぜわざわざスティック状の口紅を使うのか?  便利だからです。  筆で紅を塗るほうが、細かいところまでうまく塗れます。ですから、丁寧に口紅を塗りたい人は、筆を使って塗ります。  しかし、出先で化粧を直す場合は、いちいち筆を使うのは面倒です。そういう場合、スティック状の口紅なら、直接ささっと塗って体裁を整えることができます。  スティック状の口紅は、両方の使い方ができて便利なために、使う人が多いのです。 >>『エマ』(リアルなメイドの漫画)  出先の本屋で発見しました。  ところがその時、弟切は手持ちのお金を使い切って、すっかんぴんでした。『エマ』を買ってしまうとおうちへ帰れない状態だったため、買えませんでした(;_;)  手にとって表紙を見ただけでも、「面白そうだな」と思える作品でした。次こそはぜひ入手して読みます。  教えてくれた方々、ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- >江崎さん No.7367 投稿日 2003年12月22日(月)08時45分 投稿者 新木 伸 >>プライドがあれば、一人でひたすら鍛錬に勤しんでいると思います。妥協して分室の方たちにお世話になろうなんて思いませんよ。  真にプライドのある人は、練習なんてしませんよ。  努力して練習してみた結果、自分の「才能」に限界があることがわかってしまったら大変じゃないですか。  ……冗談はさておき。  江崎さんの場合、書いているだけで上達する――その、上限あたりまで来ているようです。  課題部屋にあるものを見ましたが、ここになにか指摘ができるとなると、プロかセミプロでしょう。アマチュアの集まる普通の場所(かつてのよみかくとか)だと、上手なほうに入ってしまって、誰も何も言えなくなってしまうのではないかと。  そこであぐらを組んでしまうと井の中の蛙なわけですが。  こうした物言いは、見下しているようでよくないんですけど。  しかしプロとアマチュアとの間にある力量の差を認識しないことには、なにをどう上達すればいいのかも見えてきませんし。  実際、アマチュアの作品は値札を付けて売ることはできないし、プロの作品は値札が付いて売れているのだし。  そこにはなにか、決定的な違いというものが存在していると考えないことには。 >>僕もつまらないと思った作品は、10、20行も読めば捨てたくなります。  じつは、捨てられない小説を書くために必要なことは、ここにすべて詰まっていたりします。  つまらないと思って捨てた作品は、具体的には、どのへんがつまらなかったですか?  10や20のサンプルがあれば、だいたいの「読み捨て」パターンは出尽くします。  で、その「読み捨てた理由」と同じことを自分の作品でもやってしまっていませんか?  とりあえず、自分の読書経験を思い返して、「読み捨てた理由」を列挙してみましょう。  対象とするのはアマチュアの作品がいいかな。プロの商業作品だと「読み捨ての理由」が一段高いところにありますので。(「自分の趣味じゃない」とかそんな理由) >あらすじに関して  書き直し。  そんな肩肘張って格好いいものを書こうとするのではなく、もっとこう、自分の知り合いにでも、面白かった映画の紹介をするような感じで書けないかなあ。  誰かに映画の内容を語るときとか、話が長ったらしくなったり、細かなところに入りこみぎたりすると、「いやそれはいいから」とか遮られちゃったりしませんか?  不要なディテールを細かく話していないで、大枠をぱっと伝えて、特に面白い部分に重点を置いて伝えたりしません?  時間制限(知人が興味を持って聞いてくれている時間)のなかで、概略と面白味の部分とを共に伝えるという点で、小説のあらすじの秘訣と、映画の内容を知人に語るときの秘訣とは共通するものがあります。  なんなら、自分の話のあらすじを書く前に、最近見て面白かった映画のあらすじを書いてくれてもかまいません。また知人、友人、家族、――などを捕まえて、映画のあらすじを聞かせるということを実際にやって、そこで語ったのと同じものをアップしてくれてもかまいません。 (しゃべった内容を暗記できなさそうなら、テープやMDや携帯電話や留守でも使って、録音するなりして) >電撃短編賞とか  ところで短編賞の規定では、あらすじは添付しなくて良かったのですか?  もし「あらすじ添付」という規定であったのなら、そのときのあらすじもアップのこと。  あと第何回の短編賞だったのかとか。そのときの応募総数はどのくらいだったのかとか。他の枚数やらなんやら、選考は第何段階まであるのかなどの応募規定なども。  短編賞のほうはHP上では調べられなくて。電撃hpは手元にないんですよね。 >無痛覚症と父子家庭  無痛覚症のほうは、なにかヒロインに大きなハンディキャップを背負わせたかったわけですね。  主人公とヒロインとの仲が接近してきたところで、ヒロインに「巨大な」ハンディキャップがあることが判明する。そのほうが話が盛り上がる。そういう計算の上でのことですか。  父子家庭のほうは、主人公がヒロインを「ハンディキャップ込み」で受け入れられるようになるための理由付けのためですか。  なにもない普通の少年だと、さすがに弱いわけで――。主人公のほうにもなにか理由がなければ、彼女を受け入れることができないだろうと判断したわけですね。  ――で、ヒロインに「無痛覚症」というハンディを背負わせることに決めたあとで、ハッピーエンドに持ってゆくために、後付で主人公のほうも「補強」したのかな。  してみると、作者の思考経緯というのは、こんなものになるのでしょうか。 1.ただのラブストーリーでは物足りない。 2.強い山場を作ろう。ヒロインに巨大なハンディを背負わせよう。→無痛覚症だっ! 3.ハッピーエンドに持ってゆくためには、主人公が彼女を受け入れられるようにしなくては。 4.主人公も軽い不幸を背負っていることにしよう。→父子家庭だっ!  1と感じる感性は良いです。エンターテイメント精神ってやつです。  しかし2のところで、無数にあるはずの選択のなかから、なぜ「無痛覚症」を選んでしまったのか不明。  ヒロインに不幸を背負わせたいだけなら、他にも色々な「不幸」があるはず。  ヒロインが母子家庭だとか、母親が水商売だとか、家が貧乏だとか。  4のところでも、選択が容易ですよね。エウレカ(分室用語)しちゃってます。  ここ、無痛覚症というものを選択した理由について。  はじめに「無痛覚症」を思いついてしまって「これは面白い」と思った――以外で、なにか理由があったならそれを。  なければ、ここで選択をサボったことの反省を。(一度反省をしたら、次に同じミスをしない人は上達がえらい早いですよ。2年もかからずプロになってゆきます)  3のところは、方向性としては間違っていないんですが……。  江崎さんの「山場」というものへの誤解と、間違った固定観念とがあります。  一度壊れかけた主人公と彼女との仲が回復することは、ハッピーエンドにゆくための条件なのですが。  ラブストーリーっていうのは、山場は「障害」によって作られるものなのですね。  愛し合う二人に「障害」が立ちはだかって、それをどう克服して乗り越えるのかが、山場となる部分。  しかるにこの話というのは――。  「片方の愛が冷めちゃって、その愛を取りもどす」話なわけです。  彼女が無痛覚症だと知ったところで、彼は彼女のことを「気持ち悪い」と思いますよね。これ、愛が冷めちゃっているということなわけです。  しかし彼は理性でもって、本能的な嫌悪感を克服します。そしてハッピーエンドにゆく。  これは「障害」というものなのでしょうか?  この展開のなにがどのように「障害」であるのか。そのへんを考察して、報告のこと。  あとこれが「障害」であったのだとしても、完全に彼の側だけの問題ですよね。  ラブストーリーの障害というのは、普通、男女の両方が力を合わせて克服してゆくものなわけです。  主人公の側だけが一方的に「なにか」を乗り越えるだけであり、ヒロインの側はなにもせずに待っているだけ――そういう形になってしまっていることに関して、なにか気づいたことや思うところがあったら、報告のこと。  江崎さんの場合、書くほうは相当に慣れているのですが……。(描写力がないという問題はある)  話を考える構成力のほうが、だいぶ弱そうですね。  映画やドラマやアニメや漫画や小説やらの話を、筋に分解していって、筋レベルで話を眺めて、分析評価した経験がないか、足りていません。もしくはやり方を知らないのかもしれない。  ラブストーリーをやるにしても、ラブストーリーの基本的なパターン(オーソドックス)を知らないので、こうして基本から外れた話を、気づかないままに書いてしまう。  「変わり種」の話で勝負するのだとしても、まず基本を知らないことには勝てっこないわけです。  それが「変わり種」であることを知りもせず、自分はオーソドックスなラブストーリーをやっているつもりで書いていては、何度書いてもダメだということはわかりますか?  この先の展開など……。  まあいくつか出した「宿題」をやりつつ。  この話が基本から外れていたことが理解出来るまでやってゆきます。  そしたら、実習課題としては、あれかな。  オーソドックスなラブストーリーとなるように、この話を「あらすじレベル」で修正していったりすることかな。  最近はなにやら文章面のことばかりやっていますが、本来分室は「構成力」を訓練するための場所だったのです。  「文章なんか、書いてりゃそのうちうまくなるだろ」と、僕は「現実」をナメきっていたわけです。  ちなみに江崎さん、これまでの執筆歴などは?  これまでの修行年数のほか、書いてきた小説の分量ですね。長編がいくつ。短編がいくつ。  あと学歴、職歴、現在の年齢など。 -------------------------------------------------------------------------------- こたつみかん始動 No.7368 投稿日 2003年12月22日(月)23時38分 投稿者 弟切 千隼  日本の冬の風物詩「こたつみかん」が、我が家で稼動し始めました。  「こたつみかん」とは、もちろん、あれのことです。炬燵の上にざるに入れた蜜柑が載っている、あの状態です。  「こたつみかん」は、寒さ厳しい中、暖かい部屋で、冬に不足しがちな果物を食べてビタミン類を摂取するという、合理的な機能を持っています(^_^) 新木さんへ >  復帰後、早速のレスをありがとうございます。 >> 論文などの書きかたでは、先に「結論」を述べて、その後に結論に至るまでの過程やら考察やら実験手順やらは、後回しなわけだな。結論のあとで理由を記述してゆくというのが、一般的な物の書きかたなわけだ。   (中略) >> しかし小説の場合には、まるで逆なの。 >> 小説は実用文じゃないのだ。実用の対極にある「暇つぶし」のための文章=物語が、小説というものなのだ。 >> だから書きかたも、実用文の正反対となる。 >> 読者は結論なんて欲しがってないの。物事の起きてゆく過程を、主人公の目や心理に乗っかって追体験してゆくことが「物を語る」ということであり、「物語」というものなわけ。 >> それが小説を読む読者の求めているものなわけ。 (新木さんのNo.7364の書きこみより)  改めて言われて、「なるほど、そうだ」と思いました。  結論だけ欲しいのであれば、誰も小説など読みませんね。  例えば、恋愛小説の結論だけ書けば、「ある男とある女がいました。二人は愛し合って結ばれました。めでたしめでたし」で、ほとんどの話が終わってしまいます(^^; たまに悲恋の物語があったとしても、「ある男とある女がいました。二人は愛し合ったものの結ばれませんでした。あわれ」で、終わります。  どちらも、小説ではありませんね。少なくとも、多くの人が読んで楽しめる娯楽小説ではありませんね。  小説の「魂」は、細部に宿るのでしょう。細部の描写をこそ、おろそかにしてはいけませんね。  精進します。 >課題部屋のNo.710「美人の描写」  間が空いてしまいました。滞っていた応答を返します。 ●歩道橋のどの位置から、ビルのガラスを見ているのか不明である。  こういう指摘が出てくるのは、弟切の描写力がない証拠ですね。  弟切は、語り手の女の子の位置を、きちんと描写することをさぼっていました。位置の描写を追加します。 ●ガラスに映った映像は、普通ははっきり見えない。  おっしゃるとおりです。  こうなった原因は、「弟切が何も考えていなかった=考察不足である」からではありません。一応考えていたにもかかわらず、書き忘れたことがあるからです。  えーと、実はこのビルのガラスは、みなハーフミラーです。  ハーフミラーが窓ガラスに用いられたら、どんな様子になるでしょう?  内側から見れば普通のガラスで、外の光景が透けて見えます。なのに、外側から見れば、ガラスは普通の鏡のように見え、ガラスの向こうの内側はほとんど見えないようになっています。  弟切は、実際にハーフミラーを窓ガラスに使っているビルに遭って、衝撃を受けました。ちびのおばさん(=弟切)が背中を丸めて、べったべったと歩いてゆく様子が鮮明に映っていたからです。  読み返してみますと、課題部屋のNo.710には、「ハーフミラー」など一言も登場しません。読者さまにわかってもらおうというほうが無茶ですね(^^;;; -------------------------------------------------------------------------------- 何か楽しい映画はないだろうか No.7369 投稿日 2003年12月23日(火)01時11分 投稿者 江崎 芹  >真にプライドのある人は、練習なんてしませんよ。    真のプライド、そんなもの持っている方はいるんでしょうか? 僕には想像もつかない、まさしく神様です(笑)  >で、その「読み捨てた理由」と同じことを自分の作品でもやってしまっていませんか?  やっているのでしょう。やっているからこうボロを指摘されて叩かれている。まだまだ自分の作品に対する視野が狭いのいけない。  >とりあえず、自分の読書経験を思い返して、「読み捨てた理由」を列挙してみましょ  う。  すぐにはちょっとできそうにないので、次回行います。  >>あらすじに関して  正直、あらすじはどう書いたらいいのかいっこうに見えない課題です。どう書いたら少ない文章でわかりやすく物語を伝えられるか。ほんとに難しい。  ある意味一番教わりたい問題です。  >最近見て面白かった映画のあらすじを書いてくれてもかまいません。  ……よく考えたら、最近ぜんぜんまったく映画見ていない。3,4ヶ月みてないと思う。休みの間に借りてきますか。  >電撃短編賞とか  >ところで短編賞の規定では、あらすじは添付しなくて良かったのですか?   もし「あらすじ添付」という規定であったのなら、そのときのあらすじもアップのこと  。  あらすじ添付ですよ。だから課題に投稿したのは前に書いたやつです。  今年は第4回目です。応募総数は567作品。枚数は30〜70枚。選考は1次、2次、最終選考となっております。  >はじめに「無痛覚症」を思いついてしまって「これは面白い」と思った――以外で、な  にか理由があったならそれを。  思いつき即決定です。今までそうしてきて行き当たりばったりな作品書いてました。ネタの取捨選択ができてないんですよね。「お、これはいいんじゃないか? よしこれにしよう」な感じの「ノリ」で決めてきました。  >彼女が無痛覚症だと知ったところで、彼は彼女のことを「気持ち悪い」と思いますよね  。これ、愛が冷めちゃっているということなわけです。   しかし彼は理性でもって、本能的な嫌悪感を克服します。そしてハッピーエンドにゆく  。   これは「障害」というものなのでしょうか?   この展開のなにがどのように「障害」であるのか。そのへんを考察して、報告のこと。  確かに、趣旨がかわっています。  ラストはほんとに手詰まりしました。枚数も気にしましたし、主人公の立場が微妙すぎた。だってほとんど何もやってないから。  今見ると、ぜんぜん障害には見えないです。たぶん書いているとき「これでいいかな?」なんて妥協が生まれてたんだと思います。  >主人公の側だけが一方的に「なにか」を乗り越えるだけであり、ヒロインの側はなに   もせずに待っているだけ――そういう形になってしまっていることに関して、なにか   気づいたことや思うところがあったら、報告のこと。  物語はキャラが動かしていく。僕はそれを意識しながら書いているんですが、なかなかうまくいかない。  今回にいたっては、キャラが動いていない。たった二人のメインを動かすのにも、てんで不規則。  >「変わり種」の話で勝負するのだとしても、まず基本を知らないことには勝てっこな   いわけです。   それが「変わり種」であることを知りもせず、自分はオーソドックスなラブストーリー  を やっているつもりで書いていては、何度書いてもダメだということはわかりますか  ?  ラブストーリーを書いたのは今回で二回目。全部変り種に挑戦して失敗に終わってます(汗)どうしても僕は高望みしてしまうみたいです。こんな話楽しそうだな〜と思ったものが、かなりハードルが高い。がそんなものシカトで書いて破裂してしまわけです。  >ちなみに江崎さん、これまでの執筆歴などは?  19歳で学生です。一応コンピュータ系の専門にいってます。  執筆歴は、高校一年から始めて、3年半ぐらい。長編が一つ、短編が三つ、他、中途で挫折した残骸作品が数十作ほど。   -------------------------------------------------------------------------------- 「思い付き」はレベル1の勇者 No.7370 投稿日 2003年12月23日(火)02時30分 投稿者 鷹見一幸  セリオスさんの書き込みを読んで、納得できた。  俺は本業で以前「無痛覚症」の人が関わった件を幾つか扱ったことがある。  だから、課題部屋のあれを読んだ時に、一番最初に感じたのは 「よりによって、よくもまあこんな題材を……」 という、怒りというよりも、恐怖だった。    それとまあ、なんと言うか「アマチュアっていいなあ」という感慨だな。  何も知らないということは、玩具の刀のつもりで本物の日本刀を振り回し、火薬庫のなかで線香花火で遊べる、ということなんだな。 「あ、これ、面白そう」と思いつく。 その思い付いた「アイデアくん」という勇者はレベル1で素手で裸だ。 そのまま「物語世界」に放り出せば、スライムにだって勝てない。    ましてや「現実世界の約束事」なんて魔王に勝てるわけがない。  きっと今まで君の書いてきた物語の中では、そうやって思いつきだけでレベル1、素手、裸で放り込まれてあっさり死んでいった「アイデアくん」の死骸が散乱しているんだろうなあ……なんまんだぶ。  ネット環境があるなら調べることは可能なはずだ。  調べて、知識を得て、せめて思いついた「アイデア君」に「ひのきの棒」くらいは持たせてやれよ。  調べて知識を得ることの利点は、アイデアに理論武装させることだけじゃない。書き手の自信につながる。    不思議なもので、書き手が「これはこうなんだ、間違いない」と自信を持って書いた文章と、書き手が「本当はよくわからないけど、こんなものだと思うよ」と思いながら書いた文章は、力が違う。読んでいてわかる。  君の書いたお話は、最初から最後まで「こんなものだと思うよ」というスタンスで書かれているよね。  19歳という年齢から見て、おそらく実社会でも経験値は不足しているだろうし、人間の心理状態にも通じてはいないだろう。  この世のすべてが「あんな感じ」「こんな風」にしか見えないと思う。  読み手ならそれでいい。 ライトノベルは「あんな感じ」「こんな風」で読むことができる  でも、書き手はそうは行かないんだな、これが。  こういったBBSに書き込んでいる文章じゃないんだからさ、もうちょっと小説というものに真剣になってみないか?  君が今までレベル1、素手、裸で放り込んで殺してきた「アイデア君」にそろそろ申し訳ないと思った方がいいかもしれないな。  さもないと「アイデア君」の怨念で、この先ずっと一次落ちが続くかもしれないよ(笑)       -------------------------------------------------------------------------------- 玉子焼き No.7371 投稿日 2003年12月23日(火)06時04分 投稿者 名無し君2号  『たまごやき』は、『卵焼き』と『玉子焼き』と『たまご焼き』と、いったいどれを書けばいいのかな、と考えてみる。  料理だと『玉子』なのだろうか。『玉子丼』を『卵丼』とは書かないし。  んーん? どうだろう。  保留。あとで調べることにする。  いい加減、インスタントラーメンばかりの『男おいどん』な食生活にも飽きたので、なんか作ることにする。  それで作ろうとしたのが『たまご焼き』。  卵を割って、そばつゆ少々ときざんだネギを入れ、よく溶く。それを油を引いて熱したフライパンに注ぎこむ。  箸でかき混ぜつつ、半熟状態をフライパンの端でまとめて……ってこれ『オムレツ』の作り方だよなあ? 我が家では『ネギ入りたまご焼き』と称していたりするけれど。  そうこうしているうちに、はいできあがり。  なぜだろう、目の前では、中途半端に固まったスクランブルド・エッグが湯気を立てているんだけども。  うわあ不器用。 >江崎芹さん >No.95「星空」(1600文字) >>なるほど、そういう意味のオチだったのか。 >>しかし、ちょっと分かりにくい。  そうですか。説明すればわかったんですよね。じゃあオチは一応ついていた、ただし書き方がよくないからわからなかったんですね。  これじゃオチてないよ、とか話になってない、とか意味がわからない、じゃなくてよかった。本当によかった……。  問題なのは説明しないとわからなかった、というところですけど。 >>文字数にかぎりがあるからたいへんだと思いますが、  これは言い訳にできないところなんですよね。  だって2000文字まで増やせるのだし。どこにどれだけ文字数をかければいいのか、そこいらへんの判断。  でもこれから字詰めは40文字。きついなぁ。 >弟切さん >リップスティックな理由 >>筆で紅を塗るほうが、細かいところまでうまく塗れます。 >>出先で化粧を直す場合は、いちいち筆を使うのは面倒です。そういう場合、スティック状の口紅なら、直接ささっと塗って体裁を整えることができます。 >>スティック状の口紅は、両方の使い方ができて便利なために、使う人が多いのです。  あ、なるほど。  ならば「理由は携帯性かな?」という考えは、それほどはずれてもいなかったわけですね。  ペンシルタイプ(リップペンシル)はなにに使うのだ? と思ってたりしましたが、あれも細かい作業に向いてるんですね。唇の輪郭を書くのに使用すると。 >1000文字課題  No.96「姉弟喧嘩」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=720&e=res&lp=550&st=0  主観視点と思ってやってみる。動きを動きと感じることができるかどうか。  レスには2時間ほど。書いては消し、書いては消し。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7372 投稿日 2003年12月23日(火)20時44分 投稿者 新木 伸 >無痛覚症の話 >>だから、課題部屋のあれを読んだ時に、一番最初に感じたのは「よりによって、よくもまあこんな題材を……」という、怒りというよりも、恐怖だった。  まあ、実際のところ、一次で落ちた理由のなかでいちばん大きなものは、そんなところでしょうね。  欠損からくる差別。  そんな重いものを、なんの用意もなく迂闊に扱っている。  危なっかしいを通り越して、もはや、怖くさえもある。火薬倉庫のなかで花火で遊んでいるのを見るような。無知っていうか無自覚っていうか。  見る人もプロですので、その手のテーマに真摯に向き合うために書かれた話ではなく、単なる思いつきで放りこまれただけのものであることが、一目でわかってしまうわけです。  こうして裏付けを取るために掘り下げてゆきましたが、やはり、「山場を盛り上げるための思いつき」であったことが判明したわけです。  ――で、江崎さんに言えることは、もうちょっと真剣に小説に向き合わないと、なにを書いても一次落ちで門前払いになりますよ。ということ。  この場所は、小説に対して真剣に向き合うための練習場です。  どれだけの真剣味で向かい合えば充分であるのかは、常駐しているプロ作家を観察していればわかるようになっています。  アマチュアの真剣さは、たいていが不充分です。ぜんぜん足りていません。だからこそアマチュアのままでいるわけですが。  江崎さんの見せているものは、分室のメンバーの平均とくらべても、まだまだぜんぜんです。たぶん、江崎さんの19年の人生の中からは、想像もできないくらいが必要です。  7369あたりの書きこみは、真剣に受け答えしているように見えませんでした。  不真面目にやっているのでないとすると、自分の小さなプライドを守ろうとして、「自分はひとかどの人物なのである」というポーズを必死になって作ろうとしているのか。  小説に真剣に向かい合うために、そんなもん(プライド)は邪魔だと、何度か言っています。  言われたことをやらない言いわけとして、実のないことをつらつらと書いてくる必要はないです。  やらされることの目的や効果について疑問があるなら、質問してくれれば答えます。  で、ようするに――。  「四の五の言わずに、とっととやれ」ということ。  自分が読み捨てた理由の列挙が、すぐにはできない?  最近映画を見ていない?  昔見た映画のあらすじを書いてくりゃいいじゃないですか。  あと、江崎さんには、ひとつ思い違いがあるようなので、先に言っておきます。  この場所は小説の書き方を「教える」場所じゃないです。「よみかく分室説明」の初めのところをを読むように。  なぜここでは教えるということをしないのか。それはここの目的が「プロを出す」ということにあるからです。  小説を上手に書ける人を育てるためなら、そりゃ、教えます。  しかしプロを出そうと思ったら、「教えてもらおう」なんてスタンスの人は、ふるいにかけて除外しとかないと。  「教えてもらおう」などと甘ったれたことを考えている時点で、もはや、その人物がプロになる可能性なんてありませんので。  いわばこの場所は、トレーニングジムみたいなもんです。  プロになろうと思っている人が、機材や環境や利用するための場所なわけです。  そこには体を鍛えるために必要な機材や、環境があります。各自の現在体力に合わせて、訓練のメニューを考えてくれる人(トレーナー)なんかもいます。  しかしトレーニングジムは、あくまでも機材や環境を提供するだけであって、練習をどれだけ行うかということは、各自の自主性に委ねられています。メニューを考えはしても、それを「実行させる」ことまではしません。サボっていても誰も叱りません。練習するかしないか、ということには、一切、干渉しません。  体を壊すほど練習していたら止めに入りますが、いまだかつて、そんな人間にはお目に掛かったことはないです。  学校じゃないんですよ。ここは。  わかりますか? >江崎さん  宿題追加。  「ラブストーリー」とはなにかということを、説明してみること。  ラブストーリーというものについて、なにか認識の相違があるような気がしますので、確認してみます。  ラブストーリーとは、なんですか? 説明してみてください。 >No.96 題名:姉弟喧嘩(2000文字)  惜しいなぁ、これ。  ちょっと直せば読めるようになるのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祐は堀に手をかけ、ぐっと体を持ちあげた。顔だけを堀の上に出し、視線を左右に走らせる。  路地は夜の闇に沈んでいた。外灯だけがぽつぽつと、真下にある闇を切り取って、明るく照らしだしている。  人影はどこにもなかった。  祐の口元に笑みが浮かぶ。塀の上に身を乗り出して――そして振り向く。肩越しに大きな建物――自分の家である道場に目をやった。 「ばいばーい」  そんな言葉とともに、祐は塀の向こうへと飛んだ。 「どこにばいばいするのかしら、祐」  祐は体を固まらせた。  引きつらせた顔を、ぎこちなく背後に振り向けてゆく。  着物姿の女性が、その整った顔に、冷たい微笑を浮かべていた。  祐の姉――葉月である。  祐には振り返るつもりはなかったが、恐怖が体を動かした。姉と正対しつつ、半身を引いてやや斜めに構える。無意識のうちに立ち会いのときの構えとなっていた。 「また夜遊び? まさかねぇ……」  葉月は静かに笑った。 「あれだけお説教されて、またなんて。そんなわけないわよね」 「おれだって、もう、高校生なんだ。こんな、ちょっとぐらい……」  祐は手のひらに冷たい汗を感じていた。 「まだ子供」  ぴしゃりと葉月は決めつけた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここから先は、ぜんぜんなっとらんので、僕が直すと完全に別物になってしまう。  なのでここまで。  やっぱ本格的にアクションが始まると、手に負えなくなるのか、破綻するようだね。修行が足りん。  塀を飛び降りるまでのところでは、動きが日常的な範囲内にあるために、「動き」はちゃんと感じられる。  読めるものになっている(少し直せばという意味だが)。  ここでの直しでは、語順を変えている部分がけっこうある。  変わったところに留意すること。2号の元のほうだと、語順が不適切なのでスムーズに認識されない。読んだものをいっぺん頭の中で組み立て直して再構築しないと理解できない。このへんが、「ちょっと直せば読めるようになるのに惜しいなぁ」と思ったところ。  元のままじゃ読めたものではない。  あと、直していて、どうにも視点がよくわからんのだけど。  「主観視点」とか書いているわりに、姉のことを「女性」とか書いているし。  祐の主観であれば、相手が誰かなんてわかりきっていることで、「女性」なんて客観的表現を使うはずもない。  主観、客観、どちらかに直すほうが修正部分が少ないかと考えて、客観に統一してみた。  主観のほうで直してゆくためには、書いている内容にまで手を触れないとならなくなる。主観だと「自分の家である道場」とか書けないし、「祐の姉である」とかも書けないし。  なんなら自分で「主観」として書き直してみると良いかも。  ちなみに客観といっても、この場合の視点はどんなものかというと、祐と同じ感性を持つコピー幽霊を作って、肩のあたりに取り憑かせて眺めさせているような感じ。  祐の知っていることは、すべて知っている。祐の感じていることも完全にわかる。 -------------------------------------------------------------------------------- こんにちは No.7373 投稿日 2003年12月23日(火)23時33分 投稿者 青葉桂都  青葉桂都です。  江崎さんへの書き込みを見て微妙に心苦しく思いながらも、指摘することが何一つ思いつきません。  ああ、へっぽこだ。 >名無し君2号さん >−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− > 宝石みたいな、大粒の青い瞳。それはわずかに細められていた。血色のいい肌には淡い >色の唇が浮かんでいる。口の端にはえくぼができていた。 > 世の中に悪意とか敵意なんてない。争いはおとぎ話の中だけのもの。そんな風に思って >いる表情だ。 > 純白のドレスが、とてもよく似合う表情だ。 >−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− > 『えくぼ』=『笑顔』なんですよね。 > > 純白のドレスが、とてもよく似合う笑顔だ。 > > なるほど違和感ありません。『口の端にはえくぼ』で笑顔だと気づかなかった私が駄目です。失礼しました。  ……そこで笑顔だと気づかれるように書けてない時点でやっぱりダメなのではなかろうかと思います。  でも、笑顔を描写するのに笑顔と書いてはいけないのでしょうし……どうすればいいんだろう。  わからないことはひとまず保留にしておきます。 > 描写が駄目だという――でしたっけ?――のなら、また描写課題をやってみるのもいいかもしれませんね。違うタイプの美人なり、雑踏なり、なんなり。  ええと。私がダメなのは。  どこがダメなのか自分でさっぱりわかっていないという点なのではないかと思います。  確か、描写の勉強のためにここに来ておられるのは、甘夏さんではなかったでしょうか。 >弟切千隼さん  ファンタジー世界に梅雨が存在してはいけないのですか?  ……うーん。よくわかりませんが、なぜかはもう少し思考力がついてから考えることにして、まずは覚えて気をつけてみます。 >新木伸さん  う。自己主張が弱い、というのはよく言われるほうです。  欠片ほども書いていないわけではないのですが(いえ、課題部屋を埋め尽くせるような分量の一割もないですけれど)、どうも勝手に書き込んでいいものやらと思ってしまいまして。  明日にでも集中してなにか書いてみます。  今日は休みだったので、今日書くべきだったのですが……。私は時間があると思うと集中力が続かないのがよくわかりました。  バイトがある日は3時間くらいしか取れないので、おそらく今のうちはそのほうが集中できるでしょう。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 12月24日は何の日? No.7374 投稿日 2003年12月24日(水)01時56分 投稿者 弟切 千隼 と友人に訊ねたら、「コミケ四日前!」と即答されました弟切です。  何かと「普通でない」部分が多い弟切も、この答えが「著しく普通でない」ことはわかります(笑) 江崎芹さんへ >  御挨拶が遅れました。いらっしゃいませ。新木さんより参加許可をいただけたようで、よかったですね。  2号さんや羽矢野さんがおっしゃったように、この世は、基本的にギブ&テイクです。この分室で、他の人の上達の手伝い(=ギブ)をせずに、自分の上達の手伝い(=テイク)だけをしてもらおうというのは、虫が良すぎるでしょう。  でも、江崎さんは、他の人の手伝いをするのにやぶさかでないようですね。その心意気があるなら、一緒にやってゆきましょう。  過去ログは、少しずつ読んでゆけばよいではありませんか。  早速、江崎さんの作品「彼女の痕」の指摘をさせていただきます。とはいえ、大きな問題点はすでに何人もの方々が指摘されているので、補足程度の簡単な指摘です。 1.携帯メールについて  待ち合わせに来ない彼女に対して、主人公の男性(=雅人)が携帯電話でメールを送っていますね。  この時、なぜ雅人は電話をかけないで、メールを送ったのでしょうか?  弟切もよく携帯電話のメールを使います。その経験からいいまして、このような場合には、メールではなく電話をかけると思います。  携帯電話のボタンで文章を入力するのは、非常に面倒くさいです。忙しい時に、あの小さなボタンを連打して入力するなんて、いらいらしてやっていられません。  雅人は、彼女に待ちぼうけを食わされて、それでなくともいらいらしていますよね? しかも、映画の上映開始時刻が迫っています。入力に手間と時間がかかるメールを使うより、電話をかけるほうが自然ではないでしょうか?  さらに、メールには不利な点があります。必ずしも、すぐに相手に届くとは限らない点です。  多くの場合、メールは、送信すればすぐ相手のもとに着きます。しかし、様々な理由で、着くまでにかなり時間がかかることもあります。すぐに着いたとしても、相手がしばらく着信に気づかないこともありがちです。  上記の理由により、急いで連絡したいのなら、メールなんて打たずに電話をするのが普通でしょう。  なぜ、こんなに急いでいる時に雅人にメールを使わせたのか、弟切は理解に苦しみました。 2.冒頭部分の主人公の印象について  多くの方々に指摘されているとおり、弟切も、「この主人公、いやな奴だなあ」と感じました。  冒頭では、読み手は物語の世界に入ったばかりです。当然、主人公とも初対面です。  どんな事情があるにせよ、初対面の人が誰かを口汚くののしるのを見たら、その人の第一印象は悪くなりますよね? それを江崎さんはやってしまっています。  ついでに言いますと、主人公との約束をすっぽかした彼女も印象が悪いです。自分の都合でドタキャンしておきながら、メールの文面で『あははは』なんて笑うやつを、好きになる人がいるとは思えません。  この作品は、冒頭から「いやなやつ」が二人も登場します。この時点で、かなりの人が読む気をなくすのではないでしょうか? 青葉さんへ >  ファンタジー世界に梅雨が存在しては絶対にいけない、ことはありません。  けれども、梅雨が存在するなら、その存在を支える根拠が必要です。言い方を変えれば、梅雨が存在してもおかしくないファンタジー世界を創造しなければなりません。  梅雨は、どういう仕組みで起こるか御存知ですか? なぜ日本に、梅雨と呼ばれる雨期があるのでしょう? 梅雨は、なぜ梅雨と呼ばれるのでしょうか?  上記のことを知らないまま、ファンタジー世界に「梅雨」を登場させることはできません。  青葉さんの作品は、上記のことを理解したうえで書かれたようには読めませんでした。そのため、作品全体がいかにも作り物めいて見えてしまいます。  そういえば、弟切以外に、梅雨のことを指摘された方はいませんね?  弟切の常識は、世間一般の常識と異なる場合が多いです(^^; 確認のため、皆さんに訊いてみましょう。 課題部屋のNo.712にある青葉さんの作品を読んだ方へ >  作品中の「梅雨」という言葉に違和感を持った方はいらっしゃいませんか?  誰もいなければ、弟切の「常識」のほうがおかしいことになります。 -------------------------------------------------------------------------------- 梅雨 No.7375 投稿日 2003年12月24日(水)04時10分 投稿者 甘夏  正月前は制服のクリーニングで大忙し。  梅雨ですが。  そもそも梅雨ということばは日本以外に存在するのでしょうか?  雨季と呼ばれるものは存在しても、  梅雨は日本独自のものである可能性が高いですね。  となると、  梅雨が登場した時点で舞台は日本であると決定してしまいます。  と、いうようなことを考えました。  今回は弟切さんに同意です。  が、青葉さんがいろんな語彙の中からあえて、  梅雨  を、選んだとしたらその理由によっては絶対に駄目とはいえないと思います。  それが立派に梅雨を使う動機としてなりたっているのなら、  それは一人の作家の言葉であり、立派に通用するかと。  弟切さんの突っ走りやすいところですので釘をば。 -------------------------------------------------------------------------------- 梅雨とか No.7376 投稿日 2003年12月24日(水)08時54分 投稿者 新木 伸 >梅雨とか  青葉さんの場合――。  回り道をしないで、ずばっと核心に踏む込むためには、こう言うようにしないと。   「梅雨というのは、日本にしかない気候です」  梅雨のことを調べてきて報告――とか、本当はやりたかったとこだけど。  ファンタジー世界の話に梅雨が出てきて違和感を感じるのは、以下の文を読んで違和感を感じる違和感と同じことです。  「梅雨時のニューヨークの風は肌に重たくまとわりつくようだった。」 -------------------------------------------------------------------------------- 諸般の事情により No.7377 投稿日 2003年12月24日(水)23時50分 投稿者 弟切 千隼 一人で聖夜を過ごしている弟切です。どういう事情なのかは突っ込まないで下さい(^^;  実は、「諸般の事情」のうちには、「体調の悪さ」が含まれています。ちょっとくらくらするため、歳末の繁華街を歩くのはつらいです。 新木さん&2号さんへ >  2号さんの「姉弟喧嘩」−課題部屋のNo.720−と、それを新木さんが書き直したもの−課題部屋のNo.721−を読みました。  混乱した部分があったので、お二人に質問させて下さい。どちらも冒頭部分に関する質問です。  以下に、二つの作品の冒頭を引用します。強調した部分に御注目下さい。 2号さんの作品(課題部屋のNo.720) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  塀に手をかけ、ぐっと祐は体を上げる。堀の上から顔だけを出し、視線を素速く左右に走らせた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 新木さんのリライト(課題部屋のNo.721) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祐は堀に手をかけ、ぐっと体を持ちあげた。顔だけを堀の上に出し、視線を左右に走らせる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  えーと、2号さんのほうは、単純に「塀」と「堀」とを間違えたのではないか、と思います。そうですよね?  新木さんのほうは、何か考えがあって、わざと「塀」を「堀」に変えたのでしょうか? それとも単純ミスですか?  「堀」が登場するのはこの冒頭だけなので、何か勘違いされたのではないかと思いました。 -------------------------------------------------------------------------------- 辞書辞書 No.7378 投稿日 2003年12月25日(木)07時29分 投稿者 甘夏  へい 0 【塀/▼屏】 家・敷地などの境界に設ける、板などの囲い。かき。 「―を乗り越える」  ほり 2 【堀/▼濠/▼壕】 (1)地面を掘って水を通したもの。堀割。 (2)地面を深く掘って敵の侵入を防ぐ防御施設としたもの。必要に応じて水をたたえたりする。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前 No.7379 投稿日 2003年12月25日(木)13時41分 投稿者 名無し君2号  『陽菜』。  これってなんて読むんだろう――?  『ひな』『はるな』。  小説内に出すのもすこし考える(『ひな』はともかく『はるな』はどうか)名前だけど、なんとこれが2003年生まれの子供に名づけた名前、女の子の1位なんだからどうしよう。  ちなみに2位から10位までは、七海、さくら、凛、美咲、葵、萌、美月、彩花、真央、菜月。  男だと1位から10位まで、大輝、翔、大翔、翔太、匠、太陽、拓海、蓮、悠斗、海斗、翼。  『大翔』ってどう読めばいいのだろうか?  登場人物の名前にはいつも苦労している――自分の筆名すら決まらない――けど、10年後あたりには、ちょっとやそっとの名前じゃ違和感がなくなっているのかもしれない。やりぃ、楽になるじゃん。  ――とか思ってみたけども。  2002年で出生数は115万3855人。今回の調査、明治生命調べで対象は男の子3068人、女の子2853人。  これって参考になりうる数なんだろうか? 115万人に対して、約6000人。  統計学に関してはまったく知識がないので、なんともいえないのだけど。  ちなみに視聴率の調査の場合、関東地区は1455万世帯に対してたった600世帯が調査対象。うわあ少ない。  だったら信用してもいいのか……なぁ。 >青葉桂都さん、美人の描写(美少女編) >梅雨  全然気づかなかった、というのが本当のところ。美人と関係なさそうなところは読みながしていたのかもしれんです。  といいますか、これってファンタジーの世界だったんですか? そもそもこの舞台ってどこなんでしょ。時代はいつなんでしょ。  わかんないや。  この程度の読者、2号でした。 >笑顔  なんだって『えくぼ』を笑顔と感じられなかったのかを調べてみる。2号だから読みとれなかったのだ、という意見はさておき。  笑顔直前の文。 >>「決まってる! エミリア様だって、善人ぶって愛想を振りまいてたって……」 >> 俺は振り返った。いつもなら言いやしないようなその言葉を吐こうとした。 >> ちょうど、そのとき。 >>「まあ、わたくしがどうかしましたか?」 >> 耳障りな音がして、俺の視界の端で扉が開いた。 >> 詰め所に入ってきたエミリア様は、少なくとも、いつも通りだった。 >> 宝石みたいな、大粒の青い瞳。それはわずかに細められていた。血色のいい肌には淡い色の唇が浮かんでいる。口の端にはえくぼができていた。  主人公がエミリオ様の悪口を言おうとしていたとき、当の本人がやってくる。  そしてこう問いかける。 「まあ、わたくしがどうかしましたか?」  ――エミリオ様の気持ちになってみる。  クッキーを手に詰め所に行った。そこで衛兵のふたりが、内容まではわからないけど、自分のことを話している。そこで「私がどうかしましたか」と訊こうとする。  果たして、『純白のドレスがよく似合う表情』で問いかけるものだろうか。  すこし訝しげな表情になってるのではないか。  疑問が浮かんでいるのではないだろうか。  訝しげな表情を浮かべているはずが、なぜか笑顔の描写。だから頭のなかにその文が入ってこない。スルー。  だから私の脳裏にはエミリオ様の笑顔が浮かばなかったんじゃないだろうか。  笑顔を書くためには、その人物が笑顔を浮かべるような場面にいなくてはならない。笑顔を浮かべても不自然じゃなく感じられなければならない。  だから、この場面ならば「どうかしましたか?」と問いかけられて、主人公は下手に誤魔化し、それがあまりにも滑稽だったので、エミリオ様、思わず笑ってしまった……というならするりと頭のなかに入ってくるんじゃないだろうか。  でた結論はこんなところです。青葉さんの参考になればいいのですが。 >>でも、笑顔を描写するのに笑顔と書いてはいけないのでしょうし……どうすればいいんだろう。  んー、どうでしょうね。笑顔の描写課題じゃないから、べつに書いてもよさそうな気はしないでもないです。  美人の描写で『美人』と書いたら、そりゃちょっと問題ありでしょうけども。  ――などと悪魔のささやきを。 >No.96「姉弟喧嘩」 >弟切さん >>えーと、2号さんのほうは、単純に「塀」と「堀」とを間違えたのではないか、と思います。そうですよね?  Yes、正解です。  ――笑いごとじゃあない。  誤字脱字、だいぶ少なくなってきたと思ったのに、すこし油断するとこれだ。指摘ありがとうございます。  新木さんのを読んだときも気づかなかったヨ。 >新木さんリライト ■語順 >>2号の元のほうだと、語順が不適切なのでスムーズに認識されない。読んだものをいっぺん頭の中で組み立て直して再構築しないと理解できない。  つまり正しい語順ならば、頭のなかに意味がスムーズに入っていくということですね。  いつものように見比べてみる。 (2号版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  塀に手をかけ、ぐっと祐は体を上げる。堀の上から顔だけを出し、視線を素速く左右に走らせた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祐は堀に手をかけ、ぐっと体を持ちあげた。顔だけを堀の上に出し、視線を左右に走らせる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  新木さん版の場合……。 「祐が」「堀に」「手をかけ」「ぐっと」「体を」「持ちあげた」  人物が浮かび、堀が浮かび、そこに手をかけて、体を持ちあげる場面が浮かび。  私、2号版。 「塀に」「手をかけ」「ぐっと」「祐は」「体を」「持ち上げる」  塀がうかび、そこに手をかけ……だからだれが? 覚えなきゃならないところが多い。  なるほどなるほど。  その観点で見ていくと、ほとんどが「だれが」「なにを」「なぜ」「どうした」の順番で書かれている。  これって5W1Hだなあ。「いつ」「どこで」は物語の冒頭で示されて、あとは変わらないので省略されているけど。  5W1Hって、人が頭に情報を浮かべやすい順番でもあるのか? 知らなかったのは私だけですか。  特に「だれが」はまっさきに先頭に来ている。  「祐は」〜「した」  例外といえる部分は、2ヶ所だけ。 >>「ばいばーい」 >> そんな言葉とともに、祐は塀の向こうへと飛んだ。 >> ぴしゃりと葉月は決めつけた。  これだけ。しかもそれぞれ理由あり。  最初のは本来ならば、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ばいばーい」  祐はそんな言葉とともに、塀の向こうへと飛んだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  だけど、前の文から「ばいばーい」を発したのは祐だとわかるし、「そんな言葉とともに」の前に「祐は」が入るとそれだけ祐の動き自体が遅くなる――臨場感がなくなるから、あえて「祐は」を後ろに持っていったと思われる。  次の >> ぴしゃりと葉月は決めつけた。  も、本来ならば、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  葉月はぴしゃりと決めつけた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  になるけど、この場合は文自体が短いため、読者の負担にならないこと。あとは「ぴしゃり」が一瞬の驚きを与える単語だからではないだろうか。  「ぴしゃり」「葉月は決めつけた」  と、  「葉月は」「ぴしゃり」「決めつけた」  とでは、どちらがより臨場感があるか。 ■文章の違い  細かい単語の違いもたくさんあるけども、ここは文章のなかで一番大きく違う部分を見てみる。  以下は主人公、祐が、姉に逃亡を見つかり、恐怖のために構える場面。 (2号版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  姉、葉月だった。  とても、冷たい笑顔だった。あの笑顔を『作っている』ということは……。  背中を見せてはあぶない。  恐怖が体を動かした。祐は身をひるがえし、葉月と真正面から向きあう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祐の姉――葉月である。  祐には振り返るつもりはなかったが、恐怖が体を動かした。姉と正対しつつ、半身を引いてやや斜めに構える。無意識のうちに立ち会いのときの構えとなっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  恐怖のために構える、と書いたが、じつは私、2号版だと、まだ構えを取るまではいってない。無防備に背中をさらけだしていたら死ぬかもしれないから正面を向いてはいるけれど。  この場面のコンセプトはふたつ。 (1)姉は恐ろしいこと。 (2)主人公はなんらかの格闘技の経験があること。  私版だと、背中を見せていては危ないような姉であることと、それに気づく主人公で書いているつもり。  新木さん版だと、『無意識のうちに立ち合いのときの構えとなっていた』でずばり説明されている。さらに『立ち合いのときの構え』も『正対しつつ、半身を引いてやや斜めに構える』でどんな構えなのか書いてある。  こちらのほうが、より詳しく、またわかりやすい。  わあすごいや。  ……と感心していても意味がないので、どうすりゃこう書けるのかを考える。  『それ』は要するになんなのか、ということである。  前に『関節技とはなんなのか』という問題が出て……そのままうっちゃっているわけだけども、つまりはそういうことかと思う。  なんにも知らない人間に対して、それがどういうものなのかを、なるべく簡潔な文章で書く。ここで『立ち合いのときの構え』を『正対しつつ、半身を引いてやや斜めに構える』と書いたように。  『かなり格闘技の経験をつんでいる主人公が、怖ろしい相手と相対した』ならば、要するにどうなるのか。  ――構えますわな。己の身を守るために。  そこまで辿りつかなかったのはなんでなのか。  意識の問題なのか、場面のコンセプトをつかんでいなかったのか、語彙が少ないから『立ち合いのときの構え』という言葉がでてこなかったのか、まあ結論からいうと全部正解なわけだが、だったらどうするのか。  ひとつずつ潰していくしかないだろうなあ。 >>なんなら自分で「主観」として書き直してみると良いかも。  やってみます。いまいち『主観』がなんなのかよくわかっていないのですが。 >1000字課題  No.97「眼球」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=722&e=res&lp=550&st=0  ちょっとグロいです。恐怖を感じてくれればいいんですけど。  主観というか、客観な感じもあるのですが、一応は主観のつもり。問題点すらわからん。  字詰めが変わると感覚が全然違ってくる。  正直、最初は1200文字と想定していたけど……どんどん増える。つかむまでにちょっと時間がかかりそう。  視点も違うからなあ、と言い訳してみる。  No.100まであと3編。  レスには5時間ほど。実は年末しかできないバイトをしていたりします。なので26日には書きこみできません。 -------------------------------------------------------------------------------- 聖夜に天使が舞い降りて、 No.7380 投稿日 2003年12月26日(金)01時00分 投稿者 弟切 千隼 弟切に贈り物をくれました。風邪という名の贈り物です。  昨夜ここへ書きこんだ後、弟切は布団へ倒れこみました。熱はまだ引いていません。  キリスト教徒でないからといって、ひどいです、天使さま(;_;) >「メイド」書き直し  皆さんからの御指摘をもとに、またまた「メイド」を書き直してみました。課題部屋のNo.708の書き直しです。  ただし、全部の書き直しはできていません。できたのは冒頭部分だけです。  とりあえず、できた部分を以下に書いておきます。これに大きな問題がないようであれば、この調子で続きを書きます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  五月の終わりの、爽やかに晴れた土曜日だった。  野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して声を上げた。 「まあきれい。いつもながら、お見事」  足もとのフローリングがぴかぴかだった。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  床には洗濯籠が置かれていた。中は空っぽだ。汚れ物の山は跡形もない。  籠の中身は? 桐子が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。 「お帰りなさい」  明るい声に桐子は振り向いた。レモン色のエプロンを着た女性が立っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− -------------------------------------------------------------------------------- 昨日はクリスマスイブだったので、十五時間労働でした。 No.7381 投稿日 2003年12月26日(金)02時42分 投稿者 青葉桂都  こんにちは。青葉桂都です。  バイト先の惣菜売場では、チキン関係が飛ぶように売れていました。焼く先から売れていて、間断なく補充を続けなければならないほど。  朝から鶏を焼いていた方は、しばらく鶏肉は見たくないとこぼしていたくらいです。  ……にもかかわらず、国産鶏のローストチキン2480円だけが帰るまで売れ残り続けていたのが印象に残っています。一品ものの惣菜にあるまじき値段だよなぁ、2480円。 >梅雨のこと  ……確かに、ニューヨークに梅雨があるのは違和感です。納得しました。  深く考えたわけでもありません。  曇っていて不愉快な天気、と考えた際に梅雨しか思い浮かばなかっただけです。  梅雨の理屈に関しては、ネットで調べられるようなら明日にでも調べてみます。無理なら休日を待ってということになってしまいますが、たぶんあるんじゃないかなと。  皆さんどうもありがとうございます。 >名無し君2号さん > クッキーを手に詰め所に行った。そこで衛兵のふたりが、内容まではわからないけど、自分のことを話している。そこで「私がどうかしましたか」と訊こうとする。 > > 果たして、『純白のドレスがよく似合う表情』で問いかけるものだろうか。 > > すこし訝しげな表情になってるのではないか。 > 疑問が浮かんでいるのではないだろうか。 > 訝しげな表情を浮かべているはずが、なぜか笑顔の描写。だから頭のなかにその文が入ってこない。スルー。  うーん。なるほど。  ちょっと気になったことがあるくらいで笑顔を絶やすような人物ではない……というのが頭の中のイメージにあったみたいです。  説明不足がまた一つ。  いぶかしげな表情を浮かべているとか、そういう可能性を先に排除するようなことを書いておけばよかった、のかな。 > んー、どうでしょうね。笑顔の描写課題じゃないから、べつに書いてもよさそうな気はしないでもないです。 > 美人の描写で『美人』と書いたら、そりゃちょっと問題ありでしょうけども。  ダメじゃないかなと……思うのですがうまく説明できません。  笑顔には色々あって、たとえば冷たい感じの美少女と優しい美少女と嫌味な美少女では笑い方の雰囲気が違うと思うのです。  笑っている美人を書くなら、笑顔の一単語ではなくそれぞれに似合う笑顔がどんなものかちゃんと書かないといけないのではないでしょうか。  うーん。 >No.97「眼球」(2000文字) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  どこか遠くで聞こえる悲鳴。なにかうわごとのような言葉混じり。そんな音楽をバ ックに、血にまみれた生命的な白、少しくすんだ卵の白身が、いくつかの管と一緒に 引き抜かれていった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここのところ。  二行目の『卵の白身』のところでちょっと引っかかりました。  目玉は確かに半透明なものなのでしょう。しかし、普段ちゃんと目にはまっていて白いものしか見えないので、卵の白身の半透明とは明度がかなり違うような印象があります。  本物の取り出した眼球は、卵の白身くらい半透明なのかもしれませんが……。 >弟切千隼さん  私の保証じゃあんまり意味がないかもしれませんけれど。  特に違和感なく読めました。 >書いたもの  昨日書いた分と今日書いた分です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=723&e=res&lp=550&st=0  ええ、十五時間労働の後、一応根性で……というかむしろやけっぱちで一本書いてはみたのです。  しかし、書き込みに来るところまで根性が続きませんでした。  1000字課題のところに上げてよかったのかな。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- レスのみ No.7382 投稿日 2003年12月26日(金)06時02分 投稿者 名無し君2号 >青葉さん >No.97「眼球」(2000文字) >>>>どこか遠くで聞こえる悲鳴。なにかうわごとのような言葉混じり。そんな音楽をバ ックに、血にまみれた生命的な白、少しくすんだ卵の白身が、いくつかの管と一緒に 引き抜かれていった。 >>二行目の『卵の白身』のところでちょっと引っかかりました。 >>目玉は確かに半透明なものなのでしょう。しかし、普段ちゃんと目にはまっていて白いものしか見えないので、卵の白身の半透明とは明度がかなり違うような印象があります。  あ、失礼しました。  いや、ここでの『卵の白身』は、ゆでたまごとか目玉焼きとか、調理済みの白身の白さです。言葉が足りなかったです。  一応、グロ系の画像があるサイトを見たりなんだりで、眼球が半透明じゃないことはわかってました。白いんです。そしてたまに黄色がかってたりもします。ああ、気持ち悪い。 >笑顔について >>笑顔には色々あって、たとえば冷たい感じの美少女と優しい美少女と嫌味な美少女では笑い方の雰囲気が違うと思うのです。  『冷たい感じの美少女』とそれまでにしっかりと描写していれば、『○○は笑った』でもその笑顔は浮かんでくる――のではないか。  とか言ってみる。  『冷たい笑顔』とか『優しい笑顔』とか『難しい笑顔』とか『山奥にひっそりと咲く百合のような清楚な笑顔』とかとか。  『笑顔』がついたほうが書きやすいんじゃないかしら。  笑顔を分解するのは難しいと思う。不可能じゃないにしても。  頑張ってください、青葉さん。 >No.1「クリスマスは一緒に」(1280文字) >名前 >>クリスマスイブが終わる頃。僕は菅原涼と一緒に、住宅街の小さな公園にいた。  『菅原涼』は女の子の名前に読めなかったです。まあ、二行目で女の子は確定するんですけど、あれ? なんだ? と前の行を見なおしたりしました。 >説明文 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イブの夜に女の子と二人きり。普通だったら喜ぶべき状況なんだろうけど、相手がこい つじゃ嬉しくもなんともない。ベンチにへたりこんでいたらなおさらだ。  なにしろ、終業式が終わってから、つい一時間ほど前まで。僕は彼女につきあわされ て、表通りのケーキ屋でまん丸なスポンジケーキと格闘する羽目になっていたんだから。  かきいれ時の店は、当然だけども忙しかった。自慢じゃないけど僕は――情けないこと に女の子である菅原涼よりも――体力がない。仕事の後、心臓は早鐘を打つどころか速射 砲みたいな音を立てていたし、歩くごとに足首のあたりにはにぶい痛みが走っていた。  夕方頃、店の人が心配して休めと言ってくれたとき、妙な意地を張らなきゃよかった。  僕はバイトする理由なんて特にないんだ。そりゃ、裕福なわけじゃないけども。なのに、 いつも菅原涼につきあわされて、無駄に苦労する羽目になる。  簡単な仕事だからさ、ジュースおごってあげるから手伝って。その一言で丸一日重労働 させられたことが、彼女と出会ってからの半年で何度あったことやら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここまで全部説明文。文章の半分近くが説明文。  時間の流れがない=説明文と考えてもらえばいいです。  ここ分室では、『5行以上説明文が続くと、読者の目が離れちゃうよの法則』があったりします。  なるべく説明文は5行以上続けないようにしたほうがいいんじゃないかと。  たとえば、『体力がない』ことは、ベンチに座っているときの主人公の足の痛みとか、倦怠感とかで描写できますよね。  だから途中でセリフなり行動なりで『時間を動かして』、それからまた説明文を書くとか――。  そもそも説明しないで描写するとか――。  そのあたりは青葉さんにおまかせですが。 >No.2「勝負」(2000文字)  こちらも説明文が多いっスね。  こういった、新しいジャンルの競技を書くには、ある程度の説明は不可欠でしょうが……。ちなみに私、カードの説明はほとんど読み飛ばしてます。失礼。  ここで重要なことはどれでしょう。  いま主人公が悩んでいること、それに関する説明はどれなんでしょう。それを必要最低限にしてみるとか。  ――ああ、このあたりはうまく説明できません。力量及ばず。  他の方の指摘に期待してみてください。 >弟切さん >メイド書き直し  問題はないと思います。セリフ以外は。 >> 野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して声を上げた。 >>「まあきれい。いつもながら、お見事」  これは私の感覚でしかないのかもしれませんが、「まあきれい」なんていうだろうか、という疑問が少々。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  野々宮桐子は、自宅のダイニングを見渡して、満足げにうなずいた。 「うん、きれいになってる。いつもながら、いい仕事するわ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じならどうでしょうか。  仕事後に、一緒にケーキを食べるくらいに親しくなってるわけですよね。主人公の性格にもよるでしょうが、だいたい3〜5回くらいは利用しているんでしょうか。  それで「まあきれい」なんて驚くのか。  もうきれいになるのはわかってるはずだし、それがどれほどのレベルなのかも予想済みのはず。声は上げないんじゃないかと思いますが。  んー。  といいますか、おおげさな驚きぶりが、どうもおばちゃんくさいんですよね。  主人公はたぶん、20代後半から30代の頭くらいだと思うんですけども。  主観というのを考えているところ。ちっともわからないけども。レスには3時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7383 投稿日 2003年12月26日(金)14時18分 投稿者 新木 伸  この分室は「トレーニング・ジム」であるという話。  それと「プロを目指す」ということの話。  「小説賞に応募した」と聞いただけで、僕なんかは、「プロを目指しているのだな」と、そう判断するわけです。  このへん、僕が長いことかけて学んできたことなのだけど……。  小説賞に応募してはいても、僕が思うところの意味で「プロを目指している」わけでない人もいるのですね。(ていうか応募経験者が100人いたら、そのうちの99人まではそう。ひやかしなのだか、なんなのか、わかりませんが)  ボクシングなんかには、「プロテスト」っていうものがありますよね。野球などでもプロテストというものがあります。  「小説賞に応募した」と聞くと、僕が思うのは、「ああプロテスト行って来たのね」ということなわけです。  ――で、落ちてきたと。  このまま自分でトレーニングしていたのではダメだと思い、どこか、練習のできる場所を――と探して、このジムの戸を叩きにきたわけですね。  ここにやってきた人には、なにか他に思惑があるのかもしれませんが……。  僕としては、上記のようなつもりで受け取りますので。他に思惑があったとしても、たぶん、僕には理解できないでしょうし。  ここの戸を叩いた人は、そのつもりでいてください。 >確率論とか、統計学とか  115万人のうちの6000人というサンプル数の中で出てきた結果が、どれだけ全体との相関率を持っているかということは、数学によって出てくるはずだけど。  高校レベルの数学じゃないかな?  わし高専中退なもんで、修めきってないからよくわからんけど。  サンプル数を充分に取らないと偏りが出てきてしまうもの。  サイコロを1回しか振らなかったら、「サイコロというのは絶対に6が出るものである」とか言えてしまう。  またサイコロを数回しか振らなかったら、「1の目がいちばん多く出るもの」とか言えてしまう。  データの偏りがなくなって、統計的な意味を持ってくるためには、必要なサンプル数というのがあって……。  115万人の中の6000人っていうのは、充分なのかな。どうなのかな。  詳しいひと、よろしく〜。 >No.96 題名:姉弟喧嘩 >>祐は堀に手をかけ、ぐっと体を持ちあげた。顔だけを堀の上に出し、視線を左右に走らせる。  僕のリライトのほうでも、「塀」となるべき部分が、「堀」となってるね。  なんでこんな間違いをしてしまったのか、書いているときの状況を思い出してみると……。  この「堀」のところ、自分で書いていなかったことが原因だった。  2号の書き込みからカットアンドペーストしてきて、それを修正していたもので、「堀」とあったものをそのまま使ってしまっていたもよう。  しかしわからないのが、2号のミスの原因。  この「堀」という漢字を出すためには、IMEで「ほり」と入力して変換しなきゃならないはず。「へい」と「ほり」は間違いようがないような気がする。  執筆途中で、家の周囲にありそうな物として、「ほり」と「へい」と両方書いていて……。そこから「へい」のほうを残すつもりで、「ほり」のほうを残してしまったのかな?  まあそれはさておき。  5W1Hがどうとか、なにかへんな理解をしてしまったようだが。  直した理由はぜんぜん違う。 (2号版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  塀に手をかけ、ぐっと祐は体を上げる。堀の上から顔だけを出し、視線を素速く左右に走らせた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この2号版では、文頭に来る語句が「塀」になっているよね。  まずいちばん初めに読者の頭に現れる映像は、「塀」なわけだ。  つまりカメラの映しているのは「塀」なのだ。  塀に人物が寄ってきて、その体がフレームの中に現れてくる。塀の上に出た顔が左右を見る。――そんな流れになっている。 (新木版) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祐は堀に手をかけ、ぐっと体を持ちあげた。顔だけを堀の上に出し、視線を左右に走らせる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こちらではカメラはずっと「人物」を追いかけている。  人物が塀に近づき、手を掛けて、体を塀のうえに上げる。そして顔を出して、左右を見る。――そういう流れ。  同じシーンであるのに、映しているものがまるで違う。  これは演出が違うという。  2号のほうの「塀」を中心に据えた演出は、家に泥棒が侵入してくるようなときに使うもの。  家から脱走しようという人物を描くのであれば、人物中心になっていなければおかしい。  そもそも2号は、そんなところまで計算して演出を決めたわけじゃないだろう。  文頭が「祐」ではなく「塀」になってしまっているのも、塀にカメラを据える狙いがあったわけではなく、ただ単に、たまたまそうなってしまっただけなのだろうが……。  まあ僕もリライトするときに、計算して直したわけじゃないが。  ぱっと見て、少年が逃げ出すシーンなのに、塀に焦点を当てるのはおかしいだろうと、違和感が生じたわけね。  違和感が出ないように語順を並び替えてみると、こうして、人物に焦点が当たるような並び順になるわけだ。  どうしてそうなるのか、理詰めで考えてゆくと――。  このシーンは厳しい修行から逃げ出す少年のシーンである。したがって人物中心のカメラワークにしなければならない。  ――という理由が出てくるわけだけど。 >姉と対峙するシーン  姉への恐怖と、主人公の武道の経験。  このシーンで描かなきゃならないことは、この二つ。  なのに2号のものでは、ぜんぜんなっちゃいない。  僕が書いたのは、「武道の経験を持つ人間が、恐怖を感じる相手と対峙したときの反応」――というもの。  僕が書いたもののほかにも、いろいろな反応パターンがあるだろう。そのどれでもいいから描いて見せろっての。  僕の書いたように、とっさに構えが出てしまうという反応パターンでもいいし。  自分の体の反応を懸命に抑えて平静を装おうとしている様でもいいし。  ここで僕の言っているのは、「どう書くか」という話。  しかし2号の話を聞いてみると、「どう書くか」ということの前段階から、すでにダメダメだということがわかる。  「なにを書くか」というところで、つまずいてしまっている。  「武道に通じた人間が恐怖したとき反応」を書かねばならないということに、思い至っていないというのだから……。  とほほ、だな。  そもそも、ここでなにを書こうとしていたのよ?  なにか文を書こうとするからには、その目的と存在意義とがあるわけじゃん?  姉に声を掛けられて振り返るくだりでは、いったい、「なに」を書くつもりでいたわけ? >No.97 >>「すごいよなあ。金髪、ピアス、入れ墨、おまけにハッパまで売っちゃうわけだ。お まえら、ホントかっこいいよ」 >> ヤクザの事務所のなかに、若頭と名のる男の声が、やけに明るくひびいた。  はじめの台詞が、長すぎ。若頭にぺらぺらと喋らせすぎ。せっかくの恐さを、自分で薄めてる。  あとヤクザの事務所の様子をすこしは書けっての。三文ドラマの描写並でいいからさ。  「恐さ」を「目玉をえぐり出す」なんかで描こうというのが、そもそも安っぽいのだ。  想像できる「痛み」に落としちゃった時点で、「恐さ」は恐さでなくなるだろうに。  「恐い」を書きたいのか、それとも「痛い。グロい」を書きたいのか、どっちなのだ?  手綱の制御がきかず、ズレていってしまっただけなのか?  とりあえず、リライト。  恐さテイストだけ残して全面リライト。  やっぱり、アレだなぁ。  ちょーっと普通でないシーンを書こうとすると、すぐ破綻するのだなぁ。2号は。  ここでは「恐さ」という、普通ではないものを描こうとしたわけね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「金髪。ピアス。入れ墨。ハッパまで売るか」  目の細い男が、健二の肩に手を置いて、感情のない声でそう言った。  手を置かれたのが自分でないことに――高志はひどく安堵していた。 「格好、いいよな」  男が、言う。  肩を掴まれた健二は、びくりと震えた。それでもまだふてぶてしさの残る顔で、男を見返している。固く強ばりきった高志の心にも、自分たちのリーダーを賞賛する気持ちが、すこしだけ湧いてくる。  男は若頭と名乗った。  高志たちが仲間と共に連れ込まれたのは、ヤクザの事務所だった。  その場所は、映画やドラマで見ていたものより、ずっと殺風景なものだった。「仁」と書かれた掛け軸と、神棚と――あと壁にかかった日本刀とが、そこが普通のオフィスではないことを知らせてくる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○弟切 >「メイド」部分書き直し  指摘されたところはだいぶクリアされてきているのだが……。  リライトしちゃったほうがいいのかなぁ。それともまだ自力でやっていたほうがいいのかなぁ。  とりあえず、まだ不充分な部分の指摘。 ・主人公が外から帰宅してきたばかり、ということがわからない。 ・「床が光っているのだ」ということがわからない。「フローリング=床」とは直結しない。フローリングの床の上を歩いたことのない読者がいることを忘れないように。 ・洗濯籠の中はかつては一杯だった、ということが欠落している。  あと「五月の終わりの」――って部分は、やっぱ余計だわな。必要ない。 ○青葉さん >梅雨時のニューヨーク  「梅雨時のニューヨーク」と聞けば、「どこの世界の話だよ、そりゃ?」と違和感を覚えるわけです。それが普通の感覚。  同じように、「梅雨時のファンタジー世界」なんていうものを見せられると、「どこの世界だよ、そりゃ?」と、読者は一発でシラけちゃうわけですね。 >No.1「クリスマスは一緒に」(1280文字)  2号が指摘してますが、冒頭に長々とある説明文のところ。すべて不要です。  後半では会話も動作も始まっているのに、前半ではこうした余計なものを書いてしまうのは、シチュエーションに入りこめないので、ウォーミングアップしようとする心の働きでもあるせいかな?  シーン全体をよく考えないで、見通しを立てないまま、書き始めちゃっているでしょう?  これから何が起きるのか。いま主人公がどんな状態にあるのか。そのへんを書きながら考えようとすると、まあ、こうしたものになってしまうわけです。読者にとって読まされても嬉しくもなんともない「主人公のいま置かれている状況の説明」なんてものが、山ほど書かれることになる。  この「説明」によると、いま主人公は、ハードなバイトに長いこと付き合わされて、くたくたになっているわけですね。そういう状況に置かれているわけでして。  ――なら、主人公がくたくたになっているところから書き始めましょう。  で、あと大きな問題点がひとつ。  描きたいものは「素直じゃない主人公」ということなのに、これを読んでも、そのあたりがぜんぜん伝わってきません。  「いい感じの二人」――ってところでしょうか。いまのこれだと。  読者は説明を求めてはいなくて、「素直じゃない言動」というものを見たいわけです。  二人きりで嬉しいけど、素直になれない男の子というのは、どんな言動をするものですか?  それを考えだして、実際にシーンとして書けばいいわけです。 >No.2「勝負」(2000文字)  TCCのルールの説明文なんて、TCCに興味がない人は、目に入ってきただけで読み捨てしますよ。  それに「勝負の緊張感」を書くために、ルールの説明は必要なのかなぁ。  緊張感を描くために必要なのは、緊張している人間の言動であって、ルールの説明ではないはず。  「麻雀漫画」というジャンルが存在します。麻雀のルールを知らなくたって、あの「勝負の緊迫感」というのは伝わってくるわけです。  週間少年マガジンの読者のどれだけが、麻雀のルールを知っているのか? 子供が読む雑誌ですから、おそらく90%ぐらいの読者はルールを知らないはず。しかしあの雑誌の麻雀漫画は、マガジンの人気連載になっています。 >青葉さんの場合  で、青葉さんの場合は、そもそもなにをやりたいのか――。  過去ログを読んで、昔の自己紹介のあたりを見て確認してきました。  目標はプロ作家というわけですね。  まず、青葉さん自身の自己分析を聞いてみましょう。  自分に(いちばん)足りないものはなんであるのか。なんのトレーニングから始めるべきなのか。  あとどんなものを書きたいのか。そのあたりも。  で、とりあえず方針が固まるまでは、書くことを日課にする狙いも含めて、このような1000〜2000字のものを、日常的に書き続けるように。  なんか指摘されたことの直しにトライしてもいいし、指摘されたものを放置して、まったく新しいものを書いてみてもいいし。 -------------------------------------------------------------------------------- 返信遅れてすいません No.7384 投稿日 2003年12月26日(金)21時22分 投稿者 江崎 芹  親戚のところに三日ほど滞在することになって、レスがおくれました。  > 鷹見さん  >怒りというよりも、恐怖だった。  あうー、やはり鷹見さんのタブーを踏んでいたか。いろんな事を真実をたくさん知っている鷹見さんには、自分の行いは浅ましすぎたのは反省しています。申し訳ありません。  しかし、ちょっとまた怒りに触れてしまうかもしれないけど。自分ごろの年代の考えを述べさせていただきます。  思いつきでこんな重いネタを軽々つかってしまった。これはプロの方々には有るまじき行為でしょう。僕ももう二度とこんなことはしません。  僕は障害者などに対する考えがとても甘い。というより、知らない。テレビなどのドキュメンタリーなどで障害に対する番組はあります。だけど、それじゃあいまいちピンとはこない。  生で見て体で感じなかったぶん、僕は障害者に対する認識が甘いのだと思う。しかし、これは所詮いいわけ。根本的な非は自分にあります。  鷹見さんが「恐怖をおぼえた」と言われたとき、ああなるほど、うんそうだよなという思いを感じましたが、片隅のほうで「そこまでいくのか」と疑問も感じました。これはたぶん自分だけじゃないと思う。  現代は平和すぎます。僕もその湯船にどっぷりつかっています。小説家になるには、まずこの湯船から出て、広い世界を見渡さないといけない。今回の鷹見さんの返事でそんなことを思いました。  > ネット環境があるなら調べることは可能なはずだ。  調べて、知識を得て、せめて思いついた「アイデア君」に「ひのきの棒」くらいは持たせてやれよ。  そうですね、さすがに調べる努力をいれないで、小説は書けませんね。いい加減、素手(手抜き)から脱してひのきの棒(最低限の知識)ぐらい装備しないと魔王(小説家)は倒せない(になれない)ですね。  > 君が今までレベル1、素手、裸で放り込んで殺してきた「アイデア君」にそろそろ申し訳ないと思った方がいいかもしれないな。  たくさん殺してきました。しかし、無駄だとは思っていません、アイデアを素手に変えた分、腕力はついたつもりですから。素手的アイデアも、ちゃんと役に立ってるはずです。  >新木さん  >――で、江崎さんに言えることは、もうちょっと真剣に小説に向き合わないと、なにを書いても一次落ちで門前払いになりますよ。    そうですね。今までは自分なりに秀作なものが書ければそれでよかった、それで新人賞に受賞すれば一石二鳥な考えで書いていました。ようするに「趣味」レベルで書いていました。    >「四の五の言わずに、とっととやれ」ということ。  もちろんやります。しかし、あの日はほんとに時間がなかったから先おくりしたんです。これは問題なんでしょうか?  生活が小説一本じゃないんです。ただの学生ですが、それなりにやることもあります。プロでもないのに他のことをほったらかしにして小説に時間をそそぐなんて無謀なことは僕はできません。そこまで強制される気はありません。  それでプロになれなければ、自分はそこまでだったのだと思います。しかし、やるだけのことはやるために今はがんばっているつもりです。  >読み捨てポイント(個人的に)  ・5W1Hが確立されていない。  ・キャラが嫌い  ・キャラが動いていない。  ・数行読み進めても、描写が一つもない。  ・説明文だらけ  ・ネタの使い方がおかしい。  ・視点がわからない  ・セリフがおかしい  ・擬音がやたらに多い  ・展開が遅い。  ・記号が多い。  とりあえずこんなところだと思います。でもまだあるんだろうな……。  >映画のあらすじ      夏に映画館でみた「ザ・コア」にしてみました。キャラの名前を主人公以外忘れてしまって、かなり困りました。  あまり深い内容じゃないものだったので、400字でまとめてみましたが、なんだかやっぱだめっぽい。あらすじはほんと、書いててピンとこない。 あらすじリンク http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=724&e=res&lp=719&st=  > しかしプロを出そうと思ったら、「教えてもらおう」なんてスタンスの人は、ふるいにかけて除外しとかないと。  なるほど、確かに最終的に一人でがんばらねばならないプロに、教えてもらうというスタンスはご法度ですね。また甘い発言がでてしまいました、すいません(汗)    >宿題追加。  「ラブストーリー」とはなにかということを、説明してみること。  ラブストーリー  男女が愛を育んでいくお話  こうだと思います。   -------------------------------------------------------------------------------- ひさしぶりに書き込んでみんとす No.7385 投稿日 2003年12月26日(金)23時08分 投稿者 三枝零一  お久しぶりです。三枝です&初めましての皆さん、どうぞよろしくお願いします。  プロットが上がったところで、最近の分室の流れ(というか、江崎さんの書き込み)について思ったことなどつらつら(ちなみに、江崎さんは7383の新木さんの書き込みの後にもレスをつけていますので、『プロ養成ジム』というこの掲示板の趣旨を理解した物として書かせていただきます)。 >無痛覚症の話について  どうも江崎さんには鷹見さんと新木さんの言ってることがよく分かってないっぽいです。  たぶんお二人とも、「これはプロの方々には有るまじき行為」とかそんなことは思ってないはず。いや、思ってるのかも知れないけど、それは江崎さんが考えているのとはかなり違う理由のはずです。  僕も一応プロの端くれですが、現代物で『無痛覚症』をネタに使うことになったら徹底的に下調べをしてから使います。なぜなら、 『そんなヘビーなネタ、普通のレベルの下調べして使っても失敗するに決まってるから』 です。  鷹見さんからレスをもらった江崎さんは、「思いつきでこんな重いネタを軽々つかってしまった」と書いています。これがまさに、『無痛覚症』を扱った小説に対する読者の目です。  この世に実在して、それで苦しんでいる人がいるわけですから、下調べもせずに適当なことを書いたら読者の中に嘘に気づく人が出てきます(今回の場合、あまりにも嘘ばっかりだったので速効で気づかれてしまったわけですが)。  物が『病気』でおまけに『差別』されているわけですから、もちろん読んで怒る人も出てきます。それなりに下調べしてあっても、ほんのわずかな事実の食い違いがあれば怒る人は怒ります。だから、『無痛覚症』をネタに使うのならそれなりに準備が必要で、準備をするからにはそれに見合うだけの『効果』が得られないと労力が無駄になります。   身もふたもない言い方をしてしまえば『たかだか色恋話でヒロインにハンデ負わせるだけなら、そんなややこしいモノ持ってこなくてもいい』わけです。  話のネタを探すときは、とりあえず自分の力で扱える(自分がよく知っている)物を持ってきましょう。どうしてもややこしい物が使いたければ、徹底的に調査して『無痛覚症について手っ取り早く知りたい方はこの小説を読んでください』と言われるぐらいの物を書きましょう。  というわけで、 >現代は平和すぎます。僕もその湯船にどっぷりつかっています。  誰もそんな話はしてないので、ネタを思いついたらとりあえずGoogleぐらい回しましょう。  >小説と真剣に向き合うとか向き合わないとか  江崎さんがこれから小説を書き続けたとして、何らかの賞を取って、プロになったとします。  すると江崎さんはプロの世界の人になるわけですが、その世界にいる人たちの半分ぐらい(推定)は、「なんとなく趣味で書いた物がすでに金を取って売れるレベルの物だった」人たちです。江崎さんが「今までは自分なりに秀作なものが書ければそれでよかった」と書いた、その『秀作』がすでにプロとアマチュアの壁を越えていた人たちです。  こういう人たちがアマチュア時代に『小説と真剣に向き合っていたか』というと、これはかなり微妙な問題になります。もちろんみんな睡眠時間を削ったり休みの日をつぶしたり、江崎さん流で言うところの「プロでもないのに他のことをほったらかしにして小説に時間をそそぐなんて無謀なこと」をやっていたわけですが、それを苦痛に感じていた人は一人もいないはずです。みんな好きでやっていただけ。食べ物を食べないと死ぬように、空気を吸わないと死ぬように、小説を書かないと死ぬから書いていただけです。  上に書いた「ネタの下調べ」についても、 こういう人は誰に言われるでもなく当たり前のようにやっています。理由もなにもありません。江崎さんに「ネタを下調べしてから使う」という発想がなかったように、この人たちには「ネタを下調べしないで小説を書く」という発想がないだけです。「新人賞の取り方」などの指南書に「技術はあとからついてくるが、情熱はそうはいかない」などと書いてありますが、情熱というのはまさにこういうことだと思います(もちろん、実践している本人はそれが情熱だと思っていないわけです)。  というわけで。  小説と真剣に向き合うとか向き合わないとかどうでもいいですから、新人賞に送るんなら最低限、生活ぐらい削ってください。別に奥さんと子供がいるわけでもないんだし(いるならいるで、まあ奥さんには涙をのんでもらうしかないわけですが)。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前考 No.7386 投稿日 2003年12月26日(金)23時27分 投稿者 弟切 千隼  No.7379の2号さんの書きこみを読んで、弟切も「二〇〇三年生まれの子供の名前」のニュースを読んだことを思い出しました。  女の子の一位が「陽菜」と知って、「えーっ!? こんな名前、かなり変則的じゃないの?」と、ずいぶん驚いたものです。  同時に、「少女漫画にありそうな名前だな」とも感じました。探してみたところ、やはりありました。  椎名あゆみさんが『りぼん』に連載していた『ペンギン☆ブラザーズ』です。ヒロインの氏名が三嶋陽菜[みしま ひな]です。  『ペンギン☆ブラザーズ』は、連載が終わっているのに、いまだに人気が高いようですね。ヒロイン陽菜も読者さまの好感度が高いようです。  けれども、この作品のために女の子の名前一位が「陽菜」になったわけではないでしょう。作者の椎名あゆみさんが、時代の雰囲気をよく捉えていたのだと思います。  椎名さんの別の作品『ダイス』には、望月美咲[もちづき みさき]というヒロインが登場します。美咲という名も、女の子の名前五位に入っていましたね。  人々−特に女の子たち−に夢を与える少女漫画家として、椎名さんの感性が優れているのでしょう。  『ペンギン☆ブラザーズ』などの少女漫画を見て、改めて思ったのが、「少女漫画には難読人名や珍名が多い」ということです。  例えば、『ペンギン☆ブラザーズ』の登場人物の中には、一色宵威、西崎快人などという人名があります。どちらも男性名です。  西崎快人のほうは、なんとか[にしざき かいと]と読めるかも知れません。しかし、一色宵威のほうは、まず間違いなく読めません。どこまでが名字なのかもわかりませんよね(^^; 読みは[いっしき しょうい]だそうです。  普通の小説で一色宵威などという人名を出したら、それだけで読み捨てられそうですね。でも、少女漫画では、それが許されます。  おそらく、少女漫画は、普通の小説よりも「夢を売る」という要素が強いからでしょう。現実味があることよりも、現実にはない格好良さのほうが重視されるのだと思います。  要するに、対象とする読者層や公表する媒体を考えて、名前を付けなければいけない、ということでしょう。普通の小説では読者さまを遠ざける難読人名が、少女漫画では逆に魅力になり得るのですから。  余談ながら、男の子の名前の八位に入っている蓮[れん]は、男性名としてはすこぶる特殊だと感じました。  「蓮」は、あの美しい花が咲くハスのことです。どう考えても、男性名に付けたくなる字ではありません。人気のあるドラマや小説や漫画に、この名の人物が登場したのでしょうか?  まさか、『シャーマンキング』に登場する道蓮[どう れん]くんから取ったのではないでしょうねえ。個人的には、波津彬子[はつ あきこ]さんの漫画『雨柳堂夢咄[うりゅうどうゆめばなし]』に登場する蓮くんが好きですが(笑) >「メイド」部分書き直し  No.7382にて、2号さんより、「桐子の台詞がおばちゃんくさい」という御指摘を受けました(^^;  これは弟切のミスですね。  弟切の設定では、桐子と柚香に十歳くらい年齢差があることになっています。桐子が三十歳前後で、柚香が二十歳前後です。二人に年齢差があることを強調するために、桐子の台詞を少しおばさんっぽくしてみました。  しかし、桐子は格好いいキャリアウーマンのはずです。柚香より年上であることを示すのはよいとしても、「おばちゃんくさく」なってはいけませんね。  修正します。  No.7383で、新木さんにも「メイド」部分書き直しの御指摘を受けました↓ >>・主人公が外から帰宅してきたばかり、ということがわからない。 >>・「床が光っているのだ」ということがわからない。「フローリング=床」とは直結しない。フローリングの床の上を歩いたことのない読者がいることを忘れないように。 >>・洗濯籠の中はかつては一杯だった、ということが欠落している。 >> あと「五月の終わりの」――って部分は、やっぱ余計だわな。必要ない。  不備な部分がぼろぼろ出てきます(^^;; 精進あるのみです。何度でも書き直します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  野々宮桐子が自宅の扉を開けると、ダイニングの光景が目に飛び込んだ。 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  フローリングの床がぴかぴかだった。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  床には洗濯籠が置かれていた。中は空っぽだ。籠に山盛りだった汚れ物は、跡形もない。  あの汚れ物はどうなった? 桐子が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。 「お帰りなさい」  明るい声に桐子は振り向いた。レモン色のエプロンを着た女性が立っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今回はこんなところです。皆さんの御指摘をお待ちします。 -------------------------------------------------------------------------------- 統計のこと No.7387 投稿日 2003年12月26日(金)23時52分 投稿者 青葉桂都  こんにちは、青葉桂都です。  大学の社会学の講義で一度、社会調査をやったので、その際のプリントを引っぱり出してみました。  それによると、全国規模の調査でも一般的なサンプル数は2000から3000が定着していると書かれています。  ちなみに、2002年度、つまりは去年の授業で配布されたプリントです。  ただ、サンプルが偏っていると、どれだけ多数のサンプルを揃えても精度は当てにならないみたいです。  アメリカの大統領選の予測で、200万のサンプルを揃えた会社の予測が外れて、3000のサンプルから推定した会社の予測が的中した、という例も書かれていました。  選択だったため、かなり適当にやっていたのでちゃんとした知識ではないのですが……。  授業で配布するプリントに完全な嘘を書くことはないでしょうから、参考程度にはなるのではないかと考えています。  それでは、また後ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 帰省ラッシュ始まる No.7388 投稿日 2003年12月27日(土)21時13分 投稿者 弟切 千隼  大企業やお役所は、今日から年末年始休暇というところが多いようですね。交通機関は、どこも帰省客で混雑しているそうです。  弟切は大企業勤務でもお役所勤務でもありませんので、まだ仕事があります。 青葉さんへ >  No.7387の書きこみにあった以下の文は、大学に行っていない人には意味が通じません。 >> 選択だったため、かなり適当にやっていたのでちゃんとした知識ではないのですが……。  大学生同士の会話なら、上記のような表現はありがちです。まったく普通に通じるでしょう。弟切も四年制大学を卒業していますので、意味はわかりました。  けれども、世の中には大学に行ったことのない人も大勢います。どちらかといえば、そちらのほうが多数派です。世の中の多くの人々を置いてけぼりにしてはいけませんね。  大学に行っていない人にも意味が通じるよう、上記の文を書き直すことをお勧めします。  このような掲示板の書きこみでも、文章力を養う練習ができます。練習のために、ぜひ書き直して下さい。  そもそも普通に意味が通じる文章が書けなくては、小説など書けませんものね。  とはいえ、大学生活にどっぷり浸かっている人には、どこがどう通じないのかわからないかも知れませんね。ちょっとだけ、お手伝いをしておきましょう。  上記の文は、大学のカリキュラムに関する知識がないと、理解できません。  これを踏まえれば、誰にでもわかりやすく書き直すことができるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- カリ城 No.7389 投稿日 2003年12月28日(日)18時18分 投稿者 名無し君2号  置き忘れていたカリオストロの城のテーマについて、つらつらと考えてみる。  結論。  テーマは『目に見えることだけが真実ではない』。  説明。  この物語には、ゴート札とか水没遺跡とか、まあいろんな要素があるけれど、それらには表の顔と、裏の顔があったりする。  ゴート札。  ルパンはこの偽札をカジノから盗みだした。カジノの金庫にあったということは、不特定多数のお客さんからまきあげた売上金ということ。  つまりゴート札は一般に流通していた。偽札なのに、本物と見分けがつかない。一見本物だが、じつは偽物。  カリオストロ公国。  めぼしい観光資源もない、田舎の国。  その裏の顔は、偽札造りの本拠地。  のどかにまわる風車を動力に、地下で稼働しつづけるゴート札の製版所。  伯爵の城――たしか公爵の城は火事で焼けてしまったはず。これって伯爵の仕業だったのかな?  伯爵の城。一見普通の城。  だけどそこには侵入者を防ぐための仕掛けがあちらこちらに隠され、地下には犠牲者の死体が眠っている。  警察。  カリオストロ公国で偽札を作っていると知りながら、動こうとしないICPOのおえらがた。ICPO、国際刑事警察機構。別名インターポール。  正義の味方の警察。でも悪事を見逃している。  クラリス。  清純を絵に描いたようなヒロインではあるが。  自分の国がなにをやっていたのか、まったく知らなかったのだろうか。すべては知らなくても、公爵家が光、伯爵家が闇をつかさどっていて、伯爵家がいろいろとやらかしていることぐらいは知っていたのではなかろうか。  そもそも伯爵家が悪事専門なのは公爵家のためでもあるはず。  公爵家にまったく罪がないのかといえば……どうでしょう。  ウェディングドレスの仮縫いのときに、隙をみてたったひとりで逃げだすんだから、なかなかどうしてたいしたタマだと思うんだけど。  ここまでは、表はきれい、裏は汚いという話。  それとは逆に、表は汚いが、それにはそれなりに理由があるという話もある。  伯爵。  主人公、ルパンと敵対する男。見たとおりの悪人で、やってることも悪いが、彼だってこうなりたくてなったわけではない。  悪事専門、伯爵家。  こんな家に生まれてしまった以上、伯爵がこうなってしまったのはなかばしかたのないことで、彼だけが悪いともいいがたい――と思うけど。  水没遺跡。  古代ローマ帝国の遺跡。  湖のなかに、遺跡が隠されていた――というだけでなく、ここから見えてくるものがいろいろとある。  まず、この遺跡を隠していたのはだれかということ。  カリオストロ公国の先祖である。ふたつの指輪を鍵に、時計台を鍵穴になんて大がかりな仕掛けを作って、わざわざ隠していた。  なぜ隠すのか。大切なものだからだろう。  ここでゴート札の『ゴート』が意味を持ってくる。  ゴートはゴート族のゴートでたぶん間違いないと思う。ゴート族というのはローマ帝国を守ろうとした一族のこと。  遺跡を守っていた理由は正確にはわからない。ローマ帝国を再興しようとしたのか、ただ単に思い出として守りつづけたのか。ともかく、守っていたことに違いはない。  守ると簡単にいうが、守るためにはカリオストロ公国は存在しつづけていなくてはならない。小国である公国が、戦乱の時代を生きぬくのはそれほど簡単なことではなかったはずだ。中世暗黒時代、二度の世界大戦、生き残るためには力がいる。  そのためのゴート札ではなかったのか。  『ゴート』という名前から、かなりの昔から偽札を作っていたことがわかる。製版所の動力は風力、水力だし。  生き残るために、遺跡を守るために、ゴート札を創りださなければならなかった。偽札造りはそりゃ悪いことだが、それには理由がある。  伝承の意味するところ。  遺跡を解放するための鍵、ふたつの指輪。それぞれ公爵家と、伯爵家に伝わっていた。 「ふたつの血がひとつになるとき、宝(遺跡)は解放される」  たしかそんな伝承だったと思う。正確な文面は思いだせないし、検索してもでてこなかったけど。  ふたつの血がひとつになるとき、つまり伯爵家が必要じゃなくなるとき。  伯爵家、闇をつかさどる家がなくなるということは、悪事をおこわなくてもよくなったということだ。  遺跡を守る必要がなくなれば、偽札を作る必要もなくなる。  つまりすべての悪事は遺跡のため。  カリオストロ公国は偽札造りという悪いことをした。  が、それには遺跡を守るという理由があって、その理由がなくなれば――遺跡が解放されれば、もう偽札を作ることもない。  悪いことをするのは、悪いことをするなりの理由があったということ。あやまちを犯してしまった人だって、それには理由があったのかもしれない。  主人公はルパンで、ルパンは泥棒である。  なんで泥棒が主人公なのか?  泥棒というのは一般的に悪人。だけどクラリスを救うのはその悪人。ICPOが見逃している悪と対決するのもその悪人。  主人公の設定自体、テーマである『目に見えることだけが真実ではない』にそったものだと思う。  泥棒だからって悪人じゃないし、警官だからって善人じゃないよ、と。  もしこれで、主人公が刑事とか探偵とか、正義に属する立場じゃすべて台無し。正義の味方が正義をおこなってどうする。主人公は悪人と称される職業じゃなきゃ駄目。  よって、テーマは『目に見えることが真実ではない』――とでましたが。  でもこれ、前に結論づけたテーマとおなじなんだよなあ。またエウレーカ?  ……。  『信念の為に悪名を恐れるな』?  ルパンとかカリオストロの先祖とか見ると、おのれの信念のために悪いことやってるんだけど。でも違うよなあ。一応は子供向けの映画で、そんなテーマで作るかね。  考えているうちに出てきた疑問。  時計台に仕掛けられた罠。  そのおかげで伯爵はプッチンプリンな死に方をしたのだけど、あれだと遺跡の解放者は死亡確定ではないのだろうか。遺跡の解放を望んでいたはずなのに。  カリオストロ公国の行く末。  結果としてゴート札は明るみにでた。  さて、これって国家ぐるみの犯罪なわけだが、その場合、当然ながらカリオストロ公国に、各国から多額の賠償金が請求されることになるだろうと思う。  古代ローマの遺跡という観光資源こそできたが、多額の債務を背負い、返すあてはない。デフォルト(債務不履行)をおこしたアルゼンチンを見るにつけ、あまり幸せな未来が待っているとも思えない。  で、それはクラリスにもかかる不幸だと思うのだが、そこいらへんはルパン、どうするつもりなのだろうか。  さらってやったほうが幸せだったのでは。 >No.96「姉弟喧嘩」(2000文字) >『塀』と『堀』 >>しかしわからないのが、2号のミスの原因。  私にもよくわからない、というのが本当のところです。『へい』と『ほり』じゃ全然違うのに。  辞書を引いた記憶はある……でもそれは『へい』のほうだし。『ほり』なんか引いてないぞ。どうしたんだろうか。私はボケているのか。 >5W1H >>5W1Hがどうとか、なにかへんな理解をしてしまったようだが。 >>直した理由はぜんぜん違う。  ああ、またやらかしましたか。エウレカ病かー。  う……ん。  建物を中心とするか、人物を中心とするか。  ああそうか。つぎに来る場面がなにか、ということですか。  建物から脱走するなら、当然つぎは別の場面だし、だれかが建物に侵入してくるなら、つぎはその建物のなかへと場面が変わるし。 >姉と対峙するシーン >>姉に声を掛けられて振り返るくだりでは、いったい、「なに」を書くつもりでいたわけ?  最初にきたのは『姉への恐怖』。ともかく姉はとても怖ろしいものだとわかるようにしたかったのです。  それで、後の姉が殴りかかってくるところが生きてくるかなと思ったわけですが。 >No.97「眼球」(2000文字) >>はじめの台詞が、長すぎ。若頭にぺらぺらと喋らせすぎ。せっかくの恐さを、自分で薄めてる。  対比のつもりでした。  ちっとも怖くなさそうな相手が、やることはとんでもない――不気味、不可解、理解できない、恐い。そんな感じを狙ったんですけども。 >>あとヤクザの事務所の様子をすこしは書けっての。三文ドラマの描写並でいいからさ。  『ヤクザの事務所』と書けば、三文ドラマの描写並が浮かびませんか……とはサボった言い訳。 >>想像できる「痛み」に落としちゃった時点で、「恐さ」は恐さでなくなるだろうに。  あー。  目の前で目の玉をほじくられた友達がいる。苦しがっている。強がったことを後悔して泣きだしている。  こんどはおれの番かも知れない!  というのは『恐い』じゃないですかねえ。  たとえば、一度指の骨をへし折られた人間が、またもう一本へし折られそう――というなら、それは『怖い』んでしょうけども。  なんというか、ひとつ目を無くすというのは、『怖い』を越えて『恐い』のだと……思うんですが……どうか。  痛みもさることながら、それによって生まれるいろいろな不都合とか、想像しきれない部分があるのではないか。  リライトの分析は次回にします。 >江崎さん  私はべつに怒ってませんが、すこし。 >>鷹見さんが「恐怖をおぼえた」と言われたとき、ああなるほど、うんそうだよなという思いを感じましたが、片隅のほうで「そこまでいくのか」と疑問も感じました。これはたぶん自分だけじゃないと思う。  私はべつに「恐怖をおぼえた」わけじゃありません。  でも、恐怖をおぼえただろう理由はうっすらとわかります。  鷹見さんは「無痛覚症」がどんな症状なのか、それによって本人が受ける不都合をよくわかっているようです。  どれだけ「無痛覚症」が辛いものなのかよくわかっているからこそ、それを簡単に扱うことに「恐怖をおぼえた」のだと思います。  「無痛覚症」は、けっこう漫画に出てくるんですよね。  たいがいは苦痛を感じないからとんでもなくタフで、なかばバケモノとして書かれていたり。たぶん、そのまんまのイメージで今回の話を書いたんだと思いますけども。  でも漫画と現実は違っていたわけで。  放火による火事で家が全焼してしまった人がいるとします。本人以外、一家全員が亡くなってしまいました。全財産を無くしました。不幸のどん底です。  そんな不幸に対して、うわさ話を元に「あれは本人のタバコが原因だよ、ちょっとしたボヤだよ」――そう話す人がいたとします。  その話を、火事の原因や、本人にどれだけの不幸が襲ったのかを知っている人間が聴いたとしたら、さてどう思うのか。  呆れるし、怒るし、ぞっと恐怖するんじゃなかろうか。  この場合、「火事がそんなひどいとは知らなかった」とか、「自分だってほかの人から聞いたんだ」とかいったところで、その評価は変わらないと思います。  まあ、おなじ過ちは二度やらなければいいだけのことですから。  鷹見さんには謝っても、題材にした無痛覚症の人たちにはひとことも謝っていないのは、すこーしだけ気になりますけど。まあいいや。 >あらすじ  読みました。まえのあらすじより全然よくなってると思います。  でも疑問点もいくつか。  これは『いつ』の話なんでしょう。現代なのか、未来なのか。  ジョシュは最後、どうなったんでしょう。死んじゃったのか、助かったのか、消息不明になったのか。  細かい指摘。 >>世界で突然人々が死に、鳥たちが暴徒し  『鳥たちは暴徒と化し』。 >>しかし任務は過酷を極め、メンバーは次々と死んでいた。  『メンバーは次々と死んでいった』。 >弟切さん >>まさか、『シャーマンキング』に登場する道蓮[どう れん]くんから取ったのではないでしょうねえ。  道連[たお れん]だったと思います。我ながら細かいと思いつつ。 >メイド書き直し  フローリング=床と結びつかないということは、フローリングが木の床であることも知らないんじゃなかろうかと思ったり。  木目が鮮やか〜とか、そこまで書けば「フローリング? ああ、あの木の床のことか」と思い当たってくれるのではないでしょうか。 >1000字課題  No.98「死亡遊技」(1600文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=725&e=res&lp=550&st=0  主観のつもりで。というか作者視点な気も。  あとは読者がよくわからないであろう遊技を、最低限の説明でどうにかしてみることにチャレンジ。  レスには5時間くらいですか。それではまた。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7390 投稿日 2003年12月28日(日)21時38分 投稿者 新木 伸 >江崎さん >>「四の五の言わずに、とっととやれ」ということ。 >>あの日はほんとに時間がなかったから先おくりしたんです。これは問題なんでしょうか?  なんか抗議されてますが。  文句を言うまえに、「時間がなかった」ということを、ちゃんと相手(僕)に伝えていたのかということを考えてみましょう。  自分が何を書き(言って)、いま相手がどのように受け取っているのかということを推し量ることは、小説家にとって重要な技術です。  いい機会なんで、分析してみましょう。  僕がなにを見聞きして、どう解釈したのか。  江崎さんのほうは、どんなつもりで、なにを書いて、どこでミスをしてしまったのか。  江崎さん自身は、「あの日は時間がなかった」ということを、もちろん知ってますよね。なにせ自分のことですから。  それに対して、僕が知っていたことは以下の通りです。 ・江崎さんは学生である。 ・理由は「すぐにはちょっとできそうにないので、次回行います。」というもの。  「学生である」ということからわかるのは、「時間がある」ということ。  このへん、学生の人からは反論があがりそうですが……。世間一般的に、学生が「時間がない」と言っても、社会人は誰も同意してはくれません。  で、すぐに取りかからない理由に関して、僕は「難易度が高いので」というふうに読み取りました。  難易度が高いことで尻込みしているというのは、気迫が足りていないということ。よって、気迫=真剣味が足りない、と、そう叱ってみたわけです。  自分が何と何を伝えていて、それをもとに相手はなにを考えていたのか。  考えてみましょう。  自己分析の結果を、よろしく。 >叱られるということ  しかし、叱られ慣れてないのだなぁ。  江崎さんだけではなく、十代〜二十歳前半までの若い子全般。  叱られるということは、自尊心が傷つくということなわけです。普通は、嫌なこと。  誰しも「ヘタレ」とか「アホ」とか、罵られたくはない。自分で自分に価値があると信じていたい。自分が一角の人物であるように、まわりから扱ってもらいたい。  ――そういう希望があるわけです。  しかし小説家になりたいと希望しつつ、小説家になれていない「現実」から鑑みれば、分不相応な自尊心だとわかりそうなものだけど。  「自分なりの秀作」って言葉が、話の中に出てきますが……。  その「自分なりの秀作」というのが、取るに足らないゴミであると、他人に評価されてしまったわけですよね。  応募して、一次落ちだったわけでしょう?  最終まで行って落ちたというなら、まだプライドの持ちようもあるだろうけど……。  でも一次で落ちてしまったわけでしょ? 「話にもならん」と、ポイ捨てされてしまったわけでしょう?  自分が「良い」と思っていたものが、ゴミ扱いされてしまったわけでしょう?  そのことを「現実」と認めた上で、そこからどうするのか、って話を、僕としてはやっているつもりなのですが。  自分の作品を「傑作」として扱ってもらいたいという内心の欲求はおいておいて、「ゴミ」と扱われてしまったところから、なにをするのか、どう行動するのかという話です。  いま自分の立っている場所を確認しないことには、どこに向けて歩き出せばいいのかもわかりません。僕は分室を訪れた人には、たいてい同じことをしています。  自分がどれだけ「へたれ」かということを認識してもらうという、この作業。  ちなみに僕は「教えている」わけではないので、叱りかたについての要望は受けません。  自分の現在の力量を認識してもらうために叱るのだとしても……もっと上手な叱りかたもあるでしょうし、もっと腹の立たない方法とか、もっと上手な叱りかたとか、色々あるでしょう。  しかし前にも言ったとおり、ここは「ジム」であって、「教室」ではないのです。  練習するつもりのある人に、練習する場を提供するための場所。  ジムに来た人間に体力測定を行って、その体力、技術、気迫(「心技体」ともいいますが)、それを読み上げて伝えるだけ。  「真剣味が足りないね」とか「やる気あるの?」とか、そういう言葉で。  そのうち、上達するなり力を付けるなりしてきて、商業水準に照らし合わせても通用するようなモノになれば、そのように言います。  僕や他のプロの人の言葉は、物差しとして、使うように。  叱られたなら、まだ足りないのだ。  褒められたなら、足りているのだ。  ――で、プロを唸らせることができたなら、それは「超えた」ということです。  いままであまりに漠然としていた「プロとして通用するレベル」が、どのあたりにあるのかを探れるだけでも、こういう場には意味があると思うのですが。  どうでしょうか?  自分がサンドバッグ叩いているその脇で、プロがなにかしているわけですよ。同じことを同じように出来るようになれば、自分もプロとしてリングに立てるわけです。 >時間とか  学生には時間があるかないか。そのへんの話は、まあ置いておくとします。  三枝さんが書いてますが、その補足。  いま現在、プロとしてやっている人の中で――。  本人が「苦労した」と感じているかどうかは別として、アマチュア時代に小説に時間を使いまくっていなかった人というのは、存在しません。  江崎さん的に言うところの「他のことをほったらかしにして小説に時間をそそぐ」をしていたわけです。  それを「苦労した」と感じるかどうかは、なにせ感覚的なものですので、本人の主観によるところが大きいのですけど……。  しかし客観的に見て、デビューした人というのは、時間とエネルギーとを小説に傾けていたわけです。  具体的に数値で言うなら、学生で学校があったとしても、一日に8時間だとか。休みの日は全部だとか。  これは書いている実質的な執筆時間だけでなくて、話の構成を考えたり、下調べをしたり、勉強のために他の作品を読んだりすることも、すべて含んでいます。  生活のほとんどを小説のために使う――これって、じつは、プロの生活と変わりないわけですね。  ここでいう「プロ」というのは、なにも小説の「プロ」とは限りません。  サラリーマンだって、ある意味「プロ」なわけです。  江崎さんはまだ学生なのでピンと来ないでしょうが、会社に勤めている人は、会社の仕事に1日のうちの12時間は使っているわけです。朝7時には家を出て、帰宅するのは、残業込みで夜の7時。ほら12時間。  そこらの街角のラーメン屋なんかでも、飲食業を営んでいる人は、1日のうちの16時間ぐらいを仕事に使っていたりします。  つまり、どんな種類であれ、「プロ」であれば、生活のほとんどを自分の仕事に注ぎ込んでいるわけです。それがプロというものです。  小説の場合に戻ります。  三枝さんの言うように、アマチュアのうちから、プロと同じことをやれていた人だけが、プロになっているわけです。  小説のことに1日の大半を注ぎ込むことを「苦痛」と感じない人は、作家というのは「天職」というものです。好きなことだけをやって、食べていけるのですから。  ――で、江崎さんに限らず、ここを訪れる多くの人は、そうではないわけです。  その人にとって、それは単なる「趣味」であって、生活のすべてを注ぎ込むようなものではないわけです。  まずそれは「事実」で「現実」ですので、認識してください。  いま現在、江崎さんは、小説のことに生活のほとんどを振り向けることを「大変」であり、「苦痛」であると感じているわけです。  それがプロになるのに必要なことであるかというと、答えは当然ですが、YESです。  プロになれば生活のすべてが小説のために使われます。プロである間は、一生、ずっと続くことです。アマチュアがプロの技量を身につけようと思えば、プロと同じか、それ以上のことをやる必要があります。  ――で、小説のことをやるのが苦痛である人が、決してプロになれないかというと、そんなこともありません。  この手のことは習慣ですので、小説のことに時間を割くことを「日常」の習慣としてしまえばいいだけのことです。  好きか嫌いかは関係ありません。肝心なのは、「やっているか/いないか」のほうです。  練習が大好きなボクサーもいます。練習が大嫌いなボクサーもいます。  しかし「練習をしないボクサー」というのは、これはいません。  ――で、締めとしては、三枝さんと同じことになりますが。  作家目指すというなら、最低限、生活ぐらい削ってください。  アマチュアで趣味として、ちゃらちゃら書いてるだけならどうでもいいですが。  趣味と同じ取り組みかたでプロになれると思っているなら、それはナンセンスなことなので、いまここですっぱり諦めておいたほうがいいです。  「片手間でやっていて、なれるかも〜」なんて夢を描くこと自体が、時間の無駄です。  もっと他のことで、もっと真剣になれることで、生活のすべてを注ぎこむに足りるほど熱中できる他の「なにか」で、プロを目指したほうがいいでしょう。  夢を夢のままにしておかず、現実にしようとあがく人のために、この場所はあるんです。  適当にちゃらちゃらと書いたものでデビューできるなんて夢を持っている人のために、門を開いているわけではありません。 >課題とか  んで、江崎さんが、気持ちを入れ替えて小説に向かうのだ、という前提で、また宿題を出します。  ちなみに「自分には無理だ」と思ったなら、挨拶もなんにもいりませんので、このまま御沙汰なく消えていただいてかまいません。  ラブストーリーに関して。  「男女が愛を育んでいくお話」というところを、もっと具体的に。  まず「愛」とはなにかということ。  あと「愛を育む」ということに関しても。  愛って、なんですか? どんなものが愛ですか?  またそれを育むというのは、具体的には、どのようにして?  どういう状態から、どういう状態に変わることが、育むということ? その途中にはどんな経過が必要?  なにか、あたりまえのことを訊いていますよね。誰でも漠然とわかっているようなことを訊ねています。  しかし、あたりまえだからこそ、こうして、改めて訊かれると答えられないものです。  ――ですが、作家は、答えられないといけません。それも明確に。  そうでないと、ロクな作品が書き上がりません。  漠然とわかっている――のが、一般読者のレベル。  作家に要求されるレベルは、自分の書こうとしているものを、明確に言えるというレベルです。  あらゆることにおいて、作家は、読者の一段階上を行かねばなりません。  下調べも然り。知識量も然り。キャラの心理の考察も然り。あらゆることにおいて、読者の平均の一段以上は上にいないと、商業作品は書けないわけです。  いま江崎さんがいるのが、「一般読者のレベル」です。  ラブストーリーとはなにか、「愛」とはなにか、なんとなくわかってる〜。  「無痛覚症」というのは聞いたことある。こんな感じの病気〜。  構成にしても、文章にしても、キャラの心理にしても、知識にしても、あらゆる面で一枚脱皮しないとならないですよ。 >あらすじとか  「ザ・コア」のあらすじ。  まず誤字脱字が含まれている時点で、読まずに捨てちゃっても、良いような気もしますが……。  誤字脱字っていうのは、飲食業でいうなら、料理に「髪の毛」が入っているようなもんです。  髪の毛の入ったラーメン。――江崎さんは、食べますか?  まあ内容に関して。  いくつか「なぜ?」と疑問が残るようなものは、完結しているとはいいません。  あと作中で多くの時間を費やしている部分をはしょるのは、正しいあらすじとはいえません。  また結末まで書ききっていないものも、あらすじとはいえません。  なぜ地球のコアが停止したのか? (ハリウッドの三文SF映画だから、もしかしたら理由なんてないのかもしれないけど……)  6人のチームだということですが、その中で人間ドラマはなかったわけですか? ただ、探査機に同乗して、ただ死んでいっただけ?  最後まで生き残っていた女性というのは、ヒロインなのですか? 主人公とヒロインのあいだに「ラブストーリー」はなかったのですか?  またラストの部分で、地球のコアが動き出したのはよいとして……。それまで生き残っていた二人は無事に帰還できたのですか?  それともはじめから帰還の絶望視されていた決死の片道旅行だったのですか?(そうならそうで、出発前にひとヤマくらいありそうな気もするのだけど。例=アルマゲドン) -------------------------------------------------------------------------------- お正月準備 No.7391 投稿日 2003年12月29日(月)01時46分 投稿者 弟切 千隼  街へ出かけて、注連飾り[しめかざり]を買ってきました弟切です。帰省中、留守になるアパートにも、弟切は毎年注連飾りを飾っています。  日本の伝統行事は大切にしたいですから(^_^) >「メイド」書き直し  課題部屋のNo.726に、「メイド」の書き直しを上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=726&e=res&lp=672&st=0  基本的には、No.7386に書いた「メイド」部分書き直しを拡張したものです。少し変えている部分もあります。  皆さんの御指摘をお待ちします。 2号さんへ>  『シャーマンキング』に登場する蓮くんの読みは、道蓮[たお れん]でしたね。御指摘ありがとうございます。  読み方を間違えてごめんなさい > 道蓮くん及び作者さんとファンの方々。  以下は余談です。『シャーマンキング』の作者さんを批判しているのではないことを断わっておきます。  弟切が、「道蓮」の読み方を間違って覚えていたのには、理由があります。  「道蓮」を「たお れん」と読む読み方が、中国語読みと日本語読みが入り混じっていて不自然だからです。  譬えて言えば、「林 猛[はやし たける]」さんという日本人の名前を、名字だけ中国語読みして「リン たける」と読むようなものです。  「道」は日本語の音読みをすれば「どう」、中国語読みすれば「タオ」と発音されます。「蓮」は日本語の音読みでは「れん」ですが、中国語読みすれば「リエン」と発音されます。  普通は、名字と名前の発音の仕方は統一されますよね?   名字の「道」を「タオ」と読むなら、名前の「蓮」は「リエン」と読むのが自然でしょう。名前の「蓮」を「れん」と読むなら、名字の「道」は「どう」と読むのが自然だと思います。  もちろん、作者さんは、こんなことは全て知っていたはずです。知りながらわざと「たお れん」という読み方を選ばれたのでしょう。  おそらく、中国人らしさを出すことと、読みやすさとを考慮して、このようにしたのだと思います。 お知らせ:  弟切は明日−日付上は今日−から帰省します。帰省中はほとんどネットにつなげないと思います。  本格的にネットに復帰するのは、年が明けた一月三日ころの予定です。それまで実家で充電してきます。  では皆さん、良いお年を。 -------------------------------------------------------------------------------- 名前の統計に付いて No.7392 投稿日 2003年12月29日(月)13時52分 投稿者 ROM >7379:名無し君2号 さん >7383:新木 さん. >7387:青葉 さん 統計の目的が、内閣支持率のように質問項目の占有率を計るものなら、 全国規模でも2〜3000程度のサンプルで十分とされています。  ※新聞等の世論調査が発表される時には、必ず調査方法やサンプル数、回答率等が 明記されていますから、普通に新聞を読んでいれば分かる事です。 ただし、回答結果を累計して順位を出す場合はサンプル母体が問題になります。 今回の名前の場合、出産に関係した日本生命の保険を掛けていた親が何と名づけたか、 --という統計なので、そのまま日本全体の状況とイコールであると考える事は勿論できません。 ただ、あっても不思議はない名前の例としては十分でしょう。 しかし、名前というのは他人と区別する為に付けられるものですし、読み方は自由です。 名字との組み合わせを考えれば、6000事例のうち、 完全な同姓同名で同じ読みという例は極めて希な事例だろうと思います。 ちなみに。以前、小鳥という名前が問題になった事がありますが、実在します。 もちろん、芸名やペンネームではありません。 世間に出れば変った姓、珍しい名前の人には幾らでも出会います。 この前も「大豆生田」という名札を付けた人がいました。そういう姓だそうです。 この名前はアリか? と考えるより、この名前ならネタが一つ増えるんじゃないか? と考える方が楽しいし、実りもあるんじゃないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7393 投稿日 2003年12月29日(月)17時14分 投稿者 新木 伸 >分室の利用法とか  たとえば、「あらすじの書きかたがよくわからない」という問題があったとします。  こういうときに、自分からはなにもせず、「あらすじの書きかたを教えてください」ってのは、これは、ないです。  ここは教室ではないので。  わからないなら、わからないなりに、自分があらすじだと思うものを書いてみて、「どこがおかしいでしょうか?」と聞くなら、これはアリです。  もっと良いのは、いくつものパターンを出してきて、「このうちのどれが一番あらすじに近いでしょうか?」と聞いてみること。  ボクシングジムでたとえてみると――。  「ストレートパンチっていうのは、どういうふうにやるのでしょう?」と聞いてしまうのと。(1番)  実際にサンドバッグを殴ってみて、「ストレートパンチはこれでいいのでしょうか?」と聞くことと。(2番)  サンドバッグを色々なやりかたで殴ってみて、「いまのうちのどれがいちばん良かったですか?」と聞くことと。(3番)  ――それぞれに相当します。  1番はこれ、いわゆる「教わろうとする態度」ってやつで、話にもなりません。  教えるつもりも謂われもない人間は、「てめえで考えな」と言うだけです。  だいたい、同じジムのなかにも、サンドバッグに向けてストレートパンチを放っている人が大勢いるわけです。またテレビを見ていても、ボクシングの試合でストレートパンチは何度も出てきています。  見て、観察すれば、だいたいのところはわかるはずです。一から十まで聞く必要は、まったくありません。  もし聞くのであれば、見ただけではわからない部分を聞くべきです。  あらすじだって、サンプルは分室のなかに転がっています。  課題部屋で「あらすじ」というキーワードで検索すると、山ほどヒットします。  ――で、学校や教室ではどうだかわかりませんが。  現実の社会のなかでは、手取り足取り教えてくれる人なんて、いやしません。  たとえばストレートの打ち方を教わるにしても、へなちょこパンチをサンドバッグに向けて小1時間も出し続けていて――はじめて、誰か親切な人が見かねて近づいてきてくれて、アドバイスのひとつもしてくれるわけです。 (ボクシングジムだと教えるのも月謝のうちなので、聞きさえすれば教えてくれちゃうかな。スポーツジムなどで、サンドバッグの置いてあるような場所の場合) >少女漫画の難読名  少女漫画というジャンルでは、難読名は有益――と結論付けてしまうのは早計では?  生物などで、一見するとなんの役にも立っていなさそうな器官を持っている生物っているよね。  人間でいえば盲腸とか。  そうした器官が存在している理由は、べつに「有益だから」というわけではない。  「特に有害ではないから」というのが、その器官が存在している消極的な理由だ。  少女漫画というジャンルで難読名が使われているのも、そうした理由からかもしれない。  漫画家がそうした名前を使いたがって、まわりが誰も止めなければ、「特に害はないから」という消極的な理由から、そのまま「イキ」となる可能性は大いにある。  少女漫画の読者だって、「へんな名前」と思いながら、それほど気にならないからそのまま読んでいるだけなのかもしれないし……。  それとも、やはり、「この名前カッコイイ。素敵」と思いながら読んでいるのかもしれないし。  作者が「やりたがる」ことと、読者に「受け入れられている」こととは、別だよ。  プロアマ問わず、だいたいのケースにおいて作者が考えなしに無批判で「やりたがる」ことというのは、空振りに終わることが多いのだ。  自分の持っている無数の「やりたいこと」のなかから、空振りとなるものと、ヒットとなるものとを見極めて区別しないとならない。エピソードにせよ、設定にせよ、なにかをやるときの理由が「なんとなく」というのではだめで、必ず説明できる理由を持たせないと。  名前についても、然り。  なぜその名前なのかという、その理由。  少女漫画に限らず、人物の難読名というのは、作者が計算して使っているというよりは、ただ単に使いたいから使っているだけのような気がする。  「読めない名前」にしなくてはならない理由として、納得できるものが見あたらない。  だとすると上の「作者が無批判でやりたがることは、たいてい読者のノーサンキュー」の法則によって、読者はあまり喜んでいないものということになる。 >青葉さん >調査のサンプル数 >>それによると、全国規模の調査でも一般的なサンプル数は2000から3000が定着していると書かれています。  ただ単に「皆がそうしているから」ということでは、プロの態度としては、不充分ですよ。  なぜ、2000で充分なのかということを、自分自身の知識と概念とによって説明できないと。  説明できないことは、知らないことと同じです。  知ったつもりにならないように。  赤信号で止まるのはなぜですか?  「だってみんなそうしているもん」――では、これは、答えになっていませんよね。それはわかりますよね?  「赤信号で止まるのはなぜ?」という身近なケースでは、「皆がそうしている」という答えでは、おかしいことはわかるのに……。こうした学問関係のケースになると、「皆がそうしているから」ということが、答えとして堂々とまかり通ってしまうのはなぜでしょう。  ――で、僕もわからないわけです。  サンプル数が2000で充分だということについて、説明できません。  誰か詳しい人、いませんか〜? ○2号 >カリ城のテーマ >>『目に見えることだけが真実ではない』  これがテーマなのだとしたら、主人公が泥棒である必然性がないじゃん。  むしろ「幻影術士」とか、そうした主人公にしておいたほうが、バッチリで、ぴったりじゃんか。  なんだってわざわざ、主人公に「泥棒」なんて属性を付けなきゃならんの?  俺のやれといった「考察」は、最初にエウレカした「結論」に到着するように途中のデータをこじつけて歪めてゆくのではなくて。  見聞きしたままのものを関連付けて、自然とたどり着くべき結論に至れ――ということなのだけど。  泥棒って、なんなんだよ? 見えざる真実を暴きだす存在なのか?  ルパンは、なにをしたんだよ?  真実を暴いたのか? カリオストロ公国の裏の顔を表にさらけ出したのか?  それとも他の「なにか」をしたのか?  主人公が、直接、自分の意志と、自分の手によって、行ったことだけを書いてみそ。  ちなみに、偽札を暴いたのは、ルパンでなくて銭形だよな。  じつはルパンはあの国に行って、たったひとつのことしかしていないのだ。  そのほかの諸々のことは、そのひとつのことをやった影響で起きただけに過ぎない。オマケだオマケ。 >姉と対峙するシーン >>>>姉に声を掛けられて振り返るくだりでは、いったい、「なに」を書くつもりでいたわけ? >>最初にきたのは『姉への恐怖』。ともかく姉はとても怖ろしいものだとわかるようにしたかったのです。  このシーンでは「姉への恐怖」を書こうとしていたことは、わかった。  じゃあ、さらに質問だけど。  なぜこの家は武道の家になっているのよ? 主人公にも姉にも、武道経験がなければならないのよ? なぜ姉は怖ろしい存在とされているのよ? なぜ主人公は逃げだそうとしていたのよ?  いろいろと設定やら展開やらがあるんだけど、それぞれのパーツの組み合いが、ガチャガチャなんだよね。ただ思いつきによって、適当に放りこまれているだけ。  ひとつのコンセプトの元に、それらがそういう形でなければならない必然性がないのだ。  だから、「なにを書くのか」というときに、根拠も思考も薄くなるのだ。  「姉は怖い」しか出てこない。  姉と対峙するシーンで思いつくのは、「姉が怖いを書かなきゃ」ということばかりで、はじめにあった「武道少年」という設定が、頭からすっ飛んでいたりする。そりゃそうだ。思いつきで放りこんだだけだから軽いのだ。「武道少年」はぜんぜん重要でないのだ。はじめからどうでもいいことなのだ。  僕のリライトのほうで、「武道少年」という設定が忘れられずに書かれているのは、2号の元バージョンから、僕がそれを読み取ったからなのだな。  「武道少年」という設定があるのなら、それはなにか重要なことなのだろうと思った。どういう理由があるのかは知らんけど。作者がそこにそういう設定を込めた「意志」というものを尊重しようと思ったわけだ。  だから、恐怖に対するときの無意識の反応という形で、しっかりと「描写」しておいたわけだよ。  なんだよ。  作者の込めた「意志」なんて、なんにもなかったんじゃん。  武道少年なんて設定、どーでもよかったんじゃん。「姉が怖い」=「女は怖い」ということさえ書ければ、他なんて、どーでもよかったんじゃん。お前のいつものテーマじゃんか。  「武道少年ならそれなりの反応をしめすだろう」とか、真面目に考えて、リライトまでして、指摘してた俺って――ひょっとしてただの馬鹿? いい道化者?  ふざけんなよ。  もっと気合い入れて、頭使って、死ぬ気で考えて、書いてこいっての。  最近、たるんでるぞ。 >>>>あとヤクザの事務所の様子をすこしは書けっての。三文ドラマの描写並でいいからさ。 >>『ヤクザの事務所』と書けば、三文ドラマの描写並が浮かびませんか……とはサボった言い訳。  ほう。  じゃあ、「素晴らしいラブストーリー」とか聞けば、お前は素晴らしいラブストーリーが浮かぶわけかい? >> 目の前で目の玉をほじくられた友達がいる。苦しがっている。強がったことを後悔して泣きだしている。 >> こんどはおれの番かも知れない! >> というのは『恐い』じゃないですかねえ。  だから、そこまで書いてないじゃんかよ。  あのシーンは、実際には、目玉ほじられたところで終わっているじゃん。ぶっつりと。  お前が実際に書いているのは、目玉をほじられたところまで。  目玉ほじられたやつが泣き出したりするところは、書いてあるのかないのかわからないくらい「ちょっぴり」だよな。泣いていたあれは、「強がったことを後悔して」だったのか。てっきり痛いから泣いてるだけかと思った。  そのあとの「今度は俺の番かも!」なんてところは、影も形もないじゃんかよ。 >>なんというか、ひとつ目を無くすというのは、『怖い』を越えて『恐い』のだと……思うんですが……どうか。  目を一つなくしたことを印象付けたいんだったら、それがはっきり印象に残るように、エピソードで具体的に見せろ。たとえば空洞になった眼窩を描写して、主人公に息を呑ませるとか。 >>痛みもさることながら、それによって生まれるいろいろな不都合とか、想像しきれない部分があるのではないか。  主人公がそうしたことを想像してしまって、恐怖に震えているさまを描写しろっての。  それを実際にやったなら、読者も感情移入して、主人公の感じる恐怖の何分の一かを受け取って、疑似体験として愉しむこともできるだろうさ。  お前も物書きの端くれなら、能書きばかりうたってないで、その理念を体現させて、実際に小説の文章にして見せてみろっての。  「こうしたら怖くなるだろう」なんていう理屈を口先でこねるだけなら、そんなもん、素人にだってできるんだよ。 >No.98「死亡遊技」(1600文字) >>店内は騒音といってもいいレベルで、いろんな音が駆けめぐっていた。有線放送。 電子音。店員のアナウンス。コインが吐きだされる音。遠くからはパチンコの玉が生 みだすノイズも混じってくる。  言葉の使用法が不適切。  「駆けめぐる」だとか。  あと「レベル」って言葉、ダサい。ボキャブラリーが貧困なやつがよく使うよな。この言葉。他にいいのが見つからないから、手近で万能な言葉をどこにでも使い回すわけだが。  だいたい「騒音といってもいいレベル」って、いったい、なんだよ? それは騒音なのか、騒音ではないのか、どっちなのだ? 弱気語一生禁止って、言ってあるだろうが。  音が駆けめぐるといったら、右から左にぐるぐる走ることを言う。「様々な音が聞こえてくる」という状態を描写するのであれば、もっと他の言葉があるはず。探せ。  あと説明にもなっていない言葉が多数。  「有線放送」とか。「店員のアナウンス」とか。「コインの吐き出される音」とか。「ノイズ」だとか。  弟切のときに、「フローリングの床」について自分で指摘していただろ。それとまったく同じミスを、自分でやってりゃ世話ないわな。 >>フローリング=床と結びつかないということは、フローリングが木の床であることも知らないんじゃなかろうかと思ったり。 >>木目が鮮やか〜とか、そこまで書けば「フローリング? ああ、あの木の床のことか」と思い当たってくれるのではないでしょうか。  お前が感じた通り、「フローリングの床」では、単なる言葉でしかないんだよ。  知らない人にはなんの意味も持たない文字の塊としか映らないし、知っている人にさえ、こんなものではイメージを喚起させるだけの力を持たないのだ。  「店員のアナウンス」を、「妙にハイテンションな店員のアナウンス」とかすれば、すこしはイメージが喚起されるわけだ。  そのくらいの文字数を費やすのでなければ、いっそ、書くな。  またコインの吐き出されてくる音は、描写するのなら、どんなことを書くべきか?  遠くから聞こえるパチンコ玉の音は? >>浩介は、淡々としていた。  意味不明。日本語にもなってねぇ。  「淡々」というのは副詞であり、単体で存在しない言葉なのね。  修飾する相手が、かならず必要。  この文がどのくらい壊れているかということを例に示す。同じ副詞を使ってみる。     「浩介は、全然だった。」  なにが全然なんだよ? ――と、そう思うだろ?  同じように思うわけだ。なにが淡々としているのだ? ――と。     「浩介は淡々と同じ動作を繰りかえしていた。」  ――であれば、意味は通るし、日本語としても正常だ。「なにをやっているのだろう?」と好奇心も湧いてくる。 >> 目の前で回るリールを、ボタンを押して止める。押すというより軽く叩く感じ。コ インを入れ、レバーを弾いてリールを回す。ボタンを叩いて止める。またコインを入 れる。  つまらん。退屈。読む価値なし。  目を通すのに使った俺様の時間を返しやがれ。この泥棒めが。  リールってなんだよ? どんなものなのだ? 釣り竿に付いていて、糸を巻き取るアレを思い浮かべればいいのか?  ボタンってどんな形で、どんな色で、どんなふうに光っているわけ? ボタンを押すと、リールはどのように停止するわけ? タイムラグを置いてじわじわ止まるとか、ガツンと衝撃を発して突然停止するとか、色々とありそうなもんだが。  コインを入れるところはどこにあるわけ? どうやって入れるわけ? 高いところにあったら手を伸ばすわけだし。何度もコインを入れているなら、肉体疲労なんかも、感じていそうなもんだけど。  また一度に3枚ずつ入れのであれば、入れるというより、「流しこむ」という表現のほうがふさわしいと思うがなぁ。  肌に感じるものが、まったく、ないのね。  前の騒音のほうそうだけど。「音がしている」という概念的なことしか書いていない。騒音の渦中に置かれている人間の肉体感覚を書かなきゃならないところだ。  しかし、観察してないのかねぇ。  こういうものを書くからには、2号は、けっこう出入りしていたわけだろ?  俺、パチスロはやったことないし、パチンコ屋だって数えるほどしか入ったことないが……。  2号よりもっと観察してきているし、もっとマシなこと書けるがなぁ。  パチンコのほうだけど、ハンドルの触感まで思い出して描写できるぞ。なんかじっとりしてるし、長いこと抑え続けていると、指と手首が痺れてくるんだよな。 ○弟切 >「メイド」部分書き直し >> 野々宮桐子が自宅の扉を開けると、ダイニングの光景が目に飛び込んだ。 >>・主人公が外から帰宅してきたばかり、ということがわからない。  全然クリアされてないじゃんか。  大丈夫か? 正気か?  主人公が自宅の扉を開けたわけだな。ここには、そう書かれている。  しかしそれだけじゃ、帰宅してきたばかりなのかどうか、確定しないじゃないか。  主人公はキャリアウーマンだという隠し設定があるようだから、たぶん、会社から帰ってきたところなのだろう。  しかしここに書かれているのは、「扉を開けた」ということだけだ。  ちょっと外に出かけていて帰ってきたところなのかもしれないし、回覧板を隣に届けにいってきただけなのかもしれないし――。はっきりしない。  長いこと家を空けていて(すくなくとも午前中一杯とか)、そして帰ってきたのだということが伝わるように書けと言っている。  まあ……。  もしかしたら、主人公は会社帰りではないのかもしれない。家を空けていた時間も、僕の推測とは違うのかもしれない。僕は最低3時間で、最長8時間と読んだけども。  ここでのポイントは、主人公がどのくらいの時間家を空けていたのか。それはなんのためだったのか。――という情報が、必要なだけ伝わるように、書きすぎないようにちゃんと書けということ。  はっきり書いてしまったら味わいがないから、はっきり書かずに、しかし確定できるように書くわけだな。ちなみに「なんのため」に家を空けていたのかという理由は、外出時間の範囲を特定するのに役立つ。「買い物から帰ってきた」とあれば、それは1時間程度なのだと書かずともわかるし、「仕事から帰ってきた」とあれば、9時間以上経っていることがわかるし。  主人公が家を空けていた時間は、メイドの仕事ぶりの有能さに関わるから、ここでは大切なことのはずだ。 >>フローリングの床がぴかぴかだった。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  「フローリングの床」では、「フローリング」というものを知らない人を置き去りだな。  なんなの、それ?  それともこれは、「フローリング」を知らない人には読む資格がないような、そんな話か? >>床には洗濯籠が置かれていた。中は空っぽだ。  「床に洗濯籠が置かれていた」だけでは、意味が完結しない。これでは文を短く切りすぎだ。「空っぽ」まで繋げて、はじめて意味を持つ文のはずだ。 >>籠に山盛りだった汚れ物は、跡形もない。  ここでもまた、例の脳内イメージを一度描いてからワイプアウトするミスをやってしまっている。  山盛りの汚れ物を読者の脳内に描かせておいて、「それはなかった」とやってしまうのは、読者の負担となる。  なにか改良せよ。 >>彼女はにこやかに言いながら、エプロンの肩紐のねじれを直した。胸もとの名札に「久 保田柚香」とある。  ここの「肩紐のねじれを直した」というところは良かったのだけど。  単なる偶然なのかもしれないので、訊いてみる。  ここで彼女に肩紐のねじれを直させたのは、これはなぜ? その理由を述べよ。 -------------------------------------------------------------------------------- ……毎日書けと言われた直後にこの状況。情けない No.7394 投稿日 2003年12月29日(月)17時43分 投稿者 青葉桂都  こんにちは、青葉桂都です。 >>名無し君2号さん >No.97「眼球」 > あ、失礼しました。 > いや、ここでの『卵の白身』は、ゆでたまごとか目玉焼きとか、調理済みの白身の白さです。言葉が足りなかったです。  なるほど。申し訳ありません。  私の卵の主な使途は、スープやみそ汁などに入れるか、もしくは卵焼きかスクランブルエッグといったところでして。  白身と聞いて、溶く前の生の白身しか浮かびませんでした。 >No.98「死亡遊技」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  店内は騒音といってもいいレベルで、いろんな音が駆けめぐっていた。有線放送。 電子音。店員のアナウンス。コインが吐きだされる音。遠くからはパチンコの玉が生 みだすノイズも混じってくる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここの一行目。 『店内』と『騒音といってもいいレベル』が結びつかなくて、一瞬迷いました。  レベルで、のところに句点があるため、『音』という文字が入ってくる前に一拍置いてしまうから、ではないかなと思います。  私の読み方が悪いのかも知れませんが。  それから、どこが原因かというのはわからないのですが、あまり『とろける感じ』は感じられなかったです。  どちらかというと、淡々と進んでいく印象を受けました。  パチンコの説明については……私はわかってるんで、知らない人が読んで理解できるかどうかはちょっとわからないです。  わかるようにならなきゃダメなのでしょうけれども。 >笑顔  いや、自分で書いていてよくわかってはいないのですけれど。  笑顔って印象に残るものだと思うので、ちゃんと書かないといけないんじゃないかなと思っただけで……。  うーん。そんなに深く考えなくていいんでしょうか。 >No.1「クリスマスは一緒に」(1280文字) >名前 >>>クリスマスイブが終わる頃。僕は菅原涼と一緒に、住宅街の小さな公園にいた。  う。わかんないですか。名前が女の子っぽくなかったのでしょうか。  どんなのが良かったでしょうね。  冴、怜、風、凛……どれもいまいちですねえ。4つしか思い浮かばないのもかなりダメっぽいですし。 >説明文  えーと……時間の流れがないってどういう意味でしょう? 『5行以上説明文が続くと、読者の目が離れちゃうよの法則』……というのも、法則名だけではよくわからないです。いや、どういう法則なのかはわかるんですけど……。  なにも考えずに、説明文はとにかく5行以上書くな、というわけにもいかない気がしますし……。 >>仕事の後、心臓は早鐘を打つどころか速射砲みたいな音を立てていたし、歩くごとに足首のあたりにはにぶい痛みが走っていた。  の文章で書いていることと、 >> たとえば、『体力がない』ことは、ベンチに座っているときの主人公の足の痛みとか、倦怠感とかで描写できますよね。  の差はなんなんでしょう? >No.2「勝負」(2000文字) >こういった、新しいジャンルの競技を書くには、ある程度の説明は不可欠でしょうが……。ちなみに私、カードの説明はほとんど読み飛ばしてます。失礼。  こっちのが説明文の山であることは自覚しています。  けど、なんの説明もなかったらいったいなに悩んでるんだって思われて、読み飛ばされるだけだと思ったのですが……。  一応、主人公が悩んでいること以外に関しての説明は書いていない、つもりです。 >>新木伸さん >No.1「クリスマスは一緒に」(1280文字) > シーン全体をよく考えないで、見通しを立てないまま、書き始めちゃっているでしょう? > これから何が起きるのか。いま主人公がどんな状態にあるのか。そのへんを書きながら考えようとすると、まあ、こうしたものになってしまうわけです。読者にとって読まされても嬉しくもなんともない「主人公のいま置かれている状況の説明」なんてものが、山ほど書かれることになる。  ええと、いえ、一応なにが起こってどんな風になるのか、ということは一通り考えてから書きました。  それ以前に、説明文と描写文の差がわかっていないからこんな感じになっているのではなかろうか、と思います。 > で、あと大きな問題点がひとつ。 > 描きたいものは「素直じゃない主人公」ということなのに、これを読んでも、そのあたりがぜんぜん伝わってきません。 > 「いい感じの二人」――ってところでしょうか。いまのこれだと。 > > 読者は説明を求めてはいなくて、「素直じゃない言動」というものを見たいわけです。 > 二人きりで嬉しいけど、素直になれない男の子というのは、どんな言動をするものですか? > それを考えだして、実際にシーンとして書けばいいわけです。  憎まれ口をたたく。あたりでしょうか。  プレゼントを受け取るときには、 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「まあ、受け取ってやってもいいよ。百二十円なら、君にしちゃ金をかけてる」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  渡すときは、 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「じゃあ僕からもあげるよ。甘いものなんて嫌いだしね」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  こんな感じの発言を……すると、性格が悪すぎるでしょうか。 >No.2「勝負」(2000文字)  ルールの説明をしているのは三ヶ所、かな。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  カードゲームは基本的にすべて、手札、場札、捨て札の三種類で構成されている。  机の上に展開された――といっても、専用の敷き布を一枚しいただけだが――フィール ドに並んでいるのが場札。このゲームではもっとも重要なカードだ。その一枚一枚が、 チェスのコマ一つ一つ、いや、戦場の兵士一人一人に相当する。  場札はすでに二十枚に届こうとしており、場は乱戦と呼ぶのがふさわしい状況だった。  対戦型のゲームには勝つための幾通りもの戦術がある。チェスしかり、将棋しかり、格 闘ゲームしかり。七並べやポーカーですらもだ。  TCGにもそれは当然あった。  使用するための制限が緩いカードを使った電撃戦タイプ。逆に、制限が厳しいが強力な カードを用いる制圧戦タイプ。相手の戦術を阻害しつつチャンスを待つ持久戦タイプなん てものもある。細かく分けていけば何十、何百という戦術が存在している。  そして、それぞれの戦術には相性によって有利不利が出る。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  一番長いここは、一番なくても良さそうです。  不利な状況が起こり得、そして現在主人公君は不利に陥っている、ということを説明するための文章だったのですが。  わざわざ説明しなくても、ゲームで不利な状況がおこりえるということがわからない人はいないでしょう。よく考えると。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  相手の手を阻害するカードは手札から使えるものが多い。それが使えるということが相 手にわかっていては面白くないからだ。  五枚の中に、そんなカードが何枚あるか。それが問題だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  自分の手番が回ってくるごとに一枚カードを引くことができるから、逆転の確率を上げ るようなカードを引く可能性はある。  だが逆に、相手が明人を完全に追い込むようなカードを引く可能性もあった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  こっちの二つは……削ったらダメな気がします。  主人公は、相手が自分の手を妨害する可能性があるから悩んでいるのです。先送りにすることにもリスクがあるから悩んでいるのです。  そこを説明しなければ、勝つ方法があるんなら悩まないでとっととやればいいじゃん、としか思われないのではないでしょうか?  麻雀漫画でも、ルールの細かい意味まで理解させようとはしていませんが、登場人物の葛藤を理解するために必要なことは絵で、ないし人物の台詞でもって示されています。  それに、カードゲーム漫画を見てみると、カードの説明やルールの説明にページ数を割いている作品が多いです。読み飛ばしたり忘れたりしてもちゃんと理解できるようになってはいますが。  ジャンプの遊戯王などは最たるもので、毎回のように新カード、新ルールが登場し、対戦相手に向かってその効果を得意げに解説するシーンが見られます。  とはいえ、『相手の手を阻害するカードは手札から使えるものが多い。それが使えるということが相手にわかっていては面白くないからだ。』の行はいらないかもしれません。  示さなければならないことは、相手の持っている手札の中に『相手の手を阻害するカード』があるかもしれない、ということではなく、『現時点の主人公にとって不利益になるカード』があるかもしれないということですから。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (問題は、あの中にカウンターが何枚あるかだ。二枚までならなんとかなる、けど……) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  台詞に変えて、こんな感じでしょうか。 『カウンター』というのがどんなカードなのか理解してもらう必要はありません。麻雀の手役を詳しく理解させる必要がないのと同じように。  そういう種類のカードがあって、それが三枚以上あったら困る、ということはこれでも伝わる……んじゃないか、と思うのですが。 >自己分析  じこぶんせき。  なんもかんも足りない、という言葉しか浮かんでこなかったりします。  過去に上げられた要素は、構成力、文章力、オリジナリティ、キャラクター、知識、でしたか。  私が人並以上に知っていることなんて全然ないので、一番足りないのは知識だと思うのですが、これはトレーニングでどうにかするようなものではないですよね。  後、特に足りないものは……文章力でしょうか。自分の意図したとおりに文章が書けないことが多いですので。  しかし、これをどうにかするトレーニングといっても、とりあえず書いて人に見せるくらいしか思いつかないです。  うーん。  書きたいものは、いちおう、巨大ロボットものなんか書けたらいいなと考えたことがあります。  しかし、毎年新人賞に大量に送られてくるらしく、その割にノベライズ以外にはあまり目立った長編シリーズがないジャンルですね。  かなり無謀な気はします。 > で、とりあえず方針が固まるまでは、書くことを日課にする狙いも含めて、このような1000〜2000字のものを、日常的に書き続けるように。 > なんか指摘されたことの直しにトライしてもいいし、指摘されたものを放置して、まったく新しいものを書いてみてもいいし。  直すよりは、新しいものを書く方がいいです。  どうせ、直しても大して面白くならないだろうと思うとやる気が持続しないので。 >>弟切千隼さん > No.7387の書きこみにあった以下の文は、大学に行っていない人には意味が通じません。  えーと、なんででしょう? まだよくわかりません。  選択科目って、別に大学に限らずあるはずですが……。 >>書いたもの http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=728&e=res&lp=672&st=0  一昨日書いたものです。その前は結局サボってしまいました。  昨日は、この書き込みを終わらせてからと思ったら寝る時間までかかっても終わりませんでした。毎日書くより先に、早く書くことを目指さないといけないみたいです。  今日のはこれから書きます。  ……少し短く書くことも考えないと。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 統計のサンプル数に付いて No.7395 投稿日 2003年12月29日(月)20時15分 投稿者 ROM >7393 新木 さんへ 全国統計のサンプル数が2〜3000とされているのは、 単純にコストと精度をバランスさせるとそうなるからです。 これは統計に限った事ではありませんが、どんなものでも目標値の80〜90%まではコストと精度は比例します。 しかし、それ以上の値を求めるとコストは急上昇します。 単純化してしまえば、90%を1とすれば、91%はその10倍、92%なら百倍のコストがかかるのです。 言い方を変えれば、サンプルを2万人や20万人にしても、結果には大差ないという事です。 これは文字通り結果的に得られた基準=デファクトスタンダードなので、なぜそれで十分かという理由はありません。 いや、色々理論付けされてはいますが、専門の統計学者でもない限り「統計とはそういうものだ」で済ませておいた方が無難です。 実際、私も分かっていませんが、数字自体ではなく傾向を掴む為の統計ならそれで十分実用的と理解しています。 -------------------------------------------------------------------------------- 何とかつなげました。 No.7396 投稿日 2003年12月30日(火)12時14分 投稿者 弟切 千隼  実家に滞在中の弟切です。  こちらのネット環境は良くないので、今回は簡単なレスのみとさせていただきます。 No.7392のROMさんへ >  情報ありがとうございます。  細かいことながら、お訊ねしたいことがあります。 「大豆生田」という名字は、[おおまみゅうだ]と読むのでしょうか?  非常に珍しい名字として、弟切もこの名字を聞いた記憶があります。弟切が聞いたのと同じ名字かどうか、ちょっと確認したいと思いまして。 新木さんへ > >>肩紐のねじれ  ここは、柚香が一生懸命仕事をしていたことを示したつもりです。  家事は、立ったり座ったりという動きが激しい仕事のため、エプロンの肩紐がねじれることはよくあります。柚香は桐子が帰る直前までせっせと働いていて、肩紐のねじれを直す暇がありませんでした。  ちょうど柚香の仕事が終わったところに、桐子が帰宅します。桐子に挨拶しようとしたところで、柚香は「ああ、肩紐がねじれている。直さなきゃ」と思いました。  肩紐のねじれに気づいて直すという一連の思考と行動は、ほとんど無意識のうちに実行されています。柚香にとって、「エプロンの肩紐のねじれ」は日常的なことですから、いちいち意識してやってはいません。 青葉さんへ >  No.7387にあった文を、もう一度引用してみましょう。 >> 選択だったため、かなり適当にやっていたのでちゃんとした知識ではないのですが……。  この文には、「選択」としか書いてありませんよね? 「選択科目」とは、どこにも書いてありません。  「選択」としか書いていなければ、普通の人はそれを「選ぶこと」としか解釈しません。「選択」という言葉から「選択科目」という言葉を思い浮かべるのは、現役大学生や専門学校生などの特殊な人々だけです。  人口全体から見れば、現役の学生というのは少数派です。日常的に「選択科目」に接しているのは、特殊な人々といって過言ではないでしょう。  そもそも、世の中には、「選択科目」がどういうものであるのか、知らない人のほうが多いと思いますよ。 -------------------------------------------------------------------------------- そゆのはGOOGLEに聞きなさいってば No.7397 投稿日 2003年12月30日(火)17時18分 投稿者 はせがわみやび  ほれ。ここに、そのものずばりのページがあったぞ。 >大豆生田という名字  http://www.ice.gunma-ct.ac.jp/~mame/doc/etc/myname.html  ちなみに、珍しい名前を使うから問題なんじゃないぞ?  珍しい名前なのに、珍しい名前の扱いをしてないからヘンなだけだ。  ありそうな名前に出会ったときと、意外な名前に出会ったときは、ふつう人間の反応は変わるものだ。 「ぼく、大豆生田です」 「わたしは、鈴木ですわ。では、ごきげんよう」 「はい、さようなら」  へんだろ? 「ぼく、大豆生田と言います」 「まあ。珍しいお名前ですね」 「(苦笑いしつつ)よく、言われます」  男なのに、女名前がついている──とかでも、いいわけだ。でも、一度くらいは作中で、それに言及してないと妙に感じる。   ROMさんが「この前も「大豆生田」という名札を付けた人がいました」と語っているけど、そのとき「おや、珍しい」と思ったかどうか、そっちがポイントなわけで。  珍しいと思ったとしたら、登場人物だって、そう思うわけだよ。  だったら、そう書いてないとね。  長い名前のキャラが登場してきて、長いなあ、と聞いた人物が考える、なんて場面を本で読んだことがないのかな?  そこで、「長いなあ」ってツッコむキャラを出せるかどうかだ。  名前に聞こえない名前を聞かされて、たとえば「ペタ」とか、そういうヘンな名前のやつがいたとして、「それ、名前だったのか!」と。  そういう突っ込む奴がいないと、その世界が自分たちの今いる世界と甚だしく離れているように感じてしまう、と。  そういうことだよ。    実は……。  お勧めしないが、登場する人物全員の名前が難読名だっていい。  で、それを誰も不思議に思ってないと。そういうのもありだ。  それは、つまりそういう異質な世界だっていうことだから。  ただ、読めない単語は覚えにくい。  コミックは、キャラを顔で覚えるので難読の名前でも大丈夫かもしれない。でも小説はキャラを名前で覚えるから、難読だといつまでも覚えてくれないってことになる。  そのリスクを払っても、世界観のひとつとして難読名を使うこともあるだろう。  男に女名前を付ける世界なのだ、と開きなおるならば、それもまたよし。  ……わたしは、それで誰も不思議に思ってなかったら、「ヘンじゃねーか?」とつぶやいちゃうけど、ね(^^;。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- こんにちは No.7398 投稿日 2003年12月31日(水)00時52分 投稿者 青葉桂都  青葉桂都です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=729&e=res&lp=550&st=0  昨日……というか、日付的にはもう一昨日か。書いた分です。  今日はこれからバイトなのでサボり確定です。本当はもうちょっと早く起きて書くつもりだったのですけれども。  レスなども帰ってきてから書きますので。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 疲労困憊…… No.7399 投稿日 2003年12月31日(水)18時18分 投稿者 江崎 芹  大掃除に年賀状作成に餅つき、そしてバイトとここ二日間は死ぬほど体動かしまくりの江崎です。またまたレスおくれてすいません。  >三枝さん  > 小説と真剣に向き合うとか向き合わないとかどうでもいいですから、新人賞に送るんなら最低限、生活ぐらい削ってください。  削りたいと思います。今は口だけでしか言えない状態ですが、近いうちにはそれくらいの努力が行えるくらいになるつもりです。  小説を書かずはいられない……たまに自分もそういう状態に陥りますが、だいたいが単発ですぐに冷めてしまいます。それを維持できてプロの生活が行えてるってことなんでしょう  >二号さん  > そんな不幸に対して、うわさ話を元に「あれは本人のタバコが原因だよ、ちょっとしたボヤだよ」――そう話す人がいたとします。  その話を、火事の原因や、本人にどれだけの不幸が襲ったのかを知っている人間が聴いたとしたら、さてどう思うのか。  呆れるし、怒るし、ぞっと恐怖するんじゃなかろうか。  なるほど、わかりやすい例えです。たしかにそう考えると被害者側はとても不幸なことになりますね。それを知る鷹見さんは恐怖をおぼえた。考えがずれていました。おかげで納得できた気がします。  > 鷹見さんには謝っても、題材にした無痛覚症の人たちにはひとことも謝っていないのは、すこーしだけ気になりますけど。まあいいや。  気が回らない人間ですいません。二号さんに言われるまで考えもしてませんでした。このサイトを無痛覚症の方が見ている可能性はかなり低いと思いますが、けじめです。      無痛覚症のみなさん、安易な考えで題材にしてしまい、申し訳ありませんでした。  >新木さん  >自分が何を書き(言って)、いま相手がどのように受け取っているのかということを推し量ることは、小説家にとって重要な技術です。  いい機会なんで、分析してみましょう。  すぐには取りかかれない、というのが曖昧すぎたのでしょう。いろいろな意味にとれてしまう。『学生』というオプションがつけばなおさらです。だから言葉たらずとなり、一方通行な意見になってしまったみたいです。    気迫がたりないのも認めます。今までがだらけの作業だったため、エンジンがまだ温まっていない。叱られて当然です。  >叱られるということ  正直ぜんぜんなれてないのだと思います。  基本的に叱られた経験はそんなになかったと思います。あまり悪いことをせず、普通の人間でしたから。衝突も多少のケンカぐらいしかやったことないです、はい。  だから、ここ分室でのレスは本当に精神にきます。新木さんや分室のみなさんのレスを見てため息連発です。どんどん自分のダメっぷりが明るみにされていっているから。執筆の気力が落ちるほどではありませんが、体力が70%ぐらいまで落ちた気がします。徹夜がきついです。  >苦痛  苦痛を拭い去ったときが、プロになっている。確かにそのとおりです。専門家がその専門とするものをダラダラとやってるわけがない。ちゃんとプロらしく生活の大半を注いでいる。  ならばアマチュアはどうするか。プロと同じ生活を行えばいい。すごく簡単なことに聞こえるが、とても難題なことです。気持ちだけでできるものではない。  自分はこれを目指さなくてならないですね。    正直、ここのジム通いはかなり僕にとってきついです。小説に関して、人間に関しても未熟者の僕には毎日通うはきつすぎる。気迫がぜんぜん追いついていません。  なので、毎日通うのはひかえます。自宅で自主トレーニングを行い、しばらくしてまたパンチを見てもらいにくるという方式をとりたいと思います。ジム通いつめのほうが成長はするでしょうが、自分なりにペースを大事にしたいと思います。  あ、でも、分室のみなさんの作品の指摘はなるべくしたいと思います。  >ラブストーリー  ですが、せっかく課題が一つあるので、これを終わらせてから間をおきたいと思います。  あーでも、ぜんぜんわかってなくて、どんどん先延ばしされるかもしれないな……。  まず、「愛」とはなにか。    あい【愛】 個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情。  この辞書の文をみるかぎり、愛とは「信頼性の延長」のようなものだと思います。  例えをいえば、愛に近い言葉で「好き」というものがあります。  すき【好き】  (1) 理屈抜きに(相手に)心が引きつけられる様子。  (1)〔損得や相手の都合・気持などを考えず〕自分が そうしたいと思う通りにすること  これを見る限り、好きというのは愛と同じ意味にみえますが、好きの場合には信頼性はありません。  理屈ぬきに心がひきつけられる、とあるように、好きは一方的に他人やなにかを思うだけです。だからこれは愛とはいえません。  しかし近いものはある。それはなぜか? 愛に付随するものが、好きにはあるからです。  それは、相手をとにかく思うというところ。好きにはこれがあり、愛にもこれはあります 。しかし、愛にはもう一つの要素「信頼」があります。  つまり、  好き+信頼=愛(信頼性の延長)    だと思います。  そして愛を育む、文字どおり、愛を育てていく。信頼性を育てていくということだと思います。  人間が信頼性を育てる方法として最も有用としているのは、コミュニケーションです。  相手と対話したり遊んだりなど、とにかく一緒になって行動する。生き物はだいたいがこうやって信頼を掴んでいき、好きになって、愛を育てていっています。  >どういう状態から、どういう状態に変わることが、育むということ? その途中にはどんな経過が必要?  人間の男女でいえば、友達から恋人。恋人から結婚して夫婦に。  途中にある経過……友達から恋人なら、どちらかの告白。恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。  要はやはり、コミュニケーションの山場、境界線をこえたときが、状態変化の兆しだと思います。  >あらすじ  ああやっぱりだめだった。しかも誤字脱字があったのか。……ああほんとあるし。  >髪の毛の入ったラーメン。――江崎さんは、食べますか?    一つぐらいなら、少し顔を顰めながら取り出して食べます。だけどたくさんあれば、文句いって食べません。  ちなみに映画のザ・コアですが、コアが停止した理由はいわれて思い出しました。映画の記憶がほんとにないな自分。  たしか、とても巨大な地熱発電機のようなものを作っていたから、それがコアの生命を奪っていた要因になっていたから止まったはずです。……おお、なんかものすごく重要イベントなのに、自分はかいてないじゃないか。(汗)  自分が映画のあらすじ書く場合は、一回見直したほうがいいと深く思いました。二時間の容量が全部つまるほど、自分の脳は高性能じゃないみたいです。    ラブストーリーはあったのですが、山場の全部が思い出せなくて、はしょってしまいました。やっぱり書くには全部書かないとだめだと思ってしまって。だから400字なんていって誤魔化してしまいました。妥協しました、申し訳ありません……。    ラストは一応二人は生き残ります。なんで書かなかったのだろうか。自分でも理解に苦しみます。   -------------------------------------------------------------------------------- 時間泥棒 No.7400 投稿日 2004年1月1日(木)07時29分 投稿者 名無し君2号 「奴はとんでもないものを盗んでいきました。――あなたの時間です」  なーんて。  捕まっても返せないのは心も命も時間もおなじ。こっちは罪に問われない代わりに、そのうち相手にされなくなるけど。  恐い。プロはもっと恐いだろうけどさ。 >カリ城  ルパンがなにをしたのかをなぞっていくと……。  最初はかけだしだった頃の借りもあって、ゴート札をどうにかしようとしていたはず。そのどうにかが偽札の原盤を盗みだして自分で刷ることなのか、それとも破壊して偽札を作れなくすることなのかはわからないけど。  それがクラリスと出会って……。目的はクラリスの救出に変わる。すべてはクラリスを救うための行動へと変化した。  その後ルパンが実際にやったことって、クラリスを助けただけ。本当にそれだけなんだよな。あとは余録でござい。  ふむ。  主人公が泥棒でなければならない理由。  泥棒とはなにか。  盗みをする人のことです。なにかを盗まなければ泥棒である必要はありません。  ルパンが盗んだものってクラリスしかないわけなんだけども。でも連れていかないからなぁ。銭形のとっつあんは「あなたの心です」なんて言っていたが……違うよな。  そうか、伯爵からクラリスを盗んだわけだ。――世間一般ではそれを誘拐という。誘拐犯?  まあ、冗談はともかく。  伯爵の手から、ひっそりとしまいこんでいた籠の鳥、クラリスを盗んだ。盗んだあとでどうしようが、それはルパンの勝手だよな。持って帰ろうが、元の場所に戻そうが。なのでルパンはクラリスを盗んだのだ。決定。  そこだけを見ると、テーマは『籠の鳥は盗んででも解放するべし』になっちゃうけども。  エウレカするのはちょっとマテ。  水没遺跡とかゴート札はどうなのヨ。  いちおう、ルパンの行動原理がクラリス救出に変わる理由として、『ルパンは昔、クラリスに助けられたことがあった』というものがある。  でもそれを思いだすのは、伯爵に拳銃で撃たれ、寝こんでからの話。  その場面までは、なんとなく――クラリス初登場のとき、追われていたのを助けたのだって、クラリスが女の子だからという理由――助けることになっていたような気がする。  ルパンが伯爵の城に侵入したとき、塔の一角でクラリスと再会したのだって、たまたまそこにクラリスが軟禁されていたというだけだし。そこで『どうにかするから』と約束し たのは……かわいい女の子だったから? それ以外に理由が考えられないんだけどな。  ルパンにとってはかわいい女の子も宝物か。  そして伯爵は、ルパンにとっては宝物であるクラリスを、ちっとも大切にしない。  ……。  『女の子を大切にしないと、ひどい目に遭うぞ』がテーマですかね。伯爵だってクラリスを大切にしてれば、あんなひどい目に遭うことはなかったし。  ことの発端こそゴート札だし、ルパンの目的も最初はそうだったんだけど、それがクラリスの登場で全部持っていかれてしまう。ルパン、本当に途中からゴート札はどうでもよくなるし。指輪の謎もどうでもいい。不二子すら知ったこっちゃない。  ――すべてはクラリスのために!  エウレカするのはちょっとマテ。  それじゃ泥棒である必要がないじゃん。うむむ?  ルパンが泥棒である理由。  ルパンは冒頭で、ゴート札を『偽札だからいらない』と捨てる。使える札なのに偽物だからという理由で捨てるのは、『ルパンは本当の価値を知ってるんだよ』ということをあらわしているのでは。ゴート札を捨てるとき、次元はもったいなさそうな顔してるし。  泥棒が盗むのは『お宝』だから、泥棒が盗んだ女の子は『お宝』なわけだ。ゴート札より、水没遺跡より、なによりもルパンは――本物を見抜く目を持った男は、クラリスを選んだ。ということは、クラリスはもっとも価値のある宝ということになるではないか。  世界最高の泥棒が盗んだのだから、世界最高のお宝なのだ……は言い過ぎかも。  『お金より歴史より、清らかな女の子のほうがよっぽど価値がある』。  ……そうなのか?  これだったら宮崎監督、漢だが。  でも、ルパンが泥棒である理由は潰したし、ゴート札をお金、水没遺跡を歴史(文化)の象徴だとすれば意味は持たせられるし。ついでに伯爵は権力の象徴にしようか。  クラリスは伯爵という権力に、水没遺跡を守るための伝統、歴史に、ゴート札という金の象徴にそれぞれ苦しめられてきたわけだ。  そんなものよりも、女の子を救うほうが大切だろう、ということではないのかしら。  ああそうか。宝が宝のままであるためには、ルパンはクラリスのそばにいちゃ駄目なのか。汚しちゃうからね。  だから、最後にクラリスのそばにいるのは、枯れてしまった爺さんと犬だけ。野郎の影は微塵もなし。少年の存在もなし。 >No.96「姉弟喧嘩」(2000文字) >>なぜこの家は武道の家になっているのよ? 主人公にも姉にも、武道経験がなければならないのよ? なぜ姉は怖ろしい存在とされているのよ? なぜ主人公は逃げだそうとしていたのよ?  はなはだ安易ではございますが。  まず、動きのある場面を書こうというのが頭にあったんです。アクションシーンを書けるようになって損はないはずなので。  それも格闘シーンにしよう。  かといって、あまり凝ったものを書くのは2000文字じゃちょっと難しい。軽く接触する程度にしよう。  男同士だと、あんまり面白くは書けない……書ける自信なし。片方を女の子にすれば、すこしは誤魔化せるか? 女の子投入。  重い話……殺しあいを書くには、それなりの行数を費やさなきゃ無理だ。すくなくてもいまの私にはできない。軽いもの。喧嘩程度。  でもカップルで殴りあうのもな……。個人的には読みたいけど、分室の読者層に合ってるとはとうてい思えない。  理由が欲しい。  武道家ならばどうか。そして相手は男よりも強くなければならない(いま思えばここの考えは足りない。戦いの相性が悪いとか、男が手加減しなくてはいけない理由があるとかでもよかった)。だって、男が女をボコボコにする話なんて……ヒドイ。  男よりも強い……姉? 母? 恋人? 幼なじみ? 同門?  母親。マザコンか。それもいいけども。  恋人。痴話喧嘩?  幼なじみ。ありがちな感も。  同門。試合風景でもいいんだけど……。武道経験ないのだし。リアルにかける自信はないし。  姉。うん。これか。  さて、闘う理由を書かなければならない。説明じゃ臨場感がない。  命のやりとりとか、そんな重いのは駄目だ。どうしたって2000文字じゃ薄っぺらくなる。重ければ重いほど、それだけ字数が、枚数がいる……はず。  せっかく武道家だし。厳しい家から逃げだして遊びにいくところで。それを目撃されて、っと。軽ーく。  姉のおやつを食べちゃって……でもよかったかなって今さら。  そんな思考の流れで、今回の話にいたる。 >>「姉が怖い」=「女は怖い」ということさえ書ければ、他なんて、どーでもよかったんじゃん。お前のいつものテーマじゃんか。  そうだったのか、といま気づきました。そうか……そうか。私のテーマってそれだったのか。 >>ふざけんなよ。 >>もっと気合い入れて、頭使って、死ぬ気で考えて、書いてこいっての。 >>最近、たるんでるぞ。  返す言葉もなし、その1。  ということは、思い当たる部分もあるんだな……。 >>お前も物書きの端くれなら、能書きばかりうたってないで、その理念を体現させて、実際に小説の文章にして見せてみろっての。 >>「こうしたら怖くなるだろう」なんていう理屈を口先でこねるだけなら、そんなもん、素人にだってできるんだよ。  返す言葉もなし、その2。  字数が足りなかったんです、というのはしょせん言い訳だ。 >No.98「死亡遊技」(1600文字) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  店内は騒音といってもいいレベルで、いろんな音が駆けめぐっていた。有線放送。電子音。店員のアナウンス。コインが吐きだされる音。遠くからはパチンコの玉が生みだすノイズも混じってくる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冒頭のこれ、リライトします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (書き直し版)  店内は人々の熱気で、汗ばむほどだった。  目の前のスロット・マシーンが音を鳴らす。その音は一昔前のチープな電子音とは違って、リアルなギターやドラムのサウンドだったり、人の声だったり、あげく歌だったりと、じつに豪華なものだった。  しかしメーカーご自慢のその音も、まわりにある数十台のマシンから豪華な電子音とともに響く、吐きだされたコインが受け皿にぶち当たるかん高い、しかし実に心地よい金属音や、大音量で店内に流れる流行りの歌、それにかぶさる店員の独特のアナウンス――駅のアナウンスにも似ているが、やたらテンションが高い――の前に、目の前の台から発せられていながら、どうにも遠くから聞こえる。  かといって耳をすませば、パチンコ台があるシマから、銀玉を箱に流しこむ音が混じって聞こえる始末だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  というか……指摘されれば直せるのなら(直っているかまだわからないが)、指摘されるまえにやっておけという話。なんでできない、私。  パチスロは2回しかやったことがないんですけども。  弟がハマっていて、パチスロの攻略本(毎月、いろんな出版社からたくさん出ている)やら漫画(攻略本と同様)やら買ってるので、それを暇つぶしに読んでいるうちになんとなく覚えてしまった感じです。  リールやらボタンやらなにやら、読者はスロットがどういうものなのか、なんとなくはわかっているはずなので(ゲーム内ゲームとして、ドラクエとかに出てきたから)、うまく説明できれば、あー、あのことねとはわかるはず。リールなんて、たとえばそろった絵柄を書くとか、やりようはいくらでも。  まあ……駄目。我ながらどうにもなってない。  とりあえずゲームセンターにもスロットは置いてあるんだな。景品が出てくる奴。パチスロ屋の1ゲーム1000円(コインを買うのに最低それだけかかる)のが辛いなら、ゲーセンで100円で体験すればいいだけのこと。 >青葉さん >名前  菅原涼。  どうしてこの名前を女の子の名前と感じなかったのか。  『涼』も女性と男性、どちらともとれる名前ですが、それに輪をかけて苗字も問題だったのかなと思います。  なんとなく――あくまで『なんとなく』ですけど、菅原は男性的な感じがするんですよね。いっそ名前だけ、『涼』だけにしておくとかどうですかと提案。 >>冴、怜、風、凛  菅原冴、菅原怜、菅原風、菅原凛。  どれも女の子の名前に読めます。  ――でも、これって人によって感じかたがけっこう違うような気もするし、私の感覚が一般的だという自信もさほどないし。 >説明文 >>なにも考えずに、説明文はとにかく5行以上書くな、というわけにもいかない気がしますし……。  あああ、そーか。  『分室では説明文は5行以上つづけると目が離れちゃうよの法則』ではわかんないですね。ここ分室で、過去に私がやっていた課題だったので、それだけで伝わる気になってました。  私自身の理解度を測る目安にもなるので、説明してみます。  世の中には時間の流れというものが存在します。こうして文字を目で追っている瞬間にも、数秒が経過しているわけです。こうして書くともの凄く当たり前なことなんですが。  つまり、なにをするのでも人間、時間が経過していくことからは逃れえないわけです。  それは小説のなかでもおなじことで、登場人物がなにか行動するたびに、時間は経過していきます。  小説の文章には描写文、動作文、会話文、思考文、説明文とありますが……。  うち、説明文以外はすべて時間が経過します。 (例文)  心をぎっちりと締めつける、冷たく重い、灰色のもや。ときおり体中にぶわっと広がって、指先までもびくりと震わす。そしてまた元どおり、律儀に心を締めつけ続けてくれる。  こんなに緊張したのは、圭子にとって一六年の生涯で初めてのことだった。  ――がんばらなくっちゃ!  圭子には頑張らなくてはならない理由がある。ここでグランプリを取らなければ――賞金を手に入れなくては、弟は修学旅行に行けなくなってしまう。圭子とおなじ哀しみを、弟にだけは味あわせたくなかった。  圭子は深く息を吸いこむ。 「一八番、野村圭子、歌います」  吐息に似た歌声が、唇からあふれていった。  ――まあ、なんのこっちゃな例文というか駄文ですが。  これをそれぞれの種類にわけていくと、 ■描写文 ・心をぎっちりと締めつける、冷たく重い、灰色のもや。ときおり体中にぶわっと広がって、指先までもびくりと震わす。そしてまた元どおり、律儀に心を締めつけ続けてくれる。 ■動作文 ・圭子は深く息を吸いこむ。 ・吐息に似た歌声が、唇からあふれていった。 ■会話文 ・「一八番、野村圭子、歌います」(厳密には会話じゃないような気がする) ■思考文 ・――がんばらなくっちゃ! ■説明文 ・こんなに緊張したのは、圭子にとって一六年の生涯で初めてのことだった。 ・圭子には頑張らなくてはならない理由がある。ここでグランプリを取らなければ――賞金を手に入れなくては、弟は修学旅行に行けなくなってしまう。圭子とおなじ哀しみを、弟にだけは味あわせたくなかった。  見比べてもらえばわかると思うんですが、説明文だけは話のなかで時間が経過していきません。思考文であっても、一秒は経過してますが、説明文ではまったくです。  それは、説明文――つまり説明という作業が、過去のことしか表せないからです。  だれかになにかを説明するとき、たとえいま目の前で起きていることであれ、相手に伝わったときにはすでに数秒が経過してますよね?  だけどほかの文、描写文、会話文、思考文は、あくまでリアルタイム、登場人物が感じるのと同時に、読者も感じることができます。  わかってもらえるかしら。うまく説明できているかしら。どきどき。  さて、読者はなにを求めて小説を読むんでしょう。  根っこには暇つぶしという大きな理由がありますが、その暇つぶしの種類として、仮想体験、違う世界を感じたい、というのがあると思います。  違う世界を味わってもらうために、一番いいのは……。  リアルタイムに感じてもらうことですよね。登場人物が喜び、怒り、哀しみ、楽しむ。それを一緒になって感じてもらうことです。  読者はその世界に行きたい。のめりこみたい。厳しい現実を忘れたい。  だけど説明文はその邪魔をします。だってタイムラグがあるから――時間が経過しないから。現実世界では時間が流れているのに、そこでは時間が流れていない。つまり違う世界である。のめりこめない。薄皮一枚で隔てられた感じといいますか。  とはいえ、まったく説明なしで物語を書くのもまた難しいことです。読者がのめりこむための手伝いとして、状況をわかりやすくするための、文字通り『説明』として、説明文は有効に使うことができます。  だけども、あまりにも時の流れを感じることができないと、読者は醒めてしまいます。ここは違う世界なんだと気づいてしまいます。そのリミット、限界が5行。  この5行という数字にも理由があって、それは読者が情報を覚えていられる限界が、せいぜい5行前ということです。これ以上過ぎてしまうと、忘れてしまう。  つまり、5行以上説明文が続いてしまうと、もう読者は説明文しか覚えていない――そんな状況になってしまうということです。  説明文だけ読むということは、教科書とか新聞とかガイドブックとか読むようなもんです。いくら面白くても、それは小説ではないですよね。  ですから……。 >>>>仕事の後、心臓は早鐘を打つどころか速射砲みたいな音を立てていたし、歩くごとに足首のあたりにはにぶい痛みが走っていた。 >>の文章で書いていることと、 >>>> たとえば、『体力がない』ことは、ベンチに座っているときの主人公の足の痛みとか、倦怠感とかで描写できますよね。 >>の差はなんなんでしょう?  の質問には、『読者が自分の感覚として、それを感じることができるかどうかの差』と答えます。  だから、これが『仕事の後』じゃなくて、実際に仕事をしているときの場面で、こういう描写ならば、読者としても実体験として感じられたりします。  でも、いまの場面はそうじゃないですよね。仕事を終えて彼女とふたり、公園でなごんでいるところですよね。ああ……、やっと終わったよ……とか思っているところですよね。  立ちあがる気力もないとか、ふくらはぎにじんわりと痛みが残るとか、腰いてえとか、気がつくと口を半開きにしているとか、うなだれたまま顔を上げられないとか、まあいろいろあると思います。 >No.2「勝負」(2000文字) >>こっちのが説明文の山であることは自覚しています。 >>けど、なんの説明もなかったらいったいなに悩んでるんだって思われて、読み飛ばされるだけだと思ったのですが……。  読者というか私としては、主人公の葛藤は感じたいですが、べつにカードゲームの説明書は読みたくありません。カードゲームにも興味がなかったりします。  カードゲームが好きな読者しか相手にしないのならばともかくとして、私のようなロクデナシも取りこみたいのならば、それなりに考えないといけない問題のような気がします。  青葉さんはジャンプを読んでいるみたいなので……。  『アイシールド21』というアメリカン・フットボールの漫画がありますよね。もう1年ぐらい連載しているんですかね? 私は最初から読んでいるんですが、まったくもってアメフトのルールはわかるようになってません。単行本6巻分まで読んでも、ちっともわからんです。1チームは何人なのかすらわからないし。  だけど面白いんですよ。  そして、私はアメフト自体にはまったくもって興味がありません。でも面白いです。  なんでだろう?  そのうち分析したい所存ですが、青葉さんがやってくれるなら楽ではあります。他力本願。 >1000字課題  No.99「最後の言葉」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=730&e=res&lp=550&st=0  主観視点のつもり。男が死ぬ場面を書いたものだけど、仰々しくならないように、なるべく力を抜いて書いてみました。  レスには7時間、気がつきゃ新年。あけましておめでとうございます。なんにもめでたくないけどなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- 新年初の書きこみです。 No.7401 投稿日 2004年1月1日(木)17時26分 投稿者 弟切 千隼  実家でおせち料理攻めに遭っている弟切です。これ以上太ってはならじ、と危機感を感じています。 >「メイド」書き直し  とりあえず冒頭部分を書き直してみました。皆さんの御指摘をお待ちします。 ---------------------------------  野々宮桐子は自宅の前に立っていた。腕時計にちらりと目を走らせる。少し考えてから、扉に鍵を差し込んだ。  扉を開けると、彼女の目にダイニングの光景が飛び込んだ。 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  フローリングの床がぴかぴかだった。床板の木目がくっきりと見えている。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  床には空っぽの洗濯籠が置かれていた。彼女が家を出る時までは、その中は汚れ物でいっぱいだった。  あの汚れ物はどこへ? 桐子が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。 「お帰りなさい」  明るい声に桐子は振り向いた。レモン色のエプロンを着た女性が立っていた。 --------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- 参加希望です。 No.7402 投稿日 2004年1月1日(木)23時40分 投稿者 津荒 夕介 あけましておめでとうございます。 何度か「よみかく」の方でおせわになりました、宮田夕あらため津荒夕介というものです。 参加希望です。 過去ログのほうは3000くらいまでしか読んでません。おいおい読んでいきます。 では自己紹介でも。 ライトノベル作家志望です。 年齢 18  性別 男  所在 愛知県 私立男子校の高三です。 執筆暦は二年ちょっとですが、だらだら書いていただけなので、大したことないです。 大学入学が推薦で決まったので、時間はあります。 せっかちで、ばかで、精神が弱いですが、(いいとこないな……)どうぞよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 一富士二鷹三なすび No.7403 投稿日 2004年1月2日(金)12時10分 投稿者 弟切 千隼  初夢とは、正月二日の夜に見る夢を指すのだそうですね。今年はどんな夢が見られるのか楽しみです。弟切は覚えていないことも多いのですけれど(笑) 青葉さんへ >  課題部屋にあるNo.728「きゅうせいしゅ」を読みました。簡単な指摘をさせていただきます。 >> 昼下がりの平和な街は、今やどこにも存在していなかった。  冒頭のこの文は、意味が取りにくいです。  この文には、日本語としての誤りはありません。  けれども、この文は、「昼下がりの平和な街」を読み手の頭に浮かばせてから、すぐに「どこにも存在していなかった」と打ち消させていますね。これは読者さまへの負担が大きい書き方です。  せめて、「昼下がりの平和な街」を、一行を使って説明ではなく描写して下さい。それから、それが破壊される様子を書いて下さい。  そのくらいの「溜め」がないと、読み手の理解が追いつきません。ここは、物語世界への導入部分なのですから。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7404 投稿日 2004年1月2日(金)13時59分 投稿者 新木 伸 >青葉さん  いまの青葉さんにいちばん足りないもの。  このところのやりとりを見ていて思うのは、まず、コミュニケーション能力でしょうか。  小説のことを言っているのではなくて、普段からのコミュニケーションの話です。  小説も日常会話もどちらも陸続きで、二つとも同じ能力が要求されます。  分室用語を突然持ち出されて、わからないのは仕方がないとしても……。一般的な内容の会話でも、色々と齟齬が生じていますよね?  弟切からの、「“選択”といわれてもわからない」だとか。2号からの「説明文」のことだとか。  会話やら、掲示板上でのやりとりであれば、不明な点は質問することもできます。  しかし小説というのは、作者から読者に向けての一方通行のメディアです。質疑応答の機会なんてものは、どこにも用意されていません。  小説を読んだその時、ただ一度きりのチャンスでもって、間違いのないように伝えられねばならないわけです。  リカバリーするチャンスは、ありません。  一度読んだだけで、誤解されてしまったり、わからなかったりしたら、もうアウトなわけです。  つまり、普通に会話しているときよりも、一段高いコミュニケーション能力が要求されるわけです。  青葉さんに足りないものとしては、以下の二つです。 ・聞き取る能力。 ・伝える能力。  まず話を聞く能力。  人の話を聞いていても、相手がなにを言っているのかわからないときがあります。  コミュニケーションのスタートなんていうのは、まあ、だいたい、そんなもんです。  お互いが知っていることなら、わざわざ、話して伝える必要はないわけです。片方が知らないことだからこそ、伝えなければならないわけです。  人間が二人いて、片方が、もう片方の知らない概念について話そうとしているのですから、片方にとっては、「なに言ってるのかわからない」で当然なわけです。  たとえば弟切の「選択」の話題。  たとえば2号の「説明文」の話題。  もうすこし前なら、「梅雨」の話題。  どれも、青葉さんにとっては――なにが問題になっているのか、はじめはまるでわからなかったわけですよね?  そこで「わかりません」と、すぐに口にしてしまうのは、すごく容易なことなのですが……。  相手は、「なにか」を伝えようとしているわけです。たぶん青葉さんの知らない「なにか」です。  それがなんであるのか、もっと深く考えこむ習慣を付けましょう。  自分なりに考え、「こういうことかな?」「それともこうかな?」「もしかしたら、こういうことを言っているのかもしれない」――と、数通りの推測を、まず考えます。  そうやって自分にできる範囲で最大限に考え抜き、どうしても、相手に質問しないと解決できないところまで煮詰めてから、質問をするように。  ひらたく言ってしまうと、「なにか言われたら、口を開く前に、一晩ぐらいは考え抜いてきやがれ」てな感じ。  つぎに、伝える能力のほう。  人になにかを伝えるという行為は、二つの要素によって成り立っています。  「なにを」伝えるか、ということと。  「どのように」伝えるか、ということ。  伝える「内容」と、伝える「方法」とのふたつですね。  青葉さんの場合には、この最初の段階でつまづいていることが多いです。  「なに」を伝えようとしているのか、自分自身でも、よくわかっていない。――これでは伝える方法を云々する以前の段階です。  こんなことを言うと、青葉さんとしては、「いや、自分はなにを言おうとしているのか、ちゃんとわかっている」と思われるでしょうが……。  ここで僕の伝えようとしている「なにか」を、もうすこし、考えてみる努力をしてみてください。  たぶん、青葉さんのこれまでの概念にないものを話しているはずですので。  青葉さんは、もちろん、自分がなにを言おうとしているのか、自分でわかっているはずです。青葉さん的には、充分なだけ、わかっているはずです。  しかしその「自覚度」というか、「わかっている度合い」は、分室の基準でいうと不充分なわけです。  このへんの「なにを書いているのかの自覚」の話は、よく「意識化」とか「明文化」とかいう言葉で出てきていますが……。  青葉さんがなにかを話しているとき、その「意識化」のレベルは、ここの基準でいうなら、「なんとなくわかっている」という程度のものなんですね。  その「なんとなくわかっている」というのは、分室の基準でいうと、わかっている範疇には入らないわけです。はっきり意識化されていないものは、わかっていないのと同じ、ゼロに等しい――と、分室ではみなされます。  ――で、世間一般的には充分なだけの意識化はされてるけど、プロとして小説を書こうというのには足りていないので、ぶっちゃけ「足りない」と、そう言っているわけですね。  シロウトの繰り出す「俺的にはすげぇパンチ」が、プロボクサーから見れば、ハエが止まるようなスピードで、全然すごくもなんともない――ということと、同じようなもんです。  「すごい/すごくない」なんて話だと、主観と感性の問題になってしまうので、もっと客観的で定量的な基準を出します。  充分な意識化がされている概念というのは、要約することができます。  ひと言で書くことも、1行で書くことも、3行、あるいは5行で書くことも――。必要であれば原稿用紙数枚にも書けるし、数十枚にもできます。  短くまとめることも、長く記述することも、自由自在です。  「わかっている」ということは、そういうことです。  伝える方法について。  青葉さんの場合には、まだ「方法」を云々する以前の段階なので、このへんは大ざっぱなアドバイスにしておきますが……。  自分の書きこみを、書きこむボタンを押す前に最低三度は熟読して、「これで相手は理解してくれるだろうか?」と、厳しく自己に問い正す習慣を付けること。  その際には、はじめてその文章を読むつもりになって読むこと。  そこにある文章を、自分の文章だとは思わない。  誰か他の人間が書いた文章を読むつもりで読んでみること。 >江崎さん  上の青葉さんに書いたこと。  江崎さんにも、そのまま、あてはまりますので。他人事と思わないこと。  あらすじが書けないのは、概念の意識化と要約とが、できていないためです。  同じ話のあらすじを、1行でも、3行でも、100、200、400、800字――それぞれの長さで自在に書けるようになれば、充分といえます。  さらに集中することもなく、自然体でそれができるようになったら、実戦レベルです。 >青葉さん >選択科目の話  ところで「選択」って、なんなんですか?  僕、白状すると、じつは中卒なもんで、ぜんぜん知らないのですが。  「選択」は「選択科目」の省略形のようですが、それって、なに? >青葉さん >説明文の話  話が噛み合ってませんね。  「最低限の説明」とか。「必要な説明」だとか。または「不要な説明」とか。  僕は(あとおそらく2号も)、そういう区分けをしてないんです。  どんな種類であれ、説明文は一切不要だろ――と、そう言っているわけです。  一切、まったく、あらゆる説明文を排除して、ただの一行も説明を行わなくたって――「カードゲームにおける勝負の緊張感」なら書けるだろ、と、そう言っているわけです。  説明文を入れないと、書けないものも出てきます。  それはTCGというゲームのルールです。ルールがあることで生まれる制約やら、それによる葛藤などは、書けませんよね。――ルールの説明をしておかなければ。  しかし、主人公が「なぜ」葛藤しているのか分からないままでも、「葛藤している人間」というものを書くことはできます。  葛藤しているその理由を伏せておいても、葛藤している人間の「状態」なら書けるわけです。  これと同じ種類の話で、根っこが繋がっていることを、じつは他でもやっています。 >>723 1000字課題 青葉桂都 No.1「クリスマスは一緒に」  ――の冒頭の部分で、「体力のない人間がケーキ屋で一日中働かされてヘトヘトになっている」ということを、丸々、説明文のブロックとして書いてしまっていますよね。  あそこで青葉さんは、疲れている「状態」を書かずして、疲れている「理由」だけを書いてしまっているわけです。  ちょうどいいので、あれ、書き直してみましょう。  これまでとは、まったく逆にします。  疲れている「理由」は一切書かず、疲れている「状態」だけを書いてください。足がだるいという本人の「感覚」を書いてみたり、動きが鈍くなるという「現象」を書いてみたり、「理由」には触れずに「状態」だけを描く方法は、たくさんあるはずです。  知恵を絞って、「疲れている人間とは、どのようなものなのか?」と考え抜いてください。  説明と描写の違いを理解するには、口で理屈をこねていたって、はじまりません。  手を動かして、「描写文」というものを実際に書けたときに、体感として理解できるはずです。  青葉さんの書いたものが描写文になっていたら、「それが描写文だよ」と言いますので、安心してください。  ちなみに、ここで何が問題とされていて、なにを言われているのかわからない場合には――質問は受け付けますが、一晩考え抜いてからするように。 >統計とか  数値化できて、正規分布に従うデータを扱うときには、信頼度の求めかたとか、必要な信頼度を得るためのサンプル数とか、その導き出しかたとかまでわかるんですが……。  「名前」のような数値化できないものを扱う場合には、どうやって信頼度を求めるのだろう――てな話です。  「経験則」以外の方法で、理論的に求められるものなのかしらん? >弟切 >> 野々宮桐子は自宅の前に立っていた。腕時計にちらりと目を走らせる。少し考えてから、扉に鍵を差し込んだ。  だからさー。  この一行を読んで、以下の二つをどう読み取れっていうのよ? ・主人公が家を空けていた理由。 ・主人公が家を空けていた時間。 ●2号 >カリオストロの城とか  ルパンというのは、宮崎駿の「カリオストロの城」の中では、じつは泥棒じゃないんだな。  だって、なにも盗んでいない。  これは僕個人の勝手な推測なのだけど、泥棒をヒーローとするにあたって、作者の中で葛藤でもあったのだろう。あの話の中では、「泥棒」に別の役割が与えられている。  「ルパン=泥棒」という先入観を捨てて、ルパンが実際に行った行動から、彼が何者であったのかということを、役割的に考えてみるべし。 ・ルパン自身が行ったこと。 ・ルパンの行動によって副次的に行われたこと。  作品というものは人間によって計算され、組み立てられるものだ。ルパン自身がやったことのみならず、副次的に起きたことまで、すべて「ルパンがやったこと」とみなしてかまわない。作者はそのように出来事を設計するものだから。  ルパンはなにも盗んでいないのだとする。  ――では、ルパンはなにをした?  あの話の中で主人公=ルパンが何者であったのかということが意識化できたなら、答えはそこにある。  ルパンはなにをしたのか。  彼は何者であったのか。  ひとことで言えるようになるまで、考えろ。 >No.96「姉弟喧嘩」の思考開示  あの話をどうやって考えたのか、なにを考えて、どう決めたのか。思い出したな?  じゃあその各プロセスにおいて、考えて、決めたことは、妥当であり充分な思考をした末の結果だったのか。  いま考え直しても、「それが最良であった」と同じ結論にたどり着くのかどうか。  検証しろ。  もし違う結果が出てくるようなら、その「動きのある場面を書く」ための最良の方法にもとづいて、書き直しな。  課題、宿題、色々あるから、どこか先の予定として積んでおけ。べつにすぐやらなくていい。 >パチスロとか  ちなみにNo.98のパチスロの話。  あれ読んだ青葉さん、パチスロじゃなくて、「パチンコ」だと誤解したままなのだが……。  パチンコだと誤読させてしまった自分のヘタレっぷりに、なにか思うところはないか?  パチンコだと誤読されてしまったら、パチンコでなくて、わざわざパチスロにした意味、まったくねーじゃん。まるで失敗じゃん? -------------------------------------------------------------------------------- 書き初め課題 No.7405 投稿日 2004年1月2日(金)14時00分 投稿者 新木 伸 >宮田さん  宮田さんは、宮田さんでしょう?  理由もないまま、名前を変更されるといわれても、受け付けられません。  宮田さんの場合、最近のものを見ていないので、いまどんな感じなのか、まず見てみましょうか。  時間はあるということなので、とりあえず一週間ほど、最大限に時間を使って、なにか一本書いてきてください。  時間を使う=手間をかける、です。  朝から晩まで、寝る間も惜しんで、書いてみてください。  できましたら、課題部屋のほうに。  なにか用事やら、そのほかの事情があったならあったで、その中における「最大限の時間」でいいです。  とりあえず、短編ぐらいは期待しています。まあできなければ2000字でも、なんでも。  プロなら一週間あったら、60〜100枚の中編あたり(商業レベルで)というところですが。 >江崎さん、青葉さん、2号、他 >書き初め課題  江崎さんは、撤退かな?  江崎さんのほうも執筆の瞬発力とかは見てないので、宮田さんと同じ課題にチャレンジしてもいいです。  あと青葉さんと2号も、1000字課題を一時停止して、一週間でなにか一本、短編あたりを書いてくるように。  他の人でも、やりたい人はどうぞー。 -------------------------------------------------------------------------------- 大学・短大への進学率について No.7406 投稿日 2004年1月2日(金)16時38分 投稿者 桜庭 優  新木さん、よみかく分室のみなさま。あけましておめでとうございます。そして、お久しぶりです。桜庭 優です。  実は某氏関連で一回書き込みをしていたのですが、まあ色々ありまして(笑  さて、この書き込みはちょっと前に、エディタで途中まで書いていたもので、本題は別にあったのですが、時間が空くとネタが古くなってしまうので、ちょっと気になったことだけを書き込みします。 (本題はまた今度、ということで) >弟切さん >大学進学率  弟切さんは高校生が大学や専門学校へ進学することが、「特別なこと」だと思っているようですが、昔ならともかく、大学がレジャーランド化しているなんて言われている現在では、大学に行くことはそう特別なことではないような……。  と思っていたら、実際にはそうでもないらしいです。  Googleで調べてみたところ、弟切さんの実家に近い静岡県浜松市(静岡といっても広いですが)の調査 http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/db/statistics/contents/07_06.htm  によると、高校進学率が平成13年度で96.1%に対し、大学・短大進学率が50.1%になるということ。大学・短大進学率が高校進学率の約半分強。  大学へ行き、専門学校にも行った私にとっては、まさしく、「へぇ〜」。  東京とかの都市部になると、大学や短大への進学率はもう少し高くなりそうですが、それにしても意外と低いものですね。  ちなみに、 http://tamagoya.ne.jp/mm/yoko2/052.htm  によると、「OECDの統計で、日本の4年制大学卒の女性の比率が加盟国内で最低」だそうです。  こういうことからすると、自分の経験だけで物事を判断するのではなく、色んな人がいるということを考えておいた方がいいですね。    でも、弟切さんも反論するのなら、こういう証拠(事実)を提示して反論しておけば、青葉さんも含め、皆すぐに納得したような。  本日は、これで失礼いたします。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- ここに書きこむのは、本当に緊張します。 No.7407 投稿日 2004年1月2日(金)23時58分 投稿者 津荒 夕介 >新木さん  名前を変える理由ですね。たしかに書かないといけませんよね。すみません。  以前名乗っていた宮田という名前は、本名です。名前の大切さを知らずに、テキトーにつけて、テキトーにつかってました。  そんな認識の中、分室を読んでいて二号さんの「名前どたばた事件」を見ました。  そのとき名前の重要性をようやく知りました。  名前って一生つきあうものですし、信頼とかにもつながってきますからね……。  それで、適当だった自分のペンネームを変更すべきだ、と思ったんです。  自分が書く作品のカラーに合わせて名前をつけるべきなので、そういう方向性で考えました。  僕はちょっと暗めの話を書きたいなーと思っています。  宮田という名字はどうも古臭くて、ライトノベルっぽい若い感じがしませんでした。  津荒という名字からは、響きから新鮮な感じがしました。それにあんまり聞かない名前なので、覚えやすいかな、とも思いました。  夕は夕日が好きだからという理由でつけていました。  しかし、夕だけでは男か女かわかりませんし、発音してみてもなんだか頼りなげです。  夕という字はちょっと暗い感じで、目指している作品のカラーにぴったりだと思っているので、介を追加して、夕介としました。  こんな理由です。  ですからこれからコロコロ名前を変えたりとかは、しません。 >課題  了解です。  あと、指摘を書いてみました。 >二号さんへ NO。99「最後の言葉」 >それは長ドスだった。そして影は少年。くすんだ金髪が尖っていた。  長ドスってどんなのですか? 知らないもんで……  金髪が尖っているっていうのは、ハンターハンターのゴンみたいな髪型なんでしょうか? よくわからなかったです。  あと、少年が倒れた黒部のところに戻ってきますよね。でも普通は戻ってこない気がするんですよ。  僕だったら、人を殺したらすぐ逃げますよ。誰かに見られたらまずいし。  それとも人を殺しても捕まったりしない、結構余裕がある世界観なんでしょうか。  それから全体としてですが、  最後まで読んでも何が起こっていたのか、よくわからなかったです。いや黒部が少年に刺されて、死んだっていうのはわかったんですが。  なんで黒部が公園にいたのか、(普通プレゼント買ったらすぐに家に帰る気がするんですよ)とか、  なんで妻と娘の名前を名残惜しそうに呟いているのに、死ぬとき満足っぽいのか、とか、  少年の犯行の動機、とか。  それらが最後まで宙ぶらりんな感じで、気になりました。 -------------------------------------------------------------------------------- あけましておめでとうございます。 No.7408 投稿日 2004年1月3日(土)23時51分 投稿者 羽矢野  本年もよろしく。 ●二号さん(名前をつけんかーい) >>最後の言葉  最期ではなくて、最後にした理由を教えてください。 >>深夜の公園。入り口だけは外灯が照らしているが、そこを抜けると、なかは夜に暗 く沈んでいた。さびついたブランコが寂しい。  一行目。  なんか、よくわかりません。  場所の説明なのか。  でも、抜けるって動きがあるし。  ??  絵が、全然浮かんでこないですね。 >>夜に暗く沈んでいた。  外灯がなくて、真っ暗という意味?  沈んでいたって表現は、わかりません。 >>さびついたブランコが寂しい。  真っ暗なのに、ブランコの場所がわかって、錆び付いていることまでわかる。  ??  公園って、犯罪防止のために、真っ暗な場所をつくらないようにしてると思うんですが。  入り口に外灯があるだけで全体がうっすらとでも照らせる規模の公園なのかな。  それだと、入り口を抜けると真っ暗というのがわかんないですね。  どこにある、どのくらいの大きさの公園なのでしょうか。 >>寂しい  蛇足。  寂しいと伝えたいなら、誰もいない夜の公園で、小さくキコキコ揺れるブランコを描写して伝えてほしい。  とか、まあいろいろ思いながら読んだのですが。  主人公は、なぜ夜のブランコで、黄昏てたんでしょうか。  別にそうすることが、悪いとはいいません。  でもするなら、ちゃんと理由がありますよね?  例えば、公園の砂場で遊んでいる子供を見ているサラリーマンがいるとします。  彼は、事故で自分の子供を亡くしていて、その砂場で子供がいつも遊んでいました。  だから、死んだ子供と同じくらいの年齢の子供が遊んでいるのを見ると、重ねてしまうのです。  とか。  夜に、娘のプレゼントを持って、ブランコを見ているのは、なぜでしょう?   >>自嘲しながら、黒部は真っ白な革靴のつま先で、ブランコを揺らした。  黒いスーツを着て、白い革靴を履いている……って。  普通、そんな組み合わせはしないと思うんですけど。  あと、少年って、めちゃめちゃすごい殺し屋なんですか?  すごい冷静沈着。  少なくとも、何人と人を殺してますね。  あと、なぜわざわざ戻ってきて、娘にぬいぐるみを届けてやると言ったのでしょうか。 それにも、やっぱり理由があると思いますけど、それが伝わってきません。  ちなみに。  少年の側の動機は、どうでもいいかと思います。  黒スーツのヤクザが刺されて、動機が語られてなくても、普通は組同士の抗争なんだなとか読者側で作りますから。(別にそうされても、問題ないことでしょうし)  普通の八百屋さんがドス持った人にさされたら、それは動機書かないと変ですけど。  と簡単ですが。  では。   -------------------------------------------------------------------------------- 初インフルエンザ? No.7409 投稿日 2004年1月4日(日)03時09分 投稿者 弟切 千隼  新年早々、39℃に迫る高熱を発した弟切です。昨日の午後に倒れて、まる一日寝たきりでした。  仕事があるため、少し回復した夕方になって、無理やり湘南に戻ってきました。  久々に高熱を発して、「熱が高すぎると、かえって眠れない」ことを発見しました。初夢どころではありません(;_;)  熱で脳細胞がやられないように、首と頭を冷やしていたおかげで、終始意識は明晰でした。しかし、体のほうは、寝返りを打つのもつらいほど弱っていました。  これで、高熱を発した時の様子は書ける、はずです。 >「メイド」書き直し >>・主人公が家を空けていた理由。 >>・主人公が家を空けていた時間。 (No.7404の新木さんの書きこみより)  この二つを読み取ってもらえるように、書き直します。 桜庭さんへ >  お久しぶりですね。  大学進学率に関するフォロー、ありがとうございます。確かに、具体的なデータを示したほうが、皆さんに納得していただきやすいですね。  以下に説明を補足します。桜庭さんが示して下さったデータを参照しながら読んでいただければ、わかりやすいかと思います。  現在の日本では、短大を含めても、大学進学率は50%に達するか達しないかといったところです。過去においては、最近まで、大学(短大を含みます)進学率30%台という時代が長く続きました。  ということは、現在十八歳以上の日本人の中では、大学生活を体験している人のほうが少数派ですね。大学生活を体験していなければ、大学に「選択科目」などというものが存在することを知るはずがありません。  大学に進学した人といえども、卒業してしばらく経てば、大学生活の記憶は薄れます。  普通の社会人の生活では、「選択科目」という言葉を使う機会はほとんどありません。使わない言葉は忘れます。普通の社会人は、「選択」という言葉から「選択科目」を思い浮かべることは、まずないでしょう。  加えて、普通の十五歳未満の日本人は、「選択科目」が存在する学校生活を体験していません。十五歳未満の日本人ほぼ全員も、「選択科目」が何かを知りません。  こうしてみますと、「選択」とだけ書けば「選択科目」のことだと理解してもらえるという目論みは、無謀であるとわかっていただけるでしょう > 青葉さん。 津荒さんへ >  いらっしゃいませ。  ハンドル名については、由来を説明して下さったので、とりあえず新名で呼ばせていただきます。  ところで、この名字は何と読むのでしょうか? 「つあら」でよいのですか?  弟切は、これまで、この名字を持つ人に出遭ったことがありません。そのため、読み方に迷いました。  津荒さんは、今、大学への進学を待つばかりの状態だそうですね。弟切の経験からいいますと、その時期は、生涯で最も暇のある時期です。しかも、若くて気力も体力も溢れている時期です。学んだことがどんどん身に付いてゆきます。  やりたいことがあるなら、今こそ死に物狂いでやって下さい。この時期にできなければ、たぶん一生できません。  以上、若い時代を無為に過ごしたおばさんよりの助言でした(;_;) 江崎さんへ >  No.7399の書きこみに、気になる部分がありました。 >> 人間の男女でいえば、友達から恋人。恋人から結婚して夫婦に。 >> 途中にある経過……友達から恋人なら、どちらかの告白。恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。 >> 要はやはり、コミュニケーションの山場、境界線をこえたときが、状態変化の兆しだと思います。  上記の文章中の、強調した部分がそれです。  統計を取れば、おそらく求婚は男性から、というのが多いでしょう。けれども、必ず男性からとは限りません。弟切が知っている範囲でも、女性から求婚した実例があります。  指輪も、求婚に付随するとは限りません。婚約指輪も結婚指輪もないままに結婚した知り合いが、弟切には複数います。  上記の書き方では、「女性から求婚することなど、あり得ない」・「男性は、求婚相手に必ず指輪を渡さなくてはならない」という具合に読めてしまいます。それでは、求婚した女性や求婚相手に指輪を渡さなかった男性に失礼ですよね。  「男性が女性に指輪を渡す」のは、求婚のやり方としては一般的だと弟切も思います。物語の中で、便利に使える類型の一つですね。  でも、類型にとらわれ過ぎるのはよくありません。物語で使うなら、あっと言わせる奇抜な求婚のやり方があってよいでしょう(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- 三が日が終わった No.7410 投稿日 2004年1月4日(日)10時27分 投稿者 名無し君2号  おもちだのなんだの、ずっと食べている……けどちっとも太らない。  痩せているのは痩せているで、すこし悲しいのだけれど。もっと肉が欲しいんだけど。脂肪がないぶん、寒さが身に染みるんだけど。  これってぜいたくな悩みになるんだろうなあ。 >カリオストロの城  ルパンがなにをやったのかを考えてゆく。  まずはルパン自身が行ったこと。 ・ゴート札をカジノから盗みだした。 ・冒頭、追われているクラリスを助けようと努力はした。 ・クラリスから預けられた指輪が原因で、伯爵の手の者と戦うはめになった。 ・指輪の偽物を作る。 ・伯爵の城に侵入。 ・クラリスと再会。救いだすことを約束する。 ・伯爵に地下に落とされ、銭形と一緒に脱出する。銭形を救い、さらに銭形にゴート札の存在を知らせる。 ・クラリスを連れだそうとして、撃たれる。 ・伯爵とクラリスの結婚式を妨害。 ・カリオストロ公国に伝わる指輪の謎を解く。 ・時計台から落下するクラリスを助けた。  ルパンの行動の影響でおきたこと。 ・銭形警部がルパンを追ってカリオストロ公国にやってきた。 ・銭形警部の手で、ゴート札が世間の明るみにされる。警察の手が入る。 ・伯爵死亡。 ・伯爵の手で、水没遺跡があらわれる。 ・峰不二子がどさくさにまぎれてゴート札の原盤を手に入れる。  カリオストロ公国に侵入する前の『カジノからゴート札を強奪』と、脱出するときの『不二子が入手したゴート札の原盤をうらやましがる』。ここだけは、ルパンは本来の泥棒として動いていた。  しかし、カリオストロ公国にいるあいだは、ルパンは泥棒としての自分を忘れることになる。  ――明らかに違う。  カリオストロ公国にいないところでの行動は、考えにいれなくてもいいような気がする。ゴート札はあくまでカリオストロ公国に行くためのきっかけ、そしてゴート札でまた泥棒に戻ると。  公国内でルパン自身が行ったことは、みな『クラリスを救う』ためのもの。それ以外にはなし。  ルパンが公国に来た影響で起きた出来事をまとめると、 ・公国でゴート札を作ることができなくなった。 ・伯爵の死亡。 ・指輪の謎が解き明かされ、水没遺跡があらわれる。  おもにこの三つになる。  そしてこれらはみな、やはり『クラリスを救う』ために必要なことなんだな。  まずは伯爵の死。公国を狙い、伝承に伝わる宝を手にいれようとするこの人が生きているかぎり、クラリスが安らかな日々を送ることはできない。  伯爵が死ぬだけではまだ不十分だったりする。  ゴート札の存在。  ゴート札はカリオストロ公国において、国ぐるみで刷っている偽札である。つまり、国の当主はゴート札も引き受けなければならない。作品中では伯爵家が悪事を一手に引き受けていたようだが、国の当主たる公爵家がなにも知らないとも考えにくい。  クラリスの夫となる男性は、公爵の座を引き継ぐことになる。つまりはゴート札も引き受けなければならなくなる――むしろ、引き受けられる人間でなくてはならないだろう。ようするに悪人である。  ゴート札があるかぎりは、クラリスの旦那が悪人なのは決定事項。  つまり、ゴート札も消滅しなくてはならない。  最後はそのすべて――そもそもの原因として、水没遺跡の存在がある。  これを守るために、ふたつの指輪の謎があり、公爵家と伯爵家で役割をわける必要があり、ゴート札がある。  だから指輪の謎は解かれる必要があり、水没遺跡はあらわれる必要があった。水没遺跡があらわになった以上、もうカリオストロ公国の伝承に、公爵家の人間――クラリスが捕らわれることもなくなる。  結局のところ、すべては『クラリスを救う』、その一点に向けて動いている。  ルパンはなにをしたと訊かれれば、『クラリスを救った』と答えることになる。それ以外には本当になんにもやってないよ、この人。  そんな彼は何者なのか?  ――なんだろう。  クラリスの救い主。クラリスの解放者。  『クラリスの』が頭につくのは、クラリスを救うためだけにしか行動していないのだからしかたがない。  う……ん。  救い主より解放者のほうがしっくりくる。血塗られた公爵家の宿命という名のくびきから、公女を解きはなった――そんな感じか。  ルパンは解放者。クラリスを解放して、また泥棒に戻る。  それじゃテーマは解放……なのかな。 >No.96「姉弟喧嘩」  そもそも格闘シーン自体が、『動きのある場面を書く』ために最良のシーンなのかどうか……どうだろう。  姉弟喧嘩を書くにしても、路地での格闘よりも、家のなかを目一杯使って闘わせたほうが、面白く、動きもあるものが書けるんじゃなかろうか。ぶん投げられた包丁がほおをかすめて壁に突き刺さるとか、おたまで殴られ、それを鍋のふたでふせぐとか――ありがちだけど。  あくまで格闘シーンにこだわるとする。  2000文字しか使えないということを考えると、道場で立ち合いする場面にしたほうが余計な説明をする手間をはぶけるぶん、いいだろうと思う。  場所は道場、服装は空手着、そして双方向かいあって構えていれば、それだけで読者は「ああ、理由はわからないけど立ち合っているのね」と理解してくれるだろうから。  人物の関係について。  姉弟にする利点。姉が弟より強くてもさほど違和感がない。姉だとすこし萌え度が高まる。兄妹にして、妹のほうが兄より強いというのも……かえって萌え度は高まるかもしれないが。  男同士だとちょっとつまんない。ありていにいうならば、「闘う女性って格好いいよね」というところか。 >No.98「死亡遊技」 ○青葉さんのコメント >>パチンコの説明については……私はわかってるんで、知らない人が読んで理解できるかどうかはちょっとわからないです。 ○新木さんのつっこみ >>あれ読んだ青葉さん、パチスロじゃなくて、「パチンコ」だと誤解したままなのだが……。 >>パチンコだと誤読させてしまった自分のヘタレっぷりに、なにか思うところはないか?  いや、でも、えーと……。『パチンコ』と『パチスロ』を取り違えて書いているのかなー、なんて……。  本当にパチスロを知っていて、それで誤解されたのなら。  ……。痛い。  ――でもあの内容だとしかたがないとも思います。  ようやく……説明と描写の違いがわかってきたような気がする……ような。青葉さんへの『説明文』の解説を書いていて、自分自身、すこし見えてきたものがあります。  そのあたりを念頭において書いたのがNo.99だったりしますが、さっそく羽矢野さんにつっこまれているし。あれ? 見えたのは蜃気楼だったのか? >短編  了解しました。  現状、2000文字……原稿用紙20×20換算で5枚分を書くのに、最大出力で5時間かかってます。  短編を仮に40枚とする。  一日がんばって10時間、10枚書ける……とすれば、4日で40枚書けるはず。  話を考え、あらすじ書いて、テーマを見つけ、プロット立てるのに2日かけ、本文に4日、誤字脱字を探すのと手直し、つまりは校正に1日かけるとすれば――。  一週間で40枚は書けるはず。書ければいいなあ。 >青葉さん >No.3「きゅうせいしゅ」(1800文字)  雑居ビルよりも大きなトカゲの化け物が、二本足で歩き回って街を壊しているんですよね。  そんな化け物ならば……。  化け物が歩くたびにおきる地響きがビルを揺らし、ときどきあげる咆吼が耳をつんざく。破壊された家や建物から出た火で、あたり一面には焦げ臭い匂いが漂う。ふきあがる黒煙で咳きこんでしまう。  逃げ遅れた人々があげる絶叫。  しがみつく妹。その力の強さと震えから、怯えが伝わってくる。ほのかに香る妹の体臭、ミルクの匂い。  だいじょうぶ。おまえだけはぼくが守ってあげるよ……。  そういや、怪獣って匂いとかどうなんだろう? 生臭かったりするのかな。トカゲってなんとはなく臭そうなイメージがあるけど、匂いを嗅いだことないし。  つまりなにが言いたいのかといえば、五感が欲しいです。  視覚、聴覚は怪獣映画でもあらわせますが、嗅覚、触覚、味覚は小説じゃなければ直接にあらわすことができません(登場人物の演技や感想なんかで描けないこともないけれど、直接は不可能)。  映像のインパクトではどうしたって勝ち目ないので、そういったところで勝負するのはどうでしょうか。 >津荒夕介さん  はじめまして。よろしくお願いします。  私の『事件』が参考になったようで、当の本人はまだ2号のこともあり、なんというか少々複雑な感もあり。  さっそくですが質問です。  『津荒』ってなんと読むんでしょうか。IME――ATOKの辞書に登録する関係上、教えていただけるとありがたいです。『つあら』かな、と勝手に推測してますが。  ここまで書いてから弟切さんも同様の質問をしていることが判明。すくなくともふたり、苗字を読めない人がいたということで。 >No.99「最後の言葉」 >長ドス  そうか、ドスっていってもわからないものなんですね。津荒さんは高校三年生。そうなのか……。『仁義なき戦い』とか見たことがないのだろうなあ。  刃物ということだけは伝わった……のかな。 >>黒部が少年に刺されて、死んだっていうのはわかったんですが。  あ、伝わってますね。すこしホッとする。  ちなみにドスというのは、刃の長さが30センチほどの短刀のことです。長ドスならば45センチから70センチくらい。  鞘と柄は白木で出来ていて、鞘はありません。切るよりは突き刺すことに向いた刀です。  ヤクザさん御用達の武器と思っておいてもらえればいいです。ふた昔前のヤクザ映画を見ると、この『ドス』を使う場面をよく見ることができたりします。  なんだって『長ドス』なんて言葉を使ったのかといえば、そもそも『長ドス』で意味が通じないとは思わなかったことがひとつ。  あと、この『長ドス』という言葉を使うことで、作品のカラーを決めたかったのもあります。ヤクザ御用達の武器がでてくるということは、つまりそういう話だと読者がわかりやすいかなと。 >金髪 >>>>そして影は少年。くすんだ金髪が尖っていた。 >>金髪が尖っているっていうのは、ハンターハンターのゴンみたいな髪型なんでしょうか? よくわからなかったです。  ぱさついた髪を整髪料で上に逆立てた髪形で、ところどころ、思い思いに跳ねてます。『HUNTER×HUNTER』のゴン……だとまた微妙に違いますが、それはきちんと書かなかった私の責任。  ここは反省します。『くすんだ金髪が尖っていた』じゃなくて『くすんだ金髪を上に逆立てていた』にすればよかったのに。 >>あと、少年が倒れた黒部のところに戻ってきますよね。でも普通は戻ってこない気がするんですよ。 >>僕だったら、人を殺したらすぐ逃げますよ。誰かに見られたらまずいし。  「殺ったおれのセリフじゃないけど――今後の参考にしたい」  ということで、『今後の参考にしたい』のが答えになっております。  冗談はさておき。  種を明かすと、少年は職業殺し屋で、標的である黒部の情報をある程度は知らされてます。そのために黒部に娘がいることを知っていました。  逃げてる最中にそのことを思いだして、ああ、あのぬいぐるみは娘へのプレゼントだったのかと気づきます。  少年は殺し屋とはいってもあまりプロ意識がありません(というかすこし異常)。  なので、『ぬいぐるみが気になったから』なんていう理由で、殺人現場に戻るという言語道断な行動を取ってしまいました。  さらにありがちな設定として、少年は親のぬくもりを知らず……。  ――説得力ないっスかね。  人を刺しておきながらまったく興奮していないところ、死にかけの人間を冷静に見ているところで少年が殺し屋、もしくは異常なのをあらわしたつもりでした……が。  伝わってなきゃ意味がないですね。 >>なんで黒部が公園にいたのか、(普通プレゼント買ったらすぐに家に帰る気がするんですよ)  いろいろと疲れたから、というのが本人が語った理由。  ヤクザは孤独を愛するものさ……じゃ理由にならないよなあ。  さっきからヤクザ役座八九三といってますが、現実のヤクザさんではなく、物語でよく描かれるタイプのハードボイルドヤクザだったりします。  これはヤクザというより、むしろ私の感覚なのかもですが。  幸せに不安になることはありません? 目の前の幸せに、あえて背を向けたくなるような気持ちというか。  今回の主人公の場合、娘へのプレゼントを買ったところで、ふと我にかえってしまったところです。  いったいおれ、なにやってんだろう?  たしかに幸せなのに、どうにも落ちつかない。心の底にひそむ、ぬぐいきれない不安とかすかな喪失感。  さびたブランコが風に吹かれてかすかに軋む。その前に立ち、ただひとり夜に憩う。みたいな感じです。  ――それを本文に書けばよかったんですけども。  字数の絡みで取捨選択、ばっさり切りました。これだから「どういう話かわからない」っていわれるんだよな。 >>なんで妻と娘の名前を名残惜しそうに呟いているのに、死ぬとき満足っぽいのか  少年が家族に最後の言葉を伝えてくれるからです。  それも、最初に家族に対して思った『すまない』ではなくて、少年が代弁した『ありがとう』が黒部の心にぴったりだったこともあり。 >羽矢野さん >No.99「最後の言葉」 >>最期ではなくて、最後にした理由を教えてください。  『最期の言葉』だと遺言になりますね。  そもそも『最期』が思い浮かばなかったという言語道断な理由です。  だけども……『最期』を思いついても、やっぱり『最後の言葉』になると思います。なんか違うんだな、『最期の言葉』だと。  なんだろう。うまく説明できないです。  『最期』だと死の匂いがするから? うーん。  説明できない以上は私の負け。べつに勝ち負けじゃないんですけど。 >>>>深夜の公園。入り口だけは外灯が照らしているが、そこを抜けると、なかは夜に暗 く沈んでいた。さびついたブランコが寂しい。 >>なんか、よくわかりません。  場所の説明……のつもりでした。  ここ、我ながら何視点なのかよくわからないな。作者視点か。 >>>>夜に暗く沈んでいた。 >>外灯がなくて、真っ暗という意味? >>沈んでいたって表現は、わかりません。  薄暗かった、という意味でした。  小さい公園をイメージしていたものでしたが。 >>>>自嘲しながら、黒部は真っ白な革靴のつま先で、ブランコを揺らした。 >>黒いスーツを着て、白い革靴を履いている……って。 >>普通、そんな組み合わせはしないと思うんですけど。  ヤクザならありかな、と。下品さをだして見ましたが。ヘビ柄の靴ならさらに悪趣味度が増したかも。金色のチェーンをジャラジャラつけて。 >>あと、少年って、めちゃめちゃすごい殺し屋なんですか? >>すごい冷静沈着。 >>少なくとも、何人と人を殺してますね。  めちゃくちゃすごくはないんですが、殺し屋です。すでに殺人経験はあり。 >>夜に、娘のプレゼントを持って、ブランコを見ているのは、なぜでしょう? >>あと、なぜわざわざ戻ってきて、娘にぬいぐるみを届けてやると言ったのでしょうか。  こちらふたつの指摘は、津荒さんへ回答してますので、そちらを参照していただけるとこちらが楽です。  結論としては……。 >>それにも、やっぱり理由があると思いますけど、それが伝わってきません。  のひとことにつきるような気もしますが。 >大学うんぬん  なんか前に似た話題を見たような気がするんだな。  たしか高卒と大卒、どちらが一般的なのか……とかじゃなかったかなぁ。その話題の当事者が弟切さんだったような記憶がある。  過去ログを読むのが吉ではないだろうか。 >指輪 >>恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。  おそらく……あくまでおそらくですが、「結婚指輪を渡すという行為は男限定です」といいたかったのではないかと思います。  弟切さんの指摘には「これだと誤読されますよ」という意味あいもあると思いますけど。かっこの位置が悪いんですね。  女性から男性に結婚指輪を渡すのって、もしかしたらすごくかっこいいかもと思いました。類型的じゃないし。  今日で短期のアルバイトが終了。手にしたお金で本を買うのさ。レスには休み休みで8時間ぐらいかかる。では。  さて、短編のネタを考えるか……。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7411 投稿日 2004年1月4日(日)17時28分 投稿者 津荒夕介 >名前とか    津荒はツアラと読みます。ツアラ ユウスケです。  うーん。  読んだまんまだから、大丈夫だよな〜とか思ってたんですが、一度見たことある名前じゃないと、ピンときませんよね。すいませんでした。 >少年の動機とか    確かにそうですね。  どうでもいいことは、書かない。大切なところを、きちんと書く。 >弟切さんへ >>やりたいことがあるなら、今こそ死に物狂いでやって下さい。この時期にできなければ、たぶん一生できません。  はい。頑張ります。 -------------------------------------------------------------------------------- お初にお目にかかります。 No.7412 投稿日 2004年1月4日(日)23時10分 投稿者 結城聖洋 皆さん、初めまして。いままで覘かせてもらっていました結城聖洋(ゆうきたかひろ)と申します。 7409の弟切さんの以下の書き込みに反論(らしきもの)をさせていただきます。 >加えて、普通の十五歳未満の日本人は、「選択科目」が存在する学校生活を体験していません。十五歳未満の日本人ほぼ全員も、「選択科目」が何かを知りません。 私は中学時代に一応「選択授業」を経験しています。 その「選択授業」というのは主要5科目(国数社理英)から一科目、実技4科目(体音家技)から一科目を選んで勉強するでした。 また、高校でも芸術科目(音書美)は「選択」して、2年ないし3年間履修するというものでした。 このことから上記の「普通の十五歳未満の日本人は、「選択科目」が存在する学校生活を体験していません。十五歳未満の日本人ほぼ全員も、「選択科目」が何かを知りません。」というのは弟切さんが勝手に決め付けているのではないかと思います。 今現在の中学校の授業内容などはわかりませんが、少なくとも私が在学していた96〜98年度と、私が卒業してから3年間は「選択授業」が中学にも存在していました。 参考までに言っておきますと、私が3年間通った中学は千葉県船橋市にある全校生徒数700人前後の市立の中学校です。 高校は千葉県市川市にある全校生徒数700人前後の公立校です。 今後もこのような形でこちらの掲示板に書き込みをさせてもらう事があると思います。そのときはお応えいただければ幸いです。 では、失礼します。 -------------------------------------------------------------------------------- 不特定多数の人にわかるように書くのは、難しいですね。 No.7413 投稿日 2004年1月5日(月)01時57分 投稿者 弟切 千隼 結城さんへ >  最近の公立中学校のカリキュラムに関する情報、ありがとうございます。  こういう情報は、当事者でないとなかなか入手できません。最近まで当事者だった方からの情報提供は、本当にありがたいです。  少なくとも、一九九〇年代には、「選択授業」というものを実施していた公立中学校があったのですね。勉強になりました。  えーと、それはよいのですが……弟切には、結城さんが受けた「選択授業」がどういうものか、No.7412の書きこみを読んだ限りでは理解できませんでした(;_;)  以下の部分が「選択授業」の説明ですね↓ >>その「選択授業」というのは主要5科目(国数社理英)から一科目、実技4科目(体音家技)から一科目を選んで勉強するでした。  この文は、そもそも日本語として壊れていますよね(^^; 『勉強するでした』という日本語はありません。  おそらく、この説明で、結城さんの受けた「選択授業」が理解できた人はほとんどいないと思います。  理解できた方、いらっしゃいますか?   大多数の人が理解できたのなら、弟切がおばかだということです。笑ってやって下さい。  弟切が脳みそを絞って考えた限りでは、上記の結城さんの説明は、複数の解釈ができます。つまり、意味が一つに確定できません。  意味が確定できない文章は、意味が通じない文章です。プロ志望であるかどうかを問わず、もの書きがそういう文章を書くのはまずいでしょう。  結城さんにお願いです。  学校を卒業して久しいおばさん(=弟切)にも理解できるように、もう一度、結城さんが受けた「選択授業」の説明をして下さい。  参考までに、指摘しておきます。  主要五科目の「国数社理英」は、大概の人に「国語・数学・社会・理科・英語」のことだと理解してもらえるでしょう。  けれども、実技四科目の「体音家技」は、何のことか理解できない方が、かなりの割合でいる可能性があります。  私の知る限り、中学時代に「技術科」という授業を受けなかったという人が存在しますから。  それと、結城さんのおっしゃる実技四科目の中に「美術」が入っていないようですね。結城さんの在籍した中学には「美術」という授業がなかったのでしょうか?   少なくとも弟切は、中学時代に「美術」という名の授業を受けました。  学校を離れて久しいおじさんやおばさんの「学校の授業」に対する理解は、この程度です。  でも、不特定多数の人に対してものを書くからには、こういうおじさんやおばさんにも理解できるように書かなくてはなりません。ぜひ、説明の書き直しをお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 失礼しました No.7414 投稿日 2004年1月5日(月)02時37分 投稿者 結城聖洋 説明が足りず、その上誤字まで晒してしまうとは・・・失礼しました >弟切さん 私が受けた選択授業は「社会(歴史)」と「音楽」でした。 「社会」の時間にやった事は、歴史上の人物を学期中に一人(年間3人)を調べて壁新聞にして発表する、というものでした。 「音楽」の時間では合唱ばかりしていました。「音楽」はもう一つクラスがありましたがそちらもやった事は合唱だけでした。二つの「音楽」のクラスで一緒に市の合唱祭にも出場しました。 それと実技科目の中に美術はありました。私が忘れていただけです。申し訳ありません。 「技術科」というのは、(どう説明していいのかわからない・・・)「工具の使い方を習って授業時間で椅子や電気スタンド、一輪挿しなどを作る」授業とでも言うのでしょうか。 私の両親(父:48歳、母:もうすぐ45歳)が中学生だった当時は「男子は技術科、女子は家庭科」と分けられて授業を受けていたそうです。 こんな感じでどうでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- 宇宙探査スピリット No.7415 投稿日 2004年1月5日(月)15時02分 投稿者 弟切 千隼  米国の火星探査機「スピリットSpirit」が、無事に火星に着陸しましたね。日本の火星探査機「のぞみ」と欧州の火星探査機「ビーグル2」が失敗した直後なので、成功と聞いてほっとしました。  弟切は、火星探査機が失敗したからといって、日本や欧州の技術者たちを責める気にはなれません。「のぞみ」と「ビーグル2」の失敗は、他の惑星に探査機を送ることが、いかに難しいかを示しています。  なにごとも、「失敗は成功の母」です(^_^)  結城さんへ >  早速説明を書き直して下さり、ありがとうございました。  おかげで、結城さんが受けた選択授業の「内容」については理解できました。  けれども、No.7414の結城さんの説明を読んでも、「選択授業がどういうものか」という全体像はつかめませんでした。  なぜならば、弟切には、結城さんが在籍した当時の中学校のカリキュラムについて、全く知識がないからです。  日本の学校のカリキュラムは、しょっちゅう変更されます。五年も経てば、同じ学校のものとは思えないほど変わっていることも、珍しくありません。  加えて、地域により、学校のカリキュラムは差異があります。  そのため、同じ日本の中学校を卒業していても、結城さんと私とでは、全く異なるカリキュラムで勉強していた可能性があります。結城さんと私とは、年齢も住んでいた地域も違いますから。  No.7412およびNo.7414を読んで、弟切が理解できたのは、以下のことだけです。 1.結城さんが在籍した中学では、国語・数学・社会・理科・英語という五科目が教えられた。この五科目は、主要五科目と呼ばれた。 2.主要五科目以外に、体育・美術・音楽・家庭科・技術科という五科目が教えられた。これらの科目は、実技科目と呼ばれた。 3.選択授業と呼ばれる授業があった。学ぶ内容を選択できる授業だった。  結城さんは、全部で十の科目名を挙げています。これら以外の科目については、全く触れていません。  触れていないということは、当時、結城さんの在籍した中学では、これら以外の科目は、全く教えていなかったのですね?   書いてくれなければ、読み手には、それすらもわかりません。  また、「選択」授業があるからには、「選択でない」授業もあるはずです。弟切には、「選択」授業と「選択でない」授業の関係がわかりません。  選択授業は、受けないことも選択できるのですか?  それとも、受けることは必須で、内容を選択できるだけなのでしょうか?  選択でない授業とは、どういうものでしょう?  絶対に受けなくてはいけない授業ですか?  それとも、選択授業を選んだら、絶対に受けられない授業でしょうか?  あるいは、「受けることを選択しなくてもよい」授業なのでしょうか?  選択授業と、選択でない授業の割合はどのくらいですか?  一年間、ずっと選択授業だけ受け続けることもできますか?  あるいは、選択授業を選んだら、その分選択でない授業が減らされる、といった仕組みでしょうか?  選択授業の内容は、どのように選ぶのでしょう?  生徒が自分の好き勝手に選べるのですか? それとも、教師に勝手に割りふられますか? あるいは、くじ引きなどでランダムに決められるのでしょうか?  以下の結城さんの説明では、わからないことだらけでした↓ >>その「選択授業」というのは主要5科目(国数社理英)から一科目、実技4科目(体音家技)から一科目を選んで勉強する (No.7412の結城さんの書きこみより) >>私が受けた選択授業は「社会(歴史)」と「音楽」でした。 >>「社会」の時間にやった事は、歴史上の人物を学期中に一人(年間3人)を調べて壁新聞にして発表する、というものでした。 >>「音楽」の時間では合唱ばかりしていました。「音楽」はもう一つクラスがありましたがそちらもやった事は合唱だけでした。二つの「音楽」のクラスで一緒に市の合唱祭にも出場しました。 (No.7414の結城さんの書きこみより) -------------------------------------------------------------------------------- あけましておめでとうございます No.7416 投稿日 2004年1月6日(火)01時50分 投稿者 青葉桂都  ……いえ、正月が過ぎてから言うことではないのですが。  こんにちは、青葉桂都です。 >選択科目のこと  中学で習う科目のうち、何科目かは高校以上でいくつかの分野に分けられます。  通常、進学するほど、学習する内容は詳しく専門的になっていきます。  わざわざ進学して、すでに学習した内容に含まれる、簡単な分野を学んでも仕方がないからです。  より深い学問へと変わっていくわけです。  しかし、進学したとはいっても、学校の授業にあてられる時間がそう劇的に増えるわけではありません。1日に1時間程度のものです。  その限られた時間の中で少しでも深く学習させるにはどうすればいいでしょうか?  学習する分野を減らせばいいのです。  例えば理科は、物理学、化学、生物学、地学という区分があります。実のところ、これはかなり広範囲に渡っています。  すべてを深く学習するには三年間という時間は短すぎます。  だから、それぞれの希望進路や得意分野などを考慮して、学習する分野を生徒に選択させるわけです。  そうやって、いくつかの『科目』から『選択』させることを、『選択科目』と呼びます。  一例として理科を上げましたが、社会科など、他の科目のいくつかにも同じように複数の区分があり、その中から選択することになっています。  以上、新木さんへの説明のつもりです。  ……さて。  大学生しかわからないということにはやっぱり納得が行かないのですが、少なくとも学校を出てすでに十数年といった方に伝わらないということは納得できます。  選択科目……と書くよりは、いらないことを書かないでおくほうがいいでしょうね。  指摘された一文の有無はあの書き込みの内容にはそれほど重要ではありませんでしたから。  中学に関してですが。  Googleで『選択授業 中学校』で検索してみたところ91600件もヒットしてしまいました。この数字は全国の中学校の数より多いようです。  一部の学校だけの話であろうとはちょっと断言できなさそうです。  それで、文部科学省のホームページを軽く眺めてみることにしました。  中学における選択科目は、少なくとも平成元年3月以降の学習指導要領には存在しているようです。それ以前のものは掲載されていませんでしたが。  第一学年においては外国語、もしくは地域などの特性を考慮して特に必要である教科、第二学年においてはそれに加えて音楽、美術、保健体育、技術・家庭だそうです。第三学年ではさらに数国理社が加わる、つまりは全教科ということになります。  それぞれに関して、選択科目としてのこの科目は云々とガイドライン的なことが書かれています。  私は平成3年度に中学に入学しましたが、在学中なにか選択させられた覚えはありません。おそらくは、弟切さんと同じように。  ただ、指導要領に選択科目が存在し、結城さんの学校のような例もある以上、選択科目を知っている中学生、知らない中学生のどちらも存在しているのではなかろうかと考えられます。  しかし。  いずれにせよ、大多数が知っていると言い切れない以上、万人に伝えるには不十分な表現であったとするのが妥当なところではなかろうか、と考えられます。  ちなみに、指導要領は平成10年3月に改訂されており、上で説明したことと変わっている部分があるようですので、補足します。  改訂のポイントの一つに『選択学習の幅の拡大』というものがあり、選択教科にあてられる授業時数が大幅に増えているそうです。  目的は、個性を伸張することと書かれています。  内容には、平成元年以降の指導要領のところで説明したような制限はありません。  そして、『生徒の特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう』という文章が増えていました。  どうやら、選択教科を増やす方向で指導しているようですね。  その効果が上がっているかどうか、つまり各中学校の選択科目数が増えているのかどうかは、調べてみないことにはわかりませんが。 >名無し君2号さん >名前 > なんとなく――あくまで『なんとなく』ですけど、菅原は男性的な感じがするんですよね。いっそ名前だけ、『涼』だけにしておくとかどうですかと提案。  なるほど、男性的、ですか……私のイメージとしては、頭の良さそうな人物の名前、だったのですよね。  主人公には相手の女の子をフルネームで呼ばせたいのです。もしリライトしても、そこは変えないと思います。  だから、名前のほうを変えると思うんですけど……変えるとして、どんな名前がいいのか思いつきません。名前にせよ、名字にせよ。  適当に付けたら怒られるのでしょうし。 >説明文  ……やっぱりわからないです。  見比べても、時間が進まない、という感覚がそもそもまるで理解できないみたいです。  過去ログにあった、音読などもしてみましたけれども、それもいまひとつ。  新木さんが上げていたゲームのたとえにしても、ムービーシーンがイヤだという感覚が私には理解できなかったりします……。  新木さんへの返答ともども、もうしばらく考えてみます。 >カードゲームの説明  えーと。  そのカードゲームがどんなものか知りたくもない人がいて、そういう人が目を離さないように書かなきゃいけないのはわかります。  でも、そこでまったく書かないとすると、知りたい人ってのはどうすればいいんでしょう? 逆のタイプの人が目を離してしまうだけで、ぜんぜん解決になっていないのではないでしょうか。  アイシールド21は、分析できるほど真面目には読んでいないです。  ですが。  アメフトのルールがわからない、というのは、セナやヒル魔といった主要キャラクターたちがどんな役目を持ったポジションにいて、どうすれば点数が入ったりするか、といったこともわからないのでしょうか?  もし、そうだとすれば……いったいどうしてそれで面白いのか想像もつかないです。  だからこそ分析する意味があるのでしょうが……。 >パチンコとパチスロ  ……あれ。  ごめんなさい。  一応、それぞれの違いは知っていたつもりだったのですけれど……本で読むなどしただけで、実際にやったことはありませんでした。  ですから、知っていた『つもり』なだけで、ちゃんとした知識になっていなかったのでしょう。  それで、間違えてしまったのだと思います。 >弟切千早さん >No.3「きゅうせいしゅ」 >> 昼下がりの平和な街は、今やどこにも存在していなかった。  この文章が問題あるのは理解できました。  が、読者の理解が追いつかないのだとすれば、必要なのは詳しく描写することではなく削ってしまうことでしょうね。  この話を書く上で、『平和な街』を頭に思い浮かべてもらう必要って、別にないですから。  とはいえ、いきなり二行目の、 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  トカゲを巨大化させ、後ろ足で立たせたような化け物。それが、家屋を踏み壊し、表通 りの雑居ビルを前肢で打ち壊しながらうろつき回る。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  が来てもわけがわからないでしょう。  ですから、この文章につながるような別の文章をなにか書くことは必要でしょうけれども。 >新木伸さん >コミュニケーション能力 >説明文のこと  ……の、話は、いくら考えてもぜんぜんわからないので、今回はひとまず横に置かせていただきます。  なお、考えるのをやめるという意味ではありません。 >統計  詳しい方が答えて下さったようですので、突っ込んで調べるのは必要な機会が訪れた際にすることにいたします。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 未来の地球はイカが支配する? No.7417 投稿日 2004年1月6日(火)10時43分 投稿者 桜庭 優  お正月の1月3日にNHK教育でやっていた、「オドロキ! これが未来の生き物だ」という番組を見ました。  これは五百万年後、一億年後、二億年後の未来に住んでいる動物を、様々な分野の学者が集まって想像(というか「創造」?)したものを紹介するという番組。  感想を一言で言うなら、イマジネーションが刺激されました。これを原型として小説を書きたくなるほどです。  特に、二億年後の地球を支配するのは、イカが進化した生物という予想は面白かったです。  人間の猿人に相当するイカの子孫を、「スクイボン」というのですが、そのスクイボンがなんだかラブリー。一匹(一人?)欲しくなりました(笑  しかし、哺乳類の最後の種がクモの家畜、という予想(想像)には、涙が。 >短編 「他の人でも、やりたい人はどうぞー。」と新木さんが申しておりますので、只今やろうか、どうしようか、思考中。  現在、電撃小説大賞用の小説に取り掛かっていますが、人称の視点といったあたりで迷っていて、詰まっているので、その気分転換にはちょうどいいかも。 (視点保持キャラは主人公(ヒロイン)と決定しているのですが、その立ち位置が、現在の彼女なのか、未来の彼女なのか、色々な要素を見ながら考えているところです)  しかし、書く期限が一週間というのが難問。「書く」だけなら一週間で平気だと思いますが、アイディアやプロットを含めて、一週間というのはちょっときつい、かも。  うーん、アイディアとか日ごろからためて置けばよかったかなあ。  でも、やってみます。アイディアなんて、集中すればすぐに思いつくでしょうし。がんばってみます。  と、昨日(1月5日)ここまで書いた後で、しばらくしてからアイディアがぽつぽつと。これならやれるかも。うん。  といいつつも、すぐに、これはどうだかなー、という自己突っ込みが入る。で、またアイディアを出す、また突っ込み……、の繰り返し。  今日中(1月6日)には決めておかないとね。うん。 >青葉さん >>コミュニケーション能力 >>説明文のこと >……の、話は、いくら考えてもぜんぜんわからないので、今回はひとまず横に置かせていただきます。 >なお、考えるのをやめるという意味ではありません。  うーん、新木さんが言っていることがわからないというより、こういっては身もふたもありませんが、「理解しようとしない、していない」という感じがします。  個人的には、なんていうのか、「怖い」です。色々言いたいことがあるんですが、何か言って、誤解が生じたりするのが怖いです。  この「恐怖」が理解できるでしょうか?  例えば、Aという人が、Bという話をCという友人に話して、Bのことを伝えようとしました。  しかし、AはBの内容をCにはうまく伝えられず、またCはBの話を理解できずに、誤解されてCは怒ってしまったり、不快になってしまった、ということもありえるんです。  これはAにとっても、Cにとっても怖い事だと思います。内容が上手く伝わらず、また理解できずに、誤解されてしまうということは恐ろしいことなんです。  この恐怖は日常会話だけでなく、小説でもありえることです。  むしろ、あとでまた説明して誤解を解く、ということが難しい(最近ではインターネットという媒体もありますが)小説の方がより恐ろしいことになります。  なにしろ、小説は一対一の会話ではありません。一対多の会話、しかも、「一」が一方的に話す会話なんです。  また、小説、物語というのは、その作者の思想や考え方の鏡ともいえます。その考え方が説明不足や読者の理解不足などにより、誤解・曲解されたりしたら……。  作家として、これ以上の恐怖はありません。  この誤解が元で、作家生命を断たれたりする可能性もあるのですから。  個人的にも、話が理解できない、伝えられないという経験はいっぱいしている、というか、気づかないうちにやってしまうことが多いので、この「コミュニケーション能力」の話はよくわかるのですが……。  この、「伝えたいことが相手に伝えられず、また、理解されず、誤解されてしまう」ということは、作家にとって恐ろしいことの一つですよね、新木さん。   >電撃小説のこと(雑談風味に)  そういえば、電撃小説大賞の締め切り(あと時期的にえんためなどもありますね)が、あと約三ヶ月後に迫ってきましたが、皆さんいかがでしょうか?  三ヶ月というのは長いようで短いです。去年長編小説を初めて書いた、私の経験から言えばそうです。  小説を書くだけでなく、プロットや構成を練ったり、色々と用事が入ってきたり、推敲などもありますので、実際の書ける日にちというのはもっと短くなります。  しかしみなさん、あせらずにいい作品を書き上げましょう。  しかし、今詰まってる自分はどうだかなあ……。締め切りは三ヶ月先だというのにもうあせり気味。   http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- レスのみ No.7418 投稿日 2004年1月6日(火)14時42分 投稿者 名無し君2号  短編、ちっとも進まず。  自分のなかでは、締め切り日は1月9日ということになってますが。せめてストーリーを決めないと、もうヤバイッス。 >No.99「最期の言葉」 >津荒さん >少年の動機  津荒さんが「少年の動機が不明なのはおかしい」と感じたのならば、それは大事なことです。  いったいなにが原因でそう感じたのか?  私も羽矢野さんとおなじく、「ヤクザが刺されるのに理由はいらないだろ」と――無意識に思っていたのですが、津荒さんは疑問に感じた。  私が考えついた理由は次の三つ。 1)主人公がヤクザに見えなかった。 2)ヤクザが刺されるのにだって理由はいると思う。 3)ヤクザが刺されること自体に疑問を感じる。  1だと私の責任。ヤクザに見えるように描写する努力が必要。  2と3は似ているようですが、2の場合、「ヤクザが抗争相手に刺されるのはわかってる。でもその理由も知りたいんだ」で、3の場合、「そもそもヤクザって刺されるもんなの?」という違いがあります。  つまり、『ヤクザもの』に関する認識の違い。  2ならば、その情報は2000文字という文字数を考えたとき、必要度が低いから削ったと答えられます。  しかし3の場合――。  かなり重要なことです。もしかしたら、津荒さんあたりの年齢層――いまの高校生は、『ヤクザもの』を知らないのかもしれない。ドスもわからないようでしたし。  いわゆるお約束といいますか、共通認識といいますか、それが通じないなら、ちょっと大変なことかも。  で、津荒さんの場合、1〜3のうちどれだったんでしょう。それとも他に理由が? 教えていただけるとすごく助かるんですけども。 >青葉さん >名前  『菅原』が男性的に感じてしまったのは、たぶん菅原文太さんのイメージがあったからかもしれません。  菅原文太さんというのは、役者をやっているかたでして、『仁義なき戦い』や『トラック野郎』などの、男くさい映画で主役を張っています。  でも、青葉さんにはそのイメージはないんでしょうねえ、きっと。  最近、ジュネレーションギャップを感じることが多いのココロ。 >説明文  じゃあ、ムービーシーンで例えて。  ムービーを見ているとき、たまに画面が真っ暗になって、文字だけでるときがありませんか。  ……ゲームのムービーじゃそういうのは無いか。  訂正。  映画にしましょう。映画を見ているとき、ナレーションだけで、 「西暦200X年、地球は核の炎に包まれた! 生命はみな死に絶えたかに見えた。しかし人類は死んではいなかった!」  ――とか出てくるときがありませんか。  説明文ってのは、あれがずっと続くんだと思ってください。  みんな映画を見たいんですよね? 動いているところを見たいんですよね。でもずっとナレーション。だったらカセットブック聴くよって話です。  ……カセットブックも通じないかもなあ。世代的認識格差。  ――で、たぶんこの例えでも、『説明文とはなにか!』とはわからないと思います。私だって半年ここにいて、ようやくわかってきたというのに、そんな簡単にわかってしまったんではこちらの立つ瀬もないし。  小説の文にはどんな種類があって、それはどのように違うのか? を考えてみると理解しやすいかもしれません。それから文の種類ごとに、それだけで書いてみるとか。  ――これは、私がこのジムの会長さんからかつて出されたメニューだったんですが。まあ、青葉さんにはべつのメニューがあるかもしれません。  でもこのジムの会長さん、お金を取らないぶん、こっちのやる気みたいなものは重視する様子。  なので……。 >コミュニケーション能力 >説明文のこと  については、考えるそぶりだけでもしておいたほうが、きっといいことありますよ。とりあえずどこがわからなかったのかぐらいは書いておかないと、会長もフォームを修正しようがないですし。  丹下段平似の会長が、手に持った竹刀を振る。風切り音が鳴り、竹刀はサンドバッグをしめして止まった。 「ジャブを打ってみ」  練習生は、ぼーっと突っ立ったままサンドバッグを見つめている。首をひねり、なにかしきりに考えこんでいた。 「……わかりません」  青葉さんには、たぶんそんなつもりがないだろうと思います。でも、たぶんこう見えちゃいますよ。  せめて手を動かしてみせるとか。なんか課題を出されてませんでしたっけ? あ、もしかして短編を書くから後回しなんですかね? 書かないと伝わらないッス。 >アイシールド >>アメフトのルールがわからない、というのは、セナやヒル魔といった主要キャラクターたちがどんな役目を持ったポジションにいて、どうすれば点数が入ったりするか、といったこともわからないのでしょうか?  セナはボールを抱えて走る人。ヒル魔はボールを投げる人。なんか相手の陣地に駆けこめば点が入るらしい。そのぐらいはわかってました。  ――逆にいえば、そのくらいしかわからないわけですが。  たとえばフォーメーションなんかはあまり触れてないですよね。  青葉さんのカードゲームの話ですと、 「セナは4秒2で走ることができる。セナにボールを渡せば勝てる。しかし相手はそれを警戒しているだろう。こちらのフォーメーションは○○で××タイプ、相手は△△で□□タイプ、ここから考えればすこしこちらの相性が悪い。だがヒル魔は妨害に強いタイプだから、きっとなんとかなる。いやしかし敵の@@は……」  と読まされている感じです。  これを…… 「セナにボールを渡せば勝てる。フォーメーションではすこし分が悪い。だがヒル魔なら、きっとセナにボールを渡してくれるだろう」  と、読者にはそれだけわかれば、面白く読めるんじゃないかなぁ、と思った次第です。私もまだ分析しきれてません……。 >>でも、そこでまったく書かないとすると、知りたい人ってのはどうすればいいんでしょう?  カードゲームを知りたい人なら、入門書を読むのではないかと思ったり。  カードゲームに詳しい人なら、なおのこと説明は簡略化できるんじゃないかなと思ったり。そこでルールを勘違いしていたり、ありえない戦略をとったりしていれば呆れられるでしょうけども。  どうですかね。 >パチスロ  いま思ったんですが、『パチスロ』って『パチンコとスロット』の略なんじゃないでしょうか、もしかして。 >No.3「きゅうせいしゅ」 >> 昼下がりの平和な街は、今やどこにも存在していなかった。  昼下がりの街。平和は、いまやどこにも存在していなかった。  ……だったらどうでしょう。  などとかえって混乱するようなことをする私。  ADSL、ひそかに導入しました。呆れるほどに快適。なにに呆れているかって、ダイアルアップで我慢していた自分にです。 -------------------------------------------------------------------------------- レス遅すぎ No.7419 投稿日 2004年1月6日(火)15時37分 投稿者 江崎 芹  冬休みが終わってしまった〜〜〜……全然休んでいませんけど。  >新木さん  短編ですか? うーんちょっとやってみようかな。でも一週間はたぶんきついだろうな……できるだけ早く終わらせたいと思います。  >弟切さん  > 統計を取れば、おそらく求婚は男性から、というのが多いでしょう。けれども、必ず男性からとは限りません。弟切が知っている範囲でも、女性から求婚した実例があります。  指輪も、求婚に付随するとは限りません。婚約指輪も結婚指輪もないままに結婚した知り合いが、弟切には複数います。  これは二号さんがおっしゃるとおり、()の付け間違えです。チェックが怠っていました。申し訳ない。()は指輪のとなりです。はい。  >最後の言葉  ほんとどもうレスがきてるので、すこしだけ。  >深夜の公園。入り口だけは外灯が照らしているが、そこを抜けると、なかは夜に暗く沈んでいた。さびついたブランコが寂しい。  入口を少しぬけた瞬間、夜の中錆び付いたブランコが見えるということは、相当小さい公園なんでしょうか? 入口の外灯だけで奥が見えるんだから……。  >「殺ったおれのセリフじゃないけど――今後の参考にしたい」  ? 意味がわかりません。なにを参考に? なんか会話の流れとこのセリフのつじつまがいまいちあいません。 -------------------------------------------------------------------------------- レスです。 No.7420 投稿日 2004年1月6日(火)18時50分 投稿者 津荒夕介 >2号さんへ 僕はヤクザでも、殺されるのに動機がいると、今でも思ってます。 だから2ですね。 2)ヤクザが刺されるのにだって理由はいると思う。 これです。 人殺しってのは大きな犯罪なので、殺しちゃうと後始末とか大変じゃないですか。殺人を隠し切れないと、警察沙汰になるし。だから殺すにしても、理由が必要だと思います。 しかし僕の指摘は間違ってました。理由は、 >>2ならば、その情報は2000文字という文字数を考えたとき、必要度が低いから削ったと答えられます。 ってのですね。おっしゃるとおりです。 例えば、小学生が作中のように殺人をしたら、動機は書かねばなりません。 しかし、ヤクザは上にも書いたとおり、なんらかの理由があれば、殺しをするというのも、アリな存在です。 今回の課題は文字制限が厳しくされてます。その中で書けることは少ない。 読者のほうでちょっと考えれば、ヤクザが殺しをする理由は適当に考えつきます。 だから書く必要は無い。 >ヤクザとか。 僕のミスです。ドスは解ります。「長」ドスが解らないんです。 ドスってさわったことは無いですが、なんとなく解ります。持つところが木で出来ていて、刀身は刀と似ていて、長さは三十センチくらい……みたいなやつですよね。 ですから、ドス=ヤクザっていうのもわかります。ドスとかチャカとかヤクザの象徴みたいなもんじゃないですか。 でも長ドスって、「長」がついてますよね。それでわからなくなったんです。 ちなみにヤクザが主役の物語は、見たことないです。漫画の脇役として出てくるのを見たことがあるくらいでしょうか。パッと浮かぶのは、角川コミックス・エース漫画の「低俗霊」とかです。 また友達と、ヤクザが主人公の作品について、話したりしたことはありません。 >短編とか 締め切りは、僕も一月九日です。 がんばるぞい。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒中お見舞い申し上げます。 No.7421 投稿日 2004年1月6日(火)22時46分 投稿者 弟切 千隼  今日は、二十四節気の一つ、小寒です。古来、この日から寒(一年中で最も寒い季節)に入るといわれています。  寒は、小寒から大寒までの期間をいいます。寒中見舞いはこの期間に出さなければいけません。 >「メイド」書き直し  もう何度目かわからない(^^;書き直しをしてみました。例によって、とりあえず冒頭部分だけです。御指摘よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  午後の陽射しが、アパートの階段を白く照らしていた。  野々宮桐子はその階段を登っていた。落ちる影は、まだ短い。  肩のバッグがずり落ちてきたのを、彼女は片手で持ち直した。もう片方の手は、別の荷物でふさがっている。  バッグの布越しに硬い感触があった。ノートパソコンだ。  このノートはかさばりすぎる。どうせまた会社へ持ってゆくのだろうから、もっと小さいのに買い替えよう。  本当は、パソコンを持って休日出勤なんて、しないのが一番だけど。  考えているうちに、桐子は階段を登りきっていた。自宅の郵便受けに、何か届いていないかどうか確かめた。  家の扉を開けると、彼女の目にダイニングの光景が飛び込んだ。 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  フローリングの床がぴかぴかだった。床板の木目がくっきりと見えている。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  床には空っぽの洗濯籠が置かれていた。桐子が家を出る時までは、その中は汚れ物でいっぱいだった。  あの汚れ物はどこへ? 彼女が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。 「お帰りなさい」  明るい声に桐子は振り向いた。レモン色のエプロンを着た女性が立っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− -------------------------------------------------------------------------------- 青葉さん No.7422 投稿日 2004年1月7日(水)00時02分 投稿者 羽矢野 ●勝負 >そのカードゲームがどんなものか知りたくもない人がいて、そういう人が目を離さないように書かなきゃいけないのはわかります。 >そこでまったく書かないとすると、知りたい人ってのはどうすればいいんでしょう?  これは、少し違うんじゃないかな。  “知りたい人”なんていうのは、存在しないと思った方がいい。  だって、カードゲームのルールを知りたい人は、ルールブック読むからだ。  小説を読む人っていうのは、やっぱり小説でしか味わえないものを求めているんじゃないだろうか。  自分でも、書きたいものは“勝負をかけるときの緊張感”だとしているのに。  青葉さんの「勝負」読んだけど。  とりあえず、全部読んだけど。  正直、まったくカケラも面白いとは思わなかったし、ほとんどナナメ読みしたから、何書いてあるのかも、頭に残っていない。  残った印象としては、なんか説明が書きつられてあった。  ということくらいかな。  私の中では、あの小説は、いらないものばっかり(分室用語でいう灰色の文章)で構成されていた感じだった。。  でも、自分の文章だとそれはわかりにくいかもしれない。  ので少し例を書いてみる。  あまり良い例題じゃないけど、それは勘弁。 ●例1.  明人は、究極の選択を迫られていた。  目の前に差し出された二枚のカード。赤い幾何学模様の裏にあるのは“ババ”か“7”。  (ちくしょう、トイレ掃除3日間なんて、ごめんだぜ)  明人は奥歯を噛みしめ、腕をつきだしている姉を睨んだ。  その視線を軽く受け流し、にっこり笑う姉。 「さーて、どっちかなー?」  そう言って、カードをひらひらさせる。  (くそ、バカにしやがって)  怒りが込みあげる。  慌ててて頭をふった。  こんな手に引っかかるな。冷静になれ。  これをはずせば、すぐ表情にでる自分は確実に負ける。  明人は大きく深呼吸してから、ゆっくりと右側のカードに手をかけた。  姉の顔をじっと見る。……表情に変化はない。  そして、もう一方。こちらも、変化はな……いや、わずかに唇があがった。  (こっちが、ババだ!) 「もらったぁ!」  明人は勝利を確信し、右側のカードを引き抜いた。 ●例2.  明人は、ババ抜きで最期の選択を迫られていた。  ババ抜き。それはトランプではもっともポピュラーな遊びの一つだ。  “ババ(ジョーカー)”一枚を含むトランプ53枚をプレイヤーに均等にくばり、一枚ずつ順番に引き合って、同じ数字を捨てていく。そして、最後までババを持っていた人間が負けというゲームだ。  彼の目の前に差し出されているカードは二枚。  一枚は“ババ”そしてもう一枚は、今自分が持っているカードと同じ数字の“7”。  つまり“7”を引きあてれば、勝つことができる。  (ちくしょう、トイレ掃除3日間なんて、ごめんだぜ)  明人は腕をつきだしている姉を睨んだ。  姉はことあるごとに、ババ抜きで家事の分担を決めようとする。  それは明人が、とてもこのゲームに弱いからだった。  勝率は1割以下。  明人は大きく深呼吸してから、ゆっくりと右側のカードに手をかけた。  姉の顔をじっと見る。  ババ抜きの大切なところは、ここだ。  ババを手にかければ、相手は嬉しいはずだ。逆に違うカードなら、がっかりする。  そのわずかな表情の変化を読みとり、カードを引き当てるのだ。  明人が弱いのは、すぐに表情にでてしまうからだった。  しばらく待ったが表情に変化はない。  もう一方のカードに手をかける。  こちらも、変化はな……いや、わずかに唇があがった。  笑った。ということは……  (こっちが、ババだ!) 「もらったぁ!」  明人は勝利を確信し、右側のカードを引き抜いた。  例2は、説明をてんこ盛りにしてみたのですが。  少しでも伝わるといいんだけど。  この場合、ババ抜きのルールって、どうでもいいですよね。  “勝ち”と“負け”の二者択一になっているのが、伝わりさえすれば。  この場合のドキドキ感なんて、それがわかれば読む人に味わってもらうことができる。(いや、この例題だと無理かもしれないけど)  青葉さんのは、 >カードゲームは基本的にすべて、手札、場札、捨て札の三種類で構成されている。 〜 >だが逆に、相手が明人を完全に追い込むようなカードを引く可能性もあった。  この間が全部ルールの説明(なのか?)。  全体の、2/3くらい?  それで“勝負をかけるときの緊張感”を伝えようというのは、さすがに無理じゃないかなあと思ったり。 ●……やっぱりわからないです  きっと、青葉さんにはこういうのが染みついているんだなあと思った。  いや、馬鹿にしてるわけじゃないよ。  念のため。  学校とかだと、これでやっていける。  わかりませんと言えば、正解を教えてもらえる。  または、正解寸前のヒントがもらえる。  自力で答えを出すというのは、とても大変なことなので“わかりません”で教えてくれるなら、いつでもわかりませんと言ったほうが、楽だ。  それを続けてると、考えるということを忘れてしまう。  青葉さんは、考えていると思うかもしれない。  一生懸命考えて、それでもわからないから“わかりません”と書いたのだど言うかもしれない。  でも、それは違う。  “つもり”になっているだけだ。  本当に考えてわからないなら、考えたことをちゃんと書かないと。  “自分はこういうふうに仮説をたてましたけど、検証してみると違うみたいです”  とか書いてあるなら、いろいろ言えるけど。  “わかりません”じゃ、どうにもできない。  まず、情報を整理してみよう。  新木さんとか、他の人は、なんて言ってるの?  それに対して、自分はどう思ったの?  その状態を改善するためには、どんな方法が考えられるの? -------------------------------------------------------------------------------- こいつぁ初春[はる]から縁起がいいわい No.7423 投稿日 2004年1月7日(水)18時28分 投稿者 弟切 千隼  今朝、七草粥を作っている最中に、恵比寿さまに遭った弟切です。スーパーで買った七草セットの中に、恵比寿さまが紛れこんでいました。  具体的にどういう状況だったのかは、内緒です(^_^) スーパーが意図的に恵比寿像を入れていた、のではありません。 青葉さんへ >  選択科目が、「誰もが知っていて当たり前」ではないことが、わかっていただけたようですね。  多くの人に通じる文章を書くのは、難しいです。弟切もしょっちゅう失敗しています(;_;) けれども、プロのもの書きを目指す私たちは、それができることが大前提ですね。  お互いに精進しましょう。  選択科目というものを知らない人に、「選択科目とは何か」を知らせようとするなら、No.7416に青葉さんが書いた程度の調査をすることは、最低限、必要でしょう。  ただし、今回の場合は、青葉さん自身が書いているとおり、「選択科目」という言葉を使わなくても、意味を伝えられることでした。 >> 選択科目……と書くよりは、いらないことを書かないでおくほうがいいでしょうね。 >> 指摘された一文の有無はあの書き込みの内容にはそれほど重要ではありませんでしたから。 (No.7416の青葉さんの書きこみより)  せっかくですから、No.7387の問題の一文↓を、意味が通じるように書き直してはいかがでしょうか。 >> 選択だったため、かなり適当にやっていたのでちゃんとした知識ではないのですが……。  それから、No.7416で、私の氏名を間違えて書かれていました↓ >>>弟切千早さんへ 桜庭さんへ >  No.7417の書きこみに、誤用を発見しました。 >>「他の人でも、やりたい人はどうぞー。」と新木さんが申しておりますので、只今やろうか、どうしようか、思考中。  「申す」という単語は、敬語の中の謙譲語に属します。つまり、自分や自分の身内のことを、へりくだって言う場合に使うものです。  「おります」という言葉は、明確な謙譲語ではありません。しかし、謙譲の意味を込めた丁寧語として用いられるのが普通です。  身内ではない他人に「申しております」という表現を使うことは、相手を見下していることになり、失礼です。  日本語の中でも、敬語の使い方は難しいです。以前にも、ここ分室で敬語が話題になりましたね。  意味やニュアンスに、少しでも自信がない言葉を使おうと思ったら、辞書を引く習慣をつけて下さい。  ちなみに、「申す」はそのままの形で辞書に載っていますが、「おります」は「おる(居る)」で引かないと載っていません。 2号さんへ >  「パチスロ」も辞書を引きましょう。載っています。 江崎さんへ >  せっかくですから、江崎さんも、文章の練習として以下の文を書き直してみてはいかがでしょうか。 >> 人間の男女でいえば、友達から恋人。恋人から結婚して夫婦に。  途中にある経過……友達から恋人なら、どちらかの告白。恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。 (No.7399の江崎さんの書きこみより)  上記の文章は、単純に()の位置を動かすだけでは、やはり誤解されやすい文章になってしまうと思います。  上達したいなら、手を動かすことを惜しんではいけませんよね。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7424 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7425 投稿日 2004年1月7日(水)20時01分 投稿者 新木 伸 >津荒さん  前の筆名は本名で、今回はじめて意味まで考えて筆名を付けることにしたので、そちらで覚え直してください。――と、いうことですね。  はじめからそう言ってもらえば、なにも言うことはなかったのですが。  これでようやく、「津荒」という名前を、パソコンのIMEに単語登録する気になりました。何名かの人間が、津荒さんの名前を「わざわざ」単語登録しているわけです。  名前を変えました、というだけでは通用しないといった理由が、わかるでしょうか。  自分自身は、筆名を変えた理由を当然ながら知っています。  しかし相手のほうは、言わなければ知り得ないわけです。  相手はなにを知らずにいて、どこまでは知っているのか。なには説明が必要なことなのか。  それを見極めるのが、コミュニケーションに必要なことであり、小説を書くのに必要なことでもあります。  この場所では、説明が足りていないときには、「わからん」と周りから言われます。 (日常生活のなかでは、わからなかったときの反応は、放置か無視かスルーのどれかですが、ここではありがたいことに、わかるようになるまで、いつまでも「わからん」と言ってもらえます)  「わからん」と言われたときは、必要な説明をしなかったということです。  そのときには「作家」に必要な能力に根本的な不足があったのだと、厳しく自戒するように。  ほんと、重大ですよ。  相手に対して必要な説明を、無意識のうちにできるようになれるようになってください。習慣として、体に染みつかせるように。 >2号  ルパンとは「解放者」だったわけね。  彼が色々と行ったことはあるけれど、ひとことで言うなら、彼はそういう存在であった。  そういうふうに、簡潔に言い表せるように概念をまとめあげることを「一般化」という。  これはあらすじを書くときの秘訣でもある。細々とした実際のエピソードが、つまり、なんのためにあったのかということを「一般化」してゆくと、「あらすじ」というものになるわけだ。  つまり2号は、いまようやく、「カリオストロの城」のあらすじを書くのに充分なだけ、あの作品のことを理解したわけ。  つまりこれまでは、まったく理解しちゃいなかったわけ。  ――で、ここでもう一段階の「一般化」が必要になってくる。  ルパンは「なに」を解放したのか。「なに」を解放するものなのか。  宮崎駿という作家は、「泥棒」というものをヒーローに仕立て上げるにあたり、既存の「泥棒=盗むひと」というイメージを、どんなイメージで塗り替えてみせたのか。  「ルパンの解放したもの」=「クラリス」って答えだと、具体的すぎる。  もっと抽象化した答えが必要だ。  クラリスとはなんであるのか?  「美少女」って答えは抽象化してはいるが、ちと抽象化の方向性を誤っている。  ちなみにあの話のなかで、ルパンが直接にせよ間接にせよ「解放」したものは、3つある。ひとつはクラリス。  あとの二つは、さて、なんだろう?  ルパンとは「なに」を解放するものなのか――ということを一般化できると、残り二つの「ルパンの解放したもの」に対しても、すっきりと、ひとつの法則のもとにまとめられるようになるのだが。  ちなみに、オマケ。  これまで2号のたどってきた思考の道筋。  はじめ、具体的なところから始まって、徐々に抽象的なほうに行っているわけね。 ↑具体的 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  伯爵を倒して、公国の役目からクラリスを解き放つ。    ↓  クラリスを救い出す    ↓  解放する −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ↓抽象的  これはあらすじを作るときの道筋。  そしてこの逆をやるのが、あらすじから、プロットや本文を作成してゆくときのプロセス。一般的なものから具体的なものに、逆の順序で、降ろしてゆくわけね。  どちらの道筋も、自在に行えなければならない。  また自分の現段階の思考が、いま「具体的−一般的」のどの階梯にあるのかを、常に掴んでいなくてはならない。  慣れてくると、無意識のうちに取り扱えるようになる。呼吸したり、歩いたり、マナーに則ってナイフとフォークを使って食事したり、自転車に乗ったり、自動車を運転したり――そんなようなもんと変わらない。  無意識のうちにできるようになるまでは、意識しつつ、やるように。 >大学進学率  前にも書いたけど。過去ログのどこか。(全文テキストを落としている人なら、「進学率」てすぐ出てくる。)  現在は50%だけども、ほんの十数年前、昭和が終わって平成がはじまった頃には、ほんの25%。(現在35歳の、僕らの世代)  「大学+短大」で合算しても、ほんの36%。  しかし、ほんの十数年前――って、津荒さんあたりは、その頃に生まれてるのか。ううむ。  また「団塊の世代」とか言われていて、「学園闘争」なんかをやっていた世代。  いま会社で部長とか中間管理職をやっている世代の人だと、大学進学率は、わずか10%になってしまう。  このあたりになると、もう「大学に行っている」というだけで、エリート扱いされてもおかしくないぐらい。  現在の「大学に行っているのが一般的」という人の感覚でいうなら、「国立大学」に通っているくらいの感じかな。大学生を10人集めたら、そのうちのひとりぐらいなもんでしょう。国立大って。そしてちょっぴりエリートっぽいでしょう。国立大って。  合コンでも人気でしょう(かどうかまではしらない)。  このように、25〜40歳くらいまでの人間の全体像を視野に入れると、大学に行っていない人のほうが「一般的」と言えてしまうわけだ。  「小説を読むような人限定」とすれば、大学進学率はもっと上がるだろうし、ひょっとしたら「どっちが一般的か」という話は逆転してしまうかもしれない。このへんはきちんとした統計データを持ってこないとなんともいえないが。 ●青葉さん >>選択科目……と書くよりは、いらないことを書かないでおくほうがいいでしょうね。 >>読者の理解が追いつかないのだとすれば、必要なのは詳しく描写することではなく削ってしまうことでしょうね。  選択の話。  描写の話。  うまくいかないものは、やらないでおいたほうがいい。――というのは、青葉さん流の処世術なのかなぁ。  撤退が早いっていうか、執念が足りないっていうか。  いまは、どこが良くなかったのか、という問題点の究明をしているわけですが。  やらなきゃよかった――じゃなくて、やるならこうすればよかった、という話をしましょうや。  「選択科目」という話題を持ち出したときの配慮と、描写を行う場合の配慮の話です。  そのとき自分がなにを考えていてそう書いたのか。思い返す必要があります。どこで間違えてしまっていたのか。同じミスを繰りかえさないためにはどうすればいいのか。そういうことを考えないと進歩はないですよ。 >カードゲームのルール説明 >>でも、そこでまったく書かないとすると、知りたい人ってのはどうすればいいんでしょう?  「知りたい人はルールブック読むだろ」と、何人かが同じことを言っているので、僕は別の角度から。  アイシールド21はアメフト漫画だけど。  さて、あれを読んでいる読者のうちで、「アメフトのルールを知りたい」と思う人は、どれだけいるでしょうか?  ていうか、青葉さん、分析するほど真面目に読んではいないそうだけど、でも、読んでるんでしょ? 飛ばしてるわけじゃないよね。  ――で、その青葉さん自身は、知りたいわけ? アメフトのルールだとか、そういうものを?  青葉さんは、なぜ、あの漫画を読んでみたわけ?  そしてそれほど楽しみではないにしろ、飛ばさずに、毎週律儀に読み続けているわけ?  その理由は、少なくとも、「アメフトのことが書いてあるから」というものではないはずだ。青葉さんは、そもそもアメフトに興味なんてなかったはずだし。  なぜ、あの漫画を読むのだ?  自分の中を探してみれば、答えはあるはず。  そこで見つかる答えと、「なぜ小説中でルールの説明をしてはいけないのか」ということの答えとは、おなじものだ。 >アイシールド21  ちなみにあの漫画の中で、ルールの説明がまとめておこなわれたのは、連載を開始して2ヶ月以上が経ってから。  単行本の2巻に収録されている第9話で、「アメフトは攻守が入れ替わって行われる競技なのだ」なんてことが説明されている。(第9話になってようやくだ)  しかも青葉さんのやったように、味も素っ気もない説明ではなく、きちんとエピソード仕立てになっていて、愉しんで読めるものになっている。  説明なんてものは、つまんなくて、煮ても焼いても食えそうにないものだけど――きちんと食べられるものに調理されているのを見て、僕とみやびさんは、驚いたもんだ。  あの第9回を読んだ人で、気づいていない人も多いのではなかろうか。あれが「説明」であったことに。  あまりにも普通に食べてしまえたものだから、それがじつは「食えないもの」であったことに気づかない。  「説明」をいかに調理するかっていう、いい見本ね。  分析するつもりがあるのなら、単行本を買って、見てみるべし。  ちなみに第9話(9th down)の前半ね。部室内でのシーンが、ルール説明にあたっている。 >説明文のこと  僕は「考えろ」と言ったわけだけど。  ちゃんと考えたのかい?  「考えました」と言われたところで、僕としては、それが1秒考えて出てきた言葉なのか、一晩考え抜いて出てきた言葉なのか、見分けることは不可能なのだけど。  考えた結果、わからなかったのだとしても――。  その考えていた内容(途中経過)を書いてきたなら、「ああ、頑張って考えたんだな」と判断も付けられる。  またそこからヒントを得て、「こういうふうに言えば理解できるかな?」とアプローチを変えてゆくこともできる。  「どうせ1秒しか考えてねーんだろ」と思われたくなければ、途中経過を書いてくること。  ちなみに思考の途中経過を書きだそうとすると、たいした量が書けないことに驚くはずだ。考えたつもりになっていただけで、じつは、たいした量を考えていない。そのことがわかるはず。  とりあえず、たいした量でなくてもいいから、どんなしょぼいものでもいいから、考えたことをすべて書いてくるように。  2号に出している「カリオストロの城のテーマの考察」とかを見ていればわかると思うけど……。  ここじゃ、「答え」はやらない。絶対に。  答えを見つけ出すのは、あくまでも本人。  考える手伝いはする。  だけど考えるのは、あくまでも、本人。  あと、考えることを放棄させることもしない。  ちょっと考えたけどわからないので、考えるのやめます――てのは、ない。  わからなかったら、わかるまで、考える。 >説明文の話  7001〜7423のログを一時的に作っておいた。  2号が「剣の闘い」を書いたあとで、「説明文と描写の違い」の話題が活発だった頃。  検索をかけるには、IEなどのブラウザで見ているよりも、テキストファイルとして保存してしまって、テキストエディタなどで閲覧したほうが便利。  ブラウザ上に表示されている文章を、テキストファイルとして保存するやりかた。 ・ブラウザ上で右クリックして、「すべて選択(A)」とやる。 ・数秒から数十秒(マシンのCPU速度による)待つと、全部が選択される。 ・ふたたび右クリックして、「コピー(C)」とやる。(クリップボードにコピーされる) ・テキストエディタで「貼り付け」や「ペースト」を行う。 ・ファイル名を付けて保存。  ちなみに「テキストファイルとか、エディタってなんですか?」という場合には、その旨、申告のこと。  青葉さんのパソコンに関する知識がどのくらいあるのかわからないので、どこまで説明する必要があるのか判明しない。この説明は「テキストエディタ」と「テキストファイル」は知っているものと仮定して書いているので。 >説明文がなぜいけないのか  「時間が進まない」とか。  「ムービーシーンがいやだ」とか。  その手の説明ではなくて、もうひとつ、べつのアプローチから解説を試みてみる。  いろいろと言葉を換えて説明しているうちに、なにかがヒットして、とつぜん理解に至る――なんてこともあるわけだし。青葉さんとは付き合いが短いので、どういうふうに説明をすれば理解しやすいのかもわからないので、こちらも手探り状態。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼下がりの平和な街は、今やどこにも存在していなかった。  トカゲを巨大化させ、後ろ足で立たせたような化け物。それが、家屋を踏み壊し、表通 りの雑居ビルを前肢で打ち壊しながらうろつき回る。  見上げるほど高かった建物も、そいつに比べれば小さく見えた。  遠くまで見渡せるマンションのベランダが、今日はとても恨めしい。 「ゆき。大丈夫だからな」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  すこし引用してみたけども。  この場面って、じつは――  遠くで暴れる怪物をベランダから観ながら、怯える女の子(妹)のことを、男の子が励ましてやっているシーン。  ――なわけです。  しかし……。  ぜんっぜんっ、リアルでない。  「現実感」って意味でのリアリティ。それがない。  怪物の姿が頭に浮かんでこない。  怯えている女の子の様子とか、それをかばっている男の子の様子とか。想像することもできない。  踏み壊される雑居ビルだとか。そんなものも浮かんでこない。  読者というものは、まるで映画でも観るかのように、頭の中に流れてゆくイメージを観たいわけです。  んで、小説の作者というのは、読者の頭の中に、そうした「映画のようなイメージ」を映し出すことが仕事であるわけです。それで金を貰っている。  まず、このシーンにリアリティがないという指摘に納得できたのかどうか。  納得できたのなら、どうすればリアリティを出せるのか、自分なりに考えてみて、その思考経過をすべて発表のこと。  そして頭の中の理屈だけでなく、実際に手を動かして、直してみること。  そもそもリアリティとはなにか、とか。  リアリティが欠けていた原因の考察、とか。  リアリティを出すための方法の考察、とか。  そして、その上で「実践」だ。  「リアリティがない」という意見がピンとこなかったのであれば、また「わかりません」と言うのではなく、自分なりに、僕がなにを問題にしているのかを考えた結果を書くこと。 >「クリスマスは一緒に」  ついでに、こっちもやっとくか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イブの夜に女の子と二人きり。普通だったら喜ぶべき状況なんだろうけど、相手がこい つじゃ嬉しくもなんともない。ベンチにへたりこんでいたらなおさらだ。  なにしろ、終業式が終わってから、つい一時間ほど前まで。僕は彼女につきあわされ て、表通りのケーキ屋でまん丸なスポンジケーキと格闘する羽目になっていたんだから。  かきいれ時の店は、当然だけども忙しかった。自慢じゃないけど僕は――情けないこと に女の子である菅原涼よりも――体力がない。仕事の後、心臓は早鐘を打つどころか速射 砲みたいな音を立てていたし、歩くごとに足首のあたりにはにぶい痛みが走っていた。  夕方頃、店の人が心配して休めと言ってくれたとき、妙な意地を張らなきゃよかった。  僕はバイトする理由なんて特にないんだ。そりゃ、裕福なわけじゃないけども。なのに、 いつも菅原涼につきあわされて、無駄に苦労する羽目になる。  簡単な仕事だからさ、ジュースおごってあげるから手伝って。その一言で丸一日重労働 させられたことが、彼女と出会ってからの半年で何度あったことやら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここも、この説明文だけじゃ、よくわかんないんだけど。  状況としては、一日、バイトに狩り出されて疲れ果てた少年が、女の子と二人っきりで、公園のベンチにへたり込んでいる――というものらしい。  「疲れている男の子感」――というか、そういう種類のリアリティが、ない。  たぶんこのブロックでは、いちばん重要なことだと思うのだけど。  そのリアリティが、まったく。ぜんぜん。ない。  これも考察のこと。  怪獣のほうと両方やってもいいし、やりやすいほう、どちらか片方だけでもいいし。 >弟切 >「メイド」書き直し  アホタレ。  「休日出勤してきた帰り」だということを書くためだけに、なんだって、11行も必要になるんだよ?  まえ、「ずれた肩紐を直すメイド」のところを褒めたけども。  あれは「熱中するほど熱心に仕事をしていた」ことと、「肩紐のズレを無意識で直すくらいのベテラン」ということとを、端的に表現する良い描写だったからだ。  そういう「良い描写」を見つけ出してくれば、こんな「休日出勤の帰り」なんてもん、2〜3行で済むだろうが。5W1Hのおまじないの3行と合わせても、数行以内で片が付くはずだ。  数行で済むものを、10行にも水増しして、そんなもんで金を取るつもりかオマエは?  休日出勤の帰りのキャリアウーマンというものを、しっかりと脳裏に描き出し、それをきちんと観察しさえすれば、描くべき着眼点ってものは、おのずと見つかるはずだ。  その努力が足りん。  ドアの前に立つ「休日出勤の帰りのOL」を、執念で描き出せ。  そして書くべきは、2〜3行だけだ。 >2号  いらんリライトがあったので、管理者削除。  手を動かしている最中の人間から、機会を奪うな。 (煮詰まってしまって、手が止まりきってしまったタイミングでなら構わないが)  弟切へのリライト部分を除いて、再アップのこと。 -------------------------------------------------------------------------------- 理解するってのは大変だ No.7426 投稿日 2004年1月7日(水)21時34分 投稿者 江崎 芹 >> 人間の男女でいえば、友達から恋人。恋人から結婚して夫婦に。  途中にある経過……友達から恋人なら、どちらかの告白。恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。 (No.7399の江崎さんの書きこみより)  弟切さんに指摘がありましたので、ちょっと直してみたいと思います。  人間の男女関係でいえば、友人関係から恋人関係へ。恋人関係から結婚して夫婦関係に。  途中にある経過は、友人から恋人なら、男女どちらかからの告白。恋人から夫婦もやはり男女どちらかからの告白。男性からの場合はその時指輪を渡したりする。  ……うーん、あんまり変わっていない気がするけど、とりあえず直してみました。  ところで、この課題の元である「ラブストーリーとはなにか」での僕の定義は、正解していたのでしょうか?   正解しているのであれば「あっている」。間違っているのであれば「だめ」ぐらい言ってもらわないと、どうも不安です。間違った知識を振りかざすのは、もう二度とごめん蒙りたいですから。 -------------------------------------------------------------------------------- 再あっぷ No.7427 投稿日 2004年1月7日(水)21時56分 投稿者 名無し君2号  初管理者削除。  弟切さんが見なかったことを祈りつつ。 >江崎さん >No.99「最期の言葉」 >公園 >>>>深夜の公園。入り口だけは外灯が照らしているが、そこを抜けると、なかは夜に暗く沈んでいた。さびついたブランコが寂しい。 >>入口を少しぬけた瞬間、夜の中錆び付いたブランコが見えるということは、相当小さい公園なんでしょうか? 入口の外灯だけで奥が見えるんだから……。  あらためて見ると、ここってぜんぜん描写になってませんね。  夜の闇のなかで、ブランコの錆びってそうそう見えるもんじゃなし。いちおうは主人公の黒部が通った道をなぞってはいるんですが、その黒部がすでにブランコの前に立っていたのが悪い。  じっさいに黒部を移動させて公園を描く――意味がない。  へたに描写しようとかしない――負けた気分。  でも字数を考えるなら、ここは説明ですましてしまったほうがよかったかも。 >>>>「殺ったおれのセリフじゃないけど――今後の参考にしたい」 >> ? 意味がわかりません。なにを参考に? なんか会話の流れとこのセリフのつじつまがいまいちあいません。  このセリフの前に、 「あんたこそなぜだい。こんな人気のないところに護衛もなしじゃ、殺してくれといっているようなもんだよ」  とあります。 「狙われているのがわかっていて、なんで護衛もなしにひとりでいたの? なんでそんな無謀なことをするかなあ。おかげであっさり殺れちゃったけどさ。これからの殺し屋稼業の参考にするから、理由を教えてちょーだい」  ……というのがこのときの会話における、だいたいの意味です。 >津荒さん  回答ありがとうございました。 >ヤクザ  長ドスについてはよくわかりました。  ここで書きたかったのは『短刀ほど短くなく、刀ほど長くもない』刃物だったんですが、そこいらへんはもっとわかりやすくすればよかったかもしれません。  じっさいの長さとしては、60センチほどなんですが。ちなみにこの少年の主武器で、かつて折れた刀を打ち直して再利用したもの……とか考えていましたが。どうでもいい設定ではある。  そもそもライトノベルでヤクザが主人公というのもどうなんかな、と考える。  ナイよなあ。でもナイなら逆にアリかしら。かえって新鮮かもしれないですね。 >弟切さん >メイド書き直し  野々宮桐子の帰宅を、それだけの分量を費やして描写する必要は果たしてあるのかどうか。  いっそ説明でもいいんじゃないかな、というのは私の怠け癖でしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ※ここにいらん書き直しがあった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――こんな感じで。  でも、もしかしたら私が考え違いしている可能性もあるので、それはさておき。  前半、帰宅するまでの桐子の心理と、帰宅したときの心理とが、なんかつながってないような気がします。  淡々とした様子で、桐子は帰宅してますよね。ドアを開けると、いきなりテンションがあがってますよね。  うきうきと陽気に帰ってきたのなら、 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  でもいいと思うのですが、休日出勤、疲れて帰ってきたのならすこし違ったセリフになるんじゃないでしょうか。 >パチスロ  あ。Gooのウェブ辞書ですね。  一応検索はしていたんですが……。『ぱちすろ』とひらがなで検索してしまって、だから「検索結果に該当するものが見当たりません」と出てしまったんです。  『パチスロ』とやれば出てきたんですね。失礼しました。  なんでひらがなで検索したのかといえば、辞書検索ソフトのDDwinで検索するさい、ひらがなじゃないと広辞苑しか引っかかってくれないからです。他の辞書(というか知恵蔵しかないけど)でも調べるために、いつもいつもひらがなで検索していたので……ついその癖がここでも。  まあ、しっかりと検索しろって話ですが。 >恵比寿さま  冒頭の恵比寿さまの話、いわんとするところがよくのみこめないです。でも内緒っていってるしなあ。なんか気になります……。  今日を含めてあと3日。じりじりとくる。  さっき風呂に入ったとき、ようやくストーリーが頭のなかでまとまった。いまからあらすじ書いて、プロット立てて――本文をなんとか数枚だけでも書きたいなぁ……。明日は地獄かもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- もうじき十日えびす No.7428 投稿日 2004年1月8日(木)20時33分 投稿者 弟切 千隼  No.7423の書きこみで触れた恵比寿さまの話について、2号さんが「よくのみこめない」とおっしゃっているので、ヒントを出しましょう。  恵比寿さまには、「恵比寿」以外に、いろいろな漢字表記があります。これがヒントです。 >「メイド」書き直し  またもや書き直してきました。幸いなことに、2号さんの書き直したものは見ていませんから、その影響はないはずです。  皆さんの御指摘をお待ちします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  午後の陽射しが、アパートの階段を白く照らしていた。  野々宮桐子はその階段を登っていた。落ちる影は、まだ短い。  彼女の肩にあるのは、いつもの通勤用バッグだ。くだけたスラックス姿とは合っていない。  休日の仕事は、もう、やっつけた。彼女は鼻歌交じりで自宅の前に立った。  扉を開けると、彼女の目にダイニングの光景が飛び込んだ。 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  フローリングの床がぴかぴかだった。床板の木目がくっきりと見えている。ワックスがかけられているのだろう。出かける前と違って、ちり一つ落ちていない。  床には空っぽの洗濯籠が置かれていた。桐子が家を出る時までは、その中は汚れ物でいっぱいだった。  あの汚れ物はどこへ? 彼女が顔を上げると、ベランダにブラウスやタオルが整列していた。 「お帰りなさい」  明るい声に桐子は振り向いた。レモン色のエプロンを着た女性が立っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 江崎さんへ > >> 人間の男女でいえば、友達から恋人。恋人から結婚して夫婦に。  途中にある経過……友達から恋人なら、どちらかの告白。恋人から夫婦もやはり告白(この場合男限定)で指輪をわたす。 (No.7399の江崎さんの書きこみより) >> 人間の男女関係でいえば、友人関係から恋人関係へ。恋人関係から結婚して夫婦関係に。  途中にある経過は、友人から恋人なら、男女どちらかからの告白。恋人から夫婦もやはり男女どちらかからの告白。男性からの場合はその時指輪を渡したりする。 (No.7426の江崎さんの書きこみより)  No.7399に比べれば、No.7426のほうが、ずっとわかりやすくなっています。少なくとも、No.7426なら、必要最小限の意味は通じそうですね。  でも、これで充分だとは思わないで下さい。改良の余地はまだあります。  弟切が気になったのは、名詞の使い方ですね。特にここ↓です。 >>恋人から夫婦もやはり男女どちらかからの告白。  恋愛は「告白」するものかも知れませんが、結婚は「申し出」たり「申し込み」したりするものではないでしょうか?  文章は、単語一つにも気を使わないと、とんでもない誤解を受けかねません。  がんばって、もっと上を目指しましょう。 お知らせ:  弟切は、明日(9日)の夕方からまた遠出してしまいます。次に弟切がここに来られるのは、おそらく12日(月)の夜以降です。ひょっとしたら、明日の昼間にもう一度書きこめるかも知れません。 -------------------------------------------------------------------------------- 短編課題 No.7429 投稿日 2004年1月9日(金)11時31分 投稿者 桜庭 優  短編課題のツリーを課題部屋に作っておきました。  余計なお世話……じゃないですよね?(汗  短編課題の件の、その前にレス。 >弟切さん >誤用  誤用がありましたか。  申し訳ありませんでした。  小説家志望たるもの、こういう言葉には、常時気をつけておかないとなあ……。 >短編課題  というわけで、短編課題を課題部屋にアップしておきましたが、作品中に、東日本(もしくはPC/AT互換機使い)限定の略語があることを、あらかじめご了承ください。  ……でも、パソコンの方はともかく、なんで西日本(特に関西)の人はアレのことをアレと言うんでしょうか?ちょっと不思議。 (作品のネタばれがあるので、わざとぼかしています。ご了承ください)  ところで、久々に最後まで小説を書きましたが、2日目は自分で思ったより書き進めてびっくり。 (作業時間は午前九時ごろから午後二時ごろまで、大部分は午後十二時ごろまで)  二日目は、目が突然急激に疲れて、途中で止めてしまったので、目が疲れていなければ最後まで書けていたかも。  これなら、今書いている長編も早く書き進めるなと、少し自信がつきました。  それにしても、ブラウザで小さい文字を見ていると、なんだか目がすぐ疲れます。 文字設定を大きくしようかな。  IEがフリーズして、書き直し。  くそう、こんなことになるのなら、エディタで最初から書いておくべきだった。  目が疲れて、ちょっとこれ以上は書けないので、今はこれまで。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7430 投稿日 2004年1月9日(金)13時46分 投稿者 新木 伸 >江崎さん  あれ?  一時撤退するのではないのですか?  そのつもりで、ラブストーリーに関することは指摘していなかったのですが。  ここのジムでみっちりやるつもりなのか、体力がついたらまた来るつもりなのか、どちらであるのか、まずはっきりしましょう。  それとラブストーリーに関する課題ですが。  合っている合っていないという以前に、あれではやり直しです。  「辞書を引け」というのは、ここではよく言われていることですが……。  今回の場合には、世間一般的にいうところの「ラブストーリー」の定義を質問したのではありません。  江崎さんの思うところの「ラブストーリー」とはどんなものなのかということを、聞いてみたわけです。  「辞書を引く=他人の定義を参照する」ですから、辞書を引いた時点で、もう意味を失ってしまいます。  江崎さん的には、どんなものが「愛」なのですか?  そしてラブストーリーとは、どんな話なのですか?  人の定義など、どうでもいいですから、江崎さん自身の定義を聞かせてください。  ちなみにこの手のものには「正解」とか「不正解」とかはありませんので、合ってるとか合ってないとかいう指摘はしません。  ただし、「ぬるい」とか「不明確」とか、そういう指摘ならするかも。  また、それがラブストーリーなのだとすると、課題部屋にある「彼女の痕」はそうなっていないじゃん。――とか、そんな指摘をするかもしれません。 >弟切 >7428書き直し  ところで、この部分書き直しバージョン。きちんと課題部屋のほうに上げているのか?  なんか、説明するのか、描写するのか、どっちつかずで中途半端だなぁ。  最初の台詞が出てくるまでの部分を――。  完全に説明文オンリーで、最短文字数で必要不可欠なことを書くバージョン。  厳選した描写でその「必要不可欠な情報」を表現したもの。  ――と、二通り作ってみそ。  ふたつ作ろうとすると、差別化をする必要が生じる。  「描写バージョン」のほうには、「説明バージョン」に書いたような表記を使えなくなる。すると説明と描写と、違いがつけやすくなるんじゃないかな?  小説の文章を書くときには、いつも頭の中にふたつのバージョンが用意されているのね。ここは説明でゆくか、描写でゆくのか。展開のテンポなどを計りつつ、どちらを選択するのか決めるわけだ。 >桜庭さん  分室への書きこみ、ブラウザ上で書いていたのですか?  ブラウザの書きこみフォーム上での「オン書き」は、禁止ですよ。  理由は、書きこみの前に、数回の見直しをする習慣を付けさせるため。  かならず、ブラウザから離れて、普段書いているのと同じ環境で、落ちついて「オフ書き」してください。  この掲示板の「プレビュー機能」を見直しのために使わないこと。エディタ上で充分な回数の見直しをしてきたうえで、最終確認の一回用として使うこと。  鷹見さんを含めて、数名のプロの人も「オン書き」しているようですが……。道場生ではないので、そちらについては、僕はなにを言うつもりもありません。  誤字があろうが、変な文章を書こうが、責任も結果も自分持ちになりますので。 -------------------------------------------------------------------------------- またもや、失敗。 No.7431 投稿日 2004年1月9日(金)14時38分 投稿者 桜庭 優 >新木さん >ブラウザの書きこみフォーム上での「オン書き」は、禁止ですよ。  ……すいません。  言い訳としては、復帰後の二回の書き込みは、きちんとエディターで書いていたのですが、  上の書き込みは、短編が書きあがった勢いで、ついブラウザにオン書きしてしまいました。  これからは必ず、エディターでオフ書きして、十分読み直してから書き込むよう、気をつけます。 >誤字があろうが、変な文章を書こうが、責任も結果も自分持ちになりますので。  このことは常日頃、心に書き留めておきたいと思います。  ……気を抜くと、いつもこういう事があるなあ。注意しよう。  はああ、自分が駄目人間だということを痛感。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- ドジ属性発覚? No.7432 投稿日 2004年1月9日(金)18時08分 投稿者 桜庭 優  一日に何度も書き込むのもなんですが。  上(No.7431 )の書き込みを書いてからしばらくして、 「ああっ!しまった!あれやっとくの忘れてた!!」  と、あることに気がつきました。  その事とは。  自分の課題の課題部屋でのURLを、ここに書くことを忘れてました……。  というわけで、課題のURLです。  短編課題1月9日提出分:「交渉」  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=732&e=res&lp=732&st=0  なんか、自分はドジ属性があるんじゃないかという気がしてきた……。  それでは。   http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- 落ちました No.7433 投稿日 2004年1月10日(土)07時15分 投稿者 名無し君2号  400字詰め原稿用紙に換算して3枚しか書いておりませぬ。負け犬でございます。 >えびす  たぶん、『えびす』とは『胡』のことだろうと推測。七草セットに混じっていたのだから、野菜のことだと考えていいんじゃなかろうか。まさか『蛭子』が入っていたわけないだろう……伊弉諾《いざなぎ》さーん、お子さんがここにいらっしゃいますよー。  『胡』の入る野菜は意外と多い。胡瓜《きゅうり》、胡桃《くるみ》、胡頽子《ぐみ》、胡椒《こしょう》、胡豆《ことう》(えんどうの別称)、胡麻《ごま》。  でもこんなものは混じらないよなあ。七草――草なんだから、混じっていたのも草と見るべきだろう。  そこいらあたりから考えると、おそらくは蛍柴胡《ほたるさいこ》、別名蛍草、露草――つまり『ツユクサ』のことではないかと思うが……どうか。  なんか考えすぎな気もするんだけど。  かたちにならなければ、まったくもってお話になりませんな。眠ります……。 -------------------------------------------------------------------------------- 近頃妙に寒い…… No.7434 投稿日 2004年1月10日(土)15時10分 投稿者 津荒夕介 書きました。 四百字詰めで31枚。 題名:「夢見ぬ少女」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=733&e=res&lp=733&st=0 です。 よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- ROMからの指摘 No.7435 投稿日 2004年1月12日(月)01時41分 投稿者 とんびの羽根  お久しぶりです。そしてはじめてのかた初めまして。とんびの羽根です。  昨年初夏の頃から腰痛に悩んでまして、ログの書き込みを控えていました。腰痛の原因は椎間板ヘルニアでして、簡単には治りそうにないのですが、そろそろと復活します。いやもう歳ですね。  本年の初指摘の標的は桜庭さん、あなたです。それではよろしく。 >>732 短編課題1月9日提出分:「交渉」 >>反省点 ・心理描写がやたら多く、普通の描写が不足している。(小説の性質上、わざとそうした部分もありますが)  第一の反省点が心理描写だということですので、その部分に絞ってます。  まず登場人物の心理の動きを描写していると思われる部分をできる限り抜き出してみました。  すると思考、せりふ、こころのせりふ、を除くと実は全体の5分の1くらいしかありませんでした。残りはほかのかたに任せましょう。  抜き出した部分の中で実際に心理と心理を反映した行動などをさらに色を変えてみました。  黒字の部分は心の中で感じられることの描写もしくは説明、  赤字の部分は心理描写そのものではなく、実際に見えるものの描写もしくは説明ですが、心理の動きを反映している部分です。  これは抜き出した部分の、さらに3分の1くらいしかありませんでした。 −−−−−−−−−−−−−抜き出し開始−−−−−−−−−−−−−−−−−  その場の雰囲気はおおむね友好的であったが、いくらか緊張感も含まれていた。  リストには魅力的な名前が並んでいた。  リストの中で魅力的なものは、やはり、宇宙戦艦だった。  しかし、目の前の宇宙戦艦は、魅力的すぎる戦力であった。  司会役の男は目を細めた。  それは、司会役の男にとって衝撃的なものだった。かれがのどから出るほど欲しい最新鋭の兵器が、斜め右の男の交換条件だったからだ。  この瞬間、かれは攻勢から守勢にまわった。  机の上に置かれていた紙コップを持ち上げ、液体をひとくち飲み、ふたたび置く。わずかながら、手が震えている。  司会の斜め右の男の顔をチラッと見る。かすかに唇を歪め、ほほえんでいる。  司会の斜め右に座っていた男は、司会の男が取った行動に面食らった。  一瞬、にやりとしていた。  わずかながら、自分の顔がこわばったのが、かれ自身でもわかった。  テーブルの下で握られていたこぶしに、力が入る。  斜め右の男は、怒りをこらえるのに精一杯だった。  司会の右隣に座っていた男は、斜め右の男とは別の意味で、司会の取った行動に面食らった。  かれは半分あきらめていたからだ。  そう思うと、かれの心の中はむなしさと憤りが混じりあうような気分だった。  右隣の男は、紙コップの中の液体を飲み干した。  司会の目の前の男は、話に入れず、取り残された気分だった。  戦力も無ければお金も無い。交渉のカードはほとんど残されていなかった。みじめな気分だった。  困惑したのは皆、同じだった。  今までは自分のペースに乗りかけていたのに、また守勢にまわってしまったのだ。  司会の目の前の男と斜め右の男は、同じことを相手も考えていたことに、はじめは困惑した。しかし、司会に対して自分たちが有利な方向へ持っていけると、奇妙なよろこびを感じた。  司会の男は声を荒げた。  しかし、二人の男は同時に反論した。  その言葉を聞いた瞬間、司会の男は顔が真っ赤になった。両方の拳をテーブルに叩きつける。  そういい終わらないうちに殴りかかろうとする。  それを静止したのは右隣の男だった。司会の身体を抱きかかえて引き止める。  その瞬間、司会の斜め右に座っていた男の顔が険しくなった。そして、吠えるように叫んだ。  司会の目の前の男は、ゆがんだ顔を司会の斜め右の男に見せた。  次の瞬間、司会と斜め右の男の顔の赤みは、頂点に達した。  そう言って学生服姿の女の子は、ぽかっ、とつかみ合っていた司会役の男子の頭を叩き、皆を怒鳴りつけた。もみあっていた男子の手から、最新鋭兵器のカードがこぼれていった。  周りからは、突き刺さるような視線。  そう言って、女の子は急ぎ足で自分の席へと戻っていく。  彼女に怒鳴られ、かれらは気まずい雰囲気で、テーブルや床に散らばったカードをしまうのだった。 −−−−−−−−−−−−−抜き出し終了−−−−−−−−−−−−−−−−−  最初に「おおむね友好的で」「いくらか緊張感がある」はただ説明しているだけですよね、その現場を彷彿とさせるものがありません。服装や背景を描いてないことの是非はおいておいても、ここで現場のリアリティをみせておかないと、読者は舞台の中に入っていくことはできません。  次に「魅力的」の3連発が目を引きます。同じ表現を何度も繰り返すというのは表現を練る努力を放棄した結果です。そして具体性がありません。抽象的な一言の説明ではなく、欲望を表現するにはどうすればよいのでしょう。  同様に「衝撃的」「のどから(手が)出るほど欲しい」もきちんと感じさせることができるはずです。  そして「面食らった」「困惑した」という表現はさらにそれぞれ2度繰り返されてます。こんなにさぼっていてはまずいです。 「気分」3回ほど使用していますが、気弱語ではないでしょうか。 「奇妙なよろこび 」とはどんな喜びなんでしょう。「奇妙な」という形容は読者に想像できません。どのように奇妙なのかを伝える努力をお願いします。  黒字の部分はこのように問題だらけでした。  黒字の部分の表現を改善すれば表現力が上がってくるのではないでしょうか。  それに対し赤字の部分の方は目に見える外面的なことでありながら、内面の心の動きを伝えるのにずいぶんと役立っているように感じました。  最後に、全体の構造です。起承転結は「交渉をはじめる男たち」「喧嘩になる男たち」「怒鳴りつける女の子」「我に返る男たち」ですね。    しかしオチがギャグだというのはエンターテインメントとして致命的だと思います。たった8行のギャグのために、140行読まされるわけです。5分間のコントでラスト20秒まで笑えるところがなかったら罵声を浴びるでしょう。ギャグでいきたいのなら全編ギャグでお願いします。  このプロットだったら起承をシリアスできちんと見せ、説明部分を切り捨て、転結に力を入れればちゃんとしたストーリーが作れるでしょう。  次回は「コント」ではなくちゃんと小説にして欲しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 書き初め課題 No.7436 投稿日 2004年1月12日(月)10時35分 投稿者 新木 伸 ●書き初め課題  桜庭さんのは、あれ、小説ではないですね。  なぜ小説ではないと言われるのか、考察してくるのこと。  津荒さんのは、その意味では小説になっているけども……。  でも、ぜんぜん荒い。これでは小説のプロット。  この内容を原稿用紙30枚で書いたなら、そりゃ、プロットに毛の生えたようなものにしかなりませんって。  探偵とヒロインのキャラを立てて活躍させるだけでも、この2〜3倍程度の分量は必要でしょう。  んで、2号のアホは――。  どうだった? 「締め切りごっこ」は、楽しかったかい? >津荒さんの話  ストーリーの分析と評価などをしましょう。  書き出す前に、あらすじとか、プロットとか、覚え書きのメモとか、なにか書いてあったのなら、それらを提出のこと。  あと、きちんとした800字あらすじも提出のこと。  また、書き終えてしばらく経ったいまの時点で、もういちど読みかえしつつ、起きている出来事などを写し取っていって、箇条書きメモを作成。それを提出のこと。  箇条書きメモはプロットの基本。5W1Hの形式ね。 ・(いつ)(どこで)誰が、なにを、どうする。(なんのために?)  ()でくくってあるのは省略可能な項目。  シーンが連続していれば「いつどこで」は不要だし、行動の理由が自明のときには省略してかまわないし。  まあ、やりかたはよくわからないかもしれないけど、とりあえず手を動かしてやってみて、「こんな感じですか?」と聞いてくれれば早いはず。 -------------------------------------------------------------------------------- なっとらん、なっとらんぞ!ド○ン!! No.7437 投稿日 2004年1月12日(月)16時09分 投稿者 桜庭 優  今日(1月12日)は成人の日。  私が成人式に出たのは、もう何年前のことだったっけ……(遠い目)  それより、目の前の問題を何とかしなくては。 >小説「のようなもの」感想 >とんびの羽根さん >次回は「コント」ではなくちゃんと小説にして欲しいです。 >新木さん >桜庭さんのは、あれ、小説ではないですね。  ああ、ショックや……(似非関西弁)。  というか、ある程度は予想していたことなんですけど。 >なぜ小説ではないと言われるのか、考察してくるのこと。  その前に、苦しいながらも言い訳としては、   >とんびの羽根さん >最初に「おおむね友好的で」「いくらか緊張感がある」はただ説明しているだけで >すよね、その現場を彷彿とさせるものがありません。服装や背景を描いてないこと >の是非はおいておいても、ここで現場のリアリティをみせておかないと、読者は舞 >台の中に入っていくことはできません。  これには理由がありまして、この小説(もどき)は、アイディアの元ネタとして、仮想戦記作家で有名な佐藤大輔氏の短編「戦艦」からヒントを得ています。  これは昔の戦艦の話と思わせておいて、実は宇宙戦艦の話だった……、という、文章でなければ描けないトリックを用いた作品です。  この話も同様で、読み始めは星間国家同士での軍人同士の軍事交渉と思わせておいて、実はラストで、現実世界での、学生同士のトレーディングカードゲームのトレーディングだったという仕掛けになっていたのです。  だから服装や背景といったものの描写は、わざと書かなかったのですが……。    そうであっても、小説になってないから、問題外なわけで……。  と、言い訳はここまでにして。  ここで考察してみます。  小説とは何か?  とりあえず、gooの辞書で引いてみると、 >しょうせつ せう― 0 【小説】 >(1)文学の一形式。散文体の文学で、一八世紀以後、近代市民社会の生活・道徳・ >思想を背景に完成した。作者が自由な方法とスタイルで、不特定多数の読者を対象 >に人間や社会を描く様式。〔坪内逍遥が「小説神髄」で novel の訳語として用いた〕 >(2)もと中国で、日常の出来事に関する意見・主張。また、それを書いた文。  となっています。ここで注目したいのは、 「作者が自由な方法とスタイルで、不特定多数の読者を対象に人間や社会を描く様式」  という部分でしょうか。特に、「不特定多数の読者」というところがポイントです。 書いた自分ではわかっていても、多くの読者が理解してくれなきゃ小説じゃない。  というか、新人賞に送られてくる九割の作品が「日本語になっていない」という話しですし。  つまりは、私が書いたものは、アイディアだけで、読む人のことを考えていなかった。  当たり前で、耳の痛い話です……。  つぎに、細かい考察をしてみます。  ここで、ある小説家は、「プロットこそ、小説の最大必要条件だ」と、自らが書いた小説教本の中で語っていたことを思い出しました。  わたしがかいたものは、もうバレバレなんですけど、アイディア先行で、プロットをほとんど立てずに書いてみたものなんです。  骨なんてほとんど無いと言っていいです。軟体動物みたいなものです。ただ各登場人物の行動と思考を羅列したもの、と言っていいかもしれません。  この文章をプロット化しようにも、出来ないと思いますし、(5W1Hなんて論外)これの細かいあらすじもかけないと思います。  わかる人には一目で判るものですねえ……。  また、小説を構成する要素(肉)としては、  説明文  描写文(情景、状況)  会話文(含む心の中の声)  動作(アクション)  の四つがあるわけですが、  これはほとんど説明文と、心の中の声からなっていて、小説というにはアンバランスとしか言えないような気がします。  あと、これは人物などの描き分けができていないと思います。  例えば、人物は主に四人出てきますが、名前が、 「司会役の男」、 「司会の右隣に座っている男」、 「司会の目の前に座っている男」、 「司会の斜め右に座っている男」  とだけしか明記されておらず、その他の性格などの描写がおろそかになっていたと思います。  ……今のところ、考察はこれだけ。  ここまで書いて、思いつきだけで「小説」は成り立たない。ということを強く痛感しました。  ……はあ。  しかし、ここで止まるわけにはいかない。前進しなくちゃ。これを糧に、がんばろう。   http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- こんな感じですか? No.7438 投稿日 2004年1月12日(月)18時29分 投稿者 津荒夕介 >新木さん >>ぜんぜん荒い。これでは小説のプロット。 と言うことで……うーん自覚が無いですよ。 描写が足りてないって事でしょうか? 考えます。 とりあえず、課題部屋に投稿しました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=736&e=res&lp=733&st=0 書く前に決めていたこと。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=735&e=res&lp=733&st=0 箇条書き課題。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=734&e=res&lp=733&st=0 800字あらすじ。 よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 楽しかったかと問われれば No.7439 投稿日 2004年1月12日(月)18時47分 投稿者 名無し君2号  『締め切りごっこ』、けっこう楽しかったです。  ――まあ、しょせんは『ごっこ』なんですが。  いわゆる新人賞に応募したことがないので、「何日までに書きあげなければならない」というのが初体験だったのもあります。社会人時代ならば、仕事の期日があることはよく経験していたんですけども。  で、短編はいまのところ、予想枚数40枚のうち25枚しか書けていません。とりあえずさっさと書きあげることする。  それまではおさらば、潜ります。ぶくぶくぶく、と。 -------------------------------------------------------------------------------- 北の国から No.7440 投稿日 2004年1月12日(月)23時29分 投稿者 弟切 千隼 弟切、戻りました。昨日はまる一日吹雪かれて、手足が凍りそうになりました(;_;)  書初め課題は、提出できた方とできなかった方といるようですね。弟切はまだ桜庭さんの作品しか読んでいません。これから津荒さんの作品も読んで、皆さんのために指摘ができるようにします。 新木さんへ >  No.7428の「メイド」部分書き直しについて、説明文バージョンと描写文バージョンと、二種類の書き直しをすること、了承しました。 2号さんへ >  弟切が七草粥の日に遭遇したのは、「蛭子」さまです(^_^) とんびの羽根さんへ >  お久しぶりです。椎間板ヘルニアはぶり返しやすい病気ですから、お大事にして下さい。  弟切の父も椎間板ヘルニアを持病にしているため、多少は苦労がわかります。 -------------------------------------------------------------------------------- 結局、短編は全然書いてません No.7441 投稿日 2004年1月13日(火)04時22分 投稿者 青葉桂都  青葉桂都です。  書く気すらなかったとまでは言いませんけども、実際に書けた分量は2号さんよりさらに少なく。  まあ、完成しなかった以上はうだうだと何かを言うのはやめておきましょう。 >ゲームのルールのこと  ルールブックを見ろで、済む場合と済まない場合があるのですが……。  ゲームを題材にし、ゲームをプレイするプレイヤーを描いた作品というのは2種類に分けられます。  まずは、現実に存在するゲームを題材にした作品。  代表的なのは麻雀や将棋、それにポーカーやブラックジャックなど、トランプを使った賭博の類でしょうか。  また、子供雑誌ではミニ四駆を使ったレースの漫画が何度も連載されていましたし、ゲーム雑誌では実在するテレビゲーム、卓上ゲームを題材にした漫画が掲載されることがあります。  昨年アニメ化されたジャンプの人気漫画、ヒカルの碁という作品もありましたね。これは囲碁が題材です。  ……なお、小説作品が、まったく浮かんでこないあたりがはなはだへっぽこです。  こういった作品に関しては、『知りたければルールブックを読め』というのはそれほど間違いではありません。  現実に自分が、本屋へ初心者向けの入門書を眺めに(もちろん、買ってからです)行ったことがあるので否定のしようもないです。  しかし、現実には存在しないゲームを題材とした作品もあるわけです。  メジャーな例では、ジャンプの遊戯王。  カードゲーム漫画として有名になっている作品ですが、もともとカードゲーム漫画だったわけではありません。  主人公である遊戯少年は、千年パズルと呼ばれる首飾りを持っています。それによって出現した第二の人格が、様々なゲームでいろいろな相手と対決する漫画でした。  カードゲームは、最初に登場したい際にはそういったゲームの一つでしかありませんでした。  おそらくはその回の人気が高かったのでしょう。その後、遊戯王はカードゲームをメインとした漫画に変わっていったわけです。  ともかく、遊戯王にはいくつもゲームが登場します。  ゲームのいくつかは実在のゲームを参考にしているのではないかと考えられますが、それでも実在のゲームをそのまま登場させたものはありません。そうなった理由はどうあれ。  すべて遊戯王という作品の中にしか存在しなかったものなのです。……あ、過去形なのは、カードゲームがその後発売されたからです。  もちろん、この類の作品が遊戯王以外に存在しないということはありません。  こういった作品の場合は、ルールブックを読めばいいと言われても、そんなものはどこにも存在しないとしか答えようがないです。  作中で必要量のルールを見せなければ読者にはどんなゲームかすら理解できませんし、実際に見せているわけです。  さて。  考えなしにルールの説明をしようとするな、というのは理解できます。  ルールを見せるなら読者の目が離れないようにちゃんと考えて書くべきである。それならば、十分に納得できます。  私が書いたものに思慮がぜんぜん足りていないということも、改めて言葉を尽くしていただくまでもなく。  しかし、『すべての読者はルールなんて興味ない、書くな』と言われても理解できません。  作中でルールを見せなければどうあってもルールを知り得ない類の作品が存在するというのに。  それ以前に、ゲームのルールというのは、作品の世界観にも相当するものです。ゲームの進行はすべてルールによって決定されているからです。  そのゲームがどのようなゲームなのかを決定するにあたって、ゲームのルールは欠くべからざる要素の一つなのです。  ルールを一切見せるべきではないというのは、作品の世界が太陽系外に旅立つ宇宙船の中であっても、明治維新のまっただなかであっても、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界であってもまったくそれを示すようなことを書くべきではない、と言っているのと同じことです。  もちろん、一から十まで、完璧に、微に入り細に入り示す必要はないでしょう。大まかなイメージを理解してもらえれば十分です。  それも、いきなり何の脈絡もなく説明しはじめるのではなく、エピソードを積み重ねて少しずつ見せて行くべきものなのでしょう。  が、しかし、まったく書くべきでない、というのはやっぱり理解できません。  そもそも、まったく書かないでどうすればゲームを題材にして小説を書けるのかが理解できなかったりいたします。 >アイシールド21を読んでいる理由  ……なんだろう。  アメフトに対する興味でないことは間違いありません。最初、2ヶ月かそこら読み飛ばしてましたから。  読み始めたのは確か、主人公のセナがライバル……というか目標となるキャラと対決してる回だったはずです。  で、そのまま読み続けているのも、そういう話が好きだから、というだけではないかなと思います。  そういう話、だと抽象的すぎますかね。主人公がより高い場所にいる誰かに追いつくために成長する話、でしょうか。  ええと。  おっしゃりたいのはつまり、読者はストーリーが見たいのであって世界観を知りたいのではない、ということでしょうか?  それならわかります。  ですが、説明するしないに関わらず背景は決められているべきですし、ストーリーも、ストーリーを動かすキャラクターたちも、その背景をベースとして存在しているはずですよね。  なのにその背景の部分はまったく説明してはいけない……というのが、やっぱりよくわからないんですが。  他のことは、次の書き込みの時にでも。無視しているわけではありません。  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7442 投稿日 2004年1月13日(火)08時40分 投稿者 新木 伸  部屋にいて、キーボードに手を伸ばしていると、指がかじかんでタイピングできなくなってくる。室温は20度あるのだけど、へんだなぁ。  このあいだ小指が痛いなと思って、その痛みに覚えがあるなぁ、と思っていたら、なんと「しもやけ」だった。  二十数年ぶりに経験したもので、それが「しもやけ」だということにすぐには思い至らなかったのね。  子供のころは冬でも空地で遊んでいたりして、よくしもやけになったりしたものだが……。  指抜き手袋を買ってきた。第一関節から先だけが露出した手袋。  キーボードとマウスを扱うのなら露出部分は指先だけで充分。 >青葉さん  「遊戯王」についての説明。今回はOKです。  週刊少年ジャンプを読んでいなくて、アニメにもゲームにもそれほど詳しくない人まで拾える説明内容になっていますね。  弟切さんや、とんびさんや、鷹見さんあたりでも、これならOKでしょう。(週間少年ジャンプを読んでいないと思われる面々)  んで、ルールの説明の話。  「一切書くな」という指摘は、極端に感じますか?  なら僕らの感じている感覚も、青葉さんには理解できるかな。  青葉さんのやっていること、主張していること――それも、ある意味においては「極端」なのですね。  こちらの言っているのは「一切書くな」ということ。  それに対して青葉さんのものでは、「すべて書く」となっているわけです。なんでもかんでも、ぜんぶ書いてしまっている。  青葉さんが「このくらいは必要だろう」と思って書く分量というのは、読者にしてみれば「勘弁してよ」というぐらいの「ものすごい分量」となっているわけです。  「大まかなイメージを掴むためにこのぐらいは〜」というその量は、すでに「致死量」に相当しています。  読者が受け入れてくれる「限度量」とか「適正量」とかいうものを、青葉さんの感覚言語で表現すると、「まったく書くな」と、そういうことになるわけです。  読者にとっては、じつは、それで適正量。  青葉さん的には「なにも書けない」ぐらいのつもりでいて、ちょうどよいわけです。  青葉さんも、自分が「書き手」でなくて「読み手」をやっているときには、「ちょっとでも説明が続くと胸いっぱい」という、僕らのいう側の感覚を持っているはずなのですが……。  いざ書き手に回ったときには、その基準がぜんぜん違ってきてしまっています。  自分で書いたものを、自分で味見していないからですね。  きちんと味見をしていれば、「とんでもなくマズい。食えたもんじゃない」ということがわかるはずなのに。  たいていの人は、この「味見が出来ない病」にかかっています。ここから抜け出さないことには、人が読んで愉しめるものは書けません。  味見(読み直し)をしたつもりでも、読んでいるのは実際にそこにある小説のほうではなくて、頭の中にある「書いたはずの理想の小説」のほうを読んじゃっているわけです。だから面白く感じてしまう。  他人の目で自分の作品を眺めることができない。  まあ世の中には、他人の目で作品を眺めて修正を施してゆくような作業を経なくても、いきなり傑作をアウトプットできてしまえる人がいたりしますが……。  天才ではない我々凡人は「客観視の目」を持たないとロクなものが書けません。  あと遊戯王のケースでは、青葉さんの目は節穴なようです。肝心なところを見落としています。  新しいゲームを登場させるときに、どのようにして「最低限」のルール説明を行っているのか? どんな工夫を行っているのか?  そういう部分を、まったく読み取っていません。  遊戯王を読むときに、きっと青葉さんは、ぼーっとアホ面さらして、焦点の定まらない節穴の目で眺めつつ、うひゃうひゃ笑って読んでいただけなのでしょうね。  単なる一読者。一消費者の目でしか、作品に触れていないわけですね。  作家の目線で、「いかに上手にルール説明をしているのか?」と、「匠の技」を盗み取るつもりで読んではいないわけですね。 >>それも、いきなり何の脈絡もなく説明しはじめるのではなく、エピソードを積み重ねて少しずつ見せて行くべきものなのでしょう。  ルール説明をするための「工夫」というものは、こんな、一行であっさりと済んでしまうようなものなのですか?  こんなものしか出てこないというのは、青葉さんが、いままでまったく「工夫」について考えてきていなかった証拠です。  遊戯王にしても、アイシールド21にしても――。  本来は「一切書けない」ルール説明をするにあたって、血の滲むような研究と努力との末に、「読んでもらえるようにルールの説明を行う」ための手法を編み出しているわけです。  節穴の目しか持たず、例として挙げてきた「遊戯王」などの作品にも、ただの「読者の目」でしか触れてきていなくて――。  そうした「技術」や「工夫」のすべてを読み落としていながら、自分が適当に書いた作品でもって、同レベルのことをやれているつもりですか?  だとしたら、滑稽っていうか、なんというか……。  玄人の仕事をなめるのも大概にしときましょう。  遊戯王にしても、アイシールド21にしても、「ルールの説明を要する作品を展開する」ということが、いかに大変なことなのか、わからないのかなぁ。  ああいう大変なことを、あっさりとやっていることが、いかに「凄いこと」であるのか、わからないのかなぁ。  どれだけの熱意でそれに取り組んでいて、どれだけの工夫が注ぎ込まれているのか。 >桜庭さん  えー、まず最初に。  ていうか、そろそろはっきり言っておきますが。  僕のやろうとしていることを。  いま桜庭さんは、自分自身をこう評価しているわけですよね。    「プロの水準には達していないけれど、自分はそこそこの書き手である」  僕はこの認識を、いちど、底辺にまで落っことそうとしているわけです。  「小説と呼べるものさえ書けてないヘタレ」というあたりでしょうか。  誰しも、自分の立場を「それなりのポジション」であると思いたいという欲求があるものですが……。そろそろ、その「浮輪」を手放して、荒波に身一つで乗りだしてもいい頃合いじゃないでしょうか。  書いてきたものを読んで(というか眺めただけですが)、わかりました。  はっきり言って、いま桜庭さんの実力は、2号以下です。  ひょっとしたら、もう小説を書かなくなってしまった羽矢野以下かもしれない。あるいは紫以下であるかもしれません。  「自分は2号よりは上だろう」なんていう変な思いこみがありましたら、この瞬間に捨てるように。  大抵の面で2号以下。  そして総合的にいえば、もはや確実に2号以下。  書いてもいないヤツと比べられて、「それ以下」と断定されるぐらい、とほほでヘタレであるわけです。  まず「小説」と呼べるものを書くようにしましょう。  上手い下手は、それから先の話です。  ――で、小説とはなにかということを考える課題。  なんで辞書なんて引いてくるかな。  なんで他人の定義を参照してくるかな。  自分の書いたものの話だとか、そのパクりの元ネタとなった作品の話だとか。どうでもよろしい。  桜庭さんが、ふだん読んでいる「小説」とは、どのようなものなのですか?  電撃文庫の長編賞に応募しようというぐらいだから、電撃文庫を普段からよく読んでいるのだと思われますが……。(たまに電撃を読んでいないのに送ろうとする変な人もいたりしますけど)  ふだん読んでいる「それら」が小説なのだとしたら、それらをくくる「共通項」と呼べるものはなんですか?  SF系やら学園系やらコメディ系やら、戦闘系やら、熱愛系やら、色々なジャンルの話があるでしょうけど……。  それらすべてが「小説」であることは、間違いないですよね。  小説っていうものがなんなのか、はっきりとは言えないまでも、よく知っているはずです。なにが小説であり、なにが小説ではないか――読者としてであれば、本能的に見分けがつくはずです。  てか、電撃文庫で刊行されているものは、皆、すべて「小説」であることは間違いありません。でなければどこかでストップがかかります。  では「小説」っていうものの、最低必要条件とは?  ちなみに「描写がない」なんていうことは、「小説であるかどうか」という低いレベルでは関係ありません。  描写の有無ということは、「愉しめるか」とか、「金を取れる小説となりうるか」とか、「商業作品としてどうか」という評価に関わるところです。もっと高いところでの話。  津荒さんの作品のほうは、描写なんかぜんぜんありゃしませんが、僕は「小説である」と言っていますよね。  あと、「思いつき」で小説を書く癖も改めないとならないでしょうが、「思いつき」とか「脊髄反射」とかで考察をしてくるそちらの癖も直すように。  きちんと思考してください。 >津荒さん  プロット書き取りメモのほう。もうすこし自然な日本語で。 −−−−−−−−−−−−−−−−− 放課後、学校の図書館   ・何気なく本を探している国枝。   ・一冊の本が国枝に話しかけてくる。(本の形をした妖怪)   ・妖怪は妖力によって国枝に幻を見せ、虜にしようとするが、失敗してしまう。(国枝が夢を持たない少女であったため)   ・妖怪=夢本に興味を持つ国枝。夢本の力を利用しようとする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−  すこし直してみました。こんな感じで、ほかの部分も直してみるように。  ――で、次に「あらすじ」について。  あらすじだけ読んで、他をまったく読まないでみると、いくつか疑問が生じてきます。  箇条書きにしてみますので、解決してください。  「解決する」というのは、掲示板上で普通の文章で回答することと、あと、あらすじを手直しして再アップするということと、二つね。 ・主人公って誰? この話って、いったい誰のもの? 国枝なのか、百目なのか。 ・戸田って、いったいだれ? ・エリはどうなったの? ・国枝は最後、どうなるの?  国枝がどうなるか――については、人間が生きる意味に固執していたという、彼女の内面の問題がどうなったのかということと、あと、騒動を起こした首謀者として、百目にどう裁かれたのかということの二つ。  最初に考えていたこと――について。  うーん。主人公が知り得ないことを書くために、三人称を使っちゃったのか〜。  それ「三人称」というものの、容易で間違った使いかた。  物語のセオリーであり、基本となるのは、主人公を常に登場させる――というもの。  主人公が出てこないシーンは、ひとつたりとも存在してはならない。というのが物語の基本。  読者は主人公を見ているものであって、主人公が存在しないシーンでは、いったいなにを見ればいいのか、わからなくなってしまうものなのだ。  たしかに市販作品では、三人称による視点切り替えがあったりする。主人公の登場しないシーンも出てきたりする。  だがあれはプロレベルの技術があるから使いこなせているわけね。  主人公を出しっぱなしにしておいても、きちんと話が構築できる人が、「主人公のいないシーン」を書くと、効果的に使えるわけだ。  基礎ができていない人間が、高等テクニックを使おうとしたって、猿真似にしかならない。 (ちなみに「猿真似」を辞書で引くと――。『さる‐まね【猿真似】猿が人間の動作をまねるように、本質を理解せずに、うわべだけまねること。むやみに他人のまねをすることを軽蔑していう』となる)  猿真似で容易に三人称を使っているものだから、百目が主人公なのか、国枝が主人公なのか、ぜんぜんわかんなくなっちゃってるし〜。  この話、百目の出ているシーンだけで構成し直すこともできるし、国枝が出ているシーンだけで構成することもできるだろう。  そのどちらでも出来るようになってからでないと、両方を織り交ぜて書こうというのは無理な話ね。  描写について。  「描写が足りない」と言われたところで、まず「描写」というのがそもそもなにを指しているのか、津荒さんには、まだわかっていないのだろうなぁ。  うーん。どうしたものやら。  描写ができないことには、市販に耐えうる作品は到底書けません。それはアマチュアレベルから一生抜け出せないってことです。  描写ができるようになる前に、まず、描写がなんなのか、理解しなければ始まりませんよね。  それを掴むためにも、作品の冒頭あたりからいってみましょうか。  ここは、女の子が本を物色しながら放課後の図書館を歩いているシーンですね。  この図書館っていうのは、どんなところなのですか? また放課後ってありますが、いまどんな感じなのですか。人の出入りだとか、陽の差しこみ具合だとか、音とか匂いとか、雰囲気だとか。  小説の文章ということは意識しないで、普通の文章でいいので、説明してみてください。  この際、「ごく普通の図書館です」なんて表現は禁止。  なるべく具体的に説明してみること。  あと同様に、「探偵の事務所」ってものが出てきているけれど。  この室内はどうなっているのですか? またその部屋がある場所とかは? -------------------------------------------------------------------------------- 青葉さんは他人と話をしたことがあるのかな? No.7443 投稿日 2004年1月13日(火)21時21分 投稿者 鷹見一幸  それも、気の合う、君に好意を持っている友達とか家族とかじゃなくて、まったくの他人。  君に何の関心も持っていない、もしくは反感を抱いているような相手と。  自分が街頭で、アイディア商品の実演販売をやっているところを想像して欲しい。  君の目の前にいるのは、その、まったくの他人だ。  君はこれから、自分の目の前にある自分の商品について、いかにこの商品は有効で、使って便利で、面白いのかということを伝え、そして理解し、好意を持ってもらい、相手の人に納得させ、財布からお金を出させなくちゃいけない。  だとしたら、君はその相手に、どんな風に話しかける?  この場合、一番大切なのは「相手の気持ち」だということはわかるよな?  話しかけて、足を止めてくれたら、こっちを見てくれたら、少なくとも、相手はこっちに関心を持ってくれたことになる。  相手は気まぐれだ、こっちの話している内容に関心がなくなったら、さっさとどこかに行ってしまう。  イニシアティヴは完全に相手にある。こっちにはひとかけらも無い。  君の持っているアイディア商品は、新しいゲームだ。画期的な新製品で、まだどこにも売っていない。君はそれを売らなくちゃならない。  さあ、何の関心も無い通りすがりの人に、どうやってそのゲームを売る?  相手の関心も何も関係無しにただ、ずらずらとゲームのルールを並べ立ててるつもりかい?  それで、お客さんがそのゲームを買ってくれると、本気で思っているのかい?  そういった方法もあるだろう。でもね、それをやるには、プロの落語家とか漫談師並の話術とボキャブラリィと演出力が必要になる。それでも難しいかもしれない。  大昔、フジテレビの深夜番組で、ボードゲームを紹介するという番組があった。  その中に「ディプロマシー」というゲームを紹介したときがあった。  これは19世紀のヨーロッパ列強の各国になって、国を攻めあうというゲームで、表向きは外交を結んで裏で他国と同盟して戦争を仕掛けたりするという、騙し裏切り何でもありの実にえぐいゲームなんだが、そのゲームをまったく知らない人に説明し、なおかつTVの番組として成立させるのに、ものすごく苦労したらしい。  実を言うとこのときイタリアを担当した方は、知り合いの漫画家さんの義妹さんだったりするのだが、それはまあ余談。  TV番組を作るというプロ集団でさえ、一つのゲームを紹介するのに、めちゃくちゃ苦労するんだ。ということを言いたかったわけだ。  さて、君の前に立っていたお客さんは、関心を示してくれただろうか?  ゲームマニアなら足を止めるだろう、君の並べ立てたルールにも耳を傾けてくれるだろう。  でも、他の人はどうだい?  そこにいる女子高生は話を聞いてくれたかい? あっちの男子高校生はどう?  おばさんは? 小学生は? サラリーマンはどう?  小説を書くということは、そういった人たちに、足を止めさせ、話を聞いてもらい、納得させ、そして財布からお金を出してもらうということなんだよ。  笑わせてもいい、きわどいギャグを入れてもいい、感動する話を入れてもいい。 どんな方法を使ったって構わない。  でも、絶対にやってはならないことがある。  関心を失わせたら負けだ。  その時点でその人は、君の前から立ち去る。そして二度と返ってこない。    小説を書くことの難しさはここにある。  読んでいる人の関心が離れたのかどうなのか書いている人間にはわからないということだ。  実際に目の前に客が居るなら、客の表情を見ればその客が関心を失いつつあるのかこっちの言葉に引き込まれているのかすぐにわかる。  でも、小説はそうは行かない。  だとしたら、自分の中に客をつくり上げるしかない。いわゆる仮想読者だ。  この仮想読者が厳しければ厳しいほど、君に関心を持っていなければいないほど君の書く物語は、他人に受け入れられやすくなるだろう。  それが嫌ならば読者を他に求めないことだね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7444 投稿日 2004年1月13日(火)23時41分 投稿者 津荒 夕介 >新木さんへ >あらすじとか 1主人公は誰か?  主人公は百目です。小説では国枝を中心とした視点を書いたことで失敗しました。あらすじでも国枝視点が混ざっているので、失敗しています。    それで、この話しを百目の出ているシーンだけで構成しようとすると、国枝と夢本の出会いが書けなくなりますよね。最初を削って構成するしかないと思ったんですが……   >>この話、百目の出ているシーンだけで構成し直すこともできるし、  ということで……  国枝と夢本が出会うシーンも、百目が出るシーンとして処理できるんですか。うーん……。百目に過去を見る能力をつけるとか、国枝と百目は以前から知りあいだった、とか。設定を変えることで構成しなおすことができるってことですか?   2戸田って、だれ?  エリのことを好きな、エリと同じ学年の学生です。  あらすじには、戸田の説明が一切なかったですね……。直します。 3エリはどうなったの?  後日、百目が記憶操作に向かい、夢本のことを忘れさせます。  これは小説にも明記されてないですね。うーん……。しまった。 4国枝は最後どうなるの? (1)内面の問題  国枝の初期状態は「生きることの意味を知りたいと常に考えていているのだが、その答えがないので常に不安である」と言うものです。が、彼女は変わりません。ので……そのことをあらすじに追加します。 (2)百目の裁き  べつに裁かれないです。その代わり二人はちょくちょく会って話しをするようになります。……って小説で書いてませんが、これは書かなくても良いかなぁと思って書きませんでした。そのせいであらすじにも書いていない。  後日談とかはなしにして、最後はすっと終わらせたかったんです。だからそれとなく察してもらおうと思いました。そのため明記する変わりに、百目が国枝に好意的な態度をとっている様子を書きました。  ……とか思ってましたが、百目の裁き。書かないといけませんね。  そもそも国枝が聞くはずですし。読者にも必要な情報ですし。  国枝に質問させて、百目が答えればそれですむことだし。  あと、1「主人公は誰?」の問題が解決していないので、あらすじの書きなおしは保留します。 >三人称とか  うーん。了解です。基本を押さえる、と。  現に最初のシーンを百目の出るシーンとして構成し直せないし……。 >描写とか  やっぱり足りないのは描写ですか。  描写とはなにか?   とりあえず、今までの僕の認識を。  描写にはキャラクターの心を書く、心理描写。それから五感で感じたことを書く、生理描写がある。  一つ、心理描写。  説明は、 「授業中、寝ていた木下。教師に起こされた彼は頑張って起きようとした」  描写だと思っているところは<>で囲みます。 『午後の授業中、木下は寝ていた。 「おい! 木下! 起きろ」  教師に叱咤される。 「は、はい」 <(う、しまった……)> 「すいません……」  クラス中から笑い声があがった。 <(……最悪だ)>  顔を叩いて気合を入れる。 <――絶対にもう寝ない。> <木下はそう心に誓って、>ノートを開いた。』 って感じでしょうか。 二つ、生理描写。  説明は、「授業中、寝ていた木下。教師に起こされた彼は頑張って起きようとした」  描写だと思ってるところは<>で 『授業中、<木下は目を閉じていた。体がリズムよく左右に揺れる。口の端からよだれが垂れていた。>  彼がそんな風になってしまったのは、<窓からさしこんでくる暖かな光のせい。昼食後で腹が膨れているのもいけなかった。> 「おい! 木下! 起きろ」  教師の叱咤が飛んだ。 「は、はい!」 <木下は椅子の上で跳ねた。> <目をこするが、黒板がぼんやりとしか見えない。> 「すいません……」  クラス中からあがった笑い声が<耳に痛い。顔がほてるのを感じた。>  両手で顔を叩いて気合を入れる。  木下はシャーペンを<握りしめ、黒板を睨んだ。>』  みたいな感じでしょうか?    両方ともキャラを通して書かれる文章ですから、描写は視点と関係している、と思います。  視点保持者がキャラクターから離れた存在で、しかもキャラクターに関心があまりないとすると、(三人称浮遊霊の関心のあまりない人格とか) 説明で、 「授業中、寝ていた木下。教師に起こされた彼は頑張って起きようとした」 ってのを。 描写だと、 「授業中、木下は目を閉じて、体を左右に揺らしていた。  教師に起きるようにと注意される。  クラスメイト達が笑う。  木下は恥ずかしがりながら教師に頭を下げ、ノートを開く。  彼のシャーペンが書き始めたのは、ミミズの絵だった。」  みたいに書く。  キャラに興味がないので、説明になっている。「夢見ぬ少女」はこんな感じの視点で書きました。  でも間違ってますよね。一人称で自分のことに興味がないってのは、おかしい。語り部なんだから、話す気はあるはずですし。  僕はこのせいでプロットに毛が生えたような状態になったんじゃないかな、と思います。  結論として。 ○描写とは、説明を視点としているキャラを通して、より深く説明すること。  じゃないでしょうか?  図書室の説明課題は次に。  それでは。 -------------------------------------------------------------------------------- しまった。 No.7445 投稿日 2004年1月13日(火)23時45分 投稿者 津荒 夕介  忘れてました。  箇条書き課題直し(1)、 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=737&e=res&lp=737&st=0 です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 寒稽古 No.7446 投稿日 2004年1月14日(水)00時42分 投稿者 弟切 千隼  雪国から温暖な湘南へ戻ったと思ったら、湘南では昨日も今日も厳しい寒さが続いています。むろん、雪国よりははるかに温暖です。  弟切は寒さに弱い反面、冬という季節は好きです。寒さが心身を引き締めてくれる気がしますから。寒さは心身の鍛練に効きそうですよね。 >「メイド」書き直し  No.7428に書いた冒頭部分の書き直しを、課題部屋のNo.738に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=738&e=res&lp=672&st=0  それから、説明文バージョンと描写文バージョンと、二種類の書き直しもやりました。課題部屋のNo.739(説明文バージョン)とNo.740(描写文バージョン)に上げてあります。 説明文バージョン http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=739&e=res&lp=672&st=0 描写文バージョン http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=740&e=res&lp=672&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7447 投稿日 2004年1月14日(水)17時29分 投稿者 新木 伸 ○津荒さん >視点とか  視点を変化させる話は、視点を変化させない話がきちんと書けるようになってからチャレンジしたほうがいいですよ。  国枝と夢本との出会い。  視点を移さずにこのシーンを書くには、直接書く方法と、間接的に書く方法とがあります。  直接的な方法。  百目の能力なり、べつな妖怪の能力なり、なにか魔力を持った道具なりを使って、過去を覗いたり、場所(図書館)に残った記録なり、国枝の記憶なりを覗いたりするというのが、直接的な方法。  能力や道具の力によって、百目自身が直接的にそのシーンを体験するわけですね。  もうひとつは、間接的な方法。  その場面に居合わせた人物の口から、その時の状況を聞くというもの。  ストーリーに手を加えないなら、国枝か百目のどちらかになります。  ストーリーに若干の変更を加えるなら、国枝と夢本との邂逅に第三者が出せます。この第三者は、国枝とともに夢本と出会った友人とかにできます。また国枝と夢本に気づかれずに、その現場を覗いていた人物や妖怪などにもできるでしょう。  このように、いくらでも手はあるのに、「国枝と百目の出会いを書こう→視点を変えて直に書くしかない」と考えが短絡してしまうのは、なんでかな?  他になにか手がないかとか、まるで考えてないですよね。考えていない=手抜きであるわけです。  視点の変化というテクニックは、手抜きをするためにあるのではありません。もっとべつの目的のために使うものです。それがわかるようになるまでは、小手先のテクニックに溺れるのはやめておいたほうがいいです。 >話の破綻  それはそうと。  この話、終盤のあたりで破綻しているようですね。話が壊れています。  なにやら国枝は無罪放免になっているようですけど……。  いいんですか、それで?  国枝は妖怪の力を利用して人心を操作し、新興宗教みたいなものを興していたわけですよね。  仮に国枝という少女が、妖怪に操られていたのであれば……。そのあいだに行った「悪行」は不問にされて当然でしょうけど。  しかし国枝が事件の首謀者なんですよね?  それなのに、なぜ無罪放免になってしまうのですか? 本人もなんの罪悪感も持たないまま、けろりとしているし。  そのあたりの説明をよろしく。  あと、百目が国枝に好意を持ったとありますが……。  なぜ百目は国枝に好意を持ったのですか?  本拠地に乗り込んでいって、そこで出会ったばかりの少女に、いきなり好意を持つというのが、なんだかよくわかりません。  理由なく好意を持つのって、変ですよね?  これがエリあたりであれば、百目とのあいだにいくらかのやりとりがありますから、「百目はエリに好意を持つようになっていた」とか言われても納得もできるのですが。  この話、エリか国枝か、どっちか一人、いらないですね。  国枝よりもエリのほうが、出番が多いです。しかし国枝のほうが役割的には重要な位置になっています。  序盤では出番の多いエリは、話の終盤では影も形もなくなってしまって、作者からも忘れ去られている始末。  エリと国枝を合体させて、二人の役柄を合わせたような人物を出せば、序盤から終盤まで、ずっと話に絡んでくるようになるし、重要な位置に付くわけだし。  もし二人の役柄を合体させるとなると、どんなあらすじの話となりますか?  考えてみること。  実際に書くには一週間以上かかりますが、あらすじだけで考えるなら、何時間かでできますよね。実際に書きはじめる前に、あらすじ段階で何度も作り直しておくと、楽に完成度があげられるわけです。 >描写について  心理描写だとか。生理描写だとか。  それぜんぜん違います。  あと「描写」もそうですが、「視点」だとか、その手の専門用語をみだりに話題の中に使わないように。共通認識が取れていないまま専門用語を乱発していると、混乱が増すばかりです。  こちらとしては、津荒さんが正しく「視点」を理解しているかどうかさえ、まだわかっていません。(ていうか、わかっていないものと考えています)  つまり津荒さんの言うところの「視点」というものと、僕らの言うところの「視点」というものは、意味が違っているわけです。  同じ言葉を、お互いが違う意味で使ってしまっていては、話が通じなくなってしまいますよね?  視点のほうは、あとでおいおいやってゆくことになるでしょう。  いまは描写のことだけに集中して、共通認識を作りましょう。  「描写」のほうが、「視点」よりも先に身につけておくべきことです。 >737 箇条書き課題 直し(1)  序盤から中盤までと、終盤の戦闘以降の部分とで、箇条書きの細かさがぜんぜん違っています。  揃え直してくること。  たとえば、この二つ――。 ・夢本という妖怪が国枝を食べるため、彼女に幻を見せる。 ・百目が国枝を放り投げる。  片方は幻を見せている時間があるので、現実時間でいうと、数十秒程度の尺(長さ)がありますよね。  もう片方は、「放り投げる」だけなので、もう本当に一瞬の出来事。  ひとつの箇条書きにまとめる時間の長さを一定にするわけです。  この分室では、箇条書きの「・」のことを「ポチ」と呼び、箇条書きの項目ひとつのことを、「ポチひとつ」とか読んだりしますが。  序盤のほうでは、ポチひとつはおよそ30秒〜1分なわけです。  終盤のほうでも、ポチひとつは30秒程度の時間内容にしてくること。  あと、まあどうでもいいことなんですが……。  なにか余計な空白が入ってます。  「・」と本文との間に、変な空白文字は入れないこと。 >弟切 >>説明文バージョン >>描写文バージョン  かたや、説明的なもの。  かたや、具体的なもの。  ――と、両方を書かせてみれば、なにか掴めるかもと思ったのだが。  この説明バージョンと、描写バージョンって、ぜんぜん別物になってるじゃんか。  説明と描写とは、きっちり対応してなきゃならないのだよ。 >>時は土曜日の午後である。十四時を少し過ぎている。 >>太陽は、てっぺんから少しだけ西に傾いていた。陽射しがアパートの階段を照らしてい た。  この二つは対応している。「午後二時」という時間を、太陽の角度という具体的なもので表してみたわけだな。 >>場所は、二階建てのアパートの階段だ。  この部分に対応すべき「描写」が見あたらない。  二階建てのアパートの階段――っていわれて、僕なんかは、ちょっと貧乏っぽくて安っぽい、鉄製の階段なんかを思い浮かべたわけだ。  作家としては、描写のしがいがあるなぁ。腕の見せ所だなぁ。――とか思ったわけだ。  ペンキの剥げかげんを描写してみようか、段の急なところでも描くか、それともよく響く足音なんかを描いてみようか――とか。一瞬のあいだに色々と思考が閃く。  もちろんすべて書くわけにいかない。なにか端的に「アパートの安っぽい階段」を示せるものを、ひとつだけ吟味して書くことになるわけだ。  しかしそういった「階段のあれやこれ」は、描写版のほうにはぜんぜん見あたらなかった。 >>野々宮桐子は、会社から戻ってきたところだった。休日出勤である。早めに帰宅できた ので、少々浮き浮きしている。 >>肩にあるのは、いつもの通勤用バッグだ。かっちりしたバッグは、くだけたスラックス姿とは合っていない。そんなことより、片手に下げた箱のほうを彼女は気にしていた。軽やかさが心地良い。休日の混雑をかき分けて、会社帰りに買ったケーキだった。  ここも対応が取れていない。  説明版では、休日出勤から帰ってきたところということと、早めに帰ってこれたのでウキウキしているということと、2点が書いてある。  しかし描写版のほうで力が注がれているのは、「バッグのこと」と「ケーキのこと」の2点。  書いてあることが、ぜんぜん、違うじゃん。  これじゃ、なんの意味もない。  説明版と描写版とで、完全対応させてくること。 >桜庭さん  それはそうと、桜庭さん、「書き込み前に読み直し3回」は、ちゃんと実行しているのですか?  7437の書きこみのなかで、誤字1つ、表記不統一が2〜3箇所。  見直しをしたとは、とても思えないくらい、ボロボロですが。  べつにこんな掲示板の書きこみぐらい、誤字があろうが、漢字を開く開かないの統一が取れていなかろうが、どうってことはないんですが。  すべて、小説を書くときのため。  常日頃からできていないことを、「小説だから」と気を入れたからといって、できるという保証はありません。  しかし普段からできていることであれば、小説を書くときにも、無論のこと、できるはずです。  普段からできるようになっているのが、いちばん確実です。  誤字を出さない確実な方法は、誤字を出せない体になることです。 -------------------------------------------------------------------------------- 低気圧の威力 No.7448 投稿日 2004年1月15日(木)00時40分 投稿者 弟切 千隼  台風並みに発達した低気圧のために、北日本では大荒れの天気だそうですね。弟切が住む湘南では、晴れてこそいるものの、とても冷たい風が吹き荒れています。  弟切の家では、その風のため、「ばきっ」という音とともに、ベランダの布団ばさみが破壊されました(*o*) >「メイド」書き直し、説明文と描写文  弟切は、説明と描写を対応させることさえわかっていませんでした。きっちり対応させるようにして、説明文版と描写文版とを書き直してきます。 桜庭さんへ >  課題部屋のNo.732にある書初め課題「交渉」を読みました。これについて、簡単な指摘をしてみます。  弟切は、この作品を最後まで読んでいます。しかし、正直に書きますと、この作品の一行目を読んだ時点で、読み捨てたくなりました。 >> その場の雰囲気はおおむね友好的であったが、いくらか緊張感も含まれていた。  ↑これが一行目ですね。  この文は、書いてあることが抽象的過ぎます。全く、その場の情景が浮かびません。  ここ分室で何回も言われているとおり、小説を読む人は、「説明」を受けたくて読んでいるのではありません。まるでその場にいるかのような、生々しい疑似体験をしたくて読みます。そのために、「描写」が必要なのでしょう。  上記の文は、読者さまを、「友好的だが緊張感のある交渉の場」へ連れて行くことができません。  落ちをばらさないように、わざと抽象的な書き方をしているのはわかります。それにしても、抽象的過ぎます。  のっけからこれでは、この後もこういった曖昧な文が、ずらずらと続いていることが予想できます。曖昧な文とは、すなわち意味が取りにくい文です。  ぱっと読んで、意味が取れない(取りにくい)文ばかりが目に入れば、そんな作品は誰にも読まれませんよね?  予想どおり、十行以上読み進んでも、抽象的な文ばかりが続きました。あまりにも具体的な描写がないため、「これは、何らかの効果を狙って、わざとこのような書き方をしているのだろう」と弟切は推測しました。  落ちまで読めば、この推測が正しかったことがわかりますね。 >> 宇宙戦艦、武器、コンピューター、センサー。どれもこれも、他の面々にとっては自らの勢力を強化する戦力になりうるものだった。  ↑ここまで読んだところで、弟切には、この作品の落ちが見えてしまいました。  上記の物品は、どれ一つをとっても、国際紛争の種になり得る重大なものです。これら全てを一緒くたにして、たった四人で交渉をすることなど、実際の国際貿易などの場ではあり得ません。  ということは、これは、疑似体験を楽しむゲームの話なのだろうと見当が付きました。登場人物たちが、上記の物品をやりとりしようとしていることからして、最近流行のトレーディングカードゲームかな、と推定しました。  この推定が当たってしまったため、弟切には、落ちの意外さは感じられませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7449 投稿日 2004年1月15日(木)01時36分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >視点とか。  あ、やっぱり設定を変えなきゃむりっすか。  というか最初から設定を変えればよかった話……。もっと深く考えねば。 >話しの破綻  百目が国枝のことを無罪放免にしたのは、国枝が夢本と出会わなければ、新興宗教をおこさなかったからです。百目の中では悪いのは夢本です。そして夢本を作り、ばら撒いた父親が一番悪い奴です。  国枝が罪悪感を持っていないのは、彼女の思想に問題があるからです。「生きている意味」にこだわりすぎるために、「存在の意味がわからないような世界には価値はない。べつに何をやっても私の勝手じゃない?」って風に考えるようになっています。それで罪悪感を持たないのです。  好意を持った、というのは言い過ぎでした。 >>百目が国枝に好意的な態度をとっている様子を書きました。 じゃなくて >>百目が国枝に親切な態度をとっている様子から書きました。 です。 >余分なキャラがいること。 確かにそうです。書いた時は、国枝を出す方法を、猿真似「三人称」に頼ってしまいした。 エリと国枝を合体させる。言われるまで気づきませんでした。 考えてみます。 >描写について  わかりました。やっぱしダメだったか。  とりあえず放課後の図書室の説明を上げておきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=741&e=res&lp=733&st=0  あと箇条書き課題の書き直し、 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=742&e=res&lp=733&st=0 です。 よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 見直しても見直しても、我落ち着かず。 No.7450 投稿日 2004年1月15日(木)16時07分 投稿者 桜庭 優  もはや泥沼の気分……。 >新木さん >誤字、表記不統一  あれ?ちゃんとチェックしたはずなのに……。  しかし、今読んで見ると、誤字があるし、表記の不統一がたくさんありますね。  自分でも、ひどい文章だな、と思います。  某所で「文章が荒い」と言われましたが、自分でも後から見直すと、「荒い」と言うか、「粗い」と感じます。  これからは、きちんと三回見直しを実行いたします……って、自分が信用できないなあ。  今までの自分を知っているがゆえに。 >弟切さん >ここ分室で何回も言われているとおり、小説を読む人は、「説明」を受けたくて読 >んでいるのではありません。まるでその場にいるかのような、生々しい疑似体験を >したくて読みます。そのために、「描写」が必要なのでしょう。 >上記の文は、読者さまを、「友好的だが緊張感のある交渉の場」へ連れて行くことができません。 >落ちをばらさないように、わざと抽象的な書き方をしているのはわかります。それにしても、抽象的過ぎます。 >ぱっと読んで、意味が取れない(取りにくい)文ばかりが目に入れば、そんな作品は誰にも読まれませんよね?  まったくそのとおりだと同意します。落ちをばらさないことが前提にあったにせよ、もっと描写を入れるべきだったと反省しています。  描写をもっと入れたなら、落ちも、もっとインパクトがある形で、受け入れられたと思います。 >あまりにも具体的な描写がないため、「これは、何らかの効果を狙って、わざとこ >のような書き方をしているのだろう」と弟切は推測しました。 >落ちまで読めば、この推測が正しかったことがわかりますね。 >これら全てを一緒くたにして、たった四人で交渉をすることなど、実際の国際貿易 >などの場ではあり得ません。 >これは、疑似体験を楽しむゲームの話なのだろうと見当が付きました。登場人物た >ちが、上記の物品をやりとりしようとしていることからして、最近流行のトレーデ >ィングカードゲームかな、と推定しました。 >この推定が当たってしまったため、弟切には、落ちの意外さは感じられませんでした。 「何らかの効果を狙って、わざとこのような書き方をしているのだろう」と、どこかの部分で、読者が感じることはある程度狙ってました。  また、弟切さんが指摘された穴の部分も、自分でも穴があるな、と感じていました。  ですから、当初はトレーディングする四人(司会役を別に置いて五人にする案もありました)だけでなく、まわりにも外交官や軍人(役の学生)を配して書こうかとも思いましたが、書くのがややこしくなり、また時間もなかったので、やめました。  しかし、こうも簡単に見抜かれることを考えれば、手を抜かなければよかったと、反省しています。  それでは、ここからは小説とはなにか、の件に関してです。 >新木さん >はっきり言って、いま桜庭さんの実力は、2号以下です。 >ひょっとしたら、もう小説を書かなくなってしまった羽矢野以下かもしれない。あるいは紫以下であるかもしれません。 >「自分は2号よりは上だろう」なんていう変な思いこみがありましたら、この瞬間に捨てるように。 >大抵の面で2号以下。 >そして総合的にいえば、もはや確実に2号以下。 >書いてもいないヤツと比べられて、「それ以下」と断定されるぐらい、とほほでヘタレであるわけです。 >まず「小説」と呼べるものを書くようにしましょう。 >上手い下手は、それから先の話です。  ……ここまで言われたら、自ら「ヘタレ」と認めざるを得ません。  一からやり直すことにいたします。はい。  しかし、ここから逃げ出したくはありません。  どん底にあっても、自分は小説家志望でありたいと思っています。 >――で、小説とはなにかということを考える課題。 >なんで辞書なんて引いてくるかな。 >なんで他人の定義を参照してくるかな。 >自分の書いたものの話だとか、そのパクりの元ネタとなった作品の話だとか。どうでもよろしい。  ……怒られた。  でもここですいませんとか言い訳しても、一歩も前進しないので。 >桜庭さんが、ふだん読んでいる「小説」とは、どのようなものなのですか? >電撃文庫の長編賞に応募しようというぐらいだから、電撃文庫を普段からよく読んでいるのだと思われますが……。 >(たまに電撃を読んでいないのに送ろうとする変な人もいたりしますけど) >ふだん読んでいる「それら」が小説なのだとしたら、それらをくくる「共通項」と呼べるものはなんですか? >SF系やら学園系やらコメディ系やら、戦闘系やら、熱愛系やら、色々なジャンルの話があるでしょうけど……。 >それらすべてが「小説」であることは、間違いないですよね。 >小説っていうものがなんなのか、はっきりとは言えないまでも、よく知っているはずです。 >なにが小説であり、なにが小説ではないか――読者としてであれば、本能的に見分けがつくはずです。 >てか、電撃文庫で刊行されているものは、皆、すべて「小説」であることは間違いありません。でなければどこかでストップがかかります。 >では「小説」っていうものの、最低必要条件とは?  ここで改めて、「小説」と言うものの、最低必要条件を考察して見ます。  それにはまず、電撃文庫のなかから、何冊か挙げて見ます。  例えば、「撲殺天使ドクロちゃん」。  これは、不思議なバットを持った天使、ドクロちゃんが普通の(?)中学生、草壁桜の家に居候し、様々な騒動を巻き起こす不条理系ギャグ小説。  例えば、「終わりのクロニクル」。  これは、主人公、佐山・御言が仲間達とともに、今住んでいる世界、Low-Gの滅亡を防ぐために、10ある異世界との交渉に臨む現代SF(ファンタジー?)小説。  例えば、「七姫物語」。  これは、東和と呼ばれる世界の、ある都市のお姫様となった少女と、二人の野心家が他の都市の姫たちと覇を争う、和風異世界ファンタジー小説。  ……この三冊に、そして、他の小説にも共通するものはなにかと、考察して見ます。  例えば、これらの小説には、様々な「人物」(キャラクター)が登場します。  ドクロちゃんだと、ドクロちゃん、草壁桜。終わりのクロニクルだと、佐山・御言、新城・運切。七姫物語だと、カラ、テン・フオウ、トエル・タウ……。  これらのキャラクターは様々な性格や特徴を持っています。  このキャラクターが行動し、会話を交わし、お互いに影響しあうことで、物語は進行していきます。  このキャラクターを動かすものが、「ストーリー」(物語)だと思います。  例えば、ドクロちゃんは、ドクロちゃんが騒動を繰り広げる物語で、終わりのクロニクルは、佐山達が他の世界の人物と交渉し、戦う物語。七姫物語は、カラが都市同士の戦いの中で、七姫として成長していく物語です。  こうして見ると、これらの物語は一言で表現できるものが多いですね。  また、人物が物語を展開していく場所が、「世界」(舞台)です。  それはドクロちゃんの場合だと桜君が住んでいる町だったり、終わりのクロニクルの場合だとLow-Gだったり、七姫の場合だと、東和だったりします。  「世界」には「世界観」や「世界設定」なども含めていいと思います。  そして最後に、これらの三点セットを元に作者が伝えるものが、「テーマ」(主題)だと思います。  一見これがないように見える小説もありますが、よく読んで見ると、多くの小説には、作者の主張がどこかには表れていると思います。  最後にまとめますと、小説を構成するものとしては、 ・キャラクター(人物) ・ストーリー(物語) ・世界(舞台) ・テーマ(主題)  があって、それを文字、文章で表現したもの、それが小説の最低必要条件だと思います。  以上が自分で考えた、小説の最低必要条件です。どうでしょうか?  今、辞典やエディタの検索機能で、誤字や表記の不統一とかをチェックしていますが、それでもなんだか不安です。  これでも徹底的にやっているのですが……。  どっかに間違いがあるよ、絶対……。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- 鼻の調子が悪いです。 No.7451 投稿日 2004年1月16日(金)02時11分 投稿者 弟切 千隼 もしかして、今からもう杉花粉症? と、恐れている弟切です。まだ寒中ですのに、こんなに早くからアレルギーに悩まされてはたまりません。 津荒さんへ >  課題部屋にある書初め課題「夢見ぬ少女」を読みました。No.733〜No.737と、No.741およびNo.742ですね。  この作品は、既に、あらすじや文章などに関していろいろな指摘をされていますね。弟切も、これまでに指摘されているのと同じことが気になりました。  しかし、今回はそれらのことは置いておいて、別の面の指摘をしてみます。  最初に弟切が「えっ?」と思ったのは、以下の部分でした。 >>「あんた、『夢本』なんでしょう?」  これは国枝律子の台詞ですね。いきなり妖怪の名前を言い当てています。  一介の女子高校生である彼女が、なぜ初対面の妖怪の名前がわかるほど、妖怪に詳しいのでしょうか?  しかも、「夢本」という妖怪は、妖怪管理事務所にも登録されていないほど無名の妖怪ですよね。夢本と出遭うまでは、普通の高校生をやっていた−そうとしか読み取れません−国枝律子は、どうやって「夢本」という妖怪の存在を知ったのでしょう?  もしかして、この小説世界では、誰もが妖怪が実在することを知っていて、ある程度の知識があるのが「普通」なのでしょうか?   それでしたら、百目が夢本のことを知らなかったのがおかしいです。  妖怪は、フィクションにおいては極めて魅力的な素材なので、たくさんの小説や漫画に登場しますよね。  その手の人気作品に登場する妖怪たちは、みな生き生きしています。本来、幻の存在である妖怪が、生身の人間と共存している世界が本当にありそうだ、と感じます。作品世界に、「妖怪の生きている匂い」が充満しています。  ところが、「夢見ぬ少女」には、「妖怪の生きている匂い」が感じられません。  せっかく面白い素材を使っているのに、それが生かされていないのですね。作品世界に、妖怪がしっくりとはまっていません。  妖怪が実在するとなれば、その世界は、私たちが実際に住んでいる世界とは違った部分がいくつもあるはずです。そういうところを書かないと、いかにも作者が御都合主義で妖怪を登場させたように見えてしまいます。  世に出回っている商業小説は、そういうところにきちんと気を配って書かれています。  例えば、夢枕獏さんの小説『陰陽師[おんみょうじ]』を見てみましょう。  『陰陽師』の舞台は平安時代の日本です。この世界では、誰もが妖怪が存在するのが当然だと思っています。少し教養のある人ならば、有名な妖怪の名前をいくつか知っていてもおかしくありません。  妖怪の実在が広く認められているからには、むろん、それに対応した社会の仕組みがあります。  この世界には、妖怪のことを調べたり退治したりするのが専門の「陰陽寮[おんみょうりょう]」という役所が存在します。陰陽寮の仕事は他にもありますが、ここでは割愛します。陰陽寮に勤めて妖怪退治を行なう陰陽師は、現代風に言えば公務員です。  『陰陽師』の主人公である安倍晴明も、陰陽寮に勤めています。平安時代の公務員です。公務で妖怪退治を依頼される場面も書かれています。宮仕えの身ゆえに、妖怪とは関係なく晴明が宮廷の陰謀に巻き込まれる場面も登場します。  物語の背景がきっちり書きこまれているために、『陰陽師』では、妖怪がいることが自然な世界ができています。全体の中に、妖怪というピースがぴったりとはまっている感じです。  「夢見ぬ少女」の世界では、妖怪がスーツを着て堂々と街を歩いていますよね。そして、妖怪を管理する何らかの機関があって、そこに普通に電話をかけて話しています。  こういう世界は、『陰陽師』のように、「妖怪がいて当然」の世界のはずです。だのに、この作品を読んでいると、そういう世界に見えません。現実の現代日本に、そこだけ異質な「妖怪」が入り込んできたようです。  ことわっておきますと、「現代日本を舞台にした話で、妖怪を出してはいけない」と言っているわけではありません。現代日本に妖怪を登場させて成功している作品は、数多いですからね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7452 投稿日 2004年1月16日(金)08時25分 投稿者 新木 伸 >「交渉」の書き出し一行 >>その場の雰囲気はおおむね友好的であったが、いくらか緊張感も含まれていた。  この書き出しの一行は、桜庭さん的には「気の利いた一文」と思っていたのではないかなぁ。しゃれた書き出しで、自分的に気に入っていたりするとか。  もしそうであるなら、自分的に気に入っていた一文が、読者には読み捨て理由になるほどの「嫌悪感」をもよおすものであった――という事実に、ショックを受けとくように。  ちなみに、僕も、この一行で捨てました。  残りの部分を眺めていったのは、「小説ではない」ということを(一応)確認するため。 ○桜庭さん >文章が荒いこと  この手のことって習慣なので、直すには、相当の覚悟をもって挑まなければならないと思いますよ。  単なる癖というものではなく、もはや「性格」のうちですから。  価値観を根底から覆すようなことでもしないかぎり、直らないと思っていたほうがいいです。  「性根を入れ替える」――と、言ったりもしますが。  人の口に入るものを、ちんちんいじった手で料理してしまうような人間は、まあ普通はその癖が一生抜けないもんです。  おなじように、手抜きの文章を人に読ませられて平然としていられる癖は、よほどのことがないと、直らないですよ。  言ってるそばから、まーた、誤字がひとつ。  これは教わらないと気づけない誤字かもしれないので、言っておきます。 >>「荒い」と言うか  この場合の用法では、「というか」にならないと誤りです。 >全文引用とか  レスするときに、全文引用禁止。  ここでもまた「手抜き癖」が出てるなぁ。  そりゃさ〜。引用してしまったほうが楽ちんだろうけどさ〜。  「○○○のことについてですが」のように、自分の言葉を使って、レスする対象の話題を要約してくること。  要約する力が養えるから、トレーニングになります。  性根を入れ替えるつもりでやるなら、しばらく、「引用はすべて禁止」を自戒として課しておくぐらいで、ちょうど良いかも。  引用したほうが明解になるケースというのが、ごくたまにあるわけです。たとえば誤字の指摘とか。「あの文のあそこの部分あたりで〜」なんて間接的な指摘よりも、その箇所をずばり引用してしまったほうが、はるかにわかりやすくなる場合があります。  「引用禁止」を課してやっていると、本当に引用が必要なケースがわかってくるようになるので、そうしたら限定的に引用を使っても良いでしょう。 >性根を入れ替える話  誤字禁止とか。引用禁止とか。  この手の話って、分室に書くときだけの話ではないよ。  他のあらゆる場所で、あらゆる自分のペンネームにおいて適用させること。  「人の目に触れる文章」を書くときには、すべて例外なし。  「分室のときだけちゃんとやろう」てなヌルい意識だと、直りっこないです。絶対に。 >小説とはなにか  そう。  はじめにストーリーありき、です。  舞台や設定はストーリーを収めるために必要なものだし。キャラはストーリーを動かすために必要なもの。  テーマはストーリーに一貫性を持たせるための背骨となるもの。  「ストーリー」=「物語」。  ――で、あの「交渉」には、なんの物語もないでしょ。  「じつはこの交渉はゲームだったのだ」というオチが存在しているだけ。  こういうものをなんて呼ぶのか。  小説ではなく、「小話」と呼ぶ。 (宮田=津荒さんも、昔、何十枚も費やしてこの手の小話系のものを書いていたっけ。犬を食べちゃう話ね)  べつに小話を貶めているわけではないですよ。  小話は小話で、そういう需要が存在するし、立派なエンターテイメントです。  しかしそれは小説の領分ではありません。  小説を読む人間は、「物語」を求めて小説を読みにくるわけです。  ラーメン屋は、ラーメンを作れ。  ラーメンを食うために店に来た客に、牛丼を出すな。  ってことです。  で、小説ではないものについて、どこで失敗しただの成功しただの、効果がどうのインパクトがどうの――と、分析したところで詮ないこと。まるで意味がありません。  桜庭さんは、2枚でも5枚でも20枚でもいいから、なにか「小説」を書いて、もういちど出してくること。 ○津荒さん >誤字とか  7449のなかに、誤字があります。  自分で見つけ出してくるように。  一度自分で見つけだしたなら、二度と同じ誤字は出さないはずですので。  文章に対する意識の甘さは、桜庭さんと同じですね。(分室の人間でそれを指摘されていない者はいないのだけど)  誤字を含んだ文章を人に読ませて平然としているその神経を、どうにかして直さないことには……。到底、プロになど、なれないですよ。  分室ではよく、誤字というものを料理に混入した「髪の毛」にたとえています。  髪の毛の入った料理、食べたくないですよね?  しかも店で金を払って頼んだ料理に入っていたら、怒りだしちゃいますよね?  7449の書きこみのなかの誤字を見つけ出したら、次は、「夢見ぬ少女」のなかに、誤字がいくつ含まれていたのか、すべて数え上げてくること。  見つけた誤字は、ひとつひとつ、掲示板上で報告のこと。  髪の毛、何本入ってますか?  他の人は、津荒さんがまだ見つけていない誤字があったら、「まだ○個あるよ」とだけ教えてあげてください。誤字を見つけ出してくるのは、あくまでも自分自身にやらせること。 >プロット写し取り  まだ詳細度が、がちゃがちゃですよ。  原稿用紙1枚程度の本文を、箇条書き1個にまとめてくること。  これはきっちり原稿用紙1枚ごとに区切れというのではなく、5枚の長さのシーンがあったら、「だいたい5個くらいかな」と目安をつけて、区切りのいいところでまとめてくるということです。  あの短編の内容だと、だいたい20〜30個くらいかなぁ。  それだけの数のシーンがあるということです。  まずシーンごとに区切っていかないと、分析もなにも始まりません。  冒頭の図書館でのシーン。  原稿用紙で3枚弱の内容を、僕は4個のシーンとして区切りましたよね。あんな感じです。残りもそのように。 >図書室の説明  ずいぶん、たくさん書いてきましたね。  これだけの内容を、書く前、もしくは書いている最中に考えてあったのですか?  いま僕に言われて、はじめて考えてきたのだとすると、ぜんぜんダメです。  書く前に考えてあったにせよ、いま考えてきたにせよ、どちらにせよ――。  これからは、すべてのシーン、すべての場所において、最低このぐらいのことは考えておくこと。  んで、たくさん書いてきたなかで、いま重要なことはなんですか?  厳選して、500〜600字程度にまとめてくること。  また今回書いていなかったことでも、重要であるなら、書いてきてもいいです。  んで、同様に「探偵の事務所」に関しても、同じようなものをやってください。  図書館のほうは、まず大量に書いてもらってから、重要なことをまとめてもらうようにしましたが、探偵の事務所のほうは、最初から、「重要なこと」だけで500〜600字でよろしく。 >百目と国枝  百目が国枝を無罪放免としたこと。  納得できないなぁ。  密造銃を作った人物がいます。その人物を父親として持つ青年がいたとします。  「妖怪→銃」と、たとえてみました。  世に出回った銃のうちの一丁を、ある少女が手にしたとします。  少女はその銃で、なにか悪さをしてしまったとしますね。  たとえば――。  銃を使って人を殺してしまったとか。  また人は殺さないにせよ、銃を使って強盗を働いてしまったとか。  とにかくなにか「悪事」をやるわけです。銃の「力」を利用して。  さて、この女の子――。  銃の行方を追いかけていた青年に捕らえられたとき、「銃を作った奴が悪いのだ」ってことで、無罪放免となってしまっていいのかしらん?  誤解しないように言っておきますが。  べつに「百目に国枝を裁かせろ」と言っているのではないですよ。  百目が国枝を裁かないにせよ、その理由が「悪いのは父親だから」では筋が通らないと言っているわけです。  納得させるなら、なにか別な理由をください。  ――で、次に国枝があっけらかんとしている理由について。  国枝としては「なにをやっても勝手じゃん」てなことでOKでしょう。それ以上の理由はいりません。キャラの価値観というものは、どんなものにでもできますので。  この世界に価値がないと思っていようが、他人を利用して踏みつけて操り人形にしようが、自分の好き勝手してもかまわないと考えていようが、それはそれでOKです。  ただし、その考えに読者が共感してくれるかどうかは、また別の話。  ていうか、津荒さんは国枝の価値観についてどう思っているわけですか?  国枝は正しいのですか?  それとも国枝は自分勝手であると感じていますか?  国枝の考えかたと行動に、正義はあると考えていますか?  ここで国枝のしていることは正しい――という答えが返ってきたりすると、話は終わってしまうのですが。  国枝は間違ったことをしているが、同情すべきだ。――と、そのように作者が思っていて、読者にもそう感じてもらいたいのであれば、必要なエピソードが足りません。  読者が国枝に同情できるだけの理由になるものを、話の中で積みあげておかないと。  または、国枝は間違ったことをしているので、百目に懲らしめられたのだ。――という勧善懲悪型の話であったなら、国枝は裁かれねばなりません。  これだとエンディングのところに「裁き」が足りないということになります。  いずれにせよ、なにかが足りないということです。  いまのところ、この話の中では、国枝は悪人ですよね。  世間一般的に悪いことをしていて、その首謀者ですから。文句なしに「悪」です。  悪事の動機に、なにか国枝なりの理由があったにせよ、それは他人に共感されるものではありません。  同情できない理由により、悪いことをしているキャラというのは、普通は「悪人」であると受け取られます。  そして悪人は嫌われるものです。  「悪人」がのさばる話は気分が悪いので、読者からは嫌われます。気分が悪くなりますので。  誰が好きこのんで、金を払ってまで、気分の悪くなる話を読みたがるでしょうか。  ただし、悪人が途中までのさばっていても、最後にはヒーローにやっつけられる話であれば、胸がすっとしますから、これは読まれます。  国枝は悪であったのか、どうなのか。  悪であったのなら、どう処理するつもりなのか。やっつけて終わらせるのか、他の方法で決着を付けるのか。  作者がどのようにしたいかによって、色々なストーリーの着地点があります。  いまのままだと、ストーリーが終わっていません。尻切れトンボです。 -------------------------------------------------------------------------------- ようやく終了 No.7453 投稿日 2004年1月17日(土)02時05分 投稿者 名無し君2号  やっと終わりました。  すごくしんどかった……。 >短編  大遅刻ですが、ようやく完成しました。当初の40枚という予定を大幅に越えて、全69枚。なんだかな……。  あらすじ http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=745&e=res&lp=731&st=0  プロット http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=746&e=res&lp=731&st=0  本文 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&search=&mode=&bk=731&st=0#tree  他のかたの作品はまだ読んでいません。読み次第、感想なり指摘なりさせていただこうと思っています。  ではさようなら。 -------------------------------------------------------------------------------- 受験の季節 No.7454 投稿日 2004年1月17日(土)02時10分 投稿者 弟切 千隼  明日−日付上は今日−から、大学入試センター試験ですね。折悪しく、関東から東海にかけての広い範囲で雪が降りそうだと、ニュースになっています。  はるか以前、弟切が大学受験をした年の受験期も寒かったことを思い出します。ある私立大学を受験するために上京した日に、雪に降られました。 >「メイド」書き直し  描写文版の書き直しを、課題部屋のNo.743に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=743&e=res&lp=738&st=0  説明文版は書き直していません。当面、書き直す必要を感じなかったからです。  課題部屋のNo.739にある説明文版は、説明としては問題なく書けていると思います。まずは、この説明をきっちり表わせる描写の練習をしようと考えました。 -------------------------------------------------------------------------------- センター試験 No.7455 投稿日 2004年1月18日(日)02時21分 投稿者 津荒 夕介 に、行ってきました。 大学は推薦で決まったので、受けなくても良いのですが。 一生に一度だし。 でも行こうとしたら、雪。 寒かったです。 がんばれ受験生! ○弟切さんへ。  指摘ありがとうございます。 >なんで夢本の名前を国枝が言い当てたのか?  これは、夢本を国枝が手に取った時に書いた夢本の説明で、 >>表紙には黒を下地に、白で『夢本』と書いてある。  ってのがあったからです。  国枝は夢本という妖怪を知っていて名前を当てたのではなく、表紙に書いてあった書名を言っただけです。 「あんた、この本なんでしょう?」  というところを、 「あんた、『夢本』なんでしょう?」  と言ったわけです。  こうしたのは、一度見た本の題名をきちんと覚えているところから、国枝の頭の良さを読み取ってもらえないかなぁと、考えていたからです。  >この世界での妖怪の位置づけ。  この世界の、ほとんどの妖怪はおとなしいです。そのため、妖怪の間では「人間に姿を見せないようにしよう」という決まりがあります。人間は妖怪のことを知りません。  妖怪管理事務所があるのは、たまに出る例外を――例えば百目の父親などを――殺すためです。  夢本は作られた妖怪ですので、過激です。過激といっても、一年の内一週間ぐらい活動して、人間を数人幻であやつってみたりするだけ。あとは、寝てます。   ○新木さんへ >百目が国枝を無罪にする理由とか。  銃を作った人間が悪いから。――では通用しませんね。理由になっていませんでした。  そもそも設定では、人間に妖怪の存在を教えるのはダメだ、ということになっています。その設定からして裁かない、というのは無理でした。  百目は国枝から妖怪に関する記憶を消します。これが裁きになります。  妖怪にとって人間的な善悪はどうでも良いのです。国枝が人間を殺していようがいまいが、裁きの程度はなんでも良い。「人間に妖怪を認識されていない」状態にすることができれば良い。  だから百目に記憶を書きかえる能力がなければ、記憶を変えることのできる妖怪を応援に呼んだでしょう。   >国枝の価値観    国枝の価値観は間違っています。「存在の意味」は考える意味のないものだからです。忘れるしかない。  しかし国枝は「存在の意味」を常に考えてしまう。絶対に治らない癖です。忘れるのは無理。     国枝は間違ったことをしています。読者には同情してもらいたい。  しかし、そのためのエピソードがない、のですね……。口で説明するだけじゃあなぁ……。  そもそも短編でこんな悪役を出したのが間違いだったのかなぁ……。 >図書室とか  色々書けたのは、モデルが自分の学校の図書室だからです。図書委員をやっていたことがあるので、良く憶えています。  ……あ、今気づいた。やっぱりバカだな僕は。  僕の学校は男子校です。男しかいません。共学だと、図書室にくる人間の数は変わるでしょう。……まあ、それ以外は大丈夫です。  それから図書室のことは、書く前からこのくらい考えていました。   >誤字とか  了解しました。  誤字は、なくさないと!  >>確かにそうです。書いた時は、国枝を出す方法を、猿真似「三人称」に頼ってしまいした これですね。  頼ってしまいました。です。  図書室の大切なところ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=747&e=res&lp=741&st=0  748は投稿の場所を間違えたので削除しました。  箇条書き課題の直し(3) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=749&e=res&lp=735&st=0  です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切さん、桜庭さん No.7456 投稿日 2004年1月18日(日)12時45分 投稿者 とんびの羽根 今回は弟切さんの説明文と描写文に突っ込みます。 >739 説明文版2004/1/14(水)00:10 - 弟切 千隼 >時は土曜日の午後である。  NHKのナレーターが解説しているような文体ですが、あえて描写文版と文体を変える必然性がない。  説明文とはこうであるという思いこみありませんか?  小説本文で、説明文も描写文も混ざってくる場合は文体統一が必要でしょう。  もちろん説明部分を明示するために描写部分と文体を変えることまで否定するつもりはないです。 >十四時を少し過ぎている。  描写文版で太陽の傾きや陽射しを出すなら、季節、天候、日射について説明文版で説明の追加が必要。  描写で何かだしたら、説明でも対応できるでしょう。 >場所は、二階建てのアパートの階段だ。  描写文のほうではたしかに階段ですけど、説明文で説明すべきことはアパート自体および自室の外面的な情報。  階段の描写からわかるのは階段が西向きから南向きで外壁にあり、 少し古いかもしれないということ。  自室がその階段の上にあること。 >会社から戻ってきたところだった。休日出勤である。早めに帰宅できたので、  「会社から戻ってきたところだった」という部分が説明文として冗長では。上の部分はすべて一文に収めた方がすっきりします。 >自宅の扉を開けると、  いつもと違ってメイドさんがいるわけですよね、鍵がかかっているのかどうか、呼び鈴を押すのかどうか、普通迷いませんか? >彼女の目にダイニングの光景が飛び込んだ。  説明文になってません。間取りを説明すべきでは。  たしかに描写ではないですけど、だからといって説明文になっているわけではないですよ。   >743 描写文版2004/1/17(土)01:52 - 弟切 千隼 >太陽は、てっぺんから少しだけ西に傾いていた。  土曜日の午後の描写がないですね。  てっぺんてどこでしょう。日本では夏至でも太陽が頭頂に来ることはないですよね。  太陽が南中したとき、すこし西に移動したとき、読者はその区別をつけられるでしょうか。 >陽射しがアパートの階段を照らしている。白い手すりには、塗料を塗り直した跡があった。  階段の手すりが雨ざらしで痛みやすいのか、落書きされて上塗りされたのかまでは確定できませんが、おそらく少し古いのだろうとわかります。  しかし説明文版では対応する部分がありません。 >野々宮桐子はその階段を登っていた。休日だというのに、肩にあるのはいつもの通勤用バッグだ。その重みにめげず、彼女は軽やかな足音を立てていた。合間には鼻歌が混じる。  浮き浮きしていることはわかります。しかし息切れもしないんでしょうか。この版では書いてないですけどノートパソコンが入っているんですよね。少し浮き浮き程度で軽やかな足音を立てて階段を上がれるのでしょうか。デスクワーク中心のOLだと帰宅するまで徒歩部分だけでも疲れるんじゃないでしょうか。 >自宅の扉を開けると、彼女の目にダイニングの光景が飛び込んだ。  以前の説明で自宅扉からいきなりダイニングではないことがわかっています。  しかし足下からダイニングまでの距離感が出ていないために誤読されやすいです。  距離感(パースペクティブ)を意識した描写が必要だと思います。 >「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  いきなり感想を口に出すまでに、「タメ」が必要だと思います。  いつもは閉めきっているへやとの空気の違いなどをうけて、普段の帰宅時とでは気構えが変わってきて、それがそれがいつもは発しない言葉になるわけですから、それなりのタメを文章にして欲しいです。 >桜庭さん とんび>服装や背景を描いてないことの是非はおいておいても、ここで現場のリアリティをみせておかないと、読者は舞台の中に入っていくことはできません。  「是非はおいている」のですから服装や背景を描かないことが議論対象でないことを理解してください。  咎められていない部分の言い訳をしているということは、最初から咎められることを心中で予想して、反論を用意していたのだと思います。  論点を見失って、あらかじめ用意していた反論を展開するというのはほめられたことではないです。  脊髄反射とよばれないよう、相手の文章をよく読んでください。  コントや小話を書くならテンポとか面白ポイントの部分にもっと(圧倒的に)比重をかけないといけませんが、小説が書きたいのなら主人公を決めてくださいね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7457 投稿日 2004年1月18日(日)21時05分 投稿者 新木 伸 ○津荒さん >「夢本」が本のタイトルであったということ  説明文ってのは、読者の印象に残らないものなんですね。  いまどういうことになっているのかというと、読者である弟切は、「夢本」という単語がすでに本文中に出てきていることを、まったく覚えていないかったりするわけです。だからこんな、ちんぷんかんぷんな食い違いがでてくるわけです。  つまり弟切は、「夢本」という単語が、国枝の台詞の「あんた夢本なんでしょう?」で、はじめて出てきたものと思っているわけです。  これはどちらが悪いのかといえば、もちろん、書き手の側が悪い。  「夢本」という本のタイトルが大事なことであるなら、いいかげんに斜め読みしている読者でも覚えているように、しっかりと、大きく取り扱わなければなりません。  たとえば「夢本」と表紙にある本を手にした国枝が「へんな名前の本」と思ったりするシーンでもあったなら、本のタイトルが出てきたことを、しばらく後まで、きちんと覚えてくれているでしょう。  しばらくといっても、原稿用紙10枚かそこらが限度ですが。  このように――。  書いたつもりのことが伝わっていないことが、ままあります。  伝わらなかったときには、書き手が悪いというのが、商業小説のルールです。  どのくらいしっかり書けば伝わるのかという自分の感覚を、平均的読者像に合わせて変えてゆくように。  かなり根本から認識を変えていかないとならないでしょう。  読者っていうのは、信じられないほど、なにも読み取らないものなんです。それでも伝わるように書かなきゃならないのです。  だから文章なぞを書いて、お金を取れてしまったりするわけです。 >百目の事後処理について >>百目は国枝から妖怪に関する記憶を消します。これが裁きになります。  これは、あの作品中ですでにこういう内容にしていたということ?  それとも解決になっていないことに納得して、修正案として、こういう変更をしようということ?  修正案としてなら、いいんじゃないでしょうか。  「妖怪は人間を裁かない」とクールなスタンスが、カッコよいですね。  ただ百目側はそれでいいとしても、国枝側のほうが、それでは収まらないんじゃないかなぁ。  凶器っていうか、ある種の「力」を手にした国枝がなにをしたのかというと……。  「世の中には価値がない。だからなにをしても構わない」っていう自分勝手な諦観から、他人の心を操ったりと、好き放題やっているわけです。  ――で、それらがすべてなかったことになる。  事件を起こして、それが解決して、すべて忘れ去って――では、国枝の心や価値観になんの変化も起きないじゃないですか。  国枝はこの事件を通して、なにも変わっていないことになります。なにも学ばないというか。  もしすべてを忘れてしまった国枝が、またなにかの「力」を手にしたとしたら、それを凶器として、他人様に対して同じようなことをやるわけですか?  それではあまりに無常っていうか、救いがないっていうか。  まあ完全に妖怪の立場だけから眺めていって、「人間ってのは本当にくだらないやつらなのさ」と冷笑するようなタイプの話なら、そういうのもアリかなぁ。  この事件を通して、国枝という少女に、なんらかの救いがなくてもいいのですか?  この話って、そもそも、どっちなのですか?  国枝が完璧ではないにせよ、部分的にせよ、救われる話なのか。  それとも国枝はまったく救われないままに終わる話なのか。  ちなみに「救われる話」であるのだとしたら、どういう形になれば国枝は救われることになるのか――とか、そういう方向に思考してゆきます。  例の「国枝に同情してもらうエピソードが足りない」という件は、この話がそういう路線だったときのこと。  はじめに救われていない少女がいます。そして「救われる」というラストが待っていたとしてます。  その途中では、読者に「この娘は間違ったことをやっているが、同情の余地がある。なんとか更正してほしい」と思わせて、応援する心境にさせるわけですね。  そういう読者の「想い」が、作品を読み続けさせる牽引力になるわけです。  そもそも読者という存在は、津荒さんの書いた小説を読み続ける義理なんて、ありゃしないんです。それどころか、一刻でも早く、読み捨てする理由を探してうずうずしている――ぐらいに思っていたほうがいいです。他に山ほど「面白そう」な小説があるんですから。  読者に自分の小説を読み続けてもらうためには、読者が読みたくなるような「牽引力」が必要です。牽引力を生み出す色々な種類の技術がありますが、これは「感情移入」という種類のものです。  キャラに――この場合は国枝という少女に、感情移入させるわけですね。  感情移入というのは、ひらたく言うと、「好きになる」ってことです。どういうエピソードを見せてゆけば、読者に、国枝のことを好きになってもらえると思いますか?  その手のシーンが、いまのところは、まったく存在していないんですよね。皆無です。まったくのゼロ。  そういう欠けているものを足し加えてゆくと、この30枚だかの形骸だけの「小説もどき」は、きちんと血肉を備えた物語となってゆくわけです。  ちなみに、この話が「国枝が救われないまま終わる話」であるのなら、また別のアプローチがあります。  そうした場合には、初期状態が「破滅の予感のある少女」で、待ち受けているラストが、「破滅する少女」だったりするわけです。  こうしたときには同情させるのは間違った手法。「彼女がいかに破滅的か」ということを読者に伝えるべきです。「感情移入=好きになってもらう」とは別の種類の牽引力を持たせるわけですね。  うーん。まだ難しいかな。  まあ、このへんのことは、いまはまだわからなくてもいいので。  とりあえず、「国枝は救われるべきなのかどうか」について考えてみるように。 >誤字とか  1個見つけて、やった、あったー、ここです! ――って、バカですか、あなたは。  7449のなかに誤字か1個きりだなんて、誰も言ってませんが。  1個見つけただけで喜んで安心しきっちゃって、他を探してみることもしないような弛んだ意識でいるから、誤字がいつまでも消えないんです。そして人に言われるまで気づきもしないんです。  ――で、いったい何個あったんですか? それとも何十個でしたか?  7449の中と。  あと、課題部屋の小説本文の中と。 >図書館の説明(重要なこと)  んじゃ、さらにこの半分にしてみましょう。  いま書いてきたなかで、どれがいちばん重要なのですか。冒頭のこのシーンにとっては?  半分だけ残すのなら、なにを残すべきですか?  あと課題部屋にもあげますが、同じものをこちらにも書くこと。  はじめのものはやたら大量だったので、向こうだけでOKですが、そろそろこちらにも書いてください。 (こちらの過去ログは残るけど、課題部屋のほうはいつまでも残るとは限らないため。最低限、分室ログだけでも話が通じるような配慮が必要なため) >箇条書きメモ  うん。それがプロットというものです。  話の設計図。  話の筋を分析したりするときの共通言語になるものなので、慣れておいてください。  慣れてくると、プロットから完成予想図が浮かぶようになります。  そうしたプロットの形に――。  市販されている小説やら、映画やら、同じ手法で写し取ってみると、大変、勉強になりますよ。  映画など、2時間もの長さがあるわけです。「生」のままでは情報量が膨大すぎて、人間の記憶力の扱える限度を超えています。  ――なので、要点だけを押さえて、こうした箇条書きの形に写し取るわけですね。  話の全体が一覧できる分量になってくれるので、並の記憶力でも、充分に覚えきれるわけです。  映画などの映像作品であれば、一定時間(2〜3分)ごとに1項目。  文庫の小説であれば、5ページ程度で1項目。  マンガの場合は、1見開き(2ページ)で1項目かな。  長編小説や2時間の映画は、だいたい50項目に整理できます。  ――で、やりかたは教えました。  手近な作品をプロットに写し取って、分析してみるかどうかは、津荒さんしだい。  トレーナーが「4ラウンド戦い抜くには、毎日10キロのランニングが必要だ」と言って、ランニングの仕方を教えたわけです。  しかし「毎朝10キロのランニング」を実行するかどうかは、練習生次第。  やるもやらないも自由。  ただし世界を獲るのは、きちんと練習した人間だけ。  ちなみに僕らプロの人間は、もはや「習慣」という段階さえ越えてしまっていて、なにか作品を観ているだけで、自動的に頭の中に「箇条書きメモ」が取られるようになっています。  意識的な写し取りをずーっと続けてきたせいで、無意識のうちにやってしまっているわけですね。  観たことのある作品の筋を言えない作家は、いません。  僕の場合でも、一度でも観たことのある作品のプロットは、すべて書き出すことができます。プロットの形ですべて覚えていますので。(ただし作家を志して以降(20歳以降)に観たものに限る) ○弟切 >743 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その二 ・時刻。→午後二時 ・場所。→アパートの階段 ・状況。→休日出勤の帰りだが、ウキウキしている。  上記3項目を表現する具体的な文章が、ちゃんと存在している。  描写になっているか、いないか、といえば、一応これで描写にはなっている。  まあ、しかし……。  対応関係はいちおう取れているのだけど、小説の文章として見ると、読めたもんじゃないわな。  この課題の当初の目的は、説明と描写の違いを体感するというもの。  その目的は、いちおう達せられたと思う。  んで、そこまではOKとする。  説明文と描写文の違いというのは、まあ、そんなようなもの。  そして、次のステップ。  ついでだから、やっておこう。  小説の文章として、もうちょっとマシなものにしようという話。  なぜぎこちなくなってしまう(読めたものでなくなる)のかというと、具体的に書くことだけを優先して、視点をおざなりにしているせい。  まず太陽が西に傾いていることを観察している視点保持者がいるわけだよね?  この視点保持者は「西」がどちらかわかっているし、この時期の太陽の最大高度も正確に知っていたりするらしい。人間だとしたら超人的なことだから、この視点保持者は、まあ神様的な存在なのだろう。  その視点保持者が、こんどはいきなりアパートの階段を見ている。  そしてなぜかはわからないけど、手すりの塗装なんかに着目している。  視点保持者が注意を向けている物事に、なんの規則性もない。  この視点保持者は、気が違っているとしか思えない。狂った神様視点ってところか。  まともな描写にするには、狂っていない神様にしなきゃならない。  人格設定した神様が、どんな順番で物事を見てゆくのか。  桐子が帰宅するシーンを、頭の中にすべて構築した後、その神様に眺めさせてみる。そして神様の注目した順番を写し取ってゆく。  しかし視点保持者を設定すると困ることも出てくる。  いまプロット的には「時刻。場所。状況」――などを描かなきゃならないというのに、視点保持者がそういったものを見てくれないということが起きうる。  基本的には視点保持者の目線による描写で進めてゆきつつ、視点保持者が見てくれない(関心を向けない)ために書けない情報は、説明文によって補ってゆく――というのが、まあ一般的な小説の文体ね。  うまく視点保持者を誘導できると、説明文を一切抜きにもできる。  ということで、まあ、なんか自分なりに考えて、もうちょいマシな描写にしてくるのこと。  いま誰が何を見ていて、どう判断しているのか――という、視点保持者の存在を意識して描いてみること。 ○2号  もう締め切りも終わったというのに、なんか2号が上げてきてるなぁ。  俺、クリックしてもいないんだけど、これ、面白いの? どうなの?  面白くないなら、間に合ってるから、読まんよ。  確実に面白いことを知ってはいても、「積ん読」してあるような本が、たくさんあるもんね。  面白いっつーなら、読んでやってもいいかな。  誰か読んだ人でもいいし、2号本人からでもいいけど、「絶対に面白い」というなら、どのへんがどのように面白いのか、俺にプレゼンしてみてくれ。あの話の魅力ってなにさ?  字数問わず。手段問わず。俺を読む気にさせること。  べつにネタバレでもなんでもいいよ。  読まない話に、ネタバレもくそもない。ネタバレされて価値が減るとかいうのは、読まれてからの話だし。 -------------------------------------------------------------------------------- 冬はつとめて No.7458 投稿日 2004年1月19日(月)00時36分 投稿者 弟切 千隼  平安時代の女流作家、清少納言は、その著『枕草子』に、『冬はつとめて(=冬は早朝【が一番よい】)』と書き残しています。  彼女が住んだ平安京には、現代のような暖房設備はありませんでした。底冷えで知られる京都のことゆえ、さぞ寒かったろうと察します。  厳寒の中、『霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし』と観察力を発揮した清少納言は、才媛と呼ばれるにふさわしいですね。 津荒さんへ >  そういえば、国枝律子の台詞の前に、「夢本」という名前が出ていますね。  なぜ、弟切はこれを読み落としたのでしょうか? 弟切が呆けているから、という理由は、この際置いておいて下さい(^^;  主な原因は、新木さんがNo.7457で指摘されています。弟切は、別の原因もあるのでは? と考察してみました。 1.説明文は、読み手の印象に残りにくい。 という原因の他に、 2.台詞を発した人物が、あたかも既知のことであるかのようにふるまっている。 という原因があります。  台詞を発した人物は、この場合は国枝律子ですね。ここでの彼女の対応が、異様に冷静なのです。「妖怪」という異常な存在と、初めて対面した人物の反応とは思えません。  国枝律子は、自分の欲望のために、妖怪を悪用してしまうほどの悪人です。とはいえ、「悪人であること」と、「何があっても冷静であること」とは違いますよね。  正体がわかりきっているものと対面した時には、どんな人でも冷静です。  初対面でも、日常的なものであれば、普通の人はさほど慌てません。  けれども、「妖怪」は、日常的なものではありませんよね? 正体不明の、何をするかわからない、恐ろしいものです。  たとえ、夢本の「幻を見せる力」が効かないとしても、「話しかけてくる本」を目の前にして、普通の人が冷静でいられることはないでしょう。  なのに、国枝律子があまりにも冷静なので、読み手は混乱します。その理由を、読み手は懸命に推測します。印象に残らなかった「夢本の説明」は忘れ去られます(^^;  読み手がぱっと考えつくのは、以下の二つでしょう。 1)国枝律子は異常に冷静な人間である。 2)国枝律子は夢本の正体を知っているために、動揺せず、冷静でいられる。  何もことわりがなければ、読み手は、小説の登場人物を「普通の人」だと判断します。国枝律子については何もことわりがありません。ゆえに、「異常に冷静な人」と判断される可能性は少ないです。  結果として、読み手は、「国枝律子は、既に夢本のことを知っている」と判断してしまうことになります。 >妖怪の位置づけ  No.7455の説明で、大ざっぱなところはわかりました。  しかし、まだ突込みどころがあります。この指摘は次回に回します。 新木さんへ > >743 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その二  ↑これを、もう少しましな描写にすること、了解しました。視点保持者の存在を意識して、書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 風邪をひく No.7459 投稿日 2004年1月19日(月)03時27分 投稿者 名無し君2号  短編を書きあげたら風邪をひきました。  39度近い熱に、さらにお腹にもくるタイプで、非常に難儀いたしました。咳や痰はでないんですが。  まだ完治してねーですけど。下ってるんだなぁ。 >短編  2号の短編は面白いのか否か?  『積ん読』してある本と真っ当に面白さで比べたなら、勝てるわけもなし。だって勝てるようなら作家になってるしー。  ということで真っ当な手段は取らない。 ○おすすめポイント ・気弱な主人公が紆余曲折あったあげく、すこしだけ成長する話です。そんな成長物語が読みたいかたはどうぞ。 ・冒頭で主人公がラブホテル街に……!?、きれいなお姉さんに抱きしめられて……!? と微量ながらお色気要素もあったような気がしないでもないです。だまされたつもりでどうぞ。 ・主人公が親友にぶん殴られます。もちろん最終的には仲直り! そんな熱血友情物語がお好きなかたはどうぞ。 ・探偵事務所が舞台のひとつですが、殺人事件なんて出てきません。地味に浮気調査をしております。そんな中途半端なリアルさが好きなかたはどうぞ。 ・しかも浮気調査の対象は親友の父親で、その依頼人は親友の母親です。それを主人公は目の当たりしてどうにもやるせなし。そんなドロドロ感が好きなかたもどうぞ。 ・ヒロインはいつもの2号ヒロインといいますか、謎の多い人になっております。そんなヒロインは嫌だ、というかたもご安心下さい。きれいなお姉さんもご用意しております。 ・探偵事務所が出てくるんだから、ハードボイルドを気取る探偵さんも登場します。犯人を走って追いかけたりもしますよ! ちなみに追いかけられてるのは主人公なんですが。 ・話のテーマとして『嘘』というのがあります。主人公もヒロインも嘘をつきます。探偵さんは嘘をつきませんが、きれいなお姉さんは存在自体が嘘かもしれません。 ・2号こと私の、現時点での最大出力です。2号が気になってしかたがない、そんな危篤、もとい奇特なかたはどうぞ。  上記のおすすめポイントのうち、ひとつでも気になったのならば、みなさまがた、あらすじだけでもクリックしてみてください。 >津荒さん短編、「夢見ぬ少女」  読みました。感想としては他のかたが言われているのとだいたいおんなじです。描写がないなあ、とか話に納得がいかないなあ、とかですね。  描写がないなあ、というところ。 >> 国枝律子は放課後の図書室へ入って行く。押し殺した声が飛び交う漫画や雑誌のあるコーナーを抜ける。彼女は一番奥まで歩いて行く。  国枝律子さんがどんな人なのか。髪形はどうか。顔は。服装は。まとっている雰囲気は。メガネをかけていたりすると個人的にはうれしいなあ。  図書室はどんな様子なのか――はさんざん言われているみたいなので省略。  これらがぜんぜん書かれていないです。この後にも出てこないですし。  「彼女は一番奥まで歩いてゆく」  そこをしっかりと書くだけで国枝律子の人物像も、図書室の様子も描くことはできるのではないだろうか、と描写素人の私は思ってしまいますが、どうでしょう。  話に納得がいかないなあ、と思ったところ。  話を読み進めていくうちに、律子さんがメガネをかけていたのがわかって個人的にはうれしかったのですが、問題なのはその律子さんです。 ・あっさり人を殺す(殺したのは人じゃなくて妖怪だけど)。罪悪感は微塵もなし。 ・私は私がなんのために生きるのか、それが気になってしょうがない。だから人を自由に操れる『夢本』を使ってエセ救世主になったんだ――と律子さんは告白しておりますが。どうしてそういうことになるのか意味がよくわからない。で、やっぱり罪悪感は微塵もなし。  このあたりでしょうか。  あんまり好きになれるタイプではないです。往生際も悪いし。「食べるなら逃げる」とか。  「めがねめがねー」のやっさん状態になったところは萌えたのですが。ちなみにやっさんとは故、横山やすしさんのこと。「めがねめがね」と眼鏡を探すギャグがあったのです。  あ、7449の誤字、たぶんあと一個だと思います。 >桜庭さん短編、「交渉」  読みました。こちらも感想は他のかたとおなじ。  交渉の内容じたいは面白かったので、こんどはこちらをメインにしたものを読みたいな、と思った次第でした。 >青葉さん  短編うんぬんは、私もまったく人ごとじゃありません。まあ、それはともかく。  私の経験上でお話しさせてもらうと、実際に手を動かしたほうが、なにごとも理解しやすいようです。  説明文うんぬんも、いまは理解できなくても、そのうち理解できる日がくると思います(私だって100%理解できているわけではないはず)。いまは新木さんに出された課題とか……なにを出されたのか私は覚えてませんが、それをやるとか。  もしくはいったんそれをすっぱりと忘れて、とりあえず1000字課題をやるとか。  私もカリオストロの城について考えているのは、じつに半年ぶりなわけでして。ほかにも宿題が山ほどに。ほとんどほったらかしですがな。  とりあえず手を動かしたほうがいいですよーって……余計なことかも。私みたいに風邪をひいてるのかもしれないしね。  暖かくして眠ろう。熱は下がったけど、風邪は治りかけがあぶないのだから。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7460 投稿日 2004年1月19日(月)13時15分 投稿者 新木 伸  大学が決まっているのに、なぜに受験?  受験費用もタダではないのに、その金を自分の懐から出しているわけでもないのに、無駄なことを……とか思ったけど。  「受験会場の雰囲気を取材する」てな目的で、小説のために役立てるつもりであれば、金を払って経験しに行くことも、無駄にはならないと思ったり。 >津荒さん  国枝が「夢本」という妖怪をすでに知っていたのだと、弟切が勘違いしてしまった件。  その理由を、ひとことでまとめるならば――  登場人物が「妙な行動」を取っていたために、読者弟切はその理由を懸命に探してしまった。その結果、変な理由を「発見」してしまって早合点してしまった。  ――という、ところでしょうか。  弟切は自分の発見した「国枝は夢本のことを既に知っていた」という「変な結論」が、いかに妥当であるのか力説していたりしますが……。そのへんは読み飛ばしていいです。  弟切はあんな早合点をしてしまいましたが、別な読者は、別な早合点をするはずです。「なぜ国枝が平然としていたのか?」ということについての理由は、十人が十人、それぞれ別の「変な結論」を発見しちゃうはずです。  津荒さんがちゃんと書いてないから、悪いのです。  ここで余計な言いわけなんか始めて時間を無駄にしないようにしましょう。最近だと桜庭さんがやってますね。無為な言いわけ。無為な反論。僕に叱られるとか叱られないとか、「良い小説を書く」ということに関係ない部分でぐだぐだやってたりしますが。  すぱっと気持ちを切り替えて、いまここでは、「どうすれば読者が誤読しないようになったか」――というように、有益なことを考えるようにしましょう。  国枝という少女が、夢本の見せる幻に支配されなかったにせよ、「普通の人間」であったなら、「妖怪と対面する」という異常な事態に、それなりの反応を見せなければなりません。  ――で、もし国枝が普通の人間ではない=特殊な人間であるのなら、ここで平然としていてもOKです。  しかしそれなら、そのシーンの前の部分で、「国枝は特殊」ということをしっかりと訴えておいて、読者の脳裏に「がっちり」と定着させておかないとなりません。つまり「国枝は普通の人間ではなかった」と説明文で書くのではなく、どう普通でないのかを具体的に見せるために「エピソード」として描いておくということです。  そして「国枝という少女」について、それまでになにも描かれていなかったなら、読者が想定するのは「平均的な少女」ということになります。  あの冒頭のシーンでは、図書館をただ少女が歩いているだけですよね? そこまでの部分では、国枝が特殊であるということは、なんにも描かれていませんよね?  なら、読者は国枝のことを「なんにも描いていないのだから、平均的な少女だろう」と思うはずです。  ここでも問題がひとつあって……。  なにを「平均的」と思うかは、じつは、人それぞれなんですね。僕の思う「平均的な女子高生」と、弟切の思う「平均的な女子高生」と、現役男子高校生である津荒さんの思う「平均的な女子高生」と……。  あとは、津荒さんと違って、「共学の高校」に通っている現役男子高校生だとか。  共学の高校って、ほんと、羨ましいですよねぇ。クラスに女の子が半分もいるんですよね。信じられないことに。  ――で、この高校生活の3年間を女の子と過ごした「男子高校生」の感じている「平均的な女子高校生」と――。 (ここ、前三者は「思う」となっているのに、共学の現役高校生だけは「感じる」となっている部分がミソね)  これらは、たぶん、すべて違っているはずです。  なにをもって平均的の基準とするのかは、作者が計らないとなりません。  ところで、実際のところ、国枝はどうなんですか?  普通なの? 普通でないの?  普通でないのだとしたら、どう普通でないの? どういう理由で、妖怪と対面しても平然としていたわけ?  ――で、その「普通でなさ」を読者に観せて納得してもらうのだとしたら、どういったエピソードで観せれば伝わると思いますか? >国枝の内面  そういえば……。  意味不明で理解不能だったので、さんざんスルーしていた話題に、そろそろ触れてみますか。 >>「生きることの意味を知りたいと常に考えていているのだが、その答えがないので常に不安である」  ここのところ、いったいなんのことを言っているのか、よくわからんのです。  国枝がなにかを知りたがっているというのは、わかるんですね。――で、それは「生きることの意味」というものであると。  でも「生きることの意味」って、なんなんですか?  この言葉って、あまりにも漠然としているので、いくらでも意味が取れちゃうんですよね。人によって定義も違ってくるだろうし……。「生き甲斐」って受け取る人もいるだろうし、「人生の目標」と受け取る人もいるだろうし。  津荒さん的には、どんなことについて言っているつもりなのですか?  津荒さん的な「生きることの意味」の定義を知らせてください。 ○2号 >短編のセールスポイント >>上記のおすすめポイントのうち、ひとつでも気になったのならば、みなさまがた、あらすじだけでもクリックしてみてください。  いいのか? あんなあらすじに誘導してしまって?  セールスポイントは気になってクリックしたけど、あらすじはよくわかんないし、つまんなさそうだから、いいやぁ、ぽい。――ってなったりしないのか?  あらすじぐらいはクリックしてやったが、なんか牽引力のない文章が流れてるだけだったぞ。ただ単に筋を伝えるためのあらすじだったな。  はじめから読みきることを決意している人間になら、あれで話の筋は伝わるだろうが。あらすじを読んで「読みたい」と思うようなデキじゃないだろ。  俺なら、あのあらすじを10倍面白そうに書き直せるぞ。もとの話は知らんから、違っちゃってもしらんけど。  プロットをクリックしてみると、なんか10のシーンに分かれるようだな。その各シーンごとに、どうやって牽引力を持続させているのだ?  「牽引力」=「読者の興味を持続させる仕掛け」ね。  つまり、読者が読むのをやめられない理由となるものだ。  シーンの切り替わりごとに、「ここでチャンネル変えちゃおう」とできない理由だ。  あと、「どんな話なのか」についての1行コメントだが。 >>「気弱な主人公が紆余曲折あったあげく、すこしだけ成長する話」  これでいいのか?  なんかみやびさんに聞いたら、違うことを言っていたのだが?  成長に関しても、もうちょっと具体的に言っていたっけな。  ただ「成長」とか言われたってなぁ。どんな話だって成長要素ぐらいあるわけだし。もうちょっと具体的に言って差別化を計ってくれないと、セールスポイントにもなりゃしないが。  食品のセールスだって、「美味しい」なんてことは、セールスポイントにもならんだろ? そんな、あたりまえのこと。  「どう美味しい」のかを書けば、それはセールスポイントとなりうるわけだ。「本格ダシ」とか「具だくさん」とか「天然塩」とか。  ちなみに、また聞きした情報をもとに、こちらで、この話がどんな話であるのかという、「1行コメント」を書いてみた。  うん。80文字でまとめられたな。  うん。こっちのはおもしろそうだな。  2号が自分でまとめてきて、煮詰まったら、見せてやるか。  しかし、書いた当人よりも、読んでもいないで又聞きしただけの人間のほうが、それがどんな話であるのか深く知っているというこの状況。情けないとは思わんのか?  ちなみにヒントだが。  成長を具体的に書いてゆくと、面白そうなものとなった。  なにが成長なのか。どう成長するのか。なぜゆえに成長できたのか。  このあたりをクリアすると、いい感じのものになるだろう。 >「夢見ぬ少女」への指摘 >>「彼女は一番奥まで歩いてゆく」 >>そこをしっかりと書くだけで国枝律子の人物像も、図書室の様子も描くことはできるのではないだろうか、と描写素人の私は思ってしまいますが、どうでしょう。  やって見せてよ。  ただし「図書館」でやってしまうと、津荒さんの修行の妨げとなってしまうから、舞台は変えよう。また人物も変えよう。  図書館と同じような場所ってことで、「倉庫の奥」ってことにする。  登場人物は2号好みの眼鏡っ娘でやってよし。気弱でも強気でも、ちっちゃくて元気でも、おどおど系でも巨乳ドジっ娘でも、なんでもいいけど。  「彼女は倉庫の一番奥まで歩いていった。」という、味も素っ気もないプロット的な説明文章を、いかに肉付けすれば美味しく頂けるものとなるのか。  実演してみせること。  生課題のほうのツリーに課題提出。お題は「眼鏡っ娘、倉庫の奥に歩く」とする。  眼鏡っ娘が倉庫の奥に歩いてゆくだけのシーンを、ちゃんと食えるものにすること。  ちゃんと、2号好みの眼鏡っ娘の人物像も、倉庫の様子も描くんだぞ。 -------------------------------------------------------------------------------- 補足 No.7461 投稿日 2004年1月19日(月)13時44分 投稿者 新木 伸  2号に、「じゃあやって見せろよ」と、言ってみたわけだが。  言われるまでやろうとしない。もしくは言われてもできない。それがアマチュアってもの。ついでに「俺はやればできる」と思っているのは、セミプロ気取りのアホ。  ここでプロだと、どうなるかというと……。  「倉庫の奥に歩いてゆくシーンで、人物と倉庫とを描写する」と聞いただけで、自分ならどのように書くか、つい頭の中に書いてしまっているものなのね。もう習慣的にやっちゃっているわけ。  実際の文章にはなっていないけど。頭の中だけで書いて、すぐ捨てられてしまってはいるけど。たしかに書いてはいる。何回か話題に上がった「脳内執筆」というもの。  プロはここでもう、1回執筆を行って、1回分の経験値を得ていることになる。  作家っていうのは、小説を書くために生きている存在なのね。  常に頭は小説のためにスタンばっていて、なにか稼働する対象を探しつづけているわけだ。その状態で、「倉庫の奥に歩くシーン」と聞いたら、頭はすぐにでも働き始めるわけだ。  そうならざるを得ない。  2号には、「じゃあやって見せてよ」と言ったわけだな。  課題を与えて負荷をかけたことになる。  2号にとっては晴天の霹靂であり、藪をつついて蛇を出してしまったわけだな。  「しまった」と内心で思っているに違いない。そしてしかたなく、しぶしぶと、いやいやながら、与えられた課題に取りかかろうとしているに違いない。重い腰をあげて。  だから、お前らはアマチュアなんだよ。  「やって見せてよ」と言われても、プロは、なんの負担にも感じないわけ。もう脳内でやってるから。見せろといわれたところで、手を動かして実際にキーボードを打つぐらいの手間しかかからない。本当に「見せる」だけの手間しかかからない。  アマチュアが言われるまでやらないことを、プロは無意識的に、習慣的に、やっちゃっているわけね。ここで経験値の格差がどのくらい生じるのか考えてみること。  そんなプロに追いつき、追い越し、現役プロ作家の座っている椅子を奪い取って自分がプロ作家となるためには、いったいどれほどのことをやらなきゃならないのか、考えること。  小説を、時折頭を費やす「趣味」にしたいと考えてる人は、プロを目指すのはやめておいたほうがいいよ。一日中、小説漬けになっているのがプロってものだから。  「小説をたまに書きたい」という人が、一日中やらされたら、それは苦痛にしかならないから。  一日中、小説のために生きる生活をしたい人だけ、このジムで練習すること。  とりあえず人生は小説に捧げてもらう。  入門者、随時受付中。  撤退宣言も、随時受付中。 -------------------------------------------------------------------------------- 感じ方は人それぞれ No.7462 投稿日 2004年1月20日(火)00時02分 投稿者 弟切 千隼  一昨日から昨日にかけて、四国から関東地方くらいまでの広い地域に雪が降ったようですね。弟切が故郷の友人たちに訊いてみたら、温暖な静岡県でさえ雪が降ったと言っていました。  しかし、石川県出身で現在静岡県に住んでいる弟切の友人に言わせると、「あんなものは雪が降ったうちに入らない」そうです。「どうしてこっちの連中は、『風花が舞った』程度で雪が降ったと言うんだ?」と笑っていました。 >「メイド」書き直し  視点保持者を意識しつつ、書き直してみました。課題部屋のNo.750に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=750&e=res&lp=738&st=0  ↑この視点保持者は、常時べったり桐子に貼りついている「背後霊」のつもりで書きました。  この「背後霊」は、だいたい、桐子の後頭部あたりに貼りついています。桐子の肩越しにものを見ている感じです。桐子の内面に入ることはできますが、他の人の内面には入れません。  「背後霊」は人間と同じ五感を持っています。人格的には桐子のコピーみたいなもので、桐子が知っていることは「背後霊」も知っています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7463 投稿日 2004年1月20日(火)03時28分 投稿者 津荒 夕介 大学の推薦にも試験があります。小論文や面接の試験です。落ちることもあります。 その小論文や面接の実施日が、センター試験の申し込み後だったんです。推薦に落ちるかもしれない。というわけで、センター試験は申し込んであったんです。 払った金は戻ってきません。もったいないので行ってきました。 きちんと書いてなくて、すいません。 ○二号さんへ 感想ありがとうございます。 描写が足りない! もっともです。 国枝の悩みがさっぱり伝わってこない! もっともです。エピソードないし。 ○新木さんへ >夢本の認識について  国枝が夢本を手にとって、変な題名だな……思案する。そういうシーンが 足りていない。  なるほど。 >国枝の救い  前書いた百目の裁きは、修正案です。  読者は妖怪(この話でいうところの)じゃないですから。百目の裁きには物足りないものを感じるでしょう。読者が納得するような、なにかが国枝に欲しい。    国枝には同情してほしい。  同情してもらったからには、すこしは成長しないと申し訳ない。    国枝が妖怪になる、というのはどうでしょう?  人間では「世界が存在する理由」について知ることはできない。でも、もしかしたら、妖怪の立場に立てばわかるかもしれない。  もしかしたら妖怪の上にも、なにかいるのかもしれない。そしたら今度は、それになる……。  もしかしたらだらけですが、「どうしようもない」と諦めていた状態から、「探してみよう」と前向きになるので、良いんじゃないかなぁと思います。  国枝の頭を百目が改造する、というのもあるでしょう。  癖を根こそぎなくす。  でもこれだと、国枝が違う人間になっちゃうし、良くないと思う。  「救われない国枝の話し」で行くとしたら、どうなるか。  罠のため夢本に力を吸い取られすぎて(後からの設定ですが)、死ぬとか。  なんにせよ、「破滅する少女」なら「破滅」しないと読者に申し訳ない。  ……しかし国枝を、小説を読んでもらう牽引力の大部分にするわけにはいかない。  主人公は百目だし。 「主人公が予想以上の罠にはめられてびっくりする話」ですし。    でも……これだと最初つまらないんですよ。  予想するじゃないですか。夢本は弱いって。そうすると「弱いのかよ……どうでもいいなぁ」って風に牽引力が薄れる。  それを防ぐために国枝を始めのほうでに百目と会わせる。そして国枝に興味を持ってもらう。それで序盤の牽引力とする。      ○弟切さんへ ○新木さんへ >国枝が普通かどうか。    驚きの一つとして、例えば妖怪の異形とかがあります(夢本はこの場合あてはまりませんが) 。が、それは攻撃前のことです。  国枝は驚く間もなく、いきなり攻撃(幻)を受けた。  幻を見せられるが、すぐに不満になる。欲しい幻がなかったからです。そして目を覚ます。手には本がある。  ここでびっくりするのが普通の人ですが、彼女は普通じゃないので。 「あんた、夢本なんでしょ?」  と、なるわけです。    度胸がある、という点で普通ではない。    だから驚きます。……しかし、本文では驚いてもいない。これは間違いです。これじゃあ恐ろしく「冷静」になってしまう。    エピソードとしては、初めて会った人と堂々と話すとか。  学校の授業で堂々と寝るとか。  あらすじを作り直す時に入れます。   >共学とか。  クラスの半分が女子……。天国ですね。  まあ……、切ない男子校が書けるので。まあ、いいです。 ○新木さんへ >国枝の頭の中とか  「生きること」とはなにか?  ご飯を食べたり、友達と話をしたりする。そういうことだと思います。  知りたいのは、僕がそういうことをする理由です。  ご飯を食べるのはなぜか? 腹が減るからです。  友達と話をするのはなぜか? 話をすると楽しいからです。  そこで、もう一つ疑問をします。  なぜ僕は腹が減るのか? 僕が今ここに生きている、人間だから。  なぜ僕は話をすると楽しいのか? 僕が今ここに生きている、人間だから。  もう一つ。    なぜ僕が今ここに生きている人間なのか? 解らない。  「生きること」というのは、存在することです。そこに在るということ。  「生きることの意味」とは、「ここに自分が在る理由」  そんな定義です。   >誤字とか  ああ……。一個見つけて安心していました。すんません。  >>話しの破綻  話の破綻 >>親切な態度をとっている様子から書きました。  親切な態度をとっている様子を書きました。  上の >>好意的な態度をとっている様子を書きました。  と対になっていないから誤字です。    以上、前回の物と合わせて三つだと思います。 >図書室とか  時間は放課後。図書館は教室の約五倍で、三つに分かれている。一階にある。中央をつらぬく、通路がある。カバン置き場にカバンが沢山あり、カウンターに仕事をしている司書がいる。  入り口付近には雑誌や新聞を読む学生が十人、笑顔でいる。たまに笑い声が聞こえる。  真ん中、左は机が沢山ある自習スペース。右は本棚。左には、勉強中の学生が十人いる。静かな雰囲気。そこの通路では、中庭からの音が聞こえる。  奥には本棚が沢山ある。人がいない。本棚の間が狭く、歩きにくい。寒く、暗く、静か。ある本は資料や古すぎる本。空気が少し埃っぽく、本がうっすらと埃をかぶっている。寂しい雰囲気がする。 -------------------------------------------------------------------------------- まだお腹が痛い No.7464 投稿日 2004年1月20日(火)03時48分 投稿者 名無し君2号  うー、下ってるぅぅぅ。 >短編  一行テーマ。 ・相手を思っての嘘で親友を傷つけた過去を持つ主人公が、探偵業を営むヒロインたちの仕事を手伝わされるなかで、真実を告げる強さと、嘘をつく狡猾さを手に入れる話。  こう書くと、なんかとんでもない主人公なんですが。しかもこれは一行じゃないよな。  あらすじについては後日直します。というか体調がよければ明日にでも。 >「夢見ぬ少女」への指摘 >>やって見せてよ。  やってみます。 >描写課題1/20分、No.12「眼鏡っ娘、倉庫の奥に歩く」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=751&e=res&lp=610&st=0 ・倉庫感が出ているか。 ・眼鏡っ娘は書けているか。  上記の2点に注目、お願いします。  今回は「しまった!」と思いました。余計なこと言ったと思いました。だけどやるのはすこし楽しかったです。  ――うまくのせられているのかもしれない。  というか人の作品のリライトってすごく楽しいなあ。今回のは正確にはリライトではないのだけれど。楽だからだろうか。  1000字課題にも取りかかりたい所存。短編よりは楽だろうし。お腹が治っていればなー。 -------------------------------------------------------------------------------- >7463 訂正です。 No.7465 投稿日 2004年1月20日(火)15時30分 投稿者 津荒夕介 また誤字です。 十回見直しします。一日経ってから、投稿することにします。 >>それを防ぐために国枝を始めのほうでに百目と会わせる。 それを防ぐために国枝を始めのほうで百目に会わせる。 >>図書館は教室の約五倍で 図書室 すいません。 -------------------------------------------------------------------------------- 色々とレス(また間違っていないかな…) No.7466 投稿日 2004年1月20日(火)15時45分 投稿者 桜庭 優  この書き込みは18日からぼちぼちと書いているのですが、書いていると、書けなくなる時があって、いったん書くのを止めては、また次の日に書くという風にして書いています。  というより、分室の書き込みを見ながら書く文章を考えていると、分室の皆様の書き込みがプロットに近い役割をして、不思議と「今日は、この書き込みの返答まで書こう」という線が浮かび上がってきます。なんとなく不思議。 >新木さん  全文引用禁止なので、なるべく引用しないで書いてみます。 >文章が荒い事、性根を入れ替える話  その事に関しては、覚悟しています。というか、この性格を自分でもある程度はわかっているので、この文章の荒さを直すには相当苦労するな、と感じています。  だからこそ、文章の三回読み直しや誤字禁止、全文引用禁止など、様々な課題を自分に課してみたいと思っています。  あと、その「言うか」は「いうか」で、この用法上ではよかったんですね。迷ったあげくに、漢字にしてしまったのですが。  普段から文章が荒くて、いざ丁寧にしようと思ったら、ささいな事でかなり迷い、結局間違えてしまうとは。とほほ。  全文引用の事についてですが、先ほども書いたように、これから全文引用の禁止を書く時に自分に課してみようと思います。  たしかに、全文引用せずに、要約してまとめて書いたほうが、これから小説を書く時にも、文章がわかりやすくなるでしょうし。  また、これらの事に関しては、おっしゃるとおり、分室だけでなく、他の掲示板やメールなどにおいても、守っていきたいです。どんな場所においても。 >小説について    小説ははじめにストーリーありき。そして、小説の他の要素は全てストーリーを支えるもの。  たしかに、ある小説で印象に残るものを挙げよ、と言われると、ほとんどの小説において、まずストーリーというか、あらすじを思い浮かべます。  で、自分の「交渉」は、というと、明らかにストーリーがないですし、キャラクターもないと言っていいです。設定もほとんどないし。  新木さんやとんびの羽根さんがおっしゃるように、これは小説というよりかは、小話やコントといった方がいいと思います。  今度はきちんと「小説」になるように、書いてみます。 >とんびの羽根さん    そのとおりです。書き上げた時に、だいたいこのあたりに批評が来るだろうと予想して、返答を考えていました。  論点を見失っていた事に関しては、申し訳ないと思っています。  これからは相手の文章を、よく読む事にします。   >名無し2号さん  いつになるかはわかりませんが、機会があるなら、交渉の内容(駆け引き)をメイン(または売り)とした「小説」を書いてみたいと思います。  個人的に、駆け引きの部分は書いていて楽しかったですし。 >描写練習(倉庫)  あー、書きたい事はありますが、下手すると、こっちまで泥沼にはまってしまいそうで、うかつな事は書けません(笑)が。  でも書いてしまいます。  派遣のアルバイトに登録していて、(そういえば最近行っていませんが)倉庫の仕事も、2、3件ぐらい行った事のある自分の経験からすれば、倉庫と一口に言ってもピンキリあると思います。  例えば、かなり広く、フォークリフトが走り回るには十分。しかも電気がついていて明るく、天井が高くて、商品がこれまた高い棚にたくさん置かれているが、広さと明るさのおかげで、それほど圧迫感を感じない倉庫。 (こちらはどちらかというと、工場付属の倉庫みたいな感じでした)  またその逆に、外は一見ビルみたいな感じで、狭い窓しかなくて電気がついておらず、外が晴れでも一日中薄暗く、天井も低く、荷物がその低い天井に届くほど積まれていて、圧迫感をかなり感じる倉庫とか。  あと、これは想像なのですが、今まで行ったところは、機械の部品やイベント用の道具などが置かれていた倉庫なのですが、これが食品の倉庫だったりすると、においなどのおかげで、また違った雰囲気になると思います。  いや、正直に書きますと、課題の件が出た瞬間に、先ほど書いた倉庫の様子が思い浮かんで、つい「書きたい!」と思ってしまったのですが、今は短編小説を書かなきゃいけないので、そちらのほうを優先したいです。 (でも泥沼にはまった予感……)  これから自分は短編に集中したいので、しばらく書き込めないかもしれません。でもなるべくなら、はやめに書き上げたいです。  それでは。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7467 投稿日 2004年1月20日(火)19時25分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>750 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その三  なっとらん。  これは桐子が帰宅してきて、いつもと同じように階段を上ってゆくシーンなのだろ?  これだと階段の下でいったん立ち止まっていることになる。  階段下で立ち止まり、これから上ることになるであろう階段をじっくりと観察してから、足を踏み出して上ってゆく――というシーンになってしまっているわな。  視点保持者が存在しての文章なのだとすると、階段を観察しすぎ。  ミスとしては、2点ある。  1つめ。  階段に関する細かな記述は、立ち止まったときに見えるものなのね。  視点保持者は、歩き続けている桐子と同じ速度で移動しているはずだ。その視点からは「見えないもの」を書いてしまっている。  影とか錆だとか、歩いている速度で見えるものではない。  2つめ。  上は桐子の状態からは「見えないもの」を書いてしまっているというミスだが。  こちらは桐子の「見ないもの」を書いてしまっているというミス。  いつものように帰宅して、いつものように階段を上る桐子が、いつもと変わりのない階段を観察することはない。  1つめのミスのほう。  歩いている速度では見えないものを書きたいなら、立ち止まらせればいい。階段下のポストをチェックしてゆくとか、ワンクッションはさむことで、「立ち止まっているときに見えるもの」を書くことができるようになる。  立ち止まらせるなどして静止状態階段を書くのか、それとも歩いてきた勢いを重視して書かないのか。  上ってゆく最中に見えるものってのもあるわけだ。同じ階段を書くにしても、静止状態で観察可能なものを書くほかに、移動中にだけ書けるものを書くという手もある。 ○津荒さん  ああ、なるほど。  根本的なところで認識の相違があったみたいですね。 >>主人公は百目だし。 >>「主人公が予想以上の罠にはめられてびっくりする話」ですし。 >>でも……これだと最初つまらないんですよ。  そもそも、「主人公が罠にはめられてびっくりする話」だと、なにをどうしたところで、つまんないんですよ。  それは物語ではなく、一発ネタに近いものです。  桜庭さんのほうの、「この交渉はじつはゲームだったのだ。びっくり!」に近いものです。  あの話の中にある「ドラマ要素」の片鱗を探してゆくと、国枝という少女の変化なり成長なりが見つかるわけです。  読者は、登場人物が悩んだり苦しんだり、喜んだりほっとしたり、救われたり破滅したり、そういった様を見たがっているわけです。  それもラスト付近で1回だけ見るのではなくて、最初から最後まで、ずっと通して見てゆきたいわけです。  ところで――。  この話が「主人公が罠にはめられてびっくりする話」なのだとすると、国枝って、いらないじゃないですか。  敵を出す必要はあるので、「夢本」なり、他の妖怪なりは必要になってきますけど。  じゃあ国枝のほうを削りますか。  国枝がいないと、なにかまずいことはありますか?  国枝がいなくなってもまずいことがなにもないなら、そもそも国枝を出しているのが間違いです。  国枝をなくすと別の話になっちゃうというなら、話の一行コンセプトを「罠にはめられてびっくり」としてあることが間違いです。国枝というキャラが絶対に削れない最重要の「要素」であるなら、一行コンセプトも国枝に絡んだものとなっているはずです。  どうなのですか?  作者は津荒さんなので、わかるのも津荒さんだけ。僕は質問することしかできません。 >国枝という少女  国枝は「剛胆である」としたかったわけですね。  驚くべき状況に出くわしても、驚かない。――そういう少女。  なら、夢本が国枝に「幻」を見せたことを、書いておかないとだめですよ。  作品の冒頭。  国枝と夢本との初遭遇の場面を読み返してみましょう。  国枝が見せられた幻が具体的にどんなものであったのか、書いてありませんよね。  いやそれどころか、国枝が「幻」を見たということさえ、書いてありませんが。  国枝の遭遇したそれが「驚くべき状況」であることが、読者にしっかりと伝わっていたのなら、それに動じていない登場人物を出すことで、「剛胆な女の子なんだな」と思ってもらえます。  宿題をひとつ。  作品の冒頭を読み直してくること。  自分が「書いた」と思いこんでいることでなく、実際には、どんなことが書かれていましたか?  国枝に起きたことは、なんであったか。  読者があの文面を読んだときに、国枝になにが起きたと読み取るでしょう?  読者はあのシーンを読むときに、「ここは国枝が夢本に幻を見せられるシーンである」とかいう予備知識なんて与えられていないんです。  ただ、ありのまま、そこに書いてあるものだけを読むわけです。  その「ありのままを読む」読者が、どんなものを読むと思いますか? >生きることの意味  なにか国枝の価値観の話ではなくて、津荒さん自身の問題になってきましたね。  分室では人生相談はやらないことにしています。  でもこの話題はもうちょっとだけやりましょう。自分自身の「悩み」ってものを、小説に生かすための話です。  津荒さんの悩みっていうのは、ようするに、「自分がなんのために存在しているのかわからない」――てなことですね。  別な言葉で言い換えると、「やりたいことが見つからない」とか、「生き甲斐が見つからない」とかにもなるのかな。  津荒さんと同じような「迷い」を持っている人は、たぶん大勢いるでしょう。  ――で、そういう人たちが、あの作品を読んだとして、「この国枝という少女は自分と同じだ!」と共感したとします。  ――で、作品を終わりまで読破したときに、「しかし国枝にはなにも変わるところはなかった」となって、果たして納得してくれると思います?  その物語に「答え」があると思って読んだのに、国枝はなにも変わらないまま、話は終わってしまうわけですよね。  自分がそんなものを読まされたら、どうですか?  「自分と同じ悩みを持っているキャラがいる!」と喜んで読み始めたら、やっぱりそのキャラも答えを見つけていない。――とかいう話。  答えを見つけて、物語の形で提示するというのも、作者の役割です。  自分が答えを見つけていないものを、そのまま「答えのない話」として書いているだけでは、悩み事を書きつづった日記みたいなものです。自分のストレスの発散の役には立つでしょうが……。人に読ませるものではないですよね。  商業作品を書くには、ひとつの壁を越えないとなりません。  答えに至る話を書かなきゃいけないわけです。答えのない話を書いているうちは、誰も読んでやくれません。  ちなみに国枝の結末で、「救われる」と「破滅する」と二通りの路線を提示してみたのは、まああり得そうな答えのうちの二極であったりするわけです。 >余談  物語の中では、現実とは違う出来事を起こせるのですね。  たとえば、自分に自信が持てなくてうじうじしている男の子なんてのがいたとします。  現実世界じゃ、まあそんな男の子は友人もできなくて、自分を信じることも変えることもできなくて、そのまま、なるようにしかならんものですが。  物語の中では、「自分を信じ続けてくれる女の子」なんて存在を出して、主人公のすぐ近くに置いたりできるわけです。  そして主人公は、はじめ彼女の過剰な期待を重荷に感じているのだが、そのうちに期待に応えようと努力をはじめて、自分に自信を持つようになる。そしてラストで彼女は主人公に言うわけですね。「ほら、やっぱりそうだった」とかなんとか。  生きる意味がわからない、てなことをテーマに掲げるのなら……。  生きる意味がわからないキャラが、わからないまま終わるという無為な話ではなく――。  生きる意味を見つけだす話を書いたほうが、よほど受けると思いますが。 >図書室の説明  じゃあそれをまた半分にしてきてください。 >誤字とか  うん。また一個見つけてきましたね。  「話」→「話し」は、よくやってしまうパターンの誤字なので注意すること。  この誤字って、手書きで文字を書いている時には絶対に出さない誤字なんですね。パソコンのキーボードから、日本語入力IMEを使って漢字変換している人だけがやってしまう誤字です。道具を使っているのではなく、道具に使われている状態の証明であるので、もっとも恥ずかしい種類の誤字です。  しかし、一度やったからには、二度はやらないものと信じます。  二つ目のほうは、それは誤字ではないですね。韻が踏めていないとか、そういう文章レベルのことなので。  ところで誤字はもうないのですか?  「思います」なんて逃げ場のある曖昧な答えでなくて、まだ「ある」のか、もう「絶対にない」のか、はっきり答えるように。  たかだか1画面で収まる程度の文字数でしょう?  ぱっと一目で見渡せる範囲内。それなのに、なんで誤字を「完璧」に追放できないものかな?  まだあるんですか? もう絶対にないんですか? どっちなんですか? >見直しとか  誤字をなくすためだけに、1日も寝かせるなんてのはナンセンス。  前に、意味不明の文章ばかり書く相手に、そうしたルールを申しつけたことはありますが。今回は単に誤字だけの問題なんで。  書き上げたら、書き込みをする前に、文章の長さにもよるけど、5分から15分。  誤字を抜くために、それ以上かけることは禁止。  1画面程度の内容なら、5分あれば何回見直せるやら。長文でも15分あれば、数回は見直せるはず。  その時間内で、誤字を「絶対にゼロ」にしてくるように。 ○2号 >>・相手を思っての嘘で親友を傷つけた過去を持つ主人公が、探偵業を営むヒロインたちの仕事を手伝わされるなかで、真実を告げる強さと、嘘をつく狡猾さを手に入れる話。  嘘つけ。  分析の仕方は、「カリオストロの城」で仕込んだはずだが。  エウレカした結論に飛びつくのではなく、プロットを眺めて、「実際に行われたこと」だけを抜き出して、そこに一本の筋を通してゆくんだよ。  自分はこんな話を書いたはずだ、なんていう先入観を補強して一行コンセプトを出すのではなく、そこにある実物から拾い上げてこいっての。  課題部屋にあるプロットは、書く前のものか? 書いた後のものか?  プロット通りに書けているなら、書く前のものでも分析に使えるだろうが……。心配なら、本文を見ながらプロットを写し取り直してみること。  ちなみに「探偵業」とか、「相手を思っての嘘で親友を傷つけた」とかっていうのは、別の物事に置換可能なことだよな?  探偵業のかわりに別な業種でもいいはずだ。また嘘で傷つけてしまったかわりに、別なことでもいいはずだ。入れ替えてしまっても、あの話は成り立つ。  ということは、もう一段階ほど一般化しなければ、骨になってくれないということだ。  入れ替え可能な業種とか、出来事だとかを色々と挙げてみて、それらを結びつける法則性を見てみるのだ。そうすれば、いくつかの物事をひとまとめにして括ることのできる「いい言葉」が見つかるはずだ。  カリ城の時だって、「美少女」と「芸術的なまでの偽札の原盤」と「古代遺跡」の共通属性を抽出すると、「お宝」って一個の言葉になったわけだろ。  んで、あとカリ城のほう。  最後の一歩、はよ詰めてこい。  いいかげん、何年も引っ張ってきた設問を解決したいのだが。 >倉庫と眼鏡っ娘  リライトっつーのは、楽だろ?  なぜ楽なのかというと、「創作」じゃないからなのだな。  無から有を、ゼロからなにかを生み出すところが、いちばん苦しいところなのだ。  そこをすっ飛ばして、技術だけで処理できるから、リライトっていうのは楽ちんなわけだ。  なにを書くか――が、生み出す部分。苦しいところ。  どう書くか――が、リライトで行っている部分。技術があれば簡単なこと。  分室でやっているのは、この技術のところ。  「なにか」を書かなきゃならない人間に、そのための方法を提供すること。  んで、俺もお前のをリライトしてみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ドアノブの回る音が、静寂と暗闇との中に響いた。  ついで軋みながらドアが内側に開かれると、真新しい空気とともに、廊下の喧噪と光とが、部屋の中へと流れ込んできた。  部屋の中に踏み込んできた少女は、そこで足を止めた。  光が切り出してきた一角には、本や書類がうずたかく積まれていた。すべてが厚い埃を載せている。埃の一部はドアを開けただけで舞い上がり、かびくさい空気の中で、それはきらきらと輝きながら漂っていた。  書物と書物とのあいだに、自分の影が長く伸びている。  少女は眼鏡の下の目が細めると、取り出したハンカチを口にあて、自分の影を踏むようにして室内に踏み込んでいった。まず壁際のスイッチを探してゆく。二度三度とまたたきながら、蛍光灯は頼りなく点灯した。  いくつもの本棚が並んでいるというのに、本は床の上にまで溢れかえっていた。その隙間に、わずかに細い通路ができあがっている。少女はスカートの裾を引っかけないように注意しながら、本と本の合間を抜けて奥へと向かっていった。  足音が、やたらと響いて感じられる。  灯りがついているというのに、少女は真夜中の真っ暗な境内でも歩いている気分になっていた。背筋になにか寒いものを感じている。気のせいであると思いこもうとすると、また足音が大きくなってしまう。  少女は足を止めた。  痩せぎすの、ちっぽけなネズミが行く手の床に立ちふさがっていた。少女を見上げてくるその目は、黒いビーズのようだった。  悲鳴は上げず。かわりに少女は言った。 「失せろ。小動物」  ネズミは逃げ出した。勝ち誇った笑みを唇の端だけに浮かべると、少女はネズミのいた場所を踏みつけていった。ネズミとの“ガン付け”に勝利したせいか、うすら寒い無気味な感じも消えていた。  ――と、注意が失せたとたん、足元の暗がりにあったなにかに、少女は足を取られた。  きゃ、と少女っぽい悲鳴をあげて、本棚にしがみつく。手のひらにべったりと埃が付いた。ずれた眼鏡を直す前に、手のひらの汚れを落とす必要があるのだが、ハンカチはいまどこかに放り出してしまったようで、近くにはなかった。たとえ落ちていたとしても埃まみれの床から拾い上げるのも嫌だった。  勝利の爽快感はすぐにしぼんで、また漠然とした無気味さが、どこからか忍び寄ってくる。少女は身を縮こまらせて、周囲を見回していった。手のひらの埃を払うことなく、眼鏡のずれを直していった。  ピンで留めた髪に埃が付いてしまう。気づいてもいない。 「ま……、負けるもんかっ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  だいぶ僕の文体になってしまっているので、一行ずつ対比させて詳細分析を行っても、あまり意味はないかも。  変更点を最小にして、2号の文章に似せてゆくのは手間がかかるもんで。  全体の流れで、おおまかに見ること。  すっ飛ばされている部分と、足している部分と。なにを飛ばしたことでどういう効果が現れているのか。なにを足したことでどういう効果が出ているのか。  足されも引かれもしていないで、ただ変わっているところだけは、詳細分析に回してもいいかもしれない。 ○桜庭さん >投稿用の小説  うん? 電撃大賞の投稿用の小説、短編だったんですか?  本気で応募するなら、長編にしておいたほうがいいと思うけど。  連作でもない一本きりの短編を送って、それで賞を取った人はいるけど……。その後にプロ活動をしている人は、たしかいなかったはず。  ――と思って、裏を取るためにすこし調べてみると。  第一回のときには、短編の受賞作は一冊にまとめて短編集として出てますね。そのなかで、一人だけ、生き残ってます。  第二回以降では、投稿時には短編で受賞したが、出版時には大幅に増量されて長編となったケースがある模様。  これは短編で送ると不利とかそういうことではなくって、本気でやっていて、なおかつデビューしてくるような人は、電撃大賞には長編を送っている――ということを示した現象だと思っています。  短編で生きてゆくつもりなら短編専門の賞として、電撃hp短編賞ってのがありますよね。  電撃大賞は事実上、長編専門の賞であるわけです。  そりゃ、一応は、短編も受け付けてはいるけど……。  よほどの覚悟と考えとがあって短編を送りつけるでなければ、端から無意味だと思いますよ。すくなくとも「短編のほうが早く簡単に書けるから=ローコストだから」とかいう理由で短編を送るのだったら、やるだけ無駄ってもんでしょう。  ――で、その短編ですが。ちゃんとストーリーはあるのですか? 短編一個の分量をまるまる使って、また「一発ネタ」をやってたりしませんか?  桜庭さんのHP、覗きに行ってみたら……。長編一本を使って一発ネタをやっているものを見つけちゃったしなぁ。  べつに僕が心配するこっちゃないのですけど。 >駆け引きメインの話  それをメインとして「話」をするのは、無理ってものでしょう。  一シーンとしてなら成立します。狐と狸の化かし合いだとか、胆力と胆力とのガチンコ勝負だとか、そういった駆け引きの妙を「シーン」の売りとして見せることは、商業小説でもよくありますし。  これは長編の中とかで、すでにキャラに感情移入できている状態であるから成立するのですね。しかしどこの誰とも分からん連中が「駆け引き」だけやっているのでは、愉しめるはずがありません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7468 投稿日 2004年1月21日(水)02時34分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >誤字とか  7449に誤字は、もうありません。 >根本的なこととか  「夢見ぬ少女」は「主人公が予想以上の罠にびっくりする話」で、できているはず。だから国枝は救われもしないし、破滅もしない。国枝の設定を、こんな風にする必要もなかった。単純な敵を置かなかったという点で間違えている。  つまりまともな小説じゃなかったわけです。ああ……進歩してないなぁ。  そんじゃーお前、本当はどっちが書きたいの? 百目の話か、国枝の話か。  国枝の話が書きたかった。  でも締め切り内に、完成させる自信がなかった。だから逃げたんです。 >国枝の頭の中とか 1「自分がなんのために存在しているのかわからない」と「やりたいことが見つからない」とか、「生き甲斐が見つからない」がくっついている場合と、   2「自分がなんのために存在しているのかわからない」だけの場合があります。   ○2  僕の悩みだったもの。  「自分がなんのために存在しているかわからない」そう、わかるわけがない。だから考えないようにする。それが答え。  「自分がなんのために存在しているかわからない」これは、生き甲斐がある人でも、持ちうる悩みです。 ○1  しかし、普通「自分がなんのために存在しているのかわからない」そんなことを考えるのは、生きるのが辛い人です。  「やりたいことが見つからない」のは、人生の不満。  「生き甲斐が見つからない」のも、人生の不満。  人生の不満を消せば良い。それが解決です。  「やりたいこと」や「生き甲斐」を見つける話にすれば良い。    でも、やりたいことを持っていても、「なんのために自分が存在するか」は、解決しない。  しかし、「やりたいこと」や「生き甲斐」を見つけた人は、「自分がなんのために存在しているのか」に対する対応も見つける。  そういうことは、気にしなくてもいい。気にする必要もないということに、気づく。そして気にしなくなる。    それでも固執する人間が2になる。    国枝の場合は2が当てはまります。  「夢見ぬ少女」で国枝は変化しないので、最初から最終状態の諦めている状態です。国枝を変化させるなら、初期状態を変えるべき。    「世界の存在する理由を宗教に求めていた主人公が、その宗教の嘘を知り、世界の存在する理由を探すことの無意味さに気づく話」  とか。そんなん。    ですから読者には、考えるだけ無意味だよーと答える。  書くのなら1の方が良いでしょう。一般的だし。2は特殊過ぎる……。(じゃあやるなよ)(……すんません) >冒頭を読んで。  久々に読んだら、うわ、だめだこれ。とか思ったり。  国枝律子っていう女子学生が、図書室で、夢本とかいう本と会話をする。会話の内容は、わけわからんので無視。最後に国枝が夢本を利用する、とか言ってるのはわかった。  そんなけ……。だめだこりゃ。 >図書室  時間は放課後。教室の約五倍で、一階にある。中央をつらぬく通路がある。カバン置き場とカウンターがある。入り口付近には雑誌や新聞を読む学生が十人、笑顔でいる。真ん中、左は机が沢山ある自習スペース。右は本棚。左には勉強中の学生が十人いる。奥には本棚が沢山ある。人はいない。本棚の間が狭い。寒く、暗く、静か。本がうっすらと埃をかぶっている。 -------------------------------------------------------------------------------- トリビアを一つ No.7469 投稿日 2004年1月21日(水)02時53分 投稿者 弟切 千隼  先日、雪が降ったのを見て、思い出したことがあります。  よく知られた日本の民話に『雪女』がありますね。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が小説化したことで有名になりました。大雪の晩に、二人の男が小屋に泊まったところ、妖怪雪女が現われ、一人の男は雪女に凍死させられて……というお話です。  大雪の印象から、この民話は東北か北陸あたりが舞台だろうと思われています。弟切もてっきりそうだと思い込んでいました。  ところが、これは現在の東京都八王子市を舞台にしているのだそうです。この民話が成立した頃は、東京もずいぶん寒かったのですね。 >「メイド」書き直し(課題部屋のNo.750)  二つのミスがあることは、わかりました。 「桐子が歩いているなら見えないはずのことを見ている」のと、「日常的であるために桐子が意識しないはずのことを意識している」のと、二つですね。  この二つに留意して、書き直します。 津荒さんへ >  No.7455で書かれた、妖怪の位置付けについて突っ込みます。  気になったことは、二つあります。  一つは、百目が妖怪らしく見えないことです。ただの超能力者にしか見えません。  今のままですと、百目は、「妖怪を倒せる超能力を持った人間」であっても全くかまわないように見えます。なぜなら、百目のやっていることが、どれもこれも「人間っぽい」からです。  百目は、真昼にスーツを着て街中を歩きます。妖怪が真昼の太陽を浴び続けて、つらくないのでしょうか?   スーツを着ているということは、形も人間型のはずですね。でも、彼はもともと人間型ではなく、目玉の形をした妖怪だと書かれています。長時間、人間型に化け続けたら、負担が大きすぎませんか?   百目は、妖怪管理事務所に連絡するのに電話を使っています。これでは、普通の人間がどこかのお役所に問い合わせているみたいです。  『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する「妖怪ポスト」のような小道具を使えば、妖怪らしさを出せて面白ポイントになるところでしょうに。  情報収集にパソコンを使っているのも、まるで普通の人間と同じで、面白くありません。普通の人間が会社で仕事をしているみたいで、興ざめです。  いえ、電話やパソコンといった文明の利器を使わせるな、と言っているのではありませんよ。現代風の面白さを出すために、そういうものを使わせるのはありです。  ただ、あまりにも「普通の人間そっくり」に使わせているために、百目自身が「普通の人間」に見えてしまいます。  もう一つ、気になったのは、妖怪の存在を人間に知らせてはいけないにもかかわらず、百目が堂々とし過ぎていることです。  彼は、一生、周囲の人間に隠し通さなければならない秘密を抱えているのですよね? ならば、「いつその秘密がばれるかも知れない」と、もっとびくびくしているのが普通ではありませんか?  少なくとも、彼は普段のどんな行動にも、細心の注意を払うはずです。いつどこで誰に「妖怪っぽい」言動を目撃されるかわかりませんから。  百目が気づかない目撃者がいたとすれば、その人間の記憶を改変する暇がありません。そのために人間界に妖怪の存在が明らかにされてしまうのは、百目にとって最も避けたい事態でしょう。 >No.7463の図書室説明  誤字というより、表現の間違いを見つけました。  これは、津荒さん御自身では、まったく気づかないタイプの間違いではないでしょうか。そう感じましたので、場所と「なぜ意味が通じないか?」を指摘しておきます。 以下↓が、当の間違いのある文です。 >>図書館は教室の約五倍で、三つに分かれている。  約五倍というのは、何が五倍になっているのでしょうか? 何も書いていないため、読み手にはわかりません。 -------------------------------------------------------------------------------- ものもらい No.7470 投稿日 2004年1月21日(水)04時06分 投稿者 名無し君2号  物ならいくらでももらいたいが、あいにくまぶたに腫れものができるほうの『ものもらい』になる。おありがとうござーい。  あうう、うっとうしい。目のなかがゴロゴロする……。 >カリオストロの城 >>んで、あとカリ城のほう。 >>最後の一歩、はよ詰めてこい。  じつをいえば、こちらのほうが腰が重たい。  ジグソーパズルを解くとき、普通は四隅、角の部分のパーツを探すものだと思う。いわば組み立てるためのとっかかり。  『それを』見つけてしまえば早いし、楽しくもなってくるのだけど、見つかるまでがなんとも辛い。ひろいあげては捨て、ひろいあげては捨て……。  考察もそれに似ている。と思う。小説も似ている――私にとってはだけど。  いちじゅうつんでは父のため〜、ふたじゅうつんでは母のため〜。  言い訳をしていてもしかたないので、さっさと始めることにする。  いままでの考察から、ルパンが『解放者』であるところまでは辿りついた。  さて、それではルパンは『なに』を解放したのか?  まずはルパンが解放したのではないかな、と思われるものを具体的にあげてみる。ルパンが来たことで変化したものですね。 ・クラリス  ルパンのおかげで自由の身になりました。 ・水没遺跡  ルパンのおかげで日の目を見ることができました。 ・カリオストロ公国  偽札を作っていた悪の国家でした。ルパン通過後は古代ローマ遺跡のある観光都市へと早変わりです。 ・カリオストロ伯爵  死というかたちでの解放ですが。権力への妄執から解放された……はちょっとこじつけか。  とりあえずはこんなところかと思う。まあ伯爵はともかくとして。  解放というのは自由になることなのだから、なんらかの束縛から解きはなたれなくてはならない。  クラリスとはなんなのか。幽閉されたお姫さま。カゴのなかの鳥。  水没遺跡とはなにか。大切に隠された古代からの遺産。  公国は? 伝承によって呪われていた、のどかな景色と遺跡を持つ国。  共通項は『宝』なのだと見た。ちょっと公国が微妙なのだけどー。  宝とは価値のあるもの。それは人によって違う――というのをあらわしているが伯爵の存在なのかもしれない。  ルパンは宝を解放するもの。お宝の解放者。宝箱から宝石を解きはなつ。  クラリスは公国の宿命から。  水没遺跡はその名のとおり、水のなかから。  公国は――ええと、これも宿命だな。  テーマは「価値あるものを束縛しないで」……になるのかな。  「価値あるものを見定めよう」のほうがしっくりくるけども。宝は見えにくいものだし、人によって違うけど、もしかしたらそれはすぐそばにあるのかもしれない――。遺跡なんかその上に住んでたんだしなあ。伯爵にはなんの価値もないものだけど。  こんなところでしょうか。  ちなみに今回のとっかかり、ジグソーパズルの四隅はルパンが解放した『もの』。最初は銭形とかクラリスの飼っていた犬とか思いついてなにがなんだか。 >短編  今回の話は、あらすじ、プロット、本文の順番で書いたものです。アップしたのはその使ったもので、中身はまったく変えていません。  話の大筋は変わっていない……というかほとんど変わっていない……のか?  ……。  あらすじとプロットは再アップします。 >倉庫と眼鏡っ娘  リライトの分析は明日にします。  しかしざざっと読んだだけでも……倉庫にいる気になれるってのがねぇ。  ――まだまだ遠い。これで描写レベル、えーと、普通の人が普通の状況だから、レベル1、最低のところですね。これぐらいはなんとかできないとなあ、いいかげん。  レス自体は2時間、されどカリオストロの考察には……うーん。6時間ぐらいかかったような。ああ目がかゆいイイィ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7471 投稿日 2004年1月21日(水)05時28分 投稿者 新木 伸 >津荒さん >時間がなかったから失敗した  充分な時間がなかったから失敗した――っていうのは、とっても万能で便利な言いわけでして。  この「充分な」ってところが肝心なところね。  なにをもってして「充分」であるか。そこんところをフレキシブルに変えてゆけば、いついかなる場合においても「充分な時間はなかった」と自分を納得させることができます。  限られた時間内で出来なかった奴が、時間が充分にあったとしたって、出来るはずがありません。  あれがいま現在の津荒さんの実力です。希望的観測を込めることで、自分自身の実力を見誤らないように。  たとえ1ヶ月あったとしても、あの程度のものしか書けません。  1年かけようと、同じことです。  国枝の話なのか、百目の話なのか、自分自身でもよくわかっていない、どっちつかずで中途半端なものが上がってくるに決まっています。  プロは時間がないときには、書けるものと書けないものとを見切ります。  15分でなにか食事を作らねばならないときには、サンドイッチかチャーハンか、まあそんなところ。6時間もかかるようなビーフシチューを作りはじめたりはしません。  ちなみにこの課題は、現在の実力を見るテストみたいなものでした。  15分しかないときに6時間もかかるビーフシチューを作り始めてしまった人――ということも、すべて含めて、津荒さんの現在の実力ということで。 (ついでにいうと、たぶん6時間かけてもビーフシチューは完成していなかったでしょう)  それで、そろそろ本来の目的に戻ります。  ざっと見たところ、いろいろ足りないのは明らかなのですが、とりあえず判明していることは、話の筋を構成してゆく力がだいぶ弱いのと、あと、各シーンにおいて具体的な文章(描写)する力がほとんど皆無であることでしょうか。  いまの話のことはすっぱりと忘れて、ふたつ見つかった大きな欠点の改善をはじめるか――。  それとも、まあ乗りかかった船ともいいますし、この「夢見ぬ少女」の話の検討をもうすこし続けて、「どういう形であれば良かったのか」という解答を出してみますか? >自己の存在理由  まあ個人ごとの解があるものだと、そう前置きした上で――。  僕個人の解としては、そんなことを考えるのは暇な人間だというもの。  生存の危機であるとか、崖っぷちに立たされている人間に、「自分はなぜ生きているのだろう」なんて思う余裕があるはずないです。考えることといえば、「明日のご飯をどうしようか」とかのはずです。  衣食住が足りていて、持て余すほどの考える時間があって(それこそ腐るほど)、他に心を悩ます問題が特にないような人間だけの贅沢品みたいなものでしょう。その悩みは。  現に国枝という少女も、「生きてゆく」というただそれだけのことには、なんの困難も抱えていません。なんてこともなく生きていけてしまうので、「なぜ自分は生きているのだろう」と考えたりするわけですね。  ――で、僕だったら、「自分はどうして生きているのか」という贅沢な悩みを抱える少女に変化を与えるのなら、ぬるま湯に浸ったような現代生活の中から追い立ててみますかね。  明日、自分が生きていられるかどうかさえわからない。――という状況の中に放りこんでみます。  クラスメートの男の子と二人して、タイムスリップして恐竜時代に転移。  文明と隔絶された未開世界で、二人っきりのサバイバル――でもさせてみるかなぁ。  自分が倦んでいた「日常」から遠く引き離されて、そのかけがえのなさにはじめて気づくとか、そんなような話。  物語というのは、どんな状況でも作り出せてしまえるというのが、よいところ。 >冒頭を読み直してみて  だめだとわかりましたか。  弟切などが、「国枝が冷静すぎる」とか指摘していたわけですが――。  弟切は「読んだままのもの」に対してコメントしていて。→「冷静すぎるんじゃない?」  津荒さんは「自分が書いたつもりのもの」を元にコメントしていて。→「いや、そんなことはありません」  これでは話が永久に平行線となってしまうのは、わかりますよね?  分室では、あくまでも「書いてある現物」をもとに話をすることになっています。  たまに「そもそもどんなものを書くつもりだったのか」ということも話題にのぼりますが、それは修正プランを考えるときのため。  読者が、作者の頭の中を覗けるわけもなし。  実際に現物として提示された「小説」しか読めないわけです。  この流儀に早めに慣れること。なにか反論する前には、まず、自分の書いたものをもういっぺん読み直してみること。自分の主張することが、ちゃんと文章の上にも存在しているのか確認すること。  ちなみにあの冒頭部分で、書かなければならなかったのは、以下のようなことです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・いかにも怪しげな本がありそうな、薄気味悪い図書室の奥。 ・一人の女子高生が、何気なく本を探している。 ・棚に置かれていた本の妖怪が、少女の心にだけ聞こえる声で呼びかけてくる。 ・妖怪は本を手に取った人間に「幻」を見せて白昼夢に引きずりこむ。その白昼夢はその人間が心に望むままの幸せを描き出したものであるので、普通の人間であれば虜になってしまうようなもの。 ・少女には心に望む「幸せ」というものがない人間であった。よって妖怪の描き出す幻はなんら効力を発揮しなかった。 ・さらに少女は非常に「剛胆」でもあった。 ・よって少女は、その本が妖怪であることに気づいていても、パニックになることはなかった。 ・妖怪を利用することに決める少女。妖怪を利用することで可能となる「計画」を思いついたらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし、実際に書いてあったのは、たった、これだけ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・図書室を歩いている少女。 ・奇妙な声が話しかけてくる。それは一冊の本からのものだった。 ・本を手に取って読みはじめる少女。しばらくして、本をなにかに利用することに決める。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >図書室の様子 >>時間は放課後。教室の約五倍で、一階にある。中央をつらぬく通路がある。カバン置き場とカウンターがある。入り口付近には雑誌や新聞を読む学生が十人、笑顔でいる。真ん中、左は机が沢山ある自習スペース。右は本棚。左には勉強中の学生が十人いる。  このあたりの部分って、実際の小説の中には出てきてないですよね。  国枝が図書室の棚の間を歩いているところから始まっていますし。  図書室の情報のうち、この入口付近の様子が重要であるというのなら、国枝が入口付近を通ってくるようなシーンがなければならないのでは?  どちらが間違っているのですか?  国枝が入口付近を通るシーンを書いていなかったことが間違いなのか。  それとも図書室の情報の抜粋の仕方が間違っていた? 決して削れない重要な情報として「入口付近のこと」を挙げてきたことが間違いであるとか。 >誤字とか  絶対にない、と言い切るのなら、まあそういうことにしておきましょうか。  いまのその「絶対にない」と確信したときの感覚を覚えておくように。  またこれまでの「ないと思っていたがじつはあった」ときの「偽の確信」の感覚も覚えておくように。  そういうことを何度も繰りかえしているうちに、確信していいときと、まだ確信するのが早いときと、自分でわかるようになります。  確信の手応えっていうのかな。  話を練り込んでゆくときにも応用可能です。どこまで考えれば充分で、書き出すに足りるところまできているのか。  アマチュアの場合、「もう充分」という判断が早すぎて、甘すぎるのですね。まだまだ全然考え足らなくて、書き出すには早すぎるところで「漏らして」しまう。 >妖怪とか  弟切が指摘してますが。  妖怪の位置付けだとか。  人間社会に混じっている妖怪という存在の考証だとか。  その前に、そもそもなぜ妖怪でなければならないのか――てなことがあったりしますね。  百目が「カンフーの達人」や「超能力者」や「引退した元傭兵」とかではだめで、妖怪でなければならない理由は? >2号  はい。OK。  ルパンは「解放者」。  泥棒というのは「お宝を解放する者」。  そして作品のテーマは、「閉じこめられたお宝は、解き放ってやらねばならない」。 >倉庫のリライト  うーん。いま僕の中の仮想読者に読ませてみたけど。  その仮想読者の脳裏に浮かぶ光景と、書いているときの僕の脳裏に存在している光景と――。基本的に違っちゃいないのだが、精細度がまるで違う。  僕が脳裏に浮かべていたイメージと比べると、せいぜい半分ぐらいしか伝わっちゃいない。  積もった埃ひとつとっても、その質感だとか。空気の匂いだとか。  地面に置かれた書物の数だとかも変わってるし(もうちょい多いのだ。俺の頭の中にある光景では)。  まるでウロコでもはめた目で世界を眺めているかのよう。  自分の脳裏に浮かべたものと100パーセント同じものを読者の脳裏に描き出すことが理想であるのは、いうまでもない。  50パーセントにも達していない現状は大いに不満だけども、まあ、俺の現状の実力じゃ、こんなもんだろ。いくら時間をかけたところで、ここからたいして上がりはしない。  もう10年ぐらい修行を積んだら、いまよりはもうちっとマシなものが書けるようになっているに違いない。  で、2号のほう。  「優しい嘘」の冒頭だけちらりと見てみたが。  なんじゃ、ありゃ?  狭い車の室内に3人も詰め込まれている息苦しさだとか。フロントガラス越しに見る世界の、ブラウン管越しにでも映るような現実感の乏しさだとか。  「車内感」ってやつが、ぜんぜん、ないじゃんかよ。  今回の「倉庫感」のように、実力不足から充分に書けていないのではなくて、書こうともしていない。  ナメてんのか? それともサボってるのか?  やろうとしていて、実力不足から出来ていないのであれば我慢もできるし、リライトしてやろうかって気にもなるが。  やろうともしていないのは、どうにも我慢ならんのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- すれ違い、かん違い No.7472 投稿日 2004年1月21日(水)11時07分 投稿者 桜庭 優  課題の短編小説を書くために一時潜行しようと思いましたが、ちょっと書き込み。 >新木さん  あれ?自分が「短編小説を書く」と書いているのは、新木さんがNo.7452で、「2枚でも20枚でもいいから、もう一度『小説』を書いてこい」とおっしゃっていたので、それを書くという事です。  書き方がまずかったでしょうか? 「しばらく書き込めなくなる」と書いたので、そのあたりで誤解が生じてしまったのではないかと思います。 (「書き込めなくなる」といっても、2、3日〜1週間程度の事で、そんなに長い間は想定していなかったのですが)  もちろん、電撃大賞に出す予定の作品は、長編と決めています。  ……ちょっと考えたのですが、その電撃大賞に出す長編を、課題にしてしまうのはどうでしょうか?  まだ「書いていない」といってもいい状態なので、アイディア出しのところから、プロットを経て、実際に書き上げて、推敲のところまで、ここ(の課題部屋)でやってしまうというのはどうでしょうか?  ここでやるのがまずければ、メールのやり取りか、メッセンジャーか、自分のWebサイトにも掲示板がありますので、そこでやるとか。 「甘えるな」と言われれば、そのとおりなのですが、賞を獲るためにはなんでも利用したいですし、なりふりかまってられないので。  駄目なら駄目でかまいませんが、そのあたりの見解をお願いいたします。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- >桜庭さん No.7473 投稿日 2004年1月21日(水)19時12分 投稿者 新木 伸 >桜庭さん  ああ、いま書いている短編というのは、課題用でしたか。  賞への応募用と思ってしまったのは、こちらの早とちりでした。  んで、前から何度か言っていることなんですが。  僕は個々の書いてくる作品の一本一本に対しては、たいして興味がないんですよね。その作品を完成させるのは、各自の領分なわけですし。  それらの作品は、その人が「書きたい話」であって、僕が「書きたい話」ではないわけですし。  僕が興味を持ち、この場所でやっていることは、商業レベルの作品を定常的に仕上げられる腕を備えた職人を鍛えあげるというものです。  自分の書きたい(書かねばならない)話を、まったくの無から創り出して、きちんと読めるものに仕上げることができて、プロ水準で対価を受け取るに値する作品として、定常的に世の中に送り出せる人材。その育成。  もちろん、本を世に送り出すには、イラストや編集や校正や印刷所や流通の人の手を借りなければならないわけです。しかしその手前にある「原稿を仕上げる」部分までは、自分の手だけで行えるようでないと、他のきちんと仕事している人に申し訳ないでしょう。  印刷や流通のことなんて、作家は知らないし、やれと言われたってできないものだし。  せめて原稿ぐらい、自分の手で完成させないと。  んで、そのように「一人歩きできる作家」を育てることが目的の場所で、「一人じゃ作れないから手伝ってくれないか」と持ちかけてくるのでは、この場所の趣旨を理解しているのかどうか疑問に思えてきます。 (構成段階から執筆、推敲段階まで手伝っているケースもあります。それは一度「正しい手順」で作らせてみることによって、二度目以降には、同じことを一人でできるようにするという狙いがあってのこと)  そもそも、いま桜庭さんにやってもらっているのは、単なる「体力測定」ですよ。  ジムに来はじめてトレーニングをはじめるにあたって、現在の体力を測定しようとしているところです。  津荒さんはきちんと計れてデータが取れましたが、桜庭さんは測定器の使いかたを勘違いしていて結果が読み取れなかったので、もういちど測定し直そうとしているところです。  測定の結果次第では、「長編を書くのはまだ当分早い」なんていう結果が出てくるかもしれません。  自分の現在の力量を見誤っていませんか?  あと一押しが貰えたならすぐにでも通用するような「水準」=「セミプロ」に自分がいるだとか。なんだとか。  桜庭さんには、以前から何度も言っていますけど。  自分を「一角の人物」であると思いたいのは勝手ですが、自分の力量を見誤ることは上達の妨げとなることなので、この分室では、まず真っ先に打ち砕かれますよ――って。  正しく測定された「自分の現在の力量」から目を背けずに、正視するだけの勇気が必要です。  ところで――。  なにか4月の締め切りが気になっているようですが。  とりあえず応募用の長編を仕上げて、焦る理由を消しておいてから、あらためてトレーニングを開始するようにでもしますか?  こちらは特に急ぎませんし。  まあ僕は不定期に行方不明になるもので、桜庭さんの準備が出来たときに、すぐお相手できるかどうかの保証はしかねますが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7474 投稿日 2004年1月21日(水)22時18分 投稿者 新木 伸 >津荒さん  悩みごとだとか。  ある悩みを「そんなたいしたこっちゃねーよ」と簡単に片づけてしまうのは、おっさん特有の感性の擦り切れってもんです。  まあ、あまり深く考えこんだり、ショックを受けたりしないように。「大人はわかってくれねーよ」とか、やさぐれたりもしないように。  僕としてはあまり実感がないのですが、どうやら僕は、津荒さんの倍ぐらい生きているようです。  実感の持てそうな説明をすると、津荒さんの現在の年齢(18歳)に、さらに、それまで生きてきた時間(18年)を足し加えたぐらいでしょうか。  「昔、なに悩んでいたっけかな、俺」――とか、そんなふうに思ってしまうぐらい。  そうした悩みが、自分にとってリアルな悩みであるうちでないと、書けない作品ってものもあります。  その手の問題に、いまはまだ解答は出せないでしょう。そして解答が出せるようになったら、もうその問題は「たいしたことじゃない」と片づけられるようなことになっていて、もはやリアルなものではなくなっています。  いまの僕が、そう片づけてしまっているようにね。  悩みの答えが見つからないままのあいだしか書けないものを、いまのうちに書いておくように。  答えは見つからなくても、「解答がこうであったらいい」というの「願い」としてなら持てるはず。  その「こうであったらいい」というものを、作中では「答え」として書いてゆけばいいのです。 >作品の「主」の話  作品の「主」という分室用語があります。  「主」とは、その作品のメインとなっているもの。必ずしも「人」とはならず、主人公であったり、世界設定であったり、メカだったりします。  たとえばアニメのガンダムシリーズの「主」となるのは、アムロやキラといった主役ではなく、メカである「ガンダム」のほうです。  津荒さんの今回の作品の場合。  百目の話なのか、国枝の話なのかで、いま混乱してますよね。  こちらには最初から、何の話であるのかわかっていました。  津荒さんが自覚しているかどうかはわかりませんが、きちんと明記されています。  タイトルのところに。  「夢見ぬ少女」というのが、この話のタイトルですよね。  だからこの話は、国枝の話であるわけです。  これがもし百目の話であるなら、「妖怪探偵百目」――とか、なにかそんなようなタイトルが付いているはずです。  でもあの作品に、そんなタイトルがついていたのでは、なにかヘンだということは――感覚として一発でわかりますよね?  タイトル=ラベルです。瓶に貼ってあるラベルみたいなもの。  内容物を見分けてラベルを貼るという行為は、人間の生存活動には大切なことであるらしく、太古の昔から行われてきました。現代社会で生活を送るなら、誰でも幼少期から知らず知らずのうちに訓練されてきています。  なので誰でも、ラベルと内容とがズレていたら、「おかしい」と感じる感性を備えています。ケチャップのチューブに「マヨネーズ」と書かれていたら、誰でも「違う」とわかるわけです。  その話がなんの話なのか――ということに迷ったら、自分が作品に貼り付けた「ラベル=タイトル」から、逆に、考え直してみるとよいでしょう。 >2号 >仮想読者の脳裏に浮かぶ光景 >>いま僕の中の仮想読者に読ませてみたけど。 >>その仮想読者の脳裏に浮かぶ光景と、書いているときの僕の脳裏に存在している光景と――。基本的に違っちゃいないのだが、精細度がまるで違う。  このへん、補足してみる。  これはどういうことを言っているのか。  普通は、自分の書いたものが、読み手にどう受け取られるのかというのは、わからないわけだよな。  しかし見れてしまうわけだよ。  自分の書いたものを読んだ読者が、どのようなイメージを頭に浮かべるのか。どう理解したのか。それらすべてを、あたかもテレパシーで頭の中を覗いたかのように、直接的に観察することが可能なのね。  目の前に本物の読者を置いて、実際に読んでもらって、そして感想を聞いてみたり、どう受け取ったのかを詳細に聞き出したり――そういうことを行ったとしても、相手のコミュニケーション能力によっては、感じたものを充分に把握できないこともある。  そういう不完全さはまるでない。  相手が感じたそのままを、「言葉で伝える」なんて過程をすっ飛ばして、ダイレクトに読み取っているようなものだ。  なにせ、脳内に棲みつかせてる仮想読者なもんだから。可能なわけ。  2号なりに見せているリライト文は、そうした過程をすでに数回は通してきた「結果」なのね。なにもいきなり書いて、あれがでてきているわけではない。  エディタで書き出すまえに、頭の中で書き上げた「初稿」を見せ、仮想読者の反応を見て修正して、また見せて、また修正して、また見せて――と、何度も繰りかえしたあとのものなわけね。  「イメージ伝達度」が50パーセントから上がらない――と言っているのは、べつに適当に数字を言っているのではなくて、実際に確かめてのこと。  何度書き直してリトライしてみても、そこで頭打ちになってしまうもので、そのへんが現状としての限界点だと言っている。  執筆作業の各段階を、細かく解説してみる。  まず、実際に文章を書き出すまえの作業として――。  1.  自分の頭の中に、書こうとしているその「シーン」を構築する。  埃っぽい倉庫。人気のない室内。そこに視点カメラを置いて、ドアが開いて少女が入ってくる。  そういった時間的連続を持った一連のシーンを、映像的な視覚情報だけでなくて、聴覚、嗅覚、触覚、温感、冷感――すべてを備えて、手で触れることも匂いを嗅ぐこともできるようなところまで構築するわけだ。  2.  イメージが完全にできあがってから、はじめて実際の執筆作業に入る。  その光景、そこにある空間を、どう文章として写し取ってゆくのか。そのことだけに集中する。  いま自分の観ている質感まで備えたそのリアルな光景を、言葉という「荒っぽいもの」に変換するわけだ。  ハイビジョン画像の精細映像を安物のテレビで映してみるような、そんな無力感とか敗北感とかに毎回打ちのめされるのだが。なんとか頑張って「言葉」によってイメージを写し取ってゆこうとする。  それを読んだ読者の脳裏に、自分の感じている「質感」まで再生されたなら、それは成功であるといえる。  漫画など。単なる線の寄せ集めでしかない「絵」によって、物体やら動きやら、美少女やらを伝えることが可能なのだ。  映画など。1秒間に24コマしかない荒っぽいぶつ切りのコマの寄せ集めで、動きを表現することが可能なのだ。  ならば言葉によっても、同じことができないはずがない。――と信念をもって、執筆作業に没頭する。  「無理だよ」と思ったら端から無理なので、「可能だ」と信じて書く。  3.  とりあえず書いてみたら、意識を切り替えて、また次のステップに入る。  上で説明したように、それを仮想読者に読んでもらうわけだな。  そして仮想読者の脳裏を覗いて、自分の脳裏にあるシーンと比較する。初稿あたりの文章じゃ、仮想読者の脳裏に再生されるのは、たいていは安っぽいオモチャみたいなシーンでしかない。出来の悪い3D映像みたいな感じだわな。  一発でバッチリなものが出せない才能のなさにため息をつきながらも(毎度のことだが)、気を取り直して改稿にかかる。勘で修正して、もうちょいとリアルなイメージが再生されるような文章に直してみる。  そうして、書いては見せて、また修正してと、2と3とを何度も繰りかえす。数えちゃいないが、まあ5、6回はやっているのではないかと思われる。  ちなみにノッているときには、すべての文章が一発で決まって仮想読者からのOKが出てくれる。ていうか、その状態になると仮想読者に読ませること自体「無駄」となるので、仮想読者は消しておく。この状態の俺様は神様状態であるので、仮想読者のチェックなど無用だ。神様は間違ったりしない。  しかしノッているときを基準にしてもはじまらない。平常時の執筆作業としては、こんなところ。  仕事で執筆するときには、もうすこし修正の回数が多くなって、10回くらい仮想読者に見せている。さらに同一の仮想読者に見せるだけでなく、複数の違う感性を持った仮想読者に同時に見せる。  すると色々と手間が増えてしまうので、だいたい1時間に2ページというペースにまで落ちる。原稿用紙でいえば、これは1時間に3枚というところ。  4.  そして完成。  最後の最後に「推敲」をやって、語尾、リズム、表記の微細な修正をする。「推敲」というのは、あくまで完成後に行う作業なのだ。大きく手直してしているようでは、それは「推敲」とはいわない。  仕事の執筆であれば、このへんは入校後の著者校に回してしまうところ。  そしてアップ。  カットアンドペーストで貼り付けて、書き込みボタンを押すだけ。最近はプレビュー機能がついたから、いちおう、もういっかい読んでみる。だがたいていはどこも直さないでそのまんま「YES」ボタンを押すだけ。  ここで何度も繰りかえしている部分――。  仮想読者に見せるという作業は、段落二つ三つで、ひと塊となったブロックごとに行っている。  ブロックひとつを仕上げて次に取りかかるまでに、だいたい1〜2分といったところ。全体を15分でやっていたから、まあそんなもん。  ちなみにあのリライト文などは、単なるサンプルでしかないので、色々と手を抜いていることになる。だからそれだけ早くなる。  ペースとしては、1時間に12枚。文庫本にして6ページ程度。仕事用を書くときの4倍ぐらいになる。  これは1000字日課なら、15分かからない計算ね。  実際のところ、単一仮想読者で5回の修正でも、複数仮想読者で10回の修正でも、出てくる結果にたいした違いはないのだが。もうちょい手を抜けば、執筆中の速度は4倍ぐらいになるのだろうが。  しかし「金を取るものだ」という意識があると、どうにも手抜きのできない性分なもんで。(自分をそう訓練して、しつけてきたってのもあるが)  また、自分が必要と思うだけ手間を掛けていても、いちおう食っていけているという幸せな状況もある。  ちなみに各ブロックの区切り位置は、例のリライト文でいうなら、こんなところ。 ・少女登場以前。誰もいない部屋。 ・少女登場。ドアを開けて立ち尽くしている少女。 ・蛍光灯をつける少女。 ・歩き始める少女。 ・足音を気にしている少女。 ・ネズミと対面。 ・爽快感に浸って、転びかけるまで。 ・転びかけたところから、立ち直るまで。  あそこ、原稿用紙3枚分で1200字あって、8ブロックあるから――。  1ブロックは平均150字ってところか。  2分間のうちに、150字を5回は書いて、5回は読者に見せ、5回は意見を聞いているということ。  実際に手を動かして書いていたら、2分で150字を5回書くなんて無理だし、誰かに読ませて意見を聞くなんてもっと無理だし……。  頭の中だけでやっているから、2分間のうちに、高速にやれてしまうわけね。  プロだから凄いものが書けるわけではないのだ。  いや、あのリライトが凄いかどうかはわからんけど。アマチュア基準でいえば凄いかもしれないけど。プロ基準でいえば平均のちょっと下ってところだろう。あまり胸は張れないけど、あまり卑下しなくてもいいという、その程度だろう。  まあ「凄い」とか言わず、「読めるもの」と言い換えておこうか。  プロだから「読めるもの」が自動的に出てくるというわけではない。  やるべきことをやっているから、読めるものになる。ただそれだけのことだ。  プロだって、必要な手間を省いたりしたら、読めたものにはならない。  ただ、どんな手間が必要であるのか熟知しているし、手間を省かない癖を習慣レベルでその身に染みこませているから、手抜きのものを出してしまうことは、そうそうないわけだが。  ――で、おまえの場合は、どうやって書いているわけ?  どうも、見てみるかぎりでは、俺が5〜10回は繰りかえしている「比較と修正」とをやってきていないようなんだよな。  「倉庫の眼鏡っ娘」のほうは、ちょうど、俺が仮想読者に最初に見せている「初稿」を、すこし荒くしたような感じだ。俺がいちばん最初の下書きとして書いているものと、それほど変わらない。  あの倉庫のシーンに関する限り、俺の書いたものと、おまえの書いたものとの違いは、5〜10回の反映修正作業を経てきているかどうかの違いだけだ。  探偵の車内のシーンは、あれ、論外。  質的にまるで違う。どんな方法で書かれたのやら、見当もつかん。すくなくとも「脳裏のイメージを写し取る」という手法で書かれたものではないだろう。  ひょっとして、あれか?  はじめはイメージが白紙に近い状態のままで書きはじめて、言葉を書き連ねてゆくうちに、そのシーンのイメージをだんだんと固めてゆくだとか、そんなことやってる?  もしそうだとしたら、それは小説を書いている、とは言わん。  「小説ごっこ」をしているだけだ。おままごとをしているだけね。形だけマネてるだけの遊びだ。 >追記 >>いま僕の中の仮想読者に読ませてみたけど。 >>その仮想読者の脳裏に浮かぶ光景と、書いているときの僕の脳裏に存在している光景と――。基本的に違っちゃいないのだが、精細度がまるで違う。  この自己引用してきた原文の、そもそもの意味は、「昨夜使っていた仮想読者と、別の仮想読者を引っ張り出してきて読ませてみたら、イメージ伝達度が50%という低い水準にあると報告してきた。昨夜の仮想読者は、もうちょい高い数値を報告していたのだが」てなこと。  しかし、そんな話をいきなり持ち出すまえに、そもそも僕の書きかたとして、「仮想読者に読ませて何度も修正を行っている」ということを伝えておかねばならないことに気づいたわけね。  僕がそういう書きかたをしていることは、2号には前に話してあるはずだが――。  だが書いてあるからといって、理解して、共通認識として持っているか保証の限りではない。確認しないと。てか、理解してないとみたほうがいいんだろうなぁ。  みやびさんあたりなら、もはや確認不要なのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7475 投稿日 2004年1月21日(水)22時45分 投稿者 津荒夕介 ○弟切さんへ >妖怪らしく  妖怪を出すのなら、妖怪であるということを、気にしろということですね。 1 百目の考え方が妖怪らしくない。確かにそうです。すんません。 2 百目が化け続けるのが辛いとか。  百目は人間の体、眼窩に入っています。眼窩に入って、人間の脳をあやつっています。人間の体を動かしているのは、人間の体。百目は疲れません。ので、ずっと入っていても大丈夫です。でも書いてないので、だめだめです。  ところで妖怪って太陽の光を浴び続けると、辛くなるんですか?  しらなかった……。とりあえず、この話ではそういうことはありません。下調べがなってない、ということですね。 3 電話とか。  言われるまで気づきませんでした。わかりました。 4 百目が堂々としている。  百目はどれだけでも人間を演じることができます。ですから堂々としています。  例えば百目が狸で、化けていられる時間が限られている。……とかだと、大変だろうと思いますが。  これは2を書いておけば、解決される問題ですね。2を書いていなかったので、だめなんですが。   >図書室とか  ほんとだ。わけわかんないっすね。  図書室の広さは、教室の約5倍である。  です。 ○新木さんへ >悩みとか  はい。わかりました。 >時間があったら……  あっても変わらないでしょうね。わかっています。  国枝の話を書いても失敗していました。もう、絶対。  僕は、自分が何を書こうとしたのか、混乱していないと思います。    僕は最初、国枝の話を書こうとしたんです。  が、絶対完成しない! と思って、百目の話に逃げました。しかし国枝の話を引きずっていて、どっちつかずの物になってしまった。    結果としては、百目の話を書こうとして失敗した。こんなんです。  これは、皆さんに指摘されてわかったことです。自分で気づいたわけではない。だから1年かけても、失敗したでしょう。 >これからのこと  構成力と、描写力がない。なんもないですね……。  先に、二つの大きな欠点を直したいです。  「夢見ぬ少女」はその後でやった方が良いかなぁ、と。  考え方とか、変わると思いますし。  よろしくおねがいします。 >冒頭とか。  わかりました。  しかしー……。ほんと駄目だなあ。 >図書室とか  「夢見ぬ少女」の方が間違っています。  書きたいのは、「放課後の図書室」。だから図書室の入り口から書かないと、だめなんです。 >妖怪とか  国枝を出したかった。というか彼女の価値観を持った人間を、敵にしたかった。  そのためには、夢本が必要になります。夢本の力は現実離れしてますので、異常な存在でなければいけない。  異常な存在を倒すのは、異常な存在に対抗する力がある者が必要になる。  百目は異常な存在に対抗できる者だったら、なんでも良いんです。妖怪じゃなくても、悪魔とかでも良かった。 -------------------------------------------------------------------------------- また風邪を引きました(;_;) No.7476 投稿日 2004年1月21日(水)23時04分 投稿者 弟切 千隼  今日、用があって東京へ出たら、弟切は人ごみの中で風邪をもらってしまったようです。夕方から熱が上がって、立っているのもつらい状態になりました。  とりあえず、今は薬を飲んで暖かくしています。モニタに向かっているとくらくらします(^^; 2号さんへ >  課題部屋にある「優しい嘘」を読みました。読んだのはあらすじと本文です。ただし、本文は前から三分の一くらいしか読んでいません。  このあらすじと本文について、指摘させていただきます。  まず、ヒロインの名前についてです。  あらすじを先に読んだら、ヒロインの名が「明日見」となっていました。なのに本文では「明日美」となっています。  どちらが正しいのでしょう?   この「明日見」さんだか「明日美」さんだかは、ヒロインと言いつつ、実は名前などどうでもいい雑魚キャラクターでしょうか?  次に、探偵事務所でのアルバイトについてです。  高校生が、深夜のアルバイトをするのはまずくありませんか?   特に、ヒロインは女子高校生ですよね。たとえ法律的な問題がクリアされているとしても、社会的な常識から言って、十代の女性に深夜労働をさせるなんて考えにくいです。  何より、可愛い孫娘に深夜労働をさせる祖父なんて考えられません。  孫を持っている人に訊くと、孫の可愛さというのは格別らしいです。「孫なら、目の中に入れても痛くない」とおっしゃる方が大勢います。普段はにこりともしないおじいさんが、孫の前では顔をくしゃくしゃにして笑う、などという話を聞きます。  本人が「やりたい」と言い張っても、孫を可愛がっている普通の祖父ならば、決して深夜労働など許さないでしょう。  そもそも、主人公がアルバイトをしている場面が、深夜でなければならない理由はありませんよね?   それから、ヒロインは探偵事務所のアルバイトに励んでしまったために、高校を留年したようですね。  孫娘を留年させてまで働かせる祖父というのも、現代日本では考えにくいです。  留年したのがアルバイトのせいでなかったとしても、学業のことを心配して、アルバイトを禁止するのが普通の祖父ではないでしょうか。  さらに、ラブホテル街で張り込みをしているヒロインが、高校の制服(*o*)を着ているのがおかしいです。  この場面で、弟切は笑ってしまいました。だって、浮気の証拠をつかむためにこっそり見張っているのに、わざわざ身分を明かす制服を着てゆくなんて、あり得ません。  ひょっとして、この小説はギャグなのでしょうか?  ギャグだとしたら、上に書いた弟切の指摘は忘れて下さい。女子高校生が深夜労働をしようが、孫娘を留年させて働かせる祖父がいようが、ギャグならば許されます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7477 投稿日 2004年1月22日(木)07時17分 投稿者 新木 伸 >2号  弟切の指摘は、あれ、いわゆる挑戦なわけで。  受けて立つべし。  普通の読者であれば「あれ? 変じゃん?」と感じるところを、代弁して追求しているわけだ。  祖父が孫娘に深夜労働をさせている件。  ラブホテル街に制服でいる件。  それがどうしても必要であることなら――。  まず必要である理由を納得させること。なぜ必要なのか。なぜそうでなければならないのか。  そうであった場合と、そうでなかった場合とではなにが違ってくるのかということを説明すれば、必要な理由を納得させられるはずだ。  あと、不自然なことを承知であえてやるのであれば、多少のことをねじ曲げてでも、それを通すための理屈付けが必要になるな。  ようは不自然でなくしてしまえばいいわけだ。弟切が指摘している以上、その手の仕掛けはまったく用意されていなかったか、あっても不充分だったのだろう。  どう直せばそのポケットを潰せるのか、その考察をするべし。  しかし読んでないからわからんが、なにやら高校生のヒロインが、祖父の命令によって、ラブホテル街で制服のまま、非人道的な労働に従事させられるという話らしいな。 >津荒さん  構成力と描写力の訓練ですね。  んじゃ、ひとつ修行メニューを考えましょうか。  ――んで、書くこととは別に、読むことも大切です。  そういえば津荒さんの場合は、まだ読書量を聞いていないのですが……。  たぶん、たいしたことないんだろうなぁ。  これから毎日、一冊ずつ、小説を読んでください。  んでもって、読んだら800字ほどのあらすじにまとめてくること。  なにを読むかは、フレキシブルに変更可能。  ライトノベル志望であれば、ライトノベルを中心に読むべきですが、まあ他のジャンルでもいいです。  また新しい本ばかりではなく、部屋に置いてあるすでに読んだ本でもかまいません。  一度読んだことのある本であっても、読後にあらすじを書かなきゃならないと思って読んでみれば、自然と分析する視点で読めるようになって、新しい視点による新しい発見があるでしょう。  また「小説を読む」と書きましたが、なんなら小説以外のものでもかまいません。  漫画の単行本なら3冊。映画なら2時間のものを1本。30分のアニメなら4週ぶん。  津荒さんの場合には、とにかく読書量が足りません。  文章力と描写力の基礎は、読むことだけで、ある程度のところまでは鍛えられます。  異常なほど読書量のある人が、生まれて初めて書いた長編でデビューしたりすることが、よくあります。ただ読書をしているだけで、それまでまったく書いたことがなくても、商業水準の下のほうに引っかかるぐらいの文章力が得られるということです。  また構成力は、筋を読み取って、あらすじとして自分の言葉で再構築することで鍛えられます。  せめて4桁ぐらいは欲しいところですが……。  まあ1年分として、300〜400冊ぐらい読破すれば、だいぶ変わるでしょう。  また1ヶ月分、30冊ぐらいやっただけでも、目に見える効果ぐらいは出てくるはずです。  とりあえず30回ほど、やってみましょうか。  そのぐらいやったところで、そのまま続行か、他のことをやりはじめるか見ますので。  それまでに練習メニューも考えておきます。  なお、読書メニューをこなしているかどうかは、僕はいちいちチェックしません。  自分的に、努力の支えになりそうであるなら、成果のアップということであらすじを課題部屋に毎日アップしていってもいいですし、自分の手元にだけ置いておいても、どちらでもかまいません。  一日や二日サボっていても、別に怒りません。一週間サボっても、一ヶ月やってなくても、やはりかまいません。  30回ほどこなしたら、次のことをしましょう。  もし時間があるようなら、1日に3冊くらいずつやって、10日くらいで片づけてしまってもいいですよ。 >「夢見ぬ少女」のほう  こちらは後回しということですが。  すこし気になったところがあったので、そこだけ聞いてみます。  国枝の価値観を持った人間を敵にしたかった、とありますが。  なぜ敵にしたかったのか?  敵にして、どうしたかったのか?  僕は、国枝というキャラは、許されるために出てきているのだと――てっきりそう思っていました。  さんざん自分勝手をやりまくったキャラが、あっさり許されちゃっていて、なんてヌルい話だ。願望充足型なのだろうな。――とか、白状すると、まあそんなふうに思ってたわけです。  しかしどうも、そういうのとも違うらしい。  予測が外れてしまったので、津荒さんがなにを考えていたのか知りたくなりました。  なぜ敵にしたかったのですか?  また「敵にしたい」だけだと、結末ってものがありませんよね。  敵として出てきて、最後には打ち負かされることになるのだとか。敵として出てくるが、改心して、あらためるのだとか。  そういった「結末」のほうは、どういう形にしたかったのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7478 投稿日 2004年1月22日(木)16時47分 投稿者 津荒夕介 >課題  わかりました。  読書量は……。  数えてないので曖昧ですが、小説は大体400冊ぐらい……かな。 >国枝を敵にした理由     国枝の価値観を持った敵にしよう、と考えたのは、僕が国枝の価値観を間違っていると思っているからです。  「存在することの理由」なんてのは、どうでも良いんです。どう生きるかの方が大切(あたりまえですが)。  敵の初期状態は、「存在の理由がないことはわかっているが、それを直視するのが怖いので、それを考えることから逃げている」  百目に負けることで、「やっぱり耐えるしかないのかと悲しむ」に変わる。  ってな風にしたかった。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒さん No.7479 投稿日 2004年1月22日(木)20時46分 投稿者 新木 伸 >津荒さん >読書量とか  その400冊、すべてあらすじとして書き出せます? どんなエピソードがあったのか、心の棚にきちんと保管しています?  そうでないなら、それはただ読者として読んでいただけであって、作家の目で読んでいたことにはなりません。  ちなみに毎日一冊読み切ってあらすじを書いてみる修行。  読んでいる最中にメモを取ったりするのではなくて、読み終えてから、あらすじとしてまとめること。そのときには本は開かないでおくこと。  覚えなきゃならない、と思ってやると、より真剣度があがりますので。  どうせ時間を使うなら、なるべく効果的で、効率の良い方法でやりましょう。  ただ慣れないうちは難しいかもしれません。  無理に記憶だけでやろうとして、あちこち飛んでいるような変なあらすじが上がってきてしまっても逆効果です。  あまり厳密にやらないで、「なるべく見ないでやる」という程度でいいです。どうしても必要なら、一度読み終わったあとで、カンニングしてしまうのもOKってことで。 >国枝が敵でなければならない理由  もうちょっと説明してくださいよ〜。  いま僕が、なにを知りたがっているのか、わかります?  なんでそんなことを聞くのかとか。考えてみたりしました?  ただ聞かれたことだけにロボットのように答えるばかりではなく、相手が何を知りたがっているのか、そのへんを考えてみて、先回りして色々言ってみたりするのも、コミュニケーションには大事なことです。  小説っていうのはコミュニケーションなので、人と話すのも修行のうちです。  ――で、間違った価値観であると作者的に思っているので、その考えを振りかざすような人物は負かされなくてはならない。  敵として出せば、負かせてしまうことは簡単。なので敵として登場させることにした。  と、そんなところなのかな?  負かせたい=敵として出そう、というあたりが、やや短絡的だと思いますが……。(敵でなくて身内として出しておいて負けさせるような手もあるし)。  まあ、手っ取り早く、わかりやすいポジションってことで、敵として出したというのは納得できます。  あと、負けてどうなるのかという、その後の結末のことですが。  「やっぱりそうなのか」ということを直視させられて、悲しむわけですね。  ――で、それだけ?  悲しんだあとになにかがこないと、結論が不在で、また尻切れトンボになってしまう気がしますが。 -------------------------------------------------------------------------------- 寝たきりおばさん No.7480 投稿日 2004年1月23日(金)01時15分 投稿者 弟切 千隼  風邪が悪化して、今日の昼間はずっと寝たきりだった弟切です。  最近寒くなったせいか、風邪が流行っているようですね。皆さんもお気を付け下さい。 津荒さんへ >  No.7475のお返事を読みました。しかし、この説明によれば、さらに大きな問題が発生します。  それに突っ込む前に、「妖怪が太陽光線に弱いかどうか」について、追加説明をしておきましょう。  洋の東西を問わず、妖怪は、夕方から早朝にかけて姿を現わすのが普通です。明るくて何もかもはっきり見える昼間には、怪しいものは現われにくいのですね。  したがって、妖怪の弱点として太陽が挙げられることが多いです。太陽の光を浴びると灰になるという吸血鬼は、その極端な例ですね。  けれども、太陽が弱点ではない妖怪がいてもおかしくありません。そもそも妖怪とは、とらえどころのない存在ですから。  作者である津荒さんが「この作品世界では、妖怪は太陽を弱点としない」と決めたなら、それでOKです。  ただ、「太陽に弱い」というのは、妖怪らしさを示す特徴として、多くの人に納得してもらいやすいのですね。そのために例に挙げました。どうしてもそうでなければならない、とは言いません。  さて、津荒さんのNo.7475の書きこみに、以下の文章がありましたね。 >> 百目は人間の体、眼窩に入っています。眼窩に入って、人間の脳をあやつっています。人間の体を動かしているのは、人間の体。百目は疲れません。ので、ずっと入っていても大丈夫です。でも書いてないので、だめだめです。  えーと、百目が入っている人間の体は、どうやって調達されたのでしょう?  「妖怪に体を提供したい」と考える人間なんて、普通は存在しません。百目は、どうやって体の持ち主を説得したのですか?  まさか、無理やり体を乗っ取ったのではありませんよね? それでは、どう考えても百目は悪役です。  死んだ人間の体を借りているのだとしても、問題はあります。  現在の日本では、死体を火葬しなければならないと決まっていますから、火葬される前の死体を手に入れなければなりません。百目は、火葬場や死体安置所へ行って、火葬される前の死体を盗んだのでしょうか?  だとしたら、それは立派な犯罪です。読者さまの共感を得られるとは思えません。  何よりも問題なのは、生きている間だろうと死んだ後だろうと、「妖怪に体を勝手に動かされる」なんて、誰もが嫌がるだろうということです。  例えば、津荒さんは、自分が死んだ後に妖怪に体を乗っ取られてもいいと思いますか? あるいは、自分の家族や友達の体が、死んだ後に妖怪に使われてもいいと納得できますか?  ここで、「納得できる」と津荒さんが答えたとしますと……それは、おそらく普通とはかけ離れた感性であると認識して下さい。  「人間の眼窩に寄生して、その人間の体を勝手に動かす」という妖怪のあり方は、普通の人には嫌悪感を催させるでしょう。善役のキャラクターに使うべき属性ではありません。 -------------------------------------------------------------------------------- 文の始まり方に注目してみる No.7481 投稿日 2004年1月23日(金)16時15分 投稿者 はせがわみやび  こんにちは、みやびです。  三月発売の文庫の原稿書いてます。  密室で殺人が起きました。 「犯人は転移の魔法で逃げたにちがいない。白魔道士だから、おまえが犯人だ!」  というお話。  いや、それすでに密室じゃないし……。  閑話休題。  こういうのは、まあ、小手先なんだけど。  文章に気を使っているかどうかを、誰にでも目に見えるようにする方法はないかなぁと色々考えてみた。  ひとつ、思いついたのが文の頭を比較するっていう方法。 >文頭の比較  これ↓は、桜庭さんの「交渉」なんだけど。  まあ、ものは試し。解説する前に、まずは見てもらおうかな。  http://plaza.harmonix.ne.jp/~miyabi/novel/bunto1.htm  これは、どうやって作ったのかっていうと。  文の終わりで全部改行を入れる。1文で1行にするわけ。  それから、エクセルっていう表計算ソフトを使ってソート(順並び)させてみた。  こうすると、文章の頭が同じものが集まるっていうのはわかるかな?  んで、文頭で同じになってしまっている部分を赤色にしたのだ。  ただし、「彼は」と「彼が」は、ベツモノってしてある。 ──  司会の目の前の男と斜め右に座っている男は、  司会の目の前の男と斜め右の男は、 ──  も、いちおうベツモノ扱いだ。  12文字も一致してたら、読み手としては悲鳴をあげたくなるところだけど、まあ、甘くしてあるってことで。  文章の基本に「同語反復を避ける」っていうのがある。  読んでいて単調で飽きるし、誤読を引き起こしやすい。ま、単純にうっとおしい。  文頭なんてのは、すぐに直るところなんだよね。その証拠に、1000字課題を続けていた2号さんの文章を見てみよう。  http://plaza.harmonix.ne.jp/~miyabi/novel/bunto2.htm  格段に一致が減っているでしょう?  この差が、2号さんと桜庭さんの現時点での差なわけだ。単純に文章だけで、これだけ差が付いている。  ここで重要なのは、文章力の差とかいうんじゃなくて(文頭だけしか見てないし)、書いているときに自分の文章をどれだけ読み直しているかの差だってこと。  推敲の差。  文章読本の始めのほうに書いてあるはずなんだけどな。  不要な接続詞、副詞、代名詞は取りましょう、って。というか、わたし、国語の授業でやったぞ(^^; 最近は教えないのかな?  たとえば、注目して欲しいのが、逆接の接続詞「しかし」だ。  桜庭さんの「交渉」には、なんと「しかし」が十個(!)も出てくる。  逆接の接続詞って、とても強い接続詞なんだよね。文章そのものを否定するときに使うんだもん。  でもだがしかし。  物語の中で逆接を使ってまで否定しなきゃいけないものは、ほとんどない!  のだ。  どうしてこうなるかっていうと、物語の中の事実に作者が自信がないからだ。  内容に自信がないから文章だけをむやみやたらに強調したがる。 ──  編成してある艦隊から、戦艦と同等の価値のある戦力と交換すべきか。それとも、保管状態にある予備の戦力からかき集め、交換するか……。もちろん、金銭で買うという方法もある。  しかし、そのいずれの方法もむずかしいところがあった。 ──   こういうところがそうだ。  このあとに、 ──   艦隊から戦力を切り崩して交換するのは、戦力強化、という点からみればあまりうまい方法ではない。  かといって、予備の戦力をかき集めて交換する方法も難があった。  それらの予備の戦力程度の兵器は、司会役の男のリストに入っている。つまり、司会役にとってもいらない戦力だからだ。  となると、最後の手段、金銭に頼るしかないのだが……。  かれは、自分の財政状況が、艦隊を編成するために金をかけすぎて、危機におちいっている事を知っていた。 ──   てな文がある。  文章を要約すると、実はこれはこうなっている。 ──  Aか。それとも、Bか……。もちろん、Cという方法もある。  しかし、そのいずれの方法もむずかしいところがあった。  Aは、戦力強化、という点からみればあまりうまい方法ではない。  かといって、Bも難があった。  となると、Cに頼るしかないのだが……。  かれは、自分の財政状況が、艦隊を編成するために金をかけすぎて、危機におちいっている事を知っていた。 ──   しかし、と書いてあるから、ドキドキしながら、読むわけじゃん?   おお、なんか「しかし」って否定しているぞ。ということは、このあとに注目すべきことが書いてあるはず……(ドキドキ)。  なのに、AもBもCも、結局ぜんぶ否定しているだけ。  つまり、「たいしたことのない考察」じゃん? んなところで、逆接を使うなーっ。 ──   Aか。それとも、Bか……。もちろん、Cという方法もある。  Aは、戦力強化、という点からみればあまりうまい方法ではない。  かといって、Bも難があった。  となると、Cに頼るしかないのだが……。  かれは、自分の財政状況が、艦隊を編成するために金をかけすぎて、危機におちいっている事を知っていた。 ──   これで充分。  ほんとに大事なのは、このあとなんだよね。  ふつうに考えつく手に入れるための3つの方法にはすべて問題があった。 ──   しかし、目の前の宇宙戦艦は、魅力的すぎる戦力であった。 ──   って、なるわけだからさ。  こっちの「しかし」を生かすためには、その前で安易に「しかし」なんて強い接続詞を使っちゃだめだ。  重複してないから目立たないけど、 ── それでも、司会の男は自分からまず交渉してきた。 それとも、保管状態にある予備の戦力からかき集め、交換するか……。 それならば、と目の前の男は思った。 ──  このあたりの「それでも」「それとも」「それならば」あたりの三連発も、ホントに必要な接続詞なのかあ? という疑いが捨てきれない(^^;  参考に、いいよと言ってくれたので、新木さんのもやってみた。  http://plaza.harmonix.ne.jp/~miyabi/novel/bunto3.htm  三人とも、文の数は170個ほどで揃えてある。  新木さんのは、意外と台詞が少ないってことに注目して欲しい。文頭に難しい(画数の多い)漢字を使うことを避けているところとかもね。  ついでに、自分のも。  http://plaza.harmonix.ne.jp/~miyabi/novel/bunto4.htm  こんな感じになる。  みやびは、「日本一文章のヘタな小説家」だと思うんだけど(三十過ぎてから文章書き始めたヤツの文章力なんて、たかがしれているに決まってる)、このあたりがライトノベルの下限っていうことで。  この下はない……と思うよ(^^;  対処療法は簡単だ。  文で驚かすのをやめる。  サプライズは、文の内容で行うべきなんだな。  そのために文を際立たせる小道具(接続詞や副詞や形容詞や)は、できるかぎり省いて、具体的に書くこと。それだけで自然に文頭はばらけてくるから。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7482 投稿日 2004年1月23日(金)16時50分 投稿者 津荒夕介 ○新木さんへ > 読書量とか  読者としての読み方しかしてません。  あと追加要素は、了解です。 >敵について  えーっと、質問されたのは、僕が「生きる理由」に固執していると、新木さんが誤解しているからじゃないでしょうか?  きっと誤解してますよね。書き方が悪かったです。すんません。  でもですね……それは違いまして、生きる理由なんてどうでもいいのよー、という立場に僕はいます。  悩んでたのは、高校2年から3年の1学期までの期間です。  なので「生きる理由に固執」する国枝は、敵なんです。  敵の結末ですが、そんなけ……です。「夢見ぬ少女」では、そんなけです。  敵役だから、変化は少しでいいかなぁと思ったんです。だから、そんなけになってしまった。  中途半端にしか変化しないなら、裁かれなければいけない。読者が納得する形で、です。しかしそこまで考えがおよばなかった。  変化は中途半端、裁きもない。  それが「夢見ぬ少女」です。    しかし、国枝を主人公にした別の話を書く! ということなら、初期状態「生きる理由に固執」から「生きる理由に固執しなくなる」に変化する。  ってのにしたい、と思います。  また「夢見ぬ少女」を書き直し、国枝を敵とするなら、今度は「生きる理由に固執しなくなる」ように変化させるか、きちんと裁くかにしたいです。      あと、コミュニケーション。  今回はきちんとできてるでしょうか? ○弟切さんへ    太陽光線に弱いとか、いやー、なるほどって感じです。  普通のことを知らないということで……、調べの甘さが露呈しまくってますね。  妖怪らしさを出すには、あったほうがいい設定ですね。  あと、百目の体については、考えがそこまでいってませんでした。たしかに善役じゃないよなぁ……。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7483 投稿日 2004年1月23日(金)22時14分 投稿者 新木 伸 >文頭チェック  Perlで作ると、正規表現による一括置換も、ソート機能もデフォルトで持っていて簡単なんで、ちゃちゃっと作ってみた。  みやびさんが見せてくれたものと、まあ似たようなものが、どの文章に対しても見れると思いねえ。  重複している部分を赤く色付けしてくれる機能はついていないけど、まあ用は足せるはず。ついでに「気弱語強調機能」なんかも付けてみた。  自分の書きかけの小説文章を放りこんで、チェックしてみるといい。 http://www21.pos.to/~araki/checker/checker.cgi (ところで、前後の文と重複している文頭部分を、赤く色づけするという処理部分。誰か作ってくだされ。ソースはこちら。http://www21.pos.to/~araki/checker/checker.txt)  なんでこんなことをしてみたのかというと。  僕が前から言っている「桜庭さんは2号以下」ってことを、ちゃんと「形」として見られるようにできないもんかな――と思ってのことね。  わざわざソートなんてしなくたって、僕やみやびさんの「目」には、同語反復の多さもボキャブラリーの貧困さも、しっかりと見えているわけだ。しかしみんなには、よくわからないのかもしれない。  あれだけはっきりとした違いがあるのに、「たいして変わらない」と思っていたりするのだろう。特に自分の文章を見るときの目が甘くて、「俺の文章とプロの文章と、そんなに変わらないじゃねぇか」などと思い上がっているに違いない。  違いは、あるのだ。  見ているやつの目が節穴だから、わからないだけなのだ。  その僕らの目に「はっきり」と見えている「ダメダメっぽさ」が、本人の目にも見えるようにできないかな――と、そう思っての試み。  以前、意味が薄くて「灰色に見える文章=削っても全然構わない文章」というのを、実際に灰色に色づけして見せてみたりしたけど。  あれと同じことだと思いねえ。  たとえば桜庭さんのhpに置いてある、一発ネタの「SF少女力士小説」などをこのチェッカーにかけてみたりする。  すると冒頭のわずか9枚のなかに、「それに対し、」が4回も連発されていることがわかったりする。「それに合わせ、」「それと同時に」「それに反応」あたりまで含めたら、なんと8連発だ。  ここは、なにやら相撲の取り組みのシーンらしい。  片方の動きに対応して、相手がなにか動きをみせるときに、馬鹿の一つ覚えのように「それに対し、」という決まり文句で文をはじめている。  なんというか、とっても不自由そう。  まるで日本語力が貧困な外国の人が、必死に意思疎通をしようと、乏しい語彙の中から言葉を捻り出そうとしているかのようだ。  もはや哀れを誘うほど。  ところで僕は、日本語は達者なほうだけど、英語はとても不自由なんだよね。話せるか話せないかといったら、まあ「話せる」のほうに入るのだろうが。  よく外国人と、英語でチャットをすることがある。  僕の英語力は、はっきり言って中学生以下だが、それでもなんとか意思疎通はできている。  会話の際に、文頭で使う言い回しは、だいたい以下の通り。 「I am .....」   (私は〜〜である) 「I can(cant) ....」(私は〜〜ができる/できない) 「I want to ...」 (私は〜〜を欲しい) 「I will ....」  (私は〜〜をしようと思う) 「I have ...」  (私は〜〜〜持っている  わずか5種類。  こんな程度の種類で、大抵の用は足りてしまうものなのだ。  細かなニュアンスなど伝えようとしないで、大まかな意味だけ伝わればいいと割り切れば、こんなもんだ。  日本人であるはずの桜庭さんの書いた「小説」の文章は、実際のところ、こんな程度の文章なわけね。「内容が大まかに伝わりゃいいだろ」的な、荒っぽい意識で、場当たり的に書かれた文章。  誰にでも見てわかる形として、結果をリンクとして張っておく。 http://www21.pos.to/~araki/else/sakura_rikisi.htm  同語反復を避ける――なんてことは、小学校の国語でも習うこと。  文章作法の本であれば、最初の章に載っているようなこと。そんなことさえ出来ていない。  そうした技術の低さも、もちろん問題なのだが。  それよりも一番の問題なのは、本人がまるで自覚していないということ。  ワンパターンであることに気づかない意識の低さ。そっちのほうが、はるかに問題なのだ。  技術なんてもんは、やる気になって、きちんと練習しさえすれば、誰でも身に付いてゆくものだ。  しかしやる気にならないヤツには、どんな技術を仕込むこともできない。  自分の文章が「ヘッタクソ」であることを自覚して、危機感を持って、直そうとしてないやつに、どんな指摘も無駄だということ。 >桜庭さん  自分の現在の攻略課題は「視点」であるのだとか。(#7417)  自分の力量を「上方修正」するのも、大概にしときましょう。「視点を身につけるようにしないと」――とか、まるで、あと一歩でプロに手が届きそうな「セミプロ」の人間が言うような台詞ですよね。  桜庭さんにとって、いま文章面で必要なことは、小学校の高学年でやるようなことです。  「おなじことを、ちがうことばで、いいかえてみましょう」てなことです。  視点だとか描写だとか、そんなことは、もっと遥かに高度なことです。  同じ言い回しを何回使っても平気でいられるような神経の人間が、まだ当分のあいだは気にしなくてもいいようなことです。  僕がいま桜庭さんに言っていることは――。 ・誤字を抜け。 ・よく考えてから書きはじめろ。 ・書いたら、読み直せ。 ・全文引用するな。  ――そういったことですよね。  食材が新鮮で珍奇なものであるとか、食事の栄養的バランスがどうであるとか、芸術的観点による盛りつけがどうだとか、そういうことを気にする前に、まずチンチンいじった手で調理をする癖をなくせとか、そういう低レベルなことを言っているわけです。  いいかげん、現実を見つめてください。  脳内の「自分は凄い」ていう幻想なんかを見つめていないで。  小学生のほうが、まだマシな文章を書きますって。  そりゃ、何度小説賞に応募したところで、一次をカスりもしませんって。  最初の9枚、文庫本5ページ分の内容の中に、「それに対して、」が8回も9回も出てくるような文章を見せられたら、そりゃ、下読みの人も落としますって。  「これ日本語じゃねぇよな」と分別して、ポイですポイ。燃えるゴミのほうへ。  これだけ言っときゃ、トラウマになるかな〜。  今後は意地でも二度と「同語反復のない」文書を書いてくるようになるかな〜。  見直しするだけで、たったそれだけで、そんな簡単なことで――消えてしまうことなんだけどね。「同語反復」や「誤字」や「不要な接続詞」といったものは。 >2号とか  2号も、それからみやびさんも、さすがにあんな手抜きのチェッカーで引っかかるようなアホなミスはやっていない。  2号はあいかわらず「ヘタクソ」だし、読めたもんでないのは確かだけど、それにしても、あそこまでヘタクソではない。もうすこし文章には気を遣っていて、その結果が、形となって現れている。  みやびさんは、じつはデビュー初期には、あのチェッカーで引っかかるようなものがたくさんあって、ボロボロだったのだが。昔のものを自分で見直すと、「文頭の不要な接続詞」「気弱語」など、山ほど出てきて恥ずかしいらしい。特に小説家となる前のライター時代の原稿とか。  まあ、一度指摘したらすぐに消えたし、いまはもうないわけだし。  プロになって商業の現場で何冊も小説を書くということは、いつでも斬り殺されておかしくない戦の場を、何度もくぐり抜けてきたということだ。そりゃ、別人のようにもなるわなぁ。  2号も、「新人作家のヘタクソなレベル」あたりまで到達したら、あとはデビューしてから磨いちゃうのが、いちばん手っ取り早いぞ。  出版される小説の一冊は、出版されない小説の数冊分に相当する。  まあ2号の場合には、文章以外にも攻略科目が山ほどあるから、そっちのほうもすべて「新人作家のヘタクソなレベル」まで持っていかないとならないわけだが。  現状で商業水準に届いている能力、なにかひとつぐらいないのかよ?  自己分析すると、どうなのだ? なにがどれだけ足りていないのだ? いまいちばん進んでいるのはなんであって、あとどのくらいで商業水準に届くのだ? >津荒さん  コミュニケーションとか。  うんうん。だいぶ良い感じ。  同じようなことを、他のときにもやるようにしないと。いつでも頭を働かせて、相手がなにか言ってきたときには、その「本当の考え=真意」ってのを計るようにしないと。  そもそも、相手が自分のためになにか言ってくれるというのは、とても貴重なことなんですね。どうでもいいような相手には口をきくことさえしてくれないのが普通で、そっちのが、「普通であたりまえ」なんです。  この「普通とあたりまえ」の感覚は、学生の立場だと違うのだろうなぁ。  津荒さんは、なにかを聞けば、相手は親切に答えてくれるのがあたりまえ――と思っているでしょう?  学生の立場だと、そうなのでしょうが――。  世の中というのは、「学生でない人」のほうが大多数を占めているわけです。そっちでは、「聞いたって答えちゃくれない」ほうが、むしろ普通なんですね。  二言三言、なにかを言ってやって、ただ言葉の上辺だけしか聞こうとしない相手には、そのうち誰も何も言ってくれなくなるでしょう。  ここは相互扶助の場所なんで、お互いにアドバイスしあうという空気にしていますが。  ――で、ここで僕が言っていることの「真意」だとか。  学生の甘さを指摘しているわけでも、説教しているわけでも、「感謝するように」と恩を着せているわけでもありません。  本当に伝えようとしているのは、「コミュニケーションするときに、死ぬ気で頭を使え」ということです。  太陽の下の妖怪の話ですが、弟切が、「なぜ自分はそういうことを言い出したのか」と、解説してくれていますね。  あれは本来は、津荒さんが自分で考えて、自分で到達しなきゃならない考えなんですね。  「妖怪って太陽光に弱いんじゃないの?」って疑問だけをぶつけられたところから、津荒さんは「なぜ弟切さんはそんなことを言ってくるのか」と考え抜き、「世の中の人の共通認識では、妖怪というものはそうなっているのだ。一般的なイメージを使っておいたほうが得策なのだ」というところまで、自力でたどり着かなきゃならないということです。  人にあっさり教えてもらうのと、自分で苦労して見つけ出すのでは、身に付きかたが違うものです。  弟切から聞かされた、妖怪と太陽との関係――。  いまは「なるほどなぁ」なんて思ってるのでしょうが、1ヶ月もしたら、もう津荒さんは忘れちゃってるでしょうね。絶対です。こんな容易にもらった答えなんか、覚えているはずありませんって。  そして同じようなことで、同じようなミスをまたやってしまうわけです。  自分でそこまで考えつくのでなかったら、弟切が話題を振った意味がない。  そういう自分の頭で考えようとしないアホには、何を言っても無駄だから、そのうち、誰も何も言わなくなりますよ。  まあ、いいとこ、3回ってとこですね。  普通の人の忍耐ってのは、そんなもん。  3回続けて、アホをさらしたら、もう愛想を尽かされることです。1回もチャンスを与えてくれない人だって多いのですから、3回もチャンスをくれるのは、かなり親切な人ということになるでしょう。  さて今回のこれは、津荒さんにとっては、何回目だったしょうか?  自分で考えもしない津荒さんに、相手が「仕方ないか」とため息をつきながら、「解答」をそのまま教えてくれる。それを津荒さんがアホ面さらして、「へー、そうなんですか」と言っている。  ――さて、これはその何回目?  ちなみにこうやって「脅かして」おくのは、危機感を持てば、すこしは真剣になって、考える習慣を本気で身につけようとするかなぁ――とか、思ってのことです。  「考える力」というものは、考えて続けているうちに訓練されて養われてゆくものです。  学校では「答え」は教えてくれても、考えかたまでは教えてくれないものでして。  「考える力」というのは、義務教育+3年の高等教育を受けてはきても、津荒さんには、まだ備わってはいない種類の「力」です。これから訓練して、身につけていかないとなりません。  相手が導きたかった答えまで、たとえ到達できなかったとしても、「考えようとする」努力だけはしておくこと。考えようとしている限りは、ここの人間は付き合ってくれますから。 >余談  あまり重要でないので、まあどうでもいいことなんですが……。  「そんなけ」って、いったい、なに? どんな意味? それ新語? 流行語? 方言?  「そんなけ」=「それっぽっち」とか、そういう意味なのかな? >生きる理由関連  ちなみに僕の質問のほうの真意ですが。  「生きる理由がわからない人間」=「国枝」を話に登場させることに、津荒さんは固執しているわけですね。  そこにこだわっているということを、津荒さん自身がまだ自覚していません。そこに自分で気づいて自覚してもらうということが、まずひとつめの狙い。  「自分がこだわっている」ということに気づけると、その先のステップに進めるわけです。「なぜ自分はそこにこだわっているのか」とか、「この人物はどうならなければならないのか」とか。  膠着して凝り固まっていた思考が、発展してゆく余地が生まれます。  そういうふうに思考の発展が見られるといいかな〜という、欲もありました。  ただ「現在の自分の投影」としてこだわっているのではなくて、「過去の自分の投影」としてこだわっているのだということは、僕にはわかっていませんでした。てっきり現在の自分を国枝に重ねているのかな――と。  過去の自分の投影だったのですね。なるほど。  んで、そもそも、なぜそんなことをしているのかというと。  凝り固まった話の解きほぐしかた――てなことを、実地に経験することで、身に付くことを期待しているわけですね。  一度自分の手でほぐしているなら、次に話が固まっちゃったときにも、自分でほぐせるかもしれないでしょう? >弟切  「寝たきりおばさん」って書き込みタイトル。  「寝たきりの人間」=「オモロイネタ」っていうブラックな要素が含まれているのは、気づいている? -------------------------------------------------------------------------------- 恭喜発財[コンシーファーツァイ] No.7484 投稿日 2004年1月23日(金)23時01分 投稿者 弟切 千隼  題名は、中国で一般的に用いられる新年の挨拶の言葉です。恭喜[コンシー]が「つつしんでお喜びします」という意味で、発財[ファーツァイ]が「お金を儲ける」という意味です。  中国では、新年早々から「お金儲けおめでとう」と挨拶するのですね(*o*)  中国のお正月は、旧暦に従って祝われます。  旧暦は、月の運行を基に作られる太陰暦です。私たちが普段使っている新暦は、太陽の運行を基に作られる太陽暦です。  新暦に比べて、旧暦は、およそ一ヶ月ほど進みが遅いです。今年の旧暦の元旦は、昨日(太陽暦の一月二十二日)でした。  きっと今ごろは、各地の中華街に「恭喜発財」の文字が躍っていることでしょう。 >「メイド」書き直し  課題部屋のNo.753に、「メイド」の書き直しの描写文版を上げておきました。  御指摘をお待ちします。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=753&e=res&lp=738&st=0 お知らせ:  弟切は、明日は一日中出かけています。帰宅するのは明後日の予定です。次にここに書きこめるのは、おそらく明後日の夜以降になります。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒さん No.7485 投稿日 2004年1月24日(土)10時46分 投稿者 とんびの羽根  今日の標的は津荒さんです。  疑問に思ったところがかなりあったのでそれらを順に指摘しておきたいと思います。  疑問に対する直接的な回答は特に求めません。いやまあ、大量にあるので。  こんな意見もあるのだなくらいの意識で最初は軽く読んでください。 >733 短編課題: 「夢見ぬ少女」 >>彼女は一番奥まで歩いて行く。  律子が図書室の一番奥へいく理由が必要です。  いつも来ているとすると、本を読んだり整頓したりするためではないでしょう。  本が埃をかぶっているとしたら、律子が最近本を触っていないということですから。  何のために脇目もふらず奥にいくのか、読者は疑問を持ちます。 >>どんな上等なディナーでも、もどしちゃったら意味ない  もどすというのは強烈な拒絶反応です。身体が毒だと認識して起きる生理的な反応ですから、一刻も速く、激しく拒絶をするわけですね。  でも律子の反応は肩を落としただけです。平然としていて、せいぜいがっかりしているだけ。  平然としている理由としては不適当なんじゃないでしょうか。  律子と同じく食べ物に喩えるなら、高いのに味気(あじけ)のない桃を食べたときとかかな。肩は落とすけど吐いたりはしない。 >>視界がぼやけた。  妖怪と戦ったり観察するのに激しく困るんじゃないですか。強い妖力の相手だと花粉症状態になるわけですから。 >>女の妖力が異常に高かい    妖怪より、妖怪に操られている方が妖力が高い、というように読めます。  その割に、その妖力があまり活かされていないように感じる >>後ろから手を伸ばし、女の額に目玉をつける  行動が怪しすぎです。そして場所がまずい。目に見えなくても顔面に貼り付けてわからないわけありません。  化粧したり顔を洗ったりしても異常を感じない、化粧も違和感なく自然にのるということなんでしょうか。  次の日になっても目玉がついたままということですが、遊んでる女の子は場所に応じて化粧にも気を使うしわずかな異状にも神経質になるので、ムリっぽいです。  後ろから手を伸ばしていて蚊がとまっていたというのも苦しすぎる。正面から額に手を伸ばす方がまだまとも?かな。 >>職員は俺一人。  上司が別にいるように読めます。主人公はサラリーマンなんでしょうか。  もしひとりでフリーの探偵稼業をしているなら、職員というのは不適当です。 >>本棚に隠れていたのだろう。  本棚の陰ではなく本棚(の中)ですか? >>戸田はうつぶせに倒れた。 >>戸田はエリの後ろを見て、大声を上げた。すぐに土下座する。  二人の他には誰もいないということですが、図書室の最深部だけのことですよね。図書委員だとか、司書だとかが、生徒とか中央にはいるはずですよね。ぶっ倒れたり、大声を上げても、誰も見に来ないのでしょうか。それともこの時点ではすべて夢本の統制下なんですか?  文中でそれを確定させてください。「なぜか誰も見に来ない」とか「まわりが騒がしくなったが、夢本の妖力が上がるのを感じると同時に周囲は異様に静まっていく」とかですね。 >>(てことは、親父が作った妖怪だな)  妖怪管理事務所に登録されていない妖怪が、父親の作った妖怪だとすぐに見当が付くのは変です。  あらたに妖怪を作るものがいない、あらたに妖怪が生まれることもない。  そう断言しているようなものです。  しかし父親が個人の力で人知れず妖怪をつくり隠し通すことができたということは、掟破りの妖怪作りは比較的簡単にできそうですよね。 >>パソコンを使って死んだ親父の研究データを調べる。予想は的中した。  研究データはどこにあるのか。インターネット上のどこかにあるのか。百目のパソコンの中にだけあるのか。  研究データを入力したのは父親本人か、百目か。百目がデータ管理しているなら夢本に心当たりがあるはずです。  百目は父親が作った妖怪を殺してまわっているのに、父親の研究データを把握していないのはなぜか。 >>夢本は洗脳した人をつかった攻撃しかできない。攻めるなら夜だろう。  論理が飛躍していますね。夜がいいと結論が出るまでの、思考過程を読者に見せてください。昼攻めたときの利点と欠点、夜攻めたときの利点と欠点、夢本側と百目とそれぞれ比較検討しないと結論はだせません。もし決定的に百目に有利な状況があるならそれを示すこと。明白な利点があるなら検討過程抜きでもオーケーでしょう。  百目が相手の力を侮っているのなら、検討や準備を入念にしているほど負けたときのショックが大きくなって、物語としては面白くなると思います。要は百目が自分の能力を過信するだけの根拠をここで読者に示しておく必要があるんですけどね。  時計の針がわずかに進むだけの時間しか検討してないとすると、自信というよりはむしろ、バカっぽく見えてしまいます。  過信を読者に納得させるために、ここは重要なポイントなのですが。 >>足に軽く力を入れ、跳躍する。 俺は二メートルの校門を軽く飛び越える。 >>五十メートルほどの距離を一足で移動  身体自体は、人間の身体だったんじゃないですか。こんな運動しーたくても、ムリ。  だからここで妖力を使っていることを明かしておいた方がいいです。  ただし百目の本来の能力なのか、鬼の目の力なのかも確定させてほしい。 >>「なぁお前、博士のガキだろ? そっくりだな。気持ちわりいくらいだ」  あの、どこが似てるんですか。本体は目だったんじゃないんですか?  しかも今は右目に鬼の目が入っているわけですが。  じつは身体も親子関係なんでしょうか。それとも同じ身体の使い回し? >>夢本も知らなかったみたいだな。俺は目の妖怪。  父親も百目ですよね。しかし夢本には隠し通していたということですか。文中で確定しているほうがいいんじゃないかな。 >>いざとなったらこっちに来れば良い  こっちに来るとは具体的にはどういうことですか?  こっちとはどこなのか。  人間のまま妖怪の中で暮らすことなのか、人間をやめて妖怪になることなのか、それとも別の意味があるのか。  以上 -------------------------------------------------------------------------------- レス&一時撤退のお知らせ No.7486 投稿日 2004年1月24日(土)13時15分 投稿者 桜庭 優  進むも地獄、引くも地獄。さて、どうしたものか。 >新木さん&みやびさん  自分の実力がよーく分かりました(涙)  高校生から大学1、2年の頃まで、趣味で小説を書いていた時期があったのですが、その頃よりも駄目になっているな、とさえ感じます。  こうしてデータ化して比較してみると、自分の文章がいかに下手なのか分かりますね。  トラウマとまではいきませんが、頭を抱えてしまったのは事実な訳で……。  ある意味、書くのが怖くなりました。  分室や、他の場所に書き込む事も含めて。  こういう形で自分の実力をはっきりと示してくれた、みやびさんや新木さんには感謝の気持ちでいっぱいです。  というより、恥ずかしい気持ちでいっぱいですけれども(笑) >一時撤退の挨拶  ところで、分室の事なんですけど、トレーニングは電撃用の作品を書き上げてから、再開する事にします。  今のままでは、とうてい受からないと自覚していますが、自分の文章を書くペースでは、締め切りに間に合うかどうか、微妙な時期なので。  電撃よりも、富士見やスニーカーに照準を変えて、トレーニングを続けた方がいいのか?という考えもありますが、今は電撃に全力を傾ける事にします。 (「交渉」を書いたときには、かなりのペースで書けたのですが、あれは推敲をよく分かっていませんでしたし)  今度書く作品は、分室で指摘された事(他人への指摘も含めて)に注意しつつ、文頭重複チェッカーやエクセルなどのツールを活用して、じっくりと、ていねいに書き上げていきたいと思います。  ROMは続けると思いますが、しばらくは、書き込みを控える事にします。    新木さん、みやびさん、分室の皆様、それでは。 http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8729/ -------------------------------------------------------------------------------- 一応、手を動かしていないわけではないのですが……と書こうとしていたのは三日前 No.7487 投稿日 2004年1月25日(日)01時30分 投稿者 青葉桂都  ここ三日ほどは、いらんことをしていたせいでまるで手を動かしていませんでした。  風邪気味だったのも確かですけど、冬場に体調が悪くなりがちなのは毎年のことなので言い訳にもなりません。  こんにちは、青葉桂都です。 >説明のこと  ああ、なるほど。『全部書くべきだ』というレベルで書いていると見られていたわけですか。  一応本人としては、3割4割くらいまでおさえて書いていたつもりなのですけれど……。  それでそう思われるということは、なるほど、『まったく書けない』くらいの心構えで書かなければいけないのでしょうね。  アイシールドなどの説明の分析は、結局まだやっていません。ちょっと今、お金が出せなくなったもので。  予想くらいはしてみてますけど……そんなもの書き連ねても意味がないでしょうし、ひとまずは横においておきます。 >描写のこと >>>723 1000字課題 青葉桂都 No.1「クリスマスは一緒に」 > > ――の冒頭の部分で、「体力のない人間がケーキ屋で一日中働かされてヘトヘトになっている」ということを、丸々、説明文のブロックとして書いてしまっていますよね。 > > あそこで青葉さんは、疲れている「状態」を書かずして、疲れている「理由」だけを書いてしま>っているわけです。 > > > ちょうどいいので、あれ、書き直してみましょう。  とのことで、書き直してみてました。  延々となにもしてないのもなんなので、一度掲示してみます。  いくらやっても良くなってくる気配が感じられないから……という理由もありますが。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  公園の灯りがうざったい。  心臓が痛いくらいの勢いで血液を送り出している。  冬の夜風と冷たいベンチの感触は、身体に心地よいどころではなく、問答無用に体温を 奪っていく。  それらが僕の、閉じそうになるまぶたをぎりぎりで押しとどめていた。  もしここで寝たら、よくて病院行きだろう。でも、妙な浮遊感とは裏腹に身体は重く、 頭はかすみがかかったようになっていて、身体を起こす気力は出てこない。  冷たいベンチの上に寝転がっているはずなのに、その冷たさは。  周囲に人の気配はなかった。 「……薄情な女だよな、まったく」  呟いた。声は、はるか遠くから聞こえてきた。  身体を起こそうとしたけれど。  地面に足をつくことすらまだ面倒で、すぐに諦めた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7488 投稿日 2004年1月25日(日)01時58分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >そんなけ、とか  結論から言いますと、それだけ>そんだけ>そんなけ  という感じで変化したものです。だから、「そんなけ」の意味は、「それだけ」です。(と、僕は思っています)  この言葉を使ってしまったのは、「そんなけ」という言葉を、僕が日常的に使っているからです。 では「そんなけ」という言葉は、なんなのか? ネットで調べたところ。 >>こんだけ >>こんなけ これだけ こんなけしかぁねぇんかい 「こんなけ」は東毛地区 他に、「そんなけ」、「あんなけ」のように指示代名詞の変化を伴う. というのが出ました。群馬弁らしいです。うーん……。 とりあえず辞書を調べよう、ということで、図書館に行ってきました。方言辞書を調べる……。(国語辞典にはありませんでした)  ……。  見つかりませんでした。  結局、わからなかったです。    ですが、まあ、問題はそこじゃないです。  問題なのは、僕がそれだけ探しても見つからないような言葉を不用意に使った、ということです。  わざわざ読んでもらう文章で、読者が知らない言葉を出すということ。  それは、その言葉がわからないなら読むな、と読者に言っているようなものです。  難解な言葉を出すなら、それをわかりやすく説明する、なんらかのフォローがあるはずです。僕はフォローしよう! という考えが浮かばない段階でしょう。    というわけで、頑張ります。(ああ、結局それしか言えない……) ○とんびの羽根さんへ  指摘ありがとうございます。 >>彼女は一番奥まで歩いて行く。  説明の欠如>1 >>どんな上等なディナーでも、もどしちゃったら意味ない  考え足らず>2 >>視界がぼやけた。  説明の欠如>1 >>女の妖力が異常に高かい  説明の欠如>1 >>後ろから手を伸ばし、女の額に目玉をつける  考え足らず>2 >>職員は俺一人。  考え足らず>2 >>本棚に隠れていたのだろう。  誤字>2 >>戸田はうつぶせに倒れた。 >>戸田はエリの後ろを見て、大声を上げた。すぐに土下座する。  説明の欠如>1 >>(てことは、親父が作った妖怪だな)  考え足らず>2 >>パソコンを使って死んだ親父の研究データを調べる。予想は的中した。 説明の欠如>1 >>夢本は洗脳した人をつかった攻撃しかできない。攻めるなら夜だろう。  説明の欠如(特に大切なところなのに!)>1 >>足に軽く力を入れ、跳躍する。 俺は二メートルの校門を軽く飛び越える。 >>五十メートルほどの距離を一足で移動  説明の欠如>1 >>「なぁお前、博士のガキだろ? そっくりだな。気持ちわりいくらいだ」  説明の欠如と考え足らず>1、2 >>夢本も知らなかったみたいだな。俺は目の妖怪。  説明の欠如>1 >>いざとなったらこっちに来れば良い  説明の欠如>1  指摘は区分すると、二つですね。 1 考え足らず(誤字や、設定の穴など) 2 説明の欠如  1は、もっと注意を払うようにする。そういう方向で解決できるでしょう。そういう方向で頑張ります。  2は、読者になることで解決します。  こんな風になってしまったのは、僕が作者の立場からしか文章を見ていないからです。  新木さんが言う「仮想読者」を持つことで解消される問題なんでしょうが……。  「仮想読者」っていうのは、全然実感できてないんです。(できてたら、こんな風にならないし……。当たり前です)  とりあえず、書いてから期間をおくようにします。そうすることで冷静になり、読者に近づきたいと思います。  読者に近づけば、おのずと説明が足りていない場所がわかるでしょう。  時間をあけて、自分を「読者」の立場にする、という方法です。  「仮想読者」を持っているというのは、「書き手」と「読者」の切り替えが素早くできる、という状態でしょうか?   「読者」のキャラクターを、頭の中で完璧に構築しておけば、できるのだろうか……。  (こんなことを考えるのは、僕には早いですよね。不愉快にさせたと思います。すいません。  またいつか、理解できる時に理解したいです)       -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7489 投稿日 2004年1月25日(日)02時01分 投稿者 新木 伸 >桜庭さん  やれやれ。  「ヘタクソ」である現状をようやく認めたかと思えば、こんどはまた別の逃げ場が用意されているわけですか。  あといくつあるのですか。その種の逃げ道は?  そうやって、いつまでも、「トレーニングしなくて済む理由」を見つけだしては、自分を甘やかしてゆくわけですか。  あなた、本気で作家を目指しているつもりなのでしょう?  その「本気度」が僕に認められているどうかは別として、自分なりには「真剣」で「本気」でやっているつもりなのでしょう?  二十歳を幾つも過ぎていて、やりたくもないバイトで毎日へとへとになりながら、パソコンに向かっては、しこしこと何かを書き連ねているわけですよね。  hpの作品帳に山ほどの作品があるわけではなくて、「たった一遍」きりなところを見ると、毎日書いているのではなくて、週に一回だとか、そんなふうに思い出したように書いているだけなんでしょうけど……。  そんなんでも、自分は作家志望者なのだと――そう思っていたいのですよね。  たとえ週に一回でも小説を書こうとパソコンに向かうのは、「まだ自分は終わっていない」と思いたいからなんですよね。  いずれは作家になるその道の途中にいるのだと思えば、常に感じている不安も安らぐわけですよね。  「自分は何者なのか?」という問いの答えは「作家志望者」となってくれるわけだから。「自分が何者なのかわからない」――という宙ぶらりんなのは、とてもとても怖いことだから。  ――なので僕などが、「君は作家志望者などではなく、作家希望者なのだ」とか、いくら言ったところで、聞く耳を持たないわけですよね。  半月ぐらい前、この分室に訪れたとき、桜庭さんはこんな期待をしていたわけですよね?  「こんな短期間で、こんな良い出来の作品を仕上げられるなんて。あなたにはすでにセミプロの実力がありますよ。あともう一歩でデビューですね」  ――そういった賞賛を僕から聞きたくてこの分室にやって来たというのに、徹底的にこきおろされて、小学生以下と証明されてダメージを食らってしまって。  予想外に与えられた心理的ダメージを癒やすために、「いまは投稿作を書くことに集中したい」という、否定不能で絶対的防御力をもった、とっておきの逃げ場所に逃げこみたいわけですね。 (分室への書きこみだけでなく、僕宛に送られた何通かのメールの内容からも、桜庭さんがそのような賞賛を望んでいるのだと判断しました)  どうぞおかまいなく。  これまでにもう何年も桜庭さんは無駄にしてきているのですから。  そこに数ヶ月やそこら、無為な時間が加えられたところで、どうということはないでしょう。  4月までの2ヶ月間と、あと「一次落選」という結果がはっきりして、自分の中で一段落付けられて、次に取りかかれるようになるまでの何ヶ月か――。  まあ7月ぐらいに一次の発表があるのだとすると、あと5〜6ヶ月間というところでしょうか。  その半年の間は、無為に過ごしたいわけですね。  痛いことと、苦しいことから遠ざかって。  手を動かすことで腕に乳酸を溜めこんで。  単なる「疲労感」を「充実感」であると錯覚して、「いま自分は道を進んでいる」なんていうニセモノの安心感に浸たっていたいわけですね。  無駄になるのは僕の時間でなくて、あなたの時間ですから、おかまいなく。  ――と、まあ。  このあたりが、いま現在の、僕の個人的な見解であるわけです。  いま僕は、桜庭さんをこのように見ています。  逃げ場所を見つけ出すのがうまいなぁ。  その言いわけを見つけ出してくる労力の10%ぐらいを小説に振り向けるだけで、もっとマシなものが書けるだろうに。もったいない。  ――あたりでしょうか。  ――が、もしかしたら僕は完全な思い違いをしているのかもしれないし。  4月までに作品をひとつ仕上げようというのも、トレーニングのためのトレーニングをするのではなく、実戦形式のなかで経験値を積もうという、現実的な戦略にもとづく選択なのかもしれないし。  で、やるなら成果を出してくださいね。  賞を取る――って目標だと無謀すぎますから。  「次こそ一次を通る」ぐらいが、身近な目標でしょうか。  小説と呼べるもので、筋の通った話で、壊れてない日本語で書かれていて、なおかつ描写と呼べるものが要所でちょびっとでも見かけられるなら、どんなに文章がヘタクソでも、あまり面白くなくても、テーマがありきたりでも、まあ一次ぐらいは通るでしょう。  巻島も去年に書いた作品を、今年4月の電撃に送るようです。  上記の基準は満たしているので、あれが一次を通るかどうか見物というところです。  巻島のやつも、「しこしこトレーニングなんてやっていたくない。投稿前提で長編を一本仕上げてみたい」と、実戦形式でのトレーニングを申し出てきたのですね。  桜庭さんが成果を出せたのなら、その選択が「逃げ」ではなくて「トレーニング」であったのだと認めますし。  成果が出ないなら、「やっぱ逃げてただけかよ、あのヤロウ」と思うだけですし。  とりあえず、一次の結果の発表があったら、ここに報告しにきてくれると嬉しいかなぁ。  「一次突破しました!」でも、「やっぱだめでした〜」でもかまいませんから。  ただ、書き上げて、4月の応募を終えてから、結果が出るまで何ヶ月間もぼーっと無為に時間を過ごすのは禁止です。  すぐになんらかのトレーニングを開始すること。  それはこのジムでやってもいいし、別のジムがあるならそこでやってもいいし、我流で独学でやってもいいし。  どこで修練を積もうが構いませんが、作家志望者だと言い張るなら、良い小説を書けるようになるために「なにか」を続けること。  電撃などで新人賞を獲った人には、けっこう多いのですけど。  書き上げて郵便局から送った瞬間に、自分が応募したことさえ忘れてしまい、もう次の作品に取りかかっているような人。  結果発表なんて見てもいないで、編集部からの電話で受賞を知る――とか。  本物の「作家志望者」は、そうやっています。 >同語反復を避けるトレーニング  あのツールが「小手先」だというのは、文頭しか見ていないため。  本当は文頭だけでなくて、文中の表現のほうでも、おなじ言い回しを繰りかえしていないかどうかチェックすべきです。ただそこまでやるとアルゴリズムが複雑になってしまうので、いちばん単純な「文頭だけを比較」としているに過ぎないわけです。  そんな「小手先」で「いいかげん」で「適当」なチェック方法でも、けっこうなことがわかったりします。  きちんと書かれている文章は、やはりチェックに引っかかったりはしないものです。  あのツールでチェックされなかったら「OK」ということではありません。  よっぽどひどくて、無神経に乱雑に書かれたものだけが、チェックに引っかかる――ぐらいに思っていたほうがいいですね。  まあ、あんな小手先のツールであっても、チェックした結果によって、自分の文章がひどいものだということがわかったなら、そこから文章の練習をスタートできるわけです。  おなじ言い回しを避けるようにするだけでも、かなり練習効果があります。  表現を工夫しようとして頭が活発に働きます。  語彙を探そうとして、使いこなせる言葉の数(ボキャブラリー)が自然と増えてゆきます。  人がどのように書いているのか注意して見てゆくようになるので、勉強の効果も上がるというものです。  さて。  この24時間だけで、けっこうな数の人が試しているようですが……。  「俺、大丈夫かな?」と思わず心配になってしまって、試してみた人。  出てきた結果がどうであれ、その小説への取り組みかたは、いちおう健全です。常に自分の能力を疑う姿勢は、正しい姿勢です。  「俺は平気。関係ない」とか思って、試してみなかった人。  あなたはかなり重傷です。たぶんあなたの文章は、ひどいもので、とても読めたものじゃないでしょう。  さて。  僕も自分や知り合いの文章をツールに流し込んで、その出力結果を眺めていまして――。  同語反復をチェックするだけでなく、その他のことにも使えることに気がつきました。  いくつか、他の使いかたを紹介してみます。 ○指示語の使用頻度チェック  「あの(あれ)」「この(これ)」「その(それ)」「どの(どれ)」などの指示語の使用頻度をチェックできます。  これらはすべて、小説の文章には不要なものです。  きちんと文章を組み立てれば、ひとつも使わずに済ませてしまえるものです。指示語が多くなるのは、文章の組み立てをサボっている証拠です。 「あの」……遠いものを指し示す語です。指示する内容の書かれた文章を、近くに配置すれば不要になります。 「この」……すぐ近くのものを示す語です。そもそも必要ありません。単純に削ってしまっても意味は通じるし、そのほうがよりわかりやすくなります。 「その」……遠くもなく、近くもないものを示す語です。  「あの」「この」が大量にあるのは、だらだらと指先から垂れ流すように書いている証拠。  きちんと組み立てて書いているなら、「あの」「この」の二つは、ほぼなくなります。  「その」に関しては、若干残ってしまう場合があります。――が、少ないに越したことはありません。 ○会話文チェック  会話文のチェックにも使えます。  ひとつは、会話文の量が一目で見えるようになるという効用。  少なければ良いというものでもありませんが、アマチュアの場合には、意味のない会話文を使ってしまうことが多いので、そのチェックに使えます。  会話文だけを並べられると、いつもと違う目で眺めることができて、その量や意味のなさにぎょっとすることがあるかもしれません。  もうひとつは、会話文の中での「……」の使用頻度のチェックです。  会話文の先頭が「……(台詞内容)」として始まっているものは、ソートされてすべて並びます。  本文中に点在していると気にならないものが、一箇所に固めておかれると、ぎょっとするほど目立つようになります。 ○意味のない文章チェック  すべての文がバラされて、文頭の「あいうえお順」にソートされて出力されてきましたね。  それらを組み立て直して、完全に元と同じ文章として復元できるでしょうか?  どの文が、どこにあったものか、一目ですべて判別が付くでしょうか?  自分が書いた文章なのだから出来て当然のはずなのですが、アマチュアには、たぶんできないでしょう。  実際に、やってみましょう。  もしできなかったら、あなたは適当に文章を書いていた――ということです。  これは機械を部品一個一個にまでバラしたあとで、また元の形に組み立て直すようなものですね。設計図が頭に入っていれば迷うことはありませんが、そうでないと、手が付けられないはずです。  なんとか組み立て直したはいいが、部品(文)がいくつか余ってしまった人。  その余ってしまった部品は、おそらくは、もともと不要なものだったのでしょう。  設計図がきちんと書かれていなかったとか、他にも色々な原因があるのでしょうが――。  とりあえず、その「余った部品」は使わずに組み上げたほうが、良い仕上がりとなっているはずです。  どこにはまっていたのかわからないような部品(文)など、必要ありません。 >弟切 >753 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その四  まあ、それでOK。  これは「描写版を作ろう」てな課題なわけであって、「良い描写をしよう」ということではないわけで。 ・場所はアパートの階段。 ・時刻は午後二時。 ・休日出勤の帰り。 ・早めに帰れてウキウキ。  ――てなことを「描写」してあるかどうかというなら、あの文章は、ようやく「描写」と呼べるものとなった。  不満たらたらなのだが、とりあえず要求仕様はクリアしてきてるので、OKとする。あんなのにOK出すの、すげぇ嫌なんだけど。  ちなみに、その描写の水準を最低限のものとして、一冊の長編なりを、常にそれ以上で書けるようになれば、プロの下ぐらいには引っかかる文章力となる。  あんなヘタクソな描写を書いているプロは、まあいないこともないのだが、まずいない。  だが「描写」ができないプロというのは、これは、存在しない。  説明すべきところと、描写すべきところとは切り分けて、描写すべきところではちゃんと描写を行う。  それができないようなプロはいない。  逆立ちしても描写が書けない。そもそも描写と説明の違いがわからない。指摘されてもちんぷんかんぷん。  そんなアマチュアと、必要のあるときには描写のできるプロとのあいだには、溝というか壁というか――そんなものがあるわけね。  ちなみに、これは文章力だけの話だ。  他にも、構成力とか、キャラクター造形力とか、知識量とか、発想力とか、さまざまな要素ごとに「溝や壁」があって、それぞれでプロとアマとは一線を画されている。  弟切は知識量だけは、とりあえず「溝」を越えてるんだよな。  弟切の知識量はアマチュアのそれではなく、すでにプロの側のもの。「鍛えろ」なんてつまらないことを僕が言わなくたって、ひとりでに自己増殖して、いま現在も増大中だし。  ただ知識をアイデアに結びつける発想力のほうが弱いので、いまのところは、あまり役に立っていないのだが。  文章力は「プロ水準」の下のあたりが見えてきたとして、次は構成力かねぇ。  飽きっぽいのをなんとかしないと、どうにもならんぞ?  話を完成まで持ってゆく前に、放り出して他のものをはじめてしまう、あのいつもの癖ね。  あれって、弟切の中に「これだ!」という書きたいものがないために起きているんだよな。  思いついたときの興奮と新鮮味だけでストーリー作りに取り組んでいるから、どう根気を搾りだしても2、3週間ぐらいしか持続しない。  構成する速度と、書く速度とを共に大幅アップさせて、2〜3週間のうちに作品を完成させてしまうか。  数ヶ月は取り組み続けるに足りるぐらい、自分のこだわりのあるテーマを見つけ出すようにするか、まあどちらかだろうな。  んで、次はどうする?  「描写」の感覚を掴むために、もうちょっと生課題的なワンシーン描写をやってみるか。  それともいちばんの弱点である構成力のほうでもやるか。 >文章力のこと  小さな頃から文章に慣れ親しんできていて、ほとんど先天的に上手な文章が書けてしまう人にとってみれば――。  二十歳過ぎて文章修行をはじめたやつの書く文章なんてのは、どれも読めたものではないのだそうだ。  アマチュアの文章の話なんて、していない。  これはおもにプロの書く文章についての話ね。  上には上があるわけだ。  しかし分室では、そんな「上」の話なんてしていない。ごくごく「底辺」に近いところの話をしている。  商業水準のライン上、ぎりぎり通用する程度の話。  描写ができるか、できないかとか、そんなあたりの話ね。  そんな低いところにさえ、大抵の作家志望者は届いていないのよ。 -------------------------------------------------------------------------------- お久しぶりです No.7490 投稿日 2004年1月25日(日)06時39分 投稿者 名無し君2号  久美沙織さんの「もう一度だけ新人賞の獲り方おしえます」を手に入れたので、だらだらと読みふけってました。  これを読むと小説を書きづらくなることこの上なし。だって気を遣いすぎてしまうから。  すごく勉強になるけど。でも分室で学んだこともある。  久しぶりに過去ログを読み返そうかな。 >1000字課題  ひさかたぶりに。  No.100「世界の真ん中で」(1200文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=756&e=res&lp=550&st=0  短編に集中していたら、掌編の書きかたを忘れてしまいました。なんとか形にはなったと思いますが。 >短編「優しい嘘」 >あらすじ、プロット直し  あげときます。  あらすじ、その2 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=754&e=res&lp=745&st=0  プロット、その2 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=755&e=res&lp=745&st=0  とくにあらすじはかなり別物になりました。  それにもとづいての1行コメント。  愚直でしかなかった主人公が、ヒロインに巻きこまれ、親友の父親の浮気調査をして苦悩した結果、嘘をうまくつけるように、また嘘を見抜くこともできるようになる話。  ……なんか違うような気もするけど。 >冒頭 >>「車内感」ってやつが、ぜんぜん、ないじゃんかよ。  いまあらためて自分で読み返してみると、たしかに「車内感」はまったくありません。なんでだろ、ってまあ車内感を書いてないからなんですが。  たぶん、登場人物を出すのであっぷあっぷになっていたのではないかと思いますが……ひどいな。  ほかの箇所も似たような感じでした。ひどいな。 >弟切さんの指摘  読んでいただいてありがとス。いまだに蛭子さんはちっともわかりません。 ○ヒロインの名前  旧あらすじだと「明日見」で、本文だと「明日美」な問題。  あの話、最初にあらすじを書いて、それにもとづいてプロットを書き、それから本文を書いたんですよね。途中で「明日見より明日美だなあ」と変更して、そのまんまあらすじを修正しなかったんです。失礼しました。 ○深夜のアルバイト  高校生が夜中にアルバイトするのは問題だし……なにより祖父が探偵事務所の所長という設定らしいが、だったらなおさら可愛い孫娘を深夜に働かせるわけがない。  そんな指摘ですが。  この話のヒロインは謎の多い人物――というかけっこう嘘つき――として書いてあるつもりでしたが、そのせいで説明不足になっている部分がたくさんあります。つまりはこちらのミスです。  さらに設定として、ヒロインは過去の傷のせいで、心に闇を持っている――というのもあったりします。本文中ではまったく触れてないので、そんなのはなかったのとおなじことなんですが。  心の闇のせいで、探偵事務所なんぞ手伝っているし、祖父も文句言わないし、留年ぐらいどうでもよくなってるわけです。  そんな過去の傷とは……まあ、決めてないんですけども。  いろいろ考えてはいます。誘拐されたとか、殺したとか殺されたとか。でもあんまり陰惨すぎるのも嫌だし書きたくないし。書けないような気もするし。  かつて恋人だった少年Aがヒロインの目の前で自分の親を殺して逃げたとか、そんなあたりで。 ○制服を着て浮気調査はしない  ズバリ、制服姿で浮気調査はしないでしょ? そんな疑問。  浮気調査といっても、じつはこれって嘘の浮気調査なんですよね。浮気調査の相手がかつての親友の父親であると、そう主人公に知らせるためだけのもの。  そもそも、制服で浮気調査したってかまわないとも思います。ここで問題なのは調査相手に自分たちの存在がばれるかどうかという話で。学生が探偵なんてむしろ想像しずらい、ゆえにばれずらいとも思うのですが、どうでしょうか?  そんな格好でラブホテル街にいたら補導されるだろ、ならまだわかりますが。 >>そもそも、主人公がアルバイトをしている場面が、深夜でなければならない理由はありませんよね?   深夜のホテル街だから主人公はどきどきする。読者もどきどきする。そういう効果を狙ったものです。だから深夜のほうがいいです。 >文の書き方  「眼鏡っ娘、倉庫の奥に歩く」に絡んでの新木さんからの質問。 >>――で、おまえの場合は、どうやって書いているわけ?  全部の場面が浮かんでます。動画ではなく、漫画のコマ割りっぽいものが。  眼鏡っ娘が倉庫の扉を開けると、そこは薄暗く、空けた扉から差しこんだ光で、キラキラと埃が日に照らされて輝いている。口元にハンカチを当て、蛍光灯をつけ、奥へと進み、あらわれたネズミはジト目で睨み付けて追い払う……。  ただ、場面が浮かばない時もあります。  そのときはイメージが浮かぶまで、 >>はじめはイメージが白紙に近い状態のままで書きはじめて、言葉を書き連ねてゆくうちに、そのシーンのイメージをだんだんと固めてゆくだとか、そんなことやってる?  なんてことをやったりします。浮かんだら最初からやり直してますけども。 >文頭重複チェッカー  文章のヘタさ加減が、無意識のうちに直っていた――のではもちろんないです。  下手なのをアップすると、ここ分室ではぼこぼこにされますから、いやでも直さざるをえない。いちばん辛いのは無視されることなんですが。  かといって、特別文頭に注意を払っていたわけでもないのです。 ・仰々しい文章を書かない。 ・おなじ言い回しを使わない。 ・文章に強弱、リズムをつける。 ・説明しない、描写する。 ・書いた文章を読者が理解できるかどうか、考える。  これらを常に意識するようにはしています。「おなじ言い回しを使わない」や「文章の強弱」あたりが、文頭への注意にも向けられたのではないか……と思いますが。  常に意識しながら書いているので、執筆のスピードはすごく遅くなりました。 「ああ、これ違う違う」 「ああ、これ駄目だ駄目だ」 「ああ、これわかんないったらない」  かといって完全にできてるわけでもないという体たらくなんですが。  文章への注意を無意識にできるようになれば、もうすこし書くのが早くなるし、これらに向けていたリソースをほかのことに向けられる――文章をもうすこしうまくすることができるのではないかと思ってはいますが。 >小説家の能力  小説家に必要な能力とはなんじゃろか、と。  文章力  ストーリー展開能力  キャラクター造形  知識  話のアイデア  まあこのくらい。過去ログを参考にしつつ。  さあ、このうち、2号こと私はいったいどれが得意なのか?  文章力は最低ラインまでは到達できる……はず。最低よりもうちょっと上を目指したいけど。  ストーリー? うーん……。まだまだかなあ。驚きがないよね。たまに起承転結もない。  キャラ立ての力。  よくわからない。でも最低レベルまでも達していないのだけは、よくわかる。生まれるキャラがちょっと変な気もする。  知識。  ない。  ネタ出し力。  枯れてきたような気がする……。  なんだ、まったくいいところがないじゃないか。  それはそれで結論づけるならば、です。  プロとして最低のところを10とする。最初の2号――つまりはドシロウト――を0とする。え、いまの2号はなんだって? そりゃドのつかないシロウトですよ。  文章力、5。  ストーリー、5。  キャラクター、……6?  知識、3。  アイデア、5。  そんなところかと。うむ、じつに中途半端。  短編のあらすじとプロットを書き直すのにけっこう時間がかかりました。レスには3時間ほどでしょうか。「眼鏡っ娘、倉庫の奥に歩く」のリライト分析は、明日の私のエサです。 -------------------------------------------------------------------------------- 咳き込みながら帰還 No.7491 投稿日 2004年1月26日(月)01時41分 投稿者 弟切 千隼  出先より戻ってまいりました弟切です。風邪が治りきらない状態で出かけたら、出先で咳がひどくなりました。咳ばかりしていて喉が痛いです(^^; >寝たきり  No.7480の書きこみの題名に、ブラックな要素が含まれているのは気づいていました。  これは、ネットのような公の場に書くには、注意を要する言葉ですね。書いた本人が、自身を笑いのめすだけならいいです。けれども、実際に寝たきりである人や、寝たきりの人を身内に持っている人にとっては、笑って済ませられる言葉ではないでしょう。  弟切は、そういう人々に対する配慮が欠けていました。No.7480の題名を見て、不愉快になった人がいるかも知れませんね。申し訳ありませんでした。 >753 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その四  一応、OKということになりました。本当に「一応」ですが(;_;)  このまま修行を続ければ、文章力については、プロ水準の最低限には引っかかるようになるでしょう。  文章力のめどが立ったところで、次の課題についてです。  弟切の一番の弱点が構成力であることは、自覚しています。ここを鍛えないと、プロとしては全く使いものにならないでしょう。    しかし、今はようやく「描写」をつかみかけたところです。もう少しはっきりと「描写」の感覚をつかむために、しばらくは生課題のような描写の練習をしたいですね。 2号さんへ >  「優しい嘘」への弟切の指摘に対し、No.7490で説明してくれましたね。  まったく、全然、納得できません。  今回は時間が取れませんので、詳しい反論は次回に回します。一言だけ書いておきます。  作中に書かれていない、作者本人が決めてもいない「ヒロインの過去の傷」とやらを持ち出されても、まるで説得力がありません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7492 投稿日 2004年1月26日(月)03時47分 投稿者 新木 伸 >文頭チェッカー  紫がルーチンを作ってくれたので、重複文頭が赤色表示で出力されるようになりました。  しかしこのあいだまで「Perlできない」と言っていたのに、いつのまに覚えたのやら。さすが職業プログラマー。  メニューから行けるようにして、使用法の説明も付けておきました。 ○2号 >新人賞の獲り方おしえます  あのシリーズには大事なことがたくさん書いてあるのだけど。  問題点がひとつあって、「そのこと」をすでに身につけている人間でなければ、なにが書かれてあるのか、わからないということなのだな。  2号が「分室で学んだことがある」といっているそれは、もう身につけていること。  「分室で学んでないことだ」と思っているそれは、まだ身につけていないこと。  2号が身につけていないから覚えがないだけで、過去ログのどこかにゃ書いてあるって。だが「書いてある」ということと、「身につけている」ということは別なんだな。  良い小説を書くにあたって、どういうことを目指せばいいのか、なにが出来るようになればいいのか、その方向性はあの本の中に示されている。  しかしどういう「訓練」をすればそれが実際に身につくのか。そこが書いてない。  どういうことが出来るようになればいいのか――ということを示されただけで、そこにたどり着くまでの「方法」を自分で考え出せるような人間には、あの本はとても役に立つ。  あの本には価値がない――なんて批判をしているのではなくて。  分室と分担範囲が違うということを言っているのだな。  第一回や第二回の講義で、いきなり、1000字の小説を「30分以内」に書かせて、評論に値するようなモノを書いてくる人間が集まっている場所で使われるノウハウと――。  誤字脱字を出しても平然としているドシロウトの集まる場所で使われるノウハウとは、別だということ。  おまえ、できんのかよ?  まともな1000字を30分で書くってこと?  あそこの講義は、そこが受講生のスタートラインなんだよ。その講義で行われた会話を、本にしてあるものなんだよ。  スタートラインにも立っていないヤツが読んで、半分もわかれば上等ってもんだ。  ――てか、本当に半分もわかっているのか?  俺だってな。はじめ分室を開いたときには、「作家志望者」というぐらいだから、そのぐらいのところから始めてOKだろうと思っていたさ。  てか、実情がどこまで低いところにあるのか、想像の外にあった。完璧に。いくらなんでも、いくらアマチュアで能力が低いといっても、そのくらいはできるだろ。――てな見込み違いが何度もあったわけだよ。  米は洗剤で洗っちまうわ。醤油入れすぎたからって、砂糖入れるわ。味噌煮を作るのに、魚を茹でたあとから、味噌を上に盛りつけるわ。  分室では現実を見て、その実情に合わせて、方法を変えてきているわけね。  下方修正ともいう。  誤字脱字をなくさせるまえに――。誤字脱字があると、なぜいけないのか、そこをきちんと説明して納得させなきゃならないし。  「良い描写とはどんなものか?」を語る前に、まず描写ってのがなんなのかわかるように、体感させなきゃならないし。  あそこの講義で、あの本のなかで、「描写とはなにか?」なんてこと、どこにも説明してないだろ?  「よい描写とはどんなものか」てな話題なら、いくらでも出てくるだろうけど。  おまえ、いま、「描写とはなにか」ということがうっすらとわかってきているから、あの本の中の「よい描写とは」の話についていけてるんだろ。  以前であれば、どう読んでいたよ? 「描写」っていう正体不明のものを、なにか自分のいいように解釈して、適当に読んで、それで「理解したつもり」になっていただけなんじゃないのか?  ――で、つまり、なんなのかというと。  お前なんかが読んだって半分はわかんないだろうし、わかった気になって楽しくなるだけだ。  「作家になった気分」を満喫する娯楽書として読むのならともかく、他に効用はない。  そんなことをしている暇があったら、手を動かせってーの。  もう半分も身につける頃には、読んで意味も出てくるだろうさ。  1000字課題のほうだって、5ヶ月もかけて、ようやく100篇かよ。  平均すると、1日1編も書いてねーじゃんかよ。 >弟切からの挑戦  アホ。  説明して同意してもらえ――なんてことを言ったわけじゃない。  これは戦いなの。相手がぐうの根も出せなくなるようなものを出して、完敗させろと言っているわけ。  きちんと説明すればわかってもらえるだろう――なんて見込みでいるのが、まず甘い。とてもアマチュアくさい。  相手が好意を持っていて、理解してくれようとしていて、自分の作品に共感してくれていて――なんて、そんな状況が、作家が遭遇する現実のどこに転がっているというんだよ?  良くて無関心。たいていは反発。  相手は、そもそも、わかろうとしていないのだ。  「ノーサンキュー」と突っぱねてくるか、「それ変でしょ?」と声高に主張して、自説を曲げまいとして、必至に抵抗を試みてくるわけ。  わかろうとしない相手を、力ずくで納得させてしまうだけの「納得力」を絞り出せっての。  せっかく弟切が「敵役」をやってくれるのだから、ちゃんと乗っかって、利用しろっての。  「興味ありません」と「買いません」と言っている相手に品物を買わせるのが、セールスマンという商売なのだ。  おまえのいまのやり方では、自分から「買いたいんですけど」と近寄ってくる相手にしか売りつけられん。  「深夜のアルバイトって、変でしょ?」  「制服を着て張り込みって、変でしょ?」  ――この反感を突き破ってみせろ。  弟切を、「そりゃ深夜にアルバイトしなきゃー」「制服を着て張り込ませなきゃー」と、「自分の側」に巻きこんでみせろ。味方にしてみろ。  以前、関節技の説明をさせたときには、なにせ「シロウト」だったもんで、ノウハウも技術もクソもなく、てんで話にならなくて惨敗していたが――。  5ヶ月もやってりゃ、「説得の技術」の引き出しに何かが入っていて、すこしはマシなことができるようになっているのか? どうなのだ?  玄人芸のひとつでも、披露できるようになっているのか? どうなのだ?  それともいまだにシロウト丸出しのままなのか? >倉庫のシーン >>全部の場面が浮かんでます。動画ではなく、漫画のコマ割りっぽいものが。  漫画のコマ割りのようなものが浮かぶというが。  いきなりそれ(二次元の映像)が浮かぶというのが、よくわからんのだが……。  まず眼鏡っ娘が扉を開けたときの、戸口のあたりから「キラキラと舞う埃」を見ている映像が、最初に1枚あるよね。  同様に、口元にハンカチを当てたときのコマと、蛍光灯が点くときのコマと――とにかく文中で描写してある「場面」であれば、すべてコマとして存在しているわけだな。  そこまでは、わかった。  ――で、それだけ?  そのコマとコマとの「間」ってのはないの?  つまり書いていない「場面」に関するコマってことだが。  それぞれのコマで描かれているものは、同じ部屋のなかの情景やら、そこに立つ眼鏡っ娘やらを、色々な角度から映したものだよな。  コマとして描かれるかどうかとは関係なく、「部屋」という空間が、まず独立して存在しているもんじゃないのか?  どのコマにどんなものが映っているかということは、カメラを部屋のどこに置き、どちらに向けるかという違いでしかないのでは?  わざわざコマとして写し取ったりしなくたって、どんな位置から、角度から、時間位置から、好きに構図を決めて写し取れるのだから、説明にわざわざ「コマ」なんて言葉を使ってくるのが、よくわからんのだが……。  2号の脳裏には、部屋のなかの「書いてあるもの」しか存在してないのかな?  たとえば俺のリライトのほうでは、わざわざ「少女が現れる前の部屋」(部屋内側)を出して、そこから始めているよな。  これが2号のものでは、「部屋のドアを開けてゆく少女」(部屋の外側)として描かれているわな。  ここ、気づいて、なにか学ぶかな〜と思って、リライトだというのにルールを破って、わざわざ変えてみたところなんだけど。  2号の脳裏にある「コマ」には存在しないシーンを書いてみせることで、「なぜ新木さんにはそれが書けるのだろう。どうやって書いているのだろう。自分のやりかたとどう違うのか」と思考が発展してゆくかどうか見ているわけだが。  こういうの仕掛けてみるのって、無意味で無駄なこと? おまえ、そこまで真剣に見ていないから、そもそも気づきもしない? 豚に真珠?  しかし2号がどこまで精密に「描写対象」を脳裏に描き出しているのか、俺にはよくわからないわけよ。ひょっとしたら、まだまだ、ぜんぜん、この手のことは早すぎるのかもしれないけど。  それを確認してみるか。 1.実際に描写するシーンに映っている部分だけしか考えていない。 2.実際には映らない部分まですべて作りこまれていて、3Dの実物大模型として完成されている。 3.3D模型として精密に作り込んであり、さらに、「主人公が登場して、退場する」の外の時間範囲においても、「室内」は存在している。  言うまでもないが、売り物にするなら「3」でなくてはならない。  少女が登場する以前の部屋を、描こうと思えば、お前は描くことができたのか? どうなのか?  それともいまのお前にそんなことを訊くのはまったくの無意味で、部屋を立体として考えてもいないような、そんな低いところに、まだいるのか?  頭のなかに立体空間を作らないで、いったい、どうやって描写をするというのだ?  セットを組み立てることもなしに、いったいどうやって映画を撮るというのだ?  その他の方法でどのやって小説を書くのか、俺には皆目見当もつかん。 >文章への注意  2号の文章があのチェッカーに引っかからなかったのは、偶然ではなくて、当然で必然の結果だったというわけだな。  「おなじ言い回しを使わない」ということに配慮しながら書くことが習慣となっていたから、もちろん文頭の語句も同じにはならなかったわけね。  そもそも、あの手のミスをやらない体になっていた。――そういうことか。  カッコいいじゃん。  んで、その「おなじ言い回しを使わない」ということだけど。  いつどこで、なにを理由として、はじめるようになったわけ?  「仰々しい、こけおどしは禁止」「リズムを付けろ」「説明するな描写しろ」「読者が理解できるか考えろ」――と、このあたりに関しては、やった覚えがある。  だが僕の記憶にある限りで、2号に対し直接的に、「言い回しに配慮せよ」と指摘したことはない。ましてやカリキュラムを組んで、頭ではなく体に「言い回しを死ぬ気で探す」ことを叩きこんだということはない。  言い回しの単調さと、おなじ表現の連発を指摘したことは、あれだな。  昔、よみかくの感想掲示板のほうで、「フィア・イレイサー」の杉田純一さんに指摘したとき。その一回ぐらいなもんかな。 >>文章への注意を無意識にできるようになれば、もうすこし書くのが早くなるし、これらに向けていたリソースをほかのことに向けられる――文章をもうすこしうまくすることができるのではないかと思ってはいますが。  二十歳から文章を始めたような人間は、そんなことをやるにも、意識して努力して身につけなきゃならないぐらい低いところからスタートしなきゃならないから、上達したといっても、高が知れてるわけ。  俺を見ろ。  十五年もやってて、まだ、こんなもんだぞ。  ようやくそのへんを無意識のうちにやれるようになってきたが。  さてここで質問です。  「文章への注意」を無意識のうちにできるようになるためには、どうすればよいのでしょうか? >自分評価  自分をえらく過大評価してるなぁ。  希望を言え、といったのではなくて、現実を言えと、そう言ったのだが。  まあ比率がそれほど狂っていないことは評価できるが。  キャラは6→4に修正だな。  あとアイデアは5→4だな。  そうして比率に対しての修正を施したあとで、全体の数値を、2で割っておけ。  過大評価率200%ってとこだな。 >「優しい嘘」分析とか >>愚直でしかなかった主人公が、ヒロインに巻きこまれ、親友の父親の浮気調査をして苦悩した結果、嘘をうまくつけるように、また嘘を見抜くこともできるようになる話。  はァ?  なにトンチンカンなことを言ってるんだよ。  もしそういう話だというなら、タイトルを「上手な嘘」とでも変えてきやがれ。  この話の内容物を示すラベルは、「優しい嘘」というものだろうが。  あと「愚直」を辞書で引いてこい。  主人公が中学生時代に嘘をついたのは、正直すぎて気が利かなかったせいなのか? そうなのか?  愚直っていうのは、そもそも嘘をつけない人間のことを言うんだよ。愚かしいまでに正直すぎる人間というのが、「愚直」という言葉の意味だ。  バレるバレないはともかく、嘘をついている時点で、愚直のはずがねーだろ。  思いついたフレーズにエウレカして、言葉に引きずられて、考えを中断して休憩するために喜々として適当なテーマをでっちあげるようなことはやめろと、何度言えばわかるのだ?  小説を書くということは、どこまでも際限なく考え抜くということなんだよ。休憩なんてないの。賽の河原で石を積み上げてゆくようなものなんだよ。無間地獄なの。  いいかげん腹くくれってーの。  ったく――。  自分が何を書いたのか、なぜそれを書いたのか、どこが書きたかった部分なのか、なぜその話を自分が書かねばならなかったのか。  な〜んにも、わかっちゃいないんだなぁ。  そんなヤツが書いた作品なんて、どーせ、たいしたことないんだろうなぁ。  他の誰かが書いてしまえる話であれば、なにもオマエが書かなくていいんだよ。  60億人いる人間の中で、オマエだけにしか書けない部分は、どこなんだよ?  面白いのかよ? 本当に?  読んでいいのかよ? 60枚っていったら、15分もかかるんだぞ? 読んじまったら、俺の時間が無駄になるんじゃねーのか?  あらすじを見ただけで、作者の考察が浅く、まるで足りていないことが丸わかりだ。  てめえそんな浅い考えで書いたもので、オマンマ食おうと思っているのか? プロの仕事をナメるのもたいがいにしとけよ。  800字版のあらすじだけは読んだ。  あらすじでしっかりと記述しておくべきことを、「作者が考えきっていない」という「とほほ」な理由によって、書けないままでいる。  きっと2号は、大事な部分をうまくまとめきれない歯がゆさでも感じているはずだ。  そこを追求してみるので、回答するのこと。 >>中学生時代、わざと駅伝選手の座をゆずった  なぜだ? 5W1Hのうちの「WHY」が、ここで欠落している。  ここは誰にでもわかる自明の理であるので、省略して書いていないというのではない。  なぜ主人公が駅伝選手の座を友人に譲ったのか、その答えを作者がきっちりと考えていないから、書きたくても、書くことができないのだ。 >>思わず姫太郎は明日美の後をつけてしまう。  ここも同様。なぜ主人公が少女のあとをつけてゆくのか、作者として、明確な答えを持っていないのだ。だから「思わず」などという、どうとでも受け取れる言い回しでしか書けずにいる。  そもそも「思わず」なんてのは気弱語であると気付けってーの。 >>結局、姫太郎は真実を告げることを選んだ。  ここも、なぜだ? >>嘘は見破られない。  ここでの「嘘」というのが、なんだったのか。  なぜ再び「嘘」をつく必要があったのか。  なぜ今回は見破られなかったのか?  以上、4点。  思考が必要水準にまで及んでいない。  考え抜いて、答えを見つけだしてくること。  それはそれとして――。  ひとつ質問。 >>真夜中のホテル街で、高校生の風野姫太郎は車のなかから外の様子をうかがってい た。車内には他にスーツ姿の男と制服姿の少女。こんなことをやっているのはこの少 女、浅田明日美のせいだ――姫太郎は回想する。  ここのところって、つまり、こういうこと? ・主人公はやりたくもないことを、嫌々ながら、やらされている。 ・すべてを少女のせいだと決めこんでいる。その恨みに根拠があるかどうかはともかくして、とにかく、相当に強く恨んでいる。  ――ということを、書いているわけ?  だとしたら、そんなネガティブな始まりかたをする話を、誰が読むっていうのだ?  そもそも、なんか愉しいものなの? この話って?  こんな卑しい心根を持った主人公のネガティブ思考に、どう同調しろっていうのだ? どう感情移入しろというのだ?  美少女が出てきたら、それは正義に決まってるじゃん。  主人公のその恨みには、なにか根拠があったりするのかもしれないが……。しかし恨みを向けている相手が「美少女」である以上、主人公のほうがねじくれているに決まってるじゃんか。  主人公の恨みに根拠があろうがなかろうが、そんなことは問題ではない。相手は美少女である――ただそれだけで、間違っているのは主人公のほうなのだ。  これは「彼女イナイ歴26年の男」に読ませる小説なんだよな?  対象読者を自分以外の人間に設定するなんていう器用なマネは、まだできないようだから――おまえの書く話は、すべて「対象読者」が自分自身のままだよな?  だったら「美少女は正義」が絶対ルールとなるよな。  それとも、もしかして、ひょっとして――。  「主人公が少女を恨んでいる」というこの読みかたって、間違っているのかね?  どう読んでも、何度読んでも、そうとしか受け取れないのだが。  「こんなこと」と「せいだ」――と、この2点でもって、もう主人公が「嫌々」であることは確定するよな。  ――な? するだろ?  たかが3行ぽっち、集中力も続かずに、おろそかにして、ロクに書けやしないやつに、3000行もある小説が書けるわけねーだろ。  冒頭シーンにおける、主人公の心境を、正確に定義せよ。  嫌々なのか、そうでないのか。少女に罪を着せて、彼女のせいにしているのか、そうでないのか。  主人公はどういう境遇に置かれており、いまどんな心境であり――。どんな種類の「共感」を読者に求めているのだ?  ここで訊いているのは、感情移入の種類についてだが。 >車内感がない理由  ないのは「車内感」だけではないぞ。  「ラブホテル街感」もない。  「美少女感」もない。  「うさんくさいオッサン感」もない。  「場違いな場所にいるドギマギ感(主人公の)」もない。  あれも、これも、ぜんぶ一切合切、色々なものがない。あのシーンにおいて、読者が金を払うべきモノが、まったく脱落してしまっている。  てっきり、まだできないのかと思って――。  「倉庫と眼鏡っ娘」をやらせてみたら、不完全ながら、やれば一応はできるんじゃねーか。  なぜ、やらない? なぜサボる?  どうでもいい生課題ではやれていることを、なぜ渾身の力で書いた「最大出力」の話のなかの――もっとも重要な冒頭部分で、できないのだ?  おかしいと思わないか?  なぜ「本番」で実力を出しきることができず、「練習」のほうでは実力を発揮できるのだ?  答えは至極単純。  やる気の違いだ。モチベーションの違いともいう。  「倉庫」と「眼鏡っ娘」に対しては、お前のなかに「萌え」があったのだ。  題材がやる気を誘うものだったので、「本当の最大出力」が出てきたんだよ。  しかしこの冒頭シーンのほうは、作品としてのストーリー上の要請から「仕方なく」書いているだけであって、特にこれといって、「書きたい部分」=「萌えポイント」がなかったわけだ。  だからこんな、ゴミみたいな、箸にも棒にもかからんもんが出てくる。  これを改善する手は、いくつかある。  書きたくないものでも、書きたくなるように自分の気持ちを変えてゆくか、さもなければ、やる気を誘う「自分的萌え要素」を探し出してきて交換するか。  基本的に、貧乏性なのだ。お前は。  なにかとっておきの「面白いもの」を、ひとつの作品に、たった一個か二個しか投入しようとしないのだ。  プロの世界ではな、1ページ1個っていうのが、最低限の「相場」なんだよ。  あの車内のシーンの長さのなかに、3個か4個ぐらいあるのが「平均」なんだよ。  「車内感」を見せきって一円を貰い、「美少女感」を見せきってまた一円を貰う。  「オッサン」と「ラブホ街」でさらに一円ずつ。「ドギマギ感」でもう一円。  これで五円だ。  2ページ書いて五円を貰う。  そして200ページを書くことで、五百円になるんだよ。  お前の書いた、やる気も萌えも見あたらないスカスカなもんのどこに――五円の価値があるというのだ? >ヒロインがどうでもいい件  ここには納得しないだろうから、すこし解説を入れておく。  「明日見」だか「明日美」だか、作者自身が名前を間違えてしまっているということが、なによりも端的に表しているけど――。  この「彼女」は、いつもの2号キャラであるので、お前にとって新鮮味がないんだな。  なにを書いてもこの「彼女」は登場してくるもんだから、そこにいるという状態が、あたりまえとなっている。  だから名前だって間違われてしまう。  初登場のシーンでも、その「美少女ぶり」を描写されることもない。  おなじ初登場シーンでも、「探偵のおっさん」のほうが、まだ気を使われて大事に扱われているくらいだ。  あのシーンの中で、主人公か「おっさん」と「ヒロイン」のどちらを――より大きく気にかけているのか。見てみろっての。  おっさんより扱いが小さいヒロインってのは、いったい、なんだよ? -------------------------------------------------------------------------------- 津荒さん(#7488) No.7493 投稿日 2004年1月26日(月)03時55分 投稿者 とんびの羽根  今回のレスでは津荒さんが、ちゃんと思考しようとしているのがよくわかりました。  「作者の領分としての思考不足と、読者から見ての説明不足に大別できるのではないか」という仮説をたてて一件一件当てはめていったわけですね。  おもしろかったので、わたしも自分で確かめてみましたけど、おおむね津荒さんと同じ結論に達しました。  もっとも「考えたらず」の解決は注意を払うだけでは解決できませんよ。なぜなら、設定の穴というような小さなものだけではなくアイデア出し、設定の深い考察、検討という、より思考能力が要求される部分が大きいからです。  逆に誤字などは検討不足というより単純ミスなので読者でもわかる部分ですね。説明不足同様に仮想読者を持つことで直せます。  あと多少津荒さんとわたしとでは1,2が一致しない部分もありました。どこが一致していないかさらっと違いを検討してみれば面白いかもしれません。 >>彼女は一番奥まで歩いて行く。  動機が不明>検討不足(2)または説明不足(1) >>どんな上等なディナーでも、もどしちゃったら意味ない  表現(比喩)が不適当>検討不足(2) >>視界がぼやけた。  設定が不適当(ただしハンディとしてバランスをとる目的ならオーケー)>検討不足(2) >>女の妖力が異常に高かい  設定が不適当(ただし妖力の高さがストーリーに影響するのであればオーケー、構成上妖力の高い理由を説明するエピソードと、妖力の高さが活かされているエピソードが必用になる)>検討不足(2) >>後ろから手を伸ばし、女の額に目玉をつける  手段が不適当>検討不足(2) >>職員は俺一人。  表現が不適当>推敲不足(2) >>本棚に隠れていたのだろう。  表現が不適当>推敲不足(2) >>戸田はうつぶせに倒れた。 >>戸田はエリの後ろを見て、大声を上げた。すぐに土下座する。  状況の説明不足(1) >>(てことは、親父が作った妖怪だな)  設定が不適当>検討不足(2) >>パソコンを使って死んだ親父の研究データを調べる。予想は的中した。  状況の説明不足(1) >>夢本は洗脳した人をつかった攻撃しかできない。攻めるなら夜だろう。  論理の飛躍>検討不足(2)かつ説明不足(1) >>足に軽く力を入れ、跳躍する。 俺は二メートルの校門を軽く飛び越える。 >>五十メートルほどの距離を一足で移動  状況の説明不足(1) >>「なぁお前、博士のガキだろ? そっくりだな。気持ちわりいくらいだ」  設定無視>検討不足(2) >>夢本も知らなかったみたいだな。俺は目の妖怪。  状況の説明不足(1) >>いざとなったらこっちに来れば良い  状況の説明不足(1) >番号付け >>指摘は区分すると、二つですね。 >>1 考え足らず(誤字や、設定の穴など) >>2 説明の欠如  1と2が逆になってましたよ。そのために結構混乱しました。 >>1 説明の欠如 >>2 考え足らず(誤字や、設定の穴など)  という順にしておかないと対応がとれません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7494 投稿日 2004年1月26日(月)06時41分 投稿者 新木 伸 >青葉さん >説明の分量  理解されたみたいですが。  いまごろになって、いいたとえを思いつきました。  自分の小説に説明文が多くても気にならないのに、他人の小説だと気になる現象の説明です。  自分の自慢話っていうのは、何十分でも話していたいものですが、他人の自慢話は1秒だって聞いていたくありませんよね?  自分の書く小説を客観視できていないと、立場を逆にしてみればすぐわかることが、わかりません。  カードゲームのルール説明なんてのは、他人の自慢話と似たようなものです。  すくなくとも物語を愉しもうとしている人間にとっては……。  ややこしくて、難解で、七面倒くさいものの代名詞です。  古くさくて、説教じみていて、誇張だらけで、本人にとっては重大事項なのだろうけど、まったく関心の持てない自慢話と――似てません?  ――と、こう書けば、僕らが目にした途端に「えんがちょ」を切って逃げ出した理由が、わかるでしょうか。 >青葉さん >「疲れている」状態  疲れているというよりは、なにか、死にかけているように思えますが。  なぜ「疲れている」を通り越して、「死にかけている」にまで飛躍してしまうのでしょうか?  極端にすることが、描写するということではありません。  はい。  「死にかけ」なんていう極端な症状ではなくて、「一日働かされて普通にヘロヘロ」の人間がどんな「状態」にあるものか、もういちど考え直し。  疲れているって、どういうことですか? >津荒さん  「そんなけ」は、やはり方言でしたか。(まだ確定してないけど)  自分の身の回りで使われている――といいますけど、群馬の地元の人になら、老若男女、誰にでも通じる言葉ですか?  だとしたら方言として間違いないかな。  方言と、そうでないものと、きっちり区別できていないとまずいですね。  「絶対確実に標準語」と「絶対に方言」と「どちらなのか怪しいもの」の3つに区別するようにしましょう。  小説で使っていいのは、基本的に「標準語」です。  日本全国どこに住む人が読むことになるかわかりませんので、全員に共通する言語となると、標準語しかないわけです。  特定の地域に住む登場人物を出すときにだけ、方言が使えます。  じつは東京にも「東京弁」ってのがあったりしまして。  「東京弁」はなまじ標準語に近いものなのでわかりにくく、見分けるのが困難で、東京育ちの僕も苦労しています。  東京弁はおもに発音のアクセントに出てくるものなので、小説の場合には、けっこうごまかせてますけど。(どちらも文字で書いてしまえば同じこと)  よく知られている「東京弁」だと、「七」を「しち」と言わずに、「ひち」と言ってみたりとか。  余談ですが、「標準語」という言葉は、言語統一のために作られた言葉なんですよね。  誰も「ネイティブ標準語」を話している人なんていませんし。(アナウンサーだけ)  なお、自分の書いた小説を他人の目で眺めてみるテクニックに関しては、けっこう色々と紹介されてきてます。  まあ、時間を置いて見る――というのもひとつの方法ではありますが。  ほかにも――。 ・縦書きにして読んでみる。(縦書きエディタやワープロソフト) ・紙にプリントアウトして読んでみる。 ・違う場所(環境)で読んでみる。 ・声に出して読んでみる。さらに読み上げた声を録音して聞いてみる。 ・誰かに朗読してもらう。  ――などというものが、すでに紹介されていたと思います。  詳しい方法は過去ログ参照のこと。エディタを使った楽な「過去ログ全文検索」の方法をレクチャーする必要がある場合には、その旨、申し出てくること。  僕は執筆時には脳内の仮想読者を使ってますが、その後の見直し段階では、紙に縦書きしてプリントアウトして、居間のほうに持っていって読むことにしています。  あと頭の中だけのことですが、ちゃんと音声化してます。これは「声に出して読んでみる」と同じことをしていることになります。(慣れないうちは、本当に声に出したほうがいいです)  んで、自分でやるだけやって、最後の最後には、みやびさんに読ませる、と。(笑)  脳内の仮想読者については、僕がTRPG(テーブルトークRPG)で不特定多数のプレイヤーを相手にGM(ゲームマスター)をしてきた経験から身に付いたものです。  GM=物語を語る人です。  まったく面識もなくて、年齢もまちまちの人間を6人ほど前にして、物語の語り部として、時間いっぱい、6人の相手を同時に愉しませなければならないわけです。  「時間いっぱい」というのは、2時間ほどだったり、半日ほどだったり、12時間連続だったり。そのあいだ一瞬も気を抜けず、常に6人の関心を自分の物語に向けさせ続けなければならない。  ――そんな荒っぽい真剣勝負の場に、長いこと身を置いていましたから。 (TRPGの説明は、GOOGLEあたりでよろしく)  夢の中でもプレイヤー相手にGMをしてうなされて飛び起きるぐらい、TRPGにハマってみた結果、そんなプレイヤーの亡霊みたいなものが脳内に棲みついてしまい、僕の考えること、書くこと、あらゆるものを始終チェックしてきては、「つまんねー」「わかんねー」「寝るぞオラァ」と騒ぎ立ててくるという――。  「仮想読者」というのは、まあそのようなものです。  切り替えているわけではなく、僕の思考の脇に同時に存在していて、常に見ているものなんですね。  技術やテクニックというよりは、「呪い」に近いものです。作家にとっては便利な呪いではありますが。  なので、それは津荒さんには無理かもしれませんが……。  その他の方法については、津荒さんにも実行可能なことですよね。(プリントアウトは、プリンタがないと無理かな)  チェックのための方法はいくらでもあるはずで、「仮想読者」がいなければダメ、ってことはないはずです。紙を切るのにハサミがなければ、カッターでも定規でも、なにを使っても用は足せます。  頭を使ってください。  肝心なのは「チェックをする」ということであって、その方法などは、どうでもいいのです。  まあどんな方法を使ったとしても、自分でできる「他人の目」チェックには限界があります。本当の「他人の目」を使わないかぎりは、所詮は代用品ですから。  自分でできることをすべてやった後で「他人の目」を借りようというなら、貸してくれる人は、この分室にたくさんいると思います。  つまり、読んで指摘してくれる、ということですが。  プロだって、最終的には、「編集さん」という他人の目を使ってチェックしているわけです。僕も編集さんに見せる前には、みやびさんを使ってますし。  説明不足の部分に関しては、他人の目で読むための方法を駆使して、最後には他人の目を借りる。それで解決するでしょう。「言うは易く行うは難し」ですが。  あと考え不足の点についてですが。  ほとんどすべて、本文を書く前に判明してしまうようなことなんですよね。  800字程度のあらすじを書いて、人に見せて、質問をバリバリ受け付ければ、実際に書いてしまう前に問題点は判明します。  ここも自分で可能な限り考え抜いたあとで、他人の目を借りるということです。  まあ考えを詰めすぎると、書けなくなるし。はじめから完璧なものを書こうとすると、にっちもさっちもいかなくなるし――。  それに書かずに考えてばかりでは、話を考える力はついても、実際に書くほうは全然伸びないし。  適当なところで踏み切って、書いてしまうことも大事です。  考える力(構成力)と、書く力(文章力と描写力)と、両方をバランス良く鍛えてゆくには、両方に同じぐらい時間と労力を傾けないと。  一週間かけて考える。  一週間かけて書く。  一週間で自分の頭を冷まして、見直しつつ、他人の意見を聞いてゆく。  最後の一週間で検討。自分が考え足りなかったところの再認識。どうすれば良かったのか、次に生かすためにはどうすれば良いかの反省。場合によっては書き直し。  こうして各段階を踏みながら、1ヶ月に1本、きちんと考えて書きあげた短編をひとつずつ丁寧に仕上げてゆくだけでも、1年もするうちには、見違えるように力がついてきていますよ。  なぁに、そこらにゴロゴロいる自称作家志望者の連中の多くは、このくらいのことさえやっていないヤツらが、ほとんどですから。手も動かしていないくせに、口だけ達者なんですよね。  構成もしないで感性(思いつきともいう)のままに書き散らかした短編と、書きかけの長編の書き出しをいくつ抱えこんでいたところで、数のうちには入りません。  大事なことは、構成をすることと、完成させること。  この二つです。  ただネットを通してやっていると、あらすじ書いて、意見をもらうためにも、往復で数日かかったりします。  とくに社会人は忙しいし、一週間なんて、すぐなんですよね。  学生かフリーターか、さもなきゃヒッキーで、自由になる時間をたっぷりと持っていて、津荒さんと同じぐらいの時間感覚の中で生活しつつ、小説に取り組もうとしている人が、もう一人いるといいんだけどなぁ。あらすじを上げれば、翌日にはもう指摘が来ているぐらいのペースで、取り組んでいる人。  「他人の目」っていうのは、基本的に、誰の目でもいいんですね。別にプロの目でなくても。セミプロの目でなくても。アマチュア上級者の目でなくても。  自分以外の誰かの目でさえあれば、充分なわけです。  あとはただ、思ったことをズケズケ言いあえる土壌さえできていれば……。(それは分室にすでにあります)  桜庭さんは脱落しちゃったし。青葉さんは仕事が忙しいのか、社会人並みにレスポンスが悪いし。  まあ誰かパートナーが見つかるまで、本を読み、あらすじを書き写す、このあいだ出した課題でもやっていましょうか。  あらすじを書いて批判してもらうにも、読んでわかる文章になっていないと困りますし。  大学入学まで2ヶ月あるのだから、60冊は「物書きの目」で読破できますよね。  大学で文芸サークルにでも顔を出すようなら、そこから誰か引っぱりこんできちゃってもいいですよ。 >指摘能力について  ああ、そうだ。  あともうひとつ見ておかないと。  自分の文章を客観的に――他人の書いた文章と同じ目で見れるようになったとしても。  そもそもの「指摘能力」がないと、「ああいい出来だあ」で終わっちゃうことも。  それではいかに客観視能力を手に入れたところで、意味がありません。  適当に完成されていて、適当に粗がある――というところで、2号の「優しい嘘」あたりを対象にしてみますか。  あれを読み込んで、指摘してみてください。  良い面、悪い面、両方です。  良い面(長所)を指摘するときには、良いと思ったところを理由つきで出してくること。また長所を磨いて、さらに良いものとするにはどうしたらよいのかという具体案も。  悪い面(欠点)を指摘するときには、自分が気になった理由なり、変だと感じた理由なりを付けてくること。またどうすればそれを潰せて、改善できるのかという具体案も。  どちらも具体案は必須です。  それがなきゃ、はじまりません。  もしこの「指摘能力」が足りていないのだとすると、客観視とか、構成力とか、描写力とかをの修行を後回しにしてでも、早急にこれから取りかからないと。 (その場合は指摘修行。2号が毎日のように1000字課題を上げているので、それへの指摘で、ちょうどよいかも) -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7495 投稿日 2004年1月26日(月)06時59分 投稿者 新木 伸 >2号  そういや、ふと気がついたんだけど。  一発ネタで驚かせようという狙いしかなくて、小説でもなんでもない、薄っぺらくてヘンテコな小話――前はよく書いていたけども、最近は全然書いてないよな。  なんで?  どうして治った?  ていうか、どうやって治した?  その治療のノウハウを開示すべし。  いまの桜庭さんには必要なことだろう。文章がひどいのは意識して書いていれば直るだろうけど、病気を治すには処方箋が必要だ。  2号のあの病気が、どうして治ったのか、俺にはよくわからん。  あれって誰でも一度は掛かるハシカみたいなもののようだけど……。  俺にはないのだ。その経験が。そんな変なところにハマった経験がないから、治してみた経験もない。よってその病気の治しかたもわからん。  なぜ、驚かせるだけの話は、書かなくなったのだ? -------------------------------------------------------------------------------- 手を動かしてみよう No.7496 投稿日 2004年1月26日(月)20時43分 投稿者 はせがわみやび  ども、みやびです。  桜庭さんの「交渉」は、文頭にやたらといらない単語が多いっていうのは、示したよね?  では、実際に省いてみたら、どうなるだろう。  ざくざくざくと削るだけでも、まあ、読みやすくはなるんだけど(削っただけでは、相変わらず小説にはならないんだけど)。  たとえば、こんな感じだ。 ──  場の雰囲気はおおむね友好的であったが、緊張感も含まれていた。  交渉というのは、参加者それぞれが自分に有利な方向へ運ぼうとするものだから、空気は当然というべきものであったが。  椅子と机が並べられ、参加者はそれぞれ向かい合うようにして座っていた。  参加者は四人の男。周りにも、多くの男女が談笑している。かれらは、これから取り引きに臨もうとしているのであった。  最初に切り出したのは、司会役であり、中で一番の勢力を持つ男〈玄武〉だった。〈玄武〉はいくつも艦隊を持っていたし、予備の戦力もかかえきれないほどある。  〈玄武〉は、残りの人物に向かってリストを配った。  リストには魅力的な名前が並んでいた。  宇宙戦艦、武器、コンピューター、センサー。どれもこれも、他の面々にとっては自らの勢力を強化する戦力になりうるものだった。  〈玄武〉の前に座っている男〈朱雀〉は、これらのリストと、自らの戦力を比較しながら、今の戦力に足りないもので、それを埋められるもの、自らの戦術、戦略を変えられる可能性があるものをリストから探していた。 ──    文の始まりについている「***、」ってなっているところを、ほんとに単純に削っただけでも、意味が通っちゃうでしょ?   ついでに、四人の男にも名前を付けて、代名詞を使わないっていうのもやってみよう。  誰か、挑戦してみない?  「三十分」あればできる。やってみた。  そのあとで、誤字を直して、灰色の文章を除いて、描写を足して、起承転結と山場を付けて、ドラマにしたてるほうが、よっぽど時間がかかると思う……(^^;。 みやび@でも、その三十分を面倒がるんだよなあ、みんな。ぐっすん。 -------------------------------------------------------------------------------- 気管支炎? No.7497 投稿日 2004年1月27日(火)00時33分 投稿者 弟切 千隼  昨日に比べれば、咳がおさまった弟切です。喉の痛みも軽減しました。  ところが、今朝になって、喉より奥の胸が痛くなりました。胸から背中にかけて力が入らない感じです。病状が悪化しているのでしょうか?  明日あたり、医者へ行ったほうがよさそうです。 >「優しい嘘」 1.高校生が深夜のアルバイトをしていること 2.高校生が制服を着て、ラブホテル街で張り込みをしていること  上記の二つがなぜおかしいのか、反論させていただきます。  まず、1についてです。 >> 深夜のホテル街だから主人公はどきどきする。読者もどきどきする。そういう効果を狙ったものです。だから深夜のほうがいいです。 (2号さんのNo.7490の書きこみより)  深夜でなくても、普通の高校生がラブホテル街に入ったら、どきどきするものではないでしょうか?  いくら現在の高校生が「進んでいる」といっても、頻繁にラブホテル街に出入りする高校生が「普通だ」とは言いがたいでしょう。人間なら、馴染みのない場所に行く時には、それだけで少しは緊張するものですよね?  まして、高校生といえば、性的なことに関心が高い時期です。それでいて、実際の行動は追いついていないことが多いです。  薄暗くて、ネオンサインばかりがけばけばしい通りを、足音を忍ばせたカップルが歩いているようなラブホテル街にいて、どきどきしない高校生なんているのでしょうか?  なにも時間帯を深夜に設定しなくても、夕方で充分でしょう。  時間帯を深夜にすると、どきどき感より先に、「高校生が深夜にこんなところにいたら、まずくないのか?」という不審感を持ってしまいます。主人公に感情移入なんて、できません。  そういえば、分室には、現役高校生の津荒さんがいるではありませんか。  津荒さんに訊いてみましょう。  普通の高校生が、ラブホテル街を歩く時、深夜でなければどきどきしませんか?  次に、「2.高校生が制服を着て、ラブホテル街で張り込みをしていること」についてです。  これについては、突込みどころがいくつもあります。とりあえず三つ挙げておきます。  一つめは、「そんなところに制服姿の高校生がいたら、補導される可能性が高い」ことです。  これは、2号さん自身も欠点として挙げていますね。自分でわかってらっしゃいますから、これについては説明を省きます。  二つめは、「我が子と同じ学校に通う生徒の目前で、浮気をする親などいない」ことです。  少なくとも、普通の親の感覚ではないでしょう。  親は、子が思う以上に、我が子のことを気遣っているものです。我が子が通う学校の制服くらいは、把握しているのが普通です。街中などで子供が通う学校の制服を見れば、目が引かれます。  ラブホテル街で、制服姿の高校生を見かけることなんて、少ないですよね? 普通にありそうにないものがあると、人間は注意を喚起されます。  ラブホテル街に制服姿の高校生がいて、それが我が子と同じ学校の生徒だった、となれば、親は張り込みに気づく可能性が高いです。  気づかれたら、張り込みになりませんよね?  三つめは、上に書いた二つめと関係します。「失敗する可能性が高い仕事を、プロの探偵がさせるはずがない」です。  そもそも、秘密保持が命であるはずの探偵業を、「孫娘だから」という理由だけで、手伝わせるとは考えられません。  秘密を保つ一番の秘訣は、秘密に関わる人数を減らすことです。どうしても必要な人だけ、秘密に関わらせるのです。この鉄則を守らない探偵事務所などありません。  高校生に仕事をさせれば、大して戦力にならないうえに、秘密が漏れる可能性が高まってしまいます。  特に、女子高校生は、一般的に非常におしゃべりですよね。しかも学生ですから、まだ社会的な責任感が希薄です。そんな生き物に探偵業を手伝わせるなんて、「秘密をしゃべりまくってくれ」と言わんばかりです。  たとえ、ヒロイン自身がしゃべらなかったとしても、ラブホテル街に堂々と制服姿でいて、張り込みが見つかったら、しゃべったのと同じことですよね?  きちんと秘密保持をしない探偵事務所には、仕事が来ません。つぶれます。ヒロインの祖父は御飯が食べられなくなります。  祖父は、たかだか一人の浮気調査のために、そこまで覚悟して孫娘を使っているのでしょうか?  探偵を本業としている人が、「優しい嘘」を読んだら、「探偵業をバカにしている」と怒りそうです。ひょっとして、探偵業というものをなめていますか?  弟切がヒロインの祖父の立場でしたら、高校生の孫が事務所に出入りすること自体を禁止します。最初から、事務所の場所も教えません。可能ならば、探偵業をやっていることさえ隠します。  このくらいやって、やっとまともな秘密保持ができるのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- ○とんびの羽根さんへ No.7498 投稿日 2004年1月27日(火)01時34分 投稿者 津荒 夕介  せっかく指摘していただいたのに、誤字で返してしまって……。本当にすいませんでした。    新しい指摘は了解しました。  注意を払うことで、まず「考えたらず」に気づく。  その段階を終えたら、次は、「考えたらず」を設定やアイディアの変更でもって直す。  そのためには、思考力が大切である。  注意を払うこと。  その最初の段階すら満足にできていないのが、僕です。  誤字で証明されてますね。  まずはこのことを改善しなければ。(とっとと改善しないと……)    これで「考えたらず」の攻略法がわかりました。これからは、この方法で頑張ろうと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 時間はそれなりにあるのですけれども No.7499 投稿日 2004年1月27日(火)02時58分 投稿者 青葉桂都  考えるのが遅くて、書くのが遅いのです。  こんにちは、青葉桂都です。 >説明文  そうか。  確かに興味がない話を聞かされるのはあまり楽しいものではありませんね。  で、プロの書く長めの説明文ってのは、首根っこひっつかんででも興味を持たせて、その上で書いているから読んでいて楽しいのですね。  いえもちろん、それだけではないでしょうけれども。 >疲れている状態  う。死にかけている、ですか。  一応、自分が疲れているときの感覚を思い出して、リストアップしてみて、それをもとに書いてみたはずなのですが……。  リストアップしたと言ってもろくな数ではないのですけれども。下に並べておきます。 ・なにはなくとも眠い。とにかく眠い ・くるぶしの辺りが痛い ・動くのがめんどくさい ・地に足が着いていない感覚がある ・思考能力の低下 ・反応速度の低下 ・腕や足が重い ・頭に鈍い痛み ・気を抜いた瞬間、異様に動悸が激しくなる ・自分の身体を自分で動かしている気がしない ・口数が減る ・視野が狭まる ・目の前がたまに暗くなる  並べただけで、あとは適当にやったのが悪い……のでしょうね。  ざっと考えれば、『動きたくない』という感情と、それから単純な能力の低下の二つに分けられるでしょう。  infoseekの辞書によると、 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (1)長く体や心を使ったために、体力や気力が衰える。くたびれる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  だそうですので、そう致命的な間違いはないと考えます。  で、私の書いた文章がそうなった理由ですが。  疲れているとき、私が最初に感じるのは『眠い』ということです。リストにも第一番目に来ています。  眠いと感じるのは、体力や気力が減退しているからと考えることは、特に誤っていないでしょう。  だから、疲れて眠い……という方向で書こうと考えました。  さて、そこからどうしてこうなったかのだろうかと考えてみました。  寒空の下、立ったまま眠れそうな勢いで眠いんですよね、仕事の後。たいして大変な仕事でもないのに。  だから、大変な仕事の後だったらやっぱり本気で眠りかねないくらい眠いんではないだろうか。……という考えが浮かんだことが、極端な文章になった原因ではなかろうかと思います。  あんまり極端に走らないようにして書き直してみます。 >1000字課題  たまには、ちゃんと1000字で書いてみようとは思うのですが。いらない文章が多いんでしょうね。  ともあれ。  文頭チェッカーを試してみるのに書いてみました。一応、気をつけて書いたのですが、やっぱり被りがあるようです。  また、予想に違わずというかなんというか、文章の再構成はできませんでした。並べなおしてみた結果は、3分の1くらい別の場所に配置してしまったというもので。  うーん。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=760&e=res&lp=550&st=0  それでは、今回はこれにて。 -------------------------------------------------------------------------------- 常時接続は危険だった No.7500 投稿日 2004年1月27日(火)04時44分 投稿者 名無し君2号  やらねばならないことがあると、なぜか掃除したり整頓したりしてしまう私です。それってただの現実逃避なんですけど。  そんな私にとって、ネットの常時接続というのは。  いままでだと俗にいうテレホタイム、つまり23時になるまではネットに繋げなかったのですが、ADSLを導入してしまったいまとなっては、なにかあるたびにネットで暇つぶし、時間つぶし。むふふ画像でうーほほ。  危険だ。危険すぎる。  さらさらさらさら、時間が指のすきまから落ちていってしまうよ。 >1000字課題  No.101「伝説の木」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=761&e=res&lp=550&st=0  めずらしく女性が主人公です。気持ち悪かったらごめんなさいですが。 >青葉さん >重労働で疲れている状態描写  読みました。  「体力のない人間がケーキ屋で一日中働かされてヘトヘトになっている」状態ですよね。で、バイトも終わって、ようやく公園のベンチでホッとひとやすみしてるところを描いている……はず。 >>心臓が痛いくらいの勢いで血液を送り出している。  ならばここはヘンです。バイト中に心臓がバクバクといっているならわかりますが、すでに肉体労働は終えてますよね。だからドキドキとはしていないはずです。  主人公の状態。  途中までベンチに寝ているとはわかりませんでした。具体的には、 >>冷たいベンチの上に寝転がっているはずなのに、その冷たさは。  の文が出てくるまで、てっきり主人公は座っているものだとばかり。  ベンチに寝ると背中に感触があるんですよね。ベンチの材質が木なのかプラスチックなのかはわかりませんが、ともかく硬いので、ごつごつと感じます。そこらへんの肌触りというか、触感がなかったものですから。 >眼鏡ッ子、倉庫を行く  私はどうやって描写しているのか。 >>1.実際に描写するシーンに映っている部分だけしか考えていない。 >>2.実際には映らない部分まですべて作りこまれていて、3Dの実物大模型として完成されている。 >>3.3D模型として精密に作り込んであり、さらに、「主人公が登場して、退場する」の外の時間範囲においても、「室内」は存在している。  1です。たまに2。  新木さんと私が書いたものを見比べると、そのことがよくわかったりします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  開いた扉から差しこんだ光が、薄暗い室内を照らした。そこには本や書類が山と積 まれている。キラキラと埃が光っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  光が切り出してきた一角には、本や書類がうずたかく積まれていた。すべてが厚い埃を載せている。埃の一部はドアを開けただけで舞い上がり、かびくさい空気の中で、それはきらきらと輝きながら漂っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは少女が倉庫のなかに入って、まず最初に見る光景を書いたものですが、精密さがぜんぜん違いますよね。  平面としてとらえているか、立体としてとらえているか。それほど違う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  ついで軋みながらドアが内側に開かれると、真新しい空気とともに、廊下の喧噪と光とが、部屋の中へと流れ込んできた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここなどもそう。  私の場合、倉庫のなかしか想定していない。だから「廊下の喧噪と光」とは書けない。どこまで考えても書けない。書けるはずがない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  本棚と、地面に置かれた本との間に、細い通路が出来ていた。とちゅうでスカート を引っかからせながらも、少女は奥へと進んでゆく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん)  いくつもの本棚が並んでいるというのに、本は床の上にまで溢れかえっていた。その隙間に、わずかに細い通路ができあがっている。少女はスカートの裾を引っかけないように注意しながら、本と本の合間を抜けて奥へと向かっていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここもおなじ場面を書いたもの。  倉庫の精密さがまったく違う。どこまで新木さんが構築できているのかはわからない。かなり微細に作っているのかと思う。  最初のスタート地点からぜんぜん違う――と気づいた。  箱庭、ジオラマ、セット。なんでもいいけれど、ともかく作らなければならない。私はあくまで情報でしか作ってない。 >>そういった時間的連続を持った一連のシーンを、映像的な視覚情報だけでなくて、聴覚、嗅覚、触覚、温感、冷感――すべてを備えて、手で触れることも匂いを嗅ぐこともできるようなところまで構築するわけだ。  と、新木さんは言った。  私の場合、それが文字情報でしかない。  聴覚:静か。運動場から部活の声がかすかに聞こえたりする。  嗅覚:ほこり臭い。  触覚:しっとりとしている。つまり乾燥はしていない。  温感:ひんやり。夏場は暑い。  これを実感として感じるところまではいっていない。頭のなかで考えて出した情報だ。体感していないのだ。……伝わってますかね?  解決方法はしごく簡単。  セットを作ればいい。  口で言うのは簡単なれど――しばらく悩むことになるだろう。はうはうはう。  ちなみに少女自身も同様。 >>ピンで留めた髪に埃が付いてしまう。気づいてもいない。  これは少女の外見を描写したものだが、べつにピンはどうでもいい。  そういう描写がまったくないのは、しっかりと少女をモデリング化していないからだ。おぼろげなイメージのまま、おぼろげに書いているからだ。  描こうとしている世界を、どれだけハッキリと、細部まで描くことができるか。想像できるか、創造できるか。  気を入れなくてはならない。  また小説を書くのが大変になった。  その他、気づいたところ。  視点の問題。  見比べて見るとわかるのだけど……そんなことは私しかしないとは思うが、ともかく見比べると、少女の足音が響くところから、新木さん版は視点が変化してゆくのがわかる。  私の場合、最初から最後まで変わらない。一定の距離を保ちながら観察しているだけだ。心の中には触れない。あくまで外見からの判断のみ。  新木さん版の場合、15行目、 >>足音が、やたらと響いて感じられる。  から、すこしずつ少女の心の中を見始める。そもそも「響いて感じられる」、この足音を感じているのは少女自身だ。  もっとよく見てみると、少女が倉庫のなかに入ってから、始まって4行目、 >>部屋の中に踏み込んできた少女は、そこで足を止めた。  からの描写は、少女が見たものを書いている。でもまだ心のなかには入っていない。あくまで少女の目にカメラが移っただけ。 (余談ですが、ここの倉庫内の説明は少女が見るだろう順番で描かれている。少女が注意を払う順番で書く――つまり「説明」ではなく「描写」になっている。描写で悩んでいる人には参考になるかもしれない。私はなりました)  最初のカメラは、倉庫のなかにある。  カメラは扉を開けた少女を見つめる。そして少女の目のなかへとカメラは移るのだ。しかしまだ心理までは書けない。  なぜなら、読者が違和感を感じてしまうから。  視点の変化は、なるべくゆるやかにする。読者が酔わないように。  ――で、視点変化のタイミング。  少女が軽い恐怖を覚えるところで、視点は心理まで入りこんでいる。このあたりは自信を持って断言はできないけども、「人物の心がゆらぐ場面」のほうが、視点を変化しやすいのではないか? 「人物の心がゆらぐ場面」だと、読者もその場面に入りこむ、だから視点が変化したことを意識しないのではないか。  さて、どうでしょうねえ。 >文章への注意 >>んで、その「おなじ言い回しを使わない」ということだけど。 >>いつどこで、なにを理由として、はじめるようになったわけ?  これははっきりと覚えています。  ずばり、羽矢野さんに指摘されてからです。  描写課題で書いた「街の雑踏、やりなおし版」の指摘だったんですが、そこで「耳に突き刺さる」という言い回しを多用していることをつっこまれました。  それがものすごく恥ずかしかった。  なぜかはわからないのですが、ともかく「耳に突き刺さる」という言葉が私の羞恥心に突き刺さったわけです。じつにふかぶかと。  のたうちまわったんです。頭を抱えたんです。川のほとりに座って、日の光をキラキラと反射する水面を日がな一日眺めたりしたわけです。  もう呆然と川を眺めたりしたくないから、「なるべくおなじ表現は使わない」。  ですから……羽矢野さんには感謝しておりますよ、ええ。本当に。心の底から。ええ、ええ。 >>さてここで質問です。 >>「文章への注意」を無意識のうちにできるようになるためには、どうすればよいのでしょうか?  回答、体で覚える。 >短編「優しい嘘」  あらすじの矛盾点、欠落点について。 >>>>中学生時代、わざと駅伝選手の座をゆずった >>なぜだ? 5W1Hのうちの「WHY」が、ここで欠落している。  相手がどれだけ努力していて、どれだけ選手になりたいのかを知っている。たいして努力もせず、たいして選手になりたいわけじゃない自分よりもふさわしい。  だからわざとゆずった。  これって相手を舐めきった態度なわけですが。完全に相手を下に見ているから、だからこんなことができる。 >>>>思わず姫太郎は明日美の後をつけてしまう。 >>ここも同様。なぜ主人公が少女のあとをつけてゆくのか、作者として、明確な答えを持っていないのだ。  中学時代の出会いもあり、美人だったし、けっこう好きになりつつあった、というのがひとつ。あとは中学時代、友達を怒らせて落ちこんでいた自分を慰めてくれた、いわばお世話になった少女に、なぜか高校では悪い噂が流れている――そのことが気になってしかたがなかったということもあります。  惚れてたってことですね。 >>>>結局、姫太郎は真実を告げることを選んだ。 >>ここも、なぜだ?  親友にとってなにが一番大切なのか、を考えたから。  ここで嘘をついて、一時しのぎで誤魔化すのか。でもそんなことをやったって、父親が浮気しているという事実は無くならない。いつかは破綻する。  浮気は実際にやっていること。  それを誤魔化し続けることは、主人公にはできない。  そしてなにより大事なことは、相手のためを思ってやった行為は、本当に相手のためになっているのか? ということ。べつにそれが偽善だろうとなんだろうとかまわない。本当に相手のためになるのであれば。  この場合は、相手のためにはなりはしない。いつか破綻するとわかりきっている嘘はつけない。たとえ一時的に傷つくとしても、真実を教えたほうがいい。 >>>>嘘は見破られない。 >>ここでの「嘘」というのが、なんだったのか。 >>なぜ再び「嘘」をつく必要があったのか。 >>なぜ今回は見破られなかったのか?  主人公は、べつに正直者になったのではないよ――ということを読者に知らせるため。  「嘘はいけないことだ」というテーマだと思われては困るので、あえて嘘をつかせる。  ここでの嘘は、「主人公は友人の浮気調査にかかわっていた」ということ。知ったところで相手はかえって傷つくだけだし、それで心が晴れるのは主人公だけ。騙しきれる嘘で、それが相手のためになるのならば、嘘をつくことをためらわない。  おお、「優しい嘘」じゃん。  なんで見破られなかったのかといえば、覚悟が違うからです。  両親の離婚で傷ついている友人を、これ以上自分のことで傷つけたくはないという決意。中学時代とは違って、気合いを入れて嘘をついているので、ばれません。 >>冒頭シーンにおける、主人公の心境を、正確に定義せよ。 >>嫌々なのか、そうでないのか。少女に罪を着せて、彼女のせいにしているのか、そうでないのか。  なんで探偵事務所の人間が友達を調査しているのか、を調べるために主人公はバイトしています。守秘義務があって教えられないが、所員なら仕事の内容は知ることができる――無茶な理由だな。  もっとも、この「バイトすれば教えてあげる」というのは、少女がさしだした助け船だったんですけども。  主人公は、少女が助けてくれたのは感謝してますが、「それにしたってホテル街で浮気調査させなくったって」と思っています。  なので仕事自体は嫌々やっています。でも少女には借りがあるし、美人だし、ちょっと好きだし、なんか逆らえないし、複雑な感情を抱いていると。  だから少女を軽く恨めしくは思っていますが、感謝もしています。  んーと。  ここは「少女のせいだ」とは書かず、「こうなってしまった原因を回想する」とでも書いておけばよかったと。 >弟切さん  なんかハナっから勝てる気がしないんですが。頑張ってみる。 >>時間帯を深夜にすると、どきどき感より先に、「高校生が深夜にこんなところにいたら、まずくないのか?」という不審感を持ってしまいます。主人公に感情移入なんて、できません。  ここは疑問。  「高校生が深夜にこんなところにいたら、まずくないのか?」と思うのはわかります。でもそれで感情移入できなくなるというのがわからない。もうすこし説明が欲しいです。  「高校生が深夜にこんなところにいたら、まずくないのか?」「なのになんでこんなところにいるんだ?」じゃないですか、普通は。  深夜にラブホテルに入る高校生というなら、感情移入できないといわれてもわからないでもないです(でも高校生の男子ならそれでも感情移入できなくはならない。ヤングマガジンとか読んでるのにその程度で読み捨てはしない)。  でもホテル街で、なにかを監視しているというだけでも感情移入できないんでしょうか。私の感覚としては「その程度」で? という感じです。べつに行為をいたしているわけでもないのに。  次は制服ですね。 >>二つめは、「我が子と同じ学校に通う生徒の目前で、浮気をする親などいない」ことです。  これは理解できます。  ――ただし、我が子とおなじ学校にはだれも通ってませんが。主人公もヒロインも、だれひとりとして。  あと、車はわざと窓を曇らせて、外から様子がうかがえないようにしてあります。 >>ラブホテル街で、制服姿の高校生を見かけることなんて、少ないですよね?  そんなことはないです。いやホント。地方都市である岩手県でだって見かけたことあります。見たときには「マジかこいつら」と思いましたが(ホテルに入ったかどうかまではわかりませんでしたが)。  もっと都会なら、もっと見るんじゃないですかね……とはこれ想像。 >>ラブホテル街に制服姿の高校生がいて、それが我が子と同じ学校の生徒だった、となれば、親は張り込みに気づく可能性が高いです。  高校生を見て張り込みだと連想する大人って、いるんですか?  「マジかこいつら」とは思っても、まさか張り込みだなんて思わないでしょう。思うほうが少数ではないですか? >>三つめは、上に書いた二つめと関係します。「失敗する可能性が高い仕事を、プロの探偵がさせるはずがない」です。  女子高生が探偵だとはだれも思わない。ゆえに失敗する可能性はかえってすくない。私はそう思いますが。  むしろ普通の男が尾行するほうがばれやすいでしょう。  大抵の大人は、「高校生になにができる」と思っています。 >>高校生に仕事をさせれば、大して戦力にならないうえに、秘密が漏れる可能性が高まってしまいます。  ほら、弟切さんも思ってますよね。  だからこそ成功します。だれもが侮っている。だれもがみくびっている。つまりまともに注意を払おうとはしない。  これほど探偵業に向いた人物がほかにあろうか。 >>秘密を保つ一番の秘訣は、秘密に関わる人数を減らすことです。どうしても必要な人だけ、秘密に関わらせるのです。この鉄則を守らない探偵事務所などありません。  ここは痛い。  主人公なんかバイトさせちゃってるし。しかも孫娘の一存で。 >>きちんと秘密保持をしない探偵事務所には、仕事が来ません。つぶれます。ヒロインの祖父は御飯が食べられなくなります。 >>祖父は、たかだか一人の浮気調査のために、そこまで覚悟して孫娘を使っているのでしょうか?  少女と祖父は血縁関係にありますよね。  血縁関係にはどうしたって甘くなるもんです。孫の可愛くない老人はいません。そこまで覚悟したっておかしくないはずです。  血縁関係だからこそ信頼がおける、というのもあります。孫に裏切られるようならそれまでという感じも。 >>探偵を本業としている人が、「優しい嘘」を読んだら、「探偵業をバカにしている」と怒りそうです。ひょっとして、探偵業というものをなめていますか?  舐めているかもしれません。 >>弟切がヒロインの祖父の立場でしたら、高校生の孫が事務所に出入りすること自体を禁止します。最初から、事務所の場所も教えません。可能ならば、探偵業をやっていることさえ隠します。 >>このくらいやって、やっとまともな秘密保持ができるのではないでしょうか。  そのとおりです。  まあ、でもこれは金融会社に勤めていた私の感想なんですが……。金融会社ってぶっちゃけるとサラ金なんですけどね。  小さな会社なら、機密保持なんてはっきりいって適当です。人の出入りはすごい多いし。  大手でも似たようなもんですねー。うかつなことは言いませんが。  さて……。個人経営の探偵事務所、はたして秘密保持はどんなもんなんでしょう。  私は小さなサラ金とたいして変わらないだろう、と勝手に判断しました。  弟切さんは探偵事務所に詳しいようなので、そこいらへんはまた違った判断かもしれません。 >一発ネタ病  一発ネタのお話というのは、書いている本人は楽しいんです。  でも、読者は作者ほどには楽しくない。  いや、ちっとも楽しくない。  むしろムカツク。なめんなよ。  でも、それがなかなかわからないんです。読者はちっとも楽しくないってことに気づけないんです。だってまわりの友達に見せたって、嫌われるのを覚悟で「くだらねえ」とは言ってくれませんもの。  調子にのって小説投稿サイトに上げてみて、じつに的確な指摘、「面白くないんじゃボケ」を受けても……理解できません。「こいつらにはおれの高尚な話はわからねえ」とか「重箱の隅をつつきやがって」とか、相手に責任を押しつけたりします。経験者は語る。  これは「書いている本人は楽しい」ということがキモです。楽しいから小説を書いているのであって、楽しくなければ他のことをやります……普通はね。  ちゃんとした小説を書くのって大変なんです。本当に辛い。  でも一発ネタは楽。それだけで書けばいいから、楽だから楽しい。  背景を書いたり、描写を考えたり、人物を考えたり、ストーリーを練ったり、そういう大変なことはしたくないんです。  だから思いついた一発ネタに頼ってしまう。  そんな一発ネタ病。経験者は実感をもって語る。しみじみと語る。 >>どうして治った? >>ていうか、どうやって治した?  ここで1000字課題を100編も書けば、嫌でも治ると思いますよ。  一発ネタとか、わけのわからない話とか、そんなものを書くたびにぶった切られます。お前のは小説じゃないと言われます。というかここで褒められたことってありません。アハハハハ。  でもそのうちに、なにをすれば叩かれて、なにをすれば叩かれないのかがわかるようになってきます。  それはペットのしつけにも似て。わんわん。  「ここで粗相をするな」ということです。決められた場所でやれと。エサを食うまえにはおあずけだと。人を噛むなと。むやみに吠えるなと。  一発ネタはやるんじゃねえと。小説を書けと。物語を書けと。  1を教えられて10できるのが天才です。  1を教えられても1もできないのが凡人以下です。  そして2号は凡人以下なわけです。頭で考えても覚えられないから、体で覚えているわけです。パブロフの犬。わんわん。  つまり、2号は分室のみなさんに調教されてしまったんですね。  「治した」んじゃなくて「治された」です。強制的に。  書いているうちに、「あ、これは駄目だな」とわかるようになりました。でもわからないものはわからないままです。まだまだ駄目さー。  1000字課題も、書きあげたはいいが「これじゃムチ打たれる」と思って自主的にボツにしたものがけっこうあります。最近だと書くまでもなく頭のなかでボツにしてます。なので筆が進みません。書けません。  しつけと言いましたが。調教とも言いましたが。  ここで問題とされるのは、ストーリーの好き嫌いじゃありません。  それ以前、ちゃんとストーリーになっているかどうかということです。穴がないのかということです。  どんな外道な話であっても、物語にさえなっていれば叩かれません……たぶん。そこまでいってないんでわかりませんけど。物語にすらなっていないから刺されます。小説を書けと蹴られます。  叩かれるのが嫌だから叩かれないようにする。叩かれないようになる。叩かれそうな行動はとれなくなる。たまに叩かれることを覚悟で踏みだしたりしますが。 >>あれって誰でも一度は掛かるハシカみたいなもののようだけど……。 >>俺にはないのだ。その経験が。そんな変なところにハマった経験がないから、治してみた経験もない。よってその病気の治しかたもわからん。  TRPGのマスター時代にもなかったですか? 一発ネタのシナリオとか出して、目の前で寝られたりとかしませんでしたか。新木さんの場合、マスター時代にほとんどの小説初心者がかかる病気を治したんではないかと思いますが、どうなんでしょか。  レスにはなんだかんだで6時間ほど。いま氷点下三度。指がうまく動きませぬ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7501 投稿日 2004年1月28日(水)00時29分 投稿者 新木 伸  やらねばならないことがあると、つい分室に書きこみしてしまう僕だったりする。それってただの現実逃避なのだけど。  あとは、やらねばならないことがあると、つい小説を書いてしまったりする。仕事のではないやつ。  これもただの現実逃避なのだけど。  現実逃避をするのであっても、せめて小説関係のことにしとけ。>誰かさん  指が動かないなら、指ぬき手袋を作るとよい。  軍手の指先だけ切り取る。はじめはすこしだけ打ちにくいけど、慣れると普通に打てる。 ○青葉さん >長めの説明文 >>で、プロの書く長めの説明文ってのは、首根っこひっつかんででも興味を持たせて、その上で書いているから読んでいて楽しいのですね。  僕は長めの説明文を書かないので、ちと、わかりません。  自分が読書をしている時には、長めの説明文が出てきたら、説明文が終わってシーンが再開されるところまで、一気に飛ばします。  説明文というのは、たいてい飛ばしても話は通じるものですので、それで問題を感じたことはありません。  自分の読書経験に照らし合わせてみると、答えが出てくるはず。  長めの説明文に遭遇したときに、飛ばさずにきちんと読んでいる自分がいたとして――そのときになぜ読んでいるのか。その理由を自分に問いかけてみるわけですね。  あと、どのくらいが青葉さんにとって「長め」になるのかな?  僕の場合には、3行(文庫本換算で)を越える説明文は、すべて「長め」となります。ぎりぎり我慢して、5〜6行ってところかなぁ。  普通に読む速度だと、1分間に2ページぐらい読んでますから、6行で10秒程度の時間に相当していますね。  説明を10秒も聞かされていると、もう飽きてくるということです。  僕は読む速度が速いので、10秒は6行に相当します。  一般的な読者の速度を僕の半分ぐらいと見積もると、10秒で3行ほどになります。――で、自分で書く小説の場合には、「説明文は一度に3行まで」としているわけです。  青葉さんの基準では、どこからが「長め」なのですか?  3行はもう「長め」なのか。  それともページ半分として、8行ぐらい説明が続くと「長め」と感じるのか。  1ページを越えたものが「長め」となるのか。数ページに渡るものが「長め」であるのか。  致死量には個人差があるので。  まず「長め」を定義して、共通認識を作りましょう。 >死にかけ、とか  「疲れている」のつもりで書いたあれが、「死にかけている」と言われたことに納得がいかないようなら、そこらの人に見せて回るといいかも。  なにも言わずにただ見せて、先入観を持たずに読んでもらって、そして訊くわけです。「この人物って、いまどんな状態だと思う?」――とか。  僕の見込みが間違っていなければ、まあ十人中、九人ぐらいが、「死にかけてるんじゃないの?」と答えるはず。  まあ、それはそれとして――。  「眠い」「だるい」「痛い」「鈍くなる」とか。  疲れている状態の考察としては、おおむね間違っていないんですけど。  ただ観点っていうか、考えかたというか、物の見方の方向性のひとつが、すっぱりと欠けてるようです。  青葉さんが挙げてきたそれは、疲れている「自分の感覚」を観察したものですよね。  たぶん自分の体験から照らし合わせて、思い出しつつ書いているのでしょうけど。  そういう状態にある人は、外から見たら、どう見えるものなんですか?  たとえばその疲れている状態の青葉さんは、よその人から見たら、どのように映っているのですか?  むしろそちらのほうが、物語の表現手法としては大事なのです。  疲れている人間を描写するときのスタンダードな手法は、「外から見たようす」を書くというもの。それが基本。  疲れている人間を「内側から書く」というのは、基本ができた上でやるべきこと。  「内側から書く」という手法は、様々なメディアのなかで、小説しか持たない表現手法です。「感情移入度」という点からは効果も大きいですが、はじめからそればかりやっていると、他のことができなくなります。  便利な道具に頼り過ぎちゃいかんということですね。  眠い人って、外からはどう見えます?  思考能力が低下している人は?  視野が狭まっている人は?  動悸が激しくなっている人は? >>760 1000字課題 青葉桂都 No.5「眠り姫」  これまでのなかでは、いちばん読めるものになっていますけど。  まだ「物語」になりきっていませんよね。単なるワン・シチュエーションでしかありません。  眠り続ける少女がいる。少年は少女に憧れている。……それで? と、そこで、ぶち切れて、終わってしまっている。  1000字といえども、もうちょっと意味のあるものになっていないと、「物語」とはいえません。「起承転結が揃っている」といったりもしますが。  少女に憧れた少年は、どうなるの――という、結論の部分。いわゆる「結」がありません。  1000字の掌編なら「転」はなくてもいいけど、「結」がないと物語になりません。  はじめと、終わりがあるものが、「物語」というものなんですね。  このへんは、まず最初に「起承転結とはなんぞや?」の説明から始めないとならないところなのですが……。  まあ「なんか終わりの部分が足りないと言われてるぞ」ぐらいに理解しておいてください。  あと、これだけのものなら、1700字もいらないでしょう。  ざっと見ても、灰色の文章だらけです。 (灰色の文章:分室用語。意味が薄かったり他と重複していたりして、単に削ってしまっても、まったく問題ない文章)  チェッカーで分解して、組み立て直して、3分の1ほどが余ってしまったとのことですが……。  課題部屋にアップされているものは、その「どこにはまるかわからないゴミ」を捨ててきたものですか?  それともチェッカーにかける前の原型のまま?  場所を間違えた3分の1の文章をすべて削ってしまえば、ちょうど1000字ぐらいに収まるんじゃないのかな?  3分の1を削ったバージョンも、あげてみてください。  あと素朴な質問。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おはよう、眠り姫。元気だった?」 「……君の瞳がどんな色なのか知りたいな。君の声が聞きたい。君が笑うところを、早く見てみたいよ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「うん。ねえ、おじいちゃん。この娘はまだ目が覚めないの?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  上の二つと、下の一つ。  二組の台詞を言っている人物って、同一人物なのですか?  それとも別人なのですか?  このシーンって、じつは男の子が二人出てきていたりしますか?  年上でしっかりしてる子と、幼い男の子と。――その二人ほど。  それともこの掌編のなかでは数年が経過していて、一人の少年の幼い頃と、現在の成長した姿と、二つのシーンが重なっていたりするのですか?  この主人公、何歳なのですか? 十四って書いてあるけど、そのまま、額面通り受け取ればいいのですか?  場面によって、妙に幼かったり、妙に大人びていたりして、変なんですよね。  眠り続ける女の子になにか隠し設定があるように、男の子のほうにも、なにか隠れ設定があるのかしらん?  十秒ごとに、8歳の少年になったり、16歳の少年になったり、外見が変化するとか、なにかそんなふうな「スゲェ設定」だとか。 ○2号 >761 1000字課題、1/26分、No.101「伝説の木」(2000文字)  視点人物が誰なのかわからん。3行で捨てた。  校庭に生えているいわくありげな木の下に、女の子が立っているわけだよな。彼女は誰かに呼び出されて待っているわけだな。  ――と、そういうことを書こうとしているわけだな。  このあいだ弟切がクリアしたばかりのことと、同じようなことをやっているわけだな。  弟切のほうは、情報量としては、「午後二時のアパートの階段。休日出勤が早めに引けてウキウキしてるOL」てなもの。  その同じぐらいの情報量を、それと同じぐらいの文字数で、描写しようとしているわけだな。  弟切はクリアできたのに、おまえはできてないじゃん。  1000字を101個も書いてきて、まだ弟切以下か。  描写で伝えられないようなら、説明で書いとけ。  そっちのほうがまだマシってもんだ。なにが起きているのかわかるだけ。 >>学校の校庭の隅に、大きなあすなろの木がある。 >>その木の下で告白すると、そのカップルは永遠に結ばれるという。  視点不在。  誰がどこにいるのか、まるでわからない。  「木がある」と書かれているが、それはどこから見ているものなのか。読んでいきゃ「木の下に立つ少女」からのものだとわかるのだが。  2行読んで、そのあたりがわからないと、普通、捨てる。 >>まあありがちな伝説だよね、と美樹は笑い飛ばしていた。――当事者になるまでは。  ここではじめて人物名が出てくるのだが……。  「美樹」というのが視点人物であるのか、それとも「友人の美樹はそう笑い飛ばしていた」ということを言っているのか、またわからない。  もう捨てるの確定。  どうせ読み捨てられるので、これ以降は、あってもなくてもどうでもよい部分となるが、いちおう少しは指摘する。 >>むせかえるほどに強いその香りは、伝説の木へ向かう途中にある花壇から漂ってき ていた。いつも美樹が手入れしている花壇。  花の香りが「ここ」まで漂ってくるというのはわかる。  だが「ここ」がどこなのか、やはり確定しない。  「木に向かう途中の花壇」と書いてあるからには、いま視点人物は「木」に向かう途上にいるのだろう。そのように読めてしまう。  視点人物は木に向かう途上にいるが、まだ木のところに到着はしていない。そして花壇は木よりも手前に位置しており、歩きながら、その匂いでも感じているシーンである。  無理に理解しようとするなら、そう読まれるはずだ。少女は木の下で待っているわけだから、これは間違った理解なんだけど。  ――が、よくわからんので、その「間違った理解」に達する前に、捨てられているわな。 >>「おーう、来た来た」  「来た」――?  待っていたのは少女の側なのだから、ここは「いた」とか「来てくれたか」ではないのか? >>伝説の木  言葉選びをサボるのも、たいがいにしとけよ。  「伝説」っていうのは、「魔がこの世を支配するとき、古の勇者が復活する」とか、そんなときにつかうものだ。  「校庭の木にまつわる話」ぐらいなら、もうすこしイメージの弱い言葉がある。  死ぬ気で探せ。 >3D空間構築の件 >>倉庫の精密さがまったく違う。どこまで新木さんが構築できているのかはわからない。かなり微細に作っているのかと思う。  ばーか。死ぬほど手ぇ抜きまくってるに決まってるだろ。  所詮は他人の文章のリライトだ。自分が仕事で書くときの、10分の1も手間を掛けるかってーの。  あれは、お前の書いたもんを、15分でリライトしただけのもんだよ。  空間構築に3分、書くのに12分。たったそれっぽっち。 >>私の場合、倉庫のなかしか想定していない。だから「廊下の喧噪と光」とは書けない。どこまで考えても書けない。書けるはずがない。  話になんねーよ。  なんだって倉庫を書くのに、倉庫の中だけしか「物質化」しないんだよ?  どれほどサボりまくったとしても、倉庫と、そのほか半径十数メートルぐらいまでは、脳内に「物質化」する必要があるだろうが。  じゃないと廊下のざわめきひとつ、決まらないだろうが。  物質化するということは、あらゆる角度から眺められるだけでなく、触って、動かして、手触りを感じて、匂いを嗅いで、味までわかるようになるということだ。  最低でも、五感に感じる情報ぐらいは必要だ。  必要とあれば、第六感――「空気」だとか「雰囲気」だとか「気配」だとか呼ばれるものまで描かなきゃいかんのだ。作家は。  五感ぐらいは、どんな時だって、絶対に必要となってくるラインなわけ。  女の子を登場させたなら、そのぱんつの染みの味わいまでわかるようでなければ、ダメなんだよ。  おまえ、それができるようにならなきゃ、永久にプロになんてなれねーぞ?  そこの壁を越えないかぎり、いつまで経っても、薄っぺらくて奥行きのないシーンばっか描いていて――。  アマチュア臭さ全開で、見る人が見れば、一目で「売り物にならん」と判断されて、分別されて、ゴミ箱行きの小説しか書けやしないぞ?  俺も昔、空間を感じられない薄っぺらなものを書いていた。  どうやって直したのか、これははっきりと覚えているのだけど。  ある日、兄弟子の篠崎砂美から、「頭の中に舞台を構築するのぢゃ」と教えてもらったわけだな。手で触れて、匂いも温度もあるようなものを、頭の中に作って、それを見て描けと。  それまでは、俺も2号と同じように、実際に書く部分しか作ってなかったんだよ。ローコストな方法で書いていたわけだ。それで「充分」だと思っていたから、それ以上の手間をかけて書こうとしていなかった。  篠崎砂美は演劇にも素養がある人なので、演劇で「舞台」を作るときの説明をしてくれた。部屋のひとつぐらいはそれなりに緻密に作りこんでおかないと、いくらだまされる気で演劇を観にきている観客とはいえ、さすがにシラけてしまうだろ――てな説明で、俺は納得した。そりゃ、そうだ。  自分が必要な手間をかけずにいたということを理解したので、その瞬間に直すことにした。  それ以降は、描写の腕前はともかくとして、すくなくとも空間構築はしているものを書いていた。昔から空想の中で遊ぶことの多い少年だったので、頭の中で「物質化する」ことはできていた。  夜、布団の中で、空想したりするわけだ。  自分が発明した飛行メカを操縦して、街中を飛び回る空想だとか。もしくは女の子を登場させて、あんなことやこんなことをする空想だとか。  ――で、それはそうと。  今後しばらく、特訓だな。  いまのところは、2号はわかった気になっているだけ。頭でわかったかどうかなんて、どうだっていいし、役に立つはずもない。  よって、体に仕込む。空間構築なしに、一行たりとも書けない体にする。  「わかった」と思っているいまのうちに、実際に手を動かして、身につけること。  徹夜あけでへろへろでも、どんなに急いでいても、風邪で熱があったとしても、体が自動的に繰り出すようになった技だけが、実戦で役に立つものなのだ。  このあいだのときは、なにをどうやっても、同語反復を避けるような体になっていたからこそ「死なず」に済んだわけだろ?  とりあえず、このあいだの短編の冒頭のラブホ街。  あそこを書き直しだな。  空間構築して、物質化までやってから書くと、どんな違いが出るものなのか。手を動かして、自分で確認してみること。  まあ実際のとこ、些細な違いでしかないんだけど。  そこが金を取れるかどうかの違いでもある。  張り込み中の車内と、そこから目視できるすべて。さらに目視できない部分についても、最低十数メートルほど。  すべて物質化しろ。  それを行いきるまで、一行たりとも、書き出すことは禁ずる。  明日美のぱんつの染みの味わいまで決めてから、リライトを開始すること。  聞くからな。ぱんつの味だとか。明日美をぎゅっと抱きしめると、どのくらい温かいのだ? 髪に触ったらどんな感じなのだ? 仮に彼女を押し倒したりしたら、股関節はどのぐらいの角度にまで開くのだ?  あと、車内のシートの手触りだとか。車内の灰皿には、どんな銘柄のタバコが何本詰まっているのだとか。車の下側の汚れ具合だとか。タイヤのすり減り具合だとか。  電柱の影にあるゲロの染みが、何日前のものであり、いまどんな「味」と「臭い」がしているものだとか。そこで立ちんぼしているねーちゃんは、何十分前から、何人捕まえ損ねているのかとか。香水はどんな臭いがしているのかとか。  なにを聞かれても、すべて余裕で答えられるようにしておけよ。  ――とか思ったが、はじめから完璧にやらせようとしても無理があるか。  とりあえず、1時間ずつ。  1時間は「ラブホ街」。もう1時間は「車内」。  休憩はさんで、最大の集中力を発揮できるようにして、それそれ1時間ずつ、「舞台」の物質化だけに専念すること。  物体だけでなくて、人物もやるんだぞ。車内には3名。ラブホ街には数名から十数名ぐらいの人物がいるはずだ。  このときにメモなどをすると、それに頼っちゃうので良くない。おまえのタイピング速度は死ぬほどノロいのだろうから、メモをしている時間も惜しい。メモなんてしていると、それに引っ張られて、思考のクロックまで下がってしまう。メモは取らずにやること。  せっかくの「触って動かせる」空間なのだから、いろいろ、見れないところまで見ておくのだ。車のシートを引っぺがしたら、その裏側はどうなっているのか、とか。  明日美の服を一枚一枚脱がせていって、内側はどうなっているのか確認したりとか。カバンの中身の持ち物検査だとか。主人公のポケットの中身なんかも、漁っておくこと。小銭は何枚入っている?  あちこち引っぺがして見てゆくと、見えないところは、いろいろ出てくる思う。  車の中身は、知らないと想像不能だろうし。(俺はエンジンルームの内側まで透視できるけど)  女の子の服の内側も、知らないと想像不能だろうし。ポシェットの中身も想像不能だろうし。股関節の開き具合もわからんかもしれないし。  風俗店の店内も、入ったことがなければ想像不能だろうし。  肝心なのは、見えるところと見えていないところとを、しっかり切り分けて、自分自身で把握しておくこと。きちんと物質化されているところと、ハリボテのように「外見」だけしか存在しないところとを知っておく。  わからないことは「わかりません」でいいのだ。ただし「考えていませんでした」はNGなのだ。  まあ小説を書くときには、どこまでやれば「充分」かってことがある。想像はどこまでも緻密にしてゆけるので、適当なところで切り上げないと、書きだすことができない。  俺はお前のリライトに際して、「倉庫」の物質化に3分以上はかけていない。普通に読んでバレないだけのリアリティが、それで充分に出せると判断したからだ。  だがおまえの場合は、いっぺん、自分の能力限界まで「物質化」をやってみろ。  限界までやったところで、どうせ足りないのだろうし。1時間かそこらしか集中力も続かないのだろうし。  能力に余裕が出てくるまでのあいだは、常に限界までの物質化をやるつもりでいろ。  毎回、限界まで試みているうちに、ちょっとずつ「限界」が引き上げられてゆくから。また慣れてくると物質化の速度もあがってくる。  そのうちに限界までやらないで、適当なところで切り上げても、商業水準の小説を書くに足りる「充分量」に達しているようになるから。  例によって、他に山ほどあるタスクのひとつとして、積んでおくこと。  山ほどある課題のうち、なにを先にやるのかという優先順位は2号に一任しているわけだが……。  この課題に関しては、今回の「わかった!」て気持ちが薄らいでしまわないうちに片づけたほうが効果的だろう。  なるべく早めにやること。 >視点のこと  3D空間構築のこと以外で、2号が気づいたことのほう。  視点のこと。  あれはリライトだというのに、俺が変えてしまった部分。  2号のものは平坦すぎて読めたものではなかった。リライトするときに、そのまま平坦なままで書くのは、自分的に我慢がならなかった。  少女が感じる怖さのピークを、ネズミが現れるところに持ってゆくことにした。  ネズミを追い払って、ほっとさせる。心に隙が出来たときってのが、人は脆くなるもんだから、そこで意外なショックを与える(転ばせる)。そして「負けるもんか」と気力をかき集めて奮起する。  シーンに「転」と「決」を付けたってことね。  転結がないと、気持ち悪くて書けない。そういう体に自分を調教してある。  倉庫に踏みいる――が「起」。  怖さを感じてゆく――が「承」。  ほっとして崩れる――が「転」。  奮起する――が「結」。  ――で、少女の感じている怖さのピークは「ネズミとご対面」というところに持ってゆくわけだが。  もうひとつ仕掛けをしておいた。それが視点の推移。  はじめ、完全に少女の「外」にあった視点は、少女の登場とともに、まず少女の「目」に乗り移る。少女の見るものを、少女の立場から同じように見ていることになる。  この時点では、まだ「心」の中にまでは入っていない。  それが徐々に心の中に侵入していって、「怖さのピーク」であるネズミとの対面のところでは、完全に少女と同一化するところまで持ってゆく。  少女の「心」との距離感を変えるということは、カメラのズームアップ度を変えるようなものなわけね。  少女の心ばかりを大写しにすれば、他のものは写せなくなる。その逆に、すこし引いたところから写せば、少女の心と、その他のなにかも一緒に写せる。  恐怖映画などでも、俳優がいちばん怖がっているときには、カメラは顔のアップを写している。はじめロングショットで全身を写し、恐怖が高まってくるにつれて、だんだんと顔のアップに寄ってゆく。  映画だと映すものは「表情」となるわけだが、小説だと「心」を直接描けるので、心のほうを描くわけ。  ――で、「最大のピーク」を過ぎたあとには、またゆっくりとカメラは引いていって、ロングショットへと戻ってゆく。また「心」から距離を取るようになる。  ピークの「山」を作るためには、その前後になだらかな裾野が必要なのだ。  手前の裾野と、後ろの裾野と、両方が存在することで、山の頂は、頂となる。  なのでピークが過ぎたあとでも、また視点距離を「心」からすこし離して描くという事後処理が必要となる。  あと、もうひとつ。  実際に俺の書いたものでは、肝心の「恐怖のピーク」のときには、心を直接描いてはいないんだよね。  それまでは「少女がなにを感じているか」ということを書いているのに。 (前の裾野の部分) >>灯りがついているというのに、少女は真夜中の真っ暗な境内でも歩いている気分に なっていた。背筋になにか寒いものを感じている。気のせいであると思いこもうとす ると、また足音が大きくなってしまう。 (後ろの裾野の部分) >>ネズミは逃げ出した。勝ち誇った笑みを唇の端だけに浮かべると、少女はネズミの いた場所を踏みつけていった。ネズミとの“ガン付け”に勝利したせいか、うすら寒 い無気味な感じも消えていた。  両方とも、色々と「少女の感じていること」を書いてある。 >>痩せぎすの、ちっぽけなネズミが行く手の床に立ちふさがっていた。少女を見上げ てくるその目は、黒いビーズのようだった。 >>悲鳴は上げず。かわりに少女は言った。  しかし肝心の「恐怖のピーク」であるここでは、なにも書いていない。  「恐怖」と言葉で書くと陳腐になってしまうから、ここは読者に直接感じてもらうことにした。この文章を読んで読者の心の中に発生した「ドキリ」とした気分が、すなわち、ここで少女が感じている「怖さ」そのものだ。  そうなるように、書いておいた。 >同語反復が治った件  ああ、そういや――。  田舎から出てきた女子高生が、都会の喧噪にクラクラして人様にぶつかって、勢いよく謝った拍子に「どんけつ」して、突き飛ばされたオバサンが金切り声で叫んだりして――と、なにか気でも違ったかのような、ウケ狙い目的で、極端なだけのものを、「描写」と称して出してきてたっけか。  ――で、ついでにもう一つ治った部分について質問なのだけど。  ハデで極端に走ってしまう癖は、これはどうして治ったのだ?  「一発ネタ病」や「同語反復病」とは、また別の原因があるような気がするのだけど。  いまちょうど青葉さんがかかってる。「疲れさせて」と言ったら、「死にかけ」になってた。 >レギュラー選手の座を譲った件 >>相手がどれだけ努力していて、どれだけ選手になりたいのかを知っている。たいして努力もせず、たいして選手になりたいわけじゃない自分よりもふさわしい。  これ、そのまんま読むと、努力した人間が選手の座を射止めるべき――という信念に基づく正当な行動に思えてしまうぞ?  違うだろ?  主人公は過去の行為にたいして、なんらかの引け目を感じているのだろ? そんな胸張れることではなかったわけだよな?  信念に基づく行動であったら、心の傷となってはいても、後悔したりはしないはずだ。  なんか「嘘」の臭いがぷんぷんするんだけど。自分の隠された「本心」へのごまかしというか、なんというか。  これっていわゆる、「建前」ってやつじゃないのか? 建前を振りかざしていることを内心で気づいているから、主人公は引け目を感じているんじゃないのか?  このときの主人公のホンネのほうは、どうなっているのよ?  ホンネはなんだ?  憐れみをかけて、優越感でも味わいたかったのか?  自分が選手になると相手が妬むだろうと思い、友人を失うことへの怖れからの行動なのか?  それとも練習を適当にやっていた罪悪感の贖罪かなんかか?  こう考えるといいかもしれない。  こいつは、相手に選手の座を譲ってやることで、いったいどんなメリットを受けるのだ?  物質的なメリットはなさそうなので、精神的なものか、人間関係的なものか、どちらかだと思うが。  メリット=本音と見ればいい。  人間の行動には、かならず利益がからむものなんだよ。満足感という精神的なものも利益のうちね。 >明日美をつけていった件  ここも同様。  考えが足りていない。  おまえは一般人並の考察しかしていない。  そこで満足して、考えを休めてるんじゃねーよ。  考えるつもりがねーなら、小説書くの、やめちまえ。  作家なら、作家並の思考をしろ。  プロ作家が、主人公の動機について、そんなぬるい考察をしただけで立ち止まっているとでも思っているのか?  綺麗な女の子に下心があった、というのは、わかった。  で、他にもうひとつ要素があるわけだな。  彼女の悪い噂が気になっているわけだな。  明日美のことをつけていって、どうしようと思ったんだよ? 噂を「絶対に」確かめるつもりだったのか? そんな固い決意があったわけではなくて、「確かめられるかも」――という薄い期待だったのか?  噂の真偽を確かめると、主人公にはどんなメリットが発生するのだ?  そこで出てくる結果には「良い結果」と「悪い結果」の二つがあるはずだな?  良い結果であればいいかもしれんが、もし悪い結果が出たら、どうするつもりだったのだ? それとも悪い結果が出ることは想定していなかったのか?  だから、主人公は、明日美をつけていって、どうしようと思ったんだよ?  噂が嘘であったことを確認して、自分の中にある明日美への疑惑を晴らして、美少女の綺麗なイメージを維持したかったのか?  噂が本当であったことを確認して、秘密を共有する人間として明日美に近づいていって、あんなことやこんなことを強制しようと、悪巧みでもしていたのか?  あらすじにハッキリと書いてしまえないのは、おまえがきちんと考えていないせいだ。 >真実を告げた件  そういうことなら――。   「真実を告げることが相手のためになると信じて、姫太郎は浮気の事実を告げた」  ――と書けばいいだろうが。  それが本当に正しいかどうかはわからないものの、姫太郎が考え抜いた結果――って意味を込めて、「信じて」と書いてある。  ここで姫太郎は「選んだ」わけではないよな。選ぶっていうのは、選択肢がいくつかあるようなときに使う言葉だ。  他に選択がないところまで考え抜いたなら、それはもはや「選んだ」とはいわない。「信念」とでも呼ぶべきものだ。  信じるに足りるところまで考え抜き、正しくあってくれと願って念じる――というのが、「信念」という言葉の意味だ。  まあ、実際の小説のほうで、どうなっているのかは知らんけど。  主人公が「充分に考え抜いた」――と読者が納得できるだけのエピソードがあるかどうか、知らんけど。  このあらすじだか、プロットだかで書かれている「信念」ってのが、きちんと本文で体現されているかどうか、絵空事になってないか。それは知らんけど。  作者が信念持ってプロットをこの形にしたのでないのだから、主人公のほうだって、どうせ信念をもっての行動ではなく、状況に流されて場当たり的に、適当に「選択」してるんじゃないかと――そう思ったりもするけど。  だいたいさー、主人公の山場における行動が、「信念」レベルにまで到達していない話なんて、読む価値ないわけよ。  彼の行動は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない――とか言ってたら、どっちなんだよ、って突っ込みたくなるだろ?  本当におもしろいの? この話?  読む価値あるの? どうなの?  「ある」のか「ない」のか、はっきりしろよ、はっきり。  信念を持って答えろっつーの。 >嘘が見破られなかった件 >>なんで見破られなかったのかといえば、覚悟が違うからです。 >>両親の離婚で傷ついている友人を、これ以上自分のことで傷つけたくはないという決意。中学時代とは違って、気合いを入れて嘘をついているので、ばれません。  ばーか。  ちげぇよ。  ばーか。ばーか。ばーか。  前回の嘘は「自分のための嘘」で――、  今回の嘘は「相手のための嘘」なんだよ。  だから今回のは、バレないんだよ。 >明日美のせい、の件  やっぱ明日美の動機が、わかんねーんだよな。  そのために、なにがどう「明日美のせい」なのか、具体的に言えなくなってるわけだ。俺にもお前にもわからん。主人公にもわからん。  ただ一人を除いて、誰にもわからん。  明日美に訊け。  なぜ主人公をバイトに引き込んだのだ?  その答えが「気まぐれ」であれば、「明日美の気まぐれのせい」と言えるようになるし。  その答えが「意地悪」であれば、「明日美の意地悪のせい」と言えるし。  その答えが「だって、ぱらりんぽだもの」であれば、「明日美が不思議少女であるせい」と言えるし。  なんか他に理由があってのことなら、それが理由となるし。  ここも例のシンプルな解決法を用いるべし。  主人公をバイトに引きこむと、明日美はどんなメリットを享受することになるのだ? >2号、弟切 >説得合戦、深夜の高校生バイトの是非と、ラブホ街での制服の件  ぬるい。  キミら、ぬるいぞ。  主張と反論の応酬をやってるようだけど。  それが議論か? そんなものが議論か? 小学生でも、もうちょっとマシな議論をするぞ。日本のではなくて、アメリカの小学生の場合だが。  そもそも、何度もやりあっているけど――。  小説における「実戦」じゃ、そんな何回もチャンスなんてないんだってば。  ただの一回、こちらから向こうへの、一回きりの発言でもって、読者をぐうの根も出ないほどに納得させなくちゃならないわけ。共感させなきゃならないわけ。  陪審員(読者)へのアピールは、たったの一回しか許されていないわけ。  たった一回きり。  読者を納得させりゃ、お金がもらえる。  納得させられなきゃ、捨てられる。  だから綿密に計画して、プロット練り込んで、執筆に気を使って、何度も何度も見直しをして、完璧を期すわけだ。  いまキミらがやっているふうに、そんな何度もやり直しのチャンスがもらえるんだったら、わざわざこんな手間をかけて、小説なんて書いているかっつーの。  書いて直して、書いて直して、何度も見せ直せばいいじゃん。一発で決めることないじゃん。  「説得術」の本とか読んで、研究しないものかな〜。小説には関係ないとでも思っているのかな〜。アメリカの小学生レベルにも届いていない議論説得能力を、磨こうとしたりしないもんかな〜。  ちなみに、これは創作途上における議論なわけだな。  この応酬は、ちょうど作家と編集者との戦いに近いものがある。  そこで、ひとつ考えた。  対編集者との「実戦」を想定して、作品にケチをつけられた時の練習だと思って、解決のための議論の手段を訓練するつもりで、やってみること。  いいか。2号。  議論としての戦略が、そもそも間違っている。  ラブホ街で高校生を見かけるものか。――見かけない。――いいや自分は見た。  小学生か、オマエは。  小学生レベルの言い合いをしていて、どーする。  ――思う。――思わない。  そういうの、水掛け論っていうのだ。  相手の言い分なんて、いちいち潰していっても、きりがない。  言い分なんて、いくらでも作り出せるものだ。ひとつ潰したところで、倍の数の言いぶんが出てくるだけだ。  それよりも根元を叩け。  なぜ相手は突っかかってくるのか?  そこにはまず最初に、「変」とか「嫌」とか、そういう感情面の根っこが「原因」として転がっているのね。  言い分なんてのは、自分の感じた「変と嫌」を正当化するための屁理屈でしかないのだ。  相手(弟切)だって、自分自身がどこにこだわっているのか、往々にして、わかっていないことが多い。そんなに論理的に物を考えられる人間なんて、まず存在しない。  また作家(2号)の側だって、自分の「譲れない線」がどこにあるのか、きちんと把握していなかったりすることが多い。  まず2号のやるべきことは――だ。  「深夜でなければならない必然性」と「制服でなければならない必然性」を論理的にアピールする。自分が譲れない線はどこまでなのか、きっちり考えて、提示すること。  明日美の制服を脱がしていいなら、始めから戦うな。  脱がせないようなら、そこで戦え。  相手が「変と嫌」と思ったポイントの正体がなんなのか、推察して、見極めて把握するのだ。必要ならば直接訊け。「こだわっておられるのは、こんな点ですか?」と、相手に問いかけて確認してみろ。  弟切は細々とした言いぶんを、いくつも挙げているけど――。  そもそも弟切は、どんな部分に対して、どんな種類の違和感を持ったわけだ? その「根っこ」を考えてみること。  無数の屁理屈の裏には、どんな「本音」が隠れているのだ?  相手が「変」と感じた部分を回避しながら、自分の通したい欲求をクリアできるなら、そもそも対立する理由なんてないわけだ。  「こうすれば問題解決ですよね?」と提案すれば、相手もうなずくしかないはずだ。  作家と編集の立場では、編集のほうが強い権限を持つ。  議論の経緯がどうであれ、最終的に、編集が首を縦に振らなければ、本は出ない。  編集を負かしたって意味はない。自分の側に抱きこんで、その気にさせるのだ。「深夜で制服」のほうが面白いと納得させられれば、もう編集はこちらの味方だ。 >一発ネタ病の治療法  なるほど。  条件反射で仕込めばいいのか。  「粗相」をするたびに、毎回その場で、叱ればいいだけか。  そりゃ簡単だなぁ。  「小説じゃない」「読む価値なし」とぶった切ればいいだけの話か。  人によって「無関心」が一番こたえるというなら、ノーリアクションにすればいいだけの話か。  無視。スルー。もっと楽だな。  ちなみに2号のは、一発ネタかどうかタイトルでわかるもんで、僕からノーリアクションだったものは、たいていクリックさえしていなかったりする。  ちなみにみやびさんと話していて出てきた仮説では、こんなのもあった。 ・10番の「牛乳」が、なんだかんだいって話題となった。関心を浴びることは快感なので、それで味を占めた。プロ二名がプライドをかけて激論をかわすほどの「なんらかの価値」が、あの作品にはあったのだと思い、気になったので分析した。 ・100も書いてりゃ、一発ネタは品切れになるので、物語を書かざるを得なくなった。物語は普遍なものだから、百万篇書いても尽きることはない。「男の子が女の子に出会う話」だけでも、百万篇でも二百万篇でも書くことができる。 >>だってまわりの友達に見せたって、嫌われるのを覚悟で「くだらねえ」とは言ってくれませんもの。  そもそも、友達に見せるからいけない。  他人に見せろよ。自分への関心度がデフォルトで「ゼロ」である他人に見せなきゃ、返ってくる意見にバイアスがかかって、正しく測定できるはずねーじゃんか。  情とか、義理とか、お情けとか――不要なの。  必要なのは、正しく測定された「正確な評価」なの。  そもそも自分の小説が世に出て、本になって出版されたとして――。  読むのは「他人」なんだ。 >>背景を書いたり、描写を考えたり、人物を考えたり、ストーリーを練ったり、そういう大変なことはしたくないんです。  じゃ、やめろよ。  誰も「小説を書け」と、おまえに強制していない。  小説なんか書かなくたって、生きていける。  書かなくたっていいものを、おまえはわざわざ書いているんだよ。  さらにこっそり書いて、こっそり押し入れにしまっておくのみならず、わざわざ人様に押しつけて、読ませようとしているんだよ。  あまつさえ――。それで金を巻きあげようなんていう、空恐ろしいことを考えているんだよ。  自分が、どれほどとんでもないことを考えていて、思い上がって分不相応で、詐欺まがいのことをしようとしているのか、ちょっぴりでも理解しろ。  紙クズに書き連ねた文字クズで、金を取ろうなんて――詐欺っぽいことを計画しているわけだろ。  そしたら、居住まいを正して、修行しろ。 >TRPGの話  TRPGのマスター時代には、一発ネタはやらなかったなぁ。  そんな余裕はないっていうか。そんなことやって得意げになっていられる雰囲気でもないのだ。  プレイヤーってのは、全員、その日のプレイでたっぷり愉しんで帰るつもりで、遊びに来ているわけだよ。  プレイ中に頭を使うのは、「俺のこのネタどうよ!? ヘイヘイ!!!」てなことではなくて、もっと他のことだってば。  プレイヤーの演じているPC(プレイヤーキャラ)が、どんな性格で、どんなことを考えていて、どんなやつなのか。そいつはなににこだわっているのか。なにをすると怒り、なにをすると喜ぶやつなのか。  そこにどんなNPC(マスター側、ノン・プレイヤー・キャラ)をあてがって、どんなシチュエーションに放りこんだら、面白くなりそうか。  ――てなことを全力で考えるわけね。  いまこの瞬間にある、キャラ、舞台、状況。これまでに張り尽くした伏線、設定。  それらすべてを利用して、より面白くなる展開はないものかと、全力で考え続けるわけよ。12時間ぶっ通しで。  あるPCキャラが潔癖性の女の子だ――と見切ったら、不潔でだらしない酔っぱらいをNPCとして出して絡ませてみたり。  また純情な男の子――なんてPCを出してきたプレイヤーがいたら、年下食っちゃう趣味を持った、色っぽいお姉さんを出してみたり。  知的路線で推理好きなやつがいたら、謎のひとつも出さなきゃならんし。  戦闘マニアがいたら、戦闘シーンが必要だし。戦闘マニアっていったって、ザコいびりが好きなやつと、強敵との一騎打ちが好きなやつといるわけだし。  一発ネタは、記憶を探っても、やっぱりやっていない気がする。(みやびさんあたりの証言に頼ったほうが、より正確かもしれないが)  だいたい、一発ネタなんて、出す前に気配で悟られるよ。プレイヤーに。  一発ネタを出してくるマスターには、一発ネタを出しそうな気配ってのがあるわけだ。へんに仰々しかったり。ひとりで悦に入っていて、くすくす笑っていて、無気味だったり。  目がこっちを見ていないんだな。  意識してか、それとも無意識のうちなのか、プレイヤーと視線を合わせようとしない。  だからすぐにわかる。  そもそも、一発ネタをやるのはいいが、そのあと、どうすんだよ?  つまんねーぞ、すべってるぞ、どう責任取ってくれんだよ? てな目つきのプレイヤーに、取り囲まれてしまうわけだろ。  半日かけて遊んだ結果が、マスターの自己満足の一発ネタでしかなかった――なんて結末になったひにゃ、プレイヤーは本気で怒りだしてしまうわな。本気で遊んでいるんだから。怒るときも本気で怒るだろ。  明らかな「損害」をプレイヤーに与えているわけだよ。  隣のテーブルの連中はすげぇ盛り上がっているのに、自分のところはクソシラけていて、その責任が目の前のクソマスターの、クソくだらない自己満足と、クソシナリオにあることは、明らかなんだよ。  無事に帰しやしないよな。 (※注:1室に複数の組でプレイすることが多い。プレイヤー6人+マスター1人で、それが5組とか6組とか、ぎゅう詰めになってプレイしている。他の組の盛り上がりようは、すぐわかる。よって自分たちがどれだけ「損」をしているのかも、すぐわかる)  プレイヤーから8時間なり、12時間なりの時間をもぎ取るのだから……。  そのぶん、きっちり愉しませて帰らせないと、自分が家に帰れる保証はないわけよ。  大げさに言えば、生死がかかっているわけだ。  休憩してコンビニに買い出しに行くときも、トイレに立つときも、頭の中だけは全開で動いていて、次の展開を必死になって考えている。どうすりゃ愉しませられるのか。  あの伏線と、この伏線と、あっちの伏線も最後でまとめきって意味をもたせないと、刺されちゃうよなぁ。――とか。  ああ、あのキャラにきちんとした結末を与えてやらなきゃ、暴れるだろうなぁ。――とか。  前日までに「シナリオ」として準備しておくことも、もちろんあるんだけど。  やれることには限りがある。ストーリーラインはあらすじ程度にまとめておく。プレイヤーがどんなことを始めるかわかったものじゃないから、細かく作りすぎても意味がない。そもそもプレイヤーがどんなキャラクターを登場させるかわからない。どんなキャラが物語りに登場してもいいように、潰しが利く――汎用性のある話にしておかなきゃならない。  その点は、小説のが楽。  キャラ決めちゃっていいから。ぜんぶ決めちゃえるから。不確定要素なくしてしまえるから。  しかし小説の場合は、数万人から、2時間ずつぶんどることになるわけだから、それだけ覚悟も険しくなる。  ドーム球場に超満員で、だいたい5万人ぐらいだな。  その全員が口々に「つまんねー」と暴徒とかして押し寄せてくる様を想像してみろ。生きて帰れるどころじゃないな。肉片さえ残るかどうか。  ああ。そうそう。  いま、ふと思い出した。  そういやシェラザードという女性が、アラビアの王に千と一つの夜伽話をしたという逸話があるっけ。そこでかかっていたのは、自分の命だったか、貞操だったか。  命のかかった実戦はいいぞー。経験値が違うぞー。 >>新木さんの場合、マスター時代にほとんどの小説初心者がかかる病気を治したんではないかと思いますが、どうなんでしょか。  てなわけで、俺の場合には、「病気になって寝込んでいる暇なんてありませんでした」――てのが、答えってところか。  目の前に、現実に、読者がいるんだよ。  6人6様の読者が、そこに実際に座っている。  いま自分が「一発ネタ病」になっていようが、「設定語りたい病」になっていようが、「誇張強調病」だろうが、なんだろうが――。  なにはともあれ、目の前に座る「読者」を「愉しませ」なければならないんだよ。  2号の調教も、まだぬるいよな。  掲示板上じゃ、こんなもんが限度だろうけど。  つまらないものを書いてきた「罰」は、「読まれない」ってもの。  ただそれだけ。  しかし読まれなくたって、たいした「実害」はないんだよな。それを書くのにかけた時間と手間が無駄になるぐらいのことで。  芸を見せなきゃ、ご飯抜き――とかいうことにしたら、修行効果は、いきなり10倍ぐらいに跳ね上がるんだろうなぁ。きっと。  そういや、そんな番組があったなぁ。  放送作家を鍛え上げるために、シロウトを監禁して、オモロイ企画や脚本を書かなきゃ、その日の飯が食わせてもらえないの。 -------------------------------------------------------------------------------- 風邪は温めて治します。 No.7502 投稿日 2004年1月28日(水)00時39分 投稿者 弟切 千隼  今日、漢方薬局へ行ってきた弟切です。風邪薬を処方してもらいました。  「三分診療」と揶揄[やゆ]される西洋医と違って、漢方医は、患者の話をよく聴いてくれるのがいいですね。漢方の場合、個々の患者の体質に合わせた薬を処方するので、同じ病気でも、患者ごとに違う薬が出されます。患者の体質がどんなものか見極めるために、漢方医は患者からいろいろと聴きだします。  弟切は、「体を温めつつ治す」という薬を処方されました。 >「優しい嘘」指摘  No.7500の2号さんの説明にも、納得できません。反論させていただきます。  その前に、2号さんから要望がありましたので、追加説明をしましょう。 >> 「高校生が深夜にこんなところにいたら、まずくないのか?」と思うのはわかります。でもそれで感情移入できなくなるというのがわからない。もうすこし説明が欲しいです。   (中略) >> でもホテル街で、なにかを監視しているというだけでも感情移入できないんでしょうか。私の感覚としては「その程度」で? という感じです。べつに行為をいたしているわけでもないのに。 (No.7500の2号さんの書きこみより)  冒頭で、主人公に感情移入できない一番の原因は、「高校生の主人公が、ラブホテル街なんかで、何をやっているのかわからない」からです。  主人公が、「浮気の証拠をつかむために監視をしている」という状況が、伝わってきません。  伝わるのは、 「なにやらうんざりした様子の男子高校生が、なぜかラブホテル街で、三人の男女と共に車の中にいる。どうも、無理やり働かされているらしい」 ことだけです。  2号さんは、「どきどき感を伝えるために、わざわざ時間帯を深夜に設定した」とおっしゃいます。けれども、冒頭には、そんなどきどき感はまるでありません。  主人公は、慣れないラブホテル街で、生々しい浮気調査の現場にいるのですよね? しかも、狭い車内で、ほとんど見ず知らずの人たちと一緒にいますよね?   それなら、それなりの緊張感や緊迫感といったものがあるはずでしょう。そういうものが全く感じられません。  それらこそが「どきどき感」を構成するのではありませんか?  「男子高校生が、慣れないラブホテル街で、見ず知らずの人たちと一緒に浮気調査をすることになった。どっきどきだ」  という状況がリアルに伝わっていれば、それに惹かれて読んでしまえるかも知れません。  しかし、前記のとおり、冒頭の主人公は、何をやっているのかわかりません。そのため、読み手は物語に惹かれるどころか、「なぜ、深夜に高校生がこんなところにいるのだろう?」と不審感を募らせます。  追加説明は以上です。これでもわからなければ、言って下さい。  では、反論に入ります。  「高校生が制服を着て、ラブホテル街で張り込みをすること」が、なぜいけないのでしょうか?  弟切は、前回の書きこみNo.7497で、これが不自然である理由を三つ挙げました。 1.ラブホテル街に制服姿の高校生がいたら、補導される可能性が高い。 2.我が子と同じ学校の制服を着ている生徒の目前で、浮気をする親などいない。 3.失敗する可能性が高い仕事(高校生が制服を着てラブホテル街で張り込み)を、プロの探偵がさせるはずがない。  今回も、これら三つの理由にしたがって反論してゆきます。  まず、1についてです。  張り込みの最中に、警官に職務質問をされたり、補導されたりしたら、張り込みが中断されてしまいますよね。それでは張り込みになりません。  張り込みは、なるべく怪しまれない格好でやるのが基本でしょう。 >> あと、車はわざと窓を曇らせて、外から様子がうかがえないようにしてあります。 (No.7500の2号さんの書きこみより) ↑だとしても、警官が車の窓を開けさせて、職務質問をする可能性はありますよね。わざと窓を曇らせている車なんて、見るからに怪しいですから。  そのうえ、制服を着た高校生なんぞ乗っていたら、怪しさ大爆発です。根掘り葉掘り質問されて、張り込みどころではなくなるに違いありません。 2.我が子と同じ学校の制服を着ている生徒の目前で、浮気をする親などいない。 については、弟切の誤認でした。すみません。  面白くないので、流し読みしていて、気づきませんでした。  我が子と同じ制服ではなくても、制服姿の高校生は、ラブホテル街では目立つ存在でしょう。  2号さん自身が、以下のとおり書いていますよね。 >>>>ラブホテル街で、制服姿の高校生を見かけることなんて、少ないですよね? >> そんなことはないです。いやホント。地方都市である岩手県でだって見かけたことあります。見たときには「マジかこいつら」と思いましたが(ホテルに入ったかどうかまではわかりませんでしたが)。 (No.7500の2号さんの書きこみより)  制服姿の高校生が、ラブホテル街を歩いているのが「普通」なら、2号さんも驚きはしませんよね? 「普通ではない」からこそ驚いたのでしょう?  「普通ではない」ものは目に付きます。見た人の印象に残りやすいです。  印象に残ってしまったら、張り込みがばれやすくなります。「あれ、さっき見かけたあの高校生、まだあそこにいる?」なんて思われたら、張り込みは台無しです。 3.失敗する可能性が高い仕事(高校生が制服を着てラブホテル街で張り込み)を、プロの探偵がさせるはずがない。  これは、上記の1や2と関係しますね。補導されたり、目立ったりする可能性が高い高校生では、満足な張り込みができるとは思えません。 >>>>きちんと秘密保持をしない探偵事務所には、仕事が来ません。つぶれます。ヒロインの祖父は御飯が食べられなくなります。 >>>>祖父は、たかだか一人の浮気調査のために、そこまで覚悟して孫娘を使っているのでしょうか? >> 少女と祖父は血縁関係にありますよね。 >> 血縁関係にはどうしたって甘くなるもんです。孫の可愛くない老人はいません。そこまで覚悟したっておかしくないはずです。 (No.7500の2号さんの書きこみより)  百歩どころか千歩譲って、ヒロインの祖父が、ヒロインに対して大甘だったとします。  そんなに可愛がっている孫娘には、深夜労働など決してさせないでしょう。  深夜でなくても、「お祖父ちゃんが好きなだけお小遣いをあげるから、アルバイトなんてするんじゃありません」と言いそうです。  祖父ならば、血縁ですから、ヒロインに甘くてもおかしくありません。  けれども、探偵事務所に雇われている人たちは、血縁ではありませんよね? ヒロインを甘やかす理由はありません。  素人の女子高校生を手伝わせるような探偵事務所は、早晩つぶれることが目に見えています。そうなったら、雇われている人たちは失業です。御飯が食べられなくなります。  なぜ、血縁でもない人のために、一介の従業員が、そんな危険を冒さなければならないのでしょう?  冒頭で、二人の従業員が、孫娘に反対もせず、へらへらと仕事をしているのが信じられません。 -------------------------------------------------------------------------------- 1001夜物語 No.7503 投稿日 2004年1月28日(水)13時12分 投稿者 鐸碑 > そういやシェラザードという女性が、アラビアの王に千と一つの夜伽話をしたという逸話があるっけ。そこでかかっていたのは、自分の命だったか、貞操だったか。 > 命のかかった実戦はいいぞー。経験値が違うぞー。  弟切さんの得意分野でしょうが、弟切さんが読むのは夜になりそうなので簡単に。  シャラザードの話に懸ってたのは命です。  しかも、明日も話を聞きたいと思わせる事だけが命をつなぐ手段。  その状態で1001夜(2年と9ヶ月)ぶっ続けで話をし続けた話です。  アラブの王が女性不信に陥っており、伽をさせた女性を翌日には殺してしまうという暴挙を繰り返していた。賢いシェラザードが王の下へ出向き、伽の際に面白い話を聞かせることで王の興味を引いて、明日も聞きたいと思わせることで処刑を免れた。これを1000回繰り返して、1001夜の話をした時。シェラザードの話で語られる教訓等に感化された王様が改心して、シェラザードを正式な妻にしたという話。  シェラザードはその1000夜の間に、2度か3度の出産をしているので貞操は早々に失っています。  シェラザードが受けていた圧力を分析するとこんな感じです。 ・1度でも楽しませることができなければ翌日に命はない。 ・次の話に期待を持たせることができなければ命はない。 ・1日もあける事はできない。(あければ他の女性が犠牲になり、王の女性不信は解けない) ・王の心が変るまで続けなければならない。 ・王が自発的に過ちに気付けるように誘導しなければならない。  このくらいのプレッシャーを受けながら創作したというお話になっています。  これに少しは近い重圧をかけるとすれば。  毎日掌編を書いて面白いと思わせ続けなければ、即出入り禁止。これをデビューが決まるまで続けるとか位はしないとならないでしょうね。 -------------------------------------------------------------------------------- 指摘課題 No.7504 投稿日 2004年1月29日(木)01時00分 投稿者 津荒 夕介  指摘課題ということで、よろしくおねがいします。  今回は話の骨格についての指摘をします。細部は次です。 ○2号さんへ  「優しい嘘」を読んで思ったことは、わけわからんー、でした。  その理由と思われることを書いてみます。 >主人公の中身がおかしい。 >>一行テーマ。 『相手を思っての嘘で親友を傷つけた過去を持つ主人公が、探偵業を営むヒロインたちの仕事を手伝わされるなかで、真実を告げる強さと、嘘をつく狡猾さを手に入れる話。』  嘘をついて、相手を傷つけ、自分も傷つく。そんなことがあれば「嘘が嫌い」になりますよね。  初期状態は「嘘が嫌い」。でも、最終状態として一つは「嘘が上手くなる」とある。  ???  嘘が嫌いなのに、嘘が上手くなるんですか?  僕なら嫌いなものには、目も向けませんよ。  嫌い>良さを認める>好きになる>上手くなる。こういう順番が普通じゃないですか?  もう一つは「真実を告げる強さ」。  嘘が嫌いな人間なら「真実を告げる強さ」なんてものは、すでにもっています。  そもそも「真実を告げる強さ」というのは、嘘が絶対悪であると確信することで生まれます。  主人公は、嘘が嫌いです。嘘は絶対悪ですよ。  真実を告げるべきかどうか〜なんて、迷いません。 (脱線ですが、「真実を告げる強さ」と「嘘を上手くつく力」この二つが両立するのはおかしくないですか?)    以上の理由で主人公が変です。それは本文を読んでも、ですよ。一行コンセプトだけの話ではありません。  本文を読んでも、主人公の初期状態は「嘘が嫌い」に見えます。そしてそこから変化しているようには見えない。だから骨格が壊れている。  例えばこういう変化なら良いかもしれません。  「真実を告げることに迷い」から「真実を告げる強さを得る」。  最初、嘘も結構捨てたもんじゃないぜ! と思っていたのが、嘘の悪さを知り、最終的には嘘は絶対悪、と考えるようになる。  「嘘をつくのが下手」から「嘘をつくのが上手」というのもあります。  最初、嘘が下手なわけです。好きなんだけど、上手くできない。才能がないんです。しかし努力する。山にこもって修行するわけですね。それで最終的には詐欺師になる。    あと、姫太郎が明日美の仕事を手伝うなかでなにかを得た! という感じはありませんでした。  ただ車に乗ってただけだし。  写真もって走っただけだし。 ○弟切さんへ  ラブホテル街に行ったことのある高校生は、少数のはずです。おそらく僕の学年200人中、5〜10人ぐらい、かな……。  僕は行ったことありません。    ……うーん。僕は良いサンプルじゃないですね。男子校生ですし。  共学ならば、行ったことがある人、多いかもしれません。    それからラブホテル街には行ったことがないので、夕方だとドキドキしないとか、深夜ならドキドキするとかは、確信をもって答えられません。  すんません。 -------------------------------------------------------------------------------- アルフ・ライラ・ワ・ライラ Alf Layla wa Layla No.7505 投稿日 2004年1月29日(木)01時45分 投稿者 弟切 千隼  題名は、アラビア語で「千夜一夜」という意味です。『千夜一夜物語』の原題ですね。  『アラビアン・ナイト Arabian Nights』というのは、この物語を英語訳した時に付けられた題名です。  『千夜一夜物語』については、ほぼ、鐸碑さんが解説して下さったとおりです。ヒロインのシャハラザードが、女性不信のシャハリヤール王に、千夜と一夜の間、物語を語ります。  ヒロインの名は、シェヘラザード、シェーラザーデ、シャラザードなど、様々に発音されます。最も原語に近いのは、シャハラザードという発音らしいです。  シャハラザードもシャハリヤール王も、架空の人物です。シャハリヤール王は、インドと中国を治めていたことになっています。  ただし、物語に収められているのは、アラビアやペルシャなどの西南アジアに伝えられたお話ばかりです。 >「優しい嘘」指摘  新木さんが指摘されたとおり、一つ一つの細かいことを取り上げて言い合っても、本質にはたどりつきませんね(^^;  弟切は、なぜ、「優しい嘘」に気に入らない部分がたくさんあるのか、考えてみました。  本当のところ、弟切は、「優しい嘘」の何を変だとか嫌だとか感じているのでしょう?  考えた結果、弟切は、以下のことが気に入らない、という結論に至りました。 1.物語の設定や描写に、必然性がないこと。 2.登場人物たちが、世の中をなめているように見えること。  これだけでは、どういうことなのか、よくわかりませんよね。解説します。  まず、1についてです。  小説に用いる設定や描写には、どうしてそうなのか、必然性(=理由)がなければいけません。  例えば、高校生が深夜に出歩いているとしたら、深夜でなければならない理由が必要です。高校生がラブホテル街に制服姿でいるとしたら、物語の中で、どうしても、制服を着ていなければ困る理由があるはずです。  「優しい嘘」には、そういう必然性が感じられません。  人間は、深夜でなくても浮気をします。なぜ、主人公は、わざわざ深夜に浮気調査をするのでしょう? 深夜であることが、物語の流れに重大な影響を与えるのでしょうか?  高校の制服は、浮気調査に必須の道具ではありません。なぜ、ヒロインは、わざわざ制服を着て浮気調査をするのでしょう? ヒロインはとても貧乏で、制服以外の服を持っていない、といった設定があるのでしょうか?  次に、「2.登場人物たちが、世の中をなめているように見えること」についてです。  例えば、ヒロインの行動を見てみましょう。祖父が探偵だからという理由だけで、何の職業訓練もしないまま、探偵の仕事をやっています。素人がこんな仕事をすれば、失敗する確率が高いのに、です。  仕事に失敗すれば、当然、祖父に迷惑がかかります。それは単なる精神的な迷惑ではなくて、金銭的にかなりの損害となります。最終的には、祖父の仕事を奪ってしまう可能性が高いです。  迷惑をかけるのは、祖父だけではありません。探偵事務所の従業員たちにも、金銭的損害を与えます。彼等も失業させてしまう確率が高いです。  むろん、仕事を依頼した人にも、迷惑がかかりますね。お金を払ったあげく、調査して欲しかったことが調査されませんから、これも金銭的損害となります。  ヒロインは、少なくとも四人に、精神的かつ金銭的な損害を与え得る行動をしています。しかも、そのうち三人が与えられるのは、生活が成り立たなくなるかも知れない致命的な損害です。  それなのに、ヒロインには、ちっとも悪びれた様子が見られません。そういう行動に対する罰もありません。  こんなのってありですか?   自分がやりたいことは、他人を踏み台にしてもやっていいのでしょうか?  単なるわがままのために、社会的なルールを破っても、何の罰もありませんか?  どんなに美少女だったとしても、こんなに世の中をなめきった性格ブスがヒロインでは、読む気をなくします。  このままでは、「優しい嘘」は、「世の中なんて甘いもの。うまくやった奴が勝ちなのさ」というメッセージを秘めた作品としか思えません。それでよろしいのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- どっかで聞いたことがある言葉 No.7506 投稿日 2004年1月29日(木)04時27分 投稿者 名無し君2号  「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」という言葉、どこかで聞いたことがあった。  なんだっけ、と検索してみたら、なるほど、ゲームミュージックを作っていた女性サウンドチームの名前もそうだったのね。  「魔界村」とか「戦場の狼」とか、昔のゲームの曲を手がけているチームでした。ああ、なつかしいなあ。 >はせがわみやびさん >>桜庭さんの「交渉」は、文頭にやたらといらない単語が多いっていうのは、示したよね? >>ついでに、四人の男にも名前を付けて、代名詞を使わないっていうのもやってみよう。 >>誰か、挑戦してみない?  やってみました。かかった時間は45分。  だがしかし、なれどしかし、やってから気づいてしまったんですが、本当だったらこれは桜庭さんのやるべきことですよね。  課題部屋にあげてしまってもいいんでしょうかね? と誰かに向かって問いかけてみる。ROMROMROM。  そもそも私がやって意味のあることだったのだろうか、とも考える。むー。 >青葉さん >No.5「眠り姫」(1720文字) >>鼻に抜けるような独特の匂いがただよっている。  どんな匂いでしょうか。ミント? 柑橘系? ホルマリン……だと鼻に刺さるんでしょうかね。 >>出かけているのか祖父の姿はなかったが、当然、彼女はいた。部屋の中央にあるケース の中で目を閉じている。  説明文の匂いがただよっている。  「おじいちゃん、いる?」  のひと言で十分じゃないでしょうか。  眠り姫に挨拶するまえに、主人公が祖父に挨拶しないのもおかしいと思います。 >>十年近く前、はじめて出会った頃にはずいぶんと年上に見えた少女。だが、マークが十 四になった今や、彼女は同い年くらいになっているようだった。  これも説明っぽい。 「きみは……かわらないよね」  のひと言であらわせそうな気がします。  説明うんぬんは、かえって混乱させる元になってしまったかもしれません。参考程度にしておいてください。 >津荒さん  あらすじを書いたのなら、リンクしたほうが指摘を受けやすいです。  勝手に指摘してしまいます。 >「ソーサラー狩り 爆れつハンター 〜血封印〜」あらすじ >>数少ない魔力を持つ者「法族」。この世界では彼らが支配者層だ。法族ポトムキンは美女さらいだった。悪事を働く法族、それを懲らしめるのが、キャロット、マロン、ティラの三人、「ソーサラーハンター」だ。ポトムキンを三人が成敗する。  「法族」と「ソーサラーハンター」の説明っているんでしょうか。べつにいらないような気もするし……いるならいるで、もうちょっとうまく書けるような気もします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  魔力で世界を支配する法族のひとりポトムキンは、領民を圧政で苦しめていた。しかしソーサラーハンターであるキャロット、マロン、ティラによって打ち倒される。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じで。  課題部屋にはほかの人が書いたあらすじが転がっているので、参考にしてみるといいかもしれません。サムライ・レンズマンのあらすじなどはかなり具合がいいです。  他にもいろいろと疑問点があります。  キャロット、マロン、ティラの性別や年齢は。そのうちで特別な関係にあるものはいないんでしょうか。たとえば兄弟とか、恋人とか。 >>三人は依頼人――少女クリスの屋敷で、彼女の一族が次々と失踪していること知る。  クリスの依頼はなんだったのか。「一族が失踪した」、それでどうしたいのか。  もう失踪しないように原因を調査してほしいのか、クリスだけを守ってほしいのか。  法族が絡んできているかどうかもわからないのに、どうして「ソーサラーハンター」が依頼を受けたのか。 >>三人は依頼人――少女クリスの屋敷で、彼女の一族が次々と失踪していること知る。失踪事件の黒幕は、三人が酒場で会った聖女バロア。魔法収集家の彼女はクリスの先祖が作った「死の訪れ」という大量殺戮魔法を欲していた。「死の訪れ」は一族の血で封印されている。一族の血を集めると「死の訪れ」は復活する。また、クリスのおじレイスと地元法族は「死の訪れ」の力を得るために、バロアに協力していた。  一行目の最後「失踪事件の黒幕は〜」より後は、ここで書くのはおかしいです。種明かしする場面で書けばよいのではないのかと。 >>その姿を見て、マロンは昔、自分が兄であるキャロットに助けられたことを思い出した。  マロンがそれを思いだすことが、今回の話になにか影響を与えるのでしょうか。 >>次の日、三人は大した報酬も受け取らずに去っていった。  どうして受け取らなかったのでしょうか。 >761 1000字課題、1/26分、No.101「伝説の木」(2000文字) >>校庭に生えているいわくありげな木の下に、女の子が立っているわけだよな。彼女は誰かに呼び出されて待っているわけだな。  違う!  女の子が誰かに呼びだされて、木へ向かっているんですよ!  ……って。  わかってます。「そう読める」ということなんですよね。ああタチ悪い。  どうすれば誤読を防げるのかを考える。  最初に、「女の子が木へ向かっている」ということを確定させればいい。  簡単。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  学校の校庭の隅に、大きなあすなろの木がある。  そこに向かって、美樹は歩いていた。  あの木の下で告白すると、カップルは永遠に結ばれるという。まあありがちな話よね、そう美樹は笑い飛ばしていた。――でもいまの美樹には笑えない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まあ簡単だけど。  でもこれだと説明だし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  美樹が歩を進めるたび、あすなろの木が近づいてくる。  校庭の隅にぽつんと立つ木。その木の下で告白すると、ふたりは永遠に結ばれるという。ありがちな話よね、いつもの美樹ならそう笑い飛ばしていたのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  美樹にカメラを設置する。  これで誤読されることはなくなるはず。……なんでこれが最初からできないのか。 >伝説の木  「伝説」は強すぎるとのこと。確かに。  「おまじないの木」……ちょっと違う。  「言いつたえの木」「恋愛成就の木」「恋人の木」、うーむ。 >空間構築術  ぱんつの染みまで考えなくちゃならないのか!  ――と、しばらく悩んでいたのですが、頭を洗っているときにすこし理解できたような気がしないでもない。あや、ふや、ですが。  なんというか、まあぱんつじゃなくて靴下でもいいんだけど、それを履いている人の性格や生活習慣によって、汚れかたは当然変わってくるということだと。  ブーツを長い時間にわたって履く人なら、足は臭くなりやすいし。  サンダルばきなら匂いづらいし。  運動する人なら靴下も汚れるし。  体臭が強い人もいるし。薄い人もいるし。  夏か冬かでも変わってくるし。  汚れひとつとっても、それぞれの人物像によって変化してくるはず。キャラクターをしっかり構築できていれば、汚れすら思い浮かべることができるということ。  財布の中身もおなじ。家は裕福なのか、それとも自分でバイトしているのか、浪費家か倹約家か。どんな服を着ているのか、下着はなにかってのも同様。  車のエンジンもおなじこと。きちんと手入れをしているのか、チューンナップの有る無し、芳香剤はどんな匂いか、そんなものないのか。車の年式、色、内装、ぜんぶがそう。  だってそれを購入したのは人間だし、使っているのも人間だし。  ラブホ街にしても、だ。  街の規模はどうなのか、都会か田舎か、治安はどうか、駅は近いのか、ラブホ街のまわりはどうなっているのか。それさえわかれば、自然と浮かぶはず。  まあ楽なのは、なにかをモデルにすることなんだけど。だから楽することばかり考えてちゃ駄目だってばさ。 >極端病 >>ハデで極端に走ってしまう癖は、これはどうして治ったのだ?  よくわからないです。  私の場合、派手で極端にしてしまうのは自信がないからだったんですが。  はたしてこれで伝わってるだろうか、と不安になるから、どうしても強い文面にしてしまう。馬鹿げた仕掛けをしてしまう。  実際には派手で極端にするとそこがやたらと目立ってしまうから、かえって伝えたいことが伝わらなくなってしまうんですけども。  だったら極端にしなきゃいいだけの話なんですが。  それができれば苦労はないですよねえ。  私はどうして治ったんだろう。そもそも治した記憶もない。  うーん……。  たぶん、「仰々しく書くな」が効いたんだと思います。  派手で極端にするには、どうしても文面が「仰々しく」なってしまいます。手足を封じられたので、派手にも極端にも走れなくなったのではないかと。  でもこれは私の場合ですし。  うむむ、青葉さんのをリライトしてみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  公園の灯りがうざったい。  心臓が痛いくらいの勢いで血液を送り出している。  冬の夜風と冷たいベンチの感触は、身体に心地よいどころではなく、問答無用に体温を 奪っていく。  それらが僕の、閉じそうになるまぶたをぎりぎりで押しとどめていた。  もしここで寝たら、よくて病院行きだろう。でも、妙な浮遊感とは裏腹に身体は重く、 頭はかすみがかかったようになっていて、身体を起こす気力は出てこない。  冷たいベンチの上に寝転がっているはずなのに、その冷たさは。  周囲に人の気配はなかった。 「……薄情な女だよな、まったく」  呟いた。声は、はるか遠くから聞こえてきた。  身体を起こそうとしたけれど。  地面に足をつくことすらまだ面倒で、すぐに諦めた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここから、まずは私が「仰々しく」感じる部分を抜きだす。 「痛いくらいの勢いで」「問答無用に」「よくて病院行き」「はるか遠くから」「地面に足をつくことすら」  これを削り、「優しい言葉」に言い替えてみる。ついでにいらない部分も削る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  公園の灯りがうざったい。  心臓が強く血液を送り出している。  冬の夜風と、背中ごしに感じる冷たいベンチの感触は、身体に心地よいどころではなく、 じわりじわりと体温を奪っていく。  それらが僕の、閉じそうになるまぶたをぎりぎりで押しとどめていた。  もしここで寝たら、きっと風邪をひいてしまう。でも、妙な浮遊感とは裏腹に身体は重 く、頭はかすみがかかったようになっていて、身体を起こす気力は出てこない。 「……薄情な女だよな、まったく」  身体を起こそうとしたけれど。  あまりにだるくて、すぐに諦めた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  どうでしょうか。「死にかけ」にはなっていないと思うんですけども。  青葉さんはいま外から見た「疲れている状態」を書いてるはずなので、こちらをリライトしても問題ない……とは思いますが。  とりあえず「仰々しく書かない」をモットーにやれば治るんじゃないですかねえ。「仰々しく書かない」で派手かつ極端にできるなら、それはそれでひとつの芸だと思います。 >短編「優しい嘘」 >レギュラー選手の座を譲った件 >>こいつは、相手に選手の座を譲ってやることで、いったいどんなメリットを受けるのだ?  主人公が親友に選手の座をゆずることで、どんな得があるのか。  まずは親友を失うことが怖かった、というのがあります。これで嫌な雰囲気になってしまうのは避けたかった。  それと優越感。これは主人公本人は気づいていませんが、相手を下に見ています。おれはこいつより上なんだ、だからゆずって「やろう」。  どちらも自分自身にのみ、得があること。  相手のことは考えていません。――いや、考えたつもりにはなっています。  だから謝れなかった。悪いことをしたという気持ちと、お前のためにやったんだろうという気持ち、両方があります。 >明日美をつけていった件 >>だから、主人公は、明日美をつけていって、どうしようと思ったんだよ?  悪い噂が本当だった場合と、本当じゃなかった場合。  本当だった場合。  主人公はそんなことはないだろう、と特に根拠もなく信じています。だって惚れてるし。アイドルはトイレにいかないと信じているようなもんです。  なので本当だったら……悩むんでしょうねえ。彼女次第ではありますが、なんらかの行動はとると思います。「そんなこと、やめてください」と馬鹿正直に頼むとか。  本当じゃなかった場合。  ホッとします。ああ、よかった、やっぱりあの人は清らかだった! ちゃんちゃん。でおしまいですかね。だって惚れてるし。 >真実を告げた件 >>本当におもしろいの? この話? >>読む価値あるの? どうなの? >>「ある」のか「ない」のか、はっきりしろよ、はっきり。 >>信念を持って答えろっつーの。  書いた時点では「ある」だったんですけども。  でも信念を持って答えられるほど思考はしていない。  いまとなっては。ううむ。  なんというか、津荒さんの意見が一番効いたッス。ううう、わけわからんー、か。 >嘘が見破られなかった件 >>ばーか。ばーか。ばーか。 >>前回の嘘は「自分のための嘘」で――、 >>今回の嘘は「相手のための嘘」なんだよ。 >>だから今回のは、バレないんだよ。  んあー、チョーカッコイー。  自分で導き出したかった。 >明日美のせい、の件 >>明日美に訊け。 >>なぜ主人公をバイトに引き込んだのだ?  今回の浮気調査、じつは一年前にも受けています。  そのときには旦那は浮気してたんですけども、それを依頼人である奥さんに報告すれば離婚することは間違いないらしい。  離婚しようがどうしようがべつに明日美には関係ないけれど、その犠牲になる子供は可哀想だと思った。自分も両親が離婚したことで、子供がどれほど傷を受けるのかは身をもって知っている。  調べてみると、旦那の浮気は一時の気の迷いのようだ。  ならば旦那は愛人と別れさせ、奥さんにはあえて浮気の事実はなかったと報告すれば、みんな幸せ、八方丸く収まるのではないかと明日美は考える。  しかし、はたしてそこまで踏みこんでいいものか。  とりあえず子供の顔でも見てみるか、と明日美は中学校に向かう。  そこで主人公が調査相手の子供と揉めているのを見た。主人公に理由を尋ねると、結果はともかく、動機はともかくとして、調査相手の子供のために嘘をついたらしい。  なるほどな、それじゃそれでいこうかい、と明日美は依頼人にあえて嘘を報告することに決める。  ――が、一年後、またもや旦那は浮気をしたらしい。おなじ依頼人から浮気調査を頼まれる。  状況は変わらない。  さて、こんどはどうするか?  そのとき、明日美は高校で主人公と再会する。  これもなにかの縁、彼に尋ねてみようか――。  ということで主人公を巻きこむことに決めた。ただし、主人公が明日美とおなじ種類の人間であることが条件だ。  条件とは、好奇心。  あえて主人公とおなじ車両に乗る。尾行するようなら合格、ついてこないなら不合格、巻きこまない。そのまま普通の人生を送ってもらう。  後をつけてくるようなら、まあそれは主人公の責任でもあるし、引きずりこまれてもらおう。  だから……気まぐれになるんでしょうか。  主人公を気に入ったというのもあるかもしれない。 >弟切さん  弟切さんの主張を照らし合わせてみると、要するに「現実に則して書け」ということなのだと思う。 ・張り込みするときは変装しろ。 ・孫娘に労働させる祖父はいない。 ・機密が重用視される探偵事務所で、信用できない高校生を使ったりしない。  現実にはそのとおり。反論することはないです(反論してたけど)。  だけどこの小説はそういう話ではない。  探偵事務所の話をリアルに書くのなら、高校生を主役にはしない――探偵を主役にします。でも主役は高校生の少年にしました。  作者である自分も説明しようとして気づきましたが、これは「少年がべつの世界をかいまみる」話でもあります。  ホテル街も、探偵事務所も、なぞの少女も、すべては主人公を異世界に連れていくための小道具です。  だから真夜中のホテル街でなくてはならない。夕方や休日の午後ならば現実的なのかもしれない。  だけど異世界だから、思い切っていかがわしくする。  他の設定についても同様。いくら所長の孫娘だからって、へいこらと使われる所員は現実にはいません。  だからこそへいこらと使われている。だって異世界だから。  この少女は大人と同格に扱われている。高校生をおなじように扱う大人なんていないのに。  ――それでも最低限のリアリティーは必要だ。  わかります。私はそのさじ加減を間違っているのかもしれません。というか間違っているよなあ。  ただ、読者が許せる範囲というものがありますよね。どこまで現実からはずれていても許せるのか、という範囲。  今回の小説は、いったいどこまで許されるのか。対象読者はだれなのか。 「少女は祖父が所長を務めている探偵事務所の仕事を手伝っている」  これを許せるか、許せないか。  絶対に許せないか。  納得できる理由があれば許せるか。  適当な理由でも許せるか。  そもそも疑問とも思わないか。  むしろ求めていたか。  ちなみに今回は「納得できる理由」を書いてません。なにかがあるのだろうな、というのを匂わしているだけです。所長もだしてないし。  今回の話は、「なにかがあるのだろうな」で許してくれる読者を対象にしてます。それで許してくれる読者でなければ、そもそも読めない話だと思います。ヒロインが無茶苦茶やってるし。 >>「なにやらうんざりした様子の男子高校生が、なぜかラブホテル街で、三人の男女と共に車の中にいる。どうも、無理やり働かされているらしい」  そう感じることを狙って書きました。あえて「浮気調査」とはわからないようにしています。「どうしてそうなったんだ?」という興味で引っぱろうとしたんですが……。駄目だったようで。  ……ここまで書いたところでレスが。 >>このままでは、「優しい嘘」は、「世の中なんて甘いもの。うまくやった奴が勝ちなのさ」というメッセージを秘めた作品としか思えません。それでよろしいのでしょうか?  けっこう近いかもしれません。  なにが正義なのか、ということ。  父親が浮気している家庭がある。  裏切られた母親にとっては、別れることが正義。  しかし子供にとってもそうなのか。子供にはなんの罪もない。でも子供は心に傷を受ける。子供にとっては、たとえ偽りの家庭であっても続くことが正義。もちろん個人差はあるでしょうが。  浮気していた父親にとっても言い分はあるはず。疲れて帰ってきてもごくろうさまのひとこともない。会話もない。夜の生活もない。浮気しないほうがおかしいだろ、という正義。まあ自分勝手ですけど。  そんな状況で、一番いい方法はなんなのか。正義なんかどうでもいい、道徳なんかクソ食らえ、倫理なんか捨ててしまえ。みんなが幸せになるにはどうすればいいんだ?  「嘘でも真実でもいい、うまくやるにはどうすればいいのか」がメッセージかもしれません。多分。  ――そうじゃないかと、いまようやく自分でも気づいたんですけど。  レスには……まあぐちゃぐちゃと8時間ぐらいかかってます。 -------------------------------------------------------------------------------- とりいそぎ返信 No.7507 投稿日 2004年1月29日(木)05時47分 投稿者 名無し君2号 >津荒さん >>嘘をついて、相手を傷つけ、自分も傷つく。そんなことがあれば「嘘が嫌い」になりますよね。  まあ、そうとも限らないです。  嘘をついて、相手を傷つけ、自分も傷つく。  よーし、こんどはばれないような嘘をつこう!  となるかもしれない。  つまり「嘘がばれるのが嫌い」になることだってありますよね。  ここはどうとでも取れるように書いてしまった私がいけないんですが。 >>嘘が嫌いなのに、嘘が上手くなるんですか? >>僕なら嫌いなものには、目も向けませんよ。  嫌いでも上達するということもあります。  「男が嫌い。だから男を騙すのがうまくなる」  「数学が嫌い。でも落第しちゃうから数学を勉強する」  「描写が嫌い。でもそれじゃ小説じゃないから描写をうまくする」  「嘘がうまくなる」は「嘘をつくのがうまくなる」でいいんですよね? >>そもそも「真実を告げる強さ」というのは、嘘が絶対悪であると確信することで生まれます。 >>主人公は、嘘が嫌いです。嘘は絶対悪ですよ。 >>真実を告げるべきかどうか〜なんて、迷いません。  そうとも限りません。  もしかして「真実」は相手にとって都合のいいものしかない、そう考えていますか?  たとえば、恋人があと三ヶ月の命だとする。  この「真実」を告げることで、恋人はきっと強い衝撃を受けるでしょう。  嘘が嫌いであったとしても、絶対悪であっても、普通は迷いませんか? おお、ドラマだ、葛藤だ。  そもそも嘘が絶対悪なら、「真実を告げる強さ」なんてありませんし。ごくごく当たり前に「真実を告げる」だけです。それは強さとはいわないと思います。  強さとは、なんらかの困難を突破することですよね?  当たり前に真実を告げているのに、どこに困難があるのか。 >>本文を読んでも、主人公の初期状態は「嘘が嫌い」に見えます。そしてそこから変化しているようには見えない。だから骨格が壊れている。  こればっかりは……。  本文を読んでも初期状態が「嘘が嫌い」に見えたのなら、それは私の修行不足です。  というか、「嘘は嫌い」ってどういうことでしょうか?  「嘘をつくのが嫌い」なら「正直者」。  「嘘をつかれるのが嫌い」なら「普通の人」。  たぶん嘘をつくのが嫌いなのだと思いますが。  正直者が「興奮してるのか」といわれて誤魔化すかなあ、とか。  正直者が尾行するのかなあ、とか。  正直者が写真を持って逃げるのかなあ、とか。  まあ、私の修行不足なんですけども。 >>「真実を告げることに迷い」から「真実を告げる強さを得る」。 >> 最初、嘘も結構捨てたもんじゃないぜ! と思っていたのが、嘘の悪さを知り、最終的には嘘は絶対悪、と考えるようになる。  それは「真実を告げる強さを得る」話ではないです。  「嘘つき」が「正直者」になる話です。  余命三ヶ月の恋人に、そのことを告げようかどうか悩んでいたが、残りの人生を大切に生きてもらおうと考え、真実を告げた。  これなら「真実を告げることに迷い」から「真実を告げる強さを得る」になります。 >>最初、嘘が下手なわけです。好きなんだけど、上手くできない。才能がないんです。しかし努力する。山にこもって修行するわけですね。それで最終的には詐欺師になる。  こまかいつっこみですけども。  嘘をつくのを上達させるのに「山にこもって修行」は例えとしてはどうかなと。よみかく分室で調教されるんです、ならまだわかりますけど。  つまり、相手のいないところで嘘の修行はできないのでは、ということです。  細部への指摘、楽しみにしています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7508 投稿日 2004年1月29日(木)13時10分 投稿者 新木 伸 ○2号 >「交渉」の代名詞使わないバージョン  課題部屋にあげていいのか、いけないのか。なぜ、訊く?  自分で考えて答えが出せないのか?  相手の意向なんて、関係ないじゃん。見せてって言われたら、じゃあ、見せるのか?  結果を見せただけで相手が身に付けてくれると、そう考えているのなら、上げればいいのだし。  そうはならないと思うなら、相手が見たいと言おうが言うまいが、上げる意味なんてないわけだし。  上げることには、別の意味があるかもしれない。  書き直し結果が間違っていないか確認するため。これは相手のためではなくて、自分のためってことね。でも間違っていないかなんて、自分で確認すりゃわかるだろうし。人の手を煩わすことでもないわな。 >あすなろの木の下の女の子  あそこって、女の子が木に向かって歩いているとは、ひとことも書いてないんだよ。  「木」と。「女の子」と。――このふたつが書かれてあるだけ。  女の子が木の下で待っているとも、木に向かって歩いているとも、どちらであるともわからない。  こんなふうに「ぽん」と言葉だけが放り出されていて、両者の関係が述べられずに不明なままであったとする。  そのとき人がどのように判断するのかというと、「言うまでもないことだから省略されているだけなのだろう」と思うわけだな。  どう「言うまでもない」のかと考えてゆくと、それは「一番安定した状態」となるわけだ。この場合には「木」と「女の子」のふたつが、どんな関係にあれば、一番安定しているのか。  女の子は、木に近づいているのでも、木から遠ざかっているのでも、ましてや木の頂上に立っているのでもない。  一番安定しているのは、木の下にたたずんでいる状態なわけだ。  別のたとえで説明してみる。  たとえば「恋人同士」とかいう単語が、ぽんと与えられたのだとしよう。他の補足事項はなしで、ただ「恋人同士」とだけ、聞かされたのだとする。  ここで普通の人が普通に思い浮かべる状態は、「付き合って、それなりに時間の経過している二人の男女」というもの。  「付き合いはじめの初々しい二人」でもなく、「別れ話を切り出そうとしている二人」でもなく、「恋人関係」が一番安定している「時期」を思い浮かべるわけだな。  この「安定状態」以外を思い浮かべさせたい場合には、なにか表現を足して「特殊な状態」であることを特定させなきゃならない。  「別れ間際の二人」とか、「付き合い始めの二人」とか。  このへんの仕組み、簡単な法則なんだけどなぁ。  どんな言葉を投げつけたら、どんなイメージを相手は浮かべるのか。そんな対応表が作れてしまうぐらい、きっちりとロジカルなもの。  2号の場合には――。  この「言葉とそれを聞かされた時のイメージ」の対応表を持っていないのか、気を使っていないのでチェック洩れとなっているのか、まあどちらかなのだろう。  チェックが足りないだけなら、チェック体勢を万全にすればいいだけの話。  対応表を持っていないのなら、自分の中に対応表を作ればいいだけの話。  読書量の豊富な人なら、対応表は自分基準で作ってしまって問題ない。この言葉はどういうときに使うもの――というデータが、頭の中にすでに大量にインプットされているから。ちなみに「豊富」っていうのは、この場合4桁ぐらいの冊数をさす。  読書量の少ない人だと、「自分基準」だと無茶苦茶になってしまう。データが足りない部分は思いこみで埋めようとするから。この場合には「読書をしろ」としかアドバイスのしようがない。  昔、「神社のドア」という表現に違和感を覚えないやつがいた。  大笑いすべきところで、ひとり、ぽかんとわからない顔をしていた。  ここではいわゆる観音開きの「戸」のことを言っているわけだ。  しかし「ドア」と書いたら、洋風のドアのことを思い浮かべるものなのだ。カタカナで書いてあるぐらいなんだし。 >ぱんつの染みとか  ああ?  なぜぱんつの染みまで考えなくちゃならないのか――だって?  うーん。  そんなこと、考えたこともなかったな。  だって、あたりまえじゃん。  まあ――、「そこまで考えなきゃいけない理由」なんてのを無理矢理にこじつけてゆくのなら、2号の考えたような理由で、まあ――、いいんじゃないの?  好きにしろ。好きに。  俺の指摘したのは、とにかく、もっと細かいところまで考えろ――ということ。  だって不自然だよな。  汚れひとつない新品の車が道を走っていたり、ぱんつを汚していない女の子が道を歩いていたり――そんなの、変だろ?  実物の車と、生身の女の子とを、想像の中に登場させたなら、それは必然的に汚れの付いたものとなるだろ? ならんのか? ――しろよ。  その女の子は、もちろん一日着ていた服をまとって登場してくるわけだ。汗も吸っているだろうし、体臭も付いているわけだろうし。なぜそこで、下ろしたてで新品でまっさらの服を着せて登場させてしまうのだろうか。  どうしてそうなってしまうのか、理解不能だ。まあ理解したくもないし、理解する必要もないだろうから、解説しなくてもいい。  原因なんかどうでもいいから、とにかく、もっと細部まで考えることを習慣にすること。  アマチュアの小説ごっこならそんな程度でいいかもしれないが、プロで金取る小説を書くなら、もっと細部までディテールを再現できなきゃ、話にならん。 >仰々しい言葉とか  そういや、過去ログをあたってみたら、「強い言葉」を戒めていた時期があったっけ。  強い言葉は印象が強くなるものだから、使いどころを選んで使うべし――みたいな指摘が出てきた。  「強い言葉」=「仰々しい言葉」で、このふたつの用語の意味は、だいたい同じ。  仰々しい言葉を使わなくするには、声に出して読み上げてみるといいんだけどね。  他人に朗読してもらったりすると、なおのこと良い。  仰々しい言い回しの部分で、悶絶するはずだ。  「強い言葉」というものは、会話であれば、大声で相手の注意を引くようなものなのね。  たしかに手法のひとつではあるんだけど、ひどく原始的で幼稚なものだ。  だが効果を狙って意識的に使っているのならともかく、よく見かける初心者の「悪い例」では、「手法」でさえない別の目的のために使われている。  自分の話している内容に自信がないために、それを隠そうとして使っているだけ。  こけおどしのために大声を上げるようなものだ。  叱りかたのヘタな親ってのは、すぐ子供を怒鳴りつけるもんでしょ。あれと同じ。「叱る」という行為に自信がないので、怒鳴ることで、自分の自信のなさを隠そうとしてるだけ。  小説でも、おなじ。  「描写する」という行為に自信がないために、仰々しい言葉を使ってみたり、強い言葉を使ってみたりして、とにかくハデに極端なものを書いていってしまうわけだ。  昔、「街の雑踏を描写せよ」と言われた2号が、女子高生に「どんけつ」させて、オバハンに金切り声を上げさせたのも、おなじ仕組みによる失敗。  「街の雑踏」をちゃんと描ける自信がなかったのだな。不安で不安でしかたがなかったわけだな。  上記のような仕組みを理解したうえで、「不安だから強い言葉を書いちゃう」てな自分の弱々な心をコントロールしたうえで、幼稚な手法だと理解しつつ、ほかにうまい手も見つからないので、しかたなく「強い言葉」を使って読者の注意を引いてみることもある。  これはしかたなく使う「技法」としての「強い言葉」の例。俺はだいぶこれに頼っている。リライト1回のうちに、1個くらい使ってしまっている。手本としちゃよくないのだが……。  ちなみに二号のリライトだが。  まだまだ「強い言葉」が残ってるじゃんか。  「うざったい」  「心臓」  「強く血液を送り出して」  「体温」  「ぎりぎり」  「押しとどめ」  「浮遊感」  「裏腹」  「かすみ」  「気力」  「薄情」  「あまりに」  ――どうしたんだい?  きちんとリライトできるかどうか、「不安」だったのかい?  このうちの1個ぐらいなら、上で書いた「手法」として使ってもいいかな。俺なら「うざったい」だけは使うかな。 >レギュラー選手の座を譲った件  するってーと、主人公は親友にぶん殴られたときに、こう思っていたわけだな?  「てめぇこのやろう。せっかくお前よりも実力のある俺様が、好意でレギュラーの座を譲ってやろうっていうのに、逆ギレして殴りかかってくるとは何事か。さらに俺様が優越感にひたるという楽しみを台無しにしやがって」  うん。わかった。  偽善の皮をひっぺがして、ホンネを訊いてみたら、すごくよくわかった。  ――で、このときの主人公が感じた、「悪いことをした」という気持ちのほうだけど。  そこをもっと分析していこう。  思惑通りに事が進まなかったので、なにかが失敗したことは、主人公にもわかるわな。  親友は喜ぶだろうし、自分も色々と喜べるわけだし、すべて丸く収まるナイスな計画だったはずが――。なぜか親友は喜んでいなかった。逆に烈火の如く怒っていた。  ここで主人公は、親友がなぜ怒っているのか、すぐに理解したわけ?  それとも顔にパンチもらってもなお、ちんぷんかんぷんで、理解不能でいたわけ? この場合には、「悪いことをした」というよりは、「失敗しちまった!」という気持ちが勝っていることになる。  「罪悪感」と「恥」と「失敗した」という気持ちとは、もともと同一の感情に根ざしているものなので、一般的には区別が難しい。――が、作家なら、きちんと区別しとけ。 1.パンチをもらった瞬間に「自分の非」を理解していた。 2.理解するまでしばらく時間が必要だった。(物語のスタート以前には理解しているものの、親友との関係修復はできていない)。 3.今にいたるまで理解していない。(物語の中で理解することになる)  この1〜3のどれになるかで、物語の形がだいぶ変わるはずだ。 >明日美をつけていった件  いや、違う。  二通りのケースのそれぞれで、主人公がどう対応するかと、そんなことを訊いているのではなくて――。  そもそも主人公は、どんなつもりで、明日美をつけていったのだ? 1.「噂はおそらく本当なのだろう」→彼女を更正させねば 2.「噂はおそらく根も葉もないものなのだろう」→自分を安心させたい 3.「噂が本当かもしれない。嘘かもしれない」→俺は真実が知りたい。どちらでも彼女を愛せるぞ。  1〜3のどれ? それとも、ここにはない別の思惑?  本編を読んだところで、どうせわからないんだろうなと見当をつけて、いま訊いている。  本編のほうで書いているぐらいなら、もちろんあらすじにだって書いているわけだ。あらすじに書いてあっても本編で書き忘れることはあり得るけど、その逆はあり得ない。  そのために本編を書き終えてから、再度、あらすじを書き直させたわけだ。  この話に読む価値が発生していないのは、作者がそのへんを「適当」にやっちゃっているからだよ。  重大なところで、「思わず姫太郎は明日美の後をつけてしまう」――などと、あらすじに書いてあるような話は、それだけでもう読む価値などないのだ。  読んでないからわからんけど、たぶん、主人公が明日美をつけてゆくシーンのあたりには、「なぜ自分が彼女をつけるのかわからない」なんて主人公のはっきりしない心境が、うだうだぐだぐだ、延々と書きつらねてあるんだろうなぁ。  そんなもんを書いて、「心理描写したぜい」とでも思って、得意になっているのだろうなぁ。そういや翠も昔、現実逃避して地下鉄に逃げこんだ女の子が、うだうだと、あーだこーだ思い悩んで答えを出そうともしない話を書いていたっけか。  そんなものは、高尚なものでもなんでもない。心理描写でもなんでもない。単なる愚痴で、単なる独り言だ。  悩んでいるだけの話など、幼稚もいいところだ。  このアホタレが。  「なぜ明日美をつけてゆくのかわからない」と主人公がうだうだ考えてしまうのは、作者がよくわかっていないせいだ。  「わかっていない主人公」というその状態を書くことで、金を取れるものにすることもできる。だがそれには、主人公がなぜ「わからない」でいるのかということを、作者がきちんとわかっていなければならない。  そして、どうすれば主人公が「わかるようになるか」を正しく把握したうえで、作者はストーリーをそちらに向けて運んでゆくものなのだ。  小説ってのは、悩みを書き連ねた日記じゃないんだよ。  答えが必要なんだよ。  作中で「答え」を暗中模索するな。そんなことしてたって、どうせたどりつけっこないから。書き前にすべてやっておけ。  主人公は悩んでいたっていい。うだうだしていたっていい。現実逃避に走っていたっていい。だがその悩みには、きちんと明確に「答え」を提示しなきゃならん。  どう悩み、なぜ悩むのか。どう解きほぐしてゆけば、その葛藤は消失するのか。――そういうのを求めて、読者は小説を読むんだってば。  その解答になんらかの価値を見いだしたら、そのぶんの「金」を払ってくれるのだ。  小説に限らず、すべての物語というのは、「葛藤とその解法」がすべてなんだよ。  その葛藤が、読者がいま抱えているリアルな「悩み」に近ければ近いほど、キャッチーなものとなる。――が、逆に客を選んでしまうことにもなる。  また人間の普遍的な「悩み」であれば、広く多くの人間にアピールできる。――が、特定の人種に対する吸引力は減ってゆく。  これは商業的にはトレードオフの関係となっている。  マイナーな悩みを書く作家もいるし、メジャーな悩みを書く作家もいる。ひとつの作品にはいくつもの「悩みとその解決」=「ドラマ」を込めることができるから、マイナーとメジャーをどちらも織り交ぜて、うまく両取りしている作家も存在する。  だが、「なぜ悩んでいるのか。どう解決されるのか」の答えが提示されていないようなもんは、そもそも物語とは呼べない。  そんなもんに金を払う読者などいない。  津荒さんに「わけわからん」と言われたのは、なぜ悩み、どう悩み、なぜ解決されるのかが、わけわからんということだ。  7504を読めばわかるけど、「なぜ悩み」の時点で、もうダメダメじゃんか。まるで伝わってないだろ。ていうか、伝えるものをしっかり用意してないんだから、伝わるはずもないのだが。  作中で主人公が変わるだけの理由がない、とも言われているだろ。「ただ車乗って、写真持って走っただけ」と言われているだろ。  これはつまり「葛藤が解決してゆくプロセスに納得がいかない」と言われてるわけだよ。「納得いかない」→「金は払えんな」ということだよ。 (これは2号宛の書き込みだけど、津荒さんも、自分に言われてるものと思って読むように。「登場人物の葛藤が解決するだけの理由がない」というのは、津荒さんの「夢見ぬ少女」にも、そのまま当てはまりますので。「ただ○○しただけだし。ただ××しただけだし」――てな具合にね。ただ妖怪(百目)に負かされただけだし。国枝ってば)  登場人物が自分のかわりに「悩み」、自分のかわりに「葛藤し」、自分のかわりに答えを見いだしてくれる――だからこそ、読者は物語に対して金を払うんだ。  よくやるたとえとして、飲食業のたとえを出してみる。  店で食事をしたときに金を払うのも、小説に金を払うのと、まったくおなじ理由からなんだな。  料理人という存在は、自分のかわりに調理して、材料をおいしい料理に変えてくれている人なわけだろ。  その「手間」に対して、客は対価を払うんだろ。  原価(材料費)に上乗せする形で、手間賃として対価を払うのだ。  小説でもおなじ。  おまえの掛けてきた「手間」は、いったい、どこにあるのだ?  勘違いするなよ。  「書いてきました」なんてのは、そんなもんは単なる原価でしかない。「手間」にはあらず。  小説を書くということに際しての原価は、実質的にゼロだ。小説なんてもんは、紙に書き連ねた文字と記号の集まりでしかない。  きちんと登場人物を葛藤させて、答えにたどり着かせているのか?  必要なだけの手間をかけて、物語を構築しているのか?  主人公が「答え」にたどり着けるように、きちんと話を設計して、エピソードを通して誘導しているのか? >制服とか、深夜とか、女子高生探偵の件  「深夜に浮気」ってところに、誰も突っ込んでないのが、やや不思議。  親父が深夜にいそいそと出かけていってたら、浮気調査なんてするまでもなく、すぐ家族にバレるだろ。  あまりに不自然なもんで、その「深夜」ってところ、意識に掛からずに見落としていたよ。  浮気調査って、深夜だったわけね?  夕方や夜の早い時間でなかったのね。  なに弟切は突っかかってんのかなー、と思っていたけど。そりゃ変だわ。  しかしそれだったら、「深夜に制服」の前に、「深夜に浮気」のほうを突っ込むべきでしょ。  ところで――。  いま2号は、「あれは現実世界とは縁もゆかりもない僕の脳内世界の話なんです。探偵も女子高生も興信所もラブホ街も、僕の脳内世界における、俺的世界観に基づくものなんです。現実と混同しないでもらいたい」などと釈明をはじめているようだが。  現実世界の話を書こうとしているのか、お前の作り上げたファンタジー世界の話を書こうとしているのか、どっちなのか、まずはっきりしろ。  現実世界で話を進めようとしていたのであれば――。  「あれは僕の脳内世界だから〜」なんてのは言いわけだ。それで片づく。現実と違うと言われたら、2号の取材不足、知識不足。  現実に似てはいるものの、2号的解釈に基づく「ファンタジー世界」で話を進めようとしていたのであれば――。  作りこみが足りない。で片づく。  作り物の世界が、作り物だとバレてしまったら、金は取れない。それだけの話。  バレないような世界を作れ。  この話が上がってきたときには、てっきり「現実世界」を舞台に手堅く話を作ったのだろうと思っていたのが――。  なぜなら、7日でいきなり作品を一本あげろと言われたときに、プロでもなければ、「世界ひとつ」を丸ごと作りあげるなんて無理な話なわけね。  7日でなにか一遍書けといわれて、「妖怪がいる世界」だとか、「吸血鬼少女が出歩いている世界」なんてのを作ろうとするのは、そもそも、自分の力量をわきまえていない証拠だ。  2号は現実的な選択として、「非ファンタジー世界」=「現実」を舞台に話を作ったのかな〜と、そう思ったのだが。  ――で、どっちなんだよ?  そもそも「現実世界」でやろうとしていて、いま言いわけをしているだけなのか。  「現実世界とちょこっとだけズレた世界」を作り上げようとして、時間不足で失敗しているのか。  言いわけはやめとけ。  「本当は自分は〜(中略)〜ということをやろうとしていたのです」だとか、「その解釈が近いのかもしれません」だとか。  「論点のすり替え」なんてのは、言いわけするときの常套テクニックだよ。初歩だ初歩。  俺は自分自身が言いわけの達人だし、他人のそーゆーのだって、悶死するほど見てきてるんだから、「言いわけくさい」のはすぐにわかるんだってば。プロの詐欺師にシロウトが詐欺を働こうとするようなものだって。  僕以上に言いわけをしてきた人間でなければ、僕をだますような言いわけはできません。  お前の「言いわけ能力」は、せいぜい翠の10分の1、桜庭さんの5分の1ぐらいしかないんだから。  鍛えてないから、そもそも技術が稚拙なんだってば。すぐバレるってば。  てなわけで、「嘘でも真実でもいい、うまくやるにはどうすればいいのか」なんてことがテーマだという話は、とりあえず信じないでおく。 >明日美の件 >>そこで主人公が調査相手の子供と揉めているのを見た。主人公に理由を尋ねると、結果はともかく、動機はともかくとして、調査相手の子供のために嘘をついたらしい。  1年前の浮気調査をしたときに、明日美は悩んだわけね。葛藤したわけね。  ――で、その解決を、息子の親友(主人公)の行動に求めたわけね。  明日美って、馬鹿娘だね〜。  なんにも考えてないね〜。  そもそも主人公が「レギュラーを譲る」なんて嘘をついたのは、自分自身のためなのに。「優越感に浸りたい。友人を失いたくない」という理由に基づく、完全に利己的な「嘘」なのに。明日美がつこうとしている「嘘」とは違う種類の「嘘」なのに。  そんな区別もつけないで、自分の行動方針を定めるための「指針」として、主人公の行動を無批判に採用しちゃうのか。  「いま赤信号で渡っていった人がいたから、私も渡っていいのね!」と、エウレカしちゃっただけかよ。  なんだ。がっかりー。  神秘的っぽかったヒロインも、一皮剥いてみりゃ、単なるアホ娘かい。  ――で、今回、主人公を探偵社に誘ったのも、また自分が判断しなくちゃならない「葛藤」を押しつけられたもんだから、自分のかわりに突っ走ってくれそうなアホ――主人公を捕まえようとしただけのことかい。  主人公が赤信号でダッシュするのを期待してのことかい。  先に赤で渡ってくれたら、自分も後から安心して渡れるから。  ――で、後をつけてくるかどうかを「テスト」としたのは、自分の罪悪感の埋め合わせってことね。「踏み込んできたのは、あなたなんだから」と言えば、彼女は免罪符を手にすることができるわけか。  そんなのは「気まぐれ」とは言わんよ。  「判断を他人に委ねたがっていた」というのだ。 >話のテーマと作者性  しかし小説って残酷だよな。  作者の本性が、生皮を剥ぐように表れてしまう。  巻島の短編で似たようなことをやったときには、「成長に伴う痛みをすべて他人(ヒロイン)に肩代わりしてもらいたがっていた」なんて薄汚い欲求が、べろりと出てきたもんだが。  2号のこれだと、「考えることをやめて、判断を他人に委ねたがっている」なんてものが、べろりと出てくる。  やっぱり人によって、出てくるものが違うんだなぁ。  「個性」というものがあるとすれば、俺はそういうものが、「個性」だと思っている。一皮剥くとべろりと出てくる、しまいこんである薄汚いモノのことね。  巻島の個性は「ヘタレの根性なし」だったわけだが――。  うん。2号。君の個性は、やっぱり「名無しのエウレカ」だったわけだ。  「名前を名乗る」=「自己責任を取る」ということ。名無しで名前を名乗らないのは、自分の行いに責任を取りたがっていないということだ。  エウレカ癖は、思考停止したがっているということだ。  自分がそういう薄汚いものをしまいこんでいる――ということをきっちりと認識したあとで、そこから、さらに一歩踏み出してゆくと、「昇華」という形で清々しいものに変えることもできる。  巻島はそれを、長編のほうで、一部成功させている。 >主人公のキャラについて  みやびさんと話していて、ひとつの仮説が出たのだが。  この話が「器用に嘘をつけるようになる話」だなんてことは、端から、検討にも値しないこととして、片づけてしまっていたわけだけど。  これを再考してみようということね。  前に「主人公は愚直なやつ」と2号が言ってきていた。  あれについては「ちげぇよ」と一蹴したわけだけど、2号はいまでも主人公のことを「愚直なやつ」だと考えているわけ?  だとしたら、ひょっとして、キャラを間違えているだけでは?  「愚直なやつが、器用さを覚える話」っていうのも、話の形としてはあり得るわけだよ。  ただあの話の主人公はどんなやつなのかというと、ぜんぜん、そんなヤツじゃないのね。  自分の優越感とか、そんなことのために嘘をついてしまうような、ずるいやつ。  いわば「器用」なやつ。愚直とは正反対の「個性」を持ったやつ。  しかしもしかすると、2号は本当は「愚直なやつ」を登場させようとしていたのかもしれない。だが手持ちのキャラクターの数が少なくて、あんな「ズルくさいやつ」しか出てこなかっただけなのかもしれない。  みやびさんと話していて、「役者の少ない劇団の話」が出てきた。  たとえば「長身で美形の優男」が主人公の脚本があったとする。  しかし劇団に所属している男優が、「ゴツイ男」と「チビザル」しかいなかったら、その脚本は上演不可能だよな。  無理矢理に上演したら、「ゴツイ男」か「チビザル」のどちらかが、「美形の優男」を演じることになるのだが……。そりゃ無理ってものだ。  どっちがやったところで、話はぶっ壊れてしまう。脚本の完成度がいくら高くたって、どうにもならない。もとの話が「悲恋の話」だったとしても、喜劇にしかならん。  観客は苦笑いして観ているか、席を立って立ち去るか、まあどちらかだろう。  そうした「無理」をやってしまっているのではなかろうか――という仮説ね。  いわゆる「ミスキャスト」。  だとしたら、まあ仕方がないともいえる。  「人物造形」に関しちゃ、まだぜんぜん仕込んでないわけだし。役者に合わせて台本を選ばなきゃならないってことも、「チビザル」に優男の役は無理だっていうことも、わかってないのかもしれないし。  この話にピンとくるものがあったかどうか、報告のこと。  この仮定が間違っているようなら忘れるし。合っているようなら、いまやっている指摘のうちのかなりの数が、根っこから無意味になってしまうし。  明日美が主人公の行動に指針を求めたりしたことも、筋が通ってきたりする。  いま主人公はチビザルなわけで。明日美はそのチビザルに愛を打ち明ける美少女役なわけで。  チビザルに愛を打ち明ける美少女なんて、物笑いのタネにしかならないが――。  だが本当はその役は「美形の優男」がやるものであったとしたら、話は別だ。  美男に真実の愛を誓う美少女であれば、ばっちりと絵になるわけだ。  おなじ話をおなじセリフで上演しても、役者が違うだけで、話の意味が百八十度変わってしまうことある。  ところで君んとこの劇団って、役者、何人いるの?  男優、女優、それぞれ何人ずつ?  数えてみたことって、ある? -------------------------------------------------------------------------------- >余命三ヶ月の恋人 No.7509 投稿日 2004年1月29日(木)13時24分 投稿者 新木 伸 >嘘と真実の天秤、余命三ヶ月の恋人 >>たとえば、恋人があと三ヶ月の命だとする。 >>この「真実」を告げることで、恋人はきっと強い衝撃を受けるでしょう。  この例は適切ではない。  きちんと検証してから書け。  まず第一に――。  「真実」を告げるか、黙っておくのか、その選択があるだけで、「真実を告げるか」「嘘を告げるか」の選択があるわけではない。  「黙っている」ことを選んだ場合には、告げないだけであって、嘘は言っているわけではない。  第二に――。  それぞれのケースの結末を考える。 ・「余命三ヶ月」を告げられた場合。→自分の避けられない死を知って、ショックを受ける。 ・黙っておかれて、心の準備もできないまま死を目前に迎えた場合。→自分の避けられない死を知って、ショックを受ける。  どちらにしても、なにも変わらない。  正しく「嘘」と「真実」を天秤にかけた例を作るなら、以下のような感じになるはず。  「自分の余命が三ヶ月しかないことを知った主人公。自分の余命を恋人に告げて二人で過ごすか。恋人に「嫌いになった」と嘘をついて別れて、ひとり黙って死ぬか。二者択一」 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さんへ No.7510 投稿日 2004年1月29日(木)17時08分 投稿者 津荒夕介 「嘘が嫌い」というのが曖昧でしたね。  嫌いというのは存在自体が許せないという状態です。  つくのもつかれるのも、両方とも嫌です。 >> 嫌いでも上達するということもあります。 1「男が嫌い。だから男を騙すのがうまくなる」 2「数学が嫌い。でも落第しちゃうから数学を勉強する」 3「描写が嫌い。でもそれじゃ小説じゃないから描写をうまくする」 >>「嘘がうまくなる」は「嘘をつくのがうまくなる」でいいんですよね? はい、いいです。 上げられた例だと、 1「男が嫌い」というのが「嘘が嫌い」に相当するなら、「嘘が上手い」は「男を誘惑するのが上手い」に相当するでしょう。  「男が嫌い」なら、男を上手くあしらうようになる。そのとおりです。  「嘘が嫌い」なら、嘘つきを上手くあしらうようになる。じゃないですか? 2で数学は上手くなりません。 せいぜい追試で合格する程度。 3は根本的に間違っています。 小説が書きたいから、小説が好きで上手くしたいから、描写を上手くするんでしょう?  さて、僕の指摘。  「嘘が嫌い」から「嘘を上手くつけるようになる」という変化は、飛躍しすぎでありえない。  この指摘は、正当でしょうか? >>もしかして「真実」は相手にとって都合のいいものしかない、そう考えていますか?  いえいえ、そんなことはないですよ。  嘘が嫌いなら、相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう。  葛藤するのはおかしい。  それは嘘をついてもいいかなぁと心に残っているから、生まれる葛藤です。   >>(迷わない人にとって)当たり前に真実を告げているのに、どこに困難があるのか。  普通は嘘をつくことも、場合によってはいいことだ、と思われています。  故に迷う。嘘をつくべきか、本当のことを言うべきか。  その迷いが困難です。  さて、では最初から迷わない人の場合はどうか。迷わないのだから困難がありません。迷わない人は、普通に真実をつげるだけでしょう。  しかし普通の人から見たらどうか。  迷わない人は、強く見えませんか? 基準は普通の人ですよ。   『正直者が「興奮してるのか」といわれて誤魔化すかなあ、とか。  正直者が尾行するのかなあ、とか。  正直者が写真を持って逃げるのかなあ、とか。』  そうですね。だから壊れているように見えるんですよ。  僕は友人との喧嘩シーンを見て、「主人公は嘘をつくべきだと進んで嘘をついたんだな、それでその嘘で友情を破局させたんだ。こりゃ嫌いになるだろ、嘘」と思ったんですよ。  一度認識したら変更したくないですしね。間違ってるのは残りの文章、ということになります。 >僕の上げた例  は、両方とも極端でした。まあ、ちょっと言いすぎたので、場を明るくしよう、としたんです。誤解されるような崩し方は論外ですね。すいません。  山にこもる、は冗談。 >>最初、嘘も結構捨てたもんじゃないぜ! と思っていたのが、  これも言いすぎ。  嘘をつくことは駄目だけど、それで上手く収まるなら嘘をつくこともアリかな、と思っている。ぐらいでしょうか?   >結局のところ?    と、いうことで、僕は誤解して読んだみたいですね。  一行テーマ。 『相手を思っての嘘で親友を傷つけた過去を持つ主人公が、探偵業を営むヒロインたちの仕事を手伝わされるなかで、真実を告げる強さと、嘘をつく狡猾さを手に入れる話。』  なにを誤解していたのか?  あ、そうか、主人公は嘘をついたこと自体は悔やんでないんですね? 下手な嘘をついてしまったことを悔やんでいるわけですか。もっと上手く嘘をつけばよかったぜー! みたいな?  なるほどー……。変わってるなぁ……。  「優しい嘘」は、嘘が下手な主人公が上手な嘘のつきかたを覚える話、だったんですね。   -------------------------------------------------------------------------------- またやってしまった……。あああ……。 No.7511 投稿日 2004年1月30日(金)00時38分 投稿者 津荒 夕介   ○二号さんへ >>あらすじを書いたのなら、リンクしたほうが指摘を受けやすいです。 >>勝手に指摘してしまいます。  指摘、ありがとうございます。  ちょっと色々あって後回しにしていたんです。……というのも言い訳ですね。もっと前に出ないと。  気をつけます。 >キャロット、マロン、ティラの性別や年齢は。  ストーリーに関係ないので、書きませんでした。 >クリスの依頼はなんだったのか。とか  抜けていました。 >>その姿を見て、マロンは昔、自分が兄であるキャロットに助けられたことを思い出した。 >>マロンがそれを思いだすことが、今回の話になにか影響を与えるのでしょうか。  僕のミスです。    マロンが昔を思い出したのは、キャロットがクリスを慰めるシーンの中でのことでした。  中心はクリスにある。付属のマロンのことは書かなくて良かった。 >>次の日、三人は大した報酬も受け取らずに去っていった。 >>どうして受け取らなかったのでしょうか。  わかりません。小説に謎として書いてありますので。  そのことを書くべきでした。      というわけで、直してみました。よろしくおねがいします。  一冊目直し(1) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=762&e=res&lp=758&st=0  二冊目 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=759&e=res&lp=759&st=0  三冊目(題を間違えたので、一度削除しました) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=764&e=res&lp=757&st=0  あと、7510に誤字がありました。  なんか気になったので確かめてみたら……。うわ、あるし……。  嘘のつきかた、と崩し方。  「かた」が、一致してませんでした。迷惑かけて、すいませんです。 -------------------------------------------------------------------------------- 犬が西向きゃ尻尾は東、雨の降る日は天気が悪い No.7512 投稿日 2004年1月30日(金)00時47分 投稿者 弟切 千隼  題名は、有名な都都逸[どどいつ]から取りました。「自明の理」を言い表す時に用いられますね。  犬の頭が西を向いていれば、人は、当然、その犬の尾が東を向いているだろうと思います。犬が体を曲げていなければ、そうなるはずです。  犬の頭が西向きなのに、尾が東向きでない場合、そのことはわざわざ説明されなければ、わかりません。 >「優しい嘘」指摘 >主人公が、親友にレギュラー選手の座を譲った件  今、弟切が2号さんと議論している議題からは外れますが、少し書いておきます。  津荒さんは、「過去に、嘘をついて親友と仲違いしたことから、主人公は嘘が嫌いになった。物語の初期状態の主人公は、正直者だ」と読み取ったようですね。  弟切は、津荒さんとは違う読み取りをしました。  2号さんのNo.7506の書きこみによれば、弟切は、2号さんの意図したとおりに主人公の状態を読み取ったようです。  つまり、 >> 「てめぇこのやろう。せっかくお前よりも実力のある俺様が、好意でレギュラーの座を譲ってやろうっていうのに、逆ギレして殴りかかってくるとは何事か。さらに俺様が優越感にひたるという楽しみを台無しにしやがって」 (No.7508の新木さんの書きこみより) と、新木さんが的確に書いて下さったとおりに読み取りました。  少なくとも初期状態の主人公は、自分が悪いとは思っていませんね。親友がなぜ怒ったのかも、理解していません。  ただ、親友を失ったことは惜しんでいます。そのため、機会があったら、とりあえず謝っておこうと思っています。  謝るのは、親友の機嫌をとるための方便に過ぎないでしょう。親友が怒っている理由を理解していませんから、それについては謝りようがありません。 >誤字  2号さんのNo.7506の書きこみに、誤字を発見しました。気づきにくい誤字だと思われますので、指摘しておきます。 >>・機密が重用視される探偵事務所で、信用できない高校生を使ったりしない。  『重用視』は「重要視」の間違いですよね? >深夜に浮気  これは、あまりにも不自然なので、弟切以外の誰かが突っ込むだろうと思って放置していました。  でも、「深夜に高校の制服姿」に突っ込むなら、ここにも突っ込むべきでしたね。手抜きでした(-_-)  家庭を持った人が、深夜に一人で出歩くのは、あからさまに変です。わずかに、水商売や泊まり勤務のある職種など、特殊な職業に就いている人だけが許されます。  たとえ浮気をしていなかったとしても、家族を放り出して頻繁に深夜に出かけていたら、それだけで離婚の原因になるでしょう。 >異世界  2号さんが現実に即した世界を書こうとしたのか、2号さんの脳内にしかない異世界を書こうとしたのかは、弟切にはわかりません。  ここでは、2号さんの言うとおり「異世界」だったとして話を進めます。  まず、異世界を書くには、冒頭に「ここは異世界ですよ」という看板を立てておかなければなりません。読者さまは、異世界に不案内だからです。  なのに、「優しい嘘」には、そんな看板が見当たりません。現代日本風の名を持った人々が、現代日本にあるもの(ラブホテルや高校や自動車など)に囲まれて、「普通に」暮らしています。「異世界らしさ」を表わすものが、全くありません。  これでは、「ここは現実と違うファンタジー異世界だ」と主張しても、通用しません。  またもや千歩譲って、「優しい嘘」がファンタジー異世界の話だとしましょう。  この舞台となっている世界は、↓以下のような世界ですね。  家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。  何だかとても嫌な世界ですね。こんな嫌な世界で、わがままな女子高校生と、優越感の塊みたいな男子高校生とが活躍する話を、読みたがる人は少ないのではないでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- >2号、津荒 No.7513 投稿日 2004年1月30日(金)01時35分 投稿者 新木 伸 >2号、津荒  なにを論じ合っているのか、話が見えない。  思いついたことを脊髄反射でそのまま書くな。ここじゃ脊髄反射は禁止条項だ。  以下に、二人のやりとりの要点を「レジュメ」の形でまとめておく。  それを見て、自分がなにを言っていたのか、また相手がなにを言っているのか、再確認してから、話を続けること。  なにが要点なのかわかってないで話をしているものだから、どんどん暴走して、変な方向に行ってしまうんだよ。 ○7504 ・作品の第一印象「わけわからん」。 ・主人公が変。話が変。主人公はとにかく嘘が嫌いでいるはず。嘘をついて、相手を傷つけて、それで嘘が嫌いにならない人間がいるなんて、自分には、まったく理解できない。 ・「真実を告げる強さを得る話」か、「嘘テクを身につける話」ならアリかもしれない。(※1) ・主人公が話の中で何かを得たとは思わなかった。 ○7507 ・嘘をついて相手を傷つけた人間が、嘘を好きになる場合もあり得る。→実証例1つ。 ・また嘘が嫌いであっても、上達するというケースはあり得る。→実証例3つ。(※2) ・「真実」が都合の良いもの限定と思っているかどうか、問いかけして確認。→たとえ話1つ(壊れてるけど)。 ・「嘘が嫌い」という曖昧な表現の確認。 ・「※1」で出てきた「あり得る展開」が壊れていることの指摘。 ・冗談がつまらん、との指摘。 ○7510 ・「嘘が嫌い」という曖昧な表現の正確な定義。「嘘がうまくなる」の正確な定義。 ・「※2」で出てきた実証例3つの検証。正しいものと、壊れているものの指摘。 ・「嘘が嫌いから、嘘がうまくなる」と変化するケースは、あり得ないものか。 (以下略) ・「※3」への応答。嘘が嫌いな人物であれば、都合のよい真実も、都合の悪い真実も区別せず、ただ単に真実を述べるはず。葛藤は発生しない。 ・強い人がいるのではなく、まわりから「強く見える人」がいるだけである。(?) ・冗談はつまりませんでしたね、謝罪。 ・「嘘が上手になる話」という2号の主張を受け入れる。――が、同時に呆れてもいる。議論打ち切りのサイン(?)。  てか、こーゆー論旨を要約したレジュメを、他人(俺)から見せられるんじゃなくって、自分たちで作れっての。脊髄でなにかを書いてしまうまえに、だ。  まず自分の手元にこういうものを作って、相手がなにを言っているのか、要点を箇条書きとしてまとめてみるんだよ。書きこみは生のままだと長すぎて見渡せないから、こうして数行程度に縮めて、一望できるようにする。  それを見ながら、相手へのレスを書くんだよ。  必要なら相手にも見せろ。「あんたの言っていることは、こんな要旨で相違ないですか?」――とか、訊いて確認しろ。  自分のほうのレスを書くときにも、レジュメを作る。  これから「書こうとしているもの」に対して、自分は「こういうものを書くのだ」と意識に焼き付けるつもりで、下書きを作る。  あと2号、弟切との議論で言ってあるだろ。  話のしっぽに噛みつくの禁止。噛みつくなら最初から喉笛にいけ――と。  目の前で振られていて、いかにも噛みつきやすそうだからといって、些末な部分に噛みつくなっつーの。子犬がじゃれあってるんじゃないんだからさ。闘犬なら喉笛にいけ、喉笛に。  7507のは、あれ、揚げ足取りっていうの。相手の論旨をレジュメにまとめてないから、全体像が見えず、噛みつくべき場所がどこにあるかもわからないのだ、おまえは。  プロット立てずに小説を書いても、ロクなものにはならんだろ?  たかだか1000字の掌編だって、組み立てなしに、いきなり書いたら、まともなものにはならんだろ?  しかし掲示板の書きこみだったら、ぶっつけ本番でも、ちゃんとやれるとでも思ったのか? ナメんな。自惚れるな。アホ。そんな実力は、まだないんだよ。思いあがってんじゃねーよ。  無意識のうちに脳内でレジュメを作ってしまうようになるまでは、実際に手を動かして、レジュメを作れ。  あと津荒。  今後しばらく、書きこみの末尾にレジュメを貼り付けてくること。レジュメを作ってあることを、きちんとまわりに見せること。  書く前に作った「下書き」を付けて、毎回、書きこみをしてくること。  さらしものの刑じゃ。 -------------------------------------------------------------------------------- 女子高生所長の件 No.7514 投稿日 2004年1月30日(金)03時05分 投稿者 新木 伸 >2号の話の舞台が、脳内世界とした場合における問題点  2号がぜんぜんマジメに考えようとしないので、弟切がついにキレたか?  もう面倒くさくなってきて、ひとつひとつ丁重に、量を書いて解説してやる気もなくなって、最後の捨て台詞的に要約してきたってわけか? >>家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。  弟切が問題としているすべて引っぱりだしてくると、おおむね、このようなことになるわけね。  俺もそろそろ面倒っちくなってきたので、自分で解答にたどり着くまで辛抱強く待ってやるのはやめにして、解答を放り与えて、これで終わりにしてしまうことにする。  今回は、ここまでにしとくか。  またそのうち、2号が聞く気になったときにでも、やることにしよう。どうせ次の作品を書いたときには、またボロが出てくるわけだし。  いまはまだ、「ここで粗相をするな。エサを食う前にはおあずけ」と、基本的な躾をされている最中らしいので、他のことに気を回す余裕が全然ないのだろう。  ちなみにこの手の話、以前にも、一度、やってるんだよね。  1000字課題の時。牛乳を噴く話のときに。  「中学生を子供に持つ母親の現実的中学校像」  「26歳独身男の現実的中学校像」  「現代高校〜大学生読者の現実的中学校像」  ――「現実」をこのように3つに分けて、それぞれが「リアル」と感じる「現実」ってのを、考えさせたことがあったけど。  2号はいま、「身につける機会」――をフイにしたってことね。  せめて解答だけでも読んで、わかった気になっとけや。  ――で。解法。  弟切のあげた問題点を、ぜんぶ、リアルにすればいいだけの話だろ?  上に挙がってる問題点を、すべて「現実」の法則に照らし合わせて演繹して考えてゆき、「結果」のほうを帳尻合わせして、なるようにしておけばいいだけの話だ。 「家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくっているので誰かがひどく心配しており、高校生が深夜に徘徊して迷惑と心配とをかけまくり、仕事をいい加減にやっているので給料は滞り、仕事上の守秘義務は形だけで個人情報が世間に流されまくりなので大問題となっており、実力がなくてコネだけなので人の上には立てず、仕事ができないので偉そうにもできない」  ――と、こうしておけばいいだけの話。  こんな背景にしてあったとしても、「深夜に女子高生に制服を着せて張り込みをさせる」――という2号の禍々しい欲望「だけ」は通せるわな。  しかしこの探偵事務所、いまにも潰れかけてそうだなぁ?  所員はほとんど逃げ出して人材がいなさそうだし。主人公をバイトで雇って、タダ働きでもさせようとしているのかしらん?  そういう「背景」にしたところで、きちんとした実力があれば、話の筋を取り違えないで進展させてゆける。  「主人公が相手のための嘘をつけるようになる話」にせよ、「主人公の嘘テクが向上する話」でも、この背景舞台のうえで、なんでも自由に書いてゆくことができる。  ――が、それなりの構成力が備わってないと、このヘビーな背景(現実の重み)に負けてしまって、話の筋が歪んでいってしまう危険性があるな。  「潰れかけた探偵社を明日美と二人で盛り立ててゆく話」――なんてものにすり替わってしまいかねない。  そこで――。  構成力が未熟な初心者向けの方法を、ひとつ、おすすめする。  ここにある「嘘っぽい」状況のうち、いくつかは残して、いくつかは潰しておくのね。  ようは読者が「しかたねぇなぁ」と思いつつも「だまされてやる気」になってくれればいいわけだ。  おおまかな基準としては、「嘘度」は半分まで。  明らかな「嘘」を半分ぐらいまでに抑えておけば、読者も「だまされてやる気」になってくれるわけだ。  調査対象の親父が深夜徘徊するのは、それが家族が心配して興信所に素行調査を依頼した原因なのだとすれば、そのまんまで問題ないわな。  これは「現実」の法則をそのまま残しておく。嘘はつかない。現実通り、なるようにしておく。  女子高校生が深夜に徘徊――てのは、作者の禍々しい欲望に属することで、モチベーションに関わるところだろうから、変更不可。  嘘でもいいから、これだけはなんとか残しておかなきゃならない。じゃないと2号は「ウハウハ」と喜んで書いてゆかなくなる。これは2号の自分に対する「ご褒美」ってもんだ。骨をもらえないと犬は芸をしないものなのだ。  あと残るのは――。  仕事をいい加減にやっていることと、守秘義務のこと。あとコネだけの実力不足で人の上に立てないことだな。これは探偵社の存続に関わることか。  仕事のまったくできない女子高生。実力、人望、ともに、まったくなし。  ――が弟切も認める完璧にリアルな「現実」であるのだとする。  仕事が完璧にできる女子高生上司。実力、人望、ともに完璧。  ――が「2号ワールド」における「嘘度100%の都合の良い現実」なのだとする。  ここの「嘘度」を半分ほどに抑えて、現実と「2号ワールド」とを、「50:50」の割合で「合い挽き」にするのだとすると――。まあ、こんなところだろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  仕事を完璧にはこなせないものの、いくつかのことでは有望な一面も見せる女子高生上司。所員の多くは彼女をコネだけの七光り――と考えている。  だが彼女を認めて支えようとしている人間も少なからず存在している。  明日美は将来的には探偵社の所長となってゆく人間であるが、高校生のいまは、まだ事務所内の派閥を掌握しきれていない。味方はそう多くはない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  現実と嘘度の混合比率はそのままで、明日美の実力をもうちょっとだけ引き上げておく手もあるわな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  祖父からの英才教育を受け、女子高生ながらすでに「一人前の実力」を持っている少女、明日美。だが所員の多くは、年齢を理由に彼女の仕事を認めようとせず、親の七光りであると決めつけてかかっている。だが彼女を認めて、支えようとする一派もある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  明日美の能力と人望――に関しては、これで片づいた。  だが守秘義務に関して――、という、でっかい問題がまだ残っている。  主人公が雇われないとストーリー的に大変不都合だ。  しかし主人公を雇ってしまうと「高校生にそんな秘密を握らせて」と守秘義務に関する不都合が出てくる。  どちらにしても、問題がある。矛盾が出る。  だが話の中に矛盾はあってもいいのだ。矛盾が観測されなければいい。つまり読者が矛盾に気がつかなければいい。  ここは腰を据えて考えるところだな。  主人公を雇いつつも、嘘を50%ほど混ぜ込んで、周囲と読者を納得させるアイデアを搾りださないとならないところか。  まだ2号には「アイデア出しにおける執念」なんて仕込んでない。やれといっても、これは無理な芸だろう。  俺は考えた。  主人公が「秘密を死守しなきゃならない」必然性を、周囲の懐疑派の連中に有無を言わせず納得させるだけのインパクトを持つ理由であれば、いいんだな。  まず明日美は事務所の連中に、反対されるわけだよ。「あんた一人でなく、こんな高校生のガキを雇うってのか? 我々に小娘の面倒だけでなく、小僧の面倒まで見させようっていうのか?」とか、イヤミでもって、ちくちくとジャブ攻撃される。  さらに「こんな小僧を信用しろというのか? この小僧が絶対に秘密を守れるという保証は?」と問いつめられる。  そこで明日美は、しれっとした顔で言う。  ――「この人、私の婚約者ですから」と。  これで懐疑派の連中は黙るだろう。  懐疑派の連中が黙ってしまったなら、読者も「だまされていい気」になってくれているだろう。  ちなみにこのアイデアは俺のもんだし。俺しか出せないし。俺しか使おうとしないだろうし。こんな台詞をさらっと言ってしまう明日美は、俺の「明日美」であって、2号の「明日美」ではないし。  2号の現在の問題点は、「女子高生所長」ってウハウハで「萌えー」なシチュエーションを描くにあたり、自分がどれだけの手間をかけなきゃならないのか、その「必要量」の自分的基準があまりにも低いところにあるってことだな。  おまえの基準のほうを、修正しろ。  どこまでやれば充分なのかの「プロのモノサシ」は見せてやっているだろ。それに合わせて修正しろ。  いいか?  「ほっぺたが落ちるようなコンソメスープ」を客に飲ませたいと思ったなら、料理人は、8時間は鍋の前に立ちんぼして、ず〜っとアク取りを続けていなければならないんだよ。  8分ぐらいでどうにかしようなんて思うのが、そもそも甘いの。絶対に無理なの。インスタントじゃないんだから。8時間は必要なの。  わかれよ。 -------------------------------------------------------------------------------- いい加減、書くこともない No.7515 投稿日 2004年1月30日(金)03時50分 投稿者 名無し君2号  こう引きこもってばかりいると、最初に書くネタもないや。 >「交渉」の代名詞使わないバージョン >>課題部屋にあげていいのか、いけないのか。なぜ、訊く? >>自分で考えて答えが出せないのか?  あなたがやってみませんか、と尋ねてみたんです、そっと。  優越感にひたりたかったのかなあ、私。 >仰々しい言葉 >>ちなみに二号のリライトだが。 >>まだまだ「強い言葉」が残ってるじゃんか。 >>――どうしたんだい? >>きちんとリライトできるかどうか、「不安」だったのかい?  ええ、不安だったんです。  それともうひとつ、全部リライトしちゃってもいいのかな、というのもありました。  「強い言葉」をすべて言い替えてしまったら、それはもう全文リライトに近いですし。それじゃあ青葉さんの助けにはならない……かなあ?  ヒントならともかく、問題の答えを書いちゃいけない。  リライトはあくまで、相手の参考になるようにしなくてはならない。  ――とか思ったんですよ、身の程知らずにも。  人のことよりまず自分のことだよなあ。 >短編「優しい嘘」 >レギュラー選手の座を譲った件 >>ここで主人公は、親友がなぜ怒っているのか、すぐに理解したわけ? >>1.パンチをもらった瞬間に「自分の非」を理解していた。 >>2.理解するまでしばらく時間が必要だった。(物語のスタート以前には理解しているものの、親友との関係修復はできていない)。 >>3.今にいたるまで理解していない。(物語の中で理解することになる) >>この1〜3のどれになるかで、物語の形がだいぶ変わるはずだ。  3です。  殴られた瞬間、 ・ああ、怒らせちゃったよ。 ・わざと手を抜いたことを怒ってるんだ。  ここまでは理解してます。  怒らせてしまったことで無条件に「罪悪感」を抱いていますし、やらなきゃよかったと「後悔」もあります。「失敗した」との思いもあります。  ただ、どうして怒っているのかは完全に理解できていません。  「手加減したから怒った」のだとは知っていますが、「どうして手加減すると怒るのか」はわかってません。  自分が相手にたいして優越感を持っていたことに気づいていないんです。なんとなくわかってはいても、認めようという気になれない。あえて目を逸らしている状況です。  ああ、そうか。  これじゃ「嘘が下手」→「嘘が上手」じゃないんだよな。  初期状態が変だわ。って津荒さんにさんざん指摘されてることだしー。  つまり、偽善はやめろってことになるのか。  善意で人を傷つける行為を戒めようとしていたのか、私は。  じゃあひとひねりがなきゃいけない。  最初、主人公は偽善精神を丸出しにして、浮気の事実はなかったと報告してくれとヒロインたちに頼むと。  ――で、いろいろあって、自分自身のことしか考えていなかったことに、ようやく主人公は気づく。  今度は相手のことを第一に考えて、真実を報告すると決める。  これなら話が歪んでない。  けど、どうやってヒロインを話に絡ませよう……。  「嘘が下手→嘘が上手」にしたいのなら、嘘をついた理由はあくまで相手のことを思ってなきゃいけない。じゃなきゃ「優しい嘘」じゃないし。  そうだなあ……。  友達の母親が余命いくばくもないとか。  だから晴れ姿を見せてやりたかったんだ、とか。  うーん。あまり好きな話ではない。うーん。 >明日美をつけていった件 >>そもそも主人公は、どんなつもりで、明日美をつけていったのだ? >>1.「噂はおそらく本当なのだろう」→彼女を更正させねば >>2.「噂はおそらく根も葉もないものなのだろう」→自分を安心させたい >>3.「噂が本当かもしれない。嘘かもしれない」→俺は真実が知りたい。どちらでも彼女を愛せるぞ。  2です。  なんの根拠もなく、ただ信じたいだけです。 >>読んでないからわからんけど、たぶん、主人公が明日美をつけてゆくシーンのあたりには、「なぜ自分が彼女をつけるのかわからない」なんて主人公のはっきりしない心境が、うだうだぐだぐだ、延々と書きつらねてあるんだろうなぁ。  正解です。バレバレッス。 >制服とか、深夜とか、女子高生探偵の件 >>現実世界で話を進めようとしていたのであれば――。 >>「あれは僕の脳内世界だから〜」なんてのは言いわけだ。それで片づく。現実と違うと言われたら、2号の取材不足、知識不足。  こちらです。  言い訳でした。認めます。  話がいびつだったことに気づいた瞬間、こちらも気づきました。 >明日美の件 >>明日美って、馬鹿娘だね〜。 >>なんにも考えてないね〜。  そうなんです。  ヒロインがぜんぜん生きていない。都合よくねじ曲げられている。というか設定からなにから、ぜんぶがそうですな。 >主人公のキャラについて >>前に「主人公は愚直なやつ」と2号が言ってきていた。 >>あれについては「ちげぇよ」と一蹴したわけだけど、2号はいまでも主人公のことを「愚直なやつ」だと考えているわけ?  いまでは思ってません。  といいますか、その分類自体が間違っていると思います。人のあらすじを指摘できる立場にないな……。 >>ところで君んとこの劇団って、役者、何人いるの? >>男優、女優、それぞれ何人ずつ? >>数えてみたことって、ある?  少ないッス。  頭のなかにいるだけの人を数えてもしかたがないので、実際に書いたのっていえば……。  男優はほとんど少年、女優も少女ばっかり。年寄りがいないな。中年もいない。子供もいない。  男優の傾向は、流される奴等ばかり。気が弱いことが多い。  女優は強いのばっかり。すぐに泣くようなのはいない。男を巻きこむ。  強い男と弱い女がいない! んあー。 >津荒さん  「話が壊れている」のは理解できました。というかしました。  ただ、津荒さんの主張である、「嫌いなものがうまくなるはずがない」ので「話が壊れている」はいまだに納得できないです。  それでは「話が壊れている」ことにはならないよね、だって「嫌いなものでもうまくなる」もん。――というのがこちらの主張です。  つまり、その論旨では「話が壊れている」とはなりません。 >>1「男が嫌い」というのが「嘘が嫌い」に相当するなら、「嘘が上手い」は「男を誘惑するのが上手い」に相当するでしょう。 >>「男が嫌い」なら、男を上手くあしらうようになる。そのとおりです。 >>「嘘が嫌い」なら、嘘つきを上手くあしらうようになる。じゃないですか?  「誘惑する」と「あしらう」はおなじじゃないです。  「誘惑する」はこっちからの行動。  「あしらう」はあくまで受け身。そもそも分類が違うと思います。 >>2で数学は上手くなりません。 >>せいぜい追試で合格する程度。  テストでいつも赤点だった人が追試で合格できるようになったのは、数学が「上手くなった」とは言わないのでしょうか。  「上手くなった」というのは、0からいくらかでもプラスになることですよね。たとえ「せいぜい」であっても、元より良くなったなら、「上手くなった」んじゃないでしょうか。 >>3は根本的に間違っています。 >>小説が書きたいから、小説が好きで上手くしたいから、描写を上手くするんでしょう?  小説は好きだけど描写は嫌いって人、いるんじゃないですかねえ。  わかりますでしょうか。「小説が好き」と「描写が好き」はおなじことではありません。  そんなものは小説が好きとはいわない! というならばすみません、謝ります。  どうでしょうか。  「嫌いであってもうまくなる」ことはある、と納得していただけたでしょうか。まだ納得できないのであれば、ご質問をどうぞ。 >>「嘘が嫌い」から「嘘を上手くつけるようになる」という変化は、飛躍しすぎでありえない。 >>この指摘は、正当でしょうか?  正当じゃないと思います。  嘘の存在自体が嫌いであっても、必要とあれば嘘は上手くつけるようになるはずです。その必要が「復讐のため」でも「そうしないと落第するから」でも「小説を書きたいから」であっても、べつにかまわないと思うのです。  津荒さんが「この話は壊れている」と感じたのは正しいです。  ただし、その理由は間違っています。クソつまんなくてとても読みこむ気がしねえ、という気持ちはわかりますが、読みこまなくても「なにが狂ってるのか」を見つけだすのが、いまの津荒さんの課題のはずです。……だったっけか。  初期状態と最終状態が変なのはそのとおりです。  でも、それを説明しようとする理屈がおかしいです。 >>嘘が嫌いなら、相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう。 >>葛藤するのはおかしい。 >>それは嘘をついてもいいかなぁと心に残っているから、生まれる葛藤です。  この理屈もすこしおかしいです。  「相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう」  それ自体が葛藤じゃないでしょうか。  まったくもって葛藤がないのだとしたら、そもそも「相手が一時嫌がる」とすら思わない。私はそう考えます。 >>しかし普通の人から見たらどうか。 >>迷わない人は、強く見えませんか? 基準は普通の人ですよ。  うーん……。  強いというより、薄情に感じるんじゃないですかねえ……。  ごめんなさい、詭弁でした。  津荒さんの主張は間違っていると思うんですけども、どうやってそれを伝えればいいのか……。  うむむむむ。  私のいう「強さ」は、「困難に打ち勝つこと」。本人の内面から見ての判断。  でも津荒さんのいう「強さ」は、「困難に打ち勝ったように見える」。これは外から見ての判断。  強く見えるから、本当に強いとは限らないのでは。これも分類が違うんだよなあ。うむむむむ。伝わらないような気がするなあ。 >>僕は友人との喧嘩シーンを見て、「主人公は嘘をつくべきだと進んで嘘をついたんだな、それでその嘘で友情を破局させたんだ。こりゃ嫌いになるだろ、嘘」と思ったんですよ。  これは勉強になりました。  誤読させないように気をつけます。 >>と、いうことで、僕は誤解して読んだみたいですね。  んー、納得してませんよね? どうして納得できたかもわからないですし。私の説得で納得したのではない。だって反論しているから。  「と、いうことで」。  なにが「と、いうことで」?  それについては答えなくてもいいッス。  でも「嫌いなものでもうまくなる」については、津荒さんが納得するまでやりましょうよ。私はぜったいに違うと思っています。思いこんでいます。エウレカってます。 >>「優しい嘘」は、嘘が下手な主人公が上手な嘘のつきかたを覚える話、だったんですね。  正解です。そうしようとしてズッコケてます。 >>なるほどー……。変わってるなぁ……。  う。  そうか、そう感じさせてしまったか……。 >弟切さん >>『重用視』は「重要視」の間違いですよね?  間違いです。失礼しました。 >>2号さんが現実に即した世界を書こうとしたのか、2号さんの脳内にしかない異世界を書こうとしたのかは、弟切にはわかりません。  現実に即した世界です。  ということなので、いままでの弟切さんの主張どおりです。前回、弟切さんの主張は全部認めちゃったし。  最後っ屁です。 >>家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。  現実って、そんなところもあるよなあ、と思ってしまいました。  弟切さんと私の現実は違うんだなあ……と遠い目をする。  いや、もちろん上記のような世界を書きたかったわけじゃないんですけど。失礼しましたー。  レスに5時間ほど。なんかレスを書いてると小説の修行したような気になってしまって……いい加減、次は小説を書きます。ホテル街か。自信ないなぁ……。 -------------------------------------------------------------------------------- うおっ、タイミングが悪い No.7516 投稿日 2004年1月30日(金)04時10分 投稿者 名無し君2号  直前にある新木さんの書きこみを読んでなかったです。  あれの後で、レスのタイトルが「いい加減、書くこともない」じゃ、ふてくされているようにしか見えないじゃんか。  そう思って読むと、なんだかグチをたれているような文面に見えるし。  えーと、No.7514、つまり直前の新木さんの書きこみには、明日レスします。というか、投稿するまえにはページの再読込をしてからにします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7517 投稿日 2004年1月30日(金)15時21分 投稿者 新木 伸  今回から、敬称略。 >津荒  課題部屋に出すときには、題名に「一冊目」と通しナンバーだけ振っておくのではなくて、本のタイトルと作者名も明記しておくこと。そのほうがあとで探すときに、やりやすいので。  あらすじの出来に関しては、皆からアドバイスをもらいつつ、自分で研究しつつ、より良いものを目指すこと。僕は「バッチリ」のが書けたときに、「それいいじゃん」と言うだけにする。  教えない。自分で盗め。  手本となるあらすじは、過去ログのなかにも、課題部屋にも、インターネットのその他の場所にも、山ほど転がっている。僕の書いたあらすじも、過去ログのなかにいくつか転がっている。  ちなみにちょっとだけ言うなら、読み間違いか、ただの書き間違いなのか、どっちかわからないけど、事実と相違している記述をたくさん発見。 >2号  「いい加減、書くことがない」  これ、変だろ。  まず漢字を開く開かないってことがある。「加減」って漢字は、わざわざ読点を打ってまで使うようなものかなぁ。 (「いい加減書くことがない」とは書けないので、「加減」を漢字にするなら読点を打たねばならない)  「いいかげん書くことがない」と開いてしまえば、読点を打たなくて済むじゃん。  読点は少ないほうが読みやすくてきれいな文章となるのだ。記号が増えると、汚くて読みにくくなるのだ。  記号で目立たせようとするのも、「自信喪失性強調大声病」の症例のひとつだぞ。  タイトルに読点を含めるのは、かなり異例で、かなりセオリーから外れたことで、かなりの冒険で、かなり目立たせようとする意図の現れなのだ。  読点や句点、疑問符「?」や感嘆符「!」の入ったタイトルって、そうそうないだろ。  あと「いいかげん」という副詞の使いかたが、へん。  「いいかげん」=「かなり」という意味だ。  つまりここでは「かなり書くことがない」と言っていることになる。「かなり」というのは程度の多さを表す言葉。「かなり〜ない」というのは変だろ。「多くて、ゼロである」と言っているようなもんだ。矛盾している。  「いい加減、書くことがない」というのは、「ぜんぜん大丈夫」だとか、そんな言い回しに近い。壊れている。  2号の場合には、わかっていて壊しているならともかく、ただ壊れているだけなんだろうなぁ。 >嫌いなものがうまくなる  わし、基本的に文章書くの嫌いだしー。描写するのも大嫌いだしー。  他人の脳味噌に直接イメージを伝達できるような方法でもあれば、そもそも小説なんて書いてないしー。  書いていて楽しい、つまり「好き」といえるのは台詞と説明文ぐらいなもの。  台詞だけ書いていていいんだったら、長編1冊は5日くらいであがるだろう。(それは小説とは呼ばないだろうが)  掲示板の雑文などは、すべて説明文だから、これも書いていて楽しい。 (余談だが。弟切の書きこみがわかりやすいのは、弟切の「説明文スキル」が高いため。2号と津荒の書きこみがよくわかんないのは、二人の説明文スキルが低いため)  しかし、物語を他人に読ませるためには、小説を書かなきゃならない。  ――なので仕方なく書いている。  描写も身につけた。これも仕方なく。嫌々ながら。  小説には描写がなくてはならない。  台詞と説明文はほどほどに抑えなければならない。  だから「嫌いなこと」の比率を増やして、「好きなこと」の比率を抑えているわけね。台詞の割合が一般的なライトノベルより少なくなっているのは、その反動。プロ作家で台詞が多めになっている人は、たぶん、台詞が嫌いな人なのだろうなぁ。  理科は得意だから勉強時間を減らしてもよくて、社会は苦手だから、たっぷりみっちり勉強しなきゃならない――てなことと、おなじ。  ところで物語の中では、「大嫌いなことをスゲェ腕で身につけてる奴」ってのは、たいてい「カッコイイやつ」として扱われることが多いよね。  人殺しが嫌いな剣法の達人とか。  暴力が嫌いな格闘技有段者だとか。  料理の嫌いな料理の達人とか。  ひねくれ気味ではあるけれど、必要なときにしか技を振るわない――というストイックさが人気の秘密なのだろう。 >強く見えることと、強いということ >>強く見えるから、本当に強いとは限らないのでは。これも分類が違うんだよなあ。うむむむむ。伝わらないような気がするなあ。  「強く見えるからといって、本当に強いとは限らない。弱く見えるからといって、本当に弱いとは限らない」  そんなふうなテーマで、一本、小説が書けるわな。  強気な女の子と、弱気に見える男の子。でも本当は逆だったのだ。困難があったときに、くじけてしまうのは女の子で、くじけないで支えてやれたのは男の子だった。  ――と、そんな話。  べつに男女の役どころを逆にしてもいいけど。  「嫌いなことでもうまくなる」てなことだって、それで一本、小説が書けるだろうが。  相手を本当に納得させて、その価値観を変えさせる――なんてことをやるつもりなら、小説を一本書く必要のあることだぞ。  言葉でちゃちゃっと、ローコストに「なにか」を伝えられるだろうなんて甘い見込み、いいかげん、捨てなさいっての。  作家はただ「ひとつのこと」を言わんがために、小説の一本を書くんだってば。  「閉じこめられたお宝は、世に解き放たれなければならない」てなことを伝えんがために、何十人が何ヶ月も働きづめになって、一本の映画を作りあげたりするわけだ。  「怪獣ってカッチョエー」ということを伝えんがために、数十人が、何億円も使って特撮映画を撮ったりするわけだよ。  「ひとつのこと」を言うために必要とされるコストは、作家の数ヶ月分の労力に等しいわけ。  まあそのコストを絞りだすのにかかる「期間」ってのは、作家の働きぶりいかんによっては、3ヶ月とか、2ヶ月とか、3週間とか、短縮可能なものだけど。  僕は半年〜9ヶ月。みやびさんは2〜3ヶ月。鷹見さんは1〜2ヶ月。中里さんは3〜4週間。  俺がこの分室で言っていることは、事のはじめから現在にいたるまで、ずっと同じだ。  俺は、たったひとつのことしか言っていないぞ。     「もっと手間をかけろ」  ――で、それはお前らに伝わっているのかよ? どうなんだよ? 俺の言っていることが伝わったやつは、いったい何人いるんだよ? (まあ分室の3年分で、小説の1冊分の手間もかけてはいないから、伝わっていなくても当然なんだが) >レス書きとか >>レスに5時間ほど。なんかレスを書いてると小説の修行したような気になってしまって……いい加減、次は小説を書きます。ホテル街か。自信ないなぁ……。  だからレスなんて適当にうっちゃっとけばいいんだよ。  小説のことに向かうためのウォーミングアップ程度に抑えておくもんだ。  津荒とか青葉とか、レスを書かせることが修行となる段階の人間もいるけど、お前の場合は、考えて(小説を)書くことをしなければ、もう修行にはならんだろ。  書き終わるまでノロノロといつまでも徹夜で書いてるその悪い癖を、いいかげん改めろ。  もっとスピードアップして書くために、なにか方法を考えたのか? 同じやりかたでいつまでもやっていたところで、効率アップには限界があるだろ。  本日のレス対象は、ここからここまで。  レス作成時間を「○時間」と定め、その時間内でできる最大限の努力を払う――とかいう方式に切り替えたほうが、色々と役に立つじゃないのか?  制限時間付きでレスを書けば、ノロノロだらだらと書く癖も直せるだろうし。  時間内でできることと、できないこととの見極めもつけられるようになるだろうし。(これは作家の仕事をするときにも役立つ。締め切りまでの時間内における労力配分が身につく)  しかし――。  1日24時間すべてを使える人間が、レスに7時間かけたとしても、小説を書くのには、まだ6時間ぐらいは使えるはずなのだが……。  1日の時間割、もういっぺんアップして見せてみそ。 >一行コンセプト >>つまり、偽善はやめろってことになるのか。 >>善意で人を傷つける行為を戒めようとしていたのか、私は。  だいぶ自分で正解に近づいてきたな。  ずいぶん前に書いて、手元に置いておいたものを見せることにする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「大人の社会」に棲んでいる少女に誘われて、探偵業という仕事に片脚を突っ込んだ主人公が、過去に犯した過ちと同じ状況に再遭遇して、今回は正しい選択を行える話。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここでいう過去の「誤り」というのは、偽善で嘘をついて相手を傷つけてしまうこと。  ちなみにこの一行コンセプトの中に、明日美の筋は入っていない。  「筋」っていうのは、ストーリーラインっていう意味ね。なにか自分の問題を抱えていた明日美が、主人公を見つめることで、なにか変わっていったりとか、そういう「明日美が変わってゆく話」という意味だ。  明日美のほうの筋は捨てろ。まだお前には手に負えん。  筋が2本の話を書いていいのは、筋が1本の話を、一度でもきっちりと仕上げた経験を持つ人間だけだ。  この話のなかで、明日美には変化は起きない。徹頭徹尾、完璧超人と描いてしまってかまわない。オッサンやら他のキャラも同じ。彼らは変わらない。「大人」ってのは、ガキから見れば、「完璧超人」に見えるものなんだよ。  話の中で変化するのは主人公のみ。――そうすると、筋が1本となってくれる。  主人公が自分の偽善に気づくタイミングは、調整可能。  2号はどうしてか「話の中で気づく」と考えが固着しているようだが……。  べつに殴られた直後に気づいていても、今回の話が始まるまでのあいだに気づいていても、話の中で気づくのであっても、どれでもかまわないはずだ。エウレカしてしまう前に、どれが「最適」であるのか考えること。  とにかく、筋が1本となるように、仕立て直してゆくこと。  ちなみにこの場合の明日美だが。  主人公が偽善を抱えこんでいることを、はじめから見抜いていないとならないわな。  なにせ完璧超人なのだから。主人公の卑しい心根など、もうはじめからバレバレ。いやらしい下心もバレバレ。彼女は間違っても、主人公の行動に自分の指針を求めたりしてはならない。  自分の家庭環境の悩み事相談なんかも、もちかけてはならない。自分の家庭環境を打ち明けさせるなら、「すでに片づいた過去の出来事」として、主人公に示唆を与える目的で語らせること。  明日美が自身の決定に際して迷ってしまったり、主人公を頼ったりしてしまうと、そこで2本目の筋が発生してしまうわけだ。  明日美は大人で――。  大人は迷わないし。間違わないもの。――OK? >筋2本の話とか  まあ、いずれは筋2本ぐらいまでは処理できるようになる必要があるのだが……。  プロの仕事では、筋が1本の話は「単調」とか「シンプルすぎる」という評価をされてしまう。  商業作品での基準は、筋2本。  主人公のほかに、誰かもうひとりぐらい大きな変化を経験するキャラがいないと、構成面でマイナス評価を食らってしまう。  ちなみにライトノベルの新人賞レベルだと、筋1本でもOKだったりする。  最終選考あたりでさえ、ややもすると、筋2本を扱いきれずに破綻しかけた作品が上ってきたりするぐらい。受賞後のリライトを経ても完全には直しきれないまま、出版されていたりもする。  そういった乱戦の中においては、戦略として、あえて筋1本に抑えて成功させている作品が好評を博していたりするわけだな。ドスを二本持っていったほうは扱いきれずに斬り殺され、ドス一本きりで勝負をかけたほうは、結果として生き残った――とかいう話ね。 >俳優の分類  分解能、低すぎ。  なんじゃ、その、「強い」と「弱い」でしかわけてない、大ざっぱな分類は。  男。女。  少年。少女。年寄り。中年。子供。  弱い。強い。  たったこれだけしか分類項目がないのか?  年齢にだって、もっと種類があるだろ。  「少年少女」の中にだって、小学生低学年、高学年、中学一年、二年、三年、高校生、大学生――と、いろいろあるだろうし。  「少年」としたって、性格ごとに十数種類ぐらいになるのだろうし。  「少女」としたって、同じぐらいあるのだろうし。  そのぐらいの役者が全部揃っていないと、まともな話が上演できないぞ。特にライトノベルをやるなら、「少年少女」の役者は充実していないと。  じゃあこんど生課題で、これやってみそ。  「四姉妹のところに貰われてきた男の子。その初日」  枚数は適当。  親戚だとか、親の友人の息子を家で預かることになった――てなシチュエーションね。  攻略課題はキャラの書き分け。一歳、二歳の年齢差を書き分けられないと、姉妹は書けない。  四姉妹というのを、四兄弟に変えてもいい。その場合は、貰われてくるのは女の子だな。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7518 投稿日 2004年1月30日(金)17時00分 投稿者 新木 伸 >2号 >補足 >>「四姉妹のところに貰われてきた男の子。その初日」  この課題に実際に取り組む前に、まず攻略方針の分析と考察を書いてくること。  どのあたりが「面白ポイント」であり、どんなところで読者を面白がらせるべきなのか。気をつけるべきことは、どんなことか。  つまり僕は、材料と調理法の種類だけを提示して、料理を作れといっているわけだ。  このロース肉を、焼くことで、なにか食えるものを作れ。――と、そんなふうに言っているわけね。  「倉庫に物を取りに行く女の子」で、なにか読める物を作れと言った前の課題と、似たようなものだ。前回の素材は2個しかなくて、「倉庫」と「女の子」だけだった。  だが今回は、「四姉妹」と「男の子」と「貰われてきた」と「初日」――と、素材は4個もあるわけだ。  これらの素材のどこが美味しいところで、その美味しさを引き出すためにはどうすればよくて、さらに注意しなくてはならない部分はどこなのか。  料理人であれば、聞かれて答えられないはずはない。――というか、聞かれればもちろん答えられるだろうが、わざわざ考えもしないのがプロの料理人ってもの。  素材を目の前に並べられただけで、それらを使って作る「最高の料理」のイメージが、頭の中に出てきてしまうものだ。いつも頭の中で料理のことを考えているのが料理人であるからして、材料を見ただけで、どんな料理を作るか考えてしまうもの。 -------------------------------------------------------------------------------- もうじき節分 No.7519 投稿日 2004年1月31日(土)01時07分 投稿者 弟切 千隼  今日、弟切がスーパーへ買い物に行ったら、節分用の豆やヒイラギを売っていました。「豆まき用の豆」として売っている中に、落花生があったのに驚きました。  豆まきに用いるのは、大豆と決まっていたはずですが……最近は落花生をまく風習もあるのでしょうか? 2号さんへ >  「優しい嘘」では、異世界ではなく、現実に即した世界を書くつもりだった、ということですね。  それならそれで、もっと「読める」作品にすることを考えましょう。  確認のため、2号さんに二つの質問があります。  一つは、作品とは別に、2号さんが現実をどう認識しているか、という質問です。  まさか、弟切がNo.7512に書いた世界観が、そのまま現実だとは思っていませんよね? 2号さんのNo.7515の書きこみを読んで、ちょっと不安になりました。 >> 家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。 (弟切のNo.7512の書きこみより)  現実に即した世界を書くのに、現実の認識自体が歪んでいたのでは、まともなものが書けません。  誰でも、ある程度は、現実に対して歪んだ認識を持っています。とはいえ、上記の認識は極端すぎます。  もう一つの質問は、2号さんは「優しい嘘」を書き直すつもりがあるのかどうか、です。  弟切は、絶対に書き直すべきだ、とは言いません。「モチベーションが上がらない」などの理由で、この作品にはもう手を付けない、という選択肢もあるでしょう。  ただ、書き直すつもりがなくても、このまま何もせずに終わるのはもったいありません。せめて、どこをどう修正すれば読めるものになるか、という「書き直し計画書」みたいなものを作るとよいのではないでしょうか。  手を動かさないと、技術は身に付きませんものね。  むろん、書き直すつもりがあるのなら、ぜひ書き直して下さい。他人に手伝ってもらいながらでも、実際に手を動かせば、何かしら得るものはありますから。 >「優しい嘘」の幻想と現実  新木さんが、No.7514で、「優しい嘘」の穴を埋める方法を考えて下さいましたね。  あれだけでは、穴を埋めきれていないことに気づいていますか? > 2号さん。  弟切が気づいた限りでも、二つ、穴が残っています。  一つは、「男子高校生である主人公が、深夜に張り込みをする理由」です。  もう一つは、2号さん自身が考える余地を奪わないように、ここには書きません。  「男子高校生である主人公が、深夜に張り込みをする理由」が必要なのは、わかりますよね?  ヒロインが、探偵事務所を継ぐべく英才教育を受けた天才少女で、実際に仕事ができて探偵事務所を支えているとすれば、彼女が深夜労働する理由はあります。  けれども、「普通の男子高校生」である主人公には、深夜労働が許される理由がありませんよね。  いくら男の子でも、高校生が深夜まで帰宅しなかったら、親は心配するでしょう。息子の携帯に電話をかける、くらいはするはずです。今日びの高校生は、携帯電話を持っているほうが「普通」のようですから。  主人公が「アルバイトだから」と親に言い訳したとしても、「普通」の親なら、深夜のアルバイトは許さないと思います。  えーと、弟切が上に「普通」と書いた部分は、あくまで弟切が考えた「普通」です。現在の高校生は、弟切が考えるのとは違う状況に置かれている可能性があります。  このあたりは、現役高校生の津荒さんに応援を頼みましょう。  弟切が書いた上記の「普通」は、正しいですか? > 津荒さん。  そういえば、先だって、津荒さんが弟切の質問−高校生が、ラブホテル街に普通に行くか?−に答えて下さったのに、お礼を書くのを忘れていました(^^; どうもすみません。  男子校での状況とはいえ、参考になりました。ありがとうございます。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さんへ No.7520 投稿日 2004年1月31日(土)01時42分 投稿者 津荒 夕介 レジュメ 1津荒の伝えたいことのまとめ。  初期状態が「嘘が嫌い」に見えたということ。(本当に必要なことはこれ)。「嘘が嫌い」から「嘘が上手い」にはならないとか「真実を告げる強さ」とかは、脱線である。 2「嘘が嫌い」の定義の確認。 3嫌いから上手くなる理由として挙げられていた二つ、@復讐から、A必要性から。その両方を理解。 4「真実を告げる強さ」の定義と、それを得る過程の説明。  5「真実を告げる強さ」はなぜ議論となったのか。 6細かい反論。  新木さんに、今自分がなにを議論しているのかわかってるのか? と指摘されました。  なにを議論しているのか、そもそも自分の書きたかったことはなんなのか。書いてみます。  指摘したかったことは、主人公の初期状態が「嘘が嫌い」に見えたということ。これは伝わっているようです。  「嘘が嫌い」から「嘘をつくのが上手い」の変化は飛躍だ、とか、「真実を告げる強さ」とかは、脱線した内容です。  こっちは混乱させてしまいました……。 >嘘が嫌いとか    脱線ですが、「嘘が嫌い」とかの話です。  「嘘が嫌い」というのは、嘘をつくのもつかれるのも嫌な状態を指す。以前書きましたが、それが定義です。  2号さんが挙げてくれた、二つの「嫌いでも上達する場合」。  一つ目は、@復讐から、上手くなる。   復讐とは、しかえしのことです。なにか危害を加えられて、その加えた相手にしかえしをする、ということ。  よく探偵物の犯人の動機で出てきます。親が殺されたしかえしで殺したとか。そういうの。 「男が嫌い。だから男を騙すのがうまくなる」    男が嫌いなのは、男になにかとても嫌なことをされたからでしょう。男なんて見るのも嫌になる。    ここで人によって様々な対応をします。    ある人は、男に無視しようと考える。  またある人は、男に復讐しようとする。  復讐の方法も様々です。  男を嫌いになった原因である男を、殺そうという人がいるでしょう。  それから出会う男をかたっぱしから騙してやろう、という人もいるでしょう。その人は男が嫌いですが、男を騙すのが上手くなる。    僕は英語が苦手です。英語が嫌いです。  だから英語を無視します。復讐しようとは思わない。その方が楽だからです。  2号さんが言うような人なら、英語ができない、ならば英語をがむしゃらに勉強して、英語を見返してやろう。と考えるわけですね。    自分の視点でしか見ていませんでした。考えが浅かった。  というわけで、@の理由で「嘘が嫌い」から「嘘が上手くなる」がありうるということは、納得しました。      もう一つは、A必要性から上手くなる。  嘘が絶対必要になる状態というのは、どんな状態でしょうか。  普通に生きている分にはありえない気がします……。  が、フィクションならば作れるでしょう。嘘をつく授業が学校であるとか。嘘をつき続けないと殺されるとか。  そういう状況を作ればいいこと。  これも考えが浅かったです。  Aによって嘘をつくのが上手くなることもある。理解しました。 >真実を告げる強さとか  僕の書き方が悪かったせいで、誤解を招いたのでしょう。この話が一番混乱している。  もう一度書き直させてもらいます。    真実を告げる強さとはなにか。  嘘をつくか、苦痛をともなうが真実をつげるか、という選択肢の時、嘘をつくことを否定し、あえて真実を告げる強さのこと。    真実を告げる強さというのは、 「嘘の有用性をアリだ、と思っていた人が、嘘とは絶対悪であり、嘘をつくということは、どんな状況であろうとナシだ」  と思うようになることで、生まれると思います。    嘘は絶対悪である。そう確信している人は、「嘘が嫌い」な人です。嘘をつくのもつかれるのも、嫌な人です。 「嘘が嫌い」な人は真実を告げる強さをもっている、ということです。  この話題はなぜ議論となったのか。    それは僕が主人公の初期状態を「嘘が嫌い」なのだ、と思ったからです。  初期状態が「嘘が嫌い」であるなら、すでに「真実を告げる強さ」をもっているはずだ。  しかし「真実を告げる強さ」が、一行コンセプトには最終状態として書かれていた。  それで変だと思ったんです。最終状態と初期状態が同じなのは、おかしい。    けれど実際の初期状態は違った。  だからこの話は、脱線した話なんです。   >細かい反論。  >>「相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう」 >>それ自体が葛藤じゃないでしょうか。  これ、葛藤してますか?    葛藤しているというのは、 「相手が一時嫌がるかもしれない、だから嘘をつこうか……。いやしかし、真実をのべることは正しいと思うし……。ああ、どうしよう」  と、こういう感じじゃないですか?    例えば野菜が嫌いな子供がいるといます。  僕は野菜を食べることは、体にとって大切なことだと確信しています。子供が一時嫌がるとしても、野菜を食べさせます。  葛藤しているように見えますか?  野菜を食べさせる。  そこにたどりつくまでの過程で、食べさせないことの有用性も理解している、という一面を、見せているだけじゃないですか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7521 投稿日 2004年1月31日(土)05時35分 投稿者 新木 伸 >弟切  うむ? 話が見えん。  「7512で私の書いた世界観」って、どれのこと?  弟切が信じるところの「現実的世界観」に相当するものは、とくに見あたらなかったのだが……。  ただ「世界観」って言葉をぽんと出しただけだと、それは「私の世界観」ってことになってしまう。  誤読される。  「7512で私の書いたでたらめな世界観」とか、「7512で私の書いた誤った世界観」だとか――。そんな言葉を足し加えないと、きちんと意味を取ってもらえない。 >>家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。  これは弟切が「2号の書いた作品の中」から読み取った、「嘘っぽさ爆裂の世界観」だよね。弟切自身は、こんなのが現実だなんて、これっぽっちも信じていないわけだが。  弟切は、この「嘘っぽさ爆裂世界観」を、2号が「そうかこれが現実なのか」と鵜呑みにしてしまったと、そう危惧しているわけ?  いや、いくらなんでも、そりゃないだろ?  26歳で現役ヒッキーでも、会社勤めしていた経験はあるんだから、いくらなんでも……。 >穴埋めとか  弟切の言う、もうひとつ残っているという穴のこと。  ヒントぐらいは出そう。  自分で考えさせて、自分で見つけ出したときの「快感と手応え」とを相手に与えることが大事なのであるが――。  違う方向を探しまくって、さんざん苦労させる必要はない。  ノーヒントだと、どっちを探せばいいのさえわからない。  それにノーヒントだと、僕にもわからない。いったい「どの穴」のことを弟切が言っているのか、見当がつかない。 ○津荒 >機種依存文字  「@」「A」(丸の中に数字)とかいうのは、いわゆる「機種依存文字」と呼ばれているもの。  古いMACやワープロなどでインターネットを見ている人には、見えなかったり他の文字に変化してしまったりと、いろいろと不都合の出る文字種なのね。  まえに「そんなけ」というのは方言だから、標準語で書かねばならない掲示板の書きこみには使えない――てな話題が出たことがあるけど。  これもそれとおなじこと。  過去ログの全文に対して「機種依存文字」で検索をかけてみると、まあ、だいたい誰でも一回はやっていて、その都度、僕から叩かれているのが見えるはず。  また「機種依存文字」の一覧が表示されているページへのリンクなんかも見つかるはず。「丸数字」以外にも、いくつもある。意外な文字が機種依存文字だったりする。  ところで、過去ログの全文検索の方法は、もうわかった?  あ、そういや「過去ログテキスト版」のほうだと、リンクのURLアドレスは消えちゃっているんだっけ。再収録の意味で、ここにリンクを張っておく。 「機種依存文字の一覧」 http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/ >レジュメとか  レジュメを書いてみたら、しっかりしたものになったじゃん。  「脱線していることは承知で、そちらについて書く」とか前置きされていれば、こちらだってそのつもりで読める。「なにを言ってるのかわからない」と混乱したりはしなくなる。  達人も昔はそうしてレジュメを書いていたわけ。達人がレジュメを書かずに、いきなり文章を書き出してしまうのは、何百回もやっているうちに、書かなくて済むようになってきたというだけ。  シロウトがいきなり達人のマネをしても、うまくいくはずがないのね。  ただ、レジュメは書きこみの頭にではなくて、後ろにつけること。  本当は見なくていいものを付けているわけだ。書きこみの頭にあるよりは、後ろに付いていたほうが飛ばしやすいでしょ。僕はチェックするために読む必要があるけど、他の人は、読まずに飛ばしてもいいものなんだし。  この分室に書くものは、何百人もの人間に読まれているのだと思うこと。  とりあえず毎日300人ぐらいの人が、覗きにきているもよう。  実際の参加者で、津荒が名前を知っている人が、だいたい10人程度になるのかな? その30倍ぐらいの人間が見ているわけだ。  さあ、わかったら、もっと文章に気を使え。  プロの小説ってのは、数万人に読ませるものなのだ。  ここの定期購読読者の「300人」なんて数は、数万人とくらべたら、ほんの100分の1にも届いていない。 >葛藤とか >>僕は野菜を食べることは、体にとって大切なことだと確信しています。子供が一時嫌がるとしても、野菜を食べさせます。  「嫌がる」――ということを、リアルに思い浮かべてないんじゃないかな?  子供が泣いて嫌がっているとする。  なんとかなだめすかして、あるいは厳しく叱りつけて、野菜をとにかく口に入れさせる。  子供のほうも、なんとか飲み込もうと努力している。  だが体が受け付けない。吐きもどしてしまう。これまで食べたものも、胃液にまじってすべて吐き出されてきてしまった。  子供は泣きながら君に謝っている。机の上に広がった胃液まみれの消化途中のどろどろした野菜を、ふたたび自分の口に押しこんで、飲み込もうとして、また吐いている。  そういうのを見ても、「野菜を食べさせることは正しい」と、気持ちが揺らがないでいられるものかな?  ちなみに、余談で、脱線するけど――。  こ僕は小学校のあいだは極度の「偏食児童」で、これすべて実際にあった話ね。  僕が経験したこと。  給食の時間の45分間だけでなく、五時間目のあいだも、ずっとこれを続けさせられていた。  いまでは絶対にあり得ないんだろうけど、25年前には、まだ体罰もビシビシ行われていたわけだ。世の中はおおらかで、そんなもんだったのね。現代の高校生からしてみれば、僕の経験してきた「現実」は、もはやファンタジーの世界なのだろうなぁ。  このときの先生が厳格なハイミス(オールドミス)の先生で――この人は、確かに「揺れない人」だった。  子供が嫌がっていても、まったく葛藤しない人だった。  しかし中学生になってから、バスで出会って挨拶をしたら、目を逸らせて無視されてしまったのは、あれはどうしてなのだろう……?  小さかった小学生の頃と比べて、身長や体格の関係はまったく逆転していて、僕のほうが彼女よりも三十センチばかり背が高くなっていたが……。そんなことが、なにか関係していたのかしらん?  こんな例を持ち出してきたのは――。  2号が持ち出してきている「嫌がる」というのは、ここでいうぐらいの重さの「苦しみ」を備えたものだと思うからね。  僕が書いた「エンドレスに吐き戻し」のように、具体的な「苦しみ」を津荒に見せる「手間」をかけてないから、説得力がまるで発生してないんだけど――。  でも「余命宣告」とか、そんな重たいケースの話を持ち出そうとしている。  たぶん、こういう重たい苦しみを伴うものを言っているのだろう――と、僕はそう判断したわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 炬燵[こたつ]で寝るのは体に悪いです。 No.7522 投稿日 2004年1月31日(土)23時16分 投稿者 弟切 千隼  漢方薬のおかげで、体調が良くなりつつある弟切です。なのに、うっかり炬燵で寝てしまったら、途端にまた咳が出るようになりました(^^;  うたた寝くらいならともかく、本格的に炬燵で寝入るのはやめましょう > 皆さん。 >「優しい嘘」指摘  弟切のNo.7519の書きこみの中に、わかりにくい説明がありました。どうもすみません。  以下に、再度説明します。  2号さんは、弟切がNo.7512に書いた「嘘っぽさ爆裂世界観」↓を、そのまま現実だと思ってはいませんよね? >> 家庭を持った人が、深夜に家族を放り出して外出しまくってもOKで、高校生が深夜に徘徊しても誰も何も心配せず、仕事をいい加減にやってもどこからか給料が払われ、仕事上の守秘義務は形だけで、個人情報は世間に流されまくり、実力がなくてもコネさえあれば人の上に立って、仕事ができなくても偉そうにしていて良し。 (弟切のNo.7512の書きこみより)  上記のうちの一部が、現実と一致する場合はあり得ます。しかし、それは特殊な場合です。まして上記の全てが現実であることは、あり得ません。  2号さんは、社会に出て数年経っていますから、その程度のことはおわかりですよね? >「優しい嘘」の穴埋め  たしかに、ヒントを出さないと、弟切がどの「穴」を指しているかわかりませんね。失礼しました。  以下にヒントを出します。  「優しい嘘」のヒロイン明日美は、英才教育を受けた天才少女で、実際に仕事ができる人、とするのですよね。そういう人なればこそ、できない−やらない−ことがあります。  今の「優しい嘘」の中には、有能な探偵なら決してやらないことが含まれています。それが穴です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7523 投稿日 2004年2月1日(日)00時39分 投稿者 津荒 夕介 ○弟切さんへ    携帯電話は、ほとんどの学生が持っています。    脱線ですが、僕の学校では携帯電話は、微妙な位置づけです。  生徒手帳によりますと……。(僕の学校は私立中高一環の男子校です)  1 中学生は禁止とする。  2 高校生は原則としては禁止。しかし、やむを得ない理由がある場合は、手続きをすれば持ち込みOK。  手続きの内容は、  1 保護者と担任の許可。  2 学校エリア内では電源を切る。  3 保護者から学校にいる生徒への連絡は学校を中継すること。  4 以上に違反したら、携帯は没収。    です。    携帯所持者の大半は、担任の許可をとっていません。教師を説得するのが難しいし、面倒だからです。    携帯を教師に見つかると、とりあげられます。  そのためほとんどの携帯所持者は、学校では電源を切って隠しています。中には隠しながら使っている人もいます。    学校で携帯を使わない人は何に使うのか?  学校が終わった後、遊ぶ時に連絡手段として使うのです。    まあとにかく、「普通」の高校生なら携帯電話を持っています。  深夜に子供が帰ってこない。「普通」は、携帯に電話します。  また、深夜のバイトも「普通」なら反対します。 ○新木さんへ >あらすじとか    間違いがありますか。  沢山ある……。ということで、設定あるいは、キャラクターの名前が間違っていたということでしょうか? うーん。でも……それは、あってるしなぁ……。  何が間違っているのか……。  もう少しヒントもらえませんか?   何冊目のことでしょうか。もしかして全部?    課題部屋に投稿した「三冊目」に誤字を見つけました。  >>宗介が学校に潜伏し、  とあります。が、潜伏はおかしい。  宗介が学校に編入し、が正しいです。  それから  7521に  >>こ僕は小学校のあいだ  と、誤字がありました。 レジュメ 1弟切さんへの返事 2あらすじについて 3誤字 -------------------------------------------------------------------------------- ハードル No.7524 投稿日 2004年2月1日(日)07時56分 投稿者 名無し君2号  乗りこえれば乗りこえるほど、先に進むハードルが高くなっているような気がする。頑張るしかないよなあ。 >津荒さん >三冊目、「戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! 」あらすじ  全体的になんか文章が硬い感じ。  とりあえずリライトしてみます。 >>ミスリルの隊員が、潜入先から少女をつれて逃げていた。憔悴した少女は研究所でモルモットだった。敵により隊員が死ぬ。宗介が人型兵器「アームスレイブ」で少女を救う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ○○では、ミスリルの隊員が敵組織の研究所から実験体を奪回しようとしていた。宗介は人型兵器「アームスレイブ」を使って、実験体の少女を救いだすことに成功する。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じで、もうすこし軟らかい文章でいいんじゃないかと。  ○○には土地の名前が入ります。それがロシアなのか南米なのか中東なのかはわかりませんけども。「実験体を奪回」も回収とか救出とか、もっとふさわしい単語があると思います。  ちなみに「アームスレイブ」がなんなのかよくわかっていません。ガンダムみたいなパワードスーツのことかしら。  これなんかもおなじです。 >>アームスレイブを奪って逃げる二人。ガウルンと戦い、負ける。ミスリルが助けに来る。クルツがガウルンに挑み、負ける。救助部隊が学生達を助ける。  状況を細かく区切りすぎていると思います。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ふたりは敵のアームスレイブを奪って逃げだした。しかしガウリンに追いつかれる。ミスリルの応援部隊がやってくるも、ガウリンによって壊滅、ふたりは森の中へと追いこまれた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  実際はどういう状況なのかわかりませんが、津荒さんのあらすじから読みとれる内容で書いてみました。  細かい状況をそのまま書くのではなく、それをまとめてひとつの意味にして書くと良くなるかもしれません。  続いては質問です。 >>宗介と、クルツ、マオがかなめの警備をすることになる。理由は極秘。宗介が学校に潜伏し、残りの二人はそのサポート。戦場で生きてきた宗介は日本をまったく知らなかった。 >>ロシアの軍人と凄腕の傭兵ガウルンが、かなめを新たな実験体として狙うことに決めた。  「理由は極秘」はなにか変です。だって「かなめを新たな実験体として狙う」ってすぐ下の段落で書いてますし。「極秘任務だった」ということでしょうか。 >>宗介は日本をまったく知らなかった。  それでどうしたんでしょう。 >>新たな実験体として狙うことに決めた。  なんの実験でしょう。 >>かなめが実験台かどうかの検査を受ける。覚醒するかなめ。  覚醒するとどうなるのでしょう。 >>かなめに好意を抱いている宗介は危険を犯して彼女を救う。  宗介にとってかなめの身辺警護は任務のはず。好意を抱こうが抱くまいが、危険を冒して救うのでは。 >>かなめの助言でミスリルに連絡をつける。ミスリルは敵を警戒し、宗介に新型アームスレイブを与える。宗介はかなめの覚醒した知識に助けられ、ガウルンに勝つ。  疑問がたくさん。 ・味方に連絡を取れる状況にあるなら最初からとればいいのに。 ・どうやって新型兵器を渡したんだろう。 ・かなめの覚醒した知識ってなんなんだ。  とりあえずはこんなところです。 >嘘が嫌いとか(短編にまつわる話)  津荒さんの主張をまとめてみる。 ・「嫌いだからうまくなる」ことがあるのはわかった。 ・「真実を告げる強さ」については異義がある。 ・でもどちらも脱線した話だ。 ・「葛藤」についての反論。  ということでしょうか。  しかし「真実を告げる強さ」では、津荒さんはいったいなにを主張したいのだろう。よくわからない。  ちょっと腑分けしてみます。 >真実を告げる強さとか >>僕の書き方が悪かったせいで、誤解を招いたのでしょう。この話が一番混乱している。 >>もう一度書き直させてもらいます。  この話は混乱している。だからもう一度書き直します。 >>真実を告げる強さとはなにか。 >>嘘をつくか、苦痛をともなうが真実をつげるか、という選択肢の時、嘘をつくことを否定し、あえて真実を告げる強さのこと。  真実を告げる強さとは、たとえ不利益があったとしても、本当のことを言えることです。 >>真実を告げる強さというのは、 >>「嘘の有用性をアリだ、と思っていた人が、嘘とは絶対悪であり、嘘をつくということは、どんな状況であろうとナシだ」 >>と思うようになることで、生まれると思います。  ……?  ここの展開がよくわからない。  そもそも、 >>「嘘の有用性をアリだ、と思っていた人が、嘘とは絶対悪であり、嘘をつくということは、どんな状況であろうとナシだ」と思うようになる  はどういう意味だ?  「嘘つきが、正直者になる」といいたいのかな?  ……違うな。  「嘘をつくということは、どんな状況であろうと無しだ」は正直者っていうか……。  ああ、これこそ「愚直」だ。  正直すぎて気がきかないんだ。馬鹿正直なんだ。  つまり「真実を告げる強さは、嘘つきが愚直な人になれば生まれる」ということか。  ……で、それはなんででしょう?  定義はあれど証明がありません。  ここで津荒さんがやらなくてはいけないのは、「ほら、嘘つきが愚直な人になれば、真実を告げる強さが生まれるでしょう?」ということです。 >>嘘は絶対悪である。そう確信している人は、「嘘が嫌い」な人です。嘘をつくのもつかれるのも、嫌な人です。 >>「嘘が嫌い」な人は真実を告げる強さをもっている、ということです。  ここもわからない。  まとめると、 「愚直な人は「嘘が嫌い」です。「嘘が嫌い」だと「真実を告げる強さ」を持っています」  ということかなあ。  経過を並べてみる。 1)「真実を告げる強さ」の定義  真実を告げる強さとは、たとえ不利益があったとしても、本当のことを言えることだ。 2)「真実を告げる強さ」はどう生まれるか。  嘘つきが愚直な人になれば生まれる。 3)「嘘つきが愚直な人になれば、真実を告げる強さが生まれる」ことの証明。  無し。 4)だから「愚直な人」だと「真実を告げる強さ」を持つ。  愚直な人は「嘘が嫌い」です。「嘘が嫌い」だと「真実を告げる強さ」を持っています。  とりあえず(3)の証明を書いてくれないと反論ができません。以上。  ……あ、「細かい反論」もあったんですね。 >細かい反論 >>>>「相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう」 >>>>それ自体が葛藤じゃないでしょうか。 >>これ、葛藤してますか? >>葛藤しているというのは、 >>「相手が一時嫌がるかもしれない、だから嘘をつこうか……。いやしかし、真実をのべることは正しいと思うし……。ああ、どうしよう」 >>と、こういう感じじゃないですか?  そうですよ。わかってるじゃないですかー。やだなあ、もう。 >>例えば野菜が嫌いな子供がいるといます。 >>僕は野菜を食べることは、体にとって大切なことだと確信しています。子供が一時嫌がるとしても、野菜を食べさせます。 >>葛藤しているように見えますか?  ……そりゃ見えませんけどー。  たとえが違うじゃないですか。 「相手にとって不利益な真実であっても、真実を告げることが正しいと考える」  もともとはこういう話ですよね? この場合は相手に落ち度がまったくないはずです。なのに津荒さんのたとえは「相手の身勝手を無視する」で、ちょっと違う話です。  「子供が野菜を食べたがらない」はただのわがまま、自分勝手。相手が悪い。 ・相手は悪くない。 ・相手は悪い。  これって違うたとえだと思うんですけども。  むりやり野菜を食わせるのは、食わない相手が悪いと思っているからですよね。だからまったく葛藤がない。  でも相手にとって不利益な真実を告げるのは違います。  相手は悪くないのに、でも相手を傷つけなければならない。悲しませねばならない。どうですか? まったく違う話ではないですか?  そもそも……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (津荒さん)  嘘が嫌いなら、相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう。  葛藤するのはおかしい。  それは嘘をついてもいいかなぁと心に残っているから、生まれる葛藤です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号)  この理屈もすこしおかしいです。  「相手が一時嫌がるとしても、真実をのべることこそが正しい、と考えるでしょう」  それ自体が葛藤じゃないでしょうか。  まったくもって葛藤がないのだとしたら、そもそも「相手が一時嫌がる」とすら思わない。私はそう考えます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  という話でした。 >>まったくもって葛藤がないのだとしたら、そもそも「相手が一時嫌がる」とすら思わない。私はそう考えます。  に対する回答はいかに。さあいかに。 >>野菜を食べさせる。 >>そこにたどりつくまでの過程で、食べさせないことの有用性も理解している、という一面を、見せているだけじゃないですか?  ……えーと。  まったくもって意味を読みとれません。  もうすこし優しくお願いします。 >弟切さん >>まさか、弟切がNo.7512に書いた世界観が、そのまま現実だとは思っていませんよね? 2号さんのNo.7515の書きこみを読んで、ちょっと不安になりました。  さすがにそこまではイカレてないです。  そういう状況にあるところもあるよなあ、と思っただけです。  家庭を顧みないでふらふら飲み歩いている人もいるし、深夜に徘徊している高校生もいるし、いい加減な仕事しかしない人もいるし、個人情報が流出しているからダイレクトメールは来るし、実力もないのにコネだけでえらそうにしている人もいるし……はぁぁぁ。  弟切さんがおっしゃりたいのは、「これが常識だと思ってませんよね?」ということですよね? 私の回答としては「常識じゃないけど、世の中には非常識な奴がいるよなあ」です。 >>もう一つの質問は、2号さんは「優しい嘘」を書き直すつもりがあるのかどうか、です。  ないこともないです。  いつものごとく、宿題に積み上げられています。 >>新木さんが、No.7514で、「優しい嘘」の穴を埋める方法を考えて下さいましたね。 >>あれだけでは、穴を埋めきれていないことに気づいていますか?   制服で張り込みしていることですか?  ヒロインみずから守秘義務違反を犯していることですか?  浮気調査をするのにラブホテルの前で張り込みなんかしないということですか?  深夜に浮気していることですか?  そもそも「探偵」じゃなくて「興信所」だろうということですか?  たくさんありますね。 >ホテル街リライト  書き直しました。  整形についてですが、原稿用紙10枚なので……悩んだあげく、ブラウザでも読めるだろうと76文字で改行しています。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=765&e=res&lp=744&st=0  重点を置いたのは「ホテル街感」と「車内感」ですが、その他いろいろと変えています。 >時間の使いかた >>1日24時間すべてを使える人間が、レスに7時間かけたとしても、小説を書くのには、まだ6時間ぐらいは使えるはずなのだが……。 >>1日の時間割、もういっぺんアップして見せてみそ。  始めるまでが長いんです。  小説を書きはじめてしまえば、とりあえず2時間から3時間は集中して続けられるんですが、どうにもこうにも出足が遅い。  だらだらとあーでもないこーでもないとやっているばかり。  かける労力としては小説よりレスのほうがはるかにすくないですから、どうしてもレス書きを先にやって……それで満足してしまうというか。  ナマケモノですから。  常に楽しようとする生き物ですから。  エウレカ2号ですから。  小説を書くのがどれだけ大変なのかということが、ようやく身に染みてきました。  だから辛いんですよね。常に気を使って書かなきゃならない、ということは常に集中しなくてはならない、ということですし。  やらなきゃならないんだけど。  書きたいことがあるはずなんだけど。  頑張ります。  余談ですが、頑張るぞ! と思うと私の場合はかえって駄目です。頑張ってみようかな? ぐらいのほうが早く取り組めるようです。なんでだろう。  レスには4時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7525 投稿日 2004年2月1日(日)08時48分 投稿者 新木 伸 >津荒  ひょっとして、前に言っていた「書きこみを1日寝かして誤字を取る」というのを、いま実行中だったりするのかな?  昨日の質問に答えてこなかったり、一昨日の話題を持ち出してきたりと、妙に「時差」を感じるのだが。  ちょうど一日分ぐらいね。  一日寝かして誤字を取るというのは、禁止と言ってあったよね。  誤字を取るのに使っていいのは、書き込み前の15分だけ。そのあいだに死ぬ気で取れと、そう言ってある。  誰かがなにか書きこみをしたなら、普通はその直前のものまで、きっちりと読んでいるものと見なされる。  自分宛の質問があり、それに答えていなかったら、なにか意図があるものと思われる。リアクションをしないということも、またひとつのリアクション。なにかの「意図」と「意味」とが生じてしまうものなのだ。  つまり読んでいたけど、なにか理由があって「無視」したのだろう、とか。そんなふうに誤解されてしまう。  書きこみの頭に、「○番までのレスです」と書いてあれば、返事はまだなのであり、無視されたのではないのだと相手にもわかる。  「多忙により、重要なものだけレスします」とあれば、自分の質問は「重要ではない」と判断されたのだとわかる。これも無視とは違う。  たとえば僕は、「機種依存文字」に関して注意をしたわけだ。  まあ無視したとは思わないけど――。ちゃんと読んでるのかな? 理解したのかな? 次は直してこれるのかな? あの説明では、わからなかったのかな。もうちょっと説明してやらなきゃならないのかな? ――と、色々考えてしまうわけね。  勘違いしないように言っておくけども。  すぐに返事を返せ、と言っているのではない。ただ返事(書き込み)があったのなら、それまでの話題に触れていないと心配になる、と、そういうことね。 >2号  そうそう。例の「代名詞に置き換えて4人の男を見分けられるようにする」という桜庭さんのリライトだけど。  そこで必要とされる工夫と、今回の「四姉妹」で必要とされる工夫には、同じものが含まれている。  今回のがあがってきて、それを見れば、「四人の男」のほうがきちんとできていたかどうかも、わかってしまうわけね。  同じもの――といっても、ただ見分けができるようにするだけのリライトとは違って、「四姉妹」のほうは、ほかにもいくかのことに気を使わねばならない。より上位のテクが必要で、より難易度が高い。  だが冷凍コロッケをうまく揚げられないやつが、天ぷらをうまく揚げられるはずがないのだ。しかし天ぷらをうまく揚げられるやつなら、冷凍コロッケだって、もちろんうまく揚げられる。  冷凍コロッケなんて、注意するとこ、1箇所しかねーじゃん。んなもん出来てあたりまえだ。きちんと揚げられるかどうか、見るまでもない。  しかし天ぷらを揚げるときの注意点は、2箇所も3箇所もあるのだ。こちらは難しいのだ。 >弟切 >>今の「優しい嘘」の中には、有能な探偵なら決してやらないことが含まれています。それが穴です。  うーん。  このヒントだと、わかんねーや。  ていうか、どんな類のものを答えとして見つけてこいといっているのか、よくわかんない。  「有能な探偵を出す」とした時点で、そもそも、いまのエピソードってのは全部捨てることになるんだよね?  いまのエピソードっていうのは、そもそも、「親の七光り的女子高生探偵」用なんだし。「有能な探偵としての致命的ミスが含まれています」なんてものじゃなくて、一から十まで、ほぼすべて「シロウトの女子高生探偵用」の言動なわけだし。  あの少女って、自分の趣味として遊びとして、大人の職場に割りこんでいって、自分にヘーコラと平伏する大人たちを使役して「探偵ごっこ」をやってる女子高生だよね?  まあそうしたなかで、一番デッカイ「素人くさい言動」を挙げろというなら、思考のベクトルだって定められるけど。  でもそんな思考をすることに、なにか意味はあるのかな?  俺、意味のないことに頭使うの、ヤなんだけど。  どうせ捨てるものなんだから、考えるだけ、無駄なのでは?  現在のエピソードの中から、「有能な探偵用」としても使えそうで、再利用可能なものを探してみよう――なら、これは意味ある設問となるだろうけど。  ひょっとして弟切は――。  現在の明日美のエピソード(言動とか、思惑とか)が、「有能な探偵用」として、そのまま転用できないということを2号に分からせようとしているのかな?  2号は「このままでも明日美が有能な探偵と思ってもらえる」と思いこんでいると、弟切はそう考えているわけ? そうなの?  そこまでアホなのかな? 2号って? >>本格的に炬燵で寝入るのはやめましょう > 皆さん。  弟切さんは、コタツが置いてあるのは「あたりまえ」であると思われていらっしゃるようですが……。  あいにくうちには、コタツを広げられるような余分なスペースはありませんので、広げたくとも、コタツを広げることは物理的に不可能です。よってコタツで寝入るなんていう幸せな贅沢にも浸れません。  ご忠告には痛みいります。しかし、ひょっとして狭い家に住む人間を見下されているのでしたら、「余計なお世話じゃ」と返させていただきたいと思います。 >津荒 >携帯電話とか  現代高校生が携帯電話をどう使っているのか――。  これは自分にとっての「あたりまえ」が、他の人にとってはあたりまえでないという好例ね。  津荒の説明は、あれじゃまったく足りないんだな。すくなくとも、俺とか弟切とか――オジサン、オバハンには、あれじゃまったく通じない。  相手がどこまでわかっていないのかを、正しく想定していないから、こちらがなにを知りたがっているのかも把握できずにいる。  だから説明が不充分なものとなってしまう。  そんなんじゃ、作家になれんぞ?  プロだって「ここまでは知っているだろう」てな読み違いは、よくやらかしてしまう。しかしいまのお前は、その手前にいるだけ。  「きっと相手は、かなりわからないでいるはずだ」と、相手の身になって考える習慣を付けていない。  この手の携帯電話の話題って――。  おそらく24歳を越えるぐらいの年代の人なら、「トリビアの泉」的な、驚くべき話題のはずだ。だって知らねーもん。自分が高校生だったときには、携帯電話なんて世の中になかったもん。  「携帯があたりまえな高校生活」なんて、想像もできねーもん。  携帯電話が普及しはじめたのは、1996年くらいからなのかなぁ。  高校生〜大学生ぐらいで、持っているのが「あたりまえ」とは言わないまでも、持っていてもそんなに珍しがられないぐらいになってきたのは。  このころの高校生の所有率は、クラスに3〜4人ってところか? だいぶ珍しいほうだな。携帯を持っていたりすると、みんなから「見せろ見せろ」と珍しがられて、いじりまわされていたに違いない。  インターネットで探し出してきた年表を見てみると、この年に新規加入料廃止となっている。(それまでは固定電話の権利金のように、2万円とか3万円とかを払って加入しなくてはならなかった。つまり「所持」するための敷居が、たいへん高かった)  この1996年に、高校三年生だった人間は、いまちょうど26歳。  つまり分室でいえば、2号とか、羽矢野とか、紫とかの年齢。  そして1999年には――。  携帯の番号が現在と同じ11桁となったり(以前は10桁だった)、i−modeがサービス開始したりしている。  「あたりまえ」と呼べるようになったのは、この年ぐらいからだろう。  高校生〜大学生あたりの年代で、「まあ半分以上は持ってる」→「持ってるのが普通」といえるようになったってことね。  この1999年に、ぎりぎり高校生三年生だった人間が、いま22歳。  この1999年に、すでに高校一年生であり――。高校生活の3年間を、ずっと「携帯があたりまえ」という環境の中で過ごしてきた人間は、いま20歳だな。  津荒の年だと、この1999年の頃は、まだ中学生っしょ。中学の2年生あたりか?  高校に入ってからは、まわりもみんな持っていたし、自分も当然持っていたし――。  だが中学生の頃って、自分は携帯持たされていた? そして小学生の頃はどうだった? クラスに何人ぐらい、持っている人がいた?  現在の高校生の携帯所有率は80%。中学生が50%で、小学生は30%だそうだ。  津荒の経験した「現実」では、そこまで多くはなかったろ? 小学生のときに、クラスの10人以上が携帯を持っていたりしたのか?  このように――。  もう津荒の経験してきた「現実」と、実際の「現実」とは食い違いが生じているわけね。  津荒の思う「小学生は携帯を持っていなくてあたりまえ」という感覚は、もう現実の小学生にはあてはまらないんだよ。もはやそれは「あたりまえ」ではないのだ。現役小学生にとっては、「携帯のない世界」なんてのは、どこかのファンタジー世界のように、嘘くさくてあり得ない世界なのだ。  「えーっ? クラスに10人は携帯持ってる子、いるよ〜」てのが、いまの小学生にとっての「あたりまえ」なのだ。  しかし津荒は、高校生活からは、「携帯があたりまえ」の世界で育った。  「携帯電話のない高校生活」ってのは、一度も経験していない。だが体感できなくとも、想像ぐらいはしろ。  いいすか? 昔はガールフレンド(古っ)に電話一本入れるのだって、相手の家の黒電話を鳴らして、まず親を叩き起こさねばならなかったんだよ。  「娘さんお願いします」「キミは誰かね? 娘になんの用かね? こんな時間に電話を掛けるなんて非常識と思わないかね?」 (※注:こんな時間=夜の10時)」  ――というやりとりを経てからでないと、クラスメートの声を聞くことさえできなかったわけだ。  本格的に彼氏、彼女ができたりすると、家の電話なんて使わずに、近所の公衆電話の前に座りこんで長電話をしたりしたもんだ。  まあ女の子に電話するのでなくて、男同士で遊ぶのだって、こんなふうに家に電話をかけて親を中継することが多かった。  別に携帯のアドレス帳を盗み見られたりしなくたって、子供の交友範囲なんてもんは、親に把握されまくりだったんだよ。  ああ、こんどこれ、ネタに使おう。  「いまどき」携帯電話を持っていない女の子がいて、電話するときに「男親ファイヤーウォール」を突破しなきゃならない男の子だとか。  昔の「あたりまえ」をいま見せてゆくだけで、読者が愉しめるネタとなるわな。  ――で、とにかく7523の携帯説明。書き直しね。  相手がどこまでわからないのか――それを想定しないで書いたところで、なんの練習にもなりゃしない。 >>携帯電話は、ほとんどの学生が持っています。  「ほとんど」っていうニュアンスも、こっちにはわからないんだよ。  言葉通りに解釈すると、持っていない子が皆無なわけではない――てなことを言っているのだろうが。  そんなことじゃ、大事なところはなにも伝わらない。こちらの知りたいことは、数とか割合とか、そんな数字だけではないのだ。まず割合として「ほとんど」と聞かされたなら、さらに「携帯があたりまえの高校生活の雰囲気」ってものまで知りたいわけだ。  じゃないと、「現代高校を舞台にした教室のシーン」なんてものを書くときに、役に立たない。  携帯を持っていない子は、非常に少ないのだとする。だがゼロではないのだとする。  なぜその子たちは携帯を持っていないのか?  家がとても貧乏だから持てないのか。親が「携帯なんてけしからん」という厳格な主義でも持っているので所持させないのか。  まわりの友達から、「おまえ携帯持てよー」と圧力だって常にかかってゆくだろうし、それでも「持たない状態」を貫き通すためには、それなりの理由があるはずだ。  どのくらい「特殊」な理由を持つ人間だけが携帯を持たずにいるのか――そこがわかると、だいぶ雰囲気が掴めるわけだな。  たとえば、現代日本の「進学状況」なんてものを、外国の人に説明するのだとする。  ここで「現代の日本では、たいていの若者が高校に進学します」なんてことを言ったのでは、相手になにも伝えたことにならない。  相手の「外国人」は、アメリカ人やイギリス人のように、日本と同じような先進国の人もいるだろう。だがアフリカやアジアの小国だとか、そもそも「高校」なんてものが国内に1校しかないような発展途上国の人もいるわけだ。  そこで、こういうふうに言えば、いくらかは伝わる。  「現在の日本では、経済的に不可能な場合を除いて、全員が高校に進学します。その進学率は95%ほどです」  まあ、中卒者のうちのいくらかは、学力不足や学習意欲不足を理由に進学しないケースもあるけど……。  「高校ぐらい出ておくべきで、あたりまえのこと」という現代日本の風潮を、日本を知らない外国の人に伝えきるためには、「経済的に不可能でなければ絶対に進学する」と言い切ってしまったほうがいい。  「携帯電話を持っているのはあたりまえ」という話題では、この「風潮」を伝えろと言っているわけね。  現代の「雰囲気」だとか「風潮」だとかを、20年前に学生をやっていたようなオッサン――俺らのように、外国人にも等しいぐらいの距離にいる人間に、きっちり伝えろっての。  ところで――。  「携帯を持つのがあたりまえ」であるなら、持っていない人間は「持てよ」と圧力をかけられることになると思うのだが……。  この推測は、正しいのか? 間違っているのか? (俺にはそれさえもわからないのだ)  また携帯を追放したい教師陣と、携帯を学内に持ちこみたい生徒とのあいだには、一種の緊迫した状況があり、攻防戦が常に繰り広げられているはずだ。  その部分に関する記述も、ぜんぜん足りない。  隠していたって、所持品検査でもあれば、一発でバレるんじゃないのかな?  「緊迫感」はあるものの、その度合いはとても緩くて、所持品検査までは行われない程度のものなのか。  それとも校門でカバンの中身確認&ボディチェック――までやられているけど、それでも知恵を絞って学内に持ちこむやつらまでいるのか。 >津荒 >あらすじ課題とか >>間違いがありますか。 >>沢山ある……。ということで、設定あるいは、キャラクターの名前が間違っていたということでしょうか?  最初に「とりあえず30冊」と言ってあるし。  まあ10冊ぐらいやって慣れてくるまでは、なにがあっても指摘とかはしないで、とりあえずやってもらおうと思っているのだけど……。  変なこと言って、気にさせちゃったかな?  いちおう、説明しておこう。  ただ「爆れつハンター」は漫画のほうしか読んでないので、「フルメタル・パニック!」だけね。 >>世界最強の武装集団「ミスリル」のエリート隊員、相良宗介。 >>戦場で育った彼は、勘違いから学校で騒動を起こす。  「ミスリル」という組織について、設定を読み取り違えているし。  主人公がエリート隊員だという読み違えもしているし。  主人公が学校で騒動を起こしてしまった「理由」について、読み違えているし。  主人公がヒロインの警護についた「理由」は書いてないし。  てか、そもそも主人公が「誰」なのかも取り違えているし。(主人公は宗介だと? なに寝ぼけたことを言ってるんだ)  ひどいもんです。  作者がこれを見たら、たぶん泣きます。  作者が注意を払って入念にやっている部分を、すっぱりさっぱり、読み落とされていたらなぁ……。  だいたい主人公が宗介って、それ、なんなんだよ?  精魂込めた「トンコツラーメン」を味わった相手が、「おいしい醤油ラーメンですね」と言ってきたようなもんだぞ?  賀東さんがもしラーメン屋の頑固オヤジであったなら、「てめぇみたいな味のわかんねーやつが、うちのラーメン食うんじゃねー!」とかお玉を持って追いかけてくるところです。  幸い、賀東さんは温厚な人だし。  幸い、エンターテイメント作家というのは、どんなお客さんでも、ニコニコ笑顔で相手することになっているし。だからたとえ「主人公を取り違えていた」のだとしても、お玉で追いかけられたりはしないだろうけど。  しかしこれを書いたのがただの「客」でなくて、「作家志望者」であったことだけは、黙っておこう。お玉でなくて、包丁になっちゃうから。  ――あ。  いま本を手にして見てみたら、「世界最強の武装集団」とか「エリート」とか「勘違いで騒動を起こす」とかのくだりは、ぜんぶ、本の煽りに書かれてあったことなのか。  なんだ。  本の煽りに書いてあったことを、そのまんま、パクってきただけじゃん。  アホか。  真面目に応対して、損しちまった。  あれは「煽り」であって、「あらすじ」とは別物なの。参考にするな。ていうか、それ以前のモラルとして、そのままパクってくるな。  俺は宿題を出したわけだけど。  他人のレポートを丸写しにしてくるそれが、君の「宿題の片づけかた」なのか?  ――で、書き直したりするのは、後回しで。  そして次からは「丸写し」はやめて、自分で考えて、自分で書くこと。  10〜30冊もやってみれば、自然と直るかもしれない。いま一つのあらすじだけを何度も何度も書き直しをしているより、次々と新しいあらすじを書いていったほうが、時間の使いかたとしては賢いはず。  「これまでのはどうもボロボロで、論外の出来だったらしい」ということだけを念頭に入れて、もう少し真剣度を上げて、次以降をやってゆくこと。  どうしても気になるので、これまでの3編を直したいというなら、とりあえず、10本のあらすじを書きあげてから、行うこと。  それまでは禁止。  ――で、次は?  4本目は、いつ上げてくるの?  こんどはちゃんと自分で書いてくるの? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7526 投稿日 2004年2月1日(日)10時32分 投稿者 新木 伸 >津荒 >>まあとにかく、「普通」の高校生なら携帯電話を持っています。 >>深夜に子供が帰ってこない。「普通」は、携帯に電話します。 >>また、深夜のバイトも「普通」なら反対します。  ここのところ、言い切っちゃっても、いいのかな?  自分の身の回りでそうである――ということと、「普通の高校生」がそうであることとは、ひょっとしたら別かもしれないよね。  なにもすべての高校生に対してリサーチしてこいとまでは言わないが。  自分とその身の回りを取り巻く環境とが、他とくらべても、それほどずれてはいない――と判断した「根拠」ぐらいは示さないと。  中学校の友達で、別の高校に進んだやつの話を聞いてもそうだったし。――だとか、ほかにはなにかないの? 自分の身の回りが「普通」だということの根拠となる「理由」は?  なにが「普通」なのか。誰にとっての「普通」なのか。  自分の身の回りがそうだから「普通」だと感じるのは、単なる錯覚で、なんの根拠もないことなのだな。  前に青葉さんが「選択科目」という意味で、「選択」という省略語を使って、「それではわからない人が出る」と叩かれた。  そのとき青葉さんが最初にやった反論は、「選択で通じるのが普通ですよ」というもの。  だが調べてみると、分室の定期読者の年齢層を考えると、「選択授業」というものを経験した人はそれほど多いわけではなかった。よって「選択で通じるのが普通」という感性は、なんの根拠もないものだと判明した。  また過去ログの中では、「中学校の給食普及率」なんてものが話題にのぼったことがある。そのときには、あと数年で中学校に上る子供を抱える母親が、自分の子供が通うことになる地域には給食がないから――ということを根拠として、「中学校では給食がないのが普通」と誤った結論に達してしまっていたりした。 (ちなみに全国平均は75%。全国的には給食がある中学校のほうが「普通」といえる)  おなじことを、いま津荒はやっちゃっていないか?  まあ「携帯の所持率」に関しては、僕のほうでも「80%以上」というデータが出てきている。これは「持っているのが普通」としていいだろう。  この「携帯の普及率」に関しては、津荒の周囲の環境は、幸いにも、全国平均から大きく外れることはなかったということね。  でも、もしかしたら――、津荒の通っていた高校は、携帯普及率が15%しかない地域だったかもしれない。 (中学校の給食普及率のほうも、全国的には75%なんだけど、神奈川県だけなぜか13%と低い普及率だったりした)  そんな「低普及率地域」の学校に、もし津荒が通っていたら、「身の回りがそうだから」という理由で、「高校生は携帯を持っていないのが普通です」とか、言いきっちゃっていなかった? >>深夜に子供が帰ってこない。「普通」は、携帯に電話します。 >>また、深夜のバイトも「普通」なら反対します。  ――この二つに関しては、大丈夫なのかい?  津荒の身の回りだけが偶然そうなっているだけでなくて、全国平均からそう大きく食い違っていないという保証は? >2号  そういや、昔の過去ログ検索していて、たまたま見つけたんだけど。  なんか昔、エロガキが性に目覚めるんだか、女の子が献身的に身を投げ出してくるのだか――なにかそんなような話を作ろうとしていた時期があるよね。  あれ、以前は形にするなんて、まるで不可能なことだったけど。  いまなら、案外と簡単に、形にすることができるんじゃないのか?  掌編とはいえ100本もやれば、すこしは構成力がついてきているはずだし。  まあ、タスクのどこかに積んでおくこと。  女子高生探偵の出てくる話を書き直すのか、直さないつもりなのか、よくわからんが……。  それが終わったら、次はまたなにか短編を書かなきゃならないわけだし。  1000字課題や生課題なんてのは、そろそろ「日常」の一部になってきただろ?  あれは「普段から日常的に行うこと」であって、特別に気を入れて取り組む修行項目じゃないわな。 -------------------------------------------------------------------------------- 週五日制とか No.7527 投稿日 2004年2月1日(日)10時55分 投稿者 新木 伸 >津荒  あ、そうだ。  ついでにもういっこ、聞いておこう。  いま土曜って学校ないって聞いたんだけど、それホント? それ普通? どこでもそーなん?  あと土曜日が休みっていうのって、どんな感じがするもの? (ここで質問している僕の「普通」=「常識」ってものがどのへんにあるのか推し量りつつ、なにを聞きたがっているのか考えつつ、答えてみること) (津荒のところは私立だそうだから、週六日授業だったのかもしれんけど) -------------------------------------------------------------------------------- 説明と描写の違い No.7528 投稿日 2004年2月1日(日)12時31分 投稿者 新木 伸 >説明と描写の違い  まあ誰宛ということもないのだけど、説明と描写の違いについて、つらつらと書いてみる。  いまちょうど「説明するな。描写しろ」と言われているのは、ここでは青葉さんなわけだけど。とくに青葉さん宛というわけでもない。  描写というものは、なんなのかという説明を――昔からずっと考えていたのですが。  最近、いいたとえがひとつ浮かびました。  描写というのは、「生っぽく」書くこと。ナマっぽく書けば、それはすなわち、描写です。  ――と、そんなことを書いてみたところで、わかるはずありませんので。  まあ説明をしてゆきます。最後にここで出した「結論」に結びますので、安心して読んでいってください。  アマチュア作家では、説明と描写の垣根を越えられないでいる人が、案外と多い。  てか、ぶっちゃけて言うなら、アマチュアの全員が「描写とはなにか」がわかっていない。  描写は難しい。  プロでさえ、編集さんから「もっと描写してください」なんて言われて直しの指示をもらうぐらい。(でもさすがに「描写ってなんですか?」と尋ねたりはしないけど)  たとえば、「目を覚ましたばかりの人」てなものを、話の中に出したのだとします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1)  彼女は目を覚ました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2)  はっきりとしない意識で、彼女はまわりを見回した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (3)  彼女は重い頭を持ちあげた。枕元の時計をのろのろと手に取る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このどれもが、説明です。  五十歩百歩。  1から順に、番号が進むほど「マシ」にはなってゆくけども――。  どれも描写ではありません。  1がなぜダメダメなのかというと、「目を覚ました」ということしか書いていないためです。それがどういうことなのか、ぜんぜん書いていないので、これでは説明にもなっていません。  2では「目を覚ました」ということが「意識がはっきりしないこと」と書いているので、すこしはマシです。でもこんどは「意識がはっきりしないということはどういうことか」がまるで欠けているので、やはりダメダメです。でもいちおう説明文にはなっています。  3では「意識がはっきりしない」ということを、「頭が重い」ということと、「動作がのろのろとする」という二つの面から描いています。よって2よりは、すこしはマシであるといえます。(アマチュアの小説では、このレベルのものが存在すれば、「描写されている」と評価されてしまうことがあります。でもこれはやはり描写ではありません)  この1〜3まで。  アマチュアが書けるのは、せいぜい、ここどまりです。  これらすべては、プロの基準でいうところの「描写」にはなっていません。  普通のプロの感覚からいうと、これら3つの「だめパターン」はどれも区別されません。どれも「描写になっていない」で片づけられてしまって、「少しはマシ」とか「ちょっとマシ」とか、それらの細々とした違いは見てもらえないわけです。  実際には「微々たる違い」が存在しているわけですが……。基準以下のものをいくら測定してみたところで、意味がないのです。仕事の役に立たないのです。  よって、プロの作家、プロの編集者、プロの下読み委員――このあたりの人間は、この1〜3のようなものは「描写ではない」と一括して切り捨ててしまいます。  さて、アマチュアから見た場合――。  「描写ってなんなのかわからない」と言う人がよくいます。  アマチュアの目から見たときに――。1はたしかに「下等」だとわかるけど、3であれば「上等」であるはずです。表現について考えたはじめた人であれば、そのぐらいの区別は、自然と身に付いてくるようになります。  しかし、「プロの基準」なんてものを通してしまうと、1も3も一緒にして「論外」と烙印を押されてしまうわけです。  「味噌も糞も一緒で、じゃあ描写ってなんなんだよ?」――と、混乱してしまうわけですね。  ここに「壁」が一枚ほど存在していています。  それが「描写とはなにか」ということに関して、アマチュアの理解を阻んでいるものの正体です。  プロの世界で「描写」が話にのぼってくるときには、「3」よりも向こう――最低でも「4」以上の話をしているわけです。  どんなプロでも、そうです。どんなときでも、そうです。  プロの作家、編集者、その他すべてのプロの99%は、「3」以下のものを無意識のうちに「ないもの」として扱っています。  たとえばプロが「下手な描写」と口にしたとします。  そのときになにを示しているのかというと、それは「4」の描写のことです。プロの語彙には、3以下のものを指し示す正確な言葉が存在しません。  該当する言葉を、そもそも、持っていないんです。だから「描写じゃない」と言うしかないわけです。  描写ってのは、4以上のもののことです。  3以下のものを示す言葉は、存在しないのです。  では「4」はどんなものなのか?  僕は描写はヘタクソなほうで、プロの基準でいえば「4」か、せいぜいがんばって「5」が書けるぐらいの腕しかありませんが……。  「4」に相当する「下手な描写」というものを、書いてみます。 (4) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なにか神経に触る音が聞こえてきた。彼女は反射的に腕を振るった。固いものが腕にあたって、どこかに動いた。――が音はいっこうに消えていってくれなかった。  そのうち意識が鮮明になってくると、その音が目覚ましのベルであることに、彼女はようやく気がついた。 「あ」  ベッドから頭だけを出した彼女は、カメの格好で、床に落ちてヒビの入った目覚まし時計を見つめていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これが描写です。  「目を覚ましたばかり」→「寝ぼけている」――と解釈を進めたうえで、その「寝ぼけている状態」というのを、思いつくかぎり「生っぽく」描いてみました。  寝ぼけている状態にある人は、目覚ましの音を聞いても、それが目覚ましの音であるとわからない。目覚ましを落っことしてしまっても、それがわからない。  時間の経過とともに、だんだんと認識できるようになってきて、そして目覚ましをぶっ壊してしまったことに気づく。  寝ぼけている状態ってのはどういうものなのか、シチュエーションを作って、具体的に書いてみたわけですね。時計を壊しちゃったりして、できるだけ生っぽく。  これは「寝ぼけている状態」の描写なわけです。  ちなみに「4」では行数がだいぶ増えてしまっていますが、分量は本質とは関係ありません。僕の腕が足りないので、「生っぽさ」を出すのに行数を増やさなくてはならなかっただけです。腕のある人間なら、たった1行でも、これ以上に生っぽい「寝ぼけ感」が出せるはずです。  ということで、結んでみます。  「描写」と「そうでないもの」とを隔てている壁であり、本質的な違いというのは、「生っぽさの有無」です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7529 投稿日 2004年2月1日(日)17時59分 投稿者 津荒夕介 ○2号さんへ >真実を告げる強さとか  うーむ。うーむ。  なにを話し合っているのかが、わからない。  2号さんは、「真実を告げる強さ」をどんな物だと考えているのですか?  あと、どうすると手に入る物ですか?    それを教えてもらうと、どこへ行けばいいのかわかると思うんです。  よろしくおねがいします。バカですみません。 >>「真実を告げる強さ」では、津荒さんはいったいなにを主張したいのだろう     僕が主張したいのは、 「真実を告げる強さ」というのは「嘘が嫌い」という状態に含まれるのではないか?  ということです。  2号さんが最初に書いた、一行コンセプトに対する反論です。   >あらすじとか  指摘ありがとうございます。  文章が細切れで読みにくい、説明が欠落しまくっている、ということですね。  了解しました。   ○新木さんへ >返事のこと  指摘されたことに質問がない場合は、返事はなしでいい。態度で示そう。と思ってました。  が、それは自分勝手ですし、失礼でした。  相手のことを考えれば、返事は必要です。改善します。  また、返信が間に合わない場合には、「○番目までのレスです」と書くようにします。  ネットにつながっていないパソコンで、唸りながらレスを書いて、それをネットにつながっているパソコンに持っていって、投稿する。こんなスタイルをとっているので、こういう事態が起きてしまうのです。  話題が古かったりするのは、単に頭の回転が遅く、書くのが遅いからです。一日寝かすとか、そういうことはしていません。 >記号依存症とか 過去ログの調べかたとか  記号依存症はわかりました。  過去ログの調べかたは、まず過去ログ倉庫から過去ログをダウンロード。それを開いて。機能「このページの検索」にキーワードを入れて見つける。 >あらすじのこと  うーん。うーん。全然だめだなぁ……。  さぼるな! と指摘されましたが、(次からは自分の中から出した言葉で書きます)  さぼってるというか、あおりを見て「確かにそうだよな〜」と思った僕の読解力に問題がある。  沢山読んで書くことで、よくなればいいのですが。  小説は読んでます。でもあらすじは書いていない……。2号さんの指摘をふまえて、じゃんじゃん書きます。 >携帯や土曜が休みの感覚について >>これは自分にとっての「あたりまえ」が、他の人にとってはあたりまえでないという好例ね。 自分にとっての「あたりまえ」を、その「あたまりまえ」が「あたりまえ」でない人に説明する。  ちょっと保留させてください。パンクしそう……。(情けない……)  先にあらすじと、指摘課題の方を終わらせたいです。 >「普通」と言いきれるか  言いきれません。僕のミスです。  全国の統計とか、そういうのはサッパリ調べていません。  ですから言いきることはできません。 (だけど、深夜バイトを許すかどうか。なんて統計あるのだろうか……。調べればあるのかな……。高校生の深夜バイト率、とかで調べればいいのかな……) 「普通」と言いきる根拠。これも保留させてください。  うーん……どんどん変わっていく「高校生のあたりまえ」を正しく認識しつづける。なんて大変なんだ……。   >描写とか >>たとえば、「目を覚ましたばかりの人」てなものを、話の中に出したのだとします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1)  彼女は目を覚ました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2)  はっきりとしない意識で、彼女はまわりを見回した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (3)  彼女は重い頭を持ちあげた。枕元の時計をのろのろと手に取る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>このどれもが、説明です。  うわー……。僕は(3)を描写だと思ってました。(漠然と、です)  説明なのか……。  そうなんだ……。  7528を読みまして、「生っぽさの有無」が(4)への壁である。描写にはそれが最低限必要なのだ、ということはわかりました。(反論なんてあるわけない)  だからといってできるわけじゃないんですけど。でも、正しい描写について考えながら小説を読めるようになっただけでも、嬉しい。  「生っぽさ」か……。  うーむ。凄い。 レジュメ 12号さんへ  1真実を告げる強さについて  2あらすじとか 2新木さんへ  1返事のこと  2あらすじのこと  3記号依存症と、過去ログの調べかた  4携帯とか土曜とか  5「普通」と言いきれるか、その確信のこと  6描写のこと -------------------------------------------------------------------------------- 説明と描写との違いとは、生っぽさの有無である! (ズギュゥゥゥゥーーン) No.7530 投稿日 2004年2月1日(日)19時36分 投稿者 新木 伸  さっそくみやびさんから、物言いがついた。  結論のところで「生っぽさの有無」と言い切っているけども。  そう書くと誤読の余地が出るとのこと。  見直してみると、たしかにその通り。  生っぽさの「有無」と書いたら、生っぽさが「有るか無いか」が問題となってしまう。0かそうでないか。どんな微少でも生っぽさがあれば描写となってしまう。  ここは、正しく書くなら、「生っぽさが充分量に達しているか否か」となるべきところだった。  7528のなかで、1〜3と、4と、いくつかサンプルを出してきている。  そしてこんな論旨を展開しているわけね。 ・1〜3までと、4とは、同じ軸線上に存在している。同じ「モノサシ」で計れるもの――「生っぽさ」の量が違うだけ。 ・1〜3までのあいだにも違いがあるが、それは微々たるもの。4とのあいだにある大きな隔たりとは、比べものにならない。よってプロからは無視されてしまう。  具体的に、数値として出してみよう。たとえるなら――。  「1」は生っぽさ0。  「2」は生っぽさは0.1ぐらい。  「3」は生っぽさが0.2ぐらい。  「4」で生っぽさは1.0となる。  プロは1.0以上ないと、「描写」とは呼ばない。小数点以下は切り捨てされる。  そんな論旨ね。  さらに説明を描写とするための具体的な方法も書いてあった。――つもりだった。  この方法についても不充分だったので、さらに解説を加える。  生っぽさというのは、概念を具体的に考えて定義してゆく過程で発生する。  「目を覚ましたばかりの人」というものは、完全に概念的なので、生っぽさは0単位。完全にゼロ。  ここで「目覚めたばかり」という状態を考察して、「意識がはっきりしない」と具体的にしてゆくと、0.1単位の「生っぽさ」が発生する。  さらに「意識がはっきりしない」という状態はどういうものなのかを考えて、「頭が重たい」と「動作がのろのろしている」と具体的に考察してゆくと、さらに0.1単位の生っぽさが発生する。合計で0.2単位となる。  さらに「頭が重いということは〜」とか、「動作がのろいということは〜」とか、さらに考えていって、同じようにプロセスを重ねてゆくと、そのうちに1.0単位を突破する。  1.0単位以上の生っぽさを備えた文章は、描写といわれる。  しかしプロの文章で1.0単位しかないと、「もっと描写してください」と言われてしまう。  だから津荒あたりが、「3」あたりの文章を見て、「描写だと思った」というのは、あながち間違いでもない。  「3」の文章でも、0.2単位ぐらいの生っぽさは持っているから、アマチュア的には、充分に「描写」といえる。  そのぐらいのものであれば、津荒の書いた「夢見の少女」のなかにだって、ぽつりぽつりと見受けられる。  ただ、「プロの基準」=「商業水準」は、1.0単位以上であるわけだ。  ちなみに僕が「4」の描写を出すまでに辿った思考の道筋は、以下の通り。 1.目を覚ましたばかりというのは、どういうものか? →意識がはっきりしていない状態だ。(生っぽさ0.1単位獲得、累計0.1単位) 2.意識がはっきりしていないというのは、どういうものか? →判断力が欠けている状態だ。(生っぽさ累計0.2単位) 3.判断力が欠けているのというのは、どういうものか? →なにか音を聞いても、それがなんの音であるのかわからない状態だ。(累計0.3単位) 4.判断力が欠けているというのは、それだけか? →不注意に体を動かしてしまったりする。(累計0.4) 5.判断力が欠けているというのは、それだけか? →聴覚における識別能力の欠如と同様、体に触れたものが、なんなのかわからなかったりする。(累計0.5) 6.判断力が欠けているというのは、それだけか? →物事の因果関係の認識が乱れるということだ。おかしな認識をしたり、思いこみをしたりするということだ。(累計0.6) 7.目覚めで意識がはっきりしないというのは、それだけか? →意識が徐々に明晰になるという状態変化を伴うものだ。ずっと意識が混濁しているのは、目覚めの混濁とは違うものだ。(累計0.7) 8.目を覚ましたばかりというのは、それだけか? →大きく動こうとしないものだ。体温を維持してくれる寝具などから、出ようとしないことだ。(累計0.8)  ――と、全思考プロセスを開示すると、こんなもの。  あ、いけね。  生っぽさ0.8単位しか、なかった……。(笑)  ちなみにどの部分の思考が、どの部分の文章に反映されているのかというと――。 3→ なにか神経に触る音が聞こえてきた。 4→ 彼女は反射的に腕を振るった。 5→ 固いものが腕にあたって、どこかに動いた。 6→ ――が音はいっこうに消えていってくれなかった。(腕が当たれば音が消えるはずというおかしな思いこみがある) 7→ そのうち意識が鮮明になってくると、その音が目覚ましのベルであることに、彼女はようやく気がついた。 8→ ベッドから頭だけを出した彼女は、カメの格好で、床に落ちてヒビの入った目覚まし時計を見つめていた。  見ればわかることだけど――。  「1」やら「2」やらの最初のうちの思考は、本文には一切書いていません。  アマチュアはこの「1」とか「2」とかの部分で思考をやめてしまう。  さらに、その「1」だの「2」だのの思考を、直接本文に書いてしまう。だから「論外」という判を押されてしまうのだ。  プロは考えても捨ててるんだよ、そんなところは。  それにプロはそんなところでは思考をやめない。3までも、4までも、5までも、6までも、7までも、8までも、考える。  そして「1」と「2」は書きもしないで、3から8までだけを書く。  そりゃ、たしかに「1」だって「2」だって、生っぽさは0ではないし。  0.1や0.2程度とはいえ、「生っぽさ」はたしかに備えてはいるのだけど……。  でもそれじゃ全然ダメなんだよ。  小説を読んでいる読者は――舌が肥えてるわけ。  特にライトノベル読者は「描写」に関しては、もう特別に、舌が肥えている。  大人向け小説で、人生についてなにがしかが書かれている堅い小説で、戦闘シーンとかがあったりするかい? ヒロインの美少女っぷりについての記述があったりするかい? 異形の魔物の怖ろしげな様相なんかは?  小説のジャンルによっては、描写力を真に要求されるべきシチュエーションが、ほとんど存在しなかったりする。だから生っぽさの最大出力が0.5でも、なんとかなってしまう。  エンターテイメント分野は、生っぽさを重視するものなんだな。  ライトノベルっていうのは、小説における、エンターテイメント分野の最先端なわけだ。要求される水準は、おのずと違ってくる。  大人向けの一般小説では、生っぽさは0.5単位も出せれば充分だったりする。  だが青少年向きのライトノベルでは、生っぽさは少なくとも1.0単位は越えていないと、二次あたりでハネられて、それで終わりだ。  0.5というのは、大人向けの一般小説では「プロの腕前」の描写力であるわけね。しかしライトノベルでは「水準以下」と片づけられて終わりだ。修行し直して、来年また送ってきてくださいねー、てなもんだ。  まあ一次で落ちてるようなやつの原稿なんぞは、どれを見たところで、0.2ぐらいが関の山。  すくなくとも僕は、一次落ちの作品で、0.2を越えるものは見たことがない。 -------------------------------------------------------------------------------- 石橋を叩いて渡る No.7531 投稿日 2004年2月2日(月)02時55分 投稿者 弟切 千隼 >「優しい嘘」の幻想と現実  No.7522の書きこみで、弟切が2号さんに出したヒントは、以下のとおりですね。 >> 「優しい嘘」のヒロイン明日美は、英才教育を受けた天才少女で、実際に仕事ができる人、とするのですよね。そういう人なればこそ、できない−やらない−ことがあります。 >> 今の「優しい嘘」の中には、有能な探偵なら決してやらないことが含まれています。それが穴です。  これを書いた意図は、新木さんがNo.7525の書きこみで示唆されたとおりです。もはや使えない明日美のエピソードを、2号さんがそのまま流用してしまうことを防ぐためです。  弟切はテレパシーを使えません(笑)  したがって、2号さんが何をどう考えているのか、ここに書いてくれない限りわかりません。ただ、「常識」的なことなら、ある程度推察できます。  しかし、弟切は、自分の持っている「常識」が当てにならないことを自覚しています。「このくらいのことなら、2号さんはわかっているだろう」という考えが、弟切の勝手な思い込みでないという保証はありません。  何しろ、弟切もエウレカ病患者ですから(^^;  2号さんが突っ走ってしまう前に、立ち止まって考えられるように、穴があることを指摘してみました。 >こたつ  またもや弟切は不注意でした。世の中には、こたつを置いていない家もたくさんありますよね。  弟切は、決してこたつがない家に住む人を見下したつもりはありません。けれども、No.7522の書きこみでそう感じさせてしまったなら、弟切の誤りです。申し訳ありませんでした。  以下に、「人はなぜこたつを家に置くか/置かないか」を考察してみました。  こたつは暖房器具です。暖房以外のことに使っている人も、中にはいるかも知れません。が、基本的には暖房器具です。  よって、暖房が要らないほど暖かいところに住んでいる人は、こたつを置く必要がありません。  ある地方の気候を暖かいと感じるかどうかは、主観によります。  かつて、神奈川県に住んでいた弟切の知人は、真冬でも「暑くて長袖の服なんぞ着ちゃおれん」と半袖を着ていました。むろん、この人の部屋には、こたつも含めて一切の暖房器具が存在しませんでした。神奈川県でも、冬の気温は5℃を下回ることがよくありますのに。  かと思えば、沖縄県に住むある人は、「私は気温が20℃になると、寒くてこたつを出す」と言っていました。  暖房が必要な寒い土地−と、一般的に思われるところ−で、こたつを暖房に使っていない人々に訊いてみました。「なぜ、暖房にこたつを使わないの?」と。  返ってきた答えは、以下のとおりです。上から多かった順に並べてあります。ただし、複数回答ありです。 1)こたつに入ると、気持ち良さのあまりそこから動けなくなるから。仕事ができなくなって困る。 2)出したりしまったりするのが面倒くさいから。 3)部屋が狭くなるから。 4)麻雀をやりたくなるから。こたつの上の卓を引っくり返せば、麻雀台になる。遊んでしまって仕事ができなくなり、困る。 5)こたつが置けるような畳の部屋がないから。 6)脚だけ暖まって上半身が寒いのが気に入らないから。  意外に、「部屋が狭くなるから」という答えは少なかったですね。もっとも、これはあくまで弟切の周辺での話です。きちんと統計を取れば、上の順番は変わる可能性があります。  「出したりしまったりするのが面倒くさいから」という答えは、弟切にとって不思議でした。ストーブやファンヒーターだって、出したりしまったりするのは面倒くさいものです。  なぜ面倒くさいのかと重ねて訊いたところ、「こたつ布団の上げ下ろしが面倒くさく感じられる。布団の手入れもしなければならないのが面倒くさい」とのことでした。  こたつを暖房に使っている人々にも訊いてみました。「なぜ、暖房器具にこたつを使っているの?」と。  答えは以下のとおりです。多い順に並べてあります。こちらも複数回答ありです。 1)脚が暖まって気持ちいいから。 2)こたつは夏でもちゃぶ台として使えるから。その他の暖房器具は夏に邪魔になる。 3)灯油を入れるなどという面倒くさいことをしなくても、スイッチを入れればすぐ暖まるから。 4)日本人なら畳の部屋にこたつ、と決まっているから。こたつのない冬なんて考えられない。 5)寝る空間が確保できるから。こたつがないと部屋に物が溢れて、寝る場所がなくなる。こたつがあれば、最低その分は空間が空くから、こたつで寝れる。 6)麻雀ができるから。こたつの上の卓を引っくり返せば、麻雀台になる。  上記の2と5の答えを返した人は、部屋が狭いと言っている人に多かったです。限られた部屋の空間を有効に使うために、こたつを活用している人も多いようです。  上記の2と3に関しては、エアコンがあれば解決する問題ですよね。弟切は、「なぜエアコンではだめなのか?」と重ねて訊いてみました。すると、以下の答えが返ってきました。複数回答ありです。 (1)エアコンは頭ばかり暑くなって、足もとが寒いからいやだ。 (2)エアコンはやたら空気が乾燥するからいやだ。 (3)エアコンは電気代がかかるからいやだ。こたつは狭い空間を暖めるだけだからエネルギーが少なくて済む。エアコンは部屋全体を暖めることになるから、エネルギーがたくさん必要で、結果として電気代が高くなる。 (4)エアコンの環境に慣れてしまうと、体が暑さ寒さに適応できなくなるからいやだ。  暖房器具に何を用いるかという問題は、部屋の広さや家の構造などの、物理的な要因に左右されることが多いです。費用がどのくらいかかるかという経済的な要因にも、大いに左右されます。  けれども、物理的な要因や経済的な要因と同じくらい、使う人の好みという要因が影響しますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 報告だけです。 No.7532 投稿日 2004年2月3日(火)01時10分 投稿者 津荒 夕介  あらすじを上げました。  四冊目「勇者110番 あたしとあいつは最強ペア!?」 著:高城 響 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=766&e=res&lp=766&st=0  です。  よろしくおねがいします。 -------------------------------------------------------------------------------- 千里の道も一歩から No.7533 投稿日 2004年2月3日(火)01時14分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は雨降りでしたのに、花粉症の症状が出た弟切です。二月早々から杉花粉症だなんて、先が長くてがっくりしてしまいます(;_;) >描写練習  課題部屋に、「美人」の描写練習を上げておきました。No.767〜769です。  必要な情報をすべて含めて描写ができているかどうか、確認しやすいように、説明文と描写文と両方を書くことにしました。  今回は、描写文のほうが途中までとなっています。具体的には、実際に美人が登場する直前までです。  美人の描写ができるかどうか以前に、5W1Hがちゃんと伝えられるかどうか不安でしたので、まずは「美人に出遭う状況」の部分だけを書いてみました。  視点は、女子高校生の一人称にしてあります。 -------------------------------------------------------------------------------- こたつ No.7534 投稿日 2004年2月3日(火)03時06分 投稿者 名無し君2号  私のうちにもこたつがあります。その気持ちよさについつい眠りこけてしまいますが、汗まみれになるわ喉は乾ききって痛めるわ、そのせいか疲れはとれないわで、あんまりいいことはないと思います。  ちなみにこたつがない家があるというのは、けっこうなカルチャーショックでした。 >津荒さん >>うーむ。うーむ。 >>なにを話し合っているのかが、わからない。  前回いくつかの質問をしているはずなんですが。  まあ、こちらの書きかたが悪かったんでしょう。 >>2号さんは、「真実を告げる強さ」をどんな物だと考えているのですか?  真実に限らず、「強さ」というのは「困難を突破できること」だと思います。  津荒さんのいう「嘘が嫌い」――これは「嘘をつこうとすら思えない状態」だと推測しますが、その状態だと「困難」が生まれないから結果として「強さ」も生まれないと言いたいのです。  今回の「真実を告げる強さ」の場合、「嘘をつこうかどうかと迷う状態」を「困難」だとしました。そんな葛藤があるからこそ、それを振り切れることが「強さ」だと考えます。  津荒さんの「嘘が嫌い」だと、そもそも葛藤が生まれません。だって嘘をつこうとすら思わないのでしょう? 葛藤がないから、強くない。  ちなみに津荒さんはみっつの点で私に反論していました。 (1)外からなら葛藤がなくても強く見える。 (2)迷うことは葛藤じゃない。 (3)「真実を告げる強さ」は「嘘が嫌い」だからだ。  (1)については「それは強さじゃないです」と反論しましたが、津荒さんから返答はありません。  (2)は「迷うことは葛藤だ」と反論しています。  (3)については定義「こうなる」はありましたが、証明「こういう理由だから」がありませんでしたので、証明してくださいと返答しています。 >>あと、どうすると手に入る物ですか?  意志が強ければ手に入るんじゃないでしょうか。  最初から意志が強いのか、努力して意志を強くしたのか、覚悟を決めたから強くなったのか、その方法はさまざまだと思いますが。  今回の短編の場合は、「相手の気持ちになった」からですが。 >説明と描写の違い  私なりの現段階での結論は、「描写とは読者をその場にいる気持ちにさせること」で、それはどうすればできるかといえば、「あるがままに書く」だったりしますが、「生っぽさ」はそれをさらに押し進めた考えのように思えます。  「のように思えます」なんて煮え切らないのは、ハッキリと理解できていないため。  なんとなく意味がわかるような気はする。が、そういうときはわかってない。いままでの経験からして、自分は理解できていない。  そのうち理解できるのかもしれない。描写ができるようにならなきゃ理解はできないような気もする。どうなんだろうか。  以下、描写についての自己分析。  「目を覚ましたばかりの人」を描写しろといわれれば、たぶん(3)の「彼女は重い頭を持ちあげた。枕元の時計をのろのろと手に取る」より上は書けるような気はする。どこまで生っぽさを積み上げられるかはわからないけど。  ただ、短編なり長編なりのひとつの場面として、「目を覚ましたばかりの人」を書くとなれば、(3)までしか書けない。いや、もっと低いと思う。  描写すべきことがわかっていれば書ける。  でも描写すべきことがわかっていないと書けない。というか、なにを描写すべきなのかを判断することができない。  「眼鏡っ子、倉庫を行く」ではまがりなりにも描写らしきことをしていたのに、短編の「優しい嘘」冒頭ではまったくもって「ホテル街感」と「車内感」がなかったのは、たぶんそういうことなのだろうと自己分析する。  ぎこちなくも技を使えるようにはなった。  ――が、どこで使えばいいのかがわからない。いくらかめはめ波を使えるようになったって、実際に使わなければ、そんなもの無いのとおなじことだ。……かめはめ波がなんなのか、もうわからない人もいるんだろうな。必殺技のことです。  どうすれば「描写」という技を使えるようになるのか。  実戦で使うしかないと思う。  描写課題で描写の能力はいくらか上達するかもしれない。でも描写の使いどころは上達しない。  バットの素振りをしているようなもんだと思う。スイングは鋭くなれど、それだけじゃ球を打てるようにはならない。バットを鋭く振れることと、バットを球に当てるようになることとは違う――ような気がするけど、たとえにだせるほど野球がくわしいわけじゃなかったりもする。  掌編課題だと字数が限られているから、描写するのにちょっと辛かったりする。  じゃあ短編を書くしかない。  ――ということなので、 >>なんか昔、エロガキが性に目覚めるんだか、女の子が献身的に身を投げ出してくるのだか――なにかそんなような話を作ろうとしていた時期があるよね。 >>あれ、以前は形にするなんて、まるで不可能なことだったけど。 >>いまなら、案外と簡単に、形にすることができるんじゃないのか?  については、そのうちやることになると思います。でもどこまで作ってたんだっけ。どうせなら始めから考え直したほうがいいのかも。 >1000字課題  No.102「桜の枝」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=770&e=res&lp=550&st=0  俳優強化期間。ということで、優しい老人と元気な少年でやってみました。  レスには3時間。それでは。次回は貰われっ子ミーツ四姉妹をやる予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7535 投稿日 2004年2月3日(火)09時24分 投稿者 新木 伸 >コタツとか  うちはコタツは出しているけど、コタツとしては使えていない。  単なる「ちゃぶ台」として使っている。  コタツの4つの面のうち、3方向が本棚やら衣類棚やらなんやらで埋まっているので、使えているのは1面のみ。その狭いところに二人で仲良く並んで、ごはんを食べている。  奥さんは頑張って収納を工夫してくれているのだが、部屋の体積(面積にあらず)に比べて、物の量が多すぎる。一定体積に詰め込める物体の理論値上限まで来ているので、いたしかたない。  なぜコタツとして使わないのかというと、布団を付けたり外したりするのに、周囲の棚をすべて移動させなきゃならなくなるためと、コタツとして使っても、一人しか入れないため。  「我が家のあたりまえ」を描くと、ネタになるわな。  あんまり書くと怒られてしまうので、「一組の布団(シングル)でどうやって二人が寝ているのかっ!」という、とっておきのネタのほうは公開しないでおこう。  そういえば、コンシューマーゲーム開発現場の「あたりまえ」とかも、ただ普通に書いてゆくだけでネタになるわな。――なあ、紫?  机の下に段ボール敷いて寝てるとか、寝袋が常備されてるとか。  関係ないけど。  寝るのなら――。コタツは点けずに、その下にホットカーペットを敷いて、カーペットだけを熱源にして寝るといいぞ。コタツは消したままで、コタツ布団だけかぶるのね。これだとほどよい暖かさで、汗もかかない。 ○2号 >強さとか  よくわからんけど。  津荒が言っているのは、「迷わないことが、強いということである」ということなのでは?  たぶん俺やら、あと2号でさえも、津荒から見れば強く見えているはずだよ。  なにか言うときに、迷っているようには見えない。  とくに小説のことでは、言い切りの形となる。  さて、俺や2号は、強いのだろうか。本当に迷いがないのだろうか。  物の見方が二元的で、白なのか黒なのか、はっきり付けようとしてしまう。  そういう子供っぽい思考が働いているのだと、仮定してみろ。津荒は18歳なんだろ。自分が18歳のときには、どんな思考をしていたんだ?  もしくは自分が分室にやってきたばかりの頃には、どんな思考をしていたんだ?  自分が16歳ぐらいの頃を思い返すと、こんなふうな思考になっていたわな。  「オトナは悪い」――。  もしくはその逆に突っ走って、「オトナは絶対に正しい。間違っているのは自分だ」。  もしくは、そこからちょっぴり進歩して、「オトナは正しくなければならないはずなのに、このオトナは正しくない。だからこのオトナはいけない」――あたりだったか。  いいのか、悪いのか。  正しいか、間違っているか、あらゆることを二通りで解釈しようとする。  嘘が嫌いだけど、嘘をつく――なんていう「灰色」の状態は、あり得ない。  弱いからこそ強く見える――なんていう「灰色」の状態は、わけわかんない。  そういった認識が、理解を阻んでいる原因なのだとしたら、どういうふうに話せば、伝わるのか?  喉笛を見極めろってーの。  これは小説を書くときに役立つ練習なんだから。 >描写について >>「目を覚ましたばかりの人」を描写しろといわれれば、たぶん(3)の「彼女は重い頭を持ちあげた。枕元の時計をのろのろと手に取る」より上は書けるような気はする。どこまで生っぽさを積み上げられるかはわからないけど。  アホったれ。  自分の書いたものの「生っぽさ」が測定できる「具体的方法」を、教えてやったろうが。  「気がする」なんて不確実な言いかたでなくて、数値でもって、確実に、「3より上」であるかどうかがわかる方法を教えてやったのだろ?  犬でもできるノウハウを考えてみたんだから、使えってーの。  こちとら測定なんぞしなくたって、どれだけの「生っぽさ」がその文章に含まれているのか、「勘で分かっちゃう」わけ。  しかもその勘は決して狂わないわけ。  わざわざ測定なんてしなくたって、いいわけ。  誤字は眺めただけで見つけられるし、灰色の文章も眺めただけで判別できるし、わざわざ理屈なんか通さなくたって、ぜんぶ分かっちゃうわけ。普通に書くだけで読めるものになってしまうわけ。  誤字発見法だとか。灰色の文章発見法だとか。文章客観視チェック法とか。ここで語られているすべてのノウハウは、普通にやっただけではうまくいかない者のためのものだろうが。  今回の「描写の生っぽさチェック法」も、そうした「プロの極意」を誰の手にも扱えるにした「ノウハウ」のひとつだろうが。  測定方法なんてものをわざわざ考案したのは、お前らのためだっつーの。  お前が使わなかったら、いったい誰が使うんだよ。  ある描写をしてみたとき――。  自分の思考を開示して、箇条書きに書き出してみろっての。  「○○とは△△ということだ」と、ひとつ具象化していったときに、0.1単位の「生っぽさ」が生じているわけだ。それらすべてを数え上げれば、何単位の生っぽさがあるのかがわかるだろ。  このときには、実際には文章として書かなかった「氷山の下」にある部分も、カウントしてよいわけだ。  俺の例でいうなら、(1)と(2)の部分の思考は文章としては書いてないが、カウントには含めてあるわけだ。 >描写すべきこと  書くべき対象を限定されれば「描写」ができるのに、実戦では役に立っていなかったということを、いちおう認識したわけだな?  お前はいま、人をぶった斬れるだけの技を確かに持っている。  なのに実戦では、まるで役立たずだ。  技は持っているのに、なんにもぶった斬ってこなかった。  ――で、解決策は、「実戦で技を使うこと」だって?  たわけが。アホ。  そんなんじゃ百回実戦に出たところで、直りゃしねーよ。  だいたい、もう実戦に出てきただろーが。  このあいだ書いてみた短編は、あれ、実戦じゃなかったのかよ?  でもビビって技を振るえなかったろーが。  いまお前は、「これ」をぶった斬れと言われれば、それができるわけ。それだけの技は持っているわけ。  「これ」というのは、今回のケースでは、「倉庫感」とか「眼鏡っ娘」とかいうものね。  なのに実戦じゃ、技が振るえない。――なぜか?  「なに」をぶった斬ればいいのか、指し示してくれる人が、戦場にはいないからだ。  おまえは目標を自分で定めることができないのだ。  「あれ」を斬ればいいのか、「これ」を斬ればいいのか、それとも「あっち」を斬ればいいのか、わからないまま、戦場でウロチョロするばかり。そして戦果のひとつも上げずに、手ぶらで帰ってくる。  そのカリフォルニウム核弾頭を、どれでもいいから宇宙怪獣にぶち込んでこいっての。手ぶらで弾頭を抱えたまま、帰還してくるなってーの。(by「トップをねらえ!」)  まあ味方を敵と間違えてぶった斬ったり、誤射して弾頭を撃ち込んだりしてしまうよか、手ぶらで帰ってきたほうが、まだなんぼかマシなのかもしれないが……。  迷わないやつは、まず「車内感」をぶった斬り、返す刀で「美少女感」をぶった斬り、三撃目には「ラブホ街感」をぶった斬って、刀を鞘に収める音とともに、六つの肉塊が同時に地面に落ちたりするものなんだよ。  お前がなにひとつ斬らなかった冒頭のワンシーンのなかでさえ、軽く三体ぐらい、ぶった斬っているものなんだよ。  関係ないが。  いやー、たけしの「座頭市」は、迷わなかったなー。  自分の敵をぶった斬るに際し、観客として、「おい!? いいのかよ!?」と突っ込みを入れたくなるぐらい、迷わなかったなー。でも彼が何かをぶった斬ったなら、それはやっぱり敵だったりする。 >描写すべきこと、その2  この「なにをぶった斬ればいいのか」の話だが。  もうすこし後にする。いまの話が胸に落ちてから。  ――ていうか、自分で考察して、見せてみろ。  どうやれば「ぶった斬るべきもの」と「そうでないもの」との見分けが付けられるようになるのだ?  「描写すべきもの」と「描写してはいけないもの」との見分けかた、という意味だが。 >「貰われっ子ミーツ四姉妹」  ふと思ったんだけど、「四姉妹」って、敷居高すぎかね?  「三姉妹」あたりが妥当なのか。それとも「二姉妹」でさえ、ギリギリだったりするのか。  まあ、いいや。「四姉妹」でいっぺんやってみそ。  ダメなようなら、「三姉妹」「二姉妹」「一人っ子の女の子」と、段階的に難易度を落としてゆくから。  しかし最低でも、「二姉妹+男の子」「合計三人の人物」ぐらいは扱えないと、まともな小説は書けっこないからな。  それが出来なきゃ、おまえ、小説書くのやめろ。――な。  どうせ無理だから。  なので死ぬ気でやれ。  できなきゃ死ね。  ちなみに「新人賞の獲り方おしえます」だと、基準として上がっている書きわけ能力は「七姉妹」となっているな。あ、いや、「女子大生7人」だっけか。年齢が同じなだけ、さらに難易度が高いわな。  先生それは無理ってものです。現役プロ作家だって泣きが入ります。てか、大抵のプロはそんなことできません。俺できるけど。でも演舞でならともかく、実戦じゃやらんけど。あ、やってるか。いま書いている星くずのシーン、ブリッジに同年代の娘っこが、7人だか8人だか詰め込まれているなぁ。 >あれは実戦だったのか  話の展開上、このあいだの書き初め短編課題を「実戦」といってはいるが。  あれは本当の意味での実戦じゃないのね。単なる実戦形式の練習。斬るべき目標物がはっきりしていない――という混然さを備えた「乱戦」であり、実戦を想定した訓練にはなっているものの……。  実戦そのものではない。  本物の実戦との大きな違いは、下手を打っても、作家生命が終わらないこと。  あの作品がつまらなくても、ダメな出来でも、2号はべつになにも困らない。  次を書かせてもらえなくなったり、しない。  首をハネられたり、しない。  それを「実戦」と呼ぶのは、あまりにもヌルすぎる。  プロの作家っていうのは、初刷りを売り切ることができず、増刷もかからない作品を何冊か続けて出したら、確実に、息の根が止まるんだよ。商業の場では、もう書かせてもらえなくなるわけ。(すくなくとも同じペンネームでは)  本屋で、本を手にとって、奥付を見てみろ。そこに「版数」てのが明記されている。  生き延びている作家の本は、すべて重版がかかっているだろう。――そのはずだ。  どの本を見ても重版のかかっていない作家は、消えている。――そのはずだ。 >実戦に出ること  ――で、お前のいうところの「実戦」ってのは、慣れ親しんだ1000字課題をやることではなくて、短編に挑戦することなわけね。  俺のいう「実戦」ってのは、「書いた小説で金をもらうこと」ね。  用語の統一をしたうえで、俺の言うほうの「実戦」に出ることが、役に立つかどうかの話をする。  実戦に出れば、直るのか?  実際、直る。役に立つ。  「なにをぶった斬ればいいのかわかんない病」なんてもんは、実戦に出て、人一人ぶった斬ってくれば、雲散霧消する。  道場で真面目に5年修行して、なお辿り着けないほどの境地に、「素人の人斬り」は、すでに到達している。  迷いのなさ、目標設定の精確さ、そういったものに関して、道場の有段者と「素人の人斬り」とは、まず同等だ。  人斬りは急所を心得ている。どこをどうドスで突いて、どうえぐれば、人は死ぬのか、知っている。だからはじめから、そこだけを狙いにいく。  それなりに技は使えても、どこを狙えば人が死ぬのかわかっていない初段未満の「上級者」なんてのは、剣を振り上げたままオロオロしているばかりで、役に立たない。そもそも人を殺す覚悟もない。  初段ぐらいになれば、まあ、実際の経験はないにしても、どうすれば人が死ぬかはなんとなくわかってくるし、厳しい練習のなかでいざとなれば人を殺す覚悟ぐらいはできている。――そうしてようやく、「素人」の人斬りと対等。  ――で、実戦に出ることは役に立つという話なわけだけど。  そんな話をしていても、あまり現実的じゃないわな。  いったい誰が、お前に「実戦参加」の機会を与えてくれるわけ?  本物の客の前に立たせてくれて、しかも金まで与えてくれる――という、お前にばかり都合の良いチャンスを、どうすれば得られるわけ?  この場合、どこの馬の骨ともわからんやつを起用するリスクは、一方的に相手が引っかぶってくれているよな。  そいつが失敗したら、どうするのよ? 売れない作品を世に出した経済的損失は、誰が埋めるのだ? つまんない作品を世に出したことで失った社会的信用は、いったい誰が補填してくれるの?  誰がお前にチャンスをくれるのだ?  オモチャのではなく、本物の「ドス」を与えて、「行ってこい」と背中を蹴り出してくれるのだ? 雑誌掲載にせよ、単行本化にせよ、実戦の場で「タマ獲ってくるチャンス」を、誰が与えてくれる? >エロガキが性に目覚める話  スタートするっていうなら、そう申告しろ。  7日間のタイマーをスタートさせて、カウント開始してやるから。  締め切りごっこ、実戦ごっこ――の雰囲気作りの手伝いぐらいはしてやるから。 >770 1000字課題、2/1分、No.102「桜の枝」(2000文字)  シーンが動き出すまでの描写の部分――。台詞が出るまえの部分ってことね。  カメラワークって言葉の意味、わかってんのか?  カメラの映しているものに、連続性がないんだよ。そのせいで読めやしない。 >>暖かな日が降りそそぐ、神社の境内。立ち並ぶ桜はその花をだいぶ散らせて、節く れだった枝木をさらしていた。わずかに残った花びらが風にのって舞い、本殿へとつ づく石畳に落ちてゆく。  まず境内をロングショット(遠景)で映すわな。そして桜の木にカメラが移るわな。枝木の細部が見えるぐらいまで、クローズアップにしてゆくわな。花びらが枝から離れて、石畳に落ちるわな。それをカメラは追いかけてゆくわな。  ここまでは、カメラが映してゆくものの流れがあって、連続している。  だがその先がいけない。 >>チチチ……とスズメの声にまじって、威勢のいいかけ声が聞こえてきた。  いきなりスズメに飛ぶのかよ。  花びらはどーした? 俺、花びらが気になってしかたねーんだけど。 >>境内の隅にある小さな社の前で、少年がえい、えい、と声をあげながら木刀を振っ ている。そのひたいには汗が浮かんでいた。木刀を振り上げ、かけ声とともに振り降 ろすたびに、風切り音が生まれる。  いきなり少年に飛ぶのかよ。  スズメはどーしたよ? 俺、スズメが気になってしかたねーんだけど。 >>そんな少年を老人が見つめていた。社の古びた階段に腰かけ、にこにこと笑いなが ら、手に持った桜の枝を自分の手のひらにぺちぺちと当てている。  ここだけは、すこし連続性を持っている。  いきなり出てきた3つ目の「新要素」である老人は、「少年を見守っている」という関係によって、少年と結びつけられているわけね。  あいかわらず、俺っちは「少年」が気になってしかたがねーんだけど、老人は少年となにか関係があるようなので、まあ、読んでやってもいい。  しかし、いいか?  俺は本来は、「花びら」が気になっていたわけだよ。  それを置き去りにして、「スズメ」を持ち出してきた瞬間に、本来であれば、この小説は投げ捨てられていたわけだ。  いま「俺様」が何を気にしているのか、なにを読みたがっているのか――。  そんなこともわからない、気を回そーともしない、そんな気のきかねーアホの書いた小説なんて、どうせ、ひとりよがりで独善にまみれているに決まっているのだ。  だから、その先なんて、読むまでもないわけ。  まあ、ここは「少年」から「老人」にきちんと繋げることに成功しているので、読んでやるとする。  だが――。  カメラの映しているもので混乱してしまった。  「そんな少年を老人が見つめていた」というこのアングルは、いったいどういったものなのだ?  木刀を振っている少年と、それを眺める老人とを、同時に収めたフレームなわけ?  ちょっと想像しがたいんだけど。  書き出しに続く後ろの部分で書いてあることは、老人のクローズアップだわな。「にこにこと笑いながら」とか「杖をぺちぺちと〜」とか。  ここでは、きちんと、カメラは老人だけを収めている。  なのに、なぜ――書き出し部分だけは「少年」まで一緒に映り込んでいるのだ?  どういうアングルで写せば、少年と老人と、両方一緒に映せるわけ?  ここも本来なら、前の3個の「新要素登場」の部分と同じように、ぽんと、少年から老人に飛んじゃっていたはずなんだよ。  だが少年から老人へ、無理に繋げようとするあまり、現実にはあり得ない「四次元アングル」から無理矢理に写してしまってるんだよ。  おまえはそこをズルして、現実には実現不可能な「四次元アングル」でごまかすことで、少年と老人とを両方一緒に登場させてしまっている。  「境内」→「桜の木」→「花びら」→「スズメ」→「少年の声」→「木刀を振る姿」→「見守る老人」  ――と、連続性を持たせて描写してゆくには、どうするのか。  四次元アングルを使う――なんて突飛なズルをしないで、カメラワークだけでやるには、どうするのか。  点から点に飛び移るような、乱暴極まりない描写ではなくて、流れるように連続させてゆくためには、どうすればいいのか。  ちなみに、「カメラワーク」の「ワーク」の部分は、連続性を持たせて流れるように視点移動するための技術のことを指している。  連続性のないシーンを次々映す手法は「ザッピング」というのだが、そんなもん、「カメラワーク」の基礎が出来てるやつがチャレンジすることだ。  連続性を「消している」のであって、「消えちゃっている」のではない。分室でよく話題に出る、「壊している」のと「壊れている」との違いだ。  お前のこれは、連続性がないだけであって、意図的になくしているわけではない。  上記のキーワードに連続性を与えたものを見せてみろ。  考えて、答えを出して、さらにその答えを本文に反映させて、リライトしてきやがれ。  きちんと身につけられたのかどうか、俺に示せ。  身につけられたかどうか、その確認ぐらいのことはしてやる。 (ここはリライトしてやろうかと思ったけど、最近サービス過剰気味だし、リライトの分析をしただけで「わかったつもり」になって、ぜんぜん身につけてようとしてねーから、しばらくリライトは控えることにする) >津荒 >>「あたしとあいつは最強ペア」  しかしまあ、ずいぶんと古い作品を出してくるなぁ。  これ、1997年のものじゃん。当時の津荒って、11歳じゃん。  ちなみに、よくわからんのだけど。  あらすじがハチャメチャなだけなのか、実際の作品の筋もハチャメチャなのか。  ぶっちゃけ、おもしろそうに思えないだけど。  なんか一発ネタを披露されているだけにしか見えん。  まず確認するのだが――。  もちろん、津荒自身が読んで「おもしろい」と思った話なのだよね?  ひょっとして、小学生の頃に読んで、「おもしろい!」と思った本なので、いま読み直してみて、写し取りに使ってみたりしたのかな?  つまんない話の筋なんて写し取ってみたところで、なんの実にもなりゃしないし、苦痛なだけだろ。  どうせやるなら、おもしろい話の筋を写し取ろうとするだろう。  おそらくは津荒も、この「あらすじ写し取り」の題材として選んでいる本は、自分がおもしろいと思った本だと思うのだけど――。  ――が、俺があらすじを読んでも、ぜんぜん面白いと思えない。むしろ「危険なかおり」がぷんぷんしてくるのだが。  ひとことで言うなら、それ、どんな話なわけ?  次回からは、800字版のほかに、60〜80字程度で、一行で収まるあらすじも書いてくるのこと。  ちなみにgoogleで「あたしとあいつは最強ペア」でざっと検索かけてみたら、こんな一行コメントが引っかかった。これもちょうど60字だね。 >>元気で食いしん坊な女の子と、真面目で朴訥な料理人の少年が、おいしい料理を作れるマジックアイテムを探しに旅を出る話です。  なるほど。  これなら、おもしろそうだ。 >津荒  ――で。  あらすじ10本あげたら、違うことはじめるんだから。(あらすじ書きは続行するけど)  とっとと10本あげてこいよー。  学生で休み中なんだから、時間あるだろ?  1日に2本書いても、3本書いても、何本書いたっていいんだぞー。  それともこうして2〜3日おきに一本やるのが、精一杯なのかな? ひーひー言いながら、頑張って、ようやく2〜3日に一本ずつやれているわけ?  ほんと、体力ねーなー。(思考の体力のほうね)  若いのにだらしねーなー。  26歳で、引きこもりで、働いてもいない半病人の男でさえ、もうちょっと体力があるらしいぞ。  そいつに津荒と同じ課題を与えたら、きっと5〜6倍はこなしてくるぞ。  一冊、読んで、あらすじを800字で書き出してくるだけのことだろ? 1000字の読める出来の掌編を毎日書いてこいとか、そんな大変なことを言っているわけでもなし。  いまの津荒にとっては、毎日書きこみすることと、毎日一本あらすじを書き写してくるぐらいでも負荷になる――と、俺は言ったことがある。でも――。  「2〜3日に一本でも充分な負荷となる」なんて、言った覚えはないんだがなぁ。  おまえ、分室に遊びに来ているわけではないのだろ? 体験入学しにきているわけでもないんだろ?  修行に来ているんだと、言ったよな?  言ったかな? 言ったっけ……? どうだったっけ?  まあいいや。いまもういちど訊いておこう。  修行に来ているんだよな? 遊びに来ているのでも、体験入学しに来ているのでも、ないんだよな?  まあ、いままでは遊びに来ていたつもりでも、べつにいいや。  だいたい初めての人には、体験入学期間を定めてあるから。俺が敬語で話しかけているうちが、体験入学期間だから。なにをしでかしても、にこにこ笑顔で応対しているうちが、体験入学期間だから。  でもそれ、もう終わったから。  体験入学しにきただけなら、無料体験期間は終わりとなったので、おうちに帰ること。  修行しにきているのなら、やること。  実際には津荒は、2〜3日に一本でも、ひーこら言っているのかもしれない。  俺はそこを誤解して、「サボっとる」と決めつけているだけなのかもしれない。  いくら俺が、津荒から「超人」に見えるプロ作家であるとはいえ、掲示板の向こうにいる津荒の状況まで、目に見えているわけではないから。  津荒がひーこら言いいつつ精一杯やっているのか、それとも鼻くそほじりながら適当にサボってるだけなのか、どっちなのかさえ、わからん程度だ。  もしかしたら津荒は、本当に病人以下の体力しか持たない虚弱体質なのかもしれない。  サボっているように見える――というのは、俺の誤解なのかもしれん。  だが君の体力に、世の中が合わせてくれるなんてことは、決してないんだぞ。  「病人以下の体力の人専用」の「新人賞」なんてものは、存在しないの。  病人だろうがなんだろうが、健常人と同じ賞に応募しなきゃならないの。  ないだろ? そんな賞?  それどころか、「兼業作家専用文庫」とか、そういうものもないだろ?  一日中小説のことだけをやっている専業作家も、サラリーマンで残業で毎日11時に家に帰り着くようなサラリーマン兼業作家も――。  手の早い人も遅い人も、男も女も、人生経験みっちり積んだ45歳のおっさんも、35歳の中年男も、大学出たての22歳の若造も、17歳の少年も、すべて同じ土俵で競わされるのが、プロの現場ってもんだろ?  プロスポーツならあたりまえの「体重による階級別」って区分けさえ、ないんだぞ。  いまの津荒に思考の体力があろうがなかろうが、プロを目指すのであったら、実戦の場で生き延び続けているタフガイたちと、同じことができるようにならないといけないの。  幸い、思考の体力っていうものは、養っていけるものだ。  毎日オーバーヒートするまで考え抜いてゆくことで、すこしずつ、限界点は上がってゆくものだ。  いまなにをやらされているのか。それはなんのためなのか。どんな効果があるのか。  ――考えろっての。  誰のために、誰がやっている修行なんだよ?  おまえのために、おまえがやっているものだろうが。お前自身の夢の実現のために、お前が垂らしている汗水だろうが。  ぶっちゃけて言えば、俺はお前が作家になろうが、なるまいが、どーだっていいんだよ。  「ああまた根性なしのアマチュア希望者が、ひとり脱落していったか」と思って、次の入門希望者をしごきにかかればいいだけのことだ。プロ志望者の屍がまたひとつ増えただけのことだ。  この分室に、かつて参加していて、もういまでは小説を書かなくなってしまった奴が、いったい何人いるのか、数えてみたことがあるか? ないか? ないよな?  ないんだよ、俺も。  ここに誰がいたかなんて、覚えてもいない。  「津」のつくやつが、たしかいたっけかな〜と、そんなふうに名前もろくに覚えていないやつが、ひとり増えるだけのことだ。  でもお前はそれでは困るんだろ? プロになりたいんだろ? -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7536 投稿日 2004年2月3日(火)09時55分 投稿者 新木 伸 >2号 >770 1000字課題、2/1分、No.102「桜の枝」(2000文字)  ああ、中身のほうについて、なんにも触れてなかった。  やっぱり「なにをぶった斬ればいいのか」、自分ではまったくわかってないんだなぁ。  しかたないから、俺が「斬るべきもの」を指さしてやることにする。  この話では、剣術を教わりたい少年が素振りをしていて、剣術の達人である老人が「なっとらん」と言って、剣を振るというのはどういうことか、実地に教えてやることになるわけだな。  んで、作中では、「剣を振るというのはどういうことか」がエピソードを通して描写されることになる。  で、どんなものが書かれているのかというと――。  剣を振るということは、相手が「斬られた」と錯覚すること。――そう書いてある。  だがそこまでか。  生々しさ、たったの0.1単位じゃんか。  そこで思考が止まっているんじゃ、具象化はたったの一段階しかやってない。  構えに入った老人からすさまじい気が放出されるとか。  老人の持ってる枝が、花びらがふっ飛ぶほどの速度で振り抜かれるとか。  ――そんな方面は、ぶった斬らなくたって、いいものなんだよ。そこをえぐってみたところで、人は死なないの。それ急所じゃないの。  そんなとこいくら斬りつけてみたところで、人は納得しないわけ。  だって俺、なんの気も放射していない老人が、花びらを付けたままのゆっくりした速度で枝を振るうという展開でも、「斬られるというのはどういうことか」を表現しきれるもん。  もしリライトしていたら、そのあたりの記述は、すべて削除するだろうな。  急所だけを、一回、ざっくりと深く刺すだけでいいんだってば。  人を殺すのに、三度も凶器を振るう必要は、まったくない。 1.老人からすさまじい気の放射。→達人の殺気。 2.斬られた、と錯覚を覚える少年。 3.枝から花びらがすべて脱落。→速度の速さ。  ここでぶった斬る(描写する)べきところは、2番のところ。  「斬られたと錯覚するということは、どういうことか」――という方面。  見れば、1と3に関しては、けっこう深く描写してるんだよな。それぞれ、生々しさは0.3単位ぐらい獲得してるのかな?  しかし急所以外にあたった攻撃は、命にかかわるものじゃないから、カウントに含まれないわけ。いわばそれは「無駄な描写」なわけ。  2番のところ。  そこだけを斬ってみろ。全力で。そしたら人はあっけなく死ぬから。読者は納得するから。 -------------------------------------------------------------------------------- 福は内、鬼も内 No.7537 投稿日 2004年2月4日(水)00時11分 投稿者 弟切 千隼  今日は節分でしたね。節分といえば、豆まきの時の「福は内、鬼は外」という掛け声が有名です。  ところが、この掛け声には、地方や家系によってずいぶん差異があります。例えば、名字に「鬼」が付く家の場合は、「福は内、鬼も内」という掛け声になるといいます。  鬼頭[きとう]さんや鬼塚[おにづか]さんといった名字の方々は、今でも、皆このように声を上げているのでしょうか。 >描写練習  課題部屋に、「美人」の描写練習を上げておきました。No.771です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=771&e=res&lp=767&st=0  今回は、5W1Hと、「格好いい美人」と、両方を描写してみました。皆さんの御指摘をお待ちします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7538 投稿日 2004年2月4日(水)01時52分 投稿者 津荒 夕介 ○2号さんへ >真実を告げる強さとか  うおー。ようやくわかりました。2号さんの書きこみ7534を読んでわかりました。  なにがわかったのか、説明します。  僕と2号さんでは「真実を告げる強さ」の定義が違ったんです。というか僕が間違えていた。  僕は「真実を告げる強さ」の「強さ」という所を見て、強い>迷わない、という風に考えました。だから「真実を告げることを迷わない」人、葛藤しない人のことを指しているのだと思っていました。  正しい「真実を告げる強さ」というのは、真実を告げるか嘘をつこうか迷った時に、真実を告げることができる、その強さのこと。葛藤が前提だった。  「真実を告げる強さ」の定義が違ったということは、僕の主張は全て間違っていたということです。僕の浅慮が原因でした。2号さん、皆さん、申し訳ありませんでした。 ○新木さんへ >やるのが遅いこと  すいません。思考の体力、全然ないです。あと厳しさもないです。  やるのが遅かったのは、自分に甘いから。いろいろと事情があって時間が少なかったのは確かですが、その時間にやればよかった話。事情があったんだから今日は本を読むだけでいい、と自分を甘やかしていました。  あらすじ、一日一本はいけます。 >あらすじとか  「あたしとあいつは最強ペア」ずいぶん古い本だなぁ、ということで、そうです、昔買った本です。下宿するので自室を整理してまして、その途中で見つけました。  で、つまらん! とのこと……。  おもしろい場所を把握できていない、ということですね。了解しました。  五冊目「ダブルブリッド」著:中村恵里加 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=772&e=res&lp=757&st=0  一行あらすじをつけわすれました。こちらです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=773&e=res&lp=772&st=0  六冊目「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」」著:上遠野浩平  視点変化が頻繁で、上手く読み取れず、カンニング(読み直し)をしました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=774&e=res&lp=772&st=0  よろしくおねがいします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7539 投稿日 2004年2月4日(水)17時11分 投稿者 新木 伸 >津荒 >強さの話 >>「真実を告げる強さ」の定義が違ったということは、僕の主張は全て間違っていたということです。僕の浅慮が原因でした。2号さん、皆さん、申し訳ありませんでした。  べつに無駄じゃなかろ。  2号だって、はじめは自分でもよくわかっていなかったんだし。津荒に突っかかられて、説明しようとしてゆくあいだに、自分のなかで考えがまとまっていったわけだし。  有意義だと思うけど。 >2号 >>最初から意志が強いのか、努力して意志を強くしたのか、覚悟を決めたから強くなったのか、その方法はさまざまだと思いますが。 >>今回の短編の場合は、「相手の気持ちになった」からですが。  ――で、津荒に手伝ってもらって、考えがまとまったわけね。  俺も手伝って、まとめてやるか。 1.あの短編のなかで、主人公は強くなったのである。 2.主人公が手に入れた強さとは、「真実を告げる強さ」である。 3.主人公は話の初期状態(過去話のレギュラー選考)において、真実を告げる強さを持っていなかった。だが話の終了状態では持つようになった。その変化分が今回の物語。 4.真実を告げる強さとは、たとえ不利益があったとしても、本当のことを言えることである。  ――で、この4番について質問なのだけど。  ここでいう「不利益」っていうのは、いったい、どっちの側の不利益のことだ?  過去話の選考会のときには、真実を告げると不利益が生じたのは、主人公側だけだったよな?  その不利益とは、具体的には、「友人を失う怖れ」とか、「優越感を感じる機会を失う」とかいうものだった。すげぇ利己的なものだけど、まあ不利益っていえば不利益だ。  このとき主人公は、真実を告げることで、友人側にも不利益が生じると思いこんでいた。自分の利己的な動機を押し隠すための免罪符として、「相手にもあるはずの不利益」を利用していた。  主人公は「あいつだってレギュラーの座を欲しがっている」と思いこんでいたわけだ。しかしこれが間違いであったことは、嘘がバレてぶん殴られたことで証明されている。  実際には、真実を告げたとしても、友人の側にはなんの不利益もなかったわけだ。  ――「過去話」では、そういうことになっていた。  では「現在話」のほうでは、どうなっているのか?  まず友人の側に生じる不利益を考えてみよう。  真実を告げると、友人の家庭は崩壊してしまうかもしれない。  両親が離婚したりすれば、友人はどちらかの親に引き取られることになる。片親で不自由することになる。母親に引き取られたのであれば母子家庭となり、経済的に厳しくなって、大学への進学を諦めなくてはならなくなるかもしれない。父親に引き取られたのであれば、経済的には問題なくても、家事の面で大いに不便を被ることだろう。  まあ、実際に家庭がぶっ壊れるかどうかまでは、わからないところだが……。  すくなくとも家庭に不和が持ちこまれることになるし、「父親が浮気していた」と知って、友人が傷ついたりするだろう。  次に主人公側に生じる不利益を考えてみよう。  「後味の悪さ」――つまり罪悪感。それがずっとつきまとうことになる。「事実なんだからしかたねーじゃん」とか「だって仕事なんだし」とか、言いわけはいくらでも出せるだろうが、ぬぐい去れない罪悪感が残るはずだ。  それが自分の側に生じる不利益というもの。  ――で、「真実を告げる」ことで引き起こされるすべての結果を鑑みたうえで、主人公は、今回は真実を告げることを選択するわけだな?  この話のなかで得た「強さ」にもとづいて、今回は、あえて真実を告げるわけだな?  2号が言うには、真実を告げる「強さ」というのは、「相手の気持ちになる」ことで得られるのだという。  つまり主人公は、「友人の気持ちになって」考えてみた結果として、このまま表面を取り繕って家庭を続けさせてゆくよりも、ぶっ壊すなり、痛くするなりして、すっきりさせてしまったほうがいいと、そう判断したわけだな?  ――いいのか?  なにか重大なことを、ひとつ見落としていないか?  友人の「真の望み」がどんなものであるか、なぜ主人公は知っているのだ?  過去話の選考会のときには、「あいつだってレギュラーの座が欲しいはずだ」とエウレカしちゃって、間違えて、激怒させちゃって、ぶん殴られちゃったんだろ?  今回のほうの、「あいつだって嘘で真実を隠されるより、家庭がぶっ壊れるほうを選ぶはずだ」というそれが、主人公の独善的な決めつけであって、エウレカでないという保証は?  もしかしたら、友人は、「父親が浮気してたなんて、知りたくもなかったよう。お袋が泣くところなんて見たくなかったよう。なんでそっとしておいてくれなかったんだよう」と、恨んでくるかもしれないぞ?  さて――。  話を読んでないからわからないのだが。  肝心の決断をさせるときに、主人公に、きちんと考えさせているのか? 「あいつならどんなことを望むだろう?」――とかさ。  相手の気持ちになって考え抜かせて、そして結論を出させているわけ?  ここで重要なポイントが、2つある。 ・主人公は考え抜いて結論を出しているのか。――読者が納得する程度に、という意味で。 ・主人公の導き出した「友人の真の願い」が正しいという確証はあるのか。――読者が納得する程度に、という意味で。  友人なんて、ちょい役でしか出てきてないよな。  そいつがなにを考えているのか。どんな主義のやつなのか。読者に対して、充分に見せてあるのか? 「ああ、このキャラなら、たぶんそう考えるだろうね」と、読者は納得してくれるのか?  友人というキャラの行動原理や価値観といったものを、はっきりと、間違いの出ない形で、きちんと読者に伝えられているのか? >2回目の嘘とか  過去話で、主人公が失敗しちまった原因ってのは、嘘をついた「理由」にあったんだよな。  自分のための嘘だったので、失敗した。  優越感やら、友人を失うことへの怖れだとか。そういったものから逃げだそうとしてついた「嘘」だったので、失敗したわけだ。  今回は成功するらしい。というか、そもそも「嘘」はついていないんだよね。  浮気の事実を報告した。嘘を付かずに、そのまま伝えた。  そして成功した。  まあ主人公は、証拠品持って一度は逃亡するわけだけど。  前回と同様に「なにか」から逃げるために嘘をつこうとする。だが今回は踏みとどまって、嘘はやめにする。  だから成功する。  ここで、なにから逃げようとしていたのかが、いまひとつわからんのだが――。  上で書いてある「真実を告げることで自分が被る不利益」であるはずだ。  まあ「罪悪感」とか、そのあたりなんだろう。 (ここ、余力があったら、なぜ主人公は証拠を持って逃亡したのかを解説すること。プロット見てもあらすじ見ても、ちっとも書いてない。「発作的に」――じゃ、ねぇんだよ。そんな説明で納得できるか)  まあ論点は、そこじゃない。  なにか2号がいうには、「2回目の嘘」ってものがあるらしいんだけど……。  それって、どこにあるのだ? なにが2回目の嘘なわけ?  主人公、1回しか嘘ついてねーじゃん?  タイトルで「優しい嘘」とあるそれって、「2回目の嘘」のことだよね?  「優しい嘘」って、なんのこと? どれよ、どれ? >プロットの空白部分、決断の行方  主人公が下した決断がどっちだったのか、プロットを見ると書いてない。  「真実を伝えることを決める」とも、「嘘を伝えると決める」とも、どちらとも書いていない。  ただ「決断する」としか書いてない。  プロットの書きかたとして、これでは失格なんだけど。――まあ、それは置いておくとしよう。  真実を伝えるほうの「決断」を行ったわけだな。  プロット上では、次のシーンは友人と再会するシーンに飛んでいる。  「依頼主に報告をする」というシーンは、省略されている。  普通なら訊くまでもないことなのだが――。  なにしろ2号なので、ちゃんと考えてあるのか心配なので、訊いてみるわけだが――。  この依頼主に報告するシーンがどうなるのか、説明するのこと。  主人公が「決めました。俺。明日美さん、依頼主に――あいつの母親に、この浮気の事実を告げてしまってください」とか言うわけか?  そして所長である明日美は、依頼主の家に出向くなり、事務所に呼びつけるなり、どこぞの喫茶店で落ち合うなりして、証拠写真とともに、素行調査の報告書を見せるわけか?  それとも依頼人に会うのは明日美ではなくて、代理人として、オッサンが行くことになるのかな?  まあどっちでもいいんだけど。  そのとき、その場に、主人公はいるの? いないの?  まず依頼主への報告のシーンが、どのようになるのかを、詳しく説明のこと。  そのあとに、以下の質問に答えること。三択で答えられるはずだ。  主人公はその場にいなくてはならないのか?  それとも逆に、いてはならないのか?  いてもいなくても、どちらでもかまわないのか?  シーンの作りを訊いているのは、書いていないシーンは、まるで考えていないんじゃないかと思ってのこと。  主人公の登場の有無を三択で訊くのは、主人公の決断の「ケツ拭い」というものを、どう捉えているのかのテスト。 >津荒  10本終わるまでは、あまりないのだが……。  ひとつ質問。  800字って文字数は、長く感じる? それとも短く感じる?  800字がとても広大に感じられて、埋めるのにひーこら言っているのか。  たった800字に色々と詰め込まなくちゃならなくて、別な意味でひーこら言っているのか。  いま、どっち?  あと、一行コンセプトのほうだけど。  次からは、それだけはこちらの掲示板にあげておくこと。(課題部屋のほうにも、もちろん付けておく)  その一行を見れば、800字がきちんと写し取れているかどうか、すぐわかる。  あと一行コンセプトの書きかたで、ひとつ注文がある。 >>人間を超越した力を持って生まれたために恐れられ友人ができず、その事を悲しんでいた優樹に、山崎という青年の友人ができるという話。  こっちの「ダブルブリッド」のほうはいい。(もっとシンプルに言えるだろ、という注文はおいておくとして) >>六人の若い能力者が、能力を持ったために巻き込まれた人類の存続をかけた戦いの中で、気のあう友人と一緒にすごす時間の大切さを確信するようになる話。  こっちの「パンドラ」のほうは、これ、ダメじゃん。  物語というものには、かならず「初期状態」と「終了状態」というものがセットで備わっているものなのだ。そのあいだの「変化」を描くのが物語というものだから。  6人能力者たちの終了状態は書いてあるけど、初期状態が書いてないよね。  たとえば上の「ダブルブリッド」でなら、初期状態は「友人ができない」で、終了状態は「友人ができた」となるわけだ。  そういうふうに、対応関係にあるものが、なにかあるはずなのだ。  見落としているだけだ。きっとある。  次からは、終了状態に対応する「初期状態」まで、きちんと読み取るように。  終了状態っていうのは、ラストシーンを見ればいいものだから、見つけるのは楽なのだ。  だが初期状態は作品の頭に明記されているとはかぎらない。意識して探せ。  あとまあ、ダブルブリッドのほうも、細かいことを言うなら、「悲しんでいた」に対応するものも書いておくべきだな。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7540 投稿日 2004年2月4日(水)19時57分 投稿者 新木 伸 >弟切  「美人」の描写練習をしているのはよいのだが。  あいかわらず、ぽんと、ただ上げてくるだけなのだなぁ。  なにを練習項目としているのか申告してこないものだから、非常にコメントしづらい。  どこを見てやればいいのかわからない。  あれでは誰からもコメントがもらえないぞ。  コメントが欲しいなら、コメントが付きやすくなる工夫をすること。  ひとことで言うなら、気が利かない。  小説はサービス業なんだから。気が利かないのはいかんぞ。  相手がどこまで了解しているのか。なには忘れていて、なには知らないのか。  常に推し量ることを習慣として染みつけていかないと。  まず弟切としては、この練習の目的を書かないとならないわな。  描写の感覚をつかんでおこうとして、やっているわけだろ?  しかし「アパートの階段」の課題をやっていたのは、あれは、いったいいつの話だ?  当事者である弟切には、練習目的は「自明の理」なのだろうが、話を聞かされているこちらには、遠い過去のお話だ。説明してくれなければ思い出せない。  弟切はこのところずっと、2号の「嘘現実」を突っつくことに熱心になっていたわけだし。自分の練習はぜんぜんやっていなかったわけだし。  それから、自分がどこを意識して書いていたのか。  どこをチェックしてもらいたいのか。  この手のことも、弟切の心の中だけにあるわけで、こちらにはぜんぜんわからない。  だから僕らテレパシー持ってないんだってば。何回も言ってるのに、どうしてわかってくれないかなぁ。 >>視点は、女子高校生の一人称にしてあります。  こんなところも、わからない。  「〜としてある」というぐらいだから、なにか理由があって、女子高生の一人称を選択したのだろう。  しかしその理由がわからない。  なぜ? なにを考えての一人称?  一人称がいちばん楽で、確実に描写をものにできると思ったから?  それとも一人称がいちばん難しいと思って、チャレンジしてみたとか?  鉛筆転がして決めたら、一人称になったとか?  「女子高生の一人称でいこう」とたまたま思いついたから?  このあたりの「当然出てくるはずの疑問」とか――。  注意と気配りと習慣づけとで、解決しないものなのかな。  きちんと考えていれば、わかっていたこと? それとも考えても到底わかりそうにないこと?  あと、「5W1Hを見てもらいたい」って言って、前にアップしていたけど、あれは無視されていたよね。  皆がそうだったかは知らないが、すくなくとも僕はそうだ。  自分で出来るはずのことを他人に頼るというのが、どうにも理解できない。  5W1Hが足りているかどうかぐらい、もう自分でチェックできるだろ?  「誤字脱字が残っているかチェックしてください」とか、そう頼んでいるようなものだぞ?  不安だっていうなら、不安がなくなるまで、自分で検証してこいっての。 >771 弟切、美人の描写、格好いい美女編、描写文版  とりあえず、見てみる。  説明版と、描写版と、書かれた内容の対応が取れているかまでチェックしてやらなきゃならんのか、どうか。それも不明。  誤字は――ないのが「当然」で、わざわざ「ないよ」とか言うまでもない。  もしあったりしたら大変だが。――と思ったら、1個あったよ。  5W1Hは――ちゃんと分かるのが「当然」で、わざわざ「OK」とか言うまでもない。  もしわからなかったら大変だが。  場所は駅前商店街。時刻はすくなくとも昼間。たぶん朝の早い時間。休日なのかもしれない。  状況は、どこかに徒歩で移動中。  人物は、若い女性(少女)。  んで、なにをチェックすりゃいいのかわからんので、とりあえず読んで気になったところを指摘する。  目が止まったところともいう。理解できなくて、読み直しが入るところだ。  これをゼロにしなけりゃ、商業水準に届かないと思え。  2ページに1個ぐらいまでが限度かな。それ以上あったら、読み捨てられる。 >>ダウンジャケットにくるまれた背中がぎゅっと丸まった。  人称のチェックも必要なのかな?  一人称なのに、外から見た表現がいきなり出てくる。  「背中が丸まった」っていうのは客観語。主観語であれば「背中を丸めた」になる。  また一人称で本人の主観に入っているのだから、「ダウンジャケット」という言葉は工夫しないと出せない。  人間は服を着ている状態が普通であり、服は空気のようなもので、通常は意識されない。よって普通の精神状態におかれた人間は、いま自分が身につけている「服」ってものを意識しない。意識しないので、「ダウンジャケット」も使えない。  例の「歩いている速度では細かな錆まで見えない」とか「毎日通っているアパートの階段をしげしげと観察しない」というのと同じこと。  もし「ダウンジャケット」を無理矢理意識に上らせようとするなら、「奮発してこの冬に新調したダウンジャケットはさすがに暖かかった」とか「何年も使いこんで薄くなってしまったダウンジャケットは寒かった」とか、「寒い」に引っかけて、「ダウンジャケット」の存在が意識に上ってきてもおかしくないように誘導しないと。 >>薬屋で、リップクリームでも見ていこうかな、と思ったけど、やめた。  ここ、変。  シャッターを開けたばかりのお店には、普通、入れません。  「シャッターが開いたばかり」というのが読み違いかと思って、読み直しが入る。 >>ショウウィンドウを横目に歩き始めた。  いったいどこのショーウインドウのこと? 既出かと思って、読み直しが入る。  あとカタカナ語の表記が一般的ではない。「ショウウインドウ」だと辞書に載ってないだろ。 >>全面ハーフミラーのガラス張り  「全面」ってのは、どこのこと? またも読み直し。 >>今日みたいに晴れた日は、  こちらの脳内イメージと相違が出た。  完全に目が止まった。冒頭まで戻って、晴れだったのかと読み直し。  風の強い日ってのは、曇りがちなものでは?  また朝早いのだから、太陽も低いはず。  「晴れ」とただあるだけだと、陽光が差していることになる。  「空は晴れていた」なら、「空に雲が少ない」という意味だけになって、風が強くても矛盾しないけど。  それにしたって、「空は晴れていたが、風は強かった」と逆説の接続詞で結ばないとならないはず。(つまり晴れていたら風はないのが一般的ということだ) >>遠目にぴかぴか光って見える。  ビルは薬屋の隣にあり、薬屋は目の前にあり――なのにどうして、ビルは「遠目」になるのだ? >>膝上までの黒いコートを着た男の人……えぇ? >>あたしは振り返った。 >>女の人だ。なんて背が高い。一七〇センチくらいありそうだ。  振り返った理由が不明。  第一印象では男と思ったが、そうでなかった――という流れが、これではわからない。  男であると思った理由も不明。  また「背が高い」=「美人」となる仕組みも不明。  ――で、肝心の「美人に見えたか」どうかの感想。  見えない。  背が高い女の人。――と、書いてあるそのままの印象になった。端正な顔であることはわかった。  ところで、主題はなんなのだ?  「美人の描写」であるなら、前半の部分はいらないだろ。  それとも描写していたのは前半部分に描かれる「普通っぽい女の子」のほうだったのかな?  説明版を見てみると、「美人」のことについては一行も説明されていなくて、延々と視点キャラである女の子の事ばかりが説明されている。 >>「普通の」女子高校生。人並みにおしゃれに興味がある。 >>決して美人ではないものの、取り立ててブスでもない。 >>恋愛にも人並みに興味はある。しかし恋人はいない。  美人のほうはどうでもよくって、このへんについての印象のほうをチェックすべきなのかな?  こちらはおおむね伝わっている。描写版を読んで感じる人物像は、ちょうどこんなところ。  ただ年齢はもうちょっと上に感じる。女子大生(1〜2年)か、フリーターか、家事手伝いあたり。学生という印象は希薄。なぜなら平日かもしれない朝に、学校に向かっていないため。  おしゃれを気にしているところで、容貌は「人並み」なのだとわかる。ダウンジャケットという「おしゃれ着」ではない服装をしているのも、その理由のひとつ。  恋人がいないこともわかる。恋している最中のウキウキ感がないため。数年も付き合っていれば彼氏持ちでも落ち着いていて不思議はないが、18〜19という年齢を考えれば、それはない。(この理由は掘り出してくるのにしばらくかかった)  総括。  「美人」の描写としてはNGだけど、「普通の女の子。おしゃれに興味があるが、容貌は可もなく不可もなく。彼氏はいない」――ということの描写としてなら、よく出来ている。きちんと計算してある。 -------------------------------------------------------------------------------- 三歩進んで二歩下がる No.7541 投稿日 2004年2月4日(水)23時28分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は、立春にふさわしい明るい晴天でした。けれども、冷たい風が強く吹いて、体感温度は低めでした。  「春は名のみの風の寒さ」とは、こういう状態を指すのでしょう。 >描写課題「美人」  ああ、弟切はまたやってしまいました(;_;) まったく、気が利きませんね。  「何を狙いとして書かれたのか」が明記されなければ、作品のどこをどう指摘したものやら、読者さまにはわからないでしょう。  新木さんのおっしゃるとおり、「小説屋さん」はサービス業です。常にお客さまの心を推し量って行動すべきです。それが体に染みつかなければいけません。  それができていないために、弟切はへたれアマチュアです。  しかし、目指しているのがプロなのですから、「お客さまへの気配りを、自然に、いやでもしてしまう」体になるのが目標です。体ができるまでは、常に意識して気配りを行なうしかありません。  今回は、きちんと意識しなかった弟切の誤りですね。  課題部屋のNo.768、769、771に上げた課題「格好いい美人」の狙いは、以下のとおりでした。 1.5W1Hを含め、自分が伝えようと思った情報を、過不足なく書けるようになる。 2.一人称をきちんと書けるようになる。 3.「格好いい美人」といった抽象的な概念を、具体的に描写できるようになる。  1に関しては、弟切は少し甘えていましたね。せめて5W1Hくらいは、自分で確認できませんと(^^;  とはいえ、へたれな弟切は、最低限の情報さえ伝えきれない文章を書いてしまう可能性が、まだあります。  とりあえず、弟切に指摘をしてやろうというありがたい方は、描写文のほうだけ読んで下されば充分です。描写文のほうに目を通して、「わけわからん文が出てきたな」と思ったら、説明文のほうを読んで下さい。  そうすれば、どこをどう間違ったためにひどい文になっているのかがわかります。指摘をするのが楽になるでしょう。  2の「一人称をきちんと書けるようになる」は、前回の描写練習を三人称で行なったため、今度は一人称ができるようになろうと、こうしました。  3の「抽象概念→具体描写」は、描写の肝というべきことですね。  今回の例でいえば、「格好いい美人」を「格好いい美人」と書いてしまってはいけません。それは説明です。演劇の舞台に「格好いい美人の女優」を立たせずに、「格好いい美人」と書いた案山子[かかし]を立てるようなものです(^^;;  「格好いい」とも「美人」とも一言も書かれていないのに、読者さまにありありと「格好いい美人の女優」を思い浮かべていただければ、成功です。 >誤字  とてつもなく情けないことですが……弟切は、課題部屋のNo.771に、誤字を見つけることができませんでした。本当に、どこが誤字なのかわかりません。  これは、弟切が誤って覚えている字である可能性があります。他人に指摘されない限り、決して気づけない類いの誤字ですね。  どなたか、どこが誤字なのか教えて下さい。  今回は時間が取れませんので、これ以上のレスは次回に回させていただきます。  弟切の描写課題に詳しい指摘をして下さった方、ありがとうございます。もう少しお待ち下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7542 投稿日 2004年2月5日(木)02時06分 投稿者 津荒 夕介 >無駄じゃないとか  了解しました。一方的に僕が得をしたばかりの話題だと思っていたので……。少しでも役に立っていたのなら良かったです。 >あらすじとか  800字は少なくて、ひーこら言ってます。  視点が激しく変化する小説だと、本文の順番通りにシーンを書けなくて苦しいです(パンドラのことです)。でもやっぱり本文の順番どおりに書くべきだし。さばききれていないということです。    また、そうでなくとも少ないと感じます。  理由としては、   1文章が下手なので、設定の説明が短くできない。シーンを短く書けない。  2筋がきちんとつかめないので、大切な部分を見極められず余分な所を書いてしまう。  この二つのせいだと思っています。    七冊目「僕の血を吸わないで」 著:阿智太郎  一行あらすじ  相思相愛の森写歩朗と吸血鬼ジルは、種族の価値観の違いにより一度わかれるが、二人で困難をのりこえ、不安定ながらも一緒に生きるようになる話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=775&e=res&lp=757&st=0  よろしくおねがいします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7543 投稿日 2004年2月5日(木)09時02分 投稿者 新木 伸 ○弟切 >気配りとか  弟切に気配りが足りないのはいつものことで、その手の反省文はいつも聞かせられていることだけど。  俺は「反省しろ」なんて言ってないのだが。  反省文を書くのって、なにか役に立つことなのか? それを書けば、次からはやらなくなるのか? そうした「おまじない効果」でもあるわけか? そのいつも見かける代わり映えのしない文面には、そんな御利益でもあるのか?  はたで見ているかぎりでは、その反省文にも一応の効用はあるらしいな。  「失敗しちゃった」と思う気持ちを和らげて、すっぱりと忘れて、心機一転――前向きに物事に取り組めるようになるという効用が。  二度とやるなと、俺はそう言っているわけ。  反省なんかしてなくたって、二度とやらなくなるなら、それでぜんぜん構わないわけ。  殊勝であろうと、傲慢であろうと、どっちだっていいわけ。  二度とやらないなら。  役に立たない反省なんぞ、いらんわ。  お前の「またやっちゃった!」なんて心理的ストレスだとか、心の痛みだとか、どうだっていいわけ。自分のための反省文を書いてる暇があったら、どうすれば二度としないようになるのか、そっちのほうに頭を使えっての。  弟切は――。  なにか作ってくるのはいいんだけど、無言のまま、「どん」と客の前に置いちゃうんだよなー。まるで無愛想なラーメン屋のごとく。  せめて「ミソラーメンお待たせしました」ぐらい、言えんのか?  そんな短い掛け声の中にだって、「腹を減らした客にとっては、たとえ3分間でも、長い長い時間であったに違いない」という深い「思いやり」があるわけだろ? >誤字とか  誤字ってのは、「ショウウインドウ」のこと。 >描こうとしたもの  弟切は「格好いい美人」を書こうとしたのだという。  しかし実際には、半分以上――というか、3分の2ほどの分量が、「普通っぽい女の子」を描くことに費やされている。  そっちの描写はたまたま読めるものになっていたわけだが――。  しかし、これは狙っていた「美人の描写」じゃないよな?  ボーリングで玉を投げたら、ガーターを跳び越えて隣のレーンまでいってしまって、そっちのほうでストライクが取れたようなものだ。  得点にならん。  こんなミスは、なぜ起きた?  5W1Hに3行ぐらいは必要だとして、もう3〜4行で「普通っぽい女の子」のほうも描けたはずだよな。(こんなねちっこく描かずに、あっさりと済ませておくのであれば)  「肝ではない」部分に大量に文章を費やしてしまって、「肝」の部分がちょっぴりなのは、これは、なぜ?  「牛丼」を注文したら、タマネギばかりで肉がちょっとしか見えないどんぶりが出てきたようなものだぞ。  それは「肉入りタマネギ丼」であって、牛丼じゃないよな。  ちょっと記憶が定かではないのだが、たしか弟切は以前にも、この手のことを2〜3度はやってしまっているはずだ。前振りばかりが、長々と延々と書いてあって、肝心の本題のところはあっけなくて、1行か2行だけ。――というもの。  まあ弟切に限ったことではなくて、アマチュア全般でよく見かけられる、典型的なミスのパターンなんだけど。  2号やら、紫やら、羽矢野やら、巻島やら――全員、例外なく、やっていた。  せっかくプロットまで書いたのに、いざ本文を書いてみると、プロットにないことばかりが山盛りで、肝心のプロットにある物事は、ほんのお座なり程度。――そんな感じ。  もしかして、「普通っぽい女の子を描け」としたら、こんどは「美人の描写」のほうをやっちゃうのかな?  隣のレーンのストライクを取れ――と言えば、こっちのレーンでストライクが取れる? >津荒  ふむ。  案外とまともな答えが返ってきた。感心感心。  まず「800字は苦しい」と感じているわけね。そしてただ「感じている」だけではなくて、なぜ苦しくなるのかを、系統だてて考えてみたわけね。  すると「根本的な原因」と、「自分の未熟による原因」との二つに大別されることがわかったわけね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・根本的な原因  そもそも、順番通りにすべてのシーンを拾ってゆくと、800字では絶対的に足りっこない。 ・未熟による原因  簡潔に書けず、文章が必要以上に長くなる。  見極め精度が低く、不要なことまで書いてしまうので足りなくなる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  だが、惜しい。  そこまで考えているのに、もうちょっと考えが足りない。  いま君には「あらすじというものはなにか」が、わかっていない。  もうちょっと考えていけば、そこに答えはあるのに。  「未熟による原因」のほうは、数をこなすとか、経験を積んで上達してゆけばどうにかなるだろうし、そういう「地道な方法」以外では解決されない。  しかし「根本的な原因」のほうは、これ、どうにもならんのでは? 地道に練習していったところで、解決することではないだろう?  たとえばブギーポップでは、わざと一巻目の「ブギーポップは笑わない」を避けて、「パンドラ」のほうを書いているようだが――。  「ブギーポップは笑わない」のほうのあらすじを書かなきゃならなくなったら、いったい、どうするつもりなのだ?  本文の順番通りに書いてゆこうとすると、「一方その頃――」とか、「遡ること二週間前――」とか、あらすじの800字が、そんな接続詞ばかりで埋め尽くされてしまうよな?  「ブギーポップは笑わない」のあらすじを書くことは不可能――とか、そう片づけてしまえば、事は簡単なのだが。  しかし、たとえ不可能であったとしても「書かなきゃならない」のだとしたら、いったいどうやって書けばいいのだろうか?  10冊済ませてからと思ったが、ちと早めに、次のことを始めるか。  いま「毎日1冊」のノルマをこなしながら、他のことをやる余裕はあるか?  いま1冊でひーひー言っている状態なら、慣れてきて、余裕が出来るようになるまで、以下のことはやらなくていい。もう数冊ぐらいやって10冊ぐらいやり終えるか、さもなければ、もう十数〜二十数冊ぐらいやり終えれば、余裕もできるだろ。  いま、すこしは余裕ができているようなら、毎日のノルマのほかに、以下のこともやってみること。  課題部屋に、あらすじがひとつ上がっている。 >>140 サムライ・レンズマン800字あらすじ  この話も、そうした「あらすじを書くことが不可能な話」のひとつなわけね。  それを唯野が非常にうまく800字にまとめている。僕やみやびさんが書いたとしても、あれと同じように書くしかないだろう。  なぜこの話が「あらすじを書くのは不可能」なのかは、実際に本文を読んでみるのが一番なのだが……。  まあ「プロット写し取り」だけであれば、課題部屋にも上がっている。それを見てゆくだけでも、10冊読んで10個の「あらすじ」を自分の手で書いてみた人間であれば、どんな本文だったのかイメージできるようになっているはずだ。  なぜこの話が「あらすじ化不可能」であるのか。まず原因を考察すること。そして報告。  また「あらすじ化不可能」な話の具体例をもう一遍ほどあげてあるよな。「ブギーポップは笑わない」のほう。  これら「あらすじ化不可能」な話のあらすじを書くためには、どうしたら良いのか。  その考察は――じつは、しなくても済む。  わざわざ自分で考えださなくても、先輩(唯野)が答えに到達していて、技を見せてくれている。彼はもう小説を書くことはやめてしまったようだが、その技は頂いておけ。かわりにお前が、有効的に活用しろ。  「サムライ・レンズマン」のあらすじはどうやれば書けるのか、盗んできて、それを報告のこと。 -------------------------------------------------------------------------------- あらすじ No.7544 投稿日 2004年2月6日(金)01時04分 投稿者 津荒 夕介  今回は最初から800字以内で書けました。  書き出す前に、主人公を見極めて、いらない部分をそぎ落としたからか。あるいは、重要な部分を見落としているからか……。    八冊目「月と炎の戦記」 著:森岡浩之    一行あらすじ   人間を虫程にしか見ていなかった神ツクヨミが、人間の少女カエデと困難を乗り越え、カエデを気に入るようになる話し。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgitw=&log=&search=&mode=&v=776&e=res&lp=757&st=0  です。  サムライ・レンズマンの件、了解しました。 -------------------------------------------------------------------------------- 間違えました。 No.7545 投稿日 2004年2月6日(金)01時11分 投稿者 津荒 夕介 すいません。リンクを間違えました。 八冊目「月と炎の戦記」 著:森岡浩之 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=776&e=res&lp=776&st=0 です。 -------------------------------------------------------------------------------- 三寒四温 No.7546 投稿日 2004年2月6日(金)01時14分 投稿者 弟切 千隼  今日も、湘南では晴れていながら冷たい風が吹きまくりました。春は足踏みしながらやってきますね。 >描写課題「格好いい美人」の指摘について >誤字  あ、『ショウウィンドウ』のことでしたか。弟切はてっきり、これ以外に誤字があるのかと思っていました(^^; >前ふりばかりが長い理由  一言で言いますと、これは、「思考する体力がない」ために起きる現象だと思います。  へたれアマチュアは、圧倒的に「思考する体力」が足りません。たかだか5W1Hを書いたくらいで、思考体力を使い果たしてしまいます。  肝心の本題にたどり着く頃には、本題をきちんと描写するだけの思考体力が残っていません。そのため、本題の描写がなおざりになってしまうのだ、と思います。  この対策としては、「思考する体力をつけること」しかありませんね。  体力を増強するには、「現在の体力に対して、少し過負荷になる程度の運動を続ける」のが一般的なやり方でしょう。  まともな5W1Hを書くだけしか思考体力がもたないならば、その先の本題まで書くことを続ければよいのですね。最初は過負荷でやりきれなくても、続けるうちにできるようになるはずです。  ということで、弟切は、まともに本題の描写ができるようになるまで、描写課題を続けます。 >目が止まったところ  課題部屋のNo.771に上げた描写文中に、何ヵ所も目が止まったところがあったと指摘されました。それらの原因と対策を考えてみました。 >>ダウンジャケットにくるまれた背中がぎゅっと丸まった。  ここを「丸めた」とせずに「丸まった」としたのは、わざとです。  「丸めた」という言葉ですと、主人公が「背中を丸めよう」と、明確に意識して動作したことになりますね。しかし、主人公は、ここで意識してそうしたのではありません。寒さのあまり、自分でも気づいたら背中が丸くなっていた、という状態です。それを表わすために、「丸めた」ではなく「丸まった」としました。  とはいえ、読者さまに違和感を持たせたのなら、表現の仕方に工夫が足りなかった、ということでしょう。別の表現方法を考えます。  ダウンジャケットについても、登場させるなら一工夫が必要ですね。 >>薬屋で、リップクリームでも見ていこうかな、と思ったけど、やめた。  この文については、新木さんが指摘されたとおりですね。シャッターが開いたばかりのお店に入れるのは、変です。別の文にします。 >>ショウウィンドウを横目に歩き始めた。  ここは商店街なのですから、これだけではどの店の『ショウウィンドウ』か不明ですね(^^; 明確にします。  『ショウウィンドウ』の表記ももちろん修正します。 >>全面ハーフミラーのガラス張り  どこの『全面』なのか、指示する言葉がなければ読者さまにはわかりませんね。修正します。 >>今日みたいに晴れた日は、  『風の強い日は曇りがち』という新木さんの御指摘には、「え?」と思いました。  風が強ければ、雲がどんどん流されてしまうため、晴れることのほうが多いです。風が強くて曇っている場合は、風上に強力な雲の供給源があります。  例えば、日本においては、冬場の日本海沿岸でしたら、「風が強くて曇り」という状況は普通です。  冬の日本海沿岸には、ユーラシア大陸から冷たい季節風がやってきます。この季節風は、日本海でたっぷり水蒸気を蓄えてから日本列島にぶつかります。すると、風に含まれていた水蒸気が細かい水滴になったり、氷の結晶になったりして雲ができます。この雲が日本海側に雪を降らせるのですね。  日本海沿岸では、ユーラシア大陸からの冬の季節風は、それ自体が強力な雲の供給源です。吹けば吹くほど雲ができます。したがって、日本海沿岸であれば、風が強くて曇りという状況がよく起こります。  ところが、同じ冬場の日本でも、太平洋沿岸では状況が一変します。  太平洋沿岸にも、ユーラシア大陸からの季節風がやってきます。けれども、その季節風は、日本海側で水蒸気を使い果たしています。太平洋沿岸に来る頃には、雲の供給源にはなり得ません。  よって、冬の太平洋沿岸では、乾燥した晴天の日が続きます。陽射しは暖かいのに、冷たく乾いた強風が吹き荒れる日が珍しくありません。  「格好いい美人」の話の舞台は、太平洋沿岸にある地方都市です。具体的には静岡県内のどこかと想定しています。季節は冬です。  となれば、「曇っていて風が強い日」より、「晴れていて風が強い日」という設定のほうが自然です。  でも、読者さまは太平洋沿岸の人ばかりではありませんね。「曇っていて風が強い日」のほうが自然だと感じる人も大勢いるはずです。  「この地方では、冬場は晴れて風が強いのが普通だ」という説明を入れるべきでした。 >>遠目にぴかぴか光って見える。  これは、弟切の単純な不注意でした。  この場面では、主人公はビルのすぐそばにいますから、『遠目に』ではおかしいですよね。  これ以降の御指摘は、「美人に見えるかどうか」に関わってきますね。これについてはレスを分けます。  次回、「美人に見えるかどうか」・「美人に見えないなら、なぜ見えないのか」・「美人でないなら、どう見えるのか」などについて考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7547 投稿日 2004年2月6日(金)06時16分 投稿者 新木 伸 >津荒 >>人間を虫程にしか見ていなかった神ツクヨミが、人間の少女カエデと困難を乗り越え、カエデを気に入るようになる話し。  今回のこの話は、神ツクヨミの話なのかな。  つまりツクヨミが主人公かという話ね。しかし主人公が途中で死んじゃっているシーンがあったりするのだが。いいのだろうか? 主人公が死んで終わる話はいくらかあったりするけど、主人公が死んでもまだ続く話ってのは、聞いたことがないなぁ。  ところでツクヨミって性別、どっち?  男、女?  それとも性別は筋には関係ないから(どっちでも同じようなもの)、わざと書かないであるのかな?  あとせっかく「プレビュー機能」があるんだから、貼ったリンクは一回は押して、ちゃんと飛べるか確認しておくこと。  リンクミスが出る原因なんて、単なるサボり以外にないだろ。  それと、「話し」の誤字は二度と出すな。  ――と、前に言った覚えが。 ○弟切 >イントロの長さ  本題の描写がおざなりになってしまうのは、体力が足りないため――でいいと思うけど。  前振りを長々と書いてしまうのは、これはどうして? 体力欠乏説では説明つかんぞ。  たとえば曲(歌)を演奏するにあたって、イントロばかりが延々と続くわけだ。  普通は15〜20秒目ぐらいから、歌詞がスタートして歌いはじめるわけよ。  いまノートパソコンのMP3プレイヤーで音楽をかけて確認してみたけど――。  10秒以下で歌い出しが始まっていると「早いなぁ」と感じるし、25秒過ぎても始まらないと「遅いなぁ」と感じる。  小説の場合にも――。  アマチュアの小説に限っては、1分間も延々とイントロばかりを演奏していたり、場合によっては1章丸々イントロで、3分も5分も続いていたりするわけだよ。  弟切のあれも、「美人」が本題であるというなら、「5W1H」やら「普通の女の子」やらを描いていたのは「イントロ」なわけだろ。  優に1分以上は演奏していた感じだったぞ。  イントロが長くなってしまうのは、あれは、どうして?  「体力欠乏説」のほうは、イントロだけで終わってしまうことの説明にはなっているが、イントロが長くなることの説明にはなってないよね。 >部分指摘とか >>主人公は、ここで意識してそうしたのではありません。寒さのあまり、自分でも気づいたら背中が丸くなっていた、という状態です。それを表わすために、「丸めた」ではなく「丸まった」としました。  それだったら、「気がつくと、ダウンジャケットの中で背中が丸まっていた。」と書けよ。  意識して狙ってやったというなら、「うっかりやっちゃったんじゃないんですよ。これは「わざと」なんですよ」――というサインがどこかに現れるはずだし、そうでなければならない。  この場合には「サイン」というのは、「気がつくと」と「〜の中で」と「丸まっていた(過去形の強調)」の3箇所ね。  ラーメンやチャーハンに「生レタス」が入っていたとする。  「おいマジかよ。ネギとレタス間違えてないか?」と客が心配しないようにするためには、「レタス入りラーメン」とか「レタス入りチャーハン」とか、そう書いておかなきゃならない。  食べ物のたとえにすると、余計わからんか?(笑)  ――で、3つの「サイン」の説明。  まず最初の1個。  「気がつくと」とはっきり書いてしまえということは、まあ説明不要だろう。  次に2個目の「丸まっていた」。  「丸まった」というのも過去形といえば過去形だけど、「丸まっていた」とすれば、「丸まった+いた」となり、2重に強調することになる。さらに強い過去形となる。  「気が付いたら丸まっていた」ということであれば、この「丸まった瞬間」というのは、遠い遠い過去なわけね。本来なら別の文を立てなきゃならないぐらい遠い出来事のはずだ。 (遠い遠いっていったって、一瞬前か二瞬前かの違いで、まあそんな程度だけど)  3個目。「〜の中で」のほう。  まず本題と関係ないのだけど、これはタウンジャケットのもこもこさ加減の描写にもなっている。  ふかふかのジャケットって、体との一体感が減るから、自分が服を「着ている」ということをすこしだけ意識してしまう。  もしここで着ているのが綿の抜けたジャケットや、スタジャンみたいなぴったりした服なら、「ジャケットの中で」とは書けない。ぴったりした服は意識されないから。  ここでは「もこもこのタウンジャケット」を着ていて、体にフィットしていないようなので、「気づいたら強ばっていた」ことの描写の一環に利用することにした。  「もこもこさ加減」の描写でもあり、「気がついたら体が強ばっていた」との描写でもあるなら、一石二鳥というもので、大変おいしい。  さて、「〜の中で」と書くことで、どうなるのかというと――。  「服」と「その中にある自分の体」との別離感に、まず最初に気づくわけね。自分が服を着ていることを一瞬意識してしまう。  その次に一瞬遅れて、「自分の体」が(一瞬前から)丸まっていたということに気づく。  認識のステップが二つあったということ。  いきなり「背中が丸まっている!」と気づくのではなくて、「あ、あたしいまタウンジャケット着てる」と気づいてから、「そういえば背中も丸まっている」と気づいたということ。  つまりここでは、「背中が丸まっていたこと」というのは、最初になにか一個別の認識をはさんでから、その後にようやく認識できるぐらいの「気づきにくいこと」であったということを表現しているわけだ。  一行を書くのに、思考開示したら、このぐらい色々なものが引っぱりだされてくるぐらい考えろっての。  おまえの思考と工夫っていうのは、思考開示したら、何行分になんだよ? >>「ダウンジャケットにくるまれた背中がぎゅっと丸まった。」  この一行を書くのにあたり、思考開示させてみて、引っぱり出されてきた思考ってのは、以下の部分だよな。 >>「丸めた」という言葉ですと、主人公が「背中を丸めよう」と、明確に意識して動作したことになりますね。しかし、主人公は、ここで意識してそうしたのではありません。寒さのあまり、自分でも気づいたら背中が丸くなっていた、という状態です。それを表わすために、「丸めた」ではなく「丸まった」としました。  たった、これっぽっちだろ。4行文か。  俺のほうの一行。 >>「気がつくと、ダウンジャケットの中で背中が丸まっていた。」  ここには、何行分に相当する「思考と工夫」とが織り込まれているのだ?  どのくらい考えれば充分量になるのか、「商業水準のモノサシ」として使うように。 >やっぱり三人称に見えてしまう件 >>ダウンジャケットにくるまれた背中がぎゅっと丸まった。  これだと、三人称において、外部からその人物を眺めている視点から、「あ、いま彼女は背中を丸めたぞ」という「観察結果」を書くのとまったく同じ文面になるので、区別が付けられないのだな。  区別がつきにくいわけだ。  ちなみに僕が「外から見た視点」と決定付けたのは、「ぎゅっと」という副詞の存在。  これがあったので、「外部からの第三者視点」だと決定した。  弟切の言う「自分が無意識の動作をしていたことに、あとから気がついた」という可能性も検討してみたのだよ。いちおうは。しかしそれだと「ぎゅっと」って付くはずがないのね。  背中を丸めたことは、無意識の反応だったわけでしょ。  あとからそれを自覚したのだよね。つまりこの人物は、自分が背中を丸めた瞬間のことを覚えていないわけだ。気がつけば、いつのまにか背中が丸まっていた。その状態に後から気づいただけ。  そして「ぎゅっと」という主観語は、「少し強めに」という力の入り具合を表現する言葉なわけだな。  背中を丸めた瞬間のことをよく覚えていない人間が、そのときの力の入り具合について記述できるはずがない。  それは不可能。  よってこの文章を、「無意識の動作にあとから気がついた」と読むことは、あり得ない。 >>>>ショウウィンドウを横目に歩き始めた。 >> ここは商店街なのですから、これだけではどの店の『ショウウィンドウ』か不明ですね(^^; 明確にします。  指摘しようとしていた意味が違った。すまん。  薬屋のショーウインドウだということは、まあわかるわけ。  いくらなんでも、「よその店のショーウインドウ」まで飛躍はしないだろうと思った。  目が止まった理由は、「この薬屋ってショーウインドウあったっけ?」ということ。自分が読み落としたのかと思って、前に戻って読み直した。  あとショーウインドウのある薬屋ってのが、大変にイメージしづらい。  しかもこの場合には、歩いてゆくあいだ、しばらく視野に入っているぐらい幅を持ったショーウインドウだろ。最低3メートルぐらいの幅があるショーウインドウだと見た。  そのショーウインドウには、具体的に、どのようなものが収められているわけ?  ひょっとして、マツキヨだとか大型チェーン店系薬屋で、店の一面がガラス張りになっていて、店の内側の棚が外からも見えるような作りになっているそれを「ショーウインドウ」と呼称している?  でもその手の店なら、「薬屋」と書かずに、「ドラッグストア」と書くだろうしなぁ。  薬屋っていったら、あれだよな。街の一角にある小さな古ぼけた薬屋のことだよな。 >>全面ハーフミラーのガラス張り  「全面」の範囲を限定する言葉が足りないって意味ね。  「四方の全面」なのか、「こちらに向いた側は全面」なのか、それとも「3階ぐらいまでは全面」なのか。 >>今日みたいに晴れた日は、  ここも指摘すべき部分が違った。すまん。  曇りがどうこう――ということは、あまり関係ないと思ってくれ。  「今日みたいに晴れた日は」と読んで、僕がまず最初に思ったのは、「晴れてないじゃん」てなこと。  「晴れ」いう言葉は、一般的に、「天気が良くてぽかぽかしている日」というイメージを喚起する。  太陽が差している。日が当たっている。そして暖かい(夏場のシーンであれば暑い)。  この三つが連想的に引き出されてくる。  雲量を基準に「晴れ」と定義するのは気象用語だ。  だが一般用語の「晴れ」は、太陽が差すかどうかを基準に計られるもののはず。  弟切は気象用語的に、「雲が少ないんだからこれは「晴れ」よね」として使っていたのだろうが、読者のほうは、「晴れ」という言葉を一般的意味として受け取るということ。  実は僕も、このへん、いまいち自信がない。  よってリサーチしてくるのこと。「晴れって聞いたら、どんなのを思い浮かべる」と聞いて回ると、はっきりするだろう。  でも間違っても、「天文地学出身」の人間ばかりに訊くんじゃないぞ。「雲量2〜8のこと」なんていう偏った返事が返ってくるに決まっているから。 -------------------------------------------------------------------------------- 僕はアホ(言うまでもない) No.7548 投稿日 2004年2月6日(金)13時36分 投稿者 津荒夕介  うう、おなじ間違いを二度も。  リンクの件も、誤字も怠慢のせいです。  ディスプレイに「誤字 話 確認 リンク」って紙をはります。  すいませんでした。 >あらすじのこと  ツクヨミは死んでも死後の世界ヨミの国でヨミの神を説得し生きかえるというシーンを持っていますので、主人公と言えると思います。ほとんど自力で生きかえる訳ですし。(傷ついた体は父に治してもらっている)  性別は男でも女でもどちらでもいいです。話の中では男の格好をしてますが。神である、ということが大切なだけです。 -------------------------------------------------------------------------------- あらすじ No.7549 投稿日 2004年2月6日(金)15時24分 投稿者 新木 伸 >津荒  ツクヨミが死んで、その死体をカエデと僕の二人がヨミの国に運んでいるあいだ、ツクヨミに意識はあるのかな?  霊体かなにかになっているツクヨミが、自分の死体の到着を待つようなシーンがあるかってことね。ヨミと世間話をしていたりするのかどうかはわからないけど。  それと、話が始まって、ツクヨミが始めて登場するまで。あともしあるなら、ツクヨミが去って、カエデが地上に残されてひとりになる部分。  この二つって、合わせるとどのくらいの分量(ページ数)?  全体量からみると、どのくらいの比率になるの? >>日本神話の世界。太陽の神アマテラスが隠れ、太陽が出ない日が長く続いていた。地上では闇の力が高まり、化け物――怪の活動が活発になり、人間は困っていた。人間の少女カエデは村の長老から、彼らを脅かす怪を殺して来いと言われ、しぶしぶ退治に向かっていた。途中ピンチになったカエデは祈っても自分を助けてくれない月の神ツクヨミに悪口を言う。  ちなみに、800字のうちの160字、この5分の1の部分までは、ツクヨミは登場してきてないんだよね。  天界にいるツクヨミが自分の悪口を聞くという、この次にあるシーンが初登場であると思われる。  まあ、「ドラゴンボール」なんかでも、悟空が死んでも話は続いていたし、悟空は天界で神様相手に修行重ねてたし。話の途中で主役が死ぬという展開自体は、よく見かけるものだけど。  あと、性別の問題。  するとカエデのほうも、べつに女の子でなくても問題ないのかな。  ツクヨミ男 vs カエデ女  ツクヨミ女 vs カエデ女  ツクヨミ男 vs カエデ男  ツクヨミ女 vs カエデ男  ――この4つのパターンすべてにおいて、話の筋としては問題なし? >失敗の件 >>ディスプレイに「誤字 話 確認 リンク」って紙をはります。  貼りだしておけば、次はやらなくなるのか?  方法なんかどうだっていいんだって。  僕が言っているのは、一度失敗したら、二度は同じ失敗をするなということ。  みていろって。そのうち絶対、またやるから。  またどこかでぽろりと、「話し」なんていう低能な誤字をやらかしちゃうから。  明日か、あさってか、一週間後なのか、三週間経ってからか、半年ぐらい経ってからなのか、それはわからないけど、とにかく、絶対に、いつかまたやるから。  津荒の言い分を聞いていると、まるで今回「話し」という誤字を出してしまった原因が、「貼り出していなかったため」と、そう聞こえる。  そんなおまじないに、効き目などあるかい。  今回、なぜ、またやってしまったのか――。  それを突き止めて、根本解決をしなきゃ、次だってやっちまうに決まっているだろ。  反省なんて役にたたん。  ミスの原因となった「癖」を突き止めて、そこを直さなきゃ、直るはずがない。  ていうか、皆、「反省」って言葉の意味を間違えて覚えてるんだよな。  弟切もそうだけど。  津荒、おまえも「反省」って言葉を、「すいませんと謝っておく」ことだと思っているだろ?  ちがう、ちがう。ぜんぜん違う。 (広辞苑より)  「反省」――自分の行いをかえりみること。自分の過去の行為について考察し、批判的な評価を加えること。  なぜミスをしてしまったのか、徹底的に原因を究明するということ。  どうすればミスをしないで済んだのか、その方法を見つけ出すところまでやらなきゃ、「反省」したとは言わないのだ。  ちんちんいじった手でラーメンを作っちまう癖のあるやつは、その癖を直さないかぎり、またいつか「陰毛入り」のラーメンを客に出すことになるんだよ。  陰毛が入っていないかどうか――なんてことを、どれだけ気を付けてチェックしていたところで、いつかやっちまうんだよ。  「陰毛入りのラーメン」を二度と出さないようにする唯一の方法は、「ちんちんいじった手で調理しない」ということだ。厨房の中でちんちんをいじったりしなければ、陰毛がラーメンにまぎれこむこともない。  他にも「陰毛を剃ってツルツルにしておく」などという方法もあるだろうが――。ちんちんいじった手で調理する癖は直らないから、それはそれで別な問題も残るだろう。いずれ食中毒を出してしまうに違いない。  ――で、なんで今回もまた、「話し」なんて誤字を出しちまったわけ?  自分のどんな「イケナイ癖」が、「話し」という誤字を出す原因となったわけ?  いったい「どこ」を「イジって」しまっていたわけ?  そこのところを、詳しく解説のこと。 -------------------------------------------------------------------------------- なくて七癖 No.7550 投稿日 2004年2月7日(土)01時46分 投稿者 弟切 千隼  人間は、どんな人でも、最低七つくらいは癖を持っているといいます。人間である以上、全ての癖をなくすことはできないでしょう。  害がない癖であれば、放っておいてもかまいません。しかし、害のある癖は直したほうがよいですね。  弟切の場合、読者さまに対して気が利かないという癖は、何としても直さねばなりません。直せなければプロのもの書きになれませんから。  弟切が気が利かなくなるのは、「疲れと眠気で朦朧[もうろう]としたままものを書いている時」です。  ならば、そんな時にはものを書かないという対策を取れば、問題は解決しますね。  ところが、それを実行すると、弟切はほとんどものを書けなくなります。慢性的に仕事が忙しくて疲れているうえに、常に睡眠時間を削っているからです。  そこで、「疲れと眠気で朦朧としている時でも、読者さまへの気配りを忘れない方法」を考えなければいけません。  とりあえず、以下の対策を取ってみることにしました。 1.カフェインの摂取量を増やす。薬物の力で、一時的には疲れと眠気を吹き飛ばせるから。 2.ものを書く前に食事を取らない。食べると眠くなるから。 3.ものを書く時には、すべからく恋人への手紙だと思って書く。恋の力は、薬物と同じように疲れも眠気もぶっ飛ばせるから。 4.どうしてもダメな時は、仮眠を取る。  他に、「眠くなったらペンを手に突き刺す」・「強烈なミント味のガムやキャンディを常備しておく」などの小技もあります。 >前振りの長さ  へたれアマチュアのもの書きは、本題の描写をする以前に、なぜ延々と前振りを書いてしまうのでしょうか?  これに関しては、弟切はまだ考察の途中です。「これだ」と思える答えにはめぐり合っていません。  現段階で、この理由の有力候補と考えられるものを、一つ挙げておきます。それは、「文章力のなさ」です。  5W1Hや視点キャラの様子などの前振りは、文章力があれば、ほんの数行で必要な情報をすべて含めることができます。へたれアマチュアは、文章力がないばかりに、必要な情報を全部含めようとして、長い文章を書く羽目になります。  そのために、本題に行き着く頃には、思考する体力が尽きてしまいます。  かくして、だらだらと書かれた前振りとおざなりに書かれた本題とが、後に残されます。 >>「ダウンジャケットにくるまれた背中がぎゅっと丸まった。」   (弟切が課題部屋に提出したもの) >>「気がつくと、ダウンジャケットの中で背中が丸まっていた。」   (新木さんが修正して下さったもの)  見比べれば、新木さんのほうが断然良いことがわかりますね。これはもちろん、新木さんのほうが、圧倒的にたくさん考えているからです。  新木さんは、No.7547の書きこみにおいて、 >> 意識して狙ってやったというなら、「うっかりやっちゃったんじゃないんですよ。これは「わざと」なんですよ」――というサインがどこかに現れるはずだし、そうでなければならない。 に始まり、 >> つまりここでは、「背中が丸まっていたこと」というのは、最初になにか一個別の認識をはさんでから、その後にようやく認識できるぐらいの「気づきにくいこと」であったということを表現しているわけだ。 で終わる長大な文章を書いています。弟切のPCの画面で、48行ありました。  『>やっぱり三人称に見えてしまう件』の後まで含めると、さらに21行加わります。  48行+21行=69行分考えたものを、1行の文に詰め込めば、情報密度が高くなるのは当然ですね。余計な言葉を用いず、1行できっぱりと、必要な情報が伝えられています。  弟切は、たった4行分しか考えていません。単純計算では、「今の17倍強考えろ」ということになります。  最初は無理でも、やり続ければできるようになるはずです。精進します。 >薬屋のショーウィンドウ  ここは、弟切が言葉の選択を間違えました。「薬屋」ではなく「ドラッグストア」と書くべきでした。 >>全面ハーフミラーのガラス張り  「全面」の範囲指定がないことが、混乱の元ですね。了解しました。 >>今日みたいに晴れた日は  これに関しては、まだ「晴れ」のイメージに関する調査が進んでいません。今日、つかまえられた友人が少なかったので。  もう少し待って下さい。 >美人に見えないことに関して  うまく考えがまとまりません。こちらももう少し待って下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- あらすじ No.7551 投稿日 2004年2月7日(土)03時08分 投稿者 津荒 夕介 ○サムライ・レンズマン  145 のリテイク&コンセプトを見ました。  ありがたいことにコンセプトが書いてあったので引用します。唯野さんありがとうございます。 1「クザクと出会うビル」 2「銀河調整官になっても、奔放なキニスン」 3「クザクを気に入るキニスン」 4「ビルの姉、キャットの日常」 5「デイルズに捕えられるビル」 6「死の淵で姉のために精神力を爆発させるビル」 7「策謀を巡らすデイルズ」 8「アリシア人の助けを借りて蘇生するビル」 9「再会するキャットとクザク」 10「クザクと親交を深めるキャット」 11「トレンコ型惑星の秘密を知るクザクたち」 12「宇宙海賊とフリードマン社のつながり」 13「正体を現すデイルズ」 14「暴走するデイルズ」 15「フリードマン・シェルの威力」 16「地球を襲撃するデイルズ」 17「死を賭してフリードマン・シェルに突入するクザク」 18「クザクを助け、デイルズを倒すキャットたち」 19「不死身のデイルズ」 20「キャットと共に、新たな任務に就くクザク」  この話のあらすじが書けないのは、順番通りに書くと書ききれないから。書ききれないのは、ストーリーが一つだけじゃないから。  これだとクザクとは別に、ビルの話がありますね。  あらすじは一つの話しか書けない。  それでも書くというのなら、全体に渡っている大きな話を書く。大きな話は大切です。小さな話は大きな話をひきたてるためにあるのだから、削ります。 >>140 サムライ・レンズマン800字あらすじ  2002/3/26(火)18:36 - 唯野教授 「レンズマンのクザクは、宇宙海賊を追う任務についていた。ある時彼は、レンズマンのビルからの連絡を受け、海賊の基地を壊滅させる。実はそれは海賊幹部であるデイルズの策略だったのだが」  ここまででビルから見たクザクの凄さとか、キニスンがクザクを気に入る話とか、ビルの頑張りとかがばっさり切り取られています。ここに書いてあるのは5,6のクザク視点と7。  「基地壊滅の後、クザクは最近異常に流通量が増大している麻薬、シオナイトの調査を行っていた。彼は、任務の途中でビルの姉、キャットと出会い、行動を共にすることになる」  9 10  「彼らは調査の末、麻薬の原産地を発見し、フリードマン社と海賊につながりがあることをつきとめた」  11 12  「クザクとキャット、そして銀河調整官のキニスンは、フリードマン社を調べる為に社長のケネス・フリードマンが主催するパーティに出席した。そのパーティの終わりに、フリードマンは突如銃を乱射し、会場を混乱に陥れる。実はフリードマンの正体はデイルズであり、フリードマン社の行っていた事業はフリードマン・シェルという超兵器を作るためのものだったのだ」  13 14  「銀河文明の前から一度行方をくらませるデイルズだが、キニスンはレンズマンからの報告からフリードマン・シェルの強力な武装を知り、対抗策を講じ始める。その間キャットとその家族は安全の為に地球へ移住していた」  15  「しかしデイルズは、キニスンの待ち構える最高基地ではなく、地球を攻撃する」  16  「キニスンは迎撃に向かい、クザクもフリードマン・シェルの内部へ突入する。クザクは制御室まで辿りつき、ついにデイルズを制御から切り離すことで、フリードマン・シェルを無力化させた」  17  「一方、地球のキャットはレンズ通信により、クザクの状況を知る。彼女はキニスンがクザクとデイルズもろともフリードマン・シェルを破壊しようとしていることを知り、キニスンを一喝してクザクの救出に向かう」  18  「キニスンの助けを借りてキャットはクザクを助け出し、デイルズは行方不明となり、フリードマン・シェルは破壊された」  19  「その後、傷の癒えたクザクは、キャットを誘ってデイルズ捜索の任務につくのだった」   20  と、以上、書いてあるのは、大きな話クザクの話の要素だけです。 >結論  あらすじが書ききれない作品のあらすじを書くとするならば、余分な話を削る。  この方法でブギーポップをやってみました。    一行あらすじ    強力な殺戮者と、エコーズの人類を左右する審査によって迫った世界の危機に、必死に生きる人々が立ち向かい、世界の危機を救う話。    九冊目「ブギーポップは笑わない」 著:上遠野浩平 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=777&e=res&lp=774&st=0    7549については次回書きます。 -------------------------------------------------------------------------------- 描写訓練 No.7552 投稿日 2004年2月7日(土)11時36分 投稿者 浦戸シュウ  初めまして。浦戸シュウ(うらどしゅう)です。  アマチュア志向の小説書きです。  見学させていただきにやってきました。    ネットでの活動が新木さんのお目につき「作品の中のたくさんある問題のうち『描写』について解説しよう。座学を許すからいらっしゃい」と呼んでくださり、分室の片隅に座らせていただくことになりました。  今までもROMさせていただいていたのですが、私はプロ志望ではありませんので参加は遠慮していました。ずっと小説を書き続けるつもりでいます。少しでもうまくなりたいのです。  これも何かのご縁だと思いますので、三月いっぱいまでの予定で参加させていただきます(いろいろ都合がありまして期限つきで申し訳ありません)。「描写」がどんなものなのか、理解できるようになりたいと思います。  どうぞ、みなさま、よろしくお願いいたします。 自己申告  年齢41歳。女性。小説書き歴2年10カ月。書き上げた小説は54枚ひとつ、40枚ひとつ、20枚ひとつ、20枚未満35本。  15〜25歳の間にシナリオを書いたりSF系の同人誌に参加していたりしたことがあります。  小説もマンガも戯曲も読んだだけなら総数5千冊は越えているはずですが、分析しながら読んだのは「キーリ2」(壁井ユカコ、電撃文庫)だけです。  えーと、その、商業的に差し支えなければ、という前提の提案なのですが。 「あるある!夢境学園」の1〜4を持っています。「何巻の何ページを参照」と言ってくだされば見られます。「この段落が描写」と具体的に指図していただけると、どういう基準で商業作品の分析をすればいいのかわかりやすくなってありがたいのですが、「あるある!夢境学園」を描写訓練のテキストにしていただくというわけにはいきませんでしょうか?  こちらでは地方の文学賞などに投稿するときのペンネーム・浦戸シュウで通しますが、よそのサイトではハンドルネームの「bokoshu」と「ぼこしゅう」を使っています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7553 投稿日 2004年2月7日(土)17時04分 投稿者 新木 伸 >津荒 >>あらすじが書ききれない作品のあらすじを書くとするならば、余分な話を削る。  ふむふむ。  エコーズのラインを拾い上げて、「エコーズの話」として、まとめてきたわけね。  だがそれが正しいまとめかたかはわからないぞ。ほかにも「風間凪の話」としてまとめることもできるだろうし、「早乙女の話」としても「マンティコアの話」としても、宮下藤花の恋人の少年視点でも、どれでも書けたはずだ。  エコーズの話として無理矢理まとめるぐらいなら、他のどのストーリーラインを拾い上げても、よかったんじゃないのか? どれでやっていたところで、「無理矢理度」はそれほどかわんなかったろ。  ところで、「エコーズの話」としてまとめるときに、ばっさり切り落としたのは、どことどこ? >>ここまででビルから見たクザクの凄さとか、キニスンがクザクを気に入る話とか、ビルの頑張りとかがばっさり切り取られています。  レンズマンのほうでは、このあたりがばっさりと落とされているよな。  ブギーポップのほうを「エコーズライン」でまとめるにあたり、エコーズに関わらない部分をばっさり捨ててきているはずだ。ブギーポップのブの字も出てこないから、おもに捨てられているのはブギーポップのラインだと思われるが。(てことは、「ブギーポップ」はあの話にとっては「余計な存在」だったのかな?)  捨てたものと、捨てなかったものと、腑分けしてみそ。  しかし腑分けしてみるまえには、シーンごとに分けてみないとならないよな。  レンズマンの話のほうでは、唯野の分析によれば、20個のシーンがあったらしい。  まず視点人物が変わったときには、かならずシーンの変わり目だ。また視点人物が同一でも、意味的にシーンが変わっているときもある。  ブギーのほうは、もうちょっと細かいかもしれない。でもだいたい、そんな数だろ。  唯野がやっていたように、すべてに番号を振ってみて、自分が捨てたのは何番と何番であり、何番はあらすじに含めたのか。そういうのを見てみること。  そのついでに、ここにも提出ね。提出するのは単なるオマケであって目的じゃないからな。そこのところを勘違いしないように。ちゃんと手を動かしてやっているなら、べつに提出なんて不要なのだ。  あと……。  この「ブギー攻略」の課題は、余力があったらやれと言ったぞ。  まずその日の分のノルマを終わらせてから、ブギーの分析をやること。  今日の分の「あらすじ」が出てきてないじゃんか。「ブギーポップは笑わない」をちゃっかり9番にしちゃっているけど、それノーカウントだからね。  ほれ、10個までは、あと2つだ。  ところで、津荒自身は、ブギーポップは大好きなのか?  いまは亡き分室の一期生あたりだと、だいたいばっちりその世代になっていて、「ストライクゾーンど真ん中」だったようだけど……。  自分が惚れ込んでいる作品のほうが、分析にも身が入るってもんだ。  唯野の場合には、古橋信者と言っていたので、「サムライ・レンズマン」の分析をやらせてみたわけね。  それで、「なんだそれっぽっちしか読み取れないのかよ。おまえそれでも信者かよ。このエセ信者〜」とか、けなすことで、眠れる潜在パワーを引き出したりしたわけね。  だからあそこまで読み取れて、後の世代(津荒)の役に立つ資料となるようなものができた。  自分が惚れ込んでいる作品があったら、いまのうちに申告しておくこと。  教材に使うかどうか考慮しておくから。できれば「信者」クラスまで惚れ込んだ作品があったりすると「潜在パワー」を引き出す役に立つのでよいのだが。  そういや、僕の「MY FAVORITE ONE」も、レンズマンなんだよな。  ただし講談社X文庫の「SF新世紀 レンズマン(上下)/吉川惣司」。アニメ版のノベライズなんだけどね。  昔はノベライズというのは、玄人中の玄人が書いていたものなのだ。  作家志した最初に、まず分析にかかったもんだよなぁ。 >浦戸さん  やあ、来ましたね。  そういえばすっかり忘れていましたが、僕も2月後半から、3月頭にかけては、修羅場に突入してゆく模様です。  まあどこに出歩いたりもしないので、気分転換といえば、寝ることと、この分室への書きこみぐらいなもんですから、そこそこの分量と頻度で継続していけると思います。(僕が分室から姿を消すのは、書いているときよりも、書いていないときのが多いです)  もし僕が突然いなくなっても、期間中は、誰か取っ掴まえて議論でもしていってください。描写なら、いまちょうど、弟切あたりがやっています。  よろしく。  ――んで、さっそく「描写のこと」ですが。  夢境学園のどこが描写なのかと訊かれても、「たいてい全部なにかの描写」としか言えません。  逆に、目に付いた部分がありましたら、引用してもらえると、「そこは○○の描写になっています」と答えられるかと思います。  著作者、ここにいますので、部分の引用に関しては、まったく問題ありません。  でもその前に、「描写」って用語のすりあわせをしなきゃなりませんよね。  描写がなにかわからないからこそ、ここに来ているんだ。――といわれればそれまでなのですが。  とりあえず、いま浦戸さんが思っているところでいいですので、描写というのはどんなもののことを指しているのか、説明してみてください。 >著作権の話  必要以上に著作権を怖がっている人って多いですね。  なにか誤解してひどく怖れられていたり、また自分に都合良い身勝手な理屈を通すために使われていたりすることもありますね。  しかしきちんと調べてみると、なんてことのないものだったりします。  もともとは、オリジナリティーのある物を書いた人間の利益を守るための仕組み。  苦労してなにかを作り上げたひとが、その手柄を他人に横取りされないための仕組みと思えばいいです。  特に引用なんてのは、著作権法の中にも認められているものです。  報道、研究、批評目的であり、常識的な量で、その部分を引用することが必要であれば、著作権者に了解を取る必要さえありません。  今回のケースは描写の研究のためなので、本来であれば、どこの誰の作品から描写を引用してこようが、まったく問題はありません。  ――しかしまあ、世の中、理念や理想や綺麗事だけで動いているわけではありませんし。商売が絡むとややこしくなりますね。  僕はオリジナル作品だけなので、どれを引用しても問題ありませんが、ノベライズ作品の場合には版権元の利権も絡んできます。  僕はこの分室で、自作品の本文引用やプロット公開などをやってます。  僕とつるんでいるみやびさんのほうがそれをできないのは、彼の仕事がいつもノベライズだからです。 >ネタの話  某所で、浦戸さんから出た話題ですが。  レスはこちらに書くことにします。(こちらだとログが永久保存されるますので)  んで、以下、レスを書く前に、ここしか読んでいない人にも経緯が伝わるように、必要部分の引用など。 >> どのお話も一行コンセプトにするときは、一行で納まってしまいますよね? 10巻になる長編でも30枚の短編でも。 >> それで、そのお話が長編になる、とか、短編になる、とか、どうやって見極められるんですか? >> 私は短い話がたくさんあるんです。私自身は10枚で納まる話だと思って書いたのですが、実は説明ばかりのあらすじだから、その枚数に納まっただけで、本当は中編とか長編になる話だったのではないかと疑っているのです。 >> お話の長さはどう見極められるんでしょうか?  あるネタが長編となるのか、短編となるのか、それとも掌編となるのか。  その見極めは「変化量」で計れます。  「変化量」とは、話の「始点」と「終点」。そのあいだで変化している量のことです。  「ガキ」が「男」に変化する話であれば、最低でも長編が必要。普通なら数冊のシリーズ。  「ガキ」が「英雄」になる話であれば、長編数冊に及ぶシリーズが必要。  「ガキ」が「ちょっとマシなガキ」になる話であれば、掌編が妥当。  「あいつ大嫌い」から「あいつ大好き」になる話であれば、長編が妥当。  「友人以上、恋人未満」の二人が恋人になる話であれば、これは短編相当。  「ガキ」から「男」への変化分は、昔(20年くらい前)だと1冊で書ききっていたものですが、最近だと3〜4冊は使うようです。ジャンルによっては10冊ぐらい使うこともあります。  このなかで、「短編」の区分と、「長編」の区分とは、わりと重なっていたりします。  たとえば「不良が更生する話」ぐらいだと、短編でも書けるし、長編でも書けます。  アマチュアは、枚数が少ないほうが簡単だと思うので、これを短編で書いてしまいます。(書くこと、それ自体が大変なので)  プロは、少ない枚数に詰め込まないほうが簡単だと思うので、これを長編で書いてしまいます。(書くこと、それ自体はまったく問題にはならない)  構成に時間をかけてコストを注ぎ込むと、「シリーズで書くべきことを長編に詰める」とか、「長編で書くべきことを短編に詰める」とか、そういうことが行えます。しかしこれはとても大変なことなので、プロでもあまりやりません。  プロだからこそやらないのかもしれません。シリーズで書くべきことなら、シリーズとして書いておいたほうが、長編ひとつで済ませてしまったときの数倍の収入となりますので。  計りかたの基本としては、単位原稿枚数あたりで起こせる変化量というものを「感覚」として掴むこと。  この感覚を先天的に備えている人もいますし、分析と研究を経て、後天的に身につけることもできます。  エピソードひとつで、「ちょっとした変化」が1回起こせます。  ガキが、いきなり一人前になったりはしませんから、「ガキ→男」のあいだには、いくつかのステップが必要なわけです。「小さな変化」の積み重ねが存在します。  1エピソード(1シーン)を書くには、原稿用紙数枚が必要です。文庫本でなら4〜5ページ。  つまり長編は50エピソードあって、短編は8〜12エピソードあるわけです。  「ちょっとした変化」×50と、「ちょっとした変化」×10では、「×50」のほうが、より大きな変化量を扱えるのは、自明の理です。  ちなみに拙作、「星くず英雄伝」の場合には、「見所のあるガキ」が「伝説の英雄」となるまでのスケールを扱う話になっています。しかし次が10巻だというのに、まだようやく「大人」になるかどうかってところです。(8〜11あたりの4冊かけて、大人への変化)  一冊分の変化量をもうすこし引き上げたいと思っているのですが、なかなかうまくいかなくて。能力不足や時間不足という要因の他に、ディテールを描き込みたいという自分の邪念とも戦わなければならないし。  「あるある!夢境学園(1)」だと、「自分の変身体質を嫌っていた少年が、それを受け入れるようになる話」――なので、「嫌い→好き」の変化量ですから、長編1編が妥当なわけです。  まあ変化量の目測を誤って、「これ一冊で行けるだろ」とか思って書き始めたら、上下分冊になってしまったとかいうのはしょうちゅうでして、話のスケールの目測に関しては、僕はあまり大きなことは言えないのですが。 >質問 >>分析しながら読んだのは「キーリ2」だけです。  この「分析しながら読んだ」ということの意味は?  「分析しないで読む」のと、「分析しながら読む」のとは、具体的に、なにがどう違っているのですか? -------------------------------------------------------------------------------- 告白 No.7554 投稿日 2004年2月7日(土)19時02分 投稿者 名無し君2号  もう28歳なんですよね、じつをいいますと。 >弟切さん、描写課題「美人」  これは質問に近いんですけども。 >>あたしは彼女の方へと向き直った。彼女が前を過ぎる。甘すぎないコロンの香りが、あ たしの鼻をくすぐった。  「彼女が前を過ぎる」は誤字じゃないんでしょうか。  「彼女が前を通りすぎる」なんじゃないのかな、と思ったんですが。私だけなのかも。 >津荒さん >「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」」あらすじ  キトが最後どうなったのかがすごく気になりました。例えるならば、クライマックスに出てきた時限爆弾が放って置かれたまんまで話が終わったような感じです。止めるなり爆発してしまうなりしてほしい。出したのなら決着をつけてほしいです。 >「ブギーポップは笑わない」あらすじ  あらすじを読んだかぎりですと、エコーズとマンティコアが対決する話なんですね。  そこですこし疑問に思ったんですが、ブギーポップってこの話のなかではいったいどんな役割を果たしているのでしょうか。  タイトルにもなっているわりには、ぜんぜん存在感がないですよね。なんかいてもいなくてもかまわないような感じなんですが、それって私の気のせいなんでしょうか。 >描写課題「貰われっ子ミーツ四姉妹」  書きました。ちょっと時間をかけすぎたと我ながら思います。5日ぐらいかかったのか?  枚数も16枚ほどになってしまったので、整形はしていません。描写課題のところにあげておきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=778&e=res&lp=610&st=0  なんだってこんな時間がかかったのかの言い訳。  「四姉妹」の造形にも時間がかかったんですが、なんといいますか「貰われっ子」のほうにやたらと手間がかかりました。  このまま短編が書けそうな感じです。書きませんが。 >>それが出来なきゃ、おまえ、小説書くのやめろ。――な。 >>どうせ無理だから。 >>なので死ぬ気でやれ。 >>できなきゃ死ね。  けっこうなプレッシャーだったのですが。  だけどプロは毎回そんな思いで――いや、こんなもんじゃないか。プロの場合、下手なものを書いた日には本当に小説家としては死んでしまうのだし。 >浦戸さん  はじめまして。よろしくお願いします。  「bokoshu」の名前はどこかでお見かけしたことがあるような気がします。どこだったのだろう?  レスには1時間ほど。次回は1000字課題の「桜の枝」(剣術つかいの爺さんが孫に剣を教える話)を書き直す予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7555 投稿日 2004年2月8日(日)03時49分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >あらすじとか >月と炎の戦記  ツクヨミが登場するまでには、開始7〜22まで、15ページ。  ツクヨミの死体を運ぶときに彼の意識は、魂がヨミにすぐ逝ってしまったので、ありません。141〜171で30ページ。  全体は7〜291なので、284ページです。  ツクヨミが登場していないシーンは全体の6分の1ぐらいです。  性別はどのパターンでも大丈夫です。  カエデはツクヨミと一緒にいたい、と思うようにならなければいけません。  同性同士の場合でも好きになる、とまではいかなくても気に入ることはあります。ですから同性でも大丈夫です。  ツクヨミはカエデを異性として気に入ったのではなく、変わった人間として気に入っていますので、関係ないです。 >ブギーポップ  カウントの件、了解です。   >エコーズの話としてまとめた  うーん。僕は違うつもりでした。  主人公を特定したわけじゃなく、地球の敵である三人(早乙女、マンティコア、エコーズ)と、それに立ち向かった人々(紙木城、凪、敬、田中、ブギーポップ)を書いたつもりでした。    削ったのは、竹田の話と、末真の話と、木村の話です。結構な分量です。  竹田の話は、53ページ。末真は47ページ。木村は27ページ。全体が258ページだから半分削ったことになります。 >無理矢理度  同じくらい無理やりだとしても、削った話は、大きな話のひきたて役ですので、大きな話を優先すべきです。 >ブギーポップいるの?  ブギーポップ。あらすじに出てますよ。最後に、マンティコアを倒してます。これだけだとブギーポップがよくわからない存在だから、竹田の話にはその説明の意味もあったんだと思います。  エコーズがいなくなったあとで、残ったマンティコアを倒せるのは、ブギーポップだけです(凪は動けません)。ブギーポップの役割である、「世界の敵と戦う人物」がいなければ話が解決されませんので、ブギーポップは必要です。 >題名  2号さんが指摘してくださったように、このあらすじで「ブギーポップは笑わない」という題名になっているのはおかしいです。  本編には四つの話がありますが、ブギーポップだけが全てに出てきます。四つの、バラバラになりかねない話をつなぎ合わせている、接着剤のようなキャラがブギーポップなのです。故に題名になっている。 >提出  は余裕を見つけてします。 >好き好き大好き……か? 「信者」と言われるのは、その作者の作品を全てもっているとか、脇役の名前までバッチリおぼえているとか、そのくらいのことは当たり前にしていて、ファンであることを誇りに思っている人のことですよね。 >>「なんだそれっぽっちしか読み取れないのかよ。おまえそれでも信者かよ。このエセ信者〜」    と言われてチクショウ! とか思う作品は、小説ではありません。  漫画だと吉崎観音(よしざきみね)という人が大好きで「信者」に該当しそうですが……。  ブギーポップは好きです。あとキノの旅も好きです。  読みかえしたりしている、という程度の「好き」です。 >今日のあらすじ  九冊目「トラブルシューターシェリフスターズMS01」 著:神坂一  一行あらすじ    感情に乏しい生物兵器イーザーが、仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり、少し感情を得る話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=779&e=res&lp=779&st=0     >誤字が出る理由。 1真剣に書くことが習慣になっていない。 2文字の開きの統一をしていない。 3緊張しすぎ。 4眠い。  この四つでしょうか。  1は以前の僕が、「誤字は、まあ、あとでチェックするからいいや」とか、そんな気持ちで書いていたせいです。  書きながら一字一句に注意を払う。そんな当たり前に慣れていないのです。よって誤字が発生する。  2は「事」と「こと」とかのことです。  近頃は基準を作って書いていますので、混乱はそう起きませんが、まだ不安定な基準です。不安定なので、ミスにつながります。    3はそのまま。緊張しすぎると失敗します。本番に弱いのが僕の特長。  4これは「話し」の誤字を出した時の状況です。  1は誤字に気をつけながら書くのを「当たり前」にする。  2は基準を作る。  3は、今はもう大丈夫。  4は眠くない時に書く。 ○2号さんへ >あらすじの指摘  ありがとうございます。  パンドラ、了解しました。 「ブギーポップは笑わない」については上にあります。 >「優しい嘘」の細かい指摘  この指摘は僕の指摘能力をはかるための課題です。いまさらな感じですが、参考になったら幸いです。    どうも僕の指摘能力は、読んでいて一般的におかしいな? と思ったところを指摘するので精一杯なようです。  小説の技術である、描写や視点は、習得していないので指摘しようがありませんし、文章力もありませんので、文章は普通に読めればOKを出してしまいます。    ということで、とりあえず、細かい指摘を。  弟切さんがすでに指摘されたことは抜きです。 744 短編課題、1/17提出分、「優しい嘘」 >>助手席のヘッドレスト越しに、少女の横顔を盗み見る。  ○ ヘッドレスト、というのがわかりません。 >>校庭にはまだまばらに人が残っていた。ほとんどは一年生で、部活動の後かたづけをだらだらと励んでいる。なかには上級生も残っていて、転がっていたボールでサッカーを始めていた。  ○部活の終了時間は、弱小部活しかない僕の学校でも、暗くなってからでした。だから時間的に終わるのが早いなぁと。 >>――にぶい音がひびく。  ○これは殴られた音……ですよね。ひびくというほど大きな音はしないと思います。   >>どうやったってこの人には勝てそうにない。  全てを知っていそうな女性に、 >>「おれ、風野姫太郎といいます」  と自己紹介するのはどうかと……。なんで知ってるんですか? とか、そのへんが妥当だと思います。 >>『心優しい』の言葉が、姫太郎の心にちくりと刺さる。  ○ここを読んで、主人公が嘘を自覚してつき、それによって傷ついている、と思いました。友人が怒った理由がわかるからこそ、「心優しい」という皮肉に、ちくりと傷ついたのかなぁと。 >>山田吾郎、通称ゴリもそんなタイプだった。  ○押しの強い山田くんが、ゴリというゴリラを連想させる屈辱的なあだ名を甘んじて受け入れている理由がわかりません。  あと、この再会のシーンで、ヒロインがなぜ売店にいたのかがわからなかったです。  それから山田くんはいなくてもいいんじゃないかなぁと。余計なキャラクターは減らした方がいいはず。 >>まだ時間が早いせいでホームに人影はすくない。恭介のことがあってから、姫太郎は部活動をする気になれなかった。いわゆる帰宅部で、帰宅時間が早いのはそのためだ。  ○帰宅部が全くいないというのは変です。部活が強制でない高校ならば、帰宅部は半数ほどいるはず。学校が終わってすぐの駅のホームには学生が沢山いるはずです。  >>決まってる。明日美のことを思いだしたら、恭介のことも思いださざるをえないからだ。  ○恭介のことを忘れているようですが、この程度のことなら普通はしっかりとおぼえていませんか? なにかことあるごとに思い出して、後悔するものだと思うのですが。  >>車両のつなぎ目にあるスペースで、カタンカタンとリズミカルにゆられながら、連結部のドアの窓越しに明日美の姿を見つめていた。  ○連結部に立ってたらまずい気がします。 >> 明日美は文庫本から目を離さなかった。  発進のベルが鳴り、ドアが閉まる。  汽笛とともにぐらりとゆれ、電車は発進した。  スピードをあげ、それとともに景色は速く流れる。  姫太郎は、そのまま規則正しいリズムでゆられていた。  ――どうしよう。  ○主人公の焦っている感じが出ていていいな、と思いました。 >>なんだ、と見あげると、無精髭の男が鋭い目つきで姫太郎をにらんでいた。  ○髭の処理はきちんとしないと、仕事場で怒られませんか? ルーズなのかな。 >>四階建ての雑居ビルだった。三階の窓からは明かりが漏れている。  ○だれもいないんですから、節電しましょう。 >>ほの暖かい車内。 >>姫太郎は鼻をうごかした。  ○なぜ動かしたんでしょう。 >>いま姫太郎の手には証拠写真がある。  ○ネガとか残ってないんでしょうか。 >>「さすが元陸上部ね。ここまで何十キロとあるのに  ○二十分そこらで、何十キロは無理ですよ。僕は陸上部だったんですが、(ずっと補欠でしたが)選手でも5000m、15分ぐらいはかかってました。 >>彼は姫太郎の視線に気づく。気づいて、驚きに目を見開いた。信じられない、そんな表情で、ゆっくりと姫太郎のいる場所へと近づいてくる。  ○気づいても無視するような。以前僕が喧嘩した友人だった人は、僕をことごとく無視しました。 >>「あー……。お前、聞いたのか? うちの両親のこと」  ○主人公が探偵事務所でバイトしていたことは知らないですよね。どうして来た? と聞いて答えがないなら、再度聞き返すと思います。  以上です。 ○浦戸さんへ  はじめまして、津荒夕介(つあらゆうすけ)と申します。  若造ですが、よろしくお願いします。 レジュメ  1あらすじとか   1月と炎の戦記   2ブギーポップ  2誤字  3指摘課題  4挨拶 -------------------------------------------------------------------------------- No.7556 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 浦戸さ〜ん No.7557 投稿日 2004年2月8日(日)14時59分 投稿者 新木 伸  いまレス書いてますので、書かれたものを消されてしまうと、非常に困るのですけど〜。  話の辻褄が合わなくなると、最悪、書いたものすべて捨てて、頭から書き直さなくてはならなくなりますので。  そのまま、上げ直してください。  直すべきところを発見してしまったのなら、なるべく、消さずに、あとから補足することで、削除ではなくて、「補足訂正」の形で直してください。  削除しなければならないようなことは、特に見あたりませんでした。(第三者に多大な損害を与えてしまうような重大事項とか) -------------------------------------------------------------------------------- 描写は描き写すこと No.7558 投稿日 2004年2月8日(日)15時00分 投稿者 浦戸シュウ  申し訳ありません。ナンバー7556の削除は私です。  誤字を発見しました。「――」が「、」に、「2号さん」が「二号さん」になっていました。失礼しました。  投稿し直します。  来ました。   >修羅場  はい。そこそこの分量と頻度ですね。わかりました。  突然いらっしゃらなくなったら、博学な弟切さんと議論ですか?  議論になるかどうかはわかりませんが、いろいろなお話をうかがえると嬉しいです。    それでは「描写」を説明します。例として「あるある!夢境学園」(1)から引用させていただきます。 「描写」  物語の語り部が、したり、見たり、聞いたり、感じたり、嗅いだり、味わったり、思ったり、考えたりしたことを書くこと。  例。「あるある!夢境学園」(1)(ファミ通文庫)より引用。  作者視点の物語の舞台の描写(P5、3〜7行) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  山のふもとに広がるささやかな平地の端に、その学園は存在していた。  古くからある学校だ。地元の歴史を紐解いてゆくと、元禄年間にはすでに寺子屋として、この地にあったという記録が残されている。  その寺子屋に通うのは、一つ目小僧に唐笠オバケ、ろくろっ首に大入道。そんな妖怪や魑魅魍魎ばかりだったという。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  視点保持者、達也の位置の描写。(P6、5〜6行) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  あと一歩でも前に出れば、敷地内に踏みこめる。校門の手前の、そんな位置に立ちつくしたまま、達也は感慨にふけっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  視点保持者、達也の転校の不安の描写。(P6、7〜11行) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  いままでいくつもの学校を、転々としてきた。  ここがいくつ目になるのか、もう覚えちゃいない。片手の指の数より先は、数えるのをやめてしまった。  この学校も、またすぐに、そうした指のうちの一本になってしまうのだろうが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  視点保持者、達也がしたことの描写。(P6、13〜16行) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  記念すべき第一歩を、いままさに踏み出そうとした、その時――。 「どいてどいて! どいてくださ〜〜〜〜いぃ!」  女の子の叫び声が、後ろから聞こえてきた。  達也は振り返る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  視点保持者、達也から見た娘の描写。(P7、1〜6行) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  大慌てで、こちらに走ってくる少女の姿が目に飛びこんできた。 「どいてくださぁぁーい」  グリーンのブレザーを着た小柄な娘だ。その口に、よく焼けたトーストを一枚――くわえている。  パンをくわえたまま叫んでいるものだから、「退いてください」が、「のいてください」になっていたりもする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こういうものが描写だと思っています。  この五つを選び出してきたのは「物語の舞台」「登場人物の状態」「登場人物の心理」「登場人物の行動」「登場人物から見た他の登場人物」を描写出来れば、地の文を構成する要素をすべて描くことが出来ると思ったからです。   >ネタの話  詳細なご説明、ありがとうございます。    私は「朝起きて、身支度をして、出掛ける」で、1エピソードになると勘違いしていました。    1エピソード(1シーン)というのは、登場人物の誰かに心理変化が起こったり、登場人物の関係がちょっと変わったりするものなんですね。    ええと、それで、あの。書いているうちに分量が増えてしまうにしろ、そのシーンに必要なものがすべて揃った時点で「書き終わった」ということなんだと思うんですが。    そこに書かなくてはいけないことをプロットにして書き出していても、細かい動作とか表情とか登場人物の登退場とか、そういうものはプロットにはありませんよね? どうして、シーンが終わった、全部揃った、とわかるのでしょうか?  シナリオや登場人物の動きを書いた割り付け書きなど、プロット以外の覚え書きを用意してらっしゃるのでしょうか?  質問に回答します。 「分析しないで読む」とは書かれたことに何の疑問も持たずに、お話を楽しむことです。  具体的に言うと文章を読みとる以上のことをせずに本を読むことです。 「分析しながら読む」とはそこに書いてあるものがなぜここに書いてあるのか考えたり、書かれた言葉の使い方に気をつけて読むことです。  具体的には3ヶ月かけて書き写しました。長いお話を書いたことがないものですから、原稿用紙500枚の長編には何が詰まっているのか知りたかったのです。  そこに書いてあることを写しただけなのですが、1時間ほどパソコンのキーボードを連続で打つと、指が強張って打てなくなりました。  長編をまったく白紙の状態から書き上げるのは、むちゃくちゃ大変なことだ、と思いました。    普段、こちらで使われている、本を読んで一行コンセプトを起こす、とか、プロットを書き出してみる、といった分析とはぜんぜん違うことですね。  違うことならきちんと説明しなくてはいけませんでした。  自己紹介の書き方では、分析の意味が正確に取れない、ということがわかっていませんでした。  なるほど、言葉の精度を上げていくというのは、こういうことに気を配ることなんですね。  勉強になります。 >名無しくん2号さん  おおっ、根性の2号さん。いつもご活躍を拝見しております。  もし、どこかでお会いしたら、どうぞお声をかけてやってください。  「分室の2号」さんと名乗ってくださればわかります。  よろしくお願いいたします。   >津荒さん  体力向上中の津荒さん。1日1冊のあらすじ、拝見しています。  若いうちに勉強しておけばよかった……というのは、やはり年齢を重ねてから気がついたりします(笑)。  よみかく分室という場所に、そのお歳で参加できるのは正直うらやましいです。  私はだいぶ頭が鈍くなっていて、モタモタするかと思いますが、できるだけお邪魔にならないように気をつけます。  よろしくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- >新木さん No.7559 投稿日 2004年2月8日(日)15時15分 投稿者 浦戸シュウ 「補足訂正」了解しました。 申し訳ありません。 -------------------------------------------------------------------------------- 天気晴朗ナレドモ波高シ No.7560 投稿日 2004年2月8日(日)19時47分 投稿者 弟切 千隼  今朝の新聞で『日露戦争開戦からもうじき百年』という記事を読んだ弟切です。二十年以上も昔、親族の老人から、「子供の頃に、日露戦争勝利を祝う提灯行列があった」という話を聞いたことを思い出しました。 >「晴れ」の印象  十人ばかりの友人知人をつかまえて、「晴れ」の印象を訊いてみました。  天文地学を専門とする人はわざと除きました。北陸地方を出身地とする人が三人、残りは関東地方と東海地方の出身者です。  結論から先に書きますと、「天気が良くてぽかぽかしている日」という新木さんの印象は、間違っていませんでした。  「晴れ」に対する印象を集めてみると、「日が射している」・「明るい」・「空が青い」・「雲が白い」・「暖かい」・「まぶしい」といったところでした。  「雲が白い」については、少し説明が必要ですね。  曇りや雨の時には、雲が白く見えることは少ないです。日が射していなくて暗いために、雲は灰色に見えます。雲が厚い時には、黒っぽく見えることもありますね。  興味深かったのは、出身地により、「晴れ」の印象が違ったことです。特に、「冬場の晴れ」に対する印象が大きく違いました。  北陸地方出身の人たちに言わせると、「冬場の晴れ」とはとても珍しいものだそうです。北陸の冬は、雪が降っていなくても、ずっとどんより曇りっぱなしと聞きました。冬に頻繁に太陽を拝める太平洋側の気候は、『何かおかしい』そうです。  ですから、小説の舞台として、「冬に晴れていて雪もない」ところが登場したら、それは半ばファンタジー世界のようなものらしいです。  関東から東海地方出身の人たちにとっては、冬場の晴れは珍しいものではありません。むしろ、冬は晴れているのが普通です。  ただし、冬場の晴れに限っていいますと、「晴れ=良い天気」とは限りません。  太平洋岸で、冬に晴れている場合は、冷たい季節風が吹き荒れることが多いです。そういう風の強い日は、晴れていても「良い天気」とは呼ばれません。風のせいでひどく寒いですし、いろいろな物が風に吹き飛ばされて始末が悪いからです。  冬でも、風がなくて晴れていれば、ぽかぽかと暖かいです。そういう日は、「良い天気ですね」と言われます。  太平洋岸の「冬場の晴れ」は、春から秋にかけての「晴れ」とはちょっと違います。  「天気は何か?」と訊かれれば、冬であろうと夏であろうと晴れは晴れです。しかし、「良い天気かどうか?」と訊かれれば、晴れていても「良い天気じゃないねえ」と答える場合がよくあります。  太平洋岸の人にとっては、「風が強くて良い天気ではない晴れ」は、「冬場の晴れ」として普通です。  もちろん、気候というのは、地方ごとに細かく違います。太平洋岸でも、冬に季節風が強いところばかりではありません。冬でも、風がなくて暖かい晴れが普通だという地方もあるでしょう。でも、そういうところは少ないようです。  で、弟切が書いた「格好いい美人」の話題に戻ります。  太平洋岸の季節風が強い地方に住む人は、あの作品の舞台である「冷たい風が吹き荒れる晴れ」に違和感を持たないでしょう。けれども、それ以外の人には、違和感がある舞台設定だと思います。  「風が強い冬場の晴れ」を出すなら、そういう地方の特性がわかるように書くべきでした。 浦戸シュウさんへ >  初めまして。弟切千隼と申します。やっと「描写」というものがわかりかけているアマチュアです(^^;  某サイトで、bokoshuさんのお名前は拝見しています。期間限定での参加ということですが、よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- きょうはろくぺぇじ No.7561 投稿日 2004年2月8日(日)20時43分 投稿者 新木 伸 ○浦戸さん >描写について >>物語の語り部が、したり、見たり、聞いたり、感じたり、嗅いだり、味わったり、思ったり、考えたりしたことを書くこと。  長々と書かれていますけど……。  浦戸さんが自分の言葉で説明しているところって、ここだけですよね。  もっと自分の言葉で説明してみてください。次は引用はなしで。  しかし……。夢境1巻の中の、数少ない「説明部分」を、狙い打ちしたかのように出してきましたねえ。  各シーンの冒頭の数行とか、各巻の冒頭部分だとかは、「これから何が始まるのか」をてっとり早く伝えるために、説明がちとなります。いちばん最後の「くわえパンの女の子」のシーンが、かろうじて描写といえば描写でしょうか。パンをくわえて声を出すということが、どういうことなのかを描写したって意味で。  「グリーンのブレザーを着た小柄な娘」なんていうところも、本来なら描写したかったところなのです。「大慌てで走ってくる」ということだとかも。  主人公が、このときに見たものは、こんな言葉じゃ伝わらないわけです。  もっと細かなディテールが頭の中にはあるんです。グリーンっていったって、色合いがありますし。鮮やかなグリーンもあれば、沈んだグリーンもある。ブレザーっていったって、色々とありますよね。  小柄っていったって、彼女の小柄は、ただの小柄じゃなくって、もっとこう、なんつーか、情熱的なまでに小柄でラブリーだったりするわけです。また彼女の「大慌て」っていうのは、もっとこう、なんつーかラブリーなわけです。単なる「大慌て」で済むようなものじゃなくてっ。  でも現在の僕の腕だと、そのへんを描写するより、説明でやってしまったほうがわかりやすくなります。ここは冒頭シーンですし、いきなり重たいものを食べさせられたら、読者は胃もたれしてしまいます。よって、ここではわかりやすさのほうを取りました。  冒頭だし。  仕事だし。  実戦だし。綺麗に斬るより、不格好でもいいから、とりあえず目の前の敵をぶった斬っておかないと。レギュラーキャラである「カメ娘」の背格好やら、ひととなりやらを、説明でもいいから、とにかく読者に伝えておかないと。  最低限、「グリーンのブレザーの小柄な娘」と伝わればいいわけです。 >エピソードの話 >>私は「朝起きて、身支度をして、出掛ける」で、1エピソードになると勘違いしていました。  それじゃ、「1エピソード」にはならないです。  というか、そんなんだと、いりません。  不要なので、削っちゃったほうがいいでしょう。  「朝起きました。歯を磨きました。服を着ました。戸締まりをして出かけました」――だと、小学生の作文だとしても、ダメ出しを食らってしまうはず。  ただの事実の列挙でしかなくて、「話」に必須とされるものが欠けているからです。  話というのは、エピソードの集合物なんですね。ひとつひとつのエピソードも、小さな「お話」になっていなければならない。その「朝起きるシーン」が原稿用紙5枚ぐらいの長さがあったとして、その2000字のなかで、始まりがあって、山場があって、終わっていなければならないわけです。  「山場」と書きましたけど、エピソードっていうのは「ミニお話」なわけですから、山場だって「ミニ山場」でいいわけです。  たとえば、「朝起きて、いい気分だったのだが、今日の会議のことを思い出してしまって、嫌な気持ちになる。気を取り直して出社する」となれば、これは「ミニ山場」がありますから、お話なわけです。  いい気分から、嫌な気持ちに転がり落ちる、その落差が山場です。  または、「朝起きた。トイレに入ったが、今日もお通じはなかった。重たい感じを残したまま出社する」とか。  これでも「ミニ山場」がありますよね。トイレに入って、力むけど、出ないところ。  山場の作り方には色々ありますが、いちばんシンプルなものは、「だが」とか「しかし」とか、逆説の接続詞で繋がるようなもの。意外性というもの。  ただ「意外性」がすべてというわけでもなく、逆説で繋がないタイプの山場の作りかたもあります。  「いい気分で目覚めた。そしてもっといい気分になった。爽快に出社してゆく」とか。  この場合の「さらにいい気分」になる出来事としては、ベランダに小鳥が舞い降りてきたとかでもいいですし、テレビの天気予報で「日曜は晴れる」と流れた(日曜は彼氏とのデートの日)とかでもいいですし。 >なにをもって完成とするのか >>ええと、それで、あの。書いているうちに分量が増えてしまうにしろ、そのシーンに必要なものがすべて揃った時点で「書き終わった」ということなんだと思うんですが。  プロットがあって、なにを書くかあらかじめ決まっているなら――。  書いてみて分量が増えちゃうとかいうことはありませんが。  原稿用紙数枚とか、文庫本数ページぐらいであれば、頭の中で下書きができますから。  だいたいどんな順番で、どういうふうに書いてゆくのか、大枠を決めてから実際の執筆に入りますし。  「原稿用紙数枚分、頭の中ですべて完成させてから、紙に書き写す」なんていう修行も、この分室でやっていた人間もいます。(シャドウ執筆) >>そこに書かなくてはいけないことをプロットにして書き出していても、細かい動作とか表情とか登場人物の登退場とか、そういうものはプロットにはありませんよね? どうして、シーンが終わった、全部揃った、とわかるのでしょうか?  ここも、いまひとつ、なにを訊かれているのかわからないのですが。  「こういうことを訊いているのかな?」と見当をつけて、書いてみます。  分室ではよく、小説を書くということを、料理を作るということにたとえて説明したりしますが……。  41歳、女性――ということで、浦戸さんには「料理経験がある」という前提で、たとえ話をひとつやってみます。  もし浦戸さんが「料理は全然」な人でしたら、すいません。  でも「小説の書きかた」よりは「料理の作りかた」のほうが一般的によく知られているはずですから――。なんとなく、料理を作る手順はイメージできるでしょう。  夕飯を作るとして、まず献立を考えますよね。  買い物に出るときには、なにを買うかも、だいたい決まってますよね。  まあ人によって、買い出しメモを書いて持ってゆく人もいれば、頭の中だけで覚えてしまう人もいるでしょう。このへんのやりかたは人それぞれでしょうけど、とにかく、「夕飯の献立によって、なにを買うかはもう決めてある」状態になってから、買い物に出かけてゆくわけですよね。  献立も決めず、材料になにが必要なのかもわからないまま、買い物に出て行く人はいませんよね? もしいたら、それは「変」ですよね?  献立によっては、冷蔵庫にあるものだけで足りてしまうこともあるわけですし、ひょっとしたら今日は買い物に出なくても済むのかもしれませんし。  買い物に出てから、「あら今日はなにも買う必要がなかったわ」と気づいて手ぶらで戻ってきてしまう日が何日も続くようなら、それは「うっかり」とかいう度を越えていますよね。  病院に行って、診てもらったほうがいいですよね?  つまりここで、買い物に出てゆく人は、以下のふたつのことを、充分にイメージできているはずです。 ・夕飯で作るもの。 ・そこで必要となる材料。  そして「材料がわかる」ということは、調理手順も、すべてわかっていることになります。その人は頭の中だけで、料理を作ってみることができるはずです。  「まず鍋に水を張って火に掛けて、そのあいだにニンジンの皮を剥いて、大根をイチョウにして、鶏肉を適当な大きさに切っておいて」――と、すべての手順を、頭の中で再現できるはずです。  そしてさらに、「ああニンジンも大根も根野菜だから、水から煮なきゃらならないっけ。じゃあニンジンの皮は先に剥いとかなきゃだわさ」と、手順の間違いに気づくことができれば、頭の中でやり直しだってできますよね。  実際の調理でそんな「やり直し」をしていたら、時間ばかりかかるし、なにより材料がもったいないです。  ――で、そういうふうに、「この十数年間、毎日毎晩、献立を考えて食事の支度をしてきた人間」からすると、「どうやってその料理が完成したことを知るのか」という質問は、ひどくナンセンスなものに感じられるわけです。  そんなの、頭の中にある「完成予想図」と同じになったらに決まってます。  頭の中にあるすべての手順を、実際にきっちりこなしてゆけば、思った通りの出来になるわけですから。そこが完成点です。  ちなみに「主婦」は1日3回しか「料理」をしません。  しかしプロの料理人は、それを一日中やってます。1日に100回ぐらいは「料理」を作っています。  「料理を作った回数」が、主婦とは二桁ぐらい違っています。そのぶんだけ、よりリアルに精密に、「完成予想図」を思い浮かべられるようになっています。  なんだか、だんだん、浦戸さん宛というよりは、浦戸さんの発言をきっかけにして、話がひとり歩きをはじめてしまっていますが……。  浦戸さんは、なにか返事を返さなきゃ、とか焦らないでいいですよ。  このへんの話、酔っぱらいの話に近いものですので、聞き流してください。なにか役に立ちそうな話があったら、こっそりと持っていってください。 >小説を書くということ、そのスタンス色々  浦戸さんの場合。  調理経験2年10ヶ月で、そのあいだも毎日料理していたわけでもなくて、これまでに作ってみた料理は35種類――ということですね。  まだ試行錯誤で料理を作っているわけで、調理前に手順を思い浮かべられるほど慣れていないということですね。  そうして試行錯誤を続けてゆくままでも、毎日毎日やっていれば、そのうちベテラン主婦のように、買い物メモがなくても、必要なものを必要なだけ買ってこれるようになれると思います。  まあ三度三度の食事の支度を、まあ10年もやっていれば、誰だって、そうなります。  ただ、より早く熟練していこうとするなら、「ベテラン主婦は調理手順を頭の中で再現して、そこで予行演習をしているのだ。自分もそれができるようになろう」と目標を明確に持って練習したほうが、上達は早くなりますよね。  たとえば新婚家庭の奥さんが、「旦那さん」という食べさせる相手がいて、その相手のために料理を上達したいと思っているなら、なるべく早めに上達したほうがいいですよね。  ひとくちに「料理を作る」といっても、色々なケースがあるわけです。 1.料理をすること自体が楽しい。自分で作って自分で食べる。好きなように作りたい。早く作れなくても、美味しくつくれなくても、楽しければそれでいい。――という人と。 2.おいしい料理を作って、それを食べてくれて喜んでもらえるのが嬉しい。――という人と。 3.私は「料理」を職業としたい。お金をもらい、美味しい料理を提供するのだ。――という人と。  浦戸さんの場合には「読者」がいるのですから、たぶん「2」のケースでないかと思うのですが……。  分室の連中は、一部の人を除いて、だいたい「3」です。  すくなくとも本人申告では、そういうことになっています。  包丁もろくすっぽ握れないくせに、プロになろうなんてのは、不届き千万なのですが――まあ現実の料理店でも、「見習い」ってのはそんなもんですし。なんにも知らずにその世界に飛び込んでくるから「見習い」なわけで。  小説家という業種は、求人広告が「要経験者」ばっかりで、「見習い募集」ってがないのが問題なのだなぁ。  見習いを使ってくれるような職場は――じつはこれが、けっこう存在するんだけど。  しかしたいていの作家志望者ってのは、「一流シェフ(看板作家)」になりたいのであって、見習いになりたいわけではないのですね。  だから「見習い募集」って職場を見かけても、スルーしてしまう。「要経験者」と明記されている求人広告(小説賞)に、自分の書いた小説を送りつけて、採用されるつもりでいる。そもそも規定されてる「資格」を満たしていないんだから、採用されるはずがないんですけど。  そんなもん、書き出しの3行を見れば、確実に判別が付くんですけど。  それが「経験者」の作ったものであるか、「素人」の作ったものであるか、なんてことは……。  まあしかし、応募者が2000人もいれば、そのなかには、なぜか偶然にもそれまでの人生の中でやってきたことが下積み修行となっていて、「要経験者」の能力を獲得している人もいたりします。そういう人だけが、賞を取ってデビューしたりする。  そういう方法は、あまりにも泥臭くて、効率が悪いです。  「要経験者」なんて、正しくトレーニングさえすれば、たいていの人がなれるものなのに。  ――とか思っているので、僕はこの分室をやっているわけですが。  「3」のプロ志向の人が中心ですが、「2」の家庭料理の人も歓迎です。  ただ上の区分でいうところの「1」の人は、お引き取り願うか、もしくは再教育することで、「2」の人に変わってもらっています。  自分ひとりで悦に入っているよりも、誰かに食べさせて「美味しい」と言ってもらったほうが全然楽しいでしょ? ――てな具合に。  誰にも読まれないような小説を、投稿サイトに投稿して回って、感想もつかないでため息ばかりついているより、きちんと読んでもらえて、愉しんでもらえたほうがいいよね? ――てな具合に。  あと、本当は「1」の「ひとりよがり」なのに、自分では「3」のつもりでいる人もいたりして……。この場合には、まず自分が「1」なのだということを自覚してもらわないとはじまらないので、「2」への再教育はその後になります。  2号の場合がそのケースでしたね。  とりあえず「読者」をあてがうことで、「読んでもらえる快感」を刷り込んで、仕込んでいる最中です。そろそろ「3」になってきてるんじゃないかと思いますが。  桜庭さんも初期状態は2号とたいして変わらないのですが、「1」への自覚途中のまま、現在逃亡中です。 >プロとアマチュアの境界とか  「2」の家庭料理の人というのが、僕は健全なアマチュアだと思っています。  でも「2」の家庭料理の人って、じつは大変なんですよね。  「小説」って分野で、「2」の人が育たなくて、事実上の絶滅状態にあるのは、なんでかな、と考えることがあります。  読者は目が肥えたグルメばっかりなので、比べる対象っていえば、「一流シェフの料理」になってしまいます。家庭料理に対する点が、どうしても点が辛くなってしまいます。なかなか「美味しい」と言ってもらえない。  旦那が奥さんに向かって、「お前の作る酢豚は、中華料理店で食べるよりもぜんぜんうまくない」なんて言ったらケンカになります。  感想を言う人が、それを「常識」として踏まえていないのは、どうしてなのだろう。  もしくは、なんでもかんでも「べた褒め」にしちゃって、甘やかしちゃうのか。  家庭料理は家庭料理の観点で計って、「うまい」「まずい」ときちんと言ってやればいいのに。  金を取れる出来かどうか、という観点の他にも、材料を無駄にしてしまっているかどうかという観点だってあるはずです。食べられるものを、食べられるように調理してあったら、それでもいいのに。  絵の世界だって、料理の世界だって、音楽の世界だって、「日曜画家」とか「日曜料理人」とか「日曜音楽家」とか、あるのに。  「日曜小説家」ってのがあったっていいのになぁ。  野球やサッカーには「草野球」って楽しみかたがありますよね。  しかしたいていの人は、「プロになろう」なんて邪な大目標を掲げたりしません。  草サッカーまで含んだ「サッカー人口」が多くなってくれば、はじめなんの気なしに草サッカーをやっているだけの少年が、そのうちなにかのきっかけで「俺はプロ選手になる」と本気で決心して、すべてを振り向けてサッカーの練習に励み、やがては世界に通用するレベルの選手となったりすることがあるかもしれません。 (このへんは、「日本サッカー強化論」とかで、サッカーファンの人にはおなじみの理論のようですね)  ――が、実際には、小説では、「なんかの偶然」で充分な才能を備えていた人間しか、作家になれていません。  それまでの人生でやってきたことが、たまたま小説を書く訓練になっていた人だとか。そういう人間だけしか、プロに作家に必要とされるレベルに到達できていません。  素人を2000人集めてきて、そこに「経験者」が何人か(偶然にも)紛れ込んでいるのを期待しているというのが、小説賞の現状です。  小説だけ、なんで、こんなにナメられているのだろう?  「プロ」ってものが、すぐ手が届くほど低いところにあると錯覚されてしまうのは、なぜだろう? 素人がなんの修行もしないで、そのままプロになれると侮られているのは、どうして小説業界だけなのだろう?  ナメていないで、腹をくくって修行に励めば、20歳からだって、40歳からだって、充分にプロになれるのに。いま小説業界のプロのレベルは「底辺が非常に狭い」おかげで、とても低いところにあるのだから、数年の修行で充分に割り込んでいけるのに。  前から疑問なことだったりします。  プロとアマチュアと、きちんと棲み分けがされていないのは、どうしてだろう?  僕はよく、「つまらん」「くだらん」「金がとれん」「商品にならん」「小説ではない」と誰かの作品を叩いたりしますけど。それは「プロ志望です」と言っている相手の作品だから、叩いているわけです。そんな出来では、とても店に出せないし、金は取れないよと、そう言っているわけです。  なにもご家庭の台所にまで踏み込んでいって、奥さんが旦那さんを喜ばすために作った料理に向かって、「そんな出来では店に出せん」などと言ったりはしないのですが。  またそろそろ、浦戸さん宛に戻ってきます。 >プロットと本文との関係  夢境の4巻が手元にあるなら――。  そこの短編のひとつが、プロットの形でありますので、アップしてみます。  ただ後述する理由によって、あまり参考にならないかもしれません。 「がんばるおんなのこ」・香坂葵が自分の恋心に気づくまでの話。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・校庭で体育。50メートルのタイム取り。あんまり早くない葵だが、頑張って走っている。このあいだのことがあってから、なんにでも、がんばることにした葵。 ・自習している2年生の教室を見上げると、窓際に立っていた達也と目があう。手を振ると振り替えしてくれるが、隣に江利香さんが出てくる。手を止めてしまう葵。 ・教室。休み時間。 ・1年C組にいるメンツ。桃子。犬神君。コジロー君。 ・桃子と犬神君、最近、急接近。(犬の日はお休み。今日は4日ぶりに来てる日) ・コジロー君、部長さんに引っぱり出されてゆく。コキ使われているけど、なんだか嬉しそう。 ・昼休み。放送室でお弁当をつまみながら、DJをやっている葵。曲を流している間にちまちま食べ、曲を変えているあいだにはトークを流す。二人組のお仕事。勝ち気な女の子が相棒。葵にトークをさせようとする女の子。苦手な葵は断ろうとするが、なんでも頑張ることに決めたので、やってみることにする。 ・放送部の同僚の女の子の忠告に従って、誰か(達也)の顔を思い浮かべて、そこに話しかけるようにトークをするとうまくできた。 ・数日続く。葵のトークは好評。 ・放送室で準備中。見たこともない男子(放送を聞いているファン)から告られる葵。おもわず断ってしまう。「わたし好きな人いますからっ」と、自分自身でびっくり。全校に放送されてしまう。 ・逃げ出して校内をうろつく葵。自分が恋をしていたことにいまさら気づく。その「相手」も自覚できた。 ・同、放課後の防衛部部室。その放送がしっかりと聞こえている。 ・葵の好きな人は誰なのかと、その噂で持ちきり。案外とファンが多かった模様。 ・達也もその噂話に乗っている。あきれ顔の江利香。なにも言わない。 ・ファンに追われて防衛部の部室に逃げこんでくる葵。かくまってやる達也。 ・「わたしっ、がんばりますからっ」と宣言する葵。葵的に「告白」だったことを理解せず、「がんばれっ」と応援してしまう達也。 ・晴れ晴れとした顔で帰ってゆく葵。ファンが待ち受けていても、物怖じしない。 ・「なに言ったのかわかってる?」と、あきれ顔の江利香くん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは自分用の調理手順メモみたいなものです。  プロットといっても、詳細度によっていくつも種類がありまして……。「自分だけがわかればいいもの」と、「小説に詳しい人にならわかるもの」と、「誰にでもわかるもの」と、色々あります。  料理のレシピにも、そういう区別がありますよね。  「塩少々」とか「油適量」とか書いてあっても、まったくの素人だと、「少々」ってどのくらいなのかわかりません。こう書いてあるのは、料理にそこそこ慣れている「中級者用」のレシピなわけです。家庭でよく料理している奥様用。  本当の初心者向けのレシピは、もっと他にあります。冷凍ギョウザの裏あたりに書かれているのが、初心者向けの調理法ですね。  油の分量も「小さじ1杯」と、きちんと正確な分量が書いてあったりします。「良い焼き色になるまで」なんて書いてないで、「中火で3分」と書いてあります。  またプロ用のレシピであれば、そもそも「肉に塩を振って下味を付けておく」なんて「あたりまえ」のことは、わざわざ書きません。  そのレシピのポイントとなる部分だけに絞って書いてゆくわけです。「このときのワインには、渋みの強いフルボディを使う」とか、なんかそんな感じで。  上記のプロットは、いわばその「プロ用」でして。  編集さんに見せて、この内容でOKかどうか、ゴーサインを貰うためのものです。  これを読むだけで、僕の頭にあるのと同一の「完成予想図」をイメージできるのは、担当編集さんと、あと、みやびさんぐらいなもんでしょう。  ちなみに「塩少々」ぐらいまで書いてある「中級者用」のレシピに相当するものなら、星くず6巻「ひとかけらのレイディ」の企画書が、過去ログのどこかにあがっています。  あれはプレゼン用で、企画会議用のものでした。  小説専門の編集者だけでなくて、雑誌媒体のほうの編集者も見ることを想定しています。なのでなるべく詳しく書いてあります。物語の取り扱いに慣れている人なら、その筋のプロでなくても、業種違いであっても、どんな話になるのかはわかるはず。  それでも「物語」の基本フォーマットを知っていて、慣れている人でないとわからないでしょうが……。  誰が読んでもわかるように――となると、設計図を見せるのではなくて、縮小模型でも作って見せないとなりません。  そのくらいなら、もう実際に書いてしまったほうが早いので。  ちなみに、照らし合わせてみてもらえるとわかりますが、設計図と実際に上がった本文とでは、ほとんど変わりがありません。  DJのシーンにおける相方が、「同学年の少女」から「尊敬している女の先輩」に変わっていることと。  新聞部部長(女)に引っぱられてゆくコジローをぼんやりと見ているだけだったのが、二人を見ながら「いいなぁ」と口にして、なにがいいのか、考えてみても結局わからなかった――という部分が付け加えられているのと。  男子生徒たちから逃げだした葵が、ただ校舎内をさまよっていただけだったのが、逃走中に心の中で助けを求め、そのときに達也の顔を浮かんできて自分の恋心を自覚する――と変えた部分と。  まあ、そのくらいです。  修正量としては――。  浦戸さんが「ショッキング・ピンク」という某所に上がった作品を書き上げられて、意見を聞いて修正して、改稿版として書き直してきた――。  そのときの修正量よりも、小さいはずです。  僕のこちらのほうで、プロットから実際の完成稿に至るまでの修正量は、アマチュアの一般的な基準でいうなら、変えたうちにも入らないぐらいの些細な修正のはずです。  ――で、もちろん僕は、一度書き上げてからは、どこにも修正を入れていません。  そのまま入稿して、本になっています。 >>そこに書かなくてはいけないことをプロットにして書き出していても、細かい動作とか表情とか登場人物の登退場とか、そういうものはプロットにはありませんよね?   プロットには書いていないというだけで、書こうと思えば、いくらでも細かく書けるんですね。  表情も、動作も、いつ誰がやってきて、どこで誰が出入りしているのか。  全部、書こうと思えば書けます。  ただ、できる――ということと、常にやっている、ということとは、別です。  細かく考えてゆくことは、やればいつでもできることなので――僕はそれを実際の執筆段階でやることにしています。  ニンジンの皮をどう剥くのか。どう手を動かして剥けばいいのか。そこまでイメージして考えようと思えば、もちろんできます。しかし頭の中でまでやることではありませんよね。あまり意味がありません。  レシピを考えているときには、ただ、「ニンジンを一本。皮を剥き、イチョウに切る。と、そう考えていればいいわけです。  たとえば、上のプロットで、主人公の「葵」がDJをやっている放送室のシーンがありますよね。  放送室の中がどうなっているのかなんて、僕はプロット段階では考えていません。どう書くかなんていう心配もしていません。  ――が、僕は自分が放送室を書けることを知っています。自分の冷蔵庫の中に「放送室の雰囲気」ってものはちゃんと入っています。それを使えばいいわけです。  また僕は、その部分の描写をどうやるのか、ニンジンの皮をどうやって剥けばいいのか――ということも、もちろん知っています。ニンジンの皮を剥いてみたことは何度もありますし、自分の皮の剥く腕前がどれほどのものであるのかも、わかっています。  ニンジンは冷蔵庫にある。自分はニンジンの皮を剥くことができる。――なんの心配もいりません。  ――なので、プロットには、「DJをしている葵」とだけ書くのです。  ちなみに「がんばるおんなのこ」のプロット。  この「調理手順書」を作るのに、電話でみやびさんに付き合ってもらいながら、たしか1〜2時間ってところでした。  翌日からすぐに書きはじめて、のべ3日間、20時間ほどで書き上げました。  調理手順書を書くまえに、僕の中にあったネタは、「自分の恋心に気づいていない女の子が『あっ!私はあの人のことが好きなんだ』と気づくという話は面白そうだ」というぐらいのものです。  料理でいうなら、鴨肉を蒸してデミグラスソースをかけたら、なんか美味しくなりそうだ――ぐらいのものということです。  おおまかな料理のアイデアはすでにあり、そこから、具体的に細かな実際の調理手順を決めてゆく過程が、その電話をしながらの1〜2時間ということです。 >分析して読むということ >>「分析しないで読む」とは書かれたことに何の疑問も持たずに、お話を楽しむことです。  つまり、出された物を、口に運んで咀嚼して、胃袋に送りこむということですね。  出された料理を、ただ、食べる――と。  そして「美味しい」と言う、と。 >>「分析しながら読む」とはそこに書いてあるものがなぜここに書いてあるのか考えたり、書かれた言葉の使い方に気をつけて読むことです。  つまり、なぜそこにニンジンが入っているのか。なぜニンジンがなければいけないのか。こっちの肉は焼く前になにか下味をつけているのだろうか。ただ焼いてあるだけなのだろうか。  そういうことを考えながら、どうやってその料理が作られたかを考えながら食べるということですね。  そうした食べかただと、味なんて、よくわからなくなってしまうでしょうが……。  料理の研究をはじめた人っていうのは、みんなそんなもんです。  はっきり言って、おいしくはないですね。僕は「自分がうまい料理を作るため」と割り切ってますから、あまり気にしていませんけど。  まあ分析しながら食べることに慣れてくると、「楽しんでいる自分」と「分析している自分」と、両方同時に存在したりするようになってきますから、楽しみながら分析できるようになってきますけど。  またごく稀に、あまりにもウマすぎて、分析も忘れて一心不乱に食べるだけ――てな作品に出会うこともあります。  まあ料理と違って、小説の場合は、二度でも三度でも読むことができますから。  一度目はなにも考えずに味わって読んで、二度目、三度目で分析すれば良いでしょう。  食べる楽しみと、分析することで得られる成果と、両方取れる方法ですので、二度読みはお勧めです。 >タイピング速度  しかし、1時間書いていると限界ということだと……。  ひょっとして、キーボードを使わずに、手書きでレポート用紙にでも書き写していたほうが、効率が良くはありませんか?  小説を書くのにパソコンを使うのは、それが便利な道具であるからで、なにを使って書いていてもいいかと思います。  あと長くパソコンを使うつもりなら、タッチタイプを覚えてしまったほうが楽ですよ。  キーボードをまったく見ないで打つための方法です。  分室過去ログの中を「タッチタイプ」「ブラインドタッチ」で検索すると、色々出てきたりしますが。  これを身につけると、モニター画面だけを見ていれば良くなるので、キーボードとモニター画面とのあいだを視線が行き来せずに済むので、眼精疲労の予防にもなります。  たとえば手書きで書くとしても、インクの途切れる安物のボールペンを紙にごりごり押しつけて書いているより、何万円かする万年筆で買ってしまって、それでサラサラと書いていたほうが遥かに楽ですよね。  100円と、数万円――。  最初にかかるコストは、万年筆のほうが遥かに大きいんですけど。  タッチタイプも最初は面倒ですが、2週間くらいで身に付きます。  僕は「ロードス島戦記」の最初の一章を打ちこむあいだにタッチタイプを身に付けました。だいたい2〜3日ほどで、見ていたときよりも早く打てるようになりました。以後、15年間、タッチタイプができるおかげで、だいぶ得をしてきました。  もし練習するつもりでしたら、手を置く定位置となる「ホームポジション」の場所と、どのキーをどの指で打つのかという指移動方法だけを覚えたあとで――。  「すべてのキーにシールを貼りつけて文字を隠してしまう」  「すべてのキートップをマジックで塗りつぶしてしまう」  「キーボードを箱にしまいこんで、その箱の中に手を入れて、見ても見えないように、キーボードと手とを物理的に隠してしまう」  「キートップが無地になっている特殊キーボードを使う」  ――などの荒療治を行い、キートップの文字を見たくても見れない状態に自分を追い込み、その勢いで、小説の一章でも打ち込んでしまいましょう。一章が終わる頃には、もう見ないで打てるようになっています。 http://www.remus.dti.ne.jp/~shigenom/typing/index.html  なおタッチタイプについて、詳しいことはこちらなど。(キートップ無地キーボードのレビューなども載っています)  まあ、「タッチタイプを身につけよう」というのは、お勧めであって、強制ではないので、あまり気にされなくてもいいですが。  このあいだ周辺でリサーチしてみたら、プロ作家でも8割ぐらいの人はキーボードを見て打っているという事実が判明しました。  まあ小説の場合には、タイプするよりも考えている時間のほうが長いですから。  ただすくなくとも、現在の1時間打っていると限界――ということだと、いろいろと差し障りが出てくると思います。  いっそ手書きに切り替えるか、キーボードを扱う練習をきちんと行うか、どちらかにしたほうが良いんじゃないかなぁ。  ちなみに、僕の場合、ただ見て打ち込むだけなら――。  単行本1冊、原稿用紙500枚程度なら、まあ3〜4日ってところでしょうか。  でも、1日1時間だけだと、やはり30日ぐらいは掛かっちゃうのかな? 3〜4日というは、まあ8時間はやる計算ですから。  タイプだけの速度だと、1時間につき原稿用紙30枚ですが、見ながらその通りに打つとなると、半分ぐらいに落ちてしまうでしょう。それは計算の中に折り込み済み。  タイピングに慣れておけば、写本も1週間で1冊できますよ。  3ヶ月かけて、1冊書き写すのであったら――。  まずはじめの2週間でタッチタイプをマスターして、残りの2〜3週間ぐらいでゆっくり入力していても、まだ2ヶ月近く「お釣り」がきたのではないでしょうか? >描写サンプル  おなじひとつのことを、説明と描写と、ふたつのバージョンで見比べることができると、理解しやすいですよね。  昔、こちらの分室ではなく、「よみかく」の感想掲示板のほうで、紫を拉致ってくるときに書いたレスの中で、良いサンプルがありました。  アクションシーンなのですが、内容はいいのに、説明にしかなっていなかったものを、描写にしてみた、というものです。 (紫版、説明) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  色黒の右の腕と肩に錫杖を打ちこむ。金属の鎧が棒の形にへこんで、そいつは片膝をついた。返す勢いで左側の兵士の剣を跳ねあげ、ひらいた脇腹に右の掌呈を叩きこむ。その右手を錫杖の環にかけて引き、棒のうしろを跳ねあげるようにして、背後で剣を振りかぶる兵士の顎を強打した。左側と背後、両方の兵士が同時に崩れおちる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木版、描写)(戦闘シーンという形の「アクション」=「動き」の描写です) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ルーナは色黒のやつの右の腕、そして肩に錫杖を打ちこんだ。金属の鎧が鈍い音を立てつつ、錫杖の形にへこむ。  そいつが片膝をつくよりも早く、ルーナは左の兵士の剣を跳ねあげていた。懐に飛びこみ、右の掌底を叩きこむ。そのまま右手を錫杖の環にからめ、錫杖のもう一端を後ろに向けて跳ねあげる。  鋼鉄がしなった。  背後で剣を振りかぶっていた男の、その顎を砕く。  左側の兵士と、背後の兵士。  二人が崩れ落ちる音は、ちょうど同時に聞こえた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  説明版でも、なにが起きているのかは理解できるでしょう。まあようするに、少女が凄い腕前で、一瞬の間に三人を倒すわけです。特に最後の二人に関しては、アクションが終わってから、倒れた音が後から聞こえてくるぐらいの――そんなすごい一瞬の連続した動きだったわけですね。  しかし、どんなことが起きているのか理解はできても、「見た気分」には到底なれやしません。こんな説明をいくらされたところで。  ――で、僕の描写版のほう。  まあ、たいしたことのない描写なんですが、説明版よりは、多少は「見た気分」になれるはずです。  あと、こんなものもありました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書いてないですが、飼育小屋に入れました。  書いてないですが、羊は20匹ほど居まして。追い集めて、山道を歩かせて、柵の切れ目から村に入れて、教会の裏側(10mほど先)にある飼育小屋へ全部入れました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  羊を追い集めて、小屋に入れるというシーン。  どうして小説の中に書いていないのかと問いつめたところ、「そこを書いてもおもしろくならないから」と言いわけをしてくるので、上の「説明」を描写するとおもしろく読めるようになる、ということを実証するために、描写してみました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  牧草地から連れてくるときには抵抗していた羊たちだが、村が近づいてくると、むしろ率先してルーナたちふたりを先導するようになった。  羊たちの小屋は、教会の裏手にあった。  入口の戸を開くなり、羊たちは次々と飛びこんできた。ルーナは戸に手をかけたまま、その数を数えていった。最後の二十匹目が、皆から遅れて、もたもたと駆けこんできた。それを確認して、ぱたりと戸を閉める。  そしてルーナはフェインに振り返った。 「ごめんね、おなかすいたでしょ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここではなにを描写しているのかというと――。  「羊飼いが羊を追い集めて小屋に入れるということ」と、「羊は20匹いる」ということの二つですね。  「20匹の羊がいた」と書いてしまえば、それで済んでしまいます。  しかし実際に20匹の羊がいるということを見せるためには、こうする必要があるわけです。  20なんて数は、人間がぱっと見て一瞬で判別できるはずはありません。  一匹一匹、数えていって、たしかに20匹いることを確認しなきゃならないわけですね。ここではルーナという少女に数えさせています。それがつまり、「20という数」の描写なわけです。 >弟切  描写版のほうで、ひどい手抜きを発見。 >>甘すぎないコロンの香りが、あたしの鼻をくすぐった。  「鼻をくすぐる」というこの表現。  「くすぐる」という言葉の一般的な意味にはない用法なので、どこかの作家が捻りだしてきたものだと思われる。  よく見かける表現で、僕もうっかり見落としてしまっていたけども……。  でもこれ、いつの時代のどこかの誰かが、知恵を絞って捻りだしてきた表現なんだよな。  いまやっている練習は「手作り弁当を作る」という課題だろ。描写練習なんだから。  余所様が作ったお総菜を何気なく盛りつけてるんじゃないよ。  時間のない主婦が毎朝のお弁当を作るのにレンジでチンのハンバーグを使ってもいいけど、「手作りのお弁当を作ってみましょう」っていう名目の料理講習会で、どこかで買ってきた総菜を盛りつけてるなんてのは、それ、正気の沙汰じゃないわな。おい奥さん料理する気はあるのかい?  短編や長編を書いたときに、うっかり紛れこんでしまうぐらいならいいが――。  こんな短いものを書くときに、紛れこませるな。 >>「気がつくと、ダウンジャケットの中で背中が丸まっていた。」  これ、推敲してみた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  気がつくと、ダウンジャケットの内側で背中が丸まっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  気がつくと、ダウンジャケットの内側で、背中が丸まっていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うーん。どっちかしらん。  前後の文がないと、この文単体では、どっちとも決められん。  「中→内側」となったので、読点を打っておきたいところなのだが。  まわりにくる文章が白すぎるようなら、読点は打てない。まわりのほうを調整して黒めにしておいて、ここには読点を打つことにしてもいいけど。  ちなみに白い、黒いっていうのは、文字密度のことね。紙の単位面積あたりのインクの量が多いか少ないかって話。  改行の量、句読点の量、漢字率、そんなもので決まる。  ちなみにこれは――。  推敲ってものが、どのレベルで行われるものなのかっていうこと。  あと「黒さ」ってものまで考慮して文章は書かれるのだということ。  そういう話ね。 ○津荒 >>主人公を特定したわけじゃなく、地球の敵である三人(早乙女、マンティコア、エコーズ)と、それに立ち向かった人々(紙木城、凪、敬、田中、ブギーポップ)を書いたつもりでした。  うん?  エコーズって「世界の敵」だったの?  単なる観察者だったように思ったが。  あの話のなかにある勢力は、そんなふうに、二つにまとめて白黒付けちゃっていいものなのかな?  ブギーポップという存在は、「世界の敵の敵」であるだけで、べつに「人々の味方」なわけではないように思ったが。そもそも「人」でさえないし。ある女子高生の体を間借りしている「人格」にすぎない。  すべてを「敵」と「味方」の二色に塗り分けてしまう考えかたって、それ、どうなん?  ちょっと子供っぽすぎやしないか? >>「信者」と言われるのは、その作者の作品を全てもっているとか、脇役の名前までバッチリおぼえているとか、そのくらいのことは当たり前にしていて、ファンであることを誇りに思っている人のことですよね。  いや、違う。  ここでいう「信者」っていうのは、それをいちばん好きなのは自分だと思っている人間のこと。  つまり唯野は、作家古橋秀之(の書く作品)をいちばん好きなのは誰でもない自分であると、そう主張しているわけね。どこに向けて主張しているのかはよくわからんが、たぶん、全世界、全宇宙、全次元、全時間において――自分が一番であると、そう主張しているのだろう。  だから、効くんだってば。  「俺のほうが、お前よか、この作品を深く読みこんでいるぞ」っていうひと言が。  うーん。信者レベルまで入れこんだものは、津荒にはないのか。じゃあ使えないなぁ。 >>感情に乏しい生物兵器イーザーが、仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり、少し感情を得る話。  ふむふむ。  最近は、おもしろそうに聞こえる一行を出してくるようになったじゃんか。  思わずどんな話なのか詳細が読みたくなって、クリックしちゃったよ。  「感情のない(乏しい)女の子が、パートナーと共に行動することで、感情を得てゆく話」――ってのは、けっこうあちこちで使われている主軸だよね。  アニメの「新世紀エヴァンゲリオン」なんかで、「綾波レイ」のラインのストーリーが、そんなもんだった。このへんを例に出してくると、「知らないです」とか言われそうで怖いなぁ。もう10年前の作品だもんなぁ。  あと最近の漫画だと、ジャンプの「BLACK CAT」のイブのラインのストーリーが、だいたいそんなところ。「生体兵器」ってところまで一緒だし。  生体兵器を「男」にして、相棒を「女」にしているところが、この作品における他と違う差別化――「ひねり」なわけね。  一行コンセプトを読んだところで、「女vs女」の組み合わせなのかと思った。  でも「男vs女」だったのか。 >誤字の出る理由 >>1真剣に書くことが習慣になっていない。 >>2文字の開きの統一をしていない。 >>3緊張しすぎ。 >>4眠い。  1と2は分かるとして。  3はよくわからん。べつに面接だとか、そんな一発勝負じゃないんだし。時間制限のある筆記試験でもないんだし。  何度でも見直しはできるし、落ち着いて自分のペースでやればいいんでないの?  掲示板におけるやりとりっていうのは、そこが利点だろう。あと小説を書くということも、そこが利点だろう。  俺も掲示板だと、自分の意見をこうしてはっきり言えるけど、何十人も前にして喋るとなれば、緊張しちゃってぜんぜんだめだよ。  ああ。時間制限っていえば、誤字を抜くために15分って、そんな制限時間を設けてたっけ。必要なら、必要なだけ延長していいんだぞ?  ただしいつまでもダラダラやってたってきりがないし、1日も寝かせるなんてもっと意味がない。妥当なところで切り上げないとならない。そういう意味で、15分って言ったのだが。  あと4の理由は、弟切も似たようなことを言っていたが。  それが理由になるというのが、どうも、よくわからん。  疲れてたって、なんだって、「文章を書く」となった時点で、スイッチが切り替わるものだろうが。  バッターが打席に入ったようなもんだ。  格闘家がリングにあがるようなもので、いま肋骨をやっちゃってるから――とか、そんな些細なことが、なんか関係すんのか?  陸上用語だと、なんというのだ? グリッドに入って、ラインについた、とでもいうのかな?  50メートルダッシュをそれまで何本やっていて、どれだけへとへとになっていたとしても、ラインについたら、スイッチが入るもんでない?  陸上選手ってのは、そういうもんだろ?  短距離やら長距離やら、まあ「選手」といったって、いろいろあるだろうけど……。  そいつが「陸上選手」であったなら、ラインについたら、スイッチ入るもんだろ。「疲れている」かどうかには関係なく。入るだろ?  もし入らなかったら、そいつはなんのために練習をしていたのだ?  小説を書くために生きている人間が、小説を書こうとしたときに、最大の集中力が出なかったら、そいつはいったい何のために生きていることになるのだ?  ああ。小説でなくて、普段の文章の話だっけか。  まあ、似たようなもんだろ。 >2号の「優しい嘘」への指摘  まず……。  なんか変な「○」は、これ、なんじゃらほい?  「>>」の記号は、僕も使っているし、引用部分を示す記号だとわかるけど。  変な「俺ルール」を説明もなく使うな。「○」の記号を使ってもいいけど、それがどんな意味を持つのか、使う前に説明するのこと。 >>弟切さんがすでに指摘されたことは抜きです。  弟切が指摘していたことが、自分も指摘しようとしていたことと重複しているなら、詳しく書かないでもいいけども、自分も気になったということは書いておくべき。  弟切の指摘のなかで、自分との重複はあったの? なかったの? >>○ ヘッドレスト、というのがわかりません。  「ヘッドレスト」というものを、読んだときに知らなかった――ということはわかった。  しかし、いま現在でも、知らないまま?  あと一般的に津荒ぐらいの年齢の高校生読者は、「ヘッドレスト」を知らないもの?  まだ学校に行く日があるなら、クラスメートに聞いて回って、「車の車内にあるヘッドレストってなんだかわかる?」とか、リサーチしてくるのこと。  もし、言われるまでもなくすでにリサーチ済みであって、「普通の高校生じゃわかりませんよう」と2号に言っているつもりなら、単に書きかたの問題。そう伝わるように工夫しないと。 (まあ、でもたしかに、俺も中高生向きのライトノベルなら、「ヘッドレスト」はNG語として、使わずに止めておくかなぁ) ○2号 >アホなミス  やはり読まんでおいて正解だったもよう。  津荒の指摘のなかの引用部分に、こんなものを発見。 >>発進のベルが鳴り、ドアが閉まる。 >>汽笛とともにぐらりとゆれ、電車は発進した。  大きなラブホ街があるぐらいだから、舞台は都会なわけだろ?  関西弁を使ってないから、おそらく東京ってことだよな。もしくは関東近郊。横浜とか、そのあたりか。  汽笛を鳴らして電車が発車するってのは、そりゃ、どこの世界の「関東地方」の話だ?  岩手のほうじゃ電車は「プアーッ」と音を鳴らして発車するのかもしれないが、都会の電車は、そんな音は鳴らさないの。  ついでにベルも鳴らない。ホームのスピーカーが「ぷるるるるるるる」と鳴り、「ドアが閉まりますご注意ください」とアナウンスが入るのだ。 >>「さすが元陸上部ね。ここまで何十キロとあるのに  大笑い。  「何」という言葉は「数」とおなじ。  つまり「5〜6」という曖昧な数を示している。  主人公は50〜60キロも走ってきたのか。超人か、忍者の子孫かなにかなのか?  すいませーん。このラーメン、「ゴキブリ」が入ってたんですけどー。どうしてくれますかー。 >778 2/7分、No.13「貰われっ子ミーツ四姉妹」  話にならん。  そのごちゃごちゃして、ぐちゃぐちゃしたものは、いったいなんだ?  それは食いものか? 食えるものなのか? ブタのエサか? お前が自分で食うためのエサかなにかか?  イントロが長い。そもそも不要だ。おまけになんの役にも立ってない。  四姉妹の書きわけに、工夫のカケラも感じられない。  四人でいっぱいいっぱいのところに、さらに母親まで出すな。バカタレ。  姉妹のうちの二人、キャラがかぶってるだろ、気づかんのか。  四人を書き分けるってのが、自分の能力限界を越えることに挑戦しているという意識はあったはずだ。なんの工夫も用意もなくて、ただ書きだす――なんていうアホで無謀なことは、さすがにやっていないはずだ。  なにをどう工夫したのか、すべて列挙して、説明してみろ。  あと、「四姉妹」「男の子」「貰われてきた」「初日」――この4種の素材に、どういう優先順位を付けたのか、書くこと。どれがメインで、どれが添え物であるのかということね。  なぜそれがベストだと判断したのか、その理由についても説明すること。  俺はもともと、「書き分け能力」のテストでこの課題をやらせているわけね。  「よその家に貰われてゆく少年の心境に入りこめるかどうか」の感情移入度のテストで、この課題をやらせているわけじゃないのね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7562 投稿日 2004年2月9日(月)02時35分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >ブギーポップとか >>すべてを「敵」と「味方」の二色に塗り分けてしまう考えかたって、それ、どうなん?  ということは、分けることができない、ってことですか。  怪しいのはエコーズ。  エコーズを敵としたのは、彼が「人間は滅亡していい」と報告すれば、人間が滅びるからです。  エコーズはマンティコアを倒すという点においては人の味方に見えます。しかしそれはエコーズが審判する者であるからとった行動にすぎません。審判する条件を公正にするためです。敵だからこそ、とった行動。  故にエコーズは敵。  ……とか考えていました。  が、そうすると「ブギーポップが味方」の説明がつかない。  ブギーポップは人間の味方ではありませんが、地球を守るという点で味方だった、というのがブギーポップを味方にしていた理由。エコーズも一面だけなら味方になります。  うーん。コンセプトがきちんと把握できていなかった。考えます。   >今日の本  十冊目「物騒な女神たち」 著:中村うさぎ    一行あらすじ  自分がギルという名の人間だと思っていた主人公が、ドルチェ王家の秘密を探るうちに、自分の本当の正体を知る話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=780&e=res&lp=780&st=0 >誤字の理由  眠いから。ではなく、 >>疲れてたって、なんだって、「文章を書く」となった時点で、スイッチが切り替わるものだろうが。 このスイッチ切り替えができていないから、ですか。うーん、わかったような、わからんような。 >指摘のこと  書くべきでした。  弟切さんと重なっていたのは、  1主人公が深夜労働していること。  2明日美が留年するまで働いていること。  3探偵事務所のいいかげんさ。  です。 >「○」について了解しました。 >ヘッドレスト  とは、イスの頭を支えるための部分のこと。  次に学校にいくのは、卒業式練習の時です。聞いてみます。  レジュメ  1あらすじ   1ブギーポップ   2本日  2誤字の話  3指摘とか -------------------------------------------------------------------------------- >津荒さんへ(#7562) No.7563 投稿日 2004年2月9日(月)04時11分 投稿者 とんびの羽根 >>怪しいのはエコーズ。  「(分類が)あやしいのはエコーズ」のほうがいいんじゃないでしょうか。「怪しい」だと漢字の意味が強くなりすぎて「エコーズが挙動不審だ」と読めました。 >>自分がギルという名の人間だと思っていた主人公が、  ……だと(ばかり)思いこんでいた主人公という説明と、ギルという名前であるという説明が、同一文節に含まれてますね。そのために意味を取りにくくなります。  「自分を人間だと思っていた主人公のギルが」と「自分がギルという名前だと思っていた主人公の人間が」のどちらでしょうか。   >>イスの頭を支えるための部分のこと。  イスの頭ってなんですか?  助詞の「の」の使い方、使う位置に問題があると思います。誤読しました。  「イスの(上部に取り付けられた)、(座ったひとの)頭を支えるための部分のこと」と  「イスの頭(の部分を)支えるための、部品のこと」のどちらにも読めてしまいます。   -------------------------------------------------------------------------------- 最近CDを買っていない No.7564 投稿日 2004年2月9日(月)06時55分 投稿者 名無し君2号  本当につつましい生活をしている私――まあぶっちゃけると貧乏なんですが、お金がないとまず娯楽から削られていきます。小説やCDやゲームが売れない理由を、ただいま身をもって味わっているところ。 >桜の枝リライト  1000字課題の「桜の枝」を書き直しました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=781&e=res&lp=770&st=0  直した点は、冒頭の神社内を映しだすカメラワークと、「剣で斬られた」ことの描写についてです。  具体的には、カメラワークは連続していなかったところを自然になるようにつなげたこと。「剣で斬られた」描写は、「老人の殺気」や「斬られた少年」などの余計な部分をなくして、「剣で斬られる」のみに注力したことです。 >短編 >友人がこうむるだろう不利益 >>2号が言うには、真実を告げる「強さ」というのは、「相手の気持ちになる」ことで得られるのだという。 >>つまり主人公は、「友人の気持ちになって」考えてみた結果として、このまま表面を取り繕って家庭を続けさせてゆくよりも、ぶっ壊すなり、痛くするなりして、すっきりさせてしまったほうがいいと、そう判断したわけだな?  自分にできることと、できないことをまず考えます。  友人の父親の浮気をごまかしとおす――なんてことは、いまの主人公にはどうやったってできないことです。できもしないことを、たかが自己満足、この場合は「真実を告げることの痛み」ですが、そんな理由でやろうなんてのはただの傲慢でしかない。  相手にとって一番いいことはなんなのか。一番いい結果はなんなのか。自分の力量はどのくらいなのか。  それ見極めて、そして自分の都合は全部無視して、出てきた結果からどうするかを選択する。  あ。これだと「友人の気持ちになって」じゃなくて、「友人の立場になって」の間違いだ。ぜんぜんわかってなかった私がいる。 >>肝心の決断をさせるときに、主人公に、きちんと考えさせているのか? 「あいつならどんなことを望むだろう?」――とかさ。 >>相手の気持ちになって考え抜かせて、そして結論を出させているわけ?  出させてません。  テーマがなんなのか、話のキモがなんなのかを見極めてなかったせいもあって、どうにも描き足りません。 >2回目の嘘  なぜ主人公は証拠を持って逃亡したのか。  友人のため、です。  このままだと友人の家庭がめちゃくちゃになってします。ああうああ、どうしようどうしようと悩んでいるうちに、思わず考えなしに証拠を盗んで逃亡したという場面です。 >>なにか2号がいうには、「2回目の嘘」ってものがあるらしいんだけど……。 >>それって、どこにあるのだ? なにが2回目の嘘なわけ? >>主人公、1回しか嘘ついてねーじゃん?  ええと、これは話のテーマが「真実は貴い」とかそんなふうに誤読されたら嫌だな、と思ったので嘘をつかせたものでした。  なので、まあどうでもいい嘘をつかせています。具体的には、最後に友人に会いにいく場面で「なんでここに来たんだ? おれの両親が離婚するってだれかから聞いたのか?」という友人からの問いかけに、「そうだよ」と臆面もなく答えたことだったりします。  ちなみに本当の理由は、自分の決断が友人にどんな結果をもたらしたのか知りたかったため、です。それを説明するには自分が浮気調査をしていたことも言わなくてはならないし、それをしったら相手は傷つくし……ということで嘘をつきました。 >プロットの空白部分、決断の行方 >>まず依頼主への報告のシーンが、どのようになるのかを、詳しく説明のこと。 >>そのあとに、以下の質問に答えること。三択で答えられるはずだ。 >>主人公はその場にいなくてはならないのか? >>それとも逆に、いてはならないのか? >>いてもいなくても、どちらでもかまわないのか?  主人公は盗んだ証拠写真を返して、真実を告げちゃってくださいと言うだけです。報告する現場にはいません。そもそも友人の母親とは顔見知りなので会えなかったりします。  これはいなくてもいいです。  いたところで、しょせんはそれも自己満足にしかならない――と思うのですが。 >津荒さん >ブギーポップあらすじ  ブギーポップの視点で書いてみたらどうでしょう? なぜブギーポップはあらわれ、なぜ宮下藤花に憑依し、物語中ではどんな行動を取ったのでしょう。  だってこの話、「ブギーポップは笑わない」ですし。「エコーズは滅ぼさない」じゃありませんし。  「ブギーポップ」がどんな話かをだれかに説明するならば、「主人公の恋人が世界を救う『ブギーポップ』というのになっちゃってさ……」とかなりませんかね。 >九冊目「トラブルシューターシェリフスターズMS01」あらすじ  一行あらすじの、「感情に乏しい生物兵器イーザーが、仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり、少し感情を得る話」、これは違うんじゃないですかね。  私はこの小説を読んだことはない――本来ならつっこめる立場にはありません――のですが、津荒さんの書かれたあらすじを読む限りでは、どうしてもサミィが主人公にしか見えません。  さらには一行あらすじも、「冷酷なプロに徹していたはずのサミィとイーザーが、コリィの仇をとるために、プロらしくもなく悪の組織を壊滅させる話」としか思えないのです。なぜならば、ラブコメ要素よりもバトル要素のほうがあらすじの文章量が多いから。  本当にイーザーが主人公で、本当に恋心を抱くならば、ほとんどの出来事はそれに関係するエピソードになると思うのですが。  たとえば、「生物兵器のイーザーは、リーダーであるサミィと共に人捜しをしていた」とか、「イーザーは自分の相手を一蹴して、苦戦していたサミィを助ける」とか。サミィがどんな立場なのかはわかりません。相棒なのかもしれないですし、社長なのかもしれないですし。 >十冊目「物騒な女神たち」あらすじ >>一行あらすじ >>自分がギルという名の人間だと思っていた主人公が、ドルチェ王家の秘密を探るうちに、自分の本当の正体を知る話。  具体的に「自分の本当の正体」を書いてほしいです。それとも、これは小説内では明かされないことなんでしょうか。 >浦戸さん  こ、根性ですか。なにやら私にもっとも欠けている言葉がでてきたような気がしますが……端からはそう見えているんでしょうか。  それと、どこでお見かけしたのか思いだしました。某ごはんのサイトです。そこにあった小説を読んでいたりしました。ちなみに感想は書いてないんですが。  新木さんの「貰われっ子ミーツ四姉妹」の指摘については次回やります。レスには3時間。 -------------------------------------------------------------------------------- 描写の説明 No.7565 投稿日 2004年2月9日(月)12時20分 投稿者 浦戸シュウ  こんにちは。役に立つもなにも、コピーアンドペーストで全文保存して、ときどき読み返します。新木さんの書き込みは。今わからないことも、いつかわかるようになるかも知れませんから。  「小説の書き方」を「料理の作り方」にたとえていただけるとわかりやすいです。が、朝食3レシピ、昼食12レシピ、夕食24レシピを使い回している、横着な家庭料理を作っているだけですから、料理店の人気シェフのレシピを持ち出されるとイメージしにくくなります。  ただ、料理店のものだと、現物としての実感がわかないというだけです。 「このときのワインには、渋みの強いフルボディを使う」と書いてあれば「渋みの強いフルボディ」を「プロ仕様の材料」と読み替えられますので、新木さんの書き込みが何を言わんとされているかはわかる、と思います。  説明部分を描写と思って読んでいるから、さっぱり区別がつかないんですね。  読んでいて面白かったので描写かと思ってしまいました。   >>もっと自分の言葉で説明してみてください。次は引用はなしで。  描写というのはどんなもののことを指しているのか説明してみる、とは、描写を定義してみることだと勘違いしていました。  料理にたとえます。  私は「包丁というのは食材を切るものです」とお答えすればいいのだ、と思ったのです。  お答えしなくてはならなかったのは「出刃包丁というのは肉の厚い重くて短い刃を持っているもので、鳥の足の関節を切り分けるときに使うものです。さしみ包丁というのは長くて細くて薄い刃を持っているもので、お刺身のブロックを切るときに使います」とかいうことだったんですね。  あの、プロの料理人を前にして、そういうお話をするのはおこがましいと思ったので、分室では極力避けたほうがいい、と考えていたのですが……。  あ、なるほど。「私はこういうものが出刃包丁だと思っています」と申告して、新木さんに「それは包丁ではなくて、おたま」とか「確かに包丁だけど、野菜包丁」とか、わからせていただかなくてはならないんですね。そうでないと包丁を使うようにはなれないのですね。  たぶん私は料理が出来るひとから見たら、大笑いするような勘違いをしているに違いないと思うのですが……説明を試みてみます。  用語については分室の過去ログを全部読んではいますので、大雑把にはわかっているはずなんですが、精度は低いのではないかと思います。えー、とにかく、やってみます。     >描写について  物語の語り部が五感に感じたことや、思考したことや、体の動きを書くのが描写です。 語り部には物語全体を客観的に見ている神さまや、物語を書いている作者や、登場人物本人や、登場人物に寄り添う第三者(目と脳だけの存在)がなります。  五感に感じたこととは、目で見たり、耳で聞いたり、肌に感じたり、鼻で嗅いだり、舌で味わったりする事柄です。  思考したこととは、心に浮かぶ事や、二つ以上の似たような事を比較検討したりすることです。  体の動きというのは、登場人物本人か、寄り添う第三者が語り部だったときに自分の体が動く様子を書くことです。  神様から見たときや作者から見たときは語り部自身の体はそこにはないので、体の動きは書かれません。  物語の中の描写は臨場感を出したり、読者の感情移入を促すために使われます。  神様視点の描写は「戦闘シーン」や「物語舞台」などを描くときに使われます。物語世界の誰かに視点が寄ってしまっては全体像がわかりにくくなる場合です。 例・神様視点、乾いた大地に雨が降るところ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  最初の一粒が暗雲立ち込める空から落ちてきた。  雨粒は乾いて赤茶けた大地に吸い込まれ、十円玉の大きさの染みが出来た。  しばらくすると、またひとつ、染みが出来た。染みはポツン、ポツンと大地に増えていく。  出来ては消えていた染みが、やがて輪郭を残すようになった。雨粒は次から次へと降り注ぎ、落ちた痕がどこなのかわからなくなっていった。  二時間後、大地の上にうっすらと水の膜が張った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  解説します。語り部は神様ですから物語世界のことをなんでも知っています。そこに落ちたのが「最初の一粒」で、落ちた場所が「乾いた大地」で、大きさが「十円玉の大きさ」で、大地が飽和状態になったのが「二時間後」であることがわかっているのです。    何も見ないで書いたものなんですが「最初の一粒」あたり、どこかで読んだような気がしてきました。どこだったかは思い出せないんですが。  気にはなりますが、次にいきます。 例・作者視点、乾いた大地に雨が降るところ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うっとうしく曇った空から何かが落ちてきた。  赤茶けた大地にあたって、スッと吸い込まれていった。染みが出来たがすぐ消えていった。  しばらくすると離れた場所にまた染みが出来た。ポツリ、ポツリと音がする度にどんどん増えていく。ひとつ音が聞こえたかと思うと、すぐにまた別の音が聞こえてきて、音がいくつも重なっていった。  やがて大地の染みは消えなくなり、音は激しさを増し、ついに、大地の上にうっすらと水の膜が張った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  解説します。語り部は作者ですから、見たことを表現するのに感情が伴います。「うっとうしく」「すぐ」「どんどん」「すぐに」「また」「いくつも」「激しさを増し」「ついに」「うっすらと」は作者の主観で書かれたものです。  登場人物、もしくは登場人物に寄り添った視点の描写は登場人物の状態や、心理、行動を描くときに使われます。読者さんが物語世界の中の登場人物に感情移入して、物語の中にいるかのように感じてもらうために使います。 例・登場人物視点、足に刺さった釘を友人に抜いてもらうところ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  校舎の裏を走っていると左足が急に重くなった。足もとを見ると運動靴に大きな板がくっついていて、足の動きについてきていた。なんじゃこりゃ。右足でとんとんと飛びながら、一緒に走っていた友人に左足を差し出して板を指さした。 「これ、取って、取って、取って!」  友人はいぶかしげな顔をしながら板をつかんだ。左足を板から引き剥がすと、足の甲のあたりにチクッと痛みが走った。 「わ、釘が出てる!」  友人の言葉に吸いよせられて板を覗き込むと、赤く錆びた釘が板から生えていた。赤いといっても朱色に近い錆びの色だけではなさそうだ。  左足を地面に下ろそうとすると足が勝手に戻ってきた。どうしても地面に足を着けることが出来ない。右足でけんけんをするたびに体が回ってしまう。  ズキンっと鋭い痛みが足の甲に走った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  解説します。登場人物本人が語り部ですから、自分が見聞きしたことや考えたことや思ったことを語ります。板がくっついている理由は最初はわかりませんし、足元を見ている途中に見たことの感想を言います。 例・登場人物に寄っている視点、足に刺さった釘を友人に抜いてもらうところ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  彼は友人と連れ立って校舎の裏を走っていた。  何かに足を取られて立ち止まり自分の足元を見ると、運動靴に古びた板がくっついていた。右足で飛び跳ねながら左足を友人のほうへ向けて板を指さした。 「これ、取って、取って、取って!」  友人は首を傾げながらも板をしっかりつかんだ。彼は左足を引いた。板から足が離れてよろけた。 「わ、釘が出てる!」  友人の声を聞いて彼が板を覗き込むと、朱色に錆びた釘が板から生えていた。  赤いのは錆びのせいばかりではなさそうだった。足の甲にかすかな痛みを感じた。あの釘が足に刺さっていた? だが、特に痛みはない。しびれているだけだ。  彼は左足を下ろそうとした。なぜか地面に足が着く前に返ってくる。右足でぴょんぴょんと回った。  ズキンっと鋭い痛みが足の甲に走った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  解説します。登場人物に寄っている視点で、登場人物を外から見たり、内から見たり、内心の声を代弁したりします。  以上です。 >シーンの完成。 >>だいたいどんな順番で、どういうふうに書いてゆくのか、大枠を決めてから実際の執筆に入りますし。  あ。そこです。うかがいたかったことは。ありがとうございます。  あ、なるほど。大枠が決まったら、細かいところは引き出しから適宜引っ張り出してきて使うわけですね。   ・夕飯で作るもの=全体の完成予想図 ・そこで必要となる材料=引き出しのストックの中身、足りなければ取材。  と理解しました。その両方が揃っていて、料理の腕があれば作れるんですね。 >プロット >>そのまま入稿して、本になっています。  い、一度書き終わったときは完成しているものなんですね。  プロ作家さんは……。  詳細さに段階があるんですか。この「がんばるおんなのこ」のプロットから、本文までの間は引き出しから調達できるので書きとめておく必要がないんですね。わかりました。  書き慣れなくて引き出しの中身がない素人は、縮小模型まで書いたほうが間違いなく完成形までもっていけそうです。  さて、問題は完成形というのをどうやって知るか、ですね。話自体は私の頭の中にもやもやっとしかないわけですから。細部を詰めているうちに浮かんでくるといいんですが。 >>それでも「物語」の基本フォーマットを知っていて、慣れている人でないとわからないでしょうが……。  あの、その「物語」の基本フォーマットというのは、どういうものなんですか?  「かわいい女の子はいい子でなくてはならない」とか「弱い男の子は成長しなくてはならない」とか、そういうものですか?   >タイピング速度 ご紹介ありがとうございます。  あ、あの。親指シフトを使っていて、文章を打つのはタッチタイプで、それでこのスピードです。ショートカットは使えません。  前はかな入力だったんですが、文章量が増えたら、左手の小指がつりそうになったので一昨年の12月に1週間、45時間をかけて親指シフトを覚えました。  タイピングは楽になったのですが、半年後の6月の時点で、1日1時間電撃文庫3ページが文字通り身体的な体力の限界だったんです。  自分の小説を打つときは、書いては直し、書いては直し、するものですから、連打することがありません。打つ、という点ではかなり楽に出来ます。3時間くらいは続けて打てます。  手書きよりは早いと思いますが、親指シフトは宝の持ち腐れ、かも知れません。  1週間で1冊は、どうでしょう。かなり早いと思います。   弟切千隼さんへ  初めまして。どうぞお気軽にお声をおかけください。  短い間ですが、よろしくお願いします。   >名無し君2号さん  はい。傍から見ているとそう見えます。  某ごはんでしたか、読了ありがとうございます。  何か思われたことがありましたら、ぜひ、お言葉をかけてやってください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7566 投稿日 2004年2月9日(月)14時23分 投稿者 新木 伸 ○2号 >>この話、「ブギーポップは笑わない」ですし。「エコーズは滅ぼさない」じゃありませんし。  うまい。座布団一枚。  津荒の出してきたあらすじが、「エコーズのライン」になってしまっている違和感を、たいへんうまく言い表している。  そうそう。そうだよな。  あの話、「エコーズは滅ぼさない」ってタイトルじゃないもんな。 >>こ、根性ですか。なにやら私にもっとも欠けている言葉がでてきたような気がしますが……端からはそう見えているんでしょうか。  そういうもんだろ。  俺だって、「文章力の達人」とか「構成力の達人」とか、おまえらからは、そう見えているはずだが……。  ちがうのだ。  俺にもっとも欠けているものが、「文章力」と「構成力」なわけ。足りないという自覚があるからこそ、これまでせっせと磨いてきたし、いまもせっせと磨いているわけ。  足りている、という自覚なんてのは、研鑽の邪魔になるだけだ。  そこにあぐらをかいてしまって安住してしまうから、もうそれ以上、伸びなくなってしまう。  俺の文章力も構成力も、先天的に身につけたものではなく、すべて後天的に身につけたものなのね。  文章力なんて、作文大嫌い少年だったんだから、本当にゼロだったんだってば。構成力のほうも、読書感想文であらすじを書くことさえできなかったわけで、いまの津荒の半分もなかったんだってば。  そんなゼロ近辺の、低い低いところから――現在の「商業水準」にまで昇ってきた道筋をいまでも覚えているから、ノウハウとして他人に伝達することができるわけ。  はじめから持っていた能力だったら、人に教えるなんて、不可能なの。  魚は泳ぎかたを人間に教えることはできないの。魚は生まれつき泳げてしまうんだから。人間は人間から泳ぎかたを教わらなければならないの。  おまえらは、俺の開発してきたノウハウのおこぼれに預かれているわけ。  おまえも「根性の身に付けかた」ってことで、なにかノウハウを持っているなら、誰かに伝えてやれ。それを必要としているやつは、けっこう多いはずだぞ。根性なしって、多いはずだから。 >短編「優しい嘘」 >>自分にできることと、できないことをまず考えます。 >>それ見極めて、そして自分の都合は全部無視して、出てきた結果からどうするかを選択する。  見極めたわけか?  では、その結論として出てきたのは、いったいどんなことなのだ?  父親の浮気を隠し通して、友人をずっと「現実の痛み」から遠ざけておいてやる――なんてことは、自分に「できないこと」だと思い知ったわけね。  じゃあ、そいつに「できること」のほうは、なんなんだ?  そいつ、なんかやったわけ?  話の中で、そいつが行ったことを、具体的に列挙せよ。  俺にはそいつがなにかやったようには見えないのだが。  もしなにかやっていたとしても、ひどく些細なことじゃないのかな。あらすじやプロット中にあっても、俺が見落としてしまうぐらい。  「これです。これ。こいつがやったのは、これとこれです」と、きっちり指さして、目の前に持ってきて見せてくれ。できれば虫眼鏡付きで。 >決断の行方  答えになってないぞ。ボケ。 >>これはいなくてもいいです。  いなくてもいい――ということは、いてもいいということなのか? >>そもそも友人の母親とは顔見知りなので会えなかったりします。  ここのところ、「顔見知りではない」ということに設定変更すれば、主人公が同席できない理由は消えるよな。  俺の質問は、選択を行い、理由付きで提示しろ、ということ。  主人公は浮気報告の現場に、いなくてはならないのか、いてはならないのか、どっちなのか決めろと言っている。  三択と言ったが、「どちらでもよい」なんていう答えは、実際にはあり得ないんだよ。じつはそいつはトラップだ。  「どっちでもいい」なんていう答えは、創作という作業の中には存在しないのだ。  かならず、どちらにするのか、決めなくてはならないんだよ。作者は。  決める、ということが、創作の本質なんだから。不確定性の海の中から、選択することで、可能性を切り出してくるのが、創作者の仕事ってもんだ。  この主人公は、依頼主である母親への報告の場に、同席することも、同席しないことも選べるはずだよな?  明日美に、「俺も一緒にいきます」といえば連れて行ってもらえるだろうし、「俺は行きたくないです」と言えば、そうなるだろうし。また「俺の口から、あいつの母親に言います」と言えば、やらせてもらえるだろうし――。  母親と顔見知りだから会えないとか、そんなもんは、設定を変えればどうとでもなることだ。  主人公は、どっちを選択するんだよ? 会うのか、会わないのか? 自分で言うのか、言わないのか?  その選択の理由は、なんなんだよ?  たとえば「同席しない」という選択を主人公がしたとしよう。  そこで明日美が、「どうしてあなたが自分の口から伝えないの?」とか聞いてきたとしよう。主人公はどう答えるのだ?  主人公が自分の口から伝えることが、「友人のためにならない」となる、客観的な理由があるわけだろ?  「自己満足」だとか、「嫌だから」とか、そんな手前勝手な理由ではなくて――本当に友人のためを思っての理由が、そこにあるはずだよな?  父親の浮気を暴いて、友人の家庭をめちゃめちゃにしたのが自分であることを――友人に知らせないでいたほうが、友人のためになるというのは、いったい、なぜなのだ?  浮気調査をしたのが自分だということを、友人が知った場合。  浮気調査をしたのが自分だということを、友人が知らずにいる場合。  ――それぞれ、なにが変わるのかを、比較検討してみるのこと。 >逃亡した主人公 >>なぜ主人公は証拠を持って逃亡したのか。 >>友人のため、です。 >>このままだと友人の家庭がめちゃくちゃになってします。ああうああ、どうしようどうしようと悩んでいるうちに、思わず考えなしに証拠を盗んで逃亡したという場面です。  ちがうよ。  作者がきっちり考えていなかったからだよ。  きちんと考え、考察し、熟考したうえでの選択として、「主人公にうろたえさせ、衝動的行動で逃亡する」というエピソードに決めたわけではない。  このときの主人公の心理状態っていうのは、「ストレス下」にあるわけだよな。重大な決断を迫られるという精神的なストレス下に置かれていた。  また同時に作者(お前だお前)のほうも、「主人公の行動を決めなくてはならない」という作品最大の山場における「重大な判断」を迫られていたわけだ。  このとき、主人公の受けているストレスと、作者の受けているストレスとは、まったく同じものだ。  で、作者であるおまえはどうしたのかというと――逃げやがった。  このままだと作品最大の山場がめちゃくちゃとなってしまう。ああうああ、どうしようどうしようと悩んでいるうちに、思わず考えなしに逃亡してしまったのだろ?  主人公が友人のためになにかしようとしていたのと同じように、おまえもまた、作品のためになにかしようとしていたのだろ。だが結局のところ、やったことといえば、「逃げちまった」わけだよな。  主人公のあの行動は、おまえの行動を鏡に映したものなわけ。  あの主人公は、おまえ、そのものなんだよ。  おまえのへたれかげんが、そのまま出ている。おまえがへたれているから、主人公もへたれているんだよ。  こんな無様な真似は、二度とするな。  まず自分と主人公とを切り分けろ。おまえはどれほどへたれでもいいから、主人公のほうは、もうちょいとマシな人間にするのだ。  逃げずに踏みとどまれる人間――という意味だが。  書いてる最中に考えているから、自分そっくりの主人公しか出せないんだよ。  いざそのシーンになってから、主人公がどう判断するかなんて考えてるから、おまえは思考から逃げだしてしまうんだよ。  構想段階で、あらかじめ考え抜いておけばいいんだ。  主人公は物語のなかで、リアルタイムに「重大な決断」をしなくてはならないわけだ。考える時間なんて、主人公には与えられていないのだ。  しかし、おまえのほうには、「考える時間」がたっぷりとあるわけだろ?  思考から逃げたくなっても、何度でも踏みとどまることができる。どういう行動がベストであるのか、結論を導き出すまで、じっくりと腰を据えて考えることもできる。  何度も言うが――。  書いている最中に考えるから、いかんのだ。  なにもお前まで主人公と同じ「リアルタイムの重大な決断」をしなくたっていい。お前は時間を使っていいのだ。  あらかじめ決めてあれば、悩む必要なんてない。  そのシーンを書いている「その瞬間」に決断しきれなかったら、勢いのまま、筆が滑っていってしまうだろ。「思わず」なんて接頭詞の付く、考えなしのアホな行動を取らせてしまうだろ。  そして筆が滑っていたことにも――。  自分が「逃げていた」ことにも――。  お前はついに、気づくことはないのだ。永久にな。  キーボードをタイプして腕に溜まった乳酸を――疲労感を充実感と錯覚して、傑作を書いた気分に浸ることになるのだ。  そして自分の「傑作」が世に受け入れられないのは、世の中の連中に見る目がないのだと決めつけるわけだ。  ちがう。  おまえの作品が世の中に受け入れられないのは、おまえが「へたれ」だからだ。きっちりと考えていないからだ。  時間をかけて考えてもいいのに、「リアルタイムに重大な決断」という不利な状況でわざわざ勝負して失敗して、しかも失敗したことにさえ気づいていないようなアホタレだからだ。 >津荒 >なんでもかんでも二色に塗り分けてしまう件 >>ということは、分けることができない、ってことですか。  そうじゃない。  考えかたが幼稚なために目が曇り、話を色眼鏡で見てしまっていないか――と言っている。  そもそも、こういうふうに言われて、「じゃ間違っていたってことですか?」――と訊いてくるのも、価値観が白と黒の二つしかないってことだろ。  正解でなかったら、間違いだ――。  敵でなければ、味方だ――。  白でなければ、黒だ――。  敵と味方のほかに、「中立勢力」ってのがあってもいいんじゃないの?  白と黒のあいだに、グレーって色はないのか? >>エコーズはマンティコアを倒すという点においては人の味方に見えます。しかしそれはエコーズが審判する者であるからとった行動にすぎません。審判する条件を公正にするためです。敵だからこそ、とった行動。  ここで、エコーズは「審判」と書いているよな。  サッカーの試合というのを考えてみよう。  フィールドには、「敵」と「味方」しかいないのか?  「審判」ってのは、どっちに付いているわけ?  津荒の書いた「ブギーポップあらすじ」を見ると、「審判」であるエコーズは「敵側」に分けられているけど。それで本当にいいのか?  あとブギーポップって、地球を守っていたっけ?  「地球」って、地球だろ? 惑星一個、ってことだよな。つまり人間以外の全生物と、自然環境のすべてって意味だろ?  ブギーポップってのは、「地球の守護者」だったっけか? サルもイヌもアフリカゾウも、魚もアメーバもプランクトンも、みんな守っていた? ホントか?  というか、そもそもなにかを「守って」いたりしたっけ?  これも、物事を二面のどちらかに片づけてしまう津荒の悪い癖が出てるんじゃないのか?  「害をなす」のでなければ、「守る」わけか?  たとえば、物語に良く出てくる役として、「殺し屋」ってのがいるよな。  金次第で、暗殺を引き受ける仕事の人。  この殺し屋が、ある仕事で、この人は「国際的テロリスト」を殺したのだとする。するとこの殺し屋は「正義の味方」となるのか? 「善」か?  しかしその殺し屋は、次の仕事では、「聖母といわれる世界平和の貢献者」を殺したとする。じゃあ、「悪」か?  殺し屋なんだから、依頼人がいて、金さえ積まれれば、誰だって殺すわな。  この「殺し屋」ってのは、なんなわけ? 「善」なの「悪」なの? 津荒的解釈では、どうなるわけ? >あらすじ課題  10本やったな。  しかし引き続き、日課としてしばらく継続させてゆくこと。  それはそれとして日々継続させてゆくわけだが――。  とりあえず、10本やってみたところで、マイルストーンを立ててみよう。(これまでの成果の確認って意味ね)  あくまでも日課をやったあとの余力のなかで、以下のことをやってみること。  まず最初の質問。  これまで、10個のあらすじを書いてきたわけだけど――。  これまでに読んだ話が、その10本だけ――なんてことはないだろうから、たぶん家の中にある本から10本を選んできたのだと思う。  なぜ、それらの作品を選んだのか? 選択基準は?   その理由を考えて、書いてくること。  また、10本のあらすじを、「まとめるのが楽だった順」に並べてみること。それも報告。  このときに、いちばん書きやすかったのはどれで、いちばん書きにくかった(手強かった)のは、どれなのか。  なぜその話が「楽だった」のかと、なぜ「手強かったのか」ということとを、考えてみて、書いてくること。  さらに、これまでの経験をもとにして、「あらすじを書くのが楽そうな話」と、「あらすじを書くのが大変そうな話」というのを、実際に読んでみることなく、判断できるようになっているかどうか。それも訊いてみる。  なんとなくでいいから、「これは大変そう」と見分けがつくようになっているなら、どの段階で見分けられるのか、書いてくること。  たとえば「タイトルでもう見分けがついちゃいます」とか、「表紙の絵を見れば、なんとなく」とか、「帯を読めば」とか、「煽りで」とか。  「帯」っていうのは、本にかぶせてある帯のことね。宣伝文句などが書いてあったりする。新刊でないと付いてないこともあるし、古い本だとなくしちゃっているかもしれないけど。  「煽り」っていうのは、表紙を裏返したところか、裏表紙に書いてある200字ぐらいの内容紹介のことね。  あと、どうしてその部分を見るだけで判断が付けられてしまうのか、それも考えて、書いてくること。  あと、「あらすじを書くのが楽な話」と「あらすじを書くのが大変な話」があるとして、どっちの話のあらすじを写し取ったほうが、より自分のためになるのか?  それも考えて、きちんと理由つきで書いてくること。  そして自分なりに考えてみたら、次からは、そっちの本を多めに選んでゆくこと。(逆側もゼロにはしないこと。少なめにしつつ、たまには選ぶこと)  これについては、津荒が自分で出した答えが間違っていたら、そう言ってやるから安心しろ。  あと「今回は『楽そうな/手強そうな』ほうを選んだつもりです」と、毎回、あらすじを出すときに申告すること。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7567 投稿日 2004年2月10日(火)00時26分 投稿者 新木 伸 >2号の短編  してみると、みやびさんが最初に言っていた感想ってのは、案外、正しかったんだな。  俺は「書き間違えただけだろ」と弁護していたわけだが。  みやびさんの第一印象のほうが、やはり正しかったわけか。  冒頭の車内のシーンにおいて、主人公がすべてをヒロインのせいにしているように見える――という、あれね。  そんなネガティブな話、いやだ。読みたくないや。――という、あれね。  主人公は悪い噂のある明日美と再会して、どうしようか迷ったあげく、「思わず」後をつけちゃうことにしたわけだし。  友人の父親の浮気の証拠を掴んでしまい、どうしようか迷ったあげく、「思わず」証拠を持って逃げちゃうわけだし。  最初の車内でのシーンってのは、この話がどういうものであるかを読者に伝える「看板」の役目を正しく果たしていたわけか。  「張り込み中」ってストレス下に置かれた主人公は、「思わず」すべてを明日美のせいにしてしまうわけね。  この話は、つまり、はじめから終わりまで、ずっと、そういう話であるわけね。  主人公が、軽微なストレスからも、重たいストレスからも、すべてかならず逃亡することになる話。逃亡しつづけていても、なんだかうまくいっちゃう話。――以上。  くだらねえ。  ああ、読まんで良かった。  俺の人生における大切な時間を、5分か10分か、無駄にしてしまうところだった。あぶない。あぶない。 >補足 >>なぜ主人公は証拠を持って逃亡したのか。 >>友人のため、です。  ちなみに、このあたりの説明に関しては、理解した。  ようは、俺とおまえの「基準」の違いだったわけだ。(世間一般とおまえ――と言い換えられるかもしれないけど)  おまえの基準では、「友人のためにはどうしたらいいのか?」とはじめに一瞬思ったなら、その後に逃避してしまっても、意味のない行動に走ってしまっていても、それらの行動のすべては「友人のためになにかをした」といってよいわけね。  俺の基準では、そうではないのだ。そのせいで、これまでずっと話が食い違っていたわけだ。  主人公がきちんと考え抜き、正しく選択して、さらに結果まで出したのでなかったら、「友人のためになにかをした」ことにはならないわけ。  「気持ち」だけでは意味がない。結果を伴わないものは、ゼロと同じ。  試合に負けてきたチームの選手たちに、監督が怒鳴りつけているとする。「貴様らっ! 勝つつもりあったのかっ!」  選手たちは言う。「もちろんありました!」  監督は怒鳴りつける。「ばかもの! そんなもの、勝つつもりでいたとはいわん!」  選手たちは、ぽかんとしている。監督の怒りは空回り。なぜ叱られているのか、わからない。  だって自分たちが「勝つつもりでいた」ことは、事実なのだし。なにがいけないのか、わからない。  ここで監督が言っているのは、「実際に勝ってこなかったら、勝つつもりでいたうちに入らない」ということね。 >781 2/2分、「桜の枝」リライト  まあ、カメラワークの連続移動は、まあOK。  まだぎこちないし、力みすぎているせいで、やりすぎてしまっていて、プンプン臭くてたまらないのだが……。まあ言わんとしていたのは、そういう方向への直しだ。  意識して何度もやっているうちに、臭いのと、やりすぎてしまうのは、直るだろう。 >>眼下には、砂利のなかを真っ直ぐに伸びている石畳が見えた。  力みすぎて、別なミス。  「眼下」ってのは、いったい誰の眼下だよ?  「眼」という器官を持っていて、肉体を備えた視点保持者が、実際にこのシーンに出てきているってことかよ?  このシーンは実体を持たない神様(作者)で書いてあるのに、「眼下」なんて肉体を連想させてしまう言葉を使ったら、すべてが台無しになるんだ。  もっと気を配れ。  戦場で、塹壕からうっかり頭を出したら、狙撃手に打ち抜かれて、それで終わりなの。  おまえは「眼下」って出してしまった時点で、もう死んだのね。  本当なら、もうそこでゲームオーバーだぞ。肝心の「老剣士」とか「斬られた実感」なんてところまで行かずに終わっちゃうのね。 (あ、いまATOK様のお告げで「老犬死」とか出てきたぞ。言い得て妙だな)  ――で、肝心の「斬られた実感」についてだが。  このへんは、いまちょうど浦戸さんやら、弟切やらが、おなじように描写研究に取り組んでいるところだ。彼女らに訊いてみろ。「斬られた(と錯覚した)人間の疑似体験ができましたでしょうか?」と伺ってみろ。  で、おまえはおまえで、お返しに、「工事現場に行った気分になれた」とか、「美人に出会った体験ができたか」とか、そういうことを言うのだ。 >浦戸さん >>新木さんの書き込みは。今わからないことも、いつかわかるようになるかも知れませんから。  うーん。わかったときには、たいてい役に立たなくなっているものですけどね。  「若いうちに勉強しておけばよかった」「若いうちに苦労しておけばよかった」とかいうことなんかも、まあ誰でもたいてい、若いころに、親とか、周囲の大人たちから言われているものですけど。  それが理解できるようになったときには、その手の助言はたいてい「手遅れ」だったりしますし。ええ、もう、みんな全員、例外なく、そんなもんでしょうとも。(笑)  しかし、なんとか言葉だけで伝えることはできないかと、こうして日々、試行錯誤しているわけですが。口で言っても伝わらないことは知ってるので、こうして実際に、若い連中をしごいているわけですが。18歳はともかくとして、28歳とか、あんまり若くないヤツまでしごかなきゃならないのが、とほほな気分なんですが。  「自分で体験してみるまではわかりっこありません」と諦めてしまえば早いのです。いつか彼らにもわかるさ、とか達観していられれば、心穏やかでいられるのですが。たとえば鷹見さんのように。  まあ僕から「怒り」を取ってしまうと、創作のモチベーションの7割ぐらいがなくなってしまうので、怒りをなくさないでいられるように、いつもなにかに怒っているようにしています。  言葉でなにかを伝えられる――という幻想を捨てきれずにいるのは。小説家という職業とも関係しています。  物語という――言葉でなにがしかの「体験」を伝えることを生業としている以上、なかなか、「言葉なんかで伝わるもんかよ」と割り切ってしまえないものでして。  割り切ってしまったら、廃業しなくてはなりませんし。(笑)  ひとりの作家志望者を本物の小説家に鍛えあげる――という目的のためのいちばんの方法は、実際に顔を合わせてしごくことです。  分室ではたまにOFF会などをやります。  あれを週一で行い、その場で書かせて、その場で叩く――としたほうが、掲示板で何週間もやるより効果があります。  しかし、それでは、「その場にいた当人たち」だけにしか効果が及びません。  こうして掲示板で「言葉」によってノウハウを記し、過去ログとして参照もできるようにしておくことで、その場に居合わせなかった人たちにも、なんらかの効果が及んだほうが良いと思って、インターネット上で小説道場をやっているわけですね。  すごく大きな効果を数人に与えるのと、些細な効果を数百(もしくは数千人)に与えるのとでは、どちらが大きいのか。  人によって価値観の違いがあり、前者を選ぶ人と、後者を選ぶ人とがいるでしょう。  僕はいまのところ後者を選んでいるわけです。  浦戸さんも、なにか持っていってくれるといいなぁ。  言葉だけの説明でも、なにかが伝わってくれるといいなぁ。  僕も自分のできりかぎりのことは尽くしますので、浦戸さんも、期間中はできるかぎりのことをしてください。  「描写」ってなにかが掴めたなら、これはすごいことですよね。浦戸さんも「他の誰か」に伝えることができるかもしれません。  しかし、なんだって、自分の「体験」を他人に伝えるのって、こんなに大変なんでしょうね?  いっそ不可能であれば諦めもつくのに、なまじ「不可能というわけでもない」ので、離れられない。  「描写」ってなんなのか。僕の理解しているものを、そのまま譲り渡してしまえれば楽なのになぁ。  んで、今日のぶん。 >浦戸さん >プロットとか  そういえば、構成の話は、どっちかというと余談になるのかも。  本題は「描写」のほうですし。  余談と思いつつ、まあ軽く――。  書く前にプロットを立てておくのは、もう単純に、手間を減らすためです。  夕飯を作っている最中に、「あ、いけない! トマトがなかった!」なんてことになったら、困りますよね。  食事の支度を中断して、また買い物に出ないとなりません。  そしてトマトを買って帰ってきて作り始めたら、「いけない! キュウリもなかった!」なんてことになったら……。(以下エンドレス)  何時間あっても、料理は完成しそうもないです。  先にプロットを立てておけば、トマトとキュウリが必要だと事前にわかるので、買い物をしておくこともできますし。  「今日は買い物はしない」と決めたなら、冷蔵庫の中のありあわせのもので作れるようなメニューに変更できますし。  時間がたっぷりとあって、1日かけてカレーを作るつもりなら、こんなふうに料理を作ることもできますが……。  「あ。バター買って来なきゃ」(ぱたぱた)  「あ。牛肉買って来なきゃ」(ぱたぱた)  「あ。タマネギ買って来なきゃ」(ぱたぱた)  「あ。ニンジン買って来なきゃ」(ぱたぱた)  まあこのへんで力尽きてしまうでしょうけど。  ここで「カレーのルーがない」と気づいたとしても、「いいや。もう」とうっちゃってしまう。  そして、「ルーが入っていなくて、水で肉とタマネギとニンジンを煮た変なもの」を作ることになるわけですね。  新人賞の一次二次落ちの作品ってのは、たいてい、こうやって作られています。  1年もかけたけど、肝心のところで力尽きてしまって、「カレールー」抜きの変な野菜の水煮にしかなっていないものを、本人は「カレー」と思いこんで応募してくるわけです。  まあ、一年もかけて一生懸命に作って、ヘトヘトになるまでスーパーと台所とを行き来して書いたものであるので、本人にとっては「傑作」でないと困るのでしょうけど。  ニンジンぐらい入っていなくたって、カレーはカレーであるかもしれません。  銀賞あたりに引っかかる作品は、未完成ゆえに銀賞なわけです。いわばニンジン抜きの未完成なカレー――とでもいったところ。なにか見るべきところが他にあったなら、充分においしくいただける料理です。ニンジンぐらい入ってなくても、ほかがおいしかったら、それでいいです。  でもカレールーを抜いてしまったら、それはもはや、カレーとはいいませんよね。  プロットなしで作品を書くのは、だめなのか?  もし仮に、時間がたっぷりとあって――。  何度でもスーパーとのあいだを往復できる体力と、超人的な根気とが備わっていれば、問題にもならないことです。  プロットなんて、不要になります。  材料が足りなくなれば、そこで買いに行けばいいわけだし。  途中で作りかたを失敗してしまったら、また頭から作り直せばいいわけだし。  しかしそこまでの超人的な根気は、アマチュアにはないわけです。時間は無限に近いほど有り余っていますが、根気が足りない。(なんなら、一作品を書くのに一生をかけたっていいんですけどね)  逆にプロは根気のほうは有り余っていますけど、時間のほうがないわけです。  よって、「効率よく書く」ためには、どちらもプロットを必要とするわけです。  メモを作って、材料と調理法とを書き出しておく。  実際に作り始めてしまう前に、頭の中で仮想的に料理をしてみて、調理法の修正なんかは、そのときに済ませておく。本番の執筆は一回で終わらせる。  根気の節約という意味でも、時間の節約という意味でも、プロットを書いてから執筆に取りかかるのが、ベストなわけです。 >浦戸さんへの忠告  僕が仕事用をするときに使っているプロットを見せていますが。  浦戸さんの場合には、はじめからあまり完璧なプロットを書こう、なんて気負わないほうがいいですよ。 >>書き慣れなくて引き出しの中身がない素人は、縮小模型まで書いたほうが間違いなく完成形までもっていけそうです。  これは正論なのですが、「超人的な根気」のある人の場合。  精密な縮小模型を作ったあとで、「さぁ! 本番に取りかかるぞ!」とすぐ行ける人ならお勧めしますが……。  縮小模型を作っただけで力尽きてしまう人だと、プロットを書いただけでもうお腹一杯になってしまって、そこで終わってしまいます。  「調理レシピメモ」は食べられません。実際に料理を作らなかったら、意味がありません。  頑張ってすごい料理を作ったはいいけど、それだけで疲れてしまって眠くなってしまって、食べてもぜんぜんおいしくなかった――なんて経験はないですか?  料理を作るために体力全部使ってしまうと、食べる体力が残りませんよね。  僕は料理を作るのが趣味なんで、けっこう、そんな本末転倒なことになったりします。8時間かけてビーフシチューを作ったりすると、食べるころには、もう眠くなっていたりしますが。  アマチュア作家として、「書く」という行為を楽しみつつ、作品の完成度も向上させてゆこうとするなら、自分の根気の半分ぐらいを使ってプロットを作り、残りの半分で実際に執筆を行うぐらいがちょうどいいバランスかと思います。  プロットに3分の1で、本番に3分の2でもいいかも。  「根気」とか「体力」とかいう部分を、「創作意欲」と読み替えてもらってもいいです。  プロットを作り、そして書く――ということを何度も繰りかえしているうちに、だんだんと精度があがってくるようになります。書き出す前に頭の中で、より細部まで、より詳細に、はっきりと考えられるようになってきます。そうなってくれば、その同じ半分だか3分の1だかの時間の中でも、より精密な模型が作れるようになってきます。  僕だって、なにもはじめから今の精度でプロットを作れていたわけではありません。何千回――とまではいきませんが、何百回くらいはやってきているので、いまこれだけの見通しが立てられるようになっているわけです。 (小説だけだと何十回ぐらいなものですが、そのまえにTRPGのシナリオを作ってました。そちらまで含めると、300〜500回ぐらいはあるはず)  一朝一夕には身につきませんので、そこんとこは、覚悟しておいてください。  逆に言えば、浦戸さんも、僕と同じだけ回数をこなせば、たぶん、僕と同じぐらいにはできるようになっているでしょう。  ただし、「プロットを立ててから、書く」ということを、意識してやっていなければだめです。漫然と回数だけこなしていても、身につきはしません。 >描写と思って読んでいた >>説明部分を描写と思って読んでいるから、さっぱり区別がつかないんですね。 >>読んでいて面白かったので描写かと思ってしまいました。  ちなみに、説明というと、これですね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  羊は飼育小屋に入れた。  20匹ほどの羊を、追い集めて、山道を歩かせて、柵の切れ目から村に入れる。飼育小屋は教会の裏手にあった。そこにすべての羊を入れていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  色黒の右の腕と肩に錫杖を打ちこむ。金属の鎧が棒の形にへこんで、そいつは片膝をついた。返す勢いで左側の兵士の剣を跳ねあげ、ひらいた脇腹に右の掌呈を叩きこむ。その右手を錫杖の環にかけて引き、棒のうしろを跳ねあげるようにして、背後で剣を振りかぶる兵士の顎を強打した。左側と背後、両方の兵士が同時に崩れおちる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そうなんですよね。  実際、市販の小説でも、あのくらいのものが「描写」としてまかり通ってしまっています。  羊のほうは、市販小説のなかでよく見かける形となるように「それっぽく」修正してみました。  どうですか? こんなの、ありそうでしょう? ていうか、実際にあるでしょう?  またアクションのほうも、紫に対しては、さんざんこき下ろしていましたが……。  実際、このくらいのものを「アクションシーン」としている市販小説は、よくあります。作者の頭の中に「動き」が浮かんでいるので、かなりマシなほうです。  しかし素人(読者)に見分けがつかないからといって、混ぜものをして売るのって、それはプロの倫理としてはどうなのよ、と、僕などは思うわけですが。  アマチュア作家の舌を馬鹿にしてしまい、描写と説明の見分けもつかん状態にしている責任の一端は、プロが担いでいるわけです。  ようするに、プロの小説でも、あれが描写とされる場合は多々あるということです。  みそ汁のダシを「ほんだし」で取っているプロもいるわけです。  そこらの定食屋のみそ汁が、きちんと鰹節で取られているのかというと、そうではないですよね。「安くて早くて量がある」食事を提供しているプロもいれば、一食に2千円もぶん取るけど、きちんと作った食事を出してくれる店もあります。  プロだって、様々。  一食2000円の食事で、「みそ汁のダシをホンダシで取るな!」と怒るのは、消費者の権利であり、義務です。プロを甘やかしちゃいけません。甘やかすと、どこまでも果てしなく質は下がってゆきます。それが市場原理ってものです。  ――が、350円でみそ汁付きで提供している食事でもって、「みそ汁のダシを鰹節で取らないのはけしからん」とクレームを付けられたって、困ってしまいますが。  ええと、脱線したかな?  話を戻します。  そうした「ほんだし」の味に慣れちゃっていると、ほんだしと鰹ダシの見分けがつかなくなってしまうわけですね。たいていの読者はそうなっています。いま浦戸さんもそうなっています。  しかし料理を趣味とする人としては、それじゃあんまりなので、鰹節でダシを取るようにしてください。  そのまえに、まず鰹節のダシを見分けられるようになってください。 (僕は実際の料理のほうだと、ほんだしも鰹ダシも見分けが付かないんですけどね。ほんだしのほうが美味しい、なんて感じたりしたりして)  プロの文章から「描写」を探すのって、うまいセオリーがないんですよね。  老舗のベテランのほうが技術を持っていて描写していそうなもんですが……。長いことプロをやっているうちにルーチンワークで仕事をしているケースもあったりしますし。  新人は未熟なので描写がないのかというと、案外と、そうでもなかったり。  店で食事をするたびに、「このみそ汁はほんだしか? 鰹節で取っているか?」と自問自答して味わっているうちに、あるとき、不意に、わかるようになるもんです。なんなら吉野屋あたりに出かけていって、「絶対確実に疑いなく化学調味料」の50円のみそ汁を、あえて飲んでみるというのも判別のための手かもしれません。  小説を読むときにも、書いてあることのすべてを、「これ説明? それとも描写?」と、自問自答しながら読んでみること。  ちなみに「漫画」とか、他ジャンルだと話が早いんですよね。  あちらだと、「絵」で書いてあるものなら、すべて「描写」です。  小説だと、情けないことに、8〜9割が「説明」であって、「まがい物率90%」ぐらいだったりするのですが……。  漫画だとその逆で、まがい物率は数パーセントと、低い値に収まっています。消費者が厳しく、プロを甘やかしていないってことです。  漫画において、描写でなくて説明なものというと――アレですね。「なんて素早い斬撃なんだ!?」とか、キャラが喋っているものが「説明」です。あと「ト書き」。この二つだけ気をつければ、ほかはすべて「描写」ですから。 >描写についての本人説明  どうも、「描写」と「視点」とが、ごっちゃになっているみたいですね。  描写のほうが手前にあり、より基本となる概念で――。  視点っていうのは、どう描写してゆくのかという、一歩先にある概念なのですが。  これは座学なので、いきなり答えを書いちゃいますけど。  描写っていうのは、相手に「体験」させることです。  たとえば雨の振るシーンがあったら、雨の降っているその場に居合わせた気分にさせること。戦場の描写であれば、戦場に居合わせた気分にさせること。  それが描写です。  視点というのは、どの位置(人物)から体験させるのかということ。  雨が降るシーンを書くのだとしても、雨に濡れている「体験」をしてもらうのか、それとも、雨の振る地面を眺めているだけの体験にするのか。色々な体験のさせかたがありますよね。  戦場であれば、斬ったやつと、斬られたやつとがいたとして、そのどっちの側の気分を「体験」してもらうのか。  もしくは両者を横から見ている位置で「体験」してもらうのか。  そういう「どこから体験してもらうか?」ということを決めるのが、「視点」ってものです。  あと、ちと猥褻な話になりますが。わかりやすいかもしれないたとえなので――。  ポルノ小説などで、セックスをするシーンがあったとします。  女の膣にペニスを挿入してゆく「男の側」の体験をしてもらうのか。男のペニスを迎え入れる「女の側」の体験をしてもらうのか。さもなければ、そこに居合わせて二人の交わりを出歯亀している透明人間の体験をしてもらうのか。  「射精する快感」を書くのか、「精液を受け止める充実感」を書くのか、「覗きをする興奮」を書くのか、ということです。  まあ大まかにいって、この3通りの「体験」のさせかたがありますよね。  物語も昭和初期だと、「視点」って概念がなかったんですね。ほとんど発達していなかった。「語り部」の視点しかなかった。  感情移入して、主人公になりきって読む――なんて楽しみかたが開発されてきたのは、近代になってからです。昭和30年以降ぐらいからなのかな?  僕は研究者ではないし、評論家でもないので、あまり詳しくないですが……。  このへん、大学に行って文学史でも専攻すれば、詳しく教えてくれるはずです。  んで、サンプルでいうと――。 >>例・神様視点、乾いた大地に雨が降るところ。  これなんかは、地面に座りこんで、ぽつぽつと増えてゆく雨の染みを眺めている神様の体験を読者にさせるわけですね。  雨が降っているのに、濡れていません。ぜんぜん冷たがっていません。  なにしろ神様ですから。たぶん体は実体を持たず透明で、雨粒も素通りしているのでしょうね。  そういう存在が、地面を眺めているのだ――という体験をさせるつもりで浦戸さんが書いていたのなら、これは「描写」です。  しかし、「雨」を書こうとして、深く考えずにただこう書いてしまっているだけだと、これは描写だといえません。  まあ、「描写」だとしても、「神様体験度」はすごく弱いですけどね。  なぜか視覚に限定されていて、なぜか見えるものしか伝わってこない。音もしないし、匂いもしないし。雨粒に叩かれる背中の感覚とか、その冷たさと――は、肉体がないのでいいとしても。  でも雨が降り始めることで、周囲の空気の温度が変わったことなんかは、肉体を持たない神様だとしても、感じ取れるんじゃないでしょうか?  神様が、本当に、実際に、その場に居合わせたのなら――。 >>例・作者視点、乾いた大地に雨が降るところ。  次。作者視点。  詳細省略。なぜ「見たもの」に限定されてしまうのか。とても不思議です。 >>例・登場人物視点、足に刺さった釘を友人に抜いてもらうところ。  やはり、ぜんぜん体験できません。  この場合には、痛みはすぐに伝わってこなくて、まず視覚で「自分の足の甲から釘が突きだしている」と気づくのはいいとします。まあそんなもんですよね。案外、痛くないもんなんですよ、あの時って。  しかし、釘が刺さっていることに気づいたときのぎょっとした感じが体験できないし、慌てた体験もできないし。  釘を抜く段になって、ようやく痛みを感じるわけですが、その痛みも体験できないし。 >>例・登場人物に寄っている視点、足に刺さった釘を友人に抜いてもらうところ。  これは「本人体験」ではなくて、横で見ている体験なわけですね。  釘を刺したやつでもなく、釘を抜いてやるやつでもなく、それを間近で見ている第三者の体験させてもらえるということかな?  しかし、「うわ〜、痛そう〜」という体験はできませんでした。  んで、なにやら自主的に実習に入られているようなので、お題を出します。  次は「工事現場」でよろしく。  視点はなんでもいいです。  誰のどんな体験でもいいですので、とにかく、「工事現場」に僕を連れていってください。そこに行った気分にさせてください。  そんな長くなくていいです。  3行でも4行でも描写はできますし。読者を工事現場に連れてゆくことはできます。  描写の名手であれば、ただの一行で、読者に体験をさせることができます。  目安として、今回のものと同じぐらいの長さでしょうか。  あとアップロードは、こちらの分室と、課題部屋の「描写練習」のツリーの下と、両方によろしく。 >物語の基本フォーマット >>あの、その「物語」の基本フォーマットというのは、どういうものなんですか?  このへん、やはり文学部などでは、講義で教えてもらえることだったりしますが。  物語の基本パターンっていうのは、数百とか、数十とか、せいぜいそのくらいに分類できてしまえるということです。一般化の度合いを大きくしてゆくと、それこそ、数種類程度にまで分類できてしまえます。  「少年が成長する話」というのを、一段階ほど一般化すると、「未熟な個体が成熟する話」となります。少年に限定せず、少女も子供も、生産されたばかりのロボットも、生まれたばかりの神も、すべて含めんでしまえます。それらが成熟する話は、このパターンに含まれるわけです。  さらに一般化すると、「経時変化する話」とでもなるのでしょうか。こうなってくると、国や社会の隆盛なんかも、このパターンに含めてしまえます。  このへん、僕はかじっただけなので、細かな分類などはわかりませんし、この一般化が正しいのかもわかりませんが。まあ、そんなものです。  小説家としては、「少年が成長する話」と「少女が成長する話」とは別に捉えるぐらいの分解能を、ひとつ持っていれば充分です。  その上もその下もいらない。  「少年が成長して敵を倒す話」「少年が成長して父親を越える話」あたりも、別と識別していてかまいませんね。  「少年が英雄になる話」も別。「少年が少女を守り抜く話」も別。「少年が少女を助け出す話」も別。「少年が少女を幸せにする話」も別。  ちなみに浦戸さんの「ショッキング・ピンク」は、「調停者が問題を収める話」ですし。  2号の「優しい嘘」は、きちんと作っていたら、「過去の過ちを修正して成長する話」となっていたところです。実際には、作者がアホでへたれで2号だったせいで、「逃げるのがうまくなる話」にしかなっていませんでしたが。そんなもんは、「物語の基本フォーマット」の目録の中に存在していないわけです。  このあたりの分解能で、話のパターンがいくつあるかと考えてゆくと――。  まあ、数えたことはありませんが、おそらく、数百程度。  プロであれば、全部、知っています。  自分で書いてみたことのある話は、そのうちのごく一部でしょうが、これまで読み、観て、聴いてきた話のどこかには、該当するものが必ずあります。  なので、どんな話を見ても、その数百のうちのどれかに分類してしまえるのですね。  「ああ、あれね」――で、ツーカーで伝わってしまうわけです。  またプロなら誰でも知っている「常識」として、「あらゆる話は、すべて、過去に書かれた話の焼き直しである」というものがあります。  自分の書く話も、その基本パターンは、「物語の基本フォーマット」の目録のどこかに、かならずあるわけです。  ――で、こちらも向こうも、数百のパターンは熟知している、という前提で進むのが、プロ同士のやりとりです。  たとえば、「ひとかけらのレイディ」であれば、「自分のコンプレックスを乗り越える人の手助けをする話」というパターンに該当するわけです。  そして味付けはコメディ風味。同じ話をシリアスにも書けますが、僕の作ろうとしている料理は、「コンプレックス乗り越えお手伝い、コメディ風味」なわけです。  そういう料理を作りますよ。それで良いですか? ――と、お伺いを立てているのが、あの企画書なわけです。この場合にはクライアントは編集部側であり、お客さんなわけです。  そのお客さんに、「なにかお薦め料理はないかね?」と訊かれたので、シェフの僕は、「今日は良い眼鏡っ娘が入りましたから、『コンプレックス乗り越えお手伝い、コメディ風味』ではいかがでしょう?」と、企画書として、出してみたわけです。  お客さんも「通」ですから、あんな企画書で、どんな料理があがってくるのか、ちゃんとわかるわけです。  ――で、「それをもらおう」と言ってもらえたので、企画書で見せた通りに作って、出したわけですね。僕は。  作家は、編集部も「客」ですし、読者も「客」だったりするので、色々とややこしいです。  ――で、あの料理が「コンプレックス乗り越えお手伝い、コメディ風味」であることは、ここらへんに書いてあります。企画書の、いちばん最初のところ。 >>他人にたいして頑なな態度をとる少女学者レナと、彼女の脳に寄生している結晶生物のメモリィのふたりがヒロイン。二重人格のように、意識がスイッチする。 >>学者として肩肘を張って生きているレナと、お気楽で能天気なメモリィのふたりが、お互いの存在を気にかけないまま行動しては事件を起こし、そのたびにジークが振り回される話。  物語の基本法則として、「頑なな女の子」なんてのが出てきたら、それはラストでは良い方向に変化しているわけです。「頑な」というネガティブな状態は、プラス方向に解けていなければなりません。そんな自明の理であることは、わざわざ書きません。相手もプロですから、わざわざ言っておく必要はないわけです。  また「ジーク」という少年が主人公であることは、これが「星くず英雄伝」というシリーズの企画書なので、自明の理ですから、書いていません。  またジークが彼女の「プラス方向の変化」に大きな影響を与えるであろうことは、やはり自明の理として、書いていません。  これが素人向けの企画書であったら、そのへんもすべて書きますが……。  相手は「雑誌編集部の編集者」であっても、やはりプロなので。やや畑違いとはいっても、プロはプロですので。  物語の数百の基本フォーマットも当然のように熟知していますし。なにが「暗黙の了解」となるのかも、共通していますし。  そもそも雑誌編集部にいる人材と、書籍編集部にいる人材と、だいたい同じですし。人事異動一発で、あちらこちら、移動していたりしますし。  実際には、雑誌への短編集中掲載という企画はボツって、この短編3話掲載の話は、そのまま長編一本に仕上げて、6巻として刊行されました。当時は電撃hpがまだなかったんですよね〜。もしあったら、そっちに載っていたのは確実でした。  もともと3話の短編としても、1本の長編としても、どちらでも楽しめるように、「3回の独立した山場と、次回への引き」は、プロット段階で折り込み済みでした。いきなり長編になっても、とくに問題はありませんでした。  ただはじめから長編という話であったら、もうちょっと、変えていましたけど。  まあ時間もなかったし、長編専用にプロットを一から作り直しても、素人が見てわかるほどの違いが出るわけでもないし、玄人の自己満足に近いものでしかないので、そのまんま執筆作業に入りましたが。 >タイプ速度  うーん。もうすでに親指シフトでしたか。  ひょっとして、遅いのは、小説の写し取りをしているときだけ? 文章を分析しながらだと、遅くなりそうですが。  親指シフトユーザーなら、分速200字ぐらい、すぐに到達できそうなものですが。  まあスピードはともかくとして、「1日3ページ分が限度」というのが、どうもよくわからないのですが。  3ページというと、17行×3で、40文字詰めにして、51行ですよね。  浦戸さんのこの分室への書きこみとか、1回分だけで、それを遥かに越えちゃっていますけど……。  毎回、優に100行ぐらいはありますよね?  もしかして、こうしてレスを書くことも、指をぱんぱんに腫らして、かなりの負担になっていたりしますか?  だとしたら、無駄話はなるべく避けて、レスを要する話題を可能なかぎり切り詰めるようにしますが。  僕自身は、1日、最低でも300行ぐらいは書かないと調子が出ない人間なので、こうして、分室の書きこみを利用して、あれやこれや大量に書き散らしていますけど。 (ここ数日は、1000行ぐらい書いてますね。今日もここまでで、すでに600行。このくらい書くと、推敲と読み直しが適当になってきます。3回ぐらいしか読み直さない)  無理してまで付き合わなくてもかまいませんよ。  小説を書くのに必要なタイピング量は、1日に、200〜400行ぐらいです(文庫で10〜20ページ分)。プロでさえ、それだけ打てるキャパシティがあれば、もう充分です。  それで月1冊、余裕で出せますので。  あ、そうそう。  親指シフトをやるのなら、キーが軽めのキーボードを探したほうがいいですよ。2つのキーを同時に押すので、押す力は2倍必要なので、普通のキーボードだと疲れてしまいますから。  専用キーボードなら、キーが特別軽くなっているので、それがベストです。  しかし「親指ひゅん」などのエミュレートソフトを使うなら、使うなら、キーボードは選ばないと。 -------------------------------------------------------------------------------- 母は強し No.7568 投稿日 2004年2月10日(火)00時39分 投稿者 弟切 千隼  弟切は、以前、子持ちの主婦である友人と話していた時に、こんな話を聞きました。  「度胸を付けたいのなら、子供を産むといいよ。出産を体験すると、怖いものなんてなくなるよ」  それはそうだろう、と、出産経験のない弟切も思います。出産とは、十ヶ月もの間、体内で育んだ異物を、ものすごい痛みと共に体外へ出す行為ですから。  弟切には、そもそも、妊娠・出産をしようという度胸がありません(←だめ人間) >描写課題「格好いい美人」指摘について  弟切が課題部屋のN.771に上げた作品では、「美人」が美人に見えないという指摘を受けました。  そこで、弟切はどういう美人を書こうとして書けなかったのか、を皆さんに知ってもらえるように、課題部屋に美人の説明を上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=782&e=res&lp=767&st=0 、さて、弟切は、どこをどう間違って、「美人に見えない美人」を書いてしまったのでしょう?  新木さんがNo.7540で書いて下さった指摘を基に、考えます。 >>>>膝上までの黒いコートを着た男の人……えぇ? >>>>あたしは振り返った。 >>>>女の人だ。なんて背が高い。一七〇センチくらいありそうだ。 >> 振り返った理由が不明。 >> 第一印象では男と思ったが、そうでなかった――という流れが、これではわからない。 >> 男であると思った理由も不明。 (新木さんのNo.7540の書きこみより)  振り返った理由は、ぱっと見て男性だと思ったのに、女性だと気づいて驚いたからです。  男性だと思った理由は、第一が背の高さですね。第二が姿勢の良さのためです。服装と髪型が男っぽいことが、第三の理由です。  人間が別の人間を見た場合、第一印象として強烈なのは、全体的な体の大きさです。日本人の女性で、身長が一七〇センチ以上ある人は珍しいですから、日本人がそういう人を見かけたら、とりあえず男性と思うのが「普通」でしょう。  加えて、日本では、身長が一七〇センチ以上ある女性は、姿勢が悪いことが多いです。背が高い女性は「可愛くない」とされることが多いため、自分の背の高さに劣等感を持ちやすいからです。背中を丸めて、少しでも背が低く見えるようにしてしまいます。  男性は、女性とは逆に背の高さが尊ばれます。背が高くても、それを隠すために姿勢を悪くする必要がありません。  したがって、日本で、身長が一七〇センチ以上あって、姿勢良く歩いている人がいれば、男性である確率が高いです。  弟切が書こうとした「美人」は、背が高いにもかかわらず姿勢が良い人です。彼女は、自分の背の高さを恥じていません。その「自分を恥じていない」部分が、美人要素の一つです。  というつもりでした。読者さまに伝わりませんでしたが(;_;)   背が高ければ誰でも美人だ、というわけではありません。ただ、うまく使えば、背の高さは美人要素の一つになり得ます。  背が高く、スマートで、姿勢が良く、自分に恥じるところなく、服や髪型もいかしている人がいれば、その人は「格好いい美人」と言えますよね?  実際には伝わらなかったことは置いておきまして(^^;、弟切が目指したのは、そういう美人を描写することでした。  では、主人公は、どうしてこの背の高い人が女性だと気づいたのでしょう?  この「美人」は、髪型も服装も男っぽいです。けれども、男っぽい中に、ちゃんと女らしさを感じさせるファッションを選んでいます。  絹のような光沢がある海島綿製の細身のズボンなんて、普通の男性ははきません。芸能人やらモデルやら、特殊な職業の男性でなければ着こなせないでしょう。コロンも、男性ものではなく、少し甘さのある女性用のものを付けています。薄化粧ながら、顔にはちゃんと化粧もしています。  上記のような細かい部分に、主人公は「女性らしさ」を感じ取りました。  この「美人」は、可愛らしい美人ではありません。これだけ背が高いと、可愛らしい美人にはなりたくても無理でしょう。  可愛らしいだけが美人ではありません。この「美人」さんは、それをしっかりと理解しています。自分の魅力がどこにあるかも把握しています。ですから、自分の特性を殺して、無理やり可愛らしい美人になろうなどとはしていません。  こういうのも、やはり格好いいですよね? (伝わらなかったことはまた、置いておいて下さい(^^;)  弟切が思い浮かべた上記の格好良さが、全部きちんと伝わっていれば、読者さまに「格好いい美人」を楽しんでもらえたはずです。  なのに、伝わったのは「背の高さ」と「端正な顔」だけでした(涙)  なぜ、伝わらなかったのか、次回に考察します。 -------------------------------------------------------------------------------- 「作家力」……過去に書かれた小説を自分なりにリライトする能力のこと。 No.7569 投稿日 2004年2月10日(火)02時21分 投稿者 鷹見一幸  物語の「フォーマット」について、ちょっと一言。  まあ、新木さんと同じような内容になるんだけど、これはこの「分室」にいる人だけじゃなくて、ROMっている多くの作家希望者に向けて書きます。  作家志望者には、とっくにわかりきっていることでも作家希望者には、わかっていないようなので。 「すべての物語の基本は、すでに数百年前にシェイクスピアが書いている」  という有名な言葉がある。  それは違う、シェイクスピア以前にも、名も無き人間の手によって多くの物語が書かれている、シェイクスピアは創造者ではなく模倣者に過ぎない。  と、考える人もいるかもしれない。確かにそのとおり、でもね、それらの名も無き人間の書いた物語をさらに洗練し、後世に伝えるだけの価値あるものにしたのは、シェイクスピアなんだよね。  つまり、シェイクスピア以降の作家は、みんな彼を超えるだけの物語のフォーマットを考え付いていない、ってことなわけだな、だから、それをもって模倣と言うならばぜーんぶ模倣だ。  だとしたら、どうすればいいのか。 その答えが知りたければ本を読めばいい。この世に出版されている小説はすべて、その基本フォーマットの上にどれだけ自分のオリジナルの物を載せられるか、という壮大な実験の結果なんだ。  作家志望者が陥りやすい穴ぼこに「オリジナル幻想」ってのがある。  分室だと「エウレカ病」とでも言った方がわかりやすいかな。  要するに、何かを思いつくと、それにとびついてしまって、それしか目に入らない状態になるってことだな。 「すごいぞ! これは画期的だ! こんなアイディアや話は、誰も考え付いていない! これは俺だけが考え付いた俺だけのオリジナルの物語だ!」  てな調子で勢いつけて書き出しちゃう。  んでもって編集部の新人賞の応募原稿の入ったダンボールには、同じような「俺だけが考え付いた俺だけの物語」が山になって、下読みさんが泣くというわけだ。  自分が思いついたアイディアを夢微塵も疑わずに、それだけに寄りかかった話を書いちゃうとどうなるか。 「よくあるキャラクターが、よくある話を展開し、よくあるオチで終わる小説」  これの劣化コピー、いや、それ以前のシロモノになってしまう。  まあ、文章がなんとか読めるレベルにあれば最終選考あたりで拾ってもらえるかもしれない。んでもって「年六冊の質より量のライトノベル作家」くらいにはなれるだろう、俺が言うんだから間違いは無い(笑)  この「エウレカ病」を治す方法は二つある。  一つは「自分に自信を持たず、自分がやることなすこと常にペシミスティックに臆病に生きる」  もう一つは「めったやたらに本を読んで、その内容を頭に叩き込む」  物語を思いつく能力は、それほど差があるわけじゃない、プロもアマチュアもあんまり差が無いと俺は思っている。問題は思いついた物語(エピソード)をフィルターにかけるそのフィルターの網の細かさだと俺は思うんだよな。  自分が思いついた物語(エピソード)が、面白いかどうか、果たしてそれでいいのか、もっと効果的な、もっと面白い、読んでいて、後で効いてくるような伏線になるようなエピソードがほかにあるんじゃないのか?  そうやって自分が思いついた物語を選別していくフィルターの網の一本一本の糸の数。  これがプロとアマチュアとの差のような気がする。  この糸のことを「知識」とか「経験」とか「感性」と呼んでいるんじゃないかと思う。  過去において何千冊と言う小説を読んで、頭の中に知識と経験と感性という糸がより多く存在して、フィルターの網がより細かくなっていれば、思いついたエピソードが、過去に読んだ小説に似ていれば当然その網に引っかかるわけで、そこで捨てるか、ひねりを加えるか、どっちにしろそのままでは使えないことがわかる。  でも、本を読んでいなければ知識や経験といったフィルターが作動しない。  自分の思いついたエピソードが、ごくありきたりの誰でも考え付くレベルの、どうしようもないものなのか、そうでないのか区別が付かないから、そのまま「エウレカ!」と叫んで飛びついてしまう。  んでもって一次落ち二次落ちの屍累々、というわけだな。  じゃあ、過去に本も読んでいない、知識も経験も無い、という人間は作家になれないのか? というと、そんなことはないんだな、これが。  そんなものが無くたって作家になれる。  その方法は前述したとおり 「本当にこれでいいのか? と自分を疑って、常に自分の書いたものに検証を加え、資料を調べ『間違っていたらどうしよう。本当にこんな題材使って大丈夫か? これと同じ話は、過去に誰かが書いているんじゃないのか? ひょっとして他人には面白くないんじゃないのか?』と、常に考えながら書く。  間違っても「俺の考えた物語は俺だけのオリジナルだ」なんて馬鹿な自尊心を持たない。  間違っても「よく知らないし、調べたことも無いけど、まあいいかこんなもので」なんて無責任なことは考えない。  間違っても「俺の書いた小説は、そんじょそこらのプロより面白い、俺の原稿に他人は指一本触れさせない」なんて恥ずかしいことを考えない。  と言う方法がある。  これができれば、ちゃんと作家になれる。なに、知識やら経験なんざ後からどうにでもなる。要するに、基本の部分は、どれだけ自分に厳しくなれるか。というところであって、考えてみればこれは普通の職人さんの仕事の姿勢と変わらないってことだね。  パンを焼く職人さんも、木工をしている職人さんも、旋盤で金属加工をしている職人さんも、基本のところはみんな同じなんだよ。自分に甘い職人のところには仕事が来ないんだ。  いくら「俺は必死に努力した!」と言ってみても、それはあくまでも主観における「必死の努力」であって、客観的に見た「結果」に結びついていなければ無意味なんだ。  小説大賞めざして書いている諸君。  さあ、もう一度見直そう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7570 投稿日 2004年2月10日(火)02時47分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >色眼鏡  了解しました。  殺し屋の例はいくらでも見方はある、ということですね。殺される側の視点からすれば敵だし、依頼した側からすれば味方だし。  僕の価値観は関係なしで、コンセプトを掴め、と。 >マイルストーンとか 1本を選んだ基準  内容をハッキリとおぼえてないものを読みました。パンドラは買ってきました。 2書くのが楽だった順  ほとんど差はありませんが、上から順番に楽でした。(正確に読み取れているかどうかは不明。僕は正確だと思ってますが)     僕の血を吸わないで  爆れつハンター2  爆れつハンター1  勇者110番  シェリフスターズMS01  物騒な女神たち  戦うボーイ・ミーツ・ガール  月と炎の戦記  ダブルブリット  ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」     一番楽だった話――僕の血を吸わないで   1読むのが楽だったから。   2主人公がわかりやすいから。   3テーマがわかりやすいから。(ラブコメ)  一番大変だった話――パンドラ   1キャラクターが多いから。   2テーマが難しいから。(人間の存在理由〜とか) 3難しそうかどうか、本文を読まずに判断できるか    「タイトル」では、その雰囲気でなんとなくわかります。  爆れつハンターは爆裂じゃなくて爆れつになってます。そこからなにか楽そうな印象を受けます。  逆にダブルブリット、やパンドラは知らない言葉が題名ですから、大変そうな感じがします。月と炎の戦記も戦記ってあたりが大変そう。  「表紙」では、雰囲気が明るいと楽そうに思えます。暗い、というか落ち着いた雰囲気だと大変そうだなと思います。  「煽り」では、ちょっとわかりません。  「口絵」表紙と同じです。明るい雰囲気なら楽そうだ、シリアスな感じだと大変そうだ、と予測します。 4楽なのと大変なのどっちをやるべき?  というか、それ以前にあらすじ、正しく書けているのかどうかが、気になります。  楽なのを完璧にしてから、難しいのに挑むべきだと思うんです。  だから僕の力量によってやるべき課題は変わります。(問題はそれがわからないということ) ○2号さんへ >ブギーポップ  はい、やってみます。 >シェリフスターズ  一行あらすじが間違っているのが、800字あらすじが間違っているのか、あるいは両方とも間違っているのか……。    前半はサミィ中心に、後半はイーザー中心に戦闘が起きます。  変化するのはイーザーだけ。サミィは最初からコリィの仇をうつようなキャラクターでした。変化しないからサミィは主人公じゃないと思ったんですが……。  ん? 主人公が変化しなきゃいけないわけじゃないか……。混乱してきました。  主人公とは、なにか。ちょっと考えます。  ちなみに、サミィが主人公だとすると、 「相棒の生物兵器イーザーの事務的な態度をなおしてやりたいと思っていたサミィが、仕事を共にする事で感情を少しだけ得たイーザーを見て、喜ぶ話」  でしょうか。   >その他のこと    あとラブコメじゃないですよ。ラブコメというのは、恋愛がテーマでコメディ色があるってことですよね。一行あらすじの「大切に思う」がまずかったのかな。どこからこれはラブコメだ! と読み取りましたか?    サミィとイーザーの関係も読み取れませんでしたか。二人は同僚です。一緒に捜査をしているという所からわかると思ったんですが。失敗。 >物騒な女神たち  了解しました。 ○とんびの羽根さんへ  指摘、了解しました。 >>「自分を人間だと思っていた主人公のギルが」と「自分がギルという名前だと思っていた主人公の人間が」のどちらでしょうか。  両方です。主人公は人間でもないし、ギルでもありませんでした。  このように混乱させてしまったのは、  >>自分がギルという名の人間だと思っていた主人公が、ドルチェ王家の秘密を探るうちに、自分の本当の正体を知る話。  で、最後に「自分の本当の正体」を明確に書かなかったせいです。そこが最初と対応していれば、人間でもなかったし、ギルでもなかったという変化が納得できたはず。  正しくは、  「自分をギルという名の人間だと思っていた主人公が、ドルチェ王家の秘密を探るうちに、自分がドルチェ王家の神器である事を知る話」  残り二つは単に僕の文章力がなかった故の失敗。気をつけます。 >今日のあらすじ  十一冊目「戦略拠点32098楽園」 著:長谷敏司  一行あらすじ  「気持を誤差として無視し続けてきたガダルバという兵士が、幼女マリアが独り暮す楽園と呼ばれる平和な星で、ヴァロアという兵士を通して気持の大切さに気づく話」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=783&e=res&lp=757&st=0  かなり手強かったです。    レジュメ 1新木さんへ  1色眼鏡  2マイルストーン 22号さんへ あらすじ指摘のこと 3とんびの羽根さんへ 書きこみ指摘のこと 4今日のあらすじ -------------------------------------------------------------------------------- 誤字じゃないけれど No.7571 投稿日 2004年2月10日(火)10時06分 投稿者 名無し君2号  「端から見る」だと遠くから、「傍から見る」だとすぐそばからと、言葉の意味が変わる。おなじ「はたからみる」なんですけども。  私は遠くから見られていると感じていたし、でも相手のかたはすぐそばで見ていたと感じていた――ということなんですけども。ただそれだけなんですけども、なんか言葉っていいなあ、と思った瞬間でした。 >浦戸さん >>某ごはんでしたか、読了ありがとうございます。  わざわざ険をたてることもないとは思ったのですが……。  じつは読了してません。「恋」「性」「暴力」「笑い」、どれもなかったもので……なんか大人の小説って感じで、お子様の私には最後まで読めませんでした。すみません。  主人公も大人な……大人すぎる女性だったので、あの、29歳ぐらいならいけるんですが、ええと、いけるってなんのことでしょう?  ……こういう感想はあちらに書いたほうがいいんでしょうか。でも好みに合わなかったなんてただの嫌がらせだし。しっかり読もうかと思ったら無かったし。 >根性 >>おまえも「根性の身に付けかた」ってことで、なにかノウハウを持っているなら、誰かに伝えてやれ。  根性を身につけた自覚がないものですから、ノウハウもありません。  そもそも、根性のあるやつなら一日16時間ぐらいは小説に関することに没頭してそうなものですが、私なんかせいぜい6時間が限界です。プー太郎だというのに。時間なんていくらでも使えるというのに。ああこの根性なし、丸出だめ夫よ。  じつは根性があると言われることが恥ずかしかったり。責められているような気もしたり。だって根性を磨いてきたという自覚がなかったり。  「丸出だめ夫」はこういう漢字で良かったっけ、などとわざわざ調べる自分に、分室での調教の成果を感じたりはしますが。 >1000字課題  No.103「テディベアと少女」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=784&e=res&lp=550&st=0  役者増量期間中。  いままでなかったタイプの人を出してみました。はからずも、いままでなかったタイプの話にもなりました。 >貰われっ子ミーツ四姉妹 >>四人を書き分けるってのが、自分の能力限界を越えることに挑戦しているという意識はあったはずだ。なんの工夫も用意もなくて、ただ書きだす――なんていうアホで無謀なことは、さすがにやっていないはずだ。 >>なにをどう工夫したのか、すべて列挙して、説明してみろ。  まず、四姉妹の主人公に対するスタンスを変えました。  長女・様子見、次女・敵対、三女・好意的様子見、四女・好意的、そうなるように書いたつもりです。  見かけを変えるとか、口調を変えるとか、性格を変えるとか、行動を変えるとか、そのあたりはやった――つもりです。 >>あと、「四姉妹」「男の子」「貰われてきた」「初日」――この4種の素材に、どういう優先順位を付けたのか、書くこと。どれがメインで、どれが添え物であるのかということね。 >>なぜそれがベストだと判断したのか、その理由についても説明すること。  「貰われてきた」「初日」「男の子」「四姉妹」……です。  これは本来なら「四姉妹」を先頭に来させなければいけないところ。うー、なにやってんだ。  以下に言い訳ですが。  短編「優しい嘘」の、話と設定がちっとも現実に即してないってところで、かなりアイタタタと痛かったんです。  だったもんで……なるべく現実的にしようとトラウマったところが、「貰われてきた男の子をしっかり書こう」だったようです。あの無駄なイントロがそれをあらわしていて、読み返すとすこし哀しい。 >>俺はもともと、「書き分け能力」のテストでこの課題をやらせているわけね。 >>「よその家に貰われてゆく少年の心境に入りこめるかどうか」の感情移入度のテストで、この課題をやらせているわけじゃないのね。  あいかわらず斬る場所を間違えていたようです。  ボクシングで、パンチはガードされるより空振りするほうが疲れると聞いたことがあるんですが……剣が空を切るのもだいぶ疲れる模様。 >短編 >>父親の浮気を隠し通して、友人をずっと「現実の痛み」から遠ざけておいてやる――なんてことは、自分に「できないこと」だと思い知ったわけね。 >>じゃあ、そいつに「できること」のほうは、なんなんだ? >>そいつ、なんかやったわけ? >>話の中で、そいつが行ったことを、具体的に列挙せよ。  最後、友人と仲直りをしにいったことがそれにあたります。  友達になって慰めようとした……のも傲慢といえば傲慢だなあ。 >>浮気調査をしたのが自分だということを、友人が知った場合。 >>浮気調査をしたのが自分だということを、友人が知らずにいる場合。 >>――それぞれ、なにが変わるのかを、比較検討してみるのこと。  友人が知った場合。  自分の家族の恥を、かつての友人が直視していたことを知る。それは非常に恥ずかしく、屈辱的なことだ。だからといって、友人の性格上、主人公を責めることもできない。  ただし主人公は、自分の行為を友人に知ってもらえて、罪の意識を軽くすることができる。  友人が知らない場合。  恥ずかしさも屈辱も感じなくてすむ。主人公は友人の家庭を壊したと、罪の意識を抱き続けることになる。 >>まず自分と主人公とを切り分けろ。おまえはどれほどへたれでもいいから、主人公のほうは、もうちょいとマシな人間にするのだ。 >>逃げずに踏みとどまれる人間――という意味だが。  すみません。ここは本当にどうにかします。  ――逃げてりゃそのうち許されるって、そんなわけはないわな。せめて小説のなかぐらいは、まともな人間を出そうと思います。 >弟切さん >771 美人の描写、格好いい美女編  読みました。  結論からいってしまうと、格好いい美人というよりは男っぽい女性と感じてしまいました。 >>膝上までの黒いコートを着た男の人……えぇ?  たぶんこのセリフが原因かと思います。ここで「男の人」と刷りこまれて、そしてその刷りこみを覆すほどの描写はありませんでした。  一人称視点というのも原因かもしれません。  主人公は美人なのになんとも思っていないんですよね。ただ目の前の美人を見ているだけ、観察しているだけで、感想はまったく洩らしていない。唯一洩らしたのは「男の人」、ただそれだけです。  いろいろと美人に見えるような仕掛けはほどこされていたようですが……。 >>背が高く、スマートで、姿勢が良く、自分に恥じるところなく、服や髪型もいかしている人がいれば、その人は「格好いい美人」と言えますよね?  せっかく一人称視点なんだから、それを主人公に感じさせてしまえばいいのになあ、なんて思いますが。  「なんてスマートなんだろう」「なんて姿勢がいいんだろう」「なんて堂々としているんだろう」「なんてセンスがいいんだろう」などなどなど。  べつにセリフで言わせろということではないんです。  感じたならばどう行動するか……どう思うのか。それを書くべきではなかろうか、ということです。いま、思いっきり自分を棚にあげてますが。  そもそも、感じさせずに描写するのならば、一人称だとかえって無理な気もしますが。だって主人公は感じてしまうじゃないですか。感じてしまったら書かざるを得ないじゃないですか。感じたことを書かないのであれば、一人称である必要もないですよね。  すこし疑問に思った箇所をあげます。 >>女の人だ。なんて背が高い。一七〇センチくらいありそうだ。  身長が「170センチ」とか、普通わかるものなんでしょうか。「あたしよりおっきい。ケンタくんとおなじくらいかも」とかならまだしも。 >>甘すぎないコロンの香りが、あたしの鼻をくすぐった。  風の強い日に、香りが鼻をくすぐるなんてことはあるんでしょうか。しかもその風は冷たい。ただでさえ寒いと匂いを感じづらいのに。 >津荒さん >>ん? 主人公が変化しなきゃいけないわけじゃないか……。混乱してきました。 >>主人公とは、なにか。ちょっと考えます。  まず最初に質問ですが、一行あらすじってテーマのことじゃないですよね? 一行で小説がどんな話なのかを書くってことですよね? そうだと前提して話を進めます。  津荒さんの読んでいそうなライトノベルを私はまったく読んでいないので、例をあげたくてもあげられないんですが……。  ロードス島戦記、読んだことありますか。  あれの3〜4巻に、感情のない戦士が感情を取りもどして、最後は死んでしまう話がありますが、さてどんな話なのか教えてといわれれば、「パーンたち一行が、世界を支配できるアイテムをマーモの戦士たちから守るためにドラゴンと戦い、なんとか相手の手に入ることを防ぐ話」になるはずです……たぶん。  たしかに「ドラゴンと戦う話」ですし、「感情のない戦士が感情を取りもどし、死ぬ話」ではあるし、「パーンが王にならないと決意する話」でもありますが、中心を走るストーリーラインは違いますよね。  この話の主人公はパーンと思いがちですが、それならば本来は「パーンが王にならないと決意する話」でなくてはならないはずです。でも、3〜4巻はそういう話ですといったら、嘘だぁ、となるはずです。なればいいなあ。  さて、この話の主人公はだれなんだ、となれば「パーンたち一行」としかならない……はず。いま読み返さずに書いているから、すこし危ういです。  主人公が「パーンたち一行」だとすれば、私の書いた一行あらすじは「世界の危機」という初期状態が「世界の平和」という終了状態に変化しました。  さて、これは主人公の変化でしょうか?  ……これで参考になりますかね。かえって混乱したらどうしよう。おまけにロードス島を読んだことがなかったらどうしよう。  私がシェリフスターズを読めばいいんですけどね。そうすりゃもっといい例をあげられるんですが。 >>あとラブコメじゃないですよ。ラブコメというのは、恋愛がテーマでコメディ色があるってことですよね。一行あらすじの「大切に思う」がまずかったのかな。どこからこれはラブコメだ! と読み取りましたか?  ラブコメは失言でした。恋愛要素ってことです。  一行あらすじの、「仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり」で恋愛要素があるのかと思いこんでしまいました。 >>サミィとイーザーの関係も読み取れませんでしたか。二人は同僚です。一緒に捜査をしているという所からわかると思ったんですが。失敗。  これはこちらの思いこみがあったからかもしれません。  シェリフだから警官、ふつうは上司と部下で組むんじゃないかな……と思いこんでいたからだと思います。 >十一冊目「戦略拠点32098楽園」あらすじ  むー。  これ、あらすじを読むかぎりではヴァロアが主人公に見えるんですが。だってヴァロアを中心として描いてますし。 >>ヴァロアはその話で自分が気持を必要としない軍の道具だった事に気づき、気持を大切にしようと決める。  あらすじ中のこれ、そのまま一行あらすじになるんじゃないでしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  己の意志を持たぬ兵士だったヴァロアが、おなじく意志を持たない敵兵士ガダルバと、無垢な人工生命体マリアと触れあうなかで、自分の意志を取りもどす話。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  どうでしょうか。  レスには3時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 時間のことなど No.7572 投稿日 2004年2月10日(火)15時30分 投稿者 浦戸シュウ  さっそくお題をいただけて嬉しいです。  「視点」より「描写」のほうが手前。  理解できるよう努めます。 >>んで、サンプルでいうと――。  温度……考えもしませんでした。というか、考えていたはずのこともぜんぜんサンプルには表れていませんね。  はい。「工事現場」やってきます。今「工事現場」という文字を見て(え? 道路工事? 家の新築? 改築? 高層ビルの建築現場? トンネル工事?)と考えてしまいました。ほかにもあると思います。  視点があったほうがまだなんとかなりそうなので、視点保持者が要ります。「現場に迷い込んだ女の子」とか「好奇心旺盛な男の子」とか「工事の総責任者」とか「工事を発注したお客さん」とか、ああ、きれいなお姉さんがいたら楽しいかも知れませんが、工事現場にふさわしく……いや、最近は女性も工事の場に進出していますから、グラマーな美人が鉄骨を担いでいたら、アンバランスでドラマチックかも知れません。    あ、描写の実習でした。  今、書けていないわけですから、無理はしないで「近所の住宅の新築現場で遊んでいる10歳の女の子のわくわく感」でいきます。  2月13日にはアップできると思います。  それで、あの。 >>あの時って。  とおっしゃってるということは、体験なさったことがお有りなんですね?  私は実際に私の足に釘が刺さったときのことを書いたのです。  新木さんの体験は、実体験ですか? 本を読んだりマンガを見たり映画を見たりして場面から拾ってらしたのですか? それとも大怪我をしたときの経験から、似たようなものだろうと見当をつけて想像なさったんでしょうか?  「あの時」とすんなり語れるような、なんと言いますか……。あ、「当事者感覚」をどうやって身につけられたのですか?  見たり聞いたり読んだりしたものから「当事者感覚」を持つことが出来るかたなら、分室の過去ログを読んだだけでプロ仕様の原稿を書けるようになるかも知れないと思います。  言葉だけで伝わるもの、あると思います。 >>縮小模型を作っただけで力尽きてしまう人  はい。それは困ります。むしろ繰り返して慣れながら精度を上げることを考えたほうが経験値になるということですね。  ご忠告ありがとうございます。 >>物語の基本パターン >>プロの文章から「描写」を探す  ご回答ありがとうございます。  私が「基本パターン」と「描写」をちゃんと理解したら、新木さんの著作物から拾えばいいと思っています。  探し物はあるとわかっているところを見たほうが確実です。  まず鰹節のダシを舌で味わい分けるのですね。わかりました。 >>もしかして、こうしてレスを書くことも、指をぱんぱんに腫らして、かなりの負担になっていたりしますか?  いえ、そうはなっていないです。言われてみてはじめて、なんでだろうと思いました。  小説を書き写すのがしんどかったのは、句読点の位置とか言葉の選びかたが私とは違うので、打ち間違えては戻り戻りと何度もしたせいだと思います。  自分の頭の中で考えた文章を打つのは、そんなに大変でもないです。  レスを要する話題は、もしかすると新木さんと私とで、基準が違っているかもしれません。  もし「聞いたのに答えてないぞ」と思われたことがありましたら、ぜひ知らせてください。    分室に書き込むのがそんなにたいへんでもない理由を説明します。  私は「説明文」なら頭の中で組み立てられます。  たとえば……。  ナンバー7553の新木さんの書き込みを同日18時ごろに拝読しました。  読み終わったとたんにレジュメ機能が働き始めて、    どうしてもお返事しなくてはならないこと。  1、描写の説明  2、分析の説明  書かなくてはならないこと。  3、質問に回答していただいたことに対するお礼と、話が発展する質問。  4、新木さんのスケジュールを了解したこと。  何か言いたいことを思いついたら書くこと。  5、著作権のこと。  6、ネタの話をどう理解したのか。  とレスの優先順位を決めます。基準は1番「自分の修行」、2番「新木さんにうかがいたかったこと」、3番「私のほうから情報提供できること」と明確ですから、たいがい読みながら番号をふれてます。読み終わったときにはレジュメが出来ています。  書き込まれた内容が長文で、すんなりレジュメが作れなかったら読み直しながら頭に入れます。  レジュメのうち、自分の頭を絞って考えなくてはならないことは、1と2だけですので、頭のどこかにひっかけます。「描写」「分析」と。  そのあとは普通に日常生活をします。  で、何か思いついたらシグマリオン2(ファイルを開けたまま電源を切ると、次に立ち上げたとき切ったときのままの画面が出てくるレジューム機能が付いていてメモ書きに便利です)を起動して単語や文章を書き込みます。  私は「親指きゅん」で入力方式を変更していますが、このソフトは現在配布されていません。 シグマリオン2の仕様 http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/mobile/win_ce/sigmarion2/sigmarion2.html  あ、ついでに。私のキーボードを書いておきます。使い勝手はいい、と思います。  製品名 : USB親指シフトキーボード(コンパクト).  型格 : FKB8579USB親指シフト(FKB8579-661).  メーカー : 富士通コンポーネント株式会社. http://software.fujitsu.com/jp/oasys/2002/kanren2002.html    翌日、2時間かけてレスを書きます。そのときにはもうだいたいの文章は頭の中に書いてありますから写すだけです。  以下、説明文をそらで書けるようになった理由を書いておきます。  思い出話になります。ひとさまのお役に立つかどうかわかりませんが。  私には兄がおりまして。  私が10歳、兄が18歳のときのことです。  冷蔵庫にエクレアが入っていました。両親は洋菓子を好まないので、年に一度あるかないかの珍しいことでした。うちでは特におやつの時間はなく、5人家族が各自勝手に食べていました。  冷蔵庫からエクレアの箱を出してお茶の間で自分の分を食べ終わり、ひとつエクレアが余ることに気がつきました。 「おかあさーん。ひとつ余るよね? 食べていい?」 「ダメ」  母がダメだと言ったら、どう頼んでも無駄です。「なぜ」と聞いても「ダメだから」としか言いません。あきらめて台所に行き、箱を冷蔵庫に入れようと把っ手をつかんだとたん、箱が落ちてしまいました。エクレアはチョコレートとシュー皮とカスタードクリームの山となり、床の上にひろがりました。 「なにすんだ、バカ!」  兄が台所の隣のお茶の間から飛んできます。 「おまえはエクレアを食べてはいけないと言われたのが不満だったのだ。悔しいから全部食べられなくなればいい、と思ったのだ。だから落としたんだ!」  そう怒鳴りつけます。私は身の縮む思いで、兄の糾弾から逃げるにはどうすればいいのかと考えました。兄が「エクレアを落としたこと」を責めているうちに兄が満足する言い訳をしないと「いつも注意が足りない」とか「この間もうんぬん」と他のもっと言い訳しにくいことに話がずれていってしまうからです。 「箱が濡れていたので手が滑りました」と言うまで3秒フラット。  どういうわけか、兄は「何々だったからこうなった」という言い訳に寛容でした。 「冷蔵庫で冷やされた箱を気温の高い室内に出したため、空気中の水分の水滴化現象がおこり箱が濡れていたのです。その水分のために箱と手の摩擦係数が減り落としました」  ここまで言えればばっちりです。 「なんだ、そうか、気をつけろよ」と引き下がってくれるのです。  今、思い返してみるとギャグみたいですが。実話です。あ、言い訳の語彙は小学校の4年生にしてはちょっとむずかしいかも知れませんが、実話です。論理的な言い方で言い訳する以外に兄の激怒から逃れる方法はありませんから必死です。  そういうことが日常だったものですから、「?」を見たとたんに答えを考え始めます。簡潔かつ効率的かつ論理的な答えを瞬時にまとめる訓練を毎日していたので習慣になりました。  「?」を見たとたん答えを考えないと一時間責めたてられる、という危機感があれば、頭の中でレジュメを作れるのではないかと思います。  このことだけ書くと兄を誤解されそうなので、弁護のためにもうひとつ書きます。  縁側ででんぐり返しの練習をしていて、窓ガラスに飛び込み庭に転げ落ちたことがあります。駆けつけてきた家族が「バカ」「ガラス代がかかるじゃないか」「おっちょこちょい」とののしる中、この兄だけが「ケガしなかったか?」と聞いてきました。そんなひとだから、毎日怒鳴られてても大好きでした。    あ、そうだ。子供の頃のお話をしたついでに私が小説を書く理由を述べます。 1.料理をすること自体が楽しい。自分で作って自分で食べる。好きなように作りたい。早く作れなくても、美味しくつくれなくても、楽しければそれでいい。――という人と    中学生のときは「自殺願望がある女の子が本当に自殺を遂げる話」を書いていました。私にとってはそれがハッピーエンドでした。今なら「自殺願望がある女の子が自分の得意なことに目覚めて大成する話」を書くと思いますが、それはもう本当に自己満足なんで公表はしません。 3.私は「料理」を職業としたい。お金をもらい、美味しい料理を提供するのだ。――という人と。    私は職業とすることは考えていませんので、これもありません。 2.おいしい料理を作って、それを食べてくれて喜んでもらえるのが嬉しい。――という人と。    えーと。考え込んでしまいました。インターネットで公表するようになってから、創作仲間が出来たり読みに来てくださる方が出来ましたが。じゃあ、その方たちに向けて書いているかというと、それは違います。    私が小説を書いて発表しているのは、昔の自分を励ましたいからです。    中学生の私に「生きてればいいことがあるとは保証できないけど、自分をコントロールして変わっていこうとしていけば、まあ生きててもいいかなと思えるようになるんじゃないかな」と言いたいんです。    本当は首根っこをつかまえて、耳元でがなりたててやりたいところなんですが、中学生の私にそれをしたら耳を塞ぐとわかっていますから。大好きな物語に仕立てて、メッセージを送り届けようとしているのです。    ですから「おいしい料理」にはしたいです。「喜んで食べてもらいたい」です。「も、生きてたってしょーがないんじゃないの」と思っている昔の私に。    まあ。たぶん。昔の私みたいに「生きてるの嫌」と感じているひとは、世の中にはたくさんいるんじゃないかと思うのです。その中のたった一人とでも出会えて、私の話を読んで元気になってくれたら嬉しい。そう思ってインターネットで公表しています。    と、言っても、私の悩みなんかちっぽけだったんですよ。今から思えば。だからそのとき悩んでいたことや実際にあったことを直接書いても、きっと反感を買うと思います。「なんだそんなことで死にたがってたのか」って。    反感を買っては読んでもらえませんから、私はもうちょっと焦点をぼかして「ひとを励ます話」を書いてます。自分の本当のメッセージは、料理の隠し味にしておくつもりです。     >名無し2号さん  「傍」の件、メッセージがきちんと伝わって嬉しいです。かえって嫌味だったか、はっきり言ったほうがよかったかと思っていました。  受け取った、と言っていただけてホッとしました。 >>しっかり読もうかと思ったら無かったし。  あ、あります。「作家でごはん!」の鍛練場は100作まで保存されています。今の投稿ペースだと3週間はあります。  2枚目に落ちてしまうととたんに感想がつかなくなるのは、目につかなくなるからだと思っていたのですが……。なるほど、無くなってしまった、と思われているんですね。好みに合いませんでしたか。しかたないです。どうぞ、お気になさらず。 -------------------------------------------------------------------------------- おーい…… No.7573 投稿日 2004年2月10日(火)17時33分 投稿者 はせがわみやび  こんにちは、みやびです。締め切り一週間前なのです。  あうあう。 >四姉妹書き分け >> 見かけを変えるとか、口調を変えるとか、性格を変えるとか、行動を変えるとか、そのあたりはやった――つもりです。  だから、「どう」変えたのか、と。  そう聞いているのだと思うのだけど。  変えたなんてのは、あたりまえだ。書き分けをしろって言ってるんだから。  どんな意図のもとに、何をしたのか、それを列挙しろ、と。  どう、  「見かけ」と「口調」と「性格」と「行動」を変えた(変えようとした)のか、と。作劇意図とともに書け、と。    いやまあ、ずらずらと並べ立てるときに、その四つしか浮かばないってあたりも問題なんだけど……(^^;  ねえ? みやび -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7574 投稿日 2004年2月10日(火)17時52分 投稿者 新木 伸 >物語の「基本フォーマット」の話 >>作家志望者には、とっくにわかりきっていることでも作家希望者には、わかっていないようなので。  鷹見さんも書いてますが。  プロの全員。あと、作家志望者の全員。  ――これら二者にとっては、「物語は数百の基本パターンしかない。なにを書いてもすべて焼き直しになる」なんてことは、いまさら言うまでもなくて、当然で、あたりまえのことなのですね。  ちなみにここでいう「作家志望者」というのは、「自称」とかいう余計な接頭語の付かない「本物」のほうです。  数年後か、十数年後か、いつになるかはわからないけど、いずれ「作家」となることが決まっている「作家志望者」のことです。  ちなみにこの分室には、いまひとりもいません。過去においても、ひとりもいません。作家志望者はこんなとこに参加しにきません。ROMしている人の中にはいるかもしれませんが。  現在の分室って、「作家希望者」を「作家志望者」に叩き直す場所ですので。  見ればわかります。「ああ、こいつら俺と違うや」――と。  いちばんの筆頭生が、「1日に6時間ぐらいは」なんて言ってるとこじゃ、ねぇ……。  本物の作家志望者であれば、この分室は、避けて通らなければならない場所です。まあせいぜい、ROMしてるぐらい。 ○2号 >根性とか  勘違いしないように言っておくけども。  べつに「根性」なんてもんは、必須でも、なんでもないのね。  なくたっていいんだよ、そんなもんは。  要は、いかに小説に時間を割くか、ということ。  人生のなかから、どれだけの時間を小説に振り向けられるか、ということ。  小説が好きで好きでたまらなくて、周りが止めてくるぐらい打ち込んでいて、1日16時間しか使わせてもらえない人――も。  誰かの監視付きで、1日16時間を小説修行に振り向けさせられている人――も。  根性を振り絞って、1日16時間、小説にかじり付いている人も――も。  どれも、まったく、区別はない。  どれも効果は同じ。  そこにあるのは、ただ、「人生の3分の2を小説に使った」という結果だけ。  そして俺の推奨している方法は、「小説のことをやるのを習慣にしてしまって、小説のことをやっていないと気持ち悪いので、なんとなく、1日16時間を小説に向けてしまう」――というもの。  好きでも嫌いでもなく、頑張るのでも無理をするのでもなく、ただ普通にあたりまえに、息を吸うかのように小説のことに時間を使う、というもの。  専業作家というのは、とても具合がいい。  会社から帰ってきて、その疲れている体に鞭打って――なんて頑張らなくたって、いい。  眠気が取れるまで寝て、起きて頭が回らないうちは空腹にコーヒーを流し込みつつ、分室へのレスを書く。そしたら朝飯を摂って、すこし書く。何度か中断を挟みつつ、漫画とアニメと映画と小説とを、サプリメントとして摂取しつつ、また執筆。昼飯食ったら昼寝して、起きたらまた書く。  集中しすぎて、頭が加熱ぎみになってきたら、分室を読んで、レスをちょろっと書く。風呂入って次のシーンを頭の中で構築しつつ、風呂から上がったら、また書く。  夕飯まで時間があるから、腹を減らすあいだに分室を覗いて、なんか書く。腹減ってきたら飯作って、そしたら寝る。  14時間起きて、12時間寝て、26時間周期で1日が回っているが。べつに世間様の1日に合わせる必要もないわけで。  ああ、そうそう。  おまえ、現在のスケジュール表、提出な。  1日6時間だと?  再確認する必要があるな。 >2号  ああ、そうだ。  次からは、こちらの掲示板のほうに、リンクとともに、下のような一行コメントを書いておくこと。 ・お昼休み、可愛い女の子が可愛くごはんを食べているところに、ゴツい男がお金を借りに来て、そこに生真面目な男が割り込んでいって、文句を言い立てるお話。  こうしたものがあるのとないのとでは、クリック数が10倍は違ってくる。  さらに、そこでまとめた「話の向かう先」ってものを、5〜6行ぐらいまでの位置に、はっきりとわかるように詰め込んでおくこと。  話の進路の予感というものを、単なる予感ではなく、確信に近いところまで持ってゆく工夫をしろってことね。  電車だって、発進した直後に「行き先案内」ぐらい、車内放送で流すもんだろ。  「この電車は快速○○行き。△△には止まりますが、××には止まりません」みたいな。  電車に乗りこんだ人って、すごく不安なのよ。自分が間違った電車に乗っちゃったんじゃないかって思っていたりする。その不安を解いて、これに乗っていていいんだ、と教えてやらないと、シートに座っているお尻が落ち着かない。  もしくは、「なんだ。これ違うじゃん。――暴力とセックスはないじゃん」とわからせてやらないとならない。電車違いの人には、すぐ降りてもらわないとね。変な期待を抱かせたまま、終点まで連れて行かないように。  ――と言ってみたところで、「なにをやれ」と言っているのか、わからんだろうなぁ。  もうちょっと「攻略項目」が具体的となるように、説明してみるか。  俺、はじめ、読もうとしたんだけどね。  最初の台詞が出てくる部分までで、脱落したわけよ。  まあそれなりに読めるものにはなっているのだろう、とは思う。  たまに集中して読んでやると、まあ、リライトしたり、指摘してやったりするレベルになっているわけだから。  だがべつに俺は、2号のファンでも信者でもなんでもないし、集中して読む理由なんて、これっぽっちもないんだよね。  だから鼻くそほじりつつ、もう片方の手ではちんちんをいじりつつ、椅子にふんぞりかえって、お前の書いてきたもんを眺めるわけだよ。  そういう意識で読んでいると、だな。  目が止まる部分が、まったくないんだよ。お前の書く小説には。  気を入れて読んでみるか、って思う部分がない。  ちんちんから手を離して、指についた鼻くそのほうは食っちゃって、椅子の上にきちんと座り直して、背筋を伸ばして読んでみようか、てな気にならない。  そうして集中力をかきたてられないまま、適当に文字を追いかけていると、なんか状況もよくわからんうちに、台詞が開始しているんだな。「むー」「三百」「ぬー」「二百」とか、そのあたりのことだが。  誰と誰の会話なのかもわからんし、なに言ってるのかもわからんし。  もうこのへんで、どうでもいいや、と投げ捨てるわけだ。  俺様の興味を引かなかった、このくそったれな文章がすべて悪いのであり、時間は無駄になるし、さんざんだったよ。ああ俺はなんて可哀想で不幸なんだ――と、あいかわらず鼻くそほじりながら、思うわけよ。  ――と、まあ、これが普通の「読者」の読みかたってもんだ。  お前だって、人様の小説を読むときは、そんなもののはずだ。  浦戸さんの作品を見かけたときに、パスした理由ってのが、つまり、そうなんだろ?  ちんちんいじりながらクリックしてみたら、「えっちな展開がないやぁ。ぼくこれいらないやぁ」と、ぽいと投げ捨てたわけだろ。  この態度は、べつに不真面目でもなんでもない。  これが普通で、あたりまえというものだ。  もしお前が、自分の小説は居ずまいを正して読まねばならない――なんて思っているなら、お前のその「常識」が間違っているから、現実のほうに合わせろ。  誰の、どんな作品であっても、はじめは、そうした態度で読まれるわけだ。鼻くそほじりながら読まれるのが正しい。  それはアマチュアもプロも変わらない。条件は、まったく同じだ。  プロの作品だって、書店の店頭で同じように大量に読み捨てされている。一冊の本を買うかどうか判断するのに使ってもらえる時間は、せいぜい10秒ってところだ。本を開いて本文を目にしてくれたら、上出来ってもんだ。  さらに最初の1ページも読んでもらえたら幸運ってもんだ。  そしてプロは、1ページ読んでもらえるチャンスがあったら、なんとかできるものなのだ。  なんとかするのだ。チャンスさえあれば。  てか、1ページもいらない。3行あればいい。  3行あれば、読者の注意力を喚起して、「居ずまいを正して読なまきゃ」――という気にさせられる。  そういうことができないと、淘汰によって消されるから――。  現存するプロは、全員、誰一人の例外もなく、それが出来ている。  ほんの一口でいいんだ。  一口でもいいから、食べてさえもらえたら――その料理が「うまい」ということを伝えられるのに。  そのチャンスさえもらえたら、なんとかできるのに。するのに。  一口、試食してもらえるということが、どれほど有り難いことなのか――。  おまえ、ぜんぜん、わかってないだろ?  だからこんなヌルいものを、いつまでもあげてきて、平然としていられるのだろ?  ドアの外のセールスマンは、いったい何件のお宅を訪問して、10秒でもいいから話を聞いてもらえるという「1回のチャンス」を得られるのだと思う?  数十件訪問して、ようやく、一件、あるかないかだぞ?  たいていは――  「(ぴんぽーん)じつは私――」「いりません!」  「あのそうではなくて――」「買いません!」  ――てなふうに、ろくに喋らせてもらえもしないで、追い返されるものなんだぞ。  6行も読んでもらえる。  それを幸運で、僥倖だと考えられるようにならなければ、いま俺がやらせようとしていることは、意味不明だろうし、無意味に思えるだろう。  そこんとこに納得できないでいるなら、以降に書くことは、読まんでいい。  実行せんでもいい。  いつか身に染みたときに、やってみろ。  また「6行も読んでもらえる有り難み」がすでに身に染みているというなら、研究して、やってみること。 >目が止まる部分を作る工夫  目が止まる部分、というのは、読者の注意を喚起する仕掛けのことだ。  2号の小説には、それがない。  するとどうなるのかというと、読者はぼんやりとした意識のまま、目で文章を追いかけるだけとなる。  実際には読んでいない。眺めているだけ。  その眺めている状態の俺が、どんなものを見ていたのかというと――こんなものだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  □□□□□■■□匂い□□□■□□、□■□■■。  小鈴はあ〜ん□■□□口□■□□、タコさんウインナー□□□□■□□□□。□□□□□■□■□□、■■□■□□□□□□。□□□□■■■□□■□■□□□……□□□□□□■□□■□□。■□かしげる。  視線を■■□■□■□□。■□□□□□□□□■□■□、■□□■□□□□□□□□□□。□□□□■□■□■□□。丸々とした顔□、もじゃもじゃ■□□□□□。□□□□□□――。 「クマちゃん!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  6行+αの部分。  文字になっている部分は、ぼんやりと眺めながらも、俺の目に入ってきたこと。  「□」はひらがな。「■」は漢字。それぞれ、「なんか白いのと黒いの」と目に見えてはいる。  これではとても「読んでいる」とは言い難い。ほとんど文字を認識していない。眺めているだけ。  ――が、一般的読者の「読む」ってのは、このぐらいのことをいう。  そしてこの6行のなかで、目に飛びこんできた単語だけを根拠として、「きちんと読む」のか「読み捨てる」のか、決定してしまうのだ。  いまここから、なにがわかるのかというと――。  なにか女の子がいる。なにか食べているらしい。  そしてクマがやってくるらしい。しかも本物のクマらしい。動物のアレね。  ――なんじゃ、そりゃ?  わけわからんよな。  わけわからんから、これは、いらない。――と、そう判断される。  こんなふうに、飛び飛びの状態で、切れ切れの単語が目に入ってくるような状態でも、この話がなんの話であるのか、推定できるように工夫しないとならない。  「お昼休み、可愛い女の子が可愛くごはんを食べているところに、ゴツい男がやって来る」  せめてこのぐらいは、読み取れるようにしないとならない。  伝わり損ねていたのは、以下のことだ。 ・女の子は可愛いのだということ。 ・女の子が可愛く食べているのだということ。 ・本物のクマじゃなくって、クマのようにゴツい男なのだということ。  この最初の台詞までのシーンで、飛び飛びに細切れの単語ばかりが目に入ってくる状態でも、必要な情報がきちんと伝わるような工夫をしてみせろ。  冒頭部分のみ、リライト。  冒頭の3ページも過ぎれば、もう「読む気になっている読者」ばかりとなるから、書きかたを切り替えていってもいい。「読めばわかる」文章にしていってもいい。  しかし、頭の6行に関しては、「目を引く仕掛け」が絶対に必要なわけだよ。  (実際には本を開くときに頭から読むとは限らないので、どの見開きをとっても気を抜かないのがベストなのだが)  いいか?  わかっているか?  これまで俺の言っていることと、違うことを言っているわけだぞ?  これまで俺は、おまえに対して、「読めばわかるものを書け」と言い続けていた。  しかしいま言っているこれは、いわば、「読まなくてもわかるものを書け」と言っているわけだよ。  無茶だよ。  無茶なのは、重々、承知の上だ。  しかし、それをやらなきゃならないわけ。  「できる」だの「できない」だの、そんな無駄なことに頭を使うことなく、「なにがなんでもやる」と決めたうえで、「どうすればできるのか?」だけに頭を振り向けて、考えてみろ。 >貰われっ子ミーツ四姉妹 >>四姉妹の主人公に対するスタンスを変えました。  はァ?  俺は「列挙せよ」と言ったのだが。  なんで「1個」しかないんだよ?  他はどうした? 他の工夫は? >>長女・様子見、次女・敵対、三女・好意的様子見、四女・好意的、そうなるように書いたつもりです。  ヌルい。  ある人間の初対面の他人に対する態度ってのは、「好意←→敵対」「様子見」の二つしか軸がないものなのか?  他の態度を用意すれば、それを二人に割り当てられたはずだが。  20や30種類ぐらいの「態度」をまず考え出して、「目立つ態度」と「目立ちにくい態度」とに振り分け、「目立つ態度」=「表に現れやすい態度」だけを厳選して使うとか、そういった工夫はしてないわけ?  おれは「工夫しろ」と、そう言ったのだぞ?  「様子見」なんてのは、もっとも現れにくい態度のひとつだろうが。そんな目立たない味付けをしたら、「味が付いてないよ!」と読者に叱られる危険性があるとか、そういった予測はしなかったのか? >>本来なら「四姉妹」を先頭に来させなければいけないところ。うー、なにやってんだ。  「リアルでない」がトラウマったというのは、そうなるように植え付けたのだから、それで正しい。  ――が、「リアルに書かなきゃ書かなきゃ」という強迫観念下にありながらも、それをコントロールしなきゃならんのね。リアルには――書く。もちろんそうする。  ――が、それを超える注意を、「四姉妹」の書き分けに注がなきゃならんわけね。  おまえって、ほんと、ストレスに弱いんだなぁ。  リアルに書かなきゃいけないが、四姉妹も書き分けなければならない――って、二重にストレスがかかった程度で、もうパンクかよ?  ストレスに慣れろ。  ストレスのある状態が定常状態となれば、それはもはやストレスではなくなるのだ。  誤字は、死んでも出せないよな? (いまさら誤字なんか出しやがったら、縁切って、見捨てるぞ。マジで)  仰々しい言い回しも、出せないよな。出したら自分が「イタタタタ」だよな。  わけわかんない日本語もダメだよな。  相手にどう伝わるか、意識しないのもダメだよな。  リアルでないのもNGだよな。  いま五重ぐらいに縛られているわけだよ。  ここに、あともう4つか5つ加えてゆくと、プロが仕事で書くときのストレスと同等になる。  しかし、俺にはもはや、上の5つの縛りなんか、ストレスでもなんでもないわけ。  誤字を出さない? ――あたりまえだろ。てか、出ないだろ。なにをどうやったって。  仰々しい言い回しを使わない縛り? ――あたりまえだろ。  日本語を壊さない? ――当然だ。  相手にどう伝わるか意識する? ――無意識下でやっとるわい。  リアルであるようにする? ――書けません。どうやったって。非リアルなものは。  残りの5つの縛りのうちの、2つか3つがストレスとして俺にかかっているわけ。仕事の執筆をするときには。  ストレスのかからない楽なところで書くと、この分室にあげているリライト文章や、サンプル文章となる。  ――で、どうすんの?  もういちど「四姉妹」で創意工夫を凝らして、書き直してみるのか?  それとも「タスクリストに積んどきます」といつものように言って、そのまま、俺が忘れてうやむやにしてくれるのを待っているわけか?  それとも「三姉妹」か「二姉妹」あたりまで敷居を下げて、チャレンジしてみるのか? >優しい嘘  あの話のなかで、じつは主人公にできることは「ほとんどない」ということは、理解したな?  また主人公が「家庭を壊したのが自分」と白状するのも、しないのも、なんかどっちもどっち――だということは、理解したな?  俺が思うに――。  そもそも「事件」というか、話の構図がまずかったんじゃないの?  本当に友人の立場となって考え、その友人のためにできることをする――という話なら、「友人の親の浮気調査に関わる」という展開が、最適じゃなかったんだよ。  だって、主人公にできることって、なんにもないじゃん。  最後に友達として慰めに行くだけじゃん。  もっと主人公に「できること」の多い事件にしておけば、なにがテーマであったのか、もっとわかりやすくなったはずだな。  実際、俺もこの状態とこの局面から、どうにかテーマを生かす展開ってのを考えてみた。まあ30秒ぐらい。  ないね。  もう詰んでる。  友人の父親の浮気を自分が暴いちゃっていて、そこからなにをしてみたところで、読者が「ああ、こいつは自分にできる精一杯のことをやったんだ」と納得してくれる場所に着地させることは、不可能だ。  もう手はない。詰んでる。数手先でチェックメイトだ。投了するしかないわな。  もしやり直すのだとしたら、もっともっと前のところに遡っていって、そこから手を付けなくちゃならない。  どこまで遡って作り直さないとならないかというと、「友人の父親の浮気調査」あたりか、それとも「探偵にバイト入り」という部分までか。  ようするに、このミスの原因は、「探偵→浮気調査だっ!」とエウレカしてしまったところにあるわけだ。  そもそも「探偵だっ!」ってのも、エウレカかもしれない。その可能性は大いにある。  ――で、俺が考えると早いのだが。5分も考えれば、どう直せばそのテーマを行かせるのかプランがだせるだろうが。  お前の話を手伝ってやる義理は、俺にはこれっぽっちもないので。  自分でどうにかしろ。  とりあえず、手詰まりだということ。テーマがそれなら、設定と展開に手を付けなくてはどうにもならないこと。それだけは教えておく。  ところで――。  「探偵だっ! → 浮気調査だっ!」――と、このあたりを決めた思考経緯は、どうなっていたの?  そもそも、他になにかアイデアがないか考えて、「比較検討」をしてみたのか? ○津荒 >殺し屋だとか、色眼鏡だとか >>僕の価値観は関係なしで、コンセプトを掴め、と。  まあ、おおむねいいんだけど。  自分以外の価値観があるということを、常に念頭に入れて、作品を読むようにしよう――ということかな。補足するなら。  そうしておくと、なにか引っかかることがあったら、そこで立ち止まって考えることもできる。「ひょっとしてこの話は、僕の知らない価値観に基づいて書かれているのではないのか? ひょっとしていまの僕には理解できない話なんじゃないのか?」――と、自分を疑ってみる姿勢ってことね。  理解できないものでも、頑張って考えて見れば、理解できるものも多い。  鷹見さんが書いてくれているけど、あれは半分、津荒宛だぞ。  「知らないオジサンがなんか言ってら」ぐらいに思って、耳から耳に抜けていってしまってるだろうけど。  鷹見さんの話は、この「立ち止まって、疑ってみる姿勢」についてのものね。  そういうことをしないで、「ああ、これはアレね」なんて自分の既知のものだけに簡単に当てはめていってしまっていると、君はその「白黒ハッキリついていて、居心地のよい二色の世界」から、いつまで経っても抜け出してこれない。  そこは「おこちゃま」のいる世界だから。  すくなくとも、プロの作家に対して、読者はそんな「お子様の感性」を求めてないから。 >シンプルな筋と、複雑な筋  手伝ってあげよう。  すると、シンプルな筋の話というのは、こんな特徴があるわけだね? ・キャラクターが少ない。 ・主人公が誰かすぐわかる。性格は単純。 ・文章(文体)が読みやすい。 ・テーマ(ジャンルって意味か?)が、よく見かけるありきたりなものである。(ラブコメとか)  そして逆に、筋が複雑な話というのは、こんな特徴があるわけね。 ・キャラクターが多い。 ・主人公が屈折している。 ・文章が難読。読むのが大変。 ・テーマが特殊。あまり見かけない。  ――で、見分けかた。  「爆れつ」のタイトルについては、よく気づいた。  もうわかっていると思うが。  あれは、わざと、狙って――「爆れつ」と開いているわけだな。そしてそこに込めた意味は、津荒にも正しく伝わっていたわけだ。「あ、なんかこの話、楽に読めそう〜」って、そう思ったわけだろ? そして実際、楽だったわけだろ? 看板に嘘偽りなかった、ということだな。  「煽り」ではまったくわからなくて、タイトルや表紙や口絵でわかる――っていうのは、意外だった。  僕はまず「煽り」で見当を付けるわけね。煽りだけでもいい。そこだけでも、「ああ、あのパターンの話か」とわかるから。  タイトルやイラストだけでも、もちろん、わかる。――が、たまに読み違えてしまうこともある。商業作品でも、「誤ったタイトル」とか、「誤ったイラスト」が付けられてしまう場合もあるし。プロでもミスをするってことだな。  いちばん確実なのは、やはり「煽り」なので、そこを見る。  なぜ「煽り」だとわからないのか、そこについて、もうちょっと解説してみてくれ。僕にも意外だったので、聞いてみたい。  たとえば、煽りにどんなことが書いてあって、でも参考にはならない――その理由とか。 >>4楽なのと大変なのどっちをやるべき? >> というか、それ以前にあらすじ、正しく書けているのかどうかが、気になります。 >> 楽なのを完璧にしてから、難しいのに挑むべきだと思うんです。  いいって、いいって、気にするな。  正しく書けているとか、書けてないとか、いまはまだ気にしないでいいって。  「物語の基本フォーマット」の写し取りっていうのは、どうせ数百のパターン、すべてを修めきるまで続ける必要があるんだ。  作家になろうとか、作家志望者になろうとかいうのは、それからの話だ。  基礎ができていなかったら、作家志望者にもなれやしない。  お前はとにかく、本を読め。写し取れ。  これまで書いたものが正しく写し取れていたか気にするよりも、これから写し取るものを正しく取ることに集中しろ。  ――で、筋を写し取る話の選択基準なのだが。  おまえはどっちを選ぶんだよ?  簡単なほうか、複雑なほうか?  大きいつづらか、小さいつづらのほうか?  (これ元ネタわかるかな? 「舌切り雀」ね) >>ん? 主人公が変化しなきゃいけないわけじゃないか……。混乱してきました。 >>主人公とは、なにか。ちょっと考えます。  このへんは、2号からアドバイスをもらっているわな。  そうやって、ちゃんと手さえ動かしてさえいれば、誰かはちょっかいをかけてくれて、世話を焼いてくれるもんだ。有り難く受け取っておくように。  まあ要約すると。  読者が注目を向ける人物(たち)と、話の中で変化するものが、別である話もあるってことだ。  たとえば、恋愛ものがあったとする。  一途にアタックを続ける男がいたとする。こいつが主人公ね。  そして初期状態では男の子とを「嫌っていた」女の子が、その男に惹かれて好きになっていって、告白を受け入れて、最後には恋人同士になったとする。  ここで変化したのは、「女の子のほうの気持ち」だな。男のほうの気持ちは、はじめから最後まで、まるで変わっていない。一途を貫いている。  だがこの話の主人公は、あくまでも、「一途な男」であるわけだ。  なのでこの話は、他人に筋を語るときには、「一途な男が嫌われながらもアタックし続けて、意中の女の子を振り向かせる話」とでも紹介することになる。  もしここで、「嫌っていた男にアタックされつづけて、そのうち、うっかり好きになってしまう話」なんて紹介したら、読んだあとで文句を言われてしまう。「主人公、違うじゃん」となってしまう。  ちなみにこの手の話のパターンは、どんなものに分類されるのかというと。  「変わらない人物が、周囲を変えてゆく話」てなところか。  べつに恋愛ものに限ったパターンじゃない。  格闘技漫画で「修羅の門」なんてのがあるけど、あれは一人の修羅が格闘技界を変えていってしまう話だ。 >留意しておくべきこと  話には、以下の二つがあるわけだ。 ・「主人公」と「変化するもの」とが別の話。 ・「主人公」と「変化するもの」とが同一の話。  いま自分が取りかかっている話が、どっちになるのか、常に考えながらやってみること。自分がどちらと判断したのか、これもあらすじを書くときに、一緒に付けて提出のこと。 >筋を写し取る話の選択基準  あらすじを写し取ってみる前に、題材とする話を選べ、ということをいま言い始めている。  筋が簡単か、複雑か――。  そういう選択基準のほかにも、もうひとつ出すので、考えておくこと。    おなじ筋(パターン)の話は、2回はやらない。  まだ難しいかもしれないが、そのうち、きっちりと実施するので、いまから考えておくこと。まああと10本もやったら、本格的に実施することになるかな。  たとえば、今日の分と前のぶん――。 「気持を誤差として無視し続けてきたガダルバという兵士が、幼女マリアが独り暮す楽園と呼ばれる平和な星で、ヴァロアという兵士を通して気持の大切さに気づく話」 「感情に乏しい生物兵器イーザーが、仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり、少し感情を得る話」  これ、どっちも「変化するもの」が同じじゃん。  「感情がない→少し感情を得る)  機械化兵士か、生物兵器かの違い。  シェリフという仕事をするなかで感情に目覚めてゆくか、戦略拠点を守る任務のなかで感情に目覚めてゆくかの違い。  相方が「少女」ってのは、どっちも同じ。  イーザーの性別がよくわからんけど、たぶん「男」なのだろう。機械化兵士も性別ないのかもしれないけど、まあ「兵隊さん」=「男」のイメージがあるから、男と見てしまってもいいのだろうな。 「男属性で、その生い立ちゆえに感情を持たなかった存在が、仕事を果たすなかで少女と触れ合ってゆき、感情を手に入れる話」  こう書くことで、二つの話を、同じひとつのパターンとしてまとめてしまえるだろ。  ――で、しばらくのあいだは、こうした重複をやらないようにする。  題材となる話を選ぶときには、これまで写し取った話のどれとも似ていないものをやること。  どのくらいでパターンが尽きてしまうものなのか、やってみればわかるから。 ○浦戸さん >描写課題  「工事現場」を出したのは、「音」が絡んでくるからです。まあどうしたって、まず真っ先に思いつくのが、「工事のうるさい音」あたりでしょうから。  もうひとつ、お題を出してみます。  「冷凍倉庫」  これは人が入れてしまうような、大きな冷凍倉庫のことです。氷屋や肉屋の小さなものでもいいですし、2トントラックの冷凍庫でもいいですし、フォークリフトで入って行けるほどの巨大倉庫でもいいですが。  まあその中に入っていった気分にさせてください。  ちなみにこっちのお題を選んだのは、どうしたって「冷たい」っていう温度の連想をしてしまうからですね。 >当事者感とか >>新木さんの体験は、実体験ですか? >>「あの時」とすんなり語れるような、なんと言いますか……。あ、「当事者感覚」をどうやって身につけられたのですか?  自分の左足の膝の上あたりを、直径5ミリほどの鉄の棒が左右に突き抜けていて、そのまま7日ばかり放置されていた経験ならありますが。  僕は「死ぬ死ぬ」と訴え続けているというのに、まわりの人たちは、笑いながら「だいじょうぶだよ」と聞き入れてくれないんですよね。  鉄の棒は、しっかりと骨まで――貫通しておりました。  なんのことはなくて。  単なる大腿骨幹部単純骨折の治療ですが。バイクでぽきりとやりました。  あと空き地で遊んでいて、運動靴の底を貫通してきた釘が――極太の五寸釘が、足の裏に1センチばかり侵入してきたという経験もあります。これは5歳のとき。  両方を合わせると、釘を踏みつけ、さらに足の甲にまで貫通した状態――がどんなものかは、想像できます。  そんなに痛いものじゃないんですよ。アレってのは。貫通したすぐのときなんてのはね。  痛いと感じているのは肉体じゃなくて、それを見てしまって恐怖してしまった心のほうですから。痛み自体は、たいしたものじゃない。  またそれ以外にも、これまで読んで、見聞きした「物語」のなかの描写によって、「手の甲を突き破る短剣」とかの「疑似体験」は山ほどさせてもらっています。  実体験がなくたって、それらで代用することはできます。  まあ、手の甲をアイスピックが突き破って、「ぎゃー!」なんてすぐに悲鳴をあげているようなのは、あまりにも嘘くさいし、僕の体験とも矛盾するし、なんの参考にもなりゃしませんが。  リアルな描写で「体験」させてくれるものも、たくさん観させてもらっています。  またどうしても必要であるなら、足の甲ぐらいなら、釘踏んで実験してみることもできますよね。  あんまりやりたかないですが……。必要であれば、そのぐらいは、やりますが。 >創作の動機 >>私が小説を書いて発表しているのは、昔の自分を励ましたいからです。  うーん。微妙なところにいますね。  家庭料理を食べてくれる「ご近所&旦那の同僚とかのお客さん」あたりに振る舞えればいいということだと、読者の顔がはっきり見えているぶん、満足を得られる方法もはっきりしているので楽なのですが。  どこかにいるかもしれない不特定多数のうちの誰かに読ませたい――てなことだと、その欲求をきっちり満足させるためには、それこそ、プロにでもなるしかないんじゃないかなぁ。  しかし、プロになるってのは、遠い遠い茨の道であるわけで。無間地獄に足を踏み入れることなわけで。賽の河原で石を積み上げてゆくことなわけで。  楽しいばかりではない――というか、目的地である「プロ」にまで到着しないと、途中にはぜんぜん旨味がなかったりします。  また目的地に到着したところで、足を止めて休むわけにはいかず、つねに走り続けていなければすぐに脱落しますし。ていうか、プロになるまでのレースなんて予選みたいなもんです。本戦のほうが、はるかに、10倍ぐらい過酷です。  それは現役のプロであれば、皆、知っていることです。  数万人に読ませると、自分の伝えたかったメッセージが、まあ、数人ぐらいには、届いているのではないかという実感はあります。  残りの読者は、別なものを求めて読みに来ています。そういう方々もきちんと楽しませないとなりません。自分がプロ活動をして食べていけているのは、大勢のお客さんのひとりひとりから600円ずつ頂いて、支えてもらっているからですから。  とりあえず僕の場合、15年ほど作家活動をやってきまして、以下の3つのメッセージは、すくなくとも、数人ずつには伝えられたという実感を持つに至っています。  「自分の殻に挑戦し続け、殻を打ち破って、でっかくなっていこうぜ」  「女の子って、いいよね」  「学校って楽しくて、仲間っていいよね」  15年間、1日の3分の2――つまり起きている時間の全部を小説に注ぎ込んで、まあ、こんなもんです。  この3つだけ。  しかし3つは、伝えました。  15年という期間は、この3つのことを数人に伝えるためには、妥当なコストってところでしょうね。  しかし一般的には、そういうものはメッセージとしては認識されないようでして。  僕の書く作品は、どれも「メッセージ性が薄い」とか言われたりします。  僕が伝えなければならないと信じるものは、なにやら、どうも――世間一般的にメジャーな悩みとは結びついていないようでして。  中学生のころは、「うる星やつらサイコー、ラムちゃん萌えー」とか言ってました。  「つまんない。生きていてもいいことない」という悩みはメジャーなもののようなんですが、僕にはどうにもそれがわからなくて。「つまらない」と感じてないわけではなく、それを重大事項に取り上げて悩んでしまうということが、わからない。  自分にとってリアルでないんですよね。なにをそんなあたりまえのことで悩んでいるのだ。つまんなくて、いいことがないのは、それ普段からのデフォルトの状態じゃん。誰だってそうなんだし、均等で平等で、悩むことでもないじゃん。――と。  昔、「あんらっきぃ伸」というハンドルを付けていました。  そのハンドルは、その手の悩みへのアンチテーゼ的意味合いで付けたものです。なにかついてないことが起きると――僕はいつものことなのでなんとも思わないのですが、周りの人は「ついていない」と嘆く。  僕の近くだけ余計に「ついていない」ことが起きているのか、それとも単なる錯覚なのかはわかりませんが。まあ誰かが、「おまえと一緒にいると不幸が舞いこむ」などと言ってきたので、「へっへっへ。俺の近くにいると、俺にとっては普通だが、君らにゃ不幸なことが起きるぞ」というふうに、悪ふざけしてつけてみたハンドルなわけです。  まあ、「生きていてもつまらない」がわからないわけではなく、それは僕の伝えるべきメッセージでなかった、という話です。  なにもシリアスで、ネガティブで、わかりやすくてよく見かけるメジャーなものばかりが、メッセージではなかろう。――とちょっぴり不当に感じつつ、しこしこと、こっそり作品の中に「自分のメッセージ」を紛れ込ませていたりします。  メッセージを込めないで小説を書けば、もうちょい手も早くなりそうなんですけどね。  こればかりは「作家の取り分」なので、状況の許す限りは、やらせてもらうつもりでして――。これが取れなきゃ、いったいなんのためにプロになったのやら。  ふっふっふ。なーに、読んで気づかなくたって、いいんです。  食べて消化されてその人の「体の一部」となったときにも、きちんと残っているように、入念に、エピソード段階から練り込んでありますから。  食べてさえいれば、気がついていなくたって、タマネギ2個分とピーマン1個分を、消化吸収しちゃっているわけですよ。  「おいしいタマネギがたくさん入っていてよかったー!」と気づく人は、まあ数万人のうちの数名でしょうが。タマネギ自体は、数万人に、きっちり食べさせていますので。  タマネギは、体にいいんですよ。  僕はそれを知っているわけです。もしかしたら、世界で僕だけしか知らないことなのかもしれない――いいや、僕だけしか知りませんね。このことは。  なので、僕はそれを書かなきゃならないわけです。  僕にしか書けないことだし、僕以外の誰かは書こうとしないことだろうし。  健気な女の子っていうものは、宇宙の物理法則をねじ曲げてでも、守らなきゃならん価値があるものなのです。  なぜ世界の皆は、そのことを知らないのか。ぷんすかー。 >論理的思考  非論理の人間に囲まれて育つと、論理的な人間になるようです。  そして本当に論理的な人間が身近にいると、本物の論理的な人間として育つようです。  僕もまわりが非論理だったもので、論理武装が必修科目でした。  しかしこうして身につけた論理的思考は、所詮は「エセ論理的」なので、本物の人たちのまえに出ると、とたんに化けの皮が剥がれます。  しかし、まあ――。  論理を学問として追求してゆくのではなく、泥臭い方法論をでっちあげて、実用となるぐらいに役立つものを作るぐらいの役になら立ってくれるようです。  いまの科学界ってのは、論理が洗練されすぎです。困ったもんです。  もう2000年ぐらい前だったら、僕だって、科学者になれたかもしれないのに。  現代じゃSF作家にさえなれません。 >端で見る  僕は「端」のほうですかね。  おんぶにだっこでいてやっても、いいことないし、突き放して、「てめえの足で歩きな」と言ってやるのが本人のためであると思いますので。  傍に寄って手を貸したりはしないけど、立ち上がって歩き始めるまでは、端で見てます。  「傍」に寄って、近くから親身になって声をかけてあげる小説は、浦戸さんが書いてください。  僕は「端」で見守るだけの小説を書いてゆきますんで。  端でじっと見ていて、相手が立ち上がったら、その背中を気づかれないようにこっそりと押してやるのです。そういう話を書きます。  で、どちらの小説を書くにせよ、基本は一緒です。  構成が必要で、描写も必要です。  技術は、ないよりはあったほうがいいです。「愛」がたっぷりと必要なのはいうまでもないことですが。愛だけでは、読めるものにはなりません。  で、いまは「描写」のことをやってゆきましょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- 心頭を滅却すれば火もまた涼し No.7575 投稿日 2004年2月11日(水)01時17分 投稿者 弟切 千隼  人間は、極限状態に追い込まれると、痛みの感覚さえ麻痺してしまうようですね。弟切は、第二次世界大戦で従軍したという人から、こんな話を聞いたことがあります。  仮に、語り手の人をBさんとします。  ある戦闘の最中に、Bさんは敵の機銃掃射を受けて、腹の皮が裂けてしまいました。Bさんは、地面にばさばさと自分の内臓が落ちる(!)様子を、はっきり見たといいます。  その時のBさんは、痛みも苦しみも感じなかったそうです。地面に落ちた自分の内臓を拾い集めて(*o*)、腹に抱えて衛生兵のもとへ走ったそうです。「とにかく夢中だったから」と本人はおっしゃいます。  Bさんは、お年を召してはいるものの、現在はまったく健康に暮らしておいでです。ヒトの生命力は底知れませんね。  往々にして、現実はフィクションを超えてしまいます。こんなエピソードをそのまま小説に書いたら、「現実味がなさ過ぎる」と言われること間違いなしですね。 >描写課題「格好いい美人」(課題部屋のNo.771)指摘 >なぜ、「格好いい美人」が美人に見えないのか?  「格好いい美人」が登場したところから、一段落ずつ見てゆきましょう。 >> 膝上までの黒いコートを着た男の人……えぇ?  最初に、『男の人』とはっきり書いてあります。これでは、No.7571で2号さんが指摘されているとおり、「男性」という印象が刷り込まれてしまいますね。  「男性だと思ったのに、女性だった」と鮮やかに引っくり返すためには、この後ろで、強烈に「女性」を印象づける描写をしなければなりません。  結論を書いてしまえば、そういう描写がなかったために、2号さんに「男っぽい女性」と思われてしまったわけですね(^^; >> あたしは振り返った。  前回の書きこみNo.7568で説明したとおり、ここで主人公に振り向かせた原動力は「驚き」です。何に驚いたかといえば、後ろを通りかかった人が女性であることに驚きました。  けれども、驚いた理由がまったく書かれていません。これでは、読者さまは、何がどうしてこうなったのかわかりませんね。読者さま置いてけぼりです(;_;) >> 女の人だ。なんて背が高い。一七〇センチくらいありそうだ。  ここで印象に残るのは、とにかく「背が高い」ことですね。このことは、弟切が伝えたかった美的要素の一つですから、問題ありません。 >> まっすぐな背筋は、冷たい風にも揺るがない。薄化粧なのに、目鼻立ちはくっきりしていた。分けられた前髪がウェーブを描いて、きれいに流れている。  『まっすぐな背筋〜』の文は、「姿勢が良い」ことを伝えようと書いたものです。しかし、これでは、「背筋が伸びていること」が全然目立ちませんね。「姿勢の良さ」は、この「美人」の格好良さの重要な要素ですのに。  『薄化粧〜』の文は、「化粧でごまかした美しさではない」ことを伝えるために書きました。厚化粧で美しいのは、「美人じゃなくて、化粧が上手なだけかも?」と疑われてしまいますから。  単なる厚化粧女ではないことは、この文からわかります。でも、それだけです。肝心の美しさは、何も描写していません。  『分けられた〜』の文は、髪型の描写です。だのに、これでは短髪なのか長髪なのかさえわかりません(;_;) 描写が薄すぎます。  この段落を通して言えるのは、「情報密度が薄すぎる」ことです。もっと煮詰めた美的要素を、ぎゅうぎゅう詰めませんと、読者さまに「美しさ」が伝わりません。 >> あたしは彼女の方へと向き直った。彼女が前を過ぎる。甘すぎないコロンの香りが、あたしの鼻をくすぐった。  『あたしは』から『前を過ぎる』までは、主人公の動作に関することです。『甘すぎない〜』の文だけが、「美人」を描写しています。  ここでも、「美しさ」に関する情報が薄すぎて、読者さまの印象に残りませんね。しかも、『鼻をくすぐった』などという借り物の表現を用いてしまっています(^^;; >> 長い脚が彼女を運び去るのを、あたしは、ただ眺めていた。  この文で、「美人」に関わる表現は『長い脚』だけです。長い脚は美的要素の一つになり得ます。  とはいえ、たった一つ、『長い脚』だけを文中に投げ出されても……美人は思い浮かべられませんよね。  これより前に、「背が高い」とか「男っぽい」とかいう印象を読者さまに与えているために、それらの印象を補強する材料にしかなりません。  総括します。  弟切の文章は薄すぎます。情報密度が圧倒的に足りません。一行・一文、あるいは一語の中に、どう効率よく伝えたい情報を詰め込めるか、もっと真剣に検討すべきです。  そう、17倍強くらい効率よく詰め込まなければいけませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7576 投稿日 2004年2月11日(水)02時10分 投稿者 津荒 夕介 ○2号さんへ >主人公とか  変化と主人公は直結しない。了解しました。  大変参考になりました。  ブギーポップを平行してやっていることで混乱してきているようです。  で、僕のわかってないことがわかりました。僕は「主人公」の条件がわからないんです。 >主人公の条件  視点が一人に限定されているなら、そのキャラが主人公でしょう。  視点が複数に分かれる場合は多い方が主人公。  「楽園」でヴァロアが主人公だろう、と指摘されたのはヴァロアが動くことで物語が進むからでしょう。  パーンが主人公じゃなくてパーン一行が主人公なのは、パーン一行が視点の中心だからかな。  1視点保持の分量が多いキャラ。  2その行動で変化をもたらすキャラ。  が「主人公」の条件。  これが今の考えです。  ブギーポップか……。うーん……、だれが主人公なんだ……?プロットやらないとな……。 >楽園  楽園は変化の度合いが大きい方を主人公として書きました。今では間違いだったと理解しています。  ヴァロアの行動が変化の中心なので、やはりヴァロアが主人公でしょう。 ○新木さんへ >価値観とか  了解しました。 >煽り  「僕の血を吸わないで」から引用します。引用しても大丈夫ですよね。 >>明るさだけが取り柄の高校3年生花丸森写歩朗の部屋へ、ある夜1人の少女が飛び込んできた。ジルと名乗るその少女はなんと吸血鬼。あまりに現実ばなれした出来事に驚き恐怖する森写歩朗。しかし、吸血鬼狩りブラックウイナーに追われ重傷を負ったジルに同情し、かくまってほしいという彼女の願いを聞き入れる。こうして暮らしはじめた2人は徐々にお互いに惹かれていくが、人間と吸血鬼という種族の壁は高かった。思い悩むジルと森写歩朗。そこにとうとうブラックウイナーが現れた。果たして2人の運命は? そして恋の行方は……!?  です。  うーん。  書いてある内容から楽そうだなぁとは思いますが、文体が真面目なので確信できなかったんです。本文の文体が難解かもしれないなぁとか。  爆れつハンターだと、文体はハートマークとか「!」が多用してあるので楽そうかな……と思えますが。  確信できないのに、わかるとも書けないので、わかりませんと書きました。神経質すぎたなぁ。  わかるに近いです。 「パンドラ」の煽りだと一行あらすじの予想がさっぱりつかない。だから大変そうだなと思う。上に書いた「僕の血を吸わないで」なら、ラブストーリーかなってわかるので、楽そうかも、とか思います。 >楽なのか大変なのか  うーん。  楽なのを沢山やった方がいいかなぁ。  楽な話の「物語の基本フォーマット」に色々手を加えたのが、大変な話だと思います。  「物語の基本フォーマット」を知るという課題なら、楽な方で確実に基本を知っていった方がいい。だから楽な方。 ○今日のあらすじ  楽な方をやりました。  十二冊目「なずな姫様SOS」 著:阿智太郎    一行あらすじ  平和な国の世間知らずで元気ななずな姫と護衛の馬鹿な忍者ぺんぺん丸によって、国に潜む悪や国を襲う敵が退治される話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=785&e=res&lp=757&st=0   レジュメ 12号さんへ  1主人公とか  2楽園 2新木さんへ  1価値観  2煽り  3楽なのか大変なのか -------------------------------------------------------------------------------- ○鷹見さんへ No.7577 投稿日 2004年2月11日(水)10時36分 投稿者 浦戸シュウ  物語のフォーマットに関するお話。ありがとうございます。  シェイクスピア以降、出版されている小説がすべて基本フォーマットを上にあるのでしたら、1974年から本を読みはじめたひとも、2002年からのひとも身近にある小説の基本の作りは同じということでございますね。  ちょっと安心しました。 ○新木さんへ >「冷凍倉庫」  はい。わかりました。  「肉屋の冷凍庫に入る新米アルバイトの女の子のこわごわ感」でいきます。     >当事者感 >>自分の左足(中略)貫通しておりました。  さらわれて閉じ込められたことがある、とか、ハードな展開が続くのかと思ってしまいました。  先の話を予感させる話し方ですか……し、職人技、と感じました。  いろいろとお怪我をなさってらっしゃるんですね。  釘を踏み抜いた後、お医者さんに診ていただいたときに、 「骨も神経もなんにも傷つけてない。運がよかったね」と言われました。  運がよかったらそもそも踏まないんじゃないか、という疑問がそのときは心に浮かんだのですが、今では幸運だったと思っています。   >>中学生のころは、「うる星やつらサイコー、ラムちゃん萌えー」とか言ってました。  私が「つまらない」と思っていた根本的な原因に「したいことをしようとすると邪魔される」という感覚があります。  「仮面の忍者・赤影」をテレビで見て、男の子たちのチャンバラごっこに加わろうとすると「女なんかダメだ」と言われます。マンガの「空手バカ一代」を読んで「空手を習いたい」と親に頼めば「女の子がすることじゃありません」と言われます。  大人になってやりたいことをやりたいだけやってもよくなったので、今は楽しくなりました。 >>で、いまは「描写」のことをやってゆきましょうか  はい。それでは2日ほど、頭を絞ってきます。冷蔵庫の中身が空っぽですから、お買い物から始めないといけません。  買ってくるものを間違えないといいんですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 訂正・7577の題名 No.7578 投稿日 2004年2月11日(水)10時43分 投稿者 浦戸シュウ 「課題の準備をします」です。  鷹見さんへ、なのですが、そうなのですが、あの。  申し訳ありません。  失礼しました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7579 投稿日 2004年2月11日(水)18時42分 投稿者 新木 伸 >弟切  どうも、弟切も「描写」ってもんがわかってないようだなぁ。  その機銃掃射をして腹が割けて内臓を落としちゃった人の話。  内蔵をばらまいても痛くはない。その後にも生きている。いまでも健在。  知識としては身に付くさ。話を聞かしてもらうことで。  しかし、そんな話をいくら聞かされたところで、それを体験した本人の「気分」にはなれんだろうが?  想像力を豊富に持っていて、他人に対する「感情移入能力」の高い人間であれば、その話から、本人の経験したものを、あたかも我が身に起きたかのように想像することもできるだろう。  しかし、いまここで言っている「描写」ってのは、万人に対して、「我が身に起きたように体験させる」ための技術なわけだ。  お前が描写と思っているそれは、ひどく古い技術なわけ。  自分の聞いてきた話を、とりあえず語っておきさえすれば、その事実の断片から読み手が再構築してくれるだろう。  ――と、そんなふうに、相手の想像力と感情移入能力に期待するなんていう古典的な技術は、もう何百年も使われてきたものだ。それはたしかに基本ではあるけれど、いまここで言っている「描写」っていうのは、その先を目指しているものなんだよ。  「昔々、おじいさんとおばあさんがいました」と書くだけで、牧歌的な生活をイメージしてもらおうなんていう時代は、終わったの。  おじいさんとおばあさんの生活を、リアルに、描かなきゃならないの。  「キルケーという魔女が孤島に一人で住んでおりました」と書いたら、現代では、「一人でどうやって暮らしているのですか? 衣食住は?」と当然のように突っ込まれちゃうものなの。  食べ物も、住むところも適当なままでは、リアリティがあるとはいわないわけ。  物語というものが、地に足が付いていなくても良かった時代は、もう過ぎ去ったの。  アマチュアで「そういう古いの好き好きー」という同好の諸氏を相手に書いているだけなら、そんなんでもいいが、プロ目指すなら、もう一段階、表現技法を進化させないとならないわけよ。  現代の環境に適応しなきゃならんわけ。  小説ってのは、なんだ?  エンターテイメントだろ。エンターテイメントってのは、日々、貪欲に、進歩してゆくものなんだよ。  いまエンターテイメントって分野は、お前の慣れ親しんだ表現手法から、もう一歩も二歩も、先に向けて踏み出しているのだ。  プロになりたいなら、そこに追いついていかないとならないわけ。  まあ小説だけは、どういうわけかひどく遅れているけど、それでもこの20〜30年で、だいぶ変わってきている。1960年代あたりの小説を読み返してみろ。表現手法が、すげぇ古くさいから。いまここで言っている意味の「描写」なんて、そうそうないから。  そこにあるのは、1960年当時の、最先端の「描写」なのだ。  おまえらアマチュアは、いまこの時代に、そんなもん書いているから、だめなんだよ。40年前の描写なんてやってるもんだから、いま現代では「描写じゃない」と言われてしまうんだよ。  40年遅れた技術で、現代に通用するものが作れるかっての。客は目が肥えてるんだ。  ゲームだって、8ビットCPUのファミコンで、ドットの目立つキャラがぴこぴこ動いているゲームなんか、もう子供だって見向きもしないだろ?  32ビットCPUでポリゴンでフル3Dで、フルボイス付きで、実写と見まがうばかりの質感がなけりゃ通用しないだろ?  ドラクエだって、昔の平面マップの街並みでピコピコとやってたものを、家も街も完全3D化されてリメイクされて、再発売されたろ。――って、弟切は知らねーか。  ドットが目立つばかりで、なにを装備しても姿の変わらないしょぼいキャラを見ながら、そのキャラが剣と鎧とを装備している様子を頭の中だけで想像してプレイする――なんて時代は、もう終わったの。  剣と鎧とを装備しているなら、キャラの姿はきちんと変化しなければならないの。  エンターテイメントは、もう陸地に上がってるんだよ。いつまでも海の中で泳いでいたりはしないんだよ。  現代の小説に求められている「描写」っていうのは、普通に読むだけで、べつに想像力を働かせなくても、本人の「体験」を味わうことができるものなわけ。  読者の負担を、極端に廃したものなわけ。想像力が欠けていても、わかるようなものなわけ。  たとえばゾンビに襲われる体験だとか。自分の肩に爪が食い込んでくる感覚だとか。  視点位置が本人になくて、外部からの客観視点であれば、「ゾンビに襲われる人」を眺める位置で描くことになる。  この場合に味わうことになるのは、「隣にいた奴がゾンビに襲われる場面を目撃した人間の体験」ってほうだ。  いま、弟切のやっている描写課題っていうのは、「美人に遭遇しちゃった女の子の体験」だろ。  美人を描くのに、美人本人の体験ではなく、「美人と出会った人間の体験をさせる」というアプローチで描いているわけだろ。  古いタイプの「描写」であれば、彼女が美人であることを表現するのに、「鼻筋が通っている」「髪が綺麗で長い」「目がくっきりとしている」――と、美人の持つ資質をばらばらに散発的に、いくつか取りあげて示してやれば、それで「描写」というものを表現したことになるわけ。  投げ与えられた個々のパーツを頭の中で組み上げてゆくのは、読者の役目だから。  しかし、いま求められている「描写」では、そんなんじゃだめなの。  部品をお客さんが組み立てなければならないプラモデルは、もはや売れないの。  完成済みで、彩色済みなプラモデルが売れる時代なの。  ガチャポンのダイヤルを回すだけで、スカートの中身まで作り込まれて、ぱんつの柄まで描きこまれた「超リアル」な美少女フィギュアが、たったの200円で買えてしまえる時代なわけ。  顔も同じで見分けも付かないリカちゃん人形を、姉妹セットで何千円も出して揃えていて、ありがたがっていた古い時代は、もう終わったわけ。  「美人と遭遇した人物」が、まずなにを意識に浮かべ、どんな順番で、その「美人」のパーツを見ていったのか。そこまで厳密に考えていかないと、求められいてる質の「リアルさ」がだせないわけだよ。  見たもの、考えたこと、沸き上がった感情、それらすべての情報を一セット揃えて、読者の脳裏に正しい順番で送りこんでやらないと、読者は正しく「追体験」しないわけ。  自分がなにを試みようとしているのか。その本質を掴めっての。  お前の慣れ親しんでいる「海の中」から、陸地に上がってこいと、俺はそう言っているわけだぞ。 >描写とか >>「男性だと思ったのに、女性だった」と鮮やかに引っくり返すためには、この後ろで、強烈に「女性」を印象づける描写をしなければなりません。  その女の子の「体験セット」じゃ、読者にうまく伝わらないということだろう。  手法の問題じゃない。選んできた「体験者」がふさわしくない。  たとえば、「戦場の過酷さ」ってものを読者に伝えようとするのだとしよう。  10人の戦争体験者にインタビューしてくるとする。そのうちのどの人の体験を採用するかってのは、考えるところだろ?  最前線に出て行った人もいれば、特攻隊だったんだけど特攻しそこねた人もいる。また兵站部にいて、日がな一日、物資のリストをチェックしていただけの人もいる。  どの人の「体験」を採用すべきだ? 戦場の過酷さを伝えるためには?  素材選びのところで間違ってしまうと、どんなにうまく語ってもだめなのだ。  「はじめ男だと思った→でも女だった」ってのは、それはそれでリアルなのかもしれないが……。読者が追体験しやすいものとはいえないだろう。  はじめに「男の人だ」と認識してしまう部分の印象が強すぎるのだ。  あとでひっくり返そうにも、うまくいかないだろう。  どれだけうまくひっくり返したところで、一部には納得してくれない読者が出る。そういう人は、「だまされた」という感じをぬぐえないだろうね。  いま皆から指摘されてるのは、「だまされた感」があるためだよ。皆は色々と論理的に指摘しようとしているが、その根底にある感情は、「男だって言ったんじゃん!」という文句なわけだ。  別の「体験セット」に変えたほうがいいだろう。  たとえば「あれっ? 女の人? それとも男の人?」くらいのところから、「やっぱり女の人だったっ!」と認識するぐらいの「体験セット」にするとか。  そのくらいなら、だまされた気分にもならないわな。  体験者の1人にしかインタビューを取ってこないから、そういうことになる。  「美人に遭遇した10人」からインタビューを取ってきて、そのうちのいちばん良さげな「ベスト1」を使え。  2号がそのへんを出来ないでいるのは、アイデア出しの修行をさせていないので、仕方ない面もあるのだが……。(それにしたって過去ログ読んでりゃ、修行の方法ぐらい書いてあるのだが)  弟切にはアイデア出しの修行を、さんざんやらせてあったはずだが……。  分室初期メンバーのただ一人の生存者だろ? シンデレラ迷宮の最深部到達記録保持者だろ?  しかし結局、身に付いていなかったのか? あれ無駄な修行だったの?  もしアイデア出しをサボっていたわけでなく、他の「美人に遭遇した体験者」もいたというなら、どんな人がいたのか、具体的に上げてみること。  おそらく、一人にしかインタビュー取ってきてないんだろうが。  いまの弟切に足りないコストは――。  文章への配慮で17倍。  インタビューを取ってくる人数で10倍。  合わせると、170倍ぐらいだ。 >話の主とか、主役とか。 (注釈:この話、はじめは津荒宛――に書こうと思ったんだけど。書き終わってみたら、ずいぶんと高度な話になってしまった。まあわかる人だけ読め)  また一段階ほど、ややこしいことをするけども……。  話の「主」とか、「主人公」とかいう概念には、以下の三つのものが含まれているのね。 1.読者が最も注目するキャラ。(視点キャラ) 2.最も行動するキャラ。 3.最も変化するキャラ。もしくは物、事、状況。  いちばんシンプルな構成の話は、1と2と3とが同一。  よくある話は1と2が一緒で、3が別というもの。これもまあ、シンプルなものに分類してしまっていいだろう。  いちばん複雑な話は、1と2と3とが、すべて別々。  10個のあらすじを書いて、いちばん楽だったものと、大変だったものとを考えさせたよな?  あの「楽な1位」になった「僕血」は、1と2と3とが、同一なわけ。  そして「爆れつ」は、1と2は同じで、3だけ違う。変化するのは事件のほう。  これらは筋がシンプルなので、だから写し取るのも楽だったわけだ。  「フルメタルパニック!/戦うボーイ・ミーツ・ガール」――では、これは、「1」と、「23」とが別。  読者はかなめに注目するが、行動するのは宗介で、変化するのも宗介だ。  かなめは行動しないし、変化もしない。  かなりイレギュラーなことをやっている。だから筋を把握するのが大変なのだ。  「大変だった1位」は「パンドラ」のようだけど、そのさらに上に、「ブギーポップは笑わない」が堂々君臨していたわけだな。  あれは1と2と3とが別々で、さらに1と2に「同列首位」が複数いたりする。同じぐらい注目されるやつらがいるし、同じぐらい行動しているやつらもいる。  ややこしいこと、この上ない。あんなもんあらすじに落とせるか――などと、プロでも泣きが入るほどだ。  「サムライ・レンズマン」は、あれはあれで、別な意味で難易度が高い。  あれはシーンによって、1がコロコロ変わる。登場人物たちすべてが、主役を奪い合っている。その結果いかんで、2の「行動キャラ」も移り変わってゆく。  そのとき主役を奪い取れたやつが行動して、話のおいしいとこを取ってゆくわけね。成り行きしだいでは、あの話はキャットがデイルズをゲンコツで殴り倒していたかもしれんし、キムが倒していたかもしれん。もしくはデイルズが全員をぶぅち殺して、悪のあだ花を咲かせていた話になったのかもしれん。  まあ本命のクザクが、おおかたの予想通り最後で全員をごぼう抜きしていって、デイルズを倒し、主役の座を射止めたわけだが。  そうした作りになっているおかげで緊張感があって、独特の雰囲気が作られているのだけど……。古橋節とでも言うのだろうなぁ。「ブラックロッド」のシリーズも、どれもあんなような感じだし。  タイトルが「サムライ・レンズマン」なのだから、クザクが主役にならず、デイルズが勝っちゃうようなレースになっていたら、仕切り直しということで、はじめからやり直し、全面書き直しになっていたのだろうなぁ。  もうひとつ例にあがっていた「ロードス島戦記」の3〜4巻。津荒は読んだことあるのかないのか、いまひとつわからないけど、何気なく返事しているところを見ると、読んだことがあるのかな。  あれは、行動するキャラは「パーン」で、変化するのは「世界の危機→解決」なわけだ。  しかし読者が注目するキャラは、「シーリス&オルソン」の二人なわけだ。  構成に詳しくない人――一般読者やら、津荒やらが見ると、あの話の主人公は「シーリス&オルソン」であると思いがち。  自分が最も惚れこんで注目していた人物が、その話の主役であると、頭から信じこんで疑いもしない。  お客さんなら、それでいい。だが分析する同業者の視点ではない。  2号が「パーン一行」とまとめてみたのは、わかってやっていたのなら、うまいまとめかただろう。パンピーから一歩ぐらいしか踏み出していない津荒に説明するのなら、そのほうが、わかりやすい。  「注目されるキャラ」と「行動するキャラ」とは別なんだけど、彼らは行動を共にしているので、説明の便宜上、まとめてしまってもかまわない。 (あの話はそこまで計算ずくで、パーンとシーリスたちを同行させているんだよ。筋が空中分解しないための、苦肉の策だ。前作の人気キャラであるパーン&ディードを出さずに、シーリスとオルソンだけを主役にしたら売れないっていう商業的判断あってのことだ。商業的観点からの要求と、話からの要求と、両者がかち合って、その無理を解決するための方策だ)  「行動するキャラ」と「注目されるキャラ」とが別だとして。  あの話の主軸――「変化するもの」がどこにあるのかというと、「ロードス島の命運」であるわけね。  だってタイトルにも書いてあるでしょ? 「ロードス島戦記」って。  「自由騎士パーン」ってタイトルじゃないでしょ? 「狂戦士オルソン&女傭兵シーリス」でもないでしょ?  あれはロードス島の戦いの歴史の話なわけね。パーンだとか、オルソンだとかは、あくまでもある一時代のかりそめの主役でしかない。話の本当の「主」は、ロードス島の「戦記」そのもの。(「話の主」って言葉は分室用語ね)  なんのために、あの話が書かれたのかというと、「話の主」のため。  ロードス島の「戦記」を語るため。  でも人気のある主役がいないと、話を読んでもらえない。また行動するキャラがいないと、なにも変化しない。だからパーン&ディードがいる。  そして視点キャラがいないと、臨場感とリアルさを与えられない。話が「生っぽく」なってくれない。だからシーリス&オルソンとがいる。  話にとっては、「変化するもの」が最も重要。  キャラクターに思い入れのある作家が書いた小説は、「変化するもの」=「注目されるキャラ」を同一として設計される。さらに「行動するキャラ」まで同一にしてゆくこともある。  キャラクターを駒として使う作家は、「変化するもの」と「注目されるキャラ」とを別々に配置する。キャラへの注目は、「話の主」を読ませるための「方法」として使う。 >津荒  「煽り」の全文引用は、問題ないよ。  こう考えてみればいい。「これを書くことで、著作権者がなにか損をするか?」  本の宣伝文句をインターネット上のどこかで書いたところで、「おもしろそうだな」と思って読んでみる人が出ることはあっても、損をすることは考えられないでしょ。 >>「パンドラ」の煽りだと一行あらすじの予想がさっぱりつかない。だから大変そうだなと思う。  それそれ。  一行あらすじの予想がつきそうなものが、筋が簡単なものなわけよ。  ――で、ちと脱線するが。  「おもしろいかどうか」ってことは、難解さとは無関係なのだな。このへん、頭でっかちな作家志望者あたりは、勘違いしている人がひどく多いのだけど……。  難解なことがおもしろいものだと思いこんでいる。そりゃ、あんた個人の趣味だってのー。  シンプルな話でも、すごくおもしろいものもある。  そして難解だからつまらない、というわけでもない。  しかし練習するのなら、まずシンプルなものをやって、それから難解なものに取り組むべきだよな。  いきなり難解なものをやろうとするのは、無理無茶無謀だよな。  ――で、「楽なのを沢山やった方がいい」というのは、正しい選択なので、自分の考えた通りに続行すること。  そのうち、シンプルな筋の話だと、読んでいるうちに予想も付くし、あらすじも簡単に書けちゃって物足りなくなってくるだろう。  そうなってきたら、難解なものをあえて選んでやってみると良い。  いつそうなるかはわからんけど、まあ100冊ぐらい、写し取っていったあたりかなぁ。  津荒は分析する目で読んできてなかったから、これまでの読書体験が、あんまり役に立っていない。昔読んだ話とか、読み返すことなく、こうしてあらすじに書き出せるか?  それができないような話は、読んだうちに入っていない。  ひょっとすると、津荒の全人生における読書量は、現在12冊ということになるのかもしれん。  なるべく楽なやつを選んで、なるべく多くやってみること。  楽なやつだけでいいなら、1日2冊とかできないか?  あと関係ないが、「沢山」と「方」っていうのは、普通、ひらがなに開くぞ。  大人向けの時代小説か、架空戦記ぐらいでしか、その言葉を漢字で使うとことはないぞ。  漢字変換をパソコンに頼っていると、そういうことになってしまうが……。パソコンって漢字超大好きだから。 >浦戸さん  物語の筋――「基本フォーマット」に関しては、まあここ何百年か、たいした変化はありません。  しかし表現手法のほうは、大きく変わってきています。上にも書いたけど、なにが「描写」とされるかということの定義ね。  40年前で言うところの「描写」なら、津荒さんは充分にできていますが、現代における「描写」にはなっていません。  ただ「描写とはなにか?」ということを考えようとしていたためか、「ショッキング・ピンク」の中でも、一部、描写となっているところもありました。  引用してみます。 >>自分に気合をかけながら『PUSH』と書かれた長方形のボタンを押した。首を伸ばして縦長のプラスチックのインターフォンに顔を近づけた。インターフォンの上部に半透明の黒いプラスチックがはまっていて、防犯カメラとおぼしき丸いものがかすかに見えていた。目の焦点をそこに合わせてにっこりと微笑んだ。これでショート・ボブでちょっと寄り目の四十女の角張った顔が、向こうからきっちり確認出来るはずだ。  ここで書こうとしていたことが、「インターフォンのカメラの前に立った人間の居心地の悪さ」であれば、これは描写です。  インターフォンの前に立ち、相手が出てくるまでの「体験」というものがどんなものか、これを読めば「追体験」できますので。  しかも女性といっても――自分の容姿に自信のある若い女性ではなくて、四十がらみで容姿に特別自信はないが、ややこしいコンプレックスも抱えていない人間と、人物の個性まで限定しての「追体験」です。  このインターホンのシーンの、この瞬間だけは、僕は自分が別人となった気分になれました。このとき僕は四十女でした。  他はぜんぜん、「別人体験」ができなかったのですが。 >>さらわれて閉じ込められたことがある、とか、ハードな展開が続くのかと思ってしまいました。  あ、そういう気分になれましたか。  じゃあ描写としては、成功ですね。  すべてが自分中心に回っていて、「自分は自由であって当然」と錯覚している十七歳のガキにとっては、自分が事故を起こしたことも、ベットに縛り付けられて自由を奪われていることも、自分の痛みと精神的苦痛とを、医者や看護婦やら、付き添いで24時間横にいる母親やらが「まったく理解しない」ことも、すべてが容認しがたい不条理なことでして。  まさしく、誘拐されて監禁されたように感じてました。  うん。その「感覚」が伝わったなら、描写としては成功ですね。  こうした「生っぽくてリアル過ぎて重たい」のは抜きで、「監禁されちゃった気分だったのですよ」と、さらりと伝えられるのがいいですよね。  もちろん僕は、「自己中心的で、苛立ちと怒りとに染まって、周囲に当たり散らしている17歳のガキの心境」に読者を連れて行くこともできます。  ――が、まあ、たいていの人が「ノーサンキュー」と言ってくるでしょうね。そんなのは。  リアルに描写すれば、するだけ、嫌がられてしまうでしょう。  生で語るのが「描写」というものではないので、そこは誤解されないように。  まあ初心者へのアドバイスとしては、「もっと生っぽく語れ」と言いますが。生っぽすぎても、いかんわけです。  適度に乾かし、適度に生っぽさを残すコツとしては、やはり客観視でしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7580 投稿日 2004年2月11日(水)19時26分 投稿者 新木 伸 >いま覚えさせられている芸  テレビの動物番組で、「ボールを拾ってくる芸」を覚えさせられている犬がいた。  あんま頭よくないやつね。  ご主人様が「取ってこーい」とボールを投げても、犬は困った顔で、「くぅん」と鳴くばかり。  なんかしなくてはならない、とはわかっているらしいし、投げられたボールもちゃんと見ている。しかしご主人さまが「ボールを取ってきてほしい」と思っていることが、わからない模様。  困ってしまって、わんわんわわん。  あげくの果てに、覚えている数少ない芸である「お手」をやっちゃったりしている。  それでないとわかると、「お座り」と「ちんちん」と「伏せ」と、覚えている芸を一通りやってしまう。  そこで2号にも、ひとつ確認。  「四姉妹と貰われっ子」の課題で、僕がなにをさせようとしているのか、わかってる?  なにができたら成功であって、「書き分けできるじゃん」と言ってもらえるのか。  さらに踏み込んだことを言うなら、クリアのための最低条件はなんであるのか。  また僕が予想している達成項目はなんなのか。  そのへんも、把握しているか?  「最低でもこれはクリアしてないと」てなことね。  「ここまでやれたら、すごいことだ」てなことね。  犬の芸でいうなら、「ボールをくわえて戻ってくる」が最低クリア基準。  さらに「ボールを空中でキャッチする」までやっちゃったら、これはすごいこと。  「ボールを空中でキャッチしようとしたけど、落としちゃった」くらいだと、もうひとつ上のことをやらせてみようかという気にもなる。  前回は「お手」を出してきたよな?  困ってしまってわんわんわわんで、つい、覚えている芸を出しちゃったよな?  俺は次こそは「四姉妹の書き分け」が出てくると思っているんだけど……。  ひょっとしたら、次は「お座り」をやってきてしまうかもしれない。  そういうのは、芸を仕込む側にしても、仕込まれる側にしても、精神衛生上良くないことだろうから、こうして予防線を張っているわけね。  おまえ、犬と違って人語を話せるんだから、わかんなかったら聞けよな。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7581 投稿日 2004年2月12日(木)00時55分 投稿者 津荒 夕介 >主人公とか  了解しました。心がけて読みます。 >これからのこと  100冊ですか。うおー遠い……か?  一日二冊で50日……。大学入学までには、どうにかなるな。  楽そうな話をたくさんやることはわかりましたが、ライトノベルだけで楽そうな話が簡単に見つからないかも。  ライトノベル外でも探して読みます。  あと漢字了解しました。 >今日のあらすじ  今日は二つやろうとしました。難しいのと、楽なのです。  難しいのは、ブギーポップよりさっぱりで……。「わたしは虚夢に月を聴く」著:上遠野浩平です。  なんだか小説っぽくなかったです。ほとんど変化がないし。設定の種明かしをして終わったような感じでした(実際は違うのかもしれませんが)。うーん、難解です。失敗しました。  楽なほう。  十三冊目「魔法遣いに大切なこと2」 著:枯野 瑛  一行あらすじ  魔法遣いに必要な事がわからない見習い魔法遣いの少女ユメが、希未の恋愛の手伝いをする事で、魔法遣いに必要な事をつかむ話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=786&e=res&lp=757&st=0  あとNo.7579に誤字が。 >津荒さんは充分にできていますが >浦戸さんは  です。     レジュメ  1新木さんへ    1主人公のこと   2これからのこと  2今日の -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7582 投稿日 2004年2月12日(木)01時36分 投稿者 新木 伸 >津荒  ああ、そういえば、話の筋を仕入れるのが目的なら、なにも長編小説を読まなくたっていいんだぞ。  まあ文章のリズムの習得とか、量を読むだけで効果が期待できるから、1日1冊は小説を読んでおくべきだけど……。  たとえばマンガの読み切り短編だとか。  月刊誌なら、新人の読み切り40ページぐらいのものが、けっこうたくさん載ってるだろ。  あれをあらすじに写していっても、話のパターンの習得になる。  数をやるつもりなら、読むのが早くて済む分、マンガのが楽だろ。  350円で買ってきて、10〜15本ぐらい入ってる。  小説だと1本で600円もするけど、マンガなら10本で350円だ。  あらすじを書くときには、40ページのマンガなら、まあ400字かなぁ。800字もあると余りすぎてしまう。  さらにマンガの場合には、どれも筋はシンプルだから、選ぶ必要もない。  小学生が読んでもわかるようになっていなきゃならないので、そう複雑な筋はやれないのだな。  「筋の写し取り」に関しては、けっこう、いいことずくめ。  ちなみに週間連載のマンガの場合には、1回1回で、話がきちんと終わっていないことが多い。やるなら月刊誌。それも読み切りに限る。  小説でも、短編でやれば同じようなものなんだけどね。  しかし短編で、しかも読み切りになっている小説っていうのは、なかなか、ないんだよなぁ……。特に津荒が読みそうなライトノベルだと。  長編小説1冊と、マンガ3本――とかやれば、1日4本は写せるじゃん。  長編小説2本やるより、そっちのが楽では?  マンガのほうもやってみること。  小説だけ読んで、小説を書くなよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 肺魚[はいぎょ]な気分 No.7583 投稿日 2004年2月12日(木)02時01分 投稿者 弟切 千隼  いろいろな点で、進化途上の弟切です。世界には陸上を歩いている脊椎動物がたくさんいるというのに、まだ水中を泳いでいる魚のようなものです。  それでも、何とか肺を装備して、陸上を垣間見ることはできるようになりました。おかげで、「世界は水中だけではない。陸上もある」ことを知りました。  今は魚の身ながら、弟切は上陸を目指します。まだ四肢ができていませんので(^^;、とりあえず鰭[ひれ]で岸辺を這い回ることから始めます。びちびち。 >美人の描写  課題部屋のNo.771に書いた「格好いい美人」を描写するのに、「普通の女子高校生」を視点キャラに採用したのは、ちょっとふさわしくありませんでしたね。  どういう視点キャラを採用すれば、もっとも「格好いい美人」を描写できるのか、考えます。  今回の「格好いい美人」を書くにあたって、弟切は、何人かにインタビューしてみました。男性が見る美人と女性が見る美人は違うだろうと思いましたので、わざと男性に訊いてみました。  訊いた内容は、「街を歩いている時に、目が惹かれるほどの美人に遭ったことがありますか? あるなら、それはどんな美人でしたか?」というものです。  訊いた男性の内訳は、二十代の男性二人、三十代の男性二人、六十代の男性一人の計五人です。しかし、二十代の男性二人からはデータが取れませんでした。理由は、その二人が以下のような答えを返してきたからです。 二十代男性アルファ:「俺、普段ほとんど引きこもり生活してるからなあ。街中を歩くことなんてあんまりない」 二十代男性ベータ:「俺、三次元の女性に興味ないから。二次元の女性で充分だよ」  サンプルにおたくを選んでしまった弟切がおばかでした(;_;)  データが取れた三人からは、共通して、「思わず目が惹かれてしまうほどの美人に遭ったことは、ある」という答えがいただけました。ただし、三人とも、これまでの人生で一度か二度しかないそうです。  興味深かったのは、三人がそろって、「美人であるかどうかは、顔の造作にはあまり関係ない」と答えたことです。ぱっと見て、何が一番美しいと感じたかといえば、それは「歩き方」だという答えが共通していました。より正確には、歩き方を含めた身のこなし全般だそうです。  どんなに顔立ちが整っていても、どんなにスタイル抜群でも、歩き方が汚い人は美人に見えない、といいます。これは弟切自身も感じていることでした。  上記のインタビューの成果を生かして、「背筋が伸びた歩き方が美しい『美人』」を書いてみたつもりでしたが、結果は皆さん御存知のとおりです(涙)  データ取りも、文章への配慮も、もっとコストをかけて書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんへ No.7584 投稿日 2004年2月12日(木)18時26分 投稿者 鐸碑  インタビュー対象の話が迷走してませんか?  新木さんが考えているインタビュー対象って、実際に弟切さんが会って話を聞ける生身の人間の事ですか?  弟切さんは、格好よい美人を見た生身の平凡な女の子から、直にインタビューしてるわけではないんですよね。  No.7583のまま行くとあらぬ所へ行くのではないかと思えましたので、忠告させていただきました。  自分が今居る地点と示された目標地点を再確認して、道があっているか検討してみてください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7585 投稿日 2004年2月12日(木)23時14分 投稿者 新木 伸 >現代の描写の話 >>現代の小説に求められている「描写」っていうのは、普通に読むだけで、べつに想像力を働かせなくても、本人の「体験」を味わうことができるものなわけ。 >>読者の負担を、極端に廃したものなわけ。想像力が欠けていても、わかるようなものなわけ。  このへん、食べ物にたとえて、言い換えてみるか。  歯が丈夫な人は、歯ごたえのある食べ物を好む。  古代人は、とても顎が発達していたそうだ。  しかし現代人は、加熱した柔らかい食べ物ばかり食べるようになったために、歯と顎が弱くなってしまった。  そのために加熱して柔らかくなった食べ物を好むようになった。  さらに現代人の中でも、戦前あたりの食文化の中で育ってきた人と、戦後のアメリカンフードが満ちあふれたなかで育ってきた人間とでは、また違ってくる。  現代では、子供だけに限らず、いい歳をした大人までもが、カレー、ハンバーグ、スパゲッティ――と、お子様ランチに載ってくるような、最高に柔らかくて食べやすい食べ物ばかりを、好んで食べているわけだ。  物語でも、そんなことが起きている。  上を35〜40才ぐらいまでとして、それより年下の人間は、「ヤングアダルト本」や「ジュブナイル」と呼ばれる新種の「描写」の洗礼を受けて育ってきている。だからもうすっかり歯と顎とが弱くなってしまっている。  そうした現状を踏まえて、表現手法も合わせていかないとならない。  ここで「歯と顎とが弱くなる」――と書いているのは、ちょっとうまくないんだけどね。  「弱い」っていうネガティブなイメージがあるために、それはなにかいけないことのように思えてしまう。  ここで僕の言っているのは、「良い/悪い」ということではなくて、それは物語を取り巻く環境の変化であるということ。いまこの現代で物語を書く作家、しかも若者相手に小説を書こうとする作家は、柔らかな食べ物を作れなくてはならない。  いまこの分室にいる人間は、上が40歳ぐらいまでだ。  自分よりも上の年齢に向けて小説を書くことは至難の技だ。  物語の中に書かれるドラマ、登場人物の葛藤の内容などが、人生経験を重ねてきた人にとっては薄っぺらく感じられてしまって、拒絶反応が起きてしまう。  よって物語というのは、常に自分よりも下の年齢に向けて書かれるものとなる。  本人の精神年齢にもよるけど、マイナス5歳から、マイナス10歳ぐらいが妥当なところだろう。リアル18歳で物語を書こうとしている人は、頑張って背伸びして、24歳ぐらいの人間と同じ物の考えになるようにしてくれ。  そのぐらいの精神年齢を持ってないと、18歳の人間の悩みに解答を出すことができない。  小説ってのは「人生の参考書」として読まれることが多いから、中身で葛藤する人物を出して問題提示したら、巻末では解答集を付けなきゃならないのだ。  問題だけ出しといて、解答をつけない参考書は、欠陥商品なのだ。  分室にいる人間と、分室を読む人間も、だいたい17〜40歳ぐらいの範囲内に収まっているだろうと予想される。  よってここで述べる表現手法は、「歯の弱くなった現代の若者」向けに書かれるものだという前提でいる。  分室で「描写」といったら、読むだけで「リアル体験」のできる描写のことをいう。 >弟切  ああ、なるほど。  インタビュー違いの話を持ち出してくるから、なんだと思っていたら。  鐸碑さんの話を聞いていて、ようやく僕にもわかったぞ。  「どんな種類の美人を描くか」ということを決めるために、インタビューしてきたってことを言っているのね。  うーん。  練習するときに、ちゃんと切り分けしてやってないんだなぁ。  いまやっているこれは、美人の「描写」の課題でしょうが。  なにを書くのか。  どう書くのか。  ――ってことがあったとして、その二つ目の「どう書くのか」のほう。  一つ目の「なにを書くのか」なんていうことは、「どう書くのか」を考える前に終わらせておくべきことだろ。  まさか「なにを書くのか」のほうで悩んでいるとは思いもしなかったよ。  なにが「美人」というものなのかよくわかっていなくて、まず「美人ってなんだろう」とそんなとこから考えなくてはならないなら、お題を変更したっていいんだぞ。  「美人ってなんだかよくわかっていませんが、可愛い女の子ならわかりますので、そっちでやります」――とか、自分の冷蔵庫の中にある材料で作れるものにお題を変更しちゃって、とっとと描写練習に入ればよかったのに。  いまやっているのは、仕入れやら目利きやらの修行じゃないだろ。調理技術のほうの練習だろ。  冷蔵庫に入れる中身を探してくる練習ではないだろ。すでにある材料を、どう調理するのかって練習だろ。  ――で、僕の言った「10人にインタビュー」っていうのは、だ。  背筋がぴんと伸びているのが弟切的「美人」なのだとして――。  その「背筋のしゃんとした女性」に出会って様々な反応をみせた10人にインタビューして、最も読者に伝わりやすそうな「感想」を言ってきた「若い女の子」の話を採用しろと、そう言っているのだ。  弟切は、ここの「背筋のしゃんとした美人に出会った女の子」を、ただの一人しか掴まえていない。その女の子は「はじめ男の人だと思ったんですー」と言ってきたから、それをそのまんま、書いてしまっている。  ここでまったく取捨選択がなされていない。  「戦争の過酷さ」を伝えるのに、「戦争体験者」の話なら、なんでもいいってことはないだろ?  戦争体験者の誰がどんな過酷な経験をしてきたかわかったものではない。後方勤務だから楽そうな話が出てくるかと思えば、前線よりも過酷な経験をしてきた人かもしれない。  とりあえずアトランダムに、10人や20人に話を聞くわな。  その20人の話の中から「取捨選択」して、もっともハードでリアルな話を採用するもんだろ?  その「弟切的美人」に出会った女の子の、最低でも10人分ぐらいのインタビューを取ってきて、いちばん劇的でリアルな体験をした子の話を採用しろっての。  弟切のは、これだよな。「はじめ男の人かと思ったんですぅー」  僕はいま20人にインタビューしてきて、上位2つを出してみたら、こんなの出てきたぞ。実際に自分が書くことになるなら、もう80人ぐらいにインタビュー取ってくるが。 「自分ってかなり美人なほうだと思ってたんだけど、負けたわ、と思ったわね」 「満員電車の中で向かい合っちゃってて、ドキドキしちゃいました」 -------------------------------------------------------------------------------- 友情チョコレートも素敵です。 No.7586 投稿日 2004年2月13日(金)00時53分 投稿者 弟切 千隼  今の時期に商店街へ行くと、どこでもチョコレートが山積みになっていますね。その周りでは、大勢の女性が品定めをしています。  弟切もその一人に加わって、チョコレートを品定めしてきました。女の子の友達にあげる予定がありまして(^_^) >「格好いい美人」課題 鐸碑さんへ >  御忠告ありがとうございます。  弟切は、「格好いい美人と出遭った普通の女子高校生」を書くためには、必ずそういう実体験をした女子高校生にインタビューしなければならない、と考えているわけではありません。  むろん、そういう人から実際に話を聴けるなら、とても参考になるだろうとは思います。  けれども、現実問題として、小説に登場する人物が体験していることについて、全員分、誰かの実体験を聴く、などということはできませんね。「普通の女子高校生」くらいならできても、「恒星間旅行をした人」や「核戦争後の地球に住む人」など、この世に実在しない体験をしている人の場合はお手上げです。  プロの作家さんは、いつでもインタビューできる便利な人たちを、自分の内部に住まわせています。例えば「普通の女子高校生」なら、作家さんがそれまでに接した女子高校生のデータから形作られた「擬似女子高校生」がいます。  プロの人は、こういう人々にインタビューすればよいのですね。「○○した時にはどんな感じがした? ××って言われたら何と思う? ▲▲という道具を使うとしたら、どんなふうに使う?」といった感じでしょうか。そして答えてもらったことをそのまま書けば、紙面に生々しい人間が現われます。  アマチュアは、上記のような人たちが内部にいません。そういう人たちを育む努力をしてこなかったからです。ここにもまた、プロとアマの間に横たわる「大きな壁、あるいは溝」があります。  鐸碑さんが指摘されたのは、要するに、上記のような「内部の人」へインタビューしろということですね?  弟切も含め、ほとんどのアマチュアは、そういうインタビューができません。「内部に人を住まわせていない」ために、やりたくてもできないわけです。  まずは、そういう「内部の人」を育むところから始めます(^^; -------------------------------------------------------------------------------- わあ、また勘違い(^^; No.7587 投稿日 2004年2月13日(金)01時21分 投稿者 弟切 千隼  書きこんでリロードしたら、新木さんの書きこみがありました。  弟切はまた、大きな勘違いをしていたようです。そもそもどういうものかよくわかっていない「美人」を描写しようとしたのが、最初から間違いだったかも知れません。  だからといって、ここですぐ「美人の描写はやめます」とは言いたくありません。慌てて判断を下すと、ろくなことがないからです。  今の状態を、料理をしようとしている人に譬えてみましょう。  弟切は、自分の冷蔵庫に何が入っているのかわからない状態です。一応、自分の見立てでは、じゃが芋や人参や玉ねぎといった、誰でも使えそうな物が入っているようです。  しかし、それらが本当に、一般的に言われるところのじゃが芋や人参や玉ねぎなのか、弟切には判断がつきません。じゃが芋だと思って肉じゃがを作ってみたら、実はさつま芋だった、とかいうおばかなことが起こりかねません。  少し、頭を冷やします。「美人」の描写課題を続けるかどうかは、それから考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日のあらすじ No.7588 投稿日 2004年2月13日(金)04時39分 投稿者 津荒 夕介  漫画もやってみました。   本屋に行ったんですが、月刊誌はどれも500円前後で、読みきりは2本ぐらいでした。  てなわけで、過去に買った月刊誌や、マンガの短編集から書きます。    小説。  十四冊目「セイバーマリオネットR」 著:長谷川勝己  一行あらすじは  王子ジュニアが一度は負けそうになるものの、「乙女回路」を持つ機械人間ライム、チェリー、ブラットベリーと力をあわせる事で、国を転覆しようとしたフェイスを倒す話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=787&e=res&lp=757&st=0  マンガ。  一冊目「STRAYDOG ストレイドッグ」 著:荒川弘  一行あらすじ  失敗作として捨てられた軍用犬のフォンドが、軍用犬のジョカと生き、賞金稼ぎにジョカを殺された事で決心し、軍用犬研究所を滅ぼす話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=788&e=res&lp=757&st=0  二冊目「上海妖魔鬼怪」 著:荒川弘  一行あらすじ  妖道士社の社員ジャックとヤンが、本当の力を使って、社員志望のスーアンと共に、人間を襲う魔物を退治する話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=789&e=res&lp=757&st=0  三冊目「プロブレム・ハウス」 著:浅野りん  一行あらすじ  お化け屋敷と呼ばれる化け猫が守る家に、元気な家族が引っ越してきて、猫と和解し共に住むようになる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=790&e=res&lp=757&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 筆頭生は劣等生 No.7589 投稿日 2004年2月13日(金)12時36分 投稿者 名無し君2号  こんなのが筆頭じゃなあ。  ……津荒くん、頑張ってみないか。 >1000字課題  No.104「ロマンティックな光景」(1600文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=791&e=res&lp=550&st=0  ロマンティックなムードを楽しもうと、恋人とフェリーに乗りこんだ女性が、酒で酔いつぶれてその雰囲気をぶちこわしにした彼氏に大激怒する話。  新しいキャラクターを探す日々です。 >浦戸さん >>あ、あります。「作家でごはん!」の鍛練場は100作まで保存されています。今の投稿ペースだと3週間はあります。  失礼しました。  いまもう一度見なおしたら、たしかにありました。とりあえずコピペして保存しておきます。うーん、感想を読んでるだけでもためになるなー。  で、感想……指摘ですか、それを書けるようならあちらに書いてみます。でも急がないと落ちますね。  とりあえずは、「ショッキング・ピンク」という題名からはどうも「性」もしくは「暴力」が連想されてしまう、ということですか。実際の色がどんな風なのかはわからないのですが、「ショッキング」はバイオレンス、「ピンク」はエロスな感じです。でも実際は、すれ違う家族の絆を主人公が取り持つという、まったくもって正反対の話ですよね。  このあたりは個人差がある気もしますが。  期待して読んだらぜんぜん違ったというのも、読み捨ててしまった原因かもしれません。最初からアットホームな話だとわかっていれば……どうだったのだろう? もっとも、タイトルのつけかたに関してはとても人のことを言えないのですが。  ちなみにショッキング・ピンク色のタイツを履くプロレスラーも過去にいたりしましたので、プロレス好きだった私としてはさらに余計なイメージがついてしまいました。そのレスラーがまた中途半端な人だったもので……。強さもキャラクターも試合運びも、すべてにおいて煮えくらなくて、なんといいますか、うーん。  タイトルだけなら読んでないかたにも通じるだろうと思ったので、ここで指摘させていただきました。 >スケジュール表  最近、前にもまして不規則になってきている(眠くなったらこたつで眠り、起きたら目の前のノートパソコンでなにかやり、メシを食い、眠くなったらこたつで眠り……以下略)ので、かなりスケジュールを立てづらいのですが。  ともかく、立ち読み……もとい、漫画の週刊誌、月刊誌を読みに行くときか病院に行くときぐらいしか外出せず、それ以外はパソコンでなにかしている状態です。  その内訳。 ・小説を書く。 ・分室のレスを書く。 ・小説を読んでいる。 ・ネットをさまよっている。  とりあえずレスを書いたり、インターネットやったり、小説を読んだりしながら、ネタが降りてくるのを待つような……そんな生活です。ネタをつかみ次第、1000字課題を書きはじめる。リライトや描写課題等、ネタが決まっていればまだ楽なんですけども。  ちなみに小説とは青空文庫だったり、某ごはん等の投稿小説だったり、そこらへんのweb小説だったりです。青空文庫は太宰治ばっかり読んでいたり。あと10編ぐらいで太宰は読み終わりそうです。  分室のレスと、課題を書くのに実際に使った時間だけを計測して、だいたい6時間ぐらいでした。  んー、といいますか、とりあえずいったんは楽なほう、楽なほうへと逃げて、逃げるだけ逃げて時間がなくなって、ようやく尻に火がついて課題をやりだすといった姿勢ですね。他の人の指摘したりレスを書いているのはまあ、準備運動というよりも、楽なんで逃げてるんでしょうねえ。 >784 1000字課題、2/3分、No.103「テディベアと少女」(2000文字) >目を惹きつけるということ >>・女の子は可愛いのだということ。 >>・女の子が可愛く食べているのだということ。 >>・本物のクマじゃなくって、クマのようにゴツい男なのだということ。 >> この最初の台詞までのシーンで、飛び飛びに細切れの単語ばかりが目に入ってくる状態でも、必要な情報がきちんと伝わるような工夫をしてみせろ。 >> 冒頭部分のみ、リライト。  むーん。  ほとんど文字を認識していない、ただ眺めているだけの状態で状況を判別させろと。まあ、普通の読者の読み方というのはたしかにそんなものなのだろうなあ。自分だってそうなのだし。  ぼーっとしながら見ている状態でも、目が留まるようにするにはどうすればいいのか。実体験から考えてみる。  第一はセリフ。「」があれば、とりあえずは読む。  ……じゃあ最初のセリフは重要なんだな。  それと短い文章。  見出し文というべきか、一行の半分くらい、20文字程度の文。短ければ短いほど目につきやすい感じ。  まわりとのかねあいもあるか。前後とも長文で、そこだけぽつんと短文だと目立つ。  記号。  「!」とか「?」とか、「――」に「……」もある。とりあえず目には入る。  擬音。  「さらさら」や「するり」など……これだと副詞か。「ぐっ……」とか「がくん」とか「むぐむぐ」とか、わかりやすい修飾の言葉など。多用すると安っぽくなる気がするけど……そのぶんわかりやすいってことなのかな。  単語。  たとえば食べ物とか、ブランド名とか、有名人の名前とか。下世話な話になるけど、「乳」とか「尻」とか「太もも」とか。  あー、そうか。  興味を引く単語だと、敏感に察知するわけだ。食欲、物欲、性欲か……。なにかしら欲を刺激すればいいのか。  漢字の開く、開かないや、言葉の言い回し、改行の多さなんかで、どんな文章なのかは――眺めているだけでもわかる。  漢字が多くて硬い言い回しで、改行がまったくなかったりすると、難しそうな印象。  逆にひらがな多くて、記号を多用していて、改行が多くて下半分がすかすかだったりすると、易しそうな、読みやすそうな印象。  ぬー。  いきなりセリフを入れる? 5W1Hはどうしよう。なにか惹きつける単語を入れるか。とりあえず食欲は刺激できるシュチュエーションだよな。「かわいい」も、それにあわせて描けるか? 「クマのようにゴツイ男」は……どうしよう。  うぐぐ。  とりあえずやってみます……。 >貰われっ子ミーツ四姉妹 >みやびさん >>だから、「どう」変えたのか、と。 >>そう聞いているのだと思うのだけど。 >>変えたなんてのは、あたりまえだ。書き分けをしろって言ってるんだから。 >>どんな意図のもとに、何をしたのか、それを列挙しろ、と。 >新木さん >>はァ? >>俺は「列挙せよ」と言ったのだが。 >>なんで「1個」しかないんだよ? >>他はどうした? 他の工夫は?  ……。  なんか逃げだしてすぐに捕まった感がありますが。  ええと、列挙します。 ・主人公に対する態度  長女・様子見、次女・敵対、三女、好意的様子見、四女、好意的。 ・容姿  長女・清楚系お姉さま、次女・文系、三女・活発、四女・かわいく。 ・口調  容姿と同様。見かけとおなじ……なのか。 ・行動  長女・清楚、次女・繊細、三女・がさつ、四女・かわいく。 ・性格  長女・一見清楚だがじつは底意地悪し、次女・反抗期的気難しさ、三女・脳天気、四女・天真爛漫。 ・飲み物の好み  長女・紅茶、次女・紅茶、三女・コーヒー、四女・ジュース。 ・年齢差  長女・高校二年生、次女・中学三年生、三女・中学二年生、四女・小学六年生。  ……これしかないぞ。 >>「四姉妹と貰われっ子」の課題で、僕がなにをさせようとしているのか、わかってる? >>なにができたら成功であって、「書き分けできるじゃん」と言ってもらえるのか。 >>さらに踏み込んだことを言うなら、クリアのための最低条件はなんであるのか。 >>また僕が予想している達成項目はなんなのか。 >>そのへんも、把握しているか?  なにをさせようとしているのか。  ――「おなじ女性という属性で、さらに姉妹でもある四人の、初対面の人間に対する態度を書くこと」。  女性なのはともかく。  「姉妹である」というのは……?  彼女たちは互いのことをある程度は深く理解しあっている、ということか。  どうすれば成功なのか。  ――「四姉妹がちゃんと区別つくように書きわけてあり、その態度はきちんと貰われっ子に対するものである」。  最低条件。  ――「四姉妹を書きわける」。  予想している達成項目……ここまでできればすごいこと。  ――「四姉妹を書きわけ、貰われっ子も描き、それぞれのキャラクターがなんと魅力的で、しかも読めるものになっている」。 >>おまえ、犬と違って人語を話せるんだから、わかんなかったら聞けよな。  安易にヒントをもらうと、なんだか癖になりそうで怖いです。これ以上ヘタレるわけには……。 >優しい嘘 >>「探偵だっ! → 浮気調査だっ!」――と、このあたりを決めた思考経緯は、どうなっていたの? >>そもそも、他になにかアイデアがないか考えて、「比較検討」をしてみたのか?  まあぶっちゃけると少女探偵を出したかったんですが。  かといって殺人事件を解決させるのもリアリティが――なにをいってんだって感じですが――ないなぁ、と思ったり。  ともかく主人公を巻きこむにはどうしたらいいのか。  いま考えると、幼なじみだから無理矢理に手伝わされているでも良かったような気もしますが、締め切り間近でテンパっていたということもあり、なんかエロスが欲しいなあ、とよこしまな考えもあり、ホテル街を出すにはどうすればいいのか? ――で「浮気調査」に。そのあとで友人を作り、巻きこまれる原因を作り……強引だな。  だいたい、事件なんていくらでもあるんだよなあ。  「落とし物探し」でも「行方不明者の調査」でも、「いなくなった猫探し」でも「下着泥棒を捕まえる」でも、クラスメイトからの「部費がなくなった件の調査」とか、まあなんでもあったんだよなあ。せっかく少女探偵なんだから。 >津荒さん >>で、僕のわかってないことがわかりました。僕は「主人公」の条件がわからないんです。  じつは過去ログに答えがあったりします。でもそれを読むと、かえって混乱してしまうかも。 >>パーンが主人公じゃなくてパーン一行が主人公なのは、パーン一行が視点の中心だからかな。  違います。「パーン」個人が動くことで話が動くのではなく、あくまで「パーン一行」が動くことで話が動くからです。  このあたり、私もうまく説明できなかったりするので、自分でもよくわかっていないっぽいんですが。ちなみに無理矢理ひとりだけ主人公を出せ、と言われればパーンになると思いますけども。  うーん。なんとか説明してみます。  とりあえず。  私なりにロードス島戦記、各巻の一行あらすじを書いてみます。  1巻 「パーンたち一行が、ロードス島を影から動かす魔女カーラと戦い、追いつめはするが、最後には逃がしてしまう話」  2巻 「パーンたち一行が、風の精霊の力を解放することで、風の部族と火の部族との長年の遺恨を断つ話」  3、4巻 「パーンたち一行が、世界を支配できるアイテムをマーモの戦士たちから守るためにドラゴンと戦い、なんとか相手の手に入ることを防ぐ話」  5巻 「三つの国の王、王子たちが、真の王へと成長する話」  6、7巻 「魔女カーラの邪神を甦らそうとする企みを、スパークたち一行がうち砕く話」  これで気づいてもらえることがありますかね……?  それは、個人的な変化がまったく書かれてないということです。あくまでロードス島全体から見た、世界だったり国だったりの大きな変化が書かれていること。あ、5巻は個人的か。でもあくまでこれは王だからだし……ぬ、厳しいか。  ええと、じつはロードス島戦記の真の主人公は、「ロードス島」なんですね。ってこれは過去ログに書いてあることなんですが。  でもロードス島自体は動きませんから、動かしている奴をだれか選ばなければならない。かといってだれかひとり、たとえば「パーン」など、個人ではありえないわけです。だって「パーン」ひとりだけがロードス島を変化させているわけじゃありませんから。だから「パーン一行」と、大きなくくりでしか書けないわけです。  こんな説明でわかってもらえるでしょうか。  3、4巻の視点保持者はあくまで「パーン一行」だと思うんだけどなぁ。シーリスとオルソンか……。たしかにリプレイのときはそうだったなぁ。読み返そうか。  ちなみにロードス島伝説になると、主人公はナシェルひとりだと言っていいような気がします。「魔人戦争の影の英雄、ナシェルが成長し、やがて悲劇的な死を迎えるまでを描いた話」。 >十二冊目「なずな姫様SOS」あらすじ >>姫を護衛するぺんぺん丸が、常に松などに変装しているのは、馬鹿だからだ。  うはははは。  すみません。この「馬鹿だからだ」でしばらく笑いが止まりませんでした。いや、いいですね。身もフタもない、この「馬鹿だからだ」。  小説家を志望する2号が、つねに注力する場所を間違えているのは、馬鹿だからだ。  うはははは。  面白かったですけど、たぶん津荒さんは笑わせようとしているわけじゃないと思います。ここはもうすこし言い方を変えることができるはずです。 >>元気な姫は、松に変身している忍者ぺんぺん丸を従え城下町で団子を食べていた。姫を護衛するぺんぺん丸が、常に松などに変装しているのは、馬鹿だからだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  おてんばであるなずな姫は、すこし間の抜けた忍者ぺんぺん丸を従えて城下町を散策していた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「馬鹿だからだ」ってけっこう強い印象を与えます。あらすじを読んだだけですと、そこまでぺんぺん丸は駄目な人じゃないように思えるのですが。それとも、小説内にそう書いてあるんでしょうか。  「ばかだからだ」「バカだからだ」「お馬鹿さんだからだ」、与える印象はまったく違うようです。 >>一話で姫が活躍し、二話はぺんぺん丸が活躍してます。 >>両方を包括できたので、一つとして一行あらすじ書きました。  二話をまとめるとそうなるかもしれません。でも二話目はぺんぺん丸自身にも変化があるようですが。 「感謝してもらおうと行動しても、もちまえのマヌケさで気づいてもらえないぺんぺん丸が、それでも頑張った結果、最後にはなずな姫に感謝してもらえる話」  どうでしょうか。  レスには4時間ほど。本当は「貰われっ子ミーツ四姉妹」を書いてからアップしようと思ったんですが、悩んでばかりで進まないので、とりあえずレスします。  次回は「四姉妹」を書きます。って書いておかないとまた逃げそうな自分がいる。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題提出 No.7590 投稿日 2004年2月13日(金)14時57分 投稿者 浦戸シュウ  やってきました。  課題部屋とこちらに書き込みます。  今日までの話題へのレスはのちほど書き込みさせていただきます。  あ、これだけは先に。 ○新木さん >描写は進化する。   ごもっともです。最近の本を仕入れに本屋さんに走ります。 「工事現場」  白っぽい木が組み合わさった骨格だけの家を、オレンジ色の半袖Tシャツとベージュのキュロットスカートを着たやせっぽちの女の子が路肩から見ていた。  なんだか空気の匂いが違う。一息吸うごとに胸がすっとする。  シャーシャーと木をこする音がする。家の外でごつい角材にかんなを当てている男のひとがいる。シャーっというたびに手元から薄い木の膜が飛び出して、宙に舞ってから地面に落ちる。  垂直に立った柱と柱の間に交差した木がはめこまれているところは、壁になるんだろうと見当がつくけれど、上のほうは木材の間から濃い青の空が見えていて、どこが二階の天井になるのか、どこが一階の天井になるのかさっばりわからない。  トントンと調子のいい音が鳴った。だんだんくぐもっていき音が変わると止まる。  女の子は視線を落とし足元を確かめながら敷地の中に踏み込んだ。地面には細かい木くずがまだらにひろがり、木の破片があちらこちらに落ちていた。女の子は木片を拾い集めた。木片に触るとざらざらした。  四角い大きなのと三角の小さいのをボンドでくっつけたら犬の顔になるかな。もらっていいかどうか誰に訊けばいいだろう。やっぱり一番偉そうなひと。  女の子はあたりを見た。何人か男のひとがいた。高いところで角材にまたがってトンカチを振るっていた。コンクリートの土台に向かってしゃがんでいた。  家の中に背広のひとと白髪頭の法被のひとが背中を見せて並んで立っていた。声をかければ届きそうだ。 「あの!」  女の子が声を張り上げると法被のおじいさんが振り返ってジロリとにらんだ。  女の子の肩が上がった。あごが震えはじめた。  おじいさんは女の子が手にしたものに目を止めて口元をゆるめた。 「持っていっていいよ」 「ありがと」  女の子はにっこり笑って駆けだした。 課題部屋へのリンク http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=792&e=res&lp=610&st=0 「冷凍倉庫」  分厚いステンレスの扉の前で、牛のマークが真ん中にある赤いエプロンをつけた女性が立っていた。扉の取っ手を両手でつかんだ。  鈍い銀色の扉は最初なかなか動かなかったが、ぐっと力を入れると意外とすんなり開いた。扉の中には赤黒い肉の上に白い脂肪がついた牛肉のブロックが吊り下げられている。  大きな肉の塊は、動物の死体にほかならない。切り分けられた薄い肉なら気にしなくてもすむことが、今の彼女にとっては大問題になっていた。  これから牛の死体の横を通って、鶏の死体を持って来なくてはならない。  たいして広くもない庫内の左側に肉塊が下がり、右側にあるステンレスの棚の上に目指す段ボール箱がある。  彼女の背後では精肉店の喧噪が続いている。  彼女は大きく息を吸い込んで、いったん止めてからフーっと吐き出した。  しっかりしなくちゃ。仕事なんだから。  彼女はそろそろと庫内に足を踏み入れた。蛍光灯のあかりはちょっと暗いけれど、物を見分けるには十分だった。空気が鼻の中を冷やしていく。  二歩進んで彼女は止まってしまった。見なければいいと思うのに、目がぶら下がった肉に吸い寄せられて離せない。  どのくらい固まっていたのだろう。体がブルっと震えた。薄いブラウスの布地を通して冷気が肌に滲みたらしい。 「おいっ! 早くしろ!」  声に驚いて振り向くと店長が入り口に立っていた。 「大丈夫だよ。慣れるから」  彼女は涙目でうなずいた。 課題部屋へのリンク http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=793&e=res&lp=610&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 訂正含みます No.7591 投稿日 2004年2月13日(金)17時19分 投稿者 浦戸シュウ  新木さんの発言を勝手に変えてしまいました。さきほどのナンバー7590の浦戸シュウの発言にある新木さんの文章からの引用は、 >描写は進化する。 ではありません。 正確には、 >>エンターテイメントってのは、日々、貪欲に、進歩してゆくものなんだよ。 です。慎んで訂正いたします。 >ここで書こうとしていたことが、「インターフォンのカメラの前に立った人間の居心地の悪さ」であれば、これは描写です。 「初めての家を訪ねる緊張感」を、とは考えていました。 「描写」されるものは「物や人」と考えていたんですが、実は「気持ち」なんでしょうか? ○名無し君2号さん  ありがとうございます。  あの、お訊ねしてもよろしいでしょうか?  例えば「あなたの思い出、承ります」という題名だったら、どんなイメージが湧きますか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7592 投稿日 2004年2月13日(金)20時35分 投稿者 新木 伸 >弟切、浦戸さん  ふたりとも、落ちつきなさいって。  なんかヘマしちゃった、と思ったときに、リカバリーのための反応が過剰すぎ。なに愉快なことをしているのですか。  そういう「天然」なところで、ふたりとも似てるんだけど。  何か言われた直後に、相手に言われたことを噛み砕きもしないまま上辺だけで理解しようとして、脊髄反射で速攻でレスして、エウレカ三本音頭を踊ってみちゃったり。  かしこまった気持ちの大きさを超巨大文字を使って表現してみたり。  なにかしなくちゃ、と思ったその気持ちはわかるけど。  モロに空転してるし、舞い上がっているのが見ていてわかりますし。 ○2号  ネタが降りてくる――なんて、なに、いっちょまえのプロみたいなこと言ってるんだよ。  1000字課題なんぞ、練習だろ、練習。  そんなもんのネタ出しにかけていい時間なんざ、せいぜい15分だ。  ひとつ思いついたことがあるので、実行してみる。  前に2号がやろうとしたときには周りから止められたわけだが、いまならできるかもしれない。  1000字課題を1時間で書いてくること。  時間配分は自由だけど、まあ、15分で考え、30分で書いて、15分で手直し――なんてのが一般的な時間配分だろうな。  普段使っている時間内で、休憩をはさんでも3本はいけるな。  4時間ぐらい使って、3本書いてみそ。はじめの1〜2本は、時間感覚を掴むための練習だと思うこと。  最後の3本目がいちばんまともになるだろうから、その1本くらいは見てやるかもしれない。 >他人の小説を読む行為  ああ、そうそう。  修行中の人間に対して、ひとつ言っておくことがあった。  ネットで小説を拾って読んでいるということだが……。  自分よりも下手な小説は読むなよ。悪いクセがついちゃうから。  読んでいても、自分ならこう書くのに――とか、なんでこうなってんだ――とか、そんな改善プランやら、疑問やら不満やらばかり出てきてしまうものってことね。  得るものとか、勉強になるものとかがなんにもない小説は、読むな。  読むだけ、時間の無駄だ。優越感なんかに浸っていてもしかたがない。  下を見るな、上を見ろ。 >目を惹く工夫  短い文を「キャッチ」で使うなら、20文字でも、まだ長すぎるよ。  半分まで届く長さがあると、やっぱり埋もれてしまう。  キャッチで使うなら、13文字ぐらいまでかなぁ。行の3分の1の長さぐらいまででないと、目立たない。 >やらせようとしていたこと >>最低条件。 >>――「四姉妹を書きわける」。  馬鹿ったれ。  だから「書き分ける」ってのは、どういうことなのか説明しろ。ボケ。  まず最低限やらなきゃならんことが、「個体識別」だ。  そこに四人の人間がいるということ。3人でも5人でもなく、4人なのだと、間違いなくわかるということ。  その「数」の区別が付くかどうか。  すごくすごくすごくすごく――低いところの話をしているわけだよ。  もうそれこそ単純に、見分けが付くのかどうかということを問題にしている。  4人のそれぞれの年齢性格、容姿、物腰、口調、その他――きちんと区別がついているのか。  読んだ誰かが、「香澄って誰だっけ? どんなやつだったっけ?」と聞いたとしたら、他の読者の誰かが、それに答えられるということだよ。  結果として――。見分けがつかん。  口調では次女と三女がかぶってる。  外見では長女と次女とがかぶってる。  接しかたでは、三女と四女とがかぶってる。  あと四女と母親とが、容姿と口調以外のすべてでかぶってる。見てくれと喋りかたとを変えてるだけで、人間としての中身が一緒だ。  上級テストは、キャラを立たせられるかどうか。  これは説明してもどうせわかんねーだろうから、説明してやんない。  人物造形で作り上げる、ロボットに毛の生えたようなキャラでいいから、見分けられるようにしろってーの。  お人形さんだって、髪型変えて、髪の色も変えて、目の色変えて、洋服さえ変えれば、別の名前で別の人形に見えるようになるんだぞ。  同じ金型から出てきた同じ胴体形状の人形だって、小手先で見た目を変えてやるだけで、別の人形として売れるんだ。(上級テストは金型から変えてきているのか、のテスト)  4体の人形のうち、髪型が一緒なやつと、目の色が一緒なやつと、洋服が一緒のやつと、あれもこれも一緒のやつらがいっぱいいて、それで4体セットで売れると思っているのか。客をナメるのもたいがいにしろ。幼稚園児だって見分けが付くわい。「お洋服がおんなじー」って、怒り出すわい。  ちなみに「貰われっ子」のほうは、テストで使われるボールでしかない。  フリスビー投げても、骨投げても、板きれでも、なんだって良かったんだけど……。ゴムボールがいちばんくわえやすいだろ。  4人の娘を書き分けるに際して、なにか道具があったほうがやりやすいわけだ。  シチュエーションを特定しないで、「四人娘を書きわけろ」と言ったって良かったわけだ。  前に、眼鏡っ娘が物を取りに来るってシチュエーションで「倉庫」を書けと言ったことがあるが、あれと同じだ。ただ「倉庫を描け」と言われても困るだろ。「女の子が物を取りに来た」とか「少年が物を取りに来た」とか、決めといてもらえると、そこは創造しないで済むから、そのぶん負担が減るだろ。  なにか環境変化が起きたときに、四人がどう対処するのか――てなことで描いてゆくほうが、四人の個性の違いが鮮明にできるだろ。  貰われっ子でなくて、「貰われ子犬、四姉妹の元に来る」だって、べつによかったのだが。  ちなみに四姉妹を攻略するなら、GOOGLEあたりで、「若草物語 四姉妹 性格」あたりで検索かけてみろ。 http://www.iris.dti.ne.jp/~rucke/book/4sisters.htm  いちばん上にヒットしたこのページなんかが、かなりお勧めだ。  四姉妹物なんて、100年も前に完璧なスタイルができあがってるんだよ。 ○浦戸さん >工事現場  シーンに入りこめません。  その理由。  女の子が、どんな気分で大工さんたちの仕事ぶりを眺めているか、まずわかりません。  そもそも「大工さんたちの仕事を眺めている」ということがわかるのが、ずっとずっと後になってからです。  やはり3行目ぐらいまでに、5W1Hを確定させてもらわないと、そのシーンに入りこむのはきついですね。  このツアーがどこ行きであるのかをきちんと伝えてもらわないと、落ち着いて席に座ってられないということです。 >>白っぽい木が組み合わさった骨格だけの家を、オレンジ色の半袖Tシャツとベージュのキュロットスカートを着たやせっぽちの女の子が路肩から見ていた。 >>なんだか空気の匂いが違う。一息吸うごとに胸がすっとする。  ここだけを見て、5W1Hの各要素のどれが含まれいるか、考えてみます。  (だれ)女の子が  (どこ)家の建設現場? 路肩から?  (なにを)作りかけの家を  (どのように)XXXXX  (どうして)XXXXX  この「XXXXX」の部分が、すべて見あたりません。  また「どこ」に相当するものも、はっきりとはわかりません。  「いつ」は不要なのだとしても、「だれ」「どこ」「なに」「どう」「なぜ」の5つのうち、2しか見あたりません。  必要なものが入っていないわりには、女の子の服装なんていう、いまはどうでもいいことがやたらと書きこんであります。 「女の子は半袖Tシャツを着ている」 「Tシャツはオレンジ色をしている」 「女の子はキュロットスカートを履いている」 「キュロットスカートはベージュ色をしている」  このあたり、ツアーの行き先とは、関係ないでしょう?  「名古屋城に行って写真を撮ります」というのが必要なことなのに、「名古屋城のしゃちほこの色は金色なんですよー」なんて、いまはどうでもいいでしょう?  また女の子のいる場所について――。  「路肩」っていう言葉を使っていますが、場所の絞り込みが曖昧です。路肩っていっても、かなり広いんですよね。あっちからこっちまで、ずーっと続く広い範囲を指すのが、「路肩」という言葉。  具体的には、路肩のどのへんにいるのでしょう?  また2行目では空気の匂いのことを書いていますが。  しかし作者が「空気の匂い」をはっきりとイメージできていないために、「なんだか違う」とか、「胸がすっとするような匂い」とか、そんな曖昧きわまりない表現しかできていません。  「名古屋城ってのは素晴らしいんですよ〜」とか、プロのバスガイドさんが言いますか。言いませんね。  どう「素晴らしい」のか、実例を挙げて、言うはずですよね?  空気のことを書くのなら、どう「空気が違う」のか、しっかり、はっきりと書きましょう。  僕なら、この5W1Hの文に関しては、「説明文」でいいと割り切って、以下のように必要なことだけを書くでしょう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  やせっぽちの女の子が、電柱の影に隠れるようにして、大工さんたちの仕事ぶりをこっそり見守っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  浦戸さんは、この「工事現場」を書くにあたって、読者をどの位置に連れていこうとしたのですか?  女の子と同化して、女の子の体験を味わってもらおうとしているのか。  「工事現場を眺めている女の子」を見ている第三者の体感をしてもらおうとしているのか。  その「設定」がコントロールされていなくて、ただランダムに揺れてしまっているように思えます。  はじめ、女の子の服やらなにやらを書いているところを見ると、冒頭のあたりでは、女の子をすぐ近くから見ている場所に読者を連れて行こうとしているようです。  しかし中盤以降では、女の子の感じるものを読者に感じさせようとしています。  そのへんの立ち位置を、作者がしっかり決めていないことには、描写のしようがないですよ。  いったんツアーを開始したら、目的地は、ころころと変えないように。  外から見るのか、中から見るのか、まず固定して書けるようになりましょう。  途中で視点を移行させてゆくのは高等テクニックです。  「名古屋城の中には入らないで、写真だけ撮りまーす」と言って引率しておいて、急に、「では中に入ってみましょ〜」とツアーのお客さんを連れていっても文句を言われないのは、よほど信頼されているバスガイドさんだけです。  あと、「音」も「空気の味」に関しても、「触感」にしても、書いてはいますが、やはりお座なりですね。  取って付けたようです。  あとから思い出して、すこしだけ書き足したみたい。  工事のおじさんがトンカチを振るうと、地面を通じて、振動が足の裏から伝わってくるんです。家の基礎はしっかりと地中まで通っていますから――だから足の裏がくすぐったくなったりするものなんです。  またトンカチの音は、かなり鋭いものなんで、耳の奥に響くんです。わかっていて身構えていてもなお、体が反射的にびくんと固まってしまうものなんです。  のこぎりで切り落としたままの木片っていうのも――、ちゃんと、触ってみましたか?  ざらざらじゃありません。ちくちくするものなんです。無数のトゲが断面に生えているものなんです。とくに手の皮膚の柔らかい子供が触れたのなら、なおさらチクチクします。  あと後半の女の視点に入っている部分で――。  小学校低学年か、幼稚園あたりの女の子だと思います。  幼児の語彙には存在しないはずの言葉が使われています。 「ボンド」 「訊けば」 「角材」 「土台」 「背広」 「法被」  「人」を「ひと」と書いておく工夫はしてあるのに、他の言葉のほうでは気を抜いてしまって、「40歳の人間の語彙」のままで言葉を使っちゃってますね。  とくに「法被」とか。10歳の幼女どころか、20歳の成人男子だって知らないでしょうね。  津荒に辞書を引かずに読めるかどうか聞いてみるとはっきりするかも。(読める? >津荒) >冷凍倉庫  まあ、欠点は「工事現場」と同じなのですが。 >>分厚いステンレスの扉の前で、牛のマークが真ん中にある赤いエプロンをつけた女性が立っていた。扉の取っ手を両手でつかんだ。  この1行目のところで、女の子を外から見せていますよね。ここで、冷凍倉庫に入ってゆく女の子を見守る立場を「体験」させてもらえるのかな? ――と思って読み始めると、数行目あたりから、突如女の子の「心の中の独白」が飛び出してきたりして、じつは女の子の「体験」を共有させられる話なのだとわかります。  ――で、このツアーが、冷凍倉庫に入りこむ女の子の「体験」を味わわせてもらえるツアーなのだとしますと。  そうすると、ひとつ重大な欠陥が……。  ぜんぜん、寒くなってきません。  これは「冷凍倉庫」の「寒さ」を描く描写のはずなのに。  寒くないです。まったく。ぜんぜん。  「皆さーん、今日はぁ、カニ食べ放題なんですよー」と言われて出発したはずなのに、ツアーが終わってみれば、カニなんて全然出てきてなかった感じです。  いったいどうすれば、読者は「寒く」なってくれるのでしょう?  なぜこれを読んでも「寒く」感じないのでしょう?  まあ簡単なことなのですが……。  女の子が寒がっていないからなのですね。もっと寒がらせなきゃ。  んで、なにやら鷹見さんが、こっそりとお手本を書いてくれてますが……。  うん。寒い寒い。  読んでいるこっちまで、寒くなってきます。  この「鷹見冷凍倉庫ツアー」では、書き出しから数行ほどは、防寒装備を固めた女の子を外から眺めている「体験」となります。  ――で、「足元から冷たさが這い登ってくるのがわかる。」という行から先は、女の子本人の「体験」となります。  冒頭と、中盤以降とで、やはり視点移行を使っていますけど……。これは「ずれていってしまった」のではなくて、「ずらしていっている」のですね。  切り替え地点は、「足元から冷たさが這い登ってくるのがわかる。」の行です。  ここで明確に、「外→内」に切り替わったことがわかります。  上のほうでは、視点切り替えは高等テクだから使うな――と書きましたが。  「防寒着をしっかり着込んでいる」ということを見せるためには、外から描いたほうが簡単そうですね。女の子視点に入れたままで「どれだけの厚着をしているか」ということを描くこともできますが、そっちのが、むしろ難しいことなのかも。 (「冷凍倉庫」ってネタが、よくなかったかな〜。「工事現場」なら、女の子の内側に入ったままで描いてゆけるネタなんですが。「冷凍倉庫」は、防寒具を見せるときに外から描かなくちゃならなくなりますね)  必要に応じて視点移行はやってもいいですけど。  視点移行を使うなら、自分が「難しいことをしている」という自覚を持つこと。細心の注意を払って取り扱うこと。  また自分がどこで視点を切り替えているのか、はっきり自覚していないといけません。  さらに、切り替えた瞬間には、読者にそれがしっかりと伝わるように、はっきりとしたサインを出しておくこと。 >描写文の分類 >>「描写」されるものは「物や人」と考えていたんですが、実は「気持ち」なんでしょうか?  なにを訊きたいのか、説明不足です。  描写というのは、「物体や人」という形のあるものばかりではなく、「心理」という形のないものに対しても向けられる文章技術なのでしょうか?  ――とか、そういうことですか?  僕もまだまだ修行途中の人間なんで、描写というもののなかにいくつの種類があるのか、分類しきれてはいませんが。  情景。  状況。  心理。  とりあえず、おおまかに、この三つがあると思っています。  「情景描写」っていうのは、目に見える景観のこと。女の子の服装やら、姿形なんかが、これに入ります。摩天楼から見下ろした夜景なんてのも、これに入ります。  読んだ読者を「見た気分」にさせるものが「情景描写」ってものです。  「状況描写」っていうのは、その場の雰囲気。殺気だって武器を手にした男が十数人いて、いまにもケンカが始まりそうな緊迫感――なんてのを書くときが、これに含まれます。貧乏事務所の殺風景さ、なんてのもこれに入ります。  読んだ読者を「そこにいる気分」にさせるのが、状況描写ってものです。  「心理描写」っていうのは、人間の内面で動く情動。見聞きしたものやら、五感に感じる感覚やら。「寒い」と感じている気分もこれに入ります。  読んだ読者を「その本人の気分」にさせるものが、心理描写ってものです。  「描写」という言葉は、「描いて」、「写す」と書きます。  元と同じ体験を読者のなかに「写す」ことができなければ、それは描写とはいわないわけです。  逆に、描く手法はどうであれ、見たもの、雰囲気、心の状態――などが、読者のなかに正しく写されていれば、それは「描写」といえるわけです。  「小説における5つの文章」に関しては、過去ログの3153あたりを参照のこと。  僕の定義は3年半前と、あまり変わっていません。  3153の解説のなかに「心理描写」が含まれていないのは、小説で使われる「心理描写」のほとんどが、描写ではなく、「心理説明」にしかなっていないからです。よって「説明文」のほうに分類されてます。 >心理描写とか  このあいだみやびさんとも話していまして。  アマチュアの人が「心理描写」というものを誤解しまくっている――という話がでてきました。  「心理説明」とか「心理独白」とかいうものと区別がついていない。単なる説明文でしかないものを「心理描写」だと思いこんでいる――という話です。  今回の二つの課題のなかでいうなら、たとえば、こんなのが「心理説明」になります。 >>切り分けられた薄い肉なら気にしなくてもすむことが、今の彼女にとっては大問題になっていた。  大問題、となっているのですね。そうした「説明」なのですね。  あと、たとえば、サンプルでこんなものを書いてみました。 >>彼女は途方に暮れていた。自分ひとりでこんな重そうなブロックを運べるとは思えなかった。だが助けを求めに戻ったりしたら、また店長に「使えないやつ」と思われてしまう。彼女は決心すると、自分の体重の半分もありそうなブロックに手を掛けた。  こういうものが、ばっちり「心理説明」なわけです。  ちなみに、「心理独白」のほうはどんなものかというと、つまり、心の中の台詞のことです。顕著なものでは()で括られていたりします。()で括っていなくても、心の中の台詞をベタ書きしているものは、すべて「心理独白」です。  以前、わざと「心理独白」を使って書いたものがありましたので、引っぱってきます。 「好きって、言って」パターン2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねぇ、言ってよ」  小柄な恵美は、すこし遅れぎみになりながら、俺についてくる。 「好きって、言って」  付きあってもう二年、何度も繰り返された同じ言葉――。  俺は苦い顔を浮かべた。  たしかに恵美のことは好きだ。  だがそれを口にしてしまうと、なんだか安っぽくなってしまうような気がして――だから、言わない。  どうして言ってやらないのかと言うことを説明したら、恵美は納得してくれるだろうか? いや――それはない。 「なによ、にやにや笑って……」  恵美はぷうと顔を膨らませた。二十歳の女がするにしては、すこしばかり子供っぽい表情だ。 「好きだよ」 「えっ……?」 「おまえのその、拗ねたときのへんな顔」 「――もっ、もうっ! な、なに言ってるのよ!」  恵美の手に背中を叩かれながら、俺は並木道を歩いていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  太字で強調されている部分が、「心理独白」です。  あと、浦戸さんのもののなかにも見つけたので、抜粋してみます。 >>四角い大きなのと三角の小さいのをボンドでくっつけたら犬の顔になるかな。もらっていいかどうか誰に訊けばいいだろう。やっぱり一番偉そうなひと。 >>家の中に背広のひとと白髪頭の法被のひとが背中を見せて並んで立っていた。声をかければ届きそうだ。 >>しっかりしなくちゃ。仕事なんだから。  ――で、「心理」を描写しようというときに、「心理説明」やら「心理独白」やらに逃げこむと、非常に簡単で容易です。  しかしその容易さに頼りきっていると、いつまで経っても心理描写ができるようになりません。  練習のときぐらいは、「心理説明」禁止。「心理独白」禁止。――で、やってみることをお勧めします。  また料理のたとえ話。  プロの料理人でも、ピーラーを使って野菜の皮を剥いたりしますけど。  しかし料理の初心者が、ピーラーを使い続けていたら、いつまで経っても包丁で皮剥きが出来るようにはなりませんよね?  リンゴを剥くときだとか、失敗してもいいときに、暇を見て練習しておかないと。  まあ、野菜の皮なんざ、どんな道具を使っても、剥ければそれでいいんですけど。  しかし包丁で皮を剥けるようになっておけば、他にもいろいろと使いどころがでてくる。大根のかつらむきとか、ニンジンの面取りだとか。同じ技術が他にも応用できます。  ピーラーが使えなくて、包丁しか使えないケースになったときに、包丁が使えないのだと、どうにもならなくなります。たとえばよその家で料理を手伝うときに、その家にピーラーが置いてなかったり、とか。  登場人物が、いまなにを考えているのか。なにを思っているのか。悲しんでいるのか、喜んでいるのか。  説明でも伝えることはできますが、説明しないで伝える方法もあるわけです。  両方とも覚えておいて、損はないです。  二つの方法のうち、どちらが上等ということもないのですが……。難易度が高いのは描写するほうです。  皮むき器で皮を剥くことは誰にでもできます。練習する必要さえない。  しかし包丁で剥くのは練習しないと無理ですよね。  心理説明と、心理独白で、登場人物の心理を語ることなら、誰にだってできます。  心理を読者のなかに直接伝達するのは、練習しないとできません。 -------------------------------------------------------------------------------- 美人の描写とか No.7593 投稿日 2004年2月13日(金)20時51分 投稿者 新木 伸 >美人の描写とか  そういえば、美人の描写に関しては、ここ数年の最大出力を発揮して書いたのがあったっけ。  「漆黒の闇の中に」で過去ログを検索するとヒットします。  夢境2巻から、エッちゃんことエキドナ、初登場のシーン。  ページ数は不明。このあいだ家の中を探してみたら、2巻を切らしていたことが判明。ぜんぶ友人知人親戚などにばらまいてきてしまった模様。  注文しなきゃ。  馬宮とのレスのやりとりのなかで、美人のイメージが、正しく読者の脳裏に伝達されてゆくプロセスが分解されて、解説されています。  美人=視覚情報だから、これは「情景描写」に分類されるものですね。  視点は空中にあるけれど、その同じ場所に読者がいたとして、間近から美人を眺めたような気分にさせているもの。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号へ No.7594 投稿日 2004年2月13日(金)22時24分 投稿者 新木 伸 >2号へ  浦戸さんに、文章の種類の腑分けの方法を教えてあげること。  俺、自分の仕事するので。  いまちょっと思ったんだけど、「冷凍倉庫」の寒くなさ加減が、ちょうど昔、おまえの書いたこれ(↓)の「雑踏感」のなさ加減と一緒なのだよね。  脱線のしかたも、そのパターンも同じ。説明と描写が癒着していて、分離しにくいってのも同じ。 >>677 10/29分、No.8「街の雑踏、ファンタジー版」(田舎娘、王都を見て) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=677&e=res&lp=677&st=0  よっていまの浦戸さんは、あの当時のおまえと同じぐらいわかっていて、おなじぐらいわかっていないものと思われる。  あそこから、現在の認識に至ったプロセスを伝えてあげると、理解が早いかと思う。  4ヶ月前のことなら、まだなんとか覚えているだろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 思考開示 No.7595 投稿日 2004年2月13日(金)23時50分 投稿者 弟切 千隼 >「美人」描写課題  課題部屋のNo.771に書いた「格好いい美人」で、弟切はなぜ「普通の女子高校生」を視点キャラクターにしたのか、思考を開示します。  まず、今回は一人称の練習をするために、一人称で書ける作品にしようと考えました。  「美人」課題の場合、男性の一人称にすると、どうしても性的魅力という要素が入るでしょう。「色っぽい美人」にするのならそれでOKですが、今回は「格好いい美人」にしたかったため、性的魅力という要素はあまり入れないようにしたいと考えました。  視点キャラクターを男性にするという選択肢は、ここでなくなります。  女性といっても、年齢や職業や家庭環境などで、たくさんの選択肢があります。どういう女性を視点キャラクターにすべきでしょうか?  描写されるべき「格好いい美人」の年齢は、二十代半ばです。彼女と同世代、または、彼女より少し上の三十代・四十代の年齢層の人は、避けようと考えました。  なぜならば、それらの年代の女性だと、嫉妬という要素が入ってしまうからです。  同世代ならもろに「同じ年頃で、どうしてあの人はあんなに綺麗なんだ」と嫉妬するでしょう。三十代・四十代の人ですと、「私だってついこないだまでは若くて、あのくらい綺麗になれたかも知れないのに」と、若さに対する嫉妬という要素まで入ります。  嫉妬という感情は、醜いものです。「美人」という美しいものを描写する練習に、そんな醜い感情を入れることはないでしょう。  五十代以上の人なら、もう、若さや美しさに嫉妬しても仕方がない、と悟っている可能性が高いです。  けれども、そこまで年上の人になると、弟切は一人称で書ける自信がありません(^^; そこで、避けることにしました。  残るは、二十代前半以下の若い女性ということになります。  十代前半より下の世代は、若すぎて−というより、幼すぎて−書ける自信がありませんので、やはり避けました。とすれば、年齢は十代後半から二十代前半に絞られます。  その年代の女性から二十代半ばの美人を見れば、「年上の綺麗なおねえさん」でしょう。嫉妬という感情よりも、憧れという感情のほうが強いと思われます。憧れは醜い感情ではありませんから、視点キャラクターが「憧れのフィルター」を通して「美人」を見たとしても、美しさが削がれるという問題はないでしょう。  十代後半から二十代前半といえば、現代の日本では、大部分の人がまだ学生ですね。わざわざ少数派の人にする必要はないと考えて、職業は学生としました。  視点キャラクターを大学生にするか高校生にするかは、少し迷いました。  大学生ですと、「美人」と年齢が近いために、嫉妬という要素が入るかも知れません。視点キャラクターを十代にしてしまえば、相手のほうが完全に大人ですから、嫉妬が入る余地はほぼなくなります。  結果、視点キャラクターを女子高校生としました。  もちろん、「格好いい美人」を引き立たせるために、美人ではない普通の容貌を持った女性としました。 お知らせ:  弟切は明日、遠出します。おそらく、明後日の夜までここには書きこめません。 -------------------------------------------------------------------------------- ……見つかってしまった(笑 No.7596 投稿日 2004年2月14日(土)00時18分 投稿者 鷹見一幸  こっそり課題部屋にアップしたつもりだったんですけどね。  あと三週間で、書き下ろし二冊を書かねばならない、という状況に追い込まれているので、目の前のエディター画面から逃避するために、ついつい、ここを覗いたり書き込んだりしてしまうんですよね。  私が書き込んでいるときは、たいてい修羅場ってる時だと思ってください(笑  「冷凍」倉庫と「冷蔵」倉庫は違うんだよ、ということを説明しようかと思ったんだけど、ぐだぐだ書くより、冷凍倉庫ってどんなところなのか、連れてった方が早いと思ったので、書いてしまいました。  いつもの書き込みの文章を書くのと時間的にはほとんど変わりませんし、裏づけの資料を引っ張り出して確認する作業をしないでいいぶん、ああいった文章のほうが書くのが楽で早かったりします。  ちょうど今、牛丼用の冷凍牛肉の在庫が無くなりはじめ、テレビのニュースとかワイドショーとかで、冷凍倉庫などにレポーターが取材に行っている映像が流れているのですが、そういう映像が思い浮かばないのかな?  冷凍倉庫、というお題を与えられたなら、検索エンジンで「冷凍倉庫」を調べたりしないのかな?  自分が知っていることは、この世の森羅万象であり、何一つ私に知らないものは無いと思っていらっしゃるのなら、仕方がありませんが、少なくとも「何か」にっついて書こうと思うのなら、その「何か」を知ろうと努力するするところから初めた方がよろしいのではないかと思います。  説得力は、真実の上に成り立つものです。  百万の美しい言葉を並べても、書く人間が真実を知らなければ、その言葉は説得力を持ちません。  真実の土台があって、初めてその上に空想と創造の世界を載せることができます。  小説と言う大嘘をつくためには、小嘘をついてはいけません(笑 -------------------------------------------------------------------------------- >冷凍倉庫とか No.7597 投稿日 2004年2月14日(土)01時08分 投稿者 新木 伸 >冷凍倉庫  ひょっとして浦戸さん、「冷凍」と「冷蔵」を勘違いしていたのかな?  冷蔵庫的な冷たさくらいならあったけど、冷凍庫的な寒さがなかったので、へんだなぁ、と思っていたのだけど。工事現場のほうは、もうちょっとそれっぽかったのに。  ちなみに小売りの肉屋だと冷蔵庫しかありませんが、スーパー規模の精肉売り場があるところなら、裏手に行けば、軽く8畳ぐらいの広さの冷凍庫を持っています。  安売りしているしゃぶしゃぶ肉とか、最近は冷凍物ばかりです。凍ってくれていないと、あれだけの薄さにスライスできません。店の裏手まで、凍ったまま、直接届きますんで。そして凍ったままスライスされて、凍ったままパック詰めされて、店頭に並びます。夕方の早い時間に店に行けば、まだ溶けていなくて、凍ったままの肉をゲットできますね。  冷蔵で届けられてくるのは、高い高い国産牛だけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷凍庫と冷蔵庫 No.7598 投稿日 2004年2月14日(土)13時47分 投稿者 浦戸シュウ  深呼吸して落ちつきます。  レスの順番は前後しますが、早くお返事したほうがいいと思うことからレスを書きます。 ○鷹見さんへ  冷凍庫に連れていってくださいまして、ありがとうございました。おかげさまでよくわかりました。  寒くてぞくぞくしました。  「冷凍倉庫」というお題をいただいたときに、一番鮮明に思い出せたのが「精肉店の奥にあるステンレスの分厚い扉の向こう側」でした。  精肉店の規模は間口2間奥行き3間くらいの小さなお店です。お店のひとが扉を開けて中に入って出てくるまでにかいま見るその場所には、不気味なかたまりがぶら下がっていました。  かなり古い記憶なので、今はどうだろうと「冷凍倉庫 精肉店」をはじめ、いくつかキーワードを変えてgooやGoogleで検索しました。  そこで肉がぶら下がっている映像を発見し「あ、これだこれだ」と。それから「温度」もキーワードに加えて検索しましたところ、お店の規模から考えて使っているはずの冷凍庫は「−5℃」くらいらしい、と。  あの、申し訳ありません。  家庭用の冷凍庫だって「−18℃」なんだから、業務用の冷凍庫が「−5℃」なわけない、ということが頭に浮かびませんでした。  本屋さんでも冷凍庫に関する資料は見当たりませんでした。  テレビのニュースで冷凍庫の中をやっていたので、小分けした肉はステンレスの網の棚に段ボール詰めになって置いてあるんだなと思いました。  つまり、その、調べていないわけではなくて、調べておきながら違うものを拾ってきて、さらに、違っていることに気がついていない、という大変まずい状況です。  「冷凍倉庫の内部がどうなっているのか」とか「温度計は外にあるのか中にあるのか」とか、知りたいことをどう調べれば探し出せるのか、出来るだけ効率的に見つけてくるにはどうすればいいのか、これといったやり方がわからずに困っています。  知識と呼べるものはありませんので、調査でカバーするしかないのですが。  ちゃんと冷凍庫を調べることができても、しょぼくなってしまうとは思いますが、そもそも調べることを間違えていてはどうにも……。    ご注意、ありがとうございました。 ○新木さんへ >>ひょっとして浦戸さん、「冷凍」と「冷蔵」を勘違いしていたのかな?  そ、そうです。失礼しました。  間違えてしまった原因は鷹見さんへのレスに書いた通りです。「出来るだけ鮮明な記憶を使いたい」という気持ちがあって「自分が見たものは冷蔵庫である」という事実に気がつきませんでした。 >No.7592 へのレス >工事現場  「いつ」は、その、「半袖を着ているから夏」……と。書こうとしましたら「半袖は春も秋も着るし、ひとによっては冬だって着るだろ。まあ、夏であることは納得するとして、初夏も晩夏も盛夏もあるんだけど、いつ?」と頭に言葉が浮かびました。  これが最初から浮かべば「夏だから半袖」というような短絡はしないのですが、指摘していただいて初めて気がつきます。夏真っ盛りです。麦わら帽子をかぶっていたり、Tシャツに汗の染みがあったり、こめかみに汗が浮いていたりするはずですね。午前中だから少しは涼しいのですが。 「路肩」では広すぎるのはわかりました。場所の特定というのが、どうも難しく感じます。距離感ってどうやったら出るんでしょうか。  「どのように」と「どうして」を書いていくのが「工事現場を見ている女の子の気持ちになって」描写することだと思っていたので、しょっぱなに必要だとは考えていませんでした。お客さまに安心していただくためには必要なのですね。  私は「女の子の体験」を味わってもらおうとしたのですが、いきなり「白っぽい木が組み合わさっていた」などと始めてしまってはわけがわからないので、家の建築現場を道路から見ているところを書いたほうがいいと思ったのです。視点を固定出来るよう努めます。  あ。なるほど、工事のおじさんのトンカチの音は空気を震わせて、耳の奥に響くとは思います。もっと、うるさいものですね。  ですが、地面を通じて振動が伝わってくるのは「木槌」を振るうほうではないでしょうか。木の柱のはじに台形の凸と凹を作ってはめ込むときに、打ち込む木槌が低い音でゴンっと響くとき、大地にも振動が伝わるように思います。  うわ。家を作る過程の「どこ」なのか考えていませんでした。ばくぜんと「枠が組み上がったところ」としか。全工程のどこかによっても音や職人さんたちの動きは違いますよね。  「ボンド」「角材」「背広」は日常的に使う言葉に入ると思います。10歳で。  「訊けば」「法被」は、常用漢字表にすらありませんね。気をつけます。 >心理独白  こちらはセリフと変わりませんので、私にもわかりますから「禁止」にしておけます。  が、「心理説明」のほうは、まず説明と描写の区別がつかないと、禁止もできないです。 >「見た気分」「そこにいる気分」「その本人の気分」  あ、はい、おうかがいしたかったのはそういうことです。  ありがとうございました。  まずは腑分けできないといけません。 ○2号さんへ  お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7599 投稿日 2004年2月14日(土)14時03分 投稿者 津荒夕介 ○2号さんへ >ロードス島とか  了解しました。  まあ、ともかく物語を動かすキャラ(複数可)が主人公というわけですね。 >なずな姫  やっぱり二つに分けたほうがよかったですか。  あと馬鹿の件は、馬鹿という字の使い方がまずかったと。  了解しました。 ○新木さんへ >法被  うーん……読めません。  調べる調べる……。ハッピ? うへー。 >昨日のあらすじ    十五冊目 「セイバーマリオネットR2」 著:長谷川勝也  一行あらすじ  王子ジュニアが結婚騒ぎとマーブルの陰謀を、なんとか解決する中で、忘れかけていたライム、チェリー、ブラッドベリーの大切さに気づく話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=798&e=res&lp=757&st=0  マンガ 四冊目「一善の骨」 著:大久保 篤  一行あらすじ  変わった能力で人助けをする青年将太郎が、勘違いから手柄集めの少女真夏に妨害されるも、発掘の手柄を横取りされた少年を救う話。http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=795&e=res&lp=757&st=0  マンガ 五冊目「コロポックン神道記」 原作:石川孝一 漫画:光吉賢司  一行あらすじ  引っ込み思案の少女亜季が、告白を諦めようとするが、コロポックンの説得で考えを改め告白し、ふられるが勇気を持つ事の大切さを学ぶ話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=796&e=res&lp=757&st=0    マンガ 六冊目「水辺の物語」 著MINAMO  一行あらすじ 海上運送業を営む少年ミナモが、落ち込んでいた少女と出会い、過ごすうちに少女の勘違いに気づき、別れ際にそれを言って元気づける話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=797&e=res&lp=757&st=0  いまさらですが、マンガの単位が冊というのはおかしいですね。  次回から改めます。 -------------------------------------------------------------------------------- 「氷温庫」と呼ばれるものもあります。 No.7600 投稿日 2004年2月14日(土)16時27分 投稿者 鷹見一幸  私は、冷凍マグロのように、数ヶ月から一年ほどの長期間保存することを前提にしているものを保存するいわゆる「流通超低温冷凍倉庫」というものをモデルにしました。  寒ければ寒いほど、冷たければ冷たいほど、日常とかけ離れた世界の方が書きやすいと思ったからです。  精肉店やスーパーなどで、冷凍トラックで運ばれて来た肉を保存し、加工して店頭に並べるまでの短い間に使われるものは、マイナス5度前後に保たれたいわゆる「氷温庫」と呼ばれるものが多いことは事実です。  店の規模にもよりますが、消費者に渡る寸前の末端での保存期間は非常に短いため、それくらいの温度でも問題が無いわけです。  検索して調べる方法を一つお教えしましょう。  調べたい単語、つまり「冷凍倉庫」を調べたければ、「冷凍倉庫」という言葉で検索するだけではなく、冷凍倉庫という言葉から連想される単語をすべてを書き出して、検索する、という「しらみつぶし検索」という方法があります。  冷凍庫、業務用冷凍庫、熱学、冷凍用触媒、流通倉庫、防寒衣料、冷凍庫用フォークリフト……  こうやって脳裏に浮かんだ単語を全部検索するのです。    単語が思い浮かばないとしたら……えーと、とにかく一つか二つのページを検索して、その中にある単語から芋づる式に調べるしかありませんね。  どんな内容でも、それを業務にしている会社があれば、今の時代一つぐらいはHPを持っていたりしますので、これは意外と効果的ですよ。 -------------------------------------------------------------------------------- しらみつぶし検索 No.7601 投稿日 2004年2月14日(土)17時08分 投稿者 浦戸シュウ ○鷹見さんへ >>こうやって脳裏に浮かんだ単語を全部検索するのです。  ご教授いただきましてありがとうございます。  連想できる単語を増やしていきたいと思います。 ○新木さんへ >>夢境2巻から、エッちゃんことエキドナ、初登場のシーン。  第三章219ページでした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7602 投稿日 2004年2月14日(土)18時24分 投稿者 新木 伸  コンタクトを入れてると目が充血して真っ赤になるので、眼鏡に切り替え。  室内用に調整してある度が弱めの眼鏡。しかしモニターの文字がよく見えん。  視力って日によって変わるもんだしなぁ。  分室のログも、ブラウザで読もうとすると文字が小さくてよく見えないので、エディタにコピー&ペーストして、18ポイントの文字サイズにして見る。  うむ。なんとか見える。  ブラウザのほうも、15ポイントになるように調整してあるんだけど……。この3ポイントの違いが、けっこう大きいんだよなぁ。  ちなみに分室の掲示板は、「文字サイズ=大」にして閲覧すると、20ドット=15ポイントとなるように調整してあります。  若者と子供は「文字サイズ=中」で見てください。  ご老人は「文字サイズ=最大」でどうぞ。  最近あちこちでよく見かける、10ポイントほどの小さい文字を使っているHPなんか、おじさんにはよう見えません。  ブラウザには文字サイズを調整する機能があるのに、わざわざそれを殺しちゃっているんだよなぁ。 >見直し回数  ここしばらく、僕の書きこみにおける見直し回数を最低限まで削減します。  書いている最中に、段落ごとに見直しをして、そのあとは、書き上げる直前の1回見直しのみ。  まあ、ぶっちゃけ、書いたそのままろくに味見もしないでアップする――あたりでしょうか。まったく味見しなくなるわけではないですが。  なんかへんな文脈の文章やら、論理飛躍なんかがあっても、まあ勘弁。  それでも誤字とかは、そうそう出ないと思うけど。 >浦戸さん  それは「氷温庫」ですね。  なるほど。  浦戸さんが区別できていないのは、「冷蔵」と「氷温」と「冷凍」と、この3つでしたか。 (あ、鷹見さんと指摘がかぶった。まあいいや)  氷温室というのは、0度から2度あたりで、ゆっくり解凍しつつ、熟成させてゆくための場所です。もうすぐ使うことになる肉をしまっておく場所。肉は水と違って0度では凍りません。だからそこに置かれている肉は、いわば「生」の状態です。  冷蔵庫の宣伝で、さかんに「チルド」「チルド」と叫んでいますが、つまり、それです。  保存のための場所は別にあって、そちらはマイナス20度以下です。ただしあまり温度が低くても肉が傷むので、マイナス20〜30度近辺になっています。その温度だと肉の鮮度は1年以上保つことができます。  このあたりの話は、「物の調べかた」という種類のノウハウでして。小説を書くために必要な力のひとつである「知識」に分類されます。  さらに「知識」のなかにも色々ありまして――。「知っていることを組み合わせる力」とか、「知らない、ということを自覚する力」とか、いろいろとサブジャンルがあります。  そのいったなかで、今回のこれは、「調査力」であり、「知らないことを引っぱってくる力」というものなわけですね。  調査力というのは、以下のふたつの要素から成り立っています。 1.効率よく調べてゆくための方法。(同じ時間と手間を使って、どれだけ多くのものを調べてくるか) 2.どこまで調べれば「充分」であるかの見極め。  浦戸さんの場合には、この「2」の判断を間違えましたね。最初に出てきたもので、「あ、これだこれだ」とエウレカ(「そうか!わかったぞ!」の意味)してしまって、そこで調べることを止めてしまった。  で、それはまだ充分ではなかった。  で、なぜそこで止まってしまったのかというと、そもそも、調べようとしていたものが、はじめから「それ」だったからです。 >>「冷凍倉庫」というお題をいただいたときに、一番鮮明に思い出せたのが「精肉店の奥にあるステンレスの分厚い扉の向こう側」でした。  ここの部分ですね。  浦戸さんは、はじめに調べものをしようとしたときに、「自分の知っている範囲」でしか、調べようとしていないわけです。  自分が見たことのあるお肉屋の店内で、お客さんからすぐ見えるところにあるステンレスの「アレ」を調べようとしていて、それが出てきたので、そこで調べる手を止めてしまったわけです。 >>自分が知っていることは、この世の森羅万象であり、何一つ私に知らないものは無いと思っていらっしゃるのなら、仕方がありませんが、  鷹見さんの書かれたこのあたりは、その浦戸さんの基本姿勢を批判しているわけです。  「冷凍庫」というのは、自分の知っている「アレ」のことである。  なぜなら自分は世界のすべてを知っているのだから。知らないものなどあるはずはないから。  「冷凍庫」という言葉はよくわからなかったが、きっと、自分の知っているなにかを呼んだ言葉のはず。ただ呼びかたの違いに過ぎないのだろう。  なぜなら、自分はすべてを知っているのだから。  自分の知らないものを、相手が言うはずがないのだ。  浦戸さんはお肉屋の店内の見える範囲までしか見てきていないのに、自分がすでに「世界のすべて」を知っているという錯覚を持っていたわけですね。  「冷凍庫」と出てきたときに、自分の知っている世界の中から探そうとしていたので、お肉屋さんの店頭にある「氷温室」までしか見つけられなかったわけです。  本当の「冷凍庫」というものは、「お肉屋の裏の裏」のお客さんの目に付かないところか、「肉屋に肉を卸している問屋の倉庫」にあったりするわけですが……。そこは浦戸さんの既知の「世界」じゃなかったわけです。  自分の既知の世界の外にまで、調べ物の手を伸ばすようにしましょう。  自分の知っている範囲が「世界のすべて」とは思わないように。 >レスとか  以前、「冷蔵庫のエクレアを落としてしまった話」をしてもらいましたが。  「どうして落としてしまったのか」――ということは、たぶん、もう充分伝わったと思います。  「箱が結露していたので手が滑ったのだ」とか。  僕のほうは僕のほうで、浦戸さんの行った「失敗の理由の究明」では不充分だと思ったので、多少の解釈を加えてみました。  この件は、これで終わりにします。  ですが「終わった」と思って安心してしまわないように。  エクレアを落としてしまったときのお兄さんは、「わざと落としたのでないと知れば納得する」でしたけど……。  今回、僕の言っていることは、「次は落とすな」ということですので。  次、落とさないようにしてください。  冷蔵庫の中の箱は結露していて手が滑りやすいと、今回、思い知ったわけですから――。次には「滑ってもいい」ように、しっかりと箱を持つようにしてくたさい。  なにか調べ物をするときには、「わかっちゃった!」とエウレカしてしまうことが多いのですね。手を滑らせやすいものなのです。  多少自分がエウレカしてしまってもいいように、しっかりとした方法で行うように。 >調べ物のこと  で、GOOGLEを使ったときの調べかた。検索エンジンを使うときのノウハウ――っていうほど、大げさなものじゃないですけど。  冷凍庫の温度を調べるにあたって、僕はこんなキーワードで引いてみました。  「精肉 冷凍 温度」  これだとヒット数が多すぎたので、さらに条件を絞ってみました。  「精肉 冷凍 温度 大型 長期」  これだと絞りすぎたので、結局、この4つになりました。  「精肉 冷凍 温度 大型」  これではじめの1ページ内の「要約引用」部分に、庫内温度まで出てくるようないい感じに絞り込めました。  各ページを実際にクリックしていって、閲覧してゆくのは、ここからのこと。  絞りきれていない状態でクリックしまくっていても、時間ばかりかかって、効率が悪いです。  浦戸さんが試されたという、「冷凍倉庫 精肉店」だと、「〜倉庫」や「〜店」と付けちゃっている部分が余計です。  そのせいで、絞りすぎてしまって、逆に欲しい情報が出てこなくなっています。  あと、もうひとつ。  GOOGLEには、単語による「キーワード検索」以外にも、「イメージ(写真)検索」のできるタブがありまして……。  http://www.google.co.jp/imghp?tab=wi&q=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja&lr=lang_ja  こちらのほうから、「冷凍 倉庫」あたりで検索すると、小さい写真(サムネイル)が山ほど並んだ検索ページが出てきます。 >調べることとか  本題に戻りますが。  そもそも、「調べる方法」とかに関しては、今回の本題ではないのですね。  小説を書くには「知識」とか「調査力」とかも重要ですが……。  今回は、ピンポイントで「描写」をやる――というのが本題なわけですし。  なにか調べずに書ける身近なものって、ないですか?  目をつぶって思いかえすだけで、視覚、聴覚、触感やら匂いまで――すべてをありありと脳裏に思い浮かべられるぐらい、よく知っている「なにか」とか。  それでいて、誰でも知っているものではなくて、浦戸さんぐらいしか知らなさそうなもの。  普通の人が「それ知らない。体験してみたい」と思うくらいのもの。  「冷凍庫の寒さ」とか、「工事現場の雰囲気」だとか。  ちょうど良い対象だと思って課題に出してみたのですが。  調べものをしないとならないのでは、「調査」の練習と「描写」の練習とで、どっちつかずになってしまいますから……。  「描写」の練習だけに集中できたほうがいいでしょう。  なにか、ないですか?  普通の人が知らないもの。浦戸さんだけが知っているもの。  もしくは――。  普通の人も知っていることだけど、浦戸さんは、特に「凄く」知っているもの。  僕なら前者のほうだと、「真空の肌触り」とかですね。いま書いてるシーンでやってますが。「溶接作業」とかもそう。さらに二つを組み合わせて、「真空のなかで行われる溶接作業」だとか。まあ普通の人は知らないでしょう。僕はどっちもよく知っていますが。  また後者のほうなら、たとえば、「空きっ腹にかきこむ牛丼のウマさ」とか。  牛丼を食べたことのある人は多いでしょう。「うまいな、これ」と思った人も多いでしょう。牛丼が大好きで、毎日食べている人も多いでしょう。もう食べられなくなってしまいましたが。  しかし僕ほど牛丼をうまく感じた経験を持つ人間は、他にそうそういるはずがないわけで――。泣きながら牛丼を食った経験のある人間は、そうそう、いないでしょうから。  初めてのお宅を訪問するときの緊張感――なんてものでもいいんですけど。  夜のオフィスの無気味さ――なんてものでもいいんですけど。  そういう普通の人でも体験していそうなことで、しかし浦戸さんはもっと「凄く」知っていることです。  なにか、描写するに値する「体験」はないですか?  いくつかリストアップして出してくれたら、そこから一つ二つ、僕のほうで選んでみますが。 >「工事現場」、5W1H関連  5W1Hのうちの「いつ」に関しては、「季節」なんてことよりも、もっともっとあたりまえのことを伝えなければならないんですが。  つまり、「昼間」なのか、「夜」なのか。  昼間でも、「朝方」なのか「午前中」なのか、「午後」なのか、「夕方」なのか。  あのシーン、じつはよく見てみると、「いつ」ってのがわからないんですよね。  工事の人がいます。女の子がいます。論理的に考えれば、昼間の午後でしょう。  しかし「夜中」でないとも言い切れません。  まあそこまで突っ込むのは意地悪だなぁ、と思ったので「いつ」に関しては「昼間。たぶん午後」と書いてあることにしましたかが。  うーん。  浦戸さん的には、「昼間だって、ちゃんと書いてあるもん」と思っていたわけですね。  だから僕が「いつ」って話が持ち出したときに、そこで示されることが「昼間か夜か」なんてあたりまえのことではなく、「季節の話」だと思っちゃったわけですね。  でもあのくらいの書きかただと、「たぶん昼間だと思ってもらえる」ぐらいであって、「ちゃんと書いてある」とは言えませんよ。 >語彙とか >>「ボンド」「角材」「背広」は日常的に使う言葉に入ると思います。10歳で。  うーんと。  「思います」なんてことだと、話にもならんのですが。  たとえば浦戸さんにはちょうど10歳になるお子さんがいて、その子は「背広」って知っているので――と、なにか根拠でも出てくるならばともかく。  10歳が背広という言葉を知っている――と、そう決めるに足りる充分な根拠がありますか?  「訊けば」は、僕はライトノベルではこちらを使っていますが。  もし児童向けの小説をかくのなら、「聞けば」か「きけば」にするでしょう。  そもそも児童書の出版規定で、常用漢字以外は使わせてもらえませんが。  またライトノベルでも、登場人物が10歳なら「聞けば」にするでしょう。10歳の平均的な子供は「聞く」と「訊く」を使い分ける分解能を持っていない――と、僕の書く作品世界のなかでは、そう決めてあるからです。 >心理説明とか  心理独白は、見分けしやすいですよね。  心理説明のほうは、なにか書いてもらったときに、もし見つけたら、指摘するってのはどうでしょうか。説明されるより、実際に失敗したときに「それ違う」と言われて、体感したほうが早いかと思います。  ――で、最近僕もテンパってきましたので、次になにか「描写課題」をあげられたときに、忘れているかもしれません。  おたがいに文章を大量にやりとりしていますから、大事なところを見落としてしまうこともあります。自分が大事と思った部分に解答がなかったら、何度でも、解答をもらえるまで、しつこく訊くことにしましょう。まあおたがいに。  もし僕が忘れてしまっているようなら、「この中に心理説明はありますか?」てな感じに訊いてもらえると助かります。  あと心理説明の見分けぐらいであれば、けっこう行える人がいますよ。  たとえばここのメンバーでも、紫、2号――あたりなら見分けがつくでしょう。弟切も、いま描写に関しては、浦戸さんの半歩先を行っていますから、たぶん見分けが付くはずです。  心理説明の指摘を受けるときには、自分があえて「説明」で済ませた部分と、ついうっかり説明しちゃった部分とを切り分けて考えるべきです。  指摘者からは見分けがつきませんから、あえて説明にした部分もバシバシ指摘してきますが、そこはガードを固めて「わざとです」と言っておくこと。  「うっかり」のほうは指摘を受け入れて、直しましょう。 >弟切  女子高生を視点人物に選んだ件に関して。  思考開示を見てみたけど、まあそんなとこだろう。  男だと性的な方面に関心が向いてしまう。  女でも年齢が近いと、嫉妬の方向に向いてしまう。  少女でもローティーン以下だと自分がうまく描けない。  よってハイティーンで、16〜17ぐらいの女子高生となった。  「女子高生がベスト」となった経緯には、まあ、問題ないとみた。  ただ「じゃあ女子高生ならなんでもいいんだ!」と、最初に見つかった女子高生を取っ捕まえるているところが、間違いなわけだ。  女子高生にも、色々いる。  まあいかに分別がないといっても、さすがに、ガングロコギャルは捕まえてきてないようだが――。  ただ、思考経緯について。  いちばん初めに「男」をすべて切り捨てているところが、ちょっと早まっているかなと感じた。性的な方面に関心が向かない年齢なら、男でもいいわけでしょ。小学校高学年〜中学一年生ぐらいで、まだオナニーも知らないような男の子なら、「美人のお姉さん」を見て思う気持ちは、同性の女子高生と似たようなものとなるはず。  性欲は抜きで、綺麗さとか、カッコ良さとかに目が向くはず。問題点はクリアされるので、視点人物として使ってもいいことになるな。  ――が、まあ、どのみち「ローティーンは描けない」というところで除外されてしまうだろうけど。  あと「男」で「少年以上」でも、ホモセクシャルの男性とかも可能性としては残っているわな。  女装癖のある人と、女装癖はないけど女言葉を使う人と、服装も性癖も普通だけど男にしか性的興味を抱かない人と、何通りもあるようだが。  そういうものでも、「美人な女性に性的興味は抱かない」という条件はクリアできそうだ。  まあこれも、「自分には描けない」ってことで、あっけなくパスされてしまうだろう。僕だって描けんし。  あと、ふと思ったのだが。  「男」全般を切り捨てている理由を、弟切は「性的興味を抱いてしまうから」と簡単に片づけているのだが。  これ、本当にそうなのか?  きっちり考え詰めてゆくと、「男全般、自分には描けないからパス」になったりしないのか?  たとえば美人を「成年男性視点」から描くとして、性的興味混じりの関心を向けつつも、その格好良さのほうに惚れちゃう、みたいな展開も書けるわけだよな。  しかし弟切の描けるキャラって、えらく範囲が狭いのな。  女でもローティーンはダメ。50歳以上もダメ。  男は全部ダメ。  女の15〜49歳。しかも理屈で物を考える生真面目タイプの女――だけしか、弟切の描けるキャラはいないことになる。  それって、女優さん一人ってことでは?  弟切の劇団に所属する俳優は、たった一人しかいないのかな。  貧乏劇団の代名詞のような2号のところでさえ、なんだか、男女2名、合計4名ぐらいはいそうな気配なのだが?  自分のなかの天然要素を増幅していって、「天然系の女」とか。  そういうふうにして、女優の数を増やしていったりしない?  または自分のなかの男性的要素を抽出して、増幅していって、「男性」も何通りか作り出してみないの?  それとも、そういう努力と創意工夫は、まったく不要?  小説でプロになるには、まるで必要のないこと?  それとも、いまは重点課題が他にあるので、後回しにすべきこと? >津荒 >>いまさらですが、マンガの単位が冊というのはおかしいですね。 >>次回から改めます。  おお。「長編=冊」で描くべきことと、短編で描くべきことと、見分けがつくようになってきたってことかな?  ところで、20本に到達したら言い渡そうと思っていた課題があったので、それを出しておく。  前に書いた「夢見ぬ少女」だけど、あのあらすじを、自分で写し取ってみそ。  もういちど読んでみて、一行コンセプトと、あらすじを書くってことね。  短編だから、まあ400字かな。  ちなみに、書けない場合には、書けない理由付きでギブアップしてもよし。  無理矢理書こうとして、ヘンテコリンなあらすじにまとめてみたり、事実と相違するあらすじを作ってしまわないこと。  あと、いままで話の筋を写し取ってきた経験なり、あの話を書いてみてから考えてみたことなりから、「あの話は本来はどうあるべきだった」――てなことが浮かんできているなら、その「あるべきあらすじ」で書いてみること。  400字か800字か、まあ必要な文字数を使うこと。  あと――。  20本もやってきていて、「800字や400字のなかにひとつの話を詰めこむなんて、そもそも無理がある」ってことは、わかってるはずだろ?  なのに、なんだっていまだに、空白の一つもないくらい、ぎちぎちに詰めこんでくるわけ?  ソバだって、ラーメンだって、食べやすいように、20センチぐらいの長さに切ってあるだろ?  一本に連なった長い長いソバなんて出されたら、食べにくくって、しかたがないだろ?  君がこれまで書いてきたあらすじは、ぜんぶ、その「一本に連なった長い長いソバ」なわけだよ。食べにくくってしかたがない。――ので、僕はじつは食べてない。  起承転結ってわかるか?  その区切りごとに、最低でも、4つの段落には分けてこいよ。  また起承転結の中でも、展開が大きく変わる部分でも、段落を分けてこいよ。  大まかな目安としては、一冊の長編小説があったら、6〜10ぐらいの段落が必要だ。  しかし段落を作ろうとすると、ぎっしり押しこむことができなくなるから、使える文字数が減っちゃうよな?  そしたら、その分、もっともっと、ばっさりと大胆に捨ててきちゃうんだよ。  あらすじっていうのは、「粗筋」って書くの。  つまり「粗くて」もいいわけよ。  「このあらすじ粗いぞっ!」とか、誰も文句なんて言わないから、安心して、粗くしちゃっていいわけ。  どこまで粗くしていいのか――っていうと、その文字数の中に、段落を付けた上でぴったり収まりきるぐらい。そこまで粗くしちゃっていい。  この「あらすじには段落が必要」ということ。  いつ盗み取るかな〜、と思って、黙って見ていたのだが。  課題部屋やら、ここの過去ログやらにあるお手本のあらすじでも、そうなっているだろ? 「あらすじの書きかたのお手本」なんてのは、もう見せてもらっているだろ?  どんなにケチっていたって、段落は、4個はあるだろ?  それを津荒は盗みそこねているようだ。  20本も書いても、まだぜんぜん平気でいるようだ。  ほうっておいたら、いつまでも、何年でも、段落を付けないあらすじを書いていそうだなぁ。  俺は津荒が一生ろくなあらすじを書けないままでも、ぜんぜん平気だし、なにひとつ困りもしないわけだが……。(だって俺はきちんとしたもの、書けるもん)  放置しておいたって、ぜんぜん、かまわないわけだが……。  まあ、なにはともあれ手を動かして頑張っているようなので、アドバイスしてみる。  段落、付けてこい。  じゃないと読めやしない。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7603 投稿日 2004年2月15日(日)02時30分 投稿者 津荒 夕介 >>おお。「長編=冊」で描くべきことと、短編で描くべきことと、見分けがつくようになってきたってことかな?  いや、そんな意味は含んでませんでした……。冊より編のほうが正しいかなと思っただけです。  が、長編と短編の違い、わかると思いますよ。  短編だと、    1キャラの内部変化の場合は、その度合いが少ない。    (どうしようか迷っていて、後押しをしてもらう、ぐらい)  2外部変化の場合が多く、またスケールが小さい。    (悪を倒すとか)  3テーマが単純なのが多い。(正義が勝つ!とか)  4主要キャラが少ない。    という制約があります。    長編はその制約がないという点で違う。また同じ「悪を倒す」でも、悪のスケールが大きくなります。 >今日のあらすじ >>段落、付けてこい。 >>じゃないと読めやしない。  と忠告してもらってようやく、しまったと思う。  なんでしょうね、自分に甘い……。指摘されなきゃ正しいと思ってるようです。  自分を疑わねば……。  で、段落つけてみました。  十六冊目「なりゆきまかせの異邦人」 著:神坂一  一行あらすじ  自分の世界を変えられないと思い、嫌っていた女子高生エリが、異世界に召喚され戦争を経験する事で、自分がその地で異邦人である事と自分に可能性がある事を知る話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=799&e=res&lp=757&st=0  七編目「グレネーダー」 著:海瀬壮祐  一行あらすじ  腕がたつ二人の旅人が、宿場町を支配していた男達を退治して、町の人々が喜ぶ話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=800&e=res&lp=757&st=0  八篇目「ITAKOのANNA」 著:武井宏之  一行あらすじ  説得しても聞き入れず力に訴える自分中心な刀マニアを、特殊なイタコのアンナが、その力でこらしめる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=801&e=res&lp=757&st=0    なんかマンガの筋が同じ。  両方とも、主人公が悪を倒す話。ですよね。 >>おなじ筋(パターン)の話は、2回はやらない。  筋を知る練習なんだから、そりゃそうだ。うーん、失敗。  次までに、今まで書いたあらすじの筋をチェックして、重複が起きないようにしたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- わかるように No.7604 投稿日 2004年2月15日(日)05時39分 投稿者 名無し君2号  他の人がわかるように書くというのは、じつに勉強になるみたいです。  適当に覚えていたことを、適当なままには書けない。筋道が立つように考え直さなければいけない。ああだこうだと考えている途中で、「あ、そうなんだ」と気づくという……なんだか間の抜けた状態になったりもしたりして。  テストのレポート提出とか、なんのためにこんなことやるんだろうとか思っていたけど、もしかしたらこういう効果もあるのかも。  人にわかるように説明するためには、まず自分がわからなきゃいけない。むーん。 >貰われっ子ミーツ四姉妹  やり直しです。原稿用紙3枚と11行。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=802&e=res&lp=778&st=0  四姉妹にのみ注力しました。 >浦戸さん >>例えば「あなたの思い出、承ります」という題名だったら、どんなイメージが湧きますか?  言葉づかいがしっかりとしているから、ギャグではないだろう。エロスの欠片もないし、暴力の匂いだってない。  「〜ます」は丁寧語だ。仕事の依頼なのかもしれない。思い出をどうにかするのが仕事か。「承る」は「聞く」の謙譲語。記録か記憶か。SFもアリか? サイコダイブとか?  で、実際の主人公の仕事は、自分史の記述業。  そのタイトルならば、「わーん、えっちじゃないよー、血もでないよー」と裏切られた感覚はないです。  が、しかし。  今回の話って、けっきょく自分史を完成させましたっけ? なにか思い出を承ってましたっけ? まだ細部まで読んではいませんが、仲裁をしただけではありませんでしたっけ? 「思い出を承る」のと「仲裁をする」のと、どちらが印象が強いんでしたっけ……。  ぬーん。  「優しすぎる姑、尽くしすぎる嫁」とか。「優しすぎて痛い人々」とか。「人間交差点」……じゃ漫画のタイトルだ。やっぱり私はタイトルセンスがないようです。 >文章の腑分け >>浦戸さんに、文章の種類の腑分けの方法を教えてあげること。  私が教えなくとも、浦戸さんなら過去ログを読めば自分で出来るようになるだろうと思いますが――己の修行と思ってやってみます。  まず、文章には以下の四つの種類があります。これはあくまで私の認識でしかなく――過去ログの3153を見てもらったほうが正確かつ早いかもしれません。ちなみに描写文については、私の場合は分解能が一段低いです。 ・説明文 ・描写文 ・会話文(思考文) ・動作文  説明文とは、読者に説明するための文章です。描写文と見わけるための簡単な方法として、読者がその文章を読んでいるあいだは小説中の時間がまったく経過しない、ということがあります。 >>白っぽい木が組み合わさった骨格だけの家を、オレンジ色の半袖Tシャツとベージュのキュロットスカートを着たやせっぽちの女の子が路肩から見ていた。  冒頭、この文は説明文です。この一文のあいだ、時間はまったく動いてませんよね。  これら家の骨組みや女の子の服装を、時間が経過するように――つまりだれかがその場で体験しているように書けば、それは描写文になります。 >>シャーシャーと木をこする音がする。家の外でごつい角材にかんなを当てている男のひとがいる。シャーっというたびに手元から薄い木の膜が飛び出して、宙に舞ってから地面に落ちる。  これは建築現場の描写文です。説明文と描写文の違いのひとつとして、時間が経過するかしないか、があると思います。  会話文(思考文)は、登場人物が直接話した言葉だったり、地の文であっても登場人物が思い浮かべたことであれば該当します。 >>なんだか空気の匂いが違う。一息吸うごとに胸がすっとする。 >>「あの!」  このあたりですね。  行動文。  登場人物がなにかしら行動したのを書けば行動文です。 >>女の子は視線を落とし足元を確かめながら敷地の中に踏み込んだ。  などなど。  そして、これらに従って文章を腑分けすると、自分がどの文をどれだけ使っているのかがわかります。会話文(思考文)が多すぎるとか、説明文が多すぎるとか。  腑分けする効用として、ひとつ目。  描写文と説明文は、ふつうはおなじ段落にあっちゃいけません。描写文と説明文がごちゃごちゃになっている文を指して、「文章が癒着している」と言います。 >>女の子は視線を落とし足元を確かめながら敷地の中に踏み込んだ。地面には細かい木くずがまだらにひろがり、木の破片があちらこちらに落ちていた。女の子は木片を拾い集めた。木片に触るとざらざらした。  これなんかは癒着していると思うんでけど……微妙ではありますが。 ・女の子は視線を落とし足元を確かめながら敷地の中に踏み込んだ。(行動文) ・地面には細かい木くずがまだらにひろがり、木の破片があちらこちらに落ちていた。(説明文) ・女の子は木片を拾い集めた。(行動文) ・木片に触るとざらざらした。(描写文)  どうすれば癒着しないのか。  説明文をほかのなにかに変えてしまえばいいんじゃなかろうかと。  えっと、具体的には……。 ・細かい木くず、木の破片を女の子に発見させる(行動文に変える)。 ・細かい木くず、木の破片を女の子に確かめさせる(思考文に変える)。 ・行動文と説明文で段落をわける。  ですかね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  女の子は視線を落とし足元を確かめながら敷地の中に踏み込んだ。  踏みだした足の裏に、くしゃ、とした感触が伝わる。あわてて足を離すと、ぺたんこになった薄っぺらな木くずがあった。見れば、あたり一面にそれは散らばっている。  はしゃいだ声をあげて、女の子はまわりを歩きはじめた。  くしゃ、くしゃ、くしゃ。  くしゃ、くしゃ、くしゃ。  くしゃ、くしゃ、がり。 「いっ」  電気が足をかけめぐった。女の子は固まる。 「……たぁい」  じんじんする足を、そろりそろりとあげた。石かな、と思ったら木だった。女の子は拾いあげてみる。  なんだか猫さんに似た木のかけら。角をさわるとすこしちくちくした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――長い。下手。文体が違う。主人公の年齢が違う。  ええと、ともあれ、これで癒着はしてないはずです。説明しているところを行動させただけですけど。  女の子に説明させちゃうと、心理独白になるんでしたっけ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  わあ、きたない。  おじさんがトンカントンカン、ガリガリガリガリするたびに、ぽろぽろ地面にこぼれだす。あとかたづけはきちんとしなさいって、ママはいつもいってるのになあ。  ん……。  女の子はなにかを見つけた。  その場にしゃがみこみ、木くずのなかから拾いあげる。木の欠片だった。しげしげと見つめているうちに、顔がぱあっと輝いた。  わあ、クマさんだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冷凍倉庫なり別なのをリライトするんだろうな、と思ったので書いてみましたが。こんなので参考になるのかな。  腑分けする効用、ふたつ目。  自分がなにを描写していたのかがよくわかります。  腑分けした文章を、さらにそれで描こうとしたものごとにわけてみる。主人公なのか、工事現場なのか、冷凍倉庫なのか。描写すべきものをきちんと描写しているか。どれだけの量を注ぎこんでいるか。  もしかして、関係ないものを描写してやしないか。  ちなみに私の「677 10/29分、No.8「街の雑踏、ファンタジー版」(田舎娘、王都を見て)」ですと、街の雑踏を描写するはずが、なぜか田舎娘のほうばかり描写しているという、じつに本末転倒な事態になっていたりします。  さて、浦戸さんの「工事現場」「冷凍倉庫」の場合はどうなっているのでしょうか? ちゃんと「工事現場」「冷凍倉庫」を多く描写しているのでしょうか? それともほかの「なにか」を多く描写してしまっているのでしょうか? >>いまちょっと思ったんだけど、「冷凍倉庫」の寒くなさ加減が、ちょうど昔、おまえの書いたこれ(↓)の「雑踏感」のなさ加減と一緒なのだよね。 >>脱線のしかたも、そのパターンも同じ。説明と描写が癒着していて、分離しにくいってのも同じ。 >>よっていまの浦戸さんは、あの当時のおまえと同じぐらいわかっていて、おなじぐらいわかっていないものと思われる。 >>あそこから、現在の認識に至ったプロセスを伝えてあげると、理解が早いかと思う。  現在の認識とは、描写に対する認識のことでしょうか。  いつ認識したのかといわれれば、青葉さんに説明文について解説していたときに、ハッと気づいたので……説明文とはなにか、描写文とはなにか、その違いなどを、他の人がわかりやすいように伝えるにはどうすればいいのかと考えてゆくと――わかるんでしょうか。すみません、自信がないです。  鷹見さんの書いた「冷凍倉庫」を読んで、ひとつ気づいたことがあります。  冒頭の段落以外――説明文はまったくないということ。  ……もしかすると、プロって説明文は書こうと思わなきゃ書けないのかもしれない。アマチュアは描写文を書こうとすると説明文になっちゃうけども。  ええと、つまり言いたいことは、鷹見さんの例だとまったく小説内で時間が止まらないってことなんですね。  その事実から思いついた方法。  「文のなかで時間が停止していなければ、それはとりあえずは描写になっている」のではなかろうか。癒着することだってない。だって説明文がないのだから。  お。これってけっこう悪くない方法では。  あとは描写する方向か……。それはこっちも悩んでいる途中なんですよねえ。  とりあえずいま自分の書いた「街の雑踏」を読み返してみると、描写すべき相手を間違えているのだけはよくわかります。あれ、ファンタジー世界の田舎娘は書いていても、王都や街の雑踏はぜんぜん書いていないんだなあ。  う。「四姉妹」もそうだ。主人公ばっかり描いているし。あれ? どうやら成長していないようですよ?  「眼鏡っ子、倉庫を行く」が曲がりなりにも倉庫の描写になっていたのは、ただ単に主人公の内面に入ってなかったからじゃなかろうか。  ……。  えーと、つづいて本文を指摘します。  まずは工事現場。  読んでみての感想は、「建築現場だなあ」でした。だから成功じゃないでしょうか。 >視点について >> 白っぽい木が組み合わさった骨格だけの家を、オレンジ色の半袖Tシャツとベージュのキュロットスカートを着たやせっぽちの女の子が路肩から見ていた。 >> なんだか空気の匂いが違う。一息吸うごとに胸がすっとする。  これ、一段落目と二段落目で視点が繋がってませんよね。一段落目は女の子と家を外から見た視点、二段落目はいきなり女の子のなかに入った視点。すこし違和感があります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  白っぽい木が組み合わさった骨格だけの家を、オレンジ色の半袖Tシャツとベージュのキュロットスカートを着たやせっぽちの女の子が路肩から見ていた。  女の子は鼻を動かす。  なんだか空気の匂いが違う。一息吸うごとに胸がすっとする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じで、ワンクッションが欲しい、ような気がします。視点については私もぜんぜん自信がないのですが。  うん? もしかすると、空気の匂いを嗅いでいるのは女の子ではないんでしょうか。これは――だれなんだろう? >知識 >> 垂直に立った柱と柱の間に交差した木がはめこまれているところは、壁になるんだろうと見当がつくけれど、上のほうは木材の間から濃い青の空が見えていて、どこが二階の天井になるのか、どこが一階の天井になるのかさっばりわからない。  主人公がいくつぐらいの子供なのか、正確なところはよくわからないのですが、たぶん小学4年生ぐらいでしょうか。  そのぐらいの女の子が、基礎を造っている現場を見て、はたして二階の天井とか一階の天井とか、そういう考えを持つものなのかどうか。  私が建築現場を見ても、「あー、家つくってんなー」ぐらいにしか思わないのですけれども。  んー、でもこれも女の子が見た印象ではないのかもしれない。  つぎは冷凍倉庫です。 >> 鈍い銀色の扉は最初なかなか動かなかったが、ぐっと力を入れると意外とすんなり開いた。扉の中には赤黒い肉の上に白い脂肪がついた牛肉のブロックが吊り下げられている。  扉を開ければ、すぐに冷気を感じると思います。だって冷蔵庫を開けてもそうですし。  ちなみにこちらを読んでみての感想は、「主人公は肉が嫌いなんだなあ」でした。内臓でもないのに、なんでそんなに怖がっているんだろう? >津荒さん >小説十六冊目「なりゆきまかせの異邦人」あらすじ  一行あらすじなんですけども。 >>自分の世界を変えられないと思い、嫌っていた女子高生エリが、異世界に召喚され戦争を経験する事で、自分がその地で異邦人である事と自分に可能性がある事を知る話。  「自分が異邦人であることを知る」がひとつの終了状態ですよね。  ではこの初期状態はなんでしょうか。  「自分に可能性があることを知る」は「自分の世界を変えられないと思っていた」があります。これが変化する原因は「戦争を経験する」じゃなくて「戦争を勝利に導く」だと思いますけども。 >漫画八篇目「ITAKOのANNA」あらすじ  こちらも一行あらすじです。 >>説得しても聞き入れず力に訴える自分中心な刀マニアを、特殊なイタコのアンナが、その力でこらしめる話。  主人公はイタコの能力を持つアンナです。  イタコとはつまり、霊と会話できる能力だと思います。わざわざ一行あらすじに入れなければならないということは、それを利用したストーリーになっているはずです。  答えを書いてしまいますと、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  イタコのアンナが、刀に取り憑いている霊たちの願いを聞いて、強引に手に入れようとする刀マニアの手から守る話。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こうならなきゃおかしいかなあ、と。 >筋 >>なんかマンガの筋が同じ。 >>両方とも、主人公が悪を倒す話。ですよね。  筋のくくりかたが大きすぎるような気がします。  七編目「グレネーダー」は、「支配していた悪を倒す話」。  八篇目「ITAKOのANNA」は、「悪の手から弱者を守る話」。  すでに鳥かごのなかに入れられていた小鳥たちを解放するのか。  それとも、一匹の小鳥が捕まる前に助けるのか。  状況が出来上がっているところに主人公はやってきたのか。  なにかが起きている最中にやってきたのか。  起きる前にやってきたのか。  対象は複数か。個人か。  主人公は異邦人か。その土地の人間か。  たとえば、「ITAKOのANNA」の刀マニアが、すでに何十本も霊の取り憑いた刀を持っていて、それをアンナが解放したというならおなじ話なのかもしれないです。  「主人公が悪を倒す」ならば、仮面ライダーだってだって水戸黄門だって、よくある刑事物だって、すべておなじ筋になります。  違う筋のはず……だと思うんですが。  仮面ライダーは「悪の手から地球を救う」、敵からやってくる。  水戸黄門は「諸国漫遊して領民をその土地の悪から救う」、こっちから向かう。  刑事物は「犯人を捕まえる」、追いかける。  もうすこし筋を細かく考えてもいいんじゃないかと思います。――あんまり自信はないんですけども。  レスにはダラダラと6時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 言葉の分解能が低い No.7605 投稿日 2004年2月15日(日)11時59分 投稿者 浦戸シュウ  退室させていただきます。  「描写」に必要な知識と能力が足りないということがよくわかりました。  こちらからお願いしておいて申し訳ありませんが、まず、体の中に言葉を蓄積するのが先決で、組み立て方を覚えるのはそのあとのこと、とわかりました。 >>浦戸さんが区別できていないのは、「冷蔵」と「氷温」と「冷凍」と、この3つでしたか。  そ、そうです。解説いただきましてありがとうございます。  見当違いのものを見つけてこないよう気をつけます。 >>今回、僕の言っていることは、「次は落とすな」ということですので。  落とさない方法をふたつ開発してあります。  1、まず持たない。    私が「商業作家」という、とっても美味しそうなものに手を出すまいと固く決心している理由は、「商業作家」が入っている箱が大きくて重いので、私の手では持ちきれない、と見極めがついているからです。もし、手が大きくなったり、筋力がついたりして持ちきれる見通しが立ったとしても、今度はそれを落とさないように支える持久力と、「落としてはならない!」と絶えず自分にかかるプレッシャーに持ちこたえる精神力が必要になってきます。    私にはとても出来ません。        出来る方々を尊敬してます。  2、落とさないように固定する。    まず持てる、という前提でですが。箱と手をくっつけておけば、決して落とさないわけで、この場合の接着剤は反復練習です。何度も何度も持っていれば体が覚えて勝手に落とさないように持ち方を加減します。    練習なしには「落とさない」を実現できません。 >調べ物のこと  ありがとうございます。  言葉が少ないとヒット数が多くて絞れないと思っていました。余計な言葉を入れていると絞りすぎになってしまうんですね。  わかりました。  イメージ検索、やってみました。なるほど。ここからイメージを引っ張りだして、どれにするか絞れば「氷温庫」と「冷凍庫」を間違えるようなことはないですね。  活用します。 >語彙とか  お話は前後しますが「描写」に関連して思いついたことがありますので、こちらを先にします。  「ボンド」も「角材」も小学校の工作で使うものなので、当然どんなものか知っているはずだし、「背広」は日本の職業人の九割がサラリーマンで、サラリーマンは「背広」を着ていることのほうが多いというあたりを考えれば、10歳で知っていて当然、と私はそう考えていました。  そうではなくて。  「白いドロッとした液体で木に塗って他の木をくっつけて一晩置いておくと、木と木が離れなくなるもの」が「ボンド」というものだ。  「木で出来た長くて細い四角い切り口を持った工作の材料」が「角材」というものだ。  「大人の男のひとがよく着ているもので、胸元が大きく下まで開いていて、大きなポケットが両脇についていて、胸に小さなポケットがついていて、厚い生地で出来てて灰色とか紺色とかの洋服」が「背広」というものだ。  こういった認識を持つのは、つまり目にしているものが、言葉になって抽象化される瞬間は何歳か?  と考え直してみました。お手上げです。どう調べればいいのかもわかりません。  この場合、一般的なライトノベルの読者さんは「どうなのか」をお尋ねのはずで、私は「専門家でないのでわかりません」とお答えするよりほかないです。  専門家同士のお話でしたら「思います」は論外でしょうが、素人に言えるのは自分の印象ぐらいなものです。  私は「背広」を具体的に書くには何を書けばいいのかをかなり長いこと考えて持ち出しました。  視覚を使って見たものを書くためには、それは見た目どういったものかという「具体的な記述」がすらすら出てくる必要があるんだと思いました。 >>つまり、「昼間」なのか、「夜」なのか。  あ、いえ、それは。シナリオのお約束ごとでは「時間の指定が特になければ、昼間」となっていると聞きかじっていたものですから。小説でも特に指定がなければ「昼間」と思うものだと認識していたのですが。  小説ではそういったお約束ごとってどうなっているんですか?  というようなこともおうかがいしたかったんですが……。 >>目をつぶって思いかえすだけで、視覚、聴覚、触感やら匂いまで――すべてをありありと脳裏に思い浮かべられるぐらい、よく知っている「なにか」とか。  視覚、聴覚、触感、を表す言葉がまったく頭に入っていませんでした。  特に聴覚、触感、嗅覚に関してはゼロに等しいです。  聴覚……「耳をつんざく」「鼓膜を震わせる」「耳に突き刺さる」  触感……「ざらざらした」「さらさらした」「つるつるした」「なめらかな」  嗅覚……「すえた」「すがすがしい」「生臭い」  こんな程度しか、言葉が浮かんでこないです。これではどうにもならないですね。  えーと。つまり私は「実験場になっている宇宙船のエアロック」も「月への輸出を取り仕切っている宇宙輸出局の出願窓口」も「でかい虫が主な住人である異世界」も、知っているつもりで書いているのに「ぜんぜん書けてない」と言われているわけでして。  イメージの構築がしょぼいのは「調査能力が低いから」。描写が説明にしかならないのは「感覚を表す言葉が体に入っていないから」と抽象としての言葉を「具体的に書くことができないから」と、計3つの原因がはっきりしました。  どれも、すぐに上達出来ることではありません。  よくわかっているかたに訓練していただいて、2カ月経ったら描写が書けるようになっている、というわけにはいかないものだとはっきりわかりました。  それで、あれこれ話題をふっている途中で申し訳ないのですが、退室します。  ありがとうございました。 ○津荒さんへ  「法被」……ありがとうございました。  言葉を覚えなおしてきます。 ○弟切さんへ  いらっしゃらないうちにすみません。  ためになるお話、いつもありがとうございます。 ○名無し2号さんへ  というわけで、質問しておいて申し訳ありません。  とここまでオフラインで書いて投稿しようとしたところで、2号さんからレスをいただいているのを発見!  実は、ゆうべ退室したほうがいいと判断して、書き込もうとしていたんですが早まらなくてよかった。  ありがとうございます! >>「思い出を承る」のと「仲裁をする」のと、どちらが印象が強いんでしたっけ……。  あ、たしかにこの題名で自分史が完成せずに終わっては「だまされた感」が出てしまいますね。  タイトルをつけるのってむずかしいです。あんまりそのものずばりだとネタばれしてしまうし、関係なくては論外ですし(泣)。 >>説明文と描写文の違いのひとつとして、時間が経過するかしないか  時間の経過があるんですね。「女の子がピタッと立ち止まった」でしたら、歩いていて止まるわけですから、一応描写文ですね。 >>会話文(思考文)  「」くくりで入るものと、もっと狭い定義で考えていました。思考文もですね。わかりました。 >>「文章が癒着している」と言います。 ・地面には細かい木くずがまだらにひろがり、木の破片があちらこちらに落ちていた。(説明文)  私はこれを描写文のつもりで書いていました。リライトしていただきましてありがとうございました。参考になります。 >>鷹見さんの例だとまったく小説内で時間が止まらないってことなんですね。  あ、なるほど。そういう読み方があるんですね。そうか。意識できるようにします。 >視点について  一文目はまず全体像をと思って(ぜんぜんなってませんが)、離れたところから見た図です。二文目で女の子の視点なんですが、そういう移動が高等テクニックとは知りませんで。当分手は出しません。  ワンクッションあるだけで、ずいぶん印象が違いますね。参考になります。 >>そういう考えを持つものなのかどうか。  うーん。普段見えない建物の構造が見えていたら興味が湧くと思ったんですが。それならそれで書き方がありそうですね。 >>扉を開ければ、すぐに冷気を感じると思います。  あ。はい。 >>なんでそんなに怖がっているんだろう?  それは魂を無くした生き物が。なんですが。これは私自身整理不足と感じました。はっきり書きたいものを意識します。 >802 「貰われっ子ミーツ四姉妹」、やりなおしの1   読んでちょっと気になったところを。  「あたしは二番目の菜摘。統次とはタメね。学校は一緒だろうけど、クラスまで一緒 だったらちょっとビミョーかな。まー、これからよろしくねー」  「菜摘」のセリフのあと、動作が「遙」だったので、ちょっと混乱しました。菜摘を見ていたものですから、遙に目を移すのが遅れました。  四姉妹、それぞれ違う印象を受けました。  ROMは続けます。  それでは、みなさま。  短い予定をさらに短くしてしまって申し訳ありません。  ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さんへ No.7606 投稿日 2004年2月15日(日)19時36分 投稿者 津荒夕介 ○2号さんへ >あらすじとか  うわーしまった、低レベルな指摘をさせてしまってすいませんです。  アンナのほうは初歩的ミス。  異邦人は「可能性を知る」という変化だけにしておけばいいものを、欲張って「異邦人だと知る」まで入れてしまいました。  「勝利に導く」にしなかったのは、不注意でした。   >筋とか  どこまで細かくするのか。  うーん。できるだけ大きく分けるべきじゃないかと思います。  新木さんの例だと。    1「気持を誤差として無視し続けてきたガダルバという兵士が、幼女マリアが独り暮す楽園と呼ばれる平和な星で、ヴァロアという兵士を通して気持の大切さに気づく話」  2「感情に乏しい生物兵器イーザーが、仕事をする事で相方のサミィを大切に思うようになり、少し感情を得る話」   >>これ、どっちも「変化するもの」が同じじゃん。 >>「感情がない→少し感情を得る」  とありました。  細かくすれば、  1はガダルバがヴァロアに変化させられる話。  2はイーザーが自分で得ていく話。  二つは別の筋になります。ですが、同じとしてある。  ですから「悪を倒す」だけで十分……な、気がします。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠らないのは脳に悪いらしいです。 No.7607 投稿日 2004年2月15日(日)21時57分 投稿者 弟切 千隼  出先より戻りました弟切です。いろいろありまして、睡眠不足に拍車がかかりました(^^; 浦戸シュウさんへ >  予定より早く退室なさるとのこと、残念です。  でも、ROMはされるのですよね? でしたら、時々は指摘のために顔を出して下さい。分室には女性の参加メンバーが少ないため、女性の視点からの指摘が欲しい場合に、浦戸さんは貴重な戦力になります。御協力が得られれば嬉しいです。  今回はレスのみとさせていただきます。倒れて眠りこんでしまう前に、一仕事片付けます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7608 投稿日 2004年2月15日(日)22時00分 投稿者 新木 伸 ○津荒 >「なりゆきまかせの異邦人」 >>活発な女子高生エリは突然異世界に召喚され、変化のない日常から脱出したと喜ぶ。  津荒が筋を写し取ってくる長編って、僕も修業時代にやったものがけっこう混じっているもんで、なんだか懐かしい感じだなぁ。  1993年当時には、僕はもうプロデビューは果たしていたけど。しかし雑誌連載のみで、単行本はまだ出てなかった。小説修行をはじめて4年目ぐらいか。この本も、その頃に写し取ったもののひとつ。  しかしその頃って、津荒って何歳なのだ? 7歳?  よくライトノベルなんて読んでたなぁ。中学生ぐらいになってから、古本として入手したのかしらん?  まあ僕も7歳の頃には、図書室にある本は大抵読み倒していたけど(ただしSF系に限る)。  で、この話に関しては、僕が記憶の中に筋を写し取っているのだな。  いまでも800字あらすじが書ける。  ちなみに、この時すでに筋を写し取る達人になっていたから、わざわざ文章として書き起こしていたりはしない。頭の中だけに取ってある。津荒もそのうち出来るようになるよ。  その頃の僕が、100本なのか200本なのか、それとも500本くらいやってきていたのか、よくわからないけど。  まあ続けてさえいれば、いずれそのうち、誰でも絶対に、そういうふうになる。  そうなってくると、効率がいいぞー。ただぼんやりと読むだけで、自動的に筋が頭の中に保存されてゆくのだから。集中して読もうと気を入れなくてもいいのね。「物語」というものに触れただけで、もう自動的に最高の集中力が出てくるように条件付けされるわけね。  読むだけでいいんだったら、漫画雑誌一冊を1時間かけて読むだけで、十数本の筋が手にはいるわけだろ。ドラマを見ても1本だし。  また他人の書いたあらすじを読んでも、「完成予想図」が想像できるようになってくるから、800字に目を通すだけで、筋を1本手に入れられることになる。  またわざわざ細部まで読み込まなくたって、本を手にとって、ぱらぱらとめくっていって、重要なポイントだけ拾い読みしてゆくことで、あらすじを写し取れるようにもなってくる。本屋の棚の端から端まで、2〜3時間で全部あらすじ化して、頭に叩きこんで帰ってくることもできるようになる。  映画は早送りで観ていても、あらすじにできるようになる。  やろうと思えば、1日に300本ぐらい、楽勝で取れるようになるわけだ。  ――で、ちと指摘してみる。 >>活発な女子高生エリは突然異世界に召喚され、変化のない日常から脱出したと喜ぶ。  この部分。良い。  突然異世界に召還された女子高生が、うろたえることもなく、瞬時に自分の置かれた状況を把握し、さらに嘆いたり騒いだりしないで、喜ぶ――という意表をついた独特な展開を、うまくまとめたなぁ。  「日常から脱出できたと喜ぶ」というわけね。  ただし、主人公のまとめかたがよくない。  「活発な女子高生」というよりは、「バイタリティに溢れる女子高生」と表現するべきでは?  あの娘は単なる「活発」ってのとは、ちょっと訳が違うだろ。  もうすこし注意して言葉を選べ。 >>召喚した魔道士レックスはテストで呼んだだけだったのですぐに帰ってもらおうとしたが、エリはレックスの腕に腕時計をつけて爆弾だと脅迫し、また呼び出す事を承諾させた。  「腕時計に爆弾をつけて脅迫する」――ってくだりは、ここ、いらないだろ。  必要なのは「脅迫して再召還を約束させる」ということだけで、どうやって脅迫したのかなんてのは、些末な部分だ。  ていうか、そもそも俺が、この「どうやって脅迫したのか」って部分は覚えてなかった。  そこ筋とは関係ない部分だから、写してなかった。11年前に写し取ったときから、ずっと、頭の中には入っていない。  そして主人公が2度目の観光でやってきてから。  世界の説明などが、徐々に行われだすわけだが……。  ここは構成でいうと、「承」の部分ね。  召還されてきたところが、短いけど「起」の部分。  で、ここ「承」以降、なんだかよくわからん。  いきなり出てきた「王子」ってのが何者なのかわからんし。レックスと主人公との関係もよくわからない。王子とレックスとの関係もわからん。  人間関係なり、設定なり。筋に関わることで、必要な説明は、きちんと行うこと。 >>レックスの君主の竜人に国を滅ぼされた王子  日本語レベルで壊れてる。小学生から、国語をやり直してこい。  「レックスはある竜人を君主として仕えている。その『竜人の王』によって国を滅ぼされてしまった王子」――と、そのように読めるぞ。  ちがうだろ。実際は。  あと全体的に、まだ余計なエピソードを写し取ってしまっているせいで、必要な説明をする文字数が出せていないようだなぁ。  「二度目の召還では〜」「三度目の召還では〜」とか、津荒は毎回の召還ごとに細かく書いているよな。  俺が覚えている筋のほうでは、「何度か召還を重ねるうちに」などと、そのへんは大幅に、省略されているのだが。召還が何回行われたかなんて、筋とはまったく関係のないことだから、俺は写し取っていなかったぞ。 >>満天の星に感動するエリ  このあたりも、そうだ。  こんなエピソード、筋になにか関係するのか?  目立ったエピソードをただ写し取っているだけでは、あらすじにはならない。  そのエピソードが全体のなかにどのようにはまって、どんな意味を持つのか考えていかないと、ひとことでうまくまとめることができないわけだよ。  本流に属するものなのか、脇道に属するものなのか、区別が付かないと、どれを捨てて、どれを残せばいいのかも、わかんないだろ。  常に考えてゆくこと。  そのうち、考えなくても出来るようになってくる。 >短編と長篇との違い >> 長編と短編の違い、わかると思いますよ。  うん。  短編で扱える話の限界スケールは、わかっているようだな。  じゃあ、前に津荒の書いた「夢見ぬ少女」って話は、あれは、短編で扱うべき話だったの? それとも長篇で扱うべき話だったの?  あと長篇のスケールも「短編より大きくなる」なんて漠然とした言いかたではなく、きちんと定義しろっての。  さらに「シリーズで扱うべき話のスケール」っていうものもあるわけね。  「なりゆきまかせの異邦人」は、じつは3冊のシリーズだったわけだろ。  1冊ごとのあらすじも書けるけど、3冊通してのあらすじだって書けるわけだよ。  話には、まず4つのスケールがあるわけだ。 ・掌編(2000字程度)。 ・短編(50〜60枚)。 ・長篇1冊。 ・長篇数冊のシリーズ。  さらにこの上に、全数十巻とか、全100巻とか、そんな大河的スケールも存在するが。  日本でもそんな話を手がけている作家は数人もいやしないし、プロになってからでもなければ手が出ないだろうから、いまは考えなくていい。 >筋のパターン >>次までに、今まで書いたあらすじの筋をチェックして、重複が起きないようにしたいと思います。  おい、こら。  いままで書いてきた、たった20本――。  それっぽっち、覚えてないのかよ? もう忘れてるのかよ?  話の「筋」というものを、頭の中に写し取るための修行だろうが。そのためにわざわざ手を動かして、800字も書いているのだろうが。  覚えてないのだったら、いったいなんのために苦労していたのだ? ○2号 >>他の人がわかるように書くというのは、じつに勉強になるみたいです。 >>テストのレポート提出とか、なんのためにこんなことやるんだろうとか思っていたけど、もしかしたらこういう効果もあるのかも。  そう。おまえはこれまで、長い長い時間を無駄にしてきたわけ。6+3+3で12年、すごい無駄になったねぇ。  わざわざ「課題」なんてものを出してもらっていたのに、それを利用して学習効果を得ることもなく、無為に時間を過ごしてきたわけ。  締め切り、強制、ノルマ、課題――。  学校の宿題ってのは、尻を叩かれなきゃなにもやろうとしない怠け者を蹴飛ばしてくれる、たいへん「ありがたい」ものだろ。でも利用の仕方を失敗してきちゃったのだろうなぁ。  短編にせよ、掌編にせよ、生課題にせよ、誰かから「やれ」と言われて、条件と期日とを設定してもらったほうが、やりやすいもんだろ?  自分で自主的にやろうとしても、つい、サボってしまって、結局はなにもやらないで終わってしまうわけだろ?  しかし相手にとっちゃ、おまえが小説を書くか書かないかなんてことは、どうだっていいことなんだな。  学校の先生だって、生徒が宿題やってこようとやるまいと、たぶん、どっちでもいいはずだよ。先生はなにも困りはしない。  俺だって、困らない。  お前が小説を書こうが書くまいが、自分は自分の小説を書くし。お前が作家になろうがなるまいが、俺はなんにも困りはしないし。  この「分室」って環境を、もっと利用しろよな。  宿題は出るし。ケツを蹴っ飛ばしてももらえるし。  他の参加者に、自分のわかっていることを説明させてもらえて、さらに理解を深めることができる――という有り難い機会ももらえるし。 >802 「貰われっ子ミーツ四姉妹」、やりなおしの1 >>「この子は四女の芙由美、小学四年生。見てのとおり、ちょっとおとなしすぎるところがあるんだけど、まあ、そのうちなれると思うわ、たぶん。ええと、それじゃつぎは」  説明的台詞をありがとう。  …………。  ばかやろう。  リテイクだ。  ――てか、説明してやらないと、なぜどこがいけなかったのか、わかんないだろうなぁ。  説明する気も、ほとほと失せるような、くそくだらない出来なんだが。  しかたないから、説明することにする。  もういちどこんなもん読ませられたらと考えると、背筋が寒くなる。お前のためでなく、俺のために説明してやることになる。  俺は四姉妹を描きわけろ、と、そう言ったわけ。  長女を司会役にして、四人の「性格」を言葉で「説明」させろと、そうオーダーしたのではないわけ。 「もう、芙由美ったら。人見知りが激しいんだから」 「この子は四女の芙由美、小学四年生。見てのとおり、ちょっとおとなしすぎるとこ ろがあるんだけど、まあ、そのうちなれると思うわ、たぶん。ええと、それじゃつぎ は」 「あなたは簡潔すぎ。ごめんなさいね、統次くん。みんな、もっときちんと挨拶しな さいったら」 「遙ねーさんったら、ホント硬いよねー」  芙由美は人見知りが激しいわけね。そして、おとなしすぎるわけね。  亜樹菜は簡潔すぎるわけね。つまり素っ気ないということね。  遙は堅いわけね。ちなみに「硬い」は誤字で、性格をいうときは「堅い」が正解なわけね。  あとおまけに、こんな短いもののなかに、誤字が3つもありやがる。  おまえ、いったい、なんのつもり? ひょっとして俺にケンカ売ってる?  どこまで「ナメ」ても俺が怒りださないでいるのか、実験してチェックしていたりする? >文章の腑分け >>私が教えなくとも、浦戸さんなら過去ログを読めば自分で出来るようになるだろうと思いますが――己の修行と思ってやってみます。  人間っていうのは、直接、自分に向けられて発せられた言葉でなければ、頭に染みこんでいかないように作られているんだってば。  「過去ログ読め」で通じるなら、俺、お前に教えることは、もうなんにもないんだけど。 >>腑分けする効用、ふたつ目。 >>腑分けした文章を、さらにそれで描こうとしたものごとにわけてみる。  ここのところ、現物提示が必要。  なにか実際に見せてあげること。「こんなふうにやります」てな現物があると、わかりやすいだろう。  浦戸さんのものはサンプルとして使わないこと。自分で自分のものを腑分けしてみる機会は奪わないこと。  ああ、ちょうどいいから、「優しい嘘」の冒頭車内シーンを腑分けしてみそ。  あと「ファンタジー雑踏」の腑分け結果って、過去ログのどこかに上がってなかったっけ?  2号が腑分けの実習として、なにかを分類していた記憶があるんだけど。「ファンタジー雑踏」ではなくて、他の生課題のものだったかなぁ。 >>……もしかすると、プロって説明文は書こうと思わなきゃ書けないのかもしれない。アマチュアは描写文を書こうとすると説明文になっちゃうけども。  そうだよ。  って、前からそう言い続けているだろうが。  説明しちゃうより、描写しちゃったほうが、はるかに楽なわけ。  だから鷹見さんだって、書いてるだろうが。 >>「冷凍」倉庫と「冷蔵」倉庫は違うんだよ、ということを説明しようかと思ったんだけど、ぐだぐだ書くより、冷凍倉庫ってどんなところなのか、連れてった方が早いと思ったので、書いてしまいました。  おまえ、この言葉を、いったいどんなふうに聞いていたんだ?  自分の都合のいいように解釈してたのか?  プロは「時間を止めるな」ということを体に叩きこまれていて、そう仕付け済みで調教済みの立派なワンちゃんなんだよ。修業時代に、どこかで必ず、そういった条件反射を焼き込まれているわけ。  だから、プロが説明文を書くときには、無意識からの凄まじい「忌避感」だとか「抵抗感」だとかを押さえこんで、意志の力で「あえて」そこに説明文を置いてゆくわけ。  「よし」の声が掛かるまで食べちゃいけないと知りながら、あえて、食べはじめちゃったりするがごとく、「いけないコト」なんだよ。  説明文ってのは。  動いているシーンには「慣性」ってものが働いていて、説明文を挟むことで時間の動きを止めてしまうことは、すごく抵抗感のあることなのだ。  走っている列車が一瞬にして停止したら、中にいる乗客はみんな潰れて死んじゃうわけ。大事故でピーポーピーポー、大変なわけ。  だからどうしても説明が必要なときには、配慮をするわけだ。  時間の動きを急に止めてしまうとショックがデカくなる。なるべく、ショックの少ないやりかたで、スムーズに時間を止めてゆく。さらに時間が止まっている時間は最小限にして、また時間を動かしはじめる。――とか、やるわけ。 ○浦戸さん  ……と、ここまで読みながらレスを書いてきたら。  突然の退出宣言。  もういちど考え直しません? 浦戸さん。  どのみち期間限定なのですから、その後は自習になるのだとしても、それまでの時間は盗めそうなことを、いっぱい持ち帰りにしておいたほうが、自習の時の材料も増えていいんじゃないかと思うのですが。  うーん。  つい、いつもの癖で、手厳しく叱りすぎてしまったのだろうか。  ほら、ここでは「希望者→志望者」に人間を生まれ変わらせなくてはならない関係上、性根を入れ替えさせるために、「はらわたに響く罵りかた」みたいなものに、つい特化していっちゃうわけです。  料理教室に来ている料理長が、自分のところの見習いを叱りとばすのと同じ調子で奥さまを叱ってしまうのは、それ、明らかに、料理長のミスなわけでして。  えーと、つまり、ごめんなさい。(ようやく謝るやつ)  浦戸さんをここに呼んできたのは――。  料理が趣味の奥様をこきおろして恥をかかせることが目的ではなく、家庭料理の中でも役に立つコツを持っていってもらって、すこしでも美味しい料理を作ってもらおうと思ったからです。  もし、自分が不必要に恥をかかされていると感じられましたら、遠慮なく、糾弾してください。  実年齢では、僕のほうが6歳ほど年下ですし。小説のプロとアマチュア――なんていう線引きを外して、世の中でただ顔を合わせたなら、ただ単に一社会人と、一社会人なわけですし。  「あなたは威張り散らすために私を呼んだのではなく、なにか、小説に役に立つことを教えるために私を呼んだのでしょう?」と、そう僕を叱ってください。  不器用な料理長は、プロ志望ではない人たちとどう接していいのか、わからないわけです。料理長は、料理の腕前だけは凄いのかもしれませんが、人付き合いだとか、人間としては――ちっちゃいやつなのかもしれません。  二十歳頃から人間としての時間はストップしていまして、もう料理一直線だったもんで。料理人としては成長していますが、人間としては、二十歳のままですので。  まあ、このあたりが、僕が(仮)に出入り禁止を食らっている理由でもあります。また僕のほうにも、自分がミスをやらないで済ませられる自信もないので、その処分を甘んじて受けているわけですが。  ――で、浦戸さんの場合なのですが。  もう自分でも自覚されていますように、すぐにはどうにもならない部分が、いくつもあります。そればかり目立ってしまって気づいていないかもしれませんが、すぐにどうにかなる部分もあるわけです。  なりゆき的に、はじめは「すぐには直らない部分」のほうを指摘してきました。  しかしこのあたりから、そろそろ、「すぐに直せる部分」に入ろうと思っていたのですが……。  そのへんのノウハウを持ち帰ることなく、このまま撤退では、あまりにももったいないかと思うんですけど。  たとえば2号に解説させた「文章の腑分け」のことだとか。  あれは描写と説明との見分けかた――の、実践的なノウハウなわけです。  僕としては、浦戸さんが実際に実習されて、たしかに腑分けできるようになるところまで見届けておきたいのですが。  まあこれは僕自身のため――って意味合いが多いのですが。「アレとアレはたしかに伝わった」と安心できるかどうかってこと。  3月いっぱいまで期間があるなら、自分の書いたものに対して、どの部分が描写になっていて、どの部分が説明なのか――と、はっきり自覚して分析できる「土台」までは作れるかなぁ、と、そう思っていたのですが。  なにが描写で、なにが説明なのかが、はっきりわかるようになっていれば、あとは自分の手だけでも「描写」を磨き上げてゆくことができます。  浦戸さんの場合には、作家志望者のように「○以内にプロになる」――なんて目標を掲げているわけではないのですから、一生かけて、ゆっくり上達していけばいいわけですし。 >5W1Hのうちの「いつ」 >>シナリオのお約束ごとでは「時間の指定が特になければ、昼間」となっていると聞きかじっていたものですから。  小説でも、なにも指定がなければ、まあ「昼間」となる原則は同じです。  それはどの物語でも同じこと。  だから「たぶん昼間だと思ってもらえる」とは書いてあるわけです。  しかし、確定させておくに越したことはありません。「たぶん昼間だと思うんだけど、どうかなぁ?」と思わせてしまうよりは、「ああ、昼間だ。間違いない」というほうが、読者はすっきりとしますし、気持ちを切り替えて、他のことに注意を向けられるようにもなります。  どうやって昼間を確定させるかというと――。まあそこは知恵の絞りどころで、工夫のしどころなわけですが……。  最近、2号の書いた掌編の「桜の枝」をサンプルに出します。  あれは桜の花びらが舞う中で、少年が木刀を振るって、それを老人が眺めているというシーンからスタートします。  なぜ桜が咲いているのか、4月っていう季節になにか意味があるのかは、わからないのですが……。  時刻のほうは、まあ、たぶん昼間なのでしょう。  しかしそこで、2号はスズメを鳴かせているわけですね。  鳥が活動するのは昼間だけです。  なので、スズメが鳴いていれば、「ああ。昼間だ。間違いない」と、読者はそう考えるわけです。  ここで、「昼間」だということは、確定します。  たとえば「工事現場」のほうでも、食べ終えたお弁当の箱のひとつでも転がしておいたら、「ああ。いま午後だね。間違いない」となります。  また太陽を出して、それが作る影について記述があれば、「ああ。昼間だ。しかも太陽が真上にあるから、午前10時〜午後2時ぐらいのうちの、どこかだ」と思ってもらえます。  ちなみに、「セミ」でも鳴かしていたら、「夏」と「昼間」ってのが、一発で確定します。 (最近、実際には、蝉は夜中でも鳴いていたりしますが……。まあ一般認識ということで) >「ボンド」「角材」「背広」の認識  「ボンド」――を、「白くてどろっとしている、ものをくっつけるもの」ではなくて、「ボンド」という名前(抽象概念)で考えられるようになるのは何歳からか。  「背広」――を、「おとうさんが“カイシャ”ってところに着てゆく服。おうちにいるときと、日曜日に出かけるときには着ないもの」ではなく、「背広」という名前(抽象概念)で考えられるようになるのは何歳からか。  見知っている概念に、言葉が割り当てられるのは何歳なのか。  僕らプロも、教育や知性の発達段階を研究している専門家ではないので、確実なことはいえません。  なんとなく、適当に、見当を付けて、「自分的には何歳くらいが目安とする。その子の精神年齢によって数歳幅で調整」とやっているに過ぎません。  自分の仕事に不都合が生じない程度に、詳しくなっているだけです。  人物造形に必要な「精度」ってのは、そうたいしたものでもありません。  自分自身の幼少期の不確かな記憶を辿ってみたり、近所の子供を眺めながら、その使う言葉を聞きとってみたり。――そういうことをして、だいたいの「あたり」を取っているだけです。  アパートの下の子供がとてもうるさくて、その声がいやでも耳に飛び込んでくるのですが――そういうのも、役に立ってますね。「ああ。○歳でもう、あんな言葉を使うのか」とか、日々発見があったり。 >苦手分野をパスする訓練法  上記のように、「何歳でなにを知っている」ということを考えてゆくことは、「小説力」のうちのどのへんに分類されるものかというと――、「人物造形力」というところですね。  そもそも、浦戸さんがここに来られたのって――。  あれもこれもいっぺんにやっていたら大変だし、手に負えないから、とりあえず「描写」だけ――ということだったはずです。  「人物造形」に関することとか。「知識」に関することとか。  そちらのほうで「全然足りない」ということを思い知ったとして、それで撤退されてしまうのは、本来の目的とは違うのでは?  そういう部分が足りないということも、はじめからわかっていたはずなのですが。  ――で、いろいろ足りないなかで、描写力だけをピンポイントで練習するための練習方法ってのも、考えてあったのですが。  とりあえず、それを話させてください。  撤退されるかどうかは、考えてみてからということで――。  人物造形をパスするには、視点キャラに子供なんて出さないで、自分に近い人間を出してみるわけです。41歳、女――とすれば、視点人物を造形しなくても済みます。  また「知識」や「調査力」をパスするには、調べなくても済み、自分のよく知っているものを描こうとすればいいわけです。  たとえば――。  実際に足を出向かせて、観察可能なものだとか。  「近所の公園の昼間のようす」なんてものでもいいわけですし。「洗い物が積み上げられた流し台」だっていいわけですし。  また観察するのと同じぐらい、精細に思い浮かべることのできる場所でもいいわけです。  たとえば、僕は自分の車の中に関しては、なにがどこにあって、どこはどんな手触りがするのか。匂いはどうか――と、すべて、詳細に思い起こすことができます。わざわざ駐車場まで出かけていって、車内に入ってみる必要さえありません。  誰しもそのぐらい「よく知っている」ものは、なにかしらあると思うのですけど。  そういうものを題材にして、「自分の知っている感覚」を言葉に書き写してゆくという、「描写」の練習だけを行うこともできるはずです。  たとえば、「洗い物がいっぱいの流し」を描写するとしましょう。  単に「練習のための練習」ではおもしろくないので、もうすこし実際の小説のワンシーンとしても仕えそうな、実戦的なシチュエーションとなるように、すこしだけ変更してみますが――。  こんなシチューエーションは、どうでしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・視点人物−41歳女。 ・甥の部屋に訊ねていったら、その流しの汚さに愕然としてしまい、つい洗い物を開始してしまう。本題の用事はすっかり忘れてしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (浦戸さんは自炊されていそうなので、「洗い物」は容易にイメージできると判断してのことでして)  「41歳女」を「26歳女」にして、「甥」を「彼氏」に変えたりすると、もっとありそうで、どこかで見たようなシチュエーションになったりします。なんかの小説や物語で、こんなシーンはよくありそうです。  41歳女も、26歳女も、思考や感性自体は、そう変わりません。  すくなくとも10歳女児よりは身近なはずです。自分の26歳当時を使えばいいわけです。  こうすることで、「人物造形」の部分は後回しにして、描写だけを練習できます。  また「台所と洗い物」という、よく知っていることを題材とすることで、「知識(調査力)」ということを身につけるのは、後回しにできます。  なにもかも、いっぺんにやらなければならないとなると、どうにも手に負えなくなりますから。  できるところから、身につけてゆくしかありません。 >>目をつぶって思いかえすだけで、視覚、聴覚、触感やら匂いまで――すべてをありありと脳裏に思い浮かべられるぐらい、よく知っている「なにか」とか。  ここで言っていた「なにか」というのは、上の「洗い物をする感覚」とか、その程度のものなわけです。  そんな大層なものでなくても、いいんです。  スポンジや泡の手触りだとか、油汚れのついた皿の手触りだとか、ソースのこびりついた感じだとか、乾いた野菜の張り付き具合だとか――。  描写しようと試みる段階では、言葉でうまく言い表せなくても、かまいません。  その「感覚」に言葉を探してきて、なんとか言い表そうとするのが「描写」という行為の本質です。  プロになったとしても、永久に、付きまとってくる課題です。  この「洗い物をする感覚」ですが――。  僕は立派に「描写すべき体験」だと思っています。そのうち、機会があれば、作中の一シーンとして、自分の小説の中で描くでしょう。  でも「洗い物をする体験」ってのが、描写すべきことに値するなんていうことは――。自炊していて、毎日のように洗い物を片づけている人には、まるで自覚がないことでしょうね。  ありきたりで、あたりまえなその「体験」が、貴重で価値があるものだなんて、思いも寄らないはず。  しかし――。  じつはそれは、世の中にまったく知らない人間がいるような、そんな貴重な「体験」なんですよ。  世の中には、皿の一枚も洗うことなく一生を終えてゆく人間が、けっこうな数、存在しているんです。  台所に立ったことのない男なんて、ザラにいます。一人暮らしをしていても、炊飯器さえなくて、三度の食事はすべてコンビニ弁当かカップ麺――なんて男も、大勢いるわけです。  汚かった皿が綺麗になってゆく。  洗い終えた後の爽快感――なんてものを、知らない男がいるわけです。まあ女の人でも知らない人はいるでしょうが。  そういうシーンを描写して文字に写し取ったのなら、そういう人たちに「体験」させることができるのです。  「洗い物」というものがリアルに描かれてあれば、洗い物をしたことのない人間は、「ほう」と椅子の上で座り直して、眼鏡のズレを直して、それを読むでしょう。  また毎日のように洗い物をしている人間でも、「そうそう。そんな感じよね」と連帯感を感じて、喜んでくれるわけです。  なにも宇宙船に連れて行ってみたり、エアロックに連れていってみることばかりが、描写ではないわけです。冷凍倉庫でなくたって、「台所」に連れていってくれるのでもいいわけです。  それだって、描写だし、ある人種にとっては「未知」の体験なわけです。 >洗い物したことない人間  洗い物をする「感覚」ってのが、どういうものか、まったく知らないやつ〜。流しに山ほど詰まった皿を綺麗にしたことが、一度もないやつ〜。  いたら手を挙げること。  連れていって欲しいと思っている者――いたら申告のこと。  津荒と2号あたりが、怪しそうだなぁ。(笑)  浦戸さんが、連れていってくれるのかもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- >名無し君2号 さんへ(課題部屋#791) No.7609 投稿日 2004年2月15日(日)23時05分 投稿者 とんびの羽根  えーと、はじめましてですね。  どの部分を指摘すればよいのかがどうやら見えてきたので、初指摘をさせて頂きます。 >No.104「ロマンティックな光景」 >>行く手をさえぎるものは、空にも海にもない。  ここで外洋の(に向かう)洋上ということが確定するんですがよいでしょうか。  これを前提に描写のチェックをしてみます。 >>かすかに聞こえる波の音に、カモメの鳴き声が混じっていた。  船に乗っている感じが全くありません。  船の動力機関の立てる振動、騒音、低周波音、水をきる音、排出する水音  船体の横揺れと縦揺れとそれにともなう船体のきしみ、身体の沈み込み、持ち上がり  船の匂い、潮の匂い、重油の臭い  潮風の風音、外洋の大きな波と船のぶつかり合う衝撃  風の冷たさ、沈む夕日の暖かみ  これらのうち、何を描写すれば読者を洋上の船に乗せられると思います?  現状では、機関を止めて停泊中の遊覧船の船上がいいところで、下手すると本四架橋どころか海辺の岸壁にしか連れて行けません。  またこれらのなかに、後のストーリー展開上必須の描写がありますね。  酒酔いと船酔いにリアリティーを出すために必要なモノなんですけど。わかりますか?  ほかに窓ガラスと景色の描写、そして船室の描写についても違和感があります。  いったいどんな船なんだ、この船は。フェリーなのか、遊覧船なのか、クルーザーなのか、操舵室なのか、一等客室なのか(の訳ありませんけど)  最後にこのタイトル>「ロマンティックな光景」  だけでボツ決定だと思いました。新木さんはクリックしないのは確実。なぜでしょう…… >2号さん 名前候補  はじめて2号さんに書き込みをするとき、絶対これははずせないと思っていました。  七瀬郷司(ななせごうじ)  姓の候補:七瀬、名無瀬、菜名瀬  名の候補:郷司、剛二、豪次  理由1:名無し2号と発音が近いのですぐに分室の参加者には見分けが付く  理由2:姓は柔らかく、名は硬くと作品で硬軟使い分けができる  理由3:上半身は女性的、下半身は男性的という取り合わせがラブコメからセクハラまで幅広く対応を正当化する >津荒さん >課題部屋#800 「グレネーダー」 >>その二人に少女が近づきアメをくれる。少女が尊大な男にぶつかり、虐待を受けるが、人々は助けようとしない。 >>二人は物陰に隠れる。男は面倒だから逃げようと言うが、女が先ほど貰ったアメを見て、助けると言う。  この話少女がいなくても成り立つ話なんでしょうか?  つまり。もしこの女の子にふたりが会わなかったら (1)男は閃士に切りかかったのか (2)女は閃士を撃退しようとしたのか  もし成り立たないとしたら……当然一行あらすじはおかしいということになるのですが >課題部屋#801「」ITAKOのANNA」 >>話を信じないマニアは武力に訴えたが、侍が憑依したアンナに退治された。  この話、刀にやどる侍の霊がANNAの身体を借りて刀を守る話なんじゃないだろうか  つまり刀に侍とその恋人の霊が宿っていなくても(持ち主とキノとの約束のために)  (1)ANNNAはマニアをこらしめようとしたのか  主人公が憑依されて話が展開する場合、話の主導権が主人公の側にあるのか、憑依した霊の方にあるのかじっくり考え方がいいですよ。 >>悪を倒す  本当にそれでいいでしょうか。  勧善懲悪モノとよばれる話はすべて悪を倒すという筋一本。  善悪の二分法で筋をみればそうなるかもしれませんけど、そういう単純化はちょっと待てがかけられていたのではないでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------- おしごとちゅう No.7610 投稿日 2004年2月15日(日)23時37分 投稿者 新木 伸 >描写と説明  ふむ。いま自分もちょうど気合いを入れて描写を書いていたりするけど。  時間が流れない、という見分けかたで説明文を識別できるのは、たしかに、そうだな。  時間の流れている「描写」と、時間の停止している「説明」とで、段落を分けるのが基本の型というのもその通り。  ――が、いま俺は実戦のなかで剣を振るって、あれこれぶった斬っていたりするわけだが。  自分の剣の振るいかたを客観的に観ていると、かならずしも、型通りにやっている――ということでもないようだ。  いつもいつも型通りにやるよりも、あえて描写と説明とを癒着させて、同じ段落に入れこんでしまうことで効果が上がるときもあった。  まあ、型通りにやっても、書けるんだけども。  あと描写のなかに、あえて説明をまじえることで、効果があがる時もある。  うんうん。「イヤらしさ」が当社比50%ほどはアップしたぞ。  このシーン、ボツにならなきゃいいのだが。まあ最近の電撃文庫を見るかぎりでは、ぜんぜんOKラインのはずだが。 >ロマンティックな光景 >>最後にこのタイトル>「ロマンティックな光景」 >>だけでボツ決定だと思いました。新木さんはクリックしないのは確実。  はっはっは。  とんびさん、わかってるー。  うん。読んでない。  実際、クリックもしてない。  タイトルだけで、読む気が失せた。  一行あらすじも読むのやめようかと思ったけど、まあ1行だし、気力を振りしぼって読むことにしたけど。 >>ロマンティックなムードを楽しもうと、恋人とフェリーに乗りこんだ女性が、酒で酔いつぶれてその雰囲気をぶちこわしにした彼氏に大激怒する話。  「変化するもの」の対応関係が取れてない。  「転」までで、「結」のない尻切れトンボ。  ロマンティックなことへの「期待」が初期状態であるとして、それが「大激怒した」結果として、なにに変わったのか。  これでは不明。「大激怒」というのは変化の途中過程であって、終着点にあらず。  「期待」に「激怒」を加えたら、どんな化学変化が起きるのだ?  「生卵」を「加熱」したら、ゆで卵になるよな。その「できあがるもの」が書いていない。  本当に、ただ、怒って終わりなんだろうなぁ。――と、そう予測する。  怒ったあとで、なにかあるなら、それぐらい書いてあるだろう。書いてないのは、本当に、怒っただけで、そのあとになにもないということだろう。  書いてないだけなのではなくて、ないから書けないだけなのだ。  まあ、新規キャラを開発しようとして書き始めて、筆が滑って書いてしまった「へんなもん」のうちの一本なのだろう。  試作品として課題部屋の容量を1600文字=3KBかそこら使ってくれてもかまわないが、僕が読む必要は、まるでないわな。  開発した新キャラは、いつか、他の話で見せてくればいいし。(新キャラ開発に成功していればの話だけど) (課題部屋の容量もタダじゃねーんだぞ、ばかやろう。俺は20MBを借り受けるために、毎月650円ものカネをレンタルサーバー会社に支払っているんだぞ。まあ4KBぐらい、いいけどさ) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7611 投稿日 2004年2月16日(月)01時18分 投稿者 新木 伸  いまみやびさんのところに電話を入れてみたら、あれじゃわからんだろ、と叱られてしまった。だいじなことを掴みかけているのだから、ちゃんとわかるように言ってやらないと、と言われてしまった。  まあおたがいに執筆中なわけだけど。  向こうは締め切り4日前だけど、実質的には2週間前ってところかな。締め切りって伸びるもんだし。  まあ「執筆中」というのは作家の日常であるわけで、だからどうということもないのだけど。 >浦戸さん  浦戸さんは、自分で見つけていますよね。  まだ心も概念も幼くて、ボンドを「ボンド」という言葉で言い表すことができなくて、「白いドロッとした液体で木に塗って他の木をくっつけて一晩置いておくと、木と木が離れなくなるもの」――としか言えない「精神」。  そういう「存在」がありうるということを、浦戸さんは自分で見つけてきましたよね。  また、大人とまったく同じに、「ボンド」を「ボンド」と呼べる存在っていうのも、浦戸さんは定義していましたよね。  ――で、いま悩んでいるのは。  10歳の女の子がどっちになるのか、それがわからないということですね。  「工事現場」の視点キャラが、2号や僕が受けた印象のままだと、だいたい10歳ぐらいです。あの娘は10歳ということで良いですか?  ここのところに、僕はこう回答しました。  「プロだって、そんなことはわからない」――と。  このままだと、「自分だってわかんないのに、なんで私のことは叱れるのよー、ぷんぷん!」となってしまうので、補足してみます。(と、みやびさんに指摘された)  僕も実際のところはわからないのですね。  10歳の女の子が、「ボンド」という言葉を普通に使うのか。「白くてどろどろしたやつ」としか言わないものなのか。  わかりません。――が、決めはします。  僕の思うところの10歳の女の子は、「ボンド」と言われてもぴんとこなくて、「白くてどろどろでくっつけるやつ」だと、ぴんときます。そういうことであると、僕は定義しておきます。  いざ決めてしまうまでには、自分にできる限りは考えてみます。  前の書きこみで書いたように、自分の記憶を掘り返して思いかえしてみたり、アパートの下の子供たちの会話を聞いてみたり。  ――または、二次情報になってしまうのであまりお勧めはできませんが、他の作家が書いた漫画作品や、小説作品や、その手のものを見て、僕が「年相応だなぁ」と感じられた子供たちを参考にするけわです。  わからなかろうが、なんだろうが――。  判断に必要な充分なデータがあろうが、なかろうが――。  とにかく、決めなければならないわけです。  そうでなければ、一行たりとも、書けやしないわけです。  小説を書くという行為は、選択をしてゆくという行為の連続です。あらゆることを常に選択していかなければななりません。  10歳の子供を作中に登場させるからには、その子がなにを知っていて、なにを知らないでいるのかを、作家は決めておかなければならないわけです。  まあプロでも、決めるときには、かなり思いきりと度胸とで決めてしまっているわけです。だいぶ適当です。かなりいいかげんです。  ですが――。  そうやって決めてしまう前には、ほんの少しではありますが、一応は「考えて」いるわけです。 >>「ボンド」も「角材」も小学校の工作で使うものなので、当然どんなものか知っているはずだし、「背広」は日本の職業人の九割がサラリーマンで、サラリーマンは「背広」を着ていることのほうが多いというあたりを考えれば、10歳で知っていて当然、と私はそう考えていました。  でもこれだと、「考えている」とはいいませんよね。  思考した結果、「私の話に出る10歳は、そういうことにする」と決めたわけではないです。  「だって当然だろうし」と、ただ、そう思いこんでいただけですよね。  いわば「そう思っていた」という状態なわけです。  このへんを指して「根拠がない」と言ったわけでして。  考えたうえで決めたものではないので、本当に「思います」ということでしかないわけです。なので、「話にならない」と言ったわけです。  専門家は専門家なりに――。  素人は素人なりに――。  自分にできる範囲内で、考えなければなりません。  僕の見極める「10歳にふさわしい語彙」と、浦戸さんの見極める「10歳にふさわしい語彙」というのがあるわけです。  たしかに精度は違うかもしれません。読者の前に並べて出したときに、僕のほうの「10歳」のほうがより子供らしく感じられる。――と、なってしまうかもしれません。そのくらい出来ないとプロとしては失格ですし。  が、しかし、どちらも「考えて、見極めた」という点では、一緒ですよね。  自分のできる範囲内でベストを尽くそうとする姿勢は一緒ですね。  ――で、はじめに浦戸さんの出してきた「10歳の女の子」は、当然留意しているべき「10歳の少女の使う語彙」に、まるで配慮がありませんでした。  そこを指摘したつもりでした。  そうしたら、浦戸さんは、「白くてどろどろしてくっつけるやつ」と、すぐに出てきたわけですね。  しかし「ボンド」をそういう見方で見てしまう幼い精神が、何歳までのものなのかは、自分には見切ることができない。――と、そう白状してくれてます。  僕のアドバイスとしては、「そんなもん適当でいいんですよ」です。10歳までは「白くてどろどろしたやつ」だと決めてもいいし、いや10歳ならすでに「ボンド」とわかってると決めてもいいです。  考えたうえで決めたのなら、どちらでもいいです。  最終的な判断は、読者が付けてくれます。「この10歳はぜんぜん子供っぽくない」とか、「10歳という年齢をデフォルメして子供っぽく書きすぎる輩が多いが、この10歳は非常にリアルである」とか。  なにかしら、裁定が下るものです。  料理を作るのが、料理人の仕事。  それを味わって、「うまい」か「まずい」か判断するのは、これは読者の仕事。  料理人は、自分にやれることを、やるだけです。  ちなみに2号が「四姉妹」のほうで、10歳の女の子を、やたらとデフォルメして子供っぽく描いていますが……。あれは、一読者としては、どう思われます? ――だめ? ――よし? P.S.  ちなみに僕の場合、10歳を商業レベルで登場させて納得させるのはまだ無理そうなので、その前の試験として、「12歳の女の子」というのを出していました。星くず8巻から。  「あいつ変だよ」とクレームもついていないので、いちおう、読者には受け入れられた模様です。  調子に乗って、いま書いている巻では動かしまくっています(笑)。 -------------------------------------------------------------------------------- 指摘ありがとうございます。 No.7612 投稿日 2004年2月16日(月)02時10分 投稿者 津荒 夕介 ○とんびの羽根さんへ    一行あらすじの指摘、了解しました。  ほんと穴だらけ……。すんません。 >筋  「悪を倒す」という筋は、「感情を得る」と違って複雑に分かれるから、細かくすべきだ。  なるほど、確かに。  それでやってみます。   ○新木さんへ >「なりゆきまかせの異邦人」とか >>中学生ぐらいになってから、古本として入手したのかしらん?    おー。その通りです。 >指摘とか  うーん。ダメダメだなぁ……。  1日本語くずれ。  2余計なシーンが入ってる。  3言葉の選びかたが、ざつ。  了解です。 >短編と長編の違い  夢見る少女は、長編ですね。    敵を倒すだけならいいのですが、敵の価値観が普通じゃないので短編じゃ理解してもらえない。  悪いのか、なんなのか、よーわからん敵を倒す話。としか読めないでしょう。  百目が悪い妖怪をこらしめる! だけだったらよかった。(物足りないけど)     さらに、変化の度合いが大きいので、短編では無理。  (というか、そんなに変化させる気はなかったんです。作中でも些細な変化しかしません。しかし、作中の変化は、負から負の状態でした。  負の状態を出したのなら正の状態にしなくてはいけない。読者が納得しないから。  だから失敗)    長編の定義  1内部変化の場合、その度合いが大きくてもいい。新しい概念を得るとか。キライだったものを、少し好きになるとか。  2外部変化は、スケールが大きくないと寂しいので、大体大きい。あと複雑な変化もできる。  3テーマが難解。読者が知らないような概念を、読者に提示する。  4キャラを最低四人は出さないといけない。  5設定がオリジナルで、いろいろあってもいい。  6キャラが普通じゃない人でもいい。    こんな感じ。  で、掌編は  1内部変化は単純。喜怒哀楽とか。  2外部変化は小さいし、単純。  3テーマは簡単。読者に一般的に知られているもの。  4キャラは少ないほうがいい。  5メジャーな世界観を使う。  6キャラが普通の人。    長篇数冊のシリーズは、日帰りクエストシリーズ(なりゆきまかせの異邦人のシリーズ)持ってますので、読んであらすじ書いてみます。    >筋のパターン  >>それっぽっち、覚えてないのかよ? もう忘れてるのかよ?  ええと、そうではなくて、確認でチェックをしよう、という意味でした。覚えてますよ。   でも今のままの覚えかただと、一年もたてば忘れてそう。正しくあらすじをとらないと、保存になりません。    ……それで分けてみたんですが、どうも大きすぎたらしいです。  2号さんと、とんびの羽根さんに指摘してもらったので、今度はどうにかなるかな。     -------------------------------------------------------------------------------- レスのみ No.7613 投稿日 2004年2月16日(月)14時06分 投稿者 名無し君2号 >とんびの羽根さん  よろしくお願いします。 >No.104「ロマンティックな光景」 >>船に乗っている感じが全くありません。 >>船の動力機関の立てる振動、騒音、低周波音、水をきる音、排出する水音 >>船体の横揺れと縦揺れとそれにともなう船体のきしみ、身体の沈み込み、持ち上がり >>船の匂い、潮の匂い、重油の臭い >>潮風の風音、外洋の大きな波と船のぶつかり合う衝撃 >>風の冷たさ、沈む夕日の暖かみ >>これらのうち、何を描写すれば読者を洋上の船に乗せられると思います?  「揺れ」ですね。甲板に出ていれば当然ながら潮風の匂い、冷たさ、水しぶきもありますが。  振動や騒音はそれほど気にはならないはずです。たとえば夜になって、静かななかで目を閉じるなりすれば妙に耳につくはずですけども。匂いも慣れるはずだし……。 >>いったいどんな船なんだ、この船は。フェリーなのか、遊覧船なのか、クルーザーなのか、操舵室なのか、一等客室なのか(の訳ありませんけど)  これはフェリーの二等客室のつもりでした。  それにしては描写が足りないんですが。 >>最後にこのタイトル>「ロマンティックな光景」 >>だけでボツ決定だと思いました。新木さんはクリックしないのは確実。なぜでしょう……  読ませようとする努力が感じられないから、でしょうか。  努力します。 >名前  名波薫二郎(ななみくんじろう)とか思いついたり。結局これもシャレだったり。 >浦戸さん  ROMっているとのことなので。 >ショッキング・ピンク、感想  こちらに書いてしまいます。だって某ごはんだと消えるし。  本編を読んだことのない人が理解できるように書けばいいはず。だと思うんですけど。 >描写  依頼人である乾家の描写、主人公である文絵の描写、自分史を書く対象である乾絹子の描写、嫁である乾はるみの描写。  このように細かい描写が立て続けに重なるので、読むのにすこし疲れました。この描写ラッシュが終わるとようやく話が動きはじめて、それからはすらすらと読むことができましたが。  描写って、本当は読者に負担をかけないためのものらしいですけども。  依頼人である乾家の描写を抜粋。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  朝のおだやかな日差しを受けた桜の木があった。ふしくれだった幹の上に淡いピンクのかたまりがもやっと盛大に載っていた。ピンク色の中から黄緑色がところどころ顔をのぞかせ、時折、薄い小さな花びらが舞いながら落ちていた。背の高い観音開きの入り口が桜の木の右手奥にあった。家の右寄りの奥まったところに黒っぽい二枚の扉が見えていた。  木之下文絵はあんぐりと口を開けた。だいたいの大きさは住宅地図でわかっていたが、門から家を眺めてその威容に驚いた。  敷地の境界は灰色の低い塀が取り囲み、家は塀から何メートルも離れて建っていた。家も扉も窓も大きな二階建てで、黒い瓦屋根がずしっと家を押さえて落ち着かせていた。黒みがかった灰色の壁に思い切り広く取られた窓がはめ込まれていた。玄関のエントランスからは表面がざらついた感じがする長方形の石が敷かれ、ゆるいカーブを描きながら桜の木の横を通り両開きの門扉まで続いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まず目につくのは描写が点になっていること。カメラワークが変ということですね。それはすでに指摘されているようなので、べつの指摘をします。  「短期記憶」って言葉を知ってますか。  たとえば、電話番号を覚えるとしてみてください。多くて8桁ぐらいですか、それを覚えるとします。  どのくらい覚えていられますか?  せいぜい数十秒だと思います。そしてけっこう負担になりますよね。たかだか数字が8個あるだけなのに。それだけを覚えればいいのに。  人間の記憶ってそんなものらしいです。  数字なら意識して7個程度。個人差があるようですが、物覚えがいい人でも9個ぐらいなはずです。これを「短期記憶」といいます。興味があったら調べてみてください。  で、小説を読むときにもこれは当てはまります。  文章には単語がありますよね。読者が負担なく単語を覚えていられるのは、せいぜい4個か5個程度らしいです。 >>玄関のエントランスからは表面がざらついた感じがする長方形の石が敷かれ、ゆるいカーブを描きながら桜の木の横を通り両開きの門扉まで続いていた。  「玄関のエントランスからは」「表面がざらついた感じがする」「長方形の石が敷かれ」「ゆるいカーブを描きながら」「桜の木の横を通り」「両開きの門扉まで続いていた」  6個も単語がありますよね。  けっこうな負担です。電話番号を覚えなきゃいけないくらいの。  読者に負担をかけずに覚えてもらえるためには、どうすればいいのか。  いくつかあると思いますが、一番てっとり早いのは単語の数を減らすことですよね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  玄関のエントランスからは、長方形の石がゆるいカーブを描きながら敷かれ、文絵のいる門まで続いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これなら負担は少なくなります。覚えるのも楽。  とはいえ、これだけじゃ伝えられることにも限界があります。  ならば、読者が覚えやすいかたちにして書く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  玄関のエントランスからは、長方形の石がゆるいカーブを描きながら敷かれ、文絵のいる門まで続いていた。  ざらりとした表面の敷石に、文絵は足を踏みだした。  横目に桜の木を見ながら、玄関へと向かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  最初の段落、「玄関の〜」は文絵から見た玄関の絵。  まず玄関だということだけを読者に認識させる。そのあとで、文絵の行動にくっつけて敷石の質感や桜の木を書く。  主人公がなにか行動すれば、とりあえず読者は注目します。それだけ集中しやすくなり、記憶しやすくなります。  コーヒーの入れ方をだれかに教えるとする。べつになんでもいいんですけどね。  口だけでやりかたを教えるのと、実際にやらせてみて教えるのと、どちらが覚えやすいのでしょうか。  もちろん、それは実際にやってみるほうですよね?  主人公が「見た」映像だけで伝えるのは、口頭だけで物事を教えるのとおなじことです。主人公が「行動した」感覚も使って描けば、読者はわかりやすく、それだけ負担もすくなくなるわけです。  具体的に冒頭を書きなおしてしまいます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なにかが目の前をひらひらと舞い降りた。  木之下文絵はおかげで我に返ることができた。人様の門前でなにを呆けているのだ、と自分を叱咤する。  あらためて呆けてしまった原因、眼前の光景に目を送る。  家も扉も窓も大きな二階建ての家。黒い瓦屋根がずしっと押さえて落ち着かせていた。大きさはそれほどでもない。しかし見るからにお金のかかってそうな外観で……いったいいくらするんだろうか、と文絵は頭のなかで下世話な計算をしてしまった。  玄関のエントランスからは長方形の石が敷かれ、ゆるやかなカーブを描いて文絵の足元まで伸びていた。  敷石を踏みつける。  スニーカーのソールが当たって、堅い音を立てた。そのまま歩を進める。  左手には桜の木が立っていた。さきほど文絵の目を覚ましてくれたのはこの花びらだ。いまもすこしずつ舞い散らしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  読者にかかる負担はすくなくなっているはずです。  文章の上手い人ならば、だらだらと長文を書いても、ものすごく楽しく、読者も興味を持って読むのだろうと思います。レストランのメニューを読んだだけでまわりを感動させた俳優のごとく。  残念ながらそこまで文章を上手く書けない。  ――ならば。 ・主人公が見た映像は、なるべく短めに書く。 ・書き足りないものは、主人公を動かして書く。  これを心がけるようにする。  というか自分でやっていることなんですけどね。こんなので参考になりますれば。 >ストーリー  あらすじを私なりに書いてみます。 (800文字) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ライターの木之下文絵は、仕事のために乾家を尋ねた。祖母である乾絹子に、絹子自身の自分史をプレゼントしようと、孫から依頼があったのだ。文絵は絹子に会って驚く。その髪はピンク色で、態度も狷介なものだったからだ。絹子は仲裁に入ってくれた嫁のはるみへも辛く当たり、文絵は不愉快な気持ちになる。それでもなんとかインタビューに持ちこんだ文絵。絹子のはるみへのあいかわらずな態度には憤りを感じながらも、無事に仕事を進めた。  公園での取材中、はるみがなにかの資料になればと、孫が作ったブローチを持ってくる。絹子も懐かしそうにするが、我に返ったようにはるみに突き返した。そのとき手がすべってブローチは落下し、壊れてしまう。傷つき去ってゆくはるみ。追いかけようとしたとき、絹子の親友である八重子がやってきた。ふたりの会話から、絹子の態度ははるみを思ってのことだったと知る。八重子に諭され、ブローチの件は謝ることを絹子は承諾した。  すこしだけ心を開いた絹子と一緒に、文絵は乾家に戻る。はるみは外出していた。取材が終わりを告げるころはるみが帰ってくる。壊れたブローチの変わりに、100万円もする宝石を絹子の金で買ってきたという。絹子も謝るに謝れなくなってしまった。  文絵は仕事の本分からはずれるとわかっていながらも、ふたりの仲をつなぐために動きだした。自分の行為に呆然としているはるみを、まずは落ちつかせるために炊事に誘う。自分を取りもどしたはるみに、いままでの絹子の態度は、じつははるみ自身を思ってやったことなのだと、さりげなく思い当たるように誘導して話した。はるみは理解する。  そこにやってきた絹子が、ぎこちなく謝った。はるみも謝る。照れ隠しに憎らしい態度を取る絹子に、はるみは笑顔で接する。はるみは絹子の愛情を理解したのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こういう話じゃないのかな、と。  変化するのは、はるみの心境。絹子には特に変化がない――ように見えます。  一行あらすじ。  自分史のライターをしている文絵が、姑である絹子の奇行と偏屈さに悩んでいたはるみに、それらはすべて愛情からの行為だと気づかせる話。  起承転結はこうなるのかな……すごい苦労したけど。  起:仕事のため、絹子の奇行に悩むはるみのもとにやってきた文絵。  承:取材するなかで、絹子の奇行の原因を知る。  転:大切なものを壊され、ついにはるみが絹子に怒りを爆発させる。  結:文絵ははるみに絹子の奇行の原因を教え、その怒りと悩みを解消する。  このお話、焦点が当たるべきなのは、はるみじゃないのかなぁと思うんですが、実際に読むと絹子に多くが費やされているんですよね。  ストーリーに関してはうまく指摘できないのですが……。  絹子には葛藤がない。奇行やはるみへの嫌がらせも、信念を持ってやっている。それは最初から最後まで変わらない。  ただ、この信念というのが、自分が嫌われることで嫁のはるみがまわりとうまくやれればいい、というもの。べつにはるみに好かれようとは思っていない。嫌われることで、効果が発揮されるのを期待している。  でも、最後にははるみに好かれるんですよね。隠していた愛情がばれてしまう。  そこからの絹子、ばれてしまってからの絹子が描かれていない。  明るく楽しそうになったはるみを見て、いままでの自分は間違っていたと気づくのか。それとも変わらず、奇行や嫌がらせを繰り返すのか。はるみが気づいた以上、もうそれに効果はないんだけれども。  たとえばテニスの鬼コーチがいて、でも厳しいのは選手に才能があるからだと。選手がそういったコーチの愛情に気づいたとして、コーチは変化しなくてもいい。だってコーチはやりかたを変える必要がないから。いままで通り厳しくしていいから。  だけど絹子は違いますよね。気づかれてしまった以上、もはや厳しくしてもしかたがない。しかたがないこともないけれど、意味がない。すくなくとも本人が求めていた結果がでることはない。  そうなれば、変化せざるを得ないのではないか。  変わらざるを得ないのではないか。  しかし変わらない。  ともかく絹子は変化しないまま。  そうなれば、はるみに焦点をあわせるしかない。  ちなみに、浦戸さんが考えていたテーマは「母性愛」ですよね。そしてえーと、筋? 一行あらすじかな、は「二人の関係が修復する」と。  修復というには、絹子にも変化がないといけない……と思うんです。「はるみが誤解に気づく」ならばともかく。  どちらにも非があるからこそ、修復はなりたつと思うのですが。どうだろうなぁ。よくわかんないなぁ。 >興味深かったところ  なるほどと手を打ったところです。 ・絹子がインタビュー中に、寝てしまっていたところ。  祖父や祖母など老人とは暮らしたことがなく、だから身近に接することもありませんでした。なのでこういう描写は興味深く読めます。  ああ、疲れやすいのかな、やっぱり若く見えても年なんだなとか、いろいろ思いました。 ・絹子の思い出の話。  50年前の話を最近と言ってみたり、鉄道が電車でなく汽車のことだったり、このあたりにリアリティを感じました。 ・中年女性の描写。 >>文絵は厚みのある肩を左右にゆすりながら大量の脂肪が付いている背中を伸ばした。邪魔なくらい大きい胸の前に広げた太い腕に目をちらっと走らせた。  私には書けないです。厚みのある肩を左右にゆするって。背中に大量の脂肪って。邪魔なくらい大きな胸って。  ちゃんと頭のなかに思い浮かべることができるし。あー、いるいるいる、いるね、こういう人。 ・ぎょうざ作り  自分の罪に虚脱していたはるみを落ちつかせるのに、なぜか一緒に料理したりしますが……。ここでのぎょうざ作りが、細かく書かれていてけっこう面白かったです。お腹空いていたからだろうか。 ・割烹着  はるみの割烹着姿にちょっと萌える。  ――と、思ったらはるみは50代だった。てっきり30代だと思ったのに。  以上、感想というか指摘でした。  あとはレスです。 >視点について >>一文目はまず全体像をと思って(ぜんぜんなってませんが)、離れたところから見た図です。二文目で女の子の視点なんですが、そういう移動が高等テクニックとは知りませんで。当分手は出しません。  べつに高等テクニックじゃないッス。  たぶんですけども、普段の浦戸さんなら無意識にできていると思うんです。  私の場合ですが、分室に課題としてあげようとすると、気合いが入りすぎて空回りするというか、プレッシャーがありすぎるというか、文章がぎこちなくなるんですよね。固くなるといいますか。  浦戸さんも、もしかしたらそうなのかな、と思いました。「ショッキング・ピンク」を読んでの感想ですけどね。  ちなみに私は「四姉妹」の課題でリーチがかかったところです。 >描写に関して >>よくわかっているかたに訓練していただいて、2カ月経ったら描写が書けるようになっている、というわけにはいかないものだとはっきりわかりました。  2ヶ月あれば書けるようになります。たぶん。  描写できるようになって、さらに臨場感もあり面白く読める! まで狙えば2ヶ月じゃ無理かもしれませんが。  語彙とかなんとか、どうでもいいことです。いや、どうでもよくはないんですけども、だって語彙なんて描写の舌触りが良くなるかどうかだけの違いだけですし。……間違っているかもしれない。  描写できるようになるだけですよね?  それならあともうちょっとだと思います。  私と違って、浦戸さんはちゃんとしたジオラマを頭のなかに作りあげることができるようです。「ショッキング・ピンク」の冒頭、乾家の描写を読んでそう思いました。  だったら、それを視覚だけでなく、聴覚、触覚、嗅覚も使って書けばいいだけ、それだけの話だと思います。  というかジオラマを作る能力を私にください。 >>特に聴覚、触感、嗅覚に関してはゼロに等しいです。 >>聴覚……「耳をつんざく」「鼓膜を震わせる」「耳に突き刺さる」 >>触感……「ざらざらした」「さらさらした」「つるつるした」「なめらかな」 >>嗅覚……「すえた」「すがすがしい」「生臭い」  私より語彙は多そうなんですがー。  なんだって私は引きとめているのか?  べつにいい人だからではなく。  こちらにメリットがあるからです。  青葉さんに説明文を解説しようとして描写の概念に気づいたように、触れあうなかでなにかがあるかと期待しているからです。  「ショッキング・ピンク」をいろいろいじくってるうちに、気づいたこともけっこうあったり。起承転結を抜きだすのに苦労したり。  私に指摘させて。説明させて。リライトさせて。  そんでもって私を成長させて。  あー、でも無理はしないほうがいいかもしれません。どっちだ。 >皿洗い >>洗い物をする「感覚」ってのが、どういうものか、まったく知らないやつ〜。流しに山ほど詰まった皿を綺麗にしたことが、一度もないやつ〜。 >>いたら手を挙げること。 >>連れていって欲しいと思っている者――いたら申告のこと。 >>津荒と2号あたりが、怪しそうだなぁ。(笑)  自宅にて、てんこ盛りになっている食器をかたづけたことはありません。なぜか職場ではあったりしますが。  納豆を食ったあとの茶わんはヌルヌルして嫌だなぁ、というのを妙に覚えています……。でもこれって他人が食ったものだからでしょうね。自分のものや家族のものならば嫌悪感はないと思われます。  気が向いたら連れていってみてください。うるさい客ですが。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7614 投稿日 2004年2月16日(月)19時16分 投稿者 新木 伸 >浦戸さん問題  浦戸さんからメールがあった。  こちらに書いたことのほかに、小説のことばかりやってて家事をする暇がなくて、家の中が大変なことになっていたり、パソコンに向かいすぎて腰痛が悪化してしまったり。  まあいろいろあるようで。  皆も関係者なので、メールで僕だけに来た話だけど、いちおう事情の説明をしておく。  あと、僕から次々と投げつけられる話を、読むのも理解するのも追いつくのも大変で、それを実感したとのこと。  これがいちばん大きな理由である模様。  浦戸さん、理解と進歩とが早いもんで、ついつい、いっぱい書いちゃうんだよなぁ。  実際、津荒に投げているものの3〜4倍ぐらい、浦戸さんには投げてしまっている。ここ数日のぶんでいえば、2号よりも多いだろう。  津荒はあれで「大学進学決まった春休みの学生」なわけだし、ご飯のしたくも、掃除も洗濯も布団干しもゴミ出しだって、なにもかも親がやってくれているのだろう。  2号も親に寄生しているプータローだし。  しかし、生活のある人はぜんぶ自分でやらなければならない。  この先もこれがずっと3月末まで続いてゆくと壊れてしまいそうだから、そのまえに手を引くことにした。  ――そういうことだと、僕はそう理解したけども。  自分の壊れどころを見極めているのは、さすがに大人だなぁ。  これがプロ志望者であれば、「人生全部捧げて、死ぬ気で食らいついてこい。人間そうそう壊れんし、壊れたら壊れたで、べつにいいじゃん。作家志望者の屍の山のひとつにお前も加わるだけのことだ。骨は拾って埋めといてやるから」とか、僕はそう言ってしまうところなんだけど。  浦戸さんがプロ志望でないことは、僕にもはじめからわかっていたことだし。  ――んで、そういうことであれば、ただ引き止めても意味がないので。  もう1回くらい引き止めてはみるけど、方法を変えることにした。  3月いっぱいまではまだ間があるし、浦戸さんにはしばらく休憩してもらって、身の回りのあれやこれを片づけて、英気を養ってもらってから、また来てもらう。  まあ2週間ぐらい休憩で、3月頭ぐらいからが目安かな?  そうしたら、僕と直接に描写研究をやるのではなくて、2号や津荒や弟切やらと一緒に、意見交換して研鑽していってもらう。  ――というのでは、どうでしょう?  道場主が直接相手をするのではなくて、筆頭塾生に任せるという形でしょうか。  ちょっと頼りないんだけど、うちの現役の筆頭。名無しだし。  昔は杉井光とか西鶴翠とか、色々と、いたんですけど。  僕もちょうどそのころには、身動きならない状態になっているはずです。  たまにひと言アドバイスぐらいはするかもしれません。  浦戸さん。  こんな感じでよいなら、どうぞ遠慮なく。  考えてみた結果、やはりこのまま撤退されるということでも、どちらでもかまいません。 ○2号 >船に乗っている感じ  「揺れている」ということを、ただそのまま「揺れていた」と書いてしまうと、描写にならず、説明だぞ。おまえの場合はそのままやっちゃいそうで怖い。  揺れている、ということを描写するのだとする。  それはどういうことなのか。揺れているとどうなるのか。――を考察する。  たとえば、「掴まっている」というふうに書く。  彼女が手すりかなにかに、しっかり掴まっていると、それを書く。  すると描写になるわけね。「揺れている」ということの。  また「騒音」ってものを描写するとする。  耳が騒音に慣れてしまっているということを描く。静かなところに出てきても、会話がよく聞き取れない――と、そう書く。するとさっきまでいた場所の「騒音」の大きさが描写できる。  人間の感覚器官っていうのは、目も耳も鼻もそうなんだけど――、一定以上の刺激を連続して与えられていると、それに慣れてしまうものなのね。自動的に感度を落とすような作りになっている。  「水しぶき」なんてものを描写するなら。  「水しぶきがあがっていた」だと、単なる説明にしかならない。  たとえば、床が濡れている、とか。長く立っていたら、服が湿気を吸っていたとか。空気が塩辛かった、とか。  海水の飛沫が細かく砕けて飛散して、潮の香りが一段と強くなった、とか。  匂いに慣れて感じなくなっていたことと合わせると、こんな感じか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  飛沫があがって、空中で砕けて霧になった。しばらく感じていなかった潮の匂いを、急に生々しく感じた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――とか書けば、匂いの感覚の慣れと、飛沫のことと、両方一挙に描けてしまう。  「夕日」なんてものを書くなら。  夕日が沈みきってしまうと、肌寒さを覚えた。――なんてことで、「夕日の暖かみ」を書く。  なんつーのかな。  「船の揺れ」とか「船の騒音」とか「海水の飛沫」とか、そういうものを聞かされるだけで、俺らプロは、「俺ならこう描写する」っていうプランが、自動的に頭の中に上がってきてしまうものなんだけど。  鷹見さんだって、そうだよ。「冷凍倉庫」と聞いただけで、このあいだ書いたああいうものが浮かんで来てしまうわけだよ。どう描写するのかも、すべて出てくる。  説明を書くことができない「体」なんだってば。  「船の揺れ」と聞いたときに、「手すりに掴まっている手」が浮かんできてしまう人間が、「船は揺れていた」なんて書いてしまえるはずがないだろ?  説明文を書くときというのは、頭の中に浮かんでしまった「手すりに掴まる手」を、あえて殺して、「船は揺れていた」のほうを選ぶってことなのだな。  ――で、なぜそうやって「どう描写する」ということが浮かんでくるのか。  お前にしてみると、ひどく便利な能力に思えるのだろうなぁ。  しかしこれは、絶えざる習慣付けの結果なんだな。  過去ログにちらりと書いているけど、「脳内執筆」というやつ。  べつに今回の「船の揺れ」に限って、特別に、描写が出てきたわけじゃない。  見聞きするもの、自分の目に留まったもの、注意を引いたもの――あらゆるものすべてに関して、俺はいつでも「描写」をしてるわけだ。  街で美人を見かけたら、この美人をどう描写すべきか。どこを切り取って、どう言葉で言い表せば、読み手はこの「感覚」を受け取ってくれるか。  冷凍倉庫で荷物の積み下ろしをしていれば、この「寒さ」をどう言葉で切り取れば、他人に伝えられるか。  フェリーに乗って海を眺めていたら、この「海の上の感じ」を、どう言葉で切り取ればいいのか。  起きていて意識があるときと、寝ていて夢を見ているときと、すべての時間において、俺は一瞬も休まず、観察して、脳内に文章を書き起こしているわけ。  ゲームやってて、画面上のチビキャラが、「ざしゅっ」と剣で斬りつけるアクションが格好いいなと思ったら、それをどう言葉で描写するか、考えているわけ。  レベルアップしてうれしー、と思ったら、そのうれしさと爽快感とを、どう言葉で表現するか、脳内に書きとめているわけ。  電池切れの電卓の反応の鈍さに苛立ったら、そのいまの苛立ちを、どう言葉で写し取るべきか、脳内に実際に書き取っているわけ。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7615 投稿日 2004年2月16日(月)20時06分 投稿者 新木 伸 >2号 >タイトル >>「ロマンティックな光景」 >>読ませようとする努力が感じられないから、でしょうか。  うーん。  そういうのとは、違うんだけどなぁ。  ノーサンキューなのは、確かなんだ。  この話を読まなくたって、俺の一生にはなんの損害もない――と、そう確信させてくれることは確かなのだ。  だって――  ダサいから。  ありがちだから。  ――だと、理由になりきっていないな。ただの感性を表現しただけだ。  なぜそう感じるのか、もっと突き詰めて考えないと。  うーん。うーん。ああ面倒くせぇ。  俺自分じゃ絶対にこんなタイトル付けないから、俺、こんなこと考える必要なんてまったくないんだが……。  うん。わかった。  「ロマンティック」を「ロマンティック」と言うしかできないやつが書いた作品は、どうせ、たいしたことない。  ――というあたりだな。  まあ見なくてもわかるんだけど。  おそらく本文中のどこかに、「ロマンティック」という単語が使われているはずだ。  しかも「ロマンティックな光景」を言い表す表現か、もしくは描写として、この作者は「ロマンティック」という単語を使用しているはずだ。間違いなく、しちまっているはずだ。  俺はそう思った。タイトルだけで確信した。  わざわざそれを確かめるためにクリックしてみるほど暇でもなかった。  ――で、どうなの?  作中に「ロマンティック」って単語は、使われているの? いないの?  俺の言ったように「ロマンティックな光景」を表現するための描写として、直に使われちゃっているの? いないの?  なんだか夕日が出てくるようだし、おおかた地の文で「夕日が水平線に沈もうとしていた。そのロマンティックな光景に○○は〜」とかなんとか、書いちゃっているのだろう。  ――どうなんだ?  もし作中に「ロマンティック」という言葉が使われていなかったのなら、俺の直感が間違っていたことになる。  むしろヒネったタイトルってことになる。  あと、ここまで書いてきて、もうひとつ理由を発見した。  むしろこっちのが、理由のメインだった。  俺は「ロマンティックな光景」を、じつはタイトルとして認識していなかった。あれはタイトルじゃない。  描写課題のタイトルとしてなら、問題ないのだ。「ロマンティックな光景」を描く課題として、そのまんま、そういうタイトルが付いていたって、なにも問題はない。描かせようとしている主題が、そのものずばり「それ」なんだから。描写課題に「冷凍倉庫」とか「工事現場」というタイトルがついていたって、まったく気にしない。  しかし、あれは普通の2000字課題だった。  つまり短いなりにも「物語」となっているものに付けられたタイトルだったわけだ。  「ロマンティックな光景」だけでは、「物語」にならないのだな。  美しい光景を書いたとして、――だから、どうなの、となってしまう。  そこでドラマを作るには、美しい光景のもとで、素直になれなかった二人の関係が進展して――とか、なにかそんなような展開があるはずなのだ。なにか起承転結があるはず。  話のタイトルっていうのは、瓶詰めに貼られたラベルなわけね。  だがこの話は「美しい光景」の話ではあり得ない。それは単なるワンシチュエーションであって、「話」にはなり得ない。  せいぜいが、起承転結の「起」のところで、役者が立っている背景絵になるだけのもののはずだ。  そんなものをタイトルとして持ってきている――ということは、この作者は、タイトルがなんであるかということが、まるで、わかっていない。  2号は「話の主」について説明不要なようなので、いまそれを使って説明するけど。  話の「主」の名前をデカデカと書いておくのが、タイトルってものなのね。  つまり、「ロマンティックな光景」なんてタイトルが付いているということは――    「この作者はタイトルがなんのためのものなのか、わかっていない」    「この作者は『話の主』を掴み損ねたまま、この話を書いている」  ――このどちらかであることが、確定している。  瓶詰めにラベルを貼る程度のデリカシーを持たないやつも。  瓶詰めの中身を勘違いしているアホウも。  瓶詰めの中身がわからない馬鹿たれも。  どれもノーサンキューだ。  どれにしたって、読む必要はないな。  いいか?  普通、タイトルっていうのは、その中身を正確に表したものになるわけだよ。  「ハンバーガー」  「チーズバーガー」  「チリドッグ」  「ピリ辛バーガー」  「リブサンド」  「ロースカツバーガー」  「牛丼」  「カレー丼」  「マーボー丼」  「親子丼」  ――こういったものが、正しいタイトルなわけ。  小説のタイトルだって、カッコ付けてはいても、結局は「モロ」で「ベタ」なわけ。  「ITAKOのANNA」  「なりゆきまかせの異邦人」  「セイバーマリオネット」  「魔法遣いに大切なこと」  「なずな姫様SOS」  「戦略拠点32098楽園」  「僕の血を吸わないで」  「勇者110番 あたしとあいつは最強ペア!?」  ――このへん、みんな、ベタでモロだろ?  「話の主」を、そのまんま、ただベタ書きしてるだけだろ?  タイトルってのは、それでいいんだよ。  そうでなくちゃ、いけないんだよ。  内容物がしっかりとわかるように「モロ書き」するのが基本。  そのうえで、せいぜいカッコつけた言い回しを考えてゆくべきものだ。  上にある食べ物の名前で――。  「親子丼」っていうの、誰が付けたか知らないが、すげぇイカしたタイトルだよな。  ハイセンスだ。  内容物が「鳥と卵」だときっちり伝えたうえで、それを「親子」だなんて言い換えている。そこにエスプリが利いている。 >質問  なんで「ロマンティックな光景」なんてタイトルを付けたの?  そこのところを思考開示して、説明をすること。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さん(答え合わせ) No.7616 投稿日 2004年2月16日(月)23時16分 投稿者 とんびの羽根 >No.104「ロマンティックな光景」 >これらのうち、何を描写すれば読者を洋上の船に乗せられると思います? >>「揺れ」ですね。甲板に出ていれば当然ながら潮風の匂い、冷たさ、水しぶきもありますが。 振動や騒音はそれほど気にはならないはずです。たとえば夜になって、静かななかで目を閉じるなりすれば妙に耳につくはずですけども。匂いも慣れるはずだし……。  えーと、半分正解。  平衡感覚、身体感覚、内臓感覚、視覚の撹乱につながるさまざまな揺れ、動き、振動、臭い、味、温度の変化が必要になります。  これらの揺れがもたらすものが何かというと、それは「酔い」になります。  この作品の中で読者が感じなければならない「酔い」は全部で3つあるんです。  (1)「ロマンチック」に酔う(ゆかり)  (2)「船」に酔う(武史)<外見  (3)「酒」に酔う(武史)<オチ  この3つの「酔い」を書き分けられなければこの話は失敗ですよね。  中でも船酔いの描写は読者を意図的に誤読させるためのフェイクであるのでことさら重要。 >最後にこのタイトル>「ロマンティックな光景」 >だけでボツ決定だと思いました。新木さんはクリックしないのは確実。なぜでしょう…… >>読ませようとする努力が感じられないから、でしょうか。  不正解。  端的にいうと「毒」だから、です。  以前分室で話題になりましたから、2号さんも読んだことと思います。  毒というのは読者が見た瞬間に料理全体をポイ捨てしてしまうような危険な言葉、ネタ、感触、表現です。  つまりここではロマンチックという言葉が毒です。見た瞬間にほとんどの読者の目が、聞いた瞬間にほとんどの読者の耳が、避けてしまう劇物です。  これがロマン「ティック」ときてますから、さらに進化を遂げて極彩色レベルの猛毒です。  とはいえ反論もあるでしょう。「毒」も料理次第で「薬」にも「珍味」にもなるのではないかと。  たとえばホラー短編集で「リストカット」「ロマンチックな光景」「首吊りの家」などとならんでいたら、うっかり読んでしまうでしょう。もちろんストーリーはロマンチックから惨劇へと展開しなければ読者は赦しません。光景が主役であるなら光景が初期状態と終了状態で変わらないといけないのは当然のこと。  ところが2号さんの場合、一瞬の展開といえども「ロマンチック」を強引に演じられる役者(主演女優と主演男優の両方)がいないのは、みんな知っているわけです。また料理の腕前(構成力)がワンパターンであることもみんな知っていることです。  とっても劇物を料理する腕前があるとは思えない。必然的にギャグに逃げるしかないのが見え見えなんですね。  一発ネタをこの時点で(桜庭さんの一発ネタを問題にしていた流れの後で)ここでやりますか。 -------------------------------------------------------------------------------- 風の十二方位 No.7617 投稿日 2004年2月17日(火)01時14分 投稿者 弟切 千隼  先週末、関東地方で春一番が吹いたそうですね。ずいぶん早い春一番だ、と弟切は驚きました。  春一番が吹いたからといっても、春は一足飛びにやっては来ません。季節の変わり目は、南風が吹いて暖かくなったり、北風が吹いてまた寒くなったり、と目まぐるしいですね。 >描写課題「美人」 >なぜ視点キャラクターを女子高校生にしたのか  No.7602で、新木さんが指摘されたことに答えます。 >> いちばん初めに「男」をすべて切り捨てているところが、ちょっと早まっているかなと感じた。  実は、最初、弟切は視点キャラクターを男性にしてみようかとも考えました。性的魅力という要素が入るのを承知のうえで、「格好いい美人」の描写に挑戦するのもいいな、と思いました。  なぜそうしなかったかといえば、まずは「美人」を描写することに集中したかったからです。視点キャラクターを書きにくい人物にすると、そちらを書くのに気を取られてしまって、肝心の「美人」の描写がおろそかになるだろうと考えました。  弟切は物覚えが悪いほうです。やっと描写と説明の区別が付くくらいの今の段階では、ちょっと難しいことをすると、すぐに能力の限界を越えてしまいます(;_;)  ですから、最初は視点キャラクターを書きやすい人物にして、「一番描写したいこと」の描写に集中することにしました。これができたら、次は男性を視点キャラクターにしてみる、という具合に、段階を追ってやろうと考えています。  現在、自分に書ける人物の範囲がとても狭いことは、自覚しています。このままではいけないこともわかっています。  まともな商業小説を書こうとするのなら、少なくとも、十五歳〜五十歳くらいの男女を書けなければ、文字どおり話にならないでしょう。  人物は、年齢と性別だけで区別されるわけではありません。職業や性格などによって、無数に分類されます。プロになるなら、できるだけ広い範囲の人物を書けることを目指すべきでしょう。  弟切も、今は2号さんに勝るとも劣らないスーパー貧乏劇団です(^^; 少しずつ俳優の数を増やしてゆきます。  書きやすい人物を視点キャラクターにしたはずですのに、全然描写ができていないことは、課題部屋のNo.771を見ていただけば一目瞭然ですね(涙)  とにかく、課題部屋のNo.771を、まともな「美人」の描写になるように書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7618 投稿日 2004年2月17日(火)03時06分 投稿者 津荒 夕介 ○浦戸さんへ  新木さんが引き止めるだろうーと思って様子見してました。挨拶が遅れて申し訳ないです。  結局――。僕は、役に立ちませんでしたね。すいませんです。  また会うことがありましたら、その時も、どうぞよろしくお願いします。  ROMはされるということで、僕になにか指摘がありましたら、ズバズバ言っちゃってください。というか、指摘してやってください。(笑) ○新木さんへ  長篇数冊のシリーズ  「日帰りクエスト」シリーズ全部で四冊でした。  二冊目「困ったもんだの囚われ人」 著:神坂一  一行あらすじ  活力あふれる女子高生のエリが、異世界で亡国の王子と共に奴隷狩りに捕まり、竜人と過ごし、そこから脱出する中で、竜人が本質的には人間と同じであると知る話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=803&e=res&lp=757&st=0  三冊目「見物気分の旅行人」 著:神坂一  一行あらすじ    竜人と人間が、人間を虐殺する竜人ベヅァーによって、共に迷惑をこうむり、和平しようとするが実現せず、ベヅァーの部隊が崩壊する事で解決する話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=804&e=res&lp=757&st=0  四冊目「間違いだらけの仲裁人」 著:神坂一  一行あらすじ  竜人が人間と和平を結ぶ事で実験場を守ろうとしたが、人間を極度に憎む竜人ベヅァーによって妨害され、撤退を余儀なくされる話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=805&e=res&lp=757&st=0    で、まとめてあらすじを。  シリーズ 「日帰りクエスト」 著:神坂一  一行あらすじ    現実を嫌っていた活力あふれる女子高校生エリが、異世界で争う竜人と人間を和平に導き、結果的に解決する事で、自分の可能性を信じ、前向きに生きようと思うようになる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=806&e=res&lp=806&st=0  以上です。  長篇数冊のシリーズの条件というのは、 1内部変化は変化していくのがしっかり書けるし、大幅な変化ができる。 2外部変化は大幅なのはもちろん、複雑な変化もできる。 3テーマは難解でもいい。 4キャラクターはたくさん。まあ4人とかじゃ無理。 5設定は難解でも、それが存分に利用できるので使ってもいい。 6筋がたくさんある。  かな。  6ですが、日帰りクエストシリーズだと内部変化は六(主要キャラ)に、外部は一つ(国を奪還する)でした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7619 投稿日 2004年2月17日(火)04時13分 投稿者 新木 伸 >津荒  「日帰りクエスト」シリーズ。  あの話、非常に良くできていて、完成度も高くて、好きなんだけどなぁ。  しかし商業的には、小成功ってあたりだろうか。神坂一のシリーズのなかで、たぶん、いちばん売れていないシリーズのはず。(でも普通の作家より部数が多かったりするのだが。そうでないと中古市場にさえ残っていない)  で、まあ筋の話。  分室用語に、「筋」って言葉がある。  「日帰りクエスト」の内部変化を、津荒は6本と言ってきたな。それが正しいかどうかは、俺、知らんけど……。  数えわすれや数え違いがあるかどうか、いちいちチェックしない。また知っていたとしても、教えてやらん。  まあ6本あるとして、だ。  あのシリーズの「筋」は、6本ある――と、そういうことになる。  かなり――というか、めちゃめちゃ複雑な話だわな。  ちなみに、構成力の達人クラスになると――だな。  筋が6本程度の話だったら、設計図も引かずに、いきなり書き出してしまってOKなのね。そしてまとめきってみせる。細部のエピソードにも無駄がでたりしない。  しかし構成力の腕前が普通のプロだと――。  筋が6本もある話は、緻密にプロット立てていって、ひーひー言いながらも、ようやくまとめきれる、という程度。  きついので、はじめから避けて通る人がほとんどだ。  シリーズで筋3〜4本ぐらいに抑えておけば、かなり楽になるからね。  ちなみに短編は1本が基本。構成力のある人なら、2本ぐらいまで押し込める。  長編では2本ぐらいないと、舌の肥えた読者は物足りなく感じる――が、1本だとダメということでもない。  たとえば「月と貴方に花束を」とかは、あれ1本。2本目、3本目の筋が追加されてゆくのは、2巻以降。1巻では1本。変化するキャラと、行動するキャラと、注目されるキャラと、すべて同じ。とってもシンプル。  津荒の場合、自分で書く話に関しては、しばらくは、筋1本に挑戦すること。  筋1本が確実にものにできるようになってから、筋2本にチャレンジするわけだ。  ちなみに筋2本をやるためには、長編を書かなきゃならなくなるわな。  今後の予定。  いま言いつけている色々なものをやりつつ、大学が始まる前の暇なうちに、なんか短編の一本でも完成させてもらおうかと思っている。筋1本の、あっさりしたやつね。  あらすじ取りのノルマをこなしつつ、いまのうちから、準備しておくこと。  津荒の体力の余力を計りつつ、他にもうひとつ課題を増やすかもしれないけど。  まあこの春休み中に、なんか1本、書くことになるだろ。そのつもりで。  今回は、前回と違って、あらすじをきちんと書けるようになっているわけだな。  山ほどあらすじを写し取ってきた経験から、「話が終わる」というのは、どういうことかと、わかっているはずだ。内面にせよ、外面にせよ、なにかの変化が完結することが、「話が終わる」ということなわけだ。  さらに、これだけの数をこなしているわけだから――。  読んで分かるあらすじを一つ書くということが、たいした苦労でもなくなってきているわけだな。1日に、3冊読んで、3本あらすじを書いてこれるわけだし。  だいぶ体力がついてきた模様。  いまなら、短編をいきなり書き出してしまう前に、あらすじの形で人に見せて、意見を聞いて、直してゆくことができるわな。「変化するキャラは○○だとして、その内面変化が完結していない」とか、そういう専門用語で指摘されても、なにが問題となっているのか、もうばっちりわかるわけだな。  ちなみに、もののついでに、課題部屋にある巻島の長編、あれも読んでみそ。  そしてあらすじを書き写して、筋が何本になるのか、チェックしてみそ。  あれは今年、電撃に送るそうだが。  ここの先輩は、筋何本の話に挑戦しているのか。きちんと、その本数の筋をものにできているのか――。  いろいろ、チェックするところはあるだろ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=462&e=res&lp=581&st=  一括版は、このへんだな。  冒頭50枚に関しては、リライト版があるから、そっちを読んだほうがいいな。  あともしかして、巻島の手元にリライト版があるかもしれない。しばらく待っていたら、巻島が津荒にメールで送ってくれるか、課題部屋にあげてくれるかもしれない。  すぐには取りかからず、数日、様子を見てみること。 >キャラクターとか >>人物は、年齢と性別だけで区別されるわけではありません。職業や性格などによって、無数に分類されます。  そういう分類をしているうちは、役者の数は増えないよ。  キャラ(俳優)の数というのは、年齢や性別で分けるものではない。ましてや職業で分けるものでもない。  魂で分けるもんだ。  ある魂の形があって、それが、男になったり、女になったり、10歳になったり、17歳になったり、24歳になったり、40歳になったりするのだ。  そして職業ってのは、その先の細かなところ。  ある年齢の魂が、学生になったり、サラリーマンになったり、OLになったり、国王になったり、武官になったり、軍人になったり、秘密結社の戦闘員になったりするわけだ。  「志村けん」は、女子高生から、お巡りさんから、バカ殿まで演じ分けるけど、どれもやっぱり「志村けん」でしょ?  女子高生やってても、なんとなく「志村けん」っぽい女子高生になるわけだ。お巡りさんもそう。どこか抜けてるところが共通している。  このあいだ、北野武の「座頭市」を観てきたけど。  たしかに座頭市だったけど、やっぱり「ビートたけし」だった。  弟切ぐらいキャラの数が少ない場合には、魂(俳優)の数を増やそうと頑張るべきじゃない。一人何役もやらせることを前提で、そのうえで、見分けがつくような工夫をするべきだろう。  そういう技術を、「人物造形」という。  たとえばブギーポップだとか。  あれ、出てくる魂の数はひとつしかないんだけど。でもきちんと全員書き分けられてるでしょ。  男も女も、誰も彼も魂は一緒。だけど個性は付けられる。  同じ魂を持っているからといって、ある状況でみんな同じ行動を取るとは限らない。  経歴が違えば、その行動も違ってくる。  化け物に襲われたときに立ち向かえるやつと、パニックになってただ食われるやつと、喜んで身を投げ出して食べられようとするやつと、同じ魂の持ち主でも、経歴を変えることで、そのくらいの違いを出すことができる。  そして、そのくらい違えば、もう充分なのだな。  小説における人物造形の最低基準は、「人間を描くこと」だ。  演劇でいうなら、「人間の役者が役を演じること」だ。  役者がひとりしかいないから上演できない、ということはない。  演劇と違って、小説の場合には一人何役だってやらせられる。  弟切に見分ける目があればいいんだけどなぁ……。  プロの仕事で、人物造形で書き分けてる人と、魂(役者)を変えて書き分けている人と、二通りいるから。  自分の目指すべき側の作家の仕事から、いろいろと盗むことができる。  どの作家がどっちなのか、わかる?  キャラに関して、弟切は俺から学ぼうとするな。まるきりタイプが違うから。  ライトノベルっていうジャンルは、少年漫画と同じようなもので、魂系の作家がほとんどを占める。僕の知っているなかで、人物造形でキャラを作っている人は、上遠野さんと、あと都市シリーズの川上さんかなぁ。  川上さんのHPに、人物造形についての講座があったぞ。あのあたり読んでみること。  ここのところ、僕もリサーチがずいぶん甘くなってきているから、他にもいるかもしれないけど……。 >女子高生  ――で、そもそも弟切に言っていたことは。  女子高生といったって、いろいろな経歴の女子高生がいるだろ。  家が裕福。家が貧乏。  中学までいじめを受けていた。中学まで率先していじめる側だった。  彼氏いる。いない。昔はいた。いまも昔もいない。彼氏が出来たばかりの親友がいる。  親友と呼べる友人がいる。ずっと孤独だった。  兄弟姉妹がたくさん。一人っ子。長女。末っ子。  アルバイト経験あり。お小遣いは自分で稼いでいる。親に7万も貰っているけど、ぜんぜん足りないと不満たらたら。  片親がいない。父子家庭。母子家庭。  眼鏡をかけている。いない。  背が高い。低い。  こんなふうに「経歴」設定するだけで、まるで違う個性と感性とを持った人間を、10通りも20通りも造れるわけだよ。  魂が1個だって、なにも困らないはずだ。  そして、こうして作った10人を「背の高い美人」に引き合わせてみると、そのときの反応が違ってくるわけだよ。まずどこを見るか、なにを感じて、なにを考えるか――ということまで変わってくる。  そうしたときに、「はじめ男かと思っちゃいました!」ってのは、描写していったときに、誤解されやすくてうまくないから、ボツにするわけ。  もっと他の娘の体験を使うわけ。 >2号一発ネタ疑惑  あーん?  ん? ん? んー?  なんだ、2号、一発ネタをやっていたのか?  いや、俺、読んでないから、しらないけど。  このあいだ桜庭さんときに、「ボクはあれですね。きちんと仕込まれちゃってますからね。そんな粗相なんて、もうやりたくっても、できない体になっちゃっているわけですよ。仕付け済みのわんちゃんなわけですよ。えっへん」とか、そう言っていたような気がするのだが。  ――で、どうなの?  「ロマンティックな景色」ってのは、あれ、一発ネタだったわけ? そうではないわけ? どっちなわけ? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7620 投稿日 2004年2月17日(火)21時01分 投稿者 新木 伸  星くずのほう。途中経過61ページ分を、編集さんに送る。  書き上がってから、時間を置いて客観的に見つめ直してみないとどうとも言えんが、まあ、今回はボツにしないで済みそうな出来である予感。少なくとも前回のボツ理由はクリアしてあるし。  腱鞘炎にもなりかけていて、手首も痛いので、今日は休憩の日と俺的に決定。  分室のレスと合わせると、ここ一週間ぐらい、ずーっと、毎日原稿用紙100枚以上をキープしてたし。僕の場合、手の限界は100枚あたりにある模様。前、ゲームのシナリオのときに、原稿用紙100枚を30日に渡って書き続けたことがある。かなりヤバかったけど、バンテリン塗るのと、風呂入って温熱療法と、ふたつだけでも、30日は乗り越えられた。  誰か、なりかけの腱鞘炎に良い療法を知っていたら、教えてくだされ。  3日もなにも書かなきゃ治るのはわかってるんだけど。そういうわけにもいかんし。  まあ、あんまりひどくなってきたら、VOICE−ATOKでも導入するかなぁ。音声入力。  しかし作家の職業病と言われる「肩こり」「腰痛」は、僕には無縁だったりする。  肩と腰がつらくなったら、布団に寝っ転がって、横臥したままノートパソコンで打っているから、ぜんぜん平気。  修羅場になると、起きて書いているよりも、寝て書いている時間のほうが長いくらい。  とりあえず、あまり手を動かさないでいいほうをやろう。  夢境のプロットのほうを煮詰めきらなきゃだわさ。そろそろあっちも書き始めないと。締め切りまで1ヶ月切ったし。 >津荒  そういや津荒って、陸上部だったっけか。  「部活」で陸上をやっていたときの、一日の生活サイクルってものを、ちと、書き出してみそ。 ・平常時。 ・競技会前。 ・夏休みなどの合宿時。  まあ、このくらいの区別があると思われる。  立場や時期によって、練習時間や、その内容やらは変わってくると思う。  普段から朝練があったのか、午後の練習だけなのか、わからないし。  選手に選ばれてなかったら、競技会前の練習は平常時と変わらないのかもしれないけど。  練習時間だけでなくて、その時間のなかで行っている練習内容も書き出すこと。体力作りのためにのランニングはどのくらいか――とか。そういうの、色々ね。  小説家を書こうっていう人間は文系が多いから、運動部の経験のない人も多いはず。  「運動部の高校生」を小説に登場させるときの参考資料にするぐらいのつもりで、なるべく詳しく書き出すこと。  あと、陸上をやっていたのなら、自分に経験はないとしても、以下のような人たちの1日の練習内容も、だいたい見当がつくはずだ。 ・インターハイ強化選手。 ・国体強化選手。 ・オリンピック強化選手。 ・プロの陸上選手。  こんなふうな区分けが正しいのかどうか、僕にはよくわからない。  企業の運動部に所属するか、企業をスポンサーとして持っている人――というのがいて、その人が、「国体」も「世界大会」も「プロ」もやるのかもしれない。  まあ、「高校生の部活レベル」の上のところで陸上をやっている人を、正しく区分けして、それぞれの練習メニューや一日の時間割を、想像付く程度でいいから、書き出してみること。  このへんは、僕よりも津荒のほうが、何倍も詳しいはず。  それが終わったら、次に、いま現在の自分の1日の平均的な時間割を書き出してみそ。  「陸上のこと」に使う時間ではなくて、「小説のこと」に使っている時間のほうね。  さて、色々な立場の人の「練習時間と内容」というのを、出してみた。  では練習時間だけで、単純に比較してみることにする。  いま君の練習時間ってのは、「高校の部活レベル」から「プロ」までのうちの、どこに相当している?  あと「プロ志望者」っていうのは、本来なら、どこに該当しているべきだと思う? これは津荒の考えでいいので、聞かせてくれ。  ちなみに僕なんかは、これでも一応はプロなんで――。  1日のなかで小説のことに使っている時間と、その密度とは、他の業種のプロの人とおなじなのね。プロの運動選手がやっている時間と、密度と――たぶんおなじ。プロの陸上選手といえども、いつもいつも大会に出ているわけでもないだろう。  平常時と平常時を比べると、たぶんおなじぐらい。  また小説家の執筆中の日常は、陸上選手にしてみれば「世界大会前の調整時期」に相当するのかな。平常時より多く練習しているはずだが、これもたぶんおなじぐらい。 >一発ネタとか  そういや僕も一発ネタはよくやるなぁ。  辺境の田舎惑星の姫君と見せかけて、じつは社員200億人を抱える惑星企業の「美少女社長」でしたっ!  邪竜を操る女魔道士と見せかけて、じつは邪竜のママでしたっ!  ――とか。  一発ネタは、けっこう、好きらしい。  しかし2000字もない掌編で一発ネタをやられると、「はらわたをぶちまけろ!」――とか、「腹が立つ」を通り越しちゃって「殺意」さえ覚えてしまうのは、なぜだろう?  人を驚かせるということは、エンターテイメントの基本なのだな。  「物語」のなかに一発ネタを取りこんで、味の変化のひとつとして使うなら、いいのだな。  このあいだ、マクドナルドでも、そういった変わり種のハンバーガーがあったっけ。  わあ、チキンカツを囓ったら、鶏肉の中からチーズが溢れてきたよお!  ――とかいうやつ。  食べている最中で驚かされる。味の変化にもなる。  このハンバーガーは、中からチーズが溢れてこなくたって、単なるチキンカツバーガーとしても充分に食べられる。充分に「食べもの」としての用を足している。  そのうえで、プラスするものとして、「チーズが溢れる」という「驚き」の要素を足しているわけね。  しかし、2号やら桜庭さんやらのやっていることは、いきなり、溶けたチーズを鼻先に突きつけるようなものなのね。さあ、食え。さあ、驚け。――と、そう言ってくる。  パンとチキンカツが――ないのよ。  溶けたチーズだけ。  それ単体で、鼻先に出されてくる。ニヤニヤ笑いながら、突きだしてくる。  そんなこと実際にやられたら、攻撃に近いよな。  思わず反撃したくなるよな。つい手足が出ちゃうよな。そのニヤニヤ笑いは、悪意の表情だよな?  殺意ぐらい覚えても、当然だよな。  上では、「驚き」がエンターテイメントの基本と書いたが。  他にも基本はある。  「喜怒哀楽」という四字熟語が存在するほど、広く知れ渡っている。  しかし――。  「泣き」やら、「笑い」やら、「喜び」やら、それ単体では成立しないものなのね。  しないはず。  しないはずなんだが……。  ちょっと、やってみようか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「別れてくれ」 「そんなの嫌よ。いや……(泣)」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ばーか、ばーか、ばーか」 「なんだと、このお!(怒)」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わたし、あなたのことが好きなんです」 「僕も前から、君のこといいなって、そう思っていたんだ(喜)」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  さすがに、いくらなんでも、こんな掌編は書いてこないよね?  書いてきたら、俺への攻撃とみなして、反撃するぞ? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ああ、ロマンティックな光景……」 「げろげろー、えーっ、えーっ、えーっ(吐く)」 「って、おい! なに吐いてんだよっ!(驚く)」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし、読んでないからわからんけど――。  たぶん、2号はこんなの書いてきてるんだよな。  上記三つはやらないのに、「驚く」だとやっちゃうのは、これは、なぜ?  上の「悲」「怒」「喜ぶ」――とかは、さすがにNGだと、わかるよな? さすがにやらないよな?  しかし、なぜ「驚く」の場合には、単体でもOKだと錯覚しちゃうの? やっちゃうわけ? -------------------------------------------------------------------------------- 腱鞘炎の治療法 No.7621 投稿日 2004年2月18日(水)00時52分 投稿者 ROM 新木さん へ。 当たり前の話ですが。 成りかけの腱鞘炎は、病院に行くのが一番です。 それは使わないに越した事はありませんが、実際問題としてそうも行きません。 整形外科に行って炎症を押さえる注射をしてもらい、局所温熱療法を受けるだけでかなり違います。 なお、痛みが消えてからでも週一回、二ヶ月くらい通院を続けた方がいいです。 症状があっても痛みが起きる前に治療する形になるので、結果として普段通りに使える事になります。 釈迦に説法でしょうけれど、痛くなってからどうしようと考えるのではなく、 痛くならないようにはどうすればいいか考えた方がいいという事です。 -------------------------------------------------------------------------------- マイムマイム No.7622 投稿日 2004年2月18日(水)02時40分 投稿者 弟切 千隼 >人物造形  弟切はまだ見る目が甘いです。プロ作家さんのうち、どなたが人物を魂で書き分けていて、どなたが人物造形で書き分けているのかは、明確にはわかりません。言われれば何となくわかる、という程度ですね。  川上さんのHPは見に行ってきました。大いに参考になりました。今度から真似させていただきます。  弟切は、現在手持ちの「魂」がものすごく少ないですね。一つか、持っていても二つだと思います。  「魂」が一つしかなくても、人物造形で書き分けられるのが、小説というメディアの便利なところですね。  「一つの魂から幾人もの人物を作る」という話から、弟切はパントマイムのことを思い出しました。  パントマイムpantomimeとは、無言劇・黙劇などと訳されることもある演劇の一種です。台詞が一切なく、舞台装置もありません。役者は基本的に一人で、衣装を替えることもありません。たった一人の役者が、何もない舞台に立って、体一つで台詞無しに演じます。演劇の真髄を極めたものの一つでしょう。  弟切は、昔、パントマイムの神さまと呼ばれるマルセル・マルソーの舞台を観ました。彼が日本公演をした時に、生で観る機会を得られました。  彼は、道化師のような白塗りの化粧をして、一人で舞台に立ちます。一切の言葉を発せず、舞台装置の助けも借りず、何人もの人物を演じてみせます。  例えば、『ルナパーク』という作品では、ルナパークという公園で、遊んだりおしゃべりをしたりしている人々の姿が活写されます。舞台にはマルソー一人しかいないのに、ひっきりなしにしゃべるおばさんや、ひたすらそれに相槌を打ち続けるおじさんなど、幾人もの人がそこにいるのが「視え」ます。  あのパントマイムと同じことが、小説でもできるのですね。  といいますか、できるようにしなければ、弟切はまともな作品を書けないでしょう。精進します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7623 投稿日 2004年2月18日(水)21時33分 投稿者 新木 伸 >腱鞘炎とか >>痛くならないようにはどうすればいいか考えた方がいいという事です。  ですから、痛くならないようにと考えているのですけど。 3.もうどうにもならないくらい痛む。→病院に行く。 2.わりと痛む。集中力の妨げになるくらい。作業の続行は可能。→だましだましやる。 1.痛み――と呼ぶほどでもないが、その兆候。 0.まったく平気。  この1あたりだと、わりと日常的に起きることでして。  2になっても、病院に行ったほうが早いのだろう、とは思いつつ、なんとなく作業を続けてしまいます。  3は経験ないです。僕は根性なしなんで、2のあたりで休んでしまいますので、自然回復します。  いまは1なわけでして。  ここからタイピング量を落とすことなく、0に回復させる手はないのかなぁ――と、そういうことなのですが。 >キャラの話  弟切はキャラに関しての関心が薄いので、どうしても、物事の上っ面しか撫でようとしないのだなぁ。  物語というのは、シェークスピア以降の演劇から進化してきたわけだけど。  演劇では、キャラに「魂」を与えるのは、役者の仕事だったわけね。  しかし小説では「作家」の仕事なわけだ。  おろそかにしてたらいかんよ。  作家は「役作り」に関して、プロの役者と同じレベルで対等に話せなければならないんだよ? わかってる?  おまえ、話せるの?  プロの役者と「役作り」に関して対等に?  いま現在、自分がどれだけ足りないのか、わかってる?  まあそれを言ったら、「構成」に関しては脚本家と対等に話せなきゃならんし。  「演出」に関しては演出家と対等に。  「カメラワーク」に関しては「カメラマン」と対等に。  「設定」に関しては、「道具さん」「衣装さん」「モデラーさん」と対等に。  ひとりでなんでもできなくちゃならないから、大変なんだけど。  えーと、川上さんのところの、「人物造形」への直リンはこれだな。 http://www.din.or.jp/~arm/edu/edun04.htm  キャラ表を埋めてゆきながら考える。  そのときに埋めてゆく項目は、あのぐらい大量である。  人物造形というのは、そういうもの。  弟切も含めて、アマチュア作家は、「人物造形」の部分で手間を省くものだから、キャラが人間として見えてこないわけだ。根無し草となってしまう。ただ人真似をしているだけの、出来の悪いロボットにしか見えなくなる。  過去も経歴も持っていなくて、話の中に出てきているときだけ、作者からの操り糸で操作されて、動かされて喋らされてはいるけど――話の「前」と「後」では、操り糸が外れて、ただの動かない人形となっている。  短編だろうが掌編だろうが、描写課題だろうが、あのぐらいの「根っこ」が備わっていなければ、そのキャラは「人間」として見えてこないわけね。  話に描かれる部分だけでなくて、過去にも未来にも渡って、きちんと生きて生活していないようなのは、人間とは言わない。  川上さんのところにあるあの方法は、造形で「人間」を作るノウハウ。  別なやりかたで、作品に「人間」を登場させる人もいる。  いわゆる、僕が「降りてくる」とか言っているアレだけど……。  たとえば「人物造形」で作ったキャラは、その経歴やら、みんなわかるわけだよね。  たとえば家族構成やら、趣味やら、服装やら、髪型やら。好きなもの。嫌いなもの。なにが許せないか。なにをすると喜ぶか。  ――そういうことを、色々と、決めてある。  降りてきたキャラのほうも、そういった経歴やら、性癖やらをすべて一揃い持っている。  それは「人物造形」でも「降りてきた」でも、おなじことなのね。  過去を持ち、経歴をもち、元々備えていた気質と、積み上げてきた経験とによって培われた「人格」を持った「人間」である。  そういう点では、まったくおなじ。  人物造形で作るキャラは、作者がすべて決めておかなければならないが。  降りてきたキャラの場合には、その手の経歴などは――訊けば済む。  どんな幼少時代を過ごしてきたのか。どんな服が好きなのか。いまなにを着ているのか。食べ物はなにが好きなのか。髪型はどうで、目の色は――みんな、本人をじかに観察するか、訊けば済む。  作者は、キャラについての設定表などは作ったりしない。  必要ない。本人はそこにいる。  ただ訊ねるだけで、矛盾のない一人の人間の経歴というものを、すべて聞き出せる。  たとえば、弟切やら、2号やらって、そこに実在している人間じゃん?  人格だって持っているよね?  ああ、そういや俺、弟切とは会ったことはあるけど、2号とは会ったことないなぁ。もしかしたら、どこかの研究所が極秘裏に開発した「人工無能」が、インターネットに繋がれていたりするのかもしれないが……。  まあ、掲示板の向こうに、経歴も過去もすべて備えた「人格」があって、「人間」がパソコンの前に座っているという感じはある。  だからたぶん、人工無能じゃなくて、本物の人間なのだろう。  ――で、2号や弟切に対しては、経歴も聞き出せるし、好きなものや嫌いなものも聞き出せるよね。  いま俺がこうやって話しかけている時にだけ存在しているわけではなくて、過去にも、未来に渡っても、ずっと存在しているし、「生活」しているわけだし。  しかし、弟切や2号の話の中に出てくるキャラというのは、そうではないのだ。  話に書かれているときにしか、そこにいないのだ。  作者に操られているだけの人形であって、作者が小説を書き終わってしまえば、その先の「生活」なんてのはないのだ。  操り糸が手離されたら、そこに座りこんで、もう動いたりしないのだ。  そのキャラが「人間」なのか「人形」なのか、チェックしてみる方法がある。  心の中で対話してみりゃ、すぐわかる。  チューリングテストに合格するようなキャラであれば、「人間」と呼んでさしつかえない。そうでなくてはならない。  (SFを読む人間になら、こういう説明がいちばん手っ取り早いだろう)  2号や弟切の描いてくるキャラっていうのは、台詞1個で、すでに「人間じゃないな」とバレちゃうんだよ。  せめて5分や10分はだまし通せっての。  ちなみに「チューリングテスト」についての説明は、このへんを参照のこと。 http://www1.accsnet.ne.jp/~thoshino/TTest.html  このページに貼られているリンクから、チューリングテストに(限定的に?)合格した「アリス」というAIプログラムと対話できる場所に行けるらしい。まあ英語だろうけど。  AI研究って、知らないあいだに、ずいぶん進んでいたんだなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7624 投稿日 2004年2月18日(水)22時01分 投稿者 新木 伸 >人物とか >>2号や弟切の描いてくるキャラっていうのは、台詞1個で、すでに「人間じゃないな」とバレちゃうんだよ。  自分の書いたところから引用だけど。  この部分。他に埋もれちゃってしまいかねないので、ここだけ、取り上げてみる。  事は、かなり重大なわけだよ。  どれだけ「人間」が書けていないか、2号や弟切は事態を正しく把握していないだろうから、書いてみる。  ここでは「台詞」と、それだけ書いてあるけど。  台詞に限ったことではない。動作やら表情やら、あらゆるものを含めての「反応」のことを言っているのだと思うように。  たとえば2号のものから、人間の反応となっていない部分を出してみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「わかりました。その――ママ」  一気に茉莉の顔が真っ赤になる。のどが唾を呑みこむように動いた。 「や、やっぱり照れくさいね、うん。でも大丈夫よ。慣れる。すぐに慣れるわ。そう、あの子たちも楽しみにしてるのよ。うちなんかほら、女の子ばっかりだから、瑠璃なんてずっとお兄ちゃんができるって楽しみにしていて――あ、瑠璃って一番下の子ね。それで……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  4人も子供を持っている母親が、「ママ」と呼ばれて、顔を赤らめたりするかってーの。  弟切のものだと、「メイド」の課題のときの、主人公の反応だとか……。  毎日、帰ってきている自分の家に入ってくるものの行動ではないわけだ。  さんざん指摘されて、直っていったようだけど。  結局、最後まで、こんな台詞が残っていた。 「んー、いつもながら、いい仕事してるじゃない」  何度も書き直しをやっていて、彼女の見るもの聞くものは変わっていっているのに、この同じ台詞だけが、同じ言い回しのまま、ずーっと残っている。  変ではない?  見聞きするものが変わっているなら、台詞だって、すこしは変わらない? 同じようなことを言ってはいても、言い回しに変化があるもんでは? -------------------------------------------------------------------------------- 腱鞘炎の件 No.7625 投稿日 2004年2月18日(水)23時40分 投稿者 ROM 新木さん へ。 >ここからタイピング量を落とすことなく、0に回復させる手はないのかなぁ――と、そういうことなのですが。 私も同じ事を先生に聞きました。 その答えは、 腱鞘炎というのは高山病と同じ様なものだ。 どちらも身体が異常な負荷に耐えられなくて悲鳴を上げていると思えばいい。 だから根本的な治療は簡単だ。 高山病なら山を降りればいい。腱鞘炎なら指を使わなければいい。 けれどそれはできない事情がある。ならば症状を和らげるしかない。 指を使うといっても365日24時間使ってる訳じゃないだろう。 痛みが出ないように治療して仕事を終えれば、指を休ませる事ができる。 一時の治療を惜しんで無理をすると、本当に仕事ができなくなるよ。 ・・・という事でした。 つまり、新木さんのご希望は、ここの参加者が、 「視点とか描写とか面倒な事考えなくてもぱぱっと書ける説の書き方ってないんですか?」と聞くのと同じ様なものだと思います。 裏技や早道がないのは小説だけではありません。 -------------------------------------------------------------------------------- >腱鞘炎とか No.7626 投稿日 2004年2月19日(木)00時26分 投稿者 新木 伸 >腱鞘炎とか >>指を使うといっても365日24時間使ってる訳じゃないだろう。 >>痛みが出ないように治療して仕事を終えれば、指を休ませる事ができる。 >>一時の治療を惜しんで無理をすると、本当に仕事ができなくなるよ。  ここのところが、いまひとつ読み取れないのですが。  ようするに、通院してきちんと治療すれば、完治しないまでも痛みは消せる(緩和できる)。  毎日指を使わなくてはならないのだとしても、寝ている時間とか、指を休められる時間はあるわけだから、治療と自然回復とを併用すれば、たいしたことにはならないで済む。  病院に行かずに頑張ってしまうと、結果として、長引くだけであって、いいことはなにもない。早め早めに治療を受けるのが吉。「あ、腱鞘炎っぽいな」と感じたところで、すぐに行っておいたほうがいい。  ――ということでしょうか?  肩こりも、腱鞘炎も、炎症からくる痛みや腫れが、さらなる炎症を呼んでしまうという「悪循環」が根底にあるということは理解しているつもりです。  うーん。  まあでも、病院って嫌いなんですよねぇ。  生活サイクルから合わせて、病院のやっている時間に起きないとならないし。  それに小説書くのに、「手」って基本的に必要ないものなんで。  自分が「絵描き」であったら、もっと「手」を大事にしているでしょうけど。  「手」も「目」も、いざとなったら、なくたってどうにかなる(小説を書くことはできる)と思っていると、つい酷使してしまうわけです。 (しかし10ポイントの極小文字を使っているHPには立ち寄らない)  しかし、やはり、「手を使わない」のがいちばんの解決法ですか。  手に異常を感じたらすぐに切り替えてしまえるように、口頭入力環境を備えておこうかなぁ。変換しないで、すべてひらがなで確定させてゆくのなら、かなり入力精度も高そうだし。変換は後からゆっくりやればいいわけだし。  一週間も口頭入力でやっていれば、手のほうも自然に治ってくるのだろうし。 -------------------------------------------------------------------------------- マイ・フェア・レディ No.7627 投稿日 2004年2月19日(木)02時28分 投稿者 弟切 千隼  題名は、映画にもなった有名なミュージカルですね。この原作は、英国の著名な劇作家バーナード・ショーが書いた戯曲です。原題を『ピグマリオンPygmalion』といいます。  『ピグマリオンPygmalion』は、ギリシャ神話に登場する人物ピュグマリオンに材を得て書かれました。  神話によれば、ピュグマリオンは腕のいい彫刻家でした。腕の良さが高じて、彼は自分が彫った乙女の像に恋をしてしまいます。愛の女神アプロディテーが彼を憐れんで、乙女の像を人間に変えたため、二人は結ばれたと伝えられます。 >人物造形  描写課題の「美人」をよりしっかりと書くために、視点キャラクターと美人の人物造形メモを作ってみました。課題部屋のNo.814に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=814&e=res&lp=767&st=0  小説内に登場させる人物を、「人形」でなく「人間」にするには、最低でもこのくらいは造形しなければならないのでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7628 投稿日 2004年2月19日(木)02時36分 投稿者 津荒 夕介 >あらすじ。  一日三冊は苦しいです。  日帰りクエストの三冊は、一冊は前日に完成させたあらすじでしたので、実質は二冊です。 >陸上のこと  陸上をやっていたのは、中3〜高2。高3になると自動的に幽霊部員(名前だけの部員)あつかいです。ちなみに好きじゃなかったです。嫌いでもなかったですが。軽い運動って感覚でした。私立で弱小。  中1〜中2はアメフトやってました。かなりキツイ部活でして……。嫌な思い出しかありません。(笑)嫌いだったので、ほとんどルールとか覚えてないし。  『平常時』  朝の練習なし。  授業。  3:30 開始 準備体操、基本練習  3:50 短距離 長距離 フィールドに分かれる。(僕は砲丸やってました)    1短距離  3:50 開始 スパイクにはきかえて、100mインターバルを10本。(インターバル、小休憩をはさんで、全力で走る練習)   4:30 やる気がないので、ようやくインターバルが終わる。スタートやバトンの練習をダラダラする。  5:30 終わり。  2長距離  3:50 開始 冬は坂だらけの5km走を2本。それ以外は気分で決まり、どこか遠くに行ったりする。まあ7kmぐらい走る。  5:30 終わり。    3フィールド「砲丸投げ」(なぜか砲丸投げをやっていた。体格は普通なのに……。記録は最高で9メーターぐらい。かなりへタレ)  3:50 開始 腕のストレッチ。砲丸を使ってウォーミングアップ。  4:10 正しいフォームの確認。投げる場所をつくる。(砂場でやってました)  4:30 実際に長さを計りながら投げる。  5:30 終わり。  たまに筋力トレーニングや、砲丸は足の爆発力も使うので、短距離と合同練習をする。   5:30 全員でクールダウン。ミューテイング。下級生がグランド整備。  5:50 終了。  雨天  最初のウォーミングアップは地下通路でやって、短距離とフィールドは筋力トレーニング。長距離は体育館をひたすら走る。 『大会前』  普段はサッパリ来ない顧問が来て、練習を見る。    1短距離  3:50 開始 インターバルはせず、タイムを計る。顧問の指摘を受ける。リレーがある場合はバトン練習をやる。  5:30 終わり。  2長距離   3:50 開始 自分の出場する種目にあわせて、タイムを計って、なんども走る。     3砲丸  3:50 いつもと同じ。  『合宿』(あんまし覚えてない……)  違うのは練習時間と、場所。きちんとした陸上競技場なので、試合の時と同じタータン(ラバーをコンクリートの上に張った地面でやわらかい。スパイクで走りやすい)の上で練習できる。    7:00 起床。散歩してから朝食。  午前練習  9:00 開始。準備体操、基礎練習を念入りに。  9:30 種目別に分かれる。  短距離 フォーム確認。100m 200m 400m インターバルを各4本。  長距離 よくわからない。  フィールド 50mインターバル10本。筋力トレーニング。  昼食。アンド休息。  午後練習  3:00 開始。準備体操、基礎練習を念入りに。  3:30 種目別に分かれる。  短距離 基礎練習をもう少しやって、100mを測定。      長距離 詳しくはわからないが、大変そうだった……。  フィールド 試合風の練習をひたすら。  終わるのは6:00ぐらい。  合宿は三日あり、三日目午前練習では全員の100m計測とリレーをやった。   >プロの練習とか。  練習内容は想像もつきません。  おそらくずっと陸上のことを考え、一日中練習をしているのでしょう。   >「高校生の部活レベル」の上のところで陸上をやっている人  想像で書きます。    朝の練習あり。  授業  放課後の練習は、7時ぐらいまで。  上位校だと陸上のことばかり考えている部員ばかりでしょうし、部活の雰囲気がやる気に満ち溢れていると思います。  僕の部活は、どうやってサボるかを考える部活、みたいになってましたから。  それから顧問も毎日見に来るでしょう。  さらに練習施設もそろっているはず。試合と同じタータンがあったりとか。    メニューはわかりません。学校によって特別な事をしているだろうし。まあ、僕の部活の2倍はこなしていたでしょう。 >いまの僕の練習時間ってのは……  プロかな。    ふぬけ部活>時間を作ってもらって、練習する。  強豪部活>時間も作ってもらえるが、それ以上に練習したがっている。  プロ>時間があるので、一日中練習する。  幸いなことに一日中暇だし。(でも、そろそろ大学の予習とか始めないとまずいかも……)   中身は伴わないかもしれませんが、一日小説練習に使っているので、プロと同じ練習量……ではあります。 >プロ志望  プロ志望の人は、学業はともかく。仕事とか大変なわけです。  だから一日中使えるわけがない。でもまあ、ちょっとした休みに脳内執筆とか、してるでしょうが。  大切な時間を削って、小説練習時間をつくる人。    練習量は少ないでしょうが、プロの心(常に小説のことを考える)で生活する人がプロ志望。   >昨日のあらすじ  マンガ「拝み屋稼業」 著:都築真紀  一行あらすじ  僧の明範が悪い妖怪を退治する中で、妹が妖怪だった事、自分を慰めるために妹になっていた事、妖怪がまだ妹でいたいと思っている事を知り、共に生きようとする話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=807&e=res&lp=807&st=0    「俺に撃たせろ!」 著:火浦功  一行あらすじ    物忘れが激しい私立探偵ハマーが、最初の事件を忘却するが、関係ない大きな事件を解決する話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=808&e=res&lp=757&st=0  「トラブルシューターシェリフスターズSS01」 著:神坂一  一話目 一行あらすじ  人並み外れた力を持つなんでも屋職員の、幼い思考の少女メニィとクールな女レティが、シンジケートを退治する話。  二話目 一行あらすじ  チーム・シューティングスターが、宇宙海賊に襲われた味方輸送宇宙船を、宇宙海賊をからかうような方法で退治して救う話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=809&e=res&lp=757&st=0 >今日のあらすじ  「宅配屋ポー 第二話」 原作:石川孝一 漫画:光吉賢司  一行あらすじ  運送屋の青年ポーが、自分の仕事の本質を忘れた中年男に、仕事の本質を思い出させる話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=810&e=res&lp=757&st=0  「宅配屋ポー 第三話」 原作:石川孝一 漫画:光吉賢司  一行あらすじ  宅配屋のポーによって、空に恐怖を感じていた女性が、空のよさを知る話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=811&e=res&lp=757&st=0  「月と貴女に花束を」 著:志村一矢  一行あらすじ  暴走した力で殺した母親に、恨まれていないかと恐れていた青年冬馬が、冬馬の一家を殺そうとする巽を倒す中で、妻深雪の愛の力によって母親が恨んでいなかった事を知る話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=813&e=res&lp=757&st=0   レジュメ  1あらすじとか  2陸上のこと  3プロとか  4提出あらすじ -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7629 投稿日 2004年2月19日(木)11時08分 投稿者 新木 伸 >彫刻家とか >>神話によれば、ピュグマリオンは腕のいい彫刻家でした。腕の良さが高じて、彼は自分が彫った乙女の像に恋をしてしまいます。愛の女神アプロディテーが彼を憐れんで、乙女の像を人間に変えたため、二人は結ばれたと伝えられます。  はい?  わざわざ「神話」まで持ち出してくる狙いがわからん。そんな話、そこらにごろごろ転がっているじゃんか。  どこでも見かける話なのだが。  ライトノベル書いてる作家とか。あと漫画家とか。  自分の話のヒロインに惚れてない作家なんて、いやしないのだが。  アフロディーテが現れて、人間に変えてはくれないのだが。そこだけ違う。  あとカタカナ語を使うときは、媒体にあわせて言葉の表記を変えること。  神話辞典でも書くときなら、原音に忠実にやってもいい。だが一般的な媒体で扱うときには、あくまでも辞書が標準だ。「アフロディテ」もしくは「アフロディーテ」ね。  世間様に向けて話すときに、神話オタクの「方言」を使うのは禁止ね。 >腱鞘炎とか  温熱療法にする。  気分転換のときに風呂に毎回入る。貼り付けタイプのホカロンを、服の上から患部に貼っておく。  これでだいぶ楽になった。  しかし、やはり手に関しては、「代替え方法」をなにも用意していないというのが、根本的な問題なのだな。  このあいだから目が謎の充血をしているのだが、コンタクトやめて、眼鏡に切り替えたら治まったので問題ないし。(眼鏡が予備)  パソコンは不調になったときのために、すぐ使えるノートパソコンが予備の予備の予備と、3台ほど確保されているし。  通信回線はADSLのほかに、携帯電話があるから、それでモバイル通信できるし。  手も、目も、パソコンも、通信回線も、すべては小説を書くための道具でしかないわけだ。  そのなかで手だけ「予備」がないっていうのが、根本的にいけないわけだ。  思考入力デバイスが、早いところ実用化されないかなぁ。  文章は頭の中にあるわけだから、それをエディタの画面上に写し取ってくれると楽なのだが。漢字変換作業も不要となるから、誤字も誤変換も、原理的に出なくなるし。  そうなったら、こんどは「手」のほうが予備の入力デバイスとなるわけか。 >弟切 >人物造形メモ  たわけが。  川上さんのところのメモ、ちゃんと見てるか?  書き取ってある内容の種類が、ぜんぜん、違うだろ?  ちと引用させてもらうけど。 >>1:名前 >> 必要なら字名も列記 >>2:種族 >> 現実舞台なら必要ないかも。 >>3:職業 >> ”学生”も立派な職業です。 >>4:年齢 >> 少なくとも作者の中でははっきりさせておくこと。 >>5:身体的特徴 >> 外見的特徴。 >> なお、肉体のことであってファッションのことではありません。 >> 顔の造形などについてもここで。 >>6:服装的特徴 >> ファッション系情報。 >> 場合によっては装備なども書く。 >>7:表情的特徴 >> そのキャラクターの仕草やクセなど。 >>8:性格 >> どういう心理活動で動いているのか、と。 >>9:経歴 >> キャラクターの今までの人生。 >>10:疑問点 >> そのキャラが抱いている疑問や問題。  これでもまだちょっと足りない項目があると思うけど。  僕なら本人の思想に関して、好きなこと、嫌いなこと。怒ること、喜ぶことなどを別に1項目立てるだろうか。キャラを作ったことはないんで、実際にやったわけではないんだけど。  それにしたって、弟切のほうは、肝心なものが欠けまくっているだろ。  アルバイトしようと考えているとは書いてあっても、アルバイトに対してどんな「期待 or 恐れ」を持っているかとか、そういう肝心な部分が書いてない。役にたたん情報ばかりだ。  携帯電話がどうのなんて、くそどうでもいいことも、山ほど書いてきている。携帯の所持が学校でどうなっているかなんて、人物造形と関係ないだろ。そいつは携帯が好きなのかよ? 携帯を面倒くさいと思っているのかよ? 面倒くさいとしたら、それはなぜなんだよ?  量を書いただけで、満足してるんじゃない。ゴミ情報は、どれだけあったってゴミなんだよ。ゴミを取り除いたら、役に立つ情報はあのうちの2割ぐらいだぞ。 >津荒 >>3:30 開始 準備体操、基本練習 >>3:50 短距離 長距離 フィールドに分かれる。(僕は砲丸やってました)  たぶん、いまの僕がその練習に参加したりすると、この3:30〜3:50の「ウォーミングアップ」の部分だけで、へとへとになってしまうだろうなぁ。  貧血起こして、ぶっ倒れてしまうかもしれない。もしかしたら救急車呼んでもらうことになるかも。  これは冗談ではなくて、真面目な話ね。  貧血起こしてしゃがみこむのは、まあ確実だろうなぁ。駅の階段駆け上がっただけで、もう気分が悪くなるし。  そのぐらい、体力がない。 (書いていたら、35歳にしては、体力なさ過ぎじゃないかと思ってきた)  俺はこうして実際の体力がないわけだが……。  津荒のほうは津荒のほうで、「小説の体力」がないのだな。  毎日3冊読んで、あらすじ3本書くと、へろへろになっちゃうわけだろ。  あと分室にレス書いたりするのも、ひどく大変なことなのだろ。  言っとくけど、長編のあらすじ3本書くのなんて、そんなの、俺らプロにとっちゃ、3:30〜3:50の準備体操みたいなものなんだよ?  俺らが単なる準備体操として、単なるウォーミングアップとしてやっていることが、君にとっては、貧血起こして、救急車で運ばれていってしまうほどの運動量に相当するんだ。  鷹見さんだって、7分で描写課題1個やっていただろ?  あれ仕事の合間の「気分転換」でしかないんだってば。課題とか修行とか、ぜんぜん、そんなのじゃないわけ。仕事の執筆で疲れた肩をほぐすために、ちょっとラジオ体操をしたようなもんなの。体力なんて、ぜんぜん、これっぽっちも使ってないわけ。  わかる?  実際のところ、たぶん20分もあれば、できるんじゃないかな?  長編を3本読んで、3本あらすじ書くぐらいのことであれば。10分で3冊チェックして、3分20秒で800字ずつだろ? 俺、分速240字は打てるから、指を止めなきゃちょうど3分20秒で800字を書き終わる。  できるよ。  だいたい休憩時にだって、毎回、そのくらいやってる。  週間ジャンプ読むだろ。そこにある連載作品、すべてあらすじに写し取って……、気に入った表情やら構図やら動きやら、言葉で描写化して写し取って……というのが、気分転換であり、休憩の時にやること。  ――で、だ。  20分の運動をしただけで、貧血を起こしちまうような、俺みたいな中年のオッサンが、オリンピックに出てメダルを狙おうと本気で考えたら――。  どれだけの覚悟が必要で、どう生活を組み替えて、どれだけ練習をすればいいのか――見当がつかない?  まあ、いま俺が、「これからオリンピックを目指す」なんて言いだしたら、誰も本気になんてしないだろうし。  本気だとわかってくれても、「無理だからやめとけ」と言われるだろうし。  でも俺から見たら、オマエも同じこと言ってるわけ。  そんな体力なしの、へなちょこりんが、世界大会に出るって? プロになるって? 俺たちのいる「ここ」にまで来るって?  本気か。やめとけ。無理だろ。  ――などと、そんな分別のあることは、俺は言わない。  かわりに、「やるなら、これだけの練習が必要だ」と、そう言う。  人が、努力しだいでプロ作家になれるということは、なにより俺が知っているから。  まあ、35歳のおっさんがオリンピックに出るよりは、すこしは楽ってもんだろ。  なにより若い。18歳なんだから、オッサンと同じ練習をやったって、体力の付きかたが格段に違う。  とりあえず、なんかツテをたどって、「強豪校レベルのスケジュール」「国体強化選手レベルのスケジュール」「プロレベルのスケジュール」の詳細を調べあげてこい。  陸上部OBだとか、顧問の先生だとか、他校の強豪校にいる知り合いだとか、なにかツテがあるだろ。またはインターネットでも、陸上雑誌でも、なんでもいい。どんな調べかたでもかまわない。  100メートルダッシュを何本やるのか。何キロ走るのか。筋トレはどんな構成で、何セットやるのか。可能な限り詳細に、だ。  自分が同じ練習メニューで1日を過ごすことができるぐらいまで、詳しく、知ってくること。  いま津荒がやっていることって、ただの「仲良し運動部レベル」なわけだよ。  そこをまず、「強豪校レベル」ぐらいにする。  「国体レベル」「プロレベル」――なんてのは、それから先の話。もっと体力がついてから。いまのおまえがプロの練習量をやったら、2〜3日で死んじゃうよ。  べつに陸上選手でなくたって、「本気で目指している人」の生活なら、なんだっていいんだけどね。  津荒の身近なものってことで、陸上選手の生活にしている。  他にもっと身近なものがあるなら、それでもいいよ。  音楽だって、芸術だって、寿司職人だって、自衛隊員の訓練内容だって、なんだってかまわない。  「プロ」もしく「本気のプロ志望」の人間の生活内容であれば、なんだって、かまわない。  ちなみに昔2号にやらせたときには、「プロレスラーの練習内容」だったっけ。あいつ、プロレスファンをかたるわりには、ぜんぜん知らねーでやんの。  ところで、津荒の家は、親父さん健在だよな。(大学に行かせてもらえるということは、おそらくそのはず)  親父さんの仕事は、サラリーマン?  職人系だったりすると、父親に取材でもいいはずだ。修業時代の一日を聞き出すわけね。 >あらすじとか  そういや仕事のほう。  構成がまとまってきたから、見せる用のあらすじ書かなきゃならないんだよなぁ。面倒くさいなぁ。でもやらないとなぁ。  今日の「ウォーミングアップ」はこんなもんにして、そろそろ取りかかるか〜。  そういえば、夢境学園の3巻に、僕が自分で書いたあらすじを載せていた。  津荒に見せることにする。(どうせ夢境3巻、買ってないんだろうし) ○上巻あらすじ(20文字×38行、760字) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  “影の生徒会”による学園支配を退け、晴れて防衛部の一員となった一文字達也……。  しかし達也はいま、新聞部による執拗なパララッチ攻勢に悩まされていた。達也を追うのは、強気系メガネっ子・常盤貴子と、脱力系シタッパー・コジロー少年の新聞部強力コンビである。だが全体的にいえば、夢境学園は平和そのものであるといえた。  そんな夢境学園の平和な一日は、突如校庭に開いた魔法陣によって破られてしまう。魔法陣は違う時空間へと繋がっているらしく、その中からは、一振りの聖剣を携えた異世界風の少女が現れる。そして少女を追うようにして、魔物たちの一群が出現してきた。  出動していった防衛部の面々によって、魔物たちは撃退された。保護された少女は、自分が王女であると名乗る。エスメラーダ王女は、聖剣を扱える“勇者”を求めて、魔界からやって来たのだ。魔王の侵略を受けて、魔界はいま滅亡の危機に瀕しているらしい。  この世界のどこかに“勇者”がいるというのなら、そいつはきっと、この学園に在籍しているはず――そう確信した達也たちは、校内放送で勇者を呼び出すことに決める。  やがて現れた「勇者」は、なんと、新聞部シタッパーのコジローであった。  はじめ王女は、コジローが勇者であることを頑として拒絶していたが、たくましく成長してゆくコジローに、その心を開いてゆく。 そして――。ひそかにコジローを慕う新聞部部長と、恋の争奪戦が勃発!  その一方で――王女奪取の密命を帯びて、魔王の副官である妖女エキドナが、地上へと送りこまれていた。  だが防衛部の面々は、恋の鞘当て見物に夢中であって、ぜんぜん気づいてもいやしない。  そんなことでいいのか防衛部? 出動せよ防衛部! 学園の平和を守り抜くべし! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  2巻と3巻は、上下巻で、続きものの話。  このあらすじは、「起承」の部分だけなので、終了状態はまるで書かれていない。色々と放り投げておいた展開やら伏線やらが、着地を決めるのは下巻での話。  3巻冒頭に収録したこのあらすじは、以下の人を対象にして書かれている。 ・上巻を買わずに、いきなり下巻を買ってしまった人への救済策。 ・上巻を読んでいたけど、話を忘れかけている人に、思いだしてもらうため。 ・上巻を読んでいて、ばっちり覚えている人に、楽しんでもらうため。  上巻の話をまったく知らない人と、知っている人と、両方に向けて書かれているために、「筋を伝える」という役割だけでなく、読み物としても楽しめるものにしてある。  あと夢境4巻に収録されている短編のあらすじ。  これは企画段階で編集さんに見せたやつ。 「桃子の初恋」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  桃子に初恋が訪れる。いつになく乙女チックな桃子のようすに、防衛部の面々は恐怖さえ覚えて大混乱となっていた。  桃子が惚れたその相手というのは、ある雨の日に、橋の下の子猫を助けてやっていた男の子なのだという。  そして面々は桃子が「女らしさ」を身につけるための特訓に付き合うことになる。半分は後輩である桃子のため。そして半分は自分たちの精神の安定のために――。  料理ダメ。仕草ダメ。言葉遣いダメ。趣味もダメ。そのほか色々すべてダメ。あらゆる方面で玉砕してしまう桃子であった。  途方に暮れる達也たち。だが肝心なことに気がつく。恋愛というのは相手がいてこそ成立するものであり、相手の男の子の趣味やタイプがわからないまま、闇雲に女らしさを身につけようとしても意味がないのだと。  わずかな希望をそこに見いだして、相手の調査に乗り出す面々。  橋の下に連れて行かれ、相手が現れるのをこっそりと伺う。 「あれが犬神君っす」と、桃子が紹介した相手は、なんと正真正銘、本物の「犬」であった。野生児である桃子にふさわしい、「初恋」の相手であった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7630 投稿日 2004年2月19日(木)14時40分 投稿者 津荒夕介 >頭の体力がない  うう、しぼむー。  せめて長編を速く読めれば。 >プロとか  陸上は全然身近じゃないです。書いたとおり、やる気なかったんですもの。つてもなにもありゃしません。  一番身近なプロは、やっぱり新木さんです。  >>眠気が取れるまで寝て、起きて頭が回らないうちは空腹にコーヒーを流し込みつつ、分室へのレスを書く。 そしたら朝飯を摂って、すこし書く。何度か中断を挟みつつ、漫画とアニメと映画と小説とを、サプリメントとして摂取しつつ、また執筆。昼飯食ったら昼寝して、起きたらまた書く。  集中しすぎて、頭が加熱ぎみになってきたら、分室を読んで、レスをちょろっと書く。風呂入って次のシーンを頭の中で構築しつつ、風呂から上がったら、また書く。  夕飯まで時間があるから、腹を減らすあいだに分室を覗いて、なんか書く。腹減ってきたら飯作って、そしたら寝る。  14時間起きて、12時間寝て、26時間周期で1日が回っているが。べつに世間様の1日に合わせる必要もないわけで。  これがプロのスケジュール。凄すぎる……。   >>眠気が取れるまで寝て、起きて頭が回らないうちは空腹にコーヒーを流し込みつつ、分室へのレスを書く。 そしたら朝飯を摂って、すこし書く。    この、すこし書くってところで、すこしも書けずに撃沈です。プロレベルの小説なんて、描写ができないのに書けるわけない。   >僕はどうすればいいのか。   >>いま津荒がやっていることって、ただの「仲良し運動部レベル」なわけだよ。そこをまず、「強豪校レベル」ぐらいにする。  僕は強豪校レベルにならねばならない。  強豪校レベルってのと、仲良し運動部レベルの違いは、  1設備、指導力が違う。  2生徒の士気が違う。  3生徒の基本能力が違う。    1は、よみかくの皆さんがいるので、クリア。  2は、どうにかなる。  3は、練習するしかない。    陸上の場合、才能がかなり大切。才能があって努力した人が強い。  才能がない人は、ひたすら練習しても県大会止まりです。オリンピックなんて絶対無理。  でも、プロになりたい。 >>本気か。やめとけ。無理だろ。  いや、まったくそのとおりです。無理ですよ。  しかし、できるだけのことはしたいのです。 >国体レベル  強豪レベルを国体レベルにするには、国体レベルの1、2、3が必要です。1は素晴らしいのですが、3が決定的に足りていないです。   >結局  この話題は自分の現在地を実感するのが狙いなのかな。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7631 投稿日 2004年2月19日(木)23時42分 投稿者 新木 伸 >津荒  この話題の狙いがどこにあるかというと、自主性を引き出すためかな。  言われたことを、なんでもハイハイ素直にやってくるところは津荒の長所だし。  まず「自分は小説に関して一角の人間」という鼻っ柱をへし折ってやるところから始めなきゃならない参加者が多いなかで、津荒は珍しいタイプだと思う。  ――が、教わってたって、作家になんて、なれやしないのね。  ここは「ジム」なんだっていう言葉、まだわかっていないんだよな。津荒は。  学校だの塾だの部活だのといった、そういう「教えてもらえる場所」でのスタイルに慣れちゃっているのだろうなぁ。  たとえば部活の練習だって、百メートルダッシュを何本やれ――と言われて、嫌だなぁ苦しいなぁ面倒だなぁと思いつつ、とりあえず、言われるままにやっておいたわけだろ?  百メートルダッシュは、運動生理学的にいえば、どんな効果がある練習なわけ? どこがどのように鍛えられるの? どのくらいやるのが適切なの?  そんなこと、なにひとつ、知らないだろ?  気にもしないで、ただ「走れ!」と怒鳴られるから走っていただけだろ?  宿題やれ、と言われたらやってくるし。  塾に行け、と言われたら言っていたわけだろ。  それが津荒の「いつものやりかた」なわけだろ。  お前がそういう「いつもの自分のやりかた」で小説のことをやろうとしているから、俺は「ちょっと待て」と言っているわけ。  そんなやりかたでなにをやってみたところで、小説のプロにはなれないのね。  言われることさえやっていれば、誰も文句を言ってこない。まわりの人はお前のことを「真面目」だといって褒めてさえくれる。  津荒がいままで住んでいたのは、そういう世界なわけ。  おそらく大学に入っても、それは続くだろう。俺は大学に行ったことはないからはっきりとは言えないが、まあ修士課程に進むわけでもなく、「卒業できればいいや」と適当に流しておくだけなら、いままでのやりかたで充分に通用するはずだ。  言われることをやってさえいれば、誰も文句を言ってこない。  ――しかしこのやりかたは、就職活動あたりを境として、ある日突然に、まったく通用しなくなる。  それまでの「学業」を中心とした世界では、「言われたことをやる」というのが、価値観だったわけね。善良で優秀であることが良しとされてる世界。  そこを出て、「仕事」の世界に飛び込んでくると、価値観がガラリと変わってしまうわけ。  仕事ができるか、できないか。  べつの言いかたをすれば、能力があるか、ないかだ。  ――その一点でしか、計られなくなる。  学業の世界で通用していた「言われたことをやるやつは優秀」って価値観は、まったく崩れてしまって、価値が突然ゼロになってしまうわけ。  無論、言われたことをやってこないやつはダメなんだよ。それはあたりまえ。だが「あたりまえ」ゆえに、それをやっていても、なんにもプラス評価を貰えない。「言われたこと」をどれだけやっていたところで、君の評価はプラスマイナスゼロから、ぴくりと動かない。  どれだけ真面目に言われたことをやっていたところで、それだけのやつは、評価がプラスマイナスゼロのままなわけだ。  他の「言われないことまでやってくるやつ」と比べると、相対的に「使えないやつ」という烙印を押されてしまうことになる。  学校内にいたときには「言われたことをきっちりこなすやつ」は「凄いやつ」だっただろうが――。  社会では、「使えないやつ」とされてしまうけね。  練習サボっている不真面目なやつが「使えないやつ」じゃないわけ。そんなの速攻クビなのは当然だけど、練習をきちんと出てきて真面目にやっているやつも、ただ言われたことをやっているだけだと、「使えないやつ」となって、やっぱりクビなの。  まあそれでもサラリーマンの世界なら、言われたことしかやらない「使えないやつ」でも、窓際あたりで「飼って」おいてやることもできる。  言われた仕事を言われたままやってくるだけの「半端仕事」しかできないやつにちょうどいい半端仕事が、オフィスの中にはいくらでも転がっている。  できるやつがやらなくてもいい仕事ね。そういう半端仕事は半端者に回される。オフィスのなかに数人ぐらいは、そういう半端者がいたっていい。  最近は不景気でリストラが進んでいるから、窓際で飼ってもらえなくて、すぐにクビになっちゃうみたいだけど。  いままで津荒の見てきた「世界」は、学校を中心とした子供の世界なんで、「真面目にやってたってなにも評価されない」なんて世界があることは信じられないだろうが……。  でも、そうなのね。  信じられないということであれば、そこらの社会人が、何人でも口を揃えて証言してくれるよ。  ――で、小説の仕事というのは、職人の仕事なわけだよ。  もう一ランクほど、厳しいところにある世界。  ダメなやつでも、なんとかみんなで手を貸して使ってやるようにしようよ。  ――てな風潮があるのが、世間一般の常識なわけだ。だめなやつでも、やる気があって真面目なら、見捨てないでみんなで支えてやろうよ。――という、優しさが満ちあふれている。  職人の世界には、そんなの、ないわけ。  ダメなやつは、飢えて死ね。  ――ってのが、職人の世界の常識だ。  支えあいやら、助けあいやら、ここには、まったくありません。  本当に飢えて死にます。  これはべつに職人に限ったことではなくて、「自営業」っていうのは、みんなそうなんだけどね。  そこらのクリーニング屋も花屋さんも、売り上げが悪いからって、まわりの人が援助なんてしてくれないでしょ? 容赦なく潰れてゆくもんでしょ?  ダメな店は、餓えて、死ね。  ほら、同じルールだ。  ――津荒だって、18年の人生のなかで、そういうルールが通用する世界を垣間見ているはずなのだが。  近所に潰れた店とか、見たことない? その店をやっていた人、どうしていた? どこかへ引っ越ししていったとか。借金抱えて一家離散とか、悲惨な話とか聞いたりしない?  いま津荒は勤勉ではあるけれど、自分の頭ではなんも考えようとしない「使えないやつ」なのね。  練習しろ、と言えば練習してくるけど、その練習がなんのためにやらなければならないものなのか、考えもしない。  俺に言われるまま練習していれば、そのうち力が付いてきて、作家になれるとでも思っているだろ。  プロになるために必要な練習メニューは、すべて俺が考えてくれるとか、そんなこと考えているだろ。  言われるまま、苦しいのを我慢して頑張りきれれば、プロになれるとそう思っているだろ。  「強豪校レベル」になるためには――てな話で、津荒はこんなことを書いてきてたよな。 >>1設備、指導力が違う。 >>1は、よみかくの皆さんがいるので、クリア。  指導力? なんじゃ、そりゃ。  つまり津荒は、この分室にいれば、「指導」してもらえるのだと、そう期待しているわけだね?  プロもいるし、上級者もいるから、いっぱい指導してもらえるのだろうと、そう安心しているわけだね?  分室説明の最初のところに、こう書いてあるのだが。 >>参加していると手取り足取り教えてくれてプロになれるなんて甘っちょろいことを考えている人は、どうぞ、回れ右してお帰りください。  「指導してもらおう」という気持ちで来るやつは、回れ右して帰れと、そう書いてある。  いいか?  俺はお前も含めて、誰かをプロにしてやるだなんて、ただの一度だって言ったことはないわけ。  そもそも、不可能なのね。  シロウトを一から鍛え上げて、国体やらオリンピックやらに送るなんてことは。  それを言ったら、街のチンピラがボクシングで世界を獲るってのも、同じぐらい不可能なことだろうが。  ああ、「プロ」の敷居はそんな高くはないんだっけ。  世界なんて取れなくても、プロテストに合格して、ちっちゃい会場でお客さんもほとんどいない中で殴り合いして、手取り3万円だかのファイトマネーを手にするような「4回戦ボーイ」になるだけであれば、誰にだってなれる。  どんなにシロウトでも、どんなに才能がなくても、どんなに体ができてなくても(ボクシングにゃ階級制ってのがあるし)、トレーニングと努力次第で、おそらく可能だ。  世界を獲るには、努力のほかにも「眩いばかりの才能」が必要だろうけど。  プロになるだけなら、才能は必要ない。  小説だって、同じこと。  「プロ」の水準までであれば、才能なんて関係ない。  才能があるやつは、生まれて初めて書いた長篇であっさりデビューしていったりするけど、才能がないやつだって、みっちりと、3年もやれば同じぐらいの実力は付いている。  ――しかし、言われるままやってるだけのやつには、どちらも不可能なのね。  言われるまま3年やってみたところで、まあ、「そこらのアマチュアよりは上手い」ぐらいなものだろうな。  意識改革をしないまま、このまま続けていたってどうせダメなのだ。  だからいまこのあたりで、意識改革しようとしているわけね。  たとえばいま俺が――、  「お前、見込みまるでないから小説書くのやめちゃえよ。俺もムダなことはしたくないから、お前にはなんもしてやらん。どうしても作家になりたきゃ、自分でやりな。まあ、なにやったところで無駄だと思うけど」  ――とか。  そう言ったとしたら、おまえ、どう?  次はそこのところを訊いてみることにしよう。  もし、そう言われたとしたら、おまえ、どう? -------------------------------------------------------------------------------- 早く人間になりたぁーい(from『妖怪人間ベム』) No.7632 投稿日 2004年2月20日(金)00時38分 投稿者 弟切 千隼 >ピュグマリオン  新木さんのようなプロ作家さんや、プロの漫画家さんなどにとっては、ピュグマリオンの神話など、日常的に接している物語のパターンでしょう。今さら持ち出されたら、「それが何?」となるのは当然ですね。  しかし、一般の人にとっては、そうとは限りません。  この分室は、様々な方が見ていると聞きます。プロの作家さんや編集者さんばかりでなく、プロ作家志望者、プロ作家希望者、アマチュア志望でも上達したい人、単なる好奇心旺盛な人など、動機も知識レベルも多様な人がいるでしょう。  となれば、分室でピュグマリオンの神話を紹介することは、意味があるだろうと弟切は考えました。これは、物語の黄金パターンの一つだからです。  このパターンに気づいていなかった人には、黄金パターンの紹介になります。気づいていても、ピュグマリオンの神話を知らなかった人には、ギリシャ神話の紹介になります。  「アフロディーテ」などの神名表記については、了解しました。一般の人にわかりやすい表記を心がけます。 >人物造形  川上さんのメモを参照しながら、描写課題「格好いい美人」の人物造形メモを書き直しました。  とりあえず、視点キャラクターの分だけです。課題部屋のNo.815に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=815&e=res&lp=767&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 腱鞘炎の件(続) No.7633 投稿日 2004年2月20日(金)03時36分 投稿者 ROM 新木さん へ No.7626の判断でOKだと思います。 腱鞘炎というのは腱とそれを包む「鞘」がこすれて炎症を起している状態です。 使うからこすれる>炎症を起して腫れる>更にこすれる>もっと腫れる・・・という繰り返しで痛みが激しくなります。 この腫れは虫歯なんかと違って、使わないでいれば自然に治る類のものです。 なのに、治る前に使ってしまうから悪化するんですね。 きちんと炎症を押さえる治療をすれば、腫れ>酷使>更なる腫れという悪循環を断ち切れるんですが・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7634 投稿日 2004年2月20日(金)15時31分 投稿者 津荒夕介 >なにも考えていないとか >>たとえば部活の練習だって、百メートルダッシュを何本やれ――と言われて、嫌だなぁ苦しいなぁ面倒だなぁと思いつつ、とりあえず、言われるままにやっておいたわけだろ?    僕は「理由を求めたがる人間」です。「人間が生きる理由はなにか」とか、どうでもいいことを悩みまくっていたのは、そのせいですよ。  ですから、百メートルダッシュを何本やれ――と言われれば、まず、なぜやらなければならないのか、その理由を求めます。  僕が陸上部で活動していたのは、「運動不足を防ぐため」です。ですから理由は自分の中で簡単に見つかりました。  百メートルダッシュをする理由>運動不足を防ぐため。  同じように学業もしてきました。  僕の目標は、「指定校推薦」 (高校から大学に生徒を推薦する制度。推薦された生徒は、ほぼ100パーセント合格する。高校と大学の信頼関係の上に成り立つ制度)  を勝ち取り、大学に合格する事。  必要ない科目は捨てました。どの科目で平均点以上を取り、どの科目を捨てるのか、勉強する前に決めていました。  大学に合格しなければいけない理由は、親が合格しろと言うし、自分でも行ったほうが楽になると思うから。  理由を求めるのは、つきつめれば、僕が「楽が好き人間」だからです。 >課題とか  新木さんに課題を貰うと、最初にその課題の理由を考えます。    最初の短編は僕の力をはかるため。  2号さんへの指摘課題も同じです。  あらすじ課題は、  1長編と短編の違いがわかっていないから。  2話の筋を意識して読み、本当に必要なものを見抜く。  3あらすじくらい書けないと、小説を書く前段階に支障が出るから。  4筋を意識して読んできた小説がなかったから。  5あらすじを見て、本文を想像できるようになるため。  6プロの文章を真剣に読む。    こんなことを「理由」だと考え、課題をやってきました。   >>――が、教わってたって、作家になんて、なれやしないのね。  教えてもらうのではなく、盗む。自主的に動く。 >>1設備、指導力が違う。 >>1は、よみかくの皆さんがいるので、クリア。 >>指導力? なんじゃ、そりゃ。 >>つまり津荒は、この分室にいれば、「指導」してもらえるのだと、そう期待しているわけだね? >>プロもいるし、上級者もいるから、いっぱい指導してもらえるのだろうと、そう安心しているわけだね?  違います。  施設>プロの言動や上級者の練習の様子>そこから盗む。  指導力>僕が自主的に動く。それに対する指摘が、正しいということ。  強豪校の陸上部員は、自分で本を読んだり頭を使って練習メニューを作ります。そのメニューが正しいかどうかを、上級者である先輩に質問したり、プロである顧問に相談します。  また練習でも、常に自分になにが足りていないかを確認し、それを補うにはどうすればいいかを考え、答えを出す。それを先輩や顧問に指摘してもらう。   >で、問題は  教えてもらえるからいいやー。言われたことだけしてよー。  ……という風に見えることが問題。  1他の人の話題につっこまない。指摘もしない。  2新木さんに指摘してもらうまで、改行のことに気づかなかった。  3確認しないこと。   1は、自分に力がないと知っているからです。上級者の話に、下級者がわりこんでも混乱をまねくだけでしょう。  それに自分のことで精一杯なのも理由です。  なるほどー、と思ったことは、メモって自分でやる時に活用する。  2これは、僕の悪い癖です。  指摘されなければ、正解していると考えてしまうのです。学校でついた癖でしょう。  常に自分を疑うこと。その習慣をつける必要がある。    3課題を提出する時に、その課題で留意したことを申告しなくちゃだめですね。するようにします。 >例えば…… >>「お前、見込みまるでないから小説書くのやめちゃえよ。俺もムダなことはしたくないから、お前にはなんもしてやらん。どうしても作家になりたきゃ、自分でやりな。まあ、なにやったところで無駄だと思うけど」  と言われたら。  まず悲しみます。それから、迷惑かけましたって書いて分室から出ます。  うー、なんか本当に言われそうで怖い。  ……でも、たぶん、一人でやるでしょう。  18年生きてきて、たった18年ですが、いろんなことをあきらめてきました。頭が悪いとか、運動神経がにぶいとか。  これらは、母や学校からやりなさい、と言われてやってきたことです。  しかし、小説に関しては別です。自分からやりたいと思った。  だから、無理でもいいんです。無理でも死ぬまで、挑戦したい。 >昨日のあらすじ  約280ページを読むのに、3時間。  あらすじを書くのに、2時間。   >前回新木さんのあらすじを見て  まず、おお読みやすい! ってのがありました。  それから上巻あらすじは面白かったです。(小説は読んでないです。読むべきだよな……。)  面白いのは、とりあえず必要ないし、一ランク上のことなので置いておいて、読みやすさの方を改善します。  1改行が多い。小説の文章と同じぐらい。  2設定がキチンと書いてある。  3文章が流れるようである。僕のは箇条書きに近い。  4本当に必要なことしか書いていない。    以上に気をつけて書きました。  二十三冊目「放課後退魔録ロストガール」 著:岡本賢一  一行あらすじ    強い妖力を持つ青年丈斗が、妖魔術クラブと協力して、学校の人食い妖怪の一部になっていた恋した少女夏芽を救う話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=816&e=res&lp=757&st=0 >その他    >>長編を3本読んで、3本あらすじ書くぐらいのことであれば。10分で3冊チェックして、3分20秒で800字ずつだろ? 俺、分速240字は打てるから、指を止めなきゃちょうど3分20秒で800字を書き終わる。 うーん。速く書くには、速くタイプすることと、速く読むことが必須です。  親指シフトとか、調べてみます。  あと、読むというか、チェック。これは大切な部分だけを読むってことですよね。今の僕は本文を読むことも課題の目的としてあるので、必要ないです。  ……が、いずれ身につけないと。これもやりかたを考えてみます。  このレスを書くのに、4時間。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7635 投稿日 2004年2月21日(土)01時25分 投稿者 新木 伸 >あらすじとか  夢境5巻のあらすじを、昨日編集さんに提出。  8000字ほどを、1時間でまとめる。  本来ならプロットに含まれる細かなエピソードも、ほとんどすべて拾いあげたあらすじなんで、そんな文字数になっているわけだが。  しかし書いていて、「おもしろくねぇ文章」などと思いつつ、書いていたり。  話がおもしろくないのではなくて、読み物としてどうかって話ね。  内容を伝えるための文章に、読み物としてのおもしろさまではいらないのだが。悩んでても意味がないので、とりあえず書き上げてしまったわけだが。  「上巻のあらすじ」のほうは、たしかあれは、2〜3時間ほどかけて書いていた気がする。  8000字に1時間と、かたや、800字に3時間ね。  おなじことを伝えるのでも、おもしろく感じる言い回しというのがある。  またおもしろく感じるけど、読みにくくなってしまう書きかたというのもある。  文章にはいくつかの方向性あるのだな。 1.読みやすい、という方向性。 2.おもしろい、という方向性。 3.わかりやすい、という方向性。 4.密度が高い、という方向性。  仕事で編集さんに見せるあらすじは、3の「わかりやすさ」を重要視して書く。あと1も同じぐらい考慮する。平易な言い回しやら、カビの生えた表現やらも、それを使うことでわかりやすくなるなら、バンバン使う。「ような/ようだ」などの気弱語による「たとえ」もバシバシ使う。  分室で書くレスは、3の「わかりやすさ」を最大優先。1と2の「読みやすさ/おもしろさ」を多少考慮。いちばん犠牲になっているのは4の「密度」。  あの「上巻あらすじ」とか、小説本文だとか――。  「読み物」として書く場合には、「読みやすさ」や「わかりやすさ」をあえて捨ててまで、「おもしろさ」のほうを取る場合もある。わざと読みにくくなるのを覚悟して、おもしろくしていったりするわけね。  そういうバランス取りに気を使っていると、たかが800字を書くのに、2時間も3時間もかかったりする。  これまでの津荒のあらすじは、「密度」にしか頭がいってなかったわけね。800字に収めるだけであっぷあっぷしていた。  んで、次からは、「おもしろさ」はとりあえず置いておくとして、「読みやすさ/わかりやすさ」を練習課題と、自分で定めてゆくわけね。  うん。いいんでないの?  いずれ全部身につけなきゃならないのは確かだが、まず手始めに「読みやすさ」から攻略っていうのは、戦略として間違ってないだろ。  ――で、津荒は「読みやすさ」と「わかりやすさ」を区別していないで、一緒に取り扱っているようだ。  そのままでは無駄とまではいかないにしろ、練習効果が半分ぐらいしか上がらないぞ。  下半身を鍛えるのか、上半身を鍛えるのか。下半身と上半身とバランス良く鍛えるのか。運動をするまえに把握していないと。 >>1改行が多い。小説の文章と同じぐらい。 >>3文章が流れるようである。僕のは箇条書きに近い。  この二つは、「よみやすさ」に関するもので――。 >>2設定がキチンと書いてある。 >>4本当に必要なことしか書いていない。  このふたつは、「わかりやすさ」に関するものだよ。 >>登校途中、妖魔術クラブと名のるクールな少女よしえと脳天気な少女サヤに、傷痕の事を指摘されるが、丈斗は無視した。  このへん、わかりにくいんだよね。  なぜかというと、「無視する」という行動の理由が書いてないから。  読んでいるこちらが、そこを考えなきゃならない。数秒ほど考えると、「まあ普段からそんな怪異とか、彼のまわりや体にはよく起きていて、トラウマ系になっていて、人に言いたくも、人から言われたくもないのかな?」と、そんな結論が出てくる。  「なぜ無視したのか?」の理由をこちらのかわりに考え出して、書いておいてくれると、たいへん「わかりやすく」なるものなのだが。  噛み砕いて、柔らかくして、食べやすくしてから――渡して欲しい、ということね。  ――と、このように、「読みやすさ」と「わかりやすさ」の練習をしているのだと、皆にアピールしておけば、その点を重点的に指摘してもらえるだろ。  「わかりにくいところ、ないですか〜」と聞いてみたり。  「読みにくかったところ、ないですか〜」と聞いてみたりするのだ。  自分の求める着眼点をはっきり示しておけば、気が向いた誰かが、指摘してくれるかもしれない。  ちなみに、「読みやすい」と「わかりやすい」に関しては、俺ちょっと得意よ。 >読む速さ  僕も熟読すると、それなりに遅くなっちゃうよ。  飛ばし読みするのではなくて、ひさしぶりに熟読した本が出た。  「神は沈黙せず/山本弘」  読むのにかかった時間を計測してみる。  およそ10時間。  これは1500枚だそうだから、350枚の小説だったら、2時間ぐらいかかる計算なのかな。文庫本だと2ページを1分で読んでいるから、だいたいそんなところ。  240ページの文庫本1冊を2時間なら、まあ普通だろう。  ちなみにみやびさんの熟読速度は、文庫本1ページを1分。このあいだ書きかけの星くず61ページを読ませたら、きっちり60分ほどかかってた。  また「神は沈黙せず」のほうは、ある作家さんは29時間ほどで読了したという話。  自分は読むの遅いほうだと思っていたけど、どちらかというと、速いほうだったもよう。  みやびさんの2倍ってのは、前から認識していたけど。(これはみやびさんが遅すぎるのだ。隣にいた紫よりも遅いんだもの)  ちなみに僕の10時間も、その人の29時間というのも、ノンストップで休憩なしで読んでの時間だろう。本を読み慣れている人は、本を読むことに熱中できる人でもある。10時間でも30時間でも、ずーっと読み続けていられるってことね。  しかし僕の場合、こうして熟読する文章なんて、めったにない。  読む愉しみなんてのは、だいぶ前に捨てた。本を読むなら、単位時間あたりに、どれだけ効率よく摂取できるかに重点を置いて読んでいる。  「愉しむ食事」なら2時間かかるけど、栄養を摂取するだけの食事なら、5分で済むわな。そういう読みかたをしている。そのために速読術を身につけた。20歳ぐらいの頃に、その手の本を4〜5冊読んで、ぜんぶ取り入れて独学で。  筋を取るのと、文章表現を見てゆくだけなら、熟読速度の5〜6倍ぐらい早くしても平気。  文庫本の見開き2ページを、5〜6秒ぐらい。  原稿用紙1枚400字なら2秒。  分室のログやら、インターネットで見かける文章のほとんどは、この速度で読んでる。  説明文って冗長部分が多くなるから、内容だけ拾うのであれば、すべて読まなくていい。必要な部分だけ  課題部屋にある小説なんかも、そう。  全体を目で追って、気になった部分だけに熟読をかけている。まあレスを書こうとすると、アマチュアの文章はたいていあちこち壊れまくっているために、どこも気になるので、すべてを熟読しなければならなくなるのだが。  本当に筋を追うだけでいいのなら、見開き2ページ、2〜3秒ぐらい。  3〜4分で一冊終わる。読めばあらすじは頭に入っているから、あとはそれを書き出してゆくだけ。  しかしまあ、やはり「愉しんで読む」ためには熟読が必要。  この熟読速度も、速読を身につけてからは、2倍ぐらいには上がったかな?  文章を読むときの、頭の基本クロックが上がったらしい。 >自分が目標とする速さ  ――で、自分には、どこまで必要なのかを考える。  1冊読むのに3時間というのは、みやびさんより速い。  津荒はまだ、千冊単位で本を読まなきゃならないわけだし、同じ冊数を読むのなら、熟読のほうが効果が高い。  だから熟読でいいだろう。  2時間ぐらいで読めるようになれると良い感じだけど、まあ3時間もたいして変わらないから、そのままでもいいだろう。  冊数を読んでゆくうちに、より集中できるようになってくるから、自然と速くなるはず。  ちなみに熟読でも、その2倍ぐらいまでは可能だよ。  1冊3時間の速さだと、頭の中できちんと音声化して読んでいると思う。いわゆる「黙読」というやつね。実際に声に出して読むのが「朗読」で、頭の中だけで声に出して読むのが「黙読」だ。  ちなみにみやびさんあたりに、わざと声を出して朗読してもらうと、早口くらいで朗読している。  僕が普通に精読する場合だと、競馬中継を越える速さで、口が追いついていかないぐらい。  そこからさらに集中してスピードを上げてゆくと、頭の中に、もう音声が流れなくなってくる。流れていても途切れ途切れで、全文は流れなくなったりする。  ただし、たいていの読者は津荒と同じ読みかた――「頭の中ではっきりと音声を出して読む方法」で読んでいる。  読者の身になって読むなら、その読みかたを体に染み付けておけばいい。  自分の書いたものを手直しするときにも、その読みかたで読むことになる。  そうやって、その速度で読んでいるときに、「引っかかる」「つっかかる」――となってしまって、スピードの遅くなる部分を重点的に直してゆくわけね。 >なにも考えていないとか >>僕は「理由を求めたがる人間」です。「人間が生きる理由はなにか」とか、どうでもいいことを悩みまくっていたのは、そのせいですよ。 >>僕が陸上部で活動していたのは、「運動不足を防ぐため」です。ですから理由は自分の中で簡単に見つかりました。  ばーか。  それは「苦しいことに耐える理由」だろうが。  誰かの「言いなりになる」ことにたいして、お前が自分を納得させるために捻りだしてきた「しょーもない理由」だってーの。  「なんでこんな苦しいことをしなくちゃならないのだ?」→「運動不足を防ぐため」  ――と、自分をそう納得させてたんだろ?  しかし「運動不足を防ぐため」だったら、べつに陸上部に入らなくても、100メートルダッシュなんてしなくたって、よかったんじゃないのか?  軽くジョギングするだけでいいじゃん。わざわざ「苦しくなる」ような領域まで負荷を掛けていかなくたって、充分な運動はできるだろ?  勉強してきたのも、一緒だ。ばーか。  指定校推薦を勝ち取って大学に入るため。  なぜなら「親がそう言った」から。  それだけじゃ納得できないもんだから、「自分は楽が好きな人間」だとか、「楽をするためにいまは苦労しておく」とか、そんな理由も見つけてきている。  嫌なんだけど、「嫌だからやらない!」と突っ張ねる意気地もなくて、まだ言いなりになっておいたほうが楽だから、なにか自分を納得させる理由を探しているわけね。 >強豪陸上部 >>強豪校の陸上部員は、自分で本を読んだり頭を使って練習メニューを作ります。そのメニューが正しいかどうかを、上級者である先輩に質問したり、プロである顧問に相談します。 >>また練習でも、常に自分になにが足りていないかを確認し、それを補うにはどうすればいいかを考え、答えを出す。それを先輩や顧問に指摘してもらう。  元陸上選手だったプロの専属コーチなんかがいるのは、強豪校のレベルなのか、そのさらに上になるのかはわからないが……。  ここで、先輩や顧問やら、コーチやらに確認するわけね。  ここで津荒の発想っていうのが、まだ「学生レベル」から出てきていないんだってば。  まず「なにもかも教えてもらうのが普通であたりまえ」という発想があるわけだろ。  だから「自分で練習メニューを考え出す」ということは、津荒にとっては、特別なことをやっているという意識があるわけだな。一生徒が普通はやらないことをやっている。だから強豪校の生徒は凄いわけだな。  そして先輩や顧問やコーチやらに、自分の作った「練習メニュー」を提示して見せたら、相手はそれで正しいかどうか答えてくれるのは、「当然」のことなわけだな。  だって先輩が後輩のために「なにかしてやる」のは当然のことだし。  顧問やコーチなんて存在は、「そのため」にいるわけだし。特にコーチはそれで金をもらっているわけだし。  だから、そういう考え自体が――ひどく「お子様」なんだってば。そう言ってる。  まず――。  「自分で練習メニューを考え出す」なんてことは、特別でもなんでもない。  お前のための練習なんだから、お前が考えるのはあたりまえだ。  いつもいつも、夕飯をママに作ってもらっているような「子供」は、たまに自分で夕飯を作ったら「ほら自分で作ったよ!」と自慢のひとつでもしたくなるのだろうが――。  自分で食う飯を自分で作るのは、あたりまえだ。  誰もお前に走ってくれなんて願ってない。お前が走ろうが走るまいが、世の中の人は、どうだっていいんだよ。  誰もお前に小説を書いて欲しいなんて願ってない。  お前が小説を書こうが書くまいが、世の中の人はどうだっていいわけだよ。  そして俺も、どうでもいいんだよ。  お前はプロ作家になんて、ならないでいいわけ。  そこをお前が勝手に「プロになりたい」と言ってきているわけだろ?  まわりの人間は、おまえのその「わがまま」に付き合ってやる義理もなければ、面倒を見てやる義理も、なにひとつないわけ。  誰もお前の「小説がうまくなりたい」という欲求に関して、サポートしてやる義理はない。  小説に関して、懇切丁寧に教えてやる必要がないというだけでなく――。  おまえが自分で考えた「練習メニュー」にたいして、「合っている」とも「違っている」とも、ただのひとことだって、答えてやる必要さえないわけ。  それがデフォルトなんだってば。デフォルト=「基準/標準」って意味ね。  自分で練習メニューを考えました!  ――とか言ってるのって、「自分でごはん作れたもん!」と言っているように聞こえるわけね。  そりゃね。  子供としてはね、凄いことだよ。とってもえらいよ。  すごいねー。えらいねー。  しかし、まだ18歳とはいえ、大人の社会に入ろうとしている大人なわけだろ?  なら他の大人と同じように、普通に、大人扱いされるわけだよ。  君はもう子供として見てもらえないわけ。特に「プロになりたい」なんて言ってしまって、その小説修行をする場所にいるなら。  自分で練習メニューを考えました! なんて、言ってみたところで――。  てめえが食う飯を、てめえで作るのはあたりまえだろ。  なにあたりまえのことで威張ってるんだよ? ばかじゃねぇのか?  ――そういうふうに、言われてしまうわけだよ。 >自分でやれ、と放り出されたら  そういうふうに冷たく突き放すのが、「あたりまえ」で「ごく普通」な反応であることは納得してくれただろうが。(まあ、すぐには納得しないだろうなぁ。普通は二十歳ぐらいから数年かけて、ゆっくり学んでゆくもんだし)  そんなふうに冷たく言ってしまうつもりなら、そもそも、こんな分室なんて開いてない。  見込みがないから、てな理由で追い出されたやつも、これまで一人も出ていない。  公園でハトポッポにエサを巻いているおじさんは、どれだけトロくさいハトがいても、そんなことを理由に「エサ食いに来るんじゃねぇ」と追い立てたりはしない。  んで、またここでひとつ質問。 >>「お前、見込みまるでないから小説書くのやめちゃえよ。俺もムダなことはしたくないから、お前にはなんもしてやらん。どうしても作家になりたきゃ、自分でやりな。まあ、なにやったところで無駄だと思うけど」  この言葉を、どうして「追放」と受け取ったわけ?  ここで書いているのは、「俺はおまえにもう教えない」ということと、「お前には才能がない」ということだよね。  なぜ、これがショックになるのだ?  上のほうで、「子供の常識」と「大人の常識」について説明したけど。  大人っていうのは、「もうお前にご飯は作ってやらない」と言われたところで、べつにショックを受けたりしないものなのだな。  そもそも自分のご飯は自分で作るのがあたりまえなのだ。人が作ってくれるのは大変有り難いことだけど、それがなくなったとしたって、「普通」に戻るだけのこと。  また上記の言葉は、分室を出て行けという追い出しの言葉でもないわな。  会長が直々にコーチはしてくれないけど、ジムの隅っこで、サンドバッグ叩いていたっていいんだ。ジムの備品のダンベルを使って筋トレしていたっていいはずだ。  「俺はお前に教えない」と言っているだけで、たとえば2号やらに俺が与えた課題を盗んで、自分も同じことをやってみるとか。そしてちゃっかり課題部屋に自分のも上げちゃうとか。  なぜ「教えない」が「出て行け」に直結してしまうわけ?  誤解してしまったのだろうが……。  その誤解の仕組みね。  ここにもやはり、「居れば教えてもらえて当然」っていう思いこみがあるんじゃないの? だから「教えない」=「いなくなれ」と、思考が短絡して誤解してしまったのでは?  「教えない=出て行け」と、誤解してしまった仕組みを解説のこと。  自分の心の中から「嘘」にまみれていない「本当の理由」を掘り出してくるのは、慣れてない津荒には大変なことだろうけど――。  ぜひ聞いてみたいので、頑張って掘り出してみること。  あと、また他にも質問。  学業やスポーツが、親や学校に「やれ」と言われてやっていたというのは予想通りだが。  小説に関しては、誰に言われたわけでもないよな?  てか、まあ「作家になりたい」なんて言いだしたら、普通の親は反対するのがオチだろうから、しばらく黙っているのが吉だろう。  しかし最近はわかんないのだなぁ。小説系の専門学校なんてあるぐらいだし。わざわざ親が何十万も何百万も金出して、息子が「堅気の職業」からドロップアウトしていって、「やくざな商売」に就くことを後援しちゃうような時代だし。  ちなみに、もし「小説家になりたい」を反対しない親なら、大学やめて、フリーターになっておくのもひとつの手だな。「大学生活」の経験と、その4年間のあいだ「様々な職種」をアルバイトとして経験するということと、どちらがいいとも言えない。  大学に行ってみなければ経験できないこともあるし、4年間のあいだ、色々な職種を経ていないと経験できないこともあるし。  しかし専門学校はやめとけ。  「教えてもらおう」なんて気持ちでは、なにをどうやったところで、ダメなものはダメなわけね。  ちょっと考えればわかることだが、専門学校に来てしまうのは「教えてもらおう」という連中ばかりなわけだ。  そして前にも書いたとおり、そうした「教えてもらう」という性根がある限り、なにをどうやったところで、プロにはなれない。  よって行くだけムダだ。腐ったミカンは、他のミカンもだめにする。朱に混じって朱に染まずにいるのは、非常な克己心がいる。つまりヌルいやつらと馴れ合いをしていると、自分もヌルくなってしまうということ。  自分がヌルくなってしまわないように頑張るぐらいなら、その頑張りを、自分の修行に直接向けていたほうが効率がいい。  専門学校に行くのでも――。  まわりの連中を完全に無視して、講師として来るプロ作家だけを見て、そこからなにがしかのノウハウを搾り取ってやろう――と、そこまで自分をしっかりもって身構えて行くのであれば、まあ、いいのだが。  たしかに専門学校という場は、一般人が「実物のプロ」を間近で直接観察できる、数少ない場所でもある。  ――あ、脱線した。  元々の質問は、なぜ津荒は小説をやりたいの――ということだっけ。  ちなみに小説をやるだけなら、べつにプロにならなくたって、いいんだぞ?  昔と違って、いまなら自分のHPでも持てば、小説は世界に向けて発表できるし。  ただ俺みたいに一日中、小説のことをやっていればいいわけではなくて、生活や仕事もしなきゃならないから、大変だろうけど。  俺も、アルバイトしながら書いていたころは、けっこうしんどかった。  仕事しているあいだにその日書くぶんは頭の中に溜まってきていて、書きたい気持ちは渦巻いているんだけどね。しかし体は疲れている。バイトの掛け持ちとかやっていると、睡眠時間は3時間ぐらいになるし。  俺、今日、このレス書いたら、これからファミレス行って、午前中まで書いてくるところー。ハンバーグ食って、好きなときにデザート食って、コーヒーはお姉さんが巡回して向こうから持ってきてくれるし。いたせりつくせりの環境で、ただ、小説を書くことだけに専念できる。バッテリーも10時間以上持つし。  疲れて集中できなくなるまで、書いていていいのだ。  ああ。幸せ。  一日、すべてを小説に注ぎ込んでいても、誰も文句を言わない。  そういうの、うらやましいわけ?  なんだって、小説なんてものを書きたいわけ?  小説書いて、どうしたいの?  小説書いてると、楽しかったりするわけ? -------------------------------------------------------------------------------- 腹が減っては戦ができぬ No.7636 投稿日 2004年2月21日(土)05時00分 投稿者 弟切 千隼  米びつのお米が底を突きそうだったのを、ようやく補給した弟切です。ここのところ忙しくて、買い物に行く時間がありませんでした。  お米さえあれば、炊いて食べる物がありますから、飢えずに済みます。 >人物造形  視点キャラクターに続き、肝心の「美人」の人物造形メモも、課題部屋に上げておきました。No.817にあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=817&e=res&lp=767&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- きょうはじゅうはちぺぇじ No.7637 投稿日 2004年2月21日(土)09時20分 投稿者 新木 伸  単行本の書き出しってのは、普段は数日悩んでいたりするものなのだが。  なんだか初日で18ページも書けてしまった。  筆が暖まっていたせいかな。  この調子でずっと続けば、締め切り守れそうな予感。  なんか書くことないので、弟切のキャラ設定表などに突っ込みを入れてみたりする。 >弟切 >人物造形、美女の方 >名前:高階緋沙子  読めない名前、禁止って、いつも言ってるだろ。  なんでそんなに小難しい漢字を使って、難読な名前を付けたがるかなぁ。  あと、いらないこと、だらだらといっぱい書きすぎ。  川上さんのところのサンプルと、自分のものと、見比べてみなよ。「情報密度」がぜんぜん違うから。  「たくさん決めておく」ということと、「たくさん書く」ということとは、別だろ。  たくさん書くと、それだけでたくさん決めた気になってしまう。手を動かしていると、「考えた」と錯覚してしまう。アマチュアはそういうトラップにはまってしまいやすいって、いつも言ってるだろ。  書いてきたものを要約してみたら、実質、たいした量が残らないのではないか?  この手の人物造形メモは、本来、誰に見せるものでもないのだから、「人にわかるように」なんてことは考えなくていい。見る可能性があるのは自分だけ。何週間後か、何ヶ月後か、何年後かはわからないけど、自分自身には違いない。その自分にわかる程度に、ぎっちぎちに圧縮しちゃってかまわない。 >>身長は171cm、体重は65kgくらい。  その身長でその体重だと、かなりデブだよ。  俺、174センチで68〜72キロぐらいだから、同じぐらいの見かけになるはず。ということは、かなりデブっちょだよな。腹とか、ぽっこり出っ張っちゃうことになるぞ?  グラビアアイドルの「営業的数値」だと、171センチで48キロなんて化け物みたいな数字が出てくるけど。  実際に現実に存在する美人のデータなのだとしても、57〜8キロぐらいが妥当なんじゃないのかなぁ。 >>今の会社に出遭ってから、「そんなのはただのいいわけだ。体型は個性のうちだ」と悟り、積極的になった。  「性格が一変した」という過去を、容易に設定するな。  内気→積極的――と、性格が180度変わっていることになるが……。  そんな性格変化は、一本の長篇か、数冊のシリーズでもなければ起こせない。ぽっと出のキャラに、そんな過去を持たせるのは無謀ってものだ。  だいたい、どんな「出来事」があって性格変化が起こりえたのか――ぜんぜん考えてないだろ。「なんかあって性格が一変した」ぐらいの薄っぺらい考えしか持ってないだろ。  そういうことをやるから、キャラが「根無し草」となってしまうのだ。人間ではなくなってしまうのだ。「ドラマティックな過去を持つ」と言葉でラベルの貼られた人形にしかならんのだ。  まるでわかってない。  「人物を造形する」ということと、「人物にドラマティックな過去を持たせる」ということとを混同している。  過去を作れ――とそう言うと、「ど派手な過去」を作ってきちゃうのは、どうしてだろうか。  名前を付けろ――とそう言うと、「ど派手な名前」を付けてきちゃうのは、どうしてだろうか。 >津荒 >改行と読みやすさとの関係  改行を入れると、なぜ読みやすくなるのか?  改行を入れれば読みやすくなるというのなら、すべての行に改行を入れてしまえばいいはず。だがやってみればわかるけど、それを実行してしまうと、逆に読みにくくなってしまう。  アマチュアの小説で、そのことに気づかずに、ただ「改行入れれば読みやすいんだろ」とばかりに、毎行毎行、すべてに入れている馬鹿がいるけど。  すべての行に改行を入れてはいけないわけだ。  ――が、改行は多いほうが読みやすいのはたしかなこと。  では――。  どんなときに改行を入れると読みやすくなるのか。どんなときに改行を入れてしまうと、逆に読みにくくなってしまうのか。  それを考察してくるのこと。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろあった No.7638 投稿日 2004年2月21日(土)14時14分 投稿者 名無し君2号  プライベートで直下型地震が立て続けにおこる。  一段落ついたので復活します。 >No.104「ロマンティックな光景」 >一発ネタ疑惑  一発ネタじゃない……はず。  掌編の「ロマンティックな光景」ですが、ここでの一発ネタは「船に酔っているかと思ったら酒に酔っていた! ねー、すごいでしょ、これ、ねー?」ということですよね。  そうではないんです。  船酔いが酒酔いというのは、あくまでくすぐりのひとつであって……メインで描きたかったのは主人公の女性です。 >>この作品の中で読者が感じなければならない「酔い」は全部で3つあるんです。 >>(1)「ロマンチック」に酔う(ゆかり) >>(2)「船」に酔う(武史)<外見 >>(3)「酒」に酔う(武史)<オチ >>この3つの「酔い」を書き分けられなければこの話は失敗ですよね。 >>中でも船酔いの描写は読者を意図的に誤読させるためのフェイクであるのでことさら重要。  はなから「酔い」を書こうとは思ってませんでした。  だから船の揺れも書かず、酔いつぶれる彼氏の武史も描かず、主人公のゆかりのロマンティック酔いも書かず、です。  あくまで書きたかったのは主人公です。  女の子らしく海に沈む夕日に感動したり、かと思えば雰囲気ぶちこわしの彼氏に怒ったり……そういう「落差」を書きたかったんです。……伝わってませんけど。 >>とっても劇物を料理する腕前があるとは思えない。必然的にギャグに逃げるしかないのが見え見えなんですね。  ギャグはギャグですが、それは「主人公の落差」で笑わそうとしたのであって、「船酔いかと思いきや酒酔い」だけで笑わそうとはしてないです。武史は酒によっていた! チャンチャン、では終わってないと思うのですが。 >タイトル >>なんで「ロマンティックな光景」なんてタイトルを付けたの? >>そこのところを思考開示して、説明をすること。  これはタイトルが先です。  「ロマンティックな光景」→「感動」→「初期状態が感動なら、終了状態は落胆」という考えで書いた……はず。たぶんですけど。 >1000字課題  No.105「秘密」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=818&e=res&lp=550&st=0  子持ちの妹が既婚者の兄に、子供にかこつけて思慕の情を洩らす話。  No.106「ハーモニー」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=819&e=res&lp=550&st=0  ひそかに少女が惚れている、女関係に節操のない少年が、ふたごの姉妹の告白を受けて両方とつきあおうとするのを見て、とりあえず蹴ろうとするまでの話。  レスには1時間くらいです。すっとばした話題があると思うので、それは明日に返答。あ、四姉妹も明日です。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7639 投稿日 2004年2月21日(土)18時19分 投稿者 津荒 夕介 >あらすじの要素。読みやすさと、わかりやすさ。  そこまで思いつきませんでした。  なるほど、確かにわかれます。  指摘も了解しました。留意します。 >読む速さ。  僕は黙読しています。  速度を上げるとかは、考えなくていい>了解です。   >理由とか >>嫌なんだけど、「嫌だからやらない!」と突っ張ねる意気地もなくて、まだ言いなりになっておいたほうが楽だから、なにか自分を納得させる理由を探しているわけね。     はい。わかってます。 1陸上の場合。  は、そもそも嫌じゃなかったので、該当しませんが、   2勉強の場合。  自分を納得させる理由として、「推薦を取るため」という理由を立てていることは自覚してます。  だから「楽が好きだから」に行きつくんです。    嫌な勉強をする>やりたくないが、親が言うからしかたない>親を無視したらどうなる?>生きるのが大変になる>楽なのが好きだから、やるしかない。  こんなんでした。  だからなんだということもありませんが、報告までに。 >自主性 >> てめえが食う飯を、てめえで作るのはあたりまえだろ。 >>なにあたりまえのことで威張ってるんだよ? ばかじゃねぇのか?  了解しました。  今から強豪陸上部部員になります。 >つきはなされる >>この言葉を、どうして「追放」と受け取ったわけ? >>ここで書いているのは、「俺はおまえにもう教えない」ということと、「お前には才能がない」ということだよね。 >>なぜ、これがショックになるのだ? 1ショックを受けると思った理由  新木さんは才能がなくても、方法次第でプロレベルまで技術をのばすことができる……と、言ってました。  んで、それと矛盾したセリフなわけです。「才能ないから無理」っていうのは。  当然、あの新木さんが、なんの理由もなしにそんなことを言うはずがない。  僕なんかでは、反論の余地もないような理論を提示して、絶対にプロレベルになれないということを理解させてから…… >>「お前、見込みまるでないから小説書くのやめちゃえよ。俺もムダなことはしたくないから、お前にはなんもしてやらん。どうしても作家になりたきゃ、自分でやりな。まあ、なにやったところで無駄だと思うけど」  と、宣言するだろうなぁ。と思ったんで。  理論的にやられたら、まあ、ショックを受けるしかないな、と思いました。 2追放と受け取った。  いや追放というより、邪魔者になる、と受け取りました。  おそらく、あの発言の前には僕が納得するような理由が提示してあるはず。つまり僕はプロになれない(確定)  とすれば、プロになれない(確定)君は、ここに来るだけで、プロとプロになる可能性がある人の邪魔になる。  人の邪魔をする。人に邪魔だと言われる。  両方とも嫌いなので退出します。 >親。  親に言いましたよー。  志望校を決める時、「で……将来、なにになりたいんだ?」って訊かれたんで、まあ馬鹿にされるだろうなと思いながら「小説家です、お父さん」と答えました。  まあ、反対というか、相手にされませんでした。   >色々。 >>なんだって、小説なんてものを書きたいわけ?  なんでだろう。なにか作りたいから。んで、小説が好きだから。 >>小説書いて、どうしたいの?  たくさんの人に、楽しんでもらいたい。 >>小説書いてると、楽しかったりするわけ?  うーん。うーん。楽しいと思います。でも、誰かに読んでもらえるから楽しい。  一人で自分のために、こつこつ書くのは無理。 >プロになりたい理由。  たくさんの人に読んでもらえるから。プロになると小説のことを、たくさんできるから。 >改行とか(新木さんのあらすじを、引用します)  改行にはいくつか効果があります。  1読みやすくなる。  2インパクト!  で、1が問題なので、1の場合で改行する理由を  1場面が変わる時。  2内容が濃すぎる時。   >>桃子に初恋が訪れる。いつになく乙女チックな桃子のようすに、防衛部の面々は恐怖さえ覚えて大混乱となっていた。 >>桃子が惚れたその相手というのは、ある雨の日に、橋の下の子猫を助けてやっていた男の子なのだという。    最初の段落で桃子の初恋に対する防衛部のリアクションが書かれます。読者はこれでけっこう疲れる。  だから段落変えて、初恋の内容について書きます。  説明が終わったので、次の段落へ。 >>そして面々は桃子が「女らしさ」を身につけるための特訓に付き合うことになる。半分は後輩である桃子のため。そして半分は自分たちの精神の安定のために――。 >>料理ダメ。仕草ダメ。言葉遣いダメ。趣味もダメ。そのほか色々すべてダメ。あらゆる方面で玉砕してしまう桃子であった。  特訓に付き合う決心をするシーンと、特訓するシーン。 >>途方に暮れる達也たち。だが肝心なことに気がつく。恋愛というのは相手がいてこそ成立するものであり、相手の男の子の趣味やタイプがわからないまま、闇雲に女らしさを身につけようとしても意味がないのだと。 >>わずかな希望をそこに見いだして、相手の調査に乗り出す面々。    気づくシーンと、調査するシーン。  気づくシーンに気づいた内容の説明が内包されているのは、説明以外の文が短いため。 >>橋の下に連れて行かれ、相手が現れるのをこっそりと伺う。 >>「あれが犬神君っす」と、桃子が紹介した相手は、なんと正真正銘、本物の「犬」であった。野生児である桃子にふさわしい、「初恋」の相手であった。  伺うシーンと、種明かしのシーン。 >読みにくい。  シーンの途中で改行すると、イメージが崩れるので読みにくい。  内容が濃すぎると、なんの話だったか忘れます。  新木さんのあらすじでは、一段落、三行以内にしてありますね。それが適切ということ。  あらすじ書きに反映させたいです。    >タイピング速度。  タッチタイプで1分、90字ぐらいです。  800字なら9分で打てますね。  まあ、速度は問題ないか……。  そんなことより、上手く書くことに気を配ります。早く書くとかは、上手く書けるようになってからの話ですよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 暖かくなりました No.7640 投稿日 2004年2月21日(土)19時37分 投稿者 とんびの羽根    長女が入試にうかって春からは女子校に進学することになりました。親としてはほっと一息というところです。ちょっと特殊なコースで授業でフランス語があるなどカリキュラムが語学中心みたいです。  あと先月男児が誕生しまして雷蔵という名を付けました。20代以降の知り合いにはかっこいいという反応がきてますが、娘の学友たち(中3)からはきっといじめられるぞ、とくに「蔵」がまずいからやめたほうがいい、という反応でした。 >2号さん (#7638) >>船酔いが酒酔いというのは、あくまでくすぐりのひとつであって……メインで描きたかったのは主人公の女性です。  あなたがそういうことをこの私は予測していました。(出典:西尾維新 「ヒトクイマジカル」木賀峰約 の嘘くさいセリフ)  一発ネタだと思ったのはわたしの誤読だということですね。  作者がそういうならそうなのでしょう。  それならば第2ラウンドにいきましょうか。 >「ロマンティックな光景」→「感動」→「初期状態が感動なら、終了状態は落胆」という考えで書いた……はず。たぶんですけど。  あれ?そうだとするとちょっと変ですよ。 >>(ああ、なんてロマンティックなの) >> うっとりと、ゆかりはガラス越しの光景を見つめていた。  これが初期状態なんですよね。描写になっていないけど。  この同じ時間同じ船に乗っているバカ(主人公の彼氏)がひとりいるわけですが、彼はこのとき酔っぱらっていたの彼女は知らないの?  というのは、知っているなら彼が酔っているかどうかにかかわらずゆかりは感動していることになるし、感動が落胆に変化する契機もないのですが。 >>ビールの空き缶が死屍累々と転がっていた。  この状態でロマンティックに浸っているのが冒頭のゆかりの感動シーン?なわけです。  感動している状態から落胆へと移る瞬間はどこで、それは何が原因なんですか? >>(だれのせいでこんな思いをしているというのだ!)  読者として読めるのは、醜態をさらす彼氏に対する「怒り」です。「落胆」はどこにあるですか?  ゆかりの初期状態と終了状態と武史の初期状態と終了状態の対比をしてください。  主人公の心理の落差は確かにあるとはおもうのですが、ストーリーにするなら因果関係が明白な時間的変化を描かなければならないと思いますよ。  そして変化をもたらす登場人物の「一撃」がいつどの時点でなされたのかも描かなければならないと思います。  実のところは「武史の醜態から目をそらしてロマンティックな光景にひたるゆかり」「武史の醜態を船酔いと誤解してゆかりを慰めようとする通りすがりのカップル」「夢想を砕かれてカップルに怒りの視線をむけるゆかり」「その怒りをさらに酔いつぶれかけている武史にぶつけるゆかり」  というのがわたしが読んだストーリーの筋です。  初期状態が「武史の醜態から目をそらしているゆかり」というのがあるもんで、「ロマンティックな光景」は「感動」を表しているといわれても納得がいかないかな。故に感動も落胆も伝わりませんでした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7641 投稿日 2004年2月22日(日)01時14分 投稿者 津荒 夕介 >とんびの羽根さんへ   娘さんの高校合格とか、雷蔵くん誕生とか、おめでとうございます。  これからもファイトです。   >昨日のあらすじ  気をつけたことは、  1読みやすさ。  2わかりやすさ。です。  で、ついに読みました。  二十四冊目「あるある!夢境学園1」 著:新木伸  お気に入りは番長。……強いから。  一行あらすじ    自分の変身能力を嫌っていた少年達也が、初めてできた友人達のおかげで、変身能力を受け入れるようになる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=820&e=res&lp=757&st=0 >今日のあらすじ    二十五冊目「放課後退魔録Uぬだらべ」 著:岡本賢一  一行あらすじ  半妖怪になった男子高校生丈斗が、恋した少女夏芽を人間に戻すため、人間に戻すために必要な妖怪の魂である妖玉を集める話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=821&e=res&lp=757&st=0    いろいろ、やらないといけないことが溜まっていく。頑張ろう。 -------------------------------------------------------------------------------- ブドウ糖が欲しいです。 No.7642 投稿日 2004年2月22日(日)02時51分 投稿者 弟切 千隼  仕事が修羅場になってきて、食事の時間も惜しい弟切です。こういう時には、消化器官を通して栄養を摂取するのがまどろっこしくなってきます。直接点滴で体に栄養を入れたいなあ、と思いますね。 >人物造形 >>>名前:高階緋沙子 >> 読めない名前、禁止って、いつも言ってるだろ。 >> なんでそんなに小難しい漢字を使って、難読な名前を付けたがるかなぁ。 (新木さんのNo.7637の書きこみより。以下の引用部分もすべて同じ)  「高階緋沙子」という難読人名を付けてしまった理由を考えてみました。  理由は二つあります。 1.「高階」という名字も、「緋沙子」という名前も、それほど読むのが難しいとは思っていなかった。 2.美人には美人らしい氏名を、ということで、派手めの氏名を選んでしまった。  1は、弟切の基準が「普通」からずれていたということですね。いつものことです(;_;)  「ずれている」ことはとっくに自覚しているものの、どこがどのくらいずれているのかまでは、まだわかっていません。これについては、皆さんに指摘を続けていただいて、ずれ具合を計ってゆくしかないでしょう。  精進します。  2については、特に「緋沙子」という名前のほうで意識してしまいました。「ひさこ」という名前で最もよく使われる「久子」という字では、平凡すぎてどうしてもしっくり来ませんでした。  それにしても、「緋」の字はちょっと派手過ぎましたね(^^; せめて、短編のヒロイン級の人物に使うべき字でした。  美人の氏名は、「深川比沙子[ふかがわ ひさこ]」に変更します。  これなら読めますよね? > 皆さん。 >> あと、いらないこと、だらだらといっぱい書きすぎ。 >> 川上さんのところのサンプルと、自分のものと、見比べてみなよ。「情報密度」がぜんぜん違うから。 >> 「たくさん決めておく」ということと、「たくさん書く」ということとは、別だろ。  弟切は、まだ「たくさん決めておく」と「たくさん書く」の区別ができていませんね。もっと情報密度が高くなるよう、考えて書き直します。 >>>>身長は171cm、体重は65kgくらい。 >> その身長でその体重だと、かなりデブだよ。  緋沙子は筋肉質だという設定のため、わざと重くしました。筋肉は脂肪より比重が重いので、筋肉質の人は見かけよりだいぶ重くなる、という印象がありました。  しかし、筋肉質だとはいっても、緋沙子はプロスポーツ選手ではありません。筋肉の発達した女子スケート選手や女子レスリング選手なら、締まって見えてもびっくりするくらい重い、ということはあり得ます。たかがスポーツ好きの一般人では、ちょっと無理がある設定でした。  身長はこのままにして、体重はもっと軽くします。 >> 「性格が一変した」という過去を、容易に設定するな。  (中略) >> まるでわかってない。 >> 「人物を造形する」ということと、「人物にドラマティックな過去を持たせる」ということとを混同している。  弟切は、やはり全然わかっていませんね(;_;) どのくらいの長さでどのくらいのことが書けるのか計れません。  「人間が大きく変化することを書くのは、量的にも質的にも大変なことなのだ」と肝に銘じます。  短編や掌編には、それにふさわしい人物像があるのですね。「緋沙子」改め「比沙子」は、ドラマティックでなくとも生き生きとした人間になれるはずです。人物造形を書き直してきます。 とんびの羽根さんへ >  御子息誕生おめでとうございます\(^o^)/  雷蔵とは、近年の流行に逆らった重々しい感じの名前ですね。ひょっとして、とんびの羽根さんは歌舞伎ファンですか?  弟切は、雷蔵という名前はとても格好いいと思います。でも若い人たちには受けないかも知れませんね。いえ、あと十年くらい経ったら、逆にこういう名前は新鮮味があって人気が出るかも知れません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7643 投稿日 2004年2月22日(日)13時15分 投稿者 新木 伸 >弟切 >深川比沙子  ボツ。難しすぎ。  「沙」の漢字がNG。「比」だって若干ヤバい。両方あると確実にNG。  あとイメージが変わるだろ。  やや頭の切れる深窓の令嬢ってところか。背は高くてもいいかもしれないが、すくなくとも筋肉質じゃなさそうだ。  筋肉質と男勝りとは切り離せない。  よって、どーしても筋肉質でいきたいのなら、男性的な音の響きと、男性的な漢字とを選ばないとならない。  以前、2号だか巻島だか、誰だったかに、「普通の名前」を付けるひとつの基準として、「日本語入力IMEで普通に出てくる名前を基準にせよ」と教えたことがある。  参考までに、ATOK16の標準辞書で出てくる「ひさこ」としては――。    久子、寿子、尚子、比佐子、ひさ子  このへんが、「ひさこ」の読みで使っていい名前の全リストだ。  変換して一発で出てこないようなら、その名前を使うのは諦めておけ。音から変えろ。  どの字を使っていいのかいけないのか、まるで判断できないような名前付け初心者なら、IMEに頼っていたほうが無難だ。  ぎりぎり、「ヘンテコで派手な名前」を許容するとしても、「比佐子」が限度だろうな。  ちなみに専門辞書として付属してくる「人名辞書」を用いて変換をかけると、弟切の使った「緋沙子」やら「比沙子」やらも出てくる。  中には使える名前もあるのだが、見分けがつかないうちは、やめといたほうがいい。  だいたい、「美女の名前らしく目立たせる」――ということが狙いなのだから、もっとほかのアプローチで目立たせればいいじゃんか。  べつに派手じゃなくたって、いいんだし。  「派手」というのも、ひとつの目立たせかたではあるが、他にも目立たせるための方法はあるわけだろ? 「流麗」とか、そっちの系統だってあるはずだが。  僕の作品だと、こんな名前がある。  美女の名前として、「宝条院静香」(金持ち系、大和撫子、美少女)、「桂木千鶴」(ほんにゃり系お姉さん、女性教師)。  庶民派系美少女として、「杉山江利香」。  キャリアウーマン系ヤリ手お姉さんは、「早瀬貴子」  変わり者要員としては、「かなた」「桃子」「狂子」  妹系健気系少女として、「香坂葵」 >学校のカリキュラム  とんびさんでも、津荒でもいいんだけど。  一般的な中学高校の夏休み前のスケジュール――てなものを教えてプリーズ。  たしか夏休み突入の5〜7日ぐらい前に「一学期期末考査」ってのがあったと思ったのだが。  ざっと調べてみると、こんなものが出てくる。 http://www.sanan.jp/jp/gyouji/yotei/exam.html  7/9あたりまでにテストが終わり、採点済みとなったテストが返ってきて、それをもとに1学期の通知票が付けられて――という手順で、夏休みに突入していった気がする。  夏休み突入前。いつもの通常授業から、テスト前の雰囲気の授業(このへんテストに出るぞー、などと先生が言ったりする)へと切り替わる。それはテストの何日ぐらい前からか。  3〜4日間のほどのテスト期間があり――。  テストが終わってから、夏休みに入るまでの授業では、どんなことをやっていたのか? それは何日ぐらいのものなのか。  大掃除とかは、いつやっていたのか?  自分も体験していたはずだけど、すっかり忘れてしまっているもので。  記憶の新しい人(現役高校生の津荒とか、現役中学三年生を子に持つとんびさんとか)に解説を願いたい。  それはそうと。  とんびさん、長男のご誕生、おめでとうございます。  しかしその子が高校にあがる頃には、お姉さんはもう30歳ですか。親子ほど年の離れた姉弟となるわけですね。その設定を小説に登場させたら「あり得ない。却下」とされてしまいそうだなぁ。 >2号 >>プライベートで直下型地震が立て続けにおこる。 >>一段落ついたので復活します。  意味不明。  読んで意味の取れない文章なんてのは、サーバースペースの無駄なわけね。だから言ってるだろ。俺は20MB借り切るために、毎月650円払っているんだってばさ。  お前の書いたものが出版されたとして、紙資源もインクも無駄になるんだぞ? 意味の取れない文章なんて書いていたら。  まあなんかごたごたがあったのだ、ということくらいはわかるけど。  んで、最近の課題について。  新キャラも開拓しつつ、新ネタとからめて小話を作ろうとしているようだが……。  そんなやりかたをしていたら、新キャラがものになったかどうか、観測のしようがないじゃないか。  役者増量を念頭に置くなら、同じようなシチュエーションで役者だけ変えて小話を書いてみないと。  シチュエーションを限定してやる。  これまで出してきた連中を、以下のシチュエーションに放りこんで再実験してみること。  「初めての喫茶店」  各キャラが、生まれて初めて喫茶店に入るというシチュエーションね。  キャラを浮き彫りにするためには、誰かと一緒ではなくて、本人ひとりにしておいたほうがいいだろうな。主題をずらさない自信があるなら、同行する人間を出してもいいけど。  そいつらはなにを見るの、なにを考えるの、そしてどういう態度で座っているの? そしてなにを注文するの? どう待っているの? どうやって飲む/食べるの?  はじめに釘を刺しておくけど、突飛なこと始めるの禁止ね。  自動ドアに突進してガラス破るとか、そういうの禁止ね。財布忘れて大騒ぎするとか、そういうのも禁止ね。目立ちゃいいってもんじゃないから。  普通の行動、普通の思考、普通の態度――というもっともな規制の範囲内で、そのキャラの個性を出してみること。  前にどっかで書いた――かもしれないけど。  生きているキャラというのは、アイスコーヒーの飲みかたひとつとっても、違いの出るものなのだ。  突飛なことをするという意味ではない。そのキャラなりの飲み方がある――と、そういう意味ね。  「そのキャラはどうやってアイスコーヒーを飲むんだい?」と聞いたとする。  「どうって……。もちろん“普通”に飲みますけど」――なんて返ってくるようなキャラは、それは生きているとは言わない。また平然とそう言ってくる作者には、生きているキャラとそうでないキャラの見分けが付いていない。 ○津荒 >>親に言いましたよー。 >>まあ、反対というか、相手にされませんでした。  ふむ。  普通の親の反応というのは、「反対」もしてくれないのか。  勉強になるなぁ。  なるほど。まずまともに受け取ってもらえないものなのね。本気だとも思ってもらえていない。だから反対する理由もあるはずがない。  なにかの気の迷いで出てきただけの言葉だから、時間が経てば本人だって忘れているだろう――とか、思われているわけか。  ところで志望校を決めるときに、「小説の専門学校に行きたいんだ」とは、言わなかったの? その手の学校の存在ぐらい、津荒も知っていただろうに?  そしたら親だって、「もしかして本気なのか?」と思って、反対ぐらいしてくれただろうに。  いまいち、当時の津荒がなにを考えていたのかわからんなぁ。  「専門学校に行けば小説家にしてくれるに違いない!」と考えて、一直線に突き進んでいってしまうコースに乗らなかったのは、なぜ?  津荒の場合、独立独行を身上としているわけではなくて、誰かの敷いてくれたレールに乗っていると安心できちゃう人間なわけだろ?  そういう人間が、なぜ専門学校に行ってないのだ?  単に、そういう学校があるということを、知らなかっただけ?  たとえば僕の場合、いちばん嫌いなのが「人に教わる」ということだったから――。  18歳の頃に小説家を目指していたとしても、専門学校には行かなかっただろうなぁ。絶対に。そもそも当時はそんなもんなかったし。  自分がプロになろうというのに、プロの実物を見て、プロがどれほどのものかを知らないことには、なにをどれだけ身につければいいのかわからないし、なんにも始まらないから――プロの現物が見れる場所に近づいてゆくはずだな。  専門学校というのも、そういう意味ではひとつの選択肢ではあるが……。それだけの目的のために、わざわざ何十万も払うのは効率悪いし。  どこか他の場所で、プロを「観察」できる場所を探したはずだ。  あ、そかそか。  「コンプティークBBS」という、石を投げれば業界人(ライター、編集者、作家)に当たるという特殊なサイトがあって、たまたま、そこにいたんだっけ。  そこの掲示板のひとつの「小説処」にはプロ作家の羅門さんがいた。観察させてもらって、なにが必要なのか、なにができればいいのか――を読み取った。  あとは自分で計画立てて、そこに至るまでに必要なことをリストアップして、ひとつひとつ潰していって、一項目ずつ、攻略していったんだっけ。 >>うーん。うーん。楽しいと思います。でも、誰かに読んでもらえるから楽しい。 >>一人で自分のために、こつこつ書くのは無理。  マテ、マテ。  読者が得られなかったら、小説書かないわけ?  それだったら、いま、この瞬間にやめといたほうが幸せってもんだぞ?  もしくはアマチュア志望に転向しておくとか。  だって、プロを目指すということは、デビューするまでは、一人の読者も得られないってことなんだぞ。  知ってた? 知らないのかな?  プロになるまで、何年かかるか、わかったもんじゃない。  半年かもしれないし、3年ぐらいかもしれないし、10年、20年かかるかもしれない。  そのあいだ何本書いて、何本落選食らうのかも、わからないんだぞ。  次に書く長篇でデビューかもしれないし。3年で10本書いて、その10本目かもしれないし。20年かかって、50本目でようやくデビューできるのかもしれないし。  たとえばブギーポップの上遠野さんとか。投稿生活10年で、落選本数が10本だか20本だったか、あったりするんだよ。(正確な数は失念)  津荒の場合にも――。  ひょっとしたら、一生、デビューできないのかもしれない。  デビューできたとしても、そのあいだに書いて送って落選した「ボツ原稿」は、すべて、闇から闇に葬り去られるわけだよ。  よく自分のサイトで「○次落ちになったので、掲載します」とか、ボツ作品を公開しているやつがいるけども……。  それどころか、「○次まで行った作品です」などと、客寄せの売り文句にして掲載しているアホもいたりするけども……。  そういうやつらが、一生、デビューなどできないことは、もう決定済みなのね。  高いところの「甘い甘いブドウ」が欲しいのに、低いところに生ってる「苦いブドウ」で我慢できてしまるようなやつが――高いところのブドウを手に入れられるはずがないのだ。  永久に、ムリ。  論理的に、ムリ。  常に低いところのブドウで我慢することになるんだよ、そいつはよ。  つまり、津荒がまともに作家志望者をやるのであったら、落選作品なんて、人に見られるところに置けやしないわけだ。  だって、「出版に値する価値なし」と断定されたゴミじゃん。  いくら気に入っていたって、いくら自分がおもしろいと思っていたって、それはゴミじゃん。  全面書き直しをしてもう一度送るなり、破り捨てて、次の作品で勝負するなり、人によって「認めたくない現実」への対応法はさまざまだろうけど……。すくなくとも、そのままの形で人に見せることはできないわな。  だって、ゴミの烙印を押さえているんだよ。それを他人に見せないのが「プライド」ってもんだろう。安っぽくないほうの、高いほうのプライドね。  目当てのブドウ以外のもので我慢できてしまえるやつは、プロにはならない。  結局は、低いところのブドウで満足してしまう。何十人かに読んでもらえればいいや――と、どこかで必ず、妥協できてしまえる。  プロを本気で目指すということは――。  いま書いているこの作品を、永久に他人に見せる機会がないかもしれない。  常にそんな心理のなかで、書き続けていかなければならないわけだ。  お前は、助けが来ないとわかっている無人島(もしくは無人惑星)に一人きりで取り残されたとして――。  それでも、小説を書くのか?  この設問になんの迷いもなく「YES」と答えられないようなら、プロ作家にはなれない。「YES」と答えられても、なれるとは限らん。その無人島で一生書き続けてゆくことになって、そのまま骨になってしまうのかもしれんしな。  自分がデビューできる保証などない。デビューできたとしても、デビュー作以前のものは、大抵はお蔵入りとなる。(お蔵入り=死蔵されて公開されない、ということ)  それに耐えられないようなら、いまのうちに、やめといたほうが幸せだぞ。  アマチュア志望なら、書いた作品はすぐに公開できるじゃんか。  10人か20人か――何人が読んでくれるかわからないけど、ほんの少しでいいなら、読者だって得られるぞ?  アマチュアとして創作活動を続けつつ、投稿活動もしつつ、「運が良かったらデビューしよう」――ぐらいの、「作家希望者」にしておいたほうがいいんじゃないの?  どちらでも、分室にこのまま在籍していていいんだぞ?  浦戸さんみたいな「アマチュア志望」の人にも指導してるし、「運が良かったら〜」くらいの「作家志望者」でも、そう断っておいてくれれば、こちらは特に構わんし。  ええと……。  津荒はちょうど、受験が「リアル」な歳なんだっけか。  なら受験期の人間には、こう言い換えてやればいいのかな?  「お前には、志望校に合格するまで、1年でも、3年でも、10年でも、一生でも……永久に“浪人生活”を続ける覚悟はあるのか?」  東大に入れなきゃ、何年だって、浪人を続けるわけ?  その覚悟はあるのか?  「作家志望者」っていう言葉さー。  なんか、皆は綺麗なイメージを勝手に当てはめちゃっているようなんだけどねー。  ようは「作家浪人」なわけだよねー。  単なる「浪人」ね。  「志望者」とか、そんな格好いいものじゃないわけ。むしろ「みっともない」ものなわけ。「浪人」なんだから。  進路相談なんかでも、先生から、よく言われただろ?  「その第一志望校は君の学力では無理だろう。浪人をしてまで行きたいというなら止めはしないが、しかしもう一ランク落として、こっちの学校にしておけば、現役で入れるぞ」  津荒が実際にそう言われたかどうかは、知らない。  それに推薦合格を取ったということは、「受験」さえも回避して、「受験なしで絶対確実に入れる大学」を選択したということかもしれない。「志望校のランクを落とす」なんていう生やさしいものではなく、「受験さえもしない」という、最大級に「楽」な方向に甘んじたのかもしれない。  進路指導の先生と同じように、俺も君に言っておく。(なぜ進路相談役をしなきゃならんのだろう。ま、いいか。これも縁だ)  プロ作家になるには、浪人覚悟で臨まなきゃならないんだ。「内定」も「推薦」も、なんにもないんだ。そこには脇口も裏口も存在しない。 (まあ俺やみやびさんなんかは、裏口から入ったクチだし。鷹見さんなんかは、脇口から入ったクチだけど……。その引け目があるから、こんなとこで、こんなことしてるのかしらん?)  実質的には、正門しか存在しない。  また俺らは正門から入っていったとしたって、デビューが1年、2年遅くなったくらいのことであって――いずれ必ず、プロになっていた。  作家となる唯一現実的な方法は「応募」と「入選」。これだけだ。  しかし、いまの津荒の筆力でも、「アマチュア作家」か「作家希望者」あたりであれば、現役合格間違いなしだぞ?  そこは競争率なんて存在しない場所だから。  津荒は「進学」のほうでは、「いちばん楽で確実な推薦内定枠」を取ったぐらいなのだから、小説のほうだって、「現役合格」が確実に見込めるほうに鞍替えしておいたほうがいいんじゃないのか?  突っ張ることのできない意気地なしで、楽なことが大好きな人間で――。  自分の本音を押しこめて、自分に対する言いわけを探してきて、自分を言いくるめることの名人で――。  これまで、ずーっとそうしてきたし。  これからも、たぶん、ずーっとそうしてゆくわけだろ?  小説に関しても、そうしておいたほうがいいんじゃないのか?  浪人なんてしてないで、書いたもの、すぐに公開しちゃえて、10人でも20人でも、欲張って数百人ぐらいの読者を得たところで、満足しておいたほうがいいんじゃないの?  一流大学でなくたって、三流大学でキャンパスライフをエンジョイしておいたほうが、ぜんぜんいいんじゃないの?  灰色の浪人生活と、三流でも楽しいキャンパスライフと、どっちが得なんだよ? 考えてもみろよ? 考えるまでもないんじゃないのか?  ――と、いちおう、そう忠告しておく。  まあ一回くらい、「無理でもやりゅー!」と意気地のあるところを見せるというなら、俺は止めないし。お前の人生だし。好きに使えばいいわけだし。  永久に浪人生活を続ける覚悟があるっていうなら、永久にやらないでも済むように、鍛えてやるが。  そのまえに「永久に浪人生活」がどれほどつらいものなのか、津荒が充分に理解したと、その確認は取らなきゃならんけどね。  ああ――。  2号とか、あのへんはいいわけよ。確認不要。  あいつってば、人として、人生として、もうすでに「浪人」だから。  「人生の浪人」が「作家の浪人」にクラスチェンジしたところで、失うものはなんにもないから。  しかし津荒の場合には、まだ「作家希望者」と「アマチュア作家」への現役合格の道が残されているわけだろ?  「無限浪人地獄」に進まなくてもいい道があるわけだよな。  また、プロ作家以外の「別な道」を言ってみたというのは、もうひとつ理由がある。  今後は時代が変わるかもしれない。  いまは「数万人単位に自作品を読ませる」という要求を満たすためには、プロ作家となるしか方法がない。  しかし今後、インターネットの普及にともなって、紙媒体が廃れていったりすると、「プロ作家となって紙の本を出版する」以外に、数万人単位の読者を得る方法が出てくる可能性がある。  現在でも、「メールマガジン」などを通じて、個人で小説の頒布活動が簡単に行える環境は出来上がっている。  現在では、才能のある人間は出版界を目指していってしまうので、メールマガジン系に残るのは腕のない人間ばかりで、たいしておもしろくもないものばかりが流通しているようだけど……。  今後、状況が変わって、「メールマガジン」のほうに良質の作品を書く作家がいる――ということにでもなれば、こんどは腕のある人間はメールマガジンを目指すようになるだろう。  まあなんにしたって、おもしろく作品が書けないことには、はじまらないのだが。  僕なんかも、このまま一生、紙の本を出し続けていけるとは思っていない。  あと10年は変わらないだろう。しかし20年となると、よくわからない。「小説」というものは残るだろうが、読者が「紙の本」を手にすることはなくなるだろう。  そういう時代が、自分が作家をやっているうちに来ることは、確信している。  まあ少なくとも60歳までは、俺、作家やってくつもりだし。ずーっとライトノベルを書いてゆくのだ。 >低いところのブドウの話  数万人の読者でなくては絶対にダメであって、数百人の読者ではだめなのか?  俺の場合には、そう。  なにがなんでも、数万人。絶対に、数万人。最低でも、数万人。  確実に取れる数百人と、取れないかもしれない数万人を選べと言われたら――。  俺は選ばない。  数百人で我慢するなんていう選択肢は、はじめから、存在していない。  存在しないものは、選びようがない。  本音を言うと、読ませたいのは、全人類、全員なのね。  ここに妥協がある。  俺は全人類に読ませたいという欲求を、「数万人」で妥協しちゃっているわけだ。  まあそのうち、日本人の百万人ぐらいに読ませて、そして各国語に翻訳されて何千万人かに読ませて、ハリウッドで映画化して何億人かに観せたいところだけど。  とりあえず、まず手始めとして、数万人に読ませることで俺の「読ませたい欲求」を最小限満たしたうえで、専業作家という創作活動に専念できる環境を維持していかなきゃならない。 >一人でも書くか  ああ、話がずれた。  「一人で自分のために書くか」っていう話は、もともと、別な方向に持ってゆくつもりだったんだっけ。  まあ、そろそろ言おうと思っていたことだから、あっちの話にしたわけだけど。  そもそも、作家というのは、無人島で一人っきりでも、小説を書くものです。  なぜなら、そこに読者が「一人」はいるから。  つまり自分自身。最初の読者。  まず小説というのは、「自分」を愉しませるために書かれるものです。  すべての作家は、読んで、自分を愉しませために書いているのね。  アマチュアはどうかわかんない。自分を愉しませるのではなくて、書いている人もいるかもしれない。  けれど、プロ作家では、ぜんぶが、そう。  それがあるので、作家志望者は、落選の通知を受けて歯がみしながらでも、なんとかやっていけるわけだ。  すくなくとも自分自身は愉しませている。「長篇を書く」ということにかかった労力は、そこで回収できている。  長篇を書くのに6ヶ月ぐらい掛かったとして――。  そのあいだずっと、寝食も忘れて、時間と情熱とを注ぎこんでいたのだとして――。  その作品が、たとえ落選したところで、自分一人は愉しんでいる。  よって、6ヶ月の労力に見合うだけの見返りは――あるわけだ。  すくなくとも、自分は愉しんだ。それで充分。  だから続けられる。  読者が自分一人では足りないというなら、「作家浪人生活」を続けてゆくのは、たぶん無理だぞ。  そもそも書こうとしている話に問題があるんじゃないのか? 自分一人もエキサイトさせられないなんてのは、それ、どんなつまらない話なんだよ? >>いや追放というより、邪魔者になる、と受け取りました。  仮に、プロになれる見込みが完璧にゼロな人間が、ジムをウロちょろしていて、サンドバッグをぽふぽふと、いつまでも叩いているとする。  でもそれだけのことなら、邪魔だから出て行け、とは言われんだろ。  他の人にからみついてみたり、噛みついたり、引っ掻いたりして悪さをしなけりゃ、追い出される理由にはならないよ。  あと練習するためのジムで、酒飲んで酔っぱらって、騒いでいたりしなけりゃ。  真面目に練習しているなら、追い出す理由は、なにもない。  部活だってそうだろ? 「お前はレギュラーになれそうにないから、邪魔だから出て行け」とは、言われないだろ? (それとも強豪高レベルだと言われるものなのかな?) >矛盾してる話とか  あと僕が「見込みがないやつはなにをしても無理」と「誰でも鍛錬すればできる」と、両方を言うのは、べつに矛盾しているわけではない。  えーと、こう言ってみるか。(「新人賞の獲りかた教えます」からの借り物だけど)  「誰でも空手を学べば、石を割れるようになれます」  これは真実だ。  しかし、じゃあ、空手を学べば、誰でも石を割れるのかというと、そうでもない。  俺は空手を学んだけど、石は割れない。  なぜかっていうと、途中でやめてしまったからだな。  いままでずっと続けていたなら、三段ぐらいにはなっていただろう。漬け物石ぐらいのものなら、ぽんぽん余裕で割っていただろう。  でも、実際には途中でやめてしまったので、2級だか3級だか止まりなわけ。  また、いままで続けていたとしても、さぼり癖が直っていなかったら、やはりいまでも石は割れないだろうな。  ――で、上のほうで延々と書いてきているわけだけど。  「見込みのないやつ」の例を、いくつかあげている。  「低いところのブドウで満足できてしまえるやつ」とか、「永久浪人に耐えられないやつ」とかは、見込みがない。  あと「自分の作品にエキサイトできないやつ」も、まったく見込みがない。  石の上にも三年――という諺があるが。  プロの技術なんてもんは、たいしたもんじゃない。  人が死ぬ気になって努力したら、3年間で身につけられないようなものでは――決してない。  3年あれば、どんな素人でも、人は石を割れるようになれるし。  3年あれは、どんな素人でも、商業レベルの作品を書けるようになるし。  3年あれば、どんな見習いでも、寿司を握っているようになるし。  小説におけるプロの水準というものは、県大会よりは高いだろうが、オリンピックよりは低いんだよ。3年あれば充分だ。  やれば、できるようになるんだよ。それは確実だ。  しかし、それだけの修行を積めるかどうかってところで、「見込みのあるやつ」と「ないやつ」とに別れることになる。  途中で泣いて逃げ出してしまうかどうか。  いや――言いかたが悪いかな。  泣いて逃げ出すほうが、むしろ普通なのね。  泣いても、逃げ出さないで、しがみつかなくてはならない、そんな強迫観念にも似た「強い動機」を持っているかどうかってところか。  上記の具体例3つの「見込みのないやつ」は、この「3年分の死ぬ気の修行」に耐えることができない。それに耐える動機が、そいつの中にない。  なにがなんでも、どんなことがあっても――。  何万人かに、自分の作品を読ませたいのか。  そのためには、どんなことでもするのか。なんでもするのか。  何回不合格になっても、なんとしてでも、絶対に、東大に入らなくてはならないのか。  ちなみに、ここで言うところの「死ぬ気の努力」ってのは、たぶん津荒には未体験ゾーンね。運動部にでも入っていて、強豪校レベルのことをやってきた人間なら、「死ぬ気の努力」がどんなもんか知っているかもしれないし、そこまでは知らなくても見当ぐらい付けられるだろう。  あと、社会人であれば、だいたいの人が知っているか、もしくは「見当がつく」とこにいる。生きてゆき、自分を食わせるということは、もうそれだけで、「死に物狂い」を要求されることだからだ。  だが、津荒はたぶん、知らないはずだ。  ここまで聞いてきた限りでは、そう思える。  ちなみに――だ。  凡人には、さらに辛いことが待っているわけよ。  そんな苦労をしなくたって、生まれてはじめて書いた長篇で、さっさとデビューしていってしまう人たちがいるわけね。  才能山盛りで生まれてきた人たち。  そういう人たちを横目で見ながら、3年も10年も、続けてゆく気、あるかい? 挫折しないでいられる自信は? それだけの動機はあるのか?  わかりませんが、挫折するまでやってみます、てなことなら、付き合うぞ。  これまでも、挫折してやめてったやつ、いっぱい看取ってきたし。 >タイプ速度  800字が9分なら、もう充分に実用速度だな。  26時間で、長篇一冊を書ける速度があることになる。  1日16時間ほど執筆したとして、1ヶ月に18冊も書けるじゃん。  そんなに速く小説を書ける人間は、世の中にひとりも存在しないので、タイピング速度に関しては悩まないでよし。必要充分だ。  聞いた話のなかじゃ、月に6冊ってのが最高記録だから。18冊というのは、それを3倍も上回っている。  ちなみに、本当に月6冊書いたのではなく、5日で1冊ってことね。本当に1ヶ月のうちに書いた冊数だったら、3冊ってのが聞いたことある上限かなぁ。  ちなみにその5日で書かれたという本。たぶん、津荒が手にしても、見極めることはできないだろう。俺もすでに読んでいた本だったけど、ぜんぜん、わからなかった。「粗い」とも思わなかった。さすがに筋一本のシンプルな話だったけどね。  タッチタイプは、気を付けていないと、キーボードを見てしまう癖が戻ってしまう。  そうなったら元の木阿弥だ。完全に身に付くまで、キーボードを見たくなっても、我慢して見ないで続けること。  あとはキーボードを使っているだけで、自然と速度も上がってくる。  毎日、原稿用紙30枚以上書くことを、15年間続けたら、分速200〜300文字が達成できることは間違いない。俺がそうだから。  ――って、今日もここまでで、もう50枚か。  いまはタイプ速度よりも、文章の出てくる速度(考える速度)のほうが遥かに遅いだろう。  だがそのうちに、文章の出てくる速度のほうが速くなってきて、どれだけ速く打っても指が追いつかなくなってくる。俺、思考入力が可能なら、いまの3倍、速く書ける(ただしこうした雑文のみ) >夢境学園、あらすじ >>お気に入りは番長。……強いから。  じつはこんなページがあったりする。 「夢境1巻のお気に入り投票」 http://www21.pos.to/~araki/okiniiri_m1/votec.cgi  これによると、読者の投票した「お気に入りのシーンナンバー1」は、「達也のはじめての自発変身シーン」となっている。  2位以下を倍ほど引き離して、大差で1位。  まあ、狙い通り。  自分の仕掛けていった各シーンが、どれだけ受け入れられているのか、各巻、こうしてチェックしていたりする。  自分の予想した通りの順位になっていないときは、その理由を分析する。  単なる誤差や間違いでなく、感性の違いによる原因があって、修正するべきだと判断したなら、自分の感性のほうを変更する。  まあ、「感性の修正」っていったって――。  読者が上げてくる「お気に入りシーン」は、もちろん作者だってお気に入りなわけだ。自分の趣味と、読者の趣味とを照らし合わせて、優先順位の付け方を多少変えるぐらいのことだけどね。  「ああ、あれはそんなにウケなかったのか」とか、「おや? これがこんなにウケたのか。もっと低いと思っていたのに」とか、けっこう、意外なことがあったりする。  変化するのが主人公で、話の筋も一本。長篇としては、筋一本なのはシンプルすぎる。  しかし「特殊学校」という設定を書かなきゃならなかったため、シリーズの1本目は、はじめから筋一本で設計していた。  時間かけて緻密にプロットを作ってゆけば、筋を複雑にしつつ、特殊学校の設定を観せていったりもできたのかなぁ。どうかなぁ。チャレンジすればやれたかもしれないが、ちょっと自分の力量に余るので、やらないでおいた。  ちなみに、次巻以降への伏線もかねて、「変化するキャラ」をもう一人用意してある。影の生徒会長のほうに、小さな筋があって、彼も少しだけ変化している。  んで、特別サービスをするか。  べつに自分の作品を読んできたから、というわけではない。  今回津荒の取ってきたあらすじは、世界中の誰よりも――僕がいちばん詳しい作品であるわけね。あの作品の構成について、俺より詳しい人間は、世界にいません。  ――で、取り間違いの箇所がハッキリとわかるので、指摘がしやすい。  怖い者知らずの津荒君に、特別サービスをするぞっ。 >>達也はロリな少女カメ娘を鬱陶しく思い、邪険に扱って悲しませた。  ここ、読み違えている。  カメ娘を邪険に扱う理由は「鬱陶しい」ではなくて、「友達を持つことへの怖れ」なわけだ。それまで主人公はずっと孤独で、友達を持ったことがなかった。カメ娘が「孤独バリア(エヴァ世代の人間なら「ATフィールド」で通じる)」を突破して内側まで侵入してきたので、主人公は怖くて、排除するしかなかった。  そしたら番長がぶん殴ってくれて、「悪いことは悪い」と言葉を用いず、「拳」で語ってくれた。主人公が理解するまで、延々とぶん殴ってくれた。――ので、主人公は自分が間違っていたことを悟ったわけだ。  和解じゃないのだ。  和解っていうのは、両者に非があって仲直りすることを示す言葉だ。  主人公のほうが、ただ一方的に間違っていて、それを悟っただけなのだ。  友達を持つことを怖がってしまうのはいい。それは主人公の生い立ちを考えれば仕方がない。  だが、それを理由に、好意をもってくれている相手を傷つけてしまうのは、間違ったことなのだ。 >>自分が足手まといだという事を痛感した達也は、防衛部を退部した。  ここも読み違え。  まず主人公は足手まといであることを知るわけだ。そしてただ「弱くて役立たず」というのみならず、その自分の弱さゆえ、さらに江利香を傷つけてしまうことになる。  相手はテレパシーで心を読めるという設定を忘れてはいけない。  ここは――。  僕にしてはめずらしく、はっきり、くっきり、思想を明文化して、主人公の「モノローグ」として書いておいたのだが。 >>自分は弱いばかりではなかった。いまや最低の男だった。いまの情けない考えもなにもかも、このしまりのない心からぜんぶ垂れ流しにして、また江利香に押しつけて――。  弱さゆえ、江利香をさらに傷つけてしまった。そう思うことで、またさらに傷つけてしまう。しかしその自己嫌悪は止められない。  弱いだけならいざ知らず、自己嫌悪を止められない自分は、皆に迷惑をかけるだけだと、そう判断して、退部したわけね。  この――登場人物の心理のベタ書き。  分室じゃ、絶対やるな、と口を酸っぱくして言っていることを、自分でやらねばならない口惜しさ。悔しさ。情けなさ。諸々――。  読み落とすなよ〜。こんなにはっきり書いてあるんだからよ〜。  まあ、いいけど。しかたないけど。  そうか、もっとハッキリ書かなきゃいけなかったのか。次はそうしよう。嫌でも、そうするしかあるまい。 >>達也は洗脳されなかった数人の生徒と協力して、洗脳を打ち消す事にした。  この部分にも、主人公の変化の一部を入れてあるのだが、読み落とされている。  「弱い/強い」ということへの拘りを、ここで主人公は捨てている。自分は弱いし役に立たないと認めきった上で、それでもなお、友のために行動しようと踏み切るわけね。  強い人間が、完全な自信を持ったうえで助けに向かうなんてのは、あたりまえ。そんなあたりまえのことをやっても、なんのドラマもない。感動もない。  弱い人間が、なんの自信もないところからでも、助けに向かえるのか――その行為は崇高であり、人を感動させうるドラマを持っている。  空手三段のやつが、不良にからまれている女の子を助けたって、あたりまえだろ? なんの勇気も必要ないだろ? むしろ助けなかったら、ひどいやつだろ?  ケンカなんてやったこともない、貧弱なモヤシ君が、不良にからまれている女の子を助けるのには、勇気が必要だろ? それは崇高であり、すごいことだろ?  そういうことと、おなじね。 >>洗脳されなかった生徒によって、生徒達が正気に戻る。達也と防衛部は負けそうになるが、達也が自分から変身した事で勝利した。彼は友を守るために能力を受け入れたのだ。  まあ僕自身も、「わかりやすさ優先」で、トラウマを克服するとか、自分の能力を受け入れるとか、そういうふうに書いてきてはいるけど。  微妙に違う。  嫌っていた能力を受け入れた、というよりか――。  能力を支配下に置いた、というか。  制御不能だった能力を従えた、というか。  気迫と覚悟とで、どうにもならないものを、どうにかしちゃったわけね。  ここが「受け入れた」だと、ただ受け入れればいいだけという、スケールのちっちゃい話になってしまう。話のすべてがぶち壊しになってしまう、まさにキモ。  とっとと受け入れちゃえばいいところを、なにモタモタしてやがんだ、アホウかこいつは――てなことになってしまう。台無しだ。 >>「お、俺は……」 >> 達也は口ごもった。 >> しかし、自分は―― >>「俺は……」 >> 自分は―― >> しかし、自分は―― >> そこから先は――達也は言わなかった。 >> 言うつもりだった言葉を、ぐっと呑みこむ。  ここで、半ページほども使っておいて、結局言わなかった主人公の言葉というのがあって、だな。  それをベタ書きにしてしまうなら、「俺は自分じゃ変身できないんだ」――なんだな。  それを言ってしまうかわりに、主人公がかわりに言う言葉がある。 >>「俺は……いま、生まれてはじめて、自分の意志で、変身する」  こっちの言葉ね。  ホントは、変身できないの。だけど主人公は「する」と言うのよ。  無理だって知ってるの。実際、無理なの。作者の定める「設定」やら「物理法則」とかでも、ここで主人公が自分の意志で変身できる根拠なんて、なにひとつないの。そう決まっているの。決めたの、他でもない「神」である俺が。  主人公の変身は、完全に本能による自動防衛反応で動いているはずなの。  ――でも、ここで主人公は、「する」と言いきっちゃうし、実際、それで変身しちゃわけね。  俺は、この話のなかで、主人公を、「無理とわかっていても断言する」というところまで、エピソードを組み立てて、すべて仕組んで、追い込んでいったわけ。  追いつめられて、なお諦めずにいる人間ってのは――腹をくくって、覚悟を決めた人間ってのは、時として、奇跡を起こしてしまうものなんだよ。  ――で、この主人公は、ここで「奇跡」を起こしたわけだ。  作者の俺が起こさせたのではない。やつが「起こした」わけ。自分の力によって。  ――で、ここで、起きるはずのない「奇跡」が起きる。  主人公が起こす。  この主人公、作者である「俺」が動かしているキャラじゃないから。操られているだけの「お人形さん」じゃないから。  魂の通った「人間」であって、自分の意志で動いているのだ。  彼は「人間」であるがゆえに、作品の神である俺が定めた物理法則や設定やら、運命さえも、覆す力をもっているわけね。  ここは、なにがなんでも、ベタ書きしたくないなぁ。  死んでも、いや。絶対に、いや。  てか、いまベタ書きしてるけど(笑)。  しかし作中でやるのは、死んでもいや。  ミザリーに脅されたって、いや。  編集さんに「ベタ書きしなけりゃ本は出してあげませんよ」と言われたって、いや。  てか、そもそも、この主人公が言ってくれない。どう操ってもだめ。  しかし、そうかぁー。津荒には読み取れなかったのかー。  主人公が「変身できない理由」を、「能力を受け入れてなかったから」と読み違えてしまっていたのかー。  むー。  いかんな。  次はもっと工夫しよう。  ベタに書くのは死んでもいやだから、せいぜい、工夫することにしよう。  津荒レベルの読者にだって、きちんと伝わるようにやっておこう。  ――で、津荒にお願いだが。  頼むから、俺の作品はやらんでくれ。  もしくはやってもいいけど、きちんと読み取ってくれ。  自分の書いたものが、きちんと読み取られなかったということが、どれほど作家にストレスを与えるものなのか、考えてくれよな。  次もこうして「特別サービス」をしなくちゃならなくなる。  俺、いま、執筆中なのね。  そこんとこ、わかれよ。な。  「プロ作家」ってのは超人とでも思ってるのかな? 自分と作りが違うから、どんなことがあっても動じないとでも?  俺の作品のあらすじを取るなら、せめて執筆が終わってからにしてくれ。 -------------------------------------------------------------------------------- 中学校の夏休み前 No.7644 投稿日 2004年2月22日(日)16時49分 投稿者 とんびの羽根  お祝いの言葉ありがとうございました、一姫二太郎です。  娘が学校で弟ができると漏らした途端にクラス中にひろまったそうで、中学生でもそれなりのインパクトらしい。  先月話をきいたら娘は自分の名前でなく雷蔵と呼ばれると困り顔だった。むしろ「雷蔵」人気者かもねえ。 >夏休み前のスケジュール  神戸市立の中学校ですが  娘にいろいろ聞いてみました。 >試験一週間前  「試験一週間前です」とたんたんと告げられただけで、ほかは変化なし  試験の一週間前から部活動なし  週休二日になる前は50分授業が45分授業になり、三十分はやく引けていたが現在は50分授業のまま >期末考査  7月初旬に3日くらい  大抵、月火水、または水木金で3時間目か2時間目で終わり  科目は五教科 英数国理社プラス技術家庭科か保健体育  採点は早ければ翌日から、該当科目の授業中に返ってくる >夏休み前  期末試験後は通常授業に戻る(週休2日の影響で絶対時間数が少なく特別な授業にはできないもよう)  まだ2週間くらいあるので夏休み気分はない >終業式前日  2時間目まで授業  1時間くらい大掃除  夏休み課題などはこの日までに該当科目の授業中に出されている。  朝一番か大掃除の後くらいにプリント類の返却、夏休みの諸注意などが配られる。 >終業式  朝礼の後通知票をもらいすぐ解散  自宅に帰ったらまだ十時(家内の証言あり)  転校生(沖縄から)が終業式のあまりの短さに驚いていたとのこと  部活動(美術部)はなし(ただし体育系などで午後からやっていたのかは知らないとのこと) >夏休みの1日目  体育会系の友達は県大会などがあったらしい >その後7月末まで  強制プラス一部の希望者のみ午前中補習 >沖縄  転校生(沖縄)の話では授業が前日まで7時間授業がつづく  終業式も朝礼やら諸注意やらでかなり長くかかる >実力テスト(参考まで)  1時間目:自習  2〜6時間目:五教科のテスト >夏休みの課題  1、2年はどの科目も大量で日記や作文や感想文や自由研究や  3年は主要科目だけで量も少ないので、なかなか夏休み気分にならなかった -------------------------------------------------------------------------------- 気温も体温も急上昇 No.7645 投稿日 2004年2月22日(日)23時01分 投稿者 弟切 千隼  ここ二、三日の湘南は気温が上がって、梅どころか桜の花見ができそうな勢いです。「今日は一段と暖かいなあ」と思っていたら、何だか弟切はくらくらしてきました。  ふと、自分の額に手を当ててみたら、熱いではありませんか。気候に合わせて、体温も上がったようです。(変温動物ですかい > 私) >人物造形  人物のネーミングに自信がないうちは、IMEに頼ってみるのも一つの手ですね。  ボツになった「深川比沙子」にかわる氏名を考えました。  背は高くとも、男勝りの美人にするつもりはありませんので、「男勝り」につながる「筋肉質」要素は除きました。  そうかといって、なよなよした美人ではありません。芯がしっかりしていて、優しさも持つ女性ということで、  「深川昌美[ふかがわ まさみ]」 という氏名はどうでしょう?  今回の描写課題の「美人」要素としては、「高身長」は譲れない部分です。日本人では珍しい高身長を生かした美人にしたいのですね。  外見だけでなく、中身も美しくないと、本当の美人とはいえません。劇的な性格の変化はなしにするとしても、高身長であること=規格外れであることがプラスになる職業に就かせて、活躍させたいです。  ならば、セミオーダーの服を作る会社に就職して、自分と似た悩みを持っているお客さんの世話をする、という設定は、生かしておく価値があるでしょう。  今の弟切は脳みそがゆだっているため、今回はこのくらいにしておきます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7646 投稿日 2004年2月23日(月)00時46分 投稿者 津荒 夕介 >学校のカリキュラム  高校生の場合を書きます。ただし私立男子校。    2001年度の話です。(今年も内容的には同じです。が、日付が違う)  夏休みは7月20日から  期末テストは7月4日〜7月9日。土日をはさみますが、土曜日はテスト。日曜日は休み。    1先生が正確に「ここテストに出るぞ〜」とか言うのは、一週間前から。テストの時間割発表が一週間前にあるので、それに合わせるのです。  時間割発表の後、「試験週間」に突入します。  試験週間と普段の違いは、部活がないことと、職員室に入れなくなること。  2テストが終わってから終業式までは10日あります。普通に授業をします。  3大掃除は終業式前日が短縮授業になって時間が作られ、その時にやります。 >色々 >>津荒の場合、独立独行を身上としているわけではなくて、誰かの敷いてくれたレールに乗っていると安心できちゃう人間なわけだろ? >>そういう人間が、なぜ専門学校に行ってないのだ?  相手にしてもらえない段階で、もうだめだなぁと思いながら、一応専門学校のことも言いました。  反対されて、撃沈です。 >プロを目指すこと >>プロを本気で目指すということは――。 >>いま書いているこの作品を、永久に他人に見せる機会がないかもしれない。 >>常にそんな心理のなかで、書き続けていかなければならないわけだ。  了解です。  プロになりたいので。 >そもそもの話 >>なぜなら、そこに読者が「一人」はいるから。 >>つまり自分自身。最初の読者。  おー……。確かにそうっすね……。  考えが浅かったです。間違いでした。  自分の書く物で、自分はとても楽しんでいます。 >これから  ということで、やります。  これからもよろしくお願いします。  わかりやすい忠告、ありがとうございました。 >あらすじ「あるある!夢境学園1」  特別サービス、ありがとうございます。  読み違えた理由を、考えます。 >>自分が足手まといだという事を痛感した達也は、防衛部を退部した。  江利香を忘れていた。 >>達也は洗脳されなかった数人の生徒と協力して、洗脳を打ち消す事にした。 達也が挫折していたということを失念。 >>洗脳されなかった生徒によって、生徒達が正気に戻る。達也と防衛部は負けそうになるが、達也が自分から変身した事で勝利した。彼は友を守るために能力を受け入れたのだ。 >>達也はロリな少女カメ娘を鬱陶しく思い、邪険に扱って悲しませた。  この二つは一行あらすじのとらえかたが違った、故に間違えた。  これが一番ダメなミスです。  一行あらすじを考えて、それに当てはまらないシーンが出てきたら、その一行あらすじが間違っていたと考えなければいけない。   >>俺、いま、執筆中なのね。 >>そこんとこ、わかれよ。な。 >>「プロ作家」ってのは超人とでも思ってるのかな? 自分と作りが違うから、どんなことがあっても動じないとでも?  すいませんでした。  今度からは時期を見て書きます。 >今日のあらすじ  二十六冊目「トラブルシューターシェリフスターズMS02」 著:神坂一  一行あらすじ  兵器として作られた事を悩む少女サミィが、仕事をする中で無力感を感じるが、実際にはそうでないと知る話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=822&e=res&lp=757&st=0  読みやすさと理解しやすさに注意しました。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7647 投稿日 2004年2月23日(月)03時57分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>深川昌美  あまり美人に見えないなぁ。クールな感じの美人には、ってことね。  人なつっこそう。顔の作りはあまり美人じゃないけど、笑顔のおかげで美人に見える――ってタイプだな。  前に、羽矢野あたりに言ったことがあるけど、キャラの名前は、まず確実にその「親」が名付けたものなわけだよ。親は子供の将来に関わることだから、すごく真剣になって、名前を付けたはずだ。  雷蔵君も、とんびさんが悩み抜いて、愛情をもち、願いを込めて付けた名前なわけね。  とんびさんが「雷蔵」という名前を考えつくまでに、何日かかったか、何週間かかったか、どれだけ考え抜いて決めたのか――訊いてみたら?  たしかに現実世界じゃ、その人間が名前通り育つとは限らない。  しかし物語上では、「名を体を表す」の法則が通用しているわけだ。名前の持つイメージが本人のものとしてしまって、かまわない。  ――で、キャラに名前を付けるときも、親と同じぐらい頭を悩ませ、とまでは言わないが。  こんどはIMEに頼りすぎ。  どうせ、こんな手順で選んできたのだろ。 ・思いついた音を変換して、いい字面の名前がないか見る。 ・イメージに合う字面があったら、それ採用。  ――そんな手順で子の名前を選ぶ「親」なんて、どこにいるのよ?  とんびさんが、子の名前を、そんな手順で選んだと思うか?  せめて漢字辞典で字の意味ぐらい、調べてこい。  「昌」の字の意味は、調べていたのか?  もし調べていたなら、いまのクールな美人のイメージと違うということぐらい、わかったはずだが。 >>高身長であること=規格外れであることがプラスになる職業に就かせて、活躍させたいです。  身長が高いから、アパレル業界ってのが短絡しすぎだろ。  その理屈でいくと、ガタイのいいやつは、すべて格闘家かプロレスラーになるわけか?  顔のいい男は、皆ホストになってなきゃならないな。  あと、「活躍させたい」のか、「活躍させねばならない」のか、「活躍しているとメリットがある」のか、どれなのか切り分けろ。  自分が活躍させたいと思っているだけなのか。  その業界でなければならない、なんらかの絶対的な制約があるのか。  自分の長所を生かせる仕事に就いていると、人物造形になにかプラスでも出てくるのか。  あるキャラの職業というのは、その人間の人生のどこかで「選択」が行われた結果として、決まっているものなんだな。彼女がアパレル業界にいるというなら、彼女がそれを選んだわけだよ。  キャラは、キャラ自身の選択によって、その仕事に就いているわけ。  ――で、そのときに「背が高いからアパレルっしょ!」と短絡的に決めつけているのは、それは誰の思考だよ? おまえの思考だろ。  そして彼女の職業は、弟切の手によって一方的に「アパレル」に決められてしまう。  彼女が自分で行っていたはずの「職業選択のチャンス」というものは、彼女には与えられない。  そういうのを「操る」っていうわけ。いま弟切は「アパレルにさせたい」っていう身勝手な欲求から、キャラの経歴を操っている。  操られたキャラっていうのは、操り人形にしかならないわけだ。  職業も操られ、経歴も操られ、思想やら感情やら、髪型や服の好みでさえも、すべて操られる。  その時々の台詞やら、笑顔でさえも――作家がスイッチを押してやらなきゃ浮かべることができなくなる。  小説を読む読者は、「人形劇」を観にきているわけじゃないのね。  キャラってのは、人間の役者が演じていて、動いていなけりゃならない。  ――で、操らないで彼女に「アパレル」という職業を与えるのなら。  作家が直接キャラの「選択」と「経歴」とをコントロールしてしまうのではなくて、彼女の周辺のほうをいじるわけ。  彼女が自分の選択で「アパレル」を選ぶことになるように、彼女のまわりに手を付ける。  彼女は「色々」あって、自分でアパレル業界に入っていったわけだよ。  その「色々」のところは作家は好きにできる。だがキャラの思考に直接介入してはいけない。 >津荒 >人生相談 >>相手にしてもらえない段階で、もうだめだなぁと思いながら、一応専門学校のことも言いました。 >>反対されて、撃沈です。  なんだ。反対されたら、引き下がるわけか。  すると親が「賛成」してくれることしかできなくなるわけだな。  ちなみに18歳にもなれば、たとえば「新聞奨学生」とかいう道もある。  住みこみで住居があって、食事付きで、学費は全額持ってくれて、返還の義務もなくて、学校に通わせてくれる。さらに給料まで貰えてしまう。  人は、親がどう言っていようが、18歳からは、自分の人生を自分で選ぶことができるわけね。まあ実際には二十歳までは未成年者扱いになるから、重大な決定は法的にやらせてもらえないんだけど。(保証人として親権者の同意が必要)  反対するなら、新聞奨学生になってでも僕は行く――とか言いきっていたら、親の反応もまた変わっていたんじゃないのかね?  普通の根性の親だったら、「そこまで言うなら、学費は出してやる」とか譲歩してきそうなものだけど。  まあ折れてこなかったら、言ったとおりに、新聞奨学生になればいいだけのことだな。  親の援助なんて、そのうちなくなるものなんだよ。  22歳でなくなる援助が、ほんの4年ばかり早く、18歳で途絶えるだけのことじゃんか。「親に養育される環境」というのを、あって当然なものと思っているから、失うのが怖くなるのね。はじめからないものと思っておけば、「人としての普通」に戻るだけのことだ。  新聞奨学生以外にも――。  夜のバイトをして生活費を稼ぎながら、4畳半の安アパートに住んで、すべて自分で面倒をみながら学校に通う、いわゆる「苦学生」というスタイルもある。  何万円かでも仕送りをもらえる人は、こっちのが楽かもしれない。毎日朝晩、5〜6時間ずつの肉体労働をしなくて済むから。  仕送り一切なしで、完全自給自足でやるのなら、新聞奨学生のほうがぜんぜん楽だけどね。  新聞奨学生のことを知らなかったか、知っていても言い出す意気地がなかったのか。  どっちなのだろうか。  ――今日び、新聞奨学生のことなんか、調べようと思ったらいくらでも調べる方法があるだろ。インターネットでも使って、新聞奨学生の人たちの体験記を読んでみるとか。  ちなみに、専門学校行け、って話をしてるのではないよ。  小説の専門学校というものについての僕の意見は、前に書いたとおり。教えてもらって作家になろう、なんて考えている時点で、もう見込みはない。  「専門学校行きたい」と、とりあえず言ってみただけなのか。  きちんと考えていて、やることすべてやってから撃沈したのか、という話。  ちなみに、津荒は反対されてあっさり撃沈したのだよな。  で、津荒は新聞奨学生というものさえ、知らなかったのだとする。  親が一顧だにしないで、頭ごなしに「だめだ。話にならん」と言ってきた理由ってのは、「津荒がロクに考えてもいない」からかもしれないなぁ。  ろくに考えてもいないやつの意見なぞ、「話にならん」で切り捨ててしまっていいわけだよ。  実際、「作家になりたい」と親に話したときにだって、なんも考えてなかったことは明白だよな。  「なりたい」って希望を口にするだけで、「どうやってなるのか」という具体的なプランを親に示せたわけじゃないだろ。  「話にならん」で、反対されて、一発で撃沈して当然だわな。  ――で、津荒の人生やら、進路やらは、俺にはどうでもいいこと。ここは小説のジムなので、この話題を小説のことに着地させてみる。  いま、小説のほうで、プロの仕事を盗み取っている最中だろ?  まず大抵の話が、一行コンセプトというものを持っていて、それに基づいて細部が作られているものであるということは――。体験を通じて、わかってきてるよな?  変化するものと、注目されるキャラと、動くキャラと――それぞれを作者が意識的に設定しているってことが、もう「感覚」としてわかってきたころだろ?  どの作者も、話というものを、けっして「適当」に作っているわけじゃないだろ?  そうだよな?  ――で、そろそろ、アレをやれ。  自分の「夢見る少女」を題材にしての写し取り。  いかに、自分が考えなしでやっていたか、わかるから。  「話にならん」と、初見で断定されて、ポイ捨てされて当然だったということが、わかるから。  お前の親が、お前の話を聞きもしなかったのと同様に――。  お前の読者も、お前の話を聞いてさえくれないんだよ。  考えなしでやっている、その癖を、叩き直さないことには。  考えなしで言っている話と、考えなしで書かれた話には、ともに――聞いてやる価値も、読んでやる価値もない。 >本気で目指す心の準備とか >>考えが浅かったです。間違いでした。 >>ということで、やります。 >>これからもよろしくお願いします。 >>わかりやすい忠告、ありがとうございました。 >>特別サービス、ありがとうございます。  ――はァ。  どこまで真剣になったのやら。  まあ、ジムの隅っちょで、ぽふぽふサンドバッグ叩いててもいいぞ。  津荒が「本気になった」なんて確信は、俺にはこれっぽっちも伝わってこないけど。  「本気になろうとしてはいる」ぐらいの気迫なら伝わってくるから。  いろいろやってみて、いまの俺の津荒への評価は、「作家志望者になろうとしている作家希望者」てなところね。  ジムの隅っちょでサンドバッグを生ぬるく叩かせているうちに、そのうち、なにか劇的な出来事でも起きて、「作家希望者」が「作家志望者」に化学変化しないとも限らない。  サンドバッグを叩く音に「魂」がこもってきたら、すぐ、耳でそれとわかるのだ。「ぽふぽふ」が、「ばすんばすん」になるのだ。  そうなったら、みっけものだし。 >夢境のあらすじ >>一行あらすじを考えて、それに当てはまらないシーンが出てきたら、その一行あらすじが間違っていたと考えなければいけない。  一行あらすじと、読み取ったエピソードとは、相互に修正し合って進めてゆくものね。  一行あらすじに当てはまらないエピソードを見つけたときに、「では一行あらすじのほうが間違っているのだ」と決めてしまうのは早計だ。  もしかしたら、間違っているなら、そこに書かれているエピソードのほうかもしれない。  そこにあるエピソードは、本来は、それじゃいけなかったのかもしれない。  作家だって間違える。ただ間違いをより少なくしようと、懸命に、死に物狂いになって努力しているだけだ。  まあ、津荒の腕が上がってきて、プロと比肩しうるところまでこないうちは、まず間違っているのは津荒のほうだろうから、自分の考えついた「一行あらすじ」のほうを疑ってみるべきだろうけど。  でも、「このテーマでこの構成の話なら、このエピソードのほうが違うじゃん」てなことを見つけるときが、そのうちあるはず。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7648 投稿日 2004年2月23日(月)18時53分 投稿者 津荒夕介 >これからのこと  今の僕の状態は……。 1説明文を書く力がない。 対策:読みやすさ、面白さ、理解しやすさ、情報量。それぞれ意識してあらすじを書く。 2エピソードの必要度を知る力。 対策:あらすじ練習(一行あらすじの把握)と、プロットから見るブギーポップのあらすじ課題。 3ストーリーの長さとその条件について。 対策:夢見ぬ少女の直しで、短編を一つ完成させる。 4筋の種類を知る。 対策:本を読む。  こんなとこです。  まずは、「夢見ぬ少女」を終わらせます。 >「夢見ぬ少女」とか  こいつのあらすじは、書けません。  なぜなら一行あらすじが、おかしいから。 「夢見ぬ少女」一行あらすじ  父親の作った実験妖怪を退治している妖怪百目が、父親の作った妖怪を利用した少女を倒すも、裁かない話  裁くべきだし。  あと少女の筋がありましたが、それも中途半端で、失敗しています。    直すことはたくさんありますが、今、直すべきは構成。  短編として「夢見ぬ少女」を書きかえると、話が変わっちゃいます。というか短編にはできないですよ。で、とりあえず同じキャラを使って短編を考えてみようかな、と。    まず、テーマが変わります。生きる意味〜、とかを書くのに短編は短すぎる。悪いことはダメよ、くらいのテーマに。  筋は一本です。筋は筋でも外面変化(状況)の方が簡単なので、内面(キャラ内変化)はなしで。  百目の設定も、人の体を乗っ取っている〜とか、主人公らしくないので変更。  そして題名も変わる。「百の目を持つ管理人」とか。まあ、そんなん。  一行あらすじ  人間に悪さをする妖怪を退治する「妖怪管理課」につとめる妖怪百目が、妖怪「夢本」の力を悪用しようとする学生を退治する話。  で、あらすじ書いてきます。 >長編として作り直すとか。  これはまだ、できないです。力がないから。  「夢見ぬ少女」で一番大切なのは、テーマです。テーマを持っていたのは少女でした。  テーマをきちんと書こうとすると、それ以外をすべて変えないといけない。新しい長編を一つ作るようなものです。  ですから、まず短編を完成させます。 >読み捨て=読む価値なし の理由。  読み捨てってのは数行読んで、「読む価値なし」と捨てられることです。    最初四行を見てみます。 >>国枝律子は放課後の図書室へ入って行く。押し殺した声が飛び交う漫画や雑誌のあるコーナーを抜ける。彼女は一番奥まで歩いて行く。    5W1Hを見ます。  「いつ」>放課後。「どこで」>図書室で。「誰が」国枝が。「なにを」自分を「なぜゆえに」わからない。「どうする」図書室の奥へ行く。  と、「なぜゆえ」が不明です。  が、読み捨てなんだから他にも致命的な欠陥がある。  1図書室の構造がわからない。  2いきなり説明文である。  なんかもう十分読み捨てだなぁ……。 >>律子は本棚に目を向ける。並ぶ本はうっすらと埃をかぶっていた。  説明不足。  歩いてたのにいきなり本棚の前にいるし。歩きながら見ているとも読める。  ということで、不自然+説明が盛大に足りていない>読み捨て    並ぶ本は〜のくだりは、描写のつもりでしたが、描写になってない。ほこりで咳きこむとか、本を触ると指が汚れたとか、そういうのじゃないと。  で、まずキャラを出したんだから、その説明および描写をしないと。  キャラが置き去りにされているので>読み捨て >>――なあ、俺を読めよ。  んでいきなり声。    いまだに「なぜゆえ」が謎のままで。  しかも描写が一つもなくて。  いらいらしてるのに、ここでさらに声が入る。  国枝のことがサッパリわかってないのに、新キャラ登場!?  もう読むの止めて、捨てますね。  全体的に、  1文章が短すぎて、読みにくい。  2読者への説明がまったく足りない。  3ぜんぜん「そこにいる感じ」がしない。描写がないということ。  4テンポが速い。かといってどうすれば遅くなるのか、わからないが、ともかく速い。  もっとキチンと説明して、キチンと描写すれば、分量は増えるでしょう。    とか、思いました。  いやいや、ホントに説明文だけだし。しかも、わかりにくいときた。最悪ですな。  今回はここまで。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7649 投稿日 2004年2月23日(月)20時25分 投稿者 新木 伸 >時間割とか  その日の最後の授業を、7時間目とするか、6時間目とするか、悩み中……。  まあ数字だけのことなので、いつでも直せてしまえるけど。  週5日制になったから、連日7時間授業が続くのかと思いきや――。  調べてみると、いま現在の中高というのは、どうも6時間授業が多い模様。  津荒のところと、とんびさんのところはどうなのでしょう?  まあ「夢境学園」の対象読者の中心年齢で考えるなら、大学三、四年――ということになるのだから、「現在」がどうなっているのかには関係なく、その年齢の読者の「常識」に合わせてしまうべきだろう。 >津荒 >>兵器として作られた事を悩む少女サミィが、仕事をする中で無力感を感じるが、実際にはそうでないと知る話。  なんじゃ、そりゃ。  日本語としてぶっ壊れている。  「実際にはそうでない」ってのが、意味不明。なにが「そうでなくなる」わけだ?  また「無力感を感じる」ってのも意味不明。  この文章のなかで、唯一意味が通る箇所は、「兵器として作られた事を悩む少女サミィ」の部分だけ。  他は書き直してこい。  前にもこんなふうに日本語が壊れていたところを指摘したことがあって、そのときには「了解です」なんていう、わけわからん返事だけを返してきたけど。  「壊れてる」って指摘されたときには、意味が通じるように直してこい、ということね。  あと、最近の1日の時間割、提出のこと。  これ至急〜。優先順位の上のほう上げておくこと。 -------------------------------------------------------------------------------- 中3の時間割 No.7650 投稿日 2004年2月23日(月)21時36分 投稿者 とんびの羽根 >>調べてみると、いま現在の中高というのは、どうも6時間授業が多い模様。  それじゃ時間割をあげときましょう 神戸市立 中3 50分授業 曜: 1  2  3  4  5  6 月:学活 国語 英語 音楽 数学 不定 火:理科 数学 英語 国語 社会 体育 水:選択 選択 国語 理科 道徳 不定 木:国数 数学 社会 体育 英語 技家 金:社会 体育 理科 美術 総合 総合  曜時完全固定だとこなしきれないので、いろいろと時間を融通しているようですね  木1の国数はどちらか選択、月6水6はやりくりで授業決定 -------------------------------------------------------------------------------- 漢字の力 No.7651 投稿日 2004年2月24日(火)00時23分 投稿者 弟切 千隼 >「深川昌美」という氏名  「昌」の字は、思いついてすぐ漢和字典を引きました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【昌】ショウ  意味(1)《動・形》あきらか(あきらかなり) あかあかと輝く。明るい。 (2)《形》さかん 明るくさかんである。 (3)《形》あきらか(あきらかなり) 堂々として、包み隠さないさま。公明正大な。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (学研 漢和大字典より)  前回の書きこみNo.7645に書いたとおり、弟切は、「まさみ」さん−仮名です−という美人を、高身長を生かして活躍する人としています。自分の特質を生かして明るく輝く人、という意味で「昌」の字を付けました。  女性が恥じることが多い高身長を、包み隠さず堂々としているという点においても、「昌」の字はふさわしいと思いました。  「まさみ」さんは、最初は「ひさこ」さんでしたね。音の響きは良かったものの、「緋沙子」と「比沙子」という漢字表記は、難しすぎてボツになりました。  IMEで普通に出てくる「ひさこ」は、どれも弟切の「ひさこ」さんに合いませんでした。久子も寿子も尚子も比佐子もひさ子も、どれも違う!と弟切の中の魂が叫びます。  次に出てきたのが「昌子[まさこ]」という名前でした。が、これは一瞬で自主ボツをかけました。  「ひさこ」という音の響きに比べると、「まさこ」という音の響きは、ふっくらと柔らかです。母性的な印象も強いですね。これでは、「優しいおふくろさん」の名前になってしまいます(^^;  「まさこ」が「まさみ」に変われば、中性的な印象になります。「まさみ」は男性にもある名前ですから。  女性的な柔らかさを残しつつ、「おふくろさん」要素がなくなった「まさみ」はいいかも知れないと思いました。  音の響きが「まさみ」になったところで、漢字表記を考えました。「まさ」は上記の意味を汲んで「昌」に、「み」は女性名として最も素直に「美」としました。  「昌美」という表記が決まってから、MS-IMEで変換してみました。五番目くらいに出たので安心しました。  「クールな美人」の名前として見れば、「昌美」は違うだろうと弟切も感じます。ではなぜそんな名前を選んだのかといえば、「世話好きな優しさ」要素を入れたかったからです。  「世話好きな優しさ」要素は、「まさみ」さんが選んだ職業と関係してきます。セミオーダーの服飾メーカー勤務という職業ですね。  職業と名前の関係については、次回に解説します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7652 投稿日 2004年2月24日(火)01時46分 投稿者 津荒 夕介 >高校三年生の時間割    六時間授業と七時間授業。両方がありました。  文系・数学選択・日本史選択・生物選択の時間割を書きます。  左から順に1234567時間目です。 月 数学 数学  英語  国語  芸術 体育 無し 火 英語 英語  日本史 日本史 古文 国語 無し 水 英語 日本史 数学  数学  国語 英語 ホームルーム 木 生物 生物  倫理  時事  体育 英語 無し 金 体育 家庭科 英語 家庭科 日本史 古文 国語     金曜日は短縮授業で、終了が普段より30分遅れました。  水曜日のホームルームは、あまり行われませんでした。 >自分のスケジュール     昨日とかは、新木さんの「忠告」のことで頭が一杯で……。まともな生活じゃありませんでした。  それはともかく、今日のスケジュールを。      8:00 起床   9:00〜12:00 本を一冊読む。  12:00〜13:00 昼飯作って、食べる。  13:00〜14:00 よみかく分室を見る。なにをするか考える。  14:00〜15:00 短編課題用の漫画を買いに行く。  15:00〜16:00 フロを炊きながら、なんとなく本を読む。(上巻しかないことに気づく)  16:00〜19:00 よみかく分室のレスを書いて、投稿する。  19:00〜20:00 ご飯を食べたり、フロに入ったりする。  20:00〜21:00 朝読んだ本のあらすじを書く。  21:00〜23:00 よみかく分室のレスを書く。  23:00〜24:00 書いたあらすじの見直し。漫画のあらすじをやる。  24:00〜01:00 読んでいなかった話題について書き加えて、よみかく分室に投稿する。 >日本語になっていない。 >>兵器として作られた事を悩む少女サミィが、仕事をする中で無力感を感じるが、実際にはそうでないと知る話。    兵器として作られた事を悩む少女サミィが、仕事をする中で言われた事しかできない道具のような自分にやりきれなさを感じるが、仕事の途中助けた子供達が幸せになった姿を見て、自分の行為に意味があった事を知る話。    を無理矢理縮めようとして、失敗しました。    作られた少女サミィが、仕事をする中で自分は道具と同じで指図された事しかできないと虚脱するが、他の事もできるという事を知る話。 >小説の適切なページ数とか。  あらすじだけ見ても、ページ数は大体わかる。はず。  短編を書く時は、あらすじ段階で何枚になるかを把握しないといけない。じゃないと余計な話まで足してしまう。  ロストガール 著:岡本賢一   を例に考えてみます。    状態が異常で、キャラは普通。四百字で、17枚です。  「主人公が金縛りを使う化け物に襲われる夢を見る」 1状況について 2怪物の説明・描写 3金縛りをとこうとする丈斗(主人公) 4学生川前の死の描写+彼女の説明 5学生篠屋の死の描写+彼の説明 6学生山枝の 〃 7好きな女の子夏芽の怪物を恐れる様子。 8金縛りがとけて、怪物と戦う丈斗。 9逃げる生徒達。 10遊天(味方の妖怪)に助けられる。    状態が普通で、キャラも普通。  「目覚めた主人公が、夢の内容から、好きな少女の事を考え心配する」 1目覚める 2好きな少女の事を考え、心配する<これがほとんど。 3夢で怪物に攻撃された場所にある傷痕に気づく。  で、2枚。  異常な事を書く時は分量がやはり多くなる。(当たり前です)  異常だと1.7枚。普通の事は0.5枚ぐらい。  50枚の短編だと、一つの目ぐらいのシーンは一つか二つしか書けない。 起 戦うシーン。<見せ場1   回想に入る 承 調べる。<見せ場2 転 戦う。<見せ場3 結 決着 <後日談みたいなの。  見せ場1(5ページ)状況説明(7)見せ場2(15ページ)見せ場3(18ページ)その後(5)  かな……。うーん。自信ない……。  実際に短編を調べたほうがいいっすね。(最初からそうすればよかった)適当な短編をプロット分解します。  で、あらすじなどを……。  世界設定:異世界から来る化け物――妖怪は、一般には悪者として認識されている。  主人公は妖怪で、世間に対しては正体を隠している。悪意のない妖怪の移住に関する仕事をしている。また、人間では始末におえない妖怪が出ると退治に向かう。  キャラ  主人公:百目   百目の友人:鈴木 淳二  敵の不良少年:伊森 克也(いもり かつや)  一行あらすじ    百目が友人の教師に頼まれて、学生の異変を調査し、その原因である伊森を退治する話    400字あらすじ。    不良グループのリーダー伊森に洗脳された学生達が、妖怪管理官の百目を襲う。百目は学生達から逃げながら、事の経緯を回想した。  百目は百目の正体を知っている友人の教師、鈴木淳二に頼まれて、学校で起こっている不気味な事件について調べた。結果、伊森が人間を洗脳する力を持つ妖怪「夢本」を利用して学生達を操り、悪さをしている事を知る。  百目は伊森を捕まえようとしたが、手下に阻まれ逃げられる。  鈴木を自分に変装させて、なんとか生徒達をやりすごす。鈴木は生徒達に追われるハメになった。  抵抗する伊森を、百目は本来の、妖怪の力を使って倒した。  伊森は警察につかまり、夢本も罰を受ける事になった。鈴木はまだ追われていた。 >問題。  百目の能力が発揮されないので、主人公の能力を変える必要がありそうです。 >今日のあらすじ  二十七冊目 「NANIWA捜神記」 著:栗府二郎  一行あらすじ  霊視能力を持つ探偵時家が、インターネット社会になったため出現した邪神を倒す話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=823&e=res&lp=757&st=0    マンガ 十二編目「禁断のペットシーマン」 原作 斎藤由多加 漫画??田??  一行あらすじ     ゲームキャラクターのシーマンが、金日正を説得する事で、北朝鮮とアメリカの戦争を回避する話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=824&e=res&lp=757&st=0    マンガ 十三編目「お菓子な野郎」 著:浅野りん  一行あらすじ    お菓子職人の少年大場が、思い出を否定してお菓子嫌いになっていた会長と、お菓子で決闘して、思い出は忘れるべきではないと会長に諭す話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=825&e=res&lp=757&st=0  です。以前と同じ、読みやすさと、理解しやすさに気をつけました。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7653 投稿日 2004年2月24日(火)04時52分 投稿者 新木 伸  4時間寝た。  さて、寝ているあいだに、小人さんたちが、どこまで進めてくれただろうか。  自分では書いた覚えのない原稿が、エディタの中に残っている、ということがよく起きるようになってきた。  妖精だか精霊だか知らんが、なにかそんなようなものは、実在するのだ。  ふむ……。今日は飛行機飛びこんで来るシーンまで書いてくれていたのか。  4時間だけじゃなくて、もっと長いこと寝ていたら、もうすこし先まで書いてくれていたのかな?  しかし小人さんたちの書いてくれた部分って、かならず手直ししきゃならんのだよなぁ。そのままじゃとても使えない。  ふん。こんな仕事じゃ、飴玉はやれんな。リテイクだっ。  飴玉が欲しくば、明日はきちんとプロの仕事をしてみせろよ。>小人さん  まあ今日の分も、直して使ってやるけどさ。 >時間割  今後、週6日授業に戻るかもしれないことも考慮して、終わりの授業は6時間目ということにしておくか。  6時間で終わりの日も存在している――というのは、どこでも通用しそうだし。  ちなみに「選択授業」に関しては、まえ、誰かの話から議論に発展していったっけ。 (そういや関係ないけど、当時、このジムにやってきた人たちの中で、いまもサンドバッグ叩きに来てるのは、津荒だけだなぁ。何人来たんだっけ? 津荒、桜庭――までは覚えているけど、あと2名くらいいたはずだが。もう名前も出てこないや。まあいいか)  「現代」の高校生だと、選択コースによって同じクラスの中でも時間割が変わるのが「普通」なのだろうなぁ。  同じクラスは同じ授業を受けて育ってきた僕からは、ちょっと想像しにくい。  まあ取材してくりゃいいことなんだけど。近くの高校にでもお願いして、アポ取って、出かけていって話のひとつでも聞いてくれば、必要な実像は掴めるだろうが――。  しかし、いま書いているこの話は、「リアルな高校生活」を描くものではなくて、「特殊学校のドタバタ騒ぎ」であるわけだ。一高校の一学生が、自覚もなしに部活動の一環として世界を守ってしまっているようなファンタジー世界の話だし。学校だけリアルにしてもバランス悪い。  そこにコストを掛けても、効果は薄い。ほとんど現れてこない。  よってやらないことにする。俺の「思い入れ」で「高校」を書いてしまうことに決定。  まあそんなんでも、1日の授業時間が6時間なのか7時間なのか、夏休み前の基本スケジュールはどんなんか、きっちり調べてから決めるべき事項だが。 ○津荒  まあ、あれだけ言って、全然こたえないで普通の生活してくれてたら、張り合いがないっていうか、説教した意味がないっていうか。  しかし説教で性根が直るようなら、そんな楽なことはないわけだし、世の中は真人間で溢れているだろうし。  自分の性根というものは、説教をきっかけに、自分で苦労して、直してゆくものなのね。  俺はきっかけを与えただけ。直すのはお前。お前の人生だし。  あと、小説以外の説教は、そう何度もやらないからな。  ああいうのって、他の参加者やROMってる人なんかには、なんの興味もない話だ。40も過ぎた人にとっては、もう何十回も見てきた「よくある光景」だ。  半端者が更正して真人間になるか、半端者のまま逃亡していっちゃうことになるのか、何十回も見てきた人にとっちゃ、なんの興味も出ない「見せ物」でしかない。  「直るやつは直るだろうし、だめなやつはだめだろうさ」と、視界の隅で捉えてクールに見切っているだけだ。  つまり、あの手のやりとりは、「小説技術」を盗み取ろうとしてここを見ている人にとっては、ただの「ゴミ」でしかないわけね。  次にもう1回くらいはやるかもしれない。それでも直ってないようなら、「大人になってからおいでよボク」と、放り出されることも覚悟しとくように。  ここは小説のことをやる場所だ。最近言っていることは、本来なら、「小説ジム」の門をくぐる前に、自分で済ませておくべきことだ。  「○○にどう真剣に向き合うのか」なんてことは、ジムの「外」にあること。  ジムってのは、真剣に向き合うつもりのある人が練習するための場所。  「自分を真剣にさせてくれる場所」なんかじゃ、ないわけだ。 >小説の適切なページ数とか。  この話題。  なに言っているのか、ぜんぜん、わからない。  わかるように書き直し。  前半部分は、「ロストガール 著:岡本賢一」の分析をやっているようだ。  後半部分では、「夢見る少女」の改稿プランについて話しているようだ。  ――が、なにをどう分析したのか。そもそも「ロストガール」って、短編? 長編?  課題部屋のどこかにあるんだろうけど、わざわざあっちまで行って、探し出して、調べてこいっての? 不親切だなぁ。  また、「ロストガール」の分析から、「夢見ぬ少女」の改稿プランのほうに、いつ話題が切り替わっていったのやら。  話を変えるなら、「話を変えます」とはっきり書け。  そもそも、そこまで話題が切り替わるなら、はじめから別項目として書いてしまうべきなのでは?  ちゃんとレジュメ作ってから書いているのか?  あと、このへんもわからん。 >>1状況について >>2怪物の説明・描写 >>3金縛りをとこうとする丈斗(主人公) >>4学生川前の死の描写+彼女の説明 >>5学生篠屋の死の描写+彼の説明 >>6学生山枝の 〃 >>7好きな女の子夏芽の怪物を恐れる様子。 >>8金縛りがとけて、怪物と戦う丈斗。 >>9逃げる生徒達。 >>10遊天(味方の妖怪)に助けられる。  「2怪物」って、なんだろう? 怪物2匹のこと?  「4学生」ってのは、学生4人のこと?  ここはつまり箇条書きで羅列しているわけだよな。10シーンあるわけだな。  いきなりリストを見せてしまう前に、「ロストガールという短編をプロットにしてみたら、10シーンほどありました。以下に番号を振って、各シーンを書き出してみます」とか、前振りが1行でもあれば、「2学生ってなに?」とか、そんな疑問は出てこなかったはずだ。  ――で、ロストガールって短編だっけか?  なにか見せるときには、いきなり、見せるな。  これからなにを見せるのか、まず前置きで説明してから、見せるように。  5W1Hを確定して前置きしておくという技法は、なにも小説のなかだけに限ったことじゃないのだ。  こうした話題のなかでも、「なぜ、なんのために、なにを、どのように」と、3W1Hぐらいは書いてくれないと、いきなり話を始められたって、理解できないのだ。  今後は、なにか話しはじめるときは、3W1Hの前置きをしろ。 >400字あらすじ  回想ではじめるの禁止。  高等テクニックだよ、それは。  初心者なんだから、基本からやること。  話は最初から最後まで、時系列順。時間が飛んだり、巻き戻ったりしない。  伊森というやつを捕まえようとするまえに、学校に潜入する部分が必要だな。  その部分のなかで、伊森に接触してゆくまでに、なにか小さな障害が必要だな。  つまり「承」が不在ということ。 起・親友に呼ばれた。 承 転・伊森を捕まえようとするが、逃がしてしまった。 結・伊森を倒した。  この承の部分には、「学校に潜入した」と入るはずだろ?  あと、話の筋とは関係ない部分であるが――。  サービス要素として、色気のひとつも出そうや。美少女でも、美人のお姉さんでもいいけどさ。エッチなシーンのひとつでもあると、さらにグーだ。  この女性キャラは、新キャラとして、なにか役目を与えて話に関わる登場のさせかたをしてもいいし。  いまいる3人の主要キャラのうち、誰かを女にしてもいいし。  短編で、名前の出るキャラが4人ぐらいいるのは、普通だし、そう多いともいえないはず。いままであらすじ取ってきた経験からいって、どう? 4人は普通? 多い? 自分に扱いきれそう?  あと、やはり話の筋とは関係ないけど。暴力シーンのひとつも入れようや。これは主人公と伊森との戦いで出てくるのかな?  そこで出ないのなら、なんか凄惨なリンチのシーンやらなんやらを冒頭に出すとか。  「不良グループ」なんていう、暴力の匂いがぷんぷんする素材を出しておいて、暴力シーンのひとつでもなかったら、読者は大いに不満となるだろうな。  期待しちゃうだろ?  暴力シーンを出したくないのなら、グループの属性自体を変えること。 >スケジュール  うーん。  眺めてみると、ほんと、あらすじを写し取るためだけに1日が動いているんだなぁ。  プロの「ウォーミングアップ」や「クールダウン」の運動量を、1日かけてやっているのか。  「本を読む」とか「あらすじを書く」とかを、休憩時間のほうに押し込めない?  いまのスケジュールだと、飯や風呂や、日常の雑用が休憩になっているだろ。  風呂なんて、毎日入る必要などない。飯も作って食うまで1回15分で済ませられる。そうすれば、あと3時間は空くわな。  時間設計が、まるで違う。  いまやっている方法は、なんとなく日常を過ごしながら、時間を最大限作って、小説のことをやろうとしているわけだろ。  そんな方法では、作り出せても、せいぜい12時間が限度なわけ。  まず7時間寝る必要は、あるわな。  すると残りは17時間だ。  そうしたら、まず小説に15時間割り当てるのだと、そう決める。  すると余りは2時間となる。日常の雑用は、そのなかに押し込める。押し込めないものは、やらなきゃいい。どうしても足りなきゃ、睡眠時間を減らして調整しろ。  スポーツ選手ってのは、自分のトレーニングに必要な時間というのを、まず考えるわけ。  15時間必要だ――と、出たのなら、その分をまず取っちゃうわけ。  そしたら残りの時間を、「命を繋ぐために必要」な諸々のことに割り振ってゆくわけ。睡眠時間、食事時間――などなど。  そんなもんに使う時間は、最低限でいい。「死ななけりゃいい」んだよ。  また15時間のトレーニングも、効率よく配分するべき。  集中する時間と、休憩しつつ小説がらみのことをやる時間とを、交互にするべき。  頭を最大限に使わなきゃならないものと、頭をすこしは休められるものとがあるだろ。  本を読むのは休憩に使える。レスを読むのも休憩として使える。  しかしあらすじをまとめるのは、集中力がいる。プロットを考えたり執筆したりするのは、最大限に集中しなきゃならない。  また1日に2時間しかないとはいえ、それらの雑用時間も、完全な休憩として使えるわけだな。15分で休憩しつつ、飯食うんだよ。  強化合宿的スケジュールを立ててみて、数日間ぐらい、それでやってみそ。  春休みで10〜12時間しか使えないなら、学校通い始めたら、いきなり「0」になっちまうぞ。  この春休みのうちに時間の使いかたを学習しておかないと、おまえ、小説家ムリだろうな。大学入って揉みたてられているうちに小説のことなんか忘れちゃって、はっと気づいたら、もう卒業しちゃってるんだよ。  そしてサラリーマンになって、さらに時間がなくなってしまうのだ。  知ってるか? サラリーマンっていうのは、「会社」に15時間ぐらい取られてしまうものなんだよ?  朝の7:30に家を出て、帰ってくるのは、夜の22:30なんだよ。  そんな生活の中で、どうやって、小説の時間を作り出すわけ? >弟切  まーた、やってるのか。  いつもの病気が出てきているのだと、わかってる? わかってない?  はじめは、クールな美女って話だったろ。  弟切はいつのまにやらそれに飽きて、今度の新ヒロインは「包容力のある明るい女性」になったわけだな。  しかし俺らは、弟切の飽きて次のヒロインに乗り換えたなんて知らないから、以前のままの路線でいるものと思うわけだよ。  ――で、どっちをやるわけ?  「クールな美人」のほう? それとも今度の新ヒロインの「包容力のある明るい女性」のほう?  ――で、次に飽きて、また他のに乗り換えるときには、僕にもきちんと教えてくれるのかな?  根気を出せない人間ってのは――。よほどの天才でない限りは、作品を完成させられないんだけどなぁ。  「3週間もかけて書いていると飽きちゃうんで、それより速く書き上げるようにしてます」なんて真顔で言う作家さんもいるわけ。でも3週間以内に完成させてるわけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 妖怪仕置人 No.7654 投稿日 2004年2月24日(火)05時02分 投稿者 新木 伸  そういえば、そのものズバリのタイトルの話があるっけ。  津荒は練習で書こうとしているわけだから、ネタの重複なんぞ、気にもしていなかったけど。  「妖怪仕置人」中津賢也  マンガ。ヤングキングコミックス。1〜15巻。たしかまだ未完のはず。  高校生の主人公が、妖怪百目の力を持ってしまい、妖怪仕置人として活躍することになる話。基本的に学校が舞台。  話の作りが似ているので、研究対象とするといいかもしれない。 -------------------------------------------------------------------------------- >書き出し部分の重要性 No.7655 投稿日 2004年2月24日(火)11時27分 投稿者 新木 伸 >書き出し部分の重要性 「街角の本屋さん」 http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Brush/3472/  たまたま、こんなページを発見した。  アマチュアによるネット小説が大量に収録されているリンクページ。  総数は580編。  書き出し部分の数行程度か、作者お勧めの数行程度を、ざーっと一覧として眺めてゆくことができる。  1秒で4編くらいずつ見てゆくことができた。  ざっと見ていったけど、書き出しの数行で「読み捨て決定」とならない作品は、このうちの50〜100編に1本ぐらい。「全文」と書かれている部分をクリックしてみようって気になる作品は、全体の1〜2%ってところだった。  このサイトはとにかく大量にネット小説を集めて、冒頭部分のみの「立ち読み可能」にして陳列しておくという趣旨のサイト。  「小説というものは、たった数行で、読むべきかどうか判断される」と、僕がいつもいつも言い続けてきたのとおなじことを、たまたま偶然にもやっている場所。  このサイトでは、ある作品が読まれるかどうかは、もう本当に「数行」で決定してしまっている。  「書き出しの工夫」に興味のあるやつは、見にいってみること。  前に2号に言った「目に留まる工夫をせよ」というのは、ここで目の止まる50〜100編のうちの1編となるような工夫をせよってことね。  50〜100編のうちの1編――とかいうと、なんか競争率が高そうに思えるが。  勘違いしてはいけない。  50〜100編のうちのベストワンを選んでいるわけでなく、ただ「読み捨て対象」となる変なものを分別しているだけね。  すると残るものが、たまたま、50〜100分の1になってしまうというだけ。  あのサイトのあの場所にプロの商業作品を持ってきたなら、全部が全部、目が止まってしまうはずだ。  ちなみにあのサイトの場合――。  10本のうちの5本――半分ぐらいは、まず「行頭一字下げ」やらができていないので、捨てられる。  残った5本のうちの4本は、意味の取れない文章があるので、捨てられる。  ここまでで、すでに、90%が捨てられていることになる。  ここで残っているものは、まあ意味が取れる日本語で書かれている。  しかし興味を引かれることがないので、やはり、たいていは捨てられることになる。  ここまで残ったものから、さらに10本のうちの8〜9本ぐらいが、捨てられる。  最後に残るのは、1〜2%ぐらい。  気の利いたことが書いてあったり、目立つ工夫をしていたりするので、目を止めることに成功する。  さらにこの残った1〜2%の作品のなかからも、 ・1ページ目の試練。 ・3ページ目の試練。 ・10ページの試練。 ・30ページ目の試練。 ・50ページ目の試練。 ・100ページ目の試練。  ――と、何段階もの試練があって、毎回ごとに、ふるい落とされてゆくのだよな。  半分まで読んでもらえた小説は、まあ、最後までは読んでもらえるだろう。(それでも2巻目を買ってもらえるかどうかはわからないが) -------------------------------------------------------------------------------- て、手遅れ? No.7656 投稿日 2004年2月24日(火)14時57分 投稿者 名無し君2号  人として浪人ですかー。  浪人と聞くとキテレツ大百科の勉三さんを思いだすのですが。あー、でもあんな感じかもしれない。山形県民ということで、おなじ東北人だし。でも勉三さんは25歳……。ぼ、ぼくは28歳……。  ちなみにブタゴリラの本名は熊田薫でした。アンバランスなお名前。 >文章の腑分けについて  浦戸さんはROMは続けるとのことですので、いまさらながらですが、つらつらと書いてみます。  とりあえず私の短編、「優しい嘘」の冒頭部分。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夜のカーテンが、すっぽりと街を覆う。  もちろんまだ街は眠らない。ことに、ホテルが並ぶこの裏通りは、これから目を覚ますところらしい。若い男女や、そうでない男女が身を寄せあいながら、『ご休憩○○円、ご宿泊○○円』と書かれた建物に入ってゆく。  車の曇りかけたガラス越しに、風野姫太郎はそんな光景を眺めていた。  姫太郎と同い年ぐらいの少年少女が、いわゆるラブホテルに消えてゆくのを見て、なんとも落ちつかない気持ちになる。 「少年にはちょいとばかし刺激が強いかい」  運転席からのその言葉で、姫太郎は自分が無意識にもぞもぞと体を動かしていたことに気づいた。かっとなってあわてて振り向く。 「だ、大丈夫ですよ」  黒いスーツに身を包んだ男は、無精髭をじょりじょりと撫でていた。にやりと笑う。 「なにが大丈夫なのか知らんが……まあ、高校生ぐらいのときは箸が転がったって興奮しちゃうもんだがな。いきなり鼻血だしたりするなよ、少年」  姫太郎は口をもごもごと動かした。顔色が赤く染まる。 「な、なにを言ってるんですか……」  小声で言って、後部座席をちらりと見た。  そこにはブレザーの制服を着た、長い髪の少女が、しゃんと背筋を伸ばして座っていた。手はしっかりと膝の上に、しかし視線は外に向かっている。――つまり姫太郎が見ていたのとおなじものを見ていることになる。  ネオンの明かりにぼんやりと光る顔。それが姫太郎のほうを向く。目がにっと細くなった。 「もうすこしだと思うから、頑張ってね、風野くん」  その笑顔に姫太郎はうろたえて、思わずうつむいてしまう。  横から男のくぐもった笑い声がひびいた。 「この程度でしんぼうたまらんってのじゃ、おれたちの仕事は勤まらないぜ。早く慣れろよ、少年」 「慣れろっていわれても」  姫太郎は視線をガラスの向こう側にもどす。サラリーマンらしき男女がホテルから出てきたのを見て、ごくりとつばを呑みこんだ。  助手席のヘッドレスト越しに、少女の横顔を盗み見る。  少女は表情ひとつ変えずに、外に広がる光景を眺めていた。  ――べつにやりたくてやってるわけじゃないのに。  そうだ。やりたくもない仕事だ。タバコ臭い車のなかで、こわいお兄さんのとなりで、こんな仕事をやっているのは――。  そもそもこの人、浅田明日美さんのせいだよ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まるまる引用してしまいましたが、これを各種文章ごとに腑分けします。ざくざく。 ■説明文  姫太郎と同い年ぐらいの少年少女が、いわゆるラブホテルに消えてゆくのを見て、なんとも落ちつかない気持ちになる。  そこにはブレザーの制服を着た、長い髪の少女が、しゃんと背筋を伸ばして座っていた。手はしっかりと膝の上に、しかし視線は外に向かっている。――つまり姫太郎が見ていたのとおなじものを見ていることになる。  少女は表情ひとつ変えずに、外に広がる光景を眺めていた。 ■描写文  夜のカーテンが、すっぽりと街を覆う。  もちろんまだ街は眠らない。ことに、ホテルが並ぶこの裏通りは、これから目を覚ますところらしい。若い男女や、そうでない男女が身を寄せあいながら、『ご休憩○○円、ご宿泊○○円』と書かれた建物に入ってゆく。 ■会話文(思考文) 「少年にはちょいとばかし刺激が強いかい」 「だ、大丈夫ですよ」 「なにが大丈夫なのか知らんが……まあ、高校生ぐらいのときは箸が転がったって興奮しちゃうもんだがな。いきなり鼻血だしたりするなよ、少年」 「な、なにを言ってるんですか……」 「もうすこしだと思うから、頑張ってね、風野くん」 「この程度でしんぼうたまらんってのじゃ、おれたちの仕事は勤まらないぜ。早く慣れろよ、少年」 「慣れろっていわれても」  ――べつにやりたくてやってるわけじゃないのに。  そうだ。やりたくもない仕事だ。タバコ臭い車のなかで、こわいお兄さんのとなりで、こんな仕事をやっているのは――。  そもそもこの人、浅田明日美さんのせいだよ。 ■動作文  車の曇りかけたガラス越しに、風野姫太郎はそんな光景を眺めていた。  運転席からのその言葉で、姫太郎は自分が無意識にもぞもぞと体を動かしていたことに気づいた。かっとなってあわてて振り向く。  黒いスーツに身を包んだ男は、無精髭をじょりじょりと撫でていた。にやりと笑う。  姫太郎は口をもごもごと動かした。顔色が赤く染まる。  小声で言って、後部座席をちらりと見た。  ネオンの明かりにぼんやりと光る顔。それが姫太郎のほうを向く。目がにっと細くなった。  その笑顔に姫太郎はうろたえて、思わずうつむいてしまう。  横から男のくぐもった笑い声がひびいた。  姫太郎は視線をガラスの向こう側にもどす。サラリーマンらしき男女がホテルから出てきたのを見て、ごくりとつばを呑みこんだ。  助手席のヘッドレスト越しに、少女の横顔を盗み見る。  とりあえず説明文は時の流れがない、動作文はなんか動いている、会話文は「」がある、思考文は人の考え、描写文は説明っぽいけどなんか動いている、でわけてみればいいんじゃないでしょうか。我ながら適当ですね。  ――こうして見ると、まだまだ説明文を削れることが判明。修行が足りない。  文章の種類とはべつに、これはなにを対象に書いたものなのか、でわけることもできます。ざくざく。 ■夜の街(ラブホテル)  夜のカーテンが、すっぽりと街を覆う。  もちろんまだ街は眠らない。ことに、ホテルが並ぶこの裏通りは、これから目を覚ますところらしい。若い男女や、そうでない男女が身を寄せあいながら、『ご休憩○○円、ご宿泊○○円』と書かれた建物に入ってゆく。  姫太郎と同い年ぐらいの少年少女が、いわゆるラブホテルに消えてゆくのを見て、なんとも落ちつかない気持ちになる。  姫太郎は視線をガラスの向こう側にもどす。サラリーマンらしき男女がホテルから出てきたのを見て、ごくりとつばを呑みこんだ。 ■姫野風太郎(主人公)  車の曇りかけたガラス越しに、風野姫太郎はそんな光景を眺めていた。  姫太郎と同い年ぐらいの少年少女が、いわゆるラブホテルに消えてゆくのを見て、なんとも落ちつかない気持ちになる。 「少年にはちょいとばかし刺激が強いかい」  運転席からのその言葉で、姫太郎は自分が無意識にもぞもぞと体を動かしていたことに気づいた。かっとなってあわてて振り向く。 「だ、大丈夫ですよ」 「なにが大丈夫なのか知らんが……まあ、高校生ぐらいのときは箸が転がったって興奮しちゃうもんだがな。いきなり鼻血だしたりするなよ、少年」  姫太郎は口をもごもごと動かした。顔色が赤く染まる。 「な、なにを言ってるんですか……」  小声で言って、後部座席をちらりと見た。  その笑顔に姫太郎はうろたえて、思わずうつむいてしまう。 「慣れろっていわれても」  助手席のヘッドレスト越しに、少女の横顔を盗み見る。  ――べつにやりたくてやってるわけじゃないのに。  そうだ。やりたくもない仕事だ。タバコ臭い車のなかで、こわいお兄さんのとなりで、こんな仕事をやっているのは――。  そもそもこの人、浅田明日美さんのせいだよ。 ■運転席の男 「少年にはちょいとばかし刺激が強いかい」  黒いスーツに身を包んだ男は、無精髭をじょりじょりと撫でていた。にやりと笑う。 「なにが大丈夫なのか知らんが……まあ、高校生ぐらいのときは箸が転がったって興奮しちゃうもんだがな。いきなり鼻血だしたりするなよ、少年」  横から男のくぐもった笑い声がひびいた。 「この程度でしんぼうたまらんってのじゃ、おれたちの仕事は勤まらないぜ。早く慣れろよ、少年」 ■浅田明日美(ヒロイン)  そこにはブレザーの制服を着た、長い髪の少女が、しゃんと背筋を伸ばして座っていた。手はしっかりと膝の上に、しかし視線は外に向かっている。――つまり姫太郎が見ていたのとおなじものを見ていることになる。  ネオンの明かりにぼんやりと光る顔。それが姫太郎のほうを向く。目がにっと細くなった。 「もうすこしだと思うから、頑張ってね、風野くん」  少女は表情ひとつ変えずに、外に広がる光景を眺めていた。  そうだ。やりたくもない仕事だ。タバコ臭い車のなかで、こわいお兄さんのとなりで、こんな仕事をやっているのは――。  そもそもこの人、浅田明日美さんのせいだよ。  おなじ一文で、ふたつを対象にしていたりするものもあります。たぶん三つや四つを対象にすることもできるとは思いますが……。  だれかがなにか、ひと言でも洩らしたならば、それは洩らした人物そのものを描写してしまいます。だれかに話しかけたのならば、その相手も描写されます。たぶん。  見てもらえばわかりますが、車内感とかまったくないんですよね。まあ、駄目な例ですね。ホテル街感も……ない。  なんか主人公自体を説明するものが多い。  そんなものは後回しでいい……どうせ主人公なのだし、自然に描かれるものなのだから、ここはもっとホテル街感や車内感に力を注ぐべきだった。 >1000字課題  No.107「平和な世界」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=826&e=res&lp=550&st=0  世界が平和になってしまい、用無しになってしまったために昼真っから酒を飲んだくれていた冒険者が、その酒場の娘とやりとりした結果、廃業することを決める話。  あ。これ新キャラじゃないや。  気が強くて素直になれない系ヒロインに、ロクデナシでグータラな主人公が気合いを入れられる話だ。いつもの話だ。あう。  No.108「川のヌシ、その1」(2000文字)  No.109「川のヌシ、その2」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=827&e=res&lp=550&st=0  石をぶったたいて魚を捕るという原始的な漁をしていた主人公が、水の精まで一緒に捕ってしまって、どうしようと困る話。  ――と。  捕っちゃったものは仕方ないから、陥れて水の精を使役しようとする精霊使いの話。  小悪党を主人公にしてみましたが。 >貰われっ子ミーツ四姉妹  書き直したのスリー。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=828&e=res&lp=778&st=0  工夫したところ。  一回に全員を登場させるのは無理だと気づいた。  いや、できるんだろうけども、いまの私には無理。――ならばひとりずつ出すまで。  ということでひとりずつ登場させました。  主人公(貰われっ子)への態度。  あいかわらず分解能は低いんですが、長女:いじめる対象、次女:同情のため好意的、三女:反応なし、四女:警戒、といった感じにしてみました。  四姉妹それぞれの性格。  現実にはありえない性格になりました。それと、困ると笑いに逃げるようです。  これは完全に力不足で、普通にありそうな性格で四姉妹は、いまの私には無理です。そういえば四姉妹が出てくる小説って読んだことがないかもしれない。 >とんびの羽根さん >>それならば第2ラウンドにいきましょうか。  おてやわらかにお願いします。 >1000字課題、No.104「ロマンティックな光景」 >>実のところは「武史の醜態から目をそらしてロマンティックな光景にひたるゆかり」「武史の醜態を船酔いと誤解してゆかりを慰めようとする通りすがりのカップル」「夢想を砕かれてカップルに怒りの視線をむけるゆかり」「その怒りをさらに酔いつぶれかけている武史にぶつけるゆかり」 >>というのがわたしが読んだストーリーの筋です。  ええとですね。  「武史の醜態から目をそらしてロマンティックな光景にひたるゆかり」  「いちゃつくカップルを見て我に返り、酔いつぶれる武史にあたる」  「船酔いと誤解して慰めようとするカップルに、さらに怒り増量」  「しまいには吐きそうになる武史に、ついに怒りは悲しみに変わる」  こういう筋のつもりです。  つまり、主人公のゆかりはとりあえず感動しているわけです。太陽が水平線に沈む瞬間のきれいさに、酔いつぶれた彼氏のことも忘れて引きこまれています。  ところが、いちゃつくカップルを見て彼氏のことを思いだします。そういえばこのヤロウ、なに酔いつぶれて寝てるんだよ。  怒りにまかせて彼氏の首ねっこひっつかんで振りまわしているときに、前出のカップルが仲裁に入ってきます。(だれのせいでこんな思いをしているというのだ!)と八つ当たり気味にゆかりの怒りが増したところで、彼氏が吐きそうになります。  トイレにかけこむどころか、その場で吐こうとする彼氏に、なさけなさのあまりゆかりは悲しみの声をあげる。  このようなストーリー。のつもりです。  伝わってないんですけどね。書きかた……なんだろうな。伝わっていないのがけっこうショック。 >津荒さん  若いと成長するスピードが違いますなあ。  ものすごく読みやすくなっているし、わかりやすくもなっている。ような気がする。 >二十六冊目「トラブルシューターシェリフスターズMS02」あらすじ >>戦闘のせいでアルデオがいると思われた街は廃墟と化していた。  が、ここはわかりずらいです。  『戦闘のせいでアルデオがいると思われた街』だけを読むと、「ああ、アルデオは戦闘が原因で街にいるんだな。技術者だからいろいろ用途があるんだろうな」と勝手にストーリーを作りあげてしまいました。  最後まで文章を読むと、「ん。アルデオがいた街が廃墟になってるってことか」と理解できるんですけども。  頭のなかで意味を構築、破棄、再構築。せいぜい1秒にも満たない時間ですけども、なるべく読者には負担をかけないほうがいいですよね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  アルデオがいると思われた街は、戦闘のせいで廃墟と化していた。  戦闘のせいで、アルデオがいると思われた街は廃墟と化していた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  単語をつなげる順番を変えればわかりやすくなりますよね。  また、句読点を打つだけでもわかりやすさはぜんぜん違ってくるはずです。 >二十七冊目 「NANIWA捜神記」あらすじ >>時家は街や駅で赤い影に襲われる。赤い影は沢だろう。  「沢だろう」は駄目です。  赤い影は沢なんでしょうか。それともほかのなにかなのでしょうか。  沢であるなら、この時点で不明であっても「赤い影は沢だった」と書くべきです。たぶん「赤い影は沢の仕業だった」と言いたいのではないかと思うのですが。 >マンガ 十三編目「お菓子な野郎」あらすじ >>大場はお菓子を渡そうとするが、落としてしまう。泥がついたそれを会長は進んで食べた。会長は泥まみれのお菓子を犬と食べた事を思い出し、悲しんだ。  会長が、泥のついたお菓子を進んで食べた理由はなんでしょうか。まさか特殊な性癖の持ち主?  どんな話なのかよくわからなかったりしますが、もしかして大場くんはわざと地面に落としたりしてます? 会長に思いださせるために。違うのかもしれませんが。 >書き出し部分の重要性  「街角の本屋さん」、見ました。  なるほど、と思いました。頭のなかだけで理解していた「目に留まる工夫をしろ」ということが、すんなりと収まった感じです。  まともな文章を書くのは当たり前だけど。  その上で、読者に面白そうと思わせろということだろう。  ん――が、具体的にはどうすりゃいいのだろう。  レスには3時間ほど。では。 -------------------------------------------------------------------------------- Keep cool! No.7657 投稿日 2004年2月24日(火)23時52分 投稿者 弟切 千隼 >人物造形  ほんの数日前に、自分が書いた人物造形−課題部屋のNo.782やNo.814やNo.817に上げてあるもの−を読み返してみました。どうやら「クールな美人」を書こうとしていたふしが見えます。  数日前の自分は他人ですね(^^; 弟切は、鶏に勝るとも劣らない鳥頭[とりあたま]です。  でも、鶏と違って文字が書けるので、前の記憶を取り戻すことができました。弟切は元に立ち返ります。「クールな美人」で行きます。  となれば、「昌美」という名前は却下されますね。別の名前を考えます。  今日、考えついた名前があるにはあります。けれども、今回ここに書くのはやめておきます。またエウレカしてしまっていると困りますから、一日寝かせてみます。  名前を考えるにあたって、「クール」とは一般的にどういう概念なのか、国語辞典を引いてみました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− クール [1] 《cool》 (形動) (1)(温度や色などが)冷たいさま。涼しいさま。 (2)冷静であるさま。物事に感情が動かされないさま。「―な人」「―に受けとめる」 [派生] ――さ(名) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (『大辞林』より)  「クールな美人」という場合は、普通は「体温が冷たい美人」という意味ではないでしょう。それではほとんどギャグです(^^; 「冷静な美人」であればよいわけですね。  課題部屋のNo.817に弟切が書いた 『ポーカーフェイス気味で、感情を表に出すことが少ない』 という部分は、「クール」要素ですね。  このあたりをヒントに、名前と人物造形を考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7658 投稿日 2004年2月25日(水)01時55分 投稿者 津荒 夕介 >スケジュールとか  強化合宿的スケジュールです。今日はこれをやりました。  大学が始まっても、時間は確保しないといけません。時間の使いかた、覚えます。  しかし……。 >>知ってるか? サラリーマンっていうのは、「会社」に15時間ぐらい取られてしまうものなんだよ?  父を見ているので、頭ではわかっていましたが……。大変なことですね……。  仕事が始まる前、大学在籍中に、どうにかしたいもんです。    7:00 起床 朝食  7:30 読書  9:00 課題 11:00 分室を見る 12:00 昼飯 12:30 読書 14:00 課題 16:00 読書 17:00 あらすじ 19:00 夕飯 フロ 20:00 マンガのあらすじ 21:00 課題 23:00 レスを書く 24:00 寝る  小説関係は15時間。その他が2時間。睡眠7時間。  小説関係は、小説・マンガ読み、分室のレス関係、あらすじ、課題に分かれます。  小説・マンガ読みは4時間。  分室のレス関係は2時間。  あらすじは3時間。  課題は6時間。  です。 ○課題:短編製作 >昨日の失敗  次はやらないように……。学習します。    昨日の「ロストガール」に関する話題を書き直します。      短編を書こう! と思ったのはいいのですが、あらすじ段階でつまりました。  テーマやらキャラやらは制限がわかるので、どうにかなるのですが、あらすじ段階で実際にそのシーンにどれだけページが必要となるのかがわからない。  それで長編「ロストガール」を題材にしたんです。  が、失敗でした。長編と短編では規模が違いすぎる。  今日は、実際に短編をプロット分解してみました。 >短編プロット分解 「おちゃらか駅前劇場 阿智太郎短編集」 著:阿智太郎   収録の短編 「12月のアルバイト」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=832&e=res&lp=733&st=0    分解してわかったことは、短編プロットを書かなければならない、ということ。   >プロットを書く。  どんなプロットを書くべきか?  400字原稿で50〜60枚の短編にぴったりな内容の、プロットです。  上で分解した「12月のアルバイト」は、「彼女が欲しいと思っていた主人公が、サンタのバイトをして、結果女の子と知り合う話」です。 起 サンタのバイトを知る。(彼女が欲しい)(4ページ) 承 サンタにバイトを押しつけられる。(10.5ページ) 転 プレゼントをなくしたと思ってあわてる。(8.5ページ) 結 女の人と知り合う。(7ページ)  合計30ページ。1ページが、42×17だから714字。400字で数えると、約53枚。  これにあわせて考えます。   >自分の短編とか  主人公を「百目」ではなく「こなきじじい」にします。体を石にすることができる妖怪。変えた理由は、その方が活躍しやすいから。  女の子は、伊森に襲われる女の子を登場させることでカバーします。      主人公 稲垣 岩男(いながき いわお)  友人体育教師 鈴木 淳二(すずき じゅんじ)  敵の不良リーダー 伊森 克也(いもり かつや)   起 調査を頼まれる。 承 調査する。 転 逆襲される。 結 倒す。    400字あらすじ  妖怪管理官の稲垣が、清掃員に変装して学校に潜入していた。友人の鈴木に頼まれたからだ。  鈴木の頼みとは、彼の高校で出た挙動不審な生徒の調査だ。おかしくなった理由を調べて欲しいと言う。  伊森率いる不良グループが悪事を働いている事。伊森が妖怪「夢本」を使っている事を知る。「夢本」とは人を操る事ができる妖怪道具だ。  稲垣はすぐさま教室に踏み込むが、すでに洗脳されていた全校生徒に襲われる。  逃げながら、合流した鈴木を自分に変装させて、身代わりとした。  伊森とその手下は、教室で、無反応な美女にスケベーな事をしようとしていた。18禁になる寸前、稲垣がそれを阻止する。  凶器を手に攻撃してくる不良達を、妖怪の力でぶちのめす。  夢本を使って洗脳をといて、鈴木を助けた。    設定    妖怪道具「夢本」に自我はない。が、本能で誰かに使ってもらおうと移動する。  妖力のある者しか中を読めない。操る段階はいくつもあるが、伊森では一番下のランク、「意識を失わせて、言うことを機械的に従うようにさせる」しかできない。    稲垣は移住した妖怪と人間の混血。妖怪である事を隠していたが、高校の時、鈴木にはばれた。鈴木は別段気にしなかったが、稲垣はそんな彼の態度に感謝している。    プロット (起)2項目 ・学校にで清掃員の格好で歩き回る。トレードマークのサングラスはつけたままだ。 ・学校の現状を説明。 (承)5項目 ・四時間目。二階二年生のクラスから騒ぎが聞こえる。 ・行くと、教室で伊森が生徒を洗脳をしていた。洗脳される生徒達。 ・洗脳された生徒達に酷い事をする不良達。 ・夢本の説明。 ・稲垣が踏みこむ。伊森が攻撃を指図する。 (転)3項目 ・一般生徒を攻撃できず、逃げながらどうしようかと考えていると、全校生徒が追いかけてくる。 ・グランドで鈴木と合流する。鈴木に伊森の事を説明する。 ・鈴木にサングラスと帽子をつけて、稲垣は隠れる。生徒たちは鈴木を追いかける。 (結)5項目 ・稲垣が教室に行くと、伊森とその仲間達が、美人の女の子達にスケベーな事をしようとしていた。 ・踏みこむ稲垣。伊森が洗脳しようとしてくる。洗脳をはじく。 ・不良の下っ端が、凶器で攻撃してくる。体を石に変えて、不良を倒す。 ・伊森はナイフで攻撃してくるが、石頭でぶっとばす。 ・鈴木が教室に来る。夢本を使って洗脳をといた。      15項目あるので、1項目大体2ページとして、約30ページ。  1ページが、42×17の714字。400字で数えると、約53枚です。  この内容なら50〜60が適当じゃないかと、思います。 ○課題:あらすじ >今日のあらすじ  気をつけたのは、読みやすさと、理解しやすさです。  二十八冊目「聖女さま、参る!」 著:霜島ケイ  一行あらすじ    女盗賊のティトラ、三人の聖女、聖女の護衛によって、精霊の国統都の平和が守られる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=829&e=res&lp=829&st=0  マンガ 十四編目「豊死魔区西部戦線 ウエストサイド・ストリート」 著:大暮維人  一行あらすじ    娼婦でカリスマ性のある少女優花が、殺されたリーダーの報復を果たす話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=830&e=res&lp=829&st=0  マンガ 十五冊目「宅配屋ポー」 原作:石川考一 漫画:光吉賢司  一行あらすじ    飛行機宅配屋の少年ポーが、手術のため外国に行っている母親に、会いたいと思っている少女を、母親と会わせてあげる話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=831&e=res&lp=829&st=0  よろしくお願いします。 ○2号さんへ >あらすじとか  指摘、ありがとうございます。 >>頭のなかで意味を構築、破棄、再構築。せいぜい1秒にも満たない時間ですけども、なるべく読者には負担をかけないほうがいいですよね。  そうっすね。余分なものがついてました。 >>戦闘のせいでアルデオがいると思われた街は廃墟と化していた。  「戦闘のせいで」は後ろにしたほうが読みやすい。  了解です。 >>時家は街や駅で赤い影に襲われる。赤い影は沢だろう。    うーん。この襲われた時は不明だったので、ぼかしたんですが……。  ちょっと考えます。 >>大場はお菓子を渡そうとするが、落としてしまう。泥がついたそれを会長は進んで食べた。会長は泥まみれのお菓子を犬と食べた事を思い出し、悲しんだ。 >>会長が、泥のついたお菓子を進んで食べた理由はなんでしょうか。まさか特殊な性癖の持ち主?  すんません。ミスです。  正しくは、 「大場はお菓子を渡そうとするが、落としてしまう。しかし会長はかまわず食べた。それは泥まみれのお菓子を愛犬と食べた思い出のせいだった。落ちたお菓子は最高に美味しかった」  です。 >指摘っす。  No.108「川のヌシ、その1」(2000文字)  No.109「川のヌシ、その2」(2000文字)  ですが、108と109キャラクターは同じですよね?  どうも男のキャラが同じに見えませんでした。  108は普通の人で、109は悪い人。という印象。  No.107「平和な世界」(2000文字)  は、ちょっと男がろくでなしすぎるので、最初イメージが40代のおじさんでした。  でも少女は男が好きみたいなので、実際はもっと若いのでしょう。その辺混乱しました。 >その他 >>若いと成長するスピードが違いますなあ。  そうだといいんですけどね。(笑)  自主的に、と唱えながら頑張ります。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7659 投稿日 2004年2月25日(水)11時27分 投稿者 新木 伸 >見直し回数  これからしばらく、俺の書きこみにおける見直し回数を0回にする。  つまり、書いたまま、本当に一度も見直しせずに、そのままアップする。  俺が18年間の半生に渡って積んできた文章修行が、見直しをせずとも、意味の通じる文章に達していることを願うのみ。書けば、書いたその形のままで、すでに「技」となっている領域に自分の技術が到達していることを望むだけである。  もしもそうなっていなかった場合には、ただ単に俺の書きこみが「わけわかめ」なだけであり、これからしばらくの期間の分室書きこみは意味をなさないだけである。べつに誰も被害を受けることはない。よって俺は自分に科していた「今後一生見直し3回」の絶対ルールをいまだけ撤廃して、見直しゼロで書きこみすることを、「やっちまう」ことにする。もし意味が取れないようなら、ただ、笑え。18年の修行は無駄であったと、そう笑え。  さあ、行ってみようか。 ○2号 >津荒の成長速度  若いと、成長速いだろ。  このぶんだと、おまえの半年分は、どのくらいで追い抜かされてしまうと思う?  成長期終わってから物事を始めたやつは、素直に諦めておくか、数倍の努力をするか、数倍の時間をかけるか、どっちかしかないのね。  どれでも好きなやつを選べ。 >書き出し部分の工夫 >>なるほど、と思いました。頭のなかだけで理解していた「目に留まる工夫をしろ」ということが、すんなりと収まった感じです。 >>ん――が、具体的にはどうすりゃいいのだろう。  ふむ。味覚は正常だったわけか。  あれを見させても、「目に留まって読もうと思うものは50分の1もない」というとこにピンとこない人もいるわけだよ。  分室ではそういう人に対しても「帰れ」と言ってしまわずに、正常な味覚を持てるようになるためのリハビリ・メニューを考案したりもしている。  で、味覚が正常なら、話は早い。  誰しも、自分の話だと客観的に見れなくなるものだから――。  人の話で練習すると、客観的になれていいだろう。  まず文章がまともなものを選ぶ。  日本語からして壊れているは避ける。普通に読めるんだけど、目に留まらない書きだしとなっているものを選ぶ。  それを手直しして、もとと同じことを書きつつも、目を引くものとなるように加工してみる。  この加工後のものは、人目につく場所には絶対に上げないこと。  著作権違反になってしまうから。  ただし、書いて、自分の手元においておくだけなら、なにも問題はない。 (もし他人に見せて判断を仰ぎたいなら、本人とメールで連絡でも取って、了承を得てから行うこと)  なお分室の参加者の作品であれば、勝手にサンプルとして使って、勝手に直してしまって、勝手にアップしてしまっても、かまわない。  俺が許す。  なんどかやってみて、勘を掴んできたら、自分の作品でやってみる。  書いてあることはまともだが目を引かないものを、目が留まるように変更してみるわけだ。 >弟切 >>「クールな美人」を書こうとしていたふしが見えます。  そうか。よかった。  弟切があまりにも自然に話題をすり替えてゆくものだから、ポーカーフェイスの美人を書こうとしていたというのが、てっきり僕の思いこみでしかなかったのかと、自分の感じている「この現実」が正しいのかどうか、不安に感じてしまっていたところだ。  しかし――。  こうして過去ログが残るところだから、数日前の自分が考えていたことを調べることもできて、「数日前はたしかにクール美人を書こうとしていた」ということを証明できたわけだけど――。  これが弟切の頭の中だけで行われていた思考だったら――。  もしくは過去ログの残らない「対話」などで行われていたものなら――。  僕が「はじめはクール美人を書こうとしていたはずだ」と指摘しても、弟切は「いえ。私ははじめから暖かみのある美人を書こうとしていました」と、そう反論が返ってきていたはずだ。  そして、それを証明する手段もなかったわけだ。  弟切は、俺がなにを言っても聞く耳を持たなかったかもしれない。  おお。怖い怖い。  だから俺、永久ログの残らないところで議論はしないことにしているのね。  自分の論が間違っているにせよ、正しかったにせよ、後の自分が検証可能なようにしておかないと、「自分は正しかった」という偽記憶から脱却できなくなるから。  僕がたまに過去ログの1番に戻って、読み返して、「俺、昔も今も言ってること一貫してるよな?」と自分に問いかけていたりすることは、秘密で内緒だっ。  ――で、ポーカーフェイスの美人でも、暖かみのある昌美さんのほうでも、どちらでもいいのだ。  そろそろ人物造形から離れて、本題に戻れ。  そもそも「描写」をしようとしていただけなのだろう?  描写するにも、描写すべき人物像を作っておかないと、なにも描写できない。――ということになったので、人物造形のさわりのところだけを、ちらりと体験してみただけだったはずだ。  適当に造形したその人物でいいから、それを使って、描写の練習を始めろ。  ポーカーフェイスでも、ほかほか姉ちゃんでも、どっちでもいいから。  ちなみに完璧に余談だが――。  ポーカーフェイスって、一般的には「無表情」と思われているが。  そもそもは手の内が表情に出ないってことを指しているわけだから、「無表情」以外にも、色々な種類のポーカーフェイスがあったっていいわけだ。  いつもにこにこしている人で、「笑顔のポーカーフェイス」ってのも、あるわけだ。  うちの「星くず英雄伝」のレギュラーキャラで、そんな女性がいるけど。  ポーカーやらせたら、「にこにこお姉さん」のエレナが圧勝するだろうなぁ。ブタがきても、ロイヤルストレートフラッシュが来ても、いつもにこにこ微笑んでいるのだろう。  ちなみに彼女の職業は交渉人(ネゴシエイター)だったりする。 ○津荒 >スケジュールとか  なんなら、しばらく、その日一日のスケジュールをここに上げてきてもいいぞ。  そのほうが励みになって、時間の使いかたが効率的になるなら、利用しろ。  スケジュールなんて、数字が並んでいてぱっと見てすぐわかるから、「津荒のスケジュール」に興味のない人は飛ばせばいいだけのことだし。  ただ、もしそうしてくるなら、もうちょっと見やすくしてくれ。俺は見るから。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 07:00〜07:30(0:30) 起床 朝食 07:30〜09:00(1:30) 読書 09:00〜11:00(2:00) 課題 11:00〜12:00(1:00) 分室を見る −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんな感じに、使った時間も別個に書き出しておくと、合計小説時間を俺のほうでいちいち計算しなくて済む。  あとスケジュールがらみで、もうひとつ宿題。  大学生活が始まってからの「予想スケジュール」ってのを、出してみそ。  大学が始まると、何時間、小説に時間を取れるようになるわけ? いまよりは減るだろうが、具体的には、何時間?  この予想は、サークル活動の有無で、2パターンできそうだな。  ちなみに、俺の一日のスケジュールがどうなっているのか、教えてやる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 00:00〜24:00 小説のこと −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  以上。  1日のうちで、小説に割り当てている時間は、ぴったり24時間だ。  夢の中でまで、文章を考えているんだから、寝ている時間も「小説のこと」に含めたっていいよな?  道を歩いているときも、歯を磨いているときも、小説のことを考えながらやっているのだから、それも時間に含めたっていいよな?  やることなすこと、すべて、小説のことに繋がっている。  自分が見聞きして、観察して、思考したことは、すべて、そのうち小説の中に生かすつもりでいる。  風呂に入ってぼんやりと青空を眺めているときも、「ああ、この空の青さはどう描写したらいいかな」と考えている。「この温かくてリラックスしている心地よさは、小説の中の一シーンとして使えるよな」と考えている。  「お布団気持ちいい〜」と、眠りに落ちる寸前でさえも、いつかこの「眠りに落ちる寸前の気分」を小説の中で使うために、写し取っている自分がいる。  ちなみにプロスポーツ選手の話をしたけど。  彼らが「寝る」のは、肉体から疲労を抜いて翌日のトレーニングに備えるためなわけだよ。「睡眠」もプロスポーツ選手にとっては「仕事」のうちなわけ。 >ロストガールに関する話題、書き直し  おお、すげぇ。  いきなり「わかりやすさ」が10倍ぐらいに上がった。  俺はいままで津荒に対して、「本当に18歳なのかいな? じつはリアル中坊なんじゃないのか」と疑いの眼差しを向けていたりしたのだが。  この4月から大学に通う大学生であるということを、今回の書き直しを読んで、ようやく本当に信じることかできた。  わからないものを書いてしまうと、知能が低いように思われてしまうのね。相手は「わからない」のは、単に書きかたが悪いだけだと、そうは考えない。  読んでもわからないのは、それを書いた相手が「馬鹿」だからだろうと、普通はそう結論づけてしまう。  その書きかたを続けてゆくこと。  ずっとそうやって書いているなら、20歳ですと言っても、信じるぞ。 >短編練習  えーと、自分がなにを指示したのか忘れてしまったので、津荒に質問。  今回は、この短編練習で、なにを重点的に練習するんだっけ?  とにかく、起承転結の揃った話を書くことで経験値を積むんだっけ?  それとも商業レベルとはいかないまでも、短編としてまとまっていて、それなりに面白い話を書いてみようって狙いだっけ?(いま津荒が分析しているような、漫画雑誌に掲載されている新人の読み切り漫画レベルという意味で)  たとえば「こなきじじい」という設定は、もうちょいカッコ良い妖怪のほうがいいだろとか、戦闘能力低そうだとか、いろいろと突っ込みどころがあるわけだ。  お色気要員として出した女の子を、もっと話に絡めてゆくこともできるわけだ。  たとえば学校に潜入したはいいが、調査はろくに進展しない(承における困難)。それを破ったのは、情報提供者が現れてくれたから。その女の子は不良グループにレイプを繰りかえされていた女の子だった。――とか、絡める方法もあるわけだ。 (レイプというエピソードが悲惨すぎるということなら、「なにか継続的な被害を不良グループから与えられている」という条件で、もうすこしソフトなものに変更可能だ)  主人公の設定は、格好いいほうが、作品の商品価値はより上がる。  女の子も、ただ「お色気要員」として使い捨てで一回切りの登場で終わらせるよりも、より話に絡んでくる出しかたをしたほうが、作品の商品価値はより上がる。  ――が、現在の形でも、起承転結になってはいるわけだな。  起承転結が最低限揃ったもので経験値を積むつもりなのか、できるかぎり商品価値を高めて書いてみるのか、いま津荒やっているのは、どっちのほう?  ちなみに「商品価値の向上」でやるなら、だらだらやってても意味ないな。  時間を定めて、そのなかでの「最大限」を追求できるようにしておかないと。  プロは常にそうした中で仕事をしている。時間と完成度の天秤のなかで仕事をしている。プロと同じ条件で練習しないと、実戦に出たときに役に立たない。  こちらでやるなら、1ヶ月で1本ってところかな。あらすじで1週間、プロットで1週間。書き上げるのに1週間。直しに1週間。  限定された時間の中でベストを尽くすのが、この練習のキモだ。  また「起承転結が揃っていればいい」ということなら、もたもたしてないで、さっさと書いてしまうべきだな。さっさと書いて、また次をすぐに書く。  こちらでやるなら、1ヶ月で4本ってとこだな。  あらすじ1日。プロット2日。書き上げるの4日。直しはしない。  終わったらすぐ次のを書く。  数をこなすのが、この練習のキモだ。  いま自分は、どっちをやるべき?  大学入学までの1ヶ月ちょっとを、どのように使うのが、いちばん効率がよいのだと思う?  俺、どっちをやれって言ったのか、ぜんぜん覚えてないんだよ。  もしかしたら、まだなにも言ってなかったのかもしれない。  津荒は、いま自分がどっちをやるべきだと思う? (ああ、もちろん。あらすじ写し取り1本以上の日課は続けたうえでの話ね) >父親の背中 >>父を見ているので、頭ではわかっていましたが……。大変なことですね……。 >>仕事が始まる前、大学在籍中に、どうにかしたいもんです。  おお。ようやく共通体験にヒットしたか。  津荒も見て知っているもので説明されると、わかりやすいだろ。  仕事を持っている社会人ってのは、時間がないもんなんだよ。  ちなみに「新入社員」になった直後の数年間ってのは、そんなもんじゃないぞ。  君のお父さんは、もう十数年も仕事をしてきて「熟練」していて――それでも、そんなことになっているわけ。  いや、俺、お前のお父さんが「どんなこと」になってるのか、知らないけど。容易に想像つくわけ。みんな、そうだから。  お父さん、自分の「趣味」の時間に何時間使えている?  趣味の時間なんて「ゼロ」っていうのが、世のたいていの「お父さん」なんだよ。  子供ひとり、一人前まで育て上げるということは、それほど大変なことなわけ。  身を粉にして働いて働いて働きぬいて、自分の趣味の時間もすべて捨てなきゃならないような――そんな大変なことなわけ。  お父さんに感謝しろとは言わんけど。  だがお父さんが働いてくれているおかげで、いまお前に与えられている4年間の猶予期間――自由時間は、有効に使えよ。無駄にするなよ。  ――んで、津荒も4年経ったらなるはずの「新入社員」ってものだが。  仕事も覚えなきゃならないし、効率の良い仕事のしかたもしらないから、津荒の見ている「お父さんの背中」より、もっともっと死ぬほど大変になるわけ。  22〜25歳までの三年間に、小説を書く時間なんて1秒たりとも残るはずがないわけ。  羽矢野――ってやつは、津荒は面識がなかったかな。  紫――も、ないんだっけ。「宮田」時代によみかくのほうで面識があったかな?  あの二人が小説のことをやりはじめたのが、ちょうど、25〜26歳の時期なわけだ。  やつらが趣味に時間を割けるようになってきたのは、仕事を覚えて、余裕を持ち始めてからのことなのね。22〜25歳のあいだは、仕事覚えるのにひーひー言ってて、小説のことをやる時間なんて、まるで持っていなかったわけ。生きるのに大変だったのね。  巻島が、たしか来年で大学卒業だったかな?  ――で、あいつは大学卒業後は就職するみたいだな。  あいつは今年中にデビューできなければ、まあ、ほぼ終わったと思っていいだろう。作家としては。  新入社員として3〜4年の動乱時期を過ごしたあとで、小説を書こう、なんていう気持ちが残っているかどうかなぁ。その確率は半分より少ないんじゃないのかなぁ。  仕事ができるようになって、楽しくなってきたら、小説なんて書かなくたって、まわりが自分を認めてくれるようになっているわけだし。  あと羽矢野はこのあいだ結婚したそうな。  しばらくは奥さんという他人との「共同生活」に慣れるのにてんてこまいで、それが一段落する頃には、子供ができるわけだろ。  あいつも、もう終わったな。作家としては。  もしふたたび筆を取るようなことがあったとしても、子供を一人前になるまで育て上げて、自分のもとから巣立っていってからのことだな。  軽く20〜30年後ぐらいか。  その頃に、俺がまだ現役プロでいて、あいつが俺のとこやって来て、「また小説教えてください」とか言ってきたら、また鍛えてやるかもしれんが。  津荒も……。  大学在籍中になんとかしたい――なんて、役にもたたない希望なんて、言ってんじゃない。  大学在籍中にものにならなかったら、諦めろ。  諦めて「立派なサラリーマン」を目指そうぜ。  ――で、どうやって、大学在籍中にプロになるわけ? ○2号 >828 「貰われっ子ミーツ四姉妹」、やりなおしの2  まあ、ベストは尽くしてきたな。それは認める。  「書き分け」に関しては、ある程度成功もしている。  ……しかし。  俺は「四姉妹」を書き分けろ、と、言ったのであって、だな。  「キャラ4体」を書き分けろ、と、言ったのでは、ないのだが。  「お姉さん」  「野生動物」  「裸原人」  「サディスト武士女(もののふ口調で喋る)」  ――そうした書き分けでいいんだったら、誰にでもできるんだよ。  長女以外、人間じゃないだろ。  山猫と、羞恥心なしの原始人と、サムライ女だろ。  ――だが、まあ、叱らない。  プロでもそんな程度の書き分けしかできない作家は、ごまんといる。  プロでも人間の描きわけができない人は、非常手段として、そういう方法を取らざるを得ないことがある。  人間として描きわけをするのではなく、キャラとして描き分けるという方法ね。  「堅物教師」「不良」「ヤンキー」「コギャル」「ガリ勉君」「優等生」「眼鏡の委員長」――そうした開発済みで定義済みの類型的な「キャラ」を拾ってきて、自分の作品中に使うだけ。  2号だって、そうした方法でいいなら、もう5人でも6人でも、増やせていけるはずだ。  しかしそれは、なにをどうやってもキャラを描くことのできない、先天的キャラ貧乏の人の「非常手段」なわけだよ。  そういう人は、もっと他の部分で勝負する。話の筋だとか。アイデアだとか。そういうもので勝負している。  やるだけやって、どうしてもダメだった場合には、おまえもそれに頼っていい。  だが少なくとも修行中は――アマチュアのうちは、それに頼ってはならない。それに頼った瞬間、お前の「人物造形」に関する成長は、そこで終了してしまう。  成長を止めたくなかったら、絶対にやるな。  自分の成長を止めても斬らねばならぬ相手と対峙したときのみ、その技は使ってよい。  使っていいのは、以下のようなケースだ。  自分の準備が整っていないうちに、プロとしてデビューしてしまった場合のデビュー作だとか――。  プロとして仕事をしている最中、能力を超えた仕事が舞いこんできた場合(女子大生12人のギャルゲーのノベライズを書いてください)とか――。  そういう「非常時」になら、使ってよい。  だいたい、そんなんでいいなら、いま、わざわざ修行しておく必要もないだろ?  そんな「書き分け」でいいなら、いますぐにでも、できるだろ?  ――で、普通にありそうな性格の四姉妹の書き分けは、いまのお前の力量では不可能であることがわかった。  ――で、それがわかったら、つぎ行くぞ。  不可能な原因を特定してゆく。  2号が書けないのは、「人数」なのか「年齢」なのか「女性」なのか、特定してゆく作業だ。  ちょっとの手間を惜しまずに実験を行ってみれば、容易に判明する。  最初に書いてきた「四姉妹その1」のほうは、じつはみやびさんが分析してくれていて……。たぶんあとでhtmlのページへのリンクを張ってくれる思うが。(色分けとか駆使して、わかりやすく図解してくれている)  四姉妹のうちで、いちばん年下の10歳の女の子だけが、「人間」として描けているのね。  その上の三女は、中学2年だったっけか。あれはもう描けていない。  仮定、その1。  10歳から、14歳のあいだのどこかに、2号の「造形不可ライン」があるのかもしれない。  これを確認してみるには――。  10歳の少女であれば、きちんと4人出せるのどうかを検証してみればいい。  ちなみに、俺の理論によれば、作家は自分の精神年齢を越える人物を「人間」として描くことは不可能なのね。  つまり2号の「造形不可ライン」が10歳から14歳のあいだにあるということがわかったら、2号の精神年齢はその「10歳から14歳のあいだ」にあるということになる。  仮定、その2。  2号が書けないのは「年齢」ではなく、「女性」である。  この実験は簡単。「男兄弟四人のところに来た女の子」が書けるかどうかをチェックすればいい。また仮定1のテストとあわせてみると、さらに多くのことがわかる。  仮に24歳男――がきちんと書けるなら、2号の精神年齢は24歳を越えていることがわかる。その場合には、2号の「女性的精神年齢」が10歳どまりということなのだろう。  仮定、その3。  2号の思考容量が低くて、4人の人間を同時に動かせないだけなのかもしれない。  この実験は、たとえば以下のように行う。  二人姉妹のところに男の子――というシチュエーションでなら、きちんと人間として描けるかどうか。  二人ができるなら、三人姉妹ならどうか。  とりあえず、テスト2「男4人兄弟に女の子」をやってみること。  そのつぎにテスト3かな。  テスト1は、なんだか、やるまでもない気がする……。 >818 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字)  俺、読んでないから見落としてたんだけど。  みやびさんが珍しく冷静さを失って、怒っていたのだけど。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ばいばい。――ぱーぱ」  男は硬直する。すぐに――無理に力を抜き、弱々しく笑った。 「そういう、笑えないことを仕込むなよ、子供にさ」  手をひらひらと振りながら、男は去っていった。背中が心なしか丸い。  背中に向かって、子供はぶんぶんと手を振り続けている。その手を止め、女の顔を 見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは俺の「地雷」じゃないんで、俺はべつに怒ってないのだが。  なので、冷静になれる僕が、みやびさんの代わりに訊いてみることにする。  ここって、子供が父親以外の男を「パパ」と呼んでいるシーンだよね。  ここは男が言うように、母親がそれを子供に「芸」として仕込んだのかな?  それとも子供が自分からそう言いはじめたのを、ただ母親が止めていないだけなのかな?  もし「やめなさい」と母親がひとことでも言っていれば、子供はやらなくなるわけだよね。  2号はこのシーンを、「ほほえましい」と考えているわけ? >>読んで欲しいもの()は読んでの読者感想: >>・暖かな雰囲気(ほんわか) >>・主人公の秘めた思い(どきどき) >>・男の秘めた思い(どきどき) >>・子供(かわいい)  ――と、あるわけだから。  この子供は「かわいい」のであり、この雰囲気は「ほんわか」なのであるわけだよな。  べつに読んでほしいところに、「ブラックなところ」とか、見あたらないし――。  なので、2号はここを「ほほえましい」と考えているのだとする。  では、こんなケースを想定してみよう。  子供が他の男に向かって、「ぱーぱ」と言った、まさにその瞬間――その子の実の父親が、たまたまその公園に現れるのだとする。  会社を早く引けてきたのか、営業で近くに立ち寄ったので、家で昼飯を食おうと思ったのか――。まあ、なんか理由があって、通りがかる。  彼は自分の奥さんとその兄とが公園で話しているのを見かけたので、なんの気なしに近づいてきたわけね。そして、自分の子供が、自分以外の男に対して、「ぱーぱ」と言う場面に出会わしてしまう。  さて、このとき、この父親は、なにを思うのか?  目を細めて、ほほえましく、見つめるわけ?  もしもここで、「そうです。父親はにこにこしてます」と答えが返ってくるようなら、それは感性の違いというものだから、なんも言わん――と、みやびさんからは言質を取っている。  君の身の安全は当局が責任を持って保証するので、安心して、真実を語ってくれたまえ。 -------------------------------------------------------------------------------- >あらすじとか No.7660 投稿日 2004年2月25日(水)13時42分 投稿者 新木 伸 >あらすじとか  そういや、「goo」の「映画紹介」ってところで、プロの手によると思われる出来のあらすじが、山ほど参照できる模様。データベースとなっていて、何万本も、参照できるらしい。  もともと「ランボー」のあらすじを調べようと思っただけだけど。(弓矢でヘリを墜としたのは、あれは、2作目だったか) http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD4738/story.html  たとえば、これは「スターウォーズ帝国の逆襲」のあらすじ。(これ最後まで書いてあるけど、ちと長すぎだな) http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD17402/story.html  これは、「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」のあらすじ。(あ、これ尻切れトンボだ) (どちらもサイトの性質上、無改行になっているから、自分で改行いれたほうがいいわな)  色々と映画名を入れて見てみた。  尻切れトンボで、あらすじになっていないようなあらすじも多かったけど、数個に一個くらいの割合で、800字程度にまとめられているものが見つけられる。  もう津荒は「あらすじの手本」はいらないかもしれないけど、もし必要なら、チェックしてみること。  このページできちんとあらすじが書かれている作品を見つけておく。そのあらすじは読まずにおく。  僕は読まずに眺めるだけで、「きちんとしたあらすじ」になっているかどうか判別可能だけど、津荒にはまだそれはできないかもしれない。  そのときは、誰かに手伝ってもらうこと。  選択基準は以下の通り。 ・話のラストまで、きちんと書かれていること。 ・適切な長さ(800〜1200文字)で書かれていること。  作品名を頼りに、レンタルビデオで借りてきて、観て、あらすじを取る。  gooのあらすじは800字ぴったりとなっていないから、自分もそれと同じ文字数で書いてみる。  両方を見比べてみれば、自分のあらすじの写し取り精度と、表現する言葉の精度とが、どんなものかをわかるだろう。  ちなみに、世の中にはこうした「レビュアー」という仕事もあるわけだよ。そういう「プロ」もいる。  映画を観たり、本を読んだりして、あらすじを書くことが仕事となるわけだ。  gooのあらすじは誰が書いているのか知らないけど、たぶん、駆け出しの新米評論家か、映画評論家志望のセミプロの人だろうな。(このへんの業界については、鷹見さんが詳しそう) -------------------------------------------------------------------------------- ソフトのあらすじとレヴューについて。 No.7661 投稿日 2004年2月26日(木)00時11分 投稿者 鷹見一幸  話を振られたので、ちょいと顔を出します。 電撃の「ガンズ・ハート3」と角川スニーカーの「でたまか第三部」の両方の〆切があと20日ほどに迫っておりまして。前門の狼後門の虎、というよりは、虎と狼が二人三脚で追っかけてくるような気分ですが、まあ焦ったところで仕方ないので、気分転換に雑文などを。  えーと、こういった映画やビデオソフトの紹介文は、昔は映画会社の宣伝部とかの人が自分で書いていたそうですが、ソフトの数が膨大になり、映画会社などの宣伝部もそういった仕事は全部外注の広告代理店などに丸投げするようになって、代理店経由で、フリーライターなどに仕事が落ちてくるようになりました。  おそらく、この仕事をやっているのもそういったいわゆるフリーライターさんではないかと思います。  ライター仕事と言うと、実は今、上記の二つの書下ろしと同時に一件ライター仕事も抱えておりまして、こっちは隔週の刊行物なので〆切の足が速くて大変です。  講談社から出るガンダム本なんですけど、話を持って来られたのが、その昔世話になった方で、ガンダムセンチュリーなんて本を出した頃からの付き合いでして、恩義がありますし、パロディ企画のようなものなので、なんとかなると思って受けたのですが、本業を辞めて専業作家になったとはいえ使える時間の絶対量は変わらないわけでして、打ち合わせも編集会議もすっぽかして、ただのテキスト屋に徹しております。  さて、こういったレビューやあらすじを書く仕事ってのは、実を言うとその昔、二十年ほど前にやったことがあったりします。  当時、オリジナルアニメビデオ、いわゆるOVAと呼ばれるものが世の中に出始めた頃、こういったものを紹介することのできるライターさんがいない、ということで、私のところに仕事が回ってきたのですが、原稿料の代わりに現物支給を要求して、蹴られたのを覚えています(当時はビデオの方がはるかに高かった)  んでもって、今でも覚えていますけど。 「つまんない作品のレビューやあらすじを書くことほど辛くて苦しいことはない」  ですね。  面白い作品、ってのは頭に残ってるんですよ、場面とかセリフとかストーリィラインとか。 でも、つまんない作品ってのは、何にも残らない。見た端から忘れていくわけです、だから見終わって、さあ、レビューとあらすじを書くぞ、と思っても、手元にあるメモ以外に書く材料が無いんですな。  仕方ないからもう一度見る。  でも見終わったときには、手元のメモの量はほとんど増えていなかったり。  つまり、その作品は、それだけ薄いということなんです。見る側が努力して、なんとかすくい上げようと努力して努力して、やっと、普通の作品並のレビューやあらすじが書ける。  んでもって、いざ文章にするとなるとこれが難しい。  レビューやあらすじってのは、商品解説なわけです。つまんない、とは死んでも書けない。 じゃあ、どうするのか。  同じような概念を言い表す表現に書き換えるわけですな。 「心理描写もおざなりで、キャラクターも借り物っぽい。ドラマが薄っぺらで、深みが無く、ただドンパチやってるだけ」  なんてことは書けませんから 「戦闘シーンに重点を置いた、アメリカンコミックスのようなストーリィ展開」  と、書くわけです(正しいかどうかは別として、間違ってはいない)  いやあ、騙した騙した。オレオレ詐欺みたいなものだな。  面白いもので、自分が面白いと思った作品は、たとえあらすじでも楽しく書けるんですよ、この面白さをどう伝えようか、と悩んで字数制限にひっかかって、削るのに苦労したりするんですけど、面白くない作品は、無味乾燥な文を並べて規定文字数を埋めるだけだったり。  後で聞いたんですけど、そういったレビューやあらすじを書く仕事ってのは、面白さを伝える必要は無くて、単に内容を説明するだけのものだ。と割り切って書くライターの方が多いみたいです。  まあ、実際にそれで食っていくとなれば、いかに労力をかけずに多量の文章を書くかという姿勢になってしまうんでしょうけど、自分が面白いと思ったものを、限られた文字数で読者にもわかるように書く、というこの仕事は結構自分の中で生きているような気もしますね。  それが本当に自分の中で生きていることに気がついたのはそれから二十年も過ぎてからのことだったりしますけどね(笑    さて、本業に戻るとしましょう。(小説書きが本業ってのが、まだ信じられなかったりします) -------------------------------------------------------------------------------- 蒼頡[そうけつ]は偉大なり No.7662 投稿日 2004年2月26日(木)01時04分 投稿者 弟切 千隼  蒼頡[そうけつ]とは、中国古代の伝説の人物です。鳥の足跡を見て文字を作ったといいます。中国の文字ですから、つまり漢字の発明者ですね。  弟切のような凡人は、「鳥の足跡からどうやって文字を発想できるのだろう?」と感心してしまいます。そこが古代の聖人たるゆえんでしょう。  伝説によれば、私たちがこんなに豊かな文字文化を享受できるのは、蒼頡のおかげですね。 >描写課題「美人」  早く本題に戻れということですので、美人を描写する練習に戻ります。その前に最低限の人物造形はしておきます。「美人」の氏名くらいは決めておきませんとね。  クールな美人路線で、 「深川玲子[ふかがわ れいこ]」 さんとします。  「玲」の字は、もちろん漢和字典で意味を調べました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 玲【リョウ・レイ】 意味(1)《名》玉の鳴るすずしい音。 (2)《形》色がさえてあざやかなさま。また、音がさえてさわやかなさま。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (学研 漢和大字典より)  「玲」の字は、「冷静」の「冷」の字と旁[つくり]が共通しています。それは共通する意味があるということですから、クール=冷静な美人にふさわしいでしょう。  描写課題の場面設定は、以前と同じく、「街中で、思いがけずクールな美人に出遭った普通の女子高校生」とします。 -------------------------------------------------------------------------------- ロマンティックな光景  第2ラウンド(続き) No.7663 投稿日 2004年2月26日(木)01時06分 投稿者 とんびの羽根  今日は会社を休んで初宮詣に行ってきました。天気はよくてあたたかかったんですが、神社の社殿にあがると寒風が吹いて寒かった。 >2号さん(#7656) >>こういう筋のつもりです。 >>つまり、主人公のゆかりはとりあえず感動しているわけです。太陽が水平線に沈む瞬間のきれいさに、酔いつぶれた彼氏のことも忘れて引きこまれています。  ここがそもそも伝わってないですな。だからあとの筋も読者にきちんと伝わらない。  この状態になる前に (1)酔いつぶれた彼氏をみて主人公がどう思っていたのか  これがまったく不明ですよね。ここでゆかりに同情する理由は読者にないんですよ。  武史のことが読者にはまったくわからないまま、ゆかりのロマンティック気分が提示されている。  次に (2)彼氏のことを忘れてしまっていいのか  読者として正直な感想として、このゆかりの主人公としてのイメージが非常に悪いんです。  ロマンティックにひたって彼氏を忘れている主人公に好感をもつ読者なんているわけないです。  彼氏のことを忘れていてロマンティックも何もないんじゃないですか。  そして (3)彼氏のことを忘れてしまうほどの感動が「ロマンティックな光景」でいいのか(アイディア出しの問題)  致命的なことに2号さんは「ロマンティックな光景」が読者にとって「毒」であることをまったくもって理解してないですよね。  読者はロマンティックなんてみたくないし、ロマンティックな気分を共有したい気分もないし、ロマンティックにひたっている人間をみていたくなんてないし、ついでにロマンティックって単語がただ書いてあるだけだし。  だから題名だけで捨てられるし、冒頭だけで読み捨てになるので、そのあとの筋が伝わってないことを嘆くのはちょっと違うですよ。  そして (4)なぜ初期状態としての感動を読者につたえる努力(描写、シーンそのものの検討)がまったくないのか?  結局「落胆」はどこにあるのでしょう  「落胆」がないとすると初期状態が「感動」でいいのかという問題もありますね。  初期状態:ロマンティックな光景に感動  終了状態:醜い現実に悲しい悲鳴  どうもおさまりが悪いです。  描かれていない部分を補ってみましょう  起:彼氏の醜態に落胆し、彼氏から目を背けるゆかり  承:ロマンティックな光景に感動  転:勘違いの慰めをするカップルにきれるゆかり  結:目を背けていた現実に直面して、八つ当たり、怒り、慌て、恥、悲しみに怒濤のように襲われるゆかり   「現実から目を背けて感動にひたっていた主人公が、結局は現実に引き戻され翻弄される話」ですよね  現実から目を背けていることを描いてないからおさまりが悪いんだと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7664 投稿日 2004年2月26日(木)01時18分 投稿者 津荒 夕介  今日は午前中が潰れてしまい、午後から動きました。 ○課題:短編作成 >短編作成課題の目標。  この課題の発端は、「夢見ぬ少女」を直そう! でした。  しかし、「夢見ぬ少女」を作り直そうとすると、長編を書くことになってしまう。  短編ができないのに、長編を書くというのは無謀です。まずは短編を完成させるべき。  そういうわけで、短編作成となりました。    この短編作成で一番大切なのは、「構成」です。  「夢見ぬ少女」の大きなミスの一つは、長編を短編にしたことでした。  その欠点を直すのが目標。  目指すのは「短編スケールの短編」です。 >どんな短編を書くのか >>とにかく、起承転結の揃った話を書くことで経験値を積むんだっけ? >>それとも商業レベルとはいかないまでも、短編としてまとまっていて、それなりに面白い話を書いてみようって狙いだっけ?  上の理由で、「とにかく起承転結のそろった話を書くことで経験地を積む」、の方をやります。  ついでに(ついでにできるかはわかりませんが)、描写にも気をつけて書いてみようと思います。  プロットみたいな文章を書いても、しょうがないですし。  時間の限りで「それなりに面白い話」も目指します。 >それなりに面白い話  それなりに面白い話を書くには、どうすればいいか。  新木さんの指摘から、二つわかります。 1キャラなどの設定変更。 2ストーリーの細部変更。  ですね。  それを踏まえて考え直してみます。   >それなりに面白くする。  友人を女性にします。主人公と相愛だけど、まだ告白していない、みたいな感じで。  昔からのつき合いではなく、ちょっと前の事件で知り合ったということに。  ヒロインの名前は考え中です。体育教師にしようと思ってますが……。    あと主人公の能力は、まあ、このまま行きます。この話のスケールなら、ちょうどいいと思いますので。単純な力だし。 >改善  起承転結はいいとしても、起承転結それぞれの起承転結がありません。  それを考えます。 起 頼まれる     起 電話でデートをほのめかされ喜ぶ稲垣。  承 外で待ち合わせして、学校に行きながら事情を説明される。  転 落胆する稲垣。  結 が、調査が終ったら、デートすることになる。   承 調査する  起 四時間目になっていた。調査は進まない。妖気も感じない。  承 遅れて登校して来た伊森に妖気を感じる。伊森の教室に行く。  転 伊森が教室に入り、夢本を使う。  結 学生達に不良達が悪いことをする。 転 逆襲される     起 夢本の解説。教室に踏み込む。  承 あせる伊森、全校生徒を支配する。  転 「グラサン(サングラス)野郎をぶっ殺せ」と命令されて、全校生徒が襲ってくる。  結 逃げる 結 倒す    起 友人と合流する。事情を説明する。  承 友人にサングラスをつけて、身代わりにする。  転 伊森は妖力切れでへとへと。手下は女の子にスケベーな事をしようとしていた。稲垣が戦う。妖怪の力で圧勝。  結 友人に礼を言われる。が、仕事が入ってデートは延期になってしまった。 >問題  キャラクターがハッキリしていない。  それをどうにかしてから、書き始めたいです。 ○新木さんへ >スケジュールとか >毎日の報告。  遠慮します。失敗したら自分で修正します。  ともかく休日は、小説に15時間を使う。  本気(課題とか)は9時間、休み(読書とか)は6時間。   >大学に入ってからの日程  大学……ですか。うーん。どんな授業をしているのか、さっぱり知らないんですよね……。  サークルは文芸サークルに入ろうと思ってますが、内容もわからないし……。(文芸サークルに新木さんが言うような本気の人……。いるだろうか……?)  実際に体験してみないと、大学生スケジュールは無理だと思います。無理に作成しても、役に立たない気がします。  ので、やらなくてもいいかと。 >大学生の間に「どうにかする!」とか  「どうにかする」には、計画を立てる必要があります。  計画を立てるためには、プロになるための(受賞するための)条件を知る必要があります。    一次審査で日本語になっているかどうかを問われ。  二次審査で小説になっているかを問われ。  三次審査でおもしろいかどうかを問われる。    で、僕は……。実際、一次審査も無理。  日本語が崩れていたり、誤字があったりするし……。  直すには、正しい日本語をたくさん書くべし。    大学2年生の終わりまでに、二次審査をクリアーする。  そして、大学3年生で三次を突破するための技術を得る。  大学4年生の最初で受賞する。  最初で……、というのは就職活動があるからです。  そこからは完全に大人の世界です。本気にならないと、就職はできない。だから小説はできなくなります……。 ○課題?:確認。 >改善する事。  「大学生の間にどうにかする方法」という話題のついでに、書いてみます。  攻略必須項目です。これを潰して、二次を突破する。  僕のレベルが低いので穴だらけの項目でしょうね……。本当は、もっとたくさん要素があるんでしょう。まあ、確認です。  四つの項目があります。 1構成 2文章 3キャラクター 4設定  まず1、構成です。 1起承転結をつけること。 2筋を完了させること。(二本くらい) 3面白くすること。(伏線・回想・ブギーポップ風……などなど)  次に2、文章。 1日本語を正しく書く。 2描写する。 3視点を操る。  次は3、キャラクター。 1複数を同時に登場させる力。 2キャラを書き分ける力。  4、設定とか。 1舞台に対する考察。 2能力に対する考察。   >プロのスケジュールとか >>00:00〜24:00 小説のこと >>やることなすこと、すべて、小説のことに繋がっている。  そうですね。こうやってキーボードを打ちながらも、それを的確に描写する方法を、頭の片隅では考えている……みたいな。    大学に入ると、当然ですが授業があります。  小説も、授業も頑張られねばならない。  両立します。(とでも言っておかないと、怠けるかもしれない) >余談  羽矢野さんには宮田時代、よみかくで色々教えてもらいました。  ありがとうございました。 ○課題:あらすじ >2号さんへ >>時家は街や駅で赤い影に襲われる。赤い影は沢だろう >>沢であるなら、この時点で不明であっても「赤い影は沢だった」と書くべきです。  あらすじなんだから、確かにそうするべきでした。  了解です。   >今日のあらすじ  読みやすさ、理解しやすさを意識しました。    二十九冊目「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」 著:西尾維新  一行あらすじ  大学生の「ぼく」が、人類最強の女性哀川に利用されて巻き込まれた、首吊高校の殺人事件を解決する話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=833&e=res&lp=757&st=0 >映画とか  了解です。やってみます。 ○課題:文章について >記号とか  せっかく小説を書くということなので、保留していた記号「―」について考えてみます。  注:引用文章は、二重かぎカッコにしてあります。  結論>6種類あります。  1説明。  2後に続く文章の省略。  3文章が途切れた印。  4なにかの動作の省略。<?  5間を表現。  6心情表現の時に()のかわりに使う。  1.説明の「―」 『哀川さんの策戦――外部に脱出しようというのではなく内面に向かい核を叩く――は意外性がその利点。』  (引用:クビツリハイスクール 著:西尾維新)  これは、策戦の内容を――と――で挟んだ部分でしている、というもの。 また、尻の――をなくす場合もあるようです。  2.省略の「―」 『そう急がなくとも、まだ時間はあるだろうに――』 (以下引用すべて:あるある!夢境学園1 著:新木伸)  続く文章を省略している。  3.文章切断印の「―」 『あらためて、記念すべき第一歩を踏み出そうとして、なにげなく自分の足下に落とすと――。 「あ……」 もう敷地の中だった』  途中で会話が入っているので、そのため地の文が一度途切れます。途切れた印に「―」がある。    4.なにかの動作の「―」? 『太腿か――?  いや、この鼻先にあたる布の感触はっ――!?』(引用:同上)  2行目は、2の省略ですが、  1行目は違います。  息をのんでる感じをあらわしている……のかな。  「―」で、なんらかの動作をあらわしている。  んーでも、5の間の表現かも……。  5.間の表現 『制服が――ちぐはぐなのだ』  ――の所で、間がある。間を表現しています。 >「…」についても  こいつは、2個あります。 1無言。   例:「……いえ、違いますよ」 2後に続く文章の省略。   例1:「彼には……」省略>言わないでください。   例2:「1、2、3……」  「…」と「―」で、「2:省略」が共通しているのが共通しています。  どういう条件で使い分けるのか。考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7665 投稿日 2004年2月26日(木)10時50分 投稿者 新木 伸 >鷹見さん  おや。いつのまにやら、専業作家に……。  おめでとうございます、というべきなのか。それとも「鷹見さんもついにこっちに来ちゃいましたか」と悼むべきなのやら。  連発する締め切りがあけましたら、桜が咲く前あたりにでも、一杯、やりませんか。みやびさんや中里さんあたりも誘って。  名目は、「専業作家鷹見一幸の誕生を祝う会」でもいいですし、「カタギの鷹見一幸を偲ぶ会」でもいいですし。  物を書くという行為には、「内容が伝わればいい」と、「面白く伝えなきゃいやだ」という二通りのアプローチがあって、鷹見さんは後者のほうだから、いまこうして作家をやってるんでしょうね。  この前者の「わかるように書く」能力は、ライターとして仕事をするために、最低限必要とされるもの。  後者の「おもしろく書く」能力は、作家として仕事をするにあたって、最低限要求されるもの。  この「わかるように書く」能力のほうは、作家には、条件にもなりえない「前提」として要求されてきます。  この下積みをしないで作家になれる人というのは、「限られた文字数でわかるように書く」ということが先天的にできていたか、どこかべつのところでやっていたことが、意識しないで練習となっていた人だけでしょうね。  実家の「釣り舟」での仕事を手伝わされているうちに、強靱な足腰とバランス感覚を手にいれていたボクサーとか、そんなふうに。  作家志望というなら、せめて、「わかるように書く」くらいまでは自力で到達してから、口にしてもらいたいもんだ――とか、常々思っていますが。  現実には――。「わかるように書ける」をクリアできている作家志望者なんて、なかなか、いやしない。  「おもしろい話」を、わかるように書くだけでも、作家になれちゃうんだけどなぁ。  もともと分室っていうのは、「おもしろい話を、より面白くシェイプアップするための技術」を伝導しようと思って始めたものなんですけど。最近は「わかるように書けるようになる訓練をする場所」とか「おもしろい話を思いつく能力を鍛える場所」になり下がってます。 >弟切 >>深川玲子  いいと思うよ。クールな美人として、イメージもばっちり伝わるし。  なによりも「普通」なのがいいな。  しかし、どうしてそういう「普通」がいちばん最初に出てこないのかねぇ。  変わった名前を探し始めるのは、「普通」が出揃ってからなものだが。普通は。  ちなみに名前を決めたときは、芸能人で同姓同名がいないかどうかチェックしておくべき。最近はGOOGLEがあるから、簡単だろ。  もし同姓同名の芸能人がいたなら、違う名前にしておくか、「この作品はフィクションです。実在の人物団体とは……」と銘打っておくような配慮が必要だ。(フィクション表示があれば、とりあえず免責される)  市販の小説であれば、編集さんも気を付けて見てくれるけどね。 >ロマンティックな光景 >>「現実から目を背けて感動にひたっていた主人公が、結局は現実に引き戻され翻弄される話」ですよね >>現実から目を背けていることを描いてないからおさまりが悪いんだと思います。  とんびさんが書いてくれたので、僕も書くとこにする。 (とんびから油揚げかっさらっちゃ、いかんだろう――ってことで、これが出てくるまで自粛していた。)  あの話は、そもそも、筋がおかしい。  下らない「びっくり箱」にしないで、あのネタを「食えるもの」=「ドラマ」に変える調理手段は、二つしか存在しない。  俺は解答だけ示す。  どちらのほうが、より自分の書こうとしていたものに近いのか、自分で判断しろ。  なぜ、ここからズレてしまったのか、原因を考察して、分析しろ。 ・パターン1 現実逃避系 起:ロマンティックな光景に浸ろうと努力しているゆかり。 承:努力を続けるゆかり。だが怒りのボルテージが上がってゆく。 転:ついにキレるゆかり。彼氏が醜態をさらしていたということを、読者も知る。 結:彼氏に当たり散らすゆかり。 ・パターン2 現実対面系 起:ロマンティックな光景に浸っているゆかり。 承:席を外している彼を待つゆかり。 転:戻ってくる彼。飲んだくれて酔いつぶれている。 結:怒りをぶつけるゆかり。 (こんなもん、自分の中に集積した数百、数千、数万の「物語パターン」と照らし合わせてみりゃ、答えなんて、考えなくたって出てくるのに。このネタを、この2つ以外のパターンで調理している話は、存在しないんだよ) >津荒  経験地 → 経験値  見直し0回の俺が誤字を出してないのに、見直し数回のおまえが誤字をだしているというのは、どういうことだ?  ――で、短編なんだけど。  あらすじとプロットが、ちょっと変だろ。起承転結の「起」のところにある、「調査を頼まれる」という部分がない。  いきなり学校に潜入している。これでは「起」がなくて、いきなり「承」から始まっていることになる。  こういう書きかただと、「主人公は調査を依頼されたのだ」と説明するしかなくなるだろ。  「調査の依頼」を説明で済ませるのではなく、きちんと読者に「体験」させるためには、実際に「依頼されるシーン」がないとならない。  ――とか、昔のプロットを眺めつつ書いてみたら、もう新しいプロットが上がってたのか。  起で、きちんと依頼シーンがあるな。よしよし。  「起」――。だいたいOK。しかし区切り位置が変なので、そこだけ直した。内容には手を触れず。以下は区切り直したもの。  起 電話でデートをほのめかされ喜ぶ稲垣。  承 待ち合わせして、デート気分。  転 じつはデートでないと知らされて、落胆する稲垣。  結 しかし調査が終ったら、デートする約束をしてもらえる。  色気要素が入って、いい感じ。デートかと思ったら依頼だった――という流れも、意表をついていてよい。  注意すべきは、起のところで「主人公は普通の人間じゃない」と匂わせておくということ。しかし「妖怪だ」ともバラさないでおくこと。「転」のところで、「じつはデートでなくて依頼」と「主人公は妖怪」と、ダブルパンチで開かされると驚きが2乗となっていいだろう。 >> 起 四時間目になっていた。調査は進まない。妖気も感じない。 >> 承 遅れて登校して来た伊森に妖気を感じる。伊森の教室に行く。 >> 転 伊森が教室に入り、夢本を使う。 >> 結 学生達に不良達が悪いことをする。  「承」は、ぜんぜんだめだな。  もっとじっくり「調査」を体験させろ。  これじゃなんにも「調べて」いないぞ。いきなり「本命」と遭遇して、いきなり見つけ出してしまっているだろ。  それは調査とはいわない。  ちなみにこの「承」の本題は「調査」になる。ここでは「伊森が本命だ」ということは、わからなくていい。  せいぜい「伊森が怪しそう」ということがわかるところまで行けばよい。  「転」以降、プロット前面リテイク。  伊森が「本命」だということが確定するまでが、「転」。  追いかけて、追いつめて、倒すのが「結」。  あと友人を身代わりに仕立てて引き受けさせる流れは、もう捨てろ。  友人が男ではなく、女になった時点で無理がありすぎる。なにか他の「驚きの手」を考案すること。  もう1日か2日練ったら、書きだしスタートだな。  プロットが話が完成してようがしていまいが、書かせるからな。執筆は数日間だ。  作品の出来なんぞ、プロット段階で8割方、決まってしまうものだ。  駄作とわかりきっている作品を書きあげるために、数日間の執筆時間を無駄にしたくはないだろ?  それが嫌なら、この1〜2日に死力を尽くせ。 >大学とか  文芸サークル。俺は行ったことがないから、どんなものなのかわからない。  高校時代とかも、まったく創作に興味はなかったから、「文芸部」とかいうのがどんなものかもわからない。  「どうせアマチュアの集まりなんだから、○○なのだろう」とか、そんな偏見ならいっぱい持ってるけど、津荒に植え付けちゃってもいけないしなぁ。  自分の目で見てくれば、いいんじゃないの?  行ってみて、人と話して、自分のプラスになりそうな人がいたら、在籍しておけばいいし。いないようならさっさとやめればいいわけだし。  案外、すごい人がいたりするのかもしれない。いい師匠を見つけられたら、いつでも乗り換えていいんだぞ。ジムは練習するための場所であって、より良い練習場所が見つかったら、さっさと場所を移すべきだ。  まあ、そこがどんな場所であって、どんな人がいるのだとしても、在籍していると楽しいことだけは確かだろう。創作にまつわる孤独感が癒されるはずだ。それがいいことなのか、悪いことなのかは、難しいところ。サークルでの活動がいくら楽しかろうと、小説を書くときは、しょせん、人は一人なのだ。  一人で孤独に耐えながら、書いてゆくのが小説というものだ。  温かくてぬるい部屋に慣れてしまうと、寒い戸外に一人で出て行くことができなくなってしまうものなのだ。  あと、文芸サークル系っていうのは、商業小説(とくにエンターテイメント系)を専攻していない人が多いかもしれない。サークル全体が芸術系に傾いていたりするかもしれない。その場合にはすぐに身を引いておいたほうがいいだろうね。  芸術小説と商業小説っていうのは、水と油なもんだから。 >大学の授業 >>大学に入ると、当然ですが授業があります。 >>小説も、授業も頑張られねばならない。 >>両立します。(とでも言っておかないと、怠けるかもしれない)  大学の授業ってものを、小説に生かすようにすればいいんじゃないのか?  そしたら大学に行っている時間も、すべて小説の一環に含まれることになる。大学に通いながら、1日15時間を持続できるだろ。  レポート書くときは「説明文の練習」になるし。図書館でレポートのための調べものをしているときは、「早く読む練習」と「他人の書いた文章の分析」と「知識の吸収」に回せるし。だいたい大学の図書館なんて、資料の山じゃんか。  学問の専門家(教授)が何十人もいるわけだろ。彼らからいくらでも専門知識を吐き出させて、盗み取ってきていいんだぞ? それこそ、金払って大学に通っているわけだから、彼ら(教授)には質問に答える義務があり、教える責任があるわけだ。  教授の授業を訊いているときには、教授の話術から、「他人に概念を伝達する時の技術」を盗めるし。  同じ講堂にいる女の子の服装や髪型を観察すれば、「現代の若い女性のファッション」を学べるし。  学食の混雑のなかにいるときも、「雑踏感」の写し取りに使えるし。  大学に通うということは、羨ましいぐらい、小説の役に立つことを学ぶ機会があるということだ。  まあ、どうしてもなにかに集中しないとならない時間はあるだろうから、いつも必ず、「頭の片隅に小説のことを引っかけておく」ことができるかどうかはわからない。  だが行き帰りの電車の中は100%で、大学にいる時間の80%くらいも、「小説の一環」と言い張れるようにはできるはずだ。  俺は修業時代にはアルバイトしていたけど、アルバイトの時間もすべて小説修行の一環だったぞ。お客さんが来て応対しているときは、貴重な人間観察の時間だし。野菜をきざんでいるときは、手だけ動かしてプロット考えていたりするし。 -------------------------------------------------------------------------------- 春うらら No.7666 投稿日 2004年2月27日(金)02時06分 投稿者 弟切 千隼  まだ二月ですのに、このところの暖かな陽気はどうしたことでしょう。神奈川県の三浦半島では、彼岸桜が満開になったと弟切は聞きました。  お彼岸は一ヶ月も先ですよね(^^; >描写課題「クールな美人」  課題部屋のNo.837に上げておきました。以前と同じく、女子高校生の一人称で書いてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=837&e=res&lp=767&st=0 津荒さんへ >  大学生活は、実際に体験しないとわからないことが多いです。いえ、何でもそうでしょうが。  大概の大学には、文芸系のサークルが一つくらいあるでしょう。しかし、大学サークルの内容は、本当に千差万別です。一概にこうと言えません。  どんな内容かを知るには、とにかく一度覗いてみて、雰囲気を体験してみるしかないでしょう。  実際には入らなくても、いろいろ覗いてみるのは勉強になると思います。ぜひ、サークル巡りをしてみて下さい。  文芸系でなくとも、何かの大学サークルには所属しておいたほうがいいです。これは強くお勧めします。  大学は、何でも学生の自主性に任されるところです。高校までのように、ホームルームやら○○委員会やらといったものを学校側は用意してくれません。つまり、共通の目的を持って動く「人間関係の器」がありません。  したがって、自分から動いて人間関係を作らないと、四年間、大学の誰とも親しくなれずに終わる可能性があります。サークルに所属していれば、とりあえず人間関係を作るきっかけはできます。 お知らせ:  弟切は明日−日付からすれば今日−より帰省します。自宅に戻るのは日曜日の夜になる予定です。それまでは、おそらくここへはアクセスできません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7667 投稿日 2004年2月27日(金)02時21分 投稿者 津荒 夕介 >誤字  う、ウ!……シマッた……。  やはり原因は、「書きながら確かめる」習慣が弱いことです。  直します。 ○課題:短編作成  前回の起承転結は間違っていました。  悪役がただの悪役でしかないのに、承に調査があったからです。  調査する……というのなら、不良を隠れ蓑にした、依頼人が真犯人! ぐらいないと、期待はずれになってしまいます。  今目指しているのは、単純な話。敵は単純が一番。  というわけで、新しい話を考えます。    一行あらすじ。  妖怪管理官が、吸血鬼親子の盛大な喧嘩を、解決する話    キャラ  主人公は女に(やっぱり、砂かけ婆か?)  「超」がつくほど過保護な吸血鬼パパと、その過保護を嫌う、なまいきな吸血鬼娘。 起 事件を知る。 承 原因を聞く。 転 予想以上の惨事。 結 原因を倒す。 起 残業を終えて帰ろうとした主人公に、知り合いの吸血鬼が助けを求めてくる。 承 吸血鬼に原因を説明させながら街に行く。 転 予想以上の娘の力で、街は酷い騒ぎだった。 結 娘を倒す。常識に欠けるということで、吸血鬼親子は人間界から追放された。 起 事件を知る。  起 残業で疲れた主人公。  承 吸血鬼から電話がかかるが、用件を聞かずに切る。  転 窓から携帯電話を持った吸血鬼が現われ、家出のことを話す。  結 主人公はしぶしぶ、吸血鬼を助けることにする。 承 事件の原因を聞く。  起 酷く心配する吸血鬼。  承 過保護ぶりを聞かされる。  転 娘のいる場所は、娘にしかけた機械でわかると言う吸血鬼。娘に同情する主人公。  結 街につく。 転 思った以上に被害は甚大。    起 街でいきなり襲われる。  承 街には、娘に血を吸われた低級吸血鬼(ゾンビみたいなの)があふれていた。  転 娘の成長ぶりを喜ぶ父吸血鬼に、つっこみ。  結 妖力を消滅させる弾丸を使って応戦しながら、携帯電話で警察に応援を要請する。 結 娘を倒す。  起 娘を追い詰める。  承 攻撃しようとすると、父が娘をかばい(過保護だから)倒れる。そのせいで弾が切れる。  転 強気になった娘が、主人公を挑発。主人公は、怒って娘を妖怪能力でぶっとばす。  結 親子は人間界を追放された。 ○課題:あらすじ >今日のあらすじ  三十冊目「天国に涙はいらない」 著:佐藤ケイ  一行あらすじ    霊視の力を持つ少年是雄が、天使アブデルと協力して、悪魔の少女たまを救う話  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=835&e=res&lp=835&st=0 >映画とか  「魔女の宅急便」  僕が書いたあらすじ。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=836&e=res&lp=835&st=0    で、こちらがgooのあらすじ  http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18119/story.html  です。  なにが違うのか? とか。そういうのは次回に。  読みやすさと、わかりやすさに気をつけました。          >文芸部とか >>案外、すごい人がいたりするのかもしれない。  凄い人がいると、凄くありがたいです。生身で指摘をもらうのは、かなり効果的だろうし。  ん? それじゃあプロの講師がいる専門学校は、もっと凄いわけか……。  専門学校=プロみたいな図式がないのは、生徒の思想が問題? なのかなぁ。 >大学とか  大学生活=日頃の心構え、了解です。 -------------------------------------------------------------------------------- ○弟切さんへ No.7668 投稿日 2004年2月27日(金)02時31分 投稿者 津荒 夕介 >サークルについて。    助言ありがとうございます。  サークルめぐりをしようとは、ちょっと考えていませんでした。  是非やってみたいと思います。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7669 投稿日 2004年2月27日(金)13時58分 投稿者 新木 伸 >津荒  津荒も「弟切病」に感染かよ――。  と、思ったりしたのだが。こちらは症状が違うみたいだな。  ちなみに「弟切病」というのは、ちょっと詰まったり困難に遭遇したりすると、次々と「別の話」を持ち出してきてしまう病気のことをいう。  そして新しい話は、またどこかに別の問題点を抱えている。  それを直そうと指摘を行うと、またさらに「別の話」を持ち出してくる。  以下、エンドレス――。  ――が、今回の吸血鬼親子の話。  目立った問題点がない。シンプルに徹したせいかな。起承転結もちゃんと押さえてあるわな。  話を作らせるまえに、ほんの少しだけ遠回りさせて、何十本も筋を写し取らせてみたことが、功を奏したわけかな? (次に誰かを指導するときには、そうしてみようかしらん。しかし根性なしって多いから、「あらすじ数十本取ってこい」とか言っただけで、逃げだして音信不通になってしまいそうだなぁ。もしくは30本取るのに半年とかかけていたりとか)  で、特に問題点はないし、なにより面白そうなので、それで書け。  もう、いまからすぐにスタートね。  ――で、何日使うの? トータルでは何時間を使って、それを合計何日に振り分けて、初稿を出してくるの?  あらすじ写し取りは、書き上げるまで停止しとくの? それとも1日1本は続けてゆくの?  どうとでも、好きに決めてよし。  俺が薦める練習メニューは伝えたけど、なにもそれに縛られなくてもいい。  4日で書き上げで直さない――と俺が言ったのを、7日で書き上げて、3日で改稿――とかいう微修正をして実行してもいい。「こうすることにします」と報告だけいれておいてくれれば、なにも問題はない。  俺のじゃない。お前の修行なのだ。 (まあ、改稿するにしても、書き上げてすぐにはやらずに、他に2〜3篇書いてから、時間を置いてなおしたほうが効率的だと思うけどね。どうせ、この休み中に何本も書くんだろ?) >魔女の宅急便  おお。筋がシンプルで、取りやすい、いい話を選んできたな。  そうそう。  どうせ取るなら、そういう、楽な話にすべし。そうやって経験地を積みたまえ。  しばらく言い続けてやるのでそのつもりで。(笑)  ん? しかし。  なんか一行コンセプトが変だな。  あれは「自己肯定」の話だろ?  自分を好きになれる話だよ。  津荒が受容体を持っていそうな話だろ。  いままでにも何本か写し取ってきていないか? けっこうメジャーなパターンだぞ? 30本の中には、2〜3本くらいの割合で入っていそうなものだが?  ――で、自分の書いた「あらすじ」と、どこかのプロの書いた「あらすじ」と、どっちが出来がよかったわけ? (「出来」を計るための「ものさし」は色々あるだろうけど、今回は「わかりやすさ」「正確さ」を用いて比べること)  どこかのプロと、ひとつ勝負してみろ。  自分の仕事が勝ったか? どこかのプロの仕事が勝ったか? 自分で見比べて、自分で判断してみろ。  まあ、プロっていったって、ライターレベルなら、あんなもんだよ。  レビューはべつに面白くなくていいんだ。内容が分かればいいのだ。  しかし、あんまりプロを侮るなよ。  おまえはあれを1時間書けて書いたのかもしれん。だがプロは5分であれを書いているのかもしれないのだ。  お前は映画を見るのに2時間かけているのかもしれん。だがプロは早送りで回しつつ、ろくに見もしないであらすじを取っているのかもしれないのだ。  そしてプロは、「最低でもあの出来」を維持しつつ、1日20本の数のレビューをこなしているのかもしれないのだ。  1日丸々使って、あれ一本しか取っていないようなプロは、いやしない。  それはプロじゃない。  まあ、しかし、時間を掛けて丁寧にやれば、プロが(おそらくは手抜きをしつつ)やった仕事と、比較しうるものが書けるようになってきたのは確かだな。  「比較しうる」というのは、「論外」と切り捨てられるほど優劣が付いているわけではないということね。比較しないと優劣が決められないぐらいなのは、充分、同じ土俵に立っているといえる。  ところで、こうやって――。  どこかのプロが(おそらくは適当に)やった仕事と、自分の仕事とを比べてみるのって、やっていて、楽しい?  津荒もいまは「あらすじ」ぐらいでしか勝負できるものを書けないだろうけど、そのうち、小説のほうで同じことができるわけよ。  俺なんかは楽しかったけどなぁ。  「おい。どこかのプロさんよ。その戦闘シーンは、俺のがもっと上手く書けてるぞ?」――とか、心の中で思ったりして悦に入るわけね。  このへんは鷹見さんも昔書いていたけど。  じつはトラップなのだな。お前は、はまらないようにしろ。  プロが手抜きしてやった6〜7割の仕事と、自分が時間を使いまくってやった「最大出力」とを比べても、じつは意味がない。  本当に、同じ条件で勝負をするなら、おまえも同じ6〜7割の力で同等のものが書けるようになっていなきゃならない。  まあ、時間をかければ良いものが書けるのなら、なんとかなるさ。  デビュー前のアマチュアには、時間だけは、腐るほどあるんだから。(津荒も4年ほど持っている。無駄遣いしてると、すぐになくなるけどな) >どこかのプロのあらすじ  心配するといけないから、ガイダンスを書いておく。  比較するために引用をしないとならないだろう。  これは研究目的のためなのだから、あのGOOにあるあらすじは、引用してもよい。  なんか商業的に問題が出て、どこかからクレームが付いてくるようなら、それは俺が引き受けてやる。  なので今回は、ビビらないで引用してよし。  ただ出所は明示しておくこと。リンクを張るとかね。  どこが引用部分なのかは、誰にでもはっきりとわかるようにしておくこと。  最後に謝辞でも付けておけば、完璧だ。 >弟切 >837 弟切、美人の描写、格好いい美女編、描写文版その2  うん。いいんじゃん。美人に見えるよ。  灰色の文章が2〜3割混ざっているから、それを抜いて――。  「だ・い・じょ・う・ぶ?」とか、変なコトやっていて鼻につくところを直して。  いくつかの台詞が死んでいるから、それも直して――。  ――とやれば、もっと良くなる。  ぜんぶ直せば、そこはもう「商業レベル」だ。  直すの、自分でやってみる? それとも俺がリライトしてやろうか?  ――まあ、とにかく。  改稿して、この描写を完成させたら、これはこれで終わりだな。  また次も描写をやってみるのか、他のことをやるのか、自分で練習内容を決めること。  弟切は「描写」に関しては、商業レベル(の最低水準)までは、もう一歩ってことだな。  これは初稿なのだから、改稿すれば届くところにいる。  しかし一発目でこの初稿を出せないとならない。しかも他人の力に頼らずに、自力のみでだ。  ――で、描写するには、描写対象を造形しなけりゃ、話にならない。  人物を造形するなら、人物が必要。風景や室内を描写するなら、風景や室内の造形必要。心理を描写するなら、心理の造形が必要。  今回、そういうことを学んだはずだ。  後戻りするなよ。次になにかを書くときには、ここを「最低ライン」にするように。  「造形してないせいで話にもならない」ようなものは、もう書いてくるなよ。 >人物書き分け  仕事中「サプリメント」として手に取った本で、いい例があった。  べつに魂使いなわけでもなく、「キャラ」を使って書き分けるのでもなく、人物造形技術のみで作り上げた人物をもって、女子高生8人を同時に登場させて、きちんと書き分けている例――。   「私と月につきあって」/野尻抱介  主人公は、日本人の宇宙飛行士三人娘。  フランスとの共同ミッションで、全員がティーンエイジャーで構成される少女宇宙飛行士を月に送ろうという宇宙飛行ミッションの話。  ちなみに、ある程度以上の精読能力を備えた人間が、野尻さんの小説を始めて読むとショックを受けること請け合いだ。まだ未読であるなら、ショックで寝込む覚悟をしてから読むこと。まあ、己の才能のなさを嘆いていたところでなんもはじまらない。精進あるのみだが。  日本の女子高生と、フランスのリセエンヌ。  さすがに8人が総出演するシーンは少ない。  だが3人、4人のシーンなら、ばんばん出てくる。  しかし野尻さんのすごいところは、魂が入っていないのに、そこらの魂入りのキャラよりも人間っぽく、なおかつ女の子っぽく、見えてしまうところなんだな。  作ったキャラでも、あそこまで行ける。  あそこまで行ければ、ライトノベル小説としても充分。  そういう見本。  野尻さんには、キャラ作りの秘訣を訊いてみたことがある。  男だの女だの、面倒なことは考えずに、ただ「人間」として描くことだけに留意すればいいとのこと。色っぽい展開に持っていったりしないなら、それでぜんぜん問題は出ないとのこと。(なので野尻抱介は、恋愛がメインの話は書かない)  2号や弟切も、こんどは、それを試してみてはどうだろうか?  女の精神構造がわからないなら、男の精神構造のままで女にしてみる。>2号  男の精神構造がわからないなら、女の精神構造のままで男にしてみる。>弟切  このときに、「男固有」の部分と、「女固有」の部分とを取っておくことが大事ね。  男の精神構造から、「男固有」の部分を取ったものと、女の精神構造から「女固有」の部分を取ったものとは、等しくなるのだ。  「人間」っていう共通部分が残る。  そういう造形理論で作られているのが、紹介した作品のなかで出てくる少女たちね。  読めばわかると思うが、とても生き生きしている。あの少女たちの人格を「女の子っぽい」と思う人がいるかもしれないが、それは読者が勝手に投影しているイメージだ。  作者が作ったのは単なる「人間」。生き生きしている単なる「人間」。  そこに「少女」というイメージを投影しているのは、読者のほう。  小手先で変なことをしなくたって、人間として作ってあるキャラに「年齢その他」の設定を加えてゆくだけでも、女の子っぽいイメージ投影は、読者が自分でやってくれるわけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号さんの四姉妹書き分けの分析 No.7670 投稿日 2004年2月27日(金)19時01分 投稿者 はせがわみやび  みやびです。原稿を入稿しました。3月発売のやつの。初稿のチェックも終わり。  これでひと安心かなー。とゆわけで、 >4姉妹書き分け分析  まあ、まずは見てもらおうかな。  http://plaza.harmonix.ne.jp/~miyabi/novel/kakiwake.htm  四姉妹の話(課題部屋778)から、四姉妹に関する部分だけをピックアップして、まとめてみたやつ。母親の描写とかは、すぱっと切り落としてある。  赤色が四姉妹の台詞。青は四姉妹の外見描写。黒は四姉妹の行動。んで、水色が主人公(薫)の四姉妹に対するリアクションだ。  以下は、こうやってまとめてみた結果を分析したもの。  まず、年齢が上になるほど、おざなりの描写しかされてないことがわかるだろうか?  具体的な描写(そのキャラクターならではの行動)が、年齢が上になるに従って、どんどん減っていくのだ。  長女に至っては、もっとも手を尽くした描写が、 >>ティーバッグをスプーンでつつきながら  だけだったりする(これ自体は、性格が垣間見えていいんだけどね)。  あとは、こつんと叩いて、うふふと笑って、ちらりと見て、微笑むだけなんだもん。  もったいない。  対して、四女の瑠璃は、もっとも手厚く描写されている。  たとえば、こんな文。 >>口を「お」のかたちに開いたまま、なんどもおなじ言葉を繰り返す。  おお、なんか目に浮かぶ〜。  かわいいかわいい。2号さんは、ほんと幼女の描写はうまいよねえ。  以前に、初めての口紅の話を書いたときも、幼女はかわいかった。  作者の力の注ぎ具合の差がわかりやすいのは、主人公のリアクションかな。  水色の部分。  まともに対話しているのも、リアクションを返しているのも、四女に対してだけなんだな。   ★  実は、この4姉妹小説。書き分けようという努力のあとは見受けられる。  みやびが読み取ったかぎりでは、以下を(無意識かもしれないが)考慮していたと思われる。 ◎四姉妹を書き分けるためにしたこと。 1)四姉妹の年齢を変えた。 2)主人公に対する態度を変えた。 3)名前を変えた。 4)外見(容姿)を変えた。 5)性格を変えた。 6)行動を変えた。 7)呼称を変えた。 8)口調を変えた。 9)飲み物を変えた。 10)椅子の配置を変えた。  実は、この四姉妹小説は、1)と2)の「年齢の差」と「主人公に対する態度」のふたつが書き分けの軸になっている。  このふたつが基本で、ここから以後のすべてが決まってるわけ。 (実際は、四姉妹って決まった時点で1)は自動的に決まるから、軸として考察したのは2)だけだと思う)  たとえば、7)の呼称(呼び名)。  長女と次女は自分を年長らしく「私」と呼び、三女と四女は年少らしく「あたし」と呼ぶ。長女は主人公を「薫くん」と目上らしく呼びつけ、三女は対等っぽく「薫」で四女は「お兄ちゃん」と呼ぶ。  これらの呼称は、「年齢差」を反映しているのだ。 (次女が主人公を「こいつ」と呼ぶところだけが、年齢だけでなく態度も考慮している)  次に、10)の椅子の配置を見てみよう。  そうすると、主人公の近くに「好意的」要素をもつキャラを座らせて、「敵対」を遠い位置に座らせていることがわかる。 ───  茉莉の右隣で紅茶を飲んでいる女性がいる。ショートボブに眼鏡をかけていて、むくれた顔さえしていなければきっとかわいい人なんだろうと薫は思った。 ─── ───  ティーバッグをスプーンでつつきながら、真っ正面のソファー左端に座る杏樹が微笑んだ。 ───  茉莉(母親)は、正面の一番遠いところにいるというのが最初に言及されている。まあ、この母親は余計だから考えないとして、その左右ってことは、主人公から位置的には遠いわけだ。  ここに「様子見」の長女と「敵対」の次女(眼鏡の子ね)が座っている。 ───  左手に座る瑞穂は、コーヒーに砂糖を入れていた。これで三杯目だ。 ─── ───  薫の右隣でオレンジジュースを飲んでいた瑠璃が、ストローから口を離して言った。 ───  主人公の左手(つまり、すぐ隣)に、「好意的様子見」の瑞穂、右に「好意的」の瑠璃を座らせている。  つまり、主人公からの心理的な距離を物理的な距離にしよう、としている。  椅子の配置から、主人公との距離感を感じとれるっていうわけ。これだけでも四人のちがいを表現する役に立っている。  このように、1)と2)を基本にして、そこから類推して、物語の中で起きるいろいろなことを決めてるわけだ。1)と2)に差があれば、そこから派生するものも差が出てくる。丹念にそれらを描写していけば、結果的に見分けられるようになる──というのが、基本的な発想なんだね。  なんだけど──、でっかい問題点が2つ。  ひとつめは、  ◎技術が足りない  たとえば、10)の椅子の配置。  空間を描写できないものだから、何度読んでも誰がどこに座っているんだか、頭に入ってこない(^^;  たぶん、読者のほとんどが、誰がどこに座ってるか頭に浮かべられなかったはずだ。  読んでて近いところに座ってるってわからなけりゃ、好意的なキャラを近くに座らせても意味がないよねえ。  ここ、ちょっとわかりにくいから、もうちょっとわかりやすく言い換えてみよう。  温子さんと冷子さんというふたりの少女がいたとする。  ふたりとも紅茶が大好きなのだとする。  温子さんはホットティーが好きで、冷子さんはアイスティーが好きなのだとする。  でも、温かい飲み物を温かそうに描写できず、冷たい飲み物を冷たそうに描写できないとしたら? このふたりがお茶を飲む場面をいくら書いても、おんなじ飲み物を飲んでいるように見える、よね? 両方とも紅茶なんだし。  温子さんが持っているのはティーカップであって、取っ手の部分を指先でつまんでもたなければならず(熱いから)、湯気がほんわかと立ち昇っていて、眼鏡が雲ってしまうし、ふうふうと息を吹きかけつつ飲まねばならない、と。ひとくち飲んでからソーサーの上に戻すと、陶器同士がぶつかってカシャリと音がする、とか。  冷子さんが持っているのがアイスティーのグラスであって、露のついたグラスを片手でぐっと掴んでもっいるのであり、なみなみとつがれたグラスを傾けると、鼻先にこつんと氷があたってしまう、と。ひとくち飲んでからコースターの上に戻すと、露が落ちていてぺたりと貼りついてしまう、とか。  上のようなことが、説明でなく描写されていれば、ふたりの飲み物の差を読者に体感させることができるだろう。それが書き分けにつながる。  書き分けには技術がいる。  自分は何の描写が得意で、何が不得手なのかを知らないと、書き分けはできない。  台詞が得意なひとはできるだけたくさんキャラにしゃべらせないといけないし、容姿を描写するのが得意なひとはできるだけ外見をしつっこく書くべきだろう。  空間配置を描写するのが得意だったら、上のように心理的な距離を物理的な距離に置き換える、なんていう手もある。  まあ、でも、うまくなくてもいい。  もうちょっと。  ほんのもうちょっと頑張って、描写してみるだけで、だいぶちがうと思う。  少なくとも、椅子の配置くらいは頭に残るようにして欲しいところかなあ。  ふたつめの問題点。  ◎考察が浅い。  浅いというか、甘いというか。  キャラを複数登場させるときに、下のような呼称表を作ってみたことがあるだろうか。 (この表は、主人公(薫)が、主人公(自分)〜四女をどんな風に呼称するか、という風に読む)  呼ばれる方 主人公   母   長女   次女   三女    四女 呼ぶ方 主人公(薫) 僕     ママ  ?    香澄さん 瑞穂    瑠璃 母(茉莉)  薫     私   杏樹   香澄   瑞穂    瑠璃 長女(杏樹) 薫くん   ママ  私    香澄   瑞穂    瑠璃 次女(香澄) こいつ   ママ  ?    私    ?     ? 三女(瑞穂) 薫     ママ  ?    香澄ねえ あたし   瑠璃 四女(瑠璃) お兄ちゃん ママ  ?    ?    瑞穂ちゃん あたし (注:新木さんは上のようなものは作らない。というか、上の表では足りないことを知っている。なぜなら、本当は同じキャラでも時と場合よって呼称は変わるからだ。でも、ここではそんなむつかしい(^^;レベルの話はしない)  じーーーっと、表を眺めてみる(興味のあるひとは、?の部分を埋めてみよう)  ふたつ、はっきりとわかることがある。  ・母と長女の呼称がほとんど同じ。 ←母親と長女が見分けられない理由のひとつ  ・四姉妹全員とも、母を「ママ」と呼ぶ。←書き分けてない。  たとえば、長女は「母さん」、次女と三女は「お母さん」、四女は「ママ」ってするだけでも、だいぶ変わるでしょう?  でも、たぶん、考えてないよなあ(^^;  こういうところが「浅い」って言われちゃうわけだ。  もうひとつ、つっこんでみる。  2号さんによると、四人の飲み物の好みは、母・コーヒー、長女・紅茶、次女・紅茶、三女・コーヒー、四女・ジュースなのだという。  飲み物の差でキャラを区別しようとしたわけだ。     母    長女   次女   三女    四女 飲み物 コーヒー 紅茶   紅茶   コーヒー  ジュース  というわけ。  まあ、キャラを区別するために飲み物の種類を変えちゃおうなんて、書き分けできませんって言ってるよーなもんなんだけど(書き分けの得意なひとは全員に同じ飲み物を飲ませて、「飲み方」で差をつける)、無理をしなかったあたりは評価できる。  でもさ。  なんで、活発系がさつ三女だったらスポーツドリンクにしよう、とか思わないかなー。 (注:ひとつの案です)  そうすりゃ、もっとはっきり分けられたのに。  それと、ここでも、母親の存在が書き分けの邪魔をしている。  母親にコーヒーを持っていかれたせいで、長女と次女の好みがかぶってしまっている。 (意識してか無意識か、長女は紅茶を飲む、次女は飲まない(途中で席を立つ)という書き分け方をしているんだけど)  工夫をしているのはわかる。  でも──たぶん、整理して表にしてみたりはしてないでしょう?  だから、あっちこっちで適当に設定しているつけがまわってきて書き分けできなくなってしまっている。  キャラ設定がヘタなひとは、毎回、場面ごとに「それぞれのキャラの振る舞いが一緒にならないようにチェックする」っていう配慮が必要になるのだ。  プロットをつくるときに、場面ごとに登場するキャラのふるまいをチェックするだけでも、だいぶちがうと思うんだけどねぇ。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- キャラのこととか No.7671 投稿日 2004年2月27日(金)20時24分 投稿者 新木 伸 >みやびさん  おお。すごい。  さすが魂の使えない作家代表。  そのノウハウは、やっぱり、僕にはない。  分析して、意識しつつ、意図的にやらなくたって、普通にできてしまえるものだから、意識してやったことなんか一度もない。  キャラがどこに座るか? そんなもん、どこに座るか本人に訊くものであって、作者が決めるこっちゃないわな。  3D空間として構築した部屋のなかにキャラに入っていってもらえば、自動的に、主人公との距離感にふさわしい位置に自分たちで勝手に座るもんだろう。  キャラがなにを飲むか? そんなもん、なにを飲むのか本人に訊くものであって、作者が決めるこっちゃないわな。  たまたま、全員の好みが同じで、同じものを飲むことになってしまうかもしれないし、それぞれ別々になるかもしれんし。どっちだって同じだ。どうせ飲みかたが変わるんだし。同じもの飲んでたって、ぜんぜん困らん。  だいたい現実世界の人間だって、4人が自販機のボタンを押せば、皆、たいてい違うボタンを押してるもんだろ。ファミレス行って食い物注文しても、同じものを食べることなんて、そうそうないだろ。俺はいつもハンバーグ食べるけどさ。  キャラがお互いをどう呼称するか?  そんなもん、わざわざ表なんぞ作らんでも……。  台詞を書くときには、作家っていうのは、キャラの話す台詞をエディタに書き写すだけの自動筆記マシーンでしかないから、耳に聞こえてきたものを、そのまま書けばいいだけのことだわな。  キャラの振る舞いが一緒にならないように工夫する?  ――ていうか、いったい、どうやったら同じ振る舞いになるのだ? コピー&ペーストして、同じキャラを分身させて、貼り付けでもするのか?  「違うキャラ」ってのはそもそも別人なんだから、他と同じ振る舞いをするはずがないだろ? 誰がどう振る舞おうと、それは完璧に「ユニーク」なものとなるわけだろ。それが個性というものだろ。  ユニークっていうのは、目を引いて特徴的という意味ではなくて、「他とは違う」という、ただそれだけの意味だが。  しかし――。ふむ。  みやびさんは、そうして書き分けていたのかー。  そういうところに、気を付けるものなのかー。  そういうことを気を付けないから、だから2号のは、ダメなのかー。弟切もかー。  だから前から「キャラのことは教えられない」って、そう言っているのに〜。  なんでこんな流れになっちゃったんだっけか?  2号のところの俳優の数が、あまりにも少なすぎてアレなんで、すこしは増量しようとか、そんな話だったっけか。  しかし2号も、いちおう、書きわけの工夫はしていたんだなぁ……。  俺の定規、センチ単位までしか目盛りが付いてないもんで。  せめて1センチは越えてくれないと計測できないんだよね。  1ミリ単位の「工夫」ってのは、計ることができない。 >2号  そういや「四姉妹」で検索かけてみたら、過去ログの7132あたりで、四姉妹の性格設定の話が出てきていたな。  四姉妹の性格配置の最適解なんぞ、100年も前に定義済みなのね。  おお。読み直してみると、すげぇや。  俺、当時の2号に「キャラ設計」の話なんてしているぞ。買いかぶりすぎてたんだなぁ。あのころは。  当時の2号に「キャラ設計」の話をするなんて、犬にニュートン力学を教えようとするぐらい無謀なことだが。  いまなら、ようやく、わかるかもしれないくらいになってきているはず。  過去ログのなかに「性格ダイヤグラム」の話が出てきているので、それを補足する。  ダイヤグラムは知っていると思う。  たとえば格闘家の持つそれぞれの要素を「蜘蛛の巣型」のグラフにして見せているあれだ。  パワー、スピード、体力、持続力、テクニック――なんて感じ。いくつかの要素を取って、それぞれの方向にどれだけの広がりがあるか――なんてものを、視覚的に見れるようにしたグラフのことね。  キャラの性格というのは、ダイヤグラムにできるものなのだ。  そして書きわけをするのであれば、ダイヤグラムが似た形のキャラ避ける。  ただ本当にダイヤグラムを書こうとするなよ。  格闘家なら5要素かもしれないが、人間の性格なんて、何十もの要素があるんだから。  のんびり ← 普通 → せっかち  おっとり ← 普通 → きつい  優しい  ← 普通 → 厳しい  わがまま ← 普通 → 控えめ  無関心  ← 普通 → お節介  沈着冷静 ← 普通 → あわてんぼう  しとやか ← 普通 → がさつ  落ち着き ← 普通 → 騒がしい  肝が太い ← 普通 → 小心者  熱血   ← 普通 → 日和見  こんなのは、ほんの一例。  本気で人物設計をやる気があるのなら、あと数十ぐらい、自分で探して見つけてこい。  出してきたら、ざっと眺めて、重要でポピュラーで、見落としているやつ教えてやるから。  もしボキャブラリーが貧困で、うまい対義語を見つけられないようなら、こんなものも使ってみろ。  シソーラス検索 http://www.gengokk.co.jp/thesaurus/  まあ、性格の要素は百ぐらい存在するのだとする。  それぞれの要素ごとに、左に寄るか、右に寄るか、中央の「普通」となるかで、3通りずつ書き分けられることになる。  つまり性格要素を100個出してこれる作家は、それだけでも300人を書き分けられるってことだ。  実際には組み合わせのパターンがあるから、何万人でも、何十万人でもいけるわけね。  お前のキャラ数が少ないのは、お前がよく使用する性格要素が、4〜5個しかないからだ。  もう、お話にならないぐらい、少ないわけ。  せめて百ぐらい取り揃えろっての。キャラを売りにして店を開こうと思うならな。  みやびさんのように、キャラを方法論で作っている人もいる。  ちなみにライトノベルを書くなら――。  1にキャラ。2にキャラ。3にキャラ。4にキャラ。――で、5と6は存在しない。  人物を引き立てるためのストーリーであり、人物を引き立てるための設定であり、人物を引き立てるための文体であり、人物を引き立てるためのアイデアであるべきだ。  少年マンガほどではないのだけど、ヤングアダルト系のライトノベルっていうのは、かなりキャラ偏重の傾向が強いジャンルなのだ。市場の作品の97%ぐらいまでが、キャラ命の作品になっている現状を見よ。  たとえばお前の書こうとしている「優しい嘘」とかも、そういう構成になっていただろ? ストーリーや設定やアイデアは、人物を引き立てるためにあったわけだろ。  おまえは役者の数は少ないけど、やっぱり基本的には、キャラ命の話を書いてゆくタイプなんだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7672 投稿日 2004年2月28日(土)01時15分 投稿者 津荒 夕介  今日は学校で、卒業式その1に出席してきました。  僕の学校はキリスト教組織が母体です。そのため、卒業式その1ではミサをしました。  卒業式その2――卒業証書授与などをする――は、3月1日です。  そんなわけで、今日は時間があまり取れなかった。  久々に学校に行ったせいか、妙に疲れているし……。 ○課題:あらすじ >魔女の宅急便  一行あらすじ、間違っていましたか。うむむ。 >>見習い魔女の少女キキが、修行先でくじけるも、立ち直る話。  確かに。これじゃあ足りない。「立ち直る」だけじゃ曖昧すぎますね。  このごろの僕は、曖昧にしすぎる嫌いがあります。適切な説明の段階を意識したいです。  (段階とは、シーンを、どれだけ具体的に説明するかの段階のこと)    見習い魔女の少女キキが、修行先で魔法を嫌いになりくじけるが、友人を助ける事で魔法を好きになり、魔女として成長する話。   >プロの文章について  >>自分で見比べて、自分で判断してみろ。  ういっす。  見比べてみました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=838&e=res&lp=836&st=0 >見比べた感想 1大きな違い  プロのあらすじは、外面が中心でした。  キキの内面には、ほとんど触れない。つまり、映画を見たような感じなんですよ。  今回の話では、重要な流れはキキの心にあると思われました。   そのため、僕のあらすじでは、プロと逆のことをしています。    どちらがいいのか?    文章には目的があります。  あらすじに大切なこと。それは、内容をわかりやすく、正確に伝えることです。  正確に伝えるには、その話の重要な部分を「べた書き」する必要がある。  だから僕の書くような形式の方が、上等だと思います。 (僕の方法の問題は、読み取る力がないと、見当違いなあらすじになってしまうこと) 2細かいこと >プロの悪いところ  プロの文章は一行がとても長い。 >>急いで仕事を終わらせ、パーティーに行こうと思うキキだったがそんな時、孫娘に手作りのパイを贈りたいという老婦人の手助けをした為、パーティーに行けなくなってしまい、その上パイの届け先の娘から冷たい態度を受け。  このように文章が読みにくいのが、悪いところ。こりゃー悪文ですよ。  また、説明の段階が統一されていなかった。 >僕の悪いところ  説明の段階が統一されていないこと。  旅立ちのシーンを書きすぎていたり、トンボについて書きすぎていたり……。そういうのです。 ○課題:短編  1日一冊あらすじは、休日である限り、続けます。  読書量が少ないので、そういう面の経験値!を手に入れるためです。    短編の執筆は、とりあえず四日でやってみます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7673 投稿日 2004年2月28日(土)11時34分 投稿者 新木 伸  最近は分室に書くことがないんで、某所に出張してウォーミングアップをしていたりする。  おいおまえら。(特に2号)  なんか書いてこないと、エサがよその場所にこぼれていっちまうぞ?  1日最低30枚。俺はどこでなに書いてたっていいんだけど。  おまえらは、どうせなら分室に、どうせなら小説がらみのノウハウに関して――書いてほしいんじゃないのか? >津荒  適切な言葉を選んでくるのはな。それはな。執念だ。  「これでOK」と思ったら、そのまんまになるんだ。「もっと適切にならないものか」と考え続けていれば、どこまでだって、適切になってゆくものなのだ。  ただし自分の能力ってものがあるから、限界は越えられっこない。  しかし見ているかぎりでは――能力限界までやらないうちに、諦めちゃって、適当なところで妥協しているだけに見えるんだがなぁ。  おまえが「死ぬ死ぬ」いってるそこは、まだまだぜんぜん限界でもなんでもないわけ。 >>見習い魔女の少女キキが、修行先で魔法を嫌いになりくじけるが、友人を助ける事で魔法を好きになり、魔女として成長する話。  魔女として成長してたっけ?  この容易に使っている「成長」って言葉、それ適切?  具体的に、キキは魔女としてどんな成長をした?  魔法はパワーアップしてた? 魔法をより自在に使えるようになっていたとか?  空を飛べるしか芸のなかった魔女が、その力を一時失って、色々あって、また前のように飛べるようになったんだよな。  元通りにしかなってないはずだが。飛ぶ力とか、パワーアップしてたっけ?  どのへんが「成長」しているんだ?  そういや使い魔のジジと話せていたのが、話せなくなってたよな。あれって魔女としては、むしろパワーダウンなのでは? だとしたら「成長」ではなく、むしろ「退行」とかいわないか?  あのエピソードには、どんな意味があるんだ? それ説明できるか?  話のテーマや一行あらすじのなかで、どんな位置づけになっているか、わかっているか? >あらすじ見比べ精読  あー、話にならん。  そんなボロボロのやりかたで精読するんだったら、やっても意味ない。時間の無駄だ。やらんでいい。  もっと執念で読み取るのでなければ。  たとえば、ここ。 >>パン屋を借りて、キキは宅配屋を始める。初仕事をなんとかこなし、少し自信を持った。 >>張り切るキキだが、不注意で配達中のぬいぐるみを森の中に落としてしまう。そしてそれを拾ってくれたのは絵描きの少女ウルスラだった。 >>>ぬいぐるみは書かなくていい。  たしかに、ここで「ぬいぐるみ」を書く必要はない。  だが宅配業で「どんなもの」を運んでいたのかは、具体的に見せなくてはならない。冷蔵庫やタンスを運んでいたのか、ピザの出前をしていたのか。  どんなものなのか特定できるようにしなくてはならない。  その意味では、キキの運んでいた様々なものから「ぬいぐるみ」を抜粋してくるのは、うまい選択だ。  「人の手から人の手に贈られるもの」であり、「片手で持てるサイズ」であり、「ごく軽いもの」であり――と、「ぬいぐるみ」ひとつから、いくつもの属性が読み取れる。  キキの運んでいたものは、つまり、そういうものなのだ。  おまえのは、キキが「どんなもの」を運んでいたのか、まったく不明。  プロの仕事のほうは、「どんなもの」を運んでいたのか、きちんとわかる。  よってプロの勝ち。  こんな感じで、ほかも詳しくは解説しないけど、裁定だけは下してみる。 1.プロの勝ち。津荒は筆を滑らせたな。描きこんだディテールに意味がない。 2.プロの勝ち。 3.プロの勝ち。宅配業で運んでいるものがわかる。これ大事。 4.津荒の勝ち。プロは筆を滑らせたな。 5.引き分け。津荒は筆を滑らせ、プロはキキの落ちこむ理由を読み違えている。どっちもどっち。 6.引き分け。宮崎駿が、不要なエピソードなどワンカットでも挿入すると思うか? 老婦人がパイを焼くエピソードの意味を考えよ。あのパイがなにを使って焼かれたのかを考えれば、あのシーンの意味はわかるはずだ。プロのほうも読み取れてないけど。そもそもケーキじゃなくてパイだし。なので引き分け。 7.津荒の勝ち。  えーと、トータルすると、2勝3敗、2引き分けってとこか。  いちおう、プロの判定勝ちってとこだな。おたがいボロボロだが。  津荒も勝てはしなかったが、まるで相手にならずに完敗というわけでもない。判定に持ち込まれるほどの接戦だった。  ――で、このように客観的に定量的に裁定してみた結果。  俺が、誰かに「魔女の宅急便」を紹介するにあたり、どちらかの「あらすじ」を一遍だけ推すとしたら、プロのほうを推す。  だって欠点は山のようにあるけど、まだ、津荒のよりはマシだもん。  津荒が自分のを書き直してくるなら、わからんがな。  津荒がきちんと勝ち負けの根拠を出せているのは、1、2、4、7のみ。  他は足りない。思考せよ。もっと執念で。ヒントは出したぞ。  5に関しては、プロが書いたことだろうなんだろうが、間違っているものは間違っていると言いきれ。キキの落ちこんだ理由はパイを届けた女の子がいたからじゃない。――と、そう言い切れ。  口をもごもごさせて言っている言葉など、誰も聞いてはくれないのだ。  自信を持たずに言い切らなかったことは、言わなかったのと同じだ。 >方法論について  ん? 方法論については、津荒の勝ちだったのか? >>僕の方法の問題は、読み取る力がないと、見当違いなあらすじになってしまうこと。  じゃあさ、あのあらすじは、どこの誰に向かって発信されていたものだと思う?  あれはもともと、GOOで拾ってきたんだよな。  分室の参加者に向けて書かれたものじゃないよな?  外面が中心で、内面を見なきゃだめ――と津荒は言うが。  映画を観る人って、キャラの内面変化とかを、そんなに鋭敏に感知できるわけ?  もし仮に、対象読者の内面心理感受性を、「けっこう鈍め」と仮定するのなら、その相手に向けて書かれるあらすじとは、どうあるべきなの?  たとえば、いま、お前をテストする。 「好きって、言って」パターン1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ねぇ、言ってよ」  小柄な恵美は、すこし遅れぎみになりながら、俺についてくる。 「好きって、言って」  付きあってもう二年、何度も繰り返された同じ言葉――。  俺は前を見つめたまま、やはり何度も繰り返した曖昧な笑みを顔に浮かべた。歩く速度をすこし緩めて、恵美の隣に並ぶ。でも無言のまま。  恵美のやつは、「今日こそは言わせてやるぞ」と意気のこもった目で、俺の横顔をにらんでいる。  4月とはいえ、風はまだすこし冷たい。  俺は顔を膨らしはじめた恵美に、ちらりと顔を向けた。俺は上着を着てきたが、恵美のやつはセーター一枚きりだ。  ジャケットを脱いで――恵美の体をくるんでやる。  驚いた顔で立ちつくす恵美を置きざりにして、俺は歩きはじめた。恵美はしばらくすると追いついてきて、俺の腕に自分の腕をからめてきた。  顔を向けると、恵美の膨れていた顔は微笑みに変わっていた。  俺たちは腕を組んだまま、葉を開きはじめた並木道をまっすぐに歩いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これを読んで、以下のことは読み取れるか? ・主人公は彼女のことを好きなのか、どうか。 ・主人公が彼女に気持ちを伝えないのは、どうしてか。 ・主人公の気持ちは彼女に伝わったのか? 伝わったのだとしたら、それはなぜか?  これの「ベタ書き」バージョンであるパターン2が、過去ログの1199に存在する。探してきて、そっちも読むこと。  まだ未読なら、答えを書くまでは読まないでおけ。(なのでここには引用してない)  もし既読なら、答えは知っちゃっているわけだが、なるべく頭を白紙にして、このパターン1を読んでみること。  じつは一般読者の読解力は、この1と2の中間あたりに存在する。  上記二点がしっかりとわかる「優等生」が半分。わからない「劣等生」がもう半分。  パターン2のように、べた書きしてもらわないとぜんぜんわからない、という読者が、じつは半数ほど存在しているのだ。  津荒、おまえは、いまどっちだ?  そんな偉そうなこと言えるほどの読解力を持っているのか?  小説ってのは、優等生と劣等生と、両方一緒に同じものを読ませて、同じようにわからせなければならない。そもそも、かなり無茶なのだ。  優等生は優等生だけ、劣等生だけは劣等生だけ集めて、別々のクラスを作ったほうが、はるかに効率が良いはずだ。  だがしかし、作家は読者を選べない。市場はクラス分けされてない。読解力が高い読者も、低い読者も、同等に扱って同等に愉しませないとならない。  優等生だけを相手にした小説と、劣等生だけを相手にしている小説は、この激戦区にあって、とても生き残れない。  そのためにどうすべきか――という方法論は、膨大すぎて、いまここで簡単に語れるようなものではない。 >べた書きって用語  ところで津荒は「べた書き」の言葉を間違って使ってないか?  べた書きってのは、描写の逆だぞ。つまり説明で済ませちゃうことをいうのだぞ?  「人の数を見て、バスを見て――キキは、はしゃぎ声をあげる。」――と、これは実際のシーンを写し取ったものだろ。こう書いてしまうことには、なんの苦労もないよな。見たままなんだし。  それを、シーンの意味を読み取って、「はじめて見る都会のようすにキキは喜んでいた」とこう書くと、要約するために苦労が必要となって、説明文となってくれる。  小説では、これはちょうど逆となる。  「キキは喜んでいた」と書くほうが楽で、キキがどう喜ぶのを描写するのは大変だろ。  分室は小説道場であるので、「ベタ書き」という、なにかサボっていそうでネガティブなこの言葉は、「説明で済ませる」ということを指す――ということになっている。  分室用語だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 読解力のテスト No.7674 投稿日 2004年2月28日(土)19時51分 投稿者 新木 伸 >津荒  もう一個、お前の読解力を計るテストを出す。  以下のものを読み、以下の質問に答えること。 (なんか国語のテストみたいだな)  与える時間は、読むほうには、1回だけ。ただ普通に読むだけ。2度読み禁止。一度読んだら、もう見るのは禁止な。  書くほうに掛ける時間も、ただ書くだけ。考えなきゃ答えが出てこないようなら、それは「わからない」と答えろ。  また先に「質問」のほうを読んでおくのも禁止な。  まず本文を読み、そして質問を読み、そして答えること。  まあ読むのと答えるのと、両方あわせて、10〜20分ってとこか?  答えはもうわかっているけど、書くために時間が掛かってしまう――ということなら、書き終わるまでは、解答時間を延長してもよい。 「馴染みのコーヒーショップ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  からん、と音を鳴らせて、店に入ってゆく。  おおきな羽が三枚、天井でゆっくりと回っている。羽が頭上を通り過ぎるたびに、 にじんでいた汗がすこしずつ引いてゆく。ずっと眺めていたいけど。  カウンターのいつもの席についた。詰め襟のホックを外して楽になる。四月から着 ているのに、いっこうに慣れない。この黒い服。  スツールの上で足を浮かせて待っていると、しばらくして、奥のほうから声がした。 「あら――いらっしゃい」  店の奥から出てきたお姉さんは、エプロンを付けると、髪をまとめていった。  普段なら、笑ってくれて、「いつもの?」と訊いてくれるはずなのに、今日だけは 無口に手だけを動かしている。  アイスミルクが、出てきた。  いつものやつを、いつものように、ゆっくりと飲んだ。ストローの包み紙は、ゲジ ゲジにしてやって、いつものように水を垂らしてやった。 「ねぇ……、それ」  いま気づいたように、そう、言ってみた。  空になったグラスからストローを抜いて、お姉さんの左手の指をさししめす。  お姉さんは一瞬手を隠しかけ――それから、笑った。 「うん。昨日」  指を開いて、その手をよく見せてくれる。  ほっそりとした薬指で、金色の指輪が柔らかく輝いていた。  お姉さんはマスターのことが好きで。  マスターもお姉さんのことが好きで。  ぼくも、お姉さんのことが、好きなのに。 「ね……、おかわり、いる?」  お姉さんが訊いてきた。 「いらない」  僕は言った。しばらくして、言い直した。 「コーヒー。ホットで」  生まれて初めて飲んだコーヒーは、とても苦い味がした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  以下、質問。 問1.「僕」はこの店には何回ほど通っているのでしょうか。(初めてと回答するか、もしくは考えうる回数の範囲で答えよ) 問2.「お姉さん」はなぜしばらく出てこなかったのでしょう。店の奥でなにをしていたのでしょうか。 問3.「お姉さん」は「僕」が店に来たことに、いつ気づいたのでしょうか。鐘が鳴ったときか、店に現れて「僕」を視認したときのどちらでしょうか。 問4.「お姉さん」は「僕」ではなく、誰か他のお客さんが来たとは思わなかったのでしょうか。 問5.「僕」はなぜお姉さんを呼ぼうとしなかったのでしょうか。お姉さんがいないと思ったのでしょうか。 問6.「お姉さん」はなぜエプロンを外していたのでしょうか。髪をまとめなければならなかったのは、なぜでしょうか。 問7.「お姉さん」が今日に限って「いつもの?」と訊かなかったのは、どうしてでしょう。また笑っていないのはなぜでしょう。お姉さんは怒っているのでしょうか。そうでないなら、どんな気持ちでいるのでしょう。 問8.「僕」はお姉さんの指輪に、いつ気がついたのでしょう。(気づいた瞬間の地の文を引用して示せ) 問9.指輪を指摘されたお姉さんが一瞬隠しかけたのは、なぜでしょう。また隠し通してごまかそうとせず、「僕」に見せてくれたのは、なぜでしょう。 問10.「僕」は自分と「マスター」と、どちらがより「お姉さん」のことを好きだと考えているのでしょう。(愛する気持ちの大きさという意味) 問11.おかわりをいらないと言った「僕」が、コーヒーを注文したのはなぜでしょう。またなぜ注文したのが、飲んだこともなくて苦くておいしくないコーヒーだったのでしょう。 問12.「いらない」から、「コーヒー。ホットで」――。この二つの会話の間に流れていた実時間は、正確には何秒ほどだったでしょう。 問13.このとき「マスター」は店にいたのでしょうか。もしいたのだとしたら、どこにいたのでしょう。どうして「僕」と顔を合わせなかったのでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7675 投稿日 2004年2月29日(日)01時16分 投稿者 津荒 夕介  2号さんは、どうしたのだろう。なんかあったのかなぁ……。 ○課題:あらすじ >魔女の宅急便 >キキの成長とか >> 元通りにしかなってないはずだが。飛ぶ力とか、パワーアップしてたっけ? >>どのへんが「成長」しているんだ?  心が成長しています。漠然と魔法に接していたのが、魔法とはなにかを掴んだ。  魔女としての心の成長。 >ジジが喋らなくなるとか  それは、ジジが補佐役だったから。  未熟なキキの補佐役として、ジジ(猫)はいたんです。母親、猫持ってなかったし。  補佐が必要なくなったから、猫は喋らなくなった。成長したから、そうなった。 (途中で喋らなくなったのは、魔力が落ちたから)  と、解釈していました。……それならそうと、書けって俺。 >比較 >>あー、話にならん。 >>そんなボロボロのやりかたで精読するんだったら、やっても意味ない。時間の無駄だ。やらんでいい。  ぐう。ちくしょう。  新木さんの指摘で、ダメな理由とか、わかりました。  3と6は勝ったと思っていたんですが……考えが浅かった。  書き直してみました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=841&e=res&lp=841&st=0 >方法論 >> もし仮に、対象読者の内面心理感受性を、「けっこう鈍め」と仮定するのなら、その相手に向けて書かれるあらすじとは、どうあるべきなの?  「けっこう鈍め」の人にあらすじを書くなら、わかりやすくしなければ、ならない。  「好きって、言って」パターン1では、「けっこう鈍め」の人は今一内容がわからない。  あらすじだと、パターン1っていうのは、プロのあらすじに相当する。わかりにくい。  パターン2のわかりやすい、小説としてはダメな「べた書き」の方が、あらすじとしては、わかりやすいと思います。  よって、僕の方法論の方が上等。  それを僕が使えるかどうかは、別問題なんですけどね。  上等な方法は、当然難しいです。  十分な力を持たない僕だったら、プロと同じように書くのが、賢いでしょう。  しかし――。このあらすじ書きは、練習なのです。  練習で無難を選んでも、上達しない。  だから上等の方法にチャレンジすべき。 >べた書きとか  言葉の意味は、わかっていました。が、使い方が悪かったです。すいません。 >>正確に伝えるには、その話の重要な部分を「べた書き」する必要がある。    この「べた書き」は、小説を書く場合での「べた書き」を指しています。  あらすじで努力した結果は、小説の怠けと同じになる。だから小説の怠けの状態を、あらすじでは書かなければならない、ということでした。 「正確に伝えるには、その話の重要な部分を説明する必要がある。」  ……始めから、こう書けって俺。 >今日のあらすじ  読みやすさと、わかりやすさに気をつけました。  三十一冊目「悪魔のミカタ 魔法カメラ」 著:うえお久光  一行あらすじ  男子高校生コウが、悪魔の少女と出会い、悪魔に関係する事件を解決する中で、彼女の日奈を失い、日奈を復活させるために悪魔の味方になる話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=840&e=res&lp=841&st=0 ○読み取りテスト 「好きって、言って」 ・主人公は彼女のことを好きなのか、どうか。  好きです。彼女が寒そうなのを心配して、ジャケットを渡してあげているから。 ・主人公が彼女に気持ちを伝えないのは、どうしてか。  うーん。「好き」という言葉が嫌いだから? 二年も言ってないってことは、確固たるポリシーか、トラウマがあるんでしょう。笑みを浮かべているので、トラウマは、ないかな……。  ポリシーの具体的な内容は、わかりませんでした。 ・主人公の気持ちは彼女に伝わったのか? 伝わったのだとしたら、それはなぜか?  伝わってます。彼女、笑顔になってるし。   伝わったのは、好きだということを主人公が行動で示したから。 「馴染みのコーヒーショップ」 問1.「僕」はこの店には何回ほど通っているのでしょうか。(初めてと回答するか、もしくは考えうる回数の範囲で答えよ)  40回ぐらい。週に二回。半年ぐらいは通ってる。 問2.「お姉さん」はなぜしばらく出てこなかったのでしょう。店の奥でなにをしていたのでしょうか。  服を着なければならないこと。おそらくマスターとエッチなことを。指輪もらったばっかりみたいだから、ラブラブでしょう。 マスターは仕事中だからいるはず……なのに店にいないので、奥にいる。 問3.「お姉さん」は「僕」が店に来たことに、いつ気づいたのでしょうか。鐘が鳴ったときか、店に現れて「僕」を視認したときのどちらでしょうか。  わからんです。 問4.「お姉さん」は「僕」ではなく、誰か他のお客さんが来たとは思わなかったのでしょうか。  わからんです。 問5.「僕」はなぜお姉さんを呼ぼうとしなかったのでしょうか。お姉さんがいないと思ったのでしょうか。  気づいてくれるのを待っていた。僕は、自分がお姉さんに好かれていると思っているから。 問6.「お姉さん」はなぜエプロンを外していたのでしょうか。髪をまとめなければならなかったのは、なぜでしょうか。  マスターと、エロイことをしていたから。 問7.「お姉さん」が今日に限って「いつもの?」と訊かなかったのは、どうしてでしょう。また笑っていないのはなぜでしょう。お姉さんは怒っているのでしょうか。そうでないなら、どんな気持ちでいるのでしょう。  訊かなかったのは、少年に後ろめたいことをしていたせいで、動転していたから。  焦っていたのが、徐々に落ち着いて行く。 問8.「僕」はお姉さんの指輪に、いつ気がついたのでしょう。(気づいた瞬間の地の文を引用して示せ)  「今日だけは無口に手だけを動かしている。」手に目が行っているから。 問9.指輪を指摘されたお姉さんが一瞬隠しかけたのは、なぜでしょう。また隠し通してごまかそうとせず、「僕」に見せてくれたのは、なぜでしょう。  自分を好きな、僕を傷つけたくなかったから。  ごまかすのは、自分を好きだと思っている僕に、悪いと思ったから。 問10.「僕」は自分と「マスター」と、どちらがより「お姉さん」のことを好きだと考えているのでしょう。(愛する気持ちの大きさという意味)  僕。>問11からわかる。 問11.おかわりをいらないと言った「僕」が、コーヒーを注文したのはなぜでしょう。またなぜ注文したのが、飲んだこともなくて苦くておいしくないコーヒーだったのでしょう。  マスターへの対抗心。大人になってやる! みたいな。 問12.「いらない」から、「コーヒー。ホットで」――。この二つの会話の間に流れていた実時間は、正確には何秒ほどだったでしょう。  5秒。マスターに対抗するかどうか、ちょっと迷っている。 問13.このとき「マスター」は店にいたのでしょうか。もしいたのだとしたら、どこにいたのでしょう。どうして「僕」と顔を合わせなかったのでしょう。  店の奥。失恋した少年に、うらみのこもった目で見られるのが嫌だから。 -------------------------------------------------------------------------------- 例のアレ No.7676 投稿日 2004年2月29日(日)03時38分 投稿者 名無し君2号  2号さんはどうしたのかといえば、毎度のごとくサボってました。  いや、まあ、図書館から本を借りてきて読んだりとかしてましたが。  ……といいますかね、名指しされるとドキリとしますね。小心者ですからね。  ジムのトレーナーからも「さっさと出てこい」と突っこまれましたし。さっさと月謝を払えと。 >津荒さん >No.107「平和な世界」(2000文字) >>は、ちょっと男がろくでなしすぎるので、最初イメージが40代のおじさんでした。 >>でも少女は男が好きみたいなので、実際はもっと若いのでしょう。その辺混乱しました。  実際は35歳ほどです。相手の少女は18歳。  ……だめですかね、年の差カップルは。  なんかオッサンを書くのは好きみたいです。好きだからと言ってうまいわけでもないようですが。 >三十冊目「天国に涙はいらない」あらすじ  とくにつっこむところもないのですが、ひとつだけ質問です。 >>心を開いたたまの前で、是雄は死んでいた。 >>是雄はアブデルの配慮で、たまの近くに転生した。  これ、どういうかたちで転生したのでしょうか。「復活」じゃなくて「転生」なんですよね。転生というのはリンカネーション、生まれ変わりのことです。まさか主人公は赤子として、前世の記憶もなく生まれたのでしょうか? まさか犬とか畜生に生まれ変わったなんて……ひぃ。  なにか気になって調べてみたら……ひぃ、でしたね。  ああ、なるほど。  まあ答えを書いてしまえば――書かないほうがいいか、カタカナ三文字、○○○になってしまったんですけど、それって一巻のラストでは明かされない……んだろうなあ、たぶん。自己完結。  あ、あと呪いは「清める」んじゃなくて「払う」んじゃないかな、とも思いましたが、べつに清めるでもいい……のかな? 呪いって憑くものじゃないのかな。だから払う……よくわからない。  そうそう、あと「ロリコン天使アブデル」に疑問です。  「ロリコン趣味の天使アブデル」なのか、「ロリなルックスの天使アブデル」なのか、このままでは不明です。「ロリコン」を特筆する必要があるかどうかも疑問ですけども。  個人的には「ロリな天使」よりは「ロリコン趣味な天使」のほうが好ましいです。もっともルックスは「きれいなお姉さん」ですけど。  ……年を取るといろいろなものが歪んできますね。いろいろなものが。  あれ? 結局、けっこうつっこんでますね。 >弟切さん >描写課題「クールな美人」  う。美人に見える。 >>「あ、ごめんなさい」 >> 頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 >> 見上げれば、女の人の顔があった。 >> 薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見える。甘すぎないコロンの香りが、鼻の中いっ ぱいになった。  具体的にはこの時点でもう美人だったのですが。  ……なんでだろ? 「目鼻立ちがくっきり」しているからかな? なんだか少しばかり妬ましいぞ。 >とんびの羽根さん  もう少しおつきあいください。  よくわからない……私が理解できていないところがあります。こちらが間違っているなら納得したいところです。  質問状、そのイチ。 (1)酔いつぶれた彼氏をみて主人公がどう思っていたのかが不明 >> すぐとなりには――あたりはばかることなく、その身を寄せあうカップルの姿も。 >>「あたしだって、本当なら……」 >> 幸せに薄く開いていた唇を引き結んだ。 >> ギリ。歯を噛みしめる音が聞こえる。ギリギリ、ギリ。 >>「ええい、なにをやってるんだよ、お前は!」  このあたりで、主人公が彼氏を苦々しく思っていたことは伝わらないのでしょうか。それとも、「ここ」に来る前に確定させておくべき、ということでしょうか。  つまりロマンティックな光景に感動させる前に、主人公は彼氏に頭に来ていたということを提示しておくべきなのでしょうか、という問いかけです。  質問状、そのニイ。 (2)彼氏のことを忘れてしまっていいのか >>ロマンティックにひたって彼氏を忘れている主人公に好感をもつ読者なんているわけないです。 >>彼氏のことを忘れていてロマンティックも何もないんじゃないですか。  彼女のことをほったらかしにして、酒に酔いつぶれている彼氏なんか、忘れてしまってもいいと思うのですが。酒に酔いつぶれた男のほうが、同情されてしかるべきなのでしょうか。  これは問いかけというか、このあたりを詳しく知りたい、という欲求です。一般的にはどう思われているのか、を知りたいです。  質問状、そのサン。 (3)彼氏のことを忘れてしまうほどの感動が「ロマンティックな光景」でいいのか(アイディア出しの問題) >>読者はロマンティックなんてみたくないし、ロマンティックな気分を共有したい気分もないし、ロマンティックにひたっている人間をみていたくなんてないし、ついでにロマンティックって単語がただ書いてあるだけだし。  すみません、ここは本当に理解不能なところでした。  「ロマンティック」という単語が問題なのか、それとも本当に読者はロマンティックなんて見たくないと思っているのか。  いや、面白ければ、それがなんであろうと読者は見たいはずだろう? 共有したいだろう?  ――というのが私の認識だったんですが、それほどまでに「ロマンティック」って猛毒塩化ビニールだったんでしょうか。致死量ですか?  ロマンティックにひたっている人間を見ていたくない……は時と場合によるかな、という認識で、ロマンティックという単語が書いてあるだけ……についてはすみませんと頭を下げます。ぺこり。  これは本当にわからないです。どうか基準をください。致死量の基準を。  質問状、そのヨン。 (4)なぜ初期状態としての感動を読者につたえる努力(描写、シーンそのものの検討)がまったくないのか? >>描かれていない部分を補ってみましょう >>起:彼氏の醜態に落胆し、彼氏から目を背けるゆかり >>承:ロマンティックな光景に感動 >>転:勘違いの慰めをするカップルにきれるゆかり >>結:目を背けていた現実に直面して、八つ当たり、怒り、慌て、恥、悲しみに怒濤のように襲われるゆかり   >>「現実から目を背けて感動にひたっていた主人公が、結局は現実に引き戻され翻弄される話」ですよね >>現実から目を背けていることを描いてないからおさまりが悪いんだと思います。  これは質問状のイチでも問いかけたことなんですが、あえて「起」を省略するというのは駄目なんでしょうか。駄目だって言ってるのはわかるんですが、どうも納得ができないんです。  んー? それとも、「起」を省略していたということが、一発ネタになるのかな? わからない。  ……が。  油揚げをさらった人がいるので、そちらにちょっと行ってきます。 >>あの話は、そもそも、筋がおかしい。 >>下らない「びっくり箱」にしないで、あのネタを「食えるもの」=「ドラマ」に変える調理手段は、二つしか存在しない。  うむむむむ……。  そうなのか? >>(こんなもん、自分の中に集積した数百、数千、数万の「物語パターン」と照らし合わせてみりゃ、答えなんて、考えなくたって出てくるのに。このネタを、この2つ以外のパターンで調理している話は、存在しないんだよ)  うお。  つまり物語パターンが私のなかにはないということ……だな。  うーん、うーん。  わからない。考えていれば、そのうちまたストンと納得できるかもしれない。とりあえず未来の自分に託す。 >>どちらのほうが、より自分の書こうとしていたものに近いのか、自分で判断しろ。 >>なぜ、ここからズレてしまったのか、原因を考察して、分析しろ。 >>・パターン1 現実逃避系 >>起:ロマンティックな光景に浸ろうと努力しているゆかり。 >>承:努力を続けるゆかり。だが怒りのボルテージが上がってゆく。 >>転:ついにキレるゆかり。彼氏が醜態をさらしていたということを、読者も知る。 >>結:彼氏に当たり散らすゆかり。 >>・パターン2 現実対面系 >>起:ロマンティックな光景に浸っているゆかり。 >>承:席を外している彼を待つゆかり。 >>転:戻ってくる彼。飲んだくれて酔いつぶれている。 >>結:怒りをぶつけるゆかり。  どちらかといえばパターン2です。  思わず目の前の光景に引きこまれてしまったが、我に返ると彼氏は酔っぱらい。 >書き出し部分の工夫  とりあえずやってました。まともなのを探すのが面倒くさいので、とりあえず頭っから10編ほど、ウォーミングアップがわりにリライト。  作者に失礼極まりないとは思うけど、公開しないのだからまあいいや。 >新キャラ >>役者増量を念頭に置くなら、同じようなシチュエーションで役者だけ変えて小話を書いてみないと。 >>シチュエーションを限定してやる。 >>これまで出してきた連中を、以下のシチュエーションに放りこんで再実験してみること。 >>「初めての喫茶店」 >>各キャラが、生まれて初めて喫茶店に入るというシチュエーションね。 >>キャラを浮き彫りにするためには、誰かと一緒ではなくて、本人ひとりにしておいたほうがいいだろうな。主題をずらさない自信があるなら、同行する人間を出してもいいけど。  次回はこれをやります。  同じ喫茶店のなかに、いままで作ったキャラクターを出すということ。 >818 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字) >>俺、読んでないから見落としてたんだけど。 >>みやびさんが珍しく冷静さを失って、怒っていたのだけど。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ばいばい。――ぱーぱ」  男は硬直する。すぐに――無理に力を抜き、弱々しく笑った。 「そういう、笑えないことを仕込むなよ、子供にさ」  手をひらひらと振りながら、男は去っていった。背中が心なしか丸い。  背中に向かって、子供はぶんぶんと手を振り続けている。その手を止め、女の顔を 見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ええと、すみません。  これ、子供の父親はすでに亡くなっています。  ――という設定です。  というか、物語中ではいっさいそんなことは語られていないし、匂わせてすらいないわけですが。  あーそうか。本当の父親がいるのに、好きな相手をパパと呼ばせるんじゃあ、そりゃブラックだよなあ。 >1000字課題  連作です。  No.110「待ち人を待ち」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=842&e=res&lp=550&st=0  不良少女な主人公が、好きな後輩と一緒に帰ろうとするが、恥ずかしさのあまり声をかけれず苦しみ、でも気づいてもらって相手から声をかけられ幸せな話。  No.111「待ち人が来て」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=843&e=res&lp=550&st=0  好きな後輩に声をかけられたはいいが、素直じゃない性格のせいでどんどん状況を悪化させてしまい、絶望の淵に追いこまれた不良少女が、相手から切りだされることで当初の目的であった「一緒に帰る」が達成され、一転、幸せになる話。  No.112「待ち人と帰る」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=844&e=res&lp=550&st=0  好きな後輩と一緒に帰れて幸せ絶頂な不良少女が、いきなり心に秘めていた恋慕の情を気づかれてしまい、逃げだそうとするもつかまる話。  No.113「待ち人で泣く」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=845&e=res&lp=550&st=0  好きな後輩に、その思いを気づかれてしまい、動揺しまくっていた不良少女が、あげく相手からも告白を受け、ついには泣きだしてしまう話。  文体を少しずついじくっているところです。  内容のほうは、不良少女の心の揺れみたいなものが出てればいいんですけども。  「貰われっ子ミーツ四兄弟」とみやびさんにやっていただいた「キャラ書きわけ分析」については、次回やりまする。レスには……何時間だろうな。かなりです。  おまけ。 >「馴染みのコーヒーショップ」 >>問6.「お姉さん」はなぜエプロンを外していたのでしょうか。髪をまとめなければならなかったのは、なぜでしょうか。 >>マスターと、エロイことをしていたから。  私はこれには気づけませんでした。  マスターがお姉さんな喫茶店もあるしなあ、と思いこんでいたのです。  なんといいますか、明らかに私よりも読みとっているわけで……やばいよな。いろんな意味で、やばいよな。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7677 投稿日 2004年2月29日(日)14時10分 投稿者 新木 伸 >2号  そうだ。月謝払え。  俺がなんか書くために、お前らがなんかヘマしてみせるのが、それ月謝ね。  誰もなんにも失敗してないのに、ウダウダと書いていたら、俺、ただのおかしな人じゃん。どこに向かって話しているんだか。  小姑がケチつけるには、不出来な嫁が必要なんだよ。出来の良すぎる嫁だと小姑はケチが付けられなくなる。  叩き甲斐のある課題をあげてくれてもいいし、俺がセンスオブワンダーとカルチャーショックに震えるような「アマチュアのヌルさ」を露呈してくれたっていいわけだし。  誤字出す、っていうのでも、もちろん、いいぞ。すごくいい。  目を覚まして、その5秒後から執筆に入るほど、俺もまだ作家が身についていない。1時間ぐらいはうだうだやってないと、小説に向かう精神状態になれない。だからここに30枚ぐらい書くというのは、ちょうど良いのだ。  おたがい、ギブアンドテイクでいこうぜ。  なんにも書いてこないと、「怠けてる」とか「サボってる」とか「やる気あるのか」とか、そんなことでしか叩けないじゃん。  それもう飽きたから、できればやりたくないんだよな。  そもそも不毛だし。そんなこと書いても、ROMっておこぼれにあずかろうとしている人にとっては、なんの意味もないし。やる気ないなら、とっととやめてくれればいいんだよ。 >スイッチのON、OFF  そういや、以前中里さんと、温泉旅館で共同自主缶詰をやったことがあるけど。  中里さんのスイッチのON/OFFのしかたが、凄かった。  5秒前には、イビキが聞こえていたわけよ。  それが瞬間的にむくりと起きあがる。そしてカタカタとタイピングの音が聞こえてくる。  スイッチがOFFになって、昼寝を取るときもおなじ。「じゃ30分寝ますんで」と言って横になった15秒後には、もう寝ている。 ○津荒 >あらすじ  あらすじの書き取りかた。  見たまんまエピソードを書き連ねる。――というのは、津荒があらすじ写し取り修行の最初のころにやっていたっけ。   具体的 ←→ 概念的  こういう、ふたつのものがあるとする。同じことを具体的にも書けるし、概念的にも書くことができる。  あらすじでは「概念的」に書くのは説明となるわけだ。  具体的に書くのなら、見たままを、ただ写し取ればいいだけ。頭を使う必要もない。  しかしこれが、小説では逆になる。不思議なことに。  概念的に書くことのほうが簡単で、具体的に書くほうが労力がかかる。小説では具体的に書くことを「描写」という。  あらすじを書くときに「上等」なのは「説明」をするほう。――と津荒は言っていたけど。すこし正しくない。  じつは上等も下等もないのだ。  スープ取りに8時間を費やした本格ラーメンと、3分で作ったカップラーメンと、どっちかが上等であるというのは、それは幻想。  そこにある事実は、ただひとつ。  どちらがより手間が掛かっているのか。――という、ただ一点の事実。  そこには上も下もない。手間を掛けていれば偉いわけでもない。また手間が少ないことが偉いわけでもない。  そこのところ勘違いして、俺を「技術偏重主義」だなどと言いやがり、俺の逆鱗に触れて、追い立てられたやつがいたので気をつけること。 (そういやあいつ、帰ってこねーな? ○ヶ月後に作品見せて証明します、とかなんとか言ってたけど。やっぱ口先だけだったか)  小説の価値は、読者をどれだけ愉しませたのか。――という、ただ一点にある。  どれだけ手間を掛けていたって、マズいものはマズいのだ。  3分で作ろうが、ウマいものは、ウマいのだ。  だがアマチュアがマズいものを作ってしまう原因は、たいてい「手間が足りない」という理由に結びついてしまう。  だから、「手間を掛けろ」と、俺は言ってる。  分室で「手間のかかるやりかた」をやっているのは、それを学ぶ機会が他ではなかなか得られないからだ。皆は手間のかけかたというものを知らない。  ひとつの物事に、どこまで手間を掛けることができるのかということも、まったく知らない。  いっぺんでいいから、「最大の手間」をかけてみれば、感覚として理解できるだろうが。  ――で、津荒の場合には、800字のあらすじを書くにあたって、まだ思考を重ねる余地があったと指摘されたわけだろ。  起きた出来事をそのまま写し取ってしまうのでなくて、概念化して、わかりやすく説明することのほうが、より手間が掛かることなわけだな。  いまは修行中なわけだし、なるべく手間が掛かるほうでやってみること。  ジャガイモの皮はナイフで剥いても、皮むき器で剥いても、どっちも仕上がりは同じなんだな。だが修行中ならナイフで剥け。ナイフで剥かせてもらえるのは、修行中ぐらいなもんだ。  実戦では皮むき器で剥け。そっちのが早いだろ?  あともうひとつ。   具体的 ←→ 概念的  具体的に寄るのか、概念的に寄るのか。何段階にも調整できるようにしておけ。  最大限に具体的に寄ってみたり、半分具体的で半分概念的にしてみたり、完璧に概念的にしてみたり。  5段階ぐらいに調整を自由自在にできるようになっているのがベストだ。  俺、やれるわけだよ。  小説でもあらすじでも、どのシーンでも、どの段落でも、5段階ぐらいに――具体的と概念的、描写と説明とを、調節できる。  「好きって、言って」のパターン1と2とを見れば、わかるだろ?  そして小説を書いているときには、いまはどっちに寄って書くべきか、5段階のうちのどのポジションでやるのがベストか――常に考えながら書きかたを決めている。  ちなみに、「手間を掛ける=コストをかける」ということは、ここでも行えるわけだよ。  いちど、5段階のすべてで書いてみる。5通りほど書く。そしてそのなかから、実際にはひとつを選ぶ。5倍のコストが掛けられるよな。  俺は頭の中でそれをやっている。  津荒もあらすじを書くときに、段落単位で同じことをやってみな。  5段階は無理にしても、3段階ぐらいならできるだろ。「完全に見たまま」「半分概念的」「全部概念的」の3通りを頭の中で書いてみる。実際に選ぶのは、そのなかのひとつ。  そうして3倍のコストをかけつつ、これまでとおなじ時間で書き上げろ。 >好きって、言って  これは正しく読み取れたようだな。  まあ書いてあること、1個きりだし。  こっちの掌編にあるのは、「こいつはこの女の子のことが好きなのかどうか」っていう、そこのとこだけ。質問項目も3個。質問項目の数が、「コーヒーショップ」と段違いだろ。  長さはおなじぐらいなのに、密度が何倍も違うわけだ。  ちなみに描写でやってるあの「パターン1」のほうは、「読解力劣等生」に読ませると、誤読されて危険だ。  どう誤読されるのかというと、こういうことになる。  「好きって言えと、女に迫られている男がいる。男は女に上着を着せてごまかすことで、答えることをはぐらかした。男が女を好きなのかどうかは、わからない。答えないということは、答えられない=じつは好きじゃない可能性が高い」  ――と。そんなふうに見当違いに読み取ってしまう。男が上着を掛けてやったことを、優しさだと取らない。その逆で「逃げ」と取ってしまう。  しかも――だ。  「ふふん。ここまで深く読み取れたのは世界でも俺一人ぐらいなもんだろう」――とかなんとか、悦に入っちゃうわけだよ。  ここでいったいなにが「深い」のかというと、「答えられないから、じつは好きじゃないのだ」ということに気づいた点ね。  いや冗談でなくて。マジで。ホントに。怪談でもホラーでも、なんでもなくてね。  現実にある話ね。  読解力劣等生というのは、そんなもん。すごいんだよ。おまえ知らないだろ? 俺知ってるんだよ。ライトノベルってのは、中学生から大学生まで含んでいるんだぞ。小学生だって読むんだぞ。  だから、全読者の10〜30%ぐらいは、そんな感じなの。  いいか? 定食屋の調味料のビンには、ソースはソース、醤油は醤油と、ラベルを貼っておかねばならないのだ。  そうでないとかならず、一定数の割合で、ソースと醤油とを間違えてしまう客が出て来るわけ。  そしてトンカツに「醤油」をぶっかけて、「ここのトンカツはまずい」と言ってくるわけ。醤油とソースの見分けもつかないもんなの。普通の客ってのは。  しかも10〜30%の割合で舌音痴だから、「まずい」とは思っても、自分が「醤油」をかけて食べていることに、ついに永久に気が付かないわけ。  ここで誤読を避けるためには、パターン1には、台詞のひとつでも追加しておかなければならない。  たとえば上着をかけられた女の子には、まず、きょとんとした顔でもさせる。  そして、彼の上着を大事そうに閉じ合わさせつつ、女の子に言わせる。「……優しいね」とか。  こんなベタな台詞があると、読解力劣等生もようやく気づいてくれる。「ああ。上着を着せてやったアレは、ごまかすためじゃなくって、優しさだったのね。そっかそっか。そーだよな」――とかなんとか。  いっぺんは醤油に手を伸ばしかけても、「醤油」ってラベルさえ貼ってあれば、「お、いけね」と手を引き込めて、正しく「ソース」を取っていってくれるわけ。  お前がプロを目指すなら、そこまでの「アホ」にもわかるように、物を書いていかねばならない。そんなんでも「客」だ。どんなんでも、本を手にして読み始めたら、それは「客」だ。  自分の作品を読んでくれるからには、誠心誠意、お相手を務めろ。  いいか? 絶対に、誤読させるな。トンカツに「醤油」をかけさせるな。  どんなアホな相手にでも、だ。  無理です、とは言うな。アホにつける薬がないのは、わかってる。無理など百も承知だ。  そのために、自分にはなにかできるのかだけを考えろ。  意地でもだ。 >津荒、魔女の宅配便、あらすじ書き直し  ジジと話せなくなったエピソードは、考えろと言ったけど、あらすじに書けとは言っていないが。よく見てみろ。  それ、無駄なんじゃないのか? それとも絶対に必要なことなのか?  書かない部分まですべて考え抜き、そこから書くものを厳選しろと、いつもそう言ってる。考えていたのかどうか、チェックしている。  あと老婆の家でのエピソード。  パイはなにを用いて焼いたのだ? 今風のガスのオーブンでなく、薪を使うオーブンだったよな。さらにキキは、薪のオーブンを使うことができたよな。そして老婆に感心されていた。  そのエピソードには、どんな意味があるのだ? 全体の中には、どのようにはまるものなのだ?  あと「魔法が人を幸せにするためにある」とかいうのは、それは「魔法遣いに大切なこと」のテーマだろ、ボケ。  魔女宅は別だよ。  キキが気づいたものはなんだったのか。読み取り直してきやがれ。まったく目が節穴だよなぁ。  キキは、なぜ、飛べるようになったんだ?  あれは宮崎駿なんだから、物語の最大のクライマックスと、テーマとは一致させる作りになっているわけ。あんなわかりやすい作りの作品って、他にないんだぞ? どうしてその部分を読み取れない?  あそこまでわかりやすくしてあるものを見て読み取れないようだったら、お前、テーマが地の文に「べた書き」されているような作品しか読めないってことになるぞ。「これが醤油です」って書いていてもらわないと、醤油が見分けられない恥ずかしいやつってことになるぞ。  執念が足りないんだよ。  目玉かっぽじって、もっとよく見てこい。そして考えろ。 >馴染みのコーヒーショップ、採点  津荒、0点。  2号も0点。  どちらも0点だが、2号は津荒以下決定な。  津荒は読む訓練ばっかやっていて、お前は書く訓練ばっかやってるんだから、差がついてあたりまえだ。心配するなら、お前も津荒と同じだけ場数を踏め。小説に使う時間を3時間増やせば、毎日一冊読んで、あらすじを一冊書けるぞ。  ちなみに各質問の配点を書いておく。  問11が100の配点。  あとは全部些細なこと。何問正解させてても、配点は0ね。  ――半分冗談で、半分本気ね。  もしかしたら、0点なのは俺のほうかもしれない。  やっぱりマスターを出すべきだったかなぁ。ラストのところで。そして「僕」がマスターのことを睨みつけるのではなくて、おたがいに顔を見合わせて、気恥ずかしそうに笑い合っていたりしたら、どうだろうか。  そして「僕」はマスターに、お姉さんを頼みます。みたいな顔をする。マスターもそれを受けとめてうなずく。  ちなみに、もし立場が逆転していて、お姉さんの選んだのが「僕」だったのとしたら、マスターがおなじことをする。お姉さんの幸せを少年に託す。  一人の「いい女」を好きになったふたりの「いい男」が、「いい女」の幸せを考えて、その選択を尊重するという話なわけね。自分の愛する「いい女」が選んだ男なのだから、その男も自分と同等以上に「いい男」なはずだろ。だから信頼しあえるんだよ。  ちなみに「僕」はこの掌編が始まったときには「ガキ」だが、「いらない」と拗ねたように言ってから、「コーヒー、ホットで」の実時間1秒ちょっとのあいだに、「いい男」へと成長してみせた。  掌編で「ガキ→男」に成長させているわけね。成長に1秒よりも長い時間は必要ないという話ね。成長するかしないか、本人の意志ひとつって話ね。  しかしそれがわかるまで、ベタに書いてしまうと、「好きって、言って」のパターン1と同程度になっちゃうんだよな。長さも倍ほどに増えるし。  いいや。切り捨てよう。  あの掌編に関しては、津荒も2号も、読まんでいい。  お前らには読む資格がねーよ。  味のわかんねー馬鹿客は、うちの店に来るんじゃねーよ。帰れ帰れ。おととい来やがれ。おいカカア、塩もってこい塩! ……とか言ってみる(笑)。  でもああいうのは、俺、仕事では書かないから。  ちなみに津荒の答え合わせ。  1、2、6、7、8、10、正解。 >>問3.「お姉さん」は「僕」が店に来たことに、いつ気づいたのでしょうか。鐘が鳴ったときか、店に現れて「僕」を視認したときのどちらでしょうか。  もちろん鐘が鳴ったとき。問4参照。 >>問4.「お姉さん」は「僕」ではなく、誰か他のお客さんが来たとは思わなかったのでしょうか。  思いません。鐘の鳴りかたでわかります。おずおずー、とドアを開けるので、鐘はそういう鳴りかたをします。 >>問5.「僕」はなぜお姉さんを呼ぼうとしなかったのでしょうか。お姉さんがいないと思ったのでしょうか。  お姉さんは自分を好きだし、気に掛けているし、自分がいつもこの日にくることを知っているし、鐘の音で気づいているはず。なにか奥で用事があるのだろうし、呼んだりして「面倒くさい子」と思われたくないし。だからおとなしく待っていよう。僕はいい子だから。 >>問9.指輪を指摘されたお姉さんが一瞬隠しかけたのは、なぜでしょう。また隠し通してごまかそうとせず、「僕」に見せてくれたのは、なぜでしょう。  逃げかけたから。  詳細は過去ログ6995参照。 >>問11.おかわりをいらないと言った「僕」が、コーヒーを注文したのはなぜでしょう。またなぜ注文したのが、飲んだこともなくて苦くておいしくないコーヒーだったのでしょう。  不正解。  しかし問10は、津荒は正解していることに注意。 >>問12.「いらない」から、「コーヒー。ホットで」――。この二つの会話の間に流れていた実時間は、正確には何秒ほどだったでしょう。  1秒。 >>問13.このとき「マスター」は店にいたのでしょうか。もしいたのだとしたら、どこにいたのでしょう。どうして「僕」と顔を合わせなかったのでしょう。  少年がガキでなくなるのを待っていた。もしガキのままなら顔を合わさないつもりだった。少年が現実を受け入れたかどうかは、お姉さんが伝えてくれる。 ○2号 >1000字課題  こういうのは連作とはいわん。  単なる4000字の一遍じゃんか。いちいち書きこみ分けるな。無駄にスレを消費しやがって。  あと書きだしを目につかせる工夫を修行しているようだけど、これには反映されているのか?  この4つのどれも、あそこに並べておいたら、おなじように素通りだろうな。  目盛り一つぶんに満たないもんで、成果が出ているのかどうか俺には計測できんのだが。商業レベルに達してくれてないと、俺には測定不能なのだ。商業レベルに達していたら、目盛りは一つぶんとなるから、すぐわかる。  ところで、不良少女って、なんなの?  定義してみよ。  どうもお前の定義は一般認識とズレてる気がする。  何年前の不良の話をしている? 「飛びだせ青春!」とか、そんな時代の話? >弟切の美人 >>……なんでだろ? 「目鼻立ちがくっきり」しているからかな? なんだか少しばかり妬ましいぞ。  気になったんなら、徹底的に分析しろよ、ぼけが。  分析のための道具をくれてやるから、なくすなよ。おまえの犬小屋の毛布の下に、きちんと大事にしまっておけよ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あ、ごめんなさい」  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。  薄化粧の顔が見えた。甘すぎないコロンの香りが、鼻の中いっぱいになった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「目鼻立ち」に関する部分を削ぎ落としてみた。これでもまだ「美人」だろ。「美人感」は、ほとんど減じていないだろ?  こうやって消去法で、削ぎ落としいって、最後に残ったもの――それを取ってしまっては美人と感じなくなってしまうものを特定するのだ。  化粧とコロンの香りも削ぎ落としてもまだ平気だろうな。  ちなみにここで使われている原理は、宗教(特にカトリック)で偶像の置かれる場所を決めるときにも応用されている。弟切なら知ってるはずだ。ただ自覚的に使っているかどうかまではわからないが。 >ロマンティック >>どちらかといえばパターン2です。 >>思わず目の前の光景に引きこまれてしまったが、我に返ると彼氏は酔っぱらい。  だから、「思わず目の前に〜」という展開で始まるパターンは、ないんだってば。  「浸ろうとしている」か、「浸りきってる」か、どちらかしかないの。  「起」がぶった切られていて、単体で「承」からはじまるような話は、存在しないの。 >>これは質問状のイチでも問いかけたことなんですが、あえて「起」を省略するというのは駄目なんでしょうか。駄目だって言ってるのはわかるんですが、どうも納得ができないんです。  なぜ「起」の「彼氏から目を外す主人公」を隠そうとするのだ?  その意図を説明せよ。  おまえは省略していると言っているが、俺らは「隠しているんだろ」と訊いているのね。 起・トレカを始める四人。 承・交渉に頭を悩ます。 転・決断をする主人公。 結・じつはトレカだった。  以前、桜庭さんので、こんなのがあったろ。これも「起」を隠していたわけだろ。なぜ隠すのかというと、「じつはトレカだったのだっ!」とやっちまいたいから。  「起」の「トレカをはじめる四人」があると、ラストがびっくり箱とならないから。  だから隠す。  桜庭さんのやっていたことと、いまお前のやっていることとは、どう違うのだ?  違うというなら、説明してくれ。 >誤字  前に、課題の中の誤字を指摘したけど。四姉妹のやりなおしの1だったかな。  一個は「人間が硬い」→「人間が堅い」だとして。  顔残り二つ、見つけてきたのか? >818 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字) >>これ、子供の父親はすでに亡くなっています。 >>本当の父親がいるのに、好きな相手をパパと呼ばせるんじゃあ、そりゃブラックだよなあ。  まあ、父親が死んでいると読み取れるようにしておかなかったという、お前の単純ミスがあったとして――。  父親が死んでいたら、ブラックでなくなるの?  たとえば父親の幽霊がこの場に居合わせたのだとする。その幽霊が、自分の娘が他の男を「パーパ」と呼んでいたら、微笑ましく思うわけ?  もしくは、母親の友人だとか、誰か他人が見ていたのだとする。父親と母親との、共通の友人とかね。  もしくは、母親や父親の親兄弟とか、そんな人が居合わせたのだとする。  この答えが「もちろんどれもYES!YES!YES!」とならないなら、父親が死んでいるかどうかなんて、どうでもいいことになるわな。  YES? NO? どっちだよ? -------------------------------------------------------------------------------- ねむい…… No.7678 投稿日 2004年3月1日(月)00時42分 投稿者 はせがわみやび  今日は、従兄弟の結婚式でした。  早起きをしたにも関わらず、夜遅くまで店番もあって……。沈没寸前だけど、でも、ちょっとだけ。だって、なんか気になるー。 >呪い  呪いは、かけられて、解くもの。  憑かれて、払うものは、……悪霊とかかなぁ。 >ちょっとした疑問 >>ロリコン天使アブデル >>「ロリコン趣味の天使アブデル」なのか、「ロリなルックスの天使アブデル」なのか、このままでは不明です。「ロリコン」を特筆する必要があるかどうかも疑問ですけども。  ふつうに解釈したら、「ロリータコンプレックスな天使アブデル」としか解釈できないと思うんだけど。  これって、どう解釈したら、ロリなルックスの天使アブデルってなるの? みやび@では、おやすみなさいませ… -------------------------------------------------------------------------------- 明かりをつけましょぼんぼりに No.7679 投稿日 2004年3月1日(月)00時43分 投稿者 弟切 千隼  実家より戻りました弟切です。実家にある自分のお雛さまと対面してきました。年に一度の御挨拶です(^_^) >描写課題「格好いい(クールな)美人」  一応、美人に見えるレベルにまでは達したようですね。むろん、まだまだ十分ではありません。  より良いものにするために、一度、自分で書き直してみます。  書き直したものが、商業レベルの最低水準に届いていたなら、このお題での描写課題は終わりにしましょう。満足の行くレベルに達しなかったら、新木さんに書き直していただく、ということでよいでしょうか?  で、次の練習内容についてです。  次も、もう一回、描写をやります。せっかく覚え始めたところですから、ここで集中してやっておきたいです。でないと、弟切の鳥頭[とりあたま]には、しっかり根付かないでしょう。  何の描写をするのかは、まだ決めていません。ちょっと考えさせて下さい。  「美人」の描写課題で女性一人称をやったので、次は男性一人称か、もしくは三人称男性寄り視点をやってみます。弟切にとって難易度の高いものに挑戦してゆかないと、上達しませんものね。 >人物の書き分け >> 男だの女だの、面倒なことは考えずに、ただ「人間」として描くことだけに留意すればいいとのこと。色っぽい展開に持っていったりしないなら、それでぜんぜん問題は出ないとのこと。(なので野尻抱介は、恋愛がメインの話は書かない)   (中略) >> 男の精神構造から、「男固有」の部分を取ったものと、女の精神構造から「女固有」の部分を取ったものとは、等しくなるのだ。 >> 「人間」っていう共通部分が残る。 (新木さんのNo.7669の書きこみより)  野尻抱介さんの作品では、『太陽の簒奪者』を読みました。この作品は、女性が主人公です。女性である弟切が読んでも、違和感はありませんでした。  今度から、男性とか女性とか考えずに、「人間」と考えて書くようにします。 -------------------------------------------------------------------------------- 明日は卒業式 No.7680 投稿日 2004年3月1日(月)01時15分 投稿者 津荒 夕介 >>5秒前には、イビキが聞こえていたわけよ。 >>それが瞬間的にむくりと起きあがる。そしてカタカタとタイピングの音が聞こえてくる。 >>スイッチがOFFになって、昼寝を取るときもおなじ。「じゃ30分寝ますんで」と言って横になった15秒後には、もう寝ている。  凄い。  僕は一度布団に横になってしまうと、1時間は動けなくなります。なんか、悪魔のささやきが聞えるんですよ。  もう、いいじゃん諦めようぜ、楽になろうぜぇ。みたいな。  だから布団は宿敵。 ○課題:あらすじ >>5段階は無理にしても、3段階ぐらいならできるだろ。「完全に見たまま」「半分概念的」「全部概念的」の3通りを頭の中で書いてみる。実際に選ぶのは、そのなかのひとつ。 >>そうして3倍のコストをかけつつ、これまでとおなじ時間で書き上げろ。  了解です……。  うーん、ちょっと考え違いがありました。  「完全に見たまま」で書くなら、すべて「完全に見たまま」  「全部概念的」なら、すべて「全部概念的」  あらすじ内では、このように統一すべきだ、と思っていました。  そうではないのですね。  「完全に見たまま」で書く部分も、「全部概念的」で書く部分もある。 (新木さんのあらすじ、「桃子の初恋」からの引用です) >>料理ダメ。仕草ダメ。言葉遣いダメ。趣味もダメ。そのほか色々すべてダメ。あらゆる方面で玉砕してしまう桃子であった。  これは「半分概念的」に該当する部分。 >>「あれが犬神君っす」と、桃子が紹介した相手は〜    このセリフは、「完全に見たまま」 >>桃子に初恋が訪れる。いつになく乙女チックな桃子のようすに、防衛部の面々は恐怖さえ覚えて大混乱になった。  これは、「完全概念的」    このように、様々な段階がある。 >結局。  三つのどれを使うかを決める基準は、そのシーンが話の中で「おもしろい」かどうか。  「半分概念的」では、特訓の内容を書くことで、そこが面白く書かれているのだな、とわかる。  「完全に見たまま」なのは、クライマックスだから。  「完全概念的」は、楽しくないわけではないが、ランクをつけると下位になるシーンである。 >魔女の宅急便とか >ジジのこと  前の一行あらすじならば、必要です。そして老婆は大して必要ではない。  が、しかし…… >一行あらすじが違う。  ……マジっすかー。  やっぱり映画は小説よりも難しい……というか僕がダメ?  クライマックスとテーマが一致している。と、ヒントをもらったので、クライマックス周辺を見直しました。    『使えなかった魔法をトンボを助けるために使って、トンボを助けて、町の人に受け入れられる』  クライマックスはこんなんでした。 >正しいあらすじ  キキの内部成長とかは、見当違いの深読み……。  田舎から出て来たキキは、大きな町で、今まで知らないような冷たい態度をとられる。町のことが嫌いになる。  おソノに助けてもらって、宅急便を開くが、あまり客が来ない。みんな冷たい。  ようやく来た客に一生懸命親切にしたのに、受取人が最悪。さらに町が嫌いになって落ちこむ。  だけど、トンボを助けた結果、本当は良い町だと知る。  「見習い魔女の少女キキが、修行先の大きな町を冷たい町だと誤解して嫌うが、友人を助けるために頑張った事で、本当は暖かい町だと知る話」  老婆のエピソードは、親切を尽くしているという意味と、キキが田舎の出であることを示しています。(後者に気づいたのは、新木さんの指摘より)  ジジのエピソードは、キキに補佐が必要なくなったことを示しています。(一度聞えなくなるのは、魔法が弱くなったから)  魔法が弱くなったのは、偶然? そんなわけないか……?  町が嫌いになったから……では説明つかないし。  続けて起きる悪いことの、とどめとして配置されたエピソードなので、理由はないのか? 考えます。 ○2号さんへ >No.107「平和な世界」(2000文字) >>……だめですかね、年の差カップルは。  いや、べつにいいですよ。  でも、あれだけろくでなしやってても、それでも少女が好き〜って思っている。  それは、ろくでなしでも、若くてカッコイイ人だからなのかなぁと、思ってしまうんですよ。顔が良ければ、許されるみたいな。  ろくでなしの、40代(に見えた)の男が、顔で少女に好まれるってのは、苦しい。  カッコイイ40代ならもっと落ちついているし。  つまり、少女が男を好きになった理由――昔、助けてもらった、とか、そういうのが書いてあれば、許容できたと思います。 >三十冊目「天国に涙はいらない」あらすじ  みやびさんが先に指摘していたことは、僕も同じ意見でした。 >>「ロリコン」を特筆する必要があるかどうかも疑問ですけども。  かなーり、ロリコンネタがありました。  アブデルの個性として重要だから、必要だと思いますよ。彼が天使である、と同じくらい重要だと思います。 ○読み取る力 >「好きって、言って」  パターン1では、まだ甘い。パターン2ぐらいは書きなさい、ということですね。 >馴染みのコーヒーショップ  ううむ……。難しい。  頭の中で状況を、どんどん更新しながら読むんですけど、マスターの登場が遅いのが辛かった。    まあ、いいのです。  僕には高級過ぎる料理でした。カップラーメンを食べよう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7681 投稿日 2004年3月1日(月)14時42分 投稿者 新木 伸  執筆。  星くずと夢境とで、二足のわらじ状態の執筆。  やっぱ一日のうちで、両方――っていうふうにはならないなぁ。  しばらく前は夢境を書いていた。新キャラ登場で、キャラ立てるところまで――と、きりの良いところで一段落させたもんで、新キャラの具合の確認と、冒頭の展開チェックとをかねて編集さんに一度見せる。  そのあいだに星くずのほうをきりの良いところまで書いていた。あともう30〜40ページほど進めると、一章も終わって、もっときりが良くなるのだけど……。  でも3月に入ってしまったから、あと2週間、夢境に専念して脱稿させないと。しかし途中で1日、2日、星くずに逃亡することがあるかも〜。  星くずは星くずで、あっちの編集さんに送っておこう。  てか、こっちの編集さんからは返事が返って来ないなぁ。  いまちょうど2月の本の入稿時期だから、最大に忙しいところで、ゾンビになっているのだろうから仕方がないのだが。  まあいいか。プロット段階でOK取ってるんだから、本来は途中で観せる必要もないわけだし。  面白けりゃ、多少プロットから外れてたっていいわけだし。(外れてないが) >ロリコン天使アブデル  2号の言い分のが変。  「ロリ天使アブデル」とあったなら、外見がロリなのか、趣味や服装や仕草がロリなのか、それとも異性の好みがロリコンなのか、どれかわからないと突っこんでいいだろう。  しかし「ロリコン天使」と明記されていて、それを「外見ロリ」と勘違いするのは、銀河系でもお前ひとりぐらいなものだろう。アンドロメダまで含めたらどうかわからないが。  そうそう。お前のペンネーム「アンドロメダ唯夫」ってどうだ? いま閃いたぞ。えうれかー、って感じで。 >呪いとか  解くものは、呪い。  清めるのは、穢れ。  払うのは、悪霊。  てめえらしょうせつかくのじゅうねんはええ。  動詞の用法とか、なんで、そんなことさえ知らないのよ?  小説を書こう、って、そう思う以前のことだろ?  基本的なインプット量が、まるで足りてないんじゃないのか?  言葉を正しく使おうという意識に、まるで欠けてるんじゃないのか?  いまざっと辞書見てみたけど、「清める」「払う」に関しては用法が辞書に載ってたぞ。  また「解く」だって、「呪う」と「解く」を双方で引けば結びつけられるぞ。  辞書っていったって、もちろん、数冊引いて出てきたことだが。  合ってるの間違っているの正しいの違うの、いや、それでいいの、いや、そうじゃないの――。  ひょっとしてお前ら、辞書も引かずに、自分の「感性」やら「思い入れ」やら、そんなもんだけで話してんの? アホか、てめえら? >津荒  3段階なら、津荒にも見分けられるようだな。  とりあえず初心者なら、3段階が使い分けられれば上等だ。  5段階とか、7段階とか、そういう細かな違いがわかってきて、はっきり「別物」と認識できるようになってくると、もう一段ほど深いことができる。その段落で5段階のどれを使うかってことに対して、「意味」を持たせられるようになってくるのね。  たとえば――。  概念的←→具体的のレベルを使い分けることで、あらすじ全体にリズムを持たせることができる。  これまでの津荒は、1段階しか持っていなかった。  いまの津荒は、3段階なら、なんとなくわかるようになってきた。  3段階ぐらいだと、まだ無理なんだけど……。せめて5段階あれば、リズムを持たせられる。  音階がたった3つじゃ、曲は作れないのだ。  しかし音階が5つぐらいあれば、単調なメロディーの曲を奏でることは可能になる。口笛ってのは、上級者でも5音階ぐらいしか出せないが、けっこうたくさんの曲を吹けるもんだ。  さらに音階が7つあれば、もう、大抵の曲が演奏可能となる。縦笛(リコーダー)が8音だったかな? あれで吹ける曲って、かなり多い。  これらの概念は、あらすじ書きだけでなくて、小説の地の文にも応用可能だ。あらすじにしか役に立たないことであったら、お前にやらせてはいない。  あらすじ書きのプロになったって、しかたがない。「レビュアー」という種類のプロもいるが、お前の目指しているのは小説家であって、レビュアーではないよな。  ボクサーも空手家も走り込みをするものだが、べつにランナーになるために走っているわけじゃない。  これから小説の地の文を読むときには、これは「完全概念」、これは「ハーフ」、これは「全描写」――と、段落単位で見分けながら、読んでみること。  そうやって意識しているうちに、あるとき不意に、完全概念とハーフの「中間」とか、ハーフと全描写の「中間」に、もうひとつの階梯があるのがわかってしまうから。  不意に自分が五段階の分解能を持っていることに気がつくから。  ちなみにいま津荒に「ハーフ」というのが見えているのは、「完全概念」と「完全具体的」との区別が、はっきり付くようになったからね。0と1とが間違いなくわかるようになると、0.5をなんとなか見ることができる。  そして0.5がはっきりわかって間違えないようになってくると、こんどは0.25と0.75も、なんとか見えるようになる。 >>あらすじ内では、このように統一すべきだ、と思っていました。 >>そうではないのですね。  津荒はついこのあいだまで、800字を1段落で書いていただろ。だからそう思ってしまうんだろうな。  たしかに、ひとつの段落内では、同じ描写レベルに揃えておくのが基本だ。それは外してはならない。 (プロの小説ではあえて基本から外しているものも見受けられるが、そこにはやはり意味がある)  津荒の意識には「あらすじ一本は一段落」という変な考えが染み付きかけていた。  変な癖がつきかけていた。  早めに「段落を使う」ことを覚えさせてよかったよかった。  杉井光というやつがいたのだが。長いこと我流でやっていたせいで、変な癖が骨の髄まで染みこんでしまっていた。なにをどう言っても改行の使いかたを覚えなかった。いまだに「だいぶ長くなってきたから、そろそろなんかこのへんに改行をひとつ適当に入れておこう」とかいう、アホ極まりないやりかたで改行を入れて段落を作っている。(なあ、アホだろ?)  一時期は矯正してやろうとしたんだがなぁ。  完全具体文と完全説明文の使いこなしもできなくて、説明文ばかり書いていた。段落というものをついに覚えられなかったのは、それが原因なのかなぁ。  脱線したが。  作家は、描写文と説明文とをランダムに適当に並べているんわけではないんだよ。  そこに濃淡の変化をつけ、リズムやらメロディーやらを込めている。メロディーによって生じる効果を考えながら書いている。  ここでは「描写と説明レベル」のリズムの話をしているわけだ。  だがもうひとつ難しい話をしてゆく。  リズムはそれひとつだけではない。  様々なリズムの合わさったものが作家の文章としての個性であり、「文体」と呼ばれるものだ。  ほかの要素として「一文の長さ」なんてものもある。いまやっているこの話題が理解できて、興味があるなら、過去ログを「音階」で検索してみろ。杉井や巻島に、「文の長さのリズム」という種類の別の長さの音階について解説している。  また「段落の長さ」という種類の音階もある。  また「文章の情報密度」という種類の音階もある。  またこれらのほかにも、まだ俺の知らない種類の音階が存在があるかもしれない。そういうものを見ることもできず、使いこなせずにもいるものだから、俺の書く文章は、ある種の人から見ると「致命的にヘタクソ」となってしまっているのかもしれない。  単調で読めたものでないか、音程外しまくりのひどい音痴で、聞けたものでないのかもしれない。  俺の書く文章ってのは、「ヘタ」なわけ。  プロ以上にいる人間で、俺程度の文章を「巧い」なんていう人は、ただのひとりもいないわけ。  そしてお前らはそれ以下――「ヘタ」以下なのね。  なんだろうな。「論外」ってところか? >映画が小説よりも難しい >>やっぱり映画は小説よりも難しい……というか僕がダメ?  笑えた。  なぜ津荒が「映画のが難しい」と思っているのか、その理由というか原因がわかってしまったので、ひどく笑えた。  そりゃ、そうだよ。  だって映画っていうの、「テーマの明文化」なんてやってくれないもの。  なぜキキが魔法を使えるようになったのか。なぜ魔法を使えなくなったのか。小説だったら、文中のどこかで、はっきりと書いてくれているはずだ。「キキが魔法を使えなくなったのは、○○○○のせいだった」――と、そう、はっきりと概念的にね。  そしたら津荒だって、間違えようがなかっただろ?  映画はラベル貼っておいてくれないもん。  醤油に「醤油」って書いてないもん。どれが醤油か、自分で見極めなければならないもん。  そりゃ、作家幼稚園生には、難しいだろうなぁ。黒いのが「オショーユ」って知ってはいても、黒いのが二つあったら、どっちが「オソース」でどっちが「オショーユ」か見分けるのは、幼稚園生には酷な話だ。  小学校に上がるくらいになったら、間違えずに取れるようになるかな?  まあ少なくとも、大人なら間違えないよな。  「魔女の宅急便」――。  作家幼稚園生の津荒でも読み取れるように――小学生向けのジュブナイル小説作品として「翻訳」されてないかと思って調べてみたけど。ないみたい。  しかたがないから、背伸びして、頑張って、自分で考えてみろ。お前向きの読解力の低いやつ用のテキストは存在しないみたいだ。  魔女宅って、ひどくわかりやすい作品だから、あれをさらに「翻訳」しようと思う人はいないんだろうなぁ。  津荒は、キキは街のことが嫌いになるという。  それは街が悪いのか? それともキキが悪いのか? なぜキキは街を嫌いになったのだ?  「今まで知らないような冷たい態度をとられる」というのが理由らしいが――。  では、こう考えてみればいい。  どんなふうに受け入れてもらえたら、キキは街を嫌いにならなかったのだ?  キキの反応として、3つ考えてみる。  津荒の分解能は3つだから、なんでも3つで考えるようにしろ。  ここでの三つは――。 1.「街を大好きになる」 2.「街を好きにも嫌いにもならない(普通)」 3.「街を嫌いになる」  ――の3つだ。  それぞれ、キキが具体的にどんな体験をしていれば、キキの心理がそのようになったのか、考えてみること。3に関しての最適エピソードは宮崎駿が出している。  1と2に関してはお前が出せ。  そこまで考え抜くと、見えてくるはずだ。  キキが街を嫌いになったのは、それは街のせいだったのか、キキのせいだったのか?  街がキキのことを「どのように扱って」くれていたら、キキは街のことを大好きになれたのだ?  街がキキのことを、キキの望むように扱ってくれなかったのは事実だろう。  だが街は悪いのか?  キキが望むようにキキを扱ってやることは、そもそも、街にはできたことなのか?  街が悪い――のであれば、キキが街を嫌いになることは、正当だろう。  街は悪くない――のであれば、キキが街を嫌いなったことは、不当だろう。  ――で、あと論点がもうひとつある。  魔法が弱くなったことは、たしかに「嫌い」ということと関係している。  だが津荒は「キキが街を嫌いになった」というそういう部分の嫌いしか見ていない。  キキが嫌いになったものは、この話の中ではもうひとつあって――だな。むしろそっちのほうがメインなのだ。キキが街を嫌いになった――なんてことは、そちらの「嫌い」を引き起こすきっかけにすぎず、じつは些細なことなのだ。 >>老婆のエピソードは、親切を尽くしているという意味と、キキが田舎の出であることを示しています。(後者に気づいたのは、新木さんの指摘より)  ちげぇよ。ばーか。  どこ見てんだよ。この節穴が。  目玉かっぽじって、もっとよく見ろって言っただろ。目玉ほじりすぎて落っことしでもしたのかよ。それでまた今回も見ないままなのか。  あれはキキが「古い」ということを示しているのだ。魔女は古い。魔女の着る「魔女服」は昔から濃紺だと決まっていて、都会の女の子の着るような「新しく」てカラフルなのとは違う。  都会も一緒。キキの住んでいた田舎には列車さえもなかった。  旅に出発してすぐ、貨物列車を見たときにはキキもまだ喜んでいたけど――。  街にきたばかりのとき、キキは電車にぶつかりそうになってたよな。  キキは路面電車なんて知らなかった。なにせ「古い」から。  で、電車にぶつかりそうになって怖い目にあって、怒鳴りつけられて、笑われて、恥をかいて、知らないんだから仕方ないじゃない!と怒って――そして街が嫌いになったんだろ。  ――だが、古い薪のオーブンで焼いたパイは、新しいガスオーブンで焼いたパイより、おいしかったんだよ。  キキはなにしろ「古い」ので、おばあさんのかわりに薪のオーブンを使うことができたんだよ。年のせいで体の自由がきかないおばあさんの手足となんで、かわりにパイを焼いてあげることができたんだよ。  もしキキが、キキ自身の憧れるような「新しくて奇麗な現代っ娘」だったら、薪のオーブンなんて使えるはずがない。おばあさんのかわりにパイを焼いてあげることはできなかったはずだ。  古いことが、かならずしも悪いことではないと、キキはあそこで身をもって体験したのだ。  だってパイは、薪のオーブンで焼いたほうがおいしいし。  ――おまえ、いったい、なに見てたの?  ヨダレながしながらアホ面さらして眺めてんじゃないよ。そのおしゃぶりを手放して、きちんと正座して、背筋を伸ばして、メモを片手に、真剣に、観ろ。 >ロリコン天使の反論 >>>>「ロリコン」を特筆する必要があるかどうかも疑問ですけども。 >> かなーり、ロリコンネタがありました。 >> アブデルの個性として重要だから、必要だと思いますよ。彼が天使である、と同じくらい重要だと思います。  たわけが。  「思います」――てのは、なんだ? 思いますってのは?  その天使がロリコンであるということが、重要で必要であるというなら、その根拠を示せ。「思います」だの「感じます」だのじゃ、議論にならん。  話にならねーんだよ。  それが重要で必要だというなら、天使が「ロリコン」でなかったら、話のなにかが変わっていたということだよな?  たとえば天使が肩入れしてくれた理由が、「タマがロリーだったから」ということに繋がるとか。もしタマが「アダルトでナイスバディ」だったら、天使はさっさと天界に帰って行っていたとか、たまをさっさと始末してしまっていたとか――。  なにかそんなような、話の筋が変わってしまうほどの変化があったわけか?  天使のロリコン属性は、それぐらい重要で必要なこと? >目指すべき「ベタさ」かげん >>>「好きって、言って」 >> パターン1では、まだ甘い。パターン2ぐらいは書きなさい、ということですね。  まあ……、ぶっちゃけて言えば、そんなとこなんだけど。  パターン1を目指すのか、パターン2を目指すのか、そのあいだのどこかを目指すのか――自分なりの道を見つけだせ。  ――と、そう言ったつもりだったのだが。  まあ、無難なのはパターン2なんだけどね。パターン1は危険だから。  でも俺の個人的な「好み」ってのが、じつはパターン1なんで……。昔、ある編集さんに、そのように仕込まれたもんで。  分室では、つい、パターン1のほうに偏重して教えてしまう。  1と2を並べて見せられたら、「1のほうが良いね」と、つい評価してしまう。  パターン2を目指すなら、俺の言うこと、1に偏りぎみになると受け取っておくこと。 >馴染みのコーヒーショップ >>頭の中で状況を、どんどん更新しながら読むんですけど、マスターの登場が遅いのが辛かった。  意味不明。「頭の中で更新」というのを説明せよ。  更新している「状況」ってのはなんのこと? -------------------------------------------------------------------------------- 質問 No.7682 投稿日 2004年3月1日(月)16時29分 投稿者 新木 伸 >時間割  津荒とか。とんびさんでもいいけど。  前に時間割を教えてもらったけど、こんどは曜日別でなくて、ある1日の時限と開始時間、終了時間とを、全部書き出しておくれ。  1時間目は、何時から何時までか。  昼休みは何時何分から、何時何分までか。  特に休み時間の長さが知りたい。毎日7時限授業になってから、たぶん、短くなってるんだろうなぁ。  前に、OFFで誰かに時間割の紙をもらってきていたのだが、なくしてしまって、見あたらない >腱鞘炎  こんどは右手でなくて、左手にでた。  左手の小指を動かす筋のほうで、手首の鉤骨とかいうあたり。腱を包んで通しているチューブ状の「さや」のようなものが、腱を動かしすぎるために痛んでしまうのが腱鞘炎という症状。  CTRLキーを小指で押してるせいかなぁ。カーソル移動はCTRL+IJKLでやったりするから、小指はカーソル移動時に常に押すことになる。普通に打鍵する際にも小指は使うから、結果、小指だけが他よりも多く使うことになって、まず小指に来てしまう――のかしらん。  親指シフトを使っているために、全指均等に使うことになる。そもそもの打鍵回数もローマ字入力の2分の1となる。ローマ字入力って、使う指に偏りがありそうだから、ある指だけ腱鞘炎になったりして大変なんだろうなぁ。  まえ、ROMさんに教えてもらった温熱療法が効いていて、肘の上あたりの痛みは「貼るホカロン」でおさまったのだけど。こんどは手首なので、どうにも温めにくい。リストバンドでも使えばいいのかな。  とりあえずバンテリン。 -------------------------------------------------------------------------------- 手首の腱鞘炎 No.7683 投稿日 2004年3月1日(月)18時21分 投稿者 鐸碑 http://www.charcoallife.com/supporter.html備長炭繊維のサポーター  ここの一番上にあるような手首用サポーターをして、その下に適当な大きさ形に整えた温シップをするのが良いんじゃないでしょうか?  サポーターで抑えてあれば、小さくしたシップも剥がれにくいでしょうし。指の動きも妨げないでしょうから。  多分大きめの薬局とかには置いてる事でしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 春雪 No.7684 投稿日 2004年3月2日(火)00時21分 投稿者 弟切 千隼  今日、仕事をしている最中に、弟切がふと窓の外を見ると、白い物が舞っていました。二月の湘南は四月並みに暖かかったのに、三月に入った途端に雪です。  この変動ぶりに、体がおかしくなりました。朝から頭痛とだるさが取れません。 >描写課題「美人」  課題部屋のNo.847に、描写課題の書き直しを上げておきました。  「描写文版その2」より、三割近く削りました。これで商業水準の最低レベルに届いているかどうか、御指摘を待ちます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=847&e=res&lp=767&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7685 投稿日 2004年3月2日(火)16時41分 投稿者 新木 伸 >数詞とか  穢れは清める。汚れは落とす。悪霊は払う。呪いと魔法は解く。恨みは晴らす。  名詞ごとに使われる可能性のある動詞のパターンってのがあるわけね。  どうやって学ぶかというと、規則性なんてないもんだから、もうインプット量と注意力とによって慣れるしかない。  この手のものは、ほかにもある。  うさぎはどう数えるか、とか。  鳥はどうか、とか。  犬は。猫は。ライオンは。象は。カニは。馬は。ラクダは。ロバは。金魚は。マグロは。トビウオは。虫は。蠅は。ミミズは。タコは。イカは。  椅子は。テーブルは。名刺は。本は。ノートは。レポートは。付箋は。望遠鏡は。双眼鏡は。写真は。フィルムは。バケツは。包丁は。カミソリは。船は。ボートは。タンカーは。宇宙船は。宇宙機は。茶碗は。  日本語には数を数えるときの「助詞」というのが、無数に存在する。  なんでこんなたくさんあるのか知らないけど、とにかくあるんだから、プロぐらいは、使いこなさないとならない。  上記、全部、言える?  辞書見ても載ってないぞ。  ――だが、こんなのは、小説書く以前の「常識」なのね。  日本人としての常識。 >弟切  まあ、おおむね、いいんじゃないか。  商業レベルの下のほうには、ぎりぎり引っかかってるだろう。  あとは「自分汁」というか、弟切の感性がないと書けないなにかがプラスされると売り物になる。 >>あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた。  「少し」は気弱語。まったく不要。「早足」ではまずいのか?  まずいようなら、「少し」なんて形容を使わずに済む別の適切な言葉を探すこと。  あと「速足」は誤字。自分語禁止。辞書引いて、出てくんのか、その言葉? >>なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。  慌ててる人間にしては、自覚的すぎ。説明的すぎ。 >>違いすぎる、あたしとは。  論理が飛びすぎ。読者がついてこれない。  なにが「違う」のか、作者が自覚していない。自覚しているなら、違うものを具体的に書けるはず。こういう漠然とした不正確な表現を決めのシーンで使うから、印象が弱くなる。  ――で、リライトしてみる。商業レベルの中あたりを狙う  大きく変えなきゃ「中」までは行かないので、もはやリライトの域を越えてしまうけど。  ちなみに大きく変えているところは、僕の自分汁が入っているので、そこは参考にしないように。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  早朝の商店街。歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴って乾いた音を立てていた。  その脇を、あたしは早足で抜けていった。一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。  袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。  よかった。美智代との約束には、間に合いそう。  早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。 「あ、ごめんなさい」  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、あたしを覗きこむ顔があった。薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見えている。女の人だった  彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。朝日を頬に暖かく感じる。風に乗って、甘すぎないコロンの香りが鼻に届く。 「だいじょうぶ?」  と、見ているまえで、つややかな唇が動いた。  あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。 「ええと、は……、はい。大丈夫、です」 「そう。よかった」  その口もとが緩む。 「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの速いって言われて、そのくせしょっちゅうこけて、友達に笑われたりしてて」  自分がなぜ友達の話などしてるのか。あたしにはそれが不思議だった。 「私も……、歩くのが人と違うみたいで……。よく誰かからぶつかってこられるの。だから気にしなくていいから」  彼女は表情を変えずにそう言った。光沢のあるコートが、体にぴたりとフィットしている。  そのとき不意に、あたしは気がついた。  彼女の手が、ずっとあたしに向けて差し伸べられていたことに。 「急いでたんです。ごめんなさい。今日も友達と待ち合わせしていて……、だからもう行きます。ごめんなさい」  あたしは自分で立ち上がった。  後ろも見ないで、次の角までまっすぐ歩く。立ち止まって、振り返ってみると、きりりと伸びた立ち姿はまだそこにあった。  彼女は微笑んで、手を軽く振ってくれた。そして角から消えた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「美人」のキャラを変えた。台詞が使い物にならんかったので。女の子のほうはそのまま生かした。  増えている分が、だいたい僕の自分汁。これは世界でも新木伸しか書けない。  弟切には弟切にしか書けないものがあるはずだから、このくらいな感じになるまで弟切汁で増量してゆけば、売り物になる。  商業レベルといっても色々あって、「売っていいもの」と「売れるもの」と「指名買いされるもの」とがあるわけね。  商業レベルの下のほうは、「売っていいもの」を指す。  ――で、弟切は自分のやつと、このリライトとに、試しに値段付けてみな。  自分のは何円なのか。そして俺のは何円なのか。  1単位の面白さに1円を付ける。どの段落や、どの台詞や、どの表現が、それぞれ何円ずつになるのか、きっちり値段付けをしてみそ。  全体としての価値は○○円で、それぞれ具体的にどの場所で何円ずつの価値が発生しているのか。部分で生じる価値をすべてあわせると、全体としての価値になるはずだ。  自動車整備工が、お客さんに工賃を請求するさいに、明細書を書いてくるでしょ。あんな感じで明細書を作ってみること。  弟切のほうも、3円から5円くらいはあるのではないかと思われる。 >腱鞘炎  セブンイレブンに行って、「カーグローブ」なる木綿の薄手袋(そもそも何用なのかよくわからんけど)を買ってくる。  そして貼るホットカイロミニも買ってくる。手袋は指先を切り落として指抜きとして加工する。そしてホットカイロを手首に貼る。  装着すると、暖かくて気持ちがよい。痛みも出ない。やっぱ温熱療法がいちばん効くもよう。 -------------------------------------------------------------------------------- >気弱語とか No.7686 投稿日 2004年3月2日(火)21時34分 投稿者 新木 伸 >気弱語とか  分室用語で「気弱語」というものがある。  こと「描写」をしようと自分で決めたシーンで、以下のような語句を使うのはアホかシロウトのやること。  ような/だ/に  まるで、あたかも、ごとく  すこし、ゆっくり、わずかに、ちょっと  特に弟切がやったように、「すこし早足」ってのはアホの極みだ。早足ほどではないが、普通よりもちょっとだけ早いということを言いたいわけだな。  そんなんなら、「早足っぽい」とでも書いておけ。  この手の気弱語で粗相をしたら、見つけ次第びしびしと仕付けてゆくので、そのつもりで。  ただし小説の中だけね。  この手の掲示板に書くような雑文では、意味さえ伝わればいいので気にしない。 -------------------------------------------------------------------------------- 列車で寝過ごしました(;_;) No.7687 投稿日 2004年3月2日(火)23時44分 投稿者 弟切 千隼  今日、用があって上京した弟切は、帰りの列車で爆睡してしまいました。はっと目覚めれば、そこは降りるはずだった駅よりも二駅先でした。  そのため、弟切はいつもより長い距離を歩いて帰宅するはめになりました。こういう時に限って荷物が多く、重さにめげそうになりながら歩きました。 >描写課題「美人」  なんとか、商業水準の最低のところに引っかかったようですね。ここから、自分なりの味付けをして、レベルを上げていかなければなりません。  リライトして下さってありがとうございました > 新木さん。  No.7685で新木さんに指示されたとおり、自分で書いたものと、新木さんが書き直して下さったものとに値段をつけてみます。これについては次回にやります。  以下に、個々の御指摘に対するレスをしておきます。 >>あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた。  この『少し』は気弱語でした。要りませんね。  『速足』については、弟切の思い違いでした。  「はやあしで歩く」というのは「普通より速く歩く」という意味です。ならば、漢字で書けば『速足』になるはずだ、と思い込んでいました。  辞書を引いてみたところ、「はやあし」の意味は弟切が思っていたものと同じでした。にもかかわらず、漢字表記は「早足」でした。  本来の意味からすれば、漢字表記は『速足』になるでしょう。しかし、現在、一般的に「早足」が用いられている以上は、よほど特殊な事情がない限り、より一般的なほうを用いるべきですね。  ちなみに、馬術の分野で「はやあし」を漢字表記する場合には、「速歩」と書きます。こう書いて「はやあし」と読ませます。素直に「そくほ」と読む場合もあります。  どちらの読み方でも、意味は同じです。「速歩」は、馬が普通に歩いている状態と、「かけあし」をしている状態との、中間の速さで走っている状態を指します。(「速歩」の厳密な定義は、これだけでは済みません。ここでは省略します)  「速歩」は専門用語の部類に入りますから、普通に使ってはおかしい言葉ですね。 >>なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。  混乱している人間は、自分の様子を自覚できないからこそ混乱しているのですよね。こんなに冷静ではいけません。  常に冷静沈着な、特殊なキャラクターなら別です。 >>違いすぎる、あたしとは。  恭子と玲子とでは何が「違う」のか、明確に意識していないために、こんな曖昧な表現が出てしまいました(;_;)  とにかく、「意識的に書く」ことを心がけます。 -------------------------------------------------------------------------------- 渡る世間に No.7688 投稿日 2004年3月3日(水)01時57分 投稿者 名無し君2号  嫁だって、べつに小姑を喜ばせるためにドジなわけじゃあないと思うのですよ。 「あたしだって頑張っているのに……いつもいつもお義姉さんは……」 「まあまあ。悪気があっていってるわけじゃあ」 「なによ。あなた、お義姉さんの肩を持つっていうの!?」 「肩を持つとか、そんなおれはべつに」 「いいわっ。だったら、あなたはもうお義姉さんと結婚すればいいじゃないっ! なによ、もうしらないんだからっ」 「おい、どこいくんだよ。おいっ!」  ――といいますか、なんで姑でなく小姑なんでしょうか。 >誤字 >>前に、課題の中の誤字を指摘したけど。四姉妹のやりなおしの1だったかな。 >>一個は「人間が硬い」→「人間が堅い」だとして。 >>顔残り二つ、見つけてきたのか?  「若干二名」です。  日本語として狂ってます。  辞書を引くと、 >>数ははっきりしないが、あまり多くはないことを表す。  とあるので――若干名とは書けても、若干二名とは書けない。  たぶん、「弱冠一七歳」の弱冠と思い違いしていたものと思われます。  あとは……「自分の背中を覗きこんだ」。  「覗く」というのは、(1)こっそり見る。(2)高いところから下を見る。(3)双眼鏡、望遠鏡で見る。――という場合に使うのであって、「自分の背中を覗きこんだ」は、このどれにも当てはまらない。 >ろりこん >>ふつうに解釈したら、「ロリータコンプレックスな天使アブデル」としか解釈できないと思うんだけど。 >>これって、どう解釈したら、ロリなルックスの天使アブデルってなるの? >>みやびさんが先に指摘していたことは、僕も同じ意見でした。 >>しかし「ロリコン天使」と明記されていて、それを「外見ロリ」と勘違いするのは、銀河系でもお前ひとりぐらいなものだろう。アンドロメダまで含めたらどうかわからないが。  推定100人ほどのここを覗いている方々(この場合の「覗く」は立ち寄るという意味)に、まざまざと無知をさらけだしているわけですが、えーと、無知っていうか……馬鹿?  Mならさぞかし気持ちよいだろう羞恥プレイですが、残念ながらそっちの気はあまりないようなので、ただひたすらに穴に潜る。ああ……。 >四姉妹書きわけの分析 >>まず、年齢が上になるほど、おざなりの描写しかされてないことがわかるだろうか? >>具体的な描写(そのキャラクターならではの行動)が、年齢が上になるに従って、どんどん減っていくのだ。  なにもかもがスケスケなわけですが。  小説を書くっていうのは……怖いことなのかも。  えーと、好きこそ物の上手なれ、ということは、 >>かわいいかわいい。2号さんは、ほんと幼女の描写はうまいよねえ。  ……そういうことなのか? 無自覚な嗜好?  ただ。  幼女に関しては、デフォルメしすぎといいますか、大げさに書きすぎたというか、やりすぎた気もするのです。  ――ということは、ほかの年代のキャラクターも、すこし大げさすぎるくらいでオッケーなのか? そうじゃないと届かないのか? ああ、なにか間違っているような気がする。  じつは……。 ・幼女 ・少女 ・大人  ぐらいしか分解能がないのでは、と自己分析してみる。中学生、高校生、大学生の書きわけができないのだ。幼女一人と少女三人だから、一人のほうが目立ったということなのではないかと。  ぬーん。  その年代が書きわけられないのは……大問題な気も。 >>でも──たぶん、整理して表にしてみたりはしてないでしょう? >>だから、あっちこっちで適当に設定しているつけがまわってきて書き分けできなくなってしまっている。 >>キャラ設定がヘタなひとは、毎回、場面ごとに「それぞれのキャラの振る舞いが一緒にならないようにチェックする」っていう配慮が必要になるのだ。 >>プロットをつくるときに、場面ごとに登場するキャラのふるまいをチェックするだけでも、だいぶちがうと思うんだけどねぇ。  まったく表にはしておりません。予想通りでございます。  なんとかやってみます。手間を惜しんじゃいけないってことなんでしょう。あああ、めんどくさそうだ。 >ロマンティック >>なぜ「起」の「彼氏から目を外す主人公」を隠そうとするのだ? >>その意図を説明せよ。 >>おまえは省略していると言っているが、俺らは「隠しているんだろ」と訊いているのね。  べつに驚かそうとはしていない……のですが、そういうことではないのだろうか。驚かすとかそういう問題ではない? >>以前、桜庭さんので、こんなのがあったろ。これも「起」を隠していたわけだろ。なぜ隠すのかというと、「じつはトレカだったのだっ!」とやっちまいたいから。 >>「起」の「トレカをはじめる四人」があると、ラストがびっくり箱とならないから。 >>だから隠す。 >>桜庭さんのやっていたことと、いまお前のやっていることとは、どう違うのだ? >>違うというなら、説明してくれ。  「結」で「じつは彼氏は酒に酔っていたのだ!」でもなく、「じつは彼氏を忘れて浸っていたのだ!」でもないです。  なにが違うといえば、「じつは……」がオチじゃないというところでしょうか。 >818 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字) >>父親が死んでいたら、ブラックでなくなるの? >>たとえば父親の幽霊がこの場に居合わせたのだとする。その幽霊が、自分の娘が他の男を「パーパ」と呼んでいたら、微笑ましく思うわけ?  思いませんねえ。  でもしかたねえよな、ぐらいは思いそうですが。  おそらく突っ込まれるべきなのは、「母親の勝手な都合で、子供をラブレター代わりにしていいものかどうか」というところなのだと思うのですが。  まあ、よくないですよねえ。  あんまり深く考えていたわけではなく……だから駄目だったのでしょう。 >貰われっ子ミーツ四兄弟  先に謝っておきますと、途中です。  貰われっ子の少女が、四兄弟と出会う場面……なのですが、どうせ書きわけできないから一人ずつ出してしまおうという考えの基に、道なりに出していこうとした結果、少女が長男と出会う場面で息切れしました。  3600文字も使いながら、長男のみ登場。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=850&e=res&lp=610&st=0  ――が、こんなペースの描きかたで良いのでしょうか。時間の使いかたではなく、文字数の使いかたという意味です。続きは明日に全部書くつもりではいますが、四姉妹編と比べるとどうも冗長です。全ては手前の責任なんですが。 >1000字課題 >>ところで、不良少女って、なんなの? >>定義してみよ。 >>どうもお前の定義は一般認識とズレてる気がする。 >>何年前の不良の話をしている? 「飛びだせ青春!」とか、そんな時代の話?  10年前ぐらいですかねえ。  ちょうど青春時代にあたりますか。  いまの不良はわからない。エンコーしてクスリやって……というのはテレビの一般的なイメージ程度ではもってますが、実際のところがどうなのかは全然わかりません。  ――というところで月謝の支払いです。  いろんなことが中途半端なままですが、どうやら同時に違う課題を進行させるということが出来ない腐れ脳みそらしいので、とりあえずひとつずつ潰していくことにします。マルチタスクじゃない段間でウィンドウズ以下ですな。  えーと、残っているのが……。 ・美人の分析 ・キャラの書きわけ、喫茶店編 ・キャラを構成する要素を抽出  のはず。短編も早くやらないといけない。鉄は熱いうちに打てというし。短編を書くというのがどういうことなのか、体に覚えこまさなければならない。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7689 投稿日 2004年3月3日(水)02時20分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:あらすじ >魔女の宅急便 >町を大好きになるとか。  キキの常識は田舎でした。田舎の常識が通用すれば、今まで通りに生きるでしょう。  田舎の常識が通用すれば>普通  逆に田舎が褒められれば、嬉しくなり、自分を素晴らしいと認めてくれる町を、大好きになるでしょう。  田舎が賛美されれば>大好き  大きな町では、上の二つは起こりません。  人が増え、物が増えた大き町は、そういうもんです。  よって、上二つを求めるキキの方に否がある。  大きな町は悪くない。    で、何が見えてくるか。  キキが町を嫌いになるのは、当たり前ってこと。 >一つ目の嫌い。  「古い」と「新しい」。  「古い」は老婆のエピソード。キキの町に対する対応。そして魔女。  「新しい」は大きな町の様子。テレビとか、飛行船。それからファッション。    「古い」存在であったキキが、「新しい」を嫌うが、「新しい」を受け入れるようになる。  「新しい」を受け入れる。それには2種類ある。  1 大きな町の人を理解する点。  大きな町の人も、根本的には田舎の人と同じ。  それを知る。  2 「新しい」への憧れから来た、「古い」への劣等感をなくす点。  キキは新しい物、綺麗な服とか、かわいい靴とかに憧れる。そしてその反動として古い魔女としての自分を嫌う。  が、老婆のエピソードで古いことも悪くないと知る。  さらに、クライマックスを経験して、大切なのは「新しい」とかじゃなくて、人間の中身なんだと知る。  この変化は前回の「町を嫌いになる」と同じ種類です。「新しい」と「古い」に関係している。  だから、もう一つの嫌いは、これじゃない。  もう一つの嫌い。それは「自分」 >自分を嫌いになって、それを克服する流れ  「新しい」にコンプレックスを持ちすぎて、明るくなれない自分が嫌いになった。  自分を嫌いになって、魔女が嫌いになって、魔法が使えなくなる。  そこに絵書きが来る。  絵書きはスランプの時、逆に絵から遠ざかると言う。遠ざかってしばらくすると、また絵が描きたくなる。彼女が絵書きだから。絵書きの血を持っているから。  キキもそれと同じで、魔女の血を持っている。だから魔法は必ず使えるようになる。そう励まされて、キキは安心する。  町に戻ると老婆に感謝される。「古い」が悪いわけではないと知る。  トンボが死にそう。助けたいと思う。そのために魔女の自分を呼ぶ。  魔女の力を取り戻して、キキはトンボを助ける。  ここで、先ほどの「新しい」に対する嫌いが解決される。  キキは自分を応援する町の人を見て、「新しい」「古い」は関係なく、大きな町の人も、キキの知っているような、同じ人間だと知る。自分が必要以上に「新しい」に対抗していたことを知る。  「新しい」を受け入れ、「古い」に誇りを持ったキキは、明るく元気な少女に戻ることができた。  「新しいを嫌う自分」を嫌ったキキが、「新しい」を受け入れ「古い」を誇りに思い、「自分」を取り戻す話。 >パターンとか。 >>パターン1を目指すのか、パターン2を目指すのか、そのあいだのどこかを目指すのか――自分なりの道を見つけだせ。 >>――と、そう言ったつもりだったのだが。  パターン2が好きです。幼稚園児なので、理解しやすいのが好きなのです。 >馴染みのコーヒーショップ >>頭の中で状況を、どんどん更新しながら読むんですけど、マスターの登場が遅いのが辛かった。    読んだ時の頭の中を書いてみます。 >読んだときの頭の中  1喫茶店に少年が入ってくる。>主人公は少年だなぁ。  2僕は店員を待っている>なんで呼ばないんだろう? 知り合いがいるのかな?  3お姉さんが出てくる。服を直したり、あせったりしている >待っていたのは、お姉さんが好きだからか……。 >お姉さんは、なにしてたんだ? あせってるし……。寝てたんだな、きっと。(ここでマスターが出ないのは、お姉さんが一人で経営していると思ったから)    4指輪を知る>へぇ。少年失恋だなぁ。  5マスター登場。>マスター? 店に男もいるのか。じゃあさっきは、マスターとエロイことをしていたんだな。  6僕がコーヒーを注文する>お、対抗意識か! がんばれ!    文章を読んでわからないことが出ると、すぐに自分の中で答えを作る。  そのため予想が外れると、塗り替える必要がある。  今回の文章は、予想がはずれたので、塗り替えが辛かった……と、いうことです。  重要な存在であるマスターの登場が遅く、終盤で大幅な変更をしなければならなかった。  だからマスターの登場が遅かったのは、辛かった。 >ロリコン天使アブデルの「ロリコン」  根拠を示せ。その通りです。  「思います」では、説得力ゼロ。  アブデルは天使です。それもかなり上位の天使です。神を愛すことにかけては、ナンバー1です。そのため神もアブデルを信用して、強力な力を与えている。  その神が、ロリロリな美少女なのです。  アブデルがロリコンでなければ、神を愛することでナンバー1にはなれなかったでしょう。  つまり、彼が上位の天使であるには、絶対にロリコンである必要があるのです。  たまをすぐに発見できたのも、  主人公がたまを救う計画でアブデルの協力を得れたのも、  アブデルに恋をした普通の女子高生に、アブデルが見向きもしなかったのも、  能力の制御ができないたまから主人公がアブデルに守ってもらえたのも、  主人公が転生したのも、  全てアブデルがロリコンだったから。  ロリコンは大切です。 >あらすじ  三十三冊目「放課後退魔録V 殺し屋と月見うどん」 著:岡本賢一  「さよなら九堂先輩」  一行あらすじ。  留学で地球を去る事になったよしえが、残す人々に不安を感じるが、心配する必要はないと知る話。 「遊天童子の恋」  一行あらすじ  半妖怪の丈斗が、強大な敵と戦う中で、自分が半妖怪として生きていく事を再確認する話。 「五郎八温泉」  一行あらすじ  妖力の低い女子高生五郎八(いろは)が、見当違いの喧嘩をしていた妖怪二人に、喧嘩する必要がない事を教え、喧嘩を止めさせる話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=849&e=res&lp=757&st=0  読みやすさと理解しやすさに気をつけました。 ○課題:短編作成  やっぱり四日じゃ無理でした。もう二、三日で完成させます。 -------------------------------------------------------------------------------- 中学一日のスケジュール(時間割) No.7690 投稿日 2004年3月3日(水)03時23分 投稿者 とんびの羽根  昨日は胃腸風邪でぶったおれてました。ROMはしてましたが、本を読む気力もなし。 >>ある1日の時限と開始時間、終了時間とを、全部 7:45〜8:00 日直での登校時間 8:10〜8:20 登校(8:10)以降は遅刻だが、結構だらだらと登校して来る 8:10〜8:30 3年のみ早朝学習 朝礼があるときはなし 8:20〜8:30 朝礼 延びるときは8:40まで 8:30〜8:40 ST ホームルーム、プリント集め、プリント配りなど 8:40〜9:30 1時間目 9:40〜10:30 2時間目 10:40〜11:30 3時間目 11:40〜12:30 4時間目 12:30〜13:10 昼休み 13:10 チャイム(予鈴) 13:15〜14:05 5時間目 14:15〜15:05 6時間目 15:05〜15:15 ST ホームルーム 15:15〜15:30 そうじ 16:00 一般生徒下校 18:15 部活動生徒下校のための音楽とアナウンス 18:30 完全下校(夏場) 夕焼け小焼け 完全下校時間は季節により変わります。夏が一番長い。 >2号さん >質問状、そのイチ。 >>このあたりで、主人公が彼氏を苦々しく思っていたことは伝わらないのでしょうか。  まあ、すべて起が隠されていることが原因なのですけど。  ここでわかるのは主人公は予定が狂って彼氏と一緒にいない、そしてそれがどういう原因なのかわからないまま主人公はあたまにきているということ。主人公が怒っているのだけど読者には原因が彼にあるのか、彼女の方にも非があるのか、それとも手強い恋敵に邪魔されたのか全くわからない。原因それ自体がなにかわからない上に、誰のせいでこうなってるのかもわからない。  ここでは主人公が怒っていることはわかるんですよ。落胆ではなく怒り。やり場のない怒り。もしくは怒りのやり場さがし。でも彼のことを本当にどう思っているのか実はよくわからない。苦々しく思っているとしてそれが正当な考えなのかもわからない。  「片一方の言い分だけ聞いて喧嘩の仲裁をして失敗した経験」があったら、もう一方の彼氏の方はどうなのかと落ち着かないものです。  経験の少ない読者であっても勝手に感動し勝手に怒ってるだけの姉ちゃんには感情移入できない。感情移入できない以上、主人公の思いも認識できない。 >>それとも、「ここ」に来る前に確定させておくべき、ということでしょうか。 >>つまりロマンティックな光景に感動させる前に、主人公は彼氏に頭に来ていたということを提示しておくべきなのでしょうか、という問いかけです。  ここに来る前に確定させて置かないといけないのは、主l公を好ましいキャラクターとして認識させ、一緒に感動し、一緒に怒れる、読者が感情移入できる状態にしておくことです。(質問2とかぶります)  ここでは起は、承の部分で読者が主人公とシーンに感情移入させる準備をする役割がある。 >質問状、そのニイ。 >>彼女のことをほったらかしにして、酒に酔いつぶれている彼氏なんか、忘れてしまってもいいと思うのですが。酒に酔いつぶれた男のほうが、同情されてしかるべきなのでしょうか。 >>これは問いかけというか、このあたりを詳しく知りたい、という欲求です。一般的にはどう思われているのか、を知りたいです。  ロマンチックを書く以上、彼氏を忘れていたら駄目です。そこからなんらかの経緯があって彼を忘れていく、忘れるまでの過程が必須です。(ここが質問1とかぶってる)  ロマンチックというのは独り者にとっては夢想の恋人(物語の主人公でも可)を仮定した幻想です。恋人がいる場合には恋人とのムードを盛り上げるための演出です。彼氏を忘れているロマンチックというのは存在しない。現実の恋人がいるにもかかわらず、夢想上の恋人を仮定すると「ギャグとしてのロマンチック」というパターンになりますね。この話では彼氏を忘れ、目をそらし、「現実逃避としてのロマンチック」という斬新な手法が使われていて普通の読者には理解不能です。ギャグならわかるけどここで感動というのが人と思えない。  で、質問にある酒に酔いつぶれた男のほうを忘れさせるためには、酔いつぶれるまでの過程で駄目さをみせておかなければ、読者は彼女の方に感情移入してくれないよってことです。   >質問状、そのサン。 >>いや、面白ければ、それがなんであろうと読者は見たいはずだろう? 共有したいだろう? >>――というのが私の認識だったんですが、それほどまでに「ロマンティック」って猛毒塩化ビニールだったんでしょうか。致死量ですか?  大体ロマンチックという言葉は現実離れしていて空想的で甘美 なんで、要するに幻想に酔ってるんです。 およそ幻想に酔ってる姿って他人に見せられたもんじゃない。  登場人物からしてももっとも見たくない、見られたくない、目を背けたい恥ずかしい状態なもんで、それを見る側も思わず引くしかないので、それがわからないという2号さんの感性は怖すぎで、もうホラーの領域に行ってます。  「ロマンティックな光景」に出てくるのは、光景に酔っている、船に酔っている、酒に酔っている、のみっつですけど、これは薬物でらりってる、セックスでいってる、などと同様で、すべて現実から目をそむけた状態。本人だけはしあわせだけど、周囲から見たら酔って現実逃避しているだけという醜悪きわまりない状態。  こんな異常な状態が初期状態ということはありえないわけで、なぜどうしてこういう状態に陥っているのかをまず第一にわかっていないと、読者は到底受け入れられません。ホラー、ミステリ、ギャグ、4コマ漫画、書評などと断っておくだけでも、つまり本物の毒じゃないよというサインをいれておくだけでもかなり違ってくるのですけど、なにも手がかりがないまま、いきなりロマンティックじゃ引きます。 >>ロマンティックにひたっている人間を見ていたくない……は時と場合によるかな、という認識で、ロマンティックという単語が書いてあるだけ……についてはすみませんと頭を下げます。ぺこり。 >>これは本当にわからないです。どうか基準をください。致死量の基準を。  「ロマンチック」の時点できっぱり致死量ですよ。我が家でこんな言葉発したらみぞおちに吐くほどの蹴りを入れられます。(いや逃げますけど、それでもすごい反応速度で蹴りやら突きやらが来る)  それが「ロマンティック」となるともう論外です。「ロマンティック」が載ってるとすると2号さんの持ってるのはアンドロメダ語辞典なんだろうか。  ロマンチックはハリウッドがセットに10億単位の金をかけ一流の役者に一流のシナリオをつけてはじめて、読者まで恥ずかしい状態に巻き込めるわけです。  いくら言葉ならなんでも書けるからといって、読者が「ロマンチック」という言葉でとびつくはずがないじゃないですか。  基準? わたしの場合うちの女の子(仮想でもいいけど)がチョップをいれてくるかどうかですが、2号さんにはそういうひとまたはキャラいないですか。 >質問状、そのヨン。 >>これは質問状のイチでも問いかけたことなんですが、あえて「起」を省略するというのは駄目なんでしょうか。駄目だって言ってるのはわかるんですが、どうも納得ができないんです。 >>んー? それとも、「起」を省略していたということが、一発ネタになるのかな? わからない。  これは新木さんが答えて頂いているとおりですね。話の起承転結がそろってない、首尾そろってないために話としての体裁ができてないところへ、一発(オマケ)ネタがくるから、この作品は話がオマケで一発ネタの方が本体かと見えるわけです。  作品の構成が「実は船でなく酒に酔っているということ」をいかに効果的に見せるかということに最大限の効果を発揮するようになって(起を隠して)しまってるわけ。  新木さんの突っ込みがはいったので、わたしは解説の側にまわってみました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7691 投稿日 2004年3月3日(水)15時16分 投稿者 新木 伸  ――どんどんどんどんっ!  202号室の2号さん!  今月はこれでいいですけど、あんまりお家賃遅らせるようですと、出ていってもらいますからねっ! >思いこみ誤字 >>辞書を引いてみたところ、「はやあし」の意味は弟切が思っていたものと同じでした。  ばかやろう。  ということは、辞書を引かずに使っていたということだな。  てか、そんなこと、こんなアホな誤字が出てきてる時点でバレバレなんだが。  弟切あたりは、さすがに単純ミスの誤字は出さなくなってきたけど……。  しかしこの手の「思いこみ誤字」は、まだたまに出すよな。  ――で、俺はこの思いこみ誤字を「完璧にゼロ」にすることができるメソッドを、すでに開発済みだし、この分室で書いてきているし、教えてきてもいる。  なぜ、それを使わない?  なぜ思いこみのアホな誤字を、小説の中で使って、他人に見せてしまえる?  別に俺の教えた方法を使えといっているわけではない。  他にもっと効率的な方法があるなら、それを使え。そしたら俺にもその方法を教えろ。  ちなみに、もう教えてある方法っていうのは――。  辞書を引いた覚えのない言葉は使うな。  これを徹底させるだけで、思いこみ誤字は完璧にゼロになる。  書く文章のすべてで実行するというのは大変かもしれないが……。(俺は実行しているけど。そのための電子辞書だ)  だがほんの1000字やそこらの「小説」に対してだけなら、おまえらヘタレどもでも、実行可能なことなんじゃないのか?  書いている最中にやっていると中断されて効率が悪いから、いちど書き上げてから、手当たりしだいに引いてゆくとして――。1000字のなかに使われている語句をすべて引きおえるのに、電子辞書を使っている人間なら5分。紙の辞書を使っている人間でも1〜2時間もあれば引き終えるんじゃないのか? (ちなみにそれを職業として行うのが校正という職業だ。彼女ら――なぜか女性が多い――は、辞書を丸暗記しているのでいちいち引かないで済む)  一度引いた言葉は、二度は引かなくて済む。続けているうちに、引かなくて済む言葉はどんどん増えてゆく。俺も弟切のものをリライトをするにあたって、たったの3〜4回しか辞書を引いていない。  だが、なぜおまえらは、辞書を引かずに小説を書く?  陰毛とゴキブリの入った飯を、平然と人に食わせてしまえるのはなぜだ?  衛生観念に、どこか、致命的な欠陥があるんじゃないのか?  いいか?  誤字出しても、「あっ、やっちゃった」で済ませられているおまえの感性というのは、どこか根本的に間違っているんだよ。  うっかりやっちゃいました、てへ――でもって、済むことと、済まないこととが、あるわけだよ。  飯に入っていたのが陰毛なら、まだいいかもしれない。だがゴキブリを食わせたら、食中毒になるし、へたしたら相手を殺してしまうんだよ。  プログラムなんかでも、バグひとつで、プレイヤーの数十時間分のプレイを吹っ飛ばすこともある。エディタにバグがあって、何十時間もかけて書いた力作を消滅させられたら、おまえらどう感じる?  銀行のオンラインシステムにバグがあったら、ある人の財産(預金残高)を一瞬で消してしまうこともある。  医療器械であれば、人を殺してしまうこともある。  小説であれば、誤字ひとつあるせいで、その作品の最大の見せ場が台無しになってしまうこともあるんだ。  ひとつの誤字が、作品を殺してしまうことがある。  たとえば、ある少女が自分の気持ちに気づく話があったのだとする。  その最大のクライマックスにあたる心理説明の部分で、「優子は自分の気持ちに気づいた。それは恋だった。」――などと書くべきところを、「それは変だった。」――なんて書いてしまったら、もはや台無しだろ。感動する話が、ギャグ小説になってしまうだろ。  おまえらヘタレどもは、こう反論するかもしれない。  「そんな大事なところで誤字を出すはずがないですよう」――と。  だが俺は予言する。  重要でないシーンで誤字を出してしまうやつは、いつかかならず、クライマックスシーンでも誤字を出す。  いつか必ず、おまえは、その手で、作品を殺す。 >作品の値段付け  値段を付けるというよりは、価値を発見して原価計算してゆくって感じだなぁ。  ぱっと見てぱっと値段を付けるのとは違う。混同してしまう人が出そうだから、そこのところは言っておくが。  弟切とかは、自分の作品に値段が付いたことはないだろうし、また値段の付くものを書いたことさえないだろう。  今回のや、全回のメイドさんの最終稿あたりで、ようやくはじめて3単位か5単位か値段がついたわけだ。  この「値段を付けろ」ということ。なにを指示されているのか、弟切には、よくわからないかもしれない。  まあ、やってみること。変なことしちゃってもいいし、それについては叱らない。から。  なんか出してきたら、どう勘違いしているのかも言ってやれるから。  話は変わるが。  今回、弟切の書いてきたものは、いわば、素スパゲッティみたいなものなのね。巻島には「白ご飯」と説明したが、どちらも同じこと。  スパゲッティを適切な時間、茹でました。→1単位  適切な量の油を使って炒めました。→1単位  塩を振りました。→1単位  コショウをちょぴっと利かせました。→1単位  乾燥パセリを振りました。→1単位  こんなくらいで手軽に作ったものでも、いちおう料理であるといえるし。充分に食える。時間のない日の昼食になら、いいかもしれない。  だが固有の「料理名」なんてのは、ついていない。しいていうなら「素スパゲッティ」というあたりか。  ――俺がやったのは、そこにミートソースを掛けてみた。そして「スパゲッティ・ミートソース」という固有の料理にしてみた。俺ミートソース大好き人間なんで。週に2回は食ってるもんで。  俺のリライトしたものにいくらの値段が付くのかはわからんが、弟切のものとの差額は「ミートソース代」なわけだ。  素スパゲッティに、ニンニクと唐辛子を入れれば「ペペロンチーノ」になる。  ケチャップをかけてハムを入れれば「ナポリタン」になる。アサリの身入りスープをかければ「ボンゴレ」となる。  弟切は弟切で、なにか工夫を加えて、「素スパゲッティ」から、なにか固有名を持つ「料理」に変えなければならない。  しかも他人が作れる料理では意味がない。誰か他人がすでに作っているから。  弟切しか作れなくて、弟切の店でしか食べられない料理にしないと、お客はわざわざ足を運んで来店してきてはくれない。  ――まあ、「素スパゲッティ」でも、「売っていていい」ものであることは間違いない。  お弁当の隅っこに入っていたりすることもあるよね。炒めただけの素スパゲッティとか。  付け合わせとして入っているスパゲッティを見て、「こんなもんに金が払えるか!」と怒りだす人はいない。  他にきちんとしたオカズがあるなら、塩とコショウとパセリで炒めただけのスパゲッティでも、一緒にもりもりと食べてくれるさ。  それが「食いもん」であることは、間違いないのだ。  そういう意味で、「商業レベルになっている」と言ったわけね。 ○2号 >誤字とか  「若干」「覗きこむ」  ……ふぅん。  それも誤字だったのか。わざと壊した表現なのかと思って、温情で「ノーカウント」としておいてあげたのだが。  じゃあ、誤字は全部で5個存在しているってことだね。  ――で、あと残り2個は? >ロマンティック  なにが言いたいのか、はっきりと思考して形にしてこい。もごもご口だけを言ってたって、なにを言ってるのかわかんない。  「起」を隠さねばならない理由は?  「酔いつぶれる彼氏から目を離す主人公」てなシーンを書いてしまうといけない、その理由は?  俺たちは、おまえがそれをなにか理由があって、わざと隠しているのだと考えている訳ね。  べつに隠しておく必要がないなら、そのシーンが入っていたところで、なにも問題はないわけだろ?  しかし、おまえは、そのシーンがあると「なにかがまずくなる」と感じているわけだろ? その理由を掘り出してきて、説明しろと言っている。  なぜ説明しない? >818 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字)  幽霊パパがその場にいたとして、自分の娘が他の男に「パーパ」と言っているのを見たとする。もうこの世にいない自分の代わりに、パパ役を他の男性がやることを、嫌だけど認める子供を見守る父親の心境ってものがあるわな。ここで描けるのは「やるせなさ」とか「献身の愛」だとか、そんなものだ。  また母親が娘に本当に「芸」を仕込んだのかどうか、おまえは答えていないぞ。  娘が自発的にもっとも身近な男性を捕まえて「パパ」と呼び始めたのか、母親がそれを止めなかっただけなのか。  それとも「ラブレター替わり」に娘を道具のように使っているのか。  このどちらかによって、構図はまるきり、変わってきてしまう。  前者であれば、やはり「やるせなさ」だったり「娘を思う愛」だったりするのだろう。  だが後者であれば、これはエゴだ。母親としてではなく、女としてのエゴ。――ていうか、人の道からも踏み外しているわな。子供を自分のエゴのために道具として使うなんて。  つまりこの話は、「外道な母親」の薄気味悪いまでのエゴを描いた作品となるわけだ。  おまえは、そういうことに自覚的でなければならないわけ。  自分がなにを書いたのか、  おまえが、書いたものを自分の机の引き出しにしまいこんで置くかぎりにおいては、どんなものを書こうがおまえの自由だ。  だが人様に読ませようと思うなら、おまえは、自分の書いた作品が「何」であるかのか、せめてそのくらいは知っておかねばならない。  人に物を読ませるということは、自分の思想を相手に植え付けるということだ。  摂取した食べ物が人の肉体を形作るの同様に、摂取した思想が人の精神を形作るものなのだ。  食べ物には、農薬や毒が入っていちゃいけないだろ?  食品を提供する側は、無毒であることを保証しなくてはならないだろ?  BSEに感染していることがわかっている牛肉やら、インフルエンザウイルスを保有していることが判明している鶏肉やら、サルモネラ菌が検出されてる乳製品やらを、売りつけたりしたら、それはすでに刑事責任まで与えられる立派な犯罪だよな。  そんなふうに「知っていてやった」のなら極悪人だが。たとえ知らなかったのだとしても、やはり食中毒を出してしまったら、責任を取らせられるものだよな。  また、「食べ物」に関する一般的な常識として――。  農薬を使っている野菜とか。  水銀入りのキンメダイとか。  遺伝子改良大豆だとか。  毒(もしくは毒の疑いのあるもの)が検出されている食品には、それなりの表示が義務づけられているだろ。どんな毒がどのくらい含まれていて、それが健康に害を及ぼす量ではないことを、製造者側は把握していなければならない。  さらに消費者にきちんと表示してみせる義務もあるわけだ。  それと同じで、思想の毒に関しても、製造者には、検出と表示の義務がつきまとうものなのだ。  おまえはこのシーンを「ほのぼの」と言った。  だが蓋を開けてみれば、なんだ?  立派な毒じゃないか。女の不気味なまでのエゴを描いた話だよな。  おまえは「毒」を、「ほのぼの」だと偽って、俺たちに食わせようとしていたんだよ。 >>まあ、よくないですよねえ。 >>あんまり深く考えていたわけではなく……だから駄目だったのでしょう。  よくない、だと?  だめだった、だと?  ふざけんな。  本来、お前は、叩き殺されて然るべきなんだよ。それだけのことをやっているわけ。  「毒」を「ほのぼの」と偽って食わせようとしたその罪は、石を持って殴り殺されて然るべきものがあるんだよ。  この手の毒のある話を好む人もいるよ。  すでに自家中毒に陥っていて、もう依存症となっていて、治療して社会復帰させられる見込みはなく、定期的にこの手の毒を摂取していかねば生きていけない人というのも、世の中にはいるんだ。  そういう人に向けて、自覚的に毒を込めて書くのなら、いい。  「これは毒ですので、その使用には注意を払ってください」とラベルを貼っておけば、毒を売ったってかまわない。どんなものにだって、需要と供給とはあるのだ。  だが毒には毒と、ラベルを貼っておけ。  間違っても、「ほのぼの」だなんてラベルを貼って世に出すな。  もちろん人間だからミスもでる。それはしかたがない。どんなに注意していても、どうしても起きてしまうのが事故というものだ。  だが事故の原因が、おまえの思考の浅さに起因するというのは、考え得るいくつもの理由のなかで、もっとも許されざるものだ。  怠慢。  ――というやつね。  怠慢でミスをして、誤って人に毒を飲ませてしまいました?  それは事故といわずに、人災っていうんだ。  どこかの若奥様が、おまえのあの掌編を見て、だな。  「あらこの女性、粋で素敵ね。じゃあわたしもこんど、うちの子を使って、あのひとに内緒のラブレターを送ってみようかしら」  ――なんて、思って実行しちゃう人が出たら、どうすんの?  そして彼女の家庭が、そのことが原因で崩壊しちゃったとしよう。旦那さんから離婚を突きつけられる。娘の養育権も旦那が勝ち取った。奥さん――ではなくなった、ただのバツイチ女はそこにひとりぽっち。  彼女がそれを毒だと思わなかった理由が、「だってここに『ほのぼの』って書いてあったから。てっきりこれはいいことなのだと思って……」  ――とか、なったとしたら、おまえ、どうすんの?  ザマミロ、とか言うのか?  それとも自己責任でしょう。とか?  事故ですので僕に責任はありません。とか?  人の口に入るものを作るってことが、どれほど大事で、どれほど責任のかかることなのか、おまえ、わかってんのか?  人の心に入るものを作るってことが、どれほど大事で、どれほど責任のかかることなのか、おまえ、わかってんのか? >貰われっ子ミーツ四兄弟 >>――が、こんなペースの描きかたで良いのでしょうか。時間の使いかたではなく、文字数の使いかたという意味です。  知らねー。  見ねーよ、そんなもん。ばーか。  なんでまた同じ失敗をするかね。  おまえがまたやってきた失敗は、「貰われる家に到着するまで心配しつづける主人公」ってやつだろ?  それ、前回もやってたよな。「車内でママと会話するシーンは一切不要」と指摘されて、おまえもたしか納得していたよな?  まったく同じ失敗を、俺はまた見てやって、「うんやはりこのシーンは不要だね」と、また同じコメントをしてやらなきゃならないのか?  だいたい、また「貰われっ子が、四兄弟に会いにゆく」ってアホパターンでやってるのか。そんなやりかたで四兄弟が書きわけられるはずがねーだろ。  なぜ「四兄弟が、家にやって来た貰われっ子と会う」のほうでやらないのだ。  この話の主役(話の主)は、どっちなんだよ?  貰われっ子のほうが主なのか? それとも四兄弟のほうか?  俺はなにを書けといった?  なぜ「主」のほうに視点をおいて、話をはじめない?  なぜおまえはいつも、くそどうでもいい「従」のほうの「貰われっ子」に視点を置いて書こうとする?  貰われっ子が主役のそんなものなど、読む価値もない。  一文字も見てはいないが、悪いがそいつはリテイクだ。  俺に一文字でも読ませたいのなら、ぜんぶ頭から書き直してこい。 >10年前の不良  10年前っていうと……。  ルーズソックス履いて、ウリやって、クスリ決めて――じゃないっけ?  携帯ではなくて、ポケベルでパパと連絡取ってたはず。 >ロマンティックが致死量  ええと、2号はロマンティックが価値あるものだと仮定している。  自分が価値あると思っていることを、作品を通して他人に示しているのに、それが「粗相」なのだと言われてしまう。その理由にぴんとこなくて、理解出来ないでいる。困ってしまって「くぅん?」と鳴いている。  とんびさんは、ロマンティックというのは、「陶酔」ということで、酔っているわけであり、そんな様を他人は見たくもないのだと説明している。  ええと、こう言ってみよう。  犬って、すぐにちんちん舐めるよね。発情期の犬で、オス犬とかって、よくちんちん舐めてひとりでオナってるよね。  犬に限らず、人間もやるよね。男女限らず自慰に耽ったりするよね。2号も1日1回くらい、ティッシュに白いものをちょぴっと出してるよね。  あれだって「陶酔」なわけだよ。  本人にとっては、とても気持ちがいいこと。  ――が、まわりの人にとっては、どうだろう?  本人にとって気持ちがよくて「価値」のあることなのは確かだが。  それを見せられた周囲の人間は、いったいどう思うものなのだ?  あの作品の冒頭に描かれているのは、「ロマンティックに浸っている女」――なのだろ?  つまり、言い換えるなら、「一心不乱にオナっている女」なわけだよ。  見たいの? ――そんなもん?  いや、まあそういう趣味のやつもいるだろうし。ビデオ屋の裏に入れば、その手のジャンルばかり集めた一角があったりもするし。俺そういうのばかり10本の貸し出し限度枠いっぱいまで、借りてくることもあるし。  ――が、一般的にいってだな。  そういうものを、いきなり作品の冒頭で見せられてしまった人は、どういう反応を示すものなの?  一心不乱に自分のちんちん舐めまくってる犬を見た人は、普通、どう思うものなの?  自分の世界に陶酔してる犬に感情移入して、「ああ気持ちいいんだろうなぁ」と微笑ましく思ったりするわけか?  2号の答えは、どうだかわからない。予想できない。  もしかしたら、「はい」と返ってきちゃうのかもしれん。考えるだに恐ろしいのだが。  ――が、もしそうなのだとしたら、2号が公衆の面前で「オナニー」を始めて、それを他人様に見せたりしないのはなぜか?  性犯罪者として捕まっていないところをみると、それを実行しない分別はあると思われる。「イケナイコト」だと仕付けられているはずだ。  ――が、なぜ小説だと、それをやっちゃうわけ?  冒頭に、いきなり、ロマンティックな光景に浸っている女の「オナニーシーン」を挿入してしまうのは、なぜなのだ?  ちなみに、この手の話は、なにも「ロマンティックな光景」に限ったことでもなくて――。  「悲しみに浸る主人公」とか、そんな別種の「陶酔」から始めてしまう、別種のお馬鹿さんもいる。これだって「オナニーに耽っている主人公」だ。  羽矢野が書いてたな。杉井光も。西鶴翠もやってたな。八神も望月もやっていたな。これが中傷だというなら、俺はいつでも実例を示せるぞ。どこがどう、悲しみに陶酔しているのか、実例とともに指摘できるぞ。  俗に自慰的小説って揶揄されるものがあるけど。  つまり、それだ。  この手の「悲しみに浸るオナニー主人公」から始める悪趣味な話ってのは、だいたい誰でもやりたがるものらしい。  書いていて気持ちがいいもんだから、つい、やってしまう。オナニーは止められない。  また「過去の苛烈なトラウマに浸っている主人公」――てな形のオナニー主人公は、かつて、風輪さんがやっていた。  「邪神戦線」の読み捨てポイントは、つまり、そこだ。  小説ってのは、主人公のオナニーショーじゃないのね。  そりゃ作者は気持ちいいだろうさ。主人公といちばん一体化しているのが作者なんだから、主人公がオナニーするのは、作者がオナニーするのと一緒なわけだ。  たいへん、気持ちがよい。  だがそのオナニーを見て喜ぶ読者は、まず、ほとんど存在しないのだ。  そんなことを――。  なぜ、わからん?  お前のオナニーはお前ひとりだけのもので、その愉しみは、他人と共有できるものじゃないのだ。あたりまえだろ?  小説を書いて読者に読ませるという行為は、自慰ではなくて、セックスなんだよ。  読者とセックスするの。ちんちんしごいてる場合じゃないの。  “それ”は自分の手でいじりまわすものではなくって、相手の中に押しこんで、入れたり出したりするためのものなの。そうしないと相手は気持ちよくならないの。  おまえのその手は、その書いている文章は、お前のちんちんをいじるためにあるのではなくて、読者の心を愛撫するために存在しているわけ。  ――しかも、だ。  俺らはプロなわけ。お前もプロ志望なわけ。  俺はカネを受け取って、相手を喜ばすことを職業としているし、お前もそういうものを職業として選択しようとしているわけね。  いまおまえのやっていることは、金を払った男性客の前で、オナニーに浸っている売春婦のようなものだ。  いや。差別はいかんな。たとえも男女平等にいこう。  金を払った女性客の前で、センズリに浸っている売春夫のようなものだ。  なんで、こう……。  アマチュアって連中は、オナニスト揃いなのかね? そんなにオナニーって、楽しいものなのかね?  読者とセックスするほうが、もっとぜんぜん、遥かに楽しいとは思わないのかね? >ロマンティックに酔う  このこと自体が、悪いと言っているわけではない。  セックスのなかでも、彼女をイカせたあとに、自分でしごいてだす――なんてフィニッシュの形もあったりする。  だが、いきなり冒頭からは、やらんのだ。そんなプレイはあり得ないのだ。  あの恥ずかしい連続絶頂オナニー60分イキっぱなし的映画の代名詞といえる「タイタニック」でさえ、主人公の女が悲恋の感傷に浸りはじめるシーンは、後半の半分から後ろだけだ。せいぜい60分ぐらいなものだ。前半はきっちりと手数を踏んで、読者を愛撫してくれている。それに後半の部分だって、ただ主人公の女を感傷オナニーに耽らせておくばかりではなく、二十世紀の映画のなかで最大級のスペクタクルシーンを織り交ぜて観せてくれている。  あれは、きちんと芸になってる「オナニー」なんだよ。  それにタイトルは「タイタニック」――としてあるだろ?  「ローズ・カルバート、素晴らしき愛のメモリー」――なんてタイトルになってたら、客は裸足で逃げ出していくだろ? おまえだって逃げるだろ?  なら、「ロマンティックな光景」というタイトルだって、やはり客は裸足で逃げてゆくもんなんだよ。 ○津荒 >街を好きになることとか  人の話をちゃんと聞け。  俺がなにを訊いているのか、考えて、理解して、汲み取って、適切に答えろ。  俺の訊いていることがわからなかったら(俺の書きかたが悪いこともある)、再質問して、言わんとしていることはなにか、確認を取れ。  読み取りもしないで、答え終わった気になって、勝手に解答済みにされていると、どうにも我慢ならん。  俺は、キキが「田舎をどう評価してもらえるか期待していたか」なんてことは、訊いていないの。  キキが自分自身のことを、「都会からどう評価されることを望んでいたのか」と、そう訊いているのだ。 >>キキが町を嫌いになるのは、当たり前ってこと。  ここなんかも、答えになっていない。  「あたりまえ」っていうのは、どっちにとってのあたりまえだ?  ここには価値観がふたつあるんだから、ふたつの「あたりまえ」が存在しているんだよ。  「キキのあたりまえ」と「街にとってのあたりまえ」と、二つある。  キキが街を嫌いになるのは、「キキにとってはあたりまえ」なのか、「街にとってあたりまえ」なのか、どちらなのか答えろ。  あと「街」と「町」と、使い分けしろ。ボケ。  両者はまったく別の言葉だ。辞書を引け。アホ。 >自分が嫌い  あの話の骨格は、こうだ。 ・自分が古いと知る。新しいものに憧れる自分がいる。 ・自分も新しいものに変わりたいと願うようになる。 ・だが自分が変われないことを知る。自分を嫌悪する。 ・自分が自分であるからこそ、出来ることがある。そして自分を肯定する。  それぞれ、起承転結に対応している。 「自分以外のものになりたいと望むが、自分は変われないと知り、変われない自分を受け入れる話」  話としての基本パターンは、そんなところ。  思春期の思考の王道だ。大人なら誰しも経験のあるところだし、10〜14歳の子供にとっては、ばっちりタイムリーで現在進行形の悩みそのものだ。最近の若者は18歳になっても、二十歳を過ぎても、そんな悩みを抱えこんでいるようだが。  だからあの話は、老若男女、分け隔てなく楽しめる作品となっているわけね。 >目指すべきところ >>パターン2が好きです。幼稚園児なので、理解しやすいのが好きなのです。  自覚しているなら、何書いたっていいのだが。  べたべたの離乳食みたいなもののなかにも、たまには歯ごたえのあって噛み砕き甲斐のあるものが含まれていたりすると、大人としては嬉しいなぁ。  まあ食べ物の好みなんてのは、年齢と共に変わってゆくものだし。  パターン2の離乳食は、いまの津荒にしか書けないものかもしれない。5年後の津荒には、もう歯が生えてきていて、「歯ごたえのあるほうがいいなぁ」と思うようになっているかもしれない。10年後の津荒は、「歯ごたえのないもの以外には、価値などない」と極論に走っちゃっているのかもしれない。  パターン2の作品を世に出したいと思ったら、とっとと力を付けて、いま書くしかないぞ。大学卒業するころにデビュー予定らしいが、その頃のおまえが、まだそんなベタベタなもんに興味を持てるかどうか、確率は50%よりも少ないだろうな。 >マスター登場が遅い件  なるほど。説明してくれると、ようやくわかった。  しかし、なぁ……。 >>文章を読んでわからないことが出ると、すぐに自分の中で答えを作る。 >>そのため予想が外れると、塗り替える必要がある。 >>今回の文章は、予想がはずれたので、塗り替えが辛かった……と、いうことです。 >>重要な存在であるマスターの登場が遅く、終盤で大幅な変更をしなければならなかった。 >>だからマスターの登場が遅かったのは、辛かった。  おまえ、プロを舐めてる?  「予想が外れた」――って書いてるけど。それは本当に、そうだったのだと思っている?  ひょっとして、もしかしたら……。読んだ読者が、すべての予想を外してゆくように俺が計算しながら書いていて、お前は俺の仕掛けたとおりに、落とし穴のすべてに完璧に引っかかりながら、何度も何度も「予想を外させられていた」のだと、そう思ったりはしない?  読者が、どう読んでゆくか――ということを、俺が計算もしないで、ただ感性でなんとなくあれを書いたのだと、本当にそう思いこんでいるのか?  俺が「津荒が予想を外しながら読んでゆく」ことを予想していなかったとでも?  おい……。  ナメてくれるのも、たいがいにしてくれよな。 >アブデルはロリコン天使  よしわかった。  それならばロリコン属性は、絶対に必要だな。  納得した。  てか、最初からそう言えっての。 -------------------------------------------------------------------------------- >おまえ、プロを舐めてる? No.7692 投稿日 2004年3月3日(水)18時27分 投稿者 津荒夕介  とんでもないです。 >>ひょっとして、もしかしたら……。読んだ読者が、すべての予想を外してゆくように俺が計算しながら書いていて、お前は俺の仕掛けたとおりに、落とし穴のすべてに完璧に引っかかりながら、何度も何度も「予想を外させられていた」のだと、そう思ったりはしない?  思いませんでした。  予想が外れたのは、すべて僕の読み取る力が、足りないから。  力がある人には読み取ることができる。  そう解釈していました。そこで解釈を止めていました。   >>おい……。 >>ナメてくれるのも、たいがいにしてくれよな。  この言葉は、かなりこたえました。  舐めている自覚があるなら、笑っていられるかもしれませんが、この文章を見た時には、心臓が飛び出しそうになりました。  今でも喉がカラカラです。  すいませんでした。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。  舐めてなんかいません。僕がバカなだけです。ごめんなさい。許してください。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7693 投稿日 2004年3月3日(水)19時29分 投稿者 新木 伸  落ち着け。  俺、べつに怒ってるんじゃなくて、お前にトラウマ植え付けようとしてるだけだから。  怖いということと、相手が怒っているということとは、べつだろ?  津荒は直結させてしまうのかもしれないが。怖い相手は、自分に対して怒っているのであって、憎まれているのだと、そう考えてしまうのだろうが……。  俺、津荒よりも歳食ってるぶん、多少は器用になってるから、ぜんぜん怒っていなくたって、必要があれば、いくらでも怖くなることができるわけ。  ――で、津荒のそのトラウマが、なんの役に立つのかというと、だ。  適当に(読者の気分で)眺めていたせいで、プロにぎろりと睨まれて、怖くて、喉がからからになったその経験があると、別の作品を分析するときにも、すべて計算尽くでやってるんじゃないのか? ――と疑ってかかる姿勢が身につくだろ。  いまお前がやっている訓練のなかに、プロの仕事から技を盗む――というのがあるわけだ。筋の写し取りね。  お前がなんとなく眺めちゃっていて、「たいして意味がないんだろうな」とナメきって捨てているエピソードひとつに、なにか重大な意味があるかもしれないわけ。それを見落としていたらもったいないだろ。  そうならないように、俺はお前にトラウマを植え付けるわけ。  適当に眺めていやがると、また俺に言われて、怖い思いをするぞ――と、体に覚えこませたわけ。  愛の鞭って言葉、知らんのかな〜。  憎かったり、ウザかったりしたら、叱る必要さえないんだよ。  失せろ、って、ひとこと言うだけで済む。もし俺がそう思ったのなら、俺には我慢する理由なんて、これっぽっちもないのだ。  叱られているうちは、まだまだぜんぜん愛されていて、愛想を尽かされているのではないということが……。まあわかんないだろうなぁ。親が自分を叱るのも「愛」ゆえではなく、きっと憎まれているからに違いない――なんて誤解しちゃうような時代だもんなぁ。  本当に愛想を尽かされたなら、声もかけてもらえないんだよ。  無言で、無表情で、出口を指で指し示すだけだ。  ちなみにそこまで行きかけた人物は、この分室では、後にも先にも、「つばくろ先輩」――ただひとりきりだ。望乃でさえ、そこまで行ってない。あのくらいやってもなお、俺は小説を書こうとしているやつには、愛想を尽かさないから。  だからけっこう安心していていい。 >>すいませんでした。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。 >>舐めてなんかいません。僕がバカなだけです。ごめんなさい。許してください。  怒っていない相手に、いくら謝っても意味ないぞ。  この場合、僕に言うべきなのは、「こたえました」のほう。深刻な欠点を自覚できたか、できなかったか、それを伝えてくれればいい。  津荒はいま――。  心臓が飛び出すと、喉がカラカラ、という具体的エピソードで「こたえ具合」を伝えてきて、よくわかった。  なので今回のトラウマ植え付けは、こんなもんにしておく。  だが、またなにか叩ける隙を見せたら、びしびしやるからな。  またそのときがきたら、やはり謝らなくていい。こたえたか、ぴんとこなかったかだけ報告すること。  弟切や2号を見てみろ。  弟切でお前の2倍。2号のほうは、3倍か4倍ぐらい強く引っぱたかれてる。2号のほうは、今現在の俺の発生できる最大ビンタ出力だ。力作だぞ。このあいだの桜庭さんのとおなじぐらい力作だぞ。  だがべつに謝ったりしてこないだろ? 謝ったって意味がないって、知っているからだ。相手が怒って言っているわけではないと知っているわけね。 -------------------------------------------------------------------------------- お花をあげましょ桃の花 No.7694 投稿日 2004年3月4日(木)02時00分 投稿者 弟切 千隼  今日は桃の節句でした。弟切の場合、お雛さまが実家にあるため、雛祭りの気分になりにくいです。でも多少は節句らしいことをしよう、と、散らし寿司を作ってみました。 >作品の値段付け  やってみました。なにしろ初めてのことなので、勝手がわからず、おろおろしながら付けていました。  とりあえず、自分の作品の値段だけ付けてみました。1単位を1円として、全部で5単位=5円になりました。  以下に、具体的にどう「面白さ単位」を計ったのか書いておきます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴る。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  朝の商店街感が出ている。特に、『ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴る。』の文に表われている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた。足を出すたびに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『足を出すたびに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついた。』の文に、視点キャラクターの身なりに構わない性質と、冬の季節感とが出ている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ちらりと腕時計に目をやる。この分なら、美智代との約束には間に合いそう。  速足のまま角を曲がって――黒いコートとぶつかりそうになった。 「あ、ごめんなさい」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターが急いでいる理由と、視点キャラクターの行動を表わしている。普通に情報を伝えているだけなので、0単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。  薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見える。甘すぎないコロンの香りが、鼻の中いっぱいになった。 「だいじょうぶ?」  と、つややかな唇が動いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  全体として、美人感が出ている。特に『頭の上から、澄んだ声が降ってきた。』の文に顕著に表われている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいたことに気づいた。 「ええと、はい、大丈夫、です」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターの反応を伝えている。0単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そう。よかった」  彼女の口もとが、かすかにゆるんだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の反応を伝えている。0単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは激しく首を横に振った。 「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの速いって言われて、そのくせしょっちゅうこけて、友達に笑われたりしてて」  なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  全体的に、美人を前にして、視点キャラクターがどぎまぎしている感が出ている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  彼女は表情を変えない。光沢のあるコートが、細身のラインによく合っていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人感が出ている。が、これは前の美人感を強化しているだけ。0単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  違いすぎる、あたしとは。 「あの、それで、今日も友達と待ち合わせして、急いでたんです。だからもう行きます。ごめんなさい」  あたしは頭を下げると、歩き始めてしまった。でも、途中で振り返った。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  どぎまぎしながら美人に心を惹かれている感が出ている。特に『でも、途中で振り返った。』の文に表われている。しかし1単位ほどはない。0.5単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  きりりと伸びた後ろ姿があった。風が、彼女の残り香を運んでくる気がした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の姿を伝えている。が、前の印象を塗り替えるほどではない。0.5単位。 -------------------------------------------------------------------------------- 値段付け No.7695 投稿日 2004年3月4日(木)23時32分 投稿者 新木 伸 >弟切 >作品の値段付け >>やってみました。なにしろ初めてのことなので、勝手がわからず、おろおろしながら付けていました。  そうか。初めてのことなのかっ。  「やれ」と指示して、さらに「勝手がわからないかもしれない」と自分で言っておきながら、驚いている自分がいる。予想できていたということと、実際に目にするということとは、やはりちがうことなのだ。  そうか。そうか。本当に始めてだったわけね。  やったことがないばかりでなく、考えたこともなかったわけで――。これまでは、まったく発想の外にあったわけね。  うーん。なぜだ。どうしてだ。なぜ「価値」というものが一行に宿ると考えないのだ。不思議不思議。あんびりばぼー。  一遍の小説になんらかの価値が存在しているのだということは、皆も知っているはずだ。すくなくとも小説を読み、書こうとしている人間であれば、「小説に価値がある」なんてことは、議論の余地なく自明なはずだ。  小説読んだって腹は膨れやしないし、餓死しかけている人間を救うことはできないけど、しかし、小説には、たしかに、価値があるのだ。  一遍の小説に価値が宿っているのなら、当然ながら、小説の「部分」にも価値は宿っているものなんだよ。  章ごと、シーンごと、段落ごと――と細かく分解していったとき、どこまで価値が保たれてゆくものなのか。  最小単位の価値というものは、そもそも、どの時点から発生するのか。  それはおそらく「ワンフレーズ」だろう。  単語1個と単語1個――単語2個の組み合わせ。ここから価値は発生可能だ。  まあ普通は単語3〜4個の並びから価値が発生してくる。  「世界の中心で愛を叫ぶ」――と、4個の単語を並べてみる。  ほら。みてごらん。いまここに価値が発生した。  俺的には、「世界の中心で愛を叫んだけもの」のほうが、価値が高いと思うけど。こっちのが先だし。  単語1個きりでは、普通は価値は発生しない。  だが「その状況でその単語を出す」ことで、単語一個でも、一単位の価値が発生することがある。  弟切の価値分析に関して。  いくつかの段落をまとめて、「全体として」というのは、あまり良い分析精度とはいえない。せめて価値の発生地点を、一文単位までは特定すべきだ。弟切でも、やろうと思いさえすれば、そのくらいはできるはずだ。  もし可能であれば、さらに細かく、この単語からこの単語までの、○単語で価値が発生している、と分析するべき。  たとえば俺のほう。  「直角に曲がってゆく」の2単語で、価値が発生している箇所があるよな。  そうやって単語の結びつき単位で価値測定が行えると、1行の中で2単位ほど発生していることも観測できたりするよな。一行単位でしか見ないと、2単位あるということに気づけない。  ――で、なんの価値も持たない段落が存在しているとか。  なんの価値もない文が、ひとつでも存在しているとか。  そういうことは、そもそも異常事態なのね。  弟切は一行単位で価値を測定できることを驚いているのかもしれないが。  僕にしてみれば、価値のないものを一行でも書けてしまえることのほうが驚きだ。  食い物の話になるが――。  皿の上にあるものは、すべて食えるのが当然なのだ。皿の上にハンバーグステーキがあって、その付け合わせとしてついてくるニンジンもクレソンもポテトフライもパセリも、すべて「食える」わけだよ。栄養になるわけだよ。  食っても栄養にならない、つまり食えないもの、食べ物としての価値がゼロのものが、皿の上に載って出されてくることはない。  もしあったら、それは異常事態だ。  どう見ても食えなさそうな――たとえば「ビー玉」なんかがハンバーグの皿に載ってたら、普通、ウエイトレス呼びつけるもんだろ? ビー玉入ってましたよ、ってそう言うだろ? それがあたりまえだろ? それ「常識」だよな?  物書きもおなじこと。  「あのう。ここらへんに、どうしても食えない(価値のない)文章がまぎれこんでいるんですけど」――と、そのように言われてしまうわけ。それが普通なわけ。それが常識なわけ。  アマチュアだけが、それを常識としていないわけ。  これと同じことは、「灰色の文章」って概念で説明したことがあるのだがなぁ。  プロには無価値の文章が、灰色に見えてしまう。  価値がないということは、つまり、1円の値段もつかないもののことだ。いま弟切がやっていて、0円の価値がついているもののことだ。  食えるものと食えないものと、瞬時で見分けられるようでなければ、プロはやっていられない。  ただし、0円の価値だからといって、そのまま「灰色の文章」と決定してしまうわけでもない。価値のある他の部分を支えるために、どうしても必要となってくる「無価値な部分」もあったりする。  いわば「繋ぎ」みたいなものだな。ハンバーグを作るときに、肉100%ではまとまってくれないものなのだ。パン粉やら卵やら牛乳やら、肉以外のものも「繋ぎ」として入れないと、うまく形になってくれない。  そういう「繋ぎ」としての役割を持った部分は「灰色の文章」とはみなされず、有用なものとして扱われる。  俺のリライトのほう。  繋ぎの部分にもなんらかの価値をこめてるはずだ。行単位で計測して、本当にまったく価値を持たない行は、1割程度に抑えてある。  商業水準としては、繋ぎの割合は一般的に5割程度だ。  ただしもっと多くても、繋ぎが7〜8割ぐらいでも、なんとかなる。  さらにつなぎが9割でも、まあ売っていいのかもしれない。1割でも食える物が載っているなら、ぎりぎりセーフだ。すくなくとも詐欺ではない。  その1割がめちゃくちゃおいしいなら、のこり9割がすべて付け合わせでも、ぜんぜんOKかもしれない。  弟切のは、いま行単位でチェックすると、どうなるのだ?  繋ぎの文章は、いま何割?  やはり、プロで食っていこうと思うなら、目指すべきなのは、まあ5割だろうなぁ。  たとえばハンバーグステーキを注文して、だな。  付け合わせのほうが、ハンバーグよりもたくさん載っかっていたら……。それどうよ?  普通の客なら、そのハンバーグステーキは、もう二度と注文しないだろうな。  デビュー作だけで終わりたくなかったら、繋ぎの量は5割までに抑えておけ。  わたしは1割が価値ある文章で、のこり9割は繋ぎですが、その1割が途方もなくおいしいのでOKなのです。とかいうなら別だが。 -------------------------------------------------------------------------------- 髪を切りました。 No.7696 投稿日 2004年3月5日(金)01時19分 投稿者 弟切 千隼  ずっと切りたいと思っていた髪を、ようやく切った弟切です。仕事が忙しくて、美容院へ行く暇がありませんでした。今日、思いがけず手が空く時間ができたので、美容院へ行ってきました。  うっとうしかった前髪がなくなって、世界が明るく見えます(^_^) >作品の値段付け  弟切の描写課題を、新木さんが書き直して下さったものに値段を付けてみました。  計11.5単位=11.5円になりました。  弟切のものとは、倍以上差がありますね。6.5円の差です。この差が、「新木汁」の分なのでしょう。  たったこれだけの文章で倍以上差がつくのですから、たとえ短編であっても、小説一本ではどれほどの差がつくことでしょうか(^^; 改めて、プロの力量を思い知りました。  以下に、値段付けの具体的な様子を書いておきます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  早朝の商店街。歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴って乾いた音を立てていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  朝の商店街感が出ている。特に『ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴って乾いた音を立てていた。』という文に、閑散とした朝の商店街の様子が表われている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  その脇を、あたしは早足で抜けていった。一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。  袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『ぶかぶかのダウンジャケット』に冬の季節感が出ている。0.5単位。  『一歩ごとに』から『あまり気に入らない』までの部分に、身なりにかまわない視点キャラクターの性質が出ている。1単位。  『袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。』という文に、がさつな視点キャラクターの性格が出ている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  よかった。美智代との約束には、間に合いそう。  早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターが急いでいる理由、および視点キャラクターの感想と行動が書かれている。『よかった。』の段落と『角を直角に』の部分に、視点キャラクターの几帳面さが表われている。1単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ、ごめんなさい」  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人感が出ている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  見上げれば、あたしを覗きこむ顔があった。薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見えている。女の人だった。  彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。朝日を頬に暖かく感じる。風に乗って、甘すぎないコロンの香りが鼻に届く。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  全体的に、美人の心の温かさが出ている。具体的には『あたしを覗きこむ顔があった』の部分、『彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。』の文、『朝日を頬に暖かく感じる。』の文に表われている。1単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「だいじょうぶ?」  と、見ているまえで、つややかな唇が動いた。  あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。 「ええと、は……、はい。大丈夫、です」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターの反応が書かれている。視点キャラクターの台詞に、彼女が呆然としていたことが表われている。0.5単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そう。よかった」  その口もとが緩む。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の反応が書かれている。0単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの速いって言われて、そのくせしょっちゅうこけて、友達に笑われたりしてて」  自分がなぜ友達の話などしてるのか。あたしにはそれが不思議だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターが、美人を前にしてどぎまぎしている様子が表われている。1単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「私も……、歩くのが人と違うみたいで……。よく誰かからぶつかってこられるの。だから気にしなくていいから」  彼女は表情を変えずにそう言った。光沢のあるコートが、体にぴたりとフィットしている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の台詞および『彼女は表情を変えずにそう言った。』の文に、彼女の思いやりが表われている。0.5単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  そのとき不意に、あたしは気がついた。  彼女の手が、ずっとあたしに向けて差し伸べられていたことに。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の思いやりが非常に強化されている。1単位。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「急いでたんです。ごめんなさい。今日も友達と待ち合わせしていて……、だからもう行きます。ごめんなさい」  あたしは自分で立ち上がった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  全体的に、美人を前にした視点キャラクターの、どぎまぎしている様子が強化されている。0単位。  『あたしは自分で立ち上がった。』の文に、視点キャラクターの羞恥心と、同時にしっかり者であることが表われている。1単位。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  後ろも見ないで、次の角までまっすぐ歩く。立ち止まって、振り返ってみると、きりりと伸びた立ち姿はまだそこにあった。  彼女は微笑んで、手を軽く振ってくれた。そして角から消えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『後ろも見ないで、次の角までまっすぐ歩く。』の文で、視点キャラクターの羞恥心が強化されている。0単位。  『立ち止まって、振り返ってみると、』に、視点キャラクターが美人に魅せられていることが表われている。0.5単位。  『きりりと伸びた立ち姿』で、美人感が強化されている。0単位。  『彼女は微笑んで』の段落で、美人の心の温かさが強化されている。0.5単位。 --------------------------------------------------------------------------------  なにか近頃、元気が出ない。 No.7697 投稿日 2004年3月5日(金)02時42分 投稿者 津荒 夕介  風邪をひいていて、多重人格探偵サイコの残虐シーンが辛くって、トラウマ攻撃受けたから……だろうなぁ。  頑張らんと。 >>落ち着け。 >>俺、べつに怒ってるんじゃなくて、お前にトラウマ植え付けようとしてるだけだから。  了解……です。すいませんでした。  説明の通り、「怖い」から「怒っている」がすぐに連想され、「憎まれている」と考え、恐怖しました。  それが新木さんの、トラウマを植え付けるための手段だとは考えられませんでした。 「憎まれている」が、あまりに強すぎて、そこから動けなかったんです。  ともかく、これからのトラウマ攻撃への対応は、了解です。 ○課題:あらすじ >魔女の宅急便 >>俺は、キキが「田舎をどう評価してもらえるか期待していたか」なんてことは、訊いていないの。 >>キキが自分自身のことを、「都会からどう評価されることを望んでいたのか」と、そう訊いているのだ。    すいません。  キキが自分自身を、どう評価されたかったか。  都会を大好きになる>魔女である事をほめられる。「古い」を賞賛される。  都会をなんとも思わない>魔女である事をほめられもしないが、冷たくもされない。「古い」も同様。  どちらにしろ、「新しい」に憧れると思います。 >あらすじ書き  おもしろいあらすじを書こうと思います。  新木さんの「○上巻あらすじ」から考えます。 >>執拗なパパラッチ攻勢 >>強気系ネガネっ子 >>脱力系シタッパー >>恋の争奪戦が勃発! >>だが防衛部の面々は、 >>ぜんぜん気づいてもいやしない。  言葉の選択が、おもしろい。 >>やがて現れた「勇者」は、なんと、新聞部シタッパー  「なんと」が、おもしろい。  予想外であることの強調。 >>そんなことでいいのか防衛部? 出動せよ防衛部!  キャラクターにはっぱをかけているのが、おもしろい。  1言葉を選ぶ。  2展開に応じて、強調する。  3キャラに語りかける。  おもしろくするための要素は、この三つです。    おもしろい、読みやすい、理解しやすいを、目指しました。    三十四冊目「多重人格探偵サイコ1」 著:大塚英志  一行あらすじ  警察官小林が恋人を殺されるのをきっかけに心を壊し、違う人格の雨宮と西園が収容された刑務所の秩序を壊す話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=852&e=res&lp=852&st=0  三十五冊目「多重人格探偵サイコ2」 著:大塚英志  一行あらすじ  多重人格者の雨宮が、医師津葉蔵最後の童話治療に巻き込まれ、弱い人間を知る話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=853&e=res&lp=852&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7698 投稿日 2004年3月5日(金)02時46分 投稿者 新木 伸 >弟切  ああ。そうそう。言い忘れていた。  弟切が自分のものを計測して出てきた「価値単位」のは、弟切が入れたつもりのものの総額ね。  僕のリライトから読み取ったのは、弟切が価値を見いだしたものの総額ね。  俺、入れただけなら、20円分ぐらいは入れてあるのだ。いま数えてみたら、25円ほどだった。  ただし、そのうちの半分以上は、弟切が受容体を持たなかったために、弟切の味覚にはヒットしなかったわけだな。  自分自身の価値単位に、読者がどのくらい同調してくれるかというシンクロ率は、一概には言えないのだが……。そんなことを言っていてもはじまらないので、乱暴であろうとも、数字で定義する。大まかにいって、40%以下だ。無難な線で、25%ぐらいと見ておいたほうがいいだろう。 (僕が25単位入れて、弟切は11.5単位を読み取ったのだから、シンクロ率は46%ほどだ。これはかなり高いほうなのね)  よって、たとえば10円の価値を生じさせるためには、少なくとも20円ほど入れておかねばならない。価値単位は、他人に伝達しようとすると、かならず目減りするものだから。  そして読者が気にするのは、常に、作者にとってどれだけの価値があったか――ではなくて、自分にとってどれだけの価値があるのかという、そちらのほう。  その人がどれだけのシンクロ率で反応して、作者が込めた価値をどれだけ受け取って認識するかということは、読者ひとりひとりで違ってくる。  そして一冊の本となったときに、その価値総額が定価を上回っていれば、その本は買っていかれるし、そうでなかったら置いておかれる。  もちろん、一冊全部は読めない。  だから立ち読みをするわけだな。そして価値出現レートをざっと確認する。3ページも読んで、そこに何単位あるかを見れば、300ページに何単位あるかは、容易に見極められる。  ええと、計算してみよう。  1冊を600円として、3ページ内に、6円分ほどヒットさせればいいわけだな。  そして6円分をヒットさせるためには、シンクロ率を25%と仮定すると、24円分ほど入れておけばいいことになる。  つまり、俺のリライトに込めたぶんと同じだ。それだけ入れておけば、まずたいていの人には、6円以上がヒットする。本一冊の価格に見合うだけの価値となる。  ただ読者は「文章」だけで小説を買ってゆくわけではない。  足りない分の価値は、他のなにかで埋め合わせしてもいいわけだ。他になにか武器があるなら。 >応用  誰か鷹見さんの「冷凍倉庫」に値段をつけてみるやつはいないか?  複数人でやってみると、それぞれの人の「受容体」が違っていて、価値単位を見いだす箇所が異なっているということが、確かめられるはずだが。  自分が「良い」と感じた場所と、他人が「良い」と感じた場所は、違うのだ。  あたりまえのことなのだが、皆も知識としては知っているはずだが。いざ実験して確かめてみないと、ピンと来ないのだろうなぁ。  また2号が次に書いてくる1000字課題(四兄弟以外のやつで)に値段をつけてみる人は?  入っている価値単位が少なすぎて、薄すぎて、すぐに数え終わっちゃうだろうけど。あまりに少なすぎるから、個人ごとの誤差はでないかもしれないが……。  さあ実験の時間だ。 -------------------------------------------------------------------------------- ビンタといえば No.7699 投稿日 2004年3月5日(金)03時56分 投稿者 名無し君2号  そもそも私なんか地球人扱いされていないわけですが。  しかもね、たぶん人間型じゃないんだよね。頭のなかにうかんでいるのは、遊星からの物体Xみたいなのなんだろう。いや、SFな人だからね、そんなもんじゃないね。もっとね、情けない生命体だね。ガス体かな? アメーバかな? ケイ素生命体かもね。  ――あ。犬型宇宙人か。  犬だったり、人工無能だったり、宇宙人だったり。  さて、次はなんじゃろね。筆名を「犬塚HALアンドロメダ」にでもすべきでしょうか?  ええと。  怒られると普通は謝るものなんだということを、いま思いだしました。  私は逆ギレしてばかりです。もっとも、吐きだした悪意をそのまま相手にぶつけられるほどには子供ではなく、かといって呑みこめるほどにも大人でもなく、口の中にいつまでも溜まっていたりして、非常に苦い思いをしてたりしますが。ああ苦い。  ――少しは津荒さんを見習いたいと思います。  18歳の美少年が悔恨に震えているのを想像すると、その筋の方にはたまらないかもしれませんね。じゅるる。 >貰われっ子ミーツ四兄弟  完成しました。  こんどは読めるはず。枚数は原稿用紙十枚とすこし。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=854&e=res&lp=850&st=0  書いてみて思ったのは、やっぱり私は女性が書けないのだということでした。  とりあえずここまで。  最近やたらとレスに時間がかかっているのは、小説自体が書けないからです。どうにか四兄弟は書きやんした。1000字課題は不能。  レスしなくちゃいけないのは、えーと。 ・美人の分析 ・キャラの書きわけ、喫茶店編 ・キャラを構成する要素を抽出 ・ロマンティック掌編、なんで「起」を省略したのか ・アマチュア自慰中毒論 ・ラベルの重要性および作品に対する自覚  抜きだすとえらいこっちゃ。  これ以上サボってるとホントに追い出されかねぬ。ぼちぼち頑張ります。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7700 投稿日 2004年3月5日(金)19時17分 投稿者 新木 伸  アンドロメダ唯夫  犬塚凡吉  凡野犬平  インパクトとしては、「アンドロメダ唯夫」がいちばんだなぁ。 ○2号 >レスしなくちゃならないこと  誤字2個、見つけ出してくることが抜けてるぞ。  仕事の片づけかたのノウハウ、前にくれてやらなかったっけ?  俺も教えたかどうか記憶が定かではないので、今回は叱らないでおく。  だが次にやったら、ぶっとばす。  いいか。教えるぞ?  なにかやらなきゃならないことを見つけたら、その場で、メモを取れ。  HDDのどこかに「やることリスト.TXT」とかいうファイルを作っておけ。  仕事のリストを、箇条書きで記録してゆく。  なにか1項目が加わるたびに、優先順位を並べ替える。  基本原則は、常に最上位にあるものから片づけてゆく。  例外処理として、まとまった時間や気力が出せないときには、すぐに処理できるものが下位にあれば、それから片づけるのも可。  なお、注意事項としては――。  押さえておくべきことは、以下の1点だけだ。ここさえ押さえておけば、絶対に、「やるべきこと」を漏らすことはなくなる。  まだやっているか、もう完了済みかということはともかく、「仕事の存在自体を忘れてしまう」ということはなくなる。  その場で、必ず、絶対にメモを取ること。  「あとで書いておこう」なんて一瞬でも思ったら、もう確実に忘れてしまうものと思え。自分の記憶力など、あてにするな。  ……しかし。おまえさ。仮にも何年か、社会人経験があるんだろ?  社会人1年目に、教わらなかったのかよ?  18歳の津荒ならともかく、「そんな方法があるなんて知りませんでした」なんて今頃になって言ってきたところで、誰も同情してはくれないぞ? >854 「貰われっ子ミーツ四兄弟」、やりなおしの1  ふーん。  そのぐらいの質で、そのぐらいの量を、4時間で書けるようにはなったのか。  だいぶスピードアップしてきたじゃん。  文庫8ページ分を4時間なら、俺の平均ペースと同じだ。  冒頭3〜5行で読み捨てもされないし、書き出し部分を「立ち読み本棚」に並べておいても、50分の1に残るぐらいの工夫はしてあるし。  とくに突っかかって目の止まるような箇所もない。  最初の1ページ分、17行だけを見てみると、価値レートは「2円/ページ」というところかな。灰色の文章が3割ほどあったから、それを削って圧縮濃縮すれば、価値レートは3円/ページぐらいにはなるのかな。  読者の感性とのシンクロ率100%を期待すれば、これでも売り物になるのだろうが……。  現実的に、実際のシンクロ率は25〜50%ぐらいなものだから、いまの2〜4倍くらいは濃度をあげてこないと、商業水準には、かすりもしないぞ。  弟切の「美人」は、3.7円/ページぐらいだったっけ。  ふーむ……。  アマチュアってのは、やはり、そんなもんが限界なのかなぁ?  どんなんだ? 答えろ。2号、弟切。  もう一頑張りすれば、商業水準の下のほうには、かするんだけどね。惜しいねー。  そこまで来れたのなら、あとたったの2倍――引き上げるだけなのに。  まあ、でも……。そこまでしか出せないようなら、やっぱダメだねー。永久にプロにはなれないねー。  そこがおまえらの限界なのかどうか、俺は知らんし。  限界でも、そうでなかったとしても、べつにどっちでもかまわんし。  とりあえず、俺はもうそこ越えてきてるし。もはやなにをどう書いたところで、16円/ページを下回るようなものは書けない体になってるし。  ――ということで。  固有の汁が薄すぎだ。  お前の作家としての個性というのは、「女は怖い。理解不能な存在」という「揺るぎない信念」にあるのだから、その「毒」をもっと込めろよ。  女というものに対して、そこまでセクハラで失礼な信条を持ってしまえるのは、アンドロメダ広しといえども、おまえひとりぐらいなものなんだからさ。  たとえば、男どもをもっとビビらせろ。  そこに座っているのは、ただおとなしいだけの女の子なのに、それをどう扱っていいのかわかんない男どもがいるわけだ。  おどおどしていて遠慮しがちな女の子の、一挙手一投足に異常にビンカンになっていて、警戒している男ども。彼女がミカンを取るだけでビビりまくる男ども――てな書きかたで攻めれば、おまえの「女は怖い」という信念を、読んで面白いものに転換できるのだ。  台詞の1個や、動作文の1個にまで、「価値単位」を埋め込むことができるはずだ。  また、そのビビりかたに差異を付けることで、4人の書き分けもできるだろ。  ビビっているので平静を装っているやつ。ビビっているので親切にして口説きはじめるやつ。ビビっているので、無関心を決めこむやつ。ビビっているので、男らしく振る舞うやつ。そんな路線で、まだあと10人ぐらいは、書き分けられそうだな。  1000字課題の「秘密」で、おまえがどれだけの「毒」を備えていて、無自覚に垂れ流しているのか、解説しただろ。  あの話のウリを、お前は「ほのぼの」なとど書きやがったわけだ。だから叩いた。  しかし――だな。  もしあそこで、おまえが、あの話のウリを「女は怖い」としていたのなら、俺は逆に褒めていたわけだよ。あれはたしかに怖かった。本当に不気味だったよ、あの子持ち女は。  同じことを書いていても、自覚しているか、いないかで、評価なんて180度変わってしまうものなのだ。  お前は自覚しなければならない。自分が毒を持っていることに。  お前は忘れてはならない。自分が毒を持っていることを。  いいか? これから言うことを、よーく聞け。  体に染みこむまでは、紙にでも書いて、壁にでも貼っておけ。  お前がひとたび「10歳以上の年齢の女」を書いたなら、そこにはかならず「毒」が含まれるんだよ。  お前が無自覚に垂れ流していたら、その量は必ず「致死量」となる。  だが毒は量さえ誤らず、適切に用いれば、薬にもなるものなのだ。  トリカブトは猛毒だが、適切に用いれば、神経痛の薬にもなるのだ。  塩も水も、人間の体には必要なものだが、どちらにも「致死量」があるって知っていたか?  その「毒」はお前にとってはあたりまえで必須なものなのかもしれん。水や空気のように、あたりまえでありきたりなものなのかもしれん。  だがお前が無自覚に、コントロールしないまま「毒」を垂れ流すと、それはまず確実に、常人に対しては致死量となるんだ。  お前が風呂に入ると、湯には毒が染み出して、次に入った人間は毒死するのだ。そのぐらい、お前の感性には毒性があるのだ。  お前がまず学ぶべきとは、毒の量をコントロールすることだ。  お前が10歳以上の女を描けば、そこには必ず、毒がふくまれる。  絶対に、確実に、なにがなんでも、間違いなく、100%、毒が含まれる。  例外はないんだ。  お前がお前であることをやめられないように、お前の描く「女」は、毒を持たずに存在することはできないのだ。  よって、女性キャラを書くときには、どれだけの量の「毒」を入れるのかを、自覚して、コントロールしろ。  毒を除去することは不可能でも、毒の量をコントロールすることなら可能なはずだ。  ちなみにその毒は、微量であれば、「女の子に対して自信を持てない」という思春期の少年への特効薬となるものだ。  人類の半分がその病気にかかっている。  特効薬を切に欲している。  お前にとってはあたりまえのものなのだろうが、じつはそれは、すごく貴重なものなのだ。  いま市場では、もっとも高値で取引されている薬物だったりする。  男のまず全員は、女に対して本能的な恐怖を感じている。  なぜなら女にはチンチンがついていないからだ。かわりにその場所には「底なし」の穴ポコがあるのだ。ああ恐ろしい。恐ろしいだろ?  しかし男の全員は、同時に、女に惹かれてもいるわけだ。理解したがっている。ひとつになりたがってもいる。  理解不能な女の子を理解しようとあがいて、男どもはいみじくも、色々な努力を行っている。  最近の流行における、そのひとつの成果は、「戦う女の子」ってやつだ。  女の子にはチンチンがない。そのかわりの代替え物として、武器を持たせてやるわけだな。  日本刀とか、銃だとか、格闘技だとか。  すると女の子は「疑似男根」を備えた存在に変わるので、男にとってまだ理解しやすく、受け入れやすいものに変化するという仕組みだ。  ちなみにもうひとつの流派は、女の子を「去勢」する方法だ。魔性に繋がる底なしの穴ポコを取り去っちゃって、魔性を持たない完全従属のメイド属性とか、守護女神属性とかを付けてしまうやりかただが……。  これは毒を消しきれないお前には、決して書くことのできない系統だ。  おまえは自分の「毒」を「面白さ」に転換することを考えればいいんだよ。  また少年というのは、自分が女の子を怖がっていることを恥じていたりもする。  他の誰かにその感性を認めてもらいたがっているが、「女は怖い」ということは、他人に洩らしてはならない秘密だと思いこんで、周囲に隠し通して、ひとりで密かに悩みを抱えこんでしまっているのだ。  思春期の少年が、オナニーに耽っていて、1日5回もやっちゃう自分は異常ではないかと心配するようなものだ。誰にも相談できずに、ひとりで悶々と悩んでしまっているようなものだ。  ――だが。  この広い世界でただ一人、お前だけは、彼らの悩みを解決してやることができるのだ。  「そう。女の人は怖いんですよう。あたりまえじゃないですか」――と、そう言ってやれ。彼らの感性を裏打ちして、悩みを解決してやれ。「そうか。やっぱりそうだったんだ。僕は普通だったんだ」と安心させてやれ。  「女は怖い」ということを、絶大な自信を持って、なんのためらいもなく主張することのできるという特性は――アンドロメダ星雲のなかでも、ただ一匹、お前だけが備えている“個性”なのだ。  誰も、お前ほど完璧な自信を持って、「女は怖い」と言い切れてしまう人間はいない。  「女は馬鹿だ」てなことを絶大な自信を持って言い切っている作家なら知ってるが――。  だが「女は怖い」のほうに関して、お前ほどの毒性を備えた作家というのは、すくなくとも、俺の知る限りにはない。俺もちょっぴりとならその毒を作品に混ぜるが、俺の分泌できるその毒の量は――ただ存在するだけで周囲に致死量を撒き散らすことのできるお前の、足下にも及んでいない。  ところで「脳天気」は、(C)平井和正だぞー。他の作家が作った造語だぞー。一般名詞じゃないぞー。わかって使ってないと、作家としては、恥ずかしいぞー。  「バリア」の意味で「ATフィールド」とかいう言葉を作中で使っちまって、それがエヴァンゲリオンの作中造語だと知らなくて、一般名詞だと思いこんでいるのと同じぐらい、恥ずかしいことだぞー。  最近は辞書にさえ載っているくらいだから、一般名詞と言われれば、根拠がないとも言い返せないが。  しかし前に俺、どっかで書かなかったかなー。平井和正は日本人作家のなかで、辞書に自分の造語を載せた数少ない作家のうちのひとり――てな話。 >津荒 >多重人格探偵サイコ  風邪引いてパワーダウンしているときに、そんなもの読むんじゃないよー。  そういうときには、もっと元気になる話を読みなさい。  こっちなんて、あらすじ読んだだけで、精神ダメージ食らったわい。  そういう意味では、その話には、筋だけで人にトラウマを植え付けるパワーがあるということになるな。研究対象にすべき話だろう。  また津荒があらすじを書くときに、そのパワーをきちんと写し取れたということだな。僕が受け取った精神ダメージは、元の(津荒の受け取ったものの)何分の1ぐらいなのだろう。  人に伝達すると、必ず、情報は劣化して、パワーは目減りしてゆくものだが……。どれだけ劣化を抑えて、どれだけパワーを減らさずに伝えられるかというのは、言葉による伝達の「技術力」で決まる。  お前の腕前は、いまどのくらい?  35本のあらすじを書いてきて、いま、どのくらい伝達の技術が身についた?  俺に何割のトラウマが伝えられたのだと思う?  計ってみること。推測でいいから。 >>島津は小林の彼女を殺し、四肢を切断し、生きたまま小林の職場に届けた。  ここって、日本語が壊れているのか?  それとも話の中でも、このままなのか?  常識的に考えると――。 ・殺して解体した。バラバラの死体の各パーツを送りつけた。 ・生きたまま解体した。死なないように処置して、生きたまま送りつけた。  ――の、どちらかになると思われるのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- >無価値な一文 No.7701 投稿日 2004年3月5日(金)21時57分 投稿者 新木 伸 >無価値な一文  なんの価値単位も含まれていない、とくにおもしろくもない一行を、そこに書くとき――俺たちプロが、どれほど、怖い思いをしているのか。  アマチュアには、わからないのだろうなぁ。  わかんねーから、アマチュアをやってるんだろうしなぁ。  「それに対して」「それに対して」「それに対して」「それに対して」「それに対して」「それに対して」「それに対して」「それに対して」――と、3ページのうちに7回も8回も出てくるような文章を、平然と書いていられるのだろうなぁ。  俺も仕事で執筆をしているとき――。  どうしたって、1ページのうちに1行くらいは、「繋ぎ」として、しかたなくなんの価値も持たない一文を書かざるを得ないときがある。  でも、怖いんだよ。  その一行のせいで、読者はそこで読むのをやめてしまうかもしれない。  ――てか、確率計算やってみれば、それが杞憂などではなく、「現実」なのだと、すぐにわかる。  ある本を購入して、最後まで読み切らずにうっちゃっておく人が、全体の1割ほど出るのだとする。  本は4万部売れたのだとする。その1割は4000人である。  1冊の本が240ページなのだとすると、その全行数は、およそ4000行である。  ――つまり、なにか一行を書くたびに、読者をひとりずつ、失っているんだよ。俺は。現実に。実際に。統計的に。  プロが、一行でもおそろかにできないその理由が、わかるか?  一行でも、つまんねーことを書いたなら、そこで死ぬかもしれないわけ。俺らは。  銃弾飛び交う戦場で、塹壕からひょいと頭を突き出して、それで無事なのは「運」でしかないわけ。  なるべくなら、ただの1回でも、そんなことはしたくないわけ。自分の命を運まかせにするなんてのは、一度だって、やりたくないわけ。  せめてその一行になんらかの価値単位を込めて、その一行では、読者を失わないで済むように、努力を重ねてゆくしかないだろ?  一冊、4000行に渡って、ずっとやってゆくしか、ないだろ?  たとえば、鷹見さん。  鷹見さんがこの分室に書く書きこみって、かならず、おもしろいよな。  でもあれって、べつに金を取ってない文章なんだよね。だからべつに、つまらないことを書いていたっていいんだ。  内容にさえ「価値」があれば、文体なんかは、無味乾燥だってかまわない。  だが、鷹見さんは、それをしない。かならず語り口でも愉しませる。そういうふうに書く。  あれは、つまり、「怖い」からなのね。  つまんないことを書いて、つまんねーと言われることを、鷹見さんは死ぬほど怖れているわけ。  だからなにをどうしたって、つまんないことは書けないの。  俺はそのへん、「掲示板の書きこみはウォーミングアップだし、休憩だから、本気でなど書けるかよ」と割り切っている。  だからこうして、つまらない語り口で、ダラダラと長ったらしくくっちゃべってもいられる。書きこみや話題単位で「価値」があればいいと、そんなふうに割り切ってさえいる。一行単位での価値は、ここでは必要ない。  ここには、流れ弾は飛んでこないからな。  つまんない一行を書いたために、話を読むのをやめられてしまう――なんて危険は、まったくないからな。 -------------------------------------------------------------------------------- 怖いというか、サービス精神というか…… No.7702 投稿日 2004年3月6日(土)01時11分 投稿者 鷹見一幸  えー、ちょいと話題を振られると、いそいそと、舞台の袖から出てくる、売れない芸人のような鷹見一幸です。  その昔、落語研究会なんてものに入っていた頃に、高座で「全く受けない」という経験をしたことがありまして、その時のトラウマによりそれ以来「面白くない」と思われることを異常に怖れるようになり、その結果、四十五歳にしてエンタティメント小説の作家になってしまったわけですが……  ……とかいうと、妙に説得力があるが、実を言うと落語は好きだが人前で落語を演じたことなどないんだよね(笑  なんで、こういった書き込みまで「受けを狙う」のか、と聞かれれば、うーん、何でだろう? 「怖い」というのも確かにありますね。「つまんない」と言われるのを怖れるという感情は、絶対にあります。とゆーか、それは、作家業を営むためには絶対に外せない必要条件のような気もしますね。    「つまんないだと? この、俺の書いたものに向かって貴様は『つまらない』と、こう言うのだな。わかった。表に出ろ、得物は何にする? 剣か? 銃か? 貴様の得意とする武器を選べ、こちらから仕掛けた果し合いだ。武器の選択権は貴様にある」  ……なんてまでして守るようなプライド持ってませんし(笑  一番の理由は本業で四分の一世紀以上「面白さ」とは無縁の文章をずっと書き続けてきた反動のような気もします。  公文書というのは、内容も語り口も一切「面白さ」とは無縁なわけです。 実に面白い、本当に腹をかかえるような事実も、手に汗握るような事実も、全部無味乾燥な書式に沿った「わかりやすく確実に伝える」ことだけが目的の文章にして書かねばならないわけです。  ワープロで報告書を打ちながら、内心で『くっそー、これを小説にしたらめっちゃ面白く書けるのに』なんて思ってましたからね(笑  後は、ココを読む人に「面白さ」というのは、ストーリィや、エピソードと言う部分にだけ存在しているんじゃないんだよ。  と、言いたいのかもしれません。  言い回し、切り返し、話題の飛躍、とんでもない比喩。  これだって立派なエンタティメントのための「武器」なわけです。  この武器を使いこなせるかどうか、それは人それぞれで、私だってまだまだ未熟、レモンで言えば「青い果実」というところでしょうか。 (これが『とんでもない比喩』の一例)(笑 -------------------------------------------------------------------------------- (笑) No.7703 投稿日 2004年3月6日(土)02時01分 投稿者 新木 伸 >>一番の理由は本業で四分の一世紀以上「面白さ」とは無縁の文章をずっと書き続けてきた反動のような気もします。  鷹見さん、もう「本業」は作家業でしょう。  それは元本業ですって。(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 頭が寒いです。 No.7704 投稿日 2004年3月6日(土)02時04分 投稿者 弟切 千隼  ばっさりと髪を切ったら、寒気がして仕方ない弟切です。体毛は防寒の役割を果たしているのだなあ、と改めて感じました。  人間のために毛を刈り取られてしまうヒツジも、毛を刈られた直後は寒がるそうですね。丸裸にされたヒツジは、しばらく暖房の効いた部屋で飼われると聞きました。  弟切は、防寒のため、しばらく室内でも帽子をかぶっていることにしました(^^; >作品の値段付け >> そうか。そうか。本当に始めてだったわけね。 >> やったことがないばかりでなく、考えたこともなかったわけで――。これまでは、まったく発想の外にあったわけね。 >> うーん。なぜだ。どうしてだ。なぜ「価値」というものが一行に宿ると考えないのだ。不思議不思議。あんびりばぼー。 (No.7695の新木さんの書きこみより)  えーと、これについては、弟切の説明が不足していました。  弟切は、文章全般に対して、「一行ごとの価値を計ったことがない」わけではありません。「小説」をそのように細分化して計ったことがないという意味です。つまり、小説ではない文章に対してなら、計ったことがあります。  オフィスで働くサラリーマンで、五年以上勤め続けている人ならば、たいてい、まとまった量の書類を書かされた経験があるはずです。解説書とか、調査報告書とか、操作説明書とか、そんなような名前で呼ばれる書類です。  とんびの羽根さんや羽矢野さんも、書かれた経験があるのではないでしょうか?  弟切も、この手の書類を書いたことがあります。  仕事で書く文章ですから、もちろん、これらの書類は金額に換算されます。一行いくら、と計ることができます。  ただ、会社の仕事として書かれた書類は、そこまで厳密に換算されることは少ないです。弟切の経験では、書類の代金は、プロジェクト全体の代金に含まれることが多いですね。  これらの書類は、小説と違い、説明文のかたまりです。このような説明文であれば、一行いくらといった具合に細分化してお金に換算する、という発想はありました。  小説の場合は、なぜか、「細分化してお金に換算する」という発想がありませんでした。  小説にはストーリーというものがあり、これによって始めから終わりまでつながっています。そのために、細分化できるという感覚がなかったのでしょう。 >> いくつかの段落をまとめて、「全体として」というのは、あまり良い分析精度とはいえない。せめて価値の発生地点を、一文単位までは特定すべきだ。弟切でも、やろうと思いさえすれば、そのくらいはできるはずだ。 >> もし可能であれば、さらに細かく、この単語からこの単語までの、○単語で価値が発生している、と分析するべき。 (No.7695の新木さんの書きこみより)  と、指摘されましたので、弟切の描写課題と、新木さんがそれをリライトしたものを、さらに詳しく分析してみます。この分析は次回に。 >> 商業水準としては、繋ぎの割合は一般的に5割程度だ。   (中略) >> やはり、プロで食っていこうと思うなら、目指すべきなのは、まあ5割だろうなぁ。 (No.7695の新木さんの書きこみより)  弟切には、発想力も構成力も文章力も、特筆すべきものは何もありません。文章の繋ぎでない部分に、「とてつもなく美味しい何か」を入れられる可能性は少ないです。素直に、「繋ぎ5割以下」の文章を目指します。 >> 弟切が自分のものを計測して出てきた「価値単位」のは、弟切が入れたつもりのものの総額ね。 >> 僕のリライトから読み取ったのは、弟切が価値を見いだしたものの総額ね。   (中略) >> よって、たとえば10円の価値を生じさせるためには、少なくとも20円ほど入れておかねばならない。価値単位は、他人に伝達しようとすると、かならず目減りするものだから。 (No.7698の新木さんの書きこみより)  という指摘もいただきました。弟切が感じ取れていない「隠れ価値」があることも意識して、新木さんのリライトを分析してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7705 投稿日 2004年3月6日(土)05時06分 投稿者 津荒 夕介 >>島津は小林の彼女を殺し、四肢を切断し、生きたまま小林の職場に届けた。  うわー、うわー、うわー、アホやんおれ……。  殺したら、死ぬし。生きたままじゃないし……。せっかくの見せ場なのに台無しだよー……。   >書き直し  島津は小林の彼女を捕らえ、四肢を切断し、生きたままの残りを小林の職場に届けた。    35本書いてこれじゃーなぁ……。くそー。  誤字チェックしたときに、字ばっかり見ていた。  文章全体を理解しながら読み返すチェックが足りていない。 >伝わる量。  伝えることは、二つ。  1 内容。  2 雰囲気。    「多重人格探偵サイコ1」 著:大塚英志  では、1の内容は普通に書けばいいが、2の雰囲気はどうやって書くのか?  暗い話なので、暗いエピソードを、暗い感じ――淡々とした語り口で書けばよろしい。 >>少年島津は殺人快楽者だ。女性を殺して解体しては、それを楽しむ。 ネットでレクチャーされた殺人方法を忠実に守り、警察にはまったく気づかれなかった。  最初の文章が、もっと怖くできた。  女性>女  それを楽しむ>それで性的興奮を得た >>新米警察官小林の課は、猟奇殺人を扱う。島津の事件の担当だった。記者会見でテレビに出た小林を、島津は自分の一部だと確信した。そして、小林に贈るプレゼントを考える。  最初のほうが読みにくい。 「猟奇殺人を扱う」はなくてもよし。 >>島津は小林の彼女を殺し、四肢を切断し、生きたまま小林の職場に届けた。プレゼントだ。小林の心は崩壊した。……代わりに出るようになった人格は「雨宮」だった。  最初の文章が間違い。 >>雨宮は島津を追いつめ、殺した。懲役7年の刑を受け入れ、向かったのは日本最悪の囚人が集う刑務所。雨宮がそこに入れられたのは、多重人格者だったからだ。  日本最悪の囚人>凶悪犯罪者。  どうやら、少しながら恐怖は伝わっている。  実際に描写してある小説と、あらすじの説明じゃ雲泥の差ですが。  まあ小説の1割ぐらいは、どうにか。    内容は伝わっています!   ――と、胸をはりたいところですが、ミスがあった。日本語になってない文章のことです。情けない。  内容の伝わり具合は、小説の9割。 >高校生三年生の時間割  遅くなりましたが、一応。  月〜木は六時限授業です。  金曜日だけが七時限授業。  注:4時限目と5時限目の間の昼食を食べる休みを、昼休み。    それ以外の授業と授業の間の休みを、小休憩、とする。  六時限授業の場合  8:30登校で、一時限は50分。小休憩が10分。昼休みが40分。  七時限授業の場合  8:30登校で、一時限は45分。小休憩は10分。昼休みは35分。午後から3時限やる。 ○課題:短編作成  やっぱりあらすじ書きと平行させると、時間がかかる……(今日はあらすじ書きやってません) 「砂を指揮する管理人」 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=855&e=res&lp=731&st=0  です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7706 投稿日 2004年3月6日(土)21時28分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>弟切は、文章全般に対して、「一行ごとの価値を計ったことがない」わけではありません。「小説」をそのように細分化して計ったことがないという意味です。つまり、小説ではない文章に対してなら、計ったことがあります。  あるのか、ないのか、はっきりしろよ。  書きこみを全部読んでゆくと、プロジェクト全体を1個と数えて、そこに値段を付けた経験はあるけど、その仕事の細目に含まれる「報告書一通」に値段を付けたことはないと、そのように聞こえるのだが。  つまり、ないんでしょ?  ましてや、報告書一通の項目ひとつ、段落ひとつ、段落内の各一行、一行の中の各単語――に関して、値段を付けた経験はないはずだよな。  でも弟切も経験があるんじゃないかと思うんだけど……。  わずか数文字に価値が生じることがあるはずだ。  たとえば、報告書でも見積書でもいいけど。プロジェクトに付随するある書類のなかに、ひとつの「数字」が書かれていたのだとする。  何気なく書かれている、その数文字ほどの数字を算出するために――足を棒にして何日も調査してきたり、データを集めてきて何時間も計算をしたりして、その数字の裏付けを取るために弟切が自分で実際に苦労したのなら、わかるはずだ。  その数字の――たった数文字には、たしかに「価値」が備わっているのだ。  その数字を出すには、何日間かの調査や、数時間もの計算やら――必要となってくるわけだろ? 他の人がその数字を導き出すにも、弟切がやったのと同じだけの労力が必要なわけだろ?  まあもっと仕事のデキる人間なら、もっと短時間で導き出すかもしれない。だが誰が仕事をするのであろうと、その数字を得るためには、ある一定の労力が必要なわけだろ?  他人が算出したデータを盗んで奪い取って利用するだけで、自分ではなにひとつ生み出さないで、適当に報告書をデッチあげているだけなら、わかりゃしないだろうが――。  自分で苦労して書類を作り上げているなら、一組の数字に「価値」が宿るという話は、信憑性を持って受け取ってもらえるはずだ。  ひとつ、例を出してこよう。 1.「甘すぎないコロンの香りが、あたしの鼻をくすぐった。」 2.「甘すぎないコロンの香りが、鼻の中いっぱいになった。」 3.「風に乗って、甘すぎないコロンの香りが鼻に届く。」  1は、弟切が盗んできたやつ。どこかの誰かが苦労して作った表現を、思いだして、ただ利用しただけの表現。  2は、弟切が自分で考えたやつ。1の表現より気が利いてないし、洗練されてないけど、弟切が自分で足を棒にして見つけてきた表現。  3は、俺が考えたやつ。  リライトとはいえ、新木汁をだいぶ混ぜるという路線のリライトだったし、ここは弟切のものを盗むのではなく、俺独自のものに替えないといかんと思った(後でこうやって解説に利用できとも考えたし)  弟切の考えだした「鼻の中いっぱいになる」という表現に、敬意を表したわけね。  弟切も頑張ったんだから、俺もここは、俺独自の表現に変えなきゃならんと、そう思ったわけだ。  俺は弟切よりも作家としては「デキる人」であるから、おそらく弟切が「鼻の中いっぱいになる」という表現を考えるよりも遥かに速く、「鼻に届く」という表現を考え出しているのだろうが……。  それでも、表現を探す努力をしたという点では、同じだろ?  ――で、お前は、なにか?  この自分自身が足を棒にして探してきた「鼻の中いっぱいになる」という表現に、値段を付けないのか?  俺の「鼻に届く」という表現にも、値段を付けないのか?  「匂いを不意に感じる」という現象がどういうことか、端的に言い表そうとした、この「描写」という試みには、なんの値段も付けないのか?  そりゃ1には、値段を付けなくたっていいよ。あんなのは単なるパクリだから。もし金が払われるなら、元々それを考え出した、どこかの時代のどこかの作家に払われるべきだ。  だが2と3には、値段が付くべきだろ? 金が払われるべきだろ?  弟切と俺のオリジナルなんだから。  あれに金が払われないのであったら、いったい、なにに金が払われるというのだ? ○津荒 >サイコのあらすじ >>島津は小林の彼女を捕らえ、四肢を切断し、生きたままの残りを小林の職場に届けた。  俺から見ると、まだ日本語が壊れてる。読めたもんじゃない。口の中にいれたとたんに、吐き出してしまうほど、ひどい。  「残り」というのが、なにを指しているのか不明。いったいなんの「残り」だ? なにからみた残りのことだ? なにに対しての「残り」なのだ?  その答えは津荒の頭の中にしかないんだな。  解体作業における「残り」――小林がやり残した作業のことかもしれないし。  切断作業で残った物――というと、どっちのことだ? 切り落とした手足のほうか、それとも胴体のほうか。津荒がなにを「残り」と定義しているのか。どっちを残りとしているのか、おまえの脳内を覗けない俺たちにはわかんないんだよなー。  説明する気、あんの?  こっちは聞く気があるんだから、わかるように説明しろよ。じゃないと聞いてやんないぞ。  「生きたまま」も、どの言葉に掛かるのか不明。  もし「届けた」にかかるのだとすると、生きたままの島津が運んでいった(届けた)という意味になる。だがそれはあたりまえだ。死人はお届けものはできない。無論ながら島津は、自分が生きたまま運んでいかなければならないはずだ。  女は四肢を切断されたのだから、普通なら死んでいるわけだな。特別な処置をされて「生かされていた」わけだよな?  自動詞と他動詞の区別がついてないから、こんなミスを平然とやっちゃって、しかも、いつまでも気がつかないんだろうなぁ。  ここのミスの説明は、「他動詞を使うべき場所で、自動詞を使ってしまっている」とすれば事足りるものなのだが――。  津荒にゃ、それじゃわかんないだろうなぁ。  中学校卒業してるんだから、知ってなきゃおかしいのだが。こんなのが高等教育受けに大学行って、学士様になろうっていうんだから、世も末だよなぁ。  わかりやすい例で、「走る」と「走らされる」を使って説明してみる。 × 先生に蹴飛ばされて、校庭を十周も走った。 ○ 先生に蹴飛ばされて、校庭を十周も走らされた。  ×のほうは壊れてる。読んで違和感を感じるか?  感じなかったら、お前の日本語味覚はおかしいし、そんなもんを書いていたって、いつまでも小説賞では一次落ちだ。  上記2つのミスをすべて修正して添削して、誰が読んでも読み間違えないように書くと、以下のようになる。 --------------------------------------------------------------------------------  島津は小林の彼女を捕らえて、その四肢を切断した。胴体だけとなった彼女を、生かしたまま小林のもとに届けた。 --------------------------------------------------------------------------------  ところで「職場」ってあったのは削ってしまったけど……。  あれ、べつになんの意味もないんだよね? 「小林の職場に届ける」のと、「小林のもとに届ける」のとで、この話的には、なんの違いも出ないんだよね?  なんで「職場」って書いてあったのかな? この2文字、いらねーじゃん。  ――とか、俺はぶつくさと思うわけだが。  たとえば職場ではなくて、自宅に送り届けられたのでは、小林は人格崩壊しなかった可能性があった――とか、そういうこと?  職場の人々に彼女の凄惨な姿を見られてしまったことが、人格崩壊の直接のトリガーになっていたとか、そういうことでもあったとか?  あと、島津が自分で運んでいったのか、それとも宅配便か運送屋でも使って送り届けたのか、いまひとつ不明。  まあ、重要でなくて、どうでもいいところなんだろうけど。  「送り届けた」とすれば、運送屋を使ったことが明示できる。  ただ「届けた」としておけば、届ける手段はなんでもよかった――ということが明示できる。(なのでこっちで書いておいた) >文章チェック法 >>誤字チェックしたときに、字ばっかり見ていた。 >>文章全体を理解しながら読み返すチェックが足りていない。  アホ。やりかたが悪いんだよ。  前、教えなかったっけ?  ミスをなくすためには、いくつかの段階に分けてチェックするんだってば。  内容だけしか見ない回。  文章しか見ない回。  誤字だけしか見ない回。  津荒も何度何度も見直しはしているのだろうが――。  どうせ、「内容と文章と誤字と」を、ぜんぶ同時にチェックしてるんだろ?  能力の足りてないやつが、1度であれもこれも全部やろうとしたら、どれも中途半端になるに決まっているだろ。「中途半端×3回」は、やっぱり「中途半端」にしかならないんだよ。  それよりも、内容だけを1回見て、文章だけを1回見て、誤字だけを1回見て――とやったほうがいい。ひとつひとつに集中するなら、お前の低い能力でも、けっこう完璧にやれるんじゃないのか?  同じ3回の手間をかけるのでも、こちらなら、「完璧×3回」になって、結果は「完璧」となるわけだ。  俺はいま、自分の文章に推敲をかけるとき、一度の精読で、内容と文章とリズムと読者の受ける印象と誤字――と、5つも6つも同時に見ているが。  昔は、それぞれ、別の段階に分けてやっていたんだよ。 >「砂を指揮する管理人」  タイトルに偽りあり、だな。  「砂」なんて、主人公か砂かけババアってなだけじゃん。主人公の能力は、ラストでジャジャ馬娘を掴まえる役にしか立っていないわけだし、べつに他の能力だって良かったわけだし。  「砂使い」の話だと期待して読むと、損をしてしまいそうだ。  俺は知ってたから、腹も立てなかったが。  精読したのは、1ページ分ぐらいまで。  全部で25ページ分ほどあるが、残りの24ページ分は、1秒1ページで飛ばし読みしていった。  ――結果。  つまらん。  説明するな、描写しろ。  くだらねぇもん読ませやがって、読むのに使った俺の1分間を返せ。  俺が精読をかけた冒頭1ページのなかの、およそ半分が、「百鬼市の妖怪と人間の共存の歴史」なんて説明文だったわけだが……。 --------------------------------------------------------------------------------  百鬼市には、35年前、突然異世界と人間界をつなぐ巨大ゲートが開いた。  異世界の住人――妖怪たちは友好的で、戦争は起きなかった。もし戦争が起こっていれば、妖怪が圧勝していただろう。妖怪に戦いを挑もうという無謀な人間は、幸いなことにいなかった。  ゲートが開いてから5年後、妖怪と人間の共存を目指して、百鬼市のみで妖怪の移住が開始された。  移住が始まって30年……厳しい審査をクリアし、免許を取得した善良な妖怪が、市内にはけっこう増えている。 --------------------------------------------------------------------------------  ――ここんとこね。  俺の読んだこの1ページのなかに、こんなこと書いてないで、他のもっとおもしろいことを書いておきゃ良かったのに。  そうしたら、それにつられて、もう2〜3ページぐらいは読んだかもよ? もう2〜3分ぐらい、時間を費やすつもりになったかもな。俺もさ。  さらに、その2〜3ページのなかに、またなんか面白いことが書いてあったら、もう2〜3ページ読む気になって――それを続けていけば、最後まで読んだかもな。  俺にはいつでもチャンネル回す自由があるのだ。  そしてこの1ページ分で、俺はチャンネルを回すことを決定した。  つまんねーから、もういいや。  「百鬼市の歴史」なんて番組に、俺、興味ねーもん。  お笑い芸人がアホなこと言って笑わせてくれる番組とか、おねーちゃんのハダカが映っている番組とか、同じぐらいくだらないけど、まだそっちのがマシだよな。  ここに書いてあった「共存の歴史」っていうのってさ――。  津荒が自分で「面白い」と考えている部分であって、この作品の中で、いちばん俺に読ませたかった部分なわけ?  じゃあお前の目的は果たしたことになるぞ。俺、この「歴史講座」だけは読んだもん。つまんなかったし、もう頭からきれいさっぱり消えちゃっているけどね。  もし読ませたかった部分が他にあったなら、そこだけ、抜粋してみそ。  半ページから1ページぐらい(9〜17行)ぐらいで、3、4箇所ぐらいまでなら、いまもういちど精読ぐらいしてやるぞ。 >冒頭から  ――で、俺の読んだ1ページのなかで、「歴史講座」以外の部分。  そこいらもすべて、説明文なんだよな。  津荒的には「描写」のつもりなんだろうけど。描写はひとつもなかった。 >>百鬼市役所二階の妖怪管理課に、キーボードを叩く音が孤独に反響している。 >>パソコン画面を睨むショートカットの女性は、大きな瞳の下にくまをこしらえていた。  5W1Hを語るためだから、ここは説明になっていても許してやろう。  残業するような遅い時間に、お役所の事務所の片隅で、お姉さんがひとり残務処理をしているわけね。外はきっと暗くなっているのだろう。 >>スーツ姿の彼女は、砂城アズサ。  おいおい。まだ説明が続くのかよ?  「スーツ」って、どんなのさ?  また「くま」ができるぐらいなのだから、徹夜でもしてるのだよな? じゃあスーツは当然よれよれだよな。  仕事のできる女の人が、よれよれのスーツを着ている姿って、すげぇ見てみたい気もするんだけど。疲れている奇麗さっていうの? なんかイヤらしくていいよな。  当然、ぱんつも前日から替えてないんだろうな? 股のとこに汚れぐらいついてるんだろうな。それともデキるお姉さんは替えのパンツと替えのストッキングは、いつもロッカーに常備してあるから、ぱんつだけは新品だったりするのかな? >>仕事の勝手も大体理解している25才だ。  25歳のお姉さんって、どんな感じなんだろう? 若くもないけど、おばさんでもないし、微妙なセンだな。お肌の曲がり角は24歳というし。  とにかく色っぽいのだろう。そうなのだろう。清楚な色っぽさか、エネルギッシュな色っぽさか、お堅い感じの色っぽさか、どれかよくわからんけど、とにかく色っぽいのだろう。大人の女の雰囲気を持っているのだろう。  それに仕事の勝手も理解している人って、どんな仕事ぶりをするもんなんだ?  勝手を理解していない新米と、デキるお姉さんの仕事ぶりとは、どう違うのだ?  うーん見てみたい見てみたい見てみたい。うずうず。  ――あ、でもこの作者って18歳なんだっけか。ああ、じゃあ……。役所勤めのデキるお姉さんの仕事ぶりについて、間近で観察したこともないし、具体的にはなにひとつ知りもしないし、書けもしないし、俺を愉しませることもできないのか。ちぇっ。だめじゃん。  これに関して、なんか書けるようなら、書いてみそ。口頭による説明でいいから。  具体的には、彼女のどのへんが「仕事の勝手を理解している」なわけ?  「じつは僕にはリアル25歳の仕事のデキる美人の姉がいるのです。毎日毎日観察してますから、新木さんなどより軽く100倍は、デキる美人について詳しいのです。特に疲れて帰ってきたときの“疲れた美人の様子”に関しては、僕よりも詳しい人間はこの地上に存在するはずがありません」とか、そう言ってくれたら、俺、ぐぐっと身を乗り出して、正座して、お前の話を聞くことにするから。  俺、会社勤めの経験はないから、平均的な高校生とたいしてかわらんから。  嘘ついてくれても、けっこう気づかないかもよ。  弟切や鷹見さんあたりのバリバリの社会人経験者を騙すのは無理だろうし、「それは変です」なんて突っ込みがはいるかもしれんが。俺や高校生あたりを騙すぐらいの嘘であれば、津荒にもつけるかもしれない。 >>一つ、力強くキーボードを叩いて、指を止める。  報告書類を作り終えたら、最後にセーブするもんだろ?  もしくは上司にメールで送りつけることが「仕事の完了」だろ?  なら最後の一動作って、マウスの左クリックにならんか? なんでキーボードなの? たぶんエンターキーのことを言っているのだろうが。  だいたい書類ってのは、書き終わってすぐセーブしたり、送ったりするものか? 最後の作業は見直しにならんのか? お前、小説書き終わったら、見直ししないのか? プロ作家は見直しをしないのか? プロのサラリーマンも書類の見直しをしないものなのか?  するだろ?  だったら、最後のほうで押し続けているキーは、カーソルキーの「↓」か、ROLL−UPキーでないのか? もしくはマウスのホイールをくりくりやっているのでは?  このお姉さんは、自分の書いた文書の見直しもしないで仕事を終えているわけ? それがデキるお姉さんの仕事ぶりなのか? 「見直しをしない=デキる」ということ? >>大きく息を吐き出し、指を鳴らしながら、イスにもたれかかった。  だーかーらー。  息を吐くさまとか、指をどうやって鳴らすのだとか、椅子にどうやってもたれかかるのかとか、ひとり占めしてないで、俺にも見せろよ。  お姉さんの吐いた息を俺にかがせろ。お姉さんの手指と、鳴らす仕草とを俺に見せろ。爪は長いのか、短く切り揃えているのか。色が塗ってあるのか、色はないがかわりに磨いてあってつるつるに輝いているのか。  椅子にもたれかかったのなら、上体が反りかえるわけだな。机に向かっていたときにはよくわからなかったバストサイズなんかが、その瞬間には、はっきり視認できるはずだよな? そこんとこ、特に重要なことだろ? 男の子としては、なによりもまず第一優先で、すっごく重要なことだろ?  なぜ、俺に見せない? なぜ、お姉さんの真横に俺を連れていかない? >>(やーっと、終わった……ったくあの吸血鬼野郎……) >>アズサは首を回しながら、残業をプレゼントして来た男のことを考える――  興ざめ。  お姉さんを外から充分に見せてくれていないのに、もう、いきなり内部に入っちゃうのかい。なんかお姉さんの心の中だけにしか響かないはずの声が聞こえてきたぞ。  ――てことは、もう俺には、お姉さんの外見を観察するチャンスは、これっぽっちも与えられないわけね? 心理の中に入っちゃったことは、もう「外見描写」は終わりなわけね?  ふざけんな。  ――で、このあとずっと、「歴史講座」になるわけだよ。  俺、いまそれ読みたくないんだけど。  もう、いい。  好きにやってろ! 俺チャンネル変えるー! >他の指摘  読み切った「勇者」がいたら、指摘してやってください。  上記のようないきさつで、僕には耐えられませんでした。 >学校のこと  うーん。2時間目と3時間目のあいだに、小休憩の10分よりも少し長い15分ぐらいの「中休み」があったというのは、20年は昔のことなのか、僕が通っていたところのローカル時間割だったのか、まあどちらかなのかなぁ。  結論を出すには調査が足りてないけど、そうしておいたほうが、安全っぽいなぁ。  しかしこれだけ調べてきて、実際の文中に反映するのは、「二時限目と三時限目のあいだの中休み」→「小休憩」と変わるだけ。  しかしここの3文字には、これだけ調べてきた「価値」があるわけだな。一単位にも満たなくて、計測にもかからん程度の、わずかな価値だけど。  ――てか、リアルで学校に通っている人には、なんの価値も持たない情報だけど。  しかし「学園物」って、もう学校に通っていない人が愉しんで読むために存在しているんだよね。夢境学園も、あれ、対象読者の年齢分布中心は大学生の3〜4年あたりだし。3分の2は、高校生よりも上だ。  しかし7時間授業の日に、45分授業になる学校があるっていうのは、意外だった。  授業時間は不変っていう、固定観念があった。  どうやって7時間を押し込めているんだろう、ってことは、前々から疑問だったんだけどね。  ちなみに給食のある学校は、昼休みは50分ほど取ることが多い模様。  配膳の時間が10分ぐらいは必要になるから、40分だと足りなくなる。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7707 投稿日 2004年3月7日(日)02時05分 投稿者 津荒 夕介 >サイコ >>切断作業で残った物――というと、どっちのことだ? 切り落とした手足のほうか、それとも胴体のほうか。津荒がなにを「残り」と定義しているのか。どっちを残りとしているのか、おまえの脳内を覗けない俺たちにはわかんないんだよなー。    すいませんでした。  失敗したのは、文章を圧縮することに、執着していたからです。  一番初歩の「意味を伝える」ができていないのだから、まずはそれを直すことに集中するべきでした。 >文章チェック  アホでした。方法了解です。 >短編  書き終えて「なんか枚数が少ないなぁー」と悩みました。  本来なら50枚予定だったのに、30枚程度だったからです。  きっと描写が「足りていないんだろうな!」と思って、頷いていました。  ――うーん。違った。ぜんぜん違った。  描写は、「なかった」ようです。  少ないのは、説明しかなかったからですね。  指摘してもらって……描写、わかったような気になりました。  でも、「わかったかもー」じゃだめなので、今度短いのを書いてきます。見てやってください。    話題を戻して……  「枚数が少ない」についてです。  枚数が少ない原因は、描写の他にもあって、それは、展開が速すぎるからじゃないかな、と思っています。  特に、会話のテンポが速いような。    自分の小説だから全てを把握していて、読む時の処理スピードが上がり、速いような気がしているだけかもしれません。  ともかく、展開の速度についても考えてみます。 >タイトル  「砂を指揮する管理人」  指摘、了解です。  砂を指揮する、の部分がまずかった。  残りの管理人を使って、題名を作るべきですね。  「妖怪ただいま管理中!」  ……とかでしょうか。 >百鬼市の説明  アズサ(お姉さん)の、「描写」が先にあるので、どうにか読んでもらえるだろうと思っていました。  実際には、「説明」だったんですけどね。    しかし、アズサの描写があったとしても――  ここに歴史紹介を入れていいのか?  ダメだろうなぁ。つまらないし。  さっさとウドラ(吸血鬼)を登場させるべきだった。  それで、二人の会話中に、少しずつ歴史説明を入れるべきだった。 >アズサのお姉さん。 >>具体的には、彼女のどのへんが「仕事の勝手を理解している」なわけ?  彼女が……    妖怪管理課の同僚全員のことを理解している。  市役所内での、課のランクを理解している。  建物の内部を把握している。(1階が受付で、6階には食堂がある……とか)  どの仕事から処理していくべきなのかを、理解している。  移住している妖怪を、全て覚えている。  年間スケジュールを知っている。  書類に間違いがない。(書類の書き方を理解している)  管理課の細かい設備を理解している。  仕事の中で、力を抜く時と本気で挑む時を知っている。  手抜きの方法を知っている。  ……らへんです。  全部想像です。嘘です。騙せる……かな?   >> このお姉さんは、自分の書いた文書の見直しもしないで仕事を終えているわけ? それがデキるお姉さんの仕事ぶりなのか? 「見直しをしない=デキる」ということ?  考えが甘かったです。  間違いでした。     >精読してほしい場所とか。  全部冒頭と同じで、説明ばかりなんですよ。  なので、遠慮します。 -------------------------------------------------------------------------------- それに対して No.7708 投稿日 2004年3月7日(日)03時28分 投稿者 名無し君2号  「それに対して」を3ページの間に8回も出しているのって――まさか私じゃないですよね? 不安になって「四兄弟」を読み返したりした自分を、いろんな意味でちょっぴり情けなく思った今日この頃。 >誤字 >貰われっ子ミーツ四姉妹、やりなおしの1  ようやく発見。  「亜樹奈」が「亜樹菜」に……。なんといいますか、本当は「亜樹菜」が正しいわけなのですが。  登場人物が作者の分身であるならば、自分の名前を間違えてるわけで、だめだこりゃ。  さらに自己申告しますと、「四兄弟」でも……。 >> なんとか空白から立ち直って、圭次郎がまたも口を開いたとき、きなり宗一が立ち あがった。  「きなり宗一が立ちあがった」ってもうムード台無し。  もちろん正しくは「いきなり宗一が立ちあがった」。どうすれば間違えられるのさ、これ。 >美人の分析 >>こうやって消去法で、削ぎ落としいって、最後に残ったもの――それを取ってしまっては美人と感じなくなってしまうものを特定するのだ。  これって他にも使える。  プロの小説を読んで、不気味に感じた場所、美しく感じた場所、格好良く感じた場所、それらを削ってゆけば、そのうちに根っこの部分に辿りつく。  ――つまりはそれだ。それが基の部分だ。  でも、そのまま使ったらパクリになっちゃうんだろうな。  この方法で弟切さん美人の分析をすると、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このあたりまでは削れました。  ちなみに声は澄んでないと、私は美人と感じないです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  頭の上から声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これだとなんか威圧感がある。下から見あげているからとみた。  「澄んだ声」=「清らか」か? 清らかさが威圧感を美人感に変える? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  頭の上から、はしゃいだ声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これでも美人なんだよなあ……。  でも自分の美人感に自信を持てなかったりもする。一般から見ても美人なんだろうか。  見あげた段階で、なにかしらこちらは印象を受ける。で、声の質でその種類が決まるらしい。なにも声に指定がないと、真っ白な印象、つまり威圧感のみ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あ、ごめんなさい」  頭の上から、冷たい声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ……これでも美人だったり。なにやら背中をぞくぞくと駆けあがるものが。 >ロマンティック >>「起」を隠さねばならない理由は? >>「酔いつぶれる彼氏から目を離す主人公」てなシーンを書いてしまうといけない、その理由は?  ……うーん。  面白くなかったからです。 >>しかし、おまえは、そのシーンがあると「なにかがまずくなる」と感じているわけだろ? その理由を掘り出してきて、説明しろと言っている。  そのまま書いていても面白くなかったから……小手先の技を使ったわけだ。オチが「実は……」じゃなきゃいいかと思いこんでいたんだな。  ええっ。結局一発ネタだったのか? やっちゃったのか?  あー……。ぬー……。うー……。  少なくとも、掌編の長さでは、下手に奇をてらうよりも素直に書いて、そこで面白さが出るように努力すべき……って昔おなじことを言われたような気が。 >アマチュア自慰中毒論 >>なんで、こう……。 >>アマチュアって連中は、オナニスト揃いなのかね? そんなにオナニーって、楽しいものなのかね? >>読者とセックスするほうが、もっとぜんぜん、遥かに楽しいとは思わないのかね?  小説とは、読者とセックスするものなのだという認識がないからです。  それでも、一部の天才はオナニーで十分銭が稼げたりしますが……。  顔は十人前、スタイルも十人前、テクニックもなく愛嬌もなく華もない。そんなオナニーショーを、誰が好きこのんで見るものか。 >>俺らはプロなわけ。お前もプロ志望なわけ。 >>俺はカネを受け取って、相手を喜ばすことを職業としているし、お前もそういうものを職業として選択しようとしているわけね。 >>いまおまえのやっていることは、金を払った男性客の前で、オナニーに浸っている売春婦のようなものだ。  で、一応はそれを仕込まれているはずの私が、なんだってオナニーをしているのかというと。  それがオナニーってわかってなかったから。  え? これって、君は気持ちよくないの?  なにしろ童貞を失ったのが最近なもので――つまりは読者を意識しはじめたのが最近なので、どういうプレイだと相手が喜ぶのか、そこら辺がいまいちわかっていない。  相手も気持ちいいだろうと思って、頑張ってみた。  ところが「ド変態! そういうのはお仲間とやりな!」と尻を蹴飛ばされ、パンツ一丁で追いだされ、あとから服を投げだされ、あげく靴が頭に当たって跳ねる。ポテチン。  思いきり閉められた扉の音が、心の凍りつく音に聞こえたよ。  どうすればいいのか。  意識するしかない。己の性癖は特殊なのだと。  あとはセックスに――読者がいるのだということに慣れるか。 >ラベルの重要性および作品に対する自覚 >>「これは毒ですので、その使用には注意を払ってください」とラベルを貼っておけば、毒を売ったってかまわない。どんなものにだって、需要と供給とはあるのだ。 >>だが毒には毒と、ラベルを貼っておけ。 >>間違っても、「ほのぼの」だなんてラベルを貼って世に出すな。  そもそも「毒」だという認識自体がなかった――オナニスト論とおなじで、自分がそこまでエグイことをやっていたとは自覚していなかったです。  「ほのぼの」。  本人がそのつもりだったけれど、実際には外道母の話になっていたと。  説明が足りなかったこともあるだろうし、見せ方が悪かったこともあるだろうし。  なにより悪いのは、はたして読者からはどう見えているのかが、まったくわかってなかったことか。 >854 「貰われっ子ミーツ四兄弟」、やりなおしの1 >>最初の1ページ分、17行だけを見てみると、価値レートは「2円/ページ」というところかな。灰色の文章が3割ほどあったから、それを削って圧縮濃縮すれば、価値レートは3円/ページぐらいにはなるのかな。 >>アマチュアってのは、やはり、そんなもんが限界なのかなぁ? >>どんなんだ? 答えろ。2号、弟切。  現時点での最大出力なのは間違いないです。  でも、こんなものではないと思ってますが……ないといいなあ。 >>固有の汁が薄すぎだ。 >>お前の作家としての個性というのは、「女は怖い。理解不能な存在」という「揺るぎない信念」にあるのだから、その「毒」をもっと込めろよ。 >>「女は怖い」ということを、絶大な自信を持って、なんのためらいもなく主張することのできるという特性は――アンドロメダ星雲のなかでも、ただ一匹、お前だけが備えている“個性”なのだ。  ……ええと。  褒められてるのか、けなされてるのか、上がったり下がったりひねられたり、あげく犬、AI、宇宙人についで第四の人格、「毒」は生まれるし、要点をまとめてしまうと、つまりジムのトレーナーは、私が向いているスタイルを示唆した、ということでしょうか。  不器用だけどタフな奴は、インファイト、接近するボクシングスタイルが向いているし。  器用だけど打たれ弱いなら、どうしたって離れて闘うアウトスタイルになるし。  ひとつだけわかっていることは、このスタイルだと女性読者の獲得は期待できないということですね。少しだけ泣いてもいいですか?  とりあえず、自分が毒持ちだってのは思い知りました。  まあ実際に病気持ちではあるのですが。  そうか……小説の中では怖がってもいいのか……。  でもやりすぎちゃ駄目なのか……。 >脳天気 >>ところで「脳天気」は、(C)平井和正だぞー。他の作家が作った造語だぞー。一般名詞じゃないぞー。わかって使ってないと、作家としては、恥ずかしいぞー。 >>しかし前に俺、どっかで書かなかったかなー。平井和正は日本人作家のなかで、辞書に自分の造語を載せた数少ない作家のうちのひとり――てな話。  新木さんは書いてます。なので私も知ってます。  ただ、辞書に載ってる単語ならば、使ってもいいんじゃないかなと。もう日本人の言葉じゃないかなと。  ちなみにgoo辞書だと、「脳天気」で三種類の単語が出てきました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  のうてんき 3 【能天気/能転気/脳天気】 (名・形動) のんきで、安直なこと。また、そのような人やさま。 「―なやつだ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  どういうことなんだろ?  「脳天気」から、いくつかの種類が生まれたということ? それだけ広まったということか。でも私は平井和正さんの作品を読んだことがないのだな。今度、図書館に行ったときに探してみよう。 >津荒さん >三十四冊目「多重人格探偵サイコ1」あらすじ  これはたまたま持っていました。なので記憶に頼りつつ指摘してみます。 >> 島津は小林の彼女を殺し、四肢を切断し、生きたまま小林の職場に届けた。プレゼントだ。小林の心は崩壊した。……代わりに出るようになった人格は「雨宮」だった。  小林の人格が完全に壊れたのは、島津を殺した瞬間だと思いました。  だから裁判のとき、雨宮は「確かに小林が島津を殺しましたが、私は雨宮なので関係ありません」と主張していたような記憶があります。 >> 雨宮は島津を追いつめ、殺した。懲役7年の刑を受け入れ、向かったのは日本最悪の囚人が集う刑務所。雨宮がそこに入れられたのは、多重人格者だったからだ。  津荒さんが気づいたように、「日本最悪の囚人が集う刑務所」ではなかったはず。たしか政治犯は多いけど、普通の刑務所です。  また雨宮は多重人格者とは認定されていませんでした。多重人格と認定されたならば、行くべきは精神病院ですね。まあ桃井のいる刑務所に入れられたのは、なんらかの意志が働いていたような気がしますが。 >> 刑務所の屈辱に対抗して、過激な西園が出る。刑務所では、囚人のリーダー桃井が賭博を開催していた。看守も認める賭けだ。ポイントが貯まると、待遇が良くなる。  桃井は囚人どころか、刑務所を支配していたはず。刑務官の携帯電話を使って外に連絡がとれるぐらいなのですし。 >> 西園は二つの事を見抜いていた。桃井が彼の娘二人を使って、イカサマをしている事。桃井の目が偽物である事。桃井は、実際には無い、目の記憶で国から優遇されている。 >> 秘密を守るため、桃井は西園と賭けで勝負する。賭けるのは、桃井の仲の悪い娘二人が殺し合い、どちらが勝つか……。  桃井がいかさまをしていることは、刑務所内に桃井との会話を放送することで、すでに囚人全員が知っています。だから桃井が勝負したのは秘密を守るためじゃないはずです。  博打のいかさまと、眼が偽物だということを暴露されたことで、桃井はすでに刑務所内での権力を失っています。  賭けにのろうがのるまいが、娘のどちらかが死ぬことにはかわりなく、権力を失ったこともあって、なかば自暴自棄になったから、西園と勝負したのだと思います。 >> 賭けは――西園が勝った。刑務所の秩序は崩れ、桃井は娘の死を苦しみ自殺した。  桃井が自殺した理由については、作者は明解な答えを出していません。「桃井は娘の死を悔やみ、己で死を選んだ――ということにしておけば、この救いのない話の、せめてもの救いになるだろうか?」とかなんとか、そんなふうなことが書かれていたはず。 >短編、「砂を指揮する管理人」  あらすじが欲しい……。  いまの津荒さんなら、簡単に書けるはずです。  ざざざっと読んだのですが、えーと、吸血鬼が自分の娘を捕まえるのに、主人公の力を借りる理由がよくわかりませんでした。  娘が下級吸血鬼を増やして、街がパニックになっているから……とは本文で解説されてますが、妖怪管理課の主人公を連れていったら、問題を起こした娘は始末されるに決まっていると思うのですが。実際に始末されてますし。  だまって一人で娘を説得しにいったほうが、よっぽどいいんじゃないでしょうか?  文章面での指摘は、気力があれば次回に。  私も課題をやらなきゃいけないもので。  残った課題。 ・キャラの書きわけ、喫茶店編 ・キャラを構成する要素を抽出  レスのみ、です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7709 投稿日 2004年3月7日(日)08時07分 投稿者 新木 伸 >津荒  うーん。  描写のことは、わかったような気がしただけだと、それはきっとわかった気がしただけだろうから、身についたのとは、たぶん違うだろうなぁ。  これまでの俺のやりかたでは、冒頭のアズサ姉さんのあたりを何度も何度も何度も書き直させて描写を体に覚えさせるところなのだけど。  津荒の場合には、次の短編で見せてもらえばいいかな。  さっそく次のに取りかかれ。また次の話のネタ出し。2〜3日で終わらせて、4〜5日で書く。1週間に1本ずつ書いていってみようか。  お前の場合は読むのも書くのも圧倒的に足りてない。いまは書いたものの出来がどうこう言うよりも、まず人並みの作家志望者になるのが先だ。読むのと書くのと、どっちも並行してやってかなきゃだめだろう。  書け書け。この春休み中に、あと3篇ぐらいは短編をあげられるはずだ。  ところで大学はいつから?  キャラと設定は使い回したほうが楽かな?  新規に作ってもいいし、妖怪管理局のアズサ姉さんで、また一本作ってもいいぞ。  ところでアズサと百目って、知り合いなの? 世界は別? それとも陸続き?  いま百目のところって、根暗で頭デッカチで厭世的な女子高生が取り憑いてるんだっけか?  あの二人あたりを絡めて、なにか一本話が作れそうかな。  描写が存在しないのは指摘したとおりだが。  説明としても、あっさりしすぎなんだよな。もっとねちっこく説明することだってできるのに。あと20枚分ぐらい説明があったっていいと思った。展開早すぎ。  冒頭のアズサの仕事ぶりに関してだって、やろうと思えば、もう何行かは説明できるだろ。描写がベストなのはいうまでもないが、それができねーなら、説明でもいいから、とりあえず埋めとけよな。  サイコのあらすじで、精神ダメージが俺に10%分しか伝わっていないと言ってたな。  まあたぶん、そんなものだろう。  俺がその話を自分で実際に読んでいたら、きっと10倍はダメージ食らっているはずだ。  つまりお前の言葉による伝達能力は、いま、たったの10%しかないということになる。  だが「多重人格探偵サイコ」を読んできたのはお前だけで、それを紹介することができるのは、お前一人だけなわけだ。  たぶん分室の参加者では、読んでいるのは、お前一人だろう。  すくなくとも俺は読んでない。だからお前から聞かせてもらうしかない。  お前の伝達能力が10%なのだとしても、それを語ることができるのは、ここにはお前一人しかいないわけだ。だからお前がなんとかしろ。  今回の短編においても、全容を把握しているのは、世界でもお前一人しかいないわけだ。お前の能力がいかに低かろうと、いま伝達能力が10%きりしかなかろうと、お前に書いてもらうしかないんだよ。俺たちがその話を読むためには。  もうちょっと工夫するなり、努力するなりして、なんとかしろ。  伝達能力が10%しかないということは、お前の頭の中にある話の「面白さ」の10%しか、俺らに伝わっていないってことだろ?  お前が100面白いと思ったとする。しかしお前のウデが悪いせいで、俺らには10の面白さしか伝わってこないのだよ。  もうちょい頑張って、20〜30ぐらい伝えられるようになれば、だいぶ違ってくるだろ。一挙に2倍にも3倍にも化けることになる。  おまえ、ついこのあいだまで伝達能力0%だったんだよね。なに言ってんのか、まったく、わかんなかった。それがいまでは10ぐらいにはなってきている。20や30くらいになれるのは、そう遠くはないはずだ。  プロだって100の伝達能力を持っているわけじゃないんだ。せいぜい、50〜60%ぐらいなものじゃないかな。  プロっていっても、ピンキリだから、上のほうは80%ぐらいの人もいるだろう。だが大抵のプロは、知恵を絞って、全力を振り絞って、せいぜい60%がいいところだ。全力を出しても40%ぐらいのプロもいる。  歴史説明は必要だ。省いたらわけがわからない。ただし場所がまずい。あそこじゃ早すぎる。  挿入するのに適切な場所は、「この世界ってどうなってんのー?」と読者が感じた瞬間だ。  具体的には、アズサがパパに泣きつかれて、出動することになった、その直後――だな。  市役所から現場へと、場所移動を行うシーン切り替えの隙間に、「世界講座」を放りこむ。  この美人でキツそうで、デキる感じのお姉さんの「仕事」って、ナニ?  なんで窓の外から人が入ってくるの? 吸血鬼って言ってるけど、なんで吸血鬼がウロチョロしてて、大騒ぎになったりしないの?  ――と、色々と飛び出してきた疑問とフラストレーションとが溜まってきて、臨界点に達しかけたその瞬間に、「じつはこの世界はこうなっておりまして……」と説明してやりゃ、読者は飛びついてくるんだよ。入れ食いなんだよ。単なる説明文でしかないものを、美味しい美味しいと言って飲み込んでくれるんだよ。  ――しかし、そんなこと、わざわざ俺に教わらなくても、お前が写し取ってきた35本の話の中になかったのか?  この手の世界説明をやっていた小説が、何本かあるはずだろ? 説明不要で一般読者にも馴染み深い現代世界でなくて、まるで別世界だったり、現代だけど一部特殊設定のある世界だったり、そういうの、ってライトノベルでは多いはずだし。  それらの話では、いつ、どういうタイミングで「世界説明」をやっていたんだよ?  ちと、該当する作品名と、どこで世界説明をしていたのかということとを、ずらりと出してみそ。  35本写し取ってきて――。  おまえって、ホントに話の筋だけしか写し取ってきてないんだなぁ。 ○2号 >誤字とか >>ようやく発見。 >>「亜樹奈」が「亜樹菜」に……。なんといいますか、本当は「亜樹菜」が正しいわけなのですが。  ……ふぅん。  それも誤字だったのか。  じゃあ、誤字は全部で6個存在しているってことだね。  ――で、あと残り2個は?  ――って、おまえさ。  このやりとり、何回続けるつもり?  この期に及んで、まだ単純誤字が出てきたのには呆れたが……。(ひょっとしたら、単純誤字も、まだあと1個2個は出てくるのかもしれないなぁ)  こうまで探して見つからないってことは、ケアレスミスの単純誤字ではなくて、思いこみによる誤字だってことだろ? つまり、普通に探していても、お前自身は決して誤字だと認識できない類の誤字だってことだ。  それを見つける方法は、すでに弟切に教えてある。  わざわざ同じこと教え直すのは馬鹿らしいので、最近の過去ログ漁って、テメエで見つけろ。  さもなけりゃ、一生同じところをぐるぐる回ってろ。  結果出さねー努力は、努力とはいわねーんだよ。 >アマチュア自慰依存症仮説 >>小説とは、読者とセックスするものなのだという認識がないからです。  ああ。じゃあ、やめろ。  小説書くのやめていい。  アマチュアの小説ではどうだか知らんし、興味もないが。  プロの小説ってのは、読者とのセックスだから。  そういう認識がないなら、プロ目指すだけ、無駄なこった。  その認識を植え付けるということも、すげぇ無駄なことに思える。  下方修正につぐ下方修正を繰りかえしてきた分室ではあるが、さすがに、そこまで落ちぶれるつもりはないわい。  オナニーザルから無理矢理オナニーを取りあげるのか。ここは「更正施設」なのかよ。  ここは小説道場なんだよ。「読者とのセックス」をしたいと思う者に、技術を叩きこむ場所なんだな。  オナニーしたがっているヤツから、その愉しみを取り上げて社会復帰させてやるつもりもないし、その必要もない。  一生、オナニーをやってろ。社会はお前を必要としていない。ああ。社会じゃないか。この場合には「読者」か。  だいたい、お前の言う「一部の天才」ってのは、いったいどこの天才のことだ?  俺も天才は何人か知ってるが、お前の言うような、「天才的なオナニーをしてみせる人間」ってのにお目に掛かったことはないぞ?  俺の知っている天才がどういう種類の天才なのかというと、「生まれてから一度もオナニーをしたことのない人間」という種類の天才ね。しかもセックスも天才的だ。なんとなく触ってみたところが、ずばり、読者の性感帯だったりする。  現実世界にも、いるんじゃないのか?  思春期の精通からこちら、自分の性欲と精液とを一度もオナニーで処理したことのない男ぐらい。何万人か、何十万人にひとりの割合で、いるだろ。  ――えーと。ところでさ。 >>小説とは、読者とセックスするものなのだという認識がないからです。  これって、お前の話だったっけ?  それとも一般論だったっけ?  もしお前の話だったのだとしたら、お前、もう明日から来なくていいから。  認識持てるようになったら、もういっかい来なさい。それまではなにやってもムダだよ。  またお前の話でなくて、単なる一般論だったのとしても、お前、その心情が理解できてしまえるということは、かなりヤバいよ。  俺、ぜんぜん、わかんねーもん。  なぜ「小説とは読者とのセックスだ」という認識がないのか、そこのところがまるで理解できないもん。人に読ませるために書いているものなのに、なぜ、そこの認識が欠けてしまうのか、まったくわかんないもん。 >>褒められてるのか、けなされてるのか、上がったり下がったりひねられたり、あげく犬、AI、宇宙人についで第四の人格、「毒」は生まれるし、要点をまとめてしまうと、つまりジムのトレーナーは、私が向いているスタイルを示唆した、ということでしょうか。  作家として褒めるということは、人としてけなすということだぞ?  アンドロメダの沼地に生息する毒体液を持ったスライム生物が地球にやってきて、本を書いたら、すげぇ売れるって。ベストセラー間違いないよ。 >>ひとつだけわかっていることは、このスタイルだと女性読者の獲得は期待できないということですね。少しだけ泣いてもいいですか?  たいていの男性作家は、女性読者なんて獲得できてないから、心配するな。  中二の女の子から届いた一通きりのファンレターを、後生大事に抱えこんで、友人作家に自慢して回る、寒々とした作家もいるくらいだ。 >脳天気  えーと……。  「能天気」がかなり昔から存在していたわけね。少なくとも西暦1800年以前。  平井和正がその言葉をもじって「脳天気」という造語を作って――と、そういう歴史なのだが。  ひょっとして、平井和正が「脳天気」を作り、そこから「能天気」と「能転気」とが派生したとか、そのように思いこんでしまっている?  どの言葉が最初に存在したのかということは、自明だと思って説明を省いていたわけだが――。  それさえも説明してしてやらなきゃ、わかんないの?  おまえ、そこまで馬鹿?  そこまでの馬鹿が、小説書いて、いいのだろうか……。 -------------------------------------------------------------------------------- 黒電話とガールフレンド No.7710 投稿日 2004年3月7日(日)11時02分 投稿者 新木 伸 >津荒に質問  黒電話とか、ピンク電話って、知ってる?  プッシュ式ではなくて、古いダイヤル式の電話機で、電話したことある? ダイヤル式の電話機の使い方、わかる?  あと恋人未満の男女関係で、単なる友達でもなくて、皆でカラオケやったり遊びにいったり、たまには二人でデートもするぐらいの関係の遊び相手の女の子のこと、いまはなんというものなのだ?  いまでも「ガールフレンド」というものかね? (てか、俺らの頃も言葉としては存在したけど、誰もリアルな会話では使っちゃいなかったが。物語内専門用語だよな。20年前の当時でも)  津荒ひとりだけでなく、できたら友人5〜6人くらいに聞いてくれると、助かるのだが。そのくらいの数なら、統計データとして信頼性がちょっぴり出てくるもんで。  もしくは、ROMさんからの情報提供者求む。(ここに書きこみで) -------------------------------------------------------------------------------- ちょっとだけ復活 No.7711 投稿日 2004年3月7日(日)13時07分 投稿者 桜庭 優  答えられる質問があったので、ちょっとだけ復活します。 >新木さん >黒電話とか、ピンク電話の使い方  うちの母方の祖母の家に、黒電話があったりするので、お答えいたしますと、 1.受話器を本体のフックから上げる。 2.次に、例えば「03−1234−5678」の場合だと、 2−1.まず、ダイヤルの「0」のところの穴に指を突っ込み、時計回りの方向にダイヤルを回し、ダイヤルが回りきる所まで回したら、指を離す。 2−2.すると、ダイヤルが自動的に戻るので、それを待つ。 2−3.ダイヤルが戻ったら、今度は「3」の穴に指を突っ込み、2−1と同じ動作を行う。 2−4.以降、最後の「8」まで繰り返す。 3.全てのダイヤルを回し終えた何秒か後(たしか3〜4秒後)、おなじみの「プルルルル……」という音が受話器から鳴るので、相手が出るまで待つ。 4.通話が終わって切りたい時は、受話器を本体のフックに戻す。  と、こんな感じです。  ピンク電話もだいたい同じだとは思うのですが、硬貨関連のことがちょっと思い出せなくて、省略しました。 (例えば、投入硬貨で通話料金が余った時に、戻ってくる硬貨と戻らない硬貨があって、それがどれだったか思い出せないとか)  本当の復帰宣言は、また今度ということで。  あ、最後に。 >2号さん 「『それに対して』×7、8回」とは、自分のサイトにある小説の事です(笑)  恥ずかしいので、書き直そうかなあ。アレ(笑) -------------------------------------------------------------------------------- 風邪は万病のもと No.7712 投稿日 2004年3月8日(月)01時36分 投稿者 弟切 千隼  帽子で防御していたにもかかわらず、頭の寒さのために風邪を引いてしまった弟切です。  どうやら、髪を短くし過ぎたみたいです。ばっさり切った直後に、狙いすましたように寒波がやってきて、弟切の体を冷却してくれました(;_;) 昨日は半纏[はんてん]を着てこたつに潜っていても寒くて寒くて、起きていられませんでした。  教訓。寒い時期には、髪はほどほどの長さに切りましょう。 >描写課題「美人」の詳細分析  自分が書いたものを分析してみました。しかし、体調が悪いためにあまり集中できず、途中までしかできませんでした。  とりあえず、分析できた文を以下に書いておきます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴る。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここは書きだしなので、5W1Hをはっきりさせることが最優先されます。  『商店街』で、場所が決定します。『まだ閉まっているほうが多かった』で、お店が開く前の時間帯=朝であることが示されます。  『まだ閉まっているほうが多かった』という文においては、『まだ』が重要です。『閉まっているほうが多かった』だけでは、時間帯が確定しません。加えて、単にさびれている商店街だと誤解されるおそれもあります。  『まだ』という単語はさほど目立ちません。読者さまに読み落とされる可能性が高いです。そのため、「朝」を示す言葉をもっと持ってきて、読者さまの印象を強化します。  「朝」の強化には、『ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴る』という文を使っています。『朝メニュー』とはっきり書くことで、時間帯を確定させています。  『ファストフードの朝メニューの看板』は、朝の商店街感を出すのにも有効な言葉です。  今や日本のほとんどの商店街には、何らかのファストフード店があるでしょう。多くの読者さまにとって、「商店街のファストフード店」は馴染みがあるもののはずです。  ファストフード店には、普通のお店が開くより早くから営業しているところも多いですね。そういう店舗では、たいてい朝限定メニューを出しています。ハムエッグにイングリッシュマフィンにオレンジジュースのセット、などというメニューが書かれた看板が、よく朝の商店街に立っています。見たことのある方も多いでしょう。  『看板が風に鳴る』という表現は、聴覚に訴えます。五感をまんべんなく使った表現をしたかったので、ここでは聴覚を使ってみました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた。足を出すたびに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『あたし』で、視点キャラクターが登場します。この一人称ですと、かなりの確率で、視点キャラクターが若い女性であることが決定します。  『少し』は気弱語のため要りませんでした(^^; 『速足』は論外な誤字でしたね(^^;;  誤字であることを除けば、『速足』で、視点キャラクターが急いでいることが伝わるでしょう。  『看板の横を過ぎた』で、視点キャラクターが商店街の中にいることが確定します。続く『足を出すたびに』で、視点キャラクターが歩いていることが確定します。『ダウンジャケット』で、寒い季節であることも確定しますね。  ここまでで、ほぼ5W1Hを伝えることはできたはずです。  『ぶかぶかのダウンジャケット』で、視点キャラクターの気質の一部が伝わります。おしゃれな人なら、こんなものを着ません。視点キャラクターの彼女は、若い女性なのに、あまりおしゃれではない人だと示しています。  『がさついた』という言葉を使ったのは、聴覚に訴えたかったからです。「まんべんなく五感に訴える作戦」の一環です。  人間は視覚的生物ゆえ、描写の際にも、視覚的描写に偏りがちです。それでは単調な描写になります。それを避けるために、視覚以外の感覚に訴える描写をしようと心がけました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ちらりと腕時計に目をやる。この分なら、美智代との約束には間に合いそう。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『腕時計に目をやる』で、視点キャラクターが時刻を気にしていることを示します。前にあった『速足』と合わせれば、鈍感な読者さまにも、「視点キャラクターの彼女が急いでいる」ことがはっきりと伝わるでしょう。  とすれば、読者さまは、なぜ彼女は急いでいるのかと疑問を感じるでしょう。すぐ後に『美智代との約束には間に合いそう』と書くことで、読者さまの疑問を解くようにしました。  『間に合いそう』という女性っぽい語尾で終わらせることにより、視点キャラクターが若い女性であるという情報を強化しています。  『美智代』は、普通に考えれば女性名ですね。視点キャラクターも女性ですから、「女の子二人が待ち合わせの約束をしている」ことがわかります。視点キャラクターがおしゃれでない格好をしていることで、彼女と美智代は気が置けない関係であることを示しています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  速足のまま角を曲がって――黒いコートとぶつかりそうになった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  この文は、「繋ぎ」ですね(^^; 視点キャラクターの行動を、そのまま書いているだけです。  一応、『角を曲がって――』とダーシを入れて、『黒いコート』の人とぶつかるまでの間を表わす工夫はしています。『速足のまま』で、視点キャラクターが相変わらず急いでいることも伝えています。  人という言葉を入れずに『黒いコート』と書いたのは、とっさの場合に目に入るのが、見た目の面積が広い『コート』だからです。誰も着ていないコートだけが道を歩いている、という状況は普通にはあり得ませんから、『黒いコート』と書けば、それは「黒いコートを着た人」のことだと理解してもらえるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7713 投稿日 2004年3月8日(月)11時21分 投稿者 津荒夕介 ○2号さんへ >サイコ  指摘了解しました。  間違いだらけ、でしたね……。  記憶だけで、そこまで完璧に覚えているのは凄いです。重要な所をキチンと掴んで読んでいるからでしょう。見習いたいです。  がんばらないと……しゃれにならん。 >砂  吸血鬼父(ウドラ)がアズサ(管理人)を連れ出した理由を書きます。  もしジュリが何も事件を起こさなければ>なにもなし。  もしジュリが、事件を起こしたとしても、アズサと一緒にいれば、アズサによって被害は最小限に食い止められる。  被害は少ない方が、良い。罰が軽くなるからです。    ウドラがアズサを連れ出したのは、以上の理由です。 ○課題:短編  了解です。次のを書きます。 >百目とか  別の世界です。  百目の世界では、人間が妖怪の存在を知らない。  砂の世界では、人間が妖怪の存在を認めている。   >枚数が少ない >>説明としても、あっさりしすぎなんだよな。もっとねちっこく説明することだってできるのに。あと20枚分ぐらい説明があったっていいと思った。展開早すぎ。    ああ、やっぱり……。  展開遅くしたいです。 >>ちと、該当する作品名と、どこで世界説明をしていたのかということとを、ずらりと出してみそ。    「あるある!夢境学園1」>学校の説明が、一番最初に。  「月と炎の戦記」>夜が続く理由が、一番最初に。  「リアルバウトハイスクール1」>異世界に行っている事を、戦闘シーンとして最初に書く。本人の経歴については、かなり後。  「爆れつハンター 〜血封印〜」>序章で魔法を使ってから、第1章の頭で説明。  「なりゆきまかせの異邦人」>呼び出されて、脅迫して、2度目の呼び出しの後に説明。 >>35本写し取ってきて――。 >>おまえって、ホントに話の筋だけしか写し取ってきてないんだなぁ。  面目ないです……。 ○課題:あらすじ  おもしろく書きました!  三十六冊目「おちゃらか駅前劇場」 著:阿智太郎  「俺は石川!!」  一行あらすじ  窃盗の天才少年石川が、その正体を見破られる話    「僕は血(血に上から×)生臭い殺し屋」  一行あらすじ  殺し屋の俊太が、殺人現場をクラスメイトの少女早川に見られ、早川を秘密のために殺そうとする兄弟達から守る話  (訂正しました)  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=858&e=res&lp=856&st=0    「サングラスの奥で」  一行あらすじ  優しすぎる殺し屋斬が、その優しさ故に装っていた冷酷な仮面を、一人の少女の死で壊してしまう話  「七夕にお願い」  一行あらすじ  大学生の四郎が、幼稚園以来会っていない女の子と、宇宙人の力で再会する話    http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=856&e=res&lp=856&st=0  三十七冊目「爆れつハンター3 転輪王<前編>」 著:あかほりさとる     一行あらすじ  東方魔術の使い手マロンが、死んだ師の力を利用する兄弟子を倒す事で、「転輪王」についての事件に巻き込まれていく話    http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=857&e=res&lp=856&st=0  二日分です。 ○新木さんへ  質問については、5・6人に聞いてから答えます。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7714 投稿日 2004年3月8日(月)17時57分 投稿者 新木 伸 ○津荒 >あらすじ写し取り課題  なに書き直してやがるんだ、ばかやろう。――と、叱ろうとしたわけだが。  叱るためには、なにをどう変えたのか知っておかなきゃならんので、両方読んでみた。  はじめに読んだのが修正後のほう。  そのあとから、手を入れる前のほうを読んでみた。  おもな違いは書き出し部分にインパクトを与えることと、ラストに収まり具合を書き忘れいたのの追加なわけね。 (修正後) >>両親が他界し、四人兄弟で仲良くやっている中村家は――殺し屋一家だ。 >>中村家の次男、高校生の瞬太は、冷凍サンマを使う殺し屋だ。 (修正前) >>両親が他界し、四人兄弟で仲良くやっている中村家は――殺し屋一家だ。 >>中村家の次男、高校生の瞬太には、悩みがあった。暗殺道具がダサい事である……。  「おもしろく書きました!」とビックリマークまで付けて強調してくるぐらいだし、わざわざ書き直して掲示板資源をムダ遣いしているぐらいだから、もしおもしろくなっていなかったらぶっ飛ばしてやるか――。と思って読んだのだが。  「冷凍サンマ」のくだりで、ぷっと吹きだしてしまった。  笑ってしまったからには、これは、叱ることはできんな。  修正後のほうが、断然、面白くなっている。  サイコのように、怖くて不気味な作品であれば、その不気味さを――。  阿智作品のように、おもしろくて笑える作品であれば、その笑いのエッセンスを――。  今後も、このように――。  作品の長所となる部分はどこか。どこがアピールすべき部分なのかを見極めて、それをそのとき自分に振り絞れる最大の伝達効率で、写し取るようにすべし。  いまは10%だろうけど、やっているうちに限界があがってゆくもんだ。  津荒は伸び率で計測すると、4本くらいで1%ぐらい、伝達効率が上がっているみたいだな。はじめ0%で、いま40本ぐらいやって、10%ちょっとなわけだろ。  なら単純計算でいえば、200本やったら、50%に届く計算だわな。  まあこれは単純計算だから、そうそううまくはいかないだろうが……。(30%あたりに、けっこう大きな「壁」がひとつあるんだよな)  しかし、まあ、阿智さんはやっぱすごいなぁ。  俺が吹きだした「殺し屋の武器が冷凍サンマ」ってのも、津荒はただ正確に写し取ってきただけなんだな。津荒が考えたわけでなく、阿智さんの考えたものなわけだ。  その武器も、単なる「サンマ」じゃヘンテコなだけだけど、「冷凍サンマ」と、そこまで行きますか。「武器がサンマ」ってところまでなら、誰でも出せるだろうけど……。  「冷凍」まで付けられるのは、世界広しといえども、やはり阿智太郎しかいないだろう。  あと凄いのが。1冊に短編4本が詰まっているわけだが、そのすべての作品が――。  笑い、泣き、カッコ良さ、悪への怒りが発散される快感――エンターテイメントの要素をほとんど網羅している。短編なのに。  あと足りないのは色気ぐらいなものかな。長編のほうだと、それだってしっかり入っているのだし。  津荒がどんな話を書くべきか。どんな話に向いているのか。方向性とかは、まだよくわかんないけど。  「砂かけアズサ」の話で、コメディ路線もけっこうイケることがわかったし。  阿智太郎とか、神坂一とか。  泣き、笑い、カッコ良さ、正義の怒り、色気――などがすべてバランス良く調和している、そうしたエンターテイメントの「王道」を目指すのもいいのかもしれない。  短編練習をしているうちに、色々書いてみたらいいのでは?  カッコ良さを追求した話を書いてみてもいいだろうし。1回は泣きの話を書いてみてもいいだろう。またどこまで主人公の怒りのボルテージを上げられるのか、試してみるのもいいだろう。色気のほうもね。  一通りやってみれば、自分の才能分布がわかるだろう。案外、思わないところに才能が眠っているかもしれないし。  いきなりエンターテイメントの各要素を混ぜたものを書くのではなく、短編ひとつに攻略課題はひとつとして、そうやって練習していくもんだ。今回は「笑い」。今回は「泣き」。今回は「カッコ良さ」。今回は「怒り」。今回は「お色気」。と、メインとなるものを分けて練習するといいだろう。 >黒電話の件  友達の分はあとで聞いてくるとしても、自分のぶんぐらいは、すぐに書けっての。  空気読めないやつだな。色々な意味で。 >桜庭さん  えー……。  そろそろ自分でも気がついた頃合いではなかろうかと思いますが。  この手のことは、僕は24時間を目安で計っています。人間が頭を冷まして、しでかしてしまったことに気づくまでの平均時間。  で、どうしましょう?  自分で気づいただけだと、トラウマ植え付け力が足らないかな? 「まだ誰にも気づかれてないだろう」とか思っちゃったりするかもしれないし。  いまここで、おもいっきり、恥を掻いておきますかどうしますか?  そういうことなら、力作書いてきますし。  もう充分だからやめてください、てなことなら、やめときますし。 (たぶん無回答になりそうだなぁ。無回答なら、やめときます)  でもその自我肥大症って、直しておかないと、プロ作家になる差し障りになるのではないかなぁ。  一歩歩くたびに、腐汁が地面に飛び散るほどだし。  そんなに太ってちゃ、スポーツ選手になるのはおろか、健康にだって差し障りがでるでしょうに。  ――で、なにやら個人ページに置いてあった、「それに対して」が7回も8回もある「前回の一次落選原稿」が消えているようですが。  あとついでに置かれていた、今年応募予定の書きかけのものまで消えていますが。  HPから削除したところで、人の記憶からは消えてくれませんよ。「桜庭優」という人物が、あれを書いていたという事実は消えません。  削除すれば、恥もなにもかも、すべてが奇麗に消えてくれると思っているその姿勢は、「文責」って言葉の意味をまるで理解していないことになります。  作家が、名前を出して「文責」を取るということは、自分の作品に寄せられる賞讃も蔑視も、ともに受けとめるという「覚悟」の現れです。  賞讃は欲しいけど、けなされたり、叩かれたり、恥を掻いたりしたくはない――という人間には、名前を書いて物を書く資格はないんです。  望乃英司はあれだけのことをやっていながら、別の「新しい名前」に取り替えて、何事もなかったかのように再出発するという道は選びませんでした。  その点は、評価しています。  ハンドルも名前もメアドも、なにもかも変えちゃって、「僕は望乃英司とは別人でーす」とやっちゃっても、なんにも問題はないし。そうしたほうが、遥かに楽なのに――それはしなかった。  苦痛も自分の取り分だと認識して、受け取ることに決めたわけですね。  きちんと関係各所に謝罪して回りました。それで許してもらえるかどうかは別としても、自分のできるかぎりの責任を取ったわけです。  僕のとこにもメールが来ました。編集部のほうにもメールが行ったようです。また直接聞いてはいないですけど、もちろん、Aさんのところにも行っているはずでしょう。  私信に対して永久に返事をもらえないことも、彼の背負うべき責任の一端だと思うので、僕は返事を返していませんが。  かわりに、ここにでも書いておきますか。  プロ作家となって僕の前に立って、「あれがあったおかげで僕はプロになれました」とか言ってきたら、あれは、すべて許されるでしょうね。Aさんが許すかどうかはわからないけど、僕の倫理では、許されます。  プロを作るためには、まず大抵のことは許されるべき――というのが、僕の持論ですから。プライド踏みにじって、自我をぐっちゃぐっちゃに踏みつけて、痛みを与えようが苦しめようが、それがプロになるために必要なことなら、もちろん、いいんですよ。やっちゃって。  望乃が自分の性根を入れ替えるために、あれだけの過ちを起こすことが必要だったのだとしたら、それは必要だったわけです。  べつにたいした被害が出たわけでもなく、取り返しの付かないことが起きたわけではないし。  ――で、望乃のことはともかく。桜庭さんは、どうしますか?  やりますか? どうしますか?  自分がどんな場所に復帰しようとしているのか、わかっていますか?  ここはあなたの才能を褒めはやしてくれる場所ではないですよ。あなたを踏みにじって、痛めつけて、叩かれても斬りつけられても、倒れずに立っていられるように鍛えるための場所です。5リットルの血を流して、内臓を地面に引きずりながらでも、まだ敵を殺せる一撃を繰り出せるように、人間を「プロ」というものに改造するための場所です。  新木伸に叩かれて絶命しないようなら、まず、どこに行っても傷ひとつ付きはしないでしょうね。  プロ作家になって世に出ていっても、編集者の95%までは大丈夫でしょう。――が、残り5%に叩かれて無事かどうか、そこまで保証はしかねますが。  しかし、自我がそれだけ太っているあなたの場合には、死ぬほどの精神的苦痛が伴うことが予想されます。  津荒や2号あたりも、ここに来た当初は、薄皮1枚ぐらいの、ほんのちょっとした自我をひん剥かれて、のうたち回っていましたけど。  でも彼らの場合には「薄皮一枚」だったから、皮を剥がれるぐらいの「ささやかな苦痛」で済んでいたんですね。まだ耐えられた。  ざっと見たところ、桜庭さんの自我の分厚さは、物凄いものがあります。  それを全部引き剥がすとなると、脂肪も筋肉もすべて引きちぎって、生きたまま骨だけに解体してゆくような、そんな想像を絶する苦痛が予想されます。  とても人間の耐えられるものではなさそうですが……。  でも、本人が希望するなら、僕はやりますけど。  これも人間観察の一環です。観察――っていうか、ほとんど解体ですが。  自我肥大症の構造を詳しく掴んでおくことは、僕の側にもメリットがあることなので。  痛みに発狂する覚悟があり、それでもかまわない。そうまでしてもプロ作家になりたい――と思うのでしたら、戻ってきてください。  その腐汁を撒き散らす自我の贅肉を、引きちぎるお手伝いをしましょう。  うちのジムの方針は、上記のように「スパルタ式」です。  「褒めて伸ばす」という練習方法を取るジムも、どこか他にはあるのかもしれません。そういうところが希望なら、自分で探して、そちらに行くこと。  僕は、それは、やりませんので。 (過去ログの50個も見てくれば、この分室がそういう「褒めて伸ばす」式のところじゃないことぐらい、容易にわかりそうなものなんだけど……。なぜかやってくる人に限って、自分だけはちやほやしてもらえると思いこんでいるんだよなぁ。なぜなのだろう?)  でも、最低限――。  戻って来るなら、以下のことをやってくること。  まず今年の4月用の書きかけの原稿を、完成させてくること。封をして、郵便局から投稿しちゃってきてください。  そもそも戻ってくるのは「結果が出てから」てなことだったわけですから、これは当然ですね。 (本当は、その送った原稿で入賞してプロデビューしてしまう可能性もあるわけだから、結果がわかるまでの数ヶ月間、イジり回して僕の癖なんて付けたくないんですけどね)  あと身辺整理してきてください。  どうも個人HPのプロフィールあたり(これも書き直されていたけど)を見るかぎりでは、いまだに変なところに出入りして、匿名発言を繰りかえしているようですが……。  巻島の過去の例を見てもわかる通り、分室に参加するなら、それは絶対禁止条項です。  罰則は「名無しの刑」となってます。  いまのまま桜庭さんが復帰してくるとなると、僕はいきなり「名無し」の刑を言い渡さなければならなくなります。  それは困ります。  いま分室に「名無し」は1匹おりますので。  個体識別ができなくなると、大変、面倒くさいです。  それと、他人の文章を無断借用して自分のHPのコンテンツとして使っている点も、看過できません。どこかの匿名掲示板のログらしきものが、そのまんま、貼り付けられていたりしますが。なんなんですか。あれは。  著作権って、知ってますか?  こう言うと、「消せばいいんでしょ。消せば」と、ただ削除をかけただけで、「なかったこと」にしちゃうのが目に見えるようなので……。  あらかじめ釘を刺しておきます。  それでは、責任を取ったことになりません。どうすれば責任を取ったことになるのか、自分で考えること。 -------------------------------------------------------------------------------- ベランダに住むもの No.7715 投稿日 2004年3月9日(火)01時58分 投稿者 弟切 千隼  数日前から、弟切の自宅アパートのベランダに、一匹の蛾[ガ]が住み着きました。  種はわかりません。性別もわかりません。灰色の地に黒っぽいだんだら模様が付いています。背景に溶け込んで隠れているつもりなのか、体の色とよく似たベランダの床に、ぴったりと翅[はね]を広げて貼りついています。  いるところが床なので、弟切はベランダに出るたび、蛾を踏んでしまわないかとはらはらします。小さな昆虫でも、我が家の軒先を借りに来た生き物を、殺したくはありません。 >描写課題「美人」詳細分析  前回の書きこみNo.7712の続きです。  今回もまた途中です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ、ごめんなさい」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  誰かの台詞ですね。この時点では、誰の台詞かわかりません。視点キャラクターか、彼女にぶつかった人か、どちらかでしょう。どちらであってもおかしくない台詞です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、女の人の顔があった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここで、前の台詞が、視点キャラクターにぶつかった人のものだとわかります。視点キャラクターの『頭の上から』『降ってきた』と書いてありますから。  ぶつかった人は、即座に謝っているため、良識や思いやりがある人だとわかりますね。素早い判断を下せる人であることもわかります。「心がきれい」かつ「できる人」であることを、この時点で確定させました。  視点キャラクターの『頭の上から』声をかけさせた理由は二つあります。  一つは、ぶつかった人=玲子が、視点キャラクターの恭子よりも、ずっと背が高いことを示すためです。  もう一つは、「美人効果」を出すためです。  なぜ、『頭の上から』声をかけると「美人効果」が生まれるのか、説明します。  一般的に、人間は―というより、ほとんどの動物は―、物理的に自分より高い位置にいる相手に畏怖の念を抱きます。ゆえに、古今東西を問わず、神さまは天にましますものとされることが多いのですね。  神さまが人前に現われる時は、まず間違いなく天から降りてきて、人を見下ろす形で対話します。教会や寺院で、神像や仏像が高い位置に置かれるのも、この大原則にのっとっているからです。  けれども、単に『頭の上から』声をかけるだけでは、「尊敬できる人」や「威圧的な人」にはなれても、「美人」にはなれません。この辺りのことは、2号さんが分析していますね。  2号さんが分析したとおり、『澄んだ声』を入れることで、「美人」を確定させています。台詞の内容と合わせて、中身も外見も「美人」となりますね。  『澄んだ声』で、たいがいの読者さまは、視点キャラクターにぶつかったのが「美人の女性」だと思ってくれるでしょう。でも実は、続く行『見上げれば、女の人の顔があった』が来るまでは、相手が女性だとは確定していません。この行は、ぶつかった玲子の性別をはっきりさせるための行です。  恭子に「女の子」ではなくて『女の人』と呼ばせることで、恭子よりも年上の大人の女性であることを示しています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見える。甘すぎないコロンの香りが、鼻の中いっぱいになった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ぶつかった相手=玲子は、社会人の女性の身だしなみとして『化粧』はしています。けれども、『薄化粧』です。下品な厚化粧ではありません。  なのに『目鼻立ちがくっきりと見える』のですから、作りこんだメイク美人ではなくて、元からの美人であることを示しています。  『コロンの香り』は、「五感をまんべんなく使う作戦」の一環です。嗅覚を使いたくて出しました。コロンはおしゃれなイメージのものですから、玲子のおしゃれさが伝わるはずです。  玲子はなよなよした女性らしい女性ではありませんから、愛用しているのは『甘すぎないコロン』です。  視点キャラクターの恭子は、この時、玲子に上から覆い被されるような形で立ち塞がれています。この状態はかなり威圧的です。しかし、恭子はコロンの香りに気を取られているため、威圧された感を持たずに済んでいます。  出会い頭にコロンの香りを突きつけられ、これまでに嗅いだことのない「大人の女性の香り」に夢中になっている恭子を『鼻の中いっぱいになった』で表現しています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「だいじょうぶ?」  と、つややかな唇が動いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  玲子が再び恭子を気遣っているところです。恭子のほうは、ひたすらぼうっと玲子の顔に見入っています。「どこか打ち所が悪かったかな?」と心配になった玲子が、恭子に声をかけているわけです。  そんな玲子の心を知らず、恭子は玲子の美しさに魅せられています。夢中になりすぎて、玲子の台詞が何の意味か、ちゃんと意味を変換できません。そのために「だいじょうぶ?」と、ひらがなで書きました。 -------------------------------------------------------------------------------- さよならと書いた手紙 No.7716 投稿日 2004年3月9日(火)04時30分 投稿者 名無し君2号 >>>>小説とは、読者とセックスするものなのだという認識がないからです。 >>もしお前の話だったのだとしたら、お前、もう明日から来なくていいから。 >>認識持てるようになったら、もういっかい来なさい。それまではなにやってもムダだよ。  わかりました……。  理解できるようになったらまた来ます……。 (肩を落としながら、とぼとぼと歩き去る。その背中めがけて、カラスが三度鳴いた)  ――って、ちょっと待ってぇ! (全力疾走で駆け戻り、ぜえぜえと息を切らしながら)  えっと、私だってだれかに読んでもらいたくて書いています。いますが、それは結局のところオナニーでしかなかったという……。  んあ?  そうか、べつにオナニーしたくてしているわけじゃないのか。  本人はセックスしているつもりだし、喜ばしているつもりだったんだけど、でもそれは相手から見ればオナニーでしかなく、自分しか気持ちよくなかったいうことで。  ――純然たるオナニーってなんだろうな。  中小企業の社長さんが自費出版した「自分史」とかかな? 頑張った自分の経歴を、本というかたちに残したいという……でもこれって、普通は本人じゃなくてライターが執筆するか。そもそも小説じゃないし。  人に読んでもらわなくてもいい。  そんな意志で書かれた小説なんて、あるんだろうか?  ない――とは思うけど。日記じゃあるまいし。でも私って、日記も人の目を気にして書いていたような記憶があるなあ。一週間しか続かなかったけど。  ということで訂正。  アマチュアは、一応は読者とセックスするつもりでことに望んでいるが、実際はただのオナニーでしかなくて、しかもそのことに本人は気づいていない。  まったくもって人のことはいえなかったり。  結局は覚悟が足りないということかしら。  でもなあ。セックスの場合なら、自分はどうしたって女性になれないんだから、まあしかたないとして。  小説の場合は、自分は読者になれるはずなんだけどな? どうしてわからないんだろう? 私の場合、「毒」だから……? まともじゃないから、まともな読者の心がわからないとか……。 >誤字  単語を片っ端から辞書で引いてますが、まだわからない。  いくつかこれではないか……と思うものは発見できましたが、確証が持てず。もう少し調べます。 >桜庭さん >>「『それに対して』×7、8回」とは、自分のサイトにある小説の事です(笑)  ああ……なるほど。  だからって安心はしませんが。  たぶん、安心したらそこで終わりなんだと思います。  あとこれは余計なつっこみかもわからないですけど、新木さんは黒電話の使いかたはわかってると思いますよー?  ちなみにもうひとつの質問、 >>あと恋人未満の男女関係で、単なる友達でもなくて、皆でカラオケやったり遊びにいったり、たまには二人でデートもするぐらいの関係の遊び相手の女の子のこと、いまはなんというものなのだ? >>いまでも「ガールフレンド」というものかね?  私の時代ですら、それを「ガールフレンド」とはいわなかったです。ガールフレンドって、もう恋人ってイメージがありましたが。  友達以上恋人未満の子を他人に説明するときって、「ただの女友達だよ」という感じになるんじゃないのかな? たぶん。  もちろん、30間近な私のいうことなんであてにはなりませんが――いまの高校生だと、どうなんでしょうね?  というか、津荒さんと私は10年違うのかよ。このペースで成長し続けたら……彼が、いまの私の年になるころには……。  ……。  うん、頑張ろう。 >津荒さん >サイコのあらすじ >>記憶だけで、そこまで完璧に覚えているのは凄いです。重要な所をキチンと掴んで読んでいるからでしょう。見習いたいです。  違います、違います。  津荒さんが書いたあらすじを読んだからこそ、そこまで思いだせたのです。一からあらすじを書けと言われたら、津荒さんと同じ程度しか書けないです。  人の指摘するのは楽なんですよ。  なにもないところから作りあげることのほうが、何倍も大変です。だから見習う必要はまったくなし。そもそもにして、横にいる2号を見習っちゃいかんです。上を見ましょう、上を。 >三十六冊目「おちゃらか駅前劇場」あらすじ  べつに指摘はないんですが。  「七夕にお願い」がすんごい。どうやったら思いつくんだ、これ。  七夕の日、宇宙人が願いをひとつ叶えると。主人公は「幼なじみに会いたい」と言うと。なぜか15年前の七夕に書いた短冊の願い、「ゴジラになりたい」が叶うと。ゴジラ(主人公)をやっつけにウルトラマンが来ると。しかたないから闘うと。  闘ってるうちに宇宙人がやってきて、短冊の「ゴジラ」の字が「ゴヅラ」になっていたと。「ゴヅラ」なんて存在しないからと主人公は元の人間に戻されると。  ――ここでひとつオチてる。  違う願いを叶えちゃって申し訳ないから、なにか他の願いをひとつ叶えると宇宙人。そこで主人公は、3分経過して苦しんでるウルトラマンを可哀想に思って、元の姿に戻してやったと。  そのウルトラマンが、じつは幼なじみ。  ――これが二番目のオチ。で、めでたしめでたしと。  うわ。この話、読みたい。  最後の、ウルトラマンがじつは幼なじみだったというところに、なにやら衝撃を受けました。なんでだ? さらにオチてるからか? ストーリーが飛んでるからか?  と、いうことで、津荒さんのあらすじは私の為にもなっています。  これからも頑張ってください。 >筆名  個人的な話になりますが、なんかちょっと「名無し君2号」というハンドル名および筆名に嫌気が差してきてます。  ――だって私は2号なんて名前じゃないし。  と、いうことで本腰を入れて筆名を考える。なお、「アンドロメダ唯夫」は謹んで辞退させていただきます。  そうだな……。  ぜんっぜん思いつかないな。  うん。  じゃ、とりあえず本名にしよう(逃避)。  でもそのままというのも少し抵抗が……。ちょいとだけもじって……。  ――これからは「西野一三」で。  ただ単に本名をすこしひねっただけですが、「2号」よりは「西野」のほうがまだましです。「にごう」と「にしの」で微妙に近いんですけどね。  と、いうことで「名無し君」の称号は返還いたします。どうぞご自由に「名無し君3号」の名をお使いください。  レス自体はあんまり時間はかかってないです。ちょっとプライベートでまたごたごたがありまして……。「名無し君」が嫌になったのも、じつはそれがちょっぴりだけ関係してたりする。  「喫茶店でキャラのかきわけ」は、とりあえずひとりだけは書いています。でもひとりだけじゃ、書きわけが出来てるんだかどうなんだかさっぱりわからないし。三、四人書きあげてからアップします。  やらなきゃならないこと。 ・キャラの書きわけ、喫茶店編 ・キャラを構成する要素を抽出 ・誤字を見つける -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7717 投稿日 2004年3月9日(火)17時48分 投稿者 津荒夕介  空気が読めない、津荒です。うひー…… >質問とか    僕を含めて7人分のデータです。(注:全員六年間男子校で過ごした、男です) 1黒電話とか、ピンク電話って、知ってる?  プッシュ式ではなくて、古いダイヤル式の電話機で、電話したことある? ダイヤル式の電話機の使い方、わかる?  7人とも、電話したことがあり、使い方は理解しています。  あと、今、古いダイヤル式を使っている人はいませんでした。   2あと恋人未満の男女関係で、単なる友達でもなくて、皆でカラオケやったり遊びにいったり、たまには二人でデートもするぐらいの関係の遊び相手の女の子のこと、いまはなんというものなのだ?  いまでも「ガールフレンド」というものかね?  「友達」と答えたのが、4人  「女友達」と答えたのが、3人。  でした。 ○課題:短編作成    前回、状況変化(外面変化)をやったので、次はキャラの考えの変化(内面変化)をやろう!  ……それで、どうせやるなら、自分の好きな内容にしよーと思って、「夢見ぬ少女」と似たような感じの話にしてみました。  内面変化、といってもあんまり派手な変化はできなので、 「実は達成できているのに、それに気づいていないのを、気づかせる」  ぐらいの、変化にしました。    一行あらすじ    親の言いなりになるのを、嫌だと思いながらも、それに反発するほどの「やりたいこと」がない大人しい厭世的な少女が、「やりたいこと」を見つけ、厭世的でなくなる話。(恋愛風味)  キャラ  主人公:黒木 佳苗(くろき かなえ) 高一  先輩:安西 功(あんざい いさお) 高三      起 安西に会う  承 安西を好きになって行く   転 安西を嫌いになる  結 嫌いになっていたのが、誤解だと知る    起 安西に会う   起 その高校では、絶対に部活に入る必要がある。部活説明会を、佳苗はさぼろうとする。   承 佳苗のクラス担任が顧問の、奇術部の部員安西が、説明会として佳苗のクラスに来る。   転 奇術部を見には、2、3人来るが、すぐに行ってしまう。佳苗は安西の手品のトリックを言い当てる。   結 安西は佳苗を天才だと言って、勧誘する。佳苗は、部活に入る。  承 安西を好きになって行く   起 進学塾で、佳苗は授業を受ける。   承 塾の休憩スペースで、塾生達に呪詛に満ちた言葉をつぶやく。   転 安西に会う。手品を見せてくれた。   結 いつでも手品をする安西に、なにか確固たる確信があるように見えて、佳苗は安西のことを好きになり始める。  転 安西を嫌いになる   起 ほとんど毎日、塾があるので十五分ほどだが、佳苗は部活に行っていた。安西のマジックの評価をしていた。マジックをする気はなかった。   承 文化祭が近づく。幽霊部員は手伝いに来ない。安西と二人で、文化祭の準備をする。   転 深夜まで準備は続き、佳苗は自分の厭世的な考えを安西に話す。が、話の途中、安西が手品は好きでやっているだけで(趣味で)、大学に行くつもりであることを言う。   結 大学や受験を嫌悪している佳苗は敏感に反応し、安西の言い分を聞かずに、部屋を飛び出す。  結 誤解だったと知る   起 家で佳苗は落胆する。安西もしょせん学生なのだと思ったから。出席しないといけないので、嫌々文化祭に行く。   承 文化祭でやることもなく、結局奇術部の部室に行く。(安西の考えがかわっていないか、少し期待している)   転 安西は佳苗にマジックショーを披露する。二人だけのショーだった。ショーを進めながら、安西は佳苗にマジックのトリックを質問して行く。佳苗は軽快に答え続けるが、最後の一つだけはわからなかった。   結 安西は佳苗の思考の矛盾をつく。佳苗は矛盾に気付き、それを認めた。それは、「安西と一緒にいたい」という「やりたいこと」が佳苗にできていたからだった。  安西が指摘する矛盾について。  佳苗は、厭世的に世界を見る理由として、「世界の存在理由」がないことを上げていた。  が、実際には、ないと確定しているわけではない。そのことを安西は指摘する。  佳苗はうすうす「世界の存在理由はない」が不安定な理由であると知っていたが、それを受け身な自分を説明するための理由にしていたから、疑わないようにしていた。  「やりたいこと」がある佳苗は、安西の指摘を受け入れる。また、「世界の存在理由」などの謎を探求するために生きるという安西に同調する。 >>一通りやってみれば、自分の才能分布がわかるだろう。案外、思わないところに才能が眠っているかもしれないし。  今回は、ちょっと変わった「恋愛」……かな。   -------------------------------------------------------------------------------- ただいま同居中 No.7718 投稿日 2004年3月10日(水)01時01分 投稿者 弟切 千隼  ベランダの蛾[が]と同居中の弟切です。種がわからないので、その体色から勝手に灰色蛾[はいいろが]くんと名づけました。  灰色蛾くんは、今日も弟切に踏まれずに元気です。全然動きませんけれども(笑)  動かないのは、気温が低いためにまだ冬眠モードだからでしょう。 >描写課題「美人」詳細分析  前回の書きこみNo.7715の続きです。やっと最後まで分析できました。  次は、新木さんがリライトして下さったものを分析します。自分のものと新木さんのものと、両方を詳細に分析してみれば、描写について新たに見えてくることがあるでしょう。  分析はここから↓です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいたことに気づいた。 「ええと、はい、大丈夫、です」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『ぽかんと』で、恭子が玲子に見とれていたことを示しています。普段には見られない美人と突然対面したために、『ぽかんと』せざるを得ない、という普通の人の反応を書いています。  恭子の台詞は『ええと』で始まり、句読点が多いですね。つかえながら話している様子が伝わります。『ぽかんと』していた人間が、我に返って話し始める状態を表わしています。  『仰いでいた』で、先に登場した「美人効果」がまた効いてきます。「仰ぐ」という言葉には、「物理的に高い位置にあるものを見上げる」という意味と、「尊敬する」という意味があるからです。恭子にとって、玲子は、「見上げて、尊敬する」に価する美人なのですね。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そう。よかった」  彼女の口もとが、かすかにゆるんだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  玲子の台詞は、そっけない感じですね。彼女の表情の変化も『口もとが、かすかにゆるんだ』程度です。玲子のクールさが伝わります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは激しく首を横に振った。 「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの速いって言われて、そのくせしょっちゅうこけて、友達に笑われたりしてて」  なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  かすかに口もとを動かす程度の玲子に対して、恭子は『激しく首を横に振った』とあります。玲子のクールさとは対照的な恭子のホットさが感じられます。  美人であることとクールであることは、直接結びついてはいません。たまたま今回は、玲子が「クールな人」でしたので、恭子をホットにして、対比の面白さを出そうと弟切は考えました。  もう一つ、恭子をホットにした理由があります。ばたばた動き回るホットな人のほうが、幼く見えるからです。玲子と恭子の年齢差を、はっきり表わしたかったのですね。  『あたしが悪いんです』に始まる恭子の台詞は、美人を前にして気後れしてしまった恭子の様子を示しています。玲子のほうが悪いわけでもないのに、先に謝られてしまって、「何かフォローすることを言わなくっちゃ」と焦っている恭子が浮かびますね。  『なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた』の文は、新木さんに指摘されたとおり冷静すぎました(^^;  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  彼女は表情を変えない。光沢のあるコートが、細身のラインによく合っていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『表情を変えない』で、再び玲子のクールさが伝わります。『光沢のあるコート〜』の文で、美人であることがさらに強調されます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  違いすぎる、あたしとは。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  新木さんに指摘されたとおり、この文は何を指しているのか不明確です(^^;   あたし=恭子と玲子とは、どこがどう違うのか、はっきり書かれていないためにわかりません。だめ文の例ですね(;_;) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あの、それで、今日も友達と待ち合わせして、急いでたんです。だからもう行きます。ごめんなさい」  あたしは頭を下げると、歩き始めてしまった。でも、途中で振り返った。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  恭子の台詞は、前のものと同じように句読点が多いです。最初に『あの』や『それで』が入っているところも、言いよどんでいる様子が伝わります。恭子はここでもまだ気後れしていますね。  おろおろした挙句、『だからもう行きます。ごめんなさい』と言い捨てて、恭子はその場を逃げ出してしまいます。『だからもう行きます』は自分=恭子に踏ん切りを付けさせるための台詞ですね。『ごめんなさい』は、その場を逃げ出す後ろめたさを恭子自身が感じていたために、出た言葉です。  一応、『ごめんなさい』を言って、『頭を下げ』ているので、恭子が礼儀知らずではないことが伝わります。  逃げ出していながら、恭子は『途中で振り返った』とあります。ちゃんと玲子のことを気にしているとわかりますね。いえ、むしろ、玲子のことを気にせずにはいられない、という感じです。  なぜかといえば、美人だからですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  きりりと伸びた後ろ姿があった。風が、彼女の残り香を運んでくる気がした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  恭子が、玲子のことが気になって振り返ります。そして、期待どおりの美しい姿を見たところですね。『きりりと伸びた〜』の文も、『風が〜』の文も、玲子の美しさを強調しています。  『きりりと伸びた後ろ姿』は、視覚的情報を使っています。『彼女の残り香』は、嗅覚的情報を使っています。異なる感覚の情報が組み合わさっているため、美しさにふくらみを感じます。  『残り香』という言葉には、人の立ち去った後に残る余韻を感じますね。本人がいなくなってなお気配を残すほど、玲子の印象が深かったことが伝わります。もちろん、恭子にとって、です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7719 投稿日 2004年3月10日(水)02時37分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >大学とか  遅れました。すいません。  大学が始まるのは、四月一日(入学式)からです。 ○課題:あらすじ  二日分です。おもしろさに気をつけました。  三十八冊目 「爆れつハンター 転輪王<後編>」 著:あかほりさとる  一行あらすじ  転輪王であるマロンを利用しようとする、東方の支配者達の野望を、マロンを含むソーサラーハンター達が打ち砕く話  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=859&e=res&lp=859&st=0  三十九冊目「騎馬っていこう!」 著:新城十馬 他    1幽霊本塁打一号〜名探偵・知里しのぶの事件簿より〜    一行あらすじ  教師しのぶと学生笙が、「幽霊ホームラン」事件の謎を解き明かす話    2奇跡の三・三・七拍子    一行あらすじ  暑苦しい応援団に一週間応援されるはめになった桐部が、応援団のせいで心身ともにボロボロになる話    3正しい児童文学     一行あらすじ  児童小説が下手なハーヴェイが、児童文学研部長の忠告を守って、一生懸命に児童小説を書いた話    4騎馬っていこう!    一行あらすじ  窮地に追い込まれた騎馬戦部が、魔法が使えない美少女魔人によって、敵との戦いになんとか勝つ話  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=860&e=res&lp=859&st=0    あと、三十六冊目「おちゃらか駅前劇場」著:阿智太郎、についてですが、収録されていた短編は5つでした。  残りの一つは、以前短編分解で利用した、「12月のアルバイト」です。 配慮が足らず、誤解を生んでしまいました。  申し訳ありませんでした。以後、気をつけます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7720 投稿日 2004年3月10日(水)03時40分 投稿者 新木 伸 >美人効果  弟切が解説したとおり。  頭の上から声を響かせて、その声が奇麗であれば、その相手は美人であることが確定するわけだ。  弟切は最近描写がわかってきたのか、自分の長所である「知識」を描写に生かしはじめてきたなぁ。  高いところにいる人は「偉い」というのは、弟切にとっては、知識とも呼べないような周知の事実であるはず。しかしそれは、2号は知らなかったわけね。「高い」という要素が最重要であるとは、2号のやつは露ほども考えていなかった。  ただ知っていただけでは、知識は役に立たない。活用できなければ意味がない。  なにか描写をするときには、自分の知識の引き出しをひっくり返して、死に物狂いで探してくること。  弟切の知識の引き出しは、ぜんぜん整理されていない。なんでもかんでも乱雑に突っこまれている。  ただし、量としてはかなりのものがあるようだから、執念をもってきっちり探してくれば、なにかしら使えるモノが見つかるはずだ。  知識というものは、使っているうちに、自然と整理されてきて、だんだんと検索効率はあがってくるもんだ。  ちなみに「昌美さん」だとか、フレンドリーなタイプの美人を描くときには、逆に、頭上から声を響かせてはならないわけね。  主人公のほうを地べたに低く寝転がせて、その真横(同じ高さ)から声をかけさせるわけだ。すると「目線の高さを合わせた効果」によって、自動的にフレンドリーなタイプの美人であることが確定する。  頭上効果が宗教知識なのだとすると、この目線効果はなんだろう。児童心理学あたり? 動物と仲良くなるときにもやるなぁ。動物と児童って、どちらも同じか。 >津荒  おまえって、ほーーんっと、言われたことしかやってこないのな。  いや、質問とリサーチとを頼んでおいて、頭ごなしに叱るのもなんだけどさ。  最近は、俺がなにも言ってないのに、あらすじを「おもしろく」書こうと工夫してみたり、短編作成でプロットを出せと言う前にプロット出してきたり、50枚のはずの短編が30枚になってしまった原因を自分で考察してきたり、言われる以上のことをやってきているので、すこしは見直してきていたんだが……。  黒電話の使いかたを知っているか「YES/NO」だけじゃ、ほんとうに、ただそれだけだろうが。  コンピュータの情報単位でいったら、1ビットだ。0か1かの二通りだろ。情報量が少なすぎるだろ。  もうちょっとなにか他にコメントを加えて、情報量を少しでも増やそうとは思わないのか?  たとえば、それぞれの友達が、いつどのように黒電話の使い方を覚えたのかとか。ふだん、どのくらいの頻度でダイヤル式電話を使っているのかとか。  使い方わかる? ――と聞いてみて、すぐに返事が返ってきたのかどうか、とか。自信ありげだったかどうか、とか。  いざ黒電話を前にして悩みそうかと、聞いてみたらどう答えたか、とか。  気が利かないということと、空気を読めないということは、根っこは一緒だよ。  他人に対する関心の欠如がそこにある。  おまえはもっと、人が何を考えているのかに注意を払え。てか、そのまえに、まず他人に興味を持つようにしろ。自分に向けている関心の10分の1ぐらいでいいから、人に関心を抱けってーの。  とりあえず、俺がなにを考えて(どんなことを知りたくて)あのリサーチ依頼をしてきたのか。  俺のリサーチ依頼の文章を読み、行間を読み、理由を推察して、仮説を立てて、発表してくること。 (ちなみにいま、水面下でなにが起きているか、読み取れてる? 桜庭さんは、俺になんかしたの? なにかしたのだとすると、なにをしたの? なんでいきなり叩かれてちゃっているわけ? 津荒から見て、どう見えているのか。津荒はどう解釈したのか、それも報告のこと。2号も読めてないみたいなんで、津荒はどうだろうと気になったもんで) >ガールフレンド  とりあえず、全員が「使わない」――と。  まあそうだろうなぁ。俺らの世代でも使わないもんなぁ。  だが「ガールフレンドって、なに?」――とか、そう返ってこないところをみると、言葉自体は知っているわけだね。  ガールフレンドって言葉も、直訳すれば、「女友達」なんだけどね。  この言葉、リアルに使いこなしていた世代というと、昭和30〜40年代あたりに青春時代を送った人たちになるのかなぁ? ビートルズ世代とか、あのへんかな。流入してくる外国文化に日本中がカブれていたころの世代。  まあ、34歳の女の人が、高校生に合わせようとして、ガンバって使っちゃっているシーンなので、「ガールフレンド」のほうでイキとしておこう。  主人公がその古い言葉に「違和感」を感じているという補足説明を一行放りこんでおけば、それはネタとなって、1単位の価値が発生するはずだ。 (台詞のなかの言葉一個を、「ガールフレンド」にするか「カノジョ」としとくか。こんなところにも「手間」を込めることができるという話な。最近、弟切に言っている「単語単位の価値」がらみの話題) >短編作成 >>安西が指摘する矛盾について。 >> 佳苗は、厭世的に世界を見る理由として、「世界の存在理由」がないことを上げていた。 >> が、実際には、ないと確定しているわけではない。そのことを安西は指摘する。 >> 佳苗はうすうす「世界の存在理由はない」が不安定な理由であると知っていたが、それを受け身な自分を説明するための理由にしていたから、疑わないようにしていた。 >> 「やりたいこと」がある佳苗は、安西の指摘を受け入れる。また、「世界の存在理由」などの謎を探求するために生きるという安西に同調する。  むがー。  この文章、伝達効率が5%を切ってるよ。  なに言っているのか、この俺の読解力を持って読み取ろうと努力してなお、わけわかんねーよ。書かれていないものを受信する秘技――「電波読み」を用いれば読むことも可能だが、読んでやっていては訓練にならねーからなぁ。  お前はすでに10%の伝達効率を発揮できることが証明されているわけだから、これはサボりとみなす。  ここは、「わけわかんねーよ」と、きっぱり、そう言っておく。  ――で、それはそれとして。  これからいくつか書いてゆく練習用の短編で才能分布を計ってみよう――という練習方針のアドバイスをして、津荒も同意したものとみなしたわけだが。  そして前回の「外面変化/コメディ」とは別の方面をやるために、なにか書いてみることにして、「内面変化/恋愛」と二つの要素にスポットを当てた話を作り、津荒が自分の別の二つの「才能」を測ってみようとしているのだと、そう理解したわけだが。  しかしおまえ、「才能」っていうものと、「個性」っていうものとを、混同しているぞ。 >>……それで、どうせやるなら、自分の好きな内容にしよーと思って、「夢見ぬ少女」と似たような感じの話にしてみました。 >>今回は、ちょっと変わった「恋愛」……かな。  このあたりを見ると証拠をあげられるのだが。  今回の「ちょっと変わった恋愛」っていうのは、「お前の好きなもの」であるわけだよな。ヒロインの抱える「厭世観」っていうのも、お前自身がこだわっているものなわけだ。  お前の「好き」とか「こだわり」とかいうものは、それは「個性」というものなの。  それに比べて「才能」っていうものは、「みんなが好き」っていうモノサシで計られるもののことをいうのね。  みんなから見て、価値のあるものが「才能」と呼ばれるものなのだ。  ああ。いま、俺もすこしわかった気がする。ひとつ発見した。  なるほどなぁ。アマチュアっていうのは、才能と個性とを混同しちゃっているものなのか。両者の区別が、ろくすっぽ、ついていないのか。  だから「才能がねぇ」とか言うと、きーきー騒ぐわけか。才能がない=個性がないってことになって、個性しか矜持を持てないやつらにとっちゃ、死刑宣告に等しいわけか。  俺は個性がないと言っているのではなくて、評価対象となり、測定にかかる種類の「才能がない」と、そう言っているだけなのだが。  説明するために、こんな例を出してみよう。  鉄っちゃんが、いかに鉄道が好きで好きで堪らなくて、鉄道のことを考えているのが楽しくて楽しくて、時刻表を丸暗記していて、網走から長崎まで、どの列車を何時何分にどこで乗り継いでゆくべきか、すべて熟知していて、いますぐにでも身ひとつで旅行に出かけられるような、そんなスゴい「能力」を有しているのだとする。鉄道好きから生じた「能力」だわな。  だがまわりの人は、それを「才能」とは認めてくれない。  その能力は、普通の人にとってはムダなものだし、無価値だし。そもそも電車で網走から九州まで行かないし。普通、飛行機、使うし。  しかしサッカーが好きで好きで堪らなくて、ボールに触れているのが楽しくて楽しくて、学校から家まで、ボールリフティングしたまま、ボールを一度も地面に付けずに帰ってこれるような少年がいたとしたら――。  それは「才能」と呼ばれるよな?  サッカーなら、全世界的に認知されているスポーツなわけだ。  この鉄道少年の「鉄道好きレベル」と――。  このサッカー少年の「サッカー好きレベル」とは――。  まったく同じレベルなのだとする。  どっちもレベル85ぐらいな。ラスボス魔王であれば、第一形態ぐらいまでを倒せるレベルだ。  しかし、いざ自分の能力を人に見せると、片方は「すごい才能」と言われ、もう片方は「オタク。きしょい」と言われてしまうわけだよ。  片方だって、単なる「ボールおたく」なのに、「電車オタク」とのこの扱いの差は、なんなんだろうね。  しかし世の中はそういうものなんだから、そう認識すべきだ。  人に認められたくば、自分の中にあって、まわりの人間の「モノサシ」で計って通用しそうなものを探しだせ。レベルが高めで、訓練して少し伸ばせば通用しそうなものとか。磨きかたしだいで、世間の認める「才能」に転じる可能性のあるものとか。  2号だって、「女は怖いレベル」は、あれ、たいしたものなんだぞ。レベル137ぐらいはあるだろうな。  ホラーでも書けばいいのに。  素で「ほのぼの」を描いてゆくだけで、かなりいいセンいくんじゃなかろうか。もうちょい磨きあげれば、全国の男性読者を恐怖のるつぼにたたき落とすことも夢ではないのだが。  でも、あれは「才能」とはいわない。まだ「個性」なわけだ。しかもかなりローカルなほう。  「ホラー」って枠にはめて、「女は怖い」を「恐怖」ってモノサシで計れるようにしてやれば、みんなから「才能」と呼んでもらえるかもしれない。また「女はわからない」を転じて、「神秘的なヒロイン」なんてものを生み出していったら、それはそれで、別の「才能」として評価されるだろう。  だが、いまの形のまま、ただ「女は怖い」とゴロリと剥き出しのまま置かれているだけでは、単なる個性でしかない。誰も見向きもしない石ころだ。  2号にしても、桜庭さんにしても、たいていの「個性」ってのは、自覚と覚悟しだいで、「才能」に転化させることも可能なのだが。自我肥大症だって立派な個性だし。それを才能に転化させるのは――、まあ、「女怖い」でホラーをものにするよりは難しそうだが、手はないこともない。  「自分を認めない(受け入れない)世界への憎しみ(不快感)」あたりで、一本、ものにできそうな気がする。自我が肥大している人間にしか書けない小説もあるわけだ。これなんか、人間より優れた力を持ちながら不当な迫害を受ける――そんなエスパーものとかで、よく見かける種類の「才能」だよな。  僕が読んだなかでいちばんの傑作は、眉村卓の「ねじれた町」だな。都会者が閉鎖的な田舎町に引っ越ししていって、都会者ゆえに受け入れられなくて町を憎み、その憎しみによって超能力を手に入れるという話。すげぇ自我肥大ぶりなんだけど、リアル中学生の僕にとっては、すごく心地の良い話だった。主人公が超能力で復讐を始めたり、その絶大な力に自分で驚いて、相手を寛大に許してやることで復讐を取りやめることにしてみたり。もうぞくぞくするぐらい。本気で超能力欲しー、とか、思ったし。  超人ロックもそうだよね。社会は超人の存在を、けっして認めはしないのだ。しかしロックはいつも人のために戦って、いつも泥をかぶるのだ。ああ彼(俺)はなんて崇高な存在なのだろう。――とか。  しかし、そうして個性を才能として転化するためには、自分の自我が肥大しているということを、まず正しく認識しなくてはならない。  そして自我肥大という大事な個性は残したまま、運動と訓練とが可能となるぐらいの適正値まで、減量していかなければならない。太りすぎた自我ってのは、トレーニングさえも受けつけないんだよ。  んで、いきなり阿智太郎の場合だが。  あの人は素で笑いの「個性」を持っていたわけね。たまたま自分の持っていた「個性」が、万人が評価する「才能」と一致してたわけ。そして特に磨いてなくても、素で「笑いレベル185」ぐらいあったわけだ。  笑いっていうのは、エンターテイメントではすでに価値あるものとされている。  だから「才能」があると呼ばれるわけだ。  あと中村恵里加が、素で「痛さ」という「才能」を持っていたりとか。彼女は「痛さレベル273」ぐらいだろう。  ――で。  いま計ろうとしているのは、万人が認める「才能」のほう。  それが津荒にどれだけあるか、それを測定しようとしているわけ。  お前の「個性」のほうを計っても仕方がないのだ。  個性なんてもんは、誰にだって、たいてい備わっているものなんだし。わざわざ計らなくたって、なんかしら、あるわけだよ。 >>今回は、ちょっと変わった「恋愛」……かな。  「ちょっと変わった」――と、その「ちょっと」という差の部分がお前の個性なわけだ。  厭世的な女の子ってのは、津荒的に「萌え」なわけだろ。無表情無頓着の「綾波萌え」があるくらいだから、厭世萌えがあったっていいわけだが。  また厭世観っていうものに、津荒はなにかすごくこだわっているわけだろ。レベルいくつぐらいなのかは、よくわからんけど。少なくとも「並」じゃないわけだろ。  しかし「変わり種」を料理するためには、技術が必要なのだ。おまえの技術はまだ充分ではない。  それにいまやっているのは、万人の認める「才能」のほうの測定。  よって、それは「保留」にしておけ。  べつにボツにしなくてもいい。  ラストの心変わりする理由が、説明不足でいまひとつわからんけど、おそらく話にはなっているのだろう。  まあ電波読みすると――。  生きる理由を持てなくてウダウダ悩んでいた女が、生きる目的を持っていそうな男を見つけて近づいていって、その側にいることで、自分も目的を持っているかのような錯覚に陥って、当座の安心感を得る。  だが男が自分の理想と違う行動を取りはじめると許すことができずに、嫌いになる。  しかし男の「僕も生きる目的なんてわからない。それを探すために大学に行くんだ」という言葉によって、男と自分とは同じ悩みを持つ同じ存在だったのだと知る。そして女は、ウダウダしている自分よりも、多少は前向きな「探しにいく」という男の方法論を、自分も採用することに決めて、人生の膠着状態から一歩前へと踏み出してゆく。  そして自分を思考のスパイラルから連れ出してくれた男のことを、あらためて好きなる。最初に惹かれたのとは別の意味で。  ――てな話なわけか。  溺れる亡者、隣の亡者にすがりつく。  溺れる亡者から見ると、隣の亡者はスイスイ泳いでいるように見えるんだろうなぁ。隣のやつだって溺れているのに違いはないんだが。同じ血の池地獄にハマってるんだし。  自分も相手も、血の沼のどまんなかで、ばっしゃばっしゃと溺れている亡者であると――主人公はそう認識するわけね。相手は苦しんでいないのだろう、なんて勝手な思いこみから脱却して、相手も苦しんでいることを知って、相手にすがりつくことをやめて、相手の泳ぎかた参考にして自分も泳ぎはじめるわけね。  津荒、すこしは成長したじゃん。  分室にやってきて、居残るやつは、たいていこんな感じなのだな。  俺を恨むか憎むかして離れてゆくやつは、このストーリーの「結」に行かないで、「転」のところで嫌いになったまま、どっかに行っちゃうバッドエンド・パターンで、ゲームオーバー方面なわけね。  俺だって溺れてる最中なんだよ! なんでわかんねーかな?  泳ぎ方をすこし知ってるだけだって、そう言ってるだろうが。教えてやるのは、おまえらよりも少しだけ上手な泳ぎかただって、いつもそう言ってるだろうが。  すがりついてくるのはやめろ。てめえで泳げよ。  俺は俺自身の原稿を書くことと、もっと上手な泳ぎかたの研究をすることと、いまの泳ぎかたとをおまえらに教えてやるだけで、手一杯なんだよ。  おまえらを泳がせてやることはできんのだ。――と、津荒でない誰か(若干二名)に言ってみるテスト。  話を戻す。  だけどな。  この素材を食えるようなものにするには、まだすこし、腕が足りないぞ。いまそれを描いても、べたべたのぐっちょぐっちょの、たいていの人の嫌悪感を引き起こすような薄気味悪いものしか出来上がらないぞ。もうちょっと寝かしておいて、自分をもう一段階突き放して観察できるようになってからでないと、津荒には、まず無理だろう。  こうした「悩み系」の料理っていうのは、食べて美味しく調理するのって、本当に腕がいるんだってば。  ――で、これは保留にしろ。もうちょい腕が上がってから書くことにしろ。  ところで「才能」と「個性」の違いはわかったか?  いま説明した分室用語における「才能」のほうを計るために、「普通の恋愛」とか「普通の内面変化」とか、そういうものを書いてみること。  普通の読者の、普通のものさしで計ることのできる「才能」が、いまどれだけあるのか、それを計ってみる。  またあらすじと、プロット提出な。  リテイク出してると、どんどん時間がなくなってゆくから、次もなるべく一発で通せ。  べつに「内面変化/恋愛」でなくたっていいぞ。  まず攻略をはじめるまえに、世間の認める「才能」の数と種類について分析したほうがいいのかな?  それは任せる。  あと、「悩み系」の才能を計ってみてもいいけど……。いま現在とか、一年、二年前の悩みなんてのじゃなくて、数年か、10年ぐらい前の悩みにしろ。それならもう解決済みになっていて、離れて見ることもできるはずだ。  明日の遠足が雨降ってしまうかどうか、心配でたまらない話だとか。  足が速くないのに運動会のリレーのしんがりに駆り出されてしまって悩む話だとか。  せいぜい、そんなあたりまでね。  中学生ぐらいのまでの悩みなら、津荒にも書けそうかな。  小学生の間はなんでもなかったのに、中学生になってから、異性のことが急に気になってきてしまって、遊び仲間だった女の子と気まずくなってしまう話――とか。  親や兄弟や友達とうまくいかなくて、仲直りする話だとか。いいところ見せようとして失敗しちゃって、リカバリーする話だとか。  漫画の短編のなかに、そうした作品ってなかったか?  小学生、中学生ぐらいの内容の子供っぽい悩みについて書かれていて、それで読ませてくれる話とか?  あれは作者の実年齢が、20歳そこそこだから、ああなってしまうのだ。漫画ってのは、小説よりもデビューが早いもんだから。小説で十代でデビューすると天才呼ばわりされるけど、漫画で十代のデビューなんて、ほんと、どこにでも転がっているありふれた話だから。  津荒と変わらないか、二つ、三つ年上の人間が書ける「悩み」が、ぎりぎり、あそこまで(小学生か中学生)の年齢の悩みってことね。  精神的な巨人であれば、リアル17歳で、登場人物も17歳にして、悩みをテーマにした作品で、売り物になる出来のものを書くこともできるけど。  お前の場合は、精神の作りが、並か、並以下なんだから。20歳の新人の短編漫画と同じことをやるしかないわけだよ。 >悩み系の話  そういや、「悩み系」の話が好きで好きでたまらなくて、いつも悩み系の話を書いてくるくせに、その「才能」がまったくなくて、ゼロに近かったやつがいた。  羽矢野というやつだ。  「好きである」ということと、「能力=才能」があるということは、別だからな。  津荒も、「悩み系」の話がいくら好きでも、いくつか書いてみて、だめそうだったら、その方面の才能はないのだと見切りを付けて、とりあえず他の才能がないか探すことに時間と労力とを使うべきだ。一周してきて、ほかになにも取り柄がなかったら、その「悩み系」でモノになるしかないわけだが。  「悩み系」がそんなに好きでないのなら、1本書いたら、他も試してみろ。  俺も昔、「怖い話」を書こうとして、1回で見切った。  俺には怖い話を書く才能は、まったくない。  このあいだ、10年ぶりに挑戦してみたけど、これだけの技術を身に付けてきたというのに、出せた「怖さ」はスズメの涙。やっぱだめだわ。2号の「子供を道具に仕立てた母親でほのぼの〜」の、10分の1ぐらいの怖さが関の山だったわ。 >あらすじ写し取り課題  競作というか、短編集で著者が複数人いる場合には、各短編ごとに著者を明示すること。  本のタイトルとしてであれば、表紙や背表紙に「新城十馬 他」とあったなら、そのまま、そのように書いてもいいけど――。  中の短編のほうは、何人かの著者がそれぞれ書いているわけだろ? >2号 >>本人はセックスしているつもりだし、喜ばしているつもりだったんだけど、でもそれは相手から見ればオナニーでしかなく、自分しか気持ちよくなかったいうことで。  お前のオナニーを見て、「まあ気持ちいいのね2号ちゃん。いいのよ、もっとやってても」と優しく言ってくれるのは、おまえのママンくらいなものだ。  中小企業の社長さんが書く自伝だって、本人はセックスのつもりだろ。  自分の会社の社員には、業務命令で買わせて読ませるのだろうが、もちろん相手を喜ばせるつもりで書くわけだし、買わせるわけだし、読ませるわけだよ。 >>アマチュアは、一応は読者とセックスするつもりでことに望んでいるが、実際はただのオナニーでしかなくて、しかもそのことに本人は気づいていない。  「一応は読者と〜」と書いているけど。  この読者っていうのは、具体的にはどんな読者なわけ?  どこの読者のこと? 誰のこと?  その顔はきちんと見えているのか? 「誰」に読ませているのか、その相手の顔がきちんと脳裏に浮かんでいるのか?  もし顔が見えていないのだとしたら、そのおまえの言っている「読者」っていうのは、いったいなんなのだ? 顔もなくて姿もなくて、実体も持たない、単なる概念上の存在か? 幽霊よりひどいな。幽霊だって顔ぐらい持ってるぞ。足はないけど。  実体を持たない相手とセックスしようたって、そりゃ無理だよな。存在しないんだから。  つまり「実在しない相手」とセックスしようとしていると、それはオナニーとなってしまうのだ。  ――で、おまえがどんな相手を「読者」と捉えて物を書いているのか、言い当ててやろう。  お前の感性を一から十まで、受け入れてくれる相手だ。  おまえの考えることになんでもYESと言ってくれて、なんでもおもしろいと感じてくれる、そういう相手だ。  そんな「存在しない相手」に向けて書いているから、おまえの書く小説はオナニーになってしまうわけだ。  実在の読者っていうのは、おまえの書くものを全肯定しない。だが全否定もしない。おまえの考えること、思うこと、おまえの面白いと感じること――それらの「部分」には共鳴をして、べつの部分には拒否反応を起こすものなんだよ。  相手によって、見せるものを変えてゆくものだ。  「この人の前では、自分のこういう面を見せよう。あっちの面は抑えておこう」とか、調節するわけ。これを見せたら面白がってくれるだろうか――と、いざ実際に見せてしまうまえに考えるわけよ。  そのまま見せたら面白がってくれなさそうなら、おなじものを見せるにしても、見せかたを工夫するとかしてみるわけよ。  それなりに価値のある古時計があったとして――。  しかし、埃をかぶったままのそれを、「やる」と渡されて喜ぶやつはいないだろ?  きちんと磨いて、箱に入れて包装して、リボンをかければ立派なプレゼントになる。モノは同じ「古時計」でも、相手の喜びかたはまるで違ってくる。 >>小説の場合は、自分は読者になれるはずなんだけどな? どうしてわからないんだろう?  そんなの、簡単なことだろ。  おまえが作者をやるとき。  おまえの想定する「読者」とは、お前の「信者」なわけだよ。  読者がすべてを気に入るという前提で、おまえは書いている。おまえは読者よりも自分のほうが偉い(立場が上)と考えている。  おまえが読者をやるとき。  おまえは作者の「信者」になっていない。  気に入らない点があったらすぐに非難するつもりでやっている。おまえは作者よりも自分のほうが偉い(立場が上)と考えている。  ルールが統一されていないのだ。  読者をやるときには、おまえは自由な批判精神を持っているのに、作者をやるときには読者の自由批判を無意識に封じている。  批判されない前提で、おまえは書いてしまっている。  立場が逆転したときに、同じルールを適用させないでいるのは、無意識のうちに、自分だけ特別扱いすることを要求しているのだろうな。  自分が特別だと思っている。つまり自我肥大。桜庭さんと、根っこは同じ。 >誤字  いいかげんに見つけてこないと、自分で見つけたときの経験値を取り上げるぞ?  バラしちまうぞ? >筆名 >>西野一三  リテイクだ。  おまえ、アホ? >>じゃ、とりあえず本名にしよう(逃避)。 >>でもそのままというのも少し抵抗が……。ちょいとだけもじって……。  とりあえず本名で、とりあえずちょっともじってみて――。  そんな適当なやりかたで出してきた名前を、俺が通すとでも思っているのか?  どうせ適当に決めるんなら、漢字辞典を適当に4回開いて、そこにあった4文字を並べて作りましたっ! どうですかイカすでしょう!  ――ぐらい、気の利いたことを言ってこいよ。そうしたら考えてやらないこともない。  あと、いまこの時点で名前を決めるということは、デビュー後もその名前を使ってゆくということだぞ?  あと、おまえは長いこと名無しをやっていて、慣れちゃっていて、すっかり忘れてしまっているようだが。名無しという扱いが、いかに不当なものであるか、気にもしなくなっているようだが。  おまえは「名乗る自由」という基本的人権を、俺に取り上げられちゃっている状態なわけだよ。「名無しは返上します」と言ったところで、はいそうですか、と認めてはもらえないわけ。俺が「いいよ」と言わなきゃ、お前には名乗る自由なんてないわけ。  なんで、「名乗る自由」が取り上げられているのか。俺はなぜお前から名前を取りあげているのか。そうすることで、なにを考えさせようとしているのか。  考えてみたこと、あるのか?  しかし、こりゃぁ……。  まだ当分は、名無しかねぇ……。  いいよ、べつに。個体識別できなくなったって、たいしたことじゃない。  元「桜庭」という名無しと、元「2号」という名無しと、二匹とも「名無し君」にしてみようか。彼がやって来たらさ。  区別できなくたって、かまやしねーよ。「たいした違い」はないからさ。  なんか課題とかやったとするじゃん。ふたりして別々に書き込んでも、二人分の成果が合算されちゃうわけだよ。「おお今日は2偏も書いてきたのか、すごいなぁ」とか、褒められちゃうわけね。どっちが、ってこともなく。「名無し」が褒められる。  また叱られるときにも連帯責任になるわけね。  書きこみ欄の「投稿者名」のとこ。空白にして書き込むと、自動的に「名無し君」と付くように掲示板CGIを戻すから。巻島のときにも、そうやっていたんだよな。  おまえ、いま、あそこに「名無し君2号」って書いて、書きこみボタン押してるだろ?  一時期の巻島は、あそこに「名無し君」と書く権利さえ剥奪されていたのだ。  名前が名乗れないって、どういうことなのか、おまえ、思い知りたい?  「2号」っていう、固有の識別子さえ、外してやろうか? >喫茶店のキャラ書き分け  何人分もいっぺんに出されると、たぶんどれも見ないことになる。  見て欲しかったら、戦略を考えろ。  上で解説したけど、おまえが想定している夢想の世界の「読者」と、現実の読者との間には剥離があるわけ。  おまえの信者であれば、おまえがどんなものを書いてこようと、一日に何本も同時にあげてこようと、すべて目を通すわけだよ。  しかし、現実の読者には、そんな義務なんてないわけ。  面白そうなら読むし、つまんなそうなら読まないし。リンクが貼ってなかったら、気になっても面倒だから見に行かないだろうし。  なにか課題を挙げてきたときに、こちらの掲示板のほうに、おまえが書くことを許されているのは、「題名」と「一行あらすじ」と「リンク」の3つだけなわけね。  おまえに対して突きつけられている現実世界のルールは、読んで欲しけりゃ芸を見せろ――というものだ。  クリックしてほしかったら、「芸」をしてみせろ。  タイトルか、一行あらすじか、そのどちらかでなにか芸を見せて、「おもしろそう」と思わせないかぎり、クリックさえしてもらえないわけ。  最近、課題部屋のほうのCGIを修正して、一覧の状態でも「HIT数」が見えるようにしてある。  傾向とか、見てこいよ。  1日に4連発するとヒット数が確実に落ちているとか。  「四兄弟」と「四兄弟、直しの1」とか、書き直し前よりも、後のほうがヒット数が多いとか。(書き直す前のものが「ゴミ」だということを、皆が知っている)  タイトルも、受けのいいタイトルと、つまんないタイトルとでは、ヒット数が倍も違うとか。  「現実の読者」の傾向を掴むためには、またとないデータだろう。活用しろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 文字数 No.7721 投稿日 2004年3月10日(水)07時58分 投稿者 新木 伸  さる雑誌からの依頼で、さるイラストレーターの評を書く。  うっかり忘れそうになっていた。締め切り、今日ジャン。  どうも執筆モードに入っていると、日にちの感覚が薄くなっていかん。頭の片隅に引っかけたまま、まだ日があるとばかり思っていた。  うむ。200字か。200字といったら、200字なわけだな。199字でも201字でもないわけだな。  1時間ほどかけて、206字を書く。  この6文字がなければ、どうしても伝わらないことがあるのだが。  だが200字にして、送る。  200字といったら、200字なのだ。  ちなみに津荒あたりなら、200字に1時間をかけるということが、どういうことか、わかるだろうなぁ。  その1時間のあいだに、何回見直しをかけ、何回表現を呻吟し、文章を吟味して書き直しを行って――と、俺がやっているのか。  津荒には想像がつくはずだ。  800字で同じことをやってきているわけだから。  最近は、最後の一行まで、ぴったり使ってきてるよな。  お前のその苦労に対して、誰もなにも言いはしないが――。  俺は知っている。また俺以外にも、プロのライターであれば全員が知っている。すくなくとも、いまこの日本に数万人以上は、その苦労を知っている人間がいるはずだ。  おまえがいまやっている苦労は、間違っていない。1文字の大切さを知るためには、絶対に必要なことだ。  ――で、津荒。  短編課題の件だが。  プロットあげてくるのはいいんだけど、あらすじも付けろよ。  面倒なようなら、面白く書かなくてもいいから、内容がわかるレベルのあらすじでもいい。それなら5分もあれば書けるだろ。ただ書くだけなんだし。  あらすじを書く能力があるのに、付けてこないのは、単なるサボりとみなすぞ。 (分室参加レベルの人間であれば、プロットだけあれば、自分の脳内であらすじとして組み立て直せるはずだけどね。「あらすじ←→プロット」の変換能力ぐらいは、「最低水準」として仕込んでいるし。だが一般レベル向けには、あらすじとプロットと、両方セットで必要だぞ。話をみせるときには、両方出しておく習慣を付けたほうが間違いがない)  ちなみに大学入って文芸サークル覗いてみると、津荒、ぶったまげるぞ〜。あらすじもロクに書けないやつらが、ぶいぶい、幅を利かせているから。たぶんな。そしてプロットの見方もわからず、プロット見せられても話の完成像が読めず、もちろん自分では書くこともできず――。そもそもプロットってなんだかわかってもいないやつらとか、わかっていないくせに「そんなものは創作には不要なのだ!」と主張してくるやつらとか、いっぱい、ひしめいているから。たぶんな。  ちなみに、これ、俺が来て分室開く前の「よみかく」の状態な。  それをもとに推測で、当て推量して、言っているだけ。  現状を見てきたら、報告してくれ。サークルめぐりするみたいだし。  どっちかというと、俺は、自分の推測が間違いであることを願っていたりする。 -------------------------------------------------------------------------------- 雨の日も風の日も雪の日も No.7722 投稿日 2004年3月11日(木)01時40分 投稿者 弟切 千隼  今、弟切の家の周りでは、大風が吹き荒れています。暗くて見えないものの、ベランダの灰色蛾[はいいろが]くんはどうしているだろうと心配になります。  今年の気候は目まぐるしいですね。灰色蛾くんが我が家に住み着いたほんの数日の間に、雨が降ったり雪が降ったり暴風が吹き荒れたりしました。気温も真冬並みから初夏並みまで変動しました。  にもかかわらず、灰色蛾くんはベランダで生きています。 >描写課題「美人」詳細分析  新木さんがリライトして下さったものを分析してみました。時間が取れませんでしたので、途中までです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  早朝の商店街。歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴って乾いた音を立てていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  いきなり『早朝の商店街』とべたに書かれています。これは、一刻も早く5W1Hを明らかにするためですね。スマートではなくても、意味のわからない冒頭よりはよほどいいです。  ただ、弟切は、『早朝』という言葉がここに来ることに違和感を持ちました。弟切が思う「早朝」というのは、おおよそ午前7時前のことだからです。友達と遊びの待ち合わせをするにしては、早過ぎる時間帯ですよね。  もともと弟切が想定していたのは、午前10時ころでした。24時間営業のコンビニやファストフード店でもない限り、商店街のお店は、だいたい午前10時ころに開店します。それ以前の時間帯に街中へ出ても、ほとんど遊ぶところはありません。  「早朝」が一般的にどのくらいの時間帯を指すのか、皆さんに訊いてみたいですね。ひょっとしたら、例によって弟切の感覚がずれているのかも知れません(^^;  分析に戻りましょう。  『歩道沿いに並ぶお店』で、商店街の具体的な様子を描写していますね。わざわざ『歩道』と書いているからには、ここの商店街には車道もあるはずです。歩道と車道の区別がない小さな商店街ではなくて、幅の広い道路に面した大きな商店街ですね。  『まだ閉まっているほうが多いくらいだった』という部分では、『くらい』に注目すべきですね。完全三人称では、このような主観の混じった言葉は使われません。ここでこの話は、人格を持った存在の一人称である確率が高いと判断されます。  『ファストフードの朝メニューの看板〜』の文は、弟切のものと同じく朝の商店街感を出していますね。新木さんのものでは、弟切のほうにはない『乾いた音を立てていた』という言葉が加わっています。この表現があることによって、より具体的に情景が浮かびます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  その脇を、あたしは早足で抜けていった。一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『その脇を、あたしは早足で抜けていった』で、視点キャラクターの『あたし』が登場します。若い女性の一人称であることがほぼ確定しますね。  『抜けていった』という表現は、視点キャラクターがこの商店街には用がないことを示しています。彼女は他に行くところがあって、商店街を通り『抜けて』いるだけなのが伝わります。  視点キャラクターは、『ぶかぶかのダウンジャケット』を着ているので、弟切のほうと同じくおしゃれな人ではありません。でも、弟切のほうよりも饒舌な人ですね。『ぶかぶかのダウンジャケット』が気に入っていないことを自ら告白しています。  『買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。』と、なぜ気に入らないのか、その理由まで語ってくれています。  弟切は、ここで、「気に入らないんならそもそも買うなよ」と、視点キャラクターに突っこみを入れてしまいました。これはキャラクターが生きている証拠ですね。  実在しない人なのに、突っこみを入れたくなるなんて、すごいことです。魂が入っていますねえ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。  よかった。美智代との約束には、間に合いそう。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。』という文に、視点キャラクターの性格がよく表われています。結構がさつな性格ですね。  とりわけ『引っぱりだして』と『ぐりっと指で押さえこむ』に、動作の力強さが出ています。あまり気に入らない服を買って着てしまっていることと合わせると、かなり男っぽいタイプだとわかります。男性は、女性に比べると着る物に頓着しませんから。  男っぽい動作をしていても、『美智代との約束には、間に合いそう』という言葉から、 女性らしさが伝わります。『よかった』という言葉からは、約束を守れることで安堵している様子がわかります。  この視点キャラクターは、がさつではあっても、人との約束はちゃんと守るいい人なのですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『角を直角に曲がってゆくと』に、視点キャラクターの几帳面さが表われています。急いでいるのに、彼女は道のりをショートカットしちゃえ、などとは考えません。  やはり、新木さんの書くキャラクターは立っていますよね。人となりがリアルに浮かびます。  『気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。』で、視点キャラクターが地面に倒れたことがわかります。『気づいたときには、もう』という部分が、視点キャラクターが対応できない不意の出来事だったことを表わしています。『冷たい地面』では、寒い季節であることが強調されています。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7723 投稿日 2004年3月11日(木)02時17分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ >関心とか >>自分に向けている関心の10分の1ぐらいでいいから、人に関心を抱けってーの。  了解です。 >>俺のリサーチ依頼の文章を読み、行間を読み、理由を推察して、仮説を立てて、発表してくること。  というわけで、下がそれです。 >>黒電話とか、ピンク電話って、知ってる? >>プッシュ式ではなくて、古いダイヤル式の電話機で、電話したことある?ダイヤル式の電話機の使い方、わかる?  ここまでの質問は、三つ。  1 知識として知っているかどうか。僕は車の運転方法は知りませんが、車は知っています。  2 昔使ったことがあるか。  3 今使えるか。  いきなり本題に入っているので、急いだ質問である。 (小学生のころ、家で使ったことがあるが、4人。祖父祖母の家で使ったことがあるが、3人でした)   >>あと恋人未満の男女関係で、単なる友達でもなくて、皆でカラオケやったり遊びにいったり、たまには二人でデートもするぐらいの関係の遊び相手の女の子のこと、いまはなんというものなのだ?  これは、そのまんま友達の呼び方を訊いている。  (全員躊躇なく、答えていました) >>いまでも「ガールフレンド」というものかね? (てか、俺らの頃も言葉としては存在したけど、誰もリアルな会話では使っちゃいなかったが。物語内専門用語だよな。20年前の当時でも)  ガールフレンドが、言葉として(使われていないにしても)通用するかどうかの質問。  ちなみに、訊いた友達全員に通じました。使いはしないんですけどね。  (一人は、死語じゃないの? と言っていました)   >>津荒ひとりだけでなく、できたら友人5〜6人くらいに聞いてくれると、助かるのだが。そのくらいの数なら、統計データとして信頼性がちょっぴり出てくるもんで。  「津荒に質問」だけだと、津荒は自分のことしか書いてこないので、サポートしている。 >>もしくは、ROMさんからの情報提供者求む。(ここに書きこみで)  津荒が遅れた時の保険と、さらなる情報を得るため。  さらに。  質問した時の相手の様子を書くと、さらに参考になる。(ちなみに友人HPの掲示板で、質問しました)  これは当たり前のことです。 >なぜ、先に自分の分だけ書かなかったか?  5〜6人分が絶対必要だと思っていたからです。勘違いバカでした。 >なぜ少ししか答えなかったのか?  質問以外のことを書く――  僕は、それを習慣的に良くないと考えてしまいます。  学校のテストでは、余計なことを答えると、×をつけられます。  そのことから身についた悪癖です。  書き込んだ時に、さらに参考になることを、書くべきか(大したことでは、ないんですが)とも思いました。  しかし、頭が動いてなかったので、「余計なことを書くと迷惑になる」と習慣が働き、あんな解答をしたわけです。  すいませんでした。 >>ちなみにいま、水面下でなにが起きているか、読み取れてる? 桜庭さんは、俺になんかしたの? なにかしたのだとすると、なにをしたの? なんでいきなり叩かれてちゃっているわけ? 津荒から見て、どう見えているのか。津荒はどう解釈したのか、それも報告のこと。  桜庭さんの、 >>本当の復帰宣言は、また今度ということで。  ……という発言を見た新木さんが忠告をしている。  なぜなら分室に復帰することの意味を、わかっていないようだったから。(HPの様子から)  忠告は三つ。  1桜庭さんのHPでの行動に、覚悟が足りていないことについて。  2分室に復帰すると、苦痛が伴うということについて。  3分室に復帰するなら、する前にしておくことについて。 >一字へのこだわり。 >>おまえがいまやっている苦労は、間違っていない。1文字の大切さを知るためには、絶対に必要なことだ。  了解です。もっと頑張ります。 >大学とか  大学の先輩は、プロットでブイブイしているかもしれません。(笑)  楽しみです。(授業についていけるかが、心配ですが) ○課題:短編作成 >厭世萌え短編小説 >>わけわからん文章  書き直しました。  説明の順番を直してみました。 >指摘される矛盾  佳苗は、やりたくもない勉強をひたすらこなす日々を嫌っていた。  やりたくない、と思うものの、反発する決心は持てない。  反発の原動力である「やりたいこと」がないからだ。だから自分を納得させるために「どうせ生きるのに意味なんてない」という厭世観を持つようになった。  安西は「どうせ〜だから」の根拠である、「世界に意味はない」が、確実でないということを指摘した。  心の安定が失われてしまう――! 以前の佳苗であれば、耳をふさいでいた。  しかし、佳苗は「やりたいこと」手に入れていたので、その指摘を受け入れた。また安西の「世界の意味を探求する」という生き方に同調した。  ――で、書き直しても、なんだか曖昧。噛み砕けていない。  やっぱり僕じゃ、まだ無理かな……。  扱うのに背のびをしている自覚はあります。  黒板に書いてある公式を見ながら、数学の問題を解いている――みたいな状態です。 >>まあ電波読みすると――。 生きる理由を持てなくてウダウダ悩んでいた女が、生きる目的を持っていそうな男を見つけて近づいていって、その側にいることで、自分も目的を持っているかのような錯覚に陥って、当座の安心感を得る。  だが男が自分の理想と違う行動を取りはじめると許すことができずに、嫌いになる。  しかし男の「僕も生きる目的なんてわからない。それを探すために大学に行くんだ」という言葉によって、男と自分とは同じ悩みを持つ同じ存在だったのだと知る。そして女は、ウダウダしている自分よりも、多少は前向きな「探しにいく」という男の方法論を、自分も採用することに決めて、人生の膠着状態から一歩前へと踏み出してゆく。  そして自分を思考のスパイラルから連れ出してくれた男のことを、あらためて好きなる。最初に惹かれたのとは別の意味で。 ――てな話なわけか。  電波読み、すげぇ……。  新木さんは、この「悩み」を完全に把握しているから、伝達効率が5パーセントを切っている文章を、正確に読めたのでしょう。  ううむ……。僕には早い。いつか書きたいです。 >個性と才能。  釈然としませんので、考えてみました。  まず個性とは、その人特有の性質。  サッカーが得意とか。  厭世萌えとか。(あと僕は、眼鏡っ娘萌えでもあります)  電車好きとか。  才能とは、物事をうまく行う頭の働き(才知)と物事をなしえる力(能力)のこと。  つまり厭世萌えを、読めるものに調理する技術のこと……?    サッカー好きレベル85が素晴らしいと言われるのは、サッカーが認められているから。  小説能力で言えば、描写とか。  鉄道好きレベル85が評価されないのは、鉄道好きが認められていないから。  小説能力で言えば、「しおり」をはさむ手つきが芸術的であるとか。  サッカーは認められているから、そのままのばせば認められる。  鉄道好きは認められないから、どうにかして認められるようにする。  2号さんの例であった「女は怖い」は、ほのぼのではダメ。だけど、ホラーにすることで、認められる(才能になる)。    どうも厭世萌えは、それだけでは万人に評価されないらしい。――なんてこった……。   でもまあ、確かにそうです。  友達に厭世萌えについて考えたことある? って訊いても、「ちょっとだけ」とか、「どうでもいいよ」とか――。そんな答えが返って来るし……。  それ自体が評価される、サッカーと同じような物。  まず、それがわからない。 >>まず攻略をはじめるまえに、世間の認める「才能」の数と種類について分析したほうがいいのかな?  そうですね。分析してみました。   >分析。  話は、いろんな要素が重なって作られています。  4つの項目に分けて考えました。   1一番大きな分類。喜怒哀楽。  喜>ハッピーエンドの話  怒>バッドエンドの話(悪が勝つ!とか。ラノベだと歓迎されない)  哀>悲しい話(寂しい、虚しいも含む)  楽>ギャグ 2話の種類。(ジャンル)  1恋愛  2アクション  3ホラー  4推理  5悩み(かなり細かくできそうな項目です)  6冒険  7ほのぼの 3話の舞台。  1現在(どうにかなる?)  2過去(かなり辛い)  3SF(ウムム……)  4異世界(辛い) 4話の雰囲気  1カッコイイ  2エロイ  3穏やか  4怖い  5テンションが高い  6普通  7しぶい  8硬い  雰囲気とジャンルと舞台と、喜怒哀楽。  これらを組み合わせれば、評価される話(才能)になる。(ただし、一般的なものに限る。例えば「恋愛」は普通の「恋愛」) >今回  舞台は、今回は重要でないのでどーでも良し。  前回は喜+楽のアクション(のつもり)だったので、今回は哀方面で考えます。    新木さんの言う才能の中心になっているのは、ジャンルだと思います。  新木さんは、「怖い話」(ホラー)がだめだったって書いてありました。楽しい「怖い話」も、江戸時代の「怖い話」も、エロイ「怖い話」もだめなんでしょう。  怖さを出すという才能は、エピソードの内容、舞台選び、文体、描写する部分などで、決まります。  今回は恋愛をやります。  雰囲気は、普通で。  恋愛――は、あまり読んだことがない。  「哀」なので、起承でラブラブ、転結でダメダメ。  舞台を現代に限定すると、ダメになる項目は「死ぬ」「転校」「振られる」「自分が死ぬ」……  ようは、1存在が消える。2恋そのものが崩壊する。このどちらかにすれば良い。    起 告白する  承 つきあう  転 振られる、または、消える  結 悲しむ    つまらないので、舞台を現代風異世界にします。(このくらいはOKのハズ)  「幸せだったカップルが、突然の戦争によって破滅する話」  最終兵器彼女一巻の始めのパクリです。 (ていうか、この「哀」で恋愛パターンなら、絶対パクリになってしまう……)    キャラクター  主人公 榊原 圭介(仮)「さかきばら けいすけ」(恥ずかしがり屋)  ヒロイン 若杉 淳子(仮)「かわはら じゅんこ」(真面目)  舞台:現在の日本に近い異世界。戦争が始まる。(敵国はアメリカ)   起 告白する  起 淳子を好きになる。  承 頑張って告白する。  転 受け入れられる。  結 喜ぶ。 承 つきあう  起 学校での生活。  承 お互いのことを話し合う。  転 デートの約束をする。  結 キスをする。 転 死ぬ  起 待ち合わせ。  承 映画を見る。  転 昼飯を食べようと思ったら、爆撃される。  結 淳子が死ぬ。 結 悲しむ  起 親も死んでいた。  承 身辺整理をする。  転 自衛隊に入る。  結 戦争をする。    ……かなり、重たい話に……(汗) どうにか、なる、だろう。  外面変化です。  あらすじ  戦争が近いと騒がれる世界で、高校2年生の榊原は、2年生で同じクラスになった真面目な女子高生の淳子にヒトメボレする。苦労して告白すると、OKをもらえた。  二人は人目をさけてつきあい出した(目立つのが苦手だから)。いろいろとお互いのことを話して、理解を深める。話の流れで、デートすることになった。夕方一緒に帰って、別れ際にキスをした。  待ちあわせ場所に、すでに淳子はいた。映画を見た。泣ける話で、二人とも感動した。いつまでも一緒にいたい、とか思う。お互いに愛称で呼び合うようにしよう、とか照れながら話す。  昼食を探しながら、街(名古屋駅前ぐらい)を歩いていると、爆撃機が攻撃してきた。二人は必死に逃げるが、はぐれてしまう。攻撃がおさまってから、死んでいる淳子を見つけた。  家族も死んでいた。淳子の形見を握り締め、榊原は学校を退学した。国は戦争ムードになっていた。自衛隊に入隊する。――そして戦争は長期化し、今、榊原は戦場にいる。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7724 投稿日 2004年3月11日(木)09時43分 投稿者 新木 伸 >灰色蛾くん >>にもかかわらず、灰色蛾くんはベランダで生きています。  定期購読しているこちらとしては、「その蛾、死んでんじゃないの?」と気が気ではないのだが。  「きちんと生きている」ことが確定できる情報を書いてくれると嬉しかったりするのだが。 >弟切 >>もともと弟切が想定していたのは、午前10時ころでした。  午前10時だったら、朝メニュー、もう終わってるだろ。  一般的には10時までだぞ。  僕が早朝と読み取った理由は、以下の点。 ・主人公は高校生か大学生だろうが、美人はOLのはず。OLは普通会社内で働いているもの。美人の職種は営業であり、外回り中と考えることもできるが、仮定に仮定を重ねてゆくより、「通勤時であった」としたほうが必要な「仮定」の数が少なくなる。オッカムのカミソリ的解法による。 ・待ち合わせ時間が早めであることは、主人公が気合いを入れて歩いていることと、遅刻気味であることで合理的に説明がつく。とても楽しみにしていた遊びなので早くから待ち合わせをしている。また朝が早いために、遅刻気味になっているのである。 ・寒い、と強調してあるので太陽は低いはず。 ・店は閉まっている、書いてあるので、閉め切ったシャッターを想像した。開店準備をしているのであれば、閉まっているとは書かないはず。 ・僕の個人体験に基づくと、シャッターを閉め切った商店の割合は、午前8時過ぎで半々というところ。ただし地域ローカルかもしれない。東京の文京区という地元では、経営者が通ってくるのではなく、店舗と生活スペースとを共有している商店街だった。どの家庭も8時ごろに朝食を終えると、もう店を開き始めている。学校に出かけるときに、半分はシャッターが開いていた。  それぞれの理由の根拠の信頼性。  さらに、弟切の元の文章を、「8時頃」と読むことが適切なのか、弟切のいうように10時頃と読むべきなのか。他の人の意見も聞きつつ、自分で判断すること。  まあ、現物があるんだから、机上の空論なんてこねてないで、知り合いに見せて回って、「これって何時だと思う?」って聞いてみるのが、いちばん早いわな。  10人くらいに見せてくれば、統計として、なにがしかの信頼度を持ったデータが取れるだろ。  ちなみに俺のを見せたなら、10人中10人が、「7〜8時」と答えるはずだよ。俺はそのつもりで、そうなるように書いてあるから。 >>新木さんのものでは、弟切のほうにはない『乾いた音を立てていた』という言葉が加わっています。この表現があることによって、より具体的に情景が浮かびます。  分析、それだけかよ。  「朝メニューの看板が風に鳴る」と書くことで、弟切は五感の中の「音」をこめたと言っていたが……。  単なる「風に鳴って音を立てる」では、説明の域を出ていない。ちっとも「音」が聞こえてこない。  どんな「音」なのかすこしでも具体的にしておこうとして、「乾いた音」と具体性を加えておいたのだが。こうしておけば、すこしは聞こえてくるだろ。ここは5W1Hの部分なので、そんなにネチっこく描写できないから、こんな程度だけど。  音情報を込めるというなら、読者に音を聞かせるところまでやらなかったら、なんの意味もない。「風に鳴る」って、そんなの、ただ書いてあるだけじゃん。ちっとも聞かせてないじゃん。  説明だけじゃ、書くだけ無駄だよ。「どう」鳴っているのかという部分が、実際に食べられる部分なわけだ。  ジャケットが気に入らない。――と、書くのと同じ。  そんな説明だけなら、いらない。「どう」気に入らないのかまで書かないと、意味が生じない。 >>袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。  がさつで男っぽい性格の描写でもあるけど。  弟切には受容体がないようで、受け取っていないみたいだけど。  「厚着感」と「歩いている感」の描写でもある。  厚着をしているということは、袖から時計を引っぱり出すのに一苦労するということ。  また歩いたまま時計の文字盤を見るってことは、強く押さえて固定しなければならないということ。  街中で観察してみるとわかることだけど、時計を確認しようとする人って、いったん、立ち止まる人が多いんだよね。  またここで彼女を立ち止まらせずに歩かせているのは、急いでいるということの描写にもなっている。  「がさつ感」  「厚着感」  「歩いている感」  「急いでいる感」  この1行で、4価値単位ほど入れてある。  弟切はたったの1単位しか読み取っていないようだけど。「厚着感」やら「歩いている感」を読み落としたのは、弟切に受容体が欠けているせいなのか?  それとも適当に読んでいたせいか?  「急いでいる感」を読み落としたのは、街中の人々の振る舞いに対する日常の観察不足と、文章を見るときの注意力不足だろうが――上の二つは、どうなのだ?  原因を特定せよ。  もし受容体が欠けているなら、それは仕方がない。外人の舌には「うま味」を認識する受容体がないそうだ。(正確には味蕾に受容体はあるが脳が訓練されてないので認識できない)  先天的にそうなっているのなら、仕方がないし、どうにもならない。  俺も「萌え受容体」に関して、デジ子あたりになってくると、萌え受容体が欠けているので、どうにもならない。  綾波受容体とか、眼鏡っ娘受容体とか、ドジっ娘とか、委員長とかの受容体なら持っているのだが。  あと「ミステリ受容体」なるものも持っていないらしい。謎解きの話、まったく面白いと感じない。他になにか価値単位が入っていてくれていないと、とても読めやしない。怪奇要素とか、残虐要素とか、キャラ萌え要素とか。  サッカーと野球に関する受容体もないらしい。他のスポーツならすこしは面白そうに思うのだが、この二つに関しては、ぜんぜん面白く感じない。世界からいまこの瞬間に、サッカーと野球が消えてしまっても、俺的には、まったくなんにも困りはしない。  テレビの放送時間延長がなくなるし、夜の謎の電車混雑がなくなってくれるし、俺的メリットならいくつか思いつく。まあ経済効果を考えると、どちらもあったほうがいいんだろうけど、しかし経済効果って目に直接見えんしなぁ。  津荒も自分の持っている「厭世少女受容体」を、たいていの他人が持っていないことを知って、ついこのあいだ驚いていたっけ。  どんな人間でも、他人より余分に受容体を持っていて、他人が持っている受容体のいくつかが欠けているものなのだ。  読者をやるなら、自分の好きな物だけを摂取していればいい。一般とのずれだとか、人との違いを認識しないでもいい。  だが作家をやるなら、それでは成り立たない。とくに凡才の場合は。  一般的には、人はどんな受容体を持っていて、自分に欠けているのはなんであるのかを、正しく把握していないと、一般受けするものが書けない。  それを認識してさえいれば、自分に欠けている受容体をシミュレートして、「ここに1単位入っている」と識別できるようにもなる。  自分が面白いと感じない(価値を見いださない)ということと、価値が入っていないということとは、別なのだ。 >>一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。  ここも、価値単位の見落としが著しいなぁ。サボりなのか、受容体がないのか。 「身に馴染んでいなくて、衣服の存在を意識してしまう新品感」 「買ったばかりの服を着ている誇らしさ感」 「地味な色を、周囲から見たらどう思われるかを気にしちゃっている感」 「黒をカラス色とたとえる個性」 「気に入らないと言いつつ、着ちゃっている個性」  ――5単位だよ。 >>弟切は、ここで、「気に入らないんならそもそも買うなよ」と、視点キャラクターに突っこみを入れてしまいました。これはキャラクターが生きている証拠ですね。 >>実在しない人なのに、突っこみを入れたくなるなんて、すごいことです。魂が入っていますねえ。  だから、おまえは、だめなんだってば。  実在してるんだってば。この女の子は。俺の中に。  そのジャケットを、どうして買ってしまったのか、いま訊いてみようか?  小学校でいちばん嫌な記憶とか、寝るときはどんな格好で寝ているのかとか、訊いてみようか? これから出会う友人との思い出で、いちばん笑えたことはなんであるかとか、そんなことも訊いてみようか?  訊けば、なんでも話してくれるわけ。だってそこに実在してるんだもの。  さすがに「カラオケでいちばんよく歌う歌は?」とかになると、俺自身がいま流行の歌をろくに知らないから、どうにもならんけど。(このへんが、「キャラを降ろす」という現象が超常現象ではない証)  しかしジャンルによっては、これはすごくもなんともないことなの。  あたりまえのことなの。ライトノベルという業界では、およそ半分から3分の1の作家が、これを「あたりまえ」としているわけ。できて当然、できなきゃハンデを背負っていることになるわけ。  ちなみに少年漫画と、少女漫画の世界では、およそ9割の漫画家がやれている。  だが大人向け小説とか、SF小説では、よく知らんけど、おそらく1割以下だろう。弟切がそっちで勝負したほうがいいというのは、そうした理由だ。  ちなみに「魂受容体」というのも存在している。  これが先天的に欠けている人にとっては、「キャラが立っているかどうか」は、まったく問題にならないわけね。キャラが立っていようが寝ていようが、本人の価値基準に一切影響を及ぼさない。  ライトノベルを書く作家層では、現在、キャラに魂を込められる作家は3〜5割。  ライトノベルを読む読者層でも、魂受容体を持つのは、やはり5割程度。  どのジャンルでも、作家の資質と、読者の資質とは、だいたい一致している。  つまりライトノベルでは、5割の読者はキャラに魂が入っていないとダメだが、残りの5割は「どうでもいい」人たちなわけだ。弟切がライトノベルを書くのだとすると、はじめから、5割の読者層を捨ててしまうことになる。あまり得策じゃないわな。  魂の存在を「どうでもいい」とする人が9割ほどいるジャンルで書いたほうが得だというのは、そうした理由からだ。  でも弟切、ここに込められた5点の価値のうち、「キャラの個性」に関しては反応しているんだから、まるきり受容体がないわけでもなさそうだ。  読み落としている他の3点に関しては、言われてみれば認識できるのか? どうだ?  もし言われてもわからないのであったら、自分の受容体が欠落していると考えたほうがいいな。欠落しているというのは、そういうものだから。  俺、野球やサッカーが面白いということを、まったく、わからないから。 >>早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  弟切のものを読んだときに、「黒いコートとぶつかりそうに」とあって、ひどい違和感があった。黒いコートがふわふわ空中を飛んでいる様を想像してしまった。  ぶつかったのが「人」ではなく「コート」と認識してしまうのって、あり得ないだろう。  ここではまず「人」と認識していて、「黒いコートを着ている」とも認識していることにした。ただ「女の人」とまでは認識していない。そこまでの余裕はなかったわけね。 >>『冷たい地面』では、寒い季節であることが強調されています。  これは「冬」というものの描写の一環。あと倒れるということの描写でもある。  冬の地面は、冷たいものなのだ。また倒れるということは、普段触らない「地面」に触れるということなわけだな。 ○津荒 >ガールフレンド  ガールフレンドは死語。  おお。それそれ。それ頂き。  主人公の心理台詞で、「それ死語なんじゃねーのか?」と、突っ込みを入れさせとこう。  友人にお礼を言っといてくれ。面白さの価値が、いま一単位発生したと。 >>質問以外のことを書く―― >>僕は、それを習慣的に良くないと考えてしまいます。 >>学校のテストでは、余計なことを答えると、×をつけられます。  はっはっは。社会に出ると、それ逆だから。余計なことをしないやつは、×が付けられるから。「使えないやつ」という×印ね。  悪癖だと気づいているのなら、直せよ。  ただし本当に「余計なこと」をやっちゃうと、それはそれで×がつく。  言外に込められていて、言われてはいないけど、「必要なこと」を察して実行する者は、「言われた以上のことをやるやつ」として、○が付くわけね。  分室では、言われた以上のことをやったときのみ褒められるから、それで見当が付けられるだろ。  言われたことさえやらないと怒鳴られて、言われたことをやるとなにも言われず、言われたこと以上をやると褒められる。  どっちかっていうと、言われたことだけやっている場合も叱られるかな。叱られるときの強さで判断すること。軽く叱られるときは、言われたことはやっているとき。大目玉を食らうのは、言われたことさえやっていないとき。と区別がつくはず。 >厭世少女  ヒロインの心情。  うーん。だいぶわかりやすくなったけど。  やっぱりよくわからんなぁ。  文章の伝達効率の問題ではないだろう。いまの時点で、人にわかるように説明するのは無理だということだ。  そのうち、あのときのあれは、つまりこういうことだったのだ――と簡潔に説明できるようになるはずだ。そのあたりが、そのネタを扱うべきタイミングだろうな。  さらに、そうした状態になってから、数年ぐらいの間しか、書ける期間はないと思え  そうなってから数年もすると、そうした悩みが存在したこと自体、忘れてしまうから。  たとえばお前、乳児の頃におしゃぶりを手放させようとしたら大泣きしていたはずだけどさ。どの子供も、たいていそうだろうけどさ。  自分がどれほど「おしゃぶり」にこだわっていたのか、いま覚えてる? 覚えているわけないよな。そういうもんなんだよ。  またおそらく津荒は自転車に乗れるはずだし、子供の頃には補助輪を付けて乗っていたはずだけど。  補助輪を外すのが怖くて怖くてたまらなかった――てことも、経験してきたはずだけど。  それ、覚えている? いまそれをネタにして、リアルに一本、小説を書けるか?  自転車の補助輪を外さなければならない男の子の話――って、書ける?  書けやしないだろ。  しかしお前が12〜14歳ぐらいで小説を書いていたのなら、その話を、書けたはずなんだよ。  常々、俺は、ライトノベルを書こうとする作家は、二十代の前半までに技術を確立させなきゃならないと主張している。  青春時代のあれやこれを、しっかり覚えているのがそのぐらいまでだ。それを忘れてしまわないうちに、プロとして出版できる腕前を身に付けていないと、書けたはずの話をものにできなくなってしまう。 >才能の話  まあ、いきなり新概念に触れたわけだし、よくわかんないだろうけど。  考え続けていれば、そのうちわかるようになるだろ。  おまえの特殊な厭世萌えは、おいておくとして――。  作家としての資質。すくなくともエンターテイメント作家としての「才能」っていうのは、世間一般的な価値観によって計られるわけね。  それとは逆に、どれだけ人と違うか、ヘンテコりんなことを考えているか――という個性のほうが計られて、それを「才能」とみなされる分野もある。俺は畑違いなので詳しくはないが、純文学の私小説というジャンルがそれだ。「作家性」=「特殊性」というものが、評価の重要な要素となる。ありきたりなことを考えていると、あの世界では無価値になってしまう。  ただ「厭世萌え」なんてのじゃ、まだヌルいからだめだろうなぁ。  太宰治という巨匠が燦然と君臨しているから、すくなくともあれを超えないと「劣化コピー」と判を押されてしまう。 >怖い話を書く才能 >>怖さを出すという才能は、エピソードの内容、舞台選び、文体、描写する部分などで、決まります。  文体やら描写技術やら、舞台の選択やら、そんなものは、技術として、どうとでもなるものなんだな。十年もたつうちに、語りの技術というものは、だいぶ上達してきている。  しかし「怖さの本質」を理解する感性の部分で、俺は、どうにも、だめなんだな。  人が怖いと思うものを、俺は怖いと思わないらしい。自分が怖いと思うものは、人にとっては、よくわかんないらしい。  よって世間一般的な「怖い話」を、書くことが出来ないわけ。  昔書いたやつと、10年ぐらい経って書いたやつと、両方、あげてみるか。  昔のやつは、プロになった直後ぐらいに書いたやつ。  俺的「怖さ」をストレートに出してみた。――てか、「ちっとも怖くない」と周囲から言いまくられるまで、俺はそれが「俺的怖さ」であると認識してなかった。  後のやつは、知り合いの編集さんから、サイトのコンテンツ用に依頼されて書いた。まあもうサイトから降りてるから、あげちゃっていいだろ。  怖い話は書けないから――と言って依頼を受けて、とりあえずその時点での最大出力で書くことにして、怖くなかったらボツにしてくれと言って渡したわけだけど、掲載されたということは、どこか少しくらいは怖かったのだろう。 「聖者の里」 (昔のやつ。たしか1992年9月ごろ) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=862&e=res&lp=862&st=0 「原稿依頼」 (8年後のやつ。2000年10月) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=863&e=res&lp=863&st=0 >恋愛で哀の話  仮題でもいいから、なんか題名ぐらい付けてこい。識別に困る。  普通はあらすじまで完成してるなら、当然、タイトルも付いてるものなんだがなぁ。 >>舞台を現代に限定すると、ダメになる項目は「死ぬ」「転校」「振られる」「自分が死ぬ」……  4つ出してきたなかに、「死ぬ」が2個もあるのか。  「哀」=「死ぬ」というのが、なんとも安直な。  んで、その戦争ネタの話は、例によって保留な。  起承転結に問題はないし、話になっている。いつかそのうち書く話として、ストックしておけ。  だが、しかし……。  これは才能測定なんだから、直球でいいんだってば直球で。  ていうか、直球を投げてくれなきゃ、正しく計測できないんだってば。  変化球投げなくていいんだってば。  世間一般でいうところの「哀」の話を書くとして、そのど真ん中を狙ったつもりで、これなのか?  だとしたら、だいぶ歪んでいるぞ。  これ、外角高めギリギリだぞ。ほとんどボール球だぞ。審判によっちゃ、ストライクって取ってくれないぞ。しかもラストで大きく外角に逃げて行ってるし。  これ、「初デートの日に彼女が爆撃で死んじゃう話」なんだよな?  それが津荒の思うところの、「哀しい話」なわけね?  こうして一行でまとめてみると、スゴいだろ?  わかるか? わかんねーか?  それが直球ど真ん中だというなら――。だとしたら、相当、変だぞ?  まあ「変」なのは個性であり、武器となるからいいのかもしれないけど。  ――しかしそうなると、一般的な「哀」の話を書く才能はないってことになるわな。  どうなの? もっと普通の「哀の恋愛」は、出せないものなのか? >桜庭さん問題  おお。すげぇすげぇ。  やっぱり津荒、わかっていなかったよー。  じつはわかっているのだけど、わかっていないフリを決めこんでいるなら、べつの意味ですごいな。すごい腹芸だが。  大丈夫なようですよー桜庭さん。まだ皆にはバレていませんよ。  このまま「なかったこと」にしておきましょうか? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7725 投稿日 2004年3月12日(金)01時21分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:短編作成 >新木さんの怖い話  「原稿依頼」と「聖者の里」読みました。  「原稿依頼」は、オチが簡単に読めるのがマズいような。怖い話は、予想を裏切るのも大切だと思います。  「聖者の里」は、吟遊詩人さんがさっぱり怖がらないから、怖くなかったです――というか、善行しかできなくなった殺人鬼の話って、怖い系というよりせつない系ですよね。「キノの旅」みたいな。 >>しかし「怖さの本質」を理解する感性の部分で、俺は、どうにも、だめなんだな。 >>人が怖いと思うものを、俺は怖いと思わないらしい。自分が怖いと思うものは、人にとっては、よくわかんないらしい。  なるほどー。  やはり一通り自分がなにを理解できるのか、調べないと。もしかしたら、とても理解できているのがあるかもしれないし。(ホントかよ) >戦争の恋愛  こいつは没ですか。うーん、なんでだろう。 >没の理由  1「戦争」が濃すぎるから。  2「戦争」が一般的な「恋愛」に関係のない転だから。  3起承でラブラブ、転結でダメダメ。この構成が違う。  1の解決>「戦争」が濃いなら、「転校」「事故って死ぬ」など、日常的にありうる転にすれば良い。  2の解決>「転」を、恋愛がらみにする。たとえば、相手の女の子に浮気されるとか。  3の解決>起承で「恋愛」の幸せをつかみ、転結でそれが消えるというのが、先のパターン。  んー……。  起で悲しみ、承で期待、転でやっぱりダメ、結悲しむ。  起承で期待、転結でやっぱりだめ。(片思いとか)  でもまあ、3は正しいと思う。  とすると、1と2を改善するべし。つまりフツーの話にするということ。 >前回の見落とし  恋愛は、相愛とは限らない。それを前回は見落としていました。  片思いもある。しかも、片思いの方が「哀」っぽいですよね。  で、片思いにも種類がある。 >種類  好意を持っていることを、結局気づかれない。  好意を持っていることに気づくのが起承転結のどこであるかで、さらに四種類。  知っていながら無視し続ける話……は難しそう。  結で理解してもらえるようにします。ふられるけど。    起 主人公が恋をする。  承 ヒロインは友達と認識している。  転 ヒロインが他の人を好きになる。  結 告白するけど、ヒロインにふられる。  題名「杉山君のファースト・ラブ」  主人公 杉山 一郎 ケンカが強い。恥ずかしがり屋。高二  ヒロイン 天川 澄香(アマカワ スミカ)鈍い。高一  「主人公の恋が実らない話」    起   起 あばれんぼうの杉山、今日もあばれる。   承 新入生の澄香に会う。   転 澄香にヒトメボレ。ケンカをやめるという。   結 仲間はびっくりする。  承   起 澄香に告白しようとする。   承 澄香が襲われている。(高三に)   転 三年をぶったおす。   結 澄香は杉山を友達だと思う。杉山は恥かしがり屋なので、告白できなかった。  転   起 杉山と澄香は仲良くなる。   承 澄香に好きな人がいると相談される。相手は、頭のいい美少年だった。   転 杉山は悔しかったが、澄香の告白を手伝う。   結 澄香はつきあい始める。  結   起 悲しみにくれる杉山。   承 澄香と美少年が、懲りていない三年に襲われる。美少年はすぐに倒される。杉山が澄香の心の叫びを訊きつけ、三年をぶったおす。   転 そんな杉山を見ても、澄香は鈍い。   結 杉山はついに告白した。澄香はふった。  あらすじ  あばれんぼうの杉山は、二年生不良のリーダーだ。彼は、新入生の澄香に恋をする。澄香が、乱暴は嫌い! と言ったのを受けて、あばれまわるのを止めることにする。  杉山は三年生(不良)に襲われていた澄香を助ける。澄香に告白しようかとも思ったが、恥かしくてできない。とりあえず澄香と友達になった。  仲良くなったある日、澄香が好きな人(桜屋 ナオ)がいると相談してくる。杉山は愕然とするが、澄香の幸せのため、桜屋と澄香の恋のキューピットになる。澄香はつきあいだす。  悲しむ杉山。退院した三年生(不良)が澄香を襲う。桜屋はすぐに倒される。杉山は澄香を愛する力でピンチを知り、かけつけて三年生を倒す。  自分を一生懸命に助けてくれる杉山を見ても、澄香は杉山の心に気づかない。  ついに杉山は告白した。ふられた。杉山は泣いた。  哀+楽です。 >直球。  書いてみて、「杉山君のファースト・ラブ」にも、変化球な部分がある。  杉山と天川と三年生(不良)のキャラが変。  もーっと普通にします。   「直球失恋」  起 好きになる。  承 友達になる。  転 ヒロインに違う好きな人ができる。  結 恋のキューピットをして、去る。好きだということは、結局言えない。 「主人公がヒロインにふられる話」  起   起 だらだら生活する主人公。   承 ヒロインに会う。   転 ヒロインに恋をする。   結 ヒロインに接近しようと考える。  承   起 ヒロインに接近する。   承 心の壁を作るヒロインに苦労する。   転 が、なんとかヒロインの壁を破る。   結 告白のタイミングを逸して、友人になる。  転   起 友人として過ごす。   承 ヒロインが恥ずかしそうに話し出す。   転 それは恋愛相談だった。主人公は期待する。   結 が、相手は違う男だった。  結   起 悲しむ主人公。   承 しかしヒロインのために、ヒロインの好きな男にヒロインのことを伝える。   転 ヒロインと男が、くっつく。   結 主人公は、独り寂しく。去る。  細部が未決定ですが(キャラ名・題名・細かい演出)、大丈夫です。  「普通の舞台と、普通のキャラを使う」という制限を自分の中に作りますので。  書き始めても、いいっすか? ○課題:あらすじ  一人称で書いてみました。  四十冊目「ロマンティックがとまらない」 著:高野葉子  一行あらすじ  少女世連が、一見プレイボーイの陸生との恋愛を成就させる話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=864&e=res&lp=757&st=0  こっちは普通。  四十一冊目「恋愛小説のつくりかた」 著:小林深雪  一行あらすじ  まぬけな女子高生芽衣が、天才小学生の弟と妹のおかげで、最高の彼氏を手に入れる話 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=865&e=res&lp=757&st=0  おもしろさに気をつけました。 >桜庭さん問題  ありゃ、はずれてたのか……。ううむー。ちくしょう。  でも……まあ、いいか。桜庭さんには+になるみたいだし。 -------------------------------------------------------------------------------- 風と共に去りぬ No.7726 投稿日 2004年3月12日(金)02時10分 投稿者 弟切 千隼  弟切の家のベランダから、灰色蛾くんが消えました。  昨日の昼間までは、確かにベランダにいました。夜の間にどこかへ行ってしまったようです。生きていて自分の意思で飛び去ったのか、すでに死んでいて遺体が風に飛ばされたのかはわかりません。  我が家にやってきた時から、翅[はね]に傷みが見えたので、いじくり回してはかわいそうだと思い、わざと触らないようにしてきました。  けれども、あまり動かないとやはり気になります。今日あたり生死を確認しようと思っていたのに、確かめようがなくなってしまいました。 >新木さんのリライト分析  うーん、弟切は読み取りの能力も足りていませんね(;_;)  とりあえず、No.7724の新木さんの書きこみに応えます。  新木さんが、弟切が書いた作品の時間帯を「早朝」だと判断した理由は了解しました。どの理由ももっともですね。  しかし、状況が読者さまに伝わっていないために誤解されている部分や、新木さんの感性のほうがずれている部分もあるな、と感じました。  例えば、「美人は通勤途中のOL」という部分です。  弟切は、この日は土曜日であると設定していました。つまり、一般的な企業や学校の休日です。  学生は、学校が休みでない日には、朝から友達と遊びに行く約束などしないものでしょう。そういう学生は、いたとしても少数派ですよね?  美人のほうも、休日出勤しているわけではないので、通勤途中ではありません。彼女は、少し離れた市−電車に乗って一時間くらいかかる距離−に住んでいる友人のもとへ遊びに行く途中でした。電車に乗ろうと駅へ向かっている時、視点キャラクターにぶつかりました。  状況が伝えられなかったことに関しては、弟切の落ち度です。自分の頭の中にある光景を、きちんと描写できなかったのがいけません。  「午前8時過ぎには、商店街の半分のお店が開いている」は、すべての商店街に当てはめられる状態ではありませんね。  新木さんのおっしゃるとおり、店舗と住まいとを共有しているところでないと、そういうことにはなりにくいです。  弟切が思い浮かべていたのは、「店舗と住まいが別々の商店街」でした。こういう商店街では、午前10時ころまでぴったりシャッターが閉まっているお店が珍しくありません。  「早朝という時間帯が何時から何時くらいまでか」という問題については、少し時間を下さい。何人かに訊いてきます。  「商店街の早朝感がどのくらい出ているか」についても、上記と関連してきますので、今回は応答を保留します。 >>乾いた音を立てていた >> 音情報を込めるというなら、読者に音を聞かせるところまでやらなかったら、なんの意味もない。「風に鳴る」って、そんなの、ただ書いてあるだけじゃん。ちっとも聞かせてないじゃん。 >> 説明だけじゃ、書くだけ無駄だよ。「どう」鳴っているのかという部分が、実際に食べられる部分なわけだ。 (新木さんのNo.7724の書きこみより)  弟切が『風に鳴る』と書いたのは、単なる説明だったのですね。それを描写にするためには、具体的にどんな音が鳴っているのかを書かなければなりません。  『乾いた音を立てていた』と書くことで、初めて読者さまに具体的な音を聞かせることができます。  そうですか、これが描写ですか……。修行します。 >>袖の中から腕時計を引っぱりだして、文字盤をぐりっと指で押さえこむ。  新木さんがこの一文に入れた 「がさつ感」 「厚着感」 「歩いている感」 「急いでいる感」 のうち、がさつ感と厚着感は弟切に伝わっています。厚着感については、前回書き忘れました(^^;  歩いている感はまったく伝わっていません。弟切は、てっきりここで視点キャラクターが立ち止まったのだと思いました。急いでいるにもかかわらず、ほんのちょっとだけ立ち止まって時計を見て、また歩きだした、と感じました。  急いでいる感は伝わっています。言われて気が付きました。  歩いている感が弟切に伝わらなかったのは、なぜでしょう? 受容体がないのでしょうか?  『袖の中から〜』の文を読んでいる弟切の思考を、再現してみます。  視点キャラクターは、厚い上着の袖の中に潜り込んでいる腕時計を、わざわざ引っぱりだして、文字盤を押さえこんでいます。これはかなり大きな動作ですね。  人間は、ある程度以上大きな動作をしようとする時は、立ち止まることが多いです。よほどのせっかちか、一刻を争うような事態でない限り、上記の動作をする人間は立ち止まるでしょう。  弟切は、この視点キャラクターはせっかちではないと判断しました。急いでいるとはいえ、このくらいの動作をする時には立ち止まる、くらいの余裕があると感じました。  ゆえに、弟切は、「視点キャラクターが立ち止まった」と判断してしまったわけです。そんなことはどこにも書いていませんのに。  こういう状態は、「受容体がない」というのでしょうか? >>一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。 「身に馴染んでいなくて、衣服の存在を意識してしまう新品感」 「買ったばかりの服を着ている誇らしさ感」 「地味な色を、周囲から見たらどう思われるかを気にしちゃっている感」 「黒をカラス色とたとえる個性」 「気に入らないと言いつつ、着ちゃっている個性」  弟切は、以上5単位のうち、「誇らしさ感」以外を読み取れました。「言われて気が付いた」ものも含みます。  「誇らしさ感」については、受容体がない気がします。まったく気が付きませんでした。  今回は時間が取れませんので、この続きは次回に回します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7727 投稿日 2004年3月12日(金)05時18分 投稿者 新木 伸 >津荒 >>「原稿依頼」  情報が足りんぞー。  オチが読めるというのなら、どのあたりか読めはじめたのか。どこではっきりと読めたのか。そこまで書かなきゃ、意味ないじゃん。  「あれか?あれか?あれかっ?」→「ああやっぱアレだったー! ぎゃー」あたりを目指したつもりだが。  ちなみにあの話は――。  死んだ人間から連絡がきて、また連絡すると書かれていたら、怖いよな。――ってチープな発想を、技術でなんとか食えるものにしたつもり。 >>「聖者の里」  ちがうちがう。本当に恐いのは吟遊詩人の娘のほうなんだってば。まあ聖者も怖いが。  なんで平然としてるわけ? 彼女って。  恐いよね? 恐くないか。やっぱ恐くないんだろうなぁ。  ちなみに俺にとって、キノ旅でいちばん恐いのはキノ本人。 >>戦争の恋愛 >>こいつは没ですか。うーん、なんでだろう。  おれはいまお前が恐いぞ。なんでダメだってわかんないのだ?  殺しちゃってるところがいかんわけ。  哀しいということは、つまり大事な人が死ぬことだ――と、いきなり最果ての北極圏まで突っ走っていってしまっているから保留なわけ。ボツではない。哀しい系の話としては成立しているから、そのうち、なにかの機会で書けばいい。だが測定には使えない。  うーん。たとえ話をしてみるか。  「嬉しい話」というお題を出したのだとする。  そしたらお前は、「宝くじで1億円当たった話」を出してきたのだとする。  これも「保留」となってしまうのだけど、わかるか?  嬉しいっていうのは、世間一般に「1億円もらえる」ということなのか?  それ発想が極端すぎやしないか? 貧困すぎやしないか?  以前、青葉さんに「疲れている」を書かせたら、「死にかけ」になっていたろ。  あれと同じね。嬉しいを書けといったら、「宝くじに当たって死ぬほど嬉しい」を書いてきてしまったわけだ。  そして哀しいを書けといったら、津荒は「死ぬほど哀しい」を書こうとしているわけだ。  寒いを書けといって、北極圏の寒さを書くやつがいるか?  そんなもん書いたって、一般人にはイメージできんだろう。だいたいおまえ、北極圏の寒さなんて知らんだろう?  普通の人がイメージできるし、共感してくれる寒さというのは、日本の普通の冬の寒さなんだよ。  「死ぬほど哀しい」って、おまえ、知ってるのか? 初恋が成就した瞬間に、彼女が爆撃で死んでしまって、無惨な姿をさらしているのを見たときの「哀しさ」って、おまえ、知ってるのか? 知らないはずだぞ。  普通の人にとって、もっと身近な「哀しい」でいいんだってば。  お前も知ってるぐらいの「哀しい」でいいわけ。  ところで「転校」の哀しさっていうのも、おまえ、知ってるの? 実体験としてあるわけ?  知らないものをどうして書けると思えるのか、俺にはわかんねー。  おまえ、恐いよ。 >「杉山君のファースト・ラブ」  自分が好きになった女の子に、別の好きな男がいたパターンだな。  筋の写し取りの少なさが、出ちゃってるなぁ。この手の話はごまんとあるぞ。  多くのパターンでは、主人公が悩みまくるのは、彼女と他の男との交際を始める前となっている。彼女の恋が成就する手伝いをするか、それとも邪魔をするか、自分から告白してしまうか、悩むものなのね。  彼女の恋が成就するお手伝いまでしておいて、その後で悩むのは変だろ。  先人の築き上げたパターンを蓄積してあったら、こんなへんてこりんなミスなんて、はじめからやらなかったのに。  ましてや、彼女と他の男との交際がうまくいっている最中に、邪魔するように、自分から告白しちゃうのか。それって妨害活動かよ?  フツー、引っぱたかれるぞ。「なに考えてんの!」みたいに。  彼女の恋を後押ししてやったのは自分。なのにこんどは自分の気持ちに答えろというのかい。えらい身勝手だなぁ。  「直球失恋」のほうは、いいんでない。  さすがに直球。使い古されたパターン。おかしいところは、なんもない。  どこかで見たような話を、いかに食えるものにするのかが、腕であり、才能なわけね。ネタや素材はありきたりにしておかないと、「腕」と素質の部分が測定できん。  では津荒の哀しい話の才能を、測定してみようか。  書け書け。 >弟切 >>弟切は、「視点キャラクターが立ち止まった」と判断してしまったわけです。そんなことはどこにも書いていませんのに。 >>こういう状態は、「受容体がない」というのでしょうか?  がさつ感のほうの受容体が大きすぎたんじゃないのかな?  「ぐりっと押さえこむ」という部分を、「固定した」とは取らずに、「力強い」と受け取ってしまったわけだ。  がさつな女の子としては、これは普通の行動なのだな。いつも通りのあたりまえの行動で、彼女は時計を見るときには、普段からそうしている。注目すべき点は、特にない。だから弟切は見落とした。  しかし世の中には、弟切と違って、がさつ感の受容体が小さいか、もしくはまったくゼロの人もいるわけだ。そういう人にとっては、この「ぐりっと押さえこむ」は、かなり強い印象を与える描写なわけだな。  それらの読者は、この女の子のことを、「まるきり普通(受容体ゼロ)」と考えているか、「ちょっとがさつ(受容体小)」と考えているわけね。  「普通よりも強く固定している」という印象を受けて、そこに着目する。そうすると「歩きながら感」になるわけだ。  他に込めてある「急いでいる感」と合わせて、歩きながら時計を見るぐらい急いでいるのだし、歩きながら時計を見るとこうなるわけだろう。と、そう読む。  まあ、ここで立ち止まって時計を見たと思われても、歩きながら時計を見たと思われても、どちらでも大差はない。  歩きながら時計を見たことが絶対に落とせない重要なことなら――。  「袖の中から腕時計を引っぱりだす。歩きつづけながら、ぐりっと文字盤を押さえこむ。」  このように書いておけば解決する。  ――が、いくばくかの不鮮明さを残しても、前のほうがいいよな。  あるひとつの文章を、自分以外の読みかたをする人間がいると想定しないと。  弟切はまるで、自分と同じ読み方をする人間で世界が満たされているように考えているようだが……。  ちょっと考えれば、そんなこと、あり得ないってわかるだろ?  ある文章が、どう読まれるかということは、確率分布として考えておかないといかんよ。  俺のあの文章は、8割「歩きながら」で、2割「立ち止まって」と読まれるわけ。そしてどちらで読まれても困らない。そのように想定してあって、そのように書いているわけ。  「歩きながら感」を読み落とす人がいたっていいわけ。  そのかわり、それを読み落とした人は、かなりの高確率で、「がさつ感」が補強されるわけね。「がさつ感」だって込めてあったものなんだから、それだってかまわない。  あそこで書くべき優先順位は、以下の通り。 1.「がさつ感」 2.「厚着感」 3.「急いでいる感」 4.「歩いている感」  この順番で重要であり、間違えてもらっては困るわけだ。  ちなみに「がさつ感」受容体がゼロの人も世の中にいる。あれを読んでも彼女が「がさつ」とは思わない人もいるわけだ。そうした人に「彼女はがさつ」ということを伝えるためには、文字ではっきり書かなきゃならない。「彼女はがさつな性格なのであった。」とかね。  まあ、がさつ感受容体がゼロの人は、ほとんどいないから、無視してもいい数値だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 可愛いのも罪だと思う No.7728 投稿日 2004年3月12日(金)06時07分 投稿者 名無し君2号  のら猫が勝手に玄関(古い家なので、引き戸だったりする)を開けて、家のなかに侵入してくるんです。あげくこたつのなかで丸くなってるんです。出ていけと怒鳴ると、ごろりと転がって腹を見せたりしやがって……くそう、可愛いじゃないか……。  いまはなぜかこたつかけのちょうど膝の上にあたる位置で、ごろりと丸くなっていたりします。目を閉じたりしやがって、くそう、可愛いじゃないか……。喉を撫でるとゴロゴロと鳴いたりしやがって、くそう、以下略。 >1000字課題  ひさしぶりの1000字課題、とりあえず――『怖さ』を目指して書いてみました。  No.114「花いちもんめ」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=866&e=res&lp=550&st=0  母親が、かつて失った我が子と再会する話。  2号毒は多少だと思います。  これが一般に受け入れられるのか……。自信ないなあ。怖いとは思うんだけどなあ。 >誤字  どうにもわからない。  ひとつは、 >>スカートのすそをしっかりとつかんで、半分だけ遙の背中から顔を出し、じっと統次を見つめてた。  の、「スカートのすそ」じゃなかろうか、と思う。  小学四年生が、スカートのすそをつかんで、背中から顔を出すことはできませんやな。「スカートのひだ」もしくは「スカートをつかんで」になるだろうと思います。 >>目の前には低めのテーブルがあって、まわりにはソファーも並んでいる。  これも立った状態で喋ってるから、本当は「目の前」じゃなくて「目の下」になるのかな、とは思うけど……違うような気がする。 >読者になれない >>自分が特別だと思っている。つまり自我肥大。桜庭さんと、根っこは同じ。  イエーイ、おんなじぃー!  というか、イエーイって死語だよね。  ……桜庭さん、舞台裏はよくわからないし、べつに知りたくもありませんが、頑張ってください。無責任な応援をしておきます。 >筆名 >>あと、いまこの時点で名前を決めるということは、デビュー後もその名前を使ってゆくということだぞ?  ……そ、そうだったんですか?  ともかく名無しは嫌だニャーという考えでやってました。  「名無し君2号」になってからはや六ヶ月ですか、もはや2号呼ばわりされるのにも違和感がなくなっていたんですが、ときおり分室参加者さんたちから「2号さん」と呼ばれたりすると、なにやら心が痛かったりもするんですよね。  なんともふざけきった名前だし。  「さん」の価値はないよなって。  「名無し君」のほうが潔い。なんだ2号って。  ちゃんと筆名を考えます。考えますよ。  そんな眼で見ないでくださいよ。いちおうは人間なんですからねっ。  でーもーなー。 ・書くジャンルが想像できる名前。 ・読みとれる漢字を使用する。  自分の書くジャンルがわからないという、非常に情けない状態にあったりするんですが……。「毒」って、そりゃどういうジャンルですカー。  現代物を書いてゆくような気はするんですけど……んー。  SFは無いしファンタジーも無いんだな。そもそも、この年だとそんなに選択肢がないんだな。いいかげんに決めて、突っ走らないといけないのだな。 >読者の傾向  課題部屋のHIT数を見ていくと、いろいろとわかります。  分室でちょっとでも話題になると、アクセス数が増える様子。  いっぺんにアップすると、のきなみ少なくなる。連作だと、最初と最後が多い……ってあいだはすっとばしですか。  ――うん。  自分もそうだ。たくさん巻数が出ているものを読むときは、最初をぺらぺら、真ん中ぺらぺら、最後をぺらぺら……とめくって判断するな。  そんなこんなでいろいろとわかっても、それを利用できなきゃ意味がないわけで。  というか、おっかないな、読者ってのは。  おっかなくなる原因は自分にあるんだけど、根本的なことを言えば、書いたものが面白くなさそうだからHIT数が少ないわけで……んあー。  宿題。 ・キャラの書きわけ、喫茶店編 ・キャラを構成する要素を抽出 ・誤字を見つける  レスには3時間ぐらいです。キャラの書きわけは直している最中。 -------------------------------------------------------------------------------- 2号 No.7729 投稿日 2004年3月12日(金)08時09分 投稿者 新木 伸 ○2号 >筆名とか  ジャンルなんて、作家になってから変わることもあるから、べつに筆名に込めなくたっていいのだよ。1ジャンルでずっと書いてゆく作家なんて、いるかってーの。  俺だってスペオペ書いたり、学園物を書いたりしてる。  ジャンルっていうのは、どこで書くかってことでもある。文庫なり、レーベルなり、そんなもんデビューしてないうちから、わかるはずもない。  筆名に込めるのは作風。どんなものを書くのかってこと。  俺は少年少女を主人公にした成長物を書いてゆくから、新木伸なわけ。  はせがわみやびは、取っ付きやすくて、わかりやすい話を書いてゆくから、ぜんぶひらがななわけ。  中里融司は昔風の冒険物を書いてゆくから、そういう名前なわけ。  三枝零一は理屈っぽくてスタイリッシュな話を書いてゆくわけ。  鷹見一幸は、男っぽくて骨があるけど、どこか優しさのある物語を書いてゆくわけ。  まあ書きたい物がないんだから、決めろったって、無理な話だろうがな。  名前を決めたいのなら、まず自分がどんなものを書きたいと思っているのか。そこから考えないとだめだよ。  誰に、どんなものを読ませたいのだ?  誰だっていいんだろ。読んでくれる相手なら。  なんだっていいんだろ。読んでくれるのなら。  そんなんだから、決まらないわけだよ。  読者とセックスするに際して――おまえはどんな女だっていいんだろ。ヤラせてくれるなら。  でもそれじゃ、パートナーは永久に捕まらないわけ。 >誤字  裾とか目の前とか、そういうのは誤字とは言わない。表現の揺れまで、誤字に含めていたらきりがない。誰から見ても、客観的に誤りであるといえるものが、誤字なわけね。  旬が過ぎつつあるから――。そろそろ一ヶ月だし、  自分で見つけさせたかったけど、答え、書いちまおう。  お前から、取りあげる。  自分で見つけたのなら、一生、同じ誤字を出さないことは確実なんだが……。  こうして教えられたものだと、まあ、そのうち忘れちまうんだろうなー。いつかそのうち、おまえ、また同じ誤字を出すよ。  それが作品の最大のクライマックスでなければいーな。神様にでもお祈りしとけや。 >>それだけでも十分だというのに、 >>「あ……おれ、ぼくは、田辺統次と言いまして」  「十分」  「言いまして」  「十分」と「充分」の違いを調べて、考えて、使いわけを定義しろ。  「言う」「云う」「謂う」「いう」の違いを調べて、考えて、使いわけを定義しろ。 (お前はこの種の誤字の探しかたを、知っていたはずだぞ) >オナニー癖  おまえさ、妄想でオナニーするとき、想像の中に、女、出すだろ?  その女と、セックスするんだよな。妄想の中でさ。  その想像の中に出してくる女と、お前が小説を書くときに想像する読者とは、どう違うのだ? なにか違いがあるのか?  妄想の中のお前がなにしようと嫌がったりしないよな。(嫌がるということを、お前が望むのであれば嫌がるだろうけど)  またお前がなにをどうしようと、どんな粗末なテクで触ろうとも、どんな荒っぽくしようとも、妄想の中の女は悶えまくって、感じまくるわけだよな。  ――だがそれは、「セックス」っていうのか?  無論、オナニーだよな。  オナニー以外の何物でもないよな。  お前は小説を書くときに、「読者とセックスしているつもり」――と、そう言うのだが。  お前が小説を書くとき――。お前が対象としている仮想読者も、脳内彼女と同じ反応をしているんじゃないのか?  なにをしても嫌がらず、どんな変態行為をいきなり仕掛けても応じてきて、どんな粗末なテクで触ろうと、なにをしても感じまくる。  そんな都合の良い存在じゃないのか?  お前がオナニーするときの脳内彼女と、お前が小説を書くときの脳内読者とのあいだには、なにか質的な違いがあるのか?  「痛ぇって言ってんだろ!」「後ろに入れようとすんじゃねーよヘンタイ!」「臭ぇもんくわえさせんな!」「誰がなかに出していいっていったよ!」――とか実際に言ってくれて、実際に鉄拳制裁を加えてくるのか? お前の脳内彼女は? >>相手も気持ちいいだろうと思って、頑張ってみた。 >>ところが「ド変態! そういうのはお仲間とやりな!」と尻を蹴飛ばされ、パンツ一丁で追いだされ、あとから服を投げだされ、あげく靴が頭に当たって跳ねる。ポテチン。  お前の脳内読者は、実際に、そういうことをしてくるのか?  「わかんねーよ」「つまんねーよ」と、冷たい眼差しを向けてくるのか?  オナニーの脳内彼女と、小説を書くときの脳内読者と、両者の反応を比べてみて、同じかそうでないか、明らかにせよ。  違いがあるというなら、どこがどのように違うのか報告。 -------------------------------------------------------------------------------- 天候不順で人が死ぬ No.7730 投稿日 2004年3月13日(土)00時19分 投稿者 弟切 千隼  親族が亡くなったという連絡を受けて、ばたばたしている弟切です。葬儀に出席するため、明日はここに書きこめないかも知れません。  冬日[ふゆび]のすぐ後に夏日[なつび]が来たり、といった天候不順ぶりでは、体力のないお年寄りが亡くなっても不思議はありませんね。 注:冬日[ふゆび]とは、気象学の用語で一日の最低気温が摂氏〇度未満の日のことです。夏日[なつび]とは、同じく気象学の用語で一日の最高気温が摂氏二五度以上になる日のことです。 >新木さんのリライト分析  前回の書きこみNo.7726の続きです。 >>一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。買ったばかりでまだ馴染んでいない。色もカラスのようであまり気に入らない。  上記の段落に、新木さんは以下の5単位を入れたとおっしゃいます。 「身に馴染んでいなくて、衣服の存在を意識してしまう新品感」 「買ったばかりの服を着ている誇らしさ感」 「地味な色を、周囲から見たらどう思われるかを気にしちゃっている感」 「黒をカラス色とたとえる個性」 「気に入らないと言いつつ、着ちゃっている個性」  弟切は、これらのうち「誇らしさ感」だけは読み取ることができませんでした。言われて読み返してもぴんと来なかったため、受容体がないと思われます。  「新品感」については、視点キャラクターが『がさついて気になる』と言ったすぐ後に『買ったばかりでまだ馴染んでいない』と言っていますから、わかりました。  「周囲から見たらどう思われるかを気にしちゃっている感」は、『ぶかぶかのダウンジャケット』・『色もカラスのようで』に表われていますね。それでなくとももこもこしているダウンジャケットがぶかぶかなら、外から見ればスタイルが悪く見えやすいです。加えて黒(カラス=黒ですよね)は、一般的にあまり良いイメージの色ではありません。  黒をカラス色とたとえるのは、普通の人にわかりやすいたとえですね。  カラスを知らない人はまずいません。そのうえ、カラスはあまり良い印象を持たれていない鳥です。「外から見たら印象悪い人かも」と危惧している心理が、よく表われていますよね。  同じ鳥のたとえを使うにしても、例えば、「黒鳥のようで」と言ったら、全然印象が違ってしまいます。白鳥の近縁種である黒鳥の黒は、優雅な黒です。何よりも、黒鳥という鳥を知っている人が少ないことを考慮しなければなりません。  「気に入らないと言いつつ、着ちゃっている個性」は、No.7722の弟切の分析で触れています。彼女は、多少気に入らない服でも、「まあいいか」と着ることができてしまう人ですね。  気の置けない女の子の友達とではなく、好きな男の子と会うのなら、おそらくもっと服に気を使うでしょうが。 >>早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。 >> 弟切のものを読んだときに、「黒いコートとぶつかりそうに」とあって、ひどい違和感があった。黒いコートがふわふわ空中を飛んでいる様を想像してしまった。 (新木さんのNo.7724の書きこみより)  読者さまに『ひどい違和感』を感じさせてはいけませんね。「人」という言葉を付け足せば済むことですから、弟切も付けるべきでした(^^;  今回はこれだけです。次はまた自力での分析に戻ります。 -------------------------------------------------------------------------------- 葬儀は生者のためにある No.7731 投稿日 2004年3月13日(土)23時09分 投稿者 弟切 千隼  いろいろありまして、結局、親族の葬儀には出席しなかった弟切です。  今回亡くなったのは、親族の中でも特に田舎に住んでいる人でした。田舎は血縁地縁が濃密に絡み合っていて、一筋縄では行かないことが多いです。  今、弟切はとても仕事が忙しいので、「ちょうどいいや〜」と、家で仕事をしていました。 >新木さんのリライト分析  No.7722の分析の続きです。まだ最後までは行き着いていません。できたところまで上げておきます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ、ごめんなさい」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  誰かの台詞ですね。弟切のものとまったく同じ台詞なのに、視点キャラクターではない誰かの台詞であることが伝わります。  なぜならば、視点キャラクターが地面に倒れているからですね。普通は、ぶつかって倒れたほうの人が謝ることはありません。よって、この台詞はぶつかった相手の『黒いコートの人』が発したものだとわかります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  見上げれば、あたしを覗きこむ顔があった。薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見えている。女の人だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『頭の上から、澄んだ声が降ってきた』は、弟切のものと同じ文です。同じように「美人効果」を発揮しています。  視点キャラクターが『見上げ』ているのも弟切のものと同じです。しかし、こちらでは美人が『あたしを覗きこむ』のが違っています。  こちらでは、視点キャラクターが地面に倒れているため、圧倒的に視点が低いのですね。立っている人が倒れている人と視線を合わせようとすれば、覗きこむ形になります。『見上げれば〜』の文は、視点キャラクターが倒れているという状況と、彼女を心配している美人の優しさを表わしています。  『薄化粧なのに、目鼻立ちがくっきりと見えている』は、美人効果を補強する文ですね。この文の後ろに『女の人だった』という文が来ています。これは、視点キャラクターの思考を忠実になぞった順番ですね。  突然、「地面に倒れる」災難に遭った視点キャラクターは、周囲のことを把握するのに時間がかかるはずです。自分が倒れたことを理解するのに精一杯で、周囲の人がどうとかいったところまで気が回りません。  そこへ、ぶつかった相手が覗きこんでくれました。その顔を見上げます。目があって鼻があって口があって、薄く化粧をしているなあ、と気づいたところで、「ああ、女の人なんだ」と理解したわけですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。朝日を頬に暖かく感じる。風に乗って、甘すぎないコロンの香りが鼻に届く。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた』と、『朝日を頬に暖かく感じる』という文は、美人の優しさを強く打ち出しています。美人は身を呈して冷たい風を遮ってくれていますから、弱々しい優しさではなく、強さを持った優しさですね。  その強さと優しさを、視点キャラクターはちゃんと感じ取っています。  『風に乗って、甘すぎないコロンの香りが鼻に届く』も、美人の弱々しくない優しさを示唆しています。ちゃんと女らしさを持っていながらも、甘えた人ではないことがうかがわれます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「だいじょうぶ?」  と、見ているまえで、つややかな唇が動いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ぼっとしている視点キャラクターの耳に届いた言葉が『だいじょうぶ?』ですね。視点キャラクターは、まだ理解力が完全に戻っていません。  『見ているまえで』は、美人の顔と視点キャラクターの顔の距離が近いことを表わしています。「美人が覗きこんでいる感」がよく出ていますね。  『つややかな唇』は、美人効果を補強している言葉です。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7732 投稿日 2004年3月14日(日)01時01分 投稿者 津荒 夕介 >戦争の恋愛  うーん。ダメだってことは、一度目の指摘で理解しています。 >>こいつは没ですか。うーん、なんでだろう。  これは、思考展開を説明するために書いた一節です。    極端なのを書こうとしたのは、僕が物語をほとんど知らないから。  知らないと、安易な物から考えます。安易な物は、派手である。極端である。  故に、極端な悲しみである、戦争を出したんですね。短絡的だ……。  課題の目的をまったく汲み取れていなかったってことです。  情けない。 >>ところで「転校」の哀しさっていうのも、おまえ、知ってるの? 実体験としてあるわけ?  転校はないっす。 「どうでもいい友達が転校するのを、見ている小学生」なら、できますね。  先生に色紙を書けって強制されるんですよ。  それで僕は、黒い油性ペンの細い方で「頑張ってください」って書く。   >> 知らないものをどうして書けると思えるのか、俺にはわかんねー。  いや、これはまったく、僕もそう思っているんです。 (戦争恋愛は、ちょっと興奮というか、バカだったので無視してください)  ――前々から、人が死ぬシーンは、自分は絶対書けないよ、と思ってました。  だって死んだことないし。  見たことがあるのは、猫の首なし死体ぐらい。いや、吐きそうになりました。  まあともかく、僕はありがたいことに健康なので、全身麻酔の手術とか、骨折とか、記憶喪失の経験はありません。  せいぜい、歯を治療する時に弱い麻酔を打ったとか、ちょっとえぐれた小指の先を、二針ぐらい縫合するのに、小指だけ麻酔した――程度。  そんな僕に、爪を剥がれる拷問を受けるキャラは絶対に書けない。  ましてや戦場の恐怖を、書けるはずがない。   >>知らないものをどうして書けると思えるのか、俺にはわかんねー。  しかし、最終兵器彼女という漫画には、あるんですよね。戦争シーン。  まちがいなく、戦争シーンが描いてある。  あれは、どうやって描いたのでしょう? 作者の高橋さんは実体験があるのかな?  あるのかなー……。  ……。  ……まてよ。  まてまて、自分の体験に限ることはないのか。  そんな風に限定したら、小説なんて書けるわけがない。  つまり、完璧な資料を持っていれば、書くことができるってことか。  正しい想像ができる、知識があればいいということか。 >>知らないものをどうして書ける  知っていればいいわけか。  きちんとした資料があればいい。さらに自分もできる範囲でそれを体験してみる。(もちろん、できるなら自分で体験するのが一番ですが)  んで、戦争恋愛が書けるか? 最大級の「哀」を処理できるか?  上の理論からいけば、できます……。できるはず。  しかし――かなり無理がある。  厭世萌えの短編の数百倍無理がある。  少なくとも、高校生のくだらない、現実逃避の、甘ったれた厭世萌えなら経験があります。  が、まったく経験のない戦争を書こうとしたら、果して、どれだけ調べなければ、ならないのか。  うぬぬ……――(沈没) >直球失恋  杉山の指摘、了解です。    で、直球の方を書いているんですが、そのため、あらすじ書きはお休みします。  筋の量は相変わらず少ないので、本は読まないといけませんが(当然)、しかし近頃はあらすじ書くのが、結構大変。  「おもしろい」を意識した(あくまで意識ですが)、あらすじ書きは「休憩」にあてられないんです。すんません。  短編課題と平行すると、中途半端になります。なので、短編に絞ります。 (それでも、簡単なあらすじは書けよ。なまけるなよ、俺)  以上です。         -------------------------------------------------------------------------------- ああ、しまった…… No.7733 投稿日 2004年3月14日(日)01時03分 投稿者 津荒 夕介  余分な空白をつくってしまいました。  すいませんです。 -------------------------------------------------------------------------------- テーマは「宝は解放されねばならない」 No.7734 投稿日 2004年3月14日(日)05時11分 投稿者 名無し君2号  再来週の金曜ロードショーは、「カリオストロの城」なそうな。  一時期テーマ考察のために、ずーっと考えていたせいか、なんかあまり見る気が起きなかったり。 >脳内読者 >>オナニーの脳内彼女と、小説を書くときの脳内読者と、両者の反応を比べてみて、同じかそうでないか、明らかにせよ。 >>違いがあるというなら、どこがどのように違うのか報告。  では報告させていただきます。  なんといいますか、そもそも、最近では妄想を燃料にしての自家発電はしていないわけなんですが――そんなことはどうでもいい――わかってるってば――ええと、速やかに比較します。 >>お前の脳内読者は、実際に、そういうことをしてくるのか? >>「わかんねーよ」「つまんねーよ」と、冷たい眼差しを向けてくるのか?  ないです。  ないんですけど、かといって言うことも聞いてくれない。「面白い!」とも云ってはくれないんだなあ。  ぬ……?  これでは「仮想読者」じゃないよなあ。  曖昧模糊というか、茫洋というか、なんか小難しい感じを使って誤魔化そうとしているが、要するに適当というか。  もっとはっきりとした読者像を作るべき……なんだろうな。 >誤字  言う、云う、謂う、それぞれの違い。過去ログにも出ていた記憶があるけれど、あえて見ない。 ・言う  人物が実際に言葉を発したとき、その状態をあらわす。  例、A子は言った。    はっきり言ってよ! ・云う  人物が発した言葉そのものを指す。言葉を引用するときにも使用。  例、そんなことを云うかなあ?    奴はもう食べられないと云った。    嘘を云え! ・謂う  ぬぬ、よくわからん。  手持ちの漢字辞典によると、人に向かっていう場合、うわさをする場合、批評する場合に用いるようだけれど。  これは後日、図書館に行ったときに調べます。  「十分」と「充分」はいちおうは調べていていた。  私が調べた結果では、「十分」が正しくて、「充分」は当て字なんだよな。だから「十分」を使ったのだけれど――それぞれ違う意味があるのだろうか? 興味がわいてくる。こちらもあとで調べます。 >キャラの書きわけ  おなじ舞台で、おなじ場面で、どれだけ登場人物を書きわけすることができるかを見る課題。  舞台は「初めての喫茶店」、場面は「注文したコーヒーが届いたところ」。  「本題に辿りつく前に、どうでもいいことをだらだらと書き連ねてしまう」という悪癖回避のため、手っとり早くコーヒーを飲む場面からにした。  文章量は2000字以下。さらりと読めるように。  まずは一人目を上げておきます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=867&e=res&lp=610&st=0  誰も覚えてないと思いますが、1000字課題No.103の「テディベアと少女」に出てきた女の子、のつもり。  書きわけもさることながら。  大切なのは、ちゃんと人が書けているか、どうかなのだと見た。書いた、つもりですけども。  レスには3時間です。 -------------------------------------------------------------------------------- ○2号 No.7735 投稿日 2004年3月14日(日)07時51分 投稿者 新木 伸 ○2号 >いう  言う……発音された言葉。  謂う……もののいわれ。  云う……伝聞。  いう……上記のどれともつかないとき。 ×「ぼくは田辺統次と言いまして」 ○「ぼくは田辺統次と云いまして」 ◎「ぼくは田辺統次といいまして」 >充分、十分  十分……10割存在するということ。  充分……用に足りるだけ満ちたということ。 ×それだけでも十分だというのに、 ○それだけでも充分だというのに、 -------------------------------------------------------------------------------- ニッポンコールが聞こえます。 No.7736 投稿日 2004年3月14日(日)21時10分 投稿者 弟切 千隼  先ほど用があってベランダに出たら、どこかの家のTVの音が聞こえました。そういえば、今日はサッカーのU-23(23歳以下のチーム)の日本対バーレーン戦だった、と思い出しました。  弟切は結構サッカー好きなので、ちょっとTVを点けてみようかな、と思ったものの、断念しました。こういうのって、観始めると止まらなくなってしまいがちです。やることがある時は、やる時間がなくなってしまいます(^^; >新木さんのリライト分析  No.7731の続きです。やっと最後まで行きました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。 「ええと、は……、はい。大丈夫、です」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた』には、「美人に遭遇して見とれている感」がよく表われています。『ぽかんと』・『仰いで』で、貴いものを目前にして思考を奪われている様子が伝わります。  その次の台詞も、美人に見とれるあまりぼうっとしている様子がよく出ていますね。句読点が多かったり「……」が入ったり「ええと」と言いよどんだりしています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そう。よかった」  その口もとが緩む。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  あっさりした美人の台詞ですね。表情の変化も『口もとが緩む』程度で、大げさではありません。美人の情緒が安定していることが伝わります。情緒の安定は、大人っぽさを表わしていますね。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの速いって言われて、そのくせしょっちゅうこけて、友達に笑われたりしてて」  自分がなぜ友達の話などしてるのか。あたしにはそれが不思議だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の台詞に比べると、視点キャラクターの台詞が冗長なのがわかりますね。内容も、直接この場に関係ない話をしています。美人を目の前にして、舞い上がっている様子が伝わってきます。  情緒が安定していないのは、子供っぽさの表われですね。美人に比べ、視点キャラクターのほうが年下なのがわかります。  『自分がなぜ友達の話などしてるのか。あたしにはそれが不思議だった。』という二文にも、自分で自分の言動を制御できていないことが表われています。でも、自分が何か訳のわからないことをやってしまっている自覚はありますね。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「私も……、歩くのが人と違うみたいで……。よく誰かからぶつかってこられるの。だから気にしなくていいから」  彼女は表情を変えずにそう言った。光沢のあるコートが、体にぴたりとフィットしている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  美人の台詞にも「……」が多いですね。つかえながらしゃべっているように見えます。  けれども、これはしゃべるのが苦手だったり、視点キャラクターを相手にするのが嫌だったりするからではありませんね。なにやら舞い上がってしまって、べらべらとしゃべりだした視点キャラクターを、どうなだめるか戸惑ったのでしょう。他人を思いやれる美人の優しさが、ここにも表われています。  『あたしが悪い』と言いだした相手に対して、『歩くのが人と違う』という理由を持ち出し、『だから気にしなくていい』となだめています。  美人が『表情を変えずに』いるのは、彼女の個性ですね。弟切のほうと比べると温かいとはいえ、新木さんの美人もクールなほうです。  『光沢のあるコートが〜』の文は、美人のスマートさを表わしています。美人効果の補強をしていますね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  そのとき不意に、あたしは気がついた。  彼女の手が、ずっとあたしに向けて差し伸べられていたことに。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『そのとき不意に、あたしは気がついた』で、舞い上がっていた視点キャラクターが、ようやく冷静になったことがわかります。それまでは周囲に気が回らなかったのが、気を配る余裕ができました。  そのために、『彼女の手が、ずっとあたしに向けて差し伸べられていたことに』気がついたわけです。  自分が悪いと確定しているわけでもないのに、倒れた人に手を差し伸べた美人は、やはりとても優しい人だとわかりますね。表情はクールでも、心はホットです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「急いでたんです。ごめんなさい。今日も友達と待ち合わせしていて……、だからもう行きます。ごめんなさい」  あたしは自分で立ち上がった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『急いでたんです〜』の台詞は一文が短くて、ぶつぶつ切れています。「……」が入って、言いよどんでいるところもあります。焦ってしゃべっている様子が伝わりますね。  大人っぽい美人がこんな話し方をするとは思えませんから、これは視点キャラクターの台詞だとわかります。  この台詞の中には『ごめんなさい』が二回出てきます。視点キャラクターが、ぶつかった相手が親切なことに気づいている証拠ですね。  まず、『急いでたんです。ごめんなさい』と、ぶつかった自分にも非があることを認めて謝っています。次に、『今日も友達と待ち合わせしていて……、だからもう行きます。ごめんなさい』と、親切にしてもらっているのに自分には何もできないことを謝っています。  『美智代との約束』のところで言及したとおり、視点キャラクターは、未熟ではあっても礼儀正しい人ですね。人の親切を感じ取り、それに応える心を持っています。  『あたしは自分で立ち上がった』で、視点キャラクターが、文字どおり自立しようとしていることが伝わります。美人が親切なことはありがたいと思っても、それに甘えてはいけない、と考えたのでしょう。  応援してあげたくなるいい子ですね。生きているキャラクターというのは確かに魅力的で、大きな武器になるとわかります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  後ろも見ないで、次の角までまっすぐ歩く。立ち止まって、振り返ってみると、きりりと伸びた立ち姿はまだそこにあった。  彼女は微笑んで、手を軽く振ってくれた。そして角から消えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターが、『後ろも見ないで、次の角までまっすぐ歩』いたのは、恥ずかしかったからでしょう。心身ともによくできた美人を目前にして、自分の未熟にいたたまれなく感じたのですね。だから、「後ろを見る」=「美人と顔を合わせる」ことができませんでした。  『まっすぐ』という言葉に、視点キャラクターのまじめさが表われています。  でも、彼女は『立ち止まって、振り返』りました。美人の印象があまりにも鮮やかで、気になったからです。この動作には、「もう一度美人を見たい」という思いと、「このまま行っちゃうのではなくて、何かしらリアクションをしたほうがいいかなあ」という思いが表われています。  『きりりと伸びた立ち姿』は、美人効果の補強ですね。これは外見の美しさを補強しています。  『微笑んで、手を軽く振ってくれた』のは、内面の美しさの補強です。街角で出遭っただけの人に対して、ずいぶん親切ですよね。  『手を軽く振ってくれた』の『軽く』に、美人効果が出ています。大人っぽい人というのは、大仰な動作をしないものです。ここで彼女がぶんぶんと大きく手を振ったら、興醒めですよね。  『そして角から消えた』の『そして』が、少しの間を表わしています。最後まで美人は美人だなあ、と視点キャラクターが見とれている間を、『そして』で表現しています。  鮮烈な印象を残して、美人は『角から消えた』わけですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 精読とか No.7737 投稿日 2004年3月15日(月)00時31分 投稿者 新木 伸  最近。一面識もない人物からタダ原稿を平然と依頼されてきて、ちと怒りぎみ。売文屋をなんだと思っちょるのだ。ぷんすか。  あ、「さる雑誌の依頼でさるイラストレーターの評を書く」ではないので念のため。あれはれっきとした宣伝活動なので、ノーギャラでも、とってもおいしい。1時間使って、200字ぐらい書くさー。 >精読分析とか  作家が、どんな意図を込めて、その単語ひとつを選択したのか。そこまで汲み取りながら読んでゆくのが、精読というものだ。  分室でその「精読」のやり方を身につけた身につけた人間は何人かいる。  はじめの人間は羽矢野だったか、それとも紫だったか。  あと馬宮、2号。弟切も今回身につけたわけだが。  俺は忘れているけど、他にも何人かいたと思う。  ――で、おまえらに聞くんだけど。  なんでそれを、他のプロの作品に適用しない?  俺なんかより文章力が格段に高いプロもいれば、おまえらに毛の生えた程度のプロもいる。  読むものは選ぶべきだが、その精読する技術があれば、プロが文章面でどんな工夫をしているのか、すべて盗み放題なんだぞ?  なぜ、しない?  1日30分でも盗み取りに時間をかけていたら、1年で、どれだけのものが身に付くと思う?  おまえら本当に、プロになる気あるのか?  文章を上達させるつもり、あるの?  俺はよく、口にする。  滅多なことじゃ精読してやんないって、そう言うよな。おまえらの作品では、まず精読はしない。とても精読に耐えうるものではないからだ。単語のひとつひとつにまで、意識が浸透していない。「この単語にどんな意図が込められているか」なんて、考えるだけムダなことだ。どうせ掘り出してきたところで、「なんとなく」という理由ぐらいしか出てきやしないのだ。  精読なんてやったひにゃ、その時間が丸々、無駄になってしまう。  だがプロの市販作品であれば、盗むべきものがあるときには、精読をかけるわけだ。  ここでいう「精読」というのは、おまえらとおなじことをやっているわけ。  おまえらは数日かけて――あるいは一晩かけて、1000字かそこらを読み取っているわけだが。  それとおなじことを、1分で2ページ程度の速度でやるわけね。  俺が小説を読むときには、俺は自分の持ちうる全知力を振り絞って読むわけ。  いま現在、それだけの速度で精読をかけることができるのも、これまで読んできた本のすべてで、そうした読みかたをしてきたからだ。俺が読んできた本の量はたいしたことがないが、そのすべてを、俺は「精読」してきている。  俺は読者として、小説は読まない。漫然と読まない。全知力を持って読むか、飛ばし読みで筋だけ取っておくか、どちらかしかやらない。作家を志す前と後とで、読みかたがきっぱりと変わっている。  おまえらの小説を読むことは――。盗むものがほとんどないし、時間の無駄だし、大変な苦痛なんだけど、しかたなく読んでいる。  ――で、もういちど訊くんだけど。  なんでおまえら、自分の書いたものを、リライトしてもらったときしか、精読をやらないわけ?  カリ城や魔女宅の精細分析もそうだけど。  なぜ「やれ」と命令されたときだけしか、やらないの?  おまえらってさ、たしか、プロになりたいんだよね?  たしか、そう口にしていたよね?  すくなくとも俺が「無料で」リライトしてやっているのは、プロ志望と言っている人間だけのはずだから、そのはずだが。  やりかたを教わって、精読をできるようにもなったのに――。  なぜ、そのやりかたで分析をしないの? -------------------------------------------------------------------------------- 世代の差 No.7738 投稿日 2004年3月15日(月)07時56分 投稿者 名無し君2号  「旅立ちの日に」という曲があるそうな。  3月はいわゆる卒業シーズンなんですが、その卒業式でよく歌われる曲らしい。  「らしい」なんて煮えくらないことをいってるのは、三十路間近の私はその曲を歌ったことがないから。聴いたことすらないし。  私の住んでいるところは田舎ゆえ、伝わってないだけだ……というのも一因といえばそうなのですが、そもそもこの「旅立ちの日に」という曲自体が、1992(平成4年)年に創られたもので、全国に広まったのはそれから数年たってからだそうな。  なので、1992年より以前に卒業した人間は、この曲を知らない可能性がけっこう高い、はず。子供がいれば、その卒業式に出席して聴いたことがあるかもしれないけれど。  いまでは合唱用の曲として、音楽の授業で歌われることも多いみたいです。だから津荒さんは知っているんじゃなかろうかと思う。中学校、もしくは小学校で歌ったこともあるかもしれない。  ――でも私はまったく知らない。  だってテレビじゃ流れない。ラジオでも流れない。有線放送でも流れない。学校関係者でもなし、なかなか知る機会がない(今回はニュースでたまたま流れたので、知った)。  たぶん、そういうものはもっと他にも、とてもたくさんあるような気がする。  そしてそれは、年を取れば取るほどに、どんどんと増えてゆくんだろうなと。  もっともいまの段階でも、いまの学生さんが読んで納得できる学校生活を書ける気は、とてもしなかったりするのだけれど。まったくどうすんべえな。 >誤字回答  お……おお?  めずらしく新木さんがあっさり回答を書いている?  これはどういうことだ。 (1)んな初歩的なことで悩んどらんで、さっさと残った課題をやらんか。さあ、さあ、さあ! 月謝はまだか! (2)やーいやーい、これでお前は改善するチャンスを逃したのだっ。またあとで、などというヌルいことをやっとるからだ。 (3)ただのきまぐれ。意味なんかない。  正解はCMのあとで。 >精読 >>やりかたを教わって、精読をできるようにもなったのに――。 >>なぜ、そのやりかたで分析をしないの?  答えを言ってしまうと「大変だから」ですんでしまうんですが――「やる気がないならやめちまえ」って、怒られるな、ぜったい――ええと、最近は小説をちゃんと読むようにしています。  「ちゃんと」とはどーゆーことなのか。  いままではだらだらと、適当に読み散らかしていたんですな。セリフしか読まないとか、冒頭はたるいからすっ飛ばすとか、ぺらぺらめくってエロそうなところだけつまみ読むとか、いきなり結末を読むとか――我ながら最低な読者ぶりですね。  いまは冒頭から読み、ときおり分析しつつ――地の文もしっかり読んでいるので、時間がかかる、かかる。200ページほどの本なら、以前なら2時間程度で読めたんですが、いまじゃあ6時間ぐらいかかってしまうし。  分析といっても、「あ、まず状況を短い文で簡潔に書いてから、改行して、じっくりとその内容を書きこんでいるなあ」とか、「アクションシーンは、あまり細かく書きこまないで、テンポを優先するんだな」とか、その程度のものなんですけど。たまに「一人称視点なのに、いきなり相手に視点が移って、主人公を描写しだした。これって狡くないか?」とか悩んでしまったりもします。  他にも、あらすじを書き取ってみたりとか。  短編を丸々書き写してみたりとか。  ひそかにいろいろとやってたりはします。  新しいことだと、新鮮だからか、けっこう楽しんでやれるし。やったことないだけ、手間取るんですけどね。そのぶん時間が無くなるんですけどね。  分室の課題もやりつつ、自主トレもできれば一番いいんですけど。時間は腐るほどあれど、どうにも不器用なので、ひとつずつしかできないス。これからは精読も追加したいと思います。 >キャラの書きわけ  二人目。  前回に続き、1000字課題、No.103「テディベアと少女」の、こんどは大男です。今回は1000字もないです。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=868&e=res&lp=610&st=0  熊のような大男なんで、読んでもあんまり楽しくないとみた。べつに全部が全部、おいしいところである必要もない……んじゃないかな。こういうところはダシだから、味さえすればいいのだ。たぶん。  レスには2時間半というところ。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7739 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- >2号さんへ No.7740 投稿日 2004年3月15日(月)13時43分 投稿者 ROM  はじめまして。沢口ともうします。  いつもよみかく分室をROMさせていただいています。  ずっとROMに徹するつもりでいたのですが、なぜだか2号さんの課題を読んだ感想をどうしても伝えたくなり、投稿しています。  読んで感じたことを、書かれているご本人に伝えたいっ。という気持ちに駆られてしまいました。  綿密な分析や指摘などはたぶんできませんので、投稿はこの一回限りです。もしわたしの投稿内容がこちらの趣旨に沿わないようでしたら、削除をお願いいたします。 #866 1000字課題、3/12分、No.114「花いちもんめ」(2000文字)  この課題文を読んだときに初めて、「2号さんに感想を伝えたい」と思ったんです。  これまでいくつか2号さんの課題を読んではいたのですが、こんなふうに伝えたい気持ちになったことはいままでありませんでした。  細かな点ではなく、全体的に感じた印象などをお伝えしたいと思います。  まず、ホラーな雰囲気がとてもよく出ている! と思いました。  夕暮れどきのしんとした境内のなか――という空気もしっかり感じられました。わたし的にはすぐにとけ込めました。  ただ、違和感を感じたところもありました。  『夕陽の光も、うっそうと繁った樹木にさえぎられてしまい、いくつか茜色の筋だけ   を飛びこませ、影から一部の石畳を切りとるだけが精一杯だった。』  この文章の『精一杯だった』という部分でちょっとだけ目がとまりました。擬人化した表現だと思うのですが、「光が精一杯?」とほんの少しなのですが(光が一生懸命なところを想像してしまって)、そぐわない印象を受けました。  もうひとつは、以下の部分です。  『 どうしてこの子は、こんなに楽しそうなんだろう?   「殺されたって」    羽音が空から降りそそぐ。カラスか鳩か、はたまた他の鳥か。千里は顔を上げるこ   とができなかった。ただ音が遠のいてゆくのを、ずっと聴いていた。』  この、女の子の言葉のあとに『羽音が空から降りそそぐ』という文章がつづいているのはとても効果的だと感じました。サスペンスが盛り上がる感じといいますか。  ただ、「降りそそぐ」はどうなんでしょう。他のかたのご意見を聞きたいところなんですが……。  「降りそそぐ」という言葉で、感じはすごく伝わってきます。(上のほうから)鳥の羽音が降りそそぐ、という。  でも微妙に違和感があったんですね。  ここでも目がとまった記憶があります。降りそそぐでも悪くはないです。これで伝わります。だけどもっと別の表現のしかたがあるのではないかな? と感じてしまったんです。  もっと千里が「感じている」表現のほうがしっくりくるのではないかと思いました。  『ただ音が遠のいてゆくのを、ずっと聴いていた』のほうは、とてもしっくりきました。  『空から降りそそぐ』のほうは、読んでぱっと視界が開けるんですね。見上げた空から羽音が降りそそぐっていう感じで。広い空が見えるんです。それはそれでとてもいいと思うのです。あのドラマとかでよくある効果音の、ざんざん、ざんざん、と恐怖が忍び寄ってくる感じですね。  私は専門家ではないので、これは見当違いの感想かもしれませんです。  で、ここで「おお……なんかサスペンスな感じだあ」と盛り上がっていたときに、次の『カラスか鳩か、はたまた他の鳥か』でがくっときてしまいました。  いや、ちがう。『はたまた』。これですね。  ここでわたしは「がくっ」ときてしまった。「はたまた」って。──なんというか古めかしい言い回しですよね。大げさな感じがしました。  ここの一文はなくても、つまり「〜降りそそぐ。千里は顔を上げることができなかった」とつづいても違和感がないような。  もちろん、ここに何か一文入った方がさらに効果的かもしれません。でも「はたまた」は逆効果だと思いました。  ないほうがずっといいです。  読み終わっての、一番大きな不満は、「産まれる前にママに殺された」というのでは、ここまで母親は恐怖におびえないのではないかという点でした。これは堕胎したということでしょうか。その前提で書きます。 『産まれる前に〜』の数行前に、以下のセリフがあります。  『おまえはずるいって。ひとりだけ母親にあいされて、とってもずるいって。こんど   はあたしのばんなんだって』  この言葉で、死んだ子どもがいたんだなとか、この子のお姉さんが亡くなったんだなということが推測できました。  そこで、「なぜ」死んだか、というところがミソだと思うんです。  これほどまでに母親がおびえる理由です。  ここまで恐怖を感じるということは、よほどのことがあったのだろう。  それは何なんだ? と期待して読み進めてしまったわけです。  堕胎の場合でも、母親にはもちろん罪悪感があるでしょう。それは一生消えないものかもしれません。でもやむにやまれぬ事情があって堕胎したのかもしれない場合もあるんですね。その場合は、ここまでの恐怖は感じないと思います。  何というかこう、決して娘から恨まれるような理由ではない、そういう事情。そういうケースもあるわけです。  だから、化けて出るほど娘が親を恨む、というのがピンとこない。化けて出るというのは、よほどのことですよね(これはわたし個人の感覚かもしれません)。  わたしが「できればこうしてほしかった」と思ったのは、 『「殺されたって」』  というセリフの前に(直前でもその少し前でも、あるいは何カ所かに散らばらせてもいいのですが)、母親の頭に一瞬、過去のある一場面、あるいはあるイメージが浮かぶというシーンがほしかった、ということです。  あるいは女の子の言葉のあいまに、徐々に母親が過去のできごとを思い起こしてしまう、少しずつそれが具体的になる、みたいな。  ええと、そんなに説明的なものではなくて(それでは効果半減です)、少女の言葉によって母親の頭にふっと浮かぶ、次の少女の言葉によってまた母親の頭にふっと浮かぶ、だんだんあらわになっていく、みたいな。あ。わたしがいまちょっと思いついただけなんで、これが効果的かどうかはわからないんですが。  よく考えたら、文字数制限がありますから無理な要求ですね。うーん。  母親のなかにそういうイメージ(過去のこと)が浮かぶ、あるいは思い出すというシーンがあれば、ふに落ちたと思います(何かしらのそういうことを読み手に想像させるイメージです)。  それは産まれる前に殺されたということでも、あるいは乳飲み子のときに母親の不注意で亡くしてしまったとか、あるいは母親がノイローゼで殺してしまったとか、あるいは凶悪な人間に残虐な殺されかたをしてしまったとか、そういうことでもいいのです。  読んでいて納得さえできれば。  あ、でも「ひとりだけあいされて」という言葉があるから、やっぱり母親に殺されたということになりますね。そうそう。この言葉があったので、堕胎というよりも、母親が子どもに手をかけるというイメージが浮かんだような気がします。愛していてもやむにやまれぬ事情で堕胎しなければならないケースもあるからかなあ。それとも昨今の虐待事件のイメージのせいかもしれない。  【読んでの読者感想:・怖さ(ぞくぞく)】  ということですが、母親の恐怖をこちらも感じることができれば、ぞくぞくしたと思います。雰囲気はとてもあって、ぞくぞくしてきそう……だったのですが、今ひとつ母親の恐怖の根源みたいなものがはっきりとわからなかったんですね。  過ちで殺したのか、やむにやまれぬ事情で殺したのか、故意に殺したのか。  そこのところが納得できれば、具体的な部分はあいまいでもいいのです(とわたしは思いました)。  つまりはっきりとこれこれこういう理由で恐怖を感じていると説明されなくてもいいんです。なんといいますか。母親の感じた恐怖。これほどの恐怖を覚えるのなら、子どもの言葉から母親は何かしら頭のなかに浮かんだに違いない。いや浮かぶというより、その映像に体中が覆いつくされる思いであっただろうと、そう思ったわけです。  見当外れな、素人の勝手な感想かもしれません。もしそうだとしたらすみませんです。  どうも、思ったことを伝えるのってほんとうに難しいものですね。  何分の一かでも2号さんに伝わりますように。祈りつつ。 -------------------------------------------------------------------------------- 春を食す No.7741 投稿日 2004年3月16日(火)02時26分 投稿者 弟切 千隼  春らしい陽気になってきたので、春らしい物が食べたいな、と思っていた弟切です。  菜の花、ふきのとう、たらの芽など、どれも弟切は大好きです。しかし、どれも高いのですよね……。  と思っていたら、見切り品としていちごが安く売っていました。もちろん弟切は買いましたとも。1パック200円で買えるささやかな幸せでした(^_^) >「早朝」という言葉について  新木さんが書き直して下さった作品の中に、「早朝」という言葉が出てきましたね。新木さんの書き直しを読んだ時、弟切はこの言葉にとても違和感を持ちました。  描写されている状況に、「早朝」という言葉がそぐわなく感じたからです。  弟切が「早朝」と聞いた場合、おおよそ午前四時から午前六時くらいの時間帯を思い浮かべます。  こんな早い時間帯に開いているのは、コンビニなどの特殊なお店だけですね。朝から営業するファストフード店でも、開店はだいたい午前七時です。ましてや、商店街の半分近いお店が開いているなんて、普通にはあり得ません。  「早朝」なのに開いているお店が多すぎるように見えたのが、違和感の原因の一つです。  もう一つの違和感の原因は、そんな早い時間帯に、若い女の子が友達と待ち合わせていることです。  若い女の子でなくとも、午前四時から六時の「早朝」に友達と待ち合わせることなんて、普通はしないでしょう。遠くへ旅行に行くとか、釣りに行くとか、特殊な場合だけですね。  作品中の女子高校生は、大きな荷物を持っているようには見えません。釣竿やスキー板など、早朝に出かける用をほうふつとさせる物を持っているようにも見えません。なのに「早朝」に友達と会う約束をしているのが、とても不自然に感じられました。  けれども、弟切の感性は当てになりません。「普通」の人とずれていることが多いからです。  現に、新木さんが『早朝の商店街』と書いたのは、午前七時か八時くらいのつもりだったとおっしゃいました。  そこで、弟切は周りの人に「『早朝』って、何時から何時くらいまでを指すと思う?」と訊いてみました。可能ならば、新木さんが書き直した作品を読んでもらいました。  訊いたのは、三十代男性の会社員二人、三十代女性の会社員二人、二十代男性会社員一人、二十代専業主婦一人、二十代男性大学生一人の計七人です。新木さんの書き直しを読んでもらえたのは、三十代女性会社員一人と二十代専業主婦を除く五人です。  その結果です。  誰もが「早朝」だと思うコアタイムは、「午前四時から午前六時」でした。午前六時を過ぎても、七時前ならば「早朝」といってよいだろうという点で、七人の意見は一致していました。午前六時から七時までは「早朝」でもあり「朝」でもあるということです。  午前七時を過ぎたら、「朝」であって「早朝」ではないという意見が多数派でした。百歩譲って七時半までは「早朝」だとしてもよいという意見が一人−二十代男性大学生−ありました。  午前八時といえば、「朝」であって決して「早朝」ではないという点では、全員の意見が一致しました。  いつから「早朝」が始まるのかについては、全員に迷いがありました。午前三時から午前四時のどこか、というのがおおむね一致した意見ですね。  一人、「空が白み始めた時からが早朝」と答えた人がいました。三十代男性会社員です。彼に言わせますと、夜明けの時刻は季節により変わりますから、「早朝」の時間帯も季節により変わるとのことでした。  ちなみに、三十代男性会社員の一人が勤めている会社では、業務命令で午前六時前に出勤する場合、早朝出勤と見なされて「早出手当」というものが支払われるそうです。  また、以前タクシーの運転手さんに聞いた話では、タクシーの「早朝」割増料金というのは、午前六時前までの時間帯に付くものだそうです。  以上の結果から想像できるでしょうが……弟切が新木さんの書き直し作品を見せたところ、全員が『早朝の商店街』に対して違和感を訴えました。  「こんなに早くから開いているお店があるなんて、ここって魚市場か何か?」(三十代女性会社員)  「この女の子って、友達と一緒に家出でもするの? でなきゃ早朝に待ち合わせなんてしないよね」(三十代男性会社員) といった反応をもらいました。  あの書き直しに関しては、『早朝の商店街』はまずかったようです > 新木さん。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7742 投稿日 2004年3月16日(火)06時24分 投稿者 新木 伸  最近。家の中にいながら、ノートパソコンで書くことが多いのだけど。ていうか、ずっと寝転がりながらノートパソコンなわけだけど。  P2−233MHzの、超旧型ThinkPadで、激遅なんだけど、普通に執筆に使うぶんには問題なかったのね。  しかし音楽再生までやらせていると、入力作業に差し障りがでるぐらいモタつくことがある。基本的に処理能力が足りていないもよう。  またブラウザでインターネットで調べものをしているときにも遅くてかなわん。OSをWINDOWS−XPにしなければ、けっこう軽く動くんだけどね。(XPは遅いのだ)  しかし、WINDOWS−XPには、「リモートデスクトップ」なる機能があったのだった。それを使うことで「遅さ」の不満はすべて解消した。  じつは家の中には、もう一台、2GHzのCPUを持っていて、なにをするにも不足のない能力のデスクトップ機があったりするのだが。  ノートパソコンから、無線LANを通して、そのデスクトップ機に接続することができるのだ。  本来デスクトップ機のほうに表示される画面やらなんやらは、すべてノートパソコンの側に持ってくる。キーボードやマウス操作は、ノートパソコンのものをデスクトップ機に送りこむ。CPUパワーの必要な処理だけはデスクトップ機で行って、入出力だけはノートパソコンのほうで行うことになる。  離れたところから、デスクトップマシンを操作して、さらに画面出力の結果なども、その離れた場所のほう受け取ることができるわけだ。  なんてことはなくて――。  大型コンピュータの世界では、昔からよく行われていた「ターミナル動作」というやつなのだが。それがパソコンでもできるというだけのことだが。  ターミナル側――ノートパソコン側に必要とされる能力は、画面表示ぐらいなものでしかない。ほんのちょっぴりで済んでしまう。CPUがどんなに貧弱だって、関係ない。数世代前のノートパソコンで充分。 (さすがにWINDOWSも動かないようなマシンだと、NGだけど)  ノートパソコンをただの端末として使って、デスクトップマシンにログインして、そちらで書いたり、インターネットに入ったり――と、いま快適にやれている。  ちなみにWINDOWS−XPであれば、この「リモートデスクトップ機能」を標準で備えている。「接続される側」のパソコンのOSが、WINDOWS−XPであればOK。  ターミナル側となるパソコンには、なにかWINDOWSがインストールされていればよい。旧式のWIN95とかでも、ぜんぜん構わない。ターミナルソフトはWINDOWS−XPのほうに付いてきているから、インストールするだけで、すぐ使える。  まあ、今日び、P2−233なんてプアーなノートパソコンを使っている人も少ないだろうから、あんまり役に立たないレポートだけども。  ThinkPad600は、キータッチがめちゃくちゃ素晴らしく、まさに「神のキーボード」の名を欲しいままにする名機であるので、まだまだ使い続けたいんだよねー。  これであと10年ぐらい、寿命が延びたかな。キーボードに関しては、補修部品でもう3〜4枚ほど確保してあるから。3年くらいで1枚ずつ消費するとして、まだまだ持つだろう。  しかし、液晶パネルがけっこうヤバそうなんだよなー。予備が1枚きりしかないし。そろそろジャンク屋でも漁って、仕入れておくかなー。 >ROMの沢口さんへ  7739がタイトルのみの書き損じで、7740はちゃんと書けていたものなので、こちらの判断で、削除と復活とをしておきました。  ちゃんと書きこめている7440のほうが消えていたのは、ひょっとして誤操作ではなく、書いたあとで消そうと思ったのかもしれませんけど……。  2号にとっては貴重な感想なので、もしそうだったとしても、このまま残しておいてください。  もしかしたら、2号にとって、きちんとした感想をくれた人の初体験なのかもしれません。 >弟切 >朝と早朝  朝の8時に電話がかかってくると、「こんな早朝に」とぎょっとしながら電話に出たりするのだが。  通販で宅配便で代引きを使うと、事前連絡でそんな電話がかかってきたりする。  リサーチしてきたのはいいのだけど。  いったいなんのリサーチをしてきたわけ?  ふぅん?  俺に対する挑戦と見なす。  やるのか? やるのかおうっ?  よって全力で叩く。  「早朝って何時のことだと思う?」とリサーチしてこいなんて、俺、言ったか? >>弟切の元の文章を、「8時頃」と読むことが適切なのか、弟切のいうように10時頃と読むべきなのか。他の人の意見も聞きつつ、自分で判断すること。 >>現物があるんだから、机上の空論なんてこねてないで、知り合いに見せて回って、「これって何時だと思う?」って聞いてみるのが、いちばん早いわな。  現物(弟切のほう)を見せて、それらの状況が何時頃の出来事なのか、それを訊いてこいと言ったはずだが……。  おまえの書いたものではなく、なにやら、俺のリライトを見せてきたようだが。  おまえ、いったい、なにやっているわけ?  「早朝っていったら、一般的には、4〜6時のことだろう」ということが証明できたとしよう。  それで、なに?  だから、なに?  俺のリライトの中に、1文字の間違いを見つけ出したとする。仮にそうだったとしても、「早朝」を「朝」に書き直して、1文字、直せばいいだけのことだよな。  ――で?  それはいったい、なんの役に立つのだ?  弟切が、俺のリライトの間違いを1文字見つけたとして――。  それが弟切にとって、どんなふうに役に立つのかという意味でだが。  そもそも、いまこれって、なんのためにやっている課題なわけ?  俺の課題なの? おまえの課題なの?  俺が「朝の商店街感」をうまく書けるようになるための訓練だったっけ? それとも弟切がやっている訓練だったっけか?  どっちなんだよ? おい? >>そこで、弟切は周りの人に「『早朝』って、何時から何時くらいまでを指すと思う?」と訊いてみました。可能ならば、新木さんが書き直した作品を読んでもらいました。  おまえ、馬鹿か?  わざわざ友人を取っ捕まえて、義理と好意とで差しだしてくれた彼らの時間を、わずかばかりに奪い取って、小説を見て貰うのなら――。  なぜ自分の書いたもののほうを見せない?  俺のを見せて、おまえには、なにかいいことが起きるのか? それでおまえのなにかが、すこしでも上達するわけ? おまえは小説が上手くなるのか? (7722) >>弟切が思う「早朝」というのは、おおよそ午前7時前のことだからです。 (7741) >>弟切が「早朝」と聞いた場合、おおよそ午前四時から午前六時くらいの時間帯を思い浮かべます。  自分自身の言っていることを、まず統一しろ。  「4〜6時」というのと、「7時前」というのは、これはイコールなのか? おまえは首尾一貫して、おなじことを言っているのか?  弟切がリサーチしてきた集団は、総体として、午前7時は早朝にあらずと言っているようだが……。早朝というのは4〜6時であると、そのように言ってきているらしいが。  それは、おかしいぞ。  感覚が狂っているか、言葉に対する分解能が低いか、言葉を間違って使っているかの、いずれかだ。  一般的には、「朝」というのは、日の出後から昼までのことを指す。もうすこし限定するならば、日の出後の数時間のことを指す。「昼」という言葉が別に存在するから、日の出後から始まって、「昼」と重ならない範囲が「朝」となるわけだな。  「早朝」という言葉は、「朝」という言葉に、「早」という接頭語がくっついた言葉なわけだ。  どうしてそれが、「朝よりも前」を示す意味を持つんだよ?  「早」というのは、朝のはじめのころ――という意味だろうが。  なら日の出からしばらくのうちで、「朝」とされる時間範囲の前半相当という意味だろうが。  仮に7〜10時が「朝」であるのだとしよう。ではその前半分に相当する7〜8時半が、「早朝」ってことになるわな。  30分ほどのズレはあるものの、俺の言ってる時間範囲と、ほぼ一致してるだろ。俺は7〜8時といっているのだから。  ――で。あともうひとつ。  俺は「あの作中」での話をしているわけ。あの作中の時期は「冬」なわけだろ。  真夏であれば「7〜8時は早朝といわない」という意見には、俺は同意する。そりゃ、たしかに「朝」だ。真夏ならな。  いま俺の書いている話が、ちょうど、夏休み真っ盛りの話なわけだが。  主人公が合宿に出発する当日の「早朝」のシーンは、6時前としている。正確には5時35分で、その時間を「早朝」として、文中にも「早朝」としっかり書きこんである。  しかし、いまやっている話は、「真冬の早朝」の話なわけだろ?  一年のうちでもっとも日の出が遅くなる時期だと、日の出は午前7時を過ぎるんだよな。(関東の場合で)  真冬のある一日においては、朝が7時6分からはじまるわけだ。  では7〜8時は、早朝であるのか? ないのか?  それから、もうひとつ。  ある言葉やら設定やらが適切かどうかは、対象読者によるわけね。  弟切は、あれを誰に対して書いていたわけ?  「早朝は4〜6時」という認識を持つ集団に向けて書いたのであれば、早朝とは、たしかにそういう時間を指すだろうさ。  また新聞奨学生の人だとか、市場で働いている人だとかの「早朝」といったら、一年を通じて「2〜3時」のことを指すわけだ。彼らはそのぐらいの時間から働いているわけだし。対象読者がそういう人に限定されるのであれば、「早朝」と書いたらそういう時間を指すのだろうさ。「新聞奨学生通信」とかの会報で、「早朝」って書いたら、皆、2〜3時と思うだろうさ。  逆に午後出勤があたりまえの人間にとっては、早朝と聞けば、朝の9時頃になるんだろうな。  お前のあの小説は、誰に向けて書かれたものなわけ?  そして俺のリライトは、誰に向けて書かれたものなわけ?  そういう特殊な誰かに向けて書くのではなく、「一般」に向けて書くのであれば、早朝という言葉はどんな定義を持つ言葉にしておくべきなわけ?  ついでにいうと、あれは「あたし」の一人称で語られる小説なわけだよな。その「あたし」というのは、大学生なわけだよな。  大学生というのは、一般的には、何時に起きて、何時に登校してゆくものなのだ? 彼女が駅前商店街を通過してゆくのは、何時の出来事だ?  彼女語として、「普段より早めの朝」という意味で「早朝」を使うのであったら、それは何時のことを指していることになる? >>いつから「早朝」が始まるのかについては、全員に迷いがありました。午前三時から午前四時のどこか、というのがおおむね一致した意見ですね。  ちなみに「3〜4時」を言い表す言葉としては、「明けがた」って言葉が、ちゃんと存在しているぞ? 「明けがた」=「夜明け前。夜明け近く」って意味ね。  やっぱサンプリングした人間が、偏ってんじゃねーの?  なにをどう勘違いすれば、夜明け前を「朝」に含められるのだ? 日が昇る前は、それは、「夜」だろ。  「早朝って言葉の持つイメージは様々ですから、何割かの人は4〜6時だと受け取ってしまうのではないでしょうか?」――てな控えめな意見なら、聞いておくけど。  「早朝とは4〜6時のことです」なんて言ってきやがったら、「てめえのが変だろ」と殴り返すぞ。このように。 ○2号 >誤字回答  答えは4番。 >キャラ書き分け >>熊のような大男なんで、読んでもあんまり楽しくないとみた。べつに全部が全部、おいしいところである必要もない……んじゃないかな。こういうところはダシだから、味さえすればいいのだ。たぶん。  するとつまり、おまえは、こう言っているわけか?  「テディベアと少女」の女の子のほうと、男のほうと、二つの1000字を書いたわけだが、そのどちらにも、「おいしいところ」と「味だけのダシ」のところと、二つの成分が含まれている。  少女のほうは「おいしいところ」がいっぱい。  クマみたいな男のほうは「ダシ」ばかり。「おいしいところ」はあったとしても、ほんのちょっぴりしか含まれていない。  少女のほうであれば、読者は愉しんでくれるだろうが、クマ男のほうは愉しんでくれないであろう。  ――と、そういうことを言っているわけかな?  おまえが「なに」を「おいしいところ」と思っているのか。「なに」を「味だけはするダシ」と言っているのか、よくわからん。  実際に見せてくれ。  一行単位に分解していって、この行は「おいしいところ」で、この行は「ダシのところ」と、分けて並べてみそ。  ひとつ、みそ汁にでもたとえてみようか。  おいしいところを「具の部分」とする。ダシで味だけはついているというところを、「汁の部分」とする。  二編のそれぞれを、1行単位で分割、腑分けして、具と汁とに分けてみること。  これ、至急ね。至急。最優先。  次の3人目の1000字を書くより先に片づけること。 >怪談  おお。やったじゃん。はじめて読者がついたじゃん。  義理でもなんでもなく、読んでしまって、居ても立ってもいられずに、なんの見返りも求めず、邪悪で利己的な企みも腹に潜めず、しっかりと長文で感想を書いてくれる読者が取れて――。  ようやく作家として、スタートラインに立ったことになる。  一字、一語レベルまで精読してくれる人が現れて、ようやく、アマチュア作家として一人前ってことね。  2号、お前、これで童貞卒業な。  ヤラせてくれるお姉さんがいて、よかったじゃん。  名前、名乗っていいぞ。  俺が名付けてやろうか? そうだな。良い名前をいま思いついたぞ。  盆梅絵  ――っての、これ、どうよ?  おまえ、プロレスファンみたいだし、イノキ、好きだろ?  カッチョええ名前だろ?  これで、このままデビューするんだぞ。いいよな?  あれれぇ? どっかで見たような気もするが……。ま、いっか。 >ホラーとか  冗談はさておき。  一語に意図がある、という前提で精読してもらったのだから、それに応えるべし。  「精一杯」「降りそそぐ」「はたまた」  ――このへんだな。  なぜ、その言葉でなくてはならないのか。作者としての意図を説明すべし。  もしも、うっかり適当に選んじゃっただけであれば、そう白状すること。  俺の見立てだと、2個は適当で、1個には意図があるように見えるけど。 >>「産まれる前にママに殺された」  ここについては、沢口さんは色々と書いてきているけど――。  ようは、「母親はなにをしたのか。なぜそうしたのか」を推測するための材料を、ほんのちょっぴりでいいから、作中に混ぜ込んでおいてくれたら、もっと怖くなったのに――ということだと思う。  たぶん、1行か2行。ほんのちょっとだろうな。  書き過ぎちゃうと怖くなくなる。  しかし推測も出来ないっていうよりは、ちらりと推測できてしまったほうが、もっと遥かに怖くなるはず。  沢口さんは、怖い話の受容体がある人なのだろう。  そしてあの話を読んで、かなり怖かったはずだ。しかし、もっと怖くなりそうだと思ったわけだ。  お前なら、もっともっと自分を怖くしてくれて、愉しませてくれそうだ――と、そう思ってしまって、なんかしら、書きにきてしまったわけだ。  とりあえず作者の想定していた「母親のしでかしたこと」というのを、まずいったん、すべて平文でぶちまけてくること。  そのうえで、どう「匂わせれば」いちばん怖くなるのかを、自分で計ってみること。  ――そこんとこ、俺、怖いから知りたくないんだけど。まあ、話の流れで、しかたがないから、ここに書いてよし。  俺は俺で、「じつは母親にはこういう事情があり、こんな事情でこれこれをしたのだ」てな理由を、自動的に思いついちゃったりしているわけだが。作家の本能として。  だが俺が思考して辿り着く怖さなんてもんは、まあ、たいしたことがないはずなのだ。  2号が素で普通に出してくるもののほうが、怖いんじゃないかなぁ。やだなぁ。知りたくないなぁ。俺の想像を超えていたりしたら、どうしようどうしよう。  ちなみに、この話のなかでは、3つの怖さが存在しているわけだな。  「母親」「死んでる女の子」「生きてる女の子」  俺的には、「生きてる子」がいちばん怖いんだけど。これは俺の怖い受容体が変なんだろう。昔、「聖者の里」を書いたときにも、「この吟遊詩人の女の子のが怖いよねー? ねー?」と、読んでくれた全員に問いかけたわけだが。  誰一人として、同意を示してくれなかったし。いまもそうみたいだし。  感性のうち、なにかひとつが欠けてるやつって、怖くない? 怖くないのかな?  なぜあれが怖くないのか、この話の「生きてる女の子」が怖くないのか。  俺にはまったくわからんのだが……。まあ、現実がそうだというなら、受け入れるしかあるまい。  べつに怖い話には、俺、べつに執着ないし。べつに人とズレてたって、べつにいいもん。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7740の補足です No.7743 投稿日 2004年3月16日(火)12時46分 投稿者 ROM ROMの沢口です。 一回限りと書いたのですが、補足させてください。 >新木さん #削除と復活    お手数をおかけしてしまいまして、もうしわけありません。  削除したのは、お察しのとおり誤操作ではありません。投稿後、分室の目的や(一読者の感想を書く場ではないかもとか)、100人ものROMさんたちが読むことなどを考えると恐ろしくなり、削除してしまいました。  けれども>2号にとっては貴重な感想 とおっしゃっていただき、感謝しています。  ありがとうございました。 >No.7740の補足 #『降りそそぐ』について  「千里が感じている表現」と書いたのは、言外にもう少し広い意味でということを含めて書きました。  そのまま「感じたこと」と受け止められるとうまく伝わらないかもしれないと思ってこれを書いています。すみません。  この部分は、 『どうしてこの子は、こんなに楽しそうなんだろう?』→『殺されたって』→(降りそそぐ)→『千里は顔を上げられなかった』→『〜をずっと聴いていた』  という流れです。  これより前のところで、すでに千里は少しずつ「あれ?」と不安というか恐怖を感じはじめています。そしてその不安が「殺されたって」という娘の言葉で、頂点に達します(ということでいいのでしょうか?)。  「どうして〜」というのは千里の心のつぶやきです。  そのあとの「〜聴いていた」というのも千里が聴いているものです。    読んでいると、千里の心のつぶやきを聞いたあとサスペンスが頂点に達し、直後、『羽音が空から降りそそぐ』によって空が見えます。空が見えたのに、『千里は頭を上げられなかった』となります。  『頭を上げられなかった』と『ずっと聴いていた。』はすんなりとつづけて読めたのですが、その分、空が見えたことに違和感を覚えたのだと思います。千里の感じていることと書いたのは、要するに千里の視界にある風景や、あるいは聴覚ならそのあとにある『音が遠のいていく』のように描写してくださっていたら、もっとすんなり読めたのかもしれない、という意味でした。ごめんなさい。  でもこれはわたしの読み方が変なのかもしれませんので、2号さんの『降りそそぐ』の意図がとても知りたいと思っています。 #恐怖を感じた理由  堕胎の場合でも、もちろん冷酷非情な理由で堕胎したと推測できれば納得します。納得させてくださいっ。 新木さんの、 >ようは、「母親はなにをしたのか。なぜそうしたのか」を推測するための材料を、ほんのちょっぴりでいい から、作中に混>ぜ込んでおいてくれたら、もっと怖くなったのに――ということだと思う。  この言葉どおりです。これが2号さんへ伝えたかったことなんです。  2行にまとめられることを、わたしはあんなに長々と書いていたんですね……。  ではROMに戻りますが、これからもみなさんの書かれるものを楽しみにしています。 --------------------------------------------------------------------------------  遅れました。 No.7744 投稿日 2004年3月17日(水)02時12分 投稿者 津荒 夕介  うーん……。書くのが遅すぎる。ちくしょう。 >遅い理由。  一番最初から、「完成品」を書こうとしていないからです。  「後から直そう」「後から変えよう」ってな中途半端な気分で書いているから遅くなる。  次は気をつけよう。    それでは、よろしくお願いします。  恋愛で、悲しい話です。  「直球失恋」  67枚です。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=869&e=res&lp=731&st=0   -------------------------------------------------------------------------------- 夜明けの晩に、鶴と亀がすーべった No.7745 投稿日 2004年3月17日(水)02時15分 投稿者 弟切 千隼 >「早朝」問題  弟切の書き方が下手くそなせいで、混乱させてしまいました(^^;  えーと、ひとまず描写課題のことは抜きにして、「早朝」という言葉について書きます。  弟切は、新木さんが書き直して下さったものを読んで、その中に登場する「早朝」という言葉に違和感を持ちました。  新木さんのリライトは、確かに、新木さんが意図したとおりに「午前七時か八時」に見えました。その点では問題はありません。  では、なぜ弟切は違和感を持ったのでしょう? 弟切にとって、「午前七時か八時」という時間帯は、「早朝ではない」と思えたからです。  しかし、弟切の感覚は当てになりません。世間一般とずれている可能性が大いにあります。  ずれているとしたら、どのくらいずれているのか、もの書きとしては知っておかないとまずいですよね。  よって、弟切は、「世間一般では、早朝とはいつ頃を指すのか?」を知りたいと考えました。こういうものには絶対に正しい答えなどないことはわかっています。それでも、おおよその目安を知っておく必要はありますよね。  そこで弟切は、周りの人に「『早朝』って、何時から何時くらいまでを指すと思う?」と訊いてみました。  新木さんが書き直したものを読んでもらったのは、時間帯だけでなく、「早朝」のイメージに対する弟切のずれ具合も計りたかったためです。  弟切が違和感を持った書き直し版に対し、多くの人が違和感を持たなければ、弟切の感覚は著しくずれていることになります。「早朝」というものに対する考えを、根本から改めなければなりません。  では、弟切が個人的に、「早朝」だと思っていたのは、どんなものでしょうか?  新木さんが示唆しているとおり、「早朝」は「朝」の一種です。これに異論はありません。  一日の時間帯の大きな区切りとして「朝」があり、「早朝」は「朝」の中の一部を占めます。「朝」の中に「早朝と表現してもよい朝」と「早朝と表現してはいけない朝」があります。  「早朝」の時間帯は、狭く取れば午前四時から午前六時くらいです。広く取れば午前三時から午前七時くらいです。  なぜこんな二重基準なのかといえば、「朝」や「早朝」のような時間帯は、デジタルにくっきり分けられるものではないからです。夜から朝へ、朝から昼へといった移りかわりに際しては、夜でもあり朝でもある時間帯や、朝でもあり昼でもある時間帯が存在します。  このような時間帯は、例えば真っ暗だった夜空の東側が白っぽくなって、赤くなり、曙光が闇を駆逐し、朝へ、といった具合に、ゆるやかに遷移してゆく時間帯です。  つまり、弟切にとっては、午前三時から午前四時までは、「夜から朝(早朝)へと変わってゆく時間帯」、午前六時から午前七時までは「早朝から『普通の』朝へと変わってゆく時間帯」です。午前七時を過ぎると、状態の遷移が完成して、「早朝と表現してはいけない朝」になります。  弟切にとっての「早朝」は、通勤ラッシュの時間帯を含みません。多くの人が普通に通勤する時間帯は、早朝のイメージとは違います。それは「早朝と表現してはいけない朝」のイメージです。  ですから、「朝」の時間帯で、通勤する人が道をぞろぞろ歩いていたら、弟切にとってそれは「早朝ではない朝」です。  弟切が思う「早朝」とは、「街中にほんのちょっぴりしか人がいなくて、やたら静かで、お店などほとんど開いていなくて、商店街には軒並みシャッターが降りている」といったものです。  上記のような弟切の考えが、どれだけずれているのかを確認すべく、弟切は七人の知人にコンタクトを取りました。  この項、続きます。今日はここまでとします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7746 投稿日 2004年3月17日(水)05時50分 投稿者 新木 伸 >弟切  話にならねぇ。  つぎ、四の五のくだらねぇこと言ってきたら、議論、打ち切るぞ。  お前は「7〜8時は早朝とはいわない」という自分の感覚を裏付けするために、身の回りの友人数人に意見を聞き、多数決を取ってきたわけだな。  ――で、俺がリライトのなかで、7〜8時を「早朝」としていることは間違いであると、そう指摘してきたわけだな。  それに対して、俺はあのリライトの中で、7〜8時を「早朝」とした根拠を述べた。  まず日の出の瞬間から、「昼」の時間帯以前が「朝」という区分である。さらにそのうちの前半相当が「早朝」だという定義を示した。  「感覚」だとか「思う」とか、そんないいかげんなものに頼ることなく、誰にとっても同一で、誰にとっても一意に定まる、客観的な定義を出してみたわけだ。  お前がしなくてはならないことは、「私は〜思う」なんてウダウダ言い続けることではなく、俺の出した定義が、合っているのか間違っているのか、それを指摘することだ。  また「早朝」に関するお前の定義が違うというのであれば、お前の定義を、実際に俺に示すことだ。  「私は4時から6時までが早朝と思う」と、おまえは繰り返しゴネているけど。  「思う」というのなら、根拠を示せ。  定義も根拠も、示してないんだよ。お前はよ。  お前がただひとり、そう思ってるだけなら、おまえの勝手だよ。好きに思ってろ。何時を早朝と思っていたって、かまわないさ。  だが、他人(俺)が根拠を出して示してきた定義を「違う」というのなら、自分のほうの定義が、より万人を納得させうる根拠に支えられていることを、示せっての。  んで、俺にはお前を納得させてやる必要なんか、これっぽっちもないわけだけど。  すこしぐらいは、納得するための手伝いをしてやる。 (そもそも、これはお前を説得するためにやってる議論じゃないわけね。お前がケンカ売ってきたから、俺、買ってるだけなのね。そこんとこ、わかれよな。  なんで無料でリライトまでしてやって、「ここんとこ違いますね」などと、小賢しいバカから、得意げにケチつけられなきゃならねーわけ? 俺は? 考えりゃすぐにわかるような、話にもならねー、アホな勘違いでもって。  そういや以前、唯野のやつからも、OFF会でそんなことやられたっけか。宇宙船の推進源の話で――「核融合は発電にしか使えないから、ロケット推進に使うのはおかしいと思います」とかなんとか。俺、よく、その場で張り倒さなかったよなぁ。あのとき、よく自制できたよな。偉いぞ俺)  弟切が納得しないのは――。  「早朝」という言葉の中の、「早」という接頭語が「〜よりも前」という意味だと勘違いしちゃっているからじゃないのか?  だとしたら、それは勘違い。思いこみ。覚え違い。  「早」という字には、たしかにいくつかの二つ意味があって、そのうちのひとつには、「ある時期の頭のほう。始まってすぐ」という意味があり、べつなひとつには、「適当な時期よりも前」という意味がある。  どうせおまえは、辞書も引いてこないで、思いこみだけで言ってるんだろうから、俺が代わりに引いてやる。 (おまえさ、2号より金持ってるんだろうから、電子辞書くらい、導入したらどうだ? 辞書引くの面倒くさがって、サボる癖がなくなるぞ)  この手の調べものをするときって、なぜか、広辞苑や大辞林は役に立たない。  いつも「三省堂/現代国語辞典」でヒットするなぁ。 岩波国語辞典、第四版より >>【早】そう >>(1)はじまってから、あまり時間が過(す)ぎていない。早期(そうき)・早朝(そうちよう)・早暁(そうぎよう)・早晩(そうばん)・早春(そうしゆん) >>(2)まだその時期にならない。若(わか)い。早熟(そうじゆく)・早婚(そうこん)・早世(そうせい)/尚早(しようそう) >> (3)すぐに。早急(さつきゆう)・(そうきゆう)・早速(さつそく)・ >>【朝】あさ >>夜(よ)が明けてからの数時間。 >>【夜】よる >>太陽がしずんで暗くなっているあいだ。日の入りから日の出までのあいだ。  考えりゃすぐにわかると書いたのは、そういうこと。  「夜」とは、日の入りから日の出までのことであり。  「朝」とは、日の出から数時間のことであり。  「早朝」とは、朝が始まってから、あまり時間が過ぎていない頃のことであり。  よって冬の「早朝」は、午前7〜8時のことを指す。  夏の「早朝」であれば、午前5〜6時のことを指す。  以上、証明終わり。  辞書を3回引けば、誰にでもすぐにたどりつける結論だ。  お前はそれさえもしないで、俺にいちゃもんつけてきているわけね。  わかった?  本来なら、張り倒されて当然なんだぜ。  3時や4時のことを「朝」とぬかすのは、そいつのがおかしい。  世間一般的に、太陽が出ていないうちは「夜」であり、「朝」にはあらず。 >津荒  まず、前にも言ってあったような気がするのだけど……。  あらすじとかプロットだとか、こちらの掲示板のほうに書いてある関連資料、完成原稿とともに上げておけよ。「プロットどこだっけ」と、いちいち、掲示板の過去ログのなかから掘り出してこなきゃならん。  200人に、1分間の手間を掛けさせるってことは、合計200分も無駄になるってことなんだぞ。  お前が5分かそこらの手間を掛けて、課題部屋のほうにその手の資料をあげておけば、皆はクリックひとつで見ることができるわけだよな。  200人が1分ずつ、合計200分かけるのと――。  お前一人が5分だけかけるのと――。  どっちが、得なのだ? 全体としては?  あの小説は、皆が、読ませて欲しがっているものなのか?  それとも、お前が皆に読んでもらいたがっているものなのか?  時間をかけるべきなのは、いったい、どっちだ? >>>遅い理由。 >>一番最初から、「完成品」を書こうとしていないからです。 >>「後から直そう」「後から変えよう」ってな中途半端な気分で書いているから遅くなる。  うん?  つまり書いてから、直してゆく時間も取っていたから、遅くなったってこと?  それとも「後から直そう」と思って書いていって、結局、直しもせずに課題部屋にあげてきということ?  後者なら論外だが。たわけだが。  前者であれば――。  書いてから直せる部分であれば、書いてから直せばいいんじゃないか?  俺がいきなり完成稿をあげるのは、単に俺個人が、書くのを面倒に感じているからだよ。俺は書き直すのが嫌だから、直さないでいいものを書くようになっただけ。頭の中だけですべて直してしまって、直し後の、その結果だけを書きつける。そのほうが楽チンだから。  ひょっとしたら、多少は精度落としても、いったん書き上げちゃってから直しをしていたほうが、じつは速くて効率的なのかもしれない。  けれど俺はそういう書きかたが、絶対に嫌なわけね。俺的にそっちのが遥かに面倒に感じるから。  これに関しては、実際に書き比べてみて、試したこともない。  後から直すくらいなら、俺は、はじめから直さなくてもいいものを書く。頭の中だけですべての直しを完了させて、そのときの自分に書ける最高のものを、いきなりエディタに書きつける。  まあ修業時代には、7回も8回も書き直させられていたけど。あれはその度ごとに、自分の限界自体が引き上げられていたからなぁ。  津荒は、自分にあった書きかたでやればいいんでない? 参考にするのは構わないけど、合わないな、と思ったら、なにか自分で他のやり方を考えてみるとか。他の作家さんのやりかたを参考にするとか。  完成度の高いものを、なるべく速く、楽に――書き上げられのであれば、どんなやりかただっていいわけだよ。  書いてからだと直せない部分ってのは、筋に関わるところ。  そういう部分はプロットのときにやっておかなきゃならないわけだ。  ……ちなみに、その筋の部分なんだけど。  悪い。GOサインだすときに、よく見てなかったわ。  上がってきたものを見て、「??」となって、プロットを見返してみたら……。 >> 起 >>  起 だらだら生活する主人公。 >>  承 ヒロインに会う。 >>  転 ヒロインに恋をする。 >>  結 ヒロインに接近しようと考える。  ここんとこ、だめじゃん。「起−起」が不要。  実際に本文を見てみると、文庫本で4ページ、原稿用紙で6枚。40字計算で80行ほど。教室に入るまでのシーンは、まったくいらない。  いきなり、クラス替え直後のシーンから開始して、「クラス替え直後の教室感」てなところから書くべきだったなぁ。  ボーイミーツガールの、ファーストコンタクトのシーンは、3ページ目までになければいかんだろう。 >>――その人は、一人で立っていた。 >>仏頂面で、サラサラと風に乗った髪を手で押えつけている。 >>呼吸が止まった。 >>『欲しい』と痛切に思った。  ここが、最初の遭遇なんだけど。これを可能な限り、前に持ってこなくてはならない。(だからといって、いきなり先頭にあったってダメなんだよ)  主人公と友人との関係をしっかり描ききり、さらに「クラス替え直後の教室感」で充分に読者を愉しませたあとで、3ページ目までに、このシーンがなければダメだな。  じゃないとこの話は、もう終わってる。無価値。  いまのままだと、7ページ目なわけだが。(だからアウトなわけね)  余分な4ページがあるためだけど。(そしてその4ページで主人公と友人の関係をダラダラと描いているわけだが)  あと、あれだな。  やはりプロットが粗すぎるな。その各シーンでなにを愉しませるのかのプランまで、作ってないだろ。たとえば、「起−承 ヒロインに会う」という部分で、「クラス替え直後の教室感。そこにいた目を引くほどの美少女に一目惚れ」という方針で愉しませるということを、書く前には考えてなかったんじゃないのかな?  「いまこのシーンでは何で読者を愉しませていこうか」なんて考えながら書いているから、遅くなるし、どのシーンも冗長になって、切れ味が悪くなるのだ。  あらすじを作り、プロットを書いて、さらに書き出すまえに、それぞれのシーンのアイデアメモを書くようにしろ。いちどにあれもこれも言っていると、わかんなくなるから、これまでは言わないでおいたが。  次からは、そういうの、全シーンにおいてやってみてから書き始めるように。  プロット的に、筋の上でのシーンの役割を決める他に、そこでなにを書くのか、どうやって読者を愉しませて、読んでもらうのか。そういうプランも立てておくわけね。  たとえば、「砂を指揮する管理人」であれば、冒頭のいちばん最初の部分において、「愉しませるコンセプト」としては、「仕事のできるお姉さん感」とか「残業感」とか「疲れているお姉さん感」とか、そういうものなわけだろ。  いざ書いてしまう前に、それをメモとして作っておくわけね。  ただこのやり方は、合う人間と合わない人間とがいるからな。  先に細かなところまで考えちゃうと、書いた気分になっちゃって気が抜けちゃう人というのもいる。  「ヒロインに会う」という大枠ところだけを決めておいて、どこで会うのか(教室。校舎裏。講堂。プール。色々あるよな)ということは決めずにおいて、書くときに決める――というスタンスの人もいる。  他の業種(漫画、ゲーム制作、演劇、映画、アニメ制作)だと、そんなことは許されないんだけど。  小説だけは、完全個人作業なので、それでも済んでしまうのだ。  たとえば映画を撮るのだったら、舞台装置が必要でしょ。ヒロインと出会うのが教室なら、教室のセットを作っておかなきゃならない。体育館なら、体育館のセットが必要だ。そしてセットを作るには、予算が必要だ。大道具の人が仕事をする期間も必要だ。映画は決められた予算と、決められた期間のあいだで撮らなきゃならないものなのだ。  俳優さんたちだってそれぞれにスケジュールを持っているから、撮影に何日、何ヶ月かかるのかを伝えないことには、出演をOKしてくれない。  あらかじめ、すべてのシーンが決まってからでないと、撮影を開始することもできないわけね。  ――が、小説は個人作業だから、書いている最中で、「彼女と初めて出会うシーンは、教室かな? 体育館かな? 繁華街の路地ってのもいいな」などと、他の業種であればとっくに決まりきっていることを、執筆中に悩んでいたりもできるわけだ。  小説でしか通用しないこのやり方を、俺はあんまりお勧めしない。  個人的には、多くの作家がそんなやりかたで書いているから、小説はダメなんだって考えているぐらいだ。  まあ、事前に細部まで決めてしまう方式でやってみて、どうしても合わないっていうなら、無理強いはしないけど。 (小説でしか通用しないやり方しかできないと、他の業種の仕事――たとえばゲームやアニメのシナリオなどを書けなくなってしまうのね。だからなるべくなら、細部まで決められるようになっておいたほうがいい)  んじゃ、今回、書いたものの反省をしつつ、さっそく次のもののネタだしね。  通常課題をこなしつつ、また数日で次のネタを出す。  次はなんだっけ。どういう系統だ?  まだ測定していない方向はなにか、自分で、リストを作ってみること。 >視点について  視点について。  一人称の欠点が、モロに出ちゃっているなぁ。  一人称で書いたの、はじめてだったっけ?  一人称というものは、主人公との感情移入度を最大にするかわりに、客観性が失われるわけね。  どういうことかというと、そこでなにが起きているのか、わかんなくなりやすい――ってことだ。  たとえば主人公の頭が、なにかひとつのことで占領されちゃっていたりすると、まわりのことは一切、書けなくてしまう。  また主人公の気づいていないことなんかを書くのも不自然だから、書けなくなる。  たとえばクラス替え直後の教室の中で、主人公が注意を払わない人や物は書けないわけだな。知り合いや目立つヤツについては書けるけど、目立たないやつについては、ひと言たりとも書けなくなってしまうわけだ。  あと当然ながら、主人公がいない場面は書けない。  小説初心者にとっては、視点を統一できるし、主人公の考えていることをダラダラ書いていけば原稿が自動的に埋まっていってくれるので、一人称というものは楽ちんで、書きやすいものに感じられるのだけど――。  話の筋だどうだとか、どうやって読者を愉しませようかと考え始める段階にあると、逆に、これが足枷となってマイナスに働いてくるわけだ。  たとえば鮮血が飛び散り、内臓が覗くような残虐シーンを書くのだとする。  それで読者を愉しませようと考えても――主人公が目を背けちゃったら、書けないじゃん。(笑)  初心者にとって一番簡単なのが、一人称。  しかしプロにとっては、いちばん難しいのが、一人称。  で、津荒の今回のこれは、その欠点がモロに出ている。  どういうことかというと――。  何が起きているのか、ぜんぜんわかんねぇ。  まあ、練習しないとうまくなんないし。うまくなってコツがわかってくれば、この「ぜんぜんわかんねぇ」という一人称の欠点は、ある程度改善できるし。練習による「伸び率」なんてのも才能のうちだし。  まあ、一人称と三人称と、交互にやってみるのがいいじゃないかな。  ちなみに、男の子が女の子を好きになってフラれる話を書くにあたっては、感情移入度ってのは大きな要素となるから、一人称を選択したことは、そう間違えた選択ではないだろう。 >余談  しかし……。  志望するってのは、手近な幸せに背中を向けるということなのだなぁ。  津荒のこれ、課題部屋に上げるんじゃなくって、持ってゆくところに持っていきさえすれば、それなりの読者がついて、コメントとかもらえるんじゃないのかなぁ。  けっこう、おもしろいんじゃないの?  分室の課題部屋だから、「じゃあ次な」とか、一顧だにされず、単なる練習用の習作として素通しされてしまうけど。  場所が場所なら、きちんと褒めてもらえるのでは?  「面白かったです」と、言ってもらえるのでは?  俺は、「これじゃまだ金は取れんな」と言うだけだけど。  まあ俺自身は――。数万人単位の読者が得られないなら、ゼロでいい、と言うほうだし。  オールオアナッシングの覚悟をキメないと、プロには、なれないものなのかもしれないのだが。津荒のほうも、嘘か本当か、わかって返事したのか知らないけど、「それでいいです」と言ってきたわけだから、気にする必要もないんだけど。  あ。いけね。才能測定するんだっけか。  前回の「ドタバタ/コメディ」と、「恋愛/哀」と、どっちがおもしろいのだ?  俺の持ってるモノサシって、すげぇ大ざっぱで、金が取れるレベルが「一目盛り」となっているから。その1目盛り未満にあるものは、いまいちよくわかんないんだよね。  0.3と0.6とでは、じつは2倍も面白さが違うのだろうけど、俺のモノサシだと、どっちも「1未満」としか計れない。違いがあることを実感できない。  0.1単位の目盛りがついているモノサシを持っている人がいたら、計ってやって、津荒に教えてやってくれい。  これ、ゼロコンマ、いくつくらいなの? -------------------------------------------------------------------------------- たまらんのですよ No.7747 投稿日 2004年3月17日(水)07時27分 投稿者 名無し君2号  体の奥底から熱が湧きあがってくるわけですよ。意味もなく猫背になって丸まって、にやにやと薄ら笑いをうかべつつ、腕を頭やら首筋やらに絡めたりするわけですよ。そんなところを家族に目撃されて、「なにやってんだお前?」などと呆れられ、なかば本気で心配されたりもするわけですよ。  なんでもないよ、と背筋を伸ばすわけですよ。  でもまたすぐに、えへらえへらと猥褻かつ淫猥な笑みをうかべてしまうわけですよ。べつにエロいことを考えているわけじゃないんですよ。えらい人にはそれがわからんのですよ。フキーッ!  なんといいますか、たまらんのですよ。  以上、初読者、初感想への感想。  ――まあ初々しいこと。 >沢口さん >1000字課題、3/12分、No.114「花いちもんめ」(2000文字) >>この課題文を読んだときに初めて、「2号さんに感想を伝えたい」と思ったんです。 >>これまでいくつか2号さんの課題を読んではいたのですが、こんなふうに伝えたい気持ちになったことはいままでありませんでした。  毎回、そのくらいの話を書ければいいんですけども。  いったいなにが沢口さんのハートをそれだけ揺り動かしたのか、ぜんぜんわかりませぬ。自分のなかの毒――女毒といいますか、ぶっちゃけると「女性への恐怖」をおだやかに出してみたんですが、それがこつんと当たった――のかなあ。違うような気がするのだけど。  ホラー風味だったからでしょうか。 >精一杯 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕陽の光も、うっそうと繁った樹木にさえぎられてしまい、いくつか茜色の筋だけを 飛びこませ、影から一部の石畳を切りとるだけが精一杯だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>この文章の『精一杯だった』という部分でちょっとだけ目がとまりました。擬人化した表現だと思うのですが、「光が精一杯?」とほんの少しなのですが(光が一生懸命なところを想像してしまって)、そぐわない印象を受けました。  ともかく、闇だということを書きたかったんですよね。  沈みかけているとはいえ、太陽の光さえもこの空間を明るくすることができない、それを伝えようとしたのが、「精一杯」という言葉でした。  気の利いた表現のつもり――だったんですが、ここは「影から一部の石畳を切りとることしかできなかった」みたいにさらりと書いたほうがよかったか。  だって、夕焼けの赤い光のほうが目に入ってしまってますよね。  ここで伝えたいのは「闇」だったんです。「夕陽」ではない。  あと、無意識のうちに、すこしでも不気味さを出そうと努力していた、とも思います。だったら樹木や境内を擬人化したほうがよかったなあ。また描写する箇所を間違えたのか? 斬る相手を間違えたのか?  そうか……そもそも太陽を擬人化した時点で間違っていたのか。 >降りそそぐ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  どうしてこの子は、こんなに楽しそうなんだろう? 「殺されたって」  羽音が空から降りそそぐ。カラスか鳩か、はたまた他の鳥か。千里は顔を上げること ができなかった。ただ音が遠のいてゆくのを、ずっと聴いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>「降りそそぐ」という言葉で、感じはすごく伝わってきます。(上のほうから)鳥の羽音が降りそそぐ、という。 >>でも微妙に違和感があったんですね。 >>ここでも目がとまった記憶があります。降りそそぐでも悪くはないです。これで伝わります。だけどもっと別の表現のしかたがあるのではないかな? と感じてしまったんです。 >>もっと千里が「感じている」表現のほうがしっくりくるのではないかと思いました。 >>『頭を上げられなかった』と『ずっと聴いていた。』はすんなりとつづけて読めたのですが、その分、空が見えたことに違和感を覚えたのだと思います。千里の感じていることと書いたのは、要するに千里の視界にある風景や、あるいは聴覚ならそのあとにある『音が遠のいていく』のように描写してくださっていたら、もっとすんなり読めたのかもしれない、という意味でした。ごめんなさい。  わかりました。  つまり、視点を千里の内面から離さないでほしかった、ということですね?  えーと。  この場面に来るまでに、地の文はどんどんと主人公である千里に近づいていってます。  最初は「女の声が〜」とか他人行儀だったものが、やがて「千里は〜」と親しげになり、ついには、千里が感じたことをそのまま書くようになります。「どうしてこの子は、こんなに楽しそうなんだろう?」なんていうのは、そのまんま千里の心の声なわけです。  それなのに、「殺されたって」という、一番衝撃を受けるべきシーンで、「羽音が空から降りそそぐ」と、千里の外から音を見た言葉が出てくる。  ぐっと近づいていたのに、いきなりポーンっと突き放されたから、たぶん「空が見えた」のだと思います。私の頭のなかにある映像も、下から千里をなめて、薄紫の空を飛ぶ十羽のカラスを映すというものだったので、まあ狙いどおりといえば、そうなのですが。  う……ん。  ためしに視点を千里の内面からはずさずに書いてみます。いわゆる、千里が「感じている」表現ですね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おねえちゃん、遊里のお姉ちゃんなんだって」  熱にうかされたような、遊里の表情。 「産まれる前に、ママに――」  どうしてこの子は、こんなに楽しそうなんだろう? 「殺されたって」  ――羽音に包まれた。  カラス……? それとも鳩……? 心の片隅でうっすらとそんなことを思いながら、 千里はただ、雨のような羽の音に打たれることしかできなかった。鳥たちが遠のいてゆ くのを、黙って聴いていることしかできなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「羽音に包まれた」は千里が感じた表現です。ただ、「――」を入れないと千里の衝撃は伝わらない様子。空から音は降ってきているんだよ、というのを伝えるために「雨のような羽の音に打たれる」と描写してみました。  あー、これもいいかも。  これは……どっちがいいんだろう? 判断がつかない。 >はたまた >>で、ここで「おお……なんかサスペンスな感じだあ」と盛り上がっていたときに、次の『カラスか鳩か、はたまた他の鳥か』でがくっときてしまいました。 >>いや、ちがう。『はたまた』。これですね。 >>ここでわたしは「がくっ」ときてしまった。「はたまた」って。──なんというか古めかしい言い回しですよね。大げさな感じがしました。  すみません。これは失敗です。  気合いを入れて書いていたら、思わず「はたまた」という力のこもった言葉が出てしまいました。なんにも考えていない証拠です。  ここはさらりと流れなければいけないところですよね。 >母親のしでかしたこと  べつに大したことじゃないです。  大学生のとき、当時つきあっていた彼氏の子供を堕したというだけの話です。  体だけの関係だったし、結婚する気もないし、子供はまだいらないし。そんな理由で。  ただ、そのときにはほとんど罪悪感は無く、後に子供を産んで育てて、初めて自分がひとつの命――本当ならこうなるはずだった命を殺したのだということに気づき、いまになってひそかな罪の意識に打ち震えていると。  ええと、 >>堕胎の場合でも、もちろん冷酷非情な理由で堕胎したと推測できれば納得します。納得させてくださいっ。  これで満足していただけたのでしょうか。  なんだか凄い毒をまき散らしているような気もするし――拍子抜けされたような気もする。いったいどっちなのだろうか。  これはちょっとした疑問なのですが――手間がかかると思うので、無理にお答えいただかなくても結構なんですが、この話、最後には主人公の子供である遊里と、過去に堕胎した子供とが、入れ替わっていた――で終わりなんですけど、それってちゃんと伝わっているんでしょうか。そこって怖くなかったんでしょうか。  わかりづらかったんじゃないかと、かなり不安になっています。  最後に。  あれだけの文章を書くのには、多くの手間と時間がかかったと思います。  沢口さんが費やしたエネルギーを余すことなく転換し、己の力に変えることだけが、私に出来る唯一のお礼でしょうか。  上手く活用して、物書きとしての質量をすこしでも増やそうと思います。  ありがとうございました。 >キャラ書きわけ >>少女のほうは「おいしいところ」がいっぱい。 >>クマみたいな男のほうは「ダシ」ばかり。「おいしいところ」はあったとしても、ほんのちょっぴりしか含まれていない。 >>おまえが「なに」を「おいしいところ」と思っているのか。「なに」を「味だけはするダシ」と言っているのか、よくわからん。 >>実際に見せてくれ。  それほど深い意味があって発言したわけじゃあなかったです。  かわいい女の子のディテールは読みたくても、熊男の細部なんか、普通は読みたくないだろうな? と勝手に判断したものです。  ――と思ったら、熊男のほうがHIT数が多かったり。  どういうことなの、これいったい。  単純に考えると……私の書く女の子には魅力がないということなのだろうか。男のほうがまだなんぼか面白いと。 >津荒さん >短編、直球失恋  ざざざと読みました。  本当に成長が早いですよね。前回と比べたら雲泥の差です。正直な話、前の話はちょっと読めませんでしたが、今回のは最後まで読めましたし。  以下、指摘します。 >タイトル  「直球失恋」はいくらなんでも直球すぎだと思います。  タイトルに関しては、私も偉そうなことはまったくもって言えないのですが、これではオチが読めすぎます。  このあたりは問題としてはいけない箇所なのでしょうか。なにやら見当違いの指摘な気もしてきましたが。 >惚れた描写 >> 呼吸が止まった。 >> 『欲しい』と痛切に思った。 >> 横顔がとても美しくて可愛くて――。 >> ――! >>「え? え?」 >>「ちょっとトイレだ!」 >> おれは耳を押えて、教室を飛び出した。 >> おれは口を開きっぱなしにして、彼女の背中を見送る。肩より少し下のあたりで黒髪が跳ねる。スカートに包まれたお尻が揺れている。……うう、たまらん。  ちょっとばかり肉欲に直結しすぎじゃなかろうか、と。  2番目の「トイレに行く」のは、もしかしたら私の考えすぎかもしれません。押さえているのはあくまで耳であって(この描写もいまいち意味がわからなかったのですが)、決して股間ではないのだからして、まさかそんな学校でバーニング!?  主人公って、マジメなはずなんですよね。  中学校時代も女体に興味はなかったようですし。  いまどきの高校生がどういう惚れかたをするのかはわかりませんが――尻や乳を見て「たまらねえ……」とよだれをたらすよりは、春風のいたずらで太ももが見えちゃって心臓ドキンドキンのほうが「らしい」ような気がするんですが……こんな考えはもう古いのでしょうか。 >恋愛対象 >>「あ、それでこれが若林君の? わぁ、顔写真つきじゃない」 >> ――あ。 >> しまった。 >> 同じ雑誌に若も載っているのだ。白黒のおれと違って、巻頭でカラーページ四枚を独占している。 >>「……う、うん。若は、すごいから……。なんていうか、次元が違うし」 >>「本当ね。これ既成のプラモデルと全然違うし……」  ここで「ヒロインが惚れているのは友人」なのかと思っちゃったわけですが。冷静になってみると、それだとテーマが変わるので駄目なんですよね。「惚れた女のために自分の思いを犠牲にする」が、「惚れた女の好きな相手が友人だと知り、彼女と友人のために身を引く話」になってしまうし。  で、ええと、先生の菅井にヒロインは惚れているんですよね。  ならば、もうちょっと菅井を出しておいたほうがいいんじゃないでしょうか。伏線がないので、なんかいきなり恋敵が出てきた感じです。  友人の替わりに菅井を主人公と絡めるとか。たとえばですけどね。 >話の印象  悲しい話というより、友情って素晴らしいなあ、という話になってしまってます。  それも当たり前の話で、だって恋人との場面より、友達との場面のほうが多いんですもの。 >余談 >>津荒のこれ、課題部屋に上げるんじゃなくって、持ってゆくところに持っていきさえすれば、それなりの読者がついて、コメントとかもらえるんじゃないのかなぁ。  持っていってもいいんじゃあないでしょうか。  あくまでも本人次第ではありますが。  レスには5時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7748 投稿日 2004年3月17日(水)09時34分 投稿者 新木 伸  仕事にかかろうかと思ったら、2号の書きこみが。 >2号 >>それほど深い意味があって発言したわけじゃあなかったです。 >>かわいい女の子のディテールは読みたくても、熊男の細部なんか、普通は読みたくないだろうな? と勝手に判断したものです。  俺には深い意味があって、腑分けしろって、最優先で言ってみたのだけど。  物事には、すべて理由があるわけね。  んで、女の子のほうと、熊男のほうと、ヒット数からして違うことにも、ちゃんと理由かあるわけね。違うのはヒット数だけじゃない。  ヒット数というのは、読んで読者が受ける印象に、ただ比例しているだけだ。  なぜ読む前に、読んでみないとわからない印象に比例した数値が出てきてしまうのかというと、目の肥えた読者というのは、そういうものだからだ。  料理だって、食ってみるまえに、うまいかどうか、まずたいていはわかってしまうもんだよな?  物事の理由には、見えやすい理由と、見えにくい理由と、ふたつの種類がある。  この理由は見えやすいほうね。  そしてそれは腑分けさえしてくりゃ、実際に形となって、見えるものなのだ。  お前が言っている、少女のほうの「おいしいところ」と、熊男のほうの「味がするダシ」の部分。  あと少女のほうの「味がするダシ」の部分と、熊男のほうの「おいしいところ」とを、黙って並べてこいってーの。 >津荒の短編 >>持っていってもいいんじゃあないでしょうか。 >>あくまでも本人次第ではありますが。  持っていってもいいんだけどさ。  持っていって、「おもしろい」と言ってもらったとして、それがなんの役に立つかという話なわけだ。  アマチュア作家として充実感を得る役に立っても、プロを志望する人間が、プロになるための役に立つのかどうかってことね。  ちなみに好影響はないが、悪影響も特にない。  だからやってもいいのだろうし、やらなくてもいいのだろうし。  感想もらえて嬉しくなって、投稿ばかりはじめるようになって、津荒がプロ目指すのをやめちゃったところで――それは悪影響とはいわない。  もしそうなったとしても、それは津荒がプロになるべき人間ではなかったと、ただそれだけのことでしかない。  毎日30枚、なんか書いて読ませる相手を、また他に探すさ。待ってりゃ、そのうち、また誰か飛び込んでくるだろ。  これまでだって、俺はずっとそうしてきているわけだし。  ひとりの人間が作家になるにあたって、「面白い」と言ってくれる読者は、一人は絶対に必要だ。誰かひとりが読んでくれて、「面白い」と言ってくれなかったら、その人間は決して作家になれない。  だが、必要なのは、たった一人。  それ以上は、まったく、必要ないのだ。  プロを目指すのなら、必要なのは、実際に金を払ってくれる「読者」であって、面白いと言ってくれるだけの読者ではないよな。  わかるかな? そこんところの仕組み。  WEBでいくら作品をさらして、「面白い」と絶賛されまくったとしたって、金はもらえないでしょ?  しかしおまえらは、金を払ってもらいたいのだろ?  口でなら、いくらでも賞賛は言える。  自分の書いたものに価値があるというなら、相手には、その証拠となる「身銭」を払ってもらいたいのだろ。  沢口さんの感想が嬉しかったのは、相手がそれを書くための「多大なコスト」を払っていることが、はっきりわかったからだろ。  一冊の小説に、読者が600円を払うということは――。  600円分の価値が、お前の書いたその一冊にたしかに実在していると、証明してくれたということだ。読者というのは、伊達や酔狂なんかで、一銭の金も払わない。彼らが金を払ったということは、つまり、価値があったということだ。  プロでやってゆくのであれば、なにか一冊書いて、世に出すたびに、数千、数万人が、600円の身銭を切って、毎回「証明」してくれるのだ。  高いところのブドウが欲しかったら、低いところのブドウを取ってはだめなんだよ。  運動後のうまいビールを飲みたかったら、その前に水を飲んじゃだめなのね。喉を渇かしておかないと、水で充足してしまって、ビールがいらなくなってしまう。  WEBで感想もらって、満足してしまえるようであれば、はじめから、プロなんて目指さないほうがいいのだ。目指すな――と言っているのではなくて、目指さないほうが本人のためってことね。  水ですむなら、水を飲んでおけ。水なら、タダだ。  しかしビールを飲むにはコストがいるんだ。どうしてもビールを飲みたいやつは、なにかを引き替えにしなきゃならんのよ。  とりあえず、人生のひとつぐらい、チップとして、テーブルに載せてもらわんことには、話にもならん。  WEB作家になりたいのであったら、いまこの瞬間にだって、なれるじゃないか。資格不問なのだから。こんなとこでプロなんて目指してないで、いますぐWEB上で小説発表サイトを開くなり、感想のいっぱい付きそうな投稿サイトを見つけて、そこに投稿してゆけばいいのだ。  プロになるには、まず人生懸けるぐらいの努力をしなきゃならんのよ。それでもなれるかどうかは、定かではないのよ。俺は3年あればなれる、ってのを持論にしてるけどさ。  しかし、プロとアマチュアの狭間に、同人業界ってのが、あるんだよなー。  とても中途半端な領域が。  プロでもないのに、金の授受が行われている。金の授受がある以上、それはプロ活動のはずなのだ。しかし本人たちの意識はアマチュアそのもの。二次創作を平然と売っている。原著作者に許諾も取らずに、よくやれるよな。そこを指摘すると彼らは決まって、自分たちのやっていることは「ファン活動」なのだと言い張るのだが。金取っているなら、赤字だろうが採算ギリギリだろうが、それは商売だろうが。つまりはプロ活動だろうが。  市場もまた、妙に大きく、妙に小さい。超大手サークルでも数千部から、せいぜい、1万部ぐらい。  そのくらいの部数だと、商業出版だと採算取れるかどうかギリギリのあたりだな。本を出してもらえるか、出してもらえないか、微妙なセンだ。純文系のハードカバーでも、5千部くらいはあるんだよね。エンターテイメントでは、まず最低ラインは2万部からだ。  しかし、同人業界において、数千から1万部も出るのであれば、金の授受が発生していることとあわせて、自分の書いたものの価値の確認行為としては、必要充分なものとなるだろう。一冊千円以上で販売されることと合わせて、それだけで生活してゆける収入ともなりうる。(同人活動だけで食ってる人なんて、実際には、ほとんどいないだろうけどね)  まあ小説だと、オリジナルもエロパロもどうせ売れやしないから、ほとんど関係ない話題だが。分室は小説鍛錬の場所であって、コミックは専門外だし。  小説では、現状――。大勢に読ませて、金をもぎとりたかったら、プロになるしか選択肢がない。  同人業界のような腐った泥沼は存在しないから、足を取られてしまう心配もない。  プロ作家というものは、どこかの誰かがぽつりと口にした「面白いよ」という言葉を胸にしまいこみ、それが本当であったか「金をもらう」ことで実際に確認するために、長い道のりを歩いていって、努力を重ねて、デビューして、自分の目で確かめてみなければ気が済まない人間なわけだ。 >津荒ではなく、2号のこと  ところで、お前のことだけど。  おまえも手っ取り早く自尊心を満足させたいのなら、そのぐらい上手くなってりゃ充分だろ?  視点を変化させて書きわけをしてみせたり、描写と説明の違いがわかり、実際に描写の真似事をしてみせたり。  それだけやれれば、アマチュアの間でなら「王様」になれるぞ。 >その他 >>夕陽の光も、うっそうと繁った樹木にさえぎられてしまい、いくつか茜色の筋だけを 飛びこませ、影から一部の石畳を切りとるだけが精一杯だった。 >>そうか……そもそも太陽を擬人化した時点で間違っていたのか。  太陽を擬人化したのではなくて、おまえは「光線」を擬人化してるんだよ。  文法的に、主語は「光」になってるだろ。  沢口さんも、そこを指摘している。  またおかしい理由は、もう一点ある。  この段落全体が、擬人法であることがわからないまま、最後でいきなり「精一杯」と出てくるから、興醒めしてしまうのだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  西へ大きく傾きはじめた老いた太陽には、もはや鬱蒼とした樹木を突き抜けるだけの力はなかった。樹々の梢から茜色の筋をいくつか忍びこませてゆくばかりで、石畳を何枚か切り取るだけが精一杯であった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなふうに、正しく太陽を擬人化していれば、おかしく感じることはないはずだが。  擬人法を使うなら、自分がそれを使っていることを、はっきり自覚して使え。  なんとなくやっているから、こういうことになるんだ。 >>羽音が空から降りそそぐ。カラスか鳩か、はたまた他の鳥か。千里は顔を上げること ができなかった。ただ音が遠のいてゆくのを、ずっと聴いていた。  それまで主人公に近づいていった視点が、このクライマックスの部分で急に外に出る。  視点移動の転と、話の盛り上がりの転とを同期させるのは、「眼鏡っ娘倉庫」で前に教えた基本技術なわけだが。  ちと失敗してるなぁ。そもそも単語選択が容易すぎ。  「聴いていた」って、なんで主観語が混ざるんだよ?  客観語にするなら、せめて、「耳を傾けていた」あたりじゃないのか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  羽音が空から降りそそぐ。カラスか鳩か、無数の黒い鳥が千里の頭上を飛びすぎる。千里はうつむいた顔を上げることはなく、音が遠のいてゆくのを、ただ待っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  心理に入らないで、乾かして書くのなら、こんなところか。  読者に「空」を見せたいんだよね? ここでは。  ちなみにどっちがいいのかなんて、考えるまでもない。  同じことを書いているのであり、読者がちゃんと読み取れて、ついてこれる限りにおいて――短ければ短いほど、いいに決まってる。  2行で書けることを、わざわざ、4行も使って書く必要はまったくない。 >母親のしでかしたこと  よかった。俺の考えたのは越えてなかった。  そんなんなら、予想の範囲内だから平気だぞっ。  俺の考えちゃったの、はっぴょー。 「まだ結婚を考えていなかった若い頃に、付き合っていた恋人の子供を身籠もるのだが、彼が子供嫌いだと思った彼女は、彼に嫌われたくないあまり、ひとりで内緒でこっそりと堕胎を行うことに決めた。その後、彼とはうまいこと結婚できたのだが、彼が子供嫌いであるということは、彼女の早合点であったことが判明。そして喜んで作った子供が、現在の遊里という娘。そして堕胎した子が、不公平を是正するために、入れ替わりにくる」  しかし、こうして並べてみると、やはりある意味、負けてるなぁ。  俺のほう、「罪の意識なく堕胎する女」なんていう激烈な境地に達してないもんな。  罪の意識、ちゃんと備えているもん。  罪の意識が「いま」沸き起こってくるからこそ、2号のは怖いわけか。  ずーっと罪の意識を持ち続けていたのなら、そんなに怖くないじゃん。だめじゃん。俺の。 >ホラーブームは去った  女性への恐怖でホラーを書くにしても、もう去っていっちゃったしなぁ。ホラーブームってのは。  そのお前の個性を生かして、なんか、別の種類のエンターテイメントに変えられないのか?  たとえば、もうちょっと薄めると、「神秘的な女性キャラ」にできるだろ。  「怖い」と「畏怖」っていうのは、紙一重なんだから。  怖さを感じたときの人間の反応というのは、逃走するか、支配されるか、ふたつに一つなんだから。畏怖っていうのは、怖い相手に従属する選択をした人間の感情なわけね。  俺が怒ると、津荒が「ごめんなさい」という、あれね。  神秘的な女の子と、畏怖する少年。  その取り合わせで、なんか作れる話はないのか?  ぱっと思いつくのは、吸血鬼少女と男の子だが。――これ、ちと使い古されたパターンだしなぁ。あの吸血鬼母(外見ロリ)は、けっこう良かったが。  もう吸血鬼は一般用語になってしまっているから、いいのかなぁ。  悪魔少女と男の子――も、もう、けっこうあるなぁ。  じゃあ妖怪少女と、男の子――も、けっこうあるなぁ。  よし。じゃあ妖怪少女と悪魔少女と吸血鬼少女とが、突如、12人押しかけてきて、ママと妹に囲まれてウハウハだけどもう恐いから勘弁してください、てな話ならどうだ。  主人公の父親ってのが、人間のくせに、すごい女ったらし(魔物限定)だったりするのだな。  例の探偵物の話でも、「神秘的な美少女への関心」を主人公の行動原理に置いたわけだろ。ああいうふうにして、使うわけね。  主人公をあるときは斥力で、あるときは吸引力で駆り立てて、話を駆動してゆく存在として用いる。  三雲岳斗の「レベリオン」とか、麻生俊平の「ミュートスノート戦記 」とかが、そんな感じだな。  ヒロインは綺麗で神秘的でミステリアスで、そして畏怖すべき感じ。でも主人公に絡んできて、引きずり込まれる。たいてい主人公は、1巻の冒頭の30ページ以内に、死ぬか怪物になるかしているもの。  平井和正の「幻魔大戦」のルナ姫なんかも、そのパターンだな。  そろそろデビュー用の長篇の構想でも練り始めろよ。  そしてその長編のプロトタイプとして、短編を書くのだ。  勘をつかんだり、キャラを開発して確立させてみたり、世界観を構築していったり、長編小説向けの文体を開発したり、そういうことをやる目的も含めて、何本か、実戦的な短編を書いてみるわけね。  そういうの、どうよ? -------------------------------------------------------------------------------- 牝鶏[ひんけい]は晨[あした]を作らず No.7749 投稿日 2004年3月18日(木)00時52分 投稿者 弟切 千隼 >「早朝」問題 >> 「夜」とは、日の入りから日の出までのことであり。 >> 「朝」とは、日の出から数時間のことであり。 >> 「早朝」とは、朝が始まってから、あまり時間が過ぎていない頃のことであり。 >> よって冬の「早朝」は、午前7〜8時のことを指す。 >> 夏の「早朝」であれば、午前5〜6時のことを指す。 >> 以上、証明終わり。   (中略) >> 3時や4時のことを「朝」とぬかすのは、そいつのがおかしい。 >> 世間一般的に、太陽が出ていないうちは「夜」であり、「朝」にはあらず。 (新木さんのNo.7746の書きこみより)  わかりました。  考えてみれば、人間が夜でも昼のごとき明るさのもとで暮らせるようになったのは、ごく最近です。「夜=暗い=周囲が見えなくて危険=活動しない時間帯」であり、「朝=明るい=周囲がよく見えて安全=活動を開始する時間帯」ですね。  以下はおまけ情報です。  「早朝」について調べていて、皆さんの役に立ちそうな情報が手に入ったので、お知らせしておきます。  一日の時間帯を区切る言葉は、早朝や朝以外にもたくさんありますね。それらの言葉がどのくらいの時間帯を指すのかは、人によって解釈が違います。大勢の読み手が存在するメディアでは、「普通」から外れた人が読み手にいる可能性が高く、読み手の多くを納得させる言葉を使うのが難しくなります。  不特定多数の人、それも数十万人や数百万人に読まれることが前提の、新聞記事を書く記者さんたちは、いったいどうやって「早朝」だの「深夜」だのという言葉を使い分けているのだろうと不思議に思いました。  確実なのは、御本人たちに訊いてみることでしょう。弟切は、ある新聞社の読者応答室というところに訊いてみました。  そこの記者さんによりますと、会社で決められた指針のようなものはないそうです。個々の記者の判断に任されているとのことでした。  書かれた原稿を別の人がチェックして、的外れでなければ、そのまま通されるそうです。  ただ、一つの目安として、記者さんたちの間で重宝されている本があると聞きました。『記者ハンドブック』という本です。共同通信社から出ています。  弟切は、早速、本屋に走って買ってきました。  この本は、題名どおり、記者が記事を書く時に役立ちそうな情報がいっぱい詰まっています。一日の時間帯の大まかな区切り方から、政令指定都市の区名、紛らわしい会社名、皇室用語の使い方などまで載っています。記者ではなくとも、ものを書く人ならとても便利でしょう。  以下の共同通信社のページに、この本の紹介があります。 http://kk.kyodo.co.jp/pb/books/cgi-bin/chuumon2.cgi?isbn=ISBN4-7641-0475-X >描写課題「美人」の時間帯  弟切が書いたものも、知人たちに読ませてみました。もちろん「何時に見えるか?」・「それはなぜか?」と訊いてみました。  読んだ五人のうち、「午前十時」と答えた人は、一人もいませんでした。  「朝だというのはわかるけれど、漠然としすぎていてよくわからない」と答えた人が一人、「午前九時ごろ」と答えた人が一人、「午前八時から九時の間」という人が二人、「午前七時から八時の間」という人が一人、でした。  「午前九時ごろ」と答えた人の理由は、「朝で、お店がぼつぼつ開き始めているなら、九時でしょ」でした。  「午前八時から九時の間」と答えた二人の理由は、「お店が開き始めているけれど、まだ朝の寒さが残っている感じがするから、九時より前」でした。  「午前七時から八時の間」と答えた人の理由は、「ファストフード店くらいしか開いていなくて、寒そうだから、八時より前」でした。  「よくわからない」と答えた人の理由は、「お店が開いているというから、午前九時過ぎの気がする。でも、何だかすごく寒そうなんで、午前七時くらいと言われればそういう気もする」でした。  時間帯を推測するのに、「寒さ」が重要な鍵になっていることがわかりました。  しかし、弟切は、作品中で直接『寒い』とは書いていません。読んでくれた人々は、作中のどこに寒さを感じたのでしょう?  弟切は、『ダウンジャケット』や『コート』という答えが返ってくるかと予想していました。ところが、『朝メニューの看板が風に鳴る』に寒さを感じたという答えが返ってきました。  いや、『ダウンジャケット』や『コート』にも寒さは感じたといいます。けれども、それ以上に『風に鳴る』が寒く感じたそうです。  暑かろうと寒かろうと、風が吹けば看板は鳴ります。なのになぜ、『風に鳴る』が寒く感じられたのか、考えてみました。  同じ気温でも、風が吹くと体感温度が下がりますね。おそらく普通の人間は、体験的にこれを知っています。したがって、「風=寒い」となり、「看板が鳴るほど風が吹いているなら、寒いのだ」と連想が働いたのでしょう。  もう一つ、心理的な寒さ効果もありそうです。  商店街のお店がみな開いていて、人が大勢歩いている状態では、看板が風に鳴る音など耳につきません。開いているお店が少なくて、歩いている人もほとんどいない状態だからこそ、看板の音が聞こえたわけです。  人がいない商店街は寒々しいですね。心理的な寒々しさは物理的な寒々しさに通じます。実際の寒さ以上に、人のいない商店街は寒く感じられます。  寒さの表現として、「風に鳴る看板」は思ったより秀逸でした。  しかし、書き手が本来書きたかった時間帯を書けていないのでは、失敗ですね(^^; 勉強になりました。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7750 投稿日 2004年3月18日(木)02時37分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:短編作成「直球失恋」    欲しい指摘について書くのを、忘れていました。  「直球」では、1描写が書けているか。2展開を普通の速度にできているか。の二つが気になります。  いまさらで恐縮ですが、この二つ、どんなもんでしたか?   ○2号さんへ  指摘、ありがとうございます。   >タイトル  どうもタイトルは苦手で……。  前回と違って話の内容を正しくとらえてはいるが――オチを題名にしているのがダメ。了解です。  うーん……。しかし、内容が普通すぎて、題名が思いつかない。 >惚れるとか >> 横顔がとても美しくて可愛くて――。 >> ――! >>「え? え?」 >>「ちょっとトイレだ!」 >> おれは耳を押えて、教室を飛び出した。  顔と耳が、真っ赤になってしまったので、それを友人から隠すためにトイレに逃げただけです。  さすがに学校で爆発したわけではありません。(笑)  わかりにくい文章でした。ここは上記の説明もセットにするべきでした。 >>主人公って、マジメなはずなんですよね。 >>中学校時代も女体に興味はなかったようですし。  マジメなのは生き方として採用しているだけで、普通にエロイです。  女体に興味はあります。  中学の時、恋人と破局したのは、惚れてもいない相手に合わせることができなかったからです。  それを本文に書くべきでしたね。 >教師  伏線がない……ということで。  うーん。  一応、前の方で出ているんです。です……が、印象に残らなかったようですね。  主人公と絡めないとだめですか。ふむふむ。 >友人  なんだか「友人いらないよ!」みたいな感じなので、「友人は必要なのか?」を考えます。    友人には  1主人公の情報源。   2混乱した主人公を落ち着ける。  3嘘をつくという選択肢を教える。  4僕の書くテンポを良くするため。(主人公が一人で完結するのも寂しいから)  ……という役目がありました。    1は、まあ、どうにでもなる。「A君から聞いたところ」とかにすればいい。  2は、すぐに落ちつくキャラにするとか、休日を挟むとかすればいい。  3は、主人公のキャラを変えればいい。  4は、僕が頑張る。    結論:主人公を変えれば、必要ない。  で、友人はいた方がいいか? いた方がいいと思います。「直球」で主人公を変えるのは辛いし。    だから、友人の親密度を下げて、出番を少なくする。そうやって、適切な分量にする。  友人は必要だが、友人のキャラクター選択を間違えているってことですね。 >余談 >>本当に成長が早いですよね。前回と比べたら雲泥の差です。正直な話、前の話はちょっと読めませんでしたが、今回のは最後まで読めましたし。    なんといいますか、僕は実際、2号さんの成長の方が早いと思います。 ○新木さんへ  指摘、ありがとうございます。 >プロットをそえるべし。  すいません。詰めが甘かったです。  「直球失恋」のプロットです。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=870&e=res&lp=869&st=0 >書く段取り >>つまり書いてから、直してゆく時間も取っていたから、遅くなったってこと? >>それとも「後から直そう」と思って書いていって、結局、直しもせずに課題部屋にあげてきということ?    前者です。  アドバイス了解です。いろいろやってみます。 >プロットの失敗 >> 起 >>  起 だらだら生活する主人公。 >>  承 ヒロインに会う。 >>  転 ヒロインに恋をする。 >>  結 ヒロインに接近しようと考える。 >>ここんとこ、だめじゃん。「起−起」が不要。  やっぱり、そうですかー……。  どうも書きながら、いらないんじゃねーかな? と思ってたんですよ。  じゃあ書くなバカ!って感じなんですが、小心者なので書きました。バカです。  改善します。  起 クラスに入る。  承 ヒロインに会う。  転 恋をする。  結 接近しようと考える。 >>あらすじを作り、プロットを書いて、さらに書き出すまえに、それぞれのシーンのアイデアメモを書くようにしろ。  了解です。 >一人称 >>何が起きているのか、ぜんぜんわかんねぇ。  うぐ……。 >>一人称というものは、主人公との感情移入度を最大にするかわりに、客観性が失われるわけね。 >>どういうことかというと、そこでなにが起きているのか、わかんなくなりやすい――ってことだ。  わかんなくなりやすい、一人称。  わかるようにするには、どうすればいいか?  5W1Hをキチンと明記すること。  そのまんまですが、それで解決できるはず。  主人公が混乱するシーンなら、混乱する前に、その場所とかについてバッチリ書いておくとか、前に使った場所で混乱させるとかすればいい。 >才能モノサシ  まあ、両方とも1に届いてないわけです。0じゃないみたいですが。  だから、両方とも普通ってことです。  2号さんだったら「怖い」で1を越えてるんですよね。だからそれを売りにすれば良い。  僕の場合、「楽しい」も「悲しい」も、1を越えていないから売りにはなりません。 (正直、才能の測定方法とか、サッパリわからないんですけどね)  ちなみに僕は、「砂」の方が楽だったです。  恋愛は苦手です……。 >これからのこととか。  一つ書き終わって、なんだか頭が混乱しました。  確認したいと思います。  そもそもの目的はなんだったのか?  短編課題の目的は、短編のスケールを把握することでした。短編にふさわしい話を書くこと。  「直球失恋」で、一応クリアしたと思います。  よって、次の目標を立てる。  目標候補。  1才能候補を、書いてみる。  2文章(描写とか視点とか)について、練習する。  3物語を面白くする。伏線とか、キャラの使い方とか。  どれをやるべきなんだろう。  全部やるのが、一番か。うーん。一番……一番……。  とりあえず、全部やります。 >1才能候補を書いてみる。  そもそも「才能」の概念が不安定なので、考え直しました。 >才能について。  前に話の成り立ちについて、一度書きました。その時は、4つの項目に分けました。  1感想。(喜怒哀楽など)  2話の種類。(恋愛・アクション・屁理屈・友情・熱血、など)  3話の舞台。(現代・SFなど)  4話の雰囲気。(文体)  以上4個で話は作られます。  前回は2が「才能」に該当すると書きましたが、どうも違う。才能は1に該当します。    「才能」とは読者が読んで得る「感想」の種類を指しています。  阿智太郎作品からは感想として「笑い」を感じる。つまり「笑い」の才能。    そんでは、「1感想」を詳しく書いてみます。  1喜び>ハッピーエンド  2怒り>理不尽  3悲しみ(切ない)  4楽しみ(笑い)>ギャグ  5尊敬>理想的な人間の話  6驚き>推理  7恐怖>ホラー  8感動>新しい概念の提示。文章の美しさ  まだあるかもしれませんが、こんな感じ。  「砂」は4の楽しみ。「失恋」は3の悲しみ。次は、どれだ……? >2描写とか。  描写のメカニズムはわかっているつもりです。新木さんの「生っぽさ」って説明が、わかりやすかったので。   >視点とか  一人称については、前に書きました。  三人称で気をつけることは、カメラを意識すること。段階を踏んで、キャラに入ったり出たりする。 >3話を面白くする。  1伏線がバッチリ。  2ブギーポップみたいに、視点が変わりまくる。  3効果的なエピソードを選ぶ。(例えば殺人鬼に殺されるでも、どのように、どんな場所で、なにで殺されるか〜、みたいな細部の選択)  4起承転結になっている。  5ミスリードさせる。    ……あんまり思いつかない。意識して読書しないと……。   >結局・これから。  短編を書くのに変わりはありませんが、目標が変わりました。    以上です。 -------------------------------------------------------------------------------- 100万部 No.7751 投稿日 2004年3月18日(木)07時47分 投稿者 名無し君2号  芥川賞受賞作が100万部突端なそうです。  えーと、本の代金が1000円の、印税が10%で、かける100万ということは……うおっ。  ニュースを聞いて、まず最初にそんな計算をしてしまった自分が、すこし嫌いです。 >具とダシ >>お前が言っている、少女のほうの「おいしいところ」と、熊男のほうの「味がするダシ」の部分。 >>あと少女のほうの「味がするダシ」の部分と、熊男のほうの「おいしいところ」とを、黙って並べてこいってーの。  了解。  まずは少女編を腑分け。さくり。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「はい、お待たせしました」  木目鮮やかなテーブルの上に、店員の手でコーヒーが置かれた。白い陶器のカップのなかで、漆黒の液体がかすかにゆれ、窓から注ぎこむ太陽の光を反射している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  喫茶店であること、日の出ている時間帯であること、窓際の席であることと、飲み物がコーヒーであることを書いている。あんまり楽しくはないと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あ、ありがとっ」  けっこう大きな声だった。  店員に目をぱちくりとさせ、ピンク色の口紅を引いた唇を、きゅっと引き締めさせるくらいには。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  でもこれだけだと女の子ってよくわかんないなあ。セリフの選択に失敗したなあ。  ええと、店員のリアクションで、少女の反応がおかしかったことを描いている。なお、わざわざ店員を女性として書くことで、すこし楽しませようと努力している様子。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  小さな驚きを店員にもたらした重宝人は――。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  ただの説明および、次の場面へのつなぎ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「――ごめんなさい、です」  真っ赤な顔で唇を引き結んでいた。ぎこちなくもいきおいよく頭を下げると、おさげの髪がひらりと舞って、少女の肩を飛びこし、制服の襟に当たって軽くはねる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  羞恥に顔を赤らめている少女。うひょ。  ちなみに髪形と、少女が学生であることもさりげなく説明している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  くすっ、と店員は微笑みかけ、すぐに真顔に戻って、コーヒー用のミルクを置き、「ごゆっくりどうぞ」とだけ答え、カウンターへ戻っていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  店員のリアクション(笑ってしまうとかえって少女を傷つけると判断)および、喫茶店感を増すためにミルクを置かしたり、移動させたりしているが、読み流してもらっても影響はない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「むー……」  少女――小鈴は赤く染まった顔を伏せたまま、唇を噛みしめていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  羞恥に震える少女。うひょひょ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しばらくそのままでいたが、やがて小さな鼻をひくひくと動かす。視線を、かすかに湯気たつコーヒーへと向けた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  「小さな鼻」で、彼女が小ぶりだということは伝わっているのだろうか? 場面転換の行。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そっと手を伸ばす。  人さし指と中指、二本の指で取っ手を持った。すぐに左手をそえ、両手で大事そうに抱えて、おずおずと唇に近づける。  もう一度、鼻をうごめかす。  ゆっくりと口を開き、すこし濁った音を立てて、飲んだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  コーヒーを飲むのに慣れていないそぶり。はう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「――うえ」  顔をしかめて、舌を出していた。 「おいぢぐない……」  潤んだ目で、じっとコーヒーを見つめる。文字通り、苦み走った顔をしながら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  コーヒーに慣れていないそぶり、やや過剰気味なその反応。はうう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ひとまずカップをソーサーに戻し、こんどはテーブルの隅にある、ガラスの砂糖入れに手を伸ばした。ふたを開け、銀色に光る砂糖ばさみで角砂糖をつまむ。一個、二個……しばらくためらったあと、三個目をコーヒーに沈めた。スプーンでかき混ぜ始める。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ……かな。  喫茶店感と、少女にとってコーヒーがどれだけ苦かったのかを書いている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そしてひとすくい、口に運んで……四個目を入れた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  ここで「また入れるのかよ!」と突っこんでもらえると、作者としては嬉しかったりする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  お次はミルクだった。  注ぎ口から、とろりとした白い液体が、黒くて熱い水面に注ぎこまれる。それはかすかな水音を立てて沈み、白い波紋となって浮かびあがってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  コーヒーにミルクを入れた場面を描写。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しあげにスプーンで渦巻きを作る。みるみるうちにやたらと明るい褐色へと変わった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  「やたらと明るい褐色」で、ミルクが多すぎることを感じてもらえると嬉しい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  満足そうに眼を細め、小鈴はコーヒーに口をつける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  んー……。  ダシっぽい。  どう「眼を細め」たのか、もっと書けたし……。なにより、カップを持ったという描写が抜け落ちている事実。この無様さはどうだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  両手でしっかりとカップを捧げ持ち、ぐいっとかたむけた。  喉がぐびりと動く。  唇を離して、ふう、とひと息はいた。すぐに唇は微笑みのかたちを取る。  満面の笑顔で、さっそく二口目に取りかかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  「ぐいっと」「喉がぐびりと動く」「ふう、とひと息はいた」、このあたりは清楚な美人相手にはちょっと使えないはず。「かわいい感」を出すために、すこしオーバー気味に書いた模様。  あ、分解しているうちに誤字発見。  「張本人」を「重宝人」だって。最低だ。  お次は熊男編の腑分け。ずぶずぶ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「お待たせしました」  その声に、大男は手元の漫画本からゆっくりと顔をあげる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  説明なんだよな、これ。大男……うーん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  店員はささやかな笑顔をうかべて、テーブルにコーヒーカップを置いた。学生服姿の男は、ゆったりとうなずく。 「ごゆっくり、どうぞ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ダシ。  ここが喫茶店であることを描いている。「ささやかな笑顔」で、店員がほんのすこしだけこの男を怖がっていることが……伝わらないよなあ、きっと。「こわばった笑顔」にしとけばよかったか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  男は手を陶器のカップに伸ばす。二本の指を持ち手に入れようとして、つっかかり、中指をはずした。人さし指一本でカップを持ち上げ、丸い顔へと近づける。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  男の体が大きいことを書いている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  す……と、飲んだ。無音だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  意外とマナーがいいことを書いている。コーヒーを飲み慣れているということも。なにも入れずにブラックで飲むところも。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  体の大きさに対して、明らかにカップが小さく見える。  それも仕方のないことだった。男の体も、腕も、指も、なにもかも太いのだから。  彼は名前を熊田という。  名が体を表しすぎだね――とは熊田自身の感想。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具……ダシ……?  説明だなあ、ここ。それが後ろめたかったのか、「名が体を表しすぎだね」ですこし笑わせようとしている様子。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ゆっくりとカップをソーサーに戻す。やはり音は立てなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  見かけによらず丁寧であるとの描写。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そして視線を漫画本に向けた。指を――太い指だった――挟んでいたページを開き、読みはじめる。色褪せた表紙には、『三国志二十六巻、赤壁の戦い』とあった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  意外さを出したかった。大男なんだけど、三国志なんか読んでるんだ、と。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ときおり、コーヒーに手を伸ばし、飲む。  視線は決して漫画からはずさなかった。見もせずに、カップを取り、飲んで、また見もせずに戻す。  コーヒーが残り三分の一ほどになったところで、熊田は本を読み終えた。立ちあがり、歩き去る。戻ってきたとき、その手には新たな本があった。  表紙には『三国志二十七巻、南郡争奪戦』との文字が。  大きなからだを猫背に丸め、また読みふける。その手がコーヒーに伸びた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  具。  器用なこと、意外と本が好きなこと、読み終えたのにまた読むことなどを描いている。  で、じつはこれが主人公にとって初めての喫茶店経験なわけで、なのにまったく緊張しないで、本当にのびのびと振る舞っている、というのがポイントだったりしますが、たぶん伝わってないだろうなあ、と。  ああ……具ばっかりだなあ。  でも、これはあくまで本人の判断であって、読者から見たときにはどうなっているのか。 >1000字課題  この柳の下には、はたして二匹目のドジョウはいるのだろうか?  No.115「鏡の中に」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=871&e=res&lp=550&st=0  おまじないにかこつけて、友人を呪い殺す少女の話。  調子に乗ってるのかもしれません。 >褒められるということ >>持っていってもいいんだけどさ。 >>持っていって、「おもしろい」と言ってもらったとして、それがなんの役に立つかという話なわけだ。  世の中には、叩かれて伸びる人と、褒められて伸びる人のふたつの種類がある――と、昔スラムダンクで読んだことがあります。実際に人を育てたことはないので、本当かどうかよくわかりませんが。  だもんで、たまには褒められてみるのもいいんじゃなかろうか、と素人考えで口を挟んでしまいました。  ただ、いままでの流れを見るに、どうも津荒さんは、叩かれれば叩かれるほど伸びるタイプのような気がしないでもないですが。 >裸の王様 >>視点を変化させて書きわけをしてみせたり、描写と説明の違いがわかり、実際に描写の真似事をしてみせたり。 >>それだけやれれば、アマチュアの間でなら「王様」になれるぞ。  王様……いい響きですが、あー、どうでしょう? 私より凄い人ならそこいら辺にたくさんいると思います。  それに、アマチュアで王様になっても、手にはいるのは「名」だけですし……どちらかといえば「実」が欲しいんですよね。ぎぶみーちょこれーと、賞賛も欲しいが、お金も欲しい28歳です。 >1000字課題、3/12分、No.114「花いちもんめ」(2000文字) >擬人法 >>この段落全体が、擬人法であることがわからないまま、最後でいきなり「精一杯」と出てくるから、興醒めしてしまうのだ。 >>擬人法を使うなら、自分がそれを使っていることを、はっきり自覚して使え。 >>なんとなくやっているから、こういうことになるんだ。  なるほど。  擬人法に限らず、なんであってもそうですよね。自分がいまなにをやっているのか、どんな技をふるっているのか、それもわからないで書いていてはいかんですね。  「目を留める」のはいいが、「目を止める」のではまずい。非常にまずい。  「目を留める」のは、惹きつけられたから。  「目を止める」のは、違和感があったから。  違和感を覚えちゃ、覚めてしまいますやね。  なにかやるんであれば、相手にしっかりと伝わるように書かなきゃいけない。読者に優しく、誠実に……か。 >視点移動 >>>>羽音が空から降りそそぐ。カラスか鳩か、はたまた他の鳥か。千里は顔を上げること ができなかった。ただ音が遠のいてゆくのを、ずっと聴いていた。 >>ちと失敗してるなぁ。そもそも単語選択が容易すぎ。 >>「聴いていた」って、なんで主観語が混ざるんだよ? >>客観語にするなら、せめて、「耳を傾けていた」あたりじゃないのか?  もしかすると、違和感が生まれた原因はこれですか。  「羽音が空から降りそそぐ」以外が主観語だったから、文章がぎこちなく感じられたのだろうか。「千里は顔を上げることができなかった」も主観語だもんなあ。 >>心理に入らないで、乾かして書くのなら、こんなところか。  なるほど。  「乾かす」というのがじつに言い得て妙。そうかそうか、心理に近づけば近づくほど、たしかに湿っぽくなるな。一人称はウェット、三人称客観はドライで、三人称誰かさん寄りだと、そのあたりを自由にコントロールできるわけだ。  語り口によっても違ってくるだろうけど……。なるほど、「乾かす」か。 >12人いる!(少女が) >>よし。じゃあ妖怪少女と悪魔少女と吸血鬼少女とが、突如、12人押しかけてきて、ママと妹に囲まれてウハウハだけどもう恐いから勘弁してください、てな話ならどうだ。  「恐いから勘弁してください」あたりが新機軸な気もしますし、内訳が祖母1人、母親3人、姉2人、妹5人に自分のクローンが1人で、おまけに全員少女と、どれもこれも恐い、怖い、まんじゅうこわいで面白そうなんですが、残念ながら12人の書きわけは技量の外です。無理です。不可能です。  これだけの人数、いったいどうやって話に絡めたらよいのだろう……何人かはシルエットだけの登場にすればいいのかな? 謎の使命があってどっかいってるとか。母親の血筋で派閥ができてると面白そうだなあ。そんでもってメインヒロインは性別の違う主人公のクローンとか。自分とおなじ顔だとか。愛せるのはやっぱり自分の遺伝子だけとか。ああ、おっかねえ……少女家族……。  ……はっ。  書かない、書かないデスヨー! というか書けないデスヨー!  でも……そうか。べつに人間じゃなくてもいいんだよな。そもそも人じゃないし。だったらもしかして……アンドロギュノス……ってそれじゃ少女じゃないし……。  ……はっ(以下数度くり返し)。 >長編 >>そろそろデビュー用の長篇の構想でも練り始めろよ。 >>そしてその長編のプロトタイプとして、短編を書くのだ。  そうですね。  まだ一度も長編を書いたことがないので、一度やらなければ駄目ですね。やってみて初めて気づくこともたくさんあるでしょうし。気づかなければ治すこともできませんし。  ではとりあえず、津荒さんのように短編書きに移行でしょうか。 >津荒さん >短編 >>なんだか「友人いらないよ!」みたいな感じなので、「友人は必要なのか?」を考えます。  友人は居てもかまわないと思います。  ただ、前面に出すぎていて、「悲しさ」よりも「友情」が目に入りやすいなあ、と感じました。  ところで、この話って書き直すのでしたっけ?  それとも、また新たな話に取りかかるんでしたっけ? >>なんといいますか、僕は実際、2号さんの成長の方が早いと思います。  まあ、お互いに褒めあっていてもしかたがないんですけど(照)。  私は半年とちょっとかけて、なんとかここまで来た――目的地はまだまだ遠い――んですけど、津荒さんってたった……2ヶ月くらいでしたっけ? 最初に書いた短編、「夢見ぬ少女」と今回の話を見比べれば、別人かという勢いです。こちらも負けないように頑張りたい所存です。  レスには4時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7752 投稿日 2004年3月18日(木)14時18分 投稿者 新木 伸  「蹴りたい背中」は、受賞前にすでに13万部は売れていたそうだから。  すでにベストセラーランキングの上位にあったってことね。 >弟切  「わかりました」じゃ、ないだろっつーの。  俺はお前を納得させるために書いているんじゃないって、そう言ってるだろ。 >>あの書き直しに関しては、『早朝の商店街』はまずかったようです > 新木さん。  ここに関して、俺はレスしているんだよ。  まずい、と言うから、まずくないと、そう主張しているわけ。  やっぱりおまえ、なにか激しく勘違いしていないか?  わかったとか、わからないとか、そんなことは聞いてないわけ。  ケチを付けたその根拠も出してこないまま、相手が振り上げたその拳を収めてくれるとでも思っているのか?  作家の書いたものに、ケチをつけるということが、いったいどういういうことなのか、おまえ、わかってんの?  以前、俺は細江さんの書いたものにケチをつけたわけだが……。  あのとき、なにがどうなったのか、端で見ていて、覚えていないのか?  本当はあんなこと、やりたかなかったんだけど。  2号の「牛乳」に関して「これは良い」と言った手前、それを否定する形のリライトを出されてしまっては、僕としては、「それはNGです」と言わざるをえなかった。  戦いたいか、戦いたくないかはおいておいて――。戦わなきゃならないときには、戦わなくてはならないわけね。  つまり、ああいうことなんだよ。  議論があまり噛み合っていなかったとはいえ、お互いに自分の論を支える根拠を提示してきて、論を戦わせたわけだろう?  そういや、山北さんの神話辞典に関しても、おまえ、根拠も示さずにケチだけ付けていやがったよな。あのときに理解して、直ったかと思っていたけど、まだ懲りてなかったのかよ?  お前は「プロ作家」の「記名原稿」に対して、ケチを付けてきたのだ。  だったら――。  7〜8時を早朝だといってはおかしいという、その根拠を示せ。  わかりました、なんて、言わなくていいの。  お前は、根拠を示さねばならないの。  ケチつけたんだからさ。  お前が今後、プロになったとして。  同じこと、他の誰かに対して、うっかりやっちまうんじゃないのかね。それが心配だね。  なんの気なしに、ロクに考えもせず、思ったそのまんま、「それは違いますね」とか、そう言っちゃうわけだよ。  そして怒り心頭に発した相手が、根拠を示せと怖い顔で迫ってくると、お前は、「わかりました」とか「納得しました」とか言うわけだよ。それで相手が引き下がるとでも、思いこんでるわけよ。アホなことに。  あれ? ひょっとして、もしかして――。  お前、まえに山北さんの神話辞典の記述にケチつけたとき、根拠を同時に示さなかったことで、相手をどれだけ怒らせていたのか、わかってなかったの?  山北さんが穏やかに対応していたものだから、怒っていなかったとでも思いこんでいたわけ?  馬鹿だね。はらわた、煮えくりかえっているに決まっているだろ。ただ山北さんが、あの手の仕事をやっていると、そういう口だけでケチをつけてくる連中は後を絶たないから、対応に慣れていただけのことだよ。  まあ、あのときは弟切がきちんと根拠を提示できたので収まったわけだが。  あれ、もしも根拠なしに言ってたら、どういうことになっていたと思う?  あのときに背筋の寒い思いをしたはずだから、とうに学習済みかと思っていたけど……。  ひょっとして、背筋の寒い思いは、していなかったのか? おいおい。  「もし自分が提示できる根拠なしに、やっちゃっていたら……」とか、考えなかったのかよ?  俺とみやびさんとが、どれだけ、肝を冷やしたと思っているんだ?  いまおまえがやっていることは、あのケースにたとえていうなら、つまり、こういうことだぞ?  弟切が「神話辞典」に対してケチを付ける。  そして根拠を示せと言われても、根拠を示さない(示せない)。  さらに相手が親切にも、弟切の「おかしい」という疑惑が勘違いであることを証明してくれて、弟切を納得させてくれた。  そしてお前は相手に言う。「わかりました」と。  だが……、いいか?  お前がケチをつけたその相手には、おまえを納得させてやる義理も義務も、これっぽっちもないんだぞ?  お前は、相手に対して、なにをやったことになるんだ?  科学者と仕事で付き合いがあるというから、そのへん、わかっていると思ったのだが。  相手の理論の過ちや疑惑を表明して、どこがどう、なぜ違うのかの根拠も示さないまま、「なんとなく違うと思う」なんて言ってても、相手はにこにこ笑顔で対応してくれているわけ?  だとしたらそれは、対等に思われてないってことだぞ。  馬鹿になに言っても無駄だと、そう見極められてしまっているのだ。だからなに言っても、にこにこと返されるわけだよ。馬鹿に真面目に応対するのは、それこそ馬鹿ってもんだ。  ――で、いま俺はどうするべきだと思う?  おまえが「わかりました」と降参してきたんだから、振り上げた拳を収めてやるべき? 馬鹿になに言っても無駄だと割り切っておくべき?  それとも、プロのルールをこの場に持ちこんで、アマチュアのお前に対しても、厳密に適用させるべき?  つまり、相手が泣こうが喚こうが、首根っこ掴んで、「根拠を言え」と、エンドレスに繰りかえすべきかどうかってことだが――。 >『記者ハンドブック』  この本の中では、時間の区切りの用語はどうなっていたのだ?  紹介だけして、中身を出してこないのは、手落ちというものだろう。 ○津荒 >今回の計測内容  この失恋話で計ったのは、「哀しい」じゃないな。  どっちかというと、「苦い」って感じか。  ちなみに「哀しい」と「悲しい」は使い分けろよな。 >箇条書きをするとき  前に、一回言っているが。  数字付きで箇条書きをするときに、下のようにするのはやめろ。 >>1感想。 >>2話の種類。   「2話」――と、繋がって読んでしまったら、意味が変わるだろ。  空白を一個入れて「2 話の種類」とやるなり、ピリオドを打って「2.話の種類」とするなり、繋がってしまわないような工夫をしろ。 >展開の速度とか  展開の速度は、あんなもんじゃないか。  速度=文章量に対する、シーン展開の速さって意味ね。  ライトノベルだと、あんなものだろう。  ただ、速度としては、あんなものなんだけど、密度が薄め。  このへんは、弟切や2号にやっている「つなぎの文と、価値のある文の比率」の話に関することで、津荒はまだやってないから、わからんだろう。  弟切にしている話を、横で聞いているだけでわかってくれると、こちらとしては、とてもとても楽ちんなのだが……。  長いこと分室をやってきて、そういうやつは、西鶴翠一人ぐらいしか知らない。  「覚え上手さ」は、あまり期待しないことにしている。何かを教えようと思ったら、本人に、直接、言ってやらないと効果が出ないらしいので。  まあ、いまのところは気にしなくていい。  そのうち、「描写の練習」を集中してやるようになれば、わかることだから。  短編を何本か書いているうちに、自然に身に付いてしまう可能性もある。そしたらわざわざ個別練習をしなくたっていいわけだし。 >描写とか  描写に関しては、よくわからん。  いまそのシーンで、なにが起きているのかも、よくわからんくらいだから。  なにを描こうとしていたのか、それが「体験」するかのように伝わってくるか――とか、そういうことも計れない。  例の、「それぞれのシーンで観せるべきもののアイデアメモ」なんてものを事前に取るようになって、そして書くようになってきてから見ないと、ようわからんわ。  「なんか書いてあるな。これいいな」と思ったとする。  しかしそれが津荒が意識して書こうとしていたものかどうか、判断つかない。  偶然そこに書かれていたものに、たまたま僕が反応しちゃっただけなのかもしれない。  ちなみに、「クラス替え直後の、クラスの雰囲気」とかは、「一目惚れという名の欲情」とか、そういうものは、なんとなく伝わってくる感じだが。  たまたま、偶然なのかもしれないし。  狙ってやったのでなかったら、俺、評価しないし。  ああ。あと、今回も図書室が出てくるのか。  前よりは、遥かにマシになってるな。 >>迷路のようなその右奥から、微かな音がする。紙をめくる音――だろう。そんな小さな音でも、ここでは聞える。 >>触ると埃が舞うので、本棚には触らないようにして、ゆっくり歩いた。  このへん、描写だけど。  3行きりしか、描写と呼べるものが見あたらないな。残りは説明だ。 >長篇というもの  ちなみに、ふと思ったのだが。  この話、これでだいたい文庫本60ページぐらいだろ。  この「彼女の恋を成就させるために身を引いた男」の話を「起」として、さらに「承転結」を繋げてゆくと、一冊の恋愛物になるわな。  教師と相思相愛になって付き合い始めたわけだが、相手が教師ということもあり、すんなりハッピーエンドにはいかないわけだ。  普通、教師と生徒とは恋愛しちゃいけないことになっている。バレたら、いろいろとヤバいだろう。教師のほうがね。  そもそもいい大人が女子高生と恋愛してますって、それ褒められないことだし。色眼鏡で見られるものだし。卒業までは、秘密厳守が前提のはずだ。  教師とヒミツの交際を始めるようになっても、まだ主人公に色々と相談を持ちかけてくる茨囲さん。ふたりっきりのデートだと、間が持たないから、若とふたりでついてきて、とお願いされちゃったりとか。そうこうするうちに主人公は――。  とかね。  長篇というのは、そうやって作ってゆくもんだ。  いちばん原始的でシンプルな構成の長篇というのは、およそ四本の短編をまとめたものなわけだ。  津荒がこれまで写し取ってきた長篇でも、筋の起承転結ごとに分解して、4本の短編としても成立しているような話は、けっこう、あるんじゃないかな。  この話を女の子を主人公にして書いたら、少女小説だが。  男の子を主人公にしていれば、少年向け恋愛小説だろう。  ちなみに、少女小説をもし書けるようなら、男がそのジャンルでデビューしたっていいんだぞ。あらすじ写し取りのなかに、少女小説が何本かあったっけ? 好きで読んでいるってことは、素養があるということなのかな。  また「男の子向け恋愛小説」というニーズも存在している。  書けるというなら、狙い目ではある。すくなくとも2号や弟切の書く恋愛物を読むよりは、津荒の書く恋愛物のほうがおもしろそうに思う。  俺は未読なんだけど、「イリアの空 UFOの夏」が、たしか、恋愛物だったはず。  あと、やはり未読なんだけど、「悪魔のミカタ」とかも、そのはず。  ああ、あと「いぬかみっ!」が恋愛ものだな。これは王道でラブコメだ。  「インフィニティ・ゼロ」は、シリアス恋愛、哀しい系だな。  しかしこうして見ると、電撃って、男の子向け恋愛物、異常なまでに多いなぁ。 >一人称の欠点克服  だから、これまで読んできたなかで、その欠点を克服している一人称小説ってのは、ないのか?  俺は仕事の小説では、一人称で小説を書いたことはない。  今後、その話に最適な人称として、一人称を選択することがあれば、そのときに研究と文体開発をすることになるわけだが……。  とりあえず、俺がいま知っている限りでは――。  一人称小説でわかりやすさを取ると、どうしても、登場人物が読者に対して語ってくる形式を取らざるをえない。主人公が客観的になってしまって、「俺はいま驚いている」とか、「クラスの中には知った顔も何人かあった」とか、そう説明してくれるわけね。  このとき、主人公の注意力というのは、話の中の「現実」にはなくて、読者に向けられている。そのシーンで起きている「出来事=現実」に対して、主人公が向ける関心が、散漫となってしまうのね。現実感が薄くなってしまうのだな。  だいたい、主人公が読者に向けて語っている間は、時間が止まっちゃっているから描写ではなくなるし。(作中時間が停止すると描写ではなくなる原理は、津荒は会得済みだっけか?)  また、それとは逆に――。  主人公がいま目の前で起きている出来事のほうにのめりこんでしまうと、読者はおいてけぼりになってしまう。  津荒の書いたものでは、ほぼ全編に渡って、主人公が自分の世界に入りこんじゃっているわけね。読者に向けて、あまり語ってくれない。だからわかりにくい。  うまい一人称では、主人公が目の前の出来事に夢中になって、自分の世界に入りこんでしまっているときと、主人公が読者のほうを向いて語る(説明してくれる)ときと、交互に、織り交ぜながら話を進めてゆく。  とりあえず、オーソドックスなやりかたとしては、それが基本。  ただ、これだって本当は、エセ一人称なんだよね。(ここから先は専門的な話だから、津荒は気にしないでよし)  読者を意識している主人公って、なんじゃそりゃ、みたいな。  リアリティがないにもほどがある。  漫画でいうなら、登場人物が読者に向けて話しかけてくるようなものだ。  明らかにヘンだ。  なにか他の形の一人称があるのではないかと思うのだが。  どうせ一人称で書くのなら、「主人公が読者に向けて語りかける」以外の方法で、一人称の持つ欠点を克服したもので書きたいと思うのだが。  仕事の小説で一人称で書いたことはないので、まだ本気で考えてみたことは一度もない。  とりあえず「キャラ寄り三人称」で、足りちゃうんだよなぁ。あれ、なにかと万能なもんで。  どうしても絶対に「一人称」で書かなければならない小説――ってのが、ないんだよね。  どうして皆が使わないのか、不思議なのだが。俺が開発した独特な文体――なんてことは、絶対にないはずなんだけど。  どう考えても、キャラ寄り三人称で書いたほうが絶対に面白くなる小説が、外部視点の、完全作者寄り三人称で書かれていたりするんだよなー。不思議不思議。 >話の種類  次の方向を決めないと、はじまらないから、さっさと手伝って出してしまうか。  とりあえずやっていない方向性で、さらに商業的に求められている才能としては――。  「カッコ良さ」「萌え」「ほのぼの」「熱血」「ホラー」「アクション」「痛み」  「怒り+カッコ良さ」だと、「旗本退屈男」とか、「必殺仕事人」だとか、そんな感じね。  「シティーハンター」や「ルパン三世」あたりだと、「笑い+カッコ良さ」  津荒が知っていそうなところで例をださないと、意味ないか。  しかし津荒は、どのへんなら知っているのだ? 18歳高校生のライブラリは、ようわからん。  「ブギーポップ」は、あれ、「厭世観+カッコ良さ」なわけね。  「DADDYFACE」あたりは、「カッコ良さ」メインかな。娘もパパも敵役も、すべてがカッコ良い。  とりあえず、次の1本は、カッコ良さかね。  他のなにかひとつと組み合わせてもいいけど。  まあ、どれからやったって、べつにかまやしないんだけど。  俺の出したリストも、いま適当に出しただけだから、抜けがあるだろう。自分で思いついたものを加えて、補足しておくこと。 ○2号 >具とダシ  腑分けされたものを見てももらっても……。  どーも、具とダシの分類に関して、お前独自のルールってのが、見えてこないなぁ。  俺の分類原則と違っていてもかまやしないのだが。  おまえの分けているものを見ると……。  なにかのルールと法則とに基づいて分けているのではなくて、ただの気分で分けているとしか思えん。  さもなければ、「自分が気に入っている度合い」とでもいうところか。  うまく書けたなー、とか。ここいいよなー、とか。そういうものを「具」としている。  そしてあんまり気に入っていない部分を「ダシ」としているのだろうか。  俺のいう「具」と「ダシ」というものの定義を述べる。  ようは、万人向けか、好みが別れるものなのかの違い。  まず「ダシ」。これはみそ汁のベースとなるスープ部分なわけね。  これが嫌いな人は、まずいない。それ単体だけで、お椀一杯分盛られていても、まあ飲めないことはないけど。――しかし、具が入っていないと、単なるスープで、ちょっと悲しい。  そして「具」。これはトーフとか、ホウレンソウとか、アブラゲとか、そんなもののこと。  でも俺、カブはだめなんだよ。あとナスが具に入っているのもだめなのね。  一般的な「具」であるトーフとか、アブラゲとか、ワカメとかだって、それがだめな人もいるだろうな。きっと。  ――と、このように、「具」というのは、好みが別れてしまうものである。  ちなみにプロレベルになってくると、「ダシ」のほうは、あってあたりまえとなる。  よって、「みそ汁」を考えるときに、頭に浮かぶのはどんな「具」を入れるのか、それだけ。  アマチュアのみそ汁がなぜ飲めないのかというと、「具」ばかりで、「ダシ」がほとんど存在しないから。  みそ汁というのは、すすり飲むものであって、食うものじゃないよな?  しかし、極端に「ダシ」が少なくて、具ばかりのみそ汁って、「食う」ものになってしまうよな?  小雪のバージョンは、あれは、食うみそ汁なんだよ。  熊夫のバージョンは、あれは、飲めるんだよ。  そして2号の提供してくる「小雪汁」が、「食わなきゃならないみそ汁」であることは、食通であらせられる「読者様」には、とっくにお見通しなんだよ。  だってさ……? 2号のやつが、小雪を具にして、みそ汁を作ったんだろ?  なら、あたりまえじゃんか。そんなもん、クリックしてみなくたって、わかることだよな。  ちなみに、この具と汁との適切な配分について、会得したものが、分室で一名出ている。  巻島だが。  あいつのときには、「白ご飯」と「オカズ」というたとえ話で説明していたわけだが。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=682&e=res&lp=682&st=  これ、全部やると大変だから、冒頭の2000字分ぐらい、やってみそ。  そのあたりぐらいまでなら、精読に耐えるぐらいの出来にはなっているはずだから……。精読な。 >精読とか  つーかさ。自分の書いたもの、精読してるのはいいんだけど。  なんで、いまごろ、「だめだなぁ」とか「失敗してる」とか「ああしたほうがよかった」とか、そういう感慨が出てくるのだ?  そもそも誤字なんか出てるし。  ちゃんと見直ししてるのかよ?  書き上げて、そのまんま、アップしちゃってる?  30分も推敲に使ったら、どれも消えるんじゃねーのか?  たかが2000字――。  30分も読み直していたら、まず30回は読んでいるわけだよな?  そこでなぜ誤字など残っているのか、俺には理解不能なのだが。 >怪談、その2  怖くない。  だが気持ち悪い。  登場人物に感情移入できないことと、ウエットなところが、怖さが気持ち悪さに化けてしまった原因だろう。  前のは、お母さんに感情移入で入ることができて、乾かしてあったから、怖かったんだよ。 >「少女家族〜12人いる!」  このタイトルは、いいな。  ちなみに、どんなプロだって、12人は一度に出せない。  12人をいきなり一度に登場させて、いきなりキャラを立てるのは、そりゃ不可能だ。  すでに立っているキャラであれば、そのぐらい登場させて、同時に動かすことは可能だが。いま書いているシーンで、スイカ切りわけてるんだけど、12等分してたりする。  一度に出して、一度にキャラ立てができるのは、腕にもよるけど、3〜5人程度だろうな。お前の腕なら、新キャラは1シーンに2名までだろ。  だからこそ、構成ってものがあるんだよ。  ある1シーンにおいて、一度に2名を越えて、新キャラが現れないようにする。  またどのシーンにおいても、自分の書ききれる人数以上が同時に現れて、同時に動かないように話を組み立ててゆく。  そういうことを、構成段階でやるわけ。  一度に動かせる人数が12人の作家は、自由度が高い。構成で小細工しなくたって平気だが。  しかし4人が限度なら、5人目が来たら、誰か一人は退場してゆくような構成で話を組み立ててゆくわけだよ。  ちなみに新キャラ登場人数の話。  マガジンで連載中の漫画で、「ねぎま」ってのがある。  あれは女子中学生が31人登場してくる。きちんと書き分けている。もう全員登場しているのかどうか、ちと不明だが。  しかし、あの作家の力量をもってしても、1話内における新キャラ登場人数は3〜4までなわけね。  最初は2名だったかな。その後も、各話、1〜2人ずつ。途中で一気に4人出てきた回があった気がする。  ――で、設定や構成でどうにかするわけだよ。  主人公が女子中学校のクラスの担任となり、寮でも女の子たち(メインヒロイン2名)と同室となる。クラスの問題児やなんやら、毎回、スポットを当ててゆくキャラが1〜2名いて、だんだんと「立たせたキャラ」の数が増えてゆく。  3〜4巻ほどコミックスが出た最近では、もう20名以上になっている。そしてようやく修学旅行編なわけだ。  そんなふうに、なんかアイデアを出していかんか。  12人の祖母、母、姉、妹、自分のクローンと同居してゆくにあたって、段階を踏んでいけるアイデアは? そのための設定は?  ちなみにキャラ開発に関しては、短編で行えるわけだよ。  1母系ごとに3人くらいずつ出して、プロトタイプ短編の3〜4本も書いたら、作者の中には12人分、キャラが立って存在してくるわけだ。  本編書き始めるのは、それからの話だな。  なんなら倍の24人ぐらい立てておいて、そこからアンケート取って、読者ウケする女の子12人に厳選して長篇に登場させるというのもありだろうな。  あ、ちなみに俺、そのあたり、小説家デビュー前にきっちり済ませているから。  TRPGのセッションで、キャラなんて何十人も開発済みだったから。MM(マッチメーカー)というネットゲームのショートストーリー(短編)なんてのもたくさん書いて、そんな方面でも開発していたっけか。  プロとして書いている小説に登場させているのは、選り抜きの、人気キャラたちばかりだから。  ちなみにふと思ったけど。  母が3人いて、3母系だそうだけど。  まるでひとつの家族のように振る舞っている三家族の寄り合い、なんてのでも、アリなわけだ。えーと、ロボ族と悪魔族と吸血鬼族か?  昔のアメリカの開拓地なんてのは、隣の家同士、そんな付き合いをしていたようだが。  その3母系が、主人公を奪い合うのか。「まぶらほ」の家族版か?  また家族としてひとつの場所に同居していることは大事だろうけど、男の子が一人きりである必要もないのかな。男の子のほうも、3兄弟とか。血の繋がりのない悪ガキ3人組でもいいのか。  ふむふむ。  ちなみに……。  12人の少女たちに囲まれる少女家族生活の「おっかなさ」を、充分な出力をもって描ききることができるのは、俺の知る限りでは、おまえひとりだな。  さらに付け加えるなら、それを書くことができるのは、お前に「彼女」や「奥さん」がいないうちだけだろうな。カノジョとか出来てしまうと、「なんだよ。女の人ったって、ただの人じゃん。モウコワクナイヨ」なんて納得してしまっては、もはや書けないだろーな。  書くなら、急げよ。 >褒められること >>世の中には、叩かれて伸びる人と、褒められて伸びる人のふたつの種類がある――と、昔スラムダンクで読んだことがあります。実際に人を育てたことはないので、本当かどうかよくわかりませんが。 >>だもんで、たまには褒められてみるのもいいんじゃなかろうか、と素人考えで口を挟んでしまいました。  おまえ、本当にプロレスファンか?  それをいうなら、馬場とイノキだろうが。  人を育てることに関しては、俺も素人だが。  まあ……。分室は「叩く」って明言してる場所なんだから、叩かれたい人が来ているんじゃないの?  間違って来ちゃった人で、叩かれたくない人は、わりと早めに姿を消していると思うが。  褒めて伸ばす訓練所っていうのも、世界のどっかにはあるはずだし、ないと困る。  しかしここの役割は、「叩いて伸ばす場所」なわけね。  役割分担。  しかし。うーん……。  「鍛える」とか「鍛錬」とか、そういう単語を目にしたら、自動的に「叩く」って連想するものだよな?  「鍛錬」と書いてある看板を見て、「伸ばしてもらえる」と誤読する可能性っていうのは、どのくらいあるものなのだ?  2号、お前、分室来るとき、「カリ城の分析」を引っさげて、やってきてたよな?  あれ、褒めてもらえると思って来てたわけ?  こう言ってはなんだが、桜庭さんと同種の匂いがプンプンしていたわけだよ。(もうリタイヤしたみたいなんで、あまり話題にはしないつもりだが)  俺の見立てでは、名無しを言い渡したあたりで、8対2ぐらいで、「ここ違う場所だったー」と、こっそり消えてゆくんじゃないかと思っていたのだが……。  過去ログ見てみ。  俺がそう感じている、その気配が、読み取れるはずだから。  とりあえず、「おお。ちゃんと分析してますね」と褒めて持ちあげておく。そうしておいて、どこまで図に乗ってくるかをチェックしている。  持ちあげていたものを、だんだん落としてゆく。  「てめーのその適当な筆名なんかじゃ、エロ作家が関の山だよ」とか言ってみる。  持ちあげた状態から、ボディスラムにはいる前には、方のうえに抱え上げたまま、「落とすぞ落とすぞ」と予告して期待をもりあげる必要があるわけだ。  そうして手順を踏んだあとで、一気にマットに叩きつけてボディスラムが決まったところが、「名無し君2号」襲名の時点ね。  プロレス談義のところからは、好例の「自分がいかにヘタレであるか。指差し確認」に入っている。  ――で、なんでそんなことを訊いているのかというと。  ここが叩いて伸ばす場所であることに気づかずに入って来ちゃうと、来た人にとっても、俺にとっても、ROMしている人にとっても――誰にとっても有益ではないわけね。  まあ、飛び込んできたからには、それもなにかの縁なわけだし。  「褒めてもらいたがっているオーラ」がどれだけ濃く出ていたとしても、叩いて生まれ変わる可能性もゼロではないわけだから、いちおう、最大出力で叩いてみるけど。  そろそろ。もういいかな、という気もしてくる。  分室の参加規約をすこし変更して、「僕が敬語で応答しているあいだに見込みなしと判断されたら、その時点で退去させられます」ぐらいの一文を添えておこうかと思っている。  ――で。  お前は、どうだったわけ?  はじめは褒めてもらえるつもりでいたの? 「おお。よく読み取れましたね。よしよし」――みたいに?  それとも、あくまでも、はじめから叩かれるつもりで、ここの戸を叩いてきたわけ? >乾かす  この「乾かす」という概念は、僕の最初の担当編集さんから教わったこと。  僕もはじめは、なに言われているのかわからなかった。  色々とやってみているうちに、たまたま書いたもののひとつを、「それだ」と言ってもらえた。  ああなるほど。これが「乾かす」ということか、と、その時に理解したわけだが。  まあ、一度でいいよな。教えるのは。  次回からは、ただ「乾いていない」とか「乾かせ」とか、そう言うので。  ウエット具合と、ドライ具合というのは、コントロールするものなのね。  いま、このシーンにおいては、どれだけ乾かすべきなのか。どれだけ湿らせるべきなのか。――それを推し量り、いまそこに必要とされる適切な量で、文章の「湿度」をコントロールするもの。  不気味さを出そうとしていたり、未練っぷりを書こうとしているときに、乾かしてはだめなわけだし。カッコ良さや潔さを書こうとしているときに、湿らさせては成らないわけだし。 -------------------------------------------------------------------------------- オチについて No.7753 投稿日 2004年3月18日(木)16時40分 投稿者 ROM  沢口です。(何度もすみません。どきどきしながら投稿しています)  2号さんが、「かなり不安」と書かれていましたので……。 >オチ (No.7747より) >>この話、最後には主人公の子供である遊里と、過去に堕胎した子供とが、入れ替わってい >>た――で終わりなんですけど、それってちゃんと伝わっているんでしょうか。そこって怖 >>くなかったんでしょうか。わかりづらかったんじゃないかと、かなり不安になっています。  入れ替わっていたことはちゃんと伝わっています。  前のほうで「こんどはあたしのばんなんだって」というセリフがありましたから、最後のあの短いセリフを読んで、すぐにわかりました。 >オチは怖くなかったのか  と言われますと、うーん。難しいです。  あのオチ自体は、意外性はそれほどなかったんですが、納得はできました。  ただ、その前に、母親の恐怖していた理由がわかりそうでどうにもわからなかったので、犯人はわかったけど動機の解明部分が抜け落ちているミステリーを読まされたような、おおおと盛り上がってあともう少しというところで、読み途中の本を取り上げられたような、そういう感じだったのです。  でも、入れ替わっていたことは伝わってきましたし、納得できない結末ではなかったです。  いろいろと、2号さん、ありがとうございました。 >>これで満足していただけたのでしょうか。  ……えーっと。どう満足しろと……(笑)。いつか読ませて満足させてくださいっ(泣)。  (このお話も気になりますが、別のお話でもかまいませんので。という意味です)  分室のみなさん、いつも楽しませてくださってありがとうございます。  毎日、読んでいます。  懸命に精進されているみなさんの、これからのご活躍に熱く期待しつつ。 -------------------------------------------------------------------------------- 失礼いたしました No.7754 投稿日 2004年3月18日(木)17時35分 投稿者 沢口  先ほど投稿したとたん、更新されて、新木さんの文章を読み、思わずのけぞりました。  よって、No.7753 の最後の3行は撤回させていただきます。蛇足でした。  わたしの気持ちではあったのですが、この分室(鍛錬所)にはあまりにも場違いかつ非礼な発言でした。  こころよりお詫びもうしあげます。  では、これにて失礼いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切の頭は鶏以下かも知れません(^^; No.7755 投稿日 2004年3月19日(金)01時25分 投稿者 弟切 千隼 新木さんへ >  失礼しました。以下の文の根拠を示します。 >>あの書き直しに関しては、『早朝の商店街』はまずかったようです > 新木さん。 (No.7741の弟切の書きこみより)  根拠は二つあります。  一つめは、弟切自身が調査した結果です。たった五人のサンプルながら、全員が『早朝』に対して違和感を表明しました。  違和感の範囲は、「ちょっと違う気がするけれど、まあ許容範囲じゃない」というものから、「こんなに明るくて、道を歩いていて誰かにぶつかるくらい人がいるなんて、早朝のうちに入らない」というものまでありました。  この感触から、弟切は、現在の日本のかなりの人が、あの『早朝』に違和感を持つのではないかと推測しました。  そういう言葉を使うのは、得策ではありませんよね。違和感を持った読者さまの何人かは、作品を読むのをやめてしまいます。読み捨てられる可能性は、できるだけ低くしなければいけませんよね。  二つめの根拠は、『記者ハンドブック』です。一日の時間帯に関するこの本の記述を、以下に引用します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「深夜」「未明」など一定の時間帯を指すときの表記ははっきりした基準がないが、放送原稿で本社は次を目安としている。ただし季節や地域によって変動があるので使い方に注意する。 未明(午前零時から夜が明けきらない午前五時ごろまで) 早朝(午前五時〜午前七時) 朝(午前七時〜午前九時) 夕方(日没の前後それぞれ一時間ぐらい) 夜(日没後暗くなってから午後十時まで) 深夜(午後十時〜午前零時前) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  報道記事を書く人の多くが参考にしている本に、このように載っていれば、かなりの報道記事で「早朝=午前五時〜午前七時」とされている可能性が高いですね。  としますと、それらの報道記事を読んでいる大勢の人の頭に、「早朝=午前五時〜午前七時」と刷り込まれてしまっている可能性があります。(弟切もその一人かも知れません)  そういう刷り込みをされた人が、午前七時過ぎを「早朝」とする文章を読めば、違和感を持つでしょう。大勢の読者さまに違和感を持たれたらどうなるかは、上記のとおりです。  弟切の根拠は以上に示しました。  が、根拠はあるにしても、弟切のNo.7741の書き方はダメすぎました。 >>「早朝って言葉の持つイメージは様々ですから、何割かの人は4〜6時だと受け取ってしまうのではないでしょうか?」――てな控えめな意見なら、聞いておくけど。 (新木さんのNo.7742の書きこみより) と、新木さんが書いているとおりです。  根拠も示さずに、断言する調子で書いたため、新木さんに(文章で)殴られることになりました。そりゃ、全力で殴られますよね。  根拠を示したうえで、断言するのではなく、より良くするための提案という形で書くべきでした。  この痛さは、忘れないようにします。 -------------------------------------------------------------------------------- 今日は、 No.7756 投稿日 2004年3月19日(金)01時47分 投稿者 津荒 夕介  部活のメンバー(中1から高3)で集まって、一年間の打ち上げみたいなのをやりました。  ボーリング行ってから、焼肉食べ放題!  スコア70のボーリングのおかげで、肩が痛く。久々に名古屋に出たため、太腿が筋肉痛でしびれ。焼肉で、お腹いっぱいです。  まあ、それはどうでもいいんですが、残った時間の少なさに驚きました。  ずっと一日中暇〜でやっていましたから。  大学入ったら、効率良く生活して小説の時間をキチンと作らないとな、とか、しみじみ思いました。 ○2号さんへ >>ただ、いままでの流れを見るに、どうも津荒さんは、叩かれれば叩かれるほど伸びるタイプのような気がしないでもないですが。  !?  そうだったのか。  でも、あんまり叩くと潰れますよー。精神的に弱いので。 >>まあ、お互いに褒めあっていてもしかたがないんですけど(照)。  いや、まったくそうでした。  余計な気を使わせてすいません。どうせ書くなら、指摘の一つでもするべきでした。 ○課題:短編執筆 >才能とか  才能とは、感想のことだ。(津荒、前回の発言) >>次の方向を決めないと、はじまらないから、さっさと手伝って出してしまうか。 >>とりあえずやっていない方向性で、さらに商業的に求められている才能としては――。 >>「カッコ良さ」「萌え」「ほのぼの」「熱血」「ホラー」「アクション」「痛み」  なるほど、こいつらが才能ですか。了解です。  才能=感想だと仮定すると、一つ問題が浮上。  アクションって感想……じゃないですよね。読んで、「うーんアクションだった」なんて言わないし。  アクションを読むと、どう思うか。カッコイイーとか、爽快とか、緊張感があるぜ! とか。  爽快・緊張感>アクション  爽快などの感想(才能)を得る手段として、アクションがある。  萌え>眼鏡っ娘・ロリータ  萌えという感想(才能)を得る手段として、眼鏡っ娘がいる。    このように考えると、アクションは才能に数えられないはずなんですよ。  ――てなわけで、アクションは別格なのだと理解しました。  「笑い」だったら、色んな「笑い」がある。ダークな笑いもあれば、ひたすらに明るい笑いもある。  しかし「ひたらに明るい笑い」は、才能にカウントされない。なぜなら「笑い」の下の段階にある概念だから。  アクションは、その力が大きいから(それだけで認められるから)、段階的には下のランクだけど、才能にカウントされる。  結局、才能って「評価される能力」のことなんだから。 >>しかし津荒は、どのへんなら知っているのだ? 18歳高校生のライブラリは、ようわからん。  「18歳高校生」のライブラリは、まあ、今出ている18歳向けの作品でしょう。(当たり前か)  で、僕は、とりあえずジャンプを立ち読みしています。  シャーマンキングとハンターハンターが好きです。(なんだそりゃ)  例としてあげてもらったのでは、ブギーポップしかわかりませんでした。 >恋愛小説  は、あまり好きじゃないです。  嫌いというわけでも、なんですけどね。  「恋人を手に入れるために、障害となる人間を殺す」って話は、好きですけど。(殺しちゃうってあたりが)    「恋愛」じゃなくて、「変わった恋愛」が好きなんです。だから直球恋愛の少女小説を、好んで読んだりしない。 >>ちなみに、少女小説をもし書けるようなら、男がそのジャンルでデビューしたっていいんだぞ。あらすじ写し取りのなかに、少女小説が何本かあったっけ? 好きで読んでいるってことは、素養があるということなのかな。    ええと、これは違います。すいません。  あらすじ写し取りで書いてあった、少女小説は「恋愛もの」の参考として読んだ本の、あらすじでした。市の図書館から借りてきました。  ですから少女小説を好きで読んでいる、というわけじゃないです。 >悪魔のミカタ  1巻に限りますが、恋愛主体じゃなかったです。主人公の行動の原動力が、恋人の死であるだけです。  「つきあいたいなぁ」とか、「好きなんだけど告白できないよう」とか、恋愛にまつわる悩みが、主体じゃないんです。  悪魔の道具によって引き起こされた殺人を解決する話です。 >一人称 >>うまい一人称では、主人公が目の前の出来事に夢中になって、自分の世界に入りこんでしまっているときと、主人公が読者のほうを向いて語る(説明してくれる)ときと、交互に、織り交ぜながら話を進めてゆく。    なるほど……。了解です。  意識します。 >> だいたい、主人公が読者に向けて語っている間は、時間が止まっちゃっているから描写ではなくなるし。(作中時間が停止すると描写ではなくなる原理は、津荒は会得済みだっけか?)    2号さんの書きこみを読んだので、そういう原理があるということは理解しています。 >描写とか >>例の、「それぞれのシーンで観せるべきもののアイデアメモ」なんてものを事前に取るようになって、そして書くようになってきてから見ないと、ようわからんわ。  了解です。  で、少しは描写になっていたみたいですね。 >>迷路のようなその右奥から、微かな音がする。紙をめくる音――だろう。そんな小さな音でも、ここでは聞える。 >>触ると埃が舞うので、本棚には触らないようにして、ゆっくり歩いた。 >>このへん、描写だけど。 >>3行きりしか、描写と呼べるものが見あたらないな。残りは説明だ。    が、少なすぎたみたいです。そりゃ場面描写が三行だけってだめじゃん。 >>ただ、速度としては、あんなものなんだけど、密度が薄め。  描写が少なすぎるから、薄いんだろうなぁ。 ○課題:あらすじ  四十二冊目「R.O.D」 著:倉田英之  一行あらすじ  紙使いの読子が、熱狂的過ぎるファンに襲われる高校生作家菫川を救う話。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=872&e=res&lp=757&st=0  なんだか、普通に書いてみました。  読みやすく、理解しやすいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- CT No.7757 投稿日 2004年3月19日(金)05時55分 投稿者 名無し君2号  これから病院にCTスキャンを撮りにいくんですが。  なにやら、ガン検診のためにCTスキャンで検査すると、そのとき浴びた放射能でかえってガンになる可能性があるという……ええと、それって意味がないのでは? というニュースを思いだしてしまって――すこし切ないです。  あははのは。 >見直し >>つーかさ。自分の書いたもの、精読してるのはいいんだけど。 >>なんで、いまごろ、「だめだなぁ」とか「失敗してる」とか「ああしたほうがよかった」とか、そういう感慨が出てくるのだ?  それはもちろん、書いた瞬間より私が成長しているから――すみません、ごめんなさい、あ、ちょっと、それは痛いです! あぐっ。  ええと。  頭のなかにある、「書いているはずの作品」を消しきれていないからだと思います。縦書きにしたりフォントの大きさを変えたり、いろいろとやってはいるんですが、どうしても見直しするさい、頭のなかの作品を読んでしまってます。  数日たって、冷静になってから読むと――ああ、こうしておけばよかったな、と思うことしきりです。 >>そもそも誤字なんか出てるし。  これは気合いが足りないからです。阿呆です。 >1000字課題、No.115「鏡の中に」(2000文字) >>怖くない。 >>だが気持ち悪い。  ああ……やっぱり気持ち悪いのはマイナスでしょうか。こういうのを好きな人も……いないだろうな。 >>前のは、お母さんに感情移入で入ることができて、乾かしてあったから、怖かったんだよ。  なるほど。  感情移入できるキャラクターで、乾いているから……感情移入できるキャラクター? どうすればいいんだろう?  やっぱり好きになれる――違うな、理解できるキャラクターってことだろうな。まあ嫌いなやつを理解しようとは思わないだろうけど。  うーん。  ホラーものの小説も読まなきゃだめだなあ。  なんだろ。スティーブン・キングとか? >「少女家族〜12人いる!」 >>12人の祖母、母、姉、妹、自分のクローンと同居してゆくにあたって、段階を踏んでいけるアイデアは? そのための設定は?  うーん……。  四つの世界があるとする。いわゆるパラレルワールドで、それぞれ舞台は違うし、少女家族も違うんだけど、主人公の……資質というか、魂というか、それはおんなじ。  科学の発達した世界、魔法の発達した世界、肉体の発達した――いわゆる魔界、そして普通の、私たちのいる世界。  それぞれに少女家族がいて、主人公を中心にドタバタしている。主人公たちは英雄と呼ばれるだけの異能力を持つも、家族がまきおこす騒動に困り果てていた。  ――ただ、普通の世界の主人公だけは天涯孤独の身で、おまけに普通の人間だった。だから平凡だけど、平和な暮らしを営んでいる。  そんなあるとき、普通世界以外で、主人公が消失する事件が起きた。どこに行ったかというと……なぜか普通世界の主人公と融合してしまっていた。その影響で性別反転したクローンまで誕生。  それを追いかけてやってくる、それぞれの世界の少女家族。融合したのを分離しようして果たせないと知ると、こんどは主人公を取りあって争いを始めた。とんでもない力を持つ少女たちだったので、騒動はやがて世界の滅亡すら予感させる事態へと発展。  魔術師たちは月を地上目がけて落下させ、科学者たちは次元転送で呼びよせた戦闘機に、最終破壊兵器のカウントダウンを開始させる。魔族たちの背に生えた13枚の翼が光を放ったとき、世界は絶望に覆われた。  そのとき、主人公の心のなかに、少年の声が響く。それも3人ぶん。 「あのー……。力、貸そうか?」  それぞれの世界の主人公たちの声だった。  主人公はそばにいたクローンと融合(じつは彼女は分離された力だった)、真の力――というか他の主人公の力――を解放。魔法で、科学で、魔力で、家族たちをおしおきしてゆく。  世界は主人公によって救われたのだった。  ……危機に陥れたのは主人公の家族なんだけど。  別世界の主人公たちが、普通世界の主人公と融合したのは、もちろん家族が恐かったから。家族もなく、力もなく、おかげで平和に暮らしている普通世界の主人公がうらやましくて――だったら彼になっちゃえばいいじゃん、ということで逃亡、そして融合。  それから少女家族がどうなったかというと、じつはまだ2階にいるのです。  ――だって主人公たち、自分の世界に帰ってくれないし。  だらだらと、こんな設定およびストーリーが思いうかびましたが。  普通の世界の主人公が見る夢――というかたちで、ほかの世界を描く。どれもこれも、ここから逃げだそう、と決意して終了。変な夢だなあ……と思ったら現実で、少女家族たち登場。あとはドタバタ。最後のボスは家族。  問題なのは、世界観を四つも構築しなければいけないということだったりします。無理だろ、それ。  ああ……面白そうなんだけどなぁ。でも書くのが大変そうすぎるんだよなぁ。ファンタジー(もどき)にSF(もどき)に現代(もど……じゃ駄目だろ)かぁ。  手に負えないよ……。  あ、そうか。  これも短編というかたちで練習すればいいんだ。 >>さらに付け加えるなら、それを書くことができるのは、お前に「彼女」や「奥さん」がいないうちだけだろうな。カノジョとか出来てしまうと、「なんだよ。女の人ったって、ただの人じゃん。モウコワクナイヨ」なんて納得してしまっては、もはや書けないだろーな。 >>書くなら、急げよ。  あ、べつに急がなくても大丈夫だと思います。いろんな意味で。  そう……いろんな意味でね……(そっと涙をぬぐう)。 >分室とは何か >>「鍛錬」と書いてある看板を見て、「伸ばしてもらえる」と誤読する可能性っていうのは、どのくらいあるものなのだ? >>2号、お前、分室来るとき、「カリ城の分析」を引っさげて、やってきてたよな? >>あれ、褒めてもらえると思って来てたわけ?  「カリ城の分析」は、ここに参加するにあたっての、ひとつの糸口でした。  当時はネット初心者で、いわゆる掲示板やチャットなどのコミュニティーには参加したことがなく、だからどういった態度で、どういった入りかたをすればいいのか、よくわかってませんでした。いまでもよくわかんないですけど。  だから――とりあえず、過去に話題になったことをきっかけにしてみようかと。  でもって、「褒めてもらえる」。  んー……。  過去ログは読んでいたので、えらく怖ろしいところだという認識はあったはずだけど――まあ、いくらかはそんな気持ちがあったんでしょうねえ。  だって、自分だけは特別だって思うもんさ。  みんなボコボコにされているけど、きっとぼくは天にあいされたおとこのこだから、あらきさんにだって頭をなでなでしてもらえるんだ、えへへ。  ――とか思ったんじゃねえんですか。  いま、他人事のように自分のことを言ってますけど。  まあ、それからすぐに、多少はあった自尊心がよってたかってぶち壊されて、「わたくしは犬めでございます」とばかりに「2号」を襲名して……いまだに犬か! おまけに毒属性も追加か! まさに歩く狂犬病か! 届出伝染病の一か……。  なにか、物書きとして成長するよりも、人として成長させられたような気がします。それも無理矢理に。 >>分室の参加規約をすこし変更して、「僕が敬語で応答しているあいだに見込みなしと判断されたら、その時点で退去させられます」ぐらいの一文を添えておこうかと思っている。  半年前の自分なら、その一文があったとしても入ってると思います。  だってほら、原材料名=自己愛(無添加)ですから。「ほかの奴等が吹き飛んでも、おれは決して地雷を踏まない」と信じていますから。  思いきり吹き飛んだんですけどね。 >沢口さん >>入れ替わっていたことはちゃんと伝わっています。  わざわざすいません、ありがとうございました。おかげでホッとしました。 >>……えーっと。どう満足しろと……(笑)。いつか読ませて満足させてくださいっ(泣)。  努力します。  うーん、主人公にこう思わせれば良かったのかなあ。 「私は悪くない。だって、ただ子供を堕ろしただけじゃないの」  これだとエグすぎるかなあ。 >>先ほど投稿したとたん、更新されて、新木さんの文章を読み、思わずのけぞりました。 >>よって、No.7753 の最後の3行は撤回させていただきます。蛇足でした。 >>わたしの気持ちではあったのですが、この分室(鍛錬所)にはあまりにも場違いかつ非礼な発言でした。  ええと、沢口さんが何にのけぞったのかよくわからないのですが――「叩いて伸ばす場所」というところでしょうか。  「いつも楽しんでる」ぐらい、べつに問題ないと思います。お気を楽に。  私がいうセリフじゃないですね。  まあ、でも、本当なら、これぐらい発言には気をくばらないと駄目なんだろう。いつも私はだらけすぎてるんだろう。  宿題。 ・キャラクターの要素抽出 ・巻島さん長編、冒頭の精読  以上です。  レスには4時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7758 投稿日 2004年3月19日(金)08時26分 投稿者 新木 伸 ○津荒 >通知表とか  高校生活においては、通知表ってものがあると思うのだけど。  成績評価は、5段階? それとも10段階? それともABCD評価? (僕の通っていたところはABCD評価だった。高専だけど)  また英語って、文法と会話とか、いくつかの項目に別れていたはずなのだけど。あれらはすべてまとめて、1個の数値で成績が示されるの? それとも英会話と英文法とか、個別に示されたものだっけ?  同様に数学も幾何と代数とかも、細かい区分があったりするよね。  できれば通知表の項目名を、全部書き出してくれると助かるのだが。津荒の成績まではいらないけど。 >>そうだったのか。 >>でも、あんまり叩くと潰れますよー。精神的に弱いので。  いや。べつに潰れてもいいんだってばさ。  学校の部活じゃないんだし。誰もおまえを監督する責任なんてないのね。  お前は自分で望んで、自己の責任において、過酷なトレーニング(っていうほど過酷でもないのだけど)に身を投じているわけよ。  学校の部活だって、練習についていけなくて、辞めていったやつのこと、わざわざ気にかけたりはしないだろう?  たしか「つ」で始まる名前のやつが、そういやいたっけなぁ――とか。なんかの拍子に思い出すぐらいのことで。  まだ自覚が足りないようだな。いつも言ってるでしょー。ここは練習ジムなんだって。練習環境を貸してるだけであって、利用者が壊れようが潰れようが、知ったこっちゃないのだ。  それに俺は、半分、潰すつもりでやっているので。そのつもりで。  しょせん、文章で掛けられる程度のプレッシャーなんて、たいしたものじゃない。  こんな程度の負荷で潰れてしまうものなら、プロになってもすぐ潰れてしまうよ。プロになるだけ無駄っていうものだ。ふるいにかけられて、いまのうちに諦めといたほうが本人のためだし、まわりのためだし。  訓練キャンプで事故死してしまうような兵隊は、戦場に出たところで、真っ先に戦死者の列に加わるだけだ。教官は、なんだかんだいって手加減してくれるが、敵は手加減してくれない。  潰れたくなければ、自分でどうにしかすること。 >才能の種類とか >>アクションって感想……じゃないですよね。読んで、「うーんアクションだった」なんて言わないし。  「すげぇ動いてたー」とか、思わない?  爽快や緊張感を得るわけだが、それはアクションを見ることでしか得られないものではないか?  人間が興味を持ち、注意を引かれるものが、いくつかあって――。  そのうちの大きなものの一つなんだよね。「動く物体」というものは。  外界認識の基本なので。本能的に、人間は動く物に興味を持ってしまう。  アニメーションなんかで、ただ人物を「リアルに転ばせる」だけで、そこに感動が発生する。これはなぜかというと、本物の映像でもない、紙に書いただけのパラパラ漫画なのに、ニセモノなのに、本物っぽく転んだからなんだな。二次元の映像のなかに、本当に「動き」が再現されたからなのだな。  小説でも、頭の中の映像が「動く」経験をすると、読者は驚き、そこに感動が発生する。「○○は転んだ」と書いちゃうと説明なので、なんの感動もないんだけど。  頭の中に転ぶシーンが再現されるように描いて、実感させてもらえば、感動が発生するわけね。  「萌え」というのは、まあ分類するなら、「情欲」だろうな。  本物ではなくて、絵で描かれただけのニセモノの少女を「かわいい」と思ってしまうと、そこに感動が発生するわけだ。  小説でも、文章で書かれただけの少女をかわいいと思うことは、それはすごい体験なのだ。だってニセモノなんだもの。小説の中の登場人物は、決して、本物ではないんだもの。   だから感動が生まれる。  「笑い」やらなんやらも、読者がどんな種類の感動をしたいのかってことで考えていけば、アクションやらと同列に並べてられるんじゃないかな。  「感動」――というのは、なにかを感じて、心を動かされることね。  俺の中では、「笑い」「怖さ」「アクション」などは同列で並んでいるのだが。  料理にたとえると、「肉料理」とか「魚料理」とか「野菜料理」とか「パスタ料理」。そんな感じに同列なわけね。  どれも「うまい」となるわけだけど。  「うまい」にもベクトルの違いがあるというか。腹にこたえて血肉になりそうなボリューム感のあるうまさなのか。さっぱりしたうまさなのか。エネルギー源となる炭水化物のうまさなのか。色々あるだろ。  そしていまやっているのは、お前はどの系統の料理が得意そうなのかということなわけね。  恋愛物はあまり好きじゃない――と言うけれど。  好きであるということと、才能があるということとは、案外、別だったりするわけね。  ひょっとして、恋愛物を書く才能が自分に発見されたら、どうするのだ?  シリアスで厭世的で、暗くて地味な話というのが、津荒は書きたいもののようだけど。  すくなくとも、いま津荒には、そうしたものを書く才能よりは――ストレートな恋愛物を書く才能のほうが、現状として、高いように見えるのだが。  なんならシリアスもの、もういっぺん書いてみて、測定してみるかい?  好きであるということと、適性があるということとは、別なのね。 >>例としてあげてもらったのでは、ブギーポップしかわかりませんでした。  ライブラリの内容が重なっていないのは、年齢が違うのだからしかたないとして。  津荒のライブラリのなかに、俺のいっている該当作があればいいんだけど。ないのだとしたら、絶対数が足りないのは問題だぞ。 >>「18歳高校生」のライブラリは、まあ、今出ている18歳向けの作品でしょう。  うわぁー。  話になんねぇ。  おまえ、自分が18歳向けに、なにかを書こうとしているわけだろ?  そう思っているそいつが、18歳向けに書かれた物しか読んでないで、どうすんだよ?  18歳向けに書かれたものしか読んでいないやつに、18歳向けのものを書く資格があるとでも、本気で考えてるのか?  いまお前がなろうとしているものは、作家なわけね。  漫画や小説しか読んでないやつに、「外の世界」から、なにかの概念やら、情報やら、物語やら、感動やらを運んできてやるのが、作家の仕事なわけね。  18歳向け作品しか読んでないやつが、その「外の世界」を、なにか持てるのか? >弟切  弟切へのレスは、書いたけど、アップせずに一時保留。  みやびさんに見せてからにしよう。  感情的になっているかどうか。チェックしてから。 ○2号 >感情移入とか >>やっぱり好きになれる――違うな、理解できるキャラクターってことだろうな。まあ嫌いなやつを理解しようとは思わないだろうけど。  そうそう。  遅くまでひとりで遊んでいる子供を心配して、迎えにきた母親ってのは、すごく理解しやすいんだよ。説明不要で、すぐ心情に入ってゆける。  好きになれるし。構図としても、理解がしやすい。  しかし夜の夜中に、黒魔術儀式のために学校に行く女の子二人組――ってのは、ぜんぜん、わけわかんねーわけよ。  しかも二人いるから、どっちに感情移入すればいいのかもわからないし。  まず好きになれない。好きになれないので、理解したくもない。それが理解を拒む。  あと、二人のうちのどちらも、怖がっていない。  夜の校舎なんだから、普通はもっと、怖がるはずだ。  たとえば――。  片方は普通の子で、もう片方は黒儀式マニア。  視点キャラは普通の子。おっかなびっくり、怯えながら夜の校舎に入ってゆく。友達の儀式を手伝うという話だったが、じつは儀式マニアの友達は自分のことを生贄にするつもりでいて――くらいにしておけば、好きになってももらえるし、理解してももらえるし、感情移入もしてもらえて、普通に怖くなったはずだけど。  最後、2号オチを付けるなら、生贄を捧げて悪魔と契約を成功させたのは、儀式マニアの子ではなくて、普通の子のほうだった。魔力を手にして、にんまりと笑う女の子。――やっぱ女の子は普通に見えていても怖いや。わーん。  とかかな。  これは、あれだな。  失敗しちゃったびっくり箱パターンだな。  予想を裏切るということと、予想もつかないことを放りこむということとを、勘違いしてしまった悪い例。「ロマンティックな光景」の悪夢の再来。  予想させておいて、それを裏切ってみせるのなら、上質のエンターテイメントなわけね。  しかし予想もしないことを突きつけて「どうだ」とばかりにふんぞり返るのは、読者からパンチを食らうごとき愚行なわけね。  ピストン運動の最中に、予想を裏切ってグラインド運動を織り交ぜるのは、OKなわけよ。しかし、いきなりアナル入れてしまおうとするのは、それNGなわけよ。  今回は、怖い部分をしっかりと描いてくれていない。ダシがなくって、具ばっかり。  そして最後で「どうだー」とばかりに、二人とも相手を生贄にしようとしていたのだ、女は想像もつかないことをやるもんなんだー! オレはシッテルノダー!  ――なんて、ひとりよがりなネタを放りこんで、悦に入っているだけ。  フィニッシュは顔に決めるなんて、どうだ! 意表をついていてすごいだろー、とか。それお姉さんぜんぜん歓びませんって。  だから「毒」は薄めて投入しろと、そう言ってる。  毒は「具」なのだから、それを薄めるということは、「食べなきゃならないみそ汁」から、「飲めるみそ汁」に変えるということなのだ。 >>四つの世界があるとする。いわゆるパラレルワールドで、それぞれ舞台は違うし、少女家族も違うんだけど、主人公の……資質というか、魂というか、それはおんなじ。  だから、そういう「具」はノーサンキューなんだってば。  読者様は、12人の妹的外見の祖母、母、姉、妹、自分コピー――と、同居生活のあれやこれを読みたいのであって、おまえの考えついたくだらない設定なんぞ、食いたがってはいないの。  おまえ、ほんと、桜庭さんと似てるよな。  読者はお前の考えた架空でオリジナルのトレーディング・カードゲームの「ルール説明」なんぞ、望んでいないの。(どうせショボイんだし)。  そんなものよりも、手に汗握る駆け引きの部分を、読みたがっているわけ。ルールなんて、どうだっていいわけ。  12人の女の子たちと同居することになって、日々、冷や汗を掻いて過ごすという、主人公の刺激的でスリリングな生き様に、自己を投影して追体験してみたいわけ。  設定なんてもんは、彼女たちが主人公と同棲するシチュエーションに、説得力を与える程度に存在すればいいんだよ。表に出すな。裏方にいるべきはずの黒子が、表舞台で芸を見せるな。観劇の邪魔だ。下げとけ。  12人の女の子たちとの同居生活――なんていう、およそあり得ないシチュエーションにいくばくかの現実味を与えて、飲みこめるためのオブラードの役を果たせば、それでいいわけ。設定なんてもんは。  誰もおまえに「設定力」なんぞ、期待してねーよ。 >>だって、自分だけは特別だって思うもんさ。 >>みんなボコボコにされているけど、きっとぼくは天にあいされたおとこのこだから、 >>頭をなでなでしてもらえるんだ、えへへ。  そういや。  男って観察してるとおもしろいものなんだけど。  どんなに自分に自信を持てない男であっても、女(かわいいの限定)が、好意剥き出しで近づいてくると、自分がモテていることを、露ほども疑わないみたいね。  そこになにかウラがあるとか、絶対に考えない。  100%、すべての男が、おもしろいように、引っかかる。「この女は俺に惚れている」と、そう考える。  どういう思考ルーチンになっているのかというと、「ようやく俺の良さを理解した女が現れたな」とか、そう思うっちゃうらしい。  じつは俺、これでも生物的には、性別、女なもんで。いろいろと観察させてもらっていたりする。 >>だってほら、原材料名=自己愛(無添加)ですから。「ほかの奴等が吹き飛んでも、おれは決して地雷を踏まない」と信じていますから。  やっぱ、そうだろうなぁ〜。書くだけ、無駄だろうなぁ。  なんで新兵ってのは、自分だけは弾に当たらないと思いこんでいるのだろう。  一緒に歩哨に立ってた隣のやつの頭が吹っ飛びでもして、体験しないかぎり、思いこみは直らないのかしらん? -------------------------------------------------------------------------------- 初めまして No.7759 投稿日 2004年3月19日(金)15時00分 投稿者 月白  初めまして。月白と申します。 「よみかく」には何度か作品を投稿したことがありますが、この分室に本格的な書き込みをするのは、これが始めてです。  未熟ではありますが、皆様の作品を読んで僕なりに感じたことを、お書きしたいと思います。「違う」とか、「間違っている」という部分がありましたら、どうぞお叱りください。  まず、弟切さんの作品に関して、僕が感じたことを、お書きしたいと思います。  作品は、「弟切、美人の描写、格好いい美女編、描写文版その3」です。  まず一行目から、ひっかかりました。ほんの僅かな、微妙な違和感なんですけれど、僕の中でアラートが鳴りました。 >商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。  わかり易くする為に、修飾語の「商店街の」と、副詞の「まだ」をとってみます。  さらに、「ほう」というのは「お店」のことなので、置き換えてみます。 >お店は、閉まっているお店が多かった。  こうすると、かなり不細工だと思えます。 「商店街のお店は、まだ大半が閉まっていた」程度の方が、自然だと思いました。 >ファストフード 「ファーストフード」としなかった明確な理由がわかりません?  英語的には、「ファスト」なのだろうけれど、日本語としては「ファースト」では?  国語辞書にも、「ファーストフード」で載っているわけだし。  読者としての僕は違和感を覚えました。 >「〜ダウンジャケットががさついた」 「が」が、二連続なので、間に「、」を入れてほしいです。 >ちらりと腕時計に目をやる。  歩いているのですから、腕時計を見るという動作は、かなり能動的なものになるはずです。  けっして「ちらりと目をやる」だけで見られるものではありません。 >速足のまま角を曲がって――黒いコートとぶつかりそうになった。 >「あ、ごめんなさい」 「黒いコートとぶつかりそうになった」という文で、即時性が失われていると思います。 「ぶつかりそうになった」という時点より後の、ある時間を基点として、「ぶつかりそうになった」と過去を振り返っているようです。「ぶつかりそうになった」時点では、「あっ!」とか「きゃっ!」とかそんな感じで、それが「黒いコート」だと瞬時には判断できないだろうし。  別の言い方をすると、読者は、文章を読むと同時にその時間を進んでいるわけです。でも、この一文で、その流れから放り出されている。そしてそのすぐ後に、「あ、ごめんなさい」と、その文章の時間の流れの中に再び放り込まれるわけです。  要するに、「描写」ではなく「説明」になってしまっている。読者としては、文章を読むと同時に物語中の時間を進んでいきたいものですし、この作品のタイトルが「描写文版」なので、その点は統一してほしいと思いました。  あと、「速足」ですが、辞書をひくと「早足、速歩」は載っていて、「速足」は載っていないのですが。(三省堂大辞林 及び 岩波国語辞典)  それでも、「速足」ですか? >頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  アラートアラート。  例えば、「あたし」が身長150センチだとして。「女の人」が身長170センチだとして。「あたし」の直前に「女の人」が立っていたのだとして。それでも、「頭の上から」とはならないんではないか、と。  これが、身長1メートルにも満たない子供と大人であったのなら問題ないとも思いますが。  新木さんのリテイクバージョンでは、この「頭の上から降ってきた」という表現を残す方向で工夫されているようです。 >甘すぎないコロンの香りが〜  読者としては、よくわかりませんでした。香り、感覚のイメージがわかない。 「甘いコロンの香りが、鼻の中いっぱいになった」  のなら、ああそうかと思うけれど。 「いっぱいになった」香りが「甘すぎない」ってどういう感じ? なのでしょう。 「甘すぎない」と「いっぱいになった」という単語の方向性が逆の感じを受けます。  ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような違和感。  僕が男だから、でしょうか? >彼女は表情を変えない。光沢のあるコートが〜 「あたし」の意識は「彼女の顔」にあるのでしょう。なら、「彼女は表情を変えない」と書いたすぐ後に「コートが」とあるのは、視点が一気に跳んだ印象を受けます。 >「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの〜」  もう少し台詞を工夫すると、「あたし」が混乱してドギマギしている感じがもっと出せたんじゃないでしょうか。 >なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。 「〜なってきた」ということは、始めはわかっていたのでしょうか。ドギマギして舞い上がって、わけのわからないことを口走ったというのなら、「〜なってきた」ではまずいんじゃないでしょうか? >きりりと伸びた後ろ姿があった。 「女の人」が、後ろ向きで突っ立っているという印象。 「あたし」が歩き始めてから数秒。でも「女の人」が歩き始めて遠ざかってゆかない理由は? 「あたし」が振り返ってその後ろ姿を描写するのを、「女の人」が待ってくれている、とか?  総じて。  友達に合おうとして商店街を進んでいる「あたし」が、ただ単にぶつかりそうになった「女の人」と自分を比較するその内面的意識の表現が不十分――かなあと感じました。 「あたし」が、日ごろから自分に劣等感を持っているとかそんなことが匂わせてあれば、ぶつかりそうになった女性と自分を比較してしまうその意識には納得するんですが。  普通の「あたし」が、激しく首を横に振って混乱した言葉を発しているのが、かなり突発的な行動に思えてしまいました。  あるいは、女性とは、いつもそうやって無関係の相手と自分を比べるものなのかなぁ?  僕は男で、外見はヒドイものだけれど、普通に街中を歩いているカッコよい男性相手に、 「違いすぎる、僕とは」  って思わないんだけどなぁ。  あと、男性としては、「女の人」の外見的描写がもっとほしいかなぁ。美人感が足りないと思いました。髪とか描写してほしかったです。髪とか。  つらつらと、えらそうなことを書きました。  ご容赦ください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7760 投稿日 2004年3月20日(土)02時14分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ  >私立男子校の通知表(高2) 1.段階  段階は10段階で、1が最低。平均点を中心に約10点間隔で段階がつきます。  平均点と、そこから10点上までが6で、平均点の一点下から10点下までが5。  一年間で同じ科目の評価1が三つ溜まると、単位が貰えなくなり、追試テストを受けなきゃなりません。    評価1を取る人の数は、平均点によって変わります。  平均点が低ければ――25点だとすると、評価1がつくのは0点の人くらいのもんでしょう。つまり少なくなる。 (0点なら、問答無用に評価1がつきます。)  逆に平均点が高ければ――80点だとすると、評価1がつくのは、おそらく0〜20点ぐらいの人。とにかく評価1になる人は、多くなります。6人ぐらい。(200人中) 2.科目  前が教科、後が科目です。  国語は「現代文・漢文・古文」>3個  地歴が「日本史・世界史」>どちらか1個  公民で「現代社会」>1個  数学は教師が二人だったので、「数学1・数学2」>2個  理科は「生物・物理・化学」>文系は1個、理系2個  保健体育は「体育・保健」>2個  芸術は「美術・音楽・書道」>どれか1個  英語は教師が二人だったので「英語1・英語2」>2個  家庭から>1個  キリスト教倫理から>1個  教師が二人いるのは、授業の効率を良くするため。二人で話し合って、それぞれが得意な分野を教える。 >>同様に数学も幾何と代数とかも、細かい区分があったりするよね。    細かい区分はあります。が、例えば一学期で微分積分をやったのなら、一学期の「数学1のテスト」として微分積分を受け、通知表では「数学1」という項目で、評価がつきます。  英語も同様です。 3.余談  大学の推薦で使われるのは、高校三年間を通した成績の、5段階評価です。  レベルが高い大学(早稲田とか)の指定校推薦だと、大体4.5以上は必要でした。早稲田の推薦取った人は、4.9でした。  10段階評価を5段階評価にコンバートして考えます。  1>1 23>2 45>3 67>4 8910>5  こんな感じです。   >アクションとか >>頭の中に転ぶシーンが再現されるように描いて、実感させてもらえば、感動が発生するわけね。  「感想」として感じる物ではなく、「感動する」その対象を、才能と考える。  了解です。 >才能と書きたいこと >>シリアスで厭世的で、暗くて地味な話というのが、津荒は書きたいもののようだけど。    うーん。ちょっと違います。  「シリアスで、暗くて地味な話」は、できればその方がいいなぁというだけであって、絶対に書きたい! というわけじゃないんです。  厭世萌え(厭世の否定。頑張って生きよう! という主張)が書ければ、いいんです……。  だから恋愛直球物の才能があるとするなら、どうにか頑張って「ちょっと変な恋愛」に挑戦したいです。 >ライブラリとか >> 津荒のライブラリのなかに、俺のいっている該当作があればいいんだけど。ないのだとしたら、絶対数が足りないのは問題だぞ。  そうですよね。問題ですよ。  もっと読まないと……。 >>「18歳高校生」のライブラリは、まあ、今出ている18歳向けの作品でしょう。 >>うわぁー。 >>話になんねぇ。 >>おまえ、自分が18歳向けに、なにかを書こうとしているわけだろ?  すいません。書き方がまずかったです。(というか、言葉が少なすぎた)  これは僕のライブラリに関しての話ではなく、一般の高校生のライブラリについての文章です。  わかりにくいので、僕の頭の中を書きます。    津荒のライブラリはなんだ? という質問を読んだ時――  僕じゃない「一般的18歳高校生」のライブラリはなんだ? という質問も含んでいると思ったんです。  「一般的18歳高校生」のライブラリは、統計とかで調べないとわからないので、答えることができない。(かなり個人差もあるだろうし)  だから、とりあえず確実に考えられることだけ答えました。  それが、「一般的18歳高校生」のライブラリは、18歳向けの作品である。  だったんです。 >反省  誤解の原因になったのは、質問が2つあると考えながらも、1つの項目で2つのことを書いたからです。すいません。   ○課題:短編作成 >カッコ良い話。 >>「ブギーポップ」は、あれ、「厭世観+カッコ良さ」なわけね。  ブギーポップでは、特に早乙女がカッコ良かったです。  「今や、あなたは僕らの敵だ――」って言うシーンとか。ぞくぞくします。   >カッコ良く見えるのに大切なこと  普通の人間より、なにかが勝っているとカッコ良く見える。  さらに余裕があると、もっとカッコ良く見える。  普通の主人公が、困難に立ち向かって、なんとか勝利するとかもカッコイイ。こっちには余裕ないですけど、困難に立ち向かえるという普通じゃない部分が、カッコイイ。 >その他のカッコ良くなる要素  口調、服装、称号、体格、設定(魔法)など。  あとシリアスな方がカッコ良く見える。(特に最大の見せ場はシリアスにしないと)  「カッコイイ人に憧れる話」 起 困難が起きて主人公倒れる。 承 カッコイイ人に助けてもらう。 転 とんでもない困難に主人公、またもや倒れる。 結 カッコイイ人に助けてもらう。主人公憧れる。  「カッコイイ人の話」 起 困難に直面する。 承 困難を余裕で突破する。 転 予想以上の困難に直面。 結 しかし、余裕で解決する。    「カッコイイ人になる話」 起 困難に直面する普通の主人公。 承 困難に立ち向かうが、失敗する。 転 だけどもう一度頑張る。 結 解決する。  一番簡単なのは、「カッコイイ人に憧れる(助けられる)話」です。  なにしろ転で大きな困難を主人公が体験して、ものすごい困難なんだと描写できるから。  ですから、「カッコイイ人に憧れる話」で行きます。   >能力  能力って3種類くらいありますよね。 1.ファンタジーの確立された能力。 2.妖怪とか、吸血鬼とか、ある程度先に作られている話から流用して都合の良いように作者が変えた能力。 3.作者が自分で作った能力。  1と2は似たようなものです。  どれが一番カッコイイかと言えば、3だと思います。ブギーポップ、カッコイイです。「レイン・オン・フライデイ」とか。  しかし3をやるためには、ネーミングセンスと自己流の能力メカニズムを説明する知識がないとだめです。  果してそれが、津荒にあるのか!?(おそらくない)  一応、今回は3で考えてみます。 -------------------------------------------------------------------------------- 春の来ない冬はない No.7761 投稿日 2004年3月20日(土)02時39分 投稿者 弟切 千隼  明日が春分の日であることに、ふと気づいた弟切です。二日前から春のお彼岸に入っていたのですね。  余裕があれば、今度のお彼岸には牡丹餅[ぼたもち]を手作りしてみようと考えていました。しかし、仕事が忙しくてそれどころではなくなりました(;_;) 月白さんへ >  「よみかく」が健在なころ、時々投稿してらっしゃいましたね。お元気そうで何よりです。  弟切の描写課題を精読して下さり、ありがとうございます。早速、レスさせていただきます。  と、その前に。  ここ分室は、「よみかく」本体経由でやってきた人ばかりが読んでいるわけではありません。「よみかく」本体を知らない人たちは、月白さんがどういう方か、ほとんど何もわからないでしょう。  そういう方々のために、もう一度丁寧な自己紹介をしたほうがよいのでは、と考えます。  では、以下よりレスに移ります。 >>>商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。   (中略) >>「商店街のお店は、まだ大半が閉まっていた」程度の方が、自然だと思いました。 (月白さんのNo.7759の書きこみより。以下、引用元はすべて同じ)  「商店街のお店は、まだ大半が閉まっていた」では、意味が違ってしまいます。  これですと、商店街の大部分のお店が閉まっている印象が強いですね。辞書を引くと、「大半」とは「全体の半分以上。過半。大部分」という意味が載っています。  ですから、商店街にずらりと並んでいるお店のほとんどがシャッターを閉めていて、たまにぽつぽつと開いているお店がある、という印象になってしまいます。  弟切は、ここで、「過半数のお店が閉まっているものの、半数近いお店が開き始めている」状況を書くつもりでした。こういう状況を表わすのでしたら、「商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった」のほうがふさわしいですよね。 >>>ファストフード >>「ファーストフード」としなかった明確な理由がわかりません?  ここは、弟切も迷ったところです。  確かに、辞書には「ファーストフード」で載っています。ただし、「ファストフード」という別の表記もあることが明示されています。  この言葉は、まだ日本語として表記が揺れている最中で、定まっていません。  なぜ弟切が「ファストフード」を用いたかといえば、「ファースト」と伸びる音の記号を入れると、単語が間延びした感じになってしまうからです。  ファストフードのファストfastは、「速い」という意味です。なのに、「ファースト」という表記にすると、速い感じが減ってしまいます。文の中に組み込んでみても、そこだけ妙に間延びした感覚があって、しっくりきませんでした。  文章に、ファストfastらしい機敏さを出すために、ファストフードという表記を用いました。 >>>「〜ダウンジャケットががさついた」 >>「が」が、二連続なので、間に「、」を入れてほしいです。  ここも弟切が迷ったところです。同じ字が連続するのは読みにくいですから、間に句読点を入れたいと弟切も思いました。  ところが、ここに句読点を入れて音読してみますと、どうしてもリズムが悪いのです。見た目の良さとリズムの良さとどちらを選ぶべきか、迷った末に、リズムの良さを選びました。 >>>ちらりと腕時計に目をやる。 >> 歩いているのですから、腕時計を見るという動作は、かなり能動的なものになるはずです。 >> けっして「ちらりと目をやる」だけで見られるものではありません。  ここは、月白さんの御指摘どおりですね(^^; 視点キャラクターに、もう少し大きな動作をさせるべきでした。 >>>速足のまま角を曲がって――黒いコートとぶつかりそうになった。 >>>「あ、ごめんなさい」 >>「黒いコートとぶつかりそうになった」という文で、即時性が失われていると思います。   (中略) >> 要するに、「描写」ではなく「説明」になってしまっている。  ここは、わざと説明にしました。  「歩いていて誰かとぶつかる」という状況をきちんと描写すれば、それなりの面白さが生まれるでしょう。けれども、この課題で追求したかったのは、「美人」です。「ぶつかる」ではありません。  主題である「美人」以外をきっちり描写してしまうと、読者さまの目がそちらに取られてしまいがちです。そのために、「美人」が目立たなくなってしまう可能性があります。  それを避けるため、ここは描写ではなく説明を選びました。 >> あと、「速足」ですが、辞書をひくと「早足、速歩」は載っていて、「速足」は載っていないのですが。(三省堂大辞林 及び 岩波国語辞典)  「速足」については、すでに新木さんに指摘されています。(過去ログのNo.7685を参照して下さい)   弟切が大ばかなので、勘違いして覚えていました(泣) >>>頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 >> アラートアラート。 >> 例えば、「あたし」が身長150センチだとして。「女の人」が身長170センチだとして。「あたし」の直前に「女の人」が立っていたのだとして。それでも、「頭の上から」とはならないんではないか、と。  ここの『頭の上から』というのは、物理的な状況と同時に、心理的な効果を表わしています。  この部分については、過去ログのNo.7715で詳しく説明していますので、そちらを御参照下さい。 >>>甘すぎないコロンの香りが〜 >> 読者としては、よくわかりませんでした。香り、感覚のイメージがわかない。  この部分も、過去ログのNo.7715で説明しています。そちらを読んでもわからないでしょうか?   日本人の男性ですと、コロンなどの「香りもの」を付ける人が少ないため、わかりにくいかも知れませんね。うーん、嗅覚の描写は難しいです。  精進します。 >>>彼女は表情を変えない。光沢のあるコートが〜 >>「あたし」の意識は「彼女の顔」にあるのでしょう。なら、「彼女は表情を変えない」と書いたすぐ後に「コートが」とあるのは、視点が一気に跳んだ印象を受けます。  これは気づきませんでした。工夫の余地ありですね(^^; >>>「あたしが悪いんです。あたし、よく歩くの〜」 >> もう少し台詞を工夫すると、「あたし」が混乱してドギマギしている感じがもっと出せたんじゃないでしょうか。  これはおっしゃるとおりです。  弟切は地の文以上に、台詞が下手くそです。「キャラを立てる」ためにも台詞は大切ですから、修行します。 >>>なぜこんなことを言っているのか、わからなくなってきた。 >>「〜なってきた」ということは、始めはわかっていたのでしょうか。ドギマギして舞い上がって、わけのわからないことを口走ったというのなら、「〜なってきた」ではまずいんじゃないでしょうか?  ここも、以前に新木さんに指摘されています。過去ログのNo.7685です。  視点キャラクターが冷静すぎて、おかしいですね。もっとあたふたしていなければいけません。 >>>きりりと伸びた後ろ姿があった。 >>「女の人」が、後ろ向きで突っ立っているという印象。 >>「あたし」が歩き始めてから数秒。でも「女の人」が歩き始めて遠ざかってゆかない理由は?  ここは、弟切の書き方が失敗しています。弟切は美人を歩かせているつもりでしたが、読者さまは立ち止まっていると感じてしまっています(^^; >> 総じて。 >> 友達に合おうとして商店街を進んでいる「あたし」が、ただ単にぶつかりそうになった「女の人」と自分を比較するその内面的意識の表現が不十分――かなあと感じました。  要するに、「視点キャラクターの心の動きがわからない」ということですね。  これは、おそらく弟切が「魂のある、生きたキャラクター」を作れないことと関連しています。生きたキャラクターなら、読者さまには、その心の動きがとてもリアルに感じられるはずですから。  魂をおろしてキャラクターを作るのは無理でも、きっちりと設定を詰めてキャラクターを作る、という方法があります。魂をおろせない以上、弟切は「作りこみ系」のキャラクターを生むしかありません。  精進あるのみですね。 >> あと、男性としては、「女の人」の外見的描写がもっとほしいかなぁ。美人感が足りないと思いました。髪とか描写してほしかったです。髪とか。  申し訳ありません。読者さまの楽しませ方が足りませんでした。せっかく「美人」という美味しい素材がありましたのに。  現在の「素」の状態の文章に、「何か」味わい物質を加えて、よりこくのある「美人感」を味わっていただかなくてはなりませんね。 -------------------------------------------------------------------------------- お下品ですわよ No.7762 投稿日 2004年3月20日(土)05時45分 投稿者 名無し君2号  ねえジムの会長、ちょっとばかりたとえに品がないと思うのですよ。  いやらしいのは当方大歓迎ですし、集中もするし、おかげで頭にも入りやすい――鮭の塩抜きするには、すこし水に塩を溶かしこんだほうがいいのとおなじ――いわゆるエロ浸透圧効果を狙ったものと思いますが、グラインドでアナルってあらいやだ。  いたいけな子供たちがROMしているかもしれないじゃないですか――なんて、そんなことは言いません。たぶんしていないと思いますし。  じゃあ、なにを言いたいのかといいますと。  ――モロじゃないほうがエロいじゃないですか!  あからさまに「アナル」より、「や、やだ、そこ違うよ!」のほうが心に染み入ってくると思うんですよ。恐怖もエロも、想像するのが一番キツイんじゃないでしょうか。  あれ? これは私がオッサンだから?  まあ、わざと生々しく書いて痛さを増しているのはわかっているんですが。  じゃあなんでわざわざこんなこと書いているのかと言えば、そりゃあ私がエロい人だからです。伝えたいことはたったひとつだけってことです。ええ、もちろん「や、やだ、そこ違うよ!」です。 >キャラクターの要素抽出 >>キャラの性格というのは、ダイヤグラムにできるものなのだ。 >>そして書きわけをするのであれば、ダイヤグラムが似た形のキャラ避ける。  と、いうことで要素を出してみます。  以下は新木さんが例としてあげたもの。  のんびり ← 普通 → せっかち  おっとり ← 普通 → きつい  優しい  ← 普通 → 厳しい  わがまま ← 普通 → 控えめ  無関心  ← 普通 → お節介  沈着冷静 ← 普通 → あわてんぼう  しとやか ← 普通 → がさつ  落ち着き ← 普通 → 騒がしい  肝が太い ← 普通 → 小心者  熱血   ← 普通 → 日和見  それに従って、ひねり出してみる。  ひょうきん ← 普通 → 真面目  助平    ← 普通 → 堅物  情味溢れる ← 普通 → 冷酷  極善    ← 普通 → 極悪  高潔    ← 普通 → 下劣  積極的   ← 普通 → 消極的  忍耐力がある← 普通 → 意気地がない  根性がある ← 普通 → 軟弱  強気    ← 普通 → 弱気  社交性がある← 普通 → 人見知りする  勝ち気   ← 普通 → 内気  勇気がある ← 普通 → 臆病  高飛車   ← 普通 → 低姿勢  しつこい  ← 普通 → さっぱり  粘着質   ← 普通 → 淡泊  鬱陶しい  ← 普通 → さわやか  傲慢    ← 普通 → 謙虚  男まさり  ← 普通 → 女らしい  男性的   ← 普通 → 女性的  おてんば  ← 普通 → おしとやか  不純    ← 普通 → 清純  下品    ← 普通 → 上品  もっさり  ← 普通 → すっきり  淫ら    ← 普通 → 清楚  潔癖    ← 普通 → 不潔  繊細    ← 普通 → 鈍感  感傷的   ← 普通 → 非情  強欲    ← 普通 → 無欲  頑固    ← 普通 → 素直  天の邪鬼  ← 普通 → 素直  嘘つき   ← 普通 → 正直者  雅     ← 普通 → 無骨  守銭奴   ← 普通 → 浪費家  がめつい  ← 普通 → 羽振りがいい  けち    ← 普通 → ぜいたく  気丈    ← 普通 → 狼狽  陽気    ← 普通 → 陰気  陰険    ← 普通 → 裏表がない  腹黒い   ← 普通 → 清廉潔白  卑しい   ← 普通 → 気高い  卑屈    ← 普通 → 誇り高い  粗野    ← 普通 → 優雅  野蛮    ← 普通 → 気品ある  集中力が高い← 普通 → 飽きっぽい  気まぐれ  ← 普通 → 執着心が強い  自己中心的 ← 普通 → 客観的  むらっ気  ← 普通 → 不動心  ナルシスト ← 普通 → 自己否定  楽天家   ← 普通 → 厭世家  猜疑心が強い← 普通 → お人好し  えーと、ひい、ふう、みい……ちょうど50個です。  100個までむりやりしぼり出そうかとも思ったんですが、なんとシソーラス(類語)検索より、「本日のご利用制限回数を超えました」とのお達しが。  一日何回まで利用できるのだろう……。私は何回利用したのだろう……。 >感情移入させる >>まず好きになれない。好きになれないので、理解したくもない。それが理解を拒む。  うん? まずは好きになってもらわなきゃならないんですか?  えーと……。  ああそうか。理解するというのは読者にとって少し負担になるんだな。だからわざわざ嫌いなやつを理解しようとは思わない。嫌なやつで苦労したくないから。  ということは。  まずはキャラクターを好きにさせること。理解させること。  それさえできれば、多少は無茶しても許して貰えるということ。まあ、程度によるんだろうけど。つまりはうまく騙せということ……?  理解できるキャラでさえあれば、毒まみれの話でも、ついてきてくれる……どころか楽しんでくれるかもしれない、ということか。  やっぱりキャラなのかな。  万人に好かれなくていいから、すくなくとも嫌われない人物を創らなきゃだめなんだな。 >具だくさん >>だから、そういう「具」はノーサンキューなんだってば。 >>読者様は、12人の妹的外見の祖母、母、姉、妹、自分コピー――と、同居生活のあれやこれを読みたいのであって、おまえの考えついたくだらない設定なんぞ、食いたがってはいないの。  そりゃそうですね。  私だって小説を読むときには設定なんか読みたくないですし。読みたいのは物語ですし。  メインの具は12人の少女だから、えーと、つまり設定は器なんですね? いくら上等な器をこしらえたって、中身が入ってなければ食えやしないのだと。  器がなくっちゃみそ汁は食えないし、ひびの入ったお椀じゃ美味しくなさそうだけど、かといってやたら器だけが大きくて立派で、そこにみそ汁がちょこんじゃあ、冷めるし馬鹿にされてるみたいだし、読者も怒るし。  目立たぬよう、さりげなく、適度な大きさで。なかには金の取れる器を作れる人もいるかもしれませんが――まあ私には無理だね、いまは。  じゃあテーマはダシか。にぼしやかつおぶし。なければ美味しくないけど、読者の眼にはつかないものと。  ストーリーはみそかな。醤油とか、塩とか。具を美味しく食べさせるために必要だし、なんなら具が無くったって、これだけでも料理になっていないこともない。 >>じつは俺、これでも生物的には、性別、女なもんで。いろいろと観察させてもらっていたりする。  ほげ? だから(2号的に)恐いんですか? それともタチの悪い冗談ですか?  べつにいまさら、どんな性別だろうと、どんな性格だろうと、どんな種族だろうと、こっちは構いやしませんけども。べつに悪魔だって、ねえ。  レスには5時間ほど。キーワードをひねり出すのに、ちょっと手間取りました。頭の使いかたさえうまく切り替えれたら、もっと速くできたんですけども。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7763 投稿日 2004年3月20日(土)12時27分 投稿者 新木 伸  俺が激怒していた理由。はっぴょー。  てか、激怒していたこと、伝わっていたよな?  人生において何度も苦汁を舐めさせられた「個人体験」=通称「地雷」にヒットしたということが、まずひとつ。  何人かの他人を味方につけて「皆もそう言っていますよ」てな理屈で、タイマンであるはずの議論に「数の暴力」で黙らせにかかるという、アンフェアな手法を持ちこんでくるやつに、数度、敗北を喫した経験があり。  はじめは小学二年生。学級会での吊し上げ事件。  他にも多数。3対1ぐらいならハンデのうちにしてやってもいいが、8対1ってのは、それはアンフェアというもんだろう。8歳で学級会のときは、20対1だったな。  弟切よ、おまえもか。――てな感じ。  弟切が質問を装いつつ、途中で論旨を変えて、「間違ってます」としてきたため。  分析をしていたのか、質問をしたいのか、それとも批判したいのか、弟切の言っていること、やっていることが、ころころ変わるので、弟切がなにをしたいのかわからないために、不気味であった。  不気味なものは、とりあえず攻撃して、否定して、遠ざけとけ、みたいな。  ――で、落ち着いたので訊いてみるけど。  弟切は、つまり、なにをしたいわけ? 1.「早朝は7〜8時である」ということを、自分に納得させてもらいたいと思っているのか。 2.「早朝は7〜8時」ということは絶対に間違いであるから、俺に悔い改めさせようと思っているのか。つまり、議論したいのか? 3.俺の作品(リライトのことね)があのままのではマズいだろうから、直すように薦めているのか。あのリライトは、あのままだと読み捨てされてしまう可能性があるから、直したほうがいいですよ、と提言しているのか。  1だとすると、そう言え。頭下げてくりゃ、納得させる試みはやってみる。  2だとすると、根拠を示せ。俺は俺で、自分の持論を支えうるだけの根拠を持っているし、それをすでに書いてもいる。根拠も出してきていないのは、お前のほうだ。  3だとすると、かなり余計なお世話だな。  あれは弟切のものへのリライトであって、俺の作品じゃないわけ。  俺が、俺の作品を発表するときに、俺自身が気を付ければいいわけ。なぜアマチュアなぞに、あたりまえのわかりきったことを注意されねばならんのだ?  実際、この話題が始まる前に、たまたま、夏休みの早朝のシーンを書いていたけど、俺の原稿にある書き出しには、「早朝。六時前――」となっていた。  いま書いている話は、出版されるのが5月であり、作中の話は8月の話なもんで、日の出の時刻が変わってくる。読者の「早朝」と登場人物の「早朝」とに誤差が生じるために、時間を明記しておく配慮が必要なわけね。(本がいつ読まれるかということは、基本的に不定。出版後、何年か経って読まれることもあるわけだし) >根拠について >記者ガイドブックの表記  この根拠は、「根拠なし」として棄却する。 >>「深夜」「未明」など一定の時間帯を指すときの表記ははっきりした基準がないが、放送原稿で本社は次を目安としている。ただし季節や地域によって変動があるので使い方に注意する。 >>未明(午前零時から夜が明けきらない午前五時ごろまで) >>早朝(午前五時〜午前七時)  季節や地域で変動があると、前書きしてあり――。  「未明」の区分が、「夜が明けきらないうち」であるわけだ。  日の出が7時過ぎとなる冬の一日であれば、「未明」と「早朝」との句切り位置は、日の出の瞬間となるわけだな。  つまり7時以前が、「未明」であり、7時からは「早朝」なわけだよ。  この記者ガイドブックに書かれてある時間区分は、1年のうちでも平均的な、春分日と秋分日あたりの時間区分なわけね。  弟切はその「一年の平均的な区分」を「真冬」に対して適用させてしまっている。自説に都合良く読みかえてしまっている。「季節による変動に注意すべし」と但し書きがあるのに、まるで注意しないで使っているわけだろ? >7人へのリサーチ  んでもって、7人が違和感を持ったというほう。  サンプルが社会人ばかりに偏っているし、あの小説の対象読者であるかどうかも怪しいし、いまひとつデータとしての信頼度が足りない気もするが……。 (学生に限定してリサーチをしたら、普段登校する時間よりも「前」を早朝として答えてくるはずだ)  まあけっこう多くの、そう無視もできない割合の人間が、早朝と聞いたら、4〜6時を思い浮かべるのだろうね。  そこには、異議を挟まないでおく。面倒くさいし。  だがこのリサーチ結果は、どういう論拠として使いたいのだ?  「〜よって早朝とは4〜6時のことである」という事実を支える論拠として使いたいのか。(上記の、弟切のやりたいこと、パターン2)  「〜よって多くの人は早朝を4〜6時だと思っている」という推論を支える論拠として使いたいのか。(上記のパターン3)  パターン3だと、「余計なお世話」で片づいてしまう。  なので弟切がパターン2のつもりでいるのだと、そういう前提でやってみる。  弟切が、自分の感じた違和感を、「自分は正しく、俺のほうが間違っている」と決めつけることで、片づけようとしているってことね。  多くの人がそう思っていることは、正しいという根拠になりうるのか?  たとえば、「軌道を周回している国際宇宙ステーションや、スペースシャトルの中では、時間はゆっくりと流れている」――なんていう話があったとする。  「そんなの嘘だぁ」と、まず多くの人は思うわけだ。リサーチして、統計を取ってみると、それを裏付けるデータも出てくるだろうな。  そうして、多くの人が「嘘だと思う」ということが証明されたとする。  しかしそこからわかることは、ただ単に、「多くの人はそう思っている」ということだけのはず。  この「時間が遅くなる」という命題が正しいか間違いであるかということは、多くの人がどう思っているかということとは、なんの関係もない。  じつはこれは、証明された「事実」なのだな。その通り、高速で動く物体のなかでは、時間は遅くなるものなのだ。  GPS衛星に積まれている原子時計には、その「遅れ」を修正するための装置が取り付けられている。 >「早朝マラソン」という言葉  ところで、「早朝マラソン」って言葉があるわけだけど。  これって、4〜6時に出発するマラソンのこと? 日の出前に出発していなければ、早朝マラソンにはあらず?  冬にマラソンはあまりやらないだろうから、冬の早朝イベントを例に出すほうが適切かな。もし冬にマラソンがあったとしても、4〜6時に出発していなければ、早朝マラソンにあらず? もし7〜8時あたりに、日が昇ってから出発する冬のマラソンがあったら、それはなんと呼称すればいいわけ? >月白さん  自己紹介。  あれで足りるのは、新木、鷹見、はせがわ、弟切、羽矢野、紫、津荒(旧名、宮田)――このあたりなんじゃないのかな。2号やROMさんやらも含めて、残りの193人の完全に初対面の人にとっては、なんの挨拶にもなってませんよー。  で、どうせなら僕のリライト版のほうも、指摘してくれませんか?  目が止まる部分。弟切のものほど多かった、プロとしてアレですけど。まったく存在しない――なんてことは信じられないのですけど。 >ファストフード  あ、いけね。  俺もリライト板を作るとき、コピー&ペーストして、そのまんま使っていたわ。  俺の語彙セットから普通に出してきて、書くなら、「ファーストフード」かな。たしか夢境4巻のデートのシーンで、そう書いてあった。 (作家は自分がその言葉をどこでどのように使ったのかを、すべて覚えている)  「速球」の意で書くときには、「ファストボール」と書くだろうし、「ファストブレード」と書くだろうし。  「ファースト」という言葉には、「最初」のという意味を持つ、別な言葉が存在するわけだし。同音異義語よりもさらにややこしい、同音同名異義語があるのは、よくないだろうし。  「ファーストキス」と「ファストキッス」とで、使い分けできると、良いと思うし。  「ライタ」と「ライター」など。  違う意味を持つ言葉は、音引きの有無で表記を分けるべし、というのが僕の持論だから、それに従うと「ファストフード」となるべきところ。  違和感が残るけど。違和感を抜きにして判断するなら、やはりファストとすべきか。  しかし4巻で「ファーストフード」としてしまったしなぁ。  うん。まあいいや。4巻で二人がデートに入った店は、あれはじつは「ファーストキッチン(first kitchen)」なのだ。あの店のフードは、「ファーストフード」で間違いあるまい。 ○津荒 >成績とか  うーん。  なんか、津荒のところ、特殊みたいだなぁ。 >>段階は10段階で、1が最低。平均点を中心に約10点間隔で段階がつきます。 >>平均点と、そこから10点上までが6で、平均点の一点下から10点下までが5。  そういうことをするのなら、テストの点数なんて使わずに、偏差値使っちゃったほうが簡単だろうに。この手のものは正規分布というものがあって、そこにあてはめて考えるものだが。  あ……。もしかして、津荒の高校は、偏差値使っていないのかな?  ちなみに5段階なり、10段階なり、通信簿の数値というのは、1が何パーセント、2が何パーセントと、そう決まっているのが普通ね。  5段階評価だと、「1」と「5」の人数は等しくなるし、「2」と「3」の人数も等しくなる。  10段階評価でも、「1」と「10」の人数は等しくなるようになっているはずだが。  学年ごとに200人ずつで集計すれば、「1」は6人なのだろう。  だがクラスごとに集計してしまうと、「5」も「1」も各クラスに1人ずつとなるわけだ。  うちの出身中学の場合だと、「不平等をなくすため」ってな理由で、クラスごとの集計になってた。自分より出来の悪いやつが同じクラスに一人いれば、「1」は食らわないので安心していられたわけだ。同時に万年2番君は、万年1番君が同じクラスにいると決して「5」を取れないので悔しがっていた。  しかし、いったいなんの不平等なのやら(笑)。  津荒に訊いたやりかただと、評価1を取る人が、テストの平均点によって変わってきてしまうようだが……。津荒の認識が間違っているのか、それとも、その学校ではそういうものなのか?  私立だから、自由っていえば自由なんだろうけど。  あと通知表の成績は、テストの点のみで、宿題とかの提出具合や、その出来とかは反映されないの?  宿題とか、ぜんぶ不提出決め込んでいたって、テストで点さえ取っておけば、いい成績がもらえるのかな? ある種の生徒にとっては、すごく楽そうな学校だなぁ。 >恋愛物の才能 >>だから恋愛直球物の才能があるとするなら、どうにか頑張って「ちょっと変な恋愛」に挑戦したいです。  だから。  「ちょっと変な恋愛物の才能」なんて種類の才能は、世間様の評価してくれる才能目録には、存在しないんだってば。  どうしても普通からズラした「変なもの」を書きたいのなら、名前が売れてからやんなさい。プロになって、ヒット作を何シリーズか飛ばして、「津荒祐介の書く小説は何でも大ヒット」という評価を受けてからなら、変なもんだって書かせてもらえるだろうし、そこそこ売れるだろうし。  さもなきゃ、アマチュアとして書くこと。それなら何を書こうが自由だってば。 >カッコいい話  カッコ良さとはなにか。  う〜ん。カッコ良さに対する津荒の分解能、はなはだしく、低そう……。  カッコ良いということは、どういうことか。自分の中に解がないのだな。  前の恋愛の話で、「不良」を書くはずが、不良になりきっていない単なる「硬派」にしかなっていないというところで、ダメダメっぽいのだが。  本来、不良っていうのは、カッコ良いものだろ? 鷹見さんがカッコ良いのは、不良だからなんだぞ。わかっているのか?  まあ13キロしか出なくたって、握力計握って出てきた数値なら、それがお前の握力なわけだし。体力測定表には、ちゃんと書きこまなけりゃならんだろうし。  とりあえず、やってみろー。(力ない声で)  ――で、出してきた3つの起承転結パターン。  どれも、ダメね。  直球で行けと、いつも言っているだろうに。  この際、なにかの作品の物真似で、模倣でもいいから。  なんかカッコ良かった話は、記憶にないのか?  津荒は「夢見ぬ少女」で、百目をカッコ良くしようとしていた節があるんだけど。  あれはどういう種類のカッコ良さとなるのだ?  あと、先に釘刺しておくけど。  一人称はやめろよ。一人称は。(笑)  一人称の「カッコイイ」は、独り善がりと紙一重だから。お前が「カッコ良さの天才」であるなら、一人称で書いて、本当にカッコ良い小説を書けるのかもしれないが……。 (もし自分が天才であるという疑惑をぬぐい去れないようなら、とりあえず、3行分でも、5行分でも、1ページ分でもいいから、書いて見せること。すぐ判別が付くんで)  一人称小説で、最高にカッコ良かったのは、菊地秀行のエイリアンシリーズかなぁ。八頭大だろ、やっぱり。  平井和正。ウルフガイシリーズの犬神明もカッコ良かったなぁ。  あと漫画だと、「スプリガン」かな。前サンデーで「ARMS」書いていた人の話。  まあ、俺がタイトル出してくると、古めのやつばっかりだが。  ああ。新しいやつで、一個あった。  「アイシールド21」のサブキャラたちは、たいてい、カッコいいよな。(主人公やその友人は除く)  あと、もう一本、釘刺しておくけど。  なんか「能力系」の話をやろうとしてやがるな?  それ、NGだから。  特殊能力がなければ、話というものは、カッコよくならないものなのか?  もっと普通に、変なことしないで、直球で「カッコいい」は書けないものかよ?  設定なんぞ、食わせてくれなくたっていい。  特殊能力なしでやれ。普通でやれ、まったく普通で。舞台も普通。設定も普通。「直球恋愛」のように、普通ずくめで、カッコ良い話を考えろ。  今後、才能測定用の短編に関しては、すべてそうだから。俺がなにも言わなくたって、「普通縛り」ルールが適用されるものと思え。 >なぜダメか  「カッコイイ人に憧れる話」  カッコイイ人が、再三にわたって、主人公を助けてきて憧れる話なわけね。  カッコイイ人は、なぜ主人公を助けてくれるのか。なぜ主人公を助けることができるのか。「強い」とか「能力がある」とかいう答えになるのだろうけど。ではなぜ、その人は「強い」のか「能力がある」のか。  そこまで考え抜かなければ、ダメだよ。その人が力や能力を持っている理由にこそ、カッコ良さの秘密があるわけだ。  力や能力があるからカッコいいのではない。  カッコいいから、力や能力を備えているのだ。カッコいい人から力や能力を奪ったとしたって、やはりその人はカッコいいままなのだ。  二つ目。  「カッコイイ人の話」  困難を余裕で越えてゆく人間が、カッコイイわけね。  なぜその人は余裕を持っているのか。やはりそこについて考えなければ、だめだよ。  3つ目。  「カッコイイ人になる話」  どのへんがカッコいいのか、よくわからん。  いったん逃げてから、再び戻ってきたりしたら、カッコいいかもしれないが……。  物事の基準の関係かな?  「困難に立ち向かえる」ということは、俺にとってはあたりまえのことなんだけど。  ていうか、なにをやろうとしたところで、困難って、必ず足に絡みついてくるわけだろ。  なにかをやるということは、困難に立ち向かうということではないのか?  立ち向かわなかったら、なんにもできないじゃん。  それをカッコイイとするのなら、世の中のほとんどの人間が、皆、すべてカッコいいことになるわけだが……。(立ち向かっていないごく少数のやつを除いてな)  相対的に考えると、立ち向かうのが「普通」であって、立ち向かわないのはカッコわるい――という見方もあるよな。  世の中のごく一部にとって「カッコいい」を出すよりも、大勢にとって間違いなく「カッコいい」となるものにするべし。  ひどく内気な男の子にとっては、女の子の側から告られて、「好きなの。付き合って」という言葉に、「僕も君のこと気になっていたんだ」とうなずいて返すことは、ひどく勇気の必要なことで、「カッコいい」のかもしれないが……。  だが一般的には、これは「カッコいい」とは思ってはもらえんぞ?  あ。これ。女の子のほうは、カッコいいかも。 ○2号 >お下品ですわよ  現役高校生はROMってるようだが……。  現役中学生や小学生は、ROMってないだろう。仮にいたとしても、精神年齢がお前より上くらいだろうから、お下品はOKのはずだ。 >>――モロじゃないほうがエロいじゃないですか!  その意見には賛同する。  だからこそ、「アナル」と書いたのだが。「べったりとした直腸粘膜」とか、モロに書かないでおいたのはそういう理由だが。想像の余地を残しておいたわけだが。  もちろん。こんなことを書いていたって、大丈夫。  精神年齢大人の小学生女子あたりは、銀縁眼鏡を直しつつ、「肛門で性交を行うことは、歴史的には、そう珍しいことでもないわ」とか、サラリと流してくれるはずだから。 >キャラ書き分け  ところで、「喫茶店でコーヒーを飲む」だけど。  たった二人で終了なのか? 1日1個、書いてこいよ。 >設定と器とみそ汁のカンケイ  設定ってのは、みそ汁の器だ。お椀のことだ。  漆塗りの豪華なものでもいいし。木の椀だっていいし。プラスチックの安物でもいいし。発泡スチロールでもいいし。紙カップだっていい。  どれだって、「話」を盛りつける用は足りるのだ。  プラスチックより上であることが望ましい。  だがべつに、紙や発泡スチロール製だからといって、悪いということもない。  器の、用が、足りてりゃいいんだ。  俺が言っている「具」というのは、なにか特殊なこと。  たとえば、小鈴が鼻をくんくんさせてコーヒーの匂いを嗅いでみるとか。舌を出してみるとか。両手でカップ抱えてみるとか。砂糖を4つ入れてみるとか。  実際にリアルで目の前でやられたら、その人間の正気を疑うようなこと。「こいつキチガイか?」と思うようなことだ。  感情表現で舌を出す娘が、現実世界のどこにいる?  不思議系アイドルはやってるけど、いきなりやられたら、普通、一般人は引くぞ?  そういうものが2号印の「具」であるのだとしたら、「汁」というのは、普通にありそうなこと。  コーヒーを飲んで、「むー」とやって、顔をしかめて、舌を出して「おいじぐない」と言う――というのは、2号印の「具」なわけ。  それに対して、コーヒーを音もなく飲む、というのは、普通にあり得る「汁」なわけ。  夕方、遊んでいる子供を心配して迎えに来る母親というのは、普通にあり得る「汁」なわけ。  深夜の校舎に黒魔術儀式のために忍びこむ娘二人というのは、2号印の「具」なわけ。  2号印の「具」には、毒性があるわけ。  使用量には注意が必要なの。服用者が死なない量に調整して、文中に入れておかなきゃならないわけ。 -------------------------------------------------------------------------------- 無題 No.7764 投稿日 2004年3月20日(土)13時57分 投稿者 月白  自己紹介いたします。  月白と申します。作家志望――というより、自分の物語を読ませたくて本にしたくて、7年ほど投稿生活を行っています。今まで書いた作品は、短編1本、長編12本程度。出した作品は、残念ながら全て1次選考落ちしています。33歳。男。独身。無職。分室は、2年ほど前から、ROMさせていただいております。趣味は……エロゲーとか、好きです――って書いていて、ちょっぴり哀しいものがありますが。社会的には、まあ、ダメ人間です。  まず、最近の過去レスを見ていなかったこと(読んだつもりになっていたこと)、弟切さんに二度手間を取らせたこと、お詫び申し上げます。  では、レスに入ります。 >商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。  意味の問題ではなくて、「純粋に日本語の文章として不細工ではないですか? 僕は僅かではありますが違和感を覚えました」と申し上げております。弟切さんはどうですか? 僕の日本語感覚がおかしいのでしょうか。 >ファストフード  僕的には、「ファーストフード」の方がしっくりきます。自然に感じます。読者としての感想です。 >ダウンジャケットががさついた。  文章のリズムを優先させるということなら、直前の「あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた」からも読点をとったほうがよいかと思われます。 >頭の上から、澄んだ声が降ってきた。  狙った効果はともかく、「頭の上から〜」と書けば、読者は「頭の上から〜」と思います。物理的に頭の上から降ってこないはずの声を、「あたし」がそう感じるはずのない声を、「頭の上から」と書くのはまずいんではないか、と。  僕は、この部分で、つっかかりました。 >甘すぎないコロンの香りが〜  コロンの香りがどうこうではなくて、「甘すぎない」という消極的な言葉と、「広がった」という積極的な言葉を同じ一文の中で使うのに、読者としての僕が違和感を覚えたということです。純粋に、文章的なことです。弟切さんに違和感はないのでしょうか? 僕の違和感が、僕個人だけの特殊なものだというのならば、特にどうこうは言わないのですが……。 >これは、おそらく弟切が「魂のある、生きたキャラクター」を作れないことと関連しています。  関連していないと思われます。単純に、「あたし」の内面描写が足りていないせいでしょう。  あと、弟切さんは「魂のある生きたキャラクター」と書かれていますが、「魂のある生きたキャラクターとはなんですカー」とか聞いちゃっていいですかー?  最後に。  「美人」と聞いて――男は視覚的なことをイメージします。  弟切さんがこの作品で主に使っているのは、「化粧」、「香り」、「服装」などです。  対象読者に男性が多い場合は、視覚的な描写をもっと使うべきだと、僕は思いました。 >新木さん  すいません、新木さんリテイクバージョンの感想については、後ほどやります。 -------------------------------------------------------------------------------- >月白さん No.7765 投稿日 2004年3月20日(土)16時13分 投稿者 新木 伸 >月白さん  長篇12本ってのは、分室に来た人の中では、新記録なのかな?  長篇のひとつも書いたことないやつらが、ブイブイ幅を利かせているのが分室って場所ですから。  そういや、弟切、2号、津荒――いま頑張ってるこの3人は、全員、長篇のひとつも書いたことないんだよなぁ。  まあ、所詮、そんなもんです。  ところで、もっとはっきり、意図を書いておかないと、「分室ジムにてプロ目指して特訓希望」みたいに思われちゃいますよ。僕はメールでそのへん知らされてるから、勘違いしませんが。  あと長篇は12本書いて、すべて送って、すべて一次落選だったのでしょうか。送っていないものもあります?  それだけあるなら、サイトでも開いて陳列しておけばいいのに。いつかプロとなって世に出すまでは――という決意の表れなのかしらん?  それから、最近の過去ログを読んでないことを謝罪したその口で、また読んでないことに起因するミスをやっちゃっていると、参加者ほど真面目にログ読みしてなくて、ただROMしているだけの人からも、「なんだかなぁ」と思われたりするかも。  べつに読んでないってことで責めたり追い返したりもしませんけど。  読んでない自覚があるのなら、それなりの控えめな態度ってものがあるかと思いますが。  いきなり現れてブイブイ言ってると、なんだかなぁ、です。家に連れてこられたネコが大きな顔をしはじめるのは、まあ、一般的に三日目ぐらいからのことでしょうか。  弟切が、あの習作で視覚的な描写を避けていた理由なんかも、過去ログの中にありますよ。 >文章への指摘 >>意味の問題ではなくて、「純粋に日本語の文章として不細工ではないですか? 僕は僅かではありますが違和感を覚えました」と申し上げております。 >>>商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。 >>>ファストフード >>>ダウンジャケットががさついた。 >>>頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 >>>甘すぎないコロンの香りが〜  ああ。なるほど。  このあたり、眺めてみて――。  月白さんがなにを言っているのか、僕にはわかったけど。  美しい日本語って観点の話なわけね。  しかし弟切に伝わるかどうか、わからんですよ。  だって頑張って書いてきて、何度も何度も見直しと推敲を重ねてきて、あれなわけだし。指摘されて違和感を持てるなら、指摘前に気づいていても、よさそうなもんだし。  分室では、文章に関しては、内容が間違いなく伝わるレベルであれば、すべてOKを出しています。  美しさは計らず、それ以外に、いくつかの価値基準を設けています。  たとえば描写の有無。美人を伝えるのに、「美人」と直接書いてしまわずに、いかに伝えるか、頭を絞っているかどうか。  または、たとえば情報密度。  しかし「美しいかどうか」って観点では、あまり計りません。  昔、翠をへこませるときに、「自分が思っているほどは美しくない。ぜんぜんヘタクソ」ということを指摘したぐらいかなぁ。文章の美しさに関する指摘ってのは。  それ以来、「わからない。伝わらない」とは叩いても、「美しくない」と叩いたことはないはずです。僕は。  文章が汚い、という欠点は、エンターテイメントの分野では、ほとんど欠点としては見なされないのですね。  二十歳越えてから文章を書き始めた人間に、文章のうまさなんて、求めちゃいけませんて。  また、小説としての「面白さ」と、「文章の美しさ」とは、ほぼ無関係です。  あと文章の美しさを問題にするとなると、読者のほうにも「資質」が要求されるわけですよね。それを価値基準にするのであれば、多くの読者がそれを見極めることができて、それを小説を選ぶときの価値基準としている――という確とした根拠がないとなりません。  美しい文章と、そうでない文章とを、それなりの数の読者が見分けられるのか、どうなのか――。  小説を書こうという作家志望の人間でさえ、描写と説明とを見分けられる人が、ほとんどいないくらいですから……。  ましては、美しい文章を見分けられる目を持った「読者」ってのは、ほとんど、あり得ないくらいの少数だと思われます。  だから純文学ってのは基本的に売れないんですね。「小説の面白さ」がわかる人なら、日本には何十万人単位でいるわけだけど、「文章の美しさ」がわかる人っていうのは、何千人くらいしかいないみたいです。 >魂を持ったキャラ  魂を持ったキャラというのは、分室用語ですね。  最近の過去ログを「魂」あたりでざっと検索すると、だいたい話題にヒットしますか。  作家が操縦している経歴はあっても自我は持たないキャラと、自我を持ちそこに確として存在していて、自律的に行動しているキャラと、そういう意味合いでしょうか。  たとえば台詞を書いていて、作者の思いもよらないことを喋りだすとか。  予定してなかった行動を、いきなり取りはじめるとか。  そういう、作者にとっても意外なことをやってくれるキャラが、魂の入ってるキャラです。  書いているときにそれが起きると、普通、作者は爆笑するもんです。意表を突かれた人間の一般的な反応というのは、「笑い」ですから。「おまえなにやってんだよー」と、エディタに向けて突っ込むことになります。  それに対して、作者が台詞と行動を決めていて、意外なことはなにひとつ起きないのが、作られたキャラ。弟切はこっちを極めようとしているわけです。 -------------------------------------------------------------------------------- そうそう No.7766 投稿日 2004年3月21日(日)00時29分 投稿者 新木 伸 >月白さん  書き忘れ。ひとつ。  お願いしたいのは、「指摘」であって感想ではないので。 -------------------------------------------------------------------------------- マッコウクジラは「真向鯨」と書くに違いない…… No.7767 投稿日 2004年3月21日(日)01時34分 投稿者 鷹見一幸 いやね、小学生の頃、世界名作シリーズで「白鯨」を読んだときに、その中に出てくる「まっこうくじら」と言う単語を頭の中で「きっと人間に立ち向かってくるから真っ向クジラというんだ」とと勝手に変換して読んでいたんですよ。  体内から竜涎香が採取できるから「抹香鯨」と呼ぶんだ。ということを書いた本を読んだとき、私は思わず叫びましたね 『この本間違ってる〜』  自分の常識が世間の常識と違う。ということを実感したのは、きっとアレが四千三百七十六回めだったかもしれません。  さて、前フリ終了。  世の中には「公文書」というものがある。いわゆる「お役所」で使われている文書の総称だがその中にさらに「司法書類」というものがある。  公文書を「固い文書」だとすると、その中でも一番固いのがこの司法書類というヤツだろう。  この司法書類では、書くべきこと、単語の基準が事細かく決められている。書く人間と読む人間によって単語の解釈が異なる。ということは許されない。誤字、脱字、誤記というものの存在は無いことになっている。書いている最中に誤字に気が付いたなら、しっかり二本線を引き(誤った文字がわかるように)その上から作成者が印鑑を押す。  縦書きだった頃は訂正の際は上部欄外に「削○○字 加○○字」としっかり注釈を打たなければならなかった。  さて、そのなかに、一日の時間の流れを意味する「朝」とか「昼」という単語の概念の基準というものがある。  一例として犯罪手口原紙という基礎資料を作成するときのものを以下に示すが、そこにはこう出ている。  朝  日の出から九時まで  午前 午前九時から十一時まで  昼  午前十一時から十三時まで  午後 十三時から日没一時間前まで  宵  日没一時間前から日没一時間後まで  中夜 日没一時間後から二十三時まで(4月から9月まで)     日没一時間後から二十二時まで(10月から3月まで)  深夜 二十三時から午前三時まで(4月から9月まで)     二十二時から午前四時まで(10月から3月まで)  未明 午前三時から日の出まで(4月から9月まで)     午前四時から日の出まで(10月から3月まで)  これが司法書類を書くときの「朝」とか「昼」とかの「基準」だ。  これ以外には存在しない、午後一時十分を「昼」と書けばそれは間違いだ。その一点を持ってその書類は存在価値を喪う。  書く人間と読む人間の認識のズレが絶対に許されない文章というのは、こういうものをいう。人間の情念とか経験とか常識とかいう、個性に頼る部分、つまり、一人一人違うようなあいまいなものの存在は許されない。  でも、小説は違うよな。  そりゃあ書いた人間が送り出したものと、それを読んだ人間の受け取るものが同じなら理想だ。でも、そんなことはありえない。それがありえるとしたら、書いた人は超人ロックだ。サインをおくれ家宝にするから。  じゃあどうするのか。  方法論は山ほどある。描写の技術を上げたっていい、いろんな言葉を集めたっていい、無ければ自分で作ったっていい。辞書にある言葉は死んだ言葉だ。死んで棺おけに入って、万人の評価が定まった言葉だ。そんな言葉を使いたくなけりゃ自分で作れ。そのリスクはすべて自分が負う覚悟があれば、何をやったって構わないと思うんだよな。  どんな小説書いたって人は死なない、家は焼けない。  「早朝」という言葉の概念が読者と違った。その一点で読むのを止められたとしたら、それはそれだけの価値しか無かったということだよな。  「私の早朝は、こういう時間帯なんです」と言いたいのなら、読み手に「ああ、この早朝ってそういう時間のことなんだ、俺とちょっと違うけど別にいいじゃん」と思わせるだけの力を持って書けばいいだけのことだよ。  自分の「常識」が他人と違うことに驚くことに、俺は驚いている。  それは「あたりまえのこと」であり、それこそが「常識」なんだよね。  書き手と読み手の認識に、髪の毛一本のズレも無い、共通認識だけで固められた文章を書きたいというのなら、司法書類の手引きをお貸ししようか?  読み手の全員が同じ本を持っていて、司法書類のプロ。という条件でのみ成立する「共通認識」だけどね(笑 -------------------------------------------------------------------------------- バカの壁 No.7768 投稿日 2004年3月21日(日)02時41分 投稿者 弟切 千隼  自分がバカだという自覚はありましたが、改めて「大バカ」であることに気づいて、落ち込んでいる弟切です。  落ち込んでいるだけでは何も変わりません。事態を改善するために前進します。  ということで、なにゆえ弟切が、新木さんの書いた『早朝』にこだわったのか、説明します。 >> 弟切は、つまり、なにをしたいわけ? >>1.「早朝は7〜8時である」ということを、自分に納得させてもらいたいと思っているのか。 >>2.「早朝は7〜8時」ということは絶対に間違いであるから、俺に悔い改めさせようと思っているのか。つまり、議論したいのか? >>3.俺の作品(リライトのことね)があのままのではマズいだろうから、直すように薦めているのか。あのリライトは、あのままだと読み捨てされてしまう可能性があるから、直したほうがいいですよ、と提言しているのか。 (新木さんのNo.7763の書きこみより)  弟切は、上記の分類のうちの、3のつもりでした。  冷静に考えれば、確かに『余計なお世話』ですし、傲慢でしたね。どうもすみませんでした。  弟切には、時おり細かいところにこだわってしまう癖があります。小説に限らず、何か文章を読んでいて引っかかる言葉に出遭うと、それが気になって、全然その先を読めなくなったりすることがあります。  今回も、この悪い癖が出てしまいました。新木さんの書き直したものを読んで、『早朝』で引っかかってしまったわけです。  それでも、この書き直しは、新木さんが−そんな義務はないのに−わざわざ弟切の作品を直してくれたものですから、最後まで精読しました。  けれども、弟切は、『早朝』に対する違和感がどうしてもぬぐえませんでした。その違和感が一般的なものであるかどうかを知るために、周囲の人々の意見を聴いたり、『記者ハンドブック』を読んだりしました。  その結果、「弟切と同じように、7時〜8時を早朝と呼ぶことに違和感を持つ人が、かなりの割合で存在する」と判断しました。弟切は、「不特定多数の人に読ませる作品に、多くの人が違和感を持つ言葉を使うのはまずかろう」と考えました。  そこで弟切は、『余計なお世話』をしてしまったわけです。  弟切の態度がころころ変わっているように見えた理由も、説明します。  最初に、No.7741で、弟切が『早朝』に対する違和感を訴えました。  ここでの弟切の書き方が、ものすごーく下手くそでしたね。読み返すと、まるで「7時〜8時が早朝だなんて、絶対に間違いだ」と主張しているように読めます(^^;   当然、新木さんはNo.7742で弟切を殴りました。  殴られた弟切は、筋道を立てて新木さんに反論しようと考えました。  No.7742で、新木さんが、 >> 自分自身の言っていることを、まず統一しろ。 >> 「4〜6時」というのと、「7時前」というのは、これはイコールなのか? おまえは首尾一貫して、おなじことを言っているのか? と書いていますね。そこで弟切は、まずは自分の考えを明らかにしてから、周囲の人々に聴いた意見や、『記者ハンドブック』といった根拠を示すつもりでした。  弟切が、反論の手始めとして自分の考えを書いたのが、No.7745です。  ところが、No.7745は中途半端な状態で終わっています。それというのも、これを書いた時、弟切が猛烈な睡魔に襲われていたためです。これ以上はまともな文章が書けないと判断して、中断しました。  末尾に、 >> この項、続きます。今日はここまでとします。 と書いているのは、そういうわけです。  次のNo.7746で、新木さんが、わざわざ辞書を引いて、「早朝」の定義を示してくれました。  弟切は、「自分と、自分の周囲の人のほうがおかしいのだ。『早朝』で引っかかってしまう人なんて、とても少数派なのだから、気にする必要はないのだな」と理解しました。  それはいいのですが、おばかなことに、このNo.7746の書きこみを弟切は誤読しました。新木さんは、言外に「こんな議論はメモリ資源の無駄遣いだから、これで納得して打ち切れ」と言っているのだと勘違いしたのです。  弟切が、No.7749で >> わかりました。 と書いたのは、上記の誤読に基づいてのことです。  新木さんにしてみれば、こんな弟切の態度は訳がわからないでしょう。No.7752で、再び弟切を殴っていますね。「まずいと言った根拠を示せ」と書いています。  No.7752を読んだ弟切は、「あれれ、議論は打ち切るんじゃなかったのか。うわー、誤読しちゃったみたいだ」と考えて、根拠を示すことにしました。  そうして根拠を示したのが、No.7755です。  以上が、弟切の「大バカの軌跡」です(;_;)   身のほど知らずで、勘違いや思い込みが多くて、頑固な大バカを書く時の参考にして下さい > 皆さん。  新木さんが激怒しているのは、ちゃんと伝わっていました。「ひょっとして、地雷を踏んでしまったのかな?」という考えは、ちらっと頭をかすめました。まさか本当に踏んでいたとは……。トラウマをほじくり返して申し訳ありませんでした。 >早朝マラソン  そういえば、こういう言葉がありますね。これについては、少し考えさせて下さい。今は考えがまとまりません。 月白さんへ >  たびたびの御指摘、ありがとうございます。御指摘に関するレスは、次回に回させて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- すいません、ちょっと舞い上がっていたようです No.7769 投稿日 2004年3月21日(日)03時46分 投稿者 月白  自分の書き込みを読み返してみると、かなり「なんだかなぁ」という態度です。すいません、ちょっと舞い上がっていたようです。引きこもっていて、他人と会話する機会が少ないせいで、浮かれていたのかもしれません。  新木さん、弟切さん、2号さん、津荒さん、他「なんだこのエラソウなバカわ」と思われたROMの方々、申し訳ありませんでした。  で、僕の意図を少し付け加えますと、今、1作品を書き上げた直後でして。次の作品に取り掛かる前に、ほんの短い間ですが、分室で感想指摘者として活動しようかと。現在、僕は、心身ともにかなり疲弊していまして、「訓練生」としてではなく「感想指摘者」として参加させていただこうと思った次第であります。3月末には、この分室から退去予定です。新木さんが、僕に手加減したレスを返してくれるのは、僕が分室の訓練生ではないからです。訓練生ならば、こうはいきません。 >長編12本  最初に書いたのが、短編です。いきなり富士見書房に電話して、「うちは持ち込みは受け付けておりませんファンタジア長編大賞へご応募してください」と返答された編集の方に、熱にうなされたようにまくし立てて、読んでくれることを確約させて送りつけた代物です。編集の方は、「1年以上かかる」を言われておりましたが、原稿は「1週間」で戻ってまいりました。丁寧な感想指摘文が添えられておりました。富士見書房の編集の方は、優しかったです。  応募は、「電撃大賞」が2回、「富士見ファンタジア大賞」が2回、「角川エンタテインメントNEXT賞」が1回……でしょうか。それほど多くはないです。  サイトを開いて陳列することは考えておりません。  独立ラーメン店開業を目指す僕は、僕の作品で、「うまいっ!」と言ってもらいたいわけです。でも、今まで書いた作品は、僕自身でも「おいしくない」、読者をうならせることができないとわかる代物です。おいしくないものを、お客さんに出すわけにはいきません。 >美しい日本語 >魂を持ったキャラ  丁寧でわかりやすいレス、ありがとうございます>新木さん  続いて、新木さんリライトバージョンの指摘をお書きしたいと思います。  ちょっと、こわごわ、なんですけれど。 >歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。  何気なく、読み流してしまいそうですが……。  修飾語、副詞を外して、「ほう」を「お店」に変えると、  「お店は、閉まっているお店が多いくらいだった」  となります。  意味は通じますが、日本語の文章として壊れているのではないか、と。  さらに言えば、「くらい」という、おおよその分量・程度をあらわす副詞が、まずい。  文章の意味を、確実に曖昧にしている。  この「くらい」というのは、分室で言う「気弱語」とかじゃないんでしょうか?  どうなのでしょう?  この文章に限って言えば、弟切バージョンの、 「商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった」  の方が、「〜くらいだった」と続かないぶんだけ、よいと思われます。 >ファストフードの朝メニューの〜 「〜の〜の……」という表現は、市販の小説でもよく見かける形です。場合によっては、「〜の〜の〜の……」と、三段階になっていたりします。許容範囲内の表現ではありますが、できれば「〜の」は、あまり連続して使ってもらいたくはありません。  あと、ここの限られた短い描写部分で、「ファストフード店の看板」を持ってきた理由は何なのでしょうか?(これは弟切さんに聞くべきことでしょうが)  僕としては、それほどのイメージはわかないんですが。 >〜風に鳴って乾いた音をたてていた。  ここも、読み流してしまいそうな場所ですが……。 「鳴って〜音を立てていた」では、同じ意味の単語が連続していることになってしまいます。  「笑って〜微笑んでいた」とか、「歩いて〜足を前に進めていた」とかと同じです。  「風に揺れて、乾いた音を立てていた」なら、わかりますが。 >早足で抜けていった。一歩ごとに〜  「一歩ごとに〜」という表現だと、かなりゆっくりとしっかりと足を進めているという印象です。直前の、「早足で抜けていった」という表現と、対立します。 >引っぱりだして >押さえこむ  後の方に、 >立ち上がった >立ち止まって >振り返って  という表現が、出てきます。表記の統一を考えるのならば、 「引っぱり出して」 「押さえ込む」  がよいように思えます。 >〜文字盤をぐりっと指で押さえこむ。  「文字盤をぐりっと指で押さえこ」まなくては読めない時計。早足で歩いていたということを考えても、おかしく感じます。何か特別製の、ギミックを持っている時計? とか。 >早足のまま角を直角に曲がってゆくと、  「直角」は、やりすぎでしょう。早足で歩いていて、いきなり直角に曲がれるでしょうか? >早足のまま角を直角にまがってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  何気なく読み流してしまいそうですが……。  前半は、読者は文章と同時に作中時間を進んでいます。つまり、描写です。  後半の文章は、これは、作中時間外。説明です。  一文で、これをやられると、読者は混乱します。  何気なく読み流してしまう程度の違和感のある文章。  1シーンに一箇所程度ならば、問題もないと思われますが、ある一定数を超えると、がぜん読みづらくなってきます。さらに増えると、「なんかこれヘンー」という感じになるでしょうか。 >〜黒いコートの人とぶつかりそうになった。 >気づいたときには〜  今までずっと、「あたし」と一緒に物語の中を進んできたのに、この文で、いきなり物語の時間外に弾き飛ばされた印象。この部分をあえて説明にしたとの、弟切さんのレスではありますが……。  あと、「ぶつかりそうになった」程度で、「地面に手をつく」でしょうか。  大して影響がなかったから、冷静に「ぶつかりそうになった」と振り返っているのだろうし。  「ぶつかりそうになった」の次の文章で、「気づいたときには〜」となっていて、ええっ、どうしてっ? なんでいきなり手をついているの? という感じ。 >あたしを覗きこむ顔があった。  表記の統一を考えれば、「覗き込む」では? >女の人だった  句点のつけわすれ。 >立ってくれている〜  「あたし」を覗きこんでいるのだから、「立って」は、ちょっとまずいのでは。  「あたしの前にいてくれるせいで〜」とか。  「〜くれている」は、「あたし」が「女の人」をありがたく思っているということだけれど、「あたし」は美人に見とれていて、それどころじゃないのでは?  「あたし」は、「立ってくれている」と感じるほど冷静ではないんじゃないかと。 >冷たい風が遮られていた。 >風に乗って〜  「風が遮られている」のに、どうやって「風に乗って」くるのでしょうか? >見ているまえで、  表記の統一を考えると、「見ている前で」では?  位置関係を示す文では、  「頭の上から、澄んだ声が降ってきた。」  というものもあるのだし。 >つややかな唇が〜  「艶やか」としなかった理由は? >あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。  不要な一文。一人称である「あたし」が、「ぽかんと彼女を仰いでいた」との自覚は不可能。「ぽかんと彼女を仰いでいた」は、客観表現。というか、僕は一人称って書いたことがないんだけれど、こういうものなのですか? >「ええと、は……、はい、大丈夫、です」  「は」の後に、時間的間隔があるのは、どうなのでしょうか?  実際にこの台詞をイメージしてみて、僕はおかしいと感じました。  「ええと、は、はい、大丈夫、です」とか  「ええと……、は、はい、大丈夫、です」  なら、納得しますが。 >〜あたしにはそれが不思議だった。  このときの「あたし」の感情は、「不思議」ではまずい、かと。  ぴったりとあてはまる単語を見つけるのが、大変なのではありますが。 >誰かからぶつかってこられるの  「あたり屋」さんの逆バージョン、ですか?  「よく他の人とぶつかるの」とか。 >彼女は表情を変えずに〜  直前まで、「つややかな唇が」、「その口もとが緩む」と、かなり口付近に意識があるのに、「彼女は表情を変えずに〜」とすると、視点が一気にその口元から跳んだ印象を受けます。  「あたし」の意識が、「女の人」の口元から顔へと移行したという一文が必要かと。 >光沢のあるコートが〜  弟切さんのレスでも書きましたが、視点が一気に跳んだ印象です。 >そのとき不意に、あたしは気がついた。〜差し伸べられていることに。  彼女を見ているのだから、差し伸べられた手は、視界の中に入っているでしょう。それを、「そのとき不意に、あたしは気がついた。〜差し伸べられていることに」とするのは、無理があります。「不意に気がついた」のではなくて、「あたし」の意識が「女の人」の手に移ったことを表現する文章に変えるべきかと。 >そして角から消えた。  最後の一文が、浮いている印象。  微笑んで、軽く手を振ってくれた。そして角から消えた。いきなりじゃん、という感じ。  いろいろと書いてみました。的外れなことも多いでしょうが、ご容赦ください。 --------------------------------------------------------------------------------  偏差値は使いませんでした。 No.7770 投稿日 2004年3月21日(日)03時50分 投稿者 津荒 夕介 >>津荒に訊いたやりかただと、評価1を取る人が、テストの平均点によって変わってきてしまうようだが……。津荒の認識が間違っているのか、それとも、その学校ではそういうものなのか?  僕の学校では、そういうものでした。  私立だから……変わっているのでしょう。 >>あと通知表の成績は、テストの点のみで、宿題とかの提出具合や、その出来とかは反映されないの?  通知表の成績は、テストの点のみで決定します。  宿題の提出ぐあいとか小テストの点数が反映するのは、テストの点数でした。 >平常点  1つのテストにつき、「平常点」というのを30点まで加えていいという制度が、教師側にあります。  平常点は、宿題の提出ぐあい、小テストの得点などで決まります。  30点フルに使う教師もいれば、1点も使わない教師もいました。  頭の悪い生徒(津荒とか)に優しい制度です。 >>宿題とか、ぜんぶ不提出決め込んでいたって、テストで点さえ取っておけば、いい成績がもらえるのかな? ある種の生徒にとっては、すごく楽そうな学校だなぁ。  まったくです。楽な私立高校として、愛知では知られています。 >恋愛とか >>どうしても普通からズラした「変なもの」を書きたいのなら、名前が売れてからやんなさい    わかりました。 >カッコイイとか >>津荒は「夢見ぬ少女」で、百目をカッコ良くしようとしていた節があるんだけど。    うーん……。  百目は、カッコ良くしようと思っていませんでした。普通の男を書こうと……。  敵の女の子を、カッコ良くしようと思っていたんです。 >どんな風にカッコ良くしようと思ったの?(敵の女の子を)  変な思想と、変な精神からくる異常な余裕から、カッコ良くならないかと思っていました。 >不良とか >>う〜ん。カッコ良さに対する津荒の分解能、はなはだしく、低そう……。 >>カッコ良いということは、どういうことか。自分の中に解がないのだな。  うーん……。見つけないと>解。  そもそも不良がカッコイイってのがわからない。  不良、カッコイイのか? >不良 【不良】‥リヤウ 1.よくないこと。わるいこと。「栄養―」「―品」 2.品行のわるいこと。また、そういう人。「―におどされる」  広辞苑第5版からです。  不良って、不良少年の略ですよね。  つまり、品行の悪い少年のこと。    不良とは……――。  将来を考えず、親のすねをかじって、夜も帰らず遊び回り、他人の迷惑を考えない青年だとしか認識していませんでした。  逆の視点。  中学生なのにタバコを吸っていて、バイクを乗り回していて、夜も遊んでいて、学校には午後しか出席しない友達のY君……。  毎日カツアゲしてくるけど、別に気にしない。  それよりも、お父さんやお母さん、それに勉強を無視して遊ぶなんて、なんて強い心の持ち主なんだろう。  ピアスとか、茶パツとか、ワイルドだし……。女の子にも、もてもて。うーん、憧れるなぁ。  ……ということかな……。  つまり憧れる視点もあるということ。それも想定すべきである。 ○課題:短編作成 >カッコイイキャラとは  格好の良い外見と、読者の理想とする内面を兼ね備えたキャラを指す。(内面重視)   >設定とかは、余分。   普通縛り了解です。 >>3つ目。 >>「カッコイイ人になる話」 >>どのへんがカッコいいのか、よくわからん。  すいません。僕のミスです。  立ち向かう困難が強大だったら。  普通の主人公>強大な困難(命をかけるとか)>一度失敗するが、立ち向かう。  命をかけるほどの困難に立ち向かうのは、カッコイイと思う。  もちろんこれは、ダメな案。  なにしろ普通縛りがあるんだから。  普通縛りによって、困難を一般的な困難にすると……カッコ良くもなんともない。新木さんの指摘通りです。    普通縛りが徹底できていませんでした。  また、一つ目と二つ目は、曖昧すぎました。考えが甘い。この二つについては、次までに考えてきます。  どちらにせよ、三つとも直球じゃなかったので、没です。 >カッコイイ短編。 >>この際、なにかの作品の物真似で、模倣でもいいから。 >>なんかカッコ良かった話は、記憶にないのか?  カッコ良かったキャラなら簡単に浮かぶんですけど。  話……。  過去、短編マンガのあらすじを書きましたが、それの中にあります。  グレネーダー  豊死魔区西部戦線 ウエストサイド・ストリート  ITAKOのANNA  上海妖魔鬼怪  全部、正義の味方が悪を倒す話です。  悪をバッサリとアクションで倒すキャラクターを見ると、カッコイイなぁと思います。   >僕のカッコイイ  カッコイイというのは、読者の憧れる存在を指すわけです。  だから読む人によってカッコイイの定義は多少変動する。  でも、大体は共通しているはずだから、どうにかなるはず。    僕がカッコイイと思うのは、  1 変な確信を持って行動するキャラ。(早乙女)  2 悪を倒す正義のキャラ。  3 強大な困難に挑むキャラ。  4 普通に理想的なキャラ。(恋愛で使う)   だから、そういうキャラが活躍する話を書きます。   >悪を倒す正義の話  キャラを高校生。舞台を現代にすると、悪って少ない。不良か、ヤクザか、悪い教師か、犯罪者か、殺人鬼か……。  普通縛りがあるので、せいぜい不良か悪い教師くらいしか書けない。  今回は悪い教師。  エロイ姿を写真に撮って脅迫し、エロイことをしまくる教師です。  脅迫と言っても、脅迫された女学生が自殺するのはまずい。重すぎるから。だから初期発見ということにします。  起 悩む生徒をなだめる  承 教師を調べる。  転 証拠を掴む。  結 力で押えつけようとしてくる教師を倒す  キャラ  主人公 男 赤城 正宗(あかしろ まさむね)カッコイイ 生徒会会長  悩む生徒 女 北谷 りえ(きたや りえ)感情的になりやすい  悪い先生 男 田部 太郎(たべ たろう)体育教師 起  起 生徒会室で仕事をしていると、友人の北谷が飛び込んでくる。  承 事情を聞く。田部に卑猥なことをされかけたと言う。  転 北谷に証拠がないと指摘する。  結 赤城と北谷で証拠を探すことになる。 承  起 田部の噂を調べる。なんだか怪しくなってくる。  承 田部と話す。  転 必死に弁解する田部。カメラとかが露骨に怪しい。  結 赤城は忍び込むことを決意する。 転  起 北谷を巻き込まないように、演技する。北谷はしぶしぶ引く。  承 夕方、帰った田部の部屋(体育教師の部屋)に忍び込む。ロッカーをピッキング。  転 誰かがきて驚くが、北谷だった。(スリル)  結 脅迫写真が見つかった。 結  起 戻ってきた田部が、北谷を倒す。  承 赤城は説得を試みる。田部は聞こうとしない。  転 田部を倒す。  結 警察と、救急車を呼んだ。    あらすじ  生徒会長の赤城の元に、友人の北谷が駆け込んでくる。体育教師の田部にエッチなことをされたというのだ。しかし、実際にはセクハラっぽいことを言われただけ。  北谷は妄想し、田部が女子生徒を脅迫してエロイことをしているに違いないと言い張る。呆れた赤城は、証拠もないのに何を言うと笑うが、北谷は証拠を探すと言い出した。赤城も手伝うことになった。  翌日、友人から話を聞くと、近頃休みが続いている女子生徒がいたりすることを知る。  放課後田部の部屋に行って、色々話す。話がセクハラ等になるにつれて、田部は挙動不審になってくる。部屋にはなぜか、大きなカメラがあった。  田部に怪しさを感じた赤城は一人で調べることにする。北谷には、もう手を引くと言って、遅くまで学校に残った。  田部の部屋に忍び込む。ピッキングして、机とロッカーを調べる。  途中、北谷がきて、驚く。  田部の机・ロッカーからは脅迫用の写真が出た。  突然北谷が気絶する。後ろには、田部がいた。赤城は説得しようとするが、田部は耳をかさない。しかたなしに戦い、田部を倒した。  最後の方アクション+カッコいい話。 >恋愛+カッコイイ話  こっちは、普通に理想的な彼氏の内の1つを書いたものです。  キャラクター  石井 啓治(いしい けいじ) 無愛想  瀬戸 百合(せと ゆり) マジメ  起 石井をちょっと嫌がる瀬戸  承 石井を見なおす  転 カッコ良く助けられる  結 石井に惚れる 起  起 クラスで委員募集。  承 意識している不良っぽい男――鈴木に囃し立てられる。  転 立候補する。  結 石井とペアとなる。ちょっと嫌。 承  起 文化祭が近づく。  承 クラスをまとめられるか不安。  転 石井がまとめてくれた。  結 石井を見なおす。 転  起 準備をする。  承 学校に遅くまで残る。  転 酒を飲んだ鈴木に襲われる。  結 石井が助ける。 結  起 仕事を続ける。  承 石井と話す。  転 石井に惚れているのに気づく。  結 文化祭終了。  あらすじ  瀬戸は不良っぽい生徒鈴木に少し好意を感じていた。(恋に恋している感じ)  鈴木に囃し立てられて、クラス委員になる。相手は無愛想な石井だった。衝動的に立候補した自分を呪った。  文化祭が近づく。瀬戸はクラスをまとめられるか、不安だったが、石井がまとめてくれる。その他の段取りも、石井は上手くまとめ、瀬戸は石井を見直す。  文化祭前夜。二人は最後まで残って出し物を作っていた。外は暗い。買い出しの帰り、酒を飲んで酔った鈴木とゆかいな仲間達に、瀬戸は襲われかける。  石井がきて、鈴木と仲間達を倒す。  無愛想なままで、クラスに戻り、準備を再開する石井。作業を始めた瀬戸に、ぼそりと「大丈夫か?」と訊いてくる。瀬戸は、自分が石井に恋をしていたことに気づく。  アクション+カッコイイがダメだったら、恋愛+カッコイイを書こうと思います。  今度は両方とも、まともだと思いますが……。   >誤字とか >>津荒祐介の書く  うーん……ぐぐ。 津荒夕介です。よろしくお願いします。   -------------------------------------------------------------------------------- だめだこりゃ No.7771 投稿日 2004年3月21日(日)07時36分 投稿者 名無し君2号  いかりや長介さんがお亡くなりになってしまいました。  物心ついたときから、ずっとテレビのなかにいた人なんですよねえ。三十路間近の私としては、最近の味のある俳優ぶりよりも、ドリフのおっかない人という印象のほうが強かったりしますが。  いまあるのは喪失感。  なんかぽっかりと穴が空いているんだな。ちいさい穴だけど。  うん、知っている人が死んでしまうと、心を持ってかれるんだな。まあ、すぐに回復するだろう。人は産まれて生きて、情報を残して死んでゆくのだ。  「だめだこりゃ」で終わったなら、「つぎいってみよー」でまた始めると。  以上、人の死による哀しみの自己分析でした。 >クールビューティー >>精神年齢大人の小学生女子あたりは、銀縁眼鏡を直しつつ、「肛門で性交を行うことは、歴史的には、そう珍しいことでもないわ」とか、サラリと流してくれるはずだから。  うわぁ、ちょーかっこいー。  普通だったら、「えっちなのはいけないことだとおもいますっ!」って顔を真っ赤にしてその場から逃げ去る……あれ? これはこれでいいぞ? >キャラ書きわけ  掌編の「ロマンティックな光景」に出てきた女の人です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=873&e=res&lp=610&st=0  普通のOLさんをイメージです。毒は抑えた……つもりですけど。 >津荒さん >カッコイイ短編 >悪を倒す正義の話  なんか、あんまり格好よくないような気がします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  起 悩む生徒をなだめる  承 教師を調べる。  転 証拠を掴む。  結 力で押えつけようとしてくる教師を倒す −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この結は格好いいと思ったんですけども……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 結  起 戻ってきた田部が、北谷を倒す。  承 赤城は説得を試みる。田部は聞こうとしない。  転 田部を倒す。  結 警察と、救急車を呼んだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「力で押さえつけてくる」って、文字通り殴りかかってくることなんですか。もうちょっと、こうねちっこい陰険なやつを想像してしまいました。「んー? 教師を殴るというのか? いいんだぞ……退学になりたければな!」とかなんとか。  普通に襲ってくるやつを普通に倒すのは、当たり前なんじゃないでしょうか。  あらすじ。 >>北谷は妄想し、田部が女子生徒を脅迫してエロイことをしているに違いないと言い張る。呆れた赤城は、証拠もないのに何を言うと笑うが、北谷は証拠を探すと言い出した。赤城も手伝うことになった。  ここ、あまり格好よくないです。  だって、妄想している女の子をたしなめるのは当たり前じゃないですか。  あくまで一例ではございますが、ヒロインが教師のセクハラを告発するも、まわりからは「そんなわけないじゃん」と一蹴されているとします。  誰一人として信じちゃくれない、そんな状況で、ただひとり主人公だけが「おれは信じよう」と言ったならば――これはものすごく格好いいと思うんですけど。 >>田部に怪しさを感じた赤城は一人で調べることにする。北谷には、もう手を引くと言って、遅くまで学校に残った。  ここは格好いいと思います。普通に説得すればいいのに、あえてしないところが格好いいと思います。 >恋愛+カッコイイ話  「転」部分のあらすじ。 >>文化祭前夜。二人は最後まで残って出し物を作っていた。外は暗い。買い出しの帰り、酒を飲んで酔った鈴木とゆかいな仲間達に、瀬戸は襲われかける。 >>石井がきて、鈴木と仲間達を倒す。  これだけだと格好よさが弱いと思います。  だって、襲われた女の子を助けるのは当たり前じゃないですか。  助けなくても構わないのに、それでも助けに行ったならば、ちょーかっこいーと思うんですけども。 >月白さん  はじめまして。よろしくお願いします。  レスには3時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7772 投稿日 2004年3月21日(日)14時24分 投稿者 新木 伸 >弟切  なんか、よくわからんが。  要約すると、はじめは2の「間違いだと証明しようとした」で一本取ろうとしたのだが、それは大変そうなので、へたれて、3の「誤読と読み捨ての可能性を指摘」して技ありだけでも取っておこうと路線変更したってところか?  3であれば、それは弟切の好意となるわけだし、「可能性」程度の指摘なら俺といえども頭ごなしに否定することもできないだろうし、プロ作家であり自分の小説に厳しく向きあっているはずの俺であれば、受けざるを得ない提案だろうとか、そんな小賢しい計算あってのことかな。  情報量が少ないし、自己考察も足りてないから、真相を計るには電波読みするしかない。  ――で、結局、なにやりたかったのか、やっぱり不明だ。  自分のものを書き直されて――。  それが、なにひとつ不満のでない、手も足も出ない完膚なく脱帽の出来であったならともかく――。  大いに不満の残る出来だったから、悔しかったということかしらん?  人のものに手を付けておいて、こんな程度にしかしてこないなんて、ナニゴトよ、みたいな?  だったら、お前が作家としてやるべきなのは、俺のリライトにいちゃもんを付けることではない。  俺がリライトできないようなものを、はじめに、書いてくることだ。  ある一線を越えてしまった文章というのは、もう、他の人間には手出しできなくなってしまうわけだ。  作家が、名前を出して物を書く必要が、そこにある。  誰が書いてもいい程度のものであったら、なぜ、わざわざ原稿に名前を記す必要があるのだ?  その人間が書いた物でなければ、絶対にダメ――てな領域が、たしかにあるわけね。  まあ、書き直されて、きーっ、悔しい、てのは矜持を持つ作家なら、正常な反応だし。  書き直されて、嬉しー、なんて言ってるやつは、見込みないわけだし。てか、作家やらなくていいな。そいつは。仕事を取り上げられて、完成させるところだけ横取りされて、嬉しがっているやつは作家としては異常だ。読者や消費者としては正常だが。  俺も最初の編集さんのときに、「いま私の出したこれよりも、いい展開、いい文章が出せないようなら、私の言うとおりに書き直しなさい」とまで言われて、怒りとなけなしの矜持とを武器に立ち上がり、必死に編集さんの上のものを絞りだしたことが、およそ213回ぐらいあったわけだが。  しばらく弟切には、「リライトするぞ」ってのが脅し文句に使えるのかな。 >月白さん >>応募は、「電撃大賞」が2回、「富士見ファンタジア大賞」が2回、「角川エンタテインメントNEXT賞」が1回……でしょうか。それほど多くはないです。  のこりの7本の行方は?  作家志望者が、書き上げた長篇を、「ダメもと」で応募しないでいる状況というのが、いまひとつ想定できないのですが。  ROMも含めた読者の心の声を、代弁してみますと。  「本当に12本、書いていたんですか?」――てなところでしょうか。  月白さんは指摘者としての分室参加です。  よって参加者とROM者としては、いまもっとも関心があることは、月白さんの「指摘者としての性能」なわけですね。  性能が低くて信頼するに足りないと思えば、月白さんの書きこみは、今後は選択的にスルーして飛ばして読む必要が出てくるわけですし。  逆に性能が高いと思ったなら、月白のさんの指摘書きこみが来たら、居ずまいを正して、コーヒーでも入れてきてから、集中力を上げて読もうとするわけです。  まあ、クールでドライなようですが、なんの義理もない赤の他人なんてのは、そんなもんです。「こいつ(の言うこと)は、なにか自分の役に立つのか」という尺度で計りますので。  んで、僕のをやってもらったのは、指摘者としての、性能テストの意味あいです。  参加期間がそんなに長くなさそうなので、じっくり時間をかけられませんから、まあ手っ取り早く見るために。  僕から「参りました」と言ってきれいに一本取れるか。  それとも僕の考えなかったところを突けるかすれば、かなり性能がいいということになります。  「考えていなかった。たしかにそこは変えるべきだった」てな部分を見つけてもらえるようなら、実際、僕も有り難いですが。 (そんなこと書いて、腕自慢が大勢乗りこんでくると、面倒くさいですけど。腕自慢に限って、腕はたいしたことがないことが多いもんで) >>>歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。 >> 修飾語、副詞を外して、「ほう」を「お店」に変えると、 >> 「お店は、閉まっているお店が多いくらいだった」となります。 >> 意味は通じますが、日本語の文章として壊れているのではないか、と。  「ほう」は代名詞ではないですから、「お店」には変換できません。  変換するのであれば、「閉まっている種類」とか、「閉まっている側」とか、「閉まっている部類」とか、そんなものに変換されるはず。 >>この「くらい」というのは、分室で言う「気弱語」とかじゃないんでしょうか? >>どうなのでしょう?  指摘者が質問しちゃって、どうするのですか? それこそ気弱では?(笑)  ここはクッションです。言葉の緩衝材。  読者の読む早朝の街並みのイメージは様々で、この掌編では、それほど特定して限定してしまう必要はありません。おおむね、朝の7〜10時ぐらいのあいだであれば、この話の必要とする要件は満たせます。  ここで「くらい」――「まだ閉まっているほうが多いくらい」と、範囲を曖昧にする言葉を使っておくと、「閉まっている店がまだほとんどである」という100パーセント近辺を思い浮かべる読者から、「閉まっている店はほとんどない……が、ないこともない」というゼロ近辺を思い浮かべる読者まで、広い範囲の読者を拾えます。  読者が思う浮かべるイメージが上記範囲のどこにあっても、「くらい」という曖昧な言葉があれば違和感を感じずに読んでいってもらえるわけですね。  よって、作者の気弱から出てきた気弱語ではなく、これは必須な曖昧語です。  必要のないところで、読者に違和感を生じさせて、文章を読む視線を止めさせてしまわないための配慮です。  ただし、作者のお勧めのイメージとしては、朝8時。開いている店が5割弱、閉まっている店は5割強――と、そこがセンター(中心)です。  ある文章を読ませたときに、対象とする読者群が、どういう確率分布曲線でその文章を「誤読」するのかということまで推測しつつ書くのが、プロの文章の書きかたってもんです。 >「の」の2連続  僕は「の」は2連続までOKとしています。3連続はNGですね。  純文だと2連続でさえNGとすることもあるようですが……。  2連続まで回避しようとすると、「女の人の顔」とかいうものまで、書けなくなりますので。  てか、自分が達成できてないものを指摘するのって、どうなのかしらん? 心に棚を作れ、ってのは僕も言ってますが。  自己執筆基準と、他人指摘基準とが一致していないと、指摘者としては、信頼してもらえませんよ。 >ファーストフードの看板  ファーストフードの看板が出てくることで、街の規模が確定します。すくなくとも、ファーストフード店があるような開けた場所です。  また「朝メニュー」であることで、朝時間帯の補強ができます。  看板が風に鳴るということで、寒さを感じてくれる人がいるかもしれません。  一石三鳥なので、これは良い描写です。 >〜風に鳴って乾いた音をたてていた。  たしかに一行に詰め込みすぎですね。  詰めこみすぎないように、すっきり書くなら――。   「ファーストフードの看板が風に揺らされ、乾いた音を立てている。」  ただこれだと「朝メニュー」が抜けてしまいます。  ここを2文に分轄するなら、もうちょっと他の要素を込めて、こんな感じかなぁ。 「ファストフードの朝メニューの看板が風に鳴る。乾いた音がやけに響く。」  寒々しさを増強してみました。 >>「一歩ごとに〜」という表現だと、かなりゆっくりとしっかりと足を進めているという印象です。直前の、「早足で抜けていった」という表現と、対立します。  月白さん個人の印象と、一般的な読者の受ける印象とを、取り違えないように。  早足と「しっかり歩を踏む」とは矛盾しません。月白さん自身、あまり、早足で歩かない人なのかな?  歩くときに、踵から着地する人は、大股で早足で歩こうとすると、ドスドスと無様になるものです。この視点キャラの女の子の、そういう性格や動作のクセの描写の一環でもあります。 >表記の統一  僕の使っている表記統一ルールは、複合動詞を一律で「開く/開かない」とする単純なものでなくて――。  意味の強さの関係で、漢字の開く開かないを、毎回決めています。  よって前後の文脈によってルールは変わります。一作品中に、「押さえこむ」「押さえ込む」が共存することなどもあり得ます。  「引っぱりだして」は、この場所では「出す」よりも「引っぱる」のほうを強く印象付けたいので、こうした表記になっています。  「見ているまえ」「覗きこむ」「つややかな唇」なども同様。より印象付けたいほうが漢字になっています。  「立つ」は開くと意味を失うので、これはどうしも開けません。どこでも必ず、漢字になってますね。  分室では、まず基本として、表記は統一しろと教えてますが。  表記の統一が完璧に行えるようになった人間に対しては、こんどは「表記を揺らせ」と教えにかかります。  ていうか、分室で盗み取った指摘術を僕に対して使っても、意味ないんじゃないかしらん? 他人に行う指摘であれば、僕は自分の書くものに対しても、厳密に適用してますから。 >>「文字盤をぐりっと指で押さえこ」まなくては読めない時計。早足で歩いていたということを考えても、おかしく感じます。何か特別製の、ギミックを持っている時計? とか。  弟切のほうに指摘していた、「歩いたままで時計は見えないだろ」てな違和感への、自分なりの解答なのですが。  弟切はここを「立ち止まって時計を見ていた」と誤読しちゃっていたようだし、月白さんは「特殊な時計」と誤読したようだし。  どうも僕の想定する「誤読分布曲線」から外れすぎている模様。  ちと強調しすぎだったかな。  んじゃ、代案を出します。  「袖の中から腕時計を引っぱりだす。文字盤を押さえこんで、時間を確認した。」  「ぐりっと」が消えてしまったので、自分的には、やや面白みに欠けますが、これで誤読確率はずっと減るはず。 1.「がさつ感」 2.「厚着感」 3.「急いでいる感」 4.「歩いている感」  ここで伝えたいことは4つあって、上記の優先順位になっています。  3と4に関しては、伝わらなくても、かまいません。  「ぐりっと」を削ると1は弱まりますが、へんなふうに誤読されてしまう危険性と、トレードオフってところでしょうか。  まあ、仕事の原稿であれば、意見を聞き、もっともだと思ったすべての指摘に「代案」を出していった後で、最終的に、元の文章のままでゆくのか、代案として出したものに差し替えるか、作者の責任と判断とにおいて決定するものですが。 >>「直角」は、やりすぎでしょう。早足で歩いていて、いきなり直角に曲がれるでしょうか?  これは「あたし」の一人称ですから、「あたし的に直角」です。  彼女の言っている「直角」と、月白さんの思う「直角」とは、たぶん、違う「直角」です >転ぶシーン −−−−−−−−−−−−−−−  早足のまま角を直角に曲がってゆくと、黒いコートの人とぶつかりそうになった。  気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。 「あ、ごめんなさい」  頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−  ここまで、一連なのですね。  すでに転んでいて、頭の上から振ってくる声を聞いている「振ってきた」のところが「いま」であって、すべてそこから振り返っての、自分が覚えている範囲内で「なにが起こったのか」と我が身に起きた出来事を振り返っている状態。  時間を進めさせないために、わざと説明にしてあります。 >>えっ、どうしてっ? なんでいきなり手をついているの? という感じ。  それが、そのまま、主人公の感じた驚きです。  「誰かにぶつかって転ぶ」という体験は、つまり、そういうものなわけです。  まず地面に倒れていて、「ええと。そう。調子のってぐいっと直角に曲がったら、いまぶつかりそうになったんだっけ。黒いコート人に。でもどうして、ぶつかりそうになったぐらいで、いま倒れてるの? なんで?」と、転んでいるときに思い返すものですね。  ここは、目を留めて、読み返してください。  ここは読者に「えっ?なんで?」と思ってもらって、読み返してもらうように、僕が設計した部分ですので。 >>「〜くれている」は、「あたし」が「女の人」をありがたく思っているということだけれど、「あたし」は美人に見とれていて、それどころじゃないのでは? >>「あたし」は、「立ってくれている」と感じるほど冷静ではないんじゃないかと。  見とれているシーケンスはもう終わってます。  段落変わって、見とれる以外に、なにか思考が働き始めている段階です。  弟切の読んで、引っぱられちゃったのかな?  僕のほうでは、「見とれている度」は半分ぐらいに減らしてありますが。弟切のものだと数行に渡って長々と見とれてますが、僕のほうだと、1段落に収めてますよね。  そんなに見とれてばかりだと不自然だと思うので、適度に抑えて、なにか他のことを考えさせはじめています。それが「あ。風からかばってくれてるんだ」という発見。  あと「好意」ってのは思考じゃなくて感情ですから、冷静でなくても、感じ取れるはずです。 >>彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。朝日を頬に暖かく感じる。 >>朝日を頬に暖かく感じる。彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。  ここを、下のほうに変えておいたほうが、論理性、推理性が薄くなるので、より自然になるのですけど。  前後の文脈(風に乗ってくる匂いのことに言及する関係上)も考えて、風のことを先に書きました。 >>「風が遮られている」のに、どうやって「風に乗って」くるのでしょうか?  人一人、立っていたぐらいで、風は完全に遮られるものでしょうか? >あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。 >>一人称である「あたし」が、「ぽかんと彼女を仰いでいた」との自覚は不可能。「ぽかんと彼女を仰いでいた」は、客観表現。  その通り、ここは客観表現です。  一人称でも、自分の状態を自覚させることは可能ですよ。  ただし手間と仕掛けが必要ですが。  これだけ、手を尽くして、視点キャラが呆然としたさまを仕掛け続けてきたのなら、読者もそろそろ彼女が茫然自失から抜け出して立ち直るだろうと予測もするだろうし、自分の有様を客観的に見ることも可能だをと予測しますし。  ちなみにこの一行を、他の書きかたで書くのなら、以下のように、()で括った心理台詞となります。 (あたしっ、ぽかんとアホ面さらして、見てるんだろうな。アホだと思われるだろうな。この綺麗な人に。なにか言わなきゃ。とりあえず口閉じなきゃ。ああ、でも。こら動け口、動けあたしっ) >「ええと、は……、はい、大丈夫、です」 >〜あたしにはそれが不思議だった。 >>このときの「あたし」の感情は、「不思議」ではまずい、かと。 >>ぴったりとあてはまる単語を見つけるのが、大変なのではありますが。  ああ。まあ言わんとすることがありますが。  なにやら、キャラの魂の問題ではないかと。  その感覚を言い表すときに、どの言葉を用いるのかってことも、個性の範囲じゃないのかなぁ。  ここは他にも、「わからない」「苛立たしい」「悔しい」とか、いくつかの路線がありそうですが――。  この女の子は、そうは思わず、不思議って感じてしまう「天然」なところがあるので、憎めないキャラなわけです。  「不思議じゃねーだろっ」と、ここは突っこむところ。そのリアクションでOKですんで。  台詞に関しては、僕は音声として、実際に示すこともできますが。  部分ボイスやフルボイスのゲームのシナリオも書きますし。  声優さんが目の前にいれば、この台詞をどういう息継ぎで、どういうイントネーションで発声すべきなのか、ぜんぶ指示できますが。  「は……、はい」のところでは、一拍ほど、息を呑んでもらいます。 >誰かからぶつかってこられるの  彼女はよくこうして、人から、ぶつかってこられるわけですね。なぜか。  だから、ぶつかられることに慣れているわけです。  歩くときばかりではなく、仕事やプライベートでもそうらしくて、対応にも慣れています。だから、いまもこうして余裕がある。  「我」を曲げず、周囲に合わせず、しかしすり減らすことなく「我」を保てている人ってのは、そういうもんじゃないのかな。弟切の打ちだそうとした方向のキャラを考察してみた成果の一環ですが。  彼女自身は、なんで、まわりが自分にぶつかってくるのか、よくわかっていません。あまり気にしてもいません。苛立ってもいないし、怒ってもいない。  ただ回数は多いので、そのこと自体に慣れてはいます。 >彼女は表情を変えずに〜 >>直前まで、「つややかな唇が」、「その口もとが緩む」と、かなり口付近に意識があるのに、「彼女は表情を変えずに〜」とすると、視点が一気にその口元から跳んだ印象を受けます。「あたし」の意識が、「女の人」の口元から顔へと移行したという一文が必要かと。  それこそ、不要です。  話している人物を前にしたとき、その表情を見ないで、口元だけ見ているほうが不自然です。  人に話しかけられたときには、目を見なさい――と、言われますよね。コミュニケーションの基本です。  目を合わせずに口元ばかりを見るような人もいるかもしれませんが、この視点キャラは、そういう人間ではないのは明らかですね。  ちなみに、この前の部分で、視点キャラが口元を見ていたのは、表情がその部分に現れていたからです。 >そのとき不意に、あたしは気がついた。〜差し伸べられていることに。 >>彼女を見ているのだから、差し伸べられた手は、視界の中に入っているでしょう。それを、「そのとき不意に、あたしは気がついた。〜差し伸べられていることに」とするのは、無理があります。「不意に気がついた」のではなくて、「あたし」の意識が「女の人」の手に移ったことを表現する文章に変えるべきかと。  ある人物の視界に入っていたとしても、そのキャラが認識していなければ、主観としては、存在しないも同じです。  たしかに客観視点の三人称としては、おかしいんですけど。  ず〜っと、長々と手が差し伸べられていることは、外から見れば一目瞭然なのに、それに気づいていないのはおかしいわけです。  ――が。他人から見て「あたりまえ」で「一目瞭然」なことが、時としてわからないのが「主観」というものです。  月白さんだって、言われるまでは、分室にいきなりやってきてブイブイ言わせてる自分が、皆から「なんだかな」と思われているということを見落としていましたよね。  客観的に見れば、一目瞭然なことなのに。  そんなの、あたりまえなのに。  ――でも、見落としていましたよね?  そうです。それが「主観」というものです。どこまでいっても「主観」に縛られているというのが「人間」というものです。  神様がそう作っちゃいましたから。  リコールもんのひどい欠陥なんですが。人というのは、このひどい設計ミスに付き合って、生きていかねばなりません。  小説の登場人物も、「人間」として描くのなら、主観による思いこみのひとつふたつ、持っていなくては、「人間」として見えてくれません。  彼女は、ずっと自分に向けて差し伸べられていた手を、ずっとずっと視界に捉えてはいても――そのことに、たった「いま」気づいたわけです。  僕はそれを描いてみたわけです。この掌編のリライトにおいて。  一人称と、キャラ寄り視点の三人称においては、こうした書きかたは許されます。  登場人物の認識していない事柄については、マスク(隠す)して書かずに済ませられます。それどころか、人物の偏見や勘違いを原因とする「偽情報」とすることまで許されています。  せっかく一人称として書くのだから、こういう「主観によるマスク現象」の1回くらいは書いておかないと、芸になりません。  月白さんの言うように、一人称で、あたしの意識が女の人の手に移った文章にしてしまうと、「手に意識を移した自分を、いま意識しているあたし」が存在することになってしまって、逆に、一人称としては壊れたものになりますよ。  ここはやはり、「ずっと差し伸べられていた手に、突然気づいて驚く主人公」という書きかたにならざるを得ませんし、これ以上のやりかたもありません。すくなくとも、僕の思いつくかぎりにおいては。  代案示してもられえば、考慮しますけど。  一人称――というか、「主観」という現象そのものを、月白さんは、よくわかっていないのかな?  余談ですが……。  以前、よみかくのほうで、天衣さんの「シークレット・ミーン」が、叩かれたことがありますけど。  「三人称で書いていて、主人公の心理も書いていたりするのに、物語がすべてが仕組まれた茶番劇であることを主人公が知っているのに、それが読者に提示されず、最後でネタ明かしされるのは、アンフェアである」みたいな議論。  あの物語も、三人称完全客観で書かれていて、主人公の心の中を一切書かないでおいたなら、読者は「ズルい」と騒ぎ立てなかったわけですね。  完全客観なら、主人公の知っていることが読者に対して「マスク」(隠す)されてても、おかしくないです。 >そして角から消えた。 >>最後の一文が、浮いている印象。 >>微笑んで、軽く手を振ってくれた。そして角から消えた。いきなりじゃん、という感じ。  いきなりですね。ここは、それでOKです。  あっさりしすぎていて、あっけなく感じている主人公の心理の描写です。  月白さんが主人公と同じ感情を抱いたのなら、描写としては、成功ですね。  ついでに、「もうちょっとこの二人を見守っていたかった」なんて傍観者としての寂しさも少しこもっていたなら、もおパーフェクトです。  ここをベタに書くなら――。  「あっさりしすぎていた。あっけない別れに、あたしは一抹の寂しさを覚えつつ。しばらくそこに立っていた。」――なんて、書いてしまうこともできますが。  それと等質の感情を読者が体験して、僕の思うところの「描写」となるように、文章を調節しました。  ベタに書いてあるのと、いまのほうと、どっちが、良いですか? ○津荒 >通知表のこと >>通知表の成績は、テストの点のみで決定します。 >>宿題の提出ぐあいとか小テストの点数が反映するのは、テストの点数でした。  えーと、すぐには理解しがたい内容だったりするのだが……。  テストってのは、他と独立して、ただ問題に正解するかどうかで計られるものだと思っていた。全部正解なら100点で、全部間違えれば0点なのだと思っていた。  宿題の提出具合なんかで、すべて間違えても、0点にならないこともあるのか。宿題提出してる良い子だと、30点が付くのか。麻雀で上がると、符の台として、20点付くのと同じ仕組みだなっ?  俺の知っていた物事が「常識」ではなかったことを、いま知って、すこし得した気分。  「50ヘー」ぐらいかな。その知識は。  相対評価を付けるのに、偏差値を使わないこととあわせて、津荒のところがかなり特殊なことをやっているだけなのかなぁ。  それともいま現在、公立も含めて、どこもそんなもんなのかしらん。  まあ、「受験物」をやるわけでもないので、成績評価のシステムなんてのは、いまのところ詳しく調べる必要もないわけだけど。  俺の書いているのは、「特殊学園物」であって、「学校物」じゃないわけだし。  なんか調べてゆくと、俺、あまりの非効率さに、発狂してしまいそうだし。  まあ、現場の人も苦労しているんだろうなぁ。「えらいひとにはそれがわからんのですよ」ってな感じで。 >カッコ良さとか >>百目は、カッコ良くしようと思っていませんでした。普通の男を書こうと……。 >>敵の女の子を、カッコ良くしようと思っていたんです。 >>変な思想と、変な精神からくる異常な余裕から、カッコ良くならないかと思っていました。  その手のパターンなら――。  「異常な余裕=剛胆さ」と解釈するとして。  もうひとつぐらい、カッコ良い属性を持っていないとならないだろ。  属性1個じゃ、フラグ立たんぞ。せめて2個は目立たせないと。  たとえば、異常なまでの天才性だとか。  たとえば、壮絶なまでに美しいとか。  たとえば、常軌を逸したほどの金持ちだとか。  百目をカッコ良くしようとしていたように見えたのは、属性が二つあったからなわけね。「妖怪能力」と「余裕(剛胆)」。まあどちらも弱いんだけど。  しかし敵の女の子を「カッコ良い」としようとしたのは、根っこの部分で失敗してるぞ。なにしろ彼女の行動原理のところが、すげぇ、カッコ悪いのだ。  だって、結局は、逃避じゃん? 生きるのがつらくて、そこから逃げるために、あんなことをしていたわけだろ? 生きるといことの答えを、苦痛に耐えて自分で探すというならともかく、夢本の力で他人を宗教に放りこんで実験材料にして、自分は安全なところから、見物を決めこんでいたわけだし。  あと、たまたま自分の元に転がりこんできた「力」を使っただけなのも、カッコ悪い。  夢本がなかったら、彼女はあんなことをしでかすことはできなかった。虎の威を刈る狐というか。他人のフンドシで相撲を取るというか。ひどく、カッコ悪いことだな。  自分で稼いだ金でスポーツカーを乗り回すのなら、カッコいいが。  親に買ってもらった車だとか。宝くじで当たった金で買った車だとか。そういうの乗り回して粋がっているヤツって、カッコ悪いと思わない? >不良とか >>将来を考えず、親のすねをかじって、夜も帰らず遊び回り、他人の迷惑を考えない青年だとしか認識していませんでした。  それが不良だとしたら、「不良中年」ってのは、どんなんだ?  60も過ぎた親の年金を頼って、その日暮らしをしているやつのこと?  なんだか。  すげぇ認識の違いが横たわっているようだが……。  津荒の言ってきているそれは、俺の言う「不良」とは違うっぽいなぁ。俺語では、そういうのは「ゴミ」とか「ガキ」とか言う。「犯罪者」でもあるかな。カツアゲって、立派に犯罪だったよね? 恐喝罪って、ムショ暮らし、何年相当だっけか。  それはそれとして、リアルで「不良っぽいやつ」を知っているなら、そこに憧れる気持ちが自分のなかにあるのなら、なぜ、どんなところに憧れるのか、もっと厳密に考えること。(不良に憧れる気持ちがすこしぐらいはあるのが、男の子ってもんだ)  憧れる部分。そして軽蔑する部分。  きっちり、切り分けて、並べてみること。  そうすれば、どこが「良い」と思っていて、どこが「嫌だ」と思っていたのか、よくわかるから。  物語的にいう「不良」ってのは、その「憧れる部分」だけを高純度にして、精錬して、結晶させたような存在のことね。  ちなみに俺のデビュー作、神に反逆した大不良の一代記だが。  あと、たいていのファンタジーの「冒険者」っていうのは、あれ、言葉を換えているだけで、つまりは「不良」のことなんだな。  ライトノベルの主人公や、そのまわりの人物たちというのは、たいていは、不良なんだぞ? 知ってた? >カッコイイ分析 >> 1 変な確信を持って行動するキャラ。(早乙女) >> 2 悪を倒す正義のキャラ。 >> 3 強大な困難に挑むキャラ。  この3つ、同じことを言ってやしないか?  なぜ悪を倒せるのか。なぜ強大な困難に挑めるのか。そのへん突き詰めてゆくと、「信念」とか、そんなところに行き着かないか?  「変な確信」ってのは、変な信念ってことだから、信念のひとつの形態だよな。 >悪を倒す正義の話  ボツ。  ダッセェ。  カッコ良くねぇ。  しかも大笑い。  なにが大笑いなのかというと……。  だって、倒してないじゃん。最後、セクハラ教師を倒したの、だれよ?  「警察」だよな? 主人公たちじゃ、ないよな?  そもそも教師と生徒という関係においては、教師のほうが圧倒的に弱い立場なわけね。セクハラされたっていう女子生徒の証言さえあれば、教師一匹、いつでも社会的に葬り去ることはできるんだ。  このへん、津荒の常識には反することで、納得いかないかもしれない。  すこし説明しておく。  「教師のほうが弱い」という、例を出してみる。  教師と生徒がラブホに入って、セックスして、それがバレたとする。  この場合、教師はクビだな。  生徒のほうは、良ければ停学か転校。悪ければ退学だろう。  しかし、だな。  教師は職を失うし、教員免許剥奪となるわけだが……。  生徒のほうは、たかだか、退学させられるだけじゃん。失うものは、どっちのほうが、大きいのだ?  どっちのほうが、自分の「現在の立場」を失うことを怖れるものなのだ?  あと――。  「結 力で押えつけようとしてくる教師を倒す」とあるが。  この教師が示した「力」ってのは、いったい、なんだよ?  プロット見ると、教師という立場を利用しての「権力」とかそういうものではなくて、たんに肉体的な力のようだが。  あっさり返り討ちにされてしまったということは、つまり、生徒のほうが「力」があったわけだろ? ケンカ慣れしているのか、格闘系の部活に所属しているとかで。  つまり、生徒「強」で、教師「弱」だったわけだな?  このように肉体的な強さから見ても、強い者が、弱い者をやっつける話だし。  セクハラ教師と、生徒という立場としても、社会的に生徒のが「強」で、教師のが「弱」だし。  お前は、弱いものが困難に立ち向かい、強い者を倒すという構図の話を考えたつもりなのだろうが……。  これでは、強者が弱い小悪党をイビリ抜いてもてあそび、最後にもう飽きたのでとどめを刺す――ぐらいの意地悪な話になってしまっているぞ?  水戸黄門パターンをやりました。というのなら、わからないこともないけど……。  (知ってる? 水戸黄門) >改善案  まず、ひとつ確認。  これは、そもそも、「自分たちよりも強い悪を倒す」てな話なわけだよね?  立場としても肉体的な力としても、弱者である生徒たちのほうが、強い者である大人の教師に打ち勝つというパターンでカッコ良さを描きたいのだよね?  ならば、まず、以下の点を改良すること。 ・警察には絶対に頼らない。 ・教師のほうを肉体的にも強くする。体育教師もプロレスラー崩れあたりにして、パワーアップ。さらに狡猾さも併せ持つか、知恵袋担当の仲間をつけること。  警察に頼れない状況を作ることで、一気に、生徒側のほうが立場が弱くなる。  保護してくれる後ろ盾(警察)を失った瞬間、子供が大人よりも弱くなるのは、物の道理だ。他の大人に頼ることができず、自分たちの力だけで解決しなければならない状況を、なにか考えろ。  さらに教師の側を、妥当な「強大な障害」となるところまで強化しろ。肉体的にも、生徒たちより強くすること。  マヌケなセクハラ教師ではなく、大人の狡猾さも充分に出して、知的な障害力も大幅に強化しろ。  ちなみにこの話の分類。「謎解き+カッコイイ+アクション」かなぁ。  しかし、アクション要素が薄いな。申し訳程度に、オマケとしてしか入っていない。  こう考えてみるといいんじゃないか? この場合のアクションというのは、つまり、「バイオレンス」というものなんだよ。暴力の匂いね。  あとセクハラ要素ってのは、「色気」になる。これは「セックス」という要素になるわな。  「謎解き+バイオレンス+セックス+カッコイイ」――あたりかしらん。  一度にあれもこれもやると大変なのだけど、読者の欲求としては、やはり、そのくらい入っているものが読みたいところかなぁ。才能測定でやるもんじゃないかな。  捜査活動的な要素を除外して、エロ要素も除外して、もっとシンプルに「バイオレンスと対決」てなくらいにしておくと、「バイオレンス(アクション)+カッコイイ」ができるかしれない。 >クラス委員の話  なんか仮題でもいいから、識別できるタイトルを付けといてくれ。「あれ」と指示するのにも困るから。 >> 起 石井をちょっと嫌がる瀬戸 >> 承 石井を見なおす >> 転 カッコ良く助けられる >> 結 石井に惚れる  上のやつの壊れっぷりから考えると、こっちのほうが、だいぶまとまっているな。  生真面目でカッコ悪いという印象が、化けて一転して、カッコ良いと認識するようになる話なわけね。  主人公が女の子なのだとすると、その価値観の反転に読者を乗っける狙いなわけか。  しかし、起承転結が変。  起で状況を開始する。  承で演繹する。(状況をエスカレートさせる。行き着く先を予想させる)  転で転換する。(予想を裏切る。予想とは違う方向に話を向ける)  結で着地させる。状況を終結させて、起点と終点を結んで、話に意味を与える。  起承転結ってのは、こういう役割を持っているわけね。  なら、ここの「承」でやることは、「もっと嫌いにさせる」ことだろ?  はじめ「嫌がる」程度のものが、エスカレートして、はっきり嫌いになるところまで行き着くわけね。ついでにいえば「嫌い」な理由は、「カッコ悪いから」というものでなければならない。じゃないと単なる「恋愛話」だ。これは「恋愛+カッコイイ」なわけだから、嫌いになる理由も、好きになる理由も、カッコ悪いから、カッコイイから――でなければならないよな。  転では、助けてくれる。――で、いいかと思う。  しかし、カッコ良く助けてくれる、ではなくて、あくまでも、助けてくれた彼のことをカッコイイと思う――だぞ。  それまでカッコ悪かったやつが、いきなりカッコ良く現れたら、それは別人ってもんだ。  彼女がそれまで「カッコ悪い」と思いこんでいたそのおなじ「属性」によって、彼女は助けられることになるのだ。そうして助けられてみて、感謝の気持ちもあって、彼女は「カッコ悪い」という認識を改めることにするのだ。  そういう点で、現在の「不良たちに襲われそうになって、助けてくれた」ってのは、ボツだな。  だって、「強い」ってのは、そのまま、「カッコ良い」ということじゃんか。  あとレイプされそうになって、助けられる――ってのが、あまりにも安直すぎ。  アクション版と差別化するためにも、ここの救助活動は、暴力以外のことにしたほうがいいんじゃないかなぁ。  まあエロっぽいので、暴力でもいいんだけど。しかし集団による婦女暴行未遂ってのは、かなり重たくならないか? やっつけて、はい、おしまい――てな簡単なものでもないだろうし。お礼参りだとか、いろいろと面倒そうだし。  まあ、酒が入っての勢いのことであり、本当はそんなやつではないのだ。てなことにしておけば、深刻にせず、軽く収めることもできるかもしれないが。  とりあえず、「集団で〜」ってのはやめとけ。しゃれにならんから。やるなら鈴木個人だけにしておけ。「おまえ、俺のこと好きなんだろ? 前から気づいてたぜ?」みたいに迫ってくるノリなら、ありそうだな。  ただ「不良っぽい鈴木」への幻滅と、彼への信頼の成立っていうのは、うまくシーソーになっていてバランスが取れている。  いいエピソードだから、「鈴木」は生かすこと。クラス委員になったきっかけでもあるわけだし。  やっぱ津荒、普通の恋愛物を書く才能、あるんじゃねーの? そうか。じつはおまえはラブラブ野郎だったのか。(笑)  自分の望んでいないところに才能が転がっていたとしたら、さあ、どうする? >才能測定とか  しかし、こうして津荒にやらせてみると思うのだけど。  適性検査もしないで、書くジャンルや、書く話を決め打ちしてしまっている作家志望者って、大勢、いるんだろうなぁ。  普通、まず色々な路線を書いてみて、そのうちで、読者のウケがもっとも良かった方面を攻めてゆくという「戦略」を、皆が「あたりまえ」に取っているものだと思いこんでいたけど。  そうか。それは「普通」じゃなかったのか。俺や他の作家の「常識」ではあっても、世間の常識ではなかったのか。  アマチュアというのは、作家志望者というのは、自分の適性なんてものを考えず、ただ、「書きたい物」を書いているだけなのか。  そうか。それじゃダメだろうな。  なにかの偶然によって、書きたいものと、本人の才能とが、たまたま一致してくれないことには――。  すると。アレか――。  「好きなもの」と、「才能」とが、まで一致しない――というか、たいてい真逆を向いているものだという「常識」も、作家志望者たちは持っていないものなのか。  うわー。怖えー。  自分の努力が無駄になることが、怖くないのかなー?  俺、努力って、大っ嫌いだから。どうせ努力するなら、身になる努力をしたいけどなぁ。 ○2号 >873 キャラ書きわけ練習、初めての喫茶店、ゆかり編  薄い。  前半半分、彼女がコーヒーを口にするまで、すべて不要。  理由→つまんねーから。  ついでに意味わからん。なにが「悪くない」のやら、まるでわからん。 -------------------------------------------------------------------------------- 不良中年から一言……(笑 No.7773 投稿日 2004年3月21日(日)22時42分 投稿者 鷹見一幸 不良品のことを、製造現場ラインの職人さんは「オシャカ」と呼ぶ。 製造工程のミスで不良品が出ることを「オシャカ」が出る。とか言うんだが、この「オシャカ」とは実を言うと「お釈迦様」のことなんだよね。  では、なぜ「お釈迦」が不良品なのかというと、この言葉は実は「鋳物師」の隠語で、鋳造で地蔵様を鋳るつもりが間違ってお釈迦様の仏像を鋳造してしまったからだ。という説がある、今のところ、これが一番有力みたいだな。  さて、人生における自己形成の製造工程で出てしまった「不良品」の人間から「悪と正義」にからんで、ちょいと一言。  俺は、まあ四半世紀その「職業的正義」というものをやっていたわけだが。悪とか正義というものは、あくまでも相対的なものなわけだよ。 「うわははは、俺様ちゃんは、悪の大魔王なのだあ!」と、登場する「悪の権化」ならいざしらず、およそ現実世界に存在する悪人は、自分のことを悪人だとは思っていない。  普通の人間、もしくは良い人間だと思っている、  たとえなんらかの犯罪を犯したとしても、自分は悪いことをしたと思っていない。その証拠にどんな犯罪者も必ず、弁解する時に言葉の頭に「だって……」という単語をつけて理由を並べ立てる。  理由は免罪符にはならないんだけど、そんなことは関係ないんだな。  だから「だって」と言っている間は絶対に反省しないし、悔い改めもしない。  自分が「悪い」と思わない人間が反省するわけがない(笑  では、なぜそういった人間は悪いことをするのか。  理由は実に簡単だ。  いわゆる「悪」というのは「利己」に過ぎない。  他人より、公共のルールより自分の利益を優先する行為。このことを「悪」という概念で言い表しているだけだ。  そして、この「利己」という概念は誰もが持っている自己保存の本能と同じものだ。  誰だって損なことはしたくない、貧乏くじを引きたくない。  痛い思いもしたくないし、自分が死ぬくらいなら、どっかの誰かが代わりに死んでくれ。と思ってる。    だから、この「利己」という概念は裁くことはできないし、断罪することもできない。  裁き、断罪できるのは、概念ではなく「行為」だけなんだな。  だから。悪人を描きたければまず、その「行為」を描かねばならない。  しかし、その「行為」が悪かどうかというのは「状況」で左右される。  テレビのニュースで鳥インフルエンザにかかったニワトリが処分されている映像を見たことがあると思う。  あの映像を見て、どう思った?  普通の人間なら、いざしらず、いやしくも作家志望だと言い切るくらいなら、あのニュース映像を見て。 『あの、処分されていくのがニワトリではなく人間だったらどうだろう』 『自分が処分される側に立ったらどんな気分になるだろう』 『自分が処分する側に立ったらどんな気分になるだろう』  くらいは考えたと思うんだよな。  な、な、思ったよな? まさかぽかーんと口開けて、ニュース見ていたとか、そもそもニュースなんか見たことありません。なんてことは無いよな?  まあいいや、俺の常識は世間の非常識だから(笑  とにかく、もしもあの処分されるニワトリが人間だとしたら、処分する、つまり虐殺する側の人間は、悪と呼ばれるだろう。たとえそれしか選択肢が無かったとしても、殺した人間の家族や友人から血に餓えた悪魔とののしられ、死ぬまで、いや、死んでも憎まれるだろう。  そして、その虐殺によってウイルスの蔓延から逃れて生き延びた人間からも同じようにののしられ憎まれるだろう。  では、その虐殺は「悪」なんだろうか?  カッコイイ。ということを理解する鍵はこの辺にある。  教室で、みんなでふざけてドッジーボールを投げ合っていたら、何かの拍子に君の投げたボールが教室にあった花瓶に当たって割れてしまった。  当然先生が怒るんだな「誰がやったの?」と。  普通のカッコ良くない人間は、しぶしぶと手を上げて、そしてこう言う。 「僕です、でも僕だけじゃありません、○○君も△△君もボールを投げてました」  そして、カッコいい人間はこう言う。 「ごめんなさい、僕がやりました」  そして、それしか言わない。一緒に遊んでいた仲間のことなど一言も言わない。  カッコイイとはこういうことをいう。  人間カッコ良く生きることはめちゃくちゃ難しい。最初から投げ出してしまった方が楽に決まってる。  だから、誰もがカッコイイ人間にあこがれる。  せめて本の中だけでもカッコイイ人間を読みたがる。  でも、本当はそうやって生きた方が実に楽しい人生を送ることができるんだけどね(笑   -------------------------------------------------------------------------------- >カッコいい No.7774 投稿日 2004年3月21日(日)23時52分 投稿者 新木 伸 >カッコいい  カッコいいということは、デフォルトなのかもしれない。  そういえば、カッコ良くない主人公や登場人物が出てくる話で、商業的に成功している話って、見たことないなぁ。  増刷もかからず、シリーズとして続編の話もなく、そのまま消えてゆく――てな感じで、商業的に失敗してそうな小説でなら、いくらか見かけないこともないけど。  ふむ。そうか。  読者というものは、どんな形であれ、カッコ良い人間の話を読みたいものなのか。  ――って、僕はいま初めて知ったくさい。  ふむ。そうか。  「主要人物がカッコ良くないと、ダメです」ってのは、これはメソッドか。ノウハウとなり得るものか。言葉で伝達可能な「コツ」となるわけだな。  わかっていない人には、すごく大事なアドバイスとなるわけだな。  ふむ。そうか。  では、ある小説がダメな理由を告知するときに、「小説になってない」とか「描写がない」とか「日本語が壊れてる」とか、そんなこと、わざわざ言う必要はないのか。  「主人公がカッコ悪いです」で、すでに、必要充分なのか。  おおむね、こういうときって、作者の小説への取り組み方がカッコ悪いんだよな。  登場人物ってのは作者の一面を写す鏡のようなものだから。作者がカッコ悪いと、登場人物ってのも、どうしたって、カッコ悪くなってしまう。  やっぱ、読める小説を書けるようにするためには、人格改造からなのかなぁ。  「登場人物がカッコ悪い」というのは、これは何次あたりで落とす理由となるのだろう。  一次で落ちるのは、日本語が壊れているのと、小説になっていないものだと思っていたけど。  ひょっとしたら、「登場人物がカッコ悪い」というのも、一次で見ているのかもしれないなぁ。これダメだったら、もう、まず、なにをどうしたって、ダメだろうしなぁ。 -------------------------------------------------------------------------------- 指摘者性能テスト中です No.7775 投稿日 2004年3月22日(月)01時12分 投稿者 月白 >ほんとうに、12本書いたんですか?  書き始めてから3〜4年までは、完成した作品を友人に見せて、ボロクソに言われた後、確かにダメだなぁと次の作品に取りかかる、そんな感じでした。あのあたりの作品には、何もありません。「手間ひま」どころか、「作者の魂」すらない。  要するに、「作家志望」ではありませんでした。  友人にも言われました。 「ダメだったら次を書けばいいとか思ってるからダメなんだよ。それが作品にあらわれちゃってる」  とか。  さすがに書き始めてから5年も経った頃になると、作品に「魂」だけは込めて書くようになりました。初めの5〜6本の作品は、今の僕自身が見ても、完全にゴミです。でも、書き始めてから5年以後の作品は、全て1次落ちですが、ゴミだとは思ってません。ゴミではないことに、微塵の疑いも持っておりません。  ただ、「手間ひま」が全く足りていないから、技術が足りなくて読者が「面白く読める形」になっていないから、ゴミと言われても仕方ない出来ではあると思ってはおりますが。 >月白の指摘者としての性能  新木さんのレスで、たいした性能がないことがバレてしまってはいるのですが。  新木さんに、レスさせていただきます。 >歩道沿いに並ぶお店は、まだ閉まっているほうが多いくらいだった。 >「の」、の連続。 >ファストフードの朝メニューの看板  新木さんの説明で納得いたしました。 >〜風に鳴って乾いた音を立てていた。  新木さんの代案で、寒々しい感が出ていると思います。 >一歩ごとに〜  確かに、早足と「しっかり歩を踏む」ということは矛盾しません。  「あたし」が歩く度に身体が軽く上下して、同時にぶかぶかのジャケットも揺れているのでしょう。「一歩ごとに」という一文があるから、「歩を進める」と同時にジャケットが揺れているという意味がとれるのだとも思います。  ですが、「一歩ごとに」という文字列から僕が受ける印象は、「早足」と対立します。僕だけの個人的な印象かもしれません。  僕的代案。  「ぶかぶかのダウンジャケットが、がさがさと揺れて、気になる」 >表記の統一  わかりました。 >文字盤をぐりっと指で押さえ込む。  自分が歩きながら文字盤を見た経験に照らし合わせて考えると、僕的には、 「ぐりっ」  という感じにはならないです。 「ぐりっ」という擬態語が、何か「回している」とかそういう感じで、「押さえ込んでいる」とか「押さえつけている」とか、そういった感じじゃないです、僕的には。  代案。  「袖の中にもぐっていた腕時計を引っぱりだす。そのまま文字盤を指で押さえつけて、時間を確認した」  新木さんの代案でも、OKです。 >直角  納得いたしました。 >気づいたときには、もう、冷たい地面に手を突いていて――。  読み返しましたが、「あたし」が「ぶつかりそうになった」くらいで倒れている理由が読み取れませんでした。お粗末な読解力で申し訳ありません。  腕時計を片手で押さえて歩いていたからか? とも推測してみましたが、そのシークエンスは既に過ぎさっておりますし。 >風が遮られていた。 >風に乗って〜  状況状態は、わかります。「女の人」のおかげで、冷たいと感じるほどの風は、もうあたってきません。風は、女の人の脇ほどから、漏れてくる程度です。  が、本文中に、「冷たい風が遮られていた」と「文字」にしてあって、その後「風に乗って〜」と明確に印字されていることに違和感を覚えました。  代案。 「彼女が立ってくれているから、もう冷たい風は吹きつけてこない。朝日を頬に暖かく感じる。甘すぎないコロンの香りが、鼻の奥に流れ込んでくる。」 >あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。  僕的には、  「あたしは、ぼかんと彼女を仰いでいる自分に気づいた」  としたいです。 >「ええと、は……、はい、大丈夫、です」  一拍息を呑んでもらっている、という説明で、イメージがわきました。 >〜不思議だった。  確かに、幾つかの路線がありますが。  「あたし」の「個性」ということならば、納得します。僕にはわからない感じ方ですが、納得します。 >〜ぶつかってこられるの。  「彼女」が「ぶつかってこられる」と感じているということならば、納得いたします。 >そのとき不意に、あたしは気がついた。〜差し伸べられていることに。  ええと、今日、ヤマダ電機のソフトウェア売り場に行って、平積みにされているゲームを見ていたのですが。「見ている」ソフトの隣に並んでいるソフトが「見えていない」んですね。ぴったりとくっついて並べられている二つのソフトのうち、片方しか見えていない。その瞬間に、隣にはなんのゲームがならべられているか? と聞かれたら、答えられない。間違いなく視界に入っているはずなのに。  で、思いました。  「主観」というのは、僕が思っていたよりも、遥かに強力なのかな? と。  視界に入っていて、「意識」しているその「僅か数センチ脇」にあるものですら、「存在」を「認識」できないくらいに。 >そして角から消えた。  直前の、「彼女は微笑んで、軽く手を振ってくれた」では、「彼女」に引き寄せられる「あたし」の気持ちがあるわけです。  「そして角から消えた」だと、その「あたし」の気持ち的な部分がまったく匂わないというか、表現として「あたし」の感情を全て剥ぎ取った、冷静で客観的な分析のように、僕は感じました。  代案。  「そして角の向こうへと、見えなくなった。」 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7776 投稿日 2004年3月22日(月)02時25分 投稿者 津荒 夕介 >>やっぱ津荒、普通の恋愛物を書く才能、あるんじゃねーの? そうか。じつはおまえはラブラブ野郎だったのか。(笑)  ラブラブ野郎なんでしょうか。(笑)  単に、カッコ良さの才能が恐ろしく低いだけな気もします。 >才能の測定  ハンターハンターというマンガに登場する能力は、「念」という名前です。  なんというか、魔力みたいなものです。  それで念には種類があるんですねー。強化系・変化系・操作系……と、6種類。  小説の才能もそれに似ていますね。  恋愛系・ホラー系・アクション系……。 >>うわー。怖えー。 >>自分の努力が無駄になることが、怖くないのかなー? >>俺、努力って、大っ嫌いだから。どうせ努力するなら、身になる努力をしたいけどなぁ。  いや、まったくです。僕はカナリ臆病なので。  ここでハンターハンターの「念」に戻るんですが、作中で才能が強化系にもかかわらず、苦手な操作系と具現化系を修練したキャラがいたんです。カストロってキャラだったんですけど。  カストロは、自分の才能と違う属性を極めたために、負けてしまうんですねー。いや、恐ろしい。 >>自分の望んでいないところに才能が転がっていたとしたら、さあ、どうする?  転がっていたのなら、その才能をのばします。  カストロになりたくないですから。 ○課題:短編作成 >夢見ぬ少女とか  かなり混乱していたんですが、この話題でどうにか先が見えました。 >>その手のパターンなら――。 >>「異常な余裕=剛胆さ」と解釈するとして。 >>もうひとつぐらい、カッコ良い属性を持っていないとならないだろ。 >>属性1個じゃ、フラグ立たんぞ。せめて2個は目立たせないと。  カッコ良さ属性!   おー……なるほど。カッコイイにも沢山ある。  その根拠になっている部分をカッコ良さ属性と言う。  新木さんが上げているのは、剛胆さ、天才さ、美しさ、金持ちさ、能力、 他にも色々あるでしょう。  単純な、「知力・体力の高さ」もカッコ良さ属性に入りますね。   >>夢本がなかったら、彼女はあんなことをしでかすことはできなかった。虎の威を刈る(借る)狐というか。他人のフンドシで相撲を取るというか。ひどく、カッコ悪いことだな。  さらに。  悪い方(情けない)に一度でも傾けば、そのキャラが金持ちだろうと、美形だろうと、なんであろうと、カッコイイにはならない。  前提として、普通の人間であることが重要ですね。  普通の人間に、様々なカッコ良さ属性を足していくと――カッコイイキャラになる。  そんで、ここまではカッコイイキャラについての話。  次は、カッコイイ話の話。 >カッコイイ話  単純な話で、  カッコイイキャラが主役で活躍すれば、それで良し。   >不良とか  うーぬ。  不良=冒険者、了解です。 >>それはそれとして、リアルで「不良っぽいやつ」を知っているなら、そこに憧れる気持ちが自分のなかにあるのなら、なぜ、どんなところに憧れるのか、もっと厳密に考えること。(不良に憧れる気持ちがすこしぐらいはあるのが、男の子ってもんだ)    つまり、冒険者っぽいやつの、どこに憧れるかを考えろということですね。 >冒険者とか  カッコイイ属性は…… 1.能力(魔法とか) 2.いきいきしている。 3.信念を貫いているところ。 4.体力・知力に優れている。    逆に軽蔑するところ。 1.自分本位。 2.安定しない人生。    どんなカッコイイ要素でも、悪く取ることができる。  読者に悪く取られないように、気をつけよう。 >2号さんの指摘  カッコイイキャラは、話を通してカッコ良くあるのが、直球である。(生徒会長のお仕事(仮)について)  なるほど。 >悪を倒す正義の話。(題:生徒会長のお仕事(仮))  なんというか、すいません。水戸黄門タイプなんです。 >>なにが大笑いなのかというと……。 >>だって、倒してないじゃん。最後、セクハラ教師を倒したの、だれよ? >>「警察」だよな? 主人公たちじゃ、ないよな?    証拠を突き付けられて、暴走した悪代官(田部)を倒すのは、ご老公(主人公)です。  代官を最終的にこらしめるのは、代官の上司(警察)です。  黄門さまパターンなら、警察もアリですよね。 (しかし、「ええ!? 黄門だったの!?」と驚く人々と、悪事に苦しむ町人の悲哀がないのは、力不足だなぁ)  起 困っている人を知る  承 調べる  転 犯人がわかる  結 こらしめる  キャラ  主人公 男 赤城 正宗(あかしろ まさむね)カッコイイ 強い 生徒会会長  悩む生徒 女 北谷 リエ(きたや りえ)感情的になりやすい  悪い先生 男 田部 太郎(たべ たろう)体育教師 強い  起   起 生徒会室で仕事をしていると、友人の北谷が飛び込んで来る。   承 事情を聞く。田部に卑猥なことをされかけたと言う。   転 証拠が欠けていたが、手伝うことを承諾する。   結 喜ぶ北谷。  承   起 田部の噂を調べる。なんだか怪しくなってくる。   承 田部と話す。   転 必死に弁解する田部。カメラとかが露骨に怪しい。   結 赤城は忍び込むことを決意する。  転   起 北谷を巻き込まないように、演技する。北谷はしぶしぶ家に帰る。   承 夕方、帰った田部の部屋(体育教師の部屋)に忍び込む。ロッカーをピッキング。   転 人が来ておどろくが、北谷だった。(スリル用)   結 脅迫写真が見つかった。  結   起 戻って来ていた田部が、北谷を気絶させる。   承 赤城は説得を試みる。興奮した田部は聞こうとしない。    転 田部を倒す。   結 警察と、救急車を呼んだ。    ほとんど一緒です。  2号さんから受けた指摘部分を変更しました。 >>普通に襲ってくるやつを普通に倒すのは、当たり前なんじゃないでしょうか。  田部を強いことにします。強い田部を倒せる主人公は、カッコイイ!(ハズ)  調べる話+カッコいい話+(少しだけアクション)    謎解きまではいかないと思います。調べるだけだし。  謎解き+カッコイイなら名探偵コナンですね。 >「弱い」生徒が「強い」教師を倒す話  これ……、かなり難しいと思います。(だから避けたんですけど)  まず生徒が教師より「弱い」になる環境。学校を外部から隔離する必要があります。そうすると普通じゃなくなる。普通じゃないのはダメです。  また、設定をクリアしても、肉体的知能的に「強い」教師を、「弱い」生徒たちが力を合わせて倒すというのは――おもしろそうではありますが、難しい。  キャラも多くなるし……。  短編で扱うのは、辛いと思います。 >恋愛+カッコイイ話(題:彼氏のほんと(仮))  まず、起承転結がおかしかった。ので、直します。  起 石井を嫌がる   承 嫌いになる  転 助けられる  結 好きになる >>それまでカッコ悪かったやつが、いきなりカッコ良く現れたら、それは別人ってもんだ。 >>彼女がそれまで「カッコ悪い」と思いこんでいたそのおなじ「属性」によって、彼女は助けられることになるのだ。そうして助けられてみて、感謝の気持ちもあって、彼女は「カッコ悪い」という認識を改めることにするのだ。  ふむふむ。  起  瀬戸の初期カッコイイは、「遊び人風で・顔が良い」。  だから「真面目・無愛想」を嫌う。  承  石井が上手くクラスをまとめるのは、なし。鈴木がまとめる。  鈴木をさらに好きになり、石井をさらに嫌う。  転 >襲うの禁止 >>ただ「不良っぽい鈴木」への幻滅と、彼への信頼の成立っていうのは、うまくシーソーになっていてバランスが取れている。 >>いいエピソードだから、「鈴木」は生かすこと。クラス委員になったきっかけでもあるわけだし。  鈴木を出すのはよろしい。  しかし、襲うのはよろしくない。  むむ。  すると残るは、口喧嘩・悪い噂を聞く・暴力・仕事放棄。  口喧嘩・噂・仕事放棄だと、確かに幻滅はしますが、そこから「石井を見直す」にはならないんですよ。  遊び人っぽくてプレイボーイなのが、ダメだと考えるようになって、そこで停止してしまう。  石井は、落ちこむ瀬戸に無愛想に仕事を回すだけだから、余計に嫌われるだけでしょうし。  だから、やっぱり力で助けるというのが必要。  酔った鈴木(本当は良い奴)が襲ってくる。「俺のこと、好きなんだろ? 知ってるんだぜ?」レベルで。  ここまでで、鈴木を大分好きになっているので、鈴木に言い寄られたら受け入れそう。  それは困るので、鈴木の良さを吹き飛ばす「悪い部分」を出す。 1.酒に酔っていて、だらしなく、ぜんぜんカッコ良く見えない(顔が)。 2.仲間と一緒に襲おうとしてくる。 3.遊びの女にすると、明言される。 4.ブスとか言われる。 5.乱暴にしてくる 6.文化祭をけなす    2はダメだから……、それ以外を全部使う。(酒の勢いで)  そうすると瀬戸は鈴木を嫌う。  ……で、石井が駆けつける。真面目だから酒も飲まない、真面目だから時間に厳しく、買出しに出たきり中々帰ってこない瀬戸を探していた。そんで助ける。 >2号さんの指摘で「助けるのなんて当たり前」というのがありました。  もっともです。  ですから条件を足します。  瀬戸は一人で買出しに行き、石井は教室に残っている。瀬戸は、石井のいる教室から大分離れていて、人気のない場所で襲われる。  こんなんでどうでしょう。  さらに瀬戸からすれば、絶望的なその状態から助けてくれた人(真面目によって)は、かなりカッコ良く見えます。  暴力から救う。  こういう理由アリなら、OKじゃないでしょうか?  ダメなら、まず不良っぽいのを好きになるっていうのを変更しないと……。  結   さらに無愛想であるが、その下には良い人が隠れていると知る。  「大丈夫か?」とか訊いてくるから。  で、惚れる。  キャラクター名(仮)  石井 啓治(いしい けいじ) 真面目+無愛想  瀬戸 百合(せと ゆり) 普通にオクテ気味  鈴木 美樹(すずき よしき)不良っぽい 起  起 クラスで委員募集。  承 意識している不良っぽい男――鈴木に囃し立てられる。  転 立候補する。  結 石井とペアとなる。後悔する。 承  起 文化祭が近づく。  承 クラスをまとめられるか不安。  転 鈴木がまとめる。  結 とくに活躍しない石井を嫌う。 転  起 準備をする。  承 学校に遅くまで残る。  転 一人でいる時に、酒を飲んだ鈴木に言い寄られる。+襲われる。  結 石井が駆けつけて助ける。(真面目だから) 結  起 仕事を続ける。  承 石井と話す。  転 石井に惚れているのに気づく。  結 文化祭終了。  あらすじ  瀬戸は不良っぽい生徒鈴木に少し好意を感じていた。(恋に恋している感じ)  鈴木に囃し立てられて、クラス委員になる。相手は無愛想な石井だった。衝動的に立候補した自分を呪った。  文化祭が近づく。瀬戸はクラスをまとめられるか不安だったが、鈴木がまとめてくれる。さらに好きになる。石井はとくに活躍しない、無愛想なだけなので嫌いになる。  文化祭前夜。二人は最後まで残って出し物を作っていた。外は暗い。瀬戸は一人で買出しに行く。酒を飲んで酔った鈴木に、瀬戸は襲われかける。そして鈴木のダメな部分を知り、幻滅する。暴力的な鈴木に屈服しそうになる。  わざわざ探しに来てくれた石井が来て、鈴木を倒す。  無愛想なままでクラスに戻り、準備を始める石井。途中、瀬戸に「大丈夫か?」と訊いてくる。瀬戸は石井に恋をする。  恋愛+カッコイイです。 >鷹見さんの書き込み  アドバイスありがとうございます。  カッコイイ人間とは、道徳的である。  ……と読み取りました。  正しいのかな……。考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 殴っていいかな……(顔は、にこにこ笑って目はマジで「) No.7777 投稿日 2004年3月22日(月)03時37分 投稿者 鷹見一幸 道徳的。なんて言葉は捨てろって。 そんな主人公がマジにカッコイイと思ってるなら、カッコイイ話は死んだって書けない。少なくとも「向こう十五年間確実に書けない」。  信用できないなら、その旨を書いた保証書をプリンターで作って署名押印して送ってやるから、部屋のどこかに飾っておくといい(笑  まあ、文脈を読み取れなかったのなら仕方ない、わかりやすく分解しよう。  これでわからないとなると、俺にはお手上げだ。  保証書の文面を考えるとしよう(笑 まず、カッコイイ人間の要素として基本的な条件がある。 1・ 「自己の価値観が他人に左右されない(自己が確立している)」  言っておくがこの価値観とはいわゆる「利己的価値観」ではないよ  他人の評価は聞くけど、それに左右されない何かがあるということ。  世俗的な「いい子」とか「いい人」という評価とかいう価値観なんかまったく気にしないで生きていける自分なりの価値観があるということだ。 2・ 「自分の利益と、それ以外の利益を天秤にかけることができる」     ここんところをよく読め「天秤にかけることができる」であって他人の利益をとることができる、とは書いていないだろう? なんでだと思う?  他人をあくまでも優先するような人間は「大嘘」だからだ。  そんな人間はいやしない、いたら超人だ、サインくれ家宝にする。  あえて必要があって作るならいざしらず、そんな嘘くせえ人間の話なんか読みたくないだろう?  ……だから「でたまか」は、つまんない、って言われているんだけど、ラストまで書かなきゃ答えは出せないから仕方ないとして……話がズレた(笑  でも、ここで、悩むにしろ何にしろ、少なくとも心の中に天秤ばかりが存在していることが必須条件だ。  なぜならカッコイイ要素の無い人間は、この天秤が最初から無い。  「自分の利益」しかない。  だから「天秤」を持っている、それだけでカッコイイ人の資格はあるんだ。 3・ 「理由を他人に求めない」  これは1の理由に良く似ている、重なっている部分もあるけど、あえて別項目にした。  どんな結果も、評価も受け入れて、自分で受け止めて背負う覚悟がある。  よほど確固とした自己が無ければこれはできない。  でも、できる人間はいくらでもいる。だから世の中はちゃんと動いている。 4・「以上のことは、その人間にとっては「あたりまえのこと」であり『特 別なこと』とか『偉いこと』とか『優れている』などと夢にも思わない」  なんのことはない。俺が今まで並べてきたことは「あたりまえの人間」だということだ。  特別「道徳的」でもなんでもありゃしない。  お前の父親や、バスの運転手さんや、ガソリンスタンドの店員さんやコンビニのレジのバイトの人と何一つ変わらんのだよ。  お前の父親は「誰からか褒められたくて」仕事をしてるのか?  バスの運転手さんは「偉いですね」と言われたくて仕事をしてるのか?  ガソリンスタンドの店員さんはどうだ? コンビニのレジのバイトはどうだ?  みんな「あたりまえのことをあたりまえにやっている」だけだろうが。  カッコイイとはそういうことだ。  「あたりまえのことをあたりまえにやる」  これがカッコ良くなくて何がカッコイイんだよ。  でも、小説はドラマだ。  だから、それを際立たせなきゃならない。  際立たせるにはどうしたらいい。  アクシデントを起す。  実話だっていっぱいあるだろう、アクシデントの中であたりまえの行動した人のエピソードが。  だから、カッコイイ人、ってのはな 「あたりまえのことをあたりまえにやる」の前か後ろにこの一言をつけるだけで出来上がるんだ。 「どんな時にも」  それだけのことだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- そろそろ No.7778 投稿日 2004年3月22日(月)09時14分 投稿者 名無し君2号  短編を書かなきゃなあ。  とりあえず数をこなさなきゃいけないよ。だって書いている量が足りないもの。 >1000字課題  ホラーとは離れました。  No.116「まだまだ甘い」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=874&e=res&lp=550&st=0  掏摸の主人公が、捕まりそうになった半人前の女子高生掏摸を、助ける話。 >キャラ書きわけ練習、初めての喫茶店、ゆかり編 >>薄い。 >>前半半分、彼女がコーヒーを口にするまで、すべて不要。 >>理由→つまんねーから。  ならば濃くしましょう。  理由がつまんないからとは、非常に簡潔でわかりやすくていいですね。ちくしょう。 >>ついでに意味わからん。なにが「悪くない」のやら、まるでわからん。  一回目は味が「悪くない」。二回目は店の雰囲気が「悪くない」だったりしますが、こんなところでそれを説明していても詮ない話なので全とっかえいたしますが、かといって大げさにしすぎると悪魔の毒々モンスターだし、まったくどないすんべえな。  ともかく、書き直します。 >月白さん  ぶしつけなお願いですが、月白さんが書かれた作品を、私に読ませてもらうわけにはいかないでしょうか? できれば最新作、それが叶わないならひとつ前の作品でもかまいませんけども。  月白さんが、いままで自分が書いてきた小説を、完成度が低いから人には見せたくない――そう考えているのはわかってます。わかっていてこんなことを書いているのは、興味が湧いてきたからです。  小説にはその作者の人となりが出てきます。  思想や嗜好、道徳観、人生――作者固有の汁というのでしょうか、毒といったらなおわかりやすいのかもしれませんが、それが染み出てきます。「魂」がこもっているならなおさらですよね。  つまり、書いたものを読めば、その人がどんな人なのか、すこしだけわかる……かもしれない。  どんな人なのだろう、どんな話を書くのだろう。いままで長編を12編も書いてきて、おまけに「魂」もこもっているなんて……ああ、読んでみたいィ!  指摘者としてうんぬんも、それで一発解決しそうな気もします。  まあ、小説を書く能力と、小説を指摘する能力とは、決しておなじじゃないんですけども。でも参考にはなるかなと。  無理にとは言わないです。  読ませてくれといいつつ、つまらなければ読み捨てますし。  ええと、気が向きましたならば、ぜひ。 >津荒さん  なにやら怒られてますね。  どれが地雷だったのかな……「道徳的」かな。  おそらく津荒さんは「クソッタレ、いまに見てろ」となるより、「はうはうはう」となってしまうんじゃないかと思います。今回はいったいどんな反応でしょうか。  謝罪する必要はない。  私なんかはそう思いますが、その判断は津荒さんにおまかせします。  ここで大切なのは、津荒さんの意図せぬ挑発にのって、わざわざプロが、じつにわかりやすく解説してくれているんですから、こんどこそは間違えぬよう、なるべく多くの意味を拾いとることじゃないでしょうか。それができればねえ、謝ることなんか、べつにねえ。  この場合は、どんな反応をするのが、カッコイイのかなあ……。  レスには2時間。 -------------------------------------------------------------------------------- はっはっは No.7779 投稿日 2004年3月22日(月)13時54分 投稿者 新木 伸  はっはっは。  鷹見さんが怒ってる怒ってるゥ。  しかし、なぜ俺は笑うのだろう。  鷹見さんの書きこみを読んで、ほほえましく、笑っていたりする。  2号もフォローしていたし、ここは静観の構えだな。  うん。そうだな。見ていよう。  津荒はどう「カッコ良く」返すのかなっ? >鷹見さん  そういえば鷹見さん。  鷹見さんのほう、締め切りはどうですか? 明けたのでしょうか?  僕のほうは今月一杯までかかりそうな気配ですが。  飲み会とか、どうしましょうか?  あと手が空いていましたら、狙撃用のライフルやその弾丸に関することと、ロマンスカーに関してのことと、二、三、質問させてもらいたいのですけど。  入稿しちゃって、著者校時に直してもかまわないような、用語や名称部分のところなので、4月終盤頃でも、ぜんぜんかまわないのですが。 >月白さん >一歩ごとに〜 >>一歩ごとに、ぶかぶかのダウンジャケットががさついて気になる。 >>ぶかぶかのダウンジャケットが、がさがさと揺れて、気になる。  「がさがさと揺れる」じゃ、まんまじゃないですか〜。  僕のほうでは、ダウンジャケットが揺れている、なんてことは、どこにも書いていませんよね? よーく、見てください。  ね? 書いてないでしょう?  しかし、月白さんは、あれを読んで、「揺れている」と思ったわけですよね? 「がさ」は一回ではなく、何回も連続していて、「がさがさ」となっているのだと、そう感じたわけですよね?  それは、なぜですか?  僕はそんなこと、どこにも書いてやしないのに……。どうして月白さんは、「何度も揺れているのだ」と思ったのですか?  書いていないことが、伝達されている。――どこに、その秘密があるのですか?  がさがさと揺れていることを、そのまま、ベタに書いてしまうのが良いのですか?  その代案は、俺的に、却下です。 >>読み返しましたが、「あたし」が「ぶつかりそうになった」くらいで倒れている理由が読み取れませんでした。お粗末な読解力で申し訳ありません。 >>腕時計を片手で押さえて歩いていたからか? とも推測してみましたが、そのシークエンスは既に過ぎさっておりますし。  あ、それは読み取れなくって、いいんです。  これは一人称ですから。主人公の覚えていないことは、書けませんので。  それが「主観」ってものです。  この主人公は、自分がなぜ倒れているのか、覚えてないんです。覚えているのは、自分がぶつかりそうになったことと、すでに倒れていて、地面に手を突いていることだけです。そのあいだの出来事は、主人公にとっては存在していません。  月白さんが本屋で体験したことと、同じです。  「いま手に取った本の、その隣の本はなに?」と聞かれたって、一人称の主人公は、答えられないのです。  三人称であれば――。 「彼女はいつものように、名無し君2号の本をまっさきに手に取った。その隣には彼女好みの美青年が表紙に描かれた本もあったのだが、いまの彼女には、まったく眼中になかった」  ――とか、「彼女」の視界の外にあるものも書くこともできますが。  一人称では、認識していないものは、存在しないのです。  もちろん、作者である僕は、どうして彼女が転んだのか知っていますけどね。  しかし、それが読み取れるように書いちゃっていたら、一人称としては壊れていることになります。  なので、書きません。 >風に乗ってくるコロン  遮られているはずの風を、強く感じすぎるということですね。  なら、こうしますか。 (月白代案)  彼女が立ってくれているから、もう冷たい風は吹きつけてこない。朝日を頬に暖かく感じる。甘すぎないコロンの香りが、鼻の奥に流れ込んでくる。 (新木代案)  彼女が立ってくれているせいで、冷たい風が遮られていた。朝日を頬に暖かく感じる。破片となった風が、甘すぎないコロンの香りを鼻にまで運んできた。  代案を示されると、意地でも越えてみせるのが、作家ってもんです(笑)。 >あたしは、ぽかんと彼女を仰いでいた。 >>「あたしは、ぼかんと彼女を仰いでいる自分に気づいた」  この代案は、却下。 >そして角から消えた。 >>直前の、「彼女は微笑んで、軽く手を振ってくれた」では、「彼女」に引き寄せられる「あたし」の気持ちがあるわけです。 >>「そして角から消えた」だと、その「あたし」の気持ち的な部分がまったく匂わないというか、表現として「あたし」の感情を全て剥ぎ取った、冷静で客観的な分析のように、僕は感じました。  う〜ん? こうしたほうがいいってこと? (月白代案) >>彼女は微笑んで、手を軽く振ってくれた。そして角の向こうへと、見えなくなった。 (新木 原文) >>彼女は微笑んで、手を軽く振ってくれた。そして角から消えた。  月白代案じゃ、だめじゃないですか?  ここでの狙いは、痛さ、というか、喪失感というか、もっと一緒にいたかったっていう名残惜しさというか。そういうものですから。  だから、乾かして、文と言葉を短く切りつめて、客観的に冷静に、冷たく書くのです。  微笑みを与えてくれて、手も振ってくれている。  それがぱっと消えてしまうから、喪失感があるわけです。ずきんと心のどこかが引っかかれて、傷むのです。  単に、自分好みの柔らかな読後感に変えたいだけなんじゃないのかなぁ?  僕がなにを狙って書いているのか、理解して、指摘して、代案を出してくれています?  月白さんの好みの路線に直せというのなら、ノーサンキューですが。  指摘するという行為と、自分好みにねじ曲げる行為との違い、わかっています? ○津荒 >不良の考察 >>うーぬ。 >>不良=冒険者、了解です。 >>つまり、冒険者っぽいやつの、どこに憧れるかを考えろということですね。  ちゃうわい。  津荒が憧れるという友人のY君とやらをよく観察して、自分がどこを「カッコ良い」と思っているのか。どこを「カッコ良くない」と思っているのか。それを腑分けしろと言っているの。  話の中の冒険者なんてのは、全身カッコイイに決まっているだろ。腑分けしたら、カッコいいピンク色内臓しか出てこないよ。  現実の不良なら、腑分けして解体したら、ヤニで真っ黒な肺とか、カッコ悪いところもいっぱい出てくるはずだ。  そうして身近な人物を腑分けすることで、「カッコ良い」のはどこだったのかが、はっきり、掴めるわけ。 >悪を倒す正義の話。(題:生徒会長のお仕事(仮)) >>なんというか、すいません。水戸黄門タイプなんです。 >>証拠を突き付けられて、暴走した悪代官(田部)を倒すのは、ご老公(主人公)です。 >>代官を最終的にこらしめるのは、代官の上司(警察)です。 >>黄門さまパターンなら、警察もアリですよね。  主人公が、じつは高校生ながら警視総監でした、とかいうのなら、アリだろうな。  もしくは学園に潜入していた「スケ番刑事」でした、とかさ。「スケ番デカ」も、津荒は知らんのだろうなぁ。水戸黄門の亜流で、一匹狼で、現代版なのだが。  おまえ、水戸黄門パターンって、なんだかわかってないのだなぁ。  わかってないのに、口だけ調子を合わせていると、そのうちパンチが飛んで――前歯全部入れ歯にしなきゃならなくなるぞ?  ――って、そうやって脅しちゃうと、またビビっちゃって、「ごめんなさいごめんなさい」って鼻水垂らしてカッコ悪くなっちゃうから、脅かさないでおくけど。  この主人公ってのは、一介の生徒会長なわけだろ?  悪徳教師の上司が警察となるのが、よくわからんのだが……。  まあ社会的に制裁を加えるという意味で、上司といえなくもない。  そこまでは、いい。  しかしこの上司は「悪代官」の上司であって、主人公の上司じゃないんだよな。  すると主人公は、なにをやったことになるのか。  ヤツの上司にチクって、悪代官を懲らしめてもらったわけだよ。  それは、カッコいいのか? どうなのだ?  チクりってのは、カッコイイのか? どうなんだよ?  「社会の仕組み」なんてものを武力として利用した時点で、もうカッコ良さは消滅するのだと、そう思え。  唯一の抜け道が、水戸黄門パターンなわけね。  あれは「先の副将軍」という立場を利用しているにも関わらず、カッコイイわけだよ。  それは黄門様が警視総監だからだ。借り物じゃなくて、本人の力だから。  徳川家というのは「社会の仕組み」を作りだしている側なんだな。  だから印籠の威光は、借り物じゃないわけ。  だいたい、チクってないだろ? >避ける展開  まあ、弱い側が強い側を倒すってのは、あり得ないところがおもしろいところではあるけど、難しいだろうなぁ。  それは避けていいけど。  強いやつが弱いやつを倒す話でもいいから、せめて、自分たちだけで片づけるようにしろよ。他を頼らせるな。  チクり禁止な。  しかし、無理に教師を倒しにいかないでも、生徒同士の戦いにしたらいいのでは? >長篇の尺度 >>また、設定をクリアしても、肉体的知能的に「強い」教師を、「弱い」生徒たちが力を合わせて倒すというのは――おもしろそうではありますが、難しい。 >>短編で扱うのは、辛いと思います。  しかし長篇で扱うネタでもないわな。  長篇では、どのくらいのことをやるのかというと――。  そうそう。「COOLDOWN/伊達将範」、読め読め。  これ、一介の男子高校生が、学園を占領した武装テロ集団を、なんの武器も持たずにすべて始末してゆくという――学園版ダイハード、吸血鬼風味、の話だから。  1冊で完結。  敵は銃で武装している大勢のテロリストってだけでなくて、そのボスは人外の力を持つ吸血鬼なわけね。だが、この主人公、自分一人とヒロインとのふたりだけで、勝つわけよ。  もちろん、単なる高校生。特殊能力なんて、一切なし。  長編だと、このくらい、詰めこむもんだ。  んで、ここまでやっても、商業出版においては、「ちょびっと売れた」ぐらいしか行かないわけだが。 >恋愛+カッコイイ話(題:彼氏のほんと(仮))  ばかたれ。  話を別物にしてくんじゃねぇ。  いまやっているのは、「石井を嫌だと思い、嫌いになってから、好きになる」話なわけだろ。  それがどうして、「鈴木が気になり、好きになってから、嫌いになる」話になってるんだよ?  お前のミスは簡単な原因からきている。  石井という人物がイメージしにくいから、鈴木のほうばかり、考えていったわけね。  そしたらいつのまにか、話の主役を握っちゃったのは鈴木のやつになってしまったわけだ。  そりゃ、そうだ。  作者が思考リソースをいちばん費やした相手が、その話の最重要キャラになるのは、当然だ。  もっと石井のことを考えろ。キャラ配置的には、鈴木の3倍ぐらい、石井のことを考える必要がある。  石井。……3  瀬戸。……2  鈴木。……1  これが、思考量の適正割合だ。  しかし、いまのおまえは、こんな割合でしか考えていない。  石井。……0  瀬戸。……0  鈴木。……1 >>鈴木を出すのはよろしい。 >>しかし、襲うのはよろしくない。 >>すると残るは、口喧嘩・悪い噂を聞く・暴力・仕事放棄。  なんで、4つしか残らないんだよ?  アイデア出し、しろってーの。10個ぐらいは出せよ。俺なら100個でも出せるぞ。  必要な縛り条件は、以下の5つだ。 ・瀬戸に鈴木を幻滅させること。 ・瀬戸の手には負えない事態であること。 ・石井がフォロー or リカバリーして、事態を収拾、解決させること。 ・石井が鈴木を更正 or 改心させること。(クラスで取り組むのが文化祭だから、鈴木を除け者にしては解決しない) ・石井の真面目さからくるものであること。  鈴木が襲ってくる路線だと――。  鈴木をぶっ飛ばしたら、たしかに瀬戸は助かるかもしれないけど。  だが鈴木はそのあと、クラスから村八分だよな。ブイブイいわせていた状態から、一転して、皆のイジメ対象になっちゃうかもしれない。お葬式ごっことか、やられちゃったりしちゃってな。  石井は、瀬戸も救わなければならないのだが、同時にぶん殴った相手も救わなければならないだよ。  そうでなければカッコ良くないし、瀬戸だって惚れっこない。  英雄ってもんは、ヒロインと世界と、両方救わなければならんのだ。  ヒロインだけ救って、世界のほうは知らないので滅ぼしちゃっときました――って、それは、カッコイイのか? どうなんだ?  ちなみにここでいう「世界」ってのは、高校のクラスの話なんだから、「世界」=「クラス」なわけだよ。クラスにいる全員のことだよ。  もちろん、鈴木も、含むのだ。  こいつ、クラス委員だろ? クラスをまとめて、引っぱる責任があるんだろ?  鈴木もクラスの一員だよな? ぶん殴って、放り出して、それっきりで済むわけはないよな? >2号 >>874 1000字課題、3/22分、No.116「まだまだ甘い」(2000文字)  カッコいいじゃん。  しかし「掏摸」って、これどう読むの?  この男と、この女子高生とのバディものっぽい師弟もので、長篇で書くというなら読みたいところだな。  ほのかな淡い恋愛風味で。文体はハードボイルド的で。この女子高生とも、他のお姉さんとも、ベッドシーンが何回か適度にあったりすると、オジサンとしてはうれしいが。しかしエロは中高生としては、どうなんだろうな。電撃ではポルノ近いところまでいってもOKってな話だが。「おねがい☆ティーチャー」のベッドシーンは凄かったが。ホントにヤッてたよー。  あと展開として、長編なら、なんかサスペンスのひとつもないと、持たんだろうな。  しかし、文章、やっぱり薄い。無駄が多いって意味ね。  3分の2で書けるはずだな。現在3ページ。これは2ページに収まるし、そうすれば読めるようになる。  もしくは5ページ程度で書くか、どっちかだな。  長編主体にするなら、長編用の文体ってのがあるわけだ。  ひとつの展開から、べつの展開に移るときに、溜めが足りない。いきなり移ってしまっている。  そのせいで目が流れる。  もう次のシーケンスに移っているのだ、ということに気づいた頃には、次のシーンの半分ぐらいを読んでしまっている。それらは「シーンが変わった」ということに気づかずに読んでしまっているために、頭に入ってくれない。  そして印象に定着することはなく、「なんだか印象の薄くて、良くわかんない話だった」となってしまう。  シーンが変わるときには、シーンが変わることを示すサインがいるのだ。  この話がいくつのシーンによって構成されているのか、分析して、2ページ分増量するのであれば、どこにどのように行数を加えるべきなのか、プランを立ててから、リライトすべし。  あと、次からこの手のもの(起承転結込み、描写、オチ、キャラ立て完備)をやるときには、はじめから3500字ぐらいで書いてみそ。それでちょうど文庫本5ページぐらいだから。  40行詰めで、85行な。  ワンシーン、起承転結を長編文体で押しこめると、だいたいそんな文字数になるはずだ。  文庫本のはじめの5ページで、状況を作り上げ、キャラを立て、事件を起こし、なおかつ収束させる――。  これができないと、読み捨て確定だから。  5ページ読ませ切って、つづきも読みたい――と感じさせないと、ダメだから。  あ、こんなのどうだ?  まず5ページ、書いてくるわけよ。  誰かが「次読みたい」と言ってきたら、次、書けるわけよ。誰もなんにも言わないでスルーしてたら、またべつの話の書き出し5ページを書いてくるわけよ。  40回ぐらい連チャンできたら、長編一冊分、書かせてもらえることになるわな。 -------------------------------------------------------------------------------- 分室から退室いたします No.7780 投稿日 2004年3月22日(月)13時58分 投稿者 月白  月白です。  いきなりですが、ここ数日体調がすぐれないので、とりあえず分室から退室いたします。短い間ですが、お世話になりました。また参加する機会があるかもしれませんが、そのときはよろしくお願いいたします。 >2号さん  僕の作品は、「よみかく」の本棚に残ってます。そちらをご覧ください。 -------------------------------------------------------------------------------- 鳥インフルエンザ No.7781 投稿日 2004年3月23日(火)01時16分 投稿者 弟切 千隼  鷹見さんのNo.7773の書きこみを読んで、弟切は、タイで鳥インフルエンザが発生した時のニュースを思い出しました。  病気の蔓延を防ぐために、タイでは、生きている鶏を大量に殺さなければならなくなりました。突然のことゆえ、殺処分用の設備が足りず、生きている鶏をそのまま地面に埋めているという話でした。  弟切は、このニュースを聞いて思わず涙しました。殺される鶏も、殺す人も、どちらもひどく哀れに感じたからです。  残酷な殺され方をする鶏は、むろんかわいそうです。けれども、それ以上に、「ピヨピヨ」とか「コッコッ」とか元気に鳴いている鶏を埋めなければならない人々は、どんなにかつらいだろうと案じました。  タイは敬虔な仏教徒が多い国です。仏教の基本思想である輪廻[りんね]思想(注1)が、人々の間に息づいています。自分の親族の生まれかわりかも知れない鶏を、生き埋めにするなんて、PTSD(注2)で苦しむこと必須だろう、と気の毒になりました。 注1:輪廻思想  いわゆる「生まれかわり」があるという思想のことです。仏教における輪廻思想では、ヒトが他の生物に生まれかわることも、ヒト以外の生物がヒトに生まれかわることもあるとされています。「ヒトとその他の生物との間で、命の重みに違いはない」という仏教の考えがよく表われた思想です。 注2:PTSD  「Post-Traumatic Stress Disorders」=「心的外傷後ストレス障害」の略です。大きな災害などに遭って、強いストレスにさらされた後に起こる心の病気ですね。心の傷となった場面が突然思い出されてパニックに陥ったり、感情が不安定になって他人とのコミュニケーションがうまくできなかったり、といった症状が表われます。 月白さんへ >  予定より早く退室されるとのことですが、ROMはされるのですよね?   せっかく御指摘をいただいたので、読まれていることを期待して、レスします。お返事はしていただかずとも結構です。  No.7764の書きこみに対するレスです。遅れて申し訳ありません。 >>>商店街のお店は、まだ閉まっているほうが多かった。 >> 意味の問題ではなくて、「純粋に日本語の文章として不細工ではないですか?  (月白さんのNo.7764の書きこみより。以下の引用はすべて同じ)  意味ではなくて、形の問題ですね。それなら、月白さんの御指摘どおりだと弟切も認めます。弟切の文章は不細工です(;_;)  弟切は、「自分の書く文章が美しい」などとは、一度も思ったことがありません。できれば、美しいと言われる文章を書けるようになりたいと考えています。  とはいえ、新木さんが指摘されているとおり、「美しい文章」は、商業小説の売り上げに大きく関わるほどの影響力はないようですね。それよりは、「読みやすい文章」や「わかりやすい文章」のほうが、よほど影響力があるようです。  ですから、弟切はまず、「読みやすい文章」や「わかりやすい文章」をきっちり書けるように修行します。これらがまともにできるようになったら、「美しい文章」を目指してみようかと考えています。  その前に寿命が尽きそうな気がしますが(^^;; >>>ダウンジャケットががさついた。 >> 文章のリズムを優先させるということなら、直前の「あたしは少し速足で、看板の横を過ぎた」からも読点をとったほうがよいかと思われます。  うーん、これは……感性の違い、としか言いようがありませんね。月白さんと弟切とでは、リズム感が違うのでしょう。 >>>頭の上から、澄んだ声が降ってきた。 >> 狙った効果はともかく、「頭の上から〜」と書けば、読者は「頭の上から〜」と思います。物理的に頭の上から降ってこないはずの声を、「あたし」がそう感じるはずのない声を、「頭の上から」と書くのはまずいんではないか、と。  純粋に物理的な表現をすれば、視点キャラクターの「頭の上」ではなく、「額の前」あたりから声がしたというのが正しいです。  しかし、この作品は一人称で書かれています。作品中の表現には、全て視点キャラクターの心理的要素というフィルターがかかっています。  この部分は、先に説明した「美人効果」という心理的なバイアスがかかっています。ゆえに、「頭の上」から声が聞こえた、と視点キャラクターが感じています。 >>>甘すぎないコロンの香りが〜 >> コロンの香りがどうこうではなくて、「甘すぎない」という消極的な言葉と、「広がった」という積極的な言葉を同じ一文の中で使うのに、読者としての僕が違和感を覚えたということです。  ここの文は、「何となくぎくしゃくしているな」と、弟切自身も感じていました。でも、不細工なのはわかっても、直せません。どうやったら、意味を変えずにもっと「美しい」文にできるのか、わかりません(泣笑)  「美しい文章」が書ける領域は、百万光年くらい先に見えます(号泣) >> あと、弟切さんは「魂のある生きたキャラクター」と書かれていますが、「魂のある生きたキャラクターとはなんですカー」とか聞いちゃっていいですかー?  「魂のあるキャラクター」については、新木さんが説明して下さっているので、省略します。 >> 「美人」と聞いて――男は視覚的なことをイメージします。 >> 弟切さんがこの作品で主に使っているのは、「化粧」、「香り」、「服装」などです。 >> 対象読者に男性が多い場合は、視覚的な描写をもっと使うべきだと、僕は思いました。  新木さんが言及されているとおり、この作品中で視覚以外の情報を多用しているのは、わざとです。  それにしても、男性が視覚的情報を重視するというのは本当なのだな、とわかりました。男性を惹きつける描写をする場合には、考えに入れるようにします。 新木さんへ > >>「リライトするぞ」  しばらくは脅し文句に使えるかも知れません。  新木さんで213回ほど書き直したのでしたら、弟切の場合は512回くらいかかりそうです(^^; -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7782 投稿日 2004年3月23日(火)02時12分 投稿者 津荒 夕介 ○鷹見さんへ  読み取る力がなくて、すいません。  7777で、理解しました。 >カッコイイ人間とか >>悪とか正義というものは、あくまでも相対的なものなわけだよ。  と、7773で書いてくださっているのに、愚かにも「道徳的がカッコ良さにつながる」と発言しました。申し訳ありませんです。  道徳的は、全く違う。  ブギーポップの早乙女をはじめとする、悪役でカッコイイキャラが書けなくなるから。 >>1・「自己の価値観が他人に左右されない(自己が確立している)」 >>2・「自分の利益と、それ以外の利益を天秤にかけることができる」 >>3・「理由を他人に求めない」 >>4・「以上のことは、その人間にとっては「あたりまえのこと」であり『特別なこと』とか『偉いこと』とか『優れている』などと夢にも思わない」 >>だから、カッコイイ人、ってのはな >>「あたりまえのことをあたりまえにやる」の前か後ろにこの一言をつけるだけで出来上がるんだ。 >>「どんな時にも」 >>それだけのことだよ。  なるほど。  短編に生かそうと思います。 >反省  カッコイイキャラの判断方法を間違えていました。  僕はキャラをカッコ良く見せる理由を、設定に求めていました。金持ちとか、能力とか、知力・体力に秀でているとか。そういうの。  それらは、カッコイイを助けるものではあるが、カッコイイの本質ではなかった。  直球のカッコイイ話とは、鷹見さんがおっしゃるような、本質的なカッコ良さを使って書くべきでした。 >本質的にカッコイイの話  つまり「どんな時にも、あたりまえのことをあたりまえにするキャラの話」 ○新木さんへ >不良(ゴミ)とか >>津荒が憧れるという友人のY君とやらをよく観察して、自分がどこを「カッコ良い」と思っているのか。どこを「カッコ良くない」と思っているのか。それを腑分けしろと言っているの。    僕は憧れていません。  なにしろY君は、信念を持たず、自分のことしか考えず、責任を取ろうとしない人間>ゴミ、ですから。 >生徒会長 >>おまえ、水戸黄門パターンって、なんだかわかってないのだなぁ。 >>わかってないのに、口だけ調子を合わせていると、そのうちパンチが飛んで――前歯全部入れ歯にしなきゃならなくなるぞ?  う。  理解していなかったです。すいません。 >>しかし、無理に教師を倒しにいかないでも、生徒同士の戦いにしたらいいのでは?  生徒同士の戦いでも同じじゃないですか?  例えば不良のY君とそのグループが、学校で悪いことばかりする。生徒会長が単身で不良グループを倒す。証拠も押える。  で、教師が出てくる。  で、警察が出てくる。Y君たちは警察に行きます。   >警察対策 1.悪事を警察が出てくるようなものじゃなくする。  以前あらすじを書いたマンガの1つに「お菓子な野郎」というのがありました。  生徒会長が悪なんですけど、お菓子禁止令を出していて学生を困らせている。  警察は手が出せないだろうなぁ。 2.警察が介入する前に、解決する。  警察が登場したら絶対にカッコ悪くなるというのは、ありえない。名探偵コナンがあるから。  だから、警察に頼らずに解決する。生徒対生徒なら、正義の生徒が悪の生徒を改心させる。  事件(謎)を解決するのは警察じゃなくて、名探偵のコナンなのです。 >そもそも  そもそもこの話は、直球じゃなかった……。  「生徒会長」という称号。肉体的頭脳的に優れているという能力。  両方とも、本質とは関係ない部分でした。そこにカッコ良さを求めた話になっていた。(しかも的外れ)  そういう意味では、「彼氏のほんと」はまだマトモです。あたりまえの「真面目」が、カッコイイになっているから。 >彼氏のほんと >>ばかたれ。 >>話を別物にしてくんじゃねぇ。  むむ。確かに。  承の「鈴木を、より好きになる」がカナリ余分でした。承では、瀬戸が石井を「真面目」によって嫌いにならなければならない。 >石井の印象  前:真面目>堅物・面白みに欠ける  後:真面目>規則正しく・誠実・模範的  ついでに無愛想も引っ張られて、良い印象になる。  前:無愛想>話しにくい・冷酷な印象  後:無愛想>無口なだけで、本当は優しい 起 石井が苦手 承 石井を嫌う 転 石井に助けられる 結 石井を好きになる 起  起 ホームルームで、クラス委員を選ぶ。  承 意識している不良っぽい男――鈴木に囃し立てられる。  転 立候補する。  結 石井とペアとなる。後悔する。 承  起 文化祭が近づく。  承 クラスをまとめられるか不安。  転 石井がまとめようとするが、無愛想+真面目(発想が面白くない)により失敗。瀬戸がまとめた。  結 石井を嫌う。 転  起 準備をする。  承 学校に遅くまで残る。  転 鈴木に追いこまれる。  結 石井が真面目により助けてくれる。 結  起 仕事を続ける。  承 石井と話す。  転 石井に惚れているのに気づく。  結 文化祭終了。 >鈴木に追いつめられるとか    色々ありますが、2つに分かれます。力を使うルートと、使わないルートです。  力を使うのは、無理です。  もし鈴木が本気で瀬戸を襲ったとしたら、助けた石井は確実にそのことを教師なり、警察に話します。真面目だから。  さらにそうやって考えていくと、力を使わないにしても「鈴木が本気になって、瀬戸を追いつめる」というのは不可能です。  そんなことをしたら、村八分は必至になってしまう。  だから最後の一撃は、瀬戸が自分で自分に撃つ。  ……追いつめられるシーンは、 起 鈴木と会う 承 鈴木に悪口を言われる 転 瀬戸ショックを受ける>自分からハプニング 結 石井が助ける  具体的には、  酔った鈴木が、買出しから帰る途中で一人の瀬戸を襲う(クラスから遠く離れた場所で)「好きなんだろ? 知ってるぜ」レベル。襲うというより、誘う。  鈴木は普段からそのくらいしている。しかし酔って誘ってくる情けない姿と、酒によって生まれた暴言により、瀬戸は必要以上にショックを受ける。  抱きついてくる(ふざけている)鈴木から逃げようとして、階段から落ちる。  真面目な故、帰ってこない瀬戸を探していた石井が受け止める。石井は鈴木が襲ったと勘違いして、鈴木を倒す(真面目)。鈴木はそのまま寝てしまう。  後から反省した鈴木が謝ることで、さらにカバー。  鈴木の悪口は、瀬戸が鈴木のことをどうでもいいと認識するようになったので、公にはならない。  それに鈴木は通常から口が悪いので、その程度では村八分されない。  こんなんで、どうでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 津荒 夕介さんへ No.7783 投稿日 2004年3月23日(火)09時18分 投稿者 鐸碑 >警察が登場したら絶対にカッコ悪くなるというのは、ありえない。名探偵コナンがあるから。  これは適切な例になっていないでしょう。名探偵コナンの江戸川コナンこと工藤真一は、警察の介入で即解決する事件を解決しているわけじゃありません。  大の大人であり専門のプロである警察が解決できない様な難解な事件を、持ち前の推理力を発揮して解決しているのです。  警察が力及ばない状況で、警察と協力して自分の力を警察に加える事で事件を解決するからカッコ良いんじゃないですか?  良くみてください、コナンでの警察との関係は二種類に分けられるでしょう。事件が解決してから事後処理に来る場合と事件を捜査しているがコナンが真相を突き止めるパターン。 基本的にはコナン>警察の図式で描かれています。 -------------------------------------------------------------------------------- ○鐸碑さんへ No.7784 投稿日 2004年3月23日(火)11時11分 投稿者 津荒夕介 >>基本的にはコナン>警察の図式で描かれています。  了解です。  あそこの例えでは、キャラ<警察を書くべきだったので、完全に間違いですね。  水戸黄門のことといい、コナンのことといい、適当なことばかりを言っています。最悪です。  あらすじを意識して読んでいない、本やテレビドラマからの、安易な例示をやめます。    指摘、ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7785 投稿日 2004年3月23日(火)14時29分 投稿者 新木 伸  津荒、カッコ良くねぇ〜。  鷹見さんの話に、「なるほど」と返して……。  「どんなときにもあたりまえのことをあたりまえにするのがカッコ良いのですね」と、鷹見さんが要約してくれたものを、ただオウム返しに言ってるだけかよ〜。  そんなの、オウムにだって、できるぜー。 >悪を倒す正義の話。(題:生徒会長のお仕事(仮)) >>生徒同士の戦いでも同じじゃないですか? >>例えば不良のY君とそのグループが、学校で悪いことばかりする。生徒会長が単身で不良グループを倒す。証拠も押える。 >>で、教師が出てくる。 >>で、警察が出てくる。Y君たちは警察に行きます。  教師が出てくる。警察が出てくる。  ――そういう展開をなくせと言っているのだ。  「○○が出てくる」ってのは、それ、すべてNGな。  「○○」に入るのが、教師でも警察でも、先輩でも親でも仲間でも、自分以外の他人が出てくるのは、すべてNGなのね。  おまえ、鷹見さんの言ってること、ちゃんと聞いているのか?  自分が決断して、やったことの結果を、他人に押しつけないことが、カッコ良さの条件なわけね。  生徒会長は、自分が決断して、悪を倒すと決意したんだろ? なのに、なぜ自分で倒さない? 始末をつけない?  なぜ「自分ではじめたこと」の結果を、その始末を、警察につけさせる?  生徒間の問題解決の話で、カッコいい話を書くのなら、教師や警察が出てこない仕組みを考えること。  ひとつの方法としては、困難さを大きくする方向性があるわな。  教師は不良グループの言いなりで、なんの役にも立たない。  さらに不良グループのボスは地元の名士の息子とかで、警察に駆けこんでも無駄である。  ――など、そんな感じにしておいて、頼りたくても頼れない状況を作り上げるわけね。  設定いじれば、簡単なことだ。  または現代物でなくす。  教師も警察も、はじめからいないところでの話にすれば、頼れる相手がいないから、頼りようがないぞ。  または、おまえが出してきたように、スケールダウンさせる手もある。警察なんて出てこないような、スケールの小さい話にする。  いじめ解決(暴行傷害にならない程度のスケール)。  部費の割り当て問題解決。(生徒会の自治範囲だよな。先生に掛け合っても自分たちでなんとかしろ、と言われるに違いない)。  ――こんなくらいだと、教師も乗り出してこないスケールだろう。 >恋愛+カッコイイ話(題:彼氏のほんと(仮))  話が一発でまとまればいいけど。  こじれてしまった場合には、津荒、弱いんだなぁ。  この話は、瀬戸という女の子が、石井がカッコ良いことに気づく話だろ。そしてそこに気づくと、それまで嫌っていたこともあって、一気にフラグが立って、惚れちゃうわけだな。  重要な役どころとして、第三の人物の鈴木がいる。  はじめ瀬戸は、鈴木のことをカッコ良いと思っていたわけだ。しかしそれはメッキでしかなくて、ニセモノであったことを知るわけだな。  ニセモノ――とか書くと、なんだか鈴木が悪いようにみえるな。そうではなくて、ただ瀬戸がアホ娘だったってことだろうな。真のカッコ良さがわからなくて、見せかけのカッコ良さしか見ていなかった。そんなアホ娘が、真のカッコ良さをわかる「いい女」に成長する話なわけだ。  話の中の「変化するもの」を見極める方法は、津荒は知っているはずだよな。  ここで変化するのは、なんになるのだ?  石井は変わらない。  鈴木も、たぶん変わらない。(鈴木も変わらせる手もあるけど、変わらせなくても話は作れる)  変わるのは瀬戸なんじゃないのか? 瀬戸のなにが変わるのだ?  鈴木の見せかけのカッコ良さが剥がれるのと、石井の本物のカッコ良さが現れてくるのは、ストーリー的にタイミングを合わせて同期させるわけだな。  鈴木のメッキをどうやって剥がすのか――ということを考えなければならないのに、おまえ、ぜんぜん、考えてないんだってば。  なんかひとつアイデアを思いつくたびに、お前はそれを筋にはめこんで、「どうですか?」とばかりに、俺に見せてくるわけだが。  俺に、何回、見てもらえると思ってんの?  いいかげんにしとかねーと、俺、「知らねーよ」と言って、自分の小説に専念しちまうぞ。  お前も自由になるのは三月いっぱいみたいだから、俺、締め切り前で忙しい時間を割いてやって、お前の才能測定と、短編練習に付き合ってやってるんだけど。わかってんの?  「鈴木が瀬戸を襲う」以外には、なんか幻滅させる方法はないのかよ?  俺、前になんて言ったよ? -------------------------------------------------------------------------------- >>しかし、襲うのはよろしくない。 >>すると残るは、口喧嘩・悪い噂を聞く・暴力・仕事放棄。  なんで、4つしか残らないんだよ?  アイデア出し、しろってーの。10個ぐらいは出せよ。俺なら100個でも出せるぞ。  必要な縛り条件は、以下の5つだ。 ・瀬戸に鈴木を幻滅させること。 ・瀬戸の手には負えない事態であること。 ・石井がフォロー or リカバリーして、事態を収拾、解決させること。 ・石井が鈴木を更正 or 改心させること。(クラスで取り組むのが文化祭だから、鈴木を除け者にしては解決しない) ・石井の真面目さからくるものであること。 --------------------------------------------------------------------------------  瀬戸が鈴木に幻滅するアイデア。同時に石井がどうフォローするのか。どう石井を見直すことになるのか。そのへんまで込みで、ワンセット。  明日までに、100個、出してこい。  くだらないアイデアが含まれていてもいいから、数だけは揃えてこい。  明日までにできないか、100個に足りないか――どちらであっても、この話、もう捨てさせる。  べつな短編候補を考えさせるからな。  もし100個出してこれたら、そのなかで、いちばん良いと思う何個かをセレクトして、こっちの掲示板に書け。残りは課題部屋にでも上げとけ。俺は見ないが、誰かは見たいと思うかもしれないからな。  厳選してきたベストアイデアの数個があがってきたら、そしたら、そのうちでどれがいちばん良さそうかぐらいは、見てやるかもしんない。 -------------------------------------------------------------------------------- 冷凍人間 No.7786 投稿日 2004年3月24日(水)00時50分 投稿者 弟切 千隼  昨日・今日と、関東地方は異例の寒さに襲われています。この地方で、お彼岸に平地で雪が降るなんて、普通はありません。  昨日、みぞれ混じりの雨の中を歩いた弟切は、帰宅する前に冷凍人間になるかと思いました。 >描写分析  描写課題を書いてみて、弟切は、自分の描写能力の低さをつくづくと自覚しました。  この能力の低さには、描写を書く能力だけでなく、描写を読み取る能力も含みます。むしろ、読み取る能力が低いからこそ書けない、といったほうが正しいですね。  そこで弟切は、次の描写課題を書く前に、読み取り能力を鍛えようと考えました。どなたかプロの作品を読んで、その技の一端なりとも解明したいです。  題材には、課題部屋のNo.794にある鷹見さんの「冷凍倉庫に連れていって」を選ばせていただきました。  不肖弟切、鷹見さんの技を解剖します。以下に分析結果を書いておきます。  ただし、最後まではできていません(^^; 今回は途中までです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 冬山登山をするときに着るような、もこもこした黄色い防寒着を着込んだ女性が、鈍い銀色の大扉の前に立っていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ものすごく具体的な描写ですね。『冬山登山をするときに着るような、もこもこした黄色い防寒着』が、ぱっと頭の中に浮かびます。『鈍い銀色の大扉』も具体的で、情景が浮かびやすいですね。  ここが屋内か屋外かはわかりません。でも、「女性が大きな扉の前に立っている」という状況は伝わります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  防寒着姿の女性は、自分に気合を入れるように小さくうなずくと、その大扉の脇にある赤いボタンを押した。  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『自分に気合を入れるように小さくうなずくと』で、この女性が何か重大なことをしようとしていることがわかります。そのすぐ後に『その大扉の脇にある赤いボタンを押した』とありますから、彼女がしようとしていた重大なこととは、この『ボタンを押した』ことと関係があることだろうと推測できます。  この文章の題名が「冷凍倉庫に連れていって」であること、および女性が防寒着を着ていることから、この女性が冷凍倉庫に入ろうとしているのではないか、と想像できますね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ボタンのずっと上のほうの壁面に取り付けられた黄色い警戒用の旋回灯が回り出し、分厚いステンレスで作られた大扉が、モーターの回るうなり声とともに、ゆっくりと左右に分かれて動き出した。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『ボタンのずっと(中略)警戒用の旋回灯が回り出し』というところが、事の重大さを表わしています。冷凍倉庫というのは、『警戒用の旋回灯』を装備しなければならないほど扱いに注意が必要なものです。冷凍倉庫に馴染みがない人にとっては、ここで「1へぇ」ですね。  扉の様子が『分厚いステンレスで作られた』と、さらに詳しく描写されています。重々しい扉の印象が伝わりますね。その扉が『モーターの回るうなり声とともに』動いたとなれば、厳重に管理された区域が今まさに開かれている、という臨場感が湧きます。  この臨場感があるために、『ゆっくりと左右に分かれて動き出した』という部分から、扉を前にした女性の緊張感が伝わります。さきほどの重大な決意をしている描写が、ここに効いていますね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  扉が開くのと同時に、扉の隙間から、白いいく筋もの霧が流れ出した。  白い霧は、扉の前に立っていた彼女の目の前で無音の滝のように崩れ落ち、白い長靴のつま先に触れ、ゆっくりと盛り上がり左右にわかれていく。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『白いいく筋もの霧』は、冷気ですね。冷凍倉庫内の寒さが具体的に表現されています。  冷気は、普通の空気よりも重いです。『白い霧は(中略)無音の滝のように崩れ落ち』という部分が、それを描写しています。重いために、滝の水が下へと落ちるように下がってゆくわけですね。  『白い長靴のつま先に触れ』で、下に落ちきった冷気が床を這っていることが描写されています。『ゆっくりと盛り上がり左右にわかれていく』という部分では、うねうねと長靴の上を流れてゆく冷気が目に見えるようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  足元から冷たさが這い登ってくるのがわかる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターの女性の感覚ですね。視覚以外の情報を入れて、描写にふくらみを持たせています。  寒さは足もとから来る、というのは、おそらく誰もが経験していることでしょう。それを描くことで、寒いところにいるのだ、という臨場感を伝えています。まさに、読み手を「冷凍倉庫に連れていって」くれています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  扉の中は蛍光灯の灯りが乱反射した白い霧が渦巻き、はっきりとは見えないが、いくつもの箱が天井まで積み上げてあるのが見えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  冷凍倉庫の中は、当然ながら冷気の塊です。その冷気が読み手に見えるように、『蛍光灯の灯りが乱反射した白い霧が渦巻き』と描写されています。冷気の霧のせいで、倉庫の中は『はっきりとは見えない』わけですね。  『いくつもの箱が天井まで積み上げてある』は、倉庫らしさの描写です。倉庫とは、大量の物を納めておくための建物であることがわかります。  冷凍倉庫ではなくても、倉庫であればこういう描写が必要ですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  足元から這い登ってくる冷たさが下腹から胸に、そして顔に当たった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここの描写は、臨場感に溢れていますね。冷気のふるまいを、とても具体的に描いています。  冷凍倉庫から流れ出ている冷気が、どんどん勢いを増して、周囲の暖かい空気を駆逐しています。視点キャラクターの女性が、それを肌で感じている様子が伝わります。読んでいるこちらまで、背筋がぞくぞくしてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7787 投稿日 2004年3月24日(水)02時23分 投稿者 津荒 夕介 >>おまえ、鷹見さんの言ってること、ちゃんと聞いているのか?  すいません。  書き方が悪かったです。指摘はもちろん聞いています。    前回は、僕の思考展開を書いたんです。  まず、いままで普通に考えたら、生徒対生徒でも警察が出てしまうぞ、ということ。  でも「○○が出てくる」はいけない……。  だから、その下に、それを防ぐための具体案を書いたんです。(甘かったけど)  回りくどい書き方を止めます。 >彼氏のほんと(仮) >瀬戸の変化 「うわべのカッコ良さしか見ていなかったのが、本質的なカッコ悪さを知り、さらに本質的にカッコイイ人を知り、好きになる話」 >>鈴木のメッキをどうやって剥がすのか――ということを考えなければならないのに、おまえ、ぜんぜん、考えてないんだってば。 >>なんかひとつアイデアを思いつくたびに、お前はそれを筋にはめこんで、「どうですか?」とばかりに、俺に見せてくるわけだが。  いえ。そういうわけじゃないです……。  前回は30個考えて、その中で一番おもしろそうな物を選んで出したんです。 >ダメなところ  見逃していたことがありました。  新木さんに「襲うのはだめ」と指摘され、そんなら「襲う」のランクを下げればいいんじゃないか、と考えました。  鈴木が瀬戸を襲っても、それで村八分されない状況を作り上げれば、それでOKなんだと思っていました。  しかし、それは違う。 >別の欠点。  「襲う」はいいです。鈴木の自分勝手さが出ている。本質的なカッコ悪いの1つです。  しかしそれ以外の部分。  酔ってだらしない。バカな様子である。はカッコ悪さを助ける部分です。  本質的なカッコ悪さを強調しなければならないシーンで、どーでもいい「カッコ悪いを援助する要素」を書いていた。  鈴木を嫌うシーンでは、鈴木のうわべのカッコ良さはそのままで、本質的なカッコ悪さを出すことで幻滅させるべきだった。 >アイディア  注意するのは、承までは鈴木を信じているということ。転で本質的なカッコ悪さを見て、幻滅しなければならない。 1.皆が帰った後の教室で、鈴木が展示を壊そうとしているのを見る。展示をだめにして、この教室で文化祭の間、不良仲間で遊ぼうという魂胆。  瀬戸は幻滅して止めようとするが、殴られそうになる。  石井が助ける。皆帰ったと思われていたが、電気がついているのを見て引き返してきたのだ。  鈴木の行動は未遂に終わり、鈴木はうわべだけだが改心した。 2.瀬戸は、準備に飽きた鈴木に遊ぼうと言われて、つい行ってしまう。しかし遊びながらも全然面白くない。  途中、鈴木が文化祭をけなす発言をする。瀬戸は、それに反感を感じて教室に帰ろうとする。鈴木は自分の思いどおりにならない瀬戸に切れる。  いつまでも帰ってこない二人を探していた石井が、鈴木の手を止める。  鈴木は悪態をついて逃げて行った。 3.文化祭リーダー(クラス委員とは違う)をやると言う鈴木。しかし計算が適当で、金の帳尻が合わなくなった。鈴木は、責任を石井と瀬戸に押しつける。  瀬戸は幻滅して、怒る。鈴木が逆切れするので、石井が鈴木を止めた。 足りなくなった金は、部品を減らす、使っていない商品の返品、クラス全員から少しずつ金を貰うなどで、石井がどうにかした。 4.鈴木は瀬戸に手紙を出してきた。「校舎裏で待っていてくれ」と書いてあった。瀬戸は普通の生徒の仕事時間を終えてから、喜んで待つ。が、鈴木は来ない。   夜遅く。仕事を一人で完成させた石井は、いつまでも帰ってこない瀬戸を探して、瀬戸を見つける。  石井が瀬戸のカバンを渡すと、中に手紙があった。それは鈴木からの手紙で、先の手紙がイタズラだったと書いてあった。幻滅する。  今まで作業を続けていて、さらに、自分を探してくれた石井こそが、カッコイイと思うようになる。 5.最後の仕上げをしていた時(クラスには瀬戸と石井)、遊んでいた鈴木がカバンを取りに戻ってくる。  瀬戸は仕事をしない鈴木を、遠慮しながらも、注意する。しかし反省することなく、鈴木は文化祭をけなす。幻滅した瀬戸はその話に頷きたくなかった。  石井が割り込んで、鈴木を注意する。 6.瀬戸が帰ってこない鈴木を探す。見つけて注意したが、鈴木は文化祭に対する暴言を吐いて自分の行動を正当化してくる。幻滅して、瀬戸も鈴木をバカにする。鈴木が逆上する。  帰りが遅いので探しに出ていた石井が、殴られそうになる瀬戸を助ける。  普段から素行が悪いので、村八分はない。 7.見栄っ張りの鈴木は、石井に教えてもらいながら、文化祭のリーダーをやっていた。(この場合、石井と鈴木は仲がいい)誰もそれに気づかなかった。  見栄張りに飽きた鈴木は、少し強引に瀬戸と遊びに出た。しばらく遊んでも、楽しくない瀬戸は、なぜリーダーをやっていたのに遊んだりするのかと訊く。  鈴木はリーダーについてのタネをばらす。  瀬戸は幻滅してクラスに戻ろうとする。自分を相手にしない瀬戸に、逆上する鈴木。  帰りが遅い二人を探していた石井が助ける。石井を見なおす。  106個です。量が多いので、説明をかなり省いた形で書いてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=875&e=res&lp=731&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- (E) No.7788 投稿日 2004年3月24日(水)04時29分 投稿者 新木 伸  津荒、カッコいー。  明日まで、と言ったのに、今日中に上げてきたよー。  しかも100個耳を揃えてあげてきたよー。  てか、106個もあるよー。  アイデア出しの訓練も積んでいない人間が、いきなり100個出せなんて言われたら、不可能だろうと踏んでいた。  やりもしないで「無理です」と言ってくるのか。  それとも数を揃えられずに言いわけでもしてくるのか。  どんなカッコ悪い醜態をさらしてくれるのかと、思っていたのだが……。  ずいぶんとカッコいい真似をしてくれるじゃないか。  ここに出してきた7個、まあ、どれをとっても、使えないこともないくらいの出来にはなっている。  しかし、これができるのなら、この7個のクオリティで100個出して、厳選しろ――とか、言ってみたい気もするが。  まあ、いまの本題は短編練習なので。とっとと書き始めてしまう手だな。  うまくすれば、大学が始まるまでに、これのほかにもう1編ほど書けるかもしれない。  さいわい、この7個のなかで、使い物になるものが、一個だけあった。 >>2.瀬戸は、準備に飽きた鈴木に遊ぼうと言われて、つい行ってしまう。しかし遊びながらも全然面白くない。 >> 途中、鈴木が文化祭をけなす発言をする。瀬戸は、それに反感を感じて教室に帰ろうとする。鈴木は自分の思いどおりにならない瀬戸に切れる。 >> いつまでも帰ってこない二人を探していた石井が、鈴木の手を止める。 >> 鈴木は悪態をついて逃げて行った。 >>29 鈴木と遊びに行った瀬戸だが、途中で悪い気がする。 >> 石井が一人で残って、準備をしていた。  この「2」だけど。  原型はこちらの「29」なわけだよな?  石井がわざわざ探しに来るのではなくて――。  29のままで、帰ってみたら、教室に石井がいた、でいいんじゃないのか?  遊んでいる最中で罪悪感を感じた瀬戸は、鈴木の制止を振り切って帰ろうとする。すると切れた鈴木から悪態までつかれてしまう。ひどく惨めな気持ちになって、教室に帰っていったら、石井がいた。  そういう流れだと思うのだけど。それでいいんでない?  これが他のものより優れている理由。3つある。  まず1つ目の理由。  主人公(瀬戸)にずっと視点が当たりつづけていて、彼女の心がいちばんよく動いている路線であるから。  その意味では4も主人公の心は動いてはいるけど、「文化祭の準備」っていう路線から離れてしまっているので良くない。  2つ目の理由。  石井が鈴木を殴っていないから。別の方法によって解決して、その方法を瀬戸が認めているから。  なぜ「殴る」路線から離れないのかね。津荒は。殴ることは、なにかカッコいいことなのか? よく考えろよ。暴力の、どこが、カッコイイのだ?  だいたい石井のキャラじゃないだろ。「真面目」と「殴る」と、どう結びつくのだ?  つまり石井に鈴木を殴らせている時点で、もうたいてい、アウトなんだよ。 (その意味では課題部屋のゴミの山、ほとんど、アイデアを出したことにならないのだな。殴る、倒す、のオンパレードだ)  殴る以外の解決法という点では、「3」も良いのだけどね。  3つ目。  石井のカッコ良さを認めるのが、なにより瀬戸本人であるということ。  鈴木と別れて、教室にとぼとぼと帰ってゆくとき、瀬戸は自分をとてもカッコ悪いと思っているわけね。  そして石井を見て、カッコいいと思う。読者も瀬戸の意識に乗って、感情移入して読むわけだから、瀬戸が石井をカッコいいと思ったなら、読者だってそう思うわけだよ。  ちなみに、遊びに行くのを「鈴木」と瀬戸の二人だけにしないで、「鈴木たち」と瀬戸ということにすると、もっと色々メリットが出てくるぞ。  鈴木を中心とした遊び人グループに誘われて、瀬戸はついていったということね。  遊びに行くのが複数となると、瀬戸がついてゆくときの心の敷居が低くなる。みんなで遊びに行くんだから、あたしもいいよね、となるわけね。  また遊びに行ったのが複数となると、ひとり残って仕事を続けている石井の真面目さが際立つわな。  さらに、もうひとつオプションアイデア。  鈴木(たち)も、瀬戸に遅れること十数分ぐらいでのこのこ顔を出してきて、石井たちの作業を手伝ったりすると、遊び人組の分裂なしで、クラスがきれいに団結することになるわな。  俺の趣味だと、瀬戸が石井の頬にキスの一つでもしようかってときに、タイミング悪く皆を乱入させたりするところだが……。まあそのへんは任せる。  では、これで書き始めるように。  数日以内に読ませろ。読んでみたい。 -------------------------------------------------------------------------------- あたりまえのことをあたりまえにやったひとは、かっこいい。 No.7789 投稿日 2004年3月24日(水)13時51分 投稿者 鷹見一幸  それは、誰にとっての「あたりまえ」なのか。  このへんに、最後の鍵があったんだよね、隠しておいたけど(笑  見つけたのか、偶然なのか、どっちかはわからないけど、とりあえず「カッコイイ話を書けない人間である旨を保証する」文面の保証書はプリントアウトしなくても良さそうだ。くそ、せっかくそれっぽい賞状用の用紙を百円ショップに買いに行ったのに、無駄になっちまった。(笑  「明日までにアイディア100本」この命題は、新木さんにとっての「あたりまえ」なわけだ。しかし、そんなことをやったことも無い人間にしてみれば、とてもじゃないけど「やれるか、そんなこと! それのどこがあたりまえなんだよ」なわけだ。  でも、それは不可能なことじゃない。それを「あたりまえ」にやってのけている人間だっていっぱいいるわけだ。  それをやっている人間にしてみれば、それは、偉いことでも優れたことでもない。ごく普通に飯を食うことや寝転がってテレビを見ること、いや、呼吸することと同じくらい「ごく普通のこと」にすぎない。  それをやる。  あたりまえのことをあたりまえにやる。  自分に要求されている「仕事」をきちんとこなす。  ミス一つ無く、完璧にやってのける。  これは、あたりまえのことだろう?  きちんと仕事をやり終えたからといって、褒め称える人はいない、賞状を与えて拍手をすることもない。    ただ「ご苦労様」と言われるだけのことだ。  そして、世の中にいる人たちはすべてこの「ご苦労様」の一言のために働いている。  俺は今、新潟の越後湯沢に仕事場を借りている。  冬の関越道を走ると、トンネルの出口入り口で、タイヤチェーンの確認作業をやっているんだ。  雪の中に係の人が立って、走ってくる車を一台一台止めて、タイヤの確認作業をやっている。  外は雪だ、土樽パーキングエリアは山の中で、すごく寒い。  そんな中で、係の人はずっと立ったまま、車のタイヤを見ている、夜も昼も無い。チェーン規制がかかれば、夜中の三時でも立つことになる。  ヒーターの効いた暖かそうな車の中では、若い連中と女の子がきゃあきゃあ言っている。それを横目で見ながら、一台一台確実にタイヤを見ている。  誰かがやらなければならない仕事だ。  手を抜けば、大事故になるかもしれない大切な仕事だ。  時給がいいから。手当てがつくから。  ひょっとしたらそういった理由なのかもしれない。  でも、どんな理由にせよ、仕事として、責任を果たしているその行為に変わりは無い。  あの人たちは「あたりまえのことをあたりまえにやっている」だけだ。  だから、まあ、あたりまえのことをあたりまえにやってきた津荒くんには一言だけ言っておこう。 「ご苦労様」(笑  -------------------------------------------------------------------------------- >100個は無理な件 No.7790 投稿日 2004年3月24日(水)19時47分 投稿者 新木 伸 >100個は無理な件  みやびさんからも、電話で、「なに考えてんの? なに無理なことやらせてんだよ」と言われたもんだが。  うん。俺もできるなんて、思ってもいなかった。  あの「100個出せ」の書きこみを読んだときに、お前ができると思っていたやつは、たぶん、この世界に誰一人としていなかったはずだ。  あれは人間(プロ作家)には可能なことだ。  だが常人には、無理なことなんだな。  ていうか、一日もいらないが。書く時間だけだから、1時間ぐらいなもんかな。  なんで不可能とわかっていてやらせようとしていたのか。  「不可能」を突きつけられたときにこそ、人のカッコ良さの真価が問われるからなのだな。  津荒が、これだけ話を聞かされて、どれだけわかったのか。どれだけ身に付いているのか。それを見るつもりで、わざと、無理なことを言いつけた。  100個ができちゃうのなら、1000個にしておけばよかったかな。(笑)  黙って、やれるところまでやってくる。できた分だけを(言いわけなしに)、黙って出してくる。無論、徹夜をしてきている。――黙ってな。  それで、まあ、予想としては30くらい。  そのなかに使えそうなものがあるなら、よし。  ――このあたりが、俺の予想していたなかで、最良のシナリオだ。  まあ津荒の出してきたアイデア、実際には、「くだらないアイデア」以下の「ボツのアイデア」が山ほど混じっている。そういうのを除外すると、30も残りはしないと思うけど。  悪いほうの予想となると、もう、ひどいもんで。(笑)  「無理です」といきなり言って、やろうともしない、とか。→パターン1  「無理です」と言いつつ、やってはみるが、やはりできない。そして「だって」と言っていいわけをはじめる。「だって、できるわけないですよ。だって掲示板の書きこみ見たの、すでに夜中だったし。だってそのときもう疲れていたし。だって僕は徹夜って苦手だし。だって用があったし。だってパソコンがフリーズして書きかけのが飛んじゃったし。だって親が早く寝なさいっていうし。だって郵便ポストが赤いし」→パターン2  徹夜もしない。「○時までやりました。○個でした」とか言って、チョロい数だけ出してくる。→パターン3  ちなみに――。  パターン1だったら、分室から追い出していた。  パターン2で、徹夜くらいしてきたなら、まあ、許すか。しかし口にした「だって」の個数を数えて、つきつけてやったが。「お前、最高にカッコ悪いよ」と言ってやったところだ。  パターン3だったら、「お前にはカッコいい人物とカッコいい話を書く才能はない」と決めつけて、才能測定をやめさせて、その成績表に「0」と書きこんでいた。  怖いだろ。言動ひとつで、「おまえ。いらね。無理だから」と、じつは追い出されていたところなのだよ。パターン1なら、そうなっていたんだよ。俺はそうなったら、そうするつもりで、言っていたんだよ。  いつも、そういう状態にあるのだと、そう思うこと。  うっかり気を抜いてやっただけの、たった一回の失言や失態で、すべておしまいになるわけね。落とし穴は、いつどこにあるのかも、わからない。誰も教えてくれない。  プロ作家になったら、いつも、そうなるのだから。  いまのうちに、せいぜい慣れておけ。  分室では、すくなくとも今回のように、「落とし穴が近いぞ」ぐらいのサインは出しているから、せいぜい、見落とさないようにしろ。  ところで、津荒、なんで100個出してこれたの?  それ、不思議なんだけど。  シンデレラ迷宮だとか、アイデア出し訓練メニューで、自分で訓練していたとか?  いままでにやっていたこというと、筋の写し取りが40本程度と、あと気合い入れて短編書くことが2回きりだよな。  それが、なにか練習になっていたのだろうか?  毎日14時間ぐらい、小説のために時間と脳味噌とを使っているから、だいぶ体質が変わってきていたのかな?  常人ってのは、普通、それ、できないものなんだよ。  分室って場所は、まず常人を、そのくらいの最高出力の出せる「改造人間」に変えるために、一苦労しているわけよ。  話の筋を練り込んでいるときに、必要なときに、100個ぐらいのネタ出しを、さくっと1日程度でやれないようでは、そもそも、話にならない。  「ハンターハンター」の特訓シーンで、なんかそんなのあったっけ。  瞬間的に戦略を立てるための思考密度というか、思考のクロックだとか、そんな話ね。  その前には、いつ岩が落ちてくるかわからない下で眠る特訓があったっけ。眠っていても、反応して、岩を避けるわけね。そうしないとタンコブができてしまう。  普段から武闘家の意識でいるということと、普段から小説家の意識でいるということで、これまた通じる。  あの話の特訓シーンって、なんか、小説家や漫画家の訓練過程と通じるものがあるんだよな。いまは「オーラの総量」と「一度に放出できる量」なんて話やってるわけだが。あれだって、小説に適用できる。  自分がなにをやっているのか、掴んでイメージするということは、上達の助けになることだから……。  こんど、暇があったら、「HUNTER×HUNTER」の作中の特訓メニューを抜き出してくる?  そしたら、その特訓のどれが、小説修行のどれに対応しているのか、言えるかもしれない。  あと――。  いまの短編を書き終わったら、ためしに、ゲーム感覚の遊びとして、シンデレラ迷宮、何個かやってみる? >鷹見さんを怒らせてしまった件  言わないと、気づかないだろうから、書いておくか。  あの件に関しては、鷹見さんのいう「あたりまえのカッコ良さ」を、津荒が実践してみせたことで、もはや、完全に許された。  「すいません」なんて、百万回言ったところで許されはしないけどね。  やってみせたら、一回で、充分なのだな。 -------------------------------------------------------------------------------- 騏[きりん]も老いぬれば駑馬[どば]に劣る No.7791 投稿日 2004年3月25日(木)00時19分 投稿者 弟切 千隼 ということわざがあります。意味は、「騏(=一日に千里も走る駿足の馬)も、老いれば、駑馬(=足の遅い馬)に劣るようになる」ということです。  それでも、騏であれば、若いうちに活躍できます。老いても、駑馬にできる程度の仕事はこなせるでしょう。  最初から駑馬に生まれついた者は、老いたら本当にどうしようもありませんね。おそらく、食肉用にさっさと殺されるのでしょう。  人間は、凡才が老いても殺されないだけましですね。少なくとも、現代日本では。  ロートル凡才でも、弟切は前進し続けたいです。 注:「騏」と「麒麟」とは、よく似た字ですが違います。「駿足の馬」を意味する騏は馬へんで、架空の動物の麒麟は鹿へんです。 >「冷凍倉庫に連れていって」分析  No.7786の続きです。今回も途中までです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ......急がなきゃ、冷凍倉庫の扉を開けっ放しにしておくわけには行かないわ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  これは、視点キャラクターの心の声ですね。わざとらしいくらいの女言葉を使って、視点キャラクターが女性であることを強調しています。  何しろ、彼女は防寒具姿です。視覚的イメージだけでは、女性なのか男性なのか区別が付きません。女性らしさを補強するために、わざとこんな言葉遣いをさせているのでしょう。  『冷凍倉庫の扉を開けっ放しにしておくわけには行かない』という部分が、とてもリアルだと感じました。この台詞は二つのことを示しています。  一つは、冷凍倉庫内の温度を下げないように、扉の開放時間を短くしなければならないことです。これには、大概の人がすぐ気づくでしょう。  もう一つは、倉庫内で作業している人がいる間は、倉庫の扉を閉められないことです。「温度管理を厳しくしなければならないのに、なぜ?」と思う人が多いでしょう。  弟切が知る限り、業務用の大型冷凍庫では、内部での作業中に扉を閉め切ることが禁止されています。なぜならば、密閉されている冷凍庫内では、酸欠になる可能性が高いからです。人体にとっては寒さも脅威ですが、それ以上に酸欠のほうが危険性が高いため、閉め切りが禁じられていると聞きました。  「酸欠になる」なんて、言われなければ気づきにくいことです。言われてみればほとんどの人が「ああそうか」と思うことでしょう。鷹見さんがはっきり書いてらっしゃらないので、扉を開放し続けることに気づかない読み手も多いでしょうが、気づけば「1へぇ」でしょうね。  視点キャラクターの女性は、むろん上記の注意事項を踏まえています。だからこそ『急がなきゃ』と言っています。自分の仕事内容を、きちんと把握している人ですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  彼女は、もう一度小さくうなずくと、顔を上げて、冷凍庫の中に足を踏み入れた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『もう一度小さくうなずく』ところに、彼女の決意のほどが表われていますね。ここまでで冷凍倉庫の「すごさ」が描写されていますから、入る前には決意を固めないといけないほどのものなのだ、と伝わります。  『顔を上げて』のところで、彼女が、困難の伴う仕事をしっかりやろう、と決意したことがうかがえます。けなげな雰囲気の女性ですね。大概の読み手は、この女性に好意を持つでしょう。  視点キャラクターが嫌なやつだと思われたら、読んでもらえなくなる可能性が高いです。「けなげ」属性を付けて、読み手に好かれるキャラクターにしているところがさすがです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  目の前に積み上げられている箱の中身は、輸入停止になったアメリカ産の牛肉の最後の在庫だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『輸入停止になったアメリカ産の牛肉』と、最近の話題を取り入れていますね。時代性があるというのも、読み手を惹きつける大きな要素でしょう。  最後の一杯の牛丼を求めて、各地の吉野家などに行列ができた、というニュースは、多くの日本人が耳にしたはずです。『アメリカ産の牛肉の最後の在庫』などという言葉が登場すれば、読み手は「この話の舞台は吉野家かな? それとも他の牛丼屋かな?」と想像をたくましくして、続きを読んでくれそうです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  おびただしい量の肉の前に立っているはずなのに不思議と、生臭さは感じなかった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここは、嗅覚を使った描写ですね。冷凍肉には匂いがないことを逆手にとって描写しています。「あるはずのものがない」ことも、描写に使える例ですね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ただ、痛みだけがあった。  不用意に大きく息を吸ったとき、鼻の中につん、とした痛みが走りぬけたのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  本当に寒いところでは、寒いというより「痛い」と感じます。これは弟切も経験があるため、「リアルだなあ」と思いました。  マイナス四十度もの寒さとなれば、冷気にさらされた鼻粘膜が、あかぎれみたいにひび割れます。『不用意に大きく息を吸』うのは、鼻や喉や肺を傷める危険な行為です。  『鼻の中につん、とした痛みが走りぬけた』で、その危険性の一端を描写していますね。とてつもない冷気にさらされて、鼻粘膜が悲鳴を上げている状態です。鼻粘膜が弱い人なら、この段階で鼻血を出しているでしょう。  「極寒の中では、寒いより痛い」とか、「極寒の冷気は、吸い込むと鼻まで痛くなる」とかいった情報は、極寒を経験していない読み手には「へぇ」を与えてくれます。極寒を経験している人には、「あるある!」という共感を与えてくれます。どちらも読み手を惹きつける要素ですね。  いくら極寒を描写するからといっても、例えばここで視点キャラクターに鼻血を出させたら、やりすぎでしょう。流血沙汰を売りにする作品ならともかく、「冷凍倉庫に連れていって」は、そういう作品ではありませんよね。『鼻の中につん、とした痛みが走りぬけた』程度が、マイナス四十度を表わす描写としてちょうどいいです。  視点キャラクターの女性が、『不用意に』危険な行為をしたことで、彼女がこれほどの寒さに慣れていないことがわかります。彼女は、おそらく日本人としては普通の寒さ―氷点下十度くらいまで、でしょうか―しか経験していない人でしょう。冷凍倉庫に入るのも、これが初めてではないかと推測できますね。  日本人として「普通の」人を視点キャラクターにすれば、多くの(日本人の)読み手にとって、感情移入しやすい作品になります。もしも彼女が、やたら寒さに強いイヌイットやサーミ―どちらも北極圏に住む民族の名前です―だったら、一般的な読み手から離れすぎてしまいますよね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  そして、同じような痛みは耳の先や、鼻の頭、指先、つま先などといった体の先端部からも伝わって来ていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  寒さから来る痛みを書くことで、極寒を描写していますね。『耳の先や、鼻の頭、指先、つま先などといった体の先端部』は、血行が行き届かなくて冷えやすいところです。大概の人が、寒い場所で指先やつま先が痛くなるくらい冷えた経験を持っているでしょう。  多くの人が経験的に知っている事実を取り入れれば、読み手の共感を呼ぶことができます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  マイナス四十度の業務用冷凍庫というものの威力を、彼女はその時初めて知った。  今まで彼女の頭の中にあった、家庭用冷蔵庫の冷凍庫のでっかいもの。などいうイメージは、このとき完全に消し飛んでいた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここで初めて、『マイナス四十度の業務用冷凍庫』と具体的な温度が登場します。  でも、こんな数値を出されなくても、冷凍倉庫の寒さがどんなものか、読み手はここまででたっぷり感じているはずです。たっぷりと寒さが描写されていましたよね。  仮に、『業務用冷凍庫というものの威力を、彼女はその時初めて知った』としてみましょう。意味は通じますし、寒さの印象も薄れはしません。  にもかかわらず、ここに『マイナス四十度』という言葉を持ってきたのには、むろん意味があります。今までさんざん「感じてきた」寒さは、マイナス四十度というものなんだよ、と読み手に「へぇ」を与えるためですね。  素人なら、最初に『マイナス四十度』という言葉を出してしまって、その情報に頼りきってしまいそうです。寒さの描写がまるでなくて、「全然寒くない冷凍倉庫」になってしまうのではないでしょうか(^^;   いわば、『マイナス四十度』という看板だけが立っていて、どこから見てもハリボテとわかる冷凍庫がある映画セットみたいなものです。せめて画面に映る数十秒くらいは、だまし通せるハリボテを作らなければいけませんよね。  ここまでで、寒さを存分に感じられるように、また視点キャラクターに感情移入できるように、手が尽くされています。そのために、『家庭用冷蔵庫の(中略)イメージは、このとき完全に消し飛んでいた』という文章が効いてきます。  寒さが感じられなければ、冷凍倉庫は、普通の人が知っている『家庭用冷蔵庫』のイメージを外れないものになったでしょう。冷凍倉庫の寒さが「感じられた」のは、読み手が視点キャラクターに感情移入できたからですね。読み手も、視点キャラクターと一緒に、家庭用冷蔵庫のイメージが消し飛んだわけです。 -------------------------------------------------------------------------------- >冷凍倉庫を締め切らない件 No.7792 投稿日 2004年3月25日(木)13時22分 投稿者 新木 伸 >冷凍倉庫を締め切らない件  これは僕も知らないけど。  ドアを開きっぱなしにする理由が「酸欠にならないように」ってのは、納得いかないので考えてみた。  8畳間程度のサイズを締めきったとしても、酸素だけなら、数時間は持つ。  酸素がなくなって死ぬ=酸欠となるよりも、二酸化炭素濃度が上昇して呼吸困難になって死ぬほうが早い。  僕がバイトしていたところにあったのは、8畳ぐらいのサイズで、これは締め切り禁止だった。「内側からは開けられない」ってのが、その理由。  しかも扉は勝手に閉まってくるようになっているし、閉まるとロックが掛かるしで――最初に社員の人に「箱置いて絶対に閉まらないようにしないと死ぬぞ」とおどかされた。  倉庫内には段ボールがたくさん入っていたから、段ボールハウスを作って救助を待てば、1日ぐらい生き延びられるだろうと考えると、あんま怖くなかったが。  ドアが電動式なぐらいの大型の場所なら、内側にも開閉ボタンが付いているはず。  閉じこめ問題に関しては、締めてしまっても問題はないはず。 1.停電対策。電動ドアは停電になると開かない。(当然、庫内のものをダメにしないように、予備電源や自家発電があるだろうけど。それも作動不良を起こした場合の対策) 2.窒息対策、その1。冷却器に二酸化炭素がドライアイスとなって固着していて、外気が入ることでそれが気化して、二酸化炭素濃度が一気に上がってしまう。それによる窒息を防ぐため。 3.窒息対策、その2。冷却器や冷却パイプが破損して、フロンが噴出してきたときのための対策。  正解は、鷹見さんに訊くのがいちばん早いだろうけど。  訊いて見るまえに考えてみた〜。 -------------------------------------------------------------------------------- 正解は「規則だから」です(笑 No.7793 投稿日 2004年3月25日(木)14時19分 投稿者 鷹見一幸  理由は、おそらく新木さんの挙げたものすべてを複合したものと、あとは 「不測の事態における発見、救護を迅速に行うため」  あたりでしょうか?  冷凍倉庫は「危険な業務」に該当します。  もし、内部で労災事故が発生した場合、本人過失が証明できなければ、会社が法的責任を負います。  労働基準監督署の査察を受け、業務停止処分を食らうわけには行きませんから、会社側は、設備とルールの両方をしっかり備えなくてはならないわけです。  誤って内部に閉じ込められた時に内側から開けるスイッチはもちろん、それが壊れた時のために内側から外部に知らせることのできる非常ベルや、インタホンを取り付ける。というハード面の安全対策。  そして、それらのハードを使わずにすむような「規則」というソフト面の安全対策。この二つが必要なわけです。   要するに 「扉をあけたままにするのが、もっとも安全だから」 というのが最大の理由ですね(笑 -------------------------------------------------------------------------------- 冷凍倉庫とか No.7794 投稿日 2004年3月25日(木)16時06分 投稿者 新木 伸  熱はない。が、頭痛がある。悪寒もあるような気がする。  インフルエンザでないと、いいなぁ。  単なる眼精疲労とかだと、いいんだけど。  まあ、なにがどうなろうと、小説を書くことは変わらないのだが。  小説家としてあたりまえのことを、あたりまえにやるだけだが。 >冷凍倉庫  ちぇっ、はずしたか。  規則だから、ってのは、想像の外でした。  そうか。まあいちいち原因や理由なんて考えなくたって、規則だから、で従っていたほうが、人間、楽だろうしなぁ。 >>3.窒息対策、その2。冷却器や冷却パイプが破損して、フロンが噴出してきたときのための対策。  ちなみにここについて補足。  なぜ密閉空間でフロンが噴出すると危険なのか。  人間は一定濃度以下の酸素量の空気を肺一杯に吸い込むと、およそ一秒程度で完全失神します。体力やらなんかは、いっさい関係なし。どんなマッチョでも、ご老人でも、男でも女でも子供でも、確実に気絶します。  これは肺を抜け、心臓に再び戻ってきた動脈血が、心臓から頸動脈を通ってダイレクトに脳に流れこむ関係によるもの。心臓から脳までの距離は30センチもないので。空気を吸ってから、ほんとうにあっという間なのね。  酸素の多い空気を吸ったときには、肺の中で、血中の赤血球は酸素を受け取ります。  ――が、酸素濃度(分圧という)が、血中濃度よりも少ないか、もしくはまったくの無酸素(フロンが100%の気体だとか)が肺の中にあった場合には、逆に、血中の酸素が肺の中に流出してゆきます。  血液に少しは残っていた酸素まで、吸い出されてしまうわけだ。  こうして無酸素となった血液が脳に送られる。  脳の神経細胞は、酸素がないと即座に機能停止するので、意識が飛ぶわけです。  生物の体細胞というものは、酸素がなくたって乳酸発酵をして生き延びる仕組みがあったりするので、5分や10分、酸素がなくたってへいちゃらなものですが。  しかし脳細胞だけは効率重視となっているので、分化の途中で、この乳酸発酵のシステムを捨てています。酸素呼吸だけしかできません。 (3歳以下の乳児の脳細胞は、この乳酸発酵のシステムを残っているそうです。出産の時、産道を通り抜けるあいだは無酸素状態が続くので、それに耐えるために必要なので)  そして意識を失うと、人間は倒れます。フロンというのは空気よりも重いので、密閉空間では床のほうに溜まります。倒れた人間の口は床付近にあります。  よって意識が自然回復することもなく、そのまま、お陀仏となります。  こうやって気絶した場合には、意識が飛ぶと同時に、呼吸停止するみたいなんで、誰かに活を入れてもらわないと自発的に呼吸は再開しないようだけど。――まあ、口元付近の空気に酸素がないなら、やはりどうやったって、死ぬだろう。 -------------------------------------------------------------------------------- Do you 脳? No.7795 投稿日 2004年3月25日(木)23時45分 投稿者 弟切 千隼 >冷凍庫の扉を閉め切らない理由  No.7791における弟切の説明は、厳密には不正確でした。  フォローありがとうございます > 新木さん、鷹見さん。  正確には、「密閉された冷凍庫の中では、様々な要因により酸素欠乏症になりやすいため、扉の閉め切りが禁じられている」と書くべきでしたね。  酸欠=酸素欠乏と、酸素欠乏症とは違います。酸欠とは、空気中や水中の酸素が欠乏することです。酸素欠乏症とは、生体内の酸素が欠乏して起こる病的な状態を指します。  弟切は、マイナス二十度を下回る冷凍庫に入って作業をしたことはありません。ただ、そのような冷凍庫で作業をした人の話を聴いたことがあります。  その人のしてくれた説明も、新木さんや鷹見さんの説明とほぼ同じでした。「規則だから」というのはその人も強調していました。「規則にしておけば、どんなバカでも、『規則だから守らなきゃ罰がある』と言うだけで危険を回避させられる」とのことです。  動物の中でも、ヒトは、おそらく最も酸素欠乏症に弱いです。それは、ひとえに脳が異常に発達していることによります。  ヒトの脳はたいへんな「酸素食い」です。極めて活発なその活動には、大量の酸素が欠かせません。ちょっとでも酸素が途切れると、途端に機能を停止してしまいます。のみならず、どんどん脳細胞が死んでゆきます。  酸素欠乏症に限っていえば、マウスやラットでの実験はヒトに当てはめられません。ヒトほど発達していないマウスやラットの脳細胞は、酸素欠乏状態になってもそう簡単に死にません。  ですから、マウスやラットは、酸素欠乏状態に置かれて一時的に気絶しても、酸素の多い環境に戻してやればすぐに快復します。後遺症はほとんどありません。  ところが、ヒトの場合はあっという間に脳細胞が死んでゆくため、酸素の多い環境に戻されても、重篤な後遺症が残ります。記憶障害で済めばましなほうで、ひどい場合は一生意識が戻らない、いわゆる「植物状態」になってしまいます。  したがって、酸素欠乏症を起こしやすい環境での仕事は、すべて「危険な業務」と見なされます。冷凍庫内や、地下の坑道内などでの仕事ですね。雇用主は、厳しい防災基準を満たすことと、給料に危険手当を付加することが求められます。 >「冷凍倉庫に連れていって」分析  No.7791の続きです。やっと最後まで行き着きました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  倉庫に入る前に主任に言われた言葉が脳裏に浮かんだ。 『防寒具を着ていても十分が限度だ、お目当ての品物を確認したら、すぐに出てこないと凍傷で鼻がもげるぞ』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここは、視点キャラクターの回想ですね。  回想シーンはわかりにくくなることが多いため、できれば入れないほうがよいです。特に、読者さまが物語に入りきっていない最初のほうでは禁忌です。  けれども、この回想シーンはわかりにくくありませんね。理由は二つあります。  一つは、長々と回想していないためです。  いくつもの段落にわたってだらだらと回想が続くと、読者さまは「今どこにいるのだっけ?」と見当識を失います。そうなれば、訳のわからなくなった読者さまが、読むのをやめてしまう可能性が高いです。  ここでは、視点キャラクターが『主任に言われた言葉』をそのまま書いているだけですから、読者さまはすぐ「物語内の元の時空」へと戻れます。  もう一つは、この時点では、読者さまが物語世界にどっぷり入っているためです。  ここまで、冷凍倉庫の寒さがたくさん描写されてきました。視点キャラクターの女性は、まじめに仕事を果たそうとしていて、好感が持たれています。読者さまは視点キャラクターと一緒に『マイナス四十度』の寒さにぞくぞくしています。  この状態ならば、読者さまは視点キャラクターの回想に付いてきます。もう、彼女にすっかり感情移入していますから。  『主任に言われた言葉』自体も、端的でわかりやすいですよね。『凍傷で鼻がもげるぞ』なんて、インパクトが強い言葉です。  この言葉は、半分は脅しだとしても、半分は本当です。主任さんは、わざと強烈な言葉を使って、視点キャラクターが事故を起こさないように気遣ってくれています。  鷹見さんの書くキャラクターって、口は悪くても心が優しい、いい人が多いですよね。キャラクターが魅力的なので、その人がどうなるのか気になって、読み進もうという気になります。やはり、キャラクターの魅力は重要ですね。  主任さんの台詞は、『マイナス四十度』の寒さを知らない読み手には、「凍傷で鼻がもげることもある」という驚きを与えてくれます。知っている読み手には「そうそう、寒さって恐ろしいんだよね」と共感を持たせてくれます。  読者さまを惹きつける驚きと共感も、ちゃんと用意されています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  彼女はあわてたように、品物を見回した。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここで、あっさりと視点キャラクターの回想が終わります。主任の言葉の衝撃を思い出して、『あわてたように』行動する彼女の姿が目に浮かびます。  この文は、描写というより説明ですね。もちろん、これはわざとです。短いとはいえ回想シーンが終わったところですから、読者さまを「今ここ」に引き戻すために、端的に説明にしています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  目の前に何か白いゴミのようなものがあり、目をしばたくとその白いものは同じように上下するのに彼女は気が付いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  『目の前に何か白いゴミのようなものがあり〜』の文は、読者さまに小さな謎を提供していますね。こうすれば、読者さまに「何だろう?」と思わせて、その答えを知りたさに先を読んでもらえます。  この文は、「まつげに霜が付いている」状態を描写しています。「まつげ」という言葉はどこにも書いていないのに、読み手には「何か」がまつげに付いていることがわかります。『目をしばたくとその白いものは同じように上下する』という部分が、まつげの描写になっていますね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  そっと手を伸ばすと、その白いものはすぐに取れたが、その手袋の指先についていたものを見て、彼女は少し驚いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターの行動を書いています。『目の前に何か白いゴミのようなもの』があれば、誰でも取るであろう行動ですね。自然さを出しています。  『その手袋の指先に』で、視点キャラクターが手袋をしていることがさりげなく書かれています。冷凍庫内に入るのに、手袋をしていないはずがありませんよね。細かいところでも、冷凍庫内らしさを出しています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ......氷? いえ、霜だわ。  倉庫に入って、ほんの二分も過ぎていないのに! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  視点キャラクターの心の声ですね。ここで、先に提示された小さな謎が解けています。  謎が解けると同時に、読者さまは、視点キャラクターと同じ驚きを共有します。まつげに霜が付くなんて、普段の生活ではあり得ないことです。  しかも、『倉庫に入って、ほんの二分も過ぎていないのに!』です。この言い方が、臨場感に溢れていますね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  小さく身震いした彼女は、真剣な目で、検査対象の輸入肉を探し始めた。  寒さは、背中一面に広がっていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  ここで、視点キャラクターが『小さく身震いした』と同時に、多くの読み手も身震いするのではないでしょうか。  二分かそこらでまつげに霜が付く、それがどんなに恐ろしい寒さかは、ほとんどの読み手には理解できるはずです。そして、読み手はすっかり視点キャラクターと一緒に冷凍倉庫に入っていますから、そんな恐ろしい寒さの中に放り出されているわけです。身震いしたくなりますよね。  視点キャラクターは、いっそう心を引き締めて仕事にかかります。『真剣な目で、検査対象の輸入肉を探し始めた』という部分に、その様子が表われています。  『検査対象の輸入肉』という部分が、先に登場した『輸入停止になったアメリカ産の牛肉』という言葉とつながりますね。昨今のBSE騒ぎは大概の読者さまが御存知でしょうから、「あれのことだな」とぴんと来るはずです。時代性をとらえて、読者さまの関心を惹いていますね。  『寒さは、背中一面に広がっていた』という文の寒さは、二通りの寒さを表わしているでしょう。  一つは、純粋に体で感じる寒さです。マイナス四十度の低温が、ほんの数分で人体を蝕みつつあるのを描写しています。  もう一つは、心理的な寒さです。「このまま長い間ここにいたら、凍死しちゃう」というせっぱ詰まった思いが、視点キャラクターの背筋を寒くさせています。  ここまで読んだ人の背筋も、もちろん寒くなっていることでしょう。それは純粋に心理的効果によるものですね。この作品によって、「冷凍倉庫に連れていって」もらったわけです。 お知らせ:  弟切は明日から仕事で出張します。自宅に戻るのは、28日(日)の夜になる予定です。それまでは、おそらくここに書きこみできません。 -------------------------------------------------------------------------------- 書き込みに、恐怖中。 No.7796 投稿日 2004年3月26日(金)00時49分 投稿者 津荒 夕介 ○鷹見さんへ  色々とありがとうございました。大変プラスになりました。  カッコイイ人間を目指して、生きていきたいです。 ○新木さんへ >>ところで、津荒、なんで100個出してこれたの? >>それ、不思議なんだけど。 >>シンデレラ迷宮だとか、アイデア出し訓練メニューで、自分で訓練していたとか?  訓練というほどのことは、していません。  分室に来る前に書いた短編で、「少しやってみた」程度です。  過去ログを読んで、アイディア出しの素晴らしさに感動して、やってみたんです……。  それのおかげ……なんでしょうか。 >アイデア出しのレベル >>話の筋を練り込んでいるときに、必要なときに、100個ぐらいのネタ出しを、さくっと1日程度でやれないようでは、そもそも、話にならない。    あの100個を出すのには、4〜5時間ぐらいかかりました。「さくっとやる」レベルはまだまだ先です。  また、ゴミネタが大分あったことも考えると、実際のところダメダメです。 >>いまの短編を書き終わったら、ためしに、ゲーム感覚の遊びとして、シンデレラ迷宮、何個かやってみる?    まずは短編を書いて、それから考えたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 素敵ですわ No.7797 投稿日 2004年3月27日(土)11時18分 投稿者 名無し君2号  凄いというか、素直というか、なんというかまあ、素晴らしいです。  私が同じこと――100個アイデア出してこいと言われたら、20個しかひねってこれなくて、あとは言い訳太郎になっていただろうことは、想像に難くないわけで。それもまた情けない話なわけで。  手前も頑張らなきゃいかんなあ、と反省しきり。 >1000字課題、3/22分、No.116「まだまだ甘い」(2000文字) >>しかし「掏摸」って、これどう読むの?  カタカナだと気分が出ないといいますか。  やっぱり「スリ」より「掏摸」なんですよね。できればルビをふって読ませたいところです――って本編じゃこの「掏摸」という言葉が出てきてない。  よく「おれは掏摸の○○――」と主人公に自分のことを語らせるような、馬鹿な真似をしなかったなあ。 >>しかし、文章、やっぱり薄い。無駄が多いって意味ね。 >>3分の2で書けるはずだな。現在3ページ。これは2ページに収まるし、そうすれば読めるようになる。 >>もしくは5ページ程度で書くか、どっちかだな。  掌編ならばもっと短くしなくてはならない――贅肉が多いし、長編として書くならば、逆にもっと太らせなきゃならないということでしょうか。  太らせるんじゃないな。  もっと体自体を大きくするということなのかしら。さらに2ページを増やす……。 >>この話がいくつのシーンによって構成されているのか、分析して、2ページ分増量するのであれば、どこにどのように行数を加えるべきなのか、プランを立ててから、リライトすべし。  やってみます。  頭のなかにある文章だと、5W1Hを確定させるシーン、主人公の職業を匂わすシーン、スリを実際に行うシーン、直前でスリを止めるシーン、止めた理由を確定させるシーン、ホッとしたところで少女がスリを行うシーン、少女の犯行を主人公がかばうシーンとありますが……まあ、実際にやってみなきゃわからない。  しかし、2ページも増えるのか。そうなのか。 >1000字課題  さっそく3500文字です。  No.117「美味しい罠」(3500文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=876&e=res&lp=550&st=0  少年が、少女に対してちょいとしたいじわるをする話。  文庫本換算5ページを書いてみて、すくないな、と感じました。まだまだ文章に無駄があるということなんでしょうか……なんでしょうね。 >月白さん  ご苦労さまでした。  「よみかく」に残っていた作品、読ませていただきました。  小説は「よみかく」にあるとのこと、ではさっそくと思って、このページ左下にある「よみかくに戻る」をクリックしたら、HTTP404、そのページは無いッス――なんて冷たい返事をされて、さあどうしようかと思っちゃいましたが。  それから検索したりなんだりいろいろありまして、「ナイトメア〜」と「ロマンティック〜」の二編、入手することができました。  すでに「よみかく」でさんざん指摘を受けていたようなので、私のは書きません。とりあえず、最後まで読んだことだけ、お伝えしておきます。  それではまた、機会がありましたらよろしくお願いします。  宿題。 ・巻島さん長編冒頭の精読。 ・スリの話のシーン分析。 ・キャラ書きわけ、喫茶店編。  レスは3時間ぐらいです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7798 投稿日 2004年3月27日(土)17時35分 投稿者 新木 伸  昨日は飲み会に行ってきた。大いに盛り上がる。  帰ってきたら、いつのまにか舌噛んでしまっていたらしく、今日は雑炊を食うしかない。飲んだ翌日ってのは、腹減るのに〜。  電撃で「バッカーノ」を書いている成田良悟さんが、全部じゃないけど、この分室を読んでいるらしくて。  「なんか津の付く名前の人が、ひどくカッコ良かった」と、分室ウォッチングの感想を述べておった。「漢でしたね」と言っといてくれと、そう言われたので、書いておく。  津荒、名前覚えられてはいないみたいだけど、個体識別されて、覚えられたようだぞ。成田さんの頭の中では、「分室のカッコいい若いヤツ」――と、そのように覚えられている模様だ。  もし授賞式かなんかで対面したなら、「よみかく分室の若くてカッコ良いヤツです」とか、そう言えば思い出してもらえるに違いない。  成田さんは、おそらく電撃文庫で、いちばんカッコ良い話を書いてる人。カッコ良さ受容体がひどく鋭敏なのだろう。  さて。褒めて、持ちあげて、アメあげるのは、このくらいにしておくか。  そろそろ鞭のほうをくれる時間だな〜。  早く書いてこい。鞭くれてやるから。 >2号  「優しい嘘」の話。  あの話を失敗したのは、おまえ自身が、カッコ悪いからなのね。  あの話って、優しい嘘を付くカッコいい主人公の話なわけだろ?  レギュラーを譲ろうとしていたカッコ悪かったやつが、今回はカッコ良くなる話だったはずだが……。  カッコ良くないやつに、カッコ良いやつの話が書けるはずもないのだ。  あの話を書こうとするなら、書いている最中に、お前自身が、カッコ良く変身しなければならない。それに失敗したわけね。  証拠写真を握った主人公が、考えなしに敵前逃亡するわ。  お前の生き写しじゃん。  ちなみにカッコ悪いという状態と、カッコ良いという状態との違いはなにかというと、スイッチひとつなわけね。ONか、OFFかの二通り。  一瞬で切り替え完了してしまうものでしかない。  逃げなきゃ、いいんだよ。  ただそれだけのことだよ。やる前から、できない言いわけを探そうとしないで、全力でやってみて、だめならそこで倒れておけばいいんだ。  たとえ、一晩かけてやってみた結果が、ほんの20個しかなかったとしたって――。  「20個しかできませんでした。でも、だって、そもそも僕には無理なわけで〜」なんて言いわけをしないで、20個、ぽんと出してきて、黙ってさえいれば、それだってカッコいいんだ。  前のめりで、倒れろ。  倒れて死んでる屍を見た後の人は、その屍が前のめりになって倒れていたら、カッコいいと思うだろうし。後ろ向きに倒れていたらカッコ悪いと思うだろうし。  プロ目指しました。やりました。なれませんでした。――で、いいわけね。  プロ目指しました。やりました。なれませんでした。だって自分には才能がなかったので、仕方がないでしょう?――とかやらなきゃ、それでいいわけ。  ――で、お前のばあい、いつ口を閉ざして、やるべきことを、やりはじめるわけ?  頑張らなきゃいかんのですが、わかっていても、なかなか頑張れないのです。――なんて言ってないで、いつ、頑張るわけ?  最近のお前、カッコ悪いよ。  毎日、コツコツとなにかをやっていたカッコ良かった2号は、はて、どこに行ったのやら――。  墓でも立ててやらなきゃならんかな。アイスの棒でいいかな? >文章の適正ディテール量  短編の場合には、3ページ。  長編の場合には、5ページ。  あれと同じものを書くのであれば、適正量は、そんな感じ。  ここでいう短編というのは、40〜60枚程度の規模を想定。  長編は250〜350枚程度ね。 >>頭のなかにある文章だと、5W1Hを確定させるシーン、主人公の職業を匂わすシーン、スリを実際に行うシーン、直前でスリを止めるシーン、止めた理由を確定させるシーン、ホッとしたところで少女がスリを行うシーン、少女の犯行を主人公がかばうシーンとありますが……まあ、実際にやってみなきゃわからない。  「満員電車感」とか、そういう部分を書くところが、まるでないじゃん。あと「女子高生」も描写してない。脂ぎったオヤジなんてのは、「脂ぎったオヤジ」って書いてしまっていいが、女子高生はディテールの描きこみが必要だろ。  ご飯を持っていない。(巻島語)  みそ汁の汁部分がない。(2号語)  つまり、欠点は、そういうことだ。読めたもんじゃない。  「満員電車」としか書いてないし。「女子高生」としか書いてないし。  実際に食うべきディテール部分が、ぜんぜんないだろうが。長編では、そういう部分に2ページを割くんだってば。  しかしそのわりには、「標的の脂ぎったオヤジ」に関しては、描写がすこしあったりするんだよな。ひどくアンバランスだ。  「満員電車」と「女子高生」は、メインの食材なんだし。それ、まさに食べる部分なんだし。なのにただ「女子高生」と書かれた紙切れが出されてきたようなものだ。  おいオヤジ。俺は「女子高生」を注文したわけだが……。  この、紙に書かれた「女子高生」って4文字は、いったい、なんだ? なにかの冗談か? それとも俺をおちょくっているのか? どっきりカメラだというなら、いまこの瞬間にプラカード持って出てきたほうが身のためだぞ? >876 1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字)  読めん。わからん。わけわかんねー。  まず何人出てきているのか。どんな人物とどんな人物がその場にいるのか。二人なのか三人なのか四人なのか。  少年。  少女。  夏乃子。  明治君。  ――と、この場には四人が登場してきているようだが。彼らはそれぞれどんな関係にあるのやら。  誰が、なにを、どうしようとしている話なのか。  物事を理解するための最低限の5W1Hが、読み取ろうとしなければ伝わってこない。  ――てか、読み取ろうと努力してなお、正しく読み取ることが不可能だ。  こんなもん、読めるか。  ふざけんな。  寝言は寝て言え。  だいたい四人出てきている登場人物が、後ろのほうになると、二人に減ってるしー。いったいいつ退場したのやら。 -------------------------------------------------------------------------------- 死ぬ時はたとえドブの中でもいい…… No.7799 投稿日 2004年3月27日(土)19時43分 投稿者 鷹見一幸  ……前のめりになって死にたい。  という名言、というか名セリフがあるけども、この言葉の初出について 面白い説を聞いた。  この言葉が一番最初に世に出たのは「巨人の星」の作中である。  これが本当なら、俺的には「へえ〜」な情報なので、面白がって書き込んでいるんだが、世の人々には「だからなんなの?」なネタなんだろうなあ(笑  小説を書くために必要な知識の99.99%は、実生活に何の役にも立たない「ムダ知識」で、知っている人間と知らない人間との差は、せいぜい「トリビアの泉」を見ても一度も「へえ〜」と言わずに済む。くらいしか見当たらない。  では、そういった知識を溜め込むことのできる人間と、できない人間と、どちらが物書きに向いているかと言えば、当然前者だ。  知識を溜め込むには本を読まなくちゃならない。  本を読まずに本が書ける人間がいたら、超人だ、紹介してくれ、名刺もらって友達に自慢するから(笑  ……よーするに何が言いたいかというと。  津荒くんも名無し2号君も、もっと本を読んで欲しい。ということだ。  ライトノベルや、SF小説や、マンガを読むのもいい、でも、それだけで吸収出来る知識は実に薄いものでしかない。  知識には「源流」がある。  物語に出てくる知識は、すべて作者の手によって、読みやすく、わかりやすく薄められ、ブレンドされて、実に飲み込みやすくされている。  でも、そんなものをいくら飲んでも、それによって得ることができるものは、それを越えることはできない。  そうやって生まれたものは「亜流」と呼ばれる位置から動くことは無い。 でも、源流にまでさかのぼれば、その源流から自分だけの川を流すことができるかもしれない。  それは誰にも恥じることの無い自分だけの川だ。  書店は「世界」だ。  ライトノベルは、その世界の中のほんの一部分でしかない。  月刊雑誌を見るだけでもわかる。  書店には、おそらく津荒君や名無し2号君が、一度も手を伸ばしたことのない棚があると思う。  その棚には「盆栽の友」とか「オートキャンプ入門」とか「舵」とか「鉄道ピクトリアル」とか、その手の趣味を持つ人間しか読むことは無い雑誌が並んでいるだろう。  読め、とは言わない。  そんなヒマも金もあるわけはない。  そんなことはわかってる。でも、手にとってパラパラとめくることぐらいはできるはずだ。  自分の知らない世界があることを知るだけでも価値があると。俺は思う。  でも、そうやって溜め込んだ「知識」は、そのまま「書いたもの」の 中に引用できるかというと、実を言うとそうでもないんだな、これが(笑  じゃあ、なぜ資料を調べて知識を溜め込むのか。  簡単な理屈だ。  そうやって溜め込んだ知識は、書く時に自信になる。  自分の書いていることは嘘じゃない。 「こんな感じ」「あんな感じ」で書いているんじゃない。  これはこうなんだ! と言い切ることができる。  胸を張って大嘘がつける(笑  何一つやましいところがない「大嘘」を、堂々と胸を張ってつける快感。  俺が作家専業になってしまった理由は、この快感を知ってしまったからなのかもしれないな。  だけど、残念なことに、四十五歳を過ぎた脳細胞には、これ以上の知識を詰め込むのが困難だ。  一つ覚えると三つ忘れて行くような気がする。  だから、若い連中にはもっともっと本を読んでいろんな知識を身につけて欲しいと思う。  俺ぐらいの年齢になると、こんな感じだな。 「死ぬ時は、たとえドブの中でもいい……               ……楽な姿勢で死にたい」(笑 -------------------------------------------------------------------------------- 往生のしかた No.7800 投稿日 2004年3月28日(日)15時24分 投稿者 新木 伸  そういや、うちの父親は前のめりになって死んでいたっけ。  風邪をこじらせて、咽頭を詰まらせて死にましたが。  トイレに向かう途中で、前のめりになって、事切れていたということです。第一発見者談では。  うん。  これだって、前のめりのひとつだしな。  なにかを為しかけている状態で死にたいな。たとえそれがトイレに向かうような、ひどく些細なことであっても。  つまり、往生して死にたくはないってことで。 >2号 >876 1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字)  やや不親切かとも思うので、読めない理由を、いくつか上げてみる。  まず視点がどこにあるのか、わからん。  仮に見えない視点保持者がその場にいるのだと仮定しても、彼もしくは彼女がなにを見て、どういうルートでその注目しているもの(見ているもの)が飛び移っていっているのか、よくわからない。  注目しているもの(見ているもの)が、こんな飛びかたをする人間がもしいたら、そいつは発狂している。  だいたい、視点保持者がもっとも注目を向けている対象は、「少女」なのか「少年」なのか、それとも「二人とも」であるのか、いったい、どれなんだ?  どの対象に対して、心理的にいちばん近いのか。  これは視点保持者が、誰にいちばん親しみを覚えている視点であるのか?  「キスしようとする」側に感情移入するものなのか。「キスされちゃう側」に感情移入するものなのか。  それがこの5ページのなかで、盛大に揺れまくっている。  やはり視点保持者の気が狂っているとしか、いいようがない。 -------------------------------------------------------------------------------- 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし No.7801 投稿日 2004年3月28日(日)23時48分 投稿者 弟切 千隼  出張より戻りました弟切です。  今回の出張は外を歩く機会が多く、天気が悪かったら悲惨な目に遭うところでした。でも、天気に恵まれました。お天道さまに感謝です(^_^)  出張先で、時間があったらお花見をしようと思っていたものの、その地方ではまだ全然桜が咲いていなくて、果たせませんでした。戻ってみたら湘南でもまだ咲いていませんね。  この調子ですと、湘南の桜の見頃は今週半ばになりそうです。遅くとも、今週末には満開を過ぎて散り始めるでしょう。  しかし、今週中にお花見をしている暇があるかどうか、弟切の状況はとても怪しいです(;_;) 四月を目前に控えて、仕事が大詰めです。  今回は帰還報告のみとします。 -------------------------------------------------------------------------------- バイトしようかなと No.7802 投稿日 2004年3月29日(月)16時50分 投稿者 名無し君2号  家族の目とか、経済状態とか、いろいろあるので、短時間のアルバイトをしようと決意する。ものすごく嫌なんだけど。  働かざるもの、食うべからず。  ――「格好いい」論争が、べつのかたちで私に影響した模様。甘ったれちゃいかんのだ。  求人広告のチラシを見て、嫌々ながら(格好わるい)も電話する……うわ、声がすこし震えてるよ。そういえば知人以外と電話で会話したのって――1年ぐらいぶりか。  1オクターブ高い声で、「あ、あのぉー」  カッコワル。  いろいろ話しをさせてもらって、こりゃ無理だあ、と思ったので止める。最後のほうには声の震えも治っていた。それが会話に慣れたからなのか、それとも求人を止めようと思ったからなのかは、どうもわからないんだけれども。 >ご飯とオカズ  普通に読める文章が、ご飯。  作者固有の汁とか毒があらわれている文章が、オカズ。  ――こういうことなんでしょうか。  ただ……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「満員電車感」とか、そういう部分を書くところが、まるでないじゃん。あと「女子高生」も描写してない。脂ぎったオヤジなんてのは、「脂ぎったオヤジ」って書いてしまっていいが、女子高生はディテールの描きこみが必要だろ。  ご飯を持っていない。(巻島語)  みそ汁の汁部分がない。(2号語)  つまり、欠点は、そういうことだ。読めたもんじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  No.7798の新木さんの指摘を読むと、ご飯とは「ディテール」、つまりストーリーラインとは関係ない、細部のことであるらしい。  つまり、  「〜感」などの細部を書いた文章が、ご飯。  ストーリーを進めるための文章が、オカズ。  ということなんだろうか。  ご飯って描写のことじゃないよなあ。そうなのかな……。  そんな理解に従って、巻島さん長編冒頭、クロッシング・マインドの分析をやります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見出し文。5W1Hを確定させる文章なので、オカズであろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ロータリーのバス停は列を伸ばし、その合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体が通り抜けていく。  バス停のベンチに、高校生のカップルが座っていた。お互い手を握りあって、楽しそうに笑いあっている。たぶん、次のバスが来ても乗らないだろう。固く握りあった手は、簡単にほどけそうにない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ご飯。  駅前感を増量する文章。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなカップルの手をまじまじと見ていたことに気づいて、亮介は慌てて顔をそらした。視線が、足もとへ向かう。自分の影がやけに濃くて、それが前に向かって細く長く伸びていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うーん、んー?  主人公の登場についてはオカズだろう。  でも、心情を描写している文はご飯か? 「カップルの手をまじまじと見ていた」「自分の影がやけに濃くて」あたり。でもこれは意味をはっきりと読み取ってもらえなくてもあまり影響ない……なんだかハッピーじゃないな、と伝わればいいんじゃないかと思う。  オカズとご飯は繋がっているのか?  進める。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は大きく、息を吐く。稲瀬のにやけ顔が、頭のなかに沸いてくる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見出し文。  これから回想に入りますよ、という印。オカズ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今日の昼休みのことだった。中一以来、腐れ縁が続いていた稲瀬から、なんと、女ができたと言われたのだ。  正直、ショックだった。  自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  回想。  主人公はともかくショックだったのだ、ということを説明している文と――あー、あー、あー、なるほどね。 「自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに」という、この「〜のに」三連星で、主人公のショック感が増量されてるわけだ。  当時は読んでもなんのこっちゃ状態だったが……。  ええと、これもご飯の一種なんだろうなあ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  好きな女がいるんだよ、というサイン。  容姿もさりげなく説明している。「うなじを〜」という文章で、主人公は彼女を、決して真っ正面から見れてないということが描写されている。つまりはそういう関係なわけだ……と思ったら笑顔でドキドキ。あれ? 真っ正面から見ている? 考えすぎか。  ここはオカズであろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  彼女のことを考えるのは、気が重い。  亮介は頭を振ると、足に力をこめて歩きだした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  彼女の関係をわかりやすく解説。「気が重い」わけだ。「足に力をこめ」なきゃ歩けないわけだ。これもオカズだと思うんだけども。  そして一行の空白。  場面転換をあらわしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  県道も、ラッシュの時間だった。亮介のすぐ脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。前から来た自転車が、亮介をうまく避けていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見出し文。  主人公がいまいる場所の描写。交通量が多いこと、通行量が多いこと。  ご飯だと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところからギラっとした光を差しこんでくる。亮介はただなんとなく、その赤い光に見とれながら歩いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕方感を増量。ご飯です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのとき、対岸の歩道に、見覚えのある影を見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  場面の変換。  オカズ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は慌てて目をそらした。ちょうど建物の影を歩いていたから、暗さで見間違えたのかもしれない。そう思いつつ、今度はそろそろと顔を対岸に向ける。  見間違いではなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  場面の変換を補足。  読者の目を留めさせる、というのはこういうことなのだろうか。  ここで場面が変わりますよ、なにか起こりますよ――ということをわかりやすく、重ねて書いているのではないかと。  見て、目を逸らして、でもってまた見ると。  ある事実→それに対する主人公の行動→主人公の認識。  あとは、見たくないものを見てしまった、ということの描写でもありますね。  ご飯な気がするけどな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  有希が、いた。うしろ姿だが間違えようがない。さっき頭のなかに浮かんでいたその本人だ。明るい青のブレザー、胸元には大きな紺のリボン。青基調のチェックのスカート。ここらでは名門で有名な、そして自分とはとうてい釣りあわない、女子校の制服だ。学校の持ってる格のせいだろうか、制服からオーラが出ているような気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なにを見たんじゃい、という読者の欲求を叶える場面。  名前は有希であると。学生さんだと。そして、彼女はさっき主人公が想像していた女性なのだと。「気が重い」からこそ、いったん目を逸らしたの……かな?  うーん、ご飯ぽい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ペースをなんとかすれば、偶然を装って会えるかもしれない。そう考えて、亮介は有希との差を縮めようと急ぐ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズ。  主人公の行動。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし歩きだしてすぐ、亮介は気づいてしまった。  有希の隣に、東高の男が歩いているのを。  亮介は首を前に戻すと、勢いそのままで目の前のコンビニに駆けこんだ。  わけもわからず、ただカウンターから遠ざかるほうへ行く。カバンがなにかに当たったみたいだけどどうでもいい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズ。  場面転換の、読者の目が留まることに注目して考えてみると……。 「コンビニに駆けこんだ」に続いて、「カウンターから遠ざかる」で、ここがコンビニなんだよ、とハッキリ示しているんじゃなかろうかと。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  店の奥まで来て、ようやく足が止まった。心臓の動きがぜんぜん収まらない。胃の上のほうが痛い。全身に変な汗が噴き出てくる。息がなぜか上がっている。店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ご飯かなあ。  主人公の心理描写。苦しい感を出しています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  自分は鈍いほうだと思う。でも、あれを見て意味がわからないほどじゃない。  しかも相手は、県立の進学校である東高の生徒だ。他の学校ならまだしも、これじゃあ到底かなわない。有希とつきあっても、充分釣りあいが取れている。  いつかこうなることぐらい、覚悟していたはずなのに。  自分に勇気がなくて、言えなかったんだから、こうなることぐらい、わかっていたはずなのに。  体は全然、覚悟ができてなかったらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズですね。  どうしてこんなに苦しんでいるのか、ということを解説。 「有希に彼氏ができたなんてー!」と悲しんでいるわけですね。  ここまでで2000文字。  うーん、と。  「夕方の街並み感」や、主人公の感情のゆらぎなど、厚く書いてます。  これが「ご飯を盛る」ということかしら? >1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字) >>読めん。わからん。わけわかんねー。(No.7798) >>まず視点がどこにあるのか、わからん。 >>だいたい、視点保持者がもっとも注目を向けている対象は、「少女」なのか「少年」なのか、それとも「二人とも」であるのか、いったい、どれなんだ?(No.7800)  これは「二人とも」のつもりでした。  視点に関しては、ある程度は理解できてたと思っていたけど……。  いま読み返してみると―― −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  靴をぬぐ少年の後ろで、マンションの扉は重厚な音を立てつつ、閉じた。 「さーさ、入って入って」  そう言いながら、少女は薄暗い廊下を進んでゆく。  途中にあった部屋の戸――『夏乃子のおへや』とプレートが貼ってあった――を開け、背負っていたリュックをなかにほうりこみ、短めな制服のスカートをひるがえしつつ、軽やかな足取りで奥へと消えた。少年は口元に笑みをうかべながら、その後をついてゆく。  廊下を抜けると、ダイニング・キッチンが広がっていた。  だいぶ弱々しい――今日のお勤めごくろうさん、といった感じの太陽の光が、サッシ越しに注ぎこみ、背伸びをしながら台所の棚を覗きこんでいる夏乃子を照らしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここは少年の視点。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「明治くん、冷蔵庫におやつ入ってるからさ、だしといて」  すんごく美味しいんだから、と言う声に、はいはい、と返事をしながら、明治は夏乃子の脇をすりぬけ、冷蔵庫へと向かっていった。陶器のこすれあう楽しげな音に混じって、ボフ、と、弱い吸盤をはずしたような音が響く。冷蔵庫が開いた音だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここも少年視点なんだけど……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夏乃子がティーカップを取りだしたとき、 「……うん?」  という明治の声がした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  はい、捻れました。  少年に視点が寄っているなら、ここは冷蔵庫の中身を描かなきゃならない――はず。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「なに? どうしたの?」  冷蔵庫とにらめっこしている明治を、夏乃子は横目で見つめた。 「ないよ、シュークリーム」 「はあ? なにを――っと!」  持ってたティーカップを落としそうになり、あわてて夏乃子は抱えこむ。へっぴり腰でカニ歩きし、そっと調理台にカップを置いた。 「ちょっと見せて」  素直に明治は脇によける。夏乃子は冷蔵庫の前にしゃがみこんだ。  それから、物をかき混ぜる音がすること、数十秒。 「あれ……あれぇ。ない、ない、ないなぁ。明治くんと食べようと思って、シュークリームとっておいたんだけど、パパのおみやげで、とっても美味しくて……あれぇ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女の視点に移っている。  これ以降、少女の視点で進んでゆき……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  明治はぽかんとする夏乃子の両肩に手を置いて、脇にどけさせる。おもむろに冷蔵庫の扉を開けた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これは少年の視点だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うん? と夏乃子は目で明治に問いかける。口の中は甘いクリームに占領されていたから――開けなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ずずっと場面は進んで、最後のあたり。  これなんか少女の視点です。じゃないと「口の中は甘いクリームに占領されていた」とは書けない。  駄目じゃん。 >>どの対象に対して、心理的にいちばん近いのか。 >>これは視点保持者が、誰にいちばん親しみを覚えている視点であるのか?  これをちゃんと認識して、それに基づいて書かないと……当たり前のことなんだけどな。  レスには5時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7803 投稿日 2004年3月29日(月)20時51分 投稿者 新木 伸 >2号 >>バイトしようかなと  あー、オマエって、ホント、カッコ悪ぃなー。  いっぺん、飢えて、死ねよ。  そのほうが、なんぼか、カッコいいぞ。  だいたい――。  バイト探すにしたって、どーせ、おまえのことだから、「なるべく楽で、なるべく儲かるやつ」とか探してたんだろう。  違うんだよ。  本物の作家志望者は、バイトの選びかたからして、違うんだよ。  いいか?  本物の作家志望者の仕事の選びかたというのは――こうだ。     「もっとも小説を書く役に立つ仕事は?」  労働時間、賃金、労働条件なんてものは、二の次、三の次だ。  まあ、おまえの場合には、身体的な条件によって選べる仕事は狭くなってしまうだろうが……。  そのなかで、もっとも「小説を書く役に立つ仕事」を選ぶわけ。  声が震えるかどうかなんてのは、カッコ良いかカッコ悪いかなんてことに、一切、関わってこないの。  おまえが最低にカッコ悪いのは、声が震えていたからではなく、仕事を選ぶときに「楽なほう」を選んでいるその姿勢のせいだ。  求人活動をやめる決意をして、声の震えが止まったってのは、それもたしかにカッコ悪いがな。 >巻島の分析  精読に足りる出来には、なっているだろう?  まあ文章はそれでデビューの最低水準だ。  あとは内容面。いまひとつ弱いから、たぶん落ちるな。選外からの敗者復活で、どうにかなるかもしれない可能性が、ないこともない、という程度。  もし巻島が全文リライトをかけていて、どこのページの文章も、その冒頭5ページのクオリティにまで引き上げられていたなら、「文章力だけでも即戦力になる。ノベライズ要員として唾付けておこーっと」とか、判断されて拾ってもらえるかもしれないが。 (そんな話なら蹴っておいて、あくまで賞を獲ってデビューしろと吹き込んであるが)  まあ、どーせ、リライト適当で送っちゃうんだろうなぁ。そして来年はもう、巻島は応募しないのだろうなぁ。たしか八神と同い年だったはずだから、来年は就職一年目で、そんな暇などないだろう。八神おねいさんのいっこ下だったとしても、就職活動に卒業レポートで、やはり似たようなもんだろう。  ――で、それはそれとして。  オカズとご飯の定義が、ぜんぜん違うってば。  やり直しだ。  はじめから、もういっかい、精読かけて分析しろ。  今回のものは、使い物にならん。  えーと、こう言ってみよう。  あの冒頭5ページのなかで、俺や、みやびさんや、鷹見さんや、その他のプロ作家や、あといまの2号には無理だろうけど、超進化を果たしてセミプロ化した3号あたりとか、それらの他の「同等以上の技量を有する人間」でも書ける部分と――。  巻島翔史という個人にしか書けない部分と――。  二つに、腑分けしてみろ。  誰にでも書ける部分が「ごはん」であり、巻島にしか書けない部分が「手作りオカズ」だよ。  判断基準は、「俺(新木)なら書けるか」どうかだ。シンプルに考えろ。  俺なら可能か。俺でも無理か。  考えるな。感じろ。(笑) >ご飯とおかず >>No.7798の新木さんの指摘を読むと、ご飯とは「ディテール」、つまりストーリーラインとは関係ない、細部のことであるらしい。  こら、なんで、そうなる?  「満員電車感」と「女子高生」とが、ストーリーラインに関係ないという判断が、よくわからんのだが……?  だってこの話は、「満員電車の中で行われる、ベテランの掏摸と、女子高生掏摸との邂逅」の話なわけだろ?  その二つは、一行コンセプトにだって出てきて、ばっちりと絡んでくるぐらいのキーワードのはずだろ?  そういう大事なものが単語一個で「おざなり」にされていて、コンセプトに出てきてもいない「脂ぎったオヤジ」のほうに何行も描写が割かれているのか。  そのアンバランスさを指摘しているわけだが。  オヤジを描写するぐらいなら、女子高生やら、満員電車やらを描写すべきだろ? そうは思わないか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> 好きな女がいるんだよ、というサイン。 >> 容姿もさりげなく説明している。「うなじを〜」という文章で、主人公は彼女を、決して真っ正面から見れてないということが描写されている。つまりはそういう関係なわけだ……と思ったら笑顔でドキドキ。あれ? 真っ正面から見ている? 考えすぎか。  ヌルいな。  おまえ、本当に、読解力、ないのな。  そんなんじゃ小学二年生の国語でだって、43点を取ることも不可能だろうな。  そんなアホみたいに低い読解力で、なんか意味のあるものが自分に書けるとでも思ってんの? 読むほうが、書くほうよりも、10倍か100倍倍ぐらい楽ちんなんだよ?  死ぬ気でやって、最大出力でも、それっぽっちなのか?  それともまだ底力を隠しているのか? 読み取れなければ、殺す――とか、こめかみに拳銃でも突きつけて脅して、リミッターを外せば、もうちょっとマシな読解力が振り絞れそうか?  ここで書いているのは、主人公が彼女のことを、いつも正面から見れていないということ。そして彼女のほうは彼を正面から見つめて、屈託なく、笑顔を投げかけてくるということ。すると彼はいつも顔を背けてしまって、ただドキドキしているだけということ。 >1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字)  少年と少女、「二人とも」を両方見つめている視点?  はァ? なにそれ? なに寝言、言ってやがんだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  靴をぬぐ少年の後ろで、マンションの扉は重厚な音を立てつつ、閉じた。 「さーさ、入って入って」  そう言いながら、少女は薄暗い廊下を進んでゆく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まず1段落目は、これは少年だわな。  少年を起点としてカメラは写し始め、ドアが閉まるときには、そっちのほうに移動している。  つまりカメラは少年を写しはしたが、直後にドアを写すことで、少年からロックが外れてしまっている。  そして2段落目は少女の台詞だわな。  普通、ここで台詞がトリガーとなって、注目対象が「その台詞を発した人物」に移るものだ。それが演劇からの流れをくむ、小説の「お約束」っていうもの。  演劇においては――。  観客は、台詞を言った人物を見るだろ? 普通、見るよな?  なら小説でも、台詞を言わせたら、そこに注目が移動するもんなんだよ。  3段落目は、台詞を言った少女に注目点が移動している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  途中にあった部屋の戸――『夏乃子のおへや』とプレートが貼ってあった――を開け、背負っていたリュックをなかにほうりこみ、短めな制服のスカートをひるがえしつつ、軽やかな足取りで奥へと消えた。少年は口元に笑みをうかべながら、その後をついてゆく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  この4段落目は、少女に注目点が移動したままで、変化なしなので――。  自動的に、カメラは少女を追いかけつづけていることになる。  つまりこの段落を読んでいるあいだ、読者の脳裏に映し出されるフレームのなかに、少年はまったく映っていない。  しかし最後の行で、いきなり「少年は口元に笑みを〜」で、主語が「少年」の文章が出てくるので、読者はぎょっとなる。  6段落目まで、読者の注目対象がどっちにあると判断されるかということを、一覧にしてみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.靴をぬぐ少年の後ろで、マンションの扉は重厚な音を立てつつ、閉じた。 2.「さーさ、入って入って」 3.そう言いながら、少女は薄暗い廊下を進んでゆく。 4.途中にあった部屋の戸――『夏乃子のおへや』とプレートが貼ってあった――を開け、背負っていたリュックをなかにほうりこみ、短めな制服のスカートをひるがえしつつ、軽やかな足取りで奥へと消えた。少年は口元に笑みをうかべながら、その後をついてゆく。 5.廊下を抜けると、ダイニング・キッチンが広がっていた。 6.だいぶ弱々しい――今日のお勤めごくろうさん、といった感じの太陽の光が、サッシ越しに注ぎこみ、背伸びをしながら台所の棚を覗きこんでいる夏乃子を照らしている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  1……少年のほう  2……少女  3……少女  4……少女(だが最後で「少年は口元に笑みを〜」のところだけ、視点が混乱している)  5……少女  6……少女  なんつーかさー〜。  注目点をあちこちに振りまくるような高等なコトをやるの、オマエ、まだ早いんじゃねーの?  注目点を一人物に固定しちゃうと、話ってのは、書けないものなのか?  少女なり、少年なりにカメラを固定してしまっても、まずたいていのコトはできるはずだが。  あとこれは注目点を振り分けてみるという練習なのか?  そういうことなら、はじめにそう言っておいてくれ。課題提出してきたときに、練習意図を明らかにしておいてくれると、俺の指摘の手も減らせるから。  たとえば「視点を色々と振ってみる練習なのです。とりあえず、まず1回、やってみました。ぜんぜんできていませんけど」とあれば、「ひどく失敗してるね」のひと言で済むわけだろ。詳細に検分するのは、2回目、3回目にやってきたときでいい。  たとえば「視点を色々と振り分けてみました。かなりうまくいっていると思うのですが、どうでしょう?」とあったなら、こちらも精細に検分しようと思うわけね。  おまえがこれをどういうつもりで書いてきたのかわからないから、「話にならん」で片づけてしまっていいのか、詳しくアドバイスしなくてはならないのか、わかんねーんだよ。  どうでしょうか? ――と、ゴロンと出してくるな。  なんでいつも、ゴロンと出してくるわけ? なんでノーコメントなわけ? >内容について  視点以外の部分。  内容や展開について。  あと台詞多すぎ。地の文少なすぎ。描写なんて皆無。  読むところナッシング。  だーら、ご飯を盛りつけろっつーの。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7804 投稿日 2004年3月30日(火)02時22分 投稿者 新木 伸 >2号 >876 1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字) >内容について >> 台詞多すぎ。地の文少なすぎ。描写なんて皆無。 >> 読むところナッシング。 >> だーら、ご飯を盛りつけろっつーの。  もうちょい、補足しておく。  よく考えてみたら、これで伝わるようなら、俺、苦労してねーや。  しかし、どういうふうに言って、方向修正させれば、ちょうどいいところに着地するのかな〜。  つまり展開を急がせ過ぎなわけね。  台詞は数ばかりが多いのだが、実際に必要なことは案外少ない。台詞ばかりが並んでいて、さくさく進められちゃっているのだが、あれでは物事が進展してゆくプロセスを、読者が味わう暇もないのだ。  もう、ほんとに、わけわかんねーわけよ。  いまそこで、なにが起きているのやら、まったくわからないわけ。  津荒の「夢見ぬ少女」の、冒頭の図書館のシーンみたいだって言えば、わかるかなぁ。  これも、あまりにも急ぎすぎていて、プロットに毛が生えたものになってるわけ。  前に「倉庫と眼鏡っ娘」を書かせただろう。  あのときに、ただ倉庫に入ってきて、奥まで歩いてゆくだけで、何ページ使っていたよ?  今回のこれは、あれと比べると、同じ文字数のなかで起きていることが、多すぎやしないか?  文字数2倍で、起きていることは何倍だ?(計測せよ)  俺の言っているのは、文字数を2倍弱にしつつ、起きていることは等倍(1倍)のままにせよと、そういうことなのだが。  文字数を2倍にして、出来事の数を3倍にしちゃうっていうのは、俺の言っていることと、まったく逆なのだが。  お前の文章力って、津荒と大差ないんだから、津荒に言ってるメソッド、そのまま使えるはずだぞ。津荒には短編を書き上げるに渡って、「先にレジュメを作り、各シーンでなにを描いてゆくのか計画を立ててから書け」と申し渡しているわけだが。  あれは自分には関係ない話題だとでも思っているのか?  もっと整理しろ。起きていることを減らせ。台詞を必要最小限にまで減らせ。そして地の文を増やせ。描写しろ。読むべきところを増やせ。  メシを盛れ。  以上。 -------------------------------------------------------------------------------- 桜前線 No.7805 投稿日 2004年3月30日(火)03時16分 投稿者 弟切 千隼  TVや新聞などの公共性が強い媒体で、特定の植物の開花予想を出すのは日本だけらしいです。春先に来日した外国人は、まずそのことにびっくりするといいます。  日本社会内部にいると、「桜前線」という言葉に何の違和感も持ちませんね。けれども、日本社会の外から見ると、それは「普通」ではないことに気づきます。 >「冷凍倉庫に連れていって」分析  鷹見さんの作品を詳細に分析した結果をまとめます。「わかりやすさ」や「興味を惹くこと」などが、どうやって読者さまに提供されているのか、挙げてみます。それらがわかれば、自分が書く時の参考にできますから。  以下に、「冷凍倉庫に連れていって」の中で書かれていたこと(=何らかの形で読者さまを楽しませていたこと)を列挙します。 1)冷凍倉庫感  冷凍倉庫感は、この文章の主題です。何よりも優先して、読者さまに楽しんでいただかなくてはならないことです。ゆえに、最大の力を注いで描写されているはずですね。  読者さまにわかりやすく冷凍倉庫感を伝えるために、鷹見さんは二つの方向から攻めています。  一つは、「マイナス四十度という想像を絶する寒さ」です。もう一つは、「読者さまの想像の及ぶ範囲での寒さ」です。  「想像を絶する寒さ」のほうは、例えば以下の部分に表われています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ボタンのずっと上のほうの壁面に取り付けられた黄色い警戒用の旋回灯が回り出し、分厚いステンレスで作られた大扉が、モーターの回るうなり声とともに、ゆっくりと左右に分かれて動き出した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こんなに大げさな設備を用意しなければならないほど、すごい寒さなんだぞ、と示されていますね。  普通の人が体験できないマイナス四十度の寒さを示して、読者さまを楽しませてくれています。  しかし、人間は、普段の体験とかけ離れすぎたところにあるものは理解できません。「想像を絶するもの」を理解してもらうには、とっかかりとして「想像の及ぶ範囲のもの」が必要です。  そのために、例えば以下の部分では、「想像の及ぶ寒さ」が表わされています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  足元から冷たさが這い登ってくるのがわかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「足もとから冷える」体験は、おそらく誰もがしています。ですから、上記の状態は誰もが想像できるはずです。  この「普通の寒さ」が、だんだん激しくなっていって、「想像を絶する寒さ」にまで達します。以下の部分に、だんだん激しくなる寒さが描写されています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  不用意に大きく息を吸ったとき、鼻の中につん、とした痛みが走りぬけたのだ。  そして、同じような痛みは耳の先や、鼻の頭、指先、つま先などといった体の先端部からも伝わって来ていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  冬の朝などに、「深呼吸をすると鼻孔や喉が寒くなる」経験をしている人は多いでしょう。それが高じれば、寒さではなく痛みを感じるのか、と、たいていの人が想像できる範囲と思われます。  体の先端部から痛みが伝わるというのも、感覚的に理解しやすい書き方ですね。体の先端部が冷えやすいのは、誰もが経験していることだからです。  マイナス四十度の寒さは、確かに日常的に経験されている寒さの延長線上にあります。とはいえ、それは日常の寒さとはまったく次元が違う寒さであるとわかるように書かれていますね。 2)キャラクターの魅力  この作品には、二人の人物しか登場しません。主人公の女性と、彼女の上司である主任です。二人とも、魅力ある人物に仕立てられていますね。  主人公の女性は、まじめに仕事を果たそうとしている人です。ですが、冷凍倉庫に入るのは初めてなので、やることがちょっと危なっかしいです。  そのかわり、マイナス四十度の寒さを知らない読者さまと同じ感覚で感じ、同じ感覚で驚いてくれます。とても読者さまの共感を呼びやすい人ですね。  主任のほうは、言葉が乱暴でも部下を思いやれる人だとわかりますね。危険な業務に携わる部下を、普段どんな言葉で励ましているのか、この主任さんの仕事ぶりを見てみたくなります。読者さまの関心を惹くことができる魅力を持っています。  「冷凍倉庫に連れていって」に登場するキャラクターは、読者さまの共感や関心を呼び、文章の続きを読みたくさせる力を持っています。 3)時代性  昨今のBSE騒ぎを、作品に取り入れていますね。例えば以下の部分です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  目の前に積み上げられている箱の中身は、輸入停止になったアメリカ産の牛肉の最後の在庫だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ちまたで話題になっていることが登場すれば、読者さまは気が惹かれるでしょう。この話題がのちのちどう発展するのか、と興味が湧くはずです。  時代性も、読者さまを惹きつける重要な要因ですね。  この項、もう少し続きます。続きは次回以降に。 -------------------------------------------------------------------------------- 春眠を吹き飛ばせ No.7806 投稿日 2004年3月31日(水)01時53分 投稿者 弟切 千隼  生活リズムが乱れて、やたらに眠い弟切です。しかし、睡魔に負けていられません。仕事が目白押しです。 >「冷凍倉庫に連れていって」分析  いろいろな題材を書く参考になるように、No.7805に書いたまとめを、演繹してみます。  この作品の最大の売りは「冷凍倉庫感」ですね。  「冷凍倉庫感」は、「マイナス四十度という想像を絶する寒さ」と、「読者さまの想像の及ぶ範囲での寒さ」と、二つの方向からの描写によって、「感」じられるようになっています。  マイナス四十度のほうは、読者さまのほとんどが知らない世界でしょう。読者さまは、この作品を読めば、未知の「マイナス四十度世界」への旅行へ連れていってもらえるわけです。  これが、マイナス四十度の寒さでなく、灼熱の砂漠や宇宙空間や恐竜の栄える世界であっても同じですね。小説は、未知の世界に接する驚きを、読者さまに提供することができます。  つまり、「未知の驚異」というものが、小説が提供できる楽しみの一つです。  No.7805で書いたとおり、まったく未知のものに対しては、とっかかりになるものがないと理解できません。「冷凍倉庫に連れていって」では、「想像が及ぶ範囲の寒さ」がその役目を果たしています。  こうした「とっかかりになるもの」には、もう一つ大事な役目があります。読者さまに「こういうこと、あるある」と思わせて、共感を呼ぶことです。  例えば、砂漠へ行ったことがない人でも、ひどく暑くて喉が渇いた経験はあるでしょう。砂漠の暑さと乾燥に遭って、喉の渇きに苦しむ登場人物がいたとすれば、読者さまは「うん、こういう時って、苦しいんだよね。早く水が見つけられるといいね」と共感してくれる可能性が高いです。砂漠を知らなくても、共感は生まれます。  いったん共感が生まれれば、読者さまは、その後しばらく物語に付いてきてくれること確実です。人間にとって、共感とは快い感覚だからです。  したがって、「共感性」とでも言うべきこの要素も、小説が提供する楽しみとして重要ですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 明日は、入学式。 No.7807 投稿日 2004年3月31日(水)15時57分 投稿者 津荒夕介  書きました。  「彼氏のほんと」43枚です。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=879&e=res&lp=731&st=0  起承転結は  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=878&e=res&lp=878&st=0  気をつけたこと(描写しようとした場所について)は、  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=877&e=res&lp=878&st=0  欲しい指摘は、  1 描写がきちんとできていたか。  2 視点がおかしくないか。  です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7808 投稿日 2004年3月31日(水)18時47分 投稿者 新木 伸  おお。津荒、ナイスタイミング。  最近書くことなくって。昨日はウォーミングアップなしで、いきなり原稿書こうと思ったら、異様なまでに調子がでねーでやんの。12時間以上、パソコンにしがみついてて、それでたったの5ページかい。  最近、家賃滞納しているやつがいるし。あいつ追い出して、誰か代わりに入居させようかな。(ボソ)  仕事をスタートさせる方法、慣れ親しんだひとつきりの方法ではなくて、他にもいくつか用意しておかないとならんなぁ。  昨日はノートパソコンにかじりついて、調子が出てくるまで頑張ろうとしないで、とっととファミレスにでも出かけていけば良かった。ファミレスに行って、はんばーぐ食べてからそこで書くというのが、なぜか知らないけども、エンジンかけるのにいいんだよな。  次に調子でない日がきたら、あれだな。6時間目あたりで見切りをつけて、スーパー銭湯というやつを試してみよう。近所にできた。 ○津荒 >原稿の提出のしかた  原稿の提出のしかた、どこかに書いてあるはずだが、探してくるのも大変そうなので、また新たに書く。 (たしか巻島には教えているはずだが)  まず以下のものをセットで、出してくること。 ・原稿。 ・あらすじ。 ・プロット。 ・その他、創作メモ類(各シーンにおける「○○感」の覚え書きメモなど)。  原稿は単体でアップ(書きこみ)する。  それ以外のものは、個別に分けず、ひとつにまとめてアップする。  二つにするのは、原稿だけを見たい純粋読者と、関連資料も見たい創作者との二種類の人が閲覧する可能性があるため。  分室の課題部屋なので、こういうことになる。  読者しかいない場所に投稿するのなら、「作品のみ」となるだろうし。創作者しかいない場所であれば、作品と関連資料とを一つにまとめてしまったほうが良い場合もあるわけだな。ケースバイケース。  原稿の頭のところには、タイトルと著者名と日付とを書いておく。  たとえばこんな感じに。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=558&e=res&lp=558&st=  これはなぜかというと、その原稿がHDDに保存された場合のためだ。  HDDに保存する人が、ファイル名を適当につけてしまった場合、その原稿のタイトルも著者名も、作成日時も、すべて吹っ飛んでしまう。  つまり、この話をどこかの誰かが読んだとして――誰が書いたものなのか、なんてタイトルの話なのか、それが伝わらずに読まれることが、起きうるということだ。  それは、いかんだろう? イヤだろう?  原稿の頭のところに、きちんと3つを記入しておけば、どんな適当な保存のされかたをしたところで、タイトルと著者名と作成日付とは残ることになる。  基本的に、自分以外のヤツの仕事と行動は信用するな。  HDDに保存する人間がどんなふうに保存するかなんて、わかりゃしないんだから、どんなアホがどんな保存のしかたをしても、3点は残るように工夫しろ。  あと、改稿予定がある場合には、日付のところに「初稿」とか「二稿」とか「七稿」とか、そのように書いておくこと。  完成稿であれば必要ない。  無記入は完成稿であるとみなされる。完成稿以外を人に見せることのほうが異例なのだな。まあ「完成稿」とわざわざ書いておいてもいいが。 (わしらプロから見ると、おまえらアマチュアのほうが異常なのだ。完成してないものを平然と見せられる神経がわからん。まあ修行中なのだから、しかたないのだけど) >内容  とりあえず「起」のとこだけ。  あまりうまくはないんだけど、「ご飯」を盛りつけようとする努力が見受けられるし、その努力が実を結んでもいる。  2号の満員電車の中のスリの話なんかよりゃ、遥かに読めるな。  「うん。教室ってこんな感じだよね」とうなずける。  満員電車を満員電車と書かれてもねぇ……。  「教室感」なんて、誰でも知ってるなんでもないことではあるけれど……。  人は、そういう部分を読むものなのだ。ご飯は毎日食べるものなのだ。  鈴木が推薦されて、丘野と言い合うあたり。  男子生徒同士のやりとりは、よく感じが出ている。さすが現役高校生。(3/31までは、キミ、制度的、形式的には、まだ高校生なのよ)  しかし、せっちゃんが女の子たちとお弁当を食べているあたり。ぜんぜん感じが出ていない。高校を離れて18年も経つ俺にだって、もうちょい感じの出るものが書けちまうぞ。  中学校は共学だったのだろうから、思い出して描け。女の子たちってのは、どういうものだったんだ?  もしくは大学に入ったら、女子が過半数を占めるサークルにでも顔を出してみろ。  そしたら、わかるから。  だいたい――、だな。  女の子たちが支配しているテリトリーに、男がひとり、入りこんできたわけだろ?  そこで女の子の第一声が、「な、なんですか?」なんてのは、人間の反応じゃねーんだよ。  いま、彼女たちは「その空間」を支配しているの。強気なの。すでに4対1なわけ。そして女の子たちが「食い物」に関わっているという状況は、彼女たちの戦闘力を数倍にも高めるシチュエーションなわけ。  女の子はいつでもどこでも男に敬語を使うもの――ってのは、おまえの勝手な思い込みなわけね。普段、男に対して敬語を使っているような女の子でも、そういうときには、台詞と態度が変わるわけ。  たとえば、そうだな……。  こういうたとえを出してみよう。  「女子トイレ」という絶対不可侵のテリトリーに、石井が踏み込んでいって、ばったりと瀬戸に出くわしたとする。  津荒の書く女の子ってのは、なにか、そんなときにさえ、「な、なんですか?」と言ってしまいそうなんだな。  そんなときにまで、相手に敬語を使うものなのか? 人間は?  人称と視点について。  ()による心の声を、もっと減らせ。  気をつけてはいるようだけど、まだ多すぎ。  あまりにも頻繁に使いすぎているために、本当に必要なところで目立たなくなってしまっている。 >>(いち、に、さん、し……) >>(ふーん。一秒って、こんなにゆっくりなんだ……)  このふたつはいい効果を出しているが、前と後ろに、なくてもいい()があるせいで、この部分が埋もれてしまっていて、ぜんぜん目立っていない。  もったいない。  では、頭から行く。  冒頭一行目、瀬戸の嘆息した理由が不明。  「嘆息した」だと、理由はそれ以前にないとおかしいわけね。しかしここは話の1行目だから、「それ以前」なんてのはないわけだ。作者の頭のなかには、それ以前だってもちろんあるわけだけど、読者はそれを読むことができないって意味ね。だから「嘆息した」なんて書かれていても、困ってしまう。  ここがもし「嘆息していた」とあったなら、その理由が、いまここから語られてゆくのだろうと、そう読める。おかしくはなくなる。  単に文法の問題だ。  「嘆息した」だと、過去のある時点において完了済みとなっていることになる。  「嘆息していた」だと、過去にはじまり、現在も継続中であることになる。  単に津荒が書き間違えたのだと、そう思って読むことにする。まだ一字一句にまで神経を通わすことができてないから、これは「意図があって書いた」ものではなくて、単なるミスなのだろう。  じつに関心を引かれる書き出しなのだが。  しかし読んでみたけども、瀬戸の嘆息している理由がよくわからん。  瀬戸はなぜ嘆息しているのか、描写でもいいし、説明でもいいから、書いておけ。  クラスのやる気のなさは良く書けている。瀬戸のやる気のなさも。  推薦がはじまる部分、ぎこちない。  1行で終わってしまうような短い文章ばかり並んでいる。段落がないので見にくいったらありゃしない。  アクション(動き)が苦手なんだな。津荒は。動作が連続するシーンだと、とたんに読めなくなる。練習が必要だな。 >>後ろの方で、人名が叫ばれだした。 >>熊谷は立ちあがって、教壇の前に座る男子生徒――石井に小さく何かを言った。  あ、ここ視点がおかしいや。  「後ろのほう」っていうのは、瀬戸から見て後ろのほうってことだよね。あくまで瀬戸が中心にいるわけだ。  しかし「教壇の前」ってのは、これはどこから見てのことだ?  瀬戸の位置から見たのであれば、まず先生が一番「奥」にいて、その「手前」に教壇があって、その手前に石井が座っていて――となるはずなのだが。  また先生から見たのであれば、石井は教壇の「向こう」にいるわけだが。  石井が教壇の「前」にいると書くのは、「教壇」視点となるぞ。たしかに教壇から見たなら、石井は「自分(教壇)の前」にいることになるが。  どの位置から見ているのかによって、「前」とか「手前」とか「向こう」とか、言葉の選択が変わるわけだよ。  鈴木が表面的にカッコいい、というところだが。そこが、よくわからない。  「こういう軽薄っぽいやつ、いるな」とは思う。  プロット的に、それは万人を納得させうるカッコ良さではなく、ただ瀬戸が個人的に好ましいと感じる構図があれば充分なことがわかる。  ――が、納得力が足りない。 >>鈴木は――少女マンガや、ドラマからそのまま出てきたみたいな……そんな人間だ。 >>(鈴木君と、つきあえたらな……) >>秋が終わればクリスマスだ。きっと彼との夜は、ロマンチックなんだろう。  ここの文章、妙に客観的なんだよね。「鈴木君、きゃー」と発情してサカっている娘っ子の思考に見えない。  なぜ、瀬戸は鈴木に憧れるのか。その理由を抜き出して、考え直す必要があるな。  小説においては「納得力」を出すのがもっとも高尚とされているのだけど、その一段階下に「説得力」ってものもある。  鈴木が良い理由を、ずらずらと列挙するだけでも、多少の説得力が生まれたりする。またはズラズラといくつも並べるかわりに、決定的な理由をひとつ出したっていい。鈴木君が校則を無視してバイクに乗っていることを、瀬戸ひとりが知っている、とかさ。  そして「納得力」を出すのであれば、ひと言、書きゃいいんだ。  「ぱんつが濡れた」って。そうすりゃサカってるってことは伝わるし、鈴木を好ましいと思っていることも伝わる。もうちょい含みを持たせるなら、「瀬戸は下腹に疼きを覚えた」だっていい。  男の子であれば、「チンチン勃っちゃった」ってところだな。直接的だけど、ひどく納得力があるだろう。  石井をカッコ良いと思う理由ほどじゃないけど、ここだって、この話の中では、相当に大事な部分のはずだが。  100個とはいわないまでも、30個ぐらいのアイデア出しはやっておいたほうが良かったね。こんな、なんとなく思いついたものを使ってしまうのではなくて。 >>瀬戸は全身の皮膚が裏返ったような感じがして、椅子の上で小さく跳ねた。  あー、いちおう、納得力を出そうとしている部分もあるのか。  「跳ねた」は大げさだが。全身の皮膚が裏返った感じってのは、どんなんだか、まるで想像もつかんけど。  しかし、遅い。  鈴木が指名されて立ち上がった時点で、「瀬戸の鈴木への好意」ってのを確定させとかないとならんだろ。  読者がこんなところまで読んでくれるなんていう保証は、一切、ないんだからさ。  瀬戸の心中で、打算が渦巻くあたり、かわいいね。  鈴木と一緒にやりたい、しかしそれを口にすると嫌われてしまうかも――という、これが「葛藤」なわけだな。  読者っていうのは、葛藤を持っている人間の話を読みたいわけだ。  立候補してきた石井の余計な行動に腹を立てるあたり、承の展開(より嫌いになってゆく)を読者に予想させて、心の準備をさせる役割があるので良い。  ただ、もうちょっと強めに、印象付けてもいいかと思ったが。  たとえば「やめて」と、実際に声に出して言ってしまって、慌てて取り繕うだとか。  もっと積極的にするなら、「大変だろう?」と説得する役が先生になっていたが、それを瀬戸にやらせてみるとか。  瀬戸の小葛藤の結末を、もうすこしハデにして、目立たせてみるということは――。  思考済み、検討済み?  比較検討してみた結果、このくらいに抑えておいたのか? ただなんとなく、こんなふうになっていただけなのか?  俺らプロが書くときには、頭の中ではそうして何パターンも考えてみた上で、実際に書くのは、ベストと思われる一パターンにするわけね。  瀬戸がつい石井に「やめて!」と言っちゃって取り繕ってみせるとか。やめるように説得しちゃってみせるとか。心の中で「やめてやめて」と言っているだけにするとか。  あるいは他にもうすこし手はないか、とか――。  山ほど考えて、そのなかから、決めるわけだ。  津荒は、そのようにやっていたのか?  石井がエラそうな件。  わかるような、わからないような。  黒板に集合場所と時間とを書いておいたから、伝言不要だと思った。配慮が足りないけど、やることはやってる実直さ、みたいなものを出そうとしているのはわかるが。  説明が足りない。  ぼんやりと読んでいる読者には、その構図が読み取れない。  ちなみにここ。 >>結 石井とペアとなる。後悔する。 >>結>石井の偉そう(偉そうに見えちゃう)な感じ。  こんなふうに書いているけど、実際にあがってきたものは、ちがうだろ。  気の利かない石井に友達の前で恥をかかされて、腹を立てる瀬戸。――てなところだろ。  ――とりあえず、「起」まで。  残りはやるかどうか不明。  誰か、指摘、やってよーし。  指摘のやりかたの手本は見せた。まあ、こんな感じで。  そこに書かれる予定の「○○感」を、津荒が上げてきているわけだから、それに基づいて、「出てる/出てない」で批判すること。 -------------------------------------------------------------------------------- 花鎮め No.7809 投稿日 2004年4月1日(木)01時23分 投稿者 弟切 千隼  日本の各地から、桜便りが聞かれる季節になりました。弟切の家の近所でも、ほとんどの桜が開花しています。  桜の華やかさとはかなさを見ていると、昔の人が桜の散る頃、「花鎮めの祭り」というものを行なった気持ちがわかります。つい数日前まで枯れ木にしか見えなかった木に、溢れんばかりに花が咲き、またたく間に散ってゆく様子は、一種の怪異でしょう。 >「冷凍倉庫に連れていって」分析  この作品の、キャラクターの魅力について、一般化してみます。弟切はキャラクター作成力が弱い人ですから、勉強させていただきます。  この作品には、主人公(おそらく若い女性)と、主人公の上司である主任(おそらく男性。年齢は不詳)の二人しか登場しません。  主人公はともかく、主任のほうは、主人公の回想の中にちらりと登場するだけです。なのに、「この主任さんもいい人だなあ」と思わせるものがあります。ちゃんと魅力的にできています。  危険な業務に携わる部下に、言うべき注意を言っているということは、「あたりまえのことをあたりまえに」やっている人ですね(^_^)  口調が乱暴なのは、本当は照れ屋なのを隠しているか、部下の印象に残るようにわざとそうしているか、どちらかでしょう。  たったこれだけの登場人物でも、作りこみをおろそかにしていないことがわかります。前々から言われているとおり、細かいところにも手を抜いてはいけませんね。  主人公も、もちろん魅力的にできています。初めての仕事に戸惑っているものの、まじめに仕事を果たそうとしている態度に好感が持てます。彼女も「あたりまえのことをあたりまえに」やっていますね。  加えて、冷凍倉庫に不慣れな人であることが、読者さまに親しみや共感を持たせる要素となっています。  多くの人は、マイナス四十度の冷凍倉庫に入った経験がありません。人間は、自分と共通した要素を持った相手に親しみや共感を持つものです。  もしも、彼女が冷凍倉庫の仕事のプロで、迷いも戸惑いもせずてきぱきと仕事をこなしたとしたら、親しみや共感は持たれにくいですね。  主人公は、「マイナス四十度という異常な世界に入った普通の人」です。異常な世界に普通の人を入れることで、世界の異常さを際立たせています。同時に、主人公に「親しみ」属性をつけて、読者さまを主人公に気持ち良く共感させています。  絶対的な悪役か、スーパーヒーローでない限り、キャラクターにある程度の「親しみ」属性をつけて、読者さまが共感できるようにする、というのは良い手ですね。  普通、小説には、それぞれ個性を持った人物が複数登場します。その全員に「親しみ」属性をつけておけば、どんな読者さまでも、誰か一人には共感できる可能性が高くなります。  共感できる登場人物がいれば、当然、読み進んでもらえる可能性が高いですよね(^o^)  「親しみ」属性を付けるには、何か一つ、「普通の人っぽいところ」を見せるのがよいですね。  「冷凍倉庫に連れていって」でいえば、『不用意に大きく息を吸ったとき』で始まる文がそれをやっています。マイナス四十度の冷気がどういうものか知らない(=普通の人である)ために、主人公がうっかりミスをしてしまった場面です。  これを応用すれば、「悪役だけど憎めない人」や、「ヒーローだけど親しみのある人」というキャラクターを作ることもできますね。悪事を働きながら、普通の人みたいに家族を大事にする、とか、超人的な能力を持っているのに、好きな人の前では恥ずかしがって何もできなくなる、とか、使えそうです。 -------------------------------------------------------------------------------- 字が下手に No.7810 投稿日 2004年4月1日(木)09時11分 投稿者 名無し君2号  つらつらと――履歴書を記入してみる。  字を書くことが下手になっていた。まともに字を書くことなんか、半年以上もなかったんだから、まあしかたがない。小説を書くのにはキーボードを使うし、ノートにアイデアを書くことはあれど、それもメモ程度なのだし。  学校に通っているとき、会社勤めしているときは、毎日のようになにか書いていたわけで。引きこもっている上では、字を書く場面なんてあまりない。主婦もあまり字を書くことがないんじゃなかろうかと想像する。主婦……若妻……団地妻……。  ともかく、ボールペンを持つ手に無駄に力が入ってしまう。だからすごい疲れる。しまいには右腕が痛みだしてきて――弱い。生命として貧弱だ。  だけど「字」そのものは下手になってなかった。  十何年間、毎日書き続けていたんだから、当たり前といえば当たり前ですけど。  小説だって、書かなきゃ下手になるんだろうな。  ――なんてむりやり小説につなげてみる。 >人生相談コーナー  こんなの小説には関係ない――わけでもないらしく、だって私が「カッコいい」男にならないと、「カッコいい」小説が書けないっていうんだもん。そうなんだもん。  なんか一生書けないような気もするんですけど。 >>労働時間、賃金、労働条件なんてものは、二の次、三の次だ。 >>まあ、おまえの場合には、身体的な条件によって選べる仕事は狭くなってしまうだろうが……。 >>そのなかで、もっとも「小説を書く役に立つ仕事」を選ぶわけ。  労働時間と体のキツさですね、問題にしてたのは。  8時間とか働いてしまうと、小説のことを考える気力が無くなりそう――その程度で無くなるようなもんなら、もう作家志望なんか止めちまえって言われそうですが。  ヘタレな自分なら、ヘタレじゃなくなるようにする。  ――カッコいい。  ヘタレな自分だから、ヘタレないように自分で気を使う。  ――微妙。  自分のことがよくわかっているので、物書きできるところに身を置こうと思ったわけです。というか、こんな言い訳していること自体がカッコわるいし、そもそも私はだれに向かって言い訳しているんだろう?  あ、就職活動については継続中です。  だから(声が)震えるほどヒート! は続くんでしょう。 >>いっぺん、飢えて、死ねよ。 >>そのほうが、なんぼか、カッコいいぞ。  餓死はものすごく苦しいと思うんですよ。  もう少し楽に逝きたいなあ。 >ご飯とオカズ  ご飯は普通の文章で、オカズはつまり「毒」なわけですね?  了解、その認識に従って分析します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。  ロータリーのバス停は列を伸ばし、その合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体が通り抜けていく。  バス停のベンチに、高校生のカップルが座っていた。お互い手を握りあって、楽しそうに笑いあっている。たぶん、次のバスが来ても乗らないだろう。固く握りあった手は、簡単にほどけそうにない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ご飯。  帰宅時の街並み、駅前の風景。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなカップルの手をまじまじと見ていたことに気づいて、亮介は慌てて顔をそらした。視線が、足もとへ向かう。自分の影がやけに濃くて、それが前に向かって細く長く伸びていた。  亮介は大きく、息を吐く。稲瀬のにやけ顔が、頭のなかに沸いてくる。  今日の昼休みのことだった。中一以来、腐れ縁が続いていた稲瀬から、なんと、女ができたと言われたのだ。  正直、ショックだった。  自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。  彼女のことを考えるのは、気が重い。  亮介は頭を振ると、足に力をこめて歩きだした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズ。  主人公の内的葛藤。  友達に彼女が出来ると、そんなに落ちこむものだったか。そうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  県道も、ラッシュの時間だった。亮介のすぐ脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。前から来た自転車が、亮介をうまく避けていった。  燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところからギラっとした光を差しこんでくる。亮介はただなんとなく、その赤い光に見とれながら歩いていた。  そのとき、対岸の歩道に、見覚えのある影を見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ご飯。  移動した先の街並み。帰宅している感も増量。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は慌てて目をそらした。ちょうど建物の影を歩いていたから、暗さで見間違えたのかもしれない。そう思いつつ、今度はそろそろと顔を対岸に向ける。  見間違いではなかった。  有希が、いた。うしろ姿だが間違えようがない。さっき頭のなかに浮かんでいたその本人だ。明るい青のブレザー、胸元には大きな紺のリボン。青基調のチェックのスカート。ここらでは名門で有名な、そして自分とはとうてい釣りあわない、女子校の制服だ。学校の持ってる格のせいだろうか、制服からオーラが出ているような気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズ。  秘かに思い焦がれている女性を見て、「目を逸らす」というのはすごいと思う。普通は目を凝らすものではないだろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ペースをなんとかすれば、偶然を装って会えるかもしれない。そう考えて、亮介は有希との差を縮めようと急ぐ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ご飯。  惚れた女に対しては、ごく普通の行動。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし歩きだしてすぐ、亮介は気づいてしまった。  有希の隣に、東高の男が歩いているのを。  亮介は首を前に戻すと、勢いそのままで目の前のコンビニに駆けこんだ。  わけもわからず、ただカウンターから遠ざかるほうへ行く。カバンがなにかに当たったみたいだけどどうでもいい。  店の奥まで来て、ようやく足が止まった。心臓の動きがぜんぜん収まらない。胃の上のほうが痛い。全身に変な汗が噴き出てくる。息がなぜか上がっている。店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。  自分は鈍いほうだと思う。でも、あれを見て意味がわからないほどじゃない。  しかも相手は、県立の進学校である東高の生徒だ。他の学校ならまだしも、これじゃあ到底かなわない。有希とつきあっても、充分釣りあいが取れている。  いつかこうなることぐらい、覚悟していたはずなのに。  自分に勇気がなくて、言えなかったんだから、こうなることぐらい、わかっていたはずなのに。  体は全然、覚悟ができてなかったらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  オカズ。  彼女に男がいた、というのでショックを受けるのはわかるが、コンビニに逃げこむわ、店の奥まで行くわ、えらい反応を見せるわ、とことん自分を卑下するわ、非常に濃い。  えらく大ざっぱな気もします。  とりあえずの理解はこんなところです。 >読解力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>ヌルいな。 >>おまえ、本当に、読解力、ないのな。 >>ここで書いているのは、主人公が彼女のことを、いつも正面から見れていないということ。そして彼女のほうは彼を正面から見つめて、屈託なく、笑顔を投げかけてくるということ。すると彼はいつも顔を背けてしまって、ただドキドキしているだけということ。  ええ、ええ。  ヌルいですよ、ぬるま湯ですよ。そんなに句読点で区切って、わざわざ噛んで含めるように「おまえ、本当に、読解力、ないのな」なんて、言わなくてもいいじゃナイデスカー!  こういうレスって、喜んでもらえてるのかなぁ。  すべっているような気がするんだなぁ。見ている人が痛くなったりしてないかなぁ。  ――真面目にやったほうが、良いのかもしれぬ。  こんな感じで書いて貰えると、私みたいな小学生でも理解できたんじゃなかろうか、とリライトしてみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。  うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて、頭がよくて。そんな彼女が見せる笑顔は、とても、胸に痛かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  でも一行前に「そんなこと」ってあるから、「そんな彼女が」じゃ文章として良くないよな。 >スリのお話 >>そういう大事なものが単語一個で「おざなり」にされていて、コンセプトに出てきてもいない「脂ぎったオヤジ」のほうに何行も描写が割かれているのか。 >>オヤジを描写するぐらいなら、女子高生やら、満員電車やらを描写すべきだろ? そうは思わないか?  まだまだ読者の側に立って書けてない、ということなんでしょう。  自分が読者ならば、まちがいなく女子高生の綺麗さや、満員電車の圧迫感を求めるはずで、オヤジなんかどうでもいいはずなんですが。  うーん。  オヤジを描写するなら、もっとねちっこく、匂わんばかりにしないと駄目ですよね。そういうのが、たぶん毒であり汁なんでしょう。 >1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字) >>あとこれは注目点を振り分けてみるという練習なのか? >>そういうことなら、はじめにそう言っておいてくれ。課題提出してきたときに、練習意図を明らかにしておいてくれると、俺の指摘の手も減らせるから。  そういう意図はなく、結果としてそうなってしまったものです。注目点を振りわけるのではなく、振りわけてしまったといいますか。  ちょいとした事件を起こして、解決させる。でもその真相は……というのを書きたかったんですけども……。  事件の犯人は少年です。  それをごまかそうとしたら……視点もぐっちゃぐちゃになったという。  だったら素直に、少女に視点をあわせりゃよかったんですが。 >>前に「倉庫と眼鏡っ娘」を書かせただろう。 >>あのときに、ただ倉庫に入ってきて、奥まで歩いてゆくだけで、何ページ使っていたよ? >>今回のこれは、あれと比べると、同じ文字数のなかで起きていることが、多すぎやしないか? >>文字数2倍で、起きていることは何倍だ?(計測せよ)  計測結果発表。 「眼鏡っ娘」 ・倉庫に入る。 ・奥に向かい、途中でネズミに出会う。 ・目的の本を見つける。 「今回の話」 ・マンションに入る。 ・ダイニング・キッチンに向かう。 ・おやつの準備開始。 ・事件発生、揉める。 ・少年が少女を問いつめる。 ・逆に少女が少年を問いつめる。 ・事件解決。 ・おやつを食べる。  えーと……3倍です。 >>もっと整理しろ。起きていることを減らせ。台詞を必要最小限にまで減らせ。そして地の文を増やせ。描写しろ。読むべきところを増やせ。 >>メシを盛れ。  と、いうことで……。 >1000字課題  No.118「武侠少女月影抄」(3500文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=880&e=res&lp=550&st=0  いじめられているはずの少女が、逆に相手をぶちのめす話。  ご飯は盛りつけたつもりなんですけど、薄いような気もするし――。  感覚としては、ゆっくりと話を進めた、という感じです。詰めこまず、ゆったり、ゆっくりと。  レスには5時間ほど。  ここ最近のふぬけっぷりは我ながら情けなく思ってますが、さて、どうしたもんだろう。レスはともかく、課題が書けない。  追い出されるのと、どうにかするのと、どちらが早いんかな。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7811 投稿日 2004年4月1日(木)20時52分 投稿者 新木 伸  近所のスーパー銭湯に行く。  スーパー銭湯というのは、保養地のホテルの風呂部分と付属施設(マッサージルームや食堂など)だけを独立させたようなもの。  すげぇや。サウナが3種類もあるし、露天風呂まであったぞ。それで入浴料は500円。また行こう。  神田川やって、男湯と女湯とに別れて、待ち合わせ時間を決めたはいいが、10分過ぎても出てこないので、心配して番台に「女湯のほうで倒れて運ばれた人とかいませんかっ?」と聞いてしまったのは、恥ずかしいので内緒だっ。  帰りには外食。  なんだか、日帰り旅行に行ってきた気分。 ○2号 >カッコいい小説  本人がカッコよくならないかぎりは、カッコいい小説は書けないだろうね。  しかしカッコ悪いほうを極めれば、カッコ悪い小説なら書けるのでは? 「このカッコ悪い私を見て〜」みたいな感じで、純文方面で私小説を書くとか。 >餓死  あー、餓死するなら、毎日の詳細な記録を残しておいてくれ。  後の作家のために。  餓死ってな、どんなもんか、普通は体験しないもんだし。  といっても、家族がいるなら、餓死は無理だろうが。  救急車で運ばれていって、栄養点滴を受けさせられてしまうだろうが。  餓死ひとつするためにも、まず一人暮らしをスタートさせなければ。 >ご飯とオカズ  本当に、えらく、大ざっぱだなぁ。  最低でも、一段落単位ぐらいの分解能を期待していたんだが。できれば一文単位でとかね。  「単語単位」とかでも、オカズ認定は可能なのだが。俺なんか、読んでて、「うおぉ、この一単語は、俺には出せねぇや」とか、そう思ったりするのだけど。  まだ理解が変なのかな?  毒、っていうのも、たしかにオカズのうちではなるんだけど。  色々とあるオカズのうちの「珍味系」が毒ってものだぞ。本当は毒キノコなんだけど焼酎に3年漬けると、毒が抜けていい味になってるとか。イナゴの佃煮とか。カブトムシの幼虫の蜂蜜漬けとか。  本人のお手製であって、特製であって、よそで食べられないものならオカズなんだってば。  コロッケだって、自家製コロッケなら立派なオカズだ。  巻島のオカズは、「コンプレックス」と「ぐるぐるスパイラル」ね。  なにしろ「ヘタレマスター」なんで、あらゆる種類のヘタレを自在に操るのが特色だ。 >相手の顔 >>そんなに句読点で区切って、わざわざ噛んで含めるように「おまえ、本当に、読解力、ないのな」なんて、言わなくてもいいじゃナイデスカー! >>こういうレスって、喜んでもらえてるのかなぁ。  さぁー、どうだろ?  俺は「ふて腐れオーラ」が漂っているかどうか、わかるけど。  それを書いた人間の顔が、ぶすっとしているか、笑っているか、見えるけど。  わかんない人もいるかもしれないなぁ。  でも、いいんじゃないの?  ここは基本的に作家志望者の集う場所なんだし、それがわかんないようなヤツがいたとしても、放置だろ。  あー、放置しちゃいかんのか。わかるように鍛えないといかんのだな。俺の場合は。  あー、大変そうだなぁ。  あー、しかたがないか。  ちなみに読む場合に限らず、書いているときも、それを読んだ人間の顔が浮かぶはずなのだが。  2号がそんなことを心配しちゃうということは、痛がっちゃう人の顔が見えるようになってきたということだな。  笑って読んでいる人と、痛がっちゃっている人との割合って、どんなもん?  「読んだ人間の顔」が見えるようになってきたら、わかる文章を書くということは、とても簡単なこととなるのだ。  その相手が首をひねらないように、書いて直して、書いて直して――と、何回か手元でリライトするだけでいいんだよ。 >リライトとか >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >> そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。 >> うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて、頭がよくて。そんな彼女が見せる笑顔は、とても、胸に痛かった。 >>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  バカだね〜。  リライトなんか、できるわけないだろ。  他人が手を付けたら、それは「自家製オカズ」とならんのだってば。  リライトできる余地のあるものは、そもそも、オカズとは呼ばないんだってば。  「胸に痛い」って表現は、これはお前の感性だろ。  どきどきしてるときに、うつむいちゃってしまうのが、巻島の感性なんだってば。あいつにしか捻り出してこれない表現なわけ。  わかる? >スリの話  つまりお前は、満員電車や女子高生よりも、オヤジのほうを描きたかったわけか?  へい、いらっしゃい。なに握りますかい。  お客さん、今日はいい「オヤジ」が入ったんですよ〜。ちょいとゲテモノ系っすけど、これがけっこうイケるんですよ。どうですか、おひとつ?  うむ。ではマグロから貰おうか。  へい! 「オヤジの匂い」一丁〜っ!  ――こんな感じに、すれ違ってないか?  客の顔を見ろってーの。  そして注文を聞けってーの。  満員電車と女子高生と握っていって、客がそれ食って、腹が人心地ついたあとでなら、お前が「オヤジ」をお勧めしても、お客さんは食ってくれるんじゃないかな?  なにしろお客さんは、軒を連ねる数多い寿司屋のなかから、おまえの「2号寿司」にわざわざ来ている客なわけだし。常連なわけだし。何カンか食ったあとなら、おまえのお勧めを食ってみたいと思うのではないかな?  しかし、いきなり「オヤジ」を出すか? 客失うぞ。それは。  お前だって、「満員電車」や「女子高生」を、握ろうと思えば握れるだろうに。  そのぐらいの技は仕込んであるはずだが。  なんで握ろうとしないの? >視点とか >> ちょいとした事件を起こして、解決させる。でもその真相は……というのを書きたかったんですけども……。 >> 事件の犯人は少年です。 >> それをごまかそうとしたら……視点もぐっちゃぐちゃになったという。  その場にいる人物に視点を固定することができるなら、その場にいない人物(視点保持者)に視点を固定することも、ちょっとしたコツで、できるんじゃないのかな。  前に、甘夏さんに教えたけど。 >>いわゆる「普通の三人称」の文章というのは――。 >>まずその場に「仮想の友人」を登場させて、その人物の一人称で書いたのちに、「私は〜」という主語をすべて削り落としていったものと、等価なわけです。  要点だけ抜粋すると、こんな感じ。  詳しくは、過去ログを「ベビーカー」で検索すれば、だいたい話題にヒットするだろ。  まずいっぺん、本当に3人目を出しちゃうんだってば。  二人の共通の友人ぐらいの関係で、受動的に二人を眺めているだけの視点保持者を、実際に出して書いてしまう。それから主語を省いていって、直してゆく。  すると視点の揺らぎのない三人称となる。  実際に存在する人物に視点を固定できるようになっているなら、存在しない視点に固定するには、そういう方法があるっていうこと。  あ、そうか。  その頃って、2号、まだこの世に存在していなかったんだっけ。  盆梅会だとか、なんかそんなような名前の変なやつが存在したのが、その数ヶ月後だし。2号の個体が存在を始めたのは、そいつの死後だしなぁ。 >880 1000字課題、4/1分、No.118「武侠少女月影抄」(3500文字)  冒頭の半ページ分ぐらい。  なんかスタイリッシュな文章を書こうとして、気負いすぎて、すべってる。  まあ、俗に、「自分に酔ってる」っていうな。この手の文章ってのは。  読むに耐えん。ゴミだゴミ。 >>――弱者をなぶる、快楽。  というところまでが、特に自己中毒がひどい。  視点保持者が、風だの樹木だのばかり注意を向けていて、殴る蹴るされてる少女から、わざわざ目を離しているっていうのが、よくわからん。  作者が作為的に視点操作しているのが、鼻について、かなわんのだが。  視点保持者ってのも、いちおうは、一個の人間なんだぞ?  注意を引くものをわざと見ないで、他のものを見ているってのは、おかしかないか?  スタイリッシュ=カッコいい描写をしようとしているわけだが。  カッコいいってことは、無関心ってことなのか? 無感動、無関心が、カッコいいことなのかい?  殴る蹴るされている少女から目を背けて、風と樹木とを見ていることが、カッコいいっていうこと?  視点を出すということは、その場で起きている物事を、ある「物の見方」によって眺めるということなのね。視点がどこに、どういう順番で、どのくらいの粘着力で注目してゆくのかということで、視点保持者の価値観やら人格までもが、表現できてしまえる。  カッコいい文章を書くためには、カッコいい物の見方をする視点保持者を出さなくてはならないわけよ。  カッコいい文章が読者に好まれるのは、カッコいい視点保持者と一体になり、カッコいい物の見方をしてゆくことで、読んでいる最中、読者が自分をカッコいいと感じたいからなのね。  読者を酔わせるのであって、お前は酔っていないでいいわけ。  バーテンは、仕事の間、酒を一滴も飲んじゃいけないわけ。客を酔わせるのが仕事だから。自分が酔うのは、それ、仕事じゃないから。  あと、キャッチが多すぎ。そのせいで、目立たせるべき部分が埋もれてしまっている。  キャッチで通じるかな? 目を引くために、変わったことを行う文章ってことね。  「しかし」だけの一行とか。短い一行だとか。変なところで読点を打ってみて、わざと壊している文章だとか。  キャッチが5割を超えているってのは、どういうことだ。  すべての台詞に「!」を付けるようなものかな。  よく見かけないか? シロウトの恥ずかしい小説なんかで、そーゆーの?  もしくはネット初心者の恥ずかしい書きこみなんかで、そーゆーの?  「!」とか「?」とか、毎行ごとに必ず付いてる。ヘタすると「!!!!!」ぐらい、感嘆符を無数に並べ立ててみたりする。  キャッチを多用しているおまえの文章は、いま、つまり、そういうレベルなわけよ。  ハズカシー。 >その他の感想  まー、なんか女の子ばかりで集まって、校舎だか、体育館だか、よくわかんないけど、どっかの裏で、ひとりをフクロにしているのはわかる。  そのフクロにされてたのが、逆襲に出たっていうのも、わかる。  だが、なんで逆襲に出たのか。なぜそれまでやられるままだったのか。  それはいわゆる、ノビタも腕を振り回してダダっ子パンチをすれば、ジャイアンだって怯む――ってやつなのか。  それとも本当に力のあるやつが、やられるままになっていて、その力を垣間見せただけなのか。  どっちなのやら、さっぱりわからん。  黙って殴る蹴るされているのは、どうしてなのだ?  なんで、長いこと反撃しないでいたわけ? >その他の感想2  まあ、まだ3500文字という尺を使いこなせていないんだろうなぁ。  風とか樹木とか、余計なことを書いていたのは、書くことを探していたためだろう。  あいかわらず、客の顔を見ていない。  一発目に、カンピョウマキ出してるだろ。おまえ。  普通のネタから出してゆく、ということと。  いちばん安いネタから出してゆくこととは、違うんだよ。  緊張した雰囲気というネタを投入するまえに、風やら樹木やらっていうのは、それ、外れすぎ。関係なさすぎ。  以前、境内で木刀を振るっている少年――っていうのは、それ、絵になる風景だから、風景描写からはじめるのは、手として、アリなんだな。おまけに桜が咲いているし。綺麗だし。見てみたいし。普通のネタだし。  しかし、校舎裏でリンチ――ってのは、風景として絵にならんだろう? そんなところで風がどうの、樹木がどうの、書かれていたって、次にくるメインディッシュのネタと、ミスマッチなんだな。  風景描写から入るのだとしても――。  凄惨なものに続けてゆくなら、凄惨な風景から入るべきだろう。  たとえはゴミ捨て場のゴミだとか。校舎裏のスプレーの落書きだとか。割れたまま直されていないガラス窓だとか。地面に山ほど残っている煙草の吸い殻だとか。捨てられている使用済みコンドームだとか。  しかし、だな。  書き出しを風景描写からスタートさせるなんてこと、実行している作家は、ごく少数だぞ?  よほど自分の「文章力」に自負のある作家か、風景描写好き好き人間だけだぞ。  普通はまず、いきなり人物を出すものだぞ。  まあ練習しているつもりなら、いまのうちに、どんどんやってみるべきだろうけど。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7812 投稿日 2004年4月2日(金)01時53分 投稿者 津荒 夕介 >投稿の方法  了解です。  「彼氏のほんと」 原稿。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=881&e=res&lp=881&st=0  その他。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=882&e=res&lp=881&st=0 >中学とか >>中学校は共学だったのだろうから、思い出して描け。    中学一年から高校三年まで男子校にいました。男だらけ。  思い出すとすれば、小学校の頃……。   女子高生と、女子小学生。ちょっと離れすぎですよね……。  大学で観察します。 ○課題:短編作成「彼氏のほんと」 >人称と視点について。 >>()による心の声を、もっと減らせ。  安易に使いすぎました。  三人称は一人称より自由度が高いので、その自由度の高さに振りまわされている感じです。  使いこなせるように、ならねば。  あと、気になっていることなんですが、「彼氏のほんと」転では、起の時より大分内面に入りこんでいます。  「面白くするため」ならば、心に入る度合いを、大きく変化させてもいい。(頻繁に変えるのはダメ)  この理解は、正しいですか?   >文法の問題。 >>「嘆息した」だと、過去のある時点において完了済みとなっていることになる。 >>「嘆息していた」だと、過去にはじまり、現在も継続中であることになる。  単純なミスでした。  気をつけます。 >>しかし読んでみたけども、瀬戸の嘆息している理由がよくわからん。 >>瀬戸はなぜ嘆息しているのか、描写でもいいし、説明でもいいから、書いておけ。    嘆息している理由は、「クラス委員選び。めんどうだなぁ」です。  しかし、それでは理由にならない。嘆息という言葉が重たいから。    「ため息」ならば、「ちょっと嫌だ」レベル。これなら「クラス委員選び、めんどうだなぁ」という理由で納得してもらえます。  「嘆息」ならば、「とても嫌で、たまらない」レベル。「いじめを受けていて、集中的に攻撃されるクラス委員選びは嫌だ」くらいの理由じゃないといけない。  結局。  文字に対する姿勢が甘いということ。  「嘆息」の意味を正確に理解していなかったための、ミスでした。 >アクションとか >>推薦がはじまる部分、ぎこちない。 >>アクション(動き)が苦手なんだな。津荒は。動作が連続するシーンだと、とたんに読めなくなる。練習が必要だな。  直してみます。 『元の文』  「……しょうがないな。それじゃあ、推薦だ」  熊谷がそう言った。  教室の空気がとたんに緩む。すぐに声が、飛び交いだす。  瀬戸は時計から目を外して、小さく息を吐いた。 (よかった。これで……どうにかなる)  推薦。  それは、文字通り生徒が適任だと思う生徒を指名する制度のことだ。  動作は 1 熊谷の発言>10字 2 教室の(生徒の)対応>27字 3 瀬戸の対応>23字  と、三つ連続。    読みにくい理由としては、 >>1行で終わってしまうような短い文章ばかり並んでいる。段落がないので見にくいったらありゃしない。    文章の長さバランスが取れていない。  長さに気をつけて書き直します。 『書きなおし』 「……しょうがないな。それじゃあ、推薦だ」  熊谷がそう言った。  教室の空気がとたんに緩み、生徒の声が飛び交いだす。心なしか、蛍光灯の光が強くなった気がした。  瀬戸は時計から目を外し、小さく息を吐く。 (よかった。これで……どうにかなる)  推薦。  それは、文字通り生徒が適任だと思う生徒を指名する制度のことだ。 1 熊谷の動き>10字 2 教室の様子>47字 3 瀬戸の反応>22字 >鈴木がカッコイイ(見かけ)の失敗理由。  失敗した理由は、アイディア出しが足りていなかったから。  了解です。  >葛藤とか >>瀬戸の小葛藤の結末を、もうすこしハデにして、目立たせてみるということは――。 >>思考済み、検討済み? >>比較検討してみた結果、このくらいに抑えておいたのか? ただなんとなく、こんなふうになっていただけなのか?  検討していません。アイディア出しが、できていない。 >石井がエラそうな件。  このシーンはわかりにくい。二つの要素があるからです。  1 石井が、会議のことを教えてくる。>偉そうでむかつく。  2 瀬戸自身の怠慢からくるミスだった。>「ミスをした」自分への怒りを、石井への怒りに変換している。  ……でした。  しかし、説明不足でした。   >まとめ  今回のミス。  1 情報収拾の甘さ>女の子の反応。  2 文章力のなさ>「嘆息した」・「嘆息していた」  3 アイディア出しが習慣になっていない。  4 視点の単純ミス。  5 ()を使いすぎ。  今回新登場の問題点。  1 アクション(動き)の書きかたが下手。  それでは、次回から、次の才能測定短編作成に移ります。 -------------------------------------------------------------------------------- 携帯電話の普及率 No.7813 投稿日 2004年4月2日(金)02時34分 投稿者 弟切 千隼  大手広告代理店の博報堂が、携帯電話の普及ぶりに関する調査結果を発表しました。小説−特にライトノベル−を書く人にとっては良い資料になりそうなので、以下に紹介しておきます。 博報堂のニュースサイト http://www.hakuhodo.co.jp/news/directNews.html?2004&20040319_0 >餓死  弟切は餓死したことはありません。ですから、餓死する過程をすべて克明に知っているわけではありません。  しかし、現代日本人には珍しい飢餓状態を経験したことがあります。十代の頃、摂食障害を経験しましたので。  その経験からいいますと、摂食障害によって飢餓状態にある人は、ある時点まではすこぶる幸せを感じます。急激に痩せるにもかかわらず、普段よりもむしろ活動的になり、気分は高揚します。いわゆる「ダイエット・ハイ」と呼ばれる状態です。  ダイエット・ハイにある時には、本当に幸せです。文字どおり天にも昇る心地です。今の弟切は生きていて良かったと思っていますが、あの(摂食障害の)時に死んでいたとしたら、それはそれでとても幸せだっただろう、と、今でも思います。 >「冷凍倉庫へ連れていって」分析  この作品世界では、現実世界で話題になった「アメリカ産牛肉の輸入停止」という話が登場しますね。このような時代性のあるネタは、読者さまを惹きつけるのに使える道具です。  けれども、「時代性」は、使い方が難しい道具ですね。すぐに古びてしまう可能性が高いからです。  特に、時流に疎いお年寄りが好む歴史小説などの分野では、時代性にこだわらないほうが良いかも知れません。  逆に、時流に敏感な若い読者が多いライトノベルでは、時代性を追及することを怠ってはいけないでしょう。  人々の耳目を集める事件が起こっても、時間が経てば、事件そのものの時代性は失われます。  それでも、事件がきっかけになって、事件に関わった現象や概念が人々に知られるようになり、時代性を持つ、ということはあり得ます。  現在も続いている鳥インフルエンザ騒動を、例に挙げてみましょう。  ひょっとしたら、一年後には、日本から鳥インフルエンザが一掃されて、騒動はすっかり過去のものになっているかも知れません。しかし、鳥インフルエンザという病名が忘れ去られていることはないでしょう。ほんの一年前には、大部分の人が知らない病気だったのに、です。  鳥インフルエンザという病気は、大人向けの小説ならば、ほとんど説明なしで登場させられる言葉になるでしょう。読者さまの入れ替わりが激しいライトノベルでは、説明が必要でしょうね。  BSE、鳥インフルエンザ、と騒動が続いたために、「病気にかかった動物の肉を食べたり、身近に触れたりしたヒトは、同じ病気にかかる可能性がある」ことが、広く認識されるようになりました。現在のBSEや鳥インフルエンザ騒動が収まっても、この認識はもう揺るがないでしょう。  BSEや鳥インフルエンザのように、ヒトと他の動物とに共通して感染する病気を、人畜共通感染症といいます。  人畜共通感染症が、身近な恐怖として人々に認識されているならば、架空の人畜共通感染症を小説に登場させて、ホラーに仕立て上げる、などということがしやすくなりますね。BSEや鳥インフルエンザといった個々の病名を超えて、人畜共通感染症という現象が、時代性を持ったからです。  時代性は、人により受け取り方が非常に異なります。ある現象に対して、ある人は好もしいと思っても、別の人は嘆かわしいと思うことが、いくらでもあります。  時代性を作品に組み込むに際しては、とりわけ「誰に読んでもらいたいのか」を熟考する必要がありますね。読者層を間違えると、逆効果になるおそれがあります。  読者さまの顔が見えるようにならなければダメ、ということですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 熊野[ゆや]、松風[まつかぜ]は米の飯 No.7814 投稿日 2004年4月3日(土)02時21分 投稿者 弟切 千隼  日本の伝統芸能である能[のう]の世界では、題名にある言葉が言い習わされています。数ある能の曲の中でも、『熊野[ゆや]』という曲と『松風[まつかぜ]』という曲は、まるでお米の御飯のように誰にでも飽かず好まれる、という意味だそうです。  『熊野』も『松風』も、筋は単純ながら名曲といわれています。奇をてらわず、基本に忠実なところが、いつの世の人々にも好まれるのでしょう。  何事も、基本が大切ですね。 >描写課題  弟切は、描写の読み取り能力を鍛えるために、課題部屋にある鷹見さんの作品を読ませていただきました。  次は、描写を書くほうを鍛えなければなりません。ということで、書いてみました。課題部屋のNo.883に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=883&e=res&lp=610&st=0  お題は、「親切」としました。親切という言葉を使わずに、親切な行為を描写することに挑戦しました。日常にありそうな、ちょっとした親切を描写したつもりです。  主人公は、親切な心を持ってはいるものの、スーパー親切な善人ではありません。嫌な気分になることもある普通の人としました。  親切にされるほうの人も、「普通のおばあさん」のつもりです。  人間が普通の人であるのと同様に、状況も普通にある状況としました。「マイナス四十度世界」みたいな特殊な世界は、普通の世界が書けるようになってから書くことにします。  普通の御飯が炊けるようになる前に、スペイン風煮込み御飯のパエリアを作るのは、無謀ですよね(^^;  皆さんにいろいろ指摘していただけるように、「指摘ポイント」を書いておきます。 1)主題である「親切」が伝わっているか。 2)若い男性−大学生の店員アルバイト、と設定しています−の主人公の言動におかしな点はないか。 3)視点−三人称キャラ寄り視点のつもりです−の乱れはないか。 4)おばあさん−年齢六十八歳、年金暮らしの専業主婦、と設定しています−の言動におかしな点はないか。 5)平日昼間のスーパー感は出ているか。 -------------------------------------------------------------------------------- ぶらりひとり旅 No.7815 投稿日 2004年4月3日(土)19時52分 投稿者 名無し君2号  人生やら小説やら、いろんなことに煮詰まりつつあったので、お散歩して気分転換をはかってみる。  近くの公園で、はしゃいだ声をあげる親子連れを眺めつつ……冷たい風に吹かれて、いろいろ考えた。  答えなんかでてこないしなー。  がんばるしかないなー。 >かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう >>しかしカッコ悪いほうを極めれば、カッコ悪い小説なら書けるのでは? 「このカッコ悪い私を見て〜」みたいな感じで、純文方面で私小説を書くとか。  それは人としてどうなんでしょう。  うーん、でも……。  かっこ良くもなれず、かっこ悪くもなれず、中途半端にぶらりんとしているのが、一番駄目なのかもしれない。  そもそも、どうすればかっこ悪くなれるんだろうな?  自然にこうなってたんで、改めて目指そうっても、どうすりゃいいのかわかんないぞ。えーと、なんでも人のせいにするとか、やる気を見せても翌日には元どおりとか、なんにもしないでただ黙って見てるだけとか――。  なんか落ちこんできたな。 >餓えて死ね >>あー、餓死するなら、毎日の詳細な記録を残しておいてくれ。 >>後の作家のために。 >>餓死ってな、どんなもんか、普通は体験しないもんだし。  どうも餓死と聞くと、「ほたるの墓」を思いだしてしまって、とてもせつない気持ちになるのですが。あの話のなにが嫌だって、主人公の兄妹たちを死まで追いこんだのが、決して悪人ではなく、ごくごく普通の人の、普通の行いだった……というのが、ああもう嫌だ。  おなじ立場に立ったら、おなじことをしそうなんだね、私はね。 >相手の顔 >>笑って読んでいる人と、痛がっちゃっている人との割合って、どんなもん?  基本的には笑わせようとして書いているんです。  そんなこと言うまでもありませんし、実際、言ってるのがちょっと恥ずかしいんですが。 「あー、もー、しょうがねえなあ」といった……苦笑というか、失笑というか、そんな方向を求めているんですけど、読んでいる人のなかには、「イタタタタ」と感じる人もいるんじゃないかなと。  その割合は――。  わからないんですよねえ。  1割の人が失笑、2割の人がアイタタタ、残り7割の人は、あっそう、それで? だいたいこんなもんじゃないかと思いますが。 >ご飯とオカズ >>本当に、えらく、大ざっぱだなぁ。 >>最低でも、一段落単位ぐらいの分解能を期待していたんだが。できれば一文単位でとかね。  う。  もうちょっと精度を高めてみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕方の駅前は、家路を急ぐ人であふれていた。  ロータリーのバス停は列を伸ばし、その合間を、スーパーの袋を提げたおばさんや、女子高生の団体が通り抜けていく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  夕方の駅前の描写。  書ける……と思うけど、ためしにいま頭のなかでやってみたら、なんか私は空から書きはじめていた。そういう癖がついてしまってることに気づく。  風とか、空とか、太陽とか……どういうことだ。  つまり私は、街並みより人の群れより、空の様子のほうが気になるってことだろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  バス停のベンチに、高校生のカップルが座っていた。お互い手を握りあって、楽しそうに笑いあっている。たぶん、次のバスが来ても乗らないだろう。固く握りあった手は、簡単にほどけそうにない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書けない。  ねっとりカップルを観察しているんだな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなカップルの手をまじまじと見ていたことに気づいて、亮介は慌てて顔をそらした。視線が、足もとへ向かう。自分の影がやけに濃くて、それが前に向かって細く長く伸びていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書けない。  顔をそらして、自分の足元を見つめる。  いま気づいたけど、ここまで、主人公の感情をはっきりとはあらわにしてないんだな。見ているものでなんとなく感情は伝わるけれど。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は大きく、息を吐く。稲瀬のにやけ顔が、頭のなかに沸いてくる。  今日の昼休みのことだった。中一以来、腐れ縁が続いていた稲瀬から、なんと、女ができたと言われたのだ。  正直、ショックだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  ショックなところまでは。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  自分と稲瀬の男レベルは、たいして変わらないと思っていたのに。むしろ自分のほうがちょっとリードしてるぐらいに思ってたのに。稲瀬なんて、自分より四センチも背が低いのに。なんで、という言葉が亮介の頭のなかを巡る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書けない。  なんだろう、こういう葛藤は書けない。  あいつとおれ、たいした違いはないのに、どうしてあいつだけいい思いをするんだ? ということなんだろうけども。  なんかこう、そこはかとなく情けなさが漂っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そんなことを考えていると、頭のなかにひとりの姿が浮かんできた。うなじをかすめる程度に揃えられた髪。明るくて頭がよくて、昔から彼女の笑顔を見るとドキドキしてしまう。  彼女のことを考えるのは、気が重い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書けない。 「気が重い」というのがなあ。すごいなあ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は頭を振ると、足に力をこめて歩きだした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  残りは次回。 >>巻島のオカズは、「コンプレックス」と「ぐるぐるスパイラル」ね。 >>なにしろ「ヘタレマスター」なんで、あらゆる種類のヘタレを自在に操るのが特色だ。  なるほど。  自分の特色を見極めているというのはいいですね。  でも、自分はなにが得意なのか? なんてのは、普通はわかっているもんだわなぁ。得意技を軸にして攻めかたを考えるものじゃないか。  得意技……女性恐怖症? 恐怖っていうか、畏怖?  うーん。 >リライト不能 >>リライトなんか、できるわけないだろ。 >>他人が手を付けたら、それは「自家製オカズ」とならんのだってば。 >>リライトできる余地のあるものは、そもそも、オカズとは呼ばないんだってば。  うーん、つまり、オカズというのは人物造形にもかかってくるわけですよね。  ああ、だから作者がかっこ悪いと、かっこいいキャラを生み出せないのかしら? なんにせよ、まずはキャラクターありきか。 >オヤジ >>満員電車と女子高生と握っていって、客がそれ食って、腹が人心地ついたあとでなら、お前が「オヤジ」をお勧めしても、お客さんは食ってくれるんじゃないかな?  つまり、まずは読者を満足させてから、ちょろっと自分のやりたいことをやれってことですな。 >>お前だって、「満員電車」や「女子高生」を、握ろうと思えば握れるだろうに。 >>そのぐらいの技は仕込んであるはずだが。 >>なんで握ろうとしないの?  7つの罪のひとつ、「怠惰」です。  背景を、人物を、もっと丁寧に描くべきなところを、ともかく話を先に進めたかったわけです。恒例の下ネタで例えるところの、前戯なしでいきなり……ってやつです。 >視点など >>まずいっぺん、本当に3人目を出しちゃうんだってば。 >>二人の共通の友人ぐらいの関係で、受動的に二人を眺めているだけの視点保持者を、実際に出して書いてしまう。それから主語を省いていって、直してゆく。 >>すると視点の揺らぎのない三人称となる。 >>実際に存在する人物に視点を固定できるようになっているなら、存在しない視点に固定するには、そういう方法があるっていうこと。  主人公より三人称視点は、なんとかこなせるようになりつつあるんですが。  その――完全三人称になるんですかね? やってみます。  一人称で……一人称?  えーと、一人称視点はまだ身につけてない気がするんですが……まあ、やってみるしかないか。 >1000字課題、4/1分、No.118「武侠少女月影抄」(3500文字) >>カッコいい文章が読者に好まれるのは、カッコいい視点保持者と一体になり、カッコいい物の見方をしてゆくことで、読んでいる最中、読者が自分をカッコいいと感じたいからなのね。 >>読者を酔わせるのであって、お前は酔っていないでいいわけ。 >>バーテンは、仕事の間、酒を一滴も飲んじゃいけないわけ。客を酔わせるのが仕事だから。自分が酔うのは、それ、仕事じゃないから。  あー、なるほど。  かっこいい文章にするには、かっこいい視点保持者が必要で……やっぱり作者がかっこよくなきゃ駄目じゃん。  自己暗示でもかけますか。  日常生活はともかく、小説書いているときだけでも――。 >>キャッチを多用しているおまえの文章は、いま、つまり、そういうレベルなわけよ。 >>ハズカシー。  あああ、本当に恥ずかしい、あううあう。  「!」とおなじで、いざというときにだけ使うようにしないと、イタタタタな文章になるわけですやね。  いろいろと文体を模索しているわけですが――駄目か。  乾かしてはみたんですけどね。さらりと。 >>黙って殴る蹴るされているのは、どうしてなのだ? >>なんで、長いこと反撃しないでいたわけ?  口でぐちゃぐちゃと文句は言われてましたが、殴る蹴るはされてないです。相手は数に頼んで、主人公を押し包んで威圧してただけですね。  主人公といえば、「あーくだんねー」とか思いつつも、「なんでこんなことするんだ?」と疑問を感じ、とりあえず相手方のリーダーに質問してから、めんどくさくなったんでブチのめしたというかたちです。  この後、仲間に置いてきぼりにされたリーダー少女を問いつめ、「じつは……」と話を発展させようかと皮算用してたんですが。 >>まあ、まだ3500文字という尺を使いこなせていないんだろうなぁ。 >>風とか樹木とか、余計なことを書いていたのは、書くことを探していたためだろう。 >>あいかわらず、客の顔を見ていない。  料理を作るのに精一杯で、お客さんの好みをうんぬんする余裕――余裕でいいのかな? それがないんです。  レスに5時間。とりあえず月謝を払います――いま1000字課題を書いている最中。 -------------------------------------------------------------------------------- 何ヶ月ぶりでしょう No.7816 投稿日 2004年4月4日(日)00時39分 投稿者 紫ゆきや  おひさしぶりです。紫ゆきやです。 ●弟切さん/描写練習「親切」  読ませて頂きました。役立つかどうか分かりませんが、書いておきます。  久々だから、ドキドキしますね(^^; ●1)主題である「親切」が伝わっているか。  親切なエピソードだと思いました。さすがだにブレませんね。  ただし、最後のあたりが、すこし気になりました。  大学生が茶髪である必然性が、あるのんでしょうか? ●2)若い男性−大学生の店員アルバイト、と設定しています−の主人公の言動におかしな点はないか。  髪の色は別として、親切な好青年ということなら、特に違和感はないと思いました。 『こんなに余ってるんなら、一つくらい俺に回ってきてもいいだろうに。』のところで、好感も持てましたし(^^)  彼は、なぜに茶髪にしているのでしょうか? 生まれつきなんでしょうか?  言葉遣いも外見(服装や髪型、髪の色など)も、「人にどう見られたいか」が現れるわけじゃないですか。  この好青年が、このままバイト終えたあと、美容室へ行って、どういう気持ちで茶髪をオーダーするのか――想像できませんでした。  もしかして、「こんな好青年が茶髪なんてビックリ」という【一発ネタ】なんでしょうか? いや、まさか、そんな。弟切さんに限って……。 ●3)視点−三人称キャラ寄り視点のつもりです−の乱れはないか。 >>  レジの近くで、宏樹は特売用のワゴンに商品を移していた。どれにも、ピンクや金色や >> 深紅のリボンが付いている。昨日までに売れ残ったバレンタインデーのチョコレートだ。 >>  こんなに余ってるんなら、一つくらい俺に回ってきてもいいだろうに。  2行前で「宏樹は」と書いておいて、いきなり「俺に」と書かれると、ぎょっとしますね。  ()でくくるとか、「――と宏樹は考えた。」のようなフォローが必要でしょう。 >>  おばあさんは目を見開いた。 >> 「まああ、そんな……」 >>  彼女は宏樹の頭髪あたりに目をやった。それから視線を下げて目を細めた。一歩下がっ >> て、宏樹の胸の名札を見つめる。  『目をやった』に違和感がありました。視点保持者に対しての行動ならば、「目を向けてくる」とかではないでしょうか。  『宏樹の胸の名札を見つめる』で、視点が飛んでいます。  直前では、頭髪を見ているのが確定せず、『頭髪あたりに』と書いていたのに、名札を見ていることは確定できるのは変でしょう。  やるなら、「名札のある胸のあたりを見つめてくる」とかでしょうか。  あと、次のは書き手の趣味とか、イメージしている対象読者で変わるかもしれないので、話半分に流してください――  目をやった/目を細めた  視線を下げて/一歩下がって  このように、同じ言葉を用法だけ変えて、同じ段落に使われると混乱しますね。  言葉に対して注意力を要求されるから、疲れます。 「ここの下は、上下の下で――こっちのは前後の意味の下なんだな」と意識してしまう。  私は、娯楽として読んでる読者に漢字の使い分けを意識させたら負けだと思っているもので。  もしかしたら、多彩な用法のバリエーションがウリになる人もいるかも知れないので、自分ルールを強制する気はないのですが――とりあえず、「読むのが大変と思われる可能性がありますよ」ってことで。 ●4)おばあさん−年齢六十八歳、年金暮らしの専業主婦、と設定しています−の言動におかしな点はないか。 >>  彼女は大きく肩で息をしていた。どう見ても、身長が百五十センチ以上あるようには見 >> えない。  百五十センチ以上ないと、なにか問題があるのかと不思議に思いました。  体力のなさそうなことを表現したのだとすると、身長が絶対的な体力のモノサシというわけではないですしね。 >> おばあさんの目尻にくしゃりと皺が寄った。  すごく良いですね。絵が浮かびました。 >> 「ええ、ええ、一人ですよ。一人で持って帰るんですよ。これがないと、孫が来た時に、 >> 得意の料理を作ってやれないもんでねえ。バスに乗れば、家はすぐだから」  4行前で「彼女は大きく肩で息をしていた。」と書いています。そんな状態のおばあさんが、こんな長セリフを言うのかなあ、というのが感想。  細かく切って、息切れ感は出ているんですが、息が切れている時って、そもそも必要のない言葉を言わないですよね。 ●5)平日昼間のスーパー感は出ているか。 >> 軽快なBGMが降り注ぐ棚に、商品ばか >> りがぎっしり並んでいる。レジには客も店員もいない。  商品ばかりが――と書かれていたので、「商品以外のならんでいるスーパーがあるのだろうか?」と疑問に思ってしまいました。 -------------------------------------------------------------------------------- はるかなる学生時代 No.7817 投稿日 2004年4月4日(日)00時39分 投稿者 弟切 千隼  自宅の近所でお花見を済ませた弟切です。昨日降った雨のために、たくさんの花びらが地面に貼りついていました。桜色のじゅうたんの上にいる気分でした。 津荒さんへ >  遅ればせながら、「彼氏のほんと」を読みました。ざっと目を通して、目が止まったところを指摘してみます。  指摘を受けたからといって、この作品を書き直すことは、当面考えなくていいです。津荒さんのように若い方は、とにかく数をこなすほうが上達が早いでしょう。どんどん次へ行って下さい。  ただ、中には、指摘というより、弟切から津荒さんに訊きたいこともありますので、レスをいただければありがたいです。  以下に、冒頭から順番に目が止まったところを示してゆきます。 >>授業が終わったという開放感からだろう。  誤字がありますね。「開放感」→「解放感」でしょう。  「開放」と「解放」の意味の違いについては、津荒さん自身が学べるように、ここには書きません。 >> クーラーの、やけに大きな稼動音だけが聞こえる。  これは、指摘ではなく質問です。今の高校には、普通にクーラーがあるものなのでしょうか?  弟切が高校時代を過ごしたのははるか昔ですから、現在の高校の状況はわかりません。参考までに教えていただければ助かります。  えーと、ちなみに、少なくとも十年くらい前までの静岡県下の高校では、クーラーが存在するという話は、一校も聞いたことがありませんでした。  静岡県は温暖だからという理由で、公立高校には、暖房設備さえありませんでした。たとえ、朝に気温が下がって氷点下になろうとも−温暖な静岡県でも、年に何回かはそういう日があります−、静岡県下の公立高校の生徒は、暖房のない教室で授業を受けなければなりませんでした。  場合によっては生命にかかわる暖房設備すら存在しないのに、ましてや冷房設備など、どこかの異次元空間にある高校の話でした。  静岡県下でも、私立の高校には暖房設備があるのが普通でした。けれども、静岡県下にいくつもあるお金持ちの子女のための高校でも、クーラーがあるという話は聞きませんでした。 >>「でも匂いが全然しないのはなぁ……。なんか寂しい」  ここで、フランクフルトを焼いている匂いがしないのはなぜでしょう? ホットプレートで焼いても、匂いはすると思いますが? >>そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな。さっきは、一時間で帰るから。だから大丈夫って言ったのに……言ってたのに……。  ここは、表現が大げさすぎて引きました。『そんな』の繰り返しがくど過ぎます。  『そんな』の繰り返しが二回くらいなら、許容範囲だと感じます。 >> 外は真っ暗だった。雲のない空には、月が明るく浮かんでいる。虫の声がする。 >> 瀬戸は、重たい足を引きずりながら、学校へと歩いていた。汗で濡れたブラウスの背中には、下着の線が出ている。  ここでは、視点が混乱しています。  『外は真っ暗だった』から『虫の声がする』までの段落は、一人称だと感じます。意思を持った人格の視点でなければ、『虫の声がする』などという表現は出ないはずです。  この場面に登場する「人格を持ったもの」は瀬戸だけなので、読み手は、瀬戸の一人称だと思うでしょう。  なのに、すぐ後に『汗で濡れたブラウスの背中には、下着の線が出ている』という文が出てきて混乱しました。  自分で自分の背中を見ることはできません。この文は明らかに「瀬戸ではない誰か(あるいは、何か)」の視点ですよね。 >> その姿を見る瀬戸は、今日一番の笑顔を浮かべていた。  最後の一行ですね。決めの文のはずですが……ここも、視点が混乱しています。    鏡を見ているのでない限り、自分で自分の笑顔は見られませんよね。ですから、この文は三人称の視点で書かれています。  しかし、この文の直前までが瀬戸の一人称という印象が強いため、混乱してしまいます。上記の一行の直前までの文章を引用してみましょう。 >> 初めて経験する衝動だった。 >> 心臓が、壊れるんじゃないかと思えるほどに鼓動している。解析不能の幸福感に包まれている――。 >>「ううん。なんでもないの。黒板……は、ごめん。曖昧だったね。このままでいいよ」 >>「わかった」 >> 石井は頷くと、模造紙の作業に戻った。  『初めて経験する衝動だった』から、『解析不能の幸福感に包まれている――』までは、どう見ても瀬戸の一人称ですよね。彼女自身でなければ、こんなことは感じられません。  読み手は、ここで瀬戸が恋に落ちる瞬間の強烈な(主観的)体験を共有するはずです。  ところが、そのすぐ後にある文が、妙に冷静な−と、読み手は感じます−三人称視点です。読み手は混乱して、冷めてしまいます。  以上、津荒さんの「彼氏のほんと」の指摘をしてみました。参考になれば幸いです。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7818 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7819 投稿日 2004年4月4日(日)01時50分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:短編作成  ホラーをやります。  ホラーとは、 怪奇な趣向で恐怖を感じさせることを狙った娯楽作品。  怪奇とは、あやしく不思議なこと。奇怪。怪異。(広辞苑第五版)  「怖い」は、二つあります。  1 厳しい英語教師。  2 昔捨てた人形に襲われる。  ホラー作品ならば、2が当てはまるはず。  以上を意識して話を考えます。  ホラーで、読了感を「怒」とします。一人称です。  起 怪奇発生。  承 さらなる怪奇。  転 怪奇を解決したような錯覚。  結 怪奇に負ける。 >手?(仮)  起>友人のマジックに驚く。  承>怪談を結びつける。  転>怪談と関係ないと、考え直す。  結>実際には、怪談通りだった。  キャラ(仮)  主人公 本間 信也(ほんま しんや)普通の少年。涼が少し気になっている。  ヒロイン 森 涼(もり りょう)飄々とした少女。  あらすじ  高校二年生の本間。掃除が終わり、カバンを開けると、中から手が出てくる。派手に驚く。友人の森涼が自分の手品だとからかう。タネは教えてもらえない。  翌日。手品のことを友人に話す。友人が怪談を話す。腐り虫の話だった。帰り際に見た涼は、なぜかリストバンドをしていた。  涼のことを気にしている本間は、涼が心配になる。翌日、強引に確かめる。継ぎ目はなかった。涼は酷く気にする本間を馬鹿にしてから、なぜかキスして去っていった。  喜ぶ本間。手のことはすっかり忘れた。  翌日、朝。動くのが辛い。歯をみがこうとしたら、手が手首から落ちる。虫の話を思いだしながら、意識が途絶える。 (最初の手首は、本当に手品。潤は手品をした日の帰りに、腐った) >怪談として出てくる「腐り虫」について。  体内に入り、脳(心)を腐らす。兆候として、指が腐って落ちたり、髪が腐って臭ったりする。心が完全に腐ると、虫が代わりの心となる。虫の知能は人間並み。  他の人間に子供の虫を放つ。    起>小・怪奇   起 帰ろうとしてカバンを開けると、手が出てくる。   承 おどろく。   転 涼が種明かし。   結 安心。    承>怪奇が進む   起 昼に友人(男)と会話。   承 涼の手品について話す。    転 友人から「腐り虫」について聞く。   結 涼の手を見ると、なぜかリストバンドをしていた。  転>怪奇が解決したと思う   起 継ぎ目のことが気になる。   承 強引に確かめる。しかし継ぎ目はない。   転 気にしすぎだとバカにされる。涼の元気な様子に安心する。   結 帰り間際。涼にキスされる。(この時、腐り虫が本間に入る)本間は喜ぶ。  結>しかし解決していなかった。   起 朝起きる。   承 体が上手く動かない。   転 手が落ちる。   結 意識がなくなる。 ○弟切さんへ >「親切」の指摘です。  視点については、そもそも僕が理解できていないので、指摘できません。すいませんです。 1)主題である「親切」が伝わっているか。  「親切」は伝わりました。が、「凄い親切だ!」と感じました。  仕事中に、土鍋をバス停まで持っていってあげる……。日常的な親切じゃないと思います。(僕がおかしいのかもしれませんが) 2)若い男性−大学生の店員アルバイト、と設定しています−の主人公の言動におかしな点はないか。    アルバイトが仕事の途中で店を抜けるというのは、まずいと思います。  雇い主の許しを得て、それから土鍋を運ぶ〜とかならば、大丈夫かなと思いますが。 4)おばあさん−年齢六十八歳、年金暮らしの専業主婦、と設定しています−の言動におかしな点はないか。 >>「ええ、ええ、一人ですよ。一人で持って帰るんですよ。これがないと、孫が来た時に、得意の料理を作ってやれないもんでねえ。バスに乗れば、家はすぐだから」    最後のバスに乗れば〜っていうのが、説明的すぎるような。  あと、土鍋を買うという行為に、無理があると思います。運ぶのが大変だということは事前にわかるはずなので、息子や娘に買ってきて貰うと思います。 5)平日昼間のスーパー感は出ているか。    平日昼間というのは、正午あたりのことでしょうか?  正午あたりだとすれば、人が少なすぎると思います。   >その他  商品の整理をしていた主人公がレジに入るというのは、おかしいと思います。スーパーだとレジ打ちは、ずっとレジにいるはず。   -------------------------------------------------------------------------------- ○弟切さんへ No.7820 投稿日 2004年4月4日(日)03時00分 投稿者 津荒 夕介  指摘ありがとうございました。  視点の混乱が酷かったですね。気をつけます。  誤字も了解です。  解放>からだや心の束縛や制限を取り除いて自由にすること。  開放>1 窓や戸などをあけはなつこと。⇔閉鎖     >2 禁止したり制限したりせずに、だれでも自由に出入りするのを許すこと。(goo辞書) >クーラーとか  僕の学校(私立男子校)には普通にありました。暖房設備もありました。  全国統計とかはとっていません。(書く前に)  クーラーあるのって当たり前じゃん とか思ってました。調べるべきだった。  >>昨年8月に同省が全公立小中学校を調べた結果では、冷房設置率は普通教室では5%で、コンピューター教室の71%、保健室58%、職員室54%などと比べ著しい差があった。同省施設助成課は「最近の夏の教室の暑さは常軌を逸していて、学習に集中出来る状況ではない。家庭の冷房普及率も9割近くに達しており、子どもが学校生活の多くを過ごす教室とのギャップが大き過ぎる」としている。  http://www.yomiuri.co.jp/education21/news/2002081701.htm  とのこと。公立の小・中学では、まだまだ普及していないようです。  公立高校は地域によって普及率が違うようで、大阪では100%でした。大阪の私立は90%です。  高校で私立ならば、冷房があると考えてもいいでしょう。 >フランクフルトとか  買ってきて焼いてみたら、匂いがしなかったんです。しかし、一般的じゃなかったみたい……。  ここは、別の部分を取りあげて描写するべきでした。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7821 投稿日 2004年4月4日(日)07時25分 投稿者 新木 伸 ○2号  なんか煮詰まっているようだな〜。  そういうときこそ、だな。  小説を書け。  小説を書くこと以外で救われる人間は、小説は書かんでいいのだよ。その自分が救われる「他のこと」をしていりゃいいんだから。  小説を書くことでしかどうにかならない場合のみ、その人間は作家を目指すべき。  書き、読んでもらって、相手になにかを伝えられたなら、おまえのそれはどうにかなるものなのか?  おもしろい、でもいいし、楽しいでもいいし、幸せな気分にさせるでも、哀しいでも、心に響いたでも、泣いたでも、生き方を変えさせたでも、どんなベクトルのものでもいいけど。読ませた相手になにかしらの感慨を生じさせられて、なんらかの影響を与えられたなら、おまえはすっきりしゃっきりとして、お天道様を見上げられるようになるのか?  もし誰かになにかを伝えられたとしても、おまえのそれがどうにもならないようなものであるなら、やめちゃえやめちゃえ。小説を書くだけ無駄ってもんだ。 >読んだ人の顔が浮かぶ  まず、読んだ相手の顔を浮かばせるようにするのが、一苦労なわけね。  普通のアマチュアってのは、読者を想定して書いていないから。そこまで躾けるのが、一苦労。習慣づけするのが、もお大変。  つぎに割合の精度を上げてゆくことになる。  アマチュアだったら、不特定多数に送り出して、そのうちの何人かにヒットすりゃいいけど。プロは打率が低いと、レギュラーメンバーから外されてしまうので。  業界全体で巨大な椅子取りゲームをやってるわけだ。打率の低いやつから、廃業してゆく。  脳裏に浮かぶ読者の顔の、割合の精度に――自分の作家生命を懸けられるぐらいまで、精度を上げていかなきゃならない。  しかし、ここに関して、俺はまだメソッドを持っていない。  読者の顔を脳裏に浮かべさせるようにする――ってところまでは、もう何人かに成功済みなんで、どうやればアマチュアをそこまで引き上げられるかは、わかってきている。  上手いやりかたで効率よくやれば、1週間で変えることができるかもしれないけど、まあ効率が悪くとも、何ヶ月かで出来るやりかたが見つかっていれば、用は足りる。  おまえも、ただ口開けて、俺がエサを詰め込んでくれるのを期待しているんじゃなくって、そろそろ自分でエサの取りかたを研究しろよ。  具体的には、どうすれば割合の精度が上げられるのかを、考案して、実践して、練習して、その練習方法が正しかったことを証明しろ。  どんな練習を重ねれば、割合の精度は上げられそうなのだ?  その精度に作家生命を懸けられるぐらいまで上げなきゃいけないんだぞ?  「イタタタタ」が1割――とか見積もったのに、実際には4割いたりしちゃったら、アウトなんだぞ。  1割と見積もって、実際は2割――あたりなら、まあ実用になるが。 >「火垂るの墓」  えー? あれって、兄姉がまわりの人間に殺された話だっけか?  空襲で親が死んで、親戚の子だくさんの家(母親のみ)に引き取られていったけど、なんかたいしたことない理由で、自分から飛び出していって、子供ふたりの兄姉ふたりで、当然のように飢え死にしていった話だと思ったが。  ああなるの、あたりまえじゃん。とか。  餓え死にする自由ってのも、人にはあるわな。とか。  俺、そんなふうに見ていたけど。  前、作家同士でその話題を出したとき、「いやアレは、あの子供たちとしては仕方ない選択だったのですよ。愚かなことは責められないのですよ」みたいに擁護していた人がいて、なるほど、そういう考えかたもあるか。――なんて思ったけど。  まわりの人たちが兄姉を殺した、なんて解釈を聞いたのは、俺、初めてだなぁ。  子供だろうが大人だろうが、人間、自分のやったことに責任を持つのは、あたりまえのことだろう?  親戚のおばさんが、食料を与えずに虐待して餓死させたってならともかく。  きちんと食料を与えて世話もしつつ、「遊んでばっかいるな。おまえらも働け」てなふうに叱られて、それが嫌で飛び出していったわけだろ。  親戚の家にいれば、そのまま食べていけたのに。いびられて苦労はしたかもしれないけど、餓死することはなかったのに。  海軍のいいところの家の子供で、ぼんぼん育ちで、苦労も働くことも知らなかったってのは、あの二人の不幸だが。しかし人生において配られていたカードがそんなんだったんだから、その手の内で戦うしかないだろ。  戦後でなくて、もし平時であったなら、そのカードはすごくいいものだったかもしれないが。戦中で親が死んで孤児となったときには、あんまり良いカードではなかったね。  戦中の混乱期で孤児をやるなら、貧乏人の家に生まれていたほうが、良いカードが引けていたはずだ。  しかしどこの家に生まれるかなんて、人間は選べやしないんだから、金持ちの家に生まれてしまったら、しかたないから、そのカードを持って生きていくしかないだろうが。  俺にはあれ、ふて腐れて、後ろ向きになって、勝手に餓死していった兄姉の話にしか思えんが。  それは周りの人々のせいなのか?  ふざけんな。  とか、言っていい? ふて腐れずに生きている人間のひとりとしてさ。  あの作品にケチつけているわけではなくて、あの作品に対するおまえのあの感情移入の仕方と感想とに、ちと、ケチつけてもいいかね?  やることやらないやつほど、被害者するのって、なんでだろうなー。 >オカズとご飯  そうそう。せめてそのくらい。  単語レベルで分解していって、おかずとごはんとを分解することもできるけど、そこまでしたところで、たいして意味はない。  段落単位で出来れば、実用になるよ。  そして、きっちり分類している。  その分けかたで、まったく正しい。  残りもそのままやること。  空から書き出してしまうのは、たんなる癖ってやつだな。意味のない癖。いつもそうやってしまうせいで、なんの意味もなく染みついてしまっている癖。  通勤の駅までの道を、なぜか遠回りする道を選んでしまっているようなもの。近道があることに気づいても、なんとなく、そっちを通る気にはならないとか。  ――で、そんなくだらない癖をいくつも持っているやつは、プロになれんので注意すること。硬直してワンパターンなものしか書けなくなる。  この野菜炒め、いつも炒めすぎなんだけど、なんでだろ?  ――と客は思うが、その店に食いに行かねばいいだけのことだ。  わざわざ店主に「もうちょい野菜をシャキッとさせたほうがいいんじゃない?」なんて言ってやる親切な客は、いるはずがない。  このあいだミソラーメンを食った店、凄かったなぁ。ミソが傷みかかっていたんだよ。腐りかけね。べつに言いやしなかったが。もう二度と行かないだけ。  ラーメン屋なんだから、食っている客の顔をカウンター越しに、直接観察できるだろうに。俺が食っているあいだ、ジーサン、バーサン、ふたりしてテレビを観ておった。ワイドショーで長さんの出棺してたし。  おまえは腐ったミソラーメンを客に出していないか? >自分の武器  あれは巻島の武器を最大限活用した書き出しなわけね。  ぐるぐるマスターなんだから、冒頭シーンから始まって、全編、ぐるぐる技を生かせる展開になっているわけ。宇宙人に体を乗っ取られて、体を勝手に動かされて、あらあらどうしましょう。てな展開だと、ぐるぐる技が生かせるだろう。  以前の巻島は、その自分のぐるぐるを弱点にしてしまっていたわけだよ。コンプレックスに固まって、うだうだやっている地味な話をやっていた。  だが主人公を日常から引き離して、異様な状況に放りこめば、ぐるぐる思考は普通の人間らしい葛藤てな方面で生かすことができる。  特徴ってのは、使いかた次第で、弱点にもなるし、長所にもなる。  「軽量」という特徴は、レスラーにとっては普通は弱点となるものだけど。空中殺法を編み出せば、それは長所となるわけだろ?  2号の場合は、特徴は「女性恐怖症」なわけね。  これを普通に出してしまうと、「女は不気味」ってなる。  ホラーって舞台で使えば、そのままでも武器となるが――。  「女性への畏怖」って殺法を編み出せば、神秘的な美少女とかが描けるようになる。またファンタジーなんかで、偉大な「女王」なんてのも描けるわけだ。  昔書いた、「吸血鬼幼母」とか。  綺麗で妖しくて怖くて、魅力的だったが。  ママンに捨てられる神父の話。あれなら書けるんでないの? 長編として。  おまえの二つの武器が生かせるだろ。女性恐怖症とマザコンの二つ。  ただ、ネタかぶりがないか、市場リサーチが必要だろうがな。  ここ数年、吸血鬼モノはブームっぽいから、どこかで誰かがやっているかもしれん。  そろそろ下火だから、逆に今、狙い目なのかな? >得意技とか >>でも、自分はなにが得意なのか? なんてのは、普通はわかっているもんだわなぁ。得意技を軸にして攻めかたを考えるものじゃないか。  ああ。プロはもちろんわかっているさ。  んなもん、常識だ。  ていうか、常識以前だ。  プロ作家の集まる飲み会で、「自分の得意なものを軸にして、攻めかたを考えるべきですよね」とか、いちいちそんなことを言うと、だな。  「ああ。これまで考えたこともないですけど。たしかにそう言われてみると、そうですね」とか同意されちゃったりするんだよ。そして感心されてしまったりする。  だが、それをわかっているアマチュアはいない。  なにを書いてゆくか、ということを考えるときに、意識化のレベルで、以下のように4つの区分けがあるのだが。 1.自分の好きなもの。 2.自分の書きたいもの。 3.自分の書けるもの。(自分にしか書けないもの) 4.売れる(認められる)もの。  まずたいていのアマチュアは、「1」でしか物を書いていない。  「好きなもの=書きたいもの=書けるもの=売れるもの」みたいに、混同している。  だから、ダメなのね。  好きなものと、書けるものとは、往々にして別となるのだ。  たとえば弟切を例にしよう。あいつ、SFがとても好きなんだよな。そしてよくSFを書こうとしているわな。  でもSFを書く才能はないわけ。見ていてわかるだろ?  羽矢野を例にしよう。あいつ、女の子が悩む話が好きなんだよな。そしてよくそういう話を書くわな。  しかしあいつには、「悩む女の子」を書く才能はないわけ。見ていてわかるだろ?  唯野を例にしよう。あいつ、なんかカッコいいキチガイの出てくる話が好きならしい。そしてよくそういう話を書くわな。  しかしあいついには、「キチガイ」を書く才能はないわけ。常識人だから。見ていてわかるだろ?  俺の最近の研究によれば――。  どういうわけか、人っていうのは、本人が色々と持っている「才能」のうち、いちばん才能値の低いものを好きになってしまって、それを書こうとしてしまうらしいのだ。  まあ読み手としては、それで正しいんだけど。  欠落を補うものを読むべきだ。小説ってのは人生の参考書とも言われるぐらいだから。  自分がいちばん苦手とする科目の参考書を、もっとも多く読むべきだよな。  しかし書き手がそれをやろうとすると、不幸になる。  才能のない方面の話を書いていたって、プロになれるはずもない。 1.自分の好きなもの。 2.自分の書きたいもの。 3.自分の書けるもの。(自分にしか書けないもの) 4.売れる(認められる)もの。  アマチュアっていうのは、まず「1」を書こうとする。そして失敗する。  何度かの失敗ののちに、ちょっと気の利いたやつは、1に見切りをつけて、2をやろうとする。しかしやはり失敗する。このあたりで混乱してきて、変なことをやりはじめる。  「○○がいいね」とアドバイスをもらうなりして、なんらかの幸運によって、自分の才能の方向を見極めることに成功したやつは、自分の長所を伸ばしつつ、「3」で書くことを試みる。  だがそれでも、幸運がないとプロには届かない。  自分の武器である「3」が、たまたま「4」の「売れるもの」に合致していないとならないから。  プロ作家がどのようにして、書くものを決めているかということを、話す。  まずなには置いても、4の「売れるもの。認められるもの」から入る。  「認められるもの」の中から、自分の「武器」を考慮して、方向性を絞ってゆく。  そこに2の「書きたいもの」を考慮して、さらに絞る。  この時点で選択肢はまず消えてしまうわけだが――。  まだ選択できる自由がある場合に限って、1の「好きなもの」を考慮する。  つまり発想が、アマチュアとまるで逆なのだよ。  アマチュアは「1>2>3>4」で書く作品を決めているけど。  プロは「4>3>2>1」の順で考えている。 >怠惰とか >>背景を、人物を、もっと丁寧に描くべきなところを、ともかく話を先に進めたかったわけです。恒例の下ネタで例えるところの、前戯なしでいきなり……ってやつです。  ああ、なるほど。  「眼鏡っ娘、倉庫へ」のときにじっくり取り組めたのは、いくつか理由があるわけだな。  まず眼鏡っ娘に愛があるので、じっくり書きたかった。  あとあの話は、倉庫の奥に辿り着くと終わってしまうものだから、話を進めてしまうと、規定枚数をクリアできずにすぐ終わってしまう。  そのせいで、先を進めるという欲求を辛抱できたワケか。  60分の時間枠の中で、1回イッちゃうと終わり――なんて聞かされていれば、じっくりやって、辛抱しつつ、イクのは50分過ぎてからだよな。とか思うのだろうが。  60分、何回イッても良し。なんて思っているから、まるで辛抱しないではじめの5分でイッちゃうわけか。そして自分が精力ないことも知らないもんだから、結局、復活はならずに、2回目や3回目とかもやらずに帰ってきちゃうわけか。  アホの極み?  自分が気持ちよくなるために小説を書くにしたって、50分ぎりぎりまで辛抱していたほうが、得なんじゃねーの?  ふたつのケース、見比べて、考えてみろよ。結果としては、どうよ?  おまえ、ほんと、頭で考えてなくて、脊髄反射だけで、動物的に小説を書いているのだなぁ。そんな書きかたをするのなら、大脳なんて、いらないんじゃないか?  サルやイヌどころか、ヒトデや大正海老あたりでも、おまえと同じ仕事ができるんじゃないのか? 交尾して、5分で出しちゃうぐらい、カタツムリでも、アリンコでも、どれだって出来るよな?  あ、いけね。どれも脊髄、持ってねーじゃん。 >カッコ良い作者 >>自己暗示でもかけますか。 >>日常生活はともかく、小説書いているときだけでも――。  あー、あー。  なるほどな。  そうやって可能な限りローコストに済ませようとするから、だからアマチュアはだめなのか。  なぜ、日常生活のすべてをカッコよくしようとしないの? なぜ小説を書いているときだけなの?  小説を書くために、自分の人格から変えようとか、思わないわけ?  カッコいい小説を書くために、電車の中で妊婦に席を譲れる人間にならねばならないと、なぜ考えない?  いいじゃん。名無し君2号なんていうヘナチョコは殺しちまえば。女性畏怖を書かなきゃならないときだけ、生き返らせれば、いいじゃん。あとマザコンネタをやるときとか。 >校舎裏のリンチ >>口でぐちゃぐちゃと文句は言われてましたが、殴る蹴るはされてないです。相手は数に頼んで、主人公を押し包んで威圧してただけですね。  黙れ。  この塩ラーメンはとても食えそうにない、と言ってた客に、お前は「いえそれはトンコツラーメンなんですけど」と言い返すわけか。  トンコツか塩かも区別の付かん、食う気さえも起こらんような「変な物体」を出してきたという自覚はないのか?  俺、食ってないわけよ。読んでないわけね。  これが手足の出ているリンチなのか、口だけの糾弾なのか、どっちだっていいんだよ。どうせ食わねーんだから。  食わずに、目の前に出されたラーメンを見て、「まずそうだから、いいです。この塩ラーメンは」と言ってきた客に、いまおまえは、「いえそれはトンコツなんです」と力説していることになるわけだが。  その行為に、なにか、意味はあるのか?  塩でなくてトンコツであると俺が理解したら、俺は食う気になるのか?  課題部屋にいってクリックし直して、一心不乱に読み直すわけ?  アリエナーイ。 >クーラーのある高校  津荒に訊いても、「うちはそうでした」としか、返ってこないのではなかろうか?  ……と思ったら、やっぱりそうだった(苦笑)。  公立校で、クーラーなんて付けていたら、「税金の無駄遣い」と批判されるだろうね。(というか、したいとこだが。俺様の収めた税金をなに勝手に無駄に使っていやがる。ぷんすかー)  私立校で進学校であれば、あるのは当然とまでは言わなくても、あってもおかしくないだろう。詳しく調べちゃいないけど、ひょっとしたら、半数を越えているかもしれない。  私立の場合には、親がなにを望んでいるかで設備が決まる。  「勉学に集中できる環境」を親が望めば、クーラー付いていないと文句が出るだろうし。クーラー付けるから金出せと言えば、金だって出すのだろうし。  まあ私立っていったって、色々だが。  「とりあえず高校は出させておかないと心配で〜」なんて、親が考えもなしに子供を突っこんでくるバカ学校であれば、クーラーなんて不要だろうし。  しかし津荒、ソース元を書いたのは褒められるが、もうひとつ大事な部分も引用しておけ。 >>文部科学省は16日、今後10年間で公立小、中、高校の普通教室約30万室に空調設備を導入する「教室冷房化計画」を来年度から実施することを決めた。  30万室というのは、冷房を未装備な全教室数らしい。  つまり今後10年で、公立の小、中、高――すべてにおいて、冷暖房が完備する。エアコン付きになるわけね。  つまり夏に女子がスカートをぱたぱたとやっているシーンなんかは、10年後にはNGとなってしまうわけだ。  冬にストーブを囲んで――なんてのも、NGなわけだ。  なんか現実がどんどんファンタジー世界化してゆくなぁ。 >フランクフルトの匂い  あれ、匂いのもとは肉汁だから、刻み目いれてやらないと、匂いはしないよー。  ただ焼いただけだと、油の匂いしかしない。 >津荒  怖い話の才能測定。  うーん。怪談ってのは、基本的に筋は異様なほどシンプルなものだから。  まあ起承転結の身に付いているものなら、筋は適当でいいのだろうけど。  しかし、それにしたって、気になる点が。  つまり涼という女の子が、寄生されていたってことだろ。そして主人公に移して、そして主人公も寄生虫を貰ってしまうということだろ。  しかし、涼はいったいいつ感染したのやら。  また腐りきるまでの間は、髪が抜けたり、異臭がするもんなんじゃないのか? そう設定に書いてあるのだが。  ただ手首が落ちてるだけのようだが。  しかし、手首が落ちちゃったりしても、虫が完全に脳を乗っ取れば、また繋がるものなの? どんな仕組みで?  あと最初のカバンの中の手が、手品だったというのが、よくわからん。  涼がなぜそんなことをやったのか。理由が存在しないってことね。  手品好きで、からかうのが好き――というのはわかる。しかしそのことと、涼が虫の第一キャリヤーであることとは、まったく繋がっていない。  なんか、全体的にはちゃめちゃだな。  こういうのって、筋が通り過ぎていると怖くなくなってしまうのかもしれないけど。  もうちょっと筋を通しておかないと、読み終わった読後感が「怖い」にならなくて、「なんで?」という不満になってしまうぞ。  人間ってのは、合理的な説明を求めるものだから。怪談にさえ。  あとキスして虫を移すところ。  伏線を張っておいて、あとで読者に「あっ! あのとき移ったのか!」と思ってもらうためには、印象的なキスにすること。軽く唇が触れるようなのじゃなくって、ファーストキスにそぐわないようなやつね。  俺なら、いっそヤッてしまうところかなぁ。ホラーだし。エロスと相性がいいし。童貞喪失して幸せの絶頂――とやる手もあるし。  読者の目を他のことに向けさせる、てな用も満たしているし。  女の子が積極的で誘ってくるけど、途中で、怖くなって逃げだしてくるようにする手もあるし。ラストの破滅の予感をそろそろさせてゆくというのも、ひとつの手ではある。  ラスト前に、いったんホッとさせておいて、そしてドカンと落として落差を狙う趣向であるなら……。キスか初体験で、主人公が幸せになっている路線だろうし。  ラストの破滅に勢いを付けてゆく路線なら、ここは逃亡路線だろうし。  設定に関してと、いつどのようにして女の子が寄生されたのか、筋を通す方向で再考。  あとラスト前の仕掛けを考えること。  ホラーってのは、そこがキモでないのかな? ちと自信ないのだが。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7822 投稿日 2004年4月4日(日)09時16分 投稿者 新木 伸 >弟切  まだ誰か指摘を書いてくるかもしれないから、もうしばらく、俺のはやらないでおく。  しかし、みんな気づかないのかなー? 気づいてて、気づかないふりでもしているのかー? >>1)主題である「親切」が伝わっているか。 >>2)若い男性−大学生の店員アルバイト、と設定しています−の主人公の言動におかしな点はないか。 >>3)視点−三人称キャラ寄り視点のつもりです−の乱れはないか。 >>4)おばあさん−年齢六十八歳、年金暮らしの専業主婦、と設定しています−の言動におかしな点はないか。 >>5)平日昼間のスーパー感は出ているか。  3は見てないけど。  1、2、4、5、ぜんぶおかしいじゃん。  そもそも5なんて、質問からしておかしい。「昼間」ってのは、何時のことだ?  弟切の脳内には、きちんと「何時何分」というところまで時間設定がされていたはずだが……。  それを書いてきてもいないのに、出てるとも、出てないとも、答えられるはずないじゃないか。なぜ誰もそこを訊かずに、「出てます/出てません」なんて答えているのだ?  弟切の使う「昼間」と、自分たちの使う「昼間」という言葉が、同じかどうかもわかりゃしないのに。(ああ、津荒は訊ねているか)  あと弟切、整形済み文章を課題部屋にあげるときには、半角76文字くらいにしてくれ。半角80文字整形にしてあると、80文字きっちりしか見れない環境下では、横幅から溢れ出してしまうのだ。  それから、「−」はなんの役割を与えた記号なのだ?  文字コードからすると、マイナス記号のようだが。  マイナス記号の意味は知ってるよね?  自分ルールを勝手に作るな。  ダーシなら「――」だろ。 (一般用語だとダッシュというが、出版業界の用語ではダーシね) -------------------------------------------------------------------------------- 突然ですが。 No.7823 投稿日 2004年4月4日(日)14時24分 投稿者 甘夏 ○最近の2号さんが格好悪いところ。  名前ひとつ自力では決められないところ。  むしろ。  名無しなんていう人間扱いすらされてない状況を甘んじて受け入れているところ。  自分で解を持ってこないところ。  言い換えれば。 「なるほど」とか言って自分の脳みそで考えたふりをして、  他人の言葉をテキトーにまとめることしかしないところ。  しかも、最後は〜ってことか?等、相手に解をゆだねるところ。 (津荒さんはそういう点では自分で解を考えてきて。私はこう考えましたとか、こうしてみますとしてくる場合が多いので格好いい)  答えを見つけるつもりがないところ。  同じようなことを何度も何度も書き込むところ。  このままでいいのか云々。  手を動かさないといけないんだよなー云々。  口ばっかり頭ばっかりで、行動が伴わないところ。  卑屈な開き直り方をしているところ。  本人は自虐ネタのつもりかもしれないけれど、  見ている側からすれば、こいつ理解してんのか? と不快になることもわからないところ。  それを失笑系などと自称してしまうところ。  笑わせているのか、嘲笑われているのかがわからないところ。 ・個人的な疑問。  失笑1。イタタ2。あっそう7。  これで何がしたいんだろう。読む人を舐めてるとしか思えない。  それ、書く意味あるですか?  総じて。  自分の力で道を決められないのが格好悪い。  名前ひとつ決められないのも。  解ひとつ持ってこられないのも。  口ばっかりで手が動かないのも。  反発せずに自虐に走ってしまうのも。  上っ面だけ納得して見せてしまうのも。  すべて周り任せだから。  いることだけをアピールしていれば周りがなんとかしてくれると思っているから。  いいかげん、自分の足で立ってください。  しっかり前を見据えてください。  あなたは誰ですか?  どうしてそこにいるんですか?  何ができますか?  何がしたいんですか?  そのために何をするべきですか? 何をしてますか?  あなたは、あなたの意志でそこに立ち、あなたの意志でアクションをおこしてますか?  最近の2号さんのあまりのヘタレっぷりに我慢ができず書き込んでみました。 ○2号さんが格好よかったところ  1000字課題を何のかんの言いながらほとんど毎日つみあげていたところ。  きちんと目的にむかって一歩一歩前進していたところ。  それはすごく格好よかったですし、尊敬もしていました。  なので、酷く残念です。  惜しい人を亡くしました。  以上。職人道一直線の甘夏でした。  ちなみにアイロン職人道では。  考えならやる。やり終わってから考える。やる前に考える。  全部同時に、かつ手を止めずにやらないと無能扱いされます。  予習復習実践を同時にやる感じですね。  毎日100枚を軽く超える商品をさばくのですから。  一個一個丹念に見直し、なんて悠長なことはやってられません。  やりながら見直す。完成したときには、文句なしの100%の商品になっている。  それがプロの仕事。だ、そうです(受け売りかよ!)  口だけで手が動かない人間は捨てられます。  考えることも大事ですが、答えは実践で示さなければ認めてはもらえません。  答えは結果の中にしかありません。  最後は数をこなすしか道はありません。  みなさん、がんばってください。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7818の削除は弟切です。 No.7824 投稿日 2004年4月5日(月)03時22分 投稿者 弟切 千隼 ちょうど紫さんが書きこんだのとまったく同じ時刻に書きこんでしまい、どこかで書きこみの信号が誤解されたようです。二重投稿になってしまったので、片方の書きこみ(No.7818)を削除しました。 紫さんへ >  お久しぶりです。御指摘ありがとうございます。  以下に、No.7816の紫さんの御指摘に対して答えます。 >なぜ主人公の大学生が茶髪にしているのか?  これは、現役大学生の何人かに取材して決めました。  現在の大学生は、男性でも女性でも、茶髪にすることにほとんど抵抗はありませんね。特にものすごくおしゃれな人でなくても、「一回くらい茶髪にしてみようかな」と、軽い気持ちで髪を染めています。  高校までは、現実はどうあれ、建前上髪を染めるのは禁止されている学校が多いです。社会人になると、職種や会社によっては、髪を染めることが忌避されます。そこで、ほとんど何の制約もない大学生のうちに、一回くらい茶髪にしてみよう、と考える人が多いようです。  茶髪にしてみたものの、「いちいち染め直すのが面倒くさい」・「お金がかかる」・「自分には似合わないことがわかった」などの理由で、すぐにやめてしまう人もいます。一方で、新たに挑戦する人もいます。個人的に見てゆくと、茶髪にしている人/していない人の入れ替わりは激しいです。  学生はお金がない人が多いため、お金の制約によって、ずーっと茶髪にし続けている人は少ないですね。  知り合いの大学の先生に聞いたところでは、「授業に行ってぱっと教室を見渡すと、昔より教室が茶色っぽい」とのことです。大学生の茶髪にいちいち驚くのは、時流を知らないおじさんおばさんの証拠らしいです(^^;;  「親切」の主人公の大学生も、「学生のうちに、一度茶髪にしておこう」と、軽い気持ちで茶髪にしています。特におしゃれではないけれども、身なりにまったく構わないわけではない、「今どきの普通の大学生」ということで、茶髪にしました。  主人公を茶髪にしたのには、もう一つ理由があります。「老人と若者」のギャップの面白さを狙いたかったからです。  若い人の間で茶髪が流行っているのに対して、五十代以上の人は、茶髪に対する抵抗感が極めて強いです。なぜかはわかりませんが、とにかく何が何でも茶髪は不快、という人が多いです。そのため、茶髪にしている若者に対しては、「ぐうたら」・「非行に走っている」・「日本の伝統をばかにしている」など、たいへんな負のイメージを持っています。  そういう偏見を持っていた若者に親切にされたら、お年寄りは驚くでしょう。  どう見られるかに無自覚で、軽い気持ちで茶髪にしている若者と、外見だけを見て偏見を育てているお年寄りとを邂逅させれば、ギャップが引き立ちますね。お互いに価値観が違う者同士でも、親切心は発揮できますし、わかり合える、と書きたかったのですね、弟切は。  しかし、紫さんに上記のことが通じなかったとすれば、弟切の力量不足です。主人公の「普通の大学生ぶり」を別のやり方で強調するとか、もっと工夫のしようがありましたね。 >>●3)視点−三人称キャラ寄り視点のつもりです−の乱れはないか。    (中略) >> 2行前で「宏樹は」と書いておいて、いきなり「俺に」と書かれると、ぎょっとしますね。 >> ()でくくるとか、「――と宏樹は考えた。」のようなフォローが必要でしょう。 (No.7816の紫さんの書きこみより。以下、引用は同じ書きこみからです)  弟切自身、ここは「唐突過ぎるかな?」と悩みました。「――と宏樹は考えた。」みたいなことを書こうかどうしようか迷いましたね。  書いてしまうとうっとうしい気がしたため、書きませんでした。うーん、何かしら書いたほうがよかったですね。 >>>>  おばあさんは目を見開いた。 >>>> 「まああ、そんな……」 >>>>  彼女は宏樹の頭髪あたりに目をやった。それから視線を下げて目を細めた。一歩下がっ >>>> て、宏樹の胸の名札を見つめる。 >> 『目をやった』に違和感がありました。視点保持者に対しての行動ならば、「目を向けてくる」とかではないでしょうか。 >> 『宏樹の胸の名札を見つめる』で、視点が飛んでいます。 > 直前では、頭髪を見ているのが確定せず、『頭髪あたりに』と書いていたのに、名札を見ていることは確定できるのは変でしょう。 >> やるなら、「名札のある胸のあたりを見つめてくる」とかでしょうか。  ここは、御指摘のとおりですね(;_;)  視点保持者に対してならば、「目をやった」ではなく「目を向けた」でしょう。  最初に『頭髪あたりに』と見ている位置をぼかしたのなら、次も「名札あたりに」とぼかすべきでした。 >> 目をやった/目を細めた >> 視線を下げて/一歩下がって >> このように、同じ言葉を用法だけ変えて、同じ段落に使われると混乱しますね。 >> 言葉に対して注意力を要求されるから、疲れます。  わあああ、ここは思いっきり誤読されてしまいました(泣)  このように読まれたということは、弟切の描写の大失敗です。  恥ずかしながら説明します。  ここは、「老眼」の描写のつもりでした。  主人公に親切にされたおばあさんは、まず、主人公の『頭髪のあたりに』目をやります。これは、主人公の茶髪を確かめる行動です。「こんな茶髪の若者が、こんな親切をするのか」と驚いているのですね。  次に、おばあさんは、「この親切な若者は何という名前なのだろう」と考えて、主人公の名札を見ようとします。『視線を下げて』は、おばあさんが、主人公の頭のほうから胸のほうに視線を持っていったことを示したつもりでした。  ところが、おばあさんは老眼なので、名札の細かい字がよく読めません。老眼は遠視の一種ですから、対象物から遠ざかったほうがよく見えます。そのために、おばあさんは『一歩下がって』名札の字を読み取ろうとしました。  「老眼」の描写は、普段老人と接していない人にはわかりにくいですね。いっそのこと「きっと老眼なのだろう」とか、説明的な文を入れてしまったほうがよかったかも知れません。 >> 百五十センチ以上ないと、なにか問題があるのかと不思議に思いました。 >> 体力のなさそうなことを表現したのだとすると、身長が絶対的な体力のモノサシというわけではないですしね。  ここは、おばあさんの体力がなさそうに見えることを描写したつもりでした。一般的に、小柄な人は体力がなさそうに見えるものですから。  しかし、「身長が低いこと」は、必ずしも体力のなさと結びつきません。読者さまに違和感を持たせたのなら、弟切の失敗ですね。 >> 4行前で「彼女は大きく肩で息をしていた。」と書いています。そんな状態のおばあさんが、こんな長セリフを言うのかなあ、というのが感想。 >> 細かく切って、息切れ感は出ているんですが、息が切れている時って、そもそも必要のない言葉を言わないですよね。  ここでは、おばあさんが人との会話に飢えていることを示したつもりです。特に、若い人と親しく話すなんてことは、このおばあさんには滅多にありません。  彼女は長い間専業主婦をやってきました。今は定年退職した旦那と二人暮しという設定です。収入源は年金だけです。  何十年も連れ添った旦那とは、もはや会話らしい会話はありません。旦那は碁が趣味で、碁会所に通い詰めてばかりです。子供たちは独立して、別のところに暮らしています。おばあさんには趣味らしい趣味はなく、孫に自分の手料理を食べてもらうのが唯一の楽しみです。  こういう状態では、このおばあさんと他人との接点はほとんどありませんよね。他人に親しく話してもらえるのは、彼女にとってとても嬉しいことです。息が切れていようと何しようと、とにかく話したいという気持ちが強いのです。  と、設定だけはあるものの、読者さまに通じなくては意味がありませんね(;_;)  彼女の「人恋しさ」をもっとわかるように書くべきでした。 >>●5)平日昼間のスーパー感は出ているか。   (中略) >> 商品ばかりが――と書かれていたので、「商品以外のならんでいるスーパーがあるのだろうか?」と疑問に思ってしまいました。  ここは、「店内に人影がなくて、商品だけがいっぱいある」ことを書いたつもりでした。  でも、弟切の書き方では、たしかに紫さんがしたような誤解を招いてしまいますね。『商品ばかりが』の『ばかり』は余分な言葉でした。  紫さん以外に、「親切」の指摘をして下さった方もいますね。ありがとうございます。他の方々へのレスは、次回以降に回させていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- >甘夏さん No.7825 投稿日 2004年4月5日(月)05時29分 投稿者 名無し君2号  おおむねおっしゃるとおりなので、とくに反論はありません。  痛いのは痛いですし、弱まっているところさらに弱まりましたが、つまりアレですな、「馬鹿! あのときのあんたはどこにいっちゃったのよ!」てなことなんでしょうな。この場合の正しい行動は――  撲たれた頬を押さえながら、遠く走り去る彼女の後ろ姿を、ぼくは黙って見てることしかできなかった……。 「あいつ、泣いてたな」  痛かった。頬じゃない。心が、とても痛かった。それは、春だというのに雪がちらつく、4月のことだった――。  なので、甘夏さん、泣きながら走り去ってください。  そこが足りないです。抱かせるべきは罪悪感です。  と、冗談はこれぐらいにして。  日々、普通に落ちこんでるんですね。  それをそのまま書いても、読んでいる人にとってはうざったいだけじゃないですか? なのですこしでもおいしく食べられるように調理してるつもりなんですが。  弱音なんざ吐くな、と言われれば返す言葉もないんですけど、だって書かなきゃ伝わらないし。「やんなきゃなんないよなー」と宣言した以上はやらなきゃならないし。  疑問にはお答えしておきます。 >>失笑1。イタタ2。あっそう7。 >>これで何がしたいんだろう。読む人を舐めてるとしか思えない。 >>それ、書く意味あるですか?  これは自分の立ち位置を客観的に見てみたところです。  自虐フィルターを通っているので、「失笑」とか「あっそう」になっているわけですが。  まず課題を書きます。  すると、私の場合はだいたい30人から40人くらいの人々に読んでもらえます。(課題部屋のHIT数を参照)  ここ分室では毎日200人ほどの方がROMしているとのことなので、つまりは2割の人が2号の小説を読んでくれている、ということになりますね。  逆に言えば、8割は興味がないわけで。  そこからかんがみるに、普段の私のレスも、同程度の数が興味を持っていないだろうと。つまりは「あっそう」=「無視」と。  いまはそんなもんです。いまはね。  残り2割のかたがた。  それが「失笑」=「快」、「イタタ」=「不快」のどちらであっても、まあ興味を持ってくださってることに変わりはないので、読んではもらえているのだろうと。割合が2割から3割に増えているのは、クリックする労力がいらないぶん、ちょっとは多くなっているだろうと期待しているからです。  自虐フィルターを通しているのは、ただ単に照れているだけです。  「失笑」を「2号くんのレスは本当に面白いネ」って書いてもいいんですけど、そんな自画自賛をキミは読みたいのかネ? 私なら読みたくないネ。  だから、まあ要するに――甘夏さんは「イタタ」の2割だったんですね。  この「快1割、不快2割、無視7割」が正しい割合かどうかもよくわからないんですが。快が0割だったらどうしようかな。すごく恐いな……。  「読む人を舐めてるとしか思えない」とありますが、いったいどこが「舐めている」と取られたんでしょうか。「あっそう」のくだりかなあ。  実際、私のレスを読み飛ばしている人はけっこういると思うんです。そうされないように努力はしているつもりなんですけど。甘夏さんのようにしっかり読んでくださってるのはありがたいですね。  ええと、がんばります。  アイロンからの蒸気のごとく、熱い視線で見守ってください。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7826 投稿日 2004年4月5日(月)05時53分 投稿者 新木 伸 >弟切 >茶髪について  うーん。すると茶髪については、たいした作劇意図はなかったってことか?  いま風の若者はそうだから、とりあえず、そうしておいた。――ぐらいなところか。  てっきり、「親切」に関わる仕掛けがあるのかと思っていたが……。  とくに意味がないんだったら、目についてしまって、意識が脇道に逸れて邪魔になるから、茶髪はなくしておいたほうがいいぞ。普通に「若者」って書いておけば、読者はそれぞれ脳裏に、勝手な「若者」のイメージを浮かべてくれるから。  「茶髪」って属性を与えて縛ってしまうと、読者が思い浮かべる自由なイメージを、一方向に歪めることになるわけね。  そうした場合には、その「歪み」が引き起こす効果まで計算しなければならなくなる。  「美人」の描写の時に、学習したかと思っていたんだが。  不要な属性を与えてしまうのは、得策じゃないのだよ。  わかるか?  ちなみに、みやびさんに読ませた、そのコメント。  まずスーパーが、田舎の小さなスーパーだと思ったそうだ。  店員が一人しかいないように見える。田舎の超小さいスーパーに見えてしまう。  おそらく弟切が書こうとしていたのは、昼間だとしても、店員が3〜4人は常駐している規模の店のはずだ。ならば、そうなるように書くべし。どう書けばそう見えるのかは、自分で工夫すること。  あとお婆ちゃんが、ボケているのかと思ったそうだ。  人のいい控えめなお婆ちゃんあたりを書こうとしているのだということは推測できるが、実際に書けているのは、単なるボケ老人。  存在しない「孫」のために、土鍋を買いに来ているような、可哀想な老人であるように見えていたそうだ。  僕も同意見。僕がそう読んだ、てなことではなくて、全仮想読者のうちの2〜3割がそう読んでしまっているという意味で。  このお婆ちゃん、どこか変なんだよ。そして年寄りの言動が「変」だと感じたなら、それは「ボケ」に短絡してしまうものだよな。  解説を読むと、「人恋しさ」なのかとわかったけど。解説してもらわなければ、永久にわからんわな。  キャラ配置的には、これでOK。  普通の若者と、控えめな老婆というキャスティングは適切だろう。  ――んで、いちばん大きな一点を指摘する。  無論のことながら、改善してきて、示すこと。  この課題。仮にタイトルの「親切」というものを外して、なんの予備知識も持っていない人間に読ませたのだとする。本文だけね。タイトル見せないでね。  そして「この青年って、なにしたの?」と聞いてみる。  すると、読んだほぼ全員は、こう答えるはずだ。  「土鍋をバス停まで運んであげた」――と。  その行為が親切であるということを確定させて、定着させてないのだな。  単に「土鍋を運んだ」という事実としてしか、認識されないはずだ。  疑問があるなら、例によってリサーチのこと。  親切を描写しようというなら、「この青年ってなにしたの?」と聞いたら、「うん。親切なことをしたんじゃないの」と答えが出てこなきゃいかんわけだよな。  なぜこの行為が「親切」と定着しないのか――。  いまサラサラと答えを書いてしまっていたんだけど、考えさせたほうが、身に付きそうだわな。  なぜ親切と認識されないのか、読者の意識に定着しないのか、そこを考えること。  そして考えたら、その仮定をもとに、欠点を潰して、書き直してみるのこと。  書き直しの数回は想定しているので、いちいち、考えた結果を「合ってますか?」なんて答え合わせしにこないでよい。いきなり直して、出してくること。 (でも思考開示だけはしておくこと) >2号  校舎裏の、「殴る蹴る/口先で糾弾」の件について。  俺はつまり、「このラーメンは食えねぇ」って言ってるわけね。  食えるものが出てきたなら、どっちだっていいんだよ。それが「殴る蹴る」であろうが、「口先で糾弾」であろうが。  その白いスープが塩だろうがトンコツだろうが、どっちだっていいんだよ。腹減らしてる客が、んな細かいこと、気にするかってーの。  そして、いつも言っていることだけども。  ラーメン屋が「食えねぇ」って批判されたときに、やるべきことは、口先で言い返すことではないだろ。  食えるラーメンを作り直して、客の前に出してくることだろ。  だから、「黙れ」と言ったわけだ。  四の五の言ってないで――。  食えるラーメンを出してきて、「口先で糾弾している」と、たしかに間違いなく読めるようなものを書いてくりゃ、いいんだよ。 >落ちこんでいる状態  いやー、作家やってて、なにがいちばんツラいのかというと、だな。  俺ら、読者をちょっぴり幸せにさせたり、くすっと軽く笑わせたり、そういう楽しい気分になるようなものを書いているわけじゃん。「俺ら」とか括るとあれだけど。まあ俺は。あとここに常駐している作家さんも、おおむね、そういうものを書いているわな。波長が近い人が集まってくるみたいだし。  ライトノベル作家なんだし。ライトノベルなんだし。  ライトにさくって読めて、読んでいるその最中だけ楽しければいいわけね。後に残らなくたって、2時間の暇が潰せればいいわけだ。電車の中の退屈な通勤通学時間が、ほんのちょっと退屈でなくなれば、それでいいわけ。  そのためには、まず、自分自身がそういう心理状態になっていないとならないわけよ。  しかし、人間、生きていりゃ不愉快なことやら、深刻なことやら、ひとつふたつ、どこかには転がっているわけで――。  そうした中でも、無理矢理だろうがなんだろうが、自分の精神状態を「幸せ」に持って行かなきゃならんわけね。じゃないと書けないから。ウソになるから。  オヤジが死んで、その棺桶の上で原稿書いていたときが、やはり俺の作家人生におけるベスト1かな〜。父親の棺桶の上で、半泣きしながら、しかし心は「幸せで、くすりと」なわけだよ。  鬼かと思ったね。自分でも。  人としてどうよ、とも思ったね。  しかし作家としてなら、そうするしかないわけで。人であるまえに、俺、作家だし。  つまり、なにが言いたいのかと言うと。  明日世界が終わるとわかっていても、作家なら、笑って小説を書け。ということ。  あと、てめえの苦しいそれ。  プロ作家なら全員知ってるから。お前だけ特別ひどいわけでもなんでもないから。孤独に感じなくてもいいから。不公平感を感じなくてもいいから。  むしろおまえのそれはヌルいほうだし。  俺は自分で経験した最大級は、せいぜい「父親の棺桶を机にして原稿」ぐらいなもんだが、話に聞くだけなら、もっとスゲーの、いくらでも知ってるぞ。  あと、べつにプロ作家に限らなくたって、接客業で、プロなら、だいたい全員、知ってるから。裏でマネージャーにクソミソに罵倒された5分後に、お客様に「いらっしゃいませ〜(にこり)」なんてのは、あたりまえの話だから。  お前も作家であるなら、あたりまえのことを、あたりまえにやれ。  言うべきことは、それだけだ。 -------------------------------------------------------------------------------- まだあった No.7827 投稿日 2004年4月5日(月)07時41分 投稿者 新木 伸  言うべきことが、まだひとつだけあった。  お前を叱ってくれた甘夏さん。  ――に関する情報なんだけどな。  女の子らしいぞ。  さらに19歳らしいぞ。  さらに眼鏡っ娘らしいぞ。縁なしのシャープな眼鏡をかけているらしいぞ。  どうだ。  がぜん、やる気が出てきたか?  さあ、書け。  暇と時間があるときには、読んで批判してくれるそうだぞ。ちと俺から頼んでおいた。  褒めてはくれないかもしれないが、すくなくとも見ていてはくれて、なじってはくれるようだぞ。  さあ、書け。 -------------------------------------------------------------------------------- 落花盛ん No.7828 投稿日 2004年4月6日(火)01時30分 投稿者 弟切 千隼  湘南では、染井吉野が満開を迎えて、散り始めたところです。春の陽射しの中、はらはらと散る桜は風情があってよいですね。 >描写課題「親切」  書き直したものを、課題部屋のNo.884に上げておきました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=884&e=res&lp=883&st=0  書き直しに際して、留意したことを書いておきます。 1)主題の「親切」がきっちり伝わるようにしました。  具体的には、主人公が、業務でも下心があってのことでもなく、好意からおばあさんを助けたと確定できるようにしました。以下の部分が確定させている部分です。 >> 宏樹は目をしばたたいた。 >>「いえ、そんな。バス停なんて、店のすぐ前ですよ。ほんのちょっとじゃありませんか」  加えて、主人公の行為が、おばあさんにとっては非常にありがたいものだと確定できるようにしました。以下の台詞でそれを示しています。 >>「それでも、こんな年寄りには、助かるんですよ。本当に、ありがとう」 2)スーパーの規模が伝わるようにしました。  新木さんの御指摘どおり、弟切が想定していたのは、昼間でも店員が3〜4人常駐している店でした。以下の部分がそれを伝えているところです。 >>延々と商品が並ぶ棚に、軽快なBGMが降り注ぐ。どのレジにも人はいない。 3)おばあさんが、ぼけていると思われないようにしました。  具体的には、おばあさんの台詞から冗長さを減らして、論理性を増しました。「普通に話が通じる相手だ」と読者さまに感じてもらうためです。以下のおばあさんの台詞を、全て書き直しました。 >>「ええぇ、重くてねえ。でも、こういうお鍋のほうが、煮物が美味しくできるのよ」 >>「ええ、一人ですよ。うちの旦那は、買い物には付き合ってくれないの。まあ、バスに乗れば、家はすぐだから」 >>「えーえと、私、目が霞むもんで、よく見えないんだけど……お名前は、松、何ていうのかしら?」 >>「そう、松永さん。どうもありがとうねえ。近頃の若い人にも、あなたみたいな、いい人がいるのねえ」 >>「それでも、こんな年寄りには、助かるんですよ。本当に、ありがとう」 4)茶髪に関する部分は、すっぱり削りました。 5)「老眼である」ことが通じるように、表現を変えました。以下の部分がそれです。 >> 彼女は、宏樹の胸もとに目を向けた。一歩下がって、目を細める。それから、片手を上げて宏樹の名札を指差した。 >>「えーえと、私、目が霞むもんで、よく見えないんだけど……お名前は、松、何ていうのかしら?」  留意点は以上です。皆さんの御指摘を待ちます。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7829 投稿日 2004年4月6日(火)04時02分 投稿者 新木 伸 >弟切 >884 弟切、描写練習、「親切」書き直し  ナメとんのか。  いったいどこが変わっているんだよ。  考えろ、と言ったのに、考える気がないなら、もう終わらせるぞ。リライトするのも面倒くせぇ。  このアホタレが。  台詞をちびっと直したぐらいで、なにが変わるものかよ。  そんな細かいところに気づく読者がいるかっつーの。  てめえの書く金も取れない小説なんかを、そんな一字一句まで熟読してくれる読者がいるかっつーの。  考える気がないのなら、そう言え。答えを書いて終わりにするから。  考えるつもりがあるなら、「婆さんも青年も、どちらも人間になってない」ってのが、ヒントだ。  もうひとつのヒントとしては、プロットレベルで変更が必要ってことだ。  ぱっと見たときに、流れとして展開として、一目でわかるぐらい。大きく変えてゆく必要があるんだよ。  スーパーの店。土鍋を買いに来た婆さん。普通の青年の店員、土鍋をバス停まで持っていってやることにする。  ――このくらいの大きなレベルまで戻していって、もういちど、構成から考え直していかないとだめだよ。細かく手を付けていって、直るような問題じゃない。  だいたい起承転結がないだろーが。  「美人」を定着させるときには、まがりなりにも、「転」を作っただろう。「転→結」への流れでもって、印象を定着させるものなのだ。  転のない話ってのは、どんな印象も読者の脳裏に定着させられないんだよ。 >>2)スーパーの規模が伝わるようにしました。  伝わってこねーよ。  ちっとも変わらねーよ。  店員が昼間でも3〜4人いる店だというなら、その店員たちはどこでなにをしているのだ? なぜ一人もレジについていないのだ。商品整理をしている店員が、レジに入ってゆくことを、なんとも思っていないのはどうしてだ。 >>3)おばあさんが、ぼけていると思われないようにしました。  これは直った。  しかし前から疑問なことが、ひとつあるのだが。  土鍋って、そうそう買い換えるものじゃないよな。このお婆さん、なんで土鍋が必要なの?  あとスーパーにそんなデカイ土鍋があるなんて、不自然だよな。土鍋の大きさってのは号数ではかるそうだが、最大の物は、普通スーパーには売っていないぞ。  あと最大のものだって、そんなに重たくないぞ。それ一個きりなら、普通の買い物の重さと同じくらいだと思うが。かさばりはするが、重量的には軽いものだろ。  そんなに重たいものを買いに来ることを知っていたなら、婆さん、ころころカートでも引いて来るんじゃないのか? (まあ、本題ではないので、そこらには目をつぶってもいいのだが) -------------------------------------------------------------------------------- ところ変わればイメージ変わる No.7830 投稿日 2004年4月7日(水)00時05分 投稿者 弟切 千隼  今日の夕方、弟切が道を歩いていると、蝙蝠[こうもり]が飛ぶのを見ました。春になって、蝙蝠も冬眠から覚めたようです。  西洋では、蝙蝠は吸血鬼のイメージが強いため嫌われます。ところが中国では、蝙蝠の「蝠」の字が「福」に似ていて読みの音も同じなので、おめでたい動物とされています。  動物に何らかのイメージを投影するのは、人間の勝手です。でも、どうせなら良いイメージで捉えてあげたいですね。 >描写課題「親切」  プロットから作り直します。  起承転結を以下のとおり決めました。これで書き直します。 起:スーパーで働いている主人公。 承:おばあさんが土鍋を買いに来る。 転:おばあさんがよろけて、鍋を落としそうになる。 結:見かねた主人公が、土鍋を持ち運んであげる。 >おばあさんが土鍋を買う理由  ずっと以前から使っていた土鍋を、割ってしまったからです。  このおばあさんは、ぼけてはいません。しかし、年齢相応に衰えは来ていて、老眼になったり細かく手を動かすのが苦手になったりしています。そのために手もとが狂って、土鍋を割ってしまいました。 >スーパーに大きな土鍋が売っている理由  たしかに、普通のスーパーでは、恒常的に大きな土鍋は売っていませんね。  ただし、冬になると、鍋料理用の食材や道具がよく売られます。大きめのスーパーなら、季節商品として、大きな土鍋が登場することも珍しくありません。  この話の季節は冬として、スーパーに大きな土鍋が売っていてもおかしくないようにしました。作中に『売れ残ったバレンタインデーのチョコレート』を登場させたのは、季節を冬と確定させるためです。使い方がまずかったですが(;_;) -------------------------------------------------------------------------------- 新入学の季節 No.7831 投稿日 2004年4月7日(水)07時49分 投稿者 新木 伸  新しいお友達が来るかもしれん。来ないかもしれん。 >弟切 >>起:スーパーで働いている主人公。 >>承:おばあさんが土鍋を買いに来る。 >>転:おばあさんがよろけて、鍋を落としそうになる。 >>結:見かねた主人公が、土鍋を持ち運んであげる。  なんか、変だぞ。  なんつーか、目立って、ハデハデことを起こせばいいっていう発想が見え見えなのだけど。  2号の「ロマンティック症候群」ってやつ?   起:店で働いている主人公。 承:重い土鍋を持っているおばあさん。 転:(未定) 結:運んであげることにする。  雛形はこれになるわけだが。  起承で作った流れがあるわけだろ。そこをまず考えろ。この起承から当然予想されるのは、どういう流れなのだ?  その予想から、それほど激しく意表を突かなくたっていいんだってば。物事にはスケールというものがある。このくらいの話のスケールであれば、ほんのちょっとの盛り上がりがあればいい。 -------------------------------------------------------------------------------- 桜の下の新入生 No.7832 投稿日 2004年4月7日(水)23時23分 投稿者 弟切 千隼  昨日・今日あたり、入学式だった学校が多いようですね。今年は桜が早咲きだったわりに長持ちしたので、「桜の舞い散る中を歩くぴかぴかの一年生」という、絵に描いたような光景が見られました。  地球温暖化のためなのか、あるいは都市がヒートアイランド化しているためなのか、近年は桜の開花時期が早まる傾向にあります。このままの調子で行くと、桜は「入学式の思い出の花」から「卒業式の思い出の花」に変わってしまうでしょうね。 >描写課題「親切」  弟切は、まだ、「話にちょうどいいスケール」を見切ることができないようです。精進します。  新たに考えた起承転結を以下に示します。 起:スーパーで働く主人公。 承:おばあさんが土鍋を買う。 転:主人公は、おばあさんが杖をついていることに気づく。 結:主人公が土鍋を運んであげることにする。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7833 投稿日 2004年4月8日(木)01時19分 投稿者 新木 伸  なんか最近書いているの、いちばん時間がないはずの、弟切ばっかじゃん。  津荒は大学が始まったのかな? >弟切 >>起:スーパーで働く主人公。 >>承:おばあさんが土鍋を買う。 >>転:主人公は、おばあさんが杖をついていることに気づく。 >>結:主人公が土鍋を運んであげることにする。  同じ同じ。  鍋落としてそうになっているのと、意味的に、まるで変わらん。  鍋を落として割りそうになるのも、杖をついていることに気づくのも、どちらも「おばあさんが弱者」ということを強調するためだろ。  美人のときには、外界の描写をやっていたわけだな。  「誰がなにをした」ということのほうで、美人を描こうとしていたわけだ。  ある女性を見かけたときに、「この人、美人」と思うことって、本来は、人物たちの内面で進行してゆくことなわけね。美人かどうかってことは、人間の主観によるものだ。誰かが誰かを「美人」と認識するという現象は、その人間の心の中だけにしか現れないものだ。  いちばんベタで、いちばん楽で、どんなアホウでも、アマチュアでも出来る、技も、技術もへったくれもない方法というのは、「うわぁ。この人、美人だぁ」と主人公の心理台詞で書いてしまうこと。  そんなもん、誰にでもできる。  およそ人間であるならば。  練習の必要さえない。弟切にだって、いますぐにでも、できるはずだ。  誰にでもできるがゆえに、そんなことをやっていたって、金の取れる小説なんてのは、一生書けん。誰にでもできることで、金は取れないのだな。  いちばん安易な方法の対極にあるものは――いちばん難しいことだ。  それをやってみることで、描写法のバリエーションを広げてみようという訓練だったわけね。  あの「美人」の描写課題っていうのは、そういう狙いがあったわけ。  自分が悪いわけでもないのに、高いところから、気遣う声を掛けてきてくれる相手っていうのは、もうすでに美人なんだよ。  構図的に。  ――で、いまやっているのは、「親切」なわけだろ。  まず自分がどういうアプローチで、どういう描写を身につけようとして、この練習をやろうとしているのか、それを自覚しろ。  俺はてっきり、ちょっと普通の行いからはみだした程度のことを、演出によって強く定着させることで、「ちょっとした親切」を読者の脳裏に残そうとしているのだと思ったわけだが。  前回のが「構図による描写」であるなら、今回のは「演出による描写」なのかと、そう思ったわけね。  目立ったことはそう起きない。構図としても普通。  ぶつかりそうになって転んでみたり、鍋を割りそうになってみたり、そういう派手なことなしに、地味なものを地味なまま、印象付けさせるのかと思ったわけだ。  この話は登場人物たちの内面で進行する話なわけだな。  主人公が「小さな親切」に至るまでの心理の動きってものがあるわけだな。  演出っていっても、まあいろいろあるわけだが。  今回はスポットライト効果を使う。おばあさんがすこし困っている様を見かけて、主人公が小さな親切に至るまでの内面で推移する心理の動きなかで、どこにスポットライトを当てるべきなのだ?  どこを、どのように、どのくらい目立たせれば、最大の効果が狙える?  ライトは、いつ、どんなタイミングでなに(どんな心理)を照らす? その際に、ライトの作り出す円の大きさは? 光の強度は?  そういうものを、思考して、計算して、設計して、実践しろと、そう言っているわけ。  ひらたく言うと、だな。  今回は主人公の心理を書いていいんだよ。心理説明、解禁だ。  説明は厳禁ってのが、分室の一般的ルールであるわけだが。この場合は解禁。  なぜ心理を説明していいのかというと、ここで描写する対象が主人公の「心情」ではなくて、主人公の「行動」にあるからだよ。  主人公の心の動きを見せておいて、読者に伝えるのは、「ああ。この人、ちょっとした親切をしたよな」ってことのほうなわけだ。  ここでは描写するものが「心理」ではないから、心理を説明しちゃってもいいんだ。  「悲しみに浸っている主人公」を描くときには、心理説明は厳禁なわけね。  「美人と出会った主人公」を描くときにも、心理説明は厳禁なわけね。  しかし「親切をする主人公」を描くときには、心理説明をしていいわけよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 復活。 No.7834 投稿日 2004年4月8日(木)02時54分 投稿者 津荒 夕介  3日間。風邪でダウンしていました。  大学の授業は12日からです。それまでは、授業登録とかやってます。 ○課題:短編作成  >手?  問題点  1 起の小怪奇(手首の手品)と承転結(腐り虫)が、関係なさすぎ。  2 エロを入れる。 >1について。  起から腐り虫(怪奇の主役)を登場させる。  起 怪奇(腐り虫が入る)  承 怪談を聞く(腐り虫の話)>ヒロインを心配する。  転 ヒロインへの心配を解消。エロ。  結 主人公死ぬ。 >エロ  エロ加減は、舌を入れるキスで十分だと思うので、そこで止めます。   >設定の改造。 「腐り虫」(名称仮)の設定  前回の設定を完全に捨てた、新しい設定です。 >腐り虫ってどんなやつ?  知能は人間並。1ミリのハエのような虫。空を飛びます。人間の体の中にいないと、苦しい。外に出られるのは、30秒ぐらい。 >腐り虫が体内に入ると、  1 心(脳)をのっとられる。(のっとられるまでの期間は、人間によって差があります。また体が抵抗するので、発熱・嘔吐などをします)  2 体内に卵を産む。  3 1の状態は2日しか続かない。  4 のっとられた人間の体が壊れる。(さわると、ぱらぱらと砂のようになる)親虫も死ぬ。  5 卵は、しばらく壊れた体に滞在する。親が死んだ後、すぐに孵化する。人間が近づいてきたら、それに入る。  6 半年を越えると、死体のエネルギーを完全に吸い尽くしてしまう。だから半年以内に、違う人間に入らなければいけない。 >腐り虫が体内に入る方法。  鼻などから入ります。<ヒロインに入った方法。 >腐り虫と、腐り虫の子供。  人間に入ると、卵を産みます。1個だけ。  親虫は、のっとった人間の体を動かして、活動可能時間内に卵を違う人間の中に移動しようとします。その方が安全だからです。  卵は、口うつしで移動します。<ヒロインと主人公は、だからキスする。  違う人間に移動した卵は、すぐに孵化します。 >キャラ  主人公 本間 信也 高校三年 怖がり  ヒロイン 森 涼 高校三年 図太い >あらすじ  塾の帰り。本間と涼は、手(単体)を見つける。本間は脅えるが、涼は近づく。涼が触ると、崩れ落ちた。本間は涼の鼻に、虫が入るのを見た。  翌日、本間は友人に手の話をする。友人は、死体に宿り、人の体に入ると、心と体を腐らす虫の話をしてくる。本間は怖がる。  涼は朝から元気がなく、さっさと早退する。本間は心配になる。  本間は涼の家に様子を見に行く。涼は元気だった。始めはぎこちない動きと、喋りをしていたが、しだいにいつもの涼に戻った。安心した本間に、涼が突然キスをしてくる。舌を入れてきた。過激なキスだった。本間は驚いて、家に逃げ帰る。  本間は嬉しかった。涼のことを少し意識していたからだ。  夜。発熱し、本間は苦しんでいた。と、救急車が涼の家に来た。驚いて涼の家に行くと、涼が倒れたという。触ると、崩れた。  本間は、驚く。涼の崩れかたが手の崩れかたと同じだったからだ。意識がなくなっていく。最後に腐り虫の話を思い出していた。 >起承転結 起   起 塾からの帰り。手を見つける。(どこで見つけるかは、考えていません)  承 おどろく本間。涼は、多少驚くが冷静だった。手に近づく。  転 止めようとする本間を無視して、涼は手に触る。とたんに手は崩れ落ちる。(この時、虫が涼に入る)  結 呆然とする二人。涼の鼻に虫が入ったのを、本間は見た。 承  起 学校で友人(男)に手のことを話す。(朝ホームルームの前)本間は「崩れたのは、腐ってたからかなぁ」と発言する。  承 本間の発言に対して、友人は怪談を話す。「腐り虫」の話。  転 涼が一時間目にして、早退。まだ、心は正常。  結 心配する本間。 転   起 涼のお見舞いに、涼の自宅に行く。(家が近くて、小学校の頃は入ったこともある)涼は、もう虫に心を奪われている。  承 普通に元気。動きがぎこちないかな? と一瞬思うが、すぐにいつも通りになる。  転 涼が突然キス。  結 本間は恥かしくて、涼の家を飛び出す。 結  起 夜。嬉しい本間。でも少しだるい。  承 涼の家の方から救急車の音が。体調が悪いながらも、向かう。  転 涼が死んでいた。触ると、消えていく。  結 その光景を見ながら、本間の意識がなくなる。 -------------------------------------------------------------------------------- 津荒君にネタを一つ進呈(笑 No.7835 投稿日 2004年4月8日(木)03時28分 投稿者 鷹見一幸  いや、「腐り虫」のネタなんだけどね。  この「腐り虫」の設定に説得力を持たせるウンチクとして、どっかに「徒然草」の一節を持ってくる、と言う手もあるかな……とか思ったりして。  ひょっとして知っていて使ったのかもしれないけど「徒然草」という有名な古典随筆の中に 「鹿茸(ろくじょう)を鼻に当てて匂いを嗅ぐべからず  中に小さき虫ありて、鼻より入りて、脳を食む(はむ)といふ」 という一説がある。  この「小さき虫」というのが、どんな虫なのか書いてはいないが、この一節は、まんま「腐り虫」の設定に当てはまるよね。  小説自体の設定の補強として、どっかにさりげなく入れておくと、説得力が違うと思うんだ。  今の高校生とかの古文の授業で「徒然草」を教材にしているのかどうか、それは知らないけど、俺の頃は使ってた。  もし、今でも使っているなら、徒然草からの引用は身近に感じるんじゃないかな。  作者は「作品」という勇者に「虚構」と言う武器で、読者を取り巻く「現実」と戦い、読者を現実の魔の手から解き放してやらねばならないという使命を帯びている。  「作品」と言う名前の勇者の持つ「虚構の剣」に、説得力と言う力をエンチャントし、理論と言う防具を与え、精一杯の装備を揃えてあげるのは、作者の義務だ。 「素手、裸」で、読者をがんじがらめにしている「現実」と戦うのは無謀だよ(笑 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7836 投稿日 2004年4月8日(木)04時31分 投稿者 新木 伸 >津荒  おお。  もらっちゃえ、もらっちゃえ。  んじゃ、その鹿茸を使って再構成ね。  学校帰りに崩れかけの手を見つけて取り憑かれるよりも、薄気味悪い理科準備室の片隅かなんかで取り憑かれたほうが、なんかそれっぽいし。  あと学校の授業で「徒然草」かなんかをやっていて、そこで「鹿茸」の話でも出てきて、思い当たる節があってぎくりとするシーンとか、入れられそうなら入れるべし。  「鹿茸」の現物を見るなら、ここね。 http://images.google.co.jp/images?svnum=100&hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=  GOOGLEって、イメージ検索を使うと写真が見られるから便利だぞ〜。  んで、あと必須ではないけど、注文なんだけど。  起の部分において。学校帰りになるのか、理科準備室になるのか、わからないけども。  起部の、さらに起承のあたり、けっこうやることなさそうで、暇になるじゃん。  まあ理科準備室なら、「理科準備室感」とか書くのに忙しくなるだろうけど。  その部分に、できたら、ほのかな恋愛要素みたいなものを押しこんでおけ。そのほうが、たぶん、より怖くなる。  承の部分は、いかに怖さを盛り立てているのかが勝負だな。  再構成するから、だいぶ変わるだろう。  あと転と結の部分なんだけど。  体が崩壊するって、なんか安直で、あんまり怖くないんだけど。  死ぬより怖いことは、いくらでもありそうだし――。  また死ぬにしたって、体が崩れるなんて死にかたは、たいして怖くない。もっと怖い死にかたがありそうなもんだが――。  もっと怖くなる結末ってないのか?  もっと怖いラストは? もうなにも考えつかないのか?  考えつかないなら、そこがお前の才能限界だろうから、それで書いちまえ。  頑張って、もっと怖いものを考えつくことができたなら、おまえの才能限界はそっちの高いところにあることになるな。  自分の限界を引き上げるやりかたは、カッコいい津荒には、もう教えてあるよな?  うん。そう。それね。いま思いついたやつ。  執念だよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 胃腸が不調 No.7837 投稿日 2004年4月8日(木)21時04分 投稿者 弟切 千隼  空腹でも満腹でも胃のあたりがむかむかする、という症状に襲われている弟切です。悪い物を食べたとか、お酒を飲み過ぎたとかいった原因には思い当たりませんのに。 >描写課題「親切」 >> 前回のが「構図による描写」であるなら、今回のは「演出による描写」なのかと、そう思ったわけね。 >> 目立ったことはそう起きない。構図としても普通。 >> ぶつかりそうになって転んでみたり、鍋を割りそうになってみたり、そういう派手なことなしに、地味なものを地味なまま、印象付けさせるのかと思ったわけだ。 (新木さんのNo.7833の書きこみより。以下、引用はすべて同じです)  あ、そうです。呼び名を付けるなら、「演出による描写」ですね。  描写のやり方にもいろいろある、ことまではわかっても、具体的にどんな種類があるのかまでは、弟切は意識化できていませんでした。意識にないものは、言語化できません(^^;  弟切は、意識下のレベルでは、前回のお題の「美人」と「親切」とは、違うやり方で描写できる、と気づいていました。「これは違った描写方法が練習できるぞ」と感知したがゆえに、「親切」という題を選びました。  しかし、どこがどう違うのかまでは意識化できなかったために、おかしな描写になってしまいました(;_;) >> 今回は主人公の心理を書いていいんだよ。心理説明、解禁だ。 >> 説明は厳禁ってのが、分室の一般的ルールであるわけだが。この場合は解禁。 >> なぜ心理を説明していいのかというと、ここで描写する対象が主人公の「心情」ではなくて、主人公の「行動」にあるからだよ。   (中略) >>「悲しみに浸っている主人公」を描くときには、心理説明は厳禁なわけね。 >>「美人と出会った主人公」を描くときにも、心理説明は厳禁なわけね。 >> しかし「親切をする主人公」を描くときには、心理説明をしていいわけよ。  ふーむ、「心情」と「行動」の違いですか。  誰かを「美しい」と感じるのは「心情」です。逆の「醜い」と感じるのももちろん「心情」です。他に、誰かが「上機嫌だ」とか「不機嫌だ」とか、「せっかちだ」とか「のんびりしている」とか、「大ざっぱだ」とか「繊細だ」とか感じるのも「心情」ですね。  主人公が、「感じていること」をそのまま心理説明してしまうのは、ベタすぎて厳禁ということですね。  けれども、「親切をする」のは、「行動」です。逆の「意地悪をする」のも「行動」です。他に、例えば「寛大なことをする」・「厳格なことをする」、「大胆なことをする」・「臆病なことをする」、「派手なことをする」・「地味なことをする」などが「行動」ですね。  主人公が「行動していること」を心理説明するのは、ベタではないためOKなのですね。  ただ、「行動」の場合は、行動そのものも書かないと、何が起こっているのか読者さまに通じません。外面の行動と、内面の心理と、両方書く必要があります。  単純に考えて、「行動」は、外面だけを書けばよい「心情」より、二倍の量を描写しなければなりません。だから、動かずに「感じている」だけの人物より、「行動している」人物を描写するほうが大変なのですね。  今さら気づきました(^^;;;  そうしますと、起承転結の転には、心理描写が入るわけですね。 起:スーパーで働く主人公。 承:おばあさんが土鍋を買う。 転:主人公は、おばあさんについて「●●●」と感じる。 結:主人公が土鍋を運んであげることにする。  上記の「●●●」の部分に何が入るのか、考えます。 お知らせ:  弟切は明日から遠出します。帰宅は11日の夜になる予定です。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7838 投稿日 2004年4月9日(金)00時34分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>起:スーパーで働く主人公。 >>承:おばあさんが土鍋を買う。 >>転:主人公は、おばあさんについて「●●●」と感じる。 >>結:主人公が土鍋を運んであげることにする。 >>上記の「●●●」の部分に何が入るのか、考えます。  考えるようなことか?  結で行うのは「行動」なのだろ。  ならば、転の「●●●」に入るのは、その行動に繋がる思考になるはずだ。  つまり「●●●したいと感じる」となるわけだが。  ――で、「●●●」って、なんになるの? 主人公が結で行う行動ってのは?  あと起承転結を、ちょっと直した。 起:スーパーで働く主人公。 承:レジに入り、土鍋を買いにきたおばあさんの接客をする。 転:主人公は、「●●●したい」と感じる。 結:主人公は土鍋を運んであげる。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7839 投稿日 2004年4月9日(金)01時35分 投稿者 津荒 夕介 ○鷹見さんへ  ネタ、ありがとうございます。  説明力を持たせる必要がある。了解です。 ○新木さんへ  色々と指摘をもらって、根本から変えるべき欠点を知りました。  「転結が地味」についてです。  なぜジミーになってしまったのか。  それは、そもそも派手にしようと考えていなかったからです。   >ラストについて  手? は起こることが地味。  キスするだけだし。体が崩れるだけだし。  ヒロインの口・目・鼻から虫がほとばしるとか。手足がちぎれて動くとか。天井からイモムシみたいな腐り虫が落ちてくるとか。  そういう「見るだけで、怖いよ……」という要素がない。 >手? の狙い  この話では、「死への恐怖」を恐怖する対象に考えていました。  単純な話を作りたいと思っていたので、恐怖する対象を「死への恐怖」だけに絞ったんです。  だから、「異形への恐怖」は、登場してはいけなかった。(最初に登場する手は、そういう意味で中途半端。古びた仏像とか、それこそ「鹿茸」にすべきだった)  ……しかし「死への恐怖」だけでは淡白過ぎる。  違う要素を加えて、考え直します。 >恐怖する対象の種類。  というわけで、まず何があるかを考えます。  肉体的な恐怖。  1 痛み(死)  心理的な恐怖。  2 信じていた常識の崩壊。(自分は実はロボット)  3 体の外の怪奇。(人面犬・幽霊)  4 体の中の怪奇。(人間が、犬に見えるようになる)(気づいたら人を殺している)(心がどんどん、犬になっていく)  5 2・3・4と同じだが、激しく飛躍している。(永遠の命を得る。永遠に孤独。死後の世界。)    2>3=4=1>5  という順番で怖いです。  2が一番なのは、根本的な問題だから。「自分は人間である」等の根本的な認識が、揺らぐのだから一番怖い。  3と4と1は、前提として「2は正しい」があってから、展開される内容なので、2の下です。  5が一番下なのは、想像しにくいから。日常から大分離れることなので、怖さが薄れます。    これらを、複合するべしー。  で、1中心のモデルは「手?」です。  ついでに他の場合も考えてみました。 >2 信じていた常識の崩壊。  「自分が家畜だと気づく少年の話」  起 自分の存在に疑問を持つ。  承 疑問が増す。  転 決定的な、他人との違いを知る。  結 暴走する。  起 自分に優しくない親。疑問を持つ。  承 自分は家畜ではないのか? と考えるようになる。  転 ふとしたことで、殺されて食べられる友人を見る。  結 恐怖する。 >3 異形。  「墓場の霊に襲われる話」  (主人公:不良(クズ)高校生)  起 墓場を荒らす。  承 しばらくは、なにもない。が、なにか嫌な予感がする。  転 後日、霊に襲われる。(見ただけで恐ろしい襲い方)  結 荒らしたことを謝罪する。 >4 肉体・精神の不調  「目がおかしくなる男の話」  (主人公は男。大学生)目の不調。  起 美人の女を恋人にする。  承 翌日、恋人が不細工な別人になっている。目をこすると、元に戻る。  転 セックスした後、彼女を見ると、不細工になっていた。昔自分がいじ めて殺した女の顔だった。  結 ホテルを出る。すべての人間が、昔いじめて殺した女の顔だった。 >5 永遠・死後系。  「死ねなくなった男の話」  (主人公:男、白人 舞台:アメリカ)  起 人間死んだら終わりと、遊んで生きる。(強盗・強姦あたりまえ)人を殺しまくる。  承 へまをして、死ぬ。  転 だが、目を開けると違う場所にいた。喜ぶ。  結 人類が絶滅しても、まだ生きていた。死ねない。  次回、「手?」の改造案を考えてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- >津荒 No.7840 投稿日 2004年4月9日(金)05時27分 投稿者 新木 伸 >津荒 >>色々と指摘をもらって、根本から変えるべき欠点を知りました。 >>「転結が地味」についてです。 >>なぜジミーになってしまったのか。 >>それは、そもそも派手にしようと考えていなかったからです。  まー、出してきたもん見てから、なんか言う機会があるのだから、実際に出してきてから、だめなようなら、方向修正すればいいのだろうけど。  しかし、心配だな〜。  おーい。  津荒も「ハデハデ症候群」に感染しているのか〜?  その病気は、いまだ治療法が発見されていないのだが。  俺は「怖くしろ」と言ったのであって、「派手にしろ」と言ったのではないわけね。  そこんとこ、勘違いしていないか?  「派手=怖い」じゃないだろ?  これイコールで結ばれているものではないよな?  死ぬより怖いことはないのか? ちゃんと考えたのか? ――と、俺はそう聞いたわけだが。  死ぬより怖いことがあったとして、それを見つけてきた結果、それがたまたま偶然にも「派手」なものになることはあるだろうし。「地味」なものになることもあるだろうし。  結論。  べつに派手であってもいいけど、べつに地味であってもいいけど、とにかく、もっと怖い結末を考えろ。  考えても出なかったら、いまのを使っちまえ。  考えて出たなら、それを出してこい。検分してやる。  派手か地味かなんてことは、俺、眼中にないから。まったく審査基準にならないから。どうでもいいから。そんなこと。  怖いかどうかのほうを、判定してやる。  俺の「怖さ受容体」っての、あんまり信頼できないんだけど。まあ津荒よりは正確さがあるだろう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7841 投稿日 2004年4月10日(土)08時10分 投稿者 新木 伸  主人公が立ち上がるシーンを執筆中。  サプリメントは、アリスの「チャンピオン」。 >小説というもの  小説というのは、疑似体験装置なわけね。別人となって、普通は経験できない経験をするためのマシーン。  弟切の、いまやろうとしている話でいうなら。  「親切をする」ということはどういうことか、読者に疑似的に体験してもらうためのものなわけだ。  読者の中には、生まれてこのかた、いちども「親切を行った」ことのない人間だっているわけだし。  一度やったことがある人でも、ああ、そうそう。ああいうことをするときって、あんなカンジなんだよねーと、共感してもらえるし。  ――で、弟切のあれは、親切の疑似体験になっていない。  あの小説にはウソが書いてある。  「親切を行うとき」というのは、あんなものではないわけよ。 >家賃滞納者  2号はどうしているのやら。  消えてゆくやつを引き止めてみたり、声をかけてみたりすることは、あまりしないことにしているのだけど。  まあ、何回かはやっておくか。  おまえのやった練習と、その上達ぶりについての俺のコメントが、ここにある。 http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=view&bbsid=6260&mid=126  おまえが家賃滞納しているせいで、某所で色々書いているけど。そのうちのひとつね。これは浦戸さんとこのHPの掲示板。  新しいお友達を連れてきて、2号と競わせたりしたら、ふたりとも張り合い出るだろうし、俺も放置しとけばよくなるのでとっても楽だし、よいかな〜と思ったんだけど、どうやら失敗した模様。  1000字課題を100本書く前と後とで、どれだけ変わっているのか。その結果がわかりやすく抜粋してある。それだけでも見てこい。  四の五の悩んでいるあいだに、手を動かせばいいのだ。  1000字を100本。文庫本200ページ分。小説一冊分。――それだけ練習しただけで、これほど、目に見える効果が出てくるのだし。  あそこでサンプルで出してあるのは、最近書いたなかで、いちばん読めるやつ。  おまえはたまに変なもの書いてくることがあるけど、読めるものも書けるようになっている。毎回読めるものを書けない不安定さをどうにかして、あれを全編に渡って維持できるようになれば、もう充分、文章的には、プロレベルだ。  つぎは構成力、人物造形、そろそろ、このあたりの練習に入るわけだが。  練習する気、あるのか、ないのか? >新掲示板  まだ未定なのだけど。  「課題部屋専属、感想掲示板」みたいなものを、近々、立てるかもしれない。  いま思案中。  どーも、皆は、読者を想定して書く、てなことができないみたいなのね。読者の顔を重い浮かべて、その相手に読んでもらうために書く――てなこと。  作家は本能的に出来ることなんだけど。  それができないから、アマチュアってのは、一生アマチュアでいるのではないかと思ったりもする。  読者がいて、生の声を聞けるなら、読者の顔も意識できるようになるのではないかと、安直に考えていたりする。  あと、このあいだの沢口さんのように、なにか書きたいと思っても、分室に書くのは度胸がいると思って、止めちゃっている人もいるのではなかろうか。  そういう人たちが、自由に感想を言ったり、意見したりするための、ゲスト書きこみ自由で匿名OKの指摘/感想掲示板なわけね。  匿名で「ROM」って名前で書いていってもいいし。  個体識別されたい人は捨てハンでもいいし。議論に発展するなら、匿名の人も個体識別できるように捨てハン作ってもらわないといかんだろう。  永久ハンドルで書いてくれてもいいし。(浦戸さんに訊いてみたら、永久ハンドルで書きに来ると言っておった)  まあ、荒れることは、当然、予想できるので。(笑)  言動に自己責任を持てる永久ハンドルの人の書きこみ以外は、管理者が気軽に独断で消しちゃっていい。文句言いっこなしね。文句あるなら永久ハンドルにしてくださいね。――てなルールにしておくつもり。(自作自演禁止、なんてことも、わざわざ明文化して書いておかなきゃならんのだろうなぁ。とほほ)  デメリットがメリットを上回るようなら、なんか手を打つし。なんなら閉鎖しちゃってもいいわけだし。  やってみたら、どんなふうになるのか、いまひとつ予測がつかないもんで、試験期間を設けて、実際にやってみようかと思っている。  んで、なにか意見か要望があったら、いまのうちに言っておくこと。  僕がいま思案中なのが、掲示板の形式。  分室のような、ベタテキスト式のほうがいいのかしらん?  俺的には、これがいちばん楽ちんなんだけど、皆はそうでもなさそうだしなぁ。  分室のような形式にしていると、一覧性は良いのだな。読むのに必要なクリックの回数という意味でね。  しかし無数の話題が交錯するために、頭の中で「現在流れている話題の数と内容」を維持しておかなければならず、利用者の頭脳への負担が大きくなってしまうわけだ。  分室においては、この欠点は、「構成力」を養うための良い訓練となるので、デメリットにはなっていないのだけど。  感想掲示板ということなら、やはり、ツリー式のがいいのかしらん?  「よみかく」の感想掲示板みたいな感じで。  あの startingweb のレンタル掲示板、俺、好きだし。無料ですぐ取れるし。あれがいいかなぁ? -------------------------------------------------------------------------------- ラストについて。 No.7842 投稿日 2004年4月10日(土)10時59分 投稿者 津荒夕介  明日は下宿に移動するので書きこみできません。  下宿にはネットがつながっていないので、これからは大学のパソコンを利用することになります。 ○課題:短編作成 >考えること。  死ぬ以外のラストはないのか?  死ぬラストなら派手な死に方。効果的な死に方を考えるべし。 >死ぬ以外のラスト。  前回出した5つの恐怖の対象。  それぞれから、ラストの形を考えます。(設定はある程度無視します) >1 死への恐怖。    1 死ぬ。  2 怪我する。  3 監禁される。  4 死なない程度の、拷問。  5 錯乱する。(人格崩壊) >2 根本的常識の崩壊。    1 人間が腐り虫の家畜に過ぎなかったと知る。  2 腐り虫こそが昔の「人間」であり、今の人間が偽者であると知る。  3 世界がゲームのプログラムでしかなく、腐り虫となったプレーヤーが人間を殺していくゲームだと知る。  4 腐り虫が人間を洗脳から解放する救世主で、主人公は自分が洗脳されていたことを知る。  5 腐り虫と一体になることに果てしない快感を覚え、人間が腐り虫の僕として作られたことに納得する話。 >3 自分の体に、怪奇。    1 死ななかったが、体の一部がなくなる。  2 腐り虫になる。  3 体を乗っ取られて、中身が変わる。変わった主人公はそのまま生活する。  4 意識だけ残るが、体の自由は腐り虫にある。  5 体の中に腐り虫が。共生する。  6 たまに発作が来て、口から腐り虫を吐くようになる。  7 腐り虫に愛情を持つようになる。  8 人間を食べたくなる。  9 五感がおかしくなる。  10 目が覚める。(夢落ち)  11 幽霊とかが見えるようになる。  12 心を改造されて、意識はあるが、性欲と同じレベルで腐り虫を他人に植えつけようと思うようになる。   >4 自分の外に、怪奇。  1 腐り虫を退治したように思ったが、たまに腐り虫を見たりする。  2 腐り虫を退治したように思ったが、まわりの人間がすべて死んでいく。  3 腐り虫を退治したように思ったが、まだまだ沢山いた。  4 腐り虫が社交的で、協力することにする。  5 腐り虫の天敵が来て、腐り虫を倒す。  6 死んだはずのヒロインが、次の日に生きていた。しかし、主人公とヒロインは腐り虫を増やそうと自然に考えるようになる。  7 腐り虫から解放されたと思われたヒロインが、人を殺すようになる。(心の変化)  8 腐り虫から解放されたと思われたヒロインが、人を食べるようになる。(肉体の変化)  9 腐り虫から開放されたと思われたヒロインが、幼児化する。のち、死ぬ。  10 ヒロインが、腐り虫になる。  11 ヒロインが、腐り虫を愛す。  12 ヒロインが、腐り虫を産む。  13 ヒロインが、次々と腐り虫を人間に植えつけていく。  14 平和になった。 >5 飛躍  1 腐り虫から、永遠に生きる(死ねない)ようにされる。  2 腐り虫によって、封印されていた様々な怪奇が復活する。  3 地獄へ行く。  4 腐り虫が、国を作る。  5 腐り虫は、宇宙人だった!? 宇宙戦争へ。  以上です。  うーん。混乱しそう……。 -------------------------------------------------------------------------------- なにやら No.7843 投稿日 2004年4月10日(土)11時55分 投稿者 新木 伸  なにやら沢口さんが、2号に言いたいことがあるようで。  しばらく私信っぽいものが書かれるかもしれないけども、僕の許可済みってことで。 (ギャラリー部屋、はよ作らんと) -------------------------------------------------------------------------------- よみかく分室(仮)に入室希望です。 No.7844 投稿日 2004年4月10日(土)22時19分 投稿者 竹井 比呂  入室希望です。    大学二年生、二十歳、性別は男です。  筆名(竹井 比呂=たけい ひろ)は、本名をもじったものであり、以下の理由からつけました。  昨今の萌え物小説のようにヒロインに主眼を置いたものではなく、ヒーロー(主人公)に主眼を置いたお話を書きたい、という気持ちです。  執筆は五年程前から始めましたが、間に書いていない時期があったので、実質的な執筆歴は二年だと思います。  今までに短編小説を五作、長編小説を一作書いています。  本来なら春休みの間に入室させていただきたかったのですが、以前新木さんが『長編を書いたことがない人は、一度長編を書いて公募に出してから分室に来るように』といった内容の書き込みをされていたので、春休み中は公募用に長編を書くことにいたしました。  生まれて始めて書いたその長編小説を本日郵便局に届け出しましたので、入室希望宣言をしに訪れさせて頂いたという次第です。  もしかすると、今ここでその長編小説とそのあらすじを見せるべきなのかもしれませんが、メディアワークスのHP上の募集要項の一目、 <営利を目的とせず運営される個人のウェブサイトや同人誌等での作品掲載は、未発表とみなし、応募を受け付けます。(掲載したサイト名または同人誌名を明記のこと)>  に反することになる恐れがある(応募原稿には『よみかく分室のアドレスで公開する』とは書いておりません)ので、残念ながらそれはできません。  好きなジャンルは現代ファンタジーです。今回の長編小説も現代ファンタジーでした。今までに書いた短編も殆どが現代ファンタジーです。  逆に苦手なのがSFで、今までSFっぽいものは書いたことがありません(SFも書かれる荒木さんにそう言ってしまっていいものかは分かりませんが……)。  好きな作品は『空の境界(奈須きのこ作/2004年春講談社より発売予定/同人小説として一度発表した際に、僕は読みました)』、『京極堂シリーズ/講談社刊』です。  友人から『フォーチュンクエスト』、『ゴクドーくん漫遊記』を借り、それ以来、電撃文庫、富士見ファンタジア文庫といったライトノベルを読むようになりましたが、最近は講談社ノベルズ(特に佐藤友哉、西尾維新などの『第三の波』と呼ばれるメフィスト小出身の若手作家のもの)をよく読んでいます。 -------------------------------------------------------------------------------- 訂正です No.7845 投稿日 2004年4月10日(土)22時23分 投稿者 竹井 比呂  『メフィスト小』は、『メフィスト賞』の間違いです。  すいません。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号さんへ 私信(らしきもの) No.7846 投稿日 2004年4月10日(土)23時24分 投稿者 沢口  先日、分室へ書きこみさせていただきました、沢口です。  2号さんへお伝えしたいことがありまして、新木さんに、ご本人の了解をいただけるのなら、直接2号さんへメールをお送りしたいのですがと伺ったところ、分室に書いてくださいとのことでした。  それができないからおたずねしたのに、なんて書けばいいんだ(泣)。  と悩みに悩みましたが、以下、2号さんへお伝えしたかったことを書かせていただきます。  修行中のみなさま、この場を私信につかってしまって、申しわけありません。 >2号さんへ  わたしが特殊なのかもしれませんが、2号さんの投稿には、よく笑わせてもらっています。  すくなくともわたしは、2号さんの前ふりを読み飛ばしたことはありません。  とはいえ、2号さんの文章を不快に思う方もいるようですので、そのへんは考慮して書かなくてはならないのだろうなとも思います。最近の書きこみは、たしかに多少よろよろしている感がありました。  でもわたしは、2号さんが、狙って、考えて、書いているだろうことは感じていました。むしろ、狙っていなければああいうふうには書けないだろうと思っていました。  ちゃんとユーモアで味づけされているから、読んでいて「にやり」とさせられることがあります。  なんだかひょうひょうとしたところがあるなあ、と思ったこともあります。  (ちょっとばかり褒めすぎでしょうか?(笑))  このことをお伝えしたいと思ったのは、2号さんが萎縮してしまって、これまでのように書けなくなってしまうのではないかという心配があったからです。変にかたくてまじめな前ふりに変わってしまうのではないかと。  考えてみればとても身勝手な思いですが……。  ちょうど煮つまっている時期のようですので、それで心配していました。  ただし、伝えたいとは思いましたが、現実に2号さんへお伝えするなんてことまでは考えていませんでした。  最近、投稿が途切れがちなのは、課題を書こうとして悩まれているからだろうと推測していましたし、前ふりを楽しみにしているROMがいると知ったところで、なんの励ましにもならないかもしれない、むしろマイナスになるかもしれない、と思っていました。  その考えが変わったのは、たぶん、今日、新木さんの『消えていくやつ』云々の言葉を目にしたからだと思います。なぜだかわたしは反応してしまい、迷いつつも、新木さんへメールをお出ししたのでした。  でも、2号さんが「しんどいからやめたい」と考えているなら、それを止めることはできないし、そのほうが2号さんにとって幸せなら、それでいいんだと思っています。  よみかく分室をちょっと読みかえしましたら、No.7825でも2号さんはしっかりと笑わせる前ふりを書いているんですね。  投稿文最後の締めの一行もきまってる(と沢口は思った)。  わたしが気を揉んでいるのは、やはり、よけいなお世話なのかもしれません。  そうだとしたら、申しわけありません。  以上です。 -------------------------------------------------------------------------------- >竹井さん No.7847 投稿日 2004年4月11日(日)02時51分 投稿者 新木 伸 >竹井さん  いらっしゃいませ。  ども荒木です。(笑)  どうせなら荒気と間違えてくれたほうがナイスかも。そっちのほうが気に入っているものでして。  まあ、はじめからあまり飛ばさず、ぼちぼちやっていきましょう。  今年から大学2年というと、大学生活にも慣れてきて、色々と余裕が出てくるころですね。大学生活のなかでいちばん時間が取れる時期ではないでしょうか。  あと書いてないのですけど、最近、ここの規約が変わりまして、僕が敬称つきで話しているうちはお試し入門期間。呼び捨てになって、馴れ馴れしくなったら本格的に練習開始――てな感じになっています。  つまらないプライドの殻なんかが自我を包んでいたりすると、修行の邪魔となったりします。  お試し期間のうちに殻が砕けない場合には、練習しても上達がない(=見込みがない)と見なされて、退去指示がでることもあります。  その点は、あらかじめご了承ください。  基本的に、この分室という場所は、練習場――てな位置づけにあります。  文章力、構成力、人物造形力、発想力、知識量、小説力を構成するそれら各要素を、個別に練習していって、伸ばすための場所。長所を伸ばすか、短所を克服するかは、人それぞれですけど。  さて――。  自己紹介は、いい感じですね。  初対面の相手が自分についてなにを知りたがっているのか、意識できていることが伺えます。  ところで、いくつか質問やら、さっそく指示やらがあるのですが。  まず今年の電撃大賞に応募ということで――。  僕の身辺における聞き込み調査では、電撃出身作家の「生まれて初めて書いた作品」におけるデビュー率は、6割程度に上るのですけど。  もし、今回送った作品でデビューが決まるような場合には、どうしましょ?  そうなったときのことは、考えてありますか?  あと、ジャンルの話。よく書いているものについて。  現代ファンタジーということですが、ファンタジーの定義から、よろしく。 「私の書いているものは現代ファンタジーです」 「現代ファンタジーとはなんですか? 別の言葉で説明して、定義してみてください」  ――てなやりとりを行うだけで、その人の、小説に対する造詣の深さが読み取れますので。  あと、投稿作品について。長編のほうについて。  規定だと、明記していないサイト以外にアップするのは、だいぶグレーゾーンぽいですね。しかし友人知人への個人配布なら問題ありませんし、あらすじだけのアップであれば、やはり問題ありません。  とりあえず、あらすじのアップ。  あと本文のほうを、僕にメールしておいてください。  そして僕の受けとったものを、分室参加者の数名にこちらでメールで転送して、回覧してもいいですか?  短編のほうは課題部屋にあげられますよね。  いちばんの自信作を1本選んで、あげておいてください(新規ツリー作っちゃっていいです)。  もしくはどこか投稿サイトにすでに掲載済みでしたら、そこへのリンクでもかまいません。  あと、自分の書きたいもの(男の子主人公をヒーローとして立ててゆく話)と、好んで読んでいるものとの傾向が、剥離しているような気もするのですけど。書きたいものと好きなものとは、べつということ?  そのへんについて、なにかコメントなどを、よろしく。  あと、「この一作を越えるものを自分は書きたい」なんて野望がありましたら、そのへんも語っちゃってください。自分がなりたい作家じゃなくて、越えたい作品って意味ですね。  野望のベクトルの向きってものを、計っておきましょう。  しかし誤字が多いですね〜。  この書きこみの量で、この誤字の数で、この割合だと――。投稿作品のほうは、400〜500個ぐらいありそうですね。まあ誤字で落ちたりはしませんが。 -------------------------------------------------------------------------------- お試し期間一回目の発言 No.7848 投稿日 2004年4月11日(日)16時37分 投稿者 竹井 比呂    新木さんにレス。  ・お試し期間のこと。  了解です。  ・現代ファンタジーの定義。  冲方丁さんのホ−ムページ『ぶらりずむ黙示録』、その中の小説に関する一コンテンツ『黙示録』を見て以来、小説とは『主題・世界・人物・物語・文体』であると勝手にエウレカしています。  (リンクフリーかつ連絡不要だそうですので、リンクを貼らせて頂きます。http://www.kh.rim.or.jp/~tow/hptop.htm)  これを踏まえた上で、僕が考えますに。  現代ファンタジーとは、 1.『世界』は、今僕らが接しているのと同じ(『世界』が違うものはファンタジー)。 2.『人物』が、今僕らが接しているのと違う(特殊能力を持っているなり何なり)。  というものだと思います。  例えば現代ファンタジーにおいて、妖怪がいたとします。  妖怪という存在は、『世界』には干渉しません。壁をすり抜けるとかそういう意味ではなく、妖怪の存在を世界が感知していないということです(妖怪対策のために街全体を高い壁が囲い、街唯一の出入り口は決まった時間にしか開かない、なんてことになると、それはファンタジーなわけです)。  妖怪の存在を知っているのは、『人物』だけです。『人物』といっても、本当に人間なら誰でも知っているってことじゃありません(世界は人間によって作られるものですから、本当に全ての人間が知っていたとしたら『世界』が対妖怪用に変質させられてしまいます)。雑魚キャラ(或いはモブ=群衆、漫画で背景として使われる人間のこと)は『世界』に含む、ということです(もちろん『世界』は妖怪の存在を知らない)。  『人物』=メインキャラ(ヒーローとヒロインという意味ではありません。敵役脇役含みます)、と言い換えるのが良いかもしれないです。  ありえないとは思いますが、誤解されると困るので追記します。  妖怪は人物に含みます。      参考。  『フォーチュン・クエスト』はファンタジーです、なんて分かりやすい例を出しても仕方がないので、私的にグレーゾーンに位置すると考えている作品から例をあげてみます。  『フルメタル・パニック』はSFです。  『ブギー・ポップ』は現代ファンタジーです。  『キノの旅』はファンタジーです。  『僕の血を吸わないで』は現代ファンタジーです。  ・初めての長編でデビューができたら。  考えてあります。  一も二もなく話に飛びつきます。直しをする時間も、年間の(最低ライン)二冊を書く時間もあります。  もちろん、大学は通い続けます。  大学は土日が休みですので、今までどおり『彼女に会うのが週三回(内一日休日)、友達に会うのが週一回』としても、平日二日休日一日も書けます(多分メタクソに言われて技術向上に追われて、全然今まで通りに人と会うことなんて出来なくなるんでしょうけど、それもまた仕方ないものとして納得してます)。  ・長編を新木さんに送ることとか。  了解です。送っておきます。  分室参加者の方々に転送なされることも了解です。どうぞなさって下さいませ。  あらすじアップしておきます。へなちょこなのは自分でも分かるのですが、しっかり書くとどうしても制限内に収めることが出来ませんでした。  短編小説もアップしておきます。『ストーリーが無いなあ』と思うのですが、他のは全部小話(前あった『戦争? カードゲームかよ!』みないなの。つまり、オチにしか意味のない文章の集まり)になってしまってるので、これしか出せないです(人によっては、『ならまともなの書いて出せばいい』と思われるかもしれませんが、これは多分現状の実力把握を目的としたものだと思いますので、この短編作品を出していいんじゃないかと。それに、そもそもまともなのが書けるならとっくにプロになってます)。  どちらも言い訳を標準装備しておきましたので、カッコ悪いことこの上ないです。    それと。多分短編小説のあらすじもアップするべきなのだと思いますので、あらすじを書いたらすぐにアップします。    ・越えたい作品。  まず僕は、商業作品はすべからく『売り上げ=評価』であるべきだと思います。  ですので、多分新木さんが仰りたい意味での(クオリティ面での目標っていうか、なんかそんな感じの)越えたい作品というと何もあげられません。  『売り上げ=評価』の意味でいくと、『蹴りたい背中』を越えたいです(平たく言ってあれより売れたい、ということです)。  ・書きたいものと、好きなものの違いについて。  別です。書きたいものと好きなものは関係性が無いです。  最近の津荒さんがやっているような感じで、単純に自分に向くのは何か、ということで書いています。  才能測定をしてもいないのに、『僕には「ヒーローになるまで」を書く才能がある!』と勝手に思っているわけです。      ・誤字が多いこと。     言い訳のしようがありません。  とりあえずNo.7844の誤字直し。もうないと思いますが、分室でこういういことを言うと大抵新木さんに「まだあるよ」って告げられてしまうのですよね……。 1.生まれて始めて → 生まれて初めて 2.一目 → 一項 (要『項』だから) 3.恐れ → 懼れ (辞書にもよるが、『恐れ』は基本的に『こわーい』のニュアンス) 4.SFも書かれる荒木さん → SFも書かれる新木さん  別に誤字というわけではないですが、プロ作家の方々に『さん』をつけなかったのも何かとまずい気がします。  以上です。見直し時間当社比三倍です。 -------------------------------------------------------------------------------- 訂正です。 No.7849 投稿日 2004年4月11日(日)17時29分 投稿者 竹井 比呂  しまった!  誤読だっ! おそろしや。    激しく間違えましたごめんなさいごめんなさいごめんなさい。 『現代ファンタジーということですが、ファンタジーの定義から、よろしく。』ということですので、まずファンタジーの定義を。  ファンタジーは『世界』、『人物』がともに僕らの暮らしている世界とは異質なものです。ファンタジーでは『世界』の異質さと、『人物』の異質さは相互依存の関係にあります。  例えば。  妖怪が出たら、大々的に(その世界の雑魚キャラさえもが知り得るように)冒険者グループが作られます(人物→世界の影響の流れ)。  冒険者グループが作られると、冒険者志願の人間が増えます(世界→人物の影響の流れ)。  ここでもう少し伝わりやすくするためにSFをとりあげます。  SFも『世界』、『人物』がともに異質なものです。しかしSFではファンタジーと違って、『世界』の異質さと『人物』の異質さは相互依存の関係にありません。  SFでは、世界→人物の影響の流れはありますが、人物→世界の影響の流れはないのです。SFは人物の異質さは世界の異質さによるものですが、世界の異質さは人物の異質さにはよるものではないのです。  例えば。  巨大ロボットがあるので、赤い彗星(ロボットのパイロット)が出現する(世界→人物の影響の流れ)。  それで。  例えば、ですよ。  赤い彗星が出現して、「衛星を地球に落としてやる!」って言って実際落としたとしますよね。そうすると確かに地球はすんごいことになって世界は変わるといえば変わるんですけど、でもそれはその『世界の(異質さの)あり方』としては特別変なことではないんです。世界が変わった、って程の影響は無い。非日常ではありますが、あり得ないことではない……僕らの感覚で言うと『戦争』みたいなものでしょうか。  ですが、ファンタジーでは人物によって、世界に、もうあり得ない位の、世界の存在を根底から覆すような変化を起こすことが可能です。  それがSFとファンタジーの違いです(ほんとは他にも色々ありますけど……話がずれるので。この観点から見ると、それが違いということですね)。  まとめ。  現代ファンタジーは人物が異質。  ファンタジーは人物も世界も異質。  SFは本当は世界だけが異質で、世界の異質さによって人物が異質になっている。 -------------------------------------------------------------------------------- 生還しました。 No.7850 投稿日 2004年4月11日(日)23時25分 投稿者 弟切 千隼  帰宅して、ようやく少し落ち着いた弟切です。わりと健康的な生活をしていたはずなのに、なぜか体がむくみ気味です。 竹井 比呂さんへ >  初めまして。弟切千隼と申します。よろしくお願いします。  竹井さんは現在二十歳ですか。津荒さんより一つ年上なだけですね。  津荒さんを見ていますと、そのくらいの若い人は、やはり成長速度が速いなあ、と思います。本気で修行すれば、学生のうちにプロになることも夢ではないでしょう。  同年代で一緒に修行する人がいたほうが、効率がいいと推測されます。津荒さんのためにも竹井さんのためにも、ぜひ、がんばってここでの修行を続けて下さい。  今回はレスのみとさせていただきます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7851 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.7852 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.7853 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.7854 削除ずみ -------------------------------------------------------------------------------- 私信だけでは気がとがめますので No.7855 投稿日 2004年4月12日(月)02時30分 投稿者 沢口  前回、新木さんより、私信だけで抵抗あるなら、なにか課題の指摘や感想などをまじえつつ書いては、との助言をいただいておりました。  私信だけではやはり気がとがめますので、書こうと思います。(恥の上塗りでしょうか)  最初は弟切さんの「親切」の感想をと思ったのですが、構成から変えて書き直しをされるそうですので、津荒さんの「彼氏のほんと」の感想を書かせていただきます。  とんちんかんなことを書いてしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。 >課題部屋NO.81 「彼氏のほんと」について ○「承」の部分についての感想(指摘?)です。 ・「882 彼氏のほんとの、色々」によると、見てほしいのは次の2点だということです。 1 必要な描写ができているか。 2 視点がおかしくないか。 1.必要な描写はできているか。  津荒さんが描写しようとしたことが、出ているか/出ていないかについて書きます。 「承」 起 文化祭の話し合い。 承 石井がまとめようとする。 転 失敗する石井。 結 瀬戸は石井を見下して、クラスをまとめる。 「描写しようとしたこと」 起>やる気のない教室。 承>やる気のない瀬戸。 転>頑張るが失敗する石井。石井を見下す瀬戸。 結>上手くまとめる瀬戸。 ○ 起>やる気のない教室。  出ていました。 ===================  最後の授業が体育だったからだ。 ===================  この一文で、だらだらとした教室の雰囲気がぱあっと脳裏に浮かびました。  わたしにとっては大昔のことなのですが、体育のあとのだるーいぬるーい教室の空気がよみがえり、うん、うん、あれだね、と。そういう意味では、すばらしい一文だと思いました。  そのあとの、 ====================== >カバンに顔をうめて、眠っている生徒もいた。 ======================  これも「わかるわかる」です。 ○承>やる気のない瀬戸。  「やる気がない瀬戸」というより、「やる気のない生徒たちを冷静に見ている瀬戸」という感じがしました。 ======================== (まあ、そうだろうねぇ……)  瀬戸は苦笑いを浮かべながらチョークを弄ぶ。 《生徒たちに関する冷静なる分析が数行。四段落》  積極的な意見が出ないのは、容易に予測できた。 (それに……)  瀬戸は小さく鼻で笑う。 =========================  上記の流れでしたので、「冷静に分析している瀬戸」を感じました。  とくに「苦笑いを浮かべながら」「鼻で笑う」が強烈でした。  瀬戸自身もやる気がないのなら、あくびをかみ殺すとか、ぼんやり窓の外をながめていてはっとするとか、のろのろとチョークを握ったとか、そんな感じになるかもと思いました。 ○転>頑張るが失敗する石井。石井を見下す瀬戸。  「頑張る」というより、「ひたすらまじめな石井」という印象でした。  石井本人はがんばっているのでしょうか?  いわゆる天然というか、本人としてはふつうにしているのだが、他から見るとひたすらまじめな人に見えてしまう。  そんな感じを受けました。 「失敗する」のほうも、本人は自分が失敗したと明確に自覚してはいない感じでした。 =================================  石井は眉毛を寄せて、首をひねっている。どうやら自分の案が採用されない理由が、わからないらしい。 =================================  「頑張るが失敗する石井」ではなく、「まじめさゆえに受け入れられない石井」。  あるいは「まじめさゆえにブーイングを受ける石井」という感じでしょうか。  (……でもあまり自信はありません) 「石井を見下す瀬戸」。  入っていると思うのですが、「石井に呆れる瀬戸」が強く出ていると思いました。  文中にも、 ====================  瀬戸は彼の背中を見ながら、 (……アホ、なの?)  呆れていた。 ====================  と書かれています。  「見下す」と「呆れる」は、微妙にちがいます。 ==============================  瀬戸は石井の認識を変えた。  偉そうに見えたのは、冗談を言わない――極度なマジメ野郎だから。  発想が堅いのも――極端なマジメ野郎だから。 (ただのマジメ君か……)  なるほど。 (じゃあ、大したことないじゃん……)  そんな石井に目くじらを立てていた自分が、情けなかった。 ============================== >(ただのマジメ君か……)  この一行は、「呆れている瀬戸」の顔が浮かびます。 >>なるほど。  事実に直面し、納得する瀬戸。  ふに落ちて心のなかでうなずく瀬戸の顔が浮かびます。 >(じゃあ、大したことないじゃん……)  このへんに「見下す」が少し入っていると思います。 >そんな石井に目くじらを立てていた自分が、情けなかった。  男のマジメさに呆れる。  呆れ、そのあとに納得する。  自分をあざけっていると思っていた男は、じつはただのマジメ君だった!  くぅ。見誤っていた自分が情けない。  そんな流れでしょうか。  描写には関係ないのですが、 >瀬戸は石井の認識を変えた。  瀬戸は石井に対する認識を変えた、という意味だとわかるのですが、誤読される可能性があると思いました。  おもしろかったのは次の部分です。 ================================  このまま黙っていてはいけない。自分たちは、なにやら重々しい面倒くさい文化祭に巻き込まれようとしている。  そう思ったのだろう、クラス展示担当の生徒たちは、机を叩いてブーイングした。 ================================  「いかに石井がクラスのみんなとズレているか」。  という感じがよく出ていて、おもしろかったです。(とくに最初の二行) ○結>上手くまとめる瀬戸  出ていました。とても納得できる流れでした。  ○○感とは関係ないのですが、以下の一文。 =========================  瀬戸は笑みを浮かべながら、小さいため息をついた。 (……私がやるしかないのね) =========================  読んですぐ、ひっかかって、自分でやってみました。 >笑みを浮かべながら、ため息をつく。  凍りついたような笑顔になりました(笑)。できません。無理です。  あとにつづいている独白とも矛盾します。  たとえば、 >瀬戸は笑みを浮かべながた。 >(……私がやるしかないのね) と、 >瀬戸は小さくため息をついた。 >(……私がやるしかないのね) では、読者が抱く印象は、まるで変わってきます。  前者では、果敢に挑もうとする瀬戸。  後者では、いやいや決意する瀬戸。  といった感じになるのではないでしょうか。  「承」の部分について、○○感が出ているか/出ていないか、感じたことをまとめてみました。 2.視点がおかしくないか。  視点については、わたし自身わかっているかどうか自信がありません。  ですが、疑問に思ったので書いています。(津荒さんに対する疑問ではないです)  津荒さんの説明。 >三人称主人公より視点 >完全にキャラに入っている時と、大分外に出ている時があるんです。  以下の文は、外から瀬戸をながめている視点かなと思ったのですが、どうなのでしょうか。 ・瀬戸は苦笑いを浮かべながら ・瀬戸は目をぱちくりさせる。 ・瀬戸は笑みを浮かべながら、  だいぶ外に出ているときがあるということなので、OKなのでしょうか。  「起」の部分では、頬が赤くなるのを感じたり、手のひらが汗でぬれたり、速くなる鼓動を感じたり、そういう表現が多かったので、疑問を感じました。  主人公よりであれば、「瀬戸は苦々しく感じながらも笑って」とか、「瀬戸は大きくまばたきをした」──はちょっと無理がありますか。「瀬戸はおどろいて石井を見た」とか、「瀬戸は微笑んでみせながら」などになるのではないでしょうか。 (瀬戸がどのような状態かは作者さんにしかわからないことなので、津荒さんならもっとちがう、瀬戸の心情をあらわす、具体的な表現をされることと思います。なんとも下手な例ですみません。あくまでも「例」です。作者さんでなければ瀬戸の状態や心のなかまではわかりません(汗))  大きな違和感を感じるほど引っかかったのではありませんが、ちょっと目がとまった感じです。  以上です。 >新木さんへ  義務は果たした、ということになりますでしょうか。  いろいろとお手数をおかけしてもうしわけありませんでした。  感謝しています。ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- 削除できませんでした No.7856 投稿日 2004年4月12日(月)02時34分 投稿者 沢口  投稿しても全文表示できず失敗した分を、何度も削除しようとしたのですが、うまくいきません。  もうしわけありませんが、新木さんのほうで削除していただけないでしょうか。  よろしくお願いいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7857 投稿日 2004年4月12日(月)09時55分 投稿者 新木 伸  夢境5巻。脱稿〜。  最後の1日で30ページ書いた。今回は無理しないで終わらせる予定だったのにー。  昨日の朝方、原稿あげて、速攻送っちゃっておく。  その足でスーパー銭湯行って、青空を見上げて太陽を浴びながらのんびり露天風呂につかって、マッサージ1時間受けて、昼はステーキ屋で450グラムのステキな肉を食べてきたり。  そして15時間ほど爆睡。今日は夜から実家の引っ越しの手伝い。  その前にレス片づけて、星くずのほうも数ページは進めておくかな。  しかし原稿枚数、7%ほどオーバー。1折(32ページ)増やしてもらえるかどうか交渉中〜。(たぶん無理)  3%までなら推敲で追い込んでゆくと削れないこともないのだが。5%から上は苦しいんだよな〜。7%っていうと、もはやシーン単位で落として行かないと無理ともいう。  削りに関しての経験量は、わし、ちょっとしたものだよ。デビュー直後に2年間やっていた12回連載、毎回、40〜50枚ほど書いてから、規定量の22.5枚に削っていたもんだし。  ああ、枚数制限のない世界に旅立ってしまいたい……。 >削除がうまくできない件  なにか、本人削除に不具合でもある模様。  ここのところ、2〜3件、「削除できないので、削除しておいてください」てな報告が相次いでいますし。  そのうち調べてみます。  優先順位は低いので、いつになるかはわかりませんが。  沢口さんの重複書きこみは、ちょうど書きこみ数が50個ごとの境界にあたっていて、ページをまたいでいたところなので、リロードがうまくいかず、書いたはずのものが書かれていないと思って、何度か書いちゃったのでしょうね。  F5を押すと、ちゃんと表示されるようになります。 >2号とか  2号はマジで、緊急入院だとか、なんかのっぴきならない状況に陥っているのかもしれない。  状況がわからないうちに、あれこれ憶測をして思い悩んでもしかたないので、状況に変化が起きるまでは、皆さん、建設的に思考停止に陥っていてください。よろしく。 ○竹井さん  うーん。困った。  なに言っているのか、ぜんぜんわかりません。  掲示板の書きこみに関しても、あらすじに関しても、あともちろん小説本編(短編、長篇、共々)に関しても。  竹井さんの日本語能力、日常会話程度の内容なら問題ないようですが、すこしでも込み入った内容に踏みこむと、途端に底付きしてしまうようですね。  お金を貰える小説を書こうというなら、なにを言っているのか、相手に読み取ってもらっていてはだめです。ぼんやりと読んでいる相手の頭にさえ、内容を確実に送りこむだけの文章能力が必要となってきますので。  まず文章能力を数段引き上げなければならないと、念頭においておいてください。そのためには、他人に読んでもらうための文章を、たくさん書くこと。日常的に書くこと。そして人に読ませて、コミュニケートを計ること。 >課題部屋の書きこみ  短編がツリーのへんなところにぶら下がっていたので、移動させておきました。  あとツリー根っこのタイトルを変えておきました。 >ファンタジーの定義  ファンタジーの定義について。  読んでも、なに言ってるのかわからないのは、文章力以前のところに問題があるのかも。  しっかり考えましたか? 書く前に。  ちなみにここで聞いているのは、世間一般の「ファンタジーの定義」ではなくて、竹井さんが「ファンタジー」とか「SF」とかと呼称しているものの定義のほうです。  実際のところ、ジャンル分けなんてものは、どうだっていいのです。ある作品が存在して、それをファンタジーとして見るのも、SFとして見るのも、読者の自由ってもんですし。そもそも読者ごとに定義が違うわけですし、全員の定義を同じに揃える必要もないわけですし。  市場では、売りやすくするために、ラベル貼りをして定義をしますけどね。  ちなみに僕の星くずは、一般的にはSFって分類になっているようですね。SFの中のサブジャンルのひとつ「スペースオペラ」だそうです。このあいだ「SFが読みたい! 2004」のSF作家マップなるものを見て、自分がSF作家の端くれと認識されていることを知って驚きましたが。宇宙冒険活劇を書いている自覚はありましたが、SFを書いている自覚はなかったのになぁ。まあ、他人がどうラベルを貼ってくれてもいいのですが。(ちなみに1巻の帯にはスペース・ファンタジーなんて書かれていましたっけ。当時、SFは冬の時代のまっただ中で、SFってラベルを貼ると売れなくなるという営業的判断がありましたので)  しかし、ラベル名はともかくとして、「ある系統」に分類される作品があるのは確かなことです。竹井さん個人が、なにをもって「現代ファンタジー」と称しているのか、それを説明してください、というのが、質問意図です。  異質異質と、「異質」という言葉を、山ほど出してきて説明しようと試みていますが、そもそも「異質」というのは、どんなことですか?  僕の思うところの「異質」と、竹井さんの思うところの「異質」は、同じ概念なのかしらん?  異質って、性質が違うということですよね。  どう違うのか、具体的に書いておかないと、形容詞一つじゃ意味を成しませんよ。 >初めての長編でデビューができたら >>一も二もなく話に飛びつきます。直しをする時間も、年間の(最低ライン)二冊を書く時間もあります。  んーと、そういうことを訊いているのではないのですけど。  分室での修行はどうするのか、てな話です。  作家っていうのは、デビューしたての新人も、何十年やっているベテランも、立場的には差異はなくて、単に「プロ作家」という区分けで括らるわけですが。  竹井さんも、デビューが決まったら、もうその瞬間にプロ作家であり、つまり僕や鷹見さんやみやびさんなどと、つまり同じ立場となるわけですけど。 >>もちろん、大学は通い続けます。  専業作家になって、一生食べてゆくつもりであれば、大学を出ても、なんの意味もないですよね。作家のキャリアに、学歴、まったく関係ありませんから。  兼業作家を目指すのであれば、大学を出ておかないと就職で不利となり、就職先が限定されてしまいますから、大学を出ておくべきで。  ちなみに出版社では、「デビューしたからといって、早まって大学や仕事を辞めちゃわないように」と諭されるものですが。  まー、でも、長編を見るかぎり、どちらもあまり心配しなくてもいいような……。  地道に修行を重ねて、来年、さ来年あたりでしょうか。大学も4回生となると大変そうだから、3年後ってのは、投稿のチャンスはもうなさそうですね。  あとは社会人3〜4年目になって、余裕ができてきてからかな。7〜8年後から。(これは再び小説を書こうって気が起きたらの話)  つまり、竹井さんがプロになるチャンスは、実質、2年間なわけですね。  それまでに商業水準の小説を書けるようになっていなければ、もう終わりってことですね。そして2年後に投稿作を書く時間まで含めると、実質的には、1年6ヶ月ぐらいなもんですか。  う〜ん。  1日14時間くらい、小説に回せ、とか、そう言っちゃってもいいですか?  もし竹井さんに素質があって、とても要領の良いようであれば、1日6時間ぐらいでも済むかもしれませんけど。  素質がなかったら努力でカバーしなければならないわけで。  どのくらい反復練習が必要なのかということを、具体的にイメージできるように言ってみます。  受験勉強のシーズンを経験してきていますよね? 一般的な大学生であれば、毎日、3〜6時間平均は受験勉強をしてきていたと思います。  時間的には同じぐらいなものですよね。さっき上で言った「最低毎日6時間」っていうことと。  ひたすら問題集を解き続けて、答え合わせして、時には模試をやって本番の雰囲気に慣れて――とか。  描写の練習をしてみたり。説得力を出す説明文の練習をしてみたり。本を読んで雑学の知識を付けてみたり。人間観察をしてみたり。人物造形の練習をしてみたり。構成力の訓練をしてみたり。アイデアの出しかたを練習したり、アイデアを研ぎ澄ませて実用に足る域まで持ってゆく練習をしてみたり。  そういう地道なことを、大学生活を続けながら、恋人との交際を続けながら、アルバイトをして遊ぶお金を工面しながら……その裏で、やってゆくわけですね。  まあ若いうちって無理が効きますから、睡眠時間、4時間ぐらいに削れば、すべてを並立させる時間か作れるかもしれません。  ――できます?  それができなさそうなら――。  もういちど受験時期のような、「すべてを受験に捧げる」修行僧のような生活に戻る覚悟がないようなら――。  小説を書く、なんていう無駄なことに時間を使わずに、もっと楽しいことをやっていたほうがいいと思いますよ。  楽しい大学生活をエンジョイするほうに時間を振り向けたほうがいいんじゃないのかなぁ? 小説は趣味程度に留めておいて。プロは目指さないで。  どーしてもやるのだ、というなら、僕も作家ですから、まっとうな人生から若者が道を踏み外すことを止めやしませんし、むしろ奨励しますし。いちど地獄の釜の中に入りこんだヤツが這い出してこないように、蓋して重しを載っけておきますし。  練習方法を考案したり、プロのモノサシを貸しだしたり、他人の目で厳しく批評したり、そういったお手伝いはしますけど。  もういちど言っておきます。  小説ってのは、芸の道なんです。  芸の道っていうのは、その人間の「一生」を要求してくるもんなんです。人生まるごと、ひとつのことのために奪われるってことなんです。  片手間でやれるようなものではないんですね。  俺は作家を目指す。  30になっても、40になっても、50になっても、一生でも、芽が出ないままでもいい。それでも小説を書く。  ――てなくらいの覚悟が、まあデフォルトで必要になってくるんですけど。(ズバ抜けた才能がない場合には)  そのへん、わかってます? >越えたい作品  これも質問意図を読み違えてるのかな。それとも質問に対する答えが持てないだけかな?  とりあえず、竹井さんの人物評としては、特に書きたい作品はなくて、大金を手にしたいので作家を目指している――と、そう受けとっておいて、いいのかな?  人物評、これで確定しちゃっていいですか? >長編とか >>『僕には「ヒーローになるまで」を書く才能がある!』と勝手に思っているわけです。  このへんを踏まえまして。  あの長編が「主人公がヒーローになるまで」を書こうとして、書かれたものであると、そういう前提で考えてみます。  僕の手元には本文があり、また「弟切、みやび、2号、とんびの羽根、津荒」このあたりには、転送しておきましたが。  あらすじだけは、課題部屋にありますね。  先にあらすじを読み、そこで受けた印象や予測と、本文を見てみた感じとは、そう狂っていなかったと、そんなコメントをしておきます。 >>二。「『俺には何も出来ない』と思っている主人公が、『なんか出来るかも』と思うようになる」(心理的解決、あるいは、人物の成長)  すでにこの時点でもって、アウトですね。  これはヒーローになる話、なのですよね?  「自分にもなんか出来るかも」と思うのが、竹井さん的にいうところの「ヒーロー」なのですか?  これでは、長編小説の第一章です。  起承転結における「起」の部分。  自分に特殊な力があることを知った主人公が、「自分にもなにか出来るかも」と思うようになる。その変化量は、長編小説の第一章として考えれば、妥当なところです。もちろんその後の「承転結」でもって、少年は「思うようになる」からさらなる成長をみせ、「結」のところでは、実際になにかを成し遂げるまでに大きくなってゆくわけですが。  てなわけで、これはボツ原稿の、もっとも数多いボツ理由のひとつ。  「長編の一章だけを水増しして『長編』と称して送りつけるな」――てなものに抵触しています。 -------------------------------------------------------------------------------- おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。 No.7858 投稿日 2004年4月12日(月)17時53分 投稿者 名無し君2号  あー、なんといいますか。  ご心配おかけしたみたいです。なので謝っておきます。ごめんなさい。  プライベートでもいろいろあって、それはぜんぜん終わってないし、解決しそうもないし、もう諦めた、勝手にしろ、なるようになっちゃえ。まあ「ここ」には関係ないことなんですが。だったらなぜ書くかネ?  小説について。  こちらも悩んでいます。  そもそも私は小説が好きなのかなあ――あんまり好きじゃないかも。  でも分室に来た当初よりは間違いなく好きになっているし、四六時中考えているし、もしかするとこれって恋なのかしら、どき。とりあえず半年付き合ってみて、楽しいだけじゃないのはよくわかりました。かといって辛いだけでもないらしいです。この先については、わたくし、まだよくわからないんですの。ぽっ。  これからも迷惑(ネット内引きこもりというか、家賃滞納というか)かけるかもしれないので、先に謝っておきます。ごめんちゃい。  この前書き自体、もう三度も書き直しているんですが。  なんかおっかねえんです、このアパート。いや、大家さんじゃなくて(怖いけど)、同じアパートの住人じゃなくて(怖いけど)、えーと、もの言わぬ近隣の目が? いままで意識していなかった私がお馬鹿さんだったんですけど。200人だよ200人。そんな大勢の前じゃ屁だってこけません。屁どころか、実すら出してきたような気もしますが。  レスなんか、まあどうでもいいんスよ。  問題なのは、どうでもいいはずのレスですらビビリーズなんで、肝心の課題が、ガタガタブルブル……なことです。一歩も動けナーイ。  やりますが。やりましたが。  臆病なのも悪いことばかりじゃないかも、と暗示をかけてみる。自分に。  しかしですね。  アメとムチといいますか。  なにやら手のひらでダンシングさせられているような気もするんですよ。いや、気のせいでしょうけど。まさかね。ははっ。しゃる・うぃー・だんす?  なにはともあれ。  いろいろと気を使わせてしまいました。最後にもいっかい謝っておきます。ごめんゴー。 >沢口さん  もしも私が作家になれたとしたら。(なると言わないところがダメなところですが)  あなたに本を贈ります。多謝。  ミンナニ ナイショダヨ。  アメの人にはルピーをあげる。 >甘夏さん  もしも私が作家になれたとしたら。(なると言わないのがダメなんでしょっ)  あなたに本を見せびらかします。多謝。  ミンナニ ナイショダヨ。  ムチの人にもルピーをあげる。眼鏡に乾杯。  さて、この「ミンナニ ナイショダヨ」というネタ、アメの人とムチの人にはわかるんでしょうか? おそらく「わからない」とみました。だったらなんで書くかって、気持ちは伝わると思ったからさー。  予想が当たる当たらないじゃなく、まず想定することが大切じゃないかと思った28の夜。 >目に見えるかたちの成果 >>1000字課題を100本書く前と後とで、どれだけ変わっているのか。その結果がわかりやすく抜粋してある。それだけでも見てこい。  見てきました。  これからも、こつこつとやることにします。  一足飛びにはいかないよな、ということで、隔靴掻痒、靴ごしに足の裏を掻いている気分ですが、掻き続ける――書き続ける(オ、ウマイネ)しかないようです。そのうち靴に穴があいて、直接掻けるかもしれないし。  といいますか、私のせいなんですか? そ、そうなの?  あと、新木さんはどこでも新木さんだなあ、と思った。 >1000時課題  No.119「深く重く、そして強く」(4400文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=889&e=res&lp=550&st=0  ギター弾きの少年が、少女に強引に説得されて、ベース弾きに転向する話。  ――制限文字数オーバーです。  見ていただきたいのは、はたして2号ヒロインが、一般に食べられるようになっているのかどうか、というところなんですが。  制限文字数オーバーなのはよくないので。  No.120「チョコより確かに」(2000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=890&e=res&lp=550&st=0  バレンタイン・デイに彼女からチョコレートを貰えないと知り激しく落ちこんだ主人公が、彼女の真意を聞いてホッとする話。  完全三人称視点に挑戦してみました。最初に、目に見えない友人の一人称視点で書いてみて、そこから「私」部分を削る。  すごい書きづらかったです。どうしても乾いたものにしかならない……。 >読んだ人の顔が浮かぶ >>まず、読んだ相手の顔を浮かばせるようにするのが、一苦労なわけね。 >>脳裏に浮かぶ読者の顔の、割合の精度に――自分の作家生命を懸けられるぐらいまで、精度を上げていかなきゃならない。  相手の顔というより、なにやら黒いもやもやとしたものが浮かんできてますが、これはこれでいいんでしょうか。  自分の書いたものを客観視するのが先ですやね。  そうしないと、脳内読者に読んでもらうこともできないし。 >「火垂るの墓」 >>空襲で親が死んで、親戚の子だくさんの家(母親のみ)に引き取られていったけど、なんかたいしたことない理由で、自分から飛び出していって、子供ふたりの兄姉ふたりで、当然のように飢え死にしていった話だと思ったが。  親戚のおばさんの態度は当たり前で、そこに責められるべきものはなにもないんですが、でも兄妹は死んじゃったわけですし。  そこが嫌です。  自分にとっては普通の行動で、結果としてひどい目に遭ってる人もいるのかもしれない――とか考える。  こっちは悪くないんですけど。  まったく悪くないんですけど。  それは相手を甘やかしているだけかもしれないですし、逆に甘やかされたいのかもしれないですし、つまりはあのおばさんが、もっともっと悪人だったらホッとするんですけども。 >オカズとご飯  続きです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  県道も、ラッシュの時間だった。亮介のすぐ脇を、車やバイクが途切れることなく走り去っていく。前から来た自転車が、亮介をうまく避けていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  帰り道の風景。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところからギラっとした光を差しこんでくる。亮介はただなんとなく、その赤い光に見とれながら歩いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  時刻の描写。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのとき、対岸の歩道に、見覚えのある影を見た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  発見。「影」というのが、うつむき加減な主人公を描写しておりますが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は慌てて目をそらした。ちょうど建物の影を歩いていたから、暗さで見間違えたのかもしれない。そう思いつつ、今度はそろそろと顔を対岸に向ける。  見間違いではなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書けない。  「目をそらした」は書けない。そろそろと見て、「見間違いではなかった」。つまり怖がっているということかな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  有希が、いた。うしろ姿だが間違えようがない。さっき頭のなかに浮かんでいたその本人だ。明るい青のブレザー、胸元には大きな紺のリボン。青基調のチェックのスカート。ここらでは名門で有名な、そして自分とはとうてい釣りあわない、女子校の制服だ。学校の持ってる格のせいだろうか、制服からオーラが出ているような気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服からオーラ。  書けない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ペースをなんとかすれば、偶然を装って会えるかもしれない。そう考えて、亮介は有希との差を縮めようと急ぐ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  好意のあらわれだし、この行動も特別なものではない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかし歩きだしてすぐ、亮介は気づいてしまった。  有希の隣に、東高の男が歩いているのを。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  事実。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  亮介は首を前に戻すと、勢いそのままで目の前のコンビニに駆けこんだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  なんと、逃げた!  書けない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  わけもわからず、ただカウンターから遠ざかるほうへ行く。カバンがなにかに当たったみたいだけどどうでもいい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  逃亡中。  ここだけ抜きだせば、書けないことはない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  店の奥まで来て、ようやく足が止まった。心臓の動きがぜんぜん収まらない。胃の上のほうが痛い。全身に変な汗が噴き出てくる。息がなぜか上がっている。店のなかに流れるラジオの声も、どこか遠い。壁が壊れる事件がどうとか言ってる気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  じつにリアリティのある身体感覚。  書けない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  自分は鈍いほうだと思う。でも、あれを見て意味がわからないほどじゃない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  書ける。  問題はこのあとの理由。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  しかも相手は、県立の進学校である東高の生徒だ。他の学校ならまだしも、これじゃあ到底かなわない。有希とつきあっても、充分釣りあいが取れている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  相手の容姿ではなく――経済力でもなく――学力で判断し、なおかつ出てきた結果に納得している。学生時代ってそうだったかな……。  違うな。  自分の通っている学校より偏差値の低いところであっても、違った理由を見つけだして落ちこんで、そして納得するんだな、この主人公は。こんどは容姿とか。  書けない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  いつかこうなることぐらい、覚悟していたはずなのに。  自分に勇気がなくて、言えなかったんだから、こうなることぐらい、わかっていたはずなのに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「あんなやつのどこが……」ではなく、まず己を責めると。  書けない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  体は全然、覚悟ができてなかったらしい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  心が覚悟できてなかったからこそ、体が反応しているんだな。  書けない。  この「クロッシング・マインド」という作品は、序盤の部分だけを読むならば、主人公のヘタレっぷりを楽しむんですね。基本的には主人公に視点を置いているので、主人公フィルター、つまりヘタレフィルターを通してすべて描かれています。ヘタレフィルターって失礼だな。  ただ、ヘタレぶりで嫌悪感を抱かせるまではいってない。  このあたりが具をうまく調理しているってところなんだろうな。  ギリギリのラインだとは思うんですが、今回分析した場面の、すぐあとでヒロインが出てくるので、読者は読み続けますよね。なんといっても女の子だし。ふたりっきりで帰宅だし、わくわくどきどきだし。  すぐに宇宙人の登場だし。アクションだし。  主人公と同じ属性を持つ読者なら、喜んで読むかもしれない。――どうなんだろう。逆に嫌うのかな? わからないな。  でもって、肝心な具と汁の割合。  思ったよりも汁は少なかった。だけど、具はちゃんと下ごしらえしてあるように感じた。ところどころにある汁部分も効果を発揮しているんだろう。  汁だということは、まあ無属性であり。  ということは、えぐみはないわけで、読者としては安心して食べられる。  重要な部分、主人公の思考や、登場人物の描写などは具でもいいみたい。ただ、あまり入れこみすぎないように……客観的に物語を見ることが大事か? >竹井さん  「萌え物」って言葉、すてきですね。(挨拶)  私は「名無し君2号」なんていう変な名前を持つ、遊星よりの物体Xです。じつは分室にはチューリングテストのためにいます。人間らしくたまにはサボったりしてるのに、なぜか人じゃないと見抜かれて、ちょいと立場が危ういです。博士に解体されそうです。博士はキツイ印象を与える眼鏡&よれた白衣&タイトスカート&髪は後ろでまとめている三十路なんで、それもまたよしなんですが。むしろ解体してほしいんですが。  ふつつかなモノですが、どうぞよしなに。  レスには5時間くらいです。  本当にご心配&ご迷惑をおかけしたみたいなんですが、なんだかだんだんと大事になっていったので、出るに出れなくなったのもまた事実。 「またサボってんのか」 →「ついに逃げたか」 →「やっぱり退出か」 →「あれ、もしかしてマジで死んだ?」  私のほうからひと言あってしかるべきだったんですが、だって課題のひとつも書かなきゃ戻れないんだもん。だってそうなんだもん。だけど書けないんだもん。ひーん、えぐっえぐっ。――嘘泣きはこんなもんでいいっスか?  これからは、なるべくヘタレるときは宣言してからにします。  じゃなくて、ヘタレないように善処いたします。 -------------------------------------------------------------------------------- 豚さんの鼻は案外硬かったです。 No.7859 投稿日 2004年4月12日(月)22時36分 投稿者 弟切 千隼  先週末、出かけている最中に、弟切は生きている豚に触る機会がありました。  豚の鼻先は犬と同じように濡れていて、予想どおり軟らかでした。でも、鼻筋のほうは思ったより硬くて、少し驚きました。  考えてみれば、豚の祖先はイノシシです。イノシシと豚を掛け合わせたイノブタという家畜がいるほど、両者は近縁な動物です。ほとんど同種といっていいくらいです。  イノシシは、鼻で地面を掘って食べ物を探します。硬い鼻でなければ、地面を掘ることなどできません。豚も、祖先の形質をしっかり受け継いでいるのですね。 >描写課題「親切」  起承転結の転を考えました。 起:スーパーで働く主人公。 承:レジに入り、土鍋を買いにきたおばあさんの接客をする。 転:主人公は、「親切にしたい」と感じる。 結:主人公は土鍋を運んであげる。  なぜ、主人公が「親切にしたい」と感じることが転になるのか、自分なりに考えてみました。  主人公は、アルバイトとはいえスーパーの店員です。物を買いに来たお客さんに応対するのは、当然ですね。  普通は、レジを通ったお客さんがお金を払った時点で、店員の仕事は終わりです。それ以上何かをする義務はありません。  「働いている主人公→接客をする→お客さんと別れる」というのが、普通に予想される流れです。  ところが、この主人公は、「お客さんの荷物を運んであげる」という、普通に予想される以上のことをします。それには、普通に接客しているのとは違う意識が必要です。  店員としての義務を超えて「親切にしたい」と感じるのは、「普通に接客しているのとは違う意識」です。普通からは外れた展開です。ゆえに、この心の動きが転となります。  上記の起承転結に沿って、描写課題を書き直します。 竹井さんへ >  新木さんより、竹井さんの作品「ルームメイトは死神」の本文と、あらすじが届きました。心に棚を作って、指摘をしてみます。  弟切は、あらすじは全部読みました。本文のほうは、序章しか読んでいません。  本文を全部読まなかったのは、あらすじを読んで意味がわからなかったためです。この調子では、本文のほうも、意味がわからない部分が続くだろうと予想されましたので、読むのをやめました。  「あらすじの意味がわからない」と言われても、竹井さんには、なぜそう読まれるのか理解できないでしょう。自分の書いたものを客観的に見るのは難しいですものね。弟切もいまだに修行中です(^^;  できるだけ、竹井さんに意味が通じるように、説明してみます。  えーと、そもそも、日本語として意味が通じない部分が、あらすじの中に見受けられます。  冒頭の文『幼い頃、交通事故によって母が死んだ。』からしてそうです。これでは、誰の『母』なのかわかりません。人によっては、この一文だけであらすじを読むのをやめるでしょう。  末尾の一文『明弘は、殺す運命を殺した。』も、意味が通じません。これは本当に謎の文です。  冷静になって、この文を読み返してみて下さい。普通に意味が通じる文だと思いますか?  それから、登場人物の心理と行動が変であることが目に付きます。  特に、主人公の叔父さんが変ですね。性欲がみなぎっているはずの若い男性を、若い女性と同居させるなんて、常識がある大人ならしないでしょう。叔父さんの手配で主人公と少女を同居させるなら、よほどの理由がなければなりません。  なのに、その理由がまったくあらすじにありません。ものすごく変だ、と感じてしまいます。  他にも、この叔父さんの行動は、訳がわからないことが多いです。  叔父さんは、死神に殺されそうになった主人公を助けていますよね。普通の人間―としか読み取れません―が、どうして死神に対抗できたのでしょうか? なぜ、そんなにタイミングよく現われることができたのでしょう?  死ぬか生きるか、という修羅場の後に、主人公と少女をラーメンを食べるために連れ出す、という行動も、意味不明です。  総じて、叔父さんの行動の動機がまったく見えません。そのため、叔父さんがひどく不気味な人に見えてしまいます。  あるいは、物語の中でひどく浮いた存在に見える、ともいえます。主人公を死神と同居させる理由や、主人公が危機一髪で助かる理由を作るために、無理やり登場させた人物という気がします。  主人公の心理も、ずいぶん変ですよね。  母の死をきっかけに、無気力になったのはいいです。つらい思い出から逃げるために故郷を離れるのも、不自然ではありません。  しかし、死神である少女が猫を助けた時点で、すぐ疑問を感じなかったのはおかしいです。  だって、死神ですよね。『人を死に誘う神』(大辞林より)なんですよね? 人を死に誘う神が、どうして猫なら命を助けるのでしょう?  と、この程度の疑問が、大学生にもなった人の頭にすぐさま浮かばないとは考えられません。  以上、お試し指摘でした。弟切の文章で意味がわからない部分があれば、遠慮なく訊いて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠いです。 No.7860 投稿日 2004年4月13日(火)00時26分 投稿者 竹井 比呂  新木さんにレス。  新木さんがSFを書いていると思っていなかったとは思っていなかった。びっくりです。 ・越えたい作品のこと(竹井の作家としてのあり方に関わる問題なので最重要)。  新木さんはおそらく(いや、99%の確率で)わざと読み違えてみせたのでしょうが、確かにそう捉えられてしまう危険性があります。  誤読されないように書き直してみました。  蹴りたい背中を超えたいです。  超えた、超えていないの判断は、売り上げ部数だけを見て行います。売り上げ部数が蹴りたい背中より多ければ、蹴りたい背中を超えたということになります。逆もまたしかり。  なぜ売り上げ部数が蹴りたい背中より多ければ蹴りたい背中を超えたことになるのかというと、商業作品はすべからく『その小説の売り上げ=その小説の評価』であるべきだと思うからです。  それと、方向性とかジャンルとかそういうものについては特にこだわりはありません。形として残る文章を書くというその行為自体が好きなので、こんな物語を書きたい、ということで小説(みたいな、そうでないもの)を書いているのではないのです。  竹井はよく現代ファンタジーを書きますが、現代ファンタジーにこだわりがあるわけでも造詣が深いわけでもなく、ただ『なんとなく』書きやすい、というだけで書いていたようです。竹井はクソッタレですな。  随分密度が薄い文章です…。量の割に伝えている内容が少ない。  もっと短く、もっと分かりやすく書けるようになりたいです。 ・ファンタジーの定義のこと。  今度は簡潔に書いてみます。  現代ファンタジーとは。 『舞台は現実にありえるものだが、メインキャラ(あるいはその一部)は現実にありえないもの』  ファンタジーとは。 『舞台も人物も現実にありえないもの』  日常的なものではないですが、戦争なんかは現実に起こりうることです。ここポイントです。  人間の手からビームが出るなんてことは現実に起こりえないことです。  なんとなく簡潔に書いた方が分かりやすい気がします。  実はこれ全然定義になってないんですけどね。  なぜなら『現実にありえる、ありえない』が竹井の主観によって判断されるからです。  竹井が(主観的に)現代ファンタジーを何と捉えているか、を皆様に分かるように説明しなければならないのに、竹井の主観的なものを交えていたら訳分かんないですよね。  一体何が現実に起こりえることで、現実に起こり得ないことなのか、それは人それぞれです。  僕は『地球にある日宇宙人が飛来!』なんて『アリエネエ〜』って感じなんですが、もしかして電波な宇宙研究者なんて『アリエル〜』って感じなのかもしれないです。  なら、客観的に分かるように書き直せ、そうは思うんですけど、どうやったらそれが出来るのかがわからないです。  いや、本当は分かってます。  竹井にとっての『ありえる/ありえない』の境界を示せばいいのです。  分かってます。分かってるんですけど。  境界がどこなのかが分からないです。  もう見ている方がイヤになるくらい例をあげればいいですか? それでも、竹井の境界に近いものは分かっても、境界そのものは分からないですしね。それと、この方法には別の意味でも問題があります。次の次の『竹井が一体何を言っているのか訳わかんないこと』参照です。 ・考えてから書いたかどうかということ。  しっかり考えました。書く前に。ですが書いている最中に思いついたこともたくさんあります。ということは書く前にしっかり考えてなかったということになるのでしょうか。なりそうですね。  書いている最中に思いついたことをカッコつきで補足説明してしまったのが悪かったのだと思います。  本来なら書いている最中になにかをおもいついたなら、そこでもう一度文章構成を見直すべきでした。    カッコなしの、設計図どおりの、流れるような文章を書けたなら。 ・竹井が一体何を言っているのか訳わかんないこと。  帰納法的といえば聞こえはいいですが、とにかく例をたくさん出して、それから理解してもらうように考えました。  これは、いかんですね。このやり方は読み手への負担が大きいです。また、読み手の負担が大きい、ということは、読み手に任せる量が多いということで、当然誤読の可能性も増えます。  結論をしっかり書いて、伝わるように説明しなければならない。  説明文の練習と思って頑張ります。 ・課題部屋の書きこみのこと。  ありがとうございます。  勝手が分からなくて意味不明な行動をしてしまったようです。単純に新木さんの言葉を誤読してしまったのだという気もしますが。 ・デビューできたら。  楽しい空想です。ああ、妄想なのか。二次元の女の子に恋をする感覚に似ていますね。  プロになっても分室に置いていただけるなら置いて欲しいです。  自分で自分には技術向上の必要があると思って分室に来たわけですから、ある程度の基盤ができたと自分で思えるようになるまではここを離れたくないです。「出てけ」と言われてしまうと拒否は出来ないのですが。  分室の書き込みをずっとROMしていてもうものすんごい新木さんが好きになっているから、なんて理由もあることは内緒です。上手くなりたいから来てるんじゃないんかい、と思われたりしたらイヤですしね。上手くなりたいから来てるんですよ?  プロになっても大学は卒業する、ということに関してです。  兼業作家希望ということもあるのですが、それとは別に、大学を出ることは決して小説を書く上でマイナスにはならないと思いました。  春休み引きこもって一日17時間くらいパソコンに向かって小説を書いていたんですが……そういうのは僕の場合、小説を書くのによくないな、と感じました。引きこもってると表現がどんどん枯渇していくんですよ、僕は。 ・では、ここらへんで現実を見てみましょう。 <まー、でも、長編を見るかぎり、どちらもあまり心配しなくてもいいような……。>  竹井の口という、つまった水道管の蛇口を勢い良くひねる。 「ぐぷっ」  勢いよく血が溢れ出した。 <地道に修行を重ねて、来年、さ来年あたりでしょうか。>  えーと……新木さん? お尋ねしてもよろしいですか? 「三年あったら誰でもプロになれる」んでしたっけ?  ここ、すごい喜んでしまってもいいんでしょうか?  独学二年は無駄じゃなかったんでしょうか?  はは……書き間違いですよね、きっと。もしかして <1日14時間くらい、小説に回せ、とか、そう言っちゃってもいいですか?>  一体何分気まずい沈黙が流れただろう。  突然竹井が顔を上げ、 「もう……言っちゃってください!」  生まれたての小鹿のように震えながら叫んだ。  もとより今年は小説に没頭するつもりでした。  履修数(授業の数)をかなり減らしております。なんと週休三日ですよ、竹井は。一年次に単位そこそこ取っておいて良かった。  まあそれでも相当に厳しい気はしますけど……授業中にもこの光景をどうやったら描写できるか、なんて考えておくことにします。  <もし竹井さんに素質があって、とても要領の良いようであれば、1日6時間ぐらいでも済むかもしれませんけど。>  あることを祈るのみです。  こっちならやれそうですね。でも一応14時間目標で行きます。素質も容量もあったとしても、さらに努力もすんごいしてるのがベストでしょうから。  それと、竹井は進学希望です。ロースクールっていう、三年制の法律の大学院ですね。  卒業後三年間親のスネをかじらせて頂くので、もうちょっとチャレンジ期間は長いです。もちろん院の試験前は書けないでしょうけど。  加えて、竹井はアルバイトをしていません。する気もありません。小説を書く時間を削られるくらいなら、支出を抑えます。 ・「できます?」について。  できると思っています。いや、できます。  できるからこそ分室に参加したいと思っているのです。  まあ口で言うのは簡単で、それが本当かどうかも分からないので、ここで色々と語るのはやめておきます。  態度で示します。 ・竹井の作品は起承転結の起しかない、について。  もしかすると勘違いしていた模様です。いや、はっきりと間違いなく勘違いしていました。  悲しいことと楽しいことを交互に並べて、物語に起伏を出すことも変化量のとしてよいのだと勘違いしていました。  変化量とは、あくまで人物の心理にのみ使うものなのでしょう。納得です。 ・「なんかできるかも、が、ヒーローなの?」  (ヒーローって言葉は使い勝手が悪いので、『カッコいい』に換えます。竹井的にヒーローとはつまりカッコいい人のことですので。)  一応僕としてはなんかできるかも、の後に、なんかした、を書いたつもりだったのですね。  で、なんかできたならカッコいいんじゃないかな、と。  ここで疑問が生じました。  一体どちらが問題なのでしょう?  1、なんかできただけではカッコよくない。  2、なんかできたなら、なんかできるかも、で留めず、『なんかできた』と(あらすじの筋のところに)書くべきだった。  1に関してなのですが……僕はなんかできたならカッコいいと思います。たとえブツブツ言ってたとしても、言い訳が多かったとしても、結果的に『した』ならそれはそれでカッコいいんじゃないかと。  ここら辺津荒さんの不良のあたりでの新木さんのカッコいい定義とは違う感じなのですが……。  2に関しては単純に僕のミスですね。『なんもできない』の反対は(数学的には)『なんかできる』であり、『なんもできない』の文末に『思う』がついていたので、『なんかできる』にも『思う』をつけた、ということです。深慮も無く機械的に作業をしてしまいました。『なんかできる』に『かも』がついてるのも最悪ですね。 ・(付録)前回(No.7848)の誤字。 越えたい→超えたい 日時が過ぎる。《越》 ある基準・数値を上まわる。越す。他よりすぐれる。まさる。《超》  弟切さんにレス。  初めまして、竹井 比呂(たけい ひろ)です。  分室はずっとROMさせていただいていたので、どうも『初めまして』って気分もしないのですが。   弟切さんはずぅ〜っとコンスタントに頑張っておられて、とてもカッコいい方だと思っています。  お互い頑張りましょう。負けないですよ(笑)。    そうそう、津荒さんは僕の一学年下なんですよね。本当に成長が早い方ですよね。見習いたいものです。    名無し君2号さんにレス。  こんばんは、竹井 比呂です。  いつも2号さんの書き込みは面白いですね。ユーモアのある方なんでしょうねえ。  僕なんてもう本当に根が暗いものですから、憧れてしまいます。  竹井はお試し期間の間に退去指示を受けてしまうのか、それとも受けないでいられるのかは分かりませんが、これからよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 私信です No.7861 投稿日 2004年4月13日(火)01時32分 投稿者 沢口 >新木さん  削除の件では、お手数をおかけしまして申しわけありませんでした。 >分室のみなさん  いろいろと失礼をいたしました。私信はこれで終わりにします。 >2号さん  とってもうれしいです。  じつは、私信なんて書いてしまって、逆に2号さんへプレッシャーをかけてしまったのではないかと、今日一日じゅう、胸がしくしく痛んでいました。  ですが、2号さんが投稿されていることを知ったとたん、もううれしくてうれしくて、気がつくと鼻歌まじりで夕飯の支度をしていました。  用事を済ませてから、課題文をクリックして読みました。正直言うと、いろんな意味で、クリックするのはちょっと怖かったんです。  読みはじめて「!」と思いました。いままでとは、なにかちがう。  投稿を目にしたときのよろこびより、もっともっともっと大きなうれしさがありました。  最初のよろこびが消し飛ぶほどの、不意打ちのプレゼントをいただいたような。  わたしは凛子さんって好きです。威圧感ありました。  従順な少年もなんだか、かわいいです。  ピアノの音を感じました。  本文引用をしてコメントしたいくらいなのですが──それは控えます。  これはどうなの? と訊いてみたい個所もありました。  それでも、つづきを読みたいと思いました。 >お詫び  出るに出られない状態の原因をつくってしまったのは、たぶんわたしです。ごめんなさい。大ごとにしてしまって申しわけありませんでした。  もしもプレッシャーを感じられたとしたら、ほんとうに申しわけないです。  どうかこれからは、肩の力を抜いて、書かれてください。(投稿文も気負わずに……)  2号さん。ありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題部屋用、感想部屋をオープン No.7862 投稿日 2004年4月13日(火)02時01分 投稿者 新木 伸  ←のメニューから行けるようにしてみた。  分室参加者が感想を書くときは、どちらに書くべきかってことは難しいところだけど。  ――まあ、分室ログに残すべきものは、こっちに書き、残さなくてもいいような軽い内容なら向こうに書き――と、使い分けてみよう。とりあえず。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題部屋専属、感想掲示板 No.7863 投稿日 2004年4月13日(火)08時31分 投稿者 浦戸シュウ  オープン、おめでとうございます。  確認させていただきたいことを申し上げます。 >「よみかく分室」に戻る  リンク先が課題部屋専属、感想掲示板のアドレスになっています。 >リンク  「課題部屋専属」なのに、課題部屋からのリンクも、課題部屋へのリンクも見当たりません。「分室」をチェックしてから書き込んでくださいという暗黙の指示でしょうか? >感想  どの課題への感想なのか、題名を書いておけばいいですか? 番号にしましょうか? それともリンクをつけて飛べるようにしておいたほうがいいでしょうか? ○みなさまへ  ご無沙汰しております。先日の退室の際にはろくにご挨拶もせず失礼しました。  お言葉の数々、ありがとうございました。  おかげさまで、のろい歩みですが前に進んでいます。  分室は流れが早くて、とても私にはついていけないと思っていたのですが、感想だけを書き込んでよい別室が出来たので、そちらにお邪魔したいと思います。  どうぞよろしくお願いします。 ○竹井さんへ  初めまして。  私の自己紹介はNo.7552です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さんにレス No.7864 投稿日 2004年4月13日(火)10時19分 投稿者 竹井 比呂  履修登録期間は授業がすぐに終わるのです。  隙を見て大学のパソコンから書き込みを。  弟切さんにレス。  指摘ありがとうございました。  『心に棚を作る』という表現の意味を知らなかったのは内緒です。ヤフーで検索かけて出た結果から推測するに、どうも心を鬼にするって意味の言葉のような気がしますが、よく分かりません。  また後ほど調べておきます。 ・あらすじの意味が分からないこと。  実はなぜそう読まれるのかを分かってます。全然客観的とはいえないレベルですが。  なぜなら僕もあれを読んでちっとも分かんないからです。  分かってるからこそ『へなちょこ(No.7848参照)』だと自分でも思っているわけです。  実は本文のほうでは指摘いただいたことは全部説明しているので、訳分からないあらすじを書いていることに気づかずに、訳分からないあらすじを書いてしまったのではなく。  文字数制限に収まるような訳の分かるあらすじの書き方が分からなくて、訳の分からないあらすじを書いてしまったのです。    では、以下ひとつずつ頂いた指摘に返事をしてみたいと思います。 『幼いころ、母が死んだ』  これは、自分としてもあらすじを書くときに悩んだところです。  本当は『幼いころ、明弘は母を亡くした』とか書きたかったのですが、文字数が足りなくて、『幼いころ、母が死んだ』も三人称キャラよりってことで考えるとまぁ読めなくもないかな(その後に改行をせず先に『明弘』という主体が書いてあるから)と思ってこうしました。  先に『母が死んだ』の文に『明弘』を書いて、『なにもできないのだ』の方の『明弘』を削ればよかったのでしょうか。 『明弘は、殺す運命を殺した。』  もうこれはどうしても他の部分を削れなくて、しっかり書きたかったんですけど文字数が足りないためにこんなことになってしまいました。  これを書いた時の竹井の心境は、『下読みさんは、あらすじを見てどんなに駄作だと思っても、最後まで本文を読んでくれるらしい。制限字数を破るくらいなら、あらすじが変な方がマシだろう』といったものでした。  一応『嘘は書かないように』だけは心がけていた気がしますが、実は書いていたようです。下の主人公の心理のとこ参照です。  叔父の思考。  またも、文字数が足りなかったから削った、ですね。  主人公とヒロインを書くほうが大事かなと思ったのです。  主人公の心理。  はい、ここであらすじに嘘を書いてしまいました。  本当は死神が猫を助けてすぐに『おかしいな』と思っています。  申し訳ないです。  以上です。  せっかく指摘していただいたのに、『文字数が足りないから』という返答ばかりですみません。  弟切さんがあらすじを読んで疑問に思ったこと、それを疑問に思う理由を僕が理解しているということを証明するためにも、一回文字数を気にせずあらすじを書き直したいと思います。  自分で勝手に宿題。 ・とりあえず文字数は気にせずに死神のあらすじをしっかり書いてみる。 ・双葉さんのあらすじを書く(短編なので400文字くらい)。 ・心に棚を作る、の意味を調べる。 -------------------------------------------------------------------------------- 大学より。 No.7865 投稿日 2004年4月13日(火)15時38分 投稿者 津荒 夕介  下宿への移動が終わり、大学の授業が始まりました。  一番の衝撃は、女性が同じ学校にいるということ。  男子校で六年を過ごし、いつでも開放的だった僕は、ぼろを出さないようにするだけで必死です。 ○課題:短編作成 >怖い話  なにやら、新木さんの、反応が、ない――。  あの、えーと。  どうしましょう。  1 死以外の結末は、死以上に使い物にならない。よって死ぬ結末で再構成せよ。  2 使えるラストがある。それを使って再構成。  3 「腐り虫」自体がダメ。一からやり直せ。  反応がないってことは、おそらく1だと思うんですよね……。うう。  ○竹井さんへ  よろしくお願いします。  ○沢口さんへ  指摘ありがとうございます! ありがたいですー。  反論はありません。  以下には、反省を書きます。 >やる気のない瀬戸。 >>「やる気がない瀬戸」というより、「やる気のない生徒たちを冷静に見ている瀬戸」という感じがしました。  すいません。僕のミスです。  「やる気がない」にしても、様々な段階があると思うんです。  「沢口さんがおっしゃるような、あくびをかみ殺す段階」  それよりちょっとやる気のある……  「自分でやろうと思えばできる仕事を、あえてしない段階」  瀬戸は後者のつもりで書きました。  それならそうと、「狙い」で細かく書くべきでした。   >>「頑張るが失敗する石井」ではなく、「まじめさゆえに受け入れられない石井」。 >>あるいは「まじめさゆえにブーイングを受ける石井」という感じでしょうか。 >>(……でもあまり自信はありません)    いえ、指摘通りです。  僕自身、石井が「まじめさゆえにブーイングを受ける」シーンを狙っていました。  「頑張るが失敗する石井」これは、誤字でした。  申し訳ないです。   >おもしろい文章とか  ありがとうございます。  狙い通りに読んでもらえたようで、嬉しいです。 >視点とか  「三人称キャラ寄り視点」の難しいところは、「カメラの位置移動の程度」だと思います。  どれだけキャラから離れることが可能なのか。  どこまでキャラの内部に入っていいのか――。  主人公を見つめている背後霊(視点保持者)は、主人公の中を完全に覗けます。逆にまったく覗かなくてもいい。  一つの話の中で、どれだけ出たり入ったりしても問題ナシ。 >>大きな違和感を感じるほど引っかかったのではありませんが、ちょっと目がとまった感じです。    沢口さんは、目が止まってしまったんですよね。  僕のカメラは、不自然なのです。  どれだけ中に入っても、外に出てもOKですが、読みやすくなければ意味がない。   >読みやすくするために  読みやすくするには、「視点の程度」を固定すればいい。深く入ったり、大きく出たり。そういう視点の移動をなくす。  短編で、完全内部(一人称もどき)と全くの三人称を並行させようというのが無茶でした。長編じゃないと扱いきれない。(長編でも難しい)    次に主人公寄り三人称を書くときは、この点に気をつけようと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7866 投稿日 2004年4月13日(火)16時26分 投稿者 新木 伸 >感想部屋のほう  いろいろ修正しておきました。  リンクは張っておいたほうが親切ですね。リンクの張りかたについては、「説明」のほうに簡単に解説しておきました。  最低限の記載事項としては、書きこみ対象の「番号とタイトル」とがあればいいかと思います。  分室のほうは、ログを追いかけるだけで、もう大変――てな意見があり、「そりゃそうだ」と納得する面もありましたので。(読むことも修行の一環としているため。読むだけでも負荷が生じるようにしてある)  分室のほうは適当に読み流しつつ、感想部屋と課題部屋だけを行き来するユーザー層の存在も考慮しています。 ○竹井さん >越えたい作品について  売り上げ、というよりも、この場合は発行部数ということかな。  ようするにどれだけ多くの人に、自分の作品を読ませたいのか、その指標として受けとればいいのかな?  ここで「蹴りたい背中」を持ち出してきたことに、なにか特別なものはあるのかな?  たとえば100万部突破している作品というなら、数年前なら「パラサイトイブ」だろうし。十数年前なら「限りなく透明に近いブルー」だろうし。  ちなみに「世界の中心で愛を叫ぶ」なら、いま180万部らしいですが。  例に出してくるのは、こっちでなくてもいいのですか?  普通、特定の作品を持ち出してくるということは、なにかそこに特別な意味があると読まれるものですけど。  たとえば芥川賞受賞作品であることだとか、19歳の作者が書いた作品であることだとか、現代高校生の心情をリアルに綴ったものであるとか。そういう部分のどこかに、意味があるのではないかと。  たとえば「僕は新庄選手を越えたいです」と野球少年が言ったら、それはキャッチの達人として、野手として越えたいということか、強打者として越えたいということのどちらかだろうし。「野茂投手を越えたいです」と言えば、投手として越えたいということなのだろうし。  僕には、竹井さんが、芥川賞を獲りたいと言っているようにも聞こえるし、同い年の人間に勝ちたいと言っているようにも聞こえるし、現代高校生の心情をもっとリアルに痛切に書きたいと言っているようにも聞こえるし、単に100万人単位の人に読ませたいと言っているようにも聞こえるし。  ――で、どれなのですか?  ちなみに、芥川賞を獲りたい!  ――てなことだったりすると、分室に来るのは激しく間違いなのではないかと思ったりもしますが。ここはエンタメ系小説のノウハウを叩きこむ場所であって、純文系は専門外なんですけど。 >佐藤友哉、西尾維新  なにやらATOK17に切り替えたら、作家名が一発で出てくるようになりました。辞書に入っているのかしらん?  ちょうどいいことに、僕はこの二人の作家のことをまるで知りません。  どんなものを書いているのかも、知りません。「フリッカー式」と「戯言遣い」という作品だということは知っていますが。どっちがどっちだったやら。そんな程度です。  竹井さんが、どこが好きなのか。どこが良いのか。説明してみてください。  説明力と、納得力との練習ですね。  自分の感性を探って、好きな理由、良いと思う理由を掘り出してくるのが、まず、ひとつめの難関。  それをわかるような日本語で書くことが、二つめの難関。  さらに僕を納得させ、「おもしろそう」と思わせることが、三つ目の難関。  そもそも、作家が好きなんですか? 作品が好きなんですか?  たしか、どちらの作家も、いくつかのシリーズを書いているはずですが。シリーズに関わらず、どれも好き? それとも好きなシリーズと、そうでないシリーズとがあるわけですか? >他人とコミュニケートするということ  竹井さんも、そろそろ気が付いてきたころだと思いますが。  自分以外の他人になにかを伝えるってことは、すごく大変なことなのですね。  様々なことが僕に伝わらないので、けっこう、イライラしている頃ではないかと思いますが。  慣れ親しんでいる人を相手にするときなら、それまでに築いてきた共通言語がありますから、たとえば「心に棚を作れ!」とか言えば、それで通じちゃうわけですが。  なにしろ僕は、佐藤友哉も知らないし、西尾維新も知らないし、「第三の波」ってなーに? てなあたりだったりしますし。備えている「常識」が、竹井さんと半分ぐらいしか共通していないんですね。  「SF」って言葉の定義も、なにやら違うようですし。「ファンタジー」って言葉の定義も違うようですし。「異質」って言葉も伝わらないみたいですし。  まあ、小説を書くって事は、常にそれをやるようなものですから。  小説を読む読者というのは、まず確実に、初対面の人なわけです。自分と違う「常識」を持っている人なわけです。  初対面の人間に対して、一発で、間違いなく伝えられる文章を書くというのは、非常に大変なことであり――しかし、それが出来ないことには、到底プロにはなれないものと思っていてください。  大変なことを、簡単そうにやれてしまえるから、その技術でもって金が取れるんですよ。 >言っていることがわかんない問題 >>本来なら書いている最中になにかをおもいついたなら、そこでもう一度文章構成を見直すべきでした。  そうしてください。  書いている最中に、思いついたことを足し加えていって、ややこしくなってしまったなら、人に見せる前に清書してくるように。  あなたの書いた文章を、他人がわざわざ時間を費やして、読むわけですよ。  清書の一回を通してくるぐらい、最低限のモラルってもんでしょう。  清書っていうのは、元のものを見ながら、整理して枝葉を削りつつ、大事な部分だけを残して書き直すってことですね。文章量は清書前よりも減るはず。  最近の書きこみを見るかぎり、清書前の5分の4か、4分の3ぐらいにまで減量してくると、ちょうど良い感じになるのかな。 >ファンタジーに関して  よくわかりません。  書き直し。  あとついでに、「ヒーロー」ってものの定義もしておいたほうがいいのかな。  そろそろ、やることが増えてきて、記憶に任せておくと忘れてしまうぐらいになってきたでしょうから、メモを取っておいたほうがいいですよ。  箇条書きにしておいて、優先順位付けて、並べてゆくわけです。基本は優先順位の高い順にやってゆく。実行するのが大変で、重たい内容のものは、時間がないときには後回しにすることもあるでしょうけど。上から片づけてゆくのが基本です。 >デビューしたら  プロになったら、あなた、もう、教える側なんですけど。(笑)  デビューしたら、もう僕の同業者ですよね?  あとプロになると担当編集が付くものですよね。出版社やら、文庫やら、編集個人個人のやりかたなどで様々ですが、基本的に新人ってのは「教えて/育てる」ものなわけです。船頭が二人ってのは、とてもよくない状態なわけです。  たとえば僕と担当編集者とで、言っていることが真逆になったら、どうするのですか? >三年でプロになれるか >>えーと……新木さん? お尋ねしてもよろしいですか? 「三年あったら誰でもプロになれる」んでしたっけ?  過去ログを「1万数千時間」で検索してみるのこと。  1日14時間を、小説の練習に費やしたとして、丸3年間で、15000時間ぐらいでしょうか。  学校教育って、小中高と、12年ほどかけて、だいたい15000時間ほど勉強するわけです。そうして現代人として生活するにあたって、必要な知識を得る。  プロとして一人前となるためにも、やはり同じぐらいかかります。  15000時間ほど修行を続ければ、プロとして活動するに必要な能力は身に付いているでしょう。  1日14時間使えば、3年間で不可能ではない、てな話ですが。  まあ、同じ時間を使うにしても、ぼんやりやるのと、限界まで集中するのでは、とうぜん練習効果も変わってきます。本人の心がけと意識次第では、15000時間を、3分の1ぐらいに縮めることは可能かもしれません。  1日14時間で3年間やるかわりに、1日5時間で3年間でも、同じ能力を身に付けられるかもしれないですね。  小説業界に限らず、どこの業界だって、そんなもんですよ。  仕事として、生活のすべてを注ぎこんで、まあ1日14時間ぐらい仕事に打ち込んでいたとして、3年も続けているうちに目鼻が付いて格好がついてきて、一人前となるものですし。  つまり――。  三年やると、どんなやりかたをしていてもプロになれる、なんてことを保証しているわけではなく。  三年あれば、プロになるために必要な修行が積めるだろう、と言っているわけですね。  ちなみに、長編小説を書いては応募し、なんの研究も研鑽もせずに、ただ小説を書いているだけ、てな状態は、もっとも時間を無駄にするやりかたであって――。そういうやりかたを何年とっていようが、プロになど、なれっこありません。  冲方さんのサイトの創作講座、見てきたということですが。  「エチュード」といって、自分なりの練習方法をいくつも書いてありますよね。  あの人はかなり天才肌の人なんですけど、それでも、練習を重ねてきているわけです。 >ヒーローとか  うん。じゃあ「カッコいい人」ってことにしますか。  そのカッコいい人ですけど、「なんかした」が条件なのだとすると、なにかしようとしたけど、力及ばず、結果としては失敗してしまった――なんて人は、皆すべて、「カッコわるい」ほうに入るのかな?  たとえば、貧弱な少年がいたとして。女の子が荒くれ男どもに酷い目にあわされそうになっている現場に居合わせて。助けようとしたんだけど、一発でのされてしまった。女の子は結局、連れて行かれてしまった。そして酷い目にあったらしい。  この少年は、カッコいい、わるい? >学年とか >>そうそう、津荒さんは僕の一学年下なんですよね。本当に成長が早い方ですよね。見習いたいものです。  えーと、作家の上下関係ってのは、年齢ではなく、書いているものによって計られます。  いまのところ……。  「双葉さん観測記」<「夢見ぬ少女」≦「ルームメイトは死神」<「彼氏のほんと」  ――てなところですが。  竹井さんは、分室登場時の津荒と同じか、ちょっと上。  しかし現状の津荒と比べると、明らかに下ですけど。 >文字数制限とか  制限文字数を守って書く、っていうのは、まず普通にわかるものが書けるようになってからのことですよ。  料理の初心者が3分間クッキングに挑戦して、変な食べられない「物体X」を作ってしまうのと――。  5分でも10分でも使って、それなりに食べられるものを作るって出してくるのと、どっちがマシだと思いますか?  まあ実際のところ、出版社が「即戦力」として必要としているのは、3分間の制限付きなら、その時間の中で最大においしいものを作ってこれる技量を持った作家ですから。  3分間で食べられるものを作って出してこれない人間は、そもそも、必要とされていないわけですけどね。  まず10分かけて、食べられるものを作れるようになりましょう。  時間短縮ってのは、その先の話。 ○2号 >>889 1000字課題、4/12分、No.119「深く重く、そして強く」(4400文字)  おお。おまえ。化けたじゃんか。  これは死にかけると戦闘力が大幅に増すという、あの仕組みか?  他にも女の子は出てくるのか? バンド結成して、なんかやる話なのだろ? おまえは何人まで出せるのだ? 女優は何人いるのだ? 一度に登場させて、同時に一場面の中で動かせる限界人数は何人だ?  すべて、わかるはずだが。課題で確認させてあるはずだが。  ところで、2号って、音楽の素養あったの?  もし昔かじったぐらいのことがあるなら、それは武器となるから、それで長編やシリーズを考えるといいかも。  俺の知るかぎり、音楽モノってのは、見かけない。少年向け小説では。  「才能」って言葉には魔力があるから、少年向け小説には、いいネタだわな。才能を見込まれて女性(上位者)に誘われるっていう話は、いわゆる王道のひとつだし。  あとこの話って、ジャンル分けするなら、いわゆる「女の子に引き回される系」というやつなのかな。 >>・少女が持つ威圧感(すてき)→成功  成功だろう。毒も許容範囲内だ。これなら魅力となる。  序盤はこのくらいの分量に抑えておいて、長編構成の「転」あたりで、もうちょっと彼女の毒を出して壊れぎみにさせたりすると、よいかもしれない。 >>・ふたりっきり、密室感(どきどき)→失敗  ピアノを弾いている(美しい)女性と、威圧感のある(怖い)女性とが、同一人物という印象を与えきれていない。驚くなり、呆れるなり、怖がるなり、なんらかの主人公の反応があるべきところを、すっ飛ばしてしまっているため。  いきなり人が変わっている。そのイメージの変化に読者はおいてけぼりを食らっていて、ついてゆくために必死になるので、密室だとか、二人っきりだとか、そういう「ドキドキ萌え」に落ち着いて没入できない。 >>・えっちな雰囲気(どきどき)→最後にちょっとだけ  直接的過ぎるが、まあえっちだろう。  しかしちょっとじゃないぞ。これは許容量限度枠一杯の「どぎつい」ほうだぞ。子宮ゆうか、子宮。 >>・少女のハッタリ(おおう)→成功  意味不明。「ハッタリ」を定義せい。 >>・音を感じさせる(おおう)→判断つかず  聞こえん。  「ピアノの音が、教室のなかに満ちていた。」――なんて手抜きの文章が、一行目に置かれている時点で、もう音が聞こえてくるはずもなかろう。気づけアホ。 >>その旋律に >>冷たく透きとおった音」  もうちょい、描写してみせる努力をみせろ。音を描写するなら、基本原則は「音」禁止ってもんだろうが。「旋律」もおなじね。音を直接的に言い換える言葉は、すべて禁止だ。  たしかまえに、闇を描いたことがなかったか? 闇を描くなら、「闇」禁止だろう。  おなじように、音を描くなら、「音」禁止なんだよ。 >>放課後の音楽室が、夜の湖に変わる。 >>さざなみに揺れる湖面に、鮮やかに月が映っている。すこし冷たい空気が、かえっ て心地よいぐらい。空は満点の星だ。 >>草一郎は静寂を感じていた。 >>たしかに音が鳴っているにもかかわらず。  このへんは、割といいのだが。  しかしこれは「素晴らしい演奏」を聞いた人間の心理を描くことで、「素晴らしい演奏」を描写しているわけだよな。  「ピアノの音」の描写ではないわな。  「音」と「演奏」というのは、別なわけだ。  読者に「音」をしっかりと聞かせてから、つぎに「演奏のすばらしさ」を体感してもらわなければならないところだが――。  「音」を聞かせてくれていないのに、「演奏」のことを書かれたところで、ただシラけるだけだ。  しかし。まーだ、4400字とか、この程度の量を書くのに、8時間もかけてやがんのか。そのクオリティでその分量なら、2時間ってとこだぞ。  まあ、毎日8時間書くとして、毎日7ページ分があがるというなら、1冊分を1ヶ月少々で書きあげられることになるな。遅くはない。 >890 1000字課題、4/12分、No.120「チョコより確かに」(2000文字)  こっちのほう、「不可視の友人」ってのの人格設定がいいかげんだなぁ。  注目している物やら、その順番やら、それを見て表現するときの言葉の選びかたとか、醒めた客観でいこうとしてみたり、妙に主観に入っていたりと、ぎこちない。  これは普通の三人称なんだし。完全客観とか、特別なカッコイイことをやろうとしているわけでもないんだし。  二人を外から見ている人間であれば、誰だっていいんだぞ。  もっと楽な人物にしちゃえばいいじゃん。つまり、作者自身。オマエ本人。  作者って存在は、この二人の友人であることに相違ないよな。 >巻島精読 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところからギラっとした光を差しこんでくる。亮介はただなんとなく、その赤い光に見とれながら歩いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここ、本当に書けるのか?  夕日に関して、「建物の隙間から顔を出す」という観察を、過去のどこかの時点で行っていて、おまえの持つ表現と描写のバリエーションのなかに、存在しているのか?  つまり、おまえの「冷蔵庫」に入っているのか?  「歩いている人物から見える夕日を描こう」と思ったときに、おまえの取捨選択リストのなかに、この表現は上がってくるのかどうか。そういうことだが? >弟切 >>起:スーパーで働く主人公。 >>承:レジに入り、土鍋を買いにきたおばあさんの接客をする。 >>転:主人公は、「親切にしたい」と感じる。 >>結:主人公は土鍋を運んであげる。  んー、なんか、ちがう。  分室式では、物語の構造を「起承転結」でやっているけど。  4分割でなくて、3分割するメソッドもあるのね。  弟切には、そっちのほうがわかりやすいのかもしれない。  これは「序破急」とか、いうけれど――。  冲方さんのところを見てきたら、いい言葉があった。  平常、緊張、開放――この3つ。  スーパーで働く青年の平常。→起承  青年の緊張。→転  緊張状態の解放。→結  このように考えればいい。緊張状態とは、この場合、なんだ?  なぜ重い物を持ち帰ろうとしているバアさんを見かけると、青年は緊張することになるのだ?  この場合の「緊張状態」の正体とは? >津荒 >>一番の衝撃は、女性が同じ学校にいるということ。 >>男子校で六年を過ごし、いつでも開放的だった僕は、ぼろを出さないようにするだけで必死です。  つまんねーなー、ぼろ出してこいよ。  それじゃドラマにならんだろ。  ぼろを出さずに、そつなく目立たず大学生活を送る主人公の話なんか、すぐにチャンネル回されちまうぞ。  おまえは作家だろ。チャンネルを回されないようにするのが、仕事だろ。  ぼろを出したときには、どういうオモシロイことになるのか、しっかり体験して観察してこいっつーの。  タダだぞ。自分で体験することは。  それから、下宿にノートパソコンとかはあるの? 通信回線がないだけ?  パソコンなくても小説は書けるだろうが、面倒だろ。  もし部屋にパソコンがあるようなら、学校のパソコンで、ログをフロッピーに落として持ち帰って、自宅でゆっくりレスを書いて、翌日書きこめばいいよな。「○番までレスします」みたいに書いておけば、1日のあいだに誰かの書きこみがあったとしても、問題ないし。  死ぬより怖い結末。  ああ、そっか。  出してきたら選んでやるって言ってたんだっけか。  しかし選ぶにしたって、前の「カッコ良い結末」みたいに、自分的ベストをいくつか出して来ないのか?  いろいろ出してきた結末のうち、どれがいちばん怖いの? -------------------------------------------------------------------------------- 序破急 No.7867 投稿日 2004年4月14日(水)02時44分 投稿者 弟切 千隼 を『大辞林』で引いてみたら、以下のとおり載っていました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− じょは-きゅう -キフ [2] 【序破急】 (1)日本の音楽・舞踊・演劇などで,楽曲構成・演出・速度などに関して三部分または三段階を想定する理論用語。{(ア)}を原義とし,各種の芸能に採用され,多様な意味・用法がある。 (ア)雅楽の管絃・舞楽の曲で典型的構成とされる,序と破と急の三つの楽章。曲名に付して「五常楽の急」「太平楽の急」などと呼ぶ。序(冒頭楽章)は緩徐かつ非拍節的。破(中間楽章)は緩徐ながら拍節的。急(終楽章)は急速で拍節的。 (イ)演奏速度の三段階。序・破・急の順に速度を増し,拍節的性格が強まる。「序の舞」「急の位」など,主に能で用いられる。 (ウ)楽曲構成・番組編成・演出などの理念上の三区分。上演の時間経過に伴う趣向変化の典型を想定したもので,序・破・急は導入・展開・終結とみなせる。能・浄瑠璃の脚本構成,能の五番立の番組などがこの理念による例である。 (エ)楽曲中の速度の緩急,技巧の繁簡,表情の静動などの変化を包括的にさしていう語。三味線楽・箏曲などの近世邦楽や講談などの話芸で用いられ,三区分不明確な一語として「序破急」ということもある。 (2)物事の構成。はじめと中間とおわり。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  詳しすぎて、わけがわかりません(;_;)  つまりは、「三段階で構成される、日本の伝統的な物語の構成方法」ですね。  冲方 丁[うぶかた とう]さんのおっしゃる「平常、緊張、解放」と理解するのが、最もわかりやすそうです。  弟切が書いた描写課題の「親切」を、「平常、緊張、解放」に当てはめれば、以下のようになりますね。 >> スーパーで働く青年の平常。→起承 >> 青年の緊張。→転 >> 緊張状態の解放。→結 (新木さんのNo.7866の書きこみより)  青年は、土鍋を買いに来たおばあさんを見て、「緊張」します。「緊張」とは、安定していた「平常」が崩れた状態ですから、不安定で苦しいものです。よって、その苦しさから「解放」されようとして、青年はおばあさんの土鍋を運びます。  では、なぜ青年は、土鍋を買いに来たおばあさんを見て緊張するのでしょう?  土鍋は、重いうえに割れやすい物です。非力なおばあさんが持ち歩いたら、落としたりぶつけたりして割ってしまいやすいでしょう。せっかく買った物を壊してしまったら、おばあさんは困りますよね。  ここまでは、普通に論理思考ができる人なら、すぐに行き着く考えです。ここから「土鍋を運んであげる」に至るには、もう一段階の思考が必要です。  他人の持ち物が壊れようと何しようと知ったこっちゃない、という態度も、世の中にはあります。けれども、一般的な行動規範としては、「困っている―あるいは、将来困る確率が高い―人を助けるのは、進んですべきことだ」とされています。  土鍋を買ったおばあさんは、将来困る確率が高い人ですから、助けるべき人です。ましてや、彼女は社会的に尊重すべきとされているお年寄りであり、青年の店の客でもあります。お客さまは、大事にされるものですよね。  しかしながら、青年の仕事という面から見れば、彼にはおばあさんの土鍋を運んであげる義務はありません。そんなことをしなくても、全く、どこからも責められる筋合いはないのです。  にもかかわらず、青年は土鍋を運ぶことにします。それは、スーパーの仕事という個人的な業務より、もっと根深い行動規範に基づいたからです。  彼にとってこの行動規範に逆らうことは、「平常」から離れた「緊張」を強いられるものでした。その緊張を「解放」するために、彼は一時的にスーパーの業務を離れて、一般的な行動規範に従います。 >心に棚を作る  これは、辞書には載っていない言葉です。一九八〇年代に広まった新しい言葉で、標準語というよりは俗語といったほうがよい表現です。  作家志望者であれば、むろん知っておいたほうがいいに決まっています。しかし、二十歳という竹井さんの年齢を考えれば、知らないことを責めるのは、やや酷な気がします。  今はお試し期間ですので、竹井さんに、調べるためのヒントを出しましょう。  この言葉の原形は「心に棚を作れ」です。島本和彦さんの漫画『炎の転校生』が出典です。 -------------------------------------------------------------------------------- 滝沢よ、心に棚をつくれ! No.7868 投稿日 2004年4月14日(水)04時14分 投稿者 はせがわみやび  なつかしいなあ。ども、みやびです。  えと、弟切さんの書きこみに付けたし。言わずもがなだと思うけど 「棚に上げる」  という昔からの言い回しがあることをお忘れなく。この言い回しを知らないと、心に棚をなんのために作るのか、理解できないから(^^;  もちろん、棚上げするために作るわけだ。  ちなみに、「棚」を使った言い回しは、  棚から牡丹餅  棚に上げる  棚の物を取って来るよう  の3通りくらいしか一般的ではない。とくに使用頻度が高いのは、上ふたつかな。棚は、楽をするための表現で良く使われるみたいね。  勘のよいひとは、辞書を引かなくても前後の文から、おおまかに意味を推測できたと思う。  というか……。  みんな、ほんとに調べるのヘタだなあ。  「心に棚」をキーワードにして、グーグルで検索かければ、643件もヒットするのに(^^;  「はせがわみやび」をキーワードにして検索かけると同じくらいヒットするから、つまり、「はせがわみやび」くらいは知名度がある言い回しなわけだぞ。  「じゃ、マイナーじゃねーかよ」だとお?  ……むう。  それはさておき。  調べるときに適切なキーワードを見つける力っていうのは、調べ物をするときに重宝するので身に付けましょうね。  辞書の内容を覚えるのが学習じゃない。  辞書の引き方を覚えるのが学習なのだ。  ってのは、中学の担任が言っていた言葉だったなあ……。 みやび -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7869 投稿日 2004年4月14日(水)09時31分 投稿者 新木 伸  きょうはロード・オブ・ザ・リングを観に行くのだ。  出発前に、2〜3時間ほど。執筆。  用事がある日でも、それが半日までなら、仕事を中断しないで出来るようになってきた。 >弟切 >>しかしながら、青年の仕事という面から見れば、彼にはおばあさんの土鍋を運んであげる義務はありません。そんなことをしなくても、全く、どこからも責められる筋合いはないのです。 >>にもかかわらず、青年は土鍋を運ぶことにします。それは、スーパーの仕事という個人的な業務より、もっと根深い行動規範に基づいたからです。  このふたつのあいだにあることが、「緊張」の正体だろうが。この話の中で、緊張最大のピークは、いったいどこに来ているのだ?  なぜ書いてこない? そこになにがあるのか、なぜ考えない? なぜ見ようとしない?  あたりまえすぎることだから、逆に、見えないのかな? ○平常 (始まり)・仕事をしている。 (終わり)・おばあさんがレジに立つ。 ○緊張 (始まり)・おばあさんが持ってきたのが土鍋だと気づく。→土鍋は割れやすい。→緊張。 (終わり)・(不明) ○解放 (始まり)・おばあさんの荷物を運んでいる。 (終わり)・礼を言われる。  埋めてこい。 -------------------------------------------------------------------------------- 七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき No.7870 投稿日 2004年4月15日(木)02時24分 投稿者 弟切 千隼 。 題名の歌は、太田道灌の故事に登場する歌としてあまりにも有名ですね。「みの一つだに」の部分が、「実の一つ」と「蓑一つ」との掛け言葉になっています。  この歌が詠まれたのは、きっと今ごろの季節でしょう。関東地方に花が咲くのが今ごろだからです。 >描写課題  埋めてみました。 ○平常 (始まり)・仕事をしている。 (終わり)・おばあさんがレジに立つ。 ○緊張 (始まり)・おばあさんが持ってきたのが土鍋だと気づく。→土鍋は割れやすい。→緊張。 (終わり)・土鍋を運んであげようかどうしようか迷う。 ○解放 (始まり)・おばあさんの荷物を運んでいる。 (終わり)・礼を言われる。  上記に対する説明などは、次回以降に回させて下さい。今回は時間がなくて、考えをまとめられません。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7871 投稿日 2004年4月15日(木)10時35分 投稿者 新木 伸  ロード・オブ・ザ・リング 〜王の帰還〜  観てきた。  えらく気合いの入った映画だったなぁ。  男には、勝てぬとわかっていても、戦わねばならぬ時があるのだ。  男には、死ぬとわかっていても、やらねばならぬことがあるのだ。  できるかどうかではない。やるか、やらないか、これはそういう問題なのだ。  すべての「かけがえのないもの」のために。ガンホーガンホーガンホー。  ――そんな映画だった気がする。 >2号  楽しそうだなぁ。感想部屋で泳いでいる姿。  水を得た魚ってカンジ?  だが誤解するなよ。いま感想をくれている人たちは、いずれプロ作家になるおまえの「将来性」を買ってくれているわけだ。弱ったサカナはいたわってやらなきゃいかんと思ってくれているので、酸素たっぷりの水と、栄養たっぷりのエサを与えてくれているんだぞ。  いま現在、お前が自分の実力によって、あれだけの――山ほどの感想をもらえるほど読者を愉しませられるものを書いているわけではないのだ。  おまえはいずれ、水から揚がって、肺呼吸を始めなきゃならんイキモノなのだ。  水があるのが「デフォルト」で「あたりまえ」などと思ってしまうと、陸にあがれなくなるからな。  そういえば、昔、月白さんが言っていたっけ。  プロ作家というものは、山ほどのファンレターに囲まれてウハウハの日々を送っていると思っていたとか。そんな話。  ありえません。  感想なんて、基本的にゼロなわけね。プロ作家というものは。  かわりにお金をもらっているわけだから。 (例外はある。小学校高学年から、中学生あたりまでの女の子が読者層の中心となる作品であれば、段ボール箱単位でファンレターが届く。しかしお前の書くものはそうでないはずだ)  お前だって、自分が客となっているときには、いちいち「感想」なんて言ってないだろ?  ラーメン屋でラーメン食って、「うまいなぁ」と思ったとしても、オヤジに「うまかったよ。ごっそさん」と言って店を出るか? 言わないよな。いくらうまいと思っていても、黙って、代金払って店を出て行くだけだよな。  面白かった漫画。面白かった小説。面白かった映画。面白かった番組。面白かったゲーム。――そういったものの作製者に、感想を伝えてはいないはずだ。  金は払っているだろうが、わざわざ感想なんぞ、伝えてはいないはずだ。  なら自分が作り手に回ったときのことは、容易に想定できるはずだ。  立場を逆にして、想像してみるだけの話だ。  つまり感想なんてもんは、まず、来ないのだ。  読者が払った代金のなか――。発行部数の数字のなか――。そういったところに存在する無言の「うまかったよ」のメッセージを読み取れないとならない。  誰からも何も言われなくても、自分の果たした「仕事」を信じて胸を張ることができなければ、客の顔を直接見ることのできないこの仕事は、到底、やっていけない。  直に感想を貰わなくては生きていけないイキモノには、陸上生活は無理なのだ。  水を得たサカナ状態で、しばらく遊んでてもいいけど。  せっかく入手しかけた「肺」を退化させるほど遊んでいたら、分室退去だからな。気をつけるようにな。 -------------------------------------------------------------------------------- 平日なのに休日です。 No.7872 投稿日 2004年4月15日(木)12時40分 投稿者 竹井 比呂  現代ファンタジーとは何かを、ずっと考えてました。  伝わりやすい……はず。 ・なぜ超えたい作品が『蹴りたい背中』なのか。  理由は、100万人単位に読ませたいから、に該当します。  100万部以上売れている作品は他にもありますが、なぜ『蹴りたい背中』をあげたかと言うと、分かりやすいからです。  今回の芥川賞を受賞した作品ですし、受賞者が若いということで、色々とニュースなどでも取り上げられていました。  『パラサイトイブ』や、『限りなく透明に近いブルー』といった作品よりも、現時点では知名度が高いと判断しました。  伝わりやすい文章を書きたい、と思ってはいるのです。 ・第三の波の話。  次回の書き込みに回します。 ・他人とコミュニケートすること。  新木さんは電波読みが出来ます。意味の分からない文章から断片的に言葉を拾ってきて、それが一体何をいわんとしているのかを理解するだけの技量があります。  ですので、新木さんは僕の書き込みをわざと読み間違えているのです。それも、僕の鍛錬のために。  感謝しこそすれ、イライラなどしようもありません。  具体的には、『初対面の人間に対して、一発で、間違いなく伝えられる文章を書くというのは、非常に大変なことであり――しかし、それが出来ないことには、到底プロにはなれないものと思っていてください』のあたりを見ると分かりやすいです。  これはつまり「竹井よ、お前はプロになりたいのだろう? なら、お前は『初対面の人間に対して、一発で、間違いなく伝えられる文章を書く』ことができるようになる為に鍛錬する必要があるのだ。辛いと思っているのだろうが、商業作家になりたいのなら、やれ」ということなんでしょう。  これでイライラできるはずがないですよ。  新木さんの優しさに感謝します。  伝わりやすい文章についてなんですけど。  No.7404の書き込みとかが凄い参考になりますね。ここでは新木さんが甘夏さんに対し、コミュニケーション能力について語っておられます。  そのとっても分かりやすい書き込みに、思わずエウレカしてしまいそうですよ。  しときますか、竹井君? いや、しないってば。  エウレカはしないけど、それに沿って考えるだけ考えてみますか。  まず僕には、新木さんの問いかけに対し『誤読され得ない、多すぎず少なずの適度な量の説明』をもって答える能力がありません。  これが現状です。  では、質問を聞く能力と、質問に答える能力、どっちの欠如がその理由がなのでしょうか?  はい、どっちものようですね。  新木さんの言葉の意図をよく履き違えてしてますしー、新木さんに「通じないよ」って諭されてしまってますしー。  これで欠けているのが片方だけだと思ってたら単なるバカです。  ヘタはいいけど、バカにはなりたくないものですな。  や、全然ヘタもよくないんですけどね。要はプライドの問題です(ここら辺『津荒より僕はヘタ』のあたりで書きます)。  聞く、答える、どちらも頑張ります。  そういえば。   <なにか言われたら、口を開く前に、一晩ぐらいは考え抜いてきやがれ>が困っちゃいますね。ただ沢山書き込みしてるだけでは駄目なのかも。  でも、手を動かしてると楽なんですよね。「これくらい書いたんだ、これくらい前進したんだ」ってさも頑張っている気分に浸れます。  一晩置くってのはしたくないです。時間置けばいいってもんじゃないと思うし。要は、レスを見てから寝るまでの時間に、一晩中使った位の濃度で思考しておけばいいんですよ、きっと。  ホントはその濃度で、かつ、思考する時間を一晩中にするのがベストなのでしょうけど。       ついでにNo.7492の『2号さんは同じ言い回しを使わない』もチェックしときました。  つい先日竹井は『異質』という言葉を山ほど使いましたので。   ・清書くらいしとけ、について。  了解です。  言い訳せずに黙って今後は清書します。 ・現代ファンタジーとは。  舞台を現代の地球上とした、超能力者や妖怪や天使や死神などが登場する物語のこと。  但し、超能力者や妖怪や天使や死神などは、社会的には知られていない。 ・カッコいい人について。  一生懸命やったんだけど、少女を助けられなかった少年は、カッコ悪いです。  その後、少女はレイプされるんでしょうか? 臓器を取られて売られてしまうんでしょうか? それとも生贄に捧げられてしまうのでしょうか? はたまたどこぞの山奥で愛玩用の達磨として転がってるんでしょうか?  それを考えると、少年をカッコいいと思うどころか、憎いとさえ思います。  頑張ってみせるのは簡単よね、ってことです。ただその場で、反射的に、思ったとおりに、動くだけでいいんですから。  努力なんて、誰にでもできます。  結果を出すのが難しいのです。そして、大事なのは結果なんです。  大変なことをできるからこそ、カッコいいのです。  ただ、これは第三者的な観点で感じた意見です。  当人たちは違うのかもしれません。  助けられなかった少年は悔やんで鬱になって『俺はなんてカッコ悪いんだ』と思うでしょうけど、もしかすると、助けてもらえなかった少女は少年をカッコいいと思うかもしれませんね。助けてくれようとしていたのを見た、その時点までは。  ひどい目に遭った後は、『なんで助けてくれなかったんだ』とか何とか、八つ当たりチックに少年を嫌うと思いますよ。当然『少年はカッコ悪い』と、思っていることでしょう。 ・デビューしたら。  新木さんと編集さんが全く真逆の意見を僕にアドバイスしてくれたとします。  当然僕はどっちも書きます。  そして良いほうを選びます。 ・三年あったらプロになれるか?  了解です。 ・心に棚を作る、について。  みやびさん(敬意無く、馴れ馴れしく、『みやびさん』と下の名前でお呼びしているわけではありません。単純に、こうお呼びした方が分かりやすいからです。はせがわみやびさんの分室での呼び名は『みやびさん』が一般的ですので)、弟切さん、アドバイスありがとうございます。  どうも小説を書くのに使用する検索エンジンとしては、yahooよりgoogleの方が良いようですね。  あらかたの意味は分かりました。『自分は棚上げにして』という意味なのでしょう。  しかし、こういったものは、情報の源を見るのが一番確実だと思いますので、今度漫画喫茶にでも行って『炎の転校生』を読んでこようと思います。   ・津荒さんより僕はヘタ。  まぁ分かってたことですけど、一応僕のリアクションとしては以下の二つが考えられます。  1.黙ってうなずく。  2.俺のが上手いわい、なんて言ってしまう。  先日新木さんはプライドの殻を破ると仰られました。  でも、プライドが無いのなら、「しかし現状の津荒と比べると、明らかに下ですけど」と言われても、ヘラヘラ笑いながら現状に甘んじていればいいわけです。  技術向上に役立つプライドと、役立たないプライドがあるのでしょう。    例えば、上手くなるのに必要な自尊心として、『編集部のゴミ箱に捨てられた自分の原稿を見て「こなくそ!」と思うこと』などがあげられます。  これは大事ですね。  ただ、変な自尊心が不要であることに異論はありません。  『俺のが上手いわい』と虚勢を張ったとしても、内心は『俺のがヘタだ。畜生!』と思っていなければならない訳です……ハッタリを現実に変えるためには。  でも……どうしてこういう話になってしまったのでしょう?  年齢を理由に見下していると思われてしまったのかな?  蹴りたい背中を超えたい、と書いたことで、近い年齢の人に僕がものすごい敵愾心を持っていると思われてしまったとか?  全くそんなことはありません。  ついでに。  お試し期間ってコトで、新木さんが歯に衣着せてしまっているので、いまいちどれくらい自分が駄目なのかが分かりません。  汚物なのか、ゲロなのか、唾液なのか。  ということで、入室時の津荒さんの評価(現在の竹井の評価とほぼ同じ)を見てみましょう。少しは参考になるはず。  あ〜まさに今の僕と同じようなことを突っ込まれてますね。   1.あらすじが意味不明 2.描写とはなにかが分かっていない 3.話が破綻している 4.視点という言葉の意味が分かっていない  位のレベルですか。  それぞれ個別に僕の意見を述べてみたいと思います。 1.文字数が足りないからです。無駄なことを書いているせいだと思います。 2.描写のとは、その文中で時間が動いているもののことを指すのだと思います。その為、静止物より動いているものの方が書きやすいです。 3.プロットをしっかり書いたので、破綻はしていないはずです。少なくとも、そのつもりではあります。 4.その物語の、『語り手の目線』のこと。    No.7442の新木さんによる津荒さんあての書き込みを見て、勝手に宿題にしたあらすじ再アップが正解だったと気づく(制限字数つけなかったのが正解かどうかまでは分かりません。新木さんのお話を聞いている限り、それで良かったっぽい気もしますが)。 -------------------------------------------------------------------------------- 追記。 No.7873 投稿日 2004年4月15日(木)12時48分 投稿者 竹井 比呂  浦戸シュウさんにレス。  浦戸シュウさん、初めまして。  竹井 比呂(たけい ひろ)です。僕の自己紹介はNo.7844にあります。  よろしくお願いします。  津荒夕介さんにレス。   津荒さん、初めまして。  竹井 比呂(たけい ひろ)です。  どうぞよろしくお願いします。  お互い、鍛錬頑張りましょう。  レスが遅くなってごめんなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- もう一つ。 No.7874 投稿日 2004年4月15日(木)13時08分 投稿者 竹井 比呂  言葉の意味にあたりをつけるメソッドを考えています。  『心に棚を作る』で、やってみます。  漢字には沢山の意味があります。よって、漢字を、別の言葉に置き換える方法。  沢山の意味から、できるだけありそうな組み合わせを選びました。  棚=商売用の見せ棚  心=本当の気持ち。表面には出さない思い。本心。    相手を思いやる気持ち。また、誠意。    思慮分別。判断力。 1.『心に棚を作る』=『本心に商売用の見せ棚を作る』   『本心じゃない、営業用スマイルをする』って意味でしょうか? 2.『心に棚を作る』=『相手を思いやる気持ちに商売用の見せ棚を作る』   『俺ってこんなに人のことを思っているんだぜ、って見せびらかす』という意味になるかな? 3.『心に棚を作る』=『思慮分別に商売用の見せ棚を作る』   『しっかりとした思考を見せる』って意味ですかね?  どれも駄目駄目です。3は……ありえそうですけど、弟切さんの前後の文章と食い違います。  みやびさんが教えてくださった、『成句で似た言い回しを探す』の方が優れていますね。 -------------------------------------------------------------------------------- 魚(「ぎょっ」もしくは「うおっ」) No.7875 投稿日 2004年4月15日(木)17時11分 投稿者 名無し君2号 >>楽しそうだなぁ。感想部屋で泳いでいる姿。 >>水を得た魚ってカンジ?  感想部屋での踊りっぷりを読み返してみると、自分でもかなりのうかれポンチだったと思います。ああいう書きこみをすると、ぜったい後悔するんですけどね。寝る前にふとんのなかで身悶えするんですけどね。したんですけどね。  課題を書いていて、自分の集中力が切れたのを見計らっては、現実逃避、感想部屋にレスをつけていました。楽に書けるので……それも失礼な話でした。  もうすこし落ち着こうと思います。 >889 1000字課題、4/12分、No.119「深く重く、そして強く」(4400文字) >>他にも女の子は出てくるのか? バンド結成して、なんかやる話なのだろ? おまえは何人まで出せるのだ? 女優は何人いるのだ? 一度に登場させて、同時に一場面の中で動かせる限界人数は何人だ?  ほかの女の子は……やっぱり出したほうがいいんでしょうか。  みなさんの感想を読むかぎりでは、今回のヒロインだけでは、ちょっと歯ごたえがありすぎるようです。やっぱりそうですか。  かたや天才肌の女王さまなら、対比として、もうひとりは優しく包みこむようなタイプでしょうね。一方のヒロインが荒れ狂う海なら、一方は港という感じで。  バンドは結成します。主人公が、ヒロインに嫉妬して絶望して、そこから這い上がる話になります――恋とか才能とか、いろんな意味で。いちおう今回の話を書いた段階で、ラストシーンまでだいたいの流れは出来ています。つじつまが合うかどうかはまだわかりませんが。  メンバーはあとボーカルとドラムの二人に、ヒロインがもう一人。  主要な登場人物は、主人公と今回のヒロインふくめて、五人。  女優は三人の予定。  ドラムは女性なので。  一度に動かせる限界人数は、現状で四人。五人はキツイ……。ライブシーンを入れるなら最低、これぐらいは必要です。三人あたりなら楽になるんですが……うーむ。 >>ところで、2号って、音楽の素養あったの? >>もし昔かじったぐらいのことがあるなら、それは武器となるから、それで長編やシリーズを考えるといいかも。  ほんのちょっぴりだけかじってました。  友達とバンドを組んで、何回か練習した程度ですが。 >>あとこの話って、ジャンル分けするなら、いわゆる「女の子に引き回される系」というやつなのかな。  「引き回されて、置いていかれそうになって、最後は追いつく」という話にするつもりです。 >少女が持つ威圧感(すてき)→成功 >>成功だろう。毒も許容範囲内だ。これなら魅力となる。  2号ヒロインとしては、はじめて普通に受け入れられたようです。感想部屋で得られた情報を合わせても、いままでよりは評価されていました。  問題なのは、もう一方の1000字課題、「チョコより確かに」などの、いわゆる『萌え物ヒロイン』がどうにも受けが悪いということです。どうにか毒を転換できないかな……。いろいろ試してみます。 >ふたりっきり、密室感(どきどき)→失敗 >>いきなり人が変わっている。そのイメージの変化に読者はおいてけぼりを食らっていて、ついてゆくために必死になるので、密室だとか、二人っきりだとか、そういう「ドキドキ萌え」に落ち着いて没入できない。  また急ぎすぎたようです。  場面転換……すこし間をおいて、いまの状況をしっかりと認識させる。  いま指摘されて考えてみると、冒頭のピアノ演奏が終わったあとで、静寂に絡めて緊張感をだすことも、緊張感から二人っきり感をだすことも出来たんですよね。  ヒロインのピアノ演奏終了。  主人公、冷静に観察。続く沈黙。息苦しくなる。疑心暗鬼。  あえぐようにしながら、主人公が思わず問いかける。 「いったいなんのようなんス――」 「ベース弾け、草一郎」 >えっちな雰囲気(どきどき)→最後にちょっとだけ >>これは許容量限度枠一杯の「どぎつい」ほうだぞ。子宮ゆうか、子宮。  あまりエロくなりすぎないようにしました。  「えっちさ」と「どぎつさ」は一緒じゃないですよね。どぎついと、淫靡な雰囲気になるよりも、まず引きますよね。なので作者の思惑としては、ここは「えっちさ」よりも「威圧感」でした。  ――これは正確じゃないな。  「えっちさ」もアリです。「威圧感」のほうが大きく出ているというだけです。  この前の場面の、「意図的なパンチラ」こそが「えっちさ」を前面に押しだしたものでした。でもここでセクシーランジェリーだとあからさますぎるかなと。ヒロインは目的のためなら手段を選ばない人ではありますが――黒パンはないなぁ。  作者の個人的嗜好として、セクシー系より、普通のほうがいい……というのもあったりします。これは重要機密ですが。 >少女のハッタリ(おおう)→成功 >>意味不明。「ハッタリ」を定義せい。  これは感想部屋でもさんざんつっこまれてます。  自分用語でした。すみません。  登場人物のハッタリではなく、なんといいますか、物語のハッタリです。  たとえば――。  主人公の全力を振り絞った攻撃が放たれる。  まともに受けた敵。しかし平気な顔で立ちあがり、体の埃を払いながらニヤリと笑う。 「ようやく本気で戦えそうだ……」  ざわめく味方。 「ま、まさか。ハッタリだ!」 「そうかな……?」  膨れあがる敵の力。漏れだすオーラ。 「ハッタリじゃ、ない!?」  おろおろしているまわりのなか、なぜかただひとり落ち着いている主人公。口元に笑みが。 「――オレもだ」  いきなり服を脱ぎだす。じつは重りをつけたままでいままで戦っていたのだ!  ――ベタなやつですが。  ケレン味、といったほうがわかりやすいのかもしれないです。  最初にピアノの演奏したりとか。  いきなり「ベース弾け」と言ったりとか。  あげく「才能がない」と落としたりとか。  でも「ベースはイケてる」と持ち上げたりとか。  口答えしようとしたら、ピアノをバァーンと鳴らしてさえぎったり、ショーツ見せたり、「子宮」とか口ばしったり、などなど。  それらすべての行動を差して、「ハッタリ」が効いてるなあ、という。登場人物は大真面目なんですけども。 >音を感じさせる(おおう)→判断つかず  すごい難しいんですよね。  音楽物を小説でやろうとすると、とても大きな壁になるような気がします。頑張るだけですが。 >890 1000字課題、4/12分、No.120「チョコより確かに」(2000文字) >>二人を外から見ている人間であれば、誰だっていいんだぞ。 >>もっと楽な人物にしちゃえばいいじゃん。つまり、作者自身。オマエ本人。 >>作者って存在は、この二人の友人であることに相違ないよな。  ふむ。  ちょっとコツらしきものをつかんだかもわかんないです。  実際にやってみる。 >1000字課題  No.121「逃げだしたあとで」(3500文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=891&e=res&lp=550&st=0  やらかした男が、嫌々ながらも、昔の彼女のお見舞いにいく話。  完全三人称視点で、ずっと外から登場人物を眺めてます。眺めているのは作者です。  No.119−2「深く重く、強く」(4000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=892&e=res&lp=889&st=0  あいかわらず引きずられっぱなしの主人公が、夜の街でヒロインに待ちぼうけをくらう話。  好評を得ることができたので、続きを書けます。  音楽関係を、なるべく説明くさくならないように書いたつもりですが、はたして読めるものになっているのかどうか。 >夕陽の描写 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  燃えるような色の太陽が、ときどき建物の隙間から顔を出す。細いところからギラっとした光を差しこんでくる。亮介はただなんとなく、その赤い光に見とれながら歩いていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>ここ、本当に書けるのか? >>「歩いている人物から見える夕日を描こう」と思ったときに、おまえの取捨選択リストのなかに、この表現は上がってくるのかどうか。そういうことだが?  うーん……。  無理。  映像はある。思いうかべることもできるけれど、それを選択できるかといえば……無理。  普段からの観察、脳内執筆が肝要。 >沢口さん  沢口さんの言葉はちっともプレッシャーには感じませんでした。それどころか大きな力になりました。私のふぬけた背中を押していただきました。  出るに出られない状態だったのは、べつにだれのせいでもないです。強いてあげるならば、いま私の目の前でまぬけ顔をさらしている、鏡のなかの男でしょうか。  あー……、ひげ剃らなきゃなあ。  レスには3時間ぐらい。では。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7876 投稿日 2004年4月15日(木)19時10分 投稿者 新木 伸  きょうはお休みの日。  夢境のほうは脱稿したので、星くずを書きつつ、週に1〜2日ほど、適時「お休みの日」を入れることにする。  よし今日は趣味の小説を書こう。そうしよう。 ○竹井さん >思考濃度とか  問題となるのは思考の濃度。  濃く思考するってことが、まず出来ないんですよね。それまでの人生のなかで訓練してきていないから。  思考と妄想の区別がついていない。妄想状態で淡く考えているだけなのに、本人は「思考」していると思っている。(それ以上濃く考える経験をしてきていないから)  あるものを書くために必要とする一定の濃度というものがあります。それを出せるかどうかが問題です。掲示板のレス程度なら、レス程度に必要とする濃度があり、小説であれば小説の濃度があり……。  卵の黄身を固めるのには、65度の温度が必要なのです。  そして白身を固めるのには、80度の温度が必要なのです。  それ以下の温度では、どれだけ長時間煮込んでいようが、ゆで卵は決して完成しないのです。 (それぞれ、まともなレスを書くのに必要な温度と、小説を書くために必要な温度とに、読み替えてください)  時間を掛ければどうにか充分な濃度が出せる――てなところまで辿り着ければ、あとは時間を短縮してゆく方向で訓練してゆけば、いずれは瞬時にその濃度を引き出せるようになってゆきます。  課題部屋のどこかに、「馴染みのコーヒーショップ」という掌編がありますけど。  あれ、33分で書きました。  いまだに直すところはありません。なにを書くか。どう書くか。どれだけの文字数で書くか。――てな選択が、決して変わらない不変の領域にまで行き着くという話。  その思考濃度を出すために、33分で足りたという話。 (しかし僕もまだまだ修行が足りない。あれは10分以内にできて然るべき) >現代ファンタジー >>舞台を現代の地球上とした、超能力者や妖怪や天使や死神などが登場する物語のこと。 >>但し、超能力者や妖怪や天使や死神などは、社会的には知られていない。  なにも超常的な存在には限らないのでは?  たとえば過去が見える井戸だとか。死んだはずの人が生き返ってくる村だとか。そういう超常現象が起きる話なども、ファンタジーに含まれるのでは?  もっと一般的にまとめられて、短く、簡潔になるはずです。  思考の濃度が足りていません。  また超常存在やら超常現象やらが、社会的に認知されているのといないのとでは、なにがどう変わってくるのですか?  あとSFとファンタジーの区分はどうなっているのでしょう?  不死人が出てくる話は現代ファンタジーだけども、不死のバイオニックソルジャーが出てくる話はSF? なにが違うの? 不死人の能力が現代科学によるものではなく、古代アトランティスの超技術によって付与されたのであれば、これはファンタジー、SF? >カッコイイ人について  ふむ。努力に関わらず、結果を出せなかった人は、カッコ悪いわけですね。  では、以下の人たちのカッコ良さをランク分けしてみてください。理由つきで、カッコイイ順に並べてくること。 ・努力したが、結果を出せない。貧弱な少年。女の子を助けようとしたが、助けられなかった。 ・努力をまったく要さない。結果を出した。超人の如き能力があって、女の子を簡単に助けた。 ・努力をまったく要さない。だが結果を出す。助けることに関心を持っていない。魔人の如き力がある。女の子を助けようともしなかったが、たまたま通りがかった魔人に怯えて、悪漢たちは勝手に逃げてゆくか死ぬかした。女の子は結果的に助かった。  ついでに、酷い目にあった少女のほうも、カッコ良い順に並べてみますか。  なんつーか、竹井さんの出してきた女の子って、ひどくカッコ悪いもんで。カッコ悪い女の子は助からなくてもいいんじゃないかな。 ・自分を助けられなかった少年を怨み続ける。そして心を病み、少年に復讐してくる。 ・自分を助けようとした少年をカッコ良いと思ったが、結果としては助けてくれなかったので、その後に恨む。 ・自分を助けようとした少年に感謝する。酷い目にあったが、少年を恨むことなく、再会したときに感謝の気持ちを伝える。 ・自分を助けようとした少年に感謝する。酷い目にあったが、少年を恨むことはない。だが自分を助けられなかったことを後悔している少年の気持ちを察して、恨んでいる演技をする。  これら、ソートしてみるのこと。 >二人の船頭 >>新木さんと編集さんが全く真逆の意見を僕にアドバイスしてくれたとします。 >>当然僕はどっちも書きます。 >>そして良いほうを選びます。  なに架空の話をしているのですか。  これを達成するためには、2倍書く時間か、2倍の速度が必要となってきますけど。デビュー直後に、そんなもん、どっちもあるはずないじゃないですか。  1回書く時間しかないんです。  どっちを選ぶのですか? >プライドの話  こんなくだらないものを、何十枚もの紙を使ってプリントアウトするなんて、紙資源の無駄だし、インクやトナーの無駄だし、製紙工場の方々に申し訳ないと思わないのですか?  ――とか、言われたとしまして。  「こなくそ」と思ったとします。  その気持ちがどこに着地するのかということが問題です。  「こいつにはわからないのだ」てなところに着地することもできますし。  「この気持ちを○○にぶつけよう」てなところに着地させることもできますし。  前者だと明らかに上達の邪魔でしょう。  後者のほうはどうでしょう? 役に立っているのでしょうか?  「上手くなるのに必要な自尊心」――と、竹井さんは言っていますけど。  自尊心って、上達するのに必要なこと?  「必要」というのは、「かならずいる」という意味ですよね。  「こなくそ」という気持ちがないと上達しないという論には、ちょっと疑問ですが。  上達に必要なのは、ふたつです。 ・練習すること。 ・上達しようという気持ち。  「傷つけられた自尊心の回復」っていうのも、上達しようとする気持ちの源のひとつかもしれません。  しかし、だいぶ邪であり、しかも弱い理由じゃないかなぁ。「金を稼ぎたい」と同じぐらい邪で、根拠が弱くて、持続力のない理由かと思いますが。  竹井さんは、なぜ小説を上達したいと思うのですか?  人がなにかを上達したいと思う理由には、そもそも、いくつぐらいの種類があるのですか? 自分の理由の分布は、そのうちの、どれとどれ? いちばん大きな理由はどれであり、補助的な理由はどれですか? >yahooよりgoogle  竹井さん、そもそもYAHOOとGOOGLEの違い、説明できます?  理由を知らずに「GOOGLEのほうが良い」とだけ思っているのって、ちょっと、どうかと思いますけど。 ○2号 >人物配置など  俺なら主人公以外全部女にするがな。  そして恋愛は交錯させる。1巻では複雑であることを、それとなく伝える程度だが。2、3巻あたりで裏の恋愛経路が表面化してくる。  レズっ毛有り。寝取りも有り。  あとメインヒロインに比肩しうるパゥワァを持つキャラを出して、両巨頭にさせとくかな。主人公が成長するまで、ヒロインを抑えられる役がいないと話が破綻してしまう。  彼女と拮抗するか、彼女が一目置いているか、彼女の頭が上がらないか、なんにしても手綱を握れる人物がいないと。バンドメンバーの中にいなくてもいい。親とか姉とか先輩だとか、そんなんでもいいわけだが。  主人公を取り巻く恋愛事情も、ヒロインに対するものが「憧れと服従」とするなら、「純愛」だとか、「小動物への愛(保護系)」だとか、なんかそんな路線もあるといいかも。女性キャラ3〜4名ぐらいか。  主人公が丁稚の立場からスタートする話としては、「GS美神極楽大作戦/椎名高志」てのがある。  シリーズ通して、4人ほど、オンナが出てきたぞ。恋愛の形の種類と配置などを盗むこと。 >人数とか  動かせる人数が3人ってのは、それ、最低限の話だってば。  まともに売り物にしたいなら、5〜6人は動かせなきゃ。  ぶーぶー文句垂れながら、あーでもない、こーでもないと、頭デッカチに考えているあいだに、手を動かして練習しろってーの。  この話を書くにあたり、主要な登場人物が5人だというなら、5人は動かせるようになるために練習すりゃいいだけの話だろうが。同時に1ダース動かすのには特殊な素質が必要かもしれないが、5〜6人程度なら、誰だって練習で到達できる範囲なのだが。  いま3人なら書けるっていうなら、4人出して完璧に書けるまで、2〜3回。5人に増やして、ものにするまで3〜4回。6人に増やして5〜6回。  二桁程度の練習でモノにできる程度のことを、なに悩んでいるのだか。アホかい。 >話の筋 >>「引き回されて、置いていかれそうになって、最後は追いつく」という話にするつもりです。  メインヒロインの側にも、なんか筋とドラマがないと単調だわな。  彼女には挫折はないのか? 葛藤もないのか? >音を表現 >>すごい難しいんですよね。 >>音楽物を小説でやろうとすると、とても大きな壁になるような気がします。頑張るだけですが。  アホだな。  志が低いっつーか、なんつーか……。  難しい? 壁があります? 頑張ります?  そんな程度の覚悟だったら、いらないんだっつーの。  はじめから、やるなっつーの。アホくせぇ。永久にシロウトやってろっつーの。  結果出せ、結果。  音を表現するという、その壁。  おまえが越えろ。  いままで誰も越えていなかったそれを、お前が越えたなら、お前のそれは売り物になるだろう。  いいか? 先人の越えられなかった様々なモノを、おまえが何一つ越えてこないのであれば、お前はプロ作家として不要な存在なんだよ。  雪印の牛乳よりもマズく、農協牛乳よりも高く――と、なにひとつ、他社製品を越えていないような製品は、市場には不要なの。わかるか?  小説ってのは、たしかに大量消費されているものではあるけれど、質など関係なく買われてゆく――という、そこまで生活必需品になりきってはいないのだ。いまだに贅沢品の領域にある。同業他社に比べて、なにひとつ勝っていない製品には、誰も見向きもしないのだ。  無論、たくさんのモノで越えてくるに越したことはないが、なにかひとつでもいいから、越えなきゃならん。  とりあえず、音を表現するという、その壁を越えてみせろ。 >夕陽の描写 >>無理。 >>映像はある。思いうかべることもできるけれど、それを選択できるかといえば……無理。 >>普段からの観察、脳内執筆が肝要。  ああ、そうそう。  つまり俺の言っていることは、「お前はこれをすでに一度書いたことがあるのか?」てなことなのね。  実際に文章として書いたことがあるか、脳内だけで書いたことがあるか、どっちでも等価だが。  夕日を観て、その映像を見て、覚えているだけでは文章にはできない。  夕日を観たその時に、脳内にきちんと描写文を構築していて、「一度書いたことがある」のであれば、お前は「自分にも書ける」と言っていい。  だって書いたことがあるのだもの。実際に。  そりゃ、書けるだろうさ。あたりまえだわな。  実際に書いたことがないものは、とりあえず「書けません」と言っておけ。  書けるかどうかわからないというのは、書けないということと同義だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 羽矢野君、羽矢野君 No.7877 投稿日 2004年4月16日(金)11時05分 投稿者 新木 伸  感想部屋での指摘のノリ。  こっち(分室)のほうでやるならいいけど、向こうでは、もうすこし抑えるように。  皆がその調子をマネしはじめちゃと、よくないから。  僕だって、あちらでは丁寧語で話しているのだぞ。  感想はかまわない。  しかし指摘を行い、プレッシャーを掛けようというのなら、細心の注意をするように。  匿名ハンドルで、あの同じ書きこみがされていたなら、僕は迷わず管理者削除をかけているところだよ。  なにが問題なのかというと、「上」から「下」に言っているように見えるところ。創作者として「上」の人間が、創作者として「下」の人間に物言いしているように見えるってことね。  そもそも、君と2号の関係っていうのって、元作家志望者(羽矢野)と、原作家志望者(2号)の関係だよね。「羽矢野>2号」であるという根拠がない。実状は「2号>羽矢野」ではないのか?  まあ「読者>書き手」という関係であるのは確かだけど。  しかし「私は読者としてこう思った」から踏み出して、「こうするべき」と言いはじめることは、読者と書き手との正常の関係からも逸脱しているよね。  あと2号に対する馴れ合いとタメ口は、内輪臭がして、新しい人が入りにくくなってしまうから、やるなとは言わんが、もうしばらく控えること。  分室は、実力制で上下関係を作りだす趣向。  感想部屋は、感想者に上下関係は作らない趣向。  そのへん理解するように。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7878 投稿日 2004年4月16日(金)12時00分 投稿者 新木 伸  今日も引き続き、おやすみの日。  しかし趣味の小説を書くのって、おそろしく贅沢な行為であるような気がする。  書き散らかして、未完のままで終わらせておかないで、ちゃんと完結させれば売り物になるのだろうけど。売り物を作っていたら、それはもはや趣味とは言わんし。(笑)  来週あたりのおやすみの日には、遊園地でも行ってくるかなぁ。富士急ハイランドまで日帰りドライブだとか。 >2号 >No.121「逃げだしたあとで」(3500文字) >>完全三人称視点で、ずっと外から登場人物を眺めてます。眺めているのは作者です。  ウソつけ。  どのへんが「作者」なんだか。  「拒絶に抱かれた男が〜」なんて言い回し、お前の語彙にはないだろうが。どこのハードボイルドなオッチャンの声だよ。  沼地に生息する毒を備えたイキモノが、そんなカッコイイ言葉を話すもんか。  もっと普通に書けっての、フツーに。平文で。  ふだんのお前の言い回しで。  2号語で。  描写をしようとして、肩に力が入っているのだろうなぁ。  背伸びしようとしているのだろうなぁ。  だから、こうなる。  いきなり描写を書き付けられる腕じゃないんだから、腹をくくって、2段階ぐらい手間を掛ける覚悟をしろよ。  まず説明を書いてしまえ。  最初のシーンは、夜の病院の廊下かなにかか? そして窓が開いているんだな?  そういう諸々の情報を説明文として、まず、全部書いてしまうのだ。  説明文だったら、さすがに、肩に力を入れなくたって書けるだろう? またサクサクと素早く書けてしまえるだろう? 15分か30分か、1時間ぐらいかかるのかは、わからんが。すくなくとも、何時間もかけて本編を書くのに比べれば、何分の一かの労力で書けてしまえるはずだ。  しかるのちに、その説明文を土台としつつ、キモとなる何ヶ所かの部分のみ、描写に置き換えてゆくのだ。  なんでもかんでも描写にすりゃいいってもんじゃない。  たとえば「深夜の病院である」――なんてことは、はじめに一発、説明してもらったほうがわかりやすいんだ。描写すべき真に大切なことは、「夜の病院の雰囲気」であって、そこが病院であるかどうかってことじゃない。  「キモの部分だけ、数カ所のみ」と、描写していい箇所の縛りを与えると、どこを描写すべきで、どこは説明で済ませるのか、切り分けができるようになるかもしれない。  ご飯となる部分ってのは、案外と、説明文が多いものなんだよ。  けれんみがないっていうか、クセがないっていうか、誰でも食べられるものってのは、説明文、会話、動作文――そんなものだったりする。  書き直してもいいし、新しくなんか書いてきてもいい。  次は完全説明型版と、説明/描写混じり版と、両方あげてくること。 -------------------------------------------------------------------------------- 削除依頼? No.7879 投稿日 2004年4月16日(金)12時47分 投稿者 藤極堂 >分室は、実力制で上下関係を作りだす趣向。 >感想部屋は、感想者に上下関係は作らない趣向。 >そのへん理解するように。 あ、この書き込み目にする前に投稿してまたにょ。 にゃじゃじゃあ、削除していいにょ。 自分で削除した方がいいにょ? しちゃいけないにょ? どっちにょ? -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7880 投稿日 2004年4月16日(金)13時15分 投稿者 津荒 夕介  大学のパソコン――。更新ボタンを押さないと分室の書きこみが、更新されないんですよね……。  先日はそのせいで見逃しました。ちくしょう。 >僕の状況  下宿には自分のパソコンがあります。新木さんのおっしゃるように、家でレスを書いてます。  大学のパソコンは、一つの建物に集中して設置してあります。  その建物は、平日は8時まで、土曜は4時まで、開いています。  日曜と祝日はお休み。夏休み・冬休み・春休みの開放時間は、まだわかりません。(休みが近づいたら掲示される)  講義は月曜から金曜まであり、土日が休みです。  講義に4時間〜7時間。  食事作ったりで2時間。  講義の予習復習で2時間。  だから一日6時間〜9時間、小説に使えます。 >ぼろを出すとか  あえてぼろを出し、女性の反応を見る! ……ですか。いや、凄い。凄いとか言っているようじゃだめなのか。  ……で、結局出しちゃったんですが(笑)。まぬけなところ。  以外と普通でした。普通に笑うだけ。  男も女も、同じなんですねぇ。(当たり前か)   ○課題:短編作成 >怖い話  どういう話だったか。書き直してみます。  起 小怪奇  承 不安  転 安心  結 大怪奇  こんな構成です。  起承で、「やばいなぁ」と思わせておいて、転で「お、大丈夫なのか」と意外性。結で、しかしダメだった、という結末。 >直し。  腐り虫を出すとするなら、その説明を出したほうが怖くなる。なんの説明もなしに、突然死ぬんじゃ、怖くない。(嘘くさすぎて、信じられない)  腐り虫を出すのは、現実と戦うためです。  起 鹿茸(ろくじょう)から出てくる腐り虫、ヒロインに入る。主人公は鼻に入っていく腐り虫を見る<これが転  承 主人公が腐り虫の話を聞く、心配する。ヒロインが普通と違う。<これが転  転   結    ですね。  「普通と違うヒロイン」の部分は、調子が悪くて早退する、というものです。  その程度で主人公が過剰に反応するのは、  1 主人公がヒロインを好きである。  2 腐り虫の話を聞いている。  3 腐り虫を目撃している。  以上の理由です。 >転結  転では、主人公を安心させなければいけません。  反面、ラストへの伏線も必要になってくる。  主人公が気づくような伏線では、「安心する」に相当しなくなります。ですから、主人公は気づかず、読者が「ん?」と思う何かにしなければならない。  そういう意味で、エロを入れるというのは正しい選択です。主人公がうかれるから。    ヒロインの家に入る。ヒロインがパジャマ姿で出てくる。異様に無口。(腐り虫が入っているから)  主人公はヒロインの元気な姿を見て、安心する。(無口なことは、病気だからと解釈する)  帰ろうとする主人公に、ヒロインはキスしてくる。舌を入れてくる。  主人公は喜んで家に帰る。(初体験) 注意点  1 ヒロインは突然キスをしたりしない人物である。……と、起承で印象づけておくことが大切です。主人公はうかれているので、それを変だと考えません。  2 ヒロインは主人公のことを、友達としか見ていなくて彼氏がいるとか。そういう設定にした方がいいかも。    結を出します。    結として持ってくるのは、精神的な恐怖であるべきです。肉体的な恐怖が「死」ですから。  1 意識だけ残るが、体の自由は腐り虫にある。  自分の崩壊。  この場合、「腐り虫に食われると死ぬ」という設定がなくなり、腐り虫が本人に取ってかわる、ということになります。  転で喜びながら家に帰る。  朝起きると、主人公の部屋になぜかヒロインがいる。おどろく主人公。  ヒロインは微笑んで、「おはよう」と言う。主人公は、「どうなってるんだ!?」とも言えない。すでに自由は握られていた。主人公をのっとった腐り虫が(つまり主人公が)「おはよう」と答える。(主人公の部屋にヒロインがいるということは、主人公の家族も食われているということ)  2 心を改造されて、意識はあるが、性欲と同じレベルで腐り虫を他人に入れようと思うようになる。  自分の崩壊。  「腐り虫に食われると死ぬ」という設定をなくします。  転で喜び、日記にその喜びを書く。  結 朝起きる。日記を見る。キスができて嬉しいという記述が、理解できない。性欲が腐り虫を他人に移す欲に変換されているから。外でヒロインと合流する。主人公は、恥かしがりながら、腐り虫を移してくれてありがとう、と例を言う。(ヒロインは腐り虫を移したい欲求に負けて、主人公に腐り虫を入れた)  2,5 腐り虫に愛情を持つようになる。  上の結が変わります。  結 朝起きる。日記を見る。キスができて嬉しいという記述が、理解できない。キスしたことよりも、腐り虫を体内に飼えることの方が嬉しいから。外でヒロインと合流する。腐り虫をくれてありがとうと礼を言う。(ヒロインはプレゼントのつもりで主人公に腐り虫を入れた)  3 腐り虫を退治したように思ったが、まわりの人間がすべて死んでいく。  周囲の崩壊。  転でヒロインのキスを避けている。(恥かしくて)  結で、朝、テレビを見ると、主人公の市で原因不明の死者が大量に出たと報道されている。物騒だねと、両親と会話する。ヒロインを迎えにいく。ヒロインの家には死んだヒロインしかいなかった。(両親はヒロインに虫を移され、家を出て、腐り虫を他人に植えつけている)  4 世界がゲームのプログラムでしかなく、腐り虫となったプレーヤーが人間を殺していくゲームだと知る。  根本の崩壊。  起承で人間の存在の無意味性を強調。  転でヒロインから腐り虫を入れられる。  結 夢を見る。夢の中で腐り虫に、人間がゲームのキャラであると教わる。そして幸福感を得ながら死ぬ。その死が本来の死であるから、幸福に感じる。      「飛躍した崩壊」はスケールが大きくなりすぎるので、短編では無理です。  以上です。 -------------------------------------------------------------------------------- 目を開けたまま眠って夢を見る No.7881 投稿日 2004年4月16日(金)16時21分 投稿者 弟切 千隼 という貴重な体験をしました弟切です。  昨日、弟切は、体調不良のため夕方早々に居間に倒れこんで眠ってしまいました。夢の中でも自宅の居間にいて、訪ねてきた友人と話しているつもりでした。友人に話しかけようとして、自分の口から出た寝言で目を覚まし、夢だったと気づきました(^^;  こういう現象は現実にあると聞いていたものの、自分で体験したのは初めてです。とても興味深い体験でした。  何しろ、目に映っている実在の光景―今回の弟切の場合は、自宅の居間―の中に、夢の中の登場人物がはめ込まれて視えるのです。夢を見ている最中には、それでも違和感を持ちませんでした。  しかし、睡眠時幻覚である夢が覚醒時に侵蝕してくるのは、かなりやばい状態でしょう(^^;; 実際、目覚めた時には、腰は痛むわ頭は痛むわ吐き気がするわ、ひどい状態でした。  とりあえず鎮痛剤を飲んで布団で眠り直したら、少し持ち直しました。 >描写課題「親切」  No.7870の続きです。 >>○平常 >>(始まり)・仕事をしている。 >>(終わり)・おばあさんがレジに立つ。 >>○緊張 >>(始まり)・おばあさんが持ってきたのが土鍋だと気づく。→土鍋は割れやすい。→緊張。 >>(終わり)・土鍋を運んであげようかどうしようか迷う。 >>○解放 >>(始まり)・おばあさんの荷物を運んでいる。 >>(終わり)・礼を言われる。 (弟切のNo.7870の書きこみより)  上記の「○緊張」の(終わり)には、葛藤がありますね。  主人公には、鍋を運んであげる義務はありません。土鍋を運ぶなんて重くて疲れるし、仕事中に持ち場を離れることになるし、運ぶことを申し出ても断わられるかも知れないし……と、いくらでも「運ばない理由」はあります。  反面、困っている人は助けるべきだし、相手は尊重すべきお年寄りだし、お客さまに親切にすることはお店の印象を良くするし……と、「運ぶ理由」もいくらでも存在します。短い時間であっても、二つの理由に挟まれて、主人公は葛藤したはずです。  葛藤を克服するには、運ぶか運ばないか、どちらかを選ぶしかありません。主人公は「運ぶ」ほうを選びました。これにより「緊張」が「解放」されて、物語は収束に向かいます。  葛藤とは、『心の中に相反する欲求が同時に起こり,そのどちらを選ぶか迷うこと』(大辞林より)です。葛藤を描写するには、主人公の心理を書かなければなりません。  そのために、この話の転では「主人公の心理を書いてよい、むしろ書け」となるわけですね。  上記の「平常、緊張、解放」に基づいて、課題を書き直します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7882 投稿日 2004年4月16日(金)17時03分 投稿者 新木 伸 >藤極堂さん  怪獣は1匹だけでは民の脅威となるけれど、2匹いるなら拮抗するからいいんでない?  削除の件は――。  記名で書きこみをしている人なのだから、するかしないかは自分で決められるでしょ。固定ハンドルで書いている人のものは、まず大抵のものは消さないよ。責任自分持ちだから。  羽矢野のあれは、もし匿名書きこみであれば削除対象だった、てな話ね。 >津荒  大学のパソコンが更新ボタンを押さないとならない件。  設定の問題では?  「ツール(T)」→「インターネットオプション(O)」→「全般タブ、インターネット一時ファイル」→「設定」→「保存しているページの新しいバージョンの確認」――のところ。  ここが「確認しない(N)」になっているのではないかな?  「自動的に確認する(A)」のほうにしておけば、いちいち更新ボタンを押さなくても読み直すはず。  ちなみに下宿に回線がなくても、携帯があるなら、ケーブル買ってくれば繋げるだろ。うちも出先からチェックするときは、携帯電話から入っている。超遅くて、ページ表示させるのに2〜3分ぐらいかかるけど。  読んで、切って、書いて、繋げて、アップして――てなふうにOFF書きを徹底させれば、そう電話代も掛からないし。  ちなみに、携帯電話やPHSで繋ぐなら、ここがいいぞ。 「αインターネット無料接続サービス」 http://www.alpha-net.ne.jp/muryou/index.html  申請なしで、アクセスポイントまでの電話料だけで、インターネットに繋げるサービス。IDとパスワードは全員共用のものがある。 (電話会社からバックマージンが来るので、電話料だけで接続サービスが維持できる仕組みらしい) >怖い話の結末 >>1 意識だけ残るが、体の自由は腐り虫にある。  これかなぁ。  2とか3とかも、うまくやれば怖くできるのだろうけど……。  腐り虫に乗っ取られてしまうと、意識が変わってしまうわけだ。すると恐怖を感じている主体(人物)が、話の中からいなくなっちゃうでしょ。恐怖を感じるのは読者ということになるのだけど……。  これが難しい。  恐怖を感じている人物が出てくるほうが、だいぶ楽のはず。  2や3をやらなければ怖くならない、ということならともかく。  1でも同じぐらい怖いのだから、わざわざ2や3をやらなくてもいいと思うわけだ。  ちなみに1のとき、自分の家でヒロインと会うわけだよな。主人公が意識だけとなって、自由にならない体の中に閉じこめられているのと同じように、ヒロインや他の家族も同じ状態になっているはずだが……。  それを主人公に確認させられると、さらに怖くなるかも。たとえば体は自由にならなくても、涙だけは流すことができるとか。 >夢とか  そういえば、白黒の夢を見る人がいるというのだが。本当なのだろうか。  僕の夢はフルカラー。音、匂い、触感、温感、冷感、五感付き。  夢の中では痛みを感じないというけれど、なにやら最近、夢の中でも痛みを感じられるようになってきた。ほっぺをつねると痛いもんだから、一般に言われる「ほっぺをつねる」という判別法じゃ、夢かどうか判別できない。  ただし痛みといっても、激痛まではないので、ペンチかなにかでぎりぎりやれば判明する。一定以上には痛くならないので。  ちなみに僕の夢判別法は、「分解したことのない機械をバラす」というもの。分解した覚えのない機械の中身は、なんかそれっぽく詰まってはいるのだけど、意外性がない。それでわかる。あと「バラそう」とか思うと、工具も使っていないのに途中経過をはしょって、いきなりバラされていたりするので、それでもわかる。  ちなみに夢の中であっても、もちろん、なにか見たら脳内描写は続行中。 -------------------------------------------------------------------------------- 入室希望宣言 No.7883 投稿日 2004年4月17日(土)02時49分 投稿者 春日秋人  はじめまして。春日秋人です。  高専四年の十八歳、男です。  小説に目覚めたのは中2のことで、そのときからすでに作家になろうと思っていました。  その後、富士見ファンタジア長編小説大賞に二回投稿して、自分の実力を知り、書けなくなりました。思い立っては書こうとするのですが、そのたびに納得がいかずに、十枚もいかないうちに書けなくなるのです。その状態が二年近く続いているのが現状です。  ただ、「作家になりたい」という意思だけが一人歩きしていました。  よみかく分室の存在を知ったのは、今月一日のことです。最初、嘘だと思いました。エイプリルフールですし、こんな都合のいい場所があるわけがないと。  現在過去ログを読みふけっております。NO2700まで読みましたが、それまでに二週間かかりました。このペースですと、すべてに目を通すにはまだ一ヶ月以上かかりそうです。できればすべて読んでから書き込みをしたかったのですが、いてもたってもいられず、こうして自己紹介、入室希望をさせていただきました。過去ログを読み切るまでは仮入室ということになるのでしょうか?  好きな作家は、秋田禎信さん、秋山瑞人さんです。  ちなみに富士見に応募した長編、自分の印象としては一作目が「スレイヤーズ」みたいなやつで、二作目が「オーフェン」みたいなやつでした。  あと、春日というハンドルネームですが、この分室には同じ「春日」という人がいましたので、区別する必要があれば秋人と呼んでください。ぼくがHNを変えればいい話なんですが、自分なりのこだわりがあるので。 -------------------------------------------------------------------------------- うおー。 No.7884 投稿日 2004年4月17日(土)11時43分 投稿者 竹井 比呂  どうしても現代ファンタジーの定義が出来ません。思考中です。一晩考えても分からなかったので、とりあえず寝ます。  とりあえず生存証明だけさせて下さい。  サボってるわけじゃなくて、一応やってるってことの証明も以下にしておきます。  下書き状態で申し訳ないんですが……問題あったら削除してくださいませ。   ・適切なキーワードを身につける力。  動詞を削ればいいのかなぁ。 どこが重要なのか見極めるのはどうやればいいんだろう……?  思考してます。解が出るきっかけすら見えないですが。 ・第三の波。  メフィスト賞の流れとか書こうと思いましたが、作品自体の解説にはならない気がするのでやめておきます。  (説明考え中) ・あらすじ2パターン  双葉さんには内容が無いので、ヘタしたら三行とかになってしまうかも?  死神はどこまで省いていいのかが分からない……。  (試行錯誤中) ・カッコいい人  カッコいい順。 1・努力をまったく要さない。結果を出した。超人の如き能力があって、女の子を簡単に助けた。 2・努力をまったく要さない。だが結果を出す。助けることに関心を持っていない。魔人の如き力がある。女の子を助けようともしなかったが、たまたま通りがかった魔人に怯えて、悪漢たちは勝手に逃げてゆくか死ぬかした。女の子は結果的に助かった。 3・努力したが、結果を出せない。貧弱な少年。女の子を助けようとしたが、助けられなかった。  余裕で助けた方がカッコよくはあります。実際のところは。  努力している場面を見ると、がんばって助けた人の方がカッコよく見えるかも。  でも、カッコいい人を書くだけでは物語として面白くありません。  貧弱な少年が助ける、が一番カッコいいでしょうね。 1・自分を助けられなかった少年を怨み続ける。そして心を病み、少年に復讐してくる。 2・自分を助けようとした少年をカッコ良いと思ったが、結果としては助けてくれなかったので、その後に恨む。 3・自分を助けようとした少年に感謝する。酷い目にあったが、少年を恨むことなく、再会したときに感謝の気持ちを伝える。 4・自分を助けようとした少年に感謝する。酷い目にあったが、少年を恨むことはない。だが自分を助けられなかったことを後悔している少年の気持ちを察して、恨んでいる演技をする。  カッコいい順としては、こうなるんでしょうけど……恨んだ方がリアルだよなぁ。  (理由考え中) ・プライドの話。  会話のポイントは、『論争をする気ではない』こと。以前にも『ただ、変な自尊心が不要であることに異論はありません』と書いております。 ・濃度について。  考え中。 ・現代ファンタジー。  これしかありえないので現代の地球上はOK  超能力者や妖怪や天使や死神など=具体的過ぎる、一般化できないか?  SF、ファンタジーもやること。  現代ファンタジーってファンタジーの一分野でしたよね?  (もはや思考の迷宮状態です)   ・うまくなりたい理由。  自己満足100%なんでしょうか。  結局、他者を満足させたい理由も、自分が満足したいから。  (うまい説明のやり方を考え中です) ・googleの方がyahooよりいい理由。  グーグルの検索は、  1.写真が出る  2.種類が多い  (他にもある気がします) ・二人の船頭。  困ったなぁ、困ったなぁ……。  感情的には新木さんに従いたいですけど、理性的には編集さんに従った方がいい気がします。  選べない。  これ、後回しじゃ駄目ですか?  (とは言いながらも考えるつもり)   ・付録:すんごい間違い。  No.7404の新木さんのコミュニケーション能力に関する書き込みは、青葉さん宛です。  ここら辺『津荒より僕はヘタ』のあたりで書きます → 『津荒さんより僕はヘタ』  (多分、他にもある。チェック中) -------------------------------------------------------------------------------- 報告だけです。 No.7885 投稿日 2004年4月17日(土)13時11分 投稿者 津荒 夕介 ○新木さんへ  了解です。  1のラスト案に新木さんの指摘を足して、短編を書きます。   -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7886 投稿日 2004年4月17日(土)14時04分 投稿者 新木 伸 >春日さん  いらっしゃいませ。  もうひとりの春日さんは、もう昔の人なので、そのまま「春日」ってことでいきましょう。参加者の中に、同時に二人、同名の人が存在するようなら、そのときに考えましょう。  ところで名前がダブるということは、ありがちな名前であるということですよね。  作家の筆名というものは、屋号です。多くの作家が、覚えてもらうための戦略を取りつつ、自分の名前を決めています。  好きだから、とか。なんとなく、とか。  そんな安直な理由で名前をつける人は、そう多くはありません。 ・あまり見かけない珍しい名前。 ・音として読むことのできる名前。 ・自分の書いてゆくものがイメージできる名前。  ふつう、この3点をクリアする名前となります。  覚えてもらうためには、珍しいものである必要があるのですが、珍しすぎて読めないものだと逆効果です。人間は名前というものを「音」として記憶するので、読めない漢字の集まりだと覚えられないのですね。  まあ、最近思うに、プロとして活動するための筆名が決められるということは、意識がプロになっているということらしいので……。デビューするまでに考えればいいことなのですけどね。  過去ログですが、古いほうを読むのは一時中断しておいて、新しいもののほうから先に読んでおいてください。とりあえず、津荒の登場以降あたりから。(これは竹井さんもね)  自己紹介に関しては、いくつか。  まず「高専」ってなにかの説明をよろしく。  僕は高専中退ですから分かりますけど、普通の人は、高専ってどんな学校なのか知らないはず。  あと、分室に対してなにを望んでいるのか。  書き出しだけちょびっと書いては中断、てなことをずっと繰り返してきたそうですが。そうなってしまう原因はなんだったのでしょう?  長編を二回は書きあげられたのに、その後、書きあげられなくなったのはなぜ?  分室で修行すると、これが改善できると思っているわけですよね。  なぜ、どういう仕組みによって、改善されると考えているのでしょうか?  あと、作家になりたいのは、なぜ?  高専に通っているなら、自分の将来をエンジニアとすることを、自分自身で決定しているはずですけど。中学三年生のときに。すでに。  進路変更したということでしょうか?  しかしそれなら、いまだに在籍しているのは、なぜ?  調理師の専門学校に通っている人が、「僕はコックを目指しています」と言うかわりに、「僕は自動車整備工を目指しているのです」と言ってしまうぐらい、変なカンジがするのですけど。  なら自動車整備士の専門学校行けよ、みたいな。  もしくは大学の文系に通っている人が、理論物理学者を目指している、とか。  美大に通っている人が、「F1レーサーになりたいんです」と言ってみたりするとか。  現実から逃げるために作家を目指すのなら――。就職するよりも楽そうだから目指すのであれば、やるだけ無駄ってもんですよ。  小説家っていうのは職業のひとつです。そんな甘いもんじゃないです。  逃げこんでみた先が、もっと大変だった――なんてことになりかねません。  卒業して、就職しといたほうが、遥かに楽だと思いますけど。  一般的には、誰かに雇ってお給料を貰う仕事に就くよりも、独立自営で開業するほうが、より厳しく、より大変であるとされています。  技術者として就職する道は、雇われ人(サラリーマン)を目指す道ですよね。  小説家として身を立てる道は、独立自営の道なわけです。  いわば春日さんは、いま、自分で「会社」を興そうとしているわけですけど。  その自覚、あります?  実際、小説家ってのは、毎年三月には、自営業の人たちと肩を並べて、税務署に青色申告をやりにいくわけですね。  職業区分としては、しっかり「自営業」となっていますし。 (このへん竹井さんも、認識が甘いんだよなぁ。独立自営を果たした後で、誰かから教えてもらえるはず、ないじゃん。変でしょ。それは)  こんな話をしても、わけがわからないかもしれませんが……。  プロである僕にしてみると、春日さんや竹井さんの意識の低さが、わけがわからないのですね。  高校生であろうが、大学生であろうが、一八歳であろうが、二十歳であろうが、「事業を興して、会社を作ろうと思うのです」と言ったなら、年齢だとか、立場だとか、そんなことは口にした瞬間に関係なくなって、それ以降は、一人の事業主(見習い)として扱われるわけですけど。  身近にいませんか? 大学在学中に会社を興しちゃうような人とか。  分室に来て、プロ志望です――と口にすることも、同じようなことなわけですけど。  いきなり厳しい質問ばかりですが。  まあ、ここのメンツの誰もが経験している「小説ジム」の洗礼が、人より早めに、最初の一発目に来ちゃったのだと思ってください。  回答、待っています。 >竹井さん >物を考えるということ  考えてもわからないことだとか、そもそも説明不能なことだとか、そんな難しいことは、僕は訊いていません。  うん。まあ。  いま精一杯考えている、というところまでは疑いませんけど。  ただ、答えが出せないということは「思考の濃度」が足りていないということで、これもまた厳然たる事実です。  この業界「頑張りました」なんて言葉は、クソの役にも立たないので、結果を出してくださいね〜。  まったく頑張らず鼻歌まじりでいながら「結果」を出してもいいし、死ぬほど頑張って「結果」を出してもいいし、どちらも個人の自由です。「結果」以外の部分は誰も見ないし、誰も気にしません。とてもクールで、とても快適な世界です。  僕も分室に書くサンプル小説やら、リライトやらなら、鼻歌まじりに五分で朝食の前に書いていたりしてますけど。それで「結果」を出してますけど。  仕事のほうは、内緒ですけど、ひーこら言いつつ書いています。(そのうち仕事の執筆のほうも、鼻歌まじりにできるようになるといいなぁ)  んで、ちょっと叱っておきますけど。  「考えています」「試行錯誤中」「思考の迷宮状態」――。  こんなふうに言ってみたところで、「そうか。できないか。ならもう休め。じゃあ出席番号の次のやつ、黒板の前に出て答えろ」――てなふうには、なりませんので。  なにか学生の処世術的な意味合いで、こんなふうなことを書いているのなら……。  そのポーズのことを、誰も目に入れず、気にもしませんので。  「頑張ったと言えば許してもらえる」というルールは、通用しませんので。  そのつもりで。  竹井さんのやるべきことは、どうすれば僕に許してもらえるか考えることではなく――。  自分自身で答えを出せるようになるためには、なにをすべきなのか、その訓練方法を考え出して、実践してゆくことです。  まず竹井さんは、「考える」という行為に慣れないといけないですね。  とりあえず、それが最優先課題かな。  小説を書くという以前に、普通の書きこみをするのに必要な「思考濃度」を、一晩掛けても二晩掛けても、出してこれないわけです。どれだけ時間を掛けても達成できない。  実際の練習に入る前に、これをクリアしておかないと……。  掲示板上におけるコミュニケートもできませんし。ちょっと深く突っ込んで訊いてみると、すぐ「わかりません」となってしまうのでは、話になりません。  ヒーローとは? カッコいい人とは?  ファンタジーの自分的定義とは? 現代ファンタジーとは?  第三の波とは? 西尾維新と佐藤友哉のどこが好きなのか?  「考えかた」を身につけるためには、とにかく考えるしかないわけですが……。  ただ考えていたって身に付きません。考えかたを研究していこうという姿勢が必要です。これは学校では教えてくれないことなので……。  考えかたを素早く身につけようとするなら、いくつか方法はあります。  他の人がどうやって考えて、答えにたどり着いているのか。それを知って、自分もそのやりかたで考えてみるとか。  分室では「思考開示」という用語で、問題解決に至る道筋を垂れ流す行為が奨励されています。後の人の役に立つようにと。  また僕なんかが出している質問などは、筋道立てて考えてゆくときのとっかかりとなるものだったりします。  たとえば「現代ファンタジーとはなんだろう?」と考えてゆくときには、僕は、色々なパターンを出してみて、なにを変えると「現代ファンタジー」ではなくなってしまうのか、その臨界条件を探ってゆく方向で考えてみるわけですね。  また「ヒーローってなんだろう?」と考えてゆくときには、「カッコいい」の条件を探ってみるわけです。ある出来事を色々なパターンで考えてみて、カッコいい順に並べ替えてみるとか。そういうことをしてみるわけです。  言われたことを、ただやっているだけだと、考えかたは身に付きませんよ。  「なんでこんなことをさせられているのだろう?」と、自分のしていることの意味を考えて、理由を自分で見つけださないと。 >GOOGLEとYAHOOの違い >>googleの方がyahooよりいい理由 >>グーグルの検索は、 >>1.写真が出る >>2.種類が多い  僕は「違い」を訊いたのであって、良い理由を聞いているのではありません。  ていうか、その質問自体が、考えかたの取っかかりであって、ヒントなんですけど。  GOOGLEがYAHOOよりも、調べ物をするときに使い勝手が良くなる理由は、両者の「違い」にあります。  写真が出るとか、種類が多い(ってなんの種類のことなのやら)というのは、表面的な違いですね。  もっと本質的で、根本的な違いがあります。  それは、なんですか? >考えかた、整理の仕方  いま抱えていて、回答しなければならない問題を、すべてリストアップしてくること。  そうしたら、すべての問題を色々な観点において、並べ替えてみること。  重要度順。  難しい順。  答えたい/考えたい順。  他にも意味のある観点はありますか? あったらその順番でもソート(並べ替え)してみること。 -------------------------------------------------------------------------------- フレディが来るよ No.7887 投稿日 2004年4月18日(日)00時07分 投稿者 弟切 千隼  体調が快復しつつある弟切です。覚醒時に夢が侵蝕してくることは、一昨日以来ありません。  現実に侵蝕してくる夢、というネタでは、ホラー映画の『エルム街の悪夢』が有名ですね。弟切は、シリーズ化された作品のうち、最初のだけ観ています。超現実的な悪夢の恐怖にめげず、立ち向かうヒロインが好きでした(^_^) >描写課題「親切」  書き直しました。課題部屋のNo.893に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=893&e=res&lp=883&st=0  書き直すに当たっては、以下のことに気を使いました。 1)従業員が二人くらいしかいない小さなスーパーではなく、それなりに大きなスーパーの感じを出すこと。 2)主人公の心理描写。特に、おばあさんの荷物を持つべきかどうか考えているところ。 3)視点。主人公寄りの三人称のつもり。主人公と同じ知識・人格を持つ幽霊が、主人公の肩越しに見ている感じ。  皆さんの御指摘を待ちます。 -------------------------------------------------------------------------------- 回答 No.7888 投稿日 2004年4月18日(日)01時06分 投稿者 春日秋人 ・高専について  高専というのは、工業高等専門学校の略称です。  高校と大学の中間といえばわかりやすいでしょうか。  5年制で、卒業すると短大を卒業したのと同じようにみなされます。5年かよったあとも試験に通れば専攻科というのがありまして、そこを卒業すると大学卒といった感じです。  工業高校との違いは、やはり5年制というところでしょうか。1年の頃は数学の進みが以上に早いことを除けば、工業高校とそう変わりはないんでしょうが、二年三年とだんだん専門科目が増えていきます。まあ、「専門」というくらいですので。  寮もあって、県内の遠くから来ている人もいます。寮生で1年のときはめちゃくちゃ挨拶させられます。  ひとむかし前には、高専出の学生は大卒よりもひいきされることもあったようですが、最近はそうでもないようですね。  あと3年を修了すれば高卒の資格がもらえますので、そこで大学に入学する人もいますね。逆に工業高校から4年生へ編入してくる人もいます。  また、忘れちゃいけない最大の特色というものがあります。  高専病というのを知っていますか?  これにかかると可愛くない女の子が可愛く見えてくる症状があらわれるのです。毎年何人もの高専生がこれに犯されています。  それはなぜか。  答えは簡単、女子が少ないんですね。いま僕のクラスには46人中5人(うち1人は留学生)しか女子がいません。学年があがっても、同じ科の学生が集められているため、クラス替えがなく、変化もありません。まあ、僕のクラスはまだマシなほうで、機械科にいたっては1人。でも情報科にはそれなりにいますね。  ちなみに僕は電子制御科です。各分野を浅く広く勉強する、なんとも中途半端な科です。よく言えばオールマイティー。  科については、それぞれの高専で違っていたりするので、女の子ばかりの科がある高専ってのもあるかもしれませんねー(妄想)  そういえば、よく猫が住み着きますね。そういう猫は高専猫と呼ばれて親しまれます。でもいつの間にかいなくなっていると、それはきっと「ニャンバーグ」にされたのですよ。  なんだか話がどんどんマニアックな方向に行きはじめたので、ここら辺で。 ・分室に対してなにを望んでいるのか  書き出しだけでちょびっと書いて中断。それを繰り返していた原因ははっきりしています。  自分の思うようなものが書けないからです。  長編を二本書いたと言いましたが、いま考えればあれはとても書き上げたというほどのものではありません。もちろん、当時の自分はそれが最高のものだと信じていたのでしょう。その時は恋愛中みたいなもので、相手の欠点なんかこれっぽっちも見えてなかったんですね。  三作目を書いていて、はっと気づいたんですよ。求めるだけじゃだめだって。  こいつを美しくしてやろうって、思ったんですよ。  現実には「こんなんで新人賞がとれるか!」って気づいたってことですけど。  それからは、まずできることとして、本を読んでいました。小説を書いてるときって、ほとんど読めませんから。  それでときたま、よし! いまなら書けるはず! ……ダメダ! というのを繰り返していたというわけです。  プロットもろくに立てずに、最後のシーンだけイメージして書き出していましたから、当然の末路だったようには思います。  甘ちゃんだったわけです。  本気でプロ目指してんならそんな間違いを繰り返してんじゃねーよ、と言われれば返す言葉はありません。  分室で修行することで、プロットを作れるようになれば、とにかく最後まで書き上げることができるようになると思うのです。というかこれまで、独学でやってやると妙に意地になっていた部分があって、そのくせ明かりを持っていないものあから、どこに進めばいいのかもわからずに迷走していたのです。  分室の存在は僕にとって、明かりなのです。どうすれば上手く書けるようになるのだろうと悩んでいた僕が見つけた、確かな手ごたえを感じられる修行場なのです。 ・なぜ、作家になりたいのか  なりたいから、なりたい。  一度なると決めたからには、あきらめたりできません。  べつに、現実から逃げるために作家を目指すというわけではないのです。  ではなぜ、高専にいるのかといえば、作家の次になりたいものってなんだ? と考えたとき漠然と、機械いじりかなー、と思ったわけです。それに高専だといったん入ってしまえば、大学受験に悩まされることもないと思いましたし。  なぜ高専に在籍しているのかといえば、はっきり言って、保険です。突かれれば痛いところではあります。  新木さんの出した例は、確かに変な感じがします。ですが、調理師専門学校に通っている人が、「作家になりたいんです。二番目はコックです」と言ってはいけないのでしょうか?  作家は誰でも覚悟して努力すればなれるというものではないと思います。いえ、努力でなれるものだとしても、そこにたどり着くまでに何年もかかる人もいるでしょう。僕は何年もかかるかもしれません。けれどもしかしたらある日ふいに覚醒して、さっさとデビューできるかもしれません。  でも何年もかかってしまう場合、それまで食っていかねばなりません。死んだら作家になれないのですから。  その食っていくための職がエンジニアではいけないのでしょうか?  高専を卒業したら作家にはなれないのですか?  なれないというのなら、僕も中退してやりますよ。 -------------------------------------------------------------------------------- >辻斬り羽矢野 No.7889 投稿日 2004年4月18日(日)02時02分 投稿者 新木 伸  敬語調で、向こうに書こうとしたら、自分で気持ち悪くなったので、こっちに呼び捨てで書くことにする。  まー、私信でやっても良い内容ではあるのだけど。  見えるところに書いておくか。 >羽矢野  問題があったら、削除することで知らせてほしい、という件。  それもいわゆる責任放棄ってものだろう。文責は取っていたとしても、他の責任を取ってないだろ。  問題があるかどうかの判断を、他人に丸投げするな。自分で判断しろ。  それができないっていうなら、いっそ「ROM」名で書いてくれればいいんだよな。  そしたら問題があったら、片っ端から消してゆくから。判断の責任を取れなんてことも言いださないから。  無論、思うところがあれば、俺はなにか言うし。注意はするし。直す気のある人間には直るまで言い続けるし。  もし注意もしたくない、関わりたくないと思ったら、「失せろ」ってその場で言うし。  そういう面では信頼して任せてくれてもいいのだけど。  しかし他人(俺)に注意されなかったとしても、自分で判断して、自分で決めてくれるようでなければ、俺としても困るわけよ。  そうでなかったら、人間として、最低限の敬意も払えんでしょーが。自分で考え、自分で判断し、自分で責任まで取るのが人間ってもんだし。一個欠けてしまっていたら、それは人間っていわない。  ちなみに、いま感想部屋は試験運用中なもので。  方向を模索するために、なんとなく手放しでやっているところ。体質や雰囲気を良い(と思われる)方向に向けるために、軽く誘導をかけたりはしてるけど。  羽矢野、不器用なもんだから、分室や「よみかく」の感想掲示板やら、いつでもどこでもやってる、いつもと同じ調子でやってしまったわけだけど。  黎明期にそれをやられてしまうと、あの場所の雰囲気がそれで固まっちゃうわけね。後から来る人は、すでにいる人たちのやっていることを見て、「ここではこうするのがマナーなのね」と、そう学習してしまう。  そもそも、羽矢野と2号とが知り合いであるということを知らない人も読むということを考えよう。いま分室を見ている人の中には、「羽矢野って誰よ?」って人も3分の1ぐらいは存在すると思われる。2号は時の人だから、知らない人はいないだろうけどね。  そうすると、「なるほど。ここは初対面でも気にしないでいい場所なのだな」と、そう判断される。  分室は、たしかにそういう場所だわな。  礼儀なんていう、人間関係の潤滑油程度の役しか果たさないものよりも、忌憚ない本音の意見のほうが遥かに貴重であるという、そうした主義で駆動されている場所だ。  分室式に羽矢野のことを染めちゃって、指摘者‐新木伸の劣化コピーを作っちゃったのは、俺の責任なわけだけど。  それをTPOをわきまえずに、どこででも適用させようとして、怪獣として暴れて回っているのは、羽矢野、お前の責任だよな。  俺でさえ敬語で話している場所で、なんで、やっちまうかなー?  まったく、もー。  よみかく感想掲示板にしても、課題部屋専属感想掲示板にしても。  俺の見てない他のところでも、“やっちまってる”んじゃないのかなー。心配だなー。まーいーけど。  あれをやるなら、すでに分室があるわけだよ。  あれが悪いわけではないが、あの形に固まってしまうのでは、感想部屋をわざわざ作った意味がないのだ。  分室に書きに来ることもできる人間が、より気楽に快適に書けるための感想部屋ではないのだ。分室に書きたいけれど、書くことのできない人のための感想部屋なのだな。  そのへん、わかれよ。  つまりあの感想部屋は、おまえのための場所じゃないわけ。  おまえは分室に書くこともできる人間なのだから。  本当は期待しているのは、ボードリーダーとしての見本と手本とを示すこと。だがそこまでは酷だろう。新婚生活に忙しいだろうし。  なら、せめて、借りてきた猫のように、おとなしくしてるように。 -------------------------------------------------------------------------------- >春日さん No.7890 投稿日 2004年4月18日(日)15時36分 投稿者 新木 伸 >春日さん >高専の説明  あー、だめですね。  その説明では、「高専のことを教えてください」と自分の側から願い出ていて、春日さんの語ることに耳を澄ましている人にしか伝わりませんよ。  それにしたって、いくつか疑問点が出てきます。  追加で「○○はどうなっているのですか?」などと――。訊いている側が追加質問を行って、質疑応答を繰り返さないとなりません。  そういうのは、教わるつもりの人になんとか伝えられる説明というもの。  「説明力」の強さでいうと、かなり低いランク。  小説に必要な説明力というのは、そもそも聞く気のなかった人を聞かせる気に変えてしまう力。さらに質問の余地なく一発で伝える力。  それが最低限、小説に求められる説明力です。  これは小説家だけでなく、ライターに必要とされる説明力でもあります。  そして売れる小説を書くためには、「説明力」を越える「納得力」さえ、必要となってきます。  まず、これから書くことになる文章の「設計図」を引いてから、書きだす癖をつけてください。  いきなり書き出してしまっているでしょう?  話題が散漫なんです。  思いついたことを、思いついた順番に、ただ並べているだけなんですね。  高専の学校制度について話しているかと思えば、いきなり寮生活での挨拶の話をしてくるし。女の子が少ないという話になったかと思えば、自分の専攻学科がなにかをようやく――そして唐突に持ち出してくるし。  もっと筋道立てて話せないものですか?  あなた、一応は、理系の人間でしょう?  ――って、まあ、そういったことが、春日さんの「小説を書けない」という悩みの正体なのですけど。  うーん。  プロットに代表される「構成力」っていうのは、「なにを書くか」「どう書くか」を実践してゆく能力なわけですね。  文章力と切り離されたところにあると思われがちですが、じつはふたつは陸続きなんですね。一冊を使ってなにを書くかどう書くか。そのうちの1章めにはなにをどう書くか。一章の最初のエピソードではなにをどう書くか。書き出しの数段落では、なにをどう書くか。はじめの段落ではなにをどう書くか。段落ないの一行ではなにをどう書くか。一行のうちの主語はどうするのか。述語は。修飾語は。  ――と、このように、「なにをどう書くか」という問題は、本来ひとつの陸続きの概念を、おおまかに分割しているものであり、章や段落になにを書くか決める部分を「構成力」と呼称し、段落以降ぐらいからのことを「文章力」と呼称しているわけです。  散漫な書きこみしかできない人は、散漫な話しか作れません。  話題に目標がなく、迷走しているような春日さんの文章は、レポートなどでも、激しく戒められると思うのですけど。 (※読者注:高専では毎週ごとに1〜2回の実験、実習がある。1回の実験ごとに、十数枚程度の詳細なレポート提出が求められる。それは一年生から四年生までずっと続く。3年生あたりが、最もレポート数が多い。5年生となると卒業研究のみとなり、もう授業もレポート提出もなくなる)  レポート提出とか、自分の頭を使って書いていないで、先輩たちの資産や遺産でも活用して、「賢く」くぐり抜けているのかな? まあひらたくいうと、部分丸写し+コラージュってことですが。  構成力は、レポートを書くだけでも養われるものですよ。ただし自力で書いていないとだめですが。 >高専在学のこと  作家を目指しつつ、他のことをやってはいけないのか。  春日さんについて、僕がこれまでに聞かされていたことは、「作家志望である」ということと、「高専に通っている」ということの2点ですよね。  いますぐに作家になりたいのか、それとも何年計画でなるつもりでいるのか、そういうことは聞かされていませんし。  春日さんも、言っていませんし。  作家になるということは、自営業を興すことだと言いました。  学校の在学中に、会社を興そうとしている人の話をしましたけど。いわゆるベンチャービジネスってやつですね。  いまなら二足歩行のロボットあたりでしょうか。物体認識、音声認識もこなして、操縦可能な小型ロボットを民生品として、自動車ぐらいの低価格で、高価なオモチャとして売り出すことを目指す会社だとか。ゆくゆくは家事手伝いもできるようなものを作ろうとしているとか。ロボバトル用の汎用素体で商売をするとか。  個人の技術でも、二足歩行ロボットは実現していますし。大会も行われていますし。いまなら十分可能っぽいですよね。機械屋、電気屋、ソフト屋が分業して協力すれば、そう夢でもないでしょう。  電子制御学科ということですので、最大限に生かせそうな商売を考えてみましたが。  そんなふうに、会社を興そうとしている人がいたとします。  まあ、とにかく本人は、口ではそう言っているわけです。  ――で、その人が高専に在籍していたとしますね。  そして高専に在籍しているのは、「保険」なのだという。  しかし、いったいなんのための「保険」なのでしょうか?  ベンチャービジネスの会社を興して、失敗したときのための保険?  それともベンチャービジネス業界に「就職」できなかったときのための保険?  会社を興すのは一瞬です。登記してくるだけ。  自営業なら登記さえ不要です。いまこの瞬間にも、「二足歩行ロボットを製作販売する個人事業」を開業することもできるわけです。  しかし、在学中に会社を興すとか、そんなことを言い始めた人には、まわりはまず、こう言うはずです。「やめとけ」と。「夢見てんじゃねーよ」と。  小説家というのは、自営業です。  いますぐにでも、誰にでも、開業できます。「私はプロ作家です」と口にすれば、その瞬間から、もう誰でもプロ作家です。  作家になりたいと言うなら、いますぐにでもなることができます。誰でも。もちろん春日さんにでも。  歩いて、走って、上手に転倒して受け身も取れて、自力で起きあがってきて、物を避けて進むことができて、呼べば人間を認識して近づいてくる二足歩行ロボットの現物でも作って、1台50万ぐらいの値段を付けてみれば、バカスカと注文が入るわけですよ。  でも二、三歩で転倒してしまうような「へんな物体」に50万円の値段を付けていたところで、売れないでしょうね。  しかしこの会社が「ロボット開発会社」であるかと問われれば、答えはYESなわけです。赤字ですけど。会社は会社ですので。  自営業として開業するということと、その商売が成り立つかということは別です。  しかし、プロ作家になるだけであれば、春日さんにも、いますぐになれるわけです。  ――で、プロ作家になりたいのであれば、いま、言ってください。  「私はプロ作家である」と。  そうしたら、春日さんは、その瞬間からプロ作家です。  書きあげた長編小説、二編ほど、ありますよね? それが商品です。誰か買ってくれる相手を探してください。見つかったら、売りつけること。出版契約を結ぶわけです。印税は本の定価の10%が基本です。  原稿を本に仕立てあげるとか、流通ルートに乗せて販売するとか、そういったことは、出版社がすべて熟知しています。作家は関知しなくていいです。作家の仕事は製品を作ることだけ。原稿を出版社に渡すだけ。  本に600円の定価がついて、3万部ほど売ってもらえたなら、およそ180万円の印税が著者の手に入ってきます。所得税が源泉徴収されますから、15%ぐらい目減りして、153万ぐらいに減っちゃいます。がしかし、消費税が付いてくるので、5%増えて160万円に増えます。年間総売上が1000万以下であれば、消費税は国庫に納めずに済むので、着服しちゃったりすると、ちょっと得になります。  また自費出版という道もあるわけですよ。  編集、製本、流通、営業活動――このあたりの出版社がやってくれる仕事を自分自身で行うことで、書店の店頭に本を並べて売るわけです。  これなら出版社を探さなくても済みます。  書店と交渉して置いてもらうのが、一苦労ですけど。  さらに僕的にはあまりいい印象を持っていないのですが、同人誌商売という道もありますよね。二次創作だと版権が絡んでややこしくなるので、オリジナルの創作系の話に限定しますけど。  印刷所に原稿を持ちこんで、製本してもらって、即売会の会場に乗り込んでいって売り子をするわけです。お客さんに直接、買っていってもらいます。  つまり、なにを言いたいのかというと――。  「プロ作家」になりたいのなら、いますぐにだって、なれるでしょ?  ――てな話。  いったい、なにを待っているのですか?  明らかに、なにかを待っていますよね? 春日さんって。  なにか自分に「作家能力」が発現するのを待っているようにも見受けられますし、実力が付くことを待っているようにも見受けられます。  それとも、待っているのは、他のなにかなのでしょうか。  よくわかりませんし。わけもわかりませんが。  どこかの誰かが、自分にたいして「採用通知」を発行してくれることを待っているのでしたら、そんなもん、誰もくれやしませんから、待つだけ無駄ってものですよ。  プロ作家になるということは、就職活動で会社巡りをして、採用通知が届くのを待っていることとは、訳が違うんです。  新人賞がメジャーとなった弊害なのかな?  「プロ作家」という職業に「就職させて」もらうつもりの、自称「作家志望者」――実質「作家希望者」が、こんなにたくさん湧いて出てくるのって。 >なぜ作家になりたいのか  上でも書きましたが。  「私はプロ作家である」と、まず言ってみてください。  はい。そしたら、もうあなたはプロ作家です。  春日さんは作家になりたかったわけですね。  はい。いま、なれました。  おめでとうございます。  べつに茶化しているわけではなくて――。  僕なんかも、実際、そんなもんだったわけです。プロであるかどうかという線引きは、自分の心の中にあるものです。僕も過去のどこかの時点で、「自分はプロ作家である」と思った、スイッチの切り替わった瞬間がありました。「新木 伸」という名を、初めて名乗った瞬間がそうですけど。  これが「ラーメン屋になる」とかいう決意ですと、実際に店舗がないことには、「ラーメン屋のオヤジ」を名乗ることもできませんから……。開業資金やら、調理器具やら、材料の仕入れルートやら、なんやら、いろいろと「プロのラーメン屋」を名乗るために必要な条件がありますけど。  プロ作家なんてものは、名刺一枚刷って、肩書きのところに「小説家」と書いておけば、もう自他共に認めるプロ小説家なんですね。  ゴム紐をスーツケースに詰め込んで、訪問販売を開始したら、立派なセールスマンと認識されるのと同じことです。  小説なんて、パソコンがあれば、誰だって書けるものですし。  パソコンさえいらない。100円のボールペンが一本と、広告チラシの裏紙があれば、小説は書けます。  ――で。  「春日秋人」は、いま念願が叶って、プロ作家となったわけですが。  これから、どうするわけですか?  願いが叶って、プロになりました。  プロになって、次にすることは?  ちなみに僕がプロになって、最初のうちにしたことは、「小説収入だけで食っていけるようにする」ことでした。  具体的には、単行本を出す。――ということです。  プロとなって自営をはじめた当初は、雑誌連載の仕事が一本きりでしたので。2ヶ月に1回。各回原稿用紙22.5枚。単価1枚5千円。  収入は2ヶ月ごとに、11万2500円。毎月の収入は手取り5万円。(それだけでは足りないので、他にアルバイトをしていましたが)  単行本を定期的に出して、その印税だけで食っていけるようになったのは、デビューして4年目くらいだったでしょうか。親元から離れて自立して、さらに彼女に借金して生活していた状態からも脱したのが、だいたいそのあたりです。  ――で、いまめでたくプロ作家となった「春日秋人」ですが。  次に、なにを目指すのですか? -------------------------------------------------------------------------------- 新木さんへ No.7891 投稿日 2004年4月18日(日)19時19分 投稿者 春日秋人 >高専について(再)  えー、まず高専というのは高等専門学校の略ですね。どの高専のホームページを見ても、見た限りでは「高専」と略されているので、これはかなり公的な略語なのではないかと思います。  さて本題です。  高専とはいったいなにを目的として、そのためにどのようなことを実際におこなっているのか。簡潔に説明させてもらいますと、優秀な技術者を育てるために、五年間の一貫教育をおこなっております。  はい、これだけではなんのことかわかりませんね。優秀な技術者と一口にいっても様々ですし、そのためにどうして5年間の一貫教育をおこなう必然があるのか、チンプンカンプンだと思いますから。  ここでいう優秀な技術者とは、豊かな想像力と広い視野を持った技術者のことです。つまり、頭のやわらかい技術者。そういう技術者を育てるために、高専では専門科目と一般科目をバランスよく学ぶのです。  そうして習得する内容は大学の教育課程に引けをとりません。  これは高校→工業大学の間にある受験勉強などに邪魔されないからできることでもあります。そのための5年間なわけですね。  高専の目的について書くとこんなところでしょうか。なぜ高専ができたのかといえば、工業の成長がいちじるしい時期に即戦力となる多くの技術者の育成が目的だったわけで、そういう理念に基づいた学習カリキュラムになているわけですね。  うーむ。僕の認識としては、ここを出ればとりあえず技術者になれるかな、くらいにしか思っていなかったですから、いざ説明を求められると、なにを話せばいいのやらと……  実際、ネットの検索で「高専とは」とかやると、もっとわかりやすく詳しく書いてあるのがいくらでも出てきます。 >めでたくプロ作家になった「春日秋人」  会社って、興しただけでは意味がないです。お客がいて、商品の受注があって、初めて機能すると思います。いまの僕にお客さんは1人もいません。  そんなプロ作家「春日秋人」を知っているのは僕自身でしかないわけです。でも僕は大勢の他人に「おまえはプロ作家だ」と言われたがっています。それもお世辞ではなく、心の底から言ってもらいたいのです。  じゃあ、どうしよう?  僕は看板を出そうと思いました。宣伝文句は「新人賞受賞」です。  これでただの民家だったものが店らしくなりました。春日秋人は新人賞受賞プロ作家になりました。お客さんも店内に入ってくれます。宣伝文句に興味を持ったお客さんは、商品を手に取るくらいはしてくれるはずです。ひょっとすると、お金を出して買ってくれるかもしれません。  しかし僕は今、なんの看板も持っていません。その看板を手に入れるためには、山を登らなければなりませんが、そのための体力も技術もありません。  看板がないと、誰もそれが店だと認めてくれません。  じゃあ、どうする?  山に登れるようになるしかありません。  というわけで、山を目指します。 -------------------------------------------------------------------------------- 答、出せた(つもり)。ファンタジーの定義に自信あり。 No.7892 投稿日 2004年4月18日(日)23時22分 投稿者 竹井 比呂  並べてみました。他の並べ方(話題の新鮮度順など)も思いつきますけど、あまり意味のない並べ方だと判断しましたので、それで並べるのはしません。  ・重要度順。 1.双葉さんと死神、あらすじ二つ。 2.ファンタジー、SF、現代ファンタジーの定義。 3.カッコいい人関連の話。 4.プライドの話、ひいては上手くなりたい理由。 5.思考濃度について。 6.適切なキーワードを身につけること。 7.googleとyahooの違い。 8.佐藤友哉と西尾維新の宣伝。 9.二人の船頭。  基本的に、『自分に直接関係すること>自分に間接的に関係すること』、『やり残してること>最近出てきたこと』で並んでます。  ・難しい順。 1.ファンタジー、SF、現代ファンタジーの定義。 2.googleとyahooの違い。 3.佐藤友哉と西尾維新の宣伝。 4.カッコいい人関連の話。 5.プライドの話、ひいては上手くなりたい理由。 6.適切なキーワードを身につけること。 7.思考濃度について。 8.二人の船頭。 9.双葉さんと死神、あらすじ二つ。  今まで深く考えてこなかったことに関して、説明をするのが難しいです。    ・答えたい/考えたい順。  重要度順と同じです。なぜなら、重要なことを答えた方がためになるから。  では早速新木さんにレス。 ・カッコいい人の話。  『悪漢に襲われた少女を、少年が助ける』というシチュエーションにおいて、どういった人物がカッコよく見えるか、という話題です。  新木さんから頂いたサンプルを、カッコいい順で並べます。  まず、少年から。 1.努力をまったく要さない。結果を出した。超人の如き能力があって、女の子を簡単に助けた。 2.努力をまったく要さない。だが結果を出す。助けることに関心を持っていない。魔人の如き力がある。女の子を助けようともしなかったが、たまたま通りがかった魔人に怯えて、悪漢たちは勝手に逃げてゆくか死ぬかした。女の子は結果的に助かった。 3.努力したが、結果を出せない。貧弱な少年。女の子を助けようとしたが、助けられなかった。  こう格付けした理由。  出来ない奴より出来る奴の方がカッコいいに決まっています。勉強が出来る奴と出来ない奴、どっちがカッコいいかは分かりきったことでしょう。  よって、カッコよさ度の大きさは『助けられた>助けられなかった』となります。  では次、助ける気持ちがあって助けた者と、助ける気持ちが無くて助けた者、どっちがカッコいいのでしょう。  助ける気持ちがあって助けた者の方がカッコいいです。  それはなぜか。  竹井が育ってきた日本という国が、利他的行動をよしとする所だからです。  『日本は仏教の国であり、また、その国民的性質は仏教の影響を色濃く受けたもの』ということは皆さんご存知だと思います。  『小乗仏教、大乗仏教』なんて言葉を聞いたことが無いでしょうか?  実は仏教には悟りに至る方法が、二つあるのです。  大まかにいって、 1.他人を助けて徳を積むこと 2.自分一人で一生懸命修行すること  の二つです。  1の方法を使って悟りに至ろうとするのが、大乗仏教。  2の方法を使って悟りに至ろうとするのが、小乗仏教。  そう呼ばれています。  そして、日本の仏教は、大乗仏教です。  その為、日本には他人を助けることをよしとする風潮があります。  竹井は日本人ですので、他人を助けようとするものの方が、カッコよく見えるというわけです。  少女はまた後日。 ・SF、ファンタジー、現代ファンタジー、その定義。  ファンタジーとは、科学的に証明できないことが起こる物語。  現代ファンタジーとは、ファンタジーの中の一分野で、舞台を現代の地球上としたもの。    SFとは、科学的に証明できることが起こる物語。  以上!  上記の定義に至るまでの思考展開の経緯は、次回にまわします。 ・考え中、試行錯誤中、思考の迷宮……で、だから?  学生なりの処世術として使っていたつもりではありません。しっかり自分なりの答えを出す覚悟は出来ています。  誤読させるような文章を書いてしまったというその一点において、謝っておきます。  ごめんなさい。  もちろん、謝ったからといって何ということはないんですけどね。  分室は『プロ作家を輩出すること』、その一点のみを目標とした場所ですので、「すいませんでした」なんて謝っても意味がありません。  なぜなら、謝ったからといってプロになれるわけではないから。  弟子が本当に申し訳ないと思うのなら、師匠が望む結果を出すしかありません。  やりますよ、ふふっ(不敵な笑み)。  他にもやることはありますが、今日のとこはこんなもんで寝たいと思います。  なーんか具合悪くなってきたんですよ。頭がグルグルします。知恵熱ですかね?    自分で勝手に課題にしてたこと。 ・適切なキーワードを見つけるコツ。  全然分かりません。分かったら書き込みます。 -------------------------------------------------------------------------------- 『スターウォーズ』の展覧会を観てきました。 No.7893 投稿日 2004年4月19日(月)02時03分 投稿者 弟切 千隼  今、東京の上野公園にある国立科学博物館で、「スターウォーズ 科学と芸術」という展覧会を開催しています。弟切はこの展覧会を観てきました。  実際に撮影に使われたという模型や衣装を観て、ほんの少ししか画面に映らないものでも、とても精巧に作られていることを確認しました。また、映画に登場する宇宙船や様々な生物が、どのような必然性をもってそのような形をしているのか、極めて綿密に考証されていることもわかりました。  私たちの目を楽しませてくれる『スターウォーズ』の画面は、とてつもない手間をかけて作られています。  例えば、『スターウォーズ 帝国の逆襲』の冒頭に、氷の惑星ホスで、帝国軍が反乱軍を攻める場面があります。巨大な四足歩行型の帝国軍の戦車が侵攻してくる、有名な場面です。  10分間ほどのこの場面は、撮影するのに15ヶ月かけたそうです(*o*) だからこそ、あれほど生々しくて迫力があって斬新な映像ができたのだ、と、弟切は納得しました。  優れた物語を作るには、やはり、手間を惜しんではいけませんね。  国立科学博物館のサイトへ行くと、「スターウォーズ 科学と芸術」展の様子が見られます↓ http://www.kahaku.go.jp/ 2号さんへ >  課題部屋のNo.890にある「チョコより確かに」を読みました。簡単な指摘をしてみます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=890&e=res&lp=890&st=0  冒頭の《日頃の感謝と愛を、チョコレートにこめて》というキャッチコピーについて、弟切は違和感を持ちませんでした。むしろ「ありそうなコピーだ」と感じました。  こういうコピーは、店によって雰囲気が違います。はっきり言ってダサいコピーのお店もあれば、読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど甘いコピーのお店もあります。むろん、「かっこいい」とか「おしゃれ」と感じるコピーのお店もあります。中には、わけのわからない謎々みたいなコピーもあります。  《日頃の感謝と愛を、チョコレートにこめて》というコピーは、特にかっこよくはありませんし、おしゃれでもありません。高級感を出したいデパートのコピーだとしたら、ダサくてNGぎりぎりといったところでしょう。  けれども、デパートよりも庶民的なスーパーのコピーだとしたら、いい線です。本気モードの告白をする人にも、決まった恋人や伴侶がいる人にも、お世話になった男性の友人がいる人にも、幅広く訴えることができますから。 (お金がない小中学生なら、本気モードの告白にスーパーのチョコレートを買う、という選択肢はありでしょう)  エスカレーターが登場するところからして、この物語の舞台は、かなり大きなお店ですね。キャッチコピーの雰囲気と合わせて考えると、このお店は大型スーパーだと推測されます。  当然ながら、お店によって客層が違います。大型スーパーだとすれば、バレンタイン用チョコレート売り場の雰囲気は、 >>それを手に取って眺めたりしているのは、圧倒的に女性が多い。なかにはカップルも混じって、のろけたオーラを出してもいるが、まわりはあまり気にしてないようだった。   (中略) >> なかには適当にかごに放りこんでいる女性もいる。熱心に商品を見比べている人と比べて、その割合は半々ぐらいか。 で、よいでしょうか?  どうも、お客の様子が漠然としすぎていて、どんなお店なのかぴんと来ませんでした。  感想部屋で指摘されているとおり、エスカレーターに乗っているカップルが売り場を眺めている、という設定には、無理があると弟切も感じました。  エスカレーターに乗っている状態では、そんなにゆっくり売り場を眺めていられません。 竹井さんへ >  No.7892の書きこみの中に、気になる言葉がありました。小乗仏教という言葉です。  現在では、小乗仏教という言葉はほとんど用いられません。上座部[じょうざぶ]仏教という言葉が用いられます。  なぜなら、「小乗」とは、大乗仏教の側が、上座部仏教をおとしめて呼んだ呼び方だからです。小乗仏教という言葉には、差別的な意味合いがありますので、避けたほうがよいです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7894 投稿日 2004年4月19日(月)03時41分 投稿者 新木 伸 ○春日さん >高専説明とか  書きこみタイトルが「新木さんへ」となっていますが。  僕に説明して、どうするのですか(笑)。  僕は春日さんの書くことはすべて知っていますし、同じことを書くこともできるわけですけど。もし目に新しいことがあるとしたら、「いまの高専はどうなのか」てなくらいですけど。  春日さんが説明する相手は、分室読者です。  ROMまで含めて1日300名(最近増えました)の人々に対して説明するのであって、僕に説明しなくてもよろしい。 >>実際、ネットの検索で「高専とは」とかやると、もっとわかりやすく詳しく書いてあるのがいくらでも出てきます。  するとネットの検索で見つかるページの書き手より、春日さんは説明能力が劣るということですね。わざわざ自分が書いて説明するよりも、そういうページを見たほうが早いと、そういうことでしょうか。  これは言いわけですか、なんなのでしょうか。言いわけなのだとしたら、いったい誰に向けての言いわけなのでしょうか。  ちなみにこの説明能力の不足と、それに対する言いわけとを、小説に転じると……。  春日秋人は、べつに小説を書かなくたっていいのですよね。  すくなくとも書店の店頭に行けば、春日秋人よりも上手く、技術も情熱もあって、春日秋人の書くものよりも面白いものが、ごろごろと転がっているのですから。  春日秋人がいま「実弾」として持っている2作の長編小説は見ていないからわかりませんが、ネット上にだって、それらより面白いものは、ごろごろと転がっているんじゃないのかなぁ。  たしか「スレイヤーズみたいなの」と「オーフェンみたいなの」でしたよね?  たくさんありそうですよね。そういうの。  これって矛盾してると思いませんか?  高専の説明に関しては「もっと上手くわかりやすく書いている人のものを見ればいい」のに、小説に関しては「下手でつまんない自分の作品」をどうしても見せなきゃならなくなるのは、これは、なぜ?  小説に関しても、「もっと上手で面白く書いてある人のものを見ればいい」になるのではないですか? それがいちばん「読者のため」になることなのでは? >>うーむ。僕の認識としては、ここを出ればとりあえず技術者になれるかな、くらいにしか思っていなかったですから、  ある人間が、物事に対する姿勢っていうものは、どこかひとつを見れば、だいたいわかるものですけど。  なるほど。わかりました。  分室に来て修行すれば、とりあえず小説家になれるかな、くらいに思って、やって来たわけですね。  授業に出て、座って聞いていて、言われる課題をこなしていけば、小説家になれるわけですか。  そんなヌルい考えで来られると、ぶっちゃけ、迷惑で邪魔なんですけど。  「よみかく分室 説明」のところに書いてなかったかな?  ああ。ありました。ありました。 >>参加していると手取り足取り教えてくれてプロになれるなんて甘っちょろいことを考えている人は、どうぞ、回れ右してお帰りください。 >>でも僕は大勢の他人に「おまえはプロ作家だ」と言われたがっています。それもお世辞ではなく、心の底から言ってもらいたいのです。 >>看板がないと、誰もそれが店だと認めてくれません。 >>僕は看板を出そうと思いました。  えーと、つまり、「プロ作家である」と皆に認められたいわけですね。  民家の一階やガレージを使って自宅営業っぽいことなら、いますぐにでも開業できるけど……。(そんな感じで営業している小物アクセサリーショップとか、住宅地のど真ん中に、よくあったりしますよね。次に通ったときにはなくなっていたりしますけど)  しかし看板を掲げないと、店らしくならないので、とにかく看板が欲しいと。  この分室っていう場所は、「看板屋」じゃないのですけど。  「お店ごっこ」をやりたい子供に付き合ってあげるほど、こちらも暇ではないのですけど。  同業者を、ぐるりと見回しまして。  そのなかに、「プロ作家である」と認められたいがためにプロ作家をやっている人ってのは、まず見あたりませんが。  べつに看板が欲しくて店を出しているわけでもないし。店を持ちたいから、店をやっているわけでもないし。  運転免許証が欲しくて免許を取る人がいないのと、おなじようなものですよね。  バイクや車を運転したいので免許を取りに行くわけですよね。苦労して。  もし免許を取らずにバイクや車が乗り回せるのであれば、わざわざ免許なんて取りに行くはずもないのです。  「免許が欲しいんだ!」てなことを叫んで、免許を取りに行く人は――まあいないこともないでしょうけど、かなりの変人ですよね。  まあ、僕の知り合いにいましたが。普通自動車免許もバイクの免許も持っているのに、わざわざ「原付免許」を取得しに行く人。わざわざ取らなくたって、普免があれば原付には乗れるのに……。  作家としての僕は、商売がしたいわけです。  自分の小説を売りつけて、きっちり消費してもらいたい。それも可能な限り多くの人に。  小説のみで食ってゆける環境を維持するのは、創作活動により多くの時間を割けるようにするためです。  店を出すのも、ぴかぴかの看板を掲げるのも、小説を売るための手段のひとつ。  たとえば、ですね。  もし自分が資産家かなにかだったとします。働かなくても充分な生活ができる、そんな恵まれた立場だったとします。  そして自分の書いた小説を読んでもらうにあたり、商業出版よりもインターネット上の無料配布のほうが、より有利である。タダの小説なら、もっと読む人が増える。――なんてことになったとしましょう。まあ仮定の話ですけど。  そうしたら、WEB上の無料配布でいいわけですよ。店も看板もいらない。 (実際は宣伝の効果というのは巨大なので、同じ質の作品が、商業ルートと無料配布ルートの両方に乗ったら、宣伝されているほうが、より多くの人に読まれるものですけど)  春日さんは、「店の看板」を新人賞で交付してもらうつもりなのでしょうけど。  べつに看板なんてなくたって、営業はできますし。新人賞を獲らなきゃ開業してはならないなんて法はありませんし。  でも、まあ――。「店ごっこ」をやりたい人にとっては、看板の有無は大問題なのでしょうね。ピカピカの看板を載っけておかないと、店としてのカッコが付きませんし。しょんぼりですし。  春日さんは、「看板」が欲しいのですか? 箔のある店(プロ作家という肩書き)を持ちたいのですか?  それとも売文屋としての商売をしたいのですか?  どっちなのですか? >この手の話題  ちなみにこの話題。ことあるごとに繰り返していまして。春日さん宛であると同時に、他の参加者と、ROMさん宛でもあります。  ぎくり、としている人が大勢いるはず。(笑) >名前の読みとか  ところで「春日秋人」の読みって、「かすがあきひと」「かすがしゅうと」「かすがあきと」――のうち、どれでしょう? ○竹井さん >話題の並べ順とか  重要度順は、自分で重要度を決めることが大事なので、まあどんな結果でもOK。  難易度順は、そうかぁ? てなものがけっこうあったけど。  GOOGLEとYAHOOの違いなんて、調べれて判明すれば、簡単だから、難しい順なら一番下になりそうなものだけど。  あと、いちばん簡単とされているけど、あらすじを書くのが一番大変そうに思えるのだけど。  ひょっとして、並び順、逆になってたりします? 1番がいちばん簡単で、9番がいちばん難しいとか? >>・答えたい/考えたい順。 >>重要度順と同じです。なぜなら、重要なことを答えた方がためになるから。  それは「ためになる順」でしょうが。  答えたい順というのは、モチベーションというか、意欲というか、やりたい度合いというか、そういうものを訊いているわけですけど。  「ためになる」ことを「やるべき」とするのは、理性の働きによるものですよね。  予習復習や宿題なんてものは、「ためになる」から「やるべき」ではありますが、やりたいとは限らないわけです。 >>ファンタジーとは、科学的に証明できないことが起こる物語。 >>現代ファンタジーとは、ファンタジーの中の一分野で、舞台を現代の地球上としたもの。  科学的、とか書くと、「科学的とはなんぞや?」と再質問が出てきてしまいますが。  もっと平易に、「理屈で説明のつかないことがある」でいいんじゃないかなぁ。 >>分室は『プロ作家を輩出すること』、その一点のみを目標とした場所ですので、「すいませんでした」なんて謝っても意味がありません。  プロ作家を出すこと、ってのは分室の目的じゃありませんが。  そこ、勘違いしないこと。  それは分室に参加する各個人の目的ですよね。  どっちかというと、参加条件かな?  プロになることを目標にしていない人間は、そもそも、寄って来んじゃねーよ。てなところ。  分室自体の目的は、プロを目指す人間に修行の場を提供することです。  練習方法を考案すること。尻を叩いてやらせること。プロの価値基準のモノサシを供与すること。本物のプロ作家を観察する場と機会とを与えること。  ――そんなところでしょうか。  「よみかく分室 説明」のところにも、そう書いてあるつもりなんですが。  うーん。書きかたが悪いのかなぁ。よく誤解されるんだよなぁ。  まあ、書いていないもうひとつの裏の目的なんかもありまして。  参加者をダシにして、修行の練習のノウハウとメソッドを開発すること。そのメソッドを、分室の定期購読だけはしつつも、参加はしないで、自力で修行しようとしている人たちに無料配布してゆくこと。  世にはたくさんの小説作法書が出回っているわけですが……。  「かくあるべき」という理念が書かれているだけの本だとか。練習方法が紹介されていても、それは作者本人の独自なやりかたであるとか。  現実に検証済みで、誰にでも効果のあることの証明された練習法が紹介されている本っていうものは、なかなか、ないものでして。  僕は小説作法書で儲けるつもりはないので、こうして無料配布しているわけです。  修行の場を与えられて、その個人がプロになるかならないかは、各個人の問題ですし。各個人の自由ってもんですし。  そういうことは、僕の関知するところじゃないです。  ある人間を確実にプロにさせることを最大目的とするのなら、内弟子でも取って、寝食と仕事と生活とを共にするぐらい、やらなきゃいかんところですけど。  とてもそこまではやっていられないので、薄く軽く、「修行の場を提供する。練習法を紹介する」程度に留めているわけですね。  ぶっちゃけ、ここにいる連中の誰一人として、プロにならなくたって、僕はまったく困らないわけです。  実際に、本当に、まったく、なにひとつ、困りません。  考えてもみてください。僕はなにか困りますか? なにを困りそうですか?  僕自身は、いま現在、もうすでにプロなわけですよね。そしてここの誰一人としてプロにならなくたって、僕はやっぱりプロであるわけですよね。  僕の作家としての望みは、小説を書くだけで生活してゆくことであり、分室の存在やら、その成果とは、まったく関係しませんし、なんの依存もありません。  ――と、そうやって、こちらのスタンスの説明をしておけば、おたがいに、へんな依存が生じなくていいかな。  僕が貴方がたをプロにしたいと考えているはず――なんて思われていると、そちらに甘えが生じます。それは修行の邪魔ってもんです。  先に、ぶっつりと、断ち切っておきます。  ええ、もう、挫折するなら、とっとと挫折してってください。挫折したら立ち直れなくなるようなハナッタレ小僧は、この場所(プロ)に来なくていいです。  貴方がたのような甘えきってズル臭いひねたクソガキが、プロ作家になんて、なれるはずもないんです。こちとら、この中からひとりでもプロが出るなんて夢は、これっぽっちも持っていませんとも。夢を見ている貴方がたとは違って、きちんと、現実のほうを見てますんで。  ――とか、そう言っておいたほうがいいのでしょうし。  実際、本音も、そんなとこですし。  まあ、プロが出れば嬉しいし。なって欲しいとも思うし。  小説を書くことが好きな人間が、天職にありついて、プロとして身を立てることは、本人にとっても、まわりにとっても、良いことだと思うし。  しかし、単なる希望に過ぎないものを、目的であると混同したり、すり替えたりしちゃっていては、いかんでしょう。 >>弟子が本当に申し訳ないと思うのなら、師匠が望む結果を出すしかありません。  ここ、訂正しておかないといけないですよね。  弟子に取った覚えはありませんが。ていうか、そもそもまだ敬語で話しているぐらいだし。  もし弟子を名乗りたいなら、とりあえずプロデビューぐらいはしてもらわないと困りますが。スタートラインにも立てない弟子を持ってる師匠って、すげぇ、ヘタレじゃないですか。  僕も自分がプロデビューしてから、ようやく「弟子でした」とか名乗れたもんですけど。羅門祐人さんと、深沢美潮さん。  弟子っていっても、「不肖の」とかいう前置詞が付きますが。 >竹井さん、春日さん  いま予備質問などをやっているわけですけど。  そろそろ、なにか始めてゆきましょうかね。二人の性質がなんとなく見えてきましたし。  春日さんは覚悟がヌルい。世の中と人生を職業というものをナメきっているハナタレ。  竹井さんはアホ。思考するということのできない精神的貧弱モヤシ君。  最近よく見かけた自我肥大君ではないようです。年齢的に、まだそんなに自我のカサブタが厚く成長していないのかな。  ――とりあえず、そんな見立てとなっています。いま現在としては。  どっちも「小説技術以前」のことのようでして。小説技術を叩きこむ道場の主としては、ちょっと、とほほな感じなのですが。  まあ放り出してしまうまえに、すこしは、なにかやりましょう。  やっているうちに直るかもしれませんし。直りそうもないなら、放り出すのは、いつでもできますし、とっても簡単ですし。  いまのところ、続けると効果があがることが立証されているメソッドが二つあります。 ・1000字課題。 ・あらすじ写し取り。  1000字課題と、あらすじ写し取りのやりかたに関しては、最近のログを見るとわかるかと思います。2号と津荒がやっていますので。  ざっと説明すると――。  1000字課題は、40文字×25行程度で、なにかちょっとしたワンシーンを描くこと。なんに対して力を注いだのか、毎回、書いてくること。  あらすじ写し取りは、長編小説やら、漫画の読み切り短編やらを精読して、800字(短編漫画のときには400字)きっちりに書いてくること。これは20文字詰め。最後の一行まで使うこと。  あらすじは読みながら写し取ってゆくのではなく、読むときと、書くときとを分けること。読み終わってから一気にあらすじを書いてゆきます。あらすじを書くときに読み返すことは禁止です。  昔読んだ本でもかまいません。かならず再読してください。  2号と津荒とがエキスパートですので、やりかたのこととか、コツやら、工夫やら、僕よりも詳しいかも。  これを1回ごとに、交互にやっていってください。  「よしボウズたち、とりあえずサンドバッグ叩いてみろい」てなところでしょうか。  続けてゆくうちに、様子を見つつ、またなにか指示に変化があるかと思いますが。まあとりあえず、ゴールデンウイーク明けぐらいまでは、ずっとそんな感じで。  あと、せっかく同時期に同年齢で二人揃ったわけですし。  それぞれ、相手の書いたものには指摘を入れあうこと。たぶんどっちもボロボロですから、指摘するところには困らないはず。  やる量やペースとしては、自由。まあ学業のほうもあるでしょうし。あまり決めません。  毎日どれだけやってきてもいいですし、1日1個ずつでもいいですし、2日に一度でも、3日に一度でも……。あまりサボってるようだと、それを理由に追い出しますが。 -------------------------------------------------------------------------------- ダウン報告 No.7895 投稿日 2004年4月19日(月)18時41分 投稿者 名無し君2号  風邪をひきました。おまけにちっとも治らないです。  微熱も困りものですが、お腹がゆるくなってるのはもっと困りものです。体のふしぶしは痛いし。寒気は止まらないし。喉も痛いし。なんか悪夢を見るし。でも内容を覚えていないし。なにかものすごく嫌な夢を見たという感触だけが、じんわりと残っているし。  たかが風邪でダウンというのも情けない話なんですが。だって熱っていっても三十七度ちょいしかないし。なのに頭のなかはグダグダです。 >バンドもの >>俺なら主人公以外全部女にするがな。  そのあたりが作家固有の汁であり、具でありおかずであるんでしょうか。  役者の数が違う、というのもありますが、全員女性はやだなあ。でも大切なのは読者がどう思うかだよなあ……。 >>あとメインヒロインに比肩しうるパゥワァを持つキャラを出して、両巨頭にさせとくかな。主人公が成長するまで、ヒロインを抑えられる役がいないと話が破綻してしまう。  ひとつの長編で、もう主人公は成長してしまうんですが。  そうなると話を続けるのが難しくなるのか。 >>主人公が丁稚の立場からスタートする話としては、「GS美神極楽大作戦/椎名高志」てのがある。 >>シリーズ通して、4人ほど、オンナが出てきたぞ。恋愛の形の種類と配置などを盗むこと。  「GS美神」ならば全巻読んでいます。  覚えているかぎりでは―― ・美神礼子  主人公、横島を時給255円で雇っている雇用主であって、強欲で性悪でひねくれた性格かつ美形で大人の魅力をふりまく実力派ゴーストスイーパー……だったと思った。  横島の思いは「あこがれのお姉さん」。美神からは、当初は「パシリ」、のちに「パートナー」、やがて「異性として意識する」に至る。 ・おキヌちゃん  横島と同じく、美神の事務所で働いている幽霊。優しくて多少天然ボケで、真面目でかわいい。けど幽霊。ちなみに日給30円。  横島の思いは「かわいいけど幽霊だしー」。おキヌちゃんは横島を「異性として好き」。 ・花戸小鳩  横島のクラスメイト。貧乏神に取り憑かれていたが、横島の活躍で祓ったんだと思った。けなげだし尽くすし家庭的だしかわいい。  横島の思いは「しんぼうたまらん(肉欲)」だったような。小鳩は「好き」で「あこがれ」だったが、引っこみ思案だったため、思いを伝えられない。 ・ルシオラ  元魔王直属の幹部だった魔族。我が身もかえりみずに自分の命を救おうとした横島に惚れる。魔王の配下だったときは冷酷だったが、横島に惚れたら一変、人情味を見せるようになる。一度惚れたら一直線、どこまでも横島に尽くした。おまけに美形。魔族だけど。  横島も「好き」で、ルシオラに至っては「横島のためなら死ねる」状態。  ――こうだったはず。  美神は横島をずっと上から見ていたから、なかなかその良さに気づかない。横島は男としてもゴーストスイーパーとしても成長しているのに、昔の駄目だったころのままの印象で見続けてしまう。  一方、同僚という同じ立場のおキヌちゃんは、すぐに横島の魅力に気づく。そもそも実力はあんまり重視していないし、性格面に惚れたのだし。成長も見続けることができる。  小鳩の場合、むしろ助けられる側になることで、色目が入っているかもしれない。恩人だし。この段階での横島は、男としてはともかく、ゴーストスイーパーとしては大したことはなかった。  ルシオラは助けられたとはいえ、実力的には横島より全然上だった。(惚れた時点では)なので、純粋に性格に惚れたといってもいいかも。あと彼女の場合、横島が男としてもゴーストスイーパーとしても、充分に成長した段階で出会ったことになる。  なるほど。  同じような配置の物語を思いだして、参考にする。なるほど。  ほかに似たような設定の話はなかったかな……。「ダイの大冒険」のポップとか。でもあれは恋愛要素は低かったしなあ。  ダルダルですが、生存報告も兼ねまして。 -------------------------------------------------------------------------------- 覚悟がヌルい……か No.7896 投稿日 2004年4月19日(月)21時37分 投稿者 春日秋人 >言いわけのこととか  ネットで検索したページのほうがわかりやすい、というのは言いわけではありません。僕が見たのは高専自体が運営してるページで、高専がどういうところかをきちんと説明しています。説明という点では、それを読みさえすれば確かにわかります。高専のことが。  ただ、高専にまったく興味がない人にそれを読ませるには、少々カタい文章です。つまり高専にまったく興味のない人にも、最初の一文を読ませればあとは最後まで読ませてしまう。そういう文章が僕には書けないと、いったんは敗北を認めたと、それだけの意味です。  学生生活のことだったら詳しく書けるのになぁ……と、これは言いわけ。 >ごろごろ転がっている  たぶん……いえ、間違いなく僕の書いた長編二作はその底辺に埋まっているでしょう。だからもうそれを他人に見せようとは思いませんし、一作目は手書きでしたからそもそも手元にありませんし(あったとしてもとても見せられませんが)。 >読者のために 「上手で面白く書いてあるもの」だけを見てくれればいいんです。「僕の話を読め」と強制つもりはぜんぜんないです。  ただ僕は「僕の話」を見せたいわけだから、そのためには僕自身が「もっと上手で面白く書いてあるもの」を書かなくてはならない。それだけのことですよね。 >姿勢  反論はとくにありません。  ただ、技術者に対するものと作家に対するものでは熱意が違うとだけ言わせてください。まあ、それが「世の中と人生を職業というものをナメきっているハナタレ」と言われた原因なのでしょうけど。 >看板うんぬん  自分のしたいことを四六時中やるには、それを職業にして収入を得なければならないわけですよね。生活のために。  資産家だったら、たぶんプロになろうとは思わないでしょうね。自費出版やら同人誌やらで満足できてるでしょう。  けれど現実では、小説で食っていかれなければ、したくもない仕事をして時間を削られてしまう。  小説だけ書いて生きていきたいです。  そのための手段として浮かんだのが、看板だったということです。利用できるものは利用してやれと。 「プロ作家として認められたい」と書いたのは、そうならなければ商売も成立しないだろうと思っているからです。  ちなみに資産家でなくてよかったと思います。その場合、他人に楽しんでもらえる小説を書ける可能性は0%でしょうから。 >名前の読み 「かすがあきと」です。  それ以上でも以下でもありませんが、以下があるのかどうかはわかりません。 >課題  一話完結であれば、短編小説でもいいのでしょうか?  あと課題部屋のほうにアップすればいいのでしょうか?  2号さんのあと、津荒さんのあとに続ければ?  その場合、根っこから返信でいいんですよね?(実際使ったことないもので)  それとも自分用の根っこを作るのでしょうか? -------------------------------------------------------------------------------- そうか、世の中の人は「したくもない仕事をして」いるんだね。 No.7897 投稿日 2004年4月19日(月)23時07分 投稿者 鷹見一幸  春日くんとやら、初めまして。 この分室に時々ふらっと顔を出して、役に立つんだが立たないんだかよくわからない書き込みをしている、通りすがりでもなく師範代でもない、なんというかよくわからない近所のオジサンの鷹見一幸と申します。  一応「作家」に良く似た仕事をしていまして、いまのところ24冊ばかりの単行本を出させていただいています。  先日26年勤めた公務員の職を退職し、現在は駆け出し専業「雑家」です。  新木さんですらまだスタンスの取り方を計られている状態で、口を出すのもなんですし、まあ初心者で、世の中を知らないのも無理は無いと思っておりましたが。  いささかツボにきた書き込みがありましたので一言だけ。 俺は、君の書いた、この一行に向かって書き込みます。   >けれど現実では、小説で食っていかれなければ、したくもない仕事をして時間を削られてしまう。  なかなかツボにきたね、この一行は。  仕事というものを知らない、責任というものを知らない人間が、社会構造を主体とした話が書けない理由を、これほど鮮やかに切り取ってみせた言葉は無いんじゃないかな。  こんど、私の書く話に使わせていただけませんか? いや、マジで。 「自己の能力や努力の対価をもらうのが仕事であり、それには当然責任が伴うものであり、なおかつその責任を負わされることの嬉びもやりがいも、まったく感じ取る能力が無く、責任は回避するくせに評価だけを欲しがり、この世のすべてを「好き嫌い」だけで判断し、誰もみんな仕事なんか嫌々やっているに違いない。と決め付けている、くそたわけのキャラクター」  のセリフとしては、かなりの完成度だと思います。 ぶっちゃけ、君の人生だから君が好きにすればいいだけのことだよ。 でも、絶対に就職しないで欲しいな、君のような人間には 「俺はこんな仕事をしているような人間じゃないんだ。俺の本当の姿は違うんだ、ああ嫌だ嫌だこんな仕事」  と言いながら仕事をするような、そんな人間に仕事をされたんじゃ、周りが 迷惑この上ない。  だから社会と関わらない、自分の責任は全部自分に返って来る作家という仕事は実に君に向いていると思う。 なんせ作家には嫌な上司も足を引っ張る同僚もいない。 売れれば自分の実力。 そして、売れなくても当然、自分の実力。 結果がすべてで、一切他人のせいにはできない。 作品を書くのも、賞に応募するのも全部自分の責任であり自分の仕事。 作家になれば。 べストセラーに名を連ね印税で買ったスポーツカーを乗り回すのも 一冊も本を出せずに、ホームレスになって公園で行き倒れて保護されるのも 全部自分の責任だからね(笑 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7898 投稿日 2004年4月19日(月)23時43分 投稿者 新木 伸  あ。書こうとしたら、鷹見さんも書いてる(笑)。  三枝さんからも「ちょっち地雷踏まれちゃったので書きに行こうかと思ってー」とかいうメールをもらっていたりして。(笑)  三枝さんの件は、春日のほうではなく、竹井さんのほうでしたが。  今年の春の新入生は、二人揃って、かなりデキるなぁ(なにが)。  じつは三人目に、もっと“デキる人”を呼ぼうとしていたのですが。そっちは勧誘失敗でした。  僕も今回、春日には書いているので(後ろのほう参照)、問題ないですよ。>鷹見さん >2号 >>>バンドもの >>俺なら主人公以外全部女にするがな。 >>そのあたりが作家固有の汁であり、具でありおかずであるんでしょうか。  作家固有もくそもない。そんなところまで行ってない。こんなもんは基本の戦略ってもんだ。キャラ配置を考える際に、当然比較検討に上ってくる、最初の10個のプランのうちだ。二つめか、三つめか、そのあたりに真っ先に考えるべきことだ。  オマエの書くものは男の子向けであるわけだ。よって主人公以外を女の子で固めてみようか、なんてことは、小学生でも思いつくアイデアだろうが。  おまえ、キャラ配置ってもんを考えてないだろ。いま戦略もくそもない状態だろ。  1000〜3500字の課題はたくさんやっていて、ワンシーン内における「戦術」はだいぶうまくなってきたわけだが、作品やシリーズ全体を見渡す戦略は身に付いていないのだなぁ。しかしこれは、どんな練習をすれば身に付くのだろう?  「構成力」のさらに上にある概念だから、長編の筋の写し取りしていたって、身に付かんし。  戦術と戦略の違いは、辞書引けよな。 >>ひとつの長編で、もう主人公は成長してしまうんですが。 >>そうなると話を続けるのが難しくなるのか。  ばーか。ばーか。ばーか。  てめえごときの構成力で、長編一冊で人間を成長させられるはずがないだろ。  物語には、尺(枚数)に見合う変化量というものがあってだな。成長なんてものは、本来シリーズで扱うべき変化量なんだよ。  それを長編一冊に押しこめることは、可能ではある。それをする力が構成力だ。  しかしおまえにはそれがない。練習してないし、鍛えてもいないからな。功夫がない。足りない、ではなくて、ない。いまゼロね。  ちなみに功夫(くんふー)というのは、練習することで身に付く力のことだ。  長編のただ一冊をもって、へたれの少年を英雄にまで成長させきった小説は、俺は後にも先にも一つしか見たことがない。「SF新世紀 レンズマン(上下)/吉川惣司」だ。上下巻だが。いまなら一冊分の枚数だ。  椎名高志は、いったい何冊を使って、横島を成長させていた?  ちなみに漫画本は、3冊程度が小説の一冊に相当している。  あのシリーズには、横島の成長に関わらないエピソードもたっぷりある。横島の成長に関する部分だけを抜き取ったら、何冊分となる? それを3で割った冊数が、主人公を「薄給のアルバイト奴隷」から、「ど高めの女に見合う男」にまで連れて行くのに必要な冊数というものだ。  ただし、椎名高志の「構成力」をもってしての冊数な。  お前の構成力は、椎名高志の上なのか下なのか?  構成力がないやつは、同じことを書くのに必要な冊数が増えるんだぞ。  だいたいおまえ、そもそも成長って現象が、なんだかわかっているのか?  登場人物を成長させる前に、まずてめぇ自身が成長しろ。  短編「優しい嘘」のなかで、主人公を成長させそこねて、くだらない失敗作に終わらせてしまった原因は、おまえ自身が成長ってものをわかっていなかったせいだ。  主人公が立つべき心の状態に、お前自身が立ったことがないからだ。一度もな。  なにか重大な決断を迫られた際に、おまえがしてきたことは「逃げること」だけなんだな。だからあの主人公も、逃げるしか、しなかったんだ。  書けないんだよ。作者の知らないことは。 >>役者の数が違う、というのもありますが、全員女性はやだなあ。でも大切なのは読者がどう思うかだよなあ……。  だーらオマエは、「女」というキャラクターが、一種類しかいないイキモノなんだってば。(たいていの男性作家はそんなもんだが)  全員女性というキャラ配置を「いやーん」と感じるのは、お前のプアーで貧弱な感性が原因の、卑しく縮こまった主観に基づくものであって、一般的な物の見方とはいえんのだ。  つまるところ、全員同じキャラじゃ嫌だってことだろ? そりゃそうだろうさ。俺も気持ち悪いと思うよ。それは。  お前の書く女は一種類なんだから、全員女ということは、すなわち全員が同じキャラになってしまうってことだよな。  だがそんなの、お前だけの特殊例じゃんか。  アホかい。さも正論であるかのように振りかざすなっつーの。  全員女がやだなぁ、とかいうのなら、「アニキな女」とか「弟な女」とか、そんなのを出していけばいいだけのことだろうが。  従順で気の利くショタ弟属性のキャラを、性別だけメスに変えて放りこんでおくのだ。  熊田の性別だけをメスに変え、ゴツさを減らして、美人にさせて登場させたりするのだ。  この二人はアニキと弟だから、恋愛フラグは立たんのね。単なるバンドメンバー。  恋愛対象にするのは、さすがに、心根まで女の、きちんとした女性キャラでなくては嫌だろうが――。フラグを立てないキャラであれば、元が男性キャラだってかまわないだろう。  主人公とのあいだに「友情」は芽生えるかもしれない。そして男女間の友情は愛情と誤解されやすいものだから、読者は勝手に「愛情」と読み替えて錯覚してくれる。――が、作者的には、そこに描いてあるのは単なる友情だから問題ナッシング。気持ち悪くはない。  ちなみに新キャラを、どこでどのように投入してゆくのかということも、戦略なわけだよ。  何巻でどこまで主人公を成長させるのか。どの成長段階で新しい女と出会わせるのか。  各巻一人ずつで持たせるのか。各巻ごとに2名くらいずつ出してゆくのか。新戦力の供給時期と物量なども、戦略のうちだ。 >>同じような配置の物語を思いだして、参考にする。なるほど。  ヌルいっつーの。  参考にする? 馬鹿めが。  徹底的に分析し、骨までしゃぶって、盗み尽くせ。  そのうえで一枚上を行くのだ。  「GS美神」は原点ですね。とても原始的。それを自分が洗練させました。――ぐらい、言え。  向こうは元祖かもしれませんが、本家はうちです。ぐらい、言え。  そこまでやれば、盗まれたほうも浮かばれるってもんだ。  ちなみに一歩上を行かずに、単なる劣化コピーで終わっていると、「パクリ」の烙印を押されるから要注意な。  創作っていうのは、太古の昔から、そういうことを連綿と続けて、受け継がれてきているものなわけだな。創作者っていうのは、つまり、盗人の集団なのだ。  盗んだ元の一枚上を行く――を繰り返すことで、物語というのは、進歩しつづけてゆくのだ。  盗むのは当然。だがそこに自分自身のなにかを付け加えなければならない。盗んだ100に、自分の1を付け加えて、101にしてアウトプットできないやつは、創作者と呼ばれない。それは単なる寄生虫でしかない。  あと、こういうときにこそ、藤極堂さんあたりを召還するのだ。  読者としての経験値は、俺は低いほうだし。妥当な作品がそんなに出てこない。  そしてお前はその俺よりも低いわけだし。  話にならない、とも言うが。 (ところでルシオラの仲間のチビとデカイの忘れていない? たまも、だっけか? キツネ女ね。あと犬神のシロも。あとマリアも。フラグ立ってはいないけど小龍姫様とかも) >春日 >>ただ、技術者に対するものと作家に対するものでは熱意が違うとだけ言わせてください。まあ、それが「世の中と人生を職業というものをナメきっているハナタレ」と言われた原因なのでしょうけど。  熱意、というより、それは「憧れ」だろう。  技術者ってのは、高専に3年もいれば、どんなもんだか繰り返し聞かされているわけだし。だいぶ現実的に見えてきているわけだよ。手垢がついてしまった、ともいう。  しかし「作家」という存在は、なにかキラキラとしていて、神秘的で、魅力的なものに映っているわけね。春日にとっては。  だから憧れる。  その気持ちの強さは、技術者に対する憧れとは比べものにならない。  そりゃそうだ。  しかし、熱意と憧れとは違うものなのだ。  春日が物事に対して持ちうる「熱意」というものを、推測や希望的観測などを一切挟まず、すでに証明済みの物事のみで推し量ろうとすると――。  「技術者」への熱意が、その最大量となるわけだな。春日のこれまでの人生において、それが観測されている最大量だ。  それ以上のものは、持っていないとしておいたほうがいいだろう。  逆に言えば、春日はそれだけ(それっぽっち)の熱意であれば、どんな物事に対しても向けることができる。そのことは保証済みだ。  いま小説に対して覚えている「キラキラした魅力」というメッキが剥げてみたときに残るのも、その分なわけだよ。  入学したばっかのときには、技術者だってキラキラと見えていたはずだよ。  これは一般的に証明されているし。大人にとっちゃ常識であることだけど。  物事に取り組むときに、ひとつをおろそかにするやつは、他のことだっておろそかにしちゃうわけだよ。  技術者への道に対して、まあ、そんなふうに適当にしか取り組めないやつは、小説に対してだって、そんなふうに適当にしか取り組めないわけね。  小説だから特別、などということはない。  アルバイトだからといって手を抜くやつは、正社員になったって、やっぱり手を抜くもんなんだよ。ナメた生きかたをしているやつは、いつどこででもナメたことをするんだよ。  そしてナメないやつは、あらゆることをナメたりしない。  掲示板の書きこみだからといって、誤字を平然と出してくるやつは、小説を書くときにだって誤字を出す。誤字ぐらいいいじゃんとか言うやつは、構成も、表現も、文章も、人物も、アイデアも、あらゆる部分で平然と手を抜く。  小説――というか、作家という立場に憧れているということ。  その憧れる気持ちの強さは、認める。  嘘じゃなかろう。  しかし、春日。  おまえが発揮できる熱意の底は、いまひどく浅いところにある。  資産家だったら、小説は書かないでしょう。遊んで生きてゆくでしょう。すくなくともプロにはなっていないでしょう。――そんなシミュレーションを立ててしまうお前は、生きてゆくということをナメている。  資産家であろうと、生きてゆくことにはかわりがないのだ。資産家は資産家なりに、資産家として仕事をして、必死に生きているのだ。金があるかないかだけの話で、やっていることは庶民とかわりがないのだ。 (金を世の中に回転させるのが資産家の仕事だ)  「したくもない仕事」と言い切るおまえは、仕事というものをナメている。  仕事に対して――したい、したくない、なんて区別を付けていること自体が、ナメきっている。もし手の届くところにお前の顔があったら、いま俺は、お前のことを張り倒しているだろうな。  書きこみの他の部分でも、もう2〜3発、張り倒しているところだが。  寮に入っているというなら、これまで、張り倒されたことぐらいはあるだろう。そのぐらいのことを、いまおまえはしたわけだよ。共同生活というものをナメて、張り倒された経験はあるか?  これも同じことだよ。  共同生活と、仕事とは、同じことの二つの側面なんだよ。 >>一話完結であれば、短編小説でもいいのでしょうか?  短編? 実戦形式の練習なんて、まだはえーよ。  まず1000字がきっちり書けるかどうか、示せってーの。一編見て、見込み以上に実力があったら、短編を書けと指示が出る。  たしかにボクシングジムでは、一発目にスパーリングなんてさせたりするが、それは自分がどれほどヘタレであるかを認識させるためだ。  2号や津荒のところにぶら下げると、混ざって大変だろうから……。  春日と竹井さん用の根っこ、作っておいた。  その下に「返信」形式でレスを付ける形で提出のこと。まあ、間違ったら移動するし、自分でも消せるし。  タイトルや本文などの形式は、2号や津荒たちのものを見て、それに合わせること。 -------------------------------------------------------------------------------- 天気は西から変わってゆく No.7899 投稿日 2004年4月20日(火)00時57分 投稿者 弟切 千隼  今日の夕方、雨に追いかけられながら帰宅した弟切です。  空模様を眺めて、降りそうな気配を感じていたところへ、静岡市在住の友人から携帯にメールが入りました。  友人曰く、「会社から帰ろうとしたら、すごい土砂降りだよ〜(泣)」  静岡市は、弟切が住む湘南地域より西にあります。日本の天気は、基本的に西から東へと移り変わります。静岡市で土砂降りの雨が降り始めれば、遠からず湘南にもその雨が来る可能性が高いです。  弟切は、土砂降りの雨が来る前に、何とか家にたどり着きました。 >描写課題「親切」書き直し、その2  感想部屋のほうで、何人かの方に感想や指摘をいただきました。自分なりにそれらをまとめてみますと、以下のようになります。 1)「大きなスーパー感」が出ていない。 2)主人公がおばあさんに親切にする動機が弱い。  上記二つが、欠点として目立つようです。  1)に関しては、単に物理的なお店の広さを書くだけではダメだ、とわかりました。広くても、人が少なくてがらんとした感じがするため、「店員の少ない小さなスーパー感」が出てしまいます(^^;;  登場させる店員の人数を増やすか、もっと「店員の活気」が出せれば、「大きなスーパー感」が出せるでしょう。  2)については、毎日何百人ものお客に接しているはずの店員が、このおばあさんにだけ親切にする動機がわからない、のが問題です。  一般的に、誰かが誰かに親切にする場合には、親切にされる側の苦労を、する側が知っていることが多いです。つまり、親切にする側が、される側に同情または共感していることが多いです。  ならば、親切にする側の主人公が、される側のおばあさんに、同情または共感する要素を入れればよくなりますね。  上記の欠点を主に意識して、書き直します。 春日秋人さんへ >  初めまして。ロートルで進歩が遅い弟切千隼です(爆)   秋人さんは、お若いですね。若さには、利点ばかりでなく欠点も多くあります。けれども、幾多の欠点を克服して、速く成長してゆけるのは若さの利点です。  秋人さんは、ぜひ、若さの利点を生かして、成長していって下さい。 竹井さんへ >  No.7892の竹井さんの書きこみに対して、もう一つ、書き忘れていたことがありました。大乗仏教と上座部仏教の差異についてです。 >>1.他人を助けて徳を積むこと >>2.自分一人で一生懸命修行すること  上記の1が大乗仏教のやり方で、2が上座部仏教のやり方であることは、間違っていません。大乗仏教と上座部仏教の差異を、最も簡単に説明しようとすれば、こうなるでしょう。  しかし、だからといって、大乗仏教の「利他」の考えに影響されたために、日本人は他人を助けることを良しとする、とは言い切れません。  それを証明するには、大乗仏教とは違う上座部仏教の考えが根付いている地域、例えば東南アジアの人々が、他人を助けることを良しとしない、と、証明しなければなりません。  証明できますか?  証明できなければ、「他人を助けようと思って助ける」行為がかっこいいとされる理由を、大乗仏教に求めるのは間違っています。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7900 投稿日 2004年4月20日(火)02時19分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>2)主人公がおばあさんに親切にする動機が弱い。  問題の本質を理解しているのかどうか、不明。  なにがまずいのか、どうすればいいのか、思考しないで直したところで、よくなるはずもない。  弟切、おまえ、正直すぎ。  正直馬鹿ともいう。  「指摘者」の使いこなしかたってものを、教えないといかんな。これは。  すべからく指摘を行う人というのは、違和感を覚えた「場所」に関してはかなり正確に告げることができるものなのだ。しかしその「理由」に関してまでは、正しくないことが多い。  つまり、言われた「理由」を鵜呑みにするな。それはまずたいてい間違っている。指摘を受けた「場所」と、そこに違和感を覚えた「感性」あたりまでは信用するとしても、「理由」に関しては、まず疑ってかかれ。そのくらいで丁度いい。  人はそこまで論理的にならない。論理的なふりをするのが精一杯な存在なんだよ。  「理由」として出してもらったものは、丸飲みせず、解答に至るための「ヒント」ぐらいに考えておけ。  プロの編集者だって、そんなもんなんだから。  ましてやアマチュアが「理由」まで精確に指摘できるはずもない。  ようは葛藤してる部分が弱い、と言われているわけだ。  いま感想部屋では、電車の中で席を譲る人間の話なんかがされているが。その話題は読み飛ばしてるのか?  弟切は電車の中で、誰かに席を譲ったことはない類の人間なのかな?  電車で席を譲るのに、そんなたいした理由はいるものなのか?  たしかにそこにはある種の困難があるわけだが。  その困難の正体は、「理由が小さい」ことにはなくて、「実行を妨げるなにかがある」ということのほうだろう。恥ずかしいとか。そんな原因ね。  おばあさんの土鍋を持ってあげるにしても――。  大変そうだな。手伝ってあげたいな。  ――理由としては、そんなもんで充分なわけだよ。  しかし困難が充分に示されないまま、主人公が無葛藤に行動に移っちゃっているから、嘘くさく見えてしまうわけ。主人公が人間に見えないわけよ。  心の中で「やろうかどうしようか音頭」を踊っちゃうのが、葛藤というものであり、親切に移る前のリアルな心境というものなわけ。  自分のものを読み直してみろ。  葛藤らしき葛藤が、描かれていないだろ? 「土鍋を運ぶ」を妨げる要因が、話の中になにひとつ登場してきていないからだ。  足りないのはそこだ。  ――とか、こうやって指摘しちゃっていると、いつまでも自分で直せるようにならないんだよなぁ。  「違和感を覚える場所」だけを他人から教えてもらったときに、自分一人の力だけで、ほとんどノーヒントで、解答にまで辿り付けなきゃならんのだぞ。  創作者というのは。  とりあえず、2パターンで書き直してみそ。  俺が言っている「理由」と「対策」に関しても、例によって信用するんじゃないぞ。「新木のヤツはこう言っているが、本当にそうなのか、わかったもんじゃねーぞ」ぐらいに疑ってかかれ。  だが検証する方法はある。  弟切がそもそもやろうとしていた、「同情する理由を補強する」方向のものと――。  あと「実行を妨げるなにかを増強」する方向と――。  試しに両方書いてみて、見てもらえば一発だ。  違和感が消えていたら、すぐにそれとわかるから。 -------------------------------------------------------------------------------- ここは、ためになる No.7901 投稿日 2004年4月20日(火)02時41分 投稿者 春日秋人 >鷹見さん  はじめまして。  セリフは、好きに使ってもらってかまいません。それで鷹見さんの作品がさらに面白いものになるのであれば、僕のような人間も役に立てることがあるのだな、と思えます。  鷹見さんの言われたこと。言いわけはできますが、反論はできません。  ご意見、ありがとうございました。 >新木さん  おっしゃることはごもっとです。言いわけはできますが、それはきっと僕の錯覚なのでしょう。  あと、説明が足りず、誤解させてしまったようです。  僕は寮生ではありませんので、共同生活を体験したことはありません。  短編小説というのは、あらすじを書くのにそれを題材にしてはいけないのか、ということです。 >言いわけ  みなさんのなにかの参考になるかもしれないので、言いわけも書いてみます。  世の中の人がみんな仕事を嫌々やっているのだとは、思っていません。  僕もいちおうアルバイトをしていて、もう一年以上になります。スーパーで、商品を奥から出して補充をしたりする仕事です。いつも時間は夜七時から夜十時、つまり閉店まで。閉店作業をするので終わるのは十時二十分くらい。家までは10キロくらいあるので、家に着くのに20分くらいかかります。今は原付ですからこれくらいですが、前は自転車で往復していて……  話がそれました。  僕はこのアルバイト。与えられた仕事はきちんとやっていると思います。無論、それが当然なのですが。  お客さんに商品の場所を聞かれて、すぐにその場所に連れて行けるようになったときは嬉しかったです。それまではどこになにがあるのかあまり把握できていませんでしたから。  逆に答えられないと、すごく後悔します。申し訳ない気持ちになります。  僕に仕事を教えてくれる人の評価は、「おまえは言ったこときちんとまじめにやるよな。でも時々ヘンなところで失敗するよ」です。  ヘンなところというのは、商品をお客さんに見えるように奥にあるのを前に出したりするときとかに、徹底的にやろうとしてほかの事をする時間がなくなったり、といったことです。最近はなくなりましたが。まあ、仕事が片付いてなければ、残ってやるだけなんですけども。 「したくない仕事」でも、するということになったら、一生懸命します。自分のできる全力を出しますし。至らないところをなんとかしようともします。  責任感ならあるつもりです。  仕事にやりがいのない仕事はないと思います。  ただ、今は僕の中で「小説」が占める割合が高いため、単純に「作家」とそれ以外に分かれているのです。 >弟切さん  はじめまして。  嬉しいお言葉、ありがとうございます。  僕の場合、若いというよりは、物事をわかっていない青二才という意味で「青い」ですね。  十六歳のときここを見つけなくてよかったです。(過去ログ読むのがたいへんですが)十八歳の今だから、自分の愚かさを指摘されてもなんとか再起不能にならずに済んでいますから。  過去ログを読んでいたとき(現在NO2875まで読んでいます)、自分でシンデレラの採点なんかもしてみたのですが、弟切さんのシンデレラには採点をはじめてからは全部OKがついてました。新木さんがボツを出したのもあるので、自分の分解能が低いだけなのでしょうけど、なんとなく自分勝手に共感を覚えていました春日です(笑) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7902 投稿日 2004年4月20日(火)15時23分 投稿者 新木 伸 >春日  世の誰よりも、自分が向いている「やりたくない仕事」と。  自分が向いていない「やりたい仕事」と。  二つ、目の前に並べられていたなら、君は、どっちの仕事をするわけだ?  やるべきことをほっぽり出して、やりたいことだけをやろうとするその姿勢が、仕事をナメきっているというんだ。  高専で三年間教育されてきていて、技術者の資質と能力とが身に付いてきているんだろ。なら技術者になりゃいいじゃん。国立大の理系出身とはいえ、半田ごても握ったことのないシロウトに任せておいてもいい仕事なのか? 技術者の仕事っていうのは。おまえがしなくちゃならん仕事ではないのか?  高専なんてところに通っていながら、技術者の仕事に誇りも持てないようなヤツが、こっちに来られたって、迷惑なだけなんだよ。  世間をナメてるガキンチョは、いつまでも親に養ってもらって、引きこもって家から一歩も外に出てくるな。親の年金でもすすって生活しつつ、買ってもらったパソコンでインターネットに繋いで、どこかの匿名掲示板にでもこもってろ。 >>けれど現実では、小説で食っていかれなければ、したくもない仕事をして時間を削られてしまう。  ここで想定している「したくもない仕事」の実例をあげろ。そしてなぜ「したくない」のか、それを説明せよ。  あとは、小説に対する気持ちの釈明だな。  ほかの仕事に対する熱意のさまは聞いた。熱意がどう形になっているのか、アルバイトの例でだいたいわかった。  それで小説に関してなのだが。  それが熱意なのか憧れなのかはしらないが、なぜ「なりたい」と思うのか。そこを説明すること。  そしてアルバイトのときと同じように、その熱意だか憧れだかを、自分がどう形にしてきているのか。それを解説するのこと。  やりたくなかったアルバイトのためには、けっこう熱意を振り絞って、けっこうちゃんとやってきているわけだよな。  そしてやりたくない技術者となるためにも、毎日何時間も机に向かって講義を聞き、知識を頭に詰め込んで、実験を行って腕を磨き、真剣になってレポートを書きあげて提出しているわけだよな。  これら二つは、そこそこの熱意が、そこそこの形となって、きちんと結びついて結果を出している。  熱意があったら形を取るのが普通なんだ。形を取らない無形の熱意なんてのは、存在しないんだ。  それは熱意とは呼ばない。  ――で、「やりたい作家」のために、君はなにをやってきているわけ?  上記二つの仕事よりも、もっともっとやりたいことのはずなんだから、もっともっと形になることをやってきているはずだよな?  具体的に、示してみろよ。  やっぱ、憧れてるだけなんじゃねーの? 形に繋がるなにかを、実際にやってきているのかよ? >課題の件  「一話完結の短編」っていうのは、あれは、読書課題の対象作品のことだったのか。  すまん。こちらの読み違い。  小説の短編は、やってもいいけど、あまりよくないかも。  なぜならライトノベルの短編というと、ワンシチュエーション的なコメディ作品が多いから。作者本人の書いている二次小説のようなもので、原作を読んでいることを前提として書かれたものなわけね。  本来、一個の短編内で完結させるはずの世界説明やらなんやらを省いている。  それ単体では成立しないもの。長編シリーズのほうとセットでないと、意味を成さない従属物。  そういうものを除いて、短編一本だけで、きちんと自立しているものであればいいのだけど……。まあ、存在しないんじゃないかな。すくなくとも僕は思いあたらない。  漫画の短編だとそこをクリアしている。漫画の新人賞というのが、じつは短編賞だからなんだな。本当の意味で一話完結。完全に自立した作品となっている。月刊漫画雑誌に、新人の短編が載っているだろう。  しかも新人だから、ひねったことをせず、筋はシンプルで王道なもので勝負をかけてきていたりする。  ちなみに長編でやるなら、1日1本が基準だけど。  短編であれば、1日2〜3本だぞ。  最初のうちは、読むことよりも、あらすじを書くことのほうに時間が掛かるはずだから、長編でやるのがいいんじゃないかな。津荒も短編漫画でやるようになってきたのは、800字のあらすじを30分〜1時間程度で、さくっとまとめられるだけの力が付いてきてからのことだし。 -------------------------------------------------------------------------------- ナローバンドも蔑称なんだろうなぁ…… No.7903 投稿日 2004年4月20日(火)22時40分 投稿者 竹井 比呂 ・思考濃度について。  新木さんに頂いた言葉の意味は、分かりました。  時間をかけて、納得いくまでやってみようと思います。 ・竹井がプロになれたとして、新木さんと編集さんが別のアドバイスをくれた場合。    編集さんの意見に従います。  理性的に考えて、こちらのほうが妥当であると考えました。 ○弟切さんにレス。  ご指摘ありがとうございます。  少々反論めいたものをさせて頂きたく存じます。  引用させて頂きます。  <しかし、だからといって、大乗仏教の「利他」の考えに影響されたために、日本人は他人を助けることを良しとする、とは言い切れません。  それを証明するには、大乗仏教とは違う上座部仏教の考えが根付いている地域、例えば東南アジアの人々が、他人を助けることを良しとしない、と、証明しなければなりません。>  最後の、『証明しなければなりません』というのに引っかかりを覚えます。  証明しなければならない、ということですが……証明しなくても良いと思うからです。いや、むしろ『大乗仏教とは違う上座部仏教の考えが根付いている地域、例えば東南アジアの人々が、他人を助けることを良しとしない、と、証明すること』は無駄であるとまで思っています。  以下が理由です。  命題『AならばBである』を証明することにおいて、裏『AでないならばBではない』を証明せねばならない、と弟切さんは仰っておられます。  命題の真偽と、その命題の裏の真偽は必ずしも一致しません。  よって、裏の真偽を確かめることは、無駄にしかなりえません。  参考までに。  高校の数学の教科書なんて見ていただけると分かりやすいと思われます。数研出版『数学A』の『命題と証明』という単元に載っておりました。    それと。  小乗仏教が蔑称であるのに使ってしまったということ。 『小乗仏教』→『上座部仏教』に訂正させていただきます。  気分を害された方がおられたら、ごめんなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- 四月のうちから冷房病なんて No.7904 投稿日 2004年4月21日(水)01時40分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は暑かったです。昼間の気温は、25℃を越えていたようですね。荷物を持って陽射しの中を歩いていたら、汗が噴き出しました。  昼に用があって入った建物に、冷房がかかっていてびっくりしました。四月のうちから冷房の風をがんがん当てられては、冷房に弱い弟切は倒れてしまいます(;_;)  そうならないように、用が済むやいなや冷房の建物から逃げ出しました。 >描写課題「親切」 >> すべからく指摘を行う人というのは、違和感を覚えた「場所」に関してはかなり正確に告げることができるものなのだ。しかしその「理由」に関してまでは、正しくないことが多い。 >> つまり、言われた「理由」を鵜呑みにするな。それはまずたいてい間違っている。指摘を受けた「場所」と、そこに違和感を覚えた「感性」あたりまでは信用するとしても、「理由」に関しては、まず疑ってかかれ。 (新木さんのNo.7900の書きこみより)  とりあえず、「理由」のほうは置いておいて、指摘された「場所」の情報は信用できるということですね。  今回の場合ですと、「主人公がおばあさんの荷物を持ってあげる」部分の何かがおかしいのは、間違いないでしょう。  読者さまは、 「そんなに親切そうに見えない主人公が、なぜ親切なことをするのだろう?」とか、 「このおばあさんにはあまり同情/共感できないのに、なぜ親切にされるのだろう?」とか、 「こんなに親切な店員なら、むしろ商品を袋に詰めることから何から全部手伝ってくれるんではないか?」とか、 何かしら違和感を持つわけですね。  今のところ、何かがおかしい「理由」には、二つの候補があります。 1)主人公のおばあさんへの同情/共感が足りない。 2)主人公が親切を実行することを妨げる何か(葛藤?)が足りない。  上記の二種類の不足を増強したバージョンを、それぞれ書いてみます。 竹井さんへ > >> それを証明するには、大乗仏教とは違う上座部仏教の考えが根付いている地域、例えば東南アジアの人々が、他人を助けることを良しとしない、と、証明しなければなりません。 (弟切のNo.7899の書きこみより)  上記の書き方は、たしかに不適切でしたね。話をややこしくして、すみませんでした。  弟切が言いたかったのは、上記の文のすぐ前にある >>しかし、だからといって、大乗仏教の「利他」の考えに影響されたために、日本人は他人を助けることを良しとする、とは言い切れません。 のほうです。  日本文化が、大乗仏教の多大な影響を受けていることは確実です。けれども、日本文化は、大乗仏教の影響だけからできているわけではありませんよね?   宗教の影響だけを考えても、神道、道教、儒教、キリスト教(隠れキリシタン文化は、日本独自のものです)、アイヌの人たちのカムイ信仰など、多彩な宗派の影響を受けています。  日本文化に限らず、どんな文化も複雑です。一つの要素だけから一つの文化を読み解こうとすると、独り善がりな解釈になりやすく、危険です。  もう一つ、竹井さんのNo.7892の言説には、危険な点を感じました。  大乗仏教と上座部仏教とを並べて比較したあの書き方ですと、「上座部仏教徒は、困っている他人を助けなくても良いと考えている冷たい人たちだ」と、読み取られる可能性があります。「小乗」という蔑称に近い言葉を使っていることが、さらにその印象を強めています。  そんなふうに受け取られるのは、竹井さんの本意ではありませんよね?  書き手が意図したことをきちんと伝えるには、注意深く言葉を選ばなければなりません。これは簡単なようで難しくて、弟切もしょっちゅう失敗しています(情けなや……(;o;))  言葉の選び方ひとつで、要らぬ悪意を買ってしまうこともあります。お互いに気をつけましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7905 投稿日 2004年4月21日(水)18時02分 投稿者 新木 伸 ○竹井さん >>新木さんに頂いた言葉の意味は、分かりました。 >>時間をかけて、納得いくまでやってみようと思います。  あああ。わかってない(笑)。  時間をかけても、「思考の濃度」は上げられませんよ、てな話を僕はしていたわけですけど。 >>・竹井がプロになれたとして、新木さんと編集さんが別のアドバイスをくれた場合。 >>編集さんの意見に従います。 >>理性的に考えて、こちらのほうが妥当であると考えました。  うーん。  やっぱ無思考症は根強いわけですね。  「どっちに従うのか」てな観点から、発想を離せないわけですか。  自分に付けられた首輪の紐の先を、誰に持っていてもらいたいのか、てな話なわけですね。  どっちにも従わない、てな観点はないのかな?  いいですか? 僕は分室なんて場所をやっていますけど、「俺に従え」なんてことを言ってるわけじゃないんですけど。  言っているのは、「俺から盗め」ということ。まがりなりにも、プロとして食っていけている以上は、僕は盗むに値するものをなにか持っているはずです。それを見極めて、持っていけと、そう言っているわけですけど。  サンドイッチ屋が営業を続けていれば、パンの耳が大量に余るんです。そんなものでも役に立つなら、どうぞお使いくださいと、軒先に袋に詰めて置いてあるわけです。  あなたの首輪の紐の先を持ってやろうなんて気持ちは、これっぽっちもないんですけど。  竹井さんは、僕に紐を持ってもらいたくてしかたないようですけど。紐をくわえて持ってきたって、シッポ振ってすり寄ってきてたって、意味ないし無駄ですし、そのシッポ振りに費やしているカロリーを、もっと他のことに振り向けたほうが有益かと思われます。  たとえば課題やって練習するとか。  飼い犬は野生の世界じゃ生きていけませんし。自分で自分のエサを取れるようにならないと。 >弟切  そうそう。めずらしく、飲みこみいいじゃん。 >>「そんなに親切そうに見えない主人公が、なぜ親切なことをするのだろう?」とか、 >>「このおばあさんにはあまり同情/共感できないのに、なぜ親切にされるのだろう?」とか、 >>「こんなに親切な店員なら、むしろ商品を袋に詰めることから何から全部手伝ってくれるんではないか?」とか、  この三つ、別の人間から出てきた疑問点なわけだろ。  なにかひとつの原因が存在していて、それを三人の読者のフィルターにかましてみると、それぞれの主観にもとづいて、こうした部分がピックアップされてくるわけよ。  根っこにある「原因」が同じなのに、意見が違ってくるのは、これは読者ごとに違う主観で眺めているから。  弟切がやりかけていたミスは、この3人の意見のうち、自分がいちばん納得できる「疑問」を表明している人の意見を採用して、その人の出してきた「理由」を正しいものと思いこみ、それを改善するべく動こうとしてしまったことだ。  ええと、2番目のは沢口さんのだっけか?  自分がいちばん納得できる「疑問」ってのは、つまり、自分と感性が似てるってことだ。こうして複数の意見を聞くときには、むしろいちばん遠ざけておいて、後回しにしておくべきものだ。自分に近い主観なら、自分の感性でも代用可能だから、重要度が低い。せっかく他人の目を借りているのだから、別のものから考えてゆくべき。  だいたい――だな。同じ作品を同じ人間が読んだとしたって、引っかかる部分や、生じる疑問が同じになるとは限らないのだ。そのときの心理状態によって、ひっかかる部分やら、その理由やらは、がらりと変わるのだ。朝起きたときと、夜寝る前との人間は別人だから、感想が変わることがあるのだ。  自分のその時の状態を差し引いて、つねに同じ客観意見を言えるような訓練をしてきている人間であれば、多少は信頼できるかもしれないが、主張の一貫性をシロウトにどこまで期待するべきなのか。  また相手がたとえプロであったとしても、その訓練をしてきていないならシロウトと同程度だろうしな。  作品を読み、疑問が生じるという状態は、一種のストレス化にあるわけだな。  ストレスを受けた人間は、そのストレスを解消したいと働く。つまり冷静ではなくなる。気になった細かな部分を大きく取りあげ、そこに原因があるのだと決めつける。  原因が確定してくれれば、ストレスが消えてくれるからね。  思考するという状態は、生物にとってはストレスなんだな。そのストレスから解放されたいがあまり、結論を急ぐ。これがエウレカ。  他人の指摘は、場所くらいは正しいが、疑問と感じた部分は主観フィルターに染まりきって偏見に基づくものであるし、原因と称されて出てきた「理由」や、対処法と称されて出てきた改善案などは、みな、エウレカの早まった産物だと考えておいたほうがいい。  しかし、手がかりはそこにしかないのだ。そんな雑然とした、偏見と思いこみとに染まりきった指摘のなかから、名探偵のごとく推理しなきゃならん。困惑を極める情報の中から、真実の手がかりを得なくちゃならんわけだ。  ――で、まあ、色々と方法はあるわけだけど。  総当たり式ってのも、そのうちのひとつの手ね。  僕らは実際には書かずに、脳内だけで書き直してみて、問題点が潰れてくれるかどうか、シミュレートできるけど。1プランの検証に必要なのは十数秒で済む。  それができないうちは、実際に手を動かして、書き直してみるしかない。  俺が言ったあのプランは、もちろんそうしてシミュレート済みとなった、その結果を言っているわけだが……。脳内で2種類のリライトを行っている。結果を見比べて、そのうえで言っている。  ――が、弟切は実際に両方やってみること。  弟切が自分でできるようにならなきゃ意味がないわけね。プロは自分一人で完成品を書かなきゃいかんのだから。  てか、弟切は、いいかげん、その貧乏人の発想を、根本から変えろ。  二つや三つのプランがあったら、ぜんぶ考えろ。すくなくとも頭の中だけでは、ぜんぶ書いてみろ。  いかに「手間を掛けてゆくか」ってのが小説を書くことの本質なんだ。手抜きを考えてゆく道なんて、どこにもないわけ。  いいかげん、腹をくくれ。「最大の手間を働かせるには?」てな発想で、物事に取り組むようにしろ。  なにも考えず、なにも選択しないでいいのなら、小説なんてのは、世の中でもっとも楽に書けるものなんだ。  400字の原稿用紙1枚を埋めるには、なんか適当に文字を埋めてゆけばいいわけだろ?  わずか400字のなかに、どこまでの「手間」を込めることができるか――ということが、プロの追究していることなわけね。一生をかけて。  三つのプランがあったら、やるのはひとつだけにしたいなぁ――なんて願望を持っているヘタレが、足を踏み込む余地なんてないわけ。  おわかり?  もちろん効率ってものがあるから、同じ書くにしても、実際に書くよりは、頭の中だけでやったほうがいいわけよ。  また実際に何十人もの人間に見せて回って意見を訊いているよりか、頭の中の何十人の仮想読者に見せたほうが、効率がいいわけよ。  効率化してゆく方法は、いくらでもある。これだって結局は、「手間を増やす方法」の追究であるわけね。効率が良くなってゆけば、同じ単位時間あたりに詰め込める「手間」が増えることになる。 -------------------------------------------------------------------------------- 紫外線はお肌の大敵 No.7906 投稿日 2004年4月22日(木)02時36分 投稿者 弟切 千隼  昨日に引き続き、今日も暑かった関東地方でした。つい先日まで花冷えで炬燵をつけていたのに、一気に初夏が来たようです。  弟切は、慌てて夏用の帽子を引っ張り出しました。こんな強い陽射しに対して、無防備で向き合えるほど若くありません(肌年齢が(^^;) >描写課題「親切」  以下に書くのは、半ば自分メモです。  主人公は、特別親切な人ではありません。他人に親切なことをする優しい心を持っていると同時に、冷たい心や悪いことをする心も持っています。  つまり、主人公はごく普通の人です。多くの読者さまが共感できるように、そういう人にしました。  描写課題「美人」の時に、弟切は、普通の人から(良いほうに)外れた人のかっこ良さを書きました。そこで、今度は普通の人のかっこ良さを書こうと考えました。  普通の人でも、時には親切心や勇気をふるって、かっこいいことをしますよね。そういうかっこいいことを見聞きすると、気持ちが明るくなります。普通の人ができる小さなことでも、世の中を明るくできるのは素敵です(^_^)   上記の理由により、主人公は、聖人君子のような優れた人や、親切心の塊のような人であってはいけません。おばあさんに親切にしすぎてはまずいです。  あくまで「普通の人ができる範囲で」、かつ「明らかに親切と感じられる行為」を描写しなければなりません。 -------------------------------------------------------------------------------- 仮復活 No.7907 投稿日 2004年4月22日(木)04時03分 投稿者 名無し君2号  ようやく体調が上向いてきました。  でも風邪は治りかけが一番あぶないというから……気をつけようと思います。イソジンでうがいする日々。ちなみに岩手はまだちょっとだけ冷えています。桜も咲いたばかりですし。 >1000字課題  またまた完全三人称視点です。  No.122「花もだんごも」(3600文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=903&e=res&lp=550&st=0  桜並木の下、すこし気をふさいでいた少女が、一見呑気そうに見える友達に元気づけられる話。  今回は説明文版を書いてから、描写文版を書くようにしました。  なぜか最初に説明文版を書くのに、えらく時間がかかりましたが。それに描写を肉づけするので、さらに時間がかかるかかる。  寝こんでいるあいだ中、ほとんど小説を書いていなかったことにも原因はあるのかもしれません。すぐに書き方を忘れるこの体。 >戦術と戦略 >>おまえ、キャラ配置ってもんを考えてないだろ。いま戦略もくそもない状態だろ。 >>1000〜3500字の課題はたくさんやっていて、ワンシーン内における「戦術」はだいぶうまくなってきたわけだが、作品やシリーズ全体を見渡す戦略は身に付いていないのだなぁ。しかしこれは、どんな練習をすれば身に付くのだろう?  戦術と戦略、意味もなく英語で書いてみれば、タクティクス(tactics)とストラテジー(strategy)。それぞれの意味するところはといえば――。 ■せんじゅつ 0 【戦術】 (1)個々の具体的な戦闘における戦闘力の使用法。普通、長期・広範の展望をもつ戦略の下位に属する。 (2)一定の目的を達成するためにとられる手段・方法。 「牛歩―」 ■せんりゃく 0 【戦略】 〔strategy〕長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法。戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。  それぞれgoo辞書より引用。  つまるところ、一場面、ワンシーンを読ませる力は「戦術」、場面をつなげて大きな話とし、小説全体における印象を作りあげる力は「戦略」となりましょうか。  とりあえず「戦術」で勝利しなければ話にならないわけですよね。読者に読み進めてもらわなければならんわけです。かといってむやみやたらに突き進んでいってもしょうがなく、効果的に勝利を得るようにしなくちゃいけない。  そのために必要なのが「小説のテーマ」なのかもしれないです。  戦いの方向性を決めるためのもの。読者にこういう印象を与えよう、と決めておけば、各自の戦いかたもおのずと決まってくる。――現時点ではあくまで予想でしかないんですが。だって長編を書いたことないんですもの。 >物語における変化量 >>てめえごときの構成力で、長編一冊で人間を成長させられるはずがないだろ。 >>物語には、尺(枚数)に見合う変化量というものがあってだな。成長なんてものは、本来シリーズで扱うべき変化量なんだよ。 >>椎名高志は、いったい何冊を使って、横島を成長させていた? >>ちなみに漫画本は、3冊程度が小説の一冊に相当している。  単行本がいま手元にあるわけじゃないので、けっこうあやふやになってしまうかもしれませんが。  まずゴーストスイーパー試験を受けにいくエピソードで、横島が自分の霊能力者としての力に目ざめる。この時点では微々たるものなんですが。  このまま戦力として戦い――。  つぎの大きな転換点は、美神に危機に迫っているというのに、役に立たんから消えろと戦力外通告をされたとき。ここで横島は、おそらく初めて自主的に修行して、美神を守る戦いに参加できるだけの特殊能力を身につけます。  そのまま便利に使われ――過去に行ったり月に行ったり――。  紆余曲折あって、魔王との戦いが始まり、今度は惚れた女、ルシオラのために努力、結果的に美神を越える力を手に入れると。もしかすると人類最強かもしれない。  ゴーストスイーパー試験で一巻。  成長するためのエピソードで数巻。  自主的に修行で一巻。  さらに成長するためのエピソードで数巻。  最終戦で……三巻ぐらい分量はあったような。  「成長するためのエピソード」というのは、ゴーストスイーパー試験のすぐあとじゃ、まだ自主的に修行はしないだろうから。惚れた女を守れる力が欲しい、そのためならなんでもやるという気持ちになるまで……二、三巻はいるのかなあ。  「さらに成長するためのエピソード」だと、今度は美神を越える力を持っていると読者に納得させられるだけの話が必要。やっぱり二、三巻いると思う。  ええと、そうなると……ひい、ふう……。  全十巻でしょうか。  ……。  軌道修正します。  とりあえず、主人公がヒロインと一緒に冥府魔道の領域に入ろうと決意できるようになるまで、にします。ちなみに冥府魔道とは、仏教用語で三途の川から地獄へと至る道のこと。わかりやすくいうと、ヒロインとバンドをつづけていこうと決意するまで、です。 >成長 >>だいたいおまえ、そもそも成長って現象が、なんだかわかっているのか? >>登場人物を成長させる前に、まずてめぇ自身が成長しろ。  ええ、ええ。  もう三十路も近いわけで、いいかげんに大人になろうと思います。 ・女性キャラクターについて ・物語の分析 ・GS美神の他の女性キャラクターについて  は、明日にします。レスには3時間。では。 -------------------------------------------------------------------------------- 竹井さんにカッコいいについて質問 No.7908 投稿日 2004年4月22日(木)12時03分 投稿者 鐸碑  K1選手全員に一度に襲い掛かられても傷一つ受けず素手で撃退できるほど優れた格闘力の持ち主で、あらゆる武器を自在に使いし、10歳で博士号を取る様な天才的頭脳の持ち主で、世界中のあらゆる知識に精通しており、核爆弾の直撃さえも上回る超能力の持ち主という見た目も美しい凄い少年。この少年を仮に超人Aと呼ぼう。  この超人Aが格好よく見えるのはどの順番? ・ごく普通のチンピラ不良学生数人に絡まれている、努力をまったく要さずに簡単に助けた。 ・ごく普通のチンピラ不良学生数人が女の子に絡んでいたが、チンピラは以前超人Aに絡んで撃退されていた為姿を見ただけで逃げ出し。助けることに関心を持っていないにも関わらず、女の子は結果的に助かった。 ・超人Aとまったく互角の力を持つ三人の超人B、C、Dに狙われた女の子、死に物狂いで努力して、ボロボロになりながらも辛うじて女の子を助けた。 ・超人Aを上回る力を持つ超人軍団超人B〜Zの25人集に狙われた女の子、女の子を助けようと死に物狂いで勝ち目のない戦いに挑み、ボロボロになっても戦い続け多少の抵抗はしたものの最終的に自分もやられ、女の子も助けられなかった。  同じ超人Aのやってる行動で、どれが一番カッコいいと思う? カッコいい順に並べてください。 -------------------------------------------------------------------------------- >春日 No.7909 投稿日 2004年4月22日(木)15時10分 投稿者 新木 伸 >春日 >>901 一冊目「機械仕掛けの蛇使い」 著 上遠野浩平  わからん。  こういうの、いわゆる「テクニカルタームが多すぎ」というのだが。(コトバの意味は辞書引けよ)  まるでパソコン専門誌の記事でも読まされているかのようだ。もしくは専門用語ビシバシの難解なパソコンのマニュアルあたりか。  こういう書きかたをすると、読者を選ぶんだよ。  専門用語を飛ばしあって会話できる宇宙人じゃなくて、普通の人間に読んで欲しいと思うなら、もっと平易な言葉で書いてこい。  だいたい「闘争と破壊の化身」なんて、どーせ、作中に出てきたフレーズを丸写しにしてきただけなんだろーが。丸写しで手抜きしてんじゃねーや。ボケが。  そんなフレーズだけ、ポンって出されてきたって、こちとら意味がわかんねーんだよ。(作品中であれば、そういうテクニカルタームの前後で、きちんと説明がされているのでOKなんだな)  ちなみに本の煽りの部分には「かつて全世界を相手に戦った美しき戦鬼」とか、ひどくわかりやすく書かれていたぞ。  あと、ばかたれが。  インターネット上の書店に行って検索してみたら、「機械仕掛けの蛇使い」で出てこねーじゃんか。「機械仕掛けの蛇奇使い」だろ。正しくは。  タイトルで誤字出してるんじゃねえや。  あと、これも叱っちゃいたいところなのだが、言ってなかったことなので、叱るのは理不尽と思うので、叱らないでおくけど。  初読の小説で筋の写し取りをするの、禁止な。  以前読んだ本が、部屋のどこかに転がっているだろ。その中で筋がシンプルだけど面白かった本を探してきて、いま再読をするわけね。  もういちど読んでもいいかな、と思える本を優先すること。  どうせコストをかけるなら、良作の筋を写し取ったほうがいいだろ。もういちど読んでもいいかな――と思える本は、良い本だということだ。  ところで春日は、読書歴何年ぐらい?  小学校の何年生から読んでいた? どんなものを読んできていた? どのくらい(何冊)ぐらい読んできている?  それぞれの時代ごと――とかいっても、高校生の人生じゃ、小中高と、三つの時代しかないのだろうが、その時々で、どんなものを読んできていた?  あくまでも小説がメインではあるけれど、漫画、アニメ、ゲーム、映画、演劇――そういった「物語」関連のジャンルでの体験が大きいなら、そっちのほうも書いておくこと。  僕なんか、小説体験はほとんどなくて、他を合わせたほうが、小説の3〜4倍ぐらいはある人間だが。それでも小説だけで千冊は越えている。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7910 投稿日 2004年4月22日(木)15時15分 投稿者 新木 伸 >2号  ああ、ほら、春日がお前の見て覚えちゃったよ。  責任取れよな。  1000字課題のタイトルの書きかたを、お前が春日に教えてやること。  しかし不思議なのだが。  どうして言われるまで、皆、気づかないものなんだろう?  お前も俺に言われるまで、気が利かなかったわけだろ?  どうしてこうまで気が利かないのか、その仕組みを解説して、俺を納得させるのこと。 -------------------------------------------------------------------------------- 感想でもなく指摘でもなく No.7911 投稿日 2004年4月22日(木)19時14分 投稿者 浦戸シュウ  名無し2号さんの「903 花もだんごも」を読んで、どうしても確認したいことが出来ましたのでお邪魔します。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=903&e=res&lp=903&st=0  感じたこと想ったことでもなく、かといって私の言うことがより良いので従いなさいと思っているわけでもないので、えーと……。  「質問」をさせてください。  冒頭のことなのです。  説明文「県立公園。入り口からやや奥に入ったところに、ずらっと桜並木が並んでいた。桜はもうだいぶ散りかけている。道端には、間隔を空けてベンチが置かれていた。 人の姿はない。時刻は昼。土曜日。」  描写文「街の中央に(中略)かかりそうだった。」  出だしにしてはインパクトが無く、不要な情報が並んでいるんじゃないでしょうか?  公園が街の中央であることも、桜並木が公園の入り口からやや奥まったところにあることも、話のストーリーとも雰囲気作りとも関係がないように思われます。桜並木が奥にあったら道路から離れるから静かになるのかも知れませんが、「街」というのがただポンと置かれているだけで、「住宅街」なのか「繁華街」なのか「学生街」なのかわからないので、街のにぎやかさが想像できません。ひいては街から離れるとどうなるのかがわかりません。何か舞台設定上、「奥に桜並木があること」が重要な要素だったのでしょうか?  さらに描写文には土曜日であることも昼であることも出てきません。何も書いてないから昼間なんだろうなとは思いましたが。  冒頭には5W1Hをできるだけたくさん置いたほうが、舞台を特定できて読者さんは安心する、と私は思っていたのですが自信がなくなってしまいました。  名無し2号さんは遠景から対象物に近づくような冒頭のほうが読みやすいと思っていらっしゃるのでしょうか? 読者さんを惹きつけるためには、はじめの部分に何を置くのがいいと思ってらっしゃいますか? -------------------------------------------------------------------------------- 遅読者、春日 No.7912 投稿日 2004年4月22日(木)19時57分 投稿者 春日秋人 >仕事のこと  僕の場合、その仕事につく可能性が最も高いのは、技術者ということになります。  技術者というのは、なにかを作る仕事だと思います。この場合、僕にとってもやりがい要素はたくさんあると思います。  ですが、少なくとも今の僕は作家になりたいと思っていて、前に書いたように仕事が作家とそれ以外に分かれている状況なのです。  ですから、「したくない」仕事の具体例は出てきません。なぜ「したくない」のかといえば、作家でないから、と言うしかありません。  というわけで、やはり僕は仕事をナメてるようです。今年の夏休みには会社を体験できる機会がある(全員がいけるかどうかはわかりませんが)ので、そこで社会の厳しさを多少なりとも感じてくるつもりです。 >なぜ、なりたいのか  小説を読んで、こんなスゴいものを自分でも書いてみたいと思ったから。   >形  中三のとき、部活(ソフトテニス部です。僕の中学では必ずなにかの部活に入らされます)から帰ってきては、自分でノルマを決めて小説を書いてきました。  高専一年のとき、夏休みをほぼ使って長編を仕上げる(二作目)。  二年のとき、同じく夏休みに長編を書こうとして挫折。普段、色々とアイディアを考えてたりはしてましたが、文章にはせず。頭に残らないものはたいしたものではないと切り捨てていた。  三年のとき、だんだんと焦りつつも、あまり手がつかず。  四年のとき、分室を発見、熱意を問われる。  物質としてはほとんどないですね。頭の片隅ではコンスタントに考えてたはずなんですけど、形にならなかったってことは、その程度の思考だったということ。  ……ダメじゃん、俺。 >読書暦  読書暦は八年くらいでしょうか。それ以前の記憶はかなり曖昧なので。  小学生で読んだもので記憶がはっきりしているのが「ズッコケ三人組」。少年探偵団とかも読んだ気はするのですが、内容は曖昧ですね。ようするに小説は学校の図書館で借りて読んだくらい。マンガは「コロコロ」を読んでいました。  中学生でライトのベルに知り合って、その頃からあまり嗜好は変わっていないようです。  いま家にある文庫本がだいたい400冊。借りたものを合わせれば読書量は500というところでしょうか。  最近は宮部みゆき作品を読みましたね。  漫画も借りたものを合わせると、だいたい400冊くらいです。ジャンプを毎週買って読むようになったのは中二のときだと思います。  アニメは、うーん、だいたい1作品が2クールで終わるものとして考えると、一週間で十作品見てたとして、それを、まあ、最近は減ったんで、えーと……十年間見続けたことにしましょうか。一年間で20作品。つまり、二百作品。話にすると4800話。もっと多いかな。  映画、「金曜ロードショー」を毎週見たとしましょう。実際は違うけど「木曜洋画劇場」とか合わせると似たようなものになるはず。これは五年にしときましょう。一ヶ月4回として一年で48回。ということは、240回!  こんなもんでしょうか。 >タイトル誤字  正直、指摘されるまで気づきませんでした。  前に別バージョンで発表されてた「虚無を心に蛇と唱えよ」の印象のせいかなぁ……  うぅ、情けないです。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7913 投稿日 2004年4月22日(木)21時08分 投稿者 新木 伸 >2号  説明文版のほうが読めるなぁ。  描写文(と2号の称しているほう)は、ツマンナイ。  読めやしない。  描写ってものを、勘違いしてきてないか?  説明を膨らまして、水増しすることじゃないんだぞ?  説明版のほうで書かれていることを、実際に体験させることが描写ってもんだぞ?  なんか量を増やしているばかりで、読めなくさせているだけだな。 >>県立公園。入り口からやや奥に入ったところに、ずらっと桜並木が並んでいた。 >>桜はもうだいぶ散りかけている。道端には、間隔を空けてベンチが置かれていた。 >>人の姿はない。時刻は昼。土曜日。  たとえばこの部分だけど。  描写すべきなのは、以下のようなものになるわな。 ・大きな公園であること。その中央であること。 ・桜並木があること。 ・散りかけた桜があること。 ・ベンチがあって、人の姿がないこと。 ・昼で土曜日。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  穏やかな午後の光を浴びて、桜の枝がゆっくりと騒いでいた。残り少ない花びらが、また一枚、落ちてきては、地面に重なる花びらの一枚と変わってゆく。すぐに混じっていってしまい、いま落ちてきたものがどれだったのか、もう見分けがつかなくなってしまう。  二本の桜並木が交差して、交わる場所であった。  街の音もここからは遠い。ベンチには人の姿はなく、かわりに花びらが何枚も腰を掛けている。  ――と。  そのベンチに足を乗せ、黒いソックスを膝下まで引き上げている娘がいた。  娘は足を乗せたままで、散りゆく桜並木を見回していた。風に運ばれた長い黒髪が、紺色の制服の胸と腰とに引っかかって溜まっている。彼女は風に髪を与えたまま、一直線に揃えた前髪の下で、眉を小難しく引き寄せた。目は遠くに向けられて、じっと桜の枝を見つめている。  その唇が不意に動き、古めかしい響きの一句がつむぎだされてくる。 「散ればこそ、いとど桜はめでたけれ――うき世になにか、久しかるべき」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ざっと3分。推敲に2分。  んー。執筆明けだと、早い早い。エンジン暖まりきっているからなぁ。  描写するにしたって、分量としては、こんな程度になるだろうが。  だって情報単位、5円分しかないじゃん。5円分を何ページにわたって薄めるつもりなのだオマエは。  ――とか思って、いま行数数えてみたら。  2号のが22行で、俺のが15行か。  思ったほどは変わってなかった。なんか3倍も4倍も無駄なモン読まされていた感じだったが。  長さは2倍も変わらないじゃん。なのにこの「薄さ感」はどうしてだろう?  ま。いっか。  俺のが薄いんじゃなくって、2号のが薄いんだし。  あいつが薄いもん書いてるばかりで、プロになれなくたって、俺、ぜんぜん困りゃしないしー  なぜ薄いのかなんてことを考えるのはあいつの役目だしー。俺が考えて答えに至ったところで、あいつが理解するんでなけりゃ、なんの意味もないしー。  俺は薄くないもの、このようにきちんと書けるしー。  情報、ぜんぶ入っているか、チェックするのこと。  あと面倒くさいから、これ課題部屋のほうに「新木リライト」として、おまえが上げておくのこと。  ちなみに2号の該当部分を、ここに持ってきてみる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  街の中央に、その公園はあった。  自転車止めのチェーンが張られた入り口を抜けて、固い土の上を道なりに進む。左 手の芝生を眺めつつ行くと、やがて地面が、桃色の絨毯に覆われてゆくことに気づく。  花びらが盛大に舞い散っていた。  ひらりひらり、またひらり。つぎつぎに地面に降り積もってゆく。  道の脇に並んでいる桜は、だいぶさっぱりとした装いになっていた。とはいえ、ま だ軽装といったところで、すっかり脱ぎすてるにはもうすこしだけ時間がかかりそう だった。  そこに――。  しゃり。  桃色の絨毯に、だれかがブラウンの革靴をのせた。  靴から伸びた足には黒色のソックスが履かれ、膝の下まである深い紺色のプリッツ スカートのなかへと隠れた。すそを隠すように、鞄が両手で持たれている。風にそよ いでいるのは腰まで伸びた黒髪で、つややかに輝きながら、あたりを舞う桃色の花び らに彩られていた。スカートとおなじく深い紺色の、セーラー服の胸元は豊かに膨ら み、すこし窮屈そうに見える。  彼女は名前を、鷺沢静佳といった。  前髪は、太めの眉にかかる程度の長さで切りそろえられている。長いまつげを伏せ、 静佳は目を細めた。 「散ればこそ、いとど桜はめでたけれ――うき世になにか、久しかるべき」  低い、しかし妙に耳に残る声だった。閉じた唇をかすめて、桃色のかけらがくるり と宙を舞う。残された唇には、笑顔はなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  だいたい、アホくさいことしてるんだよな。わざわざ自分で情報密度を薄めちゃっている。  どのへんがアホかというと、「靴」「足」「スカート」――このあたりの単語を繰り返して、わざわざ冗長にさせているところ。同じ単語を二度も三度も繰り返すことが、それが描写というものなのか?  客に対して、一段落のうちに、同じ言葉を二回も食わせるなんて、どういう神経してやがんだテメエは?  せめて言い換えるぐらいの知恵を見せろよ。このボケが。お前はその点、しつけずみのケモノだったんじゃないのか?  できれば言い換えもしないで一回きりで済むように構成を工夫してくるのがベストってもんだが。  俺は昔、「彼がどれだけ彼女を愛しているのか」を描写するために、見開き2ページのなかに「愛」を十三個も十四個も使ったスゴいものを見たことがあるが。ギャグでもコメディでもなくて、大マジでね。  お前の目指すところは、そういうところだったりするのか?  あとカタカナを使うと、情報密度は薄まるもんなんだよ。カタカナってのは、表意言語ではなく、表音言語でしかないからな。  あと字面的にも汚れてしまって、汚く見えるようになる。 -------------------------------------------------------------------------------- 桜の園 No.7914 投稿日 2004年4月23日(金)01時37分 投稿者 弟切 千隼  湘南では、染井吉野はとっくに散り果てて、若葉が茂っています。八重桜もぼたぼたと花びらを散らして、道を濃い桜色に染めています。  「花の後には実がなるはずだから、桜のお花見の後にはさくらんぼ狩りができるぞー」と意気込んだのは、はるか昔、弟切が子供だった頃のことです(笑)  染井吉野だろうと何だろうと、桜の花の後には、確かに実ができます。けれども、花の観賞用に作られた品種の実は、通常食べられません。  果物としてのさくらんぼを採るのは、セイヨウミザクラ(西洋実桜)という種の桜です。セイヨウミザクラはなかなかに花もきれいで、文字どおり「花も実もある」樹木です。しかし、普通は果樹園にしか植わっていません。 >描写課題「親切」  共感度を増強した版を書きました。課題部屋のNo.905に上げてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=905&e=res&lp=883&st=0  次には、葛藤を増強した版を書きます。  皆さんからの御指摘を待ちます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7915 投稿日 2004年4月23日(金)22時27分 投稿者 新木 伸 >春日  課題部屋にアップしたら、分室にリンクを貼って報告をいれること。  あと感想部屋のほうにも報告しといたほうがいいかな。指摘をもらいたかったら。  ていうか、おまえ、見ていただく立場なんだからさ。  毎回課題を上げてくるごとに、頭下げて「よろしくおねがいします」のひと言ぐらい言ってこいっつーの。  俺の手の届くところに頭があったら、張り倒しているところだぞ。  そのへんがナメてるっつーの。「自分はこんなに頑張って書いたんだから、他のひとが見てくれるのはあたりまえ」とか、そんなふうに考えてるのと違うか?  作家を目指すお前が自分で練習を詰むのはあたりまえであって、だな。  他人がわざわざ時間を割いてそれを見てやる義理なんて、これっぽっちも存在しないわけだよ。  わかる?  つまり「見てください」と言ってみたところで、「いやです。なんでそんなことしなきゃならないんですか? 面倒くさい」と言われてしまうのが、逆に「あたりまえ」なんだよ。それが人様の普通の反応ってものなのね。  それなのに、お前が頭を下げてもいないのに、見てくれているわけだ。  それはすべて好意であり、善意であるわけね。ものすごく、ありがたいことなわけね。  わかってる?  まー、わかんねーだろーがな。  自分の懐もなにひとつ痛めないで、自分では学費も払わずに学校に通えて、授業に出て座ってりゃ教師が知識を詰めこんできてくれて、課題や宿題なんて出されたひにゃ、文句言いつつ、ブーたれながらやってきて。  課題のチェックを教官がやるなんて、課題を出してきたんだから、あたりまえのことであって――。  もしやらなかったら、それこそ教官は怠慢ってものであって――。  ――とか、いま、そんなふうに考えてるんだろ?  わかるよ。ぜんぶお見通しなのね。お前の考えていることなんぞ、ガラス張りなんだと思っておけ。  なにしろ自分も通ってきた道だし。  まあ、俺も高専に通ってたときはそんなんだったから、あんま人のことは言えんが。  レポート提出は箱に落として、それきりだったしなぁ。手渡しで「お願いします。見てください」なんて頭下げるのが本式だったなんて、当時の俺が誰かに言われたところで、「アンビリーバボー/アッチョンブリケ」というあたりだし。  しかし、言っておくけど――。  ここじゃ学生の「甘えた常識」なんてもんを通用させてやるつもりは毛頭ないから。  18歳だろうが学生だろうが、まるで関係なく、ただ「作家志望者」として、まったく「普通」に扱うだけだ。  なお、課題提出の報告の際には、自分が注力したのはどの部分か。その部分の出来はどのくらいであり、自分的満足度はどんなものなのかとか、そんなことを書いておくと、いいかもしれない。  なにも言わずに、無言のまま、ぽんと出して「うまいか、まずいか、それだけ言ってくれればいい」なんてカッコ付けたことを言えるのは、一人前になってからの話だ。  どうせまともに食えない出来になっているに決まっているんだから。  せめて、この一点だけは頑張りました、そこだけ見るとどうでしょう? ――ぐらいに言っておくのが、ヘタレ書き手の示しうる誠意ってもんだ。  ちなみに感想、意見に対して、レスを返してゆくのは必須じゃない。質問に答えるのも義務ではない。  どっちかっていうと、次の練習をとっととやって、次々とアップしてゆくべきだな。実力が上がってゆくことを示すのが、感想をくれた人への礼儀だわな。そして一度指摘されたミスは、二度繰り返さないっていうのが、最上の返礼となる。  ――と、分室式には、そういう流儀でやってゆくことにする。  同じ指摘が一回で済むほど覚えがよかったら、分室で修行せんでも、すぐにプロになってるだろうが。  同じ指摘の回数が一桁台に収まれば、御の字ってとこだが。  まあ気持ちとしては、一度指摘してもらったことは、二度は繰り返さないという覚悟でいること。 >竹井さん  竹井さんは、もうばっくれちゃったのかな? まあ退室勧告をわざわざ出さないでも、自分から消えて行ってくれるなら、手間が省けるってもんですが。  課題部屋に、竹井さん専用の練習用ツリーの根っこ、立ててますけど。  あれって、もう削除しちゃっても、いいのかな?  竹井さんのような首輪の紐の先を誰かに持ってもらいたがっている深刻な無思考症でも、とりあえず手だけ動かしていれば戦術面での上達があるということは、2号によって立証されてます。  あれも無思考症ですので。  竹井さんのように、本当は考えていたんだけど「違うよ」とか言われると考えていないふりをしてごまかしはじめる――とかいう悪質なほうではなくて、本当になんにも考えていない天然モノなほうですが。まあ「思考できない」という点では似たようなものなので、一緒に「無思考症」としちゃっていいでしょう。  一時期の課題への打ち込みかたは、思考停止と現実逃避とによるものですね。そんなんでも、やればやっただけ上達するのが、練習のいいところなわけです。  んで、練習ジムの会長としては、世の中ナメたハナタレだろうが、頭を使わないアホタレだろうが、手さえ動かしていれば充分に愛せますので。  個性がひねくれていようと、根性がひねくれていようと、どうでもいいです。ひねくれ者にしか書けない小説ってのがありますから、そういう人はそういうものを書けばよろしい。そうして読者を愉しませると。  ――で、個性のほかには、小説を書くために必要なのは技術と情熱です。  情熱は他人にゃどうにもなりゃしませんが。せいぜい情熱のある者のそばにいると伝染してゆく(かもしれない)程度でして。  しかし技術はここで仕込んでいます。  竹井さんは分室に練習するために来ていたはずですよね?  予備質問の間は練習させてもらえませんでしたが、もう練習はとっくに「解禁」となっていますよ。  なぜ練習をはじめないのですか? >春日  あらすじのほう。書きかたに対して、注文を付ける。  冒頭の第一段落で、設定を語っちゃっているけど。そういうのを、なんとかしてみろ。  そういう書きかたが癖となっているようだが。他の書きかたもあるはすだ。考えて、探してみて、実際にそうした書きかたで書いてみること。  だいたい、実際の小説本体の構造と違うだろ。  冒頭にいきなり「オーフェンは魔術の最高機関の出身であり〜」なんてことを書いていたっけか?  筋を写すということは、どんな事実が、どのような順番で明かされてゆくのかも写し取るということだ。  小説っていうのは、シーケンシャル(理系ならこれで通じるだろ)なメディアなんだから、先頭部分から、逐次、読者に提示していかねばならないわけね。  勝手に情報の並び順を変えてくるんじゃない。並び順にも意味があるんだ。  まだおまえにゃわからんだろうけどな。  情報提示の並び順にも気を使って写し取ってゆけば、そのうちにわかってくるようになる。  まあたしかに、冒頭に必要な説明を全部書いて済ませちゃっておけば、その後の説明は楽になるし、読むほうの負担も減って理解度もアップするわけだけど。  その手の書きかたをしてしまうと、「典型的ダメSF」のパターンとなるわけだよ。アマチュアの書きたがるダメSFね。  冒頭の一行目から、「人類は異星人との長期間の戦争を終えて疲弊の極みにあった。テクノロジーは飛躍的な進歩を遂げたが、それを規制する機関は存在せず、あらゆる暴力的な科学技術が野放しとなっていて……(以下数ページほど続く)」とか、そんなふうに、はじまっちゃうことになるわけね。  もとの小説がそういう形になんているならともかく、エンターテイメント小説ってのは、そうはなっていないだろ?  俺はオーフェンの1巻は読んでいるから、すくなくとも、あれが違うということは知っている。オーフェンが孤児魔術師であることがわかるのは、どの時点だった? 「じつはオーフェンは○○なのであった」とか、説明を入れるのであれば、本文に忠実に、同じ場所で行ってみること。  そういうあらすじの書きかたも存在するんだ。  ひとつのやりかただけでずっと書いていると、方法が固まってしまって、他のやりかたが取れなくなるぞ。  いまのうちに、いろいろとやってみること。 >弟切 >>描写課題「親切」書き直し その3 共感度増強版  平川さんと、佐々木さん、人物造形、まったくサボっているのだな。  なんのイメージも浮かんでこない。名前が付く程度のキャラクターには、人物造形が必要だと思うこと。弟切的には可能な限りサボりたいんだろうけど。 >>大学の実験とアルバイトに追われる彼には、友達が少ない。恋人どころか気楽に話せる女友達すらいない。  共感度増量で、寂しい心境増量のはずだろ。  こんな説明を読ませられたところで、なにか共感できるとでも思うのか?  ナメるなよ。  せっかく主人公とばあちゃん以外のキャラを出して、バレンタインネタも書いたのだから、エピソードで見せろっつーの。  心理をベタに書いてもいいとは言ったが「彼は寂しいやつなのだ」とか、境遇をベタに説明しろとは言ってない。  「平川さんはパートのオバさんだけど、今日来ていたなら、義理チョコのひとつでもくれたかも……」――ぐらい、書けばいいのに。  あと主人公とお婆ちゃんの台詞が、やっぱり変。  弟切が操作して、無理矢理喋らせている匂いが、プンプン漂ってくる。  同じようなことでも、言う人間が変わったら、言い回しが変わったりするわけだ。あと話の省略の具合なんかに癖がある。  この二人の台詞、すべて弟切本人が喋っているままなんだよな。  この二人に関しては、すでに人物造形をしてあるんだから、その造形された個性によってフィルターをかけて、言い回しやら、話の飛躍や短絡の仕方とかの癖も「造形」しろ。  書こうとする台詞をまず書いておいてもいいけど、脱稿前の手直しの段階で、それを変形させてゆくわけね。  計算でだって、できることだよな。人格のエミュレートをするわけだよ。  キャラの魂を降ろせないやつは、技術でどうにかするしかない。  すこしは工夫しろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 春風邪に吹かれて No.7916 投稿日 2004年4月24日(土)02時41分 投稿者 弟切 千隼  題名は誤字ではありません。弟切は春風邪を引きました。今日の午前中は、高熱のため立ち上がることもできませんでした。  感想部屋で弟切の作品に感想をつけて下さった方々、ありがとうございます。皆さんの御指摘は、次の「葛藤増強版」に生かします。  感想部屋で、沢口さんが『人物の台詞が不自然だ』と指摘して下さっていますね。新木さんからも『人物の造形が足りないから、台詞が不自然だ』と指摘されています。  複数の人物から、同じ「場所」が不自然であると指摘されているからには、それは普遍的に不自然と考えてよいでしょう。  人物の口から出る台詞が不自然ということは、人物が不自然ということです。弟切の手抜きのせいで、人物の造形がなっていません(;_;)  次の作品は、人物造形も強化します。 浦戸さんへ >  変な人に追われてスーパーのバックヤードに逃げ込み、店員さんに助けてもらうなんて、なかなかできない体験でしょう。そんな体験があるなら、趣味の小説書きにでも、ぜひ生かすべきですよ。  弟切が聞いた範囲では、変な人に追われて手近な店に逃げ込み、助けを求めたら、「迷惑だから出て行って下さい」と言われたというひどい例がありました(*o*)  浦戸さんは、良い店員さんに出遭ってよかったですね。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題提出 No.7917 投稿日 2004年4月24日(土)03時59分 投稿者 春日秋人 >よみかく分室のみなさん  未熟者ながら課題提出をやらせていただいております。  ご指摘してくださると嬉しく思います。それはもう、ほんとうに。  なにとぞ、よろしくおねがいいたします。 >1000字課題「明日美」  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=907&e=res&lp=907&st=0    よろしくおねがいいたします。 -------------------------------------------------------------------------------- ヒット数が No.7918 投稿日 2004年4月24日(土)04時00分 投稿者 名無し君2号  課題部屋のHIT数、いわゆるどれだけの読者が眺めたのか、というひとつの目安になる単位ですが、それがいきなり100単位で増えていてビビりました。  たぶんバグなんだと思うんですが、増えていて喜ぶよりまず先に、なにが起きた! と戸惑った自分がなんか、可哀想だと思いました。とほほん。 >浦戸さん >>公園が街の中央であることも、桜並木が公園の入り口からやや奥まったところにあることも、話のストーリーとも雰囲気作りとも関係がないように思われます。  公園で重要だったのは大きな公園である、ということでした。じゃないとだんご屋がだせませんので。  桜並木を公園の奥に置いたのは、ご指摘のとおり静かにしたかったからです。静かじゃないとのんびりした感じはでないと思ったのです。 >>名無し2号さんは遠景から対象物に近づくような冒頭のほうが読みやすいと思っていらっしゃるのでしょうか? 読者さんを惹きつけるためには、はじめの部分に何を置くのがいいと思ってらっしゃいますか?  今回のは、ひたすらに公園感を出そうと思って書いたものです。  読みやすい……うーん。  思いうかべやすいとは思うんですが、本編にいく前に読者に力つきられても困るし……うーん。  読者を惹きつけるためには、わかりやすく面白い5W1Hでしょうか。  飛び道具としては会話文を入れるとか、主人公のモノローグを入れるとか、とりあえず疑問形で書いてみるとか、いろいろあるような気はしますけども。  最初の一文は短いほうがいい、という思いこみがあることにもいま気づきました。うーん。 >春日さん  ども、はじめまして。  さっそく、1000字課題のタイトルのつけかた、です。 ・書いた日付 ・ナンバリング ・小説の題名 ・文字数(1000文字までしか書けない場合はいらないです)  これらを一緒に書けば、それでよいのです。  具体的には―― ・1000字課題、10/21分、No.1「シャー芯」(1000文字)  ――こうなります。  なんでこれらを附記しなければならないのか。  これは作者本人のためというよりは、読者のためです。「この作者はいつこれを書いて、何作目で、どんなタイトルで、何文字なんだろう」という疑問にわかりやすく答えるためです。  たとえば、あとになって「もう一度あの作品を読みたいな」と思っても、日付しか書いてないのでは探せません。数がすくないうちはいいですが、半年も続ければ100作を越えてしまいますから、せめてタイトルでもないと大変です。一作目から番号がふってあれば、なお見つけやすくなりますね。  たとえばだれかが、他の人が書いた作品の指摘を読んで、「ふむふむ、どんな話なんだ?」と思って課題部屋を覗いても、そこに日付だけが並んでいるのでは、「……どこにあるんですか? もーいや! ぷんぷん」となって帰ってしまいます。  あともうひとつ。  76文字ぐらいで改行して、整形したものをアップしましょう。なんでかといえば、そちらのほうが読みやすいからです。  春日さんがワープロかエディタか、どちらで小説を書いているのかはわからないのですが、エディタだと、もしかすると整形する機能がないかもしれません。その場合はしかたないのかな? どうなんだろう。 >新木さんの質問 >>しかし不思議なのだが。 >>どうして言われるまで、皆、気づかないものなんだろう? >>お前も俺に言われるまで、気が利かなかったわけだろ?  私の場合。  「読者」の存在がなかったから、です。  自分の書いたものは「商品」であり、それは「読者」という消費者に買ってもらうものなのだ、という認識がなかったんです。  もしも商品だとわかっていれば、もっと気をつかっているはず。ナンバリングや字数はともかくとして、題名ぐらいはつけようとしたはずです。 >1000字課題  No.119−3「深く重く、そして強く」の第三弾。  なんといいますか、9500文字です。原稿用紙換算18枚です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=908&e=res&lp=889&st=0  主人公がヒロインに連れられて、ライブを見せられ、そこのバンドのドラムを引き抜いちゃおうぜ、と誘われるまでの話。  ……。  たぶん、これは新木さんに指摘されていることにもかかってくるんだと思いますが、いろいろと無駄が多いんだと思います。  あと用語の説明が多くなりました。半分ぐらいは説明にあたっていると思います。  はたして用語解説はうざったくないか。  はたして文章の長さは適切であるかどうか。  もしかするとここで連載終了かも。  ああ胸が痛い。  面白くなかったらズバッといっちゃってください。  課題に時間がかかってしまいましたので、レスはまた明日です。すみませんのレスには2時間ほど。 -------------------------------------------------------------------------------- 感謝&質問 No.7919 投稿日 2004年4月24日(土)17時02分 投稿者 春日秋人 >2号さん  はじめまして。  未熟者のせいで手間をかけてしまいました。すみません。  タイトル、改行、了解しました。  わかりやすい解説、ありがとうございます。  そうですね。「読者」様ですね。 >新木さん  ちょっと曖昧になっていることがあるので、質問させてください。  1000字課題ですが、僕はワードで書式を40文字×25行で書いています。この場合でいう1000字というのは、この25行をきっちり使った状態なのでしょうか? たとえば原稿用紙換算したときに、20文字以内で改行していると、50行には足らなくなりますよね。それとも単純に文字数で1000字前後ということでよろしいのでしょうか。  読書課題では20文字×40行で、行をきっちり使う形をとっています。なので、1000字課題のときも行で数えるのかな? という疑問を持ったのです。2号さんの作品を2、3ワードにコピーして見てみたのですが、どうもよくわからなかったので。  返答、よろしくおねがいします。  お手数をかけて申し訳ありません。  あと、これは読書課題のことで、もうひとつ。  シリーズものになってくると、次巻に続く複線などが入ってくると思います。  だから短編と同じで課題の題材には不適格になってしまうような気がするのですが……  それとも、シリーズものであっても、長編であれば大丈夫なのでしょうか。 「我が呼び声に応えよ獣」はもともと単発として出されたものだったと思うので、そういうのはなかったのですけど……  僕の蔵書のほとんどはシリーズものであるので、そこのところのはっきりとした回答がほしいです。  できればこちらの返答もよろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- お礼 No.7920 投稿日 2004年4月24日(土)17時24分 投稿者 浦戸シュウ >名無し2号さんへ   お答えいただいましてありがとうございました。   「面白く」というのが、むずかしいですよね(ため息)。 >弟切さんへ  た、助けてくれないなんて……大変でしたね。  えーと。  例えば、このスーパーの話でも(親切な店員さんがいるのね)と思う人と(変な人が来る店なのね)と思う人が出てきますよね? 私はお店に損をさせる可能性が少しでもあったら小説に出来ないので、フィクション限定で書くと決めているんです。  プロじゃないからなおのことです。責任を取る方法がないので。  もちろん自分の経験にないことは書けないと思うので、生かしたいんですが……。どう処理すればいいのだろうと悩んでしまいます。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7921 投稿日 2004年4月24日(土)20時46分 投稿者 新木 伸 >春日 >>1−50しか表示されてなかったから、他の方々からもご指摘いただいていたのに気づいていませんでした。  感想部屋の書きこみ。  自分が感想を見落としていた責任を、他におしつけようとしているように見えるぞ。  自分の不注意以外に理由はないわけだろ。  言いわけをするつもりではなくて、自分が不注意を起こしてしまった理由の説明をすることで相手の腹立ちを収めたいという狙いがあるときには、よほど気をつけていないと、言いわけや責任転嫁に聞こえてしまう。  謝るつもりでやっていても、それでは逆効果ってもんだろ。相手を余計に腹立たせてしまうだけ。気をつけたほうがいい。  俺なんかでも、こういうのを書くときには、何度も何度も書き直して「これじゃ言いわけめいて読めるよなぁ。余計怒らしちゃうよなぁ」と悩んだあげく、結局、理由の釈明は書かずに削ってしまうことも多い。  分室と感想掲示板のシステムは、ふだんは前回読んだところ以降の「未読位置」が自動的に表示されるようになっているけども――。  50書きこみ単位でページ切り替えが発生する。そのときに、自分で次のページに行かないと自動では表示してくれないのだな。  ただ、左側のメニューのところには、新しいページが増えていることが表示されているので、注意していてもわからない、ということはないはずだ。  また「更新」ボタンを押さないと、表示されないこともある。  あと、すぐに「!」を使う癖、改めること。  アホくさくて低能で幼稚で、中学生ぐらいに見えてしまう。 >春日 >1000字課題の質問  あらすじ練習と、本文練習とでは、文字数を指定する意味が違う。  あらすじのほうでは、字数を使い切ることを身につけるために字数制限を課している。余らせもせず、不足させもしない。800字で書くなら、あれとあれとあれ――てな感覚を養うためにやっているわけね。だからこちらは厳守。最後の一行まで使いきること。  本文のほうも、まあ分量の感覚を掴むという点では同じことなわけだけど……。  こちらは1000字のなかに起承転結を入れこむことが主眼になっている。だらだらやらずに、ぴしっと、短いなかに起承転結を作り上げる。  あらすじは、他人が作った長いもの(長編の筋)を指定文字数のなかにぴたりと切りつめてゆく訓練。  1000字課題は、1000字程度で収まるネタを、自分の内側から探しだしてくる訓練。  ――そんなところか。  1000字課題のほうは、そのうち2号のように1000字では窮屈に感じるようになる。そうしたら文字数枠は2000字に拡張され、3500字になり――と、なってゆくから。  プロの小説家だって、3500字程度のシーンを40〜50個ほど連ねていって、一本の小説を作りあげているわけだ。  3500字で読めるものを書けるようになれば、まあ、文章面ではプロレベルってことだな。  春日の本来の質問としては、字詰めの話だな。  1000字を、40×25で計算すればいいのか。20×50で計算すればいいのか。  800字あらすじは、20文字詰めで書け。20文字×ジャスト40行。  1000〜3500字課題は、大まかな目安として、40文字詰めで書け。  1000字であれば、40文字×25行が目安。まあ若干であれば、増えても減ってもかまわない。  筋を写し取る長編の選択基準の話だが。  答えを書いてしまうより、自分で考えさせて、答えを見つけさせたほうがいいかな。  なんなら次の話、わざと「伏線バリバリ」の巻を見繕ってくるわけだよ。  「伏線をどうするべきか?」ということについて、春日の思う解答がいくつかはあるのだろうから、それをぜんぶ試してみればいいわけだよ。  いちばんうまくいって、サマになったものが書けたなら、とりあえずそのやりかたを暫定的な自分自身の「解答」として、「次巻への伏線はこう取り扱いましたけど」と、そう示してくると非常にスマートではないかい?  おまけに自信だって持てるだろ。  お前が自分の発言に自信を持てないでいるのは、やることをやってないからだ。やることすべてやってきたなら(思いつく全部を実際に試してみたら、ってことね)、俺に対してだって、胸を張って、「このやりかたがベストだと思います」と言えるはずだが。  べつに、一発で完璧に仕上げなければならないわけでなし。  どうせ練習なんだから、しばらく、思うようにサンドバッグ叩いていて、いいんだぞ。  練習機材と設備を使うのは、タダで自由だ。  近所のおねいさんと、おにいさんたちも、ボランティアで見てくれるそうだし。 >課題部屋のヒット数  ここ数日、ヒット数が異様に増えているのは、べつにバグではなく……。  実際にクリックされた回数が表示されているだけ。  理由は感想部屋を作ったためね。あちらの書きこみでは、話題に出すときにリンクを貼ることを推奨しているわけだし。  まあ「眺めた数」といえば眺めた数ではあるだろう。  ただし、ひとりの人が重複してクリックしたときにも、ヒット数としてカウントされてしまう。感想掲示板のリンクから、課題に何度も飛んでいる人がいるためだろうね。 他の人の書きこみをみて、「ふむふむ」とか思い、自分でも確認するためにクリックしたりすると、それもカウントされる。  よって一人につき、数回分のカウントがあるはず。  俺も感想部屋できてから、何回も見たりしているもの。  読んだ人間の実際の人数――と、眺めた回数の「のべ参照数」と、どっちのほうが意味があるのかな?  まあ両方出せれば、それに越したことはないんだけどね。  分室に張ってあるアクセス数解析のほうでは、一人の人間の重複アクセスは排除して数えていたりする。  課題部屋のCGIでも、同じことはやれるんだけど……。  クッキーを仕込むためにCGIのソースをいじらないとならない。  まあそのうちやるかもしれない。  また自分で機能追加するよりも、そういう機能付きのツリー式掲示板BBSを探してきたほうが早いかもしれない。  CGI渡したら、機能追加してくれるような、暇でPERLスキルの高い人、いませんか〜。  もしくは、クッキー式で重複アクセスを排除した正味読者数を取得できる、ヒット数表示機能付きツリーBBSのCGIが、どこに落ちているか知っている人〜。 ○2号 >>名無し2号さんは遠景から対象物に近づくような冒頭のほうが読みやすいと思っていらっしゃるのでしょうか? 読者さんを惹きつけるためには、はじめの部分に何を置くのがいいと思ってらっしゃいますか? >>今回のは、ひたすらに公園感を出そうと思って書いたものです。  なにとんちんかんな答えを返しているのか。  質問内容が高度すぎるのかな?  わからなかったときは、素直に「わからないです」と言うこと。「きゅう〜ん?」と鳴くのでもいい。  誰も粗相癖が直った程度のワンちゃんに、そんなに難しいことは期待してないから。  浦戸さんの訊いていることは、つまり、こういうこと。 (と思ったら、なんか浦戸さん、あんな解答で引き下がっているけど。呆れちゃって、どうでもよくなったのかしらん?) >>街の中央に、その公園はあった。 >>自転車止めのチェーンが張られた入り口を抜けて、固い土の上を道なりに進む。左手の芝生を眺めつつ行くと、やがて地面が、桃色の絨毯に覆われてゆくことに気づく。  まず空撮映像から入っているわな。ヘリコプターぐらいの位置。  視点保持者は空にいる。街の全景を見下ろせるぐらいの高度にいるわけだ。  そして視点保持者は公園の入口に下り立って、入口を通り抜けて公園内に入ってゆく。チェーンは跨いだのかどうか知らんが。そこからは人並みに歩いてゆく。道なりに進んでいって、芝生なんかに興味を惹かれて眺めつつ、てくてくと歩いてゆき、桜の花びらに覆われているあたりに到着する。  こうやって視点保持者に3000マイルぐらいの長旅をさせてしまうのは、どういう作劇意図によるものか――と、浦戸さんは訊いているわけ。  ちなみに僕とみやびさんあたりは、同じものを見て、オマエの意図なんて聞きもしないで「ふざけんな。話にならねぇ」とか言っちゃっているけどさ。  意図があろうがなかろうが、マズイもんはマズイのだ。  浦戸さんは、親切にも訊いてくれているわけね。なにか意図とか信念とかあってのことだろう、と。  2号は2号なりに考えたうえで、やったことであろう、と。  150グラムだかの脳味噌をフル回転させて出してきたのだろう、と。  2号はこれがユーザーフレンドリーと考えているのであり、読者を愉しませて、惹きつけるための手法として、なんらかの狙いがあって、意図的にやっているのだろう。  ――と、なんとも優しいことに、浦戸さんはそう仮定してくれているわけ。  なにか考えあって、視点保持者に旅をさせてきたのであれば、まあいちおう――それを言っておくこと。  どうせ否定するけどさ。俺は。 >No.119−3「深く重く、そして強く」の第三弾  エサがない。連載一回につき一回くらい、なんかちょっとくらいはエロくしろ。撒き餌が途切れたらサカナはすぐに逃げてゆくのだと思え。  たとえば主人公が――。  あんな感じに勧誘されたのに、その後に浮いた話やら、嬉しい一瞬やらがぜんぜんない。(つまりご褒美って意味で)。あれ以来ぱんつも見せてもらってない。しかし今日はふたりっきりでしっぽり――とか思っていたのに。いたのに〜。  ――とか、直接エロでなかったにしても、そのぐらいの感傷系エロ路線は欲しいところだが。  そういや前回できちんと練習している、って伏線を張ってるっけ。  思わぬ上達ぶりを褒められて「ご褒美」もらえちゃったりしちゃったりなんかしてっ! ――とか、妄想系とかでもいいけど。  あと、この程度の分量なら、毎日あげてこいよな。  おまえプロの仕事をナメてんだろ?  前書いて出してきたの、いつだよ。一週間も前じゃんかよ。  一週間で、たったの14ページかよ。いったい何ヶ月かけて一冊書きあげるつもりなんだよ。  この程度のもん、俺は毎日書いとるぞ。2月の頭からこちら、この3ヶ月ほど、ずっとな。  14ページが、8時間で出来たんだよな?  なら、毎日だってやれるよな?  やってこい。  あと説明過多。「カドのタバコ屋のばーちゃんにも分かるように書け」というのは、久美沙織さんの弁だが。  ロックに関する説明、カドのタバコ屋でうたた寝している、最近入れ歯が合わなくなってきたことが悩みの、そんなばーちゃんでもわかるように書け――とまでは言わんが。  せめて音楽ノンケな一般男子高校生(小説を好んで読むようなヤツ)には、わかるように書け。  以下、部分指摘。 ・3キロから5キロを担いでいる感がない。3キロから5キロを担いでいる人間の感覚に連れていってくれていない。 ・街角感がない。 ・ライブハウスに来たというところは、このように説明してOK。 ・ライブハウスに入っても、音が聞こえてこない。 ・本当に説明ばかり。舞台が動いたかと思ったら、曲のペースの話に始まって、音楽の種類の話など。「ブルーズ、パンク、ロカビリー、カントリーロック、ビートロック、ロックンロール、ハードロック、プログレ、ニューウェーブ、デジロックにメロコア」こんな隠語の羅列をするなバカタレが。知らない人間には暗号だろうが。 ・生ライブの音を聞かせるのなら、そのまえに音の説明なんぞするな。衝撃が薄れる。 ・「速くしろ」→「早くしろ」誤字 ・重低音って、どんな意味で使っている? ロックで重低音って、どの楽器が出すものなのだ? ベースって重低音は出ない気がするんだけど? だいたい重低音を描くときに、重低音って使うなっつーの。  ――とか、いちいちやってるとキリがない。基本的に削り方面で直るもののようなので、ぜんぶばっさりと削ってみた。文中に出てきたフレーズの並べ替えぐらいはしたが、基本的には、ただ削っていっただけ。 >>面白くなかったらズバッといっちゃってください。  ――とあるので、ズバッといっちゃってみた。  皆の感想も、おおむね、出回ったようだし。  上に書いた「小説を読む一般男子高校生」にわからないもの、説明不足なもの、すべてばっさりと削り落として、捨てておいた。  わからんもんは、いらん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「体力ないなぁ、草一郎」  草一郎は荒い息をついていた。背負った楽器が、ずっしりと肩に重い。  あえぐ草一郎のとなりで、凛子はもう息を整えはじめていた。 「ライブやるには体力も必要。もうちょっと頑張れ」  凛子の手には、黒いギターケースがあった。中身のギターは五キロほどの重さがある。ケース自体も、ハードケースなので、たぶん二キロ近くあるだろう。  それだけの重量を持って街中を走りまわって、どうしてこの人は平気なんだ?  「時間がない」とのひと言で、先導する凛子について草一郎は繁華街のなかを走りまわった。アルコール臭いサラリーマンたちをかわしながら走り、飲み屋を抜けて、ようやくこの建物の前で止まった。  ビルはかなり年期の入った外観だった。クリーム色の壁はだいぶ色褪せている。ビルの脇に付けられた看板が、その壁を夜から浮かびあがらせている。バーやキャバクラの店名が並んでいた。 「ほら、いくよ」 「あの、凛子さん?」  凛子が、なんだ? とばかりに振り向いた。 「ここ、タコビルっスよね」 「そう」  タコビルというのは、このビルの愛称だ。本当の名前はオクト興業ビル。オクトパスで、転じてタコになったらしい。 「今日は練習じゃなかったんスか」 「なんの話?」 「いや、だって……」  草一郎は背負った楽器を示す。  普通、楽器を持ってこいなんていわれれば、スタジオにでも入って練習するかと思うものだ。そもそも草一郎は凛子と一度たりとも音を合わせたことがない。  タコビルに貸しスタジオはない。  あるのは――ライブハウスだけ。  ライブハウスというのは音楽を聴きに来るところだろう。 「くればわかる――いくぞ」  例の八重歯を見せて、凛子は笑った。真紅の髪とあいまって悪魔の甘く恐ろしい微笑みに見える。そのまま背中を向け、蛍光灯の点滅する通路の奥へと消えた。  赤髪の三つ編みを、草一郎は口を半開きにして見送っていたが、やがて我に返り、あわてて後を追いかけていった。  軽い衝撃とともに、ヤニ臭いエレベーターが停止した。階数の表示は四階を示している。ドアはぎこちなく開いた。  とたんに伝わってくる振動。  一定のテンポを保った「重み」が、草一郎の体に響いていた。  バスドラムの音だと、草一郎は聴いてとった。元は白だったのだろうクリーム色の壁が、ときおりビリ、と震えている。  ――近くでライブがおこなわれている。  凛子と一緒に、草一郎は四階、重低音の響くなかへと足を踏みいれた。  前方にいる人影に視線が止まった。  モヒカンヘアー。  むき出しの二の腕にはタトゥー。  大きなドクロの書かれたTシャツを着て、ボロボロのジーパン、でもってなぜか腰には手錠がくくりつけてある。  なにより、鋭い眼。  草一郎は体が強ばるのを感じていた。背筋をぞくぞくと駈け上がってくるものがある。  ――ぶっちゃけ、怖い。 「あの、凛子さん?」 「ん」  振り向かず、凛子はずんずんと前に進んで行く。 「どうするんスか。こんなとこに楽器なんか持ちこんで、まさか飛びこみでライブする気じゃないっスよね」  ぴたりと凛子の足が止まる。 「……なかなかいい線ついてる」  振り向いた凛子の顔は、いつもの恐ろしい顔だった。つまり無邪気な笑顔だ。 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! だっておれたち、一回も音を合わせたことないんスよ!」 草一郎の言葉も待たず、凛子はすたすたと歩いてい凛子さん、ともう一度声をかけようとして、草一郎はその言葉を呑みこんだ。  モヒカンな彼が凛子に気づいたからだ。 「あー……」  彼が開いた口のなかは、前歯が三本なかった。  草一郎はつばを呑みこむ。  長い時間が流れた――ように草一郎は感じた。 「凛子ちゃんじゃんかぁ」  モヒカンな彼が見せたのは、満面の笑顔だった。 「――だれ?」  がくん、とモヒカンが肩を落とす。 「冗談キツいよ、凛子ちゃん……。おれだよ、おれ、シバだよシバ。柴崎だってば」  思ったより人の良さそうな声だった。  身振り手振りをまじえて、あれやこれやと言いはじめる柴崎を――凛子はうざったそうにさえぎった。 「わかったわかった。それでモヒカン、あたしになんかようか?」 「ひどいなぁ……おれの頭をカチ割ったの、忘れたの? ホラ、ここにキズが……」  そう言って下げた頭に傷跡があった。五針は縫っているだろうか。 「ビンでさ、ゴバーンって。血ィ、ダラダラって。あれからおれ、凛子ちゃんのファンなんだあ。だから、これ自慢なのね」  うっとりと柴崎は目尻をさげた。眉毛はなかったが、もしもあれば、そっちもさがっていたのだろう。  凛子はつまらなそうに見つめるばかり。 「いくぞ、草一郎」  かまわず、凛子は先を急ごうとした。 「あ、ちょっと待ってよ凛子ちゃん。ライブならもう終わりだよ。いまは最後のバンドがやってるところ――それももう終わっちゃうよ」 「いいんだよ」  そのまま通路の奥、閉めきられた扉へと凛子は向かう。 「それに用があるんだから」  柴崎は目を見開く。  へへ……とだらしなく笑った。 「そうか、やるんだね、凛子ちゃん。おい、頑張れよ、お前!」  そう言って柴崎は草一郎の腕を叩いた。  いったい、なにを頑張ればいいんですか?  問いかけてみる勇気は、草一郎にはなかった。扉の前で凛子が睨んでいるし。 「速くしろ! 草一郎!」 「はい!」  凛子が扉を開き――いきなり、「重さ」に打ちのめされた。  体をブッ叩くものがある。  体を震わしてくるものがある。  体を突き刺してくるものがある。  まったく気にせずに、ギラギラ光る暴風雨のなかに入ってゆく。どうにか草一郎もついてゆき――ようやくわかった。  これは音だ。  バンドの音だ。人間が出している音なのだ。  ブッ叩いているのはドラムだ。震わしているのはベース。突き刺しているのはギター。どうやらがなりたてているのがボーカルらしいが、楽器隊の音量が凄すぎて、なにをいっているのかまったくもってわからない。  草一郎はこういうジャンルのバンドだって聴いたことはある。  ただし、CDとして、ステレオのスピーカーから、ヘッドホンからの音としてだった。  生のバンドの音が、ここまで凄いとは。  まさに音圧だった。  押される。ぶっ飛ばされそうになる。体のなかをかき混ぜられる。 ※注:(不足)凛子が進み始めていることに、ようやく気づく主人公。  平気な風で進む凛子についてゆく。  やがてステージが見えた。ギラギラ光っていたのは、ステージの照明だった。  音もすごいが、観客がとんでもなかった。  ステージのライトに映しだされた大量の人影が、跳びはね、互いに体をぶつけ合い、なかにはステージから客席に飛びこんでる客もいて、飛びこんだまま観客で出来た波の上を泳いでいる者までいる。モッシュだ。ダイブだ。  なんじゃこりゃあ。  観客席の一番後ろで、草一郎は眺めていた。  だれかが裾を引っぱる。  凛子だった。口をぱくぱくと動かしている。  草一郎は身を屈めて、耳を近づけた。 「どうだ?」  と聞こえた。 「すごいっス! こんなのはじめてっス!」  と、草一郎も凛子の耳に返した。 ※注:(不足)女の耳に顔を近づいてきたらエロい気分にならんか? なんか描写。  すねに激痛が走る。耳たぶを引っぱられ、むりやり屈ませられる。 「バカ。草一郎がのせられてどうする。ちゃんと音を聴け。それだけの耳は持ってるだろうが」  凛子がまた蹴るようなそぶりを見せる。あわてて草一郎は目の前の音に集中した。  まぶたを閉じる。  バンドの発する音の、細かい部分まで聞き取ろうとしてすぐに断念した。大きく、ひとつの固まりとして捉えてみて、ようやく気づく。  そうか。ドラムか。  ともかくリズムがいい。  ひとくちにリズムといっても、かっちりと正確な、まるで機械のようなリズムと、それと微妙にずれ、それがかえって気持ちのいいうねりを生みだすものとがある。  このバンドのドラマーが生みだすリズムは、ともかく気持ちよかった。  力強く、重いバスドラム。ナタのようにぶった切るスネア。  ドン、タン、ドン、タンの「ドン」がバスドラ、「タン」がスネアだ。シンバルだって小気味いい。  それにしてもとんでもない音量。  ドラムというのは生楽器である。アンプで増幅されてスピーカーから流れてくるわけではない。それでこれだけの音量を叩き出すってのは。  いったいどれだけごついドラマーなんだろう?  ドラムスの素晴らしさに対して、まわりが追いついていない。ギターもベースも、自分のリズムでしか動いていない。ドラムがもったいなさすぎる。  凛子は笑みを浮かべていた。くいくい、と指先を曲げる。 「いいだろ、草一郎――ドラムだけな」  凛子は決して怒鳴っていない。まるでささやくようなのに、草一郎の耳にはしっかりと届いている。 「こいつらにはもったいないよなァ」  ――まさか。 「もらっちゃおうよ、草一郎。いまからさァ」  悪魔の犬歯が、ステージの照明に照らされ、凄みを増していた。 「無理っスよ! 正々堂々と引き抜きなんて、ケンカ売ってるようなもんス!」  凛子は手に持ったギターケースを示し、草一郎が背負ったベースを示し、唇を動かす。  なぜか草一郎は、意味を理解してしまった。 「だから持ってきたんだろ――武器をさ」  たしかに凛子は、そう言っていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これで、説明、足りてないか? これでわからないか? 話についてこれなくなったりするか? これでは愉しめないか?  「削り」という概念と、その練習法は教えたし、実際に皆で実習もしていたはずだが……と思って見てみたら、その話題、ちょうど一年前だったか。  まだそのころは、お前、この世に生まれてもいなかったんだな。  んで、今後の方針。  はじめからこういうものを書けというのは、それは無理だから、今回のように、説明過多のものを初稿では書いてきてよし。しかし二稿では適正枚数まで削れ。このくらいの説明分量だったら、元の3分の2だな。これもちょうど、そのぐらいの削り量だ。  そして一稿と二稿、両方あげてくること。一稿は単なる参考用。変なとこ削ってないか、チェックするため用だな。  削りなんてのは、15分もあればできるだろ。(俺がいま削るのに掛かった時間が、そんなところだ)  8時間で書いて、15分で削って――と、そのたった15分の手間を惜しんでいるんだよ、オマエはよ。  毎回、その手間を惜しまず、削りをやってるゆくようなら、まだ連載は続けていい。――って、俺が決めることじゃないのか。読者が決めることだっけか。  あと、これも面倒くさいから、お前が課題部屋に上げておけ。「新木さん」とか付けるな。こそばゆいから。「新木削り版」とかでいい。  いいか。小説の元では、どの作家も対等なんだ。よって習作とはいえ、作品の並ぶ場所に敬称は不要だ。プロもアマも、キャリアの長さも、年齢の上下もない。誰が書いたかなんてことも、作家ごとの腕の違いさえも、まったく関係がない。課題部屋のそこにある小説の出来がどうかということだけが問題となるんだ。  ヒットカウンタの数が多い作品のほうが偉いんだ。  おまえはそこで、「新木削り版」のほうが、オリジナルのヒット数を追い抜いてゆくところを、指をくわえて見ていやがれ。くっくっく。すぐだぞ。  削りの練習を単体で行うことが必要だと感じたら、数日ぐらい、それだけやっていてもいい。  適度に太っていて、削るだけでまともになる原稿のサンプルってのが、なかなかうまい具合になかったりするのだが(削るだけで通用する出来であれば、それは文章面ではセミプロってことだ)。  巻島の長編とかが、課題部屋に転がっているだろ。あれが使える。  削りの極意は客観視にあるから、はじめは、他人の文章で練習したほうがいい。自分の文章を客観視して、メスを入れられるようになるまでには、壁がひとつあるのだが。  ちなみに2号は知らないかもしれないけど、前に分析した巻島の冒頭5ページとか。  あれは削りに削り抜いて、増量して、また削って――と、研磨を繰り返したものだったわけね。 >逃げこんできた人  前、図書館のバイトをしていたとき。  変な男に追い回されたということで、図書館に逃げこんできた女の人がいたっけ。  閉館も近かったし、時間を置いたら相手は帰ってゆくかもしれないし――ということで、閉館まで30分ほど館内で待ってもらっていて、男子アルバイトの僕が、近くのマンションにまで送っていったけども。  そうか自分はこのときのために空手を習っていたのだな。――とか、へんなふうに天啓を感じちゃったりしたけども、なんもなし。アドレナリンの行き場もなし。  お姉さんを部屋まで送って、そっちのほうでも、なんもなし。いや。なんかあったらそれこそ送り狼ってもんだけど。  いや、だけどもし、どうしても――とか、お姉さんに言われて引き止められたら、部屋にあがってお茶を頂くぐらいは、そのくらいはいいよな〜とか、思ったりなんかしちゃったりなんかしちゃったりして(笑)。  しかし、アドレナリンの行き場は、やはりなし。  しかし後日、ビール券もらったりして。  変な期待とか、やはり顔に出ていたのか、余り物という名目のビール券を渡してくれて、お礼を言ってきた彼女の隣には、しっかり「彼氏」が付き添っておりましたとさ。  いいじゃん。へんな期待したって。  俺、なんかあったら、守って戦うつもりだったんだよ? -------------------------------------------------------------------------------- 生存報告 No.7922 投稿日 2004年4月24日(土)23時49分 投稿者 竹井 比呂  生きてます。もう少しで課題あげられます。  レス遅れてごめんなさい。 -------------------------------------------------------------------------------- 読書課題提出&新木さんへ No.7923 投稿日 2004年4月25日(日)02時23分 投稿者 春日秋人  読書課題を提出させていただきます。  よろしくおねがいします。 3冊目「涼宮ハルヒの憂鬱」著:谷川 流  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=910&e=res&lp=910&st=0 >新木さん  返答ありがとうございました。  伏線のある本。  まだあらすじを書くこと自体にも自信は持てていませんが……  とにかく一度、挑戦してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- 夏日の後の冬日 No.7924 投稿日 2004年4月25日(日)03時03分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は寒いです。昨日、天気予報を見て、あまりの寒暖の激しさに驚きました。  同じ関東地方でも、埼玉県や群馬県などの内陸部は、湘南よりもっと極端に気候が変わるようですね。秩父地方など、二日ほど前に気温が30℃を越えたというのに、今日の最高気温は6℃くらいと予報されていました(*o*)  風邪引きの弟切は、毛布にくるまりながらこれを書いています。 >描写課題「親切」  課題部屋のNo.911に、葛藤増強版を上げておきました。皆さんの御指摘を待ちます。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=911&e=res&lp=883&st=0 浦戸さんへ >  実際にあったことをそのまま書くのではなく、舞台を変えてしまえば、フィクションとして使えるのではないでしょうか?  複数の人が「変質者に追われた人がお店などに逃げ込んでくる」という経験をしているところをみますと、たぶん、このようなできごとはわりと頻繁にあるのでしょう。固有名詞を出したり、お店の特徴を細かく書いたりしなければ、お店が特定されることはなさそうです。  頻繁にあるできごとならば、似たような体験をした人に、共感してもらえる可能性は高いでしょう。無理に使う必要はありませんが、「使えそうなエピソード」として、頭の中に保存しておく価値はありますよ。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7925 投稿日 2004年4月25日(日)15時48分 投稿者 新木 伸  明日、月曜から、カンヅメ合宿に出発。  今回は作家さん四名。  戻りは木曜か金曜あたり。目標50ページ。  ネットを覗ける環境は持ってゆくけど、向こうから入れるかどうかは不明。  ウォーミングアップやら、暇つぶしやらをしていたら、なんのためのカンヅメなのかって話もあるし。 >指摘、感想を頼むとき  皆様のご指摘を待ちます。だとか。よろしければ。だとか。  なんでそんな重たい言葉、付けちゃうかな。  そこに期待があるのはわかる。見て見て見て見て見てえええ。というぐらい、激しくて重たい私的な期待があるのはわかる。――が、もうちょい抑えられんのかキミたちは。  感想書いてくれてる人たちに、やらなきゃなーてな義務みたいなものが発生して、うっとうしいじゃん。あんまそうやって「お願いします」なんて堅苦しくやってると、長期的には読み手を逃すぞ。損をするぞ。  あと、たいしたこともない、ちっちゃいことで、わざわざ盛大に謝りにいったりしていても、やはり引かれるぞ。  頭は下げ、しかし変な重荷は背負わせない書きかたってないものだろうか。  2号がいちばん提出慣れしているもので、あいつの出しかたが、さすがにいちばん洗練されている。出してみたところで、誰ひとりなにも反応をしてくれない、なんて冬の時代にせっせと耕作を続けてきた百姓の、地に足のついた安定感というか。  耕して耕して、せっせと育てて、実がなって、収穫直前に雹やアラレが降っきて台無しになってしまっても、百姓は落ちこむことなく、次の作物を育て始めるものなのだ。  つまんなかったらスルーしてください。あっはっは。――ぐらい言っておくと、書くほうも気軽に書けるのだろうな。きっと。  感想や指摘を求められる立場になって考えてみること。  感想部屋できて、物珍しさも手伝って、「わーい」と熱意を持ってなにか書いてくれていた時期はそろそろ終わりなわけね。あちらの方々は、いまだんだん面倒くさくなってきているのだと想定してみること。  限りある感想資源を大切に。  ちなみにオイラ、アマチュア時代は、「面白くなかったら感想書くな。禁止な」とか言いつつ上げていたけど。  そして「おもしろい」と言ってくる人がいたら、首根っ子とっつかまえて、どこがどういうふうに、どんな仕組みで面白かったのか問い詰めていたな。それが単なる個人のツボにはまっただけの個人ヒットなのか、大勢のツボにはまる普遍ヒットなのか見極めないと、自分の役には立たないもんで。  なかには問い詰めた結果、おべっかやお世辞で「おもしろい」なんて言ってたことが判明するやつもいて。そういうのはボコっておいて、二度とフザケタことをしないように体で思い知らせて――って。まあ、書くほうも指摘するほうも、タフな連中ばかりだったので、そういうこともできたわけだけど。 >春日  あらすじ。変なところで改行が入っちゃっているぞ。読みにくいったら、ありゃしない。前2本はちゃんとできていたのに、今回の3本目だけ変だ。  あと今回のはヒドイな。話がまるで別物だ。  たまたま昨日届いたばかりで、手元にあったので、実物をぱらぱらめくって確認してみたが。ぜんぜん違うじゃん。俺の手元にある本と、お前の手元にある本は、同じ本なのかどうなのだ? こっちのには「涼宮ハルヒの憂鬱」って書いてあるけど。お前のほうにはなんて書いてあるのだ?  あと起承転結の位置で、きちんと線を引けるのか? 序破急でも、「平常/緊張/解放」でも、まあどれでもいいけど。  なんか各ブロックの句切り位置が、段落の途中にあったりして、スゲェ変なんだけど。  ああ、そっか。  起承転結とか言われたって、わかんないんだっけか。  次からしばらく、4つの段落であらすじを書いてみること。話を4つに綺麗に分けられたなら、そのそれぞれが、頭から「起承転結」のそれぞれに対応している。  この3本目のあらすじ。例外としてリテイクだ。次は1回、書き直しをしてくること。夜ぐらいまでに書いてきたら、出かけるまえに見てやれるぞ。 (しかし春日。インターネットって学校からでないと使えないんでないっけ? なぜに、夜の2時に書きこみしている?)  どんな事件(出来事)が起こっているのか、まず箇条書きで列挙せよ。  すると軽く30〜50の項目ができるわな。  800字というのは、20文字詰めで、40行しかない。そこに全部詰め込もうとしてしまうと、津荒が最初にやっていたような、無理矢理押し込んだものになってしまう。  要約の仕方を工夫すると、3〜4のエピソードを一行でまとめることができる。それでも15個ぐらいになってしまうわけで、やはり全部書くのは無理というもの。。  だから全部は書かない。  重要な部分だけを書くことになる。  この「重要なエピソード」の選定に失敗しちゃうと、別の話のあらすじを書いていってしまうことになる。  15個ぐらいのものから、8個だけ取り上げる組み合わせが、いったいいくつあるのか考えてみること。高専なら確率やってるから、簡単だろ。  そんな膨大な個数の「別の話」を書くことができるわけだ。  お前の書いてきたのも、そのうちのひとつだ。  そして15個のうちから8個を選んでくる組み合わせの正解は、ただひとつ。  無数のエピソードを一目見て、大事であり欠かせない順番に並べていける能力が、構成力っていうものだ。  あらすじ写し取りの練習では、それを鍛えるわけだ。なにも考えずにやっていたってだめだぞ。 >竹井  まあ生存証明してきたのはいいのだが。  わけ、わかんねー。  俺は「サンドバッグ打ってみろ、小僧」と言っているのだが。  それに対して「もうすぐ打ちます。ごめんなさい」ってのは、なんなんだ?  いま打てよ、いま。  ほらっ。  まず1000字課題からな。  1000字なんか、1時間か、2時間か、3時間もあれば上がるだろう。  だいたい土曜の夜で、翌日は日曜なんだから、できなきゃ徹夜ぐらいしてこいっつーの。  これを読んだら、その瞬間からすぐに1時間ほど時間を取れ。  パソコンでインターネットを見ているなんていうのは、どうせ暇なときなんだろうから、1時間ぐらい取れるだろう。  もしもテレビで、『超巨大隕石が落ちてきます。あと一時間で地球はおしまいです。地球のみなさんさようなら』なんて放送がやってても、時間を取れ。  そして1時間以内で書いたものを、その書いたところまででいいから、上げてくること。未完成だろうがなんだろうが上げてきて、書きかけの無惨なままで晒しておけ。  そんな程度のもんが、おまえの現在の実力だ。  自分が腕立て伏せの一回もできないヘタレであることを、まず確かめてみて、まず自覚しろ。 -------------------------------------------------------------------------------- >弟切 No.7926 投稿日 2004年4月25日(日)21時15分 投稿者 新木 伸 >弟切 >>911 弟切、描写練習、「親切」書き直しその4、葛藤増強版  ぱっと見たところ。  2割削ると、印象が一段階ほど化けるんじゃないか。と思った。 -------------------------------------------------------------------------------- 連休前 No.7927 投稿日 2004年4月26日(月)02時26分 投稿者 弟切 千隼  日本の大部分の会社では、次の週末から連休に入ります。今年は曜日の並びがちょうどいいため、五日間以上の休みになる会社が多いようですね。  このくらい長く業務が止まるとなると、その前に手配をかけておくべきことが増えます。そのため、連休前の今は、まるでお正月前の年末進行のような忙しさです。 感想部屋で弟切の作品に感想を下さった皆さんへ >  どうもありがとうございます。弟切にとってはとても勉強になります。また励みになります。  本来、感想部屋でいただいた感想や指摘には、あちらで応えるべきでしょう。  しかし、感想部屋は仮運営中で、内容の保存について保証されていません。ここをROMしている、あるいは将来読むであろうまじめな作家志望者さんのために、より長く残ると推測されるこちらで、感想や指摘に応えさせていただきます。 とんびの羽根さんへ >  お久しぶりですね。いつも御指摘ありがとうございます。 >>>>宏樹は目を伏せた。 >> 妄想するとき男の子は目を伏せない。 (感想部屋のNo.0061の書きこみより)  この部分を読んで、弟切の目から鱗が落ちました。そういうものなのですね。 >>>>彼が再び目を上げた時、商品棚の陰から、買い物カートがゆっくりと現れた。後ろには、白髪頭のおばあさんがついている。 >> 男性視点ではカートのあとの人物はついてくるのではなく、押している、もしくは駆っているのです。だからおばあさんの非力さを表したいのなら、(馬に)引きずられてくるとか(牛に)引かれてくるとか、カート(羊)にすがるようにしておばあさんを登場させたらよいのではないでしょうか。 (感想部屋のNo.0061の書きこみより)  ここで、おばあさんがしている動作を正確に書くならば、「カートを押している」となるでしょう。けれども、ここはおばあさんの非力さを見せたいところです。力強さをイメージさせる「押している」や「駆っている」は使えないと考えました。  かといって、「引きずられている」はやりすぎでしょう。こう書くと、まるで、おばあさんが床に寝そべった状態でずるずると「引きずられている」ように感じてしまいます。  「引かれてくる」も、カートが意思を持って自律的に動いているように見えるため、使いませんでした。  カートに「すがる」という表現は、使うべきかどうか、弟切も迷いました。こう書けば、おばあさんの非力さがはっきり出ますよね。  最終的に使わなかったのは、大げさすぎると感じたからです。カートにすがらなければ歩けないほど非力だったら、一人で土鍋など買いに来ないでしょう。  非力ではあるものの、一人で土鍋を買いに来ようと思えるほどには元気、というおばあさんを表現する言葉が必要でした。  考えた末に使った表現が「ついている」でした。もっとふさわしい言葉があるかも知れません。現時点では、これが弟切の精一杯でした(;_;) >「いらっしゃいませ」について  弟切の経験では、ほとんどのスーパーで、レジの人と顔を合わせた時、相手が「いらっしゃいませ」を言ってくれます。買い物をしている最中に店員さんとすれ違ったり、商品の入れ替えをしている店員さんと出遭ったりした時も、多くの店員さんは「いらっしゃいませ」と言ってくれます。  全部が全部ではありません。店全体でそういうことを言わないお店もあれば、個人的に言わない店員さんもいます。  客の立場からしますと、ちゃんと「いらっしゃいませ」を言ってくれるお店のほうが、圧倒的に気持ちいいです。商品の値段が同じなら、言ってくれるお店のほうへ行こうと思います。  たった一言でお客さんを気持ち良くさせて、「また来よう」と思ってもらえるならば、挨拶も立派な仕事の一つですね。  弟切は、「親切」の主人公を、バイト君でもきちんと働いている人にしようと考えました。だらだら働いている人では、読者さまに好感を持ってもらいにくいでしょう。  レジに向かうお客さまを見た途端に、反射的に「いらっしゃいませ」が出るくらい、主人公は仕事に精通しているわけです。  と、いうのが通じなかったならば、弟切の描写力が足りなかったということです(泣) 精進します。 風見 穣さんへ >  はじめまして。お暇でしたら今後も感想など書いて下さい。  「弟切」は、たいていのIMEでは変換できないようです(^^; 人間ですと、たいがいは読んでもらえるのですけれど。  大きめのスーパーにこだわった理由は、おおよそ風見さんが推測されているとおりです。  スーパーに限らず、小さいお店の店員さんは、一般的にかなり親切ですよね。そういうお店を舞台にすると、店として親切なのか、個人として親切なのかわかりにくくなります。  今回は、主人公個人の「親切」を書きたかったので、舞台を大きめのスーパーにしました。 -------------------------------------------------------------------------------- 『犬竹井』ってなんか可愛いなぁ……言葉の響きが。 No.7928 投稿日 2004年4月26日(月)03時03分 投稿者 竹井 比呂  『日本人は他人と違う意見を言うことを怖れるが、アメリカ人は他人と同じ意見を言うことを恐れる』――なんて大学の教授が言っていた言葉を思い出します。  よみかく分室の修行者のスタンスは、アメリカ的なんでしょうね。 ・犬竹井。  編集さんと新木さんが別のアドバイスをしてくれた場合、編集さんに従うか、新木さんに従うか、という話題から発展して、あれもこれも人任せにして言いなりになってればいいや、なんて思っちゃってる竹井君は犬であるということについてです。  『編集さんにも、新木さんにも従わない。自分で考える』――ずるい回答だと思いますが、別に二択問題だなんて誰も言ってないわけですし、確かにそれがベストだと思います。  この話題において、思ったことが二つありました。少々お話させてください。  まず、一つ目。新木さんの回答が正解であると言ってよいものか。  ここで「ハイ確かにそうですね」と言ってしまうと、また無思考だな、とか、このイエスマンが、とか、自立しようとさえしていない、と思われてしまう危険性があります。  ですが、そう思われてしまうことを懼れて、正しいと思うことさえ正しいと言えないようでは却って良くありません。  新木さんが言っていたから頷く。  新木さんが言っていたから頷かない。  どちらもその意見に左右されまくってることに変わりはありません。  ならば、竹井は言います。新木さんの解答が正しいと思う、と。  そして、この発言が、『新木さんが言っていたから正しいと頷く』旨を表すものではなく、『竹井も正しいと思ったから頷く』旨を表すものであると、ここに宣言します。  では二つ目。正しいと思う理由です。  これは、僕が、新木さんが仰っていたから頷いた訳ではないということを証明するとともに、犬である自分から脱却しようとしていることの証明にもなりえます。  では、以下理由。  端的にいって、竹井の小説は『竹井が考え、竹井が書くもの』だからでしょう。  編集さんの言いなりに小説を書くのならば、竹井が書く必要は無く、編集さんが書けばよい。  新木さんの言いなりに小説を書くのならば、竹井が書く必要は無く、新木さんが書けばよい。  それだけのことです。  竹井は、自分で自分の小説を書きます。 ・SF、ファンタジー、現代ファンタジー、その定義。  再度この話題を持ち出します。  なぜなら、僕は犬になりたくないから。  論争をおそれるあまり、前回僕は新木さんの言葉にイエスを言ってしまいました。本当は納得していないのに。  前回言いかけて、やめたその言葉を今言わせていただきたいと思います。  とりあえず言っておきたいのは、論争したくない、ということです。  理屈で説明できない……だと、食い違うものがあるかと思いました。  ファンタジーの世界にはファンタジーの世界なりの理屈があります。  例えば、科学という理論体系の代わりに、魔法という理論体系があります。  そういった意味で、『理屈で説明のつかないこと』が起きてしまうと、その話はファンタジーであるというより、ただ破綻しているだけのものなのではないでしょうか。  よって、『科学で証明できないことが起こるのがファンタジー』の方が妥当であると竹井は思います。 ・最近のログから見ること。    ログはもう全部読んでるんで問題ナッシングです。最近のを読むか、昔のを読むか、なんて選択の余地がそもそもありません。   ○鐸碑さんにレス。  頂いたサンプルをカッコいい順に並べてみます。  1・ごく普通のチンピラ不良学生数人が女の子に絡んでいたが、チンピラは以前超人Aに絡んで撃退されていた為姿を見ただけで逃げ出し。助けることに関心を持っていないにも関わらず、女の子は結果的に助かった。  2・ごく普通のチンピラ不良学生数人に絡まれている、努力をまったく要さずに簡単に助けた。  3・超人Aとまったく互角の力を持つ三人の超人B、C、Dに狙われた女の子、死に物狂いで努力して、ボロボロになりながらも辛うじて女の子を助けた。  4・超人Aを上回る力を持つ超人軍団超人B〜Zの25人集に狙われた女の子、女の子を助けようと死に物狂いで勝ち目のない戦いに挑み、ボロボロになっても戦い続け多少の抵抗はしたものの最終的に自分もやられ、女の子も助けられなかった。  以上、カッコいい順です。    以下理由です。    まず少女を救えないのは、最低ですね。  それは自明のこととして、次にポイントとなるのは、余裕さの度合いかと思います。  サンプルには救えた場合が3パターンありますが、その中には、余裕で救ったのと、必死で何とかギリギリ結果として『救えた』があります。  竹井としては、余裕で救えた方がカッコいいですね。  例をあげてみます。  休み時間もがりがり教科書読んで必死こいてテストで100点取った人と、授業中は鼻堤燈でテストで百点取った人。  カッコいいのは後者です。少なくとも僕は後者に憧れます。  よって、余裕さの度合いから上記のように並べました。  ところで。  『場面』としてのカッコよさと、『キャラクター』としてのカッコよさは違うと思います。  カッコいいキャラクターが行動しているなら、全てがカッコいい場面になるわけではありません。  そのため、カッコいいキャラクターを登場させているのにカッコ悪いシーンになってしまう場合もあります。逆もまた然り。  上に記したのは、キャラクターとしてのカッコよさの順ですが、場面としてのカッコよさの順はまた違ったものになると思います。    竹井はそう考えてますので、もしかすると『鐸碑さんが望む意味でのカッコよさの順』では並べられていないのかもしれません。  そこで質問させてください。  鐸碑さんが仰られていたのは、『行動』のカッコよさの順ですか? それとも、『キャラクター』のカッコよさの順ですか?   鐸碑さんの件のご質問において、『この超人Aが格好よく見えるのはどの順番?』と仰られたり、『同じ超人Aのやってる行動で、どれが一番カッコいいと思う?』と仰られたりしていて、一体『行動』『キャラクター』どちらのカッコよさの順で並べればよいのか、竹井には分かりません。  先述の通り、これは『キャラクター』としてのカッコよさの順です。  『行動』としてのカッコよさの順も並べられたら良かったのですが、『ごく普通のチンピラ不良学生数人が女の子に絡んでいたが、チンピラは以前超人Aに絡んで撃退されていた為姿を見ただけで逃げ出し。助けることに関心を持っていないにも関わらず、女の子は結果的に助かった。』という場合、超人Aは行動していないため、並べることができませんでした。 ○弟切さんにレス。  確かに、偏見持ちであると誤解されたくはありません。  ですが、理由は一つに絞った方が分かりやすい、ということも事実です。抽象的な例をあげるより、具体的な例をあげたほうが分かりやすい、ということも事実です。  そして、量子力学でも証明されています(位置を特定すれば大きさが分からず、大きさを特定すれば位置が分からない)が、人間には一つの要素からしか物事を見ることが出来ません。  あちらを立てれば、こちらが立たず――なれば、そういった物事の切り口、それ自体が、その人間の視点、視界、個性、あるいは認識のメガネになりえるのではないでしょうか。  独り善がりと仰いますが、誰しも人間は主観から逃れることはできません。  例えば利己的遺伝子の働きであるとか、例えば自分の力を誇示したいからだとか、人が人を助ける理由なんていくらでも説明付けられますし、そしてそのどれもが正しいのかもしれないし、正しくないのかもしれません。  絶対的な正解など存在し得ないのです。  幾多の選択肢の中から、妥当であると考えるものを選ぶのは、その書き手です。異論があるかもしれません。ないかもしれません。  竹井の考えを表す為にこそ、竹井が書く意味があるのです。  「私はそう思った。だからそう言う」――そしてその発言には確かな根拠がある。正しいかは分からないが、間違っているとはいえない。  それで良いのではありませんか? 少なくとも、僕はそう思います。  それ位の自由はあるはずでしょう、日本は言論の自由を謳っているのですから。  (もちろん『小乗仏教と書くな』ということに関して異論はありません。それが偏見の匂いを感じさせてしまう文章であることも)  理由が弱い、ということでしたらまた話は別ですけれど……。 ○春田さんへ。  初めまして。竹井 比呂(たけい ひろ)と申します。  二十歳、大学生二年生、男、東京在住です。  詳しくはNo.7844をご覧下さい。  『あと、せっかく同時期に同年齢で二人揃ったわけですし。それぞれ、相手の書いたものには指摘を入れあうこと。たぶんどっちもボロボロですから、指摘するところには困らないはず。』(No.7894参照)  ということですので、今後色々と拙い指摘をさせて頂きたいと思います。  基本スタンスは、 1.自分は棚上げ。 2.自分の課題優先。 3.納得いかない指摘をもらったら、ちゃんと論争する。  ということでよろしいでしょうか? ○おまけ。    課題部屋(http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=912&e=res&lp=912&st=0)に千字課題をあげてみました。  よろしかったら、どうぞ。  作成所要時間は、一時間五分です。   一応電撃文庫の応募要綱に沿って、40×30で、改行後の空白含めて千字にしたのですが、もしかすると改行後の空白含めず千字なのかもしれません。 -------------------------------------------------------------------------------- 弟切さん宛のレスを補足・訂正します。 No.7929 投稿日 2004年4月26日(月)13時22分 投稿者 竹井 比呂  ・その一。  そして、量子力学でも証明されています(位置を特定すれば『運動量の』大きさが分からず、『運動量の』大きさを特定すれば位置が分からない)が、人間には一つの要素からしか物事を見ることが出来ません。    ・その二。  例えば利己的遺伝子の働きであるとか、例えば自分の力を誇示したいからだとか、人が人を助ける理由なんていくらでも説明付けられますし、『それを自らも感じているからこそ、人がその行為をしたときにそれを是と思うのかもしれません』。そしてそのどれもが正しいのかもしれないし、正しくないのかもしれません。  申し訳ありませんでした。  -------------------------------------------------------------------------------- 新たに参入されたみなさん、初めまして。 No.7930 投稿日 2004年4月26日(月)18時53分 投稿者 三枝零一  どうも、ここ数ヶ月の間に参入された皆さん(特に竹井さんと春日さん初めまして。  電撃文庫で小説、だかなんだかよく分からない雑文を出版させていただいている三枝零一といいます。  ここでの区分ですと、一応「プロの端くれ」ということになります。  どうぞよろしくお願いします。  さっそくですが、今日書き込ませていただいたのは、竹井さんに質問があるからです。  No.7928の竹井さんの書き込みに >そして、量子力学でも証明されています(位置を特定すれば大きさが分からず、大きさを特定すれば位置が分からない)が、人間には一つの要素からしか物事を見ることが出来ません。 とあるのですが、この意味がさっぱりわかりません。  一応、私は大学の理学部物理学科で素粒子論の修士まで取得しており、量子力学の初歩的なところ(一次元ポテンシャル問題あたりまで)なら今この場でこの瞬間に教科書いっさい無しで講義ができる程度の初歩的な知識なら習得しているのですが、正直なところ、上記の竹井さんの書き込みが何を意味しているのかまるで理解不能で困っています。 「人間には一つの要素からしか物事を見ることができない」という文学的な問題と量子力学の観測問題がどういう理屈で結びつくのか、是非ともご教授ください。  ちなみに私は「本当に判らないから教えてください」と言っているのであって、別に竹井さんを責めているわけでもなければ上記の発言がおかしいと言っているのでもありません(誤解しないでください)。なので、「すいません考えが足りませんでした」等の常套句で流されても困ります。  ぜひとも、この掲示板を読んでいらっしゃる他の皆さんにも伝わるように、わかりやすくご説明お願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 竹井さんへの質問続き No.7931 投稿日 2004年4月26日(月)20時08分 投稿者 鐸碑 >先述の通り、これは『キャラクター』としてのカッコよさの順です  同じ人物がキャラクターとして格好よく見えるシチュエーション順で並べたということですね。それなら、回答の意図はこちらの意図と大きく反してはいません。  竹井さんの回答を要約するとこうなると思います『同じ人物がカッコよく見えるのは、難易度の低い事に挑戦しそれを簡単にこなすことであり、困難なことに挑んで失敗することや失敗しないまでも苦労するのはカッコ悪い』。そういうことでよろしいですか?  以前の新木さんからの質問は、同じ状況に直面した能力の違う様々な人物の中でどの人物が当てはめられた時格好よく見えるかという趣旨でした。  絶対量的な障害の大きさは同じで、行為者の絶対量的能力に差があるので相対的達成難易度が変化する例。  私の質問は、同じ能力を持った1人の人間が様々な異なる状況に直面した時に、どの状況で一番キャラクターが格好よく見えるのかという趣旨でした。  行為者の絶対量的な能力は同じで、絶対量的な障害の大きさが変化するので、相対的達成難易度が変化する例。行為者の能力が同じである以上、簡単か難しいかは障害の大きさだけに左右されます。  それぞれに対する竹井さんの回答を総合すると、難しい事に挑戦し苦労するのはカッコ悪く、自分の程度より低い事に挑戦して悠々とこなす事がカッコいいわけですよね。  同じ事をするなら余裕がある人物であるほどよく、同じ人物が行動するなら余裕のある簡単な行為である程よいと回答しているわけですから。  実力の100%を要求される行為や100%でも足りない行為はたとえ成功しても、実力の10%も要求されない行為よりカッコ悪い訳ですよね?  回答から、そういう思考であるという印象を受けたわけですが、私の解釈は間違ってないですか?  コンピューターのRPGで高いレベルに育てたキャラクターは、強敵のいる最終エリアで戦わせるよりも、スタート地点で一番雑魚のモンスターを苛めている方がカッコいい。  そして、平均より少し頭の良い人は、難関大学に挑戦して思い切り苦労して合格して学力を高めるよりも、ランクの低い学校に入って遊んでいる方がカッコいいんですよね。  じゃあ、竹井さんが小説家を目指すことはカッコ悪くないですか? もっと楽な人生を歩んだ方がきっとカッコいいですよ。  とりあえず、余裕がカッコいい条件であり同じ状況なら能力の高いもの、同じ人物なら低いハードルがカッコいいということを前提にもう一つ別の切り口で質問です。  駄目人間でもなく、超人でもない、概ね平均的な能力を持っているA君。一般に簡単とされることをやれば問題なくこなし、難しいとされることをすればなかなか上手くいかない人A君。  このA君がどういう人生観・行動原理を持っている場合がカッコいい生き方をしていますか? ・自分の分を弁えて、カッコよく成功することができる簡単な事だけに挑戦する。 ・とりあえず挑戦だけはするけど、上手くいきそうにないと思ったら、結果が出る前にあきらめてより簡単な事に挑戦しなおす。 ・人並みの生き方をするために簡単なことも難しいことも普通に挑戦して、成功したり失敗したりしつつ、苦労して生きていく。 ・自分の限界を超えようと挑み続け、勝ち目のない障害に挑戦し続け殆ど全部に敗れるが一度きりの成功を掴み取る。 ・自分の限界なんて理解できずに、無謀な事に挑み続けずっと失敗を繰り返す。  これはどういう順番でカッコいいんでしょうか? 場面ではなく、人生観や行動理念としてどういう姿勢がカッコいいのかで答えをお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- シュレーディンガーさんの飼い猫は半死半生? No.7932 投稿日 2004年4月27日(火)01時15分 投稿者 弟切 千隼 >描写練習「親切」書き直しその4、葛藤増強版  No.7926で、新木さんに「2割削るとだいぶ良くなるのでは?」と指摘されましたので、削ってみます。削り版ができましたら、課題部屋に上げます。 沢口さんへ >  感想部屋での熱い感想、ちらっと読みました。削除されてしまったNo.0082からNo.0084ですね。  読んだというよりは眺めた程度で、記憶が曖昧なため、内容について詳しく言及するのはやめておきます。  でも、これだけは書いておきましょう。  弟切は、あの感想をいただいて、嬉しかったです。プロに程遠いへたれアマチュアの作品を、あんなに入れ込んで読んでいただけるなんて、望外の喜びです。  熱くなった人間の頭が冷えるのには、二十四時間ほどかかるようです。あの感想を書いてから二十四時間以上経って、冷静に考えても書くべきことがある、と思いましたら、どうぞ遠慮なくもう一度書いて下さい。  それはきっと、弟切やその他の方のためになる感想です。 三枝さん&竹井さんへ >  実は、弟切も、竹井さんのNo.7928の書きこみを読んで、困っていました。 「しまった……弟切、おばかだから意味がわからないよう(;_;)」 と悩んでいたのです。  竹井さんと弟切とは、文章の書き方に関する話をしていたはずです。だのに、何ゆえ唐突に「量子力学」だの「利己的遺伝子」だのが出てくるのか、理解できませんでした。  「これは、竹井さんに、説明し直してくれるように頼むしかないな」と考えていたところ、颯爽[さっそう]と三枝さんが現われて、要領よく質問して下さいました\(^o^)/ おかげで助かりました。  三枝さんは、弟切の十万倍くらい量子力学に詳しいはずです。そういう三枝さんが読んでも理解できないのなら、弟切が理解できないのも無理はありませんよね?  量子力学うんぬんの話の源は、竹井さんと弟切とのやりとりにあります。しかし、三枝さんがとても適切な質問をして下さったので、ここはひとまず三枝さんに対する竹井さんのお答えを待ちます。  三枝さんの質問は、弟切の質問でもあり、また、分室を読んでいるほぼ全員の質問でもあると思って下さい > 竹井さん。 -------------------------------------------------------------------------------- 明日は絶対課題提出 No.7933 投稿日 2004年4月27日(火)02時38分 投稿者 春日秋人  と、自分に呪いをかけてみる。 >新木さん >>インターネットって学校からでないと使えないんでないっけ? なぜに、夜の2時に書きこみしている?  えーっと……  ひょっとして、僕が寮生だと勘違いされたままなんでしょうか?  No.7901 で一度否定してるはずなんですけど……  高専の紹介のときに紛らわしいことを書いてしまったのがそもそもの原因なんですが。  僕は通学生です。  いつも家から書き込みをしています。  あと、寮生であっても金さえ払えば部屋に回線をつなぐことは可能です。  それとも学校でしかインターネットできないといった書き込みをどこかでしていたんでしょうか? そういうふうにとれてしまう書き込み。覚えがないのですが…… >竹井さん  はじめまして。  春田じゃなくて、春日です。  春日秋人(カスガ アキト)。  18歳。男。工業高等専門学校生。岡山在住。  No.7883に自己紹介があります。  スタンスのこと、了解です。  お互いがんばりましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- 結婚式 No.7934 投稿日 2004年4月27日(火)03時54分 投稿者 名無し君2号  友達が結婚式をあげるらしく。  それで招待されたのはいいんですが、あげなきゃいけないご祝儀代がすごいキツいよう! ……そんなことを思ってしまう自分が嫌です。友達なのにー。  金がないと心まで貧しくなりますな。  そのことをすごく実感しました。嗚呼情けない。 >GS美神のヒロイン像 >>ところでルシオラの仲間のチビとデカイの忘れていない? たまも、だっけか? キツネ女ね。あと犬神のシロも。あとマリアも。フラグ立ってはいないけど小龍姫様とかも。  まったく関係ないんですが、一年ちょっと前に椎名高志さんがサンデーで連載していた「一番湯のカナタ」が打ち切りされたときには、自分の好みと一般読者の好みって違うんだなあ、としみじみ思ったものです。  すごく面白かったのに。  でも普段サンデーを読んでいる層にはうけなかった、と。むー。  いまはジャンプ連載中の「武装練金」におなじ思いを抱いていますが……大丈夫かなぁ。掲載位置が着実に雑誌の後ろになっているんだよなぁ。面白いのになぁ。  アンケートはがきを出さない自分が言えた義理では、まったくもってないんですが。 ※たいていの漫画誌の場合、掲載位置は後ろであればあるほど人気がなく、つまり打ち切りの危険度も増すことになる。  ええ……本題に入ります。  「ゴーストスイーパー美神 極楽大作戦!!」(以下GS美神)の、他のヒロインについて、です。 ・ベスパ  前述したルシオラ(魔王の配下で、主人公の横島に惚れて人類側についた魔族)の同僚で、ほかのもうひとりと合わせて、ちょうど三幹部の体を成している。このベスパは姐さんタイプでキツめの性格。ちなみにルシオラは冷血な性格であった。  魔王に作られた道具であるはずの彼女だったが、自分の意志でその魔王を愛しはじめる。それも男と女として。  横島とは敵対するが、仲間であり、ある意味では姉妹でもあるルシオラの愛した男ということで、さほど悪感情はない。魔王に敵対さえしていなければ好感情を持っていたと思われる。 ・パピリオ  魔王三幹部、最後のひとり。子供の容姿、しゃべり方、人格を持ち、結果としてルシオラやベスパほどの葛藤を抱くところまで至っていない。横島へも、恋愛というよりは、ペットとしての感情しか持っていなかったようだ。 ・タマモ  大妖、九尾の狐の生まれ変わり……じゃなかったっけ。  自衛隊に退治されそうになったところを、結果として美神たちが助けた……ような気がする。  最初はまったく懐かなかったが、だんだんと心を美神たちに心を開いていった。横島へは恋愛感情というよりは、仲間意識、というところだったと思う。 ・シロ  犬神の少女。狼少女、ということになるのだろうか。  横島の力を誤解(当時はそれほど強くなかった)して、弟子入りする。弟子入りしたときには少年のような外見だったのに、成長したとたんに出るところが出たもので女の子だと発覚。同時に恋愛フラグも立つ。  師への尊敬の念と、男としての思慕の情が入り混じっているらしい。犬としての属性もあるので、ある意味でご主人様でもある横島には懐く懐く。 ・マリア  マッドサイエンティストに作られた戦闘型アンドロイド。  機械なので恋愛感情はなく、創造主である科学者の命を第一に従う。  ――が、惚れ薬だったか、衝撃がうまい具合に働いただかで、横島に惚れる話がある。ありあまる戦闘能力を活かしてマリアが強引に追いかけるもので、横島は死にそうになってしまう。最後は追いつめたマリアが、このままじゃ殺してしまう――との判断から自分で自身の電源を落とし、なんとか横島の命は助かった。 ・小竜姫  竜神族の娘さんであり、ゴーストスイーパーの修行の場である妙神山の管理人。  美神の修行に横島がついていったときに出会う。その後も、横島がゴーストスイーパー試験を受ける際に力が発揮できるようにアイテムを貸したりしている。  重要なのは、横島の才能を唯一誤解なしで見抜いていた、ということだろうか。  まわりからはヘタレだとみなされ、横島自身もそう思っていたなか、唯一彼女だけは「あなたなら出来ますよ」と、当の本人すら気づいていない実力を認めていた。 ・メフィスト  思いだしたので書きます。  美神礼子の前世の姿で、立場的にはルシオラとおなじく魔王配下の魔族。  横島の前世である陰陽師と恋に落ち、来世で出会うことを約束して死亡してしまう。恋に落ちたのも、前世横島が助けたからであり――ルシオラとおんなじですね。  ということで、横島と美神は前世からの宿縁があったわけでした。もっとも、美神はそのことをあんまり認めたくないようなんですが。  こうして見ると、人外比率が極めて高い。  そういえばクラスメイトはあまり詳細には描かれてなかった。普通なら出てくるはずの、学生生活での甘酸っぱい恋物語とかなかった。  あ、あった。  教室の机に憑いた自縛霊の娘が横島に惚れておりました。やっぱり人じゃないけど。たしか横島には、モノノケに好かれるという隠れた能力があったはず。  あくまで「GS美神」であって、「GS横島」じゃないんだから、横島の学生生活描写が少ないのも当たり前か。美神に照準を合わせないといけないし。 >性別変換 >>全員女がやだなぁ、とかいうのなら、「アニキな女」とか「弟な女」とか、そんなのを出していけばいいだけのことだろうが。 >>従順で気の利くショタ弟属性のキャラを、性別だけメスに変えて放りこんでおくのだ。 >>熊田の性別だけをメスに変え、ゴツさを減らして、美人にさせて登場させたりするのだ。  ここ、ものすごく衝撃だったんですけども。  そうか、こういう手段があるのか!  とはいえ、よく考えてみると、男の役者もあんまりいないことに気づくわけですが。  以前、「貰われっ子ミーツ四兄弟」で出したのが……。 ・長男。一家の家長。責任感ゆえに独善的になりやすい。本当は人情味あふれるのだが、口数が少なく、怒以外の感情を面に出すこともあまりないため、誤解されることが多々ある。 ・次男。強大すぎる長男に対して、つねに反抗的。もっとも力ではかなわないので、せいぜいがブーたれる程度。無駄口が多く、考えは浅く、意志も弱い。いいとこないな。 ・三男。理知的。長男を尊敬しているが、次男のことは馬鹿にしがち。理屈に従って行動する。努力家なのだが、プライドが高いために、まわりに頑張っている姿を見せようとはしない。 ・四男。社交的。甘えん坊な子供のように振る舞うことが多いが、それはまわりの兄弟がそう扱うため。下手すると次男よりしっかりしているが、その姿は家の外でしか見られない。兄弟のムードメーカーでもあり、空気を敏感に察して道化になってもみせる。  たしかこんなんだったはず。  こうだったらいいな、という願望含みかもしれない。  彼らをそのまんま性別変換するわけだ。 (頭のなかで作業中)  ……すごいすごい。ぜんぜん2号ヒロインじゃないよ。性格がプラスの面だけじゃなくて、マイナスの面もあるからなのかな。 ※2号ヒロイン  いわゆるモンスターのこと。私が女性のキャラクターを描くと、なぜか人の子ではなく、人の皮をかぶった化け物になってしまうことから。現在修正中の悪癖。  ん。  ということは、2号ヒロインを男にすれば、非常に気持ちの悪い男性を誕生させられるということなのかしら。 (頭のなかで作業中)  ……うわあ。  こんなの人間じゃねえよ。  頭のなかで作業してばかりいてもまわりには通じませんので、1000字課題にして書いてみました。 >1000字課題  No.123「エスパー真奈美ちゃん」(4200文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=913&e=res&lp=550&st=0  自称超能力者の少女を、新聞部の姉妹が取材する話です。  今回のポイントとしては。 ・一人称視点で書いている。 ・前述の「四兄弟」のうち、ふたりを性別変換して使っている。  のふたつでしょうか。  私は一人称視点ではあまり書きません――というより書けません。  なぜかといえば、役者の質があまりよろしくないためです。リアルじゃないキャラクターだと、一人称の場合すぐばれるような気がするんです。  なので今回一人称なのは結構勇気のいることでした。時間もかかりました。  こちらが本題の性別変換。  「四兄弟」のうち、次男と三男を使っています。 ・次男。強大すぎる長男に対して、つねに反抗的。もっとも力ではかなわないので、せいぜいがブーたれる程度。無駄口が多く、考えは浅く、意志も弱い。いいとこないな。 ・三男。理知的。長男を尊敬しているが、次男のことは馬鹿にしがち。理屈に従って行動する。本来は努力家なのだが、プライドが高いために、まわりに頑張っている姿を見せようとはしない。  これを変換。  次男を姉に、三男を妹の姉妹にしました。 ・姉。母親に対して、つねに反抗的。無駄口が多く、考えは浅く、意志も弱い。 ・妹で主人公。姉のことは馬鹿にしがち。理屈に従って行動する。プライドは高い。  こんな感じです。 >新キャラ >>ちなみに新キャラを、どこでどのように投入してゆくのかということも、戦略なわけだよ。 >>何巻でどこまで主人公を成長させるのか。どの成長段階で新しい女と出会わせるのか。 >>各巻一人ずつで持たせるのか。各巻ごとに2名くらいずつ出してゆくのか。新戦力の供給時期と物量なども、戦略のうちだ。  当然ながら女性キャラだけに限らないわけですよね。  いわゆるライバルにあたるキャラや、敵役の登場させかたにも戦略が必要ですよね。それだけでもないか。イベントの出し方なんかも含まれるのか。  「カリオストロの城」の場合、基本的には緊張→緩和→緊張→緩和の流れだったけど。 >1000字課題No.122「花もだんごも」  新木さんのリライトを分析してみます。  以下が描写されているべき要素。 ・大きな公園であること。その中央であること。 ・桜並木があること。 ・散りかけた桜があること。 ・ベンチがあって、人の姿がないこと。 ・昼で土曜日。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  穏やかな午後の光を浴びて、桜の枝がゆっくりと騒いでいた。残り少ない花びらが、また一枚、落ちてきては、地面に重なる花びらの一枚と変わってゆく。すぐに混じっていってしまい、いま落ちてきたものがどれだったのか、もう見分けがつかなくなってしまう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  昼、もしくは12時をやや過ぎた時刻であることを「穏やかな午後の光」で、散りかけた桜を「残り少ない花びら」で描写している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  二本の桜並木が交差して、交わる場所であった。  街の音もここからは遠い。ベンチには人の姿はなく、かわりに花びらが何枚も腰を掛けている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  大きな公園であることが「街の音もここからは遠い」で、ベンチがあることと、人の姿がないことを「ベンチには人の姿はなく」で、土曜日であることは「花びらが何枚も腰を掛けている」で、つまりこの場所には、今日はだれも座っていないということで、描写されている。  あと、「二本の桜並木が交差して、交わる場所であった」がキャッチにもなっているのね。たとえば、この前の三行を読み飛ばすような私みたいな読者であっても、短めの文なら読めるのね。そうすると、「ここが桜並木である」という最低限の情報だけは手に入れることができるという寸法なのね。  6行でしっかり5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どうした)が説明されてます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――と。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  おや、と読者に目を留めさせたいところ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そのベンチに足を乗せ、黒いソックスを膝下まで引き上げている娘がいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  私がただ羅列していた情報を、こうやって人物のとった動きのなかで説明してます。ここでは「ベンチに足をのせてソックスを引き上げたら、スカートが広がってウフフのフ」を描きたいのではなく、「黒いソックス」を履いている、というのを書きたいのですね。  いや、ウフフのフも書きたかったのだろうけどさ。  せっかく出したベンチを活用したかった、というのもあるかもしれない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  娘は足を乗せたままで、散りゆく桜並木を見回していた。風に運ばれた長い黒髪が、紺色の制服の胸と腰とに引っかかって溜まっている。彼女は風に髪を与えたまま、一直線に揃えた前髪の下で、眉を小難しく引き寄せた。目は遠くに向けられて、じっと桜の枝を見つめている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「散りゆく桜並木」と、ベタに書かれています。  最初にこんなことを書いたのなら「描写せえ」となるところですが、すでに冒頭三行で散りゆく桜は描かれてますし、ここでの描写は余計になります。桜より娘さんが見たいし。  私が「腰まで伸びた黒髪」「紺色の制服」「大きな胸」と書いた部分を、「風に運ばれた長い黒髪が、紺色の制服の胸と腰とに引っかかって留まっている」と、ひとまとめかつ面白い上にわかりやすく描いているんですよコンチクショーめ。くそう、髪が胸に引っかかりますかぁ。いいなあ。  とりあえず「動かせば」いいのかな?  飛びつく前に次に進む。  「一直線に揃えた前髪の下で、眉を小難しく引き寄せた」(新木さん版)  「前髪は、太めの眉にかかる程度の長さで切りそろえられている。長いまつげを伏せ、 静佳は目を細めた」(2号版)  「一直線に揃えた前髪の下で」はまあいいとする。  問題は、「眉を小難しく引き寄せた」が私の語彙のなかにないということだ。いや、言葉としては知っているけど、使える言葉のなかにない。  うん……。  もっと読書しなきゃ駄目だよね。  だってこれはオカズじゃないもの。あくまでご飯だもの。使えなきゃまずい言葉だろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  その唇が不意に動き、古めかしい響きの一句がつむぎだされてくる。 「散ればこそ、いとど桜はめでたけれ――うき世になにか、久しかるべき」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「古めかしい響きの一句が」。  むー。  つむぎだされるか。むー。  この程度が書けなくちゃ、とても魔法使いとか出せませんな。  呪文を唱えさせるとき、どうしましょう。  まあ悩むのは一時棚上げにして。  単語を羅列されたところでイメージしにくいのは、感想部屋に寄せられたご意見を参考にさせていただいてもわかりました。  じゃあどうすればいいかって、そりゃ映像を浮かべやすくすりゃいいわけで。  動いていれば、とりあえず目には留まるよな。  あと情報密度も高まる。 ・彼女のお尻はとてもキュートだ。(情報密度1) ・紺色のスカートがひるがえったせいで、純白のショーツが彼女の小ぶりなヒップラインをぴっちりと包みこんでいるのが見えた。(情報密度3)  ……いやまあこれは例えがアレですが。 ・紺色のスカートである。 ・純白のショーツである。 ・小ぶりである。  以上の情報が含まれている。  あと影のデータとして、 ・それほど過激な形状の下着ではない。(特筆すべきなら書く) ・「彼女」は清純な人である。(いまどき純白の下着を履く人もおるまいが) >旅の理由 >>こうやって視点保持者に3000マイルぐらいの長旅をさせてしまうのは、どういう作劇意図によるものか――と、浦戸さんは訊いているわけ。  意図なンかねえンです。  そうとしか書けなかっただけです。  ――これだけじゃ駄目すぎるので。 >>説明を膨らまして、水増しすることじゃないんだぞ? >>説明版のほうで書かれていることを、実際に体験させることが描写ってもんだぞ?  新木さんのこの言葉のとおりなんだと思います。  読者を「そこ」に連れていこうとするあまり、旅をさせてしまってます。結果として水増しになっているというわけで。  以上、レスには6時間ほど。 ・削りについて  は次回です。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題提出させていただきます。 No.7935 投稿日 2004年4月28日(水)00時05分 投稿者 春日秋人 >今回のあらすじについて  主人公の名前は本編でもどうでもいい扱いをされているので(本名を呼ばれることはない)割愛させていただきました。  一人称で書いてみました。本編も一人称で書かれているのでこちらのほうが作品の雰囲気が伝わりやすいのではないかと。津荒さんのあらすじの中にも一人称のものがありましたし。  起承転結に分けたつもりです。  考えてみると、ハルヒの持つ壮大な力もけっきょくは設定、大道具にすぎないのだな、と思いました。  うーん……そうすると、もっとハルヒに的を絞るべきなのかな。 ・3冊目「涼宮ハルヒの憂鬱」著:谷川 流  直し  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=914&e=res&lp=914&st=0  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- どっどど どどうど どどうど どどう No.7936 投稿日 2004年4月28日(水)01時03分 投稿者 弟切 千隼  今日の湘南は、午後から猛烈な強風が吹き荒れました。おまけに雨も降っていて、屋内から一歩外に出た瞬間にずぶ濡れになるという状況でした。  道端には、壊れた傘やら折れた木の枝やらがいっぱい散らばっています。風の又三郎のいたずらか、子供用の可愛い傘が、木の枝に引っかかっていました。 >描写課題「親切」  削り版を課題部屋のNo.915に上げました。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=915&e=res&lp=883&st=0  今回の版で特に気を使ったのは、以下のことです。 1)灰色の文章を削って、冗長さをなくすこと。 2)宏樹が葛藤してから荷物を運ぶことを申し出るまで、流れが自然であること。  感想や指摘を下さる方は、上記の二点を実現できているかどうか、重点的に見て下さると嬉しいです。 -------------------------------------------------------------------------------- 結婚式シーズンですね。 No.7937 投稿日 2004年4月29日(木)01時45分 投稿者 弟切 千隼  友人の結婚式に招待されるのは、とても嬉しいものです。正直なところ、御祝儀が出てゆくのは痛いですけれどね(^^;  それでも、結婚式で花嫁さんの姿を見ると、「こんなに幸せそうな姿が見られるなら、喜んで御祝儀を払うよ」という気分になります。ドレスや打ち掛けが綺麗だから、というだけではなく、花嫁さんは芯から輝いて見えます。全身から幸せのオーラが出ていますね。  そのオーラを浴びさせてもらうと、こちらにも幸せが乗り移った気がして、いい気分で帰れます(^o^) 2号さんへ >  課題部屋のNo.913「エスパー真奈美ちゃん」の指摘をしてみます。  本文はこちら↓ですね。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=913&e=res&lp=550&st=0  ええと、ざっと一読して違和感を持ったのが、なぜ、主人公姉妹二人がこんなに驚いているのか、という点です。  特に、真奈美を連れてきた姉のほうが、『バーガーを丸かじりした姿勢のまま、凍りつ』くほど驚くのは、おかしくありませんか?  姉のほうは、『歩く週刊女性自身セブン』とまで言われる人なのですよね? そういう人が、特ダネを持ち込まれて、その概要すら訊かずにいられるとは思えません。どういう特ダネなのか、前もって少しは訊くのではないでしょうか?  取材される真奈美のほうも、隠しごとをしたがるタイプには見えません。彼女は夢見る電波少女で、どちらかといえば自分の素敵な夢―他人にとっては妄想―を語りたくて仕方ないように見えます。  真奈美は、どうしてファーストフード店に来るまで、主人公の姉妹二人に「超能力」のことを語らなかったのでしょう?  主人公の妹(咲見)にしても、『歩く週刊女性自身セブン』たる姉が連れてきた取材の相手を、怪しいと思わなかったのでしょうか?  真奈美は、見るからに電波少女ですよね。ゴシップ大好きの姉がこんな電波少女を連れてきたら、きまじめな妹は、取材前に一撃で断わりそうです。  何か理由があって取材を断われなかったのでしたら、主人公は、もっと最初から疑ってかかるか、もっとおざなりに取材するでしょう。  上記の違和感にもかかわらず、主人公姉妹二人は、女子高校生としては違和感はなく、普通に見えました。  妹の堅苦しさも、姉の調子よさも、ちゃんと伝わりました。  ただ、他の方が感想部屋で指摘されているとおり、お調子者の姉の名前が「桜子」なのは違和感を持ちました。これは、伝統的な和風美人の名前でしょう。  あと、気になったのは、一文の長さです。  例えば、冒頭の台詞はよいとして、その次の文↓ >>真奈美と名のる制服姿の少女は、満面の笑みを浮かべながら、舌っ足らずな声で、自分は「超能力者」なのだと断言した。 は、長すぎますね。一文に情報量が詰め込まれすぎていて、何を伝えたいのかわかりません。  ここで伝えたかったことは、おそらく、『真奈美と名のる制服姿の少女』ですよね? 電波女子高校生が一人いるよ、と言いたかったのですよね?  でしたら、それを強調する短い文を書くべきだったのではないでしょうか。  ここから先は、雑談です。  この話を読んで、弟切は、十年以上前に「前世症候群」とか「戦士症候群」とか呼ばれる現象が流行ったことを思い出しました。  これは、主に当時十代だった(一部、二十代の人もいました)人の間で流行った現象です。自分の「前世」が世界を救う戦士や巫女だったことを「思い出し」、オカルト雑誌の文通欄に手紙を出すなどして、当時の仲間を探す人が急増しました。  今でも、あの手の妄想に取り憑かれている人はいるのでしょうかね? -------------------------------------------------------------------------------- 眠くない。むしろそれが問題だ。 No.7938 投稿日 2004年4月29日(木)04時00分 投稿者 竹井 比呂 ○弟切さん、三枝さんにレス。  『量子力学でも証明されています(位置を特定すれば運動量の大きさが分からず、運動量の大きさを特定すれば位置が分からない)が、人間には一つの要素からしか物事を見ることが出来ません』  これは、端的に言って、レトリックです。うーん……比喩になりますかね……。  まず、それを大前提として知っておいて頂きたいと思います。  比喩と断言すると語弊があるかもしれませんが、生憎と竹井は語彙数がほぼ無に等しいため、これ以外に上記のレトリックの呼び名を思いつきません。  よって、以下この『比喩のような、けれどおそらくはそうでないもの』を比喩と表すことにします。    では、 1.なぜそういった比喩を使おうと思ったのか。 2.その比喩は何を意味しているのか。 3.文章全体として言わんとしていたこと。  を順に説明させていただきたいと思います。   1.なぜそういった比喩を使おうと思ったのか。  単純に伝わりやすくするためです。  伝わりやすい文章には、二種類があるのだと最近竹井は考えるようになりました。  一つは、論理的な文章。  もう一つは、共通語――例えば、分室での『エウレカ』という単語などがこれにあたると思われます――を使って書いた文章。  原則的には前者を使うのが良いと思っていまが、どっちも使えるにこしたことはありません。  よって、前回の弟切さん宛の文章で、後者の練習を始めることにしました(これからも時折すると思います)。  まずするのは共通語を探すこと。    弟切さんが知識を大量に持っていることは承知しております。  ですが実際のところは、どういった方面に詳しいのかは正確には把握できておりません。  すると、ピンポイントで共通語を使った説明をすることはできなくなってしまう。  なら、数を沢山あげて、試してみるしかありません。平たく言って、『ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる』という考えによるものです。  そのうちの一つが、先の『不確定性原理がなんちゃら〜』です。   2.その比喩は何を意味しているのか (『不確定性原理』をご存じない方は、飛ばしてください。分かっていることを前提としてお話しています。3で前回の弟切さん宛の文章の内容は伝わると思いますので、飛ばしてもたいした問題はありません)  こちらがおそらく三枝さんが問われていることの核心的な答になると思われます。    まず、なぜこれが答として妥当であると考えたのか、加えて、これから何をお話しようとしているのか、を説明させていただきます。  現状を分かりやすくするために例をあげます。  『地球のような西瓜』という表現。これは普通に考えれば意味が分かりません。何らかの比喩表現なのでしょう。  比喩表現であるとして、です。  『地球のような西瓜』という表現が示すのは、『地球のように大きい西瓜』なのかもしれないですし、『地球のように丸い西瓜』なのかもしれないし、はたまた『地球のように青い(!)西瓜』なのかもしれません。  『地球』と『西瓜』をつなぐもの、それが類似点です。  類似点さえ分かれば、なぜ『その西瓜は地球のようである』と言えるのか、といった疑問は払拭されるでしょう。  よって、これから、先の問題の類似点をあげます。  『不確定性原理』と『人間が一つの要素からしか物事を見れないこと』の類似点は、『こちらを立てれば、あちらが立たず』ということ。  位置と運動量を同時に知ることができないように、人間はある要素から物事を見ようとすると、別の一方の要素からは見ることができません。  一つを選ぶということは、他を捨てるということ。誰でも感覚的に知っていることだと思います。  両方取り、なんてのは不可能なわけです。  それでもさまざまな視点から物事を見ようとすれば、正反合……なんてのもありますけど、あれ、結局は『合』という一の視点からしか見れてないですし、結局人間は一つの要素からしか物事を見れません。  人間には、主観っていう凶悪な制限がついてるのです。  それが、そのあたりの文章の論旨でした。   (それともう一つ、不確定性原理を持ち出すことで、暗に示したことがあります。  後の文章に関わってくる話で、直接的な繋がりはなく、むしろニュアンスが伝わればよい、という程度のものですが。  観測至上主義の弊害を思い出してもらえるとすぐに気づいていただけるかもしれません。  平たくいってしまうと、『絶対的な真実は存在しない。あっても、分からない。分からないなら、無いのと同じ』ということです。  ひいては、『絶対的な真実など存在しないのであれば、どんな解釈にも間違いなどというものはない。ならば、(差別的な意味合いさえなければ)どんな解釈をしても問題などない。それは言論の自由の保障という形でも示されている』というあたりに繋がってきます。  ここらへんは、3の項で詳しく書きます) 3.文章全体として言わんとしていたこと。  並び替えたり、言葉を変えたり、削ったりと色々してみました。  どうぞ。  突き詰めていけば、結局、人間は一つの要素からしか物事を見ることができません。  なぜなら、ある要素から物事を見ようとすることは、同時に別のある要素から物事を見ることを放棄するのと同じなのですから。  そういった、一つの要素からしか物事を見れないことを、弟切さんは独り善がりと仰いますが、でも、誰しも人間は主観から逃れることはできませんよね。客観的に書こうとしたって、客観的に『しようとした』だけの主観的な文章しか出来上がりません。  確かにそれは不自由なことだと感じられるけれども、でも、実はその『ものの見方』こそが個性ってものなのではないでしょうか?  それに、そもそも物事には、絶対的な正解など存在し得ないのです。だから、間違った解釈なんて本当は存在しないんです。  竹井の解釈を示すために、竹井は文章を書いているんでしょう? 弟切さんだってそれは同じですよね。  「私はそう思った。だからそう言う」――そしてその発言には確かな根拠がある。  そうすることに何か問題がありますか? 日本は言論の自由を謳っているのですから、中傷的な意味を含んでいないのであれば、どんな解釈をしたってそれは構わないと思うんですけど、弟切さんはどう思われますか? やっぱり、独りよがりじゃない、絶対的に正しい、万人が認める解釈を探しますか?  以上です。  まだ何か分からないところがあれば、どうぞお聞き下さい。  出来る範囲で、答えます。    鐸碑さんへのレスは、また後日にさせて下さい。 -------------------------------------------------------------------------------- 徹夜してしまった。まだ眠くない。 No.7939 投稿日 2004年4月29日(木)06時10分 投稿者 竹井 比呂  春日さんへ。  以下指摘です。  シャー芯 1.『嘆いたところでそれが事実だった』   表現に違和感を感じます。   『嘆いたところでどうにもならない』とかが定型句だと思うんですが、どうでしょう? 2.『自分が手を止めたせいか〜カッカッカ。笑っている』   ここ、グーです。流れるように言葉が続いている気がします。 3.『(俺を笑って〜あざ笑っていた』   ちょっと笑うがしつこすぎます。そろそろ別の言葉にして欲しいな、と思いました。 4.『顔は、たぶん、蒼白になっている』   ここ、『、』をつける理由が分かりません。『たぶん』が漢字だったら、つける理由も分かりますけど。   この場合、つけない方が読みやすくていいのですが。 5.『どうしよう、どうしよう、どうしよう――』   えーと、なぜここの文末に『。』をつけないのですか?   理由があるなら教えていただきたいです。思考の中断とかですかね?   まぁ、些末事といえば些末事なのですが。 6.『その暗闇は銃口にも似て、彼に死を突きつけている』   なんか表現に違和感を感じます。   分解すると、『その暗闇は銃口に似ている』と『その暗闇は彼に死を突きつけている』となって、あんまり問題はなさそうなんですが……どうも気持ちが悪いです。 7.『その時、解答用紙の上に音もなく〜落ちた』   音すると思うんですけど。目の高さから落としただけでもしましたし、もっと高いところからなら尚更ですよね。 8.『驚いた彼が〜いるだけである』   もう意味不明です。偽・電波読みをするに、オチなのかもしれないと思うのですが……ここでオチをつけられてしまうと、小話になってしまうような気がします。   小話と小説は似て非なる物ですし、あんまりオチはつけない方がいいんじゃないですかね。 総評 全く絶望しているようには思えませんでした。    全体としてコミカルになり過ぎてしまっているのだと思います。    悲しい目に遭った人を笑いものにする形のコメディなのだな、と感じました。  明日美 1.一年年上の先輩   これ、読みづらいです。いち『ねん』『とし』うえ――ですよね。   同じ漢字が隣り合っているのに、それぞれ読み方が違うものですから、どうも読みづらく感じました。 2.にっこりと彼女が言うと   にっこり言う、って、ちょっとありえないかな、と思いました。ここは『笑って』を省略しないで欲しかったです。 3.割り勘した   『割り勘』って竹井的には名詞で、『割り勘する』って形の動詞は存在していないのです。   ここは、割り勘『に』した、の方がよかったと思います。 4.はて   これ一体誰が思ったのか分かりませんでした。   全体的に視点がぐらぐらしている気がします。 総評 夕日、は言われないと分かりませんでした。まぁ、伝わっていなかったってことです。    で、彼。ヒロインが良い分殺されてしまっている気がしますね。生真面目、っていうより、ウブって印象を受けました。    あらすじの方もおって指摘入れます。 -------------------------------------------------------------------------------- 日本語の会話が成立しなくてとても残念です。 No.7940 投稿日 2004年4月29日(木)11時35分 投稿者 三枝零一 >竹井さん  うーん、もう少しまともな回答が返ってくると思ったのですが、どうやら竹井さんはいまいち読解力が不足していらっしゃるようでとても残念です。 >2.その比喩は何を意味しているのか >『不確定性原理』と『人間が一つの要素からしか物事を見れないこと』の類似点は、『こちらを立てれば、あちらが立たず』ということ。  竹井さんがそういうことを言おうとしているのは『不確定性原理』を知っている人間ならだれでも分かることですので、いまさらそんなことを説明されても困ります。  私がお聞きしているのは、「そこで不確定性原理を持ち出すということがどういうことか、ちゃんと分かってますか?」ということです。  そもそも、竹井さんは「不確定性原理」についてちゃんと理解していますか? まさか「運動量と座標を同時に観測することはできない」なんていう入門書の文言を頭から信じているとも思えませんし(まさかねー)、「不確定性原理」がどういうものかきちんと理解していれば上のような比喩表現が出てくるはずがないのですが。  それともこれは、わざと誤解を招く表現を用いることで分室の参加者の科学知識を試そうという高度な議論の手法なのでしょうか。  いずれにしても、私の書いた「意味がわからない」という言葉が通じなかったようなので、もう一度、より正確に意味が通じるように書き直させていただきます。 「竹井さんのその比喩はまったく意味を為しません。意味が通じるように、『不確定性原理』や『量子力学』という単語を使ったまま書き直してください」 -------------------------------------------------------------------------------- ああ、もう一つ付け加えることがありました(笑) No.7941 投稿日 2004年4月29日(木)11時40分 投稿者 三枝零一 >観測至上主義の弊害を思い出してもらえるとすぐに気づいていただけるかもしれません。  平たくいってしまうと、『絶対的な真実は存在しない。あっても、分からない。分からないなら、無いのと同じ』ということです。  この辺りの表現も、量子力学を理解していれば絶対に出てこない『比喩』(笑)ですので、わかりやすく説明してください。そもそも観測至上主義ってどこが悪いんですか? 量子力学に限らず物理というのは観測された事実を説明するために存在しているのであって、観測至上主義なのは当たり前なんですが。 -------------------------------------------------------------------------------- 無題 No.7942 投稿日 2004年4月29日(木)11時41分 投稿者 甘夏 >竹井さん 1.なぜそういった比喩を使おうと思ったのか。 2.その比喩は何を意味しているのか。 3.文章全体として言わんとしていたこと。  順番が違いますよね。 ◎なぜ、そういった比喩を使わなければならないのか。  これが抜けているように思います。  文章を書くにあたってとても大切な要素です。  なぜ、『量子力学』をあの時、あのレスで使用しなければならなかったのか。  使う必要のない比喩を使いたがる。  よく『小説指南本』なんかに出てくる『初心者がやりがちなこと』ですよね。  自分の知識を見せびらかしたいように私には映るんですよ。  なぜそこで量子力学を使うのか。  なぜ、その説明に不確定性原理を使うのか。  それ以外のもっと一般性のある言葉では説明できないんですか?  そういえば弟切さんも以前、今、その知識をここで持ち出す必然性は? なんてことを新木さんに尋ねられていたように思います。吸血鬼と修道女の話あたりでしたっけ?  ついでに。  共通語を使用する必然性は?  高専に関する春日さんと新木さんのやりとりをご覧になっていたと思いますが。あの話は新木さんと春日さんにとっては『共通』の話題ですよね。お互い高専に通っていた(いる)わけですし。専門用語、いわゆる高専仲間だけで通じる『共通語』で話をしてもなんら問題なかったわけです。お互いにとっては自明な話なわけですし。  しかし、新木さんは高専仲間(ピンポイント)で通じる『共通語』の使用を禁止されました。  一般性のある言葉を使って、他の読者(参加者、ROM)にも理解できる言い回しをするようにおっしゃられましたよね。  共通語を使ってもらったほうが新木さんにとってはわかりやすいことこの上なかったはずです。下手な置き換え話を聞かされるよりかはよっぽどスムースに理解できたでしょう。  2号さんなんかは新木さんに、読者がわかってない(知らない)ことを前提に話をしろ、なんて言い回しを耳にタコができるほど聞かされたんじゃないでしょうか。過去ログを読めばたくさん例が残っていると思います。  共通語で話をする必然性をお教えくださいな。  あと、なぜ新木さんは春日さんに共通語の使用を禁止されたと思ったのかもお答えくださいな。  以前の春日さんと新木さんの高専の話と。  今回の竹井さんと三枝さんの物理?の話。  なんとなく似てるような気がするのは私の考えすぎでしょうか。  さて、今回、竹井さんは他の読者にも理解できる言い回しをされましたか?  残念ながら私には何を言っているのかさっぱり理解できませんでしたが。  これは私の頭がひどく悪いことが原因でしょう。  月間30冊近い小説を読みますが、今までその内容を理解できないものはそう多くありませんでしたが。 追記:人の名前を間違えた場合、普通は謝罪のひとつもするものですよ。    社会人として最低限のマナーですよ。 >新木さん  勝手なマネをして申し訳ありません。  分室に不適切な内容であると思われた場合は削除なさってくださって結構です。 -------------------------------------------------------------------------------- ありゃりゃ No.7943 投稿日 2004年4月29日(木)11時46分 投稿者 甘夏  書いてる間に三枝さんからのレスが……  どうやらひどく的外れなことを書いてしまったようです。  顔から火が……  削除してしまいたいのは山々ですが、質問のお答えもいただきたいので新木さんからのチェックが入るまではこのまま残しておくことにします。  話している内容に関してはまったく別のことですし。  それにしても。  うぅ。恥ずかしいよぅ…… -------------------------------------------------------------------------------- この世でもっとも「怖いこと」は…… No.7944 投稿日 2004年4月29日(木)15時20分 投稿者 鷹見一幸 「怖いもの知らず」がやる「怖いこと」を、傍で見ていること。    いやあ、久々にリアルタイムで「ハラハラドキドキ」を味わっていたり。  でも、世の中には「怖いもの見たさ」という言葉もあったりするので、その辺は期待半分だったりするのだがね(笑  さて、今回の書き込みはそれとはまったく別の話。  俺が出入りしている某所のチャットで、こんなデータを教えてもらったのでちょいと引用させてもらおうと思う。    これは、昨年2003年の出版業界のデータなんだが、その中でライトノベルについてのデータがあった。  ティ−ンズ文庫(ライトノベル)は、昨年一年間で売られた文庫本の中の18.7%を占めている。  約二割だね。これを多いととるか少ないと取るかは人それぞれとして、面白いのは、次に上げる  新刊:既刊=62.4%:37.6%  新刊販売率55.7%。返品率21.0% という数字だ。  これは要するに、ライトノベルは「新刊」の売れ行きによって維持されていると言うことだ。  とにかく売れ行きが速い。新刊売切型のジャンルだということ。  んでもって、売れ行きは人気作家に偏り気味ということらしい。  これは要するに「マンガ単行本」と形態的には変わらないと言うことを意味する。  一年に一冊、じわじわと売れる本を書く作家ではなく、売れる本を次々に出す作家によって、ライトノベルと言う業界は支えられているということだ。    これは、昨年の数字であって、未来の数字じゃない。この先世の中やお客さんの好みがどう変わっていくのかも定かではない。  データから読み取れるものは人それぞれだから、このデータからどんな結論を引き出すのも自由だが、一つだけ言えることがある。  もし、この先、ライトノベル専業作家になるとしたら「速さ」は武器じゃない。    それは「必須」になるだろう。  読者が求めているものに応えられなければ淘汰されてゆく。それは必然だからだ。  この場所は「作家」になる様々な物事を教わる場所だとしたら、そういった「作家を取り巻く物事」について知ることもまた必要だと俺は思う。  新木さんと個人的に話をしたときに、「作家」と呼ばれる人たちが、いかにそういった情報から取り残されているのかを聞いて愕然とした。  俺は、作家というのは、この出版業界における「業者」の一人だと考えている。 要するに「物語製造業者」だ(笑 んでもって「物語販売業者」が出版社だ。 「読書」という習慣を「古典芸能」にしてしまえば、この業界は滅亡する。 作家として、だけではなく業界に関わる「業者」としての視点も持つ必要があると俺は思うんだよね。  んでもって「速さ」をもたらすもの。それは「集中」だ。 これから先、ライトノベル作家に求められるスキルは 「おもしろい」「売れる」物語を「より早く」書く。ということになるだろうね。  作家志望者の諸君の前に置かれたハードルはどんどん高くなっていく。  そしてそのハードルは俺の前に並んでいる物と同じだ。  俺は死に物狂いでそのハードルを越えるつもりだ。越えなきゃ生き残れない。  ついて来れるか? なんて聞かないよ(笑 -------------------------------------------------------------------------------- おひさです No.7945 投稿日 2004年4月29日(木)16時21分 投稿者 紫ゆきや  いろいろあって、長編一本書いていました。  ……実は、投稿もしました。書くとも出すとも報告してなかったから、かえって報告しずらいですね。どうして相談報告しなかったのでしょうか。  たぶん、間に合わなかったらカッコワルイとか考えていたのでしょう。  次は短編書きます。できれば電撃hp短編小説賞に応募したい希望で胸いっぱいです。  最低限、下読みさんに迷惑を掛けないものを目指します。  現在は、あらすじと設定を考えています。 ●915 弟切さんの描写練習、「親切」書き直しその5、削り版  読ませて頂きました。 >> 宏樹は思いきって言った。  ここの、「思いきって」は、とても良かったです。  表情が思い浮かびました。  前も書きましたが、後半のおばあさんの描写も良いですね。 ・冒頭  はじめの4行で、3人もの名前を出されても、混乱してしまいますね。  スーパーの社員構成に興味もないですし。平川さんか、佐々木さんだけで良いと思います。  あるいは、名前を出さないようにするのも手かもしれません。  この部分は、やや冗長(後の展開に必要なら、あってもかまわない程度)と思いました。 >> 佐々木さんは、もてそうだよなあ、俺と違って。  いつの間にか、宏樹の一人称になってます。  これをやるなら、()でくくるなどすべきでは?  ダーシを付けるとか。  《と宏樹は思った。》を付けるとか。  なんでもいいから、なんか読者へのサインを出してもらえればと思います。 >> 宏樹は、少し震える声で精算金額を告げた。  声が震えるのは強すぎるかな、と思いました。  弟切さんも同じように感じたので、「少し」と付けたのかもしれませんが、どのていど「少し」なのか分からないので、声が震えたという事実だけが印象に残ってしまいました。 ●はじめてのみなさま  紫ゆきやです。よろしくおねがいします。 -------------------------------------------------------------------------------- ニールス・ボーアのふしぎな旅 No.7946 投稿日 2004年4月29日(木)22時45分 投稿者 弟切 千隼  世の中は、おおむね今日からゴールデンウィークに突入したようですね。「みどりの日」という祝日名にふさわしく、自然の緑に親しんだ人も多いでしょう。  でも、弟切は今日も仕事でした。休みなら、お弁当を持ってピクニックに行きたい天気でしたねえ。 三枝さん&竹井さんへ >  うーん、三枝さんがおっしゃるとおり、竹井さんはまだ何か勘違いされているようですね。  三枝さんが、再度噛み砕いて質問されていますので、量子力学うんぬんについては、三枝さんに対する竹井さんのお答えを再び待つことにします。  竹井さんの理解の手助けになるように、弟切も、噛み砕いて説明してみます。  ここ分室に書きこんでいる人の中では、三枝さん以上に量子力学を理解している方はいないでしょう。なにしろ本職が物理学者さんなのですから。  量子力学の内容について、改めて竹井さんに説明してもらうことなど三枝さんにはないはずです。それはまさに「釈迦に説法」です。  三枝さんや弟切や、その他の分室参加者やROMさんたちが竹井さんに説明してもらいたいのは、量子力学の内容ではありません。  「量子力学」などという特殊なものを、なぜ比喩に使ったか、です。  ここは小説修行の場です。もし、小説内の道具としてどうしても量子力学を使わなければならないという事情があれば、ここの参加者の皆さんは、喜んで量子力学の話に付き合ってくれるでしょう。  しかし、今回の竹井さんには、そんな事情はありませんでしたよね。一般的な文章の書き方の話をしていただけですよね。  なのになぜ、普通の人はまったく縁がないと思われる「量子力学」を持ち出したのでしょうか?  「利己的遺伝子」についても同じです。おそらく普通の日本人は、この言葉の意味を知りません。辞書にも載っていません。  何かを説明するのに、さらに説明を要する難しい言葉を持ってきたのでは、何を言っているのかわからない文章になりますよね。  ちなみに、「利己的遺伝子」とは、リチャード・ドーキンスという英国の生物学者が、一九八〇年代に提出した概念です。専業の生物学者が、ハードカバーの著書(日本語版にして、548ページあります)一冊をまるまる費やして説明したほど複雑な概念です。  ドーキンスさんは、自説に関する本をたくさん書いています。日本語訳されて日本で普通に手に入る著書だけでも、12冊あります。  文章の書き方という、生物学とはまるで関係のない比喩に持ち出せるくらいですから、竹井さんは、これらの著書をほとんどお読みになって理解されているのでしょうね。 甘夏さんへ >  No.7942の甘夏さんの書きこみは、削除する必要なんてないと思いますよ。  少なくとも弟切にとっては、とてもわかりやすくて有意義な書きこみでした(^o^)  甘夏さんがおっしゃっていることと三枝さんがおっしゃっていることは、切り口が違うだけで、同じことを指している、と弟切は感じます。 紫さんへ >  描写課題「親切」削り版に対する御指摘、ありがとうございます。 ・冒頭が冗長であること。 ・宏樹の独白が唐突であること。 ・宏樹の「声が震える」という表現が大げさすぎること。  以上の欠点があることを了解しました。改善策を考えます。 お知らせ:  弟切は明日から遠出します。明日から五月三日まで、ここにアクセスしにくい状態になります。  次にここへ書きこめるのは、おそらく五月三日(月・祝)の夜になるでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7946の書きこみに誤りがありました。 No.7947 投稿日 2004年4月29日(木)23時56分 投稿者 弟切 千隼  訂正いたします。リチャード・ドーキンスさんの日本語訳された著書は、12冊ではなく9冊でした。失礼しました。  より正確にいいますと、上記の9冊に加えて、ドーキンスさんが序文を書いた本が、2冊、日本語訳されています。この2冊は、生物学的概念を社会学に応用した画期的な理論を説明した本です。  「利己的遺伝子」の比喩を文章の書き方について用いるくらいですから、竹井さんは、もちろんこの2冊も読んで理解されているのでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------- カンヅメから帰ってきた No.7948 投稿日 2004年4月30日(金)01時18分 投稿者 新木 伸  なんか竹井がぼろぼろだなぁ。二重の意味で。  ああ、ちなみに、敬称解除になったのは、単に敬称付けて話すのがアホくさくなったというだけのこと。  皆が急にあれこれ言い始めたのは、僕が敬称を外したのと、僕が留守になるのを告知したからだろうけど。これまで皆が我慢していたものが、一気に噴出したということかな。  竹井は自分を犬にたとえているけど、それはお犬様に失礼だからやめるように。  早くも離脱者、脱落者が続出のようだけど。  叩いてくれる人がいるうちは、見放されたわけではないので、竹井は頑張ること。本人が諦めないかぎりは、まだ終わってないから。 >名前とか  IMEで出てこない名前とか。  相手に単語登録の手間を要求することになるわけだが。そのへん、みんな、自覚とかあるのかな?  たとえば「弟切」もそうだし、「凛子」なんてのもそうなのだけど。  相手に手間をかけさせている自覚がないのかな。  自覚はあるけど、それは「あたりまえ」だから、相手はやって当然と思っているのかな。  それとも、本人主観ではそういう名前の人は少なくないし、普通といってもいいぐらい多いわけだし、だから「おたがいさま」というように考えているのかな。  ちなみに、IMEで出てこない名前禁止――とか、直接言い渡しているやつで、凛子とか使ってくるやつがいると、「てめこの死ねこのてめこの」とか思いつつ、俺がいちいち単語登録していることは内緒だっ。 ○竹井 >無思考症のこと  どっちに従うのか、という観点から外れると、こんどは「正しいと思ったから頷く」となるわけだな。やっぱ無思考症から抜け出してないじゃん。  自分の外側から、頭にインプットされてくる意見があって、そいつを正しいと思うかどうか、てな話なわけね。  だからそれが考えていないっていうんだって。  ただ選択してるだけじゃんか。  つまり「誰かの意見」がインプットされてこなきゃ、竹井は頭を働かせられないと、そういうことなわけよ。  あっちの弁当とこっちの弁当と、どっちがウマそうかな――と、コンビニの店頭で迷って選んでいるだけね。  君自身が「弁当」を作り出しているわけじゃない。 >カッコいい順  話が噛み合ってない。鐸碑さんと竹井とで。  俺や鐸碑さんが訊いているのは、「カッコいい順」というもの。  しかし、お前が話しているのは、「自分の憧れる順」というもの。  誰もそんなこと、訊いてない。  そりゃ、おまえが憧れるのであれば、能力が異常に高くて、余裕があって、物事を絶対にしくじらない人物だろうさ。  そんなもん、訊くまでもなく、わかりきっている。  憧れるというのは、つまり、自分がそうなりたいと思うことね。  そんな私的な話をしているんじゃないのね。  たとえば俺なんかが憧れるのは、十二歳で黒いスリップワンピの似合う悪の美少女から、侮蔑を与えられて罵ってもらえる(仙台エリの声で)ような人物だったりするわけだが。裸足で踏まれるなら、なお最高だが。  ――だが、ヒーローに繋がるカッコ良さの脈絡のなかで、そんな私的なものを持ち出してきたりはしないわな。まあ当然だが。  お前が憧れる順、なんてのはもういいから。  「カッコいい」の話をしようじゃないか。  もとはヒーローの話なわけだろ。  ヒーローってなんなのかというと、カッコいい人なわけだろ。――ここまではいい。  しかしカッコいい人ってなんなのかというと、「僕の憧れる人です」じゃ、これは答えになっていないんだよ。いいかげんに気付けよな。  お前のいう「能力が高くて、余裕があって、失敗しない人」っていうのは、一般的には、なんていうものなのだ? そういう存在にぴったりの単語は他にあるはずだが。 >春田  しかし、なんつーか。間違えるにしたって(笑)。  これなんて読むのだろ? 「カスだ」とでも読むのかな。 >春日  ああ。区別が付いていなかった。  インターネット環境のない下宿からアクセスしているのは、あれは津荒だったか。春日のほうは、いま聞かされたから自宅からなのだとわかったが。 ○2号 >持ちキャラ性別変換実験  内容についてはコメントしないが。  ただ単に性別を変えることで、男の持ちキャラを女として使えるということ。その実験と、結果の検証について。  まあ、そんなもんだろ。  プロだってその程度で使い回ししてる人、ごろごろいるから。  すくなくとも俺は――。  お前の書いたそれよりも、まともな少女の一人称を書いている男性プロ作家を知らない。  どーせ、たいしたことないから、みんなそんなもんだから。女に読ませて、「絶対にウソだ!」とケチが付かないレベル付近にまで持ってゆくのが、男の書ける理論値限界ってもんだから。 (まあそれを言うなら、女性作家の書く少年の一人称なんてのも同じことなわけだが)  だから男性作家ってのは、キャラを売り物にする小説で、少女の一人称で書かないものなのね。いうならばそれは、回転寿司屋で食うケーキみたいなもんなのね。ケーキ屋のケーキに及ぶはずもないが、まあなんとなくケーキであればそれでいいものなわけ。回転寿司を食いに来たお母さんが、「こんなんケーキじゃない!」と怒りださない程度であれば、それでいいわけ。  皆、自分の身の程を知っているから、やらないわけ。  少女を出すなら、せめて三人称で書くわけ。  2号は女に恐怖症があって、特別に考えてしまうから、性別だけ変えるなんてことができなかったわけだが……。  しかし男だとか女だとか、そんな区別をはじめから持っていない人であれば、気にしないで普通にやっちゃっていることなんだな。  「だって人間でしょ?」となるわけよ。人間であるということが先に来るのか、性別のほうが先に来るのか、そんなもんは、その人間の本人の主観次第で、コロコロと変わるものでしかないわけ。そしてコロコロと変えてしまえるものでもあるわけ。  たとえるなら――。  畳を敷きつめてある和室に、テーブルと椅子を持ちこんでしまったっていいわけ。畳に椅子の足で跡を付けちゃっても、べつにいいわけ。  和室と洋室の区別がついている人は「そんな無茶な」と思うだろうけど。部屋を「部屋」としか認識していない人であれば、家具のほうだって、洋式と和式とで区別を付けないわけよ。  「だって部屋じゃん。ならどんな家具いれたっていいじゃん」となるわけだ。  「だって人間じゃん。なら外装(性別)を交換したっていいじゃん」となるわけだ。  外装なんて飾りなんですよ。エラい人にはそれがわからんのですよ。しかし現場の人間にとっちゃ常識なんですよ。  わかったか?  ちなみに完璧超人の長男と、甘え上手な四男のコンビを見てみたいところだな。もちろん女版のほうで。  あと熊田(女)と、小鈴(男)とかの組み合わせも、おもしろいかもしれない。 >カリ城の話の組みかた  あれをハリウッド式という人もいる。  緊張→解放→緊張→解放→緊張→解放――と、ずっと繰り返してゆく方式ね。  アメリカのエンターテイメント映画では、確立されたシナリオの形態。いわゆるスタンダード。  小説だと切り替えに忙しくなってしまうので、あんまり見ない。――というか、小説では映画の手法を貪欲に取り入れようとしている人が、そもそも非常に少ない。  いつも言っているけども、エンターテイメント系でいちばん取り残されていて、三葉虫やシーラカンス的な旧態依然としたメディアが、小説というものなんだってば。  先人たちによる過去の蓄積なんてのは、さっさと圧縮伝達して身につけてしまって、そのうえに自分たちのプラスαを積み重ねていけばいいわけだが。  だが小説の場合には、誰もが我流でやってるもんで、すべてを自主開発しなければならないわけだ。その結果として、自分の代のなかでは、三葉虫くらいまで進化するのが関の山なわけね。  せめて陸にあがらんといかんというのに。  たとえば「物理学」なんてものは、高校生あたりで、もう17世紀末のレベルにまで引き上げられるわけだろ。二十歳も越えた研究者が大学でなにをやっているのかというと、その遥か先をやるわけだよ。21世紀の研究者は、21世紀の研究をしている。  しかるに小説では、16〜17世紀あたりの成果を、いちいち自分で再発見してゆくわけだよ。作家志望者が自分の手で発見してゆくことは、現役のプロがすでに知っていることでしかない。  そしていまこの21世紀に、3〜400年前とたいしてかわらんことをやっている。 >1000字課題No.122「花もだんごも」  なんか、半分も読んでねーのな。  そんなに食べ残しを出すのなら、もうリライトしてやんねーぞ。  たとえば、このへんとかさァ。 >>穏やかな午後の光を浴びて、桜の枝がゆっくりと騒いでいた。  ここでもう、午後であること、散りかけた桜、大きな公園の中央――ぜんぶ書いてあるだろうが。 >>花びらが、また一枚、落ちてきては、地面に重なる花びらの一枚と変わってゆく。すぐに混じっていってしまい、いま落ちてきたものがどれだったのか、もう見分けがつかなくなってしまう。  ここじゃ、別なことを書いてある。  しかし読んでもいねーし。 >>・紺色のスカートである。 >>・純白のショーツである。 >>・尻が小ぶりである。 >>・それほど過激な形状の下着ではない。 >>・「彼女」は清純な人である。  うん? ぱんつがめくれるワンシーンで、上記の5点を入れればいいのか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  めずらしく、彼女が階段を駆けあがってゆく。脚が軽々と踊っていた。  スカートの奥の暗がりと、布地とのコントラストが、目に鮮やかに飛びこんでいた。一瞬のことだったが、それはしばらく離れていってくれなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ほれ、これで5個すべて入ってるだろ。  しかし3行を使って1個のことを書くなら簡単だけど、3行に5個は、けっこうしんどいな。  ちなみにこれ書くの、ざっと10分くらいな。小説の全編をこういうもので埋め尽くそうとすると、やたらと時間がかかる。  1時間やって1ページも書けやしない。 >なんかお見舞いする話 >>体が弱っているので、感情の揺らぎも少なくなっている状態です。それで驚かなかったように見えました。  サラリと流してしまっているけど。  こういう部分こそ、書かなきゃならんことだろうが。  世の中の人間で――特にライトノベルを読むような世代でもって、体が弱ると感情が揺らがなくなることを「常識」として知っている人間が、どれだけいるというのだ?  自身で体験して、実感していて、あたりまえの感覚として、2号から言われたところで「普通だろ」と切り返すことのできる人間って意味だけど。  分室に来たことのある人間で、それを確実に知っているのは、西鶴翠――この1名だけだろうな。他は知らんのよ。  歳を食うと、内臓をやって、入院経験ぐらいあるだろうから、40歳あたりの人間なら常識だろうが――。  二十代前半までの普通の人ってのは、健康体なわけ。体力もあり余っているわけ。「体が弱る」ということを経験してきていないわけ。せいぜいが、カゼひいて、2日寝込みました、ぐらいなものなわけ。  おまえの死線を見てきた入院経験、普通の人には「へー」連発のネタであり、武器であるということは、わかっているのか? いないのか? >自分の本が出たときの話 >>これで本なんか出しちゃったらどうなるのかね。自分の書いたものが認められて、それでお金を貰っちゃったりしたら。  自分の書いた文章が本(もしくは雑誌)に載って、金を貰えたときの話。  まず10人中、10人が感じることは、「いいのか?」という当惑ね。自分なんかの書いたもので、金をもらって、それはいいことなのかどうか、わからない。  そしてだんだんと怖くなってくる。  金は貰えるわけよ。  しかし認められたかどうかなんてことは、わかるはずもないのだ。  すると思うのは、すげぇイケナイコトをやっちまったのではないかという怖れなわけね。なんか犯罪に手を染めちゃったような、取り返しの付かないことをしてしまったような、そんな怖さ。  そう。取り返し付かないんだよ。本が出たら。原稿回収できないし、直すこともできないし、間違っていましたから読まないでくださいとも言えないし。インターネットの掲示板みたいに、「削除ボタン」なんてものも付いてないし。  もうお金はもらっちゃっているし、返しに行くこともできないし。  怖いから、真剣になるんだ。 >鷹見さん  そうそう。カンヅメのあいだに話していた話題。  「ライトノベル界」の創立から現在に至るまでの歴史について。  少女小説側からの視点ですけど、久美沙織さんが「創世記」というコラム連載をしています。  少年向け小説のほうも、似たような感じです。作家囲い込み戦略なんかも似たようなもので。 「このライトノベルがすごい!」内、「創世記」(久美沙織著) http://maijar.org/sugoi/kumi/index.html ○弟切  新木削り版を作ってみた。課題部屋参照のこと。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=916&e=res&lp=916&st=  若干、入れ替えと語尾修正ぐらいある。あと若干、誰でも書ける程度の文を追加とか。  また「広樹」と三人称で始まっているのに、途中で「俺」とか一人称になっている変な部分はそのまんま。  削り率は、行でいったら、29%ほど。  2割じゃなくて、3割だったか。  ちなみに台詞は削りまくり。「人外」が喋っている内容を削り落として、人間でも喋る内容だけを残すとこんな感じ。  人外のお人形っていうのって、不自然なほど饒舌なんだよね。  あと……。弟切は、あれだな。  この同じシーンを、おばあさん視点と、佐々木さん視点で書いてみるべきだな。  台詞がヘンテコになったり、人間を書けないのは、「おばあさん視点」と「佐々木さん視点」とで、この同じシーンを書いてみていないからだよ。だからそれぞれのキャラの言動が嘘になってくる。  コスト削減しすぎ。  書かない側の人物からも眺めてみるぐらいはしておかないと、食えるものにならない。  嘘くさくてかなわん。  山ほどある「嘘」に自分で気づかないのは、弟切が嘘に関して鈍感だからかもしれないなぁ。  時代劇だってな。  ヅラと額との間に「境界線」が見えていたり、刀がどうみたってアルミ箔貼った板きれだったり、斬っても血しぶき飛ばなかったり、たまに電柱が映っていたり。――嘘くさいところはたくさんあるけれど、街並みや服装ぐらいは本物にしてるだろ?  その世界にのめりこんで愉しむためには、嘘くささの許容限度ってものがあるのだ。  学芸会レベルの絵の具の塗りむらの目立つ大道具と、お母さんたちが夜なべして作ったけど仕立てもデザインもまちまちの衣装とかでは、ちょっと、テレビ放送はできんわけよ。 >甘夏さん、2号、(課題部屋の件)  2号は、なに嫉妬してるかね。  19歳の眼鏡っ娘(ショートカット)が、メガネのブリッジをくいっと持ちあげつつ、「オナニー文章ですね」と酷評する。  自分がなじってもらえず、他に向けられてしまったからといって、嫉妬はいかんぞ。嫉妬は。  そんなに自分に向けて欲しかったら、おまえもオナニー文章を書いて出せばいいのだ。 >みやびさん(課題部屋の件)  飛躍しすぎで、なにを言っているのか、俺にもはじめ、わけがわからんかった。  はーい。まず質問です。  どうして「音読み」の漢字と言葉とは、避けなければならないのでしょーか? -------------------------------------------------------------------------------- こんちわ No.7949 投稿日 2004年4月30日(金)01時40分 投稿者 巻島翔史  どうも。巻島です。おひさしぶりです&はじめまして。    今回は用件だけ書かせてもらいます。 竹井さんへ>  三枝さん、甘夏さん、弟切さん。みなさんが問題としてあげていること。 「なんでその比喩(量子力学など)を使わなければならなかったのですか?」という問いですが。  これに対して竹井さんは、動機らしきものを自分で説明していますね。7938で。 (以下引用) >>もう一つは、共通語――例えば、分室での『エウレカ』という単語などがこれにあたると思われます――を使って書いた文章。 >>原則的には前者を使うのが良いと思っていまが、どっちも使えるにこしたことはありません。 >>よって、前回の弟切さん宛の文章で、後者の練習を始めることにしました(これからも時折すると思います)。 >>まずするのは共通語を探すこと。   >>弟切さんが知識を大量に持っていることは承知しております。 >>ですが実際のところは、どういった方面に詳しいのかは正確には把握できておりません。 >>すると、ピンポイントで共通語を使った説明をすることはできなくなってしまう。 >>なら、数を沢山あげて、試してみるしかありません。平たく言って、『ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる』という考えによるものです。 >>そのうちの一つが、先の『不確定性原理がなんちゃら〜』です。 (引用終わり)  確かに、共通語は理解の大きな支えになること、これは否定できません。例えば同じ学校に通う、それまで面識のなかったふたりがいるとして。そのうちのひとりが、自分の好きな漫画を説明することになったとしましょう。  そこで、ハゲ頭のおいしい脇キャラのことを説明したいとなったときに、共通して知っている教頭先生の頭髪の様子などを比喩に出すわけです。こういう状況なら、共通認識、共通語が理解の役におおいにたっていますね。  ですが、上の引用で竹井さんはなんと言っていますか。 >>ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる  これですこれ。これが俺は怖いです。  竹井さんは店頭で売っている小説を買うかどうか決めるとき、どうしますか?  まず手にとってあらすじを見るでしょう。あるいは冒頭の書き出しを読むかもしれません。  そこで気に入ればレジへ、面白くないと思ったらもとの棚に戻すでしょう。  そして、一度戻したものをもう一度手に取ろうとすることは、おそらくほとんどないはずです。  小説は一発勝負です。  一期一会の出会いで受け入れられなかったものはもう見向きもされないんです。ほとんどの場合。  例外はいくらもあるでしょう。だけどいまそれは関係ありません。  掲示板の書きこみも、同じだと思いませんか?  相手に「わかりません。もう一度説明してください」と言ってもらえるのは、実は非常に甘い世界であると俺は思うのです。  相手になにかを説明するときも、一発勝負なのです。相手がよほど自分の話に興味を傾けてくれていないかぎりは、一度で伝わらなければそこで聞いてもらえなくなりますから。  分室は、みんなが自分に興味関心を持ってくれている場所ではないんです。  分室に書きこむ人の共通認識として「ここは作家志望者の修行ジム」というものがあるからこそ、志望者(と書いて未熟者と読む)の意味の通らない説明に対して「わかりません、もう一度」と言ってくれますが、それとて絶対のものじゃない。「この人には説明能力がないんだわ」「この人はどれほど指摘しても上達しないんだな」と思われでもしたら、それで終わりです。もうレス(反応)はつかないでしょう。  だからこそ、興味を失わせないために、確実に伝わる方法をはじめから取らなきゃいけないのです。共通語探しなんてやってる余裕はないんです。  竹井さんはどちらかと言えば衒学的(注:知識をひけらかすこと)な傾向のある方だと思います。それをことさら、俺は悪いことだとは言いません。小説のなかで生かす道もあります。  ただ、掲示板上のコミュニケートでは、それは抑えてください。特異領域の比喩など使わず、平易な言葉で説明してください。 -------------------------------------------------------------------------------- 眠くない No.7950 投稿日 2004年4月30日(金)02時42分 投稿者 竹井 比呂 ○三枝さんへ。  まず、現状把握のために、思ったことを並べてみます。  三枝さんは『竹井は不確定性原理は、世界は予測できない、の論拠である、なんて考えている』と思っていませんか?  不確定性原理っていうのは、神秘性の所以ではなく、逆に、少しでも正確な答を得んとするための秘策です。『世界をより確定できるものにする』ためにあるんです。  そう言いたかったんじゃないですか?  ですが、それは十分に分かっています。  竹井が言いたかったのは、それからさらに派生した話です。  考えてみて下さい。  答を確率で提示する、ってことは、逆にいえば、絶対的な一つの答を捨てる、ってのと同じだと思いませんか?  『観測至上主義は、客観的な答を知ろうとするあまり、絶対的な答を逃がした……』――なんて僕は思っています。その姿勢は別に悪いことではないし、当たり前といえば当たり前なんですけど。  ちょっと話が飛躍しますが、これが現在の話とリンクしている気がしますので。  信仰は真実とすぐ結びつきますけど、科学は真実を表せませんね、絶対に。    次回の書き込みで弟切さんへのレスを書き直してみます。 -------------------------------------------------------------------------------- 追記 No.7951 投稿日 2004年4月30日(金)02時46分 投稿者 竹井 比呂  前回の書き込みに追記です。  それともこれはあくまでミクロ的な世界での話で、マクロ的な世界では全く関係ありませんか?  レトリックとして使う分には問題ない気がするのですが。  を文末に補足します。  そのほかのレスは、次回です。  お待たせしてすいません。 -------------------------------------------------------------------------------- 課題提出 No.7952 投稿日 2004年4月30日(金)03時16分 投稿者 春日秋人  というわけで、1000字課題を提出させていただきます。  前回はキャラの喋りが多い文章でしたので、今回は少なくしてみました。  自分なりに試してみたこともあったり。それがどう伝わってくれるのか、怖くもあり、楽しみでもあり。  よろしくお願いします。 >1000字課題 4/29分 No3「別れ」  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=917&e=res&lp=917&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- おい竹井 No.7953 投稿日 2004年4月30日(金)03時45分 投稿者 新木 伸  なんか必死こいて言いわけ書いているようだが。  お前のするべき仕事は「課題を書く」ことであって、掲示板上のクソどうでもいい話題にレスという名目の言いわけを書き連ねることではないはずだが。  鷹見、三枝、弟切、巻島、甘夏、鐸碑――このあたりがバッチリ納得したところで、俺を納得させなきゃ、おまえ、問答無用で退室になるんだぞ。  わかってるのか?  ――で、俺が関心を持つのはただ一点、「練習量」であることは、もう言ってあるよな。伝えてあるよな。お前も聞いているよな。  分室のレスや交流なんてもんは、余興であり、暇つぶしであり、どうでもいいことなわけ。  分室のほうでどんなナメたことやってようが、課題の量か質かで、いいモノを見せてくれてさえいれば、俺は皆からお前をかばってやるし、必要があれば黙らせるし。特別にひいきもしてやるし。  ちなみに「ひいき」というのは、特別な地獄の特訓メニューを考えてやるって意味だが。 -------------------------------------------------------------------------------- 日本語で会話がしたいよー(泣) No.7954 投稿日 2004年4月30日(金)03時49分 投稿者 三枝零一  まず最初に、竹井さんには、自分の脳内お花畑でしか通じない謎言語じゃなくて日本語を書いて欲しいなあと思います。  竹井さんの書き込みを読んだ分室参加者の方やROMの方が「オレって読解力が不足してるんじゃないだろうか」と誤解すると困りますので。  で、本来ならまともな日本語のレスポンスが返ってくるまで放置したいところなのですが、そうすると竹井さんは十中八九「三枝のヤツ、上手い反論を思いつかないからだまりやがったな。やりぃ、オレの勝ちぃ」と甚だしい勘違いをされると思いますので、私としてはこの難解(というより意味不明)な文章をできるだけ解読して、可能な限り真面目に回答したいと思います。 >三枝さんは『竹井は不確定性原理は、世界は予測できない、の論拠である、なんて考えている』と思っていませんか? >不確定性原理っていうのは、神秘性の所以ではなく、逆に、少しでも正確な答を得んとするための秘策です。『世界をより確定できるものにする』ためにあるんです。 >そう言いたかったんじゃないですか?  そんなことを書いた覚えはありません。  私はただ「文学の問題、というより竹井さんの個人的な信念や信条を論ずるのに、中途半端な科学知識を言葉尻だけで振り回さないで欲しいなあ」と言っているだけなのですが。   >答を確率で提示する、ってことは、逆にいえば、絶対的な一つの答を捨てる、ってのと同じだと思いませんか? >『観測至上主義は、客観的な答を知ろうとするあまり、絶対的な答を逃がした……』――なんて僕は思っています。その姿勢は別に悪いことではないし、当たり前といえば当たり前なんですけど。  何を言ってるのか支離滅裂ですね。  とりあえず、『あらゆる物理量は確率分布の期待値としてしか表せない』というのは量子力学の結論であり、実験で確認されている『事実』ですので、それに対して『絶対的な答え』だの『真実』だのといった竹井さん語を持ち出して反論されても困るのですが。  そもそも、「絶対的な一つの答」というのは何ですか? あいまいすぎて、具体的に何を表しているのか分かりません。おそらく竹井さんの脳内お花畑では定義されているのでしょうが、私は竹井さんの脳に入ったことはありませんので・・・  量子力学的な物理量と対比して、古典力学における確定された座標や運動量と解釈すればいいのでしょうか。  前回の質問とあわせて、ご回答願います。  あと、突きつけられた質問を回避するために新しい話題や概念を持ちだして話を逸らすというのは、議論に勝てない人間の典型的な防衛策ですので、竹井さんは分室の他の参加者の方からそういうふうに見られている、ということをそろそろ自覚してもいいんじゃないかなーと思います。   -------------------------------------------------------------------------------- 7935まで読んでいます。 No.7955 投稿日 2004年5月1日(土)14時43分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:短編作成 >ホラー  「ぼくと虫」です。  原稿用紙36枚  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=919&e=res&lp=919&st=0  起承転結・あらすじ・気をつけたことは、  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=921&e=res&lp=919&st=0  です。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 生活時間がおかしくなってきました。 No.7956 投稿日 2004年5月2日(日)03時03分 投稿者 竹井 比呂 ○三枝さんへ。  No.7954の三枝さんの書き込みから抜粋させていただきます。 <とりあえず、『あらゆる物理量は確率分布の期待値としてしか表せない』というのは量子力学の結論であり、実験で確認されている『事実』ですので、それに対して『絶対的な答え』だの『真実』だのといった竹井さん語を持ち出して反論されても困るのですが。> <『あと、突きつけられた質問を回避するために新しい話題や概念を持ちだして話を逸らすというのは、議論に勝てない人間の典型的な防衛策ですので、竹井さんは分室の他の参加者の方からそういうふうに見られている、ということをそろそろ自覚してもいいんじゃないかなーと思います。』>  三枝さーん、大丈夫ですかー? 仰っていることがおかしいですよー? 日本語話してくださいよー。  どうして竹井が「三枝さんの仰っていることがおかしい」と言うのか分かりますか?  分からないでしょうけど、大丈夫です。お教えいたしますから。  いつの間にやら議論していたつもりになっているようですが、そもそも、三枝さんは僕に『質問している』んですよね。  No.7930の三枝さんの書き込みから抜粋させていただきますね。確認して下さい。 <ちなみに私は「本当に判らないから教えてください」と言っているのであって、別に竹井さんを責めているわけでもなければ上記の発言がおかしいと言っているのでもありません(誤解しないでください)。>  はい、これで分かっていただけたでしょうか?  僕は、三枝さんに、No.7928の書き込みについて説明ささせて頂いているだけです。  くどいようですけど……まさか議論しているとでも思っていました?  三枝さんが分からないと仰るから、説明させていただいているのです。それだけです。履き違えないで下さいね。  それを踏まえていただければ、『新しい話題や概念を持ちだして話を逸らす』意味も分かっていただけるかと思うのですが、どうでしょう? 説明させていただいた方がよろしいですか?  (ま、そもそも話をそらしてはいないのですけれどね。僕は、No.7950の書き込みでも『まず、現状把握のために』と前置きしていますし、『次回の書き込みで弟切さんへのレスを書き直してみます』と伝えておりますし)  あ、そうそう、三枝さんの<竹井さん語を持ち出して反論されても困るのですが>――という書き込みに関してですけど。  僕は、別に反論しているわけじゃありませんからね? そもそも議論していないのですから。    と、色々と非生産的な書き込みを続けさせていただきましたが、あんまり意味を見出せないので、そろそろ本題に入ります。    三枝さんは『分からないから教えて欲しい』のですか?  それでしたら、今後もお付き合いいたします。  その代わり、竹井の説明が意味不明だからといって、すぐに根を上げて、『本来ならまともな日本語のレスポンスが返ってくるまで放置したいところなのですが』なんてことを言わないで下さい。  「質問して答えてもらっているんだから感謝しろ」――とまでは言いませんが、竹井に説明してもらっている三枝さんがレスを返すのは当然ですし、説明が意味不明でも考えるのも当然です。  あ、そもそも、最低限一晩は考えてから質問して下さい。  前回の僕の書き込みと三枝さんの書き込みの間には、一時間三分しか経過していません。そんなんで『できるだけ解読』なんて仰っても、全然信用できませんので。  それとも、三枝さんは『議論がしたい』のですかね?  それでしたら、お付き合いできません。竹井はそんなに暇ではありませんから。議論相手は他をあたって下さい。  それとも、三枝さんは『「中途半端な知識を言葉尻だけで振り回さないで欲しい」と竹井に伝えたい』のですか?  それでしたら、分かりました。以降気をつけます。  それは三枝さんにあてはまることだと思うのですが――No.7954の『文学の問題、というより竹井さんの個人的な信念や信条を論ずる』って発言や、No.7930 の『「人間には一つの要素からしか物事を見ることができない」という文学的な問題』って発言など。『人間が一つの要素からしか物事を見ることができない』ってのは、カントが元ネタで、哲学的な問題でもあるし一般的な問題でもあります――まあ、それは三枝さんの問題で竹井には全く関係ありませんので放置しておくとします。  問答法(産婆術)って時間がかかるし、あんまり上手いやり方とも思えないのですが――ご指摘、感謝いたします。  三枝さん、お疲れ様でした。  注釈(@nifty 三省堂 Web Dictionary 国語辞典より)。 ・もんどう-ほう ―だふはふ 0 【問答法】 〔(ギリシヤ) dialektikē〕〔哲〕 対話によって、無知を自覚せしめ(「無知の知」)、漠然とした知識を真正な認識に導き高めてゆくこと。ソクラテスの方法として知られる。産婆術。 ・さんば-じゅつ 3 【産婆術】 〔(ギリシヤ) maieutikē〕ソクラテスの問答法のこと。自らは積極的なロゴスを産み得ないが、対話によって相手のロゴスの産出を手伝い、また産まれたロゴスの吟味を行うことを、産婆の仕事にたとえて呼んだ語。 -------------------------------------------------------------------------------- 無題 No.7957 投稿日 2004年5月2日(日)05時11分 投稿者 竹井 比呂  報告を忘れていました。  読書課題、1000字課題、それぞれ一つずつあげました。  よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------------------- 嫉妬……だったの? No.7958 投稿日 2004年5月2日(日)07時12分 投稿者 名無し君2号 >>2号は、なに嫉妬してるかね。 >>自分がなじってもらえず、他に向けられてしまったからといって、嫉妬はいかんぞ。嫉妬は。  し、嫉妬! Shit?  そう言われると、なんだかものすごーくそんな気がしてきました。  ああ、そうかぁ……そうなんだなぁ……。うっとり。  ――でも私はMじゃないんだよう。  痛いのは嫌いだよう。ただ鈍いだけだよう。 >1000字課題  すみません、時間かかりすぎです。おまけに引きで終わりです。  No.119−4「深く重く、そして強く」第四回目(10400文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=924&e=res&lp=889&st=0  人様の楽屋でヒロイン大暴れ、ドラマーはばいんばいん、よし、演奏で勝負だ! となるまでの話。  今回は音楽についての専門用語は出てきませんでした。次回(もしあれば)は演奏シーンとなりますので、そのときにはどうしても専門用語は避けられません。そのときに削る練習をすることになると思います。 >竹井さん  私が嫉妬していた竹井さんにひとつ質問です。  竹井さんのよくおっしゃる「議論する気はない」って、「人の意見を聞く気はない」ということなんでしょーか。  だったらもう、私にできることはなにもないんですが。だって作品の指摘したところで「議論する気はない」っていわれたら、もうどうしようもないし。ちゅうか、そもそも議論したくないなら分室に何をしに……ここから先は私の言う言葉じゃないけど。  ああ……でも質問しちゃったら、たとえ返ってくる説明が意味不明でも、こっちが考えるのが当然なのか。考えたくないなぁ。だってぼく無思考症だもんなぁ。  どうして意味不明のことを書いた自分が悪いとは思えないんだろう? なんでだろ〜♪(もう古い)  あと、三枝さんは「質問」したいのではなく、「議論」したいのでもなく、「激怒」しているんだ、ということにそろそろ気づいたほうがいーんじゃないかと思います。三枝さんは「オレ様の青春を捧げた学問を馬鹿にしやがって! てめえの血は何色だァァァ!」と青筋を浮かびあがらせたわけで、でも大人だからすーはーすーはーと深呼吸して血圧と心拍数を正常に戻してから、「どういうことなのカナ? ちょっとボクに教えてもらえるカナ?」と下手に出ていたわけで。  ちょいとばかり読解力が低すぎますです、はい。  読解力の低さなら私も負けませんが。  もしかすると、みんながイライラしていることにも気づいてないのかもしれないなあ。竹井さんの書きこみは意味不明だっていう言葉も、本気にしてないのかもしれないなあ。わかっていたら問答法だの産婆術だのが出てくるわけないよなあ。  ホント、嫉妬しちゃうよなあ。  課題を書くのでダウンです。  ほかのレスについては明日にします。 -------------------------------------------------------------------------------- 面白がってますが No.7959 投稿日 2004年5月2日(日)09時26分 投稿者 浦戸シュウ >三枝さんへ  初めまして。  お噂はかねがねうかがっております。  感想部屋に出没しております浦戸シュウ(うらどしゅう)@bokoshu(ぼこしゅう)です。  どうぞお見知りおきください。 >名無し2号さんへ >>みんながイライラしていることにも気づいてないのかもしれないなあ。  「みんな」とくくられてしまったことに腹を立てたので、私がどう思っているか書き込んでおきます。  お話の都合上、いろいろな方のお名前を出させていただきますが、レスが欲しいとか、他のかたの見解も聞きたいとか、そういうことではありません。  私は修行のお手伝いしたいので、修行と関係ないことにお時間をいただいてしまうわけにはいきませんので。 >竹井さんの反応について  私は興味深く拝見しております。同じタイプの方を存じあげておりますが、その方は他人と話したがらないので、何をお考えなのかどうしてもわかりません。  竹井さんはお返事をしてらっしゃるので、いったいどんな感覚だとこういうお返事をなさるのだろう、とじっくり見させていただいています。 観察結果。 ・竹井さんは竹井さんなりに相手の立場で物事を考えようとしている。 ・けれども、その前に相手がどんな人なのかを観察する、という過程を飛ばしてしまっている。 ・結果として、相手の気持ちになりきれず、とんちんかんな返事になっている。 ・人間は主観の生き物だから、自分を中心に物事を考えるより他にどうしようもないと竹井さんは思っている。 ・自分の未熟さには気がついているのだが(でなければ分室に参加してこないでしょう)、どう克服すればいいのか見当もつかない状態だ。  私は竹井さんをこんな風に見ています。  竹井さんが「今の自分を変えるんだ」という気持ちをお忘れにならない限りは、イライラしません(笑)。    名無し2号さんの「老婆心」はよくわかりますが、ご自分のお気持ちではなく、ほかの方の代弁という形でお話なさるのは、どうでしょう?  ここはスパンと「俺はイライラしてるぜい!」とおっしゃればいいんじゃないかと思うんですが。  少なくとも私は「竹井さん吊るし」に名前を連ねたくはありません。 -------------------------------------------------------------------------------- ・・・まあ、いいや No.7960 投稿日 2004年5月2日(日)13時14分 投稿者 三枝零一 >竹井さん  了解しました。  私としては竹井さんとどうすれば対話が成立するのかいろいろ試行錯誤してみたつもりだったのですが、どうやら不毛な努力だったようです。これ以上この話を続けても分室本来の目的(作家を育てる)から外れていくだけですので、この辺でこの話題は終わらせていただきます。    管理人の新木さん、参加者の皆さん、話を不毛な方向に進めてすいませんでした。  ROMのみなさんも、これに懲りず、分室を温かく見守ってください。  私は退散して、また傍観者に戻ることにします。  あ、それと、最後に竹井さんに。  http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E6%80%A7%E5%8E%9F%E7%90%86  Googleで一番にヒットする文章を適当に抜粋して切り貼りしてそのまま載せちゃうのって、作家志望者としてどうなのかなあと思います。まあ、私はもう関係ないのでどうでもいいんですが。   -------------------------------------------------------------------------------- 読書課題提出 No.7961 投稿日 2004年5月2日(日)14時18分 投稿者 春日秋人  課題提出させていただきます。 >今回の課題について  この話で一番成長したのはアルです。  もうひとつの大きな筋だと思われるディーについては、ほとんど触れていません。  なぜ彼女はそんなところにいたのか――という疑問が出てくると思いますが、とりあえずは話を盛り上げるために存在するのだと認識していただけたら幸いです。  もちろんこれは僕の話をまとめる力が低いことに原因があります。  それとも焦点を絞る力が弱いのか。  きっと両方ですね。 >>四冊目「レディ・スクウォッター」 著:都築由浩  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=925&e=res&lp=925&st=0  よろしくおねがいします。 -------------------------------------------------------------------------------- 主にレス No.7962 投稿日 2004年5月2日(日)16時24分 投稿者 竹井 比呂  とても大事なことを忘れていました。  No.7928の書き込みに関してです。  春日さん、名前を間違えてしまってごめんなさい。  甘夏さん、謝罪を忘れていることをご指摘くださって、ありがとうございます。  注釈。  『No.7949の巻島さんからの書き込み』とは、「共通語を探している余裕なんてないので、もっと一般性の高い言葉を使った方が良い」といった内容のものです。 ○2号さんへ  >竹井さんのよくおっしゃる「議論する気はない」って、「人の意見を聞く気はない」ということなんでしょーか。  違います。意見を聞こうという姿勢は持っています、常に。  議論は(単純に竹井個人の感情的な問題として)嫌いですが、する必要があればします。  今回の件に関して、議論は不要だと判断した理由は、端的に、『質問なのか議論なのか、主題が不鮮明になってしまっているから』です。  心構えの問題というか……議論するなら『議論するつもり』でやりますし、質問に答えるなら『質問に答えるつもり』でやります。じゃないと効果が無いと思うのです、竹井としては。  >だって作品の指摘したところで「議論する気はない」っていわれたら、もうどうしようもないし。    指摘を頂いた折に、竹井が「議論をする気はない」と言うことはありません。  問答法、産婆術などといった『通じない』言葉を、意識的に使うのは、前回の書き込みを最後にやめようと思います。  No.7949の巻島さんからの書き込みに、ひどく納得させられましたので。  自覚せず使ってしまうことはあるやもしれませんが、今後竹井が通じないだろうと分かっていて通じない言葉を使うことはありません。  それは、今後の書き込みを見て判断していただけると幸いです。 ○甘夏さんへ  >なぜそういった比喩を使わなければならないのか、共通語を使用する必然性はあるのか?  必然性に関していうと、ありません。もっと一般性のある言葉でも、説明はできると思います。  ただ、共通語を使用できないよりは使用できた方がいい、と考えました。  ですが……No.7949の巻島さんからの書き込みを見て、こういうことはしない方が良いのだな、と判断しました。  今後は、一般性のある言葉を使うことを心がけようと思っています。   ○巻島さんへ  ご指摘、ありがとうございます。  竹井の貧困な語彙ではこの感情を上手く説明できないのですが、とにかく感謝しています。  今後は一般性のある言葉を使うよう心がけようと思います。  -------------------------------------------------------------------------------- 竹井のこと No.7963 投稿日 2004年5月3日(月)00時36分 投稿者 新木 伸  おお。家主が乗り出さずに事態が収束したのは初めてかも〜。  今回の件で、竹井の心にいちばん言葉を届かせたのが、巻島なのだとする。  竹井のレスを見るかぎり、他の人への回答はトンチンカンだけど、巻島に対するレスだけはまともになっている。  巻島の言葉が竹井の心にいちばん届いたという証拠だわな。  色々な人が色々なアプローチを取ったわけだけど……。  プロ3人、アマチュア5〜6人くらい?  喧嘩腰の人。ラーメン屋でナイター観戦しながらヤジを飛ばしているオヤジのような人。ご近所のものわかりの良いおねえさん。衒学に衒学で返している人。  ――と、まあ、観戦していて飽きないぐらい、いろいろなアプローチがあったわけですが。  そのなかでも、巻島の言葉が、いちばん「届いた」わけですね。  こういうときにはこうするのが良いのだと、みなさん学習することにしましょう。小説に関わる人間であれば、学んだものを小説に生かしましょう。  話を聞こうとしないヤツに話を聞かせる能力を得たなら、作家なんて楽勝でなれますんで。小説なんてのは、はじめから騙されるつもりで読んでくる読者を騙せばいいだけのものですから。話を聞こうとしないヤツを説得するほうが、はるかに難しいものですから。  ちなみに巻島は、以前、「時間のある人はいいですよね」発言で、OLのおねえさんのトラのシッポを踏んじゃっているにも関わらず、相手の抑制された「それはどういうことですか?」てな書きこみを取り違え、そこにある怒りに長いこと気づいていない、なんてことがありましたが。  そのあたりの経験やら、他のほうの経験やら、アッチのあたりの経験やら、心当たりがありすぎてよくわからないぐらいの経験があってこそ、いまこの日に、「やっちまったヤツ」のテンパってる心にも届くような言葉を紡ぎ出せるようになったわけです。  竹井のそもそもの失敗は、弟切との会話の中で、小乗仏教に関する話題の言い逃れとして、衒学的なことをやってしまったこと。  この「小乗仏教」の話題なんかも、そもそもは「日本人は利他的行動を良しとする」という話題を補強する目的でウカツに出してきた話題だったわけですが。  そもそも「衒学的(げんがくてき)」というのは、知識をひけらかすことをいいますが――。  ここでは知識をひけらかしてハッタリをかますことで、議論を自分に有利な方向に運ぼうとする行為を指します。雑談の中であれば、衒学的な行為には他の目的もあるでしょうが……。こと議論の中で、人が衒学的なことをする理由を考えてゆけば、その目的はひとつしか有り得ません。自明の理です。  おそらく20年しかない竹井の人生の中では、その戦略で、これまでうまくいっていたのでしょうね。  「小乗仏教では〜」とか、「量子論では〜」とか、なんかムズカシイ言葉を「必殺技」として繰り出せば、それを知らない相手(ザコキャラ)は黙るしかないないわけです。  しかしその戦略は、自分より詳しい人間やら、その道の「専門家」やらがいるところで行うと、このように、よってたかってタコ殴りにされてしまう危険なものでもあるわけです。火遊びしている半可通は、普通、ぶん殴られるものですので。  専門家は「ザコキャラ」ではないですから。必殺技一発で倒れてなんてくれない。  言うまでもなく弟切は宗教知識には詳しいわけで。(民間向けに、二次、三次情報の「本」を書き下ろせるぐらい)  言うまでもなく三枝さんは理論物理学の「専門家」であるわけで。(一次情報を発信する立場のほう)  分室には「専門家」やら、専門家に匹敵するぐらいの知識を持つ人が、ほかにも傍観者としてゴロゴロしていますので。 >>問答法、産婆術などといった『通じない』言葉を、意識的に使うのは、前回の書き込みを最後にやめようと思います。  ――で、まあ竹井も、いちおうこんなことを言っているわけですし。  その戦法は「ここ」では通じないと、学習した模様です。議論するには正攻法でいかないとならない。裏技や必殺技を繰り出すのはNG――と、学んだもようです。  とりあえず、皆でわいのわいの揉んでやった成果は出たろう――ということで、今後の様子見としましょう。  竹井が直ってりゃよし。直ってなかったら、それはそれ、ということで。  それぞれ思うところはあるでしょうが、アレやコレは、いったんは胸に納めて、時間を置いて見ることにしましょう。  三枝さんを嘲笑していたりとか、竹井には目に余る行いがややありましたが、まあ、ここは呑んでおいてください。大人として。  三枝さんだって、ぜーったい、若い頃には自分がやってるはずですから(笑)。  ちなみに、皆が異口同音で言っていることは、以下のようなことです。 ・意味もない比喩を使うな。(甘夏、弟切) ・専門的共通語を探そうとするな。(巻島) ・量子論を曲解歪曲して変な意味で使うな。(三枝) ・必殺技禁止。(新木)  ――皆が色々と言っていますが、すべてひとつのことを言っています。  つまり、「まともに話せ」ということ。  説明、説得、釈明――は、正攻法で行えということ。 >竹井 >>923 1000字課題、5/2、No.2『ライブ』  前の「煙草」と一緒だな。二重の意味で「話」にならん。  お前はこーゆーのしか書けんのか?  酔っている主人公の一人称しか書けんのか、という意味だが。  煙草をやめられない自分に酔っている自分。  音楽をやってキャーキャーいわれている自分に酔っている自分。  どうせ音楽で攻めるなら、繁華街の片隅の路上でギター片手にがなりたてていて、誰も聞いてくれちゃいないお寒い状況のなかで、酔って没頭しようと努力している人間――あたりを描いてくれれば、まだ見るところがあるのになぁ。  おまえが憧れるシチュエーションなんてのは、人にとっては、どうでもいいわけ。  というか、それは妄想の自慰行為なわけ。他人から見てると、ひどく気持ちが悪いわけ。  お前、「オナニーの真っ最中」の他人の頭の中を覗いてみたいと思うか? 思わないだろ?  これまでの二つは、「オナニーの真っ最中」の思考を垂れ流しされてるものなわけ。いわば「汚物」なんだよ。  読むとこちらが汚れてしまいそうだ。  こんなものには需要がない。お前のオナニーティッシュなんかに、誰が金を払うものか。妹や母親だって触ってもくれないぞ。  自分が憧れるものを書くと、オナニーとなって、他人からは汚物と認識されるわけだよ。  そうではなくて、人が読みたがるものを書けっての。  ――で、次な。次。  どんどん書け。試行錯誤しているうちに、マグレ当たりで汚物以外のものが出てきたら、「それだ」と言ってやるぐらいはするから。  あと読書課題はしばらく中断していいんだってば。しばらくは1000字課題だけやっていればいい。  ちなみに俺の基準でいうと、毎日1個出してきたって「サボってる」とみなされるわけね。1日3個ずつくらいやってきて、ようやく、「すこしがんばってるな」とか見直すことになるだろうな。毎日10個やってきてたら「すげぇがんばってるぞ」となるだろうな。  プロはプロの基準で物事を計るから、そういうことになる。  プロの平常時の執筆ペースでやってると、毎日3個なのだよ。  そして「すごい」という毎日10個というのは、修羅場か缶詰状態のペースなわけだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 上の補足、ほか No.7964 投稿日 2004年5月3日(月)01時38分 投稿者 新木 伸 >竹井  僕が7953で「レスなんかしとらんで課題やれ」と言ったとき、うっかり書き忘れていたことがあった。「煙草」に関するコメントと、課題に関する指示がひとつ。  こちらとしては書いたつもりになっていた。しかし実際には書いていないので、話が繋がらないわけだが。  ↓のようなものを書くつもりだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ――で、「煙草」とかいうやつ。  話にもならん。次見せてこい、次。  話にならんという意味は、レベルが低すぎて批評対象にならないという意味と、文字通り「話(物語)になっていない」という意味と、二つある。  あと竹井に関しては、あらすじ写し取りは、しばらくやらないでいい。  1000字課題のみ、続けてみること。 (俺の見立てによれば、竹井は筋の写し取りは上手なはずだ。なので、そっちの練習は後でいい) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「二重の意味で話にならない」というのと、1000字課題のみやればいいというのは、こういうことね。 >音読み、訓読み  みやびさんが解説してこないので、これは皆へのクイズにしようか。(別に竹井に限らず、誰がやってもいいよ)  さて問題です。  なぜ小説で音読みが多いことは問題となるのでしょう?  その理由を説明のこと。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7965 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.7966 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- No.7967 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7968 投稿日 2004年5月3日(月)20時10分 投稿者 津荒 夕介  どうも。おひさしぶりです。  最近さっぱり顔を出していなかったせいで、誰だお前、という感じになっています。津荒です。  竹井さん、春日さん。あらためてよろしくお願いします。  前回は、そっけない書きこみですいませんでした。 >ぼくと虫  書くのに1ヶ月もかかってしまいました。馬鹿です。もっと頑張らねば。  ええと、それでですね。欠点が色々とありますので、それを確認します。  まずは、感想掲示板で沢口さんにいただいた指摘からわかった欠点を書きます。 1 設定に振りまわされている。(キャラクターを操れていない)  今回初めて多くの設定を利用したことで発覚した欠点です。  設定に意識を奪われてしまい、キャラクターへの配慮が欠けました。通常ならば怪奇を嫌うはずのキャラが、積極的に怪奇を受け入れようとする……とういう大失敗をやりました。 2 ホラーの才能がない。  キャラクターがおかしいことを、書きながら気づけなかった。つまり才能がないってことです。  自分で「しまったなー」と思ったことは、 3 枚数が少なすぎる>シーンが少ない  話を作る要素が少なすぎたせいで、展開が速くなってしまいました。プロット段階で、もっと話に余裕を持たせるべきだったと思います。   >これから  で、これからなんですが。残りの才能は、「萌え」「ほのぼの」「熱血」「アクション」「痛み」です……ね。  この中で、一番わからないのが、「萌え」。  goo辞書には……  もえ 【萌え】  ある人物やものに対して,深い思い込みを抱くようす。その対象は実在するものだけでなく,アニメーションのキャラクターなど空想上のものにもおよぶ。    つまり……読者に「深い思い込み」を抱いてもらえるキャラクターが登場する話のこと。ですか。  考えます。 -------------------------------------------------------------------------------- 青い血。 No.7969 投稿日 2004年5月3日(月)21時40分 投稿者 竹井 比呂  新木さん、全般的に了解です。  皆さん、お手数をおかけしてすいませんでした。  巻島さん、本当にありがとうございました。  津荒さん、あらためましてこんばんは。 ・課題のこと。  あらすじ写し取りはやらないこと、了解しました。  1000字課題、とりあえずできるだけ多く書きます。  一作あたりのコストは削らず(むしろ増やすくらいの勢いで)、できるだけ多く。  さしあたっての目標はオナニーをやめること。  動物園にいる自慰中毒の猿でなくなったかどうかは、新木さんに「それ」と仰ってもらえるかどうかで判断します。  本当は自分で判断できるようにならないと話にならんとは思っているのですが。  判断すらできないというのが現状です。  自分がオナニー野郎であることも、分かるような分かんないような……。 ・音読みより訓読みが分かりやすい理由。  訓は意味を表すけど、音は意味を表さないとか。  それか、音読みを使うと熟語になっちゃうことが多いからとか。  ハッキリ言って理屈としては「分からない」のですが、具体例を挙げてもらえば感覚的には分かるんですよね……。  今晩からちと家の用事で親の生家に行って参ります。  できれば出発する前に課題の一つでもあげたいと思っているのですが……微妙なとこです。  とりあえず原稿用紙と(シャーペンではなく)鉛筆持参で、あっちでも隙を見て書くつもりです。  次に分室に書き込みできるのは、おそらく木曜の夜になると思われます。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7970 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- 1000字課題提出 No.7971 投稿日 2004年5月4日(火)01時40分 投稿者 春日秋人  よろしくお願いします。 >1000字課題 5/3分 No4「理由」  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=926&e=res&lp=897&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- 上で出した課題 No.7972 投稿日 2004年5月4日(火)02時02分 投稿者 春日秋人  誤字がありました。 >>どんな場所がわかるか。×  どんな場所かわかるか。○  です。すみません。 -------------------------------------------------------------------------------- やっと戻りました。 No.7973 投稿日 2004年5月4日(火)02時59分 投稿者 弟切 千隼  湘南の自宅へ戻りました弟切です。出先では、トルコ料理やガーナ料理やスリランカ料理を食べていました。  と書いただけでは、皆さんには何のことやらわかりませんよね(^^; 解説します。  ちょうど連休ですので、出先の駅前広場で、人寄せのイベントをやっていたのですね。世界各国の料理や物品を売る屋台が並んでいました。  屋台の料理というのは、それほど高いものではありません。量も多すぎず、弟切にはちょうどいい具合でした。そのために、弟切は出先でもっぱら世界各国の屋台料理を食べていました。 竹井さんへ >  話のきっかけになった者として、書いておきます。  とりあえず、「他人に理解できない説明を書いてしまった」ことはわかっていただけたようで、よかったです。  専門用語を用いた説明は、限られた人にしか理解してもらえません。一般的な言葉だけを用いた説明は、多くの人に理解してもらえます。  ならば、多くの人に理解してもらえる説明ができるように訓練したほうが、得ですよね?  弟切も、多くの人に理解してもらえる説明が下手です(;_;) お互いに、少しでも上手くなれるように、腕を磨きましょう。ここは、そのための場ですものね(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7974 投稿日 2004年5月4日(火)05時55分 投稿者 新木 伸 ○津荒  大学生活、どうなのよ?  短編ひとつあげるのに一ヶ月かかったのは、生活の変化もあったからだろうと思っているのだが。  サークルめぐりとかはやったのか? >ホラーの才能  怖くない理由はキャラが壊れていたからだそうだが。  なんか別人が書いてきたかのように、レベルが下がったな。「彼氏のほんと」は読めるものになっているのに、こっちはぜんぜん読めやしない。  キャラが壊れていたというのは、人間が描けていないということだな。  その原因としては、設定やら筋やらを追いかけることに忙しくて、人間の行動の不自然さに気を配ることができなかったからだな。  あと描写も薄い。  今回は測定失敗。これじゃ、よくわからん。  作品として失敗した理由は、ホラーの才能とは別な部分にあるのだもの。ようするに、複雑(というほど複雑でもないのだが)な設定を使って話を書くと、それだけで手一杯になってしまって、他がおろそかになるということなわけね。  先の予定がびっと立っていて、筋の忙しい話を書くと、筋を追いかけて消化してゆくのに手一杯となってしまう。  キャラが自分から動くのではなくて、作者によって動かされてしまってお人形になるわけだ。 >今後の予定  才能測定は、まだいくつかやるけども……。  しかし、また一ヶ月ぐらい行方をくらまされても困るし。あと変な癖が付き始めているようなので、それを矯正する意味でも、しばらく描写練習をやってみるか。  まあ20〜30本ぐらいをメドとして、また才能測定用の短編に戻る前提で。  まず2000字程度で、なにか書いていこう。  筋のことはあまり考えない。ワンシーンを丁寧に描いて、力を注いでゆく練習な。  課題部屋に根っこを作っておいた。  前にやっていた、「残業しているOLのお姉さんの疲れた感じと、オフィスの感じ」だとか。  「図書館の奥まで行って、本を取って、戻ってくる」でもいいし。  「駅前で待ち合わせ。十五分過ぎてもやってこない相手にやきもき」なんてのでもいいし。  「女の子の部屋で勉強を教えている」  「満員電車で、普段話したことのない女の子に押しつけられて動けない」  ――なんてのでもいい。  自分で「お題」を30本分ぐらい出してみそ。  まず「場所」がひとつあるわけだ。  人気のないオフィスとか、図書館の書架の合間とか、駅前とか、女の子の部屋とか、そういった「場所」がある。  そして「人物」も出てくる。  主人公だけでもいいのだが、せっかく2000字もあるのだから、もう一人ぐらいは出してみよう。  まず「場所」に、まず読者をきちんと連れてゆく。  そして人物をきちんと出して、自由に動いてもらう。キャラを動かすんじゃなくて、シチュエーションの中で好きに動いてもらうのね。  そのために筋のほうの縛りを緩くして練習してみるわけだ。  べつに話にヤマもオチもなくていいから。「平常→緊張→解放」ぐらいあったら言うことなしだが、まあ、なんにもなくてもいい。  なぜこれをやるのかというと、だ。  シーンを描くことに慣れてくると、自信が付いて余裕ができる。そうして生まれた「余裕」は筋を追いかけるほうに振り向けることができる。  プロともなると、1000字課題やら、生課題やらは、考えてなくてもできるわけだよ。「冷凍倉庫に読者を連れて行こう」とか考えて、なんとなく手を動かしていると書けちゃうわけだ。  では頭では何を考えているのかというと、全体の筋のほうを考えているわけだよ。  このシーンは次にあのシーンと繋がるわけだから、ああ、ここではここんところ、強調して伏線張っておかないとならないな、とか考えて、監督やら監修やら演出やら、そっちのほうに意識を回せる。  先の展開に気を回しつつ、いま書いているその部分にも全力を注げる。 ○2号 >>・No.119−4「深く重く、そして強く」第四回目(10400文字)  なんだよ。尻切れトンボかよ。  じゃあ読まない。ドラマー獲得まで終わったら、そう言え。 >>次回(もしあれば)は演奏シーンとなりますので、そのときにはどうしても専門用語は避けられません。そのときに削る練習をすることになると思います。  あと、ここがわけわからん。  なんで演奏シーンになると、専門用語は避けられないのだ?  いいかげん腹くくれよ。専門用語禁止なのね。ようするに。  説明が必要なら、エピソードで処理しろっつーの。説明しないで実際に観せるのであれば、どんなものだって観せていいんだ。そのかわりなにか1個観せるのに5ページぐらい食うけどな。  「ライブハウス」ってどんなものか、実際に描いて、その場所に読者を連れて行けば、説明しなくても伝わるだろ。説明で済ませりゃ5行やそこらだろうが、実際に描いたら3〜5ページは使うよな。  どうしても説明が必要なものなんて、話のなかにそうそう出てこないはずだぞ。どうしても伝えなければならないものだけを厳選して、残りは切り捨てろ。 >弟切  感想部屋のほう。沢口さんへのレス。  誤解されたのは弟切の書いた文章が悪かったという自覚はあるのか?  どうも、自分の非の割合を正しく把握していないようなので、書いておく。  あれ、責任分担でいうと、1:9ぐらいだよ。無論、弟切が9な。 >>熱くなった人間の頭が冷えるのには、二十四時間ほどかかるようです。あの感想を書いてから二十四時間以上経って、冷静に考えても書くべきことがある、と思いましたら、どうぞ遠慮なくもう一度書いて下さい。  この部分。  平静な状態で先入観を持たない人間が読んだなら、「批判しているのではないと分かる」という程度であって、普通のケースで読ませたら批判と受け取られる要因はかなり強いわけだよ。  だってさ……。  「あんたは熱くなっている」と言い切っているし。「24時間は冷めねーだろーよ」と言い切っているし。「冷静でない」と言い切っているし。「思い直すようなら書いてきやがれ」と言っているし。  「熱い」「24時間」「冷静」――このあたりの言葉の選択がまずい。  特に「冷静」がいちばんまずい。「冷静」の対義語は「感情的」となるわけね。つまり「冷静ではない」と言うことは、ヒステリックであるといっていることになる。  「落ちつく」とか「平静」とか、もうちょっと適切な言い回しが探せたはずだ。  だいたい弟切は沢口さんが平静でないと知っていたわけだ。なおさら言葉を選ばなければならない。  誰かに対して「○○になってください」と言うときには、相手の現在の状態が「○○」の対義語にあたる状態であると暗黙のうちに言っていることになる。対義語が「感情的/ヒステリック」なんてものになる言葉を使ってなだめようとしても、逆効果だっていうのはわかるだろ。 -------------------------------------------------------------------------------- 忘れてた No.7975 投稿日 2004年5月4日(火)06時47分 投稿者 新木 伸 >竹井 >音読みより訓読みが分かりやすい理由  俺は考えろと言ったのであって、適当に思いついたことをクイズの解答みたいに並べたてろと言ったのではない。  どうせボケるなら、量子論的に説明するぐらいの芸を見せろってーの。  「思いつく」と「思考する」との違い、ぜんぜんわかっていないようだな。  「夢想」と「思考」との違いともいうが。  あと小説書くのに、原稿用紙なんか必要ない。  ポケットにエンピツ付き手帳でも仕込んでおけば事足りるし、バスの中でも電車の中でも書くことができる。  だいたい――。  たかが1000字、頭の中でだって書けるはずだ。  あと分室読んでりゃ「ネタの出しかたの極意」なんてことが書いてあったはずだ。 ・メモ帳とボールペンを常に携帯すること。 ・なにかを思いついたら、後で書こうなどど思わず(思ったら忘れる)、その場で5秒以内にメモを開始すること。  上記2点を徹底するだけで、小説のネタに困ることなどなくなる。  オマエ、これを実行していないのが、バレバレなわけね。俺にバレてるぞ。  実家に帰るときに原稿用紙を持っていこう、なんて言ってる時点で、メモとペンとを携帯していないことを自分で証明してるじゃん。  だいたいオマエの書くモノに、原稿用紙なんて勿体ない。チラシの裏紙で充分だ。 -------------------------------------------------------------------------------- 大事なことを書き忘れていました。 No.7976 投稿日 2004年5月5日(水)00時38分 投稿者 弟切 千隼 三枝さんへ >  どうやって竹井さんに説明し直してもらおうか、と弟切が悩んでいた時、三枝さんが出てきて下さったのは、とても助かりました。ありがとうございます。  今回のことでは、弟切もとても勉強になりました。三枝さんが書きこんで下さったことは、決して無駄にはなっていません。お疲れさまでした。 沢口さんへ >  分室のNo.7931で、沢口さんに対して弟切が書いた文章は、極めて誤解されやすいものでした。  改めて読み返すと、ひどく怒っている人が、皮肉を込めて書いた文章みたいに読めますよね(*o*)(^^;  沢口さんは大人ですから、落ち着かれた今は、弟切のつたない文章から真意を読み取って下さったでしょう。しかし、プロのもの書きを志望する人間が、あのような本意に反する意味しか読み取れない文章を書いて、平気でいてはいけませんね。  けじめとして、No.7931の文章を書き直します。 No.7931の元文章↓ ―――――――――――――――――――――――――――――― >>熱くなった人間の頭が冷えるのには、二十四時間ほどかかるようです。あの感想を書いてから二十四時間以上経って、冷静に考えても書くべきことがある、と思いましたら、どうぞ遠慮なくもう一度書いて下さい。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 上記を書き直したもの↓ ――――――――――――――――――――――――――――――  感想を下さるのに、遠慮は要りません。ちらりと読んだ沢口さんの感想は、決して過激なものとは思えませんでした。そのまま復活させても全くかまいませんよ(^_^)  そのまま復活させるのにはどうしても抵抗がある、とおっしゃるのでしたら、二十四時間待ってみて下さい。そのくらい経てば、自分でも「冷静になっている」と自信が持てることでしょう。その状態で書き直した感想をあげて下されば、弟切は嬉しいです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― -------------------------------------------------------------------------------- 暖かい No.7977 投稿日 2004年5月5日(水)04時23分 投稿者 名無し君2号  まだこたつが出ている東北県民です。  それでもだいぶ暖かくなってきて、さすがにジャンバーなんかはいらなくなりました。それはいい。それはいいんですが、猫も冬毛皮から夏毛皮に着替え始めたからさあ大変。部屋のあちらこちらに抜け毛がぞわっと。  猫もすこしは気を使ってくれればいいんですが、おかまいなしですり寄ってくるため、こちらの服まで毛だらけに。  ブラシをかけてもかけても毛は抜けるし。  勘弁してくれないかなと。  まずは謝罪。 >浦戸さん (私の竹井さんへの発言) >>>>みんながイライラしていることにも気づいてないのかもしれないなあ。 (浦戸さんより) >>「みんな」とくくられてしまったことに腹を立てたので、私がどう思っているか書き込んでおきます。 >>竹井さんが「今の自分を変えるんだ」という気持ちをお忘れにならない限りは、イライラしません(笑)。 >>名無し2号さんの「老婆心」はよくわかりますが、ご自分のお気持ちではなく、ほかの方の代弁という形でお話なさるのは、どうでしょう?  すみません。  勝手に「みんな」などと、許可もなく他の人の意志を代弁すべきではありませんでした。浦戸さん始め分室参加者の方々、およびROMの皆様方、私の都合のいいように利用してしまって、申し訳ありません。以後、もっと考えてから発言するようにします。  苛ついていたのは私でした。  でもなんであんなにイライラしちゃったのだろうか。  ここからは溜まっていたレスをこなします。 >1000字課題、4/26分、No.123「エスパー真奈美ちゃん」(4200文字) >弟切さん >>ええと、ざっと一読して違和感を持ったのが、なぜ、主人公姉妹二人がこんなに驚いているのか、という点です。  やっぱり変な感じは消しきれませんでしたか。  学校からハンバーガー屋に来るまでのあいだに、おおまかな話は聞いているはずではないか。姉は「そそっかしいから」でなんとかごまかせても、妹はどんな姉が持ちこんだネタがどんなものなのか、確認するはずではないのか。  そんなことを書いている最中に気づきました。  なんとかつぶそうとして思いついたのが、「学校新聞の締め切りは間近だった。姉妹はいつものようにネタ探しに奔走している。そんなおり、姉は少女から『あのう、新聞部のひとですよねえ〜。あたし〜、伝えたいことがぁ〜』と話しかけられる。これ幸いとばかりにロクに話も聞かず、あとは妹にまかせれば記事になるだろうと少女を拉致、妹と連れだってファーストフード店に向かう。道中、話そうとする少女や訊こうとする妹を『あとのお楽しみ!』と姉がかわしながら歩いたのは、大したことのないネタだったらまた探さなくちゃならなくて、とても面倒だったからだ。ちなみにわざわざハンバーガーショップに行ったのは、姉が新発売の酢豚バーガーを食べたかったからにほかならない」でした。  そこから―― −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「……なんだありゃ」 「……姉さんが連れてきたんでしょ」  私はメモとペンを投げだす。  特ダネだ、ということで放課後の教室にあの子を連れてきたのは、だれあろう桜子 だ。 「いや、それはさ、あっちから記事になればって」 (話中より引用) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  とのやりとりをさせてみたのですが……こんなことじゃ騙されませんよね。  黙って放課後の教室で取材させればよかったんですけど、ファーストフード店が書きたかったというのもあり、むりやりやってしまいました。ハンバーガーをくわえたまま固まる姉を書きたかったのが大きいかもしれません。  つまり、最初に思いついた話を捨てられませんでした。  話がおかしくならないように、だまってシチュエーションを変更すればよかったです。駄目でした。  今回の話で一番書きたかったこと、「まともな女性キャラクター」については、とりあえず成功したようです。お調子者の姉の名前を「桜子」にしたせいで、イメージが合わなくなってしまったのは単純なミスなんですが。  姉を「桜子」、妹を「咲見」にしたのは、妹を「桜」が「咲くのを見る」立場、つまり姉の観察者としておこうと考えたからです。だったらべつに「あやめ」でも「牡丹」でも「薔薇」でもいいんですが。  あとは「サクラ」という意味もありました。買い物客を装って、まわりをあおるだけあおって、結局自分は損しないという。考えたはいいですが、その向きを間違ってました。 >>あと、気になったのは、一文の長さです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  真奈美と名のる制服姿の少女は、満面の笑みを浮かべながら、舌っ足らずな声で、自分は「超能力者」なのだと断言した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>は、長すぎますね。一文に情報量が詰め込まれすぎていて、何を伝えたいのかわかりません。  これは感想部屋で沢口さんにも指摘された箇所です。  ぬ……。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あたしぃ、ちょーのうりょくしゃ、なんですぅ」  そう舌っ足らずな声で断言したのは、真奈美と名のる少女だった。制服の上にのっている満面の笑顔が、すこし怖い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これならばどうでしょうか。すこしはわかりやすくなったでしょうか。  とりあえず文をふたつに分けてみました。映像と音声と主人公の判断とを一緒くたにするから伝わらないんじゃないかと分析。「読みやすい文章」については過去に弟切さんがさんざんやってたなぁ、といま思いだしました。なんかエサを食い残してきた気分です。 >削りについて >No.119−3「深く重く、そして強く」の第三弾  これが新木さんが削った文章です。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=909&e=res&lp=909&st=0 >>これで、説明、足りてないか? これでわからないか? 話についてこれなくなったりするか? これでは愉しめないか?  呼んでもらえばわかるんですが、これで意味は通じるし、話にもついていけるし、おまけに愉しめるわけですよ。しかも文字数は9500文字から7200文字に減ったわけで、無駄に長いものを読ませられるよりは、すぱっと短く中身の濃いもののほうが、読者にとっても好ましくなりますやね。  ということで、新木さんに削られた文章と、元の文章を見比べてみる。  そこから判断するに、こんな文が無駄で駄目らしいです。 (1)音楽関係の用語を説明する文章。 (例文) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ひとくちにロックといっても、いろんな種類がある。  ブルーズ、パンク、ロカビリー、カントリーロック、ビートロック、ロックンロール、ハードロック、プログレ、ニューウェーブ、デジロックにメロコアなどなど、ホントにまあ、いろいろ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こういったもの――ギターの重量、ライブハウスによって演奏される音楽のジャンルが違うこともあるということ、音楽の種類、リズムに対する説明などなど、あらかた削除。  「専門用語を使うな」ということになりますか。  説明するな、描写しろという格言にもかかってきそうです。  ただし、なかには残されているものもあり。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版)  ひとくちにリズムといっても、かっちりと正確な、まるで機械のようなリズムと、それと微妙にずれ、それがかえって気持ちのいいうねりを生みだすものとがある。うねりとはグルーブともいう。アマチュアというのは、たいていリズム感があまりよろしくない。正確ならまだしも、うねりどころか、ただのでたらめで、聴いているうちに気持ち悪くなるものまである。  このバンドのドラマーが生みだすリズムは、ともかく気持ちよかった。  おおきなグルーブ。力強く、重いバスドラム。またナタのようにぶった切るスネア。ドン、タン、ドン、タンの「ドン」がバスドラ、「タン」がスネアだ。シンバルだって小気味いい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん削り版)  ひとくちにリズムといっても、かっちりと正確な、まるで機械のようなリズムと、それと微妙にずれ、それがかえって気持ちのいいうねりを生みだすものとがある。  このバンドのドラマーが生みだすリズムは、ともかく気持ちよかった。  力強く、重いバスドラム。ナタのようにぶった切るスネア。  ドン、タン、ドン、タンの「ドン」がバスドラ、「タン」がスネアだ。シンバルだって小気味いい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  うねりがグルーブだという説明、アマチュアのリズムについての説明はカットですが、リズムの種類や、どんな音がバスドラでどんな音がスネアなのかの説明は残っています。  なにがこの話にとって重要なのか、という部分の見極めが大切なのだろう。だってここがないと、どうしてこのドラムの人が凄いのかわかりづらいし。 (2)人物がとった行動を説明する文章。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版) 「今日は練習じゃなかったんスか」 「なんの話?」  あっさりと凛子は否定した。 「いや、だって……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん削り版) 「今日は練習じゃなかったんスか」 「なんの話?」 「いや、だって……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  見比べればわかりますが、たしかにこれはいらんです。  だって問いかけに対する「なんの話?」というセリフで、あっさりと凛子は否定してるのだし。補足はいらない。  むしろ補足しなくてすむように書くべきかもしれない。 (3)要約できる文章 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2号版)  はあ、はあ、はあ……。  膝に手をあて、草一郎は荒い息をついていた。背負った楽器が、ずっしりと肩に重い。ひたいからしたたる汗を、袖で拭った。 「体力ないなぁ、草一郎」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (新木さん削り版) 「体力ないなぁ、草一郎」  草一郎は荒い息をついていた。背負った楽器が、ずっしりと肩に重い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  短くまとめられるのなら、そのほうがいい。  なぜって――短いほうが読みやすいから。  「はあ、はあ、はあ……」の荒い息づかいはいらない。これって読者の目を引こうとしてやった浅ましい掴みなんだけれど、セリフのほうが興味を惹かれるし。  「膝に手をあて」「ひたいからしたたる汗を、袖で拭った」もカット。これは……うーんと、楽器を背負って荒い息をついていたら、自然に腰を屈めて汗みどろになっている絵が浮かぶからか? 浮かばなくても、たとえば腰に手をあてて背を反らし気味で、ぜえぜえと口を開けている絵でも、この後の展開にはなんにも支障はないし。  むー、むー。  これは場面を短い文で切りとる力になるのかな……。 >名前とか >>ちなみに、IMEで出てこない名前禁止――とか、直接言い渡しているやつで、凛子とか使ってくるやつがいると、「てめこの死ねこのてめこの」とか思いつつ、俺がいちいち単語登録していることは内緒だっ。  「凛子」が普通に変換しても出てこない名前だっていうことに気づかなかった私です。ということは、私は「凛子」という名前を何回か変換したことがあるんですね。もしかして登録もしているのだろうか。覚えていなかった。 >1000字課題No.122「花もだんごも」のリライト >>>>穏やかな午後の光を浴びて、桜の枝がゆっくりと騒いでいた。 >>ここでもう、午後であること、散りかけた桜、大きな公園の中央――ぜんぶ書いてあるだろうが。  午後なのはわかります。大きな公園の中央も、言われてようやくわかりました。桜の枝が「ゆっくりと騒いでいた」ように感じるためには、静けさがなければならない。ここが街中だとして、午後の時間帯に静かな場所というのは、ある程度限られてくる。さらに桜があっておかしくない場所となると、やっぱり公園となるのではないか。学校にも道路脇にも家の庭にもあるかもしれないけど、静かじゃないだろうし。  でも「散りかけた桜」は……。  ああ、わかった。  満開の花が咲いているなら、「誇らしげにそよいでいる」とか、そんな――えーと、明というか、陽というか、プラスな表現になるはず。もっとも強い印象を与えるものこそが第一に感じられるはずだからして、「ゆっくりと騒いでいた」なんていう、そんな地味めな感想が出てくるわけはないのだな。  これが逆にぜんぶ散っていたのなら、「枝だけが揺らいでいる」とか「寂しく」とか、暗というか陰というかマイナスな表現になるはず。 >>>>花びらが、また一枚、落ちてきては、地面に重なる花びらの一枚と変わってゆく。すぐに混じっていってしまい、いま落ちてきたものがどれだったのか、もう見分けがつかなくなってしまう。 >>ここじゃ、別なことを書いてある。 >>しかし読んでもいねーし。  前回の分析を自分で見返すと、たしかに読んでません。  えーと、あらためて凝視してみる。と、「公園」ってひとっことも書いてないことに気づく。それでも通じるのは、「ベンチ」が利いているからだろうか。  この部分、「地面に重なる花びら」と、すぐに見分けがつかなくなるほど広く積もっているということで、まずは地面一帯が花びらで敷き詰められている絵が浮かぶ。  そして一帯が覆われているということは、それだけ桜の数が多いということでもある。掃除するものがいないということでもあるけど、一本の桜だけじゃまばらにしか地面を覆うことができないから。だから何本かの桜も浮かんでくる。  ただし明言はされていない。  そこに次の段落、「二本の桜並木が交差して、交わる場所であった」が出てくることで、一気に桜並木が開けて見えるのだな。  書かないで書く、ということなのかな。 >白ぱんつ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  めずらしく、彼女が階段を駆けあがってゆく。脚が軽々と踊っていた。  スカートの奥の暗がりと、布地とのコントラストが、目に鮮やかに飛びこんでいた。一瞬のことだったが、それはしばらく離れていってくれなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >>ほれ、これで5個すべて入ってるだろ。  それでは、と測定開始。 ○こめられた要素 ・紺色のスカートである。 ・純白のショーツである。 ・尻が小ぶりである。 ・それほど過激な形状の下着ではない。 ・「彼女」は清純な人である。  えーと、階段を駆けあがるのがめずらしいということで「清楚」が、軽々と脚が踊っているということは、細い足で、小気味よく階段を昇っていて、それなら「小ぶりなお尻」ですわね、と。「踊る」と「舞う」は違うんだな。踊っているとかわいさが、舞っていると優美さが出てくるんだな。  スカートの奥が暗いんだから「スカートは紺色(なんにせよ暗色)」で、それにコントラストだ、鮮やかなんだ、「純白ぱんつ」ですね。これでえっちな下着だったら、ぱんつを見ちゃった人はこんなにさわやかではいられない。フンガー! でしょうな。ということで「過激な下着じゃない」。  うーん。  純白ぱんつだと「いいものみたなあ!」と精神が元気になって、たとえば黒ぱんつだと「うぉぉぉ」と別のところが元気になる(下品)のは、年齢や性格によって違うのかもしれない。いや、違うに決まっている。もしかしたら私だけなのかも。 >作者の武器 >>二十代前半までの普通の人ってのは、健康体なわけ。体力もあり余っているわけ。「体が弱る」ということを経験してきていないわけ。せいぜいが、カゼひいて、2日寝込みました、ぐらいなものなわけ。 >>おまえの死線を見てきた入院経験、普通の人には「へー」連発のネタであり、武器であるということは、わかっているのか? いないのか?  ちょびっとギターを弾いていたという経験は、小説に活かすとなかなか喜ばれるものなのだいうことを、最近になってようやく知ることができたという次第でありますから、もちろん入院経験が武器になるなんて思ってませんでした。  ほかにもあるかな……。仕事の経験とか。  以上で、レスは終了。  つぎは指摘です。 >春日さん >1000字課題 5/3分 No4「理由」  一読して、なにやら視点が揺れていると感じました。  たとえばこちら。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  騒ぎを聞きつけたのか、右隣の住人が戸をかすかに開けてこちらの様子をうかがってきていたが、彼はまるで気にしたふうもなく、頭をぽりぽりと掻き、 (えーっと……なんだか、彼女を怒らせてしまったらしいぞ……?)  なんてことを考えていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここ、主人公である雨宮祐介以外にも「だれか」がいますよね。  となりの住人が「こちらの様子」をうかがっていることを、「だれか」が感じている。でもそれは祐介ではない。なぜなら祐介は「彼はまるで気にしたふうもなく」と、「だれか」に思案顔を観察されているから。  しかし、実際には祐介以外の「だれか」なんていないわけです。  じゃあいったいだれなんでしょうか、「こちらの」なんて隣人の視線を感じているのは。  ここ、ただ単に「こちらの」を削ればいいだけの話なんですね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  騒ぎを聞きつけたのか、右隣の住人が戸をかすかに開けて様子をうかがってきていたが、彼はまるで気にしたふうもなく、頭をぽりぽりと掻き、 (えーっと……なんだか、彼女を怒らせてしまったらしいぞ……?)  なんてことを考えていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  わかりますでしょうか。  観察者の気配がだいぶ薄れていませんか。すくなくともアパートの廊下にはいない。「彼」と一体化しているか、やや上空から、神様のような気持ちで眺めているように感じられませんか。  分室用語で説明してしまうと、こうなります。 「作者視点もしくは主人公より三人称視点なのに、「こちらの」という主観語が入ると、視点保持者の存在を露骨に感じさせてしまって、読者が違和感を持ってしまうと思います」  いまは「語り部の存在は読者に意識させないほうがいい」ぐらいに考えていたほうがいいのかもしれないです。もうすこし課題の本数をこなすまでは、ですけども。  内容については、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  二十分が経過した。 「僕が悪かったですからっ! 開けてください!」  ここまで反応が無いと、さすがに怖くなってくる。叩く手にも力がこもった。  と、その時。 『なんですぐ謝るのよ、ばか!』  インターホンから彼女の怒声が聞こえてきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  彼氏は二十分もノックし続けてからようやく謝罪しているのに、彼女が「なんですぐ謝る」と言うのはちょっと変かなあ、と思いました。あと隣人も「やかましい」のひとことがあってしかるべきかと――つまり二十分もノックできるのかな、ということですが。  それと、「アパートメントの部屋を前に」とありますが、どうして「アパートメント」なのでしょうか。「アパート」だとちょっと安っぽいイメージがありますが、「アパートメント」という実際の英語だと、「比較的高級な集合住宅」という意味になりますよね。つまり日本でいうところのマンションですが。  春日さんはこの場所をアパートとして書いたのか、マンションとして書いたのか。そして「アパートメント」という単語を使った意味はあるんでしょうか。  レスには6時間ぐらいです。 -------------------------------------------------------------------------------- ○新木さんへ No.7978 投稿日 2004年5月5日(水)10時44分 投稿者 津荒 夕介 >大学とか  大学・下宿には、ようやく慣れたと思います。一人暮しの方法を知り、授業の形式を理解しました。  「頑張らなくては」という気持ちだけが空回りしていた四月だったように思います。五月は、もう少し余裕を持てたらいいです。  また、初めての一人暮しということで、ホームシックっぽくなり、テンションが下がりまくったりしました。  サークル巡りは、風邪のためできませんでした。  大学の中心を貫く道で、サークルが机を出して勧誘している……というのなら、経験しました。が、実際にサークルに参加し、少し体験させてもらう……とかは、できませんでした。  結局、文芸部に入りました。「すげぇ上手い人」には、残念ながら会えなかったです。 >新しい課題とか  了解です。  キャラが作者の人形になっている。描写が少なすぎる。だから読めない――。  欠点がはっきりしているのが、嬉しいです。直します。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7979 投稿日 2004年5月5日(水)11時12分 投稿者 新木 伸 >2号  弟切から一文が長いと指摘され、それを直そうとするのはいいのだけど。  なんで、1パターンしか書き直してこないの?  なんで、「これでどうですか?」とか聞いてるの?  指摘を受ける前に自分で書き直しパターンを検討していないというのはアレだけど、指摘されてなお、1パターンしかやっていないっていうのは、あまりにもサボりすぎじゃないのか?  いつも言ってることだが。  そんなに手間を省きたいんだったら、いっそ、小説書くのやめちまえっての。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  真奈美と名のる制服姿の少女は、満面の笑みを浮かべながら、舌っ足らずな声で、自分は「超能力者」なのだと断言した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これをもとに書き換えるのだとする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。舌っ足らずな声で、自分は超能力者なのだと断言している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  2文に分割、主観をまじえない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は真奈美と名乗った。舌っ足らずな声で、自分は超能力者なのだと断言する。その笑顔が怖い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  3文に分割。主観を書く。ただし制服を着ていることは落とす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。自分は超能力者と断言するその声はとても舌っ足らずで、にこにこと邪気のない笑顔とあいまって、たいへん怖かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  2文。怖さに焦点を置く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。自分は超能力者と断定するその声は舌っ足らずなものであって、にかにかと揺れる笑顔とあいまって、たいへん怖かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  2文。新木節。  ――とまあ、書き直しのパターンなんて、何通りでもあるわけだが。  なんで何通りもやってこないのだ? そこから選ばないのだ? なんでいきなり1個だけ出してきて、それで確定しちゃうの?  いつも言っていることだが。  手間を掛けるつもりがないんだったら、小説なんて書くなっつーの。素直に読者やってろよ。俺らプロが、手間を掛けたものを書いて、読ませてやるから。 >桜が散りかけていること >>穏やかな午後の光を浴びて、桜の枝がゆっくりと騒いでいた。  桜が散りかけているということ。  書いてあるのに、なんで読み取れないのかなぁ?  ゆっくりと騒いでいるのは、桜の「枝」なわけだろ。つまり枝が見えているということだ。満開であったら、枝なんて見えないわな。そして枝は「ゆっくり」と動いているわけだ。花びらがまったく付いていなかったら、枝はゆっくりとは動かない。花びらがそれなりに開いているから、空気抵抗でゆっくり動くわけだろ。  ただこれだけでは「咲き際」か「散り際」か区別が付かないわけだが。  そもそも桜ってのは散り際が見頃な花であるわけだし。桜を出して、風に言及しているということは、散り際を指していることになる。花は風に散らされるわけだから、自動的に散り際のほうが連想される。 >>花びらが、また一枚、落ちてきては、地面に重なる花びらの一枚と変わってゆく。すぐに混じっていってしまい、いま落ちてきたものがどれだったのか、もう見分けがつかなくなってしまう。  だーかーらー。  ここに書いてあるのは、「寂寥感」だってばさ。散り際の桜を出して、それを書かなきゃ、詐欺ってもんだろ。  わびとさびだろ。  注意して凝視しているにも関わらず、目で追うことのできない寂しさ。次々と花が散ってゆくわびしさ。  お前が散り際の桜を出していながら「寂寥感」を書いてないから、俺のリライトでは書いておいたんじゃないか。 >説明と描写との違い  そこが公園であるとか。桜の木の数が多いだとか。花が散り際であるだとか。  そういうデータ的なことを直接書いてしまうから、説明にしかならないんだっての。  それらがもたらす「結果」のほうを書けばいいんだっての。  桜が一杯の公園に立ってみて、まわりを見回して見聞きしてみて、そこで見るもの聞くものを描けばいいんだよ。  目隠しのされた人間を、公園内の桜並木の交差するその場所に連れていって、ぱっと目隠しを取ったとして、なにが見えるのか、なにが聞こえるのか、なにが感じられるのかを考えればいいんだ。そしてどういう順番でなにを見てゆくのか。  目隠しをされて連れてこられたのだから、そこが「公園」であることは知るよしもないのだな。だから「公園」なんて、書けるはずもない。  辺り一面を見回すまえに、たまたま目に入った一本の木を見る。そこから舞い落ちる花びらを目で追いかけてゆくと、地面にまで視線が到達する。一面の地面が花びらで覆いつくされているということさえ認識しない。ただ目で追っていた花びらがどれだかわからなくなる。――ということを書くだけで、公園と散り際の桜は描けるわけだ。  桜の枝が揺れる音が聞こえてくるだの。落ちてきた一枚が、地面に重なる一枚に混じって見分けがつかなくなっただの。そちらの見聞きした「内容」のほうを書くだけで、そこが公園であるとか、桜の木が多いとか、散り際であるとか、そういうことは自動的に確定しちゃうんだってば。  制服を着ている。風が吹いている。髪が長い。チチとシリとがデカい。――そんなデータも直接書くなっつーの。  それらのデータをもとに「現在の状況」を脳裏に浮かべてみれば、髪が乳尻に引っかかっている絵が浮かぶだろうが。  お前が「描写」と称してやっていることは、データの列挙。  公園なら公園。女の子なら女の子。それらの緒元(スペック)の列挙。  そんなものは描写とはいわん。カタログデータっていうんだ。  描写っていうのは、そこに立ち、見て、聞いて、感じたことを選択して伝えることで、読者をその場にいるような気分にさせるものをいうのだ。  もうひとつ例を出しておくか。  車重1200キログラム。エンジン出力1500馬力。  こんなスペックの車があったとする。  この1500馬力というエンジン出力を説明するなら、「1500馬力ある」と書くだけでいいのだが。  描写するなら、そのエンジン出力を全開にした「結果」のほうを書けばいいわけだ。  信号が青に変わり、スタートダッシュで、タイヤを空転させたまま信号二つぶんも進んでゆく。地面になすりつけられたゴムの帯が延々と続き、白煙で歩道の人が咳きこんでいる。――とか書けば、1500馬力がどれほどのものか、伝えられるわけだよ。  これ、1500馬力を全開にした「結果」のほうね。書いているのは。  スペック的なデータの「説明」と、それがもたらす「結果」との違いは、わかるか? >春日  春日を津荒と間違わない件。  あー、すまん。俺には無理だ。区別つかんわ。  俺が区別を付けられるように、そっちでなんとか工夫してみてくれ。 >津荒  キャラが作者自身になってしまっている、なんて言ってないぞ。  キャラがお人形になっている、と、そう言っているんだってば。つまり人間じゃない。ぎくしゃくと動かされているだけの木偶人形ね。 -------------------------------------------------------------------------------- No.7980 管理者削除 -------------------------------------------------------------------------------- 菖蒲[しょうぶ]は尚武に通ず No.7981 投稿日 2004年5月6日(木)01時59分 投稿者 弟切 千隼  五月五日は端午の節句です。菖蒲湯の日ですね。  なぜ、端午の節句に菖蒲湯に入ったり菖蒲の葉を飾ったりするようになったかといえば、菖蒲が尚武に通じるからだそうです。  端午の節句は、中国に起源があります。元来は厄除けの日でした。それが日本では、男の子の健全な成長を願う日に変化します。  昔の男性は武人としての働きが求められたため、端午の節句には尚武の精神が込められたのですね。「菖蒲=尚武」という語呂合わせで、菖蒲が重視されるようになりました。 >描写課題「親切」  皆さんからいただいた指摘をもとに、削り版2を作りました。課題部屋のNo.930にあげてあります。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=930&e=res&lp=883&st=0  指摘をいただけるなら、冒頭部分が冗長でないかを重点的に見て下さるとありがたいです。 春日秋人さんへ >  課題部屋のNo.926にある千字課題「理由」を読みました。  冒頭部分に強い違和感を持ったので、その部分について指摘させていただきます。  本文はこちらですね↓ http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=926&e=res&lp=926&st=0 >>「ばかー!」 >> と怒鳴ったかと思えば、力任せに彼女は玄関のドアを閉めてしまった。続いて鍵のかかる、ガチャリという音。鉄の扉一枚隔てて、すたすたと足音が遠ざかっていく。 >> あっという間の出来事だ。  冒頭のここで、弟切は、てっきり視点保持者が「部屋の中」にいるのだと思いました。「彼女」のほうが外にいて、外側から部屋の鍵をかけたと勘違いしたのですね。  つまり、彼女が何かに怒って部屋を飛び出して、怒った相手が追って来ないように扉に鍵をかけた、と判断しました。  そのため、次の一行で、弟切は混乱しました。 >> アパートメントの部屋を前に、雨宮祐介はひとりぽつんと閉め出された。 「あれれ? 『アパートメントの部屋を前に』ってことは、視点保持者のほうが外にいるの!?」と、弟切は頭の中の映像を修正しました。  しかし、違和感が大きくてなかなか修正がききません。さらに次の行へ読み進んで、ようやく「視点保持者が外にいる」と腑に落ちました。 >> 騒ぎを聞きつけたのか、右隣の住人が戸をかすかに開けてこちらの様子をうかがってきていたが、彼はまるで気にしたふうもなく、頭をぽりぽりと掻き、  視点保持者が外にいるのでなければ、隣の住人が戸を開けていることなど見えません。こちらの扉は閉められていますからね。  弟切が違和感を持った場所は、わかっていただけたでしょうか。  なぜ、弟切がここに違和感を持ったのか、原因については、秋人さんが探るのが一番ですね。でも、一応、弟切が原因だと推定することをあげておきます。  原因は、おそらく、この一文にあります↓ >>鉄の扉一枚隔てて、すたすたと足音が遠ざかっていく。  普通の日本人は、部屋の中で靴を履きません。靴を履かないと、足音はあまり響かないものです。鉄の扉を隔てたら、部屋の中の足音はそんなにはっきりと聞こえないだろう、と弟切は思いました。  加えて『遠ざかってゆく』という表現がいけなかったようです。これは距離を感じる表現ですので、一般的に狭い日本の家屋には似合いません。 >> 騒ぎを聞きつけたのか、右隣の住人が戸をかすかに開けてこちらの様子をうかがってきていたが、彼はまるで気にしたふうもなく、頭をぽりぽりと掻き、  何とか状況を把握できたとはいえ、上記の文は長すぎます。しかも、末尾が「、」ですから、この後さらに文が続いているわけです。 >>(えーっと……なんだか、彼女を怒らせてしまったらしいぞ……?) >> なんてことを考えていた。 まで来て、やっと一つの文が終わっています。  読み手は、一つの文で意味を一区切りして読んでいます。ところが、このように長い文では、一つ一つの意味を区切って頭に収納することができません。  一挙にいろいろなことを詰め込まれると、ヒトの脳みそはパンクします。結果、何が書いてあったのかわからなくなってしまいます。  一つの文は、なるべく短くしましょう。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろです。 No.7982 投稿日 2004年5月6日(木)16時54分 投稿者 津荒 夕介 ○課題:描写訓練    2000字課題 五月五日分 bP「先輩の家に行く話」  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=931&e=res&lp=931&st=0  です。  よろしくお願いします。 ○新木さんへ  キャラが人間じゃない、とか。了解です。  あと……「読者課題」と「生課題用」の根っこは、触らないでおきましたが、それで良かったですか?   ○春日さんへ >>春日を津荒と間違わない件。 >>あー、すまん。俺には無理だ。区別つかんわ。 >>俺が区別を付けられるように、そっちでなんとか工夫してみてくれ。  おそらく、僕と春日さんの文体が似ているから、判別できないのだと思います。  ですから、文体を変えるといいのかも。  僕は、どんなのがいいのかしら……(^^;)  考えてきます。 -------------------------------------------------------------------------------- 八十八夜の別れ霜 No.7983 投稿日 2004年5月7日(金)02時03分 投稿者 弟切 千隼 と、古来言い伝えられていますのに、今日の湘南は肌寒いです。一ヶ月くらい季節が逆戻りしたのではないか、と感じるほどです。  せっかく新茶を買ってきたのに、こんなに涼しい時に淹れて飲むと変な気分です。 津荒さんへ >  大学生活には慣れましたか? 五月病には気をつけて下さいね。  では、二千字課題の「先輩の家に行く話」の指摘をさせていただきます。違和感を持ったところを中心に、大ざっぱに指摘します。  以下、引用はすべて津荒さんの「先輩の家に行く話」から取ります。本文はここですね↓ http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=931&e=res&lp=931&st=0 >> 瓦の屋根がついた門の前に、僕は立っている。  ここはいいですね。ぱっと映像が浮かびました。和風の立派な家だということが、すぐにわかります。 >>「ここで……あってる、よな……」 >> ポケットに入れていたせいで、しわくちゃになってしまった地図を見る。駅からの道順は……うん、まちがい、ない……なぁ。  主人公が戸惑っている様子が、よく伝わります。  しかし、「……」が多いですね。ちょっとうっとうしいです。『ここで……』の「……」と、『まちがい、ない……なぁ』の「……」を「、」に変えると、ちょうどよくなる気がしました。 >> 柱につけられた木の表札には、間違いなく『室谷』と墨汁で書かれている。  『墨汁』とあると、お習字の稽古で書かれた字みたいです。「墨」だけのほうがよさそうです。 >>「はい。どなたですか?」 >> 若い女性の声だった。柔らかい感じがする。 >> 僕は軽く混乱し、 >>「え、えーっと、先輩のお宅ですか?」 >> と、失言した。 >> まさか若い女の人が出るとは思わなかったからだ。  ここは、「慌てている感」が出ていません。  主人公は、『まさか若い女の人が出るとは思わなかった』のですよね? でしたら、女性の声が聞こえた途端に混乱するはずです。『柔らかい感じがする』なんて、冷静に判断している余裕はないでしょう。  それと、主人公の台詞がおかしいのは明白ですから、わざわざ『失言した』と書く必要はありませんね。 >> 僕が胸をドキドキさせながら立っていると、木の扉がスライドした。  『スライド』はNGですよ〜(>o<) 和風の家の雰囲気が台無しです。  できれば、『ドキドキ』もひらがなにして欲しかったですね。文章にカタカナが入ると、洋風になってしまいますから。 >>ほっそりした体に白いカーディガンを着ていて、流れるような黒髪が印象的だった。  ここも、カタカナを避けるために、『カーディガン』ではない服にして欲しかったですね。  しかも、この妹さんは、足もとが下駄なのですよね? 下駄を履かせるなら、上に着る服もそれなりのものにしましょう。 >> カラン、と下駄の音をたてて妹さんが歩きだす。  ここのカタカナも、ひらがなにしたほうが雰囲気がいいです。 >> 横を見ると、薄紅色の梅の花が目に入る。  梅が咲いているということは、季節は早春ですね。まだ寒い季節です。  寒い季節なら、素足は考えにくいです。普通の靴下を履いた状態では下駄は履けませんから、妹さんは足袋[たび]を履いているのでしょう。  足袋を履いているのに『カーディガン』は、変すぎますね。 >> 広い玄関だった。妹さんは一段上がったフローリングの上に立っていて、彼女の向こうには木のついたてがあった。その奥の壁には着物姿の女性の絵が飾ってある。  だからカタカナは(以下略)  カタカナの印象が邪魔をして、ここは映像が浮かびませんでした。洋風の玄関の中に、純和風の『木のついたて』やら『着物姿の女性の絵』やらが浮かんでしまって、違和感ありまくりでした。頭の中で、まともな玄関の映像が描けませんでした。  以上、大ざっぱながら、指摘させていただきました。 -------------------------------------------------------------------------------- レス No.7984 投稿日 2004年5月7日(金)02時14分 投稿者 春日秋人 >2号さん >こちら  作者=カメラの視点ということで使ったのですが、わかりにくくなってしまっただけのようですね。無いほうが、確かにすっきりします。 >アパートメント  僕としてはアパートのつもりで使っていました。アパートとするよりも語感がしっくりくるんですよね。これは個人的な感覚なんですけど。  うーん。悪い癖なんでしょうか。  ご指摘、ありがとうございました。 >弟切さん >玄関のなか  確かに。そう言われて読めば、そう読めてしまう。  ここは足音を強調することなく、部屋の中に引きこもる彼女を表現しなければならないのですね。  やってみます。 >>鉄の扉一枚隔てて、すたすたと足音が遠ざかっていく。  を変えて、 >>鉄の扉一枚隔てて、部屋の奥へと引っ込む彼女の気配がかすかに伝わってくる。  うーん、もっと詳しく書きたいところですが、前後の文を考えるとこんなところでしょうか。  実際は扉が小刻みに揺れて振動を伝えたり、隙間からかすかに物音が漏れていたりしているわけですが。彼はそれを気配として感じ取っている、と。 >長い文 >> 騒ぎを聞きつけたのか、右隣の住人が戸をかすかに開けてこちらの様子をうかがってきていたが、彼はまるで気にしたふうもなく、頭をぽりぽりと掻き、  こういうのけっこう好きなんですよね。  でもまだまだ扱える実力がないようで、今後は控えようと思います。    ご指摘、ありがとうございました。 >津荒さん  後からやってきたのは僕なわけですから、津荒さんが無理に文体を変える必要はないと思いますよ。  1000字課題はともかく、あらすじに関してはけっこう参考にさせていただいたので、それで似てしまったのかもしれませんし。その場合、責任はこちらにあるわけで……  次は少しクセをつけて書いてみようと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7985 投稿日 2004年5月7日(金)05時30分 投稿者 新木 伸 >津荒秋人だか、春日夕介だかの件  ふたりの言っている「文体」てのが、具体的になにを指しているのか、俺には不明なのだが。  しかし二人のあいだでは、どうやらそれで話が通じてしまっているらしい。  片方の言った「文体」ということと、もう片方が受けとった「文体」という言葉は、はたして同じ意味だったのだろうかと、俺なんかは、ふと思ったりするのだが。  「文体」とかいうもの以外に、俺が二人を区別できずにいる理由は出てこないのか?  実際のところ、話の通じなさ加減というか、人の話の聞かなさ加減というか、そのあたりに、俺が二人を識別できない理由があるのだが。  片方が「これが原因ですよ!」とエウレカしちゃうと、もう片方にもその考えが伝染しちゃって、疑いもなく信じこんで、「では僕のほうが直しましょう」となってしまう。  人間が二人存在したなら、片方の「これだ!」というエウレカ現象に対して、もう片方は「いやちょっと待ってよ。本当にそうなの?」と問いかけるものなんじゃないのか。  人間が二人以上いたなら、意見ってのは割れるのがあたりまえなのね。 >春日夕介 >>僕としてはアパートのつもりで使っていました。アパートとするよりも語感がしっくりくるんですよね。これは個人的な感覚なんですけど。 >>うーん。悪い癖なんでしょうか。  悪い癖、なんて軽いものじゃないぞ。  物書きとしての根本的な意識に、なんか欠陥があるぞ。  「アパートメント」という言葉。それ日常会話のなかで使うものなのか?  春日の書こうとしているのは、ライトノベルであるわけだ。地の文でさえ、口語に近い文体で書かれる小説なわけね。  基本的に日常会話で使わない言葉を使ってはならないものと思え。  おまえは友達との会話の中で、「アパート」という単語を出すときには、アパートメントと使うのか?  「ほら、機械科に田中、いるだろ。あいつアパートメントに一人暮らししてるんだよ。1Kで6畳なんだけど、一人だとそれって広いよなー」とか、言うのか?  よしんばお前は、同じ意味で3文字も長い言葉をいちいち使うような変態だったとしても――だ。  まわりの普通の人は、「アパート」と言っているわけ? 「アパートメント」と言っているわけ? 日常会話の中では、どうなのだ?  小説ってのは、お前のものではないんだ。読む人のものなわけ。  だって読む人は、お金を出して買ったのだもの。金銭の授受が行われた瞬間に、小説はお前の手を離れて、読者の所有物となっているのだ。  読む人にとっては、「アパート」と「アパートメント」と、どっちがしっくりくるものなのだ?  ちなみに宿題を出す。  家、部屋――などを示す言葉を、山ほど出してみること。必要のあるものは短く解説を付けること。  ちなみに鉄の扉がついているものは、アパートとはいわない。  お前は覚え間違っているか、自分の思い入れだけで適当に言葉を使用している。 >>鉄の扉一枚隔てて、すたすたと足音が遠ざかっていく。 >>鉄の扉一枚隔てて、部屋の奥へと引っ込む彼女の気配がかすかに伝わってくる。  2号にも書いていることだが。  なんだって、書き直しをするのに、1パターンしか出してこないわけ?  おまえら、他人へのレスって、読んでいないのか?  2号に書いたら、お前にも伝わっているだろうと思うのは、それは過剰な期待なわけ?  同じ時期に同じアホっぷりを見せられたら、俺は2号に対するレスと、お前に対するレスと、個別に2回ずつ書かなきゃならんわけ?  この一行、とりあえず100通りのバリエーションで、様々なアプローチで書いてこい。それをぜんぶ見せてみろ。そのなかから、ベストの1行を選んでみろ。  それでもこれと同じになるというなら、それはそれでかまわない。  あのねー。  プロっていうのは、何気なく書いたように見える一行一行が、すべて、100は書いてみた上のベストの一行ぐらいなものを出してきているわけね。  いまこの一行を実際に書き直そうとしてみたが、10や20のパターンを、数秒のうちに考えていたりするわけよ。  実際に100通り書かせることにしたので、俺の書き直したものは、書かないでおくけど。  何気なく思いついた最初のものを、そのまま使ってしまっているから、お前らはアマチュアから抜け出せないでいるわけ。手間をかけようとしないサボリ癖が染みついているから、だからダメなわけ。  2号あたりならともかく、作家志望者以前のお前なんかに、こんなこと言ったところで、あまり意味はないのかもしれんが。 >津荒秋人  提出場所が違うぞ。  生課題の根っこ、作ったんだから、そのツリーの下にぶら下げろよ。  先輩の家に行くわけね。門の前に立っているわけね。  で、インターホンで妹が出て、しばらく待つと門のところにやってきてくれて、そこでしばらく話すわけね。  そして庭を通って、玄関の土間のところまで案内されるわけね。  大きく分けて、3ブロックの構成なわけだが。  ぜんぜんダメ。話にならん。読めたもんじゃない。  弟切の指摘しているような、カタカナ語を使いましょうとか、そんな細かなことじゃない。  本質からして、お前は小説というものをわかっていない。  まず第一のブロック。門の前に立っているところ。  これは小説じゃない。人間が変だ。  この主人公、「門の前に立つ」という場面以降にしか、この世に「存在」していない。  ――と、言ったところで通じないだろうから解説する。  ちと、津荒が昔書いたやつで、例を出してみる。  「残業していて疲れたOL」というものを書いたとする。そのOLが最後のエンターキーを押して、書類をセーブして仕事を終える場面から話がスタートするのだとしても、それ「以前」の時間にも、彼女は、その世界に存在しつづけていたわけだよ。  夕方5時の定時になって、同僚が帰ってゆくのを尻目に、重たい気分を振り払って仕事に向かい、掃除のおじさんが申し訳なさそうにやってきて、電気を消してゆく。「大変だねぇ」「いつものことですから」とか、なにかひと声ふた声あって、彼女のまわりだけ蛍光灯を残しておいてくれていったりとか。ふと疲れを覚えたときに、隣の席に置かれていた未開封の缶コーヒーをちゃっかりせしめて、ぐびぐび飲んじゃったりとか。  ――そういう「あれやこれ」があったうえで、「残業で疲れたOL」というのが存在しているわけね。  「残業で疲れたOL」ってものが、ぽんと、スイッチを入れたら発生するわけじゃないのだ。存在感のあるキャラというのは、かならず「小説に書かれる以前」から連続しているものなのだ。  ――で、この話に戻る。  この主人公は、この家まで歩いて来たわけだな。門の前に立つまえには、もちろん、長々と続く塀の脇を、延々と歩いてきているわけだな。  日本家屋の豪邸ということは、ずーっと塀が続いているわけだろう。  ――で、なにか? この主人公が目を止めて、感心しているのが、「瓦を乗せた門」なわけか。  この男、この主人公、こいつって――。存在していないんだよ。塀の前に立つ以前には、この世界に存在していないわけよ。  スイッチを入れたように、ぽんと、塀の前に立つところから存在がスタートしているわけね。その「前」がないのだ。  「塀の脇を長々と歩いてきた」という体験を持っていないんだよ。だから、「瓦を乗せた門」なんかに感心してるんだよ。  あと1ブロック目で、もう一点。  これは作者の配慮のなさから来ることだが。  「ムロッチ先輩」ってのが、男だか、女だか、わかんねーんだよ。  作者のおまえは、当然知っているよな? ムロッチ先輩が男なのか女なのか。  しかし読者ってのは、あたりまえのことだが、お前が書いてくれなきゃ、わかんねーんだよ。  あと2つめのブロック。インターホンを押すあたり。  日本家屋っぽくない。  屋敷の規模がよくわからない。  どうも、正門は閉ざされたままで、通用門のほうから出入りしているようだが。  通用門がスライド式というからには、武家屋敷のような、腰をかがめて入るタイプの木戸ってことか? いくらなんでも現代では不便でないか? 普通に通り抜けられる押し戸にでも改装されてないか。  あと、例によって配慮が足りない。正門と通用門とが別にある作りの「門」をよく知っている人間(弟切とか)は、これでもイメージできるだろうが、よく知らない人間には伝わらない。  腰をかがめて通用門から入るときに、主人公は違和感というか、理不尽というか、なにか普通では味わえない不思議な感覚を味わっているはずなのだが。  そのへんを書かずして、どーする。  わざわざ武家屋敷を出してきた意味がないだろうが。  3ブロック目。庭を通って土間まで。 >>門からは、石の通路が十メートルほどのびている。その先にどっしりとした家が建っていた。 >>横を見ると、薄紅色の梅の花が目に入る。石の橋がかかった池まであった。  このあたり、説明にしかなっていない。  こんなもん、書くだけムダ。まったく、くだらん。 >>僕はきょろきょろしながら、家に入る。木の匂いがした。  このあたりは、すこしマシ。「気の匂いがした」というあたりで、木造家屋に足を踏み入れた人間の感覚に読者を連れて行ってくれる。  「生課題」なんだから、生っぽくするんだってば。  庭を歩いているところとか。美人の妹にどっきりするところとか。もっともっと生っぽくできるだろうが。 -------------------------------------------------------------------------------- 黄金週間だって? No.7986 投稿日 2004年5月7日(金)08時06分 投稿者 名無し君2号  といいますかね、世間がゴールデンウィークだったってことを、いま認識したんですよ。新聞は読んでる、朝のニュース番組だって見ている、だから知っているはずなんですけども、「ああ、そういえばそうだっけ……そうなんだな」と気づくまでにいままでかかったという。ボケてます。  これは脳みそがすこしとろけ気味である、というのが原因でしょうが、学校生活を送ってなかったり、働いてたりしていないと休日のありがたみってやつがまったく無い、というのもあるんじゃないかと自己弁護してみます。  だって毎日が休みですもの。毎日が日曜日。  ようするにどうでもいいってことですね。  休みだろうが、休みじゃなかろうが、関係ない。関係がないから興味がない。興味がないから認識できない。見る気のないものは見えないんだと改めて思いました。  さて、休みを心待ちにしていた勤め人のころの記憶を掘り起こしてみますと、「よし、この休み期間を活かしてなにかやろう!」と決意はすれどもなにもせず、休みの最終日になって「ああ、いろんなことが無駄であった。明日からしんどい日々である」とせつないため息をついていました。それもほぼ毎回。  なんだかあんまり成長してないな、とせつないため息が、また。 >どうして私はサボるのか >>弟切から一文が長いと指摘され、それを直そうとするのはいいのだけど。 >>なんで、1パターンしか書き直してこないの? >>なんで、「これでどうですか?」とか聞いてるの?  そりゃサボるのが習性だからでしょうな。そんな習性は修正せい、とか。  ……すみません、まじめに答えるならば、「読みやすければそれでいいだろう」で考えることを止めてしまっていたのが原因です。  文には伝えたいこと、というのがありますよね。  小説ならテーマになりますが、たとえばひとつの場面ごとにも、「ここは読者に彼女を嫌わせよう」とか、意図はあるわけです。それはひとつの文章にもおなじことが言えます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  真奈美と名のる制服姿の少女は、満面の笑みを浮かべながら、舌っ足らずな声で、自分は「超能力者」なのだと断言した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こちらが元々の文章。  なにを伝えたかったかといえば、『真奈美は学生である』『真奈美はちとあぶない』『主人公はすこし引いている(怖がっている)』です。主人公が真奈美に対して思っている感情は、「満面の笑み」「断言した」あたりにこめられてはいますが……いま読むと薄い。  でもって、こちらが書き直した文章。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  そう舌っ足らずな声で断言したのは、真奈美と名のる少女だった。制服の上にのっている満面の笑顔が、すこし怖い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「読みやすければそれでいいだろう」なので、前述した『学生』『あぶなさ』『主人公は怖がっている』はそのままですね。『怖い』が「制服の上にのっている満面の笑顔」「すこし怖い」で増量気味ではありますが、それが意図したものでないのはもうおわかりですね。ばればれ。  新木さんが言っているのは、「読みやすい文章というのは、ただ単に短くすればいいのではなくて、こめられた要素をわかりやすくしなくちゃいけない」といふことぢゃないだらうか。語尾が変なのは自信が無いからです。  だから「主観無し」「主観だけ」「恐怖増量」と例をあげたのだろうと。  主観が無い、ということは、視点保持者が味つけするまえの文章ということです。プレーンなテキストです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。舌っ足らずな声で、自分は超能力者なのだと断言している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  こちらが「主観無し」。  事実のみで、『学生』が強い。『主人公は怖がっている』はないし、『あぶなさ』は薄い感じ。読者は『学生』の印象が強くなりますね。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  少女は真奈美と名乗った。舌っ足らずな声で、自分は超能力者なのだと断言する。その笑顔が怖い。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  それじゃと「主観だけ」。  『あぶなさ』『主人公は怖がっている』はありますが、『学生』がない。少女なんで年齢はある程度の想像がつくけども、制服姿は思い浮かべられない。読者は「なんか主人公はびびってるね」と感じるんじゃなかろうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。自分は超能力者と断言するその声はとても舌っ足らずで、にこにこと邪気のない笑顔とあいまって、たいへん怖かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  「恐怖増量」したもの。  『あぶなさ』が増えている。恐怖を書くときには、それを感じている主人公の心理よりも、恐怖を与える存在そのものを丹念に描いたほうが怖い。なので、読者は「この子、おっかないな」と感じる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  制服姿の少女は真奈美と名乗った。自分は超能力者と断定するその声は舌っ足らずなものであって、にかにかと揺れる笑顔とあいまって、たいへん怖かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  で、これが新木節。  『あぶなさ』を濃くしています。つまり恐怖増量。その単語の選択が新木節なんでしょうが。  「読みやすい文章というのは、ただ単に短くすればいいのではなくて、こめられた要素をわかりやすくしなくちゃいけない」――つまり読者に伝えたい要素はなんなのか、ということですね。  『学生』なのか『あぶなさ』なのか『主人公の感じている恐怖』なのか。余計なものはないか。足りないものはないか。それを見極めた上で、さらにどうすれば読者にわかりやすく伝わるのかを考えて、文章を書かなくちゃならない。  私の書き直しの場合、そのあたりの考えがまったく無いです。「読みやすければそれでいいだろう」で、文章をふたつに分けただけですね。その分けかたもな……うん……。 >1000字課題  No.124「愛しさの朝食」(4000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=932&e=res&lp=550&st=0  姉妹ふたりの、朝食時の優しげなやりとりを描いた話です。  前回やった、性別転換してキャラクターを増やそう! シリーズの第二弾です。  今回は「貰われっ子ミーツ四兄弟」の長男と四男を性別転換。 ・長男。一家の家長。責任感ゆえに独善的になりやすい。本当は人情味あふれるのだが、口数が少なく、怒以外の感情を面に出すこともあまりないため、誤解されることが多々ある。 ・四男。社交的。甘えん坊な子供のように振る舞うことが多いが、それはまわりの兄弟がそう扱うため。下手すると次男よりしっかりしているが、その姿は家の外でしか見られない。兄弟のムードメーカーでもあり、空気を敏感に察して道化になってもみせる。  これです。転換すると……。 ・姉。一家の家長。親代わりになって妹を育ててきた。愛情ゆえに独善的な面もある。本当は人情味があるのだが、怒り以外の感情を外に出さないため、怖い人と思われがち。OLで、じつに有能である。 ・妹。社交的な性格。人一倍頑張りすぎる姉に心配をかけまいと、本音は隠しておどける傾向がある。それは外でもおなじことで、弱音を吐いたりするのは親友にだけ。  こんなところ。  話が前回の「エスパー真奈美ちゃん」とつながっているのは、ただ単にサボっているだけかもしれない。  ここからはいつもの弱音ですが。  最近、なんか書けないんですね。いつも話の筋自体は考えつくんですが、本文を書こうとすると、書き始めでぴたりと止まる。ああ、書き出しをどうしよう、もっといいのがあるんじゃないかな、これじゃ駄目だな、あー、うー、あー。  いままでは「書けないときは書けないのさ」とうっちゃっていたんですが、そもそもこの状態が普通なのではないか、と思い直してきています。こういう状態をどうにかして「凌ぐ」のが、物を書いて生きる、ということなのではないかと。  結局なにが言いたいのかというと、今回の課題は書けない状態から無理矢理書いたものだ、ということです。情けない話ですが、面白いのか面白くないのか、ぜんっぜんわかりません。 >津荒さん >2000字課題 五月五日分 bP「先輩の家に行く話」  一読しました。 ・先輩の妹が美人で驚く  ここがなにやら薄いです。どちらかというと、「先輩に妹がいることに驚く」という印象でした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  い、いまの娘は先輩の妹さんだったのか? あの先輩に、こんな可愛い声の妹さんが!? (うっそん……)  僕が胸をドキドキさせながら立っていると、木の扉がスライドした。  現れたのは、女の子だった。  背は僕より少し低いくらい。年齢は同じぐらいかもしれない。ほっそりした体に白いカーディガンを着ていて、流れるような黒髪が印象的だった。 「どうも、妹の円です。お兄ちゃんはコーヒーの豆を買いに行っちゃったので、今はいませんけど……もうすぐ帰ってくると思います。あがっていてください」  にこやかに言う。 「あ、う、うん」  僕はそう答えるだけで精一杯だった。  カラン、と下駄の音をたてて妹さんが歩きだす。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  このあたりを読むと、主人公はインターフォン越しに妹さんの声を聞いて、「なんて可愛い声なんだ!」と思っています。ところが、実際に会ってもあんまりときめいていないんですね。淡々と妹さんの背格好を描写してます。そこに驚きはない。  「先輩の妹が美人で驚く」のなら、先輩と妹さんを比較してみたりするのも面白いかもしれませんね。「ああ、あんな先輩にこんな可憐な妹さんがっ!」「やだ、そんなにじろじろ見ないでください……」「す、すみませんっ」とかなんとかー。  これはいま私が思いついたんですから、津荒さんはほかのを考えてみてください(底意地悪) >>広い玄関だった。妹さんは一段上がったフローリングの上に立っていて、彼女の向こうには木のついたてがあった。その奥の壁には着物姿の女性の絵が飾ってある。  ここ、どうなんでしょうね。  私はわざわざ木の床を「フローリング」と書いたのは、高校生である主人公の知識フィルターを通したからなんじゃないかと思っていたんですが。  つまり、この主人公から見れば、純和風の屋敷であっても、木の床は「フローリング」になってしまう、ということじゃないのかな……うーん、考えすぎでしょうか。  レスには3時間ほどです。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号 No.7987 投稿日 2004年5月7日(金)15時00分 投稿者 新木 伸 >2号 >1パターンしか出してこない症  ある段落なり、一行なりを決定する課程において、やるべきことをすっぽ抜かしているわけね。  おまえも、すべてのアマチュアも、みんな、全員、そうね。  ブラッシュアップっていう課程を、すっ飛ばしている。  「ブラッシュアップ」=「磨きあげる」ね。  当然ながら、磨きあげるためには、その文章が本来どんな形であるべきなのか、知っていなくてはならない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  真奈美と名のる制服姿の少女は、満面の笑みを浮かべながら、舌っ足らずな声で、自分は「超能力者」なのだと断言した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  『真奈美は学生である』  『真奈美はちとあぶない』  『主人公はすこし引いている(怖がっている)』  上の段落であれば、伝えるべきものは上記3点であるわけだ。それがどれだけ表現しきれているかで、評価されるわけだな。  文章をブラッシュアップしてゆくためには、まず、自分がなにを伝えようとしているのか、明確に自覚しなくちゃならない。そうでないと「出来」を判断する基準が自分の中に持てない。  自分がそこで伝えようとしていることを自覚できたら、あとは執念だけで、どうとでもなる。何通りも何十通りも書き直して、自分の中に持った「基準」をクリアするものが出てくるまで、延々と書き直すだけだ。  頭の中で済ませるのがいちばん効率がよいわけだが、なんなら手を動かしてエディタの上でやってもいい。  俺がお前に対して腹を立てていることが、ひとつある。  お前のいまの意識レベルは――いいか、「意識レベル」のほうだぞ。「技術レベル」のほうじゃないぞ。  いまのお前の意識レベルは、「書いてさえあれば、いっか」てな低いところにあるわけ。質を問おうとしていない。  あるか、ないか、それだけしか見ていない。  そんなんでプロになれると思っているのは、俺らの仕事がナメられているようで、ひどく腹立たしいわけだ。  もうひとつ、俺が腹を立てていることがある。  お前の「技術レベル」のほうは、充分に、それをできるところにあるわけ。だが「意識レベル」のほうが足を引っぱって、いつもだいたい、読めない出来のモノが書かれてくることになる。  なんか音楽ものやらバンドものやらで、「おもちろい」とか言ってもらえて、鼻先にエサぶら下げられたらやってみるくせに、普段の課題じゃやってこないから、俺は腹を立てているわけ。 >津荒の生課題 >>ここがなにやら薄いです。どちらかというと、「先輩に妹がいることに驚く」という印象でした。  これも、つまり、上に書いた「ブラッシュアップ」の問題なわけだよ。  津荒自身が、よく決めてないわけ。「先輩に妹がいて驚く」のか、「先輩の妹の美人っぷりに驚く」なのか、「先輩の妹が清楚な美人であり、不潔な先輩に似ていないので驚く」のか、どっちなのか、どれなのか。――津荒はなにも考えていないわけだな。  普通はどれかひとつにする。一度に書ける「驚き」は一つだけだ。二つめの驚きを書くなら、ひとつめの驚きにケリを付けてからにするはずだ。  この場合なら、せっかくインターホンという小道具を使っているのだから、声がしたときには「妹がいた」で驚かせ、対面させてからは「美人で驚く」にするべきだ。  自分がなにを書いているのか、しっかりと把握できていて、ブラッシュアップする手間をかけているなら、ここはそのように直すことができる。自力でな。  津荒の場合には、まず、自分がなにを書こうとしているのか意識化するレベルでの修行が必要なわけ。いまそれがスタートしたところね。  お前のほうは、それは終わっているの。お前のほうは、サボらずにブラッシュアップする手間をかける習慣を付けるための「躾」の最中なわけ。 >弱音に関して >>いままでは「書けないときは書けないのさ」とうっちゃっていたんですが、そもそもこの状態が普通なのではないか、と思い直してきています。こういう状態をどうにかして「凌ぐ」のが、物を書いて生きる、ということなのではないかと。  その状態がお前の普通であるかどうかなんて、俺も世間も気にもしないし、知ったこっちゃないが。  世の中には「書くことが好きでたまらない」という作家もいれば、「書くことが苦痛でたまらない」という作家もいる。だがどちらのタイプの作家も、充実した作家ライフを送っているわけだよな。  好きだとか、嫌いだとか。  書けるとか、書けないとか。  なんにも、まったく、関係ないのだが。  わっかんないかなー?  気分とかノリだとか――ではなくて。  ようは書くのか、書かないのか、二つにひとつなわけだろ?  書ける気分になっているときには、書くのは楽だし簡単だけど。  書けない気分のときには、書くのは大変なわけだよな。  ――んなことは、知ってる。  いちいち説明されなくたって、俺らは知ってる。お前にとっては世紀の一大発見なのかもしれないが、俺らプロは、とっくに知ってる。  そんなことはもちろん踏まえた上で、あえて言うのだが。  書くのか?  書かんのか?  精神状態やらテンションやら、そういうこととは一切関係せず、「執筆」というスイッチの状態には、ONとOFFの二つの状態しかないんだよ。  書いているか。書いていないか。だ。  よし。  んじゃ、こうしよう。  おまえ、これから毎日、3500字以上書け。文庫本にして5ページ分な。4時間ぐらいでやれるようになったらしいし。  半年前なら達成不可能な注文だが、いまなら充分に可能だろう。たいした負担でもなかろう。  それで「書かなかった」なら、おまえ、作家になるのは、もう諦めろ。  書けないとか、なんだとか、泣きゴトは聞かん。  書くか、書かないか。その二者択一なわけね。――で、書かない、の選択をしたなら、作家志望はその場で取り下げること。了解?  毎日通勤で家と会社との行き来するのは苦痛です。できません。無理なんです。とかいうヤツがいたら、俺はサラリーマンになるなとアドバイスするわけだが。それと同じだ。  毎日、3500字程度の原稿を書くことに泣きを入れるやつがいたら、そいつは作家にならないほうがいい。  できないのなら、どーせ、プロになったって生きていけやしないから。  土の中から出てきて、木に這いあがっていって、「ミーン」って、一回、二回、鳴いただけで、もうそれっきり。それでおしまいのセミのようなプロにしかならん。  通称「セミプロ」。命名者は鷹見さん(笑)。本来の意は、十年以上を土に篭もって、一週間だけ地上に出て、鳴いて、そして一生を終えるという意だが。  そんなもんになったところで、たいした意味はありゃしない。  せいぜいがところ、酒場の片隅で「俺、昔は小説家だったんだぜ」とか吹聴する程度だ。酒のサカナという役にしか立たん。  おまえが「それ」なら、俺の育てたいのと違うから、いっそ消えろ。俺の前から。  いつも言っているように、デビューなんてのは、単なる通過点に過ぎないわけだ。プロとして継続的に食っていける人間を、俺は養成しようとしているわけね。  ここのところの、オマエのサボり癖には、ほとほと嫌気が差してる。  週に一回、6時間ぽっちを小説に使って、4000字やそこらを書いてくる。そんな程度の取り組みかたで、作家になれると思っているなら、ふざけているし、最近修行を始めた他の連中にも悪影響しか与えないし。  てめぇみたいな才能のないやつが一人前の職人になろうとするなら、毎週ごとに短編の一本を上げてくるぐらいの練習量が必要なんだよ。最低でもな。  ここらで一発、活を入れてみる。  それで気合いが入らないようだったら、いいから消えろ、な?  ――で、その3500字を、なにに、どう振り分けるかは、お前の自由にしていい。例のバンドものの続きを書くことに使ってもいいし、なんか課題やっててもいいし。別な長編候補の書き出しを始めてもいいし。  ちなみに3500字をすべて使ったなら、およそ一ヶ月で薄目の長編一冊が書ける計算かな。  毎日、字数だけは、報告のこと。  あとリクエストとしては、その「雌型熊田一式」の姉ちゃんでもって、「初めてのデート、待ち合わせ時間、相手がやって来るまでひとり」とかいうのを見たいなぁ。  ちなみに、こんなの――。  プロになってからのことを考えれば、まだまだ甘っちょろいものなんだぞ。速度でこそプロと同等のことを要求されているが、質に関しては、なにも問われちゃいないんだから。  プロに求められるのは、執筆速度としては、こんなもの。さらにクオリティとしては、金を取って売り物にできる「商業レベル」なわけだ。  ちなみに「No.124 愛しさの朝食」だが、まあ、読めたぞ。  これならキャラクター小説として、充分に通用するだろ。ライトノベルという激戦区にあっても。  「○○ちゃんが好きー」ぐらい、言ってもらえるだろう。 (「キャラクター小説」だとか、そういう分類をしちゃっている時点で、進化に乗り遅れている時代遅れのイキモノであることを自白しちゃっているようなものなのだが。ここではあえて使ってみる。  ちなみに俺、小説に「キャラクター小説」と「それ以外」があるってことさえ知らなかったし、自分の書いているものが「それ」であることを自覚したこともなかった。小説でキャラが立っているのは、それ、あたりまえのことじゃん。小説って、ふつー、そういうもんじゃん。  あと阿智太郎さんとかに聞いてみたら、阿智さん、自分がギャグを書いているという自覚がなかった。やっぱりなぁ、とか思った。俺もSF書いてる自覚はないし。あと中村恵里加さんに聞いてみると、べつに痛い話を書いているという自覚はないそうで。……以下略。  ミステリもそうだしSFもそうだし、そのジャンルの一線でやっている人間ってのは、自分がそのジャンルを書いているということを自覚していないもの。まあ戦略として考えるときには、売り込み先を考えなきゃならないから、自分の書くものを客観的に見つめて、ジャンルの枠をはめることになるんだけど。  ジャンルって囲いを作って、モノゴトを率先して区別したがるのは、その囲いの「外側」にいる人間であるわけだ) -------------------------------------------------------------------------------- セミプロについて(追記) No.7988 投稿日 2004年5月7日(金)17時41分 投稿者 鷹見一幸  十年土の下にいて、一週間だけ世に出て、思い切り鳴いて、そして死んでゆくセミを揶揄するつもりもないし、そういった作家がいても良いと思う。  俺はそういった作家を否定する気は無い。  ただし、それには条件がある。 「その作品が歴史に残る名作だった場合において」  という条件だね。  作家にとってみれば、自分が書いたものが凡百だとは思うまい。誰だって自分の書いた本がベストセラーになるだろうと思って書いている。  まあ、そこまで行かなくたって、そこそこ売れるだろう、年に二、三回は増刷もかかるだろう、くらいの自信は持っているに違いない。  でも、結果はすぐに出る。  増刷もかからぬまま、初版売り切りで絶版になる本がどれほど多いか、残念ながら作家志望者も、ほかならぬ作家ですら知らない人が多い。  作家という仕事を「芸術家」の部類に入ると思っている人は、これから先の文章を読まなくてもいい。おそらく理解できないだろうし、理解してもらおうとも思わない。  作家と言う仕事を「物語製造納入業者」だと思える人は読んで欲しい。  作家と言うのは仕事であり、仕事とは労働の対価としてお金をもらうことをいう。そして、作家の労働は「物語を作り、それを他人に読めるもの(文章)にして、出版社に納品する」という行為をいう。  それ以上でもなければそれ以下でもない。  納品した製品が、市場に出せないものであれば、当然納品先から返品を食らうし、納品先のチェックを受けて市場に出ても、市場で受け入れてもらえなければ、当然次の受注量は減少する。  今はPOSで管理している書店が多いから、早売りの段階で売れ行きがわかるから、電撃文庫などでは正規の発売日の前に増刷が決まったりするんだが、通常は発売して三ヶ月で、売れ残った本は書店から返本がある。  この時点で、その本を書いた作者に対する評価が決まる。  売れなければ、次に出す本の部数が確実に減る。  売れていれば、次に出す本の部数が確実に増える。     でも、さすがに出版社は商売だ。よほどのことがないかぎり、損はしない。増刷がかからない初版売り切りの本でも、とりあえず三年以内に売り切ってしまえば出版社は損はしないようにできている。   出版社にとって、良い作家とは儲けさせてくれる作家だが、それと同時に「損をしない作家」と言う存在も大切だ。  爆発的に売れなくても、出す本出す本、初版部数はきっちり売れる。  いわゆる打率の良いシングルヒッターも大切にされる。  三年というのは、本の寿命を決める一つの区切りだ。どんな本も初版が出てから三年目に一回、審査を受ける。  売れ行きとか在庫の量とかを調べて、売れ行きの悪い本はそこで絶版にされ、出版社の倉庫にある在庫はすべて廃棄処分され、断裁工場に送られて紙くずにされる。  初版が出て三年過ぎてもまだ増刷されているロングセラーは、実に少ないのが実情だ。  名作、傑作、歴史に残る大ベストセラーを書くというのは、いわば満塁場外ホームランをかっとばすようなものを言う。  誰だって、本音を言えばホームランを打ちたがっている。  ベストセラーなんてのは、書こうと思って書けるものじゃない。だとしたら、作家として食っていくために必要なのは「とにかく書く」ことしかない。という簡単な事実だ。  さて、つらつら書いてきたわけだが、要するに俺が言いたいのは。 「物語製造納入業者に求められる資質は質と量と速度」  という実に簡単で単純な事実にすぎない。  一冊、二冊しか本を出さずに消えて行った人たちは、この「質と量と速度」という条件をクリアできなかった人たちだと俺は思う。  この中で一番大事なのは「質」であることは言うまでも無い。しかし、いわゆる市場に出せるレベルさえクリアしていれば、その次に求められるのは「量と速度」だ。  本屋と言う松林には毎年毎年、何十匹というセミプロが地中から出てきて鳴く。  そのセミプロたちが、十年土の下にいようが、十七年いようが、そんなことはセミプロにとってのみ意味がある。他人にはまったく意味が無い。  世に出て、どれだけ鳴き続けることができるのか、それがセミプロの評価となる。  良い声で鳴くセミプロもいるだろう、大きな声で鳴くセミプロもいるだろう。  そして何年か続けて、鳴き続けることができたとき、セミプロという言葉からセミが取れてプロとなるような気がする。  ここ最近、羽化しやすい松林が増えた。  地中にいたセミの幼虫たちにとって、これは太陽の光を浴びるチャンスが増えたということだろう。  しかし、その松林の松の木の根元には、この先セミプロの死骸がいっぱい落ちるような気がしてならない。  彼らの上に吹く冷たい世間の風は俺の上にも吹いている。その点においては全くの平等であり、まあ、それが市場原理というヤツだな。  俺もいつかは松の木の根元に骸を転がすだろう。  それは確実な事実でありそこから逃げることはできない。  そんな作家もいたよね。といつか言われるときが来る。  だからこそ、今、書かなくてどうするんだ。と俺は思う。  時間が無いんだ。  名無し2号君の前にある砂時計も俺の前にある砂時計も、これを読んでいるすべての人の前にある砂時計も、同じ速度で砂は落ちてゆく。  こんな書き込み読んでる場合か?(笑 -------------------------------------------------------------------------------- 蝉[せみ]はセミセミセミと鳴くから蝉[せみ] No.7989 投稿日 2004年5月8日(土)01時36分 投稿者 弟切 千隼  題名はガセネタっぽいですが、全くの愚説ではないようです。クマゼミなどの「しゃあしゃあ」鳴く声を「せみせみ」と聞きなして、それがセミという名のもとになったという説があります。 2号さんへ >  課題部屋のNo.932にある千字課題「愛しさの朝食」を読みました。  新木さんがおっしゃるとおり、姉と妹と、両方ともキャラクターがちゃんと立っているな、と感じました。  弟切もキャラクターを立たせるのが苦手です。2号さんの工夫を盗んで、少しでも上達します。  ということで、自分の勉強を兼ねて指摘させていただきます。主に、姉と妹の対比を示しているところに注目します。  以下、引用はすべて「愛しさの朝食」からです。本文はこちら↓ですね。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=932&e=res&lp=932&st=0 >> それぞれ、青色と桃色のパジャマを着た女性ふたりが、テーブルに差し向かいになって食事を摂っている。  二人の対比が最初に示されるのがここですね。服の色が、二人の性格を象徴しています。沈静の青と、うきうきした桃色です。 >> 青いパジャマを着た女性は、ほとんど音を立てていない。 (姉) >>そのたびに箸が皿と当たって音を立てる。 (妹)  静かな姉に対して、妹は騒がしいです。 >>まっすぐに伸ばされた背筋を、しっとりとした黒髪が覆っている。 (姉) >>寝ぐせの凄さも派手に見せる原因だったかもしれない。 (妹)  姉の髪は手入れされていて、妹の髪は寝ぐせがそのままです。いつも身だしなみに気を使っている姉と、少々だらしがない妹の対比が出ています。 >>おみおつけを、すぅ、とかき混ぜ、わかめとねぎを浮きあがらせてから、おもむろに啜る。 (姉) >>大きな瞳をときおりしょぼつかせつつも、目玉焼きの黄身をつぶして、しょう油と混ぜることにご執心だった。 (妹)  上には、二重に対比がかかっています。  まず、料理の種類です。姉が『おみおつけ』という和風のおかずを選んでいるのに対し、妹は『目玉焼き』という洋風のおかずを食べています。  もう一つは、食べ方です。姉の食べ方は上品ですね。音もなく啜っている様子が伝わります。対して、妹の食べ方は下品です。音はまったく書かれていないのに、黄身をつぶすぐちゃぐちゃという音が聞こえるようです。 >>小枝子はテレビを流し見した。 (姉) >>おもむろに箸でテレビを差す。 (妹)  テレビの見方も、姉妹で対照的ですね。  姉は視線だけ動かしてテレビを見、妹は視線と一緒に箸をテレビに向けます。表情が乏しい姉と、ボディランゲージまで使った表情豊かな妹、という対比ですね。 >>「ばからしい」 (姉) >>「ふんふん、あたしは……げっ、最下位だぁ。しかも友人に注意、だってさ」 (妹)  テレビの占いに対する姉妹の台詞です。姉は全く信じておらず、歯牙にもかけません。妹はかなり信じていて、いちいち反応します。理性で動く姉と、その場の感覚で動く妹ですね。 >> 早希は自然な動きで小枝子の顔を見つめ、笑顔で首を横に振る。 >>「ううん。ぜんぜん知らないよ」 >> 小枝子は視線を妹から外さない。早希も姉から外さない。 >> やがて、ぼつりと小枝子が呟いた。 >>「なるほど、占いが当たったか」  ここは、姉妹の対比を示しているところではありません。が、特筆すべき部分だと思ったので、取り上げました。  第三者の読み手にすれば、妹の言動には、全く不自然なところがありません。なのに、姉は妹の嘘を読み取っています。姉の洞察力や、妹に対する思いやりが出ていて、「お姉さんさすが」と言いたくなりました。  よーく読めば、妹の言動が不自然なのはわかります。それまではがさがさと落ち着きがなかったのに、急に静かになっているのですよね。 >> 艶のある姉の黒髪を、早希は黙って見つめている。 (姉の髪の様子) >>肩まで伸びたよれよれの髪は、すこし赤茶けていた。 (妹の髪の様子)  姉は黒髪で、妹は茶髪なのですね。伝統的な和風美人の姉と、今風の洋もの風俗に染まった妹、という図が浮かびます。  「愛しさの朝食」は女性二人を書き分けられればよいので、何もかも対照的に書いてあるのですね。青色と桃色、静と動、和風と洋風、上品と下品、といった具合です。  このように対照的に書いてゆけば、一見似たような二人を書き分けることはできる、とわかりました。  これが三人や四人の書き分けになったら、単純に対照的な物事を出して書き分けることはできません。  例えば三人ならば、信号機の三原色(赤・黄・青)を各人物のイメージカラーにして振り分ける、なんていいかも知れませんね。四人ならば、春夏秋冬の四季を人物のイメージに当てはめると、上手くいくかも知れません。  と、ここまで考えて、はたと気づきました。人物のイメージを色で決めるのって、特撮の戦隊ものの常套手段ですよね(笑)  戦隊ものの隊員の数は、たいがい五人です。時々三人というのもありますね。  特撮ものの元祖ゴレンジャーですと、赤、青、黄、緑、桃色で五人です。情熱的なリーダーの赤、冷静なサブリーダーの青、コメディアンが入ってる黄、無邪気で優しい緑、唯一の女性である桃色、と、きちんとキャラクターが分けられていますね。  戦隊ものではありませんが、現在放映中のTVアニメ『ふたりはプリキュア』では、同等の力を持った魔法少女が二人登場します。片方は白がイメージカラーのキュアホワイト、もう片方は黒がイメージカラーのキュアブラックです。片方が悪役というわけではなくて、二人とも正義の味方です。  正義の味方で黒、というのは珍しいですね。二人の魔法少女のキャラクターを立たせるために、あえて対照的な「白と黒」にしたのでしょう。2号さんのやり方と同じですね(^_^) -------------------------------------------------------------------------------- ABCDEFG〜 No.7990 投稿日 2004年5月8日(土)06時54分 投稿者 竹井 比呂  1000字課題あげました。とりあえず三つです。  思ったより書けなくてブルーです。  が、落ち込んでてもしょうがないと思うので、前向きにがんばります。  一つは、リレー走でこけちゃったランナーの話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=933&e=res&lp=933&st=0  一つは、学校の階段の前で怪談を話す怪談好きな男を不愉快に思う男の話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=934&e=res&lp=934&st=0  一つは、ストーカーの話。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=935&e=res&lp=935&st=0  よろしくお願いしますです。  なお、どうもパソコンの調子がおかしいようで、書き込みが一部おかしくなっております。申し訳ありません。  近日中にパソコンを直しますので、今日のところはどうかご容赦を。 -------------------------------------------------------------------------------- こんちわす No.7991 投稿日 2004年5月8日(土)10時23分 投稿者 名無し君2号  なんだか追いつめられな2号です。  ジムのオーナーには「てめえいいかげんにサボり癖を直さねえんならもう来んな。ていうか視界から消えろ。そして田舎に帰れ。宇宙の彼方、イスカンダルへな! あ、アンドロメダだっけか?」と宣告されたし、かと思えばベテランボクサーがありがたげな話をしていて、黙って聞いていればシメの言葉が「つうかさ、お前こんなことやってる暇あんの?」って、翻弄されまくりというか、最後思わず笑ってしまったというか、もしかすると、タチが悪くないと作家にはなれないんでしょうか。  どうしようかな、へヘイヘイ。  まあ、なんとかなるんじゃないかな、とは思ってますけど。  一日3500文字……40文字×30行で、だいたい3ページとちょっとなんだな。簡単そうにみえて、なかなか埋まらないんだなこれが。  まあ、なんとかなるんじゃないかな、と思いたい。  ということで今日の字数報告です。  バンドものの続きを書いていました。今日は書ける日だったので、およそ6000字ほどはいきました。もっとも、ここからさらに無駄な文を削るわけで、実際は3500文字程度なんでしょうかな。6時間ぐらいかかったのです。  連載ものはいいんですよ。次になにを書けばいいのか、すでにネタはあがっているので、まあ楽といえば楽です。  問題は普通の1000字課題であって……「こんなのが読みてえなあ」というリクエスト、じつはすごくありがたかったりします。  まあ、なんとかなればいいなあ。頑張れ、自分。 >弟切さん  分析、ありがとうございます。  本人も気づかなかったところが多々ありました。  こちらで種あかししますと、今回は「対比させよう」という意識はあまりありませんでした。ともかく「貰われっ子ミーツ四兄弟」のキャラクターを性別転換させよう、そんな意識だけでいっぱいでした。  ですので、うまくいったのであればそれは「四兄弟」がうまく対比できていたんでしょう、多分。  そこで気になったのが、おそらく一見は似たような属性になるであろう、無口な長男と、まじめな三男を姉妹にしたら、いったいどうなるのかということ。  ……。  なんとかなりそうな気はする。近いうちにやってみようと決意。 >竹井さん  読みました。 >「5/8、No.3『ランナー』」  まずはこちらから。 >> ピストルの音が鳴って。 >> 俺は風になるはずだったのに。 >> どうして、地面がこんなに近くにあるんだろう。 >> バトンがすぐそこに転がっている。他校の選手の姿が見えない。 >> なんとなく額に手をやる。ぬるっ、と、変な液体がついた。  ここ、ずっこけたランナーの思考です。  まず「衝撃」がないですよね。体への衝撃と、心への衝撃と。もしかして脳しんとうでも起こしているのかな、と思ったんですが、読み進めてゆくとそうでもなさそうですし。これでたとえば、あわてて立ちあがるもよろめいた、というならわかるのですが。転んだなら、とりあえずは立ちあがろうとするもんじゃないですかね。 >> 一瞬だけ空気が止まる。すぐにざわざわとした音が世界を汚し始めた。おせんにキャラメル、冷たいドリンク。どこどこの誰それがゴールしましたよ。なにソレ? 幸せそうですネ。うるさい。うるさい。うるさい。  おせんにキャラメルを売っているリレー走というのは、どうなんでしょうか。主人公がもしも学生であるなら、そんな陸上競技会場は無いような気がします。 >>「……そっか」 >> 由美が目元を緩ませて、口元を歪ませる。顔を笑わせる。 >> まるで、本当に笑っているみたいだ。笑っているみたいに見える。  すっころんだ主人公を助けようとしたマネージャーが、「大丈夫だって!」と一喝されて目を潤ませている場面です。  私が読み違えてなければ、主人公は頭から血を流しているはずですよね。  そんな怪我人がわけのわからないことを怒鳴り散らしていても、普通は気にしないで救護すると思うんですが。ちょいとマネージャーさん、泣いている場合ですかと。 >> 遠くに、チームメイトの顔。海沿いのコースをともに走り続けた仲間たちの顔。失望ですか? 憐憫ですか?  遠すぎて見えませんが、君たちは今どんな表情をしているんですか? >> 生まれてきてごめんなさい。  この「ランナー」という作品で竹井さんが意識したのは「卑屈な思考」で、それは十二分に達成されているとは思いますが、ちょいとやりすぎかも。「生まれてきてごめんなさい」って、太宰治でしたっけ。  ここで私は笑ってしまったんですが、それでよかったんでしょうか。 >「5/8、No.4『学校の階段』」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ここで最後だね」  藤校怪談倶楽部部長、須藤亮は、汚くなって白なんだかクリーム色なんだか分かんない階段の前でそう言った。  運動部の連中のかけ声が聞こえない。割れた窓から差し込む夕日。旧校舎はどことなくひんやりとしている。 「はぁ? まだ六つ目でしょ?」  須藤の横に並び、階段を見下ろし、何言ってんだこいつは、と横目でにらむ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  出だしが「須藤亮は」とあったので、てっきり須藤くんが主人公かと思いました。最後の行になって、須藤くんを横目でにらんだ人が主人公らしいと気づくんですが、ちょっとわかりづらいです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ここで最後だね」  藤校怪談倶楽部部長、須藤亮は、汚くなって白なんだかクリーム色なんだか分かんない階段の前で、私に向かってそう言った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  せめて、こうやって「私」を出してくれれば、だれが主人公が意識しながら読むことができるんですけども。 >>「……へぇ」 >> 頷いて、階段を見る。ここが姉さんの死んだ場所か。なるほどね。 >> 死ぬのはここにしよう。  やっぱりここで笑ってしまったんですけども。  ちょいと飛びすぎだと思います。この主人公もなんだか「卑屈」な感じですね。 >「5/8、No.5『ウォッチ』」  これも「卑屈」っぽい。  あえて内容には触れない。  なにやら「卑屈」づくしな今回の課題。  卑屈を辞書で引いてみますと、 ■ひくつ 0 【卑屈】 (名・形動)スル[文]ナリ 必要以上に自分を卑しめて、他にへつらうこと。おどおどしていじけていること。また、そのさま。 「―な態度」「少しも―することなく此民権を張り/民権自由論(枝盛)」 [派生] ――さ(名) (goo辞書より引用) ■ひ‐くつ【卑屈】  気力がなくて品性の卑しいこと。いじけていくじのないこと。「―な態度」 (広辞苑第四版より引用)  どちらかというと広辞苑の「卑屈」でしょうか。  もしかすると、これが竹井さんの武器になるのかもしれませんが、いまのままだとかなりエグいです。味を薄めるか、味つけそのものを変えるか、もうすこし考えたほうがいいかもしれません。  レスには2時間ほどです。 -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7992 投稿日 2004年5月8日(土)15時43分 投稿者 新木 伸 >2号  べつに頑張らなくって、いいんだってば。  頑張ってやっていることは、無理しているってことだから、長続きしないぞ。  1日3500字、文庫本にして5ページ程度を書くことを日常にしろと言ってる。4時間かそこらは執筆に使う生活を「普通の日常」にしろと言ってるわけね。  いま、原稿に向かってさえいれば、なんか書けるような体には、なってきているわけだろ。なら、4時間向かうだけのことだろ。  だいたい1日4時間なんてのはな――。  遠距離通勤のサラリーマンが、電車に揺られている毎日の「通勤時間」と同じなんだよ。  その程度の時間も小説に向けられないっていうなら、作家を仕事にするのは無理だから、やめろと言ってるだけね。俺は。  毎日4時間が無理なら――電車乗って通勤することが無理っていうなら、遠距離通勤のサラリーマンを勤めあげるのは無理だわな。  ま、作家やるのも、無理だわな。  プロの作家が苦しいのは、先が決まっていなくても、詰まっていても、いまの原稿に向かわなきゃならん時があるからだ。そして毎日定量の原稿枚数を出していかなければならないからだ。  お前に課しているのは、「なにか4000字書け」というものでしかない。なに書いてたっていいんだぞ?  ずいぶんとユルいものなわけね。  1000字課題を日課でやらせていたときに、ネタがないところから搾り出してきて書かせることはやらせたよな。ネタなんか、出そうと思えばまったくのゼロからだって、どうとでもなることは、体で理解してるよな? >竹井  うーん。まあ、一行コメントくらいは付けてやるか。最初だし。  本当は、箸にも棒にもかからんモノには、「無視」というのが、もっとも正しい返辞ってものだろうが。 >>933 re(1):1000字課題、5/8、No.3『ランナー』  酔ってる。 >>934 1000字課題、5/8、No.4『学校の階段』  酔ってる。 >>935 1000字課題、5/8、No.5『ウォッチ』  酔ってる。さらに一発ネタ病。  卑屈な雰囲気が漂っていること自体は、いけないわけではないのだ。  それを喜ぶ人は、まああまり多くはないだろうが、そういうのを面白いと思う人もいるだろうし。きちんと書けば、読めるものになる。  ただ、書いている人間が酔ってしまうことと、読者を酔わせることとは違うのだ。  水商売で客商売系のお姉さんがたは――。  とかいっても、竹井にはピンとこないかもしれないが。  バーやクラブのホステスさんとか。客の相手をするときに、勧められるまま自分も酒を飲みはするが、自分は決して酔ったりしない。客を酔わせて楽しく金を使わせるのが、彼女らの仕事なわけね。  自分も酔えて楽しい。客も大いに酔って楽しい。――というのがベストであることはいうまでもないが。  それができないときには、自分は酔わず、客だけでも酔ってもらうわけだよ。  これ、サービス業の基本ね。  そして作家業ってのは、もちろん、サービス業のひとつね。  お前のは自分だけ酔ってはしゃいじゃっててて、客はしらふのままで、シラけてる。  ホステスとしちゃ、最低だわな。  お前のやるべきことは、書いている最中の自分に陶酔することではなくて、それを読んだ読者の気分を、登場人物の気分と同じものに変えることだ。 >“壁”の向こうにいる竹井  煙草吸ってるやつの話にせよ。  徒競走でコケたやつの話にせよ。  人気バンドやってるやつの話にせよ。  ストーカーやってるやつの話にせよ。  物事を上っ面だけでなぞっていて、わかった気になっているから、自分ひとりで陶酔していて、読者を連れていけないんだよ。  なにもかもが「こんなふう」と適当にされている。そこに書かれていることを、お前自身が信じてないだろ。  たとえば徒競走の競技場の場面とか。  お前の脳裏にある「陸上競技会」のイメージってのは、「おせんにキャラメル〜」と売り子が歩いている牧歌的で能天気で、クレヨンで描かれたラクガキみたいな、現実感のないのっぺりとした嘘くさいセカイなわけね。  お前、本当にそう思っているわけ?  お前自身でさえ信じられないようなもんを、書くなっつーの。作者のお前が信じてないようなもんを、俺ら他人が信じられるはずもねーだろ。  あとライブのやつとか。 >>俺から手の解く距離で、露出度の高い服を着たネーちゃんが、赤毛を振り乱しながら右手を掲げていた。  この「露出度の高い服」ってやつ。具体的にどんなんか、お前、ちっとも考えてねーだろ。  本当に字面通りに、「露出度の高い服」という概念的なものが決まっているだけで、「実際にはどうなのか」なんて部分はすっぽりと空白になっているんだろ。  俺が面と向かって、お前に「具体的にはどんな服なの?」という質問をしたとしたら、「えーと……」と考えなきゃならんところだろ。  ただ言葉ヅラだけで、物事の上っ面だけを拾うように、「ライブに来てるねーちゃんたちだから、そりゃ露出度が高いだろーなー」くらいの浅い思考で、適当に「こんなふう」って決めちゃっていたわけだろ。  昔、2号のやつも、そんな難病にかかっていた。まあここを見ろ。 http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=551&e=res&lp=551&st=0 (該当箇所の部分引用はこちら) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  豪華な調度品で囲まれた部屋のなか、若い男が面白くもなさそうな顔で、テーブルの椅子に腰かけている。リズミカルに、指先でテーブルを叩いていた。  しばらくたって、扉が重々しく開いた。 「おせえよ、ジジイ」 「最初に遅刻したのはどっちのほうじゃ。とうに昼は過ぎておるぞ」  上等なローブを身にまとった老人が、部屋のなかに入ってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  これを書いたコイツは、「豪華な調度品」「上等なローブ」「重々しく開く」――このあたりに関して、本当に、言葉の通りしか決めちゃいない。  いまのお前とおんなじくらい「適当」で、「こんなカンジ」というフィーリングでもって決めている。  「豪華な調度品」ったって、だな。  成金趣味のピカピカの純金と大理石系もあれば、アンティーク系の年代物の古いがよく磨きあげられた系もあれば、一見地味だが質は怖ろしく上等なもの系もあれば――色々とあるわけだよ。  だが、そういうものの「どれか」ではないのだ。  具体的なイメージなんてものは、一切、ないのだ。  ヤツの頭のなかにあったのは、ただ、「なんか豪華な家具だとか、なんかそんなの」というものでしかないわけだ。  あと、これもまたわかってしまうのだが……。  これを書いたコイツ、「この部屋の見取り図を引いてみろ」とか言われても、引けやしないんだよ。コイツはな。  これ、プロ作家が、おそらく理解できないことのひとつであり――。  プロとアマチュアとの間に無数に存在する「壁」のひとつであるわけね。  プロ作家に話して聞かせるたびに、必ずといっていいほど、相手は驚くんだよ。まったく想定もしていないんだよ。プロは。そんなこと。  プロ作家ってのは、はじめからその「壁」の向こう側にいたか、自分で乗り越えて向こう側にいって、もうそのことを忘れてしまったか、そのどちらかであり――。  アマチュアっていうのは、プロがその壁の向こう側にいるってことを、ず〜っと永遠に理解しないものなんだな。  いいか?  「豪華な調度品」と小説の中に書いたアマチュアが、その豪華な調度品の具体的イメージを浮かべていないで書いている――なんてことを、理解できるプロはいないわけよ。アンビリーバボーの世界なわけね。もう完璧に。  どう豪華なのか決めないで、「豪華な調度品」なんて書くヤツがいるもんか。  部屋を出して、人物やら家具やら、その配置やら、考えもしないで書くヤツなんているもんか。  これがプロの思考であり、常識ってものだ。  なにをどうすれば、そんなに適当にやれちゃうものなのか、まったく、理解の範疇を越えているわけ。  言葉っていうのは、作者の脳裏にある「なにか」を表現するための道具であるからして、なにかが文面に書かれていたのであれば、それに対応する具体的イメージが、作者の「脳裏」に必ず存在していなければおかしいのだよ。  「部屋」ってひとこと書いたなら、見取り図の書ける部屋が脳裏になくては、おかしいのだ。もう絶対に。  脳裏に具体的イメージがないで、言葉面だけで書かれているものは、空の手形のようなものであって、とてもとても「イケナイモノ」なわけね。そんなのアリエナイ。  「壁」のこちら側にいる人間は、そう考える。  表現する「対象」なしに、言葉だけがそこに独立して存在しているなんてことは、おかしいのだ。肉体なしに存在しちゃってる幽霊みたいなもんだ。有り得ないのだ。だから理解できないのだ。  だが君らは、その「アリエナイ」で「イケナイコト」を、やっちゃうわけね。  素でナチュラルに、壁のこちら側の人間が絶対にやらないことを、平然とやっちゃっている。  なにか物書きとしての大切なモラルが、すっぱりと欠け落ちているとしか思えない。  竹井、いまお前は、壁の「そっち側」にいるわけよ。  さいわい、その壁が越えられるものであることは、2号が証明してきている。あとたしか巻島のやつも越えてきてたな。  とりあえず、脳裏に具体的なイメージがない物事は書いてはならない――ってことを念頭におきつつ、しばらくやってみること。  どうしても自力では越えられないようなら、先輩方にアドバイスを頼め。  すでに越えてきている両名なら、なんか、役に立つコツなんかを知っているかもしれん。 (自分でやるだけやってみないうちに訊いていたりしたら、張り倒す)  この壁を越えてくる方法については、俺は知らんから、俺には訊くな。  物書きとして物心ついたときには、すでに「こっち側」にいたもんでな。 (5歳のときに油粘土で「鉄腕アトム」をこしらえていたもんだが、内部メカまで再現してたし。宇宙船の絵を描けば、メカニズム図解式になってたし。いまは機械を眺めると内部メカが透視でもするようにイメージできるし(構造を知っている機械に限る))  とりあえず、「書いた言葉」と「書こうとする具体的イメージ」との対応関係を確実に取れるようになって、まず「こちら側」に来い。 -------------------------------------------------------------------------------- 宿題提出 No.7993 投稿日 2004年5月8日(土)23時54分 投稿者 春日秋人  新木さんに言われた宿題を提出しました。 >家や部屋を示す言葉  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=936&e=res&lp=926&st=0 >部屋に閉じこもる彼女を扉越しに感じる100の書き方  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=937&e=res&lp=926&st=0 -------------------------------------------------------------------------------- プリンセスに対してパワフルはあんまりでは No.7994 投稿日 2004年5月9日(日)01時06分 投稿者 名無し君2号  バレーボールのオリンピック最終予選が始まりましたなぁ!(今日の挨拶)  もちろん私の興味は女子代表にしかないわけなんですが、けっこう楽しみでしたし、さっそく楽しみました。  じつをいうと、いまだルールはよくわかっていなかったりするんですが、ともかく相手のコートにボールを落とせばいいんでしょう。アナウンサーの解説を聞きつつ、一流選手が超一流の選手に挑むところを優しい気持ちで眺めていきたい所存です。  もっとも、今回は強い国はそんなに出場しないみたいなんですけどね。ちょっぴりつまんない。  そもそも世界大会の予選だというのに、全試合を日本でやるって、それはどういうことなんだろうか? サッカーだって野球だって、自地と敵地で交互に試合するもんじゃないだろうか。なんだかよくわからないことばかりで、だからこそ楽しいのかもしれない。 >1000字課題  No.125「愛は純粋ですから」(4000文字) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=938&e=res&lp=550&st=0  昼休み、教室にいる少年に食事代を借りに来た奔放な彼女と、少年に惚れている堅物委員長のやりとりを描いた話。  これは前に書いた、2/3分、No.103「テディベアと少女」のリライトです。 (2/3分、No.103「テディベアと少女」のアドレス) http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=784&e=res&lp=784&st=0  ただし、登場人物は全員性別を変えてあります。  熊のごとき様相だった熊田も女性、かわいさを目指した女の子は少年に。委員長も男性から女性へと変わりました。どんなもんでしょうかね。  あとこれは関係ないことではありますが、最近、ちょっとしたエロ描写なら抵抗なくなってきたのココロ。きっといいことなんだ、と信じたい。  さて、「〜のココロ」って、なにから始まった言葉なのだろうか。 >春日さん >部屋に閉じこもる彼女を扉越しに感じる100の書き方  一通り読みました。 >>34 鉄の扉一枚隔てて、壁に八当りする音が聞こえてくる。それもやがて奥へと遠ざかり、聞こえなくなる。  私はこれがお気に入りです。  彼女の性格らしきものも、なんとなく伝わってきますし。  そもそも、厚い鉄の扉をへだてて人の気配を感じることができるとは、どうも思えないんですね。怒った彼女が、彼氏を部屋から追い出したなら、うーん、そうですね……。 ・ドダーン! という扉の閉まる音が鳴り響くなかを、すたすたと部屋まで歩いてゆく。 ・扉を閉めて、すでにいなくなった彼氏をしばらく睨みつけ、それから部屋までゆく。 ・扉を閉めて、その場に崩れ落ちる。 ・扉を閉めて、回れ右、背中を冷たい鉄に預ける。  たとえばこんな行動を取るとして、やっぱり扉の向こう側には伝わらないような。やっぱり、最初の閉まる音が問題です。それでかき消されてしまうのでは。  これで扉が鉄ではなく、アルミのちょっと安っぽいものなら話は変わってくるんですが。  レスには2時間ほどです。書いた字数は4000字。 -------------------------------------------------------------------------------- 音と訓 No.7995 投稿日 2004年5月9日(日)02時17分 投稿者 弟切 千隼  最近、夜になると、我が家の周辺でぶおんぶおんとバイクの音が聞こえます。暴走族が走り始めました。  今どき暴走族ははやらない気がしますが、湘南にはいまだに走っていますね。暖かい季節になると暴走族の音が聞こえて、「春になったなあ」と感じます(爆) >音読みと訓読み  なぜ音読みの漢字熟語が、訓読みの漢字熟語よりわかりにくいのか、考えてみました。  例えば、「おん」という音読みを持つ漢字を、いくつか挙げてみます。  音、苑、恩、怨、遠、温、穏、蔭、隠、陰  ぱっと挙げただけでも、上のように十個くらいは出てきますね。  上の漢字を見てすぐ気づくのは、「おん」という読みは同じでも、それぞれ全く意味が違うということです。つまり、読み方と意味の間には、全く関係がありません。  読み方と意味の間に関連性がなければ、読みを聞いただけでは、意味を確定することができませんよね。  たった一つの漢字からなる言葉であっても、「おん」という読み方からは、いくつもの意味が推定されます。これが二つ以上の漢字からなる熟語になったら、ますます推定できる意味が増えてしまいます。  たとえば、「おんこう」と読む漢字熟語には、ざっと思いつくだけでも、以下のようなものがあります。  温厚、温光、音効、音高、恩光、恩幸、恩降  上記の熟語も、それぞれ全く意味が違いますね。これらの漢字熟語を読む人は、読み方では区別が付かない言葉を、漢字を見て、意味を区別して、判断しなければなりません。  さて、今度は訓読みについて考えてみましょう。  試しに、最初に挙げた「おん」と音読みする漢字を、訓読みしてみます。送りがなを付けたほうがわかりすいものは、送りがなを付けました。  音[おと]、苑[その]、恩[*訓読みなし]、怨[うら・む]、遠[とお・い]、温[あたた・かい]、穏[おだ・やか]、蔭[かげ]、隠[かく・れる]、陰[かげ]  訓読みのない「恩」を除いて、ほとんどの字が、読み方を聞いただけで意味がわかりますよね?  ということは、読み手の脳への負担が少ないということです。  音読みの漢字の理解経路は、 ●読み方を聞く→漢字を見る→理解  訓読みの漢字の理解経路は、 ●読み方を聞く→理解 ですから、訓読みは理解経路が一段階少ないですね。わかりやすいはずです。 -------------------------------------------------------------------------------- >2号さん No.7996 投稿日 2004年5月9日(日)03時00分 投稿者 春日秋人  感想ありがとうございます。  閉める音に関してはいちおう、鍵を閉めるという動作を間に挟んでいるので、それほど気にしなくていいのではと。  そう思って書きました。  なかの気配が伝わるかどうかは怪しいところですね。  気配くらいなら隔壁というほどでもないし、伝わると思うんですが。  実際に確かめてみないとなんとも言えませんし、確かめずに書くなと言われればそれまでなんですが。  そもそも鉄製の扉のあるアパートという認識がおかしいみたいです。普通は木製なのかな。  認識としては、賃貸がアパート。分譲がマンションという具合。  そういう自分の間違いも考慮した結果、今回、僕のなかでの一番はあのようなものになりました。  伝えたいことは伝わるはずですので。  彼女の性格をあらわすには足りませんけれど…… -------------------------------------------------------------------------------- いろいろ No.7997 投稿日 2004年5月9日(日)07時37分 投稿者 新木 伸 >春日 >936 家や部屋を示す言葉  ふざけんな。  やる気あるのか。  「仮設住宅」なんて出してるまえに、もっと出してくるべきものがあるだろうが。  「団地」はどうした? 「下宿」は? 「プレハブ」は?  おまえの頭の使いかたが、わかった。  使いかたが悪い。「思考」してない。「妄想」や「夢想」のレベルで駆動させることを、お前は「考えている」のだと勘違いしている。まるで竹井並みのアホさ加減だ。  だからこうして見落としが出るんだ。(いま指摘されて、「しまった」とか思ってるだろ)  ネタ出しをやるときには、ただ漫然と思いついたまま並べていっても意味がないのね。そもそも、なんのためにやっているのかを考えろ。  大事な一個を出してきて決定するためのネタ出しだろ。完璧な一個が初めに出てきたら、そのまま「採用」しちゃっても構わないわけよ。残りの99個は出す必要がなくなる。天才ってのは、そうした直線的な思考をするもんなんだろうが、凡才はそこに至るまでに100倍の努力を重ねなきゃならんものなのね。  だから100個出す必要があるんだ。  しかし出すにしたって、お前のそのやりかたでは意味がない。  たとえば今回のときとか。  「家」に関連した言葉を探すときには、「使用頻度の高い順」に頭の中を検索してみるわけだよ。  検索エンジンのGOOGLEなんかで、なにか調べ物をして、ページをクリックしてゆくときでも、検索結果のいちばん上から見てゆくものだろ?  たとえば「家」に関する言葉を100出してくるのだとする。  そしたら「団地」なんてのは、上から10位以内には確実に入ってくるものだし。「下宿」は20位くらいだろうし。「プレハブ」は30位あたりだわな。  なんでそんな上位のものを差し置いて、「仮設住宅」やら「官邸」やら、下のほうにあるものが出てくるんだよ。  そんなもん、「思考」とはいわんわ。  やり直しだ。  よく使うものから思いつく訓練をするつもりで、もういちど、はじめからやり直してこい。  そうして出てきた順番のまま、見せること。出してから並べ直すのは禁止な。 >937 部屋に閉じこもる彼女を扉越しに感じる100の書き方  100出してきたのは立派だが。話になんねぇ。  ここまで日本語が壊れていると、まず読むのが苦痛であるわけだが。  苦痛を押して読んだとしても、なにが書いてあるのか(なにを書こうとしていたのか)理解するのに一苦労だわ。  まず100行でなくて100個出してくるわけだから、各行のあいだに空行かデリミタを挟んで切り離せっての。  俺の頭は繋がっている文章は段落として認識するようになっているんだよ。まとまったブロックとして読んでしまうから、いちいち個別の行だと思い直すので負担がかかる。  こっちでデリミタとして線を挟んだけど。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 34 鉄の扉一枚隔てて、壁に八当りする音が聞こえてくる。それもやがて奥へと遠ざかり、聞こえなくなる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 55 勢いよく閉められたためか扉はまだ震えていた。だから足音はこれっぽっちも聞こえなかった。靴を脱ぐ音さえも聞こえなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 66 思わず彼が扉に触れると、それを見計らうように内側から扉が叩かれた。どたどたという足音が聞こえた気がして、気配が遠ざかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 70 扉越しであっても気配は伝わってくるもので、彼女が部屋の奥へと引っ込んだことはわかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  たとえばこうして線で区切ってみる。  するとひとつひとつが「別々」に見えるようになるだろ。  とりあえず、使い物になりそうなのはこの4つだけだな。  このレベルで100個出してきて、そこから1個を選びだすぐらいでないと、実戦では役に立たん。  この率で計算すると、おまえは2500個ほど出してこないと、OKラインの描写が書けないことになる。  ――が、この4つにしたって、ただマグレで出てきただけだろうな。  この4つがなぜ選ばれたのかというと、春日独自の「脳内世界」でなくて、俺らも知ってる「共通世界」に根ざした表記になっているからなわけね。  まあ本当に偶然なんだろうが。  サルだってタイプライターを打ち続けていれば、偶然、人間から見て意味の通る文章を打ってしまうこともあるっていうしな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0  鉄の扉一枚隔てて、部屋の奥へと引っ込む彼女の気配がかすかに伝わってくる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  で、お前の一押しはこれだそうだが。  2号も誰も追究しないのが不思議なのだが。なんか話が通じているところを見ると、2号もお前と同じクレヨン書きのラクガキ世界に居住しているらしいのだが。  まず「気配」って、なんなんだよ?  そこんとこ、説明してくれよ。俺に。  具体的には、なんなの? どんなのことなの? 気配って、なに?  お前の脳内世界には、なんか「気配」ってものが実在しているようだけど。  俺ら、現実世界に住んでいる人間ってのは、「気配」なんてもんは知らないんだよ。見たこともないし、触ったこともないし、出会ったこともないし。  それは見えるものなのか? それとも聞けるものなのか? それとも手で触れるものなのか? 温かいの? 冷たいの? どんな匂いがするものなの?  それとも味があるのか? だとしたらレモン味? ミントの味?  お前がここで書きたいものは、鉄扉を通して伝わる「気配」なのだということは、わかるわけね。そしてその「気配」とやらは、彼女が奥に行っちゃうことで感じられなくなるわけね。  そういうものを、ここでは書きたいわけね。  それは、わかる。  だがまず、「気配」を定義しろ。じゃないと話が始まりゃしない。  ちなみに、上で候補としてあげた、34、55、66、70――あたりは、すべて「気配」に関しての説明や言い換えが、カケラとはいえ存在しているものなわけね。  だから取りあげたわけだ。  まあ偶然なのだろうが。  サル並みの春日も、キーボードを叩き続けていれば、偶然にも、描写と見える文章を打つこともあるということだろう。  気配について、「気配」と書かずに、他の言葉で書いてゆくものを、もっと出してみるように。 ○2号 >エロとか >>あとこれは関係ないことではありますが、最近、ちょっとしたエロ描写なら抵抗なくなってきたのココロ。きっといいことなんだ、と信じたい。  エロ描写に抵抗があるというのは、そもそも、なぜ?  俺、そこんとこわかんない人間なんだけど。説明してくれ。なぜ抵抗があるもんなの?  俺もエロ描写を抑えていたりするが、それは読者が引いちゃうラインを推察して見極めているからであって、べつに自分の中に抵抗があるからではないが。  つまり、お前で言うところの「毒」を抑えているわけね。致死量にならないで、薬となる分量を見極めて、そこまで薄めているわけ。  あと一見すると同じ現象に見えていても、まったく違うことも世の中にはあるのだが。  もともと「エロは恥」と思っていた人間が、なんか吹っ切ったつもりになってトレンチコートの内側の中の恥ずかしい物体を解禁するのと、もともと恥ずかしいと思っていなかった人間が、まわりに合わせてあえて服を着ているそれとは、違うんじゃないかな?  もともと裸族だった原始美少女が、ちょっぴりの服をまとって半裸でいる状態と。  文明人の美少女が、壊れちゃって、半裸となって歩き回って、平然と局部まで晒しているのと。  これは同じなのか否か?  よし次のリクエスト。  アメリカ南部の農家が舞台。  突如、納屋に現れた全裸の少女(原始人)を、家族から隠してエサ与えたり水で体拭いたりして、世話してやる少年の話。  これを書け。  お前にエロのなんたるかを教えてやる。  しかし最近ぶいぶい言わせている2号だが。  舞台を現代日本からちょっとでも離してやると、途端に描写力が破綻すると思われる。  それなんかも見るからな。 >938 1000字課題、5/8分、No.125「愛は純粋ですから」(4000文字)  読めん。  この熊田と小鈴の話、視覚的なキャッチの指摘と研究と練習とをやった回だろうが。  いったんレベルアップしたはずが、そのリライトでは元に戻っちまっているというのは、いったいどういうことだよ?  お前って、なにか1つを覚えると、なにか2つを忘れてゆくんだな。  掴みの部分が読めやしない。よってそこでもう終わってる。  まず食べてもらわないことには、どんなにうまい料理を作ったって意味がないんだって、いつも言ってるだろーが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  勢いよく扉が開いた。  おいしそうな匂いで満ちていた教室に、涼やかな風が流れこむ。扉の滑車が鳴らし た音と、肌を撫でる涼しい感触とに、教室中の視線が出入り口に集まった。  もっとも、机の半分は空いている。さらに半分は机に突っ伏して、牛になろうと努 力していた。残った十名ほどが、突然の来訪者を見つめているだけ。それはちょうど 昼食を食べ終えようとしていた、五十鈴少年もおなじだった。  五十鈴の、いまだ大人のそぶりを見せない顔つきに、驚きが生まれる。それはすぐ に喜びへと変わった。 「熊田さん」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  掴みの部分が、おおむね、このあたりまでなわけだが。  ここの文章は、まったく意味を結ばない。  なぜなら――。  金をもぎとりに来たおっかない上級生の熊田に対して、クラスの人々が見せる様々な反応というものが、ここには書かれているわけだが。  誰が来たのか。どんなやつが来たのか。なぜ来たのか。その部分が書かれていないんだよな。それがないのに、ただ「反応」だけを書いちまっている。  だからどんな描写をしてみたところで、すべて読者の頭から滑り落ちてしまうのだ。  定着しない文章は、なにを書いたところで無駄ってものだ。  つまり、5W1Hがないのだ。  ぶっちゃけ、初歩的なミスだ。  こんな初歩的なミスをやってて、「どうですか?」なんてのうのうと出してきて、指摘する人間の時間と手間とリソースとを奪い取ってるんじゃねーよ。コロスぞ。  まず自分で、この掴みの部分に5W1Hのどれとどれが含まれているのか、分析してみろ。半分以上、欠落してるから。  ここで書くべき5W1Hというのは、以下のことだ。 ・昼休みの教室。背の高い女(上級生)が、すくなくともクラスの平穏を乱すためにやってきた。 (どこ)教室 (いつ)昼休み。 (だれ)上級生の女 (なぜ)クラスの平穏を乱しに (どうする)来た  ――ここまでの情報を掴みで与えれば、読者はようやく落ち着いて次のことに気を向けられるわけね。次のことっていうのは、以下のことだ。 (どんなやつ)背の高くてたくましくて怖い女 (なにをする)可愛い少年に金をせびってゆく >ミスの原因  あれかな?  「データを書くな、データがもたらす結果を描け」――と、そう言った訓辞を、変に誤解しちゃっているのかな。  教室に怖い女がやってきた。  その「データ」は書かず、それがもたらす「結果」のほうだけを書こうとして、それでこうなっちゃったとか?  この場合には、「怖い女がやってきた」というのは、データじゃなくって、因果ってもんだろ。  そこに単体でポンと存在しているだけの、「散り際の桜」とか、「豊かな胸と腰」とか、そういった物事と――。  「怖い女がやってきた」→「クラス中がびびる」という因果関係を持った物事とは、あきらかに違うだろ。  ちと、「胸=バスト」で説明してみるか。  男の子がいる。気になる女の子と並んで歩いているのだとする。  その男の子がいきなり赤くなったとする。しかしなぜ赤くなったのかは、書かれないんだよ。  これは変ってものだろ? 理由がわかんなきゃ、理解することもできない。  ――おまえのやっている間違いは、そんなところだ。  ほぼ同じことをやっている。クラスの様子が変動するが、なぜ変動するのか、その引き金となる「女が来た。怖いやつ」を書いていない。  上の例では、じつは赤くなった理由は、彼女が彼の腕を絡め取ってきたからで。彼の二の腕に胸の感触が当たっていたからで。しかもそれはノーブラらしく……。という、立派で納得のゆく「原因」があったりするわけだが。  しかし、そこを隠されちゃっていたら、赤くなったという「結果」だけ見せられたって、チンプンカンプンだろ。 >竹井  陸上競技のやつね。  感想部屋のほうで、「本物」を知っている希澄さんが突っこんでくれていたけど。  お前の書いていた世界のニセモノっぷりは、わかったか?  その世界を自分で信じていたのか、自分でも信じてないで書いていたのか、それは聞いても無駄だから聞かないことにする。どうせ俺に対しては、受けのよさそうで、耳に心地よい返事をしてくるに決まっているんだから。  言い換えるなら、「より叱られなさそうな答え」ってやつね。  だから聞かない。  そのかわりに、言っておく。  お前が本物のつもりでアレを書いていたのなら、それをアホさかげんを直さないかぎり、お前は一生プロにはなれない。  またお前がニセモノと知りつつアレを書いていたのなら、やはりその小狡い癖を直さないかぎり、お前は一生プロにはなれない。  道は二つある。  本物を徹底的に調べてきて、「嘘はない」と自分の中に確信を持てるようにするか。  それとも嘘の世界のままで、ホンモノにしちまうか。  おせんにキャラメル〜って、売り子が歩く陸上競技会があったっていいわけだよ。転んだら頭から血を流して走行不能になるような、激しい走りかたをするのが常識となっている世界があったっていいわけだよ。  しかしそれは首尾一貫した世界を丸ごとひとつ作り出し、その存在感によって読者を強制的に納得状態に持ってゆくということなんだな。  テメエの主観と見識の狭さと調べようともしないサボリ癖とによって、都合良くねじまげられた子供騙しの世界を見せることとは、ぜんぜん違うんだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- 熱で脳みそ溶解中 No.7998 投稿日 2004年5月9日(日)21時25分 投稿者 弟切 千隼  二、三日前から胃腸の調子が悪かった弟切です。今日は熱が出て倒れました。  背中だけがひどく寒いです。自分で背中に触れて、その冷たさにびっくりしました。こういう症状は初めて経験しました。 竹井さんへ >  課題部屋の千字課題「ランナー」・「学校の階段」・「ウォッチ」を読みました。  三つとも、すでに相当叩かれていますね。弟切も、おおよそ他の皆さんと同じ感想を持ちました。  それでも、中では「学校の階段」が一番ましだと感じました。これは、学生である竹井さんが、最も身近な「学校」を舞台にしたからでしょう。  実体験があることは、書きやすいのですよね。  学校のことでも、アルバイト先で経験したことでも、家庭内のことでもいいですから、しばらくは、実体験している場を舞台に作品を書いてはいかがでしょうか。 「実際に、これはこうなっている!」と確信できることならば、書く「内容」はきちんと決まるでしょう。あとは「内容」をちゃんと伝わるように書けるかどうかですよね。 -------------------------------------------------------------------------------- 気配について No.7999 投稿日 2004年5月10日(月)01時26分 投稿者 春日秋人  まずgoo辞書から「気配」を引いてみました。 けはい【気配】 周囲の状況から何となく感じられるようす。けしき。ありさま。 「だれかがいる―がする」「今にも降り出しそうな―」「春の―」  次に手近にあった小学館の辞書。 気配  漠然と感覚によってとらえられる物事の様子。 「秋の気配がしのびよる」  20年以上前の講談社の辞書。 気配  目には見えないが、なんとなく感じられるようす。  僕の認識もほぼこれらと同じです。 「ただなんとなくそんな気がする」というようなもの。  漠然と感じるもの。  今回の場合は主人公であった彼の、こういうとき彼女ならばどう動くか、という経験からくる無意識な思い込みも手伝っています。  さらに言えば、彼は姿の見えない彼女をなんとか認識しようとしている状態で、そうなれば視覚以外の感覚は当然、敏感になっているはずです。  空気の振動はかすかではあっても伝わってきて、それが作り出す全体の雰囲気みたいなものから、彼は漠然と扉の向こうの様子を感じとるわけです。  すなわち「気配」を。  ここで新木さんが上げられた4つを見てみます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 34 鉄の扉一枚隔てて、壁に八当りする音が聞こえてくる。それもやがて奥へと遠ざかり、聞こえなくなる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 55 勢いよく閉められたためか扉はまだ震えていた。だから足音はこれっぽっちも聞こえなかった。靴を脱ぐ音さえも聞こえなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 66 思わず彼が扉に触れると、それを見計らうように内側から扉が叩かれた。どたどたという足音が聞こえた気がして、気配が遠ざかる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 70 扉越しであっても気配は伝わってくるもので、彼女が部屋の奥へと引っ込んだことはわかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  34は音。  55は音ではないなにか。でも音も素材には使ってる。  66も音からくる気配。  70気配とは扉越しであっても伝わってくるもの。  この4つは気配についてなんらかの説明がなされています。  ここで僕の勘違いが発覚。  そもそも「そういう気配」と書くだけで、「そういう気配」を感るための要素が読み手にも伝わると思っていました。  主人公が「彼女が部屋の奥へと引っ込んでいく気配」を感じたのなら、そういう振動なんかが多少なりともあったのだろうと推測してもらえる、などという都合のいいことを考えていたわけですね。  つまり、気配だけで全体の雰囲気が伝えられると思っていた。  そんな認識のまま書いてしまったから、ああいう食えないものができてしまったわけです。  気配を感じるための要素が抜け落ちている。  気配というのは錯覚であったりする場合もありますが、それでもなにかしらの要素があるはずで、それをどう認識したかの違いなわけですしね。  今度は「気配」という言葉を使わずに100書いてみます。 あと、宿題提出。  家を示す言葉(使用頻度順)   http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=939&e=res&lp=939&st=0  最後のほうは苦し紛れの精神論だったり、忘れていたものにはっと気づいたりして、ごっちゃになってますね。  優先順位としてはおおよそ、  一戸建て>分譲>賃貸>特定の人が使用する>家の役もする(家と言えなくもない)  というような流れでやってみたつもりです。 -------------------------------------------------------------------------------- 早漏でござ候。 No.8000 投稿日 2004年5月10日(月)03時01分 投稿者 竹井 比呂  親の生家から帰ってすぐですか、いきなり降り出した雨の中を原付で飛ばしている内に、なんかムラムラとネタが思い浮かびました。  たった一本かよ――と自分で自分に失望を禁じえないのですが、1000字課題あげました。  登場人物は、別れ話を終えたばっかりのカップル。  今まで彼女の家にいた二人。これから飛行場に向かう彼氏。彼女は地元の駅まで彼を見送りに行きます。  雨の降る夜、駅まであと500メートルの場所に位置する交差点。  そんなシチュエーションで、信号待ちの間、二人が少しだけ会話します。  別れたくないけど、別れなきゃいけない――そんな雰囲気です。 (これ、実は作品にはしっかり書いておりません。伝わるといいなぁ)。  気をつけたところ、とは別に。  気まずさ、なんか感じてもらえたら――いいなぁ。  いいなぁ、なんて言ってないで、感じさせる・伝える技術を身につけろって話ですが。  ともあれ。  1000字課題『雨の降る夜に』をお届けします。よろしくお願いします。  http://www.2nd.tank.jp/tank/cgi/yomikaku_oth_kadai/trees.cgi?log=&v=940&e=res&lp=940&st=0  制限字数ぎりぎりいっぱいです。  キツキツです。改行がぜんぜんありません。ごめんなさい。  まとめる力がないからか、1000字という尺の長さに適した話を思いつけないからか――どっちが 理由かは分かりません。多分どっちもです。  でも頑張りました。無理をした、という意味で。  頑張った――なんて伝えることは、結局糞の役にも立ちやせず、尻を拭く紙にもなりやせず、「出来が悪い」と言われてしまった時に「頑張ったからいいんだ」なんて子供じみた言い訳の言葉を作る助けにもなりえないのですが。  それは分かっていつつも、僕は言いたい。頑張りました、と。  なお、今回は彼女から借りた矢沢あい氏の『パラダイスキス』なる漫画作品を参考にしてみました。あくまで『参考』です、が。  既成作品を参考にする、というやり方は、アイディア出しの能力向上を妨げる気もするんですが、「すべての作品はシェイクスピアのパクリである」なんて話を聞いてしまうと、アイディア出し能力とは別にアレンジ能力なんてのも必要なんじゃないかな、と思いました。  だから今回はアレンジの練習という意味も込めての『参考』です。  『だからどうした?』とは僕も思うのですが、報告させていただきます。   ○ご指摘をいただいた皆様に簡潔にレス。  尻拭いは、作品でします。  意図的に嘘をつくのはやめません。嘘の精度を上げたいと思います。  純金だと言って売りつけられるような極上の金メッキを作って――最高の詐欺師になります。  なれるかなれないかは考えません。ただ『なる』ことだけ考えます。 ○新木さんへ  今回は大学の授業でもらった要らないプリントの裏に書きました。  メモを取ること、今後は遵守したいと思います。 --------------------------------------------------------------------------------